第189回国会 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 第3号
平成二十七年六月十日(水曜日)
   午後一時開会
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   委員の異動
 六月五日
    辞任         補欠選任
     羽生田 俊君     溝手 顕正君
 六月九日
    辞任         補欠選任
     福岡 資麿君     滝波 宏文君
     森屋  宏君     宮本 周司君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         牧山ひろえ君
    理 事
                石井 正弘君
                大野 泰正君
                末松 信介君
                山下 雄平君
                足立 信也君
                難波 奨二君
                長沢 広明君
    委 員
                井原  巧君
                磯崎 仁彦君
                礒崎 陽輔君
                岩井 茂樹君
                山東 昭子君
                関口 昌一君
                滝波 宏文君
                武見 敬三君
                中川 雅治君
                丸山 和也君
                溝手 顕正君
                宮本 周司君
                渡辺 猛之君
                江田 五月君
                芝  博一君
                直嶋 正行君
                前田 武志君
                吉川 沙織君
                魚住裕一郎君
                西田 実仁君
                清水 貴之君
                室井 邦彦君
                井上 哲士君
                吉良よし子君
                行田 邦子君
                江口 克彦君
                中西 健治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野  哲君
       常任委員会専門
       員        櫟原 利明君
   参考人
       神奈川県教育委
       員会教育長    桐谷 次郎君
       立命館宇治中学
       校・高等学校教
       諭        杉浦 真理君
       松山市選挙管理
       委員会事務局長  竹村 奉文君
       特定非営利活動
       法人Youth
       Create代
       表理事      原田 謙介君
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  本日の会議に付した案件
○公職選挙法等の一部を改正する法律案(衆議院
 提出)
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○委員長(牧山ひろえ君) ただいまから政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、羽生田俊さん、福岡資麿さん及び森屋宏さんが委員を辞任され、その補欠として溝手顕正さん、滝波宏文さん及び宮本周司さんが選任されました。
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○委員長(牧山ひろえ君) 公職選挙法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、参考人として神奈川県教育委員会教育長桐谷次郎さん、立命館宇治中学校・高等学校教諭杉浦真理さん、松山市選挙管理委員会事務局長竹村奉文さん及び特定非営利活動法人YouthCreate代表理事原田謙介さんの四名に御出席をいただいております。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
 参考人の皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 本日の議事の進め方でございますが、まず、桐谷参考人、杉浦参考人、竹村参考人、原田参考人の順でお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、各委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、参考人の皆様の御発言は着席のままで結構でございますが、質疑者は起立の上発言することといたしておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、まず桐谷参考人からお願いいたします。桐谷参考人。
○参考人(桐谷次郎君) 御紹介いただきました神奈川県教育委員会教育長の桐谷でございます。よろしくお願いを申し上げます。
 本日は、公職選挙法改正の審議に当たりまして、本県の取組についてお話をさせていただく機会、頂戴をいたしまして、感謝を申し上げます。
 お手元に配付をさせていただいております資料、神奈川県におけるシチズンシップ教育の取組、この資料に基づきまして本県の取組についてお話をさせていただきます。よろしくお願いをいたします。
 資料一枚目の(1)シチズンシップ教育の全体像でございます。シチズンシップ教育推進の考え方でございますが、変化が激しい社会の中で、若者には社会と関わり合いながら生きていく上で必要な基本的な能力や態度、意欲等、主体的に行動する力の育成が求められております。
 そこで、神奈川県といたしましては、資料の右上、取組方針にありますように、これからの社会を担う自立した社会人を育成することを目的とし、積極的に社会参画するための能力と態度を育成する実践的な教育をシチズンシップ教育として、キャリア教育の一環として取り組んでおります。
 次に、左上の実施時期でございます。平成二十二年度の試行を経まして、二十三年度から全ての県立高校でシチズンシップ教育を行っております。
 取組の推進に当たりまして、本県ではシチズンシップ教育を四つの柱に整理をしております。資料記載のとおり、政治参加教育、司法参加教育、消費者教育、そして道徳教育でございます。このうち、政治参加教育の取組の一つとして模擬投票の取組がございます。シチズンシップ教育の取組は、各学校がこれら四本柱に基づき、生徒の実態等を踏まえながら具体的な計画を立て、教育課程上に位置付けて実施をしております。
 恐れ入りますが、資料の二枚目を御覧ください。模擬投票の取組についてでございます。
 本県の模擬投票は、三年に一度定期的に行われ実施時期も特定しやすいという点から、参議院議員通常選挙の機会を活用し、平成二十二年度、二十五年度とこれまで二回実施をしております。模擬投票の取組は学校ごとに教育課程に位置付けた上で計画的に実施をしております。公民科現代社会等の教科、総合的な学習の時間等に位置付け、全校生徒を対象とした学校から、選択科目の履修者のみを対象とした学校までございます。
 実施スケジュールにつきましては、資料左上からの太い矢印に沿って示しております。御覧をいただきますと、模擬投票は、投票行動のみで終わることがないよう、事前学習から事後学習まで含んだ政治参加教育の一まとまりの学習として実施をしております。
 左下の模擬投票の実施という箱がございますが、模擬投票の実施については、投票は実際の投票日前に実施すること、放課後などの授業時間外に実施をすること、投票行為は学習評価の対象外とすることなどを各学校と確認をし、実施をしております。
 ここで、当日、模擬投票で行う投票箱を今回お持ちいたしました。(資料提示)実はこの投票箱、平成二十二年度の全校での模擬投票の際に、教育委員会が県立の工業高校に作成を依頼いたしまして、全校に一つずつ配付をしております。手作りではございますが、頑丈な模擬投票の投票箱ということでございます。
 模擬投票、慎重に取組を進める必要がございますので、外部有識者の方の意見を参考とし、検討を重ねた上で、実施方法、指導内容等について整理をしてきました。また、模擬投票の実施に向けては、全校から担当の教員を集めた研修会も開催をしております。その際、教員の政治的中立を保つ必要があることから、候補者や政党の公約、政策の是非についてはもちろん、価値判断を含んだコメントは一切しない、新聞の切り張りやマニフェストによる資料作成も教員の取捨選択、価値判断を伴うため避けるなど、留意事項の徹底を図っています。ただし、生徒が新聞などで自主的に調べ学習をすることは妨げておりません。
 この資料の右下に開票という箱がございます。開票につきましては、模擬投票後の開票時期、またその結果の扱いについても全校で共通理解を図っており、選挙結果の確定から三十日を経過した後に開票をしております。また、結果につきましては、外部への情報提供は行っておりません。
 恐れ入りますが、資料三枚目を御覧いただきたいと思います。県立高校における模擬投票等の取組事例につきまして、本県の藤沢市にあります県立湘南台高校を例として御紹介させていただきます。湘南台高校は、本県のシチズンシップ教育に係る研究校として積極的な取組を進めている学校です。
 まず、二十五年度の模擬投票の取組についてです。
 一丸目、二丸目のとおり、公民科の現代社会等、学年ごとに教育課程にそれぞれ位置付け、全校生徒を対象とし実施をしました。事前学習では、生徒の選挙や政治への関心を高めるよう選挙制度の仕組みを理解させるとともに、各政党の政策等の比較、検討を行っております。
 また、三丸目、四丸目のとおり、校内では有志生徒による模擬投票プロジェクトチームがつくられ、模擬投票の企画、運営に参加をしております。
 また、資料の下の方に写真がございます。左側の写真でございますが、藤沢市選挙管理委員会の協力を受けまして、実際の選挙で使用する投票箱や記載台をお借りし、校内の投票所を実際の投票所に近づけるよう雰囲気づくりに努めております。
 投票は、六丸目に記載のとおり、放課後の時間帯に設定し、選挙区と比例区の両方を対象として、自由投票として実施しました。また、期日前投票ができる日も二日間確保をしております。
 夏季休業明けの事後学習につきましては、七丸目でございますが、実際の選挙と校内の模擬投票の選挙結果や投票率の違いについて考察をするとともに、アンケートによりまして取組全体についての振り返りを行っております。
 また、資料下の方に、湘南台ハイスクール議会とございます。これは、投票のその先にある議会において、選ばれた議員として法案成立までの審議過程を体験する、また、模擬投票がない年の政治参加教育の学習プログラムとして、湘南台高校が開発し実践をしているものでございます。
 資料四枚目を御覧いただきたいと思います。平成二十五年度の模擬投票の評価についてでございます。
 事後の生徒アンケートでは、半数以上の生徒が、政治的関心が高まった、どちらかというと高まった、合わせて五六・八%、選挙権を得たら投票に行こうという気持ちが強くなった、どちらかというと強くなった、合わせて六四・〇%という結果となっております。
 また、模擬投票の取組について生徒が寄せた感想文、下線部のところを御覧いただきますと、日本の未来は国民が持っている一票によって決まるのだと思った、二十歳になったら選挙権を得ることができるので、一票をどこに投票するかよく考えて投票したい、また、自分たちの投票結果と現実の結果が異なったことから、投票人数、投票率が変われば政治が変わることを感じた等の肯定的な意見が寄せられております。また、否定的な感想といたしましては、候補者や政党の特徴、目指している政策が分かりにくかったので、もっと分かりやすくしてほしかったなどがございました。これらのことから、総じて、模擬投票の取組は政治参加教育の取組として有効な取組であると県教育委員会としては捉えております。
 最後に、選挙年齢を十八歳以上へと引き下げる公職選挙法の改正についてでございますが、現在御審議をいただいている中でございますので、その是非そのものにつきましては私の立場からは差し控えをさせていただけるかと思いますが、本日御説明をさせていただきました教育活動を今後も進めていくことが、若者たちの政治参加意識を高め、選挙の際に投票に行こうという気持ちを高めるためには大変重要なものと考えております。
 神奈川県教育委員会といたしましては、これまでの取組の課題を整理し、また工夫をしながら、シチズンシップ教育、政治参加教育の更なる充実を目指しまして、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。ありがとうございました。
○委員長(牧山ひろえ君) ありがとうございました。
 次に、杉浦参考人にお願いいたします。杉浦参考人。
○参考人(杉浦真理君) 杉浦真理です。よろしくお願いいたします。
 本日は、このような貴重な審議の場に参考人として発言の機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。
 現場の社会科の教員として、あるいは高校生に身近に接する者として、この法案についての意見を若干述べさせていただきたいと思います。
 私どもの学校は私立高校なので、賛成、反対は賛成という形で今日お話をさせていただければと思います。ただ、高校生は必ずしも望んでいないというお話もしたいと思います。
 まず、二〇一五年の三月の読売新聞の全国世論調査、こちらは今回の法案の参考資料の方にも載せてございますけれども、賛成五一%、それから反対四三%ということで、要するに賛成が若干全世代では上回っているということがあります。
 例えば、滋賀県の選挙管理委員会が二〇一四年の七月から九月にかけてやった調査がこちら手元にあるんですけれども、十八歳選挙権を欲しいかという高校三年生のみに聞いた質問は、欲しいと言った子は一六・二%しかいません。二十歳のままがいいと言う生徒が五九・九%でした。ここから分かることは、十八歳選挙権を今の高校生がすぐに要求をしている、そういう状況ではこの国はないということです。ただ、同じ調査の中で、選挙にもし投票権が与えられたら行きたいかという調査項目があります。そこに高校三年生は五九・八%が賛成をする、つまり、与えられたものは行使したいと、そういう気持ちも持っているということをちょっと御理解いただければと思います。
 また、総務省の関連の明推協さんの二〇一三年の三月から四月の調査では、十八歳に引き下げるということを若者は一四・五%支持し、現状のままが七二・九%という数字もあります。
 ここから見えてくることは、日本国民全体としては十八歳選挙権というのは成熟し始めている、だけれども、若い子たちにとってそれが実感として伝わっていないという現状がある、そこの中で十八歳選挙権が今プレゼントされようとしているというふうに思います。このプレゼントをどのように生かすかということがすごく今大事になっています。
 私は、この法案については賛成です。なぜかといいますと、こういったことをきっかけに子供たちを大人にしていくという、先ほど神奈川県であったような様々な学校現場の取組があり、十八歳を市民にしよう、そういう声が全国で沸き起これば、若者たちの権利がより保障された社会ができていく、そのきっかけにこの十八歳選挙権の新たな取組というのが多分寄与していく、そういうふうに確信をしているからです。
 それでは、公職選挙法の十八歳選挙権について中心に、あと、学校現場の声も少しお話をします。
 世界の潮流としては、議員の皆様御存じのとおり、多くの国々ではもう十八歳選挙権は実施されております。そういったことは日本の憲政史上ではまだ行われてきていませんが、振り返りますと、女性が選挙権を得たというのが七十年前です。七十年前、女性が選挙権を得て、そのうれしさから投票をし、この社会を平和で豊かな社会に築き上げてきた、そういうパートナーを私たちは増やしてきました。今、二百四十万人という新たなパートナーを迎え入れようとしています。こういう言わば若い人たちの力で社会をよりいいものに変えていく、そういうきっかけにこの十八歳選挙権はなってほしいし、ならなきゃいけないというふうに思います。
 そういった点からすると、この選挙権というのは、先ほど申し上げました、若者たちにまだちょっと十八歳選挙権に対して構えができていないということも含めて、様々な課題を持ってスタートする、そんなふうに思っております。その若干の課題についてお話をさせてもらいたいと思います。
 この十八歳選挙権はいい面ももちろんあります。例えば、今、若者たちは、非正規雇用が増えてきて非常に雇用環境が悪化しています。そういったときに、雇用をやっぱり欲しいという声が生徒たちからも出てきています。例えば、模擬投票というのを私もやっておりますが、そのときに、社会に出ている争点だけではなくて、自分たちがどんな争点で政党を選ぶのというのを聞きます。そうすると、やっぱり正規雇用を増やしてくれるような政党はないかな、そういう視点で生徒は調べ始めたりします。また、憲法改正ということが今大きな課題になっています。それについても、それがいいことか悪いことなのか、そういったことを考えながら若者たちは自分たちの投票行動を決めていこうとするわけですね。そういったものも含めて、若者たちの声というのは実は潜在的にある、それをどう生かすかというところで十八歳選挙権というのはかなりプラスの面があるのではないかというふうに思っています。
 本法案を読ませていただきました。その中で、最大の法律案としての課題が一つあると思います。それを少しお話ししたいんですけれども、公職選挙法等の一部を改正する法律案の概要を見させていただくと、新旧の対照表というのがございます。そちらの方に、百三十七条の二、未成年の選挙運動の禁止という項目があります。このことをちょっと考えてみたいんですけれども、高校三年生の教室に、多分、来年参議院選挙からこれが適用されれば、四月から六月までの有権者と、七月から来年の三月までに生まれた子の非有権者というのが同じ教室に存在します。その場合、この法律案というのはどんなふうに教室で、だって顔を見ても何月生まれか分かりませんね。そういった中で学校では授業が行われ、場合によっては選挙活動をしたいという有権者が存在するようになるわけですね。
 そういった、言わば、選挙活動の禁止という項目がありますけれども、これについてはかなり、文部科学省もきっとガイドラインを出すと思うんですけれども、何らかの対応をしていかないと現場としては非常に困る。有権者は有権者として選挙運動ができる権利があるわけですよね。その権利を単純に封ずることもできませんし、そういったことを考えたときに、世界の潮流としては満年齢で投票するというのは当然なんですけれども、日本の教育制度は四月から始まるという、そういうのとちょっと整合性が取れていないというところが実際上この法案にはあるのではないかと。それについては各部署で、もちろん現場も含めてかなり丁寧にやっていかなきゃいけないと思います。
 関連して申し述べますと、公職選挙法ですね。私はこの公職選挙法、日本のものは非常に制限が多いものというふうに思っています。憲法上保障されたいろんな意見表明の自由とか、例えば、私、アメリカ大統領選挙の取材も行ったことあるんですけれども、そのときには戸別訪問というのは当然のごとく行われて、自分たちの候補を売り込んでいきます。日本ではそれはできません。ビラの配布についても制限があります。そういった中で今日本の選挙が行われていますが、そういったものを例えば解禁していく方向と同時に、やはり選挙の自由というのをどのように担保していくのか、そこが実は今の条文と関わって大きな課題が残っているというふうに思われます。したがって、十八歳選挙権はもちろん賛成で、それをいい機会にしたいと思うんですけれども、その辺の課題がまずある。
 次の、まあまだ十八歳選挙権通っていないんですけれども、課題としては、きっと十六歳選挙という課題になっていくという話も一緒にしたいと思います。
 オーストリアでは十六歳で投票権が得られました。アメリカでは高校生の市長が生まれています。そういった世界的な若者の力を得ていこうという流れの中で、将来的にはきっとこの国でも十七歳、十六歳、そういう引下げというのが次のステップでまた議論されていく、多分七十年を待たずに、と思います。そういったときには、やはり高一のスタート、四月というのを少し念頭に置いた法律案を作る必要があるのかなということもちょっと申し述べておきます。
 さらに、選挙権の付与の課題として、幾つか残されている課題があるというふうに思っています。例えば、本委員会でも議論になっているかもしれませんが、十八歳選挙権と十八歳成人というのをどうセットに議論をするのか。つまり、国民投票法はできたので十八歳選挙、じゃ成人はという宿題が残されているわけですね。その民法の課題は、今回の法律案には間に合っていません。
 そういった意味で、子供たちの権利を高めていく、あるいは責任が取れるような社会人として育てていくという視点からしますと、結婚とか居住の自由、契約の自由、そういった若者の権利を保障したり、場合によっては少年法の議論もあると思います。そういった言わば十八歳成人というのを念頭に置いた議論と本来的に言うと選挙法というのは一緒に進むべきものではないかというふうに思っています。
 さらに、被選挙権という問題があります。投票だけができれば若者の声が社会に反映できるわけではありません。参議院議員の皆様にはちょっと失礼かもしれませんが、参議院に当選するには三十歳以上でないとこの国はできません、さらに県知事もそうです。片や、投票年齢は二歳下がったのに、その被選挙権は下がらないんでしょうか。これは大きな宿題がこの法律に残されているのではないかというふうに思っています。
 次に、主権者教育の話をあと五分ほどさせてください。
 高校生に寄り添いながら未来を切り開く力を育てたい、そういう視点から、私は、先ほど神奈川県からもありましたけれども、シチズンシップ教育、市民を育てる教育というのを学校現場で行ってきています。スローガン的に言うと、高校生を市民にしたいなということです。
 そのためには、主権者教育を充実させていかなければいけません。特に、政治的リテラシーですね、社会の中で意見の分かれるものを意見の分かれるものとしてきちっと理解をし、その中で自分の考えを理解していく、つくっていく。そういう言わば政治を自分のものにしていく主権者教育のふ卵器としての高校の授業あるいは模擬投票、様々な取組が全国で実施されないと、やはりこの十八歳選挙権というのはちょっと足りないなというところが出てくるかと思います。
 参考に少し申し上げたいんですけれども、ドイツにはボイテルスバッハ・コンセンサス、合意というのがあります。こちらは学校で政治教育を行うときの合意事項です。これは国会議員の皆様、政党間の合意で、ドイツの中で超党派でつくられた合意です。ちょっと申し上げます。教員は、生徒に期待される見解をもって圧倒し、生徒が自らの判断を獲得するのを妨げてはならない、学問と政治の世界において論争があることは、授業の中でも論争があるものとして扱わなければならない、生徒が自らの関心、利害に基づいて効果的に政治に参加するような必要な能力の獲得が促されなければならない、こういう三つの合意によって政治的中立というのを担保しながらドイツでは政治教育が行われています。
 そういったことを例えば参考に、教育基本法にも教育の中立に対して担保する条文はありますけれども、現場の教員が本当に生徒自身を成長させるために主権者教育、政治教育ができるように励ますような文部科学省の取組というのが今必要かと思います。
 先ほどお話しになられた神奈川県のようにすごい進んだところもありますし、一方では、模擬投票をやろうとしたある公立高校では教育委員会からストップが掛かってできない、そういう声を、私は模擬投票推進ネットワークというところにも入っていますが、実際そういうのを経験しています。なので、どこまでができて、どこまでができないかという合意事項ですね、超党派の、そういったものをやはりつくりながらやっていく、政治意識を高めていく、そういう言わば場が今求められているのではないかというふうに思っています。
 さらに、高校生向けのそういう政治的教養を促すようなプラットホームとしてのホームページ、そういうものを文科省や総務省に設置をして、そこに学びに行くことができる、あるいは、ここには多くの政党の議員の皆さんがいますけれども、各政党のホームページに青年向けの分かりやすい政治解説を是非作っていただきたいんですね。そういったものから生徒は今社会で議論されているもの、それについて自分の考えに近い政党を選び取っていきます。マニフェストを是非分かりやすい若者向けを作ってください。そういったものから自分たちの未来を託せる政党を若者たちは、高校生は判断していくことができます。今のマニフェストは、はっきり言って高校生、駄目です。選挙管理委員の方もいらっしゃいますが、今の選挙公報では高校生は駄目です。そういう言わば大人が若者に対してどういうメッセージを発するのか、それが多分この法律案を生かしていく次のステップになっていくと思うので、そのことを現場の教師として是非申し述べたいなというふうに思っています。
 二十一世紀の主権者教育というのは、選挙に行ってみたいなという子をつくり出す、あるいは社会の一員としてこの社会の中で働きたいな、あるいは社会の中で自分の意見が反映される仕組みを知っている、そういう子たちを育てる、そういうやっぱり現場にしていきたいと思うんですね。それとは違った現実が、済みません、ちょっと読み飛ばしましたけど、私の最初のレジュメにあります。今の高校生は、主権者教育が不十分で選べない、自分が権利行使して失敗したら社会が迷惑する、あるいは稼いでいないし無理、こういう声が結構あるんですよ。
 一方、上から目線で十八歳選挙権が押し付けられる、そういうふうに思ってしまう子もいます。例えば年金、高齢者の扶養、国家財政の赤字補填、こういったものを若者に押し付けるためにこの法律できるんじゃないの、すごくうがった子だと思いますけど、そういう声も実際本当に高校生の中ではあるんですよね。
 そういう意味で、僕は、目の前の子供たちの権利を保障し、責任も取れるような大人に育てたいと思っていますから、もちろん、こういった課題についても自分なりの考えを持ち、社会を支えてほしいというふうに思っていますが、今の現状の高校生というのは、こういう中で十八歳選挙権がプレゼントされる、そういうことを考えつつ、この法律をきちっと運営し執行していくということが、また課題を、宿題を多分かなり残した法律案になると思いますので、そこをもう一歩進める改正というのも必要なのかなということを申し述べて、私の発言とさせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(牧山ひろえ君) ありがとうございました。
 次に、竹村参考人にお願いいたします。竹村参考人。
○参考人(竹村奉文君) 松山市選挙管理委員会事務局長竹村奉文でございます。よろしくお願いいたします。座ったまま失礼をいたします。
 私の方からは、本市が大学構内に設置をいたしました期日前投票所の取組並びに大学生を巻き込んだ選挙啓発活動、また、選挙の現場の一人としての今回の法改正についての意見を述べたいと思います。
 恐れ入ります、お手元にお配りしておりますレジュメに沿って御説明をさせていただきます。表紙を開けていただきまして、一ページ目を御覧ください。
 まず、背景でございますが、我々現場としては、選挙啓発をずっとやっておるわけでございますけれども、なかなか、特に若い人たちの投票率が上がらないといったようなジレンマを持っておりました。それを原点に立ち返りまして考察をした中で、やはり総花的ではなかったかという反省に立ちました。いわゆる、ひたすら執行年月日と選挙名だけをアナウンスする、また、ターゲットを絞らずに投票へ行ってくださいといったようなことが普通でございました。
 恐れ入ります、次のページをお願いいたします。
 そこで、少しちょっと発想を変えてみようということになりました。我々はピンポイント戦術と呼んでおりますけれども、ここで、特に一番投票率の悪い二十代前半にスポットを当てることにいたしました。ただ、選管の方の現場としての本音でございますけれども、非常に今選管の現場というのは、選挙事務がかなり複雑多岐、なおかつ大量になってきておりまして、なかなか手が回らないというのもございました。ただ、この必要性というのはやはり感じておりましたので、どうすれば効率的な選挙啓発ができるかというようなことで、じゃ、啓発という観点からよりも、ひとつ選挙という手段というような視点に立ち返った中で少し考え方を変えてみようというふうになりました。
 恐れ入ります、次のページの、その中で出てきたのが、実は、過去に愛媛県の選挙管理委員会が大学内でワークショップをした実績がございました。その中で、アンケートの中で大学生の方から、大学内に投票所があれば行くといったような意見が実はあったのでございます。それを本市選管の若い職員が覚えておりまして、何とかこれを実現化したいというようなことがございました。
 我々としても、よくよく考えれば、大学というのは若者が集積している場所でございますので、そこにそういったような利便性を高まるような手段、手法を、いわゆる利便性の向上をしてはどうかという観点で大学側と折衝をすることになりました。
 恐れ入ります、四ページ目でございますが、当初、正直、大学の方にも不安がございました。というのも、我々の期日前投票所というのは、どの期日前投票所もできる限りどのような方も有権者であれば投票していただけるというようなサービスにしておりますので、そういった意味からは、いわゆる大学の中でも、大学の学生だけ、教職員の皆さんだけではなく、周辺の住民も含めて投票をしていただけるような環境にしたいというところで大学との折衝に入ったわけでございます。そうなると、大学側としては、全く関係のない人が構内に入ってくるという、そういうことに対しての治安上の不安だとか、果たして駐車場が足りるのかとか、そういったようないろいろな不安材料が膨らみまして、しばらくいろいろと協議を重ねてまいりました。
 ただ、担当者の情熱といいますか、彼らがやはりずっと大学側に訴えかけたのは、若者の政治意識を高めることが世の中を変えることなんですというような一点で実は説得をいたしました。大学側も、地域社会に貢献するという命題もございますので、そういった意味からも、協力をしますということを言っていただいてからは本当に積極的に様々な形で御協力をいただいたようなことでございます。
 恐れ入ります、五ページ目をお願いいたします。
 一昨年の参議院選挙から松山大学の方で期日前投票を行いました。三日間、十時から十六時というような時間制限を設けた中で、投票に来ていただいた方が六百五十二名でございました。これは周辺の住民の方も含めた数でございます。そして、二百十一人の二十代前半の方が投票をしていただきました。このときは、地理的に言いますと、松山の場合、松山大学の横に道路を隔てて愛媛大学がございます。愛媛大学の方はこの段階では期日前投票所を開設しておりませんでしたので、若干愛媛大学生もこの中に含まれておろうかなというふうに思っております。
 また、我々としては、はっきりとして大学内に大学生としての有権者が何人いるのかというのを把握したいんですが、現実的にはそれはできませんで、母数が分かりませんので投票率が幾らというのは出ません。ただ、何回か選挙をしていく中で、実は、昨年の四月の市議会議員選挙、それから十二月の衆議院選挙、それから今年行われました四月の県議選挙では、選挙後にアンケート調査を二日間にわたってやっております。
 その中で出てきたのが、恐れ入ります、六ページ、このグラフでございますけれども、これはそのアンケートを行った大学生の中で有権者である人、その中でなおかつ投票所が大学にあったという理由で投票に行きましたというふうにお答えいただいた方の割合でございます。この数字を見ますと、一九%、二四%、二六%というふうに段階を追って増えてきております。これはやはり大学内の期日前投票が大学生の中に定着をしてきたかなというようなことでございます。この変遷の中で変わりましたのは、当初、先ほど説明しましたように、十時から十六時までだったのが、大学の講義に合わせて十七時というふうに一時間延長をしたと。それから、昨年の十一月の市長・知事選の中では、愛媛大学が期日前投票所を開設をしていただきましたので、その以降の選挙については愛媛大学も加わった数でございます。
 次に、七ページ目をお願いいたします。
 実は、我々は、棄権者というのは、仮説を立てておりまして、政治不信の中で棄権をするのではないかなというふうな仮説を立てておりました。ただ、アンケートをした結果では、実はなぜ棄権したかというと、松山市に住民票を置いていない、いわゆる住民票を動かしていないために棄権しましたという割合が七割おりました。残り三割の中に、誰を選んでいいか分からないとか、投票に行くのが面倒、投票の方法が分からないといった趣旨の数が三割ということでございます。
 そういう意味では、若者は我々が思っているほど政治に関心がないんじゃないというようなことを、いろいろとこの過程の中でたくさんの大学生ともお話をさせていただいたんですが、関心がないわけではないと私は思っています。ですから、そういう意味では、非常に我々周りの大人たちが、後でも申しますが、政治の話を余りしていなかったんじゃないのかなというような反省も見えてまいりました。
 それから、八ページ目でございますが、これは若干期日前投票所とは外れるんですが、せっかく大学構内に期日前投票所を開設をいたしますので、一番若者に近い人たちに選挙啓発に加わっていただこうというようなことで、昨年の四月の市議会議員選挙から、まず松山大学さんの方にお願いをして四名の選挙コンシェルジュというものを認定をして、彼らに選挙啓発の企画から参加をしていただくようにいたしました。
 そういう中で、彼たちが、様々なコミュニケーションのツールとして、いわゆるLINEだとかツイッターだとかフェイスブックだとか、そういったようなSNSを使っているというのも見えてきたと。それが彼らのいわゆるコミュニケーションの手段になっているというようなことも見えてまいりまして、そのコミュニティーの作り方が、我々が思っている地縁的なコミュニティーよりは、価値観というもののつながりによるコミュニティーの方が特に若い人たちはきずなとして強いんじゃないのかなというように感じてまいりました。
 そこで、今年の四月の県議選挙では、大学生が活動をしているNPO団体だとかサークルだとか、その他固まりになるようなところを登録をしていただくような選挙クルーという、いわゆる固まりでのコミュニティーというものを、我々はそこにターゲットを絞り込み、そしてそこから拡散するような戦術を今後展開したいなというようなアクションに変わってきております。
 恐れ入ります、九ページをお願いします。
 彼ら選挙コンシェルジュとのやり取りの中で幾つかの気付きが出てまいりました。選挙コンシェルジュの方から言われたのは、候補者の公約は何を見たら分かるんですかって質問をされてしまいました。これは、我々としてはショッキングでした。先ほど杉浦参考人の方からもありましたように、選挙公報というもの自身知らないという若者が非常に多うございました。
 そこで我々が取ったアクションは、この選挙公報を、じゃ、実験的にどういうふうにしたら若い人たちは見てくれるんだ、大学生は見てくれるんだという実験をしてみました。彼らから出てきたのは、学食に置いたらいいんじゃないのかなという意見でした。
 で、学校側と相談をして、その期日前投票所が開設している期間、その食堂をシェアする、いわゆる我々は選挙カフェという言い方をしております。そして、食堂のテーブルに、選挙公報を立てる三角柱のPRの付いたものを置かせていただいています。そこへ選挙公報を立てる形にしております。それと同じに、食堂の出入口にも選挙公報を置いておきました。ずっと観察をしておりますと、入口の選挙公報は一度も手に取りませんでした。一枚も手に取りませんでした。ただ、テーブルの上に置いていたのは、食べる前とか後にすっと取って、友達同士で見ながら、そこからやはり選挙の話をする子が何人か出てきました。つまり、そういうきっかけづくりも我々は汗をかかないといけないんだろうなというふうに気付かされました。
 それから、最後でございますけれども、これは本当に現場の携わっておる一人の意見として申し上げるのですが、多くの大学生が、私たちが政治が分からないのは、私たちに身近な話、いわゆる周りの大人たちが自分たちに政治がどのように影響するのかといった話を誰もしてくれないといった意見がございました。そういう意味では、早い段階から子供たちに対して主権者教育を私たち大人が様々なシーンで行う時期に来ているのではないのかなと。そういう意味では、今回の法改正は本当にいいきっかけになると私は考えております。
 さきにも述べましたように、投票の方法が分からないという理由から棄権をする若者が現実的にはいます。選挙は、目的ではなく手段、手法でございます。そういう意味では、その利便性の向上に努める必要は確かにあると思っております。
 例えば、高校生まで年齢要件が引き下げられるわけでございますから、そういった意味では、大学生はほぼ年齢要件は満たすわけでございます。先ほど杉浦参考人からもありましたが、ただ、高校の中では混在をしてしまうというようなこともございます。そういう意味では、例えば、今、指定施設の不在者投票という制度がございますが、そういうものを利用すれば、高校で選挙権のある子供たちにいわゆる投票をしたいかどうかという意思を確認をしていただいて高校で投票していただくと。そういうふうなことをすれば、有権者でない高校生も、その姿を見ることが私はまた学びになるのではないかなというふうに思っております。
 ですから、いろいろなことを法改正の後に具体的なことが整理されていくんだろうなというふうには思っておりますが、私は、この法改正が必ずやこの国にとって、また若者にとって意義のあるものになるのではないかということで、私の意見とさせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(牧山ひろえ君) ありがとうございました。
 次に、原田参考人にお願いいたします。原田参考人。
○参考人(原田謙介君) NPO法人YouthCreate代表の原田謙介といいます。よろしくお願いします。
 皆さんのお手元に一枚資料を配らせていただいていますので、そちらを御覧になりながら聞いていただければなと思っています。
 実は、今日僕はここで話をできてすごくうれしくて、元々僕がこういう政治に関する活動をやるようになったきっかけは、今日も議場にいらっしゃいますが、江田五月議員のところで、大学に入った後に、とあるきっかけからインターンをさせていただいて、江田議員の下、あるいはこの良識の府である参議院の中で政治ということをいろいろ学ばせていただきました。その中で、僕の問題意識としては、もう今日議論になっていますが、若者がなぜ投票に行かないのか、あるいは若者がもっと政治に関わってくれるにはどうすることができるのか、それを僕が若者の立場として何かできないかという活動を学生の頃から、そして今はNPO法人という立場でやっております。どうぞよろしくお願いします。
 今日、皆さんにお配りしているレジュメのタイトルとして、「下から目線で若者の力を社会に活かすための選挙権年齢引き下げに」ということを書かせていただきました。
 十八歳選挙権の実現というのは、十八歳、十九歳が初めて投票できるようになる、十代の人が投票に行くことになるということで、もちろん一つかなり大きな変化なのですが、それだけにとどめるのは余りにももったいないと思っています。この十八歳、十九歳が投票に行けるというきっかけ、そこを転機に、日本は、若者の力をもっと社会に生かしているんだ、あるいは若者がしっかり大人として育っていくためにどんどんどんどんいろんなことをやっていくんだと、そのような国に変わっていかなければならないのかなと思っています。
 もう皆さんも御存じのとおり、あるいはいろんなところで議論をされていますように、人口減少、少子高齢化というのは日本では世界の中でもトップクラスで、ある意味心配をされている、どうするのかということを求められている国です。そこに対応するいろんなやり方はあると思いますが、その中の一つとして、今後日本を背負っていく、今後日本をつくっていく若い人をどう早いうちに政治あるいは町のことに巻き込むかということをいろいろ考えなければならないのかなと考えています。
 もちろん、選挙というものは一つの民主主義の大事なタイミングでありますので、そこに対して投票に行く、そこに対して投票に行くだけではなくて投票したことを責任持ってその後の政治を追っていくということはもちろん必要ですが、選挙だけが民主主義の場で、有権者が、あるいは市民が参画をできる場所ではありません。
 そういう意味では、もちろん選挙のときに何か、選挙にどうやったら行ってもらうのか考えるのもそうですけれども、同時に、選挙以外の場でも、どうやったら若い人がもっともっと政治に関わる、あるいは政治の方から若い人にどういう意見を伝える、そういうことのやり方もどんどんどんどん考えなければいけないとは思っています。例えばいろんな政府関係の委員会、あるいは各自治体の委員会のようなところにもっともっと若い人の声を、若い人の政策に関わるものであれば、直接もう、じゃ実際の二十代を呼んでもいい、あるいは実際の二十代ではなくても、今日の参考人にもいらっしゃるように、例えば高校生と触れている人を高校生に関する議論の中には常に絶対に入れると、そのようなもっともっと仕組みをつくらなければならないと思っています。
 というのは、今の若い人が投票に行かない理由の一つとしてかなり大きいものは、どうせ僕らが投票に行ったって数が少ないから上の世代には勝てないだろう、若い人の意見は発したところで通らないんじゃないかと、そう思っていて、結局投票に行かない若い人というのはかなりいます。なので、もちろん投票権を引き下げると同時に、それ以外の場所でも、それ以外のやり方でも、もっともっと若い人に政治に参画してくれ、若い人の声を政治も求めているんだということをいろんな形で発信をする必要があるのかなと思っています。
 先ほどの松山市選管の事例では、投票所を大学内に置いたという場所の利便性、あるいは選挙コンシェルジュによっていろんな仕掛けをしたという利便性もあると同時に、行政の人が日本で初めて大学に期日前投票所を置くぐらい僕ら大学生のことを気にしてくれているんだと、そう思った大学生も少なからずいるはずなので、そうやってそれだけ向いてくれるのであれば、若者のことを関心を持ってくれるのであれば、じゃ、若者としても政治あるいは選挙というところに関心を持つかというような流れになると思っています。
 また、若者の声ということは、一つ若者という層として、民主主義の中の多様な意見の一つの若者だということの認識も必要かなと思っています。民主主義がやっぱり活性化をしていって民主主義の社会が成り立っている理由の一つとしては、数の多さ少なさ、あるいはその他いろんな条件にかかわらずいろんな層の声を政治が捉えるんだと、いろんな多種多様な層が政治に参画する、あるいは政治に声を上げることによって社会全体として成り立っていく、そのようなことが民主主義の一つの鍵かなと思っています。なので、決して例えば若者の数が少ないから今回投票権を若者にあげたんだというところにとどまらず、別に、結果として今は少ないんですが、多い少ない関係なく、日本は若者の声を、多様な層の一つとしての若者の声をもっと聞くんだというような発信が必要かなと僕は考えています。
 僕は、学生時代を含めて、今のNPOを含めて何年か、若い人と政治をつなぐために何ができるかということをいろいろ考えて実践をしてきました。今日は、その実践、経験の中で考えている三つの対応ということをお話をさせてください。
 一つ目は、学校の現場での対応だと思っています。もうこれは今までの三名の参考人の方がいろいろおっしゃっている部分があるので、僕はそれ以外の視点から学校での参加ということを考えてみたいと思います。
 もちろん、高校三年生が投票に行けるようになるので、高校での政治教育などをどう進めていくかも重要なんですが、同時に、改めて教育制度というものを考えなきゃいけないときに、義務教育という必ず国民が受ける教育というのは中学三年生までです。もちろん、高校に行く人もいれば行かない人だっています。あるいは高校だって、工業高校、商業高校、あるいはいろんな専門学校によってカリキュラムが若干変わったりもします。なので、改めて考えなければいけないのは、高校での政治教育ももちろんなんですが、義務教育である中学三年生までの間に、この中学三年生の間に何ができるのかということも改めて考えなければならないのかなと思っています。
 いろんな報道あるいはいろんな意見を見ても、高校での教育という話はよく見るのですが、今はやはり中学三年生のいわゆる例えば公民という科目の中で何をするのかというような話がまだ余り見られないのかなと思っていますので、そちらに関しても、是非、引き続き議論が進めばいいかなと思っています。
 もう一つは、大学生です。これはもう竹村参考人と近いものがあるんですが、全大学生が投票に行けるようになります、十八歳以上なので。じゃ、大学の中で何をやるのか、あるいは大学のカリキュラムとして何かできないか、そういうことをどんどんどんどん考えていく必要があるのかなと思っています。
 その辺りのことも含めて、教育は高校生だけではないということをまず一つお伝えをできればなと思っています。
 教育の中での二つ目です。
 今、話の中では、やっぱりいわゆる政治をどう学んでいくのか、あるいは有権者としてのどういう考えを持っていくのかということが中心に議論をされていますが、実は、政治というのは学校の中にだってあるわけです。例えば、生徒会長を決める選挙があると。今かなりのところで形骸化をしているような状況もあるんですが、そこをやり直して、本当に生徒会長に立候補した人同士がきちんとマニフェストを打ち立てて、そこに対して議論をやって、じゃ、その選挙の下に受かった、生徒会長になった生徒会長は学校側とちゃんと生徒としての意見をぶつける場があるというような、高校生なり中学生なりの身近な自分たちの社会が投票あるいは自分たちのリーダーによって変わるという体験も少し考える必要があるのかなと思っています。
 そして同時に、学校の授業以外の場所ですね。学校にいる時間は、学生の皆さんは授業だけを受けているわけではありません。昼休みという時間があったり、あるいは休み時間という時間とかもあります。やっぱりそういうタイミングではざっくばらんにいろんな話をできるので、授業の中で政治の話をとどめずに、授業が終わった後、友達同士でも政治の話を引き続きする、あるいは今日あった授業のことを振り返れるような仕掛けづくりというものも必要かなと考えています。
 二つ目、家庭での話について話をさせていただきます。
 今、もちろん二十代を中心に若い人の投票率が低いという話も出ていますが、皆さんも御存じのとおり、全世代の投票率が下がっているのが近年の傾向です。例えば、去年の衆議院選挙において、四十歳代前半の人までは投票率が五〇%を切っています。何が言いたいかというと、実は、高校生あるいは中学生ぐらいの親も余り投票に行っていないんじゃないかと。
 そこで、その四十代あるいは三十代の人に直接アプローチをするのが無理だとしても、うまく学校教育の中を通じて子供から親に政治の話が波及するような、子供がきっかけで家庭の中で政治の話が生まれる、そういうような仕組みも必要かなと思っています。これはすごくやりやすくて、実際やってはいるんですが、僕たちもこういう政治に関する授業とかをやったときの最後に、皆さんのお父さん、お母さんは選挙に行っています、絶対行っています、なので、その話を是非してくださいと。行っているかどうかは分からないんですが、正直、ただ、子供から、お父さん、選挙行っているのと言われれば、それは行っていると言わなければいけないと思いますし、行かざるを得ない、そういう状況をつくればいいかなと思っています。
 また、もちろん学校の中での教育というのは絶対に中立というのは必ず必要です。ただ、何かの議論をするとき、何かのテーマについて扱うときに、中立から議論が起こることというのは僕は少ないと思っています。議論の発端としては、私はAなんだと。それに対してほかの人が、いや、俺はBだ、いや、Cだという議論が行われると思っています。なので、家庭というのはまた学校の中立での教育とは違って、何か例えば、お父さんの意思をもっと、お父さんはAだけれども、息子よ、Bか、どうだみたいな、そういう議論が起こってもいいかなと考えています。
 三つ目ですね、地域の話に最後をさせてください。
 今日、国会の参議院の場所なので国政の関心が高いかと思いますが、先日の四月にあった統一地方選挙の投票率を見てもお分かりのように、地方の政治、地域の政治に対する関心あるいは理解というのがすごく低くなっているような気がします。
 これは今年の四月にある大学生から実際に言われた言葉なんですが、原田さん、東京には地方議員っていないんですよねと言われました。何が言いたいか。地方を地域ではなくて、東京と地方だと何となく彼女は思っていたと。何か東京でも選挙あるって言っているけど、地方じゃないから東京は地方議員選挙ないけど、何かやっている、あれは何だと。これは一つ極端な例かもしれませんが、それぐらい自分の本当は身近なはずの町の政治あるいは町の議員、町の行政というところに関心がないのが少し問題かなと思っています。
 ただ、町の政治について関心を持ってもらえば、これは実は国会で議論をされている話よりも、高校生あるいは大学生ぐらいだとどんどんどんどん関心を持っていきます。なぜなら、それは自分事として考えられるから。例えば、今国会で議論をされている安保の話あるいはTPPの話その他もろもろについては、少し遠い話だと。大事なのは分かるが遠い。でも、何か自分の住んでいる町の議会を見たら、駅前の再開発をどうするんだという話がされていたと、例えばですね。そうしたら、学生なりに、いや、駅前にもっともっと例えば食べ物が食べれる場所が増えてほしいというような議論になるかもしれない。実は、それは、学生が政治として捉えていなくて日々の感覚の中で捉えていることが、全く同じ内容、同じ争点について議会でも話されているわけです。そうすると、政治という遠いもの、固いものではなくて、ああ、自分たちの社会の中にある、自分たちの生活とつながっているものなんだということを感じることができるのかなと思っています。
 また、学校教育の中は、先生という存在がありますが、基本的には同世代と話せる場だと思っています。家庭での教育の中というのは、お父さん、お母さんと子供が話す場。本当はもっともっといろんな多様な人と政治の話をすればいいと思っていますので、地域の場に出て、何か地域の世代を超えたいろんな人たち、あるいはいろんな職業の人たちとその町のことを話す、政治のことを話さなくて大丈夫、その町のことを話すことによって、それが徐々に徐々に政治につながっていくんじゃないかなと僕は考えています。
 最後に、このレジュメのタイトルにありますように、下から目線で是非若者を巻き込んでいただきたいかなと思っています。
 杉浦先生の発表にもありましたとおり、別に若い人は、十八歳、十九歳は選挙権を求めてはいません、決して。それなのに、例えばですけど、極端な例で言いますが、あなたたちに十八歳、十九歳で選挙に行ける権利をあげたんだ、権利をせっかくあげたんだから当然投票に行くべきだというようなことには絶対にしてほしくないかなと思っています。そうではなくて、政治全体あるいは大人世代あるいは社会全体として、もっともっと若者の力が欲しいんだ、若者に今後の日本を担ってほしいんだ、なので是非政治に関心を持ってほしい、投票に来てほしいというような発信の仕方を持っていく必要があるのかなと思っています。
 でも、実際に十八歳選挙権になれば、すごく大きな、若者と政治に関わる七十年ぶりの一番の変化だと思っています。僕たちNPOもそうですし、あるいは皆さん、議員個人個人、あるいは政党、いろんな立場でもっともっと若い人に自分たちのことに関心を持ってほしい、政治に関心を持ってほしいと思っている人はすごくいるはずです。恐らくですが、思っているほどまだアクションはできていないんじゃないかなと思っています。なので、せっかくこれを機なので、もうそこはがんがんやってしまおうよと。社会全体として、がらっと若者を政治に巻き込むため、僕らであれば中立な立場でやりますし、例えば皆さんであれば、皆さんの掲げている政策をちゃんと訴えて、その政策に若者の関心を寄せてもらう、そのような仕掛けがもっともっと増えていけばいいかなと思っています。
 決して若者は政治に興味がないわけではないですし、自分の将来あるいは社会のことにそこまで興味がないわけでもありません。なので、是非是非、若い人の力をもっともっと引き出すには、力を引き出すにはどうすればいいかという観点で、この十八歳選挙権の法案もそうですし、今後の選挙あるいは政治に関わることも進んでいけばいいかなと思っています。
 以上で僕の発言を終わりにします。ありがとうございました。
○委員長(牧山ひろえ君) ありがとうございました。
 以上で参考人の皆様の意見陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑の際は、どの参考人の方に対して質疑を行うかを明らかにしていただくようお願いいたします。
 また、各質疑者の持ち時間はそれぞれ限られておりますので、質疑、答弁とも簡潔にお願いします。
 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
○石井正弘君 岡山選挙区の自由民主党、石井正弘と申します。
 本日は、四人の参考人の皆様方、大変お忙しい中御出席をいただきまして、大変有意義な、また今後の審議の参考になる御意見を頂戴いたしました。厚く御礼申し上げる次第でございます。
 それでは、時間もございませんので、順次御質問させていただきますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 桐谷参考人、そして竹村参考人は、それぞれ教育委員会並びに選挙管理委員会の代表としてのお立場もおありになっての御意見の開陳だというふうに承知しておるわけでございますが、桐谷参考人には、まず、このようなシチズンシップ教育を非常に推進されまして、若者の政治参加意識の向上に多大な成果を上げてこられたことに心より敬意を表させていただきたいと思っております。
 こういった中で、今後、この主権者教育というものが非常にますます今回の法改正、これが成立した後には重要になってくるわけでございますけれども、今後、今までの経験を踏まえられまして、どのようにこの主権者教育を進めていくべきなのかという全体の御見解と、同時に、今現在、参議院選挙で今までやってこられたというふうに聞いたわけでございますが、具体的には今度実際に十八歳まで引き下げるわけでございます。御本人も、該当する高校生も多々出てくるわけでございますが、そういったことの中での今後の模擬投票のやり方をどのように工夫されていかれるのか、そういった点につきまして御見解をお願いしたいと思います。
○参考人(桐谷次郎君) まず、一点目の今後の取組でございますけれども、やはり現在は三年に一回の模擬投票、それが生徒たちにとりましては実際の行動として非常に意欲や関心が高まる。ですから、こうした生徒が参加できるような取組を実際にどうしていくのか、やっぱりそこを拡充していくべきだろう、単なる知識の植付けではないということが必要と、そこは工夫をしていきたいと考えております。
 それから、年齢引下げに関してでございますけれども、実際に県立高校の定時制ではもう既に選挙権を持っている人、生徒もおります。その子たちも一緒にこういった取組をしておりますので、基本的には今の取組を進めていく、模擬投票につきましてはそれが一つの方向だろうと。ただ、やはりそこにおきましては、生徒がより興味と関心を持てる取組の工夫、これはやっていきたいと考えております。
 以上でございます。
○石井正弘君 ありがとうございました。
   〔委員長退席、理事足立信也君着席〕
 それでは、竹村参考人にお伺いしたいんですが、キャンパスの投票所を設置されての若者の投票率向上に向けた取組、大変敬意を表させていただきたいと思っておりますけれども、今回の法改正、成立の後、やはり若者の投票率、今までの国政選挙等々を見るとどうしても相当低いんですね。七十歳以上と比べて二十歳代前半、もう二倍以上の開きがあるというデータが示されているわけなんですけれども、更に若者の投票率をこれから向上させていくためのアイデアといいましょうか具体的な方策、大学でやってこられたわけですが、例えば期日前投票を更に駅前だとか若い人、若い世代がよりたくさん集まっているような場所に設置するとより効果が上がるのではないかとも思いますが、ただ一方でいろいろ課題もあろうかと思いますが、そういった点を含めて、更に若者の投票率を向上させていくための方策、アイデア等がもしもおありになりましたら、我々にお知らせいただきたいと思いますが。
○参考人(竹村奉文君) まず、本市の場合は、大学の期日前投票所を開設する前に、大型商業施設で三か所、既にそういう全体としての実績がございました。そういうノウハウがあったがゆえに大学の期日前投票所の設置が円滑にいったかなというふうに思っております。
 今後の取組でございますけれども、まず四月の末に、地元の愛媛県立東高校の生徒会で、実は我々の方で入場券から作成をいたしまして、完全に、先ほどの事例の中にあったのともかぶるんですが、記載台、投票箱を持ち込んで、我々が出向いた出前講座という形での模擬投票をやっております。
 それから、先般は、私立でございますけれども、聖カタリナ大学の越智先生という方がいらっしゃいます。原田さんとは同じような活動をされておられた方なんですけれども、今、非常勤の形で聖カタリナ高校で先生をされておられるんですけど、その授業の中の一環でクイズ形式の選挙の参加に対する意識を上げるようなことも試みとしてはやっております。
 それからあと、先ほど原田参考人が言われたように、我々も実は高校生からだけでは遅いかもしれないというのもありまして、従来、中学校に関しましては投票箱の貸出しをしておったんですが、記載台も含めて我々が先ほど申しましたような出前講座を御希望のところには出向いて、子供たちに実際の模擬投票をしていただくというようなことで、とにかく我々が出向くことによって子供たちとそういう話すきっかけづくりをすることが、実は、地道ですけれども、ちゃんとした主権者教育につながっていくのかなと。しかも、学校の現場の先生を動かさないといけないので、そういう意味ではまず我々が出ていくことだろうなというふうに思っております。
○石井正弘君 それでは、最後に杉浦参考人と原田参考人お二人にお伺いしたいんですが、もう既に杉浦参考人の方の資料には出ておるんですが、十八歳成人とセットにすべきではないかということで、民法のことは触れられたんですが、少年法につきましては少しはっきりとおっしゃられなかったと思うんですが、それについての御見解、お伺いしたいと思います。
 それから、原田参考人にはこの両方、選挙権付与、十八歳成人とセットにすべきではないかというこの問題についての御見解と、被選挙権の引下げについて、既に杉浦参考人は御意見述べられたんですが、この二つについて御見解をお願いしたいと思います。
○参考人(杉浦真理君) 少年法については少し考えています。日弁連も見解を述べていますけれども、子供の発達段階に応じて、やはり少年法の作成された趣旨がありますので、そこを考えて、成人と一緒にすべきかどうかについてはちょっと今考えているというのがお答えになるかと思います。
 成人は、十八歳選挙権とセットであるべきだと思っています。
○参考人(原田謙介君) ありがとうございます。
 成人年齢は、僕も杉浦参考人と同様に併せて下げるべきだなと思っています。やはり、選挙という権利を得たと同時に、それはそれに関して権利だけではなくて責任もあるので、成人として責任が負わされる分も負わされると。
 ただ、もう一つ忘れてはいけないのは、権利と責任だけではなくて、その権利と責任を理解するための教育というのも併せて進まなければいけないので、権利と責任とそれに向けた教育というものも含まれればいいかなと思っています。
   〔理事足立信也君退席、委員長着席〕
 あと、被選挙権年齢の部分に関してですが、僕は少し過激かもしれませんが、選挙権、被選挙権年齢共に中学卒業後に与えてもいいかなと思っています。これは先ほどの中でも話をさせていただきましたが、義務教育というのはそういう期間だと僕は思っていますので、義務教育が終われば一人の大人として扱うような教育あるいは社会の体制が整ってもいいんじゃないかなとは思っています。
○石井正弘君 それでは、原田参考人に、高校生の中に、同じクラスの中に選挙権を得た人とそうでない人が混在することになるんですけれども、そのことが何か問題が起こるといいましょうか、逆にそのことが投票率向上にプラスになるのかどうかとか、いろいろ議論があるんですが、その点についての御見解がありましたらお願いしたいと思います。
○参考人(原田謙介君) もちろん選挙権を持った十八歳はうれしいと思います。そして、誕生日が数日違うだけで僕は選挙権持っていない、悔しいというようなことがあるので、選挙権がある人とない人という立場、そして高校の中という身近なコミュニティーの同級生同士で話すことは政治に対して、選挙に対しての関心を高めるかと思います。
 ただ、そこに関して、じゃ選挙活動の部分に関して学校内ではどこまでを認めるかというのは、それは基本的には政治としてはもうオープンにしたらいいと思うんですが、あとはもう各学校内で選挙活動に関してはどう制限をするというのは別で考える必要があるのかな、現場で考える必要があるのかなと思っています。
○石井正弘君 終わります。ありがとうございました。
○難波奨二君 民主党の難波奨二でございます。
 今日は、四名の参考人のすばらしいスピーチをお伺いいたしまして、お聞きしたいことも全てお話しいただいたところでございますけれども、何点か御意見賜りたいというふうに思います。
 まず、これも先ほどももうあったところなんですけれども、教育現場にいらっしゃいます桐谷参考人とそれから杉浦参考人にお伺いをしたいと思いますけれども、この法律の成立を受けまして、今後、文科省が具体的に学習要領等の見直しも検討に入って、学校現場にそれぞれ指導が下りるというふうに思うわけですけれども、やはり先ほどからも話がございますように、主権者教育というものをどういう観点でもって子供たちに教えていくのか。
 あるいは、教える側の苦労といたしますと、これも先ほどからあったことでございますが、政治的中立性というものをどう担保して子供さんと、生徒さんと向き合っていくのかという、非常に大勢の、全国でございますし、また大勢の教員の方にその取組をお願いするわけなんですけれども、この間の御経験を踏まえまして、そして我が国にふさわしい主権者教育の在り方とか、あるいは政治的中立性の担保というものをどう構築すべきなのかと、この二点につきまして、桐谷参考人と杉浦参考人にまずお伺いしたいと思います。
○参考人(桐谷次郎君) まず、一点目の主権者教育ということですけれども、大変残念ながら、学校を出ても社会につながることができない、そういう生徒がおります。基本的に、学校教育は、これからの社会の中で生き抜く力を養い、そして実際に社会に出て働き、社会につながり社会に貢献をする、そういう人材を育てていく、やっぱりそれが大事だろうと。そのときに、社会の在り方や政治の仕組み、そして意思決定の仕組み、やはりそれをしっかりと自分のものにして、自分で主体的に考えられる、そういった生徒を育成していくこと、やはりこれが主権者教育という面では大切なものと考えております。
 それから、二点目の政治的中立性。これは、私どもが二十二年度の模擬投票から二十五年度実施をする過程で、法的には教育基本法から始まり、公職選挙法、様々な法律が関わっております。その一つ一つについて専門家の御意見もいただきながら、私どもとしては非常に悩んだところもございますが、何とかクリアをしてきたと。
 やはり、学校現場における政治的中立性と生徒に主権者教育を行うということは、私は両立をするものと思っておりますので、そこの部分は今後ともしっかりとやっていきたいと思っております。
 以上でございます。
○参考人(杉浦真理君) 御質問ありがとうございます。
 まず、主権者教育ですけれども、シチズンシップエデュケーションというのを、私、今そういう団体にも入ってやっているんですが、投票のための教育になってはならないと思っています。子供たちが社会にどうつながっているのか、どう自分たちの声が政治に反映できるのかというのを知っていく。
 そういったためには、まず投票の前に、例えば学校の主人公に子供たちがなっているのかというときに、例えば遠足の行き先を決めるというささいなことですけれども、そういったものを生徒が決められている学校はどれぐらいあるでしょうか。あるいは、学校の予算の一部を自分たちの福利厚生に使えるみたいな生徒会の力があるところはどれぐらいあるでしょうか。そういう身近なことを身近で決定し参加する、そういった力を養っていくのがまず基礎にあるのかなというふうに思っています。こういったことはスウェーデンではできております。
 それから、主権者教育の中では様々な学習ができます。例えば、地域の市議会に模擬請願をしてみる、そういう勉強の仕方もできますし、あとはディベートという形で社会のいろいろな論争的なことについて議論する、そういったこともできます。そういったものを通して自分の考えをつくり、他者と議論し、そういう中で自分の投票行動というのが形成されていく、そういう教育というのがやはり進められていく必要があるかなというふうに思っています。
 さらに、政治的中立性というのは難しいことではあるんですけれども、例えば今回の法律案の参考資料に、二十九ページのところなんですけれども、高等学校における政治的教養と政治的活動という昭和四十四年のかなり古い文部省の通知がありまして、この当時は時代を反映してこういうものになったと思うんですけれども、要するに高校生は政治活動してはいかぬ、学校の外もあかんという形での通達が今もある意味生きているということもあります。こういった現状の中で、どうこの子たちが勉強していくかというときに、教師もやはりこういうのを見たときに、政治の教育をするのはちょっとやめようかな、ちょっと不安だなという人がたくさんいるわけですね。
 そういう意味で、神奈川県のように模擬投票を推進していただくとか、あるいは論争を違ったものは違ったものとして紹介するという教員のトレーニング、つまり、一つの党派を応援したり一つの党派を批判するのではなくて、違ったものは違ったものとして提示して理解できるような、そういう教員のトレーニングとか、それを促すような、先ほど申し上げました総務省の選挙のプラットホームとか、そういった学習の素材というのを社会が準備する、そういうものが必要なのかなと思っています。
○難波奨二君 続けてお聞きいたしますけれども、中央が、国がそうした指導の在り方というものをきちっとコンクリートにして、各都道府県の、あるいは市町村の教育委員会に指導を下ろすというようなやり方の方法が、まあそういう方法もあり得るし、あるいはもっと地方の教育委員会に自由度を持たせて多様性のある教育の在り方ということを求めるという、こういう考え方はどのようにお受け止められますか、ちょっとお答えにくい部分はあるかも分かりませんが。
○参考人(桐谷次郎君) 国政というレベルで考えたときに一定の全国的な統一性、そういったものの必要性は私はあると思っています。ただ同時に、やはり各地域地域にはその実情と特性がありますので、その中で何がそこに育つ子供たちにとって必要なのか、それはやはり地域が自主的に物事を判断していくことも必要だろうと。やはりそういった二面性の中で、県教育委員会の役割というのは私は大きなものがあると思っております。
 以上です。
○参考人(杉浦真理君) スタンダードなラインを国が出すというのはいいんですけれども、それしかできないというような統制的なものを出されますと、非常に現場としてはやりづらいなというふうに思います。
 例えば、スウェーデンでは模擬投票というのをかなりやっているんですけれども、それは青少年庁という国の役所がモデルケースを出して、それに参加するか参加しないかは各学校の自由なんですね。それも、生徒会が主催しているのもあれば、学校側の教員の方が主催しているのもあれば、多様な媒体でそれをチョイスできるんですよね。そういうような形の方が多分、多様ないろんな実践が生まれて、それをまた共有するようなどこか実践をまとめたものを文科省でもつくっていただけるとうれしいんですけれども、最低限のガイドラインは必要だと思いますが、基本的に各地方の実践を紹介していただくような在り方が有り難いと思います。
○難波奨二君 最後の質問にいたしますが、原田参考人にお伺いいたしますが、我が国の公職選挙法でございますけれども、今回こういう形で十八歳投票権の引下げには改正を行うわけですけど、その他の公職選挙法に関わる問題でどういう課題があるという認識を持っておられるか、簡単にちょっと御意見をお願いしたいと思います。
○参考人(原田謙介君) ありがとうございます。
 これは、やっぱり選挙期間中に候補者側と有権者側が双方向でやり取りができる機会が余りにも少ないのかなと思っています。それは、もしかすればミニ集会みたいなところに行けば有権者としては聞けるのかもしれませんが、なかなかそういうところにもはや若者は行きません。駅の前で演説をしていたときに通り過ぎて、演説の中身は聞くと思いますが、そこに対してわざわざ歩み寄って質問に行くという人は余りいません。
 なので、僕たちのNPOでもやっているんですが、例えば、双方向の場がインターネット上でもっともっとできるようなプラットホームをいっぱいつくるであるとか、あるいは戸別訪問のようなもので実際に解禁ができないかということがあります。
 あともう一つあるとすると、いわゆる討論会。討論会が選挙期間の前にしかほとんどできないように今法律の状況になっている。合同立会演説会というやり方にすれば選挙期間中にはできると思うんですが、なかなかここはハードルが高いので、そうではなくて選挙期間中にきちんとした討論会をちゃんとやれるんだと。そこでしかやっぱり有権者は興味を持ちませんので、選挙前じゃなくて選挙期間中にそういうきちんとした候補者同士の討論、あるいはそこに候補者と有権者も交ざった討論の場というのがもっともっと増えていくような法改正があればいいかなと思っています。
○難波奨二君 終わります。ありがとうございました。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 今日は、四人の参考人の先生方、本当にありがとうございます。
 まず初めに、主権者教育について杉浦参考人にお聞きしたいと思います。
 事前にいただいた資料でも、今お話にもありましたが、選挙に行く動員という教育ではなくて、例えば政治とは何かという授業が必要だという御指摘がありました。まさに私自身も大学に行って初めて政治とは何かというような意識を持って議論をした記憶があるぐらいに、高校までの教育ではなかなかそういう議論をしていなかったなということを改めて思ったわけでありますが。
 先生は中学、高校の先生ということでありますので、特に高校の話はございましたが、中学あるいは小学校の義務教育におきましての主権者教育拡充ということについて御意見いただければと思います。
○参考人(杉浦真理君) 御質問ありがとうございます。
 例えば、お小遣いを決めるというのは一つの家庭内の政治なんですよね。力関係によって額が変わっていったりします。そういったものが、ある意味、いろんなところで物事を決めるときには、誰が権限を持っていてどのように話し合って決められていくかというのは全て政治なんですよね。そういうものを体験していくような小学校からのやっぱりプログラムが必要かなというふうに思います。
 それと同時に、社会の中で私たちは生かされているという面があります。例えば、小学校では消防署の見学だとか行くんですけど、そういう公共財というのが税金で賄われていて私たちの生活に役立っているというのを知っていくような場面があるわけですよね。だから、単に消防署を見せるだけじゃなくて、やっぱりその消防署はどういうお金で造られているかと、そういうことも分かれば、自分たちのお父さん、お母さんが払っている税金によってこれが成り立っているとか、そういう社会の仕組みにつながっていくようなもの、そういうものを理解していくことが実は主権者教育の第一歩になっていくわけですよね。
 そういったものを小学校、中学校、積み上げて、原田参考人の言われたように、理想的に中学校までで完成すれば十六歳選挙権ができると思うんですけど、そこまではちょっと時間が掛かると思いますが、いろんな言わば物事を決めていくときに自分の声がどう政治につながっていくのか、社会の中で、そういったもので例えば税金がどう使われているのか、そういうものが理解できるような発達段階に応じた教育というのをしていった中で、最終的には高度な、安保法制はどうだとかTPPはどうかとか、そういう議論に高校では行ければなというふうに思っております。
○西田実仁君 ありがとうございます。
 次に、インターネットによる選挙運動の解禁による影響と課題につきまして、桐谷参考人、また原田参考人にお聞きしたいと思います。
 御案内のとおり、インターネットによる選挙運動というのが一昨年の四月に成立をいたしまして、既に参議院の選挙、衆議院あるいはこの間の統一地方選挙を経たわけでございますが、これによってどのような変化があり、またどのような課題が生じているのかということについてしっかり検討していかなければならないと思っております。
 特に、今参議院にかかっております法律案に関連いたしまして、インターネットによる選挙運動が若者の投票率の向上あるいは主権者教育ということにどう生かしていけるのかという、あるいは生かすべきなのかということも検討していかなきゃならないと思いますが、この点につきまして両参考人に御意見を賜りたいと思います。
○参考人(桐谷次郎君) インターネット選挙の関係でございますが、現在の高校生のスマホの所有率等を見ていきますと、もうまさしく子供たちにとってはインフラと変わらない状態になってきております。そうした中で、これから子供たちが政治との関わり、考えていくときに、やはりインターネット、スマホの部分を避けて通ることはできないだろうと。
 そのときに、スマホの議論というのは教育現場でいろんな議論がありますけれども、単純に禁止をするのではなくて、やはりこれから子供たちが大人になる時代というのはインターネット、スマホが当たり前の時代でございます。そのときに必要なのは、情報リテラシーの教育、まさしくスキルとモラル、それをいかに子供たちのうちに学ばせるか、それがひいてはインターネット選挙という主権者教育の中での一つの分野にも良い影響を与えていくんだろうと。
 やはり、根本的なところで情報リテラシー、これからの時代を生きていく子供たちにとってはスキルとそのモラルを教えていくこと、それが大事というふうに考えております。
 以上でございます。
○参考人(原田謙介君) ありがとうございます。
 インターネット選挙運動というのは、もちろん選挙運動の中の一つのツールでしかインターネットはありませんが、これは僕は逆に、若い人ほど使いやすいツールが初めて選挙運動の中に入ったかなと思っています。そういう意味で、インターネットということが入ったのはすごくいいことかなと思っています。
 そのポジティブな影響を二つ述べさせていただきたいんですが、一つは、選挙に行く若者、あるいは選挙に行こうと思っている若者にとっては情報がすごく取りやすくなりました。ここは選挙に行こうと思っている若者なので、投票率を上げる、選挙に行かない人が行くようになるというほどのまだまだ浸透度はありませんが、投票に行こうかな、あるいは行くと思ったときに候補者を探せるとかということがよりやりやすくなったというのはすごくポジティブなものかなと思っています。
 二つ目としては、今までの後援会あるいは各議員の皆様の後援会のようなものよりもうちょっと緩い後援会のようなものが特にSNSを介してできているような気がしています。既存の後援会であれば、例えば住所あるいは何か会費などを払って申し込んでおくと、そうすれば、例えば年に何回か活動報告みたいなものが送られてくるような流れだったと思うんですが、そこまではやらないとしても、ちょっと接触のあった議員さん、あるいは何かニュースなどを通じて気になった議員さんのSNSをフォローしておく、あるいはフェイスブックで「いいね!」を押しておくだけで何となく情報が入ってくるというのは、これは新しい有権者が政治に常に触れるやり方かなと思っています。
 この二点がポジティブな影響でいいかなと思っています。
○西田実仁君 投票率の向上のための方策ということについて、竹村参考人にお聞きしたいと思います。
 もう言うまでもなく、投票率は近年非常に下がっておりますし、また、さきの統一地方選でも低くなってきているわけでありますけれども、若い人たちを中心に投票率をいかに上げていくのかという、繰り返し課題として挙げられておりますが、先ほどのお話で選挙コンシェルジュ等の御紹介もいただきました。同時に、他の参考人の方から、若い人たちが我々が作るマニフェストがよく分からないとか、あるいは選挙公報そのものが今のままではなかなか理解されないという御指摘もありました。
 こうしたことを踏まえて、これまでの取組から更にもっとこういうふうにした方がいいんじゃないかという御提案がありましたら、御意見を賜ればと思います。
○参考人(竹村奉文君) 私の方で改めて皆様の方の公約を発信するツールは本当に選挙公報しかないという、これを改めて見直したときに、これはまずいなというのがありました。先ほど、インターネットというようなこともあるので、実は我々選管側も一生懸命にならないといけないんですけれども、そういう皆様の方も、常時、実は選挙のときだけではなくて、平素からそういう若者に向けて様々なことを発信していただくと、非常に若者もそういうことを踏まえて判断がしやすくなるのかなと。
 実は、我々ができるのは、皆様のそういう公約の情報をいかに選挙人の方に届けるかという工面をいろいろと考えなきゃいけないなというふうには思っておりますが、それはもう一つは、政治家である皆様の方もある程度平素からそういうものを発信していただけると、非常に上手な歯車が組み合うような形で、選挙人の方は実は見ていないようでよく見ていたりします。その一つとして、若い人たちから出たのは、選挙公報を、局長、読んだんだけど我々に対してのメッセージがないんですけどって言われたことがあります。
 ですから、そういうこともありますので、社会全体がやっぱりそういうことを若い人たちに特に発信をしていくような、何かそういう機会を増やすことだろうと私は思っています。
○西田実仁君 終わります。ありがとうございました。
○室井邦彦君 参考人の皆様方には、大変御多忙のところお時間をいただきました。心から感謝と御礼を申し上げます。
 限られておりますので、早速、失礼な質問の仕方をいたしますけれども、四人の先生方に、一同に同じ質問をさせていただきたいと思います。
 まず、この選挙権の年齢を引き下げることによって社会的な影響、またさらには社会的な効果というものはどういったものがあるのかということと、もう一点、この選挙違反ということについてちょっと私も心配しておるわけでありますけれども、とりわけ連座制に関わるような選挙違反に気を付けなければならないと、そういうことについて、どのように正しい選挙運動を教育していくのか、また、知識を身に付けさせていけばいいのかということについて、お考えをお聞かせいただければ有り難く思う次第であります。
○参考人(桐谷次郎君) まず、一点目の社会的影響と効果でございますけれども、年齢が引き下げられれば、これまで投票行動を行ってこなかった者が社会に対して自分が参画ができるということになりますので、当然ある世代を代表する意見というものが一つのまとまりとして出てくるのではないかと、そういうふうには考えております。
 それから、選挙違反、正しい選挙運動ということを教育という立場から申し上げれば、やはり選挙がどういうものであるかということを若いうちからしっかりと学ぶこと、そして、選挙のすばらしさと同時に、それに違反をしたとき、やはりそれは国政なり地方政治なり非常に大きな影響があるんだということ、そういった点を主権者教育という中でしっかりと教えていくこと、私はこれが大切だというふうに思っております。
 以上でございます。ありがとうございます。
○参考人(杉浦真理君) まず一点目ですけれども、高校生を見ているのでその辺の話をしますと、やっぱり大学生だといろいろな講義には出るんですけれども、ばらばらに出ていきますので、一日中生活を共にするというのはないんですよね。高校生だと同じ教室の中で語らい合いながら成長していきますので、そういった子たちの中に有権者が存在するということは、やはり社会のいろんな課題について話し合う機会は間違いなく増えてくると思います。そういう判断する材料も多分集めて、授業だけではなくていろんな形での議論が沸き起こってくる、そういったときに、自分たちの、じゃ若者の要求って何なのかなということも多分考えると思うんですね。
 先ほど非正規雇用が増えてきているという現状もお話ししましたけれども、やっぱり就職をもっと改善してほしいという声だとか様々な若者の要求があると思うんですね。そういったものをやっぱり反映するという形で投票というのは増えてくると思います。
 さらに、大学生であると、松山市選管さんの七ページ目の資料にあるんですけれども、松山市に住民票がないということが起こるんですよ。ところが、高校生は自分の居住地に住民票がないということは、まあ一部寮生を除いて、ほとんどないんですね。ということは、投票に皆さん本当に行けるんです。だから、住民票がない人は自分の居住地に戻らなきゃいけないですよね。そういう作業も高校生はないので、間違いなく高校生の投票率は上がると思います、大学生よりも。そういう言わば一回目の練習といったらちょっと失礼ですけれども、そういうことを高校生で体験をして、やはりこの社会に入っていくということになれば、多分二回目の投票も、今の最初から大学生で投票する子よりも間違いなく上がっていくというふうに思っています。
 次に、選挙違反については、高校生だから余りないと思うんですけれども、今御指摘のようなやはり公職選挙法に違反するということはまずいですので、そういった意味で、きちっと法を学校現場として伝えるということは大事ですし、ただ、先ほども申し上げた点もあるんですけれども、日本の公職選挙法はかなり有権者の活動を縛っているところもあるので、そこはもう少し解禁しながら、何かうまくソフトランディングするような生徒への告知みたいなのができればいいかなと思っています。
○参考人(竹村奉文君) 私の方からは、社会的影響及び効果については、当然、未来の長い有権者が増えるわけでございますので、社会全体としてより未来について様々な議論が巻き起こるんだろうなと、そういう点では非常にいい効果が出るんじゃないのかなというふうに期待しております。
 それから、選挙違反、連座制についてでございますが、実は若い人たちが選挙違反が重い罰だということを認識していない人が非常に多うございます。特に、先ほど出ましたインターネットを活用した選挙運動の中で、非常に拡散とか、そういったような行為の中で選挙違反に係るようなことが出てまいります。そういうことを余り意識せずにやってしまうような現実もあるんじゃないのかなというふうには認識しておりまして、ですから、一方ではこういったことは選挙違反になりますよということをしっかりと周知をしないといけないのかなと。それは若い人たちだけではなくて、先ほど来出ました親御さんに対してもそういう啓発、アプローチをするようなこともしないと、若い人だけでは足りないんじゃないのかなというふうに思っています。
○参考人(原田謙介君) ありがとうございます。
 社会的な影響に関してはほかの三名とも近いんですが、やっぱり若い人、今後日本の社会を担ってつくっていく若い人をより政治に巻き込む、あるいはより若い人の声を聞くんだというような雰囲気が世の中に影響として出てくるのかなと思いますし、影響をやっぱりつくっていくのは、今後皆さん含めて我々がその十八歳選挙権というものに対してどうアプローチをするかによっても変わってくるかなと思いまして、我々としても理念を、十八歳選挙権は若者の声を政治が欲しているタイミングなんだと、そういう理念を持ってもっと影響を深めていくようなやり方が必要かなと思っています。
 公選法違反に関しては、もうこれもお三方とも近いんですが、やはり教育が大事かなと思っています。余りにも教育がなされていないと思います。政治の教育はある程度、例えば議院内閣制とかあるいは三権分立だ、衆参あるということは習いますが、その中でこれをやったら選挙違反なんだということは習っていないので、そういうことをいかに深めていくのか。
 あるいは、子供、親、そして候補者の皆さんでも細かいところの公選法の違反まで知らないような方も多々いらっしゃるのかなと。この前の統一地方選挙のときに、投票日が終わって、受かった次の日、インターネット上ではお礼の挨拶をするのは今の公選法ではオーケーなはずです。ただし、そこを恐らく知らないのか、実は挨拶はできませんみたいな回りくどい文章をホームページ上に書いていらっしゃる方も散見されたので、その辺りも含めて、子供、親、そして候補者の皆さんへの教育というのをもうちょっと改めて進める必要があるのかなと思っています。
○室井邦彦君 ありがとうございました。
 あと三分ございますので、また四人の先生方に同じ質問でありますが、もうあと一年ということで、新たに選挙権を得る若者たちに、タイミング的にと言えばいいのか、どのような啓蒙活動を特に重点に置いてすればいいのかな、どのように考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
○委員長(牧山ひろえ君) 恐縮ですが、時間の関係もございますので、答弁は簡潔にお願いいたします。
○参考人(桐谷次郎君) 教育現場で、やはり改正ということになりますれば、まずはそこの部分をしっかりと教えていく、これが大事と思っています。
○参考人(杉浦真理君) 政治的なリテラシーを高めるということが大事なので、生徒の、この間議論が出てきたSNSを活用していろんな情報を収集し、かつ最終的には国民投票を教室内でやってみるような授業を安保法制でこの七月やろうと思います。
○参考人(竹村奉文君) 先ほど申しましたように、本人だけではなく、その親世代に対しても同じように啓発をしていくような機会を増やしていきたいと思っています。
○参考人(原田謙介君) もう僕は雰囲気づくりだと思っています。若い人の声を聞きたいんだ、それを政治、大人、あるいは行政がいかに発信をして若い人に届けるかということを進めるべきだとこの一年は思っています。
○室井邦彦君 終わります。どうもありがとうございました。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 今日は参考人の皆さん、ありがとうございます。
 まず、若者の政治参加の教育の問題について、特に模擬投票に関わってお聞きしたいと思います。
 杉浦参考人も、全国的なネットに参加をしているけれども、地域によっては教育委員会等がやめろと言う場合があるというお話がございました。どういう理由でそういうことになっているのか、そこに見られる今の高校における在り方の問題について、まず御意見をいただきたいと思います。
○参考人(杉浦真理君) ちょっと具体的には申し上げませんが、公立高校はやっぱり厳しいです、模擬投票推進ネットワークに入ってくるのは。私立の学校、まあ本校もそうなんですけれども、多いです。それは、やはりこういった生の政治を取り扱うということに、教育基本法の、政治的教養を高めなきゃいけないという第一項はあるんですけれども、第二項の政治的中立性を担保するためにどうするかというと、やめとこうという学校がやはり公立さんの中ではある。その判断をやはり教育委員会なり校長がする場合があるということで、それはちょっと残念なんですけれども。
 こういった動きについても、神奈川県のような取組もありますし、今後、十八歳、有権者が目の前にいるという学校現場になってきますから、だんだん変わっていくのではないかなというふうに期待しております。
○井上哲士君 神奈川の場合はそういう議論もあったんだろうと思うんですが、今は全体で取り組んでいらっしゃる。大変すばらしいと思うんですが、先ほど出たような懸念をどういうふうに克服をされて今やるに至ったのか。
 それと併せて、模擬投票に係るアンケート結果を見ますと、政治的関心、高まったが五六・八、そうでもないというのが四三・二、意外と拮抗しているなという印象なんですね。否定的な感想も若干先ほど御紹介ありましたけれども、全体でどういうことがあって、これから見れば、どういうことを今この投票ということで改善が必要なのか、併せていただきたいと思います。
○参考人(桐谷次郎君) まず一つは、模擬投票を単独で本県の場合はやっているわけではございません。あくまでも年間の教育課程の中に位置付けて、事前学習から始まり事後学習の振り返りまで、つまり一連の教育課程の中の一つとして模擬投票をやっております。
 そういった意味でいけば、まさしくカリキュラムに位置付けられ、そして、先ほど申し上げましたように、公職選挙法等の規定に抵触をしないように専門家の方から様々な意見をいただき、検討をし、そして留意事項を定め、それで全校で実施をしてきているというのが実情でございます。
 それから、アンケート結果で確かに否定的な意見もございます。ただし、これは教育現場から見たとき、否定的な意見だったとしても、まずはそういった意見を言えるように子供たちがなったというのも事実でございます。これまでいわゆる選挙あるいは政治に関心を持っていなかった子供たちが、否定的な側面はあったとしても、それをどう思うかというふうに子供たちは感じたと。やはり、そこにこの一連の主権者教育をやった結果として子供の変容があったというのが学校現場の先生たちからは聞かせていただいております。
 以上でございます。
○井上哲士君 参考人のお話にもありましたけれども、やはり新たに十八歳以上の若者を主権者として、パートナーとして迎えるわけですね。ですから、私たちは、与えたんだから後は何とかしろ、選管頑張れとかということではなくて、やはり政党、政治家としての責任といいますか役割が問われると思います。
 そういう点で、新しい主権者になる若者の皆さんが選挙、政治に参加をしていく上で政党、政治家に何を求められるか。活動のスタイルとか、政策の中身とか、訴えのやり方とか、いろいろあろうかと思うんですけれども、それぞれ御注文、また御提言、御意見などいただければと。四人の方にお願いします。
○参考人(桐谷次郎君) アンケート結果でもございましたけれども、なかなか難しくて分かりにくいということがございました。これは、基礎的な知識がないという、あるいは少し足りなかったという側面も決してなくはないと思いますが、やはり分かりやすさ、誰もが理解をし得る、そういったものがお訴えの中にあれば、また子供たちのこのアンケート結果というのも変わってきたのかなと、そんなふうに思ってはおります。
 以上でございます。
○参考人(杉浦真理君) 度々出ますけれども、本当に子供たちはスマートフォンに支配されているという現状があります。その点でいいますと、共産党さんの「カクサン部!」はとても頑張られておられて、生徒のヒットもありますので、そういう情報の発信の仕方というのは若者にやっぱりちょっと大事なのかなと。
 二年前の衆議院選挙で「あべぴょん」というのがはやりまして、自民党の方は御存じかもしれませんが、それをクリックすると、安倍さんがこうどんどん上がっていくんですよね。単純なんですけれども、そういうふうに政治に参加するみたいなゲーム感覚のものというのは子供たちにフィットしたりします。
 さらに、お願いもあるんですけれども、ホームページにうちの生徒なんかはマニフェストの分析なんかで分からないことを質問させていただくんですけれども、共産党さんはすごく丁寧に答えていただけるんですね。でも、ある政党は、そこに質問をすると、貴重な御意見ありがとうございましたと返信が来て終わり、まあ、どこの政党かちょっと調べてくださいね。そういう状況ですと、生徒は、やっぱり自分が本当に知りたいと思っていても答えてもらえない、つまり、自分たちの意見がその政党に聞き届けられるのかな、あるいは自分たちの質問に答えてくれるのかなというのは結構高校生は思っているので、そういうSNS媒体も含めた返答をいただけると、子供たちがいい政治的な興味も湧きますし、何というか、より成熟していくのではないかと思います。是非お願いします。
○参考人(竹村奉文君) 今、社会の構造の中で、先ほど来ずっと出ておりますように、政治家、政党の皆様方が選挙人に対して発信するツールが非常に便利なものがたくさん出てきたということでございます。それもコストを掛けずに出すことができると。そういう意味では、先ほど来申し上げておりますように、常時の皆様の活動をしっかりと伝えれば、私はある程度選挙人の方はそこで理解をしておるんじゃないのかなと。そのことが実は選挙始まったと同時にそれを確認するというぐらいの形になれば、非常に理想な形になるのかなというふうに思っています。
○参考人(原田謙介君) ありがとうございます。
 各政党、恐らく青年委員会みたいな部署がそれぞれあるとは認識をしているんですが、なかなかそこの活動が実際に青年に対して行われていない側面もあるのかなと思います。この機会に各党の青年の組織をもっと力を入れて、例えば大学でもいい、各都道府県でもいい、そういうところの有権者を巻き込んでいくんだというような姿勢を一ついただければなと思っています。
 あと、杉浦参考人の意見とも少し重なるんですが、急に十八歳とかあるいはそれぐらいの年齢の人に政治的な意見を求めるのは少し酷かなと思っています。もちろん、投票に行ってもらうのでそこまでやらなければいけないんですが、そうではなくて、政治的な意見がなくても疑問はすごく持っていますので、それは投票に行く人も行かない人も、有権者の疑問をどんどんどんどん引き出すような情報発信をして、その疑問に答えていただくことによって双方向性が生まれて、ああ政治が僕たち若い人のことを見てくれたんだと思うと思います。
 あと最後、もう一点、少しずれるかもしれませんが、例えば参議院として何かやれることがないかとか、そういうような考え方もしてみてはいかがでしょうか。地方自治体であれば、自治体によって議会報告会みたいなものを超党派で行っているような自治体もあったりしますので、何か参議院全体として、せっかく超党派で出されている法案なので、超党派でできることがないのかということも少し検討をされてみてはどうかなと思います。
 以上です。
○井上哲士君 最後に、竹村参考人に。
 選挙公報が非常に大事だというお話がありました。読まれる中身にするのは候補者が工夫しなくちゃいけないと思うんですが、私なんかの住まいのところはいわゆる自治会を通じて配るということになっていますと、なかなかやっぱりアパートなんかに住んでいる若者に届かないということがあるわけですね。そういう配布の在り方の工夫など、法律改正が必要ならば、それも含めてどのようにお考えでしょうか。
○参考人(竹村奉文君) うちの方は以前、新聞折り込みにしておきました。ただ、新聞の購読量が落ちておりますので、現在はフリーペーパーで全戸配布、無料のフリーペーパーを配布しておる事業者を使って、同様に選挙公報を配布していただいております。
 ですから、できる限り、まず全世帯には網羅するということを前提にしながら、ただ、その部分は重なってもいいので、様々な機会に公共施設だとかそういうところで配布するようなことには努めております。
○井上哲士君 ありがとうございました。
○行田邦子君 日本を元気にする会・無所属会の行田邦子です。
 今日は、四人の参考人の皆様には大変貴重な御意見、ありがとうございました。
 先ほどから、御意見、また質疑を伺っていまして、政治家、政党がやるべきこと、まだまだたくさんあるんだなという、私の反省も含めて感じております。
 まず最初に、原田参考人に伺いたいと思います。
 原田参考人は、新聞の取材に対してこのように答えています。選挙権を得た十代は投票に行くんでしょうかという質問に対して、二十代前半よりもむしろ行くだろうと、このように答えていらっしゃいます。二十代前半の投票率というのは、昨年の衆議院選だと二九・二%と非常にショッキングな数字なんですけれども、それよりも十八歳、十九歳の方が有権者になられたら投票に行くだろうとお感じになっている、そのお考えをもう少しお聞かせいただけますでしょうか。
○参考人(原田謙介君) あの新聞のインタビューまで読んでいただき、ありがとうございます。
 二つあると思っていて、一つは、初めて十八歳、十九歳にもらったんだという、その歴史的な瞬間を捉えて、盛り上がりとともに十八歳、十九歳は次の選挙では確実に投票に行く層は増えるんじゃないかなと思っております。初めてもらったのだから行使しようという考えは、二十歳以上の人よりは高いのかなと思っています。
 二つ目は、特に十八歳に起こることかなと思っているんですが、特に十八歳の高校生ですね、コミュニティーの中での、密なコミュニティーがあって、その中で政治、選挙の話をするということが実際に投票行動につながるというのは、例えばオーストリアで選挙権が十六歳に下がったときの調査でもかなり有意義に出ています。学校の中で友達と話をした結果、投票に行ったというような割合のアンケートがすごく多いので、二十歳以上の大学生あるいは社会人に比べて、高校という密なコミュニティーの中で政治、選挙の話をすることが投票につながるのかなと思って、そのように投票率は上がるとお答えをさせていただきました。
○行田邦子君 ありがとうございます。
 続いて、竹村参考人に伺いたいと思います。
 先ほどの御意見、松山市での選挙委員会での取組、大学と連携を取って非常にすばらしい取組をされているなと。このことによって二十代前半の投票率がむしろ上がった、全体が下がる中で上がったといったことも読ませていただきました。
 今度は選挙権が十八歳、十九歳にも与えられるというふうになると、大学だけではなくて、高校あるいは中学との連携ということもお考えになられる必要があるのかなと思いますが、その点、いかがでしょうか。
○参考人(竹村奉文君) まさに我々は義務教育からそういうことを始めたいなというふうに思っておりまして、今、中学校の校長会の方にお願いをして、全体としてまず受入れをしていただくような仕組みをつくっております。かなり好意的なアクションがございまして、模擬投票について我々が、先ほどもお話をしたんですが、出前講座ということで協力をさせてくださいと、そこからきっかけとして主権者教育へ先生方に広げていただきたいというふうなことの取組を始めております。
 高校の方も、もう既に何か所かはそういうふうな実績もつくってきておりますので、当然ながらやろうというふうに考えております。
○行田邦子君 それでは、桐谷参考人と杉浦参考人に伺いたいと思います。
 私は主権者教育を更に学校で進めていく必要があろうと思っていますけれども、そのときに、より生ものである政治、生の政治に触れていく必要があるかなと、その方が生徒も関心を抱くのではないかと思っていまして、言ってみれば実践的な政治教育というのを学校現場で更に進めていく必要があるんだろうというふうに考えております。
 そんな中で、教育基本法の十四条第二項は、「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。」というふうになっていまして、これを読むと、私が皆様方の立場だとちょっと引いてしまうなと、やめておこうというふうにお考えになってしまうのではないかなというふうに思うんですけれども、よく言われているこの政治的中立、特定の政党の支持やまた反対といった活動にならないような学校現場での実践的な政治教育というのをどのように可能とすることができるのか、お答えいただけますでしょうか。
○参考人(桐谷次郎君) 一部先ほどお話しした部分もございますけれども、やはり学校現場において教育の政治的な中立性は、これは確保をしていく。そのために、私どもは、実際に学校現場で教員がこの模擬投票についてお話をするとき、各政党の主張、それらについて何らかの価値判断を与えるようなコメントはしない、そうしたいわゆる公職選挙法等に抵触しない形でしっかりと先生方には実施をしていただくように研修もし、指導もし、そして統一的な指導の形を取っております。
 私は、実践的な政治教育は、やはりこれは必要だと思いますし、同時に、ある特定の政党を支持するしないという、そこの部分も私はクリアができるものというふうに考えておりますし、神奈川県ではそういう形で進めてきています。
 以上でございます。
○参考人(杉浦真理君) 結構悩ましいところを御質問いただきまして、非常に常にこれは迷っているところというのはあります。
 例えば、先ほど御紹介申し上げましたドイツのボイテルスバッハ・コンセンサスにおいては、論争があることは論争のあるものとして伝えるということと、あと、教員が自分の意見だけを圧倒して生徒の意見は聞かないとか、そういうのはまずいというのがありますので、その辺をガイドラインとして僕は授業をしようとしています。結果的に一党一派のための教育にはなっていないというふうに思いますけれども、その辺は、厳密に言われるとというと何かちょっとどきどきするところがありまして、例えばドイツの場合ですと、教員が自分の見解を述べるということはいいことだといいます。ただ、それは生徒を圧倒してはいけない。つまり、教員であっても一人の市民ですので、その意見を持っているということがいい教材になるんですよね。その辺は日本では多分理解されないので、自分の見解を述べないという方が、神奈川県のような形が普通だと思うんですが、この辺はきちっと一定の合意をつくっていく必要があるかなというふうに思っています。
 それから、例えば政治教育の在り方として、もう少し学校現場にディベートが入ってくればいいかなと思っています。例えば、原発の再稼働というのは今国民的な大議論ですけれども、それについて例えば賛成派、反対派に分かれて議論してみるとか、安保法制、先ほど取り上げましたが、安保法制についても多分世論を二分するような議論になっていると思います。そういったものについて、取り扱わないのではなくて、賛成派、反対派それぞれがちゃんと論を立てて議論をし、それをフロアの生徒が聞いてジャッジする、そのような言わばトレーニング的な政治教育というのがもう少し学校現場で普及していけば、どちらかのための教育ではなくて、社会で議論が分かれているものは議論が分かれているものとして理解し広げていくような、そういう教育実践というのが広がればいいと思います。
 あと最後に、本校の場合は、参議院選挙ごとに各政党に来ていただいて、マニフェストの説明をしてもらって模擬投票をします。なので、是非来年も来ていただいて、そのときに話をしてもらいたいんですね。例えば、アメリカとかイングランドとかスウェーデンとかいろいろ研究に行ってきましたけれども、議員さんが学校に来るって普通なんですよ。何というか、政治はここで行われるものだけじゃなくて、市民と対話するという姿勢があれば、未来の有権者にも是非足を運んでいただいて、いろんな社会の課題について語っていただくような場を是非参議院さんの方もつくっていただければと思います。
○行田邦子君 ありがとうございます。
 最後の質問ですけれども、住民投票について伺いたいと思うんですが、原田参考人は、若い人たちが政治に関心を持つためには、国政ということもありますけれども、むしろ身近な地方政治ということが取っ付きやすいんじゃないかというようなことをおっしゃっているかと思います。そこで、住民投票、私は今後、更に増えていくと思うんですけれども、この住民投票の機会を活用して若い人たちに政治に関心を持ってもらうと、こういったことを学校の現場あるいは民間の場でも進めていく、こういったことはできないかどうか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
 原田参考人と杉浦参考人にお願いします。
○委員長(牧山ひろえ君) 時間が限られておりますので、簡潔にお願いいたします。
○参考人(杉浦真理君) それはできると思いますし、是非努力したいなと思います。
○参考人(原田謙介君) 普通の選挙と違うのは、やはり一つのテーマでの賛成、反対だと。一人の議員を選ぶときに、例えば、この政策はいいけれどもこの政策は違うみたいなジレンマがないのが住民投票の一つの特徴かなと思っていますので、徹底的な賛否の議論を含めた上で責任を持って投票してもらうということは、自分の意見が直接反映されることになるので、大いに関心を持つきっかけにはなるのではないかなと考えます。
○行田邦子君 ありがとうございました。
○江口克彦君 長い間お座りいただいて、お疲れになっているんじゃないかと思いますけれども。
 まず、原田参考人にお尋ねしたいんですけど、私は若い頃、高校、大学でもそうですけど、五、六人集まるとというよりも三人ぐらい集まると天下国家を論ずるというか、書生っぽいというか、そういうところがありまして、今の政治がどうのとか、あるいはまた日本がどうのとかというようなことを言っていたわけです。
 この頃の高校生たち、あるいはまた若い人たち、政治について熱く語り合うという、そういうふうなことがあるんでしょうか。そういうふうなことがないままに、学校、家庭、地域での対応というかそういうものが必要だと言っても、さあ、家に帰って、町のことを言ったり、あるいはまた天下国家のことを言ったり、そういうようなことをするのかなと。端的に言えば、選挙年齢が十八歳になったら政治を語るようになるのかなと、みんなが、若い人たちが。その辺りをちょっと教えていただきたいと思うんですが。
○参考人(原田謙介君) ありがとうございます。
 まさにおっしゃるように、今若い人が集まって天下国家を語っている場所には僕も余り出くわしませんし、少なくなっているのかなと思います。
 一つは、若者に関するアンケートの御紹介をしたいんですが、おととし、世界七か国の、日本を含む七か国の若者に対して共通のアンケートを内閣府が取っています。その中の一つの項目として、自国のために役に立つことをしたいのか、そういう項目に関しては、日本の若者は、ちょっと不確かですが五〇%ちょっとぐらいの方が、日本の若者はしたいと。その五〇%ちょっとという数字は参加七か国の中で一番多い数字だと、つまり、日本の若者が、その七か国の中では一番日本の社会、日本の国のために何かをしたいと思っていると。うれしいデータなんですが、同時にもう一つ同じアンケート内のほかの調査を御紹介しますと、あなたの動きによって社会を変えられるのかという質問に対しては、今度は日本は参加七か国の中で一番肯定的に答える率が少ない。
 そういうような状況があると思っていますので、日本のことを考えている、何かしたいと思っている人は多いと思っているんですが、恐らく少子高齢化の関係もあって、どうせ僕たちが動いても、若い人が動いても、動かせることができない、あるいは聞いてもらえないという思いがあるのかなと思っていますので、選挙権を引き下げると同時に、繰り返しになりますが、もっと若い人の意見を政治あるいは社会として取り入れるんだということを政治、社会側が訴えれば、若者も天下国家あるいは町のことを語る可能性が増えてくるんじゃないかなと思っています。
○江口克彦君 ありがとうございました。
 それでは、杉浦参考人にお尋ねしたい、教えていただきたいんですけど、十八歳ということについては、選挙年齢を引き下げるということについては賛成ですと先ほどちょっとおっしゃいました。そういうことで、有権者と非有権者というか、あるいはまた十八歳と十七歳が混在するということにもなってくるわけですね。そこで、どうするのかな、心配なのは、校内でそういうポスターを貼れるのかどうかとか、あるいはまたその選挙活動、校内でできるのかどうか、そういう辺りは自分は心配しているんだというか懸念があるんだというようなことを言っておられましたけれども、それ以外に何か、こういうこともこういうことも心配だというふうに思っておられることがおありなんでしょうか。
○参考人(杉浦真理君) 十八歳選挙権は基本的に賛成ですし、そのことが若者の声を政治に反映するという意味ではとてもいいことだと思っています。
 ただ、そのときの、例えば先ほどから議論があるように、政治とは何かとか、社会に参加するとは何かとか、そういうトレーニングを受けていない、教育を受けてなくていきなり参加せよと言われても困ってしまう子たちがたくさんいると思うんですよね。
 そういう意味で、学校の中で自分たちが校則改正も含めて主人公になっていくであるとか、あるいは地域の町づくりに若者がボランティアで出ていくとか、そういう社会的な風土とか民度というのを上げていきながら社会参加をしていくという状況をやはり国全体でつくっていかないと、投票だけに着目をして十八歳選挙権といっても何か成功しないような気がしていて、そういう意味では懸念があるというのは実際あります。
○江口克彦君 具体的に、学校の中でそういう十八歳投票ということになって校内で困るというようなことは、もうこのポスターとそれから選挙活動ということだけですか、そこだけというふうに考えておいたらいいんですか。
○参考人(杉浦真理君) ちょっと今すぐには思い付かないんですけれども、今のところはそうです、済みません。
○江口克彦君 また思い付いたら、私も関西ですから、京都でまたお会いしましょう。
 それから、竹村参考人にお伺いしたいと思います。
 大学生を随分といろいろ工夫して投票をさせるということに成功されておられる。また、それを追跡されて、いつ選挙公報を取るかとか、そういうところまでやっておられるということで随分と私は感心したんですけれども、それ以外に、今度十八歳になるわけですから、今度は大学から高校になるわけですから、何かヒントというか、こういうことをまた大学でもやりたいし、また高校でもこういうことをやったらいいよというようなことはございますか。
○参考人(竹村奉文君) 我々は常にヒントは現場にあると思っていまして、先ほども御紹介しましたように、四月の末に行いました愛媛県立東高校での模擬投票のときに意外と高校生の反応が良かったのでびっくりをしております。選挙の意義とかそういうことについて我々は説明ができたのですけれども、それ以上突っ込んだことは実はようしておりません。実は、桐谷参考人の資料を見ながら思ったんですけれども、やはり模擬投票の前後にきちっとした教育をした上でこれがあるという位置付けをしっかりと説明をしないといけないなというふうにしております。
○江口克彦君 桐谷参考人の方にお尋ねしたいと、教えていただきたいんですけれども、学校で模擬投票を実施する際に多くの人が懸念するということは、政治参加教育ではなくて政治教育が行われるのではないかと、先ほどお話もあったかもしれませんけれども。つまり、一部の教員が模擬投票を利用して特定の党派に有利になる、あるいは不利になるような教育を行うのではないかということが心配されるわけです。
 その点については、しっかりやっていますよというようなこともおっしゃったと思いますけれども、実際に、模擬投票を行うようになってこのような不公平教育が行われたケースというのは、報告、全くなかったかどうかということと、また、このような不公平教育を防止するために、あったとすればどのような対策を行うようになったのか。それともう一つ、最後に、生徒さんの家庭からこの教育ということについてクレームとか、あるいはまた問合せとかが実際にあったのかどうか、教えていただきたいと思います。
○参考人(桐谷次郎君) まず、一点目の何かいわゆる不公平な教育がなされたのかどうかということですけれども、これは二十二年度、二十五年度とも私ども教育委員会の方には一切ございません。
 それからまた、それの防止という点でいえば、私どもは基本的にシチズンシップ教育の研修会を教員向けにしております。それからあと、ここに「シチズンシップ教育 指導用参考資料」という、二百ページを超える厚いもので、これはもう法令から、いわゆるプログラムをどうやって作っていくのか、実際にどういう形で進めればいいのかという指導用資料を教育委員会で作りまして、全学校に配付をしております。これはあくまでも学校の取組であって、一人の取組ではないということでございます。
 それから、家庭からのクレームもございません。
 以上でございます。
○江口克彦君 ありがとうございました。
○中西健治君 中西健治です。
 今日は、四人の参考人の方々、本当にどうもありがとうございました。私が最後でございますので、もうしばらくお付き合いいただきたいというふうに思います。
 まず、神奈川県のお取組についてお伺いしたいと思います。
 牧山委員長も私も神奈川県選出でございますので、まず神奈川からお聞きしたいと思いますが、この神奈川のお取組、先進的な取組であるとかねてから思っているところでありますけれども、そこで一つ二つお伺いしたいんですが、参議院選挙について模擬投票というのを行っているかと思います。これはもう三年ごとに起こるということで、時期もはっきりしているからということだろうということだと思いますが、三年に一度ですと、これは先進的な取組なんですが、在学中に一回しか経験できないということにもなっています。ですので、衆議院選挙、これはいつ行われるか分からないという部分もありますけれども、衆議院選挙がタイミング的にちょっと計りづらいということであれば統一地方選、県知事選を含めた統一地方選挙なんかも視野に入れていったらどうかなというふうに思いますけれども、そうした拡充を図っていくお考えになっているのか、そこら辺についてお伺いしたいと思います。
○参考人(桐谷次郎君) 参議院議員選挙にしておりますのは、やはり時期が三年ごとに特定をされている。これは、模擬投票だけではなくて一年間の年間指導計画を作る、そうしますと、やはり時期が確定をしているということが非常に大きな要素でございます。これについては、県立高校全体でやっている。それ以外に、各学校の取組として衆議院議員選挙でやったケースもございます。ただ、全県立高校という形でいきますと、その年間指導をどういう形で作るのか、やはりここがポイントだろうと。
 いずれにしましても、この取組、更にどういう工夫をしていけば充実ができるのか、しっかりと考えたいと思っております。
○中西健治君 拡充の方も考えていただければというふうに思います。その中でやはり、まさに申し上げましたように、県知事選を含めた統一地方選挙というものは時期も分かっていますから、是非、先進的な事例を更に増やしていくということをお願いできればというふうに思います。
 神奈川県でこうした教育を行う中で、補助教材というか参考資料として、選挙公報ですとか政党のマニフェスト、あとは新聞など、こうしたものを生徒が調べて使うということになっているんだろうというふうに思いますけれども、例えば候補者本人のビラ、こうしたものを生徒が学校に持ち込んで、これを資料として使っていくというようなことも全て生徒の自由に任されているのか、何らかの線引きをしているのか、ここら辺はいかがですか。
○参考人(桐谷次郎君) あくまでも、生徒の調べ学習、生徒が自宅等で調べてきて、それについて意見発表をしていくという形を取っております。ですから、その範囲においては、生徒が自宅でどういうものを調べ学習として使ったのか、ただし、そこで生徒が主張する場合には、その論拠は何なのか、やっぱりそこを明確にするように学校現場では教員が指導をさせていただいているということでございます。
○中西健治君 ありがとうございます。
 続いて、原田さんにお伺いしたいと思います。
 原田さんには、昨年の東大の五月祭、こちらのパネルディスカッションで進行役をやっていただきまして、大変すばらしいさばきをしていただいたなというふうに思っていますけれども。
 そこで、若い人の今どういうふうなことを考えていらっしゃるかということも含めてちょっとお伺いしたいんですが、今回、十八歳、十九歳、この方々が投票できるということになった場合には、やはり投票に行くだろうということをおっしゃられておりました。もしこの十八歳、十九歳の方々の投票率が大変高いということになってくるというか、思ったより高いということになってくると、二十歳以上の人たちに対しても大きな刺激になってくるんじゃないかなというふうに思います。
 ですので、来年の七月の参議院選挙からこれが実施されるのであれば、是非とも十八歳、十九歳の投票率が高くなることを私自身も期待しているわけでありますが、このピンポイントで十八歳、十九歳の方々の投票率を初めから非常に高くするということのために何かアイデアというものはありますか。
○参考人(原田謙介君) ありがとうございます。
 これは少し難しいとは思うんですが、どこまでやれるか分かりません、この十八歳、十九歳に選挙権が与えられたという、その最初の選挙で投票ができる十八歳、十九歳に向けて、本当に歴史的なタイミングなんだと、その歴史的なタイミングにあなたたちがすごくいいタイミングでいい権利を得たんだということをいかに伝えて、歴史的なタイミングに、よし、自分も参加しようと思ってもらうかという打ち出し方が必要じゃないかなと思っています。ピンポイントで十八歳、十九歳を狙うとしたら、そういう打ち出し方かなと思います。
○中西健治君 先ほどおっしゃられた下から目線の広報活動、これを来年に向けて大いにやっていくということがきっと大変大きな効果があるんじゃないかなというふうに私は思います。ですので、そうしたことを私自身もサポートしていくということをしていきたいなというふうに思います。
 竹村参考人にお伺いしたいと思います。
 大学生とお話をすると、いや、もうキャンパスに投票所があるといいんだけどねということを私も前々から聞いておりまして、できるといいなと思っていた中で、松山市で行われているというのを聞いて、いい取組だなというふうに思うんですが、これまで学生さんからそういうことを聞いたときに大学側がどう反応するのかなということが少し気になっておりまして、というのは、私が学生時代のときなどはやはり大学の自治ということが強く叫ばれていましたので、そこに公権力が大学の中に入っていくということに対して大いなるちゅうちょが大学にもあったし、そして学生側にもあったということなんじゃないかと思いますが、今回、このキャンパスでの投票所、これを開設するに当たって、大学側、あと学生側にそうした懸念があったのかどうか、そこら辺についてお伺いできますか。
○参考人(竹村奉文君) 議員御指摘のようなことはございませんでした。
 ただ、先ほど御説明しましたように、施設管理者としてのお立場でそういう治安的なことだとか物理的な問題についての懸念というのは持たれたと思います。我々も、投票所をつくるときに、実はお借りするところで、大学生、いわゆる選挙コンシェルジュの皆さんとその期日前投票所の場所を掃除をしたりとか、要はみんなで投票所を中につくるんだという雰囲気づくりも醸し出した上で実行いたしましたので、そういったようなアレルギーはなかったと思います。
○中西健治君 どうもありがとうございます。
 ということは、全国で広げていけるようなことなんじゃないかなというふうに思います。
 杉浦参考人と原田参考人にお伺いしたいんですが、両参考人は、被選挙権の年齢、これを引き下げるべきだということをおっしゃられたかと思います。これは、一律に国政も地方選挙も引き下げるべきであるというふうにお考えになっていらっしゃるのか、それとも地方はより身近なところだからもっと引き下げるというようなことをお考えになられるのか、そこら辺についての御見解をお伺いできればと思います。
○参考人(杉浦真理君) そうですね、地方からやるというのはいいかもしれません。ただ、本当に参議院の議員さんに向かって失礼なんですけれども、三十歳というのはどうでしょうかね。世界的にもちょっとやっぱり高いのではないかということが考えられますので、是非言わば二十五ぐらいは普通にしていただいて、地方はもうちょっと若くてもとか、そういう形がいいのではないかなと思います。
○参考人(原田謙介君) おっしゃるように、地方と国政は僕もずれてもいいかなと、違う年齢にしてもいいかなと思います。例えば、思い切って十八歳に被選挙権年齢を下げたときに、とある大学に通っている人は大学の四年間の間はそこで議員をやっていると、例えばその後就職をして別のところにいれば、今度は議員じゃない立場として民間社会に残るというようなことも考えられますので、若い人の移動とかを考えたときに、まずは地方だけ一つ下げるということは大いにありかなと思っています。
○中西健治君 私の質問はここら辺で終わらせていただきたいと思います。
 本当にどうもありがとうございました。
○委員長(牧山ひろえ君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。
 本日は、長時間にわたり大変貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十五分散会