第189回国会 内閣委員会 第3号
平成二十七年三月二十六日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     岸  宏一君     豊田 俊郎君
     山東 昭子君     阿達 雅志君
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     上野 通子君     堀内 恒夫君
     豊田 俊郎君     岸  宏一君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         大島九州男君
    理 事
                上月 良祐君
                藤本 祐司君
                山下 芳生君
    委 員
                阿達 雅志君
                石井 準一君
                岡田 直樹君
                世耕 弘成君
                豊田 俊郎君
                堀内 恒夫君
                松下 新平君
                山崎  力君
                相原久美子君
                芝  博一君
                蓮   舫君
                若松 謙維君
                井上 義行君
                江口 克彦君
                山本 太郎君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    山谷えり子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       科学技術政策、
       宇宙政策))   山口 俊一君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    甘利  明君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革、少子化対策
       、男女共同参画
       ))       有村 治子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(国家戦
       略特別区域))  石破  茂君
   副大臣
       厚生労働副大臣  永岡 桂子君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  あかま二郎君
       文部科学大臣政
       務官       赤池 誠章君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      中島  誠君
       内閣府地方創生
       推進室次長    麦島 健志君
       警察庁刑事局長  三浦 正充君
       復興庁統括官   菱田  一君
       総務大臣官房審
       議官       高野 修一君
       総務省総合通信
       基盤局電気通信
       事業部長     吉田 眞人君
       総務省統計局長  井波 哲尚君
       法務大臣官房審
       議官       上冨 敏伸君
       外務大臣官房審
       議官       山上 信吾君
       文部科学大臣官
       房審議官     徳田 正一君
       文部科学大臣官
       房審議官     佐野  太君
       文部科学大臣官
       房審議官     田口  康君
       厚生労働大臣官
       房審議官     木下 賢志君
       厚生労働大臣官
       房審議官     谷内  繁君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       安藤よし子君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    藤井 康弘君
       農林水産大臣官
       房参事官     金丸 康夫君
       林野庁森林整備
       部長       本郷 浩二君
       防衛省地方協力
       局次長      山本 達夫君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○内閣の重要政策及び警察等に関する調査
 (内閣官房、内閣府及び沖縄基地負担軽減の基
 本方針に関する件)
 (警察行政、海洋政策・領土問題及び死因究明
 等の推進の基本方針に関する件)
 (特定秘密の保護に関する制度の基本方針に関
 する件)
 (経済再生、社会保障・税一体改革及び経済財
 政政策の基本方針に関する件)
 (女性活躍、行政改革、国家公務員制度、規制
 改革、男女共同参画及び少子化対策の基本方針
 に関する件)
 (国家戦略特別区域の基本方針に関する件)
 (食品安全、科学技術政策、宇宙政策、情報通
 信技術政策、再チャレンジ及びクールジャパン
 戦略の基本方針に関する件)
 (平成二十七年度人事院業務概況に関する件)
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○委員長(大島九州男君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、岸宏一君及び山東昭子君が委員を辞任され、その補欠として豊田俊郎君及び阿達雅志君が選任されました。
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○委員長(大島九州男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府大臣官房審議官中島誠君外十八名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島九州男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(大島九州男君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、去る二十四日に聴取いたしました国務大臣の所信等に対し、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○上月良祐君 おはようございます。自由民主党、茨城県選出の上月良祐でございます。
 今日は、成長戦略や特区のこと、あるいはTPPなどにつきまして質問をさせていただきたいと存じます。
 まず、甘利大臣に成長戦略につきまして質問をさせていただきたいと思います。三本の矢についてでございます。
 我々は、デフレ脱却や経済再生ということを最優先で取り組むということでずっとやってきたわけでありまして、昨年の総選挙でも、もうこの道しかないということでやってきたわけであります。まさにこの道しかないんだというふうに私も思っております。ただ、その三本の矢というのが最近少し、何というんでしょうか、口にされることがなくなってきているんじゃないかと心配をいたしております。特に、三本目の矢、成長戦略の矢が一番重要なんだと思っております。
 先日発表された内閣府の世論調査でちょっと気になるデータが出ておりました。悪い方向に向かっている分野として景気を挙げた方が、昨年の一九・〇%から三〇・三%に増加をしていると。これは、実は良くなってきていたんです。リーマン・ショック後悪くなったのが、安倍政権になってずっと、悪い方向に向かっていないということで良くなってきていたんですが、少しまた悪くなってしまったというデータが出ておりました。
 こういうデータは、虚心坦懐にといいますか、真摯に受け止めて、そしてそれを押し返すように努力をしていかなければいけないんだと思っております。データが悪いんじゃなくて、これを受け止めてまた頑張るということが必要なのかなというふうに思っておりますが、中小・小規模事業者の倒産件数や内定率などが良くなっている、改善している、賃上げも何となく広がっているという感じがある一方で、やはりなかなか地方や中小零細にはまだまだという感じがあるというのは、ごく一部、首都圏の先生、中部圏の先生以外は皆さん耳にしていることだと思います。そういった感じがちょっと数字にも出てきているのかなというふうにも思うわけであります。
 それはそれで仕方がないんですが、とにかく、やはりこれから持続可能な景気回復をしていくためには、とにかく第三の矢だと私は前から言い続けておりますし、何度か甘利大臣ともここでも質疑をさせていただきました。
 そして、私は、成長戦略ってみんな東京のようになることじゃないと思っております。GとLの世界が、冨山さんがおっしゃるグローバルとローカルの世界があるとすれば、グローバルの方にはグローバルの方なりのやはり成長戦略があるんだと思いますし、ローカルにはローカルなりの成長戦略があるんだと思っております。
 やはりグローバルの方だと、何といっても世界標準を取る、iPSのように世界標準を取る、そしてそれを、産業化するというんでしょうか、雇用にする、そしてもうけを国内に落とす、そこが非常に重要だと思っております。三菱重工さんでしたか、国産ジェットなんかをやっているというようななんかは成長戦略の一つとして重要なのかなと思ったりもいたしております。
 一方で、ローカルの方はそうはなかなかいかないんだと思っております。何といってもローカルの方は、一次産業が私は重要だと思っております。一次産業の成長戦略ってどんなのなんでしょうか。それはもう、何というんでしょうか、華々しく物すごくこうなっていくという感じではなくて、まずは着実に、やれば、頑張ればもうけられるんだということが分かっていくような、見えていくような、そういう姿を見せるというんでしょうか、そういった姿も重要でしょうし、何といってもやっぱり観光というんでしょうか、地方の方には、国内であれ海外であれ、観光客に来てもらう。東京とか、この前、私、党の関係の仕事で京都へ行きましたけれども、物すごく外国人の方が多くてびっくりしました。ただ、やっぱり地方の方には、ローカルの方には、そういう国内であれ海外であれ、観光客の方というのはまだまだ動いていないのかな、来ていないのかなというふうにも思います。
 首都圏と、グローバルと、GとL、それぞれの姿があるんだと思いますけれども、これまでのまずは一生懸命取り組んできていただいたその実績、現状をどんなふうに見ておられて、それで、これからはどんなふうに取り組まれようとされているのか、そして、それが今後どんなふうになっていくだろうというふうに見立てておられるのか、その辺りにつきまして、大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) アベノミクスは三本の矢から構成をされているのは御案内のとおりであります。一の矢が大胆な金融政策で、二の矢が機動的な財政政策で、三の矢が成長戦略であります。
 一の矢と二の矢というのは即効性がありますから、実行すれば効果がすぐ出てくると。三の矢というのは、成長戦略でありますから、すぐに効果が出てきているものもありますけれども、しかし、設計をして、それを制度改革をして実行していくという部分が多うございますから、どうしてもタイムラグがあるということは今までもお話をしてきたとおりであります。
 その中でも、具体的に今日まで三本の矢の実績はどういうことがあるのかというお尋ねでありますけれども、よく言われるのが、有効求人倍率は二十二年ぶりの高水準であるとか、あるいは、賃上げは昨年は平均二%以上、これは過去十五年間で最高値であると、そして今年はそれを更に超えていく回答が今のところ出てきているとか、あるいは、企業の利益、売上高利益率でいうと、統計を取って以来ですから六十年間で最高値であると、それが更新されつつあるとか、あるいは、倒産件数が一万件を下回るのは、これは二十四年ぶりの数字になっているとか、確実に好循環というのは生まれつつあるわけであります。三本目の矢は時間が掛かると申し上げましたけれども、スピード感を持つということが必要であります。
 成長戦略の中でも、既に実行できていることは幾つもあります。例えば、投資家にとって一番関心が高いのは経営の透明性であります。コーポレートガバナンスを強化せよと。具体的に言えば、独立社外取締役を導入をして、外の目で経営をしっかり監視できるようにせよという指摘がありました。これは、具体的に二〇一三年に独立社外取締役を選任している企業四七%が一年後には六一%になっております。
 もう一方で、投資家に短期的視点ではなくて中長期の視点も持たせるべきであると。つまり、投資家は利ざやをかすめ取るような投資ではなくて、企業価値を高めていく投資という認識を投資する側にも持ってほしいと。これは日本版のスチュワードシップ・コードということであらまほしき投資家像というのを定めておりまして、これを受け入れる機関投資家が百以上になっているということも報告をされています。
 あるいは、保育の受皿を確保する、女性の経済社会進出に貢献していく。二年で女性の就業者数が九十一万人増加をいたしております。
 あるいは、地方という御指摘がありました。地方の主力産業は一次産業と観光業であると、よく言われることであります。来日外国人数というのは、八百万人台後半から一年目で一千万人を超え、二年目では千三百四十一万人に増えていると、五百万人ぐらい増えてきているわけであります。二〇一三年から二〇一四年のカレンダーイヤーでいう訪日外国人数が増えた経済効果というのは六千億円というふうに言われています。これを更に地方展開をしていくというプランも今作っているところであります。羽田の発着回数を三万回増やしたとか、東南アジアを中心にビザ要件を緩和したとか、いろいろなことをやっています。それから、外国語表示を増やした。
 これからは、総理が五項目を改善すると。地方空港へのビジネスジェット乗り入れを容易にするとか、あるいは無料WiFiを各地に整備をしていくとか、いろいろな項目を挙げられました。そうやって更に加速をさせていくということも今企画中でございます。そういう一例を挙げた既に成果が出ているわけであります。
 申し上げましたように、成長戦略というのは日本の成長力を高めるための言わば構造改革パッケージでありまして、申し上げましたように法律の改正が必要である。これは既にもう数十本の法改正をいたしました。いよいよ実行に入っていくわけであります。ある程度のタイムラグはありますけれども、新たな市場、ビジネスチャンスを多く生んでいくということを引き続き取り組んでいきたいというふうに思っております。
○上月良祐君 大変ありがとうございました。いろいろ本当に一生懸命取組を進めていただいているということがよく分かります。
 環境整備のようなものがやはりまだまだ今のところ多くて、それが実需につながっていく、実際の雇用の数値などは上がっているんですけれども、こういった成長戦略に基づく、私、後からお話しするような、例えば再生医療であるとかロボット医療であるとか、そういったものに基づく実需というんでしょうか、雇用が出てきていますよというようなことが出てくるには、やはり少し時間が掛かるという面もあるんだとは思います。
 そこら辺は是非一生懸命やっていただきたいと思いますし、私は、成長戦略であれ、これは地方創生であれなんですけれども、それをやっていらっしゃる大臣がいるから大臣の責任だなんて言うつもりは全くないんです。それを言っている総理の責任だなんて言うつもりはなくて、むしろこれは自民党の、国会議員の一人一人の責任だと私は思っております。一人一人の国会議員が大臣を支え、総理を支えるつもりで、それぞれの地元の場所であるいは東京で一生懸命取り組んで結果を出すように努力するかどうかこそが、大臣や総理を支えられる気持ちを持って国会議員が仕事ができるかこそが、その成功に、結果につながるかどうかが重要だと思っておりますので、そういう気持ちで是非私自身も取り組ませていただきたいと思いますし、その取り組んでおることにつきまして、その次に御質問をまたさせていただきたいと思います。
 取りあえず成長戦略につきましては、甘利大臣、ありがとうございました。
 それから、特区の話につきまして、まさに自分がもう県庁におりました頃から、総務部長や副知事をやっておりました頃からもう一生懸命取り組んできた特区のことにつきまして、これは永岡副大臣にお聞きをしたいというふうに存じます。
 さきの施政方針演説で、総理もロボットを一例に挙げて、挑戦的な研究、経済社会を一変させるようなもの、それを大胆に支援していくということをおっしゃいました。ロボットって産業用と生活支援用と、大きく大分すると二つに分かれます。そして、この生活支援用ロボットというのはある意味で今、日本が非常に先行しているところでもあり、これから高齢化が進んだり介護の需要が増えていくだろうということが見込まれる中で大変大きな市場になっていくだろう、そしてそれは世界中に広がっていくだろうという大変有望な部分だというふうに存じております。
 そして、ところが、やっぱりこれもまた、これは平成二十六年度の産業競争力強化のための重点施策等に関する報告書というのがありまして、これだと医療介護のロボットのところの資料、うまくいっているところもあるんですが、この医療介護ロボットのところは当初計画の規模よりも現状がちょっと達していないんですね、少し遅れているということになっています。
 それはそれで事実ですから受け止めて、だから一生懸命またやり直せばいいんだ、力を入れてやればいいんだと思っておりますが、私は、まさに成長戦略のコアの一つだと、このロボット技術を使って日本人の物づくりというような技術、あるいはオペレーションですね、オペレーションも全部、ソフトも含めてサービスを提供していくということが非常に成長戦略のコアの事業の一つだと思っております。
 例えばということで、一つ、地元でありますけれども、つくばでもう前からやっております。これは、民主党政権時代の国際戦略総合特区の指定以来、ロボットの関係というのは随分一生懸命やってきておりまして、山海嘉之先生がやっていらっしゃるHALもここで生まれて、今大きく成長されていらっしゃるわけでございます。
 今、国家戦略特区の方でロボットイノベーションということでそれも提案しておりますけれども、これがなかなかうまくいかないなという思いがちょっとありまして、そう言っているうちに時間がたってきているので、通常のルートに従ってどんどん進んできちゃってはいるんです。通常のルートでそれなりにスピードを上げてやっていただいてはいるんですけれども、せっかく特区でやっているんだから、もうちょっと違う考え方でもう少し、何というんでしょうか、うまくやれないのかなというようなことを思うところがあります。
 例えば、治験の在り方。治験の在り方以前に、治験に入るために随分有効性とか安全性とかを基礎研究ということで相当な時間と労力を掛けてやらなければいけなかったり、医療機器の薬事承認申請の手続とかについても提案をいろいろやっているんですけれども、なかなかこれはうまくいかないということがあります。
 例えば、事前相談をする制度なんかがあるから、それでどうだろうかというようなことが言われていますけれども、その事前相談をやっていてもやはり時間が相当掛かる仕組みになっちゃっているんですね。
 実は、この前の週末もたまたま山海先生のお話を聞く機会が、私、あったんですけれども、しょっちゅう聞いておりますけれども、またありました。あの先生すごいなと思うのは、二、三か月置きに話を聞くたびにどんどん仕事が広がって、どんどん新しい分野にチャレンジされていると。もう本当に、何というんでしょう、日本のためにといいますか、日本の成長のために重要な人物だなと改めて思ったんですが。
 ちょっと半分苦笑いしながらおっしゃっていたんですが、日本でできた、つくばでできた技術だから日本で実用化しようと思って、いろいろ引きがあったんだけれども、ほかに出すのは大分待っていたんだと。待っていて待っていて待っていて、これぐらいだったら抜かれないかなと思ってドイツに出したらば、あっという間に抜かれてしまったと。労災保険の適用が、保険適用になっちゃって国立のリハビリセンターが、HALのリハビリセンターができてしまって、医療保険の適用についても急激に話が今進んでいるということなんだそうです。いや、もうあそこまで待てばいいかなと思ったのに、そうだったということで、苦笑い半分だけれども、私、笑っている場合じゃないと思うんですよ。
 成長戦略と言っていて、特区でまさに指定していて、日本の将来にとってはこれほど重要な技術はないと。しかも、あんなスーパーマンみたいな、ひょっとしたら将来ノーベル賞取るかもしれないようなすばらしい人がいて、日本日本と言ってくれているにもかかわらず、それに応えられないというのは、大変、本当じくじたる思いがあります。
 そういう意味で、今まさにこれ提案も出ているわけですけれども、特区全体というよりは、これはまさに厚労省プロパーという感じになるものですから、大変お忙しいところ申し訳ないんですが永岡副大臣にいらっしゃっていただきまして、その辺に関してどんな状況になっているか、御答弁いただきたいと存じます。
○副大臣(永岡桂子君) 上月委員おっしゃいますこと、御提案といたしましては、特区に限って規制を緩和したらいいのではないかということだと考えております。
 まずは、医療機器の承認審査におきましては、有効性などの評価を地域によって異なる基準で運用するということは少々合理性の説明が難しいということもございますし、また、承認審査の判断基準、これ、特区発ですとか、あとは日本発などといいまして地域によって異なるということは、実はWTOの貿易の技術的障害に関する協定に抵触をするというおそれもございまして、なかなか難しいと考えております。
 一方、先ほど山海先生がずっと医療用ロボットHALの開発に従事していらっしゃって、それをずっとつぶさに上月委員も御覧になっているということをお聞きいたしました。やはりそれを考えますと、革新的な医療機器の開発期間を短くして、早めに実用化を図るための方策を講じていくことというのは、やはり本当に重要だと考えております。
 このために、国内外無差別で、特区ではなくて無差別で、世界に先駆けて革新的な医療機器の早期実用化するために医療機器を対象とした先駆け審査指定制度、これはよくPMDAなどと言われますけれども、今後導入するということで考えております。
 また、先生がおっしゃっておりますように、国家戦略特区での革新的な医療機器の開発を更に加速するためにどのようなことができるか、厚生労働省としても検討してまいります。
 以上です。
○上月良祐君 ありがとうございます。
 副大臣本当にお忙しいですから、一個一個のことに、何というんでしょうか、これをああしろこうしろって言える時間なんかもちろんないんだと思います。
 それで、別に僕はこれはHALだから、別につくば発の技術、まあつくばといっても最近東京とか福島に行っちゃっているのであれなんですけど、しかし、それだから言っているんじゃないんです。私は本当に成長戦略が重要だと思っていて、そのコア技術だと思っております。グローバルスタンダードを取る、世界標準をつかむと、まあ山海先生はもうISOでグローバルスタンダードをつくる側になっているので、まさにこれほど重要なものはない。しかも、ロボットには、例えば体内埋め込みみたいなやつがあるんですね。だから、これは安全性の面では非常に厳格にやらなければいけないものです。
 ただ、外から装着するのというのは、その安全性の面からいうと比較的、四段階ぐらいある中でいうと緩い段階になるということだから、もう極めて、何というんでしょうか、絶好の事例なんですね、これは。体内に埋め込むようなものを、何というんでしょうか、早く審査をしてくれとか安全性のところを緩めてくれなんと言うつもりはないんですよ。それはそれできっちりやらないと、日本製のものがその品質がもう駄目だということになっちゃったら、これはこれで大変まずいんだと思うんですけれども、こんなに格好の事例が動かないというのは一体何なんだろうというのが、ちょっと厚労省の方に私もレクを聞いていて、どうなのかなと思いました。ある意味で、頭の中を変えない限り、キャッチアップをやっている限り、私は成長戦略というのは実現しないんだと思うんですね。要するに、追い付き追い越せと言うけど、キャッチアップというのは追い付くまでであって、追い越せないんだと思うんですよ。
 だから、今までと同じことをやっていては、やはりバブル崩壊後、成長戦略が結局できなくて四半世紀伸びなかった日本の経済を今回安倍政権の下で成長戦略ということでやっぱりしていこうというときには、頭の中を変えていかなきゃいけないんだと思いますので、これは、でも、役人の人にお願いしても実はできないことなのかもしれないなというふうにも思います。
 安全性と言われちゃうと、やっぱりコンプライアンス、あるいはマスメディアの報道とかもやっぱり気にもなるでしょうから、そういう意味では、一件も失敗しないようにと思っちゃったらもう役人の人は動けないのかもしれません。また逆に、じゃ政治がえいって決めちゃえばいいのかというとそうでもなくて、やっぱり技術的な面、制度的な面、法制度的な面は役人の人と要するに支えていただきながら、そこは力を合わせて乗り越えていかなければいけない。一個一個のその壁を乗り越えていかなければいけないような案件なのかなというふうにも思っております。
 私は、永岡副大臣を本当に地元の大先輩の代議士としまして大変尊敬をいたしております。この件につきまして是非是非本当にこれからも、これはHALだけじゃないです、ほかの案件も含めてよく注視していただきたいと思います。
 それで、一点、この件につきましては、実はもう一個論点があるんですよ。それは何かといいますと、医療機器の審査が薬とロボットと基本同じ枠組みなんですよ。で、それが実は問題でして、一応、旧薬事法は改正されて、読替規定だったのが一応別の章立てにはなっているんですけど、とはいったって、同じような枠組みなんですね。
 薬というのは、効くか効かないかとか、毒性とかというのをやっぱり慎重に調べなきゃいけなかったり、対照実験とかを慎重にしなきゃいけないというのはあるのかもしれませんけど、ロボットの場合と薬の場合とやっぱり違うはずなんだけれども、世界最先端のものであればあるほど要するに前例がないわけですよね。そうすると、今までと同じでやっていたら、結局、世界最先端のものが日本でできないというジレンマから抜け出せないんだと思いますので、本当にこれは、厚労省の後ろに役人の方座っているかもしれませんが、副大臣に言われなくても、是非とも、何というんでしょうか、薬事の承認の手続については、これから総理がロボットについてこれだけ頑張ってやるんだとおっしゃっているんだから、承認の手続の在り方については、これは本当、制度的にちゃんと直さないと、いつまでたっても薬と同じというのでは新しいものが出ていきませんから、ここは本当によろしくお願いをいたしたいと思います。
 永岡副大臣、お忙しいでしょうから、副大臣これだけなので、ここで結構でございますので、ありがとうございました。
○委員長(大島九州男君) じゃ、永岡厚生労働副大臣、御退席をどうぞ。
○上月良祐君 ありがとうございます。
 それでは、引き続き特区につきまして御質疑をさせていただきたいと思います。これはまさに御担当であります石破大臣にお聞きをいたしたいと思います。
 実は、特区は、御案内のとおり、構造改革特区があって、国際戦略総合特区があって、国家戦略特区があって、そして今回、地方創生特区が国家戦略特区の一類型として出てきたりして、それでそれに微妙に、それぞれにちょっと微妙な枝葉があったりするので、もういろいろあって、たまたま私、最初からいろんな形で関わってきたので、一応分かっているつもりな私でもだんだん分からなくなりつつあるぐらいいろいろ出てきています。
 私はそれが悪いと言うつもりはないんです。しかし、特区自体は、これは成長戦略じゃなくて成長戦略を実現するための手段なんだと思うんですね。だから、その手段を大切にしていただきたいと思うんですよ。新しい特区ができる、要するに前の特区が何かあって一生懸命やっていると。これは、先ほど来お話がありますように、仮に特区で一生懸命やったとて、結果が出るまでにはそれなりの時間が掛かるんだと思います。相当汗と涙の結晶じゃないと出てこないんだと思います。
 ところが、何となく答えが出ないうちに次の特区が出てくると、日本人って新しいもの好きだからそっちばっかりまた見ちゃうと。今度、地方創生特区ができたら、またそっちを見るといううちに、新しいのが出てくるのが悪いんじゃなくて、要するに新しいのが出てきて前のに力が入らなくなるというのが僕はまずいんだというふうに思っております。
 大体、特区にしても、昔からある地域振興立法にしても、例えばリゾート法であるとか、例えば何とか法であるとかというのは、頭脳立地法であるとかなんとかというのは、新しい法律ができて、指定のときはもう本当にお祭り騒ぎなんですよね。ところが、お祭り騒ぎが終わったら、すぐ祭りの後になるんですよ。で、結果が出ないと。この繰り返しをやって、それでまた次新しい祭りをつくってというのをやっていたら、僕は本当に結果が出ないんだというふうに思います。だから、それは絶対に駄目なんだと思うんですよ。
 特に、いわゆる地方創生をやるにも、結果を出すためには、前から一生懸命やって結果を出しつつある特区は絶対に大切にしていただきたいと思っておりまして、そういう意味で、ただ大切にしてくれというだけではなくて、もう一つ大切なのは指定してからの進級試験だとも思うんですよ。指定しちゃったら後はもうチェックもしないで、答えが出なくても、要するにそれこそPDCAサイクルが全く回らないということではやっぱり駄目なので、ちゃんとやっていなかったら落第させるよというぐらいのことをやらないと、要するに残った人も真面目にやらないんだと思うんですよ。
 ところが、落第させる、指定から外す、指定した地域のプロジェクトを幾つかやめさせるというのは、やめさせる方も物すごく大変な労力が要るんだと思うんですよ。なので、適当に流している方が楽なのかもしれない。それは指定したときの役人の人は一年か二年で替わっちゃうから、それを継続的にフォローするというのが本当にできないんですよ、これ。なので、僕は、それが致命的な欠陥だと思っておりまして、指定したものをちゃんとフォローしてお尻をたたき続ける。何というんでしょうか、たまには水とか、支援もしながら、たまにはというか支援もしながらお尻たたくところはたたく。
 しかし、いずれにしても、一生懸命やっている特区は特に、たまたま地元つくばには国際戦略総合特区という民主党時代につくってもらった特区があるんですけれども、これはこれで本当に一生懸命やっているので、国家戦略特区は頑張ってやってもらわないといけません。それはいわゆる岩盤規制というものに穴を空けるということでやっているので、それはそうなんですけれども、だからといって前の方の特区はもういいやということにならないようにしていただきたいと思っておるんですけれども、その点につきまして、新しく大臣になられた石破大臣とちょっと議論ができていなかったものですから、その点についてのお考えを教えていただきたいと存じます。
○国務大臣(石破茂君) 委員のおっしゃることは、恐らくこの場にいらっしゃる先生方みんな共通してそうだよなという感じだと思うのですね。そのときはやたらとはやるんです。
 私が当選一回のときというからもう二十何年も前ですが、あのリゾート法のときのあれは何だったんだろうね、あのとおりいけば夢のようなリゾートがあっちゃこっちゃにできるはずだったんですが、あの話は一体どこにいって、その後一体どのようなフォローができて、あれは一体何でああいうことになったんだろうねということの反省もしなきゃいけないことだろうと思いますが、あの頃やった人はもうどこにもいないわけですね。そういうPDCAというものをきちんと回していかなければいけないし、地方に対して国が良かれと思ってやったことが全然そうなっていないんだけれども、これが、報告が上がるときには全てうまくいっていますみたいな変な話になって、物すごく上辺だけやっているようなところがあるだろうと。
 ですから、委員御指摘の今のつくばの特区の場合には、例えば新しい時代のがん治療をやりましょうと、それは非常に患者に負担も少ないし費用も安くてできるという、本当にこれができたらいいなという話ですよね。あるいは、藻類、海に生えている藻を、休耕田を使って、あるいは耕作放棄地を使ってそこで油を作ることができたら、世界第四位の海水を有する我が国ですから、それは物すごくエネルギーの革命になるだろうといういい話なわけです。ですから、そういうのが既存の特区なので、新しい例えば地方創生特区に目が行ってしまってそこにお金が行かないということは、もうモチベーションも物すごく下がりますし、あってはならないことだと思います。
 ですから、今まで指定した特区について、それがどのような成果を得たか、成果を得ないから切り捨てるというのではなくて、あとどれだけステップアップしたら次の段階に行くのかということは、地元のことを一番御存じの地方の自治体、つくば市であり茨城県だと思います。そして、政府がよく見ていかないと、新しいものに飛び付いて今までのものが打ち捨てられるような、そういうことはまさしく時間とお金の無駄遣いであり、研究者の方々に対して失礼なことだと思います。
 だから、その場合に、委員がおっしゃるようにかなり厳しい目を持って見ないと、これはあの人がやっていることだからとか、あの人がつくった制度だからとか、そういうものに余り幻惑されてはいけないのだという反省は持っております。
○上月良祐君 ありがとうございました。
 僕は、何も、何というんでしょうか、何でもかんでもじゃぶじゃぶに付ければいいということでは全然ないと思っているんです。やっぱり適切に評価をして、本当に必要な支援をやっぱり財源が限られている中で的確にやっていただきたいというお願いでありまして、ある意味でいうと当たり前のことを言っているだけなんでございますけれども、特に、役人の人がころころ替わるというのは私は本当致命的な欠陥だと思っておりますので、そこをよく本当に差配をして、うまく率いていただきたいと思っております。
 そして、その関係で調整費の問題につきまして、僕これ前からずっと言っているんですけど、ちょっと一つお願いといいますか、御質問があるんです。
 実は、国際戦略総合特区というのはこれは民主党政権時代にできたものです。これは、調整費という枠組みがあって、各省予算でしょい切れないものについてはこの調整費を使って促進する、プロモートするというような調整費が付いておりました。二十三年度に指定されたんですけど、まあそれは指定された年なんでそこはなかなか動かなかったんですが、二十四年度は百四十億あったんです。使ったのが三十億余り、百億ぐらい余っちゃっていました。これは一年目だからしようがないのかもしれないと思って、二十五年度を僕注目していたら百二十四億だったんです。百二十四億についてやっぱり二十七億ぐらいしか使っていなくて百億ぐらい余らせちゃったんです。余らせちゃったという言い方はおかしいですけど、まあ使わなかったと。使わなかったものだから、二十六年度は九十五億になって、九十五億に対して五十四億使いました。使ったのは倍使うようになってはいますけれども、やっぱりあんまり使わなかったんで、今度は九十五億から五十億になっちゃったんです。
 それで、やっぱり私思うんですけど、成長戦略をやっていくのにお金なしでできるというのはかなり難しいんじゃないかなと思っておりまして、やり始めたところでこの調整費を的確に使うというのは、最初の種火を付けるところ、ちょっと油を掛けてあげるところが大変重要だと思っているんですね。その翌年から各省の予算化していくということはできるにしても、最初にこの調整費をうまく使うというのは大変重要だと思っているんですが、あんまりうまく使えていないものだからどんどん減ってきちゃっているんですよ。
 何というんでしょうか、そもそも調整費って不思議な制度というか、非常に面倒な制度でして、役人的には。役人さん的には、自分で使えないんですね、要するに。内閣官房が自分で使えないんですよ、内閣官房、内閣府も。持っていても、要するに、各省の予算に移し替えて、既存の根っこがある予算に上乗せして、そして使うということだから、ある意味で、特区で新しいことをやろうとしたらどこにも予算がないわけですから、移し替えられないから使えないという非常に何かおかしな仕組みなんですね。
 なので、そんなことをせずに、元々、要するに、特区をやっている本部が百億なら百億、五十億なら五十億でもいいですけれども、きちっと持っていて、その目を付けるところにちゃんと付けた方が、移し替えずに、各省とはもちろん協議をしながらですけれども、使って、そして来年度はこれ芽が出そうだからよろしくと、ちゃんと予算を取ってくださいねというふうに本当はしなきゃいけないんだけど、結局各省がまたがるからもう労力も倍ぐらい掛かるわけですよ、要求する方からすると、各地域からするとですね。結局、山ほど資料を出さされて、使えませんでしたとか、こんなになっちゃいましたと、本当はこれぐらい要るのにこんなしか付けてもらえませんでしたということになると、何が起こっているかというと、もうディスカレッジされているわけですよ。もう何ぼやってもこれは駄目だなと、もう行っても駄目かもしれないからもう行くのやめるかという感じになると、これは本当に成長戦略にいいことないですよ。
 なので、五十四億、二十六年度で使っていて、今年は五十億なので、それは各省予算との兼ね合いがあるから僕はその額は別にいいんですけれども、必要だったら補正するなり何なりという手もあるし、いいんですけれども、やっぱりそういうふうなことを考えて、国家戦略特区の方は予算が調整費ないんですね。
 僕は、それは本当はどうなのかなと思っているんですけれども、やっぱりそれは各省予算を直接うまく使ってもらうということで工夫するとして、調整費だけ見て議論するのは本当はいけないのかもしれませんが、是非ここは、そういう枠組みがあって各地域に対しては必要なものはちゃんと的確に付けられるような運用をしていただきたいと、そして必要な予算はできる限り確保、厳しい財政の中ではありますけれども、していただきたいと思っておるんですが、このことにつきまして大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) これは摩訶不思議なとは言いませんが、結局、いろんな省庁にまたがるものであって、各府省の予算制度での対応が可能になるまでの間、機動的に補完するという、分かったような分からないような話になるわけであります。
 それが対応が可能になるというのはどういう状況であり、それまでに機動的に対応するという、言葉は言葉なんだけど、それが本当にそうなっていますかということが極めて重要であって、そうであるがゆえに膨大な書類を出さねばならない、そして時間も掛かる。結局、成長戦略の非常に要となるべきこのような事業が進まないということは、言葉を選ばずあえて言えば、かなり本末転倒的なお話だというふうに私自身思っております。
 私どもとしては、各府省に対して重点的に配分してねと、それがなぜ要るのかきちんと各府省で立証をし、重点的に配分してくださいという、そのお願いするしかできないわけですね、これは予算の性質上。ですから、ここは実際に、今委員が御指摘のように、ここはこんなに困っているんだと、実際にこんなに手間が掛かり、やろうとすることが進まないというようなことを、事例をよく検証して、さらに、本当に私どもが重点的に配分してくださいということが実効性上がるように、よくもう一度見させていただきます。
 御指摘ありがとうございます。そういうことが、このつくばの例に限らず、多分あっちゃこっちゃにあるんだろうと。そうすると、ディスカレッジになってやる気を失っちゃうということだったら、何のためにこの制度があるか分からぬというお話になりますので、御指摘踏まえて対応させていただきます。
○上月良祐君 ありがとうございます。
 私は、別につくばに付けてくれというふうなことを、言わなきゃいけないんですけれども、言っているわけではなくて……(発言する者あり)いや、付けてほしいですよ、付けてほしいんだけど、何というんでしょうか、やっぱり全国を見て、本当にこれで全国の地域がディスカレッジしていったら、これで成長戦略とか地方創生といったら無理ですから、額じゃないと思います。丁寧に見て、そしてちゃんとやってもらいたいという当たり前のことなんです。なので、是非ともその点はよろしくお願いいたしたいと思います。
 そして一つ、済みません、つくばの特区に関してといいますか、つくばに関してなんですが、ちょっと御要望がありまして、これは済みません、どうしても言わなければいけないのがある。
 政府関係機関の地方移転の話がちょっと地方創生の関係で出ておるということで、一度全機関を提示をされて、何か衆の方でちょっと議論になって、出し直したと。出し直した結果、東京とつくばだけになっているということがあって、地元ではちょっと、これはまずい、大変なんじゃないかということで、私もいろいろ各方面から言われております。
 もちろん、何というんでしょうか、五十年前につくばというのは東京から移転してつくってもらった。そして、研究や教育を集中的にやるために、東京の一極集中を是正するためということで過密を解消するためにつくったんだと。だから、そこから出しちゃいけないみたいな、そんな話をするつもりはないんです。いつだって、誰だって、どの機関に対してだって、うちに来てほしいというのは提案できるんだと、私は今回に限らず言えるんだと思います。そして、その機関がお金を掛けたってそっちに行った方が絶対にいいと、例えば山形の有機ELですか、例えばあんなところ、やっているところの横に行った方がいいんだ、せめて支店造った方がいいんだというふうになれば、そういった選択肢はあるのかもしれません。
 しかし、やっぱり国際戦略総合特区ができるまでは、あのつくばのもう巨大な研究群というのは、国立の、独法になる前は特にそうですけれども、地元から見るとエベレストを眺めているような感じなんですね。とても連携を図るという感じじゃないわけなんですよ。エベレスト同士もなかなか横の連携も多分取られなかった、取りにくかったんだと思うんです。
 ところが、あの国際戦略総合特区の枠組みは、自治体が主導して計画をまとめるというふうになったものだから、その辺りからようやくかなり連携が取れるようになってきて、ここのところは非常に綿密にというんでしょうか、筑波大学とかも含めて、いろんな各所に連なるいろんなところ、難しいところをあれしながら一生懸命集積のメリットが出せつつあるんですね。そこで、そこからまた恐らく何十億とかというお金を掛けて集積を崩されるとちょっと、せっかくの成長戦略、今やっている最中にやられると非常にこれはまたこれで困るということがあるものですから、持っていかれたら困るんですけれども。是非とも、持っていってもらっちゃ困るんですが、そこはいずれにしても慎重に検討していただきたいということを是非お願いをいたしたいと思います。これは、御感想があればということでお願いします。
○国務大臣(石破茂君) このお話のそもそもの始まりは、いろんな民間の方々に東京一極集中を是正をして、本社機能あるいは研究開発機能というものを地方に移転してくださいということをお願いをするということが今回の私ども地方創生の一つのポイントになっているわけですが、民間にそんなことを言うんだったらば政府は一体どうなんだいと。政府は何も移転せずに民間にばっかり言うと、そんなものは何の説得力もないということでありました。
 それも、私どもが見ているだけでは駄目で、中央の目から見ているだけでは駄目で、まさしく地方が御覧になって、これはうちに来た方が東京にあるよりもよっぽど効果が発現できるということになった場合にはそれを移転しましょうということで、これは地方の側から見て、これはうちに来た方がいいねというもの、ひょっとしたらあるかもしれない。ある産業の集積地にその研究機関が来た方がいいかもしれないというような場合ですね。そういうことをやろうというのが事の始まりでございました。
 そのときに、そもそも東京の一極集中を是正するのだからということで一都三県に限ってもよかったんですが、いや、でもほかにもあるかもしれないと、茨城も首都圏と言われるところでありますから。そうすると、予断なく全てのものを網羅しましょうと。しかし、このことの趣旨は東京の一極集中是正がメーンですから、そうでありますがゆえに、つくばのものは参考として出させていただいたものでございます。もちろん、私もつくばも何度も行きましたが、そこに集積のメリットがあることはよく承知をいたしております。それが結実しつつあることもよく承知をいたしております。
 ですから、それが本当に地方に移転した方がいいということが誰が見てもそうだよねということにならない限り、それは、つくばはつくばのいろんな構想があってつくったものですので、そういうことにはなりません。つくばはもうあくまで参考として出させていただいたものでございます。ただ、そこで一都三県だけに限るということをしないで予断なく全部を出したものでございますが、つくばには集積のメリットがあることもよく承知をいたしておりますので、委員の御懸念というようなことにはならないと思っております。
 ただ、私がここでつくばは絶対に何一つそういうような候補の対象といたしませんということを断言をすることはいたしませんが、実際、今のつくばの高度な集積性というものは非常に高く評価をされるものだと思っております。
 しかし、常に今あるものというのを見直しをすると。そして、それが地方の発意によって行われると。ですから、地方が、これは本当にうちに来た方がいいということを言っていただかないとこれは絶対に前に進まないものだと思っているので、少しでも前に進めるためには、国から何か降ってくるのを待つんじゃなくて、地方の方が、これはうちにあるべきだというようなこともよくお考えをいただきたいというのがこの趣旨でございます。
○上月良祐君 ありがとうございました。
 大局的に慎重に判断をしていただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。
 最後に、時間がありませんので、甘利大臣に御要望をさせていただきたいと存じます。TPPの関係でございます。非常に何か、何というんでしょうか、収束ムードが出てきているということを報道で見ます。実態はよく私は分かりませんけれども。
 一つ懸念をしていることを申し上げさせていただきますと、何というんでしょうか、ある会合で先輩の議員が発言されている、通商交渉に関わった先輩の議員が、日本というのは珍しい国だと思われているんだと。それは何かというと、厳しく言えば言うほど折れる国だと、日本という国はと。だから、徹底的に厳しく言えば日本は折れるんだと思われているから、そこを注意しなきゃ駄目だというふうに言っていらっしゃる方がいました。なるほどなと、尊敬する先輩なので、なるほどなというふうに思っておりました。
 ところが、今回は幾ら厳しく言ってもなかなか日本が折れないと、ずるずるずるずる延びるだけで折れないんだと。甘利大臣が厳しく交渉をしていただいていることに本当そこは感謝を申し上げますが、ならばということで、大統領選をカードに、ここがお尻だというふうに言ってお尻を切った上でプレッシャーを掛けて、そして日本を折れさせようと思っているんじゃないかと非常に危惧をいたしております、心配をいたしております。そんなことはお見通しの上だと思いますけれども、ただ、一方で、アメリカは何も姿勢は変わっていない、大変厳しい姿勢は何ら変わっていないとうわさに聞いたこともありますので、いよいよ本当にお尻だけ限られて、日本が折れなきゃまとまらないと、しかもTPAがなしのままにまとめたりすると、また二枚腰でやられたりするんじゃないかと大変危惧しておりますので、時間がありませんのでここはもう御要望です、本当に最後の最後まで是非ともしっかり交渉していただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○相原久美子君 民主党の相原久美子でございます。本日はよろしくお願いいたします。
 まず、宇宙基本計画についてお伺いしたいと思います。
 第二次宇宙基本計画は平成二十五年の一月に改訂されました。そして、この計画では、対象期間として平成二十五年から五年間を対象とするとされております。策定から五年後をめどに全体の見直しを行うこととする、ただし、フォローアップの結果を踏まえ、必要に応じて随時見直しを行うとされております。今回、改訂は二年で改訂されたことになります。
 どのような必要性があって、どういうフォローアップの結果、見直しをされたのか、お答えいただければと思います。
○国務大臣(山口俊一君) お話しのとおり、今年の一月に、第三次になりますが宇宙基本計画が決定をされましたが、これは、前回の宇宙基本計画策定以降、やはり我が国の宇宙政策をめぐる環境というのは大きく変化をしたというふうなことでございまして、特に我が国を取り巻く安全保障環境、これが一層厳しさを増して、我が国の安全保障上の宇宙の重要性が著しく増大をしたというふうなことがございます。
 一方で、これを支える宇宙産業の投資の予見可能性でありますが、これが五年というふうな短いターム等々で予見可能性が非常に低いというふうなことで、我が国が自前で宇宙活動を行うための産業基盤が揺らぎつつある、この回復、強化が課題というふうなことになったわけでございます。
 このような背景から、安倍総理の方からの御指示を踏まえまして、国家安全保障戦略にも示されております新たな安全保障政策を十二分に反映をするとともに、産業界の投資の予見可能性、これを高めることによって産業基盤を強化をするために、今後二十年程度を見据えながら、十年間の長期整備計画として本年一月に新たな宇宙基本計画を策定をしたというふうな経緯でございます。
○相原久美子君 再度お伺いしようと思ったのですが、状況が変わった、その状況についてもお話しをいただきましたので、次の質問に移りたいと思うのですが。
 三次計画では、宇宙協力を通じた日米同盟の強化が初めて打ち出されました。我が国の準天頂衛星と米国の全地球測位システム、GPSというんですかね、との連携を強化し、我が国の宇宙状況把握能力を強化するとされているんですが、私もちょっと余りここの部分よく分からなかったものですから、具体的にどのような状況を想定していて、また、これが我が国の安全保障にとって具体的にどのようなメリットがあるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(山口俊一君) ただいまのお話の準天頂衛星、これも各界からの大変な要望もあったわけであります、期待もあるわけですが。これにつきましては、米国の、今お話のGPSと共用が可能な信号、これを送信をすることで、GPS信号は例えばビルの谷間とか届かない環境が結構あります、そうしたこととか、GPSが不調の場合でも準天頂衛星がその補完、代替機能を果たし得るようにというふうなことで取り組んでおるところでありますし、また、宇宙状況把握、SSAと言っておりますが、この宇宙の状況の把握につきましては、我が国のこのSSA能力の強化に加えまして、米国とSSA、宇宙状況把握の情報の共有、これを進めることで我が国の宇宙システムが宇宙ごみ、スペースデブリと言っておりますが、この宇宙ごみとの衝突等を回避をできる能力を構築できるようにというふうなことで取り組んでおるところでございます。
 もう先生も御案内だと思いますが、二〇〇七年ですか、中国が衛星をミサイルで破壊した、これでまた宇宙デブリが激増しております。そういった状況がございますので、この宇宙ごみの増加を始めとする宇宙空間の混雑化、あるいは対衛星攻撃等のリスクに効果的に対処することが可能になりまして、日米同盟の強化に貢献をするとともに、アジア太平洋地域における米国の抑止力を支えておる宇宙システムのいわゆる抗堪性、これが高まるものというふうに考えておるところでございます。
○相原久美子君 ありがとうございます。
 情報の隙間を埋めていくというのは非常に大切なことであろうと思います。そして、なおかつそれは各国との連携というのも重要になってくるんだろうと思うのですが、どうしても我々はこの日米同盟の強化ということを一つ捉えますと、非常に安全保障の部分にどうも偏るような向きが捉えられるわけです。その意味では、例えば今おっしゃいました宇宙ごみですとか様々な分野もあると思いますので、そこの部分についてもしっかりとやはり我々国民にも周知ができるような方向を是非取っていただければと思います。
 JAXAにおいても安全保障研究についてということで、二〇一二年にJAXA法が改正されております。JAXAにおける安全保障目的の研究開発が可能になったとされております。
 防衛省は、昨年の三月二十八日、航空宇宙分野における研究協力に関する協定というものを結んでいらっしゃる。
 現在、JAXAと防衛省でどのような研究を進めていらっしゃって、また、研究費の額はどの程度のものなのか、お答えいただければと思います。
○政府参考人(田口康君) お答えいたします。
 JAXAと防衛省の技術研究本部におきましては、先生おっしゃいましたように、昨年、航空宇宙分野における研究協力に関する協定というのを締結いたしまして、現在、それに基づきまして赤外線センサーの衛星への搭載関連技術、それからヘリコプターの性能と環境適合性向上技術などについて現在は両者が有する知見等の共有を図っているところでございます。
 また、JAXAにおける安全保障関連の研究についてでございますが、文部科学省におきましては、先ほどの宇宙基本計画に基づきまして、安全保障分野に貢献する人工衛星といたしまして、自然災害時の被害状況などを広域かつ詳細に観測することができる先進光学衛星の開発、これに五十一億円、それから将来の衛星の高度化に対応し、大容量のデータを即時に転送することが可能な光データ中継衛星の開発に三十億円などを平成二十七年度予算案として計上しているところでございます。
 今後とも、宇宙基本計画等を踏まえ、安全保障分野に貢献する取組をしっかりと進めていきたいと思ってございます。
○相原久美子君 大きな災害が起きております。その意味では、しっかりとここの分野にも研究のための費用、これを拡充しながら、そして国民の安全を守るという立場で是非進めていただければと思います。
 その上で、ちょっと宇宙基本計画の最後になりますけれども、専門家の方のお話ですと、宇宙技術についてはデュアルユース、いわゆる同じ技術が軍事にも民生にも使われるのが基本とされていると、安全保障が前面に出る結果、今後、民生分野での活用に支障が出ることがないのだろうかという不安がちょっと論文等々にも発表されております。
 民生面での活用や新産業の創出に向けてしっかりとやはり私たちは後押しをしていかなきゃならないんだと思うのですが、それについての政府の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山口俊一君) 先ほども申し上げたんですが、例えばGPS、今ナビ始めいろんなところに利活用されておりますが、これはアメリカのGPSをまあある意味借りてやっておるわけで、彼らは何かあったらぴたっと止めてしまうんですね。やはり、準天頂衛星を打ち上げることによってそこら辺がしっかり解消できて、我が国独自の様々な、例えば自動運転の測位もできますし、ナビにしても恐らく数センチ単位までしっかり把握することができる等々、大変な効果が予想されておるわけでありますが。
 ただいまの御質問いただきましたけれども、今回の宇宙基本計画、これは、宇宙安全保障の確保ということがもちろん入っておりますが、同時に、民生分野における宇宙利用の推進、さらには産業・科学技術基盤の維持強化、この三本柱、これで我が国の宇宙政策の目標というふうなことで位置付けをしておるわけでございます。
 とりわけ民生分野におきましては、具体的には、今も若干申し上げましたけれども、測位、あるいは通信、放送、さらには気象、環境観測、あるいは陸域、海域の観測等の各種の人工衛星を活用することでお話しの地震や津波等の災害等の対応能力の向上に努めるほか、衛星測位情報あるいは地理空間情報の連携によって、ちょっと申し上げましたけれども、自動化とかあるいは無人化とか省力化、これの推進とか、またリモートセンシング情報の、いろんな情報を取るわけですから、この情報のビッグデータ処理、これによって新産業創出、これも大いに期待できるのではないかというふうなことで、とりわけ民生分野に対しては各界からの非常に期待が大きいというふうなことでもありますので、しっかりお応えできるようにこの基本計画にのっとって進めてまいりたいと思っております。
○相原久美子君 ありがとうございます。
 専門家の方たちが危惧している部分について今お答えをいただきました。しっかりとそこは後押ししていっていただきたいと思うんですね。
 先ほど上月委員の方からも、新産業の創出に関してどうも遅れていくという部分があるのではないか、打ち上げるときは華々しいけれどという話もございました。やはりしっかりとこの宇宙基本計画の中の三本の柱、特に民生分野での本当に後押しをしていただければと思います。ありがとうございました、山口大臣。
 それでは、引き続きまして、子供の貧困対策についてお伺いしたいと思います。
 子供の貧困対策大綱は、二〇一四年の八月二十九日の閣議で決定されました。方針ですとか施策等のメニューは示されております。これを実効性あるものにするには、当然、対象者の一番身近な自治体が実施するということになるんだろうと思います。
 しかしながら、この閣議決定以降、半年以上も子どもの貧困対策会議が開催されておりません。実施自治体との連携も含めて、どう実効性を上げていくのか、今後の進め方についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(有村治子君) お答えいたします。
 子どもの貧困対策会議が昨年八月に取りまとめられました子供の貧困対策に関する大綱に基づいて、現在、国会でまさに御審議をいただいております平成二十七年度予算案の中で子供の貧困対策に必要な各種施策を盛り込んでいます。それを踏まえて、間もなくの新年度、四月以降、本格的に関連施策を展開する予定でございます。その際に、委員御言及いただきました子どもの貧困対策会議を開催し、施策の実施状況、対策の効果等を検証、評価する段取りをしております。
 そして、委員御指摘のとおり、各自治体あってのやはり効果的な施策ということでございますので、その声がしっかりと反映されるような布陣をしきたいというふうに考えております。
○相原久美子君 ありがとうございます。是非、本当にスタートをする以前の準備、そしてスタートした以降の実効性、これをしっかりと見極めていただければと思います。
 子供の貧困率は、調査を開始しました一九八五年以降、悪化が続いております。二〇一二年には、国民一人当たりの平均所得の半分にも満たない家庭で暮らす子供の割合、これが一六・三%、大変な数字です。今回の大綱は、親から子への貧困の連鎖を断ち切ることを目指すということでまとめられたんだろうと思います。この中で、関係施策の実施状況や対策の効果等を検証、評価するためということで、様々なメニューが示されております。
 ただ、ここで指標は出てきたんですけれども、目標値を明確にしておりません。なぜ目標値を明確にされなかったのか、ここの部分についてお伺いしたいのと、実際にこのメニューを見ていますと、生活面というのか、経済面、これがなかなか厳しい状況にあるのですが、この経済面へのやはり支援というのがないのではないかと思うのですね。民主党の政権のときに子ども手当を主張してきました。百歩譲って児童扶養手当の部分で増額とか、そういうような経済的支援を盛り込む必要があるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(有村治子君) 御指摘のとおり、相原先生おっしゃるとおり、やはり子供の貧困対策ということを考えますと、貧困の連鎖、世代を超えて連鎖がつながるということを警戒し、またこれを低減し、なくしていくような実効性のある仕組みをいかに打ち立てられるかということを考えなければならないと思います。
 引用していただきました子供の貧困率、OECDが出されています。この指標はフローの所得を基に算出されていますので、ストック、預貯金等の保有状況が反映されていませんので、私たちはそれだけを指標とするわけではなくて、やはり地域の保育の子育て支援、あるいは生活保護受給世帯への子供に対する学習支援など、そういう現金ではない現物サービスとのコンビネーション、バランスを取りながら行っていくことが重要だと考えております。
 経済的支援ということも、どのような支援があるのかということも含めて、やはり私たち、大綱にある二十五の指標のみならず、より信頼性のある指標にはどのようなものがあるのか、そもそもその指標を改善した先に貧困の改善がしっかり図られるのかどうかということを精緻に研究する、そこから始めなければならないと思います。
 その前提として、率直に申し上げますが、今まで日本の子供たちの貧困ということに関して調査が十分に行われてこなかったという反省、現実を直視した上で、では、その現実を正確に捕捉するようなデータなり仕組みなりあるいは調査のありようということ、そこから始めていきたいというふうに現在考えているところでございます。
○相原久美子君 後ほどちょっとそこの部分にも若干触れたいと思うのですが、子供の学習支援ですね、貧困世帯の、これについてお伺いしたいと思うのですが。
 生活保護世帯の子供の高校進学率、これは一般世帯の九八・六%に比べますと九〇・八%と低い状況にあります。全国の地方自治体では、生活保護世帯の子供を対象に無料の学習塾、学習教室を開設するなど、学習支援の取組が行われていました。その財源は国からの緊急雇用創出事業臨時特例交付金から捻出されてきているということですが、二〇一四年度でこの交付金は廃止されました。二〇一五年度からは、生活困窮者自立支援法に規定された生活困窮者世帯の子供に対する学習支援事業として新たに実施されるということでございます。
 しかし、この事業は対象が、今までのように生活保護受給世帯以外に、低所得世帯にまで広がるわけですね。ところが、これ国の補助率は事業費の二分の一、なおかつこれ任意事業になっているわけです。そうすると、自治体の負担が増える。これで、予算も削られた上に対象者が増えるということになると、さて自治体がどれだけ実施するのかなという危惧を私自身は抱いております。
 現段階でどれくらいの自治体がこのいわゆる貧困世帯の子供に対する学習支援事業を行おうとしているのか、もし捉まえているのであれば、それについてお答えをいただければと思います。
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 議員御指摘のように、本年四月より生活困窮者自立支援法が施行されることになっております。そのうち学習支援事業につきましては、議員御指摘のように、現在、生活保護世帯の子供を対象に予算事業として実施しておりますけれども、平成二十七年度からはこの自立支援法に基づきまして、生活保護世帯以外の生活困窮世帯の子供に対象を拡大し、自治体が事業を継続的にできるよう恒久的な制度とすることとしております。
 厚生労働省としましては、自治体において着実に実施ができますよう、現在国会で審議中の平成二十七年度予算案におきまして、生活困窮者自立支援関係予算全体で国費四百億円、子供の学習支援事業につきましては十九億円を計上しているところでございます。
 自治体にこの事業の実施意向を確認しましたところ、今年度は百八十四自治体で実施しておりましたけれども、平成二十七年度、来年度につきましては三百二十四自治体に大きく拡大する見込みでございます。
○相原久美子君 ありがとうございます。
 本当に実効性ある形にしていくには、要望のある子供たち、その子たちが本当にしっかりと学習の支援が受けられるようにということが必要になってくるだろうと思います。自治体の任意事業ということでもありますので、なかなか財政的に厳しい自治体はどうも二の足を踏むという傾向もございますので、しっかりとその意図を周知していただいて、本当に必要な子供たちに手が差し伸べられるように是非よろしくお願いしたいと思います。
 それで、今お答えいただいたように、学習支援事業というのは、地方においてはボランティア団体ですとかNPO法人が少ないというのが現実です。私、北海道の出身ですけれども、やはり支援を受けたい子供たちというのは地域様々なところにいるだろうと思いますが、なかなかNPOですとかそういうものもありません。そういう中で、これは法人格を持たない教員ですとかOB、それからボランティア、こういうところには委託ができないということのようなんですね。是非ここもしっかりと考えていただければと思うんですね。このままいきますと、本当にその委託先を確保できないというまた新たな問題にぶつかるのではないかと思うのですね。
 この学習支援事業の委託先などをどのように確保していかれるか、そこの部分についてお答えいただければと思うのですが。
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 学習支援事業につきましては、実施主体であります福祉事務所設置自治体におきまして、地域の実情を踏まえまして、法人に委託して行うこともできますし、直営方式で行うことも可能でございます。
 委託する場合でございますけれども、委託先としては多様な主体が考えられます。今年度を見てみますと、若者支援を行うNPO法人や一般社団法人に委託するなどの例がございました。
 また、それ以外に直営方式もございまして、今年度の例を見てみますと、例えば自治体で支援員を雇い上げる場合とか、学生ボランティア、教員OBなどを活用する場合もございました。
 また、方法でございますけれども、人口が少なくて児童生徒が集まりにくい地域におきましては、教室型ではなくて家庭訪問により支援する場合もございました。
 学習支援事業につきましては、このように様々な方法により柔軟に実施することが可能でございまして、厚生労働省といたしましては、今後とも好事例を紹介するなど、積極的に自治体を支援していきたいと考えております。
○相原久美子君 ありがとうございます。
 今、幾つかの事例を報告いただきました。是非それをしっかりと各地に広めていただいて、自分たちのところでどういう形が取れるのかと考えるやはり一つの例として示していただければと思います。
 もう一つ、子供の貧困対策に関する大綱に盛り込まれました一人親家庭の子供への支援策、これと生活困窮者自立支援法に基づく学習支援事業、これの関係がなかなかしっかりと捉え切れていない。自治体によって、それをどちらを使うのかということも悩みますし、それから、二つの事業があるがために事務作業としても非常に煩雑になっていくというような声を聞きます。事業の一本化というものができないんだろうかというような声も聞くのですが、これについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 子供の学習支援事業につきましては、子どもの貧困対策推進法を踏まえまして、いわゆる貧困の連鎖を防止するため、子供の状況に合わせて政府としましては充実することとしたところでございます。
 まず、議員御指摘の一人親家庭の子供への学習支援でございますけれども、これは、親と離別されたり親がいないことなどによりまして、そういった影響による子供の精神面に配慮して個別に進路相談や学科指導などを行うものでございます。
 一方、今年四月から施行されます生活困窮者自立支援法に基づく学習支援は、生活困窮世帯の子供を対象としまして、居場所の提供や将来の就職に向けた生活習慣、社会性の育成などに力点を置いているものでございます。
 このように、各事業の対象者の特性に応じましてそれぞれ事業を展開するものでございますけれども、その実施に当たりましては、子供の状況に応じてきめ細やかに対応しながら、実施する自治体におきまして、各担当が連携して効果的、効率的に事業を行うことが重要であるというふうに考えているところでございます。
○相原久美子君 大臣、今伺っていただいたように、様々なところで様々な施策はあるのです。事業もあります。予算もあります。ただ、そこをしっかりと見極めて、そして、やはり担当の大臣として、大臣のところでいいますとまさに少子化対策、男女共同参画、女性活躍、これ多分子供の貧困も全部かぶさってくるんだと思うんですね。ですから、是非、そこをトータルで見極めて、実際に事業を行う省庁、そして予算を持っている省庁に対してしっかりとグリップを利かせていただきたいなと、これは要望でございまして、是非よろしくお願いしたいと思います。
 一人親家庭に対する多角的な支援の必要性が今求められているんだろうと思います。
 一人親家庭では、保護者が一人で仕事と子育てを両立させなければならない。子供を育てるために、心身共にすり減らして仕事をしている。子供が抱える様々な問題にきちんと向き合う時間、精神的なゆとりがない。恐らく、先日川崎で悲惨な事件がありましたけれども、この親御さんの話によると、生徒の母親は、学校に行くより前に自分自身は出勤しなきゃならない、そして遅い時間に帰宅するので、なかなか子供が抱えている問題、子供とのコミュニケーションが取れなかった、そういうようなコメントを発表していらっしゃいます。
 一人親の家庭については、このように経済的な余裕のなさを端緒として、子育てにおける様々な問題を抱え込んでしまう。最終的には子供の命に関わるような状態も引き起こしかねないと思うんですね。その面からも、やはり先ほどお話をしましたように、経済的な支援ということが私は大事なんだろうと思っております。
 そこでお伺いしたいのですが、非婚の一人親家庭に対しては税法上の寡婦控除が適用されておりません。同じ一人親でも、所得税、地方税が掛かる点、そして母子家庭の医療費の支給ですとか保育料ですとか、それから公営住宅の入居にもこれは及んでいくんですね。平等の観点、そして経済面の支援からも、この寡婦控除の取扱いについては改善すべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(有村治子君) 相原委員御指摘のとおり、一人親家庭のお母さん方は、生計の糧を得るための就労と子育てを一手に引き受けて単身で担わねばならないなど、物理的にも時間的にも経済的にも困難で、問題が複合要因に絡み、問題解決に向けても複雑化する中での支援をしていかなければならないというふうに私自身も痛感をしております。
 その中で、一人親家庭の支援に関しては、そもそも厚生労働省など関係省庁において就業、生活支援、経済的支援などが行われていますけれども、私自身の所管においても、今年度中をめどに第四次男女共同参画基本計画を策定する予定をしておりまして、そこで、特に一人親家庭の親子が安心して生活できる環境の整備についてしっかりとチャプターを盛り込めるように、今関係省庁と連携をしている段階でございます。十分に反映をしたいというふうに思っております。
 税制に関しましては、ちょっと私の所管を超えるところが率直なところありますので、一人親家庭の現状にしっかりと目を向けて、様々な困難を抱える女性が安定した生活をお子さんとできるようにしていくということの、その価値を広げていくということに精いっぱい心を尽くしていきたいというふうに思っております。
○相原久美子君 寡婦控除の部分につきましては、確かに所管の違いはあろうかと思いますけれども、やはり子供の対応ということ、それから女性が輝くためにという観点からもしっかりと受け止めていただいて関係の省庁に働きかけるということも、それまた大臣の仕事だろうと思っております。しっかりと議論をしていただく、そのやはり一つとして私、示させていただきました。
 地方自治体においては、これをみなし規定として対応しているところもあるようなんですけれども、それではやはり全部の自治体に行き渡らないということもあります。受け止めていただいて、是非、担当のところとしっかりと連携を組んでいただければと思います。
 今指摘しましたように、貧困率が高い母子家庭においては、子供に惨めな思いをさせないようにしようということで、母親が本当に長時間、精いっぱい働いているんですね。先日、ちょっとヒアリングをしたケースですと、もう所定内労働時間は十分に働いている、でもそれ以上に働きたい、こういう要望を持っているお母さんたちがいると。なぜですかと言ったら、もう所得が低くて、パートの時給では結果的に子供たちに十分なことができないということから、長時間労働を自ら望んできているという実態がありました。これでは、全ての女性が輝くということにはならないだろうと思います。
 その意味で、是非、長時間働くということに対しての対応も考えていただきたいのですが、そうはいっても、今の世の中は二十四時間動いているようなものですから、夜間に働かざるを得ない、夜間の働き場所もあるということになりますと、やはり子供の居場所というのが非常に大切な問題になってくるだろうと思います。
 それで、放課後の児童の居場所としては児童館とかそういうものが少しずつ広がりを見せてきているようですけれども、実は、これに関連するのですが、朝夕食も孤食になっているというような結果も出ているんですね。一人で御飯を食べなきゃならない、子供だけで御飯を食べなきゃならない。何件か、実はいろいろな新聞に出ておりました。これが、子供の孤食を防ごう、なぜなら子供の安全の確保、それからコミュニケーションの確保、そういうことをやっぱりつくっていかなければ健やかな子供の育ちにならないということで、ボランティア等々がこういうような取組をしているようです。こうした事業への支援というのはあるのでしょうか。
○国務大臣(有村治子君) 子供の安全かつ健康的な居場所を確保することというのは大事な社会的価値だと思っております。子供の貧困対策に関する大綱にも施策が盛り込まれておりますけれども、来年度の予算案においても、厚労省、御案内のとおり、生活困窮世帯の子供を対象に居場所づくりを含む学習支援を実施される予定でございます。
 民間の支援団体の中にも、独自の取組として、夜にかけて子供の居場所をつくり、食事を安価に提供する活動を行っている団体があることも承知をいたしております。現在、内閣府としては、こうした子供の貧困対策に取り組む支援団体の活動に注目をして、まずその活動事例が、どこの都道府県で、どのような範囲で、どこを対象にして、そしてどういう効果を上げていらっしゃるのか、その事例を全国から幅広く調査をしているまさにそのさなかでございます。
 今後、そういう活動事例、その効果、またどういう支援があり得るのか、どういう公的支援、あるいは民間のボランティアに対する支援、応援、ノウハウの提供、財政的支援、何が一番適切なのかということ、少しお時間をいただくことになると思いますけれども、そう多くの時間的余裕はないというような緊張感を持ってここの精査を上げていきたいというふうに準備をしているところでございます。
○相原久美子君 ありがとうございます。
 是非、実態の調査をし、そして本当に、やっぱり国がまず本当は率先してやらなきゃならない、もちろん私は民間のそういう活動は本当に私たちにとっては有り難いものだと思うんですけれども、しかしながら、そこにしっかりと国が後押しをしていく、そして少なくともこういう問題に国が率先して取り組んでいくという姿勢が必要なんだろうと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 子供の貧困で最後の質問になるのですが、政府が調査している貧困データ、これ、先ほど大臣がお話しになりましたようにOECDの指標ということで、なかなかこのデータが確実性がないというようなお話もありましたけれども、やはり各国で、例えば一日三食食べることができないとか、それから家の少なくとも一部屋を暖める暖房器材がないとかというふうに、これ剥奪指標というようですけれども、相対的剥奪指標、こういうものを調査の中に測定方法として入れているようなんですね。子供の貧困を多様な面から捉えて分析をし、そして的確な施策を施すというのであれば、実態調査をよりきめ細やかなものにしていかなければならないのではないかと思います。
 是非、先ほどもお話しいただきました、これから幅広い調査をしていかれるということですのでよろしくお願いしたいと思いますし、私は何よりも、貧困状態に置かれている子供の家庭状況、これ、一部の調査であっても、一人親世帯の場合、親が働いていない家庭と働いている家庭で貧困状況に大きな差はないようなんですね。となると、働いても貧困という状態こそが問題なのではないかと思うんです。
 是非所見をお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(有村治子君) 相原委員の問題意識と思いを共有いたします。
 子供の貧困対策に関する大綱でも二十五の指標を掲げており、それに向かってということでございますが、私自身が着任をさせていただいてその二十五の指標を見たときに、いい指標もございますけれども、これを上げたいの、下げたいの、どっちが本当に目指すべき方向なのということ自体をそもそも精査しなきゃいけないという項目も出ています。
 そういう意味では、この二十五の指標を大事にしながらも、先ほど委員が御紹介いただきました剥奪指標というもの、私どもの手元にあるものでも、例えば、一日三食食べることができているのかどうか、年齢にふさわしい書籍を持っているのかどうか、家の少なくとも一部屋を暖める器材があるのかどうか、勉強や宿題をするのにふさわしい場所があるのかどうか、お金が掛かるため学校の遠足や行事に参加できるのかどうかというのは、まさに彼ら、彼女たちの日々の暮らしを取り巻く具体的な指標になり得るような現実的側面にスポットを当てているなと私自身思うところがございますので、より彼らの動向ということを正確に分かって施策に反映できるような、その指標をこれからしっかりと作っていけるように、ソーシャルワーカーあるいは学校の現場の方々、社会福祉の方々、厚生労働省ともしっかりと相談をしながら、ディペンダブルな指標を出すということをまず当面の目標にして、そして、それでしっかりと現実を捕捉していくということに注力をしたいと考えております。
○相原久美子君 ありがとうございます。
 大臣はお子さんがいらっしゃって、多分身近に見ていてよく分かると思うのですが、私もやっぱり周辺を見ていまして、義務教育であっても本当にお金掛かるんですね、ほかのお金が。例えて言えば、本当に先ほどおっしゃったように、修学旅行のお金ですとか、例えて言えば、まあ活動、うちの北海道辺りですと、スキーの授業がありますと言えばスキーを買わなきゃならないですとか、子供の成長に合わせて非常にお金が掛かっていく。
 ところが、そこの調査をしない限り、見えない部分なんですね。その子供たちがお金がなくて修学旅行へ行けないのかどうかということも、やはり子供の貧困の実態をつかむということで私は必要なんだろうと思っています。相当、やはり調べることについては分析にも大変な労力が掛かると思いますけれども、実態をしっかりとつかんで、それに適応する施策をということであれば、やはりそこが必要なのかなと思っております。是非よろしくお願いしたいと思います。
 それでは次に、子ども・子育て新支援制度についてお伺いしたいと思います。
 子ども・子育て支援の充実として、消費税引上げ相当額で実施すると確認されておりました質の改善のため、二〇一五年度予算では五千億円超を計上しております。この二〇一五年度における質の改善項目として、三歳児の職員配置基準、これが二十対一から十五対一へと改善した場合に、三歳児配置の改善加算が付くということになっております。
 配置基準の改善につきましては、保育士の処遇改善ですとか離職防止、人材確保、保育の質の向上に直結するということで、これはもう民間、公立問わずに実施していくということだろうと思いますけれども。
 しかしながら、この自治体の持っている公立のところなんかはなかなか基準の見直しに適応していないように思われるんですね、考え方として。その意味では、所管省庁である厚生労働省、それから文科省にもなるんでしょうか、公立の施設における量の拡充及び質の改善のため、これもしっかりと予算の措置がされているんだということを十分に伝えていく必要が、これは子供の安心、安全の面からも必要なのではないかと思うのですが、これについてどういうような形で考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(木下賢志君) お答えいたします。
 ただいま先生御指摘のように、新制度におきましては、保育士の配置基準につきまして、民間保育所に適用される公定価格の中で三歳児の配置基準を二十対一から十五対一とした場合に保育士の人件費等の費用を加算するということとしております。この改善につきましてでございますが、全額が地方負担により運営される公立保育所においても同様に行うこととしております。そのために必要となる費用につきましても、二十七年度の予算案に社会保障の充実分という形で盛り込んでいるところでございます。
 なお、各市町村に対しまして総務省におきまして適切に地方財政措置を講じる方針であると承知しておりまして、この方針については地方自治体に対しても周知をしているところでございます。
 また、こういった配置基準の改善のためには保育士の確保が極めて大事だと思っております。厚生労働省におきましては、保育士確保を強力に進めるために本年一月に保育士の確保プランを作成しておりまして、様々な支援策を講じながら保育士の確保も併せて進めたいと考えてございます。
○相原久美子君 ありがとうございます。
 所管の省庁として是非、有資格者は相当数いるんですね。ただ、なぜ本当に実際に保育士の不足が起きているのかという点は、多々理由はあろうと思いますけれども、その一つに、大きなものでいうと、やはり処遇の問題なんですね。ですから、しっかりと今回の方針を伝えていただいて、少しでも保育士の皆さんが安心して働けて、そして、なおかつ有資格者の皆さんがその職場にしっかりと入り込んでいけるような、そういう取組として進めていただければと思います。
 同じく、二〇一五年度における質の改善の項目として、民間保育所の保育士の三%給与改善加算が実施されます。さらに、民間保育所の公定価格について、今お話ありました様々な施策の一つとして、いわゆる国家公務員の給与の改定で反映される部分二%の改善がなされるということでございます。厚生労働省は、先ほどおっしゃいましたように、この三月、保育士就職促進対策集中月間という月間を設けて、そして保育士さんたちの処遇の改善をうたって、そしてチラシにも明確に記載しているようです。
 しかし一方では、この給与の加算、処遇の改善というのは、実施は事業者になるわけですけれども、ここが確実に担保されるのかどうかということが不安なのですが、それについてはいかがなんでしょうか。
○政府参考人(木下賢志君) ただいま委員御紹介いただきましたように、今回の消費税財源を活用して公定価格上三%相当の処遇改善ということを行うこととしております。その具体的な対応としては、やっぱり職員の勤務年数ですとかあるいは経験年数等に応じた人件費の加算という形で処遇改善等加算を設けることとしております。
 また、今おっしゃいましたように、平成二十六年度の国家公務員給与改定に対応して人件費二%相当の改善措置も併せて行っておりまして、これも四月からの公定価格に反映させることとしております。具体的に、やはりこの取組によって賃金の改善が確実に行われるということが本当に大事なことでございます。
 そういう意味で、処遇改善等加算の運用に当たりましては、毎年各保育所におきまして賃金改善の実施計画を策定していただいた上で、実際に賃金を改善し、その実績を報告することを加算の要件としているところでございまして、こういった賃金の改善が円滑に実施されますように、我々としてはしっかりと監視していきたいと思っております。
○相原久美子君 ありがとうございます。
 是非、本当に現場の皆さんの処遇が改善されていくという方向へ進めていくようにお願いしたいと思います。
 ここで、最後にお伺いしたいのですが、公立保育園のところでいいますと、地方消費税の引上げ分の使途については、これは公立保育所の保育士の給与の上乗せにも使途が認められているというふうに認識しているのですが、それで間違いないのでしょうか。
 また、もしそれが認められているということであるなら、実は公立保育所の今もう五割を超える保育士さんが臨時とか非常勤と言われる非正規が担っているという現状にあるわけですが、当然この引上げ分の使途はこれらの職員にも充当可能と考えてよいのでしょうか。
○大臣政務官(あかま二郎君) お答えをいたします。
 今回の国、地方の消費税率の引上げに伴う引上げ分の地方消費税収については、地方税法において、「消費税法第一条第二項に規定する経費その他社会保障施策に要する経費に充てるものとする。」というふうにされております。この社会保障施策については、社会福祉、社会保険及び保健衛生に関する施策をいうというふうにされております。
 御指摘の公立保育所の保育士の給与改善費や非常勤保育士の給与については、国、地方の役割分担に応じた消費税の配分を協議した国と地方の協議の場において社会保障四分野の給付として整理されたものでございます。これらについては、社会保障施策に要する経費に当たるものとして引上げ分の地方消費税収を充てることができるものというふうに思っております。
○相原久美子君 ありがとうございます。
 地方自治体におかれましても、今日のやり取り聞かれている自治体についてはしっかりとそれを捉まえていただければなと思います。
 自治体のいわゆる保育施設、これが老朽化しているという話をあちらこちらでよく聞きます。独自財源の確保が難しいとか、いろいろと自治体自体が理由として挙げている部分もあるのですけれども、まして地方分権の時代ですから、私も、自治体に対して国がどうせいこうせいという話にはならないのだと思うんですけれども、子供の保育の環境をしっかりと確保するという観点からも、やはり災害も多くなってきておりますので、老朽化の施設についてはしっかりと改修、建て替えをしていくということがやはり必要なんだろうと思っております。
 その意味で、国としては、地方公共団体が持っている保育園等々の施設に対する予算の措置というものはあるのかどうか、それが実際にしっかりと周知されているのかどうか、お伺いしたいと思います。
○大臣政務官(あかま二郎君) お答えいたします。
 先生御指摘の公立保育所の改修、建て替えについてしっかりとフォローができているかということでございますが、先生当初御指摘のとおり、公立保育所に係る施設整備費について、三位一体の改革による税源移譲に併せて国庫補助金が一般財源化され、現在は全額が地方負担となっておりますが、一般財源化に係る地方債や社会福祉施設整備事業債の対象となっており、国庫補助金の一般財源化による影響が生じないよう適切に地方財政措置を講じているところでございます。
 また、このほかにも、市町村の判断により、一定の要件の下で、平成二十七年度から新たに創設する集約化、複合化、転用に係る地方債、また過疎地域においては過疎対策事業債の活用が可能というふうになる形でございます。
 さらに、地域防災計画上、公立保育所の耐震改修、これを進める必要があるとされた事業については、緊急防災・減災事業債、充当率一〇〇%、交付税措置七〇%の対象としておるところでございます。
 市町村が行う公立保育所の建て替えや耐震改修等について、財政運営に支障が生じないよう、総務省としても引き続き適切に地方財政措置を講じてまいりたいというふうに思っております。
 なお、先生の方から周知ということでございますが、説明会等々で周知をしているところでございます。引き続き努力をしてまいりたい、そう思っております。
○相原久美子君 ありがとうございます。
 国はやっぱりしっかりと措置をしているのだと。これを受け止める自治体の問題になってしまうのですが、我々もしっかりと自治体側には知らせていきたいと思いますけれども、やはり子供、これをしっかりと支えていくのだという国の方針、これが地方に隅々にまで行き渡るようにそれぞれの担当のところでの御努力をお願いしたいと思っております。
 次に、障害者施策についてお伺いしたいと思います。
 二〇一四年一月に我が国は障害者権利条約を批准し、二月に発効いたしました。条約上の義務から、発効後二年以内に最初の政府報告書を国連の障害者権利委員会に提出することとなっております。
 そこで、障害者権利条約三十三条、いわゆる国内における実施及び監視に規定されている、政府における中央連絡先であります外務省と、併せて内閣府に関連の事項をお伺いしたいと思うんですが、外務省にまずお伺いをいたします。
 この報告書の作成に当たっての現時点における進捗状況をお伺いしたいと思います。また、条約の三十三条三項には、市民社会、特に障害者及び障害者を代表する団体が、監視の過程に十分に関与し、かつ参加するということが求められております。このような団体の関与は保障されているのでしょうか、お伺いいたします。
○政府参考人(山上信吾君) お答えいたします。
 障害者権利条約でございますが、この条約は、締約国に対しまして、条約に基づく義務を履行するためにとった措置等に関する報告を障害者権利委員会に提出するよう義務付けているところでございます。この条約の規定上、我が国としては、第一回の報告を来年の二月までに提出することが求められているところでございます。
 そこで、まず第一のお尋ねの進捗状況でございますが、既に作成について作業を開始したところでございます。今後、関係省庁の取組や見解などを外務省において取りまとめた上で、障害者権利委員会に提出する予定でございます。
 次に、お尋ねの市民社会の関与でございますが、御指摘のとおり、条約三十五条四項あるいは条約四条三項の規定を併せ読みますと、締約国は委員会に対する報告を作成するに当たり、障害者と緊密に協議し、及び障害者を積極的に関与させることに十分な考慮を払うよう要請されると規定されているところでございます。
 そこで、政府の対応でございますが、こうした規定を踏まえまして、政府としましては、報告の作成に当たりましては、障害者基本計画を通じたこの条約の実施に関する障害者政策委員会における議論を随時聴取することとしております。また、このほかパブリックコメントを実施する予定でございます。
○相原久美子君 そこで、お尋ねをいたします。
 今、障害者政策委員会から情報を聴取するということだったわけです。これ、内閣府の所管になろうかと思います。監視機関としての障害者政策委員会は、基本法改正以前の中央障害者施策推進協議会のように年二、三回の開催で終わるということなく、障害者参画を柱に捉えていくべきと考えております。
 条約の規定では、社会生活のほとんどの分野を網羅している監視機関としての政策委員会の役割は重要で、まずその第一歩として最初の政府報告書への対応が今お話しいただきましたように求められております。その意味で、政策委員会において障害当事者や関係者の意見を積極的に出していただくことが最重要であると思われるのですが、それについて、障害者政策委員会の関与、これはどのようになっているのかお伺いしたいと思いますし、また、内閣府は三十三条の調整機関も兼ねています。各省庁の協力体制をどのように進められているのか、説明をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(有村治子君) 障害者政策委員会は、障害者基本法第三十二条に基づき内閣府に設置された審議会です。委員お尋ねのように、障害者、障害者の自立及び社会参加に関する事業に従事する者、学識経験者、あるいは家族の方々によっても構成をされています。
 この政策委員会には、例えば今年二月に閣議決定した障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律に基づく基本方針について、例えば平成二十五年十一月から約一年にわたり、ほぼ毎月毎月のようなペースでございますが、議論を行っていただくなど、我が国の障害者施策の推進のために、当事者としての、あるいはそこで向き合っていらっしゃる現実的示唆をしっかりと御審議をしていただいている状況にございます。
 障害者権利条約に基づく政府報告書の作成に当たりましては、この政策委員会による障害者基本計画の実施状況の監視を通じて同委員会から意見を聴取し、反映していくこととしており、政府報告書の作成事務を所管する外務省及び施策を担当する関係省庁と協力しながら進めています。
 委員お尋ねの権利条約の第三十三条にあります政府内における調整を内閣府は行っております。政策委員会に関係省庁の担当課長等を幹事としてそれぞれ置き、委員を補佐し、省庁間の連絡調整を行って委員会の運営を支えているというのが内閣府の現在の役割でございます。そこでも、政策委員会、当事者の方々の意見をしっかりとこの中に反映をしている、そして監視をしていただくということで、障害当事者の参画ということを担保し続けるということを大事な価値として堅持したいと考えております。
○相原久美子君 ありがとうございます。
 まだ幾つか質問をお願いしていたのですが、時間になりましたので終わりたいと思うのですが、大臣、本当に先ほどから質問をしていまして私自身も思うのですが、非常に大変な任務になると思います。なぜなら、結局、他省庁とのやはり連絡体制というところが非常に大変で、そして実際に事業の部分を持っているか、予算を持っているかというのは、実は大臣のところではないわけです。
 その意味では本当に大変だと思うんですが、ここがしっかりとグリップを利かせていって、本当に実効性あるもの、そして求められているものにしっかりと対応していくというのが私は姿勢として必要なところなんだろうなと。私たちも後押しはさせていただきますけれども、本当に是非よろしくお願いしたいということで、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○藤本祐司君 民主党・新緑風会の藤本でございます。
 私の前に上月委員と相原委員が質問をしてくださいまして、それを聞いていると、本当に内閣委員会って幅広いなと。多分、ほかの委員会からここに来ると、何が起こっているんだというぐらいの幅広さがありまして、質問している側も大変ですが、答弁している側も大変なのかなというふうにちょっと思うんですが。今日、石破大臣と山口大臣にお越しいただきまして、地理的な広がりというか物理的なことからいえば、地方から宇宙までという、そういう担当をされているわけで、先ほど上月委員がローカル、グローバルという話をしましたが、グローバル飛び越えてユニバースというんですか、コスモスというんでしょうか、そちらまでの幅広い議論をさせていただくというのがこの内閣委員会だというふうに思います。
 上月委員の議論を聞いていて、今日もちょっと私、特区の話をさせていただくんですが、必ず出てくるのがリゾート法なんですね。先ほど石破大臣も、何か日本の悪法中の悪法のようなリゾート法というのがあるんですが、実はこれちょっと余談ですが、今年のある大学の観光学部の入学試験の一つで、ちょっと完全に覚えているわけではないんですが、その大学の先生に聞いたところ、日本三大悪法の一つであるリゾート法はというのから、あと二つ何じゃいと聞いたら、生類憐みの令と治安維持法だと言われたんですけど。そういう出題がされるぐらいちょっと象徴的なリゾート法というのがあるのかなというふうには思いますが、決してそうではないというふうに私は思っておりますが、これは必ず出てくるのがリゾート法でありまして、ちょっとその件も後で含めて質問させていただきたいと思うんですが。
 これだけの分野になると本当に広い範囲でして、大臣もどの担当で今答弁されているのかというのがこんがらがって分からなくなってしまうんじゃないかと。私なんか聞いていて、これはどの担当なのかなというのがあるので、前提としてちょっと石破大臣にお聞きしたいと思うんですが。
 今回、内閣委員会で審議をするテーマというのが、地方創生部分は、特別委員会があるので実はそちらの方で主に議論をするということに一応区分けはされてはいるんです。ただ、石破大臣はお一人の中で、人格一つで幾つもという話になるとなかなか難しいとは思うんですが、一応この間の大臣所信をお聞きしたところ、国家戦略特別区域、国家戦略特区のところと分権改革といいますか、そちらのところの大臣所信をお読みになっているので、地方創生分は内閣委員会ではちょっと取りあえず切り離してはいるんです。
 ただ、我々としては、どこがどの部分なのかというのが正直言うと混乱して、質問もぴしっと切り分けられないというところがあるので、念のため少し教えてもらいたいと思うんですが、私も内閣府の副大臣やったので、担務表というのがずっとありまして、表が、これは誰が誰というのは全部書いてあるので、それを見れば何となくは分かるんですけれども、実際にどの部分がどの担当なのか。
 石破大臣におかれては、地方創生担当大臣と内閣府特命担当大臣という二つの役割をお持ちになっているんだろうと思います。国家戦略特区と分権改革は、もう大臣所信を読まれたので、これは割と明らかなんですが、特区、先ほど上月委員も特区いろいろありますよという話になって、この特区はどっちの部分なのかというのをちょっとあらかじめ教えてもらいたいんですが。
 まず、構造改革特区、この構造改革特区は地方創生担当大臣としての特区なのか内閣府特命担当大臣としての役割なのか、お答えをいただけますでしょうか。構造改革特区だけで結構でございます。
○国務大臣(石破茂君) そちらの方は、地方創生の方だと承知をいたしております。
○藤本祐司君 それでは、総合特区はいかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) これも同じでございます。
○藤本祐司君 地方創生特区、これはどっち側になるんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 国家戦略特区の扱いでございます。その中のバリエーションとして地方創生特区というものを設けているものでございます。
○藤本祐司君 今日は麦島さんもいらしているんですが、まち・ひと・しごと創生本部、このまち・ひと・しごと創生本部は昨年の地方創生の法案のときに審議していますが、これは地方創生部分という認識でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) そういう御認識で結構でございます。
○藤本祐司君 それと、ちょっと衣替えしていると思いますが、前、地域活性化統合事務局というのがあって、今はこれ地方創生推進室という名前に変わっているんだろうと思いますが、これは、そうすると、地方創生推進室とありますが、これは地方創生担当大臣としての取扱いになるんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) そのような取扱いに相なります。
○藤本祐司君 地方創生推進室は内閣府の方ですね。
 これは、そうすると、総合特区とか構造改革特区とか、そういうものを取扱いをしているもので、地方創生担当大臣としての御発言という認識、ちょっともう一度確認させてもらえますか。
○国務大臣(石破茂君) そういう御認識で結構でございます。
○藤本祐司君 多分、大臣もなかなかここを切り分けで答えるというのは難しくて、相互に全部関係があるものですから、我々も今後質問していくときに非常にこれ難しいなと思いつつも、一応切り分けをされているという以上は、今の段階ではそういう地方創生部分はできる限り少なめにしておいた方がいいのかなと思いつつも、思いつつもぴたっとこれ分けられないものですから、今日のところは是非、地方創生部分に入り込む部分があろうかと思いますが、それは私の今日の所管ではないよというつれないことは言わないでお答えいただければというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
 と言いつつも、まず、地方創生担当の部分になってしまうんですが。先ほど上月委員も構造改革特区、総合特区、国家戦略特区と、大きく分けると三つの特区になるんだろうと思いまして、国際戦略特区とか地域活性化総合特区は総合特区の方に入りますので、地方創生特区は国家戦略特区の方の一類型というふうになりますが、大きく分けると、構造改革特区と総合特区と国家戦略特区、この三つの特区があるんだろうと思いますが、まずちょっと順番に、これは頭の整理として、最初の委員会ですので教えていただきたいんですが、構造改革特区の目的は何なんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 御指摘、誠にありがとうございます。これは一回ちゃんと整理をして頭によく入れないと具合が悪いなという感じはしているんですが、委員からせっかくの御指摘をいただきました。
 構造改革特区とは、構造改革の推進及び地域の活性化を目的として、個別の規制改革事項を措置するものです。どの地方公共団体にも、計画の認定を受けることによって規制の特例措置を活用できる。一言で言っちゃえば、一般的、汎用的な制度、この一般的、汎用的なというところにポイントがあるものでありまして、さればこそ構造改革特区というネーミングになっていると。ポイントは一般的、汎用的というところにあると認識をいたしております。
○藤本祐司君 要するに、規制緩和というのがまず試行的に実施されて、それを一般的、汎用的に広げていくということになるんだろうと思いますが、じゃ、総合特区、これも一応、一応といいますか、規制の特例措置というのが多分あるんだろうと思いますが、この総合特区の、では、そもそも目的と支援措置といいますか、それはどういう中身になっているんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) この総合特区と名前を付けましたゆえんは、それぞれの地域地域において先駆的な取組がありますと、それに対しまして規制の特例措置というものがあるわけですが、それに加えまして税制、財政、金融上の措置により総合的に支援をするのだと。規制の特例措置というものがあります。それに加えまして税制、財政、金融上の措置を付加いたしまして、よってもって総合的に支援をする、そういうようなものが総合特区であると。議員の御地元でございます、ふじのくに先端医療総合特区というものが一つの例として挙げられようかと存じます。
○藤本祐司君 ありがとうございます。
 要するに、構造改革特区には税制とか財政とか金融上の支援措置はないけれども、総合特区にはそれがまずあるんだということ等が大きい違いでもあるのかなというふうに思いますが、この総合特区の認定はどういう手続で行われたものなんでしょうか。
○政府参考人(麦島健志君) お答え申し上げます。
 現在、総合特区については全国で四十八区域を認定してございます。地域からの御要望等を踏まえまして、それを踏まえた上で国際戦略の関係で七つ、地域活性化の関係で四十一を現在認定を国の方で決めさせていただいて進めているというところでございます。
○藤本祐司君 四十八ですが、これはこれ以上もう増えないものなのかどうなのか、ちょっと教えてください。
○政府参考人(麦島健志君) 現在、この四十八を決めさせていただいて、その結果が出るように支援に努めているという状況で、新規の指定については今していないという状況でございます。
○藤本祐司君 今していないというのは、今後もするつもりはないという意味でしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 今後、別に金輪際やらないと申し上げるつもりはございません。今あるものの評価というものを今後とも有識者会議等々においてやっていくものでございまして、今あるものをきちんとやりたいとは思っておりますが、今後このようなものを金輪際やらないと言うつもりはございません。
○藤本祐司君 先ほどリゾート法の話をされたんですが、リゾート法も、一都道府県に一つ、二つ、三つと、だんだんだんだんこれ増えていっちゃったんですね。
 リゾート法を最初作ったときの大学の先生、もう今はちょっと亡くなられてしまいましたけど、話をしていたら、最初はもう一桁でやり始めて、それをちゃんとやってからというのをやろうと思っていたんだけど、結局、どこかがやると、隣の県がやったらうちもやりたい、一つの県の中で、例えば静岡県でいうと東部、中部、西部だと。東部でやったら、じゃ西部もといってどんどんどんどんこれ膨れ上がっていって、結果として何が何だか分からなくなってしまって、やり切れなくなったという経緯があるんですね。
 私が国交大臣政務官のときに、観光圏というのがあった。これもある意味特区みたいなものなんですよ。これ、私がなったとき、もう打ち止めというふうに決めて、翌年で全部終わりにしましょうと。これもまた際限なくどんどん増えていっちゃうからということでやめたんですね。
 だから、そういう意味では総合特区、取りあえずは四十八で、まあこれで未来永劫やらないというわけではないかもしれませんが、一旦ここは、そこでちゃんと成果が出て、目的にかなった成果が出るかどうかというのを見ながらやっぱりやっていくことの方が大切なんではないか。特に、金融上の支援とかいろいろやってお金をじゃぶじゃぶ掛けるわけにはいかないので、そういう考え方の方がいいと思うんですけど、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) リゾート法のことは、私も当時のことをよく覚えていますが、要は、あそこがやるならうちもやるみたいなことで、そのほかの例えば新産業都市というもの、随分昔の話、昭和三十年代の話ですが、それに指定されている、そしてそこにまたリゾートが掛かってくる、その両方の調整とかどうなるんだいということも余りうまく議論をされていなかったような印象を、私、当時当選一回生だったのですが、ただ、うちも取らなければ遅れを取るぞみたいなところがあって、指定されたらそれでおしまいみたいな妙な安堵感があって、その後のいろんな検証がなされていなかったというような、そういう反省はあってしかるべきではないかと思います。
 委員の問題意識に即して申し上げれば、総合特区においては、それぞれのプロジェクトについて目標達成状況というのを評価をして取組の改善というものを促しているというところでございます。ですから、ふじのくにばかり取り上げて恐縮ですが、これですと五点満点のA評価でありますということなのですが、もうとにかく指定をしたらそれでおしまいと、安堵感いっぱいみたいなことではなくて、それがどうなったんだという評価をきちんとやっていく。それをやらないままに全国に広げるということは決して目的を達成することにはならないという意識を強く持っておるところでございます。
○藤本祐司君 今のお話だと、いや、別に評価をきちっとやっていくんだということの中で、見直しをするなりしていかなければいけないというお話なんだと思いますが、総合特区はこれは五年ごとの見直しというのが一応決まってはいると思いますが、そうはいっても、毎年事後評価をして、評価・調査委員会でしたか、名前としては、有識者の方々の評価をしてもらうという、これ毎年やられていると思うんですね。
 私も、これオープンになっていますので、ホームページに全部載っているので、四十八全部見たわけではないんですが、全体として見ると、やっぱりA評価のところから、いわゆるABCDEまでありますが、まあEはないんですが、D評価というのも二地域、やっぱりあるんですよ。
 これの中身見ると、実を言うと、事後評価というのを見ると、これが評価と言っていいのかなと思うようなものも実はある。つまり評価、英語でいうとエバリュエーションなんですけど、評価じゃなくて活動報告、進捗報告、これをやりました、これが今何%です的なもので事後評価が終わっている。これは多分評価とは言わないものなのかなというふうに思っておりまして、この辺り、やっぱり評価というのは、そこから何らかの情報なり課題なりが出て、ここをこうしましょうねというのが基本的な評価だと思うんですが、ちょっとこの評価の在り方というかその辺り、有識者評価ってかなり厳しく評価をされていて、さっき言ったD評価のものは、これは大阪府のものなんですが、二件あるうちの一つで、これそもそも最初から認定された意味がよく分からないような評価になっているんですよ。
 例えば、これは、国際医療交流の拠点づくり「りんくうタウン・泉佐野市域」地域活性化総合特区というのがあるんですが、東京オリンピック、がん医療、獣医療、国際医療交流、医療通訳育成等、確固たるポリシーがあるというよりは話題性のあるようなものを取り上げており、何を目指しているか分からないという専門家の所見が入っているぐらい。これ、そもそもこれの認定されていること自体がよく分からないなというようなものもあったりするんですね。
 これ、金融上の支援があるものとないものがありますので何とも言えないんですが、金融上の支援があるようなものというのは国のお金が入っている、国民のお金が入っている。これがもし五年たって、目的にかなっていない、うまくいっていない、そういう場合はどういう処置、これは国家戦略特区も同じなんだと思うんですけど、評価によってこの目的が達成できないじゃないかと分かったときはどういう対応をされるんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) それは、やはり良い子、悪い子、普通の子というのがあって、それはもう中には駄目なものというのは当然あると思っております。ですから、委員御指摘のように、じゃ何でそんなところを指定したんだというお話がございますので、その指定に当たってはより厳正を期さねばならないと思っております。
 それはそれとして、うまくいかなかった場合には、金融支援をしたのでその分を返してくれとか、そういう話にはなりません。それはもうそういうことになるはずがない。なぜうまくいかなかったのかということを評価委員会においてよく評価をする。ですから、もうこれは駄目ですということで、もうこれからやりませんということだけではなくて、なぜそれがうまくいかなかったのか、そしてなぜそんなものを認定してしまったのかということも含めて、国のお金を使います以上は納税者にそれは開示する必要があると考えております。
○藤本祐司君 分かりました。ありがとうございました。
 構造改革特区、総合特区、そして今後改正案が出てくると思いますが、国家戦略特区、この国家戦略特区については改正案の法案審査の中でまた具体的に質問をさせていただきたいと思います。
 ちょっと時間がありませんので、次のクールジャパンについてちょっとお聞きしたいんですが、山口大臣、クールジャパン戦略担当大臣ということでございます。クールジャパンの目的、政策意図、これは何なんでしょうか。
○国務大臣(山口俊一君) 網羅的といいますか、平たく言いますと、クールジャパン戦略は日本の魅力を戦略的に海外に発信をして世界の成長を取り込んでいくことで我が国の経済成長につなげていく、これを目的というふうなことにしておりますが、ただ、単に我が国の商品、サービスの海外の販売を拡大をしていくだけではなくて、先般先生の方からも御指摘をいただきましたが、クールジャパンとビジット・ジャパンの連携によって訪日外国人旅行者を増加をさせていくということも通じて我が国の経済にプラスの効果をもたらしていくものというふうなことでありますが、さらに、このクールジャパン戦略には文化的な外交的な側面もございます。
 日本の魅力とかライフスタイル、これを海外に発信をすることで、外国の方の日本に対する理解を促進をしてファンを増やすというふうな効果もあろうかと思いますし、加えて、このクールジャパン戦略、地方創生の観点からも、地方の魅力的な資源を発掘をして海外展開を後押しをしていく、これは結果として国内展開の後押しにもなるんだろうと思いますが、そういった地方活性化にも資するものであろうと思っております。
○藤本祐司君 まあそれをざっと聞いてみると悪いことではないというふうには思うんですが、そもそもクールジャパンというものの問題意識は、日本の独特なものがあって、例えばコンテンツが最初スタートだったと思いますが、そのコンテンツ産業が人気があって、例えば漫画、アニメ、映画、音楽等々、人気がある割には売上げにつながっていないじゃないかという問題意識が最初にあったんだというふうに私は認識をしているんですね。というのは、著作権のいわゆる貿易収支を見ると六千二百億円ぐらい赤字になっていると、これだけ人気があって、これだけ関心があっても結果として全然売上げが上がっていないじゃないか、産業競争力につながっていないじゃないかというところから多分スタートをしているんだろうというふうに私は思ってはいるんですね。
 ただ、今のお話を聞いていると、日本のいいことはとにかく発信するんだ、それで海外から日本に来てもらう人を増やすんだという話なんですが、そもそもその前の段階で、その日本のいいものというのは何なのかと。それを売る、売上げを上げていく、そして競争力を高めていくというのがあったんだというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(山口俊一君) 元々そういう話もあったんだろうと思いますし、当時、私も、とりわけ放送コンテンツ、アニメも含めて、これをしっかり東南アジア中心に海外にというふうな話でも議論があったわけですが、やっぱり周辺ですね、例えばタイなんかでは「一休さん」というのがかなり人気なんですが、例えばそれに関して、じゃ、どういうふうな収益が上がるんだろうかといいますと、韓国なんかは大変上手なんですが、関連グッズとか、あるいはドラマの中である韓国の製品をしっかりアピールするとか、いろんな格好で全体的な収益を上げてきておる。
 ところが、我が国はなかなかそういうことができておらなかった。そういうのも含めてしっかりやっていこうということもあるんだろうと思いますし、同時に、例えば日本食というのが無形世界遺産に指定をされたという中で結構評判がいいわけですね。しかも、一つには我が国の農政転換というのもあったんでしょう。これはやっぱりしっかり外国へ売り込んでいきたい。同時に、入り込み、インバウンドと言いますか、外国人旅行者も増えてくる中で、これもっと展開をしていきたいということで、ずっと裾野が広がってきたというふうなこともあるんだろうと思いますが。
 私の役割としては、もう各省がいろんなことをやっています。農水省もやっています、あるいは経産省もやっています、国交省もやっています。これを、やはり内閣府としてしっかりと束ねながら、戦略としていかにうまく展開をしていくかということを考えていきたいと思っております。
○藤本祐司君 こういう意見もありまして、今世界には様々な課題があって、その様々な課題を日本の強みで解決していくのがクールジャパンだという、そこまで広げちゃっていることもあるんですが、そんな認識なんでしょうかね。
○国務大臣(山口俊一君) 前大臣の頃にそういった議論があって、例えば世界最先端の技術を応用した製品とか、あるいは、日本の科学技術をまさに世界に発信をすることによって、例えば様々な日本が抱える課題、これにこの科学技術が役立つと、これを更に世界にも発信をして、いわゆる課題先進国といいますか、そういった部分にも広げたらどうだというふうな議論があったのは私も承知をしておりますし、例えば、実は私、この間、つくばの方に地方版クールジャパンでお邪魔したんですが、あそこは科学技術を利用して、いわゆる科学技術を見てもらう海外旅行客ですね、これを呼ぼうというふうなこともありますので、そこら辺はいろいろあるんだろうと思っております。
○藤本祐司君 時間がなくなってしまったので、最後、ちょっと一つだけお聞きしたいのは、先ほど総合特区なり構造改革特区なり国家戦略特区なりの評価の話をしたときに、目的があって、それに目標値は全部設定しているんですね。目標値を達成できたらばある程度成功だというふうに言ってもいいのかなと思うんですが、クールジャパン、これどんどんどんどん広がっていってしまって、どうやって目標値設定するんだろうかと。どうやって、何をもって成功としたんだと。発信しましたよ、ああ、これが成功ですよというんじゃ余りにもちょっと漠然とし過ぎている。やっぱり評価も、このクールジャパンも政策評価をするんであれば、ちゃんと目標値を設けて、それが達成できたか否か、達成できない場合はどうするのかというのをやっていかないと、これ評価というのにならないんだろうと思うんですね。
 今のお話聞いていると、私の頭の中では、どうやってこれは評価して、何が売上げをもって成功したと言えるのかというのが全く正直言って分からないので、もう時間が来ましたので、もし短めにお答えできるんなら答えていただきたいと思いますが、そうでなければ、また次の機会に設けたいと思います。
○委員長(大島九州男君) 簡潔にお願いします。
○国務大臣(山口俊一君) 大変重要な御指摘だと思います。非常に多岐にわたりますので、それぞれしっかりとこれやっていく必要があるんだろうと思います。そういうことでございます。
○委員長(大島九州男君) 午後一時十五分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時十五分開会
○委員長(大島九州男君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、豊田俊郎君が委員を辞任され、その補欠として岸宏一君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(大島九州男君) 休憩前に引き続き、内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○江口克彦君 今日、私の順番が違うんです。ちょっと早くしていただきました、次の予算委員会の予定がありますので。そういうことで御協力いただきました皆様方に心からお礼を申し上げますし、また、委員長、御配慮ありがとうございました。大臣もまた早々にお出ましをいただきまして、本当にありがとうございました。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 質問の前に一言、いろいろと申し述べたいと思うんですけれども、我が国には周囲百メートル以上のものだけで約六千八百にも及ぶ離島があるということであります。離島の存在によって、我が国は国土面積の約十二倍にも及ぶ管轄海域を有することができておるということになるわけで、離島から様々な意味で大きな恩恵を受けているのではないだろうかというふうに思います。今後、こうした数多くの島々を良好に保全管理していくことが海洋立国である我が国の国益に大きく資するものであるというふうに考えております。
 しかし、現状を見ると、有人離島は約四百でありますけれども、厳しい自然条件や著しい高齢化の進展で適切な保全管理が難しくなりつつあります。無人離島はなおさら目が行き届きにくく、いささか心もとない。我が国の離島対策は果たして万全なんだろうかというふうに思っております。離島、特に国境離島を適切に保全管理するための対策を手遅れにならないよう速やかに講ずることは、次の世代に日本という国土を引き継ぐために決して避けて通ることはできない現世代の責務であると申し上げて、質問の方に入らしていただきたいと思います。
 国境離島の中に入っていない北方領土、それから竹島及び尖閣諸島が我が国の領土であるということはもう議論する余地もないというところであると思います。我が国がロシア、韓国及び中国に対し毅然とした態度で対応していく上でも、国境離島への国民の関心、理解が大きな推進になるというふうに思います。
 しかしながら、内閣府の国境離島に関する世論調査によると、最近の調査でも二割から三割の方々が関心ないというふうに答えているという事実がございます。このままでは、時の経過とともに国境離島に対する国民の意識、関心がどんどん薄れていってしまうのではないだろうかと懸念するものでございます。
 まず、こうした国境離島に関する世論調査の結果についてどんな御感想をお持ちなのか、山谷大臣にお尋ねしたいと思います。加えて、関心がないという理由は何であり、そして関心を持ち理解を深めてもらうためにはどういうふうにしたらいいのかと、大臣のお考えをるるお聞かせいただければ幸いでございます。
○国務大臣(山谷えり子君) 御質問ありがとうございます。
 内閣府では、竹島及び尖閣諸島に関する国民の認知度や関心度を把握し、今後の広報啓発活動に生かすため、平成二十五年に竹島に関する世論調査及び尖閣諸島に関する世論調査を初めて実施いたしまして、平成二十六年に二回目を実施したところでございます。
 平成二十六年十二月二十五日に公表された第二回の調査の結果によりますと、竹島、尖閣諸島を知っていたと答えた方は九割以上と極めて高かったのでありますけれども、竹島、尖閣諸島に関心がないと答えた方は、竹島については三〇・七%、尖閣諸島については二三・八%おられました。
 領土、主権は国家の存立の基本でありまして、これらの調査結果を踏まえながら、引き続き、我が国の立場や主張に関する正確な理解が浸透していきますように、広報啓発活動に取り組んでまいりたいと思います。
 関心がないという理由は何か、そしてどうしたらよいかということでございますが、第二回調査の結果によりますと、関心がないと回答した方のうち、関心がない理由として、知る機会や考える機会がなかったからと答えた方が、竹島、尖閣諸島ともそれぞれ三六%おられたわけでございます。これは、いずれも第一回調査時点よりも減少はしているのですけれども、関係各府省庁がこれまで取り組んできたことについて一定の成果が見られたとは思いますけれども、関心がない理由として、自分の生活に余り影響がないと思うからと答えた方が、竹島、尖閣諸島とも約六割おられました。尖閣諸島については第一回調査時点よりも減少したものの、竹島については第一回調査時点よりも増加する結果となりました。
 これは、昨今、中国公船が領海侵入を繰り返すなど、尖閣諸島の方がテレビや新聞等で報道される機会が多かったためだと思われますけれども、やはり理解を深めてもらうためにどうしたらいいのかということは常に考えなければならないと思っています。
 内閣官房領土・主権対策企画調整室では、学校現場での関心を高め領土教育を充実させるため、全国の都道府県教育委員会指導主事等を対象としたセミナーを実施いたしまして、各県それぞれの市に持ち帰っていただいて、そうした、どう教えたらいいか、どんな教材があるか等々が広がっていくようにセミナーを開きました。竹島問題を身近に感じてもらえるように、竹島に関する絵本の読み聞かせ、動画をウエブサイトで公開したり、北方領土、竹島、尖閣諸島の広報啓発イベントを実施するなど、国民の皆様の関心を高める様々な取組を行っているところであります。
 教科書は、昨年一月に中学校及び高校の学習指導要領解説が改訂されまして、竹島や尖閣諸島についてより明確に記述されたほか、この四月から小学校において、竹島及び尖閣諸島について具体的に記述された教科書が使用されることとなったと聞いております。
 私も小学校の、各社目を通しましたけれども、日本海に位置する竹島は日本固有の領土である、韓国が不法占拠している、日本政府は抗議している、沖縄県の尖閣諸島も日本の固有の領土であるが中国が領有権を主張しているなどと、各社本当にこれまでに比べて非常に明確に分かるように丁寧な記述がされているというふうに考えております。これらの新しい学習指導要領解説や教科書に基づいて領土に関する正確な理解が浸透していくということを期待しております。
 今後も、領土、主権を身近に感じてもらえるような話題、手法を用いながら、我が国の立場や主張に関する理解が正確に浸透していくように引き続き活動してまいりたいと思います。
○江口克彦君 政府が相当努力していただいている、国境離島について様々な普及啓発、啓蒙活動を展開しているということは、今大臣御説明いただき更に分かりましたけれども、もう既に私も承知いたしております。
 しかしながら、国民各階層に幅広く周知の上、徹底されている、国民全体に理解されているというか、それはちょっと言い難いんじゃないかと。教育部門だけという今のことでお話がありましたけれども、我が国の領土保全のために国境離島の果たしている役割は極めて重要であると国民に再認識してもらうためにも、私は、大臣が今まで以上に積極的に発言というか発信されるということが必要ではないか、もっともっと大臣には前に出ていただいて発信していただくということをお願いしたいんですけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(山谷えり子君) お励まし、ありがとうございます。努めてまいりたいと思います。
 いわゆる国境離島については、領海及び排他的経済水域等の範囲を画定する根拠となっておりまして、我が国の主権等を保全し確保する上で重要な役割を担っております。私は小さい頃、学校では日本は小さな島国ですと教わったものですが、実は、海洋面積、海を入れれば世界第六位の海洋大国であるわけでございます。
 昨年六月に国境離島の保全、管理及び振興のあり方に関する有識者懇談会の提言が取りまとめられておりまして、優先的に取り組むべきこととして、国境離島の重要性等について、積極的に情報を発信し、一層の普及啓発に努めていく必要があるとされたところでございます。政府としても、離島が果たす役割の重要性に鑑み、今後、国境離島の重要性等について広く国民に向けて情報発信することにより普及啓発に努めてまいりたいと思います。
 情報発信の具体的な内容といたしまして、国境離島のウエブページや小冊子の作成、離島観光や離島を巡るクルーズなどの海洋観光、エコツーリズムの推進、副教材の作成、体験型の活動の推進等による国境離島の教育の充実等々を考えておりますが、厳しさが増す情勢の中で、私自身も最前線に立って国内外に正確な我が国の立場、国境離島を守っていくという姿勢を示していきたいと思います。
○江口克彦君 北方領土、竹島、それから尖閣諸島というものは日本の固有の領土であるということは繰り返し繰り返しお話しし、また述べてまいりたいと思うんですけれども、そういうことを国民に示し続けることが重要であるということは、これは二月七日、北方領土返還要求大会というのが日比谷公会堂で開かれたときに岸田外務大臣が挨拶でそういうことを述べられたんですね。要するに、北方領土が日本の領土だということを国民に示し続ける努力を我々しなければいけないというふうなことを言われました。
 そのためにも、毎日国民の皆さんが視聴するテレビで天気予報で特出しして、この北方領土、竹島、尖閣諸島の天気予報をしたらどうかというふうに私は思うんですね。これは、前、私が国土交通委員会のときに太田国交大臣にその質問をいたしましたら、これは私一存の立場でお答えすることはできない、政府全体の問題である、政府全体の問題として捉える問題だというようなことで終わりました。
 それで、私は先日、質問主意書で同じような質問を提出をいたしました。北方領土、竹島及び尖閣諸島の気象予報の実施に関する質問書というものを出したわけですよ。そうしたら、これに対する答弁書において、太田大臣は、これは政府全体の問題であるということで答弁されたわけでありますけれども、今度はその質問主意書では、これ返ってきた答えは、関係省庁間で連携して総合的に判断することが必要であり、検討を行っているという回答がなされたわけですよね。
 そこで、政府の中で誰が検討しているのか、どのように検討されているのか、現在の検討状況はどうなっているのか、教えていただきたい。
 これは、実は東ドイツ、西ドイツのときに、西ドイツのアデナウアー首相が東ドイツの天気予報を流し続けているんですね。西ドイツの人たちに東ドイツもドイツ、我々の統一ドイツというか、そういう意識をこれは持たせたという意味では非常に大きい効果があったというふうに言われているのでありますけれども。
 そういうようなことで、天気予報、今、これは私も全国至る所、いろんなところへ行くと、今日御出席の先生方もいろんな選挙区へ応援に行かれたりなんかされていると思いますけれども、また、大臣も当然のことながら全国を回っておられると思いますけれども、恐らく北海道ですらも、北方四島の島名を四つ言ってごらんといっても言えないですね。ましてや、沖縄とかあるいはまた九州とかというようなことになってくると、北方領土って四島の名前、先ほどのお話というか御説明じゃないですけれども、我々の生活に関係ないからそんなものは関心ないというようなことを若い人たちも言いますし、いや、そうじゃなくて、かなりの年齢の方々もそういうお答えがある。
 それからもう一つは、今、竹島の位置がどこにあるかというのは、どこに位置しているかというのは本日出席されている先生方は全て御存じだと思いますし、それから尖閣諸島がどこに位置しているかということも御存じだと思いますけれども、一般的には竹島がどこにあるか、それから尖閣諸島がどこにあるかということを、少なくともここら辺り、ここら辺りって、この辺りということすらも言えないんですよね。
 というようなことから考えると、やっぱり毎日毎日、例えば天気予報で私はそういうことをやる方が、それは確かに教育ということも、それは是非やる必要がある、やらなければいけないということだと思いますし、ウエブページもそれはそれで当然のことだというふうに思いますけれども、やっぱり北方領土、竹島、そして尖閣諸島が日本の領土だということを示す絶好のツールは天気予報だと思うんですよ。しかも、テレビですから画面で出てくる。だから、位置も分かりますしね、竹島の、それから尖閣諸島の位置も分かる。ああ、日本の領土だなといって、小学生でもあるいはまた知らない人たちも分かるようになってくれるんじゃないかというふうに思うんですけれども。
 その天気予報が気象庁の所管であるということは明らかでありますけれども、領土の保全という観点から、北方領土、竹島及び尖閣諸島についての対策を講じようとする場合の中核となる官庁は具体的にどこになるのかと、そういうようなことをお願いする、やってもらうということをどこに頼んだらいいのかということにもなってくるわけですね。
 また、内閣官房には領土・主権対策企画調整室ですか、が設置されていると。そこで関係府省庁と緊密な連携の下、領土、主権に関する事実や我が国の立場の正確な理解が内外に浸透していくよう企画立案、総合調整等を行っているということでありますけれども、領土・主権対策を標榜するこの部こそが北方領土、竹島、尖閣諸島に関する問題に関しても中心的な役割を果たしていくべきであるというふうに私は思うんですけれども、大臣はどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたい。あわせて、関係省庁の現在の検討状況と今後の見通しについてお話しいただければ幸いでございます。
○国務大臣(山谷えり子君) 委員御指摘のように、天気予報は気象庁の所管でありますけれども、領土の保全という観点から北方領土、竹島及び尖閣諸島について対策を講じようとする場合は官庁的には中核的にはどこかということだと思いますし、また天気予報の問題についての御質問でございますが、北方領土、竹島、尖閣諸島の天気予報については、総務省、外務省、国土交通省等の関係省庁と連携し検討を行っているところでございます。
 江口委員の、平成二十七年三月六日の、質問主意書も読ませていただきました。北方領土、竹島、尖閣諸島の天気予報については、現在気象庁において、それぞれ根室地方、隠岐、石垣島地方に含めて発表しているものと承知しております。北方領土、竹島、尖閣諸島を特出しした天気予報については、関係省庁と連携し、検討を行っているところでありまして、今後、諸般の情勢を考慮しつつ、総合的に判断の上、適切に対応していく所存でございます。
○江口克彦君 天気予報で北方領土、竹島及び尖閣諸島をどうするかということを今検討しているというお答えでありましたけれども、是非ともその結果を早急に出していただき、また、よろしければお知らせをいただくということを是非お願いをしたいと思うんですね。
 これは、根室地方だとか隠岐地方だとかということであり、また沖縄地方ということのその中で天気予報が含まれているということは承知しております。根室といった場合には北方領土も含まれているんだということでありますけれども、私が申し上げたいのは、一方で、そういった島なり領土が日本のものだということのためにはそれなりの、一地方という中に入っているというだけじゃなくて、これは政治的、戦略的にやっぱりそういう特出しをする必要が私はあると思うんですね。是非それを政府全体で考えていただけないかなということを申し上げておきます。
 次に、領土問題について政府が取り組むべき事項というものは、情報発信だけではなくもっと広範多岐にわたるというふうに思います。外交交渉や警備、安全保障を始め、子供たちに対する教育、漁業や鉱物資源開発など、実際に影響を受けている地方自治体や、それから人々へのケアも大切ではないだろうかというふうに思うんであります。そうした広範な取組を整合的に、戦略的に取り組む必要があると思うんでありますけれども、現状においては必ずしも十分な体制が取られていないような私は印象を受けているわけでございます。また、領土保全の観点からの離島対策は、有人離島だけではなく無人の離島もあるというふうに考えております。
 現行の行政組織体制において、我が国の領土保全について責任を持つ省庁はどこになるのかと。それから、関係省庁にまたがるのであれば、山谷大臣は領土問題担当大臣として現在十分な調整権限とスタッフを持っておられるのかどうかということ。そして、領土のように我が国の存立の根幹に関わる事項こそ内閣官房又は内閣府で一元的に所管する、そして十分な調整権限を付与すべきではないかというふうに考えるわけでございます。
 また、政府は様々な意味でワンストップサービスを進めておられますよね。こうした問題についてこそ、地方自治体、地域住民を始め、様々な関係者の相談にもきめ細かく応じることができるワンストップサービスの視点が私は重要であると思っておりまして、これらの視点を踏まえて政府の体制強化が必要ではないかというふうに強く強く思うのでありますけれども、大臣はどのような御見解でございましょうか。
○国務大臣(山谷えり子君) 現在の行政組織体制において我が国の領土保全に関する業務を担う省庁は、外務省、海上保安庁、防衛省、文科省、水産庁等多岐にわたっております。領土情勢を取り巻く状況が厳しさを増す中で、我が国の領土、主権をめぐる立場について正確な理解を国内外において浸透させていくことは一層切迫した課題となっております。
 国内外において我が国の立場に関する正確な理解が浸透していくよう、安倍内閣は発足とともに歴代内閣で初めての領土問題担当大臣を置き、平成二十五年二月には内閣官房に領土・主権対策企画調整室を設置いたしました。領土、主権をめぐる内外発信については、関係府省庁においてこれまで種々の試みが行われているところでございます。関係府省庁の連携、調整を推進するために、関係府省庁による総合調整会議を開催するなどによりまして、政府一丸となって内外発信を強めているところでございます。
 海洋資源の開発、利用の推進、海洋の安全の確保、海洋に関する教育の推進を始めとする海洋政策については、平成二十五年四月に閣議決定した海洋基本計画に基づき、関係府省庁が一丸となって取り組んでいるところであります。
 なお、総合海洋政策本部の下に設置された参与会議において、海洋開発の推進、海洋産業人材育成等のテーマについて重点的に議論をいただいているところでございます。
 我が国は、先ほども申しましたが、領海、排他的経済水域の面積が世界第六位の海洋大国でありまして、こうした我が国にとって海洋政策の推進は大変重要なものでありまして、今後とも、海の恵み、海の価値の創造に向けて積極的に取り組んでまいりたいというふうに思います。関係府省庁と連携しながら、しっかりと努めていきたいと思います。
 また、体制強化については、今後とも不断の検討を重ねてまいりたいと思っています。
○江口克彦君 最後の質問をさせていただきます。
 島国である我が国で、その領土を画するという点で極めて重要な役割を果たすのがいわゆる国境離島であるというふうに考えております。この国境離島への関心を高めるための効果的な対策として、国民が実際に国境離島へ足を運んでみることが重要であろうというふうに考えています。まさに百聞は一見にしかずであるということであります。例えば、国境離島へのアクセスの改善、国境離島の意義と魅力を伝えることができるガイドの養成といった、国民が日本の領土である離島に関心を持って気軽に足を運ぶことができるような施策を政府一体となって講ずるべきではないかということで、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(山谷えり子君) 豊かな自然環境に触れつつ離島の果たす役割等について認識を深めていただくためには、実際に離島へ足を運んでいただくことも有効な手段と思います。百聞は一見にしかずで、本当に、私も硫黄島、対馬、男女群島、肥前鳥島、奄美大島、与那国島に参りましたけれども、そのように感じております。
 現在、多くの離島を有する長崎県五島市において、国境離島の役割の発信及び実態の確認を目的として、一般市民等を対象に男女群島や肥前鳥島を巡るツアーを実施するなど、有意義な取組が行われております。国境離島の保全、管理及び振興のあり方に関する有識者懇談会の提言においても、離島観光や離島を巡るクルーズなどの海洋観光、エコツーリズムを推進し、国民が実際に離島に行ったり見たりする機会を増やすことが重要との指摘がなされておりまして、政府としても、関係省庁や自治体との連携の下、今後しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 それから、海洋管理のための離島の保全・管理のあり方に対する基本方針に基づいて離島の保全管理に取り組んでいるところでございますが、これまでの具体的な取組として、昨年八月までに、領海やEEZの外縁を根拠付ける離島のうち、地図、海図に名称のなかった離島について名称を付けました。領海の外縁を根拠付ける離島、国境離島百五十八に名前がなかったので付けまして、あとEEZの九十九島があるんですが、四十九に名前がなかったものですから、そこに名前を付けまして、国民への周知や管理の適正化を図ってきているところであります。
 また、無人離島約三百五十について調査が完了しまして、いわゆる無主の島、持ち主が、所有がはっきりしない無主の島について国有財産への登録を今後行ってまいりたいというふうに思います。
 様々な取組を図りながら、総合海洋政策本部会合における離島の基本方針の見直しが昨年十二月、総理から指示されたところでもございます。今後とも、我が国が広大な海洋に取り囲まれた島国であり、国境離島が我が国の主権等の根拠となっていることの重要性を踏まえつつ、海洋並びに領土に関する政策の進捗を図ってまいりたいと考えております。
○江口克彦君 ありがとうございました。
○若松謙維君 公明党の若松謙維でございます。
 それぞれの先生方、行ったり来たりで大変だと思うんですが、お互いに激励し合いながら頑張りたいと思います。
 今日は、データセンターについて、これは山口大臣を中心にお尋ねをいたします。
 いわゆるグーグル、フェイスブック、アマゾン等のああいうメガデータ、あれはどこで保管されるかというと大体アメリカなんですね。これを維持するためのビジネス、大体六、七千億円と言われております。
 これがもし日本に来れば大変な雇用創出というか産業の育成になるんですが、このクラウドの登場以来、データセンターが大変国際競争が激化しておりまして、国内におきますビッグデータ利活用促進のためには国内データセンターの国際競争力向上が必要不可欠と考えますが、政府は今ICT政策上データセンターをどのように位置付けているか、山口大臣、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(山口俊一君) ただいま御質問の政府のICTというお話ですが、IT戦略、戦略上はIT戦略ということですが、これにつきましては、IT総合戦略本部におきまして平成二十五年六月に策定をし、昨年六月に改訂をいたしましたが、この戦略におきましては、特に積極的かつ果敢にITを利活用し、我が国の経済再生に貢献をさせるというふうな観点から各種の取組を定めておりまして、ただいま御指摘のデータセンター、これにつきましてはIT利活用を推進する上で必要不可欠のものであり、とりわけビッグデータの利活用による新事業、新サービスの創出など、本戦略に記載をされております各種取組に組み込まれているものというふうに認識をしております。
 なお、データセンターに関する具体的な記述としては、大規模災害時におけるIT利活用の観点から、東京圏に集中するデータセンターの地域分散あるいは地域連携等、バックアップ体制の整備を推進というふうに記されておるところでございます。
○若松謙維君 ちょっと質問通告しておりませんが、例えばアメリカは御存じのように非常に規制フリーの国でもありますし、またどんどんデータ利活用するという、もうビジネスがどんどん先行するということなんですけれども、例えばイギリスですと、やっぱり国内のデータは国内で守ろうという一つの規制というんですか、そういったところを盛り込んでいる国もありますので、我が国として、そんな規制をするなり、それなりのやっぱり日本にデータをしっかりと確保するなり、そんなことを今政府として検討していらっしゃいますか。どんなお考えでしょうか。
○国務大臣(山口俊一君) 特に検討というのではありませんが、一つには、もう先生も御案内のとおりで、我が国も、いわゆるデータ自体、このまさにビッグデータとしては、もう各般のデータが、それぞれ各企業なりあるいはオープンデータということで地方自治体あるいは政府等々、いろんなところにあるわけですが、確かにそれをビッグデータとしてしっかり解析をして、じゃ、いろんなところへ、これはこうやっていこうというふうな、ある意味でのストーリー的なものはなかなかまだないんではないか。
 しかし、これは御案内のとおりで、例えば私がちょいちょいお話を聞くんですが、東京大学の新井先生という方がロボットは東大に受かるかプロジェクトというのをやっておられまして、これも、いわゆるビッグデータを使うことによってロボットがもう急速にこれ頭が良くなるんですね。もう推理に近いところまで行っちゃうと。
 そういうことで、これはもう是非ともしっかりと日本としても取り組んでいかなければいけないということでありますが、データ自体は、今回、個人情報保護法の一部改正というのがありますが、国際的な、とりわけ米国、EU等々の動向も見ながら、しっかりとそこら辺は競争に負けないようにというか、この発展激しい世界の中で決して負けないように取り組んでいきたいと思います。
○若松謙維君 これは文科省、総務省にお尋ねいたしますが、このビッグデータの実は利活用なんですけれども、もちろんデータがあっても、それを活用する人材がいなければ意味がないということで、いわゆるアナリティクスというんですか、いわゆる分析官ですね、これが非常に、いわゆるコンサルティング系の会社とかいらっしゃるわけなんですが、どうも日本ですと今大体二十五万人ぐらい必要だと。
 実際には千人もいるかいないかということで、非常にこの分野の人材の不足が、結局はデータが海外に行っているというまた裏腹な関係にもなっているというふうに私は理解しておりますので、是非このアナリティクスですか、いわゆる情報分析官ですね、この人材育成を是非積極的にやっていただきたいということで、具体的に、皆様、資料を、二枚ありますが、数字の書いていない資料ということで、地域活性化モデルケース、これ会津若松市でありますが、ビッグデータ戦略活用のためのアナリティクス拠点集積事業と、こういうものが今取り上げられております。
 そういう中、これいろいろ書いてあるんですけれども、例えばこの三番目にビッグデータ関連産業の機能移転ということで、これ実はアクセンチュアという会社がいろいろと会津若松市等にアドバイスしておりまして、アクセンチュア自身が、今僅か十名ぐらいの事務所なんですが、ここ二、三年で三百名ぐらい東京からこちらに移られると。やはり、本社の方に聞きますと、やっぱり若手中心に四割ぐらいが地方で働きたいと。政府のデータと一緒なんですね。
 やっぱりニーズがあるということで、じゃ、そういった方々をどう育てるかなんですが、御存じのように、この世界は場所を選びませんので、ちょうど会津大学、県立でありますが、二、三年前から急速にこのいわゆる、まさにアナリティクスですか、というプログラムを作って、例えばアムステルダムとか、あとエストニアですか、という大学との交流をして、その人材育成を図ろうということをやっているわけなんですけれども、是非こういった人材育成、真剣に取り上げていただきたいと思うんですが、両省、お願いいたします。
○政府参考人(佐野太君) 先生御指摘のとおり、ビッグデータが爆発的に増加、蓄積しつつある現在、その大量のデータを分析して新たな価値を創造することのできる人材を育成するということは文部科学省としても非常に重要なことと考えておりまして、大学等において人材育成に取り組んでいるところでございます。
 例えば、平成二十五年度より、情報技術人材育成のための実践教育ネットワーク形成事業の中におきまして、クラウドコンピューティング分野における教育の一環といたしまして、大阪大学の大学院を中心といたしまして、東京大学、東工大学、九州工業大学、さらには神戸大学の五大学と産業界におけるネットワーク形成を形成いたしまして、ビッグデータ解析に関する課題解決型の演習などを取り入れた実践的な教育を現在行っているところでございます。
 また、平成二十五年度からビッグデータ利活用によるイノベーション人材育成ネットワーク形成事業というものも立ち上げてございまして、情報・システム研究機構統計数理研究所におきまして、企業へのインターンシップによりまして、大学生、大学院生のデータ分析実習への支援や、統計学や情報処理等の知識に基づき、データ分析の基礎を身に付けるためのオンライン教材の作成などに取り組んでいるところでございます。
 文科省といたしましても、今後とも、大学等におきまして、先生御指摘のビッグデータの有効な利活用の促進に資する人材の育成に積極的に努めてまいりたいと思っております。
 以上です。
○政府参考人(井波哲尚君) お答えを申し上げます。
 国際競争力の強化でありますとか、経済成長の加速化でありますとか、いろんな場面において先生御指摘のアナリティクス人材、データに基づく数量的な思考によって課題を解決する能力の高い人材、これが不可欠であると私どもも認識をいたしております。私どもでは、これまで統計におけるオープンデータの高度化の取組を推進してまいりましたけれども、同時に、その統計データを大いに利活用していただくというために、統計に関する知識とか能力、いわゆる統計リテラシーの普及啓発にも力を入れてまいりました。
 そうした経験を生かしまして、日本統計学会等と協力をいたしまして、将来の経済成長を担う、私どもはデータサイエンス力というような言葉を使っておりますが、の高い人材育成のための取組を平成二十六年度から展開をいたしております。具体的に申しますと、社会人向けの統計学習サイト、データサイエンス・スクールを昨年の六月に開設をいたしまして、これは大体四十七万人ぐらいの方に御覧になっていただいております。
 それから、政府として初めて、MOOCという講座がございまして、これはウエブ上で誰でも無料で参加可能なオープンな動画形式の講義でございますけれども、社会人のためのデータサイエンス入門という講座を開設を、実はこの三月十七日に開設をしたところでございまして、今、大体一万三千人ぐらい御登録をいただいているところでございます。
 こういった取組をいたしまして、人材育成のための学習基盤の整備、あるいは充実を今後とも図ってまいりたいというふうに考えております。
○若松謙維君 この資料の四番目に、自治体の保有するデータの公開ということなんですが、会津若松市が何やっているかというと、車五台、ここに計測器というんですか、データを入れまして、それで、例えばブレーキの回数、振動の場所等を実際分析すると、まさに警察庁若しくは国土交通省道路管理局ですか、非常に有効なデータが集まるんですね。ということで、実はこのオープンガバメントを是非会津の地からやっていこうと、そういうことをもう考えているわけでありますが。
 ということで、是非、とにかくこの分析官の育成というのを、最低二千万ぐらい、給料、ぐらいがいわゆる分析官ですので、SE、ちょっとSEの方に失礼なんですけど、SEではございません。分析官は大変レベルの高い能力を持った方でありますので、是非育成をお願いしたいと思います。
 次に、これは総務省にまた聞きたいんですが、先ほどいわゆるリスク分散ということで、たしか日本のデータは七割が東京、それで、前回の三・一一大震災で、いわゆる袖ケ浦ですか、非常に太い海底ケーブルがずたずたなんですよね。非常に日本の、実はATMとかバンクシステムも一挙にもう駄目になる直前だったというのがこれ現実です。
 そういう中、いろいろなリスクのヘッジとか分散化やっているんでしょうけど、そのための一つの、このデータセンターの地域分散化促進税制、これが総務省所管でできたわけでありますが、運用実績は芳しくないということで、やはり、でもこれはやらなければいけない。どうされますか。
○政府参考人(吉田眞人君) 今先生御指摘の、データセンターの地域分散化促進税制。これ、まさに東京圏に約六割、七割のものが集中しているという、そういう状況を鑑みまして、首都直下地震の対策等も契機といたしまして、平成二十五年度に創設をしたものでございます。ただ残念ながら、ただいま御指摘頂戴しましたように、適用実績が非常に少数にとどまっております。
 ただ、私ども総務省といたしましても、データセンターの地域分散は非常に重要な課題であると認識しておりまして、まずは、こういうふうにお認めいただいておる税制ございますので、その対象となり得るデータセンターの事業者の皆様方にその周知広報に鋭意努めていき、その適用実績を増すように努力をしていきたいと考えております。
○若松謙維君 やはり、データがないからなかなか進まないんでしょう、結局ね。ですから、これイタチごっこになるわけでありますが、やはり両方いずれにしても必要でありますので、是非、政府側におかれましても、最大の努力をしていただきたいと思っております。
 続きまして、この資料の一ですか、FUKUSHIMA・データバレー・プロジェクト全体概要という、ちょっとこの資料を見ていただきたいんですが、ちょうど会津若松市では産学官連携で、グローバルネットワークの整備、環境性能の高いデータセンターの整備、コンテンツ事業者の誘致、ICTを活用したビジネス環境の改善、先端ICT実証事業の実施等と、いわゆるFUKUSHIMA・データバレーと先ほど言いましたこのプロジェクトが今国家戦略特区の申請中でありまして。
 いずれにしても、首都圏、非常に、先ほど分散化、データされていないということで、その受皿をという意味も含めて、さらに今、福島の電力の面では大変苦労しておりますけれども、いずれにしても、電力供給、さらにはグローバル通信ケーブルということで、ちょうどここに、福島に、北米へと次世代グローバル通信ネットワーク、いわゆる先ほどの袖ケ浦がずたずたになっていることを是非いわきにやって、そして、さらにそれが郡山、会津、新潟につながるようなものを是非整備しようではないかというような問題提起をしているわけでありますけれども。
 あわせて、次の、こういうデータバレーのリスク分散化と併せて、更にデータをいわゆる国内に集約するということでのいろんな展開ができるということで、次の裏の資料二を見ていただきますと、こんなイメージになるわけであります。
 日本にデータが集まると、更にアジアのデータを集めることによって、まさに日本はアジア情報ハブ拠点化ができると。そういった、非常に中長期的な問題意識も持ちながら、国内外の企業を積極的にこういう情報ハブ拠点に集めるべきではないかと思うんですけれども、山口大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(山口俊一君) 確かに御指摘のとおりでございまして、今後、ビッグデータを含むITの利活用、これをいかにしっかりやっていくかというのが、まさに我が国の国際競争力を図っていくためにも必要だと。そして、それを担う人材の育成に加えて、お話のとおり、データセンターの適切な整備、これを進めていくというふうなことが大変重要だと認識をしております。
 その際には、御指摘いただきましたように、データセンターは、地方分散あるいは地域連携の観点のみならず、国際競争力の向上も必要というふうなことが考えられることから、今後政府として行うべき取組、これにつきまして各府省と連携をしながら検討してまいりたいと考えております。
○若松謙維君 本当にまたこの課題は一緒に考えて、また積極的に取り組んでいきたいと思いますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、有村大臣にお尋ねいたします。
 この前、予算委員会で政策事業レビュー、尋ねさせていただきました。今日は独立行政法人改革についてお尋ねをいたします。
 今年の四月から新たな独立行政法人制度に移行するということでありまして、これまで、法人に目標は与えるんですが、評価に関与していないと。実は、主務大臣が各独立行政法人に目標は与えるんですが、実際に評価しないと、ある意味で目標の設定のしっ放しと、こういう状況だったんです。これを、主務大臣が自分の所管の独立行政法人のちゃんと目標をチェックする、いわゆる評価システムというまさにPDCAをその省庁内でできるということが今年の四月から始まるということでありまして、まさにこれが企画部門と実施部門の適切な距離を保って、かつ行政全体のパフォーマンスを上げるということができると考えているわけでありますが、大臣はどのように理解されていますでしょうか。
○国務大臣(有村治子君) 若松委員御指摘のとおり、現行の仕組みにおきましては、政策の責任主体である主務大臣は、政策の実施部門である各法人の目標を設定はするものの、自ら法人の業績、実績の評価を行わなかったため、評価結果が政策に必ずしも適切に反映されているとは言えない状況があったと理解をいたしております。
 このため、新たな制度においては、主務大臣が法人の目標を設定するのみならず、自ら法人の業績評価をも行い、その結果を法人の業務改善に適切に反映させ、国の政策の企画立案部門にフィードバックしていくことによって政策の実効性の向上を図ります。言わば、目標と評価の一貫性が図られるということでございます。同時に、法律に基づいて、主務大臣が法人に対して、是正や改善命令をガバナンスに関して持つことにもなります。
 このように、政策責任者である主務大臣の下でPDCAサイクルを的確に機能していくようなサイクルというのが今回実現していくことになります。これによって法人のガバナンスやマネジメントの実効性を含めて行政全体の整合性や成果の向上ということを図りたい、またその実効性の推移を見たいというふうに思っております。
○若松謙維君 総務省にお尋ねいたしますが、先ほどの独法のPDCAサイクル、来年度から、いわゆる四月から新たな目標期間が始まる十二法人につきまして中期目標の点検を行ったわけでありますが、総務省として今後更にどう取り組むのか、それについてお尋ねをいたします。
○政府参考人(高野修一君) お尋ねのございました独立行政法人の目標の関係でございますが、有村大臣から御答弁がありましたように、昨年六月の独法通則法によってPDCAサイクルの強化ということが盛り込まれております。
 その一環といたしまして、法律上の制度として次のような仕組みが目標策定に導入をされております。まず総務大臣が目標策定の政府統一的な指針を策定すること、次に目標策定指針に基づきまして各主務大臣が目標案を策定すること、そして総務省に置かれた委員会が目標案を点検して必要な意見を各主務大臣に述べること、このような仕組みが導入されたところでございます。
 今年度は、関係四大臣から諮問を受けまして、計十二の法人につきまして、目標の指針というものに照らしつつ、総務省の委員会において点検を行い、二月二十五日に意見を述べたところでございます。今回は初めての取組ということでもございましたので、全十二法人に共通する視点といたしまして、適切に重要度、優先度、難易度を付すこと、内部統制を確立するための具体的な方法を明記すること、業務ごとの予算管理体制を構築することなどを明記することといったことを指摘しましたほか、法人ごとの個別事項についても指摘をいたしております。
 委員御指摘のとおり、主務大臣により目標が適切に策定されることはPDCAサイクルが機能するための重要な前提条件ともいうべきものであるというふうに考えてございますので、十二法人に対して点検を行い、意見を述べたところでございますが、今後とも引き続き目標の策定の指針等に照らしつつ、きちんとした形で総務省の委員会において点検を行い、各主務大臣に対して意見を申し述べていきたいと、このように考えております。
 以上でございます。
○若松謙維君 いい制度でもありますゆえ、始まったばかりでもあるんですが、諸外国と比べると遅れておりますので、是非指針示して頑張っていただきたいと思いますが。
 さらに、引き続き総務省にお尋ねいたしますが、先ほどの目標設定も当然時代に応じて変えなければいけない、まさにPDCAですから。そういう意味の目標の指針自体の社会情勢変化に応じての変更、これもしっかりとやるべきだと思うんですが、それについてもいかがでしょうか。
○政府参考人(高野修一君) お尋ねのございました目標策定指針、今後どのように見直していくことがあり得るのかということについてでございますが、独法の実績評価を的確に行うためには前提となる目標をしっかりしたものにしなければいけない、その目標についての策定の指針というものでございますので、社会情勢の変化等に応じて適切に見直しをしていく必要があると、このように考えてございます。
 現行の目標策定指針自体におきましても、目標の策定状況、法人に関する種々の政府方針等を踏まえまして、主務大臣の下でのPDCAサイクルの実効性を高めると、また法人の実効性のあるマネジメントを向上させていくといったようなことから、適時に指針の見直しを行い、必要な変更を加える旨書いているところでございますので、今後、総務省といたしましても、必要性に応じまして適切に見直しを行ってまいりたい、このように考えてございます。
○若松謙維君 引き続きよろしくお願いいたします。
 次に、これも済みません、有村大臣に子ども・子育て支援の観点から質問をいたします。
 子ども・子育て支援新制度の施行、いよいよこれから始まるわけでありますが、厚労省は保育士確保プラン、これが策定されました。この保育士の処遇改善、これは介護職員と併せて喫緊の課題であるわけでありますが、今年の二月に厚労省が発表した保育士の所定内給与額は二十万九千八百円と、前年度に比べて二千四百円ほどの改善が見られましたけれども、当然、他業種と比較して非常に低水準であるということで、やはり保育士、特に少子化ですね、これの対策のためにも保育を支える人材をしっかり確保して、待機児童問題を早期に解消するために更なる給与の改善が必要であり、あわせて、介護職員処遇改善加算のように、今回、介護職員の皆様が、しっかり例えば月一万二千円、これがちゃんと事業主が払われているかどうかということをチェックシステムも今つくっておりまして、私たちも何度も説明を受けました。
 そのようなチェック体制もこの保育士においても導入すべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(有村治子君) 若松委員御指摘のとおりで、極めて大事な価値を御提案いただいていると思っております。間もなく始まります新年度、四月からの子ども・子育て支援新制度においても、保育士の先生方の確保というのは極めて大事な課題だと認識をしております。その保育士の皆様の処遇の改善は、まさに待機児童解消のために必要な人材の確保という観点からも、大変緊張感を持って認識をしております。
 新制度におきましては、消費税の財源を活用して保育士等の処遇改善を実施することにしております。来年度の予算案については、消費税率一〇%への引上げを前提にしていた質の向上に係る取組を全て実施するために必要な予算を確保し、同時に、平均三%の職員給与の改善を行いたいと考えております。今後、更なる質の向上のために、消費税分を含め一兆円超の財源が確保された場合には、五%の職員給与の改善を行いたいと考えております。
 その処遇改善の実効性をどのように担保するかということでございますが、処遇改善加算の要件として、事業者に対して計画の策定あるいは実績の報告をしっかりと求め、市町村が確認、取りまとめの上で都道府県等が集約して加算の認定をすることというふうにしておりまして、確実に職員給与の改善につながってこそという思いでございますので、それが実施される仕組みを整え、またそのモニタリングもしっかりとしていきたいと考えております。
○若松謙維君 是非リーダーシップを発揮して実効性あるものを確保していただきたいと思います。
 次に、最後の質問ですが、この待機児童なんですが、実は、東日本大震災の被災地でも例外なく問題となっております。ちょうど私の地元福島でも、他の市町村への避難による、例えばいわきというのはもう二万人以上の双葉郡の方々の受皿になっていまして、あわせて、今まで十二万人の避難、県外に五万人いた方がどんどん今自主避難者が帰ってきております。そういった方々の、昨年の四月一日現在の待機児童が百八十人、最も少なかった平成二十四年度が五十五人。元々、田舎ですので待機児童いなかったんですよ。ところが、そういう状況なので非常に増えているという。特に、先ほど百八十人と言いましたが、うちゼロから二歳児は百八十人中百五十一人ということで、本当にそういった生まれた方々のケアというのが大変な状況なんですね。
 そのために、被災地も含めて、この新制度の円滑な実施と待機児童解消を図るために、是非、それこそが復興加速につながると思いますので、是非、復興庁と厚労省の見解を伺います。
○政府参考人(菱田一君) お答え申し上げます。
 東日本大震災の被災地を含めまして、待機児童の解消につきましては政府を挙げて取り組むべき重要な課題だと認識しておりまして、この件に関しましては所管省庁の方でしっかり対応していただけるものと承知いたしております。
○政府参考人(安藤よし子君) 待機児童対策についてでございます。
 厚生労働省では、平成二十九年度末までにその解消を目指しまして、平成二十五年四月に待機児童解消加速化プランを策定したところでございます。このプランによりまして、平成二十五、二十六年度の二か年において約二十万人分の保育の受皿が確保できる見込みでございますし、また平成二十七年度からの三年間で更に約二十万人分の受皿の確保を進めていくこととしております。
 このプランの下では、保育所の整備や保育士確保対策などの五つの支援パッケージをお示ししまして、各自治体が取り組めるものから速やかに取り組んでいただけるような工夫をしているところでございます。
 被災地におきましても、ここ数年、待機児童が増加しておりまして、特に三歳未満児の占める割合が高くなっております。こうした地域におきましても、待機児童の解消、喫緊の課題でございます。
 待機児童解消加速化プランの下では、施設整備費の国庫補助割合のかさ上げ、二分の一から三分の二に上げておりますし、また市町村負担分を四分の一から十二分の一に減らすといった施策を用意しておりまして、今後もこれらを用いまして強力に市町村の取組、支援してまいりたいと考えております。
○若松謙維君 以上で終わります。
 ありがとうございました。
    ─────────────
○委員長(大島九州男君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、上野通子君が委員を辞任され、その補欠として堀内恒夫君が選任されました。
    ─────────────
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 まず、菅官房長官に伺います。
 三月二十三日、沖縄県翁長雄志知事が米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向けた海底作業を一週間以内に停止するよう防衛省沖縄防衛局に指示いたしました。この指示に従わなければ岩礁破砕許可を取り消すことがあるともしております。
 この沖縄県知事の指示に対して、菅官房長官は同日三月二十三日午前の記者会見で、この期に及んで、報道されているようなことが検討されているとすれば甚だ遺憾であるというふうに思いますと発言されました。また、同日午後の記者会見で、我が国は法治国家であり、この期に及んでこのような文書が提出されること自体甚だ遺憾でありますと述べるなど、三月二十三日午前、午後二回の会見、合わせて時間は二十分程度ですが、の間でこの期に及んでという言葉を六回使われております。
 ここで言うこの期に及んでというのはどういう意味ですか。
○国務大臣(菅義偉君) まず、翁長県知事の指示についてでありますけれども、本件については、防衛省から、海上作業の停止指示に関するこの文書の内容を検討した結果、アンカー設置、これについては沖縄県は岩礁破砕許可を不要としていたと、また、那覇空港滑走路増設工事等、沖縄県で同じような事案があるわけでありますけれども、本案と同じようにアンカーの設置は岩礁破砕許可手続の対象とされていないと、こうした理由から、沖縄県の指示は違法性が重大かつ明白で、明らかに無効であると、そして、現在行っている作業を中断する理由には当たらない、そういう報告を受けて、私は会見でこの期に及んでと、自分たちが許可を要らないと言って、そして一方の滑走路の埋立工事も同じ内容であって、そっちにも許可は要らないということで行われておるわけでありますからそういうふうに申し述べたのでありますし、さらに、この指示というのは行政処分の体裁を取っていることから、沖縄防衛局では違法性の確認のために農林水産大臣に対して審査請求及び執行停止の申立てを行ったところであります。
 いずれにしろ、まさに沖縄県が国に対して行う行政処分等に対しては法令にのっとって対応すると同時に、海上ボーリング調査等の各作業についても、環境保全に万全を尽くして粛々と行っていきたいと思います。
○山下芳生君 いろいろ述べられましたけれども、全く私はそれは法治国家として通用しない理屈をたくさん述べられたと思いますよ。
 一つ一つ検証したいと思いますが、まず沖縄防衛局、防衛省に確認しますけれども、沖縄県がアンカー設置について岩礁破砕許可を不要としていたということを官房長官に伝えたということですが、そのアンカー設置に係る許可の事前の協議においてどのような説明をされたんですか。
○政府参考人(山本達夫君) お答え申し上げます。
 本事業に係る埋立て等の工事に必要な岩礁破砕等許可申請につきまして、沖縄防衛局は沖縄県に対し平成二十六年七月十一日付け文書を提出し、同年八月二十八日付けで同県から当該申請について許可する旨の文書を受領いたしました。
 また、本事業に係る海上ボーリング調査の実施に必要な岩礁破砕等に関する協議について、沖縄防衛局は沖縄県に対し平成二十六年七月十一日付けで文書を提出し、同月十七日付けで同県から当該調査に係る許可は不要である旨の回答を受領いたしました。
 なお、本事業に係る岩礁破砕等の許可等の手続に先立ち、沖縄防衛局が沖縄県に対しアンカーを含むブイの設置に係る手続の必要性について確認をしたところ、同県より他の事例を踏まえれば浮標の設置は手続の対象とはならない旨が示されたことから、その指示に従い、当該浮標の設置について岩礁破砕等に係る許可申請等を行わなかったものでございます。
○山下芳生君 他の事例というのは官房長官が言っている那覇空港滑走路増設工事も入っていると思いますが、その那覇空港のアンカーの大きさ、重さ、どのようになっていますか。
○政府参考人(山本達夫君) 那覇空港の浮標の事業につきましては国土交通省において所管をされているところでございますけれども、防衛省として承知しているところでは、アンカーブロックとして十トン以上のブロックの使用はしていないというふうに伺っております。
○山下芳生君 昨日、政府とレクチャーしたところ、一トンないし二トンだという回答がありました。
 それでは、この岩礁破砕許可の対象にならないとされたと言われる、辺野古におけるブイの設置に伴うアンカーのコンクリートブロックの重さ、幾らですか。
○政府参考人(山本達夫君) お答えいたします。
 辺野古におきまして、フロートを伴うブイの個数、当初の計画は三十三個でございましたけれども、サンゴを避けて設置をするということで二十九個設置をしております。その重さでございますが、十トン型が一つ、十五トン型が一つ、二十トン型が十九個、四十五トン型が八個となっております。
○山下芳生君 那覇空港は一、二トン、辺野古のブイ設置に伴うコンクリートブロックの大きさは四十五トンです、最大。そのことを事前の沖縄県との調整の中で、そういうブイを設置する際のアンカーの大きさ、重さ四十五トンだということを説明、事前にしましたか。
○政府参考人(山本達夫君) ブイのアンカーの設置に当たりましては、沖縄防衛局が沖縄県と行った岩礁破砕等の協議に関する事前調整におきまして、アンカーを含むブロックの概略図を送付する等の確認を行っております。沖縄県からは他の事例を踏まえればブイの設置は手続の対象とはならない旨の判断が示されたことからも、同県は同種の事案につきまして相応の知見はあるものと認識をしております。
○山下芳生君 答えなさいよ。重さをちゃんと言ったのかということを聞いているんです。あなたが今示したブイの図ですよ、これですよ。ブイの大きさは大体一メートルぐらい。そこから細いひもみたいなのは鎖でしょうか、つながって、その下におもりがあるという図ですけど、これどう見たって四十五トンには見えませんよ。四十五トンのおもりをここに付けるんだと事前に計画はもうされていた、このときには。それをちゃんと沖縄県に伝えたんですか。
○政府参考人(山本達夫君) お答え申し上げます。
 ブイの具体的な重さについてはお示しはしてございません。ただし、今申し上げましたように、同県は同種の事案につきまして相応の知見はあるものと認識をしております。また、沖縄県からは事前調整におきまして、アンカーの設置が一定の規模以上であれば岩礁破壊行為に当たり得るとの御説明はなく、かかる基準が同県より示されたことはなかったものと承知をしております。
○山下芳生君 なかったから言わなかったんですか。隠したんじゃないですか。言っていないんでしょう、官房長官。事前の同種の事業、那覇の滑走路増設、空港の、それと同じアンカーじゃないんですよ。四十五トンのコンクリートブロックを沈めているんですよ。そのことを事前に説明しなかった。だから、当然こんなサンゴを破壊するような、大きな岩礁を破壊するようなことにはならないだろうと思ったから許可の対象にしなかったんですよ。そこに全然そごがあるじゃありませんか。
○国務大臣(菅義偉君) 今事務方から説明をしましたけれども、図面を送付するなどして確認を行った、そして沖縄県からは、他の事例を踏まえればブイの設置は手続の対象とならない旨の判断が示されて、その際にも、アンカーの規模が一定以上であれば岩礁破砕行為に当たる、そうした説明はなく、岩礁破砕許可が必要となるアンカーの規模の基準が同県より示されたことはない。ですから、ある意味では当然のことじゃないでしょうか。
○山下芳生君 本当にそんなことが通用すると思っているんですか。沖縄県に対して四十五トンのことを言わずに、知らない側がそんな大きなものは駄目だなんて言うはずないじゃないですか。当たり前じゃないですか。全然答えになっていないですよ。本当にそんなことでいいのか。
 なぜ翁長知事が今回このような指示を出されたのか。もう至極当然ですよ。そういうことを事前に報告されずに、実際やられていることを見たら何が起こっているかということなんですよ。
 コンクリートブロックの投下の許可区域外ですよ、四十五トンないし大きなブロックが沈まっているのは。私はこの間予算委員会で、そのブロックがサンゴ礁を潰している写真を示しました、総理にも官房長官にも。そういうことが許可区域外で許可なしに、それは、許可がなかったのは認めたからじゃないんですよ。許可が要るような大きなものが沈められることを認識していなかったから。ところが、許可なしにそういう大きなものが沈められて、サンゴ礁、岩礁破壊が行われている蓋然性が高いとして、改めてちゃんと調べなければならない、沖縄県としてですね。したがって、沖縄県が実施する調査の終了まで作業を停止するよう指示したと。当たり前じゃないですか、これは。
 県の漁業調整規則に基づく岩礁破砕許可に関する取扱方針というのがあるんですよ。そこに何と書いてあるか。沖縄の海を特徴付けるサンゴ礁が、地形的にも生態的にも砂浜、干潟、藻場などの浅海域、浅い海域と一体となり、本県における海洋生産の基盤を成しており、多くの有用な魚介類が生育する重要な場所であるとして、岩礁破砕など海域を改変する行為には細心の注意を払う必要があると。これは、サンゴ礁も岩礁と一体になって魚介類の基盤になっているというんですよ。
 そのサンゴ礁がコンクリートブロックで破壊されていることが確認されたんだから、これはちゃんと調査をしたいというのは当たり前じゃありませんか、当然の指示じゃありませんか、官房長官。
○国務大臣(菅義偉君) まず、この岩礁破砕等の許可というのは、水産資源保護法第四条第二項第五号の規定を根拠とする都道府県漁業調整規則に基づく規制であるところであって、その示すところは水産資源の保護培養を図ることを目的としており、この目的に照らすならば、岩礁破砕とは海域における地域の隆起形態である岩礁を変化させることであると解されており、地殻そのものを変化させない行為やサンゴ礁にまで発達したとは認められないサンゴ類を毀損する行為を規制の対象とするものではないということです。
 そしてまた、実際にアンカーを設置するに当たっては、事前に設置予定場所の調査を行うなど慎重に対応しており、岩礁破砕に当たる行為が行われたとの事実はない、このように承知をしています。このことは、沖縄防衛局が沖縄県に対して本年の二月二十五日に提出した本件アンカー設置前後の写真等からもこれは明らかであります。
○山下芳生君 何を強がっているんですか。私はアンカーがサンゴ礁を潰している写真をダイバーから直接手に入れて、直接ダイバーの話を紹介したじゃないですか。実際、そういうことが、沖縄県もまだ臨時制限区域の中に入れていないけれども、入らないまでもそういうことを沖縄県としてももう一部確認したから、蓋然性が高いといってちゃんとした調査が必要だと言っているんですよ。何をそれを拒否しているんですか。
 それで、あの岩礁だけだというのは違うというふうにもう私さっき言ったじゃないですか。サンゴも含めて魚介類の基盤になっていると。そのことを前提に沖縄県は防衛局に対して岩礁破砕許可を平成二十六年八月二十八日、沖縄県知事仲井眞弘多さんの名前で許可したんですよ。そして、その許可には条件が付いているんです。条件を付して許可します。九つありますけれども、六つ目、その他公益上の事由等により別途指示をする場合は、その指示に従うこと。九つ目、本申請外の行為をし、又は付した条件に違反した場合は、許可を取り消すことがあると、こうはっきり書いていますよ。
 公益上、許可外のところでアンカーが、重たいアンカーがサンゴ礁を破壊している、岩礁を破壊している、そのことによってちゃんと調査しなければならないから作業を止めなさいという指示はこの条件の中に入っていますよ。これをのまなかったら許可取消し。もうこの沖縄防衛局が認めた、に出された許可証の中にそういう条件として付されているんですよ。これ守るのが当たり前であって、守らなかったら法治国家にあるまじき、これ従わないことこそ法治国家にあるまじき行為ですよ。そう思いませんか。
○国務大臣(菅義偉君) この法の趣旨でありますけれども、第四条の、保護水面に指定されている場合にはサンゴを含めた水産動植物そのものを毀損する行為が規制をされるということになっていますけれども、当該海域は保護水面に指定をされておりません。
○山下芳生君 もう一回言ってください。今分からない。
○国務大臣(菅義偉君) 水産庁におきましては、この水産資源保護法は、水産資源の保護培養を図り、かつその効果を将来にわたって維持することによって漁業の発展に寄与することを目的としており、都道府県漁業調整規則に基づく岩礁破砕等の許可は、同法第四条第二項第五号の規定を根拠としておるところであるということです。
 そして、水産庁は過去に以下の解釈を採用しており、そのものを、例えばコンクリートブロック等がその重量により砂地や泥地に埋まる状況は岩礁破砕に含まれないものと考える。また、仮に軽微な岩礁破砕行為があったとしても、水産動植物の保護培養に影響を与える程度に地殻の隆起形態を変化させる行為でなければ規制の対象とならないと解すべきと考えられる。また、その第十四条の保護水面に指定をされている場合にサンゴを含めた水産動植物そのものを毀損する行為が規制されるが、この海域は保護水面に指定をされていないということです。
○山下芳生君 いろんなものを、都合のいい解釈持ち出しちゃ駄目ですよ。
 沖縄県が許可をする際に示した沖縄県漁業調整規則の中には、さっき言った文章が入っているんですよ、その取扱方針の中にね。その中には、岩だけじゃなくてサンゴも一体になって魚介類の基盤になっていると書いてあるんですよ。当たり前じゃないですか。これは何も建設省とか地学の世界じゃないんですよ。これは漁業の調整規則なんですよ。魚介類に影響があってはならないからこういう許可をするようになっているんですよ。サンゴ礁が破壊されたら魚介類に影響があると、そういう前提になっているんですよ。全く、官房長官、違うものを持ち出しちゃ駄目だ。
 それで……(発言する者あり)何ですか。言ってくださいよ。
○政府参考人(山本達夫君) お答え申し上げます。
 沖縄県漁業調整規則は水産資源保護法を根拠としておるものでございまして、同法の趣旨に沿った運用がなされるべきものと理解をしております。その趣旨に則しますと、岩礁とは海域における地殻の隆起形態であり、この隆起形態を変化させる行為が破砕であると解されます。しかるに、本件アンカーの設置は地殻そのものを変化させる行為ではなく、岩礁破砕に当たらないというふうに考えております。
 一方、今般いただきました沖縄県知事からの指示文書におきましては、本件アンカーの設置が岩礁破砕に当たるとの判断をなされておられることから、この法の趣旨からいって無効であるというふうに判断をさせていただいたところでございます。
○山下芳生君 あのね、もう毎日説明を変えないでほしい。昨日、衆議院外務委員会で我が党の赤嶺政賢議員が聞いていますよ。防衛省地方協力局山本達夫次長から、都道府県漁業調整規則の解釈については各都道府県が判断するとはっきり答弁されていますよ。それに基づいて沖縄県は、サンゴ礁も当然対象になると、そのサンゴ礁が破壊されているから知事は調査が必要だと、一時作業を止めなさいという、そういう指示を出したんですよ。昨日と今日で答弁変えちゃ駄目だ。(発言する者あり)もういい、もういいですよ。こんな水掛け論やるつもりはないんです。
 それで、知事が許可を出したことについてですが、官房長官はもう一貫して仲井眞知事時代の許可を盾に取っておっしゃっているんですが、仲井眞知事がどういう公約をされて知事になられたのか。二〇一〇年の沖縄県知事選挙で仲井眞知事は、公約、こうしています。普天間飛行場の一日も早い危険性除去、日米共同声明を見直し、県外移設を求める、これが前々回の知事選挙で仲井眞さんが掲げた公約で、そして三十三万票を得て当選をされました。しかしながら、二〇一三年、その公約をなげうって辺野古新基地の埋立てを承認してしまったわけです。
 官房長官は行政の一貫性ということを口実に作業の継続を正当化しようとされておりますけれども、ならば伺いたいんですが、私、この仲井眞前知事の行為に一貫性があると言えるのか。いかがですか。
○国務大臣(菅義偉君) 是非、この問題の原点を見詰め直していただきたいと思います。まさに、この国土の一%に満たない沖縄県に米軍基地の七四%がそこに集中しておるわけでありますから、特にその中で一番危険なのが普天間飛行場です。まさに市街地にあって、そして周りを住宅や学校が密集している、その危険除去、そしてその閉鎖のために移転をしようということで、十九年前にこの問題があって、そして、それから三年掛かって、今から十六年前、当時の県知事と、そして地元の市長が同意をして、そして国が閣議決定をして、辺野古へ移設が決定をしたわけであります。この十六年間の歳月を掛けて丁寧に説明をさせていただいて、一昨年に仲井眞知事の下で埋立承認をいただいたわけでありますから、行政の継続性、そうしたものを考えて、そこは粛々と進めていくのがこれは法治国家として当然のことじゃないでしょうか。
○山下芳生君 普天間の危険性除去というのはみんな一致しているんですよ、みんな一致しているんですよ。それをどうやって除去するのかと。SACO合意から、もうそういう合意があったけれども、なかなか動かないというか、一ミリたりとも動いていない。それは、県内移設という条件付けたから動いてないんですよ。そういうことがあったから、仲井眞さんも二〇一〇年の知事選挙では、危険性除去と言いながら共同声明を見直して、県外移設を求めるという公約したんですよ。それで知事になったんですよ。ところが、その公約と違うことを、埋立許可をやっちゃったと。これ、一貫性ないじゃないですか。そのことを問うているんですよ。一貫性ないでしょう、仲井眞さんの態度。
○国務大臣(菅義偉君) 当時、時の政権が迷走をして、まさにこの時の政府が県外移設を掲げたわけでありますから、県とすればそれが可能性があると思って、当時の知事がそう考えるのはある意味では自然なことじゃないでしょうか。
 そして、当時の政権は、結果として、学べば学ぶほど、この日米同盟の抑止力とその危険除去ということを考えたときに、やはり辺野古移設が唯一の解決策だと言っているじゃないですか。
○山下芳生君 何をそんな前政権のことを持ち出すんですか。
 あのね、仲井眞さんが掲げた公約と仲井眞さんの埋立承認は一貫性がないでしょうと。だから、去年の十一月の知事選挙で、普天間基地の閉鎖、撤去、県内移設断念、あらゆる手法を駆使して辺野古に新基地は造らせないという公約を掲げた翁長雄志さんが仲井眞さんに十万票の大差を付けて当選されたわけですよ。
 それだけじゃありませんよ。その年、去年ですね、一四年十二月の総選挙でも、小選挙区一区から四区まで、県内移設反対ということを掲げたオール沖縄の代表が小選挙区で全員当選しましたよ。自民党の候補は全員落選されました、小選挙区では。
 ここに、一貫性というんだったら、ここにこそ沖縄県民の揺るがぬ一貫した県内たらい回しは駄目だという意思が示されているじゃありませんか。この一貫した意思がずっと去年一年間。それだけじゃないんですよ。一月の名護市長選挙、その後の名護市会議員選挙、全部、海にも陸にも基地は造らせないという稲嶺市長が勝ち、与党が勝ち、そして県知事選挙、総選挙となっているんですよ。一貫しているんですよ、県民の意思は。にもかかわらず、この期に及んで辺野古の新基地建設にしがみついている方こそ、私は民主主義をわきまえない態度だと言わなければなりません。
 官房長官というのは内閣の番頭と言われております。そういうことをよく見て、私は、知事の指示に従って、ここは知事の指示に従って作業を一旦中止して、沖縄県が検証するのを協力するのは当たり前じゃないですか。米軍にもその沖縄県の検証作業に協力しなさいと言うのが当たり前じゃないですか。何でそれさえ言わずに、そんな古証文、破綻した公約違反の古証文にしがみついて強行しようとするんですか。何でそんなに余裕がないんですか。
○国務大臣(菅義偉君) 十六年間掛かって県内を説得をさせていただいて、時の県知事からそこは埋立承認をいただいたわけでありますから、まさに行政の継続性、そうしたものを考えたときに、そこは粛々とその工事を進めて、そして、委員も言われましたけど、世界で一番危険と言われるこの普天間の飛行場、この危険除去と、そして固定化を避ける、このことって物すごく大事なことじゃないでしょうか。
○山下芳生君 だから、それは当然なんですよ。そのためには県内に痛みを移すんじゃなくて、痛みを取り除くべきだというのが沖縄県民の意思であり、名護市民であり、そして普天間基地のある宜野湾市民の声です。宜野湾でも仲井眞知事よりも、前知事よりも翁長知事の方が三千票、票は多かったんですよ。総選挙でも照屋寛徳候補が六千票、自民党候補よりも多かったんですよ。だから、そういうことが民主主義の手続を経て示されているのに、一顧だにしない。粛々と粛々とと言って、そんなことをやっていて日本が民主主義国家として成り立つのかというところまでもう来てるんですよ。
 だから、翁長知事は、こういう自らの許可に付いていた条件に従って、一時中止して協力してくださいよと、極めて穏当な指示をしているわけですよ。これに従うのが法治国家なら当たり前なんですよ。それを、今の御答弁からも全くそのことが、考慮もしない。何で考慮もしないのか、何をかたくなになっているのかと、そう思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(菅義偉君) まさに我が国は法治国家でありますから、一度県知事からその許可をいただきました。その許可そのものが違反をしているんであれば、それは見直すのは当然だというふうに思いますけれども、当初、沖縄は、先ほど来説明をさせていただきましたけれども、その許可は要らないという形の中で許可をいただいたわけですから、その中で粛々と法にのっとって工事を進めていくというのが私は政府の責任であって、一日も早い危険除去、普天間飛行場の危険除去と固定化を避けるために、そしてまた日米同盟の抑止力を維持していくために、国民に対しての私たちは大きな責任があるというふうに思います。
 そして、もしこの辺野古への移転を断念をするんであれば、この普天間飛行場の固定化を容認することにほかならないわけでありますから、そこは危険除去という固定化を避ける、世界で一番危険な飛行場をそのまま放置しておくことはできないということであります。
○山下芳生君 あのね、無条件に撤去すればいいんですよ。危険なものは取り除く。アメリカに海兵隊帰ってもらったらいいんですよ。そういう立場に立ってアメリカと交渉もしないで、やたら古い証文にしがみついて、今、粛々とということをおっしゃった。それ以外のもう選択肢はないと。
 私は、日米同盟の名前の下に日本の民主主義が本当に崩壊していくさまを今見せられているという気がしてなりません。改めて、この問題、沖縄県だけの問題じゃない、日本の民主主義が問われる問題としてこんなことを許してはならないと、そのことを指摘して、時間が参りましたので、終わります。
○井上義行君 元気の井上義行でございます。
 私は、毎日、小田原駅に朝立ちをして、そして電車でこの国会に来ているわけですが、最近、東京駅が春休みということもあって非常に人が多いんですね。これは、観光客あるいは国内の旅行に行く人が多いと思うんですが、また景気がいいときというのはビジネスマンがすごく動くんですね。ですから、東京駅を歩いていると何となく景気感が分かるんですが。また、地下鉄は、今まで広告が結構がらがらだったんですが、最近は結構広告がびっしり貼り巡らしているということで、東京ではやはり景気というものが少しずつ沸いているなという感じは受けます。
 しかし、私のいる小田原、地方は、まだまだその景気の波がまだやってこない。まあ東京の波から二年遅れぐらいで来るというふうによく言われていますけれども、そこで、今の景気分析と、そして来年度の見通し状況をまず甘利大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) まず、景気の現状でございますけれども、生産や輸出が持ち直しているということ、それから企業収益に全般的に改善の動きが見られるということ、それから企業の業況判断の一部に改善の兆しが見られる等々、企業部門に改善が見られるということで、緩やかな回復基調が続いていると認識をいたしております。
 ただし、個人消費につきましては、消費者マインドが持ち直している一方で、消費総合指数、これは二か月連続で前月比マイナスとなっておりますから、この部分はまだ引き続き弱さが見られる状況にあるわけであります。
 先行きでありますけれども、景気の先行きを示す指標を見ますと、まず街角の景況感が、現状そして先行きとも、全てのこれは地域で改善をしているということがあります。三月の二十日に公表されました今年の春闘の賃金の引上げでありますけれども、これは去年が過去十五年間で最高となったわけでありますが、その水準を更に上回る勢いとなっております。雇用と所得環境の改善傾向が続いているということがあります。
 それから、昨年来、原油価格が下落をいたしております。ピークの半分ぐらいに落ちているわけでありますけれども、これによりまして経済への押し上げ効果が期待される等々、前向きの動きが見られているわけでありまして、政府経済見通しにおきましては、二十七年度の我が国経済について、雇用・所得環境の改善であるとか、原油価格低下等による交易条件の改善、交易条件の改善というのは輸出価格と輸入価格の比のことでありますけれども、原油価格がピークの半分ぐらいに落ちますと、交易条件は改善ということになるわけでありますが、これらによる堅調な民需に支えられた景気回復が見込まれると、実質GDP成長率は一・五%程度というふうに見込んでおります。
 政府といたしましては、引き続き、この三本の矢を一体的に推進することによりまして、経済の好循環の更なる拡大を実現するとともに、経済の脆弱な部分に的を絞ってスピード感を持って緊急経済対策を実施する。脆弱な部分というのは、御指摘のとおり地方それから消費という部分でありますけれども、そこに的を絞ってスピード感を持って緊急経済対策を実施をして、地方にアベノミクスの効果を広く行き渡らせていくということに取り組んでいくというところでございます。
○井上義行君 まさに景気というのは気ですからね。やはり、みんなが何となく景気が良くなったなといって財布が緩んでお金を使えばだんだん景気が良くなるということになるんでしょうけれども。
 そこで、来年、数字的には上向きになってきた、Lから、私、景気、よくLと言うんですけれども、消費税が増税されて、下がって横ばいになって、ちょっとUに向かっていくのかなというふうに思っておりますけれども、そうなるとデフレを脱却するという時期というものも大事になってくると思うんですが、そのデフレ、例えば脱却宣言みたいなものは政府としてするのかしないのか。そのときに私も、第一次安倍内閣のときにデフレ脱却宣言みたいなことをするときに、宣言をするときには二度とデフレの状態に戻らない状態になるというときがデフレ宣言だというふうに聞かされたんですけれども、甘利大臣としてはいつ頃デフレ脱却宣言をするのか、見通しをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 委員とは一次内閣で一緒に経済政策、苦労してやらせていただいた関係でありますが、おっしゃるとおり、デフレの脱却宣言というのは、今日の時点でデフレかどうかということももちろん大事なんですけれども、その状況に戻らないというところまで足腰が強くなったということを称して脱却ということになるわけです。何せ十五年以上、二十年近く続いたデフレでありますから、ちょっとやそっとじゃなかなか抜け出すことはできない。一時的に抜け出しても、ちょっと何か経済に影響、変化があった場合はまたすぐ戻っちゃうというような状況になりがちでありますから、多少のことでは元に戻らないという状況を、足腰の強さをどうやってつくっていくかということが大事だと思います。
 でありますから、連続的に物価がマイナスになっていかない、マイナスの連鎖が起きないということでありますから、今日の時点をデフレかどうかといえば、物価はプラス、〇%台プラスですから、今日の時点はデフレではありませんけれども、じゃ、戻らないということまで行っているかというと、そこまではまだ足腰は強くなっていないと思います。
 ですから、よく私も会見で聞かれるんですが、脱却宣言というのは、今日脱却しましたということよりも、デフレ状態じゃない状態がずっと続いていて、ここら辺まで来たらまあ戻らないでしょうねという景況感を示すんじゃないかと思いまして、この時点がデフレ脱却ということより若干アバウトな表現になるのかなというふうに個人的には考えております。
○井上義行君 多分、このゼロを超えて、物価目標二%ですから、多分、二%、三%、一%、こういう波があるというふうに思いますよね。そういう形になってゼロを下回らないのがかなり続いたなということで宣言をすると思うんですが、そうすると、安倍内閣は物価目標二%を目指していますね。このままでいけば、二〇一七年に二%の消費税増税が来て一〇%になると。
 そうすると、多分、一年間は消費税でまた下降していくということになれば、ここの二年間というのはすごく大事な時期で、やはりこの二年間で物価目標を達成して、そして消費税を入れても足腰がしっかりしていてその影響を受けない状態をつくらなきゃいけないということになりますと、やはりこの物価目標二%はこの二年以内に達成しないとアベノミクスの成功のストーリーにつながっていかないというふうに思っておりますけれども、物価目標二%は、甘利大臣、見通しはいかがでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 日銀と政府が共同声明をして、それぞれの努力を確認をして、日銀がやるべきは物価安定目標二%を達成をすると。それは何年何月ということの明確な表現ではありませんけれども、できるだけ早期にと。それ以降、総裁が、目途は二年程度というような表現を使われたんですかね。そうしますと、二〇一五年四月一日以降がそういうことになるわけでありますが、二〇一五年度内にという表現ではなくて、そこを起点としてということですから、アローアンスはあろうかと思います。そこは日銀が適切に判断をして金融政策を取っていただいて、二〇一五年度を中心とするその近傍で目標に向けて対応を取っていかれるんじゃないかというふうに思っております。
 政府といたしましては、政府としての成長戦略をしっかり組んで実行して、名目三%、実質二%の経済成長軌道にできるだけ早期に乗せていくということであろうというふうに思っております。
○井上義行君 そこで、経済成長、そして物価目標二%ということに、きっちりスケジュールどおりにいけばなるんですが、一方では、新規国債をどうやって絞っていくかということだろうと思います。ここで前、甘利大臣と消費税の議論をして、二、三年は凍結して、二、三年後には上げればいいじゃないかというのがそのとおりになってしまったので、私は三%の増税については賛成なんですけれども。
 やはり、このことを考えたときに、この二%増税、一〇%になる二〇一七年を起点に、二〇一八年に新たな新規国債を縛るような、この間も予算委員会で言いましたけれども、法律を作った方がいいという私は考えなんですが、小泉内閣のように閣議決定で縛るやり方もあります。しかし、閣議決定の場合は、安倍総理が一生、二十年も総理をやっていれば同じ考え方でいくんでしょうけれども、内閣が替わればその方針によって新規国債が増えてきたのが今日の政治でありました。
 資料にありますように、予算委員会でもこの資料を使いましたけれども、やはりこの今の予算の仕組みは、どちらかというと、歳入があって本当は支出を考えなきゃいけないんですが、社会保障の膨大やあるいは国債の返済等がありまして、歳出に見合う、無理やり歳入見込みをつくっている状況ですね。いつかやはり、これは誰かが新たな道をしっかりつくっていかないと非常に厳しい状況になるというふうに私も思っていまして、そのためには、新規国債を絞る、私としては、この二年間は経済成長で構造改革をして、消費税が二%増税をしてもデフレには戻らない、そして経済の成長を、足腰がしっかりしている、そこに集中するべきだというふうに考えておりまして、そして、消費税が二%上がった一年後の一八年には、新規国債を絞るメニューの実施をやはりつくる必要があるんではないかというふうに思っています。
 そのためには、例えば来年からこういうふうにやりますよといってもなかなか、政治的にも、あるいは業界、あるいは国民、これはどうしても、歳出を抑制するあるいは削減をするというと、必ずどこかに痛みが出るわけですね。その痛みを和らげていく政策も併せて、そして経済の両にらみをしながらやはり考えていかなきゃいけないこの二、三年なんだろうというふうに思うんです。
 そうすると、今からメニューをそろえてしっかりとした議論をしておかないと、やはりせっかく経済が成長してきた、消費税が増税をして、景気が下降ぎみで、そして、じゃ、これをどんどんカットしなきゃいけないというと、また今度消費が更に冷え込んでしまうという感じがありますので、やはり今からきちんとしたメニューを、多分今年の六月頃ですか、骨太で議論をすると思うんですが、新規国債を絞るような、多少ハレーションを起こすぐらいのメニューを提示をして、そして国民とともに議論をして、そして答えを出していくという手法をやはり取るべきじゃないかというふうに思っております。
 そこで、新規国債の今後の削減目標、そしてスケジュール、そして具体的なその額がありましたら、是非、甘利大臣から答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 二〇一五年度、つまり来年度予算では、新規国債発行は、前年に比べて四兆四千億減らしまして三十六兆九千億に発行額はなっております。
 最終的にこのプライマリーバランスを改善していくためには、GDP比でいくと三・三をこれ削っていかなければならないわけであります。SNAベースでいいますと九兆四千億、国費ベースでいうと九兆一千億の削減幅があるわけであります。これを減らしていかなければならないと。
 今、経済成長ケースでいって二〇二〇年は申し上げたような幅がまだ残っているわけであります。これを一体全体どうしていくのかと。今からのベースですと十六兆四千億あります。成長ベースでいってもまだ残っている隙間が九兆四千億あるわけであります。これをどうするかということでありまして、基本的には成長の上乗せも最大限の努力をして、そして歳入歳出改革をしていくということになっていくわけであります。そのプランを今諮問会議で策定を始めておりまして、まだこういうプランですということを、詳細は夏頃に行程表はなると思うんです。
 御指摘の国債発行を縛るという考え方です。これはもちろんそういう考え方があることはよく承知をいたしております。ただ、何といっても経済はよく言われることで生き物でありますから、機動的に対応しなきゃならない場面がこの五年間のスパンの中に全くないというわけにはいかないと思いますし、言わば合わせ技でやっていく部分もあります。合わせ技というのは、税収を確保することと出ていく方を減らすということと、しかもそれも単純にカットするということだけじゃなくて、構造改革をして、より効率的に置き換えていくとか、民の力を活用するとか、ありとあらゆる技を使って、投入して、総合的に成果を出していかないといけないと。
 多少のハレーションというお話がありましたけど、相当ハレーションを覚悟しながらプランを作っていかないといけないなという腹はくくっているわけでありますけれども、冒頭申し上げましたように、国債発行を縛っていくという仕組みについてはお考えがあるのはよく承知をいたしておりますが、機動的に対応するという点からはなかなか厳しいのかなというふうに考えております。
○井上義行君 私も分からなくはないんですが、やはり新規国債というのを、例えば二〇一八年にはこうしますよということがあれば、僕は安心して、もう元々、私は量的緩和の考え方ですから、出せる。だけど、二〇一八年にこういうプランでやっていきますということをあらかじめ持っておけば、安心して世界から国債の市場が守れるんじゃないかなということを考えていまして二〇一八年ということを私は申し上げているんですが。
 そこで、甘利大臣の単純なその削減という、私もそういう行政改革というのは取らないんですね。まさに構造改革だというふうに思います。やはり今の時代に合って成長していくものについて予算をしっかり付けていく。そして、もう時代に合わないものはそこの予算を削って新たな成長戦略、あるいは私は教育について力を入れていますので、やはり格差が広がっていくときの高等教育なんかにお金を入れていく。こういうめり張りの付いた行政改革というのが必要だろうというふうに思っております。
 そこで、有村大臣、安倍内閣においては、例えば二十六年と二十七年比べて、行政改革、どういうような成果が出たのか。その具体的な項目と予算の減額、あるいは予算の比較を是非お伺いしたいと思います。
○国務大臣(有村治子君) 委員御指摘のように、国民からお預かりしている税金を無駄にすることなく行政効果あるいは機能を最大限に発揮させていくことは極めて大事であり、またその成果を国民、主権者たる国民の皆さんに御理解いただけるように説明責任を図っていくことはとても大事なことだと思っております。
 構造的な改革の不断の見直しということ、全くもって同じ問題意識を持っております。例えば、私自身が所管の行政事業レビューにおいては、国の全事業を各府省が自己点検をして、その結果を予算編成などに反映をしています。また、その公表にも取り組んでいます。例えば、去年十一月の秋のレビューでは、外部有識者による事業の公開検証を実施して、概算要求時からの削減額は約一千億円となりました。また、基金について、国の補助金などで公益法人に造成された百七十四基金全てにおいて再点検を実施をいたしました。その結果、昨年十月以降、新たに三千億円を超える国庫返納を確保したという次第でございます。
 やはり、委員がおっしゃったように、今後、今を生きる人のみならずこれからを生きる世代も含めた未来の責任ということで、日本を持続可能な社会にしていくという視点で取り組んでいきたいというふうに考えております。
○井上義行君 そこで、多分甘利大臣のところで税と社会保障あるいは経済の政策パッケージをつくっていくんですが、甘利大臣とそして行革担当大臣である有村大臣の役割というのかな、企画というか、多分ワンパッケージになっていくと思うんですね。
 当然その調整をしていると思うんですけれども、イメージとしてはどういう役割分担をしていくのか。例えば甘利大臣の方が企画立案的な形をして、そのメニューに沿って有村大臣が実効的にやっていくという形になるのか、それとも、並列には並列なんですけれども、どういう役割分担で今後やっていくのかをちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 諮問会議で財政健全化のプランを作っていきます。その際には、デフレ脱却、成長路線に持っていく、それから歳入改革、歳出改革と三つでできているわけなんですけれども、成長路線に持っていく、あるいは公的なサービスを産業化していくという等々の規制改革、規制緩和があるわけでありますけれども、競争力会議で、同じく私が担当している競争力会議で規制改革プランを作って、規制改革アイデアを作って、それを改革会議に投げて設計をしてもらったり、あるいは改革会議で取り上げてきたものを競争力会議で取り込んで、それで成長戦略に反映していくという、お互いボールの投げ合いというのをやっている関係です。
 そして、競争力会議には、規制改革会議の座長、岡座長が競争力会議のメンバーに入っていただいておりまして、両方をブリッジするようになっていますし、規制改革会議のもう一人、金丸委員も競争力会議に入ってもらっています。ですから、平仄を合わせて、ボールをキャッチボールしながら、それが成長戦略に反映されていくように取り組んでいるわけでありますし、私が規制改革会議にも出席をしますし、有村大臣が競争力会議にも出るという関係になっております。
○井上義行君 先ほどのお話にもあった規制緩和とかあるいは成長戦略、非常に、その一つとしてIT戦略というものがあるんですが、私の子供なんかは、私の時代はどちらかというとテレビ世代なんですね、だけど今はもうインターネットということで、私の子供なんかはどちらかというとテレビ見ないでもうインターネットばっかりを見て、下の子供は、テレビ見ているかと思ったら外国のテレビを見ていて、日本番組見なかったりするんですね。だんだん時代は、インターネットとテレビの垣根が多分なくなってしまう時代がもう近いうちに起きますよね。
 そこで、例えば今インターネットで見ているものがテレビでも見れるようになる、あるいはテレビでインターネットを使った形の表現なり、いろんなものが出てくる。どっちがテレビでどっちがインターネットか分からない時代に突入していくわけですが、そうなるとこのインターネットとテレビとの関係、いろんな法律関係はあるにしても、どういう世界を描いているのかを大臣にお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(山口俊一君) これ、いわゆる放送と通信の融合というふうなことが言われてから久しいわけでありますが、お話のとおり、もう若い皆さん方はテレビを見ておるのか、あるいはテレビでインターネットをやっておるのか等々、いろんな使い方がされてきておるわけでありますが、今回、私どもの方のIT戦略、これに関しては放送番組とインターネットが本格的に連携をしたスマートテレビによるコンテンツ配信、あるいはアプリケーション利用などの次世代の放送サービスを世界に先駆けて実現をし、新たな市場の創設を図るというふうなことで、もう既に総務省等では様々な実証実験等も行われておるわけですが、ただ、本当にこれ、いわゆるビジネスモデルとしてこのスマートテレビなるものが間違いなくこれでいけるぞという、なかなかそこら辺は非常に難しいんだろうと思うんです。
 これからも恐らく試行錯誤を経る中で、例えば4K、8Kというのも進めておりますが、ネットを通じて地上波じゃなくてもうテレビの画面でネットの8Kを見るというふうなことにもなってくるんでしょうし、あるいは、一つは、茶の間のテレビが家全体のある意味ホームサーバー的な役割を果たす、こういうのもあるんでしょうし、そこら辺、まさに時代はどんどん進んでおる中で、当初、我々が想定しておった以上に早く融合といいますか、垣根を越えた話になってきておりますので、そこら辺、様々な実証実験等々を積み重ねながら、本当にこれ、これからの時代に相ふさわしいというか、間違いなくこれだというのを見付けるべく、各府省とも協力しながら頑張っていきたいと思います。
○井上義行君 多分、私、日本学術会議にいたときに、もう本当にしゃべって言葉が出る、そのときは世の中にはパソコンがなくてワープロが各課に一台ぐらいしかない時代でも、もう既に二十五年先の技術はできているんですね。ただ、市場に出したときにそれがペイできるかどうかということを測りかねてやっている。だから、もう多分できていると思うんですね。それを見込んでいろいろクールジャパンも考えていかなきゃいけないんですが、そうすると、今地域の話が出ました。まだ景気感がない。やはり、クールジャパンでこの世界に打って出ることをするにもやはり小さい自治体ではなかなかできない、あるいは商店街ではなかなかできない、そういうところもあると思います。
 やはりクールジャパンを成功するためには、こうしたインターネットのフェイスブックとかあるいはブログとかバーナーとか、ふだん我々が使っているものを大いに利用してそこから世界に呼び寄せる、もっと国家戦略的な広報というか、そういうものは実際やっているんでしょうけれども、最後に今後のそういう広報のやり方を是非お聞かせ願って、私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(大島九州男君) 時間ですので簡潔に答弁を。
○国務大臣(山口俊一君) 御指摘のとおり、これ非常に大事な視点でございまして、様々なウエブページ等を活用しております。ただ、先般も指摘をしたんですが、例えばクールジャパンというふうな切り口で本当にちゃんとそういうことができておるかというのはまだまだ検討の余地があろうかと思います。いろいろ御意見を賜りながら、しっかりと発信していきたいと思います。
○井上義行君 ありがとうございました。
○山本太郎君 内閣委員会でしばらく質疑のない間に山本太郎となかまたちの共同代表になっていました、山本太郎です。
 本日は、お聞きしたいこと、お伝えしたいことがいつもよりたくさんございまして、政府参考人の皆様には、どうか簡潔な御答弁、できればお願いしたいと思います。ありがとうございます。
 まずは、大臣に最初はお聞きしたいと思います。
 おれおれ詐欺、振り込め詐欺の被害の拡大について一言お願いできますか。
○国務大臣(山谷えり子君) 昨年中における特殊詐欺の被害額が過去最悪となりまして、被害者の多くが高齢者であるという現在の情勢について国家公安委員会委員長として深刻に受け止めております。
 平成二十六年中の特殊詐欺情勢、認知件数一万三千三百七十一件、前年比一一・四%増、被害額が五百五十九・四億円、これも前年比一四・三%、過去最悪であります。また、高齢者率、六十五歳以上の高齢者の割合、平成二十三年ですと六二・七%が、平成二十六年で七八・八%となっております。深刻に受け止めているところでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 おれおれ詐欺、振り込め詐欺は組織的な犯罪というのが多いんですかね。多いなら多いという一言で結構です。
○政府参考人(三浦正充君) 振り込め詐欺などの特殊詐欺の多くは組織的に行われておりまして、いろいろな役割分担をしながら行われているところであります。また、暴力団の関与も強くうかがわれるところでありまして、資金源となっているということがうかがわれる状況であります。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 今回、刑事訴訟法の改定で盗聴できる範囲、盗聴できる範囲が大きく変わると聞いています。これは、警察の皆さんが、おれおれ詐欺、振り込め詐欺などの組織的特殊詐欺の撲滅を本気で目指している決意と受け取ってよろしいでしょうか。
○政府参考人(三浦正充君) 今回の対象犯罪の拡大が行われますと、御質問のとおり、詐欺等の犯罪にも拡大をされることになるわけでございます。
 先ほど申し上げましたように、特に特殊詐欺につきましては大変組織的な形態で行われているというように認識をしておりまして、こうした犯罪の捜査に寄与するということを我々としても期待をしているところでございます。
○山本太郎君 今現在、盗聴できる犯罪は薬物、銃器、組織的殺人、集団密航、この四類型に限られていると。
 これまで盗聴した数というのはどれくらいありましたか。
○政府参考人(三浦正充君) 平成十二年の通信傍受法施行以来、警察におきましては、平成二十六年までに組織的な薬物密売事件等、合計九十八事件について通信傍受を実施をしておりまして、その結果、暴力団幹部を含む合計五百二十二人を逮捕しております。
 このほか、地方厚生局麻薬取締部におきまして一事件について実施をしているものと承知をしておりまして、これを加えますと九十九事件ということになるところでございます。
○山本太郎君 先ほども申しました、今まで盗聴の対象犯罪は薬物、銃器、組織的殺人、集団密航と四つの犯罪でしたけれども、今度は新たに九つの犯罪が追加され、窃盗、詐欺、殺人、傷害、放火、誘拐、監禁、爆発物、児童ポルノが盗聴可能になります。この中の窃盗、詐欺、この二つだけで年間百万件を超え、一説によれば、この二つだけで犯罪の八割を構成するとも言われています。随分範囲広げるんですね、これ。盗聴できる範囲が一気に広がります。
 今回の対象犯罪拡大でどのくらい盗聴の数が増えると予測されていますか。
○政府参考人(三浦正充君) 対象犯罪が拡大すれば通信傍受の実施件数は一定程度増加をするということは予測をされるところでありますけれども、どの程度増加をするかということにつきましては、当該罪名に係る事件がどの程度発生をし、そのうち組織的に行われる事案がどの程度あるか、また通信傍受の要件を満たすことの疎明が可能な程度に捜査が進展する事案がどの程度あるか、あるいは通信傍受の実施に必要な体制をどの程度取ることができるかといった様々な事情に左右をされますことから、現時点で具体的にどの程度増えるかということについてお答えをすることは困難であると考えているところであります。
○山本太郎君 予算、試算ぐらいしているだろうという話なんですけれども。
 やってみなきゃ分からない、取りあえずやってみたという感じでプライバシーの侵害のおそれがある部分を大胆に踏み込まれるということが拡大されていくのは非常に心配だなと思うんですよね。怪しそうに見えるやつはもう片っ端から盗聴してやれという話にならないかなとか、しかも、怪しいという判断基準、これ慣れてくればかなり曖昧で感覚的なものになっていくんじゃないかなとか心配しますよね。
 例えば万引きした子供、自転車を拝借した学生、実はその親の、若しくは周りにいる人間を盗聴したくてそのような事柄を利用するという具合の恣意的運用に使われたら怖いなとか、いろいろ想像広がっていきますよね。対象者の周辺からどんどん盗聴が増えて広がっていけば、この国にプライバシーなんて存在しなくなるんじゃないかな。
 おれおれ詐欺、振り込め詐欺などの組織的特殊詐欺の撲滅も目的の一つとおっしゃいましたよね。元々の四類型に、おれおれ詐欺、振り込め詐欺などの組織的特殊詐欺を新たな組織犯罪として五つ目の対象犯罪に加えればいいんじゃないですかと思うんですけれども、それをわざわざそこまで拡大するかと。何か意図があるんじゃないかな、非常に不気味だなというふうに疑っちゃったりするんですけどね。
 今現在、盗聴するためには立会人が必要です。第三者である通信事業者の社員が立ち会った上で傍受を行うことになっていますよね。この法律案では、その立会人の義務化がなくなり、全国各地の警察署、検察庁で盗聴ができるようになるということなんですか。
○政府参考人(三浦正充君) 現状におきましては、主として東京に所在をする通信事業者の施設において、通信事業者等の立会いの下で通信傍受が実施をされているところであります。
 改正法案におきましては、傍受をした通信の内容等を即時に暗号化して記録し、記録の改ざんを防止するなどの機能を有する装置を用いて傍受の実施状況を全て事後的に検証可能にすることによりまして、捜査機関の施設において、通信事業者等による立会い及び封印を要せず通信傍受を実施することを可能とする仕組みを採用しているものと承知をしております。
 もっとも、新たな方式による通信傍受を実施するためには資機材の整備等も必要となりますので、実施場所につきましては、例えば都道府県警察本部の施設といった場所を今後検討していくことになると考えております。
○山本太郎君 準備が掛かるよと、期間が掛かるよと、その前に一番手っ取り早く都道府県の警察本部で直接聞けるようになるんだと。でも、これが運用されるまでには三年間あるんだから、その間にいろいろ広げられるよねという話なんですよね。でも、そこに立会人もないと。そんな状況で、中で何やっているか分からないなんて怖くないですか。ブラックボックスですよ。やりたい放題ですよ。
 人間って間違えますよね。完璧な存在ではありませんから。もちろん組織もそうだと思います。警察や検察でも間違うことはあると思います。閉ざされた環境で、個人のプライバシーの侵害されるおそれがある捜査方法をどうしても拡大していきたいんだと言うんだったら、間違いが起こらないように、最低限、第三者機関など外部の目が必要だと思うんです。
 捜査当局から独立した第三者による監視機関をつくらないんですかと疑問に思うんですけれども、既にあるんですよと。何があるの。既にあるシステムで問題ないんですよと考えておられるようです。そのシステムって何なんですか。盗聴対象者に対して後日直接通知がされる制度のことだというんです。盗聴されたと知り、盗聴されたことが不服であるならば、通知を受けた後、本人が不服を申立てができると。盗聴された本人への通知はどのくらいのパーセンテージがなされて、そして不服申立ては何件ぐらいありましたか。
○政府参考人(三浦正充君) 警察におきましては、通信傍受法第二十三条に基づきまして、傍受記録に記録をされている通信の当事者に対して必要な通知を行っているところであります。
 通知を行った件数の割合につきましては、警察庁においては把握をしておりませんけれども、通信の当事者が特定できない場合などの法律の定める例外に該当する場合を除いて全ての通信の当事者に通知を行っております。
 また、通信傍受法第二十六条に基づく不服申立ての件数につきましては、必ずしも網羅的に把握をしているわけではありませんが、把握している限りでは、法施行から現在まで、通信の当事者から不服申立てが行われた事例は一件と承知をいたしております。
○山本太郎君 びっくりですよ、把握していないなんて、どれだけの人たちに通知したかがよく分からないなんて。どういう話なんですか、それ。しかも、不服申立てはたったの一件。びっくりします。それはそうですよ、他人名義の電話、他人名義のプリペイドカード、そういうものを使っている人たちというのは、恐らく登録された本人に連絡付かないですもんね。その他いろんな事情があるわけですよ。つまり、十分ではないと。
 何か不満があったら不服申し立てればいいだろうと言われて、一般の方にハードル高くないですか。勝手に盗聴されて、ただでさえ不気味ですよ。その上に不服申立てなんて、何か刃向かったような雰囲気になれば面倒なことになるんじゃないかなって。だからこそ、客観的に判断する第三者機関必要だと思うんですよ。
 刑事訴訟法改定を審議する法制審議会では、こうした本人通知や不服申立て制度があるため、第三者機関を新たにつくる必要はないとされたと聞いています。こんな半端な制度で、これがあるから第三者機関などによる監視は必要ないなんて、説得力ないですよ。言い訳にもならない。
 では、海外はどうなっているんですかという話なんですけれども、例えばオーストラリアでは、盗聴は全面的に記録がされ、それを第三者機関が全て確認することができる仕組みになっているそうです。また、アメリカでは全ての記録が弁護人に開示されます。少しでも令状の目的と異なることを傍受したと確認された場合は、違法収集として即刻証拠として使えなくなるとも聞きます。
 日本は事後的チェックも何もない。こうした制度では、適正な運用を行うなんということは極めて難しいんじゃないですか。他人のプライバシーを侵害し得る盗聴行為にはもっと厳格な第三者機関の目が必要でしょう。これ、むちゃくちゃな指摘ですかね、わがままな発言ですかね。先進国では人権侵害に及ぶ可能性があるものに対してしっかりとした歯止め、担保、存在しているんですよ。実効的な第三者機関必要ないんですか。設置するべきですよね。二択でお答えください、必要又は必要ない。
○政府参考人(上冨敏伸君) 法制審議会の新時代の刑事司法制度特別部会におきましては、捜査機関から独立した第三者によって構成される機関が捜査機関による傍受の状況等を監視、検査するとの仕組みが提案されました。しかしながら、他の適正担保措置に加えてこのような仕組みを設ける必要性に疑問が示されたほか、令状に基づく捜査の適正確保は司法手続によって図られるべきであり、第三者機関を行政府に設けようとすると、行政権と司法権の関係で問題が生じるとの異論も示されたところであります。
 捜査機関が通信傍受を行うためには裁判官が発付する傍受令状が必要となる上、傍受をした通信は全て記録され、裁判官に記録が提出されます。また、通信の当事者に対しては、御指摘のように、傍受記録を作成したことなどが通知され、当該通信に係る部分を聴取することができる手続や、通信の傍受に関する裁判に不服がある者は裁判所に対してその取消し又は変更を請求する手続も設けられているところです。さらに、立会人なしに行う新たな傍受の実施方法に関しては、実際に用いる傍受装置が法定の機能を全て有するものであることが令状審査の際に裁判官のチェックを受けることによって担保されております。
 このように、通信傍受を行うためには、裁判官による厳格な審査を受けるとともに、事後的にも適正担保の手続が設けられておりますので、さらに第三者機関を設ける必要はないと考えております。
○山本太郎君 済みません、一分半使ってコメントするのやめていただけませんか。第三者機関は必要あるのか必要ないのかという見解をお聞きしたんです。委員長、済みません、短くコメントを求めているときにそういうふうに質問潰しのような長い回答をするのはやめていただくように言っていただけませんか。ありがとうございます。
 続けます。司法取引に話を移します。
 日本では、一度警察から検察に送致され、起訴されると、その人が有罪になる率は九九・八%と言われています。また、日本の司法は自白するまで勾留するため、人質司法とも言われています。
 記憶に新しいですよね、二〇〇九年、郵便制度利用に不正があったとされる事件、村木厚子さん、百六十四日間も勾留された。結果どうだった。二〇〇三年志布志事件の中山さん、一年以上勾留、最終的に無罪。二〇一三年の倉敷民商事件では現在もまだ、今もですよ、一年以上勾留され続けている。
 密室における追及的な取調べの実態として、一九八〇年代に一旦死刑となった死刑確定者の方たち、再審の結果無罪となった方々もおられますよね。一九四八年免田事件、三十四年と六か月間勾留、後に無罪。一九五〇年の財田川事件、死刑判決後、数十年の後無罪。一九五五年の松山事件、死刑判決の二十九年後死刑台から復帰。徹夜の取調べ、今もやっているんですか、水面下では。
 有名な一九六六年の袴田事件、ボクサーである袴田さん、現在殺人事件の再審無罪争っていますよね。袴田さんも当初は警察の留置所に勾留され、一日平均十二時間以上、十四時間に及ぶときもあった取調べ、自白を強要、そして勾留満期三日前に虚偽の自白をしてしまうんですよね。連日密室で、真夏に汗だくになりながら、汗を拭くことも禁じられたという取調べですよ。
 最近では先ほどの村木さん、そして東電OL殺人事件の容疑者とされたゴビンダ・マイナリさんなどなど、新しい案件も冤罪として皆さん御記憶にあると思うんです。一九九〇年に起きた足利事件、菅家利和さん、強引な取調べで虚偽の自白をしてしまい、十七年半の勾留の後無罪判決、一九九四年の松本サリン事件では、サリン被害者の一人、被害者ですよ、河野義行さんが疑われ、後遺症で苦しんでいるのにすさまじい取調べが行われたと。その上でもう自白してしまったと、つら過ぎて。自白強要で最近の有名な事件だけでもこれだけあるんですよ。ひどくないですか、日本の捜査手法。
 もちろん全ての取調べがそうだとは言いませんよ、もちろん、心ある方々もいらっしゃるし。このような非人道的取調べが確かに我が国に存在する事実、これ非常に残念なんですよ。大臣、一言だけ、どう思われるか、御感想ください。
○国務大臣(山谷えり子君) 私もジャーナリスト時代に冤罪事件の幾つかを取材したことがございますので、冤罪事件あってはならないと思います。
 山本委員が今おっしゃられましたけれども、訴追に関する合意制度では、御指摘のように、無実の第三者を巻き込むことのないよう虚偽供述等の処罰規定などの制度上の手当てがなされていると承知しておりますが、本制度の運用に当たっても引き続き必要な裏付け捜査を徹底するほか、検察官とも緊密に連携を図りつつ、被疑者の供述の信用性について慎重に判断していくよう警察を指導してまいりたいと思っています。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 続きまして、国連拷問等禁止条約に規定する公務員による取調べ、その第一条で身体的なものであるか精神的なものであるかを問わず人に重い苦痛を故意に与える行為を拷問と定義付けていると。長時間にわたる取調べ、強引な自白強要は精神的にはもちろん、身体的にも拷問です。
 冤罪事件に詳しい弁護士の方にお伺いしました。冤罪の疑いで取調べを受けている側は、自分自身やっていませんもんね、刑罰を受けるとか死刑になってしまうなどの実感が湧かないそうです。その先に起こり得る事柄にリアリティーはないそうです。とにかく、その場の苦しさを逃れることだけ、これが最大の関心事になるそうです。一刻も早くこの場を逃れたい、早く釈放されたい、裁判所は分かってくれる、そこで無理な取調べとなり、うその自白の強要につながる冤罪の構造が生まれるとお話しくださいました。
 刑事訴訟法の一部改正には司法取引が含まれます。ざっくり言えば、おまえの罪を軽くするためにはほかの誰かを売れという話ですよね。余りにも厳し過ぎる取調べ環境の中で、冤罪事件も存在する我が国で司法取引なるものが公に行われるのは非常に危険な状態ではないかと考えます。この苦しい状況から脱出するには、誰でもいいから名前を出して逃れようって考えてしまわないですかね。
 村木厚子さんの郵便不正事件、取調べを受けた厚生労働省の関係者十人のうち五人が村木さんの関与を認める供述しちゃっているんですよね。
 ほかにも、二〇一二年のパソコン遠隔操作事件ありましたよね。初夏から秋にかけて、犯人がインターネットの電子掲示板を介して他者のパソコンを遠隔操作、これを踏み台として襲撃や殺人などの犯罪予告を行った事件ですよ。四人容疑者のうち、真犯人ではない二人が自白しました。この二つの事件を見ても、結果として五〇%がうその供述をしていたということですよね。
 じゃ、海外ではどういうことが研究されていますか。アメリカにおける捜査協力型司法でいろいろと問題点が明らかに。中でも、二〇〇四年のノースウエスタン大学ロースクールの研究によれば、一九七三年以降の死刑冤罪事件の四五・九%、四五・九%の冤罪原因が誤った情報提供者の証言であり、冤罪原因の第一位であると。こうした研究を見ても、司法取引を安易に導入することは、冤罪を増やし、無辜の市民を危険にさらす確率をかなり高める原因ではないでしょうか。
 二〇一三年五月、拷問禁止委員会で、日本政府に対して取調べに弁護人の立会いを認めないのはなぜかという質問があり、ドマ委員から、日本の取調べは中世なのか、そのような発言、皆さん報道で記憶されていますよね。
 とにかく、日本ではありとあらゆる手練手管を使って自白を強要し落とすのがプロ、それが望ましいとされていたとも聞きます。二〇〇一年、愛媛県警幹部、警察学校での講義に使用した愛媛県警マニュアル、被疑者取調べ要領にはこうあったと、長時間、長期間、徹底的に取り調べて被疑者を弱らせて自白を取る。
 今回の改正によって取調べの可視化が進むと聞いております。警察に、可視化の対象となっている事件というのは全体の事件の何%ですかとお聞きしたい。そして、検察には、検察の運用における取調べの録音、録画の実施状況は何件中何件くらいですとお聞きしたいです。お願いします。
○政府参考人(三浦正充君) 対象は裁判員裁判対象事件ということで理解をいたしますと、警察における平成二十六年中の裁判員裁判対象事件に係る検挙件数は約三千件でございまして、全ての身柄事件の検挙件数に占める割合は約二・八%でございます。
○政府参考人(上冨敏伸君) 検察における運用による録音、録画の実施状況についてでございますが、まず裁判員裁判対象事件につきましては実施率が約九八・九%、知的障害によりコミュニケーション能力に問題がある被疑者に係る事件につきましては九九・二%、精神の障害等により責任能力の減退、喪失が疑われる被疑事件に係る事件につきましては九九・二%、いわゆる独自捜査でありまして検察官が被疑者を逮捕した事件につきましては一〇〇%であると承知しております。
 また、平成二十六年十月から新たに施行を開始した録音、録画の実施件数につきましては、いまだデータが十分にそろってはおりませんが、同月十月から十二月までの三か月間において、被疑者の取調べの録音、録画は六千二百四十六件、被害者や参考人の取調べの録音、録画は二百三十五件で実施されていると承知しております。
○山本太郎君 たったの、最初のお話ですけどね、たったの二・八%ですか。残り九八%の事件の取調べ完全可視化、いつまでの目標でやるんですか。
○政府参考人(三浦正充君) 警察は、第一次捜査機関といたしまして、社会に不安を与える犯罪を速やかに検挙し、事案の徹底解明を図らなければなりませんけれども、録音、録画といいますのは、供述の任意性等の立証に有効な面がある一方で、被疑者から供述が得られにくくなるなどのデメリットがあるところでありまして、こうした制度は取調べの機能に過度の支障が生じないバランスの取れたものとする必要があると考えております。
 また、原則全過程の録音、録画を実施しました場合、多大な人的、物的資源を要するところとなりまして、そのコストはかなり莫大なものとなりますところから、そうした広い範囲に対象事件を広げるといったことになりますと、捜査に重大な支障が生じて犯人を的確に検挙できなくなるといった事態を招きかねないということを懸念をしているところでございます。
 以上のことから、制度の対象は類型的に録音、録画の必要性が高いと言い得る裁判員裁判対象事件を限度とすることが適当であるというように考えておりまして、その点につきましては御理解をいただきたいと考えているところであります。
○山本太郎君 自分たちが盗聴を拡大するときには幾らでも拡大するのに、可視化という部分になったら拡大しづらいんですか。限定するっておかしな話ですね。この話の元々の出発点、どこですか。冤罪が多過ぎるという話でしょう。村木さんの話の反省からでしょう。ここからスタートしていったんじゃないですか。それを、自分たちがどんな取調べをやっているかとかいうことが見られるのが困るからここに関しては拡大しないって、随分都合のいい話されていますよね。全過程の録音、録画をしなければ、どこで大事な話がなされたか、どんな取調べがあったか、どういう形で冤罪に引きずり込まれたかというようなことも分からないわけでしょう。
 少なくとも対象事件の全過程の録音、録画するんでしょうね、するんですよね、一〇〇%ですよね。
○政府参考人(三浦正充君) 繰り返しになりますけれども、制度の対象につきましては、類型的に録音、録画の必要性が高いと言い得る裁判員裁判対象事件を限度とすることが適当であると考えております。
○山本太郎君 たった数%の可視化の実現をどや顔で画期的だとか前に進んだとかというふうな宣伝って余りにもふざけた話なんですよ。そんな、一応やりました程度のちょっとだけ取調べ可視化と盗聴法の大改悪、おまけに司法取引など盛りだくさんをくっつけて一つの法案で押し通そうなど、もってのほかじゃないですか。これまで以上に冤罪事件を生み出す可能性、自らつくり出すと言っても過言ではないでしょう、これ。
 結局見られないんですから。何やっているか分からないという状況を一部だけ、映したらいいところだけ映すということでしょう。午前中と午後とありました。二回取調べします。午前中にはもうさんざんプレッシャー掛けておいて、そこで話決めて、午後からは普通におとなしくしながらちゃんとやっている取調べ撮ればいいわけでしょう。こんなのずる過ぎるじゃないですか。一〇〇%じゃないと意味ないんですよ、こんなの。
 数々の冤罪事件の反省なしですよ、これ。捜査権限無限拡大法案という名前の方がいいんじゃないですか。どうしてこの名前になっているんですか。これ、全然種類の違うものを一つにしているわけでしょう。表看板としては一部可視化が勝ち取れましたよというふりをしながら、その後ろに控えているものって何なんですか。
 今日取り上げたこれら、一つ一つ個別に出してしっかりと審議されなくてはいけない内容なんですよ。これに気付かないほど国会議員の目が節穴だと思われているんじゃないですか、皆さん、これ。かなりひどい法案ですよね、このくっつけ方。だって種類の違うものというか、全く性格の違うものですよ、これ。真反対じゃないですか。
 今回の法案について各方面からいろんな声が届いています。例えば、通信傍受法の対象犯罪拡大に反対すると、十八の弁護士会、これが共同声明出していますよ。何と言っているか。捜査機関は令状さえ取得すれば簡単に傍受が可能となるので、安易に傍受捜査に依存することになることはもう必至であると。
 それだけじゃないです。八つの事件の冤罪被害者からも声は届いています。元々、だってこの法制審立ち上げたときに、この法制審に冤罪被害者、何回呼びましたか。何人呼びましたか。機会としては一回ぐらいじゃないですか、志布志事件の方。三年ぐらいずっとやられていたんですよね、法制審とその前の形でという。この三年の間に冤罪事件に関わった人たち何回呼んだ、国会に呼んで審議したんですか、それって。そういう政審とかにも呼んで話合いさせたのか、その人たちからたくさんの証言取ったのかと、そういう話なんですよ。その方々が、八つの冤罪事件に関わった被害者が声を出して言っているんです、八つの冤罪事件の被害者たちが。何があっても警察段階の全面可視化、これ不可欠のはずでしょう、そして、全面証拠開示も不可欠のはずですと。警察の取調べの全面可視化が保障されず、警察に司法取引や盗聴の自由を与えるのはまるで泥棒に鉄砲を与えるのと同じ愚挙としか思えませんと、そのような声が上がっているんですよね。当然ですよ、だって被害者なんですもん。
 じゃ、今回のこの法律で、例えば可視化しますよということもそうですけれども、一体この一番大きな看板にしている可視化というのはどうしてそれが求められたのかといったら、同じことを繰り返さないためですよね。その反省からこのようなことを導き出そうとしたのに、そこの部分はほんの少しだけ、そのほかに自分たちの欲しいものを全部詰め込んだみたいなとんでもない法案じゃないですか。
 検察、警察にお伺いします。一部可視化、司法取引、盗聴の拡大、どう考えても水と油ですよね。一つ一つ別個の法案として審議されるべきです。いかがでしょう。
○委員長(大島九州男君) 上冨審議官、時間ですから簡潔に。
○政府参考人(上冨敏伸君) 今回の法案で掲げております諸制度はいずれも、現在の捜査、公判が取調べ及び供述調書に過度に依存した状況にあり、このような状況が手続の適正確保が不十分となったり事実認定を誤らせるおそれがあることとされていることを改めるため、証拠収集手段の適正化、多様化と充実した公判の実現を図るためのものであり、今回の諸制度はいずれもこれらの目的のために必要なものであり、かつそれが全て一体として刑事司法制度に取り入れられることによってこそ、取調べ及び供述調書に過度に依存した状況が改められ、より適正で機能的な刑事司法制度を構築することができると考えております。
○委員長(大島九州男君) 三浦刑事局長、簡潔に。
○政府参考人(三浦正充君) ただいまの法務省の答弁と同様でございますけれども、この法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会におきましては、取調べへの過度の依存を改めて、適正な手続の下で供述証拠及び客観的証拠をより広範囲に収集することができるようにするため、証拠収集手段を適正化、多様化するといった理念の下で新しい刑事司法制度を構築するための様々な課題について調査、審議が行われ、その結果が答申されたものと理解をしております。
○国務大臣(山谷えり子君) お尋ねの法案については、三月十三日、内閣から国会に提出され、今後、法務委員会で御審議をお願いすることになっているところでありますが、刑事司法制度の在り方は国民の安全、安心を確保する上で極めて重要な課題であります。
 私としても、世界一安全な国日本を目指して努力してまいりたいと考えております。
○山本太郎君 終わります。
○委員長(大島九州男君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時五十二分散会