第189回国会 内閣委員会 第7号
平成二十七年五月十四日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     柘植 芳文君     世耕 弘成君
     長峯  誠君     岸  宏一君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     井上 義行君     行田 邦子君
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     行田 邦子君     井上 義行君
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     高橋 克法君
     蓮   舫君     浜野 喜史君
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     松下 新平君     堀内 恒夫君
     浜野 喜史君     蓮   舫君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         大島九州男君
    理 事
                石井 準一君
                上月 良祐君
                藤本 祐司君
                山下 芳生君
    委 員
                上野 通子君
                岡田 直樹君
                岡田  広君
                岸  宏一君
                山東 昭子君
                高橋 克法君
                堀内 恒夫君
                松下 新平君
                山崎  力君
                相原久美子君
                芝  博一君
                浜野 喜史君
                蓮   舫君
                若松 謙維君
                井上 義行君
                江口 克彦君
                山本 太郎君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       科学技術政策、
       宇宙政策))   山口 俊一君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    甘利  明君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革、少子化対策
       、男女共同参画
       ))       有村 治子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(国家戦
       略特別区域))  石破  茂君
   副大臣
       内閣府副大臣   西村 康稔君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        松本 洋平君
       文部科学大臣政
       務官      山本ともひろ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       蔵持 京治君
       警察庁警備局長  高橋 清孝君
       消費者庁審議官  岡田 憲和君
       総務省総合通信
       基盤局電波部長  富永 昌彦君
       国税庁課税部長  藤田 博一君
       文部科学大臣官
       房審議官     徳田 正一君
       厚生労働大臣官
       房審議官     木下 賢志君
       厚生労働大臣官
       房審議官     谷内  繁君
       経済産業省製造
       産業局長     黒田 篤郎君
       国土交通大臣官
       房審議官     海堀 安喜君
       国土交通省航空
       局安全部長    島村  淳君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○内閣の重要政策及び警察等に関する調査
 (食育推進計画の策定に係る地方自治体への支
 援に関する件)
 (特区制度の効果の評価・検証に関する件)
 (環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交
 渉に係る情報の国会議員への開示に関する件)
 (小型無人機への規制に関する件)
 (放課後子供教室と放課後児童クラブの一体的
 な運営に関する件)
 (三世代同居を推進する税控除等に関する件)
 (企業の本社機能の地方移転に対する減税措置
 に関する件)
 (子供の貧困に係る実態調査と対策に関する件
 )
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○委員長(大島九州男君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、長峯誠君、柘植芳文君及び蓮舫君が委員を辞任され、その補欠として岸宏一君、高橋克法君及び浜野喜史君が選任されました。
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○委員長(大島九州男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣参事官蔵持京治君外十名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島九州男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(大島九州男君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○岡田広君 自由民主党の岡田広です。
 質疑時間二十五分でありますので、是非簡潔な御答弁をお願いをしたいと思います。
 今月一日からイタリアで、食料をテーマにしたミラノ国際博覧会が開幕をいたしました。万博を主催するミラノ万博公社は、飢餓と飽食、資源の保全と食料生産のバランスが世界的な課題となっていることを指摘し、各国の食の魅力や食文化を発信するだけではなく、食料の安全保障など、地球規模の問題についても考える機会となることを目指しております。
 食は重要であります。この食の重要性に鑑み、まず山口大臣にお尋ねしたいと思います。我が国の食品の安全を確保するために、食品安全委員会の取組についてまずお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(山口俊一君) 先生御指摘のとおりで、食品の安全確保については国の最も重要な責務の一つでございまして、国民の健康の保護が最も重要であるというふうな基本認識の下に、最新の科学的知見に基づきまして適切な措置を講じていく必要があると考えております。
 御指摘の食品安全委員会、これは平成十五年の七月からでありますけれども、厚生労働省あるいは農林水産省等のリスク機関から独立をして、科学的知見に基づいて客観的かつ中立公正に食品のリスク評価を実施をしておりまして、これまで千八百件以上の評価を実施をしております。そのうち、平成二十六年度におきましては、二百六十七件の評価を行ったところでございます。
 また、この科学的知見に基づく正確な情報を多くの方々に御理解をいただくために、ホームページとかあるいはパンフレット等はもちろんでありますが、フェイスブックや連続講座など様々な手段を用いて情報提供を実施をいたしております。実は、新たにあした、十五日からブログも開設をいたす予定にしております。
 今後とも、着実にリスク評価を進めていくとともに、新しい科学的知見を取り入れました評価の手法の検討も進めるなど、関係機関とも幅広く連携をすることによって食品の安全を確保してまいりたいと考えております。
○岡田広君 関係機関と連携して国民の食品の安全、安心を守るために更に努力をいただきたいと思います。
 食を守ることは国益を守ること、世界に目を向けると、飢餓で苦しんでいる人々がいる一方、年間数兆円もの食べ残し、食品廃棄をしています。第二期消費者基本計画におきまして、食品ロス削減、その他の消費者自身の意識改革による社会問題への対応が盛り込まれ、本年三月二十四日に閣議決定した第三期消費者基本計画においても、食品ロスについて明記をされました。消費者庁、農水省を始めとした関係省庁では、ノーフードロス・プロジェクトのロゴマークを作成、活用したり、啓発ソングあるいはパンフレット等で普及啓発活動を行っておりますが、食品ロスに関する国民の意識、関心はまだ低いように感じられます。
 この現状を消費者庁はどう考え、今後どのような取組を行っていくのかをお尋ねしたいと思います。
○大臣政務官(松本洋平君) 先生御指摘のとおり、この食品ロスの問題は大変重要な問題であると認識をしております。
 消費者庁におきましては、消費者意識基本調査におきまして食品ロス問題の認知度を調査をしているところであります。平成二十六年一月の調査におきましては、知っていると答えた方の数は約六五%にとどまっているというような現状がございまして、御指摘のとおり、意識の向上を図ることが大変重要であり、必要であると認識をしているところであります。
 このため、今後とも関係省庁と連携をいたしまして、ウエブサイトや各種イベントなどを活用し、食品ロス削減に向けた消費者の啓発に向けて引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
○岡田広君 六五%ということでありますから、まだまだ努力する余地はあると思いますので、是非よろしくお願いをしたいと思います。
 この食品ロスが出る要因の一つに小売店などの三分の一ルールという業界の商慣習があります。賞味期限六か月の場合、製造日から賞味期限までの期間を三等分し、小売店への納品期限を二か月間、販売期限を二か月間とし、賞味期限を残り二か月間を残して店頭から撤去するという仕組みのことです。欧米でも納入期限はありますが、米国は二分の一ルール等で、海外からすると日本の基準は短いと考えます。
 昨年八月から半年程度、食品ロス削減のための商慣習検討ワーキングチームの中間取りまとめに基づき、現行の三分の一から二分の一以上に納品期限を緩和し、効果を測定する納品期限見直しパイロットプロジェクトが実施をされました。その結果として、飲料と賞味期間百八十日以上の菓子で約四万トン、約八十七億円の食品ロス削減という効果を上げたそうです。
 今回はプロジェクトに参加した三十五社の結果でありますけれども、今後は消費者の理解を得ながら、納品期限緩和等の取組を業界全体に普及させていくことは食品ロス削減につながっていくと考えますが、御見解をお尋ねしたいと思います。
○大臣政務官(松本洋平君) 先生御指摘のとおりでありまして、農林水産省の支援も受けまして、食品関連事業者が平成二十五年度に実施をいたしました納品期限見直しパイロットプロジェクトにおきましては、店舗への納品期限の見直しは食品ロス削減に効果が見込まれる旨の取りまとめがあったというふうに承知をしております。
 今御指摘がございましたように、その効果でありますけれども、約四万トン、割合にいたしますと、事業系ロスの一・〇%から一・四%の削減効果があったというふうに報告が取りまとめがされたと承知をしているところでもあります。
 消費者庁といたしましても、こうした納品期限の見直しの取組が業界全体に広がることは食品ロス削減につながることと考えておりまして、これからも関係省庁と連携をしてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○岡田広君 この食品ロスをもったいないという精神論だけで捉えるのではなくして、食料の廃棄に係るコスト、あるいは地球環境や食料自給等といった国民に直接間接的に関係することだと理解してもらう必要もあるのだと思います。そのためには、政府で行う食品ロス統計調査等の数字を国民に示し、いかに食品浪費をしているのか理解してもらう必要もあるのだと考えます。
 平成二十五年十月から展開している関係六府省庁の食品ロス削減国民運動の進捗状況と、食品ロス削減に向けた大臣の決意をお尋ねしたいと思います。
○大臣政務官(松本洋平君) 食品ロス削減国民運動は、食品ロスの削減に向けた消費者、事業者双方の意識改革などを行うため、関係分野を所管する六府省庁が連携して実施しているものであることは今先生御指摘のとおりであります。具体的には、関係省庁が連携を図りながら、ウエブサイトや各種イベント等を活用した消費者に対する啓発、事業者の自主的な取組等に対する支援、また地方公共団体における取組に対する支援などに取り組ませていただいております。
 また、本年三月に決定されました消費者基本計画の工程表に食品ロス削減国民運動の推進を盛り込んだところでもありまして、食品ロスに係る消費者の意識向上をさせるとともに、事業者の取組とも相まって食品ロスが削減をされるよう、これからも関係省庁と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
 先生が御指摘をされましたように、今回、昨年六五%という認知度にとどまったということも含めて、多くの国民の皆さんにこの食品のロスの問題というものを認識していただくこと、大変重要だと思っておりますので、消費者庁として取り組んでまいりたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(山口俊一君) ただいま政務官の方からお答えをしたとおりでありますが、この関係六府省、内閣府、消費者庁、文部科学省、農林水産省、経済産業省、環境省、しっかりと連携をしながら、確かに効果も出てきておるわけでありますから、広報の仕方等々も更に工夫を重ねて、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○岡田広君 是非、大臣を先頭にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 この食品のロス削減には、やはり一人一人が問題意識として認識することが重要であります。
 内閣府では、第二次食育推進基本計画に基づき共食や欠食防止などの食育推進の取組をしてきたと考えますけれども、目標指標の状況を見てみますと、これは資料を出しておりませんけれども、食育推進計画を作成している市町村の割合は七一・五%、これは昨年の三月末現在であります。しかし、都道府県においては、二二%とか二七・六%とか、県名は言いませんけれども、かなりこの計画を作っている市町村は少ないという、こういうばらつきが見られるわけであります。
 この食育推進には、地方自治体、関係団体との連携が必要であり、そのためには、全自治体でまず食育推進計画が作成されるべきと考えておりますけれども、この食育推進計画を作っている、これ進んでいない自治体に国としてどのような今後対応、支援を行っていくのか、お尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(有村治子君) お答えいたします。
 本委員会委員でもいらっしゃいます山東昭子先生始め御尽力をいただいて成立をした食育基本法では、都道府県及び市町村に対し食育推進計画を作成するように努めることと求めています。その計画に従って、現在、都道府県レベルでは四十七都道府県全てにおいてこの計画が作成をされています。一方、市町村レベルにおきましては、岡田委員御指摘のとおり、平成二十六年三月時点で七一・五%の市町村しか作成ができていないという現状がございます。
 もう少し詳細を見てみますと、都道府県別の内訳では、十都道府県で全ての市町村ができている、一〇〇%を達成している一方で、作成率が市町村五〇%にも満たない都道府県も七つございます。まさに地域によってばらつきがあるということが見て取れます。
 特に計画の作成率が低い地方自治体に関しては、私どもの職員が直接電話や対話をしていくなど、彼らがなぜ作らないかという理由が、ノウハウがない、あるいは連携ができにくいというような、そういう実態も把握をしておりつつありますので、そういう新たないい例、事例集、あるいは好事例のことをどう展開しやすくできるかというノウハウも共有しながら、計画作成率の更なる向上を図りたいと思っています。
 なお、六月二十日及び二十一日に行われます東京墨田区での食育推進全国大会では、私自身も担当大臣として出席をさせていただき、特に地方自治体に働きかけていきたいというふうに考えております。
 以上です。
○岡田広君 自治体には、ただ国からの押し付けで計画を作成すればよいということだけではなくして、やはり地域住民にとって一番身近な市町村が地域の食文化を継承する、地域住民の食生活の健全化のために作るという意識を持って作成をしていただきたいということを是非国の方からもお願いをしていただきたいと思います。
 第二次食育基本計画の進捗状況等を踏まえ第三次計画を策定すると考えるわけでありますが、今後取り組む課題と食育推進に対する大臣のお考えをお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(有村治子君) お答えいたします。
 食育のことを考えますと、まさに岡田委員が内閣府の副大臣として、まさに食育を始めとしてこの分野で本当に大きな御貢献をしていただいていることを改めて気付かされます。心からの敬意と感謝を申し上げます。
 その上で、御指摘のとおり、第三次食育推進計画ということを現在作成する準備を進めております。
 そこには、今委員から御指摘がありましたように、ユネスコ無形文化遺産に登録された和食について関心が高まっていますので、地元での伝統や地元ならではの郷土食ということも特徴に挙げていきたいと考えておりますし、また、七十歳以上の高齢者の中では、ほとんど毎日、一日全ての食事を一人で食べるという方々、いわゆる孤食、孤独の食が約二割いらっしゃること、それから、食料自給率が低い割にフードロスが非常に多い我が国の現状、私自身は、それに加えて、子供の貧困と食習慣ということで、貧困世帯ほど実は健康に及ぼす食の在り方ということの知識、あるいはそれを実施するだけの経験がなかなか持ちにくいという傾向が今日的に出ておりますので、子供の貧困に向き合っていく、そして彼らをしっかりと健全な心身をつくっていくためにも、食習慣をどのようになかなか情報が届きにくい彼らに届けていくかということも私は挙げていきたいというふうに思っております。
○岡田広君 この食育を進める上で栄養教員というのは大変重要な役割を担っていると考えます。昨年の統計でいいますと、現在、五千二十三名の栄養教員が全国で配置をされております。教育現場における食育への取組が非常に重要と考えます。
 しかし、この学校栄養教員の配置状況の一覧表を見ましても、各都道府県においてこれも大きなばらつきがあります。最高で四百三十人いた県があると思うと、十五人しかいない県もある。子供たちの朝食摂取率の改善などの食育のために学校栄養教員の配置を促進すべく対策を講じるべきと考えるわけでありますが、お考えを伺いたいと思います。
○大臣政務官(山本ともひろ君) お答えいたします。
 委員御指摘の学校栄養教諭でございますが、実は私も今年の三月に栄養教諭の先生方とお会いをいたしまして現場での食育推進事業についてお話を伺いまして、感謝を申し上げていたところでございまして、委員におかれましても本委員会で栄養教諭の重要性について御指摘をいただいて、本当に心強い限りでございます。
 この栄養教諭でございますが、もう委員御案内のとおり、食育に関して中核的な役割としての教諭として存在しておりますけれども、平成十七年からスタートをしておりまして、先ほど岡田委員がおっしゃられたとおり、今全国で約五千人ほど、おかげさまで毎年増えている状況でございます。
 ただ、御指摘のとおり、確かに全国各都道府県でばらつきがございます。どういった要因でこのばらつきは生まれてくるのかなと我々考えましたところ、各都道府県におきまして、あるいは教育委員会等々でこの栄養教諭の重要性についての認識が随分ばらつきがあるのではないかと、そういった問題意識を我々も持っておりまして、文科省としましても、そういった教育委員会の担当者が集う会合では栄養教諭が極めて重要であるということを申し上げているところでございます。そこで、平成二十一年には各都道府県の教育委員会に対しまして依頼を出しておりまして、栄養教諭を増やしてほしい、あるいは栄養職員を栄養教諭に任用替えをしていただきたいというような依頼をしているところでございます。
 また、文科省の担当職員が、委員御指摘の本当にパーセンテージが低い各都道府県には直接出向きまして、この栄養教育の重要性を説明して回っているところでございます。おかげさまで、直接行った各都道府県は、人数の差はあるんですが、直接文科省の職員が行って説明をしたところはきちっと各都道府県、栄養教諭を増やしていただいているという状況にございます。
 また、今委員が御指摘の子供たちが朝御飯を食べて学校に来るかどうかというところも大変重要なところでございまして、今、スーパー食育スクールという、地域社会ともきちっと連携を取って食育を進めてもらうモデル校を文部科学省で指定をしてやっておりますが、そこでも栄養教諭がきちっと子供たちに、朝起きて、朝御飯を食べて学校に行く、それが健全育成に大変いいんだという教育をしたところ、やはりきちっと朝御飯を食べて登校するという子供たちが増えてきているという成果もございますので、そういった成果も各都道府県に説明をして栄養教諭をどんどん増やしていきたいと考えておりますので、引き続き委員にもお力添えをいただければと思っております。
 以上です。
○岡田広君 子供たちに食生活いろいろ教えていくというのはとても重要だと思いますので、この栄養教員の配置につきまして、更に努力をしていきたいと思います。
 早寝、早起き、朝御飯という言葉があるように、やっぱり朝御飯食べない子供が多くなっているということで、これは教育にも影響してくるんだと思います。これは子供ばかりじゃなくて大人でもそうだし、私はよく、朝の頭は金の頭、昼の頭は銀の頭、夜の頭は鉛の頭だ、金の頭で金の仕事をしようという言葉をよく使っているんですが、朝食、とても重要だというふうに考えています。
 健康日本21における栄養・食生活における目標の中に、食塩摂取量の減少として、平成二十二年は十・六グラムを平成三十四年度には八グラムという目標を立てているわけでありますけれども、健全な食生活のためにはカロリーや栄養成分を知ることが非常に重要だと考えています。
 我が国の健康戦略上、栄養成分表示をどのように位置付けしているのか、栄養成分表示の重要性についてどのように認識しているのかをお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(岡田憲和君) お答えいたします。
 栄養成分表示につきましては、肥満や生活習慣病の増加、高齢化社会の到来などを背景として導入されたものでございますけれども、依然として生活習慣病は増加しており、特に取り過ぎが問題となっている栄養成分につきましては、栄養成分表示がなければ消費者が自主的かつ合理的に食品を選択することが難しい場合もございます。
 したがいまして、栄養成分表示は、健全な食生活の実現に向けて個人の意識に変化を促すための環境づくりの一環として重要な役割を果たしているものと考えております。
○岡田広君 そこで、重要だという答弁あったんですけれども、まずカロリー表示、昨日、赤坂にジョイフルというお店、これは衆議院の穴見先生がオーナーとかという、非常に安くておいしい、ちゃんとカロリーも塩分も、どれを食べようかといったら塩分控えめの方を食べましたけれども。やっぱりそういうことをファミリーレストランでもみんなやっているんですけれども、政府の、国のいろんな、内閣府始めとした厚生省、食堂なんかで全部やっているのかどうか、そういうのを是非調べて、そういう指導をして、ここでもう時間ないから答弁は要りませんけれども、是非そういうことも調べて、やっぱり国が、そして都道府県でも市町村でもそういう食堂、レストランがあるところはそういうカロリー表示、成分表示をやっているのかどうかと、非常に私は大事なことだと思うんです。
 茨城県の「ひばり」という食堂はちゃんと、食事をするときに、おかずを三品とか、御飯、みそ汁とあります。それで、最後に会計をするんですが、そこに大根サラダ五十円、二十五キロカロリーと全部レシートに金額とカロリーまで出てくるんです。そういうことをやっている都道府県の食堂もあるということを是非御認識をいただきまして、多分、府省庁食堂におけるカロリー表示、私の調べたところでは全部やっているわけではありません。国会の食堂も全部やってはおりませんけれども、やっぱりこういうところから率先してやっていく、とても大事なことだと思っております。
 先ほど、食品のロスの質問もしましたけれども、私たちが一年間で朝昼晩食事をしている、結婚式やパーティーで食べている食べ残し、何と金額に直すと十一兆円という数字が出てきます。十一兆円って大き過ぎて分かりませんけれども、茨城県の年間予算一兆一千億ですから、十年間は食べ残しをしているという、そんな単純計算になる。インドネシア、バリ島のあるインドネシアは一万七千の島がありますけれども、二億四千万の人口で年間予算十兆五千億です、七年ぐらい前です。だから、インドネシアの年間予算よりも食べ残しが多いというこの現状を是非御認識をいただいて、これを廃棄処分するのに二兆円掛かる。ベトナムの一年間の国の年間予算二兆一千億ですから、いかにもったいない、飽食、豊かという。
 しかも、食料、まあTPPの話はしませんけれども、これから食料を六割以上輸入をして、カロリーベースの自給率で三九ということですから、そういう中で食べ残ししている現状をやっぱりしっかり考える。一方で、世界では飢餓で恐らく一日四万人ぐらい子供たち亡くなっている。二・五秒に一人、飢餓や食料がなくて亡くなっている現状もあるとき、やっぱりもったいないという、食品のロス削減等食育は非常に重要だということを認識をしていただきたいと思いますが、この点について大臣の答弁を伺いまして、時間ですから終わりたいと思います。
○国務大臣(山口俊一君) 御指摘のとおりだろうと思います。
 いろいろお話を聞いて、かなりこれ高額なというふうなお話も出ました。しっかりとそこら辺も含めて、食品ロスの問題も含めてしっかり取り組んでまいりたいと思います。
○岡田広君 終わります。
○相原久美子君 おはようございます。民主党の相原でございます。
 今日、石破大臣をお願いするに当たりまして、内閣委員会の所管のところを見ていますと、これまたなかなか難しいなと思うんですが、地方分権、国家戦略特区。ただ、どうしても地方の部分に入らざるを得ない部分も相当数あるものですから、地方再生、これ特別委員会での議論になろうかと思うんですけれども、是非そこの部分にも若干触れていくということをお許し願えればと思います。
 まず、この特区法案、これについてお伺いしたいと思うのですけれども、二〇〇二年に構造改革特区法案、そして二〇一一年に総合特区法案、そして二〇一三年に国家戦略特区法案と、これつながってきたわけですよね。この特別地域を設定するという本来の趣旨、そしてその評価、その辺についてお伺いしたいなと思うのですが、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(石破茂君) これは、国家戦略特区、構造改革特区、総合特区といろんなのがあって、どれがどれで何が何だかよく分からないという方も有識者の中にもおられるわけです。ここはもうよくきちんと整理をして、やはり名は体を表すみたいな形で、それぞれの自治体がより手を挙げやすいような形にしていかなければならないのではないかという考えを私自身は持っておるところでございますが。
 あえて御説明申し上げますと、国家戦略特区と構造改革特区は、どちらも全国規模の規制改革が困難な場合などに地域を限定して規制改革を行います。全国からの提案募集を通じまして、現場からニーズを吸い上げ規制改革を実現するというのが国家戦略特区で構造改革特区です。
 総合特区は、いろんな地域に先駆的な事例があるわけですが、これを財政支援も含めて総合的に支援をするので総合特区というふうに申しております。これは、指定した地域からの提案を受けて規制の特例措置等を行っているものでございます。
 国家戦略特区というのは、規制改革について国が受け身となってはいけません。現場からいろんなニーズがあって、それを吸い上げて国と地方と民間の三者が一体となって区域計画を作りますという区域会議がございます。それともう一つは、区域計画等を審議する総理大臣を長とする特区諮問会議がありまして、より大胆な規制改革を実現できる、こういうことになっているわけですが、お話を聞いても何だかよく分からぬという方も多いんだろうねというふうに思っております。
 これ、あちらこちらから手が挙がりやすいようなもう少し仕掛けを考えていかねばならぬ。で、私どもで今考えておりますのは、特区の一回フォーラムを近々やりたいと思っております。特区を使えばこんなことができるんですと、もっといろんな自治体が、それぞれ特区の仕組みはこうであります、これによって例えば農業がこう変わりますとか、そういうような形で実感ができるようにしていきたいというふうに思っております。
 また、委員会の先生方にもお願いをして参画もいただきながら、こういう特区によって国がこう変わっていくのだということを私どももう少し明確にプレゼンをしたいというふうに考えております。
○相原久美子君 御説明を伺いまして、それから私も資料等々を読みまして、何となくイメージはできるんですけれども、要は、これも大臣が担当していらっしゃる地方、ここをやっぱり活性化させていくという一つでもあると思うんですね。経済的な部分もあるし、それからコミュニティーづくりにも関わってくるというような多面性を持った形でということで、恐らく様々な手挙げ方式ですとか財政支援ですとかということをやりながらの特区だと思うんですが。
 一番最初の構造改革特区からたどりますともう十年からたっているわけですよね。そういう部分についての評価、検証というのはなされているのかどうか、ちょっとお伺いしたいなと思うのですが。
○国務大臣(石破茂君) これは、評価をしていかなければ次につながらないというふうに思っております。それが特区になりました、それを全国的にそれでは展開をするのか、それとも特区であるがゆえにその地域の競争力というのを高いまま維持するのか、いろんな議論があるんだろうと思いますが、それがどのような効果を上げたのか、それがビフォー、アフターという形でどのように変わったのかという検証はきちんと行い、それが特区に値したのかどうか、そしてそれが横展開できるものなのかどうかという評価は常に行い、それが国民の方々あるいは自治体関係の方々に分かっていただける努力は引き続き不断に進めてまいります。
○相原久美子君 是非お願いしたいのは、私どももそうなんですけれども、調べてこういう特区がありますねということは一定程度理解した。そして、それについて様々な地方ですとか企業等々から手が挙がってきた。でも、その結果がどういう形で評価をされているのかというのは残念ながら見えないんですよ。なおかつ、これは申し訳ないのですけれども、やっぱり独創性というものが必要で、隣がやったからこっちもとなってしまうと、またこれ各自治体、箱物を次から次と建てたみたいな二の舞にもなりかねないんですけれども、是非、結果の評価と、そしてなおかつ、駄目だったねと、だったらどうすればというところもしっかりと検証、そして国民の皆さんに知らせていただきたいと思います。これについては要望させていただきたいなということでよろしくお願いいたします。
 国は平成二十五年に国家戦略特区を新たに設定いたしました。実は、新聞の報道にも若干あったのですけれども、今回の特区等々については国主導のやっぱり特区が重要視されているのではないか、地方からの提案が軽視されるのではないかというような懸念が実は示されていまして、この新聞の報道ですと、構造改革特区に今でも様々なところから手が挙がっていますよと。ところが、関連する許認可権限を持つ省庁の姿勢が総じて固い、国家戦略特区で検討中だからということで拒否の理由を語った役所もあるというふうに報道されているんです。これが事実であるのかどうかというのは、私、申し訳ないのですが、確認はしておりませんけれども、こういうような懸念があるということは、やっぱり地方からの提案というものを重視していると思えなくなってしまう。
 特区の様々な、この三つの特区それぞれが、地方が活性化し、そしてさらに、経済的にも少しでも成長していけるというところで設定をされているんだろうと思いますので、分権も関わってまいります、それから地域活性化にも資してまいりますので、是非地方の声を十分に吸い上げていくというこのやっぱり趣旨を尊重していただければなと思うのですが、大臣の是非評価をお願いいたします。
○国務大臣(石破茂君) 委員の御指摘のように、この報道、朝日新聞だと思います。これは承知をいたしております。国家戦略特区で検討中なのでというようなことで断ったかどうかは私は知りませんが、そういえばそんなことを言うところもあるかもしれないなという感じも持っております。
 私、参議院の本会議でも答弁をいたしましたが、できません、なぜならばという理由を言っていてもしようがなくて、できるためにはどうしようかということを自治体と一緒に政府が検討しなければ、せっかく自治体が意欲を持って手を挙げてもそれが実現しないということになってしまいます。私どもとして、地域の提案というのをできるだけ取り上げていくようにやっていこうというふうに思っておるところでございまして、規制の特例措置として成果を得られたものというのは、今回の改正法案、これから御審議を賜りますが、それに盛り込んでおるところでもございます。
 もう一度、地方の方々にこれが使いやすい制度となるように、そして少しでも委員がおっしゃいますように地域の活性化につながるように努力はしていかねばならないというふうに思っております。また、どうか委員の皆様方におかれましては、地域ではこういうふうに言っているがというようなことをまた私どもに御教示賜りますようにお願い申し上げます。
○相原久美子君 ありがとうございます。
 実は、質問レクのときと若干様子を変えた形で、恐らく石破大臣ですとお答えいただけるんじゃないかということで、ちょっと申し訳ないのですが順序も変更させていただいたりしました。
 地方は、それなりにと言うと地方の方に怒られますけど、本当に自分たちの地域をどうしていこうかということで、使えるものを使って、そして提案型をやっぱり考えているんですね。そこをやっぱりシャットアウトされてしまうと意欲がなくなってしまうんです。是非、その意味では、若干、ちょっと新聞の報道が本当なのかどうなのかというところはありますけれども、こういう声が出ないようによろしくお願いしたいなと思います。
 ところで、大臣の御地元の鳥取県の智頭町で、実は新聞ですとかいろいろな論文を見ますと、日本ゼロ分の一村おこし運動という地域の取組があるようでございます。御存じでしょうかしら。
 この智頭町のお取組、お聞きしますと、集落を基盤とした住民主体のボトムアップ型の企画立案と実践を求めている。集落振興協議会が中心となって進めてきているようです。ところが、そこに至るまでというのは、約二年ほどの議論を積み重ねてきたということのようです。この基本というのは、国の一方的な押し付けではなくて、まさに地方分権の一環でもあるし、住民自治、これを進めてきたというふうに捉えられるのではないかと思うんですね。御承知であれば、その評価についてお伺いできればと思います。
○国務大臣(石破茂君) 委員御指摘の私の地元の智頭町、よく存じております。
 ここのゼロ分の一というのは一体何なんだと。余り聞き慣れない言葉でございますが、要は、分母がゼロであるということは、それは無限大を意味するのだということでゼロ分の一というふうにネーミングされておりまして、このゼロ分の一運動というのは、私が知ります限り、二十年ぐらい前から始まった取組だというふうに私自身は承知をしております。
 それは、もう行政がいろんなことを押し付けるのではなくて、ここは単独町で残ったところなのですね。鳥取県の東部の中で単独町で残ったのが、この智頭町と岩美町と若桜町と、この三つあります。合併の是非はまた別に議論させていただきますが、単独町で残るということを選択をいたしました。そこにおいて、単独町で生き残るからには集落それぞれが自分の集落をどうするのだということを考える、またそこで行政の側からそういうような今回の地方創生の総合戦略の取組、これ、産官学金労言と私はよく言うんですが、住民の方々で百人委員会というのもつくる、我が町をどうするのか、そしてまたそれぞれの集落がそれぞれの集落で行政に頼ることなく我が集落をどうするのかということをまさしくボトムアップで考える、これがゼロ分の一運動だと私は思っておるところでございます。
 それさえやれば、決して、全てがうまくいくというわけではありませんが、この智頭町も、最近、高速道路のインターチェンジもできた、新しい鉄道も特急が止まるというようなことで、いろんなインフラ整備をされているのですが、それだけで地域が良くなるはずはないと。地域の文化であり伝統であり産業というものをどうやって興すかということをまさしくボトムアップでやっていくという取組が智頭町だというふうに私は承知をしておるところでございます。
 そういうようなボトムアップの手法というものが今回の地方創生にとっては一番必要なことであって、コンパクトビレッジとかいろんな話をいたしますけれども、その原点にあるものは、地域の方々が自ら考え自ら行うということが一番の肝要な点ではないかと私自身は認識しておるところでございます。
○相原久美子君 一番最初にお話をさせていただきましたように、地方創生は特別委員会で議論になるかと思うんですけれども、しかしながら、やっぱり地方分権もそうですし、それからこの特区等々につきましても、やはりこの日本の中にある地方がいかに自立をしながらいくかというのが基本になるものですから、どうしてもなかなか切り離して議論ができないものですから、それぞれの委員の方で御努力いただいて分権と構造特区、そして地方創生とちょっと分けていただいたんだと思うんですけれども、申し訳ないのですけれどもちょっと踏み込んだ形で議論をさせていただけるということ、申し訳ございません。
 この鳥取県なんですけれども、二〇〇一年度から中山間地域活性化推進交付金というものを新設されたと。今現在は県独自の市町村交付金に再編されているようですけれども、内容は、ワークショップの開催とか住民の内発性を重視して、使途が自由であり、予算も単年度ではなくて複数年となっているようです。また、再編されたこの市町村交付金は、県による小規模な奨励的補助金を統合して市町村に配分している、いわゆる私どもが求めてきた一括交付金的な形なんだろうと思うんですね。その意味では、大変、これもう二〇〇一年からということになりますと、本当に二十年も前から、独創的な私、交付金だと思うんですね。それこそが分権が進んできているというふうに捉えることもできるのではないかと思います。
 地方からの声としてよく聞くのは、地方分権、権限、これはいただきたい、でも、権限だけでは駄目で、財源もというのが必ず地方からの声としてございます。その意味では、この鳥取のようなちょっと一括交付金的な形、どう評価されているかをお伺いします。
○国務大臣(石破茂君) これは、鳥取県の前の知事の片山さんのときに制度はスタートしたものだというふうに承知をしておりまして、今の知事においてもそれは引き継がれているというものでございます。
 これ、私ども虚心坦懐に委員の皆様方のいろんなお知恵をいただきたいと思っているのですが、一括交付金が全部駄目だったというふうに切って捨てるつもりはございません。それを更にどのようにして使い勝手のいいものにしていくかということで、新型交付金の設計というものを今かんかんがくがくいろんな議論を中でしておるわけでございます。
 そこにおいては、やはり広域の連携、あるいは、官と民という言い方がいいかどうかは別として、民の活力をいかにして引き出すかということが重視されるべきだと思っております。従来の補助金では駄目である、そしてまた地方交付税措置でも駄目なのである、そして地方単独事業でも駄目なのであると。なぜ駄目なのか、どういうようなことを推進する場合において今までの制度においては難があるのかというところからスタートいたしまして、この新型交付金なるものがいかに民の活力を引き出し、と同時に広域的な連携を可能とするか。
 例えば、観光というものを考えたときに、今それぞれの全国の市町村に観光協会というのはあるんですけれども、観光協会がすごく機能してそこの地域に大勢の人が来たという例を私は余り、寡聞にして存じません。じゃ、どのような形で広域的に連携し、例えばバス事業者さん、土産物屋さん、あるいはホテル、旅館、いろんな携わる産業があるわけですが、その連携を密にし、広域にそれを有機的に機能させ、民との活力を最大限に引き出すために新型交付金なるものをどう使うかというのは、この鳥取県の取組も一つのモデルだというふうに思っております。
 ですから、自由に使えるお金が何でもありゃいいということではなくて、それをどのように使うのかということを自治体の側がきちんと考えていただいて、御提案をいただく。ですから、自由に使えるお金がなるべくたくさんというのはそうなんですけれども、何をやらんとするのかということのコンセプトを明確にしていただくということも自治体の側には私どもお願いをしたいと思っております。
○相原久美子君 私は比例なものですから、全国を回らせていただいております。確かに、本当に皆さん、この地域を守るためにということで一生懸命考えていらっしゃるし、それから分権を進めていこう、だから地方に権限を移してくださいという要望も相当数あります。
 ただ、そのときに一番の問題は、やっぱり意識改革が先になければ駄目なんじゃないかなと実は思っているんですね。もちろん、住んでいらっしゃる住民の皆さんも、そして議会も職員も首長もやっぱり意識を変えていって、じゃ、分権の時代、分権を進めていったときに、どういう自分たちの町つくっていくのか、そのためにはどういうような権限が必要なのか、もちろん財源も必要なのかということが、私は全国を回っていて、ああここはやっぱりそういう意味で捉えられていて進んでいるなと思えるところも多々認識しております。まさに、今回の鳥取、そして智頭町の取組なんかは本当にそういう意味での先駆的な住民自治、そして分権の時代を進めてきているんだと思うんですね。
 ですから、是非そういうことも意識改革をしていくために必要であるということで、宣伝として是非使っていただければなと。ああこういうところでこんなのがあったんだな、いや、分かっていますよと言うだけではなくて、こういう先駆的な事例を全国にやはり進めていっていただきたい。そしてなおかつ、やはりそのときに地方がどういうような権限が必要としているのか、その権限をどのように使おうとしているのか、そういうこともヒアリング等々でしっかりとやはり捉まえていただければ有り難いなと思いますので、よろしくお願いいたします。
 そこで、これから特別委員会での恐らく議論になるのだと思うんですけれども、やっぱりこの鳥取の事例等々を見ましても、住民自治、分権というのは、やっぱりそこに暮らす人たちも含めて、先ほど言いましたように、意識改革ということから始めていかなきゃならない。結構時間の掛かる作業だと思うんですね。
 智頭町も、二年の議論を進めてきて、そしてそれぞれの集落ごとにいろいろな取組をされてきているということを考えますと、今回、地方創生でいわゆる総合戦略を作るのに期間の設定をしていらっしゃいますけれども、ちょっとやっぱり余り拙速な形でいくというのは、私は、結果としていい結論に結び付いていかないのではないかと、そういうふうに思いまして、地域、地方活性化、地方再生というだけではなくて、本当にそれぞれの地域の自治がきちっとでき上がっていく、その後押しをするという姿勢で取組をお願いしたいと思うのですが。
 大臣のまさにここではリーダーシップが問われてくるのではないかと思います。理念はお持ちのようでございますので、そこの部分についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) これは、国会で御可決いただきました地方創生法に平成二十八年三月末日までにということを盛り込んでおるわけでございます。その法律に基づきまして、そういうふうに設定をしています。
 それで、この期間が短いではないかという御指摘をいただくのですけれども、よしやろうというので取り組んでいる町村も実にたくさんございます。時間がない、時間がないということを幾ら言ってもどうにもなりませんので、本当に、じゃ、やろうということで取り組んでいるところがすごく増えてきたなというふうに私自身認識をいたしております。
 そこにおいては、例えばどこの自治体におきましても、計画がなかったところって一つもないと思います。何々市第何次何か年総合計画というのはどこも作っているはずです。ベースはあるはずなんです。問題は、そこの市民がそれを作るのに参画したことがあるか、そしてそういう計画があることを知っているか、どんな目標が設定をされたか。それが実現したかしないかは、恐らく市民の九九%はそれを知らないだろうというふうに思っています。
 この間、島根県の隠岐の島の海士町というところへ行って、私は本当にすごいなと思ったのは、この計画作りに参加する者というのを募集しました。そこで二十人強だったと思います。そういう人たちが一週間に一回夜の八時ぐらいから集まって、おにぎり食べながら十時、十一時までかんかんがくがくの議論をする。行政の人たちもそこには参画していますが、町長はそれを聞いているのです。もう一つすごいなと思ったのは、子供の数が島留学によって増えた島前高校の生徒たちが、大人たちが何を議論しているのかというのをじっと見ている。
 そういうふうに、来年の三月三十一日でも、ベースとなる計画はあるわけで、そこに多くの労働組合も含めていろんな主体の方々が参画をして計画を作ろうというところと、そんな無理だよというところとは歴然と差が出ます。やはりそこは、県の果たす役割も大きいと思っていますが、それがどこの自治体においても、まさしく住民参加の下に、自分たちの計画であり自分たちで実現をするのだという意識改革を何とかこの短い間にいろんな議会の方々のお力もいただきながらやっていきたいというふうに思っておりまして、またこれがもう、これでおしまい、来年の三月三十一日でおしまいということでは全くございません。これをまたリニューアルをしていく。PDCAを回しながら、KPIの目標の設定というものも常に直していきながら、来年の三月三十一日で終わりではございません。これから先、更に深化をさせていくというために、三月三十一日、平成二十八年という期間を設けさせていただいておるところでございます。
○相原久美子君 ありがとうございます。
 思いは非常に伝わってまいりました。私も、これはもう与野党問わず、地方の状態を考えたときに、分権もそうですけれども、地方創生も全て、やっぱり本当にみんながその気にならないとこの国の先行きが本当に不安だというところで一致できるものだと思うんですね。ですから、その意味ではどうしてもやっぱり、分権もそうです、地方創生もそうですけれども、これに伴っていくお金、なかなか短期で結果が出るものでもありませんから、相当長期間を見ながら、さはさりながら自立をしていくということも促しながらということになりますので、是非その意味では私どももしっかりとやはり応援をしてまいりたいと思っております。そのために、各省との連携、是非リーダーシップを持って進めていただければ有り難いと思います。
 本当に、ちょっと地方創生も含めた形で質問をさせていただきましたが、私たちは、それぞれの国民の皆さん、いろいろな地域で安心して暮らしていける、そういうことのためにやっぱり政治があるのだと、そういう思いでしっかりと応援をさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。
 これで終わりたいと思います。ありがとうございました。
○藤本祐司君 おはようございます。民主党・新緑風会の藤本でございます。よろしくお願いします。
 今日は、まずTPPについての情報開示に関する件での発言についてお聞きしたいと思っておりますが、その後、山口大臣にはクールジャパンのことをお聞きしたいとは思ってはおります。ただ、前半部分の答えが簡潔でないと次に進めないかもしれませんので、そこのところは是非、もし足りなくなった場合は御容赦いただきたいと思います。
 まず、五月四日から八日にかけての西村副大臣のTPPに関する情報開示についての一連の発言撤回事件についてちょっと質問させていただきたいと思いますが、ワシントンDCでの会見では、冒頭で副大臣からの発言があった後、記者との質疑応答の形式を取っておられたというふうに認識をしております。
 私も国土交通政務官やら内閣府の副大臣を経験しておりますので、こういう記者会見なり、どういう状況になっているかというのはおおよそのところは分かっているつもりであります。冒頭の発言となれば、あらかじめ原稿を用意されているという場合が多いんだろうと思いますが、ただ単にその原稿を読む場合と、あるいは、読むだけの方と、自分で言葉を追加したり表現ぶりを変えたり、自分なりの言葉を付け加えたりとか、そういうような場合があるということは十分承知をしておりますので、この今回の場合、TPPの情報開示の部分についてはあらかじめの原稿をお読みになったのか、あるいは西村副大臣の独自の判断で、まあ若干の相談もあったかもしれませんが、そういう形で発言されたのか、そこをお聞きしたいと思います。
○副大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。
 あの五月四日の私の発言でございますけれども、事務方と十分にすり合わせを行ったわけではございませんで、むしろ、直前のセミナー、これは超党派のセミナーでTPPの情報開示のことも話題になり、また、その間の、訪米中にアメリカの議員といろんな情報交換をする中で、アメリカの議員がTPP交渉のテキストに接している、閲覧をしているといったような情報にも接しまして、私なりに日本でも何か情報開示について工夫ができないのかなということで、その思いが強く出てしまいましてあのような発言になってしまいました。
 アメリカと同様の開示ができるかのように受け取られてしまいまして、私自身の発言がもとでそのようなことになってしまいましたので、その発言を撤回したところでございます。深く反省をしているところでございます。
○藤本祐司君 あの発言を読ませていただきますと、確かにUSTRの対外的に情報を出さないという条件でアクセスを認めるということは確認をしているとか、あるいは、日本の場合は守秘義務がないので、どういうルールでどういうやり方をするかを詰めなければいけないということ、それもおっしゃっているわけです。ただ、日本とアメリカとの仕組みの違いとかルールの違いとか構造の違いとかいろいろあるということを承知した上で、上でですね、日本でも戻ってから相談をするが、来週以降、テキストへのアクセスを国会議員に認める方向で少し調整をしたいという、違いが分かった上で、違いがあることは理解をした上で言われているというふうに読み取れるんですね。
 だから、そこのところを、やはり違いはきちっと、きちっとなのか、ある程度なのか、ぼやっとなのか分かりませんが、違いはあるということは分かって発言されているんだろうと思いますが、それはそういう認識でよろしいんでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) 四日の発言も、アメリカの制度についても私きちっと申し上げました。日米の違いがありますので、アメリカと同様のことはできない、しかし日本の制度、制約の下で何か工夫ができないのか考えていきたいという、そういう意図で申し上げたところでございます。
○藤本祐司君 恐らく、先ほどすり合わせは十分にしていなかったというのは、同行する官僚の方々がTPPの関係の方は一緒に行かれていないんだろうと思いますので、これ、今回の西村副大臣の渡米の目的が本来は違うところだったというふうに認識をしていますので、そういう御本人の御判断でそうなったんだろうと思いますが。
 若干ちょっとおかしいなというふうに思っているのは、日米の違いを知っていて今のような発言をされている、それが四日の段階。七日のロサンゼルスでの再度の会見のときにも、日米には違いがあり、日本ではアメリカと同じようなことはできないと、ここでテキストそのものの閲覧は困難だということを断定しているんですよね。だから、日米の違いを分かっていながら、最初のときは検討してみたい。その二日後、三日後ぐらいですか、四日の記者会見から七日の記者会見まで七十数時間あったかと思いますが、その間で発言が大きく変わっている。
 同じ日米の違いが分かっていながら変わっているというのは、その辺りはどういう理由でそういうふうに変わったんでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) 四日の発言の後、私は夜、テレビで報道に接しました、ホテルに戻ってですね。それを見て私自身驚きまして、アメリカと同様のことを日本でもやるという、そういう方針を固めたというふうな報道があったものですから、これは私の真意と違うということで、実は翌日、これも超党派のジャパン・ソサエティーでのセミナーだったんですけれども、その後、通例、ぶら下がりのような形で会見が行われますので、その場を利用して私自身修正をしようということで、記者の出席状況なんかも確認して、会見が開かれることも確認して、その場で修正をしたんですけれども、そこに来られた記者の数が少なかったものですから、その次の日の報道も、ほとんど報道がないというか、全く報道が私の訂正についてなかったものですから、改めてロスでこれは会見を開こうということで、私の真意につきまして改めての会見をさせていただいたところでございます。
 そこは、繰り返しになりますけれども、日米の違いがありますので、これは同等、同じようなことはできない、しかし日本の制度、制約の下で何か工夫ができないのかなというその思いは持っておりましたので、そのことを申し上げたわけでございます。
 十二か国で保秘の契約を結んで外部に情報を漏らさないというのが、そういう約束で交渉を進めておるところでございますので、日本の制度、日本の制約の中で何ができるのか、何か工夫はできないのかと、情報開示については引き続き考えてまいりたいというふうに思っております。
○藤本祐司君 報道を見てという、報道は幾つかあったかと思うんですけれども、断定的に言われているという、もう来週以降開示ができるかのような報道をされたということで驚かれたんだろうというふうに思いますが、ただ、その四日のワシントンDCのとき、それは五日のぶら下がりでまたそれを撤回されているんですけれども、四日のワシントンDCのときにもちゃんと、来週以降テキストへのアクセスを国会議員に認める方向で少し調整をしたいと、アメリカとの違いはこうですよということもおっしゃっているわけですよ。
 だから、撤回する理由なんかどこにもなくて、ちゃんと説明すればそれで済む話なんじゃないかと。むしろ、報道が断定しているけれども、断定的に私は言ってないよと言えばそれで済む話だったような気がするんですけど、どうなんでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) 報道自体が、何か政府が方針を固めたとかアメリカと同様な開示を認めるといったような報道があったものですから、これは私の真意と違うということで、日米の違いももう一度説明をし、その上で、同様のことはできないけれども日本なりに情報開示については考えていきたいと、その私の真意を改めて申し上げて、むしろ私が調整をしたいとか、これは私、調整と言ったつもりはなかったんですけれども、私も議事録を見ましたら調整というふうになっていますので、こんなふうなことは私の実は頭にはありませんでしたので、これは私の発言はおかしかったということで撤回をさせていただいた次第です。
○藤本祐司君 日本とアメリカとの違いは、西村副大臣の認識としては、四日の段階の認識と七日、八日の段階の日米の違いの認識は変わらなかったんですね。要するに、理解が浅かったからああいう発言をされたということ、四日の段階では、理解が浅いから発言をされたということではなかったんでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) この点は四日の会見でも申し上げましたけれども、アメリカの議員には情報を外部に漏らした場合に刑罰もあるという、これは議員自身がそれを強く認識をしていることも私は確認もいたしましたので、そういう意味で、四日の時点でも認識をいたしておりました。
○藤本祐司君 七日にロサンゼルスで記者会見をして内容を撤回しているんですが、どの部分を撤回されたのかというのが漠然としていてよく分からない。
 つまり、テキストへのアクセスを認めるという部分を撤回したのか、四日の段階で与野党を問わず国会議員に認めるということを撤回したのか、あるいは来週以降に少し調整をしたいと言っている部分を撤回したのか、それとも四日の発言全てを撤回されたのか、ちょっと撤回の範囲というのはどの部分だったんでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) 今手元にその議事録全てあるわけではございませんので、私の意図したところ、真意は、日米の違いがある、そして十二か国で保秘の契約を結んでいるという中で、各国が苦悩しながら、苦慮しながら、その国なりに情報開示に努めてきていると。そういう中で、日本も日本の制度、制約の中で引き続き情報開示についてはしっかりと考えていきたいという趣旨を申し上げましたので、それとは違う、アメリカと同等のような情報開示を、テキストへの閲覧を認めるとか、そういう方向で調整をするとか、そういった私の真意とは違う発言をしてしまいましたので、その部分については撤回をすると、したということでございます。
○藤本祐司君 済みません、真意と違う発言を自らしているということですか。自分はこう思っていたんだけど、それと違う発言をしてしまったと。要するに、真意が伝わっていなかったんじゃなくて、真意と違う発言を副大臣自らがしてしまったということなんでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) これは、そのように取られてしまい、そういう報道がなされましたので、これは私自身の言い方が悪かった、伝え方が悪かったということで、反省もし、撤回をさせていただいたところでございます。
○藤本祐司君 じゃ、真意は何なんでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) 繰り返しになりますけれども、十二か国で秘密保持の契約を結んで、情報を外部に漏らさないという約束の下で交渉を進めているわけでございます。アメリカの場合には、外部に漏らした場合に罰則がある等の、そのルールの下で一定の開示を、議員に対しても開示をしておりますけれども、日本は日本の制度、制約の中で外部に漏らさないということをどう担保するかも、これは今ルールはないわけでありますので、そういったことも考え、制約の中で引き続きできる限りの情報開示は行っていきたいと、そういう意図で申し上げたわけでございます。
○藤本祐司君 日米の違い、それが、その条件がクリアされれば、裏を返せば情報開示はできるということになるんだろうと思うんですが、日米の違いってそこだけですか。守秘義務が課せられるとか、あるいは罰則規定があるとかないとか、それだけが日米の違いなんでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) 一つには、その刑事罰があるというところは大きな違いだと思います。それから、それぞれの議会、アメリカの議会での規則、日本での規則、国会法ですね、この違いも当然ございます。
○藤本祐司君 ちょっとその違い、国会法の違いというのを具体的に教えてもらえませんか。
○副大臣(西村康稔君) アメリカにおきましては、連邦議員による秘密漏えいについて、それぞれの院に規則が、規定がございまして、上院規則では、上院の極秘の又は秘密の議事、事務又は手続を開示した場合に上院議員の除名が明記されています。それから、下院規則では、議員に秘密指定情報の漏えいをしない旨の宣誓をするということが決められております。
○藤本祐司君 違いを乗り越えてどうするかというのが多分、情報開示の条件になってくるんだろうと思いますが。
 甘利大臣にお聞きしたいんですが、この西村副大臣の四日の発言があって、報道が出て、それに対して甘利大臣は西村副大臣に対して注意したのか、指示したのか、どういうやり取りがあったんでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 西村副大臣から会見後に連絡がありました。そのときには、やっぱり日米の違いがあるんで、それを踏まえて何ができるかということに言及した旨の報告をいただきました。それはそのとおりなんでありまして、ですから、できることとできないことがありますからねと言ったら、それ踏まえて発言したつもりですというお話でした。
 その後に、私、毎日ぶら下がりがいっぱいあるんですけれども、記者団から西村副大臣の発言をどう思われますかと言われて、いや、それは、ちゃんと違いを踏まえて何ができるか検討するということだから問題がないと思うけどと言ったら、いや、そういう報道にはなっていません、すべからく開示をするみたいな報道になっていますよと言うから、それは御本人の意思と違いますよと、西村副大臣が私に連絡があったのは、それを踏まえて、こうしたい、何ができるかは研究してみたいというような発言だったですよと言ったら、ぶら下がりの記者団は、いや、そういう報道になっていませんという話でありまして、それで西村さんと話をして、あなたの真意がこっちに伝わっていないと言っていますよと言ったら、それを踏まえてもう既に自分の真意を伝える会見をしましたというお話でありました。
○藤本祐司君 甘利大臣から西村副大臣に対してこういう、ワシントンDCのをやった後ですよね、やった後、こういう発言を撤回しろとか、そういうような指示はされているんでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) どうしろこうしろということではなくて、西村副大臣から最初に電話いただいた内容とぶら下がりの記者団が私に言ってきた内容が違ったものですから、私はぶら下がりの記者さん方に、いや、そういう真意ではないですよと、西村さんからちゃんと、日米の違いがあるからということで最初から連絡がありましたよと言ったら、いや、そういう報道にはなっていませんとおっしゃったので、それで西村さんにそういう報道になっていないみたいだけどと言ったら、そういうことを承知したので、既にちゃんと自分の真意を伝えるという会見をしましたというお話でした。
○藤本祐司君 また、これ報道によるとになっちゃうので、報道がどこまで正しいか分かりませんが、菅官房長官も西村副大臣の発言に激怒したみたいな報道があったりもしたものですから、そういうのでまたいろんな混乱が生じているのかなというふうに思うんですが。
 ちょっと時間もありませんので、甘利大臣にちょっとお聞きしたいのは、記者会見並びに、連休前だったと思いますが、内閣委員会と農水委員会の連合審査のときに、少し頭の体操をしてみたいと答弁されている、情報開示については。維新の党さんと民主党もこの情報開示の法案を提出していますのでそんな発言をされたんだろうと思いますが、その頭の体操をしてみたいと言ってから二十日ぐらいたっているので、頭の体操をいつまで続けていくんでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 条約というのは、もう釈迦に説法だと思いますが、途中経過を公表しないということになっておりまして、とりわけTPPは守秘義務にサインをしてから入る、入会が認められるということで、より厳しくなっています。そういう中で、各国とも非常にこれは頭の痛い問題で、制約の中でどこまでできるんだということは、日本だけの問題じゃなくて、みんな頭を悩ませています。
 連合審査の際に、そういう制約があって一体何ができるのか、頭の体操をしてみたいと。その後に、五月の頭だったと思いますけれども、テキストの概要の開示をいたしました。それは、私から、何が一体この制約の中でできるのかちょっと考えてみてくれという結果、事務方が検討して対応したということであります。
○藤本祐司君 確かに、日本とアメリカの違いがあって、守秘義務を課せられていることとか訴追できることとか、あとはもう細かな物理的な話ですけれども、閲覧するための部屋があるとか電子機器を持ち込まないとか、いろいろそういう制約があるんだろうと思うんですが、先ほどの、この前の相原議員の石破大臣への質問のときに、地方創生のことで、できません、なぜならばではいけないんだという話がありました。
 まさにそのとおりだと思いまして、例えば特定秘密保護法に関連して、情報監視審査会というのが衆参で設置されています。石井理事も上月理事も私もそのメンバーではあるんですが、例えば、こういうような完全に遮断するような部屋があったり、情報を漏らした場合に懲役刑も科せられたりとか、そういうものがあるものですから、これは内閣の問題というよりは国会でどうするかという対応の問題になるんだろうと思いますが、やはりできる限り情報を開示できるような、そういう仕組みは国会でも内閣でもやっぱり検討する必要性というのはあるんだろうと思うんですね。
 そういう意味で、西村副大臣の何とか情報開示をしていこうという、そういう姿勢については大変我々は逆に言うと評価はしておりますが、むしろ、それは情報はもう出さないんだというような態度ではないということで大変評価しております。
 ただ、副大臣ですから、これは私も経験がありますが、副大臣ですから、これ認証されたポストでやられていることなので、軽々な発言をして、軽率な発言をしてそれを撤回すればいいという、そういう話ではないんだろうと思うんですね。だから、事実関係はそうですね、はい、分かりましたという話には恐らく副大臣なのでできないんだろうと思います。そこのところの責任はどう考えていらっしゃるのかということをお聞きして、質問を終わりにしたいと思います。
○副大臣(西村康稔君) 私の発言でいろいろ混乱を招きましたことを本当に深く反省をいたしております。責任も強く感じているところでございます。
 今後のTPP交渉、しっかりと甘利大臣をお支えして、日本にとっていいものになるように努力していくこと、それと併せて、制約はありますけれども、できる限り多くの皆さんに理解していただけるように情報開示に努めていく、そのことを引き続き検討してまいりたいと思っております。
○藤本祐司君 山口大臣、大変申し訳ございませんでした。
 これで終わりにします。
    ─────────────
○委員長(大島九州男君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、松下新平君が委員を辞任され、その補欠として堀内恒夫君が選任されました。
    ─────────────
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。
 今日は一般質疑でありますが、四月二十二日、官邸の上にいわゆるドローンのようなものが落ちたということで、このドローンについて質問をさせていただきます。
 ドローンに対する法規制は、御存じのように、まだありませんし、担当省庁も決まっておりませんので大臣呼べません。ということで、今日は役人の皆様の、やり取りをしながら、ちょっと、先ほど藤本先生から頭の整理ということがありましたが、ドローンの法の規制の在り方についてちょっと頭の整理をしていきたいと思っております。
 まず、このドローンという意味がいわゆる英語ですと雄の蜂若しくは蜂の発する音ですか、いろんな意味ありますけれども、そんなところからドローンと名前付けたようでございます。
 繰り返しますが、四月二十二日、総理官邸屋上に小型無人機ドローンが落下しているのが発見されたと。その後出頭してきた男性、官邸の屋上にドローンを置き、業務を妨害したとして、威力業務妨害で逮捕されたということでございます。
 このドローンを利用した重要施設に対するテロ等に備えて、警備の体制の強化とか、ドローンの運用ルールの策定、規制を含めた関係法令の見直しなどが必要になると考えますが、現時点での政府の検討状況をお尋ねいたします。
○政府参考人(蔵持京治君) お答えいたします。
 いわゆるドローンを始めとする小型無人機への対応につきましては、四月の二十四日に杉田内閣官房副長官を議長といたします小型無人機に関する関係府省庁の連絡会議を設置したところでございます。その後、五月十二日に第二回の会合を開催いたしまして、小型無人機に関する当面の取組方針を決定したところでございます。
 この方針では、緊急に取組を開始する事項といたしまして、重要施設における警戒警備体制の強化、安全、安心な運航の確保等に向けたルール作り、製造者等の関係者に対する協力要請などを行うことが決められたところであります。このうち、安全、安心な運航の確保等のルール作りにつきましては、五月中にルール全体の骨子を取りまとめまして、関係者に対する周知と調整を行った上で速やかに必要な法案を提出するということが確認されております。
 この関係府省庁連絡会議につきましては、次回、五月下旬に開催いたしまして、取組方針に記載された事項の進捗状況を取りまとめるとともに、必要な見直し、調整を行うこととしております。
 以上です。
○若松謙維君 ちょっと五月の十二日、先ほどの小型無人機に関する関係府省庁連絡会議ということで、ここの内容を見ますと、いわゆるこの法の規制の在り方として、二段階論ですね、一段階目は緊急に取組を開始する事項ということで、今おっしゃった警戒警備体制の強化とか、また製造者、輸入者、販売者への協力要請等、それについて五月中にルール全体の骨子をということなんですが。
 実は、公明党といたしましても、今朝二回目の会議を行いまして、ちょっと議員立法で、やはり急でありますので、検討しております。早速部会では了承いたしまして、午後にでも党内了解いただきたいということで、これ全党で同じ問題意識を共有していきたいと思っております。大変急ぐ話でありますので。そういうことも含めて、まず第一段階目の緊急対応と、これが議員立法。
 第二段目は、いろんな問題がやっぱり関係ありまして、結局国民の皆様のある意味で趣味というかホビーでもやっていらっしゃる、それを、権利をある意味で剥奪するということもありますので、やっぱり慎重にやらなければいけないということで、いわゆる実施までに一定の期間を要する事項ということで、それは二段目です。これが閣法というんですか、そんな流れということだと思います。
 そこで、このドローンの規制の在り方について、皆様に資料としてお配りしたものをちょっと説明をさせていただきますと、まず、空の規制はどこがやるかというと、基本的には国土交通省ですね。特に、人が乗ることができるものについての規制がいわゆる航空法でなされていると。その対象が人が乗っているものということで、大体見たものでございます。あわせて、人が乗っていないものでも、こういう無操縦者航空機、これJAXAなども所有のようでありまして、じゃ、例えば無人偵察機はどうなのかというと、これは防衛省なので、防衛省所管は実は航空法の対象外ということで、これはあくまでも自衛隊には関係ないということであります。
 そうすると、じゃ、人が乗ることができないものということで、このハンググライダーから始まって、いわゆる模型航空機ですか、そのほかにラジコンのセスナとかヘリコプターがここに記載されておりますが……(発言する者あり)ということで、このまず規制の在り方を──応援ありがとうございます。航空法を所管する国土交通省ですか、にお尋ねいたしますけど、今後の小型無人機に対する規制の在り方についてどういうふうなアプローチ取ろうとしているのか、お尋ねいたします。
○政府参考人(島村淳君) お答えいたします。
 現行の航空法では小型無人機は模型航空機と取り扱われておりまして、一般の航空機の飛行に影響を及ぼすおそれのある場合を除き、その飛行に係る規制はございません。
 一方、小型無人機の規制につきましては、既に御説明のあったとおり、関係省庁連絡会議において、機体の把握と安全性、操縦者の技能、運航方式など、小型無人機の安全な運航のためのルールについて、技術的な合理性も踏まえ、また将来的な技術開発や事業の発展も見据えつつ整備を進めることとしております。
 国土交通省といたしましては、同会議において引き続き積極的に議論に参加し、小型無人機に関する安全、安心な運航の確保に向けたルールの検討を迅速に進めてまいりたいと考えております。
○若松謙維君 何か非常に、こういうシチュエーションは何か珍しいと思いますけれども、質問を続けさせていただきます。(発言する者あり)
○委員長(大島九州男君) 質問を続けてください。
○若松謙維君 済みません。続けますので、委員の皆様、ちょっと御静粛にお願いします。何か委員長みたいですね、私が。
 それでは、この資料、取りあえずなんですが、ちょっと御意見もあろうかと思うんですけれども、国土交通省ですか、結局、この規制、いわゆる日本の規制というのは、諸外国ですか、例えばアメリカとかフランスとかなどと比べると結構緩いというんですか、なるべく空の規制は広げていない、そういう理解でいいんですか。他国と比較してどんな状況でしょうか。
○政府参考人(島村淳君) お答えいたします。
 小型無人機の運航のルールに関する国際ルールというのは、現時点ではまだ各国検討中のものが多いところであります。一方、国際民間航空機関におきましては、小型機ではない大型の無人機に関する国際ルールを現在進めておるところであります。
 国土交通省といたしましては、今回のルールの検討に当たりましては、諸外国の検討状況も踏まえつつ検討を進めてまいりたいと考えております。
○若松謙維君 分かればなんですが、たしかドイツが今回規制を掛けたと、そういう情報が入ったんですけど、詳しいことは分かりますか。
○政府参考人(島村淳君) お答えいたします。
 ヨーロッパにおきましては、一番規制の検討が進んでおるところがフランスでございます。それに加えて、ヨーロッパ全体でヨーロッパ航空安全庁というところが今、小型無人機の規制のルールを検討しているところでございます。御質問のございましたドイツについては、現時点では私ども詳細については承知をしていないところでございます。
○若松謙維君 分かりました。
 国土交通省の、ちょっと内容の適否は監査しておりませんけれども、一応小型無人機に対する規制ということで、日本の場合には、日本の航空法では二百五十メートル以下のいわゆる滑走路以外のところでは規制はないということなんですが、イギリスの二〇〇九年英国航空法ですと、目視範囲内での飛行に限定しているということで、いわゆる目視ということはいわゆる通常のラジコンの世界ですよね、そこをあえて規制していると。ですから、日本は規制がないという、まずこういう実態ですね。
 その上で、まず、結局、いわゆるドローンというのはいろいろあるわけですね。例えば、まさにラジコンの延長で、見える範囲、有視のやつと、あと、インターネットを使ってどこまでも行ける、GPSも使えるわけですから、そういうものとあって、じゃ、どこをこのドローンの法規制の範囲に限定するかという、電波法との実は絡みになってくると思うんですね。
 いずれにしても、まず今回の、ドローンというと大きく二つあるわけなんですが、例えば十万ぐらいの数ですと恐らく結構、五十センチクラスのマルチコプターと言われているのが大体輸入中心で数千から数万機と言われているんですが、大体中国等から十万前後というやつがありまして、これは大体、これもラジコンの世界ですかね、基本的には。ところが、ちょうど南相馬に復興の支援も含めて菊池製作所というのがありまして、あそこがやっぱりドローンを作っているんですね。二百万ぐらいするんです。これはいわゆるAI、人工知能を持っていますので、自分で考えて、自分で判断して、自分で戻ってきて、充電してまた行く、これが可能なわけであります。
 そういう中、まず、いわゆる自律的に飛行するドローンがもう今後恐らく増えてくると思うんですが、こういうドローンの飛行制御ですか、これは電波法の規制の対象になるんでしょうか。
○政府参考人(富永昌彦君) お答え申し上げます。
 電波法は、電波の公平かつ能率的な利用を確保することによって公共の福祉を増進することを目的としております。
 私ども総務省では、電波法に基づきまして、電波を発射する無線局につきまして周波数の割当てですとか免許をしております。
 一般にドローンと呼ばれます小型無人機が自律的に飛行する場合には、操縦のための電波が発射されないことになりますので、電波法上、その飛行制御は規制の対象にならないことになります。
 以上でございます。
○若松謙維君 そうすると、先ほど言いました自律型はある意味でもう電波法の対象じゃないと。そうすると、総務省以外の所管省庁がある意味でドローンの安全性をどう確保するかと、そういうことが恐らく一つの論点になろうかと思います。
 そういう場合に、じゃ、ちょっと技術的な大体所管をしております経済産業省、この自律型とかは、ICT活用ですか、インターネットで操作すればどこでも行ける、そういう次世代のロボットというんですか、自律型ですね、いわゆる自律型です。ですから、車を造るにしても、固定しているいろんなロボットありますね。ああいうんじゃなくて、まずどんどん自律で動くという、そういう自律型のロボットですか、について、その安全確保というのを経産省はどういうふうに考えていますか。
○政府参考人(黒田篤郎君) お答え申し上げます。
 米欧を中心にロボットの開発競争が激化する中で、我が国のロボット大国としての地位を更に高めるべく、先般、ロボット新戦略、これを総理の下で決定したところでございまして、その中で御指摘のロボットの活用を前提としたルール整備、それから規制緩和、このバランスを取りながら制度整備をしていくということを具体的に明記させていただいたところでございます。
 具体的には、二〇二〇年を目標年度とするアクションプランに基づきまして、このドローンのことも含めまして様々なものをやろうということをその時点では決めたわけでございますけれども、このドローンにつきましては、大変緊急性が高いということで、先ほど内閣官房及び国交省から御説明がありましたとおり、関係省庁連絡会議の枠組みの中で当省としても積極的に参加をいたしまして、この安全確保、これは自律型、IC型、IC型活用を含めて、規制を各省庁とともに相談をして作っていきたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
○若松謙維君 今経産省の方が、二〇二〇年なんでしょうけど、このドローンについてはもっと早い対応をということですが、中身はこれからでしょう。どうですか。
○政府参考人(黒田篤郎君) お答えいたします。
 この部分につきましては、先ほど内閣官房からお話ありましたように、小型無人機に関する安全、安心な運航の確保等についてはルール作りというのを、機体の把握、安全性、操縦者の技能、運航方法等について議論すると。内閣官房を中心に、また国交省を中心に議論をしていまして、そこに私どももきちんと関与していきたいというふうに思っております。
○若松謙維君 そうすると、経産省は今法律の検討中だと。じゃ安全を守る、自衛隊の出動はちょっと大げさだと思いますので、やっぱりそうすると警察庁かなと。電波法ではない、そういうときの、いわゆるドローンを利用した例えばテロ等、そういうことからどう安全性を確保すべきという観点から、警察庁、どんなふうに考えているか、お尋ねいたします。
○政府参考人(高橋清孝君) お答えいたします。
 重要施設の安全確保に責任を有しております警察としましては、国家の行政機関の中枢である総理大臣官邸において無人小型機に係る事案が発生したことについて重く受け止めているところでございます。
 警察におきましては、今回の事案の発生を踏まえまして、テロ等を未然に防止するため、重要施設の上空の監視やその周辺における不審者の警戒、発見を強化するとともに、周辺のビル管理者に対し屋上の施錠管理を徹底するよう注意喚起を行うなどの取組を進めているところでございます。
 今後、情勢に応じてこうした取組を不断に見直すとともに、対処能力の向上を図るなど、関係省庁等と連携して小型無人機を利用したテロ等への対策に万全を期し、国民の安全、安心の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
○若松謙維君 再度警察庁にお伺いしますが、いわゆるドローンを利用した重要施設に対する、今回の総理の事件もありましたけれども、そういう重要施設を広げれば広げるほど監視体制が必要になりますよね。そうすると、そういう十分な警察の要員が要るかどうか、これについてはどんなふうにお考えですか。
○政府参考人(高橋清孝君) おっしゃるとおり、そういう対象施設を広げれば、それに見合った人的な要員というのは必要になるかと思いますけれども、現在まだ研究中でありますけれども、機械といいますか、システムによる発見探知システムというのも民間の方で研究が進められているというふうに聞いておりますので、そういうもの等をうまく活用して効率的にしっかり警備していきたいというふうに思っています。
○若松謙維君 ということで、今日は、内閣官房、国交省、総務省、経産省、警察庁ですか、といった関係に来ていただきました。ということで、いずれにしても、緊急を要する、先ほどの本当に重要施設に対してはやはり対処しなければいけないということの議員立法を今策定中でありますので、是非、今日御参加の内閣委員会の委員の皆様にもちょっと御理解をいただければと思っております。
 あわせて、急なことでもありますので、非常に省庁間の連携を密にしていただいて、本当にスピーディーな結果が出せるように御努力をお願いすることを申し上げて、質問を終わります。
 以上です。
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 四月一日から、子ども・子育て支援新制度がスタートいたしました。今日は、この制度でも位置付けられている放課後児童クラブ、いわゆる学童保育について質問したいと思います。
 まず、学童保育とは何か、どういう役割を果たしていると政府として評価されているか、伺いたいと思います。
○政府参考人(木下賢志君) 学童クラブ、いわゆる放課後児童クラブでございますけれども、児童福祉法に基づきまして、小学校に就学している児童でありまして、その保護者が仕事や疾病などにより昼間家庭にいない方々を対象としております。授業の終了後あるいは長期の休暇期間中に小学校の余裕教室などを活用して適切な遊びあるいは生活の場を与えまして、その健全な育成を図る事業でございます。
 特に、児童の発達段階に応じました主体的な遊びですとか生活が可能となるように、自主性、社会性あるいは創造性の向上と日常生活に必要となる基本的な生活習慣などを習得できる場としての機能を有しているものと承知しております。
○山下芳生君 要するに、共働き家庭の小学校に通う子供さんたちを対象にした、放課後の生活と遊びの場を提供し、発達を保障するというのが学童保育だということだと思います。
 現在、学童保育は全国に何か所あって、何人の子供が利用されているでしょうか。
○政府参考人(木下賢志君) 平成二十六年の五月一日現在でございますけれども、実施箇所数は二万二千八十四か所でございまして、利用児童数は九十三万六千四百五十二人となっております。
○山下芳生君 全国の小学校の数も約二万ですから、それと同じ数、学童保育があるということです。
 母親が働いている世帯は、小学校低学年では六割以上です。高学年になりますと七割を超えております。そういう家庭にとって、また子と親にとって大変大事な場所であり、役割を果たしているのが学童保育だと思います。
 ある学童保育の指導員の言葉を紹介したいと思います。
 ただいま。お帰り。毎日毎日ここから学童保育が始まる。着替えをする子、疲れたと言わんばかりに寝っ転がる子、宿題をする子、とにかくしゃべりまくる子、遊びにすっ飛んでいく子などなど。時間が来たら、みんなで当番。掃除やおやつの準備などをして、みんなでおやつを食べて、そしてまた遊びます。帰る時間になったら、地区ごとに集まってみんなで帰ります。こんな毎日の生活を繰り返しながら、子供たちは時間と空間と仲間の中で関わり合い、ぶつかり合い、お互いに響き合って成長していきます。
 こういう言葉でした。ただいま、お帰り、ですから家庭のような場所になっているということであります。勉強のカリキュラムがあるわけじゃありません。しかし、お互いにつくった生活のルールはあるんですね。その中で子供たちは自由に過ごしています。そんな場所です。
 実は、私にも息子が三人おりまして、上の二人は学童っ子でした。親にとって安心というだけではなくて、子供にとって充実した時間を過ごさせていただいたと実感をしております。
 ところで、学童保育には、職員の配置や施設の広さなどの設置基準あるいは運営のための指針はあるんでしょうか。
○政府参考人(木下賢志君) 厚生労働省におきましては、放課後児童クラブの質を確保する観点から、その設備及び運営につきまして、放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準、省令でございますけれども、策定をしております。あわせて、この詳細を具体化をした指針を決めておりまして、放課後児童クラブ運営指針というものを策定をして自治体に周知しているところでございます。
 その基準におきましては、事業の一般原則として、まず支援の目的を明確化をした上で、職員に関しましては、保育士資格あるいは教員免許などを有し、都道府県知事が行う研修を修了した放課後児童支援員を支援の単位ごとに二人以上配置と義務付けております。
 あわせて、専用区域の面積に関しましては児童一人につきおおむね一・六五平米以上、そして児童の集団の規模に関しましてはおおむね四十人以下とするなど、児童が安心して過ごせる遊び、生活の場としての機能が十分担保されるような内容としており、昨年の四月にこの基準を策定、公布したものでございます。
 一方、その基準を具体化をした細部の運営指針につきましては本年の三月末に新たに策定したものでございまして、放課後児童クラブにおいて行われる子供の健全な育成と遊び、生活の支援を育成支援と定義をした上で、子供の立場に立った育成支援の基本的な考え方や内容、児童期の発達の特徴を三つの年齢区分ごとに整理をいたしまして、それぞれの育成支援に当たっての配慮すべき内容を定め、そして子供や保護者の人権への配慮など、放課後児童クラブの社会的責任と職場倫理等の運営主体が留意すべき点などを規定しております。
○山下芳生君 今の御答弁聞きながら、私、なかなか感慨深いものがあるんですよ。といいますのは、この学童保育というのはもうずっと歴史があって、最初はやっぱり共働きの家庭の親御さんたちが、小学校に子供が上がったときにも保育所のような場所が欲しいんだと、これが子供の発達にとっても働き続けるという点にとっても大事なんだということで自主的な運動の中から出てきて、そして去年こういう基準ができ、今年指針ができたと、ここまで来たということなんですね。
 ところで、放課後の子供を対象にした施策としては、もう一つ、文部科学省が進める全児童対象の放課後子供教室があります。これはどういう役割を果たしているんでしょうか。
○政府参考人(徳田正一君) ただいま先生が言われましたものは、文部科学省では放課後子供教室として実施しております。この放課後子供教室は、全ての子供たちを対象として、放課後や週末等に学校の余裕教室などを活用いたしまして、地域住民の協力を得て、学習活動やスポーツ、地域の伝統芸能など、様々な体験活動の機会を提供するものであります。この事業は、全ての子供たちの安全、安心な居場所を確保するとともに、地域の実情に応じた多様な学習や体験活動を通じまして、次代を担う子供たちの健やかな育成を図る役割を担っております。
○山下芳生君 全児童対策は、全国で今何か所実施されていて、何人子供さん利用されていますか。
○政府参考人(徳田正一君) 放課後子供教室につきましては、平成二十六年度で全国で一万一千九百九十一教室が実施されております。また、利用する子供の数につきましては、希望する全ての子供たちの利用を前提としたものであり、事前の登録を要しないものもありますので、文部科学省としては総数を把握しておりません。
○山下芳生君 全児童対策は一万余りですね。学童は二万ですから、数は半分ぐらいなんですが、対象が全児童ですから、一施設当たりの子供の数はうんと学童よりは多いというのが実態だと思います。
 もう一つ、全児童対策には、先ほど、学童では作られた設備や職員の基準ありますか。
○政府参考人(徳田正一君) 放課後子供教室といたしましては、補助金の交付対象といたしまして、教育支援活動の在り方を検討する推進委員会の設置や活動調整を行うコーディネーター、あるいは学習支援、体験・交流活動等の教育活動支援員の設置など、地域住民の参画による教育支援活動に対して補助することを補助交付要綱に定めております。なお、教育活動支援員の人数や活動場所の面積基準などは定めておりません。
○山下芳生君 施設の基準などはないということですね。
 それから、念のために聞きますけど、学童保育は基本的に平日毎日運営されていますけれども、この全児童対策はどうでしょうか。
○政府参考人(徳田正一君) 放課後子供教室につきましては、平成二十六年度で平均活動日数は百五日となっておりまして、例えば年二百五十日以上実施しているところでは九百四十五教室になっております。
○山下芳生君 毎日のところもあるけれども、そうじゃないところも多いということだと思います。
 放課後の子供たちの安全な居場所、遊びや学びの場が確保できるという点では、私、この全児童対策も非常に大事だと思っております。時には、ドッジボール大会あるいは剣玉教室なんかを先生がやってきて教えてくれるというところもあるんですね。子供の安全、それから充実した時間にとって大事な役割をこの全児童対策も果たしていると思います。実は私の三男も全児童対策でお世話になりまして、大変、何といいますか、読書とかドッジボールを楽しみに、そういうときには行ったりしていましたね。
 要するに、どちらも大事だということが言いたいわけであります。全児童はそういう、私、三男はちょっと妻の仕事が少し余裕があったのと、それから近所の学童がなくなっちゃったということで全児童を利用させていただいたんですけれども、共働きの家庭の子供さんは、やっぱり全児童では開いていない日もありますから、なかなか心もとないものがあるわけです。どちらもそれぞれ大事なんです。
 そこで、それぞれ性格が違うんですが、それを確認した上で今日一番聞きたいことに入りたいと思いますが、安倍首相は、昨年の三月、経済財政諮問会議・産業競争力会議の合同会議で、女性の活躍について議論しましたとしてこう言っております。いわゆる小一の壁を乗り越えなくてはなりません、文部大臣、厚労大臣が協力して、両省の関連施策の一体運用、学校施設の徹底活用などを検討し、学童保育等を拡大するためのプランを策定していただきたいと、こう言われたんですね。
 有村大臣、ここで首相の言う小一の壁とは何でしょうか。
○国務大臣(有村治子君) いわゆる小一の壁というのは、明確な定義はございませんけれども、子育て世代の当事者にとっては大変切実な問題だというふうに私自身も認識をしております。
 保育所に比べて放課後児童クラブの開所時間が短いことによって、子供が小学校から帰ってきての放課後に、小さい子供がいる中で、その子供の安全を見てくれる人がいない空白の時間をどうするかということが顕在化していきます。そして、そもそも放課後児童クラブを希望しても利用できないという方々もいらっしゃいます。
 こういう理由で、共働き家庭などにおいて、子供が小学校入学後に、今まで保育園にお世話になっていたお父さん、お母さん、とりわけ女性がこれまで勤めてきた仕事を、能力がある、意欲もある、時間もあるんだけれども、子供が小学校から帰ってきた後の子供の面倒を見る人がいないということで仕事を辞めざるを得ない、あるいは今までと同じような働き方を継続できないという状況のことをいわゆる小一の壁と表現をしています。
○山下芳生君 大変よく分かる御説明、ありがとうございました。
 その小一の壁を乗り越えるために、私は政府が様々な対策を取ることは当然必要だと思います。その対策の一番のメーンはやはり学童保育の充実であるべきだと思います。それから、学校施設の利用、教室の利用というのも当然あり得ると思うんですが、分かるんですけれども、しかしなぜ一体運用なのか、これが分からないんですね。
 小一の壁を乗り越えるために学童保育の整備を力を入れてやればいいところを、何で学童保育と全児童対策の一体運用あるいは一体型を推進するんでしょうか。
○政府参考人(木下賢志君) 昨年七月に文部科学省と共同で策定いたしました放課後子ども総合プランにおきまして、今、先ほど有村大臣から御答弁された共働き家庭などの小一の壁を打破するとともに、次代を担う人材を育成するために、全ての就学児童が放課後などを安全、安心に過ごす、多様な体験、活動を行うことができるようにする取組でございます。
 本プランでは、御指摘の同一の小学校内等の活動場所におきまして両事業を実施をする、いわゆる一体型というものを中心とした放課後児童クラブと放課後子供教室の計画的な整備を進めることとしております。この一体型は、放課後児童クラブの児童を含めた全ての児童が放課後子供教室が実施する共通の活動プログラムに参加をいたしましたり、あるいは多様な体験活動、地域のボランティア、異年齢児との交流、多世代交流などが図れるなどのメリットがあると考えております。
 また、一体型の実施、取りあえず以上でございます。済みません。
○山下芳生君 要するに、もう何回聞いてもよく分からないんですよ。(発言する者あり)いや、もう時間がないので、もういいですわ。
 何か所ぐらいありますか、一体型。
○政府参考人(木下賢志君) 失礼いたしました。
 一体型の実施箇所数につきましては、各地域で取組が計画的に図られるよう、文部科学省と共同して今年度、実施の状況の調査を行うことと予定をしておりまして、各自治体から現状を聴取をして、進捗状況を公表するなども検討してまいりたいと考えております。(発言する者あり)
○山下芳生君 今、自民党席の方から、何で、一体型かと聞いているのに答えがないと、的確な御発言がありました。そのとおりなんですよ。私、何回聞いても、何で一体型なのか分からない。
 それで、放課後子ども総合プランで、平成三十一年、二〇一九年、もうあと五年ですよ、までに三十万人の学童保育、放課後児童クラブの受皿を整備する、そのうち一万か所は学校施設を使った一体型を整備するとしているんですよ。そうなりますと、一万か所になりますと、もうほとんどこの一体型で整備するということにならざるを得ないと思うんですね。
 私は、先行して一体型を運営している大阪の自治体の一つで学童保育の関係者の話を伺いました。そこで起こっていることを紹介したいと思うんですが、資料にA市の一体的な運営の状況ということで、まあ大体ぱっと見たら分かるように配っておりますけれども、この自治体では昨年度は二十の小学校区で学童保育と全児童対策の一体的な運営を実施しています。一つの施設の中に学童保育コースと全児童コースがあって、学童保育コースは午後六時半までです。全児童コースは午後五時まで。利用者はどちらかを選択するようになっているわけですが、大阪学童保育連絡協議会がこのやり方、一体運営の問題点を幾つか整理しておりますので紹介します。
 一点目、大規模ルームになる危険性が高いと。全児童は定員がなく誰でも入室できるので、大規模ルームになる危険性が高いと。ここでは二十校で展開されていますが、そのうち十七校で児童数が百名を超えており、四校が二百名前後となっております。私の通っていた学童保育は五十人もいなかったですね、二、三十人だったでしょう、多いところで。そうなると、指導員の目が届く範囲には限界があって、事故などの安全面の心配が高まっている、これが一点。
 二点目、子供たちの関係、居場所づくりが大変になる。全児童は申込みをすれば誰でも月単位で入室できるので、児童の入れ替わりも激しい、日によって増減が大きい。この日は行こうか、この日は行かんとこという、子供が行く日行かぬ日をもう自由に選べるんですね。かつ大規模なので、子供同士、顔や名前さえ覚えられない状況がある。そうした中で子供たちの関係づくりは困難を極め、子供が安心できる居場所を得るのはなかなか難しいんじゃないか。
 三点目、放課後の学校化が進んでいる。教育プログラムの実施が毎日義務付けられていて、宿題や学習プリントなどが終わらないと遊ぶことができない。放課後の学校化、放課後の七時間目が進んでいる。
 それから四点目、学童保育の役割の低下が起こっている。学童保育は、生活の場であり、発達保障の場であり、遊びの場であり、ほっと一息つける居場所としての役割があるわけですが、これが弱まる弊害がある。一人一人の子供たちに関わったり、子供の変化や悩みに気付ける保育の環境が後退している。プログラム至上主義的な面が見られ、子供たちの自主性の尊重、声の反映ができる保育は難しくなっている。余りに人数が多過ぎる、入れ替わりも激しいために、そうせざるを得ない状況があると。
 こんなことが起こっているということですが、有村大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(有村治子君) 今御指摘をいただきました、直接は厚生労働省、文部科学省にお聞きいただくべきお話かというふうに思いますが、一体型というのは予算などで一体にすべきだという声が政治の中でもあったことを私も記憶として覚えております。
 両方のクラブと子供教室の一体型については、放課後子供教室、共通の活動プログラムに参加して、共通のボランティア活動、あるいは異年齢児との交流が図れるなどのメリットもあるというふうには理解をしております。
 当然、一体型の実施においても、市町村が条例で定める基準を満たしていただくこと、また、児童クラブの児童の生活の場としての機能が十分に図られるように厚労省から周知徹底をされているというふうに理解をしておりますが、やはり直接の所管ではありませんが、児童クラブとしての質がしっかり確保されることということは、当然、母親としても政治家としても大臣としても強い関心を持っております。
 冒頭に山下委員がおっしゃったように、生活と遊びということで、学童保育やっとここまで来たかという感慨深いものがあるというのは私も全く同じ思いでございまして、私が何度も現場に行かせていただいたところでは保育園と同じ施設の中で学童がなされていたところもございますけれども、言葉は悪いですが、これが一体日本なのかと思うほどにぎゅうぎゅう詰めになっていて、トイレの数もない、子供が勉強、宿題をしようにも宿題をできるぐらいのスペースもなくて、そこに本当にもう入り乱れていて、これじゃ横になって大の字でごろごろすることもできないという、相当劣悪な状況に押し込まれていたというので、何とかガイドラインを、そして何とかこれを、最低基準なるものをやって、子供の安全、安心を守りたいと思ってきた、私も活動してきた者でございますので、そういう意味では、もっともっと私たちがここに光を当てて、本当に全国の子供たちの、特に、とりわけ共働き家庭の親御さんの安心、子供の安全ということを守られていくように注視していくことは極めて大事なことだと価値観を共有いたします。
○山下芳生君 大変大事な御答弁がありました。
 もう少し、大阪学童保育協のちょっと問題点の指摘をついでに言っておきたいと思うんですが、五番目に、配慮や支援が必要な児童の保育環境が後退するということも言われております。少し障害をお持ちの子供さんたちにとって落ち着いた保育環境が後退してしまう、集団に入れない児童が増えて一人一人の子供へのケアが弱まってしまう、結果的に子供が通所を嫌がり、困る親も出ているということ。
 六点目、全児童が学童保育の代替品として使われていると。本来、全児童を利用している保護者の約九割の方も実際は就労家庭なんですね。本当は学童保育のコースに預けたいんだけれども、費用がそっちの方はかなり高いので、全児童の方を選んでいるという保護者も少なくない。したがって、学童保育の実質的な待機児童を多く生み出しているということが生まれている。
 七番目、子供たちが我慢する状況をつくり出している、子供たちへの格差の持込みがあると。コースによって子供たちの対応が違うんですね。どうせ僕は全児童コースだからと。おやつがないんですよ。食べたいけれども、我慢しなければならない。まだみんなと一緒に遊びたいけれども、五時になったから帰らなければならない。これ、つらいですよ、子供たちは。そういうことが起こっていると。
 こういう矛盾が起こっているわけで、大臣、もういろんな現場にこれまでも行かれて、学童保育のしっかりした基準作りにも貢献されたということですが、これ是非、一体型がこれからうんと推進されようとしているときに、本当にそれでいいのかと。もう現に先行実施している現場を是非見ていただきたい。そして、政府としてちゃんと調査をして、分析をして、こういう事態が起こらないようにするにはどうしたらいいのか、ちゃんと対策取るべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(有村治子君) 真摯な問題提起を伺っております。
 先ほど申し上げましたように、大変恐縮ですが、これ、直接的には文部科学省と厚生労働省さんがお進めになっておられることですので、しっかりやっていただきたいというふうに思っておりますが、やはり現場に行ってみて、一方で、おやつを食べられる子と、そして食べられない子があるということは何の違いがあるというのはそのお子さん当事者には分からない。部屋を分けるなど、あるいは時間帯を分けるなどというふうに現場では御労苦していらっしゃるところも当然把握しておりますけれども、そこは私ども、今回、放課後児童クラブのみについては国が定めた基準ということで、子ども・子育て支援新制度で財政的には見ていきますけれども、内容に関しては、両者の中で本当にその現実が、一体化のメリット、デメリットを検討して、そしてその判断がいいかどうかということを引き続き現場に足しげく運んでいただいてやっていただきたいと、私の方からも両省に大事な問題提起があったことを改めてお伝えさせていただきたいと思います。
○山下芳生君 もう時間が来たので終わりますが、大阪の守口市は、一度、一体的な運用に踏み出したんですが、いろんな問題が起こったということで、親御さんの方から学童をちゃんと確立してほしいという運動があって、結局、学童をきっちり位置付けたんですよ。で、全児童にも専任の担当者も配置した。それぞれしっかり位置付くようにした結果、学童の子供たちはかなり毎日いろんな遊び、集団でやっていますから、全児童の方の子供たちが何か企画するときに、学童の子は行ってリーダー的な役割を果たす。
 やっぱり、それぞれちゃんとやりながら相乗的な効果を発揮できるようにするのが本来の一体的な運用であるべきで、ごちゃ混ぜにしたら大変なことになるということを指摘して、終わります。
    ─────────────
○委員長(大島九州男君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、浜野喜史君が委員を辞任され、その補欠として蓮舫君が選任されました。
    ─────────────
○井上義行君 日本を元気にする会の井上義行でございます。
 通告した質問を順番をちょっと変えていきたいというふうに思うんですが、まず、中国の経済についてお伺いしたいというふうに思っております。
 おととい、五月十二日に財政諮問会議の民間議員が論点整理を出したと思うんですが、私も経済再生なくして財政再建はないという考えでございますけれども、やはり、こうした改革の中で経済成長を遂げていくときに、やはり世界経済というのは非常に大きな要素があるんだろうというふうに思っております。それは、今の企業というのは国内というよりもやはり海外でお金を稼いでいるということもございますので、やはりこの世界の経済は我が国の成長にも大きく影響があるんだろうというふうに思っております。
 この中で名目三%を目指していくわけですが、その中で中国経済が最近減速傾向にあると。いろいろその中国の方、企業とかあるいは民間人、あるいは様々なことを聞いていると、一方で、バブルが崩壊をして不動産とか非常に落ち込みが激しいと言う人もいれば、いや、個人消費はまだまだあって、たくさんの個人の消費があるから多少減速はしてもまあ持ちこたえているということがある。いろいろ聞くと、原則的には皆さん一致していますけれども、この落ち込みの仕方が随分その人によって違うということが非常によく分かるんですが。
 そこで、政府が中国経済についてどういう見方をしているのか、分析をしているのかをまず甘利大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 結論から申し上げますと、確かに一時の勢いということにはならなくて減速はしているけれども、ソフトランディングに向けて中国政府を挙げて取り組んでいるし、それが期待できるのではないかというふうに思っているわけであります。
 具体的に申し上げますと、中国の二〇一五年一―三月期の実質GDP成長率は前年比で七・〇%となりまして、景気の拡大テンポは一段と緩やかになっているところであります。政府の政策によるインフラ投資等が景気を下支えしている一方で、不動産投資の減速であるとかあるいは生産の鈍化等が成長率を下押ししている原因だというふうに思っております。
 中国政府は、今年の成長目標を七%としておりまして、中期的に健全な発展のために過剰設備であるとかあるいは過剰信用への対応を進める一方で、財政、金融におきまして景気に配慮したいわゆる微調整の策を実施しているところであります。
 先行きにつきましては、こうした政策運営が円滑に進んでいけば、景気の緩やかな拡大傾向が続いてソフトランディングをすることが期待をされるわけであります。不動産価格の鈍化が実体経済や金融市場に与える影響等、景気の下振れリスクに引き続き注視をしていくことが必要というふうに思っています。
○井上義行君 そこで、こういうときにはやはり中国の減速が、最悪のケースとかあるいは伸びるケース、いろいろあると思うんですが、最悪のケースの場合、この中で言っている名目三%、これは、もし中国の経済が落ち込みが非常に激しくなったという場合に、こうした名目三%の目標というのは変わっていくんでしょうか。それとも、何らかの政府の政策が、いや、そういう最悪のケースも計算をしながらしっかりと改革をしていけばこの名目三%は達成できるというふうに思っているのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 貿易額でいいますと、日本の一番の貿易相手国は今、中国になっているわけであります。経済規模でいえば世界の二番目の経済規模の国でありますから、最悪というのはどの辺の程度までを指すのかという議論もあると思いますけれども、中国経済が日本だけじゃなくて世界経済に与える影響はかなりあるというふうに思います。
 中国政府は、最悪の事態は当然避けるための手は打っているわけでありますし、今、中国の経済統計も、どこまで正確なのかという議論も時々出てくるわけでありますけれども、これを受けて、李克強総理は、鉄道輸送であるとか金融の数値であるとか電力消費等々を使って、いわゆる李克強指数、より中国経済を正確に捉えていく数値を発表されているところであります。それを受けて中国政府が適切な対応を当然取ってくるものと思いますから、最悪のケースは避けられるのではないかというふうに思っております。
 中国の景気減速の度合いが世界経済や日本経済に与える影響は当然あると思いますから、中国当局がそれを踏まえて適切な経済運営、財政運営、金融運営をしてくれることを期待をしたいと思います。
○井上義行君 是非、こうした成長戦略の中で、やはりこうした中国の経済の影響を受けないようなしっかりとした経済政策をつくっていただきたいというふうに思っております。
 次に、介護の税制控除の現状についてお伺いをしたいと思うんですが。
 私、医療控除というのは比較的我々もよく使うものでございまして、私の父親が寝たきりになったときにはまだ介護制度というものはなかったので、こうした介護による税制控除というのは私の頭にはなかったんですが、よくよく調べてみると、最高二百万まで税制控除が受けられるということでございますけれども、果たして多くの国民がこういう制度を知っているのかということになると、私はまだまだその制度を知っている人は少ないんじゃないかというふうに思いますが、こうした介護の税制控除の周知の広報の在り方について、事務方から、国税庁の方から御説明願いたいと思います。
○政府参考人(藤田博一君) お答えいたします。
 所得税法上、医療費控除の対象となる医療費は、医師による診療、医薬品の購入、医療等に関連する人的役務の提供の対価等とされております。今御指摘がありましたように、介護保険制度の下で提供される一定の施設サービス、居宅サービスの対価につきましては医療費控除の対象となります。ただし、施設サービスの対価のうち、例えば散髪代など日常生活においても通常必要となる費用や特別なサービスに係る費用ですとか、居宅サービスの対価のうち、調理、洗濯、掃除等の家事の援助といった生活援助中心型の訪問介護などの一定の福祉系居宅サービスに係る費用、この二つにつきましては医療費控除の対象となりません。
 なお、これらの取扱いにつきましては、国税庁ホームページや医療費控除専用のパンフレットをお配りすることなどによってその広報に努めているところでございます。
○井上義行君 私も経験があるんですけど、父親が入院をしているときに、洗濯物とか物すごい体力使うんですよね。いわゆるシーツであるとかあるいはタオルケットとか、家庭で子供を持って、そして生活をして、それでもやはり結構大変なんですね。その上にプラス介護ということになると、かなり負担というのが大きいと。
 やはり、介護というのは、自助、共助、そして公助という形で、まず自分たちでできることは自分たちでやっていくんですが、それでもやはり子供たちあるいは兄弟の負担というのが大きくなってきますので、やはりこうした生活の援助というんですか、これが税金から控除できない今仕組みになっておりまして、やはりこうした生活援助的なものも一部認めたらどうかというふうに思っておりまして、今後、財政諮問会議の社会保障の一体改革の中で話し合われるかもしれませんが、やはりこうした、いろんな社会保障の削減というものがありますが、一方で、その人たちの負担を軽減していくのもやはり政治の務めだというふうに思っております。
 そこで、甘利大臣、こうした今介護の税制控除の対象外になっているこれをやはりもうちょっと拡大したらどうかなというふうに思っておりますが、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 御指摘の現在介護保険制度の下で提供される施設・居宅サービスの対価について、一定のものはいわゆる医療費控除の対象となっているわけであります。ただし、施設サービスのうち、散髪代など日常生活においても通常必要となる費用であるとか特別なサービスに係る費用、あるいは居宅サービスのうち生活援助中心型の訪問介護などに係る費用については医療費控除の対象となっていないわけであります。
 医療費控除は、疾病によりまして一般的な家計負担水準を上回って偶発的に支出を余儀なくされる場合の負担軽減を図るものでありまして、こうした趣旨に照らして、介護保険サービスのうち医療に関係するものについて医療費控除の対象として認められるものであります。
 御指摘の介護費用に係る所得控除の拡大につきましては、介護保険制度の実施状況等も踏まえつつ、その必要性も含め所管官庁において検討されるべきものと考えております。いわゆる現状の医療費控除は、医療との関わりが遠くなればなるほど対象になっていかないと。しかし、介護という別のカテゴリーというか考え方でどうするか。それは、申し上げましたとおり、所管官庁において検討をしていくべきものであるというふうに思っております。
○井上義行君 そこで、やはり社会保障、あるいは介護の問題もそうなんですが、そろそろ、やはり我々でできることというのは何なんだろうかと。決算委員会で甘利大臣と同居減税について話をいたしました。私は、三世代で暮らせる社会をつくっていくことによって、やはり自分たちでできることは自分たちでできるようになると。
 確かに、消費税の話、税金で皆さんから取って、それを控除という形で変えていくというやり方もありますが、やはり家族は一緒に暮らしながらお互いに助け合って、それでもできなかったら地域が支え、そして国が支えていくというような順番が私は必要じゃないかなというふうに思います。家族の暮らし方を国がこうしろと言うのはなかなか難しいというふうに私も思いますが、ただ、そろそろ国民にも正直に、財政の逼迫の中で我々ができることは何なんだろうということをやはり問いかける必要があるのではないかというふうに思います。
 そこで、前回決算委員会で同居減税については甘利大臣の方から頭の体操をしようということをいただいておりますが、もう一つ、例えば相続の問題で、今の相続では平等という形で、遺言書があればまた別ですけれども、やはり法律的な形で、例えば親をずっと介護して見てきた、そういうような子供やあるいは兄弟には優先的に相続が行き渡るような形は取れないのかなと。昔は家督制度というのがありましたけれども、長男優先とかいうことはありましたけれども、こうした親を一生懸命支えてきた子供に対して、あるいは兄弟に対してこうした相続税の改正を、何かそういう、頭の体操でも結構ですから、やはりこういうことが検討できないかなというふうに思いますが、甘利大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 先般の決算委員会でも申し上げましたとおり、子育て世代のうち、親が近所あるいは同居をして子育てや家事を一緒に手伝ってくれたらいいなと思う子育て世代は過半数を上回っていると。親の方でもそういう要求があれば一緒に住みたいという人は同等以上の数だというふうに思っておるわけであります。
 今後、家族の在り方であるとか働き方に関する国民の考え方を十分に踏まえまして、三世代同居を希望する者が実際に希望を実現できるような環境整備を図るという観点から、税制を含め支援の在り方について検討されるということが適切であるというふうに考えております。これは、広範にその在り方とそれを進める環境整備というのが議論をされてしかるべきだというふうに思います。
 なお、同居する場合の相続税等、いろいろ委員から問題提起がなされていると承知しておりますけれども、税制でかつてから小規模宅地の特例を設けておりまして、これは控除率を引き上げてきました、面積も引き上げてきました。これは、一緒に同居をするとか家計を一緒にしていくということをどちらか前提要件としておりますから、言ってみれば間接的にそういう環境づくりに資するものになっているのではないかと思いますが。これから先、更に充実していくことについては広範な議論が必要かというふうに思っております。
○井上義行君 是非、新しい考え方でこうした社会保障あるいは子育て、様々な税制の面からもバックアップをしていただきたいというふうに思っております。
 そこで、やはり環境をつくっていくためには、住む場所が、三世代同居という形の住宅というのはやはり私も支援をしたいというふうに思っておりますが、国交省、三世代の住宅の政策についてはどのようになっていますでしょうか。
○政府参考人(海堀安喜君) お答えさせていただきます。
 少子高齢化の中で高齢期に子供世帯と同居したい、また子育て世代が親世帯と同居したいというニーズがあります。これを住宅政策としてしっかりと対応していくことは重要だと考えております。
 持家につきましては、従来、住宅ローン減税やフラット35、これは固定の長期の融資でございますが、これは広い住宅を対象としておりませんでした。しかし、平成十一年には住宅ローン減税の面積上限を、平成十七年にはフラット35の面積上限を撤廃させていただきました。これによりまして、三世代同居が可能な広い住宅についても取得しやすくなっております。
 また、賃貸住宅の代表例であります公営住宅については、面積の上限八十平米としておりましたが、これにつきましても平成二十一年度に撤廃をさせていただきまして、広い住宅も整備できるようにしております。なお、東京都の都営住宅では、六十五歳以上の親世帯と子供世帯が同居を希望する場合、通常の当選倍率の五倍優遇するというような配慮が行われております。
 こうした取組によりまして、国民の多様な居住ニーズに応じた住宅の確保を促進しまして、豊かな住生活の実現に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○井上義行君 そこで、家族あるいは子育ての観点から、有村大臣、私も鍵っ子で、やはり家に帰ると親がいなかったというのはすごく寂しい思いがあって、決算委員会でも申し上げたんですが、やはり私はこの三世代という暮らしが、今、共産党の山下先生の方からも学童の話がありましたけれども、もし自分の親が、おじいちゃん、おばあちゃんがいることによって、やはりそこはちゃんと、きちんとそれが対処できるわけですね。こうした家族の暮らし方、私は三世代を推進をしたいという観点でございまして、やはり子育ての面からも、こうしたおじいちゃん、おばあちゃん、一緒に暮らすことによってまた地域もできてきますし、あるいは介護を通じてやはりおじいちゃん、おばあちゃんを大切にするという心も築きますし、あるいは家族のきずなというのも余計深まるというふうに思います。
 是非、こうした観点から、有村大臣の、三世代の同居についてどう考えるのかお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(有村治子君) お答えいたします。
 鍵っ子が一番求めるのは、先ほど山下委員の御質問にもありました、ただいまと言って、お帰りと言ってくれるあの交流が必要なんだと思います。
 甘利大臣から御答弁ありましたように、内閣府が平成二十五年度に行いました家族と地域における子育てに関する意識調査においても、親世代、祖父母と同居又は祖父母と近居を理想の家族の住まい方であるとしている方は半数以上になっています。
 そういう意味では、同居、近居などによって家族が支え合いながら子や孫を育てること、介護を現実の問題として解決をしていくことは重要であるというふうに考えております。
 この度、三月に……
○委員長(大島九州男君) 時間ですので、簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(有村治子君) 御指示に従います。
 閣議決定をしました少子化社会大綱においても、三世代同居、近居を希望する方が可能になるように優遇政策を検討してほしいということを明記いたしましたので、関係省庁と引き続き連携をして、国交省ともその実現可能性を探っていきたいというふうに考えております。
 以上です。
○井上義行君 終わります。
○江口克彦君 次世代の江口克彦であります。
 石破大臣とはもう度々いろいろとお話をさせていただいておりますけれども、私は、二十年も三十年も前から、このまま行けば日本は衰退する、そのためにも、させないためにも地方を元気にするということが大事ではないか、地方を元気にさせることが日本を元気にさせることなんだというようなことをずっと訴えてきたわけでございますけれども、まず、我が国の地方分権改革の進め方、それからその現状、それにつきましてどのように認識をされておられるのか、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 委員のお考えは私が代議士になった二十九年ぐらい前からずっと拝読もさせていただき、いろんな御教示をいただいてきたところであります。
 私は、やはり国というのは、中央政府というのは、外交、安全保障、それから教育の基本、財政、通貨政策、そういうものに特化すべきではないかと思っております。そうであれば、なるたけ地方に権限も財源も人材も移していくべきだという、基本的にそのような考え方を持っております。
 それから、地域のことは地域が一番よく分かっているのであって、これを道州制というやり方を取るか、あるいは今の都道府県、市町村という基礎自治体を大事にするかということは、別に二律背反だとは私は思いませんが、道州制ができなければ全然駄目だというお話ではなくて、今の都道府県が果たすべきコーディネートの役割、そして基礎自治体が基礎自治体のことは一番よく知っているということで、なるたけ権限あるいは財源も移していきたい。そのときに、これは総務省を中心に議論されることだと思いますが、結果平等を志向している今の交付税の在り方というのは、本当に今のままでいいだろうかという議論は多分セットになるんだろうと思っています。
 総論としては権限は地方に渡すべきですが、問題は財源をどのような形で具体的に仕組んでいくかということがポイントだというふうに私自身認識をしております。
○江口克彦君 今の大臣のお話、非常に的確なお話をされたと思うんですけれども、そういう意味においては、いわゆる地方分権改革という言葉自体に私は偏りがあるんじゃないかというふうに思うんですね。もしこれから、財源ということを言われましたけれども、そういう意味では、地方分権財改革という、分権改革ではなくて分権財改革というふうに言わなくては、財源も地方に渡すという、権限だけ、仕事だけ渡してお金は渡さないというようなことではなくて、権限を渡したら財源も渡しますよと。そういう意味で、この地方分権という名称を地方分権財改革というふうに改めていただくのも一つ大事な考え方ではないだろうかというふうに思っております。これはまあ私の意見として大臣にお伝えさせていただきたいと思います。
 先日の予算委員会におきましては、大臣も出ていただいたんですけれども、非常に、私どもの党が制限時間ということで、もっと大臣とお話ししたかったんですけれども、時間がなかったものですから、誠に申し訳なかったというふうに思っております。
 その折、安倍総理にもお尋ねしましたけれども、重ねて大臣にもお尋ねをしたいというふうに思うんですけれども、従来の地方再生、今まで地方再生、地方再生という言葉を随分使ってきました。私も使ってきました。しかし、安倍内閣は、そして石破大臣は、地方創生ということで全く再生とは違った言葉を使われているわけでありますけれども、なぜ地方再生ではなく地方創生という言葉を使われたのか、その理由をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 私ども言葉の遊びをするつもりは全くございませんが、私ども地方で育った人間からいたしますと、地方が元気だった一時期は間違いなくあったと思うんです。昭和四十年代の半ばから昭和五十年代にかけて、私、全国あちらこちらを回りますときにその県の戦後から今日に至るまでの人口推移のグラフというのを必ず持っていくんですけれども、まだ新幹線も東海道新幹線しかない、高速といえば東名と名神しかない時代に、昭和四十年代の半ばから五十年代にかけて、ほとんどの地域が人口が増えた十年間がある。私の地元の鳥取市を考えても、駅前は大にぎわいで、観光客がわんさかやってきて、シャッター通りなんてどこにもなく、農山漁村も元気であったというのが、同じ経験をお持ちの方も多いんだろうと思います。
 その時期に地方を支えたものは何であったかと考えると、一つは間違いなく公共事業だと思います。多くの道路が整備をされ、公共下水道が整備をされ、そしてもう一つは白物家電を中心とする電機産業、もう一つは自動車。同じものをたくさん安くつくるという、そういうビジネスモデルが日本国中に展開をして、多くの所得と雇用があった。
 それと同じことをもう一回今できるかというと、いろんな事情があってそれはまず難しいと言わざるを得ない。必要な公共事業はやる、必要な企業誘致もやるが、かつてと同じやり方で雇用と所得を創出することは難しかろうと。
 さすれば、今まで公共事業があるもんね、企業誘致があるもんねということで、必ずしもその持てる潜在力を最大限に引き出してこなかった第一次産業あるいはサービス業、そういうものの生産性は明らかにOECDの国と比較しても決して高いとは言えない。そこの潜在力を最大限引き出して、地方の新しい姿をつくることはできないだろうか。そこにおいて広域連携が行われ、そして民の持っている力を最大限に活用するというやり方ができないだろうか。そういう取組は今までの地方の活性化策からやや視点として落ちていたのではないか、そういうつもりで創生という言葉を使わせていただいております。
○江口克彦君 その辺の認識は、大臣と私はちょっと異にしているということですね。それはやっぱり、これから第一次産業と第三次産業、これにポイントを置いてこの日本の国を考えていく、あるいはまた産業を考えていくって、これはこれで一つの方向だと思います。また、大事なポイントだと思います。
 さはさりながら、やっぱり新しい技術というものがどんどんどんどん生まれてきているわけですよ。そういうようなことを考えると、もう公共事業とそれと第一次産業、第三次産業で新しい、あるいはまた創生という言葉を使うのは、いささか私、私も言葉遊びをするつもりはございませんけれども、でも、それはやはり私は少し控えめなお考えではないだろうかというふうに思うということですね。
 それで、この間、予算委員会で、総理が私の質問に対して、次元の異なるものを想定しているという、それが地方創生なんだと。創生という言葉は次元の異なることを言っているんだというふうなことを言われました。私は、総理のその言葉は誠にこれまた的確だと思っているんです。
 というのは、今、様々な事業、産業が起こっているわけでありますけれども、でも、それは確かに、家電なんかはもうどこかへ行っちゃったわけですね。あるいはまた、ほかの言ってみれば軽い産業は外に行っちゃうというような状況でありますけれども、それに代わって、日本でしかできないという技術というものが次々に生まれてきているわけですよ。前々から申し上げているように、BNCTもそうですし、それからまたMRJとかホンダジェットだとか、新素材でいえばエバールとか、これはもう日本の技術でしかできないという、そういう代物ばかりなんですよね。
 そういうようなことを考えると、第一次産業と第三次産業ということも必要でしょうけれども、そういう新しい技術、予算委員会でも私申し上げましたけど、これから六つか七つ新しい技術、事業のベクトルがあるわけで、その新しい事業ベクトルを伸ばしていくという、そういうことを政府としても考えていかないと、いわゆるそういうものはもうのけておいてということではないでしょうけど、一次産業と三次産業でこれで何とかというもし大臣がお考えであるとするならば、日本は、これはなかなか将来の明るい経済的な回復あるいはまた経済的発展は、一時的にはできたとしても長期的にはできないですよ。
 いかがですか、この考え方。
○国務大臣(石破茂君) 済みません、私の言い方が足りなかったのかもしれません。
 委員のその問題意識、同じものを私も持っております。MRJも確かにそのとおりです。あるいは、MRJのみならず新しいボーイングの旅客機の開発にも日本企業がいかに参画するかということも極めて重要ですし、一昔前は胃カメラのむといったらもう七転八倒の苦しみでしたが、今、胃カメラって簡単にのめるようになりました。某々オリンパスという会社が胃カメラを作っているわけですが、それの九割は東北三県で作られているということもございましょう。
 あるいは、これも衆議院で民主党の渡辺周議員から御指摘をいただいたことですが、島根県の大田市にある中村ブレイスという、その人に本当にぴったり合った人工の手とか足とかあるいは胸の膨らみとか、そういうものを作る会社というのは、世界中から注文が殺到するという会社、物づくりです。あるいは大分県の医薬品産業もございます。そういうように、その地域でなければできない、日本でなければできないというものは最大限伸ばしていかねばなりません。そこに雇用と所得が生まれるはずでございます。
 私が申し上げたのは、委員がおっしゃいますように、同じものをたくさん安くつくるというモデルは難しかろうと。そこにおいて多くの雇用を吸収するということは、ロボット化の進展もあって、かつてと同じものは難しい。そうであれば、世界最先端のものをどうやって伸ばしていくかということについてはよく配意をしていかねばなりませんし、国としてどのような支援をするべきかということをまた御教示を賜りたいと存じます。
○江口克彦君 確かに人手が必要な大規模産業というか、いわゆる統一規格のそういう製品を大量に生産する、人手が要るという時代はこれは終わったと思うんですね。しかし、それは、幸いなことに人口が減ってきているわけですから、ちょうど私としてはタイミングがいいだろうと。それに、大臣が今おっしゃったロボットとか、これがもう異常に発達するというふうに私は、日本では、思っているわけですけれども、そういう観点からしても、一次産業、三次産業じゃなくて、そういう新しい技術というようなことも大臣としては御自分として考えておられるということでしたけれども。
 しかし、大臣がいつも口にされるいわゆる地方からの手挙げ方式というのは、そういう高度な技術ということになってくると思い付かないという面が私はあるというふうに思うんですね。なかなか、例えば九州に行って講演をしたりすると、BNCTなんて全然知らないということですよ。それから、北海道に行って、私のプライベートスクールがありますけれども、そこへ行ってMRJと言ったって何言ってるのという感じですからね。
 ですから、そういうようなことを考えると、やっぱり地方の方からあれやこれやということで、私はこの地方創生については短期と長期を考えなきゃいけないと思うんですよ。短期はすぐに効果が現れるもの、そういう意味においては必要なことだと思うんですね。だから、例えばプレミアム商品券だとか、結婚を取り持った仲人に五万円の報奨金とか、四十歳以下の移住者にポイントカードを配布するとか、ふるさと納税を促進するとかというようなことも、短期的に見ればこれはこれでカンフル剤として効果があると思うんです。
 だけど、これが永続化するかどうかということは、過去もう二十年、三十年私見てきた限りにおいては、ほとんど長続きしていないんですね。一つのアイデアとしては面白い、面白いけれども、しかしそれはそれで一過性のものになって、結局は今の日本になってしまう。そういう意味では、長期的なものも地方創生の中に組み入れていただくということも考えていかなければならないのではないか。そのためには、短期的なものは、地方が自ら考え自ら行うことが大事と先ほど言われましたけど、それはできると思うんですよ。だけど、長期的な、日本全体を元気にするということになってくると、やっぱりこういうものがありますよと。
 BNCTなんということは九州辺りの人は知らないわけですね。MRJといったって北海道の人は知らないわけですよ、当然のことながらね。それはそれで、その地域の、その場所場所の人は知っていますよ。取り組んでいるところは知っていますよね。それから、痛くない針なんかも、あれなんかもありますでしょう。だから、そういうようなところは、だけど、その一か所だけじゃなくて、全国各地域地域にそういうものを分散させて、大量に世界に輸出する、供出していくというようなそういうことを考えていかないと、いわゆる地方創生というものが私はまたぞろ一過性に終わってしまうんじゃないか。ふるさと納税なんというのは、これどうなんですかねというふうに思うわけですよ。それから、また箱物で公文書館を造るとかというようなことをやっておられるところもあるわけですけれども。
 そういう意味では、大臣の方から、例えば長期的なアイデアとしてはこういうものがあるよ、こういうふうなものをおたくの地方には考えてもいいよねという提案は、例えば鳥取にBNCT造るだけで、これはアジアからのメディカルツーリズムが起こるわけですよね。それを一基置く、あるいはまた二基置くというだけで、一基三十億ですから、だからそれを三基置くというだけで、百億以内で鳥取はBNCTの。だけど、BNCT三基だけでは日本全体、世界に間に合わないわけですから、そうすると全国に五十基置くとか、それだけじゃなくて海外にも輸出するとかというような、そういうようなことを大臣が、言ってみれば、昔、井戸がかたかたかたかた出なくなると、誘い水というのがあったんですね。それで、水をバケツに入れて、それで井戸の水がうまく揚がってくるというような、そういう仕掛けでそういうようなことをやっていたわけですけれども、これは地方創生でも同じことだと思うんですよ。
 だから、手を挙げろ手を挙げろといったって、大臣、これ、こういう大きなアイデアというものを地方に手を挙げろ挙げろといっても、アイデアすらも浮かばない。と同時に、今、急に地方が考えて、地方が手を挙げて、地方が提案しなさい、地方でやりなさい。これはちょっと、中央集権という国柄で、いつもいつも国が、あれをやりなさい、これをやりなさい、これをやりなさい、あれをやりなさい、こうした方がいいですよ、ああした方がいいですよといってずっと今までやってきた。やってきた中で急に、要するに、国がピッチャー、いわゆるマウンドに立ってボールを投げていたわけですよ。地方はキャッチャーで、座ってボールを受けていたばっかりですよ、ほとんどね。そういうような状況であったところに、急にキャッチャーだったおまえがピッチャーでマウンドに立ってボールを投げろといったって、それはちょっとかわいそうだという気がするわけですよ。
 だから、そういう意味においては、やっぱり大臣からの、日本の一次産業も三次産業もだけれども、二次産業というか、これからの新しい事業というのは、技術というのはいっぱい日本は抱えているわけですから、だから、そういうようなものを地方に、例えば例えば例えばということで、大臣、もしおまえ回ってこいというんだったら私回ってきますよ。是非そういう、一次産業、三次産業という発想だけじゃなく、そして、新しいこれからの日本がいっぱい持っている日本独特の技術というようなもの、それに基づいて起こされる事業によって日本を長期的に活性化させることができるんだというような、そういうお考えを是非持っていただきたいなということで、これはもう御提案ということでお話をさせていただきます。
 それから、そういう意味で、長期的に日本を発展させるということですけれども、地方を百年元気にする地方創生案、百年地方を元気にする地方創生案というような、そういうキャッチフレーズというようなもので、もっと地方が元気になるような、そういう具体的な案を次々に立てていく必要が私はあるんじゃないか。
 そういう意味で、前々から申し上げていますけど、大臣は私の本をお読みいただいているということですからお分かりになると思いますけれども、ポリセントリック構想というのはあるわけですよ。要するに、多極の、多数の拠点を地方につくっていくという構想。そういう意味で、やっぱり一か所だけを繁栄、発展させるということ、そのブロックの一か所だけじゃなくてブロック全体を特色を持った拠点づくりをしていくというような、そういうポリセントリック構想というようなものもやっぱりこの地方創生の中に取り入れていかないと、本当に地方は大変ですよね。
 この間も私、秋田の大館市に行きました。もうほとんどシャッターで閉まっていますよね。私は三十年前に、鳥取市の、前のあそこに大きな書店さんがありましたよね。物すごく鳥取の駅前というのは大変なにぎわいだったわけですよ。たくさんの人たちが歩いて、いかにもこの町は発展しているな、鳥取あるいはまた米子も発展しているなというような思いでしたけれども、だけれども、それは今、地方は泣いていますよ。
 先生方は、みんな地方から出てきているわけですよ。地方の方々から選ばれて、やっぱり選挙区は地方なんですよ。ということは、日本の国というものが、地方の力によって、総合力によって日本が成り立っていくんだということをもっともっと真剣に考えていただいて、大臣だけじゃなくて国会議員全員の方々が、一人一人がもっと地方の活性化ということに力を入れるというか、そういう思いというものを持っていただきたいというふうに私は強く思っています。
 それともう一つ、最後ですけど、本社機能を移転すると減税措置があるというようなことになりましたけれども、これは私の経験から、本社機能って、本社を移したり本社機能を移したりするというのは非常に難しいんですよ、なかなか経営的に難しい。そういう意味で、工場とか支社とか、あるいはまた支店を新設するということに対して減免措置を取った方が会社は分散しやすいんですね。そういう意味で、ブランチ移転推進策みたいなものをお考えいただけないかということを御質問して、終わらせていただきます。
○委員長(大島九州男君) 大臣、時間ですので簡潔にお願いします。
○国務大臣(石破茂君) 一番最後の御指摘は、これは支社の拡充であっても全く構いません。要は、本社の機能なるものを支社において拡充をしていただくという形であれば、支社を拡充することであっても今回の税制の対象たり得るものでございます。
 工場は今までの税制で対応しますので、今まで工場しか対応していなかったものを、企画ですとか総務ですとか、そういういわゆる本社機能と言われているものを地方に移すということで、工場以外のものも今回の税制に取り込んだものでございます。
 それから、前段の御指摘につきましては、これはもうまさしく、各党おいででございますが、例えば我が党においては、地方創生本部というものを自民党でつくり、河村建夫代議士が本部長となりということで、それぞれの選挙区で、まさしくどうなんだということを有り難く御指摘いただいているのに、大臣だけがひっくり返って騒いでもどうなるものでもございません。それぞれの地域がどれだけ良くなるか、それは民主党さんにおかれてもあるいは次世代の党さんにおかれても、自民党、公明党として一生懸命取り組んでおるところでありますが、あらゆる政党におきましてお力添えを賜り、足らざる点を御指摘いただきたいと存じます。
○江口克彦君 ありがとうございました。
○山本太郎君 生活の党と山本太郎となかまたち共同代表、山本太郎です。
 高校生と生活保護の視点から、子供の貧困に関する質疑をいたします。お伝えしたいこと、お聞きしたいこと、たくさんございます。答弁者の皆様には簡潔にお答えいただきますようお願いいたします。
 皆様にお配りしている資料の一枚目、御覧いただきたいと思います。同じものをフリップで用意しております。(資料提示)厚生労働省、平成二十五年国民生活基礎調査をグラフにしたものです。これは何のグラフかお分かりになりますか。皆さん御存じのとおり、日本の貧困率の推移でございます。
 我が国では、一人当たりの収入、年百二十二万円未満が貧困ということになっています。月収に直すと十万円以下、これが年々悪化しています。平成二十四年には一六・一%になりました。子供の貧困率は全体より悪く、一六・三%。いずれも過去最悪です。一六・三%ということは、六人に一人、四十人学級だと六人から七人は貧困な子供がいるということです。母子家庭等の一人親世帯の貧困率は五四・六%、半分を大きく超えています。先進国と言われるOECD加盟国中、最低、最悪ということです。これ、本当にゆゆしき事態だと思います。有村大臣、どのようにお考えですか。短く一言でお願いいたします。
○国務大臣(有村治子君) お答えいたします。
 御指摘いただきました相対的貧困率、相対的な貧困とされる境界線となる金額はその国の全体的な所得の水準、分布によって引っ張られるために、おのずからこの指標ですと諸外国に比べて日本の子供や一人親家庭の貧困が絶対的に高くなってきますので、絶対的に比べて物理的に日本の子供たちが、貧困がほかの国の子供よりも厳しいというわけでは必ずしもないということには留意をしなければなりません。さはさりながら、子供の貧困という今日的課題に直視して、世代間で貧困の連鎖がないようにやっていくことは極めて大事だと思っております。
 短くということですので結論だけを申し上げますと、これまで必ずしも十分に行われてきたとは言えない子供の貧困に関する実態調査、これは今年初めてしっかりと調査を本格的にしていくという予算を取らせていただきました。厚労と内閣府、我が方でどのような指標があるのか、その指標を改善した先に本当に子供の現場にとって改善策が図られるのかということを精緻に研究をして、そして、今回立ち上げました子供の未来応援国民運動発起人集会で決議をしていただいた趣意書に基づいて、しっかりとお金とそしてお金以外の支援が行くように実行を今年進めてまいります。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 短くと言いましたけれども、今のお言葉を聞けるんだったら本当に有り難かったです。とにかく調査がなければ実態が分からない、調査は絶対にしなきゃいけないんだということを力強くおっしゃっていただいたと思います。
 子供の貧困の何が問題か、皆さん御存じのとおり、貧困の連鎖という言葉があります。例えば、生活保護家庭で育った子供たち、進学、就職の機会に恵まれず、大人になって生活保護を利用せざるを得ないといった事態に追い込まれると。
 一般世帯と生活保護世帯の高校等進学率、大学等進学率、それぞれどうなっていますか。
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 議員御質問の数字でございますが、平成二十五年四月のものが、公表されているものがあって、最新でございますので、その数字でお答えさせていただきます。
 平成二十五年四月の高等学校等進学率でございますが、生活保護世帯で九〇・八%、一般世帯で九八・六%でございます。また、専修学校等を含む大学等進学率でございますけれども、生活保護世帯で三二・九%、一般世帯で七三・三%となっております。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 高校の進学率というところでは八%ぐらいの開きなんですけれども、これ大学の進学率ということになると四〇%以上の格差になってしまうと。今の日本、いい悪いは別にしまして、やっぱり学歴社会なんですよね。いい高校、いい大学に入れないと給料の高いいい会社に入れません。高校を留年しただけでなく中退までしました、中卒資格しかない私が言うんですから間違いございません。
 生活保護家庭の子供が大学に進学したいと考えたときに、現行の生活保護制度上、予備校や進学塾代、大学の入学試験料や入学金等を給付する仕組み、ありますか。
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 最低限度の生活を保障するという生活保護法の趣旨からいたしますと、高等学校等卒業後は就学によって得られた技能や知識の活用を図るべきであるということから、生活保護を受けながらの大学への進学は認めておりません。したがいまして、生活保護制度におきまして、議員御指摘になりました予備校代や模擬試験代、受験料、大学入学金等、大学への進学のための給付は行っておりません。
 一方で、生活保護世帯の高校生が卒業後世帯から分離して大学に進学することは認めておりまして、大学への進学後、希望される場合には、本人のアルバイトの収入のうち大学進学のために事前に必要となる経費に充てる分を収入として認定せず、預貯金することを認めております。また、保護費を含む世帯全体の収入のやりくりによりまして大学進学のために事前に必要となる経費に充てる分を預貯金することを認めております。そうしたことによりまして、保護世帯の高校生の大学への進学を支援しているところでございます。
○山本太郎君 だから、給付としての仕組みはないということですよね。生活保護世帯の子供の大学進学を後押しする、生活保護制度上での給付がないなら、せめて自分で頑張って手に入れた奨学金、ほかにもバイト代、活用できるようにしてあげるべきですよね。でも、実情ってどうなっていますか。
 続いての資料を皆さんに御覧いただきたいんです。
 福島県の高校生A子さん、母子家庭で生活保護を利用されています。高校三年間、年十七万円の給付型奨学金を受けられることになり、頑張って勉強して希望の高校にも合格しました。平成二十六年になって、奨学金の一部、十四万円を受け取りました。ところが、福祉事務所がその全額を収入認定し、その分、保護費を減額してしまったんです。あり得ませんね、本当に。
 A子さん、せっかく奨学金をもらえることになって、充実した高校生活が送れる、塾にも通えるかもしれないと思っていたのに、全額収入認定して取り上げるなんて、高校生の夢と希望を奪うのと同じですよ。余りにも酷じゃないですか。
 三月十八日、参議院の予算委員会で共産党の田村智子議員、すばらしい質問をしてくれました。それに対する塩崎大臣の答弁も、生活保護世帯の高校生が奨学金を受け取った場合については、その給付される趣旨に鑑みて、就学のために必要な経費として、例えば修学旅行費、クラブ活動費に充てられる場合には収入として認定しない取扱いを設けていると答弁されました。
 ということは、奨学金の趣旨に反していなければ、参考書、問題集の購入、大学に進学するための塾、模擬試験の費用などに充てることも許されますよね。どうでしょう。短めに。
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 生活保護世帯の自立更生のために支給される金銭につきましては、収入認定から除外することで生活保護受給世帯の自立の助長を図ることとしております。議員御指摘のように、そのため、奨学金が生活保護の高等学校等就学費の支給対象とならない修学旅行費やクラブ活動費等の経費に充てられる場合には収入認定から除外し、保護費を減額しない取扱いとしております。
 また、議員御指摘の塾代、参考書代、模試代の扱いでございますけれども、塾代に充てられる場合には収入認定から除外することとはしておりません。また、参考書につきましては、基本的には生活保護費の中の高等学校等就学費で支給されますけれども、賄い切れない経費であって必要最小限度の額については収入認定から除外することとしております。また、模擬試験につきましては、その実施実態等を勘案しまして、恐らく保護の実施機関におきまして収入認定から除外する判断があり得るものというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、生活保護制度は全額原資は税金でございまして、利用できる資産、能力、その他のあらゆるものを活用することを前提としておりますので、最低限度の生活を保障しながら、どこまで収入として認定しないこととするかについては、生活保護を受給されていない方との均衡を考慮する必要があると考えております。
○山本太郎君 余りにもおかしいんですよ。だって、酒飲むために控除しろとか言っている話じゃないんですよ。競輪、競馬やりたくてそう言っているわけじゃないんですよ。
 厚生事務次官通知でも出ていますよね、次に挙げるものは収入として認定しないことって。高等学校等就学費の支給対象とならない経費及び高等学校等就学費の基準額で賄い切れない経費であって、その者の就学のために必要な最小限度の額。最小限度の額じゃないですか、こんなの、参考書、問題集の購入、模擬試験の費用。これ、認められないと余りにもおかし過ぎませんか。せっかくの奨学金、もらった奨学金、何の検討もなし、全額収入認定なんてあり得ない。奨学金の趣旨に完全に反するものですよ、これ。個別の判断としてもあり得ないと思うんです。
 次に行きます。
 せっかく給付された奨学金、全額収入認定するというのは余りにも酷、厚生労働省として実情をきっちりと調査して、このような非人道的決定、取り消すように市を、各自治体を指導すべきじゃないですか。指導してください。短めに。
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 個別の事案についてはお答えを差し控えさせていただきますけれども、生活保護世帯の高校生が奨学金を受け取られた場合には、収入申告をしていただいた上で、その使途を確認して、奨学金が高等学校等就学費の支給対象とならない修学旅行費やクラブ活動費等の経費に充てられる場合については収入認定から除外する取扱いとしております。
 厚生労働省といたしましては、こうした取扱いにつきまして、今後とも様々な機会を通じまして各自治体に周知徹底し、適切に運用されるよう努めてまいりたいと思っております。
○山本太郎君 続きまして、資料ケース二と書かれたものを御覧ください。
 神奈川県川崎市の生活保護世帯のB子さん、今は大学生になっていますが、高校生であった平成二十二年六月から平成二十三年六月までアルバイトをし、月二万円から三万五千円、合計三十三万円の収入を得ました。このアルバイト料のうち、九万八千円は修学旅行費に、バイト代の九万八千円は修学旅行費です。残りは大学入試の受験料等に使い、実際、見事大学に合格しました。
 B子さん、バイト料の申告義務があると知らず申告していませんでしたが、福祉事務所の調査で判明し、不正受給、生活保護法七十八条違反として三十三万円全額の返還命令を受けました。B子さんの父親、これを不服として争っていましたけれども、横浜地方裁判所、平成二十七年三月十一日、不正受給と断ずるのは原告に酷として、決定の取消しを命じる判決を言い渡したというケースです。
 このケースの問題点を御理解いただく前提として、生活保護を利用している世帯の高校生がアルバイトをした場合、きちんと収入申告すればどうなるのかという具体例を見てみます。続いての資料、アルバイト料月三万五千円の場合と書かれたものを御覧ください。
 例えば、ある高校生が月三万五千円のバイト代をもらった場合、未成年が働いたというだけで一律一万千四百円が収入認定から控除されます。これを未成年控除というらしいです。また、働いて得た収入の基礎控除、これは収入が増えるほど控除額も多くなりますが、三万五千円の場合は一万七千二百円です。これだけで二万八千六百円、三万円近くが控除されるということですよね。さらに、修学旅行費やクラブ活動費など、高校生活や将来の自立のために必要と認められた経費についても控除が認められます。
 つまり、高校生のバイト代程度の収入であれば、きちんと収入申告さえすれば全額控除されて充実した高校生活や大学進学のために使うことができると。この説明、理解で間違いありませんか。短めに。
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 議員御指摘のとおり、生活保護におきまして、勤労収入は本来生活に充てるべき資力ではございますが、収入認定の過程におきまして、その収入から勤労に伴う必要経費を控除することとなります。
 御質問の高校生のアルバイト収入でございますけど、三万五千円ある場合につきましては、ここにございますように、基礎控除一万七千二百円、未成年者控除一万一千四百円を差し引いたまず六千四百円が収入認定額の基礎となります。さらに、本人や世帯の自立の助長に資する観点から、学校等就学費の支給対象とならない経費及び高等学校等就学費の基準額で賄い切れない経費、また就労や早期の保護脱却に資する経費に充てられると認められる額については収入として認定しない取扱いができることとしております。
 以上でございます。
○山本太郎君 同じことを言われただけですよね。間違いがなかったということですよね。
 だからこそ、横浜地裁の判決も、申告さえすれば全額自分のために使えたものを、申告漏れがあったというだけで不正受給として全額返還命令をするのは酷と判断したんですよね。
 じゃ、なぜ川崎市は全額不正受給扱いしたんでしょうか。川崎市だけおかしな扱いをしたんでしょうか。実はそうじゃないと。詳しい人に聞きますと、全国的に同じようなケースはごまんとある、川崎市のケースは氷山の一角だということなんです。不正受給のうち四分の一くらいは高校生のバイト料の未申告が占めていると言うケースワーカーが多いようです。
 生活保護ケースワーカー、生活保護事務、生活保護監査、ホームレス支援、介護保険事務などをされ、現在、花園大学社会福祉学部の教授、吉永純さんの著書「生活保護の争点」、これの二百八十五ページには、ある福祉事務所では、ある年度に不正受給とされた十八件中六件、つまり三分の一が高校生のアルバイト収入の未申告であったと記されています。
 私たちの中には、生活保護イコール不正受給、不正受給イコール悪質といったイメージが刷り込まれてしまっていますよね。恐らく、メディアであったり政治の場の発言であったりということだと思うんですけれども。この不正受給とされるものの中に悪質とは言えないものもかなり含まれているという現実があるんですよね。
 お聞きします。不正受給のうち高校生のアルバイト代の未申告、どれだけあるか、調査しているなら教えてください。
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 お尋ねの件につきましては把握しておりませんけれども、平成二十五年度におきます不正受給の総件数は四万三千二百三十件でございまして、金額ベースでは約百八十七億円となっております。そのうち稼働収入の無申告、過少申告の件数は二万四千六百九十九件となっております。
○山本太郎君 済みません、質問したことだけに答えてください。
 不正受給全体の二%しかいないということを言いたかったんですか。それ、金額に直したら〇・五%しかないということを言いたかったんですか。もちろん、僕も不正は良くないと思います。正されるべきだと思います。でも、不正受給とされている中に、本当に不正受給と認めていいのかと言われるような案件がたくさんあるんだという話を今しているだけなんです。
 話戻ります。調査はされていない、そういうことですね。調査していないんです。この高校生、例えば不正受給、不正受給認定された高校生のバイトという意味での調査なんてされていないですよね。されていない。調査しなければ実態が分からない、当然なんですよ。調査して、実態を知って、対策をどう練る、どうしていくのかということを考えなきゃいけない。これ、基本だと思われませんか、有村大臣。このことだけじゃなくて、この調査をして、実態を知って、そして対策をしていくというのは、この生活保護だけじゃなく、それ以外のことにもイコールだと思うんです。いかが思われますか、大臣。
○国務大臣(有村治子君) 山本委員御指摘のとおり、本件は厚生労働省さんが所管をされています。実態調査の必要性、適切にその対応をしていただくというのは、所管を持っていない私がそのすべを持っておりませんので、御主張は真摯に受け止めますが、厚生労働省さんにお聞きいただくものでありますので、お気持ちに沿ったお答えが、所管の組織のすべを持っていないので、できないということを率直にコメントさせていただきます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 この縦割りという中で、その中でいろんな発言を求めるというのは非常に難しいことだということが分かりました。でも、冒頭に、やはり調査は必要だと、その調査をやっていくんだという力強いお言葉、今も覚えております、先ほどのことですから。
 川崎市のケースのように酷なケースが埋もれている可能性が高い。夢を奪われて泣き寝入りしている高校生、たくさんいるかもしれないんですよ。ケースワーカーの皆さんにもお聞きして、この調査どうなんですかと言ったら、手間もさして掛からないんだよということなんです。是非調査すべきだと思います。調査してくださいよ、お願いします。いかがでしょう。
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 御指摘のような調査の実施につきましては、実際に事務を担当される自治体、ケースワーカーの方は全国で一万六千人余いらっしゃいますけれども、自治体の負担を考慮する必要があると考えておりますので、自治体の意見を踏まえつつ、慎重に判断すべきものだというふうに考えております。
○山本太郎君 自治体の判断を踏まえつつと言いながら、いろんな通知出しているじゃないですか。いろんな通知出して、不正受給ではないのに不正受給だと決め付けられるような通知も幾つも出しているじゃないですか。なのに、この件に関しては、どうしてそこ、足踏み込もうとしないんですかね。非常に不思議です。
 全国的に同じようなケースがたくさん起きてしまう、その諸悪の根源とも言える理由がこれです。資料の最後を御覧いただきたいと思います。平成二十四年七月二十三日に出された「生活保護費の費用返還及び費用徴収決定の取扱いについて」という厚生労働省社会・援護局保護課長の通知、これが諸悪の根源です。未成年である世帯員についても、稼働年齢層であれば当然に保護の実施機関に対し申告の義務はあるので、申告を怠っていれば原則として七十八条の適用、つまり不正受給として扱うべきであると指示しているわけですよね。
 この通知があるから、全国の福祉事務所は高校生のバイト料も不正受給扱いせざるを得ないんですよ。しかも、この通知、申告義務の説明、徹底するよう求めていますよ。申告していないから不正受給と言われるんだろうって。申告義務の説明、徹底するように求めているんですけれども、先ほど説明したような、いろんな控除があると言いましたよね、皆さん、四つ目の資料でお示ししたとおり。申告すればいろんな控除があって、自分のために使えるんですよと説明しなければならないこと、この通知の中で一切求めていないんですよ。
 実際、全国的にこうした説明と控除をきっちりと行っている自治体、非常に少ないと聞きます。生活保護受給のルールも現場で十分に説明されない、受ける側が。申告した場合のメリットも全然説明せずに、後になって不申告が分かれば不正受給として全額取り上げるなんて、これ詐欺みたいな話じゃないですか。生活保護世帯の高校生は、頑張ってバイトしても不正受給扱いされて全額返還を求められるというなら、これ裏切られた思いになるし、働く意欲だって失いますよ。これもう人間不信になりますよ、こんなことになっていたら。
 今回の横浜地裁の判決を踏まえて、こうした保護課長通知の規定の仕方、一方的ですよね。足りないものもあるんじゃないですか。削らなきゃいけないものもあるんじゃないですか。見直す必要があると思うんです。
 見直す必要があると思う部分は三点、具体的に三点あります。一つ、高校生のバイト料も原則不正受給と扱うべきというように取れる部分、これ削除すること。二つ、申告義務の説明だけじゃなく、未成年者控除、基礎控除、自立更生控除などを申告した場合のメリットの説明も徹底するよう明記すること。三つ目、この問題の平成二十四年七月二十三日通知では、収入申告義務があることを説明する際、説明を受けたことの確認のためサインを取るようにと指示しています。世帯に高校生がいるときには、当該高校生の本人の自署による署名等の記載を求めることとされていると。署名を求める書式には義務の説明だけで、先ほどから繰り返しているように、控除についての説明はありません。このような書類に高校生にサインさせて、後で不正受給として扱う根拠としようとしているんじゃないですか。そういう考え方自体がひきょうとしか言いようがない、余りに酷なやり口だと思いませんか。このような取扱いもやめるべきです。
 今申し上げた三点、改正していただけませんか。通知、この課長通知、是正してもらえませんか。残り二分しかないので、引き延ばすのはやめてくださいね。
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 生活保護制度につきましては、全額公費によってその財源が賄われることに鑑みまして、国民の理解が得られる公正な制度とすべく、不正受給対策等を図っていくことが重要であると考えております。そのため……(発言する者あり)
○委員長(大島九州男君) 聞かれたことに答えるように。
○政府参考人(谷内繁君) はい。
 そのため、不実の申請その他不正な手段により保護を受けた等の場合については法第七十八条により費用徴収を行っており、具体的には、保護の実施機関が被保護者に対し届出又は申告について口頭又は文書による指示をしたにもかかわらず被保護者がこれに応じなかったとき、また、課税調査等によりまして当該被保護者が提出した収入申告書が虚偽であることが判明したとき等の場合に適用することとしております。
 未成年者である世帯につきましても同様に、保護の実施機関に対しまして収入の申告の義務はあると考えております。したがいまして、申告を怠って先ほど申し上げた場合に該当すれば、法第七十八条を適用する必要があると考えております。
 一方で、収入申告をすれば収入認定除外や控除等の対象になることと収入申告の徹底については別の問題と考えているところでございますが、生活保護世帯の皆様が収入認定控除につきまして理解されることが大事でございます。また、収入認定除外や控除が適切に適用されるよう、今後とも保護の実施機関に対しまして、あらゆる機会を通じて当該制度の周知徹底を図っていきたいというふうに考えております。
○山本太郎君 全く答えてくれなかったですね。二分近く時間使って全く答えないってどういうことなんですか。不正受給は許されるべきものじゃないですよ。是正されるべきです、そこは、もちろん。そのための七十八条は必要でしょう。だけど、それを不正受給じゃない人たちまで巻き込まれるようなことに対して、こういう通知は改めてくださいと言っているんですよ。
 大臣、最後にお願いします。もちろん持ち場が違うということは分かります。けれども、縦割りに対し横串を入れるんだという言葉を言っている安倍政権の一員であり、そしてその中で子供の貧困担当なんです。是非お一言ください。
○委員長(大島九州男君) 有村国務大臣、簡潔に。
○国務大臣(有村治子君) 委員が御主張されたように、申告義務があることを丁寧に説明していくこと、申告した場合に控除があるというメリットをやっぱり明確に伝えていくことは、高校生の自助努力の善意ということを拾っていく上でも極めて大事な御主張だなというふうに敬意を持って拝聴いたしました。
 この議事録をしっかりと厚生労働省の三役にもお伝えをさせていただきたいと思います。
○委員長(大島九州男君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後一時十六分散会