第189回国会 内閣委員会 第10号
平成二十七年五月二十八日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 五月二十七日
    辞任         補欠選任
     阿達 雅志君     太田 房江君
     中泉 松司君     堀内 恒夫君
     蓮   舫君     石橋 通宏君
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     太田 房江君     滝沢  求君
     堀内 恒夫君     山下 雄平君
     石橋 通宏君     蓮   舫君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         大島九州男君
    理 事
                石井 準一君
                上月 良祐君
                藤本 祐司君
                山下 芳生君
    委 員
                上野 通子君
                太田 房江君
                岡田 直樹君
                岡田  広君
                岸  宏一君
                滝沢  求君
                堀内 恒夫君
                松下 新平君
                山崎  力君
                山下 雄平君
                相原久美子君
                石橋 通宏君
                芝  博一君
                蓮   舫君
                若松 謙維君
                井上 義行君
                江口 克彦君
                山本 太郎君
   国務大臣
       国務大臣     山口 俊一君
   大臣政務官
       財務大臣政務官  竹谷とし子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       向井 治紀君
       警察庁交通局長  鈴木 基久君
       特定個人情報保
       護委員会事務局
       長        其田 真理君
       総務大臣官房審
       議官       時澤  忠君
       国税庁課税部長  藤田 博一君
       文部科学大臣官
       房総括審議官   徳久 治彦君
       厚生労働大臣官
       房審議官     吉田  学君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○個人情報の保護に関する法律及び行政手続にお
 ける特定の個人を識別するための番号の利用等
 に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○連合審査会に関する件
○参考人の出席要求に関する件
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○委員長(大島九州男君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、阿達雅志君、中泉松司君及び蓮舫君が委員を辞任され、その補欠として太田房江君、堀内恒夫君及び石橋通宏君が選任されました。
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○委員長(大島九州男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官向井治紀君外六名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島九州男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(大島九州男君) 個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○上月良祐君 自由民主党の茨城県選出の上月良祐でございます。
 今回の二法は、国民経済にも国民生活にも大変大きな関連がある、影響がある大変重要な法案だと思います。時間は短いですけれども、しっかり議論させていただきたいと考えておりますので、大臣ほか政府参考人の皆様方、よろしくお願いを申し上げたいと存じます。
 まず最初に、個人情報保護の関係についてお聞きします。
 ビッグデータの活用というのは最近大変注目されております。報道も多いし、議論もされておりますけれども、私は、これが成長戦略にどういうふうに関係するのかどうなのか、この点に非常に関心を持っております。日本再興戦略改訂二〇一四にも世界最高水準のIT社会の実現ということで取り上げられております。情報通信白書でも六十兆円を超える売上向上効果があるといったような記述もあったりいたします。
 ただ、一方で、少しちょっと分からないこともあるんです。といいますのは、例えば再興戦略の中もよく見てみると、書いてあるのは、ビッグデータの利活用を、そのための環境を整え、進めますとか、マイナンバーも、これを導入しますと書いてあるんですが、これがどういうふうに成長戦略に結び付くのかどうなのか。
 例えば、例はちょっと違うんですけれども、広告業界のことなんかを考えて、これまで例えば新聞とかテレビの広告って大変多かったと思うんです。ところが、今ネットで、検索の記録とかを見て、その人に専用のというんでしょうか、その人にカスタマイズされたような広告が出てくるみたいなのがあったりして、確かに今ネットの方の広告はすごく増えているようです。しかし、それでテレビと例えば新聞なんかの広告が減っているとなれば、これは成長しているというよりはその区分が変わっている、パイの食い合いの中身が変わっているというような話でありまして、何か新しい成長に本当に結び付いていくんだろうかと。
 例えばIoTと結び付けてとか、あるいは海外に持っていって、ビッグデータの分析をして、日本で売上げが増えるのはいいんですけれども、それだけだと食い合いみたいな話かもしれなくて、東南アジアにその仕組みを持っていって、そこで例えばそこの市場を何とか頑張って占有する、先に寡占できるように頑張ってみる、そういったものと結び付かないと成長戦略というふうにはならないんじゃないかと思うんですけれども、その辺りについて、このビッグデータの利活用、そもそも、ビッグデータと言いますけれども、ビッグデータって定義があるのかどうか知りませんが、ビッグじゃなくても、何というんでしょうか、今までもあったような話なのかもしれません。その辺りについてちょっと教えていただきたいと存じます。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、成長戦略であります日本再興戦略の中でビッグデータの利活用の推進が掲げられているところでございます。今般の個人情報保護法の改正は、ビッグデータの利活用を推進するため、世界最高水準のデータ利活用環境を整備することを目的に掲げ、特に利用価値が高いとされているパーソナルデータの利活用環境を整備するものでございます。
 その主眼は、現在パーソナルデータの利活用に企業がちゅうちょしているという利活用の壁を取り払うものでございまして、具体的には、今回の法案におきまして、匿名加工情報を新設することによりまして、例えばポイントカードの購買履歴、あるいは交通ICカードの乗降履歴などを複数の事業者間で分野横断的に利活用可能とするということによりまして、マーケティングあるいは御指摘の広告等の効果的な推進が図れるのではないかと。
 それから、よく産業界が期待している分野といたしまして、医療・健康分野がございます。現在、そういう医療分野のビッグデータの利活用というのは世界的に徐々に進みつつあるというところで、例えば、そういう匿名化された医療の履歴をビッグデータ解析することによりまして、新薬の開発ですとか新たな健康方法の創設ですとか、そういうふうな産業分野も期待できるのではないかと思っております。
 そういう意味では、何といいますか、必ずしも移行していない面がないわけではない、移行というのは、テレビから例えばネットに移行している部分がないわけではないとは思いますが、一方で、そういう手段が拡大することによりまして、ますます、何といいますか、消費活動に刺激を与えるとかいうことも期待できると思っております。
 それらが相まって、今回の、このような経済効果を確かにするために、匿名加工情報に関するものも含めまして、制度運用に係ります政令、規則、ガイドライン等を整備してまいりたいと考えているところでございます。
○上月良祐君 ありがとうございます。
 私が最初に申し上げました方の疑問というんでしょうか、POS情報なんかを使ってやるという方が、本当にそれが成長戦略なんだろうかと。成長しないわけじゃないと思うんですが、少しはパイが広がるんだと思いますけれども、というところには必ずしもお答えがあったかどうかですけれども。私も、医療の方がやっぱり一つのポイントになるのかなというふうには思っております。
 ちなみに、さっき一応ちょっと聞いたんですが、ビッグデータって定義ってあるんですか。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 ビッグデータというのは、明確な定義は存在いたしません。一般的には、従来の顧客名簿のような少量かつ定型的なデータだけではなくて、情報通信技術の進展によりまして収集、活用が可能となった、多量性、多種性、リアルタイム性などの特徴を有したデータというふうにされているところでございます。
○上月良祐君 ありがとうございます。
 ちょっともう一つお聞きしたいのは、国際的に見て、そういった利用環境というんでしょうか、そういったものは日本がどういう位置にあるのか。ITの活用全般は、日本というのは全般的に言うと遅れていると。セキュリティーの問題とか、あるいは経営上も守りの方を中心にどうも、しようがないからやっているんじゃないですけど、これはやらなきゃしようがないからやっているという方はありますが、攻める方でITを使うという意識が足りないと。これは何かそういうふうな意識のデータなんかもあったりして、ちょっと遅れている面があるというふうに言われてはおります。
 ただ、国際的に見て、今お話がありましたような匿名加工情報という仕組みは世界で初めてなんでしょうか。そういうふうな取組だということでもありますので、今、日本が置かれているその状況というんでしょうか、その個人情報保護の中で活用できる環境づくり、それは世界の中と比べてどんな状況になっているんでしょうか。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 日本の個人情報の定義は、容易に照合できる、他のデータと合わせて個人が識別できるものというふうになっているところでございます。
 その際に、情報を移転する際に、容易に照合するのは情報の移転元か移転先かという議論がございます。日本の場合、これは情報の移転元で容易照合性があるということで解釈が統一されておりまして、そういたしますと、一旦個人情報となりますと、その情報の一部を提供する場合でも、これは大抵の場合、提供元において容易照合性はありますので、個人情報になってしまうという、そういうことはございます。
 それは解釈で変更するか、いろんな手はあろうかと思いますけれども、今回はそういう意味で、匿名加工情報という新たな類型を設けることによって、法律に明確に個人情報を、そういう個人を識別できるデータを外して匿名化することによってその一部を移転することを明確化するというのが新たな試みであろうと思います。
 これらの点については諸外国は解釈で行っているというふうなことはあろうかと思いますが、現在のそういう解釈に対して経済界が極めて、何といいますか、個人情報の利活用にちゅうちょしているという面はございます。
 そういう意味で、現状の日本のビッグデータの利活用については、必ずしも世界のトップを行っているものではないというふうに認識しております。
○上月良祐君 ありがとうございます。
 是非、環境を整えて、特に今回のような世界で初めて、本当の、どういうふうに定義するかで初めてかどうかというのは変わってくるのかもしれませんが、そういう取組をできるかどうかというのが成長戦略では私は一番重要だと思っております。
 今までの日本は、やはりキャッチアップから抜け出せなかった、要するに人のまねをしていた。まねというのは、キャッチアップは追い付け追い越せなどと言われていましたけれども、キャッチアップはあくまで追い付きであって追い越せはないんだと思うんです。追い越せるかどうかというのは、新しい概念にチャレンジできるのかどうか。そういう意味で、匿名加工情報というのが世界でも余り例がないんだとしたらば、そういったところに思いっ切りチャレンジしていただきたい。そして、しかし、やる以上は、できるだけ制度的に漏れがないように、ミスがないようにきちんと見ていただきたいというふうに思っております。
 それによって、企業が是非とも活用しやすいような環境づくりをしていただきたいと思っておるんですけれども、匿名化をするという度合いと、企業にとっての利用価値というのがトレードオフの関係にあると。余り匿名化をしちゃうと企業としては利用価値が少なくなってしまうというような御説明がたしか前回の委員会であったように記憶いたしております。なるほどなと、それはそうだと思っております。
 そういう意味で、企業にとって使いやすい、何というんでしょうか、利用の仕組みづくりというんでしょうか、そういう点についてどういうふうなお考えでいらっしゃるのか、これはちょっと大臣に是非お聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(山口俊一君) 先ほどビッグデータの御議論もございましたが、実は私も勉強会等で、新井先生という方がロボットは東大に受かるかプロジェクトってやっておられるんですね。要するに、コンピューターに様々な試験問題を解かせるということなんですが、そのお話の中で、やはりビッグデータが利活用できるようになってAIの知能が質的変化を起こしたとおっしゃるんですね。今私立大学の八割は受かりますと豪語しておられましたが、そういったふうに物すごく大きな変革のまさに真っただ中に置かれておるんだろうと。そういう中で、いかに我が国もこれをしっかり分析をし利活用できるかというのは非常に大事な話であろうと思っております。
 その中で特にやはり利用価値が高いというふうに期待をされておりますのがパーソナルデータ、これは個人の権利利益保護というのをしっかり確保しながらいかに利活用できるかというのが大変重要なポイントであろうというふうなことでございます。
 そうしたことで、今回の法案におきましては、パーソナルデータの利活用を促進をするというふうな観点から、先ほど御議論ございました匿名加工情報、こういった新たな類型を設けて、本人同意に代わる一定の条件の下、自由に利活用できる環境を整備をするというふうなことにしておるわけでございまして、この匿名加工情報の具体的な加工の程度あるいは加工後の情報の有用性というのは、今委員も御指摘いただきましたようにトレードオフの関係にもあろうと思いますけれども、この加工の方法などの基準を定めるに当たりましては、個人情報の保護と利活用のバランス、これを適切に図っていく観点から、消費者の皆さん方あるいは産業界、専門委員等の御意見、これを幅広くお聴きをするとともに、その結果を委員会規則とかあるいはガイドラインに反映をするとともに、それを踏まえた民間の自主的なルールの策定、これを促してまいりたい。それによって、しっかりと保護をしながらちゃんと利活用できるというふうなところに持っていきたいと考えております。
○上月良祐君 ありがとうございます。
 私は利活用のことを随分言いましたけれども、今の大臣の御答弁を聞いて大変安心をいたしました。利活用をするためにどんどん使っていって個人の権利義務が侵されるということになってしまうと、これは企業も安心して使えないわけですね。だから、逆に言うと、ちゃんとそれが守られているから、そのルールがきちんとできているからこそ企業も使いやすいということなんだと思います。なので、どちらも、そこはトレードオフの関係じゃなくて、それは両方とも軌を一にするものだと思います。きちんと守る、守られているからきちんと使えると、そこのところを是非とも今回、いろいろ難しい、これから細かいルールを作っていくことになると思いますけれども、しっかりやっていただきたいと思っております。
 マイナンバーの方も少し聞かせてください。
 マイナンバーにつきましては、その下敷きというか前身といいますか、関係するものとして住基ネット、住民基本台帳の関係がございます。これは、できるときには、住基ネット、住基のナンバーを付けるときに大変大きな議論があって、これは情報流出しちゃうんじゃないか、情報流出したら大変だと、流出をしたら大変だとかということで物すごい言われた。言われたからちゃんとやってくださったのかもしれないけれども、前回の審議で二之湯副大臣の御答弁の中で、ネットが破られる、システムが破られてそういうのが、情報が漏れる、そんなことはなかったんだということをお聞きして、私もほっといたしたところであります。
 しかし、今回のマイナンバーはひも付けされる情報が格段に多くなっていくわけであります。例えば、医療の情報とか税の情報とかもそのうちなってくる、広がってくる可能性がある。そうすると、そのシステムを破りたい人からすると、私が聞いたところでは、破れないシステムはないんだと、どんなにディフェンスをしていても、お金と時間を掛ければどんなものでも破れるんだというふうに聞きました。そうすると、いろんなものがひも付けされていると、そういうのを破りたいという人にとっては動機付けが高まるということではあると思います。
 今まで良かったから今度も大丈夫だということではないと思うので、その点につきまして、どんなセキュリティー対策がこれまで以上にされているのか、あるいはされようとされているのか、ここは簡単に、済みません、お願いいたします。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 マイナンバー制度におきましては、個人情報の漏えいや不正利用に対するシステム上の保護措置といたしまして、個人情報そのものを一元管理せずに分散管理、それぞれの機関で所有しているということ、それから情報提供ネットワークシステムを利用した情報提供に際しましては、マイナンバーと別の符号で情報をやり取りしていること、それからアクセス制御によりアクセスできる者を制限管理していることなどの措置を講じるところでございます。
○上月良祐君 ありがとうございます。しっかりそこのディフェンスのところも是非ともやっていただきたい。でないと、そういうことが起こっちゃったら、これは使えなくなったら大変なので、是非ともお願いをいたしたいと思っております。
 それから、住基ネットとマイナンバーの二重化についてちょっとお尋ねしたいんですが、今回は結局、住基ネット、住基の番号と別の番号を作ってやるということで二重化されているわけです。それは、何というんでしょうか、ディフェンスに掛けるエネルギーも、二倍とは言いませんけれども、ダブルになっている。何とか一緒にできなかったのかなというふうに思います。
 カードを配るというのも、この前、前回の委員会での質疑では、一千万枚で百七十億ぐらいということで、一億配れば二千億という膨大なお金にもなるわけです。ディフェンスにもまた二重にお金を使ってということになってくると、これは本当大変な、何というんでしょうか、このお金のない時代というか財政資金が少ない、限られている時代にどうなのかなというふうにも思っております。
 この点について、何とか一重にできなかったのかなということを考えておりますが、そこの点についてはどういうことなのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 マイナンバーを検討する際に何を用いるかというのは、検討段階の初期におきまして、基礎年金番号ですとか住民票コードとか、あるいは住民票コードに対応した新たな番号というふうな選択肢を示して、パブリックコメント等で国民の御意見を伺った上で、住民票コードに対応した新たな番号としたところでございますが、これは一つには、諸外国を見てみましても、番号を少なくしてできるだけ一つの番号でいろんな分野をカバーするところと、番号を分野ごとに変えていくところ、いろいろございます。そういう中で、一つの番号で全てをカバーいたしますと、一つの番号でひも付けられる情報が増えるがために、かえって一つの番号で抜かれた場合に多くの情報が抜かれるという危険性もあるというふうなこともございます。
 そういう中で、特に、住民票コードというのは多分、日本の個人を特定する中で戸籍と並んで、この二つの手段しか日本の場合はないと思っておりますが、その中で番号が付いているのはまさに住民票コードだけでございます。そういう意味では、今後そういうふうなシステムを、いろんな情報が増えていく中で、住基を一つの基礎といたしまして、取りあえず税、社会保障の分野ではマイナンバーを使うということにしたということでございます。
 そういう点では、今後、例えば医療のカルテ情報なんかをひも付ける場合にマイナンバーを使うのか、それとも別の番号を使うのかというような議論もございますが、一方で、システム面の費用のコストという点でいきますと、別の番号を使ったからといって高くなる部分というのは番号を振り出す部分等に限られますので、それほどコストが高くなることもないということもございますので、今回、しかも情報のやり取りにつきましては既存のLGWAN、霞が関WANを使うことにしておりますので、そういう点では、コストの点においてはそれほどは変わらないのではないかと考えております。
○上月良祐君 財政の予算査定というのは、何かちょっと僕は、何ていうんでしょうか、バランスが悪いところがたまにあるんじゃないかと思っているんです。例えば一億でも物すごい議論をして駄目かいいかといって、まあ一億、一千万でも、一方で、こういう問題については結構、何というんでしょうか、もちろん議論はしているんだと思いますけど、同じ程度の議論ではなくて予算が付いてしまうということがないかと危惧をいたしております。そんなに変わらないということだったけれども、それで変わるその差の部分というのが、もし別途の新規事業だとしたら物すごい議論になるんじゃないかというぐらいの差がないのかなというふうにも思いますので、理由があって二重化するということであれば、それはそれでしようがない、意味があるんだと思いますけれども、決して、役所の縦割りなんかがあって、この番号を一緒に使いたくないとかいうふうにならないように。
 僕は、ばらばらにやっぱり番号がなっていくと、どっちのタイプもあるとおっしゃいましたけれども、やっぱりばらばらになっていくと管理もやっぱりそれなりにコストが上がっていくんだと思います。もちろん、セキュリティー上はそっちの方がいいのかもしれませんけれども、やっぱり統一的にカバーすることで、何というんでしょうか、マイナンバーの意味がより出てくるということも、関連性というんでしょうか、一つの情報が集められるという意味で意味があるところもあると思う。なので、そこはバランスの問題かもしれませんが、是非、余りばらばらにならないようにしっかりやることで財政面のメリットも出しながらやっていただきたいと思っております。
 それから、住基カードのこと、一応やっぱり聞かなきゃいけないと思いまして、ちょっと聞かせてください。
 やっぱり住基カードは、結局、五・五%の普及ということで余り普及ができなかった。これは市町村ごとに見てかなりばらつきもあったのかもしれません。それやこれや含めて、住基カードにつきましてどういう反省があって、それを今回のマイナンバーのカードにはどういうふうに生かそうとされているのか、その点につきまして、時澤審議官から簡単にそちらも、結構でございます、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(時澤忠君) 今お尋ねの住基カードにつきましては、普及率五・五%でございます。一方、住基ネットの本来的な役割は行政の中での本人確認情報の利用でございます。この点につきましては、国の行政機関等に対しまして、平成二十五年度は年間五億六千万人の本人情報が提供されております。これによりまして年間四千万人の年金の現況届や四百九十万人の住民票の写しが省略されるということで、国民の利便性や行政効率の向上が図られたということはあるんだと思います。こうした役割から、住基カードの役割として、例えば本人確認情報の活用としてe―Taxとかの電子申請、そういったものに限られておりましたので、余り普及が進まなかったのではないかと考えております。
 一方、個別の市町村ごとに見てみますと、普及率全国五・五%でございますが、団体によりましては五〇%を超えているところもございます。そういうところを見てみますと、やはり新規申込者に対して交付手数料を無料にするということ、あるいはコンビニの交付、あるいは図書館カード、図書館の利用カード等々も使えるというようなことで普及、要するに利用機能を付加して、これが高い普及率を実現しているということもあるかと思います。
 したがいまして、先ほど申し上げましたように、要は無償ということと、あるいは利用しやすいものということが一つの鍵になるのではないかと思っておりまして、この個人番号カードにつきましても、今の反省を踏まえまして、基本的には無料で配るということ、それから利用につきましても、ICチップをこれまでの市町村だけではなくて都道府県、国の機関でも活用できるし、あるいは公的個人認証も民間にも利用していただくということで、幅広い利用、活用の場面をつくり出すことによりまして普及を図っていきたいというふうに考えております。
○上月良祐君 ありがとうございます。
 是非、反省も生かして今回のマイナンバーカードには取り組んでいただきたいというふうに思います。
 また、一方で、住基カードは、住基カードのことばっかり言われますけれども、見えにくいんですけれども、何ていうんでしょう、御案内のとおりだと思いますが、あの住基ネットがあることによって、前だったら住民票を持っていかなきゃいけなかったものがなしで済んでいるとかという見えないメリットがたくさんあったんですね。そういったことを余り宣伝されてないからかもしれませんが、カードだけのことじゃなくて、住基ネット自体で相当、何というんでしょう、住民の利便性が上がっているということも是非PRしていただきたいと思います。
 時間がありませんので、大臣にまとめて二問ちょっとお聞きをいたしたいと思います。
 今のメリットの話ですが、マイナンバーカードは、今の御答弁にありましたように、やっぱりメリットがどう付くかというところが非常に重要だと思います。無料になっているということなので、そういう意味ではより普及がしやすいんだと思いますけれども、無料になるということは、これ、ただじゃないんですね。二千億からのお金が、まあざっくり言ってそれぐらいは掛かるだろうと。今日、蓮舫さんいらっしゃいませんけれども、二千億というと結構響くんじゃないかなと思うんですね。ですから、それを上回るメリットが僕はあるんじゃないかと、勉強していくといろいろ分かってきました。なので、メリットがあるそのカードをしっかり使ったIT社会を実現していっていただきたいというふうに思っております。
 そして、税の管理とかというのは、国民から見ると、マクロの大きな意味ではメリットなんだと思います。しかし、何かメリットに余り思えないというところがあるんだと思うんですね。やっぱり引っ越しのときに、今実験されているようですけれども、本当にワンストップで、ボタンだけでいろんな電気やガスや全部やってもらえる。これからは女性も働いてもらうためには、共働きで働いて家へ帰ってきて、夜でも本当にボタンだけで引っ越し手続が終わっちゃうみたいなふうになると非常に便利だと思います。
 見えやすいというんでしょうか、そういうメリットを是非ともつくっていただきたいと思いますので、そこに向けての御決意と、それから、個人情報保護の関係では、ヨーロッパ、EUの基準というのが大変重要なことは御案内のとおりだと思いますけれども、そこの基準を満たすようでないと、やっぱり相互の互換性がなく使えないわけでございますので、緩めてほしいというのがある一方で、やっぱり経済界の中にはしっかり個人情報がきちっと守られるようなレベルにしてもらわないと、固く守ってもらわないと、グローバル企業なんかはそこの中でのやり取りすら非常に困るみたいな話も危惧しているところがあります。そういう意味で是非とも、固く守る方もしっかりやることで利活用が進むという面も先ほどありましたけれども、もう一度併せまして大臣の御決意をお聞きをいたしたいと思います。
 聞くと多分時間がなくなりますので、最後に、準備については中小企業の方々はまだまだ遅れているようですから、それはしっかり、向井審議官、是非ともお願いいたしたいと思います。
 お願いいたします。
○国務大臣(山口俊一君) ただいま御指摘いただきましたように、やはりこのメリットというのは非常に大きな問題なんだろうと思います。ある意味で、住基カードもやはりそこら辺もあったのかなと。当時、私も推進の方で一生懸命やっておっただけに大変残念な思いがしたわけでありますが、今回、個人番号カードにつきましては、一枚で対面での本人確認あるいはマイナンバーの確認が可能になるわけですね、本人確認等。それと、公的個人認証、これを活用していただいて、マイナポータルや民間のオンラインサービスへのログインが可能になる、ある意味シームレスに官民のオンラインのサービスにアクセスをできるというふうなメリットもございます。
 さらには、ICチップ、これ空き容量が相当ありますので、これを活用して、例えば図書館などの利用者カードをやることもできますし、これは地方において条例を定めていただくというふうなことになりますが、コンビニにおいて様々な公的書類を交付を受けることができるとか、あるいは乗り合いバスもそれでできるとか、いろんなことが考えられていくんだろうと思っております。
 この利活用をいかに拡大をしていくかというのは非常に重要な課題なんだろうと思っていますが、このマイナポータルにつきましては、平成二十九年ではありますが、一月に国の機関で運用開始をして、さらに同年七月には地方公共団体とも連携をした本格的な運用開始をするというふうなことにしておりますが、あわせて、御指摘の引っ越しなどのいわゆるライフイベントに関するワンストップサービスにつきましては、これは民間事業者との連携の下に順次提供していきたいというふうに考えております。
 さらに、EUのいわゆる保護指令等の国際水準というふうなお話がございました。これはもう御指摘いただきましたように、確かにこれまで例えば第三者機関だとか、あるいは、当時もいろいろ議論があったんですが、やはり五千以下は除外をするとか、いろんな措置をしました。これがネックになっておったんであろうというふうな意味合いからも、今回は独立をした第三者機関の整備とか、さらには機微情報に関する規定の整備、また小規模の取扱事業者に対しての、これも法律を適用する、さらには越境データの移転についての制限がある、開示請求権の明確化というふうに、これは我が国の制度がEUから見て不十分ではないかと思われておった点につきまして、これまでに公にされておる資料等から推測をされるものにつきましては、今般の法改正において必要な対応を行ったところでございます。
 ただ、今後、これは政令とか規則、これを策定をする際には、我が国企業の事業活動の実態とか消費者の意見を十分踏まえるとともに、御指摘のEUからの十分性認定の取得、これにも対応できるようにしっかりとした制度設計を行っていきたいと思っております。
○上月良祐君 ありがとうございました。以上で終わります。
○石橋通宏君 民主党・新緑風会の石橋通宏です。今日は久しぶりに内閣委員会で質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 思い起こせば、前回質問をさせていただいたのは二年前のマイナンバー法のときでしたので、何か巡り合わせを感じるわけですが。今日はいろいろと質問させていただきたいところがあるんですが、個人情報保護法改正案にとりわけ集中して、様々課題について質疑をさせていただきたいと思いますので、大臣、どうかよろしくお願いをいたしたいと思います。
 まず、今回、改めて改正の目的について、個人情報保護法を今回なぜ改正しなければいけないのかということについてちょっと大臣と認識合わせをさせていただきたいと思うんですが、今の個人情報保護法、じゃ何が問題なのか、そしてそれがこの改正法でどうクリアをされるのかということについて、特に国民生活にとって何がメリットなのかと。もし、具体的に分かりやすい事例があれば、そこのところも含めて大臣の方から是非御説明をいただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(山口俊一君) これは今の現行法でありますが、これが制定をされてからもう十年余りが経過をしております。もう御案内のとおりで、その間、情報通信技術、いろんなサービスも含めて目まぐるしくこれは発展、変転をしてきたわけでありまして、制定当時は想定をされておりませんでしたパーソナルデータがネット上に流通をして、消費者の皆さん方から見るとプライバシー保護の観点から慎重な取扱いを求めるというふうなことと、一方、事業者はどのような措置をとれば適正に利活用ができるのかと、いわゆるグレーゾーンですね、この問題が生じてきたというふうに思っております。
 そういったことから、今回の法案では、個人情報の保護を図りながらパーソナルデータの利活用を促進をするために、個人情報の定義、これを明確にしてグレーゾーンの問題を解決をしていく。同時に、匿名加工情報に関する制度を新たに導入をするということで、利活用の在り方にも道を開いていくというふうなことであろうと思いますが。
 この個人情報の定義でありますけれども、現行法の個人情報に含まれると考えられるパーソナルデータのうちに、特に事業者とか消費者団体からグレーゾーンとして指摘をされておりました身体の一部の特徴をデータ化したもの、あるいはサービスの利用者や個人に発行される書類等に割り当てられたもの、これについて法的に整理をして、政令等におきまして具体的に明確化することによってグレーゾーンを解消していくというふうなことにしておるわけでございます。
 また、匿名加工情報に関する制度につきましては、この匿名加工情報を新たに定義をするとともに、匿名加工情報の利活用におけるルール、これを定めることによって企業等によるパーソナルデータの利活用を促進をしていくということに資するものと思っております。
 こういうふうな形の中で、様々な個人情報がしっかりと守られながら、かつ様々な利活用に向けられるというふうなことによって、いろんな国民生活の利便性にも大いにこれから資するものと、あるいはまた、それに応じて、これを利用した様々なサービスとか産業等々が多様化をして、結果としてこれまた国民生活に資するものというふうに考えております。
○石橋通宏君 ちょっと先の方の質問まで併せて回答いただいたのかなと思いますけれども。
 今、今回の目的、現行法での問題点について大臣から整理をいただきましたけれども、大臣も一義的にはどうも企業の成長と。先ほど上月委員も、冒頭のところで成長戦略であるというような提起のされ方をしたんですね。僕は、それはちょっと国民に対する説明の仕方として順序が逆なのではないかなと。大臣は、その結果として国民生活も豊かになるという言われ方をした。僕は、むしろ国民生活を豊かにすることが最初にあるべきではないかと思っているわけです。
 今回は、マイナンバー法の改正も含めて、大臣、ちまたでやっぱり国民の皆さんから大きな懸念だとか声が上がっているのはもう重々御承知のとおりだと思います。それは、今回の目的がまるで国による国民の統制を強化するのではないかとか、これは企業が個人情報を使って金もうけができるようにするための改正ではないのかとか、そういう視点から国民の皆さんはかなり心配をされているんだというふうに思うわけです。その中で大臣が、いや、成長戦略だとか企業のと言われちゃうと、ああ、やっぱりそれが一義的なのかという印象を与えるのではないかと、僕はそこは懸念するわけです。
 私、個人的には、今回の法案の中身、改正には賛成の立場なんです。ただ、持っていき方、説明の仕方が悪いのではないかなというのはすごく心配をしているわけです。今回の改正というのは、大臣、やっぱり国民の皆さんの生活を豊かにすること、憲法で保障された幸福の追求権ですとか、例えば生存権だとか、これを確保していくための今回の情報の活用なんだということをむしろしっかりと前面に出していただいて、そのために様々な具体的な施策があるんだぞという方向で大臣の口からしっかり説明をして、具体的な事例を説明していただくべきなのではないかと思っているわけですが。大臣、そういう思いだということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(山口俊一君) 全く同じ思いでございます。
 ですから、私も、成長戦略のためというふうな答弁をできるだけしないようにということで、やはり国民の皆さん方の生活を向上し、まさに御指摘のようなことを考えながらやっていくということが非常に大事でありまして、私もこれまで情報通信関係もいろいろやってきましたが、常にユーザーの立場で考えるということでやってきています。そういった意味で、やはり国民の皆さん方の生活、あるいは社会生活等の向上のためということをしっかりと念頭に置きながらそこら辺はやっていきたいと思います。
○石橋通宏君 大臣から御確認をいただきましたので、今後も是非、そこをまず国民の皆さんのための今回の利活用なんだということがよく御理解をいただけるような形で周知徹底を図っていただければと思いますので、その辺は冒頭まず確認、お願いをさせていただきたいと思います。
 その上で、じゃ、今回の改正の様々な中身が具体的に本当にその国民の生活に資するという観点でどうなのかということで、様々私自身も懸念点がありますので、その辺一つ一つクリアにしてまいりたいと思いますが。
 まず、定義の関係で、先ほど大臣既に、今回グレーゾーンの問題だと、グレーゾーンの解消を図っていくんだということで説明がありました。じゃ、改めて確認しますが、今回の新たな定義、特に個人識別符号を設けたということも含めて、個人情報の範囲というのは拡大するんですか、しないんですか。
 つまり、これまでグレーゾーンがありましたね。グレーゾーンというのも、黒に近いグレーゾーンと白に近いグレーゾーンと、当然幅が、濃淡がすごくあるわけです。じゃ、そのグレーゾーンを解消するんだけれども、今回、個人識別符号を設けた、これによってグレーゾーンはどっちに行くんですか。白に行くんですか、黒に行くんですか。それによって個人情報というのが拡大するのか狭くなるのか、分からないんですね。
 そこ、大臣、もう一回、グレーゾーンはどうなるんですか。
○国務大臣(山口俊一君) これはもう基本的に今、石橋先生おっしゃったとおりで、これまでグレーゾーンとして例えば勝手に使っておったものもあるわけですね。あるいは、よく分からないのであえて使わなかったというふうな様々な情報があるわけで、そこら辺を交通整理をすることによって、一つには、やはりこれは個人情報ですよ、あるいはこれは大丈夫ですよというふうな格好になるわけで、ですから、基本的には増える部分もあるでしょうし、減る部分もあるでしょうし、そこら辺の交通整理をしっかりやっていくというふうなことが大事なんだろうと。
 今回、とりわけ匿名加工情報というふうな類型を入れるわけでありますが、これによって、加工することによっていわゆる個人情報ではないというふうな形にしていく。しかしながら、それも流通の過程等々、収集の過程等々においてはしっかりやはり個人情報の保護という意味で歯止めを掛けていくというふうなことで、言わば、これまでどっちなのかな、これ使いたいんだけれども使えないのではないかな、あるいはもう使ってしまえということでやってきた、様々なそこら辺の交通整理をしっかりやらせていただくというふうなことなんだろうと思います。
○石橋通宏君 まだすとんと落ちませんが、ちょっと匿名加工情報のところは後ほどやります。
 個人情報と匿名加工情報をある程度明確に分けて議論した方がいいと思いますので、今、個人情報の範囲の話について確認をさせていただいていますから、そこは絞って大臣も整理された方がいいかなと思いますけれども。
 そうすると、グレーゾーンは今回なくなるという理解でよろしいですか。例えば、個人識別符号というのを今回設けた、これ、具体的に政令で列挙する。これ、限定列挙なんでしょうか。全ての対象となる個人識別符号を政令で全部網羅的に示すということでよろしいんですか。それとも、網羅的にはそれはさすがに示せないから、やっぱりグレーゾーンは今後とも残るということになるんでしょうか。そこの確認だけ端的にお願いします。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 個人識別符号に関する政令につきましては、運転免許証番号、旅券番号等の具体的な情報の名称を規定する方法、それから、幾つかの情報が当てはまるような情報の性質を規定する方法と両方を想定しているところでございます。
 ただ、いずれにしても、できるだけ明確化するというふうなことでございますが、そういうふうな情報の性質を規定するようなものにつきましては若干の幅が出る可能性は十分にあるとは思います。
 個人識別符号についてはそういうふうな考え方で、個人識別符号に当たるか当たらないかの明確化はできるだけ図る必要はあるんではないかというふうに思っております。
○石橋通宏君 確認ですが、グレーゾーンはやっぱり残るということですね。
○政府参考人(向井治紀君) 一〇〇%解消するということはなかなか難しいのではないかと思います。
○石橋通宏君 その点、確認させていただきました。また後ほど、若干また戻って質問させていただきます。
 それでは、今日、私の質問のメーンですが、匿名加工情報について特に集中的にいろいろと確認をさせていただきたいと思います。
 大臣、改めて、先ほど今回の改正の目的ということで御説明をいただきましたが、匿名加工情報を今回新たに設けたというのが私も恐らく目玉だろうなというふうに思っているわけです。だから、逆に、この匿名加工情報がいかなるものなのかということについて、これ、本当に明らかにしていくことが改正の趣旨にも合致するんだと思うんですね。
 改めて、大臣、今回匿名加工情報を規定した目的についてですが、これ、何なんでしょう。第三者に対する提供を促進するためなのか、目的外利用をもっともっとできるようにするためなのか、一体、端的に結構ですから、何のために匿名加工情報を定義をするんでしょうか。
○国務大臣(山口俊一君) 今回の法案では、今委員御指摘のとおり、新たにこれは特定の個人を識別できないように加工された匿名加工情報、これを新たに定義をさせていただきまして、一定条件の下で本人の同意なく自由な情報の流通、利活用を認めて、データの利活用が促進をされるということを実は期待をしておるところでございまして、この匿名加工情報の利活用によりまして新事業、新サービス、これの創出が図られることにもなりまして、結局、ひいては国民生活全体の質の向上に資するというふうに考えておりますが、このような匿名加工情報、この利活用による様々な効果が最大限に発揮をされるように必要な環境整備に努めてまいりたいということであります。
○石橋通宏君 大臣、匿名加工情報というのは個人情報の一部ですか、それとも匿名加工情報というのは個人情報とは全く別のものですか。
○国務大臣(山口俊一君) やはり匿名加工情報というのは、加工することによって特定の個人を識別することができないようにするわけですから、いわゆる匿名加工情報自体は個人情報という類型から外していく、ただ、やはり照合性というのは、一〇〇%これどうなのかということもありますので、そこら辺に関しては、若干ルールとして使い方に関しては規則を決めていくということになるわけです。
○石橋通宏君 お手元に資料をお配りをさせていただいて、一ですが、大臣、その辺曖昧にしていただくとちょっと問題なので。加工されてでき上がった、法律上定義には合致した匿名加工情報は、個人情報とは別のものになるということでよろしいですね。
 つまり、これなぜ大事かというと、法案で言うと第一節第十五条から第三十五条までの規定と、第二節の規定というのがあるわけです。これ改めて確認しますが、第十五条から第三十五条までの規定というのは、これは匿名加工情報、匿名加工情報取扱事業者には適用されないものだということでよろしいですね。
○政府参考人(向井治紀君) 匿名加工情報は個人情報に該当いたしません。したがいまして、御指摘のとおりになります。
○石橋通宏君 実はここが大事なところだろうなと。衆議院の審議でも若干そこが混同されているような議論が散見されたものですから。
 改めて確認しますと、第十五条から第三十五条までの規定というのは、これはあくまで個人情報と個人情報取扱事業者に関わる規定で、匿名加工情報には適用されないというのが今答弁で御説明をいただいたと思いますので、その辺、それでよろしいんですね。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 元々、匿名加工情報の元は個人情報でございますので、個人情報であるうちは当然されますが、それが匿名加工情報になったら個人情報ではございませんので、それらの規定は適用されません。
○石橋通宏君 そこを是非明確化してください。
 それで、じゃ、匿名加工情報ですが、これ定義で、識別することができない、かつ復元することができないと、これ二つ並列で並べられて、かつで結ばれておりますけれども、この識別することができない、かつ復元することができない、これどういう状態ですか。
○政府参考人(向井治紀君) まず、識別することができないというのは、それらの情報を合わせても特定の個人を識別する、これができない、要するに個人情報には当たらないということになる、何といいますか、識別できないということなので、個人を識別できないということでございまして、復元できないというのは、通常の手段を用いてそれらを元に戻そうとしても元の個人を識別することができない、したがって復元することができないと、そういうことでございます。
○石橋通宏君 そうすると、さっき大臣、容易照合性の問題があるので云々言われたけれども、これ、匿名加工情報になれば容易照合性は関係なくなるんじゃないんですか。そこを明確にしてください。容易照合性がなくなるから匿名加工情報、これ第三者利用も含めて自由にできるということにしているわけですね。そこでまだ容易照合性の問題が残ると言ってしまったら、じゃ、匿名加工情報って何なのかということになりませんか。容易照合性の問題がなくなった状態が匿名加工情報だということでよろしいですね。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 むしろ、個人情報でございませんので容易照合性云々の議論には当たらないと、そういうことでございます。
○石橋通宏君 当たらないということですから、大臣、先ほどちょっと当たるようなニュアンスの答弁だったんじゃないかなと思いますので、そこは明確に、容易照合性というものは匿名加工情報については問題にならないんだと。逆に言えば、なってはいけないわけです。そこのところは、是非政府も統一的にきちんと答弁していただければなというふうに思います。
 これ先ほど、これ向井審議官でいいですが、技術的に、先ほどもちらっとおっしゃいましたが、じゃ、技術的に絶対に復元はできないのか、不可能なのか、そこまでやらなきゃいけないのかということがちょっと心配、懸念のところにもなるわけですが、これはどうなんでしょう。技術的に絶対復元できないというところまで求めるのか、いや、そこまではさすがに、スーパーコンピューターを使って解析すれば何とかなっちゃうなというので、一〇〇%はやっぱり技術的にはあり得ないということは認めた上での匿名加工情報なのか、そこだけもう一回確認お願いします。
○政府参考人(向井治紀君) 技術的に一〇〇%復元できないということはなかなか難しいと思っておりまして、そこは通常の手段を用いて復元できないということで、一〇〇%復元することを不可能にすることまで求めるものではございません。
○石橋通宏君 要は、照合してはいけない、つまり元データに戻してはいけないと、それを禁止することでこの匿名加工情報の信頼性を担保している、そういうつくりになっているということでよろしいですね。
○政府参考人(向井治紀君) 御指摘のとおりでございます。
○石橋通宏君 そこも併せて確認をさせていただきました。技術的には、技術どんどん進歩しますので、一〇〇%復元不可能だということは、それはやっぱりさすがにそこまでは要求できないと。しかし、復元してはいけないということを法律上も担保しているので、それによって匿名加工情報の信頼性、安全性というものを担保する仕組みになっているということで今確認をいただきました。
 それでは、大臣、復元すること、先ほど、例えばスーパーコンピューターとか、そういうもう想像できない、普通にはアベイラブルではないものを使ってやることまではさすがに一〇〇%はできないけれども、通常一般からいったら復元、照合できないんだということだということで説明いただきましたが、じゃ、通常一般に復元することができるような加工情報は法律上言う匿名加工情報にはならない、当たらないという理解でよろしいですね。
○国務大臣(山口俊一君) 御指摘のとおりで、更に申し上げますと、さっきの答弁させていただきましたのは、今お話がありましたように、一〇〇%復元ができないかどうかということに関してはこれからの技術の進歩等々を考えると言いづらい面があるというふうなことと、例えば事業者が復元を勝手にしてしまうというふうなことがありますので、そこら辺は法律的に担保を保つということでさっきあのような答弁をさせていただいたわけでありますが、先ほど参考人の方からお答えをしたとおりであります、基本的には。
○石橋通宏君 なので、大臣、復元することができる、つまり、先ほど私が言ったのは、容易照合性の問題ですから、容易照合性の問題ですから、スーパーコンピューターを用いなければ照合できないのは、これ僕は容易照合性とは言わないと思っていますので、そこをだからちゃんと整理して、つまり、通常一般的に、今現在、誰でも使えるような技術を使ってはそれは戻せないということでいっていただければそれは容易照合性に当たらないわけですから、そこの確認と、逆に言えば、今一般的に復元することができるように加工された情報というのは法律上の匿名加工情報には当たらないということでよろしいですかというのが私の質問です。
○国務大臣(山口俊一君) 法律的には当たらないというふうに考えていただいて結構でございます。
○石橋通宏君 法律上は当たらないと。つまり、それは個人情報のままだということでよろしいですね。
○国務大臣(山口俊一君) そういうことであります。
○石橋通宏君 そこは大変重要なところです。
 といいますのは、第三十六条の条文を、これ改めて確認をしていきますと、これは、個人情報取扱事業者、個人情報を持っている事業者が匿名加工情報を作成する、つまり、意思を持って、これから法律上の匿名加工情報を作るんだという意思、意図を持って、その委員会規則で定める基準に従って個人情報を個人を識別できないよう、かつ復元できないよう、これ法律の要請ですね、加工したものが匿名加工情報であるという規定になっているわけです、ですね。
 とすると、これに合致しない加工情報というのは法律上の匿名加工情報にはならないということで整理をしたいと思いますが、それでよろしいですね。
○政府参考人(向井治紀君) 御指摘のとおりでございます。
○石橋通宏君 ということは、これ、かねてから衆議院でも質疑出ていたと思いますが、個人情報を持っている事業者が、例えば安全上の観点から、これは今、現行でもよくある話です、匿名化をする若しくは仮名化をすると。一定の識別情報等々を取り除いて、普通取り扱うというようなことはされております。今回、それが、じゃ、匿名加工情報に当たるのではないかと。どこからどこまでが当たるのか当たらないのかということが、かなり混乱を持って議論されてきたわけです。
 今の御説明でいくと、そういう場合、つまり事業者がこれは匿名加工情報を作るので規則にのっとってこれを加工しましたというのでなければ匿名加工情報には当たらないという今御説明だったので、とすると、先ほど言ったように、事業者が安全上の観点などなどから全く別の目的で加工化した、仮名化した、それは法律で言う匿名加工情報には当たらないというのが政府見解であるということでよろしいんですね。
○政府参考人(向井治紀君) 委員御指摘の、形式的に匿名化を施したというふうなもの、加工を施したという場合にまで匿名加工情報としての取扱いを求めるものではございません。
○石橋通宏君 そうすると、一体どういう場合に、どういう時点に法律上、匿名加工情報に当たるものになるのかというのは、誰がどう判断するのかということが非常に曖昧にむしろなるのではないかなということが心配されるわけです。
 大臣、そうすると、この三十六条の規定にのっとって、個人情報取扱事業者が匿名加工情報を作るんだという意図を持って規則にのっとって作りましたと。そうすると、公表の義務が生じるわけですから、それをもって事業者は公表するわけですね。その場合にのみ、法律上の匿名加工情報として扱われると。つまり、事業者が、いや、これは僕は匿名加工情報を作る意図はなくて、あくまで自社内の利用とか、あくまで安全上の対策とかでやるもの、仮名化をするものであるから、これは法律上言うところの匿名加工情報を作る意図も何もありませんと。そういう加工化というのはそれに当たらないので公表しませんから、それは、要は作成した事業者の側が公表する公表しない、意図を持って作成する作成しない、それをもってこの法律上の三十六条の定義に当たるか当たらないかが判断されるという整理でよろしいんですか。
○政府参考人(向井治紀君) 実際に、先生御指摘のとおり、どこでまさに匿名加工情報になるのかというのが明確化されるというのは、まさに公表されたときだというふうに考えております。
○石橋通宏君 そうすると、いいですか、整理しますが、匿名加工情報を作るという意図を持って正式な基準にのっとって作成をされたと。定義に合致するようにそれが、匿名加工情報が作られたと、事業者が意図を持ってね。それで、公表すればこの法律の匿名加工情報、第二節の規定に照らし合わせてそれが適用されるという整理でよろしいということなので、そうでないもの、そういう意図を結果的に、結果的にですよ、事業者がそういう意図がなかった、基準にものっとっていない、でも結果的に個人情報を何らかの仮名化なり匿名化の加工をしたら、条文には合致するように、要は識別できない、復元もできない状態になってしまったんだけれども、これは、いや、私はそういう意図で作ってないですから、だから公表もしませんよという、それは法律上には問題にならないという整理でよろしいですね。向井審議官、もう一回そこだけ確認。
○政府参考人(向井治紀君) 御指摘の場合につきましては、およそ利活用なされていないものでございまして、特にそれによって権利侵害だとか起こる問題ではございませんので、基本的にはそういうふうな場合に公表する必要はないものと考えております。
○石橋通宏君 そこが恐らくこれまで大変混乱して議論されてきた部分ではないかなと思いますので、今御答弁をいただきましたので、改めて三十六条の意味、匿名加工情報、法律上の匿名加工情報に当たるものがどのようなものなのであるかということについて整理をいただいたんだと思います。つまり、事業者がこの法律上の規定にのっとって意図を持って作成した、そして、だからこそ公表をしたと、その場合に、一般的には法律上の匿名加工情報に当たるので、そうでないものについては当たらないから、それは今後とも個人情報として個人情報の規定が適用をされ続けるという整理だったと思いますので、そこを確認をさせていただきたいと思います。
 そうすると、もう一つの問題が生じてきますね。そうすると、事業者が個人情報を加工して、匿名加工情報を作ったと。ルール、基準にのっとって作りましたと。しかし、例えばそれが不十分な匿名化だったというふうになるとしましょう。つまり、基準にのっとって作ったつもりだったんだけれども、実はそれが復元可能だった、その場合には、それは基準に照らし合わせて適切ではないから、匿名加工情報にはならないんですか。つまり、不十分なので、つまり識別可能だったり復元可能だったりするから、それは、事業者はそのつもりで加工してそう公表したんだけれども、でも要件は実は満たしていないから匿名加工情報にはならない、つまりそれはいまだに個人情報という扱いになるんですか。
○政府参考人(向井治紀君) 御指摘のとおりでございます。
○石橋通宏君 それはどこの段階で気付くんでしょうね。
 例えば、匿名加工情報だと思って匿名加工情報を作りました、公表しました、でも実はそれが不十分でした。つまり、識別できちゃう、容易照合性があっちゃった。でも、事業者は、匿名加工情報、つまりもう容易照合性がなくなったものとして扱って公表もしているので、先ほど大臣言われたとおり、自由に活用するわけです。自由に活用されちゃった。そうしたら、後になって、いや、十分じゃなかったじゃないか、匿名加工情報、これ容易照合性があるじゃないかといったときに、だからそれは個人情報なんだといっても、これは後の祭りにならないですか。それ、どうやって整理するんですか。
○政府参考人(向井治紀君) 御指摘の場合につきましては個人情報という取扱いになりますので、個人情報の不適切な第三者提供ということに当たるということになろうかと思います。その場合には個人情報保護委員会からの指導、命令等が起こるものと思っております。
 その端緒といたしましては、そういう公表されているものを個人情報保護委員会がチェックするというのもございましょうし、個人の方からのいろんな苦情等を端緒とする場合もあるんじゃないかというふうに考えております。
○石橋通宏君 これ確認ですけど、先ほど大臣もちらっとおっしゃいましたが、これ、匿名加工情報というのは、作成する際に元々の個人情報の所有者に同意は要りませんね。第三者提供するときも目的外利用するときも、匿名加工情報ということでいけば何の要求もありませんね。しかも、トレーサビリティー、今回、個人情報の点ではトレーサビリティーというのを強化をしました。でも、匿名加工情報にはトレーサビリティーありませんね。唯一の要件は、これは匿名加工情報であるということをきちんと明確化するということだけですね。それでよろしいですね。
○政府参考人(向井治紀君) 御指摘のとおりでございます。
○石橋通宏君 そうすると、先ほど向井さん、いや、それは、不十分なやつは個人情報だから、それは個人情報の規定が当たるので、個人情報をその要件に従わないままやったということで指導の対象になる、罰せられるという話だと思いますが。
 しかし、一旦、匿名加工情報として、今申し上げたように、本人の同意も要らない、目的外利用の通知も要らない、何にも要らないわけです。自由に使えるのが今回、匿名加工情報の趣旨ですからね。とすると、もう自由に流通しているわけです。間に幾つもの業者がひょっとしたら入ってしまうかもしれないし、それが実際に様々な新たなサービス提供なり目的で使われているかもしれませんね。で、どこかの段階で、いやいや、これ照合性あるじゃないかといって気付いたときに、それで元々誰だといったってトレースできないんでしょう。どうやってそれを元々のところまでトレースして罰するんですか。
○政府参考人(向井治紀君) 匿名加工情報としてやる場合は公表いたしますので、公表元がまず、そこがその情報が不十分だという、そこの元は多分分かるんだろうと思います。それがばあっと広まった場合にどうかというのは、御指摘のとおりでございます。
 したがいまして、匿名化あるいは復元の可能性をなくすための加工方法につきましては、できるだけそのような誤解の生じないようなガイドラインないし、あるいは認定保護団体の指針等を作っていく必要があるのではないかというふうに考えております。
○石橋通宏君 今、元々作成したときに公表するので、それは元々公表したところについては分かるのではないかというお話でしたが、匿名化加工されて様々にもう流通をしてしまったところの大本の公表のところまでたどって判断できるのかどうか、そういうところが一つ課題になるのではないかと思います。
 今、向井さんが、そもそも作成する段階でしっかりしたものをということだと思います。そこのところをちょっと併せて確認をしたいわけですが、じゃ、個人情報保護委員会が基準というものを作る、その基準にのっとって匿名化をするということで先ほど確認をさせていただきました。
 保護委員会が作る基準、改めて確認ですが、これどんな基準を作るんでしょうか。要は、多種多様な業種に多種多様な個人情報がある中で、それを匿名化する基準というものを一律に作れるんでしょうか。
○政府参考人(向井治紀君) まず、保護委員会の基準につきましては、例えば氏名を外すのはある意味当然でしょうけれども、住所の場合につきましては例えば市町村名を外すとか、あるいは年齢の場合ですと年齢の階層を五歳刻みにする、十歳刻みにするというのは、多分、情報の量によって違ってくるんではないかと。
 それから、特異な行動をするパターンについては、そういうものについても、そういうふうなものを外すような加工方法がございますので、そういうことを措置を講じるというふうなことを一般論として、何といいますか、個人情報保護委員会が決めていくということになろうかと思っています。
 業種ごとにいろんな情報があろうかと思いますので、それらについては、業種ごとに認定個人情報保護委員会が決めていくということでございます。
 済みません。先ほどちょっと答弁にミスがございまして、提供する場合も匿名加工情報は公表することになっておりますので、その公表によってある程度はトレースできるのではないかというふうに思います。
○石橋通宏君 今ちょっと訂正をいただいた部分で、匿名加工情報については、第三者提供するときにも第三者提供したことを公表する。つまり、ごめんなさい、それは、それによってトレースができるということの意味の公表ですか。それとも、あくまでこれ第四項のことを言われている、この情報の項目、提供の方法については公表しろということになっていますが、それによってトレースもできるんですか。
○政府参考人(向井治紀君) 全てがきっちりとトレースできるというわけではございませんけれども、若干のトレースの可能性は増えるんではないかというふうに思っております。
○石橋通宏君 いや、若干という意味が分かりませんが、匿名加工情報を受けたところは、それを受けたものをまた別の第三者に提供するときには、そのときにもその公表の義務が課せられると。だから、これをずっとたどっていけば、それはずっと追うことができると。つまり、トレース、どこの誰にどう提供したかという個人情報と同じようなトレーサビリティーの義務は掛かっていないけれども、実質的にこの第三者提供のときの公表ということをトレースしていくことは可能なので、同様の効果が生じるということなんですか。
○政府参考人(向井治紀君) 通常の個人情報ほど提供先まで明示してなどの記録義務が掛かってくるわけではございませんので、そういう意味では、提供先まで公表しているわけじゃないので、そういう完全なトレーサビリティーがあるわけではございませんけれども、先生がおっしゃるように、提供するたびに提供することを公表するのをたどっていけば、何もないよりはトレースできる可能性が高くなるものと思っております。
○石橋通宏君 そこのところは、恐らく先ほどの問題の指摘含めて重要なところだろうと思いますので、もう一度きちんと整理をして確認をいただければと思いますが。
 私が質問したその基準の件ですが、資料でいくと二のところでその辺ちょっと整理をさせていただいておりますけれども、今、保護委員会が策定する基準というのはあくまで一般論、基本ルールであるということだと思います。個別具体的な加工方法というのは、これは認定団体が作っていくんだという整理になっていると思います。
 それでは、認定団体がこの個別具体的な加工方法、加工ルールというのは作るんだということでしたけれども、それは、じゃ、その認定団体が作る個別具体的なルールにのっとって匿名加工情報を作ることは義務付けられていますか。
○政府参考人(向井治紀君) 認定団体のない場合もございますので、それが義務付けになっているわけではございません。
○石橋通宏君 つまり、これ、委員会の基本ルール、一般論的な基本ルールにさえのっとって作ればいいというのが法律上の要請ですね。つまり、認定団体が個別具体的なルールを作るんですと先ほどから言われていますけれども、しかし、それは義務じゃないわけです。認定団体がないところもあるので、認定団体がないところは、それはその業界独自の、分野独自のルールというのは作れませんから。
 とすると、企業が自分のところの自主的なルールなり自主的な加工方法で加工する、あくまで委員会の作る一般論的な基本ルールにのっとって作るということのみが法律上の要請だということで、もう一回そこだけ確認してください。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 その委員会の、加工方法の、作る規定の仕方というのは、認定個人情報保護団体がない場合について、やはり委員会の保護規則がある場合とない場合では変わってくるんじゃないかという気はしております。
 例えば、委員会の保護規則を、委員会におきます匿名化をする場合の規則を作る場合に、通常、こういうようなことを、一般論書いてありますし、それ以外の部分について、個別論についてもこれこれこういうことをしなさいと書きつつ、認定保護団体がある場合にはそちらに従うというふうな書き方がありますので、そういうふうなことで適切に対応できるのではないかというふうに思っております。だから、認定保護団体がないところが緩くなるというようなことにはならないようにするような規則を作る必要があると思っております。
○石橋通宏君 いや、しかし、保護委員会が作る一般論的な基本ルール、これは一般論なんですよね。
 ということは、具体的な様々、多種多様な業種、業態、それに対する個別具体的なルールというのは委員会は作らないわけでしょう。あくまで一般論的な共通の基本的なルールのみを作るのが委員会規則であって、個別のそれぞれの業界に特有の個人情報の加工ルールというのは、それは委員会規則には含まれないんでしょう。そういう整理でいいですね。
○政府参考人(向井治紀君) 個々の、何といいますか、特殊な事例、特殊な業界ごとのものは、基本的には認定保護団体があれば認定保護団体に任せるということになりますが、認定保護団体のない場合についてその部分が緩くならないような措置というのは必ず必要になってくると思います。
○石橋通宏君 今言われた措置というのは、じゃ、その認定保護団体がない業界、業態、分野については、保護委員会がそれに応じた個別具体的なルールを作るという意味でおっしゃっているんですか。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 基本的には、個人情報保護委員会が定める基準を遵守してもらうことで法が求める最低限の適正な状態が確保されるとは想定をしておりますけれども、特に認定団体が存在していない事業分野については、委員会が、当該分野に特有の匿名加工方法があるような場合には、QアンドAを作成するなりガイドラインを作成するということも考えられるのではないかと思っております。
○石橋通宏君 大臣、これ御存じですね。もう様々な業界団体の皆さんから、ここについては懸念なり要請なりが出されているはずです。つまり、保護委員会が全てのあらゆる多種多様な業界の扱う個人情報についてルールを定めるなんて、それは不可能だと。だから、是非それぞれの業界の団体に任せてほしいと。委員会が作る規則はあくまで、先ほど言われたように、一般論の基本ルールだけ作ってもらって、個別具体的なやつは業界に任せてほしいという、そういう整理になっているはずですね。だから、そこを懸念されているわけです。
 なので、団体がないところは委員会が作るんですという、そういうもし答弁されているのであると、それは、いや、そんなことできないだろうと。僕も心配ですよ。そんなこと果たして委員会のあの後ほど言う体制でできるのか。いや、できないでしょう。いや、できないことをやるとおっしゃっているのか、いや、そうじゃないとおっしゃっているのか、分からない。
 とすると、じゃ、認定保護団体が今ないところは、やっぱり極力認定保護団体をつくっていただくんだと。だから、それで認定保護団体に全ての個別具体的なルール、ガイドライン作りというのはやってもらうという方向でいいのか。ちょっとそこの整理をもう一回してください。
○国務大臣(山口俊一君) まさに先生御指摘のとおりで、ともかく認定個人情報保護団体をしっかりつくっていただく、これは力を尽くしていきたいと思っておりますし、同時に、できるだけ認定保護団体のないところに関しても御相談に乗るというふうな格好で、それと、一般論的なことになるかも分かりませんが、しっかりとQアンドA辺りを作って、それを周知をしていく。さらには、例えば町内会等々、そういったところもあろうかと思います。そこら辺に関してもちゃんとした、ガイドラインというかQアンドAというか、分かりやすいものを個人情報保護委員会としても提供していきたいというふうに思います。
○石橋通宏君 なるべく認定保護団体をつくっていくという大臣の答弁でありましたが、そうすると、これ、いろんな業界、今、認定保護団体、大体四十一ぐらいあるというふうにお聞きをしております。最終的にどれぐらいの業界、業態があって、どれぐらいの認定保護団体を作成する必要があるのか私も想像も付きませんけれども、逆に、それを促進していく、促していくためには、当然、それぞれの業界の皆さんに、認定保護団体を是非つくってくれと、是非登録して、認定受けてくださいという何らかのインセンティブが必要なのではないかなと。
 これも業界の皆さんは強く、じゃ、つくったからといってどういうメリットが団体の方にはあるのかと。いや、それは委員会が仕切るなら、じゃ委員会が仕切ればいいじゃないかと。でも、やっぱり認定保護団体をつくって登録して頑張ればこういうインセンティブがあるから是非そうしてほしい、そういう何か具体的なものがあるんでしょうか。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 まず、まさに認定保護団体を広くつくっていただきたいというののやはり一番の理由というのは、そういう認定保護団体がありますと、その業界に適した、何といいますか、そういう加工方法というのを随時に、随時といいますか、機動的に定められるというのが一つのメリットであろうかと思っております。それから、そういう認定保護団体があるということが、また消費者との信頼を深めるとか、そういうふうなメリットもあると思います。
 これらにつきまして、是非そういうふうな各種業界に働きかけを行っていく必要があるというふうに考えております。
○石橋通宏君 今日、質疑を通じて匿名加工情報について様々明らかにさせていただきまして、正直申し上げて、一番のポイントは、この匿名加工情報がどれだけ適切にその定義にのっとって、つまり容易照合性がない形で、信頼性ある、安心ある形で作られ、それが活用されるかということに尽きると思います。そうすると、いかに今申し上げた認定個人情報保護団体がしっかりと活動いただけるかということ、ガイドラインをしっかりちゃんとしたものを作っていただいて、それにのっとってちゃんと匿名加工情報を作成していただくということに尽きるんだろうなというふうに思うんです。
 だからこそ、ここは是非これ政府のイニシアチブで、全ての業界にきちんと認定保護団体がつくられて、そしてちゃんとしたガイドライン作っていただいて正しく匿名加工情報が作成されるように、これ失われちゃうと、大臣、もう全て今回の改正、信頼失われてしまいますから、そこのところをもう最大限やっていただくことをお願いをしておきたいと思います。
 あと、残り時間が少なくなってきましたので、幾つか確認だけさせていただきたいと思いますが、今回、併せて要配慮個人情報も新たに規定をされました。
 これ、要配慮個人情報も、当然、加工すれば匿名加工情報になるということ、できるんだということだと思っておりますけれども、そうすると、これは一点確認ですが、単なる個人情報と要配慮情報を含む要配慮個人情報と、加工のルールというのは変わりますか、同じですか。
○政府参考人(向井治紀君) 要配慮個人情報というのは幾つかのものございますけれども、例えば人種とかそういうのは当然分からないようにしろということになろうかと思いますけれども、要配慮個人情報だからというふうな加工方法の違いはないものと考えております。
○石橋通宏君 それは、つまり、保護委員会が策定する基準なり、それぞれの認定団体が作るガイドラインなり、それは個人情報、要配慮個人情報、それを分けてルール設定する必要はないという見解だということでよろしいですね。つまり、一定のルールの下に加工すれば、要配慮個人情報、要配慮の部分は確実になくなるので特に分けてやる必要もないという、そういう整理だということでいいですね。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 要配慮個人情報につきましては、大抵の場合それはそもそも加工情報に入らないものが多いと思っておりますが、医療履歴なんかはむしろ、まさにそういう分野の加工方法として規定されると思いますけれども、いわゆる要配慮個人情報と通常の個人情報を分けた規定の仕方が必要になるものとは考えておりません。
○石橋通宏君 そこのところは、是非、間違いなく大丈夫なんだということであれば、それは確実にそういうふうにしてください。これ一番心配されるところだと思います。
 まさに今、向井さん言っていただいた医療の関係とか、これ、今回のビッグデータ活用、パーソナルデータ活用でいけば、やっぱり医療・介護連携ですとか、国民の皆さんの福祉の向上ですとか、様々な公共サービスの提供ですとか、非常にやっぱり重要なポイントなんです。重要なポイントだからこそ今回わざわざ要配慮情報というのを区分けしたわけですから、そこが匿名加工された際にどうなるのか、同じルールでやって間違いないのかということは、これ心配されるところだと思いますから、今日、答弁は、同じルールでやって、要配慮情報は確実に削除されるから問題ないんだという答弁だったと思いますので、確実に現場の運用でそうなるように、これは担保してください。
 もしそうならないのであれば、僕は、これはそれぞれのやっぱり情報に応じた加工のルールがあるということであれば、要配慮個人情報に応じた加工のルールというのはあってしかるべきなんだろうなと思ってこれを確認しているんだけれども、そうでないということなので、そうではないなら、それが確実に加工の段階で要配慮があるものもないものも、加工した後ではそれは一切見えなくなっているということが担保されるということで是非よろしくお願いします。
 何かありますか。
○政府参考人(向井治紀君) 済みません。やや舌足らずだったかもしれませんが、要配慮情報かどうかで決まるのではなくて、情報の種類によっては、その情報の種類によって加工方法を定めるものは当然出てくると思いますので、その対応で足りるのではないかという趣旨でございます。
○石橋通宏君 そこは是非しっかりとした対応をお願いしたいと思います。
 時間の関係で最後になるかもしれません、まだ幾つかありましたが。第十五条の関係について是非確認をしておきたいので、利用目的の変更のところですね。
 おとといの審議で相原委員も質疑されて答弁をいただいておりまして、これは衆議院でも議論になって、衆議院でのこの法案成立のときに、かなり新聞報道でも、いや、こんな目的外利用が可能になるのかということで、結構何紙かが取り上げて心配の声が上がったわけです。実は、私も衆議院の方の質疑を聞いていて心配になった方なんです。
 これは、大臣も、おとといのところでは向井さんも、具体的に電力データの利用の例を挙げられましたね。電力会社が集めた電力使用状況のことを社内の研究開発や安否確認サービスにも使えると、これ例示で答弁されました。これ、本当にここまでの拡大が、今度、「相当の」というのを取ったことによって広がるという理解なんですか。
 これは、僕も心配なのは、例えば安否確認サービス、これよく言えば安否確認サービスですけれども、これ悪く言えば電力会社の方がそれぞれの御家庭を監視するということの心配が、まさに国民の皆さんからいうと、冒頭、大臣とやり取りさせていただいた、今回一体何のための目的でやるのかということにつながっちゃうんですね。それぞれの御家庭の暮らしの向上ならいいんだけれども、企業の利益の向上とか、国とか企業による監視の強化とかいうことになるのではないかという心配で、大臣たちがこの例を挙げられるものだから、こんなこと可能になるなら家庭の状況が監視されるじゃないかということにつながっちゃうと思うんです。
 これ、大臣、この事例は、本当にこんなこと可能にするんですか。
○国務大臣(山口俊一君) 例示でお示しをさせていただいた電力会社の見える化サービス、これで取得をした個人情報が安否確認サービス等に利用できると。これは、本人が通常予期し得る限度内であるというふうなことで判断をしたわけであります。
 今でも、例えば、実は私もついこの間経験をしたんですが、水道料金が前の月よりも倍ぐらい使っていますけど大丈夫ですかと水道の方から言われたんですね。そういった、ある意味でサービスというのは私は許されるんではないかなと。
 具体的な見える化サービスは、利用者に対してこれ省エネに関するアドバイスを行うものでありますけれども、これは事業者が把握をした個人の電気使用量の傾向、これを分析をすることによって提供されるものというふうなことなんですが、この点、安否確認サービスというのも個人の電気使用量の傾向、これを分析することによって提供されるものであるというふうなことで、通常本人が予期し得る範囲内であるというふうに考えたわけでございます。
 ですから、一部報道で指摘をされておりましたけれども、本人が到底予期し得ないような目的変更の事例とは若干違うんではないかなというふうに私は思っておりまして、同時に、本人との関係におきましては、利用目的を変更した場合にその変更した利用目的を通知又は公表しなくてはならないというふうなことに、これは改正後も変わらないわけでありますので、変更後の利用目的につきましては本人が知り得る状態というのは確保されておるというふうなことでありますので、利用目的を特定をするという趣旨が没却されておるものではないというふうな判断で申し上げさせていただきました。
○石橋通宏君 大臣、先ほど、例えば水道料金の話をされました。水道料金で倍ぐらい使っていますけどというのは、これは恐らく想定の範囲内だと思いますよ。電力料金だって、例えば電力料金使って、電力料金が増えています減っていますというのは、これはまあ電力使用で予期している範囲内だと思います。しかし、安否確認サービスというと、これ予期できる範囲内ですか。これ予期できる範囲内だから今回の十五条の改正によってできるとなっちゃうと、十五条そのものの意義、第一項でちゃんと目的というのは明示しなければいけないと、限定的に、それすらもう意味なくなっちゃうのではないかなということをすごく心配します。
 繰り返しますが、冒頭の、今回何のための改定かと。やっぱり個人情報についてはこれ定義を明確化していただいて保護をきちんとしていただく、しかし、匿名加工情報を今回つくって、それに信頼性を確保して、それは皆さんの公共の福祉のために利活用できるようにするんだと、そういう趣旨だと私は理解しているんです。にもかかわらず、これ十五条で個人情報も利用目的を広げますということになっちゃうと、国民の皆さんの心配、懸念はなかなか払拭できないのではないかなというふうに思いますので、この点は是非改めて整理をしていただいて、十五条のこの「相当の」ということがなくなったこと、これについての国民の皆さんの懸念がきちんと払拭されるように整理をして、改めて説明をいただくようにお願いをして、私の質問を終わりにしたいと思います。
 ありがとうございました。
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。
 先ほど石橋委員が大変緻密な質疑をやられておりましたが、私は、かなり国民目線といったらあれなんですけど、一般的な市井の感覚で質問をさせていただきます。
 あわせて、前回も衆議院の委員会での附帯決議、これに基づいて質問をさせていただきましたので、今日もその流れに沿ってさせていただきます。
 最初に、認定個人情報保護団体、この件について、四十七条でありますが、質問させていただきます。
 まず、事業の多様化、また情報通信技術の進歩の早さを見ますと、業界ごとの特性を踏まえた上で技術の変化にも迅速に対応した民間の個人情報保護の取組を尊重して推進していくことが重要であるということで、現行法上設けられている認定個人情報保護団体はますます重要性を増すものと考えております。
 この点に関しまして附帯決議におきましては、認定個人情報保護団体となるための事務手続などを適切に支援するとありますけれども、これに対する政府の見解、また対応についてお尋ねいたします。
○政府参考人(向井治紀君) 認定個人情報保護団体による自主的な取組は、業界ごとの特性を踏まえたきめ細やかな個人情報の適正な取扱いの確保に資するものでありまして、今後もその重要性はますます高まるというふうに認識しております。
 現在、四十一団体が認定を受けておるところでございますが、今後認定個人情報保護団体による活動が更に広まるように、政府といたしましては、そういう認定個人情報保護団体のない分野にできるだけ認定制度の仕組みに関する普及啓発、あるいは認定の事務手続に必要な情報提供等をしっかり行って、認定個人情報保護団体を増やしてまいりたいと考えております。
○若松謙維君 その増やしたいということ、具体的にどのくらい増やしたいか。
 先ほども今ありましたけれども、例えばちょっと見てみますと、今四十一団体のうち、長野県個人情報保護協会、これ県ですね、独自のというのもありますし、あとは、これは結婚なんですけど、一般社団法人結婚相談業サポート協会、結婚相手紹介サービス協会、株式会社IBJ、これ日本結婚相談所連盟と、結婚だけでもこの三つ団体があるんですが、どんどんどんどん増えてほしいという趣旨なんですか。実際に、この指導というんですか、保護委員会がやるわけですよね、事務的に可能なのかどうか。そこら辺のちょっとバランスというかボリューム感も教えてください。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 基本的には業界単位というのが望ましいというふうな気がいたしますが、事業、そのものによっては例えば特定の地域を事業範囲としているもの等、いろんなパターンはございます。ただ、一つの業界で多数あるというのは必ずしも望ましいとは思っておりませんので、できるだけ業界単位のイメージで広めていくのかなというふうには思っておりますが、まさに民間の団体になりますので、なかなかそうもいかない場合もあるかとは思っております。
 ただ、やっぱり是非やりたいと思っていますのは、そういうふうなもののない分野ができるだけ少なくなっていくような方向に持っていきたいというふうに考えております。
○若松謙維君 そうすると、さっきの結婚相談という、三つありましたけど、これ同じ経済産業省なんですね、今のところは。こういったものはやっぱり一つというか、それなりに集約するというか、それがイメージされている、何というんですか、法の施行ですか。
○政府参考人(向井治紀君) 民間の団体でございますので、そういうふうにできるかどうかという現実論としてはありますけれども、理想論を申し上げれば、やはり似たような業種につきましては同じような団体が多数あるというのは必ずしも望ましいことではないんではないかと考えております。
○若松謙維君 反対に団体がないところ、ここをどうモニターするかというんですけれども、これはどういうふうにします。
○政府参考人(向井治紀君) 団体のないところは、通常の産業ですと経産省が今いろいろ団体をつくるよう働きかけたりしているところもございますけれども、新たに立ち上がったような新規業種とか、これまでそれほどそういう団体というのがなかった業種というのもあろうかと思います。これらについては、各所管省庁と連携しながら進めるしかないのではないかと考えております。
○若松謙維君 そうすると、今の四十一団体ですと、国家公安委員会、金融庁、厚労省、あと経済産業省、国交省、大体こんなところなんですね。そうすると、まだそれ以外いっぱいありますから、そこは本来あるべきなのにまだうまく個人情報保護ということを認識していないからそういう結果なのか、それ、どういうふうに認識されていますか。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 一定のこれまでも努力をしてきたわけでございますけれども、今回の個人情報保護委員会というまさに個人情報を専門に取り扱うそういうふうな機関ができましたので、これらの機関が中心となって各省と協力することによってこれまで以上の取組が可能になるのではないかと考えております。
○若松謙維君 ちょっとイメージ分かってきました。是非頑張ってください。
 その次に、個人情報保護委員会につきまして、これ四十一条ですけれども、質問いたします。これ、大臣ですね。
 個人情報保護と利活用をバランスよく推進するという本改正の趣旨をこれ全うするということで、より良い国民生活を実現するためには個人情報保護委員会がしっかりとした体制の下でその役割を果たしていくことが重要であると考えておりますが、この点、附帯決議におきましては、個人情報保護委員会の委員、専門委員及び事務局について、民間における個人情報の利活用の実務について十分な知見を持つ者、消費者保護に精通する者などをバランスよく登用すると書いてありますが、現在九人なんですけれども、どんな人がこの人材として適切なのか、お考えをお尋ねいたします。
○国務大臣(山口俊一君) この個人情報保護委員会につきましては、今御指摘の附帯決議にもございますように、民間における実務とかあるいは消費者保護に精通する方等をこれはバランスよく登用していくということが大変重要だと考えております。そして、この委員長及び委員につきましては、どのような専門分野の方を任用するかということが定められておりまして、消費者の保護に関して十分な知識と経験を有する者、また民間企業の実務に関して十分な知識と経験を有する者も含まれております。
 また、個人情報保護委員会には委員長及び委員のほかにも専門委員を置くことができるというふうなことにしておりまして、これらの委員、専門委員のみならず、事務局に関しましても民間における実務とかあるいは消費者保護に精通をしておる方とか、これはまた相当技術的なところも要請されるわけでありますので、そこら辺も含めてバランスよく登用していくということが大事だと思いますので、そうしたことを通じて個人情報保護委員会全体として個人情報の保護と利活用のバランスが取れるように、そういった体制をつくっていきたいと考えております。
○若松謙維君 そこで、例えばこの九人の委員ですが、御存じのように今回の法律はいわゆる個人情報保護という面と利活用という二つの側面があると思うんですけれども、そうするとこの委員の構成、保護に多くされるのか、利活用に多くされるのか、その点はいかがですか。
○国務大臣(山口俊一君) バランスよくとしか申し上げようがないわけでありますが、これはもう若松先生御案内かも分かりませんが、これは委員の要件として、個人情報の保護及び適正かつ効果的な活用に関する学識経験のある者、あるいはまた情報処理技術に関する学識経験のある者、さらには特定個人情報が利用される行政分野に関する学識経験のある者、また民間企業の実務に関して十分な知見と経験を有する者、さらには消費者保護に関して十分な知識と経験を有する者等となっておりますので、そこら辺はどちらに偏るというのじゃなくして、やはり双方のお立場でしっかり議論を闘わせていただくということのためにも、やはりバランスということが大事なんだろうと思います。
○若松謙維君 これは私の私見的な考えでもあり要望でもありますけれども、是非、保護と利活用、この両面をバランスよくして極端にならないように、ひとついい方を選んでいただきたいと思います。
 次に、地方公共団体への協力体制整備ということで、これ七十七条でしょうか、についてお尋ねをいたします。
 我が国では、個人情報保護法のほかに、各地方公共団体がそれぞれの保有する個人情報の取扱いについて個人情報保護条例を定めて運用しているところがあると思います。ちょっと質問通告していないんですけれども、現在、もし分かれば、どのくらい自治体が個人情報保護条例があるかということをちょっとお尋ねして、さらに、続けますと、各地方公共団体においては、そういうことで今回の改正を踏まえて条例の見直しが行われるということになるわけでありますが、この点、衆議院の附帯決議では、条例の見直しに向けた検討が円滑なものとなるよう、相談窓口を設け、必要な情報提供を行うなど、国が地方公共団体に対して協力を行うための体制整備に努めるとありますが、これに対しての政府の見解も併せてお願いします。
○政府参考人(向井治紀君) 地方公共団体の個人情報保護条例は、国でいいますと、国家の機関の個人情報保護法令にまず当たるものだというふうに思っております。したがいまして、各地方公共団体にはそういうその地方公共団体の個人情報保護法令があるものと認識しております。
 そういう中で、今回、国ないし独立行政法人の個人情報保護につきましては、情報の種類が税とかそういうふうな行政特有のものと、例えば病院の情報とかという、必ずしも行政特有でないものがございますので、そういうような仕分けをしながら今回の個人情報保護法の改正に合わせたような形での改正を総務省の方において検討しているところでございます。
 そのような国の個人情報保護法の改正内容が決まって、また国会にお示しして、そしてそれが成立いたしますと、それに合わせて地方の個人情報保護条例を変えていただくようなスタイルになるのではないかと考えております。
○若松謙維君 じゃ、数はちょっと分からないですね、今日、今。どのくらいの自治体がこの個人情報保護条例を作っているかどうか。
○政府参考人(向井治紀君) 全ての自治体にあると承知しております。
○若松謙維君 そうすると、その自治体の条例ですか、かなり、何ですか、内容が違うんですか、ちょっと分かる範囲で結構ですけれども、イメージを教えてください。
○政府参考人(向井治紀君) 元々、個人情報保護の分野におきましては、条例が先に先行して定められたという経緯がございます。その条例は、もちろん地方公共団体の保持する個人情報に関する条例でございますけれども、したがいまして、地方自治体によって若干厳しいところ、あるいは比較的そうでないところというふうにばらつきがございまして、一般的に言いますと、国の個人情報保護法よりもやや厳しめのところが多いのではないかというふうな気がしております。
○若松謙維君 分かりました。そうすると、これからいろんなルール化はするわけで、それで各自治体の見直し作業が進むんですけれども、やっぱり住民の方々の、何というんですか、キャラクターで厳しめを要求するところとかある場合の、その自治体の独自のやり方というのは、これはどういうふうに今後取り扱うんですか。
○政府参考人(向井治紀君) 基本的には、その自治体が所有している個人情報でございますので、そういう意味では、自治体の個人情報は、所有している個人情報をその自治体がどう扱うかというふうになりますので、民間の方との話でいいますと、国の個人情報保護法と同様、通常の民間用の個人情報保護、今回御審議いただいているような個人情報保護法よりは厳しい、例えば定義におきましても、容易照合性の容易がなくて、照合できるものは全てというふうになってございましたり、あるいは罰則、情報の漏えいに、個人情報保護法ですと民事になっており、民事扱い、損害賠償ということでございますけれども、行政機関あるいは条例の場合は直罰が付いているものが多いというふうに考えております。
○若松謙維君 なるほど、ちょっと分かってきました。
 じゃ、これ大変な、また走りながらいろいろな課題が出てきますから、その際またいろいろと問題を指摘したいと思います。
 そうすると、次に諸外国への通知ということで、これ七十八条なんですけれども、まず、EUからは特に我が国の個人情報の保護の水準が十分なものではないと、こういうふうに言われているわけでありますが、そのためEUから我が国へ個人情報の移転が困難になっていると、いわゆる日本に情報を与えると大変だという、そういう、何というんですか、危機感があると思います。
 その上で、衆議院の附帯決議においても、我が国の個人情報の保護水準が国際的に十分なものであることを諸外国に積極的に周知するように努めることとされていますけれども、本法案におきまして、いわゆるEUの十分性認定の取得に向けてどのような改善、対応を行っているか、お答え願います。
○国務大臣(山口俊一君) 今回の法改正に当たりましては、今御指摘のEUの十分性取得、これが可能になるような制度設計を念頭に行ったわけでありまして、特に独立した第三者機関、これが今までなかったわけでありますが、この整備。それから、機微情報に関する規定の整備。これも、これまでの個人情報保護法にはなかったわけです。さらには、小規模取扱事業者に対しての法の適用。これも、これまでは五千以下のやつは除外というふうなことにしておったわけです。さらには、越境データの移転についての制限とか開示請求権の明確化。
 我が国の制度がEUから見て不十分とされておりました点につきまして、これまでに公にされておる資料、これから推測をされるものについては今般の改正によって必要な対応を行ったというふうなことでありますが、しかし、EUの十分性取得につきましては、これは明確な取得条件が示されておるものではありませんので、これは、法案成立後、政令とか委員会規則を速やかに定めるとともに、引き続いてその内容も含めてEU側の担当部局と積極的に情報交換を行っていくというふうなことが必要であろうと思います。
 ちなみに、これまで十分性認定とされた国、ざっと見ておりますと、十二の国と地域ではありますが、例えばスイス、カナダとかアルゼンチンが入っておるんですね、それからイスラエル、それからウルグアイとかニュージーランド、米国も入っています。
 この顔ぶれを見ますと、やはりこれはEU側の担当部局としっかりと情報交換といいますか話合いをしていく必要があるんだろうと思っておりますので、いずれにしても、政府としてもEUからの十分性認定取得に向けた取組をしっかりと進めていきたいと思います。
○若松謙維君 今、EUから特に強い要請があったということで、先ほどスイスとかイスラエルという国もあるんですけど、このEU以外に特に日本に具体的にちゃんとこういう、認定性ですか、のための条件整備してくれとか、そういうことを要求された国というのはどんなところがありますか。
○政府参考人(向井治紀君) EUが要求するというよりは、EUが十分性認定をしないがために、日本のEUに所在する企業がむしろ、EUに所在する例えば子会社から親会社に情報を持ってくるときに苦労をしているというのが実態でございます。
 したがいまして、EUに何か言われたというより、むしろこちらからEUに働きかけてそういうふうなことのないように、例えば十分性の認定を取るとかというのを働きかけていく必要があるのではないかと思っております。
○若松謙維君 そうすると、例えば日本の子会社がEUにありますと、今のお話にありましたが。反対に、アメリカですか、どっちかというと、先進国ですね、かなりの、もう何万社という企業があると思います。それと、その子会社と日本の親会社の関係。あわせて、アジアもありますね。アジアも、これも何万社、十万を超えると思います。また環境が違うと思います。
 その点におけるこの十分性認定というのか、具体的にどういう課題が今あるんですか。
○政府参考人(向井治紀君) EUはそういうEUの域外との情報のやり取りについて規制を特に強く設けている国でございますので、どうしてもEUだけがそういう障害があると。アメリカの場合はそういう規制はございませんので、特にアメリカとか、通常のアジアはそういうふうな問題はございませんので、そこにそのEUの十分性の認定が問題になってくると。
 諸外国でも、そのEUの十分性の認定を取ろうとした国も幾つかあるようでございます。まあ、国同士の交渉ですので詳細は承知しておりませんけれども、なかなか難航しているような国も多いというふうに聞いております。
○若松謙維君 今の米国、特に利活用ですか、あそこはどちらかというとそういうのが非常に強い文化ですので、今言ったようなお話だと思うんですが、アジアはどうですか。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 アジアで特にそのような個人情報の保護の国外への提供について強い規制をしている国があるとは聞いておりません。
○若松謙維君 ということは、この諸外国への周知、極めてEU対策が大変重要な課題だということを認識いたしました。
 その上で、じゃ、これは最後でしょうけど、プライバシー影響評価、これについて、非常に分かりにくい概念なんでちょっとお尋ねしたいんですが。
 先ほど、ビッグデータという、この定義の質問がございました。このプライバシー影響評価ですが、情報の漏えい等による個人の権利利益侵害を防止するためには、民間においてもプライバシー影響評価等に積極的に取り組むことが重要と考えると。この点、先ほどの衆議院の附帯決議では、民間におけるプライバシー影響評価等によるプライバシー・バイ・デザインの取組を支援するとありますけど、まずこの用語の説明と、それに対して政府がどういうふうにしているかをお尋ねいたします。
○政府参考人(向井治紀君) プライバシー・バイ・デザインというのは、ある分野におきまして、何かの、例えば情報システムをつくるとかそういう場合において、そのシステムがプライバシーに影響がないか、プライバシーを侵害するおそれはないかということをあらかじめ考えながらそういうシステムを設計することをプライバシー・バイ・デザインというふうに称します。
○若松謙維君 そうすると、このプライバシーの定義って、これはどうなんですか。
○政府参考人(向井治紀君) プライバシーの概念につきましては、憲法その他の法令に明文の規定があるものではなく、その内容、範囲、法的性格につきまして様々な見解があり、必ずしも明確ではございませんが、個人情報保護法では、第三条の基本理念におきまして、個人情報は、個人の人格尊重の理念の下に慎重に取り扱われるべきとして、プライバシー保護を念頭に置いたような個人情報保護のための規定を定めているところでございます。
○若松謙維君 そうすると、そのプライバシーの定義、まあプライバシーと個人情報の違い、個人情報は人格尊重をベースに、もちろんプライバシーとも関係があるということで、結局、法律的にはこの個人情報の定義だけはしっかりしていると、そういう理解でいいんですか。
○政府参考人(向井治紀君) 日本の個人情報保護法は、個人情報というふうな、何といいますか、情報に着目したというふうな規定の仕組みになっておりますけれども、欧米なんかのプライバシーという場合は、むしろ、何といいますか、人格というふうな、人格ないし個人の私的なものを侵されないという、そういうふうなイメージの規定の仕方がございまして、そういう意味では、いわゆる人格権から発生するようなものがプライバシーというふうに称されることが多いと。
 したがいまして、いわゆる自分の知られたくないもの、あるいは私的な部分についてできるだけ干渉されないというふうな意味合いを含んでいるものだというふうに考えております。
○若松謙維君 そうすると、例えば企業が、生産性を高めようとすることで、やっぱり個人のいろんなデータを集めようとします。集めれば集めるほど、先ほどの、ある意味でバイ・デザインという観点から個人への影響が強くなると。そこのバランスだと思うんですけど、やっぱりそういったところもしっかりとこの保護委員会を通じて、指導というんですか、対応していくという理解でよろしいですか。
○政府参考人(向井治紀君) このプライバシー影響評価というのは、実は、マイナンバーでございます特定個人情報、マイナンバー付きの個人情報につきましては既に法律に規定されてございまして、行政機関が義務付けられております。行政機関は、マイナンバー付きの情報を扱うシステムをつくるときには、あらかじめそういうふうな情報の影響評価をいたしまして、特定個人情報保護委員会の承認を取ることになってございます。
 このようなことなどを参考にしつつも、民間企業にそういう義務を課すのは無理としても、そういう民間企業の自主的な取組を支援していくというふうになろうかと思います。
○若松謙維君 時間ですのでやめますが、是非、民間への、強くしてもいけないし、かといって何もしないわけにもいきませんので、是非、適切な民間への、何というんですか、関わりを持って、更にこの制度の拡充、充実に努めていただきたいと要望して質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(大島九州男君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(大島九州男君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、太田房江君、堀内恒夫君及び石橋通宏君が委員を辞任され、その補欠として滝沢求君、山下雄平君及び蓮舫君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(大島九州男君) 休憩前に引き続き、個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 個人識別番号、いわゆるマイナンバー制度は、赤ちゃんからお年寄りまで、住民登録をした全員に十二桁の生涯変わらない番号を付けて、社会保障や税の個人情報を国や行政機関が一体的に管理できるようにするものであります。年金、医療、介護、雇用や所得、納税などの個人情報はそれぞれの制度ごとに管理されておりますが、共通の個人認識番号で一つに結ばれることになります。
 そこで、まず、来年一月からの実施が予定されておりますけれども、一人一人の国民にとってこれからどういう段取りでマイナンバー制度が適用されることになるのか、付番通知カード、個人番号カードについて簡潔に説明してください。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 本年十月五日現在の住民票所在地に通知カードが送られることになってございます。通知カードは家族単位で、かつ簡易書留で送る予定としてございます。それで、マイナンバーそのものにつきましては、来年の一月一日以降利用が可能というふうになってございます。
 そして、個人番号カードにつきましては、通知カードの通知に同封して申請書が送られてまいります。その申請書に写真を貼って申し込んでいただきますと、一月一日以降、できましたら市町村の方からできたという通知が参りますので、それをもって市町村で本人確認をして交付していただくというふうになろうかと思います。
 本人につきましては、税、社会保障に係ります行政手続を行う際に個人番号の提供を行うというふうになろうかと思っております。
○山下芳生君 次に、マイナンバー制度には企業も深く関わらざるを得なくなります。企業がどのように制度に関わるのか、どのような対応と準備が必要か、説明してください。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 企業は、国税、地方税、雇用保険、健康保険、厚生年金等の社会保険の手続を行う際に、税務署、市町村又はハローワーク、健康保険組合、年金事務所等に提出する書類に、従業員やその扶養親族、金銭等を支払った相手方など、マイナンバーを記載する必要のある書類にマイナンバーを記載していただくというふうなことになろうかと思います。
 その際には、マイナンバーを漏えいを防ぐために必要な安全管理措置を講ずることが求められるところでございます。具体的には、昨年十二月に特定個人情報保護委員会が作成した事業者向けガイドラインに沿って、従業員に対する教育、監督、あるいは書類やパソコンなどの盗難防止、ウイルス対策ソフトの更新などの必要な措置を講ずる必要があると考えてございます。
 なお、中小企業者につきましては、実務への影響も配慮し、過度な負担とならないような保護措置も認められているところでございます。
○山下芳生君 政府の「中小企業のみなさんへ」というお知らせを読ませていただきました。ナンバーの取扱いは従来の個人情報よりも厳格に行う必要がありますと、こう記されてありまして、漏えいしないために、取扱責任者、事務取扱担当者を特定し、それ以外の者が取り扱うことがないようにしなければならない、それから、担当者以外からのぞき見されない工夫、例えばパソコンの対策、保管場所の確保などを取ること、また、漏えいしたら罰則があることなどが書かれてあります。
 中小業者の団体、全国商工団体連合会の担当者の方に話を伺いました。なかなか中小企業の皆さんにとっては負担が大きいというのが今率直なところだと思います。例えば、責任者、担当者を置かなければならないとあるんですが、そしてその従業員と家族のナンバーも聞いて管理しなければならないということですが、二、三人の業者では大変だという声が出ております。それから、帳簿などをパソコンで管理しているんだけれども、マイナンバー対応ソフトに切り替えないといけない。零細な規模でも四十万円くらい掛かる、百人ぐらいの企業の規模だと百二十万円ぐらい掛かると言われていると。このようなソフトは毎年の更新もあり、負担が増える、こういう声がかなり出ているということでした。
 中小企業にとって、体制上の負担、それから費用上の負担、重くのしかかります。大臣、中小企業対策、どうされますか。
○国務大臣(山口俊一君) 基本的には番号を付していただくというふうなことで、例えば中小零細、それこそ二、三人の企業に関してもそれぞれ兼ねていただくというふうなことで、お一人お一人の事務というか、それは増えるかも分かりませんが、そこら辺はしっかり対応していただきたいというふうに考えております。
○山下芳生君 しっかり対応しなければならなくなったことに伴って、負担が大きいんですね。
 今日の日経新聞にもこういう広告が出ておりましたよ。二〇一六年一月、全ての企業でマイナンバー対応が義務化、マイナンバーサービス新登場、○○奉行にお任せあれと。こういうものが、もう本当に迫られているんですね。さっき言ったように四十万円とか掛かるわけです。毎年更新しなければならない。この負担が、中小企業にとってそんなにメリットがあるのかなかなか分からないところですが、負担だけは必ず来ると。
 それからもう一つ、私、中小企業から上がっている声で、ちょっと深刻な声があるので紹介します。
 ある中小企業の経営者の方ですが、こんな小さな会社でナンバーが管理できるのか、家族のナンバーを教えたくないと言われたという人がいるんですよ。これ、なかなか大変だと思いますね。やはり、マイナンバーというのはいろんな個人情報、重要な情報が管理されるものですから、大事なものですね。余り人に教えたくない、仮に配偶者の企業に対してであってもちょっと心配だという気持ちが出るんでしょう。これまだ従業員の家族だからまだそれ何とか説得することができるかもしれませんが、先ほど話があったように、支払先の業者、個人、例えば原稿料をいただく、支払う、それからデザイン料を支払う、こういうときには支払調書にその相手のナンバーを付すことが必要になりますね。そういう方の場合、いや、もうそんな小さな企業に私のナンバーを教えたくありませんということになると、これからはもう仕事を頼めなくなるという、事業にとっても非常にゆゆしき影響があるんじゃないかと、こう思うんですが、こういうことが起こったらどうしますか。
○政府参考人(向井治紀君) 法令上、そういう場合に、先生御指摘の場合にはマイナンバーを教えることになってございますので、まずその辺の周知徹底が是非必要であろうかと思っております。
 それから、いわゆる中小企業の安全管理につきましては、ガイドラインで中小企業向けのものも作ってございますが、基本的にはそういうふうなふだんの事業におきまして中小企業者の負担が過度にならないように配慮してまいりたいというふうに思っております。
○山下芳生君 そういうときにはナンバーを教えなければならないように周知するということですか、今おっしゃったのは。
○政府参考人(向井治紀君) こういうのは、多分、取引の両方の方によく御理解していただくことが必要だと思っております。したがいまして、原稿とかそういう講演とかという場合は、やられる方というのはかなり範囲がある程度は特定できるのではないかと。
 それから、それ以外にも、ただ、短期のアルバイトとかそういう場合にもマイナンバーが必要になっていますもので、よくアルバイトをやられる方というと、主婦をされている方とか学生とかということになろうかと思いますが、そういう方々にもターゲットを定めて適切な広報をやっていきたいというふうに思っております。
○山下芳生君 ただ、もうマイナンバーに対するいろんな懸念が広がっている中で、できるだけそういうことを教えたくないという方が当然出てきているわけですね。そういうふうにもう従業員の家族から言われている経営者が出ているわけですから、これは周知徹底だけでいけるのかどうか、大変私は懸念をいたします。引き続き、この問題ウオッチしたいと思うんですが。
 次に、自治体にとってもこの制度というのは非常に大きく関わってまいります。
 もう言うまでもなく、自治体にはたくさんの個人番号が集中されることになります。年金、医療、介護、福祉、保険、税金などなどの業務、手続で番号通知カードあるいは個人番号カードも使われることになります。一つの自治体で約二十の部門ぐらいでこの共通番号が使われると言われております。その分、住民のプライバシーに係る情報が集中することになるわけで、この個人番号付きの情報が持ち出されたり、別の目的で集められたり、使われたりする危険がないようにしなければならないわけですが、そこで、自治体に対して特定個人情報保護評価の実施が義務付けられておりますけれども、この評価制度について説明してください。
○政府参考人(其田真理君) お答え申し上げます。
 特定個人情報保護評価とは、番号法における保護措置の一つでございまして、国の行政機関や地方公共団体がマイナンバーの利用に当たって講ずるリスク対策などについて書面にいたしまして公表する制度でございます。
○山下芳生君 もう少し詳しく。
 具体的に、国民の不安を払拭するための事前の評価制度だと思うんですが、どういうことをするんですか、この評価は。
○政府参考人(其田真理君) まず、保護評価書の中では、マイナンバーをどういう事務で使いますという事務の中身を詳しく説明をしております。それで、そのときに番号がどのようにその事務の中で取り扱われるのかということを説明いたします。番号が使われるところのリスク一つ一つ予測をいたしまして、そのリスクに対してどういう対策を講ずればいいのかということを書面で説明するといったような評価書になっております。
○山下芳生君 例えば、マイナンバーを扱う職員ですね、職員の方一人一人に対して、例えば適格な人かどうか。私たちは大反対しましたけど、秘密保護法の適性評価みたいなことを、職員一人一人についてこういうことをこの評価制度の中でやるんですか。
○政府参考人(其田真理君) 職員一人一人について評価をするという制度にはなってございませんが、評価書の中では、そういう職員への教育、監督でありますとか自主点検でありますとか監査でありますとか、そういった事項について記載をしております。
○山下芳生君 その評価の実施状況は今どうなっていますか。
○政府参考人(其田真理君) 本年四月三十日現在で、約千二百の機関から約一万の評価書が既に公表されております。
○山下芳生君 進捗率でいいますと、千七百八十八自治体ありますけれども、プラスアルファいろんな機関がありますけれども、その中で、評価を公表している自治体、どれだけありますか。
○政府参考人(其田真理君) 評価を公表している自治体数ということで申し上げますと、千百八十五でございます。
 それで、実施状況というお尋ねがございましたが、昨年秋に委員会で地方公共団体に照会を行いましたところ、先ほど先生からも御説明ありましたけれども、約一自治体当たり十から二十の事務について評価を行うというような予測をしている自治体が多くございました。
 これは、保護評価が事務単位で行うという制度でございますので、それぞれの自治体の御判断で事務ごとに評価を行うことになっております。
○山下芳生君 その進捗率は幾らですか。
○政府参考人(其田真理君) そういう意味では、昨年秋時点でのどのぐらいになりそうかという予想でございましたので、はっきりした何%というような進捗率という考え方で管理はできておりませんけれども、およそ三分の一の評価書が今のところ公表されているのではないかというような感じでございます。
○山下芳生君 十月から共通番号制度がスタートされるわけですけれども、あと四か月でありますけれども、先ほどありましたように、自治体の中でこの評価が終わっているのが六割余りですね。あと四割程度はまだ評価実施がされていないと。このペースだと間に合わないのではないかと思われる面があるんですが、山口大臣、いかがですか。
○国務大臣(山口俊一君) 確かにまだまだなかなかというふうな状況はこれありでありますが、しかし、これいろいろと、例えば国とか地方公共団体の担当職員の方が情報共有を図るためのサイトとか、あるいはそこでいろんなQアンドAとか、ともかく様々な形できめ細かく対応させていただいて、それぞれの事務の施行日に向けて適切に特定個人情報保護評価、これが実施されるように私どもとしても努力をしてまいりますし、恐らく実施されるだろうというふうに現段階では認識をいたしております。
○山下芳生君 情報セキュリティーが御専門の産業技術大学院大学瀬戸洋一教授は、特定個人情報保護評価制度、今議論しているこの制度について、同評価制度は情報を扱うシステムの事前評価を行うものだが、重大な問題として、一部の大規模部門を除いて評価が自主チェックにとどまり、誰からも評価を外部から受ける仕組みになっていないということを指摘されております。
 これ非常に大事だと思うんですね。自主チェックで国民、住民の不安、懸念を払拭できるんでしょうか。山口大臣。
○国務大臣(山口俊一君) 御指摘のとおりで、この地方公共団体が作成をする評価書でありますが、全項目評価書を除いて、外部の有識者による点検、いわゆる第三者点検、この手続を必要とはしておりません。これは、地方公共団体の自主性とかあるいはめり張りを付けた評価の実施、これを意図しまして特定個人情報保護委員会において制度設計をしたものでありますが、外部の点検がなくとも、評価書自体は公表されるわけでありまして、住民の皆様方に広く周知をされる、あるいは、評価書とは地方公共団体は特定個人情報の適正な取扱いについて責任を持って管理をする旨の宣言をするものでもあることから、適切な自主チェックがなされるものであろうと考えております。
○山下芳生君 適切な評価がなされるであろうという希望的観測なんですが、私、近畿地方のある自治体職員、この分野の担当をしている職員から実態を聞きました。
 今、住基ネットを設備を改修しながらこれにも、マイナンバーにも利用できるようにしようとされているんでしょうけれども、いつ改修できるかよく分からないと。本来、プロジェクトチームのような体制を取って業務の洗い出しやセキュリティー評価を行うべきだが、しかし職員定数の削減で各部署の人員に余裕がない、たらい回しの末に総務課の二人が今担当しているんですと。結局、二人の体制ではシステム改修業者任せになってしまい、業務の洗い出し、セキュリティーなど本当にこれでいいのか自信がない、これで十月から動き出すのは不安だという声でした。この間ずっと人員が削減されている中で、この新しいシステムの構築、しかもこれは個人情報を扱うという極めて重要なシステムの構築がもう業者任せになっちゃっているという、事実上の、何といいますか、実態の暴露なんですけどね。
 大臣、こういう実態がある中で、もう十月あるいは一月、迫ってくればくるほど、この評価はやられるでしょうけれども、極めて形だけのものになって実態がなおざりにされるんじゃないかという心配あるんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(山口俊一君) 基本的には、このマイナンバー制度の施行に向けました地方公共団体の準備についてはおおむね順調に進んでおると認識をしております。
 ただ、御指摘のような様々な実態もあるのであろうというふうなことで、同時に、この制度の導入に当たってどうしても必要不可欠になるシステムの整備、これにつきましても、このマイナンバーの付番に必要となる既存の住民基本台帳システム、この整備についてはほぼ全ての団体で昨年度末までに改修を終了していただいております。
 予定どおり進んでおるというふうに思うわけですが、同時に、その他のシステム、社会保障関係のシステムとか税務とかあるわけでありますが、これにつきましても、平成二十九年の七月の情報連携の開始、これに向けまして本年中に改修を行って来年一月からテストをする、実施、にしておりますが、これも相当程度進んできておる。
 それから、さっきもちょっと申し上げましたが、やはりこの制度の導入等におきまして、これやはり地方公共団体の担当職員の皆さん方、いろいろ大変なこともおありになるだろうというふうな中で、情報共有を図るためのサイトを設けておりまして、とりわけ地方公共団体用のサイトで質問も受け付ける、あるいはQアンドAもというふうなことでやらせていただいておりますし、また同時に、四十七都道府県での現地説明会、これの開催も通じて、できるだけ地方公共団体の皆様に対してはきめ細かな情報提供も行わさせていただいております。
 引き続き、関係省庁とか地方公共団体と連携を図りながら、円滑な導入にはもう万全を期して取り組んでまいりたいと考えております。
○山下芳生君 次に、医療情報への利用拡大について聞きます。
 今回の改定で特定健診データあるいは予防接種の履歴などについてもマイナンバーの利用を拡大するとしておりますが、具体的にはどのような検査結果が対象となるんでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 今回のマイナンバー法の改正により保険者の業務として拡大をいたします特定健康診査、これは生活習慣病予防などを目的といたしまして、四十歳以上七十五歳未満の方を対象として医療保険者が行っているものでございます。
 この特定健康診査では、保健指導の対象となります生活習慣病のリスクの高い方を判定するという観点から項目を設定してございまして、具体的には、腹囲、身長、体重などの身体計測、あるいは血圧測定、血糖や脂質などの血液検査、尿検査、それから喫煙歴などを把握するための質問書などのデータを定めております。
○山下芳生君 ほとんど一般の健康診断と重なる部分があります。視力、聴力、エックス線などがないぐらいなんですね。
 確認ですけれども、事業主のやる一般健診のデータをこの特定健診とみなして保険者にそのデータを提出すれば事業主が補助金を受ける仕組みもありますね。
○政府参考人(吉田学君) ございます。
○山下芳生君 血液検査というのは、もう今どんどんどんどんいろんなものが分かるようになっておりまして……(発言する者あり)いやいや、まあいいですよ。血液検査の項目もこれから拡大されていくことになると思います。
 医療関係団体、日本医師会も含めて、大変この医療情報へのマイナンバーの利用拡大については反対をされております。そもそもマイナンバーの制度とは別建てで検討されてきたはずなのに、何でこれを利用拡大することにしたんですか。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 まず、失礼いたしました。先ほど、先生の御質問をちょっと私聞き違えまして、事業主健診に対する補助制度というふうに受け止めてしまいました。事業主健診については事業主負担において行われているところです。大変恐縮でございますが、答弁を訂正させていただきたいと思います。
 その上で、今回特定健診データをこのような形でマイナンバーにひも付けるという形にさせていただきましたことについてのお尋ねでございますけれども、私ども厚生労働省におきまして、これまで医療等番号、医療等分野の番号につきまして、その医療情報の機微性に着目をして検討を続けてまいりました。マイナンバーに限定せず、医療等分野の情報連携に用いる番号の在り方について医療関係者、保険者、有識者等の検討を行って、マイナンバーの利用事務について再度今回整理を行わせていただいたところでございます。
 その中で、今回特定健診情報をマイナンバーの利用範囲に加えさせていただきましたのは、検討会、研究会等の議論を踏まえまして、現在行っております保健事業、ヘルス事業が法律に則して行う行政事務であり明確に特定ができること、また保険者におけるシステム改修や事務の効率化に資すること、あるいは今回の措置により、特定個人情報の保護についてマイナンバー法により厳格な規制が設けられていることなどから、関係者の理解を得た上で進めることとさせていただいたところでございます。
○山下芳生君 もう答え要りませんけれども、私がさっき聞いたのは、事業主のやる一般健診のデータを特定健診のデータとみなして保険者に提出すれば事業主が補助を受ける制度があると。これはもう確認しておりますから、いいです、いいです、それは。いいです。
 それで、今何で切り離そうとしていたのがこうなったのかという御説明ありましたけれども、これは前回質疑の中でも山本委員から紹介あったように、楽天の三木谷さん率いる新経済連盟が、医療等分野についても機関別符号を利用することを通じてマイナンバー制度の下で運用されるべきだと、マイナンバー制度の下で医療分野も含めて扱うことで効率的なIT投資の実現ができると。やはりこういうふうに非常に、これが新たな投資先として期待されているということが財界筋、経済団体から要望されているわけですね。しかし、そういう要望でこの医療情報を扱うことにつなげちゃっていいのかということであります。
 特定健診について、保険者が違ってもこのマイナンバーによって過去のデータも、保険者の違うデータも寄せ集めることができるかどうか、それから健診結果のデータについて事業主がその結果の提供を要求することができるかどうか、お答えください。
○政府参考人(吉田学君) 二点について御質問をいただきました。
 まず、特定健診情報につきまして、被保険者の方が保険者を異動された場合にどのように情報が動くかという点につきましてですが、現在、高齢者の医療の確保に関する法律に基づきまして、そのようなケース、今加入されている保険者が保健指導などの実施のために加入者本人の異動前の保険者に特定健診情報等の写しを提供を求めることができるというのがまずございまして、その上で、求められた保険者は加入者本人の同意を得た上で特定健診情報等の写しを提供しなければならないことというふうになってございます。
 今回の提案させていただいております法律によりまして、マイナンバーとひも付けられた後にも、基本的にはこの手続に沿って、基本的には加入者本人の同意を得た上で保険者間において両方をやらせていただくということでございます。
 それと、事業主が労働安全衛生法に基づいて行っております事業主健診、それからまた保険者が行っております特定健診の情報の健診項目については重複してございます。その重複部分については医療保険者及び事業主がそれぞれ保有しているというのが現状でございます。
○山下芳生君 事業主が健康診断のデータを既に保有しているわけですが、過去のデータも事業主が要求すれば事業主が取得することができるのかということなんですが、事業主は直にはできないというふうにも聞いております。ただし、本人が同意すれば出すわけですから、出せるわけですから、本人が要求すればですね。職場からそういう健診の経過を過去のデータも含めて出してくださいと言われたら、なかなか労働者本人は断ることが難しい立場にある方も多いと思います。それが過去のデータまでずっとまとまって入手を本人がすることができる。場合によっては事業主に提出することも求められることがあると。
 先日、膵臓機能欠損症の子どもの未来を守る実行委員会の方からお話を聞きました。1型糖尿病の子供を持つお母さんですが、子供のときからそもそもインスリンを分泌する膵臓のベータ細胞が破壊されてインスリンが分泌できなくなっているもので、これは小児慢性特定疾患に指定されておりますけれども、二十歳になった途端に健常者扱いとなって公的支援がなくなって、高い医療費の負担を強いられることになります。ただ、しっかり薬等でコントロールできれば仕事も普通にできるんですが、ある娘さんは、病気のことを会社に知られてしまうと無理解や偏見もあるのではないかということで、保険証を使わずに十割負担でしばらく過ごしたそうです。自分が仕事ができるんだということをまず分かってもらうためにそうしたということなんですが。
 もちろん根本的な解決は難病指定等をしていただくことですが、私が言いたいのは、労働者にとって、仕事に支障が直接ないことであっても、病歴を持っているとかということは知られたくないと、事業主に。何らかの不利益、差別があるのではないかと非常に心配する、非常にデリケートな問題だからであります。
 そういうものをいとも簡単に集めて、過去にまで遡って、メタボ健診と合わせてデータをまとめてしまうということを一体誰が望んでいるのかと。労働者本人はこんなこと望んでいないと思うんですよ。これ、国民からこんな要望出ていないでしょう。
○政府参考人(吉田学君) 今御質問いただきましたように、医療情報というのは非常に機微性を持った情報でございますので、その取扱いについては本人同意というものを基に今取り扱っているということはあろうかと思います。
 また、今回、マイナンバー法の対象にさせていただきましたのは、今御指摘いただきましたものとはちょっと私どもの受け止めとしては違いまして、まさに保険者が行っております特定健診情報ということであるというふうに理解をしてございます。
○山下芳生君 もう時間が参りましたので、レセプトについても、これがリンクされるということも可能性としてあるというふうに聞いております。健診のデータあるいはレセプト、それぞれの病院にどのようにかかったのかという履歴、これが合わさったらもう本当に個人の健康に関わる医療のデータが丸裸にされるということになるわけですので、こういうものを軽々に、何といいますか、成長戦略などという名目で一気に拡大することには大変なリスクが伴うということを指摘して、引き続き質問したいと思います。
 ちょっと済みません、財務政務官、申し訳ない。また続いて質問したいと思います。
 終わります。
○井上義行君 日本を元気にする会の井上義行でございます。
 この個人情報の法案を通じて今一番思っているのは、どんどんどんどん技術が進歩する中で、どうやってこれを活用し、そして保護していくのかということだというふうに思っております。
 そこで、まず一番最初に聞きたいのが、マイナンバーの世論調査で見ますと、健康保険それから年金手帳、運転免許証、これが一番便利だと思う国民がたくさんいるわけですね。健康保険証ですと五六・三%、年金手帳ですと四七・三%、そして運転免許証三九・二%と。やはり便利になった方がいいというふうに国民は思っているというふうに思っております。
 そこで、政府は、公的な身分証明書として、個人番号の提示と本人確認と同時に行う場合に、唯一のカードとメリットを広報しているということでございます。
 そうしますと、私は、前からの持論なんですが、やはり運転免許証とそして健康保険の内容をしっかりやっていけば、この間もこの内閣委員会で議論をいたしました、例えば免許証がIT化が進んで自動車にIT装置が付いていれば無免許の運転もできなくなるとか、そうした面にも使えるし、あるいは交通事故になったときに速やかに特定ができるということも申し上げてきました。
 運転免許証の保有者数は八千二百万人ですね、やはり非常に多い。やはりこうした普及を考えていく、そしてITという、やはりどんどんどんどん進化して我々に身近にできるカードを普及していくためには、前回の委員会では他の委員から質問があったときに非常に警察庁としては慎重な意見がありましたけれども、ここは担当大臣である山口大臣がリーダーシップを発揮して、こういう運転免許証も含めてやはりこうしたカードを統合していこうというふうに是非指導を発揮してもらいたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(山口俊一君) 御指摘いただきましたように、これ、個人番号カードに、様々な公的サービスとかあるいは国家資格等の資格の証明書等に係るカード類の機能、これを一元化、一本化していくということについては、まさに国民生活の利便性向上、これに加えて、情報社会の基盤となる個人番号カードの普及の観点からも非常に重要な視点であろうと思っております。
 同時に、政府のIT戦略である世界最先端IT国家創造宣言、これでは、健康保険証や国家公務員身分証明書など公的サービスや国家資格等の資格の証明等に係るカード類の一体化、一元化を進めるというふうなことにもしておりますので、御指摘いただきました点も含めて検討を進めてまいりたい。
 先般、警察庁の話もありましたが、そこら辺はこれからの課題、クリアしなくてはいけない課題が恐らく相当数あるんだろうと思います。そこら辺もしっかり見ていきながら、将来的にはやはり、より国民生活の利便性が高まるような方向で検討を進めていきたいと思います。
○井上義行君 山口大臣のリーダーシップで一元化に向けて是非努力をしていただきたいというふうに思っております。
 その中に、できれば検討課題として、それぞれ国が関係している、あるいは公益法人がやっている資格証明書、たくさんありますよね。私もボイラー持っていますから、こういうようないろんな各種の免許があるんですね。そうした身分証明書になり得るものもやはり取り入れていただいて、やはりなるべく一枚で簡単にできる方向に是非進めていただきたい。それが唯一、ITの世界トップレベルを目指す国として行くんではないかというふうに思っております。
 私自身は、実はこのカードというのは、もう二十年も三十年も遅いんじゃないかなというぐらい思っているんですね。映画の世界でいきますと、もう指紋とか虹彩で次から次へと自分の情報が出て、銀行からキャッシュしたり、あるいは入国したり、もうすごい先を行っていますよね。多分、その技術というのは今でもできる。まあ実践状況になるかどうかということになっていくと、カードというのはそのつなぎだというふうに思っております。そういう中で、このカードさえ一元化できないともうその先には行けないというふうに思いますので、やはりこうした一元化に向けて是非尽力をいただきたいというふうに思っております。
 そこで、個人カードの番号の付け方なんですが、実は、いろいろ問題が起きて、いろんな一般の人と話をしたら、例えば、このカードの番号の付け方は申込み順でいくのか、それとも勝手に行政が番号を付けるのか、あるいは自動車ですと自分でいわゆる車両番号を選べるような時代にもなっていますけれども、こうした番号の入手の仕方、例えば、ある人は、いや、俺、もしこの番号のカードが自分の思うとおりの番号になれば是非取得したいなんという人もいるんですが、こうした番号の付け方というのはどういう形になるんでしょうか。
○政府参考人(時澤忠君) 個人番号でございますけれども、今年の十月の法施行時に、住民票に記載されている住民票コードを変換した番号というものを市町村長が指定をするということになって、これを付番するわけでございまして、住民からの申込みによらず、言わば自動的に付与されるというものでございますので、住民が希望する番号を個人番号として指定するというふうなことはできない制度となっております。
 付番された個人番号につきましては、十月の法施行後に通知カードによって住民の方々に通知をされるということになっているところでございます。
○井上義行君 そうしますと、例えば形式的には、家族全員が連番ではなくて、ばらばらになる可能性もあるということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(時澤忠君) 基本的には、今の住民コードを変換します。家族の場合も住民は連番になっていないと思いますので、基本的に家族であっても、住民票を変換をして生成するというのが番号でございますので、基本的には連番になるというふうなことは、可能性、確率的にはあるかもしれませんけれども、通常はないというふうに考えております。
○井上義行君 ついつい我々も暗証番号とかいろいろ忘れてしまうということもありますので、その辺、どちらの方が優先するかちょっと分かりませんが、子供たちにもこうしたマイナンバーを付けるということになると、親がやはり子供の暗証番号を覚えておかなきゃいけないということもあるでしょうから、その辺も含めていろいろ検討した上でそういうふうになったというふうには思いますけれども。
 じゃ、そこで、この個人番号を使ったマイナンバーで、例えばコンビニで今度、住民票が受け取れるようになるということになりますよね。そうすると、私は機械のことはよく分からないんですが、例えばその機械から出てくる情報、住民票というのは、その端末に、本体に残っているものなのか、それとも全くというほど残らないのかをまずちょっと技術的に教えていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(時澤忠君) お尋ねのコンビニのマルチコピーでの住民票の取得でございますが、コンビニのマルチコピーでの証明データにつきましては、セキュリティーソフトがございまして、印刷後はマルチコピーから消去されるということで、個人情報は残ることがない仕組みになっているものでございます。
○井上義行君 例えば、そのセキュリティーを作った会社の従業員が、あらかじめ、私も分かりませんが、技術的には、情報が残るように仕掛けていたということは、一〇〇%そこで出てくる情報というのは必ず消去になりますよという保証はあるんでしょうか。
○政府参考人(時澤忠君) お答えいたします。
 現在のセキュリティーソフトでは、そこは消去されるということになっております。なおかつ、例えばソフトウエアを改ざんするという可能性ということでございますけれども、基本的には消去されると。なおかつ、マルチコピー機のアクセスでございますが、それは物理的な鍵がないと開きませんし、なおかつパスワードがないと開けないと、そういうような物理的な、何というんですか、アクセスができないような仕組みも取っているところでございます。
○井上義行君 そこで、私もこのITの問題というのは、ちょうど小渕内閣のときに、ITを推進してほしいということを小渕総理に言って、内閣の重要課題になって、そのときに少し、ちょっと技術的なことをいろいろの角度から聞いたときに、よくウイルスが入るときとかいうのは、開いたときに要は入ってしまうと。だから、今まで、危機管理上は余りネットワークでつながない方がいいというふうに聞いていたんですね。
 つまり、単体でやっているから開く可能性が少なくなる、だから、今まではネットワークとして使うことは逆にセキュリティーからしてウイルスやあるいはハッカーのような攻撃に遭ってしまうので遮断をしていたということが、何十年も前、議論した記憶があるんですが、今度は個人情報が様々な形でネットワークとしてつながるようになる、つながるからこそ情報としての入口が開く、その開くところに狙い澄ましてどんどんどんどん入ってくる可能性があるんじゃないかというふうに思っています。
 そこで、いろんな人権の角度から、あるいは個人の情報の保護の観点から様々な個人情報保護委員会のメンバーが決まっているというふうに思いますが、やはりこうした、私はどんどんどんどんIT化を進めるべきだという考えでございますが、一方で、しっかりとしたセキュリティーがあって初めてこれは完結するんだろうというふうに思っています。
 そこで、やはりこうした委員の中にむしろ元ハッカー的なそうした人材を、専門の観点から、こういうような例えば加工技術がいってしまうと、彼らはここから侵入してどんどんやられちゃいますよという意見をやはり言える立場の人を入れたらどうかなというふうに思うんですが、山口大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(山口俊一君) 当然、先生の御指摘のとおりで、一番安全なのはもうクローズにしちゃうことですが、それでは全く発展性も出てこないというふうな中で、インターネットの構造自体もそういうふうになっておるわけですが、しかし、その都度やっぱりファイアウオール等々、様々な進化によって相当これは守られるようになってきた。しかし同時に、悪意を持った人のスキルも相当上がってくるというふうな中で、若干イタチごっこ的な部分もあるわけですが、しかし、しっかりとした対応を取ることによってその危険性がもう極めて極めて低くなるというふうなことなんだろうと思います。
 そういう中で、今回、個人情報保護委員会のメンバーでありますけれども、これもさっきちょっと答弁申し上げましたように、加工の仕方、加工技術、当然今御指摘いただきましたセキュリティーの問題等々、やはり十二分に分かっておられる、まさにそういった元ハッカーも含めて専門家にやっぱり参加をしていただくというふうなことが必要だろうと思っておりますが。確かに検討の対象にはなりますが、元ハッカーといってもいろいろあるものですから、そのことだけにお詳しいというのが果たしていいのかどうかということもこれありで、だけど御指摘のように、そういった知識、技術を持った方というのは必要なんだろうと思いますので、人選については当然そういったことも考えてバランスの取れた人選にしていきたいと思います。
○井上義行君 そうですね、是非こうした、私なんかは事務屋なので分からない部分がすごい多いんですね。でも、やはり事件を解き明かすときには、それ以上の能力を持っていないとそれは解き明かすことができない。だから、先ほど大臣が言われたように、イタチごっこなんですね。どんどんどんどん進化していく、どんどんどんどんプログラムを作ってしまう人がこの世界中にはたくさんいるので、それに沿ってやはり技術もどんどんどんどんそれを上回るような人を入れていかないと、事務屋だけで議論していても防止策というのはなかなか生まれていかないというふうに思っておりますので、そうしたメンバーを入れ替えながら、是非防止に努めていただきたいというふうに思っております。
 そして、もう一つ気になるのは、こうした大量な情報が集まっているサーバーですね。もしこのサーバーが損失した場合に、バックアップ機能というのはどのようになっているのでしょうか。大臣、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(山口俊一君) 当然これ、これからの情報社会の基盤となりますこの個人番号カード、これはもう是非ともシステムの安定的な運用が重要であるというふうなことで、御指摘のとおりでございます。
 この個人番号カードの管理システムでありますが、ハードウエアを二重化しております。同時に、保持するデータも毎日バックアップを取るというふうなことで、安定運用の確保に努めておるというふうな旨を総務省からお伺いをしております。
 その場所さえ私知り得ない立場で、それぐらいしっかり厳重にやっておるというふうなことでありますが、いずれにしても、国民生活の利便性向上、これをしっかりと図っていくために、関係府省とも更に協力を密にして推進をしてまいります。
○井上義行君 是非、そうした場所は本当にほとんど知らない方がいいわけですね。これはやっぱり特定されてしまうと大変なことになってしまうので、そうしたことに是非、警備上も含めて、しっかりやっていただきたいと思います。
 そこで、あともう一つは、カードを紛失するというのは、先ほどのお話のあった免許証も再発行とかありますし、あるいは銀行のカードも再発行ということがあります。こうした再発行する場合には、どのぐらいの期間でバックアップができるのかと。つまり、今後、私は、一元化をしていった方がいいという中で、例えば身分証明書をなくしてしまったというときに、健康保険と一緒になっていますから、健康保険の機能が使えなくなってしまうということがあり得るわけですね。その場合に再発行の期間というのはどのぐらい掛かるのか。それから、紛失したときに一切その機能は使えなくなってしまうのか、それとも個人番号が分かった上で名前とか住所とかそうしたことが分かれば、いわゆる例えば病院に行ってもそれが使えるということになるのか、どういうふうになるんでしょうか。総務省、いかがでしょうか。
○政府参考人(時澤忠君) お答えいたします。
 カードを紛失した場合につきましては、住所地の市町村長にその旨を届けた上で再交付の申請ができることとなっております。この再交付に要する期間につきましては、これは番号カードの交付申請状況、発行状況等によって一概には言えないところもございますが、現在、住基カードを再発行するという場合にはおおむね二週間程度掛かっておりますけれども、私どもとしましては、できるだけ早期に発行できるような取組をしてまいりたいというふうに考えております。
 なお、住基カードがない場合でございますけれども、番号確認で本人確認をするようなときには、例えば住民票を取っていただきますと住民票には番号が入っております。したがって、それで番号が確認できます。ただし、それには写真等が付いておりませんので、例えば運転免許証でありますとかパスポートでありますとか合わせて本人確認をして、番号法上の本人確認に使っていただくということは可能でございますので、必ずしも個人番号がなくても代替的な措置というのは予定をしているところでございます。
○井上義行君 例えば、このマイナンバーカードと健康保険証が一緒になったときに、マイナンバーカードを紛失してしまったと。でも、二週間カードが来ないその間、例えば病院に行ったときに、今まで健康保険を使えば三割で支払が済むところだったんですが、健康保険証がないので満額自腹で払うということになってしまうと思うんですね。そうじゃなくて、例えば市役所に再発行を申請したときに仮の何か証明書をもらえれば、医者に行ったときにそれを見せれば保険の適用になるということになるのか、イメージとしてはどっちのイメージになるんでしょうか。
○政府参考人(時澤忠君) 今のお尋ねの場合ですと、番号カードの利用というよりも保険証の代替措置をどうするかということでございますので、今お尋ねのありましたように、期間が空くということに対しては事実空くと思いますので、その間どういう措置がとれるかというのは、付加される機能によって、今御指摘のような保険証の機能とか、ほかにもあると思いますので、ちょっとそこはそれぞれの機能ごとに考えていかないといけない問題だと認識しておりますので、それぞれの機能ごとの関係部署ともちょっと相談をして、なるべく国民の皆様方に迷惑を掛けないような体制が取れるかどうかも含めまして検討させていただきたいと思います。
○井上義行君 是非このカードを進める上で、やはり国民は、行政側が考えているサービスとかビッグデータとか商業的な観点ではなくて、自分がこのカードを得たときにどういう便利さがあるかとか、どういうふうになるかということを視点を置いていますので、そうした細かいことも是非検討していただきたいというふうに思っております。
 そこで、このカードが犯罪に利用された場合、例えばそのカードを入手して、そしてサラ金でお金借りちゃったよと。サラ金でお金借りちゃって、そのお金が勝手にその人に来ちゃったという場合に誰がその賠償責任を負うのか、山口大臣、お願いいたします。
○国務大臣(山口俊一君) 今回のマイナンバーカードの性質上は、なかなかそこら辺の犯罪というのは非常に難しいであろう、極めてレアケースになっていくんだろうとは思っておりますが、しかし、もしそういうふうなことが起こった場合には、まずは当該個人番号カードを犯罪に利用した者、これが第一義的に責任を負うというふうになるのは、これはもう当然のことだろうと思います。これは当然、顔写真が付いておりますし、偽変造防止のためのICチップ、これも搭載をされておりますし、これ、オンラインの本人確認には本人しか分からないパスワード等が必要でありますし、ICチップの書換えの権限者も限られておりまして、これ、権限のない者が無理やりに書換えを行おうとすると、ICチップそのものが壊れるというふうな構造になっております。
 そういったことで様々な工夫をしつつやっておりますが、ただ、さっきも申し上げた万々が一そういうことがあった場合には、二十四時間三百六十五日のコールセンターで対応する、悪用などによる被害の防止に努めて準備をしておるというふうに承知をしておりますが、同時に、例えばクレジットカードのように、将来的にはいろんな民間の様々な機能もこれに入れていくというふうな中で、民中心に一種の保険みたいな考え方も出てくるんではなかろうかなと思っておりますが、当面はこうした措置をしっかりとっていきたいということです。
○井上義行君 時間もありませんので、是非こうした視点を踏まえて進めていただきたいと思います。
 以上です。
○江口克彦君 次世代の党の江口克彦です。
 認知症の方のマイナンバーについてちょっとお尋ねをしたいと思うんでありますけれども、前回のこの委員会で、後見人に託すんだと、信頼される後見人に託すんだということでしたけれども、信頼とはどういう意味だというふうにお尋ねしたんですけど、その明快なお答えがなかったんですが。
 現在、認知症の人は、二〇一二年現在で四百六十二万人いるわけですね。二〇二五年になりますと七百万人。六十五歳以上だと五人に一人は認知症ということになるんです。そういう人たちがこのカードを持つわけですよね。当然のことながら、認知症の方ですから、十分にこのカードを使いこなすというようなこともできなくなってくる。そうでなくとも、お手元にお渡しした、見ていただいたらお分かりだと思いますけど、これは認知症の「「後見信託」急増五倍」ということになっていますが、後見人の親族らによる預金引き出しなどの不正が後を絶たないと、こういうことですよね。
 結局、後見人ということは信頼ということでしょうけれども、こういう、後見人でも信頼できないという。これは財産ということだけになるからまだかもしれませんけれども、マイナンバーになるともうあらゆるデータがこの後見人に託されてしまう。この人が、自分のカードではなくて、認知症の人のカードを使っていかようにも悪用することができるようになってしまうんじゃないかというふうに思うんです。
 毎度申し上げていますけど、私はこのマイナンバー制度というのは前向きに捉えていますけれども、こういう認知症の方々への対応ということについては、やっぱりこれ別扱いで対策を緻密に、もっと正確にというか、そういう対応というか、万全を期していかなければならない。そういう研究をして、あるいはまたその対策を立てていかなければならないのではないだろうかというふうに思うんですけど、今そういうふうな認知症の方々への対策というか、あるいはまた対応というか、あるいはまた救済というか、そういうふうなことを考えておられるんでしょうか。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 認知症に限らず、情報弱者とかいろんな方がおられるんだろうと思いますが、認知症に限って申し上げますと、一つは代理という考え方があるのではないかと。
 それで、今御指摘のありました成年後見人制度というのは法定代理でございますが、そういう場合もあろうかと思いますが、必ずしも成年の法定代理を置いておられない、後見人を置いておられない方の方がむしろ圧倒的に多いのかなと。そういう方も含めて対策を取っていく必要があるだろうと考えております。
 現実問題といたしまして、このマイナンバーに限らず、認知症の問題というのは社会保障の中で非常に難しい問題となってございます。そういう中で、マイナンバーにつきましては、まず一つは、通知カードを受け取っていただく必要があるということがまずございます。それによって番号が通知されるということになります。その上で、そのマイナンバーカードを申請するかどうかというのを一つ判断しないといけないということがございます。そして、申請した場合に、そのマイナンバーカードをどうやって受け取り、どうやって保管するのかと、そこまであるのかなと。
 その一連の手続におきまして、認知症の方におかれましても、いわゆる施設に入っておられる方、在宅におられる方、いろんな対応があろうとは思いますけれども、これらをできるだけ適切に、何といいますか、対応するためには、やはり社会福祉施設あるいは老健施設あるいはヘルパー等の在宅の事業者、それからやはり在宅では必ずしもそういうのをされていない方もある可能性もございますので、当該市町村ないし自治会、それらとどういうふうな連携を取るのが一番効率的かというのをやはり細かく詰める必要があると思っておりまして、これらにつきましては関係省庁とできるだけ早い時期に詰めてまいりたいというふうに思っております。
○江口克彦君 ということは、認知症の方々のマイナンバーカードに対する対応の仕方については、今検討を進めようとされているというふうに解釈してよろしいですね。
 それと、今言われましたけれども、これ、マイナンバーカードって申請するんですか。申請する必要があるんですか。簡単でいいです。
○政府参考人(向井治紀君) まず、十月五日現在の住所地にマイナンバーが通知されますが、これは紙の通知カードで、写真はございません。それから、そこにマイナンバーカードの申請書が入ってございまして、そこに写真を貼っていただいて申請していただくということになってございます。
○江口克彦君 そのことを、作業をしない人がいたらどうするんですか。
○政府参考人(向井治紀君) これは強制ではございません。強制でなくても、マイナンバーそのものの利用は、例えば通知カードプラス免許証とか、そういう形で可能でございますので、マイナンバーは付番されておりますが、マイナンバーを証明する手段としての個人番号カードは強制ではございませんが、私どもとしましては、無料でございますし、できるだけ多くの方に取っていただきたいというふうに考えております。
○江口克彦君 そうすると、マイナンバーは必ずしも申請しなくてもいいわけですか。申請しなくてもいいんですね。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 マイナンバーは、十月五日現在の住民票の所在地に全員に通知カードという形で通知されますので、全員に付番されます。これは申請する必要はございません。
○江口克彦君 そうすると、マイナンバーを持たない人も出てくるということですね、申請しなければ。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 マイナンバーそのものは全員に通知しますので、申請なく通知が参ります。これは紙のカードでございます。マイナンバーカードは申請しないともらえないということでございます。
○江口克彦君 番号は割り当てられるけれども、カードは持たなくてもいいわけですね、ということですね。
 そのカードですけれども、カードに限定していえば、そのカードでどれほどの情報が最大入るということを考えておられるのでしょうか。
○政府参考人(向井治紀君) カードのICチップには、まず、全てのものにつきまして、券面記載事項、住所、氏名等の四情報とマイナンバー、それから写真情報が入ってございます。それから、公的個人認証を標準搭載しておりますので、公的個人認証等の公的個人認証用のスペースをつくってございます。それ以外に空きスペースがございまして、これらについては、市町村、国、場合によっては民間も利用可能となっておりますが、大体、おおむね二十ぐらいのIDが入るような感じとなってございます。
○江口克彦君 そうすると、最大二十のアイテムが入るということで考えてよろしいですね。
 ということは、公の分野で五つ、六つ、七つ、八つということになってくると、あと十ぐらいは私で使ってもよろしい、民間で使ってもよろしいということになるんでしょうか。
○政府参考人(向井治紀君) まず、市町村等は条例で使えることになってございます。実際に、住基カードでは図書館カードなんかに使っておる例が多いようでございます。
 それから、民間につきましては、政令で定めるところにより民間で使えることになってございますが、その政令は現在検討中でございまして、どういうふうなものに使わせるかというのは現在検討中でございますけど、例えば社員証とかそういうふうなことは考えられるのではないかと思っておりますが、できるだけそのIDを有効活用するために、一つのIDで共通的に機械を使えるような基盤になるような番号を優先的に登録することが必要ではないかと思っております。
○江口克彦君 そうすると、これで、例えばマイナンバーが来ますよね、それでカードをもらうという申請しますよね。そのカードには、顔写真とマイナンバーとそれから住所とそれから年齢と性別と一応入ったものが来るわけですよね。それに、そうするとプラスアルファあと十五ぐらいということになるんですか。情報が十五項目という、それじゃ足らないんじゃないですか。
 あと、健康保険証、身分証明書とか、あるいはまた所得、資産、キャッシュカード、クレジットカードとかずっと出てきたら、そんな二十ぐらいのスペースでこんなデータ管理というか、全て一本化なんといったって、できないんじゃないですか。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 これらの場合は、ほとんど公的個人認証を活用することによって可能になると考えてございます。
 公的個人認証はネット上の本人確認手段でございまして、それが本人であることを確認するということで、その確認された本人と例えば健康保険証の保険者の持っております保険者番号を結び付けるとか、そういうような外部でのIDの結び付けによって広く利用が可能になると思っておりますが、もっとも、何といいますか、チップに入れる場合は書き込みの問題がございます。したがいまして、民間で、あるいはそういう健康保険とかに利用する場合には、公的個人認証を広く使っていくというのが最も現実的な利用方法ではないかと考えております。
○江口克彦君 ありがとうございました。
 それで、民間事業者についても先ほどもちょっと御質問がありましたけれども、従業員に関する源泉徴収票や年金、あるいはまた健康保険、あるいはまた雇用保険に関する書類の作成などにおきましてマイナンバーを利用するということから、情報漏えい対策など様々な対応が必要になってくるのではないだろうかというふうに思うんですね。
 中小企業にとっては、これらへの対応が、繰り返し繰り返し前回も指摘されました、今回もまた指摘されました。私も指摘したいんですけど、相当重荷になるということは、もうこれ皆さん感じておられることですよね。
 いろいろと御説明はありますけれども、中小企業に対してやはり何らかの対策というか立てないと、中小企業としては、これに専念するとか、これにお金を使うとか、これ、そのコストあるいはまた時間的な面からして十分な対応ができないんじゃないか。その面に関しての何らかの国からのサポートというようなものも考えてあげないと気の毒ではないかなという気はするんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 実際、中小企業が、何といいますか、マイナンバーを使う場面というのは、恐らく全ての中小企業があるのは、多分従業員の源泉徴収に係ります税の調書ないし、あるいは健康保険等であろうかと思いますが、それらにつきましては、するべきことというのは、税務署とかあるいは年金機構に出す書類にマイナンバーを付するということになりますので、多分給与簿みたいなものにマイナンバーを付して管理するような格好になるんじゃないかというふうに考えられます。
 電子化されている場合ですと、通常、番号を付けて従業員を管理しておりますので、その社員番号とマイナンバーとの、何といいますか、ひも付けのテーブルがあれば間に合うだろうというので、中小企業自体がそれほどの、何といいますか、通常の場合ですとそれほどの費用の掛かるような対策を取る必要は必ずしもないのではないかというふうに思っております。
 それから、現に、既に出来合いのソフトを入れておられるような企業におきましては、その出来合いのソフトの更新は通常その出来合いのソフト会社が行っているということもございます。
 それから、安全管理対策といたしまして、鍵の入ったところとか見えないところとかいうのもありますが、中小企業の場合は、別に大きな組織でもございませんので、例えば誰にも見えないように単につい立てを立てておくとか、あるいは、通常、事務デスクには鍵の掛かった引き出しがあるでしょうから、そういうものはそういう引き出しに入れて管理するとかというふうな、ある意味それほど負担の掛からない方法もガイドラインに書いてございますので、それで、まあ全く負担を掛けないということではございませんが、過度な負担が掛からないように、あるいは逆に、そういうふうな宣伝なり広告もあるというのも承知しておりますので、この程度で結構ですというのはできるだけ周知していく必要があると思っておりまして、現在、日本商工会議所とかそういう商工会系の団体、それとやはりどうしても末端でもっと零細なものになりますと、やっぱりありますのは税務署とか税理士とか、そういう話になろうかと思いますので、そういうところと連携を取りながら、やっぱりちゃんと詳しく具体的に周知していく必要があろうと思っております。まだ十分とは思っておりません。
○江口克彦君 このマイナンバー制度については、やっぱりそういう認知症の方とか、あるいはまた中小企業の立場の方々とか、あるいはまたそういう組織、団体に所属していない方も今はいっぱいいるわけですよね。そういった方々のことを十分に考えて対策、対応を考えてあげないと、番号だけは教えましょうと、覚えておきなさいよというようなことになりかねないし、カードは取りに来なさいというようなことになってしまいますし。
 しかし、カードを作るからには写真も要りますわね。それから本人確認も要りますわね。今、住基カードを取りに行っても、大体十分か十五分掛かりますわね、どんなに早く行っても。そういうことに耐えられる体力の人ばっかりではないわけですから。
 そういうようなことも十分考えて、やればいいんだと、効率が良くなるんだと、これやったら産業も活性化するんだとか、そういうことだけではいけないし、普通の人を考えて、想定して、これは普通の人にとって便利になるんだというだけではなくて、そういうお年寄りだとか認知症の人だとか、あるいはまた中小企業の方々とか、そういう方々を十分お考えいただいて、対策とか対応を是非十分にしていただきたいというふうに思っていますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(向井治紀君) 全くおっしゃるとおりだと思います。これからも心して広報活動等に取り組んでまいりたいと思っております。
○江口克彦君 それからもう一つ、個人番号カードにはマイナンバーが当然今も記載されているということで承知いたしているわけでありますけれども、個人番号カードを紛失しても不正利用されることのないような、万全を期しておかなければならないというふうに思うんですけど、紛失したときにはどうするのか、それを不正利用されたときにはどうするのか。重複した質問になっているかもしれませんけれども、どうお考えなのか。
○政府参考人(時澤忠君) 個人番号の紛失時の対応でございます。
 二十四時間三百六十五日体制のコールセンターを設置をする予定でございまして、このセンターにおきまして紛失の連絡を受けた場合には、速やかにカード機能の一時停止の処理を行います。これによりまして、電子証明書等が使用できないようになりますし、その旨が全市町村において共有されまして、一時停止の情報が把握できるようになるものでございます。
 その後、例えばその紛失したカードが見付かった場合にはその一時停止の解除、あるいは見付からなかった場合にはカードの再交付ということを市町村の窓口において手続を取っていただくことになります。
 ただ、本人がなくしたことを気付かないようなこともありますので、その場合の対応でございますが、そもそも個人番号カードには写真が付いておりますので、写真付きの身分証明書でございますので、他人が持ってきたときには写真で確認ができるということで対応できるのではないかと思っております。
 また、ICチップが搭載されております。先ほど来の、ICチップの中には公的個人認証、あるいはアプリケーションが入っておりますが、これはアプリケーションごとに異なる暗証番号を設定していただいて情報を保護する対策を講じていきたいと思っておりますし、また、暗証番号の入力を一定回数以上間違えますとロックされるというようなことでセキュリティー対策を講じることといたしております。
○江口克彦君 向井さんにちょっとお尋ねしたいんですけれども、先ほどから質問がありましたけれども、運転免許証ですけど、これは、IT総合戦略本部新戦略推進専門調査会ありますよね、ここでは、運転免許証、健康保険証や住民票の写し等に代わる本人確認の手段として広く利用できるようということで、運転免許証もこの中に入れようということで、そして、自民党の方もIT戦略特命委員会というところで、やはり二〇一八年までに運転免許証との一体化というようなことを言っているんですね。
 ところが、私が前回質問したときに、警察庁の鈴木さんは敢然ともう否定されて、ずばっと否定されているわけですよ。運転免許を返納あるいは提出しなければならない、そのときにマイナンバーのカードも取られちゃいますよと、それから、免許の取消処分を受けたら運転免許証とともに個人番号カードも同時に失うなんて、これちょっと技術的にもこんなことを言えるのかなと思うんですけど。それから、電子データでの確認のみでは外形的に免許の有無等の判別がしにくいと。こんなもの知恵出せばすぐできるんですけどね、これ。何、鈴木さんがおっしゃっているのか、あと時間がなかったから質問できなかったんですけど、こんなこと知恵出したらすぐできると思うんだけれども、どうしても一緒にするのは嫌なんですか、警察庁は。
○政府参考人(鈴木基久君) 前回御答弁申し上げたとおりでございますが、私どもも、マイナンバー制度利活用推進ロードマップ(案)でございますか、これはマイナンバー等分科会において配付されたということは承知しております。
 しかしながら、マイナンバー制度はマイナンバー法において利用範囲が定められており、警察業務において個人番号は取り扱わないことと整理されているものと承知しております。前回申し上げたような課題もございますし、仮に運転免許証と個人番号カードの一体化をするためには、個人番号のシステムと運転免許データを保有する警察のシステムとの連携について検討をする必要もございます。
 こういったことから、警察庁としては、運転免許証と個人番号カードの一体化には慎重にならざるを得ないというふうに考えておるところでございます。
○江口克彦君 もう一点、簡単にお願いします。
 これ、五月二十日に出てきているんですよね。このIT総合戦略本部新戦略推進専門調査会マイナンバー等分科会の中間取りまとめと、ここに警察庁の意見は反映されていないということですか。向井さんに。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 その資料は自民党で発表された資料を紹介したという位置付けでございまして、政府として決めたものではございません。政府として決定した中に、免許証を一元化するとは、書いたものは現時点ではございません。公的な身分証明書を一元化するというふうな書き方になってございます。
○江口克彦君 確かに、自民党政務調査会IT戦略特命委員会ということですから、自民党の方から出された資料であるということは承知していますけれども、自民党さんはこれで納得されているんですか。いやいや、自民党さんに、いやいや……(発言する者あり)
○委員長(大島九州男君) 静かにしてください。時間ですから。
○江口克彦君 自民党さんに質問しているわけじゃないですけれども、こうやって政府・与党の自民党さんもこれ一体化すべきだと、こう言っているわけですよね。希望が強いわけですよ。さっき井上委員も言われましたけれども、もう四割ぐらいの人は一緒にしてくれと言っている。四割ぐらいの人が一緒にしてくれと言っているものを、これは工夫したらどうなんですか。
○委員長(大島九州男君) 時間ですから簡潔に。
○政府参考人(向井治紀君) 今後検討する課題は多数あろうかと思いますが、例えば、免許証はありつつも、免許証を持たなくても個人番号カードの本人認証機能を使うというふうなことも選択肢の一つとしてあり得ると思いますので、いろんな課題を含めて検討してまいりたいと思います。
○江口克彦君 また次回、質問します。
 以上です。
○山本太郎君 生活の党と山本太郎となかまたち共同代表、山本太郎です。
 マイナンバー法案に関してお聞きしたいと思います。
 このマイナンバー制度、ちまたではかなり評判悪いですね。制度自体が悪いのか、それともその良さを知らずにイメージが悪いだけなのか。これ、よくあるのは、本当に必要なのという声なんですよね。じゃ、どうして必要なのか、何のために必要なのか、もっと大勢の人に理解してもらえるよう、山本太郎でも中学生でも理解できるように明確な答弁、期待しております。
 この国に生きる人々に番号を付ける、この考えが始まったというのはいつ頃のことなんでしょうか。
○政府参考人(向井治紀君) 我が国におきます番号制度の検討につきましては、コンピューター処理に関する様々な標準化の一環といたしまして、行政管理庁、現総務省ほか関係十二省庁による各省庁統一コード研究連絡会を設け、省庁統一個人コードの研究を開始した一九七〇年が最初ではないかと考えております。
○山本太郎君 一九七〇年代から、随分古いときから話し合われていたと。
 でも、現在のマイナンバー法案の元々のものを作ったのは民主党政権時代だったとお聞きしております。二〇一一年六月に出された社会保障・税番号大綱によると、低所得者で資産も貧しい等、真に手を差し伸べるべき者に対して給付を充実させるなど、社会保障をよりきめ細やかに、かつ的確に行うことが重要であり、そのためにも受益、負担の公平性、透明性を高めようとするものであるという考えの下、民主党政権はマイナンバー制度、すなわち社会保障・税番号制度を導入したかったようです。
 これだけ読むと、取れるところからは適正に税金いただきますと、弱い立場に置かれた人々への再分配行き届かせようじゃないかと、給付付き税額控除とか、現金給付とか、サービス給付とか、そういうものでということだったんだろうなと思うんですよね。これが現実にできるとするなら、悪くないじゃないですかと思うんです、私自身。
 税金の大原則、もう皆さん重々御存じの応能負担ですものね。多く持つ者からはそれなりに納税していただきます、社会を支えてくださいね、ないところからは取れませんからって話ですよね。しかし、現状はどうなんでしょうかと。大手企業には減税措置、資産家、金持ちは事実上、税金は軽減、税収が減った分、その穴埋めは消費税でというのが現実だと思うんです。
 もし今回のマイナンバーが資産家の余剰資産や先々海外資産などもあぶり出し、諸外国とも連携して国際的な税逃れも許さないために必要なんだ、これから応能負担にのっとった課税システムに転換していくために必要なんだということならば、僕自身はその番号制度に賛成したいなとも思うんですよね。
 金融機関に対して調査対象者の預金状況を照会する場合、調査対象者の住所、氏名に加えて、マイナンバーを用いて照会するんでしょうか。
○政府参考人(藤田博一君) お答えいたします。
 預貯金番号に番号が付番されることになりますと、国税当局といたしましては、住所、氏名のほか、番号も利用して調査対象者の預貯金情報の照会を行うことになると存じます。
○山本太郎君 まず、そのためには、銀行、貯蓄口座ですよね、銀行等の貯蓄口座とこのマイナンバー、これ、ひも付ける必要ありますよね。
 我が国に存在している銀行などの預貯金口座、これ幾つぐらいあるんでしょうか。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 日本銀行の公表資料によれば、ゆうちょ銀行を除く国内銀行における二〇一五年三月末の個人預金口座は約七億七千六百七十万口座とされているものと承知してございます。
 なお、郵便貯金の口座数は、二〇〇七年の九月末現在で三億七千七百七十五万口座というふうに承知してございます。
○山本太郎君 じゃ、それ足したぐらいの数、十億を超えるということですか。すごい数ですね、これ。なるほど。
 じゃ、この預金者というのは、このマイナンバーの告知義務といいますか、というのは法律上で定められているんですか。ごめんなさい、これ聞いていなかったですけれども、元々は。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 今回の改正案におきましては、預金者に義務は掛かってございません。
○山本太郎君 ということは、この口座とマイナンバーがひも付けられない可能性もあるということですよね。じゃ、これ、ひも付けられなくちゃちょっと余り意味がないんじゃないかなとも思うんですけれども。
 逆に聞いた方がいいか。ひも付けられるものってどういったものがあるんですかね。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 全銀協と協議はしてございますけれども、例えば新規口座の申込書に住所、氏名とともにマイナンバーを書く欄を設けていただくとか、そういう意味では、それに対して拒否された場合に、それを書かないと口座を開けないというふうな強制ではないという意味で義務はないというふうなことでございます。
○山本太郎君 じゃ、それ、新規の口座という意味でもそれは義務はない。
○政府参考人(向井治紀君) 今回お出ししている改正法案では義務にはなってございません。
○山本太郎君 これ、じゃ、銀行口座がひも付かないって、意味あるのかなと思うんですよね。税金というか、資産の状況を把握するという意味でのマイナンバーは銀行口座とひも付けられなくてもいいと。しかも、新規という部分に関しても強制ではないということが今確認されましたけど、どうしてこれ、既存の十億を超えるような口座がこの国に存在しているのにひも付けようとしないんですかね。付番しないんですか、これ。口座にも付番しようとしないのか。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 将来的には全ての口座に付番することを目指していることは事実でございます。ただ、その手段といたしまして、どういうふうなやり方がいいのかというのがあろうかと思います。特に、新規のやつは比較的義務化しやすいかもしれませんが、既存のやつというのはなかなか義務化というわけにはいかないし、場合によっては銀行にはもうほとんど立ち寄られない、もうATMだけでやられる、場合によってはもうほとんど取引のないというのも多数ございます。
 そういうものを徐々に付番していくためにどういうやり方があるのかというのを検討した結果、取りあえず、第一段階といたしまして、預金保険機構でマイナンバーを使えることといたしました上で、義務ではありませんが、できるだけ預貯金にマイナンバーを付けていただけるような措置をとったところでございます。
 これを、三年後の見直しにおきましてはある程度義務化するのか、あるいはメリットを付けるのか、そういうふうなことも今後検討していく必要があろうかと思っております。
○山本太郎君 これ、預金者から金融機関に対して告知、私のマイナンバーこれですと言う人ってどれぐらいいると思われますか。何か告知率みたいなものが分かれば。
○政府参考人(向井治紀君) 具体的な率というのを想定しているわけではございません。それこそ、できるだけそういうふうなのを御協力いただけるように広報するとともに、このメリットというのもございまして、一つは預金保険のひも付けが簡単になるということもございますが、災害時にマイナンバーだけで引き出せるというメリットもございます。
 そういうふうなことも含めて、なおかつマイナンバーがひも付いたものにつきましては、今後更にIT化が進みますと、例えば死亡時に相続人等に通知ができるようなことも将来的には考えられるのかなと。そうすると、今よく問題になっております休眠口座のうちのかなりの部分を占めると思われます、要するに相続漏れでございますね、相続漏れなんかも今後防げるようになっていくのではないかと。そういうソリューションといたしまして、マイナンバーというのは有用性が十分にあるのではないかというふうに考えております。
○山本太郎君 これ、何かもういきなりスタートからよく見えないというか、やってみなきゃ分からないんだ、手探り感がもう満載なんですけれども、それで効果が見込めると言えるんですかね。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 先ほど申しましたように、やっぱり全ての口座にひも付けるというのをいきなりやるというのは無理があると思っております。そういう意味で、マイナンバーがある程度定着した段階で徐々に、何といいますか、メリットを付けつつ、最終的に本当に強制的にやろうというのであるならば、例えばATMでマイナンバーがないやつは使えないみたいな話になってしまいますので、なかなかそこまでは行けないということもございます。
 そういうようないろんな手段を考えた上で、やはり今回は、第一歩といたしまして、任意の付番という形を取らせていただいたというふうなものでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 財務省作成の資料には、付番開始三年後を目途に、預金口座に対する付番状況等を踏まえて、必要と認められるときは、預金口座への付番促進のための所要の措置を講じる旨の見直し規定を法案の附則に規定する方向で検討とされています。これが現在の法案の附則第十二条第四項になっていくわけだと思うんですけれども、この付番促進のための所要の措置って、これ、一体何なんですか。
○政府参考人(向井治紀君) 付番促進のために考えられるというのは、一種の法律上の義務化みたいな話、それから、先ほど私がちょっと申し上げました付番のない口座についてはATMで使えないというふうなある意味極端な措置もあれば、一方で、例えばでございますけれども、付番のある口座については何らかの形で負担が少なくなるとか、そういうようなことも考えられると思います。
 これらのメリットと、それからある意味では義務的な措置をどのように組み合わせていくのがいいのかというのは、施行状況を見ながら、銀行等あるいは国民の方々の意見を聞きながら進めていく必要があると思っております。
○山本太郎君 これ、でも、最初から付番強制すると結構反発あるからやりにくいな、これ、マイナンバー通されへんかもしれぬなというのがちらちらと見え隠れすると思うんですよ。後々三年後の見直しがあるということですもんね。
 やってみて、ちょっとなかなか入らなかったら、これは強制になるおそれがあるんじゃないかなと思うんですよ。だって、強制にしなきゃ意味ないですもんね。これ、みんなに入ってもらわなきゃ、このマイナンバーをやる意味ってないですもんね。そうでもない、どうなんだろうなと思う。これってちょっとだまし討ちというか、ちょっと詐欺的商法みたいな感じに何か思えるなという、三年後、何かそのときそのときで見直そうよとは言っているけれども、三年後やるのは恐らく強制だろうという話ですよね。非常に恐ろしいなと思うんです。
 富裕層、超富裕層と呼ばれる方々は、資産を海外に移転させるなど様々な抜け道を使って合法的に税金逃れしている、これよく聞きますよね。今回のマイナンバーは日本人が持つ海外の資産も管理できたりするんでしょうか。
○政府参考人(藤田博一君) お答えいたします。
 海外に保有する資産でございますけれども、納税者本人から国外財産の保有について申告を求める仕組みとして国外財産調書制度が導入されておりまして、二十六年一月から施行されております。番号が導入されますと、当該調書に番号が記載されるということになります。
 そのほか、国税庁としましては、国外財産調書のほか、同じく番号が記載されることとなる国外送金等調書を活用するとともに、租税条約等に基づく情報交換を海外当局と積極的に実施するなど、あらゆる機会を通じて有効な資料情報の収集に努め、今後とも国外財産に係る課税の一層の適正化に努めてまいりたいと存じます。
○山本太郎君 これ、貯蓄口座とか既存口座へのひも付け、これ、難しいんだよって。海外へ税逃れされた資産にも、これひも付けられないんだよって。資産状況を正しく把握して正当な税負担をお願いするという意味では、現在、マイナンバー、実現することは難しいんですね。そういうことがはっきりしたと思います。逆にしっかりとひも付けされるのは、資産の少ない者、収入の少ない者になっていくんじゃないかなと思うんです。
 ひょっとしたらこれ、低収入世帯に対して、民主党時代の大綱にもあった給付付き税額控除、これやってくれるんじゃないですか。実施するためでしょうか。
○国務大臣(山口俊一君) これは、今御審議をいただいておりますこの改正法案、これにつきましては、いわゆる給付付き税額控除、この導入を念頭に置いた改正ではありません。
 それと、先ほど若干先生の方からお話がありましたが、三年後の見直しに向けて、やはり基本は任意に入って、付番、いわゆる銀行ですね、ひも付けをしていただく。同時に、やはり義務付けというんではなくして、どういうふうな形でインセンティブを働かせていくのか、これをしっかりやっていく必要があるんだろうと思うんですね。
 御指摘のように、やはり最初から義務付けですよというのは、これは過去の様々な、グリーンカード等いろんな例を見ても非常に難しい。徐々にやることによって、ああ、あの人はひも付けして便利になったなということをいろんな国民の皆さん方に見ていただいて、ああ、やっぱりいいものだなと思う中で導入をしていくというのが私は正しい姿なんだろうと思っておりますので、そういったことでしっかり誤解を招かないような形で進めてまいりたいと思います。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 住基カードの普及率五・五%でしたっけ、なかなか周りに持っている人、ほとんどいない状況ですよね。だから、このマイナンバーのカードを持って、こんないろんなサービスを利用したという人の便利談というのもなかなか聞けない状況になる可能性もあるんですよね。
 話戻ると、先ほどの答弁でお答えいただいたのは、給付付きの税額控除というものは考えられていないと。税優遇を受け続ける大企業やお金持ちから正当な納税をしていただくためでもなく、弱い立場の方々の生活の応援になる給付付き税額控除もやらない。だったら、マイナンバーをわざわざやる必要あるのかなと思うんですよね。メリットを感じることがいまいちできないというか、全く今のところできていない。
 例えば、役所での手続が簡素化されますというような話。ああ、それは便利かもしれない。それで、どれぐらい縮まるんだろう。五分、十分。役場への提出書類減りますよ、少し。この時間を短縮させるためだけに何千億円もお金つぎ込まれるのはちょっと嫌だなと思うんですよね。もっと違うことに使わなきゃいけないこといっぱいあるのになって。
 国民の何%ぐらいがこのことに対して望んでいるのか。これ、直接何か声聞いたことありますか、何か。マイナンバーちょっとこういうふうにしてほしいって、マイナンバー待っているんだよみたいな話、何かありますか。あれば。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 民主党政権時代にマイナンバーを最初に検討し出したその頃から関与しておりますが、そのときに全県、各県回りましてシンポジウムを開きました。そのシンポジウムは、主にそういうことを反対されている弁護士の方も必ず来ていただいて、かつ、説明とともに現場からの、その来ておられた方の質問を無制限で受けました。一番長い場合は、二時間半ぐらい延長したこともありました。
 そういうふうな意見を踏まえた上で民主党政権でまとめたものを国会に出しまして、それで自公民三党の協議がおおよそ調って、政権が替わった後もそのスキームで今日まで来ているということでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 できれば具体的な、何というんですか、声を聞きたかったんですけれども、このマイナンバーの審議の中では、震災のときとかにというお話をよくお聞きしたと思うんですね。例えば自分の使っているお薬のことだったりとかというような意見がよく聞かれるんだというような話を聞いたと思うんですけれども、災害時って電気通じるんかという部分もあると思うんですよ。それだけじゃなくて、マイナンバーのカードさえ、危ない、地震だ、マイナンバーはどこだみたいな話にならないでしょう、と思うんですよ。じゃ、究極どうなるのって。先々、そうならないために体の中にチップ埋め込みましょうかみたいな話にならないですか、これ、というふうに、何かうがった物の見方をしちゃうというか、怖いなと思うんですよ。
 十二桁の電話番号を覚えるのは大変ですよ、だって。電話番号じゃないわ、十二桁の番号を覚えるというのも。自分の電話番号を覚えるのだけでもぎりぎりなのにみたいな、そういう話だと思うんです。
 結局、社会保障費削減のための資力調査に利用されるのが狙いの一つではないのかなとも思っちゃうわけです。不正対策という名の下の貧困層の更なる貧困化、これ招いてしまったら嫌だなと思うんですよね。より監視が強化されるのは貧困層と一般大衆に対してではないかな。今回の改正で、例えば扶養控除申告書などの税務申告書類にマイナンバーを振ることによってあぶり出されるのは、百三万円をほんの少し超えて働いて扶養控除を受けられなくなる方々だったりとか。
 社会保障の給付の資力調査に使用する際の情報提供方法についてお聞きしたいと思います。
 預貯金口座に付番して社会保障の給付の資力調査に使うときの情報提供方法については、衆議院内閣委員会の審議ではほとんど触れられていないんですよね。確認していきたいと思います。
 関係機関等への資力調査は、二〇一三年の生活保護法改正によりお役所には回答義務が課せられ、本人同意なく照会可能です。情報提供ネットワークシステムで提供事務にも入っています。しかし、情報提供ネットワークシステムで調査可能なのは要保護者本人と過去に保護を受けていた人の受給期間分だけで、扶養義務者に対しては現時点では調査ができないと。現時点では金融機関等に回答は義務付けられておらず、同意書が不可欠です。
 今回の法改正によって預貯金口座に付番しても、福祉事務所のパソコン画面で検索すればぱっと分かるわけじゃないんですよね。従来どおり郵送で照会することになる以上、事務負担は軽減されません。照会を受けた金融機関も、全ての口座に付番できない以上、マイナンバーで照会されても回答しようがないということなんですよね。
 お聞きします。生活保護認定の際の預貯金の資力調査については、情報提供ネットワーク使うんですか。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 情報提供ネットワークシステムにつきましては、行政機関間での、法律に基づき別表に書いてございます事務につきまして情報を提供するものでございますので、お尋ねの社会保障の資力調査におきましてはこの情報提供ネットワークシステムを活用することはございません。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 今回の改正が成立しても、従来どおり、金融機関に対して資力調査を行う際には本人同意が必要であるという解釈でよろしいでしょうか。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 生活保護法に基づきます資力調査に関しましては、保護開始時において要保護者から同意書を徴取しているものと承知しております。その取扱いにつきましては、マイナンバー法施行後も従来どおり行われるものと考えております。
○山本太郎君 本人同意が必要であるならば、全ての口座に付番できないんですから、検索するときには従来どおり個人番号以外の名前、性別、住所、年齢等で行うことになるんですよね。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 預金口座に番号がひも付いていない場合には、従来どおり金融機関は氏名、住所等で検索し、回答を行うことになると考えられます。
○山本太郎君 結局、効率化されていないと。マイナンバーの意味あるのかなというのが重なっていきます。
 預貯金情報や医療情報はプライバシー情報、要配慮情報ですが、現行で既に情報連携されていることになっている母子、障害、介護、失業、生活保護等々の給付情報も、これ差別の原因になることがあるんですよね。これ要配慮情報じゃないかなというふうに思うんです。必要なところに必要な自己情報が正しく伝わる、いや、提供したくないところには提供されない、そういう本人同意の仕組みがなければ、意図しない自己情報の利用を恐れて利用できるサービスの申請もしないという、これ萎縮効果起こるんじゃないですか。
 例えば、皆さん御存じのとおり、生活保護は、憲法二十五条、これに保障される生存権、これに基づく制度ですよね。国、自治体は、最低限度の生活の保障と自立を支援する義務があり、生活再建のためのツールとして活用することは国民の権利であると。
 残念ながら、今の日本社会では、生活保護を受けている、受けたという情報は差別視され、就労、それだけじゃなく、アパートを借りるときにも、さらには人間関係など、社会生活で不利になっている現実あるんですよね。保護を受けることは、もう行政の支配下に入って、社会に対しても意見さえできないような印象、これ世間的に持たれてしまっているんですよ。不正受給は全体の二%、つまり九八%は適正受給、この実態を無視した、受給者は怠け者、不正受給だらけと一部の政治家とマスコミが印象を刷り込んだことに原因、大きくあると思います。
 衆議院の議論で、平井たくや委員、このようなことを言われているんです。現在百九十一億円とも言われる生活保護の不正受給についても、マイナンバーを活用して不正受給を是正できるのではないかと考えますと、このように発言されている。預貯金口座の付番で減らせるのは、不正受給のうち、収入の申告を偽るなどの事例だけ。意図的、計画的に収入を隠蔽するため銀行に入金しなければ、銀行照会では分かりませんよね。マイナンバーで不正受給が是正されるかのような雰囲気を演出するのは、現実を見ない行き過ぎたアピールに感じます。至る所で保護受給情報が共有されると思えば、生活保護を受けること自体をちゅうちょしかねません。
 差別などをなくしていくこと、これ、もちろん基本ですよね。でも、差別がある現実の中では、この本人同意、これ身を守る武器だと思うんですよ。本人同意の仕組み、多少、行政と住民、企業と消費者との力関係、改善していく、権利を守ることになるんじゃないかなと思うんです。このような立場にいらっしゃる方々の給付情報なども要配慮情報と見るべきと考えます。大臣、どうか御配慮いただけないでしょうか。
○国務大臣(山口俊一君) 要配慮情報に関しては、これから更に詰めていくというふうなことにもなるわけですが、ただ、今御指摘のようなお話は、やはりあくまで本人同意の上、個人情報としては取り扱うというふうな話になりますので、ですから、そこら辺のいわゆる個人の権利とかあるいは利害を著しく害するという話にはなっていかないんだろうと。
 同時に、生活保護にしても、これも果たして機微情報なのかというのも、これ両方御意見があるんだろうと思います。私の地元でも、もう堂々ともらっている人もありますし、いろいろなところを考えながら、やっぱりトータルとしてどうやって判断するかということになっていくんだろうなと思います。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 堂々と受けていいものだと思います、僕は。次のステップに進むための準備期間、自分が先に進めなくなったときに行政とか国が手を差し伸べてくれないんだったら、税金払う必要ないですものね。堂々と受けるべきものだと思うんです、不正でなければ。
 その不正と言われているのも二%、九八%は適正。その二%の中にも、無理やり不正受給にされてしまっているようなケースもたくさん見受けられると。今日は時間がないですから、その先は話しません。これはもう本当に機微情報として、とにかく要配慮情報として、センシティブな情報として扱っていただきたいと、そう思います。
 たとえ、それらが要配慮情報とされたとしても、情報が漏れてしまえば、これ意味ないですね。セキュリティーに関しては、もう皆さんいろいろな御議論があると思いますけれども、世界では実際に成り済ましの被害などが多く報告されていると。そこに安全を担保するためには、必ずしも一つだけ、一つの共通番号という考え方じゃなくて、例えば金融機関のみとか医療機関のみとか、そういうそれぞれの分野別に専用番号を振っていく方が安全性も高まるんじゃないかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 セキュリティーやプライバシーの観点からも、全ての個人情報を共通の番号で管理せず、分野別の番号により管理する方がよいとの考え方もあります。
 やはり、マイナンバーの場合は、まず基となる番号が住基番号で、それとは別の番号を作っているということが一つございます。それから、マイナンバー制度で行政機関間で情報をやり取りするときのインターネットの中、間でといいますか、電子的な情報のやり取りにつきましては、マイナンバーを用いずに識別符号を機関別に振るなどのかなり注意深いセクトラル方式を取っているところでございます。一方で、見える番号につきましては、利便性も考え、マイナンバー一つで統一していると、そういうふうなやり方になってございます。
 今後、更に他の行政分野等に拡大するに当たっては、マイナンバーがよいのか、他の番号の方がよいのか、あるいはそもそも見える番号は要らないのか等も含めて検討する必要があると思います。
○山本太郎君 もう既に番号は一つじゃないんだと、スタートのときから。ベースは住基なんだというようなお話をされたと思います。この先そういう議論になっていく可能性はあるかもしれないよということだったと思います。
 居住の実態がないとして、市町村長の職権により住民登録が抹消されてしまっているとか、いろんなシチュエーションがあると思うんです。住民登録、住民票が取れないというような、それがないというような人たち、たくさんいらっしゃると思うんですけど、御存じなら教えていただきたいんです。それらの人々には付番されないんですか。
 そして、もう一つ聞きたいのは、その人たち、どれぐらいの数の人々がいるんでしょうか。
○政府参考人(時澤忠君) 住民票を有していない理由につきましては様々あると考えられますけれども、住民票を有していない人の数につきましては把握していないところでございます。
 また、住民票を有しない方にはマイナンバー生成の基となります住民票コードも付番されておりませんので、マイナンバーも付番されないこととなるものでございます。
○山本太郎君 そうなんですよね。結構実態が分からないと言われるケースがたくさんあって、ホームレスと言われる方々を数えてみました、調査しましたといっても、真っ昼間に目視でとか、しかも行っているのは河川だったり公園だけだったりとか、夜は行かずに昼間ある一定の時間だけ見て大体これぐらいいましたと報告されるって、すごく浅い調査ですよね。
 とにかく、これはマイナンバー以前の問題、この国がどういう人々で構成されているのかということを調査しなきゃいけないということだと思うんですけれども、そういう方々にも配慮できるようなことを何かこれから一緒に考えていけたらと思います。
 とにかく、そういう実態調査ということもあるんですけれども、ほかにも住民票という部分でややこしい立場に置かれている方々がいると思うんです。例えば、原発事故で避難されている方々、自主避難されている方々も、そしてDV被害者という方々もいらっしゃると思うんです。要は、自分、今住んでいるところは住民票のあるところじゃないんですという方々はたくさんいらっしゃると思うんですけれども、この方々に対して何か対策みたいなものって考えられておりますか。
○委員長(大島九州男君) 時澤審議官、簡潔にお願いします。
○政府参考人(時澤忠君) 被災者あるいはDV被害者につきましても、通知カードにつきましてはやっぱり住所地に送付されることになるわけでございますが、こういった方々は当該住所地に住んでいない、あるいは住所地に加害者がいるということも想定されます。
 したがいまして、こうしたやむを得ない事情によりまして避難先の市町村に転入できない被災者あるいはDV被害者につきましては一定の配慮をしたいと思います。具体的には、事前に居所を登録していただいて、その登録していただいた居所に通知カードを送付する、そういうことをしたいというふうに考えております。
○山本太郎君 本日の質疑でマイナンバーのメリットを余り感じることができなかった、デメリットが結構大きいな、やってみるまで分からないというところに、これ突っ込んでいっていいのかなという感想を持ちました。またお聞きしたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(大島九州男君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
○委員長(大島九州男君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
 個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案について、財政金融委員会からの連合審査会開会の申入れを受諾することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島九州男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島九州男君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
○委員長(大島九州男君) 次に、連合審査会における政府参考人の出席要求に関する件及び参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のための連合審査会に政府参考人及び参考人の出席要求があった場合には、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島九州男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十三分散会