第189回国会 内閣委員会 第16号
平成二十七年七月二日(木曜日)
   午前十時一分開会
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   委員の異動
 七月一日
    辞任         補欠選任
     芝  博一君     那谷屋正義君
 七月二日
    辞任         補欠選任
     上野 通子君     長峯  誠君
     世耕 弘成君     石田 昌宏君
     山下 芳生君     田村 智子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         大島九州男君
    理 事
                石井 準一君
                上月 良祐君
                藤本 祐司君
                山下 芳生君
    委 員
                石田 昌宏君
                上野 通子君
                岡田 直樹君
                岡田  広君
                岸  宏一君
                山東 昭子君
                世耕 弘成君
                長峯  誠君
                松下 新平君
                山崎  力君
                相原久美子君
                那谷屋正義君
                蓮   舫君
                若松 謙維君
                田村 智子君
                井上 義行君
                江口 克彦君
                山本 太郎君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(国家戦
       略特別区域))  石破  茂君
   副大臣
       文部科学副大臣  丹羽 秀樹君
       厚生労働副大臣  永岡 桂子君
       国土交通副大臣  西村 明宏君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       赤池 誠章君
       厚生労働大臣政
       務官       橋本  岳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
   政府参考人
       内閣府地方創生
       推進室長     内田  要君
       法務大臣官房審
       議官       佐々木聖子君
       文部科学大臣官
       房総括審議官   徳久 治彦君
       文部科学大臣官
       房審議官     中岡  司君
       文部科学省初等
       中等教育局長   小松親次郎君
       厚生労働大臣官
       房審議官     福島 靖正君
       厚生労働大臣官
       房審議官     飯田 圭哉君
       厚生労働大臣官
       房審議官     大西 康之君
       厚生労働大臣官
       房審議官     木下 賢志君
       厚生労働省職業
       安定局雇用開発
       部長       広畑 義久君
       経済産業大臣官
       房審議官     谷  明人君
       経済産業大臣官
       房審議官     石川 正樹君
       国土交通大臣官
       房技術総括審議
       官        森  雅人君
       国土交通省鉄道
       局次長      篠原 康弘君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の
 一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
 )
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○委員長(大島九州男君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、芝博一君が委員を辞任され、その補欠として那谷屋正義君が選任されました。
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○委員長(大島九州男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府地方創生推進室長内田要君外十三名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島九州男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(大島九州男君) 国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○上月良祐君 自由民主党、茨城県選出の上月良祐でございます。よろしくお願い申し上げます。
 私は、農業であれ、医療、福祉であれ、教育であれ、税制であれ、日本の成長、日本のパイを広げていくことが大変重要であるということを意識して、それに少しでも貢献したいというふうに思いまして、国会議員に挑戦をいたしました。今回は、一番難しいであろうアベノミクス第三の矢の成長戦略、その大変重要な手段であると思います特区につきまして、是非質疑をさせていただきたいというふうに思っております。
 先月末の骨太方針でも、国家戦略特区の取組を一層加速化するというふうになってございます。今回の国会で大臣所信で質疑をさせていただきましたときに、特区というのがたくさんいろいろ、いろんな特区ができてきていると、しかし、国家特区も大変重要ではありますけれども、これ以前から真剣に取り組んでいる特区も取組をこれまでどおり一生懸命やっていただきたいということをお願いをしまして、これは以前、新藤大臣からも、そして石破大臣からも、それはそうであるというふうにお答えをいただきました。
 今回は、まず最初に内田室長にお聞きをいたしたいと思いますが、特区で、いろいろな特区があります、構造改革特区や総合特区、その中も枝分かれしておりますけれども、国家戦略特区というのはそれらとどこが違うのか。その三つの種類、まあ枝分かれ若干ありますけれども、それぞれの特色の中でその優れた点というんでしょうか、そういった点に着目して、ちょっと違いを教えていただきたいと思っております。お願いします。
○政府参考人(内田要君) お答え申し上げます。
 御指摘の三つの特区の特徴を簡潔に申し上げさせていただきます。
 構造改革特区でございますが、これは自治体等からの提案に基づきまして実現した規制改革事項を可能な限り全国展開するという一種汎用性の高い制度と考えております。また、総合特区でございますが、地域の先駆的な取組、これを規制改革のみならず、総合でございますので、財政支援も含めまして総合的に支援する制度と考えております。
 そこで、これらと国家戦略特区がどう違うのかというお尋ねかと存じますが、国家戦略特区は二つの仕組みを備えていると考えております。
 一つは、区域会議でございます。区域会議は、区域会議におきまして国が受け身とならずに国家戦略特区担当大臣自らが地域の提案、要望を直接吸い上げるシステム、それが第一点でございます。
 第二点でございますが、特区諮問会議というオープンな場での議論を通じまして、総理のリーダーシップにより規制改革を実現する制度というように考えているところでございます。
 以上でございます。
○上月良祐君 ありがとうございます。大変重要な仕組みだと思っております。
 前回も申し上げましたけれども、このような特区というのは、指定も重要なんです。そして、大体一年かそこらは何となく勢いがあるんです。しかし、その後すぐに何かフォローが十分にうまくいかなくなって、そしてまたその頃になると次の制度が何かできてくると。そして、その制度の方にみんなの注目が行って、そこがどこが指定されるんだということになって、そしてその前の制度のところのフォローが十分でないと。指定のお祭り騒ぎと祭りの後が交互にやってくる、それをやっている限り結果というのは出ないんだと、成果は絶対出ないんだと私は思っております。
 特区制度というのが始まってもう二十数年になります。どんな制度があったのか、どんな成果があったのかなというふうに思ったときに、日本の成長に小さな例えば成功というのはあったんだと思いますけれども、これで日本の成長が少しでも後押しできたというようなものがどれぐらいあったのかなと。そういうふうになっていくように、今回の特区は国家の特区ですから、是非ともお願いをいたしたい、国がリーダーシップを取ってやっていただきたいと思っております。
 岩盤規制という言葉につきましては、必ずしも余り好きではないんですけれども、いわゆる岩盤規制というものについては、長年残ってきたのはやはりそれなりの理由があるからなんではないかと私は思っておるんですが、そうはいっても、今回それを緩和していくということも必要であるというような話があります。
 これを、何で今回それを緩和なり突破なりしないといけないのか、そして、それがじゃこの国家特区でどれぐらい突破できてきたのか。始まったばかりですからこれからだということなのかもしれませんけれども、あくまでそういった規制を緩和するとか突破するというのは手段ですから、それが目的じゃないんで、何のためにやるのかということを意識してやっていただきたいと思うんです。
 それで、ちょっと私が気になっている例もあるんですが、時間の関係もあるので、ちょっとこれは時間があったら後で内田室長にお伺いをしたいと。ちょっと後から、済みません、聞きたいことがいっぱいあるものですから、後からもし時間があればお聞きしたいと思います。
 次に、近未来実証特区と言われている地方創生特区ですね、それの一類型であります近未来実証特区と俗に言われているものについてちょっとお伺いをしたいと思います。
 先ほど申しましたけれども、地域指定は大変重要ですけれども、それ以上に、そのフォローをしていってきちんと育てていくというんでしょうか、単に育てていくといっても、叱咤激励もしながら結果が出るように育てていくということが大変重要だと思っております。
 オリンピック選手もそうだと思うんですが、一人でおまえ頑張ってやれというだけで金メダル取れる人なんかいませんので、きちんとコーチが付いたり支援があったり、国レベルでもナショナルトレーニングセンターみたいなものがあったり、いろんな環境が整った上に本人の努力というものがあるんだと思っております。
 総合特区で国際戦略総合特区というのがあります。指定されて約三年半ぐらいになります。私の地元にもつくばというのがあって、自分も県にいたときにこの指定に随分一生懸命関わりました。前政権の下ではありましたけれども、私はいい制度だと思っております。三年半というのは大変長いようですけれども、やってみると非常に短いというのが実感でもあります。
 私は、地方創生特区と本当に言うのであれば、先ほど室長が、内田さんがおっしゃったように、この国際戦略総合特区というのは地方の力を結集してやるんだと、主導が地方なんだというところが国家特区とまたちょっと違うところだと私は思っておりまして、地方創生をもし本気でやるのであれば、ここをもう三年半やっているところがあるわけです、濃淡あるのかもしれませんが、あるわけですから、そういった特区を後押しするということこそ本当の地方創生になるんだと私は思っております。
 もちろん単発の規制緩和ではありますけれども、構造改革特区を応援してあげることも大変重要だとは思いますけれども、総合的にやっている、まさに地域が地域を挙げてやっているわけです。人も金も入れれば、そういう地域が本気でやるんだったら国も本気で応援しようということで始まった特区をもう三年半もやっているわけですから、新たな地方創生特区を指定することも大変重要ですよ、しかし、そういった過去に指定したものをきちんとフォローしていって育てるということも是非やっていただく、それこそが本当は地方創生にも資するものじゃないかというふうに私は思っております。努力しているところを応援するという意味でございます。
 それで、今、近未来実証特区と言われる地方創生特区の二次指定ということになるんでしょうか、それについては今検討の作業やっておられるというふうに聞いておりますけれども、ちょっとこういうことを是非頭に置いていただきたいなと思っておりまして、これは大臣にお聞きしたいと思うんですが、例えばドローンのこととか移動支援のロボットとかいろいろあります。こういった規制緩和というのは、あるいは実証というのは、単発でやるというのも重要なんですけれども、例えば、無人の運転と移動支援ロボットが横断歩道で交錯するような場面とか、あるいはサイバーダインのHALみたいなものが保険適用されるというときに、医療とか福祉みたいな部分とか介護ですね、そういったものが、今はどっちかというと部分最適みたいに保険適用がされているところを総合的に見るような、要するに、各業界業界の単発の規制緩和、規制の緩和の実証ではなくて、業際的な部分というのがこれからはどんどん増えてくるんだと思うんです。
 規制緩和の実証をしようとする会社とか、何というんですか、主体側から見て近未来の技術を実証する場が魅力あるものになるかどうかというのは、もちろん単発のであるというのもありますけれども、いろんな業際に関わるようなものを総合的にやっている場所なのかどうかというのは大変重要だというふうに思っております。
 私は、自分のところにつくばがありますからつくばのことを言いますけれども、ほかにもそういうところはあるのかもしれません。しかし、例えばつくばというところは、今までモビリティー特区ということでセグウェイというのの先駆けて移動の特区をつくってきて、今回、全国展開されることになったんですね。これは全国レベルのものにもいろいろ取り上げられておりますけれども、町の住民の意識も大変重要でして、新しいものに大変寛容なところというんでしょうか、新しいものをやってみようじゃないかというところでもあります。この住民の意識ということも大変重要だというふうにサイバーダインの山海先生からも私お聞きしたことがあります。新しいことをやろうというときに、町全体がそういったものを受け止めるような気持ちになってくれるところなのかどうなのかは大変重要だということもお聞きをいたしました。そういった、何というんでしょうか、今までやってきた経験、それから町の持つ元々の気質というんでしょうか、そういったもの。
 それから、事ロボットに関しては世界で一個の施設がつくばにはあるんですね。それは生活支援ロボットの安全検証センターと、安全検証センターというふうにいつも言っておりますけれども、そういったところがあって、これは世界で一つしかないんです。生活支援ロボットの安全認証をする施設です。産総研が中心になって造ったところがありまして、ISOの13482、これは介護ですね、そっち、福祉とか介護の方の基準がありますが、その基準は日本発なんです。その基準を作るときに最大の中核的な役割を果たした、そのセンターがまさにあるんですね。世界標準を取るというのはこれからの日本の発展の中ですごく重要なことだというふうに思っておりますけれども、まさにそういうことをやったセンターもあるわけです。
 そういったものが集積している、単発の規制緩和の実証をするところじゃなくて、町全体がそういうふうになっているというところをつくることが、世界中から吸引力を持つ、日本の成長、発展のためにそういう場所をつくるということが大変重要で、それこそが国家の特区だと思うんです。そして、それが地方の創生にもつながっていくんだというふうに思っています。
 もちろん、どこかの町で規制緩和をしていくということで地方創生特区となるのは、それはもちろんいいんですけれども、やっぱり世界中から吸引力があるような、実証実験をやってみたいという会社から見て魅力があるような、町全体、町がそういうふうになっていくというようなところをつくれるかどうか、そういったことこそが大変重要だと思っておりまして、そういう意味で、近未来実証特区につきまして、これからそういった要素を是非勘案して指定をしていただきたいし、国家特区だからそれぐらいのインパクトがあるようなものを育てていってほしいというふうに思っておりますが、これからどんな、今はまだ作業中だと聞いておるんですけれども、どんなふうになっていくのか、あるいは指定に当たってのお考え、そういったことにつきまして大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 御指摘ありがとうございました。
 国家戦略特区につきましては、本年四月二十八日から六月五日まで提案を募集したところ、百八十三件の御提案、団体数でいえば百五十六ということでございます。
 これまでいただいた御提案、今申し上げたのを含めるわけですが、いわゆる近未来技術実証を含めた大胆な規制改革事項について選定し、年内できるだけ速やかに地方創生特区第二弾を実現したいと。指定に当たりましては、何でもいいという話ではございませんので、国家戦略特区基本方針に基づいて、指定数は、別に数ありきということを申し上げているわけではございませんが、厳選するということでございます。
 国家戦略特区は総合特区とは目的が異なりますものですから、総合特区の実績を評価して選定するということは考えておりませんが、強力に規制改革を進める仕組みを備えておりますものですから、これまで総合特区等では実現できなかったいわゆる岩盤規制について突破口を開いてまいりたいと、これが公式的な答弁ということになります。
 委員のお話聞いていてなるほどねと、こう今思ったのは、自動走行の車とドローンというものが、じゃ、一緒に走って交差点でどうなりますかとか、それはドローンはドローン、自動走行は自動走行といっても、近未来なるものにそういうものがいろいろと動き出すとまたいろんなことが起こってくるだろう、そういうものはどこか集積してやるということも考えるべきではないのかというような御提案かと存じます。
 これは、ドローンはドローンで、自動走行は自動走行で御提案が出ているものですから、それに従ってやっておるのでございますけれども、そこにおいて何が一番近未来の技術を世界に先駆けて実証するためにいい仕組みなのかということは、私どもとしても新しい視点として真剣に議論していかねばならないことだと思います。この御提案がばらばらといろんなところから出てくるものですから、ここがいいということでやっておるわけですが、それをインテグレーテッドというか、きちんと集積をして、新しい技術を世界に先駆けて確立するためにより有効な仕組みというものは、委員の御提案も踏まえて検討させてください。
 貴重な御指摘、誠にありがとうございます。
○上月良祐君 大臣、ありがとうございます。
 ちょっと一つ、すごく答弁の中に気になるところがありました。制度が違うから総合特区のときの実績は考慮しないとおっしゃいました。確かに、総合特区でいいから悪いからというのはないかもしれませんけれども、その町が今までやってきた努力というんでしょうか、実績というんでしょうか、そういうものを考慮しないということであれば、やっぱりまずいと思います。
 それは総合特区でなくてもいいです、構造改革特区でもいいし、特区じゃなくてもいいです。自分のところの条例でやっている、あるいは予算でやっている取組でもいいけれども、そういったものを是非、どんなことをやってきたところなのかということは、やっぱりそのために今までやってきたわけですから、国家特区を指定するときにそれを考慮しないというのはちょっと幾ら何でもあんまりじゃないかということで、ちょっとその点につきましては是非お願いします。
○国務大臣(石破茂君) 確かに、やや違和感のある答弁というふうに聞こえたかもしれません。
 これは、総合特区と国家戦略特区というものが目的は違うのでということが言いたいわけであって、総合特区の実績なるものはそれはそれで全く一顧だにしないとか、そういうお話ではございません。それは、その地域が一生懸命、総合特区制度に基づいてやっていただいたことということは、もちろんそれは評価もし、それも判断材料にしていくということは、それは当然のことでございます。
 要は、規制改革を進める仕組みというものが、これが国家総合戦略特区というより強いものを持っておりますので、それはそれとして運用させてくださいということを申し上げたいわけであって、総合特区においてできたものを一顧だにしないとか、これは全く別の制度なので、それを組み合わせて新しい日本の未来を考えていくことは考えておりませんとか、そんなめちゃくちゃなことを申し上げておるわけではございません。
 ちょっと答弁の仕方が不十分でございました。申し訳ございません。
○上月良祐君 ありがとうございます。
 是非、これまでの実績とか総合的に見て、本当に国家の特区としてふさわしいところを選んでいただいてというふうに思っております。
 今回の公立学校の公設民営のことにつきまして、一点だけちょっとお聞きしたいと思います。もうちょっと時間があればゆっくりお聞きしたいことがいろいろありましたが。
 構造改革特区のときの株式会社立学校の話は、いろいろもう衆議院でも質疑が出ておったようでありますが、私、あれに、本当にそこに関わっていたものですから、結果としていうと、余りうまくいかなかったような例も多かったように思っています。私は、特区というのは百発百中とか百打数百安打であっては本当はおかしいんじゃないかと思っているんです。だって、特区はチャレンジなんですから。百打数百安打でいいのであれば、それは通常の法律改正でやってくださればいいわけで、特区でやるというのはやっぱりチャレンジだというのが本質にあるんだと思います。
 ただ、じゃ、うまくいかなかったようなことがもしあるのであれば、それをちゃんと次のチャレンジに生かしてもらいたいというふうに思っておりまして、そういう意味で、ただ、文教とか医療とかというのは、単にチャレンジだと言ってしまって失敗しましたでは済まされないところがありますから、慎重にやってもらいたいところはあります。しかし、公設民営は大いにやっていただければいいと私は思っておりますが、その前回の反省がどう生かされているのかということについて簡単に教えていただければと思います。これは内田室長にお願いします。──文科省で結構でございます。
○政府参考人(中岡司君) お答えいたします。
 株立学校につきましては、構造改革特別区域推進本部の評価・調査委員会による評価意見におきまして、事業の効果が認められる一方、認定地方公共団体が学校設置会社への指導等を適切に行っていない事例等について指摘がございまして、これらを踏まえて構造改革特区推進本部が決定した今後の政府の対応方針におきまして、認定自治体が学校に対する助言指導体制を確保することなど運用の是正を行うこととされたところでございます。
 こういったことを踏まえまして、今回の公設民営学校におきましては、民間の活力を活用しつつも、地方公共団体は法人に対しまして指示を行うことができることとするなど、設置者である地方公共団体の関与について必要な措置を講ずることとしております。
 また、公設民営学校の管理の法人への委託に当たりましても、条例によりまして指定の手続や管理の基本方針、入学、卒業等の処分に関する手続及び基準等を定めることとしているほか、実際に都道府県が法人の指定を行う際には議会の議決を経なければならないこととしておりまして、議会による丁寧なチェック等を通じた慎重な手続が行われるものと考えております。
○上月良祐君 ありがとうございます。
 株式会社を対象に認めていないこと自体が前回の経験を生かしてのことなどもあったりするんだと思います。是非、慎重な運営を、しかし積極的なチャレンジをしていただきたいと思っております。
 この公設民営というのは、かなりインテンシブで高度な教育をするというようなことを大阪市でしょうか、が考えていらっしゃるようでありますけれども、例えば中高一貫で六年行って大学とかにもし行けば、大学の入学者で別にその成果が決まるわけじゃないんでしょうから、大学に例えば四年行ってとかということになって、そして社会人になってということになれば、十年やそこらはきちんとフォローしてもらわないとこの成果というのは検証できないんだと思っているんです。
 ただ、特区というのはもう千以上あるわけですね。それで、それらを、過去のものってちゃんとチェックされているんだろうかと。もう指定しっ放しで後は知らないということでは成果が出るわけはないので、そういったところの体制なども大変気にはなるんです。ただ、もう今日はそれは聞きません。
 なので、これは大臣にお願いを、時間がないので済みません、聞きたいことはいっぱいあるんです、ずっと特区やっていたんで。
 ただ、今日は大臣に、済みません、これは御要望します。役人組織の弱いところなんです、ころころ替わるから。継続的にチェックをしていくということは、それは本当に弱いところなんです。それと、やっぱり参議院の在り方って今考えているときに、何というんでしょう、こういうふうなことを継続的にチェックしていくというのも大変重要な役割なのかなとも思いまして、とにかく指定したものについて成果が出るように、さっきオリンピック選手の例を言いましたけれども、おまえ頑張れで金メダルを取れる人はいませんから、なので、きちんとフォローも手当てもしてもらいたいということを、これはもうお願いをします。よろしくお願いします。
 あと、もう質問したかったのがいっぱいあるんですけど時間がないので、秋田の仙北市の外国人医師のことも、医療にとっても成長につながるように、それから医療の安全でも重要ですから、そういったところもちゃんとチェックしてもらいながら地域活性化にもなるように、これは門脇市長から直接、私、ヒアリングもしたので、是非お願いをいたしたいと思います。
 それから、もう一個ももう抜かしまして、済みません、最後の質問ですが、総合特区の見直しのことです。
 五か年で見直しの期限が来るということになっておりまして、これが今、大変みんな心配しながら注目をしております。今、三年半ぐらいです、指定されて。それで、一生懸命やっているので、それなりに成果が出てこなきゃいけない時期であることは重々認識をいたしております。お願いばかりするんじゃなくて、地方が頑張らないといけないんだというのがまさに総合特区ですから、それは認識しておりますけれども、やっぱり三年半というのは、これは実際の成果が出るにはなかなかという時期でもあります。
 そして、今年度から新しいプロジェクトなんかも指定されているんですね。特区の制度がいろいろ枝分かれして分かりにくくなったからまとめちゃえというような大変乱暴な意見が、私はもう悲しくなりますけれども、言う人もいなくはないんですね。何でしょうか、マラソンと長距離の競歩とそれと短距離走と、何か走っているから、似ているからまとめちゃえといったそんなばかな話はないので、それぞれにやっぱり必要な支援の在り方も違うし、それぞれに、何というんでしょう、選手も違うべきなんだと思います。
 そういう意味で、是非この総合特区というのは、見直しに当たって、先ほど室長からお答えがあった、それぞれの特区のいい点があると思うんですよ。見直すんだったらいい点をできるだけ取り入れるようにしていっていただきたいというふうに思っておりまして、特に、私、国家特区にないのが非常に不思議ですけれども、調整費の問題は前回の所信でお聞きしましたけれども、お金がないんですね、呼び水が、国家特区に。総合特区にはあるんです。僕は、これは最大のポイントだと思っておりまして、そういったところを、額はあるんですよ、そして使い方をよく検証してほしいと思うんです。何もじゃぶじゃぶに付けてくれなんて言わないけれども、呼び水なしで成長ができると私は思えないので、そういったところも踏まえて、慎重にというんでしょうか、積極的に検討をしていただきたいと思います。
 御答弁をいただいていると多分もう時間がないので、最後の要望も併せてさせてください。
 来年のサミット、場所が伊勢志摩に決まりました。仙台で財務相会合、広島で外相会合があるということであります。つくばは今、科学技術の大臣会合をお願いをいたしております。
 これは石破大臣にお願いするのは筋違いかというのは重々認識はいたしておりますけれども、やはり地方創生という観点から、国レベルの、国家レベルの研究機関の三分の一がつくばにあります。二万人の研究者がいる。国際会議場としては政令市を除くと断トツの国際会議場があって、実績もあります。圏央道が成田にもつながりました。TXで四十五分で首都圏からも行けます。アクセスもいい。町の住民の期待も非常に高まっております。是非これは御配慮をいただきたい。こういった取組をやっているからこそですね、ただそれだけ来てくれというんじゃないんです、科学技術をこれだけ一生懸命やっているからこそということで、それはお願いをいたしたいと思います。
 御質問としましては、最後になりますが、今お聞きしました総合特区の見直し、その方向性につきましてお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 総合特区につきましては、総合特別区域法という法律に基づいてやっておるわけでございます。この附則第二条に、委員御指摘のように、「この法律の施行後五年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる」と、こういうふうに書いてあるわけでございまして、総合特別区域評価・調査検討委員会におきまして、これまでの取組の評価、今後の在り方の検討を行いたいというふうに考えております。
 昨年の六月に制定をいたしまして閣議決定を見ました再興戦略では、今後とも継続して着実に進めていくというふうに書いてあるわけでございまして、検討会の議論も踏まえ、地域の意欲や取組の成果等に応じた適切かつ効果的な支援ができるよう必要な措置を講じてまいりたいと、こういうことになるわけですが。
 委員御指摘のように、官僚であった委員がおっしゃるからえらい説得力がある話なんでございますけれども、結局新しいものはいろいろ出るわけですよね。前やったものどうなったというのは、うたげの後みたいに忘れ去られちゃって、このフォローができていないというところは確かにそうだと思います。さればこそ、議会というものがそういうことがないようにチェックしていかねばならないということで、議員も官僚から議員に転ぜられたのだというふうに私は承知をしておるところでございますが、やはり前つくった制度がどのように効果を発現し、更にもうあと一歩支援をすればというところはあるんだろうと思います。
 一方におきまして、金のないやつは知恵を出せ、知恵のないやつは汗を出せ、それも出せなきゃ辞表を出せという話がありまして、金があればそれでいいのかというとそういう話でもないのだが、国家戦略特区と総合特区が違うのはそこでありますが、国家戦略特区における支援の在り方というのは更によく私どもも検討してみたいと思っております。そこは、総合特区と国家戦略特区というのはそもそも仕組みが違いますし、室長が説明しましたように、相当の強力な、つまり区域会議を設け、大臣がそこへ赴き、そして最後、決まらなければ総理のリーダーシップによってやるというかなり強力な仕組みは持っておりますが、それに更に何か呼び水的なものが必要なのかどうか、それは総合戦略特区でやってちょうだいといいましても、それは制度が別ですとさっきから答弁しているわけで、そこは一体どうなるんだという意識は私自身も持っておるところでございます。
 先週、国家戦略特区フォーラムというのをやって、これがどのようにほかの自治体に適用され活用していただけるかということは、かなり、この委員会の御指摘も踏まえて、分かりにくいということを言われましたので、やってみました。なるほどそうなのかという気付きもあったんですが、でも、何かもう一押し欲しいよねということはあるのかと思っております。その辺は、私ども、全然けちるつもりはございませんので、こういうふうにした方がなおいいということを、つくばの経験も踏まえてまた御開陳をいただきたいと思っております。
 閣僚会議につきましては、私、全然権限がございませんので、ここでお答えをすべきことではございませんが、つくばの良さというのを最大限に生かすということは日本国のためであると思っております。がんの対策にしても、藻類の研究にしてもそうでございます。
 ですから、つくばからいろんなものを発信していただき、それが日本国全体のためになるように、今後とも委員の御指摘を踏まえながらやらせてください。
 以上です。
○上月良祐君 最後一分ありますので。
 ありがとうございました。大変丁寧な答弁だったと思います。
 制度が違うということは確かにそのとおりではあるので、違うことはできないんですけれども、制度が違うからばらばらにというのではなくて、やっぱりそこは総合的に是非とも見ていただくようにはしていただきたいということをひとつお願いをいたします。
 それから、目標の達成度はチェックはされています。しかし、達成度が何%かとかというだけではなくて、それがなぜ何%になったのかというところに踏み込んで、ここが足りないからだとか、ここがうまくいっているからだというところで、足りないところは厳しくチェックをして、進級試験に受からないのだったら不合格にするということもあるのかもしれません。それぐらい厳しくチェックをしていただきたい。そして、温かくというんでしょうか、応援もしていただいて、絶対に、いずれにしても、国家でも総合特区でもいいんですが、成果を出していただきたい、このことを要望して、私の質問は終わります。
 ありがとうございました。
○那谷屋正義君 民主党・新緑風会の那谷屋正義でございます。よろしくお願いします。
 この委員会の前に、カナダで行われている女子のワールドカップ、途中ぎりぎりまで一対一でしたけれども、ロスタイムの辺りでイギリスのオウンゴールということで日本が勝ったということで、これ延長になると、ちょっと委員会どうしようかなという、それはないんですけれども、まあちょっとその辺も心配なところでしたけれども。
 いや、申し上げたいことは、オウンゴールというのが最近やたらはやっているかなということで、今日の私の質問がオウンゴールにならないようにしたいということでございます。いや、いつも自戒を求めて。
 それで、今日初めて内閣委員会というところで質問をさせていただきますので、いろいろと何を言っておるんだというところがあるかもしれませんけれども、先ほど申し上げましたように、オウンゴールにならないように頑張りたいと思います。
 まず、この法案、八省庁十八項目にわたるという大変多岐にわたったものでございます。これ、本来ですと、民主党としても、この方向性としては賛成だなというものも実は多いんですけれども、しかし、これはいかがなものかというものもある。つまり、表現が適当かどうか分かりませんが、好き嫌いのある、例えばピーマンが嫌いな子に対してピーマンを何とかして食べさせたいというときに、ピーマンだけじゃなくて、その子の好きなものもいろいろ混ぜて、そして料理をして、その子に知らない間にピーマンを食べさせるようにするという、何となくそんな雰囲気にも取れる。要するに、いいもの悪いものというか、これはどうかというふうなものも混ぜこぜして一括して法案に出されるということに対して、ちょっと違和感を感じているわけであります。
 本来ですと、今日私が質問させていただくのはもう一点、公設民営学校についてでありますけれども、それは文教委員会なんかでもやれると本当はいいなというふうに思って、まあその都度やらせてはいただいていますけれども、やはりしっかりと審議をするという意味では、この一括の法案の仕方、提案の仕方というのがいかがなものかなというのを思いながらでありますけれども、今日、今申し上げましたように、公設民営学校についてお聞きをしますから、せっかくおいでの石破大臣に答弁をいただく機会は多分これが最後だと思いますので、石破大臣にその一括で出されたということについて、ちょっと見解なり感想をまず聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 済みません、私もピーマンは余り好きではないんですが、タマネギと一緒にいためるとまあ何とか食べられるかなという気はせぬではないのでございますが、この手の話は、構造改革特区的なものを一番最初にやりました初の制度、構造改革特区法は当然のこととして、四年前に成立をさせていただきました総合特区法も同じ仕組みを設けておるものでございます。
 ですから、会議の運営につきましては、理事会で御協議いただいて審議のやり方は決めていただいておるわけでございますが、例えばこれから公設民営について委員から専門家としてのいろんな御指摘を承ることになるだろうと思います。その一つ一つについて、法案は一括で出しておりますけれども、一つ一つについての御審議はきちんと賜り、今、丹羽副大臣も来ておりますが、それぞれの省庁から、担当省庁から丁寧にお答えをすることにいたしております。
 スタイルとしては今までの特区のやり方を踏襲したものでございまして、この提案の仕方に、私、問題があるとは思っておりません。むしろ、その一つ一つの内容についてきちんと御審議を賜り、私どもとしても誠実に御答弁を差し上げるということが肝要かと思っております。
○那谷屋正義君 つまり、好きなものも嫌いなものもどう料理するかは国会の委員会のマターだということなんだろうというふうに思います。そういう意味では、やはりしっかりと慎重に審議をしていく必要があるなということを申し上げておきたいと思います。
 それからもう一点でありますが、公設民営学校ということでありますけれども、これと比較したくなるのが、これまであるいわゆる私学であります。
 私学は、その建学の精神ということから、土地あるいは建物、こういったものを自らの資本投資をして設立しているわけであります。しかし、今回の公設民営学校というのは、元々ある公立の学校を、これを民間に委託するというふうな形になっているとすると、同じように建学の精神というものがあるにしても、ちょっとそこにアンフェアさを感じるようなところがある。
 つまり、片方は土地も建物も資金を出している、しかし、今度はそうじゃなくて、校舎もそれから土地も元々あるところから来るとなると、私学の方として、その辺について何となく反対というか不満の声というのが出ているんじゃないかなというふうに思うんですけれども、それについていかがでしょうか。
○政府参考人(中岡司君) 委員御指摘のように、私立学校につきましては、それぞれの建学の精神に基づきまして多様な教育が行われておりまして、グローバル人材の養成につきましても特色ある優れた取組が多く実施されていると承知しております。
 今回の公設民営学校につきましては、国家戦略特区法の趣旨に沿って、地域の実情に応じた地方公共団体の方針に基づき、区域を限って公立学校の管理を民間に行わせることができることとするものでございますが、この公設民営学校の制度につきまして、私立中学校、高等学校の関係者による団体でございます日本私立中学高等学校連合会は、その賛否等について公式に見解を発表したことはないと承知しております。
○那谷屋正義君 公式に発表はないんだろうけれども、恐らく個々にいろいろお持ちだろうというふうには思いますね。前まで中教審されていた今の会長さんが、ある意味反対の意思をお持ちであったというふうなこともマスコミ等を通じてありますので、その辺のことについてやっぱりしっかりと説明責任を果たされるということが必要かなというふうに、これはおせっかいかもしれませんけれども、申し上げておきたいというふうに思います。
 それでは、いよいよこの公設民営学校の本題に入りたいというふうに思いますけれども、この法案は、要するに学校教育法あるいは憲法、そして義務教育費国庫負担法あるいは義務教育そのものというふうな形で大変重要な法案だろうというふうに思っています。
 そういう意味で、例えば憲法第二十六条では、国民にひとしく保障する教育を受ける権利というもの、国は教育の機会均等、教育水準の維持確保を図り、必要な教育諸条件を整備していくことが、その責務が国家にあるというふうに思うわけでありますけれども、この公設民営設立のその意味というものについて、もう一度お聞きしたいと思います。
○副大臣(丹羽秀樹君) お答えさせていただきます。
 公設民営学校につきましては、他の公立学校と同じく、学校教育法の第一条に位置付けられる学校として我々も認識いたしております。特に、日本の教員免許状を持った教員が、文部科学大臣による教科書検定に合格した教科書を用いて、さらに学校教育法や学習指導要領等に沿った教育を行うということを前提といたしておりまして、公費によって運営される公立学校であるというふうに認識いたしております。これらの点で他の学校と変わるものではなく、一定の教育の質は確保されるものであると考えております。
○那谷屋正義君 この学校は、要するにグローバル社会に適応して、いわゆるそういった世界に通用する人間をという意味もあるのかなというふうに思うんですけれども、そうなると、ちょっと懸念する部分について申し上げれば、やはり競争的な環境というものが非常に高まってくる可能性があると。そうしたときに、競争がそこに関わってくると、どうしても今ある格差社会、要するに、お金のある人ない人によってこれが実は学力の格差にも影響しているという、そういうデータも出ていますので、そういう意味では、この中学校という部分が、義務教育でありますから、そういう意味では、本当に教育の機会均等あるいは教育の水準の維持ということにつながるのかどうか、非常に心配なところであります。
 その辺について、心配ないんだというふうなもしお考えがあれば、お聞かせいただけたらと思います。
○副大臣(丹羽秀樹君) 公設民営学校の目的といたしましては、国家戦略特区が目的に掲げます産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成に寄与する人材の育成に資する特色のある教育を行うということでございまして、スーパーエリート校というように、教育の競争的な環境をあおるようなものを目的としたものではございません。
○那谷屋正義君 しかし、結果的にそういうふうなことというのが懸念されるわけであります。
 また、元々あった公立学校を使うわけですから、例えばそこに本来通うべく、その中学校に元々通うべく子供たちというのもいるわけですけれども、そこはやはり競争率が激しくなると当然入試等も行うような状況が生まれてくるのではないかと思うんですが、この辺についてはどのようにお考えですか。
○政府参考人(中岡司君) この度の公設民営学校の対象といたしましては、中高一貫の併設型中学校、それと高等学校と中等教育学校というようなことで限定をしております。こういったことにつきましては、基本的には就学義務を掛けない学校であるということで、基本的には極めて特色のある学校でございますので、それは生徒の方からそれを選んで入っていくということでございます。
 多くの公立の中高一貫学校では志願者が入学定員を大きく上回っているということもございまして、今委員御指摘のようなことで、面接や作文とか、小学校から調査書、推薦書を用いるなど、多様な方法を適切に組み合わせまして、それぞれの中等教育学校あるいは中高一貫校における教育への適性を測るということがされておりまして、こういったことは重要であると考えております。
 こういったことにつきましては、各教育委員会において、受験競争の低年齢化といったような懸念を抱かれることのないように、適切な入学者選抜を行っていただくよう働きかけていきたいと思っております。
○那谷屋正義君 ちょっと視点を変えたいと思いますけれども、この指定公立国際教育学校等管理法人として指定、委託する法人が、今回この法案によりますと、先ほどお話がありましたように、株式会社は入っていない。つまり、学校法人、準学校法人、これは、ここまでは理解できるんですけれども、一般社団法人、それから一般財団法人、NPO法人の役員がこの公立学校の運営について果たして必要な知識や経験を有しているのであるかという部分について、どれだけあるのかというのが私は非常に疑問であります。あるところがやればいいという話なのか、それとも、先ほどからお話が出ているように、このことが良いところであればそれを全国にこれから広めていくというようなことであるならば、それを簡単にそういうふうにしていいのかどうかという問題は実はあると思います。
 先ほど株式会社学校が今回対象になっていないということが反省の上に立っているんだろうという、そういう指摘もありましたけれども、今後、そうはいうものの、また株式会社学校が復活するという、これをきっかけに復活するということも一つの懸念材料ではありますので、こういったところに委託するということの必要性あるいは説得性というものについてお答えいただければと思います。
○政府参考人(中岡司君) 公設民営学校につきましては、管理を行う法人を非営利の法人に限定をしていることに加えまして、必要な知識又は経験を有する者が役員であることを要件として法定をさせていただいております。さらにまた、議会の議決を経まして、ふさわしい役員を擁する法人が指定をされるということになってございます。
 学校法人の話については、委員の方から御指摘がございましたけれども、例えば一般財団法人とかあるいは他の法人類型におきましても、例えばこういった国際的な教育を行う上で、外国語学校とかあるいはインターナショナルスクールを設置する法人である場合には、例えば外国語教育とか国際理解教育に関して高い資質を有する役員を擁している可能性もございます。
 そういったことも含めまして、極めて特色のある学校を運営していくという中で、そういったところまで法人の類型を規定をしたということでございます。
○那谷屋正義君 ということは、例えばこれまでの教育の形ではグローバル人材の育成が不可能であるというふうな考え方に立つのかどうなのか。何で公立学校ではそういった育成が不可能と考えて今回こうした民間に委託するような状況になったのかということについてお尋ねをしたいと思います。
○副大臣(丹羽秀樹君) 委員のおっしゃるような、これまでの公教育において、グローバル人材やエリート人材の育成というのは十分可能でもあるというふうに考えております。現在の学校教育制度において、公立学校においても、やはり高い指導力を有する優秀な教員の方もたくさんいらっしゃいます。また、それぞれの創意工夫によって、その生徒たちに対して、グローバル人材の養成や、また個性に応じた教育も行われておるというふうに認識いたしております。
 ただ、今回の公設民営学校においては、今までの取組に加えて、更に公立学校の管理を民間に行わせることによって、地方公務員制度にとらわれない柔軟な人事管理や、民間の知見の活用や、高度で専門的な知識、経験を有する教員や国際経験が豊富な教員の任用を可能とするというふうに捉えております。
○那谷屋正義君 今、地方公務員制度にとらわれないというお話がございましたが、もう少しそこのところを詳しく教えていただけたらと思いますけれども。
○政府参考人(中岡司君) 現在、公立学校につきましては、例えば公務員であります教員の給与につきましては、例えば国との均衡とか、そういった権衡を保つということが基本的な方針でございまして、ある一定の枠がはめられておりまして、例えば極めて特色のある教育を行う場合に、それにふさわしい人材を確保するためにそれにふさわしい処遇を提示するということになってくると思いますけれども、そのときに、そういう縛りを、とらわれることなく、柔軟に教員を確保するということも可能になってまいりますので、そういったことが今回の特色になっているのではないかと思っています。
○那谷屋正義君 そこで勤務される教員の処遇についてはまた後ほど質問をさせていただきたいと思いますけれども、もう少しこの公設民営学校についてお尋ねをしたいと思いますが、言ってみれば、公教育ということでありますけれども、産業の国際競争力の強化の観点から人材育成ということになると、専ら経済目的での公設民営学校設置というふうな感じを受けるわけであります。公教育というものを経済に従属させるものであるような感を受けるわけでありますけれども、それについてどのようにお考えでしょうか。
○副大臣(丹羽秀樹君) 公教育につきましては、先ほどもお答えさせていただきましたが、やはり教育基本法の第一条ということを我々は公設民営においてもしっかりと認識した中で、その上で、やはり産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点に寄与する人材の育成、例えば外国人の研究者の方々の子供たちが学べるような学校とか、そういった部分も含めましてこの国家戦略特区の中で公設民営という立場を我々もお話しさせていただいております。
○那谷屋正義君 今のその外国の方の子供たちも学べるようにというのは、これは私もそういうところは必要だろうというふうに思っています。
 現在、私は横浜出身ですけれども、横浜の学校の中でいろんな国の子供たちが大変学校に通っていますけれども、学校の先生の言っていることがその子供たちあるいは保護者に通じない。特にアジア関係の人たち、国の名前を言うと差し支えあるかもしれませんけれども、要するに、それぞれの言葉が違っていて、例えば学校からお便りを出してもこれが全然通じない、重要なお便りにもかかわらず通じない。そこで、先生たちは本当に苦労して、平仮名が読める程度のところにはルビを振るだとか、あるいは全部ローマ字にするだとか、あるいはせめて英語ぐらいはと。ところが、英語もしゃべれない方たちもいらっしゃるわけで、大変ここのところは苦労するということで、これは何とかしなきゃいけないなというのも一方であります。
 しかし、必ずしもそういうことだけではなくて、当然日本の人もここに入れるわけですよね。そうしたときに様々な私が申し上げるような疑問点が出てくるのではないかなというふうに思います。
 そもそも、この公設民営学校というものが、これの、何というか、きっかけになるような話というのが小泉政権の頃から実は出ておりまして、その後、株式会社の参入が原則禁止をされている医療、福祉、教育、農業の四分野など公的関与の強い事業分野において株式会社の参入を進めることが提言をされ、そして先ほど申し上げました株式会社学校というのも出てきたわけであります。
 しかし、現在、それを見てみると、株式会社学校の中の学校法人の方に移行したのが十校、それから廃校が一校、現在まで存続が二十五校。しかし、この二十五校のうちほとんどが通信制というようになっているわけでありまして、やはり株式会社立学校になることに対する懸念がまさに当たった部分でございます。
 そういうところから、中教審でもこれについて議論がされていたんですけれども、しかし、これがやはり問題あるのではないかということでしばらく止まっていた。今回、突然この話がまた出てまいりました。本来ならば文科省の諮問機関である中教審でしっかりと議論がされてからこの制度設計が行われるべきではないかなというふうに思うんですけれども、中教審でのそういった審議が十分になされないまま今回のように提出をされてきたということに対して、その辺、御説明いただければと思います。
○副大臣(丹羽秀樹君) お答えさせていただきます。
 委員おっしゃられた株式会社立学校において、様々な問題や、また地域の特色のある教育の機会の提供という面で今まで一定の事業の効果も認められております。そういった中で、今回の公設民営が中教審で議論されなかったというお話もございましたが、中教審というのは国の教育の根幹の部分を議論する場でございまして、今回の国家戦略特区内における公設民営学校という面においては、あくまでも文部科学省の中の省内に置かれた検討チームにおいても議論を重ねさせていただきましたが、中教審の議論は経ずに、今回のこの公設民営というのは文部科学省といたしましても推奨させていただいております。
○那谷屋正義君 中教審ではどうして議論がされなくなったのでしょうか。
○政府参考人(中岡司君) 補足させていただきます。
 省内あるいは国家戦略特区ワーキンググループ等々におきまして検討はしてきたわけでございますけれども、先ほど副大臣の方から御答弁申し上げましたように、中教審におきましては、教育の振興に関します重要事項について審議する機関ではございますが、今回の公設民営学校につきましては、国家戦略特区法という特定の法律の目的に沿っているものであること、また、教育そのものではなくて公立学校の管理の部分が対象であるということ、三つ目には、地域が国家戦略特別区域に限られているということから、我が国の教育制度全体に影響を及ぼすものじゃないものとして、中教審の方に諮問は必要ではないと考えたものでございます。
○那谷屋正義君 先ほど自民党の上月委員の方からお話がございました。こうした構造特区の試みが一〇〇%成功するということではない、そういう意味で、こういった株式会社立学校が設立されるときも、教育とかそういったものについて、四分野についてはできるだけ本当は外すというふうになっていたわけですけれども、そこをたがを外したわけですけれどもね。
 子供たちをそういう、実験じゃないんですけれども、そういうふうな形にすることでいいのかどうかということについて、ちょっと文科省のスタンスをお聞きしたいと思います。
○副大臣(丹羽秀樹君) 委員が懸念されております子供たちを文部科学省といたしましても実験としては捉えておりません。子供たちの公教育に対してはしっかりと責任を持って行うのが教育行政の基本であるというふうに考えております。
 そういった中で、この国家戦略特区の重要な例えば民間業者が様々な問題を起こしたとかそういったことがあった場合においては、しっかりこの公教育の観点から、その設置者である教育委員会等、また自治体等を含めて、責任を取って子供たちの教育の質の確保等は行うような取組とさせていただいております。(発言する者あり)
○那谷屋正義君 私が聞きますので。
 先ほどもありましたけれども、今回のこの特区で認められたらそれでもうやりっ放しということでは絶対あってはならない分野の一つだというふうに、どれもそうですけれども、特にこの分野についてはそうだというふうに思います。
 例えば、今実際にこの公設民営学校に手を挙げている学校というか、そういったものについて具体的にもし把握されていれば教えていただきたいと思いますけれども。
○政府参考人(中岡司君) 構想自体は、こういう戦略特区に基づきまして、公設民営学校の提案自体は大阪市の方から頂戴いたしましたけれども、具体的にこれはまだ制度としてスタートしておりませんので、どういったところから手が挙がっているかといったことについては承知しておりません。
○那谷屋正義君 じゃ、ちょっと変えます。
 何校が挙がるか分かりませんけれども、先ほどお話がありましたように、これを制度化した後、文科省としてそのことをしっかりと追跡調査あるいは総括をするというふうなこと、そしてそれに対してどういうふうに手を打つかというようなこともきちっと考えられているのかどうか、その辺についてお尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(中岡司君) 国といたしましては、国家戦略特別区域基本方針におきまして、区域計画の実施が及ぼす経済的、社会的効果等につきまして地方公共団体等が評価を行って、その評価結果を基に区域会議が区域計画全体の進捗状況の評価を実施をし、内閣総理大臣に報告することとされております。また、内閣総理大臣は、区域計画が基準に適合しなくなったと認めるときは認定を取り消すことができるが、この際、文部科学大臣は、認定の取消しに関し必要と認める意見を申し出るというような制度設計にもなってございます。
 一方、今回の制度の中におきましても、法人は、毎年度、学校の管理業務につきまして都道府県等にも報告をするといったところ、あるいは教育委員会が法人に対しまして管理の業務状況についての報告を求めて調査や必要な指示ができるということで、教育委員会が一定の関与をしながら検証を行うというような仕組みを取っておりますので、そういったところをしっかりと私どもも把握し、きちっと指導、助言をしてまいりたいと考えております。
○那谷屋正義君 そうすると、そうした行われたことを検証する意味でしっかりと把握をされるという、そういうことでいいですか。
○政府参考人(中岡司君) それで結構でございます。
○那谷屋正義君 それと、今お話しいただいたのは様々な報告を受けるということでありましたけれども、まず、その設立する学校がこういうふうな計画でもって建てるという、その計画の段階では国としては特に把握をするつもりはないということでしょうか。
○政府参考人(中岡司君) これから特区申請というものが行われるといったところでございますけれども、最終的には内閣総理大臣の認定が行われるわけでございます。その前段階といたしまして、この学校制度を所管をしております文部科学大臣の方から同意をするかといったところの判断もございます。そういったことを通じて、きちっとこの中身をチェックをしていくということでございます。
○那谷屋正義君 今、内閣総理大臣ということでありますけれども、じゃ、最終的には内閣総理大臣がこの制度について責任を持つという、そういう理解でよろしいんですね。文科大臣ではなくて、内閣総理大臣にまで行っているということでよろしいですか。
○政府参考人(中岡司君) 認定権限を持っているということで、総理大臣でございます。
○那谷屋正義君 それについてもう少し後ほど質問したいと思います。
 ちょっとここで視点を変えて、先ほどお話ありました教職員の処遇についてであります。
 まず、教職員の労働契約についてでありますけれども、公設民営学校で働く教職員は公務員でないということは、衆議院の委員会での議論でも理解をしております。つまり民間人であると、こういうことだというふうに思います。そうすると、この際、労働契約というのはその法人と交わされるという認識でよろしいでしょうか。
○副大臣(丹羽秀樹君) お答えさせていただきます。
 公設民営学校の管理者は民間の法人でございます。教職員はその法人に雇用されるものであるという観点から、その身分は公務員ではなく民間人として認識いたします。そのため、公設民営学校の教職員の給与等労働条件につきましても、一般の労働法制にのっとり個別に管理法人が定めるというふうにさせていただいております。
○那谷屋正義君 そうすると、今お言葉あったかもしれませんが、教職員の具体的な労働条件に関しては法人に運用を任せるという、そういう認識でよろしいんでしょうか。
○副大臣(丹羽秀樹君) そのとおりでございます。
○那谷屋正義君 そうすると、様々、労働条件について、待遇改善に関して例えば交渉するというふうなことが出てきた場合に、その対象は法人なのか、それとも自治体なのか、それとも国なのか、これについてお願いします。
○副大臣(丹羽秀樹君) 公設民営学校の教職員の給与等労働条件については、先ほどもお答えいたしましたが、一般の労働法制にのっとりまして管理法人が定めるということから、その労働条件についての交渉を行う場合については、相手はその教職員の使用者である法人という形になります。
○那谷屋正義君 法人だということでありますけれども、ここで働かれる、勤務される教職員の立場というのが、民間人ではあるんだけれども、非常に雇用の安定感という意味ではどうなのかなという疑問も出てまいります。つまり、ある一定の雇用期間があって、そしてそこで雇われるということになると、これは非正規雇用になるんだろうというふうに思うわけでありますけれども、その辺についてはどのように捉えたらいいんでしょうか。
○副大臣(丹羽秀樹君) 先ほども、何度も申し上げさせていただきますが、この公設民営の管理者というのは民間の法人でございます。教職員の身分は、その法人に雇用されるものでございますので、また民間人という形となります。そのため、公設民営学校の教職員の雇用形態、様々な雇用形態があるというふうに捉えております。
○那谷屋正義君 様々な雇用形態があるということは、教職員側からすれば非常に不安定な雇用環境に置かれる可能性もあるということで、先ほどの答弁の中では非常に優秀な方をということの中で、地公法との関係から多分給料は良くなるんだろうというふうに私は推察をするわけでありますけれども、そうなったときに、ここでは義務教育費国庫負担の三分の一を国が保障するということですけれども、それはそれでいいですね。
○副大臣(丹羽秀樹君) 他の公立学校と同様に、教職員の給与費の三分の一が国が負担するということになっております。
○那谷屋正義君 そうすると、今度は、憲法の第八十九条というのが少し、それとの整合性が出てくるんじゃないかなと。要するに、公財政の支出の制限がある程度掛けられるわけですけれども、この団体にこういったことを支出をするということが果たして憲法に触れないのかどうなのかという、その辺の認識はどうでしょうか。
○副大臣(丹羽秀樹君) お答えさせていただきます。
 公設民営学校においては、地方公共団体が設置する公立学校でございます。この地方公共団体が学校の管理を行う民間法人に対して交付する管理料は、本来地方公共団体が行うべき事務を民間に委任する際の事務の実施に係る費用を弁償する性格のものでございまして、委員がおっしゃるような憲法第八十九条が禁じている公の支配に属さない教育事業に対する対価性のない補助金とは異なるものだと考えております。
○那谷屋正義君 そうすると、公設民営学校というのは公立である、そこで働く人は民間人であるという非常に分かりにくい構造だなというふうには思います。
 必要な人件費は、今お話があったように法人へ交付されるというふうになっていますけれども、その人件費の算定基準の根拠になるのはどういったものになるというふうに考えたらいいんでしょうか。
○委員長(大島九州男君) 中岡審議官。
 速記を止めますか。
○政府参考人(中岡司君) 公設民営学校の教員につきまして国庫負担をすることでございますけれども、基本的には、中学校部分につきましては、実際授業料を取っていないというようなこともございまして、一般の公立学校と同様に国庫負担をするということがございますので、先ほど副大臣の方から答弁申し上げましたように、給与費の三分の一を負担をするという整理にしておるというところでございます。
○那谷屋正義君 定数も公立と同じように考えていいんでしょうか。
○政府参考人(中岡司君) 公設民営学校に関します義務標準法の適用に関しましては、学級編制に関する規定につきましては他の公立学校と同様に適用する一方で、公設民営学校の教職員は非公務員であるということでございますので、多様な任用形態、勤務条件によりまして高度な専門性を有する人材の登用を可能とするために、教職員定数に関する規定については適用除外をしているということでございます。そういったことで公立学校とは異なる扱いとしていると、そういうことでございます。
○那谷屋正義君 そうすると、公立の学校の教職員とある程度格差が生まれてもしようがないというふうな考え方というふうに理解してよろしいんでしょうか。
○政府参考人(中岡司君) 先ほどもるる御説明申し上げましたけれども、この国家戦略特区、区域法の目的に沿った教育を行うために、今回の公設民営学校におきましては、民間の知見の活用とか、あるいは高度で専門的な知識、経験を有する教員や国際経験が豊富な教員などを確保するにふさわしい賃金で採用を可能とすることによりまして、質の高い教育が安定的に提供されるということを期待するものでございまして、公設民営学校の教職員には適切な雇用条件が設定されるということでございます。
 したがいまして、法人に雇われている職員については様々な処遇がなされていると思いますけれども、それはこの制度に乗っかっているということの特色でそういったことが行われているということでございます。
○那谷屋正義君 そうすると、例えば、今現在公立学校で勤務されている先生もこの公設民営学校に勤務するという可能性もありますよね。転勤、転勤というか、赴任するということありますよね。
○政府参考人(中岡司君) これはあくまでも仮定の話でございますけれども、仮にそういう、例えば出向という形で認定されました、受託されますと、その法人の方に出向して教育に当たるというものも考えられるところでございます。
○那谷屋正義君 だとすると、今度はその人の身分というか、要するに公務員であったというときの例えば退職手当だとかあるいは年金だとか健康保険だとか、そういう部分について、今度は民間になりますね。そうして、そこでずっと働いてそこで定年退職を迎えるかもしれないし、また公立に戻るかもしれない。そういうふうな形になったときに、この人は生涯所得という意味で不利益を被らないような状況になるのかどうか、今回特例ということでそういったことはちゃんと担保されているのかどうか、お聞きをしたいと思います。
○副大臣(丹羽秀樹君) 公設民営学校の教職員は、受託法人が雇用する民間人でございます。地方公務員の身分を有しないという観点から、公立学校共済組合には加入せず、厚生年金及び健康保険組合に、若しくは全国健康保険協会、協会けんぽに加入することと相なります。公立学校共済組合と厚生年金及び健康保険組合若しくは協会けんぽとでは、受け取る年金や医療の給付内容に差異がないという観点から、これらの給付水準は確保されるものであると考えております。
○那谷屋正義君 そうすると、不利益は被らないというふうな理解でいいということですね。
 これ、正式に質問通告の項目の中にはないんですが、レクのときにやり取りちょっとさせていただいたんですが、公設民営学校においても当然教員の免許を持っているということが大前提だというふうに思うんですけれども、それでいいですね。
○副大臣(丹羽秀樹君) 今回創設されます公設民営学校の対象といたしましては、中高一貫の併設型中学校、高等学校又は中等教育学校が想定されております。これらの学校についてはいずれも学校教育法の第一条の学校であるということから、公設民営学校に配置される教員につきましても教員免許状が必要でございます。
 公設民営において、国際理解教育及び外国語教育に重点を置いた教育や、先ほども申し上げましたが、産業の競争力ですね、そういった様々な教育の観点から、民間の知見を活用して高度で専門的な知識、経験を有する教員や国際経験が豊富な教員を採用するということも想定されております。
 このため、これらの方々が教員免許状を有していない場合においては、特別免許状の授与や、教職員検定により外国の免許状を有する者に対して我が国の免許状を授与できる制度の活用などによって対応していきたいと考えております。
○那谷屋正義君 これはここで議論する話じゃないんですが、そうなると、教員免許そのものの価値というか、今は免許更新制というのがありますけれども、それによって身分を失うかもしれないという、そういうリスクにさらされるその教員免許というものについて、やっぱりもう一回議論をしなきゃいけないんじゃないかなと。いろいろな意味で、今回、教員免許がいろんなところに運用というか流用というかされていまして、それによって、更新制が行われるには何となく軽んじられているような、そんな感も否めないわけであります。
 教職員の人件費を含めて公設民営学校の管理に必要な経費というのは、学校の設置者である地方公共団体が管理する法人に交付をするわけですが、学校教育の教育に用いられる、必ずこれは学校教育に用いられるべきものであり、それ以外のことに用いられるということは許されないということが、これ昨年いろいろやり取りがあって、下村大臣が答弁をされているわけであります。例えば、法人が違う意味で経営がなかなかうまくいかなくなって、法人が人件費を抑え、他の事業へ運用するような公費を不正に使用するということが、絶対あってはならないんですけれども、そういったことについて自治体あるいは教育委員会が歯止めとなり得るのかどうか、監督規制の具体的措置は考えているのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(中岡司君) 今回の公設民営学校でございますけれども、法律の目的に沿った教育を行うために、民間の知見の活用とか、高度で専門的な知識、教育を有する教員や国際経験が豊富な教員などを確保するにふさわしい賃金で採用可能とするということは先ほど御説明申し上げたところでございますが、仮に地方公共団体から交付されましたその管理料に残余が生じた場合の取扱いにつきましては、設置者であります地方公共団体の判断によりますけれども、交付に当たりましては十分なその部分については調整が事前に行われることと想定しておりまして、多額の残余がそもそも生じることは想定していないということでございます。
 その上で、先ほど流用という話でございましたけれども、きちっと学校の管理を適切にしていただいてより効果的な教育を行っていただくということが受け手の法人には課されるわけでございますので、教育委員会は、法人に対しまして、必要に応じてそういった支出の部分の報告を聴取をしたり、実地調査をしたり、指示等を行うことができます。また、公設民営学校の教育の質を担保するために関与するということもできますし、指示に従わないときにおきましては、公立学校の管理を継続させることが適当でないと認められるときには指定の取消しを行うことができることとしておりまして、法人が管理料の執行も含めまして公設民営学校を適切に管理するように、地方公共団体が監督する仕組みを設けているというふうに考えております。
○那谷屋正義君 だんだん核心に入っていくわけですが、もう時間が大分来ましたけれども。
 そうすると、公教育に求められているいわゆる安定性、それから公平性、継続性、こういったものが、やっぱりこれまでのように公立学校であれば自治体なり国がしっかりとそれができるわけでありますけれども、今お話がありましたように、それはもう指定管理者というか、そこのところは資格を失わせることができるなんという今お話をされました。
 そうなると、さっきの話に戻るんですけれども、そこにいた子供たちあるいは教職員は一体どうなるんでしょうか。
○副大臣(丹羽秀樹君) この公設民営につきましては、まず公立学校の管理に適した法人が指定されるということになっております。万が一指定法人が指定を取り消された場合、委員がおっしゃるように、そういった場合には、設置者自らが学校管理をしているというふうに想定いたしておりますので、学校教育法の、学教法の原則に立ち戻りまして、設置者、つまり教育委員会が自ら責任を持って学校を管理するという形になります。
 このため、公設民営学校の生徒につきましては、仮に指定が取り消された場合においても、教育委員会が自ら管理を行い、その学校の教育活動を継続するということになりますので、生徒としての在籍関係には関係なく、引き続きその学校教育を受けることができると認識いたしております。
○那谷屋正義君 ちょっと今のはよく分からないんですけれども、要するに自治体がそれを引き受けるということなんでしょうが、それまでの様々な体制がありますけれども、一体誰がその責任、法人であるわけですから、そこのところはどういうふうになるんでしょうか。別の誰かそれにふさわしい人をすげ替えるのか、あるいはそうじゃなくて、公的なところからそれに代わる人を招くのか。
○副大臣(丹羽秀樹君) 仮に、万が一その法人が指定を取り消された場合においては、その自治体の教育委員会がございます、その教育委員会が設置の責任者となっておりますので、その教育委員会がその学校の管理運営を行っていく形になります。
○那谷屋正義君 教職員はじゃそのままと、スタッフはそのままということですか。
○政府参考人(中岡司君) 教職員の取扱いでございますが、例えば教職員につきましては、そういった方を引き続き例えば教育委員会の方で雇用するということも考えられますけれども、他の学校や教育委員会から管理職とか教職員を異動させてくるということも考えまして、必要な教職員を確保して当該学校の教育活動を継続をするということになろうと考えております。
○那谷屋正義君 あってはならない、あってほしくないことではありますけれども、しかし、全くない話ではないと。これまでの株式会社立学校を考えてみても、廃校もあるわけですし、そういう意味では、ますます公立学校としての安定性という部分については懸念される部分が多いなというふうなことを指摘をしておきたいというふうに思います。
 さらに、学校というのは本当にいろんなことが起こるわけであります。中学校にしても高校にしても、例えばこれ、今もちょうど水泳の指導が行われておりますが、今、飛び込みと言っちゃいけないらしいんですね、スタートの練習というふうに言わないといけないらしいんですが、飛び込みと言うと何か自殺を思い起こさせるような感じがあるので、これは学校では飛び込みと言わずにスタートの練習と、こういうふうに言うわけですけれども、そのスタートの練習のときに、ちょっといろいろと指導等の行き違いの中でよくあるのは、子供がプールの底に頭をぶつけたりとか歯を折るとか、いろんなそういう事故が実はあります。
 そういうふうな場合に、第一義的には管理法人、法人又はその教職員の不法行為等により、不法と言うかどうか分かりませんけれども、生徒に損害が生じた場合、損害賠償請求が行われた場合は地方公共団体が対象となる、法人又はその教職員に故意又は重過失がある場合には地方公共団体は当該法人に対して請求をすることができると考えているというふうに丹羽副大臣が答弁をされております、これ衆議院の審議のときに。
 事故が生じた場合、これ、本当に誰がそれを負うのか、その責任の所在、範囲についての取扱いが実は極めて曖昧であります。大変これ重要な、言わば危機管理からしても重要なことだというふうに思います。学校の施設設備の安全管理対策というのは不可欠でありますけれども、管理法人が十分な安全対策を講じずに生徒に損害を加えた場合について、設置者である地方自治体に対して国家賠償法上の損害賠償責任を負わせるのであれば、受託者としてのモラルハザードが生じる可能性があり、安全対策に十分な配慮が行われない可能性があるというふうにも取れるわけでありますけれども、その辺についていかがでしょうか。
○副大臣(丹羽秀樹君) 委員おっしゃるように、第一義的な責任はその当該法人にあるというふうに考えております。
 その上で、公設民営学校を設置する地方公共団体においては、管理の基本的な方針について条例で定めることができるということから、あらかじめこの安全管理を十分に行わなければならないというふうに考えております。法人と協定を締結する際において、事故等が起きた場合の責任の関係を事前に明確にしておくことがあるというふうに考えております。
○那谷屋正義君 この間、私が指摘をさせていただいたり質問させていただいたことについて、やはりしっかりと今後も検証をしていただいて、何が不足しているのか、あるいは当時予測されなかったことは何なのか等々も含めて、これをやる以上はしっかりと検証してやっていっていただきたいと、文科省としても、制度化するわけですからやっていただきたいということをまず御要望申し上げたいというふうに思います。
 もう一度最後の部分についてお尋ねをしたいんですが、管理法人、これが仮に破綻、それから指定取消しに陥った場合、あってはならないわけですけれども、特にこの義務教育段階にあってはならないというふうに思うんですけれども、その際の生徒の学習権というものについて、もう一回、どう保障されるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(中岡司君) 若干繰り返しになる部分もございますけれども、まず、そもそもこの破綻というものを招かないということが非常に重要でございまして、その安定性、継続性、本日も話題になっておりましたけれども、その確保のために、管理主体を非営利の法人に限定するとか、欠格条項、役員の要件を法律で規定するとか、条例で指定の手続を定めるとか、議会の議決を必要とする、そういったものを措置をしております。
 その上で、万が一に指定法人が指定を取り消された場合には、先ほども議論ございましたけれども、設置者自ら学校を管理すると規定している学校教育法の原則に立ち戻りまして、設置者が自ら責任を持って学校を管理をするということでございます。
 公設民営学校の生徒につきましては、仮に指定が取り消された場合にありましても、教育委員会が自ら管理を行い、当該学校の教育活動を継続するということで、きちっと生徒に対する教育を守っていくということが必要でございます。
 また、教職員につきましても、先ほども議論ございましたけれども、必要な教職員を確保して当該学校の教育活動を継続をしていくということでございまして、そのようなことを通じて、きちっと公設民営学校におきましても教育が行われるように、私どもとしてもきちっと対応していきたいと思っております。
○那谷屋正義君 運営が破綻してはならないという、それはもうそのとおりなんですが、しかし、そういう危険性がないということも一〇〇%否定できないわけでありまして、そういう意味では、私は、今回のこの公設民営学校については、私は学ぶ子供の側からの視点での改革ではない、いわゆる経済優先の、そういった上からの改革になってしまっているんではないかということをやっぱり申し上げざるを得ないわけであります。少なくとも義務教育の間はそういう多少なりとも不安要素を残す部分があっては私はならないというふうに思います。
 これが高校からということであれば、これはまたちょっと考え方を変えなきゃいけないと思いますけれども、中高というふうなこと、それから、もう御案内のように、これ中高一貫教育、それから、実は先日学校教育法が改正されまして、小中一貫教育というのもあるんですね。さらに、この公設民営学校というのがあって、そして普通に小学校、中学校があってというふうなことで、国民にこの教育、義務教育の様々な複雑なこの形というものがなかなか理解しにくい状況に今なりつつあるんだなというふうに思っています。
 私の頭が固ければしようがないかもしれませんけれども、大変その辺において、保護者にとっても、子供をどういうふうにして学ばせたらいいのか、子供の学びたいものをどう保障していったらいいのかということについて本当に迷うような状況がますます今多くなってきちゃっているんじゃないかなという、そういう指摘を申し上げさせていただいて、やっぱりこういったものはどうしてもなじまないのではないかということを改めて申し添えて、私の質問を終わりたいと思います。
    ─────────────
○委員長(大島九州男君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、山下芳生君が委員を辞任され、その補欠として田村智子君が選任されました。
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○若松謙維君 公明党の若松謙維です。
 何点か質問をさせていただきます。
 まず、この国家戦略特区でありますけれども、今日、石破大臣がお越しでございますが、当然、地方創生政策の一環でもあると思っておりまして、さらに、地方創生特区ですか、これはあくまでも国家戦略特区の枠組みで実施されていると、そういうふうに理解しております。
 そこで、地方創生の大きなポイントでありますが、東京一極集中の是正ということも含まれていると思うんですけれども、東京一極集中の是正ということなんですが、実際にこの国家戦略特区は東京二十三区のうち九つの区が含まれておりまして、かえって東京の競争力を高めて逆の流れをつくってしまうのではないかと、そのように心配しているんですが、その点について、石破大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 東京は東京で更に発展をしてもらわねばならないと思っているのです。東京にしかないもの、集積の利益、あるいはいろんな選択の可能性がある、国際都市としての発信力があるというようなものは、これは最大限伸ばすことが日本全体のためだと思っております。
 委員十分御承知の上でのお尋ねかと存じますが、要は、東京を、その持てる力を減殺してそれを地方に回そうという考え方には全く立っておりません。東京は東京の特性を発揮をして更に稼いでもらいたいと思っております。競争するのは、東京と地方が競争するのではなくて、東京は東京の持てる力を最大限に伸ばそうと。地方の場合には、今まで公共事業があるからさ、企業誘致があるからさということで、例えば農業、漁業、林業、その他サービス業等々のポテンシャルを十分発揮してこなかったのではないか。地方は地方の特性を生かし、あるいは国家総合戦略特区も使って最大限に稼ぐ力というものを発現をしていただき、そこに雇用と所得というものをもたらしたいと考えております。
 今回、総合戦略特区で委員御指摘のように二十三区のうちの九つを指定しましたのは、それはそういう考え方に基づくものでございまして、地方への活力をもたらすということを阻害するということは全く企図しているものではございません。
○若松謙維君 今大臣の答弁をお聞きしながらちょっと疑問に思ったのが、いわゆる結果として、東京はもちろんこれだけ集積しているわけですから、いろんな有能な人もいるし、どんどん知恵も出てくると、そういう結果としてなんでしょうけど、だから、それはそれで大事だと思うんですね。
 あわせて、やっぱりこの特区という新たな仕組みですか、これどんどんやっぱり地方にも使っていただきたいというのも大事な視点なんですけど、今後の、何というか、ちょっと先の話になって恐縮なんですが、もしイメージがおありでしたら、今回はこういう形で特区、取りあえず始まりますけど、いろんな形を含めてやるんですけど、今後、これを本当に地方も強めるというところで、どう言ったらいいんですかね、何か結果的に東京がこの特区制度を利用してだんだんやっぱり格差が広がっていくというようなどうも懸念がどうしてもあるので、そうじゃなくて、やっぱり地方こそこの特区をもっと活用してほしいという、結果を出すための、何というんですか、後押しというんですか、そこ、何か仕掛けが必要かなと思うんですけど、それについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 例えば農業というものを発展させるための特区というのは、これなかなか東京では考えにくいものだと思っております。別に東京に農業がないとかそんなでたらめなことを言うつもりはないのですが、やはり農業というものを更に発展させていくための特区、あるいは自動走行でありますとかドローンでありますとか医療でありますとか、そういうものというのは地方の持っている特性というものを更に伸ばしていくものなのだということだと考えております。地方には地方にふさわしい特区というのがあるのであり、その可能性というのはまだ相当にあるのではないか。
 それから、先ほどの答弁で申し上げましたが、国家戦略特区のフォーラムというのを先週開きました。そこには先進的な事例、今回、これ、特区制度というのは天から降ってきたものでもなくて、それぞれの自治体が相当に努力して特区の指定を受けているものでありまして、ほかの地域もそれをそのまままねるのではなくて、また新しい考え方に基づいて手を挙げてくださいということをお願いをしておるわけでございます。
 地方の特性というものを更に伸ばすための特区というものに対して、私どもとしていろんなノウハウを提供する、事例についての横展開というものを図っていく、いろんなサジェストを行うということで、地方の持っているそういう可能性を最大限に引き出すためにこの国家戦略特区というものを活用したいと考えております。
○若松謙維君 後ほど秋田県の仙北市の事例が出ますので、またそこでちょっと議論を深めていきたいと思います。
 次に、創業人材等の多様な外国人の受入れの促進ということで、入出国管理及び難民認定法の特例ですか、これについて三点お伺いしたいんですが、まず一点は、当然、外国の方が日本に投資される、大変重要なことであります。一方、煩雑な手続が原因で投資が阻害されているということもどうしても危惧されますので、現行の入管法第七条一項第二号の法務省令で定める上陸許可基準の内容と趣旨についてちょっと改めて伺うとともに、この基準は諸外国と比べてどうなのかということなんです。
 ちょうど私、八四年から八八年までイギリスにいまして、現地の会計事務所。もう毎週一社増えました、日本の企業が。手続はやっぱりそんなに難しい気はしませんでした。比べると、何か日本は複雑なのかな、かえって上陸を阻止しているのかなと、そう思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) お答えを申し上げます。
 お尋ねの在留資格、経営・管理に係ります現行の上陸許可基準ですけれども、まず経営者につきましては、事業所が本邦に存在すること、それから事業が一定以上の規模であることという二つの要件を定めまして、管理者につきましては、この二つの要件に加えまして、三年以上の事業経験を有し、かつ、日本人が従事する場合と同等額以上の報酬を受けることという要件を定めてございます。
 このうち、経営者、管理者の両方に共通する事業所の存在という要件とそれから事業規模の要件でございますが、いずれも我が国で従事する事業が安定的、継続的に行われているものであることを確認するために設けられた要件でございます。
 それから、お尋ねの諸外国の制度につきまして、完全な情報を持ち合わせておりませんで恐縮でございますが、起業家や経営者を対象とするビザを設けている国というのは少なくありませんで、例えば、米国では一定以上の投資をすることを要件とする、お話しの英国では一定額以上の資金が利用できること等を要件としているようでございまして、考え方は我が国と類似のものと思われます。
○若松謙維君 今、先ほど事業規模ということですが、資金ですか、いわゆる五百万という一つの規定があると思います。イギリスは幾らだか分かりますか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 手元の資料では、起業家ビザにつきまして二十万ポンド以上の資金を利用できることが要件と承知をしてございます。
○若松謙維君 約三千万ぐらいですね。そうすると、分かりました、ちょっと私の記憶と違うと思いますが。
 それで、今、三年以上の事業経験ということ、これは出身国の事業経験が三年以上ということですね。
○政府参考人(佐々木聖子君) はい、さようでございます。
○若松謙維君 それでは、本改正によって国家戦略特区での創業外国人上陸審査基準の特例、これが定められるわけでありますが、これは先ほどの入管法における上陸許可基準と具体的にどのような点が異なるのか、また、今後どのような形でこの基準を策定して地方自治体と運用していくのか、お尋ねいたします。
○政府参考人(佐々木聖子君) 現行の在留資格、経営・管理に係る上陸許可基準では、先ほど申し上げました事業規模や事業所の確保の要件につきまして、上陸時、すなわち入国時にその全てが整っていることを求めているのですが、今般の国家戦略特別区域における特例措置といたしまして、地方公共団体による事業計画の審査等を要件として、入国後、一定期間内にその要件を満たせばよいということにし、その間に事業を開始していただくことができるような仕組みにすることを考えておりまして、これが大きく異なる点になると思います。
 それから、どのような形で基準を策定していくかというお尋ねですけれども、地方公共団体による事業計画の審査に係る要件を含め、具体的な政令で定めることとなる要件につきましては現在検討を行っているところですが、いずれにしましても、その考え方、方針といたしましては、申請者側にとって過重な負担とならず、かつ、本件特例措置によりまして種々の問題が生じることのないような要件を定め、適切な運用を行ってまいりたいと考えております。
○若松謙維君 今の上陸後一定期間内に満たせばいいと、これは具体的にどういう趣旨でこういう規定というんですか、を設けたんでしょうか。ちょっと具体例あれば助かります。
○政府参考人(佐々木聖子君) 今の上陸許可基準ですと、実際に、例えば事務所の設置ですとか人を雇い入れるというようなことを事前に行っておいて、全部整えて上陸申請をしなければならないものですが、やはり入国をされて一定期間そういう準備をされるのに時間が掛かるというお声をたくさんいただいておりまして、そのために、まずこの基準、経営・管理の在留資格で上陸をした上でそうした諸般の準備をする期間を設けるという趣旨でこの言わば緩和措置をとるものでございます。
○若松謙維君 そうすると、済みません、古い経験で恐縮なんですけど、たしかイギリスの場合、日本の方が駐在員で、大体その場合には短期ビザで来られて、それでいろいろと事務所設置して、また帰って、それでワークパーミット申請して入ると。そういった二度手間になるんですけど、これはそういった二度手間なくして、その方が、海外の方が日本に来て、そのまま滞在しながらそういう事業所をしっかりと確保していくと、そういうイメージですか。
○政府参考人(佐々木聖子君) そういうイメージでございますが、それに当たっては、地方公共団体がその事業がまさに整うかどうかというある程度の審査を行うこととすることが、お一人でこうした地方公共団体の関与なしにいらっしゃるものと違って、地方公共団体が一応その事業のプランに目を通して、言わば大丈夫そうだということを認めた上で、この在留資格で入国ができるということにするところが大きな違いでございます。
○若松謙維君 今の話は後ほどの仙北市を事例にちょっと頭の体操をしたいんですが。
 そうしますと、今の創業外国人上陸審査基準ですけど、これは、この特例、全国で今後広げていく、若しくは現在の上陸許可基準そのものを変えていくか、そこら辺の意向はどうですか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 本特例措置につきましては、今申し上げました地方公共団体による事業計画の審査等を要件として国家戦略特区において実施する仕組みとすることを検討してございまして、まだ法施行後の制度改正の可能性をお答えできる段階にはございませんが、まずは特区において本特例措置が積極的に活用されるよう具体的な仕組みを検討し、適切に運用してまいりたいと考えてございます。
○若松謙維君 今までこの上陸基準の審査ですか、法務局ですか、法務省ですよね、入管局ですから。そうすると、今まで地方自治体はそういう経験がないから、ちょっと周知徹底というか、これは結構時間掛かります。その点はどういうふうにやっているんですか。
○政府参考人(佐々木聖子君) まさに地方公共団体で審査をしていただく、その要件をどうするかということについて今検討しているところでございまして、その中身を地方公共団体にお伝えをして、事業の計画などについて目を通していただくということになろうかと思います。ちょっと内容については検討中の段階でございます。
○若松謙維君 要望ですけど、もしそういう地方の申請があった場合に、電話でやり取りだけじゃなくて、是非現場に行って丁寧にインフラづくりをお願いしたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
 次に、臨床修練制度を活用した国際交流の推進について伺います。
 外国人医師の臨床修練の目的、制度ですね、これで適用されている今現在の人数、出身国及び運用の状況についてお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(福島靖正君) 臨床修練制度は、医療分野におきます国際交流の進展や発展途上国の医療水準の向上に寄与することを目的としてつくられている制度でございまして、医療研修を目的として来日される外国医師、つまり外国の医師免許等を有している方等に対しまして、その目的を十分に達成することができるように、当該医療研修において医業を行うことを特例的に認める制度でございます。
 平成二十七年三月三十一日現在で臨床修練制度の利用が認められている外国医師は六十七名でございまして、その出身国数は二十五か国ということでございます。
○若松謙維君 もし分かればなんですが、その外国医療、いわゆる医療研修が目的ですので、どんな目的が一番多いんですか。ちょっとざっくり、それとも温泉治療なのか。
○政府参考人(福島靖正君) 私ども個別に許可を出しておりますけれども、中身を見ると、やはり高度な医療機関における高度な例えば手術であるとか治療というものを修得と、こういうことを目的とするところが多いように見受けられております。
○若松謙維君 温泉じゃないということでありますので。
 では、出身国はどこが多いですか。
○政府参考人(福島靖正君) 出身国で言いますと、多い上位三か国を言いますと、中国、エジプト、タイというふうになっております。
○若松謙維君 ありがとうございます。ちょっと会場が少し盛り上がってきましたけれども。
 次は、昨年の制度改正で、いわゆる病院だけではなくて、病院と密接な連携が確保されていれば診療所でも臨床修練の受入れが可能となったということでありますけれども、さらに今回は、指導医による指導監督体制が確保され、国際交流に主体的に取り組む場合であれば単独の診療所でも臨床修練を認めるということになったわけでありますが、現在の条件を設けている目的及びそれを緩和することによりどのような効果が期待できるのか、お尋ねいたします。
○政府参考人(福島靖正君) 現在、診療所におきまして臨床修練制度を利用するためには、厚生労働大臣から臨床修練病院の指定を受けた病院との間で緊密な連携体制が確保されている必要がありますけれども、この要件は、連携先の病院から当該診療所が臨床修練指導医の派遣を可能としたり、あるいは病院から診療所が臨床修練のノウハウを学んでいただいたりすると、こういうことを目的とするものでございます。
 これに対しまして、今回の特例はこの要件に替わりまして、連携病院からの派遣がなくとも臨床修練指導医による指導監督体制が確保されているということ、それから、開設者が医療の分野における国際交流の推進に主体的に取り組むこと、こういう要件を満たす診療所であれば、臨床修練を行うことを可能とするというものでございます。このことによりまして、我が国の地域医療を学びたいというニーズに応えて、医療の分野における国際交流が一層推進されるものと考えております。
○若松謙維君 遠隔医療という言葉がありますね。まさにインターネット等でアドバイスする、そういうことも含まれるんですか、この指導医による指導監督体制というのは。
○政府参考人(福島靖正君) 臨床修練指導医による指導というのは、これは実地による指導ということで直接に指導をするということでございまして、いわゆる遠隔による指導といいますか、そういう指導ではなくて、例えば遠隔医療をどう使うかという指導は実地で指導をすることはあると思いますけれども、遠くに離れて指導をするというものではございません。
○若松謙維君 済みません、ちょっと問題起きたんですけれども、海外の方が例えば遠隔操作で日本の患者に治療をすることは可能なんでしたっけ。海外のドクター、お医者さん、海外の医療資格を持っている方、遠隔治療で日本の患者さんを手術することは可能なんでしたっけ。
○政府参考人(福島靖正君) 海外の方が日本にいらっしゃってという趣旨でございますでしょうか。
 じゃなくて、海外にいる方が、海外のドクターが海外において当然医療をするのはその国の免許制度の中で行われていることでございまして、そこに対して、例えば日本の医者が指導をするということがあることは、それは別に特段の問題があるわけではございませんけれども、そういうことでございます。
○若松謙維君 私の設問は、海外のドクターが、その技術を持っている方が日本にいないと、だけど、今、遠隔医療操作がありますので、遠隔技術がありますので、それを活用する方法はないだろうかという問題提起なんですね。どうですか。
○政府参考人(福島靖正君) 現在のところは、そういう実際の技術、遠隔で治療をしたりする手術といっても、個別の遠隔治療という、実際の手術とかそういうものというのは、現実にはまだそういうものはございませんので、そういうことは現実には行われていないものでございまして、そういうことは想定していないということでございます。
○若松謙維君 分かりました。現在の医療法は、いずれにしても、国内であれば国内の医療法に基づいてやるからあくまでも国内のドクターしかできないと、そういうことですね。分かりました。是非ちょっと検討を、これ将来の検討課題ですね。
 じゃ、その次で、先ほどちょっと申し上げました三月の国家戦略特区諮問会議で地方創生特区に決定された秋田県仙北市の提案ですか、これが契機となって、どういう提案かというと、外国人も含めた温泉活用、湯治型の医療ツーリズム推進とありますが、これ、どんな構想なのかということで、実は来月もここに私、予定しているんですけれども、ちょっと教えてください。
○政府参考人(内田要君) お答え申し上げます。
 昨年の夏の提案募集の際でございますが、仙北市から先生御指摘のような御提案をいただいたところでございます。
 具体的な内容でございますが、仙北市と台湾、台北市でございますが、ラジウム温泉の中でも非常にまれな種類のラジウム温泉のようなんですが、それが台北と仙北市、アジアではそこしかないと、そこでいろいろな温泉医療が各々やっておられると。その互いの地域医療を学ぶことによりまして技術研究の国際交流を推進したいという内容でございました。
○若松謙維君 北投石ですね、そういうことですね。
○政府参考人(内田要君) 特殊なと申し上げたのは、北の投げる石と書きまして、北投石でございます。
○若松謙維君 ということで、いわゆる放射線のホルミシス効果というんですか、ちょっと福島ではどちらかというと逆の面が多いと思いますが、そういうことをしっかりと技術的に交流しようと、そういう趣旨ですか。
○政府参考人(内田要君) 御指摘のとおりでございます。
○若松謙維君 じゃ、私も来月、しっかりお湯につかってまいります。(発言する者あり)分かりました。
 じゃ、続いて、そっちの話に流れる前に、現在、地方に海外からの観光客がかなり増えているんですけれども、特に医療分野におきましても国際交流を進めることは非常に歓迎されることなんですが、単に地方における医師不足、この穴埋めのために外国人医師を充てるということであると、当然医療事故が発生するというようなことも危惧されますので、その規制緩和をするに当たりましてどのような措置を検討しているのか、お尋ねいたします。
○大臣政務官(橋本岳君) 委員御指摘のとおり、今回の臨床修練制度の規制の緩和について、そもそもの臨床修練制度の趣旨というのを外すものであってはならないというふうにまず思っております。それは、先ほど国際交流、医療における国際交流の進展と審議官答弁したとおりでございまして、それが地域の活性化につながっていけばそれはいいことだと思いますが、そのことを外すことなく実施をしていくことが必要だと思っておりまして、その安全性の確保というのも大変重要な御指摘だと思っております。
 現在の外国医師が臨床修練を行うためにおきましても、臨床修練指導医が実地に外国医師を指導監督をすることとされているでありますとか、一人の指導医は一人の指導監督しかできないとか、そのような形になっております。このことは今回の特例においても変わるものではございません。
 その上で、今回の特例におきまして、診療所において厚生労働大臣の指定を受けた病院との間で緊密な連携体制が確保されていることの代わりに臨床修練指導医による指導監督体制が確保されていることを求めることとしておりまして、具体的には、臨床研修指導医、これは一般の臨床研修の指導医として三年以上の経験を持つ方をその臨床修練指導医といたしまして、その医師が確保されていることを求めていくということを考えておりまして、これによりまして臨床修練の安全性を確保してまいりたいと、このように考えております。
○若松謙維君 時間ですから最後の質問ですが、そうすると、私、余りこういう議論好きじゃないんですが、でも、この指導医の、三年ということなんですが、責任というんですかね、ある意味で前向きな、いい意味での指導ということなんでしょうけど、万が一その指導している外国の方が事故を起こしちゃったというところの責任体制というんですかね、あんまりこういうのをきつきつにしちゃいけないと思うんですけど、そこはいかがですか。
○大臣政務官(橋本岳君) 現状でもその臨床研修という場において指導医が付いて研修医が診察をするというのが、日本人の間でですね、普通にあるところでございまして、当然ながら、そこでもそうした事故が起きないようにということに注意を要するということになっておりますし、そうした場合に何がしかの事故、何々が発生したときにおいて、もちろんどういう責任体制になるかというのはそのときに応じて判断されることであろうと思いますけれども、同様な形で今回も修練指導医とその医師の間で安全を確保していくことに取り組む、またそうしたことで何か起こったときにはそのときに応じて検討されるということになろうと思います。
○若松謙維君 いずれにしても、これ結構大事な問題ですので、いろいろと引き続き検討してください。よろしくお願いいたします。
 以上、終わります。
○委員長(大島九州男君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十七分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(大島九州男君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、上野通子君及び世耕弘成君が委員を辞任され、その補欠として長峯誠君及び石田昌宏君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(大島九州男君) 休憩前に引き続き、国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 本法案は、成長戦略のために現行の制度や規制を変更する特区をその突破口にして岩盤規制を崩そうというものです。経済至上主義とも言えるやり方が日本社会に新たなゆがみや問題をもたらすことも危惧をされます。それだけに、既に進行している戦略特区で何が行われているのかということを見ることが重要だと思います。
 まず見てみたいのは、東京、福岡、関西圏に設置された雇用労働相談センターの実態です。このセンターは、海外から日本に進出するグローバル企業やベンチャー企業等が雇用ルールを的確に理解し、個別労働関係紛争を生じることなく事業を展開しやすくなるように、専門家による法律相談を行うものとされています。
 そして、センターの事業のために厚生労働省は、労働関係の裁判事例の分析、類型化だとして雇用指針という文書をまとめました。この指針の問題点は本委員会で繰り返し山下理事が厳しく指摘したところですけれども、私も目を通して驚きました。基本的な法令の説明、裁判事例の分析、類型、関連する法令等の紹介にとどまらず、紛争を未然に防ぐためにとする囲みの記述が随所に見られます。
 まず確認したいと思うんですが、この指針の中で、「能力不足、成績不良、勤務態度不良、適格性欠如による解雇」、この項目で冒頭の裁判事例の分析、この主な記述内容をお示しください。
○政府参考人(大西康之君) 委員御指摘のございました雇用指針の内容でございますが、この裁判例でございます。
 裁判例では、長期雇用システムの下で勤務する労働者については、単に能力不足、成績不良、勤務態度不良、適格性欠如というだけでなく、その程度が重大なものか、改善の機会を与えたか、改善の見込みがないか等について慎重に判断し、容易に解雇を有効と認めない事例もあると。
 また、裁判例では、成績不良、勤務態度不良にかかわらず、反省せず改善が見られない場合等に解雇を有効と認める事例もあると。
 また、裁判例では、上級の管理者、技術者、営業社員などが、高度の技術、能力を評価、期待されて特定の職務のために即戦力として中途採用されたが、期待された技術、能力を有しなかった場合については、比較的容易に解雇を有効と認める事例もあると。
 以上のように書いています。
○田村智子君 能力不足、勤務態度が悪いなどの理由だけでは解雇は認められないと、その程度が重大かどうか、改善の見込みがないかどうかが慎重に判断されると、ここまでは確かに裁判事例のまとめとも言えると思うんです。
 しかし、続けて具体の裁判事例の記述があります。そして、最後の囲みで「紛争を未然に防止するために」とありますが、ここの記述はどうなっていますか。
○政府参考人(大西康之君) 同じく雇用指針の「紛争を未然に防止するために」というところでございますが、ちょっと長いんですけれども。
 外部労働市場型の人事労務管理を行う企業においては、紛争を未然に防止するために、管理職又は相当程度高度な専門職であって相応の待遇を得て即戦力として採用された労働者であり、労働者保護に欠ける点がない場合には、例えば、次のような内容を労働契約書や就業規則に定め、それに沿った運用実態とすることが考えられると。
 その後、労働者の担う職務や果たすべき職責、職務の遂行や職責に必要な能力を労働契約書にできる限り具体的に記載すること。また、記載された職務、職責を相当程度に果たすことができない場合、又は一定期間、期待される評価に比して相当程度低い評価しか得られない場合には解雇することがあることを記載すること。
 定期的に業績評価を行い、その内容を労働者に通知すること。
 地位、功績、雇用期間その他の事情に応じて一定の手当を支払うこと。
 このような記載がございます。
○田村智子君 これ、労働契約書に、例えば、一定期間期待される評価に比して相当程度低い評価しか得られない場合には解雇することがあるなどの記載があれば解雇しても紛争にならないよと、そういうアドバイスをしているのと同じなんですよ。
 私も、これまで解雇や雇い止め事案というのは何度も国会質問で取り上げてきました。また、個別に厚生労働省との交渉や、いろんなやり取り、情報提供、こういうこともやってきました。そういうとき、厚生労働省は、あくまで解雇というのは個別事案であり、個別に判断されるものだと、こういう姿勢を一貫して取ってきたんですよ。こうすれば紛争にならないよなんという評価は、私、初めて見ました。まさに一線を踏み越えているんですよ。
 今読み上げていただいた項目、どういう意味なのか。実は、福岡の雇用センターで昨年十二月二十三日、センターの運営委員である岡田和樹弁護士が講演をしています。その内容を紹介したいと思います。
 裁判官は、成績不良だから解雇するというのをなかなか認めたがらない。人事考課をきちんとしておくことが必要だ。日本の企業は五段階評価で三ばかり付ける。裁判所はすぐ勤務考課表を出せと言う。見ると、三と四が並んでいる。一と二を付けろ。一や二が三年続いたら首だよと言っておく。改善しなさいときちんと言って、期間を置いて促すんですよと。
 指針の先ほど読み上げていただいた紛争の未然防止のためにを大変分かりやすく解説しているなというふうに思いますが、つまりこういうことなんでしょうか、橋本政務官。
○大臣政務官(橋本岳君) 当省といたしましては、御指摘のセミナーに関しまして、第一回のセミナーに厚生労働省が職員を派遣しておらなかったものですから、講師の発言について私どもとして記録を持っておらず、詳細な内容を把握していないというのが状況でございます。
 雇用労働相談センターの運営に当たっては、労使双方にとって公平公正に行われることが重要だと考えておりまして、運営委員会においてそのような趣旨を徹底していくというところで取り組んでいるところでございます。
○田村智子君 もう一度お聞きしたいんです。
 今私が読み上げたようなことが、じゃ、一般的に説明されたとしたら、この中身は雇用指針の説明としてふさわしいものなんですか。もう一度お願いします。
○大臣政務官(橋本岳君) 先ほどのお読み上げになったところで、私なりの感想というのを持つといえば持たないことはありません。いろいろ誤解を招きやすいなと思うような、先ほどのお話について感想を言えばそのような感想を持つものではございますが。
 ただ、厚生労働省として、先ほど申し上げましたように、きちんと把握ができていないというのが現状でございますし、また、雇用労働相談運営委員会というのがございますが、その場におきまして、その講師の方は、事業不振等により解雇を考えなければならない可能性に対応するため、解雇事由などを含む退職に関する事項を労使双方が納得した上、就業規則等に定めておくことなどが紛争の予防のためには重要という指摘をしたとのことでありまして、決して解雇を奨励する意図はなかったというふうにおっしゃっておられるということでございまして、厚生労働省といたしましては、そうした誤解を生ずることなく公正公平なセミナーや相談対応が行われるよう、運営委員会等を通じて申し上げているところでございまして、今後とも事業の受託事業者やセミナー講師等に指導を徹底してまいりたいと、このように考えております。
○田村智子君 今の御答弁ですと、かなり誤解であり、これは解雇を推奨するような中身とも言えるという感想をお持ちになったんだというふうに受け止めますが、これは、セミナーの受講者が内容に驚いてメモをまとめたものなんですよ。
 ほかにも、中身見ると、例えば懲戒について、減給は一日分の給料の半分しかできない。例えば月二十万円もらっている人なら五千円くらいしかできない。これでは制裁にならない。出勤停止は使える。ノーワーク・ノーペイだからかなりこたえる。業績不振の際の解雇についてはこのセンターに相談してください、辞めていただくうまい方法を相談して見付けると、こういうお話をしていて、今読み上げたような中身は、既に五月二十七日、衆議院地方創生特別委員会で我が党議員が指摘をしているんです。内容を確認していないんでしょうか、これだけ重大な問題で。
 岡田氏本人あるいは受講した方から聞き取るなどして確認をして、私が言ったような中身であるならば、この中身は誤りであると受講した方にこれ徹底をすべきだと思いますが、いかがですか。
○大臣政務官(橋本岳君) 先ほどお話ありましたように、確かに衆議院の委員会の方でも御指摘をいただいたところでございます。そこは承知をしておりますし、また、当然ながら、そのセミナーがあって、その後、市議会でお取上げをいただくとかなどということも承知はしております。
 そうした形で今回の講師の方の御講演がいろいろ誤解を招くものであったのであろうというふうには私どもも捉えておりますし、先ほど申し上げましたように、運営委員会の方でそうしたことを招かないようにということもお伝えをさせていただいているところでございまして、さきに答弁申し上げましたとおり、その御指摘の弁護士の方は、元々解雇指図の意図はなく、今後は誤解を生じることなく公正公平な説明に努めるということとされておりますし、また、その後三回にわたって、今回四回セミナー行われていますので、福岡では、その後三回につきましては、特段、その後御指摘等はいただいていないと思っておりますので、今後とも引き続き公正公平に説明に努めていただけるように注視をしてまいりたいと、このように思っております。
○田村智子君 これ、国の機関なんですよ、国が設置しているんですよ、このセンターね。そこで受講した方々に、この内容が問題があったという中身が徹底されちゃったとしたら、これやっぱりしっかりつかむべきですよ、終わっちゃったことにしないで。それで、受講した方に、その内容が不適切であったという、そういう知らせをやるべきだと、これは重ねて求めておきたいというふうに思いますし、石破大臣にもお聞きをいたします。
 この衆議院の特別委員会では石破大臣も答弁に立たれまして、講演等々も記録はきちんと取っておかねばならないというふうに答弁をされています。行き届かなかった点があったとしたらおわび申し上げますとも言われています。当然、私は、この指摘をした第一回のセミナーの中身、これは内閣府としても確認を取るべきだというふうに思うんですね。
 あわせて、やっぱり講演だけではないんですよ。こういう立場で相談事業をしていたとするならば、労働者が解雇について相談に行くと、ところが、例えば岡田弁護士がその相談の中身見て、どんな労働契約書になっているのと、労働契約書を見て、ああ、ここに解雇についてこう書いてあるね、これはもう仕方ないですよと、こういう相談事業が行われないとも限らないわけですよ、こんな話する方ですから。
 となれば、果たしてこういう方が雇用労働センターの運営委員としてふさわしいのか。この運営委員は、内閣府と厚労省とが適格かどうかを協議して決定をしています。
 石破大臣、この岡田弁護士の講演内容、個別相談の内容もつかんで、運営委員として適格と言えるのかどうか、これは検討すべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(石破茂君) これはいやしくも公がやることでございますから、記録を取るのは当然のことであります。記録を取っていなかったのは私どもの不手際でございます。その後、記録をきちんと取るようにというふうな指示はいたしたところであります。
 あわせて、労働法制というものをどう理解するかですが、やはり労働法制というのは一人一人の労働者の権利をいかに守るかということがその考え方の根本にあるというふうに私は教わってまいりました。ですから、雇う側の論理というよりも、労働者をいかに保護するかという労働法制の趣旨というものはよく理解をしてこういうようなセミナーはやらなければならないものでございます。もちろん、雇用関係ですから、雇う側というもののいろいろな事情というものも法令に従ってきちんとそれは運用されねばならないことは申し上げておきます。
 そうしますと、この代表弁護士の方、岡田先生という方、私も福岡に行ってお目にかかっていろんな話をさせていただきました。この御指摘をいただく前のことでございましたので、このお話について言及をしたわけではございませんが、非常に見識の高い、そして熱意ある、決して労働者を蔑むような、そういうふうな方ではなかったというふうに認識をいたしております。
 でございますが、人間は時々過ちというものもございますし、口が滑るというのはあることでございますが、私どもとして公でこれを設置しております以上は、その趣旨というものを完全に生かすべく、これからよく指導監督もしていかねばならないし、厚労省との協議も密にしていかねばならないと思っております。
 現時点で、この方が不適格だという判断は、私はいたしておりません。
○田村智子君 これは、調べもしないで適格かどうか、不適格とは言えないというのはおかしいと思うんですね。是非、記録を取っていなかったとしても、これだけ問題に私たちもしてきたわけですから、責任持って問題にしてきたわけですよ、作り話でも何でもありません。事実をつかんでいただいて適格性を判断していただきたいと思いますし、元々この岡田弁護士はホワイトカラーエグゼンプション推進の講演もしてきた方なんです。産業競争力会議のヒアリングでは解雇の金銭解決制度の導入も主張をしてきた、今大臣が言われたような、労働者保護の立場と果たして言えるんだろうかという方なんですよね。東京と福岡の雇用センターの運営委員に決定したこと自体が私は問題だと思いますし、この戦略特区は、こんなことを許しておけば、結局、厚生労働省が今まで示したこともないような解雇指南を示せる特区なんだと、解雇をどうしたらできるかというアドバイスができる、そういう特区なんだということになってしまう。このことを厳しく指摘をしておきます。
 更に聞きます。昨年の本委員会で我が党の山下議員が、労働者の基本的な権利を周知する既存のパンフこそセンターでも活用すべきであると、労働指針よりも、このことを求めました。そして、厚労省大西審議官は、雇用指針を活用する際には既存のパンフレットも活用しながらと、こういうふうに答弁をされました。
 それでは、どういうパンフレットをいつセンターに送付をされたのか。また、雇用指針は全都道府県と政令市にも特区でもないのに送付をされましたが、既存のパンフも同じように送付をしたのかどうか、お答えください。
○政府参考人(大西康之君) 御指摘のパンフレットでございますけれども、いろんな種類がございますので御説明させていただきたいと思いますが、まずは、雇用指針に含まれないような労働関係法令の内容につきましては、そういった支援の相談を、必要がございますので、雇用労働相談センターで労働基準法などの労働関係法令の主な事項について解説した「労働関係法令のポイント」や「労働関係法令の解説」といったものを作成しております。これは各センターにお配りしているところでございます。
 また別に、「知っておきたい働くときのルールについて」、あるいは「知って役立つ労働法」、あと、「これってあり? Q&A」という漫画で知って役立つ労働法と、こういうのもございますけれども、これにつきましても、各雇用労働相談センターに送付したところでございます。
 また、そのほかのパンフレットでございます。これらにつきましては、厚生労働省のホームページで公開しておりますとか、あるいは都道府県労働局等へも送付して、全国の活用を図っていると、こういった状況でございます。
○田村智子君 そのパンフレットをいつ送付をしたのかというところ、御答弁なかったんですけど。
○政府参考人(大西康之君) 済みません、ちょっとパンフレットいっぱいあるんですけれども、最初に申し上げた二つの「労働関係法令のポイント」と「労働関係法令の解説」については、各雇用労働相談センターの開設の前と承知しております。
 また、「知っておきたい働くときのルール」、「知って役立つ労働法」、「これってあり? Q&A」の方については、これは先月であると承知しております。
○田村智子君 昨年質問したにもかかわらず、労働者が分かりやすいそういうパンフレットはやっと六月に、昨日お聞きしましたら中旬ぐらいですか、に送ったということなんですよね。
 センターに送っていただいたのはいいので、是非活用してほしいのと、これは、今マタハラの問題なんかもあるので、育児休業法や均等法について、これポスターやリーフも作っているわけですから、こうしたものも是非センターに送付をしていただきたいと、これ要求しておきます。
 それで、全国の都道府県や政令市には、結局、雇用指針を送っただけなんですよ。あとはホームページで見てください、これはおかしいですよ。
 雇用指針送ったときには、わざわざ表書き付けているんです、雇用指針の活用についてと。そこにどんなこと書いてあるか。国家戦略特別区域ではない地域におかれましても、企業や労働者への情報提供や助言等、個別労働関係紛争の未然防止、予見可能性の向上の一助として御活用いただきますようお願い申し上げますと。
 しかし、この指針は、私が先ほど指摘をしたように、弁護士でさえも誤解をするような代物なんです。紛争の未然防止などという、労働行政が示したこともない、極めて問題の多い記述もあるわけです。
 私は、本来はこれは回収すべきだと思いますよ、都道府県に送ったものは。だけど、少なくとも、審議官が前の委員会で答弁された、雇用指針を活用する際には既存のパンフの活用もと、こう言われたわけですから、それじゃ表書きを付けて既存のパンフレットの活用をお願いすると、こういう扱いが必要だと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(大西康之君) 都道府県や政令市がそのような労働相談事業や啓発事業を行う場合に活用していただけるように、そういったパンフレットの送付をしてまいりたいと思います。
○田村智子君 この雇用センターについては、解雇指南センターになっていないかどうかと引き続き私たちも注目をして、また取り上げていきたいというふうに思います。
 次に、法案にあります公設民営学校について聞きます。
 国家戦略特区において、国際理解教育及び外国語教育を重点的に行うものその他の産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成に寄与する人材育成の必要性に対応するための教育を行う場合に公設民営学校を認めると。すごい教育だなというふうに思うんですけれども、これは、二〇〇八年に関西経済同友会が大阪市に教育改革を望むと提言したことを受けて、大阪市が提案したものです。関西経済同友会は、エリート教育、英才教育の必要性を主張し、現状の公教育に限界がありこのような英才教育ができないのであれば、特区にて公立学校の民営化、民間委託を試験的に実施し、その展開を図るべきであるというふうに提言をしました。法案の条文を見てもこの方向に沿っていて、まさに経済界が求める人材のエリート教育を広げようというものだと思います。
 まず、確認をいたします。
 現在、公立の中高一貫校、これもいろいろエリート教育化しているなどの声もあるわけですけれども、ここでは入学選抜というのは学力検査が禁止をされています。では、新しくつくるという公設民営学校、これ義務教育課程を含んでいる場合にはどうなりますか。
○政府参考人(小松親次郎君) お答え申し上げます。
 学校教育法施行規則で、受験競争の低年齢化を招かないようにするという観点から、公立の中等教育学校及び併設型中学校、すなわち今先生御指摘の義務教育段階を含むものにつきましては、入学に当たり学力検査を行わないこととしております。
 公設民営学校は地方公共団体が設置する公立学校でございますので、入学定員に対して希望者が多いというようなことで、法なり学校の目的に沿って入学者の決定をしなければいけないという事態はあり得ますけれども、その場合でも公立学校として学力検査は行わないという、同じ扱いになるというふうに考えております。
○田村智子君 九九年に公立中高一貫教育校を導入する際に、やはり受験競争の低年齢化を招くという懸念が広がって、そうならない担保措置として学力検査、いわゆる入試は禁止だと言われたんですね。これ、もし本当にやろうと思ったら、くじ引か何かでやるしかないはずなんですよ、入学者選抜。ところが、実際にはどうかというと、多くの学校で適性検査というものが行われているんです。
 名前を変えれば学力検査にはならないという判断のようなんですが、では、どういうものか。資料の二枚目と三枚目が東京都内の中高一貫校の適性検査の問題の抜粋なんです。これ六年生が受けるんですよ。これ二ページにわたるもので、問題数二問ぐらいしかないんですよね。物すごい長文なんです。
 これを読解して、そして解くには総合的な学力を必要とすることは明らかで、これ解こうと思っていらっしゃる方いらっしゃるかもしれませんけど、これ客観的には大変高度な学力検査としか言いようがないというふうに思うんですけれども、いかがですか、局長。
○政府参考人(小松親次郎君) まず、この問題について高度かどうかというのは、ちょっと個別に公表することは控えさせていただきますけれども、公立中等教育学校等の入学者選抜ということで学力検査を行うというようなことをしないという、先ほど申し上げましたような仕組みになっております。
 現実に見ました場合に、多くの設置者において、筆記の方式によって生徒に求める思考力といった総合的な適性を測るという観点から、適性検査というものを行うということが行われております。この点につきまして、今御指摘のように、これは行わないと言っている学力検査に当たるかどうかというようなことについて問題があるのではないかという御指摘があるということは、これも私ども承知しているつもりでございます。これは、学力観とか、それからテスト観とかそういうことに関わるものでございますけれども、中央教育審議会ではその点の検証等をいたしまして、その内容が妥当なものであるかどうかを各教育委員会において検証していくことが必要だという指摘がなされております。
 文部科学省といたしましても、それを都道府県教育委員会に設置することなどによって検証を促しておりますけれども、いずれにいたしましても、その制度の趣旨に反した弊害が生じて受験が低年齢化し過熱化するというようなことのないように、私どもとしては都道府県教育委員会に対して種々の機会を捉えて注意喚起はしっかりしてまいりたいというふうに思っております。
○田村智子君 今、調査が必要だというふうに言われましたが、確かに前川前初等中等教育局長も二〇一一年の五月三十日に、適性検査の問題を見ると、非常によい学力検査の問題があります、まさにPISA型の学力を見るという、本来望ましい学力を見るような学力検査ではないかというふうに私には見えるわけですと、事実上の学力検査だというように認めるような発言をされているわけです。
 今日、政務官にも来ていただきましたので、やっぱり受験競争の低年齢化をさせないという担保措置、結局機能していないんじゃないかというように思うんですが、済みません、端的にお願いいたします。ごめんなさい。
○大臣政務官(赤池誠章君) 御質問でございます中高一貫教育の制度に関しては、文部科学省といたしましては、地域の特性とか体験活動とか意欲的な活動が行われていることで評価をしているところであります。その中で、入学者定員が実際大きく上回っていると。当然、定員どおりどうやって入れるかということの中で、面接、作文、小学校からの推薦など多様な方法で適切に組み合わせる、教育への適性を測るということも併せて重要であるというふうに考えている次第でございます。
 御指摘の適性検査が高度化された禁止されている学力検査かどうかということなんですけれども、これはきちっと各教育委員会において、単に受験技術を磨くようなことだけを助長するということは決してあってはならないということで、適切な入学選抜を行っていただくようきっちりと働きかけてまいりたいと考えている次第です。
○田村智子君 結局、中高一貫校がばあっと広がったことで小学生の受験が広がってしまったと。そして、小学生の通塾率というのも、文科省の調査見ても、九五年から二〇〇七年、ちょっと古い調査ではありますが、一六・五%から二五・九%と、もう四人に一人以上が通塾しているという事態にまでなっているわけです。そうすると、今回の法律で更にエリート校をつくるんだという関西の経済同友会の皆さんの要望に応えてこういう公設民営学校をつくられたら、一層拍車が掛かるんじゃないだろうかということを危惧するわけです。
 今回、法律で中学校や高校を開設できない、専修学校のみ開設できる準学校法人も公設民営学校を受託できることになると思うのですが、それでは、例えば三大予備校、代々木ゼミナール、これ準学校法人です、あるいは駿台予備校、河合塾、これは学校法人です、こういうところも公設民営学校の運営を受託できるということなんでしょうか。
○政府参考人(小松親次郎君) 公設民営学校の制度ですけれども、国家戦略特別区域において、法令に定められている仕組みに沿って条例で基準等を、必要な事項を定めまして、これに沿っている者は開設する資格がございます。その中身は、営利的なものではなくて非営利のものということになっております。こうした様々なチェックをきちっとクリアして法令を遵守している者については開設する資格があるという仕組みでございます。
○田村智子君 これは準学校法人もできるということでいいわけですよね。
○政府参考人(小松親次郎君) そのとおりでございます。
○田村智子君 これ、私立学校をつくるよりもずっと財政負担少なくなると思うんですよね。義務教育国庫負担のお金も受けられる、施設についても自治体からの補助が入るということになると。
 そうすると、塾産業や受験産業などが、その産業そのものではないけれども、これは利益を求めるものではないよといって参入してくる、こういう可能性あるわけですよ。そうすると、これまで公立学校や私立学校が行ったことのないような教育を行うといって塾産業が入ってきたらどうなっていくのか。これ、塾産業を認めないというような制度になり得るとはとても思えないんです。
 政務官、ごめんなさいね、一問しか聞かなくて申し訳ない。
 ちょっと時間がないので、最後、石破大臣にお聞きしたいんですが、そうなると、私は、受験競争の低年齢化や更なる深刻化、これ広がる、そういうことの懸念が拭えないと思うんですが、大臣の見解をお聞かせください。
○国務大臣(石破茂君) これは、法律の運用に当たりまして、認定の際には、私も構成員でありますが、区域会議をつくると。認定後も、区域会議においてその効果について定期的に評価を行うということであります。ですから、委員のような御懸念が全くないとは私は申しません。そういうことがないようにどうするか。
 これは確かにビジネスモデルからいえば、委員が御指摘のような、そういうことを企図した方にしてみれば魅力的に映るかもしれません。ただ、大事なのは子供たちにどういう教育を行うかということなのであって、子供たちの受験戦争を助長するような、そういう教育をやることを目的としてこのような制度を動かしているわけではございません。
 このような区域会議のつくられました意味というものをよく認識をしながら、そういう効果についてもよく検証することが必要であり、このようなビジネスモデルに便乗したような、そういうような商売というものを認めるつもりは私どもはございません。
○田村智子君 終わります。
○井上義行君 日本を元気にする会の井上義行でございます。
 まず、平成二十五年の十月十八日に決定をしました国家戦略特区における規制改革事項等の検討方針の内容について、内閣府の室長からお願いしたいと思います。
○政府参考人(内田要君) お答え申し上げます。
 お尋ねの二十五年十月十八日の検討方針でございますが、居住環境を含めまして世界と戦える国際都市の形成でございますとか、医療等の国際的イノベーションの拠点整備といった観点から、特例的な措置を組み合わせて国家戦略特区の具体化を進めようとするものでございます。
 具体的には、例えばでございますが、保険外併用診療の拡充でございますとか病床規制の緩和といった医療でございますとか、雇用、教育、都市再生・まちづくり、歴史的建築物の活用、農業というような各分野におきまして特例措置を具体化するというものでございます。
○井上義行君 この中に、今述べていただいたとおり、世界と戦える国際都市の形成ということがあるんですが、これ具体的に、世界と戦える、今回いろんな特区が出てきましたけれども、今回の法律の中でどれに該当するんでしょうか、石破大臣、お願いします。
○国務大臣(石破茂君) 世界と戦える国際都市を形成すると、なかなかすごいお話でございますが、それは具体的には何なんでしょうねということであります。
 これは、今回提案を申し上げております改正案におきましては、居住環境を含め世界と戦える国際都市を形成するということの目的のために、創業する外国人の在留資格の基準の緩和、これは外国人を含む開業促進のためでございます。医療法人の理事長要件の見直し、これは医療イノベーションを促進するため。都市公園内における保育所等の設置、地域限定保育士の創設、これは保育所、保育士不足というものを解消するためのものでございます。公立学校の民間開放、先ほど来議論になっておりますが、これの目的としますものはグローバル人材の育成、個性に応じた教育ということでございます。
 そのようなものを今やっております規制改革事項と組み合わせて活用したいと思っておりまして、これをやったから世界で一番ビジネスがしやすい環境になると、そんなことを思っているわけじゃありませんが、とにかくできるものを一つ一つ早急にやっていきたいというふうに考えておるところでございます。
○井上義行君 そして、この中に世界と戦える金融、農業都市ということがあるんですが、どこの都市を想定しているんでしょうか、具体的にお願いいたします。
○国務大臣(石破茂君) 国際金融拠点といたしましては東京都です。農業拠点としては兵庫県の養父市でございます。
○井上義行君 なぜそのようなことを聞いたかと申しますと、平成二十六年の二月の二十五日の閣議決定、国家戦略特別区基本方針に基づいて、国家戦略特区として具体的な区域の中で、国際ビジネスやイノベーションの拠点としての東京圏、東京都九区、神奈川、千葉県成田、あるいは関西圏、大阪市、兵庫、京都、これを公表したんですけれども、一方で石破担当大臣が提出をしました地方再生法の一部を改正する法律案で、東京圏から本社機能を移転しようとしたわけですね。
 こうした国家戦略と地方分権、これは本来表裏一体で進めていかなきゃいけなかったんですが、ちょっと基本の軸が少し見えなくなってしまっているんじゃないかというふうに思っておりますが、石破大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) これは私の説明の仕方が悪いのかもしれません。軸がぶれているというふうに思われるとすれば、それはまた御指摘を踏まえて更に改善をしていかねばならぬところですが。
 これは若松委員の午前中の御質問にもお答えをしたところでありますが、東京あるいは神奈川、成田、大阪、兵庫、京都なんというのは比較的都会っぽいところでございます。東京都の九区なんてまさしくそうなのでありますが、それはそこの持っている特性というものを最大限生かして、あえて稼ぐ力というふうに申し上げますが、それは日本全体のために稼ぐ力というものを付けてもらおう、更に増していただこう。成田なぞというのは、それはあそこに国際空港があるわけで、それを最大限活用するということは考えられないか。つまり、それぞれの地域地域の特性に応じてこれは国家戦略特区に指定をしているものでございます。
 本社機能の移転というのはそれとは全く観点を異にするものでございまして、本社機能というものは全てが東京になければいけませんかと。企画があり人事があり総務があり経理がありというわけであって、それは本当に東京になきゃいけませんかというと、そうでもないでしょうと。それは生産拠点に近い方がいいとか、別に人事というのは関係省庁と調整するわけでもございませんし、ほかの会社を見ながらやるわけでもございませんので、それは別に全国どこでもいいんじゃないんですかということであって、地方に人を移していくためには、これはコマツの例を取れば、出生率と婚姻率を掛ければ、同じコマツの社員さんでも、あの溜池にある本社のコマツの社員さんと小松市におられます社員さんは、婚姻率と出生率を掛け合わせれば五倍違うのでありますということから考えますと、そういう選択肢というものは企業にあってもいいのではないか。それをインセンティブとして税制というものを提案を申し上げて成立を見たところでございますが、そういうような形で、企業の本社機能、私どもは本社を全部丸ごと移してくださいなんて言っておりません。本社機能のうち東京になくてもその効果が現れるものは移してくださいませというふうに言っているのであって、東京であれ、兵庫であれ、京都であれ、そこにある特性を伸ばすというようなこの国家戦略特区の考え方と企業の本社機能の地方移転というのは考え方を別にするものでありまして、地方創生とこれが矛盾するものだとは考えておりませんが、説明の仕方が十分でなければまた改善をいたしたいと思います。
○井上義行君 実は、場所というのはすごく大事だというふうに思っておりまして、今回、地方再生法では、東京二十三区から神奈川に移った場合は外れちゃうんですね。神奈川というと川崎、横浜、湘南というイメージがありますが、今、大涌谷で、箱根もあれば小田原、小田原なんかは二十万人ぐらいしかいないんですね。
 やはり、こうした地方といったときに、ぱっと浮かぶのが、田園があって、人口が十万人以下とかそういうことが浮かぶかもしれませんけれども、例えば西湘地区に東名の大井インターというのがあって、そこに第一生命というのが昔本社を移転したんですよ。ところが、その後、第一生命はとうとう東京に戻ってしまったんですね。これは、本社を移したために、東京とそして本社機能がどうしても二分してしまったんですね。
 これは、どうしても東京の方が、羽田に来て、世界から、いろんなビジネスも含めて、要は時間がないわけですね。商談成立するためにも、やはりそこの方がやりやすいという部分があるわけですね。ですから、本社が移ったからといって、じゃ東京の機能がなくなるかといったらそうではない。逆に東京の機能が本社的な機能になって、最後には残念ながら東京に戻ってしまったんですが。
 そう考えたときに、やはりこうした国際ビジネス、あるいは世界の例えば最先端の医療立国を目指すとか、あるいは科学技術とか観光とか教育とか文化とか、そうした分野、その分野をどこの地域に任せていくかということがあって、その分野の合う本社をそこに移していく。私は、そういうようなことが必要なんではないかというふうに思っているんですよ。
 例えば、農業の拠点として、例えば北海道とか東北とか九州とか四国とか、こういうことがあるでしょう。あるいは、最先端の技術として、水を使ったものであれば水のきれいなところに行くと。その中で、東京にそうした本社があれば、ここに拠点を日本としてもつくっていくんで、やはりここに移すような環境をつくっていくというのが私は必要だというふうに思っておりますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) それは委員のおっしゃるとおりで、これ繰り返しになったらごめんなさい、ちょっと論点を外して捉えていたら申し訳ないのですが、ですから、本社機能の全部を移してくださいと言うつもりは私どもはないわけです。
 経済界にお願いをしておりますのは、やっぱりビジネスのことはそういう道の方でないと分からないもので、私ども議員に分かる、役人に分かるというものでもございませんで、それはなぜでしょうと、それぞれの会社で全ての機能が東京になければなりませんかと。
 その中の、例えば委員が御指摘のように、やっぱり羽田、成田が近い東京の方がいい部門もあれば、別に近くなくてもいい部門もあれば、むしろ生産拠点に近い方がいいとか、そういうのもあるはずです。第一生命のお話をなさいましたが、私もその例はよく知っているのですが、それからまた何年もたって、いろんな交通手段、通信手段も飛躍的に発達をしたわけでありまして、それを一社一社お考えをいただけませんかというお願いをしておるわけでございます。何とはなしにという表現は使いませんが、東京に全部集まっている方がいいもんねというような、そこから一歩先に出て、一つ一つ精査をしていただけませんでしょうかと。
 そしてまた、地方に移した方がより業績が上がったというのもあるわけですよね、大手企業のみならず中小零細であっても。地方に持っていった方が業績が上がるということからするならば、それはそれで日本経済に資することではないだろうかというふうに思っております。
 それはもう各社さんに私どもとしてお願いをし、そしてまた、国会でも経団連にちゃんと聞いたのかみたいな御指摘もたしか当委員会でいただいたように記憶をいたしておりますが、そこは国会の御意向も体して、企業さんと本当に虚心坦懐にお話をしてまいりたいと思っております。
○井上義行君 私が一番こだわっているのは、よく若い人と話をすると、あるいは地方の人と話をすると、必ず言ってくるのが先が見えないと言うんですね。
 つまり、この国家戦略特区というのは、やはり将来の先を見越して、いわゆる例えば三十年後の姿、日本は人口減少の中でも最先端の技術で、あるいは農業で、あるいは観光でこの日本というのはこういうふうになると。そのためには、しっかりこの地域を支えることによって拠点をつくって、だからこの地域にはこの分野をやってもらおうとか、港があればその流通を確保するために例えば圏央道を使おうとか、今大臣も言ったように、例えば成田がある、羽田があるとか、そうしたインフラを活用しながら拠点を考えているとすれば、やはりこうしたいろんな分野、文化もそうですし、観光もそうですし、こうした国家としての姿というのがどうしても見えてこないんです、正直言って。
 だから、例えば大臣が三十年後を見越したときに、どういう日本国家というものが、日本国というものがどういうような成長分野として拠点がどのようになっているかということをお答え願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 私も五十八年しか生きていないのですが、先が見えた時代というのはむしろ少ないんじゃないかという気がするのですね。
 それはもう高度成長期で、冷戦構造があって、人口が増えてという、ああいう時代は、昭和四十年代から五十年代の初めにかけてですが、私ども学生でしたけれども、日本の将来についてどうなるんだという、そんな不安は余り持たなかったように思うし、先が見えていた珍しい時代だったと思います。冷戦構造はなくなりましたし、そしてまた高度経済成長も終えんしましたし、少子高齢化はそのひっくり返した現象が起こっているわけで、それは経験したことがないから先が見えないというのは確かにそうなのでございます。
 ただ、はっきりしていることは、あと二百年たつと日本の人口は千三百万人になります、三百年たつと四百万人になりますと。このままいけば、西暦二九〇〇年には日本の人口は四千人になります、西暦三〇〇〇年には千人になりますということになるわけです。
 今のままいけば、人口減少が地方で進み、恐らくは東京にもう一回若い人の集中が起こり、そして、そのまま東京が出生率が低いままでありとせば、それは東京も地方も、時間差を置いてですが、ずっと衰退していくということは、このままいけばという前提付きではっきりしているのであって、それをどのように打開をしていったらいいのだろうかということについて、それぞれの地域が何ができるかということを最大限考えるということは大事なことではないんでしょうか。
 だから、先が見えないという話は私も若い方から承ります。だけど、先が見えないからということで終わっちゃうんじゃなくて、何を考えるんだと。いろんな議員が御指摘になったように、農業、漁業、林業、サービス業、観光、これって目いっぱい伸ばしていくためにはどうすればいいんだというのを考えるのが若い人たちであり、そしてまた一緒にやっていくのが我々世代が上の者の責任だと私は思います。
○井上義行君 何を考えるか、それがまさに国家戦略だと私は思っていたんですよ。だから、これは学者の世界じゃないので、政治としてその道筋を付けていくという中で、例えば大臣なりに自分の頭の中で将来の絵があるはずなんです。その絵が果たして本当にいいのかどうかということで、国家戦略特区のあるいは本部で議論を闘わせて、今やるのはこれだね、来年はこれだね、あるいは五年後にはこうしなきゃいけないねということがあるはずなんですね。
 ところが、今大臣が、答弁を聞いていると、何となく人ごとに聞こえるんですよ。言わば自分としての、大臣としての絵がにじみ出てこないというか、それをもう一度お伺いしたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(石破茂君) 失礼をいたしました。人ごとのように申し上げたつもりはないのですが、じゃ、おまえはどうなんだと言われますと、私は、東京も含めて全ての地域が、これ東京を含まないのかもしれませんが、国からの依存体質を脱する地域にしたいと思っているのです。
 公共事業が来なくなっちゃったからね、交付税が減っちゃったからね、だから疲弊するに至ったんだよねというのは、それは今までの原因と結果を分析すればそういうことになりますが、じゃ、これから先、公共事業はどんどん増えるのかい、交付税がどんどん増えるのかいといえば、今の日本の状況はそんなことを許すことではございません。地域地域が、今まで公共事業があるからね、企業誘致があるからね、そこに多くの雇用と所得があるからねということで、そこにおいて農業とか漁業とか観光とか、そういうものって、もうはっきり申し上げて、先進国の中で相当に生産性低いですから、これをどうやって上げていくのかということを考えるということ。
 そして、向こう二十年はどんなに頑張っても人口は減ります。それは、出生率を上げたとしても、産んでくださるお母さんの数はもう減ることに決まっているわけですから、突如として二十歳の女性がこの世に出現するはずもございませんので。
 そうすると、この二十年間をどうしていくのか。つなぎという言葉を使っていいかどうか分かりませんが、移住政策にはそういう側面が私はないとは申しません。それによって、それでそこを何とか何とか人口減少を食い止め、そしてまた出生率が上がって、日本の国の人口というものが一億人ぐらいで下げ止まるということをやっていかなければならぬのではないか。それは、地域地域が何をやるのだという自覚をきちんと持っていただく国をつくるということだと思っております。
 そういうような先進事例はいっぱいあるし、私も、この仕事を拝命してから、驚きとか感動とか物すごいあちらこちらでやらせていただきました。それを横展開をする、共有することによって、ああそうなんだということで地域に自信と誇りを見出して、そして、志を果たしていつの日にか帰らんではなくて、志を果たしに地方へ行こうよという。
 一寸法師の昔からこの国のサクセスストーリーというのは、京の都に上って偉い人になりましたとさというのがこの国のサクセスストーリーでございますが、それはちょっと違うのではないかと。ほかの国のおとぎ話で、最後はロンドンに行って偉い人になりましたという話は余り聞いたことがないんです。最後はパリに行って偉くなりましたなんて話は、何を偉いかは別にして、そういう話は聞いたことがないのであって、いかにして地域地域がその個性を最大限に発揮をし、その集積体としての国家をどうするか。
 そして、エネルギーも食料も人口も東京は消費をする都市ですから、それはそれでいいんです。生産するところが衰退し疲弊をし消えてしまったらば、消費するだけの都市がある国なんて成り立つはずがないのであって、それぞれの地域がそれぞれの役割を果たしていくという国家にしたいなと思っております。
○井上義行君 そうですね、何となくちょっと違うんですが。僕は、これ、地方創生は多分そうだと思うんですけれども、私の国家戦略というのは、何となく、世界地図を広げて、例えば、今、中東に依存しているエネルギーがアメリカに移っていくだろうとか、あるいは、今後イスラム国のような形が起きてきて、金融とかこれはどこどこの国に移っていくだろうとか、あるいは、食料不足が起きて非常に困難なときが来る、多分この国が非常に厳しくなるからそこを助けてあげよう、あるいはそれをビジネスにしようとか、いわゆる世界地図を広げた上で日本がどう生きていくかという中で、いわゆるこの分野をこの分野をという形で、それで例えば羽田とかそういうのが出てきたと思っていたんですよ、港をどう造るかとか。その中で、この地域をじゃこういうふうに活用しようという中でいわゆる国家戦略と地方創生を合わせていくというふうに私は思っていたんですが、ちょっと違うんですかね。じゃ、大臣、もう一回お願いします。
○国務大臣(石破茂君) 私の言い方が悪いんでしょう。違いません。委員のおっしゃることと同じことを私どもは考えているのです。
 ですから、やっぱりこの国って金さえあれば食料もエネルギーも外国から買えるんだとずっと思ってきたのではないだろうか。私は自給率至上主義者では全然ないのですけれども、自給率が全然上がらないし、再生可能エネルギーといっても、ああ面白いねでこの間までやっていたわけですよ、三・一一以降大変だという話になっていますがね。
 そうすると、円が高いといっては国が潰れると言い、円が安いといっては大変だと言い、やっぱりそういう国家から変わっていかなければいかぬのだが、そこは地方創生であり、と同時に、国家戦略特区というものを使って、例えば新潟、例えば養父、そういうふうに農業というものに着目した国家戦略特区の使い方、あるいは東京の九区の使い方、やがて東京全体に広がると思いますが、国家戦略特区というものと地方創生というものは全く違うものではない、これを一体のものとして新しい日本をつくっていくという意味であれば、私は委員と考え方は寸分たがわぬものでございます。
○井上義行君 私、石破大臣が防衛大臣をやっていたから、例えば、防衛の分野だと中期防衛計画みたいなのがあるじゃないですか、この中で、この五年間こういうふうにやるとか。だから、本来は、国家戦略特区ってそういうふうに将来を見通して、こういう中長期的な計画があって、それに従ってやっていくというのが私の最終的なイメージなんですけれども、どうしてもそれがない、一年一年で決めていくことに、将来が見えないと言ったのはそういうところなんですが。
 ちょっと時間もなくなってきたので、副大臣が来ておりますのでお伺いをしたいんですが、この中で、国家戦略特区の中に地域限定の保育士というのがあるんですけれども、私は、地域限定の保育士ではなくて、いっそのこと全国で試験二回やっていいんじゃないかなというふうに思うんですが、副大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(永岡桂子君) 井上委員にお答えいたします。
 保育士の資格を取得するためには二通りのやり方がございます。まず一つは、厚生労働大臣の指定を受けました保育士養成施設を卒業すること、もう一つが都道府県の知事が実施いたします保育士の試験、これに合格すること、この二つがあります。
 日本の国といたしましては、保育の受皿を拡大するために、やはり保育士さん、これ大変喫緊に必要であるという認識に立っておりますけれども、現在、試験の方はどの都道府県でもこれ年に一回しか行われていないというのが現状でございます。このために、取り組みやすくなるように、この戦略特区の枠組みを活用いたしまして、三年間はこの特区の域内で働いてもらうことを前提にいたしまして試験を実施いたしまして、そして地域限定の保育士制度を設けたということになっております。
○井上義行君 また、観光で通訳案内士というのがありますけれども、この通訳案内士、例えば研修をして、全国で取りやすいような、むしろ地域とかに限定しなくて、もっと取りやすいように全国にこうした資格がある人ができた方が望ましいと思いますが、いかがですか。
○副大臣(西村明宏君) 今、訪日の外国人旅行者が大変日本においでいただいている中で、通訳ガイドの絶対数の不足というのが観光面から考えて懸念されているところでございます。
 そうした中で、今般、構造改革特区制度を活用して地域限定特例通訳案内士制度を導入したものでございまして、この制度は、委員御承知のとおりでございますが、通訳案内士の国家資格を持っていない者でありましても、地域の実情に応じて地方公共団体が独自に実施する研修を修了すればその構造改革特別区域内において有償でガイドを外国人に対してやることができるという制度でございます。
 そうした意味で、地方公共団体が研修をやるというものがございますので、そうしたところをまず熱意のある自治体に頑張っていただこうということで、この制度を活用しますと、中国語などの地域需要の高い言語を使用して地域の歴史や文化に精通したガイドを養成することができるというふうに考えております。
 そのため、まずは、国交省としましては、全国の熱意ある地域、自治体にこの制度を活用していただけるよう周知徹底を図り、優良事例を創出してまいりたいというふうに考えているところでございまして、こうしたことにより通訳ガイドの絶対数を確保して、日本の観光行政をしっかり進めてまいりたいというふうに考えております。
○井上義行君 時間がないので、次回詳しい議論をしたいと思います。
 以上です。
○江口克彦君 次世代の江口克彦でございます。
 初めに、国家戦略特区というのは、昨年、六か所指定をされたと思います。それで、今年の三月に仙北市、それから宮城県の仙台市、愛知県が第二弾として指定をされたというふうに理解していますけれども、最初の東京圏、関西圏、沖縄県、新潟県、養父市、福岡市、この六か所の中でまだ事業計画が出ていないというところはどこなんでしょうか。
○政府参考人(内田要君) 沖縄でございます。
○江口克彦君 どうして沖縄県は事業計画を出していないんでしょうか。
○政府参考人(内田要君) 沖縄振興のためにいろいろ御検討されておりますが、まだ熟度がそこまで上がっていないという状況でございます。
○江口克彦君 それはもう一年たっている。一年たっていても、いつまで待てるということですか。
○政府参考人(内田要君) 済みません。沖縄でございますけれども、今までほかよりもちょっと遅れておったんですが、前回の区域会議で道路のエリアマネジメント、いろいろイベントとかやるやつでございますが、それは一件出ております。先生、大変失礼いたしました、訂正させていただきます。
○江口克彦君 やはり出すべきものはきっちり出してもらうということはけじめを付けて、要求すべきことは要求すると、ほかのことはほかのことだと私は思うんですね。これはこれだというふうに割り切って、やっぱり沖縄県の方にそのことははっきりと理解していただいて、出すべきものは事業計画、しっかり出していただくように是非進めていただきたいし、また要望を出していただきたいというふうに思います。
 そこで、石破大臣にお尋ねしますけど、今申し上げました秋田県仙北市、宮城県仙台市、そして愛知県と追加されました、三地域が第二弾として。この三地域を指定したそれぞれの理由を改めてお話をいただければと思います。
○国務大臣(石破茂君) 御指摘の三つ、第一に秋田県の仙北市でございますが、この仙北市は市内の六割が国有林野でございます。これを民間に開放して、放牧利用、ドローンの実証に活用したいと、また、先ほど来議論になっておりますように、温泉地におきまして外国医師が単独の診療所での診察ができるようにしたいと、こういうお話でございます。今までやったことがございません。宮城県の仙台市の場合には、NPO法人の設立手続を大幅に短縮する、保育士が不足しておりますが、これを解消するため地域を限定して二回目の保育士試験を実施する。愛知は、公立学校の運営を民間に開放する、農業委員会の業務を市町村が分担すると。これ、何かちょっと味気ないような話なんですけど、それぞれ今までやったことがないものでございまして、そういう三つの地域をそのような理由で選定をいたしたものでございます。
○江口克彦君 今いみじくも大臣、味気ないというか、これぐらいの理由でというような、しかし今までやったことがないんですよということですけど、それ、その程度で国家戦略特区というふうに指定をされるというのは、養父市とか新潟市とか、それから福岡市、東京圏、関西圏、その前の六つといささか寂しい気がするんですけれども、それで国家戦略特区って指定されたんですか、やっていないからといって。
○国務大臣(石破茂君) これは、寂しいと言われると申し訳ございませんみたいな話になるわけでございますが、ただ、いろんな御提案の中で、やっぱり何でもかんでもという話ではなくて、かなり厳選をいたしたものでございます。できたらいいなみたいなものは出てくるんですけれども、それがなかなか、それを実施する、特区としてそれを実際にやって、もちろん、朝、上月委員が御指摘になったように全部がうまくいくわけじゃありませんが、もうやや夢物語に近いよねみたいな話はなかなか難しいのでありまして、それが実際にきちんと特区として機能するというある程度の蓋然性というのか信憑性というのか、それがあることも必要だと思っております。
 やはり、この間、国家戦略特区のフォーラムをやったということを午前の答弁で申し上げましたが、そういうような小さなといっても、今までやらなかったのにはやらなかったなりの理由があるのでありまして、そういうものから変えていくことによってかなり大きな国家戦略に資するような規制の改革ができると私自身は考えておるところでございます。
 もうちょっと寂しくないように、今後もよく努力をしたいと思っております。
○江口克彦君 よろしくお願いします、寂しくないように。
 景気というか経済というものは、これは例えば不況になるとか、あるいはまた、特にデフレのときがそうでしたけれども、お金が動かないという、お金が動くということは景気がいいということになりますし、お金が止まってしまう、言ってみればお金は血液だというようなことが言われているわけでありますけれども、そのとおりだと私は思うんですね。
 それと同じように、これからどんどんどんどん人が減っていくんだということは、大臣、先ほどもいろいろとるるお話しされました。私も、これはちょっと避け難いだろうというふうに思うんですね。何とか一億人で人口を止める方策というものを考えなきゃいけないとは思うんですけれども、これまた、このままいってしまうと七十年前に戻ってしまうというようなことも出てくる。
 しかし、日本の国全体を活性化する、そしてまた国民一人一人が明るく活動していくということのためには、私は、第三の人口というものを考えなきゃいけないんじゃないだろうかというふうに思うんですね。
 第三の人口というのは流動する人口ということなんですよ。ちょっと、私の造語ですので余り御理解いただけないかもしれませんけれども、要するに、都市に住んでいる人、それから地方に住んでいる人、その都市と地方を動いていくという、都市に行って地方に行ってと、それを都市から地方に移すということじゃなくて、地方に事務所を構えた事業所あるいはまた社を構えた人もしょっちゅう都会に、要するに常に移動していくということ、移動するという、そういう考え方というものを持たなければ駄目なのではないだろうか。
 要するに、日本の社会の活性化というものを考えるときに、特に若い人たちがどんどんどんどん地方と都市を動いていく、しょっちゅう動いていく、何かの折にすぐ動いていく。そして、地方に支店とか事務所を持っていて、それを行ったり来たりするという、そういう流動する人口、いわゆる第三の人口というものを創出していくということが、これがこれからの考えていかなければいけないことではないだろうかというふうに思うんですけれども、そういうようなことから、まあ言ってみれば国会議員というのは私は流動する人口というか第三の人口だと思うんですね、東京と地元を行ったり来たりしている。こういうのを若い人たちも、都会に住んでいながら地方に事務所を構える、そこを行ったり来たりするという人の流れを、人の動きをつくっていくというような、そういう国がつくれないかと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) それはそうだと思います。ちょっと考え方にそごがあったらお許しをいただきたいんですが、二地域居住というのが一つあって、何も住まいは一か所じゃなくてもいいと。このまま人口が減ると、単純に考えると地価の暴落というのが起こりはせぬだろうかと。要するに人が減るわけで、今でも空き家がすごく出ているわけですが、それは一世帯の人が減っても世帯数そのものが増えればいいのだ、お一人様家庭が増えれば住宅のニーズはあるのだという考え方もまたございますし、人口が減ることを前提としてというか所与のものとして地価というのは形成されているという考え方もあって一概に申し上げることはできませんが、やはり二地域居住あるいは二地域勤務という概念は、私はあってしかるべきなんだろうと思っております。あるいは、ドイツのクラインガルテン、ロシアのダーチャみたいなもので、週末は少し地方に行って農業生活を楽しむみたいな生き方があってもいいんだろうと思います。
 二地域勤務みたいなものはあってもいいと思います。そこにおいて必要なのは、そこにおける住宅とか事務所を持つことに対する負担をどのように軽減をするかということと、あとは移動についての負担というものをどうするかということであって、その移動についての負担、例えばJR東日本が、移住ということを検討しておられる方々に対する料金の割引ということをやっておられます。じゃ、何に特化をして移動というものの負担を下げていくのか。それは、何も鉄道会社も航空会社も慈善事業をやっているわけじゃありませんから、それがビジネスにどのようにして資するものになるのかという観点も決して忘れてはいけませんが。
 この第三の、つまり、恐らく定住人口と交流人口、それに足しての第三の人口というお考えだと思います。国会議員がそうであるかは私よく分かりませんが、そういう三つ目のカテゴリーというものは、私どもとして、それは十分検討し、実現に向けて努力をすべきだと思っております。
○江口克彦君 今私が申し上げている第三の人口、移動する人口という概念がまだはっきりしていない段階で大臣にお尋ねするのは大変失礼だと思いましたけれども、人が移動する、活発に移動し合う社会というものを是非考えて研究していただければというふうに思うということです。
 それから次ですが、地方自治体による移住支援の取組が活発化しているようでありますけれども、こうした動きに対して政府は何か支援策を講じているのか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 地方において、移住はいいんですけれども、何の仕事をしたらいいのという話になるわけでありまして、地方に安定した雇用、就労の場をつくるとともに、移住・交流情報ガーデンという、今八重洲にございますが、現役世代のワンストップ移住相談体制を整備をし、移住のための検索システム、移住ナビみたいなものですね、ぐるなびと言ったら叱られるんだそうですけど、移住ナビみたいなものでございます。そういうような情報の提供ということ、そして二地域居住の支援というようなものをやっておるわけでございます。二十六年度の補正予算で地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金、いわゆる先行型の交付金でございますが、それを充てていただくということも行っておるところでございます。
 総合戦略を考えてくださいということを全市町村にお願いをしておりますのは、受け入れる側が、一体、都会から地方に行かれる方の御懸念事項というのは、仕事はあるんですかということ、住居はどうなっていますかということ、医療、介護の体制というのは将来的にはどうなるんでしょうねということ、あるいは買物とかそういう利便性はどうなんでしょうねというのが、移住しようかなと思っておられる都会の方々の御懸念事項だと思っております。
 情報をきちんと提供することと、そういうように都会の方々の御懸念事項をいかにして払拭していくかというのは地方のお仕事でございまして、私どもとして、それを人材面や情報面、そしてまた財政面で支援をするということは、かなり時間的な切迫性を持ってやるべきものだと考えております。
○江口克彦君 ありがとうございました。
 次に、要介護に対する施設介護について、地方創生という観点から、地方の介護施設への入所を進めるといった動き、介護移住というふうに言われていますけれども、あるようであります。また、高齢者移住に積極的に取り組んでいる自治体に新型交付金で支援していく方針を閣議決定されたということでありますけれども、そのような実態について、大臣としてこの新型交付金に賛同された理由をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 済みません、これも私の説明の仕方が悪かったんだろうと思いますが、介護移住ということを申し上げてはおりません。そのようなことは一言も私どもは申し上げておりません。
 そう言うと二つのリアクションがありまして、都会の方からすると、何か地方に行って地方をうば捨て山とするのかみたいなそういう御批判があって、そんなことは金輪際駄目だというようなことをおっしゃる方が都会にはおられますし、地方にしてみると、一番最初に出てくるリアクションは、医療、介護のインフラなんて人的にも物的にも別に余裕なんかない、ばかなことを言うんじゃないというような御批判が地方から出るわけです。そこはそうではありませんと。地方においてこれから先十年後、十五年後に、若い人の流出が止まらないとせば、高齢化率は高止まりしたままですけれども、高齢者の方々の絶対数は間違いなく減るわけです。そこへ余裕というものが出てくることは十分に予想されることだし、このまま行けば恐らくそうなるでしょう。
 他方、そういうことが今すぐ起こるかというと、そうではございません。我々が移住ということを申し上げているのは、実際問題、東京にお住まいの五十代の男性の五割の方が地方で暮らすということを検討しておられる、あるいは検討したことがある、十代、二十代の若い方々も、東京に住んでおられる方の、これは意外でしたが、四七%が地方で暮らすということを考えておられると、そこにそういう御希望があるわけです。
 その御希望を阻害しているのは先ほど来議論があるとおりであって、同時に、せっかく東京で手に入れたマイホームというものが、これから先住めない、貸せない、売れないということになったらば一体これはどうなるんだという御懸念があるわけで、そういうものを払拭した上で仮にそういう御希望ありとせば、まだ要介護になる前から、つまり五十代後半、六十代、七十代でも元気な方々大勢いるのであって、そういう方々がもし御希望であれば、地方でお住まいになるための障害を除去することは政治の仕事ではないか。国民の方々の御希望をかなえることによって地方で第二の人生を送る。このまま行けば、東京は恐らく医療、介護はかなりの不足が予想されるのであって、そういう事態を回避をするということを政府が強制できるものでもありません。
 国民の方々のお気持ちというものをかなえるために政治がすべきことは全てやろうということを申し上げているのであって、介護移住ということを申し上げているわけでは全くございません。
○江口克彦君 大臣おっしゃるとおり、介護移住という言葉は日本創成会議の方から出てきた、主にこのところ使われている言葉だというふうには理解はしていますけれども、しかし、介護保険制度導入の趣旨に立ち返るといったときに、やっぱり多少介護移住というのは私は違和感を感じているということで、全く、お話しいただいてよく分かりました。
 ただ、介護の社会化というものを考えたときに、要介護を地域全体で支えるという考え方があるわけですよね。その地域とはその者の過ごした自宅のある地域ではないのかというふうに思うわけでありますけれども、本人の意思よりも介護施設の需給関係の調整とか、あるいはまた地方の人口の増加のためというところに重点が置かれないようなこれから十分な配慮をしていかないと、何か高齢者は、いわゆる地域活性化のための道具とか、あるいはまた人口の都市集中からの分散の道具として使われるというような誤解が出てこないように、是非大臣の方、お考えいただきおく必要があるのではないかと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(石破茂君) おっしゃるとおりでございます。
 ですから、気を付けて物は言っているつもりなのですが、不徳の致すところ、何かそういう話になってしまって、これはよく御説明をし、また委員各位にも御理解を賜りたいと思っております。道具として使うつもりは全くないし、そんなことは政府にできようはずもない。
 ただ、私たちの年代になりますと、急に同窓会が増えるんですよね。東京においても、あるいは私の地元の鳥取においても同窓会が急に増えて、そろそろ帰ってこいやみたいな話になるわけですよね。見たことも聞いたこともないところに移住とか言われるとそれは嫌だよねというのがあるんですけれども、やはり自分が生まれ育って、中学校までとか高校までとか、そこの地に第二の人生の場を見出すというのは、それは一つの価値観ではないだろうかと思っております。
 そして、地方において今起こっておりますことは、大変な人手不足というのが地方で起こっていることは間違いない事実であって、地方の人手不足の正体は何かといえば、有効求人倍率が一を超えておりますから仕事がないわけではないが、望む水準あるいは雇用形態、その雇用が地方にないということが一番問題なのであって、東京に五十まで住んでいろんなノウハウを身に付けましたと、これが、俺が東京から行って教えてやるぜみたいな人が来ると嫌な感じという話になるんですが、これが同級生で、小学校、中学校、高等学校を一緒に過ごしていると、おい、帰ってきて、おまえ、いい知恵ないかよみたいなことになるんだろうと思っています。そういう可能性があるんだろうと思います。
 そういうことで、道具として使うという話じゃなくて、その人の人生がより幸せになるとせば、この東京と地方という関係を、今の置かれた状況に鑑みて、いかにして政策的にこれをそれぞれの方々の御希望をかなえる形で実現をするかということを申し上げておるのでございます。
○江口克彦君 全くそのとおりだと私も理解します。
 結局、こういうところへ行ったら、お年寄りのいわゆる医療とか介護とかそういう施設が整っていますよというような形で今幾つか日本創成会議の方が指定をしているようでありますけれども、しかし、是非大臣は大臣で独自の石破案を出していただいて、お年寄りが、これから高齢化の時代になってくるというのはもうずっと前から言われているわけですから、どういうふうに、高齢化した、あるいはまたお年寄りの方々が満足して過ごしていただくかということを重点に置きながら。
 ですから、そういう意味では、以前申し上げたかもしれませんけど、あるお医者さんの話によると、静岡とそれから和歌山とそれから愛媛なんというのはお年寄りに非常に体にいいとか、それはミカンができるところなので非常に温暖なところだということで。そういうところをやっぱり政府としても考えながら、本当にお年寄りの健康というようなものを前に出しながら、お年寄りが余生を十分に満足して過ごせるようなそういう施策というものを考えて、この国家戦略特区というような方向も検討していただければと思います。
 以上です。ありがとうございました。
○山本太郎君 生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎と申します。
 国家戦略特別区域法の改正案についてお伺いいたします。
 元々の国家戦略特区の目的、何なんでしょうか、教えてください。
○政府参考人(内田要君) お答え申します。
 お尋ねの国家戦略特区の目的でございますが、国が主導いたしまして、いわゆる岩盤規制、長年御提案があっても実現しなかったような規制改革全般についての突破口を開きまして、経済社会の構造改革を推進いたしまして、産業の国際競争力の強化でございますとか国際的な経済活動拠点の形成を図るというものを目的としているところでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 岩盤規制にドリルをというような話も出ていましたよね、そういうことですよね。国際競争力の強化だと、産業力向上と成長戦略、踏み込んで言えばそういうことになるんですかね。それらを強化、向上していく上で欠くことのできない物質、幾つか存在すると思うんですよ。そのうちの一つがヘリウムではないでしょうか。正確な医療検査を行う際に使われるもので、現在欠かせないものの一つがMRI。このMRIを使うにもヘリウム必要ですよね。
 厚労省、お伺いします。
 ヘリウムガスが枯渇したら困りますか。
○政府参考人(飯田圭哉君) お答え申し上げます。
 議員御指摘のように、超電導磁石を用いる高機能なMRI装置につきましては、製造段階、それから定期的なメンテナンスにおきましてヘリウムガスが必要でございます。御指摘のように、ヘリウムガスが補給できなければ、MRIの利用が現場でできなくなるということを懸念されております。
 過去においても一部逼迫した事例があったと聞いておりますけれども、現状、医療現場のMRI装置の使用に支障を来すような事態には至っていないと認識しておりますが、今後も、ヘリウムガスの調達が困難となり、高機能なMRI装置の使用に支障を来すことがないように、関係省庁とも連携しながら、十分状況を厚生労働省としても注視してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 そうなんですよね、困らないはずはないと。それはそうですよね。
 我が国など先進国だけでなく、アジアで急速に発展している国々でもMRIの需要というのは広がっている。もう皆さん御存じのとおりです。普及率は、百万人当たり中国では三台、インドでは一台とも言われている。今後の伸び代はとても大きいと指摘されています。MRIの年平均の成長率は、中国は二八%、インドは二四%に達すると。特に中国市場は、二〇一八年頃に、現在一位の米国を抜き、世界最大のMRIの数になるとも言われているそうです。
 続いて、経産省にお聞きします。
 ヘリウムは光ファイバー生産の際にも必要と聞きます。経産省、ヘリウムガスが枯渇したら困りますか。
○政府参考人(谷明人君) お答え申し上げます。
 ヘリウムガスは、光ファイバーの製造プロセスで代替の利かないガスとして使用されているものと承知しております。ヘリウムガスの供給が滞った場合、現状の製造方式では光ファイバーの製造に影響が生じることが懸念されます。光ファイバーメーカーにおきましては、使用量削減や代替ガスの開発を行っているものの、現状では完全に代替技術が確立していないものと聞いております。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 もう一度お願いします。
 経産省、ヘリウムは半導体の生産にも必要と聞きます。ヘリウムガスが枯渇したら、産業界、困りますか。
○政府参考人(石川正樹君) ただいまの御指摘のありました半導体製造プロセスでございますけれども、その中で、冷却用のガスや材料の運搬の際のガスとして使われております。御指摘ありましたように、ヘリウムガスの供給が逼迫又は途絶した場合には、やはり半導体の製造には影響が生じることが懸念されております。
 現時点ではアメリカからの輸入がかなりの比率でございまして、必要量は確保はできている状況ではございますけれども、半導体製造事業者におきましては、ヘリウム使用量の削減や代替ガスの検討などの技術開発にまだ取り組んでいる途上という状況でございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 今お聞きいただいたとおり、液体ヘリウムの需要、世界中で拡大中だと。需要の八割が医療機器のMRIに使われ、気体のヘリウムは光ファイバー、半導体等の製造にも利用されているらしいです。今挙げたものだけではなく、自動車のエンジン部品、ガソリンタンク、各種配管、医療機器ではカテーテル、血液パック、チューブなど、ここでは紹介し切れないほどの製品の気密性をチェックする、リークテストと言われるものにも使用されるだけでなく、遊園地で売っているような風船、あれを膨らませるためにも使われているというのがヘリウムなんだと。とにかく世界中で引っ張りだこ。
 このヘリウムの現状、どうなっているのか。昨年三月に、経産省による委託事業により、三菱UFJリサーチ・コンサルティングによってヘリウムを含有する天然ガスに関する調査報告書が出されています。
 経産省、調査を委託した理由、お聞かせください。
○政府参考人(谷明人君) 世界のヘリウムの多くは米国から供給されており、平成二十四年には我が国国内需要の約九八%は米国からの輸入に依存しておりました。その一方で、短期的には、米国エクソンモービルのヘリウム生産施設の老朽化等による生産量の低下や、長期的な視点で見ました場合、米国の供給力の低下予測などにより、平成二十五年頃にはヘリウム供給の不安定化が確認されておりました。
 こうした状況を踏まえ、経済産業省といたしましては、我が国産業への影響について検討を行う観点から、平成二十五年度ヘリウムの生産量及び世界的な需要等について調査を行ったところでございます。
○山本太郎君 先ほど申しました調査報告書の百一ページにある二〇一〇年代後半にかけて急激に需給がタイト化する可能性がある、その結論では、二〇一〇年代後半にはヘリウムの需給が逼迫すると指摘されています。
 この状況、現在は変わりましたか。
○政府参考人(谷明人君) お答え申させていただきます。
 経済産業省といたしましては、平成二十五年度の調査に引き続き、平成二十六年度におきましてもヘリウムの世界需給に関する調査を行っておりますが、平成二十六年度は需給の均衡を取り戻しているものの、新興国におけるMRIの導入台数の大幅な増加や光ファイバーの生産増などが続けば、二〇一〇年代後半には再び需給が逼迫する可能性があると認識しております。
 経済産業省としては、こうした調査も行いつつ、産業界に対して効率的な利用の要請を行うとともに、米国以外の国からの供給量拡大による供給の多角化、ヘリウムガスの充填時に発生するロスを回収し再び液化するプロジェクトの推進、そして製造プロセスにおいてヘリウムガスの代替をするためのガスの実証実験等に取り組んでいるところでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 供給源が大幅に増えたなどの変化があるわけじゃないですもんね。新興国の需要も増え続けていると。このまま行けば、劇的な代わりのもの、代替物が出現でもしない限りは、報告書に記された逼迫した状態が続くということですよね。
 採掘の権益を得た企業も存在するでしょうけれども、実際に掘れるということとイコールにはならないと思うんです。天然ガス市場に左右されて、天然ガスが採掘されない限りはヘリウムも得られないんではないでしょうか。
 ヘリウムは天然ガス採掘の副産物だと。どこの天然ガスでも少しは含まれているものなんだけれども、ヘリウムを取り出すためにわざわざプラントを建てて採算が取れるほどヘリウムの含有率が高い天然ガス田は多くないということです。現在では、米国、カタール、アルジェリアなど六か国にしか見付かっていない。その産出量の約八割を占めるアメリカから、米国からの供給は二〇二〇年頃までに大きく減少し、需給が逼迫するというのが先ほどの経産省の委託調査の結果でありました。
 国交省に続いてお聞きしたいと思います。
 国交省が監督する事業でヘリウムが枯渇すると困る事業、何かありますか。
○政府参考人(森雅人君) 国土交通省が関係する分野でヘリウムが使われておりますのは、例えばヘリウムガスの形態でいいますと、飛行船とかあるいは特殊な気象観測用のゾンデ、こういった浮揚のためのガスとして使われております。それから、溶接用のシールドガス、いわゆるこれは不活性ガスですので、そういった形で利用されております。その他、大深度の海中工事等における作業員の窒素中毒等防止のための混合ガスとして使用されていると。これはガスの形態です。それから、液体ヘリウムとして使われておりますのは、いわゆる冷媒としての超電導リニアにおける液体ヘリウムの使用。これは国交省分野で使われているヘリウムの使用でございます。
 枯渇したら困るかという御質問ですけれども、いずれもそれほど大きな使用量ではありませんが、特に飛行船の場合はいわゆる代替ガスがございませんので、これについては枯渇すると飛行船の飛行等に支障が出るということかと思います。
○山本太郎君 せっかく来ていただいていますので、この方のお声も聞きたいなと思います。永田町一の鉄道愛好家でいらっしゃいます、御自身で乗り鉄、電車に乗るのがお好きということをおっしゃっている石破大臣にお聞きしたいと思います。ちょっと毛色は変わるんですけれども、質問が。通告なしでごめんなさい。
 鉄道の旅、一番魅力的な部分ってどういう部分ですか。できれば短めに教えていただけると。
○国務大臣(石破茂君) それは非日常性だと思います。非日常性というものが鉄道の本質であると私は確信して疑わないものであります。
○山本太郎君 ありがとうございます。それこそが旅ですよね、日常とは違う。ありがとうございます。
 予定にはないんですけど、もう一問よろしいでしょうか。済みません。
 リニアモーターカーを走行させるためには、もう既に答えは出たと思うんですけれども、国交省の方から。リニアモーターカーを走行させるためには、電力以外で必要になるもの、御存じでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) それは、今までの議論からヘリウムであろうなというふうに思っております。
○山本太郎君 大正解でございます。ありがとうございます。答えはヘリウムです。
 なぜヘリウムが必要か。リニアを動かすには超電導という技術が必要になる。超電導技術とは、電気抵抗がゼロになり、一度流した電気が送電ロスなしで遠くまで届く夢のような技術です。これを実現するためには極低温という状態が必要です。世の中で最も低い温度、絶対温度と言われるマイナス二百七十四度に極力近づければ電気抵抗ゼロが実現すると。ここまで冷えてくれる物質はヘリウムしかないそうです。絶対温度であるマイナス二百七十四度を〇Kと呼び、そこから四・二度だけ高い温度を四・二Kと呼びますが、四・二Kの極低温まで冷える物質は地球上にヘリウムしかないそうです。
 先ほどの政府委託調査の結果にあったとおり、二〇一〇年代後半、ヘリウムが手に入りにくくなったら、逼迫したら、誰が調整をするんでしょうか。国ですか、それとも民間の競争に任せるんでしょうか。
○政府参考人(谷明人君) まずは逼迫しないようにあらゆる手を打つことが重要かと存じておりますが、仮に需給の逼迫が懸念が高まりましたら、二〇一二年の際は、このときもヘリウムショックというものが起こったわけでございますが、我が国における産業分野のサプライチェーンの維持や医療用途での使用の継続等に向け、実需に基づく公平性を保った取引や適正な在庫管理等によりヘリウムの安定供給を図っていただきますよう、弊省といたしましても産業界に要請させていただきました。
 今後、仮に需給が逼迫する懸念が高まるような場合にありましたら、当該時点の状況や事情等を踏まえ、同様に産業界の要請を行うとともに、使用者側に対しても、効率的な使用などにつきましても呼びかけを行うこととなるものと認識しております。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 いろんな努力をして何とか確保するというお話をされたと思うんですけれども、とにかくもう先細っていると。もうとにかく何とか確保しなきゃいけないというところでやっていることですから、これは先行きは分かりませんよね。
 まかり間違って、足りない、買えない、価格が高騰してヘリウムを必要とするほかの産業にも影響が出るということにもなりかねない。リニアを実験線でちょっと動かすこととは訳が違いますものね。営業運転にはしっかりした見通しが必要だと思うんです。
 リニアで使うヘリウムの必要量、どれぐらいなんでしょうか。
○政府参考人(篠原康弘君) お答え申し上げます。
 リニアで必要なヘリウム量でございますけれども、開業までに具体的な運行計画を決めていくという過程で、まだ確定的な数字ではございませんけれども、JR東海によりますと、我が国の液体ヘリウムの年間輸入量、これ一千百万立米と伺っておりますが、その一%にも満たない量であるというふうに伺っております。
○山本太郎君 ごめんなさい、それ、後半聞き取りにくかったんですけれども、一千百万立米の。
○政府参考人(篠原康弘君) 再度お答え申し上げます。
 我が国の液体ヘリウムの年間輸入量は一千百万立米というふうに伺っておりますけれども、リニアで必要になる量はその一%に満たない量であるというふうに聞いております。
○山本太郎君 ありがとうございます。なるほど。
 これ、先ほど言われました、何といいますか、ちょっとしか使わないんだと。でも、これ、例えば抜けてしまったりということも起こり得るんですよね。全て回収できたりするんですか。
○政府参考人(篠原康弘君) お答え申し上げます。
 超電導リニアに必要な液体ヘリウムは、密閉した容器の中で循環使用するということでございますので、走行によって消費するということはございません。
○山本太郎君 今おっしゃっているのが循環型、半永久的というような話をされていると思うんですけれども、でも、メンテナンス時や事故などのトラブルでもヘリウムは一〇〇%回収可能なんですかね。どう考えてもそれは無理だとは思うんですけれども。ヘリウムは常温では七百倍にも膨らむという話なんですね。先ほど言ったように、マイナス二百六十九・八度で扱わなければならないと。膨大な量の保管というのは、そもそもできないのじゃないでしょうか。鉄道総研などの指摘でも、メンテナンスの際に抜ける、事故時に抜ける等の指摘もあります。
 微量しか使わない、回収可能ということが本当のところなんでしょうか。
○政府参考人(篠原康弘君) お答え申し上げます。
 JR東海がこれまで重ねてきた検討、検証によりますと、循環使用によって消費されることはないというのが今のところの結論でございます。
○山本太郎君 一千万立米の一%未満と言われてもぴんとこないので、ちょっともう少し詳しくお聞きしようかなと思います。
 超電導電池への液体ヘリウムの注入量というのはどれぐらいになるんですか。
○政府参考人(篠原康弘君) お答え申し上げます。
 JR東海からはその一個当たりの容量についてちょっと情報をいただいておりませんので、この場ではちょっとお答えしかねますけれども、また必要に応じお答えを申し上げられるように準備したいと思います。
○山本太郎君 一応その質問は昨日のうちにしてあったんですけれども、じゃ、分かりました。
 じゃ、話ちょっと、聞き方を変えますね。実験線ってありますよね。今現在、山梨の方ですか、実験線、これ何両編成なんですかね。
○政府参考人(篠原康弘君) 実験線におきましては、七両編成の車両が二編成使われてございます。
○山本太郎君 実験線、これ超電導磁石というのは幾つ付いているんですか。
○政府参考人(篠原康弘君) 七両でございますと、八、済みません、正確には十六個付いているというふうに承知をしております。
○山本太郎君 品川―名古屋間が開通すれば、何両編成のリニアがどのようなスケジュールで運行するイメージですか。
○政府参考人(篠原康弘君) まだ確定的ではございませんけれども、JR東海の今の想定は、ピーク時に一時間当たりの本数が五本程度というふうに聞いております、品川―名古屋間でございますけれども。それに必要な編成数は、まだ彼らとしてはざっくりとした想定しか置いていないということで、まだ編成数までは伺っておりません。
○山本太郎君 品川―大阪が開通した際の運行イメージ、先ほどの質問とかぶるかもしれませんけど、品川―大阪になった場合はどれぐらいになりますか。
○政府参考人(篠原康弘君) 品川―大阪開業時には、ピーク時に一時間当たり八本程度の運行を想定したいというふうに聞いております。
○山本太郎君 これ、本当にこのヘリウムというのを確保し続けられるのかということが各産業の今抱えている問題の一つなんですよね。もちろん、そこに対して国としてバックアップしていかなきゃいけないところもあると思うんですよ。
 このリニアの問題というのは、日本再興戦略の中にも書かれているし、それ以外の骨太のものにも書かれているというような中で、このリニアがどれぐらい要るのかということについてほとんど御存じない、調べないと分からないというような状態というのがおかしいと。前日にも聞きました、そんなこと知っていて当然だと。
 これ、民間企業がやっている一事業というような捉え方なんですかね。
○政府参考人(篠原康弘君) お答え申し上げます。
 リニア中央新幹線は、全国新幹線鉄道整備法という法律に基づきまして行われます、整備計画に基づいて行われます国家的なプロジェクトというふうに承知しております。
○山本太郎君 先ほど私が質問した実験線何両編成ですか、超電導磁石どれぐらい付いているんですか、これ何両編成になるんですか、実際に運行したらという話を聞いたんですけれど、これ読売新聞の連載の方がそこの触りについて書いてあるんですよね。二〇一四年二月十日、読売新聞の連載、「宙を駆ける リニア開発の軌跡」。これは最終回なんですけれども、リニア万歳記事なんですけれども、そこでは「リニアでは超電導磁石一組で液体ヘリウムが数十リットル必要という。」というふうに書かれているんですよ。
 これ、国交省よりも読売新聞の方が詳しいということでいいですか。
○政府参考人(篠原康弘君) お答え申し上げます。
 ヘリウムの必要量については、現在、車両を含めまして今開発途上のところもございまして、具体的に幾らというところを確定的にまだ申し上げるところまでは来ていないというふうに伺っております。
○山本太郎君 一つの超電導磁石に対してどれぐらいのヘリウムを注入するのかというのは、もうその形が分かっているわけだから、それをどんどん掛けていけば簡単に算出できてということだと思うんですよね。じゃなかったら、一体、国交省、監督するって、そこまで監督しなくていいという。国家的プロジェクトとおっしゃいましたから、この非常に逼迫した状態というようなエネルギーについて、やっぱりそこら辺までカバーしてあげる必要というか、国家プロジェクトとしてやはりこれは成功させるというような思いがあるのならば、そこまで面倒見なきゃいけないんじゃないかなと思うんですけれども、そこまでの疎通というのができていないのかなというように感じるんです。
 仮にですよ、仮にヘリウム足りなくなったとしたら、MRIなどほかの産業に必要な分、リニアに都合するんでしょうか。
○委員長(大島九州男君) 質問者は誰に質問ですか。
○山本太郎君 済みません。恐らく国交省なんですかね。
○政府参考人(篠原康弘君) リニアの運行に必要な量は是非確保したいということでございますけれども、これは使用者側とそれから生み出す側との、よく対話をしながら、必要量をできるだけ確保していくという努力をすることになると思っております。
○山本太郎君 これ、でも、もしも足りなくなったときにどうするということさえも考えられていない。今かなり逼迫した状態というので一度ヘリウムショックというものも経験しておいて、この先どんどんアメリカもシェールガスということで天然ガスというものを掘られなくなっていくという。シェールガスにはこのヘリウムは含まれていないという現状を分かっていながら、もしもそれがなくなった場合にどうするのかということさえも考えられていないというか、もしも本当に足らなくなったらどうするんだよということだと思うんですね。
 以前これ逼迫した際、ヘリウムが足らなくなったときには遊園地の風船膨らませるためのヘリウムさえも手に入らなかった、価格が高騰し過ぎたわけですよね。遊園地で売る風船よりもリニアで使うヘリウム量が少ないんですか。
○政府参考人(篠原康弘君) お答え申し上げます。
 リニアに必要なヘリウム量は、先ほど申し上げたように、日本の年間の輸入量ですとかあるいは世界の総産出量に比べますとかなり僅かな量であるというボリューム感でございますが、大変運行に不可欠なものでございますので、その必要量の確保に向けて国交省も一緒に検討してまいりたいと思っております。
○山本太郎君 これ、ヘリウムを使わなくてもリニアが走行できるような、ほかの物質であったりとかというものの研究というものはなされていないんですか。あれば具体的にというか、名前を教えていただきたい。
○政府参考人(篠原康弘君) お答え申し上げます。
 そのような研究が行われていることは承知しておりません。
○山本太郎君 ヘリウム一本。
○政府参考人(篠原康弘君) 超電導という極めて低温の高い電磁力を発生するための装置としてはどうしてもヘリウムが必要だというふうに考えてございます。
○山本太郎君 だとするなら、ほかの研究行っていない、ヘリウム一本なんだという話だったら余計やばいですよね、それ、今話している話というのは。
 もちろん、今までにビスマスだったりとかイットリウムというセラミックでやってきた、でも、金が掛かり過ぎる、銀で覆わなきゃいけないからというようなことがあったと思うんです、コイル状にするには。それがやっぱり現実的じゃないというところに行ったんですよね。なるほど。
 ヘリウムで行くんだったら、ヘリウムの確保についてしっかりとしたビジョンが余り聞けなかったという話なんですけれども、先ほど言いました国家的プロジェクトでやっているんだよと。それはそうです、国土強靱政策大綱案にもリニアのことが書かれている、骨太の方針にも日本再興戦略にも書かれていると。国策の事業の一環、当然です。
 でも、今後、人口が減少していくんですよね。移動の需要、これ確実に減っていく。維持できるんですかという当たり前の疑問に対して、JR東海の当時の社長であった山田さんが二〇一三年の九月に、リニアだけでは絶対にペイしないと言っているんですよね。その後にも採算取れないと言っている。
 JR東海単体だけの事業で済むはずがないことは明白です。当然です。だから、国家的プロジェクトでやっていくんだという話だと思うんですけれども、トンネルぶち抜いて造りました、中央構造線ぶち抜いて造ったと、山岳トンネル二十五キロ、それだけじゃなくて、大深度四十メートル以上というところでどんどん造っていったけれども、これエネルギー足りなくて走らせられませんといったら大赤字ですよ。
 これ、今までの銀行とかJALみたいに国が出すんですか。これ税金でそこカバーされるということ、あり得ますよね。これ、ごめんなさい、大臣にお聞きしてもいいですか。これ税金でペイするということ、あり得ますか。
○委員長(大島九州男君) 簡潔にお願いします。
○国務大臣(石破茂君) それは、今の時点でそのようなことを申し上げることはできません。
 ただ、このリニアというものは、例えば東海道新幹線というものに対するまた別の、災害に強い鉄道としての意味合いも持っておるわけでございます。これは公共交通機関として維持がどうしても必要であるということであるとするならば、それは国庫による助成というものは可能性としては私は否定できないと考えております。
○山本太郎君 ペイできないという話、もう自らJRが言ってしまっている状況で、ほかにも代替の交通手段というのはいっぱいあるんですよね、東海道新幹線や飛行機、東名高速、北陸新幹線、中央自動車道、数々あるのに、どうしてわざわざこれを造る必要があるのかと。今、もう一度立ち止まって、これ見直すべきじゃないか。エネルギーがもう枯渇しているという状況だと思います。
 これ、もう一度立ち止まるべきじゃないかということを提案させていただいて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
○委員長(大島九州男君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時四十九分散会