第189回国会 内閣委員会 第17号
平成二十七年七月七日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 七月二日
    辞任         補欠選任
     那谷屋正義君     芝  博一君
 七月三日
    辞任         補欠選任
     石田 昌宏君     世耕 弘成君
     長峯  誠君     上野 通子君
     田村 智子君     山下 芳生君
 七月六日
    辞任         補欠選任
     芝  博一君     石橋 通宏君
 七月七日
    辞任         補欠選任
     岡田 直樹君     豊田 俊郎君
     世耕 弘成君     井原  巧君
     石橋 通宏君     芝  博一君
     山下 芳生君     田村 智子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         大島九州男君
    理 事
                石井 準一君
                上月 良祐君
                藤本 祐司君
    委 員
                井原  巧君
                上野 通子君
                岡田 直樹君
                岡田  広君
                岸  宏一君
                山東 昭子君
                世耕 弘成君
                豊田 俊郎君
                松下 新平君
                山崎  力君
                相原久美子君
                石橋 通宏君
                芝  博一君
                蓮   舫君
                若松 謙維君
                田村 智子君
                山下 芳生君
                井上 義行君
                江口 克彦君
                山本 太郎君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(国家戦
       略特別区域))  石破  茂君
   副大臣
       内閣府副大臣   平  将明君
       法務副大臣    葉梨 康弘君
       厚生労働副大臣  永岡 桂子君
       厚生労働副大臣  山本 香苗君
       経済産業副大臣  山際大志郎君
       国土交通副大臣  西村 明宏君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        小泉進次郎君
       財務大臣政務官  竹谷とし子君
       文部科学大臣政
       務官      山本ともひろ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       谷脇 康彦君
       内閣府地方創生
       推進室長     内田  要君
       内閣府政策統括
       官        森本 浩一君
       法務大臣官房長  黒川 弘務君
       法務大臣官房審
       議官       佐々木聖子君
       文部科学大臣官
       房審議官     徳田 正一君
       厚生労働大臣官
       房長       蒲原 基道君
       厚生労働大臣官
       房審議官     福島 靖正君
       厚生労働大臣官
       房審議官     木下 賢志君
       厚生労働省職業
       安定局次長    勝田 智明君
       厚生労働省職業
       安定局雇用開発
       部長       広畑 義久君
       厚生労働省政策
       統括官      今別府敏雄君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   荒川  隆君
       水産庁漁政部長  水田 正和君
       経済産業大臣官
       房審議官     石川 正樹君
       経済産業大臣官
       房審議官     吉野 恭司君
       観光庁観光地域
       振興部長     吉田 雅彦君
   参考人
       弁護士      指宿 昭一君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の
 一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
 )
○連合審査会に関する件
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○委員長(大島九州男君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、那谷屋正義君、田村智子君、長峯誠君及び石田昌宏君が委員を辞任され、その補欠として石橋通宏君、山下芳生君、上野通子君及び世耕弘成君が選任されました。
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○委員長(大島九州男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官谷脇康彦君外十六名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島九州男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(大島九州男君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として弁護士指宿昭一君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島九州男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(大島九州男君) 国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○岡田広君 自由民主党の岡田広です。
 産業の国際競争力を強め、経済活動の拠点をつくり、地域の活性化を図るために、今回の法案で新たな規制緩和を行うとしています。しかし、規制緩和だけではなかなか地域の活性化は進まないんだろうと考えます。これに対する後押しが一番重要であり、この後押しとなるのが財政支援であると考えます。
 政府は、先月の三十日に、まち・ひと・しごと創生基本方針二〇一五を閣議決定をいたしました。そこには新型交付金の創設が位置付けられており、高齢者が移住する拠点や観光戦略の司令塔を整備するために交付金を重点的に配分するというものであります。この国家戦略特区の規制緩和と新型交付金を連携させて地方創生を進めることが最大のこれからのポイントになるのではないかと考えます。
 国家戦略特区では、外国医師の受入れ範囲が拡大する特例もあります。そこに新型交付金を手当てすれば、まち・ひと・しごと創生基本方針二〇一五に掲げた高齢者の移住も促すことができると思います。高齢者の活動を支援するNPO法人の設立を促したり法人設立の手続の迅速化を進めようとする特区へ新型交付金を交付することも考えられると思います。
 規制緩和と交付金を車の両輪として地方創生の取組を進めるべきと考えますが、まず石破大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 御指摘のとおり、これは自治体の長も務められた経験豊かな委員ならではの御発言かと拝察をいたしますが、規制緩和と新型交付金というのをどう組み合わせるか。すなわち、補助金下さい、それはなるべくでかくて補助率が高くて自己負担が少ないものということで地方というのを活性化するというのが従来の手法であったと思います。今回は、いろんな規制がある、それを国家戦略特区の強力な仕組みを活用することによって今までできないものができるようになる、これは現場の知恵があって初めて出てくるお話でございます。
 そして、新型交付金とは何だという御議論も随分いただきましたが、新型交付金とか地方創生とかいうものは国から自由に使えるお金がたくさん来ることらしいと勘違いをしていただいては困るのでありまして、それは委員がまさしく御指摘のように、例えば観光の新しい仕組み、DMOであるとか、まだ元気な高齢者の方々が地方に移住をすることによりそこに雇用を生み出す、そしてまた、その地域を活性化するいろんなコミュニティーをつくるというようなことをやるCCRCの発想でありますとか、そういうものが従来の補助金の仕組みでも駄目で交付税の仕組みでも駄目で、じゃ、そういう新しい仕組みを考えるために、構築するために新型交付金使おう、どちらも地域の知恵、工夫から出てくるものでございます。それが新しい地方創生の姿なのであって、あくまで主体は地域にある、知恵は現場にある、国はそれをどういう形で最大限支援するかということが地方創生の要諦だと私は理解しておるところでございます。
○岡田広君 ありがとうございました。
 地域の知恵、工夫を引っ張り出していくということ、とても重要なことだろうと思います。私は、二十一世紀は知的所有権の時代だと言っています。知的所有権というと、分かりやすく言うと、これからの時代は新しい発想やアイデアで勝負をする時代だ。この新しい発想やアイデアというのは、感動や感激から生まれてくるんだろうと思います。地方をどうするかという、やっぱり頑張りからその発想が生まれてくるんだと思っています。
 今、元気な高齢者が地方に移住するCCRCの発想というお話が大臣からありました。この日本版CCRCとして、移住者の誘致に積極的に取り組もうとしている自治体がたくさん出てきています。私の茨城県の笠間市でも、今年の三月に開かれた市議会で山口市長が施政方針の中で、多くの世代が交流する新たな暮らし方を実現する笠間版CCRCに取り組むことを表明をしました。住まい、学び、働く場を含めた多世代、多分野が交流するコミュニティーの形成に向けて、笠間シェアタウンと呼んでいるそうでありますが、庁内に研究会を設置して検討を始めました。
 山口市長自らもアメリカの現場を見て、高齢者の移住の現状も視察をしてきたということでありますが、アメリカではこのCCRCが約二千か所存在しており、推定居住者数は七十五万人とも言われています。中でも重要なのは、私は、大学での生涯学習等を通じて知的刺激や多世代交流を求める高齢者のニーズに対応する大学連携型CCRCが近年増加しており、約七十か所、アメリカでもあるそうであります。
 ニューハンプシャー州ハノーバーで行われている事例、資料出しませんけれども、私、大変すばらしいものがあるんだろうと思います。平均年齢八十四歳の施設でありますが、居住者は約四百人とのことで、居住者は提携大学のダートマス大学の生涯学習講座を気軽に受講ができる。朝七時に起床して散歩した後、朝食、そしてガーデニングのサークル活動、フィットネスクラブでの運動、そして昼食、午後からは生涯学習講座、夕食、懇談と、一日のカリキュラムをきちんと決められています。
 高齢者の地方移住という考え方は、人口増減だけの問題ではなくして、まさに、いかに高齢者が生きがいを持って活動し居住できる施設をつくれるかということにあるのだと考えています。日本版CCRCの取組である生涯学習等についての石破大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 御指摘、誠にありがとうございます。
 このモデルとなっているのは、委員御指摘のように、アメリカ版のCCRCでございます。これは私ども、よく子細に検討しなければいけないし、それと全く同じものを持ってこようと思っているわけではございません。アメリカのCCRCは、どちらかというと富裕層を対象としているのではないか、あるいはかなりシニアな方々を対象にしているのではないかと思います。私どもとして、決して富裕層のみのCCRCにしてはいけないと思っております。
 それが異なる点の最も重要なところだと考えておりますし、まだ元気な五十代後半、あるいは六十代、七十代、八十代でも元気な方はたくさんいらっしゃいます。今までの考え方と違いますのは、まだ元気なうちから地方に居住しませんか。そして、そこは、サービスの受け手ではなくて、委員御指摘のように、いろんな地域の活動の主体として活動してくださいませんか。三番目は、高齢者の方々だけが集まるのではなくて、コミュニティーを形成をしていただいて、いろんな世代の方がそこへ町として住まっていただく。そこは、何か人里離れたところにコミュニティーをつくるということだけを考えているわけではなくて、松本でも検討していただいておりますが、町中にそういうものがあってもいいのではないか、空き家等々を活用することによりですね。
 そして、そこにおいて、もう一度大学生活、もう一度学生生活を送りませんかということも一つのポイントだと思っております。五十代、六十代の方で、もう一回学びたいね、あるいは自分が会得した知見を大勢の人に共有してもらいたいねというようなお気持ちは随分強くあると承知をいたしております。
 一方におきまして、これから先の人口構成を考えましたときに、大学の定員割れということが、これから先、地方の大学ではかなり確実に起こるというふうに承知をいたしております。そうしますと、そこにおいてもう一度学生生活というニーズがあり、そしてまたこれから先、せっかく造ったインフラをどう活用するのだということもございます。
 そこにおいていろんな世代の方々が交流することによって、単なる人口対策ではない、そこにおいて新しいコミュニティーをつくっていくのだということが、これから先の東京の過度な一極集中を是正し、地方の人口減に歯止めを掛けるということにも寄与するものであって、委員御指摘の笠間の例にもよく倣いまして、また私どももいろんな御意見を承り、適切なアドバイスといったら何か上から目線で申し訳ございませんが、そういうような形も活用しながら地域地域においていい事例をつくりたい。
 これが、うば捨て山にするのかみたいな、こういう御批判がございますが、決してそのようなことを考えておるわけではございませんし、そんなことができようはずもございません。いろんなニーズをどうやってかなえるかについて、政府として可能な限りの対策を打っていきたいと考えておるところでございます。
○岡田広君 高齢者の地方移住後押しという報道がされてから、全国の都道府県知事を対象としたアンケートで、東京圏の高齢者の地方移住を進めることに賛成と答えたのは約三割の十三人だったという報道もされています。移住者受入れに伴う財政負担の増加を懸念する声が全国の知事から上がっている。医療従事者が不足している現状、あるいは、将来的には介護職員の不足が見込まれる、これらについての対応ができるのかどうか、そういう心配、懸念も寄せられているわけでありますから、しっかりと地方の意見も聞きながら、拙速はやっぱり良くないんだと、ここを失敗しないようにしっかりと進めていただきたいというふうに思っております。
 この国家戦略特区法で措置された規制改革事項について、特区に指定されていない地域においても利用が可能となるよう全国展開を図っていくというのが目的なんだろうと思いますが、どのようにして全国展開の可否の判断を行おうとしているのか、石破大臣にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 国家戦略特区法の第十二条及び基本方針に基づきまして、この国家戦略特区におきましては、毎年特区ごとに規制改革事項を活用した事業の進捗状況を評価するということが定められておるわけでございます。この評価結果を基にいたしまして、特区諮問会議におきまして規制諸官庁からの意見を徴しました上で、当該規制改革事項の全国展開について判断をするということが一応の仕組みとなっております。これを最大限に活用していかねばなりませんが、今、国会において御審議をいただいております農業生産法人の役員要件の緩和の特例のように、この区域会議の御評価を待たずに規制所管省庁の判断で全国展開をするという場合もございます。
 いろんなやり方がございますが、この規制改革事項において特区に指定されていない地域におきましても利用が可能となり、全国展開ができますように、また政府としても努力をしてまいりたいと考えております。
○岡田広君 ありがとうございました。
 それでは、今回の改正に盛り込まれている事項の幾つかについてお尋ねをしたいと思います。
 今回の改正では、血液を使ってiPS細胞から試験用細胞を作ることができるようになるということであります。今年の二月に、予算委員会の派遣で京都大学の山中教授の研究室に伺いました。この法律が改正が成立すれば、山中教授が研究しているiPS細胞の実用化が更に推進されることになり、大変喜ばしいことだと考えています。しかし、iPS細胞研究所の運営資金の多くが競争的資金等の外部資金によって賄われていることから、研究支援部門の職員等の大部分が有期雇用であり、安定的な継続的な雇用が困難な状態となっているということでもあります。
 京都大学のiPS細胞研究所では、独自にiPS細胞研究基金を設置して、山中所長自らもマラソンに出たりして寄附金を集めて、寄附金の募集活動に努めて、そこから安定雇用のための人件費に充てているということであります。国からは競争的資金を通じて運営資金を支援しているわけでありますが、しかし、iPS細胞を用いた臨床応用に向けた取組が本格化する中で優秀な研究者等の安定的な、継続的な雇用が必要であることは言うまでもないことであり、国からの支援の一部をこうした人材の安定的、継続的な雇用が可能なものにしていくべきではないかと考えます。
 特区を認めても、その大本であるiPS細胞の研究が進まなければその効果は半減してしまうわけであります。国はiPS細胞の研究のような基礎的研究をどうやって支援していくのか、お尋ねをしたいと思います。
○大臣政務官(山本ともひろ君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のiPS細胞でございますが、文部科学省におきましても、もちろん、このiPS細胞を用いた革新的な再生医療あるいは創薬等をいち早く実現するために積極的な研究開発支援をしているところでございます。
 委員が御視察をいただいたその京都大学でございますが、山中教授がノーベル賞を受賞されました。その後に、我々国としましても十年間で一千百億円規模の支援をするということを決めました。これは平成二十四年の補正予算から平成三十四年と実質的には十一年間ということになりますけれども、それによりまして、継続的な人材雇用を確保する、あるいは豊富な研究資金を提供する等の取組を進めているところでございます。
 これによりまして、昨年の九月にはこのiPS細胞を活用した世界で初めての移植手術もなされたところでございます。こういったところで我々としては着実に成果を生み出せていけているというような確信を持っているところでございます。
 さらに、委員御指摘の、テニュアな職員をどうしていくのかということでございますが、これも昨年度、平成二十六年度は専門人材を三名、そして本年度、二十七年度も三名、専門人材をテニュアで雇用できるように、国、文科省として予算措置をして協力をしているところでございます。
 さらには、AMED、日本医療研究開発機構というものを今年度新たに設立をさせていただきました。ともすれば、今までこういう再生医療、そういった創薬の関係、文科省あるいは厚労省、経産省、どちらかというと縦割りでやりがちであったものを一つの組織にまとめまして、そこに効果的、効率的に研究開発を進めてまいりたいと思っているところでございます。
 また、iPS細胞の研究ですが、委員御指摘のとおり、今、基礎的研究から臨床研究へとフェーズが移行しつつあります。そうなりますと、やはり、委員御心配をしていただいている研究費あるいは人件費等々が、どんどんどんどんこのフェーズが進むことによって増えていくということを我々国も十分認識をしておりますので、その場面場面に合わせたきちっと我々も支援をしていくために、各省共に連携を取りまして推進を図ってまいりたいと思います。
 どうぞよろしくお願いいたします。
○岡田広君 ありがとうございました。
 いろいろ御答弁いただきましたけど、やっぱり所長あるいは複数の職員が寄附金の募集活動に努めなければならないという状況は脱して、国でもうしっかりした支援をお願いしたいと思っております。
 特区では外国医師による診療範囲が拡大されることになります。外国人臨床修練制度で外国医師が修練、臨床研修を行う際に、病院との緊密な連携体制のない単独の診療所もその施設として追加することや、単独診療所で一指導医がいるだけでよいというのは安全性の問題があるというふうにも考えるものでありますけれども、見解を伺いたいと思います。簡潔にお願いします。
○政府参考人(福島靖正君) 臨床修練の安全性を確保することは重要であると考えておりまして、現在でも、外国医師が臨床修練を行うためには臨床修練指導医が実地に外国医師を指導監督するということとされており、このことは今回の特例でも変わるところではございません。
 その上で、現在の制度では、診療所においては、厚生労働大臣の指定を受けた病院との間で緊密な連携体制が確保されていることの代わりに、臨床修練指導医による指導監督体制が確保されていることを求めるとしておりますけれども、具体的には、臨床研修指導医、臨床研修制度における指導医としての経験、三年以上の経験を持つ医師が臨床修練の指導医として確保されるということを求めているというふうに考えておりまして、これによりまして臨床修練の安全性を確保していきたいというふうに考えております。
○岡田広君 これは、今回の診療範囲の拡大については日本医師会も提言を出しております。医療は何よりも患者の安全が第一であり、国際交流の推進のためと言いながら経済活性化を目的として行うということにならないように慎重に行ってもらいたい、あるいは、指導医の資格要件も更に明確にすべき、日本の医師不足対策をこの外国研修医制度に求めるものではないと考えますけれども、日本の医師偏在対策は外国から招くのではなく日本医療界を挙げて対応することであるとか、特区における安易な外国人医師の活用は結果として世界的に優れた医療提供体制と国民皆保険制度を持つ日本の医療を瓦解させかねないとか、そのほかにも幾つかありますけれども、やっぱりしっかりとここは慎重に進めていただきたいというのを要望しておきたいと思っております。
 本年二月の安倍総理の施政方針において、高齢者の皆さんに多様な就業機会を提供する、シルバー人材センターには更にその機能を発揮してもらうと述べられました。
 シルバー人材センターは、会員が生きがいを持って元気に社会参加することで医療、介護及び生活保護の財政負担を軽減しています。来年度から、育児支援分野等の取組拡大により働く世代を下支えするとともに、人材不足への支援を実施することとしております。しかしながら、地方自治体の補助金が削減されていること等により十分な就業機会の提供ができない状況にもあります。会員の働き方に係る臨時、短期、軽易の要件については、厚生労働省の生涯現役社会の実現に向けた雇用・就業環境の整備に関する検討会において、緩和等の可能性を検討することと提言をされています。
 全国のシルバー人材センターの連合会の調査でも、今、就業時間週二十時間を、今回は、特区で農業等に従事する高齢者の就業時間の柔軟化ということで、二十時間を四十時間の就業について派遣事業を行うことを可能というのを出されていますけれども、全国のこの調査では、週二十時間の就業時間規制を月十日から十五日、あるいは就業時間については三十時間から三十五時間、その中でも九六%の意見が三十時間ぐらい、一・五倍の三十時間にしてもらいたいというものでありました。
 この要件を緩和することで高齢者の社会参加の促進や地域社会の活性化につながると考えるものでありますが、厚生副大臣の御見解を伺いたいと思います。
○副大臣(山本香苗君) 御質問ありがとうございます。
 今御指摘いただきましたシルバー人材センター事業につきましては、今回の改正案におきまして、おおむね週二十時間から週四十時間という形で派遣就業を可能とする緩和を盛り込ませていただきまして、これによりまして高齢者の就業を促進する効果というものがあると期待をしているところであります。
 今御指摘いただきました検討会の報告書におきましても、緩和について検討すべきとなされておりまして、と同時に、この要件の緩和が民業を圧迫したり一般労働者の就業を阻害したりすることがないよう十分な配慮が必要であるといったことについても言及がなされているところでございまして、今後、こうした今申し上げた点につきましても留意しながら、また、今委員からも御指摘がありましたように、一・五倍とかそういった具体的な様々なニーズもあると思いますので、今回の措置の検証状況も踏まえながら検討を進めてまいりたいと考えております。
○岡田広君 民業圧迫にはもちろん十分注意することは大事ですけれども、やっぱり高齢者の働く意欲、私は、衣食住という言葉がありますが、着ること、食べること、住まいのこと、住を除いてはほぼ満たされた、新医職充という言葉を使っています。医というのは、医療、医学、健康ということです。職は職業の職、どんな年齢になっても自分の体力、能力に応じて働ける、そういう職業能力開発をするというのは大事であり、充は充実の充、健康で働く場所があればゆとりある生活を送れるという、これからのやっぱり政治が求めるものというのは新医職充だと私は考えていますので、是非御検討をしていただきたいと思っております。
 地域限定保育士試験、先日のこの委員会でも質問が出ましたけれども、保育士試験の受験機会、これ一回と決まったわけではないんですね。一回以上ということで決められているわけですから、年間一回の保育士試験を二回に増やすように政府の規制改革会議も求めています。しかし、厚生省は対応を見送ると答えています。試験を二回に増やせば合格者は増えるけれども、受験料が高くなる方が問題だという立場ですが、これは利用者を無視した議論だと私も考えます。
 厚労省の試算では、試験を年二回に増やすと、直後は受験者数、合格者数共に増えるものの、四年、五年後は年一回の場合と同数になるのではないかという見解も出されています。一方で、試験会場費用を賄うため、受験料は現在より八千円高くなるとしています。これ、数年で効果が消えるから試験を増やす必要はないという考え方は、もう少しやっぱり政治ベースで検討していただきたいと思います。
 やっぱり今、待機児童解消のため、今必要なんです。四年、五年先のことではなくして、現在必要なので、今これが待機児童解消。だから、保育園つくっても保育士がいなくて、待機児童はいるんだけれども入れられないという状況が地方には出ているわけですから、四、五年後に効果が消えれば、そこで年一回に戻せばいい話で、これはやっぱり役所の考え方じゃなくて政治ベースで、副大臣、是非御答弁お願いしたいと思います。
○副大臣(山本香苗君) 今おっしゃっていただきましたとおり、この保育士の試験というのは回数の縛りがあるわけではないわけです。ですが、実態として年に一回しか行われていないというのが現状でございまして、今般の措置としましては、都道府県が保育士試験の年二回実施に取り組みやすくなるようにということで、国家戦略特区の枠組みを活用して、三年間は当該国家戦略特別区内で働いていただくということを前提に試験を実施する地域限定保育士制度を設けることとしたわけでございますが、御指摘のように、今まさに足りないという状況でございまして、来年度に向けまして、通常二回に試験を行っていくということについてもしっかり検討させていただきます。
○岡田広君 是非やっぱり政治ベースで検討していただきたいと思います。これやっぱり、試験問題作るのは保育士養成校で構成される全国保育士養成協議会が国家試験の問題を作成しているんです。試験の回数が増えると合格者が増える、その養成校に学生が集まらなくなるのではないかという、そんな意見もあるんですけれども、やっぱりそういう状況では利益相反ではないかと思うんです。試験問題を作るところは、公平な立場の人がやっぱり作らなければいけないんだと思います。保育士試験要件の緩和も必要だと思いますし、合格率約一九%という、やっぱりかなり低い合格率ですから、これやっぱり問題を作るというところから是非検証していただきたいと思っております。
 先ほど石破大臣からコミュニティーというお話がありましたが、やっぱり一番地域で大事なのはコミュニティーなんだと思います。私、現代の三種の神器、新新三Cという言葉で使われているんですけれども、一つ目のCはカルチャーという、芸術、文化、私は生涯学習と捉えています。学ぶ心を持ち続けること、それが最大の健康の秘訣、生きがい対策。だから、高齢者の移住についても、やっぱり人口の増減だけではなくして、高齢者が夢を持って、生きがいを持てる町づくりをするという意味で、やっぱり大学と連携をすると。あるいは医療も大事です。笠間市は県立中央病院とか医療機関がありますから、大学は水戸に提携大学を幾つもつくれば、それはできるんだろうと思います。ただ移住だけではなくして、学ぶ心を持ち続けることが最大のやっぱり生きがい対策だと思います。
 二つ目はコミュニティーです、コミュニケーション。やっぱりみんなで集まって話をする。三人寄れば文殊の知恵という言葉がありますけれども、安倍晋三さんの三ですけれども、あの晋という漢字は、今年、箱根駅伝で優勝したのは青山学院大学、監督の名前は原晋さんというんです。大河ドラマに登場する高杉晋作の晋、安倍晋三総理の晋です。辞書を引きますと、前へ進む、意味はこれ一つしかありません。今年の宮中歌会始のお題は本ですから、本気で前へ進むということで、来年はお題は人です。人材をつくっていくということだと思います。本気で前へ進んで人材をつくっていく。まあ三の話をすると、もう時間、あと一分しかありませんから、話はしませんけれども。
 三つ目は、みんなで話をすることから、クリエーティブ、新しい何かを創造するというのが生まれてくるんだと、私はそう思っています。
 三種の神器の歴史取ると、新三Cまでは、話はしませんけど、全部物なんです。新新三Cは全て心です。六十年の間に物から心へ変わってきたということが読み取れる。物心両面にわたった豊かな日本人をつくるというのが一番やっぱり地方創生にとって大切なんだと、そういうふうに思っているところであります。
 特区においても、先ほど話したように、規制緩和しても実際に成果を上げなければ意味がないわけでありますから、国家戦略特区は、これまでの構造改革や総合特区と異なり、国が主導して方針を決めていくということですから、国家戦略特区の規制改革によってどのような効果を得ることができるのか、国民の皆さんに国家戦略特区の意義を広報していく、PRしていくというのも非常に重要だということを申し上げて、時間ですから、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
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○委員長(大島九州男君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、山下芳生君が委員を辞任され、その補欠として田村智子君が選任されました。
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○石橋通宏君 民主党・新緑風会の石橋通宏です。
 内閣委員会、準レギュラーのように登場させていただいておりますが、今日は、国家戦略特区改正案の特に外国人家事支援人材の活用について、第十六条の三関連に集中していろいろとお伺いをしてまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願いをしたいと思います。
 まず、石破大臣に是非お伺いしたいんですが、今回のこの第十六条の三、外国人支援人材の活用ですね、この目的は一体何なんでしょうか。改めて、この制度の導入によっていかなるメリットが国民にもたらされるのか、そのことについて是非伺いたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) これは、この国家戦略特区内におきまして家事支援サービスの提供を行うことで、就労意欲がありながら重い家事の負担により社会での活躍が困難であった女性の活躍を推進することが可能になる、端的に言えば、これが目的でございます。
 つまり、利用者の方々の立場に立ちますれば選択肢の幅が広がるということ、そして質の高い多様なサービスを求めるニーズが実際にあって、選択肢の幅を広げ、そのニーズに応える。そのことによって、家事の負担により社会での活躍が困難であった女性に対し活躍の場をつくり、その活躍を推進するということが目的でございます。
○石橋通宏君 石破大臣、外国人でなければならない正当な理由を教えてください。
○国務大臣(石破茂君) 選択肢の幅を広げると申しました。別に、外国人でなければいけないなぞということを申し上げているわけではございません。あくまで選択肢の幅を広げるということがこの法律の趣旨でございます。
○石橋通宏君 外国人でなければ広がらない選択肢は何ですか。
○国務大臣(石破茂君) 何か擦れ違いの問答のようになって恐縮でございますが、外国人でなければ広がらないということを申し上げているわけではございません。外国人でなければこれができないということがあるということを申し上げているわけではございません。
 外国人の方で、そのような能力を有し、意欲を有し、そして日本で活動していただくということにおいて、きちんとした保障といいますか担保といいますか、それをした上で選択肢を広げる。つまり、利用者の方々に対して選択肢を広げるということが主眼でございます。ですから、外国人でなければできないことはかくかくですということを申し上げているわけではございません。
○石橋通宏君 大臣、答弁になっていませんよ。今回の制度は、第十六条の三、これは外国人の家事支援人材に道を開く中身です。つまり、外国人が対象なんです。何でこれを外国人でやらなければいけないのかということについて正当な、これが選択肢というのであれば、大臣、外国人、これで選択肢が広げなければ対応できない課題というのは何なんですか。それによって、どう選択肢を広げるんですか。
○国務大臣(石破茂君) いや、ですから、答弁が擦れ違いになって恐縮ですがということを冒頭に申し上げたわけでございます。
 このお話は、これはもうどこまで行っても多分擦れ違いになるんだろうと思いますが、でなければならないことというのがあるわけではございません。外国人の方々でそのような高い家事支援の能力を有した方が、我が国においてきちんとした処遇というか、環境というか、そういう下で働くというような、そういうような可能性を広げようということを申し上げているわけでございます。
 ですから、そういう方々に対するニーズがある。またあるいは、供給する側が、そういうようないろんなスキルを使って日本で働きたいねという方がおられるとするならば、そういうことを妨げる理由はないと考えております。
○石橋通宏君 擦れ違いとおっしゃって逃げられていますけれども、具体的な立法事実があるのかどうかということも含めて正当に説明していただかないと、これ大きな課題、問題になるということを、この後の質疑でいろいろまた確認をさせていただきたいと思っておりますが。
 これ、昨年の四月四日に、産業競争力会議、経済財政諮問会議、合同会議ですね、長谷川主査から提案を受けたということで、お手元の資料の一に長谷川主査による提案のポイント、これに関連するところをお付けをして、ポイントとなる部分を私の方で赤線、傍線を引かせていただいております。
 石破大臣に是非お伺いしたいんですね。これ、四月四日に提案を受けておられます。その後、六月に再興戦略二〇一四改訂版というのが確認をされてその中に盛り込まれていると理解をしておりますが、四月四日、提案を受けてから、六月の閣議決定まで、これ議論の所管をしたのはどこの会議体で、そこの会議体でいかなるこの問題についての検討、審議が行われたのか、ちょっと、若干簡潔に説明いただけますか。
○政府参考人(内田要君) 簡潔にお答えさせていただきます。
 私ども内閣府が所管いたしまして、この産業競争力会議等々の場を含めまして検討してまいったところでございます。
○石橋通宏君 石破大臣、産業競争力会議で所管されて議論をした、では、この問題について平場で何回議論されましたか。
○国務大臣(石破茂君) 何を平場というかというのはいろんな定義によりますが、そういうような自由なディスカッションというのは数回行われたと承知をしています。正確な回数につきましては、ごめんなさい、通告がございませんので事務方から答弁いたさせます。
○政府参考人(内田要君) 四月四日に産業競争力会議で御議論をいただいております。その他、事務的にはいろんな打合せをやっておったというところでございます。
○石橋通宏君 石破大臣、これ答えられないんですよ。やっていないんです。
 私が聞いている範囲では、ちゃんとした会議体の平場の会議、平場の会議がどういう定義とありましたけど、産業競争力会議の公式な会議では議論されていないんです、と私は聞いています。違ったら、もう一回確認してください。
 議論されていないですね。
○政府参考人(内田要君) 御指摘のように、産業競争力会議、何が平場というのはございますが、そういう会議体というものでは四月四日でございます。その他いろいろな打合せ等は、先ほど申し上げましたように、させていただいております。
○石橋通宏君 この実態は指摘しておきたいと思います。
 四月四日に委員から提案を受けながら、六月の閣議決定まできちんとした議論を行われていないんですね。私もびっくりしました。こんな決め方があるのかと。こんな大事なことを、ちゃんとした議論なしに提案どおりにそのまま右から左に行ってしまったような話になる。いかなる議論があったのかと、私、さきの参議院厚生労働委員会で、小泉政務官おいでをいただいて質問をさせていただいた。いや、いろいろ調べました、そんな実態が分からずにやるなんてあり得ませんと言って、じゃ、どういう調査があって、どういう議論に基づいてと資料を出してくれと言ったら、結局何も出てきませんでした。
 石破大臣、これが実態なんですか。要は、先ほど来新たなメニューだのニーズだのおっしゃっているけれども、何も議論なしにこの四月四日の提案から六月の閣議決定まで行ってしまった。そういう理解なんですね。石破大臣、これ、確認してください。
○国務大臣(石破茂君) これ、政府部内で、産業競争力会議ですか、そこにおいては一回だけということですが、何もそれだけでやっておるわけではございません。政府部内において、これは私どもの部署におきましても、あるいは所管をいたします経済産業省におきましてもいろんな議論はございました。私の大臣室におきましても、この話はかなりかんかんがくがくの議論になったというふうに記憶をいたしておるところでございます。ですから、その政府部内できちんと議論もしないままここへ出してきたねという御批判ですが、私はそれは当たらないものだと考えております。
 どのようなニーズがあるか、特に肝要なのは、そのことによってサービスの質というものがどのように確保されるか、実際に働かれる外国人の方々の処遇というものをどのようにしてきちんと確保するか、同時に、日本人の方々のそういうような職場というものが失われることにならないか等々も含めまして、かなり濃密な議論をきちんと行ったというように私は考えております。
○石橋通宏君 濃密な議論を行ったと言われながら、それが表、平場では全然出てこない密室の議論ですね。何が一体検討されたのかが全く分からない。
 それでは、厚生労働副大臣、おいでをいただいています。
 昨年の四月四日のこの最初の提案から六月の閣議決定まで、厚生労働大臣はいかなる関与をこの議論にされましたか。内閣府に対して若しくはこの産業競争力会議に対して、厚生労働省としてのこの問題についての懸念、例えば国際的な動向ですとか、例えば実習制度、これまでの議論で様々に問題になっている、国際的にも指摘をされている、かなり人身売買などというレッテルも貼られたりしておりますが、そういう問題について厚生労働大臣としてきちんとこの議論に意見提起をされたでしょうか。
○副大臣(山本香苗君) お答えさせていただきます。
 この四月四日の日の産業競争力会議にまず厚生労働大臣は出席をさせていただいておりまして、その後に様々、今おっしゃっていただいたような様々な御懸念の点、外国人の方の受入れについて、処遇のことについてだとか、また国内の労働者の方々の環境を阻害することがないのかといったことにつきまして、厚生労働省といたしまして内閣府と協議をさせていただいて、当然のことながら、省でそういった形のことを申し上げさせていただいて、大臣のお考えも踏まえて協議をさせていただいたところでございます。
○石橋通宏君 厚生労働委員会では、塩崎大臣、何もしなかった、公式的には何もしていないという答弁されていますけど。
 今おっしゃられたのは事務方の方でいろんな協議はしたということだけの話でしょう。私が聞いているのは、厚生労働大臣としていかなるちゃんとしたこの議論のプロセスに関与されたのかということをお伺いしているんです。しかも平場で。
 これ、もし厚生労働大臣として何らかの意見提起をされたのであれば、是非それは資料として提出をいただきたいと思いますが、副大臣、出せますか、それ。
○副大臣(山本香苗君) この間、厚生労働委員会で石橋委員の方から御指摘いただいたときに、ILO条約の百八十九号のことについて大臣の方から御答弁をさせていただきました。この問題について、公式的という、その定義がちょっとどういうものを示すかということもあるかと思うんですが、今申し上げさせていただきましたとおり、大臣の意思も踏まえて、事務方で協議をさせていただいたというのが実情でございます。
○石橋通宏君 事務方の協議、大臣の意思を踏まえていろいろありますが、公式的にもし厚生労働省としてきちんと意見提起をされたのであれば、それは是非出してください、資料として。だから、それを出せるんですかとお聞きしているんですけど、それは出せるんですか。
○副大臣(山本香苗君) 申し訳ございません。その間の協議の紙については、こちらの方でお出しすることは差し控えさせていただきたいと存じます。
○石橋通宏君 何で出せないんです。
○副大臣(山本香苗君) 協議の内容につきましては、いろいろこの法案の審査におきましての協議過程については、適宜適切に関係省庁間で議論させていただいたことでございますが、申し訳ございません、差し控えさせていただきたいと存じます。
○石橋通宏君 これ、副大臣、非常に重要な議論を我々国会でさせていただいているんですよ。この法案提出に至るまでにいかなる議論、真摯な議論が行われて、いかなる問題提起がそれぞれ担当省庁からされたのか、これ大事なところですよ。それを出せないというのはどういうことですか。議論してないから出せないって正直に言ったらどうですか。
○副大臣(山本香苗君) 明示的に厚生労働省の方からペーパーを出したということはございません。省議、いろんな関係省庁間の協議をさせていただく中で厚生労働省としての意見を言わせていただいたということでございます。
○石橋通宏君 公式なものであればきちんとした資料が残っているはずですね、省議で決定したものが。つまり、公式的なものは何もされてないということでしょう。それはお認めになった方がいいですよ。
 これ、事務方でレクで話すとほとんど議論してないということが返ってくるんだけれども、ここで答弁されると何かしたようなことを言われるけれども、してないんでしょう、ほとんど。厚生労働省として、四月四日の段階から六月の閣議決定に至るまで、この問題について大臣がちゃんとした問題提起を会議体にされたという記録はないわけですね。それだけは確認してください。
○副大臣(山本香苗君) 今おっしゃったような、会議体に出したという資料はございません。
○石橋通宏君 これが実態なんですよ、石破大臣。私もいろいろ、これ本当は経産省にも法務省にもお聞きしたいんですが、大概答弁は同じだと思いますので、六月の閣議決定に至るまで、残念ながら真摯な議論を政府内で、我々に明らかにしていただけるものがないということは、これは大きな問題だということを指摘をしておきたいと思います。
 その上で、石破大臣に是非、先ほどニーズと言われました。それでは、現在の家事代行サービス業の実態について石破大臣はどの程度きちんと調査をされてその実態を把握されているんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 二〇一一年度の家事支援代行サービスの市場というのは八百十一億円であるというふうに試みの計算がなされております。これは、民間のシンクタンクの調査によるものでございます。
 また、家事支援代行サービス業に従事している方々の数でございますが、一般社団法人家事代行サービス協会によれば、全国で三万人の方々が従事をしておられると。
 雇用の状況につきましては、業界の大手の事業者の方々からヒアリングをさせていただいたところでありますが、実際に家事支援サービスに従事しておられる方々の雇用形態は、パートタイム、非常勤、これが多いとのことでございます。これは、報酬等の具体的な数字については公開されていないと承知をしておりますが、パートタイムで従事をされる方々が多いということが実態であると承知をいたしております。
○石橋通宏君 石破大臣、最初に引用されたのは、これどこの数字ですか。それは、私、資料の四で私が探し当てたものは出しておりますけれども、これ、矢野経済研究所さんというところがお出しになっている調査結果ですけれども、ここで二〇一一年八百十一億円、二〇一二年度九百八十億円。これ、政府の調査じゃないですね。これを、民間の調査、しかも古い調査を引用されて、去年四月の四日に提案されたものを、石破大臣、これを基に議論されたということなんですか。そんないいかげんな議論なんですか。
○国務大臣(石破茂君) それをいいかげんと言うかどうかというのはそれぞれの御判断だと思います。しかしながら、この民間シンクタンクであります矢野経済研究所におきます住まいと生活サービスに関する調査結果二〇一三というものがございますが、それはやはり、調査というのを古いとおっしゃいますけれども、正確に数字を把握をし分析をするにはそれなりの年数が掛かるものでございます。ですから、遅いから駄目だというふうには私は承知をしておりません。これが今知り得る限り最新のものだというふうに考えておりますし、この調査というものがそのような、委員から御指摘を受けるようにいいかげんなものだとは私は思っておりません。
○石橋通宏君 石破大臣はこの実態調査を経産省に指示されなかったんですね。
○国務大臣(石破茂君) それは、所管官庁たる経産省においてこの数字への信憑性というものはもちろんきちんと議論をした上で国会の御議論に付しておると承知をしております。
○石橋通宏君 今日、経産副大臣、おいでをいただいておりましてありがとうございます。それでは、経産省は、これ信憑性があるかどうか、この四月四日の昨年の提案以降六月の閣議決定に至るまで、市場調査、実態調査、これ信憑性あるのか、一体どういう状況になっているのか、調査されたんでしょうか。
○副大臣(山際大志郎君) 石破大臣から御答弁申し上げましたように、民間のシンクタンクのやった調査だからといってそれがいいかげんであるというようなことは考えてございません。実際に、今の御質問にあるような調査を経済産業省としてこの四月から六月までの間に行ったということはございませんけれども、これそのものは信憑性がないというふうには思ってございません。
○石橋通宏君 調査していないんですね。経産省にお願いしても何も出てこないので、過去にもやっていないということなんです。今回もやっていないと。つまり、この提起があった以降、何もしていないんですね、市場調査を。それでどうやってニーズと言われるのかよく分からないんですが。
 それでは、石破大臣、この業界においてどれだけの今人材不足が現実的に起こっているんでしょうか、お答えください。
○国務大臣(石破茂君) それは、これだけ今不足をしているということをきちんと数字をもって申し上げることは私どもにはできません。少なくとも私にはできません。
 しかしながら、今この市場というものが趨勢として拡大傾向にある。これから先、女性の方々の重い家事負担というものをどのように減らしていったらいいのであろうか、実際に社会でいろいろ活動される女性の方、いや、それを重いと思われる方もあるでしょう、いや、それはそうではないと思われる方もあります、それはいろんな方がございます。しかしながら、実際に趨勢としてその市場が拡大をしているということは、それなりにニーズがあるということでございます。そしてまた、女性の方々に御意見をお聞きしても、そういうような家事と、そして仕事というものを両立をさせたいなというお話はあちらこちらから聞いておるところでございます。
 ですから、それで一体、どれぐらいの金額的なニーズがあり、どれだけの人材が不足をしているのかということを数字をもって申し上げることはできませんが、そのようなニーズがあるということは市場が拡大しつつあるということからも推し測れることだと考えております。
○石橋通宏君 市場拡大というのも、これ先ほどの調査に基づいて市場拡大。今一体、じゃ、その後、二〇一三年、一四年、一五年、どういうふうになっているのか。これ全く把握されておらないままに市場拡大と言っておられるのであれば、余りに、だからいいかげんだというふうに指摘をさせていただいているわけで、ニーズと先ほど、石破大臣、冒頭に言われたにもかかわらず、いや、ニーズがあるに違いないと、全く根拠がお示しをいただけないということは、これどういう、本当に現実上にニーズがあるのかということが分からない。
 石破大臣、仮にニーズがあったとしましょう。人材不足があったとしましょう。であれば、まさにそこに日本人の雇用創出をするのがまず第一じゃないですか。それが今、安倍政権がやっておられる好循環じゃないんですか。新たな市場がある、そこに新たなニーズが生まれる、そこに日本人の豊かな雇用を創出をしていって、より安定的な豊かな雇用を、日本人の男性、女性も、しかしこの業界は圧倒的に女性が多い、まさに女性の活躍という観点からいったら、女性のためによりいい雇用をここで創出すればいいじゃないですか。何でそれをやらないんですか。
○国務大臣(石破茂君) いや、ですから、選択肢として広げるということはどうなのでしょう。つまり、外国の方々で、自分たちが国内で会得したいろんなスキルというものがある、それを日本の国で活用したいというようなニーズもございます。それも一つのニーズであります。ですから、委員がおっしゃいますように、まず日本人が先ではないか、それも一つの考え方でございましょう。
 しかしながら、実際に、女性の方々、多くの家事の負担をなさっておられると意識しておる女性の方々が、それじゃ、私、外国人がいいなというふうにお思いの方々がおられて、外国人の方々がそのような能力をお持ちであって、日本で働かれる場合に、きちんとした労働形態というものを確保し、そして人権がきちんと保障され、そしてそういうようなニーズに応えるということをなぜ阻害をしなければならないのか。日本人の方々がおやりになりたいという方がおられて、そこにも一つのニーズがあるでしょう。そして、外国人の方々が働きたいということもございましょう。あくまで選択肢を広げるということなのであって、選択をされるのは実際にそういうようなことを活用される女性の方々を中心とする皆様方だと承知をいたしております。
○石橋通宏君 石破大臣、ちょっと論点をすり替えられているように聞こえてしようがないですけれども。これ、日本人の、もしですよ、雇用が今拡大をしている、でも実態は御存じないわけだ、御存じないんだけれども、まあ、そうじゃないかと言われている。であるならば、これ、先ほど言ったように、まさにまず日本人の労働者の方々、特に女性の方々により安定的ないい雇用をこの業界で提供していく、ニーズが、もし労働力不足があるのであれば、そこが賃金の向上なり労働条件の改善なりにつながって雇用の創出をしていく、それを目指しておられるわけでしょう。それをまず真っ先に行くというビジョンはどこにもないわけだ。
 今回、家事労働、家事代行サービス業でまさに女性の雇用を拡大していくって、ほかで、どこかで言っていますか。日本人の雇用の拡大をそこで図りますよって、どこかで言っていますか。全然聞いたことないですよ。今回言っているのは、今回、この国家戦略特区の改正法案で外国人をここに入れる、それしか言っておられない。何でそれが日本人の雇用改革というところに、まず優先的に安倍内閣の成長戦略で出てこないのか。今回、二〇一五のこの間発表された改訂版で、そこがどこか出ていますか、そんなことが。出ていないじゃないですか。だから、論点のすり替えで、何か選択肢という名のごまかしでやっておられるように聞こえてしようがないわけです。
 石破大臣、これ、問題は、仮にそれ、選択肢を広げると言いながら外国の方を来ていただく、それによって日本人の雇用が奪われたらどうするんですか。今、もっと働きたい、この業界で、労働条件が改善されればこの業界で頑張りたいと言っておられる女性の方がおられるのかもしれない。しかし、外国人の方をそこで選択肢といって入れ込むことによって、逆に日本人の女性の雇用が奪われることにならないのか。労働条件がむしろ低準化していくことにならないのか。つまり、安価な、労働力の低下ということにつながらないのか。そうしたら、元も子もないですよ、石破さん。安倍政権が目指す女性の活躍と真逆のことをこれやろうとされているかもしれない。それが、どういうふうに石破さんは責任取られるんですか。もう一回お答えください。
○国務大臣(石破茂君) これは、特区制度というのは何なんでしょうねということでございます。この特区というものを使って委員が御懸念のようなことが起こるとすれば、それはまた私どもも、この特区で学んだことというものを今後の政策に反映をするものでございます。これをいきなり全国広くあまねくやるというようなことを、そんな乱暴なことを申し上げているわけではございません。おっしゃるとおり、意欲があり、そしてまた能力がある日本の女性の方々にそういう就業の場を確保するというのは国策として当然あってしかるべきことでございます。
 繰り返しになりますが、今後、家事支援サービスの市場規模は拡大するということでなければなりません。それは、あえてなければなりませんと申し上げているのは、そういうような女性の方々のニーズというのは間違いなくこれはあると私は思っております。そうしますと、市場そのものは拡大をしていくわけでございます。
 一方において、この特区を使うことによって、実際にそういうサービス、外国人の方々によるサービスを受けられた方が、ああ、本当に良かったなというふうにお思いになり、外国人の方々が日本においてその能力を活用することができたなというふうにお思いになる、それはそれでいいことではありませんか。
 一方において、そういうような市場が拡大をしていくわけであって、日本人の方々のそういうような職場を奪うというようなことは、全国展開をすれば話は別ですけれど、今回、特区においてこれを行うことによって、こういうことがどういうようにいろいろな要望というものを満たすのか、問題材料があるとすれば、我々はそういうものがあるかどうかということも含めてこの特区というものを提案をしているわけでございます。日本人の女性の方々の雇用の場を奪うなぞというような発想は全くございません。
○石橋通宏君 石破大臣、これが本当にちゃんとした市場調査、雇用動向調査に基づいて、きちんとした資料提供をされた上で言われているなら僕らも議論できるんです。何にも出てこないのに、石破さん、市場は拡大していく、間違いなくあるに違いないという推測で物を言われている。じゃ、今どれぐらいの日本人の雇用が逼迫をしているのか、そこにどれだけの潜在的な雇用創出の可能性があるのか、そのことも全く具体的な提案をされないわけです。
 それ、出してくださいよ。遅くないじゃないですか、それやってからでも。それをきちんとやっていただいて、やはりこれだけの人材不足があり、これだけのニーズがあるんだ、だからまずトライアルでやるんだというなら、我々も議論としては乗れるわけです。だから、それを出してくださいと言っているのに、いや、全然検討もしていません、調査もしていません、いや、こういう数字は古いのがあります。それでこれやろうといったって、こんないいかげんな議論できないでしょうというふうに申し上げているわけです。それ以上出せないんだから、もうこれ、議論のしようがないわけでありますけれども。
 石破さん、これ、トライアルでとおっしゃいますけど、余りいいかげんなことを言わないでくださいね。これ、人の雇用、人の命が懸かっているんですよ。外国の方だって、幾らトライアルで限定的とはいえ、日本にこの制度の下で来ていただくわけでしょう。来ていただく、いや、失敗したから、じゃ、帰ってください、さようなら、そんないいかげんな制度設計しないんでしょう。それだけ重たい議論なんですよ。だから、責任持った制度設計なり検討なりをしてやっていただかないと困るわけで、だからこの問題を指摘させていただいているわけです。
 今からでも遅くないので、これ、具体的にどうのこうのする前に、これ省令事項なので詳細はこれから検討です、是非いろんなことを決める前にちゃんとした市場動向調査をやってください。雇用の状況、実態を見てください。その上で、どこの特区のどこに指定区域をつくるのか、それはニーズを把握した上で指定区域を設けるということにしていただきたいと思います。石破さん、それはどうですか。
○国務大臣(石破茂君) これ、実際の御提案は神奈川県並びに大阪府からいただいておるものでございます。地域、神奈川なら神奈川、大阪なら大阪というところにおいてそういうような実態があらばこそ、こういうものが上がってきているというような構図になっております。
 私どもとして、繰り返して申し上げますが、これはあくまで特区というものでございます。誰が責任を取るのだということをおっしゃいましたが、それは外国の方々が不当な環境の下で働くことがないように、これは事業者の選定も事業者に対する指導監督も、これは政府としてきちんと責任を持って行うことでございます。せっかく高い志、能力を持って日本に来られた外国人の方々がそういうような不当な境遇に置かれるということは、これは絶対に阻止をしなければなりません。これは賃金においても同様でございます。それは政府として責任を持って申し上げることでございまして、そういうことになったら誰が責任を取るのだということは、政府として責任を取るのは当然のことでございます。そういうことがないように、この制度の運営は厳格にいたしてまいるものであります。
○石橋通宏君 政府として責任を持って、それは当然のことですが、その政府として責任を持ってこれまでも運用していただいていたはずの外国人研修・実習制度であれだけの深刻な問題が今なお発生をし、諸外国、特にアメリカからは人身売買報告の中で指摘をされているわけです。だから、いいかげんな調査なりニーズ、動向なりでいいかげんな形で制度設計してやってしまうと同じことになりますよと、我々はそのことを指摘させていただいているわけです。
 今回、実習制度の方でも法案提出をされておりますけれども、それでも実際にどうなるか分からない。あれだけいろんな御苦労もいただいた上でもまだ問題解決ができない。だから、我々は心配しているんです、石破さん。それは重々お分かりになった上での御発言と思いますので、あと、この後の質問でその具体的な制度のところも確認していきたいと思いますが。
 一つ、昨年六月の日本再興戦略二〇一四改訂版、ここでこの家事支援サービスの実現については、安価で安心な家事支援サービスの実現というふうに記述を具体的にされています。今回の外国人家事労働の導入は、このサービスを安価に提供する、それが目的ということになるんでしょうか、石破さん。
○国務大臣(石破茂君) それは利用しやすいという意味であって、それを実際にその労働の対価として不当なものというものを意味するものではございません。それは利用しやすいという意味で申し上げているのであって、本来の労働の価値に対してそれよりも低いものでということを意味するものではないと考えております。
○石橋通宏君 この再興戦略の書きっぷり、安価なサービスの実現、そしてその後に家事支援ニーズのための外国人家事支援人材の活用という、そういう論理構成になっています。とすると、一般的にこれを読めば、安価なサービス提供のために家事支援外国人の導入だというふうに読めてしまいます。その懸念がまさにあるわけです。
 じゃ、石破大臣にお伺いしますが、今回の制度設計で日本人との不当な差別待遇は絶対に起こさない、先ほど政府の責任において、つまり、同じ仕事を責任持ってやっていただいている、そういう外国の方については日本人との均等待遇は必ず確保すると、そういう理解でよろしいですね。
○国務大臣(石破茂君) そういう御理解で結構でございます。
○石橋通宏君 では、厚生労働副大臣に聞きます。
 現行の労働法令上、日本人と外国人との均等待遇を担保するための法令上の規定は何があるでしょうか。
○副大臣(山本香苗君) 外国人家事支援人材と家事支援サービスに従事する国内労働者に着目し、その均衡また均等待遇を直接的に規定した労働関係法令はございませんが、現在、就労を目的として我が国に入国する外国人のほぼ全ての在留資格におきまして、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けることが入管法に基づく上陸許可基準の要件であると承知をしております。
 このようなことを踏まえまして、今般の外国人家事支援人材の受入れ要件につきましても、今、内閣府を中心に関係府省が検討を行っていると承知しております。
○石橋通宏君 石破大臣、ここは大事なところなんです。大臣は先ほど、均等待遇、それはやりますと答弁していただきました。しかし、国内の労働法令上、現在それを担保する法令規定はないんです。ないんです。つまり、何らかの差別待遇があったときでも、労働法令に規定がありませんので、取締りが非常に困難になるわけです。それをどうやってやるかというのは、これ大事なところなんですね。
 これは、石破大臣、是非、先ほど均等待遇を確保すると答弁いただきましたので、これ必ず、何らかの具体的な制度設計、運用上それが担保するメカニズムを導入しなければこれは前に進まないということを是非約束していただきたいと思いますが、石破大臣、よろしいですか。
○国務大臣(石破茂君) それはお約束いたします。そういう体制をつくらなければ、この制度は意味を成しません。
 それは、外国の方々を安く使うというその表現は、私自身、やや引っかかりを感じるものがございます。そこにおいて、外国の方々が来られて、それは日本人と同じような待遇が受けられるかどうか。外国の人だから安く使えばいいだろうと、そういうような発想が私はあるべきだと考えておりません。この運用には、この法案を提案いたします以上は、これは運用を厳格にするということは申し上げておきます。
○石橋通宏君 今、石破大臣に明確に御答弁をいただきましたので、是非、この均等待遇のところは大変重要な、本当に本質的な課題だと思いますので、これをしっかりとやらない以上は前に進まない、具体的な制度導入しないということで確認をいただきたいというふうに思います。
 その上で、具体的な労働者の入国ビザの関係について確認をしておきたいと思いますが。
 一応、今回の法案を受けて、お手元の資料の二にちょっと私の方で全体の制度の概要について、提供いただいた資料も参考にしながら確認をしておりますが、まず、外国の方に今回新たにこの制度の下で日本に来ていただく、在留資格の特定活動を用いてということが説明をしておられますが、これ具体的に、年齢要件十八歳以上というのはあると思いますが、それ以外にどのような要件を課すのか。特に今回、先ほど石破大臣も言われましたが、これは専門性のある方にお入りをいただくんだというふうに説明がありましたので、その専門性がある方というのが当然入国の際の要件に課されるんだと思いますが、これ葉梨副大臣でよろしいでしょうか、御答弁お願いします。
○副大臣(葉梨康弘君) まさにこの十六条の三にそれぞれ書かせていただいているわけですけれども、年齢、それから家事の代行、ここにもありますが、補助に関する職歴ですね、これを見ると、そしてその他この政令の定める要件、基準に適合するもの。これは、先ほどの報酬での均等というのも、多分、これから関係省庁、いろんな形で話し合う中でそういう形の基準も定められてくるものだというふうに私も理解をしておりますけれども、これは、特定活動で入れるときにはそこを審査をいたしまして、その上で、政令の定める、指針に定める要件、家事支援サービスを提供する企業はこれを満たしているということを関係省庁が確認した上で当該企業の申請によって入国管理局が家事支援外国人に対して在留資格認定証明書を交付するということで、みなす活動としての特定活動としての受入れが可能となるという仕組みと承知しています。
○石橋通宏君 副大臣、済みません、よく分からないんですが、今回、質の高い家事支援人材、質の高いというのを何をもって確認されるおつもりか。今の現段階、最終的には政令でお決めになるということでしょうが、これは質の高いというのを何をもって担保されるおつもりか、確認させてください。
○副大臣(葉梨康弘君) まさに関係省庁において現在検討をしているところですけれども、今申し上げましたように、家事支援活動を行う業務に従事した経験、これを一定期間有すること、あるいは一定の基準を満たす送り出し国側の政府認定の人材育成機関で家事支援の一定の研修を修了していることなどがまず質の高いということで想定されるものだというふうに思います。
 そして、受入れ企業につきましても、先ほどの労働関係の扱いもございますし、さらには日本においても専門性の高いスキルの研修を実施すること、そういったことが見込まれるというようなこともまた関係省庁で協議の上、つまり送り出すときの送り出し側の研修、それから職歴、それから受け入れた場合におけるスキルアップ、そして待遇、そういったものを総合的に勘案して質の高い人材ということで受け入れられるものだと考えております。
○石橋通宏君 委員の皆さんも、今御説明いただいた、家事に一定年限、一年と僕は聞きましたけれども、従事した経験がある、これが質の高いとお思いになるかどうか。首ひねられると思います。認定研修機関における研修といったって、それがどういう研修か全く明らかではありません。二日、三日の研修を受けてもオーケーなのか、一年、二年以上の家事のスペシャリストとしての研修を受けるのか、これ次第で全く変わってしまうわけです。
 先ほど、石破大臣、これは質の高いということを強調されておりました。ここの要件次第でどうにでもなっちゃうんです。どうにでもなっちゃうんです。非常に敷居の低いことになりかねない。これも大変重要なところですよ。これ、今、政府機関で確認されていると言いますが、結果的にとても敷居の低いことになったら、先ほど来の石破大臣の答弁全てすっ飛んでしまいますので、これを我々非常に注視をして、これは具体的にどういう要件、質の高いということの設定がされるのか、これは注視をしておりますので、また是非改めてきちんとした御説明をいただきたいというふうに思います。
 その上で、これ、決定した要件を満たせば人数の制限はないという理解でよろしいですか。
○副大臣(葉梨康弘君) 人数について審査するわけではございませんで、特定活動とみなせるかどうかというような、その基準を満たしているかどうかということが要件になってまいります。
○石橋通宏君 つまり、基準さえ満たせば人数の上限規制は特にないということです。
 石破大臣、これ、人数制限は今回の制度の下では課すつもりはないという理解でよろしいですね。
○国務大臣(石破茂君) ただいま私どもが提案しておる内容に人数制限というような考え方はございません。
○石橋通宏君 ここも大変重要なところです。先ほど日本人の雇用に対する悪影響が出ないのかというふうにお伺いしました。人数制限がない、要件さえ満たせば、特定機関、受け入れる側が受け入れる限りはということは、日本人から外国人の方への代替を起こしても特に歯止めが全く制度設計上ないということであるとすると、これは大変な問題になりかねないというふうに思います。ここは制度設計上、先ほど石破大臣は日本人の雇用に悪影響を及ぼすようなことがないようにというふうに言われました、何らかの措置を講じるべきだというふうに思いますので、そこは指摘をしておきたいと思います。
 在留資格の有効期間、葉梨副大臣、有効期間、何年にする予定ですか。更新は認められますか。
○副大臣(葉梨康弘君) これは、まだ今検討中ということでございます。ですから、何年にするということを明確にお答えできる段階ではございませんが、三年程度ということかなと。今現在、例えば今の法律における技能実習ですと四年ですか、ですから三年とかその程度なのかなというような感じは持っておりますけど、ここで明確に何年であるということを、今現在決定されているわけではありません。
○石橋通宏君 更新は。
○副大臣(葉梨康弘君) 方針としては、三年程度ということで各省庁で……(発言する者あり)
 更新ですか。ごめんなさい、更新でございますね。更新は一年ごとの更新ということで、三年が上限というのが現在入れている技能実習の形ですよね。
 ですから、そういった意味で、全体で三年程度なのかなというようなことを考えております。その間の中に更新があります。
○石橋通宏君 では、三年の上限来たらもう必ずお帰りいただくという制度設計なんですね。
○副大臣(葉梨康弘君) 現実問題として、そういう形になってこようかと思います。ただ、この三年というのはまだ、今決まっているわけではありません。
○石橋通宏君 ここも、どれぐらいの年限になるのか、さらには、その上の更新が認められるのか、これは重要なところです。重要なところというのは、ちょっと時間の関係であれですが、この後、これはいわゆる移住労働政策との関わりという観点で、当然、長くなればなるほど、これは本当にそういう外国の方々の日本国内での生活、そういう保障も含めての検討が必要なわけですので、ここ大変重要なところです。これも制度設計がどうなるのか。
 一応、三年をめどに更新不可というふうに事前には聞いておりますが、恐らくそれを軸に議論されるんでしょうけれども、業界からは間違いなく上限を延ばしてくれというのは来ると思います。既に来ているんじゃないかと思います。それはそうですよね。三年間一生懸命頑張っていただいた、教育訓練も提供していただいた、日本語もまた更にできるようになっていただいた、そういう方、三年たってお帰りいただくのかという声は間違いなく業界から出てくると思います。
 経産副大臣、どうですか。今ヒアリングをされていて、既に業界からそういう声聞こえてきていませんか。
○副大臣(山際大志郎君) 現時点においては、まだそのような具体的な声というのは聞こえてきてございません。
○石橋通宏君 私の手元にはその辺の指摘があるように、まあそれは、じゃ、そういうことにしておきましょう。というので、ここも大変重要なポイントになると思います。
 それで、移動の自由は認められるんでしょうか。これは法務副大臣なのか、それとも制度設計上だから石破大臣なのか、どちらでも結構ですが。これ、最大の課題はやっぱり移動の自由なんですね。研修・実習制度も、問題の多くはこれ移動の自由が制限をされていること、それによって大変弱い立場に置かれて、人権侵害、搾取の温床になってしまっていると。今回の制度設計上、移動の自由はお認めになりますか。
○副大臣(葉梨康弘君) 移動の自由というふうに委員おっしゃられるのは、どういうような移動の自由なのかということが必ずしも明確ではないんですけれども、雇用についてということですね。
 内閣府を中心に各省庁検討しておりますのは、この家事支援活動を行う限りにおいては、要件を満たすような別の特別の機関、これについての転職は可能とする方向です。ただ、要件を満たす必要はあります。
○石橋通宏君 認定された特定機関であれば移動は可能にするということで、明確に認めていただきました。
 仮に、一旦雇用契約を結んだ特定機関が労働条件が悪い、ほかによりいい労働条件を提供してくれる特定機関があったのでそっちに移ると、それも移動の自由の中で移動事由として認めていただけるんですね。
○副大臣(葉梨康弘君) 要件を満たす限りにおいてはということだろうと思います。
○石橋通宏君 つまり、移動事由に制約は設けないという理解だと思います。
 認定を受けた特定機関であれば、外国人労働者の側で選択をいただけるということですので、これはとても大事なところです。つまり、残念ながら悪いことをしてしまった、必ずしも規則を、ルールを守っていただけない特定機関があったとすれば、それをきちんと労働者の側で、ここでは駄目だということで移動していただける、それによって特定機関のルールを遵守していただくということの歯止めにもなりますので、これは大変重要なところなので、是非そこは制度設計上徹底していただきたいと思いますが。
 例えば、石破大臣が先ほど言われたとおり、今回、神奈川と大阪が手を挙げられていると。これ当然、じゃ、それぞれの、神奈川県ですので神奈川県のどこかがまた指定区域になるのかもしれませんし、大阪市全域が指定区域になるのかも分かりませんが、これそれぞれで相当数の特定機関が認定されるという理解でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(内田要君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、今二つの区域がやろうというふうに言っております。また、これが制度化成った暁には、公共団体の長、それから我々大臣、関係者入って区域会議を開きまして、その中で要件を見て認定していくということになっておりまして、今、どれぐらいとか、そこまでは予想が付いているところではございません。
○石橋通宏君 逆に言えば、特に数に制限を設けるつもりはない、特定機関、事業者が手を挙げて要件さえ満たせば上限なく認めるという方向で議論されているということでいいですね。
○政府参考人(内田要君) お答え申し上げます。
 ちょっと前の御質問に対するお答えが不正確であったかもしれませんが、その上限どうかというよりも、区域会議という場で、一件ごとでございますから、そこにおける状況、要件等々を見て、それから、もちろんその区域における需要でございますとか、そういうようなことも当然議論の対象にはなると考えております。
○石橋通宏君 石破大臣、なぜこれを質問させていただくかというと、先ほどせっかく移動の自由ということを確認をいただきましたが、当然、区域内で一者しかなかったら移動の自由はないわけです。複数の特定機関が認定をされて、そこでルールにのっとって活動いただく。その中で変な事業者があれば、そこからいい事業者に、特定機関に移動をする。それは、移動の自由が保障されていること、それによって制度的な担保をいただけるんだと思いますが、仮に一者しかなかったと、そこには移動の自由があったとしても移動できませんので、移動の自由は実質的な意味ではないわけです。
 その意味で、移動の自由を担保する、それによって制度の健全化を確保するということであれば、それなりの特定機関の認定というのをそれぞれの区域でしていただかなければいけないというふうに思いますが、石破大臣、それはそういう考えでよろしいですか。
○国務大臣(石破茂君) そういう考え方で結構でございます。
 ですから、それが一者しかないかどうか、それはやってみなきゃ分かりません。ただ、私が考えますに、それが一者しかない、いろんな要件をかなり厳しく課さなければなりません、それで一者しかないというのはなかなか想定しにくいことでございます。区域会議で議論することでございますが、やはり複数出るということは想定をいたしておるところであります。
 仮に一者しかないとするならば移動の自由というものは実質担保されないじゃないかという委員の御指摘はそのとおりなのでありまして、だとすれば、その一者に対してどのようにして厳格な指導監督を行うかということが問われるようになります。それはそういう論理立てになろうかと存じます。
○石橋通宏君 問題意識は共有いただいたと思いますので、そこを是非しっかりと今後の制度設計でやっていただければと思います。
 次に、送り出し国側の確認なんですけれども、先ほど来私が言及しております、これまで既に多くの問題を抱えております外国人研修・実習制度ですが、最大の課題は、やっぱり、送り出し国側で残念ながら民間の悪質なブローカーが介在をしたりして、出国前に保証金を取られた、いろいろ手数料を取られた、借金を抱えてしまった、それによって日本国内に来てもその借金なり保証金に縛られて、何か問題があっても黙って我慢して耐えていかなければいけないという問題が結局いまだになくならないということなんですね。
 今回の制度の下で、石破大臣、この送り出し国側でそういう不正な状況、民間ブローカーの介在ですとか、保証金やら手数料の問題ですとか、そういうことを絶対に介在させないんだという御決意だと思いますが、それを制度的にどのように担保する現段階でのおつもりでしょうか。
○大臣政務官(小泉進次郎君) 私宛てにいただいている問いですので、お答えさせていただきます。
 保証金等の契約を締結している場合には法務省において在留資格認定証明書の交付を行わない措置を講じるということで、悪質なブローカーを排除できるようにする方向で今法務省を始めとする関係各府省と調整を行っているところです。
 詳細につきましては関係各府省と検討を行っているところでありますので、引き続き、関係府省及び地方公共団体と連携して、この制度の適正な管理体制を構築して適正に運用していけるようにしていきたい、そう考えております。
○石橋通宏君 繰り返しますが、研修・実習制度においても、当然ながら、送り出し国側のそのような保証金等々の、これはもう既に制度的にいろんな担保をしていただいているんですね。それでもなくならないわけです。それでもなくならないから、今回の実習制度の改革案の中では、法案の中には入っていませんが、葉梨副大臣ともいろいろやり取りさせていただきましたけれども、二国間の協定を結んで、ちゃんとした公的な管理の下にそういう民間ブローカーの介在を排除するという方向を出していただいているわけです。しかし、今回はそういう設計になっていないんですね。なので、送り出し国側で民間ブローカーの介在の余地が出てきてしまう、闇に埋もれた形でできてしまうのではないか。
 だから、今回も、実習制度と同じように、何らかの公的なシステム、協約とか提携を結ぶとか、公的な認証機関を送り出し国側に設けるとか、そういう設計も必要なのではないかと思うんですが、石破大臣、そういう検討はされないんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 今政務官からお答えをしたとおり、これから詳細を詰めてまいります。ですから、二国間協定という形がいいのか、どういう形がいいのか、これは主権国家であります相手国の責任もきちんとしていかなければなりません。それは、どの国であろうとも、自国民がそのような境遇に置かれることがないように、それはその国として責任を持たねばならないことだと思います。
 ただ、これは私どもの国だけでやることではございませんので、その当該国とこれから先、協議もすることになりましょう。いずれにしても、そういうようなきちんとした仕組みというものを整えるという問題意識は私自身持っておるところでございます。
 ですので、どういうような仕組みが最もそういう悪質なブローカーのようなものを排除するのに適当かということは、私どもも考えますが、想定されるそういうような国々ともきちんと議論をして、その国の国民の人権が損なわれることがないように二国間でお話をすることになろうかと思います。
○石橋通宏君 今の制度の下では、これはあくまで個人が特定活動ビザを取得をされて、いわゆる民間の契約ですね、なので、結局、送り出し国側の公的な介入、責任体制というのはないわけです。だから御指摘を申し上げているわけで、今、石破大臣、そういうふうに答弁いただきましたので、何らかの送り出し国側の公的な関与、これをちゃんと二国間の間で担保する、先ほどの答弁に基づいて是非それをやってからこれまたちゃんと前に進むということで、最初の制度設計の段階でやっていただくことを確認をしておきたいと思います。
 それでは、済みません、時間がなくなってきましたので、外国人家事労働者の今回の雇用契約の形態について一点確認をしておきたいと思います。これ、厚労副大臣でよろしいですかね。
 今回、日本にそうやって特定活動ビザでお入りいただいて、外国人家事労働人材、これ、公私の特定機関、認定を受けた特定機関と直接の雇用契約を結んでいただいて、特定機関がユーザーと結ぶ請負契約、それに基づいて家事支援サービスを提供するということで制度設計されていると理解をされておりますが、それが唯一の雇用形態であって、派遣とかユーザーとの直接契約に基づくサービス提供とか、そういうものは一切認められておらないということでよろしいですね。
○副大臣(山本香苗君) おっしゃるとおり、特定機関と利用者との間の請負契約により家事支援活動を行う予定でございまして、それ以外は想定しておりません。
○石橋通宏君 派遣も認められないということで、済みません、そこだけ確認です。
○副大臣(山本香苗君) 派遣契約についても想定していないと承知しております。
○石橋通宏君 まだ詳細はこれからだと思いますが、派遣は想定されていないということで答弁をいただきましたので、それは是非そういう形でお願いをしたいと思います。
 その上で、家事労働者が提供するサービスの内容ですが、これ実は私も今回いろいろ調べさせていただいて、資料の三に幾つかの具体的なサービス提供事業者のサービス事例というのを出しておりますが、石破大臣、これ、石破大臣も当然いろんなものを御覧になっていると思いますが、私も改めて、いろんなやっぱりサービスがあって、今いろんな事業者さんはこのサービスメニューをお客様の好みに応じていろんな組合せをして提供するということをされているわけですね。その中には、やっぱり企業によっては介護サポート、それから子供、子育て支援、ベビーシッター等々も含めて、そういういわゆる人的なところも含めたサービスをメニューに入れて組み合わせている事業者が結構あるわけです。
 そこがまさにニーズが高いということなんだと思いますが、今回、外国人家事労働支援人材の方が提供できるサービス、これはあくまで炊事、洗濯などなど、いわゆる介護ですとか子供、子育てだとか、そういう直接的に人的な支援サービスが介在するところには認められない、含まれないという理解でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 現在、関係省庁と調整を行っております。炊事、洗濯、掃除、買物、寝具の整備等、これを定める方向で調整をいたしております。詳細はまた厚生労働省からお答えをいただきたいと思います。
 先ほどの答弁、少し修正をいたしておきますが、これはEPAのものと違いまして特区でございますので、これはどのように管理体制を厳格に運用するかという形で対応してまいりたい。
 いずれにいたしましても、外国の方々が不当な環境に置かれることのないようにということは厳正にやっていかねばならないことでございます。
○石橋通宏君 質問時間が来ましたので最後にしたいと思いますが、先ほど言っていただいた、これ、いろんなサービスが提供されておりますが、介護又は子供、子育て、そこのところは今のところ想定されていないような答弁でしたので、それは是非その方向での具体的な検討をお願いしたいと思いますが、最後にILO条約の関係についてだけ確認をしておきます。
 衆議院の方でもいろいろ議論されて、答弁されておりますが、政府の答弁では、現状で、百八十九号条約、これ整合性がまだ取れていないので批准できないけれども、今回の制度については条約の規定と整合性が取れているというふうに理解をされているというふうな答弁でした。
 山本副大臣、そういう政府見解でよろしいのかということなんですが、これ、石破大臣も条約の中身御覧になっているんだと思うんですけれども、条約第六条に僕は触れるんじゃないかなということを心配しております。先ほどの均等待遇が国内労働法令上保障されておりませんので、ここで労働者全般、国内の労働者全般と同様に、公正な雇用条件、適切な労働条件確保というのがあります。これ均等・均衡待遇だと思いますが……
○委員長(大島九州男君) 時間ですので、おまとめください。
○石橋通宏君 はい。
 ここのところが担保されていない、引っかかるんだと思いますが、そこのところはどういう見解かだけ最後に確認させていただいて。
○副大臣(山本香苗君) 基本的には、先生御紹介いただいたように、今回の措置につきましては、ILO条約との間ではきちんと外国人が保護される形になっておりますが、まだ政省令は決まっておりません。先ほどの御指摘のことも踏まえまして、きちんと整合性が取れる形でさせていただきたいと考えております。
○石橋通宏君 よろしくお願いします。
 以上です。終わります。ありがとうございました。
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。
 二回目の質問となりますので、まず、質問通告したんですけれども、そのやり取りの中でちょっと疑問を感じたので、局長、答えてください。また思い付きで済みません。
 全国の待機児童数がいわゆる四年連続で減少、これはいいことだと思います。平成二十六年四月現在で二万四千四百二十五人ということで、まだ解消には程遠いんですけれども。厚労省の試算によりますと、待機児童を解消するためには、平成二十九年度までに新たに六・九万人の保育士ということで、今、待機児童が二万四千人で、新たに六万九千人。そうすると、一人の待機児童に対して三人の保育士が対応するという、何かそういうデータになっているんですが、それでよろしいんですか。
○政府参考人(木下賢志君) 今の先生の御指摘でございます。
 一つは、待機児童数でございますが、先生御指摘の、まず昨年の四月一日時点では二万一千三百七十一人と、これはちょっと新しい数字でございます、その数字になってございます。
 それで、今回、待機児童、二十五年度から待機児童解消加速化プランというのをやっておりまして、これまでに大体十九万人分のまず対象の児童についての枠を決めたと。あと二十一万人分の対象児童について対応するということになっておりまして、先ほど先生御指摘の六・九万人、それに見合う保育士の確保分ということでございます。
 特に待機児童は、一歳児、二歳児、ゼロ、一、二という世代、年齢層が八割ぐらいを占めておりますので、その場合においては大体三対一ぐらいの基準になってございます。そういう意味で、今の先生の試算、大まかな試算でございますけれども、おおむねそういった数字になろうかと思っております。
○若松謙維君 分かりました、今、残り二十一万人に対する約七万人、そういうことで三対一と。分かりました。理解いたしました。
 そこで、これもたしか岡田先生が質問されたと思うんですけど、いわゆる特区におきまして保育士試験を年二回実施するということなんですけど、反対に、もっと底上げの意味で、こういう議論があったかということを聞きたいんですが、じゃなくて、原則二回にして、そうするとその事務的な負担が大変な県については従来の一回にするみたいな、そんな議論というのはあったんですか。
○政府参考人(木下賢志君) 委員御指摘の原則二回と。これまでも、まず法律上、県は年一回以上試験を実施をするということになってございます。
 それで、私どもとしても保育士の確保というのはいわゆる保育所の整備と併せて非常に重要だと思っておりますので、その意味で、都道府県に対しましても、二回実施することについていろいろ打診をこれまでもしてまいりました。しかしながら、いろんな、地域によっては、県によっては、待機児童数が少ない、あるいは都市部は特に多いといった差がございまして、全体として年二回やることについてはなかなか厳しいかなということで理解しておりました。
 そういったこともあって、今回、特区という御提案がありましたので、我々としては特区を活用して、一定期間その特区内で、三年間は特区内で勤務をする、試験に合格した場合はと、そういう条件で、できるだけ都道府県においてもそういった年二回実施がしやすくするという方策を考えたわけでございます。
○若松謙維君 この特区限定保育士ですか、これ四十七都道府県、どのくらい件数が、何というんですか、申し込むというんですか。
○政府参考人(木下賢志君) まず、法案が理解いただきまして通ってからの話になると思いますが、具体的には。ただ、これまでも特区の申請をされている自治体の中で四つの自治体が手を挙げてございます。一つは神奈川県、それから大阪、それから千葉は成田でございますけれども、成田、それから沖縄県と、こういう状況になってございます。
○若松謙維君 それで、この制度を活用することによって、年二回ですか、やることによって、保育士ですか、八千人ぐらい確保できると、たしかそんなやり取りがあったと思うんですけれども、これは、そうすると、八千人ということですと、さっきの七万にもうとても足りないということなんですが。
 そうすると、どうするかということで、潜在保育士というところにちょっと焦点を当てますと、今いわゆる保育の現場で働いていない有資格者の方が約六十万人いるということなんですけれども、これ厚労省の調査によりますと、いわゆる保育士として働かない理由として、まずは一番多いのが賃金が希望と合わないというのが四八%、次いで他職種への興味が多いということで四三パー、責任の重さ、事故への不安が四〇パー、自身の健康、体力への不安が三九パーということですけれども。この保育士の仕事ですが、この調査結果にも表れているように、子供の命、身体の安全に直結する大変責任が重い仕事でありますので、その結果としてなかなか、こういう潜在保育士ですか、の方が現場に来られないということなんですが。
 結局は、また話は戻るんですが、やっぱり保育士の処遇というものは責任に合ったものにしなければならないという改善ですか、ということですけれども、改善してもこの責任に合った処遇でなければ、結局、潜在保育士だけが増えてしまう、この悪循環になりますので、この根本的な解決というのをそこも含めてどうやったら、この潜在保育士がまず増えない、又は現在の潜在保育士が現場に来てくれるというための処遇策って何でしょうか。
○政府参考人(木下賢志君) 委員御指摘のとおり、資格を有する方が実際にやはり現場で保育士として働いていただくということが重要でございます。その意味で、保育士の処遇改善も併せて行う必要がございます。
 今回、消費税財源を活用しまして、公定価格の三%相当の処遇改善を行うとともに、職員の勤続年数、経験年数等に応じた人件費の加算という仕組みとして処遇改善等加算を設けてございます。
 そしてまた、この保育士の公定価格につきましては国家公務員の給与改定と連動しておりまして、二十六年度の国家公務員の給与改定におきまして人件費二%相当の改善措置が行われておりまして、これも今年の四月からの公定価格に反映されております。
 また、こういった賃金等の処遇改善のほかに、保育士・保育所支援センター、これがいわゆる再就職の支援の中核となるセンターでございます。全国四十か所ございますけれども、その中に、潜在保育士等への就職のあっせんですとか相談支援の実施、あるいは離職をした保育士に対しましてセンターへ登録を勧奨しまして、登録いただきました保育士への再就職に向けた研修の案内ですとかあるいは求人案内の情報提供など、きめ細かな支援の実施をしたいと思っております。
 あわせて、就職相談会、それから再就職希望の保育士を対象とした職場復帰、特に、一回辞めてしまいますとなかなか再就職するのにちょっとちゅうちょするというのがございますので、そういった職場復帰のための実技研修の実施など、潜在保育士の再就職支援を積極的に行っているところでございます。
 今後とも、これらの取組を確実に試験の実施と併せて取り組んでいきたいと思っております。
○若松謙維君 今の支援センター四十か所ということで、ちょっと質問通告していない、もし分かればなんですが、まだ処遇改善が始まって三か月ですけれども、何人ぐらいの方が今登録されてますか。分かればで。
○政府参考人(木下賢志君) 登録は今年度から実施をすることになっております。ですから、把握はまだしておりません。しかし、登録以外に、あっせんによって支援センターの中で実際に就職に結び付いたのが千五百件ほどございます。
○若松謙維君 ということは、一応今年の四月からの処遇改善、現場に下りるのはこれからでしょうけど、先ほどの潜在保育士等の動きは見えてきたと、そういう理解でよろしいんですか。
○政府参考人(木下賢志君) これも様々な取組の総合的な効果だと思っておりまして、我々としては、潜在保育士の就職支援のためには様々なツールを使いながら進めてまいりたいと思っております。
○若松謙維君 やっぱり、先ほどの潜在保育士六十万人、何とか保育の現場に帰ってほしいなと思いながら、さあどうすっぺということなんですけど、いろいろととにかく知恵を出していただいて、私ども、いろんな現場の声をまた引き続きつなげていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、農業等に従事する高齢者の就業時間の柔軟化についてということで伺いたいんですが、シルバー人材センターの目的として、高齢化の進んだ地域における単なる労働力の確保だけではなくて、高齢者にとっては働くことそのものが生きがいだと、こういうことでございます。
 この特例によりまして週の労働時間が四十時間と倍になるわけでありますが、週二十時間だけで十分だという高年齢者のニーズも当然従来どおりあるわけでありまして、生きがいとして労働が強制的なものにならないような配慮が必要ではないか、そういう意見ありますので、いかがでしょうか。あと、あわせて、このシルバー人材センター、どういったところが申出になっているか、それも併せてお答え願います。
○政府参考人(広畑義久君) お答え申し上げます。
 シルバー人材センター事業につきましては、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律におきまして労働者派遣法の特例が設けられております。本来、派遣事業の許可を受けるべきところを届出で可能とされております。この特例は、おおむね週二十時間を超えない範囲の軽易な就業に限って認められております。
 今回の改正案は、高齢者の活躍の場の拡大を求める兵庫県養父市からの要請を踏まえまして、国家戦略特別区域では週四十時間程度まで、シルバー人材センターが派遣元となっていわゆる派遣で就業することを可能とする緩和を行おうとしているものでございます。これは、より多くの収入を得るため、週四十時間フルタイムで働きたいなど、高齢者の多様な就業ニーズを踏まえまして、時間制限を緩和することで選択肢を広げようとするものでございます。
 委員御指摘のように、一方では、週二十時間程度生きがいとして働きたいなど、様々なニーズがございます。センターのそもそもの目的は高齢者の希望に応じた臨時的かつ短期的又は軽易な就業の援助でございまして、今回の特例の創設後におきましても、引き続きこうしたニーズに対しまして現行制度によって柔軟に対応すべきであると考えております。
 厚生労働省といたしましては、養父市におきましてシルバー人材センターを活用する場合には、個々の高齢者の多様なニーズに沿った就業機会が確保され、適切な運営がなされるよう、内閣府とも連携の上、よく相談に乗ってまいります。
 なお、こうした申出があるのは幾つぐらいかということでございますが、現在、具体的な申出があるのは兵庫県養父市のセンターだけではございますが、先ほど岡田委員の答弁のときに山本副大臣から御説明申し上げました私どもの検討会におきましては、全国で千三百近いシルバー人材センターがございますが、六割、七割のシルバー人材センターが緩和を要望しているという状況にございます。
○若松謙維君 こういう議論はありますか。例えば、二十時間を最初から四十時間、若しくは二十時間と四十時間を届出できる選択制みたいのという、制度を変えるというんですかね、そういった議論はあったんですか。
○政府参考人(広畑義久君) ただいま申し上げましたように、特例といたしましては二十時間以内ということではございますが、議論の過程で三十五時間程度とかいろいろあったわけでございますが、養父市におきましてはできるだけフルに働いていただきたいということで、今回の特例といたしまして四十時間を要望するということでございました。
○若松謙維君 それで、今、千三百、全国ですね、シルバー人材センターがあるということでありまして、そのうち六割ぐらいですか、どうもニーズがあるんだろうと。大体何人ぐらいの方々が対象になるんですか。
○政府参考人(広畑義久君) お答え申し上げます。
 率直に人数を申し上げるのはなかなか難しゅうございますが、今年の三月末日現在でございますが、全国で団体が千二百七十二、会員といたしましては七十二万人、内訳で申しますと、男性四十八万人、女性二十四万人ということでございますけれども、申し訳ございません、どれぐらいかというのを見通すのはなかなか難しゅうございますが、ある程度の可能性はあると思っております。
○若松謙維君 そうすると、今のは推測値ですけど、七十二万掛ける六〇パー、約四十万、それの週二十時間は増えると。そうすると、週二十時間で八百万時間のある意味で労働力の供給は、数字ですけど可能であると、そういう理解でよろしいですか。
○政府参考人(広畑義久君) お答え申し上げます。
 ちょっと舌足らずで申し訳ございません。今のシルバー人材センターの事業の主力はむしろ雇用ではございません。請負という形で月十日以内、あるいは週二十時間程度の仕事をしているというのが主流でございますので、これから週四十時間程度派遣で働こうというのは相当限られてくるのかなと思っておりますが、ただ一方で、団塊の世代が六十五歳になってきておりますので、そういったところにもニーズもあろうかと思っております。
○若松謙維君 そうすると、週四十時間が毎週となると、通常の雇用になってきますよね。すると、また違った議論になると思うんですけど、その際にはどんな課題が出てくるんですか。
○政府参考人(広畑義久君) お答え申し上げます。
 週四十時間あるいは派遣できちっと派遣先で仕事をするということになりますと、いわゆる労働者性が出てまいりますので、社会保険の問題であるとかそういった指揮命令の問題等がございます。ただ、これは、ちょっと舌足らずで申し訳ございませんが、現行でもそういったことは可能でございますので、シルバー人材センターの事業として行うことについての特例を設けているということで御理解賜ればと思います。
○若松謙維君 分かりました。思い付きの質問が多くて済みません。大体イメージが分かってきました。
 じゃ、それでは、これ最後の質問なんですが、現在、報酬を受けて外国人付添い、先ほどの質問ともちょっと触れると思うんですが、外国語を用いて旅行に関する業務を営もうとするというための通訳案内士ですか、これが必要となってくるわけでありますけど、現在でも無資格でガイド行っている人もいると聞いております。その結果、どういう問題が起きているかというと、無資格ガイドのいわゆるホスピタリティーというのが、しっかりと研修を受けていないということで、外国人旅行者が日本に対して、日本ってこんなにホスピタリティー悪いのかと、そんな誤解、また悪印象ですか、持ってしまうということであっては元も子もありませんので。
 また、こういう無資格ガイドの方がお土産屋さんですとか免税店を紹介してキックバックをもらうということで、外国人の方々から、どうも高い店ばかり連れていかれると、そんなクレームも出てくるという話も聞いておりますので、この無資格ガイドの対策、これについてどのようにしているか伺います。
○副大臣(西村明宏君) 今、若松委員お話ありましたように、外国人の旅行者に対しまして外国語で有償での旅行案内をするためには、通訳案内士の資格を取得する必要があることは御承知のとおりでございます。
 しかしながら、御指摘のように、主に中国や韓国からの団体ツアーにおきましては、無資格のガイドの添乗員によりまして、我が国の歴史や文化につきまして不正確な説明があったり、またキックバックを前提にしまして特定の土産店に半ば強制的に旅行者が案内されるといった問題が発生していると承知しております。このようなことは、我が国滞在中の旅行者の満足度を低下させるのみならず、我が国に対する信頼や印象形成にも悪い影響を及ぼしかねないといった弊害もあるというふうに認識いたしているところでございます。
 このため、国土交通省としましては、中国におきまして現地旅行業者を集めまして説明会を開催しまして、無資格ガイドは違法である旨の周知を徹底いたしているとともに、日本国内におきましても相談窓口を設置しまして、注意喚起、警告を発するなどの対策を講じているところでございます。
 引き続き、無資格ガイドの実態の把握にしっかりと努めまして、訪日外国人旅行者の皆様が安心して我が国を観光し、満足していただけるように全力を尽くしてまいります。
○若松謙維君 この無資格ガイド、今お話聞きながら大分イメージ湧いてきたんですが、結局、私たちも、どこの国と言いませんが、近隣のアジアの国々に行くと、まだそういった、失礼ですけれども、新興国というのは、どっちかというと、ガイドさんが結構力を握っているんですね。それで、行き先をどんどん決めると。経験があると思います。日本は反対にガイドニーズというのは恐らく減っていると思うんですね。
 ということなんですが、結局、海外の旅行客と一緒に、いわゆる無資格ガイドということで日本でいろんなことをやられて、それで、先ほどのアジアの、そこで働いている文化をそのまま日本に持ってくるということのトラブルですよね。これを今、いろんな実態を把握するということでしょうけれども、御存じのように、急速に今外国人が増えておりますので、具体的にどんなタイムスケジュールで対応しようとするのか、ちょっと分かれば御答弁お願いします。
○副大臣(西村明宏君) 観光庁におきましては、中国において現地の旅行業界、そしてまた業者を集めた説明会を開催しているのは先ほど申し上げたとおりでございまして、添乗員の皆さんが我が国で旅行案内する場合におきましては、資格を取得すべきこと、そして、その際の禁止行為をしっかりと説明いたしております。
 今後は、在京の中国大使館の領事部と連携いたしまして、旅行者等から苦情がありました場合、こういった場合には事実関係の把握に努めまして、警察にも相談いたして、所轄省庁と連携を取りながら適切に対応していく、そして、その際に、消費者庁に今後設置予定の外国人の相談窓口も活用してまいりたいというふうに考えております。
○若松謙維君 今、中国という話ですが、そういう、一つの、何というんですか、警察等に被害届というか、クレームというのですか、来ているのは大体その国だけですか、あと、ほかにありますか。
○副大臣(西村明宏君) 一番多いのがやはり中国ではないかというふうに考えております。
○若松謙維君 ほかはそんなでもないですか。
○副大臣(西村明宏君) ほかの国は、そういうふうに余り苦情はないというふうに承知しております。
○若松謙維君 分かりました。
 ということで、非常に課題は明確になっているということでありますので、是非ともいろいろと対応していただいて、更にこのビジット・ジャパンですか、二千万人外国人の旅行客、一日でも早く達成することを希望いたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(大島九州男君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(大島九州男君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、岡田直樹君、世耕弘成君及び石橋通宏君が委員を辞任され、その補欠として豊田俊郎君、井原巧君及び芝博一君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(大島九州男君) 休憩前に引き続き、国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。法案への質問の前に、一点、石破大臣にお願いがあります。
 地域住民生活等緊急支援のための交付金の地方創生先行型の交付決定が行われました。ここで、少なくない自治体が子供医療費助成の事業計画を申請し、交付決定されています。この交付金を活用して医療費窓口負担をゼロにした場合、国庫負担金の減額、いわゆるペナルティーがどうなるのかと、これが問題になるんですが、衆議院の地方創生特別委員会、三月二十七日と四月の十六日、我が党議員、この問題取り上げまして、厚労省は検討するという答弁をしていました。季節は変わったんですけれども、いまだ検討中のようなんですね。
 それで、現在の省令でも国からの補助金はペナルティーの対象とはしないということが定められていて、福島基金による医療費の助成は、この規定を適用し、現にペナルティーの対象外にしています。石破大臣は衆議院で、この交付金を活用した場合の国保のペナルティーについては、地方創生という観点からどうなのかという意識は私自身強く持ったと御答弁いただきました。
 是非、大臣からも、ペナルティーの対象にはしないという結論が早く出されるよう厚労省に働きかけをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 確かに、衆議院でもそのような御指摘をいただきました。これはペナルティーという言葉で表現するのは余り適切なことだとは考えておりませんが、この先行型の交付金が持っております性格というのは、何にお使いをいただいても結構ですというものであるわけでございます。それで、お子さんの方々の医療費というものの減額にこれを充てた場合に国全体としてどう対応するのかというのは極めて難しい問題だというふうに理解をいたしております。
 ですから、それが減るのは大変いいことなのでございます。ただ同時に、これは医療費の増嵩というものを招くということもございまして、どういうような形が一番いいのか、また自治体からもいろんな御提案をいただいております。いわゆるナショナルミニマムの観点からこれを論ずるという御議論もあるわけで、どういう形が一番望ましいのか、そこは、この委員会における御議論あるいは衆議院における御議論も踏まえながら厚労省で御判断をいただくものだと思っております。
 衆議院でそのように答弁して、季節が変わってもまだおまえの考えはないのかと言われるとじくじたるものがございますが、そこにおいてこの医療費なるもののナショナルミニマム化という議論をしましたときに、一体何がその適正な水準なのかというとみんな黙っちゃうわけでございます。この先行型交付金の趣旨というものも踏まえながら、私どもとして適切に厚労省と御相談をし、もちろん主体は厚労省でございますが、医療の水準の高度化、そしてまた御負担の軽減、そしてまた国民全体の医療費の適正な負担というものに配意しながら努力をいたしてまいります。
○田村智子君 これはわざわざ自治体裁量の高い交付金というふうにしたわけですから、その交付金の趣旨に沿った使われ方ができるように、自治体の皆さんも今不安に思っていると思いますので、是非ペナルティーやらないということで早く結論出していただきたいというふうに思います。
 それでは、法案の質問を行います。
 まず、外国人医師の臨床修練制度の要件緩和についてです。
 診療所での外国人医師の臨床修練について、連携する病院がなくても可能とするという規制緩和です。これは、秋田県仙北市からの提案によるもので、この仙北市は、この規制緩和によって医療ツーリズムを推進し、医療体制の充実を図るということを掲げています。これ、しかし、連携できる病院がないということは医師が少ない地域であって、外国人医師に一対一で指導医を配置すること自体がとても困難だと思われます。臨床修練制度では、外国人医師による診療というのは指導医が張り付かなければならないんです。となると、逆に診療に当たれないお医者さん、日本人のお医者さんをつくってしまう。医師不足になりかねないわけです。それとも、特区区域内では外国人医師単独の診療も認めるという方向になるのかどうか、厚労省、お答えください。
○政府参考人(福島靖正君) 臨床修練制度でございますけれども、医療分野における国際交流の進展や発展途上国の医療水準の向上に寄与することを目指すものでございますけれども、まずは、臨床修練を行う外国医師は、外国の医師資格を取得後、三年以上本国で臨床経験を有する者となっておりまして、こういう方が臨床修練指導医とともに診療を行う中で日本の医療を学んでいただくというものでございます。
 また、今回の特例でございますけれども、指導監督体制の確保として、臨床研修の指導医として三年以上の経験を持つ臨床修練指導医が確保されていることを念頭に置いておりまして、臨床修練指導医が通常の診療に支障のない範囲で外国医師の指導を行うことを考えているということから、必ずしもその臨床修練制度の活用が医師不足につながるものにはならないと考えております。
 なお、今回の特例でも、従前どおり、外国医師が臨床修練を行うためには臨床修練指導医が実地に指導監督を行うこととされておりまして、外国医師が単独で診療を行うということをできるようにするものは考えていないところでございます。
○田村智子君 これ、現に通常の診療体制を取るのが困難な地域で外国人の医師を受け入れてということになると、本当に大変なことになりかねないんですね。なし崩し的に外国人医師の診療に道を開くことにもなりかねないということは指摘をしておきたいというふうに思います。
 仙北市が掲げる医療ツーリズム、既に医療特区の政策を進めている神戸市でもこの推進を図っています。そこで起きている問題を見ておきたいと思うんです。
 神戸市は、ポートアイランドに病院や企業、研究機関を集中させたメディカルクラスターを構成し、高度先進医療の研究や医療ツーリズムなどを推進しようとしています。この中の医療機関の一つが神戸国際フロンティアメディカルセンター、海外からも生体肝移植を年五十例程度受け入れるということを目指すという病院なんですけれども、メディカルツーリズムを積極的に推進する病院、ここで生体肝移植の術後、患者の死亡が相次いで今問題となっているわけです。
 日本肝移植研究会の調査では、手術前後の管理体制が標準を大きく下回っているなどの問題も指摘をされました。この病院長は、ほかから断られたような難しい症例を扱っているというふうに説明をしたわけですが、難しい症例の患者に対してなぜまともな管理体制が取られなかったのかということは厳しく問われなければならないと思います。兵庫県医師会の理事会は病院長から事情説明を受けているのですが、このとき、ある役員は、手術の適応、あるいは生命倫理に関すること、ドナーを守るという感覚がかなり麻痺されているという感を受けたと、こう発言もされています。
 この事案について行政はどのように対応しているか、簡潔にお願いいたします。
○政府参考人(福島靖正君) 三月下旬に神戸国際フロンティアメディカルセンターの生体肝移植で死亡事例があるとの通報が神戸市保健所にございまして、四月七日に神戸市保健所が事実確認のための聞き取りを実施いたしました。その後、同センターと日本肝移植研究会との合同調査検討委員会での検証結果の報告書を受けて、再度、六月八日に神戸市保健所が立入検査を実施したところでございます。その際に求めた指摘事項につきまして、六月二十四日に神戸国際フロンティアメディカルセンターから神戸市保健所に改善計画書が提出されたというふうに承知しております。
 厚生労働省としては、引き続き今後の状況を注視して、神戸市と連携しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
○田村智子君 今回の死亡事案を受けて、神戸市は市立の中央市民病院から支援を行うという意向を示しています。しかし、この中央市民病院は、医療クラスター構想の下、市民の反対を押し切って病床削減を伴う移転が強行されたと、こういう経緯があります。その上、医師などを派遣することになれば、地域医療の機能というのは一層後退する、このことを指摘しなきゃならないんです。
 この神戸市の事例は、医療の産業化、メディカルツーリズムの推進、外国から患者を受け入れようと、そのためには難しい症例もうちやっていますよということもアピールすることも必要となるんじゃないのかと。こういうことをやっていくと、地域医療の機能を損ねていると言わざるを得ない、こういうことが生まれてくると思うんですが、この点、小泉政務官、お願いします。
○大臣政務官(小泉進次郎君) 御指名ありがとうございます。お答えをさせていただきます。
 御指摘のありました神戸国際フロンティアメディカルセンター、これは略称というか通称KIFMECと呼ぶらしいですけれども、この事案については厚労省から答弁があったとおりでありますが、このような医療現場における死亡事案、あってはならないことだと思っております。
 それに、今先生がおっしゃったとおり、地域医療の確保というのは大変重要なことですので、そういったことは、死亡事案とか出してはいけない、地域の医療の確保はしっかりやらなきゃいけないと、そういったことを前提とした上で、閣議決定をした成長戦略において医療産業の活性化、そして今回御審議をいただいています国家戦略特区法等の一部改正案におきましても臨床修練の項目等を盛り込んでいるところでございます。
 繰り返しになりますが、この地域医療の確保、これはしっかりと踏まえた上で、医療の成長戦略における産業の活性化等を進めてまいりたいと、そう考えております。
○田村智子君 これは是非、既に特区政策を進めている地域の実情がどうなのか、これ真剣に検証していただきたい、このことを求めておきます。
 次に、外国人家事支援人材の活用について質問をいたします。
 これ、家事支援のサービスに従事する外国人の在留資格や入国の特例を入管法に定めようというものです。午前中にも審議がありました。
 現行の法制度では、外交、公用以外の就労を専門的、技術的分野に限定し、一定の学歴、職歴などを受け入れる人材の要件にしてきました。これ以外の外国人の就労は、法務大臣が個別に認可する特定活動として認め、この中に看護師、介護福祉士、その候補者も含まれています。
 いずれにしても、これまでは専門的知識や資格、経験などを必要としてきた、これが基本的な制度設計のはずなんです。このように、いわゆる単純労働への外国人の受入れを規制しているのはなぜなのか、この法案では、それでは単純労働への受入れを解禁するものなのかどうか、法務省、お答えください。
○政府参考人(佐々木聖子君) 法務省からお答え申し上げます。
 まず、外国人労働者の受入れ範囲を決定するに当たりましては、我が国の産業及び国民生活に与える影響その他の事情を勘案する必要がございます。
 今御下問のいわゆる単純労働者の受入れにつきましては、平成十一年に策定されました第九次雇用対策基本計画におきまして、「いわゆる単純労働者の受入れについては、国内の労働市場にかかわる問題を始めとして日本の経済社会と国民生活に多大な影響を及ぼすとともに、送出し国や外国人労働者本人にとっての影響も極めて大きいと予想されることから、国民のコンセンサスを踏まえつつ、十分慎重に対応することが不可欠である。」とされておりまして、現在の政府の基本的な考えとなってございます。
 今般の家事支援外国人の受入れについてでございますけれども、この政府方針を転換したものではなく、女性の活躍促進等の観点から、国家戦略特区において限定的に家事支援サービスを提供する企業に雇用される家事支援外国人の受入れを可能とするものです。
 具体的に、先刻御議論がありましたように、質の高い家事支援サービスを提供できる外国人に限ることなどを検討しておりまして、およそ専門性が考えられない単純労働を行う方の受入れは想定してございません。
○田村智子君 それでは、家事支援サービスについて、業務内容の範囲、人材の要件、また受入れ企業の要件、これ、どんなふうに検討されているのか、お答えください。
○大臣政務官(小泉進次郎君) 今御指摘のありました三つの要件、業務範囲、そして人材要件、企業要件でありますけれども、こちら政令で定めることとしておりまして、現在関係府省において調整を行っているところであります。
 家事支援活動の範囲につきましては、炊事、洗濯、掃除、買物、寝具の整備等を定める方向で今調整を行っているところでありまして、外国人の要件につきましては、年齢、職歴のほか、家事支援サービスに関する一定の研修の修了等を定める方向で調整を行っております。特定機関については、事業の適正かつ確実な実施を図るため、特定機関が講ずべき指針を作成することとしておりますので、外国人家事支援人材に対する研修の実施など、指針に照らして必要な措置を講じていることや、健全かつ安定的な経営基盤を有していること等を要件とする方向で調整を行っているということです。
○田村智子君 昨日、私もお聞きしましたら、経産省の方でたたき台を作っていると。年齢については十八歳以上で、専門学校などで学んで一年程度の家事労働の経験、こういうので質を担保するんだ、これで質が高くなるんだというようなことがたたき台になっているというんですね。
 これ、教育制度の違いはありますけれども、十八歳でも受け入れるということは、日本でいえば中学を卒業して家事に関わる専門学校に通って二年ぐらい自国で家事労働に従事をした、こういう人、主に女性でしょうから、そういう少女たちを日本に受け入れて家事支援に当たらせる、私、これ自体にも大変大きな問題を感じています。
 実態としては、単純労働への外国人労働者の受入れ、地域限定で解禁するということにならないかと危惧するわけですが、石破大臣にも御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) これは、実際に自分でやってみて、掃除、洗濯、炊事というのはえらく難しいねという感じがいたしております。私も、実際そんな嫌いな方ではありませんが、これはかなり難しいねと思っております。
 委員御指摘のように、教育制度は国によって違いますが、中学を出た外国のそういう年若い方が一年、二年、研修等々を行うということのレベルがどこまで高いのか。つまり、今回の制度は、いわゆる単純労働、本当に全く専門的技能というものを必要としないものではない、もちろんそれは当然のことです。じゃ、非常に高度かというと、そこはまた医療とかそういうものとは少し違うだろうと。
 ですけれども、家事というものに対して質の高いサービスを提供するということを眼目とするものでございますので、委員御指摘のように、そういうような外国の年若い女性の方を日本で大量に雇用してというようなことは全く意図をいたしておりません。質の高いサービスが提供されないものは、それは受け入れるということはないということでございます。
○田村智子君 クリーニング店だとか飲食店だとかで働くのと違うわけでしょう。家の中に入って働いてくるわけですよね。今までこんなに家事が質的にすごいものなんて言われたことなかったですね。驚きですね、本当に驚きます。
 今日は、外国人労働者問題に詳しい弁護士として、日本労働弁護団常任幹事の指宿昭一弁護士に参考人として来ていただきました。ありがとうございます。
 この制度の問題点や課題、制度導入の経緯についての御見解などをまずお聞きしたいと思います。
○参考人(指宿昭一君) 私は、この制度については反対であります。その理由を四点にわたって述べさせていただきます。
 理由の一番が、まず家事労働の社会化と男女の平等な分担が進んでいない日本の状況を固定化するおそれがあるということです。今、石破大臣からは、家事労働はとても難しくて大変なものだという答弁がありましたけど、残念ながら、日本社会の中でそのように深く認識されている状況ではないと思います。
 政府が進めようとしている女性の活躍推進のためには、外国人家事労働者の導入の検討の前に、まず家事労働を社会化すること、そして男女の平等な分担を進めること、これを検討するべきだと思います。これらが進んでいない状況において拙速に外国人家事労働者の導入を行うことにより、家事労働の社会化と男女の平等な分担が進んでいない日本の現状が固定化されてしまうおそれがあると思います。
 反対する二番目の理由は、虐待などの人権侵害の危険があることです。家事労働は、個人家庭という密室で行われることから、家事労働者が虐待等の人権侵害を受けやすいという問題があります。これは、シンガポールや台湾などの受入れ国においても、あるいは日本においても事例が報告されています。特に、海外においてはこの人権侵害が社会問題化しているということも報道されております。
 そのため、このような状況に対処するために、二〇一一年六月十六日、ILO総会は、家事労働条約、ILOの百八十九号条約ですが、これを採択しました。しかし、残念ながら、日本は同条約を批准していません。そういう状況の中で受け入れることにより、人権侵害などの危険性が極めて高いと考えます。
 なお、今回の政府方針によれば、個人家庭での住み込みという受入れではなくて、時間単位で家事支援サービス会社が派遣するという形が想定されてはいます。それでも、労働する場所は個人家庭でありますし、また今後、制度が住み込みを可能とする形に拡大する危険がないとは言えません。
 また、外国人家事労働者の受入れは、外国人技能実習生の受入れと同様な問題が生じるおそれがあります。
 例えば、受入れが特定の家事支援サービス提供企業によって行われるために、外国人家事労働者には雇用主を変更する、働く場所を変更するという自由が事実上認められない危険が高いです。そのため、雇用主に対して権利主張ができなくなるおそれがあります。しかし、外国人家事労働者の人権、権利を保障するためのシステムについては検討がなされていません。このような理由から、虐待等の危険が極めて高いと考えます。
 反対する理由の三番目は、将来、労働基準法の適用をされない外国人家事労働者の受入れにつながるおそれがあることです。
 既に外国人家事労働者の受入れがなされている諸外国においては、家事労働者に労働諸法令の適用が排除されている場合が多いです。日本においても、労基法百十六条二項は、家事使用人、これが家事労働者に当たるわけですけど、この家事使用人への労働基準法の適用を排除しております。ただ、本条の家事使用人は、個人家庭に直接雇用されるものなどのことをいい、家事支援サービス提供企業に雇用されるものは含まれないという通達があります。今回、政府が導入する制度は、家事支援サービス提供会社に雇用される形での受入れであるため、労基法が適用されることが前提となってはいます。
 しかし、今後制度が拡大され、個人家庭に直接雇用される形での受入れが認められていけば、労基法の適用は排除され、最低賃金などの労働諸法令の多くが適用されなくなり、権利保護のない安価な労働力を確保する制度として悪用されていく危険があります。
 反対する理由の四点目は、国民的議論が十分に行われていない状況で、国家戦略特区において試行的に導入すべきではないということです。
 このような問題の多い制度を国民的議論を行うことなく国家戦略特区において試行的に導入することは許されないと考えます。試行的導入の後に、労働法の適用されない、極めて安価で無権利の家事労働者を導入することになるおそれがあることも警戒しなければなりません。
 また、先ほどから議論されているように、単純労働者あるいは未熟練労働者と言うべきではないかと思いますが、この未熟練労働者の導入を例外的にせよ認めるという大きな変化なわけですから、特区における試行的導入というのは誤っていると思います。
 以上の四点が私がこの制度に反対する理由ですが、更に追加して一点の疑問があります。
 現在、外国人家事労働者を受け入れる必要が本当にあるのかということです。
 家事支援サービス会社において特に人材が不足しているという状況にはありません。この制度の導入が議論されるに至ったきっかけは在日米国商工会議所、ACCJの二〇一三年六月十三日の意見書ではないかと思われますが、こういうところから議論が出てきて、当初国内の家事支援サービス会社が受入れに積極的な姿勢を示していたわけではありません。日本人ではなく外国人労働者を導入して家事支援をさせることの理由として期待されているのは、低賃金ということだけだと思います。家事支援サービスの利用料を下げるために外国人家事労働者を低賃金で受け入れるとすれば、誤った施策だと思います。
 以上の理由により、私はこの制度に反対します。
○田村智子君 あともう二点お聞きしたいんですけれども、一点は、政府は、保証金等の徴収をしていた場合に入国を禁止するなどの措置を検討していて、これが人権侵害を防ぐ一つの手だてになるんだという説明をしているわけですけれども、これが有効かどうか、お考えをお聞かせください。
○参考人(指宿昭一君) 有効ではないと考えます。
 現在、技能実習制度においても、送り出し国に送り出し機関という機関があって、そこで保証金を徴収することは禁止されています。そして、これは上陸拒否事由ともされています。しかし、保証金の徴収や違約金契約を結ぶこと、そして違約金契約に保証人を付けることによって、実習生の人権が侵害される、日本での権利の主張ができなくなる、こういうケースが多く報告されております。
 先日、六月二十六日に、中国人の女性の技能実習生が、雇用先の農家と受入れの監理団体である協同組合に対して、セクハラによる損害賠償と未払賃金を請求する訴訟を提起しました。私もその代理人になっております。この事件では、原告は二〇一三年九月に入国していますから、二〇〇九年の入管法改正後の新制度における事件です。この事件においても保証金が徴収されています。
 少しだけこの事件を紹介しますと、この女性の実習生は、受入れ農家の父親から胸やお尻を触られる、そしてその父親が性器を露出して近くを歩き回る、こういうセクハラに日常的にさらされていました。彼女は拒絶して抗議をしましたが、一向に改まらず、むしろ胸の上から口を押し付けられる、あるいは入浴中に風呂場に強引に入ってこようとする、このような被害が続きました。彼女は、怖くて夜ほとんど眠れなくなったそうです。
 また、十七時以降に深夜まで、これはしばしば、翌日の午前二時、三時ぐらいまでですが、仕事が続きました。昼間働いた上、夜も働いたという意味です。その夜の仕事は、収穫したオオバを束ねる作業で、十枚のオオバを一束に束ねて二円が払われます。大体一時間で三百円程度にしかなりません。当然、最低賃金法や割増し賃金の支払義務に違反しています。
 これだけの被害に遭っても、彼女はなかなか被害を訴えることができませんでした。それは、禁止されているはずの保証金を取られていたからです。保証金一万人民元、日本円にして約二十万円を送り出し機関から徴収されていました。この一万人民元というのは、彼女の中国でのほぼ年収に相当するそうです。
 さらに、日本で送り出し機関が決めたルールに違反した場合に違約金を取られるという契約、そしてその違約金の保証人として父親と、もう一人の親戚が付けられていました。この親戚は、いわゆる公務員ですね。
 さらに、彼女は、送り出し機関に出国費用として四万人民元を払っています。日本円で八十万円、年収で四年分。この費用と保証金は、借金をして準備をしています。そして、日本でその分を稼いで取り戻して、プラスが出て帰るということを希望、期待していたわけです。
 そして、技能実習生は原則として職場を移転することができないので、本件のように、受入先の農家とトラブルになり解雇にされるなどして働き続けることができなくなれば、稼いで帰ることができなくなり、借金だけが残されてしまいます。こういうことによって、実習生は権利の主張ができなくなるんです。
 このように、技能実習制度においては、二〇〇九年入管法改正後の新制度においても保証金徴収などが禁止されてはいますが、実際にはいまだに行われています。これ以外のケースもたくさん私は知っています。そして、それが人権侵害の温床になっています。
 外国人家事労働者の受入れについても、政府が保証金徴収等を一応禁止したとしても、実際には行われる危険があり、また、ほかの、先ほどの職場が移転できない等々の理由によっても人権侵害は起こってしまうというふうに考えます。
○田村智子君 大変具体的で分かりやすい御説明だったと思います。
 最後一点なんですが、今回の家事支援への外国人の受入れということで、この制度が悪用される可能性、また単純労働への外国人労働者受入れの突破口になるのではないかという危惧、これは私も持っているわけですけれども、それについての見解をお聞かせください。
○参考人(指宿昭一君) 政府が悪用されないように一応いろんな手だてを検討しているということは聞いています。しかし、残念ながら、この制度が悪用される可能性は極めて高いというふうに思います。
 まず一つ考えられるのが、長時間若しくは長期間、特定の家庭に派遣が行われるようなケースが想定されます。これは実質的に住み込みと同じような状況になってしまう可能性があります。その場合、長時間労働や外国人労働者の私的生活への干渉、制限、またセクハラやパワハラなどの虐待がなされる危険、こういうものが大いにあると思います。
 また、個人の家庭に派遣されて、そこでその家庭から直接指揮命令が行われる可能性は高いと思います。これをやって、あれをやって、お風呂の掃除もして、おじいちゃんの面倒も見て、子供の面倒も見て、いろいろその場で指揮命令がされた場合、それを拒否することはなかなか難しいと思います。これはいわゆる偽装請負の状況になるということです。これは労働者派遣法や職安法四十四条の違反ということになります。
 三点目に、先ほども述べたように、送り出し国における人材紹介会社などによって保証金が徴収されたり違約金の契約がなされる、そしてそれに保証人が付けられる、若しくは多額の費用が徴収される、こういうことによって日本での権利行使が妨げられる可能性があります。技能実習生の場合、本国において日本ではとても考えられないようなルールが定められることがあります。例えば、弁護士に相談してはならない、労働基準監督署に行ってはならない、労働組合に加入してはならない、マスコミに話をしてはならない、これを破った場合、違約金を払え、こんなルールが送り出し国でなされることがあるんですね。これと同じようなことがなされる危険は十分にあると思います。
 あと、この受入れの範囲には、先ほど政府から御説明がありましたけど、最後に、などという言葉が付いています。このなどに一体何が入るのか。家事支援サービスの中に介護や育児など、そこまで広がっていく危険があるのではないかと思います。介護や育児など制度目的を超えた利用が行われることによって問題が生じてくる可能性です。介護や育児は対人サービスであって、安全衛生上の極めて重い配慮が必要です。そして、そのため専門性が必要とされます。外国人家事労働者がこれを行う場合に、事故やトラブルが起こる可能性が高いと思われます。
 単純労働への突破口の点ですが、単純労働あるいは未熟練労働への外国人受入れの突破口になる可能性は極めて高いと思います。
 未熟練外国人労働者の受入れについては、拙速に国家戦略特区で前例をつくるということではなくて、外国人労働者の権利や人権保障の制度をしっかりとつくるのが先だと思います。また、日本の労働市場との関係などについても国民的な十分な議論が必要です。そういうことをしないで拙速に特区における外国人家事労働者の受入れをすることには極めて問題が大きいと考えます。
○田村智子君 どうもありがとうございました。
 保証金禁止しても、現にそれが徴収されていると。これ本当に担保されなかったら、こんなこと実施すべきじゃないですよ。
 加えて指摘しておきますが、ちょっともう時間がないので質問しませんが、渡航費用、これを借金させないということが必要になってくるわけですよ。渡航費用は受入れ企業が持つんだとか、こういうことにしっかり、ルールがどうなるかも全く示さないままにこんな法案採決すべきじゃないというふうに思いますよ。
 今御指摘の中で、家事支援サービスのなどの中に何が入っていくのかという指摘がありました。実際、今、日本の中でも、個人宅との請負契約で家事支援サービスを行っている企業ってたくさんあるんです。代表的なのはダスキン、それからベアーズ。このベアーズというのは、キッズ・アンド・ベビーシッターサービスというのを一つの売りにしているんです。ここには、午前中も資料をお配りいただいていましたけれども、保育所等の送迎、利用宅での預かり、調理、食器を洗う、洗濯物を畳む、こういうのをセットで利用できるというものなんです。
 こういうサービスも、ベビーシッターと簡単な家事というのを合わさったようなサービスも外国人による家事支援の対象となるのかどうか。
○政府参考人(木下賢志君) 家事支援業務につきましては、法案で、先生御指摘のように、炊事、洗濯その他家事を代行し、又は補助する業務で政令で定めるものと、こうされております。
 その範囲は政令でということになっておりますけれども、様々な御意見ございますので、厚生労働省としては、その意見を踏まえまして、関係府省庁と十分に協議、検討して進めていく必要があると考えてございます。
○田村智子君 否定しないわけですよ。
 私、この法案の説明に来てくださいとうちの事務所に呼んだら、厚労省の保育の担当者、来るわけですよ。介護保険の家事支援の担当者、来るんですよ。こっちが呼んだんじゃないんですよ。法案の説明をと言ったら、厚労省の保育や介護の担当者が来るんですよ。ということは、それもサービスの内容として含め得るということをこれもう既に検討しているとしか思えないわけですよ。
 本来、介護や保育というのは公的に保障すべきものです。それを制度外サービスとしてなし崩し的に家事支援サービスのメニューにしてしまう。これ、保育でいえば、基準や資格を満たさない保育によって、残念ながら子供の死亡事故というのは毎年起きているわけです。
 こういうことが、十分な国民的な議論なんかないですよ。合意なんてましてあるわけないんですね。それでも、地域限定でも保育や介護なども含めて家事支援サービス、そこに外国人労働者を受け入れる、こんなことやるべきじゃないというふうに思いますが、石破大臣の見解をお聞きします。
○国務大臣(石破茂君) これは厚労省からお答えをしたとおりですが、介護にしても保育にしても、では、そういうような能力を御自身の国で習得をしていない人に対してそういうことをやらせるということは当然ございません。今の時点においてそういうことを想定をしておるわけでもございません。
 国民的合意というものは、この制度を広くあまねく、日本語不自由であるというなら話はまた別でございますが、これを特区という形でやらせていただく上におきまして、今委員がるる御指摘になりましたような御懸念というものに当たらないように、私ども、そうでなければ特区制度の意味がないと思っております。外国人の方の人権が侵害をされるとか、あるいは未熟練な方がそういうものに従事をして事故が起こるとか、そういうことが絶対にないように、これは制度の運営に心しなければならないことでございます。
 それで、本当にきちんとできるねということになってこれは更に拡充ということはございましょうが、特区でありますがゆえに、国民の合意を得るためにも、その制度というのは極めて厳格に運営されるべきものでございます。委員の御懸念が実際のものとならないように私どもとして努めてまいる所存でございます。
○田村智子君 だったらもう実施しない方がいいと思っているんですけど。だって、日本だって、ベビーシッター、資格なくてやっている人いっぱいいるわけですよ。外国人だけ駄目だなんということになるのかどうか。そうならないと思いますよ、このまま突っ走っちゃったら。
 更に別のこともお聞きしたいんですね。
 これ、低賃金の外国人労働者に今家事支援サービスやっている日本人労働者が置き換えられていく、やっぱりこのことは危惧されるわけです。これもう時間がないので、法務省にお聞きしましたら、今の制度の中で、やっぱり同種労働者の賃金、日本人の同じ仕事している人の賃金より安くはしないんだと、低くはしないんだということを言っておられるんですね。低くなった場合は入国そのものをさせないというふうにするんだと。
 しかし、これ、神奈川県大手家事代行のサービス見てみますと、ダスキン、時給九百五十円から、ベアーズは千円からと。神奈川県の最低賃金は八百八十七円ですから、これ、最賃ちょっと上回るというぐらいの話なんで、そもそも安いわけですね。そうすると、その安い賃金の固定化に今度はなっていくんじゃないかということも危惧されます。
 これ、じゃ、日本人労働者九百五十円ですよと、外国人九百円ですよといったときにも、同等じゃないよといって入国を認めないと、こういうことになるんですか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 一般論で申しまして、ほかの在留資格も同様でございますけれども、日本人と同等の賃金要件というのを課してございまして、ちょっと具体的に今の案件をどうかというところは申し上げられませんけれども、この方針といいますかこの政策はほかの在留資格の外国人にも適用してございまして、そもそも外国人労働者を低賃金労働者として受け入れるということは全くこの制度におきましても考えてございません。
○田村智子君 だけど、受け入れたい企業は違うんですよ。
 二〇一五年一月三十日朝日新聞、全国家事代行サービス協会副会長のインタビューが掲載されています。ベアーズの専務です。この方、何て言っているか。女性活躍を目指すなら、広く普及しなければ意味がない、現状より高い利用料はあり得ない、今一時間三千円の利用料を二千円以下に抑えたい、国には最低賃金を下回る賃金を認めてほしいと。これ、外国人についてです。で、ここの会社は既に外国へ行って、メードの採用をしたいといってやっているわけですよ、採用面接を。
 これ結局、外国人労働者、低賃金の労働者をいっぱい入れていきたい、この要求が企業に現実にあるわけですよ。石破大臣、どう思われますか。
○国務大臣(石破茂君) 政府としてそのようなことを認めるつもりはございません。そのようなことはあるべきではありません。
 先ほど来法務省からお答えをいたしましたように、日本人と同等額以上ということで調整をしておるところでございまして、今御指摘いただきましたような朝日新聞のインタビューというようなことは、それは認めてはならないことだと私は思っております。
○田村智子君 最後一言だけなんですけど、日本人と同等の労働賃金だったとしても、身寄りのない外国人労働者が、多くは女性でしょう、最賃に近いような給料で働くということになっちゃうわけですよ。先ほど、女性は、日本の実際家事代行をやっている方はほとんどパートだとおっしゃいました。そうならないですよ、外国から来たら。その給料で生きていかなきゃいけないんですよ。
 私は、こんな制度をやるべきではないということを申し上げて、質問を終わります。
○井上義行君 日本を元気にする会の井上義行でございます。
 前回は、石破大臣と国家の先行きを議論しながら審議をさせていただきました。今日もその続きをちょっとやらせていただきたいと思いますが。
 まず、第一次安倍内閣で閣議決定した平成十九年六月一日、長期戦略指針、イノベーション25というのが閣議決定されたと思いますが、その概要について内閣府の方からお願いいたします。
○政府参考人(森本浩一君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘のイノベーション25でございますが、豊かで希望にあふれる日本の未来をどのように実現していくかという問題認識から、二〇二五年の日本が目指すべき姿を五つの社会像として提示いたしまして、これらを実現し、イノベーション立国となることを目指して作成された長期戦略指針ということでございます。
 このイノベーション25では、イノベーションを生み出すための社会環境づくりに焦点を当てた社会システムの改革戦略と、それから科学技術面での取組に焦点を当てた技術革新戦略ロードマップを一体的に推進すべきものとして位置付けております。当時の総合科学技術会議は、日本が目指すべき未来像を目に見える形で実現していくために、異分野融合、官民協力、府省連携、こういったことを重視いたしまして社会還元加速プロジェクトを推進することといたしまして、プロジェクトリーダーを定め、その強力なリーダーシップの下で推進してまいりました。その成果の例といたしまして、例えば音声翻訳等における社会実装に向けた技術開発の進展、それから生活支援ロボットにおける世界初のISO認証という国際標準の実現、こういった成果が特筆すべきものとして挙げられております。
 このようなイノベーション25が原点となりまして生まれた研究開発成果を社会実装につなげていくという基本的な考え方を受け継ぎまして、これを更に発展させるべく、現在、来年度からの五年間を見据えた第五期科学技術基本計画の検討を進めており、先月、中間取りまとめをまとめたところでございます。
 これと並行いたしまして科学技術イノベーション総合戦略二〇一五を六月十九日に閣議決定いたしまして、成長戦略の一環といたしまして各年度に重点的に取り組むべき項目を明確化したところでありまして、基本計画と連動させることによって相乗効果を引き出し、より効果的、効率的に科学技術イノベーションを推進してまいりたいと、このように考えております。
○井上義行君 ありがとうございます。
 このイノベーション25というのは、当時、私の方で取りまとめたのですごく十分覚えておるんですが、これはそもそも、やはりこの日本が、今は従来型の発想とか、あるいは今現在、場当たり的な対応ではなかなか困難であると。その中から、やはり官僚というよりは、むしろ学者のレベル、もっとその研究者、こうした技術が、あるいは二十五年先を見えている人にこのイノベーション25というのを取りまとめていただきました。
 そこで、まず農水にお伺いをしたいんですが、二十五年後の食料自給率はどのぐらいになるでしょうか。
○政府参考人(荒川隆君) お答え申し上げます。
 食料の安定供給を図るということは、国家にとりまして第一の責務でございます。農林水産省ではこれまでも、食料・農業・農村基本法に基づきまして五年ごとに十年先の食料・農業・農村基本計画というものを立てまして、十年後の食料自給率という目標を設定しているところでございます。この三月がちょうど改定の時期でございまして、三月三十一日に閣議決定をいたしまして、十年後の平成三十七年度までにカロリーベースの自給率を三九から四五に引き上げる、それから、金額ベースの自給率を六五%から七三%に引き上げる、こういう目標を立てたところでございます。
 今先生御質問ございました二十五年後の自給率というものでございますが、なかなか二十五年先の我が国の食料・農業・農村の状況というのを見通すのは困難でございまして、現在、二十五年後の目標というものは策定しておりませんけれども、これから先、穀物の国際需給ですとか世界人口の伸びというようなことを考えますと、需給はかなり逼迫していくということが見込まれますので、まずはこの三月に策定をいたしました十年後の目標の達成に向けて今全力で取り組んでいるところでございます。
○井上義行君 そうですね、でも、例えば、荒れ果てた土地だと、これを完全に農地にするまでは五年掛かるというふうに言われているわけですね。そうすると、あっという間に十年というのはたってしまう。余りにも短い先行きではないかというふうに思っております。
 次に、二十五年後の日本の金融資産はどのぐらいになっているでしょうか。これは財務大臣政務官、お願いします。
○大臣政務官(竹谷とし子君) 家計金融資産の水準につきましては、貯蓄率の変化、また株価を始めとした金融資産の変動に影響を受けるものでございます。
 ちなみに、二〇一四年度の家計金融資産が一千七百七・五兆円でございますが、二〇〇〇年に、十四年前に遡りますと、一千三百九十四・一兆円ということで、約四百兆円強増加をしております。一方で、二〇〇〇年度からまた二十年遡りまして、一九八〇年度と比較いたしますと約一千兆円強増加しているということで、経済環境その他の諸条件により変動するものでございますので、二十五年後の水準につきまして一概にお答えするということは困難でございます。
○井上義行君 それでは、厚生労働省、二十五年後の人口推計はどのぐらいになるでしょうか。
○政府参考人(今別府敏雄君) 直近の人口推計によりますと、二〇四〇年度の、これ中位推計の数字になりますが、一億七百二十八万人でございます。高齢化率も一〇%高くなりますが、人口自体も現在に比べますと二千万人近く減少するという見込みでございます。
○井上義行君 人口では二十五年後の数字があるということでございます。
 次に、二十五年後の日本への観光客、これはどのぐらいになるでしょうか。観光庁、お願いします。
○政府参考人(吉田雅彦君) 訪日外国人旅行者数につきましてお尋ねがございました。
 昨年、二〇一四年の年の合計は、前の年の二九・四%増の千三百四十一万人、今年二〇一五年は、一月から五月までで四四・九%増の七百五十四万人となってございまして、大変好調でございます。
 このように、訪日外国人旅行者数につきましてはかつてない急激な増加が続いておりまして、現時点では二十五年後の具体的な見込みについて数字を持ち合わせてはございません。
 いずれにしましても、観光庁といたしましては、先月五日に決定されました観光立国実現に向けたアクション・プログラム二〇一五に基づきまして、二千万人時代の早期実現に向けまして、しっかりと取組を進めてまいる所存でございます。
○井上義行君 次に、二十五年後の日本の電力、エネルギー、これはどのぐらいの量になるんでしょうか、資源エネルギー庁。
○政府参考人(吉野恭司君) お答えいたします。
 将来のエネルギーの需要に関しましては、人口それから世帯数などの社会構造、経済成長率や各産業の生産動向などを含めた経済活動、省エネの技術の動向など、様々な要因により変化をするものでございます。
 二十五年後となりますと、こうした要因について仮定や前提を置くことが困難でございますので、現時点では政府として電力及びエネルギーの需要見通しは策定をしておりませんが、今般取りまとめておりますエネルギーミックスの案においては、二〇三〇年度時点のエネルギー需要を示しておりまして、この中では、電力需要については現在とほぼ横ばいの九千八百八十億キロワットアワー、エネルギー需要としては約一割減の、これは原油換算でございますけれども、四・九億キロリットル程度ということになってございます。
 以上でございます。
○井上義行君 CO2の削減で議論するときには、このぐらい試算しておいた方がいいんじゃないかというふうに思っておりますが。
 それから、二十五年後の世界の中で日本の教育水準は大体何番目ぐらいになっているでしょうか、文科省。
○政府参考人(徳田正一君) 文部科学省といたしましては、先を見通すことの難しい時代を生き抜いていくための資質、能力を育むための教育改革に取り組むことが重要であると考えているところでございますが、現状といたしましては、十五歳児を対象とする国際的な学力調査であるPISA二〇一二におきましては、OECD諸国中、読解力、科学的リテラシーの二分野においてトップ、数学的リテラシーについても二位であります。今後も、世界トップレベルの学力を維持向上できるよう、確かな学力の育成に向けて取組を進めたいと思っております。
 一方、大学に関しましては、例えば英国タイムズ・ハイアー・エデュケーション社の世界大学ランキングにおきましては、上位百校に入っている我が国の大学は二校にとどまるなど、残念ながら全体として日本の大学の国際的評価は高いとは言えない状況にあります。今後、国際化を進める大学の重点的支援を通じまして、グローバル人材の育成に取り組んでまいりたいと考えております。
○井上義行君 石破大臣、今、各省からそれぞれ二十五年後の見通しを聞いていただいたと思うんですが、ほとんど人口以外はないですね。私は、前回もお話をしましたが、やはり国家だから、むしろこうした縦割りを排除して、いろんな学者やあるいは霞が関、様々ないろんな人たちで議論をして、二十五年後のそれぞれの目標なりあるいは数値をしっかり定めて、そこから、今の石破大臣が行おうとしている国家戦略特区とか、こういうものを当てはめていけばいいんじゃないかなというふうに思うんです。
 そこで、これはイノベーションで二十五年後をまとめましたけれども、やはりもっと抜本的に、日本として、食料自給率であるとか、あるいは金融資産であるとか、あるいは観光とかエネルギーとか、こういうものが二十五年後にこのぐらいが想定されるだろうと、でも、果たしてこれで本当に大丈夫だろうか、むしろ目標を定めて、そこに向かってしっかり今からこれを準備していこうね、そのためには、この特区を地域でやりながらもっと加速することができないかということを、いろんなことを考えてやるのが私は特区だというふうに思っているんですね。
 だから、そのためには、やはり二十五年後の国家総合戦略、計画みたいな、こうしたものをきちんと定めた上でそれぞれの特区を当てはめた方が私は国家戦略っぽいんじゃないかというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) それは御指摘のとおりです。そうあるべきものだと思います。
 と同時に、政策目標の定め方にいたしましても、じゃ、自給率を上げるということを議論するときに、自給率って一体何でしょうねということはもう一回根源から議論しなきゃいかぬので、これは北朝鮮とかアフリカみたいに決して食生活が豊かだとは言えない、それどころか餓死している人もいっぱいいる、でも自給率は高いわけですよね。じゃ、それってどういう数字なんだろうか。また他方、自給率が一〇〇を超えているというのは一体どういう概念かというと、輸出をしているから一〇〇を超えるわけですよね。
 そうすると、政策目標の立て方として、むしろ農業就業人口がいかにしてサステーナブルなのかということが私は政策目標としてあるべきだと思っております。このことは、委員がおっしゃったとおり、もう二十年も前から分かっていたことで、昭和一桁が主に従事してきたわけですから、人間、不老不死ではないので、やがてこの国から農業に従事する、なかんずく基幹的農業従事者はいなくなるわけです。ですから、政策目標として何を設定をするのか。農業でいえば、法人の農業参入というものはもっと認めていくべきだという考え方、私は、それはもう一理も二理も三理もあると思っているのです。
 どうやってそういうような政策目標を達成していくかは民間の議論というのがあるべきで、日本の官僚機構というのは非常に優秀ではありますけれども、前例のないことと法律がないことについては余り能力を発揮したという例を私は知りません。まさしく現場、そしてまた民間の方々のいろんな知見をもってして二十五年後、その前には二〇二五年という、団塊の世代の方が全て後期高齢者になるという二〇二五年問題というのは我が国にとって極めてきついことであって、二〇二五年にあるいは二〇四〇年に何を目指すのかということについての政府の取組の在り方というのは、委員が御指摘のとおりだと私は思っております。
○井上義行君 政治ですから、やはり石破大臣の強力なリーダーシップで日本の道筋を付けるということを、是非この場で決意を述べていただきたいと思いますが。
○国務大臣(石破茂君) それは、私も有権者のおかげさまで長くこの仕事をやらせていただきました。実は今日から三十年目ということになっておるわけであって、随分と長くやったねという気がしないわけではありませんが、その間にいろんなこともお教えをいただきました。
 それは、私自身として、次の時代にこのままだと日本は残らないという強い危機意識を持っております。ある意味で、領土を守るのも大事ですが、国民そのものが少なくなりつつあるということは国家の崩壊を意味するものでございますので、ここにおいて政治の強力なリーダーシップ、それは単にリーダーシップだけあればいいというものではなくて、高い知見が必要だというふうに思っております。私自身何ほどのものでもございませんが、長い間の経験というものは、それは国家のために生かせることができれば幸せだと思っております。
○井上義行君 是非、将来の日本の姿を描きながら特区を前に進めていただきたいと思います。
 そこで、特区でも、こうした国家から見て特区を定めるというものもあれば、広域的に特区を定める必要もあるんだろうということがあると思います。
 それは以前、予算委員会で、石破大臣、マニアということでSLの話をしたと思うんですが、あの中で、あの石破大臣の答弁を受けまして、小田原とかあるいは松田とか山北とか大井がそれぞれ協議会をつくっていこうということになりまして、検討会を小田原が手を挙げてやっていきましょうというところまでやってくるようになりました。これは石破大臣の前向きな答弁のおかげだというふうに思っております。
 そこで、今特区を見ていると、地方再生もそうなんですが、地域にそれぞれ例えば助成事業とかあるいは補助金というのが付いているんですけれども、前も話がありましたが、御殿場線というと、小田原から大井とか松田、山北、小山、御殿場、沼津、あるいはそこから戻ってくれば湯河原、真鶴、それぞれあります、熱海もあります。こういう広域の市があるとすると、協議会という形しかできないというふうに思うんですね。
 その場合に、こういう事業体、市町村が固まった事業体に対して特区というものを定めて、そこに事業として特区を指定することによって助成をしていくというような新しい特区というのもあるんじゃないかということを思います。
 どうでしょうかね、石破大臣、こうした広域というのは、何も御殿場線に限らずほかのところにも広域事業というのはあるというふうに思います。こうした広域事業をつくることによって地域の活性化というのもたくさんあると思いますので、こうした広域事業に対して特区を定めて助成をするという考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) これは特区を定めるのがよいのか、それとも、今の御殿場線の例もそうですが、県をまたいだ形の新しい取組に対して新型交付金なるもので支援をするのがいいのか、いろんなやり方はあるんだろうと思います。私自身、この御殿場線をSLが走ったらさぞいいだろうなとマニアの一人として極めて期待するところでありまして、また委員の御指摘、御指導もいただきたいなと思っておるのですが、ついでに夜行特急も復活するといいなというのは余計なお話でございますが。
 例えば、先般、岡山県の美作市というところへ行ったのでございます。これ地図を御覧いただけると分かりますが、あの地域は岡山、鳥取、それから兵庫というのが接したところでございまして、そうすると、智頭急行というのが走っているのですが、佐用という駅から姫新線という線がございまして、ここは乗り入れができないような形になっておるんです、ホームも全然別でして。そうすると、これを乗り入れることができないかということを三県の枠を超えてお話がされている。それはもう、ほかにも県立高校の在り方とかいろんなものがございました。そういうような幾つかの県が県境をまたいで連携をいたしましたときに、そこにいろんな可能性が生まれるのだと思っております。
 特区という御指摘を受けましてすぐアイデアが浮かびませんが、またあったらお教えください。これは新型交付金の設計に当たっても、そういう県境をまたいだ新しい取組というものは、私は相当にポイントとして評価すべき、評価すべきという言い方が悪ければ活用すべきと言ってもいいのですが、そういうものだと思っております。従来のような行政の枠だけではこれから先の日本の危機的な状況は打破できないという認識は強く持っております。
○井上義行君 是非、私も、知恵を出して大臣に申し上げた上で、この御殿場線にSLを走らせて、全国にこういう広域事業のやり方があるんだということを示していきたいというふうに思っております。
 次に、岡田委員も話のあった保育士の年二回の特区の地域限定の話なんですが、私は、やっぱり地域限定にせずに、もうこれは先ほども午前中に検討するという話でありましたけれども、やはり年二回やっていいんじゃないでしょうかね。是非、保育士の試験、これを全国的に広げて年二回にするというふうに明言をしていただけませんでしょうか。厚生労働副大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(永岡桂子君) 井上委員にお答えいたします。
 現在、保育士の試験というのは年に一回以上行うということが法律上に規定されております。しかしながら、都道府県で実施しております試験というのはどこも年一回しか行われていないというのが現状でございます。
 そういう中で、意欲のある都道府県が保育士試験の年二回の実施に取り組みやすくなるように、国家戦略特区の枠組みを用いまして、三年間はこの戦略特区内の域内で働いていただくことを前提として試験を実施するというのが今回の考えでございますが、委員の御指摘もございますので、その御指摘も踏まえまして、来年度からの年に二回の試験の実施、これ、できるかどうかしっかりと検討させていただきたいと思います。
○井上義行君 是非、来年からでもできることはやって、少子化に向けてしっかりと対策をしていただきたいというふうに思っております。
 もう一つ、通訳案内士の関係でございますけれども、これはやはり特区ではなくて、もう全国的にやった方がいいんじゃないかというふうに思いますが、政治決断として、西村国土交通副大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(西村明宏君) 訪日の外国人旅行者の皆さんが急増をしている中にありまして、井上委員御指摘のように、通訳ガイドの絶対数が不足しておりまして、そうした中で、今般、構造改革特区制度を活用して、地域限定特例通訳案内士制度を導入するものでございます。
 しかしながら、この地域限定ガイドというものは、当該地域に特化した研修を受けた者でございまして、必ずしも、他の地域において通訳案内を行うために必要な知識と能力を備えているものではございません。そのために、地域限定ガイドが全国で活動するということはなかなか困難であろうというふうに考えております。
 このために、国土交通省としましては、まずは通訳案内士が不足している地域を中心として特区制度を活用しながらその対応をしていただけるように、要するに、優良事例というものの創出をするために周知徹底してまいりたいというふうに考えておりますし、なお、全国で活動が可能な通訳案内士につきましては、もう質の高いガイドを追求する余りに大変難関な試験であるというふうに言われております。そのために、質と量のバランスをいかに取るかというのが今後の課題となってきているところでございますので、国交省としましても、昨年十二月に有識者の皆様から成ります通訳案内士制度のあり方に関する検討会を設置しまして、議論を進めているところでございます。
○委員長(大島九州男君) 簡潔にお願いいたします。
○副大臣(西村明宏君) はい。
 井上委員の、全国で活動可能な通訳案内士の数を増やすべきという問題意識をしっかりと受け止めながら、早急に検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○井上義行君 最後に、石破大臣、先ほど保育士、全国に二回やるということ、前向きな答弁いただきました。そして、この通訳の案内についてはちょっとまだ歯切れが悪かったということで、大臣、どうでしょうか、この二つ、思い切って全国でやってくださいということを言っていただきたいと思います。
○委員長(大島九州男君) 簡潔にお願いします。
○国務大臣(石破茂君) はい、分かりました。
 今後とも、全国規模又は少なくとも特区の二者択一の下で改革を実現するというのが方針でございます。
 要は、きちんと外国の方をおもてなしできるような質の高いガイドをしたいと。そしてまた、保育士というものは実際に足りないわけです。潜在保育士というものをいかにして活用するかということと併せて、そういうような御希望のある方にはなるたけ機会は提供するにこしたことはございません。そこにおいて、利用される方々の利便性というもの、そしてまた質の確保ということをきちんと確保しながら、この特区制度を最大限に活用してまいりたいと思っております。
○井上義行君 終わります。
○江口克彦君 次世代の党の江口克彦でございます。
 国家戦略特区といいましても、国民は分からない、分からないから盛り上がっていないということなんですよ。地方を元気にしなければならない、このときに国民が盛り上がらないというのは、これは大変な問題だというふうに私は思うんです。いろいろと大臣も努力されて、いろいろなところで一生懸命発言なり行動はされているんですけれども、いまいち国民に伝わっていないということなんですね。
 それは、結局、この特区というものは、もう三つも四つもあって、どこに線を引いたらいいのか分からないと。国家戦略特区があって、それから構造改革特区があって、それから総合特区があって、もう一つあえて言わせていただければ道州制特区というものがあるわけですよね。特区、特区、特区、特区と、我々もこれどこに差を付けたらいいのか分からないというようなことになってきて、それぞれがそれぞれの理由を持ってこの特区がつくられているんだろうと、こういう構想がつくられているんだろうというふうに思うんですけれども、これ、もう例えば地方創生規制緩和特区というふうに一本化してしまうとか何かしてしまわないと、やっぱり国民の皆さん方が盛り上がるといったって盛り上がりようもないし、いつも大臣が努力されていても、それが、もう砂山を登っているような感じされませんか。ちょっと御感想を。
○国務大臣(石破茂君) 砂山を登るというか、砂に水をまくというか、いろんな感想は正直言って持っております。
 構造改革特区があって、それに金融等々付加した総合特区というのがあって、それに政府の強力なイニシアティブというものを主眼とした岩盤突破のための国家戦略特区があって、という話をしていたかと思えば地方創生特区が出てとかいう、もう何が何だかよく分からぬというのが実際に自治体あるいは国民の感じであることは、正直言って私は否めないと思っております。決してユーザーフレンドリーな制度だとは思っておりません。ただ、決して悪意があったわけではなくて、いろんな考え方、こんなこともできるではないか、あんなこともできるではないかということをいろいろ付与しました結果としてよく分からなくなっちゃったという、そういうところがございます。
 この間、国家戦略特区のフォーラムというのをやりまして、実際にこれを提案された自治体の方々の今までの経緯、苦労話等々を聞きながら、いろんな自治体の方に聞いていただきました。結構満席にはなったんです。聞いてみて初めて分かりましたみたいな方がありまして。そういうフォーラムをやっていきながら、一体どこが分かりにくいのかということをやはり今並行してやらないと駄目だと思うんです。
 この特区制度をもう一回分かりやすく、趣旨は決して悪くないし、いろんな実績も上がっているので、そこはもう私実際に自負しておりますが、もっとユーザーフレンドリーな仕掛けというのはできないものだろうかという問題意識を強く私自身持っております。そこにおいて、この委員会も通じて、これをこういうふうに改めたらよいではないか、こっちの方がもっとユーザーフレンドリーではないかという御提案があれば、私として本当に真摯に、謙虚に、虚心坦懐に承らせていただきたいと思っております。
 今私がやりますことは、とにかく、そういうフォーラムというのを通じて、自治体の方が、なるほどそういうことでしたかということを分かっていただくという努力を最大限に今やっておるところでございますし、全国あちらこちら、もう先週も仙北市に行って、ははあ、なるほど、こういうことなのかと思ったことでございますが、実際に見ないでぺらぺらしゃべっておっても仕方がないので、実際に現場を必ず見るということは我々政策担当者としてやらねばならないことだと強く認識をしておるところであります。
○江口克彦君 そういうふうに大臣、一生懸命努力されておられるというのは分かりますけれども、しかし、繰り返しますけれども、本当に国民は分からないんですよ、特区といったって。ここにいる先生方もほとんど、やっぱりこういう書類を見て、一々読んで確認しないと分からないというような、こんなやり方をやっていたら国民も盛り上がらないし、地方も元気にならない。
 私は、これからの日本を考えていくときに、国民を元気にするということ、さらに地方を元気にするということが物すごく肝要だと思うんですね。大事だと思うんですよ。そのためには何か提案しろ、ユーザーフレンドリーなそういう提案をしろということであるとするならば、さっきも申し上げましたように、規制緩和、地方創生特区というのを一本化にできませんか、これ。どうですか、名称を。
○国務大臣(石破茂君) 名前を統一して、そうすると何が起こるかというと、地方創生特区Aタイプ、Bタイプ、Cタイプとかいって、またAは何だ、Bは何だ、Cは何だみたいなことになってますます分からなくなるかもしれません。
 やっぱり私は、名は体を表すということはよく我々認識しなきゃいけないのに、名が何となく体を表していないんじゃないの、ああ、なるほど、これはこういうことなのねということが分かりやすいネーミングにどうもなっていないんじゃないかなという気がいたしております。これ、法律によってできておるものでありますので、大臣の思い付きで変わるようなものではもちろんございませんが、やはり、よく分かる特区制度みたいなそういう手引ができないと、私は政策として余り意味があると思っていないのです。
 ここに至るまでに本当に担当の官僚たちが一生懸命努力をしながらやってきました。各省庁とも調整も一生懸命やってきました。この効果の発現についても、それが実効上がるように一生懸命努力をしてきましたが、もう一工夫。私は、ここまで随分、実績は正直言って積み重ねてきたと思うんです。あと一工夫をどうすればいいのかということはやはり官僚の知恵では出てこないところがございまして、民間の方々のお知恵とか、そういうものを使って、ほらこうすれば分かりやすいでしょうということを、私どもも一生懸命考えますので、どうかそういうようなお知恵をいただきたいなという、懇願調で恐縮でございますが、私自身そのように考えております。
○江口克彦君 大臣がそういうお気持ちになっておられるということであれば、是非民間から募集するなり、あるいはまた第三者機関をつくるなりして、まずこの名称を絶対に変えないと駄目ですよ、大臣。これをしないと、国民的なというか盛り上がりはないということになると思います。是非お考えいただきたい。私も考えます。是非提案をさせていただきたいと思います。
 それから、全国展開された数は非常に少ないという状況にあると思うんですけれども、こうした状況について大臣はどのように感じておられるのか。また、全国展開がなかなか進まない理由と特区制度を全国展開につなげていくための方策について、大臣、お考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) これを多いと言うか少ないと言うかはいろんな価値判断があるんだろうと思いますが、数字だけ申し上げれば、構造改革特区におきましては、地域限定で実現した規制改革百九十一件のうちで七六%に当たる百四十五件が全国展開として措置済みであります。
 現在、特区だけで活用できる特例措置につきましても、評価・調査委員会において特段の問題が生じていないと判断されたものについては速やかに全国展開を推進していくことを原則とすると。何かこう分かったような分からないような言い方で、何をもって特段の問題が生じていないと判断するか、そして原則とするとは何かとかいう、こういうヘッジを掛けたような言い方は余りいいと私は思っていないんですが、これはもうとにかく問題がなければ全国展開するのだということだと私は理解をしておるところでございますが、例えば病院等開設会社による病院等開設事業につきましては、診療領域の変更などにより弊害発生の有無が確認できていないという、これはもう人の命に関わることでございますので、全国展開ができていないということもあるわけでございます。
 国家戦略特区につきましては、特区ごとに事業の進捗状況を評価し、その評価結果を諮問会議において審査するということになっておりまして、全国展開の可否について判断を行うということでありますが、こう読んでも何のことだかよく分からないねというのが正直な反応かと思っております。要は、国民の生命、財産、健康等々に影響がある、あるいは社会的に大きな影響があるというふうに判断をされましたもの以外はやはり全国展開を速やかにやっていくべきものであって、そうでなければ特区の意味としてそれはほとんどないものだと思っております。
 ですから、そこにおいて本当にそういうような影響を判断するのは、もう慎重かつ迅速に、何か矛盾したような言い方ですが、しなければいけませんし、これでいいということになれば速やかに全国展開する、そういうようなことを心掛けていかねばなりませんし、実行してまいります。
○江口克彦君 開高健の言葉に、悠々にして急げというような名言がありますよね。まさに、悠々にして急いでほしいと。少しでも特区でうまくいき始めたらというか、その可能性が確実なものになるという場合には、是非早く全国展開というものをしていただきたいということを強くお願いをしておきます。
 後でまた申し上げるかもしれませんけど、この問題は、いわゆる安全保障関連法案と同じぐらいに物すごく重要なんですよ。ところが、これがほとんど大きな話題になりにくくなっているということは、是非大臣、頭に置いて、活動をもっと積極的にやっていただきたいと。
 私は、四十年間、地方を活性化するためにはどうしたらいいかということをずっとやってきているんですけど、ある意味では、地方創生というそういう言葉が出てきたらかえって地方活性化の議論が静まってしまっているというような、逆になってきているというような感じもしないでもない。もうお任せというような感じになってしまっている。そういうようなことは是非考えていただいて、地方活性化ということを、本当に地方を活性化しなければ、これから日本は三十八万平方キロ全部使わないとグローバル化の世界の中で競争していけないということは頭の中に置いておいていただきたいというふうに思います。
 それから、地方創生のポイントの一つとして、地方における人の確保があるというふうに思うんですね。そのためには都会から地方への人の流入、移住の対策ということで、ついこの間、新型交付金等を進められているというふうに伺っておりますけれども、それだけではなく、流入あるいはまた移住だけではなくて、地方への定着、定住を支援するということを考えなければならないというふうに思うんですけれども。流入、移住に対する政策以上に、いかに定着、定住させるかという対策あるいはまた支援というものが極めて重要だというふうに思うんであります。
 要するに、移住して流入しても、そこに一年から二年いたらもう飽きたということで、また都会に戻ってしまう、あるいはまた別のところへ行ってしまうということではなくて、移入したり、あるいはまた移住したらそこでずっと何十年も、あるいはまた生涯そこで人生を過ごすような、そういう政策、方策というものを考えなければならないのではないかと思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(石破茂君) これは掛け声だけ掛けても駄目で、きめの細かい政策を展開したいと思っております。
 五十代の方が地方に行きたいと思われる動機は何なのか、そしてその動機を成就するのに阻害要因となっていることは何なのか。これは男性と女性で違います。東京におうちを持っているか持っていないかで違います。六十代であり、七十代であり、あるいは若い世代であり、そういうものに全て対応できるようなきめ細かい移住政策というものを、受け入れる側は受け入れる側で用意していただかなければなりません。
 これは国が何とかしてくれるというお話では全くありませんで、受け入れる側がどのようにして細かいものを提示するかであり、国がやるべきことというのは、じゃ、東京に家があります、三十年掛けてようやっとローンを払い終わりました、二十三区よりもちょっと離れたところなんだけれども、やっとローンを払い終わったらば、その上物の価値はほとんどゼロになりましたというようなものに対して、じゃ、どのような支援ができるのだろうか。その家が例えば月に十万でも十五万でも生むとしたならば、それが地方で暮らす場合のプラスになりはしないか等々、これはいろいろな世代の、男女とかいろんな特性がありますが、それに分けた細かいものを地方は地方で用意をし、中央は中央で用意しなきゃいかぬと思うんです。
 ここは委員の御教示をいただきたいところなのですが、そこにおいて企業というものはいかなる役割を果たすものなのだろうかということでございます。
 それぞれの企業が、例えば本社の機能移転、そういうものはできるわけないというお叱りも一部からいただいておるわけでございますが、じゃ、この国がこのまま衰退していったとしたならば企業の活動もないわけで、民間企業としてこのような私どもの政策に対してどのような関与をしていただけるかというところは、私ども更に詰めていかなければいけない。経団連とも同友会とも商工会議所ともお話をしたいと思っているところであります。
○江口克彦君 是非、そういう企業あるいはまた経済団体、経団連もありますし、経済同友会もありますし、あるいはまた日本商工会議所といろいろありますから、そういうところと積極的に、企業が全国に散らばる、散らばらせる、そうしてほしいというようなことを強く要望するとともに、そして、そうした企業に対するいろいろな政策というか対応というものを是非考えていただきたいというふうに思うんですけれども。
 ただ、全くそのとおりで、流入とか、あるいはまた移住とかという、そういうことを若者から高齢者まで、多様なそういう移住、さっき大臣が五十から六十でCCRCというようなことを岡田先生の質問のときに、是非そういうふうな方向でということでお話しされて、また大臣もそうだそうだというふうなことを言われましたけれども、そこで、ポイントは結局、五十代、六十代ですよ、大臣。五十代、六十代と言われましたよね、七十代、八十代は当然のことですけど、五十代、六十代の人がそのCCRCのところへ行って、これお金がなかったらどうするんですかということになるわけですよ。
 ということは、五十代、六十代の人が行ったときに、そこに収入の糧が得られるような、大臣先ほどまさしくおっしゃいましたけど、企業をやっぱりつくっていかないといけない。要するに、にぎわいの町づくりと同時に企業の町づくりというようなものを考えていかないといけない。ただ移れと、五十代、六十代の人が、もうよほどのお金がないと移れませんよ。というようなことになってくると、やっぱりそこに移ったら収入の糧が得られるような、そういう会社がある、職場がある、あるいはまたそこに入れるというような、そういう形をつくっていかないといけない。
 だから、その五十代、六十代、七十代、八十代の人が、移れ移れと、流入しろ、移住しろ、あるいはまた、した方がいいですよと言うだけではなくて、是非、さっき大臣が経済団体といろいろ話を進めていきたいと言われましたけれども、そういう方向で強く強く、やっぱりそういう経済団体、特に東京、それから大阪、そして名古屋もそうですけれども、そういったところに固まっている企業に、そういった場所に本社なり、あるいはまた工場なり事業場なり、あるいはまた営業所なりを移すべきだ、移した方がいい、あるいはまた移してほしいという要望、是非強く一回、回っていただけないでしょうかということをお約束いただけますでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) これ、多分二つの見方があって、一つは今委員が御指摘のような話です。
 私も民間企業に四年ほどおりましたが、大企業になればなるほど何となく官僚的になるんですね。民僚という言葉があるんだそうですけれども、ひょっとしたら霞が関よりも頭が固いかもしれないみたいな人たちが結構おりまして、だから、本社機能というのはもう総務があり経理があり人事があり企画があり、私どもは、本社を全部移してくださいと、こんなことを言っているんじゃなくて、本社機能の中で、じゃ、生産現場の工場に近い方がいいのがありゃしませんか、そういうことはありませんか、それだけではなくて税制優遇も相当思い切ったものをいたしておるわけで、そういうものを移すのに、なぜ移せませんかと聞くと、何となくとか、あるいは企業の経営に口を出すなとかって叱られたりするのですが、そんなことを言っていても仕方がなくて、前もこの委員会で御指摘をいただいたことだと思いますが、経団連の皆様方に今アンケートを取らせていただいております。やはりこの国がどんどんと衰退に向かうのを止めるということは、企業の皆様方にもお考えをいただき行動いただきたいので、それが一つでございます。また機会があれば御報告をいたしたいと思います。
 もう一つは、例えて言うと、岩手県北バスというものがなぜ非常に業績が改善をしたのだろうか。地域におけるバスでありますとか、あるいはタクシーでありますとか観光でありますとかその他のサービス業、それってかなり旧態依然たるところがありはしないでしょうかというのがあると思うんです、労働生産性で見てもかなり先進国の中で低い方ですから。そこにおいて、五十代、六十代、七十代でもいいんですが、見たことも聞いたこともないところへ行って、俺が教えてやるぜみたいなのは大体忌避されることになっているんですけど、生まれ故郷の同級生たちと一緒にもう一回やってみようかということであれば、やはり受け入れていただけると思うんですね。
 そこに一体どれだけの収入があるだろうか、本社機能を移転することによってどれだけの雇用機会が発生し、どれだけの収入があるだろうか。そして、今申し上げたように、せっかく手に入れた夢のマイホームが売れない、貸せない、住めないという状況ではなくて、じゃ、その3LDKなり何なりであれば、子育ての世帯の方々住んでいただくことによって月に十万とか十五万とか生めば、地方に行ったとしてもそれなりに暮らしの糧のプラスになるだろう。そういうことを総合的に全部、今、集中的に検討しておるところでございます。
○江口克彦君 いわゆる空き家になっていく、それをどう活用するか、あるいはまた、空き家を活用することによって、貸すことによって収入を、それで移住先で生活費にしていくという、そういう発想だというふうに思うんですけど、これ、大臣、企業だけということもさることながら、もし大臣が決意されるならば、首都機能を移転しないと駄目ですよ。やっぱり、例えば経産省を鳥取に移したらどうですか。例えばそういうふうなことまでやらないと、要するに官僚というか霞が関を全国に分散させないと、これは企業だけ分散といったってなかなか難しくなってしまうということを申し上げておきます。
 もう時間がないので返事は結構です。多分同意していただいているだろうと心の中では思って最後の質問をさせていただきますけど。
 私は、さっきから繰り返し繰り返し申し上げておりますけれども、今、安保関連法案、議論されています。これはこれで物すごく重要だと。私は、国防というものは非常に重要な問題だと思うんですけど、大臣の担当されている地方創生あるいはまたこの戦略特区というものも極めて重要であるということ、私が今ずっと質問してきた、お分かりいただけると思う、御理解いただいていると思うんですけれども。そういう意味で、国防と国創、要するに国を創る、地方創生の創の字ですね、国防と国創イコール将来の日本の発展だというふうに私は捉えているわけでございますけれども、そういう意味で、国防も重要だけれども、国創、国を創る、地方を活性化する、国創ということも大事だということを是非、大臣、御決意を述べていただき、何としても地方活性化、成功をさせていただきたいということをお願いして、御感想、一言。
○委員長(大島九州男君) 簡潔にお願いします。
○国務大臣(石破茂君) ありがとうございました。
 私は、最近、静かな有事という言葉を使っているのです。つまり、領土をいかに守るかというのは安全保障の話なんだろうと。だけれども、このままいくと、西暦二九〇〇年には日本人は四千人になるんだそうですよ。西暦三〇〇〇年になると日本人って千人になるそうですよ。結局、国はなくなっていくわけで、これが目に見えないけれどもじわじわと進んでいる、これを有事と言わずして何と言うんだと。
 であるからして、やるべき政策というのは前例にとらわれないものでなければいけないだろうというふうに思っております。それが国民のいろんな権利を弾圧するようなものであっては決してならないのでありますが、今まで民間の発想というものをいかにして取り入れるか、そして地方がとにかく大きな事業を高い補助率で自己負担が少ないようにということでやってきた発想を転換してもらわなければなりません。これは、ある意味で今までの日本の価値観の転換だと思っております。それは、私がわあわあひっくり返って叫んだからといってどうなるものでもなくて、委員各位が、また国会議員が、全てがそういうような認識に立って国民に対して語りかけるということが肝要だと思っております。
 ありがとうございました。
○江口克彦君 ありがとうございました。
○山本太郎君 生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎です。よろしくお願いします。
 国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案について質問いたします。
 前回の質疑で、私が国家戦略特区の目的は何ですかと質問したところ、内閣府内田地方創生室長は、国が主導して、岩盤規制の突破口を開いて、経済社会の構造改革を推進して、産業の国際競争力の強化や国際的な経済活動拠点の形成を図ることを目的としていると答弁されました。私は、この答弁、一番大切な部分が抜け落ちた、本当の戦略特区の狙いが出た答弁だったんじゃないのかなと思っちゃったんです。
 国家戦略特別区域法第一条、目的には、「この法律は、我が国を取り巻く国際経済環境の変化その他の経済社会情勢の変化に対応して、我が国の経済社会の活力の向上及び持続的発展を図るためには、国が定めた国家戦略特別区域において、経済社会の構造改革を重点的に推進することにより、産業の国際競争力を強化するとともに、国際的な経済活動の拠点を形成することが重要であることに鑑み、国家戦略特別区域に関し、規制改革その他の施策を総合的かつ集中的に推進するために必要な事項を定め、もって国民経済の発展及び国民生活の向上に寄与することを目的とする。」と書いてあります。
 内田地方創生推進室長の答弁は、この「鑑み」のところ、言わば手段を目的としてしまっているということなんですね。真の目的は、国民経済の発展及び国民生活の向上に寄与することでなければならないと考えます。構造改革特別区域法の第一条、目的でも、「もって国民生活の向上及び国民経済の発展に寄与すること」が目的と記されています。
 石破大臣、この国家戦略特区法の目的は、内田室長の答弁の産業の国際競争力の強化や国際的な経済活動拠点の形成を図ることが目的ではなく、それらは手段であり、内田室長の答弁で省かれていた部分、真の目的は、国民経済の発展及び国民生活の向上に寄与することである、そして構造改革特別区域法の目的も、国民生活の向上及び国民経済の発展に寄与することで間違いありませんよね。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 委員の御指摘で正しいのでございます。内田室長がお答えしたことも、何も手段と目的を取り違えて答弁をした、それはもう意図的にそんなことをしたわけではもちろんなく、私もその場で答弁を聞いておりましたが、目的はあくまで、御指摘のとおり、国民経済の発展及び国民生活の向上に寄与する、それが目的であるということは当然のことでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 石破大臣、この両法案の目的、国民経済の発展及び国民生活の向上に寄与すること、あるいは、国民生活の向上及び国民経済の発展に寄与することですから、特区による規制改革が仮に国民生活の向上に寄与しない場合、あるいは、寄与するどころか国民生活に打撃を与えるようなことがあってはならない、特区はそのようなものになってはならないということで、大臣、よろしいですよね。
○国務大臣(石破茂君) それは、法目的というのはそういうものでございます。何の法律でも一番最初の第一条に法律の目的というのは書いてあるわけで、第二条以下はその目的に資する形で構成をされているというのが法律の作り方でございます。
 ですから、委員御指摘のような、寄与しないとかあるいは打撃を与えるというようなことになれば、それはその法律の趣旨そのものが覆ることになりますので、そのようなことは行わないし、仮に行われることがあるとするならば、それを厳にして戒めるのがこの法律の裏返して言えば趣旨だと思っております。
○山本太郎君 今のお答えでほとんど次の問いの答えをいただいたようなものなんですけれども、言わせてください。
 石破大臣、国家戦略特区や構造改革特区が国民生活を向上することに寄与しない、あるいは、寄与するどころか国民生活に打撃を与えるものになる場合には、このような特区に対してどう対応されますか。取消しもされますか。いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 例えば、区域計画の進捗状況が不十分であるというような理由でその当該国家戦略特区における目標の達成は困難であるというふうに認められた場合には、内閣総理大臣が、区域計画の評価結果を踏まえまして、区域計画の認定の取消し、あるいは、諮問会議及び関係地方公共団体の意見を聴きました上で特区の指定自体を取り消すということは当然あり得ることでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 配付資料を御覧いただいたら分かると思うんですけれども、これ、ちょうど二年前なんですね。二〇一三年七月十六日の日本経団連の「民間企業の活力発揮に向けた「日本再興戦略」の一層の拡充を求める」、提言です。企業が活躍しやすい国家戦略特区、これ、中に書いてあるんですよね、労働法制の見直し、原発の再稼働、法人実効税率二五%、社会保障給付の一層の効率化、重点化と持続可能性の確保、ビッグデータ、オープンデータ等の活用、農業生産法人の構成員要件等の緩和、企業による農地所有の実現、国家戦略特区の活用を含む大規模MICE施設の早期整備。なるほどと、アベノミクスというのは、日本経団連の提言、次々に実現することなんだなと思えてしまうようなラインナップ、これによって国民生活が向上する、寄与するという部分がリンクしないのは私だけでしょうか。日本経団連は、産業競争力会議が司令塔機能を発揮することも求めています。
 結局、国家戦略特区というのは、経済界、企業の求めるものであって、国民の求めるものではないのではないかなと思っちゃうんですよね。ちょっと具体的に一つずつ見ていきたいと思います。
 今回の法案に盛り込まれております外国人家事支援人材の活用ですが、これは一体どなたが提案されたことなんでしょうか。この件で何人ぐらいの外国人労働者を受け入れるおつもりでしょうか。どうして外国人家事支援人材が国民生活の向上に寄与するのか、御説明ください。内閣府と、この事業を担当されている、所掌されている経済産業省、お答えいただけると助かります。
○政府参考人(内田要君) 提案でございますが、先ほど来議論がございましたように、平成二十六年四月四日の経済財政諮問会議・産業競争力会議の有識者委員からの提案を受けており、また、もちろん、これをやりたいという大阪、神奈川からも提案を受けておるところでございます。そこで、日本再興戦略に位置付け、今回の改正案に盛り込んだものでございます。
 また、どれぐらいの人数規模かというお尋ねでございますが、これも、これから、例えば関西圏、東京圏、神奈川県ということになるのでしょうが、その中で区域を指定いたしまして区域会議において具体的に議論することになりますので、現在のところでどれぐらいの規模だとか、そういうことは想定できないという状況でございます。
 また、最後に、国民生活に寄与するのかというお尋ねでございますけれども、そもそもこの制度の目的でございますが、家事支援サービスの提供を行うことで、就業意欲をお持ちでありながら重い家事負担によりまして社会の活躍が困難であった女性の活躍を推進するというようなことも可能となり、もちろんそういう国民生活の寄与に当たるというように考えておるところでございます。
 以上でございます。
○政府参考人(石川正樹君) 経済産業省からお答えさせていただきます。
 先ほどの人数の件でございますけれども、今既に御答弁ありましたように、現時点では企業の側も具体的にどのような基準等が必要とされるかということについてはまだ確定していない段階でもございますので、現時点でそれぞれの地域においてどの程度の需要人数があってどの程度の方が必要になるかという件については、これからの制度を見た上での判断という状況でございます。
○山本太郎君 結局、シミュレーションしていないということですよね。法律は作るけど、規制緩和はしていくけどということはもう決めていくけど、政治の場で。でも、そのシミュレーションをされていないということ自体がどうなのかなと。法律ってそんなものなんだよということを言われてしまえばそれまでかもしれませんけれども、すごく何か随分適当な印象を受けてしまうと。
 最低限のスタート、この法律作ろうというときに、これ、家事人材を外国人を使っていこうじゃないかと言ったときに、じゃ、どんな需要があるのかということをどんどんリサーチしていった上で、そのデータを基にいろいろと話合いが行われるというのが当然だと思うんです。先ほど、民主党の石橋議員からも突っ込みがあったと思うんです。全然話合いされていないじゃないかということもあったと思うんですけれども、そのような印象を受けてしまいます。結局、この外国人家事支援人材の活用を入口にして、あらゆる分野で大規模な外国人労働者の活用を考えていくということになっていくんじゃないかなと、それがちょっと怖く思うんですけれども。
 一つお聞きしたいのが、大臣、先ほど来、いろんな答弁に対して、賃金、外国の方々に対する賃金に関して、日本人と同等若しくはそれ以上の賃金というものを担保されるようにしていきたいというようなことを言っていたと思うんですけれども、この日本人と同等ということはどれぐらいになるんですかね。少なくとも最低賃金はもらえるということですか。
 済みません、補足です。通告していなかったんですけれども、今答弁をずっとお聞きしていて思い付いた質問です。ありがとうございます。
○国務大臣(石破茂君) 恐縮でございます。
 それは、日本人と最低でも同等、それ以上ということで申し上げているところでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 共産党の田村委員の方から参考人の方に質問をされたことで、いろいろ返ってきたと思うんですよ。借金を背負ってこの国にやってくるんだよと。ここで働いたお金で借金を返済しなきゃいけないという状況の中で、じゃ、最低でも日本人と同じ額、その日本人の最低額ってどれぐらいなんだということだったら、やっぱり最低賃金になっていくと思うんですよ。
 じゃ、神奈川と大阪が手を挙げたということですけれども、神奈川と大阪の最低賃金どれぐらいだといったら、神奈川で八百八十七円、大阪で八百三十七円。時給です。八時間働いて二十二日間、一か月ということになったら、神奈川で十五万六千円、大阪で十四万七千円。これ、生活できるのかと。田村議員からも御指摘がありましたけれども。これ、借金どうやって返すのという話ですよね。
 非常に、このような状況の中で、外国の方来ていただけるというか、逆に言うと、日本の賃金がどんどん安くなっていっているというか、たたかれていっている状況ですから、外国から人、来なくなるんじゃないかというような懸念もあると思うんですね。
 話、戻ります。
 この外国人家事支援、これ、外国人をどうしても使わなきゃいけないというような理由というのを昨日お聞きしたんですね、質問レクのときに。そうしたら、こうお答えになった、その省庁の方々は。例えば、海外に駐在されていた方々が日本に戻ってきて英語をやっぱり日常的にもしゃべりたいから、そういう方とコミュニケーションしながらというような、お掃除を手伝ってくれる方が必要だとかというニーズがあるというようなことを言われたんですけれども、じゃ、海外に駐在されていて、日本に帰ってきて、外国人の家事の手伝いをする人材必要としている人ってどれぐらいなんですかという話ですよね。何%なのと。そのためにこれだけ法律変えるんですかという話にもつながると思うんですけれども。
 結局、じゃ、確かな答えを返してくださいと言ったら、もうそれは答弁として消えちゃったんですよね。多分、その場の思い付きで言われたことなのかなと思うんですけれども。それは石橋議員が、結局、そこに対して話合いがほとんど行われなかった、行われていなかったという現実というものが現れた部分だとは思うんですけれども。
 結局、じゃ、何のためにこのようなことをするのかといったら、コストしか考えられないんですよね。今よりも安い賃金で働く人々というものができる限り多い方がいいよねと。だって、共働きという形をする、その間に家のことをやってもらいたいという話ですよね。
 じゃ、このサービスを利用できる、日本人以上の給料がもらえるというようなものを払える家庭というのは、一部の人たちだけじゃないですか、これ。安い労働力が欲しいために、恐らく入口として、外国人労働者の入ってくる入口として特区をまず最初にという話なのかなと思うんですけれども、これ、大規模な外国人労働者の活用というのがこの先広がっていくということの入口ということにはならないですかね、大臣。
○国務大臣(石破茂君) そのようなことは考えておりません。少なくとも私として、そのようなことが望ましいことだとは考えておりません。
 そして、そのことによって、委員が御懸念のように、じゃ、日本人の賃金というものもそれに引きずられてと言うべきか、下がっちゃったらどうなるのよという、次はそういう懸念になってくるんだろうと思います。
 日本が長い間デフレであったのは、いろんな理由がございますが、やはり賃金を下げ続けてきたということも日本がデフレになった大きな原因だと私自身は考えております。日本人の賃金というもの、日本人の労働に対する対価というもの、それが下がるような事態ということを招来することは決していい政策だと私自身は思いません。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 とにかく、最低でも日本人と同額、でも、その日本人の一番低い賃金、最低賃金は、先ほど言ったような月々十五万円ぐらいしか稼げないんだと。都市で、大都市でさえもですよ。
 でも、その日本の最低賃金に対して国連からももちろん言われていますよね。経済的、社会的及び文化的権利に関する委員会からどのように言われているか、日本の最低賃金の安さ。最低賃金の平均水準が最低生存水準及び生活保護水準を下回っていること、並びに生活費が増加していることに懸念を表明するということが国連からも言われちゃっていると。これ、世界的な低賃金競争に日本人までも巻き込まれてしまうんじゃないかという懸念を持って当然だと。
 じゃ、どうしてこのような外国人労働者を日本に受け入れるようなことが行われていくのかと。もちろん、これは家事だけだよ、特区だけだよという話かもしれないんですけれども、こんな話は、恐らく提言としては経団連からは二〇〇四年から出ていると、外国人受け入れ問題に関する提言。ずっと前から経済団体からリクエストがあり続けてきたことを、安倍政権になって一歩前に進めたと、本格化できたんじゃないかなと。
 しかも、前の経団連の会長であった米倉さん、とんでもないことを言っているんですよね。移民受入れ、奨励すべきだと。移民ということはもちろん日本で働く人々も含まれるわけですから、日本に忠誠を誓う外国からの移住者をどんどん奨励すべきだという、何様だというような発言をされているわけですよね。日本に忠誠を誓うってどういうことなんだよという話なんですけれども。ここが本当に、日本の労働環境というものがどんどん破壊されていくようなことになってしまえば非常に危険だと。
 これ、経団連からのプレッシャーというのは、この労働問題、そのほかにもありますよね。例えば、労働者派遣法の改正、衆議院でありましたけれども、これも経団連から二〇一三年の七月、今後の労働者派遣制度のあり方についてという提言が出されていたと。これもリクエストが出ていたわけですよね、経団連から。それ以外にも、外国人受け入れ問題に関する提言、今言った二〇〇四年、これ、提言がもう既にあったと。
 それだけじゃなくて、消費税に関しても、二〇一二年の八%にというときにもやっぱり経団連からもあったわけだし、ホワイトカラーエグゼンプション、残業代ゼロと言われているようなところにもつながっていく労働基準法の改正だと。これ、二〇〇五年の六月に、ホワイトカラーエグゼンプションということがもう既に経団連から話がされているわけですもんね。今回は千七十五万円以上という話になっているけれども、経団連、四百万円というボーダーを設けていますから、この先どんどんそれを下げられていくというような気配感じますよね。ここまで経団連が実現したいというようなことを政治で次々に実現していくという現在を見ればという話なんですけれども。
 続いての質問に行きたいと思います。
 もう一つ、漁業生産組合の設立要件等の見直しありますけれども、これは誰の提案なんですか。一体、これによって漁業生産組合はどうなるのか。それがどうして国民生活の向上に寄与するのか。短めに説明ください。
○政府参考人(内田要君) お答え申し上げます。
 昨年夏の提案募集をいたしましたそのときに、岩手県の三陸漁業生産組合から提案があったものでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 結局、七人という要件を三人、震災があって、人も減って、三人では漁業が続けられないから七人を三人にという規制の変更というものを求められたということですよね。この元の要件を満たせなくなることでなりわいを失ってしまうというのは、これ改善されなきゃいけないことだとは思うんですけれども、特区以外でもやりようはあるんじゃないかなと思います。
 今回、特区の改正で設立要件が見直され、七人が三人に変わることで民間企業が参入しやすくなるという側面はありますか。参入しやすくなる、そうでもない、いずれかでお答えいただけると助かります。
○政府参考人(水田正和君) 農林水産省からお答えいたします。
 今回の漁業生産組合の特例でございますけれども、漁業生産組合の設立及び維持に必要な組合員の数の要件を緩和するものでございまして、漁業生産組合の組合員資格そのものを拡大するわけではございません。
 漁業生産組合の組合員資格につきましては、水産業協同組合法におきまして、漁民であって定款で定めるものと書いてございまして、また、この漁民とは、同じ法律におきまして、漁業を営む個人又は漁業を営むために水産動植物の採捕若しくは養殖に従事する個人と書いてございまして、個人に限定されておるところでございます。
 このため、今回の特例は、民間企業が参入しやすくなることとは関係はないというふうに考えております。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 そのようなお話でしたけれども、漁業権については、平成二十六年八月十九日に開催、国家戦略特区ワーキンググループでのヒアリング、漁業権の民間開放について議論されています。この会議の中で、座長の大阪大学社会経済研究所招聘教授の八田達夫さん、これ、結構むちゃくちゃ言っているんですよね、入札でやりゃいいと。漁業権って、すごく微妙なものといいますか、一定の水面をみんなでシェアしながらやっていくという非常に微妙な調整が必要なものに対して、これ、入札、金の力で入れるようにすればいいじゃないかというような趣旨のことを言っていると。お金を払った人が権利をもらえるようになればいいじゃないかというような発言をされている。座長なんですけれども。
 水産庁、これに対してどのように反論しましたか。
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 我が国の養殖業でございますが、多数の漁業者によって営まれております共同漁業とか知事許可の漁業など、ほかの漁業とともに沿岸の地先の限られた水面で複層的に営まれておるところでございます。
 漁業法第一条の目的の規定にありますように、このような海面を総合的に利用して漁業生産力を発展させられるよう、資源の状況や漁場環境等、地域の実態に精通している者に免許を与えるのが適切であるというふうに考えているところでございます。
 漁業法におきましては、こうした観点から、特定区画養殖業ごとに免許する者の順位を定めて免許を行っているところでございまして、資源の状況や漁場環境など、地域の実態に精通している地元の漁協や地元の漁業者が上位の優先順位に位置付けられているところでございます。
 このようなことから、養殖業において入札によって漁業権を免許することは、海面の総合利用によって漁業生産力の発展を図るという法目的になじまず、適当ではないと考えているところでございまして、国家戦略特区ワーキンググループに対しましては、今申し上げた趣旨のことを水産庁から回答しているところでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 本当にもうひどいこと言っているんですよ。調整が必要だという話は先ほど言ったと思うんですけれども、権利を全部持った企業が入札でそこに入ればそんな調整要らないよなって、企業が全部そこを仕切れば関係ないじゃないかというような趣旨のことを言っているわけですよ。そういうものならば優先権を漁協と同等に与えてもおかしくないだろう、そこを買ってしまえば、権利を取ってしまえばって。その浜の、その湾の養殖の権限全部持っている、要するに今の漁協のように一括して買い取ってやるということならば、今の内輪もめの話ということも起きないんじゃないかというようなことまで言っちゃっているって、非常にこれ怖いなって思うんですよね。
 今まで地域の皆さんがなりわいとして続けてきたこと、積み重ねてきたところに企業が入っていってそこをぶち壊していくんじゃないかというようなイメージさえ持つんですけれども、この中ですごく頑張ってくださったのが水産庁の課長さんなんですよね、このワーキンググループに参加されていた方で。そうじゃないんだと、そこを調整していかなきゃ、浜のことを一番分かっているのは地元の人たちで、そういう積み重ねをやってきたんだ、そういう強引なことはできないと。もう民間で入れるところは入っている、それを一気に広げていくようなことはどうなのかということをもっと話し合わなきゃいけないというふうに必死でブレーキを掛けているという状況なんです。
 これ、実際に歯止めというものは何でつくられるのかと。このワーキンググループの話だけ読んでみれば、ああ、こうやって省庁の課長さんが頑張ってくれたんだ、ブレーキを掛けてくれているんだということにすごく感動する。これは歯止めになり得るかもしれないけれども、その省庁側の人間が抱き込まれてしまえば、これは通ってしまう話かもしれないですよね。
 日本の漁業、農業、それだけじゃなく、労働環境までこの国に生きる者にとって不利に大きく変わっていく可能性というのはないかなって。世界一企業が活動しやすくなる規制緩和が広がっていくと、大企業、もちろん金融資本、グローバル資本によってそういうものが変えていかれるんじゃないか、そのような不安があるんです。
 石破大臣、それらから確実に守るための歯止め、それってあるんですかね、何か担保されていますか。短めにいただけると助かります。
○国務大臣(石破茂君) それは政府における政務三役の見識であり、そしてまた議会の見識でございます。最後の歯止めというのはそれに尽きます。
○山本太郎君 なるほど。
 もう時間が迫ってきているので、次の質問に行きたいと思います。
 とにかく、そのような形で、まず、国家戦略特区と密接な関係があるだろうと、六月三十日に閣議決定された日本再興戦略二〇一五、政府機関等のサイバーセキュリティーを抜本的に強化と書かれていることについて質問したいと思います。
 厚生労働省のCISO、最高情報セキュリティ責任者である蒲原官房長、伺います。これ、もう時間がないんで肝のところに行きたいと思うんですけれども、官房長は最初に報告受けたのはいつですかね、これ。
○政府参考人(蒲原基道君) 本事案につきまして私が報告を受けましたのは五月の二十八日でございます。この件につきましては、NISCとの連絡調整を始め必要な措置はとられてきたものと考えておりますけれども、私を始め責任者への報告が遅れた点につきましては、反省すべき点が多々あるというふうに認識をいたしております。
○山本太郎君 当然ですよね。五月八日に情報セキュリティーインシデントということが分かっていれば、こんなことにならなかったかもしれない。聞いたのが五月二十八日だという話なんですね。
 これ、法務省にも厚生労働省にも、そしてNISCにもお願いしたいことがあります。
 それぞれのセキュリティーポリシー、基本方針と対策基準、そして報告手順、対処手順、緊急連絡網の資料を提出していただきたいんです。事実を検証する必要があると思います。お手盛りの検証委員会だけではなく、やはり第三者がしっかりとこれを検証するために、今言ったものをそれぞれの省庁から出していただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 一般論で申し上げますと、事案の重篤性については、原因解明の進捗によって順次判明をしてくるものでございます。NISCにおける情報セキュリティーインシデントの対処基準におきましては、事案の重篤度のレベルに応じ、対応する内容は異なってまいります。どの時点でどの程度事案が重篤であるかを認知したかは、NISCの対処能力を明らかにすることにつながります。
 したがいまして、NISCにおける情報セキュリティーインシデントに対する対処基準等につきましては、これを明らかにすることで攻撃者を利することとなることから……
○委員長(大島九州男君) 簡潔にお願いします。
○政府参考人(谷脇康彦君) 提出は差し控えさせていただきたいと思います。
 失礼しました。
○山本太郎君 委員会として是非お取り計らいをいただきたいと、各府省の資料の提出、委員長、よろしくお願いできますか。
○委員長(大島九州男君) 後刻理事会で協議させていただきます。
○山本太郎君 ありがとうございました。
○委員長(大島九州男君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○田村智子君 私は、日本共産党を代表して、国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部改正案に反対の討論を行います。
 国家戦略特区は、成長の起爆剤となる世界で一番ビジネスがしやすい環境を創出するとして、特区内の企業の自由な事業活動を確保し、骨太方針や日本再興戦略、規制改革実施計画を全国で推進する突破口にするものです。国民の生活の安全、安心のためのルールも岩盤規制だとして取り払おうとしており、このような政策の更なる推進を認めることはできません。
 以下、具体に反対の理由を述べます。
 第一に、特区区域内において企業の優遇税制の特例を行うことは、庶民には増税、大企業には減税という税制のゆがみを更に深刻にするものです。また、財界、大企業の要望に応えた様々な規制緩和を一つ一つ検証することなく推し進めることも、企業の利益を最優先させる施策であり、認められません。
 第二に、医療法人の理事長就任要件や外国医師の診療所診察解禁などの医療法の規制緩和は、医療の非営利原則に穴を空け、産業化を進めるものです。医療の安全性の担保措置が不十分なまま外国人医師の診療所診察を解禁することは、医師国家免許制度の相互承認制度への試行措置ともなり、営利医療行為の開始になると医療専門家からも強く批判をされています。
 第三に、公設民営学校設立は、国際競争力の強化を担う人材育成を目的に、塾産業等による公立エリート校の設立を可能とするものです。受験競争の低年齢化や激化に拍車を掛けることが危惧されます。
 第四に、外国人家事支援人材受入れは、国が低賃金の外国人労働者の受入れを法的に認めることにほかなりません。育児、介護を含む家事支援サービスの外国人労働者への置き換え、また、技能実習生制度で国際的にも批判されている人権侵害を更に広げかねません。
 最後に、これまで戦略特区、構造改革特区で取り組まれてきた規制緩和は、既に様々な問題を起こしています。委員会審議では、雇用労働相談センターで労働者保護とは懸け離れた解雇指南とも言える講習が行われた事例を指摘しましたが、こうした問題の検証も行われていません。にもかかわらず、日本再興戦略では、次期国会での法改正等により、残る改革メニューの加速的推進と全国展開を行うことが強調されています。
 今必要なのは、これまでの施策を国民の立場から検証することであり、規制緩和ありきの政策の抜本的な見直しである、このことを主張し、討論を終わります。
○山本太郎君 私は、生活の党と山本太郎となかまたちを代表し、国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。
 世界一企業が活動しやすくなる規制緩和が次々に行われ、それにより本当に国民経済の発展及び国民生活の向上に寄与することになるのか。これまで安倍政権が推し進めてきた政策の数々を見ている限り、あり得ないと断言するしかない状況です。
 消費税の増税分は全額社会保障に使うと言いながら、後期高齢者八百七十四万人は保険料が引き上げられ、児童扶養手当は減額、生活保護費用は一〇%引下げが決定され、それと連動する最低賃金は上がりづらくなり、派遣法では派遣会社が大喜び、雇う企業も継続的に安く雇用できてうれしいことでしょう。残業代ゼロ法案は、千七十五万円以上の人が対象と言いながら、この先、その要件は経団連の要求どおり下げられていくことも見え見えで、労働者は、金銭的にも身体的にも精神的にも、ただでさえ厳しい状態からより厳しい状況に追い込まれます。
 そこに、外国人労働者の入口となる本法案改正で間口が広がっていけば、この国に生きる人々の労働環境はどうなっていくでしょうか。これらの背景には、経済団体の提言などのリクエストが存在しています。企業がもうかれば雇用が増えて、賃金は上がるという政治的な掛け声は現実的にはあり得ないと多くの庶民が身をもって経験し、それに気付いています。
 国税庁調べで、正規の平均年収四百七十三万円、非正規の平均年収百六十八万円。安倍政権発足当初、二〇一三年一月と二〇一五年五月を比べると、確かに役員を除く雇用者数は百十三万人増えていますが、内容を見ると、正規雇用は減り、非正規労働者が百二十六万人増えているのが現状です。
 働き方の多様化とは聞こえがいいが、賃金の格差を見れば、それもおまじない程度の話であったと労働者の多くは理解しています。全国津々浦々まで好景気が実感できるまでに、この国に生きる人々は何度生まれ変わらなければならないのでしょうか。掛け声だけは美しく、たくましく、勇ましい。現実を見ていただきたい。我が国に生きる六人に一人が貧困、単身女性の三人に一人が貧困、年収二百万円未満のワーキングプアと呼ばれる人々は一千百万人を超え、貯金ゼロ世帯は三一%、非正規労働者はもうすぐ四割という状況。
 企業がもうかれば、世界一企業が活動しやすくなる規制緩和が行われれば行われるほど国民経済の発展及び国民生活の向上に寄与するなどのおとぎ話は、ふだんの政治的決定を見れば現実的ではないということが明らかです。これ以上、大企業優遇の政策を続ければ、持続可能な未来は閉ざされてしまいます。
 国家戦略特区法第一条の目的の最後の部分にある「国民経済の発展及び国民生活の向上に寄与することを目的とする。」、このことを本気で考えるならば、国家戦略特区、構造改革特区が開く未来は、この国に生きる人々にとって本当に必要なものではないと申し上げて、私の反対討論を終わります。
○委員長(大島九州男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(大島九州男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島九州男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(大島九州男君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
 東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会の諸施策に関する件について、文教科学委員会から連合審査会開会の申入れがあった場合には、これを受諾することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島九州男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島九州男君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
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○委員長(大島九州男君) 次に、連合審査会における政府参考人の出席要求に関する件及び参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会の諸施策に関する件の調査のための連合審査会に政府参考人及び参考人の出席要求があった場合には、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島九州男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時八分散会