第189回国会 内閣委員会 第23号
平成二十七年九月三日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 九月一日
    辞任         補欠選任
     石井 正弘君     石井 準一君
     野田 国義君     相原久美子君
 九月二日
    辞任         補欠選任
     相原久美子君     足立 信也君
 九月三日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     堂故  茂君
     蓮   舫君     石上 俊雄君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         大島九州男君
    理 事
                上野 通子君
                上月 良祐君
                藤本 祐司君
                山下 芳生君
    委 員
                石井 準一君
                岡田 直樹君
                岡田  広君
                岸  宏一君
                山東 昭子君
                世耕 弘成君
                堂故  茂君
                松下 新平君
                山崎  力君
                足立 信也君
                石上 俊雄君
                芝  博一君
                蓮   舫君
                若松 謙維君
                井上 義行君
                江口 克彦君
                山本 太郎君
   国務大臣
       国務大臣     有村 治子君
   副大臣
       内閣府副大臣   赤澤 亮正君
       内閣府副大臣   平  将明君
       内閣府副大臣   西村 康稔君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        越智 隆雄君
       厚生労働大臣政
       務官       橋本  岳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       向井 治紀君
       内閣官房内閣審
       議官       谷脇 康彦君
       内閣官房内閣参
       事官       林  伴子君
       内閣官房内閣参
       事官       吾郷 進平君
       内閣官房行政改
       革推進本部事務
       局次長      山下 哲夫君
       内閣官房内閣人
       事局人事政策統
       括官       若生 俊彦君
       内閣府大臣官房
       長        幸田 徳之君
       内閣府大臣官房
       審議官      安田 貴彦君
       警察庁長官官房
       総括審議官    村田  隆君
       法務大臣官房審
       議官       上冨 敏伸君
       厚生労働大臣官
       房長       蒲原 基道君
       厚生労働大臣官
       房統計情報部長  姉崎  猛君
   参考人
       日本年金機構副
       理事長      薄井 康紀君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○内閣の重要政策に関する総合調整等に関する機
 能の強化のための国家行政組織法等の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(大島九州男君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、野田国義君及び石井正弘君が委員を辞任され、その補欠として足立信也君及び石井準一君が選任されました。
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○委員長(大島九州男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣の重要政策に関する総合調整等に関する機能の強化のための国家行政組織法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官向井治紀君外十一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島九州男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(大島九州男君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣の重要政策に関する総合調整等に関する機能の強化のための国家行政組織法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本年金機構副理事長薄井康紀君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島九州男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(大島九州男君) 内閣の重要政策に関する総合調整等に関する機能の強化のための国家行政組織法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○上月良祐君 自由民主党、茨城県の上月良祐でございます。(発言する者あり)言わせてください、茨城県と。済みません。
 質問をさせていただきます。
 縦割りの弊害の除去を目指して、新たに任務を中心とした各省の大ぐくり再編を図るとともに、省庁横断的な大きな政策課題がたくさん出てきていたという状況を踏まえて、官邸主導、政治主導で様々な課題に取り組んでいくということで、平成十三年に中央省庁改革が行われました。戦後始まって以来の大改革でございました。
 私もこの再編に若干関わらせていただきました。そのときに、法案の内閣側の窓口にいたのが井上先生で、最後の方はもう毎晩のように一緒に仕事をさせていただいて、その後、再編終わった後の官邸でも御一緒させていただきました。
 重要な政策課題は省庁横断的なものが大変多くなってきておりました。その結果ということもありますが、この再編の結果というんでしょうか、そういったものもあって、内閣官房と内閣府に業務が大変集中をしてきていることになっております。したがって、今回のこのスリム化法案ということになったわけです。
 内閣府、内閣官房に仕事が集まるというのは、この内閣委員会に仕事が集まるということでもありまして、内閣委員会も大変たくさんの法案を扱うようになっております。忙しいのが悪いわけではないんですが、余り仕事が集中し過ぎると、内閣、特に官房の司令塔機能に支障を来してもいけないということもあろうかと思います。
 現時点で、中間的に、あくまで中間的にということですけれども、中央省庁の大改革を、大再編をどのように総括をされていらっしゃるのか、官邸主導、政治主導、この実現、あるいは大ぐくり再編について、どんなメリットがあったのか、あるいはデメリットがあったのか、なかったのか、その辺りにつきまして教えていただきたい、お考えをですね。
 それと併せまして、内閣府というのが大変変わった性格を持つ役所で、総合調整の事務と分担管理事務、両方抱えているわけであります。その内閣府という、ややこれまでにない省庁的なものであったと思いますが、につきまして、現状でどういうふうに御評価をされているのか、教えていただきたいと存じます。
○国務大臣(有村治子君) 上月委員にお答えをいたします。
 省庁再編に向けて大変な御尽力を公務員としてなされていた上月委員の御貢献に敬意を、また感謝を申し上げます。
 省庁の大くくり再編成については、行政の目的や任務に鑑みて、できる限り総合的かつ包括性を持った組織編成とすることによって、縦割り行政の弊害を排除し、また高い視点や広い視野を持って大臣がそれぞれ的確な判断をできるようにするものということを狙いにしております。
 それぞれの大臣、副大臣、政務官、政務三役の所掌範囲というのは、再編前に比べて、省庁の再編があるがゆえに広くなっているところも事実であろうかというふうに思います。
 同時に、このときには、政務次官が廃止され、認証官の副大臣と政務官という三役という仕組みができ上がりました。その三役の間で適切な役割分担を行いながら各省庁で不断に相互の連携を図る、これによって政策の企画立案機能が高度化し、また国民のニーズに即した効率的な行政サービスの提供が可能になったなど、省庁再編時に期待された効果は上げてきているという認識でございます。
 内閣機能の強化については、国政全般を内閣が見渡して総合的、戦略的な政策判断と機能的な意思決定ができるよう、内閣官房とそのときに新設された内閣府それぞれが機能を果たしています。御案内のとおり、内閣官房が内閣の補助機関としての企画立案を行い、最高かつ最終的な調整機能を持たれる総理大臣の活動を直接に補佐する一方、内閣府は横断的な企画調整を行う機関として設けられ、恒常的、専門的な対応が必要な特定の内閣重要政策について総合調整を行う役割、この本来目指された目標というのは、内閣機能の強化、実際に図られてきているという十四年間の評価があるのではないかというふうに思います。
 今後も、不断に政府全体が有する機能を最大限発揮できる体制を整備しておくこと、また整備し続けるためには法の改正も辞さないというメッセージを持って、その意識を共有することが大事であるというふうに認識をしております。
○上月良祐君 ありがとうございます。メリットの方が多かったと思います。
 いろいろと、何かをやれば、メリットだけではなくてデメリットも当然あるんだと思います。内閣府、内閣官房に仕事が集まっているのは、内閣府、内閣官房が政治主導、内閣主導で強くなっているだけではなくて、私は各省の方がかなり弱くなってしまっているんじゃないかという問題意識も持っています。自分で引き受けるよりはもう内閣の方でやってもらいたいというようなことでどんどん集まっているというような問題もあろうかと思います。
 それから、大ぐくり再編のところについては余り的確に、端的な御答弁はありませんでしたが、大ぐくり再編でのメリットは大変私は大きいものがあったと思います。総務省という役所は、旧郵政省、総務庁それから旧自治省という役所が一緒になって、全然関係ない役所が集まっているんじゃないかというようなことは当時言われました。言われましたけれども、やはり情報化、特に地方の情報化とかというときに、あるいは行革だと、旧総務庁と自治省、大変、集まって一緒にやる効果というのは大きかったと思っております。
 しかし、じゃ、それはなぜ大きいのかというと、結局、要するにうまく調整が進みやすいという話だと思うんですね。運輸省と旧建設省もそうかもしれません。ばらばらだと調整がうまくできなかったのが、一緒になって大臣が一人になったから調整がうまく進んでいる、だからうまくいっているということ、その面が一番大きいんだと思いまして、そういう意味では、後でお聞きする総合調整と調整の話がありますけれども、要はきちっと、役所がばらばらであれ一緒であれ、中でちゃんと調整が図られて、問題意識を共有して、まさに任務という問題意識、目的意識を共有して何かを一緒になってやっていけるのかどうかというのが私は大きいんだと思っております。
 私も、中央省庁の再編以降、その前もそうですが、特に、官邸から茨城県に赴任をさせていただいて、そこでもたくさん行革案件がありまして、いろいろ取り組ませていただきました。私は、行革自体は、目的ではなくて、もちろん手段だと思っております。それは何のための手段かといったら、せっかくある税金でつくっていただいている大きな組織とマンパワーを、日本の政策課題あるいは地域の政策課題にフルに対応できるような、戦闘能力のある、働ける組織になっていくというためにあるんだと思っておりまして、そういう観点から以下の質問をちょっといろいろさせていただきたいと思っております。
 そのいろいろ質問する前にちょっと一個確認をしたいんですけど、去年の国家公務員制度改革のときに、人事院が、その機能の多くが内閣人事局へ持っていくということになりました。これはこれで大いに意味があることだと思いますけれども、例えば級別定数という役所にとっては大変大きな話がどっちもが関わるということになって、このヒアリングを、ほっておくと同じようなことを二回やることになるんだと思うんです。これは役所だと、それをやっても別に生産性に関係ないというふうな意識になっちゃって、同じようなことを二回やるのは大変意味がないからできるだけ共通にヒアリングをやってほしいという話を重々申し上げました。
 その後、そういうふうに御配慮いただいているとは聞いておりますけれども、とにかく二度手間にならないように、内部事務の二度手間というのは何の意味もありませんから、そこに掛けるエネルギーというのは日本の成長に何も関係ないので、できるだけ共同でできるところはやっていただきたいというふうにお願いしたんですが、それはその後どうなっているか、ちょっと教えていただきたいと思います。
○政府参考人(若生俊彦君) 内閣人事局の発足に当たっては、級別定数関係の事務の重複についての先ほどの委員の御指摘あるいはこの委員会での議論を踏まえまして、公務員制度改革担当大臣から人事院に対して事務の簡素化について要請するなど、その合理化を図ったところでございます。
 具体的には、昨年度の級別定数の改定のプロセスにおきまして、各府省が級別定数の設定改定の要求をする際に内閣人事局、人事院、財務省に提出する資料について資料の様式の共通化というのを図ってございまして、これによりまして四十一様式を二十一様式とほぼ半分に整理をしてございます。
 また、各府省の要求概要を聴取する場である課長級のヒアリング、基本的なヒアリングでございますが、これにつきましては、内閣人事局、人事院、財務省がそれぞれ個別に行うのではなくて、共同で実施をしたところでございます。
 こうした提出資料やヒアリングの共通化の取組、これは今年度の改定のプロセスにおいても継続していきたいと思っております。また、今後とも、各府省の事務の負担を軽減して、事務の効率化を推進して、行政コストの肥大化を招かないように努力してまいりたいと思っております。
○上月良祐君 ありがとうございます。是非お願いしたいと思います。級別定数だけじゃなくてですね、それは一つの例であって。
 もちろん、人事局と人事院だけじゃなくて、ほかのこともそうなんですけれども、そういうふうに共通化するというのを、そのすり合わせる努力を普通余りやらなくてばらばらにやって、やっているうちに全然違うことの、様式も大切だと思いますが、様式になってしまって物すごく時間を掛けると。それぞれは性善説だと思うんですよ。それぞれは一生懸命やっているつもりで、人事院の方も人事局の方も一生懸命やっているつもり。しかし、日本全体で、霞が関全体で見たら、何の意味もないことにエネルギーを掛けてしまっているというのは、これは実質の定数減と同じなんですね。
 なので、そういったことがないように、まさに人事ということを通じて霞が関の力を最大限引き出そうとされているわけですから、そういったところにも、政治家が一々言うような話じゃないんですが、言わないと大体ばらばらになってしまいますので、是非これからも御尽力をお願いいたしたいと存じます。
 それで、肝腎の今回の話でございますが、まず赤澤副大臣にちょっとお尋ねしたいと思うんです。
 有村大臣は特命担当大臣として、規制改革や少子化、男女共同参画などをやっていらっしゃいます。そして、いわゆる担当大臣として、女性活躍や行革、国家公務員制度担当、要するにばらばらないろいろなものを持っていらっしゃいます。その有村大臣を補佐されます赤澤副大臣は、この件、有村大臣の担当に加えて、麻生特命担当大臣が所管、担当されています金融とか、山谷特命担当大臣が担当する防災とか、拉致問題も担当大臣でございますが、そこもサポートするということになっております。
 これは、実は平副大臣も似たようなところがありますし、西村副大臣もTPPなどをやりながら防災の関係とかもやっていて、広島の大災害が起こったときには、その交渉をやりながら現地に張り付いていらっしゃるというような大変厳しい状況だったと思うんです。もちろん、能力のあられる方がなっていらっしゃいますから何とかこなせちゃうのかもしれませんけれども、やや指揮命令系統も、何というんでしょう、複線化というか、やや混線化するような感じもしますし、ただ、新八号館ができたので、それも大きい話だと思うんですが、場所的にかなり一体化できたのでそれは大変大きかったとは思うんですけれども。
 赤澤副大臣、役所にもいらっしゃって、大変能力のあられる副大臣から見られて、今の状況を、大臣をサポートするのにどんな感じを持っていらっしゃるかというところを是非教えていただきたいと存じます。
○副大臣(赤澤亮正君) 現在私が、有村大臣始め、麻生金融担当大臣、菅官房長官、そして山谷大臣に、四人の大臣にお仕えをしているというのは委員御指摘のとおりでございます。
 内閣府の組織の特徴として、内閣総理大臣のリーダーシップを支える存在として、内閣の重要政策に関して必要な場合には複数の特命担当大臣を置くことができるものとされていることがあります。他方で、副大臣、大臣政務官の数については、御案内のとおり法律で三人ずつということが決められております。したがって、一人の副大臣、大臣政務官が広範な課題を担当しつつ複数の大臣を支える状況があるということでございます。
 私自身について申し上げれば、先ほど委員の御指摘があったとおり、幅広い政策課題担当しております。実際にうまくサポートできているかという点についての評価はもう第三者にお任せするしかないわけでありますが、各大臣の下、十分な意思疎通を心掛けながら全力で職務に邁進しているところでございます。
 今回の法案は、各省等が中心になることでより強力かつきめ細やかな政策の推進が可能になる事務については内閣府から各省に移管するとともに、各省においても総合調整を行えることとすることにより内閣府と各省の適切な役割分担を図るものであり、今後、これを踏まえて、もしこの法案を成立させていただいた暁には、特命担当大臣、副大臣の担務を整理していくことにより状況の改善が図られていくものというふうに期待をしてございます。
○上月良祐君 ありがとうございます。
 一府二十二省庁だったんですね。それが一府十二省庁になったわけです、その後、防衛省なんかができたので数は若干変わっていますけれども。これほど課題が多いときに、もちろん大ぐくりの意味は私は大きかったんだと思いますけれども、併せてその数のことについても少し真剣に議論をすべきではないかと思っております。
 実際にいろいろ各省またがる課題が増えていて、どうしてもやらなきゃいけないときに、私もずっと行革をやってきましたから、もちろん枠をはめてその中でやるというのを最大限まず尊重しながら、ただ、どんどん減っていくのがいいわけではなくて、組織の力を最大限に、最小の経費で最大の効果を出せる体制というのをつくるのが私は行革の意味だと思っておりまして、そういう意味で、副大臣の所掌についても、各省の副大臣を兼務させられるようになったようですね、平成二十四年に。しかし、それもややまた更に混線化を深めるようにも思いますので、そういう意味で是非真剣に考えていただきたいなというふうに思っております。
 赤澤副大臣、私申し上げたように大変お忙しいので、御質問ここまでですので、赤澤副大臣はもしよろしければ御退席いただいてと思います。
○委員長(大島九州男君) 赤澤副大臣、御退席どうぞ。
○副大臣(赤澤亮正君) 次の質問も……。
○委員長(大島九州男君) そうですか。では、ごゆっくりどうぞ。
○上月良祐君 済みません、じゃ続けます。
 それで、総合調整と調整のことをちょっとお聞きしたいと思います。ほとんど言葉は似ているんですけれども、総合調整と調整ってどう違うんでしょうか。それから、いわゆる担当大臣と内閣府の特命担当大臣ってどう違うのかというところを、済みません、ちょっとこれは教えていただけますでしょうか。山下さん、お願いします。
○政府参考人(山下哲夫君) お答えいたします。
 まず、調整と総合調整についてでございます。
 各省は設置法で任務と所掌事務が定められているところでございますが、調整といいますのは、各省のその所掌事務を遂行するために必要な場合に関係省と相互に行うというものでございます。
 これに対しまして、総合調整は、行政各部の施策の統一を図るという目的で行われているものでございまして、内閣、内閣総理大臣が指導性を発揮して国政の重要課題に戦略的に対応していく必要がある場合に、内閣を助けて行う調整ということで、各省の所掌事務を越え内閣の立場で行うということで総合調整と呼ばれております。この総合調整の事務は、現在の規定では内閣官房、内閣府といった機関に限られているところでございます。
 もう一つのお尋ねの内閣の担当大臣と内閣府の特命担当大臣の違いでございます。
 この内閣の担当大臣も内閣府特命担当大臣も、各省大臣がそれぞれ行政事務を分担管理しているのとは異なりまして、内閣の立場で総合調整を担っているという点については共通でございます。
 違いといたしましては、内閣の担当大臣は特定の重要課題について内閣総理大臣から特に集中的に取り組むよう指示を受け、その指示に基づき総合調整を担当するものであるということに対しまして、内閣府特命担当大臣は内閣府設置法に位置付けがございます。担当する事務は内閣府が担う事務でございます。この内閣府設置法に基づき内閣府が担う総合調整について担当するとされておりまして、内閣府設置法の中で、この総合調整を円滑に行うための権限としまして、関係行政機関の長に対する勧告、内閣総理大臣に対する意見具申等も法律上規定されていると、こういう違いがあるものでございます。
○上月良祐君 詳しい説明をいただきまして、ありがとうございました。
 ただ、実際にやっていらっしゃる有村大臣としては、恐らく特命担当大臣か担当大臣かでそんなに違いを感じていらっしゃるわけではないと思いますし、実際に仕事をしている、実務をやっている役人の人も、総合調整だといって話が急に進むわけでもないし、調整の権限しかないからできないわけではないんだと私は思っております。
 法律をやっていた者として、そして今立法府にいる者として、そんなことを言ってはいけないので誤解がないように聞いていただきたいんですが、私は法制度は大変重要だと思っておりますけれども、実際の調整をやるのは人間だと思っております。結局、一人一人の人間が、その調整をできるような人材が育たなければ、幾らいい制度を一生懸命つくっても仕事はうまく進まないんだと。そして、その調整が進まないというのは、内閣にとって大変重要な課題が山積している今、何というんでしょう、日本の将来にとってもう本当にまずいことになってしまうんだと思っておりまして、その点を是非御配慮をいただきたいと思っているんですね。
 今回の一番重要なポイントは、私、この総合調整の事務という大変重要な内閣全体でやっていかなくてはいけない事務の一部を、単にスリム化するだけじゃなくて、各省大臣に渡すところだと思っているんです。この各省大臣に渡す総合調整というのがきちんと図られるかどうかというので、あまたある政策課題にきちんとした答えができるのかどうか、日本の将来にとって意味があるのかどうかというのは本当に変わってくると思っておりまして、そういうところで、この各省大臣に渡す総合調整の業務がうまく回るようになるために何がポイントなのか、そしてそこをうまく機能させるためにどういうふうな取組をされようとされているのか、その点について教えていただきたいと思います。
○政府参考人(山下哲夫君) お答えいたします。
 やはり、内閣を助けて行う総合調整がうまくいくというポイントは、やはり内閣の方針に基づいて行う、それを担当する側もそれを十分認識して行うということが最も重要と考えております。
 このため、今回の法案で各省が総合調整を行い得ることとしておりますが、この場合の各省も、内閣を助けて総合調整を行うものである点において、現在の内閣官房、内閣府と同じ位置付けとしてございます。また、総合調整を各省が行う際には、内閣があらかじめ閣議で決定した基本的な方針に基づいて行うこととしておりまして、この基本的な方針の中で総合調整をどこが行うか、内閣としての方針はこうだと、他の府省とこのように協力をしろと、そういうことをできる限り明確に示すことが重要と考えておりまして、それに努めてまいりたいと考えております。
○上月良祐君 いろいろ御答弁いただきましたが、先ほど申し上げましたように、一つ一つの課題をやっていくのは人間ですから、是非、人材というんでしょうか適材適所というんでしょうか、その方々にインスパイアして、仕事がちゃんと回るように是非やっていただきたいと思っております。
 私は思うんですけど、総合調整をやっていく、進めていく上でのその力の源泉は、実は、役人の人に一生懸命働いてもらうという意味で、やっぱり人事だと思っているんですね。その力の源泉はやはり官房長官の人事にあったんじゃないか、その力にあったんじゃないかと。
 というのは、国家公務員制度改革で、二百人ぐらいだったのが六百人ぐらい、審議官以上の人事を束ねて内閣がやるということになったわけです。そこにあったのではないかと思っておりまして、そういう意味で、各省に渡した重要政策課題の総合調整のところも、よく官邸との連携、人事ということも考えてのですね、そういったところを意識しながらやっていただきたいというふうに思っておりまして、そのことはもうお願いをしておきますので、是非、有村大臣に行革担当大臣として御配慮をいただきたいと思っております。
 それで、もう一つ有村大臣にお聞きしたいんですけれども、担当大臣、特命担当大臣というのは、普通の役所みたいにきちっとその組織があるわけじゃないですよね。そうすると、今日、幸田官房長、来られておられますけれども、何というんでしょうか、大臣に一人の官房長がいて、きちっと組織を押さえて役人全体を目配りして動かしてくれているわけではないんですね。なので、非常に、何というのかな、組織が動かすのが難しい面があるんじゃないかなというふうに思います。
 いわゆる普通の省庁を抱えているわけではない大臣、だから、その大臣がどう動くのかというのは物すごく大事なところだと思うんですけれども、これ、有村大臣の御感想として、いろんな担当を持っていらっしゃる大臣として、通常の省庁の組織と比べてサポート体制というのがどれぐらい、十分だと思っていらっしゃるのか、何かもう少しこうだったらいいのになと思っているようなことが何かあるか、それをちょっと、時間がないのでちょっと事務的な答弁は飛ばさせていただいて、大臣の感想を、済みません、聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(有村治子君) 特命担当大臣や内閣の担当大臣というのは、御案内のとおり、総理大臣の命によって人数や担当範囲がその時々に定まるという特性がございます。ゆえに、その補佐体制についても、所掌事務に応じて見直し可能な柔軟性、弾力性を常に確保していくということもおのずから大事になってまいります。ゆえに、御指摘いただきましたとおり、一大臣、一事務次官、官房長というわけには、内閣府あるいは内閣官房、いきません。
 率直なところ、松山事務次官、幸田官房長、その能力によるところが非常に有り難いなというふうに思っています。審議官、参事官等のサポートを得て幅広い様々な課題に対応しているという状況でございますが、実際に担当させていただきますと、全てが一つのアライメントであるという通常の省庁は羨ましいなと思うこともないわけではないという率直な感想も持ち得ております。
○上月良祐君 率直な感想だと思います。ただ、今ある中で最大の成果を出せるように是非頑張っていただきたいと思いますが、ちょっと一つ提案があるんです。
 省庁再編以降、平成十三年以降、あれだけの大改革をやった以降、もう十八年には防衛省ができていますし、観光庁ができたり消費者庁が発足する一方で、食糧庁がなくなったり、御案内のとおり社保庁がなくなったりしています。かなり再々編というものが静かに進んでいる感じを私は持っております。
 一方で、厚労省という役所は、ちょっと余りに仕事が大きくなり過ぎて大変ヘビー過ぎる。子ども・子育ての問題もあるし、社会保障のずっと不断の見直しをしていかなければいけないわけです。誰がどう見ても、大変ちょっと重過ぎるんじゃないかという声はどこでも大きいんじゃないかと思います。そして、忙しいがために、ためにかどうか分からないけれども、今回のような年金機構のような問題も起こってしまって、そのフォローのためにまた忙しくなるという、マイナスの相乗効果的な状態になってしまっているんじゃないかと私はちょっと感じて、個人的にですが、感じております。
 他方で、いろいろ日本にとっての危機はたくさんあると思うんですが、人口減というのがこれから物すごい勢いで進んでいくわけです。二次曲線か三次曲線的に急激に人口が落ちていくわけですね。それで、その一番上のところ辺りが増田レポートの二〇四〇年なんですね。
 増田レポートを聞いてぞっとするような気持ちを抱いた人は多いかもしれませんが、あれは人口減のただ始まりなんです、まだまだ。そこから急激に落ちていくんですね。人口減って真面目に対応しないといけないとみんな分かっているけど、問題の難しさも感じているから、ちょっと何となく、本当にやらなきゃいけないというようなパワーがどこまで出ているのかなというふうなイメージも持っております。
 それで、子ども・子育てと併せて少子化対策というのを、今も何か本部がもうできているようでありましたけれども、内閣府に子ども・子育て本部というのができているようでありましたけれども、厚労省からその関連の部署を持ってきて、内閣府からも関連の部署を持ってきて、子ども・子育てとか女性対策を含めた、女性政策を含めた何か役所というのはあっていいんじゃないかなと思っております。
 大ぐくり再編をして数を抑える中ではありますので、大ぐくり再編というののいいところと、それから内閣の主導といういいところとかをいろいろ考えた上で、そういう役所をつくってきちっと対応していくべきじゃないかというふうに思うんですが、有村大臣、どんなお考えがあるか、ちょっと教えていただきたいと思います。
○国務大臣(有村治子君) 人口減少というのは内なる危機だというふうに、忍び寄る、確実に体力をむしばむ危機だというふうに認識をしています。
 その中で、日本の持続的成長を実現するという意味では、御紹介いただいた地方創生と女性活躍という新しいポストと部門ができたというのも、現政府の危機感の表れだというふうに認識をしています。少子化対策と女性活躍の推進、また、男性を含めた働き方改革、家事、子育てへの参画ということを男女で達成していくという体制あるいは社会にしていかなければならないというふうに思っております。
 御質問いただきました子ども・子育て本部に関してはしっかりと、単独の省庁にはなっておりませんけれども、文部科学省、厚生労働省を始めとする各省庁と連携しながら、内閣府として予算の一元化また少子化対策大綱の具現化に取り組んできて、実績は出てきていると認識をしております。同時に、少子化対策と女性活躍、地方創生の推進に対する上月議員の思いということはしっかりと受け止め、そのお気持ちということに共感すると同時に、現在のところは現在の枠組みを最大限に活用して、しっかりと成果を上げたいというふうに考えております。
○上月良祐君 ありがとうございます。
 役所の組織を動かすというのは物すごいエネルギーが要ります。人事のことも所掌の切り分けとかも物すごくエネルギーが要るので慎重にやっていただきたいと思いますが、ひとつ、やはりそういったことは前向きに是非考えるべきじゃないかなと思います。
 縦割りの弊害等、大ぐくりにするとまたその難しさがあるけれども、両にらみしながら一番いい組織をつくって、ただ、組織をつくるというのはあくまで仕事をやる上での手段ですから、そのためであるということを認識しながら、是非前向きに様々な課題に取り組んでいっていただきたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
○藤本祐司君 民主党・新緑風会の藤本でございます。
 今、上月委員の質問を聞いていて、山下さんが、総合調整と相互調整なんですかね、その説明がありましたが、余りにも流暢にばばっと答えてくださったので、私の理解力が足りないのか、本当に複雑でよく分からないのか、説明がうま過ぎたのか分かりませんが、正直言って意味分からなかったんです。だから、ちょっと後でもう一度具体的に少し例を挙げながら説明していただけると有り難いなと思っていますので、後ほど質問をさせていただきたいというふうに思います。
 井上委員や上月委員がこの省庁再編のときにかなり深く関わったということは承知しておりますので、その辺りについては私なんかよりも相当な理解があるんだろうというふうには思ってはおるんですが、私も野田内閣の最後の数か月ではありましたがこの問題にちょっとだけ取り組ませていただいて、副大臣としてやらせていただいたんですが、私の場合は意外とシンプルでして、ほとんど岡田副総理といいますか大臣の所管をそのまますとんと、一緒に補佐させていただいたということと、プラス沖縄北方の担当と、あと一部、藤村官房長官の仕事をやらせていただいたので、割とシンプルだったんですけれども。
 先ほど、赤澤副大臣、もういろんなところで交錯していて、これは誰が大臣のものなんだというのが分からなくなるんじゃないかなというぐらい多分あると思いまして、それで、今日、実態のところは本当はどうなのよというところを、副大臣、政務官にはちょっと後ほど聞かせていただきたいというふうに思っておりますが。
 まず、有村大臣にお聞きしたいのは、今回の改正案を出したそもそもの目的、何を狙って今回の改正案を出されたんでしょうか。
○国務大臣(有村治子君) そもそも十四年前の中央省庁再編時、またそれに至るまでの、橋本行革からの、その前からの四年前から、合計十八年前から検討された、およそ国民の要請あるいは国民の、主権者たる国民の負託に応えていくためにどのような行政組織が的確か、また、内閣総理大臣のリーダーシップを発揮するためにはどのような内閣総理大臣に近い布陣が適切かということの議論がなされた上で、その趣旨ということを民主党政権も含めて踏襲をさせていただいた上で、今日的課題に解決を見ていくための行政組織のありよう、また今後のありようということを鑑みた上で、十四年前の大きな省庁再編時以来初めて法改正をさせていただく。それは、十四年前にうたわれたまさに内閣総理大臣のリーダーシップと、的確に時宜にてらった解決を狙っていくということを改めて具現化するという試みの一つだというふうに考えております。
○藤本祐司君 ちょっと言い方変えれば、当時の、十三年、十四年前の中央省庁の再編のときの考え方で内閣官房あるいは内閣府というのが位置付けられて、その後、機能がこの十三年間の間にうまく動かなかったというふうな認識なんですか。
○国務大臣(有村治子君) むしろ、一定程度うまく動いてきた、それゆえに、皆さん、新しい議員立法も含めて、新しい社会の要請に応えるためには内閣官房なり内閣府でやってほしいという御希望が相次いで、おのずから組織なりあるいは所掌範囲が大きくなった、それをやはり本来のスリムであるべき機動的な組織、行政のキャパシティーを確保していくということでの十四年間の経過になったというふうに認識をいたしております。
○藤本祐司君 これ、今回の法案、略称で言うと内閣官房、内閣府のスリム化法案というふうによく言うんですが、スリム化法案と言ってしまうと実は本質が分からなくなっちゃうんじゃないかと。
 スリムにすることが目的なのかというと、必ずしもそういうことではないんじゃないかなと私は思っておりまして、民主党政権のときの平成二十四年の十一月二日、これで閣議決定をしたときのタイトルというのは、実は、内閣官房及び内閣府の本来の機能を向上させるための事務分担の見直しの基本方針としているんですね。つまり、本来の機能をより向上させるためにどうするかというのがタイトルになっているんです。
 だから、そこが目的なので、スリム化が目的ではなくて、その本来の機能をちゃんとやっていくためには、ちょっと集中し過ぎちゃったよねと。たくさんあり過ぎて複雑になって、本当に元々の、機動的に、あるいはいろんな課題に即応できるような体制にならなくなってしまったのではないかという懸念の中でこれをやりましょうという、そういうことでやろうとしたということは、私はそう認識をしているんですけれども、そういうことでよろしいんですよね。
○国務大臣(有村治子君) 極めて本質的な御議論をいただいているというふうに思います。共感をいたします。
 いわゆるスリム化法案、スリム化法案と言われるんですけれども、これはいわゆるスリム化法案であるんですが、そのいわゆるという通称自体が事の本質を見えにくくしているというのは御指摘のとおりだと思います。スリム化をするというのが本来の目的ではなくて、総理、また官邸のリーダーシップを発揮できるようにするための布陣がいかにあるべきかということで、結果的に集中してきたものをしっかりと、今回新たに総合調整の機能を各省庁に担っていただくことも含めて、その本来の趣旨を具現化するためには法改正も辞さないということでございますから、藤本委員とのそもそもの本質的な問題提起というのは完全に共有をいたしております。
○藤本祐司君 今回の法案のその前提になったのが、実は自民党、公明党が出された内閣官房・内閣府のスリム化についてという、それが基になっているということ。実は単純化して分かりやすくするということでそういう名前を付けたのかもしれないんですが、実は単純化して分かりやすくすると事の本質が分からなくなるということがよく往々にしてあるので、実は、この今回の法案のタイトルは、内閣の重要政策に関する総合調整等、これは企画立案とかそういうことが含まれるんだと思いますが、に関する機能の強化のための改正なんですよね。
 だから、ここが多分本質なので、スリム化することだけが目的ではないんだろうというふうに思っていますが、逆にスリム化しないと、裏返しで言えば、スリム化をして、スリム化というのか、事務分担を見直していかないと、本来の業務、内閣官房あるいは内閣府の本来の機能が発揮できにくくなってきたという実感はあるんでしょうか。
○国務大臣(有村治子君) 当然ながらございます。
 るる御報告をいたしておりますように、内閣官房あるいは内閣府にスタッフもそれからタックルすべき政策も非常に膨大化しておりますから、やはり藤本委員がおっしゃる本来の業務、すなわち総理に近いところで総合調整が必要な政策に集中できるようなキャパあるいは体制の具現化をし続けるという意味では、私は極めて大事な今回のメッセージだというふうに思っております。
○藤本祐司君 そうすると、今回も事務、内閣官房から内閣府に一元化して移管したものと、あと各省庁に移したものがあるわけなんですが、これで取りあえずは本来の機能というのを動かすことができるようになった、あるいはまだまだ不十分だ、まだこれからもやる必要があるのではないかと、そのようにお考えになっているのかどうか、お答えください。
○国務大臣(有村治子君) 社会経済情勢の変化というのは常に生じますから将来的なことを確約することはできませんが、今後もその変化は生じるということを前提にして三年後の見直しということもこの法案に盛り込んでおります。そういう意味では、当然この法案ということで、十四年前の省庁再編以来の法改正でございますけれども、これからもその不断の見直しはやっていくということもメッセージとしては強く発信をしていきます。
○藤本祐司君 とかく、よくこのスリム化も人間のダイエットに例えられたりもするんですけれども、ダイエットして、ダイエットああうまくいったなと思うとリバウンドが激しくてかえって太ってしまうということはよくあるわけですよ。
 だから、今後、これから、要するに今ある本部なり会議なり様々な事務をどうするかというのもあるんですが、これからまた、内閣委員会やって理事やってよく分かったことなんですが、議員立法もまあやたらめったら内閣府でというのが多い、正直言って。これは、例えば本当に各省庁に横断的にやらなきゃならないような、まあ蓮舫委員も大臣やられました行革あるいは行政刷新とか、これはかなりそこでリーダーシップを持って各省庁に全部に共通するんだということは、これはやっぱりやらなきゃいけないことだと思いますし、この前の、前回のマイナンバー、個人情報でNISCをもうちょっと範囲を広げてもっと監査できるようにしていこうというのも、これもやっぱり内閣府なり内閣官房なりでやることが重要なんだろうというふうに思います。
 これまでは、NISCも、統一基準というのを作ってあとは各省任せというのがやっぱり問題だったということを考えると、そこでやっぱり権限を持ってもらうという、こういうのが本当に内閣官房あるいは内閣府できちっとやる必要はあるんだろうけれども、やっぱり一つか二つか三つぐらいの省庁が関わってやっていくというものは、もうできるだけ、内閣総理大臣の意思がどうのというのはあるんだけど、各省庁だってトップは内閣総理大臣なんだから、そこのところはもう各省庁に任せておくということがやっぱり必要なんじゃないかなと。
 実際に、併任の職員なんかは、平成十三年から比べると三倍、四倍ぐらいに膨れ上がって、併任の方だけを考えるとね、そうすると、その方はほかの、自分の省庁でもやり、こっちでもやりみたいなことになると、概して効率が悪くなったり機動的に動けなかったりという、そういうこともあるものですから、大臣が機動的に考えられても職員が全然動けなかったら、これは元も子もないわけなので、これ今後の、何というかな、方針というのかな、その辺りもやっぱり明確にしておくべきだというふうに思います。
 大体三年の見直しというと、じゃ、三年間のサンセットでつくっておけばいいやとか、そういう発想にもなりかねないので、そこのところ、今後どうするのかということを、見直しがあるからいいじゃないかじゃなくて、大臣としては、今後の内閣官房あるいは内閣府の在り方どうするのかというところまで考えて行革は担当してもらわないといけないかなというふうに私は思うんですが、いかがでしょうかね。
○国務大臣(有村治子君) 極めて大事な御指摘をいただいていると思います。
 当時、副大臣として御活躍の御経験の下からおっしゃっていると思いますけれども、この第二次安倍内閣発足時には、私の前任者の稲田行政改革担当大臣が、野田前内閣で行革担当された岡田大臣からもやはり法案の提出が必要と、この内閣官房、内閣府の見直しについてはしっかりと引継ぎがされています。
 その御指摘の問題意識に関しては、やっぱり民主党政権時の取組として、閣議決定などに基づいて、今後は、所期の目的が達成されたものをしっかり廃止していく、また、時間の経過によって関係省庁間での調整に委ねられるものは最も関係の深い省庁に移管するなどの整理合理化が民主党政権の中で合意をされています。それを明確に私どもも継承をしております。
 それプラス総合調整を各省庁に委ねるということが今回のハイライトでございますけれども、その姿勢というのはしっかりと堅持して、おっしゃっていただいたようなサンセット、また何でもかんでも、議員立法も含めて、本当に内閣官房、内閣府で担当する必要があるのかどうかということはしっかりと議員立法の際も吟味をしていただいて、そして受入れあるいは各省庁のより現場に近いところで担当していくかをそれぞれ冷静に、冷徹に見ていくということの意識を共有することが大事だと思っております。
○藤本祐司君 民主党のときの閣議決定、十一月二日のを少し紹介していただいたんですが、そのときもまず、中央省庁等改革の考え方を踏まえ、内閣官房及び内閣府の事務の見直しを進めるとして、一番として、所期の目的を達成したもの等については廃止する。二番目も、今大臣が紹介してくださいましたが、時間が経過するなどし、関係省庁間での調整に委ねられるものは、最も関連の深い省庁等に移管し、政策調整機能を活用して調整を進める。三番目として、内閣官房と内閣府の間の事務分担については、内閣の機能強化を図るため、一体として機能発揮に十分留意しつつ、先ほどの二番目の進捗に合わせて見直しを進めるということと同時に、新たに内閣官房及び内閣府が担う政策やそのために置かれる機関については、内閣官房又は内閣府がその任務に照らして引き続き担うべきものを除き、サンセット化又は一定期間経過後の見直しを基本とするという、これが閣議決定の中身なんですが、先ほど有村大臣から、岡田大臣から稲田大臣に引継ぎが行われたということです。
 では、そこでちょっと、有村大臣が答えるのは、答えられないのかどうか分かりません、答えられたら答えていただきたいんですが、じゃ、稲田大臣のときに、今の基本方針に基づいてどのような見直し、事務分担の見直しがなされたのか。自民党、公明党の、先ほど紹介した内閣官房・内閣府スリム化についてというのは、二〇一五年、平成二十七年、今年の一月二十三日に提示されて二十七日に閣議決定されたものですが、その前、民主党政権で二十四年の十一月二日に閣議決定してからそれまでの間にはどういう見直しがなされたのか、本部はどうなったのか、様々な会議がどうなったのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
○国務大臣(有村治子君) 岡田そのときの大臣から稲田前大臣に引き継がれたものというものを具現化するのが今回の法案の提出でございます、また御審議でございます。
 その間に、私が着任するまでに稲田大臣がこの分野においてどのくらいのリーダーシップを発揮されたか、法案提出ということには至っていませんので、そこをつまびらかに私から報告することはちょっと実際のところ可能ではありませんけれども、当然、稲田大臣の議事録などを拝見しますと、やはり本来の業務に集中できる体制という意味での行革でのリーダーシップ、発言というのは、数々の議事録から見て取ることはできています。
○藤本祐司君 見て取ることができるって、どの辺でしょうか。
○副大臣(赤澤亮正君) 平成二十四年十一月の閣議決定の基本方針を踏まえて、その後不断の見直しを行っていくこととされたということで、それに基づいて、ちょっと今手元の資料を見るところでは、廃止した例として、PFI法改正法案等準備室とか公文書管理検討室、独占禁止法審査手続等検討室など、既に役割を終えた組織ということで廃止をしたものというふうに理解をしております。
 その上で、基本方針の二番目については、これ政策の調整をできるだけ関係各省同士で行われるべきということであったわけですけれども、その当時の法律ということでいうと、今、現行法と同じでありますが、政府全体の見地から内閣を助けて総合調整という権能が内閣官房、内閣府以外の省庁にないというところで、実際余りうまく進まなかったのかな、事務の移管等が実現しなかったのかなという認識を持っておりまして、今回の法案を成立させていただいた暁にはその辺が改善されるのかなという理解をしているところでございます。
○藤本祐司君 ですから、先ほど閣議決定をちょっと紹介した、@の「所期の目的を達成したもの等については、廃止する。」というのは、今御紹介いただいた、幾つかあったんですが、それ以外は多分手を付けていないんですよ、基本的に、この二年間は、稲田大臣のときは。結構、わあっといろいろいいことは言うんだけれども、現実的には何もやっていなかったというのが私の認識であるんですよね。だから、今回やっと、やっとこの法律が出て、ここで、さあという話になっているので、あれから二年半、三年近くたっているわけなので、その間は基本的には余りやれていなかったのではないかなというふうに私は思っておりますし、事実としてもそういうことなんだろうというふうには思います。
 赤澤副大臣と越智政務官がせっかく来ていただいておりますので、率直なところ、今の段階で、いろんな仕事が交錯して、大臣が違ったり、持っている事務分担が全然違ったりしている。それに対して、いいことと悪いこともあるんだろうと思うんですが、率直に言って、今どんな状態ですかね。これは誰が大臣だっけみたいなこととか起きていないんでしょうかね。ちょっと一人ずつ。
○副大臣(赤澤亮正君) 行政改革担当の内閣府副大臣としては大先輩の藤本先輩でありますのでできる限り率直にお答えしたいと思いますが、少なくとも、昨年の九月四日に着任して当初は、私の担務が二十五あります、自分でなかなかとても全部言い切れない状態ではありましたし、しかも、この担務については大臣は四人の大臣の中のどの大臣だったかということは当初はやっぱりちょっと正直なところあるぐらい、なかなか最初は大変だったところがございます。そういう意味で、しっかり自分の能力の限り所管事項の説明を受け、担務に精通をして、大臣ともひとつ、できる限り心掛けながら全力で職務に邁進しているところでございます。
 加えて、いい点はどこがあるかというと、具体的な例は、もし更に説明しろとおっしゃれば加えて少し時間をいただいてから御説明したいと思いますが、幾つかの担務が非常に、一緒にやっていると、この仕事がこの仕事に役立つと。例えば、具体的に言うと、女性活躍と防災なんという切り口も今頭に浮かんできたものですが、防災について言うと、女性の視点を取り入れると、避難所とかが非常に何というか機能が上がって全避難者にとっていいようなことができるんですけれども、その辺りは本当に女性活躍の視点で、その避難所を設営するときに必ず女性にそこに入っていただくとか、とにかく幾つかの担務を併せてやることで、あっ、こっちの担務で一生懸命やっていることがこっちで役に立つ、あっ、こっちで参考になったことがこっちで役に立つというようなことが実際にあるので、その時々に併せて持たされている仕事の中で、そういうある種の化学反応みたいなものは働くところがある、それはいい点だなと思う点があるということを実感していることは申し上げておきたいと思います。
○大臣政務官(越智隆雄君) 私も着任させていただいて一年がたつわけでございますけれども、少し具体的に申し上げますと、私は大臣三名にお仕えをしておりまして、有村大臣そして麻生大臣、そして菅官房長官でございます。この行革等につきましては有村大臣でございますが、麻生大臣の下では赤澤副大臣、そして私は政務官で金融を担当させていただいていて、一方で、菅官房長官の下では賞勲局とあるいはPKO等を担当させていただいているということでございます。
 そういう中で、実は私の場合は、政務官、副大臣ラインというのは、私にとっては越智、赤澤ラインしかございませんで、赤澤副大臣の御指導の下で政務官をしているということで、赤澤副大臣よりちょっと所掌が狭いんです。大臣が三人いらっしゃるという状況でございます。
 それから、有村大臣の担当の中にはいっぱいありまして、行革、規制改革等と、あと大きなくくりでは、少子化対策、男女共同参画、女性活躍等がございまして、そういう意味では、担務はもう種々ございますけれども、レポーティングラインとしてはそれなりにすっきりしているということで、そういう意味での仕事のしにくさというのはそれほど大きくないということでございます。
 あとは、先ほど赤澤副大臣からもお話ございましたけれども、様々な会議等出席させていただく中で、それぞれ似通った議論をしている部分、あるいはシナジー効果が出そうな議論をしている部分もありますので、そういう意味では良い点というのも感じながら今仕事をさせていただいているというところでございます。
 そういう意味では、一年間やってみた感想としては、事務量が増えている、あるいは人員が増えている、あるいは複雑化しているという部分はありますけれども、その中でも、内閣府の中で役割分担、分掌をうまく工夫しながら、整々と事務ができるように工夫をしながら進めているというのが現実じゃないかというふうに思います。
○藤本祐司君 ありがとうございます。
 いろいろ苦労もあり、プラスの面もありなんだろうというふうに思いますが、先ほど上月委員が、内閣府特命担当大臣と内閣のいわゆる担当大臣の違いをという、権限等々の違いをという質問があったわけなんですが、有村大臣は、特命担当大臣の部分といわゆる担当大臣の部分と両方を持っていらっしゃるわけですよね。今回のこの法案については、担当大臣としての業務、事務であるということなんでしょうか。
○国務大臣(有村治子君) そのとおりです。
○藤本祐司君 先々週になりますけど、先週か、女性活躍も、これも特命担当大臣ではなくて担当大臣としての任務だったんでしょうか。
○国務大臣(有村治子君) そのとおりです。内閣官房としての、担当大臣としての法案提出、また立法でございました。
○藤本祐司君 要するに、担当大臣、内閣官房の事務を担当する大臣ということなんだと思うんですが、先ほど山下さんから、特命担当大臣には勧告権があるんだという説明があったんですが、となると、担当大臣にはそういう権限はないということなんでしょうか。
○副大臣(赤澤亮正君) ちょっと一歩前から御説明をすると、各所掌を分担管理している各省との違いは内閣官房、内閣府は明らかで、これは内閣を助けるという立場で総合調整になっています。
 ただ、御指摘のとおり、特命担当大臣の方は勧告権と意見具申という権限が一応書かれていまして、権限の点では違いがあるわけですけれども、内閣の担当大臣も、これ最終的には総理の、内閣法の六条だったかと思いますが、指揮監督の権限を背景として総理からきちっと指示が出てやっている仕事ですので、そういう意味では、権限の実際法令上の違いはあれど、具体的にできる総合調整の機能といいますか、その点は遜色がないものではないかというふうに理解をしてございます。
○藤本祐司君 特命担当大臣は内閣府設置法に基づいて設置できるわけなんですが、そこで、遠藤大臣、東京オリンピック・パラリンピック担当大臣ですが、遠藤大臣は特命担当大臣ではないだろうと、ないだろうじゃなくて、ないと認識をしておりまして、実は、文教科学委員会と連合審査をしたときに、菅官房長官に私が質問したときに、最初、特命担当大臣ですねと言ったら、はいと言ってしまったんですが、後で、いや、これは内閣のオリンピック・パラリンピックの担当大臣で、特命担当大臣ではありませんという説明があって、実は議事録を修正したという経緯があるんですが、実はなかなかそこのところが、自分でもこれがどっちの範囲に入るのかというのが分かりにくかったりする。ましてや、ましてや御本人が分からなかったり内閣で分からなかったものは、外に行ったら、外部から見るともっと分からない。
 それで、権限というのは要するに責任との裏返しですので、権限は同じ、例えば遠藤大臣であれば、オリンピックの様々な運営であるとか企画であるとか、そういったものに対する権限を持っているとすれば当然責任もあるということになるんですが、その権限と責任において、特命担当大臣と、例えば有村大臣が御自身の特命担当部分と、特命担当大臣としての部分でいえば規制改革であり、少子化対策であり、男女共同参画、これ特命担当大臣としての役割で、あとの女性活躍とか、今回の行政改革とか、国家公務員制度改革はこれ担当大臣としての役割だというふうに担務表なんかで我々も探るとそうなる、でも実際には何がどっちだか分からなくなる。この辺の権限と責任の違いというのは実際にはあるものなんでしょうか。あるとすればどういう違いがあるのか教えてください。
○国務大臣(有村治子君) 率直に仕事をさせていただいている実感を申し上げれば、特段、日々それを感じながらやっているというわけではございません。
 ただ、先ほどからるる出ておりますように、担当大臣というのは内閣官房ということでございまして、これは総理の指示書を通じて、あるいは総理の指示ということの整理になってございますし、内閣府の特命担当大臣というのは内閣府設置法等の法律に基づくということの違いが、元々大本にあるという前提の違いということの整理にはなっております。
○藤本祐司君 よく、この間の女性活躍法案のときもそうだったんですが、例えば質問をする場合に、必ず厚生労働省に聞かないとならないことがいっぱい出てくる。そうなるというと、厚生労働省との協議が必要ですというような答弁が幾つかあって、それはそのとおりなんでしょうが、特命担当大臣としてだとした場合、女性活躍は担当大臣なんですが、それがもし特命担当大臣だということになると、どうなんですかね、一々厚生労働省と協議云々という話というのはなくなって、特命担当大臣として厚生労働省に対してずばっと話ができるので、もっと自信を持って、厚生労働省がどうのじゃなくて、特命担当大臣としてこうなんだということを強く言えるようになるものなのか、それは変わらないものなんでしょうかね。
○国務大臣(有村治子君) 内閣の担当大臣であっても内閣府の特命担当大臣であっても、総合調整の効果というのは同じだと認識をしております。
 ですから、法律に基づくか、それが総理の指示に基づくかという違いは立て付けとしてはございますけれども、恐らくどちらかということで総合調整の機能が上がったり下がったりということは、仮定の話ですがなかったというふうに、同じようにやっていたというふうに思われます。
○藤本祐司君 そこで、やっぱり総合調整と普通の相互調整の違いって何なのかというのが、やっぱり大事になってくるんだろうと思うんですね。
 例えば、今のこの世の中、一つの省庁の中で完結するような問題、政策テーマって、そっちの方がむしろ少ないぐらいなんだと思うんですよ。もう様々、先ほど赤澤副大臣がいろんなところに交錯していると。実は防災といっても女性のことを考えなきゃならないとか、そういうことを考えると、もう一つの省庁の中で完結するということのテーマの方がむしろ少ないんじゃないかなというふうに思うんですね。そんなことを言い出すと全部内閣でやるのかという話になっちゃうので、内閣府になるのかという話になってしまうので、そこのところはやっぱり、主なところは主なところでやってもらいましょうよというふうにやっていかなきゃならない。
 そのときに、例えば複数の省庁、例えば私が国交大臣政務官のとき、観光、これやりましょうといったときに、観光って国土交通省の中だけでは収まり切らないというのは、これはもう皆さんも御承知のとおりですよね。例えば入国管理の場合は法務省が関係するし、ビザとか査証の手続とかそういった話になると当然外務省も関係してくるだろうし、旅館、ホテルなんかは厚生労働省だったりするわけで、あとクールジャパンだといったら経済産業省が主になって考えてくるし、見本市、展示会も経済産業省だったりするわけで、あと国家公務員の定員管理という意味では総務省で、地方活性化といえば総務省なんかに全部これ関わってくる話なんです。
 これ、全部が違う中で、じゃ、政策を総合的にやっていきましょうといったら観光庁だけではできなくて、いわゆる国土交通大臣が、例えばビザの緩和をしたとき、岡田外務大臣と前原国交大臣で、ここの中でいわゆる観光としてはこうだという希望を出しながら、それで外務省としての判断でやれると。これは多分こういうのを相互調整、ウがあるかないかでえらい違いで、相互調整でできるんです。これ多分、大臣のリーダーシップと、それぞれの大臣が自分の省益のことばっかり考えていない大臣であれば、これって実は総合調整だなんてことを言わなくても恐らくできる話なんですね。
 それができないというのはどういうところにあるのかなというところもあるんですが、その前に、その総合調整と相互調整というのは、具体的に、総合は上から見て、全体を見て、じゃ、相互調整、普通の調整は、上から全体を見ないで自分の省益のことだけ考えているのかという捉え方ができてしまうのではないかと。だから、そこのところをちょっと具体的に教えてもらいたいと思うんです。
○副大臣(赤澤亮正君) 行政改革も担当された副大臣もされていて、この内閣官房、内閣府の事務分担の見直しもずっと閣議決定のときから携わっておられる先生の御指摘なので、なかなか、先生の御要望に応えられるような具体的な例がお話しできるかというとこれはちょっと難しいところがありますが、少なくとも省庁再編時に、いろんな行革推進本部事務局などの手引書などで用語を整理しているときには、私が理解するところ、先生が言われた相互調整、ただ調整と呼んでおりますけど、それと総合調整の大きな違いは、総合調整の方はやっぱり内閣を助けるという立場で、ほぼだから全省庁に関わるような場合までも含めて、とにかく行政各部の施策の統一を図るという大目的があると。
 相互の調整の場合は、どちらかといえば、各省が設置法で定められている自分の仕事をするために必要な範囲で関係する省庁と調整を図るということで、これを申し上げた上で、先ほど先生の御指摘で、今やほかの省庁に関わらないようなものはないじゃないかという御指摘を受けると、今この用語の整理がどこまで具体的な例でうまく当てはまるのかというのはちょっと精査が要るとは思いますが、言葉の整理としてはそういう整理がされているところでございます。
○藤本祐司君 今回の法律の改正で、例えば自殺対策は厚生労働省にとか、食育推進は農林水産省にとか、これは移管することになるわけですね。
 そうすると、そこの、例えば食育に関して言うと農林水産省、もっと言えば大臣が、農水大臣が総合調整の権限を持つことになるということでなるわけですよね。そうすると、これは、ほかの省庁に対して、内閣総理大臣の命を受けた特命担当大臣が持っている総合調整機能、企画立案機能というのと同じ部分を食育に関しては農林水産大臣が持つという認識でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(有村治子君) 閣議決定をすればそのようになります。
 大変恐縮ですけれども、先ほど、組織の在り方で不断の見直しを辞さないという文脈の中で三年後の見直しということを私は言及しました。ちょっと訂正がございます。私は、法案にというふうに言及してしまったようなんですけれども、正しくは法案と相まって閣議決定ということで、おわびを藤本委員に申し上げながら訂正をさせていただきます。済みません。
○藤本祐司君 私の質問で、じゃ、今回各省庁に事務が移管されたものについての、大臣はその意味での総合調整、企画立案機能を特命担当大臣と同じように持っていくんだという認識になるとすれば、具体的に例えば食育といったときに、農水大臣が総合調整機能を発揮して、例えば文部科学省に対してとかほかの省庁に対していわゆる勧告する権限を持つとか、そういった権限も併せて同じように、大臣、その省庁が持つという、そういう認識でよろしいんですよね、これは。
○副大臣(赤澤亮正君) 各省の設置法にしっかりと、まず内閣を助ける任務というのを書きまして、所掌事務を書きまして、さらに、その上で総合調整の機能を持つということも別の条で書くという、各省の設置法に書くことになります。
 その上で、今御指摘のあった勧告とか意見具申の権限も併せて持つようになるということと理解をしております。
○藤本祐司君 今、設置法の話が出まして、もう、ちょっと時間がありませんので最後にしたいと思うんですが、世の中、先ほどから言っているようにかなり複雑化しているし、いろんな価値観の多様化とか生活様式の多様化とか、政策も様々交錯をしていく、そして時々刻々と変化している、そういった中で、その変化に機敏に対応して、機動性を発揮して戦略的に対応していくために内閣官房あるいは内閣府というのを設けていっているんだろうというふうに認識をしています。
 実際に、日本の例えば行政組織だけじゃなくて民間の組織もそうなんですが、変化にいかに対応していくかということが重要なポイントであって、ダーウィンの種の起源のことをよく言うんですが、強い種が勝ち残るわけではなくて、変化に対応できる種が勝ち残るというふうに言われるわけなんです。それと同じように、組織なんかも、いかに変化に対応して、即対応していくかということが重要なことになってくる。
 特に、内閣総理大臣のリーダーシップを発揮するということでの内閣官房、内閣府というのであれば、むしろ内閣府、これ設置法で、一々法律で定めないとなかなか動かないという話になってくると、機敏に対応できないんじゃないかという考え方もあるんだと思うんですよ。私も、むしろこれ、設置法は要らないんじゃないかなと、設置法でやるんじゃなくて政令レベルでどんどんどんどん変えていくようなことがあっても、弾力的に課題を処理する能力を高めていくという方法もあるんではないかなというふうには思うときがあります。
 民間企業も、リストラクチャリングあるいはリエンジニアリングということで、どんどんどんどん自在に変えていくという、スピード感を持ってやっていくためには、そういうことも一つの検討の余地はあるのかなというふうには思うんですけれども、それについての御見解、もし検討しているのか、あるいは検討する価値があると思っているのか、その辺りについて有村大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(有村治子君) 御趣旨に謙虚に耳を傾けます。
 内閣府設置法というお話がありましたが、それゆえに内閣官房と内閣府が分かれていて、設置法でしっかりと特命担当大臣が、また、総理の指示書、指示によるということでの内閣官房、そこのすみ分けがそれぞれの特徴のいいところと足らざるところを補完している関係にあるのだというふうに私自身整理をいたしております。
○藤本祐司君 この問題は、たかだか十三年というか、されど十三年、たかだか十三年たっているわけなんですが、その中で、やっぱりいろいろ見直しは、事務を移す移さない、廃止、廃止しないだけじゃなくて、いろいろ行政組織のことは見直しをしていく必要があるんだろうと、それがまさに行政改革なんだろうと思いますし、我々自身も議員立法を出すときに、安易に内閣でみたいな話は、できる限り考えて考えて考え抜いた上でやった方がいいのかなというふうには思います。
 実際に、内閣にして全体的な、日本全体の、政府全体の、内閣全体のテーマであるとかいうと、まあはっきり言えば、あちらこちらで、じゃ、私たちにもこういう関係がありますって各省庁が出てきて、さあ予算獲得だみたいな話になっていくこともあるんですよね、これ、実際には。食育というと、みんなの省庁、全ての省庁で食育関連の事業と予算って言い始めるとか、そういうところに使われるようなことがないように、やっぱり我々も議員立法で、結構増えていますので、考えていく必要性はあるのかなというふうに思っています。
 これは実際、内閣委員会なり内閣に来た人しか余りぴんとこないというところが正直あったりするので、その辺り、我々の戒めとしても考えていかなければいけないなというふうに思っております。
 以上です。終わりにします。
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。
 内閣委員会、私は別名シームレス委員会と思っておりまして、もう何でも来いということなんですが、先ほど藤本先生も、議員立法ですか、議員の思いがあるから一つ一つ大事にしたいんでしょうけど、ちょっと私個人的に、もっと議員立法のハードルを上げて、もうちょっとこの内閣委員会が更にいろんなことを議論し、骨太ですね、議論するような委員会にまずなりたいということをちょっと自分の戒めとして、質問させていただきます。
 まず、特に今回のスリム化法案ですけれども、併せて地方創生という大きな流れがある中で、地域活性化、これ大きなテーマになっております。そのための、いわゆる地域活性化というと、都市再生、構造改革特別区域、地域再生、中心市街地活性化、総合特別区域及び国家戦略特別区域、こういったものが一つになるわけなんですが、そういうことで、今回のこの地域活性化ということをテーマに、このスリム化法で内閣官房、内閣府が一元化されることによってどのようなメリットが期待されるのか、答弁お願いします。
○副大臣(平将明君) 地域活性化に関する事務については、これまでは内閣官房において、政策の方向付けを機動的に行うという観点から基本方針の策定等を行っておりました。また、内閣府においては、分担管理事務として、計画認定、補助金の交付等の実施事務を行ってきたところでございます。
 今回のこの法案によりまして、内閣府に事務を一元化することになります。方針の策定から事務の実施まで、迅速な意思決定の下、地域活性化に関する取組をより一層的確かつ効率的に推進できるようになるものと考えております。
 また、地域活性化の主役である地方自治体におきましても、コンシェルジュ制度というものを設けて問合せ等を対応するようにしておりますが、内閣府に組織が統一されることによりまして、自治体などの問合せなども分かりやすくなるのではないかと認識をしております。
○若松謙維君 この地方活性化ということに関しまして、先ほどコンシェルジュですか、あとは、中央の官庁の公務員の皆さんが地方にも今行っていると。さらに、大学、民間人、何か今年の四月から約七十人ぐらい地方に行っているということで、これいい流れだと思います。
 それで、この地域活性化の一つに、自治体が地方版総合戦略を策定する際の支援ツールということで、地域経済分析システム、いわゆるRESASですね、この運用が開始されて、私ども、実は先週の土曜日ですかね、そのソフトと一緒に、秋田の地元の地方議員とやり取りいたしました。そうしますと、本当に、人口の移動、何でうちの自治体があそこの市に持っていかれちゃうのかと、そういうことがもう見えるわけでありまして、さらに、産業とか観光、こういったもののデータが入っていて、これから更に、秋には農水省、年内には厚労ですか、厚労省のデータが入ってくるということで、今後更に他の省庁等も含めてこのRESASの利活用ということが大変拡大していくので、その際の総合調整権限というのをどこが担ってどのように調整していくのか、これについていかがでしょうか。
○副大臣(平将明君) 委員御指摘のとおり、RESASは画期的な仕組みだというふうに思っております。様々なデータを見ることができますし、それをベースにKPIを設定してPDCAを回していただくということになろうかと思います。
 一方で、民間の保有するデータであったり各省の保有するデータという部分もあって、各省各々が自分たちが持っているデータを見やすく加工して提供しようという動きがそれぞれあったわけでありますが、今回、地方創生ということで、極力RESASに一本化をしていこうというふうに思っております。
 例えば、環境省さんがずっと取り組んでこられた地域経済循環、これ今度のバージョンアップ、この十二月ですね、十二月のバージョンアップの際に見れるようになりますが、これも、環境省さんだけじゃなくてRESASに一本化して見れるようにしていこうというふうに思っております。
 いずれにしても、使う側の自治体の立場に立って、ワンストップで様々なデータが活用できるということが重要でございますので、内閣官房が責任を持って、関係省庁と連携をしながら、ワンストップで見れる体制をつくってまいりたいと考えております。
○若松謙維君 ということは、地域活性化については内閣府が、かつ、こういった、元々RESASは内閣官房が持っていますから、そこが総合調整を行うと、そういうことですね。
 実際に、RESAS担当者は六人なんですね。ちょっと弱いなと思うんですけど、ちょっと応援してくれますか。人員増とか、そういうのも含めて、それはお考え、いかがでしょうか。
○副大臣(平将明君) 今、RESASは、民間の方々も活用しながらやっておりますが、本当にこれは画期的な仕組みであるというふうに思っていますので、今ここで明言はできませんが、RESASのサポート体制も含めて、運用体制も含めてしっかり体制をつくるべきだと思っておりますので、今日先生からこういう御指摘いただきましたので、政務三役とその問題意識は共有をしたいと思います。
○若松謙維君 済みません。質問通告なしの質問で申し訳ございません。またそういうことが起きるかもしれませんので、そのときはよろしくお願いいたします。
 このRESASの利活用の拡大を考える際に、それぞれ各方面、例えば東北ですか、には国交省なり厚労省なり出先機関がありますね。その地域でのこの出先機関のやっぱり連携というんですか、これも大事でありますので、そういった面で、かつ、地域での総合調整をやりながらRESASをしっかり取り込んでいく、そういったことが必要だと思うんですけれども、副大臣、どのようにお考えなんでしょうか。
○副大臣(平将明君) 委員御指摘のとおり、RESAS、すごい使い勝手もいいですし、RESASを活用できる自治体とそうでない自治体で物すごい差が出てくるんではないかなというふうに思っています。
 一方で、RESASって何それみたいな、まだ全体的にはそういうところもありますので、しっかり告知をしていきたいと思っておりますし、RESASの内部に解説動画を今しっかり設置をしていますし、今予定されているところでは、RESASフォーラムというものを開催をしたり、各地域においてRESASの地域セミナーも開催を予定をしております。また、今後は、RESASを使った政策アイデアのコンテストであるとか、RESASにおけるSNSを活用したコミュニティーなどもつくっていきたいなというふうに思っておりまして、今検討を進めているところであります。
 議員御指摘のとおり、関係省庁の出先機関がありますので、そういったところも活用してRESASの活用の支援をしていきたいと思います。これまでの取組といたしましては、全国の地方経済産業局や財務局、運輸局を始めとする出先機関に総勢約五百名の支援体制を整えておりまして、この五百名にはRESASのIDを発行していて、RESASは、実は産業マップのところがお金の流れとか個別企業名が出てくるものですから誰でも見れる状態にはなっておりませんが、この五百名にはRESASのIDを発行してこういった産業マップも見れるようにしております。こういった人たちが地方自治体からの御相談を受けてワンストップで対応できるようにしているところでございます。
○若松謙維君 はい、分かりました。
 私も先週日曜日に酒田へ行ってまいりまして、ちょっとRESASのデータ見させてもらいましたが、あそこに山居倉庫ですか、という定点の、観光の人口の動きが分かるわけですが、観光地ですから休日が人が多いかと思ったら、逆なんですね。ということで、結構観光地ではないということがデータとして出てくるわけです。
 ですから、本当にこのRESASの活用ですか、見える化ですね、ビッグデータをあれだけ本当に見えるというのはすばらしいことでありますので、私は是非先ほどの人員の増加も含めて更なる利活用を進めていきたいと思っております。
 次に、日本年金機構の個人情報流出問題、この委員会でもまた大変議論になりましたが、これについて、当初、来年の一月ですか、に予定されておりましたマイナンバーと基礎年金番号の連結ですか、これが延期されるということになりまして、その際の利活用ですか、利用開始に当たってはどこが年金機構の対応状況を確認して利用開始時期を判断することとなるか、お答え願います。
○副大臣(西村康稔君) お答えを申し上げます。
 日本年金機構において必要な体制が整備されているかどうか、この点につきましては、監督官庁であります厚生労働省が検証をした上で、マイナンバー法の監視、監督の権限を有します特定個人情報保護委員会、ここが確認を行うことになるというふうに考えております。
 また、御指摘の利用開始時期についてでありますけれども、厚生労働省の今の検証、それから特定個人情報保護委員会による確認、こうした結果を踏まえてマイナンバー法を所管をいたします内閣府として判断することになります。その具体的な日付については、今回のマイナンバー法の修正で加えられております規定において政令で定めるということにされておりますので、そういう意味では、この政令について政府として閣議において決定をして日にちを決定するということになります。
○若松謙維君 西村副大臣は、甘利担当大臣の下、番号制度担当の副大臣ということですね。
 そうすると、現在、この連結ですか、基礎年金の番号と、あとマイナンバーですか、これの連結をする前提として今検証をたしかしているということでありますが、この検証、条件というんですか、条件というのは、これは向井さんのところでしたっけ。
○政府参考人(向井治紀君) 今、副大臣が申し上げましたように、この法律自体、マイナンバー法自体は内閣府と、あと住基の制度に乗っかった部分が多数ございますので総務省との共管となってございますが、こういう厚労省の今回のような、何と申しますか、利用開始時期を遅らせるに当たってどういうことを検証するかとか、そういうことにつきましては、内閣府と特定個人情報保護委員会で連携しながら定めていくものになるんではないかというふうに思っております。
○若松謙維君 内閣府との連携ですね。何で内閣府との連携が必要なんでしたっけ。
○政府参考人(向井治紀君) 元々の所管が、マイナンバー法の所管は内閣府でございますけれども、民主党政権時代から、マイナンバーそのものの制度をつくるまでの間は内閣官房で、官邸に近いところでやるということでずっと来てまいりまして、現在、そのマイナンバー法の法案自体も内閣官房で出してございます。一方で、法律上はマイナンバー法の所管は内閣府になっていると。
 したがいまして、内閣官房というのは役割が、内閣官房のマイナンバーの担当につきましては役割が終わった時点で解散するというか消滅しまして、最終的には内閣府と総務省の共管という形で参ります。そういう意味で内閣府と申し上げたところでございます。
○若松謙維君 そういうことで、今、理解、整理できました。ありがとうございました。
 次に、去年の四月にエネルギー基本計画、これが閣議決定されました。私、水素社会という、実現のために今頑張っているんですが、そのためのロードマップも作成されたんですが、例えば水素社会を進めるに当たりましては、いわゆるエネルギー政策と、いわゆる二酸化炭素といいますか地球温暖化、御存じのように十二月にはCOP21で決定されるということで、エネルギー政策と環境政策と両面の側面があるんですけれども、その総合調整が必要な局面が生じた場合にどちらが優先的に調整するものなんでしょうか。
○政府参考人(林伴子君) 水素社会の実現に向けましては、これまで経済産業省を中心に環境省を始めとする関係府省庁が連携しながら、水素・燃料電池戦略ロードマップの策定や、このロードマップに基づく取組等を進めてきたところでございます。今後も、経済産業省や環境省等の関係府省庁の適切な連携の下、水素社会の実現に向けた様々な取組が行われるものと考えております。
 仮に、今後、関係府省庁間の総合調整が必要になった場合には、内閣官房において適切に対処してまいりたいと存じます。
○若松謙維君 そういう状況になると内閣官房が出てくるわけですね、なるほど。
 ちょっと頭の整理をまたするために、今後の、三年後の見直しというんですか、ということが法律にも書いてありますけれども、今度は各省庁が、特定の省庁ですけど、それぞれ総合調整権限が与えられたと、先ほども議論がありましたけど。結局、みんな総合調整機能があるから、かえってみんなで出ようとしてこんがらがるんじゃないかというふうに思うんですけど、それについてはいかがですか。
○政府参考人(山下哲夫君) お答えいたします。
 本法案で規定、各省が総合調整をし得るということを盛り込んでいるところでございますが、これは現在、各省はそれぞれ設置法で定められた所掌事務の範囲内でしか仕事ができないわけでありますけれども、今回規定いたしますその総合調整事務は、その立場ではなく、それとは別に内閣の事務を助けることを目的として行うということを法案上位置付けてございます。
 また、実際に各省がそれにつきまして総合調整を行う際には、あらかじめ内閣が閣議で基本的な方針を閣議決定し、その中で総合調整の対象とする事項、内閣としてこういう方針で取り組む、他の府省との協力関係等を可能な限り具体的に定めて、その担当する省もこの方針に基づいて総合調整を行う、こういうことにしてございます。
 このように、法案で、その所掌事務を離れた立場では内閣を助ける立場であるということ、それから内閣の方針を示して行わせるということにしておりますので、その省の利益を優先して仕事をするということを想定しているわけではございません。
○若松謙維君 有村大臣、済みません、ちょっと私の頭の整理のための質問なんですが、私もちょっと十年間浪人しまして、十年ぶりに戻ってきたときに、いわゆる共管ですか、共管の事務というんですか、大分増えてきたと思いました、この十年間で。それはやっぱり相互調整というんですかね、いろんな課題もあるんでしょうけど、やっぱり進んできているのかなと、そう思うんですけど、大臣はどんなふうにお考えですか。
○国務大臣(有村治子君) どのくらい進んでいるかということをちょっと定量的にというのは、突然の御質問なのでデータを持っておりませんけれども、先ほどからるる御質問が出ているように、一つの省庁だけで完結できないという、複雑に複合的に絡み合う社会の課題ということを何らかの行政組織のどこかで受け入れて対応しなきゃいけないという意味では共管というのが出てくるのだと思います。
 同時に、今までは各省庁が総合調整ということを内閣官房、内閣府以外は持っていなかったわけですから、これからは、単に合併して合同でやるというだけではなくて、やはり総理の考え、内閣の時々の意向ということをしっかり踏まえて、その視点で大所高所の視点を各省庁がどれだけ総合調整ということで発揮できるか、またそういう評価を受けるか、信用を築いていけるかというところがポイントになってくるかというふうには認識をいたしております。
○若松謙維君 それで、今、内閣府、どんどんどんどん肥大化したということで、今スリム化しております。そうはいっても、まだかなり残っているわけですね。この残っている事務ですか、これを今後三年後をめどとしてまた全面的な見直しを行うんですが、内閣官房、内閣府としてどういった機能を今後、何というんですか、見直し、今後三年間ですか、これからの話なんですけど、見直すに当たりましてどのような機能を果たしていくのかという、内閣官房、内閣府としてですね、ちょっとその方向性についてお答えいただきたいと思いますが。
○国務大臣(有村治子君) 将来のことを正確に予見することはかないませんけれども、やはり今後も、省庁再編時の整理、すなわち内閣官房は、事実上最終であり最高の調整機能、リーダーシップを発揮される内閣総理大臣の活動を直接に補佐する強力な機関として、また内閣府は、その内閣官房の総合戦略機能を助けて省庁横断的な企画調整を専門的に行う機関というふうに位置付けられ、それぞれの役割に応じて内閣を助けるという機能は今後も生きてくるものというふうに思っております。
 今後も、省庁再編時の趣旨やそれぞれの役割ということに鑑みて、内閣官房、内閣府、各省のどこが行うのが適切か、また総合調整はどこが主眼をしてやっていくのかということを一つ一つ冷静に見詰めていくことの集積になるというふうに思っております。
○若松謙維君 終わります。ありがとうございました。
○山下芳生君 日本共産党の山下です。
 法案では内閣府から省庁に九つの事務を移管することにしておりますが、まず、有村大臣、どういう考え方でこれらの事務を移管することにしたんでしょうか。
○国務大臣(有村治子君) 今回の見直しは、内閣官房、内閣府が重要政策に関する司令塔の機能を堅持するという省庁再編時に期待された本来の役割を十分発揮できるようにするためと、一言で申し上げればなろうかと思います。
 内閣官房、内閣府にこの十四年間で集中してきている事務について、再編時の役割あるいは趣旨に照らして、内閣官房、内閣府、各省のどこが担うのが一番最適であり、主権者たる国民の要請に応えることができるかという観点で点検を行った結果でございます。
○山下芳生君 レクチャーでは、いろいろ、今度スリム化ということで、各省庁に機能が移管されるものについては大体大筋道が付いて、それぞれの省庁で他省庁との連携もイニシアチブを発揮してもらえばできることではないかというものを移管したというふうに説明がありました。大臣うなずいておられますから、そういうことだと思うんですが。
 そこで、ちょっと具体的な問題として、今回内閣府から国家公安委員会、警察庁に移管されることになる犯罪被害者等施策について伺いたいと思います。
 二〇〇四年、全会一致で犯罪被害者等基本法が成立をいたしました。その背景には、犯罪被害者と家族の多くが、同情はされても、その人間的権利が尊重されたとは言い難く、十分な支援を受けられないまま社会で孤立を余儀なくされてきた経緯があったからだと認識しております。
 そうした状況を踏まえて、日弁連が一九九九年、犯罪被害者に対する総合的支援に関する提言を発表されました。提言では、犯罪被害者基本法を制定し、犯罪被害者の被害回復と支援を目的として、総合的な調査、研究などの取組を行うことが述べられております。そういうことも踏まえて、全会一致で犯罪被害者等基本法が成立をしたわけでありますが、この基本法の中で、基本理念、国の責任、どう述べられていますか。
○政府参考人(安田貴彦君) お答え申し上げます。
 犯罪被害者等基本法は、第三条において、基本理念として、すべて犯罪被害者等は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有するなどと規定するとともに、第四条におきまして、国の責務として、国は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等のための施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有すると規定をしております。
○山下芳生君 基本理念のかなり短縮して報告をいただいたんですが、もう一つ、三項に大事なことがあるんですよ。犯罪被害者等が、被害を受けたときから再び平穏な生活を営むことができるようになるまでの間、必要な支援等を途切れることなく受けられるよう、講じなければならない、これも基本理念の非常に大事な一部なんですね。
 そこで伺いますが、この基本法が成立をして以降、いろいろなことがやられました。例えば、被害者は刑事裁判後、民事裁判で損害賠償請求をすることになりますが、その負担を軽くするために、二〇〇八年、損害賠償命令制度が創設されました。これ、どういう制度でしょうか。
○政府参考人(上冨敏伸君) 損害賠償命令制度は、犯罪による被害の弁償に関する民事紛争を簡易迅速に解決するために、犯罪被害者等の申立てにより、刑事事件の裁判所が刑事事件の証拠を利用して損害賠償を命じる裁判を行うという制度でございます。
○山下芳生君 刑事裁判の後、新たに民事裁判をするわけですが、そのとき、その刑事の裁判を務めた方がそのまま手続してもいいよということで、かなりいろんな立証をする上で被害者の側が負担が軽くなるという趣旨でそういう制度が創設されたわけですが、そういうこともあったんですが、じゃ実際に、犯罪被害者に対する損害賠償の支払が今どういう状況になっているか、御報告いただけますでしょうか。
○政府参考人(安田貴彦君) 損害賠償命令制度が利用された事案について、実際に損害賠償金の支払がどの程度なされているかについてでございますけれども、以前に民間団体等の御協力をいただいてごく一部の被害者についての調査を行ったということがございますけれども、統計的、全体的な状況については把握をしていないという状況でございます。
○山下芳生君 もう基本法ができて十年以上たっているのに、被害者の平穏な生活を回復する上で損害賠償がちゃんと実行されるのかどうかというのは大事なもうポイントなんですよ。それが、実態がいまだにちゃんと把握されていないというのは非常に問題だと言わなければなりません。
 そこで、具体例を少し紹介したいんですが、Mさん御夫妻の事例です。数千万円の借入れをして飲食店を開業し、長年経営をされてきたMさん御夫妻ですが、ある日、お客さんがお酒を飲んで大声を出して、ほかのお客さんの迷惑になるので妻が注意をしたところ、お客さんが逆切れといいますか、そういうことになって、夫を店の外に引きずり出して殴る蹴るの暴行を行って、残念ながら夫の方は病院に搬送されたときには呼吸停止状態、緊急手術で命は取り留めたものの、高次脳機能障害で右半身麻痺、障害二級になってしまいました。なかなか飲食店の経営を元どおりにすることができなくなったわけです。
 裁判で八千五百万円の損害賠償の判決を受けましたけれども、一千万円受け取っただけで、もうその後、支払がなくなっちゃったと。この方、個人で弁護士を頼んで、いろいろ手を尽くして、やっと一千万円の追加支払で和解したということになっております。この方、国民年金にもいろいろ事情があって入っていなかったので、障害年金もありません。
 こういうケースが少なくないんですね。そうすると、本当に何の罪もない方が突然犯罪の被害に遭ったということで、それまでの生活が大きく低下せざるを得ない。相手が支払わなかったら、もうそれでおしまいということになるケースが多いんです。
 そこで、被害者や関係者から立替払制度の要望が出ております。損害賠償の判決が下された後、被害者には例えば国や第三者機関がその賠償額を立て替えて支払う、それから加害者に対しては、その加害者にも生活がありますから、その生活を壊さないようにしながらちゃんと支払計画を立てさせる、あるいはその債権を第三者として回収して被害者にちゃんと支払をさせる、こういう立替払制度を是非つくってほしいという要望が出ていると思いますが、どうでしょうか。
○政府参考人(安田貴彦君) お尋ねの損害賠償債務の国による立替払制度の是非につきましては、平成十七年に閣議決定をされました第一次の犯罪被害者等基本計画、これに基づきまして設置をされた経済的支援に関する検討会においても検討をされたところでございます。
 平成十九年九月にこの検討会の最終取りまとめが出されましたが、その中では、損害賠償債務の国による立替払制度につきましては、社会連帯共助の精神から、国が給付金を支給する現行の犯罪被害給付制度と異ならないとされ、同制度の導入には至らなかったものでございます。
 なお、犯罪被害者等に関する経済的支援の充実につきましては、様々な御要望をいただいているところでございます。現在、犯罪被害者等施策推進会議の下で、第三次犯罪被害者等基本計画の策定に向けた議論を行っているところであります。その中で、この犯罪被害給付制度なども含め、犯罪被害者等に対する経済的支援の充実についても検討してまいりたいと考えております。
 また、加害者の損害賠償責任の実現という観点からも、日本弁護士連合会にも御協力をお願いを申し上げて、実態把握などを行いながら検討しているところでございます。
○山下芳生君 立替払制度はなじまないという、一旦はそういう認識に立たれたということですが、じゃ、どうするのかということが問われているんですね、損害賠償が実行されないケースが少なくないわけですから。まず、そもそも、損害賠償がどの程度実行されているのかも把握しないと対策の打ちようがありませんから、それは今からでも早急に進めるべきだと思いますが。
 そこで、今御答弁があった犯罪被害者等給付金があるから立替制度は要らないんじゃないかという御答弁でしたが、そうしますと、この犯罪被害者等給付金制度、これは今どういう状況になっているか。基本法成立後、若干改善もされましたけれども、改善された後の犯給法、どういう制度でしょうか。
○政府参考人(村田隆君) お答えいたします。
 犯罪被害給付制度は、平成二十年の犯罪被害者支援法等の改正により制度の拡充を図ったところでございます。主な内容といたしましては、第一に、犯罪行為により死亡した被害者の御遺族に対しましては遺族給付金として最高で約三千万円を支給するということ、第二に、犯罪行為により重大な負傷等をされた被害者の方に対しましては重傷病給付金として百二十万円を上限額として支給すること、第三に、犯罪行為により障害が残った被害者の方に対しましては障害給付金として最高で約四千万円を支給することなどとなっております。
○山下芳生君 その給付金の実績はどうなっているでしょうか。平成二十六年で結構ですので、申請者数と給付者数、それから給付額の平均についてお答えください。
○政府参考人(村田隆君) お答えいたします。
 平成二十六年度中における犯罪被害者等給付金の申請に係る被害者数は五百三十一名であります。また、平成二十六年度中における犯罪被害者等給付金の支給裁定に係る被害者数は五百三名であります。平成二十六年度中における犯罪被害者等給付金の支給裁定に係る被害者一人当たりの平均裁定額は約二百四十七万円となっております。
○山下芳生君 平均は二百四十七万円ということで、非常に少ないんですね。これで、さっきの状況で生活保障にはなり得ないという実態があるわけです。
 それから、もう一つ言いますと、五百三十一人申請して五百三人に支給されたというんですが、そもそも身体的な障害あるいは死亡になるような犯罪被害者の数はもっといると思うんですよ。平成二十六年度、身体的被害者数は何人ですか。
○政府参考人(村田隆君) 犯罪被害給付制度の申請者となり得る者につきましては、日本国内におきまして殺人や傷害等の故意の犯罪行為によりまして重大な被害を受けた被害者の方やその御遺族となりますけれども、その数については承知をしておりません。
○山下芳生君 済みません、ちょっと通告なかったので、数字ですから、もう言います。ちゃんと報告があります。二十六年度で三万一千九百七十九件です。身体的被害の状況ですね。もちろんその中には、死亡、重傷、軽傷、軽傷が二万八千ですけどね、そのぐらいあるわけですよ。
 だから、さっきの五百人というのは非常に少ないんです。何でこれだけの犯罪被害者がありながら、この申請が少ないのか。その原因はいかがでしょうか。
○政府参考人(村田隆君) 都道府県警察におきましては、犯罪被害給付制度の内容について広く周知を行っているほか、個々の事件の犯罪被害者の方やその御遺族に対しまして申請方法等に関して教示をしているところでございます。
 犯罪被害給付制度による救済は、犯罪被害者等の意思で申請いただくことが前提となるところ、御指摘のように犯罪被害者の数と実際の申請者の数を比較して、これについてしっかりとお答えすることはなかなか困難でございます。
 いずれにいたしましても、犯罪被害給付制度の周知や犯罪被害者の方やその御遺族に対する申請方法等の教示に努めてまいりたいと考えております。
○山下芳生君 私は、やはり申請主義になっている点が一つ問題があると。それから、対象にならない犯罪もあるんですよ。例えば夫婦間のDV、これは減額ですね。親族が関係すると対象外になるというケースもあります。それから、いろいろ聞きますと、取調べの中で被害者がまるで犯人のような扱いを警察にされたと。だから、余り警察にはいろいろ相談したくないということもあるようです。ですから、これ、いろんなことがあるので、ここがまず一つ課題として残っております。
 それからもう一つ、やはりこの犯給法、犯給制度では救い切れないケースを具体例を紹介します。
 会社を経営されていたSさん、出張先で暴行を受け、高次脳機能障害で仕事ができなくなりました。障害のために性格まで変わってしまって、家族もばらばらになったそうですが、この犯給金で四百十九万円支給されたそうです。これは改正前ですから四百十九万円だったそうですが、このSさん、意識を失っていた間に、Sさんにも落ち度があった、過剰防衛ではなかったかと認定されたために、この給付金が三分の一、があんと減額されたというんですね。そういうことになりまして、治療費だけでも二百万円をはるかに超えている、その後のリハビリに対する介助費などのお金もなかなかないということになって、大変経済的に困窮されております。
 このSさんの場合も、裁判では損害賠償として一億六千万円の判決が出ているんですが、相手からは一円の支払もないということで、結局、四百十九万円だけになっているわけですね。これでどうやってその後の生活やリハビリをやっていくのかということになっております。
 ですから、私さっき紹介したように、Mさん御夫妻の場合も、それからSさんなどの場合も、この例が示しているように、せっかく基本法で生活回復が大事だと言っているのに、その経済的補償は極めて不十分、犯給法に頼っていたのでは極めて不十分という現状があります。そこで、被害者やその御家族、関係者から新たな制度の提案が出されているわけですね。
 いろいろ出されていますけど、私がいろいろ聞いたところ、北海道弁護士連合会が二〇一三年度の大会でこういう決議をされております。生命身体に対する犯罪による被害者及びその遺族には、十分な経済的支援が必要である。被害者等の多くは、事件後に稼働困難となって失職したり、転職を余儀なくされて収入が減少したりするなど、経済的に逼迫した状態に陥りがちである。基本法の下に犯給法がある。しかしながら、同法は見舞金的性格が強く、しかも一時金が一回支払われるのみで、事件後の収入減に対する補償はないとして、結論として、経済的に困窮している犯罪被害者に途切れることなく十分な補償がされ、かつ、被害を受ける前の平穏な生活を取り戻すことができる生活保障型の新たな犯罪被害者補償制度の創設を求めるという提言があるんですね。
 有村大臣にここで伺いたいんですが、犯罪被害者と家族の実態を踏まえて、新たな制度が必要だという声が被害者、家族、関係者、弁護士会などから出されておりますけれども、この声にどう応えるかが基本法の下で政府に求められている、問われているというふうに思いますが、大臣、その認識はございますか。
○国務大臣(有村治子君) 共生社会担当としてお答えをいたします。
 犯罪被害者やその御家族、御遺族に対する経済的支援を充実させることについて、この北海道弁護士連合会のみならず、様々な御要望があることを承知いたしております。意見に関しても、数百の単位で個人から、また犯罪被害者支援団体等から意見を頂戴をいたしております。
 現在、先ほど政府委員からも答弁ありましたけれども、犯罪被害者等施策推進会議の下で第三次犯罪被害者等基本計画の策定に向けた議論を行っております。犯罪被害者により寄り添った施策をすべしという立法府の明確な意思の下、また本日の御質問もあります、犯罪被害者やその御家族、御遺族に対する経済的支援の充実について検討してまいりたいというふうに考えております。
○山下芳生君 それが国の責務だとしたのが基本法であります。その下で、今回、スリム化法で、この犯罪被害者等の施策が内閣府から警察庁、国家公安委員会に移管されると。本当に国家公安委員会に移管してしまって、今残っている課題、まだ道は付いておりません、道は付いていないこの課題にちゃんと取り組めるのだろうか。その点、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(有村治子君) 大事な御懸念かというふうに思っております。
 犯罪被害者等施策については、犯罪被害者等基本法が施行されてから十年が経過をしております。その間、その総合的、計画的な推進を図るための基本計画を二度策定いたしました。また、被害者参加制度の創設、損害賠償命令制度の創設、犯罪被害給付制度の拡充など、着実に成果を上げているということもございます。今後更に取組を推し進めていくために、国家公安委員会に移管することが適切と判断をいたしております。
 当然ながら、国家公安委員会移設後も、犯罪被害者等基本法第三条の基本理念に基づいて、犯罪被害者等施策推進会議などの枠組みを通じて、政府を挙げて総合的、計画的に取組を推進していくという政府の姿勢については何ら揺らぎがあるものではありません。一切変わってはいけないものであるというふうに思っております。今後は、警察が被害の届出などを通じ現場に近いところで犯罪被害者等と密接に関わるとともに、警察庁では犯罪被害者等基本法策定前から犯罪被害者対策室を立ち上げ犯罪被害者等への情報提供など各種の施策を行っているという実績もございますので、よりきめ細やかな取組を図ることができるものと考えており、この具現化に万全を尽くしたいと考えます。
○山下芳生君 万全尽くすということでしたが、そこで内閣府にもう一度、一つ質問したいんですけれども、諸外国で犯罪被害者等に対する経済的支援がどのようになされているか、内閣府として調査研究されていますか。
○政府参考人(安田貴彦君) 直近で、例えば今年とかそういった調査ではございませんけれども、以前に犯罪被害者に対するそうした経済的な支援が諸外国でどのようになっているかということについて調査をしたことはございます。
○山下芳生君 私も、内閣府犯罪被害者等施策推進室が平成二十三年度に諸外国における犯罪被害者等に対する経済的支援に関わる制度等に関する調査というものをやられているもの、報告書、見ました。アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、韓国の犯罪被害者支援についての制度を文献で調査するとともに、現地に行って調査をして、それでまとめたのがこの報告書であります。
 先ほどから言った、犯罪被害者が元の生活を取り戻すようにすることが大事なんだという基本法の精神で見た場合に、日本の場合は基本法ができたときには大変被害者の方も喜ばれたんですが、残念ながら今申し上げたいろんなケースが残っているからまだこの点では不十分だという声があります。
 そこで、この内閣府の調査の報告書を見ますと、例えばドイツではこういう例が、こういう制度があるということが紹介されています。年金があると。被害による恒常的な健康被害によりその後の就労活動で収入が減退した場合には、犯罪事故以前の収入や財産に応じた年金、職業損害補償や稼働所得の低下の程度による重度の被害者への調整年金があると。ちゃんと年金がある。一時金じゃないんですね。それから、犯罪被害者が死亡した場合、寡婦、その子供に対して年金が支給される。これらは一般的な社会保障制度とは異なる援護法に基づく年金であると、こうあります。
 要するに、国民年金とかいろんな年金で障害年金が給付されるようになったということとは別に、さっきの、私、Mさんの話を紹介しましたけど、これは国保に加入していなかったので年金は受けられないということだったんですけれども、そういう社会保障一般ではない援護法に基づいて犯罪被害者に対する年金制度がある。この援護法というのは、戦争犠牲者への支給に関する法律というものが、ドイツはそこが進んでいるので、それを援用して、犯罪被害者に対しても生活が困窮しないように恒常的な年金として給付される制度があるというふうに内閣府の調査でありました。
 非常にこれは参考になるケースだなと思ったんですが、こういう調査を果たして公安委員会ができるんだろうかという心配を私は持ちました。この犯罪被害者等施策推進室、内閣府に今置かれている推進室、これからどうなるんですか。
○政府参考人(安田貴彦君) この法律が成立をいたしました後は警察庁、国家公安委員会に移管をされるわけでございますので、内閣府に今あります犯罪被害者等施策推進室の機能につきましても、警察庁、国家公安委員会の方に移りまして同様の機能が果たされるものというふうに認識をしております。
○山下芳生君 是非その認識を具体化していただきたいと思います。スリム化の名で犯罪被害者の権利保障に関する政府の責任までスリム化されてはならないと、国が責任持ってちゃんと進めるべきだということを申し上げて、終わります。
○委員長(大島九州男君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(大島九州男君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、世耕弘成君及び蓮舫君が委員を辞任され、その補欠として堂故茂君及び石上俊雄君が選任されました。
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○委員長(大島九州男君) 休憩前に引き続き、内閣の重要政策に関する総合調整等に関する機能の強化のための国家行政組織法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○井上義行君 日本を元気にする会の井上義行でございます。
 有村大臣には、この法案の作成に当たっては各省庁からいろいろボディーブローを受けながら取りまとめたんだろうというふうに思っておりますが、まず、移管をする、国家公安委員会に移管されます犯罪被害者等の施策についてお伺いをしたいというふうに思っております。
 今まで、警察庁、特に国家公安委員会は各都道府県に指揮命令をしていたわけですが、今後、総合調整を発揮するということで、都道府県とのいろんな連携というものが必要になってくるというふうに思っておりますが、警察庁としては、少し何か都道府県とやるのに不安があるのかどうか、あるいはスムーズにいくというふうに思っているのか、その辺の考えを警察庁の方、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(村田隆君) お答えいたします。
 都道府県知事部局が行う犯罪被害者支援の取組につきましては、非常に重要なものであると認識をしております。
 これまで内閣府は、都道府県の知事部局に対しまして、都道府県知事部局が行う犯罪被害者支援の取組に関し必要な助言等を行ってきたと承知をしておりますところ、事務移管後はこの役割を警察庁が担うこととなります。
 警察庁といたしましては、これまでの内閣府の取組に倣いまして、事務移管後、都道府県警察と同様に都道府県知事部局との連携を図っていく所存でございます。
○井上義行君 そこで、大臣に提案というかお願いがあるんですが、内閣府から警察庁に移管をするということで、今まで警察庁は特に自分の組織に対して指揮命令とかあるいは調整をしてきたわけで、今度はそれ以外の知事部局との調整というものが出てくるということもあって、例えば全国知事会議等を通じて、しっかり移管後スムーズにいくように要望なり、あるいは陳情という言い方は変かもしれませんが、大臣の指導力を発揮して、しっかりと犯罪被害者等については警察とよく調整をしていただきたいということを是非申入れをしていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(有村治子君) 井上委員にお答えをいたします。
 犯罪被害者等基本法は、地方公共団体が国との適切な役割分担を踏まえ、地域の状況に応じた施策を策定し実施する責務を有すると第五条で規定をしております。
 御指摘のように、犯罪被害者等施策を推進していくに当たって自治体に期待される役割は非常に大きいというふうに思います。この際ということで、犯罪被害者等施策を国家公安委員会へ移管するということに際しましては、現在本施策を担当する我が内閣府としても、移管先である国家公安委員会と連携をして、地方公共団体に対し様々な研修の機会などを通じて今回の移管業務の趣旨を説明しております。
 全国知事会が適切か、最も適切かどうかというところはもう少し精査をしなければならないというふうに思いますけれども、井上委員の御趣旨ということをやはり共有をいたしまして、被害者等の施策の推進については、自治体とも、また警察の方々ともしっかりと連携できる体制を堅持したいというふうに考えます。
○井上義行君 ありがとうございます。
 是非、都道府県との連携をしっかりできるように大臣の指導力を発揮してもらいたいというふうに思っております。
 そこで、今回のこのスリム化法案なんですが、私も上月委員と昔、中央省庁で本当にやり合ったというか、夜中までこの法案を取りまとめているときに非常にいろんな調整を図りました。あるいは、今の新官邸、その企画もやりましたし、あるいは閣議、事務次官を担当する総務官室にもおりました。あるいは、内閣の、先ほど言ったその補助部局である内閣官房の副長官補室をして、企画調整あるいは拉致問題をやらせていただきました。
 そうした経験を基に、いろんな中央省庁の考え方、当時の考え方、それを基に仕事をしてきて、さらに、官邸に入って、官房副長官の秘書官や、あるいは官房長官の秘書官、あるいは総理の秘書官をやっていくと、これ、どんどんどんどん違う世界が見えてくるんですね。いわゆる、今まで国内に目を向いたところから、だんだん政治の世界も、あるいはグローバル、世界を見越した仕事が見えてくるわけです。
 そうすると、特に総理大臣の秘書官をやったときには、やはり総理の仕事というのは国内だけではなくて、海外の仕事というのも非常に大きいんですね。特に、中央省庁再編の時代と今の時代では大きくパワーバランスが変わった、あるいはどんどんどんどんグローバル化してきた。中国の台頭があり、あるいはテロが起きていく。こういう中で大きく、世界の動向によって日本も大きく動くようになってきました。そうすると、それとともに総理の負担が増える。一方で、どんどんどんどん横断的な仕事が増えていく。
 そういう中で、じゃ、どうしたらいいかということで、私は、第一次安倍内閣のときに道州制というものを提案をさせていただきました。横にいる江口先生が中心となって、この道州制というものを旗印にやったんですが、それはどうしてかというと、いわゆる国の持っている仕事をある程度国と地方の中間的なところに担ってもらわないと、このままでいくと、やはり場当たり的にその場しのぎの対応しかできなくなるのではないかという危機感からでした。
 それは、内閣官房で仕事した人はほとんど分かると思うんですが、私も、仕事をしていると、毎日新しい仕事が来るんですよ、ばんばんばんばん。うなずいていましたけれども、もうそれこそ官邸から、あるいはいろんな対応に、毎日毎日同じ仕事ではないんですね。違う仕事がどんどん来る。その間に普通の、通常の仕事をしなきゃいけない。そうすると、短期的な仕事と、それから中長期的な仕事に分けて、総合調整や調整というものをやはり分けていく必要があるんじゃないかというふうに思っています。
 私の持論は、官房長官の秘書官もやっていましたので、官房長官の仕事も、まあすごいですね。もう午前と午後で記者会見、国会、そして各省庁の調整、もう本当に一分刻みですごい量の仕事が来ます。こうした仕事を一部、やはり内閣府がその機能をしっかり果たすような役割が私は必要なんじゃないかなというふうに思っておりまして、例えば内閣府大臣みたいなものを置いて中長期的なものをそこでやるようなことが私はいいんじゃないかなというふうに思っております。
 そこで、先ほど申し上げたとおり、グローバルに対応した組織あるいは機能をつくるということをやはり私は考えるんですが、大臣としては、こうしたグローバルに対応した、例えば今でいうとTPPという問題ありますよね、あるいはAPEC、あるいはASEAN、いろんなところでいろんな問題を各国と渡り合える、そういう機能は、外務省やら各省庁が一応連携してやっているんですけれども、やはりこうした省庁というか、そうしたものが私は必要だと思いますが、大臣はいかがでございましょうか。
○国務大臣(有村治子君) 心して拝聴をいたしました。
 内閣総理大臣が外交を含めた国政の重要課題に対して強力なリーダーシップを発揮し戦略的に対応していくために、まさに内閣及び内閣総理大臣を直接支える内閣官房、内閣府の事務について、総理大臣、官房長官が本来の役割、責務を十分に果たすことができるような布陣を整えていくことは極めて大事だというふうに思います。
 今、井上委員からは、短期、長期、また内政、外政というカテゴリーをいただきましたが、やはり海外に目を向けても、一国の間に大統領と首相を設けて内政、外政を分けているというところの例もございます。
 同時に、やはり内政と外政は表裏一体だという認識もございまして、当然、外交のその足下という意味では内閣支持率ということを海外も見てきていることを考えますと、やはり現在の首相の下で、官房長官の下で内閣が機能するという意味では現在の体制が妥当だというふうに思っています。
 同時に、私自身も大臣をさせていただいて思うことですが、副長官補室が内政、外政、分かれていますけれども、相当やっぱり大きな機能を果たして貢献をしているなというふうに私も閣僚の一人として痛感をするところでございます。
 これからも、やはり内閣総理大臣を助ける役割というのを、総合調整ということを各省にも広げて、本来の総理と官房長官の仕事ができること、そしてやらねばならないことに集中していただけるような布陣ということを意識していきたいと考えております。
○井上義行君 ちょっと私、大臣と違うのは、私は副長官補室にもいましたので、それは内閣官房の話ですね、副長官補室というのは内閣官房ですから。
 私が言っているのは、内閣官房と内閣府のいわゆる総合調整が、いわゆる内閣官房というのは、私の理解では短期的に、例えば総理大臣が、安倍総理が決まりましたと、安倍総理は、こういう政治的な課題を掲げて、内閣官房に落とすわけですよ。そして、そこで内閣官房は、次から次へといろんな企画立案をして、あるいは各省庁と調整をして一つの政策をつくるんですね。そして、あるいは災害や、あるいはテロが起きたときには緊急時にその対応に当たるというのが内閣官房なんですね。
 一方、内閣府というのは、そういうことではなくて、中長期的にやる私は仕事がある。例えば、今大臣がやっている行政改革もそうですね。あるいは地方創生もそうです。中長期的に行う上で内閣府がより機能的に動くためには、いわゆる職員の統括というのは官房長官がやるんですよ。いわゆる担当大臣の下に、例えば金融庁とか置いてあるところがありますね。あれはその職員に対する統括権がありますけれども、ほとんどは担当大臣ではなくて官房長官がその事務の統括をしているんですけれども、だんだんちょっと専門的になってあれなんですが、やはりそうした視点で内閣官房と内閣府というものをうまく動かすことをした方がいいんじゃないかなということで御説明させていただいておりますが。
 一方で、補佐官、あるいは、今日、世耕先生が委員交代したんですが、副長官という存在があるんですが、やはり補佐官も、新たな新しいことをやるにはこの補佐官機能というものもやはり私すごく必要だというふうに思っていまして、そうすると、補佐官というのは総理大臣に意見を述べると。しかし、そこには総合調整権みたいなものがないわけですね。そして、担当大臣と副長官とそして補佐官、この権限が法律上は一応分かれておりますが、そろそろ、例えば副大臣を大臣級にしたり、あるいは今持っている担当大臣、そして副長官、補佐官のこの三つの機能を整理した方がいいんじゃないかというふうに思っておりますが、この法案の作る過程において、こうした在り方とか業務の在り方、あるいは副長官の在り方、補佐官の在り方、あるいは担当大臣の在り方、こうしたことを検討したかどうかを有村大臣にお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(有村治子君) 私が記憶している限り、直接の、先ほどおっしゃった特命担当大臣や官房副長官、あるいは総理大臣の補佐官をどのようにするかということを、この法案の、国家行政組織法の改正ということのスコープで論じたことはないというふうに認識をいたしております。
 やはり、御指摘をいただきましたとおり、総理大臣補佐官は、直接の行政組織に対する指揮監督権ということは有していませんので、命令系統の中には直接は入りません。それはお互いのりをわきまえてということなので重複はないというふうに見ておりまして、現在の状況の役職ということは適切だという前提の下での今回の法案提出に至っております。
○井上義行君 この行政改革において、やっぱり将来日本がどういうような国になって、それに合わせて行政機構をそれぞれ考えていかなきゃいけないというふうに思っておりますが、今回は私は一定な評価をしているんですよね。やはり内閣官房で私も、いろいろな何とか本部を少なくする、この一つ取っても大変なことは本当に分かりますよ、大臣。一個減らすだけでも、各省はいやそれはもう駄目だ駄目だと言ってね、まあ本当に上月さんも、本当にありますが。
 行政改革やると大体恨まれるんですよね。やはり総合調整というのは、やはり相手も、減ることもある、あるいは仕事が増えることもある、しかし人員もなかなか付かないとか、いろんなことで悩み抜いてようやく結論を出してようやくスリム化に少しずつ近づいていくというのが行政改革ですから、それは私もよく分かるんですが、やはり一回立ち止まってもう一度国家としての組織全体を私は見直した方がいいというふうに思っているんです。
 やはり本当に、多分総理になると、時間が二十四時間だと足らないんですよ、正直。それで、海外に行くと、やはり国を背負ってした発言が国を左右するということになります。私も海外でいろんな交渉をさせてもらったときに、やはりそれを背負って交渉するのは相当な緊張があるわけですね。そのためには、時間をしっかり取って、戦略を取って、それを練っていく。そのためにはやっぱりどうしても時間が必要ですから、その時間の負担を軽減するためにも、やはり官房長官あるいは組織というものをもう一度一から見直してその時代に合った行政をつくる必要があるんだろうというふうに思っております。
 有村大臣、これまでこの行政改革に携わってきて、政治家としてやはりこうした方が本当はいいのになというのは実は私は持っていると思いますよ。今の組織で満足することなく、やっぱり理想の組織、そして人の配置というものを考えているというふうに思っておりますが、有村大臣、将来に向けて、今回のスリム化法案が第一弾として、今後更なる行政改革を進めるために新たなこうした総合的な省庁再編、あるいは道州制、こうしたことをしっかりやるという決意を是非述べていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(有村治子君) もとより、変化し続ける社会経済情勢に即応するために組織がいかにあるべきかということは常に問い続けていかなければならない課題だというふうに思っております。同時に、その組織というのには唯一の正解答というものがあるものではないという中で、適切に常に変化とそしてあるべき姿ということを両にらみでやっていくべきだと思います。
 特に井上委員から強い御指摘のあった、やはり総理に本来考える時間、あるいは総理しかやっていただけないことに集中していただけるような布陣を取っておくということが極めて大事だと思っています。
 その意味では、省庁再編以来十四年たって、そしてその橋本行革から二十年近くたとうとする中で、そのときに大改革をやろうとした趣旨の志ということを堅持しながら私どもも今回十四年ぶりに法改正に至ったということでございますから、そしてまた三年後も見直しをするということも明言をしているわけですから、その組織の見直しというのには不断に手を入れていく、このことも辞さないというメッセージとともに、何でもかんでも総理、官房長官、あるいは内閣官房、内閣府というふうに思ってもらえるようなことは一部有り難いことですが、そうじゃないという意識をみんなで共有していくこともこれまた同時に進めていかなきゃいけない意識改革だと思っております。
○井上義行君 是非今後も改革を続けていただきたいということを申し上げまして、終わります。
○江口克彦君 次世代の党の江口克彦でございます。
 この法案は、今年一月の内閣官房及び内閣府の業務の見直しに関する与党提言及び閣議決定を踏まえて提出されたものと私は承知しているわけでございますけれども、なぜ今、内閣官房、内閣府の業務見直しが必要なのか、確認のためにその理由を御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(有村治子君) 平成十三年の省庁再編時、内閣総理大臣の指導性を強化するために、これを助ける機関として内閣官房また新たに内閣府を位置付け、設置されました。その後の社会情勢、経済情勢の変化によって、省庁横断的な対応を要する内閣の重要政策が明確に増えてきた、結果として、内閣官房、内閣府に業務が集中してきたというところがございます。
 内閣官房については、省庁再編時千百人であった人員が現在は二倍以上の二千九百人となっており、内閣府についても、同時に二千四百人から三千百人に膨れ上がっています。
 そういう意味では、社会情勢、経済情勢の変化に応じて随時、この人員またスタッフィングの在り方ということ、組織のありようを見詰め、政府全体が有する機能を最大限発揮して重要政策に取り組むことができる体制、そのための法改正も辞さないというメッセージを出してその姿勢を明確にするというのが法案を提出させていただいた理由でございます。
○江口克彦君 今の大臣のお話とつながりますけれども、なぜ内閣官房、内閣府にここまで業務が集中してしまったのか、その原因をどのように分析しているのか。その分析が不十分でありますと、国に新たな省庁横断的な事務が必要となれば、また内閣官房、内閣府が肥大化していく、繰り返し繰り返しということになると思うんですね。
 なぜこうなったのかという分析が行われているのかどうか、きちんとした答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(有村治子君) 江口委員御指摘のとおり、しっかりと分析することは必要だと思っております。そのしっかりとした分析をした上でも、恐らく将来も同じように内閣官房、内閣府にまた新たな懸案が来るというような傾向は否めないというふうに思っています。
 だからこそ、時々に変わってくる新たな政策課題の増加ということに対して、内閣の総合的、戦略的な方向付け、そして内閣官房がそれを中心になって、内閣府がそれをまた補佐する、また総合調整を各省に持たせるということは今後もやり続けなければならない姿勢ということを明確にして、法提出、また三年後の見直しということも織り込み済みで、むしろ、引き続き、同じような傾向というのは今後もあり得るということを警戒しながら、今後の議員立法も含めて、サンセット方式ということの実効性を高めていくことが肝になってくるというふうに認識をしております。
○江口克彦君 そういう認識をしていただいているのは大変結構だというふうに思いますけれども。
 内閣府の事務を各省等の事務に移管するということでありますけれども、内閣府の事務であったのは省庁間の調整が必要であったからということであるわけであります。果たして、移管された各省等においてこれまで以上にうまく当該事務を処理していくことができるのかどうか、また、事務が停滞してしまうのではないかということを懸念もしたりするわけでございます。
 各省に総合調整権限を付与するからといって、そのノウハウがない状況でその権限を有効に使えるのかどうか大変私は疑問に思うのでありますけれども、その点についての御説明をお願いしたいというふうに思います。
○国務大臣(有村治子君) 大事な御懸念を共有していただいたと思っております。
 それぞれ内閣府から各省庁に移管をしていくことがこの法案の趣旨でございますけれども、政策調整機能ということをうたうだけではなくて、しっかりとノウハウあるいはスタッフィングの知見ということも共有せよということはしっかりと肝に銘じたいと思います。
 総合調整ということを内閣府と同様に付与する仕組みというふうに国家行政組織法を改正したいと考えておりますけれども、例えば自殺総合対策や食育推進会議などの閣僚級の会議も各省に移管することになります。そして、今回の法案を通していただくことになりましたら、必要な人員、予算も移管先の省に移すことを閣議決定をしておりまして、制度や予算面、ノウハウ、スタッフィング含めても、移管先でこれまで以上に政策を進めることが可能となるような手当てを講ずるようにしております。
○江口克彦君 この法案は、あくまで内閣官房から内閣府へ、そして内閣府から各省等へ事務を移管するにすぎないというふうに感ずるわけで、内閣官房における郵政民営化推進室など四つの室が設置期限到来時に廃止される以外は、行政全体のスリム化という観点が、視点がない法案であるというふうに、ただ移すだけ。内閣官房及び内閣府のスリム化を図ること自体は賛成でありますけれども、その際に行政全体のスリム化も併せ検討すべきではなかったかと、ただ移すということではなくて、常に私は行政改革の意識を持つことが必要ではないかと。内閣官房から内閣府に戻す、内閣府から各省に戻すと、そのときに、これはもう取りやめておこうという観点というものが大事だというふうに思うんですけどね。
 これは企業の経営でも同じことですけれども、その点についてどう大臣はお考えなのか。
○国務大臣(有村治子君) 今御主張いただきました論点、そのとおりだというふうに思います。もとより、行政全体の効率化は当然進めていかなければならないものであります。不断に見直し、取り組んでいくという姿勢は堅持をいたします。
 そして、午前中の議論にもありましたけれども、スリム化するという、業務を移管するだけではなくて、本来のあるべき姿ということを冷徹に見詰め、必要であれば法改正も辞さないということで、内閣官房、内閣府が内閣の重要政策に関する司令塔機能という本来の機能が十分に発揮できるような体制を整えていき続けることが肝要だと考えます。
○江口克彦君 そこで、それでは、財政状況が厳しいときには行政改革や行政のスリム化が言われるわけですけれども、景気が多少良くなると、あるいはまた税収も増える状況になると、行革、行政改革はほとんど言われなくなってしまう、今現状、そういう傾向が強いと思いますけれども、財政状況が厳しいときはもちろんでありますけれども、平素から常に行政の在り方、組織を検証して行政改革に取り組んでいくことが私は必要だというふうに強く認識をいたしておるわけであります。
 当然のことながら、具体的に今回の場合どのような行政改革に対して努力をされたのか、具体的な事例をお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(有村治子君) 景気の浮き沈みなど、経済情勢の変化ということもあろうと思います。ただ、人口減少社会ということでは、本格的に人口減少社会に突入しておりますし、その目減りというのはこれから格段にシリアスになっていきます。
 日本を持続可能な社会にして、その仕組みを整え、これからを生きる世代も含めた未来への責任を果たしていくためには、経済情勢の浮き沈みにかかわらず、国の行政について無駄を排除する、行政機能や政策効果を最大限発揮させる行政改革、布陣を徹底することが極めて重要だとこの意思は明確にいたします。
 その具体的な方法、アプローチということでございますが、安倍内閣においては、行政改革推進本部の下に国が行う約五千全ての事業について行政事業レビューをしており、そして各省において自ら点検を行い、予算の概算要求あるいは執行等に反映させる取組を行っており、それ以外にも、総務省、内閣人事局による人事によって、また政策によって、業務改革、組織の検証と一体となって行政改革の実効力を高めていくという取組を進めております。今後も堅持いたします。
○江口克彦君 その取り組んでおられる、あるいはまた取り組んだ具体的な事例をお示しください。
○国務大臣(有村治子君) 例えば行政改革ということでは、行政事業レビューの中で概算要求から本予算を確定するまでに千億単位での削減を図っております。この一年に見ても、そのような本来あるべき姿、本来なすべき仕事ということを明確に見ておりまして、その体制を、私ども行政事業の推進本部のみならず、行革の視点を各省庁にDNAとして埋め込んでいただくという体制を進めている次第でございます。
○江口克彦君 その具体的な事例を示していただきたいということを再三申し上げているんですけれども、行政改革において、当然のことながらコストというか費用というものは出てくるわけでありまして、幾ら出てきたのか、そしてそれをどこに回すのか、回したのか、それについてお話をいただきたいと思います。
○国務大臣(有村治子君) 具体的事例ということでございますけれども、例えば農山漁村における対流や交流あるいはそこの活性化という意味では、農林水産省と総務省とそれから国土交通省が同じような似通った事業をされていた、それを統合して予算を一緒にして全体としての金額を削減するというようなこと、つまり、各省庁の事業の取組をレビューするだけではなくて、総合として日本の政策として効果を上げていく、またその相互に係る予算を削減していくということは実績として出てきております。
○江口克彦君 内閣府、内閣官房から各省庁に移すその過程で行政改革に努力したと、それはよく分かりますが、具体的事例について今何回お尋ねしても、それは具体的に出てきませんかもしれませんので、委員長、済みませんけど、この具体的事例を私の方に知らせていただくようにお願いしていただけませんでしょうか。
○委員長(大島九州男君) 後刻理事会で協議をして対応させていただきたいと思います。
○江口克彦君 中央省庁改革によって省庁の数は減りましたが、厚生労働省、国土交通省、総務省は所管が多くなり過ぎているのではないのだろうかというふうに思うのであります。これらの省庁も私はスリム化が必要であるというふうに思うのでありますけれども、それはほかの省庁への事務移管ということでは私は解決できないというふうに思っているわけでございます。行政全体のスリム化が私は何としても必要であるというふうに思っているわけでありますが、行政改革はどのように取り組まれているのか。
 これは、繰り返しますけれども、もう不断にやらないといけないし、大臣も不断にやっているというふうに言われていますけれども、行革をやらないと税金がどんどんどんどん増えていく、国民の負担が、これはパーキンソンの法則だったかどうか忘れましたけれども、いずれにしても官僚機構あるいはまたこういう省庁は肥大化していくという傾向がどうしてもあるわけです。善意でやっても肥大化するという。だから、行政改革というのはどのように、これは民主党政権でそれなりの行政改革なり事業仕分とかというようなことで、あれが良かったか悪かったかというのは、私は、評価の分かれるところかもしれませんけれども。
 とにかく経営においても会社においても、合理化と効率化と成長戦略というのは企業経営の三要素なんですよね。それからすると、行政改革というのはもう絶対にこれやっていかないと、やっていかないと、やっていかずに国民の税金を増やす、消費税を増やすというのは、これは政治家としてあるべき姿ではない、また、大臣あるいはまた政権として、政治としてあるべきことではないというふうに思うんですね。
 金が要るから税金を増やすというような考え方は間違いです。金が要るんだったら、自分たちの機構を、行政を改革するなり、あるいはまた能率化するなり、効率化する、合理化するというようなことをして、経費を、我々というか政治で、行政で生み出していくという工夫をしないといけない。行政とあるいはまた政治はそのままにしておいて、足らないから国民に税金をというのは、これは、いわゆる国家経営で、経営の観念、考え方から全く意味ないんですよね。
 ですから、行政改革については取り組んでおられるということですけど、それはそれで。だけど、どのように取り組んでおられるのか、しっかりした哲学、理念というか、そういうようなものを持って取り組んでおられるのかどうか、お話をいただきたいと思います。
○国務大臣(有村治子君) 江口委員御指摘のとおり、昨今の厳しい財政状況や今後日本が直面する情勢ということを鑑みても、行政全体の事務のスリム化が必要であることは明確でございます。
 当然、十四年前の中央省庁改革以降も、行政ニーズの変化に合わせた業務の大胆な整理、包括的、抜本的な民間委託、PFI、PPP含みます、独立行政法人化を進めて実行部隊と行政の企画立案部門を切り離してスリム化を図る、あるいは官民競争入札、民間競争入札なども入れ、また公共調達では一括調達でいってバーゲニング効果を狙うなどの公共サービス改革等を不断に進めて積み重ねているところでございます。
 加え、現在、例えば内閣人事局においては、毎年の不断の取組として、各省の機構、定員の管理をかなり厳しく総務省と連携をしておりまして、この十年、民主党政権も含めてですが、毎年毎年、一年の例外をつくることなく、一千人以上の純減を達成をしてきております。
 そういう意味では、引き続きの行革の視点とその実行力を持ち続けたいと考えております。
○江口克彦君 持ち続けたいというのはそれはそれで大変結構なことだというふうに思いますけれども、とにかく政治家の使命はいかに税金を低く抑えるかということが極めて重要な役割だというふうに私は認識しているわけですね。ですから、民主党の野田政権のときでも、消費税を三%上げるということに対しては、私は野田総理に対して強烈に反対をいたしました。
 今度の、再来年の四月にまた今度一〇%になる、二%上がるわけですよね。これは、こんな、上げるということは簡単ですけど、繰り返しますけど、行政なり政治なりをいかにスリムにしていくかということに徹底的に取り組んでいかないと、いとも簡単に国民に負担を掛ける、国民の税金を増やしていく。
 それともう一つは、消費税でも、ほかの国と比べたら、ほかの国と比べたら日本の消費税は低いという議論がよく行われますけれども、しかし日本はほぼ、ほぼですよ、一民族、一言語なんですよ、効率はいいんですよ。だから、ほかのところの消費税の高いところは、多民族国家、移民を受け入れているわけですよ。物すごく政治にコストが掛かるというのはやむを得ない、あるいはまた社会保障にコストが掛かるというのはやむを得ない。
 日本もこれから社会保障にどんどんどんどんコストが掛かっていくと思いますけれども、そういうようなものをただ単に単純に私は国民に負担させる、負担してもらう、お願いしますと言うだけじゃなくて、まず政治家なりあるいはまた行政なりが、全体が、国が身を切るということをやらないと、どんどんどんどん国民が政治から離れていきますよということを申し上げて、私の質問を終わります。
○山本太郎君 ありがとうございます。生活の党と山本太郎となかまたち共同代表、山本太郎です。
 内閣の重要政策に関する総合調整等に関する機能の強化のための国家行政組織法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
 まずは、有村大臣に。最近、年金情報流出で大きな問題となりました情報セキュリティー対策は、内閣の重要政策ということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(有村治子君) 山本委員にお答えいたします。
 個々の政策が内閣の重要政策に該当するかどうかを私自身が判断する立場にはございませんが、当然のことながら、サイバーセキュリティーは内閣の重要政策に該当し、国を挙げて取り組むべき重要政策であるという認識は持っております。
○山本太郎君 ありがとうございます。安全保障問題でもありますもんね。ありがとうございます。
 この法案の提出理由にも「内閣の重要政策に関する総合調整等に関する機能を強化するため、」と書いてあるんですけれども、この法案の内容で本当に機能が強化されるのかよく分からないんです。私は、内閣の重要政策である情報セキュリティー対策こそ強化されなければならないと思っています。
 今回の年金情報流出問題、もうその問題終わったじゃないかと思われる方もいらっしゃると思うんです、いつまでやるんだよと思われる方もいらっしゃるかもしれないんですけれども、とにかく大きな問題ですから。日本年金機構の対応、これ大問題でしたよね。厚生労働省と内閣官房の内閣情報セキュリティセンター、NISCの対応も、言い方を気にせずにはっきり言ってしまうと、大変お粗末、全く機能していない、検証も非常に不十分と言えると思います。
 厚生労働省、先週八月二十七日、本委員会の私の質疑で事実関係確認されたと思うんですけれども、五月十九日に年金機構が警視庁高井戸署に通報、捜査依頼した事実を五月十九日当日に年金機構から厚労省の情報参事官室にメールで連絡、そのことを情報参事官室長が知ったのは六日後、五月二十五日だった。直属の上司に伝わるのに六日も掛かったというんですよね。
 私、昔、パプアニューギニアというところに行ったことがありまして、それはもうすごい奥地だったんですよ。そこで裸族の方々に会いに行くという企画だったんですけれども。それ、奥地ですよ、パプアニューギニアの奥地。片道三日だったんです。片道三日だった。
 警視庁高井戸署に通報、捜査依頼した事実を六日後に知った、情報参事官室長、六日後に知ったって、これ、当時地球にいたんですか、地球上にいたんですか。これ、イエス・オア・ノーで答えていただけますか。ごめんなさい、これ通告していないんですけれども、厚生労働大臣官房長、お答えいただければと思います。
○政府参考人(蒲原基道君) その当時は厚生労働省に勤務をしておりましたので、東京におりました。
○山本太郎君 そうですよね。宇宙飛行士じゃないですもんね。
 とにかく、直属の上司に伝わるのに六日も掛かったという事実、これ、検証委員会の報告書にも書かれていないですよね。厚生労働省の情報セキュリティーの最高責任者である蒲原官房長、こんなことでは厚生労働省のセキュリティーポリシー全くないのと同じじゃないかなと、CSIRTなんて言葉だけで実態というのはほとんどないんじゃないのと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 ただいま話がございました情報政策担当の参事官に連絡が行ったのが遅れたということ、さらには、私がこの話を聞きましたのも五月の二十八日ということで、大変遅れておったということでございます。この点につきましては、私も含め関係者、責任ある者への対応が遅れたということで、大変反省しているということをこの間の、先日の七月七日の本委員会でも申し述べたところでございます。
 この点につきましては、先ほど先生触れられました、いわゆるこの問題に関する第三者委員会の検証報告書というところにおきまして触れられたところございまして、一つは、セキュリティーポリシーに定められている責任者への報告に遅延があったということが入っております。また、厚労省にはCSIRT体制が定められていたものの、技術力を持った実働要員が充てられていないなど、実効性が乏しかった、あるいは厚労省と関係の組織との連携が非常に良くなかったという話が書いてあります。
 さらには、そこの背景として、やはりこれは常日頃からの言わば省内のこの問題に対する危機感がきちっと持たれていなかったということ、あるいは、いざ問題が発生したときに、情報だとか危機感が言わば組織の上下関係あるいは横の組織間で共有されていなくて、言ってみれば一体的な対応ができなかったということが指摘されておりまして、この点も含めて厚労省として反省をしなきゃいけないというふうに考えております。
 今後は、この第三者委員会の報告書にもいろいろ触れられておりますけれども、セキュリティー関係の対応をしております情報政策担当参事官室の質、量共に充実することだとか、あるいはCSIRTについても技術力を持った実効性あるものにしていくということがこの報告書にも書いておりますので、私どもといたしましては、こうした報告を真摯に受け止めて、言わばセキュリティー問題に対する意識改革ということを取り組むとともに、あわせて、組織が一体となって危機管理に対応できるように体制の強化というものをきちっとやっていかなきゃいけないというふうに認識をいたしております。
○山本太郎君 その情報がなかなか伝わらなかったという部分には遅延があったというふうに報告書に書いてありましたよと今おっしゃっていましたけど、JRでも、電車三分遅れただけで遅延というような表示出ますからね。その遅延という幅がすごく広いんだなと思っちゃうんですよね。
 先日の厚労省と年金機構の説明のときに、資料請求したんですよね。標的型メールの攻撃の対象となる可能性のあるパソコン等の端末、厚労省と年金機構でそれぞれ何台あるのか教えていただけますか。
○政府参考人(姉崎猛君) お答えをいたします。
 厚生労働省の方ですけれども、厚生労働省ネットワークシステムで設置をしインターネットに接続している端末は約七千五百台というふうになっております。
○参考人(薄井康紀君) 日本年金機構の方でございますけれども、年金機構の各拠点に設置してありますパソコンのうちでインターネットに接続可能であったパソコン、LANパソコンでございますけれども、五月の末の時点で七千八百五十八台でございます。
 なお、機構LANシステムにつきましては、今回の事案を受けまして現在はインターネット接続を遮断いたしておりますので、現在は標的型攻撃を受ける可能性はないと考えております。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 厚労省が併せて答えてくれと言ったんですけれども、いや、これ年金機構は年金機構だからということで来ていただいたんです。パソコンの台数を教えてもらうだけのためにありがとうございます。
 谷脇副センター長、六月十一日の本委員会での私の質問について、サイバーセキュリティ基本法三十条の国の行政機関、そして三十一条で指定される四十八の特殊法人、認可法人、それぞれサイバー攻撃を受ける可能性があるPC端末は何台ありますかと質問したところ、谷脇さんは、パソコンの台数は判断の重要な要素の一つで、必要に応じて調査をすると答弁されたんですけれども、その後、調査はなさいましたか。
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のパソコンの台数でございますけれども、情報システムの規模を判断する一つの要素でございますけれども、これのみで具体的なセキュリティー対策が大きく左右される性質のものではないと考えております。すなわち、各機関におけるサイバーセキュリティー対策については、業務の特性ですとか、あるいは当該システムの運用方法、業務手順といった様々な要素が絡むため、これらの要素を総合的に勘案して検討していく必要があるというふうに考えております。
 NISCといたしましては、今後、サイバーセキュリティ基本法に基づきまして、各府省庁等のセキュリティーポリシーの運用状況につきまして、いわゆるPDCAサイクルが機能しているか等のマネジメント監査を行うことにより確認をしていくこととしておりまして、その実施を通じて、各府省の情報システムの実態をより詳細に把握するとともに、これを踏まえたセキュリティー対策の強化に取り組んでまいりたいと考えております。
○山本太郎君 平たく言うと、余り調査する気がなさそうだな、時間が掛かりそうだな、ということは、こちらで今後も調べていかなきゃいけないのかなという答えだと思います。
 お粗末なのは厚労省だけではないと。肝腎の内閣情報セキュリティセンター、NISCも機能していませんでした。
 五月十九日の年金機構の警視庁への通報、五月二十九日に初めて知った、五月二十一日の首相官邸でのサイバーセキュリティ対策推進会議、五月二十五日の同じく首相官邸でのサイバーセキュリティ戦略本部の会合で報告できなかったことについて、谷脇NISC副センター長は、六月十一日の本委員会で、真摯に反省をし、今後の改善策を考える必要があると答弁してくださいました。それで、私は八月二十七日の本委員会で、NISCこそ第三者委員会での検証が必要ではないかと質問したんですけれども、谷脇さんは、NISCの機能の在り方等については国会の場での議論や行政評価等を活用していくと答弁されて、検証委員会をつくるとはおっしゃらなかった。
 谷脇副センター長、改めて提案したいんですけれども、年金情報流出問題におけるNISCの対応について、第三者による検証委員会、必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 ただいま委員から御指摘がございましたように、今回の年金機構のような事案が起きた場合に、事態の進展に応じて各府省等からNISCに状況を迅速に報告するということは極めて重要だというふうに思っております。そういった意味で、今回の事案については私どもとしても反省すべき点がございます。
 ただ、これまでも、各府省庁の情報システムに対するサイバー攻撃があった場合には可能な限り速やかに各省庁から必要な情報をNISCに報告することとしており、厚生労働省のセキュリティーポリシーにもその旨が記載があったわけでございますけれども、今般、委員御指摘のとおり、年金機構から警視庁への通報があったことにつきまして厚労省からNISCへの報告が遅れたという点については、これは改善が必要な課題だというふうに認識をしております。
 もとより、今回の事案を踏まえまして、NISCの活動の見直しを含め改善すべき様々な課題がある中で、国会審議においても様々な御指摘をいただいております。また、既に有識者本部員を含むサイバーセキュリティ戦略本部におきまして八月二十日に取りまとめていただきました今回の事案の原因究明調査報告書におきまして、各府省庁への情報提供が有効に機能するための対策、インシデントに備えた体制の強化、標的型攻撃のリスクを踏まえたシステムの構築、維持、運用の強化対策など、NISCが取るべき各種再発防止策が指摘されております。
 政府としては、こうした御指摘を真摯に受け止めて、政府全体のサイバーセキュリティー対策の抜本的な強化を図ってまいりたいと考えております。
○山本太郎君 自らの検証委員会は立ち上げたくないという話ですよね。もう十分だと。でも、本当に十分なのかという話だと思うんですけれども、大臣、内閣機能の強化のために、この法案の担当大臣として、NISCの検証委員会、これ、立ち上げ、働きかけていただけないでしょうか、お声掛けしていただけないでしょうか、お力をお借りできないでしょうか。
○国務大臣(有村治子君) 先ほども申し上げましたけれども、やはりこのサイバーセキュリティーということは国家にとって重要な課題であり、政府全体としてしっかりとした取組がなされるよう、サイバーセキュリティ戦略本部の、官房長官、本部長として、また情報通信技術政策担当の山口担当大臣の下で適切に御対応いただけるものというふうに思っております。
 私が法案提出に責任を負う大臣として行うべきことは、サイバーセキュリティーの強化そのものを図れるわけではありません。サイバーセキュリティー強化も含めてそれぞれの政策を具現化していくための体制をしっかりと整えていく、そのための再編を行い、そしてその再編の正当性を担保するために法改正を行うというのが私のこの法案提出責任者としての職責であり、それを忠実に実行して、サイバーセキュリティーのその強化という実効性を取るための布陣がなされるものと認識をいたしております。
○山本太郎君 とにかく、何か、見ていると、内輪だけでかばい合いしているようにも見えるなと思うんですよね。すごく何か、第三者からの何か厳しい目みたいなもので本当に検証されているのかと。ここ検証されなきゃどうしようもないというか、この国の安全保障問題の一つでもあるわけですよね。蒲原官房長と政府内部でかばい合いをしているんじゃないかなというふうな雰囲気というか、そういうにおいがするというのが嫌だなと。
 新国立競技場の問題にしてもエンブレムの問題にしても、組織の内部とか狭い範囲の中での議論というのはもう通用しないんだという。第三者にしっかり検証してもらって、そして積極的に情報公開をして、緊張感を高めていって、パブリックな議論をしていって、そして結果として情報セキュリティーが向上していくという、そして内閣の機能が強化されていくというものをつくっていかなきゃいけないんじゃないかなと。
 有村大臣にも、是非、NISCの第三者検証委員会、お立ち上げ、お力添えお願いしたいということなんですけれども。
 本案の質問、もう弾切れになってしまいました、済みません。本委員会につながる話なんですけれども、五月十四日に本委員会で、有村大臣もそのときこの質問を聞いていただいたんですけれども、生活保護と奨学金の問題について、最近政府に新たな動きがあったんですよね。それを皆様に是非御報告をさせていただきたい、そしてそれに沿って質問をさせていただきたいということなんですけれども。
 お手元の配付資料@を御覧いただけますか。「生活保護世帯の奨学金 塾代も減額対象にせず」という見出し、これ八月二十一日、東京新聞の朝刊一面、トップ記事です。
 厚生労働省が八月六日、生活保護世帯に支給された奨学金に関して重要な裁決と通知を同時に出したことを報じたものです。今年の五月十四日ですよね、本委員会で子供の貧困、貧困の連鎖、それをテーマとして生活保護家庭の子供の進学問題について質問させていただいた件なんです。
 そして、もう一枚資料をおめくりいただくと、これと同じものが出てくると思うんです。(資料提示)このフリップは、その五月に質問させていただいたときに使わせていただいたものと同じです。
 母子家庭で生活保護を利用している福島県の高校生A子さん、せっかく給付型の奨学金受けられることになったんですけれども、福祉事務所が、受け取った奨学金の全額を収入認定、収入として認定してしまった、その分保護費を減額してしまったという鬼のようなケースでした。この決定を取り消すように厚生労働省として市を指導してくださいと委員会の中でも申し上げましたけれども、先月の八月六日、再審査請求という不服申立て手続の中で、福島市の判断に誤りがあるとして取消しを命じる裁決を厚生労働省出したんですよ。厚生労働省すばらしい判断ですね、これ本当に、グッジョブですよ。おまえに言われたくないというところがあるかもしれないですけれども、済みません、もう、ちょっとうれしくなっちゃって。
 もう一つの問題なんですけれども、五月十四日の本委員会での質疑の際に、谷内厚生労働省の審議官が、塾代について、学習塾ですよね、塾代については収入認定から除外できない。つまり、奨学金を大学進学のための塾代に使うことはできないと答弁されたわけです。それが、さきの裁決と同じ八月六日、厚労省は、奨学金やバイト代などの収入があった場合、学習塾費等に使うことを認めるという通知を出したということを知ったんですよ。この件に関しましても、運用解釈の変更、厚労省すばらしい判断だと思います。本当によかった。
 非常に前向きな判断をしていただいたんですけれども、実は、今回の通知、今回の通知では、奨学金等を大学の受験料や入学金に使うことを認めるとは明確に書かれていないんです。これ、認めない、これからも認めないという趣旨なんでしょうか、教えてください、短めに。ありがとうございます。
○大臣政務官(橋本岳君) 見直しの、何というんですかね、趣旨というものは、基本的に今御説明があったとおりでございますので割愛をさせていただきますけれども、今回の見直しにつきましては、子供の貧困の連鎖の解消という観点から、まずは高校進学率上昇、高校中退の防止に取り組むということが重要な課題であり、さらに大学進学率の向上も視野に取り組むことも必要と考えて見直しを行ったところでございます。
 そもそも、生活保護の制度というのは、御案内のとおり、憲法第二十五条に基づいて行われているものですけれども、稼働能力、働くこと、働いて稼ぐことができる能力を有する場合には、原則としてその能力を活用していただくということが保護の要件でございまして、高校の卒業された後は、その高校への修学を通じて得られた技能や知識を生かして就労をすべきものでございまして、大学進学後の保護を受けながらの修学というのは認めていないというのが現状でございます。
 したがいまして、御指摘の大学の受験料や入学金の収入認定除外については、今申し上げたような生活保護の原則も踏まえつつ、生活保護を受給されていない方との均衡も考慮をする必要があるということがございますので、慎重な検討が必要だというふうに考えているところでございます。
○山本太郎君 これ、認めると明確に書かれていなかったら、頑張って勉強して大学に合格できる実力を付けたとしても、肝腎の受験料や入学金払えなくて入学できないというケース、必ず出てくるんです。これ、また子供たち泣かせるんですかって、頑張っているのにって。どうして塾代は許されて、受験料、入学金、許されないのかって。中途半端なことやめていただきたいんです。大学に入るところまで認めてくださいよ。入学金なんて用意できませんよ、貧困家庭ですから。私立で二十六万四千円程度、国立で二十八万程度、まとまった金をどうやって用意しろっていうんだという話だと思うんです。
 平成二十六年一月十七日に施行された子どもの貧困対策推進法、子供の将来が生まれ育った環境に左右されることのないよう教育の機会均等を図る、このように言っている。低所得の世帯に生まれた子供が、十分な教育を受けられず、進学を諦め、低賃金の職業を選択せざるを得ないという貧困の連鎖、これ断ち切らなきゃ駄目なんでしょう。でも、断ち切ろうとしていない。何が環境に左右されることのないように教育の機会均等を図るですか。あり得ないんです。うたっていることとやっていることは全く逆だと思うんです。
 親が亡くなってしまった、病気で働けなくなってしまったなどして生活保護を受給している家庭に育つ子供たちにチャンスいただけないですか。そもそも奨学金、金銭的、経済的理由により修学困難とされている学生に修学を促すことを目的に、若しくは金銭的な悩みを抱えずに学業に専念してもらうことを目的に運営されるべきですよね。勉強するために奨学金もらったけど、奨学金受け取った分は生活保護費から削られますって、これ一体何のプレーなんですかって。一体何のための奨学金なんですかって。夢も希望もないって。貧困家庭に生まれたら何も望むなということですか、学ぶこともって。
 これ、力貸していただきたいんです。奨学金は給付型、貸与型問わず全額収入から除外するということに力を貸していただけないですか、有村大臣、子供たちのために。
○国務大臣(有村治子君) 前回、五月にも御質問をいただきましたが、子供の貧困ということには精いっぱいやっていきます。生活保護費ということに関しては、突如私に向けられたことに関して与党筆頭理事から委員の方に御注意があったと後で報告を受けていただきますので、生活保護費に関しては、引き続き厚生労働省がしっかりと向き合って、その妥当なラインということを発表していかれるものと思います。
 さはさりながら、共生社会の担当として、子供の貧困ということは十月に国民運動を本格的に始動させますし、委員の思いということもしっかりと受けて取り組みたいと考えております。
○山本太郎君 もちろん、これ、生活保護は入口なんですけれども、実際は子供の貧困から、その貧困のループから出れるか出れないかのところの話なんです。まさにこれ、子供の貧困問題なんですよね。それを断ち切るためには是非有村大臣のお力をお借りしたい。前回も政務三役の方々にお話をしておきますということを言ってくださったと思うんです。今回、厚労省がこのような通達を出してくれたのは、有村大臣のお力もあったかもしれない。是非お力を貸していただきたいんです。
 質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(大島九州男君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、内閣の重要政策に関する総合調整等に関する機能の強化のための国家行政組織法等の一部を改正する法律案に対して反対の討論を行います。
 内閣官房、内閣府は、首相主導、官邸主導を強化することを目的に二〇〇一年の中央省庁等改革で再編、新設され、歴代政権の下で付け加えられた政策課題によって膨張を遂げてきましたが、その膨張を更に一段進めたのが安倍政権にほかなりません。この間、安倍政権の下で国家安全保障局や内閣人事局などの新たな機関が内閣官房に設置され、それらの機関の増設とともに内閣官房の定員も増加し、併任職員と合わせて過去最大の規模に膨れ上がっています。
 内閣官房、内閣府の膨張に対し、今年一月、自民党、公明党は、総理大臣が取り組もうとする重要政策課題により機動的に対応できるよう、省庁再編後、第二次安倍政権発足以前までに内閣官房、内閣府に追加された業務を中心に点検、見直しの提言をまとめています。今回の法案は、この与党提言に従って、安倍政権以前に追加された内閣官房の事務の一部を内閣府に移管し、その玉突きでやはり安倍政権以前に内閣府に追加された事務を各省庁に移管することで、内閣官房、内閣府をスリム化し、安倍政権の今般の政策課題に機動的に対応しようというものであります。
 安倍政権が今まさに官邸主導で内閣官房の機能を機動的に使って進めているものは、集団的自衛権を行使するなど憲法を破壊する戦争法案にほかなりません。その司令塔としての国家安全保障会議の設置や秘密保護法の実施体制の構築もまた内閣官房の機能を機動的に使って進められてきました。また、財界主導でアベノミクス、成長戦略を進めている産業競争力会議やTPP政府対策本部を支えているのも内閣官房であり、内閣官房の機能を機動的に使って強引に推進をされています。
 今回の法案は、こうした戦争をする国づくりや財界主導の成長戦略に突き進む安倍政権の官邸主導を更に強化しようというものであり、到底認めることはできません。
 以上、本法案への反対討論といたします。
○委員長(大島九州男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 内閣の重要政策に関する総合調整等に関する機能の強化のための国家行政組織法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(大島九州男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、藤本君から発言を求められておりますので、これを許します。藤本祐司君。
○藤本祐司君 私は、ただいま可決されました内閣の重要政策に関する総合調整等に関する機能の強化のための国家行政組織法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本を元気にする会・無所属会及び次世代の党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    内閣の重要政策に関する総合調整等に関する機能の強化のための国家行政組織法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 複雑化・多様化した経済社会情勢の急速な変化等に対応するためには、国民本位で、時代に即した合理的かつ効率的な行政を実現することが求められる。そのため、今後も内閣官房及び内閣府の業務の在り方に加え、省庁の編成や国、地方の役割分担を再検討するなど業務の不断の見直しに積極的に取り組むこと。
 二 特定の内閣の重要政策について、各省庁が総合調整事務を行うに当たっては、閣議において決定された基本的な方針を実効性あるものとするとともに当該省庁が所管の個別事業の利害や制約にとらわれ、内閣としての一体性を損なうことのないよう万全を期すること。
 三 各省庁に特定の内閣の重要政策に関する総合調整機能が付与されることに鑑み、内閣及び内閣総理大臣がリーダーシップを発揮できるよう的確に補佐し、幅広い視野に立って総合調整事務を担うことができる人材の育成に取り組むとともに、府省の枠を超えて戦略的に人材を配置するなど、政府全体として適切な人事管理を推進すること。
 四 今後の内閣官房及び内閣府への業務の追加に当たっては、関係省庁に総合調整等を行わせた場合の効果との比較・検討を行うなど、その必要性を十分勘案した上で判断するとともに、新たな業務を法律によって追加する場合には、原則として、あらかじめ当該業務を行う期限を設けること。
 五 内閣の重要政策に関する企画立案機能の強化に当たり、地域活性化や政府関係機関の地方移転の取組などを通じ、地方を含む関係者の意見や施策の現場の状況を十分に把握するよう努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(大島九州男君) ただいま藤本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(大島九州男君) 多数と認めます。よって、藤本君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、有村国務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。有村国務大臣。
○国務大臣(有村治子君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
○委員長(大島九州男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大島九州男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時八分散会