第189回国会 外交防衛委員会 第14号
平成二十七年五月十九日(火曜日)
   午前十時三分開会
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   委員の異動
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     石川 博崇君     新妻 秀規君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         片山さつき君
    理 事
                北村 経夫君
                佐藤 正久君
                三木  亨君
                大野 元裕君
                荒木 清寛君
    委 員
                宇都 隆史君
                小坂 憲次君
                末松 信介君
                豊田 俊郎君
                松山 政司君
                北澤 俊美君
                小西 洋之君
                福山 哲郎君
                藤田 幸久君
                石川 博崇君
                新妻 秀規君
                小野 次郎君
                井上 哲士君
              アントニオ猪木君
                浜田 和幸君
                糸数 慶子君
   国務大臣
       外務大臣     岸田 文雄君
       防衛大臣     中谷  元君
   副大臣
       外務副大臣    城内  実君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  宇都 隆史君
       文部科学大臣政
       務官      山本ともひろ君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  横畠 裕介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宇佐美正行君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       前田  哲君
       内閣官房内閣審
       議官       土本 英樹君
       内閣官房内閣審
       議官       藤山 雄治君
       内閣官房内閣審
       議官       槌道 明宏君
       外務大臣官房審
       議官       山上 信吾君
       外務大臣官房審
       議官       中村 吉利君
       外務大臣官房審
       議官       下川眞樹太君
       外務大臣官房審
       議官       豊田 欣吾君
       外務大臣官房審
       議官       岡庭  健君
       外務大臣官房参
       事官       武藤  顕君
       外務大臣官房参
       事官       三澤  康君
       外務省北米局長  冨田 浩司君
       外務省中東アフ
       リカ局アフリカ
       部長       丸山 則夫君
       経済産業大臣官
       房審議官     伊藤 伸彰君
       防衛大臣官房審
       議官       吉田 正一君
       防衛大臣官房審
       議官       辰己 昌良君
       防衛省防衛政策
       局長       黒江 哲郎君
       防衛省防衛政策
       局次長      鈴木 敦夫君
       防衛省運用企画
       局長       深山 延暁君
       防衛省人事教育
       局長       真部  朗君
       防衛省地方協力
       局長       中島 明彦君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外交、防衛等に関する調査
 (北朝鮮情勢に関する件)
 (平和安全法制に関する件)
 (日露関係に関する件)
 (米ハワイ州におけるオスプレイの事故に関す
 る件)
 (オスプレイの横田飛行場配備に関する件)
 (海上自衛隊とフィリピン海軍との共同訓練に
 関する件)
 (普天間飛行場移設問題に関する件)
○水銀に関する水俣条約の締結について承認を求
 めるの件(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(片山さつき君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官前田哲君外二十名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(片山さつき君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(片山さつき君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○北村経夫君 自由民主党の北村経夫でございます。
 両大臣におかれましては、連日御苦労さまでございます。今日は一般質疑ということで、二つのことについてお伺いいたします。一つは北朝鮮の問題、そしてもう一つは、平和安全法制について伺おうと思っております。
 まず、北朝鮮について伺います。
 韓国の国家情報院の報告によりますと、玄永哲人民武力相が粛清されたというふうに聞いておりますが、反逆罪で処刑されたと言われております。まあ、理由としては、居眠りや口答えも理由とされてあるわけですね。本当に民主主義国家日本だから我々は助かるなというように感じておりますけれども。
 そういう玄永哲の処刑、金正恩が就任してこの三年、いろいろな粛清が行われてまいりました。過去一番の側近と言われたのは、政権ナンバーツーだった張成沢が処刑された。今回の玄永哲はそれに次ぐ高位の人物が粛清されたというふうに言われておりますけれども、まず処刑のあったのかどうか、その事実確認について伺います。
 そして、五月九日ですが、ロシアの対独戦勝七十周年記念式典に金正恩が出席すると言われておりましたけれども、それは欠席いたしました。その前、四月にこの今回処刑されたと言われる玄永哲が訪ロしております。
 こういった粛清とこの欠席の問題、関連があるのか。全体としては、金正恩体制の中で何が起きているのか。その辺、外務省の見解を伺います。
○政府参考人(下川眞樹太君) お答え申し上げます。
 ただいま委員から御指摘ございましたように、韓国国家情報院が十三日、韓国の国会におきまして、北朝鮮の玄永哲人民武力部長ほかが粛清されたと報告したというふうに承知しております。これに関しまして、北朝鮮自身は玄永哲部長が粛清されたとは公式には認めておりませんが、朴槿恵大統領ほかが粛清に関連しまして恐怖政治と述べたことを非難などしているところでございます。
 また、その原因、理由でございますけれども、ただいま御指摘のありましたその玄永哲人民武力部長が四月十三日から二十日までロシアを訪問していたというふうに承知しておりますが、同訪問と五月九日の対独戦勝七十周年記念式典への北朝鮮の欠席との関係を含めまして、それ以上の具体的な情報収集や分析の詳細につきましては、インテリジェンスに関わることでもありますので、事案の性質上、お答えは差し控えたいと思います。
 いずれにしましても、政府としましては、今般の事案が北朝鮮の体制に与える影響も含めまして、北朝鮮内部の動向について、関係国と緊密に連携しながら、冷静に情勢を注視し、情報収集、分析に努めてまいりたいというふうに考えております。
○北村経夫君 今の関連でございますけれども、中根外務大臣政務官、先日の参議院外交防衛委員会で、金正恩を中心とした体制が基本的に固まっているというように見受けられると述べておられます。
 日朝交渉を行う上で、北の独裁者である金正恩の権力構造はどうなっているか、その辺は慎重に見極めることが重要だと思うわけでありますけれども、金正恩は軍を掌握しているのかどうか。そして、金正恩に最も影響力があるのは誰なのか。よく言われるのは、妹の金与正とも言われているわけですけれども、その点について外務省の認識を伺います。
○政府参考人(下川眞樹太君) 政府といたしましては、金正恩国防委員会第一委員長の権力基盤や北朝鮮指導部の体制を含めまして、北朝鮮内部の動向については重大な関心を持って平素から情報収集、分析に当たっているところでございます。金正恩体制につきましては、引き続き、軍幹部等の変動も頻繁に見られているところでございまして、そういった点についても注視をしてまいりたいというふうに考えております。
 また、御指摘のありました金正恩国防委員会第一委員長の妹、金与正氏でございますけれども、党中央委員会副部長といたしまして、最近、金正恩第一委員長の現地指導等に頻繁に同行しているというふうに承知しております。
 御指摘のとおり、こういった権力基盤などにつきましての情報収集や分析を不断に行いながら、引き続き、対話と圧力の方針の下で、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決に向けて取り組んでいく必要があるというふうに認識しているところでございます。
○北村経夫君 日朝のストックホルム合意から間もなく一年を迎えるわけでありますけれども、この間、北朝鮮は調査結果を報告しないと、極めて不誠実な態度を続けているわけであります。
 この中で、日本においてはマツタケの不正輸入事件、捜査が行われて、この捜査に反発して北朝鮮は四月二日、一方的に政府間協議の中断を通告してきたわけでありますけれども、それを受けてかどうかは分かりませんけれども、先日、朝鮮総連議長の許宗萬議長の次男が逮捕されたわけであります。これに対しても北朝鮮は強く過剰な反発をしております。政治的な弾圧だと言い、責任は全て日本側、日本政府にあるというふうにも言っているわけであります。
 この辺、今回の事件と日朝関係への影響について、改めて外務大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(岸田文雄君) 北朝鮮による拉致問題、これは安倍政権にとりまして最重要課題です。そして、我が国は北朝鮮に対しまして対話と圧力の方針で臨んできました。圧力に関しましては、安保理決議等を通じて国際社会とも協力し、我が国独自の措置も行ってきました。そして、対話につきまして、昨年三月、一年四か月ぶりに対話を再開し、五月に日朝合意を行い、特別調査委員会での調査を立ち上げて七月から調査が開始されたと、こういうことであります。
 ただ、残念ながら特別調査委員会の調査につきましてはまだ通報が行われていません。日本側は、昨年五月の日朝合意、これ誠実に履行しております。北朝鮮がこの日朝合意に従って迅速に調査を行い、速やかにかつ正直に結果を日本に通報することが不可欠であると考えています。
 そうした中、御指摘のように、四月二日、現状では政府間対話ができなくなっている、こういった旨の通知を北朝鮮側が行ってきたわけであります。これは極めて遺憾なことであり、そして抗議をしたわけですが、この通知につきましては、この意図等について一々説明することは適切ではないとは思いますが、今回の北朝鮮側の発表は、外為法違反事案に関する捜査を含めた最近の一連の動きに対する北朝鮮側の立場を表明したものと理解しております。
 ただ、外為法違反事案につきましては、警察は法と証拠に基づいて進めていると認識をしておりますし、我が国は特別調査委員会での調査の結果を一日も早く通報するように強く求めていく、この方針は全く変わっていないと認識をしています。
○北村経夫君 一日も早く通報を求めていくというのは、それは当たり前なんですけれども、今回の事案を見ておりますと、この朝鮮総連の議長の息子、次男たちは経産大臣の承認を受けずに北朝鮮のマツタケ約一・八トンを中国経由で中国産として販売していたわけであります。この問題は、核実験に対する制裁として、平成十八年以降、北朝鮮からの輸入を禁じているわけでありますけれども、日本政府のこの経済制裁というものを骨抜きにする悪質な事件だというふうに私は思うわけであります。
 対話と圧力というふうに言われましたけれども、北朝鮮は圧力なくして動く国ではないわけでありまして、圧力があって初めて対話が生まれるのがこれまでの日朝でありました。拉致被害者の家族や世論もこの制裁強化を求める声が強くなっているというふうに私も感じているわけでありますけれども。
 私もこの制裁強化というのは必要だというふうに思っておりますが、制裁強化について外務大臣のお考えを伺いたいと思います。何が効果的と考えていらっしゃるか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の外為法違反事件につきましては、警察によって法と証拠に基づいて捜査が進められるものであると承知をしております。
 一方、北朝鮮に対する対応ですが、基本的には対話と圧力の方針の下に臨んでいく基本方針は変わりはありませんし、今現状において、この圧力については先日我が国の対北朝鮮措置の延長を決定したところでありますし、対話につきましては特別調査委員会の調査結果の通報を求めていく、こうした方針においては変わりはありません。
 現状においては、こうした方針は変わりないわけですが、北朝鮮から前向きな、そして具体的な対応を引き出すためにはどうあるべきなのか、こういった観点からの検討は続けていかなければならないと考えています。
○北村経夫君 最初の調査が始まって七月で一年を迎えるわけでありますけれども、その辺の検討をよろしくお願いしたいと思います。
 次に、平和安全法制についてお伺いいたします。
 私は、よくここまで来たなというふうに大変評価しているわけでありますけれども、一方で、一般の方も含めて大変分かりにくい法制だというふうに思っております。ここは、大きなところでいえば、今回の平和安全法制の整備において、その前提として日本への脅威が強まっているというふうに言われております。その辺の、日本への脅威がどれだけ高まっているのかが説明が足りないように思うわけであります。もう一つは、この法制が整備された結果、日本の安全はどのように高まっていくのかという、その辺の説明が足りない、理解がされていないのではないかと。この二つだというふうに思っているわけであります。
 最初に、その前提となる安全保障環境の変化なんですけれども、これまで政府は弾道ミサイルとか核開発、グローバルなパワーバランスの変化、あるいは宇宙、サイバーというのを挙げて説明しておられますけれども、その辺が分かりにくいというふうに思います。やはり我が国に迫っている脅威というものを具体的にもっと説明した方がいいというふうに思うわけでありますけれども、その中で唯一具体的に示しているのが北朝鮮の脅威であります。
 安倍総理も先週の五月十四日の記者会見でもその点について具体的に答えておられます。北朝鮮の数百発もの弾道ミサイルは、日本の大半を射程に入れ、ミサイルに搭載できる核兵器の開発も深刻さを増しているというふうに結構踏み込んだ答えを、記者会見で見解を示しておられるわけでありますけれども。
 そこで、防衛大臣にお伺いいたします。
 アメリカのNORADの司令官などは、北朝鮮は核兵器を短距離の対艦ミサイルに搭載し、アメリカ本土を狙って発射する能力は保持しているというのが我々の認識だというふうにも言っているわけであります。この北朝鮮の核開発、それの小型化、弾頭化というのは、アメリカのこのNORADの司令官に言わせればもう実現しているというふうに言っているわけでありますけれども、その辺、防衛省としてはどういうふうに見ておられるか、お伺いいたします。
○国務大臣(中谷元君) 北朝鮮の核兵器計画の現状につきましては、北朝鮮は極めて閉鎖的な体制を取っていることもありまして、小型化と弾頭化の段階まで達しているか否か、これを含めて断定的なことは申し上げられませんが、一般に核兵器の小型化、弾頭化には相当の技術力が必要とされるものの、北朝鮮が既に三回の核実験を実施をしたことなどを踏まえますと、北朝鮮が核兵器の小型化、弾頭化の実現に至っている可能性も排除できないと考えており、また北朝鮮が核兵器の計画を継続する姿勢を崩していないということを踏まえれば、時間の経過とともに我が国が射程内に入る核弾頭搭載弾道ミサイルが配備されるリスク、これが増大していくものと考えられます。
 防衛省といたしましては、こうした北朝鮮による核兵器開発の進行は、弾道ミサイル能力の増強や、また我が国に対するミサイル攻撃の示唆など挑発的な言動と相まって、我が国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威となっていると認識をいたしておりまして、引き続き、北朝鮮の動向に関して、米国を始めとする関係国と密接に連携をしつつ、重大な関心を持って情報の収集、分析に努めてまいっております。
 この意見交換の詳細につきましては、我が国及び関係国の情報収集・分析能力が明らかになりかねないためにお答えを差し控えますが、米国及び韓国は、核兵器の小型化、弾頭化が相当進んでいるものの、それが完成したと評価し得るような試験、実証活動は観測されていない旨、公的に説明をしておりまして、このような基本的な認識につきましては防衛省の評価とおおむね一致しているものと考えております。
○北村経夫君 ありがとうございました。
 次に、中国の問題ですけれども、北朝鮮については今申し上げたようにいろいろな指摘がされているわけでありますけれども、中国の脅威、軍事的脅威については触れられていないわけでありますね。安倍総理も触れておりません。
 しかし、急激なこの軍備拡張、東シナ海、南シナ海での無法な振る舞いというのは目に余るものがあるわけでありますけれども。そういうこと、実際に起きているわけでありますけれども、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増していると言うからには、この中国の脅威も要因の一つとして認識当然していると思いますけれども、まずその辺をちょっと確認いたします。
○国務大臣(中谷元君) 今般の平和安全法制の整備、これは特定の国や地域を念頭に置いたものではありません。その上で申し上げれば、中国の急速な台頭と様々な領域への積極的進出については、国家安全保障戦略にも記載をされておるとおり、我が国を取り巻く安全保障環境の変化の一つであると認識をしております。
 具体的には、国際的な規範を共有、遵守するとともに、地域やグローバルな課題に対して、より積極的かつ協調的な役割を果たすことが期待されている一方で、継続する高い国防費の伸びを背景に、十分な透明性を欠いた中で、軍事力を広範かつ急速に強化をし、加えて、東シナ海、南シナ海等の海空域において、既存の国際法秩序とは相入れない独自の主張に基づき、力による現状変更の試みと見られる対応をしており、とりわけ、我が国の尖閣諸島付近の領海侵入及び領空侵犯を始めとする我が国周辺海空域における活動を急速に拡大、活発化させるとともに、東シナ海において独自の防空識別区を設定し、公海上空の飛行の自由を妨げるような動きを見せております。
 こうした中国の対外姿勢、軍事的動向等は、その軍事や安全保障政策に関する透明性の不足と相まって、我が国を含む国際社会の懸念事項となっております。
○北村経夫君 いろいろ今挙げていただきましたけれども、最近の報道によりますと、カナダの中国語の軍事専門誌がこう報道しております。中国についてですけれども、超音速大型爆撃機を開発する方針を決めたと。これによって、第一列島線を突破し、第二列島線、つまり小笠原からグアムを結ぶ線でありますけれども、この第二列島線まで作戦行動範囲を拡大していく、そういう狙いがあるんだろうというふうな報道もあります。
 そして、これは防衛省からいただいた資料でありますけれども、アメリカの国防省、中国の軍事及び安全保障の進展に関する年次報告というのがあります。その中で、初めて触れられた点いろいろあるわけでありますけれども、一つは、領土問題の全般について、東・南シナ海における自国利益増進のため地域における緊張を高めてもよいとの意図を示しているという指摘もある。もう一つ注目すべき点は、核・ミサイル戦力についてでありますけれども、新型弾道ミサイル、DF16の配備によって通常弾道ミサイル戦力の攻撃力を強化している、これで台湾や日本を含む他の地域を射程に収めることができるようになったというふうに指摘しているわけであります。
 そのように、格段と中国の脅威というのは高まっているのは間違いないというふうに思っております。後ほどまた指摘させていただきますけれども。
 次に、抑止力はいかにこの法整備によって高まるか、その点について伺います。
 これまで日米安保条約があるといっても、アメリカの国力というものは相対的に低下している、その中で中国が台頭している、その中国を相手として、尖閣諸島をめぐる問題でアメリカがどこまで日本を助けてくれるのか、その辺が不透明だと言われて懸念されていたわけでありますけれども。
 その中で、今回の平和安全法制、そして日米の新ガイドラインによって、日本が様々な形で地域あるいはグローバルな平和と安全のため協力を積極的に行う。そして、集団的自衛権の行使でアメリカを助けることができるようになるということは、結果的にアメリカの負担を軽減させる。そして、日本に対する信頼も高まる。その結果、尖閣を含む島嶼防衛に対するアメリカのコミットメントが確たるものとなるという、そういう効果がある。そういう意味で、我が国の抑止力が高まるだろうというふうに思うわけでありますけれども。
 今回の平和安全法制の整備、日米ガイドラインの改定、こうした観点から対中ヘッジの意味合いもあることをある程度はもっと、先ほど説明されましたけれども、この安保法制の中で説明されてもいいのではないかというふうに思うわけであります。そうでないと、平和安全法制を整備することの必要性について国民が納得するのはなかなか難しいのではないかというふうに感じておりますが、その点、いかがでございましょうか。
○国務大臣(中谷元君) 委員の方からA2ADや中国戦略の話もありましたが、今般の平和安全法制の整備、また新ガイドライン、これの整備は特定の国又は地域を念頭に置いたものではありませんが、その上で、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増している中で我が国の安全を確保していくには、日米同盟を強化するとともに、地域や世界のパートナーとの信頼関係及び協力関係を深め、その上であらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする法整備を行うことが必要なのであります。これによりまして、紛争を未然に防ぐ力、つまり抑止力を高めることができるわけであります。
 法の不備によって国民の命と平和な暮らしを守ることができないなどということは決してあってはなりません。そのためにも、一日も早い平和安全法制の整備が不可欠であると考えております。
○北村経夫君 概念的なことはそういう説明になるんだと思いますけれども、なかなか一般の方にはなじまないのではないかというふうに私は思うわけであります。
 安倍政権は、一昨年十二月ですか、国家安全保障戦略、そして防衛大綱を定めたわけであります。その中では、中国について、懸念事項あるいは強く懸念しているというふうに記されているわけであります。すなわち、脅威とは言わなくても、懸念事項であることは既に認めているわけでありますね。
 そういうことを踏まえて、今回の平和安全法制の整備というものは、まず国家安全保障戦略、そして防衛大綱で我が国の安全保障や防衛政策という大きなグランドデザインを示して、今回の日米同盟のガイドラインの見直しを改めて定めた上で、それらを実効性あるものにしていくのが今回の安保法制だろうというふうに思うわけであります。
 今回の法整備の前提となる安全保障環境の変化、先ほど申しましたように、政府としては、ミサイル、大量破壊兵器、テロというような説明しているわけでありますけれども、繰り返して申し上げますけれども、それだけでは分かりにくい、一般の国民には説明なかなか足りないのではないかと思うわけであります。
 国家安全保障戦略、防衛大綱で示しているように、中国の台頭、軍備の拡張、東シナ海、南シナ海での国際法を無視した行動、そういうことを踏まえて、我が国にとって安全保障環境の変化というのは、これが一番大きい変化だろうというふうに思うわけであります。この懸念事項となっていることをもっと強調すべきだと私は思うわけであります。
 その上で、中国に対して、法制面も含め、我が国の防衛体制がしっかりと整備され、日米同盟も強固なものとなっている姿を見せることで、この中国の冒険主義的な行動、これを抑制させる。すなわち、我が国の抑止力が高まっていく、そして国民の生命と平和な暮らしを守ることにつながっていくわけでありまして、そういった脈絡でもっと踏み込んで私は説明をされた方がいいというふうに思っております。その意見を申し上げて、またもう一つ質問をさせていただきます。
 さきの日米ガイドラインの改定では、平時から有事に至る全ての段階に対応できるように、自衛隊とアメリカ軍との間で同盟調整メカニズムを設置する、そして共同計画の策定、更新を行うことが定められたわけでありますけれども、我が国にとって日米同盟というのは基軸であることは間違いないわけでありますが、これからのことを考えると、オーストラリアとの関係も非常に重要になってくるわけであります。
 安全保障面での豪州軍との関係強化すべきだというふうに思っておりますけれども、この新ガイドラインの脈絡の中で、その延長でオーストラリアとの防衛協力も含めてどういう関係強化をしていこうとしていかれているのか、お伺いいたします。
○政府参考人(黒江哲郎君) 新しいガイドラインにおきましては、地域、さらに他のパートナー並びに国際機関との協力を強調するという、そういう原則を示した上で、具体的に、日本の平和及び安全の切れ目のない確保、あるいは地域の及びグローバルな平和と安全のための協力ということのために、日米両政府共にパートナーと協力するという方針を明記をしたところでございます。また、防衛装備・技術協力あるいはその情報共有といったところに関しましても、パートナーとの協力の機会を探求するという、そういう一般論を示したわけでございます。
 具体的な、どの国がパートナーになるのかといいますのは、日米協力の内容に応じて変わってくるというものではございますけれども、その上で申し上げますと、先般の日米の2プラス2の共同発表の中では、具体的にオーストラリアあるいはASEANの諸国といったところを具体的な国名として挙げておるわけでございます。
 そういう意味で、我々といたしましても、様々な分野、例えば東南アジアにおける能力構築のための活動といった分野も含みまして、今後、豪州とのより緊密な協力を追求するということを大変重要な課題であるというふうに認識をしておるということでございます。
○北村経夫君 時間も残り少なくなってまいりましたが、通告はしていないんですけれども、昨日、オーストラリアと潜水艦の共同開発、生産の実現可能性の調査のための技術情報の移転について発表がございました。その点について、簡単で結構でございますので、説明をお願いいたします。
○国務大臣(中谷元君) 昨日、NSCが開催されまして、オーストラリアの将来潜水艦のプログラムの協力に関する審議を行いました。
 本件につきましては、先般、オーストラリア政府から、同国の将来潜水艦を日本と共同して設計、建造することが可能か検討したいので、日本にオーストラリアの将来潜水艦の選定に向けた手続に参加してほしいと要請がありました。
 これを踏まえまして、今般のNSCで、日豪の防衛協力の重要性に鑑みて、オーストラリアの将来潜水艦のプログラムに関して我が国として具体的にいかなる協力が可能か詳細に検討することが必要であるとの認識で一致をし、このため、オーストラリア政府と協議を開始することといたしました。また、十分な検討を行うためには一定の技術をオーストラリア側へ移転することが必要になることから、この点についても審議を行いまして、本件検討に必要な範囲での移転は防衛装備移転三原則に合致するものであるということを確認をしたわけでございます。
○北村経夫君 ありがとうございました。終わります。
○福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の福山でございます。よろしくお願い申し上げます。
 今日は一般質疑ですので、いろんな問題についてお伺いをしたいと思います。
 先ほど北村委員からお話がありましたように、安全保障法制が閣議決定されましたが、与党の委員がおっしゃったように、分かりにくいということでございまして、ある世論調査では、安全保障法制を閣議決定した後、安倍内閣の支持率は少し減っているというか、下降しているということもあって、これはもうよりしっかりと国民に説明をしていただきたいと思いますし、与党の先生が分かりにくい分かりにくいとおっしゃっているわけですから、国民はもっと分かりにくいに決まっているわけで、何倍もしっかり説明をしていただきたいと。まだ参議院では審議が始まっているわけではありませんが、是非よろしくお願いしたいと思います。
 いろんなことが起こっています。イラクやシリアではISILとイラク軍との間での非常に厳しい激突というかが起こっているし、それぞれの拠点での主導権の握り合い、主導権の取り合いも行われているみたいで、いろんなことをお伺いをしたいと思いますが、残念ながら、まずこのことをお伺いしたいと思います。
 オスプレイの着陸失敗が十七日、ハワイ・オアフ島で事故が起こりました。一人が死亡、二十一人が負傷したということです。十二日に横田基地への配備を発表したばかりでございますから、防衛大臣としても非常に困惑をされているというふうに思います。周辺自治体もかなり動揺が広がっているようですし、沖縄も翁長知事は早速コメントを発表されました。
 現状について米側とどの程度の情報共有をし、どの程度の説明の御用意があるのか、まず防衛大臣、お答えをいただけますでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 政府といたしましては、私も昨日、アンジェレラ在日米軍司令官に対して、着陸失敗の原因等の関連情報を速やかに提供するとともに、普天間飛行場所属のMV22のオスプレイについて引き続き安全面への最大の配慮を申し入れたところであります。これに対して米側から、本件については迅速かつ透明性を持って対応したいという返答がございました。
 そして、引き続き米側におきましての情報提供を求めておりますけれども、現時点におきまして、米国政府から、現在、本事案の調査を行っているところでありますが、MV22オスプレイの設計に根本的欠陥があると疑う理由はなく、また、これまでにMV22オスプレイの通常運用を停止させるべき理由は発見されていないとの説明を受けております。同時に、米政府は、MV22の運用の安全性を確認しており、引き続き最大限の考慮を払って運用するといたしております。
 このMV22オスプレイを含む米軍機の運用に当たりましては、安全面に最大限の考慮を払って活動すべきものであるということは言うまでもなく、引き続き米側に対して適切な対応をしっかり求めるとともに、今回の事案につきましても、得られた情報を基に地元に説明をしてまいりますと同時に、情報提供を求めていきたいと思っております。
○福山哲郎君 今防衛大臣が言われた、米政府が言っている構造的には問題はないということは、今回の事故の原因究明とはまた別の話ですよね。つまり、原因究明とか情報提供は新たにこれからあるという判断でよろしいんですよね、防衛大臣。
○政府参考人(黒江哲郎君) 今の先生の御質問でございますけれども、先ほど大臣から御紹介しました米側の、何といいますか、答えといいますのは、あくまで現時点での向こうが把握しておる内容ということでございます。
 したがいまして、今後、米側におきまして事故原因の究明といったものが進んでいけば、また新たな情報提供というのは我々に対してあるのであろうということを我々としても期待をしておるというところでございます。
○福山哲郎君 いつまでとかという話は、米側と今されているんでしょうか。
○政府参考人(黒江哲郎君) 現時点におきましては、明確な期限でありますとか、そういったものというのが米側から示されておるわけではございません。
 当然のことながら、日本側からは、分かり次第速やかに我が方に情報提供してほしいということを申し入れておると、そういうことでございます。
○福山哲郎君 一般的に考えれば、ハワイの事故について、米側としても何らかの原因究明を国内としてやるはずです。そのことに対してはしっかりと同様に日本にも伝えていただいて、そのことを速やかに周辺自治体の住民ないし首長に説明しないとそこはいけないので、それは、米側がそれぞれの国内でやっていることに対して、ちゃんと並行して日本側にも情報提供していただけるようにということを強く求めたいというふうに思います。
 私は不公平な議論をしたくないのであえて申し上げますが、我々の政権のときに岩国にオスプレイが陸揚げをされるような場面がありましたので、我々も実はこのことについては責任の一端を担っております。だからこそ、周辺自治体の皆さんの不安を払拭するべくアメリカ側にきちっと伝えていただきたいと思いますし、今申し上げたように、いつかは分からないけどといったって、アメリカだって国内に対してちゃんと説明するに決まっているわけですから、そこの時期に対してきちっと遅滞なくやれるようにお伝えをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 昨日も、在日米軍司令部にもまた在京の大使館にも、これに関する情報提供を求めておりますので、しっかりと日本政府としても情報の収集に努めまして対応してまいりたいと思っております。
○福山哲郎君 よろしくお願いしたいと思います。
 続いて、安倍総理の安全保障法制の記者会見の件についてお伺いをします。中身ではないんですけど、安全保障法制の。
 記者の方が自衛隊の皆さんのリスクが高まるのではないかという趣旨の質問に対して、今までも自衛隊の皆さんは危険な任務を担ってきているのです、まるで自衛隊員の方々が、今まで殉職した方がおられないかのような思いを持っておられる方がいらっしゃるかもしれませんが、自衛隊発足以来、今までにも千八百名の自衛隊員の方々が様々な任務等で殉職されておられます、私も総理として慰霊祭に出席をし、御遺族の皆様ともお目にかかっておりますと。
 千八百人殉職をされているというか、亡くなられていることが、何か、さも当たり前のような状況で、自衛隊の皆さんは危険な任務を担っているからそれでいいんだというふうに取られかねない発言をされています。私は、若干これは耳を疑いました。
 確かに、不幸にして公務に起因をして死亡した自衛隊員の方は千八百七十四名おられます。この原因についてお答えいただいてもいいですか。
○国務大臣(中谷元君) 公務に起因した災害のうち、その他の原因としたものには、職務に起因した血管疾患を発症した者、また演習や体育訓練中に疾病を発症した者、艦船航行中に行方不明となった者及び職場のアスベストによる肺がん等を発症した者等があります。
 その他、トータルで申し上げますと、平成二十六年度末までに不幸にして公務に起因した災害により死亡した自衛隊員は千八百七十四人でありまして、その原因は、車両事故三百五十三人、航空機事故五百八十六人、演習中の事故三百九十四人、艦船事故四十一人、その他五百人ということでございます。
○福山哲郎君 大臣には御丁寧にお答えいただいて、ありがとうございます。
 私も、実は、殉職自衛官の慰霊祭にはできる限り出席を毎年地元でさせていただいております。ただ、戦地に赴いて戦闘行為で亡くなっておられるわけではありません。今回、この安全保障法制はいわゆる戦争に参加をすることです。また、後方支援も現に戦闘地域ではない現場ということで、これまでの非戦闘地域の概念よりかはずっと危険、リスクは高まります。このことを総理に幾ら国会で質問しても、お認めをいただけません。
 リスクが高まることは、私は自明だと思っておりますが、そのことをお認めにならない上に、千八百名亡くなっているんだから、さも自衛隊員の皆さんはより危険な任務でもいいんだというように取られかねない発言をされたことは、自衛隊員の皆さんが、御家族もいらっしゃる、そして日々我が国の安全と平和のために御精励をいただいていることからも含めて、私は少し看過できない発言だと思っております。
 防衛大臣は、まさに防衛省を束ねておられるわけですから、このことについてどういう感じを持たれたか、お答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 私も、佐藤委員も宇都委員もそうですが、自衛隊に勤務しまして自衛隊員と接しているわけでございますが、やはり自衛隊というのは、有事はもとより、災害派遣にしてもPKOにしても、自衛隊の任務はこれまでも命懸けで、これ以上ないリスクを負って勤務をしているということでございます。訓練とか事故などで殉職をされても、それは有事の備えも含めて国民の命と平和な暮らしを守るという任務の遂行の一環で尊い命を落とされたわけでございまして、非常に厳しい任務を負っているんだと。そして、自衛隊は、自ら志願をし、そして危険を顧みず職務を完遂することを宣言をしたプロフェッショナルとして高度の専門知識を養い、日々厳しい訓練を行うなど危険な任務遂行のリスクを可能な限り軽減をしてまいりました。
 この隊員の安全確保等につきましては、今回、平和安全法制を制定をしたいと考えておりますが、これによって与えられる任務においては変わりがないということでございます。
○福山哲郎君 防衛大臣とここで水掛け論をするつもりはありませんが、リスクについて変わりがないと言われた根拠は何ですか。
○国務大臣(中谷元君) 現在においても、我が国の有事を含めて自衛隊の使命を完遂するためにリスクを負って訓練をしてきているということでございます。
○福山哲郎君 それは分かっております。私は、自衛隊員の皆さんがこれまでもリスクを背負っていただいているというのは、先ほど冒頭私自身も申し上げたとおりでございます。
 しかし、今回の安全保障法制で、例えばで言えば、その話は、特別委員会がどうなるかは別にして、衆議院でも動いてくると思いますから議論があると思いますけれども、例えばPKOで今回治安維持ができるようになりました。恒常的な治安維持は間違いなくリスクが高まります。
 そういった状況を何かリスクは変わらないと口だけで言って、自衛隊員の皆さんを本当にそういった場所に派遣をするということについても含めて、こういう表現は私は非常に誤解を与えると思いますし、それから、千八百名もの自衛官の方々が亡くなっておられるんだから、何か殉職を一人もいなかったみたいに言うけど、千八百人もう亡くなっているんだから危険は多少増えてもいいんだみたいに聞こえる表現の仕方というのも、私、大変な問題だと思いますよ。こういう不遜極まりない言葉の使い方は、本当に私は聞いていてもう残念を通り越します。
 大臣は自衛隊員の皆さんの指揮官ですから、総理は最高指揮官ですけれども、やっぱりそこのところについての配慮を私はお願いしたいと思いますし、そこについて素直に政治がリスクを認めて、自衛隊員の皆さんに厳しい状況だけれども任務を頼むと言わなければ、そこをリスクはありませんとか言いながら任務をしてくださいというのは、僕はある意味で政治家の怠慢だと思いますよ。国民に対する説明責任も欠けていると思いますよ。そこのところについては、非常に私はちょっと嫌な感じがします、こういう不誠実な言い方は。特に、総理がこういった言い方をすることについては、本当に私は嫌な感じがします。
 防衛大臣はそこのことを分かった上で今おっしゃられたような答弁をされたのは職責上、立場上仕方がないかもしれませんが、しかし、大臣には是非政治家としてのお言葉をいただきたいと思いますので、もう一回御答弁をいただけませんか。
○国務大臣(中谷元君) 自衛隊の任務というのは命懸けでありまして、これまでもそうですけれども、非常に高いリスクを負っていろんな任務をしてきたと。歴代の防衛大臣もその職にあられましたけれども、災害派遣にしてもPKOにしても、与えられた任務についてリスクを覚悟で遂行してきたということでございます。
 訓練とか事故で殉職をされた方もありますが、これはやはり有事の備えも含めた国民の命や幸せな暮らしを守るというこの任務遂行の一環で尊い命を落とされたわけでございまして、非常に隊員の安全に対する配慮も全力でやってこられましたので、PKO、戦闘行為で自衛隊員が死亡したというのはなかったわけでございますが、今回の法律におきましても、リスクを軽減させるという措置につきましては、安全配慮規定を設けるとか、また任務の拡大に際しては併せて任務に応じた武器使用等の権限も付与いたしておりますし、やはり隊員に活動させる以上はこういった安全配慮規定、こういったことも当然必要な中で、与えられた任務が遂行できるようにいたしておりまして、やはり、国としての事業をしていただくという面におきましてはしっかりとした体制に基づいた運用に努めてまいりますけれども、リスクの面におきましては今までも十分リスクを覚悟に任務を遂行してきたということは申し上げておきたいと思います。
○福山哲郎君 防衛大臣は非常にうまく言葉を使われました。リスクを負う覚悟は私たちも理解をしております。訓練、事故で有事の備え、それもそのとおりです。有事の備えなんです。リスクを負う覚悟はされているんです。今回は違うんです。リスクが高まるんです。有事の備えではありません。
 状況によっては、これまでの非戦闘地域とは違って、法制局長官がいつも言われています、近接性だけで武力行使の一体化の議論をしているということは、近いか近くないかということに関して言うと、相当今までよりも戦闘地域に近いところで実は後方支援活動も行われる可能性もある。先ほど申し上げたPKOにしたって、常時治安維持ができるというのは、これは本当にリスクが高まるに決まっているわけです。
 それは、リスクは覚悟されているかもしれませんが、リスクは高まるということについて、千八百人もう亡くなっているんだから、そんなのは、何か危険な状況で勤務をするのは、任務をするのはさも当たり前だみたいな議論は、少しそこは控えていただきたいと申し上げているんです。そこの覚悟を示していただかないと、私は本当にこの議論、国民に誤解を与えると思いますし、こういった発言があるからこそ、記者会見をした直後でも私は支持率が下がるんだと思います。
 中谷大臣、中谷大臣は現場も分かっておられるので、逆に言うと非常に厳しい立場だと思いますが、もう一回御答弁いただければ有り難いと思いますし、少し自らの言葉で語っていただければ有り難いと思います。それをつかまえて安倍総理に向かって、中谷防衛大臣がこんなことを言っていたみたいな、そんなくだらない議論をする気はありませんので、防衛大臣、よろしくお願いします。
○国務大臣(中谷元君) 現在もPKOや災害派遣に自衛隊を派遣をいたしておりますが、私は、命令を発する場合には、隊員の安全、そして任務遂行をお願いをする立場から、今でもこういった隊員の安全については、全員無事で帰ってこいということも併せて言っております。
 そして、今現在も、災害派遣とかまたPKOについては相当高い危険、リスクを前提にいろんな訓練や準備をし、また送り出す側としても対応を検討して派遣をいたしておりますので、こういったリスク等の意識につきましては、私は、今も相当高い覚悟を持って隊員も準備をしているし、また、実際派遣する場合には希望を募って本人の意思も確認した上で派遣をいたしております。
 このように、今でもこの任務遂行のために相当高い意識を持って自衛隊というのは運営をされておりまして、今後、法律、これから御審議をいただきますけれども、この法の整備の結果、新たに任務についてもリスクの可能な限りの軽減を図りつつ、安全かつ効果的に遂行できるように努めてまいりたいと思いますので、是非法案の審議の際もこの点を踏まえてお願いをいたしたいと思います。
 申し上げたいのは、今でも自衛隊員というのは命懸けでこの与えられた任務を遂行できるように、そのための意識を持って訓練をしている、そういう気概を持っているということでございます。
○福山哲郎君 中谷大臣、私は、自衛隊員が高い意識を持っていないと、さっきからの私の質疑の中で一言も申し上げたことはありません。逆に、自衛隊員は命令が下されればやりますという姿勢で常にいるからこそ、政治の側がそのことをもって、リスクがあるのかどうか、そのリスクに対してどう向き合うのか、それに対してどう国民に説明するのかが大切ではないですかと申し上げているわけです。自衛隊が高い意識を持っているというのは、私もそこは理解をしています。
 防衛大臣が言われたように、災害のときだって覚悟は要ります。隣に北澤防衛大臣いらっしゃいますが、あの原発事故のときに、一Fの上からヘリで注水するのは、私も、官邸で防衛大臣が最終決断をされた場面に私はおりました、それは本当に、どれだけ放射能がその当時まだ出ているかも分からない状況で、上空から放水をしていただくことがどれほどのリスクか、本当に厳しい決断だったと思います。また、隊員の皆さんも御家族も相当の覚悟だったと思います。
 そこを、私も少なからずそういう現場にいさせていただいたからこそ、逆に、今回の安全保障法制で間違いなくリスクが高まるのに、千八百人も亡くなっているんだと、何か危険な業務をしても当たり前だみたいな議論は、逆に、大臣、私が申し上げているのは、自衛隊員が高い意識を持ってやっていただけるからこそ、政治の側が謙虚に、更にしっかりと説明をしなければいけないんじゃないかと申し上げているんです。
 私は、自衛隊員が高い意識を持っていないなどとは一言も先ほどから申し上げておりません。だからこそだと申し上げているんですけど、なかなか大臣には私の思いが伝わらなかったようなので残念に思いますが、こういった発言は是非総理に大臣から注意を促していただきたいというふうに思います。
 次に行きます。
 これも報道しか分かりませんが、今月行われる予定だった北方領土のビザなし交流が、いや、自由訪問がロシア側の都合で中止になりました。今年の九月には、北方領土を含む千島列島で大規模な対日戦勝記念式典が予定をされています。
 総理のアメリカ訪問は成果があった、上下院での合同の演説も良かった、アメリカ側の評価も高かった、総理の本会議の御報告もありましたけれども、一般的にはそういう評価だと思います。私もこの間申し上げましたが、総理の訪米で、日本の総理大臣がアメリカの議会で演説をされてアメリカから高い評価を受けたことについては多とします、そうこの間も申し上げたとおりです。
 しかしながら、報道を見ると、その場の日米首脳会談で、総理はロシアのプーチン大統領の年内訪日に向けた調整を進める考えをオバマ大統領に伝えていたと、それに対して、アメリカ側も若干のウクライナ問題に対して懸念の表明があったというようなやり取りがあったと報道に出ています。それも、今になって報道が出だしました。
 しかしながら、外務省の日米首脳会談の概要ペーパーにはそのことは一切記載がありません。なぜ記載をされないのか。外務大臣は首脳会談に同席されていると思われますが、そういったやり取りがあったのかどうか。外交関係のやり取りですから、一定相手があるので答えられないということを言われるのは私は想定内ですが、しかし報道出ていますので、なぜこのことを記載しなかったのかも含めてお答えください。
○国務大臣(岸田文雄君) 先月の日米首脳会談におきましては、安倍総理から、ウクライナあるいはロシアに関わるやり取りとしまして、G7の連帯を重視しつつ、ウクライナ問題の平和的そして外交的解決に向けてロシアに対する働きかけ等、適切に対応していく、こうした発言をした次第であります。そして、両首脳としましては引き続きウクライナ自身の改革努力についても支援していく、こういったことで一致した、こういったやり取りが行われました。
 そして、この御指摘の点について、詳細について、なぜ載せなかったか等も含めて申し上げることが先方とのやり取りを明らかにすることにつながってしまいますので、これは御理解いただきたいと存じます。
 これは、詳細は控えなければならないと思いますが、いずれにしましても、プーチン大統領の訪日、さらには日本の外務大臣の訪ロの日程につきましては、今後、この準備状況を勘案し、そして様々な要素を総合的に考慮して検討していく、これが我が国の方針であります。
○福山哲郎君 プーチン大統領の年内の訪日について、日本側としては進める進めない、アメリカ側からの懸念表明等については、じゃ、あったのかなかったのか。今そこは余りはっきりと外務大臣お答えなかったんですが、お答えできない場合はできないで結構ですが、やり取りがあったのかどうかについてお答えいただけますか。
○国務大臣(岸田文雄君) ウクライナあるいはロシアに関してやり取りがあったことについては今申し上げたとおりであります。しかし、それ以上の詳細については控えなければならないと考えます。
○福山哲郎君 それでは、なぜ首脳会談のこういったやり取りが報道に漏れたんでしょうか。これはアメリカ側からですか、日本側から出たリークですか、どちらですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の報道につきましては、私も報道を見ましたし、承知をしております。ただ、その報道に、記事に至った経緯につきましては、私自身、十二分に承知はしておりません。
○福山哲郎君 まあそういうお答えで仕方がないと思いますけれども、しかし、これ報道が漏れたのは僕は問題だと思いますよ、やっぱり。どちらから漏れたのかよく分かりませんが。
 それから、昨日、日ロの外務次官級協議が行われたと聞いていますが、これ、この日ロ外務次官級協議について事前に米国側から懸念が伝えられた事実はありますか。これは日米首脳会談とは全く別です。この日ロ外務次官級協議について事前に米国側から懸念が伝えられたという事実はあるのかという質問です。
○国務大臣(岸田文雄君) 五月十八日に、モスクワにおきまして長嶺外務審議官とリハチョフ・ロシア経済発展第一次官との間で日ロ政府間委員会貿易投資分科会議長間会合、これが行われました。その中で、最近の日ロ間の貿易、経済関係に関する評価の共有ですとか協力の意義、あるいは既存の協力案件の状況や見通し等について意見交換を行った次第であります。
 日米間におきましては、絶えず様々な課題につき情報交換を行い、意見交換を行っております。こうした会議を開催することにつきましては、当然米国側にしっかり伝えております。
○福山哲郎君 あえて御質問をお答えいただいていないんですけど、米国側からこの会議について懸念を伝えられたという事実はあるのかどうか、答えられない場合は答えられないとおっしゃっていただいて結構です。どうぞ。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のこの会合につきましても日米間で情報を共有し、そして意見交換を行った、これは当然のことであり、事実ございました。しかし、その意見交換の中身について、詳細について申し上げるのは控えます。
○福山哲郎君 外交ですから、いろんな相対的に各国の状況があります。一直線にあれがいい、これが悪いとなかなか言いにくいことだと思いますが、ウクライナの問題については、アメリカを中心としてG7のそれぞれ、ロシア以外が非常に懸念をしておりますし、ヨーロッパも非常にまだ動いている事象としてやっています。日本はもちろん北方領土問題がありますから、ロシアとの一定の対話を続けなければならないというのもよくよく分かりますが、ここのバランスの中で、アメリカ側から報道によればかなり懸念が伝えられているのに、そこは一切、日米首脳会談の報告にもないし、そういったことのやり取りがあったことについて政府側から説明がないというのは、私は、まあ理解はしますが、なかなかそれは、いいことしか発表していないなというふうに思います。
 岸田大臣のロシアの訪問の予定というのは今どのような感じで準備が進んでいるのか、大臣、お答えいただけますか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、外務大臣の訪ロについての御質問ではありますが、そもそも昨年、北京での日ロ首脳会談が行われ、その際にプーチン大統領の訪日について本年の適切な時期に実現するため準備を開始する、こういったことについて一致をしております。そして、その前段階として日本の外務大臣の訪ロについて検討をしていくことになっているわけですが、外務大臣の訪ロの日程につきましては、プーチン大統領の訪日を本年の適切な時期に実現することを目指す中で、準備状況を勘案し、そして種々の要素を総合的に考慮して検討していかなければなりません。
 現時点におきましては、具体的な日程等、何も決まってはおりません。
○福山哲郎君 ウクライナの問題について、プーチン大統領の訪日若しくは岸田外務大臣の訪ロが実現をするということは、ウクライナ問題に対して一定日本は理解を示したということを国際社会にメッセージとして与えることになります。恐らくそこの兼ね合いをどうするかが多分非常に大きな外交的な判断だと思います。ですから、アメリカ側からも懸念が伝えられているし、そのときの日本の対応次第によってはやはりウクライナの問題に対して誤解を与える可能性があると。
 ウクライナの動きというのは、南沙や東シナ海で今中国が現状変更をしているという動きと、私は軌を一にしているとは申し上げません、そこまで何でもかんでも一緒にするような雑駁な議論はしたくありませんが、非常にセンシティブな問題が絡んできます。そういったことも含めて、北方領土問題を抱えている日本として厳しい状況ですが、全体の国際政治、国際社会の中、若しくは尖閣、南シナの問題が今大変な課題になっている中で、この岸田大臣の訪ロ、それからプーチン大統領の訪日というのは非常に神経質な問題であり、一つ判断を間違えるとこれは将来的にもいろんな禍根を残す可能性があるということは事前に指摘をしておきたいというふうに思います。
 そういったことも含めて慎重な対応をお願いしたいと思いますし、今の安倍政権は何でもかんでもどちらかというと行け行けどんどんでございますので、そのことについて私としてはこの場で指摘をしておきたいと思いますが、外務大臣、何かあればお答えいただいて、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、ウクライナ情勢につきましては、法の支配を重視する日本として、ウクライナの主権あるいは領土の一体性を侵害するようなことについては看過できないという原則的な立場に立って対応してきております。
 この問題につきましては、外交的な努力によって平和的に解決するべきであるということで関係者に対して働きかけを行っておりますし、引き続きG7の連携は重視するということは再三強調しておりますし、そしてウクライナ自身の改革につきましても関係国と協力をしていく、これが我が国の立場であります。
 そして一方、ロシアとの政治的な対話につきましては、欧米諸国も含めて重要性の認識が共有されていると思っています。我が国は、日ロ関係については我が国の国益に資するよう進めていかなければならないと思いますし、いずれにしましても、政治的な対話は引き続き大事にしていかなければならないと考えます。
○福山哲郎君 終わります。
○小西洋之君 民主党・新緑風会の小西洋之でございます。
 一般質疑ということで、私の方は、安保法制が国会に提出をされ、それ以前に、国民の憲法を安倍政権が、安倍内閣がじゅうりんしたということでございますので、解釈改憲とこの安保法制の問題について追及をさせていただきます。
 冒頭、今朝の朝日新聞にございまして、ちょっと資料の中に組み込めなかったんですけれども、元内閣法制局長官宮崎礼壹さんという方のインタビューが載っております。
 この法制局宮崎元長官ですね、二〇〇六年から二〇一〇年まで、安倍内閣から鳩山内閣まで内閣法制局長官を務めたと書かれていますけれども、横畠長官に伺います。宮崎長官が法制局長官であられたときに横畠長官は恐らく法制局の第一部長であられたと思うんですけれども、第一部長として宮崎長官にお仕えしたということで間違いないでしょうか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 多分、二部長であったかと思います。
○小西洋之君 では、その次の山本長官の下で第一部長をやられていたんでしょうか。いずれにいたしましても、横畠長官が元上司として仕えた方のコメントでございます。
 法案に憲法違反の集団的自衛権行使が明示されているのは重大な問題だ。憲法違反の集団的自衛権行使というふうに言い切られております。政府が一貫して説いてきた集団的自衛権行使は、他国防衛を本質とするものであって、現憲法九条の下では認められないという解釈を根底から覆し、九条の規範性をなくす。米国の要請さえあれば際限のない海外での武力行使に道が開かれてしまう。そして、武力行使の新三要件は、この要件がほとんど歯止めになっていないことは明白だ、このようにおっしゃられているところでございます。そして一番最後に、このような法案を大幅に会期延長を強行して成立させようというのは、国会審議として異常と言うしかない、国民の覚悟と性根が問われているというふうにおっしゃっているところでございます。
 横畠長官、元上司として仕えられた長官が、あなたが行っている、お認めになっている昭和四十七年見解の読み直し、あれに基づく集団的自衛権の行使容認というのは憲法違反であるとおっしゃられていますけれども、この宮崎元長官とは異なる見解をお持ちだということでよろしいですか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 御指摘のとおりでございます。
○小西洋之君 宮崎長官以外にも、かつての元長官の方々が世の中でいろいろ法律家の良心、またそれ以前としてのまさに内閣法制局長官、法の番人としての良心を持って発言をされております。そうした声が横畠長官、かつて横畠長官がそうであられたように、長官の今は部下である法制局の職員の方々は元長官の法制官僚としての矜持の発言に恐らく胸を打たれていると思います。部下の方々に自分の職場、自分の職責に対して誇りを失わせることなく、また、法制局、私の知る限り法制局の官僚の皆さんはある意味国士集団でございますので、あらゆる政治的な圧力、そうしたものをはね飛ばして客観的な法の解釈を守るというのが法制局の官僚のあるべき姿ということを、私、かつて霞が関の官僚として教えをいただきました。そうした姿に長官も戻っていただけるようにお願いをさせていただきます。
 ただ、これはお願いではなく、お願いと申しましたけど、そうしなければ長官の手によって憲法違反の戦争で自衛隊員が死に、日本国民が憲法違反の戦争で死んでいくことになるわけでございます。あなたは、繰り返しますけれども、国会が定めた内閣法制局設置法という法律に基づいて、政府の中の法の支配を守るために、年収三千万円以上のお給料をいただきながら勤務をなさっているわけでございます。あなたを任命した安倍内閣の、今霞が関でそのように呼ばれているそうですけれども、安倍総理の顧問弁護士として働くのがあなたの職責ではない。国会が定めた法律の使命に基づいて働くのがあなたの職責であるということを申し上げさせていただきます。
 では、質問に入らせていただきたいと思います。
 先ほど、福山先生の質疑の中で中谷防衛大臣が、これ、安倍総理と同じ見解をおっしゃっていて、尊敬する中谷大臣がそのようなことをおっしゃるのは私は本当に悲しい思いなんでございますけれども、自衛隊員は命懸けで日々そうした職務に従事しているので、新しい安保法制の下で集団的自衛権の行使を含め、そうした戦闘行為あるいは危険な任務に当たることも当然のことであるというようなことをおっしゃっていたと思いますけれども、今お配りしている資料の、いつものこのカラーの資料とはまた別の、専守防衛について書いた資料がございますけれども、それの一番最後のページを御覧いただけますでしょうか。一番最後でございます。自衛隊員の服務の宣誓、これも何度も何度も委員会で取り上げさせていただいておりますけれども、中谷大臣に伺わさせていただきます。
 全自衛隊員が任官に当たって宣誓している、自衛隊法五十三条に基づいて行っている服務の宣誓、通称命の宣誓でございます。一番最後のところを読み上げさせていただきます。「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います。」と言っております。つまり、いざ有事の際には命懸けで戦うと、そして国民の負託に応えるということを誓っているわけでございます。
 中谷大臣に伺います。この国民の負託、国民の負託というのはどういう意味でしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 国民の負託というのは、国民からそういうことを是非お願いしてほしいという希望や思いに応えるということだと思います。
○小西洋之君 大臣、ほしいというそのお願いや希望というふうにおっしゃりましたけれども、ちょっとそういう言い方では少し足りないのかもしれませんけれども、今せっかく答弁いただきましたので、それを踏まえて更に質問をさせていただきます。では、よろしいでしょうか、中谷大臣。
 集団的自衛権の行使、安倍内閣の解釈改憲によって生み出した集団的自衛権の行使、また今安保法制で立法化しようとしておりますその集団的自衛権行使の戦闘に、自衛隊員が戦ってほしいという国民からのお願い、希望はいつどこであったんでしょうか。この命の宣誓にある国民の負託はいつどこで、国民の集団的自衛権の行使の戦闘で自衛隊員に戦ってほしいというお願いと希望はいつどこでどのようなものがあったんでしょうか、お答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 国民の命と幸せな暮らし、これを守るということは政府の最も重要な責務でございます。そういう意味において、政府として国民の命と幸せな暮らしを守るということだと思います。
○小西洋之君 もう一度伺います。
 集団的自衛権の行使は今まで憲法違反でしたので、この服務の宣誓の冒頭二行目、「私は、我が国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、」と書いていますけれども、今まで日本国憲法には存在しなかった武力行使ですね、その武力行使によって命懸けの戦闘をしてくださいという国民のお願いと希望はいつどこでどういう内容のものが新たに、新たにですよ、今までなかった武力行使なんですから、いつどこで新たにそうしたものがあったんですか、具体的に答弁ください。
○国務大臣(中谷元君) この委員会でも議論をされておりますけれども、憲法九条から認められる基本的な論理、これによって国民の命と暮らしを守る、そのために政府として与えられた権限、権利に基づいて行動ができ得るというふうに思います。
○小西洋之君 基本的な論理というのは安倍内閣の行った閣議決定ですので、じゃ確認ですけれども、集団的自衛権の行使に命懸けの戦闘をしてほしい、してくださいという国民のお願いとその希望というものは、安倍内閣の行政権の行使ですね、閣議決定、そして今、国会で安保法制を審議、強行されようとしていますけれども、内閣と国会のそういう行為でしかないということでよろしいですか。国民からの直接のお願いと希望はないということでよろしいですか。
○国務大臣(中谷元君) やはり国民の命と幸福な暮らしを守るというのは政府の責務でありますし、日本国民としてはそういうことは誰しも願っていることではないかと思います。
○小西洋之君 私は、日本国民は、私も地元の千葉を活動する中で、自衛隊員の皆さんのその生活官舎たくさんあります。官舎に行けば子供たちの三輪車が置いてあります。ベランダには子供たちの服が干してあります。我々と同じ市民、我々と同じ仲間です。我々と同じ市民、同じ仲間が、ある日突然、内閣とあるいは国会の決めた閣議決定と法律だけで今まで禁じられていた戦闘行為で行って命懸けで戦うと。そんなことを、ああ、あの人たちは自衛隊員だから当たり前だと思うような日本国民ではないと思いますよ、私は。そういう場合は国民の負託って何なんでしょうか。
 私がさっきから伺わせていただいているのは、まさに解釈改憲が立憲主義に反するというその本質を伺わせていただいているんです。国民の負託というのは国民投票ですよ、主権者である国民の憲法改正の国民投票ですよ。国民投票によって、その中で本当に集団的自衛権というものが施策として必要なのか。また、その中で、まさに福山先生が先ほど質問なさっていた、自衛隊員はもう間違いなく戦死するんです。自衛隊員に戦死してもらわなければいけない。日本に武力攻撃が発生していない、発生しない、永久に発生することはない、そういうケースですよ、集団的自衛権は。にもかかわらず、自衛隊員に我々の代わりに死んでもらわなければいけないのか。そのことを国民が考え抜いて決断をする、その決断の国民投票こそが国民の負託なんです。
 大臣、そのように思われませんか。国民投票なく、この服務の宣誓の国民の負託というのが成り立つとお考えですか。
○国務大臣(中谷元君) 政府としては、国民の命と幸せな暮らしを守るということはその責務でありまして、それが実現できるようにいたしますし、また、国民は誰しもやはりこの国に生活をし、そして自分たちの命と幸せな暮らし、これはしっかり守っていただきたいというふうに思っているものだと思います。
○小西洋之君 私は先ほど、日本国民というのは自衛隊員に新たな武力行使によって自分たちのために死んでもらうことを政府や国会に任せるような、そういう国民ではないというふうに申し上げました。それが間違いでないことをお示しさせていただきます。同じ資料の三ページですね、前から三ページを御覧いただけますか。
 もうこれも何度も国会で取り上げてまいりましたけれども、憲法前文の平和主義、三つの平和主義があるというのが憲法前文には確立した政府の憲法解釈、安倍内閣でも変わりません。
 横畠長官に伺います。
 下の憲法の前文がありますね、の一つ目の平和主義ですね、網掛けをしているところ。「日本国民は、」、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」とあります。
 二行目の「再び戦争の惨禍」、この戦争の惨禍というものですね、これ政府の答弁がこの裏にも付けてありますけれども、この戦争の惨禍には、かつての戦争で亡くなっていった日本軍の兵士、日本軍の兵士の悲惨な、無残なあの死もこの戦争の惨禍として含まれる、もちろん日本軍の兵士ですから職業軍人もいれば赤紙で徴兵でさらわれていった兵隊の皆さんもいるわけですけれども、日本軍の兵士の死もこの戦争の惨禍に含まれるという解釈でよろしいでしょうか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) まさに戦争の惨禍一般、具体の戦争を前提としたものでございますけれども、全てのまさに戦争の惨禍を指しているものと理解しております。
○小西洋之君 先ほどの宮崎元長官を見習ってきちんと答弁なさい。まあ一般というふうに、全ての惨禍とおっしゃったから、当然、元日本軍の兵士、一般市民、徴兵でさらわれた方々も含めて含まれるというふうに解させていただきますけれども。
 であれば、中谷大臣、よろしいですか。三月二十日、これを安倍総理に私は突き付けました、予算委員会で。安倍総理はレッテル貼りだと言って逃げまくりましたけれども、非常にひきょうな、卑劣な態度を、答弁を繰り返しましたけれども。私が聞いたのは、ここを、子供たちの義務教育の教科書ですね、覚えていらっしゃると思いますけれども、義務教育の教科書にこの言葉が載っているわけですね。そして、安倍総理にこのように伺いました、この教科書、自衛隊員の子供たちがこの教科書で習っています、その自衛隊員の子供たちに理解できるように、届くように説明してくださいと。
 政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、日本国民は、先ほど私が申し上げた私たち日本国民ですよ、そういう国民なんですよ、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。つまり、日本国民の国民主権は、ただの国民主権ではないわけですよ。過去の国家権力、我々国会も含みますよ、内閣や国会が起こした、あるいは軍部が起こした、そうした戦争を二度と起こさせない、国家権力に二度と戦争を起こさせない、そのために天皇主権の国を改めて国民主権という原理を採択して、それに基づく憲法を作ったわけです。つまり、日本国民の国民主権は、ただの国民主権ではない、国家権力に二度と戦争を起こさせない、そのための、平和を守るための国民主権なんですよ。
 であるならば、集団的自衛権の行使、これまで憲法にはないと歴代政府は言っていたものです、その新たな武力行使、一般的な戦争ですよ、今、横畠長官が答弁なさいました、集団的自衛権の武力行使を行えば、自衛隊員は戦死するんですよ、自衛隊員の戦死もこの惨禍に入るんですよ、当然。日本軍の兵隊たちが入るんでしたら、当然、自衛隊員の戦死も入るんですよ。もちろん、集団的自衛権を行って反撃を受けて亡くなる日本国民、それもこの戦争の惨禍ですよ。
 よろしいですか、もう官僚のメモを見るんじゃなくてお答えいただきたいんですけれども、では、中谷大臣に伺います。
 まさに、憲法の平和主義は憲法九条の解釈をこれは拘束します。国家権力が新しい戦争、武力行使を起こしてはいけないというふうに書いてあるんです。これをやるためには、主権は国民に存する、そのための国民主権だと言っているんですから、主権の行使、つまり国民投票をしなければいけないんですよ。すなわち、先ほどの服務の宣誓の国民の負託というのは、まさに憲法の平和主義の求めている、新しい武力行使を解禁するときの国民投票なんですよ。
 中谷大臣に伺います。自衛隊員は、集団的自衛権の行使をすれば必ず戦死します。その集団的自衛権の行使を憲法改正の国民投票をせずに行うことは、憲法の平和主義に反する、そして服務の宣誓に反するということになるというふうにお考えになりませんか。
○国務大臣(中谷元君) これ、戦争というものの意味するところでございますが、通常、戦争といいますと、国連、国際連合にもうたわれておりますように、戦争というのは禁止をされています。その代わり、武力の行使、これは認めるということで、国連憲章においては個別的自衛権、集団的自衛権ということは認められているということです。
 我が国は憲法がありますので、この憲法に基づいて、自衛権に基づく国を守るための武力行使が認められておりまして、これまでも憲法による自衛の措置ということで我が国の平和が守られておりました。戦争を行ったということはございませんし、これまでも、戦争を起こすということはあり得ないということです。
○小西洋之君 中谷大臣は、国際法上の武力の行使と戦争というのはお話が違うので、憲法の前文は「再び戦争の惨禍」と言っているので、そこはずれているというふうにおっしゃっているんですね。
 じゃ、横畠長官に伺います。
 次のページの四ページですね。過去の吉國長官です。本物の法制局長官が御説明されているんですね。二つ目の丸ですね。先ほど私が御説明したとおりですけれども、「過去の戦争が国家機関の手によって行われ、その惨禍を日本国民がひとしく受けたというところに着目をいたしまして、」というふうに言っております。過去の戦争ですね。日本が満州事変以降に戦った全ての、いわゆる一般的な意味での武力行使あるいは戦争というものを全部含むという理解でよろしいですね。
 ここで言っている戦争というのは国際法上の戦争だけを含むのであって、例えば満州事変、宣戦布告ありませんから武力の行使だと言われていますけれども、あれは含まないとか、そういう理解には立たないですよね。様々な戦争、様々な武力行使が複数重なっているのが満州事変以降の太平洋戦争の一九四五年の終末に至るまでの我が国の国家行為だったと思いますけれども、そういう理解でよろしいですね。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 吉國当時長官が、大方の憲法学者の解釈であるということで御紹介した部分でございますけれども、そこに言われております過去の戦争と言われますのは、いわゆるその当時事変などと言われたようなものも含んでいるものと考えられます。
○小西洋之君 慎重に慎重に答弁をなさっているんですけれども、よろしいですか、中谷大臣。満州事変以降は私よりもはるかに歴史にお詳しいと思いますけれども、いわゆる一般的な戦争から武力行使までいろんなものを日本軍は行ったんです、日本国家は。それらを含めて過去の戦争というふうに言っているわけです。
 後ろのその防衛省の事務方も、立派な大臣です、こんなメモを出すんじゃないですよ、あなた方。余り官僚の皆さんをこういうふうに言うのも私の流儀じゃないですけれども。もう任せればいいんですよ、政治家の答弁に。まさに政治家の本懐で答えることじゃないですか。分かりましたか。
 じゃ、今申し上げましたように、もう国民の負託がないんですね、集団的自衛権は。中谷大臣がおっしゃった、国民からのお願い、希望、私たちのために命懸けで戦ってくださいというお願いや希望がないと。そのお願いや希望というのは、立憲主義の民主制の日本国においては、憲法改正の国民投票以外の国民の負託というのはあり得ないんですね。そのことを憲法の前文の平和主義は、まさに憲法九条の解釈と相まって、法規範として、内閣に、我々国会に対して命令しているわけです。そのことをよく御認識をいただきたいというふうに思います。
 では、昭和四十七年見解のこの読み直しの方に議論を進めさせていただきたいと思います。
 これももう何度も取り上げさせていただいておりますけれども、このカラーの資料一枚目をめくっていただきまして、外国の武力攻撃という言葉が裸で書かれている、我が国に対するというふうには書かれていないと。だから、我が国に対する以外に同盟国等に対する外国の武力攻撃ということも読めるんだ、読んでいいんだというふうに考えて憲法九条解釈の基本的な論理なるものを捏造して、その下に新三要件を導き出したというのが解釈改憲の構図というものでございます。
 まず国家安保局に事務的なことを伺わせていただきますけれども、昨日レクを要求したことなんですけれども、よろしいですか。
 昭和四十七年政府見解以降に、憲法九条において限定的な集団的自衛権が許容されている旨を明示した国会答弁あるいは政府見解文書などがありますでしょうか。あれば具体的に明示していただきたいと思うんですけれども、ありますでしょうか。昨年の七月一日以前ですね、閣議決定以前まで。
○政府参考人(前田哲君) お答えいたします。
 そのようなものはないと承知をしております。
○小西洋之君 ありがとうございました。
 既に、さきに、昭和四十七年政府見解以前にも、そういう限定的な集団的自衛権が憲法九条によって許容されているということを明示した国会答弁や政府見解は一つもないというふうに言っております。前にもなくて、今答弁いただいたように後にもない。つまり、あるというふうに安倍内閣の方が言っているだけなんですけど、これだけなんです。昭和四十七年見解しかないわけです。
 つまり、この昭和四十七年見解が限定的な集団的自衛権を法理として認めていると読めなければ、安倍内閣の解釈改憲というのはもうその瞬間、根っこから倒れるわけです。安保法制も全部倒れる。国民の憲法をじゅうりんしたわけですから、当然内閣は総辞職です。アメリカの議会であのような従属演説をなさっているわけですから、私は従属演説だと思っている、日米安保の価値を安売りしていると思っていますけれども、当然、その国際責任も取って総辞職。二か月後にはそういう火の海の世界が現れると私は思っていますけれども、そうでなければ日本は法治国家ではないと思いますけれども。
 では、これ国会で取り上げ、もう何度もこの委員会でやらせていただいたことですが、もう一度中谷大臣に、その読み直しが本当にできるのか、できるわけがないというふうに思いますけれども、できないんじゃないかということを確認をさせていただきます。
 この資料の三ページをおめくりいただけますでしょうか。吉國長官の議事録ですね。政府が昭和四十七年政府見解を作るきっかけになった、作る約二、三週間前ですけれども、に行った参議院の決算委員会での議事録です。この議事録自体も既に御紹介をさせていただきました。
 真ん中、下の方に「外国の侵略に対して」という太い文字がありますけれども、この辺りから進めさせていただきますけれども、局面というのは外国の侵略が日本に発生しているときです。「外国の侵略に対して」、「外国の侵略」、もう一つ言葉がありますけれども、その外国の侵略が防げなかった、その侵略が現実に起こった場合に、「「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」が根底からくつがえされるおそれがある。その場合に、自衛のため必要な措置をとることを憲法が禁じているものではない、というのが憲法第九条に対する私どものいままでの解釈の論理の根底でございます。その論理から申しまして、集団的自衛の権利ということばを用いるまでもなく、他国が──日本とは別なほかの国が侵略されているということは、まだわが国民が、わが国民のその幸福追求の権利なり生命なり自由なりが侵されている状態ではないということで、まだ日本が自衛の措置をとる段階ではない。日本が侵略をされて、侵略行為が発生して、そこで初めてその自衛の措置が発動するのだ、という説明からそうなったわけでございます。」。そうなったわけというのは、海外派兵は、つまり集団的自衛権の行使はできるのかという質問ですので、できないというふうに答えているわけですね。
 中谷大臣に伺わせていただきます。
 これは昭和四十七年見解の、安倍内閣の皆さんが行った、中谷大臣は着任前ですから大臣には罪はないわけです、大臣は官僚の皆さんにだまされているわけです、そんな読み直しが絶対できないというもう核心中の核心の部分です。よろしいですか。
 この「「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」が根底からくつがえされる」、四十七年見解、また七月一日の閣議決定、新三要件の文言ですね、前回申し上げましたけど、ここで初めて出ているんですね。日本の議会でこの言葉は一度も言われたことがないんですね。ここで初めて言われたことを四十七年見解に盛り込んでいるんですね。
 そうすると、その下の灰色、書いているところですけれども、その生命などが根底から覆されるというのは、論理の流れからすると、外国の侵略や武力攻撃が発生して、そこで初めてそういう覆されるおそれが生じて、それを防ぐための必要最小限の自衛のための必要な措置、「自衛のため必要な措置」という言葉も四十七年政府見解の文言と軌を一にしていますね、それができるんだと。それが憲法九条の解釈の論理の根底なんだ、よろしいですか、その論理ですよ、論理。その論理からして、次ですね、「他国が──日本とは別なほかの国が侵略されているということは、まだわが日本国民が、わが国民のその幸福追求の権利なり生命なり自由なりが侵されている状態ではない」というふうに言っているんですね。
 ところが、昭和四十七年見解の読み直しはどういうことでしょうか。ここの一番上のページですね。外国の武力攻撃の前に、同盟国等に対するという文言を入れて、同盟国等に対する外国の武力攻撃によって、日本国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される、つまり、覆されることがあるというふうに勝手に認識することなんですね。
 ところが、吉國長官は、日本とは別なほかの国が侵略されている、それだけの状況であれば、日本国民の、言葉は順番入れ替わっていますけれども、幸福追求の権利や生命や自由というのは侵される状態ではないと言っているんですね。結論として、「日本が自衛の措置をとる段階ではない。」、昭和四十七年見解の安倍内閣の読み直しというのは自衛の措置がとれる段階でそれが限定的な集団的自衛権だと言っているんですけれども、自衛の措置はとれないというふうに言っているんですね。
 中谷大臣に伺います。
 昭和四十七年見解を作り、決裁した法制局長官が、その作るきっかけとなった質疑で、日本以外の他国に武力攻撃が発生している、それだけの状況では日本国民の生命、自由及び幸福追求の権利は根底から覆ることはないと言っているのに、それが覆ることがあるというふうに四十七年見解を勝手に読み替えるというのは、便宜的な、意図的な、恣意的な法令解釈、許されない行為ではありませんか。
○国務大臣(中谷元君) この答弁は四十七年の政府見解を出す際にお述べになったことでございますが、これまで政府は、昭和四十七年の政府見解のとおり、自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置は、外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置として初めて容認されるものがあるとして、武力行使が容認されるのは我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限られると考えてきました。
 これは、憲法九条の下において例外的に許容される武力行使についての考え方を整理して述べたものでありまして、その後の政府の説明もここで示された考え方に基づくものでございます。しかし、我が国を取り巻く安全保障環境が変化をいたしまして、それを踏まえて示された解釈というのは今次閣議決定されたものでございまして、このような意味で、集団的自衛権の行使が憲法上容認されるか否かという点では、あくまでも昭和四十七年の政府見解で示された基本的論理の当てはめの帰結でありまして、基本的な論理そのものの一部ではないということでございます。
○小西洋之君 まるっきり答弁になっておりませんけれども。
 今年、大臣とともに習志野第一空挺団の新年初降下を私も拝見させていただきましたけれども、去年と続けて、一番先頭に隊長と一緒に降下してきたのはまだ十八歳の隊員だということでございます。そういう方々の命を預かっているということをやはり我々はかみしめなければいけないと思います。
 この吉國長官の答弁が言っているのは、私が御説明しますね。我が国に武力攻撃が発生したときに必要最小限度の実力の行使、自衛の措置ができるのが解釈の論理の根底で、その論理から申しましてと言っていますね。その論理からいって、我が国に武力攻撃が発生しない状況で日本国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されることはあり得ないと言っているんですよ。
 昭和四十七年見解の安倍内閣の読み直し、四十七年見解の読み直しというのは、四十七年見解には二つの法理があるというふうに言っているんです。一つは、従前からあった個別的自衛権の法理です。もう一つは、限定的な集団的自衛権も法理としてそこに含まれているんだということを皆さんはおっしゃっているわけですよ。そんなものはあり得ないと言っているんです。個別的自衛権を許容するその法理をもって、その法理が存在する前提である国民の生命などが根底から覆ることなんというのはあり得ないと。そして、日本がまだ自衛の措置をとる段階ではない、自衛の措置は認められない、憲法違反だと言っているんです。そういう答弁なんですよ。
 もう、ちょっと時間ですのであれですけれども、大臣、こんな言葉遊びで、同盟国等に対する外国の武力攻撃というそんな言葉遊びで集団的自衛権という憲法違反の武力行使、先ほど宮崎長官がおっしゃった、宮崎元長官も、この四十七年見解の読み直しは絶対に認められないとおっしゃっていますというふうに伺っていますよ、私は。伺っているというのは、仄聞していますよ。皆さんそうおっしゃっていますよ、元長官の方は。こんな言葉遊びで国民の憲法をじゅうりんして、自衛隊に集団的自衛権の行使を起こして、自衛隊員を戦地に送って戦死させていいんですか。自衛隊員はそのことを理解、納得できるんでしょうか。
 次のページを開いていただきますと、四ページの一番下です。前回も御紹介しましたけれども、「憲法九条をいかに読んでも読み切れない」と書いているんですね、他国の防衛をやるということは。我が国は、憲法九条の戦争放棄の規定によって、他国の防衛までをやるということは、どうしても憲法九条をいかに読んでも読み切れないというふうに言い切っているんですね。いかに憲法九条を読んでも読み切れないと言っているのに、それに基づいて作った昭和四十七年政府見解に集団的自衛権を認めるわけないじゃないですか、限定的な集団的自衛権なるものも含めて。
 どうか、岸田外務大臣も、お二人よく考えていただきたいんです。もう先ほども申し上げました。四十七年見解以前には、政府見解もこう書いているのは当たり前ですよね。憲法の条文を変えない限り限定的なものを含め集団的自衛権の行使は違憲であるというのが確立した答弁でしたから。四十七年見解以前も以降もないんです。この四十七年見解の読替えしか皆さんは根拠を持っていないんです。その読替えなんか許されないということを、この四十七年見解を作った内閣法制局長官がこれほどこっぱみじんに、こっぱみじんにですよ、完膚なきままにおっしゃっているわけです。
 これを聞いている外務省や防衛省の記者クラブの皆さんは、まだこういうことを報道を十分されていませんけれども、こういう世紀のスクープを報道しなければ後々キャップやデスクに怒られることになって出世できなくなっちゃうと私もひそかに心配しているんですけれどもね。
 これが解釈改憲のまさに根幹なわけですよ。
 大臣、よろしいですか、もう一度一言だけ答弁いただきたい。大臣は、憲法九条に限定的な集団的自衛権がひょっとしたらないんじゃないかというふうにお思いになっていないですか。
○国務大臣(中谷元君) 私は、日本の国の防衛、安全保障を担当する大臣でございます。
 我が国を取り巻く安全保障環境というのは本当に変化をし、本当に厳しくなってきておりまして、今後他国に対する武力攻撃があったとしても、その目的、規模、態様等によっては我が国の存立を脅かすことも現実に起こり得るということで、こういった基本的論理、これは維持をいたします。そして、今の現状に合わせて考えると今回の閣議決定に至ったということでございます。
○小西洋之君 私が申し上げているのは、七月一日の閣議決定の基本的な論理と新三要件、皆さんそれに基づけばいいんだと言っているんですけれども、そこが成立していないということを言っているんですよ。基本的な論理は成立していないんですよ。なぜなら、その外国の武力攻撃という言葉の読替えが許されないことをそれを作った人たちが示しているから、新三要件によって成立していないんですよ。
 遠藤周作の小説に「沈黙」という小説があります。かつて尊敬した師がキリスト教を棄教してしまって、日本にやってきた若いキリスト教の司祭です。日本で迫害を受けて、そこから逃れる間に一瞬こういうことを考えたことがあります。もしこの世に神がいなかったら私は一体何をしているんだろう、考えたことがありました。
 中谷大臣も岸田大臣も実はそういうことをお考えになっているんじゃないかというふうに思います。ただ、大臣たちが思われる以上にもっと我々が考えなければいけない、もっとあってはならないことは自衛隊員たちがそういうふうに思うことです。
 私は、国会議員の政治生命を懸けて、この解釈改憲を必ず打倒する、二か月後には火の海となって安倍内閣は倒壊しているでしょう、総辞職しているでしょう、それをするために民主党の党見解にもこの四十七年見解の読み直しが憲法違反であることはしっかり書かせていただいております、安倍内閣を倒閣するために全力を尽くすことをお約束をして、質疑を終わらせていただきます。
○委員長(片山さつき君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(片山さつき君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、外交、防衛等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○荒木清寛君 先週十五日に平和安全法制が国会提出をされました。昨年の五月以来、与党の協議会は二十五回、また公明党の中でもそれ以上の回数の協議をしまして、今回の法案提出に至ったわけでございます。いずれ参議院に法案が回ってきましたら、私もしっかりとその質疑に参加をしたいと、このように思っております。
 そこで、これはもう各メディアが報じますように、安全保障法制の大きな変換であることは間違いがないと思います。なぜ今、こうした大掛かりな法整備といいますか、法改正及び新法が提出されますけれども、安全保障法制の大掛かりな見直しをしなければいけないのか。午前中も日本に対して脅威があるという議論もありました。果たしてそういう脅威が差し迫っているのか、なぜ今こうした平和安全法制を整備するのか、まず防衛大臣にお尋ねします。
○国務大臣(中谷元君) 我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しております。グローバルなパワーバランスの変化があるなど、東アジア、中東、ヨーロッパで様々な不安定要因が現実のものとなっております。
 具体的には、大量破壊兵器や弾道ミサイル等の軍事技術が高度化、拡散し、北朝鮮は日本が射程に入る様々なミサイルを配備をしており、また核開発も行っております。さらに、グローバルなパワーバランスの変化や技術革新の急速な進展があり、国際テロの脅威や、海洋、宇宙、サイバー空間におけるリスクも深刻化をしております。脅威が世界のどの地域においても発生をし、我が国に直接的な影響を及ぼし得る状況になってきているのです。
 このような状況では、もはや一国のみではどの国も自国の安全を守ることができない時代であり、私たちはこの厳しい現実から目を背けることはできません。
 我が国が安全を確保していくには、日米同盟を強化するとともに、地域や世界のパートナーとの信頼及び協力関係を深め、その上で、あらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする法整備を行うことが必要であります。これにより、紛争を未然に防ぐ力、つまり抑止力を高めることが必要だからであります。法の不備により国民の命と平和な暮らしを守ることができないなどということは決してあってはなりません。そのためには、一日も早い平和安全法制の整備が不可欠でございます。
○荒木清寛君 次に、外務大臣にお尋ねします。
 国家というものがある以上、いろいろもめ事というのは避けられないと思いますけれども、これはあくまでももう平和的に外交努力によって解決をするというのが基本でなければいけませんし、それが日本国憲法の精神でもあると考えます。
 今回の平和安全法制、あるいは関連する枠組みの中で、そういう紛争の解決のための外交努力、平和的な解決ということはどのように位置付けられておりますか。
○国務大臣(岸田文雄君) ただいま防衛大臣から答弁がありましたように、我が国を取り巻く安全保障環境、大変厳しさを増す中にあって我が国の安全を守るためには、まずは対話を通じて地域や世界のパートナーとの信頼及び協力関係を深め、力強い外交を推進する必要があります。
 このことは、平和安全法制の基本方針を示しました昨年の七月一日の閣議決定の中にも明記されております。「まず、十分な体制をもって力強い外交を推進することにより、安定しかつ見通しがつきやすい国際環境を創出し、脅威の出現を未然に防ぐとともに、国際法にのっとって行動し、法の支配を重視することにより、紛争の平和的な解決を図らなければならない。」、このように明記されているところであります。
 今回の平和安全法制ですが、こうした外交努力をしっかり行い、我が国にとって好ましい国際環境を実現し、しかし万が一の場合にあらゆる事態に切れ目ない対応を可能にする、そのための法制であると認識をしております。外交を通じて好ましい環境を実現する、これがこの法整備の前提であると認識をしております。是非、平和外交をしっかり進めていきたいと考えます。
○荒木清寛君 次に、連日報道では平和安全法制のニュースになっているわけでありますけど、必ず枕言葉が付くといいますか、集団的自衛権を容認した平和安全法制、こういう言い方でずっと報道があるわけですね。細かくニュースを見ない人も、そういう表題といいますか、そのことだけ頭に入るわけでありますけれども。
 今回の法制というのは、米英を始めとする多くの他の外国と同じように、日本もこの集団的自衛権を行使をする国になるという、こういう法制なのか、よく昔、普通の国というような言い方もされましたけれども、そういう集団的自衛権についても普通の国になるというのが今回の法改正なのか、防衛大臣にお尋ねします。
○政府参考人(槌道明宏君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、新三要件の下で我が国が行い得る武力の行使につきましては、あくまで我が国の存立を全うし、国民の平和な暮らしを守るため、すなわち我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置を認めたものでございます。集団的自衛権の行使一般を認めたものではなく、また他国の防衛それ自体を目的とする集団的自衛権の行使を認めたものではございません。
○荒木清寛君 そこで、今回の法整備の一番中核はやはり事態対処法制であると思います。今も新三要件というふうにありましたが、これが今回の法制には書き込まれているわけであります。
 まず第一の要件の、「我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」と、これも書かれているわけでありますけれども、特に「明白な危険がある場合」というのはどういう事態といいますか状況を指しているのか、説明願います。
○政府参考人(槌道明宏君) 新三要件の第一要件におきまして、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」とされてございます。
 このことは事態対処法にも定義として書き込まれているところでございますが、これは他国に対する武力攻撃が発生した場合におきまして、そのままでは、すなわち、その状況の下、武力を用いた対処をしなければ国民に我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況である、そのようなことをいうものでございます。
 いかなる場合がこれに該当するかにつきましては、事態の個別具体的な状況に即しまして、政府が全ての情報を総合して客観的、合理的に判断することとなりますため、一概に述べることは困難ではございますが、実際に他国に対する武力攻撃が発生した場合におきまして、事態の個別具体的な状況に即しまして、主に攻撃国の意思、能力、事態の発生場所、事態の規模、態様、推移などの要素を総合的に考慮し、我が国に戦禍、すなわち災いが及ぶ蓋然性、国民が被ることになる犠牲の深刻性、重大性などから客観的、合理的に判断することとなります。
○荒木清寛君 次に、新三要件の二番目は、「これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないとき」というのが昨年の閣議決定の第二要件でありますけれども、この第二要件は今回の法制ではどのように位置付けられているのか、そしてこれが書き込まれた意義はどこにあるのか、説明願います。
○政府参考人(槌道明宏君) 今般提出させていただきました事態対処法改正案の第九条におきまして、政府は、武力攻撃事態等又は存立危機事態に至ったときは、対処基本法方針を定めるものとしております。
 この対処基本法方針に定める事項といたしまして、今般の改正第九条におきまして、新三要件の第二要件を踏まえまして、「事態が武力攻撃事態又は存立危機事態であると認定する場合にあっては、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がなく、事態に対処するため武力の行使が必要であると認められる理由」を明記することとしております。
 これによりまして、我が国が憲法上認められます武力の行使の要件である新三要件のうちの第二要件の内容が法文上明らかになるというふうに考えております。また、政府として、他に適当な手段がなく、事態に対処するため武力の行使が必要であると認められる理由を国会や国民に対しまして説明する責任を有することが明らかになるというふうに考えております。
○荒木清寛君 次に、専守防衛についてもお尋ねします。
 専守防衛は、平和憲法、日本国憲法の第九条から導かれる原則だと考えております。この専守防衛というのはどういうことなのか、そして、今回の法整備でもこれが堅持されていることについて説明を願います。
○政府参考人(辰己昌良君) 専守防衛とは、相手から武力攻撃を受けたときに初めて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限度にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限るなど、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢をいうものでございます。
 今回の法案につきましては、昨年の七月一日に、閣議決定において、この憲法九条の下で許容されるのはあくまでも国民の命と幸せな暮らしを守るため、必要最小限度の自衛の措置としての武力の行使のみでございます。したがって、我が国又は我が国と密接な関係にある他国への武力攻撃の発生が前提でございまして、他国を防衛すること自体を目的とするものではございません。あくまでも我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置として初めて許容されるものでございます。
 今回の平和安全法制におきましても、この考え方に従い、引き続き専守防衛が憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢であることに変わりなく、政府としては、我が国の防衛の基本的な方針としてこれを維持することに変わりはございません。
○荒木清寛君 次に、今回の法制には、外国軍隊の後方支援をする、そういう法制も含まれております。
 そこで、なぜそういう外国軍隊の後方支援をしなければいけないのか、それはどのような場合で、それぞれどういう目的でそうした後方支援をすることになるのか、説明を求めます。
○政府参考人(前田哲君) お答えいたします。
 今回の平和安全法制におきましては、一つは、武力攻撃事態あるいは存立危機事態において、言わば有事のときに米軍等を支援する法律案として米軍等行動関連措置法というものがございますけれども、これのほかに、周辺事態安全確保法を改正いたします重要影響事態安全確保法、それから国際平和支援法、この二つの法律に基づいて外国軍隊への支援というものが可能になってまいります。
 重要影響事態安全確保法でございますが、これは、我が国の平和及び安全の確保に資することを目的といたしまして、我が国の平和、安全に重要な影響を与える事態に際しまして米軍その他の外国軍隊等への支援活動を行うと、こういうことにいたしてございます。
 これは、現在の安全保障環境を踏まえますと、もはやどの国も一国のみで平和を守ることというのができません。我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態に際しまして、当該事態の拡大を抑制したり、あるいはその収拾を図るために行われると認められる活動、こうしたことを行う外国軍隊等に対しまして我が国として必要な支援活動を行うようにできるようにする必要があると、このように考えるためでございます。
 また、国際平和支援法でございますが、国際社会の平和及び安全の確保に資するということを目的といたしまして、これは新たに国際平和共同対処事態というものを定義をいたしましたけれども、この事態に際して我が国が諸外国軍隊等への支援活動を行うと、こういうことにいたしてございます。
 これは、我が国といたしましても、国際社会の一員としての責任を憲法の範囲内で積極的に果たすということが重要であり、国際社会が国連決議の下、一致団結して紛争に対処し、その拡大を防止して早期に終結させるための努力、これを行っておりますときに、我が国が協力をし国際社会の平和と安全を確保することは、これはひいては我が国の平和と安全にもつながるものと、このように考えて今回の法制を作らせていただこうと考えているところでございます。
○荒木清寛君 今も、後方支援は憲法の範囲内で、当然のことでありますけれども、そういう答弁でありました。
 恐らく今後の審議で随分議論になるところだと思いますけれども、今回の法制における後方支援が他国軍隊の武力行使と一体化しない、こういう担保は、おおむねといいますか、大きく見てどのように担保されているのか、説明を求めます。
○政府参考人(前田哲君) お答えいたします。
 今先生から御指摘のありましたいわゆる後方支援と言われる支援活動でございますが、それ自体はまず武力の行使に当たらない活動でございます。
 一方、支援活動が他国の武力の行使と一体化をする場合には、これは我が国自身が憲法の下では認められない武力の行使を行ったという法的評価を受けることとなりますので、これは憲法上許されないと、このように考えてございます。
 この点につきまして、昨年七月一日の閣議決定でございますが、いわゆる武力の行使との一体化論それ自体は前提といたしました上で、議論の積み重ねを踏まえながら、そしてこれまでの自衛隊の活動の実経験、あるいは国連等々の活動の実態等を勘案をいたしまして、他国が現に戦闘を行っている現場ではない場所で実施する補給、輸送などの我が国の支援活動、これにつきましては当該他国の武力の行使と一体化するものではないと判断するに至ったものでございます。
 今般の平和安全法制におきましては、この考え方を外国軍隊への後方支援を行うための二つの法案にきちんと反映をしていると、こういうことでございます。
○荒木清寛君 次に、重要影響事態安全確保法案について尋ねますが、この改正法の重要影響事態と現行の周辺事態とは同じなのか、あるいは違うのか、何が違うのか、説明を願います。
○政府参考人(辰己昌良君) 現行の周辺事態でございますが、周辺事態とは、我が国周辺の地域における我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態、事態の性質に着目した概念でございます。一方で、当時の状況の中で、現実の問題としては、我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態が生起する地域にはおのずと限界があると、こういうふうに考えられてきました。
 今般の周辺事態法の改正におきましては、先ほど大臣から申しましたように、我が国を取り巻く安全保障環境が変化している、厳しさを増していることを踏まえまして、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態が生起する地域を地理的に限定するかのような表現を用いることは適当ではないというふうに考えておりまして、事態の定義から我が国の周辺の地域におけるということを削除いたすとともに、名称を重要影響事態と、こういうふうに改めたところでございます。
 一方で、事態の性質に着目した概念であることには引き続き変更はなく、我が国の平和及び安全の意味するところも、その性質上、軍事的な観点を始めとする種々の観点から見た概念であるということについては変更はございません。
○荒木清寛君 国際平和支援法案について尋ねます。
 従来から、こうした状況における自衛隊の後方支援は、テロ特措法、イラク特措法という特措法を制定してやってきたわけでありますが、今回は、新法を一般法としてそうした後方支援活動が位置付けられました。
 そうしますと、一般法とすることによって自衛隊の海外派遣が無制限に拡大するのではないかという懸念が持たれておりますけれども、この点はどうなっておりますでしょうか。
○政府参考人(土本英樹君) お答えいたします。
 国際平和支援法は、国際平和共同対処事態に際しまして我が国が実施する対応措置について定めるものでございますが、国際平和共同対処事態は、まず第一に国際社会の平和及び安全を脅かす事態であること、第二にその脅威を除去するために国際社会が国連憲章の目的に従い共同して対処する行動を行っていること、第三に我が国が国際社会の一員としてこれに主体的かつ積極的に寄与する必要があることという三つの要件を満たす必要がございます。
 加えまして、対応措置の対象となります諸外国の軍隊が事態に対処する活動を行うに当たりましては、その外国が当該活動を行うことを決定し、要請し、勧告し、又は認める国連決議が存在する、又は問題となる事態が平和に対する脅威又は平和の破壊であるとの認識を示すとともに、その事態に関連いたしまして国連加盟国の取組を求める国連決議というものが存在することが必要となります。
 国際平和支援法の下で対応措置が実施されるためには、まずはこれらの条件全てが満たされる必要がございます。その上で、その対応措置を実施することにつきましては、その内容を詳細に記載した基本計画を添えた上で、必ず事前に国会の承認を得なければならない旨、法律上規定しているところでございます。
 国際平和支援法は、このように厳格な要件と民主的統制の下で運用されることとなるため、自衛隊の海外派遣が無制限に拡大するといった御懸念は当たらないと考えているところでございます。
○荒木清寛君 個々の条文の詳細についてはまた法案審議で私も参加させていただきます。
 次に、外務大臣に対ロシア外交について私もお尋ねをいたします。
 五月九日に、モスクワで対独戦勝利七十年の記念式典が行われましたが、ロシアとの外交関係悪化の影響によりまして、日米欧、多くの首脳が式典への出席を見送りました。中国の習近平国家主席のみであったということでございます。
 しかし、その後、欧州はロシアとの対話継続に心を砕く動きを見せておりまして、ドイツのメルケル首相は、九日の式典は参加しませんでしたが、十日にモスクワを訪れております。フランスも、ファビウス外相がパレードは避けてクレムリンのレセプションには出席をしている。また、午前中もありましたけれども、米国もケリー国務長官が訪ロいたしましてプーチン大統領と会談をしておるということがございまして、別に全部欧米に倣う必要はないわけでありますけれども、欧米は対ロシア外交について見直そうというそういう動きがあるのではないか、このように見受けられますが、外務大臣はどのようにこうした変化を見ておりますか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のような米国あるいはEUの動きがあるわけですが、こうした米国及びEUの動きは、ウクライナ問題をめぐってロシアに対し制裁や二国間の交流の制限により圧力を掛けつつ、一方で対話を通じた外交的解決を模索している、こうした対応であると認識をしております。
 そして、先日もアメリカのケリー国務長官がロシアを訪問いたしましたが、米ロ関係は特に厳しい状況にあると認識をしています。
 ただ、この米ロ間の対話は、ウクライナ問題の平和的、外交的解決に向け、またグローバルな問題に対応する上でも重要であると考えます。
 よって、今般のケリー米国務長官の訪ロは評価するべきであると考えます。
○荒木清寛君 そこで、日本外交をどうするかですが、ウクライナ問題も私の勉強する範囲でも様々な見方があるようでありますので、圧力は掛けるというこの外交方針は貫いていただきたいですけれども、全部米欧と歩調を合わせる必要があるのかどうか。プーチン大統領と安倍総理の人間関係というのは私は強いものがある、このように思っておりまして、やはり日本も日本独自の対ロシア外交ということを今後模索していかなければいけないとも考えるわけでございます。
 そこで、五月十八日に日ロ外務次官級協議が行われるということでございますけれども、この協議に期待するところは何か。私は、早く日ロ首脳会談が設定できるような、そうした努力が必要であると考えますが、いかがですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 隣国であるロシアとの対話、これは重要であると認識をしています。
 昨年十一月行われました北京APECの際の首脳会談において、プーチン大統領の訪日について、本年の適切な時期に実現するための準備を開始することで一致をしております。そして、その準備の一環として、本年二月には日ロ次官級協議を実施いたしました。
 そして、昨十八日にはモスクワにおいて、経済分野の次官級協議、貿易投資分科会議長間会合、これを行った次第です。この協議におきましては、最近の日ロ間の貿易経済関係に関する評価や様々な分野における協力の意義等について意見交換を行うとともに、日本企業が直面するロシアの貿易投資環境の改善について議論を行ったところです。
 日ロ間の首脳間の対話ということにつきましては、安倍総理とプーチン大統領との間でこれまで十回、第二次安倍政権以降では七回会談を行ってまいりました。こうした首脳会談の積み重ねを基礎に我が国の国益に資するよう日ロ関係を進めていく、さらには北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結していく、こうした基本方針の下に粘り強く交渉を続けていかなければならないと考えております。
○荒木清寛君 大変失礼しました。五月十八日ですから、昨日もう既に行われたわけですね。
 いずれにしましても、領土問題が、それはすぐに進展するということはなかなか難しいかとは思いますけれども、早く首脳会談が実現をするように、私は、本年のプーチン大統領の訪日の準備もしておるということでありますから、それが実現をすることを期待いたしまして、質疑を終わります。
○小野次郎君 今日の私の質問に入る前に、私は、昨日、私自身が代表質問で総理に聞きました質問のやり取りについて触れざるを得ません。
 それは、私の方が、今日の質問にも関係するんですが、石油供給の断絶など経済的に甚大な支障があれば、我が国が直接武力攻撃を受ける事態でなくても集団的自衛権行使による武力行使の正当な理由になるんですかということをお伺いしましたところ、総理のお答えは、我が国に対する武力攻撃が発生していない場合であっても、例えば、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国において生活物資の不足や電力不足によるライフラインの途絶が起きるなどという答弁をいただいたんですね。
 まさに私の心境は、やぶをつついて蛇を出すという言葉がありますけれども、やぶをつついたら虎が出てきちゃったような気がします。
 これまでの議論は、あり得ないと公明党さんなんかもそういうニュアンスでおっしゃっていますけれども、唯一起こり得るかなと想定されたのは、ホルムズ海峡などで石油の我が国への輸入が途絶するというような事態について、第三国への攻撃であっても我が国の受ける、根底から、長い定義は言いませんけれども、極めてせっぱ詰まった状態になって、それに対して我々が動かざるを得ない、反撃に出ざるを得ないという事態を議論していたと思うんですが、昨日の総理の御答弁は、生活物資の不足、電力の不足、これも対象になるんだと言われています。
 それで、中谷大臣にお伺いしますけれども、もう一遍聞きますけれども、この生活物資の不足や電力不足によるライフラインの途絶というのも石油輸入の途絶以外に例示として含まれるんですね。
○国務大臣(中谷元君) 総理が答弁したとおりでございまして、我が国に対する武力攻撃が発生しない場合でも、例えば我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国において生活物資の不足や電力不足によるライフラインの途絶が起こるなど、国民生活に死活的な影響が生じるような場合には、状況を総合的に判断して、我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況に至る可能性はあります。そして、新三要件を示しましたが、それを満たす場合には、我が国による自衛のための武力行使を行うことが可能になるということでございます。
○小野次郎君 質問者が聞いてもいないことに対して総理も防衛大臣もお答えになっているわけですから、私の次の問いにしっかり答えてください。
 生活物資の不足って、どんな生活物資を対象に考えているんですか。
○国務大臣(中谷元君) 御答弁がある例を挙げましたら、石油が不足をして、そのために生活に影響があるということでございます。
○小野次郎君 生活物資って、石油のことを聞いたら答弁が生活物資の不足や電力不足と言われたんですから、生活物資にはどんなものが含まれるんですかと聞いているんですよ、私は。
○国務大臣(中谷元君) 我々の日常生活や、また生命に関するような場合における状況もあり得ると思います。
○小野次郎君 すごい答弁ですよ、これは。あらゆるものが含まれますよ、そうすると、本当に。生活にとって必要なものはみんな対象になり得るんだという答弁を今いただいたと。信じたくないですけれども、それはもう議事録に残っていますからね、大臣。
 じゃ、伺いますが、五月十七日に高村さんはNHKの日曜討論で、国民が飢えるような事態というのも例示として挙げています。食べるもの、食料も含まれるんですね、じゃ。
○国務大臣(中谷元君) 電力不足などによるライフラインの途絶などが起こることによって国民生活に死活的な影響が生じるような場合もあり得るということでございます。
○小野次郎君 答えてないですよ、委員長。食料と聞いています、はっきり。
○委員長(片山さつき君) 防衛大臣、食料についてという御質問でございますが。
○国務大臣(中谷元君) 食料におきましては、私たちは生活上、冷蔵庫を保有をいたしまして食料を生活的に備蓄をしておるわけでございますが、そういった場合に、食料が確保されないというような事態も起こり得るのではないかと思います。
○小野次郎君 昔、マリー・アントワネットが、お城の前を飢えた市民の方がパンよこせパンよこせとデモしていたら、パンがなかったらクッキー食べればいいじゃないかと言っていたという話あるんですよ。違ったっけ。(発言する者あり)お菓子を食べればいいということを言ったと、市民の苦労が分かっていないんだなという例示を挙げられましたけれども。
 冷蔵庫が空になったら、集団的自衛権の行使容認になるんですか。
○国務大臣(中谷元君) やはり電力、エネルギー、これは国民生活に必要なものでありまして、具体的に言いましても、電力が供給されないということに生じる国民生活に死活的な影響が及び得るということはあり得ると思います。
○小野次郎君 食料不足というのはどんなものですかと聞いているので、委員長、この答弁をいただいていないということで、ちょっとテークノートしておいて先へ進みますが。
 では、電力と言いましたけど、電力を運んでくる船なんてないんですよ。電力をつくるものを運んでくるんです。石油以外の電力をつくるものって何を考えているんですか。
○国務大臣(中谷元君) 電力におきましては、天然ガスとか、また原子力とか、そういった部分ではないかと思います。
○小野次郎君 そうすると、天然ガスとかウラニウム、プルトニウムもあるのかもしれません、そういうものも含まれ得るということですね。
○国務大臣(中谷元君) そのとおりでございます。
○小野次郎君 石油だけといって我々議論してきたのが、ちょっと今メモ取り切れないぐらいどんどんどんどん広がってきましたので、後で議事録を、(発言する者あり)歯止めなし、際限なしという話になっていますが、石炭も含まれますか。
○国務大臣(中谷元君) 個別具体的にはお答えするのが適当かどうか分かりませんが、電力不足でございます。
○小野次郎君 排除されないということですね。
○政府参考人(槌道明宏君) 済みません、私の方からお答えさせていただきます。
 一連の御答弁でございますけれども、かねて……(発言する者あり)済みません、昨日来のということですけれども、この例として挙げられておりますのは、かつて個別的自衛権につきましても、周囲海に囲まれております日本に対しまして海上封鎖をし、日本の国民の糧道を断ち、あるいは生産物資を断つ、そうして日本を危殆に陥らしめるというような手段を講ずるならば、それはまさに外部からの武力攻撃に該当すると、このような答弁がございました。そのような答弁を踏まえてお答えになったものと理解しております。
 いずれにいたしましても、石油も含めまして、石油が一つの例だと思いますけれども、我が国において生活物資の不足あるいは電力不足によるライフラインの途絶が起こるなど、いずれにしても国民生活に死活的な影響が生じる、そういった場合というふうに考えているところでございます。
○小野次郎君 国務大臣が答弁しているやつを事務方が一連の答弁って、一体どことどれとどれの、どの表現を言っているのか分からない追加答弁なんか意味がないですよ、そんなもの。
 それから……(発言する者あり)ちょっと、エールは有り難いんですけど、ちょっと頭が混乱しますので。
○委員長(片山さつき君) 御静粛にお願いいたします。御静粛に。
○小野次郎君 それと、委員長、ちょっと整理してくださいよ。大臣が答弁したやつを事務方が否定しているんですか。どういうことなんですか、今の。
○委員長(片山さつき君) では、中谷大臣から再度御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(中谷元君) 我が国の現在のエネルギーの供給におきましては石油が大変多くの量を占めておりまして、この石油の八割、天然ガスの三割、これは中東から来ておりまして、これが供給ができなくなりますと、かつての石油ショックを上回るほどに世界経済も混乱になり、我が国も深刻なエネルギー危機が発生をするわけであります。
 石油備蓄につきましては六か月あるわけでありますが、こういった状況がいつまでも続きますと、大変混乱が高じて、経済的な影響のみならず、我が国の国民生活に死活的な影響が及ぶ場合があり得るということでございます。
○小野次郎君 この委員会の議事録に残っているかどうか分かりませんが、石油の途絶についても、テレビ討論の中では、御党と言ったら失礼ですけど、政府・与党の代表の方も言っていますよね。例えば、マラッカ海峡はこれぐらいの船が通る、いや、遠回りすれば通れるけれども、ホルムズ海峡は、もうこれが止まってしまったら日本の死活問題なんだということをおっしゃっている。
 じゃ、プロパンやウラニウムや食料やそれ以外のエネルギーについて、どこが一体日本の死活問題になるのか。場所も変わるし、物も変わるじゃありませんか。そんなアバウトな答弁ないですよ、そんなの。
○国務大臣(中谷元君) いずれにしましても、こういった事態の適用につきましては新三要件がありまして、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して政府が全ての情報を総合的に判断し、また客観的、合理的に考えるということでございます。
○小野次郎君 実際、我々が文化的な生活あるいは経済活動を行っていくためには、そういう目に見えるもの以外にも、送金とか決済というのが海外でできなくなったら、これ全く経済活動ができなくなります。それから、私自身も、大臣だって、全ての人がそうですけれども、インターネットだとか様々な通信手段、電気通信の手段というものが海外と途絶してしまったら、全く経済活動も日常生活もできなくなります。
 こういったものもこの集団的自衛権行使の対象になり得ると政府は考えているんですか。
○国務大臣(中谷元君) ここで言います存立事態といいますと、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態でございまして、個別具体的な状況によるため一概には申し上げられませんが、単に金融措置等によって国民生活や国家経済に打撃が与えられたからといって、これに当たるものではないと考えられます。
○小野次郎君 それはこの前の横畠法制局長官の最後の答弁じゃないですか。それはまた後で横畠さんに聞きますけど。
 今の大臣の、食べるものもなるかもしれない、冷蔵庫、空になるぐらいになったらなりますよ、石炭も排除されません、ウランもあるかもしれない、プロパンもあります。そうやって議論していったときに、どうして電気通信が全くできなくなる事態とか、海外との決済も、お金の送金もできなくなる事態はそれらと比べて軽いと言えるんですか。
○国務大臣(中谷元君) 個別具体的な状況によって判断をされるわけでありますが、単なる経済的な影響にとどまらず、我が国の国民生活に死活的な影響が生じるような場合、こういうことを状況的に総合的に判断して、我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況に当たる場合があり得るということでございます。
○小野次郎君 大変、この新三要件の少なくとも政府・与党の解釈、理解というものは何の歯止めにもなっていないということが誰の目にも明らかになってまいりました。
 そうだとすれば、やはり個別的自衛権の範囲内でやるべきだと今まで理解してきた九条の解釈の延長で新しい安全保障環境の下での自衛権の在り方を考えるとすれば、どこまで行ってもやっぱり我が国に対する武力攻撃の切迫したおそれという、この前も例挙げましたけれども、隣のお宅に火が付いた、ほっておけば三十分後に我が家に火が移ると、隣の畑に火を付けた人がいて、ほっておけばうちの敷地まで燃えてくるという事態だから、この時点で反撃しなければ我々は座して自分の家が焼けてしまうのを待たなきゃいけないのかという論理なら私も分かりますよ。
 だけど、あらゆる経済や生活に必要なものが欠乏したら、そのためには反撃に出るんだというんじゃ、全く今までの第九条の解釈、つまり我々が攻撃を受ける若しくは攻撃を受けるもう切迫した事態自体にならなければ自衛権を行使しませんよと言っていた九条の解釈から全然違う、もう次元の違う、異次元のところまで解釈を拡大してしまっているんじゃありませんか。
 私は、この九条の理解の延長の中には、党によっては厳格に全く駄目だと、変更しちゃ駄目だとおっしゃっている方もおられますけど、いずれにしても延長の中で考えていくことはできないですよ、これ。
○国務大臣(中谷元君) 昨年七月の閣議決定というのは、今、日本を取り巻く安全保障環境が大変大きな変化をいたしておりまして、それを踏まえて昭和四十七年の政府見解の基本的な論理、この枠内で導き出されたものでありまして、憲法解釈としては論理的な整合性と法的安定性は維持をしているわけでございます。
 そこで、憲法上、我が国が武力行使を行い得るのはあくまでも新三要件、これを満たす場合に限られて、我が国又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃がまず発生したことが前提としております。
 何をもって武力攻撃の発生と見るかにつきましては、個別具体的な状況によるため一概に申し上げることは困難であります。その上で申し上げれば、過去においても、この周囲海に囲まれておる日本を武力をもって海上封鎖をし、日本の国民の糧道を断ち、あるいは生産物資を絶つ、そうして日本を危殆に陥らしめるというような手段を講じるならば、それはまさに外部からの武力攻撃に該当する旨の政府答弁があったところでございます。
 いずれにしましても、この新三要件の下では、個別的自衛権の場合も集団的自衛権の場合も、十分かつ限定された厳格な要件の下で武力行使が許容されるということとなっております。
○小野次郎君 それは、この前も横畠さんと、私は早口ですけれども反論したつもりでいますけど、どんな場合でもそうですよ。武力を示して、威力を示して動くなと言ったら、それはもう武力を使ったことになるんですよ。当たり前のことじゃない、そんなもの。
 横畠さんにお伺いしますが、そこまで存立事態の考え方を広げてしまって、我々が必要としている、食べるものから電気から石油からプロパンからあらゆるものについて欠乏したら、その原因をつくった国に対して集団的自衛権の行使が容認されるというような考え立つのであれば、例えばホルムズ海峡に機雷を敷設する行為というのはもう集団的自衛権の問題じゃなくて、端的に我が国の個別的自衛権発動の対象と捉えるべきなんじゃないんですか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) その石油、原油を始めいろいろのエネルギーあるいは食料が途絶するという事態についての大臣の答弁は、まさにその死活的な影響と、その死活的というところがなかなか私はポイントであろうかと思っています。死活的といいますのは、本当に国民の生き死にに関わるような、そういう本当にその深刻、重大な影響というものを想定して御説明申し上げているところだろうと理解しております。
 その上で、個別的自衛権との関係でお尋ねがございました。
 まさに経済封鎖をするような行為というのは、機雷の敷設でもいいんですけれども、そのときの国際情勢でありますとか相手方の明示された意図などによって我が国に対する武力攻撃と認定できるならば、それは我が国として個別的自衛権の発動ができるわけでございます。
 しかしながら、必ずしも我が国に対する武力攻撃とまでは認定できない場合もあり得るわけでございます。その場合におきましても、他国に対する武力攻撃が発生した場合において、そのままでは、すなわちその状況の下、武力を用いた対処をしなければ、国民に我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況であるときは、新三要件を満たす限りにおいて、国際法上は集団的自衛権として違法性が阻却される自衛の措置、武力の行使をすることができるという考えでございます。
○小野次郎君 私は質問を続けることがちょっとできないですよ。
 今までこれだけ大量の時間を使って多くの委員が質問してきて出てきているのが、いわゆる日本に近いところの第三国が攻撃されたけれども我が国が攻撃されるに同視できるような事態になっている場合、若しくはと言って挙げられた例が、遠く離れたところだけれども日本の生命線、というのは古い言い方ですけれども、もう死活問題になる石油の大半の部分が通る場所が第三国が攻撃されたということで、途絶するという事態についてが例外的に挙げられてきたのに、昨日から今日にかけて何ですか、法制局長官まで食料なんて言い出しているじゃないですか。
 政府の統一見解を出してもらわないと、とても議論の幅、どれの議論について私は質問すればいいのか分からないので、このままでは質問続けられません。
 委員長、是非理事会で、政府から、一体何を、この存立危機事態で念頭に置いているのは石油だけではなくてどんなものが含まれているのか、統一見解を出していただきたいと思います。
○委員長(片山さつき君) 後刻理事会において協議させていただきます。
○小野次郎君 とお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 オスプレイの問題で質問をいたします。
 一昨日、ハワイでMV22オスプレイが着陸に失敗し、一人の死亡者、二十一人の負傷者という大事故が起きました。
 午前中も議論になったわけでありますが、政府は、事故原因は究明中だとしながら、機体そのものには問題はないと、こういうアメリカの言い分をそのまま答弁をされております。何で原因が分からないのに安全なんて言えるんですか。国民の命と安全を守る立場であれば、そんなことおかしいじゃないかと、こういう立場でアメリカに迫るべきだと思いますが、外務大臣、そういう立場でいいですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 今回の五月十八日のこの事故につきましては、我が国としまして、この着陸失敗の原因等の関連情報を速やかに提供すること、また安全面への最大限の配慮を行うこと、これを米側に申し入れております。そして、この原因究明あるいは再発防止の措置については、まず、これは米国の兵士がこのオスプレイに搭乗しているわけでありますので、米国においてもこれはもう大変重要な課題であり、この原因究明あるいは再発防止のための措置、しっかりとっていくものと考えております。その情報共有をしっかり我が国としては求めていかなければなりません。
 そして、今御質問の中で、米国側がこのMV22の設計に根本的な欠陥があると疑う理由はなく、これまでにMV22の通常運転を停止させるべき理由は発見されていないという説明を受けているわけですが、これは、米国側としましてもこうした原因究明、調査を行う中で、現状においての米国の判断であると認識をしています。
 是非、引き続き、米国側においてもこの原因究明あるいは再発防止のための措置、しっかりと確認をした上で我が国に対しまして情報を提供してくるようしっかり求めていきたいと考えております。
○井上哲士君 原因の徹底究明を求め、そして国民に全て開示をしていただきたいと思いますが、今もおっしゃいましたように、現状での判断だということであれば、原因がはっきりしていないわけですね。原因も分からずに事故を起こしたような危険なものを日本の空を飛ばすわけにいかないんですよ。
 沖縄の県知事も飛行中止を求めておりますけれども、既に沖縄と岩国に配備をされているMV22のこの飛行中止をアメリカに求めるべきじゃありませんか。いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) このMV22の実際の運航を行っているのは米国でございます。このMV22には米国の自国の兵士が乗って、そして自国の軍人が操縦しているわけでありますが、まさに運用に携わる軍人や、また周辺のコミュニティーもあります。そういう点において、この安全性においては十分に今考慮した上で運用をされているわけでありますが、この点、米国から、本事案の調査を行っているところですけれども、このMV22のオスプレイの設計に根本的欠陥があると疑う理由はなく、またこれまでにMV22オスプレイの通常運用を停止させるべき理由は発見されていないと説明を受けたわけでございまして、同時に、米国政府はMV22の運用の安全性を確認をしており、引き続き最大限の考慮を払って運用すると言っているわけでございます。
○井上哲士君 設計に根本的欠陥があるものなんか使うはずないんですよ、あると思っていたら。そんなことを言ったら、世界中の民間航空機の事故だってそういうことになりますよ。危ないと思ったら乗らない。しかし、乗ってみたら落ちたんですよ。原因が分からないんですよ。そんなものが日本の空飛んでいいんですか、そんなことで国民の命と安全守れますかということを言っているんですよ。とんでもない話ですね。
 そして、このMV22よりもより危険だと、事故率が高いCV22が横田基地に配備をするとアメリカからの突然の接受国通報がありまして、近隣の自治体、住民から大きな怒りと不安の声が上がりました。そのやさきの今回の事故で、例えば福生市の市長さん、受け入れられないという気持ちは変わらない、事故でますます市民に説明が付かないと、こういうことをマスコミでも言われております。
 新たな配備など論外でありますが、このアメリカからの計画というのは、どういう部隊が横田に何人配備されて、どういう施設の整備をいつまでに行うのか、そしてこの部隊は、在日米軍の中の指揮関係はどういうふうになるという説明なんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 米側からCV22の横田飛行場配備に伴い、同飛行場にCV22十機や関連要員等から構成される飛行部隊を新編する予定である旨説明を受けております。当該の新編部隊は、現在、嘉手納飛行場に所在している第三五三特殊作戦群と同様に、米空軍特殊作戦コマンドの隷下に所属をする予定であると承知をしております。
 CV22の横田配備に伴う施設整備については、米側より、米国政府の予算により格納庫の増改築やシミュレーター施設の整備等を行うこととしている旨、これらの施設整備については二〇一五年から二〇二〇年米会計年度において実施する旨の説明を受けております。したがいまして、CV22の飛行隊の配備に伴いまして、軍人及び軍属合わせて四百名が増加することとなる旨、米側から説明を受けております。
○井上哲士君 米空軍はCV22を何機所有しておって、そのうち海外ではどこの国に何機配備をされているでしょうか。
○政府参考人(鈴木敦夫君) お答え申し上げます。
 米空軍によりますれば、二〇一五年二月の時点で米軍は三十三機の現役のCV22を保有しているものと承知しております。
 これらの米軍のCV22の運用の詳細含めまして、その配備場所含めて網羅的に責任を持ってお答えする立場にありませんが、その上で申し上げれば、米本土以外におけるCV22の配備といたしますれば、例えば、英国のミルデンホール空軍基地に展開している第三五二特殊作戦群に十機のCV22が配備されているものと承知しております。
○井上哲士君 ですから、米国以外では二つ目の国であって、しかも三十三機のうち、所有している中で十機が日本に配備をされるということになるわけですね。
 このCV22の任務について、米空軍の二〇一六会計年度予算書では、現在、他の航空機によって提供されない政治的に又は軍事的に敵が支配する地域への特殊作戦部隊の投入、引揚げ、補給を行うための長距離で高速の対処能力を提供するとしております。
 およそ日本防衛とは関係ないわけでありますが、なぜこのような特殊作戦のための部隊を在日米軍に配備をする必要があるんですか。
○国務大臣(中谷元君) 米国は、これまでも核及び通常戦力を含むあらゆる種類の軍事力による日本の安全に対するコミットメント、これを繰り返し表明をするなど、日本に対する拡大抑止の信頼性の維持向上に努めてきております。
 今般のCV22の我が国への配備は、このような米国の取組の一環として米国のアジア太平洋地域重視政策を実践するものでありまして、日米同盟に対する米国の揺るぎないコミットメントを示すものであります。また、CV22の我が国配備によりまして、我が国有事を始めとする各種事態が発生した場合に、偵察や情報収集、人質救出などの様々な任務を行う米軍特殊作戦部隊の迅速な長距離輸送、航空輸送、これが可能となります。さらに、米軍と自衛隊の間でCV22を利用した共同訓練が可能となるなど、日米の相互運用性の向上にも寄与するわけでございます。
 以上を踏まえますと、CV22の我が国への配備は、事態発生時の日米の両国の対応能力を向上させるのみならず、日米の高度な共同対処能力を対外的に示すことにより我が国への侵略を思いとどまらせる効果もあり、日米同盟の抑止力、対処力を向上させるものであります。
 また、我が国において首都直下型地震、南海トラフ巨大地震など大規模災害が発生した場合にも、CV22は迅速かつ広範囲にわたって人道支援、災害救援活動を行うことができ、我が国や地域における米軍の大規模災害における対処能力も大いに向上させるものでありまして、このCV22の我が国への配備は大変意義があるものだと考えております。
○井上哲士君 偵察とか災害とか言われましたけれども、CV22というのは様々な特殊作戦に投入されてきたんですね。例えば、米軍の準機関紙「星条旗」、今年の五月十六日付けを見ますと、米軍の特殊部隊が、金曜日、つまり五月十五日の夜、シリア国内での襲撃でIS幹部を殺害したと。さらに、国防当局者がAP通信に明らかにしたことによればとして、オスプレイとブラックホークヘリコプターに搭乗してイラクから移動した米陸軍デルタフォース部隊は、白兵戦を含むかなり激しい銃撃戦を行った、襲撃で戦闘員約十二名を殺害したと。こういうのが現に「星条旗」に出ているんですよ。
 ですから、まさに横田基地がこういう地球的規模でのアメリカの特殊作戦部隊の出撃地となるということなわけですね。
 政府の説明文書によりますと、この横田に配備されるCV22は、アジア太平洋地域に所在する米軍特殊作戦部隊等を輸送する任務を持つとしておりますが、この特殊作戦部隊というのはどこに所在をしているんでしょうか。
○政府参考人(鈴木敦夫君) お答え申し上げます。
 横田に配備されるCV22が輸送する予定の米特殊作戦部隊といたしましては、アジア太平洋地域でございますが、沖縄のトリイ通信施設に所在する陸軍第一特殊部隊群第一大隊、それから同じく沖縄嘉手納飛行場に所在する空軍第三五三特殊作戦群、それからグアム海軍基地に所在いたします第一海軍特殊部隊などがございます。
 また、なお、このCV22の輸送対象はこれらの部隊に限られず、アジア太平洋地域以外から来援した部隊の輸送を行うこともある旨、説明を受けております。
○井上哲士君 じゃ、そのCV22はどこでどのような訓練を行うんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) CV22は、各種事態における米特殊作戦部隊の迅速な長距離輸送を行うという主たる任務を達成するために、通常の飛行訓練に加えて低空飛行訓練、夜間飛行訓練等を実施することになると承知しています。また、輸送対象となる米特殊作戦部隊と共同で訓練を実施することになる旨、米側から説明を受けております。CV22の国内における訓練場所につきましては、主に米軍施設・区域のほか、自衛隊の訓練区域等を予定をしている旨、米側から説明を受けております。
 なお、米側は、CV22の日本国内における飛行運用に際しては、地元の住民に十分配慮し、最大限の安全対策を取るとしており、MV22に関する日米合同委員会合意を含む既存の全ての日米間の合意を遵守する旨、明言をいたしております。
 政府といたしましては、引き続き、米政府に更なる情報提供を求めて、得られた情報について関係自治体へ丁寧に誠意を持って説明してまいりたいと考えております。
○井上哲士君 先ほど、IS幹部の殺害作戦、夜にやったということが報道されているように、これ特殊作戦ですから、夜間訓練が必ず必要になってくるわけですね。MVのように日米合意を守ると言われていますが、全く守られていないということは沖縄県が繰り返し指摘をしております。
 米空軍の指示、二〇一一年十一月九日付けのCV22の作戦手順というのがありますが、この空中戦闘演習の項には、敵の攻撃を回避する演習について、航空機モードで、最も高い障害物から二百フィート、約六十メートル、ここで開始をし、回避演習を行う間、最低高度の二百フィートを維持すると。転換モードでの回避演習の最低高度は、最も高い障害物から百フィート、約三十メーターですね、こういう訓練を行うということを明記されているんです。
 ですから、日本の航空法の住宅地での、人口密集地での最低高度三百メートルよりよっぽど低いところでやるわけですね。こういう訓練はどこでやるんですか。嘉手納やトリイの部隊とともに、沖縄でもやることになるんじゃないんですか。
○国務大臣(中谷元君) 先ほど説明をいたしましたが、訓練等につきましては、通常の飛行訓練に加えて低空飛行訓練を実施することになるということでございます。この低空飛行訓練は、部隊の能力の維持向上を図って、日米安全保障条約の目的達成に資する重要なものでありまして、この点、日本と米国政府の間では、低空飛行訓練を実施するに当たっては、安全面に最大限考慮を払うとともに、地元住民に与える影響を最小限にする必要があると認識をいたしております。
 米側は、低空飛行訓練を含め、我が国でのCV22の飛行運用に際しては、MV22に関する日米の合同委員会での合意、これを含む既存の全ての日米間の合意を遵守する旨、明言をいたしておりまして、この委員会の合意におきましては、地元住民に十分な配慮がされ、最大限の安全対策が取られることを両国間で合意をしているほか、低空飛行訓練についても、原則として地上から五百フィート、約百五十メートル以上の高度で飛行をするということにされております。
○井上哲士君 そういう合意が全く沖縄で守られていないのは、繰り返し言われているとおりなんですね。
 これは、CV22の作戦手順、米国のものでありますが、確かに原則、今言われたように、五百フィート以上と書いてあります。しかし、こうも書いてあるんですね。ただし、許可され調査された区域又は経路、許可された演習任務の場合、若しくは有視界気象状況の下に行われる経路調査を行う間、離着陸、作戦任務、訓練飛行においてより低高度の飛行が求められる場合はこの限りではないと。原則であって、この限りではないと、米軍の手順がこうしているんですよ。
 こういう飛行訓練は現に沖縄でMV22がやっているわけですね。こういう訓練を、じゃ、横田に配備されたCV22が横田の周辺でやるんですか、それとも沖縄でやるんですか。答えてください。
○国務大臣(中谷元君) このCV22の国内における訓練場所につきましては、主に米軍施設・区域のほか、自衛隊の訓練区域を予定しているということはお話をさせていただきました。
 我が国に配備されるCV22は、各種事態が発生した場合に初動対応を行う米軍の特殊作戦部隊を輸送することを主な任務としておりまして、沖縄にも特殊作戦部隊が所在をしていることからCV22が沖縄に飛来することも考えられますが、現時点において沖縄における具体的な飛行運用については米側から説明を受けているわけではありません。
 政府としては、引き続き、米国政府に対してCV22に関する更なる情報提供を求めて、情報が得られた場合には関係自治体に丁寧に説明をしてまいりますが、沖縄を始めとして米軍の運用による地元の影響の軽減を常に考慮を米側もしてきていると承知をいたしておりまして、政府としても引き続き、このオスプレイの沖縄県外への訓練移転など実施をしておりますが、沖縄の負担軽減に全力で取り組んでいく姿勢は堅持をしてまいります。
○井上哲士君 大臣の説明でも、このCV22が輸送対象となる米特殊作戦部隊と共同で訓練を実施するとなっているわけですから、わざわざ沖縄からやトリイから部隊を持ってくるのか。現にやっぱりそこへ行って訓練するわけですね。今、沖縄が可能性があるということを述べられました。そうなりますと、新たに沖縄で訓練が行われることになるんですよ、これまで行われなかった部隊の。沖縄の負担軽減じゃなくて、負担増加になるじゃないですか。どこが負担軽減なんですか。
 しかも、二〇〇六年の米軍再編ロードマップは、地元の負担を軽減しつつ抑止力を維持するとして、この地元負担の軽減には横田基地も入っているんですよ。しかし、横田について言いますと、これ全く新しい部隊の配置なんですね。ですから、沖縄の負担軽減にもならない。横田の負担軽減にもならない。横田も沖縄も負担増加になるじゃないですか。
 これは全くロードマップから逆行していませんか。中止すべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) CV22につきまして、現時点において沖縄における具体的な飛行運用については米側から説明を受けているわけではございませんが、米側は、沖縄を始めとして、米軍の運用による地元への影響軽減を常に考慮をしてきていると承知をいたしておりまして、政府としても引き続き、オスプレイの沖縄県外への訓練移転など、沖縄の負担軽減に全力で取り組んでまいる考えであります。
○委員長(片山さつき君) 井上哲士君、そろそろ時間でございます。
○井上哲士君 沖縄にも横田にも負担の増加になるこのような配備は中止をすべきだということを改めて求めまして、質問を終わります。
○アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば熱中症も怖くないということで、ふだん言っている私が先日、熱中症にかかりました。医者に調べてもらったら、どこも悪いところはなかったんですが、よくよく考えたら、恋の熱中症でした。
 ということで、本題に入ります。
 先日、本会議でスポーツ庁の設置が可決されました。かねてより、昔、今の総理のお父さんである安倍晋太郎さんにこのことも提案して、是非是非そのことは言い続けなさいと。途中で議員を辞めてしまったので途切れましたが、今回はいよいよ設置法が通りまして、本当に喜ばしいと私は思っています。
 さて、世界でスポーツ省を設置している国はたくさんありますが、私と関係の深いブラジルでは、ペレとかあるいはジーコ、サッカー選手ですが、あと競歩で金メダルを取ったメキシコのラウル・ゴンザレスという、大臣にもなったり、ほかにもいろんなスポーツ大臣をスポーツ選手が、あるいはメダリストがやっておりますけど。
 それと関連して、今回の設置とともに、オリンピックが二〇年に行われます。その辺が本来のオリンピックの精神とずれてしまったのかなと。いろいろ、クーベルタン男爵の言葉とか、商業ベースになって、あれはユベロスという人、ロサンゼルスのオリンピックからですかね、商業ベースに変わってますますそれが大きくなって、中国のオリンピックと。その辺が本来のオリンピック精神とずれてしまったんじゃないかなというのが、最近いろいろ報道を見ながらも感じております。
 私も、いろんな政府からも、カンボジアだとか、あるいはキルギス・シルクロード・マラソンもこの間行ってきましたけど、そういうようなことで、スポーツ観光大使とか、いろいろ称号をいただいておりますが、世界でスポーツ省が設置されている国は幾つぐらいあるのか。
 また、日本のスポーツ庁が、名ばかりじゃなく、これからスポーツ庁という、まあこれからスタートするわけですが、その辺の精神をきちっと持った上でこの庁がスタートしてもらいたいと思います。具体的にこのスポーツ庁が果たす役割と存在意義についてお聞かせをいただきたいと思います。
○大臣政務官(山本ともひろ君) お答えいたします。
 委員御指摘のスポーツ省というのが世界にどのぐらいあるかということでございますが、今我々が把握している段階では、単独のスポーツ省としましてはロシアとブラジルの二国と承知をしております。ただ、ほかにも文化ですとかメディア、あるいは青少年、あるいは都市政策、そういったものと併せてスポーツという名前を付けての省は、他の国々にも多く見受けられると承知をいたしております。
 また、スポーツという全般に関してでございますが、ともすればスポーツ、運動というのはどうしても、学生が学校で体育の授業でやる、あるいは部活動でやる、そういったものがスポーツ、運動となり、大人になりますとどうしてもなかなかスポーツ、運動をする機会がなくなってしまって、いわゆるアスリートですとかプロの選手たちがスポーツ、運動をするというのが現状だと思われますが、我々としましては、そういった面だけではなく、国民が幅広くスポーツを楽しんでほしい、運動をしてほしい。それは、健康増進の目的であったり、あるいはそういうスポーツを通じて地域社会のきずなを深めていただきたい等ございます。
 それらは、スポーツ基本法にもそういった精神は書いてございまして、スポーツ庁をつくるに当たりましては、そういったスポーツ基本法に書かれているスポーツ立国の精神をきちっと踏まえまして関係府省庁と連携を取る、そしてスポーツ政策、スポーツ振興を進めていく司令塔としてスポーツ庁がしっかりと役割を果たしていくものであると認識をしております。
○アントニオ猪木君 次に、余り聞き慣れないあれですが、気象兵器という。
 八九年ですかね、私が議員で、ロシアといろんなスポーツ交流が、いろんな人との付き合いがある中で、ちょうどエリツィンさんが大統領選で当選したすぐ後に、タルピシェフというテニスの選手が、たまたま一番苦しいときに飛行場で出会って、そしてテニスが好きなものでテニスに誘ったらタルピシェフ選手が喜んで付き合ってくれたと。そんなことでいたく大統領も感激していたようですが、その後すぐに大統領になって、スポーツ大臣に就任しましたが。
 日本の大使館もこのタルピシェフさんに会いたいといろいろあったんですが、なかなか連絡が付かない。当時、外務省の三等書記官だった佐藤優さんが私の通訳もやってくれたので、そういうことから連絡をしたらすぐに返事が来まして、大統領そしてタルピシェフさんの部屋へ行って話を聞いていましたら、ちょうどそのときに、あそこの赤の広場でアメリカとロシアのバスケットチームの試合をすると、コートを広場に作りましてね。
 そのときに、エリツィンさんとタルピシェフさんの会話を横で聞いていたら、ちょうど曇っていたんですね、今にも雨が降りそうだという。そのときに、大統領からのあれで雲を飛ばせという。ちょうど彼がロシア語が分かるもので通訳をしてもらって、雲を飛ばすってどうやって飛ばすんだと。そうしたら、今にも降りそうだった雨は降らないで無事イベントは終わりまして。
 そういう会話を聞いていて、つい最近、この気象兵器に関してちょっと目にしたものですから、今日はその質問をさせてもらおうと思うんですが。この気象兵器に関して、私もネットを見たりいろいろ見てはいますが、話が飛んじゃったんです、目が最近ちょっと悪くなってきて。
 それと、さっき言った、雨を降らさないようにというので結局その日は雨が降らなくて、一説によると、アメリカとロシアの間には気象兵器のお互いの国を攻撃しないという条約があるそうです。気象を操り、大雨を降らせたり洪水を起こしたり、時には地震を起こすこともできるということでした。ちょっと現実離れした話だと思いますが、そんなものがなければ条約を結ぶ必要もないのかなと思います。
 そこで、この気象兵器はどんなものか、日本がこの辺についてどのようなことを把握しているのか、教えていただきたいと思います。そして、日本が同様の条約をどこかの国と結んだことがあるのか、また、今後結ぶ予定があるのかをお聞かせください。
○国務大臣(中谷元君) 御指摘の気象兵器に関連し得る条約といたしましては、環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約が存在をいたしております。これは昭和五十二年五月十八日にジュネーブで署名のための開放をされ、昭和五十七年六月九日に我が国加入書を寄託をいたしておりますが、この条約においては、環境改変技術の平和的使用が認められる一方、同技術の軍事的使用等については禁止をされている旨、承知をいたしております。資料によりますと、加入状況が締結七十六か国で、我が国、米、ロ、中を含むということでございます。
 防衛省としましては、この条約において使用が禁止され得る具体的な気象兵器については承知をしていないということでございます。
○アントニオ猪木君 もしそのような兵器があって、もしじゃない、現実にはあると思うんですが、日本がそれによって何か攻撃を受けたときには無防備なんですね、そうすると。まあ、お答えは結構です。
 次に、横田基地について、ちょっとオスプレイについて質問をさせてもらいますが、先ほど同僚議員も横田基地の問題について質問されていました。私も、知人が先日、横田基地の近くに住んでいるので、一つには導入によって地元住民、何の連絡もなく導入されたということで驚いているということで、また騒音といういろんなことも聞いて、実際、私は横田基地は行ったことがありますが、オスプレイを見たこともないものですから、その辺について、どう答えたらいいのかなと思っておりましたが。
 また、今回の質問文を書いている最中にちょうどオアフ島の今回のオスプレイの事故が起きたということで、先ほどこの設計にミスはないというような説明もありました。その辺は本当にこれからもっともっと調べていかなきゃ分からないことかもしれませんが、元々、このオスプレイに関しては、導入に関して、新聞やいろいろな報道でも非常に、導入に対して反対というよりは、これの欠陥があるというようなことも聞いておりました。
 その辺について我々も説明は聞きますが、この前もお聞きしたとおり、どうしてもここの議論は右か左か、前か後ろかというわけにはいかないにしても、その辺の方向というか、答えがどうにも分かりにくい。その辺をできるだけ、これから本当に横田基地の、その私の知人なんかもそうですが、分かりやすく、私の口からも、こういうことだよ、だからこういうことが必要だよというようなことも含めて説明できるようなお話をしていただくと本当に有り難い、というよりは、その辺を、今後の国会の在り方も変えていかなきゃいけないと常々思っています。
 この答弁の在り方も、いつも座っていながら感じることで、もうちょっと、何でしょうね、生きているような、リングでいえばもうちょっと戦いができるような委員会であったらいいなと思います。それで一番の国民の心を我々が議論し、そして国のために反映できるような、そんな委員会であればいいなと。
 少しずつ、やっぱりこの委員会の在り方も、国会、参議院、衆議院もしかりですが、十九年ぶりに国会に戻って本当に感じていることは、昔よりももっと何か元気がなくなってしまった、あるいは規則にはまってしまった。その辺が、もうちょっと生き生きしている、やっぱり私は元気が売り物ですから、この国会から元気を発信して、ああ、この間の討論を聞いて元気になったよだとか、そんなような声を聞きたいと思っております。
 そこで、なかなか政府の役人の皆さんも大変だと思います、書類を作り、いろいろ。ただ、この前もちょっと感じたことは、ウィキペディアを見たら全くそれと同じ答弁だったものですから、その辺をちょっと工夫してもらって、はっきり言えばふざけんなというような感じもしましたけど。ここのルールはルールですが、少しずつその辺をやっぱり実のあるものに変えていってもらいたいと思います。
 先ほど同僚の議員からもオスプレイについていろいろ質問がありましたが、大臣はオスプレイを見られたことはありますよね、当然。それで、質問ですが、安全性や騒音の問題というのが非常に、この間も私の知人が言っていたので、その辺の安全対策、あるいは、安全対策はこれからの問題としても、騒音対策についてどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) オスプレイには私二度搭乗しました。一度目は岩国に配備をされたときと、もう一度は一か月前にアメリカを訪問した際にペンタゴンから部隊へ行くときに乗りましたが、私が乗った限りにおいては不安はなくて、安全性においては、私の目から見ると通常の航空機と一緒だという状況であります。
 これは羽根が付いていまして、回転翼で垂直に移動できるいわゆるヘリコプターの機能と、羽根を縦にしますと固定翼の飛行機になるということが両方できる飛行機でありまして、二種類あります。海兵隊向けのMV22と空軍向けのCV22がありまして、現在沖縄にはMV22が所在しておりますが、今度横田にCV22が配備をされるということであります。
 機体はそれぞれ任務が違います。これは先ほど説明はいたしましたが、この機体については、搭載装備に異なる部分がある別機種ですけれども、両方とも機体構造と基本性能、エンジンとか飛行システムの基礎は一緒であります。
 ですから、このMV22、海兵隊の仕様のMV22について確認された機体の安全性というのは今度のCV22にも該当するものと考えておりまして、アメリカは、この安全性につきましては、二〇〇七年に全ての信頼性、安全性基準を満たすと判断をいたしましてCV22の運用を開始をいたしました。また、日本は、我が国に導入が計画された場合に、独自の事故分析評価、また日米の合同委員会の合意を通じて、二〇一九年九月までに我が国におけるMV22の運用の安全性、これを確認をいたしているわけでございます。
 騒音につきましては、現在横田飛行場に配備される航空機と比較しますと、C12の輸送機の騒音よりは大きいものの、現在の配備機種の大半を占めるC130の輸送機やUH1のヘリコプターの騒音とほぼ同じでありまして、横田飛行場周辺では騒音による著しい影響はない旨、米側から説明を受けております。
 他方、オスプレイの安全性、騒音については地元に懸念が存在をするわけでございますので、政府に当たっては、この騒音の問題も含めまして、地元に与える影響を最小限にとどめるように引き続き米側と協議を行ってまいりますが、与えられた情報につきましては、地元の皆様方に分かりやすく説明をしてまいりたいと思っております。
○アントニオ猪木君 最後に、ちょっと時間がなくなってまいりましたが、日本企業のアフリカ進出ということについて、いろいろエチオピアやあるいはコートジボワールですかね、いろんな商社が頑張っているようです。モザンビークも三井物産とか。
 そんな中で、安倍総理のトップセールスが結果につながったのかもしれませんが、今回、難しいと言われていた中で、アフリカでの日本企業進出に効果的であったと思われることはどのようなことでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のとおり、アフリカ諸国からは日本企業の投資に高い関心が示されています。背景には、いわゆるTICADプロセスを通じまして、我が国は一九九三年以来、アフリカ諸国を支援してきました。そして、その中身ですが、単なる援助だけではなくして、それが技術移転ですとかあるいは雇用創出にもつながる、この辺りが日本らしい支援ということで高く評価されてきた、こうしたことがあると考えています。
 そして、二〇一三年のTICADXにおきまして、五年間でODA約一・四兆円を含む最大約三・二兆円の官民の取組を打ち出しました。そして、その中でインフラ整備とか人材育成に取り組んでいるわけですが、昨年一月には安倍総理がアフリカ三か国を訪問し、トップセールスも行いました。さらには、官民合同ミッションの派遣もありましたし、政府としましても、民間企業と緊密に連携し取組を進めていく、こういった事情もあります。また、政府としましても、投資環境を改善する、こういった点において積極的に先方政府に働きかけを行っている、こういった事情もあります。
 こうした様々な取組がアフリカ諸国からの強い期待につながっている、このように認識をしております。
○アントニオ猪木君 時間が来ました。
 ありがとうございます。
○国務大臣(中谷元君) 委員長、一点ちょっと訂正。
○委員長(片山さつき君) 中谷防衛大臣の御発言を認めます。
○国務大臣(中谷元君) 先ほどのオスプレイの話で、数字の訂正をさせていただきます。
 MV22の運用の安全性の確認につきましては、二〇一九年と申し上げましたが、二〇一二年の九月までに我が国で安全性の確認をいたしております。訂正をさせていただきます。どうも済みませんでした。
    ─────────────
○委員長(片山さつき君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、石川博崇君が委員を辞任され、その補欠として新妻秀規君が選任されました。
    ─────────────
○浜田和幸君 次世代の党の浜田和幸です。
 まず、中谷大臣に、先日、五月の十二日に南シナ海を舞台にして日本とフィリピン初の海洋合同演習が行われました。マニラの新聞等ではかなり大きく報道されていまして、日本の「はるさめ」ですとか「あまぎり」という自衛艦がフィリピンの軍艦と共同演習を行ったと。
 こういった海外での言わば海上輸送路の安全を確保するための合同演習というのはフィリピンとの間では初めてのことだと承知しておりますが、一体どのような成果が得られたものなのか、また、どこで具体的にどのような合同演習が行われたのか、フィリピン側からどのような部隊が参加したのか。そういうことについて概略、御紹介いただければと思います。
○政府参考人(深山延暁君) 訓練の概要につきまして、まず事務方からお答えをいたしたいと思います。
 御指摘のとおり、海上自衛隊は五月十二日にマニラ西方海域においてフィリピン海軍と共同訓練を実施いたしました。この訓練は、本年一月の日比防衛大臣会談における合意に基づきまして、派遣海賊対処行動水上部隊が帰投中にマニラに寄港する機会を捉えて実施したものです。
 この訓練におきましては、CUES、これは洋上において不慮の遭遇をした場合の行動基準という意味でございますけれども、これを使用しました通信訓練を実施いたしました。CUESの着実な適用と更なる発展、ひいては日比両国間の海洋安全保障協力の強化に資するものであって、大変意義が大きかった訓練であると考えておるところでございます。
○浜田和幸君 地元の報道では、そういう海賊対策だけではなくて、やはり中国が今、東シナ海、南シナ海等で軍事的な岩礁の補強、そういうことをやっていますもので、そういう中国に対する抑止力、これをフィリピンだけではなくて日本もアメリカも共同して対処している、そういう中国に対して抑止効果というものを狙っているのではないかと、そういう分析なんですけれども、この点については、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) このCUESというのは二〇一四年に西太平洋の海軍シンポジウムで採択されたものでありまして、この目的は海軍艦艇、航空機が不慮の遭遇をした場合にコミュニケーションを促進する手段の提供ということで、安全手順とか通信手順を決めたものであります。これにはメンバー国二十一か国が入っていまして、中国も入っておりますし、オブザーバー国で四か国入ってきております。
 この訓練はCUESの着実な適用と更なる発展に資するための実施でありまして、中国を含めてこのCUESを採択した全ての国にとって意義が大きい訓練であったと考えておりまして、この訓練は、海上自衛隊の戦技技量の向上を図るとともに、海上安全保障におけるフィリピン海軍との協力関係を強化することを目的としたものでありまして、特定の国又は地域を念頭に置いたものではございません。
○浜田和幸君 今、日本と中国との間では様々な偶発的な危機を回避するための海空連絡メカニズムの協議も進んでおるようですけれども、今回のこういう南シナ海での日本とフィリピンの初の合同演習、今後、やっぱり中国あるいは周辺国を巻き込んだ、そういう海洋の安全についての枠組みというのか、そういう協力体制をつくる、そういう考えはおありなのか。
 また、当のフィリピンはやはり中国の動きを大変警戒しているようでございまして、国連に対する介入の要請、あるいはアメリカに対する中国に対する過度の軍事行動を抑制するように働きかけをしているようであります。具体的には、フィリピンはアメリカから中古の監視船ですとか、韓国からは新型のジェット戦闘機の購入も決めているようですけれども、フィリピンから日本に対して今後そういうような要請があった場合に日本はどのような対応をするのか。
 国際社会からのいろんな要請に対してフィリピン一国では対応できない状況も生まれていると思うんですけれども、日本の近隣のアジア諸国に対する協力又は中国に対する働きかけ、そういうことを踏まえた上で、今後、日本はどのような形で東シナ海、南シナ海の緊張状態に向き合おうとしているのか、是非大臣からお考えをお聞かせください。
○国務大臣(中谷元君) まずフィリピンとの装備協力につきましては、本年一月、日本・フィリピンの防衛相会談がありまして、防衛装備・技術協力の可能性を検討するために事務レベルの協議を開始することで一致をいたしております。
 相手国との関係がありましてフィリピンの具体的な要望については申し上げることは差し控えさせていただきますが、防衛省としましては、フィリピンを含む東南アジア各国との間で、海洋安全保障や災害救助、海賊対処など非伝統的安全保障の分野におきまして防衛装備・技術協力の関係構築を積極的に図るといたしております。
 なお、現時点においてフィリピンとの間で具体的な協力案件があるわけではございませんが、協力を進めるに当たりましては防衛装備移転三原則に従って行うことになります。
○国務大臣(岸田文雄君) ただいまの御質問の後半の部分ですが、東シナ海あるいは南シナ海の平和と安定に我が国がどう貢献していくかということにつきまして、まず南シナ海をめぐる問題、これは地域の平和と安定に直結する、我が国を含む国際社会の関心事項であると認識をしております。我が国としましてもしっかり注視していかなければいけませんし、一方的な行動については懸念をしています。法の支配の原則に基づいて行動することが重要だと認識をいたします。
 その中で、フィリピン政府が、南シナ海をめぐる中国との間の紛争に関して、国連海洋法条約に基づく仲裁手続を活用して国際法に基づく平和的な紛争解決を目指すことは、これは地域における法の支配に立脚した国際秩序の維持発展に資するものであり、我が国としましてはこれを支持いたします。引き続き、法の支配が貫徹されるよう、米国や他の同志国と緊密に連携していきたいと思いますし、中国に対しては、国際的な規範を遵守、共有しながら、地域やグローバルな課題に対してより建設的かつ協調的な役割を果たすよう働きかけていくことは重要であると考えます。
 我が国としましては、今申し上げましたような取組を通じまして、東シナ海、南シナ海の平和や安定に貢献していきたいと考えます。
○浜田和幸君 南シナ海の小さな岩礁を、今、中国がコンクリートを固めてヘリパッドを造ったり、三千メートル級の滑走路を造ったり、いろんな衛星写真なんかを見ると、どんどん小さな岩が島になって軍事基地化しているという情報がありますよね。こういうことは、やっぱり現状をある意味では力でもって変えていく、南シナ海含め八割、九割は中国のものだ、外からフィリピンやベトナムが、これはちょっとおかしいんじゃないかということをクレーム付けても、いや、自分たちの領海の中でやっていることで、そんなことを言われる筋合いはないということなんですが。
 これは、ほっておくとやっぱり尖閣の問題にも波及すると思うんですけれども、そういうことについて中国に対する働きかけ、防衛、外務両方でどのようなことを今考えておられるのか、お聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、埋立てを行い、そして現状変更をし、そして緊張を高める、こうした一方的な行動につきましては、我が国のみならず、国際社会全体としても懸念であると思います。こうした行動については慎んでもらわなければなりませんし、逆に、建設的な、平和的な取組あるいは役割を果たしてもらうために働きかけをしていかなければなりません。
 中国に対してこうした働きかけを行う際、もちろん二国間関係においても対話を行い、そして働きかけを行う、これは大変重要なことでありますが、あわせて、様々な国際的な枠組みを活用し、中国に働きかけを行う、こうした取組も重要だと認識をいたします。国連、もちろんでありますし、ARFですとかASEANプラス3ですとか様々な取組があります。こうした枠組みを通じて様々な対話を行い、中国側に建設的、平和的な役割を果たすべく働きかけを今後とも続けていきたいと考えます。
○国務大臣(中谷元君) 御指摘のように、中国は、この海域におきまして非常に利害が対立するような問題をめぐって力を背景とした現状変更の試みなど、高圧的なとも言える対応をいたしております。
 南シナ海におきましては、ASEAN諸国との間で領有権について争いのある南沙諸島の岩礁において、一方的に、非常に大規模に急ピッチに埋立活動を推進をしておりまして、滑走路、港湾等の建設を進めようとしている旨の各種の指摘がなされておりまして、関係国から懸念が出ているわけでございます。
 我が国としては、中国を含む各国が緊張を高める一方的な行動を慎み、法の支配の原則に基づき行動するとともに、公海における航行の自由や公海上空における飛行の自由といった国際法の一般原則が確保されることが重要と考えておりまして、この南シナ海をめぐる問題は、アジア太平洋の平和と安定に直結する国際社会全体の関心事項であり、我が国としては、中国が独自の主張に基づく一方的な措置をとることを控えるべきと考えておりまして、引き続きその動向を注視をしてまいりたいと考えております。
○浜田和幸君 是非、国連始め様々な多国間の協議の中でこういう問題を日本が主体的に指摘をし、中国の暴走を防ぐということに努めていただきたいと思うんです。と同時に、やはり中国の国内の一般の国民に対する広報活動ということもとても重要だと思うんですね。
 そういう意味で、逆に、先般、パースUSアジアというところが中国人を対象にした世論調査を発表しました。それによると、尖閣をめぐる日本と中国との間で戦争が起こった場合、中国は八七%の確率で日本に勝てるという回答なんですね。万が一アメリカ軍が日本に参戦した場合、日本とアメリカが束になっても中国は勝てると信じている中国人が七四%という数字が出ています。これはためにするデータかも分かりませんけれども、少なくとも多くの中国の一般の人たちがそういう思いを持って今、日本やアメリカを見ているという一つのデータにはなると思うんですね。
 こういう考え方を変えさせるためには、我が国も官民挙げて中国に対する広報宣伝活動を強化する必要があると思います。そういう観点で今外務省が、さきに総理が訪米された機会に、CNNを始めアメリカに、日本政府がスポンサーになって日本の平和外交についてのコマーシャルを流しましたよね。大変好評でした。ですから、同じような類いで中国やあるいはアラブ、そういった国々に対して日本の平和外交、その重要性、これをもっとアピールする必要があると思うんですね。
 外務省のホームページを見ても、中国向けのいろんなデータ出ています、動画が上がっています。でも、日本語なんですよね。中国語のものは日中関係についてのものはないんですよ。だから、これでは片手落ちだと思うんですね。
 是非とも、こういった中国の国内でそういう日本に対する誤った認識が広まっているということを考えれば、正しい日中関係の重要性、新しい時代にふさわしい日中の協力関係ということを、もっと積極的な情報発信が必要だと思うんですけれども、外務大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 日中関係は我が国にとりまして最も大切な二国間関係のうちの一つであり、そして日本と中国は地域の平和や安定にも大きな責任を担っています。この日中関係が健全に発展するために、両国国民の相手国に対する正確かつ客観的な認識、これを広めていくこと、極めて重要であると考えます。
 御指摘のとおり、現時点において両国国民の相互理解、十分とは言えません。あるいは誤解や理解不足に基づく見方も多いかと思います。そして、両国の国民感情も悪化してきています。
 こうした状況を改善すること、これはまた大変重要な課題だと認識をいたしています。先日のジャカルタでの日中首脳会談でも安倍総理から、両国国民間の相互理解こそが良好な日中関係の基礎であると指摘をいたしました。様々な分野の対話、交流を積み重ねていく、こういったことで習近平主席と一致をしたところであります。
 是非こうした状況を改善していくために、平和国家としての歩みあるいは国際貢献、こういったものを積極的に広報していくことは重要だと認識をします。御指摘をいただいたCM放送も含めて、戦略的、効果的な対外発信に努めていきたいと存じます。
 なお、このCM放送の言語についてお話がありましたが、外務省ホームページではこうしたCM動画を英語、日本語のほかに中国、韓国、スペインなど計十言語で視聴できるように工夫をしております。こうした工夫はより広げていきたいと考えます。
○浜田和幸君 是非、日中関係の大事な日本語で作った動画はすごくいい中身なんですが、それが中国語になってないというのはちょっと残念な、もったいないという感じがしています。
 また、NPTの関連の会議でも、広島、長崎にみんなで行ってもらうような提案を日本政府がしたのに、中国が反対してこれから削除されてしまった、これなんかも大変もったいない話だと思うんですね。
 大臣、広島の御出身ですけれども、こういう問題、もっともっと中国の一般の人たちにも分かってもらう、そういう努力を重ねていただきたいと思います。
 そういった意味で、これ御存じですか。(資料提示)宮本エリアナさん、今年のミス日本ですよね。佐世保の米軍基地で働いておられるアメリカ人のお父さんと日本人のお母さんとの間に生まれた、初めてのいわゆるハーフ、黒人系のミス日本。この十二月にはミス・ユニバースに日本代表で参加されることになっているんですが、大変なバッシングなんですよね。要するに、日本人に見えないというんですよ。
 でも、これおかしいと思うんですよね。お父さんがアメリカの海軍の兵隊さんで、日本のお母さんと結婚して生まれた、そういう人は今、毎年二万人生まれているんですよね。ですから、ちょっと見た目が日本人らしくないからといって、そういう人を寄ってたかってヘイトスピーチじゃないけれどもたたくというのは、日本人の何というか、寛容というか、国際性というものがすごく世界的にマイナスイメージになっていると思うんですね。
 やっぱり、これからの日本が対外的に開かれた社会ということを目指すんであれば、是非とも多様性を持った日本の文化、そういうものを大事に育てていくという姿勢が必要だと思うし、そういうものを日本としても応援するという気持ちを見せることが大事だと思うんですけれども、日本の対外的な情報、文化発信の戦略の中で、外務大臣、もう是非こういう方をもっと日本が大事にするというようなメッセージも発していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のミス・ユニバース日本代表になられた宮本エリアナさんですが、私もニュースでお姿、拝見をいたしました。是非御活躍いただきたいと思いますし、各界の著名人ですとか、あるいは有名なキャラクターに御協力をいただいて日本の多様な魅力を発信していくこと、大変広報という観点からもこれは効果的だと思いますし、こうした取組は様々な多様性を持ちながら進めていく、このことによって対外発信を強化していくことは重要であると認識をいたします。
 是非、この御指摘の宮本エリアナさんにも御活躍いただきたいと思いますし、我が国もこうした我が国の多様な魅力の発信という観点は重視していきたいと考えます。
○浜田和幸君 ありがとうございました。
 彼女いわく、外見はちょっと日本人らしくないところもあるかも分からないけれども、心、ハートはもう一二〇%日本人だと。日本の文化を大事にして、書道五段、日本語も我々とほとんど変わらない、まだたった二十歳なんですよね。ですから、そういう人を大事にしていくということを、日本外交にとってはとてもこれから大きな課題、国際化に向けては欠かせないと思いますので、是非応援のほどよろしくお願いいたします。
 以上で終わります。
○糸数慶子君 無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。
 去る五月十七日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設阻止を訴える、戦後七十年、止めよう辺野古新基地建設、沖縄県民大会が那覇市で開かれました。主催者発表でおよそ三万五千人が集まりました。
 翁長知事は、この県民大会の挨拶の中で、普天間飛行場の辺野古移設について、県の有するあらゆる手法を用いて造らせないと述べました。いわゆる移設阻止に全力で取り組む、そのことを表明いたしまして、新辺野古基地の建設阻止が普天間問題を唯一解決する政策だと述べました。辺野古が唯一の解決策として移設を強行する政府に対し、別の方策を探ることが移設問題の解決につながると訴えたものだというふうに考えます。
 両大臣は、この辺野古阻止が唯一の解決策という翁長知事の発言をどのように受け止めていらっしゃいますか、お尋ねいたします。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘の発言につきましては承知をしております。
 そして、その中で、住宅や学校に囲まれ、市街地の真ん中にある普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければならない、こうした考え方は政府と地元の皆様との共通の認識であると思っております。
 そして、その上で、様々な御意見、発言があるということ、これについてはしっかり認識をしておかなければなりませんが、政府としましては、米軍の抑止力の維持と普天間飛行場の危険性の除去を考え合わせるときに、辺野古への移設が唯一の解決策であるということについては一貫しており、変わっておりません。
 引き続き、政府としまして、丁寧な説明をさせていただく、御理解をいただくべく誠実に努力をさせていただく、こうした取組は続けていきたいと考えます。
○国務大臣(中谷元君) せんだっての大会も、私、承知をいたしております。
 先般、私は沖縄を訪問いたしまして、翁長県知事とお会いをいたしまして、今なお沖縄に多くの米軍施設・区域が集中しておりまして、沖縄の県民の皆様に御負担をお掛けをしていることを非常に重く受け止めているということ、また、普天間移設の意義や負担の軽減、これについて直接説明をさせていただく機会を得ました。翁長知事とは今後とも協議を続けていくべきだということで一致をしたところでありまして、引き続き、地元の皆様に政府の考え方の丁寧な説明に努めて、対話を行いつつ、負担軽減のための様々な取組について連携を深めてまいりたいと思っております。
 その折、私は宜野湾の市役所を訪問いたしまして、市役所の屋上から普天間基地を視察をいたしました。やはり、住宅とか学校に囲まれて、市街地の本当にど真ん中にある普天間飛行場の固定化、これは絶対に避けなければならないということを痛感をいたしました。これはやはり地元と政府の、皆様の共通の認識であると思っております。
 そして、この固定化を絶対避けなければならないというのは大前提でありまして、その上で、普天間飛行場の危険性の除去と米軍の抑止力の維持を考え合わせれば、キャンプ・シュワブへの移設が唯一の解決策であるというのが政府の一貫した立場でありますし、私も長年、沖縄の基地問題携わってまいりましたけれども、このキャンプ・シュワブ、辺野古への移設が、最も早く、そしてこれを解決する唯一の手段であるという信念を持っております。
○糸数慶子君 去る五月十五日、沖縄が本土に復帰して四十三年目を迎えました。四十三年前、沖縄県民は、平和で豊かな、基地のない沖縄が実現できるものと信じて本土に復帰をいたしました。しかし、県民の強い要求にもかかわらず、国土面積の僅か〇・六%のこの沖縄に今なお国内の米軍基地の専用施設約七四%が集中しているのが現実であります。
 私は、去る大戦では本土の捨て石にされたのが沖縄であり、そして戦後、米軍の占領下では県民の人権が無視され、復帰してもなお基地の重圧にさらされ続けているというのが現実です。
 このようなところがこの日本の他の都道府県の中にありますでしょうか。なぜ沖縄だけが安全保障の名の下にこのように苦しみ続けなければならないのか、本当に差別以外の何物でもないという、そういう感じを持ちます。
 翁長知事は、五月十五日の記者会見で、沖縄の本土復帰というのは、核抜き、そして基地抜き、そして本土並みを合い言葉に県民の努力で勝ち取った復帰でありますが、真の民主主義の実現など、県民が強く望んだ形にはなっていないというふうに発言をされました。特に、真の民主主義の実現がなされていないというその言葉の中には、昨年の名護市長選挙、それから県知事選挙、そして衆議院選挙で示されました県民の民意というのは、普天間飛行場の辺野古に移設をする、つまり辺野古への新基地建設は反対だという選挙の結果が出たにもかかわらず、これがなぜ反映されていかないのか、本当にこの日本の国に民主主義というのは存在するのか、そのようなことをおっしゃっていらっしゃいます。私も同感であります。
 ちょっと質問を変えたいと思いますが、次は辺野古の問題であります。
 私は辺野古への新基地建設には繰り返し反対の意思を表明しておりますが、残念ながら、先ほどの御答弁を伺いましても、私たちの思いは届かない、そんな気がいたします。民意を無視して、政府は現在も辺野古での調査そして工事を強行していますが、その調査や工事が県民にはよく分からないような状況で行われています。ですから、あえてそれらの進捗状況をお伺いしたいと思います。
 まず、仮設桟橋についてでありますが、沖縄防衛局は、当初、ボーリング調査のために長さ三百メートル、最大幅二十六メートルの仮設桟橋を設置するとしていました。しかし、設置しないままに昨年八月調査を開始し、いまだに設置はされておりません。ボーリング調査は六月に終了予定と聞いておりますが、仮設桟橋を設置するには相当な期間が必要だと思いますが、このまま設置しないで調査を終えるつもりでしょうか。
 また、ボーリング調査は十二か所実施する計画であると、そのように承知しておりますが、当初終了予定の今年の三月時点では三か所しか着手していないとし、六月まで延長されています。これまで何か所で実施し、六月には終了予定なのか、防衛大臣に伺います。
○国務大臣(中谷元君) 仮設桟橋は、代替施設建設事業における事業本体の設計に必要な地質データの取得及び確認するための海上ボーリング調査において、関連する船舶の係留及び資機材の積卸し等に使用することを目的として設置するものであります。
 この仮設桟橋の設置に係る工事は、必要な準備が整い次第着手をすることと考えておりますが、現時点では仮設桟橋を使用せずに海上ボーリング調査を実施しているところでございます。仮設桟橋の取扱いについては、今後、海上ボーリング調査の実施状況等を確認する中で検討してまいりたいと思っております。
 現在のボーリング調査の状況でございますけれども、現在深場での海上ボーリング調査を実施しているところであります。具体的には、十二点の海上ボーリング調査のうち四、五、六本目の作業を行っているところでありまして、引き続き所要の作業を進めてまいります。
○糸数慶子君 次に、フロートそしてオイルフェンスの撤去の問題についてお伺いしたいと思います。
 沖縄防衛局は、現在、大浦湾一面にフロートやオイルフェンスを張り巡らせています。しかし、防衛局が県に提出した埋立承認願書の設計概要説明書では、本埋立工事を施行するに当たり、埋立工事期間中の海水の濁り、拡散防止を目的とした汚濁防止膜を張って、工事の施行区域を明示するための浮標灯を限定的に設置するような記載となっています。
 防衛局は、これまで沖縄県に対して、ブイやフロートはボーリング調査のために設置したとして、必要がなくなれば撤去すると説明してきました。これに対し沖縄県は、調査が終わった後も撤去しないまま本体工事に着手すれば、埋立承認時に付けた留意事項に抵触するということで、ボーリング調査では、設置されたブイやフロートは埋立本体工事に入る前に全て撤去する必要がある、ブイやフロートを再設置しようとする場合は公有水面埋立法に基づく設計概要の変更申請が必要という見解を示しています。
 防衛局は、県の指示に従い、ボーリング調査終了後、これらのフロートやオイルフェンスを全て撤去することとしているのか、防衛大臣に改めて伺います。
○国務大臣(中谷元君) 五月の十四日十六時頃、沖縄県土木建築部長ほかの皆様が沖縄防衛局を訪問されまして、現在設置されているフロートについて、ボーリング調査終了後の撤去の申入れ等がございました。防衛省といたしましては、ブイ及びフロートの設置は、作業区域の明示、安全確保のために設置をしているところでありまして、あくまで仮設物として必要な期間設置をすることといたしております。
 また、公有水面埋立法十三条二におきまして、設計の概要を変更する場合、変更承認申請が必要とされていますが、今申し上げたブイ及びフロートの設置は公有水面埋立法に規定する設計の概要には含まれず、同法に基づく変更承認申請は要しないと認識をいたしております。
 いずれにしましても、一日も早い普天間飛行場の返還に向けまして、安全確保に留意しつつ、移設を進めていく考えでございます。
○糸数慶子君 次に、ハワイにおけるMV22オスプレイの墜落事故に対する質問と併せて、横田基地へのオスプレイの配備に対する質問をさせていただきたいと思います。
 去る五月十八日、ハワイのオアフ島のベローズ空軍基地で、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが墜落炎上事故を起こしております。乗員二十二名のうちの一人が死亡、残り二十一人全員が病院に搬送されるという大変な事故が起こっております。この事故機は、普天間飛行場所属の二十四機のオスプレイと同型機でありまして、今回の事故が本当に通常の訓練中に起きたことを踏まえますと、今、沖縄の本当に県民の頭上にこのMV22オスプレイ、これが墜落してもおかしくないということを改めて露呈をしております。
 強い恐怖心を覚えると同時に、怒りを禁じることができません。この報道を受けた直後、翁長沖縄県知事は臨時の記者会見を行っておりまして、まず、この原因が究明されるまで県内におけるオスプレイの飛行停止を要求をしております。
 両大臣にお伺いしたいと思います。今すぐ沖縄に配備されておりますオスプレイの飛行中止を求めていただきたいと思いますが、米軍に対して、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、今回の事故を受けて、政府としましては、米側に対しまして、着陸失敗の原因等の関連情報を速やかに提供すること、そして引き続き安全面への最大限の配慮を行うこと、こうした申入れを行いました。
 今回の事案を受けて、原因究明さらには再発防止措置ですが、これはまずもって米国にとりましても、これは米国の兵士が乗っているわけですから、こうした原因究明や再発防止の措置、これはもう重大な関心事であるということ、重大な課題であるということ、これは当然のことでありまして、米国としましても、こうした原因究明あるいは再発防止に向けてしっかりと取り組んでいくものと考えています。我が国としましては、その情報をしっかりと共有してもらわなければなりません。
 そうした中で、現状の調査の段階においては、米国政府からは、MV22の設計に根本的な欠陥があるという理由はない、また、これまでにMV22の通常運用を停止させるべき理由はまだ発見されていないという連絡を受けております。
 ただ、引き続き、こうした米国側の調査はしっかり進めてもらわなければならないと思いますし、そして情報はしっかり共有していきたいと考えております。
○国務大臣(中谷元君) 私の方からは、昨日、アンジェレラ在日米軍司令官に対しまして、今回、着陸失敗の原因等も含めて関連情報を速やかに提供するように、また、今回の事案の発生を受けて、普天間飛行場所属のMV22オスプレイについても引き続き安全面に最大限配慮するように申入れをしたところでございます。
 今回の事案を受けて、まずは実際の運用を行っている米側におきまして、運用に携わっている米軍人や周辺のコミュニティーの安全を十分に考慮した上で、原因の究明や再発防止のための措置がとられるものと考えております。この点、米国政府から、現在、本事案の調査を行っているところですが、MV22オスプレイの設計に根本的欠陥があると疑う理由はなく、また、これまでにMV22オスプレイの通常運用を停止させるべき理由は発見されていないとの説明を受けております。同時に、米国政府は、MV22の運用の安全性を確認しており、引き続き最大限の考慮を払って運用するとしています。
 MV22オスプレイを含む米軍機の運用に当たっては、安全面に最大限の考慮を払って活動すべきものであるということは言うまでもありません。引き続き、米側に対し適切な対応をしっかりと求めるとともに、今回の事案についても、得られた情報を基に地元を始め丁寧に説明をしてまいりたいと考えております。
○糸数慶子君 次に、横田基地へのオスプレイの配備でありますが、去る五月十一日、米国政府から接受国通報があり、空軍のCV22オスプレイが横田基地に二〇一七年から計十機配備されることが明らかになりました。
 これは、米軍の幹部がかねてより日本への配備を公言していながら、日本政府はこれまで否定し続けてきました。これは海兵隊のMV22オスプレイや原子力空母の配備のときもそうでした。正式な通報があるまで日本政府は否定し続け、米国から言われるままに配備を発表してきましたが、このようなやり方を今後も続けていくつもりなのでしょうか。
 せめて、先ほどもありましたが、そういう計画があるかどうかの確認を取るなど、国民に情報を提供するべきではないでしょうか。もちろん私は配備には反対でありますが、こういう安全保障の問題は国民の理解と協力が不可欠ではないかというその視点で考えていきますと、この件についての外務大臣の見解を求めます。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、この度、十一日の日に日本政府に対して接受国通報という形で正式な通報がありました。そして翌十二日、発表が行われたわけであります。そして、正式な通報は十一日だったわけですが、それまでも日本とアメリカ両国の間においては様々な情報を共有し、そして意見交換、意思疎通を図ってきたところであります。そして、これからCV22の配備が実際に始まるのは約二年後、二〇一七年後半の予定と承知をしております。
 政府としましては、横田飛行場の周辺自治体等の理解を得るべく、これは丁寧に説明を行っていきたいと考えております。
○委員長(片山さつき君) 糸数慶子君、そろそろ、質問時間終了しております。
○糸数慶子君 はい。
 先ほども両大臣からお話を伺っておりますと、オスプレイの問題もそうなんですが、安全神話は完全に崩れたというふうに思います。これだけ事故が発生して、たとえ日本の国ではなくても、米軍関係者の四十人近い死者を出しているというこの状況、しかも横田の基地に配備されるということは、もちろん沖縄でも大変ですが、都市地区の人口が密集しているところであります。こういう状況の中で、沖縄の負担軽減とおっしゃりながら、このオスプレイの事故が起こっても……
○委員長(片山さつき君) 終了しております。
○糸数慶子君 実際にはアメリカでたとえ発生した事故であっても、やはりその上空を現に沖縄で……
○委員長(片山さつき君) 質疑時間終了しておりますので、おまとめください。
○糸数慶子君 このオスプレイが飛んでいるという状況の中では、改めて、原因が分かるまではせめて飛行停止をしっかりと訴えていただきたい、沖縄の立場に立って負担の軽減というのであれば、しっかりおっしゃっていただくということを要望いたしまして、質問を終わります。
 通告をいたしております質問が残っておりますけれども、また次回に質問させていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(片山さつき君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 防衛大臣は御退席いただいて結構でございます。
    ─────────────
○委員長(片山さつき君) 次に、水銀に関する水俣条約の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。岸田外務大臣。
○国務大臣(岸田文雄君) ただいま議題となりました水銀に関する水俣条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 この条約は、平成二十五年十月に熊本で開催された外交会議において採択されたものであります。
 この条約は、水銀及び水銀化合物の人為的な排出及び放出から人の健康及び環境を保護することを目的として、水銀及び水銀化合物の規制等について定めるものであります。
 我が国がこの条約を締結し、その早期発効に寄与することは、水銀及び水銀化合物から人の健康及び環境を保護するための国際的な取組の推進に積極的に貢献するとの見地から有意義であると認められます。
 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
 何とぞ御審議の上、本件につき速やかに御承認いただきますようお願いいたします。
○委員長(片山さつき君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十七分散会