第189回国会 財政金融委員会 第5号
平成二十七年三月二十六日(木曜日)
   午前十時三分開会
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   委員の異動
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     塚田 一郎君     吉田 博美君
     宮沢 洋一君     井原  巧君
     白  眞勲君     風間 直樹君
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     吉田 博美君     塚田 一郎君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         古川 俊治君
    理 事
                愛知 治郎君
                若林 健太君
                大久保 勉君
                西田 実仁君
                藤巻 健史君
    委 員
                井原  巧君
                石田 昌宏君
                大家 敏志君
                伊達 忠一君
                長峯  誠君
                西田 昌司君
                森 まさこ君
                山本 一太君
                吉田 博美君
                礒崎 哲史君
                尾立 源幸君
                大塚 耕平君
                風間 直樹君
                前川 清成君
                竹谷とし子君
                大門実紀史君
                中山 恭子君
                中西 健治君
                平野 達男君
       発議者      大久保 勉君
       発議者      大塚 耕平君
       発議者      尾立 源幸君
       発議者      前川 清成君
       発議者      藤巻 健史君
       発議者      大門実紀史君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
   副大臣
       内閣府副大臣   西村 康稔君
       財務副大臣    宮下 一郎君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  あかま二郎君
       国土交通大臣政
       務官       鈴木 馨祐君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 伸一君
   政府参考人
       内閣法制局第三
       部長       北川 哲也君
       内閣府大臣官房
       審議官      井野 靖久君
       内閣府地方創生
       推進室次長    若井 英二君
       金融庁総務企画
       局総括審議官   三井 秀範君
       総務大臣官房審
       議官       青木 信之君
       財務省主税局長  佐藤 慎一君
       国税庁次長    佐川 宣寿君
       厚生労働省政策
       統括官      今別府敏雄君
   参考人
       株式会社国際協
       力銀行代表取締
       役副総裁     矢島 浩一君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○法人税法の一部を改正する法律案(大久保勉君
 外九名発議)
○関税法及び関税暫定措置法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(古川俊治君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、白眞勲君、塚田一郎君及び宮沢洋一君が委員を辞任され、その補欠として風間直樹君、吉田博美君及び井原巧君が選任されました。
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○委員長(古川俊治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 所得税法等の一部を改正する法律案及び法人税法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として財務省主税局長佐藤慎一君外七名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(古川俊治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(古川俊治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 所得税法等の一部を改正する法律案及び法人税法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として株式会社国際協力銀行代表取締役副総裁矢島浩一君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(古川俊治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(古川俊治君) 所得税法等の一部を改正する法律案及び法人税法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 政府及び発議者から順次趣旨説明を聴取いたします。
 まず、所得税法等の一部を改正する法律案について、麻生財務大臣から趣旨説明を聴取いたします。麻生財務大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明させていただきます。
 政府は、デフレ脱却と経済再生、地方創生への取組、経済再生と財政健全化の両立、国境を越えた取引等に係る課税の国際的調和、震災からの復興支援などの観点から、国税に関し、所要の施策を講ずるため、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明をさせていただきます。
 第一に、デフレ脱却と経済再生に向け、法人税につきましては、税率の引下げ並びに欠損金繰越控除制度及び受取配当等益金不算入制度の見直し、住宅取得等の資金に係る贈与税の非課税措置の延長、拡充、非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置の拡充等を行うことといたしております。
 第二に、地方創生に向け、地方創生に資する投資促進税制の創設、外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設等を行うことといたしております。
 第三に、経済再生と財政健全化を両立するため、消費税率の引上げの施行日の変更等を行うことといたしております。
 第四に、国境を越えた取引等に係る課税の国際的調和を図るため、国境を越えた役務の提供に対する消費税の課税の見直し、国外転出をする場合の有価証券等に係る譲渡所得等の特例の創設等を行うことといたしております。
 第五に、震災からの復興を支援するため、福島で事業を再開するための投資費用を積み立てやすくするための準備金制度の創設等を行うことといたしております。
 このほか、財産及び債務の明細書の見直し等を行うとともに、土地の売買等に係る登録免許税の特例等について、その適用期限の延長や整理合理化等を行うことといたしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願いを申し上げます。
○委員長(古川俊治君) 次に、法人税法の一部を改正する法律案について、発議者大久保勉君から趣旨説明を聴取いたします。大久保勉君。
○大久保勉君 私は、民主党・新緑風会、維新の党、日本共産党、無所属クラブ、生活の党と山本太郎となかまたち及び新党改革・無所属の会の六会派の発議者を代表いたしまして、ただいま議題となりました法人税法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。
 政府は、今般の所得税法等の一部を改正する法律案において、法人税改革の一環として、法人税率を二五・五%から二三・九%に引き下げること等を提案しております。企業の国際競争力強化や産業の空洞化防止などのため、その必要性を否定するものではありませんが、大企業は各種措置などにより、特定の業種において実質的な法人税負担率が相当低くなっている中で、一律に法人税の引下げ等を行うことは、疑問と言わざるを得ません。また、国際的な法人税率の引下げ競争や国境を越えた脱税・租税回避等への対応が課題となる中で、OECDによるBEPS(税源浸食と利益移転)プロジェクトが進められておりますが、依然として、我が国の大企業の法人税の納税実態が明らかになっていない状況にあります。
 こうしたことから、国民に対し大企業の納税実態を明らかにし、法人税に関する議論を活発化させるためのスキームを導入することが不可欠であります。
 平成十八年度税制改正で廃止された旧公示制度は、所得金額が一定額を超えた場合に法人の名称や所得金額等を公表するもので、第三者の監視による牽制的効果が発揮されたものと評価しております。しかし、「個人情報保護とは何ら関係のない法人の公示制度の廃止は隠ぺいを助長するだけ」として我々が反対したにもかかわらず、公示制度は廃止されました。その際、参議院財政金融委員会では、「公示制度の廃止に伴い、今後の税制改革に資するため、税務に関する統計情報の在り方について検討すること」との附帯決議を付しましたが、その後の政府の取組において、この附帯決議に基づき、法人の納税実態等を具体的に明らかにしているとは到底言えません。これでは、安倍政権が進めようとしている法人税改革に関して、その是非を判断できないだけでなく、国民による法人への監視機能を働かせることもできません。
 本法律案は、こうした法人の公示制度について、最近における経済社会の変化やOECDによるBEPSプロジェクトの議論等を踏まえ、資本金の額等が一定額を超える大企業を対象に、新たな制度として創設することを目的としております。具体的には、法人の納税実態の透明性を向上させるため、内国法人のうち、各事業年度終了の日における資本金の額等が百億円を超える法人等について、その名称、確定申告書等に記載された各事業年度の所得の金額及び法人税の額等を公示するものであります。
 以上が本法律案の提案の理由及びその概要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(古川俊治君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○西田昌司君 自民党の西田でございます。
 それでは早速、私は政府提出の所得税法等の一部を改正する法律案についての質問をさせていただくんですが、まず、今回のこの法案の改正をする前に、実は自民党の中の税調の中でも随分議論があったんです。私は、結論を言いますと、法人税を今下げるべきでないという派だったわけなんですね。
 それは何かというと、要は、今、法人税をどんどんどんどん下げてきたわけですよね。下げて、それが民間がその分を投資に使ってくれたり新しい雇用に使ってくれれば経済が良くなるということでやってきたんですが、実際にはなかなかそうなっていなかったということでデフレになってきたと。今回のこの目的がデフレ脱却ですから、デフレ脱却のために、今まででしたら景気のいいときにはどんどんどんどん投資をやっていきますから、ある種、減税やったらいいんですけど、もう内需自体が、民間の需要自体が減ってきている時代なんですよね。
 しかし、もう片方で公的な、公需の方ですよね、地方創生にしましても、これは、地方で地方の自治体がやらなければならない仕事というのはたくさんある。それをどんどん切り捨ててきましたから、これからはむしろそちらの、財政面から地方の行政の予算に援助していくなり、そういうことをやっていくべきだと。そうすると、結局は、財源として政府が法人税なり国税で吸い上げたお金を各地方に分配していく方が結果として良くなるんじゃないのかというのが私の元々の意見なんです。なかなか、しかし、それが通らなくて今回の政府提案になっているんですが、しかし、そのことはまず指摘をさせていただきたいと思うんです。
 そこで、今回の改正で法人税率は下げるんですけど、もう片方で課税ベースを広げていこうということになってきているわけですね。これは、ある意味でいいますと応能負担、要するに、所得がある人からお金を取りますけれども、法人といえども、もうかっていない企業でもいろいろ便益を受けているんだから払いなさいと、そういうことで応益負担的な形になってきているわけなんです。
 これも考え方として分かるんですけれども、私は、本来、法人税とか、要するに所得に対して課税する仕組みで一番大事なのは、やっぱり応益負担じゃなくて応能負担ですね。つまり、所得がある、もうかっているところから取りなさいという方が正しいと思うんですね。
 といいますのは、結局、応益負担という形でみんなにやってくださいということになると、要は、税収は安定しますよね、税収自体は景気の変動に関係なくある程度取れますから。これは財務当局が前から一番やりたいわけですよ。その気持ちはよく分かるんです。分かるんですけれども、しかし、そうやっちゃうと、経済が落ち込んでいるときにも法人税を払わなくちゃならない、もうかっているときにはもうかっている企業は相対的に税金を払う金額が少なくなると。
 ということになると、やっぱりちょっと、経済のいわゆるビルトインスタビライザーと言われてきましたけれども、そういう効果がなくなってくるんじゃないのかということで、今回のそれだけでは直ちにそうなるとは私言いませんけれども、方向性として、法人税の考え方はむしろ応能負担という原則をやっぱりしっかり堅持する方がいいのではないかと思うんですけれども、こうした考え方についての麻生財務大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今回のいわゆる法人税の改革に関しての御質問でしたけれども、いわゆる課税ベースを拡大しつつ税率を下げるという、こういった改革を行うことによって、一部の企業に税負担が偏っております現状というものを改革して、広く負担を分かち合うという構造へと改革をしていこうというものであります。
 具体的には、これは総務省の所管にはなりますが、地方の法人事業税につきましては外形標準課税を拡大したいと思っておりますが、御指摘のように、地方税における応益負担の考え方を強化するものだということになるということだと思っております。
 一方で、国の法人税におきましては、例えば大企業に対しまして欠損金の繰越控除の控除制限というのを引き下げて行うことにしておりますが、これにつきましては、過去の欠損金を抱える企業にも広く負担を求めていくことになりますので、応益負担の面が強くなっているという見方だということだと思っております。他方、過去の欠損金は抱えているものの、その年度においては所得を稼いでいる企業には一層の負担を求めていくというものになりますので、これは応能負担の考え方にかなっているということだと思っております。
 したがいまして、今回のこの法人税課税につきましては、地方税はともかくとして、国の法人税に関して言わせていただければ、これは応能負担から応益負担にシフトして、変えているといった方針に沿って改正を行っているわけではございません。
○西田昌司君 おっしゃったように、国税は必ずしも応益負担に変わっているわけじゃないんですけれども、地方税始めそういう方向になりつつあるというか、元々消費税がありますよね。かつては法人税、所得税、これが大きな主要財源になっていたのが、今は消費税が一番大きくなってきましたよね。
 この考え方というのは、要するに、消費税は、社会保障費など、これからそういう義務的経費が増えてくる、これはみんなが負担してやるべきじゃないかという応益負担。その結果、法人税を減税したわけです、所得税も減税したわけですね。だから、かなり、そういう意味でいうと、消費税入れたときに応能から応益に変わってきているわけですね。私は、それは片方いいとも思うんですよ。
 といいますのは、元々、日本の所得税自身がかなり課税最低限が高いものですから、ヨーロッパとかアメリカとかに比べてもかなり高いですから、全然税金払っていない方もおられますからね。だから、それを皆さんから幅広く負担してもらうという意味があるんだったら、そういう消費税と一緒にセットにするというのはまあいいんです。
 ただ問題は、これから法人税率自体もどんどん下げちゃってやろうとしていますよね。私は、デフレ脱却させていく、もちろん民間がどんどんお金を使う時代、もっと使いたいものがある、だから税金を払うよりも先に使いたいんだというんだったら、税金を下げると投資の出てくる効果もあるかもしれないんですけれども、現実問題は、もうかなり税率低くなっていますしね。要は、内部留保がどんどんどんどんたまってきて、払わないというのが現実なんですよね。私は、そうなっているときに税率を下げちゃうと内部留保がどんどんどんどんたまる一方になるんじゃないのかなと思うんですね。
 麻生副総理も、元々経営者、ずっと大きな会社を経営されていましたからお分かりだと思うんですけれども、やっぱり決算前になってくると、私も税理士をやっていまして、決算前にいろいろ先を読みます。そうすると、社長、今年は何千万利益出ますね、そうすると税金はこれぐらい掛かりますねと。そうすると、早めに例えば車とか機械を入れ替えるとか様々な、先でやるべきと思ったのを前倒しでやりましょうかとか、それから給料を上げましょうかと、こういう話になって、これが良くなるんですよ。
 ところが、今、そもそも税金が安くなりましたね。かつては四割の法人税率あったのが、今はもうかなり低くなる。そうすると、これはもう、そんなことをやるよりも使わない方が一番いいじゃない、わざわざ使うんじゃなくて、どっちみち物を買った方が税金払うよりも出るお金はたくさん要るわけですから、それならしばらく様子見ておくか、経済もよく分からないし、しばらくの間投資控えようかという感じになるんじゃないですかね。
 だから、ある程度税率は高い方が実は投資をしたり物を買ったりすることになるんだと僕は思うんですけれども、麻生副総理はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは国の、何というのかしら、税制の役割ということになるんだと思いますけれども、公的サービスの財源の調達ということで、所得の再分配のほかいろいろあるんだとは思いますけれども。
 個人所得税や法人税の税収というのは、景気が良ければ増加して不況になれば落ち込むということで、自動的に景気を安定化させるという、今言われたビルトインスタビライザーという機能というものがあるんですが、これらの機能を踏まえてバランスの取れた税制をやらないかぬということなんだと思っておりますが。今回の法人税改革というのは、国の法人税の基本的な性格自体を変えるわけではなくて、ビルトインスタビライザーのいわゆる考え方というか機能というものを損なうというわけではないと思っております。それで、日本の経済と税制の関係からいえば、中長期的に経済を安定させるという観点もさることながら、現下の経済情勢というものを早期に再生させるという観点からもこれは結構重要であろうと思っております。
 今回の法人税改革は、長引く資産デフレ不況、正確には資産デフレ不況なんだと思いますが、長引く資産デフレ不況からの脱却を目指して、稼ぐ力のある企業の税負担を軽減することで企業の収益力の改善に向けた投資をより積極化させて、同時に、企業の体質が変わることで継続的にそれが賃金アップや設備投資やら配当やらというようなものに回っていくという取組につなげていくということを狙いとしているんですが。
 今おっしゃられるように、少なくとも、昔と違って労働分配率、最近もう余り労働組合でも使わない言葉になりましたけれども、労働分配率というものを考えましたら、昔に比べたら今は減っていますよ。ここを何で組合が言わないのか僕にはさっぱり分からないんだけど、労働分配率というのは下がっているんですよ、これ。そういったようなものがこれだけ下がって誰も言わなくなり、ベースアップなんということを、ベアなんて書いてあると、熊が何で出てきたのかなんて真面目に聞いてくる若い人がいるぐらいですから。それは、もう本当にベアなんという言葉も去年まで聞いたこともない言葉ですものね、この二十年間。
 ですから、そういったようなことになった最大の背景というのはやっぱりデフレなんだと思うんですね。やっぱりデフレという、戦後七十年間、世界中デフレがあった国はありませんけれども、デフレ対策というのは、これは経験がないから、当然対応策とか対策をやった人もいないわけですから。結果として、経験則には全く倣えなかったので日銀も間違えた、財務省を含めて政府もその対応を間違えたんですよ、これ。
 それは率直に認めて、それでちょっと全然別な発想で我々歴史に学ばなくちゃいかぬのじゃありませんかという話から、今回、日銀の金融緩和とか財政の機動的出動でもって民間の投資意欲の高進ということにつなげていこうとしておりますので、この一環として私どももこれをやらせていただきたいと思って、今いろいろやらせていただいているというのが背景であります。
○西田昌司君 じゃ、ちょっと質問を変えまして、だからデフレ脱却というのが物すごく大事なのはそのとおりで、今財務大臣も自らおっしゃいましたように、ちょっとこの間の政策間違ってきたということを認めなきゃならないとおっしゃっているんですね。私、これ大事なことだと思うんですよ。
 そこで、そうしますと、ちょっと税とはずれるんですけれども、財務省はもう一つ、予算の文化がありますよね。要するに、税を減税し予算を小さくしてきたという、いわゆる小さな政府論ですよね、民間の活力でやっていこうという。これが、結局は海外投資に回って国内で使わないと。で、資産デフレで一番この民間のお金が市場に回るのが少なくなっているときに政府も予算を下げちゃったから、これは大デフレになっちゃうと。だから、ここを脱却するために、まさに平成の是清になるべく麻生財務大臣は就任されたわけなんですけれども、実は、そういう意味からいうと、もっと使われてもいいんじゃないかなと思うんですね、本当は。
 財政再建というのが片方でありますから当然ですけれども、しかし大事なのは、財政再建しようと思うと、まずデフレから脱却していない限り、つまりインフレ状況、マイルドなインフレになっていない限り財政再建なんか絶対できないわけですから。日銀があれだけの金融緩和しているんだけれども、実際にはまだそれだけお金が出ていないわけですね、マネーサプライになっていないと。そうすると、ここは市場も、これだけ金利が低いんですから政府がどんどん使えということを言っていると思うんですよね。
 ところが、意外と、財務大臣になられてから麻生財務大臣は、ちょっと後ろの財務省の言うことを気遣ってか知りませんが、その辺の使い方がどうなんでしょう。もっと今までと同じようにどかんとやるんだという形でやるべきじゃないですかね。いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) デフレーションを、インフレーションとは言いませんけれども、少なくとも景気を回復させようというためには、財政再建下を含めてやろうと思えば、それはデフレのままでは難しいんであって、インフレということになりませんとどうにもならぬ。程度問題がありますから、少なくとも二%というのをターゲットにしていただくということで、前の総裁、白川さんと話をさせていただいたのが、一昨年の一月に、これ、共同声明というのをやらせていただいたんですけれども。
 少なくとも、あのときから今日まで我々としてはやってきて、結果として所期の目的は達しつつあって、日銀はマネタリーベースを大幅にと。しかし、今言われたように、マネーサプライという方は上がってきていないというのが現状。それは、民間に需要がなければサプライが増えるわけがありませんから、そういった意味では、その分を補うためには、民間の設備投資が出ない、消費が増えないとなれば、まずは政府支出というのが三番目に登場してこないと、少なくともGDPの大きな要素はその三つで成り立っていますので、その一つがやっぱり確実にというので、やっぱり政府ということでいろいろやらせていただいて、傍ら財政再建やらないかぬということがありますので、これも、ちょっとでも公共事業を増やしたらこれは何だという方もいらっしゃいますから、世の中には。だから、そういった意味では、このバランスの取り方が難しいんだとは思っておりますが。
 今、公共事業というものをやらせていただきましたけれども、間違いなく仕事としては、長いこと二十年間の間、公共事業は小渕内閣以来ずっと減らし続けて、政府支出というのは減らしてきましたので、小渕内閣から今日まで、麻生内閣以外は公共事業が前年度より増えたというのはたしか私の記憶にはないんですけれども。そういったことになってきておりますので、企業の方も、もうロングブームだ、ブルドーザーだ、ショベルローダーから全部売っ払って、もうないんですね、地方じゃ。もう京都辺りでも地方の方はないと思いますよ。そういったものはどこへ行っちゃったかというと、これ全部中国に売り払いましたとかどこどこに売っちゃったということになっていますので。
 最近の福岡でも、いい例ですけど、河川が氾濫して、一発でぱっと収まりそうなものが三日も掛かるなんというのはどう考えても考えられぬと思っていたんですけれども、それはもう使うべき資材が全部北の方に行っちゃっているということになっている等々考えますので、私どもとしては、こういったような時代に合わせて大きく変わってきておりますけれども、政府支出というものの大きさというのは十分に認識しておるつもりであります。
○西田昌司君 やっぱり一時的な財政出動では、今おっしゃったように、重機も含め、なくなっちゃっていますから、なかなかすぐ効果は出ないですけれども、長期的なやっぱり投資目標をしっかり各省庁が出して、これから十年間で百兆円の例えば公共事業をやるとか、社会福祉でもそうなんですよ。そういうことをやると、それに合わせて民間が先にいろんな資材を買い入れたり雇用したりしますので、是非これからそういうことも含めてまた議論させていただきたいと思いますけれども、やっていただきたい。
 それで、最後にもう一度税の話に戻るんですが、要は、私、これ、今回のを見ていますと、民間の企業でこれだけ内部留保が大きいというのはやっぱり異常事態なんですよね。元々、税法の中には、いわゆる同族会社ですよね、同族会社は内部留保をするだろうと、つまり会社にため込んでやっていると。税金払わなくてもいい、配当もしない、給料も取らないと、すると法人税だけで済んじゃいますからね。ため込むとこれは良くないということで留保金課税というのがあるんですね。今、一億円以下にはそれは適用されない形ですが、一億超える企業はやっているわけですよね。
 それを考えると、まさに上場企業でもどんどんどんどん、もちろん投資も雇用もしているんでしょうけれども、それ以上にたまってしまっているわけですよ。そうすると、その分は課税を、追加課税しますよという仕組みがあっても私はいいんだと思うんですけれども、そういう仕組みについてやるべきじゃないでしょうか。財務大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 留保金課税ということに関して言わせていただければ、やっぱり今一番の問題は、何といっても内部留保が、昨年度までの三百四兆円ありました内部留保が一年間で三百二十八兆円まで、だから、年間約二十四兆増えたということは月割り二兆円ずつ増えていっていると、やっぱり異常ですな。どう考えてもこれは極端だと思いますので。
 そこで、それは本来なら配当とか賃金とか設備投資に回らなくちゃいけないものを回さず、じっとしていたって、やっぱりデフレだから、持っていたら物が下がっていきますから金の値打ちが上がっていくというのは、経営者としては最も確実なやり方として一つの方法だったとは思いますが、これが二%にということになってきますと、少しずつ少しずつ意識が変わってきて、円も安くなったせいもあって、海外で設備投資したいろんな大会社はずっと国内に引き揚げてきておられる。中国やらほかの国の人件費が上がったり、全部あります。全部下がってきております。
 そういったものが回り回って来るんですけれども、こっち側の内部留保の分をやっぱり刺激的に使わせていくというので、スチュワードシップ・コードだコーポレートガバナンスだといろんなことをやっておりますので、是非こういったものは慎重に検討していく必要があるんだと思いますけれども、問題意識は私も共有しておりますが、これを、対象企業というものをそういった独占的な株主のいるところじゃないところに全部広げるということになりますと、これはちょっといろんな意味で影響が出て、一回税金払っているものですから、それにまた税金掛けるみたいな話になると二重課税ということにもなりますし、そういった意味では、政労使会議とかそういったものが非常に有効に作用してくるかなと、これは検討しなきゃいかぬ問題の一つだと存じます。
○西田昌司君 終わります。
○尾立源幸君 おはようございます。民主党・新緑風会の尾立でございます。
 昨日、本会議場で麻生大臣にたっぷりと法人税等にも質問させていただきました。問題意識は西田委員と同じでございますし、私も、内部留保が大臣自らおっしゃったように毎月二兆円ずつたまっているこの状況というのは本当に異常な状況だと思っていますし、大臣もどこかで、金をためるだけのような経営者は能がないというようなこともおっしゃっておりまして、私も全くそうだと思っております。やはりこういった部分、しっかり社会に還元がされなきゃいけない。
 その中で、昨日も申し上げましたように、本当に必要な一人親世帯だとか、また若者の賃金がアップできるような、そんな仕組みを法人の内部留保のたまりを原資にしながら使っていけるというような制度もあっていいのではないかと思っておるところでございます。
 それはさておき、今日は所得税法改正案全般ということでございますので、様々な問題について質問をさせていただきたいと思っております。
 まず、今回の改正案について評価のできるところもあります。とりわけ、国境を越えた役務の提供に対する消費税の課税の見直しについて、これは、大久保筆頭が去年から中心になって二度議員立法で提出をさせていただいた我々のインターネット役務適正課税法案、この考え方をそのまま採用していただいているということで、野党の提案であってもこのように必要なものは取り入れていただいているということに評価を申し上げたいと思いますし、いいものはどんどん取り入れていただきたいと思っております。
 そういう意味で、今同時に審議をされております法人税法の一部を改正する法律案、これについても是非政府としてしっかり受け止めていただき、また委員の皆様にも御賛同いただいて、通るようにしていきたいなと思っております。
 それでは、話はがらっと変わりますが、マイナンバーについて、内閣官房を中心にお聞きしたいと思っております。
 いよいよ今年の十月からマイナンバーが国民の皆さんに配付をされ、来年の一月から利用が開始をされるということになっております。年金に関する、また税に関する書類等々にこの番号も付されていくわけなんですけれども、ここで大事なことは、しっかりと情報漏えいなどのリスクを抑えつつ、やはり効率的、効果的にこのナンバーを利用して国民サービス、また行政サービスがアップするということが私は大事なんじゃないかと思っております。そういう意味で、今回、当初にはなかったマイナンバー利用範囲の拡大についてお聞きしたいと思っております。
 今回、銀行預金でもマイナンバーの利用ができるようにする改正案が盛り込まれております。これは大変いいことだと思っておりますけれども、内閣官房の方では更にどのようなマイナンバーの利用範囲の拡大等に関して検討なされているのか、また、検討する際の原則、利用範囲の拡大に関しての原則がどうなのか、教えていただきたいと思います。
○副大臣(西村康稔君) お答えを申し上げます。
 マイナンバーの利用範囲の拡大ということで御指摘をいただきまして、これは政府の中でも検討を進めているところでございます。政府のIT総合戦略本部の下に置かれておりますマイナンバー等分科会、ここにおきまして検討を進めているところでございますが、基本的な考え方は、このマイナンバーによる情報連携等による更なる効率化、あるいは利便性の向上、これが見込まれる公共性の高い分野を中心に、制度の趣旨、これは利便性を向上していこうというそういった趣旨、それから今御指摘のあった個人情報保護の観点、こういったことに配慮をしつつ、マイナンバーの利用範囲の拡大等について有識者を中心に検討を進めているところでございます。
 具体的に現時点で方向性として出ておるのは、これは、昨年六月に閣議決定しましたいわゆる成長戦略でありますけれども、日本再興戦略二〇一四、それから世界最先端IT国家創造宣言、これに基づいて五つの分野について検討を進めてきておりまして、一つは戸籍の事務、二つ目が旅券の事務、三つ目が御指摘のあった預貯金の付番、四番目が医療、介護、健康情報の管理、連携、五点目が自動車の登録事務、こういった点について利用範囲の拡大を検討しているところでございまして、これらのうち、今般のマイナンバー法の改正、お願いをしているところでありますけれども、においては、これまでに方向が固まった、関係者との調整も整った一つは預貯金の付番、それからもう一つが医療等分野のうち健康保険組合による特定健診、いわゆるメタボ健診、これに関する事務における利用範囲の拡大を図ることとしているものでございます。
○尾立源幸君 順次拡大が検討されているということでございます。
 これは私の提案なんですけれども、死亡保険金や年金保険金の支払に当たってもこのマイナンバーというものを利用することが可能になれば、より確実な私は支払ができるものだと思っております。とりわけ、これから高齢化が進んで、一人でお暮らしの高齢者の方や、また御夫婦とも高齢者という方が増えてまいります。そういった中で、しっかり確実にこの保険金等をお支払いするためにもナンバーがあった方が私はいいのではないかと思っております。とりわけ、これ自己申請制になっておるわけで、どれだけ保険に入っていたかなというのはなかなか自分でも分からないぐらいになることもあります。そういう意味で、ましてや相続人の方々にとっても、番号で通知ができれば横断的に保険会社にしっかりと請求ができるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) お答えを申し上げます。
 マイナンバーについて、今御指摘ありましたように、民間でも幅広く利用できるようにすることが一層の国民の利便性の向上に資するという御意見もあることを十分承知しておりますし、これはもうごもっともな方向だというふうに私も思います。一方で、これも先ほど委員御指摘ありましたけれども、個人情報保護の観点から幅広く利用することに懸念を持たれる意見、これも多数あることもあります。
 こうしたことを踏まえて、まずはマイナンバー法又は地方公共団体の条例で定めた社会保障分野、税分野などの行政事務に限定してマイナンバーを利用できることに現時点でしているところでございます。
 また、このマイナンバーの民間への利用拡大については、マイナンバー法の附則六条第一項の規定に、この法律の施行の状況等を勘案し、利用範囲等の拡大に関して検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて、国民の理解を得つつ、所要の措置を講ずるというふうにされておりまして、今後の検討課題であるというふうに承知をしております。
 そうはいいながらも、政府のIT総合戦略本部の下に設置されておりますマイナンバー等分科会におきましては、マイナンバーそのものではなく、個人番号カードなどマイナンバー制度のインフラを活用した民間との連携についても検討されておりまして、国民の利便性向上の観点から、例えば引っ越しとか御指摘のあった死亡、こういったライフイベントに係るワンストップサービス等についても実現に向けて是非検討を深めてまいりたいというふうに思います。
○尾立源幸君 西村副大臣、詳しくお答えいただいているんですけど、多分心の中では、これもやっぱり使った方がいいんじゃないかなと思っていただいていると思うんです。
 というのは、死亡保険金だとか年金保険金、これはそもそも個人情報の塊でして、家族構成やら収入、さらには健康情報まで、もうパッケージでこれ既に会社の方は保管をしているわけですよね。そこにこの番号が付け加わることで個人情報漏えいのリスクが増えるということは、これはあってはならないわけで、もう既にリスクを防ぐために頑張っているわけでして、これが一つ加わったからといって新たなリスクが私は増えるとは思っておりません。
 そういう意味で、是非前向きに早く検討していただきたいと思いますので、決意をお願いします。
○副大臣(西村康稔君) マイナンバー、つくる以上は、できるだけ広く民間も含めて利用されて、国民の利便性の向上あるいは行政の効率化、こういったものにつなげていくことが大事だというふうに思っております。
 一方で、御指摘がありましたように、個人情報の保護というのも大事な視点でありますので、まずは、この法律の考え方でありますけれども、行政分野で、限られた分野で進めていきながら、個人情報の保護が確実なものということを国民の皆さんにも理解をしてもらいながら進めていくという、そういう方向で進めておりますので、将来はできるだけ広く使っていただけるように我々もしっかり努力をしていきたいというふうに思います。
○尾立源幸君 よろしくお願いいたします。
 それでは、財務大臣に国税庁職員の定員について質問をしたいと思います。
 まず、私も確定申告会場、相談会にも今年も行ってまいりました。そうすると、やはり消費税が八%に上がったことで相談件数も増えているというような現場の状況でございました。
 また、今年の一月からは、御案内のとおり、相続に係る基礎控除が引き下げられ、六割になったんでしょうけれども、やはり相続税の相談等々も増えてきているという状況でございますし、実際、被相続人ベースでいうと、この改正で、四%が納税対象だったのが、改正後は六%に増えると見込まれておるわけでございます。そういう意味で、またメディアも相続税大増税みたいな特集を本やテレビ等で組んでおる結果、多くの人が自分も相続税を払わなきゃいけない対象なんじゃないかという、こういう不安も出てきて、相談が増えているということでもあります。
 私が申し上げたこれは実感なんですけれども、実際に相談を受けていらっしゃる財務省、国税庁としてどのような今実感をお持ちなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(宮下一郎君) 先生御指摘のように、昨年四月の消費税率の引上げに対しましては、その半年前、前年の十月から改正消費税相談コーナーを全国全ての税務署に設置して、対面で価格表示でありますとか経過措置などの改正内容に関する数多くの相談等に対応してまいりました。そして、こちらの対面の方は、相談件数、明確な数がちょっと手元にないんですが、同時に、電話相談センターでもそうした相談の窓口として機能させてきたということでございます。
 電話相談センターの方は数字がございます。消費税に関する相談が特に増えたのはその半年前の十月から直前の三月にかけてでありますけれども、十八万七千件余り、前年同期比で二・六倍と、こういう多くの相談が寄せられて対応させていただきました。また、相続税につきましても、本年一月から基礎控除額が引き下げられて、この秋以降その申告期限が到来することから、今後相談件数が増加するものと考えております。
 その他、毎年度の税制改正への対応、そして国際化等、調査事務の複雑化などによりまして国税当局の事務量は近年増大しているものと認識しております。
○尾立源幸君 そのほかにも、今回、本法案に盛り込まれております出国時の譲渡所得課税の特例創設というのがあります。
 私自身、この創設について導入するのは賛成の立場でございますけれども、一方で、この該当者が一旦課税をされて出国する、まあ納税猶予という制度もありますが、払って出て、実際に売却しないで帰ってきたときには還付というような手続も出てくるわけですよね。こういうふうに非常にまた現場の方々に事務負担が増えるという要素もありますので、是非そのことも考慮していただきたいと思います。
 ちょっとそれで、質問通告ないんですけれども、この未実現だったものを持って帰ってきたときに、還付というお話をしましたけれども、このときには利息は付くんですかね。ちょっと事務の方で結構ですので、付くのならばどういう利息が付くのか教えていただければと思います。
○政府参考人(佐藤慎一君) 出国時特例のお話でございます。
 出国されるときに、申告したときに納税猶予を受けて出られるというような場合について、それがまた戻ってこられた場合でございますね。
○尾立源幸君 受けない場合。
○政府参考人(佐藤慎一君) 済みません。もう一度よろしくお願いします。
○尾立源幸君 納税猶予を受けないでキャッシュで払っちゃった場合はどうなのかということです。
○政府参考人(佐藤慎一君) 失礼いたしました。
 還付をいたします。(発言する者あり)
○委員長(古川俊治君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(古川俊治君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(佐藤慎一君) 失礼いたしました。
 きちっとした説明をしないといけないので、不用意なことを申し上げるとよろしくございませんので、ちゃんと場合を分けて整理をして、この答弁のどこかのタイミングで報告させていただきます。
○尾立源幸君 分かりました。じゃ、後ほど質問時間内でお聞かせいただければと思います。
 それでまた、国税の資料によりますと、滞納税額については、現場の皆さんの御努力もあって、二十五年度は一兆一千四百十四億円と、前年度に比べて一千三百億円近く減少をするなど、年々減少傾向にはなっております。それでも相当な額がたまっておるわけですけれども、努力をされていただいているということです。
 こうやって滞納をどんどん減らしていかれる努力、工夫というのがどういうことをされているのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘がありましたように、平成二十五年度でいきますと、滞納残高につきましては、おっしゃいましたように一兆一千四百十四億円でありまして、対前年比で一千二百八十八億円減少をいたしております。これによりまして、国税滞納の残高は平成十一年度以降十五年連続で減少となっておりまして、ピークでした平成十年度末は二兆八千百四十九億円、したがって、それに比べますと四〇・五%まで減少、約六割減ったということだろうと存じます。
 この間、国税庁で何をしたかと言われると、期限内に納付をしていただきたいということで、広報とか周知とか、振替納税の利用を勧奨する等々の滞納の未然防止策を奨励するとともに、滞納となった場合に、滞納の整理促進のために、新規発生滞納事案について早期かつ集中的に催告、いわゆる督促じゃなくて催告を実施させていただき、その後、滞納者個々の実情、いろいろ御事情がおありですので、そういった方に対して法令等に基づいて滞納処分を行うというような対応を行ってきたので、今後とも、こういった滞納残高を、これは急激にどんと減ったり上がったりすることもなく、徐々に徐々にきちっとした努力が必要なんだと思っております。
○尾立源幸君 御努力に敬意を表したいと思いますが、一方で残念なこともありまして、やはり実調率がこれは下がってきております。最新の統計は、まあ二十四年度しかちょっとないんですけれども、実調率が三・一%ということでございます。
 税務行政では、やはり他の行政事務と異なって、非常に重要なのは公平だと思っておりまして、更なる公平が大事だと思っておりまして、そのためにも、実調率もきちんと一定の水準を私は確保する必要があるんだろうと思います。そのためにも、必要な職員を確保することが非常に重要であると思っております。(発言する者あり)ありがとうございます。
 そこで、国税の皆さん、歳入の確保という非常に重要な使命を帯びながら頑張っていただいておるんですけれども、今回の定員の要求と結果を見ますと、少し残念というか、大分残念なことになっております。
 麻生大臣にお聞きしますが、大臣も頑張って要求はしていただいているんだと思うんですが、二十七年度も六十五人が減員となっておりまして、これは二十四年度から累計で、四年間で五百三十八人も純減ということなんです。五百人という数字がどのぐらいの規模かというと、例えばということで申し上げますと、沖縄国税局一局分がこの四年間で消滅してしまったというぐらい大きな人数であるということでございます。
 担当大臣として、今申し上げました様々な新たな業務が発生するということ、そして実調率が下がっているということも踏まえて、この現状についてどう考えていらっしゃるのか、これからどうしていく決意なのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘がありましたように、これは、法人の実調率も、また個人の実調率も共に、かつての四・六から三・〇、それから個人の方も一・四から一・〇というように、実調率が下がってきているというような実態は間違いございません。
 また、今言われましたように、国税庁の定員の推移を見ますと、かつての五万六千二百六十一人から五万五千七百二十五人と、言われましたように、この四年間特に下がってきているということなんだと思いますが、我々見て、やっぱりこういった税務行政を取り巻く環境というのが、正直申し上げて、より厳しくなっているというか複雑化しているんだと思うんですね。国際化しているしICTも使わないかぬしというようなことで徴収事務が複雑化しておりますので、事務量も当然増大するということになる、異なった種類の事務が増えてきているんだと思いますので、さらに消費税の引上げ等々もございましたので。
 こういったものの徴収というものを確保するためには人間をきちんとせないかぬと思っておるんですが、今申し上げましたように、確実にこの四年間減っておりますが、ただ、国家公務員全体の中で見ますと、国家公務員全体が大幅な定員削減で、全体で見ますと前年度比で約〇・三七%減っております、国家公務員全体で。その中で六十五人というのを、国税庁で言わせていただきますが、それでいきますと〇・一二ということになりますので、厳しい財政事情の中でそれなりの配慮は行わさせていただいていると思いますけれども、いずれにいたしましても、この定員の確保というのは極めて重大なことだと思って、私どもも引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
○尾立源幸君 是非、業務の本当に高度化、複雑化、国際化ということが伴ってまいりましたので、是非定員はしっかり確保して公平性を期すようにお願いをいたしたいと思います。
 次に、今回の改正案には外国人旅行者向けの消費税免税制度の拡充というのが盛り込まれております。春節と言われる二月にも本当に多くの外国の方が東南アジアから来られておりましたし、大阪なども、本当に商店街がほとんど外国の方というような状況でございました。
 商店街によく行くんですけれども、見かけはアジア人ですから余り変わらないんですけれども、まあ余談になりますが、どこで見分けるんですかと言ったら、靴が違うらしいんですね。やはり旅行者の方は割とスニーカーを履いていらっしゃるということで、そういう方は足下をまさに見るというような話になるんですけれども、非常に日本人のお客さんなのかそうじゃないのかというのがそこですぐ分かるというようなこともおっしゃっていまして、私もそれ以来よく見ていますと、本当にそういう傾向があるということでございます。まあ余談でございますが。
 今回は、この免税制度の拡充について質問をしたいと思います。
 現在、この制度を利用した免税店というのは幾つあるのかということと、また、この免税制度によって減税額がどのぐらいになっているのか。これは国交省になるんですか、財務省。じゃ、宮下副大臣、よろしくお願いします。
○副大臣(宮下一郎君) お尋ねの免税店の数でございますけれども、正確には輸出物品販売場でございますけれども、直近の数字は平成二十六年十月一日の数字になります。この数は全国で九千三百六十一場でございます。特にこの半年大きく増えまして、その半年前の四月一日は五千七百七十七でしたが、これが三千五百八十四増えて九千三百六十一になったと、こういうことでございます。
 また、制度全体の減収額というのは、正確にはなかなか技術的にも把握が難しいわけですけれども、平成二十六年度税制改正におきまして、免税対象物品を拡大したことによる減収見込額を一定の仮定を置いて算出いたしました。それによりますと、国、地方を合わせて平年度ベースで約百三十億円程度のマイナスというふうに見込んでおります。
○尾立源幸君 それでは、今回の改正によってはどの程度その利用の増加が見込まれるのか、この点について同じく質問させていただきたいと思います。
○大臣政務官(鈴木馨祐君) 尾立委員の御質問にお答えをさせていただきます。
 今回の制度の拡充によってどの程度増加をするのかという御質問でありますけれども、厳密にどのぐらいという予測というのは難しいところでありまして、最近の動向というところでございますと、昨年当初より、地方運輸局あるいは地方経済産業局の免税相談窓口の周知、活用、あるいは十月一日からの免税対象の全ての品目への拡充ということ、そうした取組によって免税店の増加に取り組んできたところでありまして、先ほど宮下副大臣からも御答弁ありましたけれども、昨年十月一日現在の免税店舗数九千三百六十一店舗、これはその前半年に比べて三千六百店舗の増加、この半年でいえば六二%の増加であります。そして、若干遡って一年間ということでいうとほぼ倍増と、そういった状況になっております。
 しかしながら、その七割が先生の御地元も含めた三大都市圏に所在をしておりまして、今後は地方における免税店の更なる拡充というものが大事ということで取組を進めております。
 このため、今後は、地方の商店街や物流センター等の店舗からの要望にも配慮いたしまして、第三者に免税販売手続を委託をできる免税一括カウンターの制度を創設をしたところでございまして、今度の四月一日からということになりますけれども、今後は商店街等の店舗も免税許可を更に取得をしやすくするということが必要だと考えています。
 今後、自治体と協力をいたしまして免税制度に関する説明会を細かく開催するなど、地方に向けた拡大というものをこれから積極的に進めていくということでありまして、こうした制度の活用をしていくということで、恐らくは地方の商店街等の店舗においてこの半年あるいはこの一年以上のペースで、これまで以上のペースで拡大を進めていくということが予想されているところであります。
○委員長(古川俊治君) 済みません、先ほどの御質問の答弁の準備が整ったようでございますので、御連絡だけいたします。今はよろしいですか。
○尾立源幸君 ちょっと流れがありますので、終わってからにしてください。
 それで、これ前回の委員会でも質問というか問題提起をしたんですけれども、やはり公正な制度をつくるという意味では、やはり免税措置を受けて横流しをされて日本で消費されちゃ困るわけなんです。とりわけ、一〇%、またそれ以上の税率というのが射程に入っている中で、そういう意味で悪用されてはならないということで、私は、どこかの段階で現行の免税方式からヨーロッパ中心に運用されている還付方式にこれはどこかで切り替えなきゃいけないと思っているんですが、まずはその御見解をお聞かせください。
○国務大臣(麻生太郎君) 外国人旅行者向けの免税のことにつきましては、今おっしゃいましたように、購入をしたときに購入した物品などを記載した書類をパスポートに貼り付けて割り印を義務付ける、もう御存じだと思いますが。特に今よく言われるのは化粧品、こういった消耗品につきましては、同一の外国人旅行者に対する同一店舗での販売額を五十万と。何せ買う量がむちゃくちゃですから、顔が幾つあるんだろうかと思って心配するぐらい。一日五十万円までとするということと、それから開封したことが分かる方法によって包装をきちんとする、包装をきちんとしておかないと中が変えられているかもしれませんから。ということなどを免税販売の要件とすることによって、横流しとか日本の中における消費といった不正の防止を図っております。
 なお、観光庁の調査によれば、EU諸国などで行われております、いわゆる出国するときの空港なんかにおけます事後還付方式に比べて、日本で採用されます免税販売方式は、最初から免税で購入できるということと、空港で延々と並んでいるというああいった必要がないということの理由から、訪日される外国人の中からは日本の方式が高い評価を受けておるのは確かなんだそうですけれども。
 是非、利便性の意味からはそうかもしれませんけれども、言われましたように、横流し等々、不正防止等々には引き続き関心を払って、これは向こうも、そういうことをしようとする人はいろいろ知恵もまた回ってきますから、こっちもそれに対応する手口は考えないかぬということなんだろうと、引き続き、そういったものは研究し続けておく必要があろうと存じます。
○尾立源幸君 大臣がおっしゃったように、もう両手に抱え切れないぐらいの買物をしてお帰りになっていらっしゃる人が多いんですけれども、そういう人が空港で、じゃ、その荷物を持ってチェックを受けているかというと、まず持ち込めませんし、ほとんど今はフリーパスのような感じでお帰りになっているというのが現状でございます。
 そういう意味で、やっぱりどこかで転換をしていかなきゃいけないんだろうと思いますし、そのためにまた税関の職員さんが、そのためだけに、業務のために増やすというのは、これはまた本末転倒だと私は実は思っておりまして、じゃ、ヨーロッパはどうやっているのかなというと、やっぱり消費者、お客さん、利用者からそこの部分は手数料を取って民間委託をしているようなんですね。例えば、二〇%本来は戻ってくるところを、手数料として五%取られて一五パーしか戻ってこないというようなやり方で、その五%でチェックの、還付の業務を民間が委託をされてやっているというような状況と聞いております。
 ということで、その掛けるコストと手間と利便性、そして公正性の問題をしっかり確保する形で、我が国にとって一番いいやり方というのをこれからまた研究していただきたいと思いますし、どこかの段階で必ず問題が私起きると思っていますので、準備をしっかりしていただきたいと思っています。財務大臣、もう一回、決意だけ聞かせていただけますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 利便性においては極めて評判の良いものであって、おかげさまで外国人の、これは国土交通省の話でしたけれども、えらい勢いで一人頭、何かすごい増えておりますので、日本における消費というのが増えておるのに貢献していることは間違いないと思っておりますので、そういった意味で、この方式によって非常に購入、購入というか物が買いやすくなっておるというのであれば、それはうまくきちっと利用しながらも、今言われた公正の点、横流し等々、そういったところにきちんとやる対策を引き続き検討してまいらねばならぬと思っております。
○政府参考人(佐藤慎一君) 大変失礼をいたしました。
 尾立先生からの御質問、整理をいたしますと、出国時特例につきまして、出国時に申告をいたしまして即納、納税をしたという場合でございます。その場合に、その後、例えば五年以内に帰国をされるということであれば、しかもその状態のまま売却をしないで保有した状態でお戻りということになりますと、ここは課税が取消しということになりますので還付ということが生じます。還付につきましては、帰国時に更正の請求というようなことをしていただくような手続を経まして還付加算金が付くという仕組みになってございます。
○尾立源幸君 そのときの金利はどうなるんですか。
○政府参考人(佐藤慎一君) 現状においては一・八%でございます。
○尾立源幸君 その一・八%は何と一緒なんでしたっけ。
○政府参考人(佐藤慎一君) この一・八%と申しますのは、日銀が公表しております前々年十月から前年九月におけます国内銀行の貸出約定平均金利の平均というようなことで、貸出約定金利を算定いたしまして、それに一%を乗せたものということでございます。
○尾立源幸君 結構財テクになりますね、今の状況では。そうですか。分かりました。
 それでは次に、JBICによる融資の問題について、これは本会議でも昨日若干触れさせていただきましたけれども、非常に荒っぽい開発が行われているんじゃないかと。また、そういうところに本当に日本企業やJBICが一体となってお金を貸して、商売のためといえ事業をそのまま進んでいっていいのかというような懸念を大いに抱いております。
 まず、現在のJBICの海外投資案件全体についてお伺いしたいと思います。融資案件数、融資金額数、主な案件についてJBICからお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(矢島浩一君) 国際協力銀行代表取締役副総裁の矢島でございます。
 それでは、お答え申し上げます。
 JBICでは、その業務の一つといたしまして、日本企業の海外投資事業の支援を目的に、日本企業や日系の現地法人に対して貸付けを行う投資金融と呼ばれる業務を行っております。
 平成二十四年四月の国際協力銀行の発足以降の融資承諾実績を申し上げますが、平成二十四年度は百五十七件、三兆一千三百八十五億円、平成二十五年度は百六十七件、一兆六千七百十億円、平成二十六年度は十二月末までの数字でございますが、百二十四件、一兆七千四百三十五億円、合計で四百四十八件、六兆五千五百三十一億円でございます。
 主な支援事例といたしましては、日本の企業が事業参画いたします資源開発あるいはインフラ開発、それから中堅、中小企業を含みますが、製造業の海外事業、海外のMアンドAが挙げられます。
 資源開発の例といたしましては、オーストラリアのLNGのプロジェクト、またインフラの案件といたしましては、イギリスの都市間の高速鉄道のプロジェクト、また製造業といたしましては、ベトナムの製油所のプロジェクト等が挙げられます。
 以上でございます。
○尾立源幸君 そこで、昨日も取り上げましたこのインドネシアのバタン石炭火力発電事業についてちょっと詳しくお聞きしたいと思うんですが、この計画というのは今遅れに遅れているということなんですけれども、その理由として、住民との合意形成がうまく進んでいないと、加えて反対派住民に対する脅迫もあるということで、インドネシア国家人権委員会が問題を指摘しております。また、インドネシア政府内でも、インドネシアの環境林業省が反対しているということが伝わっております。
 今回、新たな大統領が来日されたんですが、以前のユドヨノ政権時代には、ちょっとそういうこともあってこの事業を断念する方向に向かっておったということなんですけれども、今回のジョコ新政権では、今回来られた際にも言われたように、もう一回これを推進するということだと聞いております。
 途上国での開発プロジェクトは、大なり小なり、多かれ少なかれやっぱりあつれきというのは生じるんだと思うんですけれども、ただ、人権侵害が問題となるほど大きな問題になっているということについては、非常に我々日本としても融資をする際に慎重に私は検討しなきゃいけないと思っています。
 そこで、JBICというのは、こういうことに当然いつも接していらっしゃるということでルールがあると、銀行内に、ということなんですけれども、この社会的合意及び社会影響に関するルールというものについてちょっと御説明をいただきたいと思います。
○参考人(矢島浩一君) お答え申し上げます。
 JBICでは、今御説明ございましたが、環境社会配慮確認のためのガイドラインというものを制定をいたしております。
 このガイドラインは、制定するに当たりましては、産業界の方、NGOの方等集まっていただきましてガイドラインを制定したという経緯がございますが、プロジェクトにおける環境配慮の主体はプロジェクト実施主体でございますが、JBICは、このガイドラインに基づきまして、プロジェクト実施主体により適切に環境社会配慮がなされていることを確認をいたします。また、必要に応じまして、プロジェクト実施主体に対して適切な環境社会配慮を行うことを促すこととしております。
 御指摘の社会的合意及び社会影響につきましては、このガイドラインにおきまして、プロジェクトは対象国、地域において社会的に適切な方法で合意が得られるよう十分な調整が図られていること、それから、社会的弱者に対しては、社会における意思決定プロセスへのアクセスが弱いことに留意し、適切な配慮がなされていること等を対象プロジェクトに求められる環境社会配慮の基本的な考え方として定めております。
 以上でございます。
○尾立源幸君 そういう自主ルールがあるわけで、是非これにのっとってやってもらいたいんですけれども、まず、JBICは現地調査を今までいつどこでやったのかということをお聞きしたいと思っております。
 それともう一点、私が申し上げましたように、土地の買収をめぐって国軍や警察が同行することで、業者にですね、住民の自由な意思決定を阻害しているというふうな事実もあるということが指摘をされておりますが、そういうことをどこまで把握されているのか。まず、現地調査にいつ行ったのかということも含めてお聞かせください。
○参考人(矢島浩一君) お答えいたします。
 現地調査でございますが、これは、私ども本店の融資を担当する部門と、それから専ら環境社会面の審査を行います専担部門とが一緒になりまして、二〇一三年の七月にプラントの建設予定地を訪問して環境社会配慮確認のための調査を行っております。また、私どもジャカルタに駐在員事務所がございますので、駐在員事務所を通じまして現地情勢の把握に努めております。今後も、検討に当たりましては、必要に応じて現地を訪問し、ガイドラインに基づく確認を行っていく所存でございます。
 それから、御指摘ございました国軍や警察が同行するというようなお話でございますが、事業会社によりますと、安全確保のために現地では軍や警察の護衛を付けることがあるということを聞いておりますが、これについては、脅迫や強権的な手段を用いている事実には当たらないと認識をしておるところでございます。
○尾立源幸君 JBICが現地調査に行かれたのが二〇一三年の七月ということなんですが、その月末に警官や軍の暴力行為が起こって十五人住民が負傷したということですし、また、それを受けて、二〇一三年の八月には、先ほど申し上げましたインドネシア国家人権委員会が、軍や警察の用地買収交渉から撤退しろと、こういう勧告も出しているわけでして、JBICが行かれたのはこういう事件が起こる前だということでございますので、是非また近々に行って現地を調べていただかないと私はいけないかと思っております。
 そういう意味で、昨日もちょっとお聞きしたんですけれども、地域住民やNGOへのヒアリングというのが、そういう状況があるということで行われているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○参考人(矢島浩一君) お答えいたします。
 二〇一四年の九月に現地のNGOの方及び現地の関係者の方と東京において面談を実施いたしまして、現地情勢についてのヒアリングを行っております。
 これまで、インドネシアの国家人権委員会あるいは環境林業省から直接的な情報収集は行ってはおりませんが、今後、現地訪問を改めて実施しようと考えておりますので、その際に、必要に応じてこれら関係機関への、あるいは住民等とのヒアリングも行いたいというように考えております。
○尾立源幸君 東京でたまたま訪ねてきた人たちから聞くだけじゃ十分じゃありませんので、しっかり自分で行って、目で見て、そして現地の人としっかり話す、また行政機関ともしっかり話してきていただきたいと思っております。また報告を求めたいと思います。
 それともう一点、今回、インドネシア政府関係者が土地収用は完了したと述べた一部報道もあるんですけれども、土地収用というのはどの程度進んでいるのかが一点目の質問です。そしてもう一点、新土地収用法というのが法律として通っておりますけれども、これは、前大統領のときは過去に遡及して適用しないということで整理がされておったんですけれども、新しいジョコ大統領は非常に前向きですから、いやいや、それは遡ってこの新土地収用法を適用するんだというようなことを言い出しかねないわけなんですけれども、この辺りの認識はどうでしょうか。
○参考人(矢島浩一君) お答えいたします。
 現状、事業会社から聞いておるところでは、プラント建設用地の現在八割以上まで取得を終えているという認識をしておるところでございます。また、プラントの建設用地の未取得分につきましては、インドネシア国営電力公社が新土地収用法に基づいて収用を行うと聞いており、現在では同法の適用に向けた手続を進めているものと認識しております。
 また、新土地収用法でございますが、これは二〇一二年の大統領令に基づきまして若干の修正がなされておりますが、修正の大きなポイントは、これまでやや不明確だった手続を明確化するということで、例を挙げますと、用地取得の責任は、新法におきましては明確に政府が持つと、それから土地収用のプロセス、日にちがはっきり書いていなかったんですが、これを最大で五百八十三日と、こういう手続面を明らかにするのが新しく法律が変わった趣旨でございまして、この法律を今適用せんとして手続が進められているというように承知しております。
○尾立源幸君 それでは、この新しい法律を積極的に使ってこの事業を進めるという方向で今進んでいるということですね。分かりました。
 ただ、先ほど申し上げましたように、今まで八割収用する際につなぎ融資をしているのは、これは日本の銀行じゃないんですか、今までのお金を出しているというのは。そこをちょっと確認させていただきたいんですね。これからは政府が責任を持って土地を買収するということなんですけれども今までは日本の銀行がつなぎ融資をしているのかという質問なんですけれども、いかがでしょうか。
○参考人(矢島浩一君) 当然、事業会社といたしましては、これまでは、八割以上と申し上げましたが、事業会社が用地取得ということで、当然そのための資金が必要だということではございますけれども、その資金をどこから融通しているのかというのは私ども承知しておりません。
○尾立源幸君 これは、私の聞いているところですと、日系の銀行がこの土地収用のためのお金を出しているということなんです。
 それで、今申し上げましたような様々な問題がある中で、これも商売だからお金を出すよと、こういう私態度ではいけないんじゃないかと思っていまして、やはりJBICまでとは言いませんけれども、それなりの社会的責任もやっぱり貸し手である銀行もしっかり担っていただかなきゃいけないんだと思っていますが、その辺り、JBICは、邦銀とは横横の話合いというか、そういうことはされていないんでしょうか。もう邦銀さん勝手にやってください、自分たちは自分たちのルールでやるというだけなのか。これ協調融資だと思うので、その辺りのガイドラインについての運用の在り方、邦銀にはどのような皆さん御示唆をされているのか、教えていただきたいと思います。
○参考人(矢島浩一君) お答えいたします。
 御質問ございましたこれまでの用地取得のための必要資金でございますが、これは先ほどもお話ししましたが、私ども、どこから調達しているのかというのは事業会社からは聞いておりません、承知しておりません。
 私ども、これからプロジェクトが実際に動きますとなりますと、取得が終わりますとプロジェクトがスタートいたしますので、その後、開発資金の御融資をするということになりますが、その場合には、私ども、民間金融機関との協調を原則としておりますので、民間金融機関と話をしながらプロジェクトを進めていくことになりますが、大前提といたしまして、民間金融機関の方にも私どものガイドラインにのっとった確認を行うということについては了解いただいた上で、私どもと民間金融機関と協調でプロジェクトを支援していくということを考えておるところであります。
○尾立源幸君 いや、おかしいですね。
 私の資料では、民間銀行団が融資調達予定額の四〇%を融資をすると検討しているということで、もうつなぎ融資で、三井住友銀行が一億三千五百万米ドル、三菱東京UFJ、みずほ等々、こういうところがつなぎ融資をもうやっているというふうに聞いているんですけど、そういうことも御存じないんですか。
○参考人(矢島浩一君) 繰り返しになりますけれども、私ども、現状のつなぎ融資については承知しておりません。
○尾立源幸君 承知していないじゃない、ちゃんとしっかり、これはプロジェクト全体に皆さん関わっていらっしゃることで、皆さんがいないとこの事業は成り立たないわけでしょう。だから、ほかは知らぬけど私たちだけというようなそういう態度じゃなくて、しっかり銀行団、シンジケートだと思いますので、これ、しっかり把握をしていただきたいと。いいですか、そのことを確認したいんですけど。
○参考人(矢島浩一君) 本件におきましては、とりわけまだ未取得分がございますし、先生に御指摘いただいたような問題もございますので、民間金融機関等にコンタクトいたしまして事実の確認をしたいと思います。
○尾立源幸君 最後に、しっかり現状の状況を踏まえていただき、融資の検討をやってもらうということが大事だということ、そして最後に、所管大臣である財務大臣に改めて、こういう人権侵害等々の事実が明らかになれば日本の名誉にも関わる問題ですので、しっかり対応していただくことを、決意をお聞かせいただいて、私の質問の終わりとさせていただきます。
○国務大臣(麻生太郎君) JBIC、国際協力銀行において、同行が定めております環境社会配慮確認のためのガイドラインにのっとって融資を行っていくということになっていると承知をしておりますので、そういった意味で、財務省といたしましては、所管の官庁として、JBICがこのガイドラインにのっとって、引き続き、現地住民の声をよく聞きつつ適切に環境社会配慮の確認を行うよう監督してまいりたいと考えております。
○尾立源幸君 終わります。
    ─────────────
○委員長(古川俊治君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、吉田博美君が委員を辞任され、その補欠として塚田一郎君が選任されました。
    ─────────────
○礒崎哲史君 民主党・新緑風会の礒崎哲史でございます。
 本日は、所得税法の改正案及び法人税法改正案ということで、大きくは三つのアイテムに関しまして質問をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
 まず冒頭に、冒頭といいますか、先ほど自民党の西田委員からも法人税についてのお話がございましたので、私の方からも、法人税の改正についての質問ということで一点させていただければというふうに思います。
 先ほど、発議者の方から改めて趣旨等の話がございましたが、今回、法改正の提出に至ったその背景、趣旨についてもう一度確認をまずはさせていただきたいというふうに思います。
○大久保勉君 質問ありがとうございます。
 この法案の背景、趣旨に関して申し上げますと、平成十八年度の税制改正で申告書の公示制度、いわゆる長者番付が個人、法人とも廃止することになりました。税務情報を公示する制度については、個人情報保護の問題、犯罪に巻き込まれるおそれ、あるいは下請いじめなど取引先との関係に影響を及ぼす可能性など、個人や中小企業については弊害があります。しかし、大企業についてはそうした問題はないと考えられておりまして、納税情報を開示することとしました。
 今このような制度を導入する理由としまして、三つの理由があります。
 最初は、法人税をめぐる議論の前提を明らかにするためです。平成二十七年度の税制改正で法人税率の引下げが行われようとしております。このこと自体、直ちに否定するものではありませんが、史上最高益を出している大企業においても、繰越欠損金や外税控除枠等を使って納税をほとんどしていない場合もあります。各業態の上位五社の統計を見ても、大企業の法人税負担の実態は必ずしも法人税率と連動しているわけではないのも事実であり、こうした納税の実態を明らかにする必要があります。例えば、機械・電気機械製造業の法人税実質負担率は三・三%、卸売業四・九%という実態です。なお、個別の法人がどの程度納税しているかを問題とするものではありません。
 二番目は、税の議論をオープンにするということです。税金を払わない大企業についての国民の不満もあり、申告所得等の公示制度を通じて大企業の実態を国民に明らかにすることで、法人税制が財務省限りの判断ではなく、国民の代表機関である国会での議論を経て構築されることが必要と考えているからです。
 最後になりますが、多国籍企業等がグループ間の国際取引によって税負担を著しく軽減させようとする問題に対応することです。この問題に関しましては、OECDにおいてBEPS行動計画に基づく議論が活発に行われておりますが、国会でもそれを支えていく必要があると考えるからです。
 以上三点、この法案を提出する背景でございます。
○礒崎哲史君 ありがとうございます。
 今、御説明の中で三点ございました。なかなかその実態が明らかになっていないというところが一つあったかというふうに思います。
 今、発議者の方から例として幾つか御説明がありましたけれども、ちょっと財務省の方でこの法人税の実態、実質の負担率がどれぐらいになっているかという数字について確認をさせていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 法人税の税負担につきましては、所得に対する税率を見ますと、日本の法人実効税率は他国と比較して高いという指摘があります一方、法人の実質的な税負担、例えば法人の税負担のGDPに対する割合というものを見ますと、日本は他国と比べて特に高いわけではないと、そういう具合に認識をいたしております。
 また、財務省が昨年五月の政府税調に提出をさせていただきました業種別の主要事業者の法人税実質負担率によりますと、業種によって割合にばらつきが見られますものの、いずれの業種においても、税引き前利益に対する法人税の割合は表面税率の二五・五%より低くなっております。こうした状況というものは、日本の法人税が他国と比べて課税ベースが極めて狭く、一部の業種や法人に税負担が偏っている構造であるということによるものだと考えております。
 今般の法人税改革におきましては、こうしたことも念頭に、課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げるということにより、より広く負担を分かち合う構造へと改革していくことにしたものと考えております。
○礒崎哲史君 今のお話の中でも、言われている二五・五%、これよりは低いんだというお話でありました。
 なかなか今、表面的に論議が出てきている中でいくと、どうしてもその二五・五という数字、そういう数字が出てきて、やっぱりそれが海外と比べて高いんだというところがどうも話のベースになっていて、だから下げなきゃいけないんだというような話にもつながっている。
 発議者のポイントの中にもありました。やっぱり実態を明らかにして、その実態をベースにして税の論議をしていかないといけないというお話があって、まさにそうだなというふうに今私も思いますし、大臣もきっとそのようなお考えだというふうに思います。まずは、実態としてどうなのかというそのベース、これを明らかにして論議を進めるということがやはり政策を間違わないという意味でも必要だと思いますので、その点では発議者の趣旨については今理解をしたところでございます。
 この点については、また引き続きいろんな論議があろうかと思いますので、よろしくお願いをしたいというふうに思います。
 続きまして、二点目の質問に移りたいというふうに思いますが、大臣におかれましてはまたかと思われるかもしれませんが、自動車について論議をさせていただきたいというふうに思います。
 これまでもこの委員会で度々質問をさせていただきましたし、先月の決算委員会の中でもまた質問をさせていただいたところでありますが、まだ自分でもこの部分、いろいろ考えていきますと、またふと疑問に思いまして、よく九種類あるんだという話、自分自身でもしてまいりましたが、何でそもそも九種類にもなっちゃったのかなというところがふと疑問として湧いてまいりましたので、今日は少しおさらいという意味合いも含めて、恐縮なところもありますけれども、改めてなぜ九種類になってしまったのかというその背景の部分をおさらいをしてまいりたいと思いますので、それぞれの税の成り立ち、詳しく言うと大変時間掛かりますので簡単でというふうにはなろうかと思いますが、税の成り立ち、結果として今この九種類になってしまったという状況ですね、理由について簡潔にまずは述べていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 今先生から九種類というお話がございましたが、国税と地方税ございますので、私の方からは国税につきまして、これまでの経緯などをちょっと説明させていただきたいと思います。
 国税につきましては、まず揮発油税がございます。これは昭和二十四年に、一般的な財政需要に応じるということで、揮発油の消費に負担を求めるということで創設をされたということでございます。それから石油ガス税というのがございます。これは昭和四十一年に、営業用自動車を中心として、その燃料を揮発油から石油ガスに転換するものが増えたといったような状況がございましたので、揮発油に対する課税との均衡を図るという趣旨で創設をされたと。それからもう一つ、自動車重量税でございますが、これは昭和四十六年に、自動車の走行が多くの社会的費用をもたらしているということを考慮いたしまして、広く自動車の使用者に負担を求めるということで創設をされたというのが創設の経緯でございます。
 これらの税収の一部ないしは全部が道路の特定財源とされておって推移してまいりましたが、昭和四十九年以降は、揮発油税と自動車重量税につきまして道路財源の充実などのために暫定税率を設定し、継続してきたということでございましたが、平成二十一年度の税制改正でこれが一般財源化されたということでございます。
 その際、この暫定税率をどう扱うかということでございますが、引き続きこうした課税根拠は存在する、それから地球温暖化問題への対応の必要性はある、それから国、地方の厳しい財政事情を考慮する必要があるというようなことの総合勘案の結果、それまでの暫定税率自体は維持をされたということでございます。
 その後、平成二十二年度の税制改正におきまして、揮発油税及び自動車重量税におきます暫定税率を廃止しつつ、当分の間の税率ということで、本則から上乗せされる税率が課されて現在に至っているというのが経緯でございます。
 地方税は総務省から。
○政府参考人(青木信之君) 地方税におけます自動車関係諸税につきまして御説明申し上げます。
 まず、自動車税につきましては、昭和二十五年に、自動車の所有をしている事実に基づく担税力、また道路損傷負担等から所有者に税の負担を求めるため、また二つ目に、軽油引取税につきましては、昭和三十一年に、地方道路整備の緊急性、あるいはディーゼル車が増加した状況を考慮し、また国税における揮発油に対する課税との均衡を図るという観点から、三つ目に、軽自動車税につきましては、昭和三十三年に、軽自動車等を所有している事実に基づく担税力、それから道路損傷負担の両面から所有者に税負担を求めるため、四つ目に、自動車取得税につきましては、昭和四十三年に、地方の独自税として課税されているという、そういう実態も踏まえまして、地方道路整備の緊急性から、取得の際の担税力に応じて負担を求めるということで創設をされております。
 また、暫定税率に関しましては、自動車取得税については昭和四十九年に、軽油引取税については昭和五十一年に、それぞれ地方道路整備財源の充実強化の必要性等を勘案して設定されまして、軽油引取税については昭和五十四年と平成五年に引上げがなされています。
 この両税は、平成二十一年度の税制改正におきまして一般財源化されましたが、地球温暖化問題への対応、地方の道路整備の必要性、国、地方の厳しい財政状況等を踏まえまして暫定税率を維持されることとなり、平成二十二年度の税制改正において、この暫定税率を廃止しつつ、その税率を当分の間の税率とした上で課税を継続するということとされたところでありますが、自動車取得税につきましては平成二十六年度から税率が引き下げられているという、そういう状況でございます。
○礒崎哲史君 今、私も簡潔にお願いしますというお願いをしましたので、それぞれの税についてということで御説明いただいたので、結局、何で九種類になったのというところがよく分からないままだったのかなというふうに思います。
 その意味では、恐らく、今、財務省、総務省それぞれから御説明いただいたんですが、それぞれから説明いただかないと全部が網羅できないというのも、一つこれ、分かりにくくなっていった、九種類にもなっちゃった原因の一つなのかなというふうにも考えられるわけですが。
 今、税それぞれ一個ずつのお話をいただいたので、少し私の方で、年ベースで、ちょっとこれ、どういう形で導入されていったかというのをざっと少しお話をさせていただきたいと思うんですが、今、国税として揮発油税がたしか昭和二十四年に導入されたと、これが確かに最初です、これが一番最初に導入されました。元々はこれ、前身はどうも昭和十二年頃に導入されて、学者さんが言うところの、どうも戦争をするための費用を稼ぐためだというふうに言われている方もいらっしゃる。あるいは、その次に導入された自動車税ですね。これについても、前身は実は昭和十五年に導入をされているというところ、これは地方税として導入をされているんですが、これも戦時中ということもあって、戦費を稼ぐためではないかというのがいわれというふうに言われておりますが。
 その後、昭和二十四年、二十五年にそれぞれが今の形ということで制定されたということでは、御説明をいただいたとおり、道路を含めたインフラ整備という形になっていこうかというふうに思います。特にこの時期にこうした税が制定されたのは、やはり戦後の復興に向けての財源を確保するためだというふうに私自身は理解をしております。
 特に、その後昭和二十九年に、第一次道路整備五か年計画というのが制定されたのが昭和二十九年という形になりますから、当時でいきますと、まだ道路の舗装状況、これ、一級の国道であってもまだ七七%が未舗装という状態、二級国道と道府県道においては九〇%以上が未舗装ということでありましたから、ここで揮発油税を含めて増税がされるわけですけれども、それはやはり、道路を整備していくという意味では意味合いが非常にあったんだろうなというふうに考えます。
 その一次の五か年計画が出された翌年には、もう早くも地方揮発油税が新設をされ、その翌年には軽油引取税が新設をされていくということで、まさに道路を造らなきゃいけないね、財源足りないねということで立て続けに四つの税金がここでつくられたのかなというふうに思います。そこからまた二年ほどしますと、今度は軽自動車税というのが第二次五か年計画に合わせて導入をされていくと、新設をされていくということですから、これもまだまだ道路が足りないという観点での導入だったんだというふうに思います。
 この後も、第三次、第四次と五か年計画が発表されるたびに、今の五項目ですね、既にもうここで五つの税金が設立をされているんですが、増税をどんどんどんどん繰り返していくという歴史になっておりまして、さすがに、これは私、推測ですけれども、この後、五か年計画が第五次、第六次となった辺りだと、実は今の五つの税金というのは増税がされなくなります。ぴたっと止まるんですね。その代わりに、石油ガス税ですとか自動車重量税、それから自動車取得税というのが新設をされていくということで、増税しませんよと片方で言っているんですけれども、もう片方では税を新設していくということで、明らかにやはりこの第五次、六次というこの五か年計画に合わせて新設をされていったという形になろうかというふうに思います。この昭和四十六年の時点で、まだ消費税が導入されていませんから八つですね、八つの税体系がこの時点ででき上がったと、完成したと言ってもいいのかもしれませんが、でき上がったという形になります。
 改めて私、ここで思うのは、自動車、これは取る理由がいっぱいあるんだろうなと。例えば、課税対象として車そのものにも掛けられるし、燃料というところにも掛けることができる。あるいは管轄というところでも違うわけですね。国が管轄をするのか、都道府県が管轄をするのか、市町村が管轄をするのか。あるいは買うときに課税を掛けるのか、保有をしているときに課税するのか、走っているときの燃料代として課税するのか。課税の掛け方がいっぱいある、種類がいっぱいあるということから、俺にもその財源くれ、俺にもそれをよこせというような形で、言い方は悪いのかもしれませんが、税の取り合いになっていった。そういう側面もこれはなかったわけではないのかと、ちょっとここは推測になりますので申し訳ない言い方かもしれませんけれども、あったのかなと。
 結果的には、その取り合いによって今のこの状況ができ上がってしまったというふうにも考えられるんですが、ちょっと大臣にお伺いしたいのは、やはりなかなかこういう経緯も含めて、まあなってしまったのはなってしまったんですけれども、あるべき姿としてはやはり健全な状態ではないんではないかというふうに思うわけですけれども、ちょっとこの時点で一回大臣のお話を伺いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、御指摘のとおり、この自動車に関しましては本当に物すごく大きな数の税というものが課せられておりまして、ガソリン税から揮発油から車体からもう全部ありますので、そういった意味で、先ほど事務方から答弁したとおりなんですが、それぞれの細目というのは、先ほど時間の関係ではしょっておりますけれども、それは、そこに至るまでの経緯というのは結構いろいろございましたので、そういった意味については、ちょっと簡単に単純に整理できるというような話じゃないということだけはちょっと頭に入れておいていただいて、その上で、例えば車体課税につきましては、税制抜本改革法の第七条というところで、簡素化、負担の軽減及びグリーン化の観点から見直しを行うということにされておりまして、あわせて、安定的な税源の確保と地方財政への配慮といった点も規定をされているところであります。
 こうした観点を総合的に検討した結果、平成二十六年度の税制改正において、消費税率一〇%時に自動車取得税は廃止するとともに、新たな自動車税の環境性能割を導入するとの方針を決定したところであります。
 今後の見直しに当たりましても、この七条に規定されております様々な観点をこれは総合的に検討する必要があると考えておりまして、これは私どもだけではなく、地方税を担当されます総務省等々ともこれはいろいろ話をさせていただかないかぬところだとは思っておりますが、いずれにしても、数々の税があったおかげで、先ほど言われましたように、国道の舗装率が三〇%を切っていた時代から今日ほぼ一〇〇%まで来られたのは、ひとえにこの税金があったから。これがなければ、とてもこれほどまでに自動車のための道路が整備されるなんということはなかったんだと思っておりますので、それなりの効果はあったと思いますが。それだけに、自動車を道路特定財源にしちゃうというのには行き過ぎなんじゃないのかと、もう時代は変わっているでしょうということで、私のときでしたかね、とにかくこれを特定財源から外すということをさせていただいたんですけれども、えらい騒ぎになった記憶がありますけど。
 あれ一発であれだけの騒ぎになるんですから、この七つをやろうと思ったら大変ですな、頑張ってください、自動車関係の方はと言って、僕はいつも、自動車に関係しておみえになる方いらっしゃるんですけど、そちらの組合の方もお見えになりますので、民主党にもよく言っておいてくださいよと、あなたは俺たちを応援していないんだから、応援しているやつに言わせなきゃ駄目ですよと言って、多分代表して言っておられるんでしょうけど、お疲れさまだと思いますが。
 これは物すごく大変ですよ。これは私、自分でやりましたからよく分かりますけれども、これは物すごく財源が、規模が大きいですから大変なことだと思います。
○礒崎哲史君 何か大臣からも後ろを押していただいたのかなという気が一瞬いたしましたけれども。ただ、今、話の中でもありましたが、税制抜本改革法の中で論議していくということですので、そこはもうしっかりと論議をしていただきたいと思うんですが。
 もう一つ、実は今、その昭和四十九年のところでということで一回切りましたけれども、その後の暫定税率、これも大変大きな実は問題です。
   〔委員長退席、理事若林健太君着席〕
 そもそも暫定税率をなぜ制定したのか、置いたのかと言われれば、これは、昭和四十九年のオイルショック、この後に暫定税率を設定しています。そのときの国会の論議で、なぜ暫定税率を入れるのかといえば、それはオイルショックの環境下にあってガソリンを消費する自動車がこれ以上増えては大変なことになる、日本のガソリンがなくなっちゃうと、だからガソリンをがぶ飲みする自動車はこれ以上増えないようにしよう、あるいはガソリンを極力使ってくれないようにガソリンの税率を上げようということで、この年にガソリンに関する税金、それから自動車を買うときに掛かる税金、これが一気に全て暫定税率が設定されたという歴史があります。
 二年間の暫定よということで始まったものが、二年後もまだ状況が危ないのでということで更に二年の延長、その後、第二次オイルショックも来ましたから、その後もやっぱり延長だということで、延長、延長と来ているんですが、なぜかその後、理由が社会経済情勢の推移に鑑み延長するということで、もう具体的な理由がなくなっていきました。
 という経緯も大臣御存じだというふうに思いますので、これ、税制抜本改革法の中での論議をやはり進めていく上では、自動車から出してきているこの税金が大きな役割を果たしてきたというのも、もちろん私自身もそうだと思っておりますし、ただ、やはり過去に設定した理由と違ってきている点があるとすれば、やはりそれはしっかりと論議の中にも御配慮いただきたい点だと思いますし、時代背景も変わってきているんだとすれば、それも御配慮をいただきたい。
 舗装率が一〇〇%に近くなったということは当然違う考え方が出てくると思いますし、そこの補修に含めてまだまだ必要なんだという論議もあるんであれば、ただその一方で、この後、人口減少を含めて、自動車がますます拡大をしていくのかといえば、そうでもなくなってくるだろうという予想も立とうかというふうに思います。
 二十年、三十年という長期の視点に立てば、やはり今は転換期ですから、その意味では、税制抜本改革法の中に書かれているわけですので、大きな見直しをする大切な一歩としてもいいのかというふうには思います。
   〔理事若林健太君退席、委員長着席〕
 一般財源化するときに大臣に骨を折っていただいたんだと思いますが、もう一度そこの大きな改革、なたをもう一度、大臣がおられる段階でしっかりと大なたを振るっていただきたいというふうに思うんですが、ちょっと意気込みをいただければと思いますが、どうでしょう。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、礒崎先生、一番の問題はそれに代わる財源ですよ。何せ額が大きいですから、これは。これだけのものというのはちょっとなかなか、抜本改革法の中にも代わりの財源をと言われても、そんな簡単に出てくる額ではありませんので、そこのところをちょっと頭に置いてやっておかないかぬのかなと。
 加えて、その財源は、国税だけじゃなくて地方というところにも掛かってきますので、そういったところも考えてこれを考えないかぬというところだと思いますので、確かに、自動車に掛かり過ぎているという実態は、これは率直にそのような情勢だと、私どももそう思います。
○礒崎哲史君 是非よろしくお願いをいたします。
 もう一点、この自動車関係で、今回、自動車重量税についての見直しも行われていますので、その点で確認をしたいんですけれども、エコカー減税対象の範囲の見直しということが今回行われております。実際、これによって、この対象範囲、車種ですとかボリューム、これはどれぐらいの変化が出るのかということをまず確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 この今回のエコカー減税の見直しでございますが、自動車重量税の関係で申し上げると、まず、二つございまして、一つは燃費基準を最新の二〇二〇年度に置き換えていくという話と、二年間の経過的な対応として、現行の基準によるエコカー減税対象の車を引き続き減税対象にすると、こういうふうな二つの措置がございます。これを併せまして、今回の改正の結果として、大体割合で示しますと、平成二十七年度の減税対象車は新車の九割程度、改正前と同等になるという感じかと思っております。
○礒崎哲史君 九割程度というお話もあったんですけれども、であれば、この変更、見直しによってどれぐらいやはり税収に影響があるのかという点も一つ確認をさせていただきたいんですが。
 これは平成二十七年度税制大綱、これは閣議決定をされたものですね。今年の一月の十四日に閣議決定をされた税制大綱の資料の中にあるんですけど、皆さんのお手元の資料二になるんですが、これが税制大綱の中の資料ということで入っておりました。その中で、該当する、今私が質問させていただいているのが三の消費税の(1)、自動車重量税のエコカー減税の対象範囲の見直しという形になりますけれども、これが初年度でいきますと百七十億円減少になるということで書かれておりました。
 これが減少になる理由というのはどういった理由からでしょうか。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 改正をいたしましたときに、どういう増減収が生じるかということについて、できる限りいろんなデータを使いながら試算をするということで作っておりますが、そのときには、それぞれの対象となる制度のやっぱり性質に合わせてどう計上するかということが議論になります。今回の場合はエコカー減税制度というものの見直しでございますけれども、そもそも、そのエコカー減税制度そのものの仕組みというか性格を踏まえた形で計上する必要があるだろうと我々は思った次第です。
 具体的に申し上げますと、エコカー減税制度と申しますのは、グリーン化の観点から、定期的により高い燃費水準に対象範囲を重点化をしていくということで更に優れた環境性能の自動車の普及を図る仕組みだということ。それから、燃費技術が上がっていきますと、対象範囲が拡大をするために税収が減っていきますので、安定的な財源確保という観点から定期的な見直しも必要だと。こういう仕組み、言わば内蔵された仕組みであるというふうに私ども思っております。
 したがって、そういう制度を前提にどういうふうに今回の見直しについて増減収額を計上するかというふうに考えたわけでございますが、我々の発想は、予定されておりました現行の二〇一五年度の燃費基準を二〇二〇年度の基準に切り替える、そして、単純に置き換えていくということを言わばベースラインといたしまして、今回の改正によって、先ほど申し上げました経過的に設けました措置がそのベースラインとの対比においてどれぐらいの減収が生じるかということを計算をした結果、ここにございますように、初年度でマイナスの約百七十億という数字になったという経緯でございます。
 今、経緯を申し上げましたが、先生おっしゃいますように、対象範囲が、もとより考える場合に、燃費基準が変化をするという場合には、単純に切り替えたといいましても一定の増収が生じるじゃないかということかと思いますけれども、私どもとしましては、この今回の改正全体として御説明する際に、エコカー減税制度の持っている趣旨を十分反映できるような形ということで、今申し上げたような形の試算とさせていただいたということでございます。
○礒崎哲史君 何か非常に分かりにくいんですけれども、単純に考えれば、基準となる年度が五年先のもの、より厳しい燃費基準に適合しないと駄目よという基準に変えるわけですから、減税の対象車種は減っているわけですよね。明らかに減っているわけです。
 とすれば、減税しなくて済む車種が増えるということですから、どう考えても増税になりますよね。という考え方からして、なぜこれがやはりマイナスで表記されているのかというのがまず一つ疑問になります。
 先ほど、性質に合わせた検討とか性格に合わせたとか、我々の発想であるというお話をされているんですが、これは誰に対してだから説明している資料かなんですよね。私、この資料を見たら、ああ、減税になるんだと単純に思いますよ。だとすると、これは明らかに誤解を与える資料というふうになりませんか。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 増減収額をどう計算するかというのは、それぞれの項目の性質がございますし、それから、今申し上げましたように、エコカー減税そのものの制度の持っている性質をどう考えるかということもやっぱり織り込まないといけないんだろうと我々思った次第で、そういう御説明でこのマイナスの百七十億という数字を提示させていただいたというのが経緯でございます。
 おっしゃいますように、そこで制度見直しに伴って、先ほど申し上げましたように、燃費基準が変わることに伴って一定の増収が生じるじゃないだろうかという話は理解をいたしますけれども、我々としてはそういうことかと思いますけれども、我々としては、今回、それをベースラインとしながら経過的に二年間講じた手当てについてきちっと御説明をするということで、この表の上でも、欄外に注書きをする形で提示をさせていただいているということでございます。
○礒崎哲史君 丁寧に説明して欄外に書くというのも、それはそうなのかもしれませんが。
 ただ、あくまでもこの数字を見て減るんだなと思いますし、一番最後に、御丁寧に全部の項目を足し引きして合計を出しているわけですよね。これが今年度の税制改正による減収の見込額だと書いているわけですよね。そうすると、これをベースにして来年度の予算について論議をしているわけですよね。論議の前提がおかしくなりませんか、こういうことをし始めると。ですから、やるのであれば全項目について同じ考え方で増減を書いてくださいよ。
 今、国の財政について大変な論議が始まっています。内閣でも二〇二〇年までのプライマリーバランスがどうなるかという計算をやっている最中じゃないですか。そこに対して、こうやって税収がどうなっているかという数値をまとめる作業で、ここの項目についてはこういう考え方でやりました、ここはこういうふうにやりましたと、そんなことを言い始めたら、正しい論議果たしてできるんでしょうかと私は思います。ですので、これ、一般的な常識で見て分かる形でやはり私は書いてほしいと思います。
 大臣、今ちょっと財務省の方と論議をさせていただきましたけれども、やはりこういった点、税を集める、出す、やはりこれは非常に透明性も求められると思いますし、正確性も求められると思いますし、やはり納得性も必要かというふうに思うわけでありますけれども、是非、こういった様々な指標を出されるときには、やはり率直に見て分かるようなまとめ方、これはやはり私していっていただくのが大切かと思いますけれども、もし大臣の御所見があればお伺いしたいと思いますけれども。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘の点もあろうかと思いますので、これはちょっとよく検討させていただきます。
○礒崎哲史君 是非よろしくお願いをいたします。
 それでは、ちょっと時間がもうなくなってきましたけれども、短時間でできるアイテムではないんですけれども、消費税における逆進性対策ということで最後にひとつ質問させていただきたいというふうに思います。
 この逆進性対策ということで、既に与党での論議が進んでいるということで、私も報道等で見させていただいておりますけれども、これは給付付き税額控除と軽減税率、複数税率ですね、これを併せて検討していくというのが税制抜本改革法の中身だったというふうに思いますので、現状のこの検討の状況というところをひとつ教えていただければと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) この消費税率引上げに伴いますいわゆる低所得者層への配慮に関しましては、今、与党におきまして軽減税率制度の検討等々が進められているものと承知をいたしておりますが、政府といたしましては、これは低所得者層への配慮については、まずは与党として検討を踏まえられるべきものと考えておりますので、引き続き与党の議論を見守っているというところであります。
○礒崎哲史君 与党の議論ということになりますけれども、当然、最終的には政府で検討をいただいて判断というふうな進め方にもなるんだろうと思いますけれども、大臣、今回のこの二つに関しては、そもそも目的としては、これ逆進性対策だという認識で大臣もおられるということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 一番配慮しておかねばならぬところだと思っております。
○礒崎哲史君 実際に、今、一番配慮という言い方からされると、やはり総合的にというお考えが頭の中にあるということというふうに受け取りましたけれども、そうしますと、これはそれぞれのメリット、デメリットというものを今度は考えていかなければいけないんだというふうに思いますが、では、その一番配慮しなければならない逆進性に対する効果ということで大臣はどのようにお考えか、ちょっとお聞かせいただきたいと思いますけれども。
○国務大臣(麻生太郎君) このメリット、デメリットですけれども、まず、給付付き税額控除につきましては、低所得者に絞った効率的な支援が可能になるとの議論がある一方で、いわゆるデメリットとしては、所得や資産の把握が難しい、執行面での対応の可能性等々に問題があると理解をいたしております。
 他方、消費税の軽減税率制度につきましては、例えば昨年の与党税制協議会が行った団体ヒアリングにおいても、痛税感を緩和するといった意見がありました一方で、高所得者にも恩恵が及ぶのではないか、また対象品目、自動車は外すかとかいろんな例が出てくるんだと思いますよ、これは。これは本当に、この線引きというのは物品税と同じ話ですから、すごい騒ぎになりますよ、これは。線引きが困難ではないか、それから多額の減収が生じて社会保障財源に影響する、これはもう全部社会保障に行くわけですから、社会保障財源に影響するのではないか、それから事業者の事務負担が増加するのではないかなどなどの懸念の声があったものということは承知をいたしております。
 また、軽減税率が導入された場合の減収額というのがよく話題になりますけれども、昨年六月の五日に与党税制協議会が公表した資料では、全ての飲食料品、食い物、飲物に軽減税率を適用した場合、消費税率減一%で税収二・七兆円のうち約六千六百億円が減収になるであろうということが推計をされております。
 以上です。
○礒崎哲史君 今、複数税率の方で導入すると六千六百億円の減収ということでお話もございました。給付付き税額控除でこういう形で線引きをするとこれぐらいコストが発生しますよという、そういう数字の検討結果というのはございますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 給付付き税額控除の財政負担につきましては、これちょっと、制度設計をどういう具合にするかという話と、直接どれだけ給付するかとかその額によっても全部違ってきますので、この場でちょっと具体的な例を申し上げるというのは困難であります。
○礒崎哲史君 とすると、まだまだ給付付き税額控除については具体的な検討が始まっていないということなんだろうというふうに思います。
 法の趣旨に照らし合わせれば、二つについてしっかりと論議をしていくということですから、是非、給付付き税額控除の中身に関しても、具体的な数字を含めて検討を行うとしていただきたいというふうに思います。それをお願いしまして、質問を終わりたいと思います。
○委員長(古川俊治君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時四分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(古川俊治君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、所得税法等の一部を改正する法律案及び法人税法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○風間直樹君 大臣、今日はよろしくお願いします。
 私は、この法案の中の出国時課税について、この問題に大変お詳しい麻生大臣と質疑をさせていただきたいと思います。大臣は政府で税金を徴収される立場でありますが、我々、議会にありまして納税者の代表としてそれを代弁する立場ですので、その立場から質疑をします。
 大臣はどうお考えか分かりませんが、私は、含み益へ課税するというこの思想には非常に大きな違和感を感じております。その違和感はどこから来るかなと今回いろいろ考えてみたんですが、順次質疑をしていきたいと思います。
 今回、財務省と総務省とでこの出国時課税に関する態度が現時点では異なっております。そこで、まず総務省にお尋ねをしますが、今回の法案で地方税課税を見送った理由について御説明をお願いします。
○大臣政務官(あかま二郎君) お答えいたします。
 まず、見送った理由として、個人住民税は、原則として前年の所得を課税標準に、一月一日に地方団体内に住所を有する者に対して当該住所地の地方団体が課税する税でございます。このため、ある年に株式の譲渡益が実際に発生した後、その年中に国外転出したような場合、国外転出翌年一月一日にはどの地方団体にも住所を有しないこととなり、その譲渡益に係る個人住民税は課税されないこととなっております。
 そして、キャピタルゲインが実現した場合には、こうした課税関係にある中、国外転出時における未実現のキャピタルゲインに課税する譲渡所得課税の特例措置を講じることについては、実現した譲渡益が課税されない現行の出国に係る課税関係との公平性などの観点から慎重な検討が必要であることも踏まえ、今回提出している地方税法改正案においては所得税同様の特例措置は盛り込んでいないところであります。
○風間直樹君 今御説明いただいたように、現時点でのこの総務省の判断というのは、非常に妥当というか常識的な判断をされたんだというふうに思います。
 個人住民税については、今御説明ありましたように、翌年一月一日時点で地方団体内に住所を有する人に課税がされると。今回の出国時課税は、日本から住民票を移す人に対して課税をするということですので、翌年の一月一日時点でその方は海外にいらっしゃる。その人に課税をすべきかどうかということの判断は、現時点では公平性の観点から留保すると、こういう御答弁だったと思います。
 そこで、次に財務省にお尋ねなんですが、今回、そもそもこの出国時課税によって得られる税収見込みというのはどれくらいになりますでしょうか。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 先生お尋ねの、この制度に伴います増収ということでございますが、実は、御案内のとおり、この適用者が国外に転出をする場合に保有している有価証券につきまして、取得価額が幾らかとか、したがって、それに伴う含み益は幾らかということがまず分かる必要があるとか、いろんなことが分からないとなかなか全体としての税収のベースというのが計算ができないということでございますので、ここは明確な数字が取れないということは御理解を賜りたいのでございますが。
 ただ、制度を設計する以上、どれぐらいの人が対象になるんだろうかという本当にあらあらな目算を一応持っておりまして、それは、納税管理人の届出の今までの状況だとか財産債務明細書の提出状況などを見まして保有している有価証券の保有額などはある程度分かるものですから、それをあらあら見ましたところ、年間で百人程度ではないかと思います。ただ、これも全くあらあらでございますので、実際実行に移したらどうなるかということは注意深く見ていきたいと思っております。
○風間直樹君 この質疑、実は全国の投資家が注目していまして、この内容の重要性ということから。私も昨日、自分のインターネット上の交流サイトに明日この質疑をしますという投稿をしたんですが、驚いたことに、実に多くの友人から反応、反響がありました。こんなに多くの友人が投資をしているんだなということも改めて感じた次第です。
 それで、今の御説明ですと、現時点ではこれ法案が成立していませんので、当局としては、当然、人数もあるいはその税収見込額も正確には把握できていないと。ということは、今後、法が成立した時点で政令ないし省令でその細目、具体策を詰めていかれるということなんでしょうけれども、そこでは、恐らく証券会社に対してそれぞれの顧客情報を提供してくれと、こういう内容も政省令に含んでくると考えていいんでしょうか。
○政府参考人(佐藤慎一君) 基本的には御本人が申告をしていくということでございますので、したがって、まずその情報を待つということになりますけれども、どちらかといえば、大事なことは、当局として資産状況をどういうふうに把握をするかということでございますので、今回の法案の中にも別途織り込んでございますけれども、財産債務明細書の記述を、現行比較的ラフな記述になっているところをしっかりと書いていただくというような手当てをすることで基本的なところを現状把握できるようにしていくというのが基本的な取組ではあろうかと思っております。
○風間直樹君 そうすると、あくまでも自己申告で財産債務明細書というものを出してもらう、そこで一定以上の資産あるいは含み益がある人を対象にこの出国時課税を掛けていくと、こういうことですか。
○政府参考人(佐藤慎一君) 基本的には、申告納税でございますのでまず申立てが必要でございますけれども、ただ、その方が出国する際に、きちっとした形で申告されているかどうかということもフォローする我々責任があると思っております。そのためには手段を持たないといけないということで、今申し上げたような制度整備も併せてさせていただくということでございます。その結果、ある一定の不備な部分が分かりましたら、それはしっかりと接触をしてその状況をお尋ねするなどのことになっていくかと思います。
 これから新しい制度発足でございますから、様々なトライ・アンド・エラーはあると思いますけれども、少しずつでも丁寧な対応をしながら進めていきたいと思っております。
○風間直樹君 その御本人からの申告を受けて当局がその内容を確認する手段というのは、具体的にどんな想定をされていらっしゃいますか。
○政府参考人(佐藤慎一君) 今申し上げたことが恐らく一番大事な道具立てだと思います。財産債務明細書の整備ということでございます。
 財産債務明細書につきましては、毎年の申告をするときに、今までは所得二千万円以上という方の添付義務、所得税を申告するときの添付義務がございましたけれども、そこをむしろ内容を絞りまして、所得要件のみならず資産要件も加味をいたしましてちょっと絞る形になっておりますけれども、内容をしっかりと書いていただくというような制度整備をするということがまず最初の出発点だと思っております。
○風間直樹君 我々、この委員会の場ではあくまで今回の法案は審議をするけれども、この後皆さんが準備をされる政令、省令については委員会審議の対象外になるんですよね。私、実はそこを非常に心配しています。この中身は個人の財産にかなり踏み込んでくる話になりますし、当分の間海外移住の予定がないという方は対象では当然ありませんけれども、私の友人の中には、自分が商社勤務だったものですから、商社の友人も大勢います。彼らも非常に心配をしています。ですから、この政令、省令の中身もきちっとこの委員会で本来だったら法案が成立する前に審議をしなければいけないというふうに思うんですね。
 ちなみに、現時点で政省令の準備というのはどの程度されているんでしょうか。
○政府参考人(佐藤慎一君) この制度をお認めいただきましたら、施行日が今年の十月一日からということでございますので、それに向けた準備をしているところでございます。ただ、様々な条件の方がいらっしゃいますので、早く政省令を作るということで作業を今並行してやっているところでございます。(発言する者あり)済みません、失礼しました。施行日を、十月じゃなくて七月一日でございました。失礼をいたしました。
○風間直樹君 そうなんです。施行日も早いんですよね。ですから、法が成立するのが多分来週見込み、そうするともう三か月後にはこれが施行されるということで、かなりの投資家の方々が相当慌てていらっしゃいます。
 政省令はちょっとまた追ってきちんと内容を詰めていきたいと思うんですけれども、大臣、ここまでちょっと具体的な技術論を今議論してきまして、この株式というものの含み益をどう考えたらいいのかなという話を大臣と、専門家でいらっしゃる大臣とさせていただきたいと思います。
 私は、株式の利益というのはあくまでも株を譲渡した時点で確定した利益だと思いますね。これ当然です。譲渡した株式の利益が生じた場合、課税されるのは当たり前。なぜ当たり前かというと、そこには二つの要件がある。一つは、例えば麻生太郎さんが所有の株式一万株を売却したい、売却するという意思をお持ちだったと、譲渡するという事実があると、さらに利益が出たと。つまり、麻生太郎さん御本人の意思が最初にあって利益が出た場合、そこに課税される。この御本人の意思があるかないかというのが非常にこの含み益、株式の譲渡益の点では大事なポイントだろうと思います。ですから、今回の出国時課税のこの法案の規定のように、含み益に課税する思想には無理があるような気がするんですね。
 株の譲渡を行おうとする方は、所有している株式が今後上昇すると考えているかもしれない、恐らく多くの方がそうだと思います。俺の持っている株はこれから下がるから、でも持っていようという人は余りいませんね。上昇すると考えているにもかかわらず、含み益を特定の国が指定する時点で確定させる権限というのは、果たしてこれ国にあるのかなと。財産は当然所有者に属するわけでありますが、所有者は第三者から財産を奪われないことが憲法を始めとする法律で保障されているわけでありまして、つまり、所有者に譲渡の意思がない場合、あるいは売却の意思がない場合、財産は所有者に属する、これも当然のことだと思います。
 したがいまして、所有者に株式を譲渡する意思がなく、その行為もなされていないのに、株の含み益に対して特定の時点で強制的に利益を確定させて課税を行うということは、これは個人の財産権を侵害するおそれがあるんじゃないかなというふうに感じるんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 株式等のキャピタルゲイン、まあ利益ですけれども、につきましては、これは株式などの売却によって実現をした時点で、その納税者が住んでいる国において課税するというのが原則とされております。もうこれは、大体万国共通、同じだと思っております。これを利用して、巨額の含み益を有しております株というものを保有したまま国外に出まして、キャピタルゲインがいわゆる非課税の国というのはいろいろありますので、そういった国において売却することによって課税逃れを行うというのは、これは可能です。実際にしておられる方もいらっしゃいますけれども。
 そうした課税逃れを防止するという観点から、これは主要国の多くの国々が、いわゆる国外転出時点の含み益というものを国外転出前の居住区で課税するようになってきたというのが最近の傾向で、こういう特例を導入している国の例としては、アメリカ、イギリス、ドイツ、カナダ、フランスも、先進七か国ではイタリア以外は全部そうだと思っておりますが。
 日本においても、こういった主要国と足並みをそろえて、巨額の含み益を有しております株式、一応評価額一億円以上を保有して国外に転出する人に対して、国外転出直前に対象資産を譲渡して同時に買い戻したと、譲渡して買い戻したとみなして、その未実現のキャピタルゲイン、実現していませんからね、実際していないわけですから、未実現のキャピタルゲインに課税する特例というものを創設する。これは他国と、さっき申し上げた国々と同様なことなのでありまして、そういったことをやらせていただこうというのが今回の目的です。目的は課税逃れ、はっきりしています。
 財産権の侵害との関係等々については、これは参考人の方から説明させます。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 現在の所得税法の考え方を申し上げますと、日本の憲法下におきます所得税法というのは、ここに所得という概念がございますが、これはいわゆる包括的所得概念という考え方でございまして、一定期間における純資産の増減という話と消費に充てられた収入というものを一体として所得として捉えると、そういう形で所得を定義をしているわけでございます。したがいまして、毎年の未実現の利益についても、純資産の増加という形として所得を構成するものと見ることが通例できるというふうに考えております。
 もとより、実現段階で課税をするという話は原則的に取っておりますが、それはやはり、その把握とか評価ということについて様々な問題がある、困難があるというようなこともあるので、一般的な制度として行う場合には、通常は実現した段階でという取組になっておりますけれども、今回のような課税逃れというような幾つかのケースがある場合において、言わば特例的にこういう形の制度を取るということは十分今の税法上の話、あるいは憲法の中での議論として成り立ち得るのではないかというふうに考えております。
 それで、今回の措置、特例については、このほか、例えば納税猶予制度をリンクさせるとかいうことで、今回の制度の導入に伴いましていろんな形で、困難があるというような場合については一定の配慮をするなどいろんな工夫も併せてやっておるところでございまして、基本的には財産権の問題はクリアしているものと考えてございます。
○風間直樹君 株の含み益というものがさほど変動の激しくないものであれば今の御説明で納得するんですね。ただ、これ投資をやっている方なら誰でも分かるんですが、株の含み益というのは非常に変動幅もまた大きいものがありまして、そこに今回のような制度を導入することというのは若干問題があるんじゃないかというのが私の認識です。
 今回の質疑に先立って、この財産権の侵害という観点から事前に財務省、それから内閣法制局にそれぞれ見解を尋ねたんですが、それぞれから返ってきたお答えは、実はこの法案整備の段階ではそこはちょっと踏み込んだ議論はしていなかったというお答えが返ってきました。そこは若干驚きました。
 そこで、今日は内閣法制局も呼んでいますが、同じ質問をしたいと思います。財産権の侵害の観点から内閣法制局はどういう見解をお持ちですか。
○政府参考人(北川哲也君) お答えいたします。
 憲法は、財産権はこれを侵害してはならないとする一方で、国民の納税の義務を定め、国の課税権を認めているところでございます。
 未実現のキャピタルゲインへの課税についてでございますが、先ほど主税局長から御答弁がありましたように、日本の所得税法におきます所得は、一定期間における純資産の増減と消費に充てられた収入を所得と捉えるいわゆる包括的所得概念の考え方に立っておりまして、未実現のキャピタルゲインにつきましても、純資産の増加が認められることから、所得を構成するものと考えられます。
 その上で、今回の国外転出時特例は、日本の居住者が国外転出により非居住者となることに伴うキャピタルゲインに対する日本の課税権の喪失と、課税の空白に乗じた租税回避を防止するための措置であり、課税の公平性の観点からの必要性が認められる一方、一定期間後に帰国を予定している方につきましては納税猶予を受けることが選択できますし、また、その納税猶予期間内に対象資産を売却せずに帰国した場合には課税を免除することとされておりまして、こうした制度を総合して考えました場合に、財産権を侵害するものであるという御指摘は当たらないというふうに考えておるところでございます。
○風間直樹君 今回、日本にこの出国時課税の対象になる方が具体的に何人いらっしゃるか当局もまだ把握していないということですので分かりませんが、これ、対象になる方が聞いたらひっくり返るような話なんですよ。
 今法制局から御説明ありましたが、財産権の侵害には包括的に考えた場合は当たらないと。ただ、私、どうしても引っかかるのは、この納税猶予の制度を活用した場合も、最大猶予が許されるのが十年なんですね。つまり、言い方を変えると、個人が、しかも海外に出国する予定のある人が株式を保有できるのは最長十年ということだと思います。それ以上の保有は国家によって許されないというのが今回の出国時課税の持つ別の顔だと思います。
 最大、株式を保有する期間が十年に限られるというこの点は、内閣法制局にお尋ねしますが、財産権の侵害の観点から見ていかが判断されますか。
○政府参考人(北川哲也君) こうした期間につきましては、いろいろな考え方があると思いますけれども、私どもとしましては、財務省から御提案を受けました法律案を審査いたしまして、最初に五年、それから必要があれば更にもう一回五年延長することができるということで十年という制度としたいということを説明を受けまして、それはそれで適当という御判断をされているんであろうと。要するに、これは立法政策の判断に属する事項であって、憲法上の問題を生じるような問題ではないというふうに考えているところでございます。
○風間直樹君 御存じかと思いますが、アメリカに有名な投資家でウォーレン・バフェットさんという方がいまして、もう八十を超えたおじいちゃんですけれども。
 いろんな新聞で読むと、この方の投資手法というのは、特定の優良銘柄を十年、二十年といった単位で持つと。そこで複利の効果が生きて所有する銘柄の資産が、含み益が増えるわけですが、この方の投資法のもう一つの要諦は、株式を譲渡しないということなんですね。こういった優良銘柄を十数年、二十年、三十年と持ち続けることによって含み益を累積させていく、そこに複利を働かせていくと。伝えられるところでは、個人資産が十三兆だったでしょうか。こういった手法で投資をして、その結果成功された方であります。日本にそういった投資家がいるかどうかは私存じ上げませんが、ただ、日本ではこういう手法がなかなか今後難しくなるということも言えるのかなと思います。
 それでちょっと、他国との比較、議論に入りたいと思うんですが、この財務省資料にある諸外国との比較ですね、アメリカ、ドイツ、フランス、カナダ、イギリスと表になって出ていますが。例えばアメリカの場合は、課税対象になる方が国籍離脱をして永住権を放棄する方、その方の有する資産の未実現のキャピタルゲインということで、同時に純資産が二百万ドル以上ということですから、日本円で約二億円以上ということになるかと思います。ドイツの場合ですと、課税対象が出国時に有する株式の未実現のキャピタルゲインということで、資産要件が一社当たり一%を超える株を持っている方と、こういう方はなかなかいらっしゃらないと思うんですけれども。
 今回の政府案における課税対象あるいは資産要件と比較した場合、かなり政府案の要件は厳しいんじゃないかという印象を私は持つんですね。その辺、当局としてどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(佐藤慎一君) 今回、この特例を検討するに当たりまして、まず、我々としましては、やはり先ほど大臣から答弁いたしましたように、課税回避といったような状態に対して、やはりできるだけしっかりと対応する必要があるという強い問題意識の下で制度設計を考えるということがまず一つ。それから、可能な限り他国の例を参考にしながら、なるべくその考え方を同じようにしていくというベースで制度設計をしていくということを心掛けたわけでございますが、基本的な発想は、国外転出時点の含み益を国外転出前の居住国で課税するという基本的な考え方にのっとりまして、あとは、その国独自の様々な納税環境がございますので、それにフィットするようなものを選び出すということかと思っております。
 それで、今先生御指摘のその要件が厳しいということについて、どの点をもって厳しいと言うかということは様々な評価があるんだろうと思います。今お手元にある各国を比べましても、それぞれ相対的に厳しいところと優しいところというのはあるように思われます。
 そこで、日本の部分については、例えばこういう工夫をしたということで御紹介させていただくと、今申し上げた、例えば対象資産ということにつきましては一定の有価証券に限っておりますけれども、例えばほかの国であれば資産全体であるというような国もございます。
 それから、適用税率そのものが、日本の場合は他国に比べまして一五%ということで低いとか、あるいは制度上は、先ほど出ておりました納税猶予の制度を導入しているとか、さらには、仮にその納税猶予を選択した者が転出期間中にその価額が下がってしまった場合、その下がった部分は減額できるようにするとかというふうな様々な制度を入れている。
 それから、さらにはまた、二国間の問題でございますので二国間の税務調整ができるようにするといったような工夫もしておりまして、全体として御覧いただければというふうに思っておるところでございます。
○風間直樹君 イギリスとの比較でありますけれども、イギリスの場合、出国時に有する資産一般の、出国期間中に実現したキャピタルゲインに対し帰国時に課税をすると。こういう制度には日本ではできないんでしょうか、その点を。
○政府参考人(佐藤慎一君) イギリスは、恐らくイギリスのやはり考え方でつくっているとは思いますけれども、ほかの国と比べますとイギリスはやや特異な方式かなというふうに思ってございます。
 先ほどから申し上げております私どもの提案しているものについては、イギリス以外の、ここにありますフランスなりドイツなりということと歩調を合わせた制度設計になっているということでございます。その上で、イギリスの課税方式、やっぱり幾つか問題があるんだろうというふうに思っております。
 例えば、出国後に資産を譲渡しないで五年を経過したような場合に、イギリスでは課税されない一方で、居住国、仮にその居住国がキャピタルゲイン非課税の国という場合には、居住国でも課税されないというようなことで二重非課税というのが生じてくる可能性もありますし、それから、出国後に一時的に非居住者であった時点で資産を譲渡したということによって実現したキャピタルゲインに対して、イギリスに帰国した後に事後的に課税するということが適当かどうか。あるいは、非居住者期間中の譲渡の事実を正確に把握することができるのだろうかとかといったような様々な問題があるんだろうというふうに思います。
 私どもとしましては、そういう問題があるということで、比較的それ以外の国が取っている制度に沿う形で制度設計を考えたという経緯がございます。
○風間直樹君 私、この出国時課税の話というのは、単に税制の技術的な話だとは考えていませんでして、保守思想の根幹に関わる話だというふうに感じています。保守思想というのは何かというと、先祖伝来の資産というのは子供に受け継がせていくという、これが保守思想の根幹ですね。
 そこに対して国家がどこまで課税権を持って介入すべきかという議論はあるわけですけれども、この含み益に課税をするという今回の話は、かなりそこに入ってくる重要な論点だというふうに思っています。
 衆議院の審議でも、当然、この出国時課税について財産権との兼ね合いからいろんな議論が出たんだろうと思って議事録を取り寄せてみたんですが、ありませんでした。びっくりしました。
 今日は民主党の保守政治家である風間直樹が質疑をしておりますが、自由民主党の先生方、もう保守政治家としてこの問題をやはりきちんと議論をされるべきではないかなという問題提起をさせていただきたいと思います。
 現在、日銀が大変な金融緩和をしておりますので、これから先、日本の金融情勢がどう変わっていくか分かりませんが、私は、物価上昇を目指すこの政策、一定幅の物価に収まれば御の字ですけれども、それを超えて物価上昇する可能性もなきにしもあらずと思っております。
 懸念を一点申し上げれば、今回の出国時課税の制度を導入したときに、ややもすると、株式の含み益、この評価益というものも現在以上にかなり変動する時代もひょっとしたら来るかもしれないと思っています。そのとき、この制度が導入されていることによって大きな混乱が起こらなければいいと思っていますけれども、この点は議事録にとどめるために申し上げた次第です。
 さて、この問題を締めくくる最後に、もし麻生大臣から何かコメント、保守政治家としてコメントがございましたらお伺いしたいと思いますが。
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほどの財産の話ですけれども、相続税含めて、一応仮にも税金を納めた後、親が貯金していたお金を子孫に残す、別に普通のことだと存じますが、ところが、親が死んだら半分よこせという話ですよね、相続税ってそういう話ですから。それはちょっとおかしいんじゃないのかと思われるのが普通の保守の方なんだと、私はそう思っております。
 ところが、民主党の御意見だと、あなたは今民主党におられるんだと思うけれども、民主党の御意見だと、何となく格差が付いてけしからぬという話の方も随分いらっしゃるみたいで、あなたがそうだと言っているんじゃないよ、いろいろな方がいらっしゃいますから、おたくには。だから、そういった意味では、おたくはなんというと話が込み入るけど、お隣の方も賛成しておられるから。いろいろ意見が違うんですよ。だから、こちらの方は大体私とほぼ同じ、あなたとほぼ同じようなことを言っているのが多いと思いますけれども、自宅が、何というの、豊かとか豊かじゃないとか関係なく、そういう思想なんだと思いますね。
 だから、そういった意味からいきますと、今のおっしゃっていることは分からぬことはないんですが、この話の根幹は早い話が課税逃れなんですよ、そこが問題なんですよ、しかも国外で。これはもう、BEPSと称する、今、ベーシック・エロージョン・アンド・プロフィット・シフティングと、略してBEPSと、長い名前で言うんですけど、あの話をおととしの五月でしたか七月でしたか、G7の蔵相会議で、あれは日本からおかしいじゃないかと言って私の方から提案して、あれからあのBEPSの話が一斉にうわっと始まって、たまたまOECDの租税委員会議長が選挙で選ばれて日本だったものですから、今だと思って話を持ち上げたら、日本よりヨーロッパの方がそれにばっと飛び付いて、あの話が一挙に来て、もう今年にはこの原案が、ほぼ日本が書き上げた原案どおり今通ろうとしていますけれども。
 こういったものを含めて、やっぱり公平というのを、ちょこちょこと三国間移動すると、少なくとも紀伊国屋とアマゾンではとか、同じものを買ってもこんなに違っちゃうというような話というのは、利益を外に出して第三国で税金が落ちるという形にされているのを見過ごしているというのは、明らかにこれは中央銀行の責任じゃなくて財務大臣の責任なんじゃないのか、それをみんなでやらない限りはできるわけがないという話を振り込んだので今日まで来たんですけど、是非この話は、私は一番の問題点は課税逃れというところが一番の観点だと思って考えております。
○風間直樹君 麻生大臣とは非常に思想が通ずる部分も多々あるようですので、また酒でも飲みながらそういった話をさせていただければと思います。
 それでは、次に、法人税法の一部を改正する法律案についてお尋ねをいたします。
 二点お尋ねいたしますが、まず一つは、公示の対象を資本金の額等が百億円を超える内国法人に限定した理由は何かという点、いま一点は、公示の方法について、「財務省令で定めるところにより、」とありますが、具体的にはどのような事項を定めることを想定しているのかといった点、以上二点お願いします。
○尾立源幸君 二問お答えいたします。
 まず、公示の対象法人を決めるに当たっては、今お話ございましたOECDにおけるBEPSプロジェクトの議論を参考にしました。このプロジェクトでは、売上高が一千億円以上、年間、これを対象にするという方向で今議論が進んでおりまして、ただ、売上高だと非常に変動が激しいもので、我が国においては売上高一千億円の企業というのと資本金が百億円という企業の数がほぼ同数であるということが一つあるということ、そして税務当局の把握のしやすさと、この二点から今回は資本金百億というふうに決めさせていただきました。ちなみに、平成二十四年度の会社標本調査では、資本金百億円以上の企業の数は千社程度というふうになっております。
 もう一点、公示の方法についてどのようなことを財務省令で定めるのかということでございますが、一つは、公示の時期や期間、そして公示の方法等について定めることが考えられます。具体的には、確定申告提出後三か月以内に少なくとも一か月間公示をすること、そしてインターネット等その他の手段を利用して公示することを考えております。
○風間直樹君 ありがとうございました。
 最後、若干時間がありますので、先ほどの出国時課税の話で主税局長にちょっとお尋ねをしますが、麻生大臣先ほどおっしゃった課税逃れを防ぐためというこの理由は非常にもっともな理由であります。一方で、含み益に課税するということが前例になりますと、これは何かと、それこそ財産権に関する支障が出てまいります。
 今後、株式以外の含み益に課税する考えがあるのかないのか、その点についてお尋ねをします。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 先ほどからの議論で、現在の所得税法の中では、憲法の下で、含み益まで含んだところで課税するということは所得概念を構成するということは確認をさせていただいておりますが、現実に課税あるいは納税ということを考えた場合に、やはり原則的には実現するということにやっぱり重きを置いた制度設計というのが基本だろうというふうに思います。
 この制度が、私どもとしましては一定額を超える有価証券という制度設計で今御審議を賜っておりますけれども、まずはこれがしっかりどのような形で運用できるかというのを見極めていくことが重要だろうというふうに思っています。その中で、何かいろんな課題が出てきたり、更にもっとやるべきだという御議論もあるかもしれませんので、そのときに改めて考えさせていただければと思っております。
○風間直樹君 そこは非常に慎重に考えていただきますよう要望して、くぎを刺しておきたいと思います。
 以上で終わります。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 まず、私の方からは、平成二十七年度の与党税制大綱には、我が党が主張いたしまして、その考え方として、格差の固定化につながらないよう、機会の平等や世代間、世代内の公平の実現、簡素な制度の構築といった考え方の下、不断の見直しを行わなければならないと、このように格差の固定化につながらないようにという考え方を税制改正の際に取り入れていくんだということが明記されてございます。
 そこで、今、平成二十五年度税制改正から今回の二七改正に至るまでの間、すなわち今の自公連立政権の下で、いわゆる格差の是正ということに資するものにどのような改正があるのかを具体的にお聞きをしたいと思います。また、政府といたしまして、格差是正という観点から今後どのような考え方で税制改正に取り組んでいかれるのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 社会保障とか税制を通じまして格差の固定化を防いでいくということは、これは極めて重要なことだと思っております。
 最近の税制改正でも、税制におけるいわゆる再分配機能を回復する必要があるという御意見はよく聞かれるところでもありますので、まず、平成二十五年度の税制改正で所得税の最高税率を四〇%から四五%に引き上げております。また、給与所得控除の見直しということで、控除が頭打ちとなる給与収入額を段階的に引き下げまして、千五百万円だったものを千二百、千というように引き下げております。また、相続税の見直しということで、基礎控除の引下げということで五千万プラス千万掛ける相続人数という従来のものを、三千万プラス六百万掛ける相続人数というように引き下げております。また、最高税率というものも、従来は五〇%だったものを五五%にいたしておりまして、また、平成二十六年度の税制改正でも、金融所得課税の見直しということで、上場株式等々に係ります配当、譲渡益に対する軽減税率を廃止いたしております。一〇%だったものを通常の二〇%ということにいたしております。
 また、今御審議をいただいております二十七年度税制改正においても、直接格差是正を志向しているものではありませんけれども、富裕層に対する適正な課税を確保する観点からも、また、いわゆる税逃れを防ぐ意味からも、国外転出時におきます譲渡所得の課税の特例の創設、今御質問がありましたが、こうした創設などを盛り込んでおります。
 いずれにいたしましても、税制において、この再分配機能というものにつきましては、これは二十七年度の与党税制改正の大綱の中におきましても、今後とも格差の固定化につながらないように、また不断の見直しを行わなければならないと指摘されているところでありまして、今後とも、日本の中におきます経済社会の構造変化というものを踏まえながら、引き続き常によく検討していかねばならないことだと思っております。
○西田実仁君 ありがとうございました。
 続きましては、納税猶予制度についてお聞きしたいと思います。
 この四月一日から、換価の猶予につきましては、従来の税務署長の職権によります執行から納税者の申請によるものに変わるわけでございます。その目的といたしまして、これは二十六年度改正でございますけれども、納税者の負担軽減とともに、早期かつ的確な納税の履行を確保する観点というのが挙げられているわけであります。
 しかし、これまでの税務署長の職権によるものでさえ滞納者本人が知らないということもありますし、当局から説明も余りないとか、税理士の先生からも余り、中にはもしかしたら知らない人もいるかもしれないということで、要は余り知られていないというものでございます。
 今回、そうしたいわゆる税務署長の温情というかそういうものではなくて、納税者自らが申請して、きちんとその代わり滞納しているものが払われていくという制度に変えるわけでありますので、その周知徹底を現行以上にやはりしないといけないんじゃないかというふうに私は思っておりまして、特に中小企業等、情報格差のある対象者に利用いただけるように周知をどのようにしていくのか、これについて財務省に聞きたいと思います。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
 納税の猶予などの猶予制度につきまして、これまでもホームページでの広報、あるいは納付相談の際のリーフレットの交付などの広報、周知には取り組んできたところではございます。
 ただ、今回、今委員おっしゃいましたように、職権による換価の猶予に加えまして、新たに納税者の申請による換価の猶予が創設されたわけでございます。その趣旨を踏まえまして、これまでのホームページ等の広報に加えまして、さらに、全国にあります税理士会、あるいは各税務署単位に設置されております各地域の青色申告会あるいは法人会といったような各団体に依頼をいたしまして広報を行うこととしたいと思っております。
 こうしたことによりまして、各地域の多くの中小事業者の方に十分に周知されるように努めてまいりたいというふうに考えております。
○西田実仁君 早速具体的にこれまでとは異なる対応をしていただいているようでございまして、是非とも、中小企業の方にも知っていただけるような、また利用いただけるような換価の猶予制度ということにしていければというふうに思います。
 続きまして、この二七改正の中で特に所得拡大促進税制、今回も新たに拡充等がされているわけでありますけれども、そもそもこれは二十五年度税制改正で取り入れられました。その中身は、従業員の賃金を増やした企業は、その支給増加額の一割、法人税額から控除できるという制度でございます。
 この平成二十五年度の適用状況について伺いたいと思います。利用件数、適用額はいかほどなのか。また、当初財務省として見込んだいわゆる減収額、六百三十億だったかと思いますけれども、それに達したのかどうなのか、どう分析されているのか。特に中小企業の利用割合は低いんではないかというふうに私は思っておりますが、それはどう分析され、どのように改善をしようとしているのか、財務省にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 まず、所得拡大促進税制の利用状況でございます。二十五年度分の租税特別措置の適用実態調査に基づく数字でございますが、適用件数は一万八百七十四件、適用額が約四百二十億という数字でございます。
 それで、今先生からお話がございましたが、当初、減収見込みを六百三十億円というふうにしておりましたものですから、数字が足りていないということでございます。この見積りに当たりましても、やはりこれ、制度を導入するものですから、かなり思い切った試算をせざるを得ないわけですが、一応、給与の支払見込額を基に上場企業のサンプル調査から推計したデータを取りまして、それで人件費割合を算出したという、その人件費割合の求め方がちょっと想定よりも低かったかなというふうに思っているところでございます。
 それで、中小企業の利用状況でございます。同じ適用実態調査によりますと、二十五年度の適用件数は、資本金が例えば一千万円以下の中小企業ということであれば、その件数は全体の約五五%ということでございます。一万件強の適用の中の約六千件ぐらいというような数字でございます。
 この割合自体は他の租特と比較して特段に低いという感じではございませんけれども、中小企業にとりまして、やはり一般に労働分配率が高くて賃金アップに取り組みにくい面があるということで、制度そのものがハードルが高いということもあるのではないだろうかというふうに我々見たわけでございます。その点を含めまして、二十六年度、二十七年度と、制度の適用要件の緩和ということで制度改正をし、また、現在、法律でお願いをしているところでございます。
 具体的には、現行制度におきましては、給与支給額、二十四年度をベースに、そこからの増加割合について二十七年、二十八年、二十九年という年度ごとにプラス三%、プラス五%、プラス五%と、こういう流れになっておりますけれども、中小企業には、今回の改正では二十七、二十八、二十九、いずれもプラス三%ということで平準化するという形にして、ハードルを乗り越えやすくするというような工夫もしているところでございます。
○西田実仁君 今おっしゃっていただいたように、中小企業にとりましては、要件の緩和をしてより利用しやすくしているということでございます。
 是非、せっかくつくった制度でありますので、特に中小企業にも、適用割合は五五ということでありますが、全体の法人の中での中小企業の割合からすると、相対的にはその利用度は低いと言わざるを得ないわけでありますので、この適用要件の緩和とともに、それこそ先ほどの広報ではありませんが、周知をより徹底いただきたいというように思います。
 最後に、税収の見積りにつきましてお聞きしたいと思います。
 今日は内閣府の方に来ていただいておりますが、二月の十二日に経済財政諮問会議に中長期の経済財政に関する試算を出されておられます。この中で二つのケース、経済再生ケースとベースラインという二つのケースが見積もられているわけでありますが、マクロ経済のことではなくて特に、そのマクロ経済が前提でありますが、税収の予想についてお聞きしたいと思います。
 二〇二〇年の財政再建に向けて非常に大事な試算であろうというふうに思われますけれども、この二〇一五年度については政府予算案ということになると思います。二〇一六年度から二〇二〇年度までの間、二〇一七年度に、四月、消費税が引き上げられるということを前提にされていますので、その分は除きますと、この間、税収弾性値はどのぐらいで見積もっているということになるんでしょうか。お聞きしたいと思います。
○政府参考人(井野靖久君) お答えいたします。
 内閣府の中長期の試算におきましては、マクロ計量モデルで名目GDPや税収の値が計算されております。この試算結果から事後的に税収の弾性値を計算いたしますと、消費税率の引上げによる増収分を除いて計算いたしますと、二〇一六年度から二〇二〇年度にかけまして平均一・〇程度となっております。
○西田実仁君 今、事後的に税収弾性値は一・〇というふうになるというお話でございました。
 この名目GDPに対する税収の弾性値というのは、過去三十年間、例えば一九八四年から二〇一三年度まで、マイナスになると弾性値できませんから、マイナスを除くと二・八であります。過去二十年間では三・九、過去十年間では四・八と。
 経済再生ケースという今回の内閣府の試算で、経済再生ケースと言われるものの全要素生産性が前提にございますけれども、その全要素生産性上昇率の前提は、この資料によると一九八三年二月から一九九三年十月までということですが、この全要素生産性の上昇率を前提に経済再生ケースというのは試算されているんですけれども、この期間の税収弾性値は幾らかというと一・五二なんですね。ということで、他の前提であるTFPの、全要素生産性の同じ時期には税収弾性値が一・五二なのに、今、事後的に計算をされますと一・〇というのは余りに低過ぎるのではないかと思われるわけであります。
 そして、この税収弾性値の試算というのは、まあマイナスの場合は除くわけですけれども、実態を正確に反映しないおそれがありますので、景気循環の期ごとにマイナスも含めて更に調べてみますと、名目GDPと税収の関係になりますけれども、バブル崩壊以降の失われた二十年余りというのは、それ以前と全く違うんですよ。ここに大きな断層があるということを見ないと今後の財政再建というのも私は誤ってしまうんではないかというふうに思うわけでございます。一言で言うと、バブル崩壊以前は税収増がGDP増を上回っているんですけれども、バブル崩壊以降はそれが逆になっているという関係であります。
 具体的に申し上げますと、専門家の方ですから具体的に申し上げますが、バブル崩壊以前の第七景気循環から第十一循環までと、バブル崩壊以後の第十二循環から第十五循環までは全く違うわけでございます。第一次石油ショック後の狂乱物価が収まり、経済が安定した一九七七年度以降の第九循環から第十一循環までの税収弾性値は、第九循環が一・八九、第十循環は一・三二、第十一循環は一・二九、これを平均しますと一・五となって、図らずも先ほどの経済再生ケースの全要素生産性の前提である税収弾性値、これは実績値でありますけれども、一・五二とほぼ同じ水準になるわけでございます。
 こういったことを前提に、内閣府にもう一度お聞きしますけれども、税収弾性値について、デフレ脱却をして、今しようとして、もはやデフレではないという状況だということは総理も言われているわけです、まだ脱却とは言えませんけれども。そういう中で、日本経済が正常化する姿を余り反映されていない試算ではないか、そういう意味ではかなり保守的過ぎるのではないかというふうに感想を持ちますけれども、いかがでございましょうか。
○政府参考人(井野靖久君) お答えいたします。
 税収弾性値がおおむね一・〇ということは、税収とGDPがほぼ同じ伸び率で伸びるということでありますので、税収、GDPの比率がほぼ一定で安定的に推移するということを意味しているものでございます。これは、短期的にはともかく、中長期の見通しにおきましては一つの自然な姿ではないかなというふうに考えているところでございます。
 御指摘のように、バブル崩壊以前と以後でかなり違うのではないかという御指摘もございますけれども、もちろん経済の状況いろいろ変化してございますが、一つ重要なのは、近年では名目成長率が非常に低くなっているという点に一点留意が必要かと思います。税収弾性値は名目成長率分の税収の伸び率ということでございますので、この分母の名目成長率が非常に低い値、ゼロに非常に近づいていきますと、非常に大きくこの税収弾性値の値は上下に振れることになります。このため、長期のならした姿を見る場合には、その点にも留意をして平均的な姿を見る必要があるのではないかというふうに考えているわけでございます。
 それで、この中長期試算の経済再生ケースにおきましては、日本経済が低成長の時代から脱却をして高い潜在成長率の経路に乗って安定的に拡大する姿、こういう姿を描いているわけでございますけれども、税収弾性値といいますのは、景気が悪い状況から徐々に回復してくる局面におきましては高い値を取る傾向があると思われますけれども、本試算のように経済が中長期的に巡航速度で拡大する際には税収は名目GDPとほぼ同じペースで伸びると、すなわち弾性値が一程度となるという姿は一つの自然な妥当性のある姿というふうに考えているところでございます。
○西田実仁君 長期で見て、先ほど私幾つも数字を言ったわけでありますので、余り反論になっていないと思いますが。
 大事なことは、私がここで申し上げたいのは、何が正しいということではなくて、政府は政府としてそういう試算をされるのは結構でありますが、やはりこれは、議会は議会で、こういう前提でこういうふうに考えたらこういう財政再建の姿があるというような機能を議会の方が持って、国会で論戦をするということが非常に生産的ではないかと、このように私は思っているものですから、あえて今のことに対して問題提起をしました。
 時間が来ましたので、終わりたいと思います。
○藤巻健史君 維新の党の藤巻です。よろしくお願いいたします。
 今日は、経済、金融の話をしてから税法のお話、税務のお話をお聞きしようと思ったんですが、先ほど風間委員の方から、出国時の譲渡所得課税の特例について御質問がありましたので、私も質問通告最後でしておりますので、それについてちょっと、最初にそれをお聞きしたいなと思っております。
 これ、数か月前だったんですけれども、日経新聞の一面に大きくどんと出ましたですよね。そのときにやっぱり百人ぐらいと書いてあったんですよ、これ、この特例に関わる。私自身も、別に日本大好きですから出国する気もないし余り興味ないなと思って、でも百人ぽっちの記事で、まあ風間委員はたくさんの友達が興味を持ったとおっしゃっていましたけれども、これ全く興味を持つ人が少ないニュースがこんなに一面にどんと出るのかなと思ったんですよ。その後、三十分ぐらいお風呂に入って、こうやってほっとしているとぎょっとしまして、ひょっとするとこれは国民を、驚愕するような大変な税制改革じゃないかと思ったんですね。
 財務省からのヒアリングでも聞かせていただいたんですけれども、何が私にとって一番怖かったかというか、ぎょっとしたか。特に今日それをはっきりさせたいと思っているのは、今まで税法というのは、やはり先ほど風間委員のおっしゃったように、実現益に対する課税なんですよ。その大原則をこの特例によって変えているわけですね。要するに未実現益に対しての課税ということで、今までの税法が全く考え方ががらっと変わってきているわけで。これを、何か先ほども佐藤局長は、ほかの証券以外のことに関してはこれから慎重に考えるとおっしゃっていましたし、それから、何かいろいろ、この特例を導入するためにはいろんな、こんなの大したことないですよとか、いろんなことを考えていますとおっしゃっていますよね。
 それと、ほかに、今回の税法、去年、今年と、財産債務明細書を、今度は高収入の人に上げるにしても、明細を明記させる、それから外国資産調書が出てきて、外国の資産も明確に提出させるということで、かなり資産に対して財務省がいろんなデータを取りたがってきているわけですね。そして、かつ未実現利益に課税するというこのところ、それをもって私は非常に怖いなと思ったんです。
 どういうことかというと、大臣はよくもうお分かりだと思いますけど、私は、少なくとも今の量的緩和によって資産価格がかなりバブっていくだろうと思うし、今後とも、それからハイパーインフレにもなると思っているんですけれども、その時点のとき、すなわち、例えば自宅を一千万円で買った人が、バブルが行って一億円になりました、どうも税収が足りない、九千万円の未実現利益に課税なんということが突然あした、新聞見たら財務省が課税というような事態が起こるんじゃないかと。そんなことをやれば、きっと株と不動産暴落して八百万円になっちゃうわけですよ。それで、多大なる税金を納めたけれども自分の持っている財産は暴落しているというようなこと、そうすれば、やっぱりハイパーインフレにしてもいろんなこと全部鎮静化するわけなんですけれども、国民にとっては最悪のシナリオが考えられるわけですね。
 ということで、何はともあれ資産に対して未実現利益に課税するという大転換を、一つの特例をつくっておいてなし崩し的にそういう方向への課税に行くのではないかという懸念を私は持ったんですが、それについて、大臣、是非コメントをいただきたいし、これは単に特例であって、先ほど大臣は課税逃れとおっしゃいましたけれども、課税逃れどころの話じゃないと。私も、最初新聞を読んだときは、これは課税逃れだからまあいいのかななんて思ったんですけれども、よく考えてみるとそうでもないなと思ったので、その辺について明確に、議事録にも残りますから、今後、その未実現利益にどんどんどんどん課税していくというようなことは考えていないということを明言していただきたいんですけれども。
○国務大臣(麻生太郎君) 書いてあることしか話ができないのは当然なんですが、今、法案の審議というか、この話は税制の話というか、今はキャピタルゲインの話だと思いますので、私どもとしては、キャピタルゲインというものに関しては、基本は課税逃れをいかに止めるかというのが最大の問題だと、これは各国皆共通だと思っておりますので、私どもはそこが一番の問題だと思っております。
 何となく税金がどんどんどんどんという話をしておられますけれども、一九八九年、株価が幾らだったかと、三万八千九百六十円だったんですよね、あのときは。やっておられたからよく御記憶だと思いますが、そんなに記憶力悪い人もいないけれども、あのときは三万八千九百六十円だったんですよ。それが今一万九千円とかなんとかいって、上がった、上がったといったって二万円下がっているんですから、それがまず現実です、現実問題として。
 しかし、あのときは土地はまだ上がっていましたから、九〇年、九一年と土地は上がったんですよ。だから、まだバブルとみんなあの頃は言っていたんです。しかし、現実問題、土地は九二年から下がった。何で下がったんだと、税金ですよ。
 思い出してみてください。あのときのことをお忘れでは困るのであって。あのときには明らかにバブル潰しということでみんなでつついて、バブルなんてほっておけば潰れるものをみんなでつついて潰したんですよ、あれは。違いますかね。私は、ここはみんなすごい記憶力がいいようで悪いような方が世の中多いので信じられぬのですけれども、僕は、それが一番大きなあれで、最大の失敗だったと私はそう思っています。
 したがって、今の財務省は、そのときに失敗こいた人たちの後輩が、今ずらっとまだ現役であのときの人がいますから、そうそう記憶力も悪くないだろうと、私はそう思っています。
○藤巻健史君 今、大臣、三万八千九百四十円とか六十円とかおっしゃっていましたけれども、私の記憶によると三万八千九百十五円でございます、これは終値ベースですけれども。
 あと、それに関して言いますと、バブルが崩壊した理由というのは、税金とかそういうものじゃなくて、あれは今から考えても何が原因でバブルが崩壊したかというのは分からないですよ。私は、あえて言えば、やっぱりあれは土地と普通の給与収入の損益通算を事後的にやめさせちゃったことが一種の引き金になったかなとは思っていますけれども、それは私のマイナー意見であって、それは一般論になっていませんよね。
 それはともかくとして、私が申し上げたいのは、今後とも未実現利益に課税するというような暴挙はやってほしくないと、これだけなんです。もしこれをやってしまいますと、さっき言った例で、バブルで土地が上がったときに突然税金を取られてしまうということが起こり得るのと、あと企業も、これは時価会計、マーク・ツー・マーケットをやらされて、そこでもうかったり下がったりで課税されちゃうということもあり得るので、非常に未実現利益に課税するというのは極めて大きい問題なので、これはあくまでも特例に、未実現利益に課税するというのはあくまでも特例中の特例だということは認めていただければ、それは私も課税逃れということで賛成しますけれども、やっぱり未実現利益に課税するという原則は極めて怖い話だよということだけは認識しておいていただきたいなと思います。
 それはそのままにしておいて、次に、昨日本会議で私が質問したときに財務大臣、その前に、今日最初に西田議員のときにデフレ議論がちょっとあったので、それにちょっと一つだけコメントしておきたいと思うんですけれども。
 デフレというのは需要と供給の問題で、需要が少ないということ、供給に比べて需要が少ないということでデフレが起こってくるわけで、西田議員はその際に、その需要を増やすために公共投資を増やせという議論だったと思うんですけれども、私は元々、そもそものデフレというのは、日本は円高で起こったと思っているんですね。要するに、円高になったということは、一つは強い円で安く外国品が買えますから輸入品の値段が下がるということですし、それから千円のものを一ドル二百円のときには外国人、アメリカ人にとってみたら五ドルですけれども、一ドル百円になればこれは十ドルになるということで、日本製品が高くなる。要するに、外国人が日本のものを買わなくなっちゃう。こんなに優秀な製品を日本人は作っているにもかかわらず外国人が買わなくなる、日本人しかいなくなるからということで、需要が減ったということで私は起こったと思うわけです。
 もし今後とも円安が進むならば、これは当然、これだけ優秀な製品を日本人は作っているんですから、外国人がわんさかわんさか買ってきて、それはもう需要過多ですよ、別に需要というのは日本人だけじゃないんですから。それは、世界中の需要が日本に集まってきて供給を上回るということでデフレは脱却できると当然思うんですが。
 そこで、昨日の麻生大臣の一部私の質問に対するお答えの中で、ハイパーインフレは起こらない、それは戦争による生産物の破壊等、特殊なケースでないとハイパーインフレは起こらないとおっしゃったんですが、そう思われるのか、もう一度確認させてください。
○国務大臣(麻生太郎君) ハイパーインフレーションというのは定義も結構難しいんですが、私は、ハイパーインフレーション下のブラジル、デルフィン・ネットが財務大臣のとき、一三五〇%、翌年一四六〇%だったかな、正確な記憶じゃありませんけれども、それくらいのハイパーインフレーション、僕は、あれはハイパーインフレーションだと思いました。朝の値段と夕方の値段と違いましたから。そこで二年間いましたから。ハイパーインフレーションというのがどんなものか。少なくとも、そういう御経験がおありになるかどうかは知らぬけれども、この種のインフレをやった国はそうはありませんので、私どもはそこに二年ほど住んでいたことがありましたので。
 えらいことになるというのはよく分かりますよ。だけど、いわゆる戦争などというものに発した極端な物不足とか、またいわゆる財政運営とか、何でしょうね、通貨に対する信認というのが完全に失われたというような状態など極めて特殊な状況下であれは起こるものだと、私はあのときつくづくそう思ったんであります。
 今日の日本の経済というものあるいは財政状況というのを見たときに、ハイパーインフレーションが直ちに発生するような状況にあるかといえば、私は、インフレが進む可能性はそれはもちろんあるんだと思いますけれども、少なくともハイパーインフレーションが起きるような状況にはとても考えられぬと、私自身は基本的にそう思っております。
○藤巻健史君 大臣はいつも、ハイパーインフレの話になるとブラジルで経験したとおっしゃるんですけど、日本でもハイパーインフレって昭和二十一年に起こっていますから。わざわざブラジルに行かなくても、大臣のお年だと日本で経験しているはずだと思うんですけど、まあそれは小さかったからお分かりにならないと思うんですけどね。
 それで、あとハイパーインフレに関して言いますと、これは、ある本を読んでいて私ああそうだなと思ったんですけれども、いろいろハイパーインフレの起こった国の研究をしていたところ、書いてあったのは三つありましたですね。ちょっとうろ覚えなんですけれども、一つは、きちんと徴税をできていない国、きちんと税率を上げていけない国、それから二番目に、きちんと社会保障費等の歳出をカットできなかった国、そして三番目に、独立した中央銀行を持っていなかった国、これはみんなハイパーインフレになるというふうに書いてあって、ああ、これは何かすごい日本と似ているなと思ったんですけど。
 それは別として、何度も申し上げますけれども、生産設備が破壊されなくても、先ほども申し上げましたように、円が暴落した場合、例えば一ドル千円になれば、日本のこの優秀なる製品を求めて外国人がみんな買っていっちゃいますよ、日本のものを。日本人買えなくなっちゃいますよ。それから、例えば一ドル千円だったらば、外国のものは高くて日本人は買えなくなっちゃうわけですよ。もう物不足もいいところなんです、日本人にとってはね。ということで、異常な、戦争とかいうことが起こらなくてもハイパーインフレは起こり得るよということだけは申し上げておきたいと思っております。
 二番目に、これもちょっとまだ、税金の話の前にちょっともう一つお聞きしておきたいんですけれども、ギリシャは国債の元利金が払えないとかいうことでデフォルトのリスクがあるというふうに言われていますけれども、日本もギリシャ同様のデフォルトのリスクがあるかどうか、お答えいただければと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 御存じかと思いますけど、財務大臣を私しています。少なくとも、他国の話の、私の立場でコメントなんかできるわけないでしょうが。そう思わぬですか。私はつくづくそう思いますので、コメントすることは差し控えたいと、そう思って、そうでなければならぬものだと思っています。
○藤巻健史君 非常に納得いくお答えで、まあこれ以上はあれなんですけれども。
 私がちょっと申し上げたかったのは、ギリシャは確かにデフォルトする可能性があるんですよ、正直に言って、理論的に言って。なぜかというと、政府のお財布が空っぽになっちゃう。なぜかというと、ギリシャの中央銀行はギリシャ政府にお金を供給できないんです。なぜかというと、ユーロというのはヨーロッパ中央銀行しか刷れませんから、ギリシャ中央銀行、ギリシャ銀行はお金を持っていないわけですよ。ところが、もしギリシャが、これをやっちゃうと、あしたきっとギリシャはもうとんでもないことになっちゃうと思いますけれども、ギリシャがユーロから離脱した場合には、これは、ギリシャ中央銀行がギリシャ政府にお金差し上げられるんですよ、日銀と同じように。要するに、ギリシャがユーロから離脱するということは、自分で紙幣を刷れるようになるということなんです、ドラクマという紙幣を。だからこそ、ギリシャはデフォルトのリスクがなくなるんですよ。
 ということは、何を申し上げたいかというと、ギリシャよりも日本の方が対GDP比債務大きいですよ、状況は悪いんですよ。だけど、ギリシャと日本の違いというのは、ギリシャは自分たちの国で紙幣を刷って政府に渡せない、銀行が。日本は日銀が幾らでも国債を買って紙幣を引き渡せる。こういう違いなので、だからこそ私は、そんなに楽観視していいものかなと。ギリシャだって、離脱すればあしたから破綻はしなくなるんです、きっと物すごいハイパーインフレになっちゃうと思いますけど。と思うので、このギリシャを他山の石として、財政再建には本当に一生懸命やっていかないと本当にやばいよということだけは申し上げておきたいなというふうに思っております。
 次に、もう税金の方を話しまして、私は本当の保守でございますので、相続税についてちょっとお聞きしたいと思っております。
 変な顔をされていらっしゃいますけど、私、金融政策についても、保守だからこそ従来の伝統的金融政策をするべきだ、マイナス金利、ゼロになって駄目だったらマイナスにするべきだと、これはもう二十年間の持論で、量的緩和という非伝統的なのは余りにも革新的過ぎて駄目だと申し上げているだけだったんですね。そういうことからいっても、金融政策については私は極めて保守的な人間だと思っておりますが。
 次に、相続税についてお聞きしたいんですが。
 私、次男が大学に受かったときに家族でモルディブへ行ったんですけど、モルディブって、御存じだと思いますけど、一つの島に一つずつホテルがあるんですね。そこの従業員に聞いた話、ちょっと仲よくなって聞いていたんですけど、その従業員というのは、あそこはイスラム国なんですけれども、一年に一遍しか親がいる島へ戻れない。イスラム国ですから、お酒は飲めない、島に女性はいないというような状況だったんですよね。でも、私の感じるところは、みんな平等なんですよ。貧しく、格差はなかったんです。問題は、モルディブを訪れている日本人とか欧米人との間にむちゃくちゃな格差があったわけですね。
 ということで、基本的には私は、やっぱりある程度、格差是正だけが問題じゃなくて、全ては国力をきちんと上げなくちゃ、そちらの方が先決だよということがあります。
 ですから、そういう面でいうと、相続税の話をすると、とかく富裕層、金持ち優遇だとか言われるんですけど、そうじゃなくて、相続税というのはやっぱり国全体の国力にも影響するんじゃないかなと思っておりますので、ちょっとここで聞かせていただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事若林健太君着席〕
 相続税なんですけれども、オーストラリアとかカナダ、スイス、シンガポール、ニュージーランドのように相続税がない国、多いですね。それから、社会主義国と言われている、それで富裕層がもう一億人を超えているという中国もないわけです。かつ、アメリカも数年間なくしましたよね。二〇一一年に再度相続税を、遺産税ですか、遺産税を再度導入しましたけれども、あれ、非課税枠というのは一千万ドルですよ、子供二人だと。要するに、十二億円まで無税なわけですね。これはあれが入っていますから、インフレになっていくともっと、十二億円が十三億円になっていっちゃうわけですね。
 というぐらいに、相続税なくしたり減税している国というのが世の中の、世界の潮流であって、日本みたいに増税して、しかも法定相続人二人だと三千万プラス六百万掛ける二人の四千二百万という、そこから課税している国なんというのは世界で、特に先進国では極めてまれなんですよね。
 私は、よく昔の部下の外国人、私は米銀に勤めておりましたから、部下の外国人に聞きますと、彼らが言うには、日本は典型的な社会主義国家とよく言うんですけれども、私は、なぜあなた方の国は相続税をなくしているのかと聞いたらば、相続税とは極めて社会主義的な性質の強い税金だからというふうにいつもおっしゃるわけですよ。
 まずお聞きしたいのは、日本はなぜ諸外国の潮流に反して増税に向かっているのか、なぜ相続税を取っているのか、その辺からまずお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(麻生太郎君) 相続税の基本的な話ですので。
 相続税というのは、相続財産に対して課税を行うということによって、生まれた家庭の経済状況による差というものを縮小させて格差の固定化を防止するという意味において機能を有しているという、これは、多分この点は諸外国も皆同じだと思いますよ。
 今、先生の話だと、世界の潮流は減税、廃止に向かっているというお話でしたけど、いつの話かよく知りませんけれども、G7で今現在相続税がないというのはカナダだけじゃありませんか。
 例えばアメリカは、二〇〇一年のブッシュのときだったと思いますけれども、その後、段階的に引き下げられて、二〇一〇年は確かにゼロになっていますけど、一一年からは復活しておりまして、今は三〇ぐらいなんかになっていると思いますので、三〇か四〇になっていると思いますし、最高税率も引き上げられてきて、今は三五から四〇にしております。
   〔理事若林健太君退席、委員長着席〕
 それから、オバマの二〇一六年の予算教書においても、遺産税及び贈与税の最高税率を四〇から四五に引き上げるというものを今提案されておりますので、必ずしも潮流は相続税の減税とか廃止に向かっているというわけではないのではないかと、私どものあれではそうです。
 フランスでも二〇一三年には富裕税の税率引上げを実施しておりますし、スペインでも二〇一一年には富裕税が復活しておりますし、諸外国でも、リーマン・ショックの後の経済金融危機に伴ういわゆる厳しい財政状況を背景として資産課税というものは強化する方向になっているんだと、私どもはそう思っております。
 先ほど申し上げましたように、基本的な考え方として、死んだら、税金払った金にまた税金掛けるというのはいかがなものかと思っていますよ、私自身は。しかし、今申し上げたようなことを、やっぱり国の財政とかいうものをきちんと運営し、国全体のものを考えたときにおいては、相続税というのは、いわゆる格差是正等々においては有効な手段の一つだと考えてしかるべきだと思います。
○藤巻健史君 ちょっと先ほども申しましたけど、皆さん言うんですよ、アメリカも増税しているって。アメリカは増税しているといったって、十二億円以下の方は相続税ないんですから。それで、十二億円でも、何十億円か知りませんけど、その人たちが増税といったって、それはいいですよ、どうぞ勝手に増税すればという話で。十二億円まで無税なんですよ、無税。四千二百万円から払っている国と違うんですから。それはもうアメリカは相続税、普通の人にとってはなきに等しいんですよ。だから、それが増税しているから日本も増税というのは極めてインチキな議論かなと私は思っていますけどね。
 それとあともう一つ、あえて言うならば、ドイツだって、一九九五年までは一九六五年の課税評価額だったわけですよ。要するに、日本でいえば、今日死んだら一九六〇年の路線価で財産評価しようと。そんなの、税率幾ら高くたって、ほとんどの人ゼロですよ、そんなものは。正直言って、九六年以降は九五年が基準に変わっていますけど、要は、昔の時価を使って相続財産をやっているわけですから、ないんですよね。それを、いかにもみんなが、全てほかの国も上がっているから日本も上げるとか、それはやっぱりミスリーディングな説明じゃないかなと私は思っております。
 じゃ、次に贈与税についてちょっとお聞きしたいんですけれども、贈与税で、今回の法律改正で住宅取得資産に係る贈与税枠を一千万円から三千万円にするということと、それから結婚・子育て資金の一部に関する贈与の非課税枠を一千万円設ける、創設するという条項がありますが、これの改正案でどのくらいの贈与税の税収減になるのか。
 そして、これによって、当然やるからには経済活性化すると思っているからこういうことをやると思うんですが、これをやることによって当然経済が活性化されて所得税とか法人税が増えるかと思うんですけれども、どちらが大きいか。要するに、贈与税の減税額と、それから経済が活性化することによる法人税、所得税の増加とどちらが多いと思われているか、若しくは計算されているんだったらばその数字をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) まず、定性的に言うのは極めて難しいんですが、いわゆる住宅取得資金や結婚・子育て資金の非課税措置の改正案につきましては、この改正によって、改正がなかった場合に生じなかった贈与額の増加が見込まれますのは当然でありますが、同時に、この贈与に係る贈与税は非課税となるために、改正税収減は見込んでおりません。
 また、これらの制度は、良質な住宅ストックの形成や少子化対策に加えて、高齢者にかなり蓄積されていると言われます資産というものを消費意欲の高い若年層に早期に移転させることによって経済の好循環につながっていくであろうということを狙ったものであります。しかしながら、これらの制度によってどの程度贈与が増加するかを定量的に見込むことは困難だと思います。したがって、贈与額の増加がどの程度の増収、いわゆる税収増を見込むかということもこれは困難と言わざるを得ません。
 したがって、両者の大きさを比較することはできませんけれども、贈与額の非課税措置のほか、経済の好循環の実現によって様々な施策を行っておりまして、これにより税収が全体として増加していくであろうと思っております。
○藤巻健史君 もしそう思われているのならば、贈与税、全廃したらいかがでしょうかね。ちょっと質問にないんですけど、何はともあれ、一部であっても経済的にいいんだったらば贈与税を全廃するというのはいかがでしょう。
 私、アベノミクスの第三の矢の成長戦略とよく言われますけれども、八六年の前川レポート以来、何百本、何千本もの成長戦略という矢が放たれてきて、一本たりとも、大体余り成功したのはないんですよね。
 政府は何かやっちゃいけない。例えば、インドでIT産業、極めて発展していますけれども、あれは政府が関与しなくて自由にやらせてあげたからこそあれだけ発展したと思うので、第三の矢というのは何か政府がやることじゃない。これはちょっと、死んだ私の弟も言っていましたけれども、霞が関のドブネズミ色のスーツを着た方が日本のアパレルを海外に売り込むなんて、それは無理だよと、民間に任せるべきだということだったんですけれども。
 その第三の矢というのは、ひとえにいろいろ民間にやらせることというのが第三の矢であるべきであって、そうすると、贈与税をなくせば、もうこんなちまちました減税しないで、ぼんとなくしてしまえば、親は子供のために自動車だって家だってどんどん買って、物すごい経済活性化すると思うんですよね。だからこそ贈与税全廃どうかというふうに聞いているんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 贈与税自体というものをもうやめちゃうとか一定期間凍結するというお話なんだと思いますが、これは、教育とか少子化対策といった一定の政策目的というものの公正が担保されていないということを意味しますし、贈与された資金というものがそのまま貯蓄に回らないという保証はありませんから、それでいけば経済活性化につながらないということになりますので、使途を定めない資金が単に贈与された形では、これは消費が保証されるということには全くならぬと、そう思っておりますので、そのままの形で実現することは難しいのではないかと申し上げられると存じます。
○藤巻健史君 お聞きしていなかったですけれども、確かに、贈与税というのは相続税の補完税ですから、贈与税をなくせば、みんな贈与で渡しちゃって相続税を払う人がいなくなっちゃうので、やめるのであれば両方やめなくちゃいけないと思うんですが。相続税というのは一兆七千億円ですよね。これ、もし相続と贈与税をなくした場合、かなり経済は活性化すると私は思っているんですね。
 というのはなぜかというと、そもそも、昔のいう金持ちというか長者なんというのは、日本というのは三代相続税を払えばなくなっちゃうと言われているぐらいに相続税がかなり重いですから、昔からの長者はいなくて、今これから相続税を大量に払うような人というのは、ベンチャー創業者等、かなり能力があって、そして日本人に仕事をつくり出している人たちだと思うんですよ。
 その人たちが相続税とか贈与税をどうやって節税するかを考えているそのエネルギーとそれから時間の無駄で、これをもっと人を雇う方向に向けた方がよっぽど国全体の繁栄につながるかなと思いますし、それから、例えば、今、一種の合成の誤謬というのかな、所得税の最高税率、四五プラス一〇%ということで、住民税と所得税を合わせて五五%、そして相続税の最高税率五五%ということは、例えば、一生懸命人を雇ってどんどんどんどん成長しているベンチャー企業のオーナー、所得税五五%払って、例えば百万円もらっていると四十五万円しか残らないわけですよ。そして、今度死んじゃったら、また今度五五%持っていっちゃうと二十万円しか残らないわけですね。これから百万円稼いで二十万円しか、まあ子供たちにですけれども残せないと思ったら、それでいつまで働こうなんて思わないでやめちゃう人って物すごく多いと思うんですよね。
 そうすると、日本の労働機会をクリエートしている人たちがいなくなっちゃう、若しくは海外に逃げちゃう。今のところ逃げる人はいないかもしれないですけれども、いずれは逃げる可能性もあるというようなことを考えると、その贈与税、相続税が存在するということに関してのコストというのは物すごく大きいと思っているんですよ。
 だから、少なくとも私は、他国は減税若しくはなくす方向に行って、日本だけは増税するという認識なんですから、なぜ他国がそういうものを減税したりなくしたりしているかということの研究ぐらいはしておく。格差是正を金科玉条にしていって、相続税あって当たり前だという議論はおかしいのかなと私は思っていますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 相続税、贈与税という話に関して言わせていただければ、企業収益が増加する、波及効果が上がるとおっしゃっているんだと思いますけれども、そうした波及効果というものを定量的に見込むというのは極めて困難ですから、その効果の試算を行ってはおりませんけれども。いずれにしても、所得税、法人税の増収見込みの試算というものも、当然、私、それによってしているわけではありません。
 しかし、今おっしゃったように、今相続税を払っているのは一年間で亡くなっている方のうち何%ですかね、五%あるかしら。五%ないでしょう。九五%は払っていないんですよ。だから、えらい高いとかなんとか言われますけど、払っていない人が九五%だということもちょっと忘れないようにしておかないと、いかにも何かえらいこちら側が違うような、一人だけ浮いているような感じで言いますが、それは全然違いますよ。日本の場合は払っている人がほとんどいませんから。これが第一点、忘れぬでください。
 それからもう一点は、私どもとしてやっぱり考えておかないかぬのは、基本的には、この国の場合は世界で最も成功した社会主義国家と人の国からからかわれておる国ですから、元々そういうようなシステムになっておるんじゃないですかね。それでもようみんな我慢して、勝手気ままに人がここにずっと住み付いておるわけですよ。だから、やっぱり何かいいところがあるんですよ、僕はそう思いますね。多分、本当に嫌だったら出ていっちゃうはずですから。ずっと残っていますから、ここに。私、それだけでもすごいところだと思いますよ。だから、それに勝るいいところがあるんだと思いますね。
 私は、そこらのところが一番大事なんだと思いますので、こういった税金というのは極めて大きなものだとは思いますけれども、皆それぞれ納得をしておられた上で、いろいろそれは節税をされようと努力されるのは当然のことだと思いますけれども、そういったことを考えながらも、なおかつ、やっぱり所得間格差とかいったものがなるべくというようなことは、これは長い歴史の中でそういう意識というものが結構あるんだと、私はそう思っております。
○藤巻健史君 格差是正、これはちょっといつも申し上げるんですけど、セーフティーネットを提供するというのは絶対に必要で、これは国の最大の義務であると思うんですけど、格差是正を、どの程度解消するかというのはまた別な議論と思うんですね、私は。余り格差を是正をするとみんな働かなくなっちゃいますからね。働いたって働かなくても同じだったら、それは働かないです、誰も。
 ということで、国力を落とすという意味では、過ぎたる格差是正というのはまずいと思うので、全てその辺で考えていかなくちゃいけないと私は思っているんですが、その格差是正の中で一番今早急に解消しなくちゃいけない格差とは何だと思われていますでしょうか、大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) いろいろ格差はあるんだと思いますけれども、地域間格差というのもあるでしょうし、大企業と零細企業の格差もあるでしょうし、高齢者と若者の間の格差もあるでしょうし、いろんな意味の格差というものがあると思っておりますが、じゃ、それが他国に比べて、富裕層と貧困層との差が中国みたいにあるかと、地域間格差も中国みたいにあるかと言われると、それはそんなにないんじゃないんですかねと。これは、帰ってきた人はみんなそう言われますから。そういった意味では、どの程度までかというのは極めて意見の分かれる、いろいろ御意見のあるところだと思います。
 お断りしておきますけど、私自身も、格差、格差というものを言って、結果として、機会の平等ではなくて結果の平等にこだわり過ぎたら世の中は終わると思っていますから、そういった意味では、機会の平等というのが基本的に我々としては持ち続けねばならぬ大事なところだと思っています。
○藤巻健史君 今のお答え、非常に私も納得するところなんですけれども、私が考える最大の格差って世代間格差なんですよ。確かに、世代間格差というと、年金を、高齢者と今の若者との受取が少ないとか、そういうことをおっしゃる方が多いんですけれども、今の世代間格差とは何かというと、例えばこれだけの、千三十兆円もの借金を抱えて我々が死んじゃったら、子供たちは大変なことになるわけですよね。要するに、もうきっと物すごい税率の所得税と消費税を払って、税金を払うためだけに生きていかなくちゃいけないような孫子、ひ孫になっちゃうわけです。
 ということは、何はともあれ経済を活性化して借金をなくすということが最大の目的であって、一つ一つの税法の中でちまちまちまちまと格差なんて言っている場合じゃないと、何はともあれ、その最大の格差である子供と我々との、というか孫子、まだ生まれていない日本人と我々との格差を是正するというところが一番その格差是正に重点を置くべきところであって、そんな細かなところを言ってもしようがないんじゃないかなと私は思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(麻生太郎君) 今のお話で、間違いなく世代間格差というのはあると思いますが、十年後に亡くなられた後、債券受け取るのは息子ですから。百万円なり一億円なりの債券を買うたのは俺たちの世代であって、受け取るのは息子の世代ですから。息子が借金しているんじゃありませんよ。息子は、親の国債をそのまま引き継げば息子は債権者ですから、政府に対して。だから、考え方の基本が少し違うと思います。
○藤巻健史君 それはもらってもいいんですけれども、もらったときにその価値があればということで、価値がなくなっている可能性は十分あるかなと私は思っておりますから。若しくは、ハイパーインフレになればそれは財産価値むちゃくちゃに下がっていますから、それはもう、額面百万円のものをもらったって十万円の価値しかないものだったらうれしくないですから、それは、このお答えはちょっと納得できないんですが。
 次にちょっと行かせていただきたいんですが、昨日、大臣は本会議で、税制は国民の価値観に大きな影響を及ぼすというふうにおっしゃっていらっしゃいましたというような記憶があるんですけど、今、日本の所得税の累進、これはちょっと私も、はっきりチェックしていないので余り確たるあれは言えないんですが、かなり所得税の累進性はきついんじゃないかと思うんですが、もし累進性がきついのであると、人生の生き方って決められちゃうわけですよ。
 アメリカというのは、アメリカ人は、私はアメリカの銀行にいましたからよく分かりますけど、ある人は、太く短く生きて早くリタイアして楽しい第二の人生を送りたいと思っている方がいらっしゃるわけですね。それは、累進税率、累進課税がきつくなければそういう生活が選択できるんですけど、累進課税というか累進率が高くなっちゃうと、もう細く長くしか、人生が一つのパターンしかなくなっちゃうわけですね。だって、短くわっと稼ぐとみんな持っていかれちゃうんですから、それはもう長く生きた方がいいわけで。
 そういう面でいうと、累進性が高いというのは、それこそ人生の選択肢を奪うと。アメリカ人なんかは、かなり楽しく自分の楽しいような人生を送っていますけど、日本人は一生懸命働き続け、まあこれは、日本人がそういう生活が好きだというならそれでしようがないんでしょうけど、やっぱり累進制はそういうデメリットもあるということはひとつ考えていただければと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(麻生太郎君) 累進課税が高いという話なんですけど、私当選したときの税制では、あの頃は幾らでしたかね、我々、八八%ですよ。今は五五。随分下がっているという話は全然ネグレクトして、いきなりそっちに話を飛ばれると、みんな間違った情報になりますので。六十年が八八だと思うんですね。私、もうちょっと高かったと記憶します。私当選したのは五十四年でしたから、もうちょっと前だったと思うので、もうちょっと高かった記憶がするんですが。
 いずれにしても、六十年代以降に税率構造というのが大幅な累進緩和というのを行ってきているというのは事実です、これは。したがいまして、所得再配分機能の低下というものが指摘されるようになったのはついこの頃なんだと、私はそう思っております。
 したがいまして、日本もこの税体系において、いわゆるその頃の直間比率というのは七五対二五ぐらいだったものが、今は六五対三五ぐらいまで下がっていると思いますが。いずれにしても、直間比率等々随分変わってきたんだと思いますが、垂直的な公平性を確保するという観点も含めて、所得課税とか資産課税というのはどのような組合せでいくのかといったのは、これはもう今後とも、経済社会の構造変化というものを踏まえて考えていくことが大事なんだということははっきりしておると思いますが、いずれにしても、今後、所得税の最高税率を引き上げておりましたり、また、課税所得の四千万円超についても四五%の税率を設けたりいたしておりますけれども、いずれにしても、所得税の累進性をより緩やかなものにするという方向性を今の段階で探るという段階にはないと思っております。
○藤巻健史君 時間が来ましたので、残りの質問は次回にしたいと思っております。
 ありがとうございました。
○大門実紀史君 大門でございます。
 先ほど麻生大臣が、税が高い、海外へ逃げる逃げるといっても逃げないじゃないかと、この国もいいところがあるんじゃないかと。私もそう思って、よく逃げる逃げるというんですけど、そんなに逃げていないなと思うんですよね。逃げていないけれども、日本にいながら租税回避をしようと、税の負担を逃れようという動きの方が強いんじゃないかなと思っておりまして、タックスヘイブンの問題を国際課税との関係で、法案との関係で今日は取り上げたいと思いますけれども。
 今回の改正では、今回の法案、全体は反対なんですけれども、この点はなかなか、国際課税の点は前進面があるのかなと思っております。今までどちらの国でも課税されないような、二重非課税になっているような配当について課税対象とする、あるいは富裕層の含み益がある株式を海外に持ち出して売却しようというようなことについても課税逃れを防ぐための対策を講じられたという点は評価したいというふうに思っております。
 この問題は、いずれにせよ国際協調が大変重要な問題かと思いますので、資料の一枚目に、OECDの、この委員会で何回も取り上げさせていただいてきましたけれど、OECDの租税委員会の資料を配付させていただいております。ちょっと初めて聞く方は分かりにくいと思いますので、このBEPS、これは何かということですね。参考人、主税局長で結構ですから、ちょっと分かりやすく説明してもらえますか。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 BEPSでございますが、英語ではベース・エロージョン・アンド・プロフィット・シフティングという略語でございまして、日本語では税源浸食と利益移転という訳語を付けてございます。
 意味するところでございますが、グローバル企業が国際的な取引を行う中で、各国の税制とか租税条約の隙間ないしは抜け穴があればそれを利用いたしまして、どこの国にも課税ベースを認識されないようにすると、これが税源の浸食ということでございます。税負担の低い国や地域に、経済実態のない子会社に利益を移転させるということで、これが利益移転ということでございますが、これらによりまして企業グループ全体の税負担を軽減する、言わば一種の租税回避スキームのことを指してBEPSと呼んでいるというところでございます。
○大門実紀史君 そうなんですね。日本語直訳で言うと税源浸食と利益移転と。ストレートに租税回避と言えないといいますか、一応合法的じゃないかというふうな意見もあるわけですのでそういう言い方をしているんだというふうに思いますけど。
 分かりやすいのはスターバックスの例ですかね。イギリスで三千億以上の所得を上げていたけど、結局、払ったのは何年間ですかね、払ったのはたった十一億円とか、この何年間はイギリスで一銭も払っていなかったとか、大問題になりましたけれども。
 あれは、いろんなスターバックスが手法を使って、オランダに、オランダ本社に移転したりスイスからコーヒー豆をとか、いろんなあの手この手を使って、とにかく税率の比較的高いイギリスで法人税を払わないということで大問題になって、そういうこととか、アマゾンもありましたし、あとはアップルですかね、グーグルとかアップルもあって、そういうことが問題になって、こういうOECDでも、はっきり言って租税回避を、この隙間をついた租税回避を何とかしなきゃいけないということでこのBEPSという行動計画ができて、十五項目を発表して、そのテーマが今精力的に話合いが進められているということだというふうに思います。
 この租税委員会には、議長は日本から出しているということですので、このプロジェクト、この行動計画も日本がイニシアチブを取って進めていっていただいていると思いますけれども、改めて大臣から決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは今、多国籍企業が税制の隙間を狙って、よく言われるのは、ケイマン諸島等々、法人税の安いところに利益を全部集めて、自国からそこに、売った金と買った金の差額はそこのケイマン諸島にある子会社が全部持っているというふうな形になっているというので、早い話が、いろいろ利用されている施設一切、日本が消費者だったりアメリカが消費者だったりいろいろあるんですけれども、その国で税金は全然納めないで、本国ではもちろん納めないでというような形になっておるというので、これはふざけておるじゃありませんかといって、二年ぐらい前になりますか、五月でしたけれども、バッキンガムシャーというイギリスのロンドンの郊外でG7があったときに日本からこれを振り込んで、ぼっと各国が飛び付いて、各国はうそですね、アメリカ以外は皆飛び付いて、結果的にOECDの委員長が、租税委員長は大蔵省のが行っておりますので、これは選挙で選ばれていますから、日本が指名したんじゃなくて、選挙で選ばれてそれがなっておりますので。
 それが税制をやり始めて、ほぼ二年弱でほぼ原案を作り上げるところまで来ておりますので、こういったプロジェクトの取組は結構段階的に進められてきて、昨年の九月に、その第一弾というのはもう既に報告書が公表されております。この公表されたものにおきまして、課税上の課題への対応についてOECDの勧告というのが示されておりますけれども、これを受けて日本でも、今御議論をいただいております法案でインターネット取引に消費税課税を行う改正というのを盛り込まさせていただいたということであります。
 今後、このプロジェクトは第二弾の報告書を出しますが、この九月に報告書を出すということになっておりますので、本年中に最終報告を取りまとめることとされておりますけれども、日本としてもこれはすごく大事なところなので、少なくともそれを買った国、本なら本を、紀伊国屋から買ったら千円だけどアマゾン・ドット・コムに頼むと七百円とかいうようなことになると、それは当然そっちの方で買いますから、最終的に払った日本が納めているんだから、買った国にはなる、ここに落としてくれ、金はということをきっちりしようやという話を今申し上げているところで。
 こんなに早く事が進むとは思いませんでしたけれども、各国これはかなり頭に血が上っていた話だったと思ったので、それでみんなぼっと一緒になったんだと思いますので。いきなり、あの話が終わってすぐアップルが、アメリカの上院で社長が査問されたりするような騒ぎになりましたので、あの頃から一斉に事が動き始めたかなとは思っておりますけれども、すごく不公正極まりない話だと、私はそう思っておりましたので、是非こういったことは進めていった方がいいと思っております。
○大門実紀史君 このBEPSのプロジェクトというのは大変野心的なプロジェクトだというふうに思いますから、本当に、合意するのも、今度報告があるということで、なかなか大変なところが実はあるんじゃないかと思いますし、この法的な拘束力がどこまであるのかとか、合意した上で各国が国内法あるいは租税条約と、そこまでいくのかどうかもいろいろありますから、本当に難しさがある話だし、できるだけたくさんの国が参加してくれないと実効性もないし、新興国はどっちかというと呼び込みたいからそうじゃない方向の意見を言ったりということで、難しさがいろいろあると思うんですけれども、是非日本がイニシアチブを握って頑張ってもらいたいと思います。
 この中にもありますが、三つ目の外国子会社合算税制、これはタックスヘイブンでございますけれども、これについて、今日は長いことこの問題を何回も取り上げてきた議員としてちょっと問題提起を、何がけしからぬという意味じゃなくて、これから考えていただきたいという点で幾つか問題提起をしたいと思いますが。
 なかなかややこしい制度でございまして、資料の二枚目にタックスヘイブンの概要というのがあります。この資料は、済みません、ちょっと古い、前の税制改正のときに出た資料でありますので、トリガー税率、つまりタックスヘイブン税制が発動される税率が二五のままになっていますが、これは今二〇になっていますけれども、ちょっと数字は古いんですけど、大きな概要は変わらないと思います。
 ちょっと参考人の方から、今日は時間ありますので、ゆっくりじっくり丁寧に説明していただいて結構ですので、どうぞ。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 まず、この外国子会社合算制度というものの趣旨でございますが、税負担の低い外国子会社の所得につきまして、経済実態がない場合に日本の親会社の所得とみなしてこれを合算して課税をしましょうという制度でございます。それをどういう形で把握をするかというスキームがこの資料二で示されているものでございます。
 ちょっと左から順番に御説明をさせていただきます。
 まず、この制度の対象となる企業でございますが、この資料の左側でございます。縦に点々で囲まれております居住者・内国法人等が合計五〇%超を直接及び間接に保有と書いてございますが、そういう会社、それを外国関係会社ということで定義をいたしまして、その会社を定義した上でその租税負担の割合、これが二〇%と書いていますが、これは現行は二〇%以下でございますが、その国に所在する会社をまず引っ張り出しまして特定外国子会社というふうに定義をいたします。現在、この二〇%以下のところを今回の改正では二〇%未満にお願いをすることにしておりますが、いずれにしても、こういう子会社の中から非常に税率の低いところをまず抜き出して、これを念頭に置いた制度を組み立てるというのがスタートラインでございます。
 それでは、その経済実態があるかどうかということを判定する必要が出てまいりますので、これが真ん中にございます、適用除外判定という欄がございます。特定外国子会社等に該当した企業がありました場合に、この四つの基準に全て当たるか当たらないかということを判定をするということでございます。事業基準、実体基準、管理支配基準云々とございますけれども、こういう要するに活動実態があれば、それは言わば抜け駆けをしていないということでございますので、その判定をこの基準に沿ってやるということでございます。
 その結果、全部の基準を満たしているかどうかを判定するわけですが、満たさないということになりました場合は、この上の会社単位の合算課税というところに矢印が出ておりますけれども、その場合には、その特定外国子会社の所得を内国法人の親の方の所得とみなしまして、その持分割合に応じまして会社単位で合算をするということになりまして、会社単位の課税というふうになるわけでございます。
 一方、この除外判定基準を全て満たした場合には、基本的にはセーフではございますけれども、近年の改正で、その中であっても、例えば一定の配当や債券の利子のような資産運用的な所得、いわゆるパッシブインカムと呼んでおりますが、そういうものについては内国法人の所得とみなしまして、これを合算して課税をするというような形にしておるということで、このフローチャートでは、資産性所得ありという矢印の先に資産性所得の合算課税と、こうなっているところでございます。
 以上が大きな流れでございます。
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 今日、ちょっと問題提起として申し上げたいのは、この表でいえばどの部分かといいますと、入口の特定外国子会社を支配している五〇%を超える資本を、株とかですね、資本金を出しているこの五〇%問題と、一番右側の資産性所得とは何かと。この辺が、いろいろ頑張ってこられましたけれども、まだちょっと検討の余地があるのかなと思いますので、その辺を後でちょっと質問させていただきますが。
 その前に、資料の三枚目で、今全体で、このタックスヘイブン税制でどういう深刻な状況になっているかという数字でございますけれども、この一番上の欄は、先ほどありました、この特定外国子会社を支配しているといいますか、親会社の数でございます。
 その下の、今説明していただいた適用除外の数、適用される数。適用除外の数が平成二十五年度だと四千六百一件、これはペーパーカンパニーではないと判定されたということですね。その下の適用対象の数の四千三百五十がペーパーカンパニーと判定されたと。そこが留保している課税対象留保金額が三千七百七億円と、そういうふうに見る数字であります。
 何が申し上げたいかといいますと、かなりペーパーカンパニーの数が増えてきて、課税対象留保額も増えてきていると。ここ二、三年、数字が余り大きく膨らんでいないのは、これは、先ほど、トリガー税率といってタックスヘイブンが発動される税率が二五から二〇に引き下げられましたので、その影響もあるのかなと思いますが、この二、三年は数としては伸びておりませんが、全体としてはこれだけ増えてきているということで、やっぱり大きな問題になってきているということだと思います。
 次の資料の四枚目ですけれども、これが初めて今回国税庁から出していただいた資料であります。これ何を意味する表か、国税庁からちょっと説明してください。
○政府参考人(佐川宣寿君) 委員御提出の資料四でございますが、ここにあります右から二番目の表の特定所得の金額の合計と申しますのが、今主税局長の方から説明をいたしましたいわゆる資産性所得でございますけれども、この表そのものは、平成二十五事務年度における資本金一億円以上の大規模法人のうち、右から二番目が、いわゆる資産性所得の対象金額のある法人数が右肩にありまして、五十二社でございます。その五十二社の特定所得の合計金額が四億四千二百十八万五千円ということでございます。
 それで、その一つ右、一番右でございますが、実際にそのうち課税対象となるものがこの部分課税対象金額という欄でございまして、実際に課税対象となる申告法人数は右肩の一件、一法人でございまして、その金額が三千三百四十万円ということでございます。
 したがいまして、この特定所得がある法人数と課税対象となる法人数とに差が生じているわけでございますが、その理由といたしましては、法令上の金額基準といたしまして、一つは特定外国子会社等の特定所得に係る収入金額の合計が一千万円以下である場合、あるいは特定外国子会社等の特定所得の合計額が当該特定外国子会社の税引き前所得の五%以下である場合、この二つのケースにつきましては課税対象とならないというのが理由でございます。
○大門実紀史君 先ほどの資料の二枚目の一番右側の、適用除外と判定されたと、ただし株の配当とか債券の利子とか資産性所得がある場合は、いろいろさっき言った適用除外はまだあるんですけれども、資産性所得の合算課税をするという法改正をしたにもかかわらず、租税回避の防止ということでしたにもかかわらず、課税されたのはたった一件、課税対象額三千三百四十万円ということであります。
 この数字を財務省としてはどういうふうに今捉えておられますか。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 ただいまの国税庁からの説明で、例えば申告件数が五十二件、申告金額が四億円強、そのうち課税対象が一件、三千万程度というのは、限定的という印象が率直にございます。
 この原因は一体何だろうかというふうにちょっとつらつら考えますと、一見すると数字は小さいわけですが、そもそも経済実態がないとみなされた外国子会社につきましては会社単位で合算課税をされるということなので、それ自体の資産性所得もその会社単位の合算所得の中に取り込まれているということがそもそもあるんではないかと。
 それから、今回のこの資産性所得の課税のところの対象というのは、外国子会社の、本業については経済実態があるわけですが、本業以外の活動から生じる所得が別途あるというようなことなので、全体としては例外的なケースというようなこともあるのかもしれないなというふうに印象は持っております。
 したがいまして、限定的であるという感じではありますが、そういう制度的なことも背景にあるということであれば、まずは制度的な対応をすぐにするということにならないかもしれませんが、一方でBEPSのプロジェクトでいろんな議論をしておりますので、このような辺りも問題意識を持ちながら、どういう形でしっかりとした対応をすべきかというところにもちょっと問題意識としては持っておきたいというふうに思っております。
○大門実紀史君 先ほど言われた、適用除外の条件を満たさない方でというのはちょっといろいろ議論があるんですけれども、専門的になり過ぎるので今日は時間の関係でやめますけれども、いずれにせよ分からないですよね、なぜこうなるのか。
 私は、これ去年の四月に、この資産性所得の、資料五枚目にありますけれども、中身がちょっと狭いんじゃないかと、これだけが資産性所得にするには狭いんじゃないかという指摘もさせていただいたところであります。例えば、もうちょっと広い意味での知的財産なんかも入れるべきじゃないかと質問させていただきましたけれども、いずれにしても、ちょっと今はまだ分からないところあると思うので、そういうことも含めて、今おっしゃったように、なぜたった一件なのかということは調べていただきたいなと思います。
 資料の六枚目が、これが国ごとに見た今の状況でありまして、例えば、よく名前が挙がるのがケイマン諸島ですけれども、ここは特定外国子会社とされるところが四百八十八ありますけれども、適用除外の件数は二つだけと。つまり、ほとんどペーパーカンパニーということを示しているわけであります。
 これ全体の数字で、これだけ見るとかなり今は大分把握されるようになった、タックスヘイブン税制で引っかけられるようになったと見えるんですけれども、ちょっとそもそも、ここに出てくるのは、先ほどの資料の二枚目の流れからいきますと、申告義務のある対象に限られていると。つまり、さっきの表でいきますと、最初の入口の、五〇%以上を日本にいる会社とかが持っている子会社である、五〇%以上を持っている外国の子会社ということが最初にあるわけですけれども、この特定外国子会社の範囲が妥当なのかどうかということは、もうそもそも論ですけれどもあるわけですね。
 最近もいろんな本が出ていますけれども、例えばタックスヘイブンに会社をつくる本とか、まあ脱税指南と言ったらちょっとかわいそうかも分かりませんけれども、いかに税を逃れるかというようなこういう本がいっぱい出ているんですよね。その中の一つの指標が、この五〇%を超えると特定外国子会社になってしまうので、日本に住んでいる人の資本金の出資の割合、株の持っている割合を五〇%を超えないようにすると。四九%とか四八%にすればそもそもこの特定外国子会社じゃないのでタックスヘイブンの対象にならないというような、こういう租税回避の指南書まで出ているわけなんですけれども、ちょっと確認ですけれども、そういうことでいいんでしょうか。
○政府参考人(佐藤慎一君) 御指摘のとおりでございます。
○大門実紀史君 じゃ、何で五〇%にしたのかというと、最初の趣旨にあったとおり、その子会社に対する支配力を表すと。
 しかし、考えてみますと、その子会社に対して日本の会社が例えば四八%株を持っている、残りはちょっと分散して誰かが持っていると、一番支配力を持っているのは日本の親会社になるわけですね。その場合だったらば、そもそもこのタックスヘイブンの対象外になると。
 やっぱり矛盾があるといいますか、そういうことは幾らでも使われそうだし、使っているのかも分からないと、その抜け道をですね。その辺はいかが把握されていますか。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 先生おっしゃいますように、この制度は、入口の段階で五〇%超という形で捕まえておりますけれども、これはまさに、御指摘ございましたように、日本の法人が当該外国法人を排他的に支配をするということをイメージをすると、一つの割り切りとして五〇%超というのはあり得るだろうということで制度設計をしておりますし、ほかの主要国におきましてもほぼ原則五〇%ということもございます。したがいまして、それ自体としてはそれなりの意味があるかなと思っておりますが、ただ、おっしゃいましたように、こういうものは制度の言わばいろいろイタチごっこという面もございますので、どういうふうに物事を考えるべきかということはまだ議論としては残っているというふうに思っております。
 この点も含めて、例のOECDのBEPSプロジェクトでも、そうした支配要件を含めましたところで、できるだけ国際的に調和をした議論で答えを出していくという流れになっておりますので、問題意識を持って臨んでいきたいというふうに思っております。
○大門実紀史君 これも本当に国際協調で考えなきゃならないし、アメリカはちょっと違うやり方をやったりしていますのでありますけど、やっぱり五〇%というのはもう既に相当抜け道で使っているところはあるんじゃないかと思いますので、引き続き研究してほしいなと思います。
 もう一つ、今回の税制改正でタックスヘイブン対策税制の課税対象の範囲を、簡単に言えばトリガー税率を二〇%以下から二〇%未満にされましたけれども、その理由はどういうことでしょうか。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 先ほどの冒頭、先生からお示しされました表の中にトリガー税率二〇%と書いているところがございますが、そこの税率を、今回二〇%未満ということで低税率に要件を見直すことを御審議賜っているということでございます。
 要するに、この二〇%未満にいたしました理由を御説明せよということでございますが、実際には、このOECDプロジェクトで、今回の先ほどの支配基準もございますし、経済実態の判定基準の見直しなど進んでおるという状態でございますが、その中にあって特殊な状況が起こっておるということが一つのきっかけでございます。
 それは、英国のロイズ市場で活動いたします日本の損害保険会社に対しまして、英国の法制上の義務に沿って保険業務を二つの法人に分けるということになっておりまして、そうしますと、本来は経済実態のある事業活動を行っているにもかかわらず、各法人単位で見れば実態がないと判定されることも十分懸念されるわけでございます。これは、潜在的にそういう状況にございましたけれども、たまたまイギリスが法人税率を現行の二一%から二〇%に下げるというようなこともございまして、この問題が顕在化するというようなことが生じたというのも事実としてございます。
 こうした会社が今までは長きにわたって英国の市場で経済実態を伴う形で事業展開をしてきたわけですが、こうした環境の変化から、我が国の税制、適用されてしまいますと事業の実態と乖離した結果が生じかねないということで、それに対して何らかの対応が要るであろうというふうに考えたところでございます。もとより、この話を部分的にいじるというのもいかがかというのもございます。
 ただ、OECDプロジェクトにおきましてしっかりとした議論をしていくということはございますが、やはり急を要するという点もございますので、まずは制度をやみくもに複雑にすることのないようにということで、このトリガーのところの税率を二〇%以下から二〇%未満ということに変更するということで取りまとめ、今御提案しているところでございます。
○大門実紀史君 新聞記事とイギリスのロイズマーケットの資料を、仕組みを付けてきましたけれども、事情は分かりますが、これそのものをもう少し本当は考えられるべきかなと思いますけれども、この機会に保険所得について。
 先ほどの資産性所得の範囲が狭いんじゃないかという議論とも通じるんですけれども、保険会社等の保険所得について、きちっとそもそも考える必要があるんじゃないかと思うんですけれども、簡単に言いますと、やっぱり保険所得というのは割と、何といいますか、付け替えがしやすい、どこかに移しやすい、そういう種類の所得でありますので、アメリカなんかは、いろんな事例、事件があったものですから、この保険所得については資産性所得に含めるというようなことをやっておりますけれども。私なんかは、やっぱりアメリカは、もちろんちょっと税金を掛ける仕組みが、所得の捉え方が違うとはいえど、保険所得というのはやっぱり付け替えられやすいと、足が速いというようなことから、原則として合算課税の対象にした上でいろいろ考えるというふうになっていると思うんですね。
 ですから、この保険所得は、別にアメリカのまねをするという意味じゃなくて、保険所得の性質を考えますと、アメリカと同じように原則として合算課税の対象と、資産性所得にする方が合理的ではないかというふうに、たまたまこの保険会社の二〇%未満の問題を見て考えたんですけれども、その辺いかがでしょうかね。
○政府参考人(佐藤慎一君) 御指摘のとおり、この保険所得の扱いというものは一つの重要な課題だというふうに思っております。
 アメリカの取扱いは先生から御指摘あったとおりでございますが、日本の場合、この図で御覧いただきますと、保険業につきましては、この表の四のところに非関連者基準というのがございますけれども、外国子会社の受け取ります保険料収入の五〇%超が関連者、すなわち親会社からの収入である場合には外国子会社に経済実態がないとみなすといったような取扱いになっているというようなことでございます。結局、そういう場合であれば、グループ内に自由に所得が移転ができるということへの対応ということでございます。この辺り、やはり問題意識としてはなお詰める必要があると思っています。
 何度も繰り返しますが、まさにBEPSプロジェクトが詰めの段階へ入っておりますので、こういう辺りも問題提起しながら、できるだけハーモナイズされた制度になるようにという方向で検討、研究していきたいというふうに思っております。
○大門実紀史君 もう問題点の指摘は以上でございます。今日は、特にその五〇%問題と資産性所得の部分ですね、保険所得どう思うか、どう捉えるかということを指摘させていただきました。
 改めてですけれども、今日の指摘させていただいたことも含めて、麻生大臣に、このペーパーカンパニー問題、どういうふうに、さっきと同じあれかも分かりませんが、最後に御感想を聞いて、質問を終わりたいと思いますが。
○国務大臣(麻生太郎君) この外国の子会社をうまいこと使った租税回避行為というのを含めて、これは、多国籍企業と言われる企業の節税という名の税負担の軽減に対して、これは一国じゃ駄目です、これはもう各国で協調しない限りはこの種のことはできないと思っております。
 したがいまして、OECDの租税委員会におきます、先ほどから言われておる税源浸食と利益移転のこのプロジェクトにつきましても、これまで私どもが言い始めて、これG7、G20等々でこれをリードしてきたところだし、OECDでもそうなんですが、いずれにしても、これ対抗するために、外国子会社合算税制につきましては、今年の九月にBEPSのプロジェクトにおける検討を踏まえた報告書が、二回目の報告書がこの九月に出されることになっておりますので、その取りまとめに向かって今引き続き努力というか議論をしっかり主導していかないかぬと思っております。
 いずれにしても、この外国子会社合算税制の在り方についても、これはまだ詰めないかぬところがいっぱいありますし、我々の知らないところもいっぱいあるんだと思いますので、引き続き、検討というか詰めていきたいと思っております。
○大門実紀史君 とにかく今、国際協調の機運が非常に高まっているときですので、チャンスでありますので、是非イニシアチブを取って頑張っていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
○中山恭子君 次世代の党、中山恭子でございます。
 まず、財務局、税関、国税職員の定員の確保等についてお尋ねいたします。
 財務省の職員、全国各地で日々その職務に真面目に励んでいることと信じております。税関の職員につきましては、覚醒剤、危険ドラッグ、銃器などの社会悪物品等の国内持込みを水際で阻止し、国民の安心、安全を守ることについて理解を得られたということで、おかげさまで増員が認められました。今後も社会悪物品の取締りに鋭意取り組んでほしいと考えております。
 しかし、午前中の会議で、尾立委員から国税庁職員につきましては質問がありました。定員減の状況が続いております。私からは、特に財務局の職員についてお願いをしたいと思っております。
 財務局はほとんど目立たない存在で、附帯決議の対象にもなっていません。先日、埼玉県の視察をいたしました際、案内役や金融機関からのヒアリングのしつらえに当たっていたのが関東財務局でございます。地方の経済金融情勢の調査や国有地の管理等を担っております。
 日銀の支店長会議はテレビでも放映され、よく知られておりますのに、全国財務局長会議は余り知られておりません。ただ、そこで報告される地方の経済状況につきましては、地域の財務局、財務事務所が、地方の金融機関はもちろんですが、中小企業からのヒアリングも入れて非常に幅広く具体的な情報を取っており、財務省の政策判断の基礎を成していると考えております。
 私自身が四国財務局長を務めておりましたのがもう二十年以上も前のことでございますが、今も同じ形が取られていると思っております。当時でも、各局長からの報告もいろいろ特徴がございまして、特に近畿財務局から上がってくる生のヒアリングの情報は、景気が回復してきたかどうかというようなときに、各局よりも一番遅い、いやいや、まだまだだというような反応があって、そういった特徴も見ながら財務省では全国の経済情勢の状況判断をなさっているはずだと考えております。
 財務局の職員も、税関、国税と同じく、地域のために一生懸命働いておりますので、職員の定員の確保、それから処遇の改善についてどこからもサポートというのがほとんどないかと思いますが、是非御配慮いただきたいと思っております。
 さらにもう一点、国家公務員の場合には、ほぼ二、三年で、短期間で全国を移転しながら仕事を進めております。その都度借家を探して、着任早々自分の住まいを探す。一週間ほどでも余裕を与えてくれればいいんですが、もう着任したその日から仕事が始まるという中で、その合間を縫って自らの住む場所を探し歩くというような状況が各地に見られます。
 そういった中で、やはり職員、それから家族が安心して生活できるためには、私自身は、公務員宿舎というものは、国家公務員を全国で各地に転勤させながら使うのであれば、自宅についての準備なども全くできない状況でございますから、国家公務員宿舎というものは必須の条件であると考えております。
 そのような観点から、職員数、定員や処遇の改善に併せて、公務員宿舎を管理する財務大臣としても、その点についてもお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 二つと存じますが、まず、財務省の財務局の話ですけれども、これは、もう最近、金融商品の取引業者等々がやたら増加してみたり、国有財産の有効活用の要請ですかね、そのほかいろいろあろうと思いますし、また税関においても、訪日外国人の数も増加しておりますし輸入物の絶対量も増えておりますので、そういった意味ではいろいろ人が足らぬ。
 また、国税庁におきましても、経済取引が国際化してみたり、ICT化によって徴収事務がえらく複雑化しておる等々のことがあるという現状というのは、これはよくよく配慮しておかないかぬところなので、二十七年度の予算案におきましては、国家公務員全体で大幅な定員削減で千九十三人マイナスということにしておりますが、財務省につきましては、その重要性を踏まえまして純減幅を十三人にとどめるなど、結構それなりに配慮を行っているつもりであります。いずれにいたしましても、職員がしっかり職務を果たせるような環境にある程度の絶対数が必要なところははっきりしておりますので、考えねばいかぬと思っております。
 国家公務員の宿舎の話ですけれども、これは間違いなく、あしたからいきなり、特に税務署長なんかになりますといきなり翌日転勤ですから、それはとてもじゃないということになりますので、そういった意味で、宿舎の戸数というのは、これは平成二十三年の十二月から五年をめどに二十一万八千戸から五万六千戸減らすという削減を行うことにこれはしておられるようなので、こういったようなことでありますけれども。
 そうした中でやっぱり、いわゆる国税庁というか税務署の国税の職員なんというのは、これは転勤に伴って転居する頻度がやたら高いんですけれども、こういうことはやっぱり、これは検事さんというのも似たようなことでえらく頻度が多いんだそうですけれども、必要な宿舎の確保ということにつきましては、これは今後とも十分に検討しておかねばならない課題だと思っております。
○中山恭子君 どうぞ状況を御判断くださって、御配慮いただきたいと思っております。
 今回、非常に私的な、何というんでしょう、数字の扱いになろうかと思いますけれども、一般会計歳出の構成につきましてお伺いしたいと思っております。おさらいのようなことで恐縮でございます。
 本来ですと、財務省から予算委員会で皆様に配付されているこの円グラフを今日お配りすればよかったんですが、できておりませんで、口頭で数字だけ申し上げますが。
 歳出総額九十六兆三千四百二十億円で、国債費が二十三兆四千五百七億円、二四・三%、ほぼ四分の一を占めております。したがって、基礎的財政収支対象経費は七十二兆八千九百十二億円、七五・七%でございます。この基礎的財政収支対象経費を見ますと、地方交付税交付金が十五兆五千三百五十七億円で、基礎的財政収支経費の二一・三%を占めております。これを除きましたいわゆる一般歳出は五十七兆三千五百五十五億円となりまして、これが言わば政府の活動経費と言ってよろしいかと思います。この約五十七兆円の一般歳出の中で社会保障関係費が三十一兆五千二百九十七億円、一般歳出における社会保障経費の割合は半分以上でございまして、五五%を占めております。また、この社会保障経費は毎年増加するということが見込まれております。
 そういったものを全て引いていきますと、政府が、呼び名が決まっていないかもしれませんが、裁量しながら政策遂行するために使う政策経費と言っていいでしょうか、それはその残りの二十五兆八千二百五十八億円しかありません。一般歳出のほぼ四分の一でございます。地方交付税、社会保障費を基礎的財政収支から除いた額でございます。現在の日本の財政は四分の三が義務的経費で占められておりまして、文教費、防衛費、科学振興費、公共事業費などその時々の政策を遂行するための経費は約二十五兆円、一般会計歳出のほぼ四分の一でございます。もっと広げた形で、基礎的財政収支対象経費で見てもほぼ三分の一しかありません。新たな施策やその時々に必要な政策を遂行するということは非常に困難な状況になっております。
 この状況を財務大臣はいかがお考えでいらっしゃいますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今の円グラフの示されておりますとおりでして、いわゆる一般会計の歳出総額に占める、九十六兆円のうち、社会保障、国債費、それと地方交付税等々三つの経費を合計いたしますと約七十一兆ということになるんだと思いますが、簡単に言えば約七割以上を占めておるということになろうかと存じます。
 また、赤字公債の発行から一時脱却することができましたのは平成二年度でしたか、それから平成二十七年度末と比較して国債残高のいわゆる増加要因というものを分析いたしますと、歳出面での増加要因の多くは、もうこれは社会保障費の二百三十兆と地方交付税交付金の八十一兆で、これも説明できると思っております。
 こうした状況というのは、社会保障以外の政策経費について自由度が失われてきておるということはもうはっきりしておりますので、社会保障、それから地域の行政サービス等々を享受する現世代が将来世代に先送りをする度合いというのが高まっているということを意味しておると思いますので、こうした状況をできるだけ早く解消するということは、これはもう経済再生と財政再建というものをしっかり取り組んでいくという、これ以外にないんであって、そんなに今日明日と簡単にできる話じゃなくて、これまでかなりの時間を掛けてここまでずっと悪くなってきていますので、これ、きちっと時間を掛けて少しずつみんなでこの部分を解消していかないかぬものなんだと思っております。
○中山恭子君 おっしゃるとおりだと思います。
 少し歴史的といいましょうか、平成元年からの数字を追ってみますと、平成二十七年度予算案と平成元年度の、決算がいいと思いますが、決算とを比較してみますと、総額で五十三兆円です、平成元年のときがですね。基礎的財政収支対象経費の総額が五十三兆円。で、今は七十二兆円でございますから、約十九兆円の増となっております。総額は増えている。
 社会保障関係費を見てみますと、平成元年のときには、これは約十二兆円でございました。それが来年度予算案では三十一兆円、十九兆円の増加でございます。ということは、基礎的財政収支対象経費総額の増額分というのは全て社会保障費であるということが言えると思っております。さらに、地方交付税交付金等は僅かな増加、〇・〇四%の増加でございます。したがって、基礎的財政収支対象経費から社会保障費と地方交付税交付金を除いた自由度のある政策的経費は、平成元年が二十六兆四千五百十二億円、二十七年度は二十五兆八千二百五十八億円ですので、平成元年の決算よりも少ないという状況になっております。非常に憂慮すべき状況であると考えております。
 ちなみに、政策的経費が最も大きかったのは平成十年度、一九九八年度の三十六兆七千三百三億円。このときと比較しますと、来年度予算の政策的経費がいかに小さなものであるかということを実感できるかと思います。経済社会情勢などに的確に対応しなければいけません予算が、その裁量枠が著しく制約されていて、昨今の行政需要に的確に対応できない状況となっているのではないかと心配しております。
 このように見てまいりますと、二十七年度を見ますと、これに歳入を併せて見ますと、歳入の、もちろん消費税の増税、増額は全て社会保障費に使うというようなことですから、考え方はそれが非常に大切なことだと思いますが、数字だけ比較してみますと、二十七年度を見ますと、特例公債が約三十一兆円で、社会保障費が三十一兆円ですので、特例公債費がほぼ賄っている。それから、建設国債が約六兆円、公共事業費が五兆九千七百十一億円、建設国債が公共事業費を賄っていると。租税及び印紙収入、いわゆる税収は利払い費の十兆円。それから地方交付税交付金の約十五兆円、これで二十五兆円、残りの二十五兆円の政策的経費を賄っているという状況になっております。
 この財政健全化を考えますと、今後やはり増加が見込まれる社会保障関係費をどのように扱っていったらいいのか、その方針を出すことが喫緊の課題であろうかと思っております。非常に困難な問題かとは思いますが、例えば、政府は、社会保障費は制度改革を含めて歳出歳入両面の取組によって財源を確保することを検討するとしておりますが、社会保障制度の抜本的な変革、改革を含めて調査検討し、改革していく必要があろうかと思っております。
 既にそういった調査検討は開始されていることとは思いますけれども、この点について財務大臣はいかがお考えでいらっしゃいますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほども御答弁申し上げましたように、この一般会計の予算を見ますと、今言われましたように、九十六兆円の総額のうち社会保障関係費が約三〇%、約三十一兆円ということになります。歳入面でも全体の三分の一以上を国債ということに依存しておりますので、赤字国債を通じて将来世代に負担を先送りしているという構造は、もうこれはかなり明確に、これ数字がたまたまきちんと合っておるということにもなろうかと思います。したがって、社会保障制度を、これを受益と負担の均衡の取れた制度というものに改革していかなければ、これは制度自体が成り立たないということになるんだと、いわゆる国民皆保険等々を含めまして。
 したがって、これまで安倍内閣になって三年間の予算編成におきましては、いわゆる生活保護の見直し、これ平成二十五年度予算で生活扶助基準本体を二十五年の八月から二十七年度にかけまして約マイナス六・五%、それから診療報酬改定、これも平成二十六年度の予算で薬価の改定をさせていただいて、これが一・三六%下げ、平成二十七年度の予算で介護報酬改定をさせていただきまして、処遇改善等々を行いつつ、全体としては二・二七%削減ということを実施する中で、社会保障等々を見直すという歳出の重点化、効率化を進めてきたところでもあります。こうした取組がありまして、おかげさまで平成二十七年度の予算では、二〇一五年度の基礎的財政収支赤字半減目標を達成する予算とすることができたと思っております。
 しかし、問題は、これで税収も伸びました。この三年間の間に消費税で六兆円、その他法人税、所得税等々で六兆円ぐらい伸びておりますから、全体で十二兆円伸びているという計算になりますけれども、それでも、このままの伸びが行っても、内閣府の試算で九・四兆円の赤字が五年後になっておりますので、そういった意味では、この財政健全化計画というのをやる、きちっとゼロにして、さらにその後は、これは金利を外した分だけの話ですから、基礎的財政収支というのは、金利を含みましたものまで含めて漸減をさせていくということになるのであります。
 更なる収入の増と歳出の減という両方をやっていかねばならぬということになるんだと思いますけれども、徹底的な重点化、効率化というのは、これは本当に、中山先生おっしゃるように、これは物すごく地味な作業ですけれども、これはきちんと手間暇掛けて、決して好かれない作業だと思いますけれども、これはきっちり耐えてやってもらわなきゃしようがないんだと思って、そこのところは私どもも覚悟して掛からないかぬものだと思っております。
○中山恭子君 ありがとうございます。
 非常に困難な問題が生じてくるかもしれませんけれども、でも、どこかできちんとした対応を図っていく、考え方をまとめていくということも、またそれを多くの人々に理解してもらうという努力もしないといけないんだろうと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 もう一点、文化財の保護に関する質問でございます。
 今日、このような資料を配付しております。もう一目瞭然でございますけれども、日本の美術館、世界的に見て展示面積、職員数、収蔵品数、いずれの面でも西欧諸国等、もう中国、韓国などに比べましても非常に見劣りのするものでございます。また、世界的に通用する質の高い作品というのが乏しいという指摘が多く聞かれます。
 日本の文化政策の一環として、美術館、博物館等の充実を図る必要があると感じております。例えば展示物の購入予算を拡大するということも必要だと思いますし、それに加えて、美術館等が展示物を収集しやすいような環境整備も必要であろうと考えております。
 例えば税制の面から見ましてもいろんな手当てをする必要があろうかと思います。フランスやイタリアにおきましては、一般消費者が作家から直接美術作品を購入する場合に付加価値税が軽減されていたり、美術作品の取扱いというものが、取引が非課税となっているなど、諸外国においては、作家を育成し、美術の振興を図るため、税制上の優遇措置がとられております。
 現在、日本では、重要文化財等の譲渡所得の、それを国に譲渡する場合には非課税等の特例がございますけれども、極めて限定されたものでございます。例えば、購入者が国、地方公共団体、国立美術館に限られるとか、対象となる美術品が重要文化財等に限定されるというのが今の税制でございます。
 日本を文化国家としていくためには、世界中の美術品が集まってくるような、そういった政策が必要です。一つには、文化財保護の観点から優遇措置の対象となる文化財等の範囲を大幅に広げる、拡大すること。二つ目には、譲渡先というものが、国、地方公共団体だけではなくて、ある程度公的な要素を持っている民間の美術館等でも買い上げるときに非課税の対象となるといった、公共団体というか買手側の範囲を広げるというようなことが必要になってくると思いますが、こういったことに関して大臣のお考えをお伺いいたします。
   〔委員長退席、理事若林健太君着席〕
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のように、間違いなく、美術品に与えられております現行の非課税制度というのは、これは適用されるものの対象を文化財保護法の中に与えられております国宝とか重要文化財だけということに限っておるんですが。
 これ先生、難しいのは、美術品の場合は何が美術かという定義が難しいんでして、特に最近のモダンアートなんというのになってくると、タイヤが半分だけ切ってあって、これ二億だなんて言われたって、誰が金払うんだと思って見ましたよ、私は正直なことを言いますけれども。案内してくれた人が一生懸命しゃべっていたので、黙って分かったような顔をして聞いていましたけど、全然理解ができませんでした。でも、あれ二億と言われても、俺のうちならタイヤなんか幾らでもあるけどなと思って見ましたけれども。そういったことにいきませんので、これを広げるとした場合には、何をもってというところが一番面倒くさいところなんだと思っておりますが。
 いずれにいたしましても、文化財の保護というのは、これは日本の場合は文化の歴史というのがやっぱり、そうですね、一つの天皇制を抱いて一千五百何十年の歴史を持って、世界最古の日本書紀とかいう外交文書を持ち、古事記なんというちゃんと日本語の和文のものを持って一千四百年やってきている国なんというのはございませんから。
 逆に言えば、もうあふれるほどありますものですから、余りよく値打ちが分かっておられぬ方もいっぱいいらっしゃるんだと思いますので、だから結果として、浮世絵なんというものは日本じゃ全く対象外だったわけですよね。それが、ゴッホが描いていきなりばあんと返ってきたりなんかしますので、そういったものを含めて、なかなかきちんとこういったようなものに対する理解がない。外国から評価されて、おお、すごいんだとかいうようなレベルの話なので、もっと自信持って、これは俺の文化だからということが言えるか言えないかというのは大事なことなんだと思っているんですけれども。
   〔理事若林健太君退席、委員長着席〕
 いずれにしても、なかなかこれは時代もございまして、これはやらないかぬところだと私ども思うんですが、そのうち漫画だって立派な美術品になりまして、五年前に言ったときは、もう民主党からぼろかす言われて、鳩山さんからは国立漫画喫茶とか言われて、ぼろのちょんに言われましたけど、今頃になってあれやっておけばよかったななんて言われる話ですから、たった五年でもそれぐらい違う話ですから、なかなかこれは難しいんですけれども。あの高山寺の鳥獣戯画なんというのは、あれは立派な漫画ですから。鳥獣戯画なんというものが、あの頃あれが描けたというのはすごいと思いますよという話をしても、へえと、大体それで終わりです、もうそれ以上話が進みませんから。
 そういったようなものを理解してもらえぬのは、余りにも文化がすぐそばに、世界がおおというようなものが身近に置いてあるところだと思いますし、かつ、日本の場合、それを飾らないで使っていますから。少なくとも、京都の祇園祭のあの掛かっているあれは全部国宝ですよね、あれ。それを年に一遍みんなの前で、何千万の人の前で堂々と、あの炎天下、白昼にさらして、ちょっと普通じゃ考えられないようなことを何百年にわたってやっておるという国なものですから。
 こういったものに関するものに関しては、もうちょっときちっとした定義を作り上げぬといかぬのかなと、ちょっと前に文化庁のあれをやらされたときにそんな感じがしておりますので、これ、ちょっともう少し、簡単にはいかぬ話だと思いますから、時間掛けて対応していかないかぬ問題だと思っております。
○中山恭子君 麻生大臣ですと話がすぐ通じますので、大変有り難い大臣でいらっしゃいます。是非、時間掛かるかもしれませんが、日本が本当に豊かな文化の国であるということ、日本に生まれたことを非常にうれしいことと思いますし、でも、ほっておいたら消えてしまう、又は海外にどんどん出ていってしまう、日本に残らない。これまでも多くありましたけれども、そういう状況でございますので、いかにこの日本が持っている豊かな文化をきちんとした形で維持できるか、税制を含めてお考えいただけたらと思っております。
 アニメなども、本当に消えてしまう可能性が、海外の人がこれはすごいと思ったら買ってしまいますし、また、相続で売らなければいけないときも課税されるということで、売って、また相続税を払うという非常に厄介な形になっておりますが、これも、美術館等背後を広げて、そこで買い取ってもらえるのであれば蓄積ができてくるだろうと思っております。どうぞ、くれぐれもお考えをいただけますようにお願い申し上げます。
 もう一点、それでは贈与税について、今日は贈与税とか出国時のキャピタルゲインの税とかいろいろ非常に興味深いものがありますんですが、一点、贈与税について、これまでにもテーマで出てはおりましたけれども、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置を創設するというお話があります。
 今回の改正では、住宅取得等資金の贈与税の非課税制度、それから教育資金の一括贈与の非課税制度に加えて、結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置を創設するということで、大変結構なことであると考えております。
 ただ、この措置の目的が、高齢者から若年者への資産の移転促進を図ってそこで使ってもらうということが目的であるとすれば、私自身は、この適用対象の範囲とかその使途の要件というのが余りにも厳しく厄介な形になっていると思えます。この要件を緩めて利用しやすい制度にすべきであると考えております。
 例えば、直系尊属からの贈与に限定していますけれども、場合によっては直系尊属以外の若い人に渡して使ってもらうということでもいいはずだと思っております。それから、贈与を受ける若年層の消費拡大というのを重視するのであれば、その資金の使途は、受けた人、先ほど貯蓄に回るかもしれないというお話でしたけれども、そこは貯蓄じゃなくて消費しましょうと、賃金アップを大臣始め皆様がいろいろ努力なされたように、やはり理解を得るという形で消費に回すように運んでいくべきであって、領収書を持って信託銀行から下ろすとか、そういう煩雑な手続はもう全てなくして、受けた若者を信頼して、もう自由に使いなさいと渡していく方がよほど目的にかなうと考えております。
 高齢者から若年層への資産の移転が拡大して、若年層の夢の実現がかなう、消費拡大、景気対策にもつながると考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) お尋ねのあっておりますこの贈与税の非課税措置というのは、今、少子化対策とか人材育成とかいった政策効果とか、高齢者という人の贈与とか相続税というのは、受け取る人がまた高齢者というのじゃもう全然、九十歳が六十歳に渡したって使いようがありませんから、またたまっていくという話ですから。
 御存じのように、個人金融資産というのは一千六百九十兆円というもう巨大なものになって、今、アメリカに次いで二番ぐらいですかね、多分それぐらいになっていると思いますので。それがまた更にたまっていっても意味がないので、とにかくというので、今のデフレ脱却ということが一番のプライオリティーに置いておりますので、その意味においては、それを使ういわゆる消費性向が高い世代にというのでこれを考えてきたんですけれども。
 教育とかいろんなものに最初に限定し、次に結婚とかいうところやら家とかいろいろなことを考えたんですけれども、今言われましたように、これを、枠をもっと広げちゃうと、何だか、もらった人とか贈与された人がまたそれを自分で今度また貯金するとかいうことになったら下ろす意味がありませんし、だから目的をしっかりしてもらうというところまでなんだと思っておるのが一点。
 もう一つは、直系親族、子孫以外のところにという話も、贈与というのは別に子供がない人は誰に贈与したってという話は、これは十分にあり得る話なんだと思いますけれども、なかなかそういった例というのは余りないような感じもいたしますので、いずれにしても、一般的な事例としてはちょっと難しいところなんだと思いますが、特例の措置の対象とすべきかというところにつきましてはちょっと検討させていただきます、これは。
○中山恭子君 税を担当する側からいいますと、やはり心配で、きちんとした領収書がないと駄目とかいうことになるのが当然だと思いますけれども、目的さえしっかりしていれば、特に日本の場合には、その受け取った人を信頼して、もう煩雑な手続は要らないという、使いましょうということで進める方が、済みません、税の方は猛烈な反対が出るかもしれませんが、大臣側、大臣のところから少し、もっと緩めていただけたら有り難いことだと思っております。
 それから、先ほど、美術品を買う、美術館がですね、これも目利きの問題かもしれませんけれども、アニメはもちろん、現代アート、赤い円の現代アートとかあらゆるものの目利きは、それぞれの美術館に学芸員がおりますので、その学芸員を信頼する、又はもっと育成して、それぞれの美術館の特徴を生かすような形で、購入の物件、何を購入するかはもう任せていいことであろうと考えておりますので、その辺りも緩める形で動いていただけたらと考えております。
 もし御感想があればですが、御感想を伺って質問を終わります。
○国務大臣(麻生太郎君) 鳥取県いないですかね。鳥取県のところに、田んぼの真っただ中に美術館が一本ぼんと建っているのを知っている人いないか。(発言する者あり)足立美術館。足立美術館というのがございまして、この足立さんという人は横山大観という画家と仲良かったんだけど、仲良かった唯一最大の理由は、足立さんは、横山大観が糖尿病でもう酒を一滴も飲ませてもらえないというと、あの人は大磯のじいさんのところにふらっと入ってきて、ちょっとここから見た富士山の絵を描かせろとか、足立さんのところに行っても何とかと言う。単なる普通の人が見たらアル中にしか見えないようなおじいさんでしたよ、私の子供の記憶ですけれども。
 しかし、このときにこの人は、足立さんのところに泊まって、毎日酒しか飲まない、飯もほとんど食べられませんでしたから。もう酒だけ飲んでずっと絵を描いている方だったんですけど、描いた絵は全部そこに置いて行っちゃうわけです。足立さんはそれを全部集めて美術館にしたわけですね。
 私に言わせたら、あれ多分何十億、何十じゃないですね、百億超えていると思いますけれども、額のものですけど、彼が払った金は酒代だけですよ、僕に言わせたら。だけど、やっぱり目利きだったかといえば、目利きでもないんですよ、この足立さんという人は、はっきり言うけど。知らないわけじゃないから、言ったら別に本人も俺は目利きとは思っておらぬと多分言うだろうと思うぐらい知らない人ではありませんから、そうだと思うんですけれども。そういう形で美術品というのはできてくるものなんだということも確かなんです。
 全くパリのセーヌ川のほとりで本当にこじき同然だった日本人の画家に、おい、いい絵だな、十枚買ってやるから持ってこいと言って買ったやつが細川護煕のじいさんですよ。護立というじいさんがいまして、あれが護煕でしょう、護煕のおやじが護貞、その上が護立という人だったんですけど、十枚絵を描かせて、そのうち七枚国宝になったんですよ。僕に言わせたら、多分梅原に飯食わせただけですよ、この人は。ただ、この人は目利きだった、間違いなく。それは間違いなく国宝になりましたから。
 そういったようなものという、目利きがいるということも確かなんだと思うんですけれども、是非、こういったようなものは何がそれになってくるかというのはよく分からないんですが、いずれにしても、今の時代にもう価値が付いているようなものも、これ何となく景気が悪くなってくると海外に出ていっちゃったりなんかしますし、中国から、ごちゃごちゃした清の終わりのときから、明のものとか宋のものとか、もちろん清のものもいっぱい日本に来ていますので、もうイギリスなんかも売るほど大英博物館の中に眠っていますけれども、ああいったようなものというのは、やっぱりもう価値のあるものをまたということになりますと、これは間違いなくお金が掛かる話になりますので、そういったものは国立博物館に売ってくれたら、一億のものでも、一億で売れば税金は五千万だけど、国立博物館は六千万で買うと、その代わり税金なしということになったら、売る方にしてみれば千万もうかるなと考えますよ、多分、と思うんですね。
 だから、何かそういったインセンティブがないといかぬのかなというので、これを大蔵省OBから教わるとは思いませんでしたけど、後輩にもよく言っていただいて、いろいろ検討しない限りは、こういったものは簡単に集まるわけではございませんと、そう思います。
○中山恭子君 ありがとうございました。
○中西健治君 中西健治です。
 長時間の審議、皆様お疲れさまでございます。あと残すところ二人ということでございますので、どうかよろしくお願いいたします。
 税制の質問に入る前に、前回の所信に対する質疑の積み残しなどを二、三質問させていただきたいというふうに思います。
 まず、デフレ脱却に関連して質問させていただきたいんですが、先週金曜日に公表されました日銀政策決定会合の議事要旨によりますと、財務省からの出席者も、二月十八日の決定会合で二%の物価安定目標について、従来のできるだけ早期にという文言から、経済・物価情勢を踏まえつつという文言に発言内容を変更したということであります。
 政府代表者の発言というのは二日間の政策決定会合の終了時に参考程度に述べるものではあるわけですけれども、これまでは内閣府の月例報告の文言が変わっていただけだったのが、今回は政策決定会合という場所で財務省の方がそういうふうに文言修正をしたということですので、これは、政府としても方針として二%の物価目標の達成はそんなに急ぐ必要がないということをもう決めてあって、それを公式に伝えたという位置付けだということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 足下の物価状況については、これはもう御存じのように、原油価格が今日また五十ドルを切ったりなんかしていますので、そういった意味では、当面横ばいの圏内で推移するだろうと考えております。
 このため、政府としては、平成二十七年の一月の月例経済報告で、物価目標の達成時期についてできるだけ早期にという文言は、もうあのときに落として発言をしておりますので、御指摘の今の政府委員というのは、これは宮下副大臣の発言だと思いますけど、これと整合的に表現したものだと認識をいたしております。
 これは甘利大臣も十七日の予算委員会で説明しておられますが、二%の物価目標の達成時期につきましては、当然のことながら、一定のアローアンスがある中で、経済・物価情勢を踏まえて適切なハンドリングを期待するという意味であるということを申し上げておられます。
 日銀はかねてから、消費者物価上昇率は二〇一五年度を中心とする期間に二%程度という可能性が高いと見ているものと承知しておりまして、私自身が白川総裁とサインをしたときも、大体、そんなに何月何日に何%なんという、そんなことできるわけないんだからという話をその当時、おととしの一月頃にずっとしておりましたので、記憶とも大体整合していると思っております。
 したがいまして、政府としては、日本銀行が今後とも二%の物価目標の達成に向けて大胆な金融緩和を着実に実行していってもらうということは期待しておりますけれども、基本的なスタンス、共同声明等の基本的スタンスとは基本的に変わっているところではございません。
○中西健治君 その説明も分かるんですけれども、黒田総裁、この財政金融委員会に来ていただくと、やはりもうこの二%の早期実現、全くぶれない強気な発言をずっとされているわけであります。原油価格は今日も五十ドル下げ切ったということですけど、五〇%下がっている中で、言わばちょっと孤軍奮闘的にやっているなという印象を最近は強めております。
 ですので、政府として、やはりできるだけ早期にという文言をもう一度入れていくということはお考えにならないでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、ちょっと黒田総裁と直接この話をしたことがありませんので、最近、最近というかこの一月以降、できるだけ早期にという話をさせていただいたわけじゃないんですが。
 おととしの一月にこの話をさせていただいたときに、どれくらいの目標年次にしますかねという話をして、五年は長過ぎますと言って、来年というわけには絶対にいきませんよと言って、当時はちょっと石油が五十ドル切るなんて思いもしない、百十ドルぐらいしていましたので、まあ二、三年なんという話から、大体だんだんだんだん積算していくとそんなものじゃないですかという話も後から出てきて、できるだけ早期にイコール二〇一五年プラスアルファで何か月かとか何年かという話なんじゃないんですかねというところからあの表現に、できるだけ早期にという表現をさせていただいた経緯というのは、そのときは黒田さんじゃなくて白川さんの時代だったんですけれども。
 そういったことをさせていただきましたので、今は、できるだけ早期にということは入れた方がいいということなんだと思いますけれども、何となく私どもから見ますと、おまえ二年と言ったじゃないか、二〇一五年と言ったじゃないかと、何となくおたくの党、おたくの党じゃないか、今は、ほかの党から言われそうな可能性があるので、何となく民主党から言われそうな可能性がありますので、何となくこう、というところがあるのかもしれませんけれども。
 今の段階としては、私どもとしては、できるだけ早期にという言葉だけが独り歩きされるというのを非常に恐れてはおります。
○中西健治君 分かりました。
 続きまして、金融行政に絡む話なんですけど、為替のバイナリーオプションについてちょっと質問をさせていただきたいと思います。
 二年ほど前にもこれ大変大きな問題になったかと思います。いろんな苦情相談というのが来て、この国会でも質問等がされたと思いますが、ここに来てまた苦情が増えているということなんです。去年、資料をちょっとお持ちしておりますけれども、国民生活センターに寄せられた相談件数、これ去年の夏までの数字が公表されていますが、七月、八月にかけて、非常な勢いで増えたということであります。そして十二月には、バイナリーオプション取引、海外業者とのトラブルが急増している、こんなようなことも国民生活センターの方のホームページには出たということなんです。
 これは、国内の業者はとにもかくにも少し自主規制を強めたということなわけなんですが、ここに来て増えているのは海外の無登録の業者がやっていると、この商品を提供しているということであります。この海外の無登録の業者がこうした形でやっているのを金融庁としてはどのように対応していくのか、どれだけ把握しているのか、そうしたことも含めてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 二年前でしたか、たしかバイナリーオプションにつきましてのお話がありましたけど、これは問題は、海外に所在している無登録業者が一番の問題なんですけれども、ここから勧誘が、今はもうITの発達のおかげで簡単にできますので、多発しておるということについては我々も非常に関心を持っておるところであります。無登録業者なものですから、これは対応も様々な制約やら限界があるんですが、投資者保護の観点からできるだけ対応に努めております。
 具体的には、無登録業者の存在を把握した場合は、当該業者に対して警告を発出するのは当然なんですが、その旨を金融庁のホームページに公表して広く注意喚起を行う等々、被害の拡大防止を図るということは取組として推進させております。また、インターネットの広告会社に対して、無登録業者の広告掲載を控えること、また、クレジットカード会社に対して、クレジットカードによる無登録業者への入金については、これは顧客への注意喚起を行うように協力要請するといったところを行っております。
 また、足下では、このバイナリーオプションに関する相談件数は、今言われましたように、ここのところ減少傾向だったんですけど、ざっと今これを、新しいのを見ますとこれずっと増えてきておるような感じがいたしますけれども。
 いずれにいたしましても、今後とも引き続き、投資者保護という観点から、関係機関と連携しつつきちんと対応してまいりたいと考えております。
○中西健治君 警告などは行っているということでありますけれども、資料の二枚目、これが海外業者のホームページのバイナリーオプションの広告なんです。海外業者のロゴが入っていて、これはもう今週私が見たものですので、現時点でもこうしたものが多数あるということなわけですけれども。これは比較広告を出していて、国内業者と自分の、海外業者の取引のサービスがこれだけ違うんだということを言っているわけですけれども、口座開設は数分でできますよ、クレジットカードも利用可能ですよ、取引時間も、もういつでもオーケーですよと。そして、ボーナス一〇〇%キャッシュバック、これ入金してもらったら一回目はサービスで全部ただにしますよと、こうしたようなことなんだろうと思いますけれども、こうしたものがまだたくさん横行しているということですので、やはり警告なんかではちょっと生ぬるいんじゃないかなというふうに思います。
 いたずらに射幸心をあおっているという部分もありますから、こうした無登録の海外業者によるバイナリーオプション取引については、もう賭博場開張等図利罪、こうしたものを適用するというようなことで告発する、こうしたことも必要なんじゃないでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほども申し上げたんですが、これはちょっと重大な問題と認識しておるんですけれども、いわゆる無登録、しかも海外というところが非常に対応に限界があるところなんですけれども。告発を行うということにしますと一定の実態把握を要することになるんですが、これは相手が無登録業者なもので、海外にいることも加えて実態把握を行うことが非常に難しいというのが今の実態、これはもう是非御理解いただきたいところなんですが。
 いずれにいたしましても、この無登録業者に対して警告書を発出した場合、当該情報を迅速に警察に供与するなど、引き続き関係機関との連携は密にしてまいりたいと考えております。
○中西健治君 海外業者のことを今申し上げましたけれども、そもそもこのバイナリーオプションという取引、これを金融商品として認めるべきではないんじゃないかというふうに私は思います。
 何分か後の、一定期間後の為替が円安に行くかどうか、それだけを当てるというような商品ですから、非常にばくち的なものが、というかばくちにほかならないというふうに言えるんじゃないかなと思います。
 資料の三枚目ですけれども、これ国内業者の取引画面なんです。今やろうと思ったら、すぐどなたでも一定の要件を満たせばこのバイナリーオプションの取引というのができてしまうということなわけですけれども、これは、この資料をちょっとだけ説明させていただきますと、現在の為替レートが百十九円の九十六銭ですと。右の方に円高青で、円安赤で書かれていますけれども、この百十九円九十六銭よりも、例えば円高に行っている百十九円の八十五銭、これより円高だということを予想するのであれば、これは、返ってくるお金は当たったら千円なんです、全て。それに対して払い込むお金が五十円ということであります。もっと近いところ、百十九円の九十七銭のところであれば、八百九十円を払って、当たれば千円返ってくるけれども、当たらなければ八百九十円がパアになるということであります。
 国内業者が何年か前に自主規制をしたということであるんですけれども、それまでは十分後の為替レートに対して予測をして売り買いをするというようなものだったのが、二時間に一回となったというふうに聞いていたので、少なくとも二時間は、二時間より短い期間のオプション取引ではないんだろうというふうに私は勝手に誤解をしていたんですが、最近この取引画面を見ると、実は二時間に一回だけ帳場が開かれる、開張されるということで、それまでの二時間、見ていただければ、九時十分に行われるんですけれども、その二分前、九時八分まではこの取引をすることができるんです。そうすると、当然ぎりぎりになって当てようとするわけですから、結局は二分後の為替レートについて取引をするということになります。
 二分後の為替が十銭下に行っているか上に行っているかなどというのは、通常のオプション取引で合理的な値段などというのが出せるはずがありません。ということは、合理的な価格が算出できないというようなものはやはり賭博に近いということなんじゃないかと思いますが、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) おっしゃるとおりなんだと思いますけれども、その当時から、これはギャンブルじゃないのかというお話は二年前からもうずっとあったところなんですが。
 この金融商品取引法という法律は、御存じのように、これは横断的な包括的な投資家保護というのの枠組みを整備するために幅広い規制を、金融商品の規制を対象としております。その上で、この個人向けバイナリーオプションにつきましては、これは過度に投機的につながっているんじゃないかというおそれがあることから、投機的な取引を抑制する商品設計というのを義務付けるなどの手当てを講じてきておるのがこれまでのところなんですが。
 ただ、自主規制機関におきましても、リスク商品の内容について説明をきちんとやることとか過度な取引を抑制するとか、個人向けのバイナリーオプションの健全化のための自主規制がいろいろ設けられておるんですが、今議員御指摘のように、この商品を金融商品取引法上の金融商品と認めないということにした場合、この取引に対しては金融商品取引法の適用がないということになりますから、何らの規制も掛からぬということになりますので、それが投資者保護の観点から適切かという論点もまた別の論点から考えておかないかぬ問題なんじゃないのかなと思っております。
○中西健治君 金融商品取引法上の金融商品と認めないということが野放しになってしまうということであれば、ちょっと別の規制を強める必要があるんじゃないかなというふうに思います。
 火曜日に、たしか前川委員からの商品先物に関する不招請勧誘についての質問のときに、麻生大臣は、まあ株屋さんはねと、こういうようなお話をされていたかと思います。私自身、元々株を扱っていましたから株屋みたいなものなんですけれども、その株屋から見てもこの商品はいかぬなというふうに思いますから、これは個人向けを認めていかない方向なんじゃないかなというふうに思っている次第であります。是非お考えいただきたいというふうに思います。
 それでは、ちょっと租税に関する質問をさせていただきたいと思いますが、今日も何度も出ていますが、出国時の譲渡所得課税の特例についてなんですが、論点が重ならないように幾つかちょっと質問させていただきたいと思いますけれども、これは、課税逃れを防止するという意味で必要だというのは、その趣旨は分かります。課税逃れというのは、やはり個人に対してもしっかりと厳しく取り扱っていかなきゃいけないということだろうと思うんですが。
 これ、課税の要件が出国ということになっています。キャピタルゲイン非課税国への居住じゃなくて、どこの国に行くにしても出国の際には、これは一億円以上ですか、の有価証券を持っている場合には課税されるということになります。これは幾ら何といったってちょっと広過ぎるんじゃないかと。アメリカに行くときにも、アメリカでグリーンカードを取得してアメリカに行きますよ、移住しますよ、住民票を移しますよというようなときにもこれ掛かっちゃうんですね。
 意図されているのは、キャピタルゲイン課税がされていないところ、香港だとかそうしたところを意図されているんだと思うんですが、ただ、これは出国ということで広く取っていますから、これは狭める必要があるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 今回のこの特例でございます。先ほど先生から御指摘ございましたように、まさに課税逃れを防ぐということが最大の目的で、言わば特例的に措置をするという趣旨でございますから、できる限りそれが効果的に制度設計しなければならないというのが前提だと思います。
 御提案のキャピタルゲイン非課税の国への転出に限定するということも一つのアイデアかと思いますけれども、結局、限定いたしますと、まずキャピタルゲインの課税の国に転出をして、その後転々としてキャピタルゲイン非課税国に行くというようなケースだって十分想定できまして、その場合は本当にこの所期の目的が果たせるのだろうかというようなこともございますものですから、私どもとしては、現在の提案している仕組みは国を限定しないということにしているということでございます。
 恐らく、そうでないキャピタルゲインに課税している国への移住が制限されるというような問題意識かなというふうに思いますが、私どももそこのところは十分理解しておりまして、今回の制度の中では移転先国との間で二重課税の調整ができるようにしておるというようなことで、その辺に障害にならないような対応をしているということも御理解賜れればと思います。
○中西健治君 もう一つ。
 今回、出国時の有価証券等の評価額が一億円以上ということが要件になっているということだと思いますが、この課税逃れ、私などが想起するのは、名前は出しませんけれども、消費者金融のオーナーの親族が香港に行って、時々帰ってきているんだけれども、あちらで売却して百億円単位の金額の税逃れをしたとか、そういったようなことを想起しているんですが、この一億円の有価証券評価額というのは、そういうのと比べると大分低い金額に設定されているんじゃないかというふうに思います。
 最近の金融資産どれぐらい持っているかという調査でも、一億円というのはかなり多くの人が当てはまってしまう。そして、先ほど申し上げたように、どこの国に出国するにしてもこれが掛かってくるということになってしまいますので、この一億円という金額、まあ一億円も大きいということであれば、でも五千万円も大きいんですよ、そうしたら。そうしたらこれは、税逃れをするというのであれば一律全部掛けていくべきであるということだろうと思いますし、なぜ一億円なんでしょうか。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 この制度を入れます場合、なるべく各国の、独特のその環境はございますけれども、制度が足並みがそろうということが一つ重要かなというふうに思います。そのため、いろいろと諸外国の例を検討したというのがございます。
 それで、日本の場合、金融資産全部に掛けるという仕掛けではなくて、今回は一定額の有価証券に掛かると、こういうふうにしたものですから、割と似た例がフランスの例ということでございます。フランスは八十万ユーロ超ということでございまして、大体日本円に直しますと一億円ぐらいになるということでございます。全ては決め事ではございますので、何がベストかというのは分かりませんが、まず一つはそういうふうな例を基に制度として導入させていただいたということでございます。
 それから、先ほど答弁申し上げましたが、これに伴う関わりのある人数はどれぐらいかという試算も、全くあらあらですが百人ぐらいと申し上げているようなところでございまして、それが本当にどうなるかというのはまた蓋を開けてみないと分かりませんけれども、そういう感覚なものですから、この辺で適当なところかなと思って提案させていただいているということでございます。
○中西健治君 何が適当かは、確かに国際的な足並みがそろうということが非常に重要なんじゃないかなというふうに思います。
 今回、先ほども少しお話しいただきましたけれども、やはり二重課税の問題というのは当然あるかと思います。含み益に一回課税されて、そして居住先で売却して、そしてまたそれが課税されるということになると二重課税という問題になりますし、もし仮に渡航先の国が、じゃ、初めに日本で出国するときに含み益に課税されているんだからその分は免除しなきゃということで自分の行使すべき課税権を留保するということになりますと、やはりその国の課税権の侵害にもなりかねないということだと思います。
 それから、今お答えいただきましたけど、金額についてもやはり足並みをそろえるということ、幾らだということが違ってくると当然不公平なことになりかねないということになるので、これは国際的な調整を図っていかなきゃいけないというふうに思います。
 今日もBEPSの議論がありましたけれども、あのBEPS、私の理解では、主に企業の課税逃れということに焦点が当てられているということだと思いますが、この個人の課税逃れについて国際的な枠組みをどうつくっていくのか、これ、BEPSの中でちょっと議論されているかどうかも含めて教えていただきたいと思います。
○副大臣(宮下一郎君) 先生御指摘のOECDのいわゆるBEPSでございますけれども、これは、個人が出国時に未実現の譲渡所得に対して課税する特例、これについても記載がございまして、これは株式等のキャピタルゲインの課税逃れを防止するための租税回避防止措置として位置付けられておりまして、したがって他国の課税権を侵害するものではないと、こういうことで確認をされております。
 しかしながら、やはり先生御指摘のように、二重課税の問題をきちっと解決しないと二重で徴税されてしまうということでありますので、これはもちろん必要ということですが、これについても、BEPSプロジェクトの九月の報告書におきまして国外転出時特例に伴う二重課税については出国先で二重課税の調整を行うことが方法の一つであると、こういうふうに明記をされております。
 御指摘のように、各国が租税回避防止措置を導入するに当たりましては国際的に協調して取り組むことが必要でありまして、国外転出時の特例もOECDのBEPSプロジェクト等の国際的取組を踏まえた制度として今後とも調整していくことが必要だというふうに認識しております。
○中西健治君 どうもありがとうございます。
 続きまして、地方拠点強化税制についてお伺いしたいと思います。
 本社移転の投資減税の適用対象として、三大都市圏への移転というのが除外されてしまっております。しかし、いろんなちょっと調査を見てみますと、例えば帝国データバンクの調査によりますと、大阪府大阪市ですとか愛知県の名古屋市、こうしたところでも本社移転の転出超過、転入ではなくて転出超過が認められているのが今の現状ということであります。ですので、あえて集中の抑制を大阪や名古屋に対して図るという意義は乏しいのではないかというふうに思います。
 コマツの例がよく取り沙汰されますけれども、やはり本社を移転するときというのは、何のゆかりもないところにはなかなか行かないんじゃないかと思うんです。元々発祥の地に戻っていくというようなケースが大変多いんじゃないかと思うんですが、これまで東京に本社を名古屋や大阪から移してきたところというのは大変多いと思います。ですので、そうしたところが名古屋に帰る、大阪に帰る、こうしたものも当然増えてくるんじゃないかと思うんですが、東京から近畿圏、中部圏へ本社を移転する場合、これもやはり地方の拠点強化税制の適用対象としないのはおかしいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(若井英二君) お答え申し上げます。
 先生御質問の地方拠点強化税制につきましては、地方から東京圏への人口流出に歯止めを掛け、東京一極集中を是正する、そして人口減少への対応、我が国の経済活力の維持を図るということで、企業誘致に計画的、戦略的に取り組んでいる地域に対してできる限り広く恩恵を及ぼすように配慮をいたしてございます。
 ただ、先生御指摘のように、東京圏、それから近畿圏の中心部、中部圏の中心部と、こういったところについては支援対象外の地域としたわけでございますけれども、これについては、周辺地域からやはりその地域に移転が促進をされてしまう、ますます人口や産業の集中が起こるというような弊害が生ずるおそれもございますし、東京からの移転が特定の地域に集中をしてしまうというようなおそれもあるのではないかなというふうに考えておるわけでございます。こうした観点から、限定的に一部の地域を支援対象外としたものでございまして、具体的には、近畿圏整備法等において産業及び人口の過度な集中を防止する必要があるとされている既成都市区域等の地域については対象外といたしたところでございます。
 これらの地域につきまして、先生御指摘のように、そういった地域から本社が移転をしている事例もございますけれども、現在でもほかの地域と比べて突出して人口や事業所が集中をしているということは事実でございますし、私どももちょっと帝国データバンクさんのデータを調べさせていただきますと、大阪市から移転をしているような企業のほとんどは近畿圏に、その中で展開をしておられるということでございますので、こういった観点からいたしますと、近畿圏の中心部大阪を外すということについては、バランスとしてはこれでよいのではないかなというふうに考えてございます。
○中西健治君 大阪市からも百五社、そして名古屋市からも六十九社も本社が出ていってしまっているという現状があるということでありますから、やはりその中で、近畿圏そして中部圏の中で移転しているものもあるとは思いますけれども、やはりこれから、東京からということであれば、それは認めていくべきなんじゃないかなというふうに思います。
 そして、補正予算に地方創生交付金というのが計上されました。この地方創生に対して自治体がいろんなものに使うと、消費喚起型のものが多いというふうに理解しておりますけれども、こうした税制改正をして企業を誘致する、こうしたことをやろうとしているのであれば、こうした地方創生交付金もやはり同じように使っていくことで効果が出てくるということなんじゃないかと思いますが、そのように使われる例というのはあるんでしょうか。
○政府参考人(若井英二君) お答えを申し上げます。
 いわゆる地方創生交付金、先生がおっしゃいました消費喚起型に加えて、地方創生先行型というようなものも設けてございます。なお、これにつきましては、地方公共団体が地域の実情を踏まえて自らの創意工夫で制度設計をして御活用をいただくと、このような制度になっているわけであります。
 そうした観点から、企業誘致や企業立地を進めていきたいという地方公共団体におきましては、企業立地に係る投資に対する助成を行う事業、こういった実施計画を御提出いただいたところもございますし、国内だけではなく海外からの誘致も含めたトップセールスや金融機関等との連携、企業誘致に向けたプロモーション事業など、こういったものを地方創生交付金を活用して行いたいと、こういうような御申請もいただいておりますので、御趣旨に沿ったような使われ方がされておると考えてございます。
○中西健治君 もし行うのであれば、当然、税制上の優遇措置だけではきっと足りないだろうというふうに思いますので、やるんだったらそれと相まって効果が出せるものをやっていかなきゃいけないだろうというふうに思います。私は、やはり大都市を省くべきではないということは申し上げておきたいというふうに思います。
 続きまして、NISAについてお伺いしたいと思います。
 平成二十六年、去年一年間、NISAの運用状況、いろんな評価があると思います。口座開設数は八百二十四万、そして投資総額は二兆九千七百九十七億円、口座稼働率が四五%程度だったということでありますが、この一年の結果についての大臣の評価をお伺いしたいと思います。
 そして特に、証券業界が想定していた利用率は下回っているということのようでありますが、この利用率、口座稼働率、これが四五%にとどまってしまっているというようなことについて、その原因をどのように捉えているか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) このNISAは、これは御存じのように、個人の一般金融資産の一千六百九十兆のうち約八百九十兆円が今では現預金ということになっておりますので、ちょっとこれだけの比率を現預金で持っているというのは、ちょっとこのままだと、また株の話になっちゃうので、何回も言う話じゃありませんので。
 とにかく、投資に関心を持ってもらいたい、長期的に資産形成を促すということと同時に、いわゆる成長資金というものが今後必要になってくるときの供給拡大を図って日本の経済成長につなげていくんだということを目的にしてこういったものを、イギリスにありましたものをそのままちょっとアイデアを拝借して、こういった広く国民に普及することが重要なんだと思ってやらせていただきました。
 導入から一年の昨年末の時点で、口座数は約八百万件で買い付け金額が約三兆円ということでありますので、一応着実に普及しつつあるものだと思っております。
 ただ、開設済みのNISAの稼働状況については、日本証券業協会の調査によれば、主要証券会社十社に開設されましたNISAの口座のうち昨年末で買い付けがあった口座は約四五%と、今おっしゃったとおりの数字になっておるそうです。
 したがいまして、NISA口座を利用して実際にどのような投資を行うかについては、これは株式市場の動向等様々な要因に左右されるものだと思うんですが、地方の方は、これを買った人を何人か知っていますけれども、何となく月々五十万円ずつ定額貯金みたいにしているような感じで買っている人がすごく多いように僕には見えるんですね。ちょっと奥さん違いますよという話をするんだけど、いや、何となく話しに来る人は信用できないから、だけどこれ無税なんですよという、無税の定額預金とちょっと区別が付いていないんじゃないかなと思う方に三人も会いますと、やっぱりちょっとここのところは考えなきゃいかぬなと思っているんですけれども。
 いずれにしても、広報活動とかいろんなものを今後とも組み合わせてやっていかなきゃいかぬことだと思っておりますが、平成二十七年度の税制改正において、年間の投資の上限額を、定額投資に適しているというわけではありませんけれども、月々十万にすると百二十万円ということになろうと思いますので、そういったことを盛り込むなどして投資をやりやすい環境というものを進めているところで、今後とも、NISAの利用拡大というものに我々としては取組を進めてまいりたいと考えております。
○中西健治君 今お話のあった定額で購入している人、これは意味があると思います。相場の上下に左右されないで少しずつ買っていくというのも意味のあることだと思います。
 こうしたことを促すのであれば長期の資産形成を促すということにもつながっていくと思うんですが、今これ期間の縛りがありますよね。制度の存続期間、それから非課税の期間五年間という縛りがあって、これがあると長期的な資産形成には大きな支障になるんじゃないかというふうに思います。イギリスの本家本元のISAのアイデアを借用してというふうにおっしゃっていましたが、本家本元はこれは恒久的な措置ということになっていますから、これは恒久的な措置に考え直すということをした方がいいんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは最初から、考えたときに、その意見も半分ぐらいあったと記憶しています。随分いろんな方々の御意見があったんですが、半分ぐらいあったと思うんですが。
 これはどうしても今だと思って、年数をある程度切らせていただいた最大の理由は景気対策です。これはもう、何といっても今移ってもらわなければというので、デフレ対策というものが一番の頭にありましたものですから、これをとにかくというので、年数を切らないとなかなかということがありましたものですから切らせていただきましたが、五年たった段階で結果を見て、その段階でもう一回考えなきゃいかぬことになろうかと存じます。
○中西健治君 あと一点。
 景気対策ということであれば、このNISAの口座、今はマイナスが生じても損益通算できません。特定口座等と損益通算できないようになっていますが、やはり投資の裾野を今すぐ広げていくということであれば、そして今非課税期間の縛りがありますから、そうするとちょっとどうしても慎重になっちゃいますから、この損益通算というのを認める、これはいかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 中西先生御指摘のとおり、更なる普及というものを考えていきますためには、ジュニアNISAの導入なども考えさせていただいておりますけれども、その上で、更に御指摘のありました点も留意しながら、制度の趣旨というものを考えて、効果の検証等々をよく踏まえて考えさせていただきます。
○中西健治君 是非、制度の拡充をお考えいただきたいというふうに思います。
 私の質問はこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。
○平野達男君 平野でございます。
 今日は、ほこりをかぶってしまったような話、何で今更こんな話をするんだという話からちょっと話をさせていただきたいというふうに思います。
 私、財政金融委員会に属させてもらいまして、途中変遷はあったんですけれども、今年、国会議員活動をやりまして十四年目に入りましたが、この財政金融委員会に入ったときに読んだ本の中で非常にいまだに印象に残っているのが下村治さんの「日本経済の節度」という本なんです。非常にシンプルで分かりやすいんですね。何を言っているかといいますと、経済は安定的な均衡状態で運営されなければならない、財政も均衡しなければならない、その財政を均衡させるというのは、支出と収入というのはやっぱりバランスが取れてしかるべきだということでありますね。
 財政法も、国債の発行については、釈迦に説法ですけれども、赤字国債については原則発行禁止ということになっておりますが、今は国債のほとんどが、大部分がもう赤字国債ということで、単年度単年度で審査したのも、特例で、何年まででしたっけ、赤字国債は発行してもいいよという、そういう法律まで作りました。
 下村さんは、財政拡大に依存した景気対策の危険性というのを当時繰り返し繰り返し指摘されていました。財政拡大による危険性というのがどういう形で出たかというのは、いまだにちょっと結果は出ておりませんが、今の状況から見ますと、かなりの財政赤字はもう累積しているという状況ですし、繰り返しになりますけれども、財政均衡どころではない、かなり不均衡の状態が続いているということであります。
 この下村さんがこういう「日本経済の節度」という本を出したのは一九八一年で、当時はまだ赤字国債もそんなに出していなかったんじゃないかと思いますが、その後、出したときには出しただけで国会で大騒ぎになっちゃって、これは大変なことじゃないかという議論が沸き起こるぐらいの雰囲気がまだあった。
 ところが、今のこの状況というのは全く別な状況になっておりまして、今更こんなことを言っても、もう全然状況違いますよねという答えになってしまうのかもしれませんが、麻生大臣、この下村さんの頃の時代と、国の財政の運営、日本経済の状況をずっと見てこられたと思いますけれども、この変遷というか、考え方の違いというのがどうしてこんなふうに起こってしまったのかということについて、所感がございますればちょっと聞かせていただきたいというふうに思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 特例公債は一九六四年まで発行されておりません。一九六五年からこの特例公債というのは発行されたんですが、最初の頃は七兆円とか八兆円とかいう額だったんですけれども、だんだんだんだん大きくなってきて、今は三十三兆円ということになっております。
 それで、この特例公債の発行から脱却することができた年というのは平成二年と平成二十七年、これは予算ベースで、そういうのを二回だけやっておりますが、この増加要因というのを歳出面と歳入面から分けてみますと、これは、歳出面の要因、歳出は三百五十八兆円増えているんですが、その多くが、社会保障関係費の増加二百三十兆、それと地方交付税の増加八十一兆、これを足しますと大体説明ができると存じます。
 また、歳入面の要因、約百四十六兆円なんですけれども、これはもう景気の悪化、減税等々、税収の落ち込みで約百九十九兆円ということで、大体これで話が合うと思っておるんですが。
 こうした状況というのが何でできたかといえば、それは、人口構成の高齢化とか、バブルが吹っ飛んでその後長期にわたる資産のデフレーションが続いているといったことによってある程度やむを得ない側面もあったとは思いますが。しかし、とにかく社会保障というのが少子高齢化に伴って必然的にあるというのは、今後とも続くということは覚悟せねばなりませんから、そういった意味で、社会保障とか地域の行政サービスを享受している今の世代の負担を将来世代に先送りしているというようなことも言われるわけですから、持続可能な状況が続いているというのは言い難いんであって、これがずっと今のままで続いていくというわけにはとてもいかないんだと思っておりますので。
 我々としては、今こういったものをきちんとやるように、これは少しずつ、時間を掛けて、一九六五年から来た話ですから、五十年続いた話をいきなり三年でちょいと片付けられるなんということはあり得ませんので、やっぱり時間を掛けてきちっとやっていくということをおなかに据えて、財政再建はきっちりやらぬといかぬのだということを腹に据えておかないと、これは外から見たら、インターナショナルなマーケットから見たら、何だ、日本はやる気ないのかということになると、これは国の信用がどんと落ちますし国債の信用もなくなりますので、そういったことも含めてきちんと対応していくという姿勢が大事なんだと、一番大事なのはそれかなと思っております。
○平野達男君 いずれ、国の国債発行残高、対GDP比では歴史にないぐらいの、平常時においてはですね、水準に達しているということでありまして、これから財政再建をどうするかというのが大きな課題だということは申し上げるまでもないことだというふうに思います。
 今日は、以下、税制全般についてのちょっと質問をさせていただきたいと思いますが、その前に一つ、消費増税なんですけれども、平成二十七年十月一日から二十九年四月一日へと延期ということで、一点だけ確認をさせていただきたいんですけれども、景気判断条項を付けませんでした。これは景気判断条項があって延期をしたということなんですが、二十九年四月一日へ延期したときに景気判断条項を付けないというのは、私は反対ではないんですけれども、論理的にちょっと腑に落ちないなという点があるんですが、これはどのように説明されているんでしょうか。
○副大臣(宮下一郎君) お尋ねの景気判断条項を削除したときの考え方については、既に麻生大臣からも累次御答弁ございますけれども、改めてシンプルにエッセンスだけ申し上げれば、この平成二十九年四月の消費税率一〇%への引上げにつきましては、世界に冠たる社会保障制度を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、市場や国際社会からの国の信認を確保するために、景気判断条項を付すことなく確実に実施することとしたということだと思います。
 一方で、この一〇%への引上げを確実に実施できる状況をつくるということが非常に大事でありますので、そうした経済状況をつくるためにも、三本の矢の政策を更に前に進めて、経済再生、そして財政健全化の両立を目指すんだと、こうした考え方に基づいて景気判断条項を削除させていただいたということかと思います。
○平野達男君 先日も同僚議員が説明していましたけれども、景気判断条項を付けないということは、二十九年四月一日、これは絶対一〇%はやりますよという宣言だというふうに私は取りたいと思いますが、そういう理解でよろしいですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的にはそう思っていただいて結構だと思っておりますが、これは我々は、もしこれを付けると、今回多分、何だ、一年六か月延ばしたけれども、これ一年六か月先には、景気条項付いていればまた延ばすんじゃないかと思われること、イコールこれは国債の値段が下がったり国の信頼が下がったりということになりかねませんと思って、今回はなしということでやらさせていただいて、我々はそういったことをきちんと実行できるように、そういう経済の良さ、景気の良さというのを、まあこれまで景気良くなったから消費税あと二%払ってもしゃあないわなというような感じになってもらえるまで景気を良くしていくという責任を負わねばいかぬという覚悟でこれをやらないかぬと思ってやらせていただきました。
 ちょっと一つ、訂正だけ。
 先ほど、赤字公債を出していないのは平成二年と二十七年と言いましたが、二十七年は今年だから平成二年だけです。済みません、間違えました。
○平野達男君 じゃ、税について何点かお尋ねをしたいと思います。
 毎年毎年税制改正というのは議論するわけでありまして、かなり税制構造というのはずっと変わってきているわけですから、今から二十年前の、あるいは三十年前の税制構造と今の税制構造というのはかなり違っております。
 まず冒頭、税の機能というのはいろいろあるかと思いますけれども、特に最近議論されているのが、税の所得再配分機能ということが言われておりますけれども、この税の機能ということについて、時間があれですから簡単で結構ですけれども、もう皆さんみんな承知ですから、簡単にちょっと御紹介いただければ有り難いんですが。
○副大臣(宮下一郎君) 簡単に御説明します。
 税制は、公共サービスを提供するための財源を調達するいわゆる財源調達機能というのが最も基本的な機能であると考えておりますけれども、それに加えまして、先生御指摘の国民の所得や資産の再分配を行ういわゆる再分配機能といった機能を果たすことが求められていると考えております。
○平野達男君 この財政金融委員会でもあるいは予算委員会でも、先ほどの予算委員会の公述人の中にもありましたけれども、最近、格差ということが非常に言われておりまして、かなりの少数の人たちにお金が集中しているのではないかというようなことが、アメリカほどではないけれども日本でも進んでいるというようなことが言われています。
 麻生大臣は、この今の状況というのをどのように捉まえているでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 格差に関する捉え方というのは、これは実にいろいろ様々ですので、格差が拡大しているかどうかについて一概に申し上げることは困難と思っておりますが、例えば所得再分配前のジニ係数で見た所得格差につきましては、高齢化の進展の影響などもありますので、当然のこと緩やかに拡大しているというのははっきりしていると思っております。他方、税とか社会保障による再分配後のジニ係数で見た場合の所得格差はおおむね横ばいで推移しているものだと、私自身はそう認識をいたしております。
 こうした認識の下で、今の政権では、経済再生に取り組む中で、特に雇用環境、失業率とかいわゆる雇用とか、そういったような改善と社会保障や税制の見直しを少しずつ行ってきているところなんですが、雇用環境の改善については、政権交代後、最低賃金が引き上げられて、今はもう時給八百円とか七百円というのはほとんどなくなってきていますので、東京じゃ。そういった意味では、最低賃金の引上げが随分上がってきていると思っておりますので、またパートタイム労働者につきましても、差別的な取扱いが禁止される範囲を広げて、正社員とのいわゆる均等とか均衡待遇を推進してきております。
 さらに、昨年末に取りまとめさせていただいた政労使の三者の共通認識において、非正規雇用労働者のキャリアアップや処遇改善に向けた取組というのも今後進めていかねばならぬということにいたしております。
 もう一点、税制につきましても、いろいろ御存じのように、所得税の最高税率を四〇から四五に引き上げましたし、相続税の見直しも話題になっておりましたけれども、五千万から三千万等々に引き下げたり、税率も五〇%から五五%としてきたところであって、いずれも本年一月からこれを適用いたしてもおります。今度、やっぱり消費税の引上げというのは、これ二年後に必ずやらねばと思っておりますが。
 やっぱりこれ、平野先生、国民皆保険という、海外にいたからそう思うのかもしれませんが、やっぱりこれはすごい制度で、これを開発した人はすごい人だなと僕は本当にそう思うんですけれども。これを少なくとも、随分保険のほかに税金も突っ込んでいますけれども、一応国民皆保険という形でやらせていただく、この安定財源というのを絶対確保しておくということは、これは非常に重要なことで、所得の再分配にもつながるんだと思っておりますけれども。いろいろ施策を通じて経済成長の成果というものが広く国民に行き渡るようにしていかねばならぬと、そう思っております。
○平野達男君 最近よく話題になるピケティの本がありまして、労働手段しか持たない人と資産を持っている人の中ではもう収益性が全然違うということで、少なくとも今の足下の問題を見ますと、こんなに株がどんどん上がっていく、それから給料は上がらないという状況の中で、ピケティが言っているのは、少なくともこの何年間の状況の中では見事に当てはまるなということだけはちょっと申し上げさせていただきたいというふうに思います。
 そして、今日、資料をちょっと用意させていただきましたけれども、二ページ目をちょっと見ていただきたいと思います。これはもう皆さん方も御承知のとおりでありますけれども、個人所得課税の税率等の推移ということでありまして、昭和六十一年の頃の最高税率というのは約九〇%ぐらいということでした。
 さっきも予算委員会でちょっと紹介申し上げたんですけれども、司馬遼太郎さんが何かの講演か何かで、今日の、講演料だか何か知りませんけれども、講演料の九割以上は税金として持っていかれます、でも、私はこの国は非常にいい国だと思いますというようなことを言っていたのをちょっと覚えております。
 それから、この税率の下で高度経済成長もしている、後でちょっと法人税率の話もしますが、高度経済成長もやった。高度経済成長があったからこの税率を維持できたのか、この税率を維持しても高度経済成長ができたのか、それは解釈が分かれると思いますけれども、そういう状況ですね。これが世界的な流れもありましてどんどんどんどんフラット化してきて、最高税率も下がってきて、一時は五〇%まで行って、今は五五%がちょっと出てきたということであります。こういう中で、個人の課税というのが個人に還元しようということでの意図はあるのかなということです。
 しかし、その一方で、もう一枚、一ページ目をちょっと見ていただきますと、下がこれが給与所得ということで、左が負担率ということになります。これが、いわゆる累進性ということを見ていきますと、所得税、個人住民税というのは、累進性は弱まっていますけれども累進性は維持していると。しかし、社会保険料は、御案内のとおり、給与が一定のところになると定額になりますから、この負担率は当然右肩下がりになってきます。
 それで、消費税につきましても、御案内のとおり、これは逆累進性が強いということになるわけですが、ここでやっぱり気になるのは、五百万の人が二〇%ぐらい、負担率です。給与所得が五百万ぐらいの人が二十数%です。それで、その五倍の二千五百万になりますと、給与は五倍になるんですけど負担率は四〇%も行かないという、そういう構図になっているということですね、実態は。
 こういう状況の中で、本当に今の税制構造というのが今の世の中の中でいいのかどうか。税制構造というか、ここに社会保険料も入っていますけれども、これはちょっと議論する必要があるのではないかというふうに思います。特に、私は税のこの所得再配分機能というのはかなり弱まっているのではないかというふうに思います、大門先生の議論のかなり影響を受けたかもしれませんけど。麻生大臣、御見解をちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 私も、大門先生の話に引き込まれないように注意しながらいつも聞いているんですけれども。
 この再分配機能につきましては、これは税とか保険料といった負担面だけではなくて、社会保障などの歳出面も併せて考えるべきものだと、私自身はそう思っております。
 いずれにしても、今後この税制の話を進めていくことに当たりまして、五百だと二〇だけど五倍だと三〇じゃないかという点は、これはもう事実、逆累進と、こういうことになりますので。
 いずれにしても、今後の税制を含めた再分配の在り方というのにつきましては、社会保障の財源として消費税というものが大きな役割を更に担っていく中にあって、所得税とか相続税による再分配機能の回復というのをどのように図っていくかというのは引き続きよく考えていきたいと思いますし、昔よく直間比率と、最近、これも今日の平野先生の一番目の質問と同じで、もう全然、最近直間比率なんて誰も言わなくなりましたけど、昔は結構言われた言葉で、今、六五対三五ぐらいになっていますでしょうか、もう少し行ったかな、六三対三七ぐらいになっているか、よく分かりませんけど、それぐらいまで、昔はもう二対八ぐらいだったものがずっとこうなってきた。少子高齢化していくのは当然のことなんであって、勤労者の絶対数が減ってくるわけですから、それは当然そうなってこざるを得ないとは思っておりますけれども。
 いずれにしても、世の中が変わっていくのに合わせて、この税制の在り方というのは非常に研究をして、いろいろもっと高邁なところから議論はされてしかるべきものだと、私もそう思います。
○平野達男君 消費税につきましては、先ほど御答弁がありましたように、二十九年四月一日、まずこれを実行するという覚悟でやるということなんですが、この消費税の軽減税率につきましては様々な議論があります。
 私も、この軽減税率は反対です。むしろ、軽減税率じゃなくて給付付き税の還付制度という、マイナンバー制度も入れましたから、そちらの方を入れた方が、何というんですか、逆累進性の解消のためにもこれはいいのではないかというふうに思いますが、これはどのように思われるでしょうか。
○副大臣(宮下一郎君) 先ほど大臣からも御答弁ございましたけれども、軽減税率、そして給付付き税額控除、それぞれメリット、デメリットがございます。
 軽減税率制度につきましては、昨年、与党税制協議会が行いました団体ヒアリングにおきまして、メリットとして、やはり痛税感が緩和されると、こういう意見がありましたけれども、デメリットとして、高所得者にも恩恵が及ぶのではないかということ、また対象品目の合理的な線引きが困難ではないかということ、また多額の減収が生じて社会保障財源に影響するんではないかということ、また事業者の事務負担が増加するんではないかなどの懸念の声もあったものと承知しております。
 一方、給付付き税額控除につきましては、メリットとして、低所得者の方に絞った効率的な支援が可能になるということがございます。一方で、なかなか難しい課題としては、所得そして資産をどう把握するかということ、また執行面で対応が可能かどうかと、こういった課題があるものと承知しております。
 マイナンバーを導入するというのはそうした課題を解決する一つの道筋ということは言えるかと思いますけれども、現状のマイナンバー導入の制度設計では、国外所得でありますとか、またマイナンバーが付されない預金口座がやはり存在いたします。こうしたことを考えると、所得、資産を完璧に把握できるということではない、一定の限界が残るという課題はあるというふうに考えております。
 いずれにしても、消費税率引上げに伴います低所得者の皆様への配慮につきましては、与党においてこの軽減税率制度を中心に今検討が進められているということでありまして、今政府としては、まずその与党の皆さんの議論を見守るというスタンスでございます。
○平野達男君 多分、今日も尾立委員からあったんじゃないかと思いますけど、小売業者はもう絶対嫌ですよね、これは、軽減税率は。本当に、八%へ上げたときも、何で八%へ、一〇%をやるなら一気に上げてくれないかといって随分言われましたし、そこでまた軽減税率なんかやられたらどうするんですかみたいな話があるということも、私からもちょっと言わせていただきたいというふうに思います。
 以下、今度は法人税率の話にちょっと移りますけれども、資料の三ページ目を見ていただきたいと思います。これ、法人税率の推移でありまして、これは昭和二十五年ぐらいの推移なんですが。
 これ、先ほど言いましたように、所得税と地方税の税率を下げてきまして、実はこの注釈は、平成十二年七月の「わが国税制の現状と課題」という、この報告から取っていまして、何を言いたいかといいますと、かつて、所得税とかの税率を下げるときの財源として法人税を上げていたんですね、この税率の推移を見ますと。ところが、途中から法人税はどんどんどんどん下がっていくということでありまして、下がっていくんだけれども、その財源をどこに見出したのかというのはなかなかちょっとこの表からは見えません。
 何を言いたいかといいますと、こういう法人税の推移から見ますと、一つの傾向というか、やっぱりかつては法人税については所得税の財源の身代わりという座布団に使われていたと、今はそういう対象には全くなっていないということがちょっと見れるんですが、この表を見て、麻生大臣、どういう感想を持たれるでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 法人税、これ昭和五十九年―六十一年度がピークということになって、その後は税率を下げてきたというのは間違いなく事実なんだと思いますが、依然として日本の法人実効税率というのは他国と比較して高いという指摘があります一方、課税ベースが他の国に比べて狭い、したがって、一部の業種や法人に税負担が偏っておるというような御指摘もあって、構造として、今後こうした点は改善を図る必要があると基本的には考えております。
 今回の法人税率は、単なる減税だけではなくて、課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げるということで、より広く負担を分かち合う構造としていくものでして、総務省の所管にはなりますけれども、いろいろ地方の税金も含めて幅広くやらせていただいていこうというものであります。これによって、我々としては稼ぐ力のある企業の税負担を軽減すると同時に、企業の体質というものが変わっていくと。基本的には、継続的な賃金のアップとかそれから下請企業の単価の、価格の付け替え等々に関しましても、円滑化といった取組にもつながっていくものだと期待をしておりますので。
 この税の在り方というのは、これは正直、平野先生、私どもとして、これは国際競争にさらされる中でどの程度までというのを考えながらやっていかないかぬところが難しくて、今度、先ほどどなたかの御質問にあっておりましたけど、イギリスが二〇%にするんですよね。二〇%といったら、ちょっともう、ケイマン諸島とは言わぬけど、かなり低いということになってきますので、それはとてもじゃないけどということになってくるという点も考えないかぬというところが、今、二〇%、オランダとかイギリスとかみんなそうなっていますけれども。しかし消費税は、ここはもう、何%ですか、二一%とかなんとかいっていますから、いろんな意味で税の構造が全く違うのとどうやっていくかというのは今後我々は考えていかねばいかぬ、大きな話題として考えねばならぬ大事なことだと思っております。
○平野達男君 一つの見方として、例えば所得税、地方税の住民税、個人住民税、減税してきましたと。減税した分を企業に申し訳ないけれども負担してくださいと。税率を下げたからといって、企業がぐんと業績上がれば税収は伸びるわけですから、税そのものが減るとは限りません。ただ、考え方として、いっときはそういう考え方があったと思います。やっぱり税収中立という考え方です。
 ところが今は、この数字だけ見ますと、法人税はどんどん下がってきている。じゃ、税収をどこに持っていくかということで、私は消費税は反対じゃありません、賛成です。賛成ですが、大衆課税にそれを持ってくるという、かつての流れとまた別な流れができているのかなというふうにも読み取れますね。そこをどうやって説明していくかということについては、これは今回の税制のいろんな、あるいは社会保険料の負担の在り方をめぐって、やっぱりきっちり議論しておく必要があるのではないかと思います。
 もう一つ大事なことは、四ページ目を見ていただきたいと思います。これも何回もこの財政金融委員会で議論させていただきましたけれども、これはISバランス、貯蓄・投資バランスの図です。
 かつては、かつてはといっても一九九四年とか九六年、この頃まではまだ家計貯蓄、これフローですから、毎年毎年のフローなんですけれども、貯蓄過剰ということになっていて、それと金融機関がセットになって一般政府の借金の財政を賄う。それでもまだお金が余りますから、まあ余ったからどうのこうのじゃないんですけれども、残った部分は海外投資で行くということで、海外の部門にも投資しているという構図がずっと続いて、途中から非金融法人企業がプラスに転じるわけです。そして、これがどんどんどんどん累積されていきまして、一方で家計は、毎年のフローから見ると、若干の動きはありますけれども、最近ではゼロに近づいているという構図です。非金融法人企業についてはかなりプラスですね。この結果がいわゆる巨額の内部留保になっているというのは、もうこれは御案内のとおりですね。
 こういう状況の中で、これももう既に議論されているかと思いますけれども、法人税の減税をやるということについては、税収ニュートラルということで、課税ベースを広げてニュートラルということなんですが、少なくとも二年間は減税をするということですね。こういう状況の中でそれが本当に必要なのかどうかというのは、これはやっぱり疑問として出てきます。
 むしろこういう状況であれば、課税ベース広げて税収ニュートラルにするということであれば、今所得税を払っている人は下げて、払っていない人からお金を取らないと税収ニュートラルになりませんね。そんなことができるならば、これは怒られるかもしれませんけれども、今払っている人はそのままにして、これだけ今税金が足りないんですから、課税ベースを広げて税収を上げるといったようなことの方が筋ではないかとも見えてくるわけですね。
 こういうことでありますが、法人税の引下げというのは、この今のISバランスの方から見ても、どうしてもちょっと理解し難い面があるんですけれども、どうでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) このインベストメント・アンド・セービングというもののバランス、投資と貯蓄のバランス、この紙のなんですけれども、これはもう貯蓄が、過剰貯蓄というか、とにかく内部留保が三百二十兆というようなのが、企業における内部留保の増え方が一年間で二十兆とかなんとかいうのは、これはどう考えても、増加傾向にあるというのは問題があるんだと、私もそう思っております。
 それで、内部留保を積み上げるだけじゃなくて、積極的な賃金アップなどに取り組んでいってもらうということで、去年政労使の会議をさせていただき、今年もさせていただいて、おかげさまで、一応、春闘、それなりに答えが出てきているんだと思いますので、これで四月以降、給与の実際のアップがつながっていきますと、これは、ベースアップがあれだけ上がると定期昇給と合わせれば結構な額になりますので、そういった意味では、何というんですか、可処分所得が上がってくるということになると思ってはおります。
 したがいまして、二十六年度の税制改正において、設備投資というもの等々を思い切ってやっていただくところには生産性向上設備の投資促進税制を創出させていただいておりますし、おかげさまで、企業の設備投資は今のところ七期連続で増加をしておりますので、一定の効果が出つつあるとは考えております。
 また、企業の賃金アップが動き出した後押しをせないかぬと思って所得拡大促進税制というのをやらせていただいたりしておるんですけれども、いずれにいたしましても、資産デフレが始まったのが、これはいつから始まったかと言われれば、多分一九九二年、地価の暴落が始まったあの頃からだと、多分歴史家はそう書くんでしょうけれども、我々から見たら、その前に株価が暴落し始めた一九九〇年からではないかという説とか、歴史家はいろいろ言うんだとは思いますけれども。
 私どもは、いずれにしても、今言われましたように、稼がないでずっと赤字でいられる最大の理由は、これは、会社をスタートするときに、資本金で金を借りてくるのか借金で金を借りてくるのかの違いが大きいので、借金ですれば、金利だけ払っておきさえすれば赤字でもいいと。しかし、投資で、前川さん、俺に投資してくれと言って百万円投資してもらった場合は、返すのはもう配当しかありませんから、必ず黒字にしないといかぬという、そういったところが一番日本という国とアメリカなんかとは違うところだと思っておりますが。
 いずれにしても、今後とも、コーポレートガバナンスとかスチュワードシップ・コードとか、いろいろな片仮名が増えてきていますけれども、企業の内部にあって、もう二十年間、デフレで頭が固まったところですと、金は持っておきさえすれば物が下がっていくから金の値打ちは上がるという意識をやめてもらって変えていかせるというためには、ある程度持っていてもインフレで二%下がるぞというようにしない限りは、とてもじゃないけどという感じが私はしているんですけれども。
 いずれにいたしましても、今回の税制改正というものの中で、いろんな企業の意識とか、経営者の意識や行動というのが変わっていくように、私どもとしては引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
○平野達男君 いずれにせよ、いずれにせよというか、国が提供する様々なサービス、これはお金が要るものが多いんですけれども、その財源を負担するのは国民しかいないわけですね。それをどういう形で負担していくか。それが、ここ十何年間か分かりませんけれども、下村さんの理論なんかでいけばかなりいびつな構造になっているんですが、今何となくもっているという構図ですね。
 私、もう一つ大事にしている本が平成十二年七月の「わが国税制の現状と課題 二十一世紀に向けた国民の参加と選択」という税制調査会のこの本です。この本が、全ての税に関する本を読んでも、中でもこれが一番分かりやすいと思います。
 この中で、今日ちょっと予告していませんが、前書きにこう書いてあるんです。平成九年五月九日の第一回総会においては、内閣総理大臣から二十一世紀に向けて我が国経済社会の構造変化や諸改革に対応した望ましい税制の在り方について審議を求めるとの諮問を受けたと。二十一世紀のこれが望ましい税制の在り方ですと。平成十二年です、これ出てきているんです。
 毎年毎年税制の議論をしていますが、この平成十二年に二十一世紀の在り方と出てきましたけれども、この状況と今の状況の中で違っているのが私はやっぱり三つあると思います。
 一つは、人口減少社会をちゃんと認識できるようになったこと、これが一つあります。実はこれ、私は内閣府の副大臣のときに国家戦略の中で人口減少社会をやりたくて、どうのこうのという前に三・一一来て、それが途中で頓挫したという話もちょっと御紹介申し上げましたけれども、人口減少社会というのが日本経済に、あるいは税収構造にどういうふうな影響を与えていくかという大きな変化があります。
 それからもう一つは、これは、格差というのはこれは様々な議論があるかと思いますけれども、格差のことがかなり議論されるようになってきているというのが二つ目。
 それから三つ目は、何といっても巨額の財政赤字です。これが、二十一世紀の税制の現状と課題というのを踏まえておきながら、毎年毎年財政の赤字拡大を続けて、国債の発行残高が間もなく対GDP比二〇〇%を超えるかもしれないという、そういう状況になっていて、それがまだどこで止まるかのめども立たないという、そういう状況になっているという中で、私は本当に、今まで様々議論しましたけれども、毎年毎年ということもさることながら、もう一回二十一世紀に向けた税制、それから社会保険料の在り方も含めた議論を、税制調査会なのかどこかだか分かりませんが、麻生大臣主導で、あるいは安倍内閣総理大臣主導でこれやるべきじゃないかなと、やるべきじゃなくて、もうやらなくちゃならないのではないかというふうに思います。
 これは質問の予告なしだったんですけれども、是非御見解をお伺いしたいと思いますし、このことはまたあしたも、予算委員会の集中審議で安倍総理にもその覚悟をちょっと問いたいと思っておりますが。
 その前に、麻生大臣がそれに応じないと安倍総理はうんともすんとも言えませんので、お考えをちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 森内閣かな。
○平野達男君 ちょっと分かりません。予告もしていないので申し訳なかったんですけれども。
○国務大臣(麻生太郎君) 森内閣かなと思ったんですけれども、森さんにしてはちょっと立派なことをやっておるなと思って、感想を言えといえば、まずそれです。意外と全然思わないところでしっかり仕事をしておられたんだなと思って、ちょっと正直感心しました、今の話は。
 すごく大事なことだと思っていますので、是非、二十一世紀というのは、やっぱり人口減少というのは、ちょっと正直、あの頃余り考えていた人はおられなかったように思いますけれども、これぐらい予測の当たる、将来予測をするときに人口が一番当たるんだそうですけれども。
 いずれにいたしましても、そういったようなものを考えて今後やっていかないと、今、目先、基礎的財政収支だけの、二〇二〇年までですけれども、基礎的財政収支なんというのは、これは金利を外している話ですから、金利を入れた何とかということになりますと、これはやっぱりGDP比ということを、こっちが分母でこちらが分子にしてきちんとしたものをやっていかないかぬと思いますので。今おっしゃったように、二〇二〇年以降、東京オリンピックと重なっていますけれども、これ以後、オリンピック景気が良くなったりした後にまた景気が悪くなってくる可能性というのは、東京オリンピックの後もそうでしたし、あのロンドン・オリンピックを見ても、オリンピックの翌年その開催国というのがいろいろ経済が厳しいことになるのは世界中皆同じですから。たまたまそれと二〇二〇年と、ちょうど百年の五分の一たったことになりますので、今言われましたように、きちんとそういったことを考えて、二〇二六年以降とか二一年以降とか、いろいろな表現があるんでしょうけど、二十一世紀を考える適当なネーミングが、もっといいのがあるのかもしれませんけれども、そういったような長期的なことを考えてやっておくというのは大変国としては大事なことだと、私もそう思います。
○平野達男君 これから、今やっているかと思いますけれども、税と社会保障の一体改革というのが多分その中に入るのかもしれませんが、私はもうちょっと概念を広く捉えて、先ほど言った人口減少社会、あと、財政赤字は当時、税と社会保障の一体改革のときにもう入っていたと思いますけれども、人口減少社会というのは相当意識しなくちゃならないということもありますので、是非これはやっていただきたいというふうに思います。
 時間になりましたので、自称大門門下生の質問を終わらせていただきます。
○委員長(古川俊治君) 両案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(古川俊治君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
○委員長(古川俊治君) 関税法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。麻生財務大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりました関税法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明させていただきます。
 政府は、最近における内外の経済情勢等に対応するため、指定薬物を関税法上の輸入してはならない貨物に追加するとともに、関税率等について所要の改正を行うこととし、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明をさせていただきます。
 第一に、医薬品医療機器等法に規定する指定薬物を関税法上の輸入してはならない貨物に追加することといたしております。
 第二に、平成二十七年三月三十一日に適用期限が到来する暫定税率等について、その適用期限の延長を行うことといたしております。
 第三に、無申告加算税の不適用制度に係る期限を国税通則法の改正に合わせて延長することといたしております。
 その他、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。
 よろしく御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(古川俊治君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十二分散会