第189回国会 文教科学委員会 第7号
平成二十七年四月二十三日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     衛藤 晟一君     堂故  茂君
     森本 真治君     浜野 喜史君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         水落 敏栄君
    理 事
                石井 浩郎君
                二之湯武史君
                神本美恵子君
                斎藤 嘉隆君
    委 員
                赤池 誠章君
                堂故  茂君
                橋本 聖子君
                藤井 基之君
                堀内 恒夫君
                丸山 和也君
                吉田 博美君
                榛葉賀津也君
                那谷屋正義君
                浜野 喜史君
                秋野 公造君
                新妻 秀規君
                柴田  巧君
                田村 智子君
                松沢 成文君
   国務大臣
       文部科学大臣
       国務大臣     下村 博文君
   副大臣
       文部科学副大臣  丹羽 秀樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        美濃部寿彦君
   政府参考人
       文部科学省初等
       中等教育局長   小松親次郎君
       文部科学省高等
       教育局長     吉田 大輔君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        久保 公人君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関
 する調査
 (計画的な教職員定数確保に向けた文部科学大
 臣の所見に関する件)
 (学校における原子力防災教育の充実・強化の
 必要性に関する件)
 (国立大学に対する国旗掲揚・国歌斉唱に係る
 文部科学大臣の要請が大学の自治に及ぼす影響
 に関する件)
 (東京オリンピックのゴルフ競技会場を再検討
 する必要性に関する件)
○文部科学省設置法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
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○委員長(水落敏栄君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、衛藤晟一君及び森本真治君が委員を辞任され、その補欠として堂故茂君及び浜野喜史君が選任されました。
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○委員長(水落敏栄君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学省初等中等教育局長小松親次郎君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(水落敏栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(水落敏栄君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○斎藤嘉隆君 民主党の斎藤でございます。今日はよろしくお願いをいたします。
 余り時間がございませんので、冒頭、今理事会の方でも協議をさせていただきましたけれども、当委員会で、先般以来、大臣に対してお願いをしております資料の提出について、今日の段階では現在の告発等の状況もあって出すことができないということでありましたけれども。
 例えば、私がお願いをした支援者に宛てた寄附願の文書ですね、大臣の支部からそれぞれの博友会を始めとした会員の皆さんに出したというふうに明確に答弁をされた、ペーパーで出したと答弁をされたこの寄附願等の文書、これ出せないということはなかなか考えづらいと思います。出せないということは、やはりないんじゃないのかというふうに思われても仕方ありませんし、この案件が、引き続き、そのことによって今後も議論しなければいけない、そんな状況になってしまいます。
 是非、大臣、もう一度御検討いただいて、今日もお願いはしましたけれども、出せるものについては出していただきたい、このことをお願いをしたいと思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) この博友会に関しては、刑事告発を受けたとの報道があります。今後の捜査等に支障が来すおそれもあるというふうに思います。資料等の提出は差し控えさせていただきたいと思います。
○斎藤嘉隆君 今日はもうこのことを余り、余りというか、やるつもりはなかったんですけれども、これ、いつまでたってもこの案件についてこのようにやり取りをせざるを得ない状況が出てまいります。
 私は、寄附願の文書、大臣出されているんですから、探せばどこかにあると思いますよ、博友会の皆さんのところに送られたということですから。出せないのであればもう探すしかないということでありますし、探しても出てこないのであれば文書自体がないのではないかというような疑念を持たれても仕方ないと思いますので、是非このことは、また再度御検討をいただきたいというふうに思います。
 それでは、早速中身に入ってまいりたいというふうに思います。資料の方をちょっと御用意をさせていただきました。今日は、今回の予算の中で、義務教育における教職員定数の問題についてまずいろいろやり取りをさせていただきたいと思います。
 八月の概算要求では、教育指導体制の整備ということで定数増、この表にありますような形で要求をされていた。それがこの予算の中で若干変わっているということでありますが、これは局長で結構ですけれども、概算要求では何人の定数増を要求をしていたものが予算の中ではどのような形になったのか、もう一度確認をお願いをいたします。
○政府参考人(小松親次郎君) お答え申し上げます。
 概算要求におきましては、ただいま委員から配付のございましたこの資料のとおりに要求をいたしております。これは、十年間の計画によりまして教職員定数の拡充を図るという考え方のその初年度として求めたものでございます。それに対しまして、教職員定数の予算そのものにつきましては、今委員御提出のこの資料のとおりに三千百人の減というふうになっているわけでございます。査定では、その要求からは減っているということは事実でございます。
 そして、方向性につきましては、この十か年の教職員定数計画は認められなかったわけですけれども、考え方といたしましては、課題解決型授業、これはアクティブラーニングでございますが、あるいはチーム学校、それから教育格差の解消、いじめ等への対応、特別支援教育の充実など個別の諸教育課題への対応、統合校や過疎地の小規模校への支援といったような方向を強めようとしているわけでございますけれども、そちらの方向には沿って九百人の増はできたと、こういう状態であります。
○斎藤嘉隆君 この表を見ていただければ分かりますように、簡単に申し上げれば、概算要求から比較をすると、二千八百六十人要求がカットをされたということなんですね。しかも、私、これ中身をずっと見ていきますと、自然減、教職員定数の少子化などに伴う自然減が約三千人、統廃合とか合理化による減が千人ということですから、実は何もしなくても四千人の減ということなんです。
 そして、今回九百人の定数増ということをしていただいておりますが、定数だけ差引きで考えると三千百人の減ということになって、実質的に自然減の三千人を百人上回る減員ということになっていて、つまり、これ定数増ではなくて百人の定数減なんですね。
 これは、昨年もこのように自然減を上回る減と、実は去年もそうなんです。去年は十人でした、今年は百人、更にそれを上回る減ということで、これはもう政府として、教職員定数の増というものについて政府全体として一体どのようにお考えになられているのかというのを指摘せざるを得ない、そんな状況であります。
 このことについて、コメントをいただければいただきたいと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) まず、予算のうち、教職員定数の中で減の要素につきましては、自然減の三千人と、それから、言葉としては合理化減等とも呼ばれておりますけれども、統廃合やクラスのサイズの減等に伴います減を一千人見込んでおります。この千人につきましては何もしなくても減るというわけではございませんで、各地方公共団体の様々な政策的な要素あるいは社会的な要素の中でそういったことを見込むということでございます。
 したがいまして、そこは差があるということと、それからもう一つは、実際問題として、そうした減の要素が見込まれる中で、そのままにしておきますと四千人の減になりますので、先ほど申し上げました十か年の計画として最初構想いたしましたその方向性についてはきちっと維持をして、ただ、査定の中では実際の定数の要求との間の増減ということは起こり得ることでございますので、その中で九百人の増員ができたと。これについてはしっかりその将来構想に向かって活用していくということが大変大事というふうに考えておりまして、ただ、十か年計画が認められなかったことは事実でございますので、これについては様々な方途を講じて今後の充実を図るようにしていかなければいけないというふうに私どもとしては思っているところでございます。
○斎藤嘉隆君 昨年の十一月だったかと思いますけれども、学習指導要領の在り方に関しての中教審の諮問をされて、また、大臣の所信の中でもありました、例えばアクティブラーニングとか、これはこれまでも追求されてきた学習形態の一つだというふうに思いますけれども、そのための指導方法の充実の必要性にも言及をされていらっしゃいました。
 概算要求では、このアクティブラーニングの推進も含め五百八十人の定数を要求をしていらっしゃった。これが蓋を開けると二百人ということであります。いじめとか地域間格差の是正などの個別の課題対応ということで概算要求では七百人の増を要求をしていた、これが予算案では二百五十人ということであります。二十六億円の予算カットであります。
 これ、数字だけ見ると、去年が予算でいうと六十四億円のマイナスで、これが三十八億円のマイナスになっていますから、何か予算的にはカットが減ったのかなと思いますけれども、実際はこれ、人事院勧告の反映による給与改善分がありますので九十億円、これを加味すると去年の倍なんですね、予算カット額が。これは本当に、今これだけの課題を抱えている中で、様々この委員会の中でも議論をしてきた今の教育現場の現状に本当にそぐうような措置がされたかというと、私は甚だ疑問だというふうに思います。これは、文科省の皆さんに幾ら言っても仕方がない部分もあるのかもしれません。一生懸命頑張っていただいた上で、財務省とのやり取りの中でこのような形になったんだろうというふうに思いますけれども。
 私からとにかくお願いをしたいのは、今後の定数増計画、もう計画的な定数増の計画を示していただかないと、自治体はもうパンクします。計画も持てずに、来年どうなるかも分からない、そんな中で採用の時期がもう近づいてきているわけで、このことは毎回申し上げておりますし、もう大臣の御答弁の中でもそのことの必要性については言及をいただいておりますので、是非引き続いて、今年の概算要求も含めて、その視点をもう一度明確にしていただきたいと思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 財務省の言い方であれば、これは子供たちの数が減っているということの中で、いわゆる自然減でありますけれども、これに合わせて教職員定数を減らすのは当然だという考え方があるわけでありますが、我々としては、今御指摘いただきましたように、OECDの中でも日本の教員が最も多忙感があって、子供と向き合う時間も十分に取れないということの中で、また、家庭教育力や地域教育力が低下してきている中で学校教育に対する期待感が更に高まっているということでありますから、更に教職員の充実をしていくことは必要なことだと思っております。
 あわせて、チーム学校、教職員以外の方々の、スクールソーシャルワーカーとかスクールワーカー含め、みんなで地域を応援すると、それがコミュニティ・スクール、民主党政権のときにも進められていたわけでありますが、そのような形をしっかりサポートしていくという中で更に教職員の加配もしていく必要があると思いますが、今御指摘がありましたように、この十か年の教職員定数改善計画、これは、基本的な方向性を示すということが地方自治体における教職員の定数改善に見通しを付けるということになってくるわけでありますし、この方向性を明確にすることが必要であると。自然減にはなっておりますが、一方で、今お話ありましたが、アクティブラーニング等の課題解決型授業を新たにこれから時代のニーズに合わせて進めていく必要があると。また、そもそもの教育の質の向上を図っていく必要があると。それから、先ほど申し上げたようなチーム学校の推進、これも更に進める必要があると。
 このようなきめ細やかで質の高い指導体制を構築するために、平成二十八年度概算要求におきましても、様々な方策について昨年八月に策定した十か年の教職員定数改善計画を踏まえながら検討してまいりたいと思います。
○斎藤嘉隆君 これは与野党を超えて、是非今の現場の状況を踏まえてお取組の方を改めてお願いをしたいというふうに思います。
 別のちょっと話題に変わりたいというふうに思いますけれども、これまでも議論を再三されて、再三でもありませんがされてきました、先般の委員会でも議論されていました新しい道徳教科化について少しお伺いをしたいと思います。現場目線でお伺いをしたいというふうに思います。
 今日は評価の問題についてであります。道徳ですから、子供たちの心情、内面を評価をするということでありますけれども、外形的な記述とか発言、表情、こういったもので評価をしていくんだろうというふうに思いますが、私自身がもし現場の教員であるとなかなか容易ではないなというふうに率直に思います。
 道徳の教科化に当たって私が一番危惧をしているのはこの評価の問題でありまして、評価をどうしていくか、このことについては慎重に今後も検討していかなければいけないというふうに思いますが、その前に、これはもう局長でも結構です、そもそも教科というのは、定義は何ですか、教科の。
○政府参考人(小松親次郎君) 教科について法令上、一般的に詳細な定義をしたものはございませんけれども、基本的には、各お勉強をする領域を構成するそれぞれの分野について体系的、組織的、計画的に区分をいたしまして、これを各学年に配当いたしまして、学校教育法上の目的に定める目標を達成するように授業を展開する、その固まりのことというふうに考えております。
○斎藤嘉隆君 二〇〇八年に中教審がこの教科について一定の見解を出しています。これ一般的に教科というのは、専門の教員が指導をする、それから教科書を用いて指導をする、それから一般的には数値的なもので評価を行うと、これが教科だと、一般的なところでいう教科だという、そのような見解を示しているんですね。
 今回は特別な教科ということであります。じゃ、どこが特別なのかということでありますけれども、特別な教科であれば、私は特段、一般的な教科の定義に合わせて教科書とかそれから評価というものを、どうしてもそれを導入しなければいけないという考え方に立たなくてもいいんではないかというようにも思います。
 これ、実はなぜこのようなことを申し上げるかというと、ちょっと現場で聞き取りをしてきました。さっきの定数の問題にも関わるんですけれども、今、例えば小学校で通知表とか指導要録などに文章をもって記述をする中身がどれくらいあるかというと、これは自治体とか学校ごとによってまちまちでありますけれども、例えばどこの地域でもあるのは、行動全般、学習も含めた総合的な部分での所見、これは大抵どこでも通知表に記載をします。あと、これ以外に特別活動の記録、これも多くの学校で記載をする。今は総合的な学習の時間の評価というのも文章表記をすることになっていますから、これも必ずあります。これ以外に最近では、総合的な学習の時間の評価以外にですよ、小学校の高学年では外国語指導の評価について書くという実は自治体、学校も増えてきています。これ以外に、それぞれの教科について、小学校でいえば観点別の三段階評価って一般的なんですが、これを行います。そして、学年末にはそれを基にした評定、三段階であったり五段階、五、四、三、二、一という数的なものですね、こういったものも出すわけですよ。
 今、例えばこういうところでクラスに四十人の子供がいて、これだけのものを担任の先生一人で作られるんですね、毎回。学校によってはそれを管理職の方がチェックをしますので、一々、一覧表にして全て出すわけです。何枚もです、何枚も。今この評価というもので、今説明責任も求められますから、大変な労力がここに注ぎ込まれている、時間的なものも含めてです。これに、今文科省の方で議論をされている道徳の評価が加わる。僕、もう本当にぞっとするんですね。
 これ、なぜここまで、ちょっと乱暴な言い方かもしれませんが、教師を子供たちから遠ざけるのか、なぜここまで教員たちを机に縛り付けるのか、そのような政策ばかりが次々と出てくるのか。本当に今の現場の多忙な状況、TALISでも出ていましたけれども、が本当に理解されているのかというのが、率直に申し上げて非常に疑問なんです。
 このことについて、特にこれ、道徳の評価というのが一個加わることによる、また、この多忙な状況に拍車を掛けるということがあるんですけれども、この観点から、この道徳の評価についていかがでしょうか、大臣、お考えを。
○国務大臣(下村博文君) 現場経験からの御質問だと思います。
 我々は、もちろん教師を更に多忙化の中で机に縛り付けるような施策をするつもりは全くございません。
 御指摘ありましたように、なぜ教科化、特別の教科化にしたというのは、教科というのは、教科書があって、そして指導する専門の先生がいて評価をすると。しかし、その評価はほかの教科とはなじまないということの中で、特別の教科という位置付けをしたわけであります。
 この評価については、これから専門的な検討をしていただくことになっていますが、御指摘のような教員の負担にも十分留意しつつ、数値による評価ではなく記述式にすること、また他の児童生徒との比較による相対評価ではなく、児童生徒がいかに成長したかを積極的に受け止め励ます個人内評価として行うこと、他の児童生徒と比較して優劣を決めるような評価はなじまないことに留意する必要があること、個々の内容項目ごとではなくて大ぐくりなまとまりを踏まえた評価を行うこと、また発達障害等の児童生徒についての配慮すべき観点等を学校や教員間で共有することが必要だと思います。
 そのために、御指摘ありましたが、現在の指導要録の書式における総合的な学習の時間の記録、それから特別活動の記録、また行動の記録及び総合所見及び指導上参考となる諸事項など、さらに外国語も入っているというお話がありました。このような既存の欄も物すごく膨大な確かに量になることは事実です、この道徳の特別の教科化の記述も要ればですね。ですから、その在り方そのものも総合的に見直そうと、そういう基本的な方向性を前提に専門的な検討を行うことによって、負担増にならない、既存の記述式も含めた指導要録の書式についても併せて整理することを含めて検討してまいりたいと思います。
○斎藤嘉隆君 是非、これまでは、新たなものが加わってきた、どんどん加わってきて膨大になってきていますけれども、例えば総合所見には、通常、道徳的な視点でも書くんです、いろいろその子供を評価、評価というか、について所見を申し述べるときに。こういったものに僕はもう組み入れて精査もできるんではないかなと。総合所見のところに道徳的な評価を含んだ表記をするというようにしていただければ要録の方も精査できますし、そんな意味での是非検討を、今大臣おっしゃったのは多分そういうことだと思いますので、是非していただきたいというふうに思います。
 済みません、最後に、どうしてもこの件だけはあと二分ですので申し上げたいと思います。
 一昨日、全国学力・学習状況調査が行われました。報道されています大阪の状況です。大阪で、この全国学力・学習状況調査の学校別の点数を内申書に活用するというとんでもない報道がなされています。
 これ、どういうことかというと、高校入試で使う内申書の点数が学校ごとに、学テの結果の高い学校のいわゆる内申書の点数は高く評価をされるということだと思います、簡単に言えば。点数の低い学校の評定というのは低く評価をされて、要するに学力テストの結果がストレートに高校入試の結果に反映をされるということになろうかと思います。
 これ、絶対評価の否定だと思います、ある意味でいえば。こういったことについて許していると、学テ本来の目的から大きく大きく逸脱をもう既にしているということにもなると思いますが、この点について大臣は、もういろいろ記者会見の中でもお述べになられておられますが、最後にこのことについての御見解をお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘の点につきまして、文科省としては、全国学力・学習状況調査の目的や具体的な内容、方法に鑑み、本調査の趣旨を逸脱するおそれがある、調査の適切な実施や学習指導への影響に関する懸念がある旨を大阪府教育委員会に伝え、説明を求めました。
 これに対して大阪府教育委員会からは今月十五日に、公立学校入学者選抜における内申点の調整に本調査の結果を使用することについて、個々の生徒の評価に直接用いるものではなく、学校間の偏りを調整するものであること、学校ごとの学力状況の目安を示したものであること、府独自の学力調査においても不正が行われた事実はないこと、市町村教育長に適切に実施するよう事前に指導、助言することなどの説明がありました。
 文科省としては、この大阪府教育委員会の説明について、文科省から伝えた懸念事項が十分に解消されるのか否かを確認するため、引き続き大阪府教育委員会との間で協議を行うこととしております。
 具体的には、大阪府教育委員会から、本調査の結果のみを用いて各学校に示す評定平均の範囲の基準を決めるものではないことを明確にするための工夫、本調査の本年度の調査が適正に実施されたか否かの検証についての説明を求め、それを踏まえて協議していくこととなると考えております。
○斎藤嘉隆君 終わります。
○柴田巧君 維新の党の柴田巧です。よろしくお願いいたします。
 今日は、先般、学校の安全に関していろんな調査が文科省から幾つか出ておりますので、それを踏まえてお聞きをしたいと思いますが。
 一つは、学校安全調査の結果が先般まとまりました。これは隔年で実施をしておりますが、今回は、平成二十四年十月に原子力災害対策指針が策定をされて、原発からおおむね半径三十キロ圏の緊急防護措置区域、UPZというのを定義をされて初めての調査ということになります。それによると、このUPZには十九道府県で二千三百八十二の公立の小中学校、幼稚園等、高校も含めあると。私の地元には、ちょうど目の前に堂故先生、前に氷見市長をお務めになっておられましたが、氷見に十一もあったかと思いますが、そういうふうに、今申し上げたように全国では二千三百八十二の公立の小中高校などがあるということですが、が今度明らかになったわけですけれども、そのうち、この原子力被害を想定してマニュアルがあるのは六六・九、これも決して高いとは言えませんが、何よりも避難訓練を実施しているのは三一・九%にとどまっているということでございます。
 放射線は言うまでもなく目に見えませんので、見えないだけに不安が大きくなりやすいわけで、そのためにも訓練を重ねて状況判断力を高めることが重要だと思います。また、この訓練をやることによって、想定していなかったことに気付いたり、うまくいかなかったことを見直したりしてより現実的な内容に近づけることにつながっていくと思いますし、また、学校だけではなくて親との間でも共通認識を持っておかなければ、いざというときにパニックに陥ったり、それぞれの家庭がばらばらに行動して余計な混乱を招く可能性もあり得ると思っております。
 こういう具合に訓練の状況などが低いのも、やはり自治体の避難計画の策定が進んでいなくて、誰がどこに逃げるか決まっていないから学校独自でなかなか決められない、動けないということなんだと思いますけれども、これも、そもそもは政府が避難計画に責任を持たずに地方自治体に丸投げしてきたツケが現れているんだろうと考えられるわけですが、いずれにしても、この原発事故を想定したマニュアルの策定を更に促すとともに、原子力規制庁など関係機関と連携してこの避難訓練の実施率をより向上させるべきだと思いますが、どのように取り組んでいくお考えか、大臣にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、原子力災害については他の災害に比べてより広域的な対応が必要であり、学校単独での対応が困難であるため、市町村等の関係機関と学校が十分連携して防災対策に取り組む必要があると思います。
 文科省としても、各学校がその所在する市町村における地域防災計画及び避難計画の策定状況等を踏まえ、災害発生時における都道府県や市町村の対応内容についてあらかじめ把握した上で、原子力災害被害に係る危機管理マニュアルの作成や避難訓練の実施に取り組むよう、各種会議等を通じまして呼びかけてまいりたいと思います。
○柴田巧君 是非、今申し上げたように、目に見えないだけによりしっかり訓練する必要があるだろうと思いますし、そのマニュアルがやっぱりきちっと作られていないと、いざというときには意味を成さないと思いますので、文科省としてもしっかり対応していただきたいと思います。
 今申し上げたことをより意味あるものにしていくためにも、実践的なものにするためにも、やっぱり日頃から、今の避難訓練なども含めて、原子力防災教育といいますか、これをやっぱり充実させる必要があるんだろうと。日常的に原子力災害に関する知識を持ったり、いざという場合に、発生した場合にやっぱり適切に児童や生徒が行動できるように学校で原子力の防災教育、しっかりやっていく必要があると思いますが、この点はどのようにこれから進めるおつもりか、お聞きをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、放射線の健康に与える影響等への関心が高まっている中で、特に学校の近隣に原子力関連施設がある場合には、原子力災害が発生した際に児童生徒が自らの判断で自分自身を守ることができるような教育を行うことも重要であると考えます。
 文科省におきましては、これまで教員の指導参考資料として、平成二十五年三月に改訂した「「生きる力」を育む防災教育の展開」や、あるいは平成二十四年三月に学校防災マニュアル作成の手引きを作成、配付し、原子力災害への適切な対応について留意点を示すとともに、各学校における放射線教育を支援するため平成二十五年度に小中高校生向けの副読本を作成し、希望する学校に配付したところでございます。
 文科省としては、児童生徒が原子力災害について正しい知識を持ち、自らの判断で自分自身を守ることができるよう、学校における原子力防災教育の充実について引き続き推進してまいりたいと思います。
○柴田巧君 是非しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 それから、今の学校安全調査で、これはちょっと原子力を離れますが、事件、事故や災害に対応するためのマニュアルというのは、調査によれば九五・五%の学校にはあるはあるんですが、問題は、その内容を保護者に周知しているかというと、実は半数にも満たない四六・七%にとどまっているということなんですね。
 先ほどもちょっと触れましたが、どんなにいいマニュアルがたとえあったとしても、これは学校内にとどめずにやっぱり保護者にもしっかり周知徹底されなければ、原子力のときはなおさらでしょうけれども、いざというときに非常にパニクってしまって、せっかくマニュアルがあっても結局いろんな被害が拡大してしまったりということになりかねませんので、保護者にもマニュアルがあればしっかりそれを徹底すべきだと思いますが、どういう取組をされるか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(久保公人君) この調査結果を踏まえまして今年の三月三十一日付けで通知を出しまして、各都道府県・指定都市教育委員会等に対しまして、児童生徒等の安全を確保するために児童生徒等の保護者との連携を図るとともに、関係機関や関係団体との連携を図る必要があること、災害時における保護者への児童生徒等の引渡しや待機方法に関する手順やルールを事前に決めておくことが必要であることなどを留意点として周知したところでございます。
 今後も、研修会等の様々な機会を通じまして、危機管理マニュアルも含めまして、学校安全に関する学校の取組が保護者にも周知されるように促してまいりたいと考えております。
○柴田巧君 今申し上げたように、せっかくあってもそれが周りに周知されていないのでは、いざというときには意味を成さないと思います。しっかり周知が徹底されるように取り組んでいっていただきたいと思います。
 次に、今触れてきた学校安全調査とは別に、最近まとめられた文科省の調査結果の一つに、学校でのいろんな管理下における事故についての調査がございました。これは、最近突然死や後遺症などを伴うような事件、事故をめぐって、学校や教育委員会の対応で原因究明の体制が不十分なために遺族や被害者との間でトラブルになる事例が後を絶たないということを背景に調査が今回行われたわけですが、例えば、熱中症であったり、柔道での練習中の事故であったり、水泳指導中の事故であったり、そういうものが近年多いわけですが、しかし、その事実がなかなか見えない、あるいは原因究明が不十分だという声が後が絶たずにこういう調査が行われたということですが。
 災害共済給付制度で死亡・障害見舞金が支払われた、平成十七年から二十五年の間ですね、五百五十八件を対象に調査したうち、部活中で事故が発生したのが最多で三三%あったということですが、ただ、そのうち事故検証委員会を設けたのは本当に数少なくて、また、そのうち結果を公開しているのは半分ほどしかないということで、恐らくは検証委員会なども設けずに学校関係者や警察などによる検証で対応した例が多かったんだろうと思われますけれども、こういうことでは教訓が共有されずに、こういうような事故の再発を防いでいくことは非常に難しいと思います。
 文科省としては、この調査の結果に基づいて、今年度中ですかね、対応の指針をまとめるということですが、その一環としてこの前から、一応九例と聞いていますが、実態調査、まあ遺族や関係者のヒアリングなどもされたわけですが、しかし、その後、やはりもっと聞き取りをしてほしいという要望が相次いでいるやに聞いております。例えば、石巻の大川小学校の関係者であったり、あるいは京都の学校で水泳指導中に亡くなった子供さんの御家族や関係者であったり、自分たちの声も聞いてほしいという要望が相次いでいると聞いていますが、やはりそういう声もしっかり聞いてこの対応をまとめていく必要があるんだと思いますので、これは真摯に、誠実にやっぱりこの聞き取り調査をしっかりやるべきだと思いますが、どういうお考えか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(久保公人君) 御指摘のこの実態調査は学校事故対応に関する調査研究でございまして、昨年度、実態調査を行いまして、今年度は全体の指針を取りまとめるという二年計画でございます。
 その中で、御指摘のとおり、昨年度実施いたしました実態調査を受けまして、幾つかの学校事故の御遺族からは、文部科学省及びこの調査研究の有識者会議に対しまして事故遺族へのヒアリングの実施の要望書をいただいているところでございまして、これに対する対応をしなければいけないというのは考えているところでございます。
 具体的には、様々な事件、事故、災害等における教訓をどう受け止めているかということにつきましては、本年度の有識者会議の中でヒアリング等の具体的な進め方について検討していきたいと考えているところでございます。
○柴田巧君 まだ考えているということですが、これ結構時間がたってしまっていて、もう数か月近くたっているので、なぜそんなに時間を掛けなきゃいけないのか正直分からないんですが、今回の調査結果を見ていても、事故前の兆候が生かされなかったり、あるいは救急体制が不十分だったりするなどの課題がもう浮かび上がっているわけですよ。であるならば、しっかりその再発を防止していく、教訓を共有できるように、あちら側から聞き取ってほしいと、そういう思いで言っていらっしゃるわけですから、なるべく早急にこういうものは対応すべきじゃないかと思いますが、重ねてお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(久保公人君) 事故が起こりました関係の御遺族の方もこの調査研究会のメンバーでもございますし、その中でいろんなやり方については相談を既にしておるところでございます。
 昨年度行いました調査結果を踏まえて分析をしたりしておりまして時間が掛かっておりますけれども、できるだけ早く具体的なこと、手順について結論付けて動かしていきたいと思っております。
○柴田巧君 是非、より早急に対応をしっかりやってもらわなきゃ駄目だと思いますし、いつ何どきこういう今まであったようなことが起きるとも限らないわけですから、より早く対応していただけるように強く要望をしておきたいと思います。
 そして、先ほども触れましたが、こういう重大事故が起きても検証委員会が余りできなかったりして、公開もされないということなんですね。何度も申し上げていますように、そういう他校での教訓がやっぱり生かされるようにしていかないと再発の防止にならないと思うわけで、またこの有識者会議といいますか報告書の中でも、遺族と、あるいは関係者と学校や教育委員会の関係が良好でもやっぱり調査委員会を置くことの重要性も指摘しているところでありまして、なおさらのこと、検証を行うことで再発防止につながると思いますから、重大事故が発生した場合は検証委員会の設置をやっぱり文科省としても促していくべきだと思いますが、これはどういうふうに考えておられるか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(久保公人君) 文部科学省といたしましても、学校で重大事故、事件が発生しました場合には、原因究明のための検証を行ってその結果を公表するなど、再発防止に生かすことが重要であると考えておりまして、各学校における更なる取組を促す必要があると認識しております。
 今後、有識者会議におきまして、この検証委員会の在り方を始めとして、事故後の対応の在り方につきまして検討を進めて、本年度を目途に指針を取りまとめることとしております。そういう意味では、このことも踏まえまして、全国の学校に対しまして更なる取組を促してまいりたいと考えております。
○柴田巧君 これで時間が来ましたので質問は終わりますけど、学校というのはそもそも、子供の命が輝いて、その命を守るべきところだと思います。しっかり事故があれば検証を徹底的にし、また公開もし、教訓が共有されて再発が防止になるようにしっかり取り組んでいただきますことをお願いを申し上げて、終わります。
 ありがとうございました。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 国立大学の卒業式、入学式での国旗掲揚、国歌斉唱について、本委員会での議論を踏まえて質問いたします。
 改めて、国旗・国歌についての政府の答弁をまず確認したいと思います。
 国旗・国歌法制定時、当時の野中官房長官は日の丸・君が代について、さきの大戦の間、戦争遂行に利用されたことは認めざるを得ないと答弁されました。また、教育基本法改定の審議では、この野中氏の答弁について問われて当時の塩崎官房長官は、これは戦前の一時期の教科書において日の丸や君が代が戦争と関連付けて記述されていた事実を認めたものと答弁されました。
 これらの政府答弁は、日の丸・君が代が戦争遂行に利用された歴史的事実を認めるものですが、下村大臣もこのことをお認めになりますか。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘の平成十一年七月三十日の参議院国旗及び国歌に関する特別委員会におきまして、当時の野中官房長官は戦前の教科書の記述について、日の丸や君が代が戦争したとは思っておりません、ただ、日の丸や君が代が、中略でありますが、戦争遂行の中に利用されたということは認めざるを得ないと思っておりますと答弁をしております。
 また、平成十八年十一月二十七日の参議院教育基本法に関する特別委員会において当時の塩崎官房長官は、野中官房長官の発言は、戦前の一時期の教科書において日の丸や君が代が戦争と関連付けて記述されていた事実を認めたものだというふうに理解しているところでありまして、日の丸とか君が代というのは、中略がありますが、戦中、戦前の出来事に対する認識や評価とは区別をして考えていくべきものだろうというふうに考えております、日の丸とか君が代というのは、幾多の歴史の節目を超えて、さきの大戦後も変更することなく国旗・国歌として国民の間に定着している長い間の存在ではなかろうかというふうに考えておりますと答弁しているというふうに承知をしております。
○田村智子君 日の丸・君が代が戦争したとは言ってないんです。それが戦争に利用された歴史的事実はあるということを大臣もお認めにはなりますねということを確認したいんです。
○国務大臣(下村博文君) この野中官房長官やあるいは塩崎官房長官の、そこだけ切り取ってということじゃなくて、その前後をちょっと承知しておりませんので、両官房長官がどんな発言されたかということについて、それが同じかどうかということについては、これは議事録をきちっと読まないと簡単にはお答えできないと思います。
○田村智子君 歴史の事実として日の丸・君が代が戦争に利用されてきたということは、これはもう国旗・国歌のあの法案審議のときにも繰り返しこれは認められているんですよ、歴史的事実としてですから。ですから、小渕総理も、日の丸・君が代の抵抗感、やっぱりそういう歴史的事実があるから、そういう抵抗感についてお尋ねがありましたと、国民の一部に日の丸・君が代に対して御指摘のような意見があることは承知をしておりますというふうに答弁をされたわけです。
 私は、日の丸・君が代の価値を今問うているわけではないんです。事実として、歴史の事実として、戦争、例えば兵士が出兵するときにもうみんなで日の丸を振りましょうというふうに使われてきた、それから、天皇のために命を尽くすんだという教育がやられるときに君が代がやっぱり歌われてきた、そういう事実があると。
 こういう認識と憲法上の思想、信条の自由を踏まえて、だから政府は国旗・国歌法を制定しても日の丸・君が代を国民に強制しないと、こう繰り返し答弁せざるを得なかったというふうに思うのですが、そこは大臣の認識と違うんでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) その文言だけでいうと、野中官房長官と塩崎官房長官の正確なその発言はですね……
○田村智子君 文言を聞いているんじゃない、大臣の認識を聞いているんです。
○国務大臣(下村博文君) いや、発言は、野中官房長官は、日の丸や君が代が戦争遂行の中に利用されたということは認めざるを得ないと思っていますと発言されています。それに対して塩崎官房長官は、戦前の一時期の教科書において日の丸や君が代が戦争と関連付けて記述されていた事実を認めたものだというふうに理解をしているというふうに発言されておりまして、私も、野中官房長官の発言について、この日の丸や君が代が戦争と関連付けて記述された事実ということでの戦前の一時期の教科書、それが事実だろうと思います。
○田村智子君 私は、国旗・国歌について国会で議論する場合には、やはりこうした歴史的な議論の積み重ねも踏まえるべきだろうというふうに思うんです。どういう価値観を持つかというのはもうそれぞれの気持ちですから、私は、こういう価値、日の丸はこういうものだって決め付けるつもりはないんです。ただ、こういう議論があったということを踏まえるべきだということで、前提としてお聞きをしたんです。
 で、お聞きしたいのは、もっと次なんですね。大学というのは、そういう日の丸・君が代の歴史的な役割を批判的に研究することも当然に認められています。ですから、大学でどう取り扱うということを議論するときには、なおさら歴史的な経過を踏まえるべき。
 学問の自由、大学の自治、これについても改めて伺います。
 学問の自由、大学の自治とは何かが争われたポポロ事件、最高裁大法廷判決では大学の自治についてどう判示していますか。
○政府参考人(吉田大輔君) ただいま御指摘のいわゆる東大ポポロ事件の最高裁判決におきましては、大学の自治につきまして、「大学における学問の自由を保障するために、伝統的に大学の自治が認められている。」とされ、「大学の学問の自由と自治は、大学が学術の中心として深く真理を探求し、専門の学芸を教授研究することを本質とすることに基づくから、直接には教授その他の研究者の研究、その結果の発表、研究結果の教授の自由とこれらを保障するための自治とを意味すると解される。」と述べられております。
○田村智子君 学問の自由とは教授、研究、その発表の自由であり、大学における学問の自由の制度的保障が大学自治であると。その内容として、教員や学長などが大学の自主的な判断によって選任されること、自治の範囲は施設や学生の管理にまで及ぶこと、これが最高裁大法廷の判示です。
 教育基本法改定の際にも、自主性、自律性その他の大学における教育及び研究の特性が尊重されなければならないという第七条を新設するその理由として、当時の小坂文科大臣は大学の自治に基づく配慮が必要であるということに言及されています。憲法上の要請から規定されたものだと考えます。
 国立大学であろうが私立大学であろうが、憲法で保障された学問の自由とその制度的保障である大学の自治は侵害されてはならないし、これが文部科学省の立場と考えますが、いかがですか、局長。
○政府参考人(吉田大輔君) 大学の自治とは、大学における教授その他の研究者の研究と教授の自由を内容とする学問の自由を保障するため、教育研究に関する大学の自主性を尊重する制度であると理解しております。教育基本法第七条第二項におきましても、大学の自主性、自律性を尊重することが規定されております。
○田村智子君 そうすると、大臣が今回、国会での議論を受けて、国旗・国歌について、国立大学について入学式や卒業式での適切な対応を行うよう要請するということなんですが、これは、大学への設置許可など様々な許認可権や指導監督権を有する文科省が要請とはいえ行政指導を行えば、大学にとっては事実上の圧力となるんじゃないのかと。そういう効果があるからこそ、行政手続法ではわざわざ、行政指導の一般原則として、行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、行政指導の内容があくまでも相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであることに留意しなければならない、行政指導に携わる者はその相手方が行政指導に従わなかったことを理由として不利益な取扱いをしてはならないとわざわざ書いたわけです。
 大臣の要請は、これは大学自治への介入ではないか、学問の自由を侵しかねない、こういう批判が起きてくるのもまた当然だと思うんです。こういう要請そのものもやめるべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(下村博文君) 大学の入学式、卒業式における国旗や国歌の取扱いについては、これは各大学の自主的な判断に委ねられていることであります。今回の要請はあくまでも要請でありまして、大学に対して圧力となるようなものではございません。
○田村智子君 しかし、今回、文部科学省が二〇一三年度、二〇一四年度の入学式、卒業式の国旗・国歌の取扱いを調査した、これが明らかになった。このような調査と大臣の要請ということが結び付くと、これは、大学の側はこの要請を単なるお願いとは受け取れない、要請に応じることを求められているんじゃないかというふうに受け止めるんじゃないかというふうに思うんですね。
 それで、そもそも、ちょっと局長に伺いたいんですが、なぜ大学で国旗・国歌の取扱いについてこういう調査がやられているのか。なぜというか、今までもこれ行われていたのか、どういう経緯でこの調査を行ったのかをお答えください。
○政府参考人(吉田大輔君) 今回、各国立大学における国旗の掲揚、国歌の斉唱につきましては、国会議員から国旗の掲揚、国歌の斉唱の実施状況につきまして照会がございました。文部科学省としては、卒業式、入学式は公の場で行われる式典であること、また実施状況という事実関係のみの確認であること、加えて、照会を行うことが大学に過度な負担を強いるものではないことなどを総合的に判断をし、各国立大学法人に照会をし、その結果の集計を行ったものでございます。
 なお、文部科学省としてこのようなことを定期的に行っているわけではございません。
○田村智子君 歴史的に行われていなかったんです。それが突然行われた。そして、要請が行われた。その要請と、更にその後また調査がまた行われるようなふうに結び付いていけば、これはもう私はお願いというレベルを超えるものになるというふうに思うんです。
 大臣に伺いたいんですね。やはり、これ、要請をする、調査をする、また要請する、調査する、こういうことをやったらお願いじゃないと思う。やっぱりそういうやり方というのはやめるべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(下村博文君) 元々これは松沢委員が予算委員会で質問したことが端を発して、衆議院、参議院における文部科学委員会や文教科学委員会でも結構再三再四質問されていることでありますし、私の方もそれに対して、それぞれ各大学の自主的な判断に委ねられているということも申し上げているわけでありますから、これは強制的なことではなくて、各大学がそれぞれ適切に判断されることだと思います。
○田村智子君 これ、私、なぜ重大だというふうに考えるかといいますと、憲法をいろいろ持つ国を見てみても、憲法の中に学問の自由というふうに必ずしも明文で書いている国というのは、例えばフランスやアメリカというのは明記されていないわけです。じゃ、なぜ日本で学問の自由ということが明記されたのか。そこには戦前、滝川事件あるいは天皇機関説事件など、学問の自由が直接に侵害された歴史があるからだというふうに私は思います。
 そして、しかもこの滝川事件というのは、京都大学で滝川教授が追放されると、それに対して多くの教授の皆さんがストライキといいますか、それに抗議するという大問題になっていったわけですけど、なぜこういう事件に発展しちゃったかというと、そのきっかけの一つは、国会議員が国会の中でこの教授に対する批判を大展開をし、そして政府を動かし追放するというふうにしたわけですよ。言わば、国会議員の国会での活動が政府の大学介入に対するきっかけにもなり、後ろ盾にもなった。
 こういう歴史を、今日は是非皆さんにも呼びかけたいんですけれども、私たち文教科学委員会というのは、本当にその歴史を真摯に踏まえるべきだというふうに思います。
 私は、昨年にも広島大学の特定の講義の内容が国会で問題とされた、そのことを契機として文部科学省が調査、助言を行うということが行われて、これも大学に対する介入だということで厳しく批判をいたしました。そのときにも取り上げたんですが、日本科学者会議広島支部幹事会の声明というのは、政権獲得前のナチス党が、その青年組織に告発させる形で意に沿わない学説を持つ大学教授をつるし上げさせ、言論を萎縮させていったと、こういう歴史に触れて、特定の政治的主張を持つ外部の者が大学教育に介入してくる、このことについてやっぱり警鐘を鳴らすべきなんだと、そのことを傍観していては駄目なんだということを呼びかけられたわけです。
 やはり、この国会においても、学問の自由とは何なのか、大学の自治とは何かということを常日頃私たちもやっぱり根本に立ち返って議論をし、お互いの思慮も深めて、そして委員会での質問に当たりたい、このことを是非皆さんにも呼びかけて、質問を終わりたいと思います。
○松沢成文君 次世代の党の松沢成文です。
 何か議論を聞いていると、また国旗・国歌問題やりたくなってしまいましたが、まあ様々な見解の違いがあるんだなという感想を持ちました。
 今日は、私は、オリンピックの競技会場の問題について幾つか質問をさせていただきます。
 昨年の十月の当委員会で、二〇二〇年東京オリンピックのゴルフ競技会場の選定について私は質問をいたしました。その中で、当初予定されていた東京都が所有するパブリックコース、若洲ゴルフリンクスから、プライベートコースである埼玉県の霞ケ関カンツリー倶楽部に変更される際の選考過程が不透明であることや、その際の基準が不合理に定められていることなどを、問題点を指摘したわけであります。その後、競技会場については、都と大会組織委員会でコスト面やあとレガシーの面での観点から再検討が行われてきております。
 二〇二〇年の東京オリンピックのゴルフ競技会場については、本年二月のIOCの理事会へ霞ケ関のまま報告し了承されていますけれども、これをもって最終的に確定したものと考えていらっしゃいますでしょうか。オリパラ担当大臣としてお願いします。
○国務大臣(下村博文君) 二〇二〇年東京オリンピックでのゴルフ競技会場につきましては、組織委員会が御指摘のように霞ケ関カンツリー倶楽部として決定した上で、今年の二月のIOC理事会において報告し了承を得たと聞いております。
 したがいまして、この手続によりまして、ゴルフ競技会場については確定したというふうに認識をいたします。
○松沢成文君 これ、今確定したと。IOCの了承を得た会場とこれからまだ調査というか引き続き調整を進める会場、分かれておりますけれども、私の認識は、これ、ロスのオリンピックもリオのオリンピックも、IOCと組織委員会で合意したと、でも、その後、様々コスト面とかあるいは国民の声とかいろんな状況変化で、やっぱりここはこういう形に変えたいと主催都市からの申出があったりして変わっている事実もあるので、私はこれから会場変更は決して不可能ではないと、一応方向性は出ていますけれども、そう考えているんです。
 そこで、大臣、日本ゴルフ改革会議という団体があるんですが、大臣御存じかどうか。この団体は、今後のゴルフという競技の発展のために中立的な立場で客観的に改革案を提示していこうという団体で、評論家の大宅映子さんが議長を務めていまして、副議長はキャスターの蟹瀬誠一さんですとかこういう方々、あるいは国会議員のゴルフ議連の名誉会長さん、衛藤代議士なんかも入っているんですね。私もメンバーに入っています。
 この会議で、極めて中立的に客観的に霞ケ関と若洲の調査、比較をやったのがこの表なんですね。皆さん、ゴルフをやらない方はちょっと分かりづらいかもしれませんが、大臣は両方のコースを一度ずつ回られたことがあるというので少し想像が付くと思うんですけれども。
 まず、これ見ていただくと、運営に関する評価でも、例えばテレビやメディアクルーの宿泊施設、選手の宿泊施設、こういうのを見ても圧倒的に若洲の方が便利ですよね。霞ケ関は、一時間半車で行かなきゃいけませんし、近くにホテルはありませんので東京近辺から通わなきゃいけない。移動の手段も大変厳しくなります。ギャラリーの収容人数なんですが、これは若洲でやったとしても、最近は仮設スタンドをたくさん造れますから、かなり対応可能なんです。
 二ページ目を見てください。ここが競技に関する評価でありまして、ここはさすがに名門霞ケ関カンツリー倶楽部ですから、霞ケ関の評価は若洲よりも高いです。練習場あるいはコースの難易度を見ていただければ分かると思います。
 三ページ目なんですけれども、これが五輪に対する評価ということで、やはり会場はパブリックであるべきだ、それがレガシーにつながると。プライベートのクラブというのは、その後一般の人だけでは使えませんので、やはりゴルフ競技を見てジュニアたちが、自分もゴルフを目指したい、オリンピックをやったあの若洲でプレーをしたい、これができるというパブリックコースというのは大変重要だというふうに思いますし、その辺りのことが様々書いてございます。ゴルフのレガシー度などもありますし、また、コンパクトなオリンピックのコンセプトに合致するのはどちらかというと、これは当然のごとく、選手村から四キロというところにあるパブリックコースの若洲の方がコンパクトになるということですね。
 最後のページは、東京らしさに対する評価でございます。それと、ここに関係しますが、やはり霞ケ関カンツリー倶楽部、真夏の八月に大会をやります。埼玉県の夏の暑さというのはもう四十度を超えます。これは、選手だけじゃなくてギャラリーの方も含めて熱中症でかなり厳しい思いをするでしょう。一方、若洲の方は、周りが海ですので海風が吹いて、恐らく五度ぐらい違うと思うんですね。こういうコンディションも考えても、やはり圧倒的に若洲の方が私は、夏のオリンピックをやる、またレガシーを残すとしたら好ましいと思っていまして、一番そのページの下の表に、それぞれ競技に関する評価、運営、あるいは五輪に関する評価、東京らしさに関する評価ということで、競技に関しては霞ケ関に若干利がありますが、運営やあるいは五輪、東京らしさという意味ではやっぱり圧倒的に若洲がいいんではないかと。ゴルフの専門家の団体もこのように評価を付けているんです。
 まず、大臣、これ、この評価表を見て御感想はいかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 私は、この日本ゴルフ改革会議というのはちょっと存じ上げていないものですから、どんな組織構成で、どの程度の影響力のある団体かどうかも存じ上げておりません。
 今まで松沢委員がこのことについては国会で質問されておられましたから、私も東京都を含めいろんな関係者にこのことについてはいろいろ聞いておりますが、皆さんが、若洲は場所はいいけど、やっぱりいろんないざやるとなると課題が非常に多いので、物理的にやるのは難しいのではないかという、私が聞いている範囲内では慎重な方々の意見の方がやっぱり圧倒的に多くて、是非、霞ケ関に決まりつつあるけれども若洲の方に変えるべきだということを、これは最初に質問されたときの直後の話ですけれども、そういう話は実際は私の聞いている範囲内では特になかったという経緯がございます。
 そういう中で、組織委員会等がいろんな調査をした結果を踏まえて、先ほど申し上げたように、今年二月のIOCの理事会で霞ケ関カンツリー倶楽部でということで報告をしたのではないかというふうに思います。
○松沢成文君 大臣、実はこのゴルフ改革会議の皆さんは、舛添知事にもこの表も含めて説明に行っているんです。そうしましたら、舛添知事の顔色がかなり変わりまして、これはちょっと再検討しなきゃ大変だなという認識に変わったそうであります。特に、夏が物すごく暑くて霞ケ関は厳しいなという面だけではなくて、やっぱりレガシーの問題、コストの問題含めてこれは再検討が必要ではないかという認識になっているらしいんですね。それで、実は組織委員会の委員長の森先生もこの比較表を見まして、いや、これは若洲の方がいいなというふうにも感想を漏らしているらしいんです。
 私はちょっとうがった見方していますけれども、この霞ケ関にある意味で強引に持っていったのは、確かに客観的な評価をしたというふうに表上なっていますけれども、私は、やっぱり一部のゴルフ関係者の方が、日本の一番有名な霞ケ関を世界でやっぱり有名なゴルフ場にしていきたいという、かなりそういう思いがあって霞ケ関に強引に持っていったというふうに私には見えるんですね。
 何度も申し上げますけれども、これ、リオのオリンピックも実はリオデジャネイロ市内に二つのプライベートクラブがあって、そのうちの一つでオリンピックをやることが決まっていたんです。ただ、その後、市民からの声あるいは組織委員会の中でも、やっぱりオリンピックをやるとしたらパブリックでやるべきだと。パブリックでやって、そこでその後もレガシーとして残って市民がプレーをする、あるいはジュニアがそこから育っていくことによってオリンピックをやった価値が後世につながっていくということで、リオではわざわざパブリックコースを増設して、プライベートではやめてパブリックに変えているんですね。
 ところが、東京は、若洲ゴルフリンクスという十分大会をできるパブリックコースがあるにもかかわらず、一部のゴルフ関係者のある意味で思惑で、日本でも有名なプライベートの霞ケ関にどうにか持っていこうということで、ここまで私は動きが出てきているというふうに思っていまして、大臣にお願いしたいのは、舛添知事もこれはもう一回検討しなきゃいけないという気持ちになっていまして、森組織委員長もこれは若洲の方がいいなと感想を漏らしているわけでありまして、これ、オリンピック・パラリンピック担当大臣としてもう一度、都知事やあと組織委員長とも、この表も含めてこのままで本当にいいのかということを御確認、御相談いただけないでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) ちょっとこのことについては、以前は松沢委員からそういう御質問ありましたから、舛添知事、それから森組織委員長と話したことありましたが、そのようなことはおっしゃっておりませんでしたが……
○松沢成文君 最近の話です、最近の話。
○国務大臣(下村博文君) 最近の話ということですので、何かの機会に今日の国会質問を踏まえて、しかし先ほど、国会質問は物すごい影響力あるというような田村委員から話もありましたが、客観的なこういう、客観的かどうか分かりませんが、日本ゴルフ改革会議ですか、この資料を御覧になったかどうかということについては、何かの機会のときに話をしたいと思います。
○松沢成文君 何かの機会と言わずに、これはできるだけ早めに、六月にはまたIOCの全体の決定もあるわけですから、一度是非とも相談をして、再検討いただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 次に、セーリングの競技会場なんですけれども、セーリングもこれ若洲、あのゴルフ場の近くですね、行われることになっていたんですが、先般のニュースで、これ羽田空港の特別管制区内にあるということなので、ここは、若洲はできないということで、これもう一度決め直しだということになりまして、私の地元の神奈川県の江の島と愛知県の蒲郡だったっけなと、あと千葉県と、三つの中からまた選び直すということになったんですが。
 これ、ちょっと私不思議なのは、これ羽田空港の特別管制区内にある、つまり空からヘリコプターで撮影するのが羽田空港の管制区域に掛かってそれができなくなるというんですが、これはもう最初から分かっていたことじゃないかと思うんですね。なぜ今になって、それが理由でやっぱりセーリングは若洲でできないということになるのか、ここが不思議なんですけれども、いかがなんでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) これについては、東京都に確認したところ、立候補時に国際競技連盟の承認を得て若洲オリンピックマリーナをセーリング競技の会場として決定した際に、この地域が管制区域内であることやセーリング競技では一般的に空撮が行われることについて認識していたそうではありますが、これらは招致決定後に調整すべき課題であると考えていたという答えでありました。
○松沢成文君 これはもう少し初めからきちっと確認をした上で、もちろんこれは大臣の責任ではありませんけれども、組織委員会と東京都ですね、きちっとこれ調整をしておくべきだったというふうに思います。
 それから、これに関連して、実はトライアスロンと水泳のオープンウオーター十キロスイミング、この会場がお台場の海浜公園になっているんですけれども、これ、お台場の海浜公園は、じゃ、この特別管制区域内じゃないんでしょうか。また、これも、こういうスポーツもみんなヘリコプターからの空撮が最近はほとんどやられているんですね。トライアスロンなんかは、みんな水泳のときなんかはだあっと上から撮影していきます。それを見ていてもダイナミックで見応えがあるんですよね。これは管制区域内じゃないのかということと、あと、ここ、水質の問題は大丈夫なのかということです。東京湾であるし、ちょっと下水道の問題があるということでありますけれども。そういうふうに考えると、こういうところもまた見直される可能性があるんじゃないでしょうか、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) これも東京都に確認したところ、トライアスロンはスイム、バイク、ランの三種目から成る競技であり、海面と道路を利用することなどから様々な撮影方法が考えられるため、現在、競技エリアや撮影方法等も踏まえ、競技団体などの関係者と協議しているところであるというふうに聞いております。
 また、水質の問題については、平時は心配要らないそうでありますが、これも例えばその前に台風が来るとかいうことになるといろんな水質の問題が出てくる場合もあり得るということで、競技団体などの関係者と今協議しているところであるというふうに聞いております。
○松沢成文君 このオリンピックの競技会場、今IOCの承認も得てどんどん決めていっているわけですが、やはりコストの面だとか、あるいは安全性の面、環境の面、あるいはレガシーとしてこのオリンピックをここでやったことがまた後世に様々な遺産として残るように、そういう総合的な判断から極めて慎重に今後関係機関と相談をして決めていっていただきたいと、そのことを要望して質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(水落敏栄君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
○委員長(水落敏栄君) 次に、文部科学省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。下村文部科学大臣。
○国務大臣(下村博文君) この度、政府から提出いたしました文部科学省設置法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 我が国におけるスポーツ政策については、平成二十三年に成立したスポーツ基本法に基づき、文部科学省を始め関係各府省が連携して、スポーツ立国の実現に向けた施策を実施しております。二〇二〇年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会の開催も契機として、これまで取り組んできたスポーツ選手の育成や地域におけるスポーツの推進に加えて、国民生活における多面にわたるスポーツの役割をより一層高めていくためには、スポーツを通じた健康の保持増進や地域社会の再生、国際的地位の向上など、多数の府省に関連する施策を政府として総合的に推進していく必要があります。
 この法律案は、これらのスポーツに関する施策を総合的に推進する行政組織を整備するため、文部科学省の外局としてスポーツ庁を設置するものであります。
 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
 第一に、文部科学省の任務のうちスポーツに係る部分をスポーツに関する施策の総合的な推進に改めるとともに、文部科学省の所掌事務に、スポーツに関する基本的な政策の企画及び立案並びに推進、スポーツに関する関係行政機関の事務の調整、並びに心身の健康の保持増進に資するスポーツの機会の確保に関する事務を追加することとしております。
 第二に、文部科学省の外局としてスポーツ庁を設置し、その長をスポーツ庁長官とするとともに、スポーツ庁の任務をスポーツの振興その他のスポーツに関する施策の総合的な推進を図ることとし、スポーツ庁は、その任務を達成するため、さきに述べたスポーツに関する基本的な政策の企画及び立案並びに推進等の文部科学省の所掌事務に新たに追加する事務のほか、スポーツの振興に関する企画及び立案並びに援助及び助言に関する事務その他の事務をつかさどることとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○委員長(水落敏栄君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時十七分散会