第189回国会 文教科学委員会 第12号
平成二十七年六月九日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 六月二日
    辞任         補欠選任
     蓮   舫君     那谷屋正義君
 六月八日
    辞任         補欠選任
     衛藤 晟一君     島田 三郎君
 六月九日
    辞任         補欠選任
     島田 三郎君     衛藤 晟一君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         水落 敏栄君
    理 事
                石井 浩郎君
                二之湯武史君
                神本美恵子君
                斎藤 嘉隆君
    委 員
                赤池 誠章君
                衛藤 晟一君
                島田 三郎君
                橋本 聖子君
                藤井 基之君
                堀内 恒夫君
                丸山 和也君
                吉田 博美君
                榛葉賀津也君
                那谷屋正義君
                森本 真治君
                秋野 公造君
                新妻 秀規君
                柴田  巧君
                田村 智子君
                松沢 成文君
   国務大臣
       文部科学大臣   下村 博文君
   副大臣
       財務副大臣    宮下 一郎君
       文部科学副大臣  丹羽 秀樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        美濃部寿彦君
   政府参考人
       文部科学大臣官
       房文教施設企画
       部長       関  靖直君
       文部科学省初等
       中等教育局長   小松親次郎君
       文部科学省高等
       教育局長     吉田 大輔君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  藤原  誠君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○学校教育法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
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○委員長(水落敏栄君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、蓮舫さん及び衛藤晟一君が委員を辞任され、その補欠として那谷屋正義君及び島田三郎君が選任されました。
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○委員長(水落敏栄君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 学校教育法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学大臣官房文教施設企画部長関靖直君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(水落敏栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(水落敏栄君) 学校教育法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。下村文部科学大臣。
○国務大臣(下村博文君) おはようございます。
 この度、政府から提出いたしました学校教育法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 我が国が将来にわたり成長、発展を続け、一人一人の豊かな人生を実現するためには、子供の発達や学習者の意欲、能力等に応じた教育を実現することが急務です。
 この法律案は、そうした教育の実現に資するよう、学校教育制度の多様化及び弾力化を推進するため、小中一貫教育を実施することを目的とする義務教育学校の制度を設けるとともに、高等学校等の専攻科の修了者について、大学に編入学できる制度を創設するものであります。
 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
 第一に、新しい学校種としての義務教育学校の創設についてであります。義務教育学校は、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育を基礎的なものから一貫して施すことを目的とし、義務教育学校における教育は、この目的を実現するため、義務教育として行われる普通教育の目標を達成するよう行われるものとしております。修業年限は九年とし、前期課程及び後期課程に区分するほか、就学義務、設置義務の履行等について必要な規定を設けることとしております。
 第二に、義務教育学校の制度化に係る行財政措置についてであります。公立の義務教育学校に関する教職員定数の算定、教職員給与費及び施設費等に係る国庫負担については、現行の小学校及び中学校と同様の措置を講ずることとするとともに、義務教育学校の教員については、小学校の教員の免許状及び中学校の教員の免許状を有する者でなければならないこととしております。
 第三に、高等学校等の専攻科修了者の大学への編入学についてであります。高等学校等の専攻科のうち文部科学大臣の定める基準を満たすものを修了した者は、大学に編入学できることとしております。
 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○委員長(水落敏栄君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○二之湯武史君 おはようございます。自由民主党の二之湯武史でございます。本日は、学校教育法等の一部を改正する法律案ということでございまして、質問に立たせていただきます。
 今年の二月だったと思いますけれども、この参議院の文教委員会で新潟県の十日町市に視察に伺いました。水落委員長の母校、下条小学校・中学校というところをお伺いをして、まあ最初は、委員長の地元で、いろいろと委員長の故郷に錦を飾るような視察なのかなと思っておりましたけれども、大変実は勉強になる視察でございまして、いわゆる本日議題の小中一貫校を導入しておられる学校でございました。
 いわゆる人口が減少している地域で、子供の数が減って、小学校、中学校それぞれが単体で成り立っていくのが難しいと。その中で地域の方が協議会を立ち上げて、そして何年にもわたる議論を重ねて小中一貫校になっていったと、そんな経緯があった学校だったというふうに記憶をしております。また、幼保連携もされていたような話をお伺いしましたよね。
 それで、そういう背景ですから、コミュニティースクールも導入をされておられまして、地域の一つの拠点といいますか、そういう色合いの非常に強い学校で、私は正直、小中一貫校というものを机上では知っておりましたけれども、現地に見に行くのは初めてでありましたので、大変勉強になる視察でございました。中高一貫校というのは大変社会的にも、ある種知名度があったりとかインパクトがあって、私も何度かいろんなところに視察行ったことはあるんですが、小中一貫というのは初めてで、そういう非常に意義のある視察を二月に行ってまいりました。
 そこだけしか、私、見たことなかったので、その小中一貫校を導入する動機というのはどちらかというと学校の統廃合的な観点が強いのかなと思っておりましたが、今回の法改正の上で私も勉強させていただいたところ、必ずしもそうではないと。むしろ都市部にもある、この東京都内でもたくさんございますと。それで、そういう学校の多様性といいますか、学校選択制の中での一つの選択肢としてそういうものが導入されているという実態も勉強させていただきました。
 そして、その数が今、全国で二百十一の自治体、学校数でいうと千百三十にも上るということで、非常に全国的にも徐々に徐々にその数を増やして広く普及しつつあるというこの今の制度を今回の法改正で制度化していく、制度化する。現在、実質的にも千百三十の学校が存在しているという中で、まず基本的な質問になるんですが、それを今回法改正によって制度化することによって、実質的なメリットといいますか、そういったものがどういう点にあるのか、改めてお伺いをしたいというふうに思います。
○国務大臣(下村博文君) 私も、冒頭、二之湯委員がおっしゃっていました十日町市には視察に行ったことがありまして、必ずしも水落委員長だけの御縁ではなかったんですが、行って、十日町市の教育全般の取組が大変すばらしいということを、私も、市長さんや教育長さん、校長先生、学校関係者の方々一体となって十日町市の教育に取り組んでいるというその姿勢が本当にすばらしいと思いました。元々行ったのは、国宝になっている火焔土器を是非見に来てほしいということがきっかけだったんですが、これも本当にすばらしい土器でありましたが、教育改革、本当にその自治体によって随分取組が進んでいて、すばらしい実績残しているところがこの小中一貫学校においても出ているという感じを持ちました。
 そのように、小中一貫教育については全国各地で数多くの実践が行われ、顕著な成果が報告されております。また、実施上の課題に関する効果的な解消策も蓄積されております。
 一方、小学校、中学校が別々の組織として設置されているため、それぞれに校長や教職員組織が存在し、意思決定や意思統一に時間が掛かること、また、組織が一体でないということから、人事異動などで人が替わると組織が定着、取組が定着しにくいということ、さらに、小学校、中学校ごとに取り組むことが想定されている事務が多く、九年間を見通して一体的に遂行することが難しい、また、特例的な教育課程の編成に当たり研究開発学校制度や教育課程特例校制度を活用する場合には、個別の大臣指定が必要となり、迅速な取組が難しいなどの課題が指摘されており、実際に運用上の取組を進めている現場からも、義務教育学校を制度化して実施しやすくしてほしいという要望が寄せられておりました。
 今回の制度化によりまして、一人の校長の下で一つの教職員集団が九年間の教育を行うことを前提とした学校を設置し、設置者の判断により柔軟な教育課程を編成することが可能ということになります。このことによりまして、現在生じている様々な運用上の課題が解消され、より効果的、効率的に小中一貫教育を実施できるようになるものと考えております。
○二之湯武史君 ありがとうございます。
 今大臣が御答弁されたように、例えば校長先生が小学校、中学校ごとにおられるというのが全体の七八%に上ると。逆に言いますと、一人の校長先生が、今、現制度でも一二%の学校は一人の校長で学校全体を兼務しているというような実態があるようでございます。
 また、もう一つおっしゃった特例制度でございますけれども、現在では活用している学校が僅か二〇%ということで、小中一貫学校であるがゆえのメリットというものを今の千百三十校においてはなかなか活用し切れていないのかなと。それは、私もこの資料を拝見をしてそのように感じている次第でございます。
 もう一度改めてお伺いをしたいんですが、文部科学省の、現在、小中一貫学校を導入している千百三十の学校に調査をされたこの結果、アンケート調査の結果を拝見をいたしますと、なぜ小中一貫校を導入したのですかと、こういう導入の動機、狙いについて各々回答結果があるわけですが、九〇%を超えている回答が三つありまして、それが、学習指導上の成果を狙っている、もう一つが生徒指導上の成果を狙っている、最後に教職員の意識改革、この三つが導入校の九割を超えた学校が一つの導入の狙いとしておるわけですけれども、それぞれに、学習指導上の成果というこの八文字の言葉ではなかなか具体的なものが見えにくいと思いますので、改めてそれぞれの、今申し上げた三つの狙いというものをもう少し具体的に教えていただければ有り難いんですけれども。
○政府参考人(小松親次郎君) お答え申し上げます。
 今、三点ほどお尋ねがございました。
 現在、運用上取り組まれております小中一貫教育の実施校におきましては、まず一つ、学習上の成果を上げようという面でございます。例えば、九年間の教育目標の下に、小中一貫した教育課程を小中学校の教員が合同して編成をするといったような取組をすること、それから、小学校の高学年から教科担任制を導入いたしまして、教科の専門性を生かした指導の充実を図るというやり方、それから、九年間を通じた学習規律の徹底や、発達段階に応じた家庭学習方法の段階的な指導を行う、こういったような取組を目標として行っているということを承知しております。
 それから、生徒指導上のお尋ねございました。こちらにつきましては、例えば九年間を見通した生活規律を定めたり、あるいは小学校、中学校で合同のいじめ防止の基本的な方針等を定めたりするというようなこと、それから、小学校、中学校での合同行事や、児童会、生徒会活動の合同の実施など、九年間を通じた異学年交流の機会を計画的に設けることといった取組、その目標や実施ということが挙がっております。
 さらに、三つ目のお尋ねでございました、教職員の方々の意識改革を図るという観点から例示をいたしますと、小学校、中学校の教職員の方々の兼務を進めることや、小学校、中学校の教員の方々の合同研修や相互授業参観を実施していくことなどの取組を通じまして、小学校、中学校の先生方がお互いの良さを取り入れ、九年間を通して児童生徒を育てるという意識の醸成を図っていくという取組が行われている。こうしたものを承知しております。
○二之湯武史君 大変具体的に理解することができました。
 その中でも、いわゆる最近よく言われる中一プロブレムという言葉が、最近よく耳にします。小一プロブレムというものも同時に存在するようですが、今回の制度改正においては、それの対象となるのが中一プロブレムという話だと思います。
 我々が、我々というか、私が中学校一年生になったのが二十六年前ですけれども、その時代でも、あの中学校は荒れているらしいとか、中学に入った途端やんちゃになる子とか、また一方で、逆に小学校のときあんなに元気だったのに中学になったら急におとなしくなったりとか、小学校のとき目立たなかったのに中学になるとやたら勉強ができるようになった子とか、いろいろ、中学校に入った途端に環境が変わるというようなことは確かに昔からあったとは思うんですけれども、今のように社会問題の一つとして語られるようなことというのは余りなかったのかなというふうに記憶はしております。
 それが今、中一プロブレムということで、それは主に生徒指導上の成果というところに当たるのかもしれませんが、学習的に、例えば英語の壁にぶち当たる等々でいうと、これは学習指導上の成果というものに当たると思います。
 そういった中一の精神的な、何というんですかね、中学に入ることによる変化、そういったものを捉まえるという意味では教職員の意識改革というものにもつながるかというふうに考えますが、要はそういうようなものが、今までは小学校、中学校とそれぞれ別々の組織といいますか、そういったもので日本の義務教育というのはしっかり対応できていたというふうに思いますが、この数年間、そういうものが社会問題化してきていると。そういうふうになった背景といいますか、こういう小中学校というものが導入される社会的な背景となったようなものというのは、どのようにこれお考えですか。
○副大臣(丹羽秀樹君) おはようございます。
 近年、小中一貫教育に取り組む自治体が増えてきております背景といたしまして、平成十八年の教育基本法や、また平成十九年の学校教育法の改正によりまして義務教育の目的や目標が規定されたほか、児童生徒をめぐる状況の変化といたしまして、いじめの認知件数、不登校、暴力行為の加害児童生徒数が中学一年生になったときに大幅に増えるという、いわゆる中一ギャップという存在がございます。
 さらに、小学校への英語教育の導入や中学校の授業時間数の増加など、教育内容や学習活動の量的、質的充実、さらに地域コミュニティーの衰退や三世代同居の減少による異年齢交流の縮小など、学校、家庭、地域における子供の社会性育成の機能の低下、学校規模の縮小による学校教育機能の低下といった課題がございました。
 こういったことに効果的に対応する観点から、この小中一貫教育の導入が進んできたものと考えております。
○二之湯武史君 ありがとうございます。
 今まで三問、四問お伺いした中の御答弁の中で、もう少し詳しくお聞きをしたいというふうに思っております。
 先ほども申し上げましたように、学習指導上の成果というふうなものに対応する、例えば小中一貫校ができることによって独自科目を、独自教科を設定をしていこうとか、学習指導要領の前倒し若しくは後ろ倒し、若しくはそれぞれの生徒に応じた柔軟な指導体制等々、特に外国語教育なんかが念頭に置かれているのかなというふうに思いますが、先ほど申し上げたように、その導入の今現状というのは、残念ながら現状の小中一貫校には二割程度しかまだそういう普及がしていないと。一方で、導入を目指す際には、九割以上の学校が学習指導上の成果を狙いとして導入をしていると。
 ここに大きな残念ながらギャップがあるというふうに私は認識をしておるんですが、そのギャップを今回のこの法改正によって埋まっていくのか、埋まるのであれば、もう一度詳しくお伺いしたいのですが、どういう根拠によってそういう学習指導上の成果、今申し上げたような特例の制度がより現場によって実施されていくのか、そういうところをもう一度お伺いさせていただいてよろしいでしょうか。
○政府参考人(小松親次郎君) まず、今回の制度でございますけれども、これは各地における義務教育の実施に当たりまして、その地域の実情等に合わせた多様化や弾力化が推進できるようにしていこうということで、制度的な選択肢を広げるということが基本的な方針になっているわけでございます。
 具体的には、冒頭に大臣の方からもお答えを申し上げましたように、今現在の制度でございますと、小学校、中学校が一体的に様々な取組をいたします上で、例えば、先ほど校長先生の兼務もあるというお話ございましたけれども、その場合でも、制度的には別々の学校で別々の意思決定をして、それぞれの調整を図って修正をしてというような形で事柄が行われます。あるいは、教育課程の特例をやろうといたしますと、一つ一つ別々に独立の組織として承認を取って、その後で更に調整をまたしなければいけないというようなことになりますので、なかなか進みにくいというようなことがあるわけでございます。
 これが、今回の制度になりました場合には、その地域の特色に応じまして、例えば郷土関係の科目を設けたいというようなときには、一つの学校として一つの教職員集団、そして、地域全体に一つの意思決定の主体として協力を求めてやることができるというような意味では、取組が非常にやりやすくなるわけでございます。
 こうした制度面での教育課程の特例を弾力的に扱おうということと、実態面としての実際の機動的な動きができやすいということなどによって、今御指摘の特例とか特色ある教育が非常に進みやすくなるということを制度的に支援することができるというふうに考えております。
○二之湯武史君 大変よく分かりました。制度化によって特例の運用が柔軟化する等々の効果があるということは大変よく分かりました。
 もう一度、現状の小中一貫教育を導入している学校に対するアンケート調査の結果を拝見して、どのような効果がありましたかというようなお話の中で、プラスの、メリットがあったという項目の中に、やはり先ほど申し上げたようないわゆる中一ギャップ、中一プロブレムの問題、こういったものに対しての、要は生徒の不安感でありますとか、そういったものが改善をされているという生徒に対するメリット、これは確かに学校現場では感じておられるようです。また、教員の皆さんにとっては、小学校、中学校との今まで以上の連携といいますか、それぞれの特色、いいところを取り合うでありますとか、連携を一層深めていくことができているというような前向きな回答項目もございました。
 一方でこれ、この後、多分皆さん質疑に出ると思いますが、やはり教員の皆さんの負担感が増しているというような結果も一方で出ているのは事実だと思います。現状でさえも大変、日本の教員というのは世界で一番勤務時間が長い、一方で、本来一番取り組まなきゃいけない教務時間はOECD諸国の平均を下回ってしまっていると。
 そういう中で、文科省も我々自民党の方も、チーム学校ということで、今、更にいろんな検討を進めている、議論を深めているところでございますけれども、まさにそういった問題がその千百三十校の中には見られていることも事実です。小中学校、先生同士の打合せの時間を確保しなきゃいけないとか、新たに研修に取り組まなきゃいけない時間でありますとか、そういったものが出ているのは事実でございますけれども、こういった現在の小中一貫校におけるどちらかというとデメリットの部分、こういったものが今回の法改正によってどのように解消されていくとお考えなのかということも是非お聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) これまで取り組まれております現行制度下での小中一貫教育につきましては、メリットも様々報告されているということは委員御指摘のとおりでございます。あわせまして、課題というようなことについても様々検証の結果として挙げられておるわけでございます。
 これについて申し上げますと、生徒の面と教員の面とそれぞれあろうかと思いますけれども、生徒の方で申し上げますと、長期の課程になりますので、児童生徒の人間関係の固定化が悪い方向へ出ないようにしなければいけない。それから、小学生で区切ってきている従来の制度で養われている高学年のリーダー性や主体性の育成ということが損なわれないようにしなければいけない。そして、これは必ずしも生徒さんだけじゃなくて学校運営全体になりますが、やはり先生方、教職員の方々の負担感、多忙感といったものを軽減する必要がある、こういったことが課題として挙げられているわけでございます。
 ただ、これらにつきましては、それに対する効果的な対応策というのも蓄積されておりまして、例えば児童生徒への指導面の工夫ということで申し上げますと、人間関係の固定化といった課題につきましては、多様な形態での異学年交流の計画的な実施、あるいは複数の先生方による多面的な評価を行う体制の構築といった対応、それから小学校の高学年でのリーダー性の育成の課題については、例えば小学校四年生、これは十歳の頃でございますけれども、の二分の一成人式といった成長の節目を意識させる儀式的行事の開催、あるいは、四三二といったような六三とはまた異なる区切りによって、それぞれの学年集団の中で最高学年としての自覚を促す取組を実施するといったような形で課題が解消される、そういった取組が報告されております。
 それから、先生方の方でございます負担感、多忙感の解消の面につきましては、この制度化によりまして、一つは、これまで小学校、中学校が別々に行っていた事務を一人の校長先生の下で先生方が一体的に行えるという面の活用、それから総括担当の副校長、教頭先生が配置されること、あるいは学校事務職員等の方々が複数配置になること、こういった取組を通じまして校務の効率化が期待できると考えております。
 制度面でいいますと、そういう形になります。
○二之湯武史君 分かりました。是非、そういった改善を、今回の法改正によって具体的に進んでいくことを期待したいというふうに思っております。
 教職員の面、これからまた質疑があると思いますが、生徒の面という意味では、今おっしゃったように、やはり今まで小学校、中学校であれば、六年間小学校に通って、そこで卒業式という区切りがある。半年ぐらい前からもうその卒業式のための準備をして、何か歌を歌ったり、お別れの挨拶みたいなことをやったり、そんな中で何か徐々に気持ちが盛り上がっていって、ああ、俺はもう六年生なんだな、卒業なんだなと。何かそんな風情がなくなるというのは一方でちょっと寂しいような気もしますし、逆に、春休みを終えて中学校の入学式、これはどちらかというと不安な気持ちの方が大きくて、最近なんかでいうと、小学校で、もう中学受験で公立中学に行かない子供もいるわけですから、あいつとはもう一緒の学校に通えないんだなとか、様々な情緒的な儀式、こういったものを通過することによって十二歳の少年なり少女が一皮、二皮むけていくと。
 こういうような儀式がなくなるのは、やや私は寂しいかなという気は個人的にはいたしますが、今おっしゃったような様々なプラス面もあるということでしょうから、その多様化の中でそれぞれの価値があるということは私も理解できますけれども、そういった情緒的なことは私を始め一部の保護者の方も思われるんじゃないかなというふうには思います。
 そういった意味で、各地域でそういった取組が行われる、地域の特色を踏まえて教育が行われる、そういう中で、いわゆる小中学校を設置者、つまり自治体の方が主導するというよりは、やはり常に地域なり保護者なりという方々に、やはりしっかり連携をしながら、意思を共有しながら進めていくことが大事ではないかなと。
 私も塾を運営していますと、様々なニーズ、要望を保護者の方からお聞きするわけですけれども、やはりそういったものにオープンであれば保護者の方というのは疑念を持たないわけですけれども、どこかで一方的に決まってしまうことに対して、クローズなことに対してどうしても不満を持ってしまう、そういう人間としての習性があると思いますので、是非そこはオープンな形で進めていただきたいと思いますとともに、やはり学校の統廃合等々が行われる場合は、現役の保護者もそうなんですが、その地域のどちらかといえば年配の方々、その地域で長年住んでおられる年配の方々なんかの方がかえって学校の統廃合なんかには物を申す方が多くて、保護者の方はむしろ関心が薄いというような場合もございますので、是非その辺は慎重に、かつ大きな連携の下で進めていただきたいなというふうに思います。
 最後の質問になりますが、もう一度最後に総括をする、小中教育というより、小学校、中学校というのは義務教育でございます。これは、日本のどこに住まおうが、一定の水準をどの地域にいようが確保しなければいけない、これが私は義務教育の一番の本質だと思っております。そういった意味では、今回の小中一貫校というのは、学習指導要領においてしっかり平等性を担保しつつ、運営面において地域の特色も踏まえながら多様な義務教育を提供していくと、一言で言えばそういう私は理解をしておるんですが、その点について、文科省としての考え方、若しくは私の今の認識が足りない部分、違っている部分等々あれば御指摘をいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(小松親次郎君) 今回の制度化の考え方は、委員御指摘のとおりだというふうに考えます。
 先ほど、各地域の実情に応じて多様化、弾力化ということの観点から制度的選択肢が増えるように制度を設計しているという御説明を申し上げましたが、その前提といたしまして、小学校の学習指導要領、中学校の学習指導要領を準用して、教員免許など、あるいは教科書の面などでも同じように準用してやっていくということがございます。そういう意味では、義務教育の根幹たるこれまでの小学校、中学校で行われてきた学習の内容、あるいは系統性、こういったものが損なわれることのないように担保するということを大前提としながら九年間の一貫した教育課程が組めること、あるいは別々の組織になっているものを一つにして運用が機動的にできること等の制度を用意いたしまして、各地域の特色を生かした特色ある教育課程も組めるというふうにするということでございます。
 したがいまして、各自治体において地域の実情や児童生徒の実態など様々な要素を総合的に勘案して、主体的にこの制度的選択肢をそのような前提に基づいて有効に活用していかれるように働きかけていくということになると考えます。
○二之湯武史君 ありがとうございます。
 是非、そういう理念はしっかり理解できましたので、あとはもう運用面を充実させていただきたいというように思います。
 個人的には、先ほど申し上げましたように、私、六年生で転校したんですね。一年生から五年生は違う学校にいて、小学校六年生でおやじが選挙に出た関係で京都市内に引っ越したんですが、大変不安な六年生を過ごして、ですので、卒業式はすごい印象に残っているんですね、小学校六年生の卒業式というのが。
 だから、先ほども申し上げましたように、子供というのは様々な情緒的な体験を踏まえて精神的に成長していくものだというふうに思いますので、是非そういった観点を様々な工夫をしていただいて、先ほどおっしゃったように二分の一成人式等々、様々な学校なり地域においてそういうある種の儀式といいますか、年齢を超えることによる儀式というものを子供たちにしっかり体験をさせながら、この小中一貫校の良い部分と、そしてこれまでの良い部分、共に様々な工夫をして子供の成長につなげていただきたいというふうに思います。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
○神本美恵子君 おはようございます。民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。
 私も小学校の教員を二十一年間やってまいりました。しかし、既に学校現場を離れて、数えてみますと三十年、いや、三十年もないかな、二十年ほどたっております。一九七〇年からでした。離れたのが九六年ですので、二十年ぐらいですね。
 学校教育法の改正ということで、この前、十日町市の下条小・中学校に視察に行かせてもらいまして、先生方や子供たちの姿を見ながら、本当に、一緒にやっていくというか、子供の育ちをずっと見られるというのはいいなということは正直感じました。
 ただ、私自身の経験から言いましても、戦後、私自身の経験は小学校六年生、中学校三年生、その小学校の間子供に寄り添ってきたという経験なんですが、この六三制しか経験がないんですね。今回の小中一貫教育を行うための義務教育学校をこの一条校に加える、新しい学校種をつくるということについて、見てはきましたけれども、制度的にこれをしていくということは本当に新しい経験ですので、非常に不安とか懸念がございます。
 その前に、私、小学校の三、四年生を受け持った子が、もう三十年ほど前になるんですけれども、この間、この資料を読みながら思い出したことがございます。中学校二年生になった女の子の御両親から電話があって、私はもちろん隣の市にもう異動して、子供とも離れて長かったんですが、子供が学校に行けなくなりそうだということで、先生に会いたいという御両親からの電話がありまして、じゃ、いついつの日曜日どうぞということで、御両親に連れられて中学二年生にもうなっている女の子が私のアパートに参りました。先生と二人っきりで話したいと言うからということで、御両親は下で車で待っていらしたんですけれども。
 その子の話によると、中学校に行って一年生のときは良かったんだけれども、二年生になって急に授業の中で、その子はとても活発な女の子だったんです、小学校のときは。授業中でも何でも質問をしたり、友達と交流をしたりができたんですけれども、そのまんま上がっていったら、おまえ質問するなよ、授業が進まないじゃないかと周りの子から言われると。それで、お掃除とかいろんな活動の中で活発に友達、男女を問わず注意したり、こうやろうよというようなことをやるリーダー的な女の子だったんですが、それが出しゃばりだと言われるというようなことがどんどん重なっていって、あんなに元気だった子が本当に沈んで、表情も全くもう消えてしまうような状態になっておりました。部活動においても、テニスに入っていたけれども、ペアを組んでくれる人がいない、おまえは駄目だと言われて、女の子からも排除されるというようなことで、本当に精神的に参ってしまって、御両親は何度も会社休んで担任の先生と話をしたりしてきたけれども、もうこれ以上学校に行けないというふうになっているから、先生に会いたいというその一言にすがって連れてこられたわけですね。
 私もどうしていいか分からなくて、もうその子と世間話というか、その後どうだったとか、あの子はどうしているかなとかいう話をしながら二時間ほど話をして、ただ、私としては、あなたが三、四年生のときにあんなにきらきら輝いて、あなたが授業中に質問することも友達を注意することも、それはとても大事なことだと、その個性を責める方が悪いんだということで、私はもうそのことだけをその子に伝えたんですね。
 それから、それが終わった後、もう高校を卒業した頃、もう一度ほかの教え子とも一緒に会ったんですが、そのときはもうすっかり元気になっていて、何がどうなって変わったのか分かりませんけれども、そういう意味では、私はその話を受けて中学校の先生にどなり込みに行こうかと本当に気持ちがはやったんですけれども、いやいや、それは中学校は中学校のやり方があるという思いで、小学校のやり方、文化と、中学校の文化のギャップをとても感じました。
 ですから、小学校と中学校の教職員の意識改革というようなものありますけれども、そういったものを本当に連携、交流しながらお互いの良さと、それからお互いの行き過ぎた指導の在り方というものを、何というか、見直していくということはとても重要だと思います。
 ですから、小中一貫教育ということで連携を強めていくということは、私は本当に、九年間あるいは高校に行って十二年間、子供の育ちをずっと見守り、寄り添っていくということは大事だとは思いつつ、先ほど言いましたように、義務教育の六三制という、戦後七十年間、日本はその制度でやってきたわけですし、諸外国からも日本の義務教育というのは高く評価をされているということがあります。ほかの国で五四三とか五三四とか五四四とか様々な学制を取っているところも、今、六三三に行き着いているというようなことも読んだことがございます。
 そこで、大臣に質問したいんですけれども、この戦後の日本の教育というのは、新しい憲法ができて、教育基本法ができて、その下で、平和と民主主義の国家建設のためにということでこの義務教育が果たしてきた役割というのはとても大きいものだというふうに私は思っております。
 その義務教育の中でも、先ほど二之湯先生もおっしゃっていましたように、日本全国どこに生まれ育っても、どんな地域でどんな家庭に生まれ育っても、全ての子がひとしく教育を受ける機会が与えられる、教育を受ける権利を行使できる、しかも、一定水準以上のものが受けられるというようなこの単線型と教育の機会均等というのが私は世界に冠たる日本の義務教育制度だと思いますけれども、今回、新たな学校種を設けるということはその根幹が変わるのではないかというような懸念も持ちつつなんですが、大臣にまず、この戦後の日本の教育制度、特に学制が果たしてきた役割についてどのように評価されているか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 冒頭、神本先生から小学校の先生のときのお話がありまして、それで、私も走馬灯のように小学校の先生の思いが先生のお話をお聞きしながら巡ってきたんですけれども、小中高大学という中で、やっぱり小学校の先生の情愛というのが今でも一番強く残っておりまして、私は小学校三年生のときに父が交通事故で亡くなって隣町に転校したということで、すぐ近くだったんですが、小学校三年生の担任の先生、女の先生が、私もその転校した先に後で転勤して行くからというふうに言ってくれたぐらい物すごく思いを持っておられた先生なんですね。それだけ、何とかしてあげたいと。実際はそのとおりにはなりませんでしたけれども、でも、それぐらい思いを持って、その先生だけじゃなくて、小学校の先生は一人一人の子供に対して思いを持っておられて、神本先生もそういう思いを持っておられたから、中学生になっても相談に来られたのではないかというふうに思います。
 事ほどさように、小学校のときの先生と、それから中学校に入って、私も、中一ギャップにはなりませんでしたけれども、中一に入って、田舎の中学校のときでも、相当、小学校のときのような甘い学校環境じゃないんだと、もう中学生だったら半分大人だからびしびし厳しくやるんだということで、意図的にではなかったんでしょうけど、相当小学校のときの環境と中学校のときの教師の対応というのは違いまして、物すごく厳しく感じたんですね。
 ですから、この小学校、中学校の先生がそれぞれいいところをもっと、一つの文化でもあると思いますが、それを情報交換することによって、子供がもっと素直に自然に伸び行くような環境をつくっていくということは必要ではないかということを私はこの義務教育学校の中で感じている要因の一つでもあります。
 そして、今、戦後教育そのものを、我が国の教育をどう評価するかということでの御質問になりますが、昭和二十二年の教育基本法制定を始めとする戦後の初等中等教育制度には、基本的に全員に単一の学校系統を用意する六三三制の学校体系、また、自治体の財政力にかかわらずひとしく義務教育の質が確保できるようにするための義務教育費国庫負担制度、また、中立公正な地方教育行政が行えるための教育委員会制度など、各種制度の整備により、全ての児童生徒が能力に応じてひとしく教育を受けられるという教育の機会均等の実現を目指し、充実発展が図られてきたと思います。
 また、平成十八年の教育基本法の改正に代表されるよう、時代の変化に適切に対応するため、これまでも不断の教育改革が取り組まれてきたところでありますが、初等中等教育に係る制度は我が国社会の発展に大きく寄与してきたと認識しておりますし、世界の中でも日本の義務教育は高く評価されているものと、諸外国に行くと改めて、どこの国に行ってもそういうふうに評価されますし、また改めて感じるところでもございます。
 そして、本法案も、これまでの学校教育の成果を踏まえつつ、変化する時代を生き抜くために必要な思考力、判断力や主体性を子供たちが身に付けられるよう、学校制度を柔軟かつ効果的なものとする必要性を踏まえて提出させていただいておりまして、これからの時代の多様化社会の中で、義務教育も基礎基本、そして原理原則、また公正公平、そういう視点をきちんと担保しながら、一方で、子供にとってのより良い環境づくりの一つとして制度設計したものであり、本質そのものが変わるということはないというふうに考えているところであります。
○神本美恵子君 小学校の経験をお話しいただいて、共感いただいたところはとても有り難いといいますか、そうなんですけれども、安倍政権が進めようとしている教育改革、学制改革ですね、第一次安倍政権のときに、先ほど小松局長の方から、今回の一貫校があちこちで進められているその動機というのの一つに、それと今回制度化する理由として、教基法、教育基本法が改正されて、小中学校、義務教育の目標が定められ、その目標について進めていく、あるいは英語教育が小学校から入ってきて、その一貫した教育というような理由が挙げられていますように、第一次安倍政権、この第二次安倍政権、特に教育再生会議というところが様々な提言を出してこれまで進めてきている。中高一貫はその前からですけれども、中高一貫校あるいは国家戦略特区で今提案されている公設民営学校、あるいは今回の小中一貫校など、義務教育段階に関わるところでの様々な制度改正が行われようとしております。
 一体、この教育再生会議を含む安倍政権は、その中の担当大臣である下村大臣は、この国の教育制度、教育改革をどのような方向で持っていこうとされているのかということをまず、もうお役人が作ったのではなくて、下村大臣そのものが、これまでの御自身の教育経験あるいは政治家としての経験も含めて、教育改革、学制改革をどのように進めようとしていらっしゃるのかということをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 私の考える教育の本質の部分というのは、その調査が日本青少年研究所で出されているんですけれども、日本と中国と韓国とアメリカの意識調査ですね、この中で、日本の高校一年生の自分に対する評価、自分は駄目な人間だと思う、自分は駄目な人間だと時々思うことがあると、これにイエスと答える高校生、日本の高校生が八四%いるんですね。アメリカは五〇%台、中国、韓国は三〇%台。日本も元々この調査をし始めた一九九〇年頃は三〇%台ぐらいだったんですが、自己否定感がどんどん増えているんですね。
 この子供たち、つまり八四%の子供がそのまま大人になったとしたら、この子供たちは幸せな人生を送れるんだろうかということに対して私はすごい危惧を持っていまして、つまり教育は何のためにあるのかと考えると、それは子供たちのためにあると思うんですね。その子供たちというのは、そういう自己否定感とか自信のなさとかそういうのではなくて、自分がこの世に生きてきて存在するということによって、人生に対する喜びとか幸せとか、それを感じるような人生を送ってもらいたい。そのためには、教育が必要だと思います。
 ですから、教育というのは、一人一人の子供たちが持っている潜在能力、それを最大限引き伸ばすと。潜在能力というのは、これは人によって違います。夢とか志も人によって違うと思います。ですから、画一、均一ということではなく、元々子供たちが持っているような潜在能力を最大限伸ばして、そしてお互いに認め合いながら、また、社会に貢献しながら自己実現をしていくと。
 自分だけいいということでは、やっぱり幸せだという人生は送れない。社会に役に立つ、家族に対しても、人に対しても、地域に対しても、国に対しても、そういうような、仕事を通じて、あるいは自分のいろんな生き方を通じて自己実現を図り、そして一人一人がより幸せに、より良く生きていくことができるような手だてを教育の中でどう進めていくかが問われていると思います。
 ですから、今、安倍内閣が進めようという教育改革というのは、別に国家主義的な、あるいは右傾化とよく批判されますが、そういう視点ではなくて、つまり支配者が目指すべき教育を考えるというような、そういう視点ではなくて、一人一人の子供の視点に立ったときに、何が今問題なのかと。そのことを考えると、今の学校制度の中でドロップアウトしてしまって落ちこぼれで居場所がなくなっている、これ発達障害も含めてそうですし、一方で物足らない子供たちもいるんですね。それぞれの子供たちが自分が生きている実感を感じながら自分の能力を伸ばす、そのときそのときに伸ばしていくような、そういう教育環境づくりをつくっていくということが必要だと思いますし、そのためには、より多様化しながら、その子に合ったような教育、そういうことでいえば、やっぱり教員の数なんかも、よりきめ細かな教育をするということが一人一人の子供たちを伸ばすということにつながりますから、チーム学校という話もありましたが、教員含めた体制もより充実をさせると。
 そういう子供たちが一人一人の能力を育むような教育をして世の中に役に立つような人材になることが結果的には国の豊かさになるわけで、つまり、国家の豊かさを先につくるのではなくて、一人一人の豊かさをつくっていくことによって結果的に国が豊かになるような社会をつくっていくと、それが今目指す教育改革であります。
○神本美恵子君 教育の内容に関わってというよりも、今私が申し上げた事例は、学制ですね、六三三四制という今の学制をどのように改革しようとしているのかと。
 ある意味、私は、市場原理といいますか競争主義が持ち込まれる、多様化、柔軟化ということで競争が義務教育段階に持ち込まれようとしているのではないかという問題意識で改めてお聞きしますけれども、二〇一四年の七月に再生会議が提言した中では、小中一貫校、あるいは高校の早期卒業、五歳児就学前教育の義務教育化、あるいは学校段階の区切りの在り方、五三四とか五四三とか四四四というような、そういう在り方について検討するべしという提言があっております。
 その中の一つとして、今回、小中一貫校が学校教育法の一条に位置付けられているのではないかと思うんですけれども、その中には飛び級や留年の導入なども今後の改革として視野に入っているのかということが一点と、もう一つは、衆議院の議論の中で、この義務教育学校を制度化することによって今後どのような方向性を目指していらっしゃるのか。答申では、小中一貫教育の優れた取組の全国展開という言葉がございます。それから、大臣が衆議院で答弁されたことは、全ての自治体で全ての学校を対象にその方向が望ましいと答弁されております。また、別の質疑者に対しては、各自治体で少なくとも一つはつくっていただきたいというふうにも大臣は答弁されている。局長は一方で、各自治体の主体的判断、これは一つの選択肢を増やす形でありますという御答弁で、ここには今後の方向性としてそごがあるように私には見えるんですけれども、全ての市町村、自治体で全ての学校を対象に義務教育一貫校にしていく方向を目指していらっしゃるのか、それとも多様化、柔軟化ということで選択肢の一つなのか、その辺りは、大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 二つ御質問があったと思いますが、飛び級、留年の件ですね。これは、教育再生実行会議の中で、先ほど私の方で答弁させていただいたように、一人一人の子供たちの持っている潜在能力を最大限に引き伸ばして、そして互いを認め合って社会に貢献しながら自己実現を図る。一人一人が幸福により良く生きられるような手だてという意味でいえば、みんなが同じことをやっているということではなくて、その子の持っている能力を引き出すということであれば、それは優秀な子は飛び級というのがあってもいいというふうに思いますし、また、そういう制度設計については教育再生実行会議で議論、提言をされているところであります。
 ただ、留年ということについては、これは一定基準を設けて、それにクリアしなかったら留年、落第ということについて、我が国においては、諸外国でそういう国もかなりありますけれども、我が国においては、これはいろんな議論があるところでありまして、義務教育の中でそれを導入するのは、これは望ましくない。大学の中では、大学においては、これは今後アドミッションポリシー、入学試験、それからカリキュラムポリシー、どんな教科にするか、それからディプロマポリシーの中で学位、ですから、このディプロマポリシー、学位の中でこれをクリアしなかったら留年させるというような、社会に対して大学教育が責任を持つという意味での大学教育におけるそういう基準をクリアするかしないかによって留年するということは、これは議論として今深めているところでありますが、義務教育における留年というのは、これは教育再生実行会議でも今回対象になっておりません。
 それから、今回の義務教育学校でありますが、私が衆議院でも答弁させていただいたのは、ちょっと正確に申し上げますと、この法律を作るということは、これは今までの六三制も否定はしません、しかし、この制度設計を、先ほどお話がありましたように、千百三十校で既に実践している中で成果、効果が上がっている、ですから是非これを法律化することによってより義務教育学校が各自治体でやりやすいようにしていただく、いいものとして国会で法案としてお願いしているわけですから、各自治体で是非取り組んでいただきたい。その中で全ての小中学校を義務教育学校に変える必要があるとは申し上げたつもりは全くありません。
 ただ、せっかくそういう法律を通すわけですから、各自治体一つ、一校ぐらいは少なくとも義務教育学校については是非検討していただきたいというのが私の思いでありまして、小松局長の答弁というのは、最終的には、設置主体がこれは国ではなくて、義務教育についてはこれは教育委員会ですから、ですから教育委員会が判断することであるので、必ずつくらなくちゃいけないということをこれは文部科学省として言える立場ではない、教育委員会が判断することだと。
 私が言っているのは、しかし法律を作るわけですから、これはお願いでありますけれども、是非、各自治体として、教育委員会としてこの義務教育学校に対して是非検討していただいて、一つはつくるような、そういう前向きな検討は是非していただきたいということで衆議院の中で答弁をさせていただいたということであります。
○神本美恵子君 ちょっと一つ確認したいんですが、義務教育のところ、留年は駄目だけれども、飛び級はオーケーとおっしゃったんですかね。
○国務大臣(下村博文君) 失礼しました。
 義務教育においても、飛び級とか留年というのは、教育再生実行会議では対象にしておりません。議論としての対象にはしていないということです。
○神本美恵子君 一つの自治体の中で、少なくとも全ての自治体の中で一つはつくってほしいというような、そういう方向性が示されたんですけれども、今そういう制度化しないとどうしてもできないことは何かということもお聞きしたかったんですが、先ほど二之湯委員の質問に答えられましたので、そこはちょっと飛ばしたいと思うんですけれども。
 やはり一つの選択肢としてこの形がつくられると、自治体の中に義務教育学校と従来の小学校、中学校、そのままの学校とが存在する場合があるわけですよね。今もそうですけれども。そうなると、例えば中高一貫教育を行う中等教育学校ではやはり受験エリート校化するんではないかというようなことで、制度導入のときに衆参両院で附帯決議が付けられておりました。受験エリート校化や学校間格差を助長することがないようにとか、受験競争の低年齢化を招くことがないようにとの附帯決議がなされておりましたけれども、実際には、御承知のように、中等教育学校や中高一貫の学校ではそういうことが起きている、あるいは東京に特に顕著に現れているというふうに聞いておりますけれども、出ている。
 今回の義務教育学校の制度についても、それ自体はそういうことを目指しているわけではもちろんないでしょうけれども、全国学力テストや特に学校選択制と結び付いたときにエリート校化する懸念はないのか。あるいは、義務教育学校がエリート校化して、選択制になって、そこにそういう人たちが集中していく、こうなると、義務教育、小学校、中学校の段階で学校間序列が付いたり格差ができたりする。
 特に、施設一体型の学校が一つの自治体の中にできた場合に、そこは恐らく施設一体の新しい校舎を造るでしょうし、立派な校舎が多分できるでしょう。そうなると、やっぱりあの学校に行きたいというふうになって、これは制度的には就学指定をするというふうになっていますが、学校選択制が導入された場合にはそこが崩れていくというような懸念があるんですけれども、それについて、エリート校化しないという制度設計あるいは運用上の留意点について具体的にお示しをいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 市町村立の義務教育学校は、小学校、中学校と同様に就学指定の対象とすることを予定しているため、入学者選抜は行われません。また、学校選択制でありますが、これもあくまで就学指定の手続の一つとして行われるものであり、特定の学校に入学希望者が集中した場合の調整に当たっては、就学指定の基本的な仕組みを踏まえ、学力による入学者選抜が行われることはないということであります。
 また、義務教育学校の教育は、小学校、中学校の学習指導要領を準用することとしておりまして、学習指導要領に示された内容項目を網羅して行われることになります。
 これらを踏まえますと、今回の制度化によって、エリート校をつくるということではありませんが、小中一貫教育を通じた学校の努力による学力水準の向上や、あるいは学校段階間の接続に関する優れた取組の普及によって公教育全体の水準向上は期待をすることはできると思います。しかし、それは義務教育学校をエリート化するというものではないし、またそういう制度設計ではないということであります。
○神本美恵子君 もちろんエリート校化することを目指してつくられるものではないということは、そこは信じておりますけれども、結果ですから、結果そういうことが中高一貫でも起きているではないかと、小中一貫でそれが起きないという担保があるのかということを今お伺いしたんですけれども、今の御説明ではちょっと私自身は納得できないといいますか、懸念は拭えないということを申し上げて、やはり複線化になるのではないかということと、そのことによって教育の機会均等が崩れていくのではないかと。盛んに、大臣、先ほどからの御答弁の中では、この中高一貫によってメリットもあるし効果も上げられているので、これによって学習効果、教育水準が上がっていくとおっしゃいますが、今ある従来の小学校も中学校も現場では精いっぱい頑張っています。精いっぱいの中でやっているというのに、中高一貫だとそういう成果が上がるというこういう認識というのは、ちょっと私自身は非常に残念な気がしているということを申し上げて、まだあと子供への実際のしわ寄せあるいは教職員の膨大な負担というようなことについてお伺いしたかったんですが、次の機会にしたいと思います。
 ありがとうございました。
○那谷屋正義君 民主党・新緑風会の那谷屋正義でございます。
 今、十一時六分。今日カナダで行われております女子のサッカーワールドカップがキックオフになったばかりだと。ちょっと大変そちらの方も気にはなっているんですけれども、しかし、この大変重要な法案でありますのでしっかりと審議をさせていただきたいというふうに思います。
 と同時に、ワールドカップというふうな形になると、やっぱりついつながってくるのがオリンピックの例の競技場の問題でありまして、これは通告していないんですけれども、是非お答えいただければと思いますけれども。
 先ほど、ネットのニュースを見ておりましたらば、日本スポーツ振興センターがザハ・ハディド・アーキテクツに伝えたという話でありまして、それは要するに、今のアーチ型屋根の開閉は延期をするという、そして座席の一部も仮設でというふうなことでいくという、そういうふうなことになっているということでありますけれども、それで間違いないでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) それは、詳細、今初めてお聞きして、聞いておりませんが、誤報だというふうに思います。
 このアーチ型の、これはキールアーチですが、これを変更するということは決めておりません。ただ、今後、絶対条件を今JSCにも指示をして、そして設計者とも議論をしてもらっていますが、一つは、確かにサッカーのワールドカップも非常に気になるところではありますが、二〇一九年にラグビーのワールドカップを開催をいたします。これには絶対間に合わせるように国立競技場を造ってもらうというのが絶対条件でありまして、そのために、二〇一九年の春、竣工をするということで、今設計・施工業者と調整をしてもらっているのが一点あります。
 それから二つ目には、やっぱり予算が、元々のJSCの予算では千六百二十五億。これは確かにその後相当物価上昇、資材とか労務費とか、それからあとは消費税ですね、これは確かに、聞くと一般の物価上昇率よりももっとかなり急騰しているということでありますから、単純に何%アップということは言えない部分がありますが、それにしても相当高い額になりそうだということで、これはいろんな創意工夫、コストダウンを図ると。コストダウンを図る中で、より柔軟な、間に合わせるという柔軟な中での対応が何ができるかということについては今現場に指示をしておりますが、ザハ・ハディド氏のデザインそのものをなくすということを指示しているわけでは全くありません。
○那谷屋正義君 そういうことではないんですけれども、要するに、この間大臣がずっと答弁されている、あるいは見解を示されているように、いわゆる屋根は残念ながら開閉式には間に合わない、あるいは座席も一部は仮設だというふうなことでいくという、そういうことですよね。そういうことですよね。
 そのことについて、いろいろ設計の問題、それから予算の問題から東京都ともいろいろやり取りをされている中で、舛添知事が、やはりもう一度設計も含めて見直すべきだというような話が出たりとか、非常に国民は、こんなことで本当に間に合うんだろうかという懸念の声が多く聞こえてくるわけでありまして、これは何としても、今頃になってその辺でこういうもめ事になってしまっているというか、もめ事というか問題が出てきてしまっているということについては、やっぱりきちっと早いうちに対応していただかないと本当に心配だなと。
 本会議でも申し上げましたけれども、やはりそのことがいわゆる二〇二〇年の東京オリンピックの変なレガシーとして残されていくということになってはならないというふうに思いますので、是非そのことについて東京都とも早く相互理解が深まるように努力をいただきたいというふうに思います。
 それでは、本題の方に入らせていただきます。
 先日の本会議に続いての今日の委員会での質問ということでございまして、多少ダブる部分、あるいはもうお二方から出された質問とダブる部分もございますけれども、改めて簡潔にお答えいただければというふうに思います。
 この制度化に当たっての質問をさせていただいたところ、大臣が、現在、小中学校が別々の組織として設置されていることからくる様々な運用上の課題が指摘されておりと、こういうふうに言われました。この様々な運用上の課題というのはどういう課題のことを指すのか、それが大体、全体でどのぐらい課題となっているのかについて、まずお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) お答え申し上げます。
 小中一貫教育につきましては、現行制度の下で運用上の工夫によって何らかの形で取り組んでいる学校、件数が、小学校約二千、中学校が約一千、三千数百でという規模でございますが、お尋ねの別々の組織として設置されていることから生じる具体的な運用上の課題内容ということの大きなものから申し上げますと、まず、教職員の負担感、多忙感の解消をどうするか。大きな課題が認められるという御意見が二七%、それから、課題が認められるという御回答が五八%というふうな割合になっております。それから、小学校、中学校の教職員間での打合せの時間の確保、これをどうするか。これもほぼそれに近い数字で課題として挙げられております。それから、小学校、中学校合同の研修時間の確保、これもそれに迫るような数字が挙げられているところでございます。
 こうした課題が生じる大きな要因の一つとして小学校、中学校別々の組織として設置されることによるところを解消するということも、全体の解消策と併せて大事なことだというふうに考えている次第でございます。
○那谷屋正義君 ありがとうございます。
 そして、その後に、学校現場からも義務教育学校の制度化が要望されていたところでありますというふうに、このように答弁をされたんですけれども、その要望の内容あるいは件数等が分かりましたらお聞かせいただけたらと思います。
○副大臣(丹羽秀樹君) お答え申し上げます。
 義務教育学校の制度化につきましては、小中一貫教育に取り組む四十四の自治体による小中一貫教育全国連絡協議会が開催いたしました小中一貫教育全国サミットの共同宣言において、義務教育学校の設置に係る法整備の実現が要望されております。これは、時系列で言いますと、平成二十三年の七月と平成二十六年の十月に行われております。
 また、八百一の市区が加盟する全国都市教育長協議会によりまして、義務教育学校を設置するための法整備が平成二十六年の七月に要望されております。
○那谷屋正義君 私も何校か見させていただきましたけれども、自らが希望するというところ、要するに現場の先生方が希望するということは余り聞いていません。要するに、教育長あるいは首長さんがそういったものにしようということ、それは、一つの要因としては、先ほども触れられましたけれども、いわゆる学校の統廃合、小学校同士というのはなかなかやりにくい、先ほどもありました、おらが学校を何で潰すんだというような批判が強かったりなんかする中で、だったらば、小学校と小学校ではなくて小学校と中学校をくっつけちゃおうというふうなことで、こういうふうなことが提唱されてくるということのようであります。
 ですから、そこに配置された先生方というのは、本当に最初は何をやったらいいのかということに対してもう毎日必死でありまして、どうしたらこの子供たちの教育ができるんだろうかということがやはりもう大変苦労されているということで、要するに、その学校、行くところに今の課題は何ですかと聞いてもその課題すら自らが見付けられない、そういうふうな状況でやっていらっしゃるということであります。
 ただし、この一貫校における様々な成果についてもしっかりと、まあいつもこういう視察へ行くと大体そうなんですけれども、話をされてはいました。ですから、一概にこれがノーということではないんですけれども、先ほど神本委員の質問のときに下村大臣は、少なくとも市町村に一つぐらいという話がありました。お願いでということでありました。一方で、局長の話を聞くと、そうではなくて自治体の最終的な判断に委ねるというふうなことだというふうに思います。
 私は、局長の辺りでとどめておくのが、本来、いわゆる地方分権だとか地方自治だとかいろんなことを言われる中で、そこでとどめておくことの方が無難ではないかなというふうに思います。文科大臣のお願いとなるとこれは相当、ある意味お願いじゃなくて強制になりますから、そうすると我々が懸念するトップダウン型の義務教育学校の配置ということになりかねないのではないかという懸念を新たにしたわけでありますけれども、大臣、その辺いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 今回の法律案を国会にお願いするに当たって、これは、義務教育学校がそれだけの優れたものがあるという確信の下でなかったら法律案を出すべきものではないと思います。実際、出してもやるかやらないかは自治体の判断だから、どうぞというようなことは、私は、文科大臣としては無責任な発言だと思います。
 ただ、法律の立て付けの中で、実際は国が強制できる話ではなくて設置主体、教育委員会が判断することでありますから、あくまでも主体は教育委員会がどうするかということでありますが、法律を国会にお願いしている私の立場からすれば、是非、各自治体が一つぐらいは義務教育学校を取り組んでいただきたいという思いで法案を出させていただいているという趣旨でございます。
 トップダウンの問題についての御指摘がありました。この小中一貫教育の導入に当たっては、地域とともにある学校づくりの観点から、保護者、地域住民と新たな学校づくりに関するビジョンを共有し、理解と協力を得ながら進めていくことが御指摘のように大変重要なことだと思います。
 義務教育学校の設置に際し、学校設置条例の改正に当たっては、これは首長が決められる、教育委員会だけで決められるものではなく、住民の代表で構成される地方議会の議決を経て行われる必要があるということでありますので、トップダウンで設置の判断がそれだけで決まるということではないというふうに思います。
 文科省としては、施行通知や各種の研修会等においてこれらの事柄を周知徹底するとともに、優れた取組事例を積極的に収集し、情報提供をしてまいりたいと思います。
○那谷屋正義君 文科省の今回の法案の提出の意味が少しずつ見えてきたというか、理解できるようになってきたかなというふうに思います。
 要するに、私は当初、もう既に千百三十校があって更にそういう学校をつくろう、あるいは義務教育学校にしようというところに対して何も制度化されていないままであっていいのかと、ただし、全部それは自治体に委ねられる、市町村に委ねられるんだからあとはしっかり自治体でやれよというような、何となく、法案は作るけれどもその後のビジョンを余り持たれないままこの法案が出されたのかなという、ある意味そういう疑問もありましたので先ほどの質問をしましたけれども、今の大臣のお話の中で、この成果が出ているので、少しずつそれを市町村で一校ぐらいずつの割で進めていただけたらという、そういうことなんだろうと思いますが、まあそれもあくまでも強制ではないということでよろしいですね。
 実は、今、火山の噴火で不自由な生活、避難を余儀なくされている口永良部島は、これはもう御存じだと思いますけれども、小学校が一校、中学校が一校で、その児童数が、小学校の方が十名、中学校の方が八名。そして、六年生がその中で、小学校六年生が六人いるということで、来年になると小学校が四名、中学校が十四名ということになるわけでありますけれども、ここは一貫校にしないでしっかりと小学校、中学校ということでやるということでありますけれども、そうしたところ、これ、口永良部島だけでなくて全国にあるというふうに思います。私が行った学校では、新潟のある学校は、もうこれ統廃合されてしまいましたけれども、小学校全校で四人の児童しかいなかったというような学校もありました。
 そうやって見ると、それぞれ頑張っているところがあるわけで、その辺について、例えばどうして一貫校にしないんだとか、そういうふうなことの調査みたいなのを、文科省、行ったんでしょうか。
○政府参考人(小松親次郎君) ただいまのような理由、例えば規模による理由で行ったか行わないかというような趣旨の調査ということはいたしておりません。
○那谷屋正義君 いたしておりませんじゃなくて、要するに、そこはそういうふうにしてそれぞれ頑張っているということで、そこの良さはきっとあると思うんですね。ですから、そういった良さを今後とも、やっぱりこのことが制度化されてもそれはそれでしっかりと生かしていっていただきたいという意味で、これも通告外でしたけれども質問させていただいたんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(小松親次郎君) ただいまのお話は義務教育学校がつくられる場合にも当てはまることでございますけれども、御指摘は学校の統廃合全体にも当てはまることだと考えております。
 私ども、従来の検討の成果によりまして、学校の規模適正化について悩んでいらっしゃる自治体は数多くあるわけですけれども、先般その手引というものを作りましたけれども、この中でもそれは選択肢があって、統廃合するというのも、教育的見地から中身を活性化するということであれば、それは一つの判断としてあり得ることでございますし、また、小規模校でも、その良さを生かし、あるいは課題を克服してやるということであればそれを支援する、あるいは休校して様子を見るというものも支援するというようなことを全体として示したところでございます。
 私どもとしては、そういう考え方によりまして、各地方公共団体がその地域の核でもございます学校をどのように育てていくか、これを支援していくということが最大の眼目だと考えております。
○那谷屋正義君 あくまでも市町村そして地域の住民の意見が主であり、文科省としてはそれを支援するような形でいくというふうな理解をさせていただきたいと、それでいいというふうに思います、そういうふうに思いますので、是非これからもそうしていただきたいと思います。
 次に、先ほど中一ギャップの話が出ました。この中一ギャップという問題についてですけれども、一つは、学習の形態の問題があるかというふうに思いますし、もう一つは、やっぱり子供の、先ほど情緒的なというお話がございましたけれども、まさにそのことだろうと。
 これは個人的な話で申し訳ないんですが、つい先日、私が最初に教えた子供たち、五年生、六年生を持って、その六年生が卒業していった、させたわけですけれども、三十一年ぶりでした、三十一年ぶりに、当時三十六人の受持ちの子供たちがいて、そのうち二十六人という子供たちが集まって、全国から来ていただいたんですが、そのときにやっぱり彼らが口々に言うのは、やっぱり六年生ってすごく大きいよねと、こういうふうに言われました。なるほどと。これが、僕が仮に三、四年生の先生であったならば、もしかしたらそんなに印象に残る先生ではなかったのかもしれないなんというふうにもちょっとこう、まあ自己否定じゃありませんけれども、ちょっと思ったりもしたんですけれども。
 そういう意味では、やはり六年生、小学校六年の課程の中での最上級生というふうなこと、責任を持つと。これが、一貫になったときに今度、中一、中二、中三と更にまだ上がいるわけで、最上級生というのになかなかなり得ないというか、そういう認識がなかなか持ちにくくなってくるのではないかなというふうにも思うわけでありまして、そういう意味では、この中一ギャップというのは本当にいろいろある。そういう意味では、小中一貫校になるということのメリット、デメリットというのは、僕は両方兼ね備えているんだろうなというふうにも思うわけであります。
 ですから、私が行ったところでは、義務教育学校前期修了式とか、そういうのが何かあるようでありますけれども、前期修了式というよりも、やっぱり小学校課程というのは小学校課程としてずっと残して、卒業式ということを、それは一貫校であってもやってもらいたいななんというふうにちょっと思ったりした次第でありますけれども。
 今の話を受けて、大臣、どのように感想を持たれたでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 三十年もたってそれだけクラス会に集まるというのは、やっぱり那谷屋先生の魅力も大きかったのではないかと、すばらしい先生だったのではないかというふうに思いました。
 中一ギャップの問題でありますが、これまでの小中一貫教育の成果を踏まえれば、この中一ギャップの緩和のために、例えば小学校高学年と中学校一年生の合同授業をやったり、小六の担任に引き続き中一を担任させたりする、あるいは、中学校教育の特徴である教科担任制や定期考査、制服、部活動等を小学校高学年から段階的に導入する。こうした取組を行う上で、例えば四三二や五四など、小学校段階と中学校段階の間に便宜的な区切りを設けて小中の連続性を意識した指導を行うなどの取組が有効であるということが既に実践している学校の中で明らかになっております。
 一方、様々な御指摘のように、節目における環境の変化を利用した子供たちの成長を促すということも、けじめ、けじめとしても重要であると思います。
 運用上、小中一貫教育に取り組む学校において、例えば小学校四年生時、十歳のときの二分の一の成人式とか、それから中学校の二年時の立志式。これは私も母校の中学校の立志式に記念講演で昔行ったことがあるんですが。卒業のときも記憶に残るということですけれども、この立志式も、後で大人になったときに、みんなで埋めたカプセルで、将来の夢、立志のときに思ったのはどうだったのかというのをもう一度見るというのを町ぐるみでやっているという意味では、これは必ずしも卒業式だけが節目ではなくて、そういういろんな節目をつくることによって子供たちが成長していく環境という意味でのものは考えられるのではないかと、そういう教育上の工夫は考えられるのではないかと思います。
 文科省としては、こうした先行事例の紹介等を通じまして、義務教育学校において様々な節目を生かした効果的な教育が実施されるよう取り組んでまいりたいと思います。
○那谷屋正義君 新しい制度を導入すると、どうしてもこれまでのものの固定観念みたいなものが頭にあって、やっぱり卒業式じゃなければならない、あるいは先ほど卒業式が大変印象深かったという話もありました。
 しかし、今大臣が言われたように、それぞれの義務教育学校でそうした節目のいわゆるイベントというか、そういったものをすることによって子供たちに一つの節目を感じさせるということは、私は大事なことだろうというふうに思いますので、後で申し上げますけれども、後で申し上げる設置に当たっての指針作りだとか、あるいは手引の作成等について、是非そうしたことも付記をするべきであろうというふうに思っております。
 そこで、今局長の方からお話がありました様々な課題、特に教職員の負担の問題がございました。
 私が行った一校は稚内という北の果ての学校で、そこが小中一貫校だったんですけれども、そこではやはり小学校の児童指導担当それから中学校の生徒指導担当が定期的に会議を行っているわけでありますけれども、最初は、両校に副校長というのがいらっしゃって、副校長とその人たちを交えてやっているんですが、実際に蓋を開けて始めたらば、やっぱり様々それぞれの業務が忙しくて、いわゆる管理職たる副校長同士の話だけで終わってしまって、実際にはそこの会議には、児童指導担当、生徒指導担当の人たちがなかなかその会議に加われないというような話がありました。
 いろんな負担がやっぱり当然増えるわけでありますけれども、それぞれ考えられる負担に対してどのような軽減策を考えられるのか、大臣、今気が付かれる範囲で結構ですので、お答えいただければと思います。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、小中一貫教育に取り組んできた学校からは教職員の負担増が大きな課題の一つとして挙げられております。
 このうち、小中学校それぞれに校長や教職員組織が存在し、意思決定や意思統一に時間が掛かることや、教育課程や年間指導計画をそれぞれ作成することなど、小学校、中学校が法令上別々の学校であったことに起因する課題は義務教育学校の制度化により解消されるということになります。
 また、例えば校内組織や会議の一元化などにより従来よりも業務を効率化できる面もあると思いますので、今、那谷屋委員が指摘された部分については、今度は教職員の組織が一体化になりますから、そのことによって解決できることもあると思います。
 他方、小中学校の垣根を越えて九年間を見通した教育指導を行うに当たって、各学年間の連携をこれまで以上に密にする必要があり、通常の小中学校にはない新たな業務が生じる場合もあると考えられます。これについては、校内での連携体制の構築や地域人材の一層の活用、優れた先進事例の共有化などにより、教職員に過度の負担が生じないよう学校設置者や管理職が十分に配慮することが必要となると思います。
 文科省としても、小学校及び中学校の教職員定数と同数の教職員定数の算定を確保するとともに、総括担当の副校長、教頭の配置や負担軽減の好事例の提供などを通じまして、小中一貫教育に伴う教職員の負担感の軽減に向けてしっかり取り組んでまいりたいと思います。
○那谷屋正義君 一人一人の子供たちと向き合う時間を確保することが最も大事だという現在の教育問題について、やはりそこを原点としてその負担を軽減をする様々な施策を打っていただけたらというふうに思いますけれども。
 横浜の方の小中一貫教育校を見てまいりました。これは隣接型です。非常に近いので、その学校では一々会議を持つということがなかなか大変なので、そのときには校内のいわゆる無線といいますかそういったものを使って、誰々先生、例えば社会科なら社会科の先生同士が小学校で、あるいは中学校で、こういうふうなことで今問題になっているとか、こういうふうな指導の仕方があるねとかという、そういうやり取りを、何も会議を開かなくてもそういうふうな連絡あるいは立ち話みたいなものでそういったことをしっかりやっているというような話も聞きました。
 そういった例を是非調査をして、今からお願いをする指針、手引の作成、こういったものがやはり私は必要なのではないかなというふうに思うんですけれども、それについて大臣のお考えを聞かせていただけたらと思います。
○国務大臣(下村博文君) 先ほどからも議論になっておりますが、小中一貫教育については、もう現行制度の下で運用上の工夫によって何らかの形で取り組んでいる自治体が昨年五月時点で二百十一市町村、取組の件数は小学校二千二百八十四校、中学校一千百四十校となっておりまして、全小中学校の一割を占めると。これまでの実践を通じ、様々な課題を克服するための方策についても優れた取組が蓄積をされているところであります。
 法案が成立した場合には、この義務教育学校制度が適切に運営されるよう、施行通知や説明会などにおいて課題となる点を丁寧に説明するとともに、モデル事業の実施やこれまで培ってきた事例集の作成等を通じまして、地域とともにある学校づくりや、教育の機会均等の観点を踏まえた設置の在り方、また教職員の負担軽減も含めた学校運営の在り方、さらに教育課程の特例の範囲や優れた活用事例などについて十分周知してまいりたいと思います。
○那谷屋正義君 是非お願いをしたいというふうに思います。
 この義務教育学校がその地域でエリート化するんではないかというような確かに懸念もあります。私もそのように思いますけれども、実は、横浜の義務教育学校の隣の行政区の保護者から、そこ一貫校になるんだって、うちの子もそっちに入れたいんだけどという、そういう要望の電話が殺到している、殺到したというか、殺到というとちょっと大げさ、かなりあったやに、そんな話がありました。
 校長先生は、その場では、いわゆる今は学区というのがあって、それがあるんでおたくの区からは来れませんというふうにしっかりと断られたということでありますけれども、先ほど神本委員が指摘されたように、学校選択制というふうなものが出てくるとちょっとその辺も危うくなってくる可能性があるかなというふうに思いますので、その辺についても是非強調してその手引の中に入れていただきたいというふうに思います。
 今日は財務省から副大臣においでいただいております。お忙しいところありがとうございます。これは、下村大臣がかねてから、この委員会に財務省を一緒に呼んでくれと、こういう御要請でありましたので、是非と思っておいでいただきました。また、本会議では麻生大臣にもお聞きをしたかったんでありますけれども、日程の関係でそれがかないませんでしたので、今日は副大臣においでいただいてありがとうございます。
 ところで、この間、財務省財政制度等審議会、財政健全化計画等に関する建議、そして経済財政諮問会議、経済再生と両立する財政健全化計画策定に向けてと、これは文教、科学技術の部分で報告がされております。その中で、もうこれもいろいろるる言われております、平成三十六年までに約四万二千人の教員を削減することができるとか、あるいは、今までになかった言葉の中で、自然減だとかそういうふうな言葉じゃなくて、当然減という、そういう言葉が出てきて、これもう私は非常にこの言葉に怒っておるんですけれども、その辺の報告を受けて、まず、下村大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 財政制度等審議会の建議では、御指摘がありましたが、平成三十六年度までに教職員定数を四万二千人削減が可能であり、定数合理化計画の策定を検討すべきとの意見が示され、また、経済財政諮問会議においても、民間有識者議員から教員合理化計画の策定が論点として提示されております。
 しかしながら、これらの指摘は、学校現場を取り巻く環境が複雑、困難化する中、時代の変化に対応した新しい教育に取り組まなければならない状況を考慮していないものであり、私自ら経済財政諮問会議で反論するとともに、今週、財政審の建議に対する文科省としての反論を公表いたしました。記者も非常に関心を持っていまして、八十分ぐらいの質疑応答もございました。
 文科省としては、いじめへの対応や特別支援教育など学校が対応しなければならない教育課程は大幅に増加しており、これまで以上にきめ細やかな対応が必要となっていること、グローバル社会に対応する主体的、協働的な学びであるアクティブラーニングを実施するための指導体制の充実が必要であることなどを踏まえ、機械的削減ではなく、加配定数を始めとする教職員定数の戦略的充実が必要であると考えておりまして、これは省益とかそういうレベルではなくて、二十一世紀の日本を考えた場合に、ここで教育はコストとして考えるのではなく未来に対する先行投資として考えて、中長期的に見れば日本の財政にもプラスに資することだと、そういう視点から財務省の理解が得られるように、具体的に来年度の概算要求に向けても検討してまいりたいと考えております。
○那谷屋正義君 今の大臣の答弁に対しては私も全く同感でありまして、そういう意味では、前回のこの委員会で教職員定数の充実に向けた決議を再度上げさせていただいた、そういうふうな状況の中で、ちょっと財務副大臣にお尋ねしたいと思いますけれども、安倍政権は、いわゆる政権の中で力を入れるものとして、一つは経済再生というのを確かにうたっています。一方で、教育再生も大事な課題だというふうに言っています。
 財務省として、教育再生、教育は大事だというその認識に対して、財務省としてはどういうふうなスタンスで行こうか、どういうふうにこれから取り組んでいこうかという、そういったものをお持ちなのか、まずお聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(宮下一郎君) 先生御指摘のとおり、教育再生というのは安倍内閣の重要課題でございます。教育は、未来を担う人材を形成するものである、大切なものであるという認識は全く変わりません。子供たちの学力、能力、人間性の向上を図ることは、子供たち自身にとりましても、日本の将来にとりましても重要な課題と認識しております。
 財務省としては、これまで少子化等の影響を踏まえて教職員定数の合理化は進めさせていただいている一方ですが、教育予算全体のめり張りの中では、教育再生を進めるための予算を大幅に拡充してきた、こういう認識であります。
 具体的には、二十七年度予算におきましても、教員定数、総枠は少子化に伴い絶対数は減少しておりますけれども、諸課題に対応するために加配教員数については増加ということで措置をしておりますし、さらに無利子奨学金、それから幼稚園就園奨励費補助、こうした教育費の負担軽減のための予算、また、国際的に活躍できるグローバルリーダーの育成に取り組む高等学校を支援するスーパーグローバルハイスクール事業に向けた予算、また、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置拡充等のいじめ問題対策、これは先ほど先生御指摘のありました負担軽減にも資するものだと思いますけれども、この予算、また教師業務アシスタント、また、教師力向上支援員ということで、教員等を退職された方々を学校現場へ派遣する補習等のための指導員等派遣事業のための予算、こうした予算を拡充いたしまして費用対効果を高めるというふうな措置をしているところでございます。
 財務省としましては、少人数指導などの現在の教育環境を維持することを前提としまして、加配定数の合理化は可能であるのではないかという問題提起をさせていただいておりますけれども、これは、厳しい財政事情の下で、教育予算についても他の分野と同様に、施策の内容を不断に見直して重点化を図ることによって予算の質を高める、そうした工夫ができないかという御提案であるということを御理解いただければと思います。
 いずれにしても、引き続き、安倍政権の重要施策であります教育再生の実現に向けまして、教育予算全体にめり張りを付けながら、文部科学省ともよく意思疎通を図りつつ取り組んでまいりたいというのが認識でございます。
○那谷屋正義君 財務省なりに教育再生に向けて努力をしているというお話だったというふうに思いますが、これはやっぱり国民が見たときに、教育再生をうたっていながら、その内閣というか、その政権の中から三十六年までに四万二千人という大きな数字の削減という文字が躍り出るだとか、あるいはもっと言うと、さっき言いましたように自然減だとかそういう話じゃなくて、当然減という、この当然って何に対して当然なのかということ、こういった言葉が平気でマスコミに躍り出るということ、こういうことを考えると、何か安倍政権で文科省と財務省で考えていることが全く違うんじゃないのと、本当に同じ方向、教育再生に本当に向かっているのというふうに疑問を持たざるを得ないと思うんですけれども、そういったことを踏まえてちょっと、副大臣、もう一回お願いいたします。
○副大臣(宮下一郎君) 繰り返しになりますけれども、この教育の重要性というのは、財務省、もちろん文部科学省、各省共通の認識ということでありますが、実際その予算の組み方の具体的な姿についての提案というと、スタンスとして異なる意見があるというのも事実だと思います。しかしながら、財務省としましては、大変厳しい財政事情の下ではありますけれども、教育も含めた全ての予算分野についてしっかりと重点化、効率化を進める必要があると、こういう観点から教育分野も含めて知恵を出せないかという御提案をさせていただいて、議論に供しているということだと思います。
 財務省も、そして文部科学省も、そして経済財政諮問会議も、安倍内閣の重要課題であります教育再生を実現することは大事だと、そして教育予算の実質的な質を向上させていかなければいけない、こういった認識、考え方そのものについては見解は一致しているというふうに私は考えております。
 いずれにしても、特に文部科学省とよく意思疎通を図りながら、実りある教育の実現に向けて、そして予算が質の高い予算として執行できるように努力してまいりたいと思っております。
○那谷屋正義君 言われていることは何となく美しい言葉で言われているんですが、さっき申し上げたように、四万二千人減だとか、それから当然減という言葉というのは、当然減って、あそこで出てきた言葉だというふうに私は認識していますけれども、いかがですか。
○副大臣(宮下一郎君) 私も当然減という言葉がいつ使われたかちょっと厳密に認識していなかったものですから、今事務方に確認いたしましたら、財政審で今回初めて使ったと、こういうことであります。
 そこのところは、先ほどの予算を全体のバランスの中で質を高めつつ、効率を高めつつ効果を最大に上げると、こういった意識が強く出た言葉なのかなと思いますけれども、やっぱり言葉が与える印象というのは大きいものもあると思います。
 しかしながら、実態としては少子化に対応しつつ質を高める、そういった中での言葉の使い方ということで、今後その言葉をどうするかも含めてきちっと議論をして、そしてそうしたところの一番本のところでこれは何だというふうに御指摘を受けるようでは先の議論に進めませんので、しっかり言葉の使い方も含めて気を付けていきたいと思っております。
○那谷屋正義君 安倍政権の重要課題である教育再生をうたっていながら当然減というのは、当然というのは、何というか、当たり前ということだというふうに思うんですね、これはもう私が言うまでもありません。何が当たり前なのかと。当然、何というか減らすことが当たり前というか、何かすごく教育再生で教育に力を入れるんだと言っているそういう力の向きと、当然減なんていう言葉を使われる力の向きとでは全く真逆だというふうに思うんでありまして、それは今ちょっと言われましたけれども、要するにこれから少子化に向けて児童生徒が減る中においてどういうふうな対応をするかという、むにょむにょと、こう言われました。その言葉でとどめておけばいいと思うんですけれども、当然減という言葉が出てくると、何だこの財務省は、教育の本当に考えているのかというふうなことしか、国民的に、もう私シンプルですから、すぐそういうふうにぽおんと感じるわけでありまして、非常に問題だと。
 今後、私はこういう言葉は使ってほしくない、使うべきではないというふうに思いますし、元々、僅かでした私たちの政権のときの考え方とは違いまして、私たちはやっぱりまず人づくりということで、全ての予算の中からまず教育に必要なものは何かということでもって、要するに、最初からこの予算枠が決まっていたわけではなくて、ここにこういうふうにしてやろうというふうなことでやっていたわけですから、文科省の枠がある程度決まっていて、その中ででっこみへっこみをやっていこうとすると今みたいな話になってくる可能性もあるんですけれども、やはりその政権が何に力を入れているのかということによって、いわゆる予算の在り方にもめり張りを付けていくということが本来はあるべきことなんだろうというふうに思うわけであります。
 下村大臣、当然減という言葉をお聞きになったというか目にされて、どんな感想を持たれましたか。
○国務大臣(下村博文君) 宮下副大臣は政治家ですから、地元長野県を回っている中で教育現場の状況は御存じだと思うんですが、残念ながら、財政審の方々が教育現場を本当に分かっているのかということについては、私は非常に疑問に思っております。
 それというのも、加配教員に対する当然減ということを使っているわけですけれども、加配教員がなぜ増やさざるを得ないのかというのは、例えば平成十六年からまだ十年もたっていないのにもかかわらず、特別支援教育に関係する子供の数とか、それからいじめとかによる不登校による子供の数とか、それからあとは外国人の子供たちの数とか、教育現場がより複雑化、困難化をしている中で、ある意味では加配教員を増やさなかったらこれは現状レベルの教育維持もできないという中で、別にぜいたくにしているわけじゃなくて、子供たち一人一人にきめ細かな対応をしなかったら現状の教育レベルも対応できないという中で、それだけ教育が困難な中で加配教員をしているわけであります。
 さらに、そもそもの学力についても相当開きがありますから、少人数教育とか習熟度別教育とかいうようないろんな創意工夫というのがやっぱり必要の中、やむを得ない措置として子供たちの視点から見て加配を増やしているわけですから、それを相対的な、人口減少するから加配はなくせとか減らせというのは、余りにも教育現場を知らない人たちがまさに机上の中で計算したと、まあこれはもう机上の空論と言ってもいいと思いますが。
 ですから、是非一緒に学校現場等視察をしてもらいながら、今学校現場がどんな状況なのか、子供たちの置かれている状況はどんな状況なのかということを是非見ていただきたい、また、それに関係する資料等、文部科学省の方でもしっかり提供させていただきたいと思います。
○那谷屋正義君 私も、宮下財務副大臣を憎いとか、そういうことで決して申し上げているわけではなくて、立場上どうしても申し上げておかなきゃいけないだろうということと、今後、これから来年度予算に向けての骨太だとか、あるいは概算要求だとかということでまたいろいろ話し合われると思いますけれども、今の下村大臣の答弁をしっかりと財務省としても受け止めていただいて、先ほど申し上げましたように、間違っても誤解を受ける、当然減だとかそういった、あるいは数字がぼおんと先に躍り出るような、そういうようなことというのは私は控えるべきではないかなと。安倍政権において教育再生を力入れているよということであれば、それはやっぱり言うべきではないというふうに思いますので、改めて御指摘をさせていただきたいと思います。
 まだまだ質問を用意しましたけれども、申し訳ありません、時間が来ましたので、今日のところはこれで終わりにしたいと思います。
 ありがとうございました。
    ─────────────
○委員長(水落敏栄君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、島田三郎君が委員を辞任され、その補欠として衛藤晟一君が選任されました。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(水落敏栄君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、学校教育法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てますよう質疑をしたいと思います。
 私は、今日は、道徳教育と発達障害、中でも自閉症についてちょっとお伺いをしたいと思います。
 その理由は、今日午前中の議論にもありましたように、小学校と中学校の差というのは私も非常に大きいと思います。その前提で、小学校、中学校、それぞれの発達の段階に応じてカリキュラムが組まれているということ、だからこそ、小中一貫校になったら、中学校に上がったときに小学生で教えてきたことのいわゆる意識しなくてはならない接続部分みたいなものが円滑にいくのかという議論や、あるいは、午前中も議論ありましたが、節目がなくなってしまうといったような課題といったようなものも出てくるのかと思います。そういった状況の中で、発達の段階の問題からこういったことを捉えていくということ、留意点としては非常に重要ではないかという思いから、この道徳の問題、それから発達障害についてちょっと聞いてみたいと思います。
 改正後の学習指導要領においては、指導に当たっては児童生徒の発達の段階を考慮するということになっておりますけれども、確かに多くの子供に共通に見られる発達の段階への配慮というのは非常に重要でありますが、それだけでは少し足りないと思います。その理由は、児童生徒一人一人の発達が一様ではないというだけではなくて、そもそも障害がある子がいらっしゃるからであります。そのような児童生徒にもしっかりとした配慮が、指導が行われるべきと考えますが、まずは文科省の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) 委員御指摘のとおり、発達段階ごとの特徴というのももちろんあるわけでございますが、その一方で、一人一人、児童生徒は違う個性を持った個人でございます。能力、適性、興味、関心、性格などの特性も異なっておりますし、またこの中には発達障害といった、そういった点を考慮しなければいけない、特別に考慮しなければいけないお子様方もいらっしゃるわけでございます。
 その観点から、教育課程の編成や、指導内容や指導方法を考える上で、個々人としての特性等から捉える個人差にも配慮することが求められると思います。特に道徳科は、社会性を持ちながら真摯に自己に向き合って、自分との関わりで道徳的価値を捉えて、一個のかけがえのない人格としてその在り方、生き方を深めていくということを重要視しておりますので、指導に当たりましては、発達の段階とともに、個々人としての特性から捉える個人差にも意を用いる必要があり、その観点から様々な手段を講じてまいりたいというふうに考えております。
○秋野公造君 今局長から、学習指導要領の発達の段階というところの中身について御答弁をいただいたわけでありますが、前回、財務省にもお越しをいただいたときにも、自閉症の対応について議論をさせていただきました。
 自閉症の児童生徒は、今、発達障害の中でくくられているわけでありますけれども、対人関係の困難という障害特性を持つ以上、自閉症の児童生徒には、発達障害と一くくりにすることなく、自閉症の特性に応じた支援というものが私は必要ではないかと思いますが、現在どのような教育的支援が行われているのかということを改めてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) 自閉症の児童生徒、お子様方に対する特別支援教育につきましては、まず、通常学級に在籍しながら通級による指導を受けることができるというほか、特別支援学級の対象ともなっております。また、その障害の程度の重い方は、多くの場合、知的障害を併せ有しているということもありまして、知的障害を対象とする特別支援学校に就学する場合もございます。
 それから、自閉症のお子さん方につきましては、今御指摘のような対人関係の困難あるいは言語発達の遅れ、興味や関心の限定といった障害特性がございますので、一人一人の障害の状態に応じまして学習内容が分かりやすい教材、教具の作成などの指導の工夫や配慮の下に小集団による指導や個別指導が行われているところでございます。
 そうしまして、国立特別支援教育総合研究所におきましては、自閉症の児童生徒に対する教育的支援に関する研究を実施いたしております。
 自閉症の児童生徒に対する教育的支援ということにつきましては、前回、秋野委員から御質問をいただきました、五月十九日であったかと思いますが、に自閉症のお子さんのみに特化した教育の場の整備の必要性についても御指摘をいただいております。そのときにもお答えをいたしましたが、文部科学省としては、引き続き、自閉症を含めた障害のある児童生徒、お子さんたちの特性に応じた適切な支援を行うという観点から、指導体制の検討や充実ということには取り組んでまいりたいと考えております。
○秋野公造君 今局長から、自閉症を含めた発達障害の児童生徒が、社会的関係を形成することが困難である、言語の発達が遅れる、興味関心が狭い、特定のものにこだわるといったような特性があるという御発言がありました。
 であればこそ、小集団、個別による指導というのが実態として行われているということでありますが、そのような中で、道徳については数値による評価は行わないものの、この中教審の答申では、道徳性の評価については、多面的、継続的に把握し、総合的に評価をするとされております。
 私がここで心配するのは、この発達障害の児童生徒が、その評価において、もしもその年齢で共通して見られる発達の段階ごとの特徴といったものが尺度になったならば、これは初めから不利な状況に陥るのではないかという懸念があります。
 三月二十五日には、衆議院の文科委員会で、我が党の浮島委員から、この発達障害の児童生徒の配慮すべき観点、こういったものを学校や教員間で共有すると質問に対して御答弁をいただいておりまして、その観点は重要だと私も思っておりますが、この発達障害の児童生徒に対する評価の在り方については今後しっかりとした検討をお願いをしたいと考えますが、文部科学省は今後どのように取り組まれていくのかということをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) 道徳の評価の関係につきましては、この道徳科の評価に関する専門的な検討を行うため、中教審の答申等も踏まえまして、この中には、今先生御指摘の、数値などによる評価は導入しない、あるいは一人一人の良さを伸ばし成長を促すための適切な評価を行うという観点に立って、どういう評価が適切かということを検討するための専門家の会合というものを立ち上げて、検討していくということにいたしております。
 五月に評価や道徳教育、発達障害等の専門家の方々による会議を設置したところでございまして、今月の十五日に初回の会議の開催を予定しております。この会議におきまして、発達障害等の障害をお持ちのお子さん方についての配慮すべき観点等を学校や教員、先生方の間で共有するなどといった今議論になっております基本的な点、方向性を前提に専門的な検討を行っていく予定といたしております。
 今後につきましては、会議での御検討などを踏まえまして、今年度中に先生方用、教師用指導資料の作成や、指導要録の改正ということを考えているところでございます。こうした取組を通じまして、道徳の評価が適切に行われるように、その趣旨の周知徹底も含めて努力してまいりたいと思います。
○秋野公造君 大変くどいわけでありますが、これ発達障害全般ということではなく、この自閉症といったことについても御検討いただくということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(小松親次郎君) はい、自閉症も含めてしっかり検討してまいりたいというふうに考えます。
○秋野公造君 よろしくお願いをしたいと思います。
 現状においては、文科省が作成をした「私たちの道徳」、こういった副読本などが用いられていると認識をしておりますけれども、特別の教科になりますと、今後は教科書を使わなくてはならないと。立て付け上、教科書を使わなくてはならないということになりますと、その学年の教科書しか使えなくなるのではないか、それでは個々の発達に応じた対応というのは限定的になるのではないかといったことを懸念をいたします。
 教科書である以上、発達が遅れているからといって、例えば中学生に小学生の、これは小中一貫校でも同じでありますが、そういった教科書を用いるということにはならないと思いますが、ここをどのように今後埋めていくのかということ、こういった副読本は今後使用できなくなるのかということを伺っておきたいと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) まず、道徳の特別の教科化に伴いまして検定教科書を導入する予定となっております。教科の在り方としては、その検定教科書によってカリキュラムが系統的、計画的に進められていくという点も御指摘のとおりでございます。
 ただ、今回の道徳教育につきましては、考え、議論する道徳教育への転換ということになりますので、片方で、無償で給与される検定教科書を安定的に導入することが適当である一方、中教審の答申においても、教科書のみを使用するのではなくて、多様な教材を併せて活用することが重要というふうに提言されております。したがいまして、教科書が無償給与されることとなった後も、教科書以外の補助教材を使用することは可能でございます。各自治体で独自に作成している教材などと検定教科書と両方をうまく使用しながら、それぞれのお子さんの個性の違いなどにも配慮した道徳教育の充実を図っていくことが重要と考えております。
○秋野公造君 教科書だけでなく多様な教材を使うという方向性を理解をいたしましたが、その上でどういったような工夫というものが必要であるかということを今どのように考えているか、伺っておきたいと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) 主としてその教材等に関わる工夫の観点から申し上げますと、お子さんたちの学習指導に当たりましては、その特性を踏まえた上で、障害の種類や程度等に応じまして、例えば視覚を活用した情報の提供や実際的な体験の機会を多くすること、あるいは学習活動の順序が分かりやすくなるような活動予定表を活用することなどの配慮を行うことが有効だということが指摘されております。文部科学省におきましては、これらの教育的支援を促す資料を作成して、教育委員会に配付しているところでございます。
 これは道徳科に限らないことでございますけれども、道徳科における指導におきましても、こうした観点から、教科書とは別に、写真や図面など視覚を活用した教材を併用するというように、授業において扱う道徳的な課題を分かりやすく示すなどの工夫が考えられるところでございます。
 今後、道徳科の評価に関する専門的な検討の中でも具体的な創意工夫の事例を集めまして、そして教師用指導資料にも盛り込むといったような取組を進めてまいりたいというふうに考えております。
○秋野公造君 大臣にお伺いをしたいと思います。
 前回の委員会でも御地元の事例を引かれて御答弁をいただいたところでありますが、私自身はこの道徳の教科化というのは非常に期待をしておりますし、小中一貫校といったようなことでも非常にいい効果を出してほしいと思います。
 その上で、やっぱり発達障害の子供に対する対応というものが全体として物事をうまくいかせていくんじゃないかと思いますが、そこも含めて大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 道徳の特別の教科化に当たっては、自閉症を含めた発達障害などの子供たちに対しても十分な配慮を行う必要があると思います。先日も特別支援学校を視察して、改めて感じました。
 具体的に、今回の特別の教科化により、道徳の授業において、答えが一つでない課題に子供たちが自分なりに向き合う考える道徳、それから議論する道徳に転換する中で、例えば自閉症の子供についてはその特徴を理解し専門性のある指導体制を整備したり視覚的な情報を多く活用するなど、教材の提示に配慮したりすることなどが考えられると思います。
 文科省としては、道徳科の評価や指導方法の在り方について来週十五日から専門家会議で議論を深めることとしております。その中で、自閉症を含めた発達障害のある子供たちに対していかなる配慮や工夫が効果的かなどについても検討し、全国の小中学校の教員への情報共有などに努めるとともに、指導体制の充実に図ってまいりたいと思います。
○秋野公造君 どうぞよろしくお願いします。
 終わります。
○新妻秀規君 公明党の新妻秀規です。
 まず、教職員の配置拡充の必要性について伺いたいと思います。この点については、二之湯先生、神本先生、那谷屋先生も質問されていましたが、改めて伺います。
 小中一貫教育の実施には、中一ギャップの解消などの成果が報告される一方で、課題も多いと認識をしております。中央教育審議会の答申におきましては、小中一貫教育の実施に当たって、時間の確保や教職員の負担感、多忙感の解消が大きな課題とされています。
 お手元の資料一を御覧ください。枠囲みで示しましたように、上から、小中の教職員間での打合せ時間の確保、小中合同の研修時間の確保、少し飛びまして、教職員の負担感・多忙感の解消、これは昨年の九月十九日の文科省の調査結果ですが、ここからも明らかだと思います。
 この二月、先ほど二之湯先生も触れられましたとおり、新潟県の十日町市の下条小学校・中学校、小中一貫校を視察しましたが、その際にも、懇談の折に県の教育次長から、小中の調整に時間が掛かるという声も伺っております。
 我が国の教職員が国際的に見ても多忙だとされている中、義務教育学校を制度化するに当たって、教職員の事務負担の増加を理由として地方公共団体が新設を見送りすることがないように、前期課程と後期課程の間を円滑につないで、変化に富んだ九年間を適切にマネジメントをすることができる人材の配置が重要だと考えます。
 資料二を御覧ください。これも同じ昨年の九月十九日の文科省の調査の結果ですけれども、この調査の結果、上から二番目、教職員の定数上の措置、これ九三%でトップとなっています。しかし、本法律案による義務教育学校への教職員の追加配置は、校長が二名から一名分になる分の加算として、副校長、教頭が複数配置となるようにすることのみでございます。
 義務教育学校への円滑な移行及び運営の観点から、加配措置も含めて更なる教職員の配置の拡充を図るべきだと思いますが、文科省の答弁をお願いをいたします。
○政府参考人(小松親次郎君) お答え申し上げます。
 義務教育学校の創設につきましては、先生方の負担軽減が課題であるという結果でございます。ただ、その一方で、小中学校が一つの学校になることに伴って効率的な業務の遂行が可能となる面もあるということでございます。
 こうした中で、義務教育学校の学級編制及び教職員定数の標準につきましては、前期課程は現行の小学校と、それから後期課程は現行の中学校とそれぞれ同等に算定をいたします。その中で、今御指摘の校長先生、副校長先生の間での一人増員という形になるわけでございます。それから、少し細かくなりますけれども、例えば事務職員の方とか養護教諭の方等につきましても、この二つが一緒になりましたときに一人にならずにお二人になるとか、そういったような体制は取れるということになっております。この活用が一つ。
 それからもう一つは、例えば、小中一貫になりますから、小学校の専科指導といった指導の方法の工夫が行われてまいります。それから、教育指導上、特別な配慮が必要なお子さんたちへの対応もございます。そして、マネジメント機能の強化といったようなことも必要になります。こういった特色に応じた加配定数ということも、これは現行の小中学校でも行っておりますけれども、同じように行ってまいりたいと思っております。
 さらに、現在、退職された先生方や地域の方々などのサポートスタッフの配置も進めておりますが、これらについても積極的に策を講じてまいりたいと思います。
 こうした全体としての定数の算定、それから特色に応じた加配の努力、そうして周囲のサポート、これらを組み合わせて総合的に義務教育学校の指導体制、教育環境の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。
○新妻秀規君 分かりました。実施に伴って、現状を見ながら柔軟に対応していただければと思います。
 次に、私立学校への支援策について伺います。
 義務教育学校については、私立学校、学校法人においても設立することができるとされています。本法律案において、私立学校が義務教育学校を設置する場合の支援についての検討はされているのでしょうか、御答弁をお願いします。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 私立学校振興助成法におきましては、学校法人が設置する私立学校の果たす役割の重要性に鑑みまして、教育条件の維持向上、修学上の経済的負担の軽減、それから経営の健全性の向上、これらを図ることを目的といたしまして、国及び地方公共団体が行う私立学校に対する助成措置について規定をしております。
 今般御審議いただいている学校教育法の改正案におきましては、私立の義務教育学校につきましても私立の小中学校と同様の助成措置を講じることができるように必要な改正措置を盛り込んでいるところでございます。
 したがいまして、文部科学省といたしましては、学校設置者である学校法人からの要望を踏まえながら、私立の義務教育学校に対しても必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 分かりました。
 次に、教職員の負担感の分析の必要性及び得られた方策の情報提供について伺います。
 中教審の答申、これ平成二十六年の十二月の二十二日のものですけれども、タイトルが、子供の発達や学習者の意欲・能力等に応じた柔軟かつ効果的な教育システムの構築についてというタイトルのものですけれども、この答申には、小中一貫教育導入による負担軽減等のための取組の促進が必要な状況にあると指摘をしておりまして、業務の効率化又は校務支援システムなどICTの活用を提言しておりまして、これについては衆議院の方で議論をされたと承知をしております。
 一方で、この答申では、教職員の負担感についての詳細な分析、そして情報提供を求めています。答申によりますと、小中一貫教育に伴う教職員の負担や負担感は、学校施設の形態や、取組に含まれる学校の数、全体としての学校規模、具体の教育活動の内容などによって異なってくるものと考えられる。国は、有識者等の協力も得つつ、多忙化や多忙感が生じる理由が小中一貫教育に伴うものなのか、あるいは現在の小中学校を取り巻く一般的な状況から来るものなのかも含め、教職員の多忙化や多忙感が生じる原因を丁寧に分析するとともに、これらを解消又は緩和し、小中一貫教育の取組を活性化させる方策について様々なカテゴリーを意識しながら整理し、積極的に情報提供していくべきである、このように指摘をしております。
 この指摘をどう受け止めて、またどのように取り組んでいくのか、御答弁をお願いします。
○政府参考人(小松親次郎君) ただいま御指摘の中教審答申、昨年の十二月二十二日に提出されたものでございます。ここでは、小中一貫教育を推進していく上で、小学校、中学校の施設が分離しているかどうかといった施設形態や、あるいは具体的な教育活動の内容などについて多忙化や多忙感が生じる原因を分析して、そうした課題の解消策を含めて積極的に情報提供していくことが重要と指摘され、私どももそのように考えております。
 このため、文部科学省といたしましては、本年度の新規予算といたしまして、小中一貫教育の知見をお持ちの有識者の方々から構成されるアドバイザリーボードを設置するなどいたしまして、これも並行して進めますモデル事業の指定地域を始め、各設置者の求めに応じて丁寧に指導助言を行うというふうにいたしますとともに、各地域の取組の成果や課題は集めて丁寧に分析をした上で、例えば校務支援システムを始めとしたICTの効果的な活用、あるいは総括担当の副校長が配置されることや、先ほどちょっと申し上げました、事務職員が複数配置になるといった教職員集団が大きくなることを生かした校務の役割分担の見直し、あるいは次年度計画の前倒し策定などによる会議の効率化といった負担軽減に関する優れた取組について、事例集の作成や各種研修会の実施などを通じまして積極的な情報提供を行っていくという、こういう分析、それから助言、それから情報提供といったものを組み合わせて、御指摘のような点についてしっかりした取組ができるよう努めてまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 今の取組を是非ともよろしくお願いを申し上げます。
 次に、国や都道府県の支援の充実の必要性について伺います。この点については那谷屋議員も指摘されていましたが、改めて問おうと思います。
 先ほどの中教審の答申は、国や都道府県に対して自治体への支援の充実を求めています。引用しますと、現在の小中一貫教育は設置者や学校の自主的な努力による運用上の取組であるために、国や都道府県からの支援が必ずしも十分でない。既に小中一貫教育の取組を行っている自治体においては、一定の教育上の効果が明らかになっている。こうした中、国や都道府県に対しては、小中一貫教育を導入する必要性がある自治体が取組を行いやすくするための予算措置や人的措置、優れた取組事例の積極的な普及や指導助言等が求められている。また、小中一貫教育において一般に教育指導上懸念される課題については、これまでの各地域における先行的な取組を通じて、効果的な対応策や配慮すべき事項が明らかになってきているものと考えられる。今回の制度化により、設置者が地域の実態を踏まえて小中一貫教育を導入する場合に、それらの課題に対する手だてや速やかな解消に資する手だてが確実に講じられるようにする必要がある。このため、国は都道府県と連携しつつ、制度化に伴い積極的な指導助言を行ったり、優れた取組の事例を普及させたりすること等が求められる、このように指摘をされております。
 お手元の資料二にありますとおり、上から二番目、教職員の定数上の措置、これは人的措置ですね。で、上から五番目、学校施設整備の財政措置、また、そのすぐ下の教育課程・指導方法面での好事例の収集・普及、また、その更に下、施設整備・運用面での好事例の収集・普及、これはこの提言に当たるものと思われるんですけれども、こうした要望が大変に多いということもこの調査結果からも分かります。
 今回の小中一貫の制度化で、こうした要望への国や都道府県から自治体への支援は進むのでしょうか。大臣の御所見をお願いします。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘の中教審答申でも述べられているとおり、小中一貫教育を効果的に推進していく上では、都道府県と連携を図りつつ、各設置者に対し優れた取組事例を積極的に提供していくことが重要であるというふうに考えております。
 そのため、文科省としては、今年二月に教育委員会や学校法人、国立大学法人関係者を対象に開催した小中一貫教育フォーラムにおきまして、優れた取組事例等を共有してきたところであります。さらに、本年度からの新規事業におきまして、小中一貫教育の導入に取り組む市町村をモデル地域として指定し、これまでの実践の蓄積を踏まえつつ、都道府県との積極的な連携を図りながら好事例を創出することとしております。
 こうした取組を通じまして、国、都道府県から各市町村への優れた取組事例の提供、指導、助言を充実させてまいりたいと思います。
○新妻秀規君 是非とも今のお取組をよろしくお願い申し上げます。
 次に、小学校、中学校及びこの義務教育学校の全ての学校において指導が可能な教育免許状等の創設の可否について伺います。
 さきの中教審の答申においてはこのような指摘がございます。小学校、中学校及び小中一貫教育学校(仮称)の全ての学校において指導が可能な教員免状等を創設することについては、今後の小中一貫教育の定着状況、教育課程の特別措置の活用状況なども考慮し、また、これからの学校を担う教員に必要な力を身に付けさせるための養成、採用、研修の在り方といった大きな視点から、教員養成部会において引き続き検討を行うことが適当であるとの指摘がございます。この配付資料の二にも、一番上、教員免許制度の改善は要望が大変多い項目でございます。
 新しい教員の免状等の創設についてどのように考えているか、文科省の答弁をお願いします。
○政府参考人(小松親次郎君) 小学校、中学校及び義務教育学校の全ての学校において指導が可能な教員免許状等の創設ということにつきましては、中央教育審議会における義務教育学校に対応した免許制度の在り方の審議の中でも検討が行われたところでございます。
 その結果といたしまして、昨年十二月の答申におきましては三点ほど、すなわち、義務教育学校に対応する学習指導要領が既存の小中学校の学習指導要領に基づくことを基本とすることとなるということ、それから二つ目に、小学校及び中学校の教員免許状の併有者の数は一定数は確保ができるということ、それから三番目に、免許状の併有の促進策が一層講じられることが見込まれるわけでございます。
 現在そういう検討が行われているわけでございますが、新たな免許状を創設する場合よりも機動的かつ迅速に人員の確保がまずは可能な現在提唱されている制度がいいであろうというようなことを踏まえまして、義務教育学校の教員については、小学校及び中学校教員免許状の併有を原則とすることは適当であるという考え方になったわけでございます。
 こういうこともございまして、御指摘の教員免許状の創設ということにつきましては、今後の小中一貫教育あるいは義務教育学校の定着状況、それから教育課程の特例措置の活用状況、こういったものもよく見まして、また、これからの学校を担う教員に必要な力を身に付けさせるための養成、採用、研修の在り方といった大きな視点から引き続き検討を行っていくという位置付けかと考えております。
○新妻秀規君 分かりました。
 続きまして、特別支援教育の充実について伺います。
 この中教審の答申では、特別支援教育の対象となる児童生徒への支援について、小中一貫教育の効果が高いと期待をしております。そして、具体的な取組について次のように提言をしております。
 小中一貫教育においては、その特性を生かし、児童生徒の成長記録や指導方法、指導内容等に関する情報を、個別の教育支援計画や指導計画等により一元化して記録し、内部で共有、活用するなど、一貫した支援を行うことができる体制を構築していくことが期待される。また、特別支援学級や通級による指導においては、もとより障害の状態等に応じた特別の教育課程が編成できることとされており、この度の小中一貫教育の制度化に伴い、国としても、九年間の系統性や連続性を確保したカリキュラムの編成、実施に向けた研究を促進していくことが期待される、このように提言がございます。
 この期待と提言にどのように取り組んでいくのか、文科省の答弁をお願いします。
○政府参考人(小松親次郎君) お答えいたします。
 特別支援教育は、障害により特別な支援を必要とするお子さん方、幼児、児童生徒が在籍する全ての学校において実施されるものでありまして、小中一貫教育を行う学校、義務教育学校においてもその推進が必要であります。
 進学等の移行期にも途切れることのない支援を行うためには、障害の状態や必要な支援に関する情報を円滑に引き継ぐことができる一貫した支援体制の構築が重要でございます。小中一貫教育の導入によりまして学校マネジメントの一貫性が確保されるということは、この支援体制の構築に資するものと考えております。
 また、障害の状況等に応じた系統性、連続性を確保したカリキュラム編成を実施することが重要でございますけれども、障害のある児童生徒一人一人についての指導の目標や内容、配慮事項を示した個別の指導計画の作成などによりまして教職員の共通理解の下に指導を行うというように、これは現在でも通知等によって周知しているところでございますが、この点に関しましても義務教育学校には資するところが得られるかと思います。
 さらに、文部科学省といたしましては、これまでも特別支援教育に関する実践研究充実事業を実施いたしまして、教育課程の編成や適切な指導、必要な支援について実践研究を行っております。この成果につきましても、小中一貫教育を導入する学校あるいは小中学校あるいは義務教育学校、こうしたところへその活用を図っていただけるように周知、普及をしてまいりたいと思っております。
○新妻秀規君 是非そのお取組を推進をしていただけるようお願いをいたします。
 次に、幼小連携の強化についてお尋ねします。
 中教審の答申は幼小連携の取組の改善を求めています。引用いたしますと、小中一貫教育のための条件整備の一環と位置付け、幼小連携の高度化を進めていくことも有効である。学校からのヒアリングにおいても、いわゆる小一プロブレムの解消や発達障害にある幼児児童の早期発見、早期支援の取組を強化することによって、小中一貫教育の基盤を盤石なものとした事例が報告された。実態調査の結果においては、幼小の接続を見通した教育課程の編成、実施に至っていない例が全体の九割近くを占めており、この度の制度化に伴い取組の改善が期待される、このように報告をされています。
 この指摘にどう対応していくのか、文科省の答弁をお願いします。
○政府参考人(小松親次郎君) 幼稚園教育それから小学校教育、互いの教育を見通して連続性、一貫性のある教育を行うということは非常に重要なことでございまして、小中一貫教育の基盤を確かなものにすることにも資するものと考えております。
 これまで文部科学省では、幼稚園教育要領や小学校学習指導要領を改訂して幼小接続の規定を充実したり、幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の在り方に関する報告書を取りまとめたりするとともに、幼小合同研修、これは幼保小ということになりますけれども、の合同研修等を通じた幼小の円滑な接続の在り方に関する調査研究を行うなどいたしまして、その推進を図っているところでございます。そして、各自治体におきましては、幼児教育と小学校教育の接続カリキュラムを作成する取組が行われております。
 これらの状況の中で、現在、中教審において、幼児教育と小学校教育との円滑な接続等の観点も含めて、初等中等教育における教育課程の基準等の在り方に関する検討が行われております。この御審議等を踏まえまして、幼小接続を見通した教育課程の編成、実施を始めといたしました幼児教育と小学校教育の連携の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
○新妻秀規君 是非とも前向きな取組をお願いします。
 最後に、高等学校専攻科からの編入学について伺います。
 さきの中教審の答申には、高等学校専攻科修了後、以降の進路変更の柔軟化について提言がございます。高等教育相当の教育が行われている高等学校専攻科については、質保証の仕組みを確保した上で、当該高等学校専攻科における学修を大学における単位認定ができる学修の対象とするとともに、その修了者については、大学への編入学を可能とすることにより、高等学校専攻科修了後の進路変更の柔軟化に対応できるようにする必要がある、このようにございます。
 ここで、質保証の仕組みの確保が大学における単位認定、編入学の条件になっていると読み取ることができます。衆議院の文科委員会の本法案に対する附帯決議にも、学びの質の担保が挙げられております。
○委員長(水落敏栄君) そろそろまとめてください。
○新妻秀規君 はい。
 質保証の仕組みの担保、学びの質の担保について具体的にどのような取組を考えているのか、大臣の御所見をお願いをいたします。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のとおり、高校専攻科と大学の学修の質を高めていくことは重要であります。
 文科省としては、修了生が大学に編入学することができる高校専攻科におきまして、修業年限二年以上等の基準を設けるとともに、高等教育関係者等も加わった学校関係者による評価の実施と公表を義務付けることを予定をしております。
 また、大学に対しても、学生の実態に応じた教育プログラムをきめ細かく提供するなど、編入学者が大学教育に円滑に移行し、主体的な学びを実施できるよう配慮を促してまいりたいと思います。
○新妻秀規君 終わります。
○柴田巧君 維新の党の柴田巧です。よろしくお願いします。
 今審議をされておりますが、この法案、一人一人の能力に応じた教育を受けられる環境をこれまで以上に充実をさせていくとか、あるいは学ぶ人が目的意識に応じて自らの学びを柔軟に発展させていくことにしていくためにも、学校教育制度の多様化、弾力化を推進をするということには基本的に理解をするところでありますが、先ほどからの質疑もありますように、じゃ、具体的にどのようにこの運用を展開されていくのか、まだまだ疑問点、不明な点も多いと思っておりまして、それを解消すべくというか、少なくしていくためにもいろいろお聞きをしていきたいと思います。
 最初に、今も新妻先生から質問がございましたが、高校の専攻科の大学への編入の問題からお聞きをしていきたいと思います。
 この高校の専攻科というのは、今、平成二十六年の五月現在でいうと、全国に百三十三校、九千二百五十人の生徒が学んでいるということですが、この高校三年間の学習だけでは国家資格が受けられない、例えば看護師とか、三級海技士というんでしょうかね、この受験資格を得るケースがほとんどで、全国の高校のうち、看護学科の八割、水産学科の六割はこの専攻科を持っていると言われています。
 しかし、高校卒業者に二年間の専門教育を行うという制度ですけれども、これは短大もあれば専門学校もあるし、中学校から五年間学ぶ高専もあるわけですが、これとある意味似たような制度といえば制度なんですが、今申し上げた短大や専門学校や高専は大学への編入がこれまで認められていたんですけれども、この高校の専攻科についてはこれまで大学への編入学が認められないという、言わば学校の教育制度における袋小路みたいな位置付けに、状態にあったと言っても過言ではないと思います。
 したがって、高校三年間出て、その後四年大学出て、まあ七年間、通常の高校生の場合は学ぶ、七年間で済むのに対して、より高度な学修をしたはずの専攻科の修了者は、逆に、高校三年、専攻科二年、大学四年と、計九年も掛かるということになってしまっているわけで、そういう意味では志と能力ある生徒にとっては非常に時間的な、経済的な負担となっていたのが現状であります。
 したがって、この法案が成立すればそういう袋小路的な状態が解消されるということは結構なことだと思ってはいますが、しかし、一方において大学で言わば単位として認定できるような教育水準というか、高度な教育水準が担保されなければ、今、質の保証のお話がありましたが、中教審でも指摘されていますように、そういった質の確保がやっぱり必要なんだと思っています。
 したがって、このカリキュラムの面あるいは教員の確保の面等々、あるいは、今大臣もおっしゃいましたが、この評価システムの問題などなどで質の保証、確保をどうしていくか、具体的なことをお聞きをしていきたいと思います。
 まず最初に、今申し上げたように、大学への編入学を専攻科修了生に認めるということは、この高校専攻科での学修の成果を大学が認めるということになるわけなんですけれども、現行では、各高校の専攻科というのは自由に学校ごとに設置者において編成することが、カリキュラム、できるわけですが、やはりこの質の保証が求められるようになるとすれば、一定の基準がこの専攻科の教育課程についても必要になってくるんじゃないか、そういう取扱いの変化が生じるんじゃないかと思っていますが、この点、どのように考えているのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) 御指摘のように、高等学校の専攻科のうち修了生が大学に編入学することができるものに限りましては、高等教育相当の教育水準を確保するという観点から、二年以上の修業年限などの基準を設けることを予定しておりまして、今ほど例示をされましたように、例えば専門学校で編入ができるといったものと同程度、同等の水準を確保できるような、そういう仕組みとしたいと考えております。
○柴田巧君 したがって、これまでとは違った対応が余儀なくされるんだろうと思っていますが、しっかりそのカリキュラム、教育課程で、今お答えがあったように、教育水準が確保できるようにしっかり取組をしていただきたいと思います。
 また、教員の面においても、大学の教員というのは、言うまでもありませんが、先端の研究もやっている、また研究指導もできる人ということになっているわけですが、それを踏まえ、専攻科についても、そういった背景を持つ人の、教員の確保というのがこれからは必要になると思っていますが、これについてもやっぱりしっかり基準を求められるんじゃないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。
○政府参考人(小松親次郎君) 御指摘のとおり、高等学校の専攻科の修了生に対して大学編入学を認めるに当たりましては、当該専攻科において高等教育相当の教育が提供されている必要があると考えられます。そういたしますと、それにふさわしい教育体制、指導体制がなければならないということで、本法案が成立いたしました場合には、その後で、修了生が大学に編入学することができる高等学校専攻科につきましては、教員資格も含めて基準を設けていくことを予定しておりまして、その際、先ほど申し上げましたように、既に編入学が設けられている専修学校専門課程と同等のものは確保しなければいけないと思っております。
 文部科学省といたしましては、そうした基準を設けること等を通じまして、当該高等学校専攻科の教員の水準を確保していくようにしたいと思っております。
○柴田巧君 よろしくお願いをしたいと思います。
 それから、やはり一定の質を保証していくとするためには、それを評価するやっぱり仕組みが不可欠なんだろうと思っています。
 現状は、高校はそれぞれの教育活動等について自己評価を行って、その結果を公表するということが義務付けられていると承知をしておりますが、その結果を踏まえて、保護者等の学校関係者に評価と公表について、公表すると、このことについては努力義務とされているわけですが、中教審の答申においても、この専攻科については、そういった編入学を認めるのであるならば、本科と分けて外部評価の実施と結果の公表を義務付けるべきではないかと、そして、その大学編入学に認められる水準を有しているかどうかの判断をするという観点からも、この評価者に相当数の大学関係者や高等教育の評価に携わる者などを入れることにするべきだという答申を出していますが、このように本科と分けた形の外部評価の実施、公表の必要性というのはやはりあるんだと思っていまして、そうであるならば、その評価の項目や指標、あるいは公表の在り方なども含めて国が何らかの指針というかガイドラインをやっぱり示すべきなんではないかと思いますが、そういう考えがおありかどうか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) 御指摘のとおり、修了生が大学に編入学できる高等学校専攻科の教育の質を確保していくことはまず重要であると認識いたしております。
 そこで、先ほど委員から御紹介もございました中教審の答申なども踏まえまして、文部科学省といたしましては、法案が成立した場合には、こうした高等学校専攻科に対しまして、本科とは別に高等教育関係者等の外部有識者も参画した学校関係者評価の実施と、それから、その評価結果の公表を義務付けるということを予定しております。
 その評価の実施や結果の公表等に関する具体的な方法等でございますけれども、これもこの法案が成立いたしましたならば通知等を通じて示すということを予定しておりまして、これらを通じて高等学校専攻科の教育の質の向上に努めてまいることにいたしたいと考えております。
○柴田巧君 しっかりその質の保証がされる、また、外から見てもなるほどと思われるようなやっぱり評価システムをつくっていくことが大事だと思いますので、具体的な取組をお願いをしておきたいと思います。
 さて、この法案が成立をすれば、先ほど申し上げたように高校の専攻科というのは看護科あるいは水産科が大半を占めているわけですけれども、工業科あるいは農業、情報といったようなところにも専攻科が広がっていくというか、拡大していくことがあり得るんではないかなと予想するところです。現に愛知県では、これは特区でやっているんだったかなと思いますが、新設予定の工業高校で専攻科を含めた五年間の一貫教育を実施するプランもあるやに聞いておりますが、本法案が成立すれば高校の専攻科がいわゆる職業教育機関として社会的に広く認知をされるということになるんだろうと思っていますし、職業教育の充実や高度化を牽引していくような、そういう役割を期待されると思っています。
 そういう意味では、先ほどからカリキュラムの問題やら、あるいは教員の確保の問題とか評価システムの問題等々申し上げましたが、やはり国としてこういう取組を、職業教育の充実、高度化に頑張っている、こういう高校の専攻科などをやっぱり国としてもしっかり支援をしていくという対応が求められると思いますが、どのように検討していらっしゃるのか、これは大臣にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 高等学校専攻科は、主として職業に関する学科が置かれておりまして、その修了生が大学に編入学できる制度の創設は、御指摘のように高校の職業教育の充実また高度化に資するものというふうに認識をいたします。
 文科省では、平成二十六年度から専攻科を含めた五年一貫のカリキュラムの研究など、高校の職業教育の充実、高度化に資することを目的としてスーパー・プロフェッショナル・ハイスクール事業をモデル事業として実施しております。引き続き高校の職業教育の支援及び事業成果の普及に努めてまいりたいと思います。
○柴田巧君 かつて日本の高度成長を支えたのはやはり工業高校や実業科を出られた方々だったと思いますが、そういう分厚い物づくり人材というか、産業を支える担い手を育てていくという意味でもこの高校の専攻科の充実を図っていくことは非常に重要なことだと思いますので、この法案成立した後に具体的ないろんな支援策をしっかり展開をしていただきたいと思います。
 それで、同じく中教審では、高校の専攻科の大学の編入と並んで職業能力開発大学校、同じく短期大学校からの大学への編入学についても検討をされていたと承知をしております。その前の教育再生実行会議の第五次提言で、大学への編入に道を開くようにということも書いてあったかと思いますが、実際、これは両者併せて職業能力開発施設と言ったりしますが、ここにおける学修を大学における単位認定の対象とすることは、去年の九月に文科省の告示が改正されて可能となったということでありますし、また逆に、大学生にとってもそういう職業開発施設での授業に参加した場合に大学の単位として取得することが可能になったと。そういう意味ではより多様な選択肢が開かれたのは間違いないんですが、やはり多様な、先ほど申し上げたように学校教育制度が弾力的で多様化に対応できるためにも質が保証されなければならないという大前提はありますが、いろんな大学への入り道があってしかるべきなんだろうと思います。
 そういう意味で、この職業能力開発施設からの大学への編入というものもこれからよく、しっかり検討していかなきゃならぬと思いますが、それを実現するためにはどういう課題をクリアしなきゃいけないと今のところ考えているのか、この点をお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(吉田大輔君) 昨年、平成二十六年七月の教育再生実行会議第五次提言におきまして、職業能力開発大学校及び同短期大学につきましては、それぞれの学修を大学の単位認定の対象とすることや、これらの職業能力開発施設から大学への編入学について検討するということについて提言をいただきました。
 このことを踏まえまして、先ほど御紹介いただきましたように、文部科学省におきましては、平成二十六年九月に文部科学省告示を改正をいたしまして、職業能力開発大学校等における学修について大学における単位認定の対象としたところでございます。さらに、職業能力開発大学校等から大学への編入学を可能とすることにつきましては、中央教育審議会の平成二十六年十二月の答申では、職業能力開発大学校等における学修の相当部分が大学における単位としてみなすことができるものであるということが必要であるとされているところでございます。
 このため、文部科学省としては、各大学における職業能力開発大学校等の学修の単位認定の状況を調査いたしまして、その状況を踏まえながら大学への編入学について検討してまいりたいと考えております。
○柴田巧君 是非、去年の九月にそう改正もされて、今いろんな状況を見ながらということですが、支障がなければ、また質が保証されれば、やっぱりそういう道を開いていくということも大事なことだと思いますので、引き続いてまた検討のほどお願いをしておきたいと思います。
 では次に、残りの時間、義務教育学校についてお聞きをしたいと思いますが、先ほどからの質問と重なる部分もあるかもしれませんが、お許しをいただいて、お聞きをしていきたいと思います。
 この義務教育学校、九年間を一まとまりとして捉えた教育課程の編成を行うために小中一貫教育を実施するということで、そこに意義を見出すものではありますが、確かに中一ギャップの解消でありますとか、教員が小中にまたがって授業を工夫することや円滑に授業指導するということが可能になるのはそうだろうと思います。また、幅広い異年齢集団の中で社会性を豊かにしたり責任感や思いやりを育むということも指摘をされているところですが、一方で、先ほどからあるように、いろんな懸念もあるのも実際のところだと思います。
 特に、一つお聞きをしたいのは、転出入児童生徒への配慮をどうするかと。つまり、義務教育学校から一般の小中学校へ、通常の小中学校へ移る、あるいはその逆のパターンなどによって授業の面で不都合などが起きないように、そのことによって逆に不登校になったり、いじめに遭ったりということにならないようにやっぱり配慮をしていく必要があるんだろうと思いますが、今申し上げたこの児童生徒の転出入への配慮、学習内容の欠落などが生じないように、転校先で学校に円滑に環境に対応できるように配慮する必要があると思いますが、この点はどのように具体的なものが考えられているのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) 義務教育学校におきましては、小中一貫教育の円滑な実施に資する一定の範囲内で設置者の判断による教育課程の特例を認める予定としているわけでございます。その場合にも、学習指導要領に示された内容項目を網羅すること、それから各教科等の系統性、体系性に配慮すること、児童生徒の負担過重にならないようにすることなどを前提としているところでございます。これを守っていただいた上で、設置者の判断による教育課程の特例等を認めることになります。
 これを踏まえまして、この特例を活用して特色ある教育を行う学校におきましては、転出入する児童生徒に対して学習内容の欠落が生じないようにしていただくことはもとより必要でございますけれども、転校先の学校に円滑に適応できるようきめ細かに対応していただく必要があると考えています。具体的には、指導要録に当該児童生徒が先取りして学習した事項等について具体的に記載をする、あるいは通常の教育課程との違いを分かりやすく示したものを資料としてあらかじめ備えておく、それから、転出入に際して必要に応じてガイダンスや個別指導を行うことなどが考えられるわけでございます。
 法案が成立いたしました場合には、施行通知等において丁寧な周知に努めてまいりたいと考えております。
○柴田巧君 そのような子供たちへの配慮をしっかりやっていただきたいと思います。
 この義務教育学校ができることによって子供たちにもいろんな心配もあるんですが、一方で、先ほどからもあるように、先生方もいろんな意味で大変になるのは間違いないと思っています。本来の仕事というか、授業力であったり生活の指導力であったり、あるいは学級経営力も求められるでしょうし、防災やいじめや不審者への対応や食物アレルギーや、いわゆる危機管理能力も、先生には対応能力も求められる、保護者や地域社会との対応力も求められると。
 そんな中で、この小中一貫教育が始まれば、そこへの対応力、また、いろんなそれに伴う校務マネジメント能力というものが試されるというか、求められるのは間違いないと思っています。
 意外に子供は新しい学校に、比較的環境になじんでいくかもしれませんが、なじまないのは大人の方ということが十分あり得ると思っていまして、先ほどからも、先生方も戸惑うことも大変なことも出てくるだろうと思いますが、この小中教育一貫校を成功させていくためには、やはり学校教育を支えるのは教員の皆さんですので、こういう小中一貫教育への対応力や校務マネジメント力の向上に向けて、文科省としてはどのような取組が必要だというふうに考えていらっしゃるのか、大臣にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 近年、学校を取り巻く環境が複雑化、困難化し、教員に求められる役割が拡大する中、教員の多忙化を解消しつつ、小中一貫教育の推進など、新たな教育課程に的確に対応していくことが必要であるというふうに認識しております。
 これを踏まえ、小中一貫教育への対応や円滑な学校マネジメントのため、一つに、小中連携や小中一貫教育に関する経験の豊富な教員の義務教育学校への配置を考える、また、独立行政法人教員研修センターや都道府県教育委員会等における新たな教育課題を踏まえた管理職に対するマネジメント研修を考える、また、教職員や多様なスタッフの専門性を生かした業務分担や校務マネジメントなど、チームとしての学校の在り方の改革等について考える等、今後より一層充実させていくことが必要だと考えております。
 文科省としては、教員の養成、採用、研修の接続を重視した見直し、再構築の方策や、チームとしての学校の在り方につきまして、現在、中教審で御検討いただいております。その議論も踏まえ、学校現場の負担軽減に必要な環境整備を図るとともに、小中一貫教育に円滑に対応できる教員体制の整備に努めてまいりたいと思います。
○柴田巧君 よろしくお願いをしたいと思います。
 もう最後の質問になると思いますが、これは改めて言うまでもありませんが、この義務教育学校の設置あるいは運営に当たって、やはり地域の参画や協力は必要だと、コンセンサスが必要だというふうに思っているわけですが、何といっても子供は地域の中で育っていくということでありますし、学校は地域のコミュニティーの核となるべきものですから、しっかり組織的な、継続的な学校支援体制が地域の中からできること、整うことがやっぱり重要なんだと思います。
 したがって、設置に当たっても、やはり地域の皆さんに対するいろんな丁寧な説明が必要だろうと思いますし、運営に当たっても、幅広く地域の理解が求められるような取組が必要だろうと思います。
 特に、地域での義務教育学校の必要性や生かし方などについてコンセンサスを得ていくことが大事だと、そのためには丁寧な説明が必要だろうと思いますが、設置や運営に当たって地域の参画や協力を求めていくことをどのようにやっていかれるか、どういうお考えでやっていかれるか大臣にお聞きして、最後にしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) これは御指摘のとおりだと思います。義務教育学校の設置、これは学校関係者と保護者や地域住民等々が新たな学校づくりに関するビジョンを共有しながら進めていくことが望ましい、義務教育九年間の学びを地域ぐるみで支える仕組みづくりが必要です。義務教育学校の運営に当たって、保護者、地域住民の参画、協力の下で、例えばコミュニティ・スクールの仕組み等、地域ぐるみで子供を育てるという観点から有効な方策であるというふうに思いますし、その活用も大いに期待されます。
 文科省では、施行通知において、この法案が成立した場合には、地域と共にある学校づくりの観点から検討を促すとともに、優れた取組事例の積極的な収集や情報提供に努めてまいりたいと思います。
○柴田巧君 時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 今回の法案は、小学校と中学校を一体とした義務教育学校を法制化するというものですが、将来、今の学制を解消し一学年から九学年の義務教育学校に全てしていくという方向でもないし、それぞれの自治体の判断で義務教育学校を設置することが可能という中身になっています。なぜ義務教育学校を設置するのか、その理由も、私も説明を聞いていて、いまだ定かではないなというのが私の感想です。
 子供の身体的発達が昔よりも早いといいますが、身体的発達は今個人差が大変大きくて、また、精神的発達や社会性という面で見れば果たして発達が早期化していると言えるのだろうかと、これも疑問に感じるわけです。文科省が説明する中一ギャップについても、衆議院の審議で、国立教育政策研究所でさえ事実より印象に基づく概念だと疑問を呈しているということが示されました。
 そこで、印象ではなく事実に基づいて質問していきたいと思います。既に施設一体型の小中一貫校は各地で設置されています。その開校に至る経緯というのを事実に基づいて見てみたいんです。
 二〇一三年十月、朝日新聞が、同じ敷地に小中学校があり九年間のカリキュラムを実施している小中一貫校全て、当時で百校です、そこにアンケート調査を行っています。開校に至る経緯として統廃合計画の中で計画されたという回答が五十二校で、理由としては一番多いわけです。小中一貫校は統廃合の新たな動機付け、新たな手法となってきた、これが現実ではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘の朝日新聞の調査におきまして、回答のあった百校のうち五十二校が統廃合計画を開校の経緯として挙げているということでありますが、この調査は、小中一貫に取り組む学校のうち小学校、中学校が同一敷地にある学校のみを対象としたものであることから、学校統廃合との関係が高い結果が出た可能性があるのではないかと思います。
 事実に基づいた検証という意味では、昨年、文部科学省において過去三年間の小学校、中学校の統合事例を調査したところ、七百八十二件の統合実施件数のうち小中一貫校の整備を伴うものは三十四件、全体の四%にしかすぎなかったところでありまして、小中一貫教育が学校統廃合の動機付けとの手法となってきたということは、事実に基づけば言えないことだと思います。
○田村智子君 これは、小中一貫校って、これから義務教育学校としてつくっていこうということですからね。事実、一体化するところは、統廃合に伴って一体化、これは事実として出てきているというふうに思うんですよ。
 この調査を担当した記者の論説を読みますと、一貫校は小学校同士の横だけでなく中学校との縦の統合もできるツールだと率直に認める自治体担当者もいたと、こう書かれているわけです。そうすると、今回法制化されればこういう流れが更に強まって、統廃合が小中一貫校の設置を理由に進められるという危険性が高いのではないかと私は危惧しています。
 具体的な事例を挙げます。
 杉並区、今年の四月に初めての施設一体型一貫校を開校しました。今後、二〇一九年四月、小学校二校と中学校一校を統合し、一貫校を開校するという計画を示しています。
 これには経緯があります。杉並区は二〇〇四年に、小中学校五十五校の改築費用、大規模改修必要になる、その費用を抑えることが必要だと。そこで、小中五校ずつ減らすという計画を立てました。しかし、地域の大きな反対運動に遭って、この計画は事実上頓挫をしたんです。そこで、今度は、施設一体型の学校建設で三校を一校にと、しかもこの方が改築をするよりも経費を抑えることができるんだと、こういう計画を示してきたわけです。ほかの自治体でも、統廃合と言えば後ろ向きだが、一貫校設置と言えば前向きに受け止められるという議論をしているところもあるわけです。
 今後、大規模改修、非常に増えていきます。そうすると、これを縮小することを目的に、あるいは学校統廃合への反対の声を抑えるために小中一貫校を設置する、こういう議論が現にある。この現実はどのように受け止められますか。
○国務大臣(下村博文君) 今後、残念ながら少子化になってくる中で、それに伴って学校の小規模化の進展も予想されるわけであります。十分な学校規模を確保し、子供たちにとって望ましい教育環境を整備していくことは重要な課題であると思います。
 このため、少子化に対応した魅力ある学校づくりを進める上で、児童生徒の集団規模の確保や活発な異学年交流等を意図して小学校、中学校を統合して小中一貫校を設置することは一つの方策であると考えられますが、これはあくまで設置者が地域住民や保護者とビジョンを共有しつつ主体的に判断すべき事情であると考えます。
○田村智子君 そうすると、一点確認をしたいんですが、やっぱりこの法案を出したことによって統廃合は一層進むだろうということを文科省もこれ想定をされているということになるんでしょうか。今までの答弁聞いているとそれは否定しないというふうに聞こえるんですが、その点いかがですか。
○国務大臣(下村博文君) この法案は、統廃合と関係している法案では全くございません。これはあくまでも、子供の学ぶ中で小中一貫の方がより子供たちにとって成果、効果が上がる、そういう教育上の視点から考えている法案でありまして、統廃合のスタンスといいますか考え方はこの法案の中には全く入っておりません。
○田村智子君 しかし、今回の法案と一体で、国の施策を見てみても、まさに学校統廃合と一体の小中一貫校設置ということが後押しされていくんじゃないかというふうに思います。
 総務省、昨年四月、公共施設等の総合的かつ計画的な管理を推進するため、速やかに公共施設等総合管理計画の策定に取り組むよう、総務大臣名で地方公共団体に要請をしています。これは、公共施設が更新時期に入る、人口減少も踏まえて公共施設を整理統合せよと求めるものです。自治体は、今厳しい財政状況もありますから、どうやって経費を抑えるかという議論、これは独自にも行っているけれども、国からも言わば背中を押される、尻をたたかれるという、こういう状況にあるわけです。そして、学校についても、統廃合と一体の小中一貫校の計画というのが次々に浮上しているというのが実態です。
 文科省も今年一月、学校規模適正化の手引を示しましたが、その中で小中一貫校を有力な選択肢として統廃合を進めていくということも挙げているのではないでしょうか。これでは国も、まさに統廃合と一体で義務教育学校を設置をしなさいと、こう促していくことになるんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(下村博文君) 少子化や人口減少に対応して、学校を含めた公共施設を地域の実情に沿った最適なものとしていくことは重要なことでありますが、小中一貫教育の導入というのは、先ほど申し上げましたように、子供たちにとってより良い教育環境を整備するという教育的見地を中心に据え、地域住民や保護者とビジョンを共有しつつ検討すべきものであるというふうに考えます。
 学校規模適正化に関する手引におきましては、小規模のメリットを生かし、デメリットを解消しながら学校を存続させる場合の工夫例も様々盛り込んでおります。
 文科省としては、施行通知や各種会議等を始め様々な機会を捉えて、小中一貫教育の趣旨や、そして少子化に対応した活力ある学校づくりの選択について丁寧に周知して、最終的にはその設置主体、自治体が考えることでありますが、地域住民と保護者とがビジョンを共有して学校については検討する必要があるというのは、これは文部科学省のスタンスであります。
○田村智子君 私も、例えば過疎地域などで、自治体が保護者や住民の皆さんともよく協議した上で小中学校を一貫校に統合すると、これは否定するものではありません。しかし、住民の反対運動が巻き起こる中で強引に小中一貫ありきと、これで統廃合が進められる、こういう事例も決して少なくないからいろんな危惧を今並べ立てたわけです。
 具体的に挙げます。京都市、特区制度を活用して小中一貫校を設置してきた先進自治体です。ここの右京区では、昨年、京北地域の公立小中学校全て、これは小学校三校、中学校一校、これを一校の小中一貫校に統合するという計画を現在進めています。
 五月二十六日付けの京都新聞読みますと、各校の保護者に一貫校の提案があったのは昨年四月。うち小学校二校は八か月後に統合を認める決議が出されたが、ほかのところでは結論まで数年掛かるのではないのか、拙速だという不満の声が保護者の中からも出されていると報道されています。
 さらに、決議を上げていない中学校では、PTA役員が全保護者の思いを決議に反映させたいとして、総会に参加できない保護者が書面で採決に参加できる仕組みにしようと、そのためのPTAの臨時総会を開こうとしました。しかし、学校はそのための施設使用を認めなかった。学校外で開催することも承認しないということをわざわざ内容証明で通告をしたと。やはり決議を上げていない小学校PTAが計画案の賛否を全保護者に聞きましたが、その数字の公表を学校長が認めないと、こういう強引な計画をどのように思われるのか。
 また、あわせて、文科省が示した学校規模の適正化のガイドラインでは、統廃合を行う場合、先ほどお話あったとおり、十分な理解と協力を得てということが言われているわけですが、これは当然、小中一貫校あるいは今後の義務教育学校の設置についても同様だと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(下村博文君) 京都の事例は、今お聞きしただけではにわかにそれが適切な対応であったのかなかったのかということはちょっとコメントできません。調べてみたいと思います。
 ただ、御指摘のように、まずは、学校というのは地域の実情に合った最適なものとして位置付ける必要があると、そういう意味で、この小中一貫教育の導入というのは学校統廃合が前提ということではなくて、子供たちにとってより良い教育環境を整備するという、そういう教育的な視点がこれは重要でありますから、当然、地域住民、それから保護者、そういう方々と共有した考え方の下で義務教育学校については自治体が判断をしていただきたいと思います。
○田村智子君 是非調べていただきたいんですけど、京都の事例、これ、入学予定の地域住民も含めて丁寧な説明や協議をしてほしいというその声が切実なんです。しかし、説明会も在校生の保護者のみとか、地域の人は説明会やらないとか、こういう対応しているところもあったわけです。
 また、京都市では、自治会の一部の役員やPTAの役員の賛同を取り付けたことをもって地域や保護者の理解を得ていると、こういうやり方を進めていることがほかの地域でも見られるわけです。中には、PTAが決議上げたというけれども、その賛成決議に参加したのは一桁の保護者だったと、こういう事例さえあるわけです。
 大臣、もう一点だけ確認したいんですけど、このような一部役員の理解イコール当事者や地域の理解とは言えないというふうに思いますが、その点だけちょっと意見を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 文部科学省で学校統合におきまして手引を作っているわけでありますが、手引の中で、学校が地域コミュニティーの核として大きな役割を果たしていることに鑑み、学校規模の適正化等の具体的な検討に当たり、保護者や地域住民の十分な理解と協力を得ることなど、地域と共にある学校づくりの視点を踏まえた丁寧な議論を行うことが重要である旨明示しているところでありまして、こういう視点に立って、小中一貫教育の導入に当たっても考えていただきたいと思います。
○田村智子君 今回、法案が成立すると、そうすると、十分な理解を得るためにということで義務教育学校のメリット、小中一貫校のメリットということがたくさん文科省の方からも出されてくるんだろうというふうに思うわけです。しかし、私は、今示されているデータについても幾つかの点で懐疑的です。
 例えば品川区の中学生の不登校のデータ、これは資料でお配りしました。過去十年間で見ると、不登校の生徒数というのはほぼ横ばいです。しかも、この数年、なぜか病休が急増をしていて、このために長期欠席者は減っていないんです。むしろ、過去十年間で見ても最高の割合になってしまっているわけです。これ、全国平均の二倍以上。
 また、入間市。ここでは小学校の不登校児童数、二〇一四年度はゼロ、中学校でも不登校は減少だと、これ中教審の、小中一貫の検討している中教審の資料で示されているんですが、入間市は小中一貫校を全市的に推進してきたわけでもありません。現場の教員からは、二〇〇七年度から不登校対策の研究事業の委託を受けてきた、それが数字に表れているのではないかという声を聞きます。不登校がいた小学校に対して、教育委員会が校長に何とかならないかと働きかけて、放課後に保健室に連れていくとか、あるいは病休扱いにするなどの対応があったということも聞いています。不登校を必ず前年度より減らすという目標を掲げることもどうかなというふうに思うんですが、ただ、いずれにしても入間市は不登校対策ということに積極的に取り組んできた、これが事実だというふうに思うんです。
 小中一貫校の設置が不登校の減少の要因と言えるのか、これは大変疑問に思うんですが、大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 入間市の事例と、それから品川区の事例についての御指摘でありますが、今までの文部科学省でこの小中一貫校を行った千を超える事例の中で、これは一般論で言えば不登校等に対してプラスの効果、つまり減っていくという効果があるというアンケート結果が出ているわけであります。個々具体的にはいろんな要因等があると思いますが、一般的に言って、成果、効果が上がっているというデータが出ているということはアンケートの結果等で明らかでございます。
○田村智子君 私、入間市の場合、加えて指摘しますと、不登校の児童生徒が通う適応指導教室、二〇一四年度三月末時点で小学生二人が通っていて、学校復帰、部分復帰はいないんです。だけど、小学校の不登校はゼロという資料が中教審に出されてきているわけですよ。何でそんな資料が出されたのかと、私、大変疑問に思います。それは余りにも子供を置き去りにして、小中一貫校の成果を言わば何か宣伝するためにそういう資料をわざわざ作ったのかと思わざるを得ないわけですね。
 学力向上の成果についても、例えば品川区、これは成果が上がっていると言われています。最初に設置された小中一貫校、日野学園。夏休みに八年生、中二ですね、対象に三泊四日の勉強合宿やっています。原則全員参加、朝八時から夜八時までひたすら勉強と。この取組がほかの一貫校にも広がっていくと。また、英語の学習塾というのを放課後行って、五校を拠点校として周辺の子供たちも通えるようにしている。小学生の漢字の小テスト、全ての小学校においてほぼ毎日行われています。
 こうした実態を見ると、それは小中一貫教育ではなくて、学力テスト対策が学力調査の点数を上げたということではないのかなというふうに思うんですが、この点、大臣、いかがですか。
○副大臣(丹羽秀樹君) お答えいたします。
 御指摘の品川区の事案でございますが、小中一貫教育に総合的に取り組む一環といたしまして、学力向上についても力を入れているものというふうに承知いたしております。
 文部科学省といたしまして、小中一貫教育は、学習指導や生徒指導の別を問わず様々な効果のある指導を相互に連携させながら、九年間継続して総合的に展開していく取組であるというふうに考えており、そのうち、どの取組が学力向上に寄与しているか特定するということは、とてもまた困難であるというふうに考えております。様々な総合的な取組の中で、現在多くの小中一貫教育校から報告されているような学力向上といった成果も生まれるというふうに考えております。
○田村智子君 どの取組が効果を出したのかはよく分からないという御答弁でした。
 大体、不登校、学力など、小中一貫校とそれ以外の学校を同じ条件で比較したデータというのはそもそもないわけで、これでは私たちも検証のしようがないというのが現実だと思います。
 一方で、小中一貫校の問題点、私、都内の小中一貫校を幾つか視察しましたが、これ様々な困難が生じていることは明らかだなと。特に都市部は、大規模化することによって学校運営上の問題生じていると言わざるを得ません。
 その一つは、校庭が余りに狭いという問題です。都内では、小学校、中学校でも運動場に十分な面積が取れないということは間々あります。そういう運動場を小一から中三までが使用する。これは問題大きいです。
 品川区のある一貫校、一学年から九学年、約千人で運動会を行います。ここの運動場、そもそも小学校、中学校、いずれの学校設置基準にも満たない面積です。私も運動会当日見学しましたが、校庭には保護者が座る場所もありません。児童生徒の移動を保障するためにトラックに近づくこともできない、金網越しに子供の姿を見るという状態なんですね。だから、自分の子供がいつ走ったか分からないという保護者もいました。しかも、学年が多いので児童生徒の出番が少ない、保護者も出たり入ったりするわけです、出番が相当なくなっちゃうから。私がこれまで見てきた運動会とは全く異質のものでした。もちろん、学校側は相当な苦労をしてこれ運営していると思うんですね。運動会だけではありません。中学生の部活動を優先すれば、小学生の校庭利用は制限されます。昼休みなど校庭で遊ぶとき、小学校一、二年生などの安全確保も求められるわけです。
 これは、義務教育学校の運動場についてどのようなガイドラインを果たして示すのかなと、安全確保するために。これ是非お聞きしたいのと、既にそんなガイドラインもないままにつくられちゃったんですよ。こんな事態なんですよ。だから、今ある一貫校で大規模化しているところ、運動場などの施設に対する対策が必要だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(下村博文君) まず、御指摘の品川の日野学園は、私も、小中一貫的な視点ではなくて、土曜授業を熱心にしているということで視察に行ったことがありました。そういう視点でしか見なかったので、ちょっと運動場とかそういうのを十分お聞きしませんでしたが、小学生、中学生が一体となって、もちろん土曜授業ですから本人の希望ではありますけれども、非常に活気があった、いい雰囲気の学校だなという、そういう印象を持ちましたが、運動場における品川の問題というのは、そういう事例があるということでの御質問だと思います。
 現在、運用上の取組として行われる小中一貫教育学校は、御指摘のように、本来小学校部分については小学校設置基準が、それから中学校部分においては中学校設置基準が適用されているわけですから、運動場については両設置基準において面積の基準が示されて、そのとおりに使用できるようにしなければならないと思います。しかし、ただし書におきまして、地域の実態その他により特別の事情があり、かつ、教育上支障がない場合はこの限りではないというのがありまして、小中学校で運動場を共有することも認めていると。実際の面積と児童生徒数によっては、御指摘のように、運動場が小中一貫教育導入以前と比べて相対的に狭くなるケースもあり得ると思います。
 義務教育学校は、小学校、中学校と同様の目的を実現するため、小学校及び中学校の学習指導要領を準用して教育活動を行う学校であることという視点からも、義務教育学校のみに対応した設置基準を別途制定することは考えておりませんが、文科省としては、運動場等の施設の共用によりまして教育上の支障が生じるということがないように、小中一貫教育の実施に伴う施設の整備、活用上の留意点、それから好事例等を各地方自治体に示すなどの取組を積極的に行ってまいりたいと思います。
○田村智子君 これは確認ですが、義務教育学校の施設基準はガイドライン的に示さないということなんですか。示さないんですか。
○政府参考人(小松親次郎君) ただいま大臣から御答弁を申し上げましたように、義務教育学校につきましては、学校そのものが小学校及び中学校の学習指導要領を準用して教育活動を行う学校でございます。この設置基準はこれらがきちっと実施できるように設定されているものでございますので、別途の設置基準を制定するということは考えておりません。
 一方で、今御指摘の運動場等の施設の共用により教育上の支障が生じることのないようにする観点から、小中一貫教育の実施に伴う施設の整備の活用上の留意点や好事例等を各地方自治体に示すといったような形で、その在り方が分かるようにしていくということは行っていきたいというふうに考えております。
○委員長(水落敏栄君) 田村さん、まとめてください。
○田村智子君 これ、重大ですよ。これ、駄目だと思いますよ、私。そんな、小学校と中学生が一緒に運動場使う。じゃ、二つあるならいいですよ、中学校基準で一つ、小学校基準で一つ。プールだって小学生と中学生で深さ違うわけですよ。これどうするのかということを曖昧にしたら、重大な問題です。
 ちょっと今日はもう時間が来たので、この点も二日目の日に併せてただしたいと思います。
 終わります。
○松沢成文君 次世代の党の松沢成文です。
 大臣、お疲れさまでございます。私はいつもラストバッターですので、私で終わりですから、最後、ひとつよろしくお願いをいたします。
 この学校教育法の一部改正案に入る前に、ちょっと私、大変興味深いニュースを二、三日前見ましたので、ちょっと大臣の考え方を、細かくは通告しておりませんが、御披瀝いただきたいなというふうに思うんです。
 その新聞記事は、中学三年においても英語の全国テストを導入していきたいということで、文科省が出した生徒の英語力向上推進プランの中で、こういう全国テストを中学三年時でもやっていくという方向が打ち出されました。高校の方はこれ英語力調査というのがもう始まっているわけですね。
 この記事を読んでみますと、高校の方の英語力調査をやってみると、大変驚くことに、今の高校生、英語力がかなり低い、中学生ぐらいの英語力しかない高校生がたくさんいるということが分かって、このままではまずいということで、中学校における英語の習得がどういう状況なのかしっかりと把握してその対策を講じていきたいということで、中学校の方でも全国規模で英語力調査、それも四つの技能ですよね。読むとか書くだけじゃなくて、特に聞く、話す、これ四つの技能でしっかりと全国調査をしていきたいと。
 私は悪い方向ではないと思うんですね。まず、大臣もいろんなところで、やっぱり日本人の英語力が大変低いのは心配だと。もちろん、英語の単語をたくさん知っていて、英語をぺらぺら話せるのが日本の国際化にとっていいとは思わないけれども、もちろん日本の歴史、伝統、文化を習得して、日本人としてのアイデンティティーを持った上で、それを国際発信をしていくためのコミュニケーション能力、英語力じゃなきゃいけないというのは分かるんですよ。分かるんですけれども、果たして私はこういう全国調査を導入しただけで、そこから様々改善点を考えなきゃいけないと思うんですが、これが日本人の英語力につながっていくのかなと。つなげるとしたら、ほかに考えなきゃいけないところがあるのかなというのが私の問題意識なんですね。
 そこで、まず、大臣は日本の英語教育の在り方についてどんな問題があると考えているのか。それを改善するために、高校でもやっている、今度中学でも英語の全国テストをやっていくという方向性、この関連についてまずお聞かせいただきたいなと、御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 私は、日本の英語教育は非常に問題だと思っています。それは、センター試験に大きな要因もあるのではないか。つまり受験英語ですね。
 本来、語学は読む、聞く、話す、書くの四技能でありますが、センター試験は実際は四技能については問うておりません。読むというのが二百点、そして聞くというのが五十点、二百五十点満点ですね、英語が。それ以外問わない。ですから、別に学者になるわけじゃありませんが、英語を読むということは結構達成しているかもしれませんが、中学三年、高校三年、六年間勉強しているにもかかわらずまともに会話ができないというのは、海外の人たちから見たら、よっぽど日本人は頭が悪いんじゃないかと思うのではないかという誤解を生じかねない。
 しかし、そもそもそういう四技能の語学勉強をしていないというところが問題であると思います。ですから、センター試験も含めて、あるいは大学個別入学試験も含めて、やっぱり四技能も同時に問うようなこと、さらに、将来英語文学をやるとかいう特別な学生、学部なり学科なりは更にそういうような読解力とかレベルの高いことをするにしても、一般論の英語でいえば、やっぱり四技能をきちっと一定基準をクリアするようなことをしていくことが必要だと思います。
 その点で、中学生と高校生、今御指摘ありましたが、本来目標としている、つまり学習指導要領に基づく達成されるべき英語の目標というのは、中学校卒業段階では英検三級以上なんですけれども、これを達成している中学生は三五%しかいない。それから、高校卒業というのは英検準二級以上、二級程度以上、これを達成している高校生も三二%しかいないということで、是非、約十年後にはこれを七〇%を目標にしていく必要がある、つまり、勉強しているわけですから、それだけの成果、効果を上げるような四技能の教育をしていく必要があるのではないかと考えております。
 具体的に、この四技能を高めるために、平成二十七年度より、中学三年生の約六万人を対象とした英語力調査をフィージビリティー調査として実施して、その結果を参考にしつつ、平成三十一年度の実施をめどに学力調査の設計及び予備調査を実施するとともに、今後専門的な検討を行うなどの十分な準備をすることによって生徒が真剣に英語学習に取り組むことができるような、そういう質の高い調査をしてまいりたいと考えております。
○松沢成文君 私も、大臣の考え方はおおむね賛成なんですけれども、大臣いみじくもおっしゃったように、センター試験には読むとか書くはあるけれどもコミュニケーションの方の話すとか聞くというのは、(発言する者あり)あっ、読むと聞くはあるけれども、話すとかこっちのコミュニケーションの方はないわけですよね。
 それで、英語の学力の向上を目指して、四技能全体レベルアップするには、私は、全国の調査をやる、その調査の結果が受験にもつながっていきますよという受験とのリンクがないと、これなかなか生徒たちもあるいは父母たちも真剣味が入らないんですね、残念ながら。でも、英語の場合は、書くとか読むとか聞くまではペーパーテストというか、その日一日の試験でかなり能力を判断することができるんですが、特に、聞きながら話すというコミュニケーション能力についてはかなりの時間を掛けないとこれ評価できません。ですから、結局、受験科目からそっちはないわけですね。
 高校受験するにも大学受験するにも、とにかくどれだけ単語を覚えたか、どれだけ文法を知っているか、どれだけ読解力があるのか。最近は聞くという方は受験の中で取り入れていますけれども、聞いて話すというこのコミュニケーション能力は受験の中にないわけですよ。ですから、やっぱりみんな、父母にしても生徒にしても、いい高校に入りたい、いい大学に入りたいから頑張って勉強しているという意識が強いんですね。受験至上主義になっちゃいけないけれども、やっぱりそれはしようがないですよ、みんないい学校へ行きたいんだから。だから、その選抜試験のときに英語の中のコミュニケーション能力をきちっと入れておいてあげないと、私はなかなかこれを真剣に勉強するという体制ができないと思うんですね。
 ですから、全国調査をやるのもいいんですけれども、本当に英語のコミュニケーション能力を伸ばそうと思ったら、受験の中にコミュニケーション英語を組み込むこと、これを考えない限り私は上達はないと思うんですけれども、そこは大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) これはおっしゃるとおりだと思います。
 それぞれやるかやらないかは大学、それから高校でいえばそれぞれの都道府県の判断ですが、大学では相当、既に、先ほどの英検含めた民間の試験で何点以上クリアしていれば、それはあえて受験英語でプラス、問わないということを導入している大学ももう相当あります。ですから、今後もセンター試験に代わる大学希望者選抜テストといいますか選択テストの中に、今までのようなセンター試験の延長線上での英語ではなくて、四技能、逆に言えば、その四技能の能力を民間のそういういろんなところで、これは平準化する必要があると思いますが、どこを選択しても一定基準クリアしていれば大学側はそれ以上受験英語は問わないというような入学試験に今後大きく転換してくるというふうに思います。
 当然、高校受験でも、中学校から四技能を意識した学校教育をすることによって、各都道府県も当然そういう判断をしてくるのではないかと思います。
 取りあえず、まず文部科学省では、生徒の英語力向上推進プランをつい先日、六月六日の日に公表いたしました。
 このプランは、生徒の着実な英語力向上を図るため、まず一つは、生徒の英語力に係る国の目標を踏まえた都道府県ごとの目標設定、公表を今年度の末までをめどに是非つくってもらいたいということで要請いたします。それから二つ目には、英語教育実施状況調査に基づく都道府県別の生徒の英語力の結果の公表を二〇一六年度から実施していきたいと思います。それから、中学生の英語四技能を測定する全国的な学力調査を国が新たに実施し、各学校における指導改善を促すとともに、国及び都道府県が生徒の英語力向上を図るための改善を促すPDCAサイクルを構築をしていきたいと。また、先ほど申し上げましたように、民間の資格検定試験の活用を促進する、これを柱とする生徒の英語力向上推進プランを公表いたしました。
 このことによって、絵に描いた餅にならない、我が国の子供たちの英語教育の抜本的な改革をすることによって英語力をしっかり身に付けられるような、そういうスキームをつくってまいりたいと思います。
○松沢成文君 日本人の英語力向上というのは、これもう国力の問題ですから、私は教育も地方分権論者ですけれども、これが日本の国にとって大切な目標だと思ったら、かなり国主導で、地方も引っ張ってやる体制を取らないと、私はなかなかこれ進んでいかないと思います。
 それで、日本の場合はかなり社会が、周りじゅう海ですし閉鎖されていますから、日本語があれば全て生きられる。これは当たり前ですね、ずっとそうやってきたわけですけれども。ただ、今、諸外国はどんどんどんどん国際化が進んでいますから、自分の母国語だけじゃなくて第二外国語、第三外国語を自由に操るような人たちがたくさんいるわけですね。ですから、こういう状況の中で、日本がそういう国際化の流れの中でしっかりとした国力を付けていくには、私は国主導のやっぱりかなり力強い政策が必要だと思っています。
 そういう意味で、今大臣が幾つも挙げていただいた政策、いい方向だと思うんですけれども、大臣、将来、日本は英語を第二公用語にする。英語というのは一つの言語ではなくて、もう世界語なんですね、残念ながら。英語を操れれば大体世界どこに行っても、ちょっとレベルの高い人とは全部コミュニケーションができます。そういう意味では、英語に匹敵するような国際語というのは今ありません。ですから、どこの途上国でも、自分たちの母国語と、シンガポールなんかはもう英語を公用語にしちゃって、いろんなものを英語も使ってやり取りするわけですね、コミュニケーションを図るわけですね。やっぱりそれぐらいの、日常生活の中に英語が常に出てくるような状況にならないと、これなかなか、勉強しなさいと言っても、便利な日本語があるわけですから、日常の生活ではそれ必要ないわけですよ。
 ですから、私は、もし本当に日本がこれから国際化する世の中の中でしっかりと国際性を持って世界をリードしていくには、英語の第二公用語化というのも考える時期に来ているんじゃないかと思いますが、大臣の御認識、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 私も、実感として、十年ぐらい前の国際会議に出ると、各国がそれぞれの国の言葉を使って意思表明をするということが結構ありましたけれども、この一年ぐらいの国際会議ですとみんな英語を使うんですね。ロシア人であろうが、フランス人であろうが、中国人であろうが、みんな英語を使う。ですから、母国語はみんな持っているにもかかわらず、それから通訳が同時通訳をしているにもかかわらず、英語で話すというのがもうある意味では常識的になっているという意味では、残念ながら、日本語じゃなくてやっぱり英語が国際共通語ですから、共通語を知らないと議論の場に参加できないということをつくづく痛感をしております。
 だからといって、すぐ、じゃ、日本で第二共通語にするかどうかということについては、これは相当な議論があって、やっぱり島国ですから、そう必然的に全ての国民が英語をしゃべれなくても実際生活に困らないし、ハンディキャップはふだんは日本にいたら感じないんですね。
 ですから、グローバル企業のようなところが、中には社内語は英語というふうにしているところもありますから、具体的な仕事で本当にニーズがあって必要なところは共有語あるいは公用語にしていくということは必然的な流れだと思いますが、まだ日本においては議論がちょっと早いのではないかというふうに思います。
○松沢成文君 ちょっとこの議論をしていると法案の方が聞けなくなりますので。
 学校教育法の一部改正の法案について、私も先ほど申し上げたように、教育も地方分権をどんどんやっていくべきだと。そういう意味では、国が一つの指標を示してあげた中で地方が様々な話合いをして地域の特色を生かした学校運営をしていくというのは、私必要だと思っていまして、そのうちの選択肢の一つとして、この義務教育学校というのもあると捉えることはできると思うんですが、ただ、法案見させてもらっていろいろ勉強しますと、結構現場はこれ混乱するんじゃないかなと正直言って思う点、結構あるんですね。
 まず、この学制についてお聞きしたいんですけれども、今回の法改正によって、各市町村の判断で九年間を例えば四三二とかあるいは五四に区切って、学制を自分たちの教育委員会なり学校の方で決めていくこともできると書いてありますけれども、一方で、法律案では、やはり前期六年間の前期課程、これ小学校分ですね、それから後期三年間の後期課程と区分されるとも規定されているんです。
 恐らく小学校も、小学校の教科書、学習指導要領も小学校はこういうことを教えなさいってできていると思うんです。中学校もそうなっていると思うんです。そういう中で、前期六年の前期課程、後期三年の後期課程と、あと各義務教育学校が自由に決められるという四三二とか五四、この学制の整合性というのはどう考えたらいいんでしょうか。そこをまず教えてください。
○政府参考人(小松親次郎君) 義務教育学校でございますけれども、既存の小学校、中学校と併存して義務教育を担当いたします。そこで、義務教育学校の六年間を、前期課程終わって別の中学校へ進学する、あるいは逆に、通常の小学校から入ってこられるという方もたくさん想定されますので、そういう意味では、制度上、修業年限九年としつつ、前期六年と後期三年に区分して、そしてそれは、具体的には学習指導要領の準用で区切るということにいたしております。
 その上で、義務教育学校は、地域とか子供の抱える教育課題に対応するために柔軟な扱いができるようにしようと、学年の区切り方とかですね、そこで四三二や五四といったことを可能としているんですけれども、その具体的なイメージは、学習指導要領を六年と三年で準用して併存する小学校、中学校という法律上の学校との交通を図るというのとは異なって、カリキュラム編成上の工夫や指導上の重点を設けるために、その地域あるいはその学校の判断でどのような工夫ができるかということを学習指導要領とかでの保障をした上で行うと。
 ですから、具体的に申しますと、例えば小学校高学年の段階から独自の教科を設ける、郷土学習のようなものを教科化して、それを設けていく、あるいは、中学校段階の教育の特色でございます教科担任制とか、それから定期考査、学年末試験とか中間試験とか、あるいは制服とか部活動とか、そういったものを入れて、学校生活全体で行われますので、それを学年生活の区切りとして、達成したい目標に沿った異年齢間の活動等を活発にしていく、そういうことがいろいろできるようにすると。こういう両者の関係になっているわけでございます。
○松沢成文君 先ほどから委員の皆さんから、卒業式をどうするかというの、いろいろ出ていました。やっぱり卒業式というのは、いろんな歌にもなっているように、人生にとっては、「卒業写真」という歌もありました、一つのビッグイベントなんですよね。それが、義務教育学校は、入学式があって、卒業するのは九年目ですね。十五歳のときですよね。その間、いろいろ学制が取られていたり、あるいは前期修了の六年というものがあったりして、どういうふうに生徒たちはこれを捉えるのかなと思うんですが。
 例えば、都会では今結構、私学の中学を受験するという子、多いですよね。こういう子たちが私学の中学を受験するときの願書に何々小学校卒業と書けないわけですよ。例えば永田町に義務教育学校があったら、永田町義務教育学校を前期修了とか、何かこれもちょっと寂しいなという気もして、何か学校の卒業と、途中で転校してきたり、あるいは中学受験に行ったり、出たり入ったりする子も事情でいるわけですよね、その子たちが寂しい思いをするというか、そういう状況に追い込まれるんじゃないかと思うんですが、この辺りは文科省としてどう考えていますか。
○国務大臣(下村博文君) 義務教育学校におきまして前期六年、後期三年に課程を区分しているため、御指摘のように、義務教育学校から中学校受験で転出する生徒は義務教育学校の前期課程六年を修了したという扱いになります。しかし、卒業証書は授与されないものの、必要に応じて前期課程修了を証明する文書が発行されるというふうには考えます。
 この場合において、小学校の卒業と義務教育学校の前期課程修了とでは取扱いが異なるものでは別にありませんので、こうした趣旨について丁寧に説明をしていきたいと思います。
○松沢成文君 もう一つ。実は、私の地元の川崎市は今度新しい市長さんになって、中学校給食を始めるという政策を言って、今それを実施に移しているわけですね。例えば、川崎の場合、小学校は給食あるけど、まだ中学校は給食ないんですよね。今後、中学校給食が導入されるかもしれませんが、この義務教育学校で九年間ずっと生徒は一貫教育で学ぶわけですけれども、じゃ、給食六年間あるけれども後半の三年間は給食がないとしないと、ある意味では不平等を生じますよね。だって、ほかの学校へ行っていれば、中学校給食ないんだから。義務教育学校へ行っている人たちだけが中学校給食があるのはおかしいじゃないかということにもなりますよね。
 この給食も、極めて地方自治体がどう判断するかでやるかやらないかを決めていけばいいんですけれども、これ、同じ義務教育なのに、その中で給食がある生徒たちと給食がない生徒たち、同じ市民税払っているわけですよ。そこで変な不平等が生じて、かなり地域でもめる可能性があるんじゃないかと、私はそういうところも心配しちゃうんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) これは松沢委員的な質問かなと思いました。
 いや、それというのも、今、学校給食における完全給食実施率というのは、小学校で九八%、中学校で八〇%ですが、最近、中学校での実施率も上昇しているんですね。神奈川県を調べてみたら、何でそういう質問をされるのかなと調べてみたら、完全給食二五%。だから、非常に給食実施率が少ないので、それでそういう御質問をされたのかなと思いました。
 義務教育学校での給食の実施については、基本的にはこれはやっぱり設置者が判断することであります。その際には、保護者の意向や中学校での実施状況なども十分考慮した上で、もし川崎市だったら川崎市で適切に判断をしていただくことではないかと思います。
○松沢成文君 時間が来ましたので、また次回に譲ります。
○委員長(水落敏栄君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
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○委員長(水落敏栄君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 学校教育法等の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(水落敏栄君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(水落敏栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十七分散会