第189回国会 文教科学委員会 第14号
平成二十七年六月十六日(火曜日)
   午前十時開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         水落 敏栄君
    理 事
                石井 浩郎君
                二之湯武史君
                神本美恵子君
                斎藤 嘉隆君
    委 員
                赤池 誠章君
                衛藤 晟一君
                橋本 聖子君
                藤井 基之君
                堀内 恒夫君
                丸山 和也君
                吉田 博美君
                榛葉賀津也君
                那谷屋正義君
                森本 真治君
                秋野 公造君
                新妻 秀規君
                柴田  巧君
                田村 智子君
                松沢 成文君
   国務大臣
       文部科学大臣   下村 博文君
   副大臣
       文部科学副大臣  丹羽 秀樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        美濃部寿彦君
   政府参考人
       総務大臣官房審
       議官       時澤  忠君
       文部科学大臣官
       房文教施設企画
       部長       関  靖直君
       文部科学省生涯
       学習政策局長   河村 潤子君
       文部科学省初等
       中等教育局長   小松親次郎君
       文部科学省研究
       振興局長     常盤  豊君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        久保 公人君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○学校教育法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
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○委員長(水落敏栄君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 学校教育法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務大臣官房審議官時澤忠君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(水落敏栄君) 御異議ないと認め、さよう決定します。
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○委員長(水落敏栄君) 学校教育法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○斎藤嘉隆君 おはようございます。民主党の斎藤でございます。今日もよろしくお願いをいたします。
 まず初めに、私、先日、地元の名古屋で自主上映会、「みんなの学校」という映画の自主上映会を友人が行ったものですから、参加をしてまいりました。
 大臣、見られたと思いますけれども、木村校長もいらっしゃって、いろいろ、その後の話合いも含めていろいろ参加をしていただいたということで、非常に私は、映画を見てある種感動もしましたんですが、どうも聞くところによると大臣も御覧になられて、それから木村校長先生、当時の校長先生ですね、女性校長ですけれども、とも話をされたというようにちょっとお聞きをしたんですが、大臣、ちょっと通告はしておりませんが、あの映画見られてどのような感想を持たれたのか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) おはようございます。
 映画「みんなの学校」は、大阪市内にある公立小学校、ドキュメンタリーで一年間ずっと追っかけたものでありますから実録でありますけれども、非常に、木村校長先生が中心となって、障害のある子もない子も一緒になって一人一人が居場所をつくり、そして不登校にならないような、そういうきめ細かな子供に対する愛情を注いだ学校教育をしているということが関西テレビで注目をされ、それが放送されたのがきっかけでドキュメンタリー映画を作ろうということになって映画になったということでありまして、私も見まして本当に感激しまして、ああいうところにやっぱり教育の原点があるのではないかと思い、関西テレビにお願いして文部科学省で自主上映会をいたしまして、職員も三百人ぐらい集まりました。
 文部科学省で自主上映会、映画でするのも多分初めてだったと思いますが、そのときもう四月になっていましたので、木村先生は校長先生としてはもう退職した後でありましたが、わざわざ来ていただいて文科省の職員にもメッセージを出していただきました。
 非常に指導力のある先生で、今までも相当苦労はされていましたが、今後、全国の教員研修センター等の特別講座等を夏休みの間とか、そういうところでお願いしながら、これから現場で悩んでいる教師に対する、そういう指導を文科省として木村先生にもお願いしたいというふうに思っておりますが、是非、「みんなの学校」は参議院の文教科学委員会の先生方にも御覧になっていただければと思います。今でも渋谷でやっているのではないかと思います。
 ありがとうございます。
○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。
 私、なぜ冒頭に映画のことを申し上げたかというと、もうまさに今の教育現場の実態が表されている映画であるなというふうに思いました。是非これは、議員の先生方や、特に役所の皆さんに、文科省の皆さんに是非見ていただきたいと。
 共に生きるとか共に学ぶとかインクルーシブとか、口では簡単に言われますけれども、現場ではもう教育課題が多様化する中、大変な苦労をしている。そして、あの映画にあったみたいに、一人一人の子供たちにあれだけ細やかに対応をしていかないと、目指す共生教育というか、インクルーシブな教育というのはなかなか実現できないなというのを改めて分かっていただけたのではないかなと思いますし、現場の多忙さも理解ができるのではないかなというふうに思います。
 ちょっと言葉は曖昧ですけれども、映画の中で校長先生が、これだけやっているのに何で給料減るんやろうなとか、それから、人が余分に来ているわけじゃないんだけどこうやって自分たちでやっているんだというようなことをおっしゃっていましたが、あれも本音だろうなというふうに思います。
 もう一つは、やはり地域の学校ですので、まさに、大空小学校が何とかああいう教育を続けてきたのも、地域の皆さんの協力があって、そして教員や教員以外のスタッフが本当に努力、努力というか共に力を合わせてやっていると。このことはもちろんなんですけれども、もう一つやっぱり見逃せないのが、小規模な学校であるということだと思います。学級の規模も小さい、小規模なクラスですし、一人一人の子供たちにきめ細やかに接することのできる環境にあると、私はこのことがあの学校を支えている最も大きな要因ではないかなというふうに思います。
 行政とか政府の目指すところというのは、私は、ああいう地域の普通の学校を普通に支える、普通の学校を普通に支える、これが文科省の最も大切な役割ではないかと、公教育というのはそうではないかというふうに思います。このことについて、大臣、どのようにお考えになられますか。
○国務大臣(下村博文君) 木村校長先生にお会いして、ちょっと私も驚いたのは、文科大臣が会って、また文科省で映画上映会をしたいということは意外だったと。何か上から、教育委員会とか市とかからちょっと問合せがあったりすると何か身構えてしまうというぐらい、どちらかというと今まで何か怒られるような、そういう状況があったのではないかという感じがしますから、何を言われるんだろうというように身構えて文科省にも来られたということを言っていましたが、しかし、本当にドキュメンタリーの映画というのは一般のやっぱり国民はちゃんと支持しているというか見ていると、だからこそ「みんなの学校」という映画ができたのではないかと思いますから、そういう学校はやっぱり大切にしなければいけないというふうに思います。
 これは大阪市の教育委員会も大切にしていないというわけじゃないんですけれども、どこの学校とは言いませんが、そういう第一線の校長先生が何か連絡があると身構えてしまうというようなことは、どこかでやっぱり萎縮している部分もあるのかなという感じもいたしました。
 今回お願いしているのは義務教育学校でありますが、御指摘のように、普通の小中学校におきましても、同様に教育の機会均等、大きな役割を担っているわけでありますし、また、既存の小中学校における小中連携の改善を図り、そして義務教育学校の支援を図りながら、同時に全てのいわゆる今おっしゃった普通の学校における公教育全体の水準向上、これを積極的に取り組むということは当然なことであると思いますし、そのようにしてまいりたいと思います。
○斎藤嘉隆君 私、繰り返しになりますが、本当に大切なものは、一部の学校に資源を投入することではなくて、ああいう本当にごく普通の、現場で、地域で苦労している学校をどう支援をしていくかと、こういったところにもっと視点を置いていく、我々も含めて、そういったことが必要ではないかということを改めて認識をしたところであります。
 ちょうど大阪の学校だったものですから、どうしても私、公設民営学校とか頭に浮かんできてしまって、やっぱり公設民営学校で、もちろん一部の優秀な子たちをどうしていくのかという議論は必要だとは思いますけれども、そういったところに行政の視点を当てていくことよりも、私は、ああいう学校、大空小学校のような学校をどうやって増やしていくかと、そのことが文科省の本来目指していくべきところではないかなというふうに思います。
 教育をシステムとして捉えてどのようにしていくかという議論がややもすると先行してしまいますけれども、やっぱり教育というのは人を育てる、人の営みでもありますので、現場の同僚性をどう高めていくかとか、教師をどう育てるか、現場でどう育てるかと、まさにそういったことが凝縮をされたドキュメンタリーだったというふうに思います。
 そういったことを総合的に考えると、やっぱり人間が必要だと思います、現場には。そういったこともあって、私も定数改善の必要性をずっと訴えてきました。ここのところの議論が、何というか、財務省的ではなくて文科省的な現場を支えるための定数改善ということで、これまで共に文科省の皆さんともいろんな取組を進めてきたというふうに思っています。
 この定数増のことについて、例の四万人以上の定数削減の問題もありますけれども、私は、今こそ更なる定数増、文科省の計画を実現するような定数増を勝ち取って、そして定数改善、少人数学級につながるまず私は法整備を進めていく、このことも必要ではないかというふうに思います。
 この議論は衆議院でも我が党の議員からも大臣に対してお願いをさせていただいておるところでありますが、定数増あるいは少人数学級も含めた現場の人を増やす、このことについての法的な面での整備についてどのようにお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 私は先週、柏の特別支援学校、国会でも何回も取り上げられておりましたので、視察に行ってまいりました。特別支援学校の子供たちが増えているということで、建物が十分カバーし切れない。プレハブ教室を造ったり、廊下の部分をほかのスペースに変えたりとか、教職員のエリアも拡大するために机とか椅子がないので長テーブルでやっているとかいうことの中、本当に先生方がハイテンションで障害を持っている子供たちに朝から晩まで接していないと子供たちが付いてこないところもあって、本当に大変だなと思いました。とても自分はできないというふうに思うぐらい、頭が下がるぐらい、学校現場の先生方がそれぞれそれぞれの中で対応されていると。しかし、まだまだ十分でないという思いを持ったところであります。
 その子その子に応じた適切な教育ができるように、もっと伸びる子は更に伸びるような教育も必要だというふうに思いますが、そのためにはきめ細やかな対応がやっぱり必要だと思います。特に学校現場を取り巻く課題が非常に複雑化、困難化する中で、時代の変化に対応した新しい教育にも一方で取り組んでいかなければならないという状況を踏まえながら教育環境の充実を図ることが重要だと思います。
 文科省としては、いじめへの対応や今申し上げた特別支援教育など学校が対応しなければならない教育課題は大幅に増大している、これまで以上にきめ細やかな対応が必要だと、また、グローバル社会に対応する主体的、協働的な学びであるアクティブラーニングを実施するための指導体制の充実は今よりも少人数のクラスにしなければ対応できないという問題がありますので、教職員定数の戦略的充実を図っていくことはもう絶対条件として必要なことだと考えております。
 特に加配定数につきましては全国知事会を始め多くの団体から充実の要望を受けており、このことを踏まえ、また、衆議院、参議院の当委員会でもそのような決議をしていただいているところでもございます。義務標準法の改正も含めた様々な方策について、来年度概算要求に向けて具体的に検討していきたいと考えております。
○斎藤嘉隆君 義務標準法の話も今いただきましたけれども、やっぱり法改正をして必要な先生方をきちんと確実に配置をしていくと、こういったことを是非進めていきたいというふうに思っております。
 義務教育学校も私は同様だと思っておりまして、教育的な効果というのは、先般も参考人の皆さんお呼びをして意見をお聞きをしましたが、正直私は、教育的な効果と今の段階ではなかなか言及しづらいところがあるのも事実であります。中一ギャップについても、割とこの間は懐疑的な意見も実は多々出ておりまして、逆に義務教育学校設置によるデメリットを指摘する声も実は多かった、これも事実であります。
 ただ、私は、この教育条件の整備にこれつながっていくような形の義務教育学校の設置であれば望ましいなというふうに思います。例えば先ほどのドキュメンタリー映画のことで申し上げますと、あの木村校長先生のリーダーシップをもって、例えば義務教育学校、小中一貫校だったとすると、あの学校が、多分中学校進学後の子供たちというののケアも、実際映画の中でも随分先生方が心配をされていた、親御さんも本当に心配をされていらっしゃいましたけれども、その辺りもかなり手厚くケアできるのではないかなというように、あっ、この学校が義務教育学校だったら割とスムーズにいくかもしれないなというふうに思ったのも事実でありますし、また、小学校における例えば専科教員を必要とするような技能教科の指導に中学校の先生方が対応ができるといったことも、これはプラスのメリットの部分かなというふうにも思っています。こういう現場を支えるための整備を伴う義務教育学校の設置ということが望ましいと思いますが、そのためにもやはり定数だというふうに思います。
 それで、ちょっと確認をさせていただきたいんですけれども、これ施設一体型あるいは隣接型、分離型、様々な形の形態がこの小中一貫にはあろうかと思いますけれども、一つの小学校、一つの中学校で義務教育学校を構成をする、設置をするような場合は、校長先生は当然減ります。減りますが、それ以外の先生、副校長、教頭、その他の教員、この数は従来どおりそのまま確保される、減るのは校長先生の一人分と、こういう理解を僕たちはしていればいいんでしょうか、ちょっと確認をさせてください。
○政府参考人(小松親次郎君) ただいまのケースについて御説明申し上げます。
 まず、基本的な考え方といたしまして、義務教育学校の教職員体制につきましては、義務教育学校の前期課程及び後期課程はそれぞれ現行の小学校及び中学校に準じて教育が行われます。このためには、学級編制及び教職員定数の標準についても、前期課程は現行の小学校と、後期課程は現行の中学校とそれぞれ同等に算定する必要があると思っております。この点が一点。
 そうしまして、今のケースについて申し上げますと、義務教育学校は確かに一つ、単一の学校になりますので、校長先生はそれまでのお二人が一人になるわけでございますけれども、ただいま御指摘のように、学校段階間の接続を円滑にマネージする、あるいはその特色を出してしっかりした教育をするというためには、副校長、教頭先生の機能が重要だと考えられますので、副校長、教頭先生を一人加算をするというふうにいたすことを考えております。
 したがいまして、一人減りますが一人増えるということになりまして、ただいまのケースですと、小学校、中学校が義務教育学校に移行する場合には、教職員定数はその前と同数ということになるという考え方でございます。
○斎藤嘉隆君 よく分かりました。校長先生が一人減る分を例えば副校長という形で例えば余分に一人配置をするということで、一増一減というか、そのような形になるということかというふうに思います。
 これ、養護教諭や事務職員についてはどのようになりますか。
○政府参考人(小松親次郎君) 養護教諭、事務職員の方々につきましては、従来必要であった部分をそのように行わなければなりませんので、その一つ一つ、小学校一つ、中学校一つでつくった義務教育学校はそれ以前の分かれていたときと同じ数を配置することを考えております。理論的には一つになりましたのでそれを減にするということも考えられるわけでございますが、現実に学校で行われている教育活動や運営活動を考えますとそのようにする必要があるというふうに考えておりますので、そういう意味ではその点も一面充実をするということが言えると思います。
○斎藤嘉隆君 それは、例えば施設一体型の義務教育学校で、例えば小学校が六学級、中学校が三学級、こういうような学校が一つになる、一つになって義務教育学校となるといったときに、この場合だと九学級になりますが、九年間で、こういうような場合でも今局長がおっしゃったみたいな定数がきちんと確保されると、こういうことでよろしいんですか。
○政府参考人(小松親次郎君) ただいま申し上げました算定の方式はその規模によって差を付けるということは考えておりませんので、基本的にはそのような形で対応したいというふうに考えております。
○斎藤嘉隆君 定数法上は恐らくそのような形になるんだというふうに思いますが、私、危惧をしておりますことは、自治体レベルで本当にそのような配置をするかどうかということを若干不安視をしておりまして、以前にも大臣とは議論をさせていただいたことがありますけれども、今はもう総額裁量制という下で、定数標準法どおりの教員が配置をされないというような自治体も、最近はどうも減ったようなんですけれども、まだ一部にはあるということも事実でありますし、こういった状況を見ると、本当に今おっしゃったような学校の規模で二つの学校に配置をされていた教員が定数として確保されるのかどうかというのが若干疑問なんですね。疑問というか、心配なんですけれども。
 今の標準法で定められている定数の配置が例えばなされていないような都道府県の現状とか、もし分かるような資料があれば、今の現状をちょっとお知らせをいただきたいと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) 標準定数につきましては、例えば給与費の算定などで見ますと、実支出額とそれから国庫負担金で最高限度まで出せる額と、いずれか低い方を取る仕組みになっているわけですけれども、こうした仕組みの中で見ますと、最新の状況では国庫負担金の最高限度額まで達しない県がありますけれども、これは現時点では一県になっておりまして、かつ、それは県の中の給与の抑制というところからきておりますので、この場合ですとその人数についてはそこから影響してきて下回るわけではないというふうに、おっしゃられるとおり、全体としては各都道府県の判断ということになりますけれども、それぞれ努力をしてきていただいていることは事実でございます。
 現状はそういうことでございます。
○斎藤嘉隆君 少し前までは一県どころかもうかなりの数があったというふうに認識をしています。もちろん、多分、五月一日の調査だと思いますので、それ以降に追加で配置がされて解消していたということも恐らくあったんではないかなというふうに思いますけれども、いずれにしても、今自治体、都道府県ごとで配置について一定の裁量が与えられているわけで、その中で先ほど申し上げたようにこの義務教育学校に必要な教員数がきちんと確保されるかどうかというのは、これは是非文部科学省としてもしっかり制度の導入とともにそこのところの状況を把握をしていただいて、必要な対応をしていただきたいというふうに思います。
 それからもう一点は、これ先日の参考人の質疑でも複数の参考人から、義務教育学校の導入と学校選択制が絡むことによる公立学校における学校間格差の拡大というものを危惧する、そういう発言が大変多くありました。
 公教育、特に義務教育段階における公立学校で、一部の義務教育学校が小中一貫という特殊な設置形態を理由に、ある意味、人気校というか、人気が殺到するような学校になって周辺の学校の子供たちが減っていく、結果として、全体で見れば、一つの学校はいろんな意味で教育の条件が整っていくんだけれども、それ以外の学校については、非常に教育力も含めて、地域の教育力も含めて低下をしていくと、このことが実は一部で危惧をされています。
 こういう姿は本来あるべき姿とは違うと思います。私も問題だと考えますけれども、これは競争だから仕方ないというふうに捉えていくのか、あるいは、これはもう自治体の判断なので、義務教育学校の設置と学校選択制をどう絡めるかというのはもうこれはあくまで自治体だということなのか、ちょっと基本的な文科省としてのこのことに対する考え方をお聞かせをいただきたいと思います。
○副大臣(丹羽秀樹君) お答えさせていただきます。
 先ほど委員から御質問がございました冒頭の部分の標準定数の件でございますけれども、平成二十六年度五月一日現在の調査において、約五県が未充足ということが出ております。やはり義務教育標準法において各都道府県に置くべき教職員定数の総数の標準を定めている観点から、今後、文部科学省といたしましても、各都道府県に対してしっかりと対応するように求めていきたいというふうに思っております。
 そして、今の義務教育学校の導入と学校選択制が絡むというお話でございますが、市町村立の義務教育学校は、小学校、中学校と同様に就学指定の対象とすることを予定いたしております。この点、いわゆる学校選択制はあくまで就学指定の手続の一つとして行われるものでございまして、特定の学校に入学希望者が集中した場合の調整に当たっては、就学指定の仕組みを踏まえ、学力による入学者選抜が行われることはございません。また、義務教育学校の教育は、小学校、中学校の学習指導要領を準用することといたしておりまして、学習指導要領に示された内容、項目を網羅して行われることとなっております。こうしたことによりまして、今回の制度化によって、小中一貫教育を通じた学校の努力による学力水準の向上や、学校段階間の接続に関する優れた取組の普及、また公教育全体の水準向上にも期待いたしております。
 義務教育学校制度が学校選択制と結び付き、義務教育学校とそれ以外の小学校、中学校の間の格差につながるものではないというふうに考えております。就学する学校により格差が生じないように引き続き指導していきたいと思います。
○斎藤嘉隆君 ちょっともう一つ、これ局長にお聞かせいただきたいんですが、この義務教育学校の設置というのは、いわゆる新しい教育委員会制度における総合教育会議で調整をされるべき事柄ですか、これは。要するに、調整をされないと大綱に盛り込まれない、そういった事柄と捉えていいんでしょうか。
○政府参考人(小松親次郎君) まず、制度的には、学校の設置、廃止に関することにつきましては、公立学校の場合、教育委員会の権限でございますので、それは教育委員会の権限に属することとなります。大綱を実際に定めます場合には、そのことはそのことといたしまして、財政措置その他全体につきまして首長が権限を持っておりますので、それとの関係を話し合うということはあろうかと思います。
 したがいまして、今おっしゃられたように、そこに書けなければできないことということではありませんけれども、一方で、実際の信頼関係において話し合われる場面ではそういったことが話し合われるということもあると思います。
○斎藤嘉隆君 これは繰り返しになりますけれども、首長さんにとっては、実はある意味インセンティブが働くというか、それはさっき申し上げた定数的な面で若干統廃合に近いような効果と言うとあれですけれども、そういったことが見込まれるのも事実で、これは二つの学校、三つの学校が合わさったときにはそれは当然でありますけれども、全体の定数は減ると思います。減ると思いますが、単純に二つの小中が合わさったときにそのことで定数が減るようだと、これは単なる統廃合にしかなりませんので、このことは、首長さんの考えと教育委員会の考えというのはやっぱりかなり場合によっては食い違うといったところもあろうかと思いますので、これちょっと、総合教育会議との関わりも含めて、また今後も含め、いろんな形でちょっと議論をしていかなければいけないなと思っております。
 ちょっと時間が来ましたので今日のところはこれぐらいにさせていただいて、後を那谷屋先生にお譲りをしたいと思います。
 ありがとうございました。
○那谷屋正義君 民主党・新緑風会の那谷屋正義でございます。よろしくお願いいたします。
 この学校教育法等の一部を改正する法律案ということで、先週から議論がされております。私もバッターに立たせていただきましたけれども、先週は、もう既に全国で千百三十校あるこの小中一貫校を何で今頃この学校教育法の第一条にこれを位置付けるのかというそもそも論から入りまして、いろいろな議論が進んできたというふうに思っております。
 その中で、今、斎藤委員が言われた懸念する部分、定数の部分ですとか、そういったところというのがやはり大きな課題の一つだろうというふうに思いますし、もう一つ、課題ということの中でいえば、これ、文科省が小中一貫教育等についての実態調査の結果ということで昨年の九月に出されている資料によりますと、やはり小中の教職員間での打合せの時間の確保、教職員の多忙感あるいは負担感の解消等々に大きな課題が認められる、課題が認められるというふうになっております。
 これは、一つには、定数を確保するということ、あるいはプラスアルファをしていくということが求められるわけでありますけれども、もう一方で、そこで今勤務をされる教職員一人一人の健康管理というのも非常に大事ではないかなというふうに思うわけであります。
 そんな中で、昨年、労働安全衛生法が改正をされ、施行をされて、そしてこの十二月からいわゆるストレスチェックというのを試みるようになるということでありましたけれども、学校関係でいえば、文科省を通じて教育委員会からそうした通知が流れるわけでありますけれども、知事部局あるいは市長部局でいえば、そうではない、総務省の方から来るわけであります。
 お手元に資料をお配りをいたしました。五月十四日の総務省の通知と五月二十五日の文科省の通知を、今日、資料としてお配りをしております。
 今日、総務省からおいでをいただいておりますけれども、総務省にまずお尋ねをしたいと思いますけれども、この通知を各都道府県総務部、各指定都市人事主管局に送られたときに、ある意味どんな意味でこの通知を送られたのか、お尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(時澤忠君) お答え申し上げます。
 まず、この通知でございますけれども、昨年の労働安全衛生法の改正におきましてストレスチェック制度の創設がなされておりまして、この施行が十二月ということで迫っております。そのために、円滑な法の施行に向けまして格段の配慮をお願いするために通知というものを流したものでございます。
○那谷屋正義君 もう少し焦点を絞らせていただいて、ここにありますように、要するに、このストレスチェックというのは、常時使用する労働者が五十人以上の場合には義務化されていますけれども、五十人未満の事業場においては当分の間努力義務となっているわけであります。
 それ、努力義務でありますから、やらなくても別にいいというふうなことになるわけでありますけれども、しかし、総務省のこの文書を見ていただいたら分かりますように、全ての職員にストレスチェックを実施いただくよう検討をお願いしますと、結構踏み込んだ通知になっているというふうに思うんですけれども、その辺含めて、もう一回お願いします。
○政府参考人(時澤忠君) お答え申し上げます。
 まず、このストレスチェックの制度の目的でございますが、これは労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止するために、労働者自身のストレスへの気付きを促すとともに、ストレスの原因となります職場環境の改善につなげる、こういったことを目的としております。
 また、厚生労働省におきまして、今年の四月十五日付けで、心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずるべき措置に関する指針というものを出しております。その示されました指針におきましては、本制度を効果的なものとするためにも全ての労働者がストレスチェックを受検することが望ましいというふうにされているところでございます。
 こういったことから、総務省におきましては、メンタルヘルス不調で治療中のため受検の負担が大きいなどの特段の理由がない限り、全ての職員にストレスチェックを実施していただくよう検討をお願いする旨の通知を発出したところでございまして、これらを踏まえまして、地方団体において適切に対応していただきたいと考えているところでございます。
○那谷屋正義君 一方で、学校というところは、いわゆる常時使用する労働者が五十人未満というところが非常に多いわけであります。また、いろいろな休暇というかそういったものの原因を見るとやはりメンタルな問題が非常に多くあるわけでありまして、文科省の通知を見ると、ここにあります、全ての事業場、常時五十人未満の労働者を使用する事業場は当分の間努力義務、括弧、ここにこれをわざわざ書いておいて、においてストレスチェックを行わなければなりませんと。
 受けた側がこれどういうふうな印象を持つのかなというふうに思うんですけれども、文科省としてこの通知はどのような意図で出されたのか、お尋ねしたいと思います。
○政府参考人(久保公人君) この通知につきましては、今総務省の方から御説明ございましたような形で、労働安全衛生法が改正されて新たに義務付けられたこと、及び五十人未満の事業場については努力義務であるという法律の趣旨を伝えますとともに、教職員の心身の健康を確保し、ひいては、質の高い教育活動を維持していくためにストレスチェック制度が非常に必要なことであり、その周知の徹底を図るとともに、努力義務である五十人未満の学校についても、その趣旨を踏まえ、ストレスチェックを含めた適切な教職員のメンタルヘルス対策の充実、推進が行えるようにという意味で出したものでございます。
 このお配りされた資料の一枚目にはその規定はございませんですけれども、厚生労働省が定められた指針につきましてもその後のページで紹介しておりまして、あわせて、学校におけるチェック体制がしっかり行えるようにという趣旨で出したものでございます。
○那谷屋正義君 言葉というのは非常に大事であり、先ほど大臣の方からも、文科省に校長が呼ばれると校長は大変、何か怒られるんじゃないかという、そういうイメージを持つというふうな話もありました。要するに、文科省から来る文書というのは非常に重たいものがございます。だとすると、ここにあるこの文書と総務省の文書とでは、私は力の入れ方が随分違うなというふうに感じるんですけれども、そう感じるのは私だけなのかどうかなんですね。
 要するに、総務省の方は、特別な事情がない限りはもう全員にやってもらいたいというその思いがしっかりと出ているわけでありますけれども、文科省の方としては、必ずしもそういうふうには受け取れない、むしろ、おお、これ努力義務だからいいやというふうな受取も取りようによってはできるという、そういうふうな文書になってしまっているのではないかなというふうに思うわけでありまして、やはり精神的に疾患を持たれる先生方がどんどんどんどん増えている、毎年増えているという状況の中にあって、そういったことにきちっと改善策を見出していくということが文科行政として非常に大事なことだというふうに思いますので、もう文書を出されてしまったものはあれなんですけれども、やはりそういう意味では、全国の都道府県、市町村の教育委員会に、努力義務ではあるけれどもということで今の総務省からお話があったような趣旨をやっぱり何らかの形で伝えていかなければいけないのではないかなと。
 聞くところによると、やっぱり小さな市町村はなかなかこれがやりたくてもできない、つまり財政的にですね。これは、やった後、いろいろ項目があります。非常にたくさんの仕事をしなければならない、そうだ、まあそうだ、やや違う、違うとかといろんな、ありますけれども、活気が沸いてくるとかいろんな項目があります。これをやるのは、やる方はそんなに時間掛からないと思います。一から四までのどれか選ぶわけですからそんなに時間は掛からないと思うんですけれども、これを集めて、そしてしかるべきところに出して、そこでいろいろの調査、統計を出してもらうのにお金が掛かるということなんですけれども、そういったことがやはりなかなか回っていかない、予算的に回っていかないところなんかは、あるいはそういう人間がなかなか見付からないところにおいては、努力義務だからまあちょっと今回は見送ろうかというふうにちょっと安易になってしまう、そういうところも出てくるかもしれませんので、もちろんストレスチェックが全てではないですけれども、こうした取組をするということが、文科省としてあるいは教育行政として我々の健康をきちっと管理しようとしてくれているんだなという、そういう思いが現場に通じるというふうに思うんですけれども、もう一度この部分について、決意というか、是非やってもらいたいというその思いを伝えていただきたいと思うんですけれども。
○政府参考人(久保公人君) この制度上は、五十人未満、やはり労働者のプライバシーに配慮した情報管理を行うこと等の懸念があることからもこうなっているわけでございますけれども、今先生言われたように、学校において小規模のところが多いということでありますし、これまでも教職員のメンタルヘルス対策というのは非常に重視してきておりますので、これまでも長時間労働者に対する医師による面接指導の実施ですとか、教職員本人によるセルフケアの促進、あるいは校長とのラインによるケアの充実等の教職員のメンタルヘルス対策の充実、推進について努めてまいりました。
 今回入れた趣旨、この五十人以下につきましても、ストレスチェック制度の導入も十分に視野に入れながらしっかりした対策を取るように、これは様々な場がございますので、私ども十分にその辺も踏まえながら指導してまいりたいと思います。
○那谷屋正義君 大変遅くなりましたけど、総務省の方はこれで結構です。
○委員長(水落敏栄君) それでは、時澤審議官は退席して結構です。
○那谷屋正義君 このストレスチェックを始め、労安法の問題についてはまた今後いろいろと議論をさせていただきたいというふうに思いますけれども、是非、定数のことも大事でありますけれども、一人一人の健康のチェックというのも、今いらっしゃるその健康面をしっかりとチェックできるような、そういう仕組みというものをやっぱり整えていただきたいというふうに思います。
 それから、参考人にいろいろと御意見を伺いました、先週の木曜日。そのときに出てきたこととして、中一ギャップというのが解消になるというふうな一つの効果として言われていましたけれども、必ずしもその中一ギャップというのがこの一貫校によって解消されるという状況には当たらないというようなデータも実は出てまいりました。
 一方で、学びの節目というものを考えたときに、小学校の高学年のリーダーとしての育成ですとか、それから人間関係が固定化してしまうですとか、あるいは、要するに、小学校から中学校に行くに向けて、小学校までの自分ではない、中学校で新たな自分をそこで試してみようという、そういうふうな一つのきっかけみたいな、そういう節目というものも非常に大事なんだというふうなことが言われているわけでありますけれども、その辺について文科省としてはどのように考えているか、もう一度お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 現行制度の下で小中一貫教育に取り組んでいる事例におきまして、児童生徒に与える影響に関する課題の一つとして、御指摘がありましたが、小学校高学年におけるリーダー性、主体性の育成が挙げられます。これは、通常の小学校であれば、最高学年として大きな節目となる小学校六年生が小中一貫教育では最高学年とならないことに原因があるものと考えられます。このことに対して、先行事例において、例えば、小学校四年時、十歳のときに二分の一成人式を行う、あるいは中学校二年時の立志式、志を立てる式を行うなど、成長の節目を意識させる儀式的行事の開催を行うとか、あるいは四三二など六三と異なる区切りによりまして、それぞれの区切りの学年集団の中における最高学年として自覚を促す取組など、主体性、リーダシップの育成や成長の節目が失われないよう様々な工夫が行われるものと承知をしております。
 そういうような取組をそれぞれ義務教育学校を導入するところにおいては更に創意工夫をしていただきたいと思います。
○那谷屋正義君 私が視察に行かせていただいた横浜の一貫校は、一応隣接型の学校ではありますけれども、卒業式は卒業式で一応行うというふうなこともありました。多分、学校独自でそういったことは工夫していいんだろうというふうに思うんですけれども。
 いずれにしても、そうした小学校高学年におけるリーダー性を伸ばすという意味では、その場を十分に教育課程に生かしていくというようなことが、やはり、前も申し上げましたけれども、文科省からの手引だとかガイドライン、あるいは実践の具体例のいろいろなそれをお示しするという、そういう場で是非やっていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) これは御指摘のとおりだと思います。既に千百三十校で小中一貫学校を進めている中、非常に他の学校のモデルとなるようなそういうケースについては、文部科学省の方からもいろいろと聴取をする中で資料を作って、そして関係の方々に配付をして是非参考にしていただきたいと思います。
○那谷屋正義君 是非お願いしたいと思います。
 そしてさらに、これまで既にある学校にもいろいろ調査をされたと思いますけれども、今後、この小中一貫校、義務教育学校が仮にできたというときに、今のような教育課程が作成できているのか、子供たちがそのリーダー性においてどういう状況になっているかというようなことについてやはり一定の調査というか追跡をしていく必要があり、その後のアフターケアなんかも必要だというふうに思うんですけれども、その辺についてはいかがお考えでしょうか。
○副大臣(丹羽秀樹君) お答えさせていただきます。
 私も実は昨日、小中一貫校を行う岐阜県の揖斐川町の坂内小中学校を訪問させていただきました。この学校は、小学生が五人、中学生が五人の合計十人の複式学級を行うとても小さな学校でございましたが、地域とのきずながとても強くて、先生方の温かい指導の下で子供たちがとても伸び伸びと成長していく様子が見て取ることができました。
 小中一貫校の教育においては、これまでのやはり実践的な顕著な成果も報告されているとともに、指摘される課題への効果的な対策も蓄積されております。この度の制度化に当たっては、こうした優れた取組事例を踏まえた、子供たちの教育に支障が生じないようにする必要がございます。
 文部科学省といたしまして、こうした事例の積極的な情報提供を各教育委員会、自治体に提供するとともに、成長の節目を意識させる教育活動の状況を含めた小中一貫教育全体の実施状況について定期的にフォローアップし、実証的なデータや事例に基づき成果と課題をきめ細かく把握しつつ、施策の改善に努めていきたいと考えております。
○那谷屋正義君 是非、フォローアップの方、よろしくお願いをしたいと思います。
 先ほど同僚の斎藤委員からありましたけれども、定数において、例えば事務職員の数は今までのままですよとか、いろいろお話がございました。施設面というものを考えたときに、例えば今ある小中一貫校あるいは義務教育学校、これからは義務教育学校というふうに呼ぶわけでありますけれども、例えば学校図書館というふうなものを見たときに、これが一体型になったということの中で図書館が一つにまとめられたというような事例というのをもし把握されているようでしたらちょっと教えていただきたいんですけれども。
○政府参考人(小松親次郎君) 学校そのものが一つになったという意味において組織の位置付けが一つになるというようなことにはなると思いますけれども、私どもが今現在聞いております中では、そのことによって、今までそれぞれのお子さんたちあるいは学年のためにあった学校図書館を言わば縮小してなくしてしまうとか半分にしてしまうというようなことは通常行われていないというふうに理解いたしております。
○那谷屋正義君 昨年、議員立法で学校司書の話が出てまいりました。そのときに、今、斎藤委員の話の中で、事務職員あるいは養護教諭、こういったものの定数はそのままだということでありました。今までであれば小学校の学校司書それから中学校の学校司書というのがいらしたわけですけれども、この部分について、これもまたいわゆる合理化というふうな対象とするものではないというふうに理解をしてよろしいんでしょうか。
○政府参考人(小松親次郎君) 新しく立法が行われているわけでございますけれども、この司書教諭ないし学校司書というものについて、義務教育学校にしたために定数を減らすというようなことは考えておりません。ただ、現状を申し上げますと、非常勤でやっていらっしゃる方とかそういうこともございますので、その辺りをどういうふうに確保し、あるいは条件が悪くならないようにしていくかということについては、その面も含めまして工夫をして、学校図書館自体の充実を図っていくということ自体も必要なことではないかと思っております。
○那谷屋正義君 さっきもありましたけれども、義務教育学校ができる、これを一条校に位置付けることによって、もう一度あらゆる観点から教育施策を見直すといういいきっかけにひとつしていただけたらというふうに思っています。といいますのは、先ほどの事務職員にしても養護教諭にしても、今の定数法でいくとやはり合わないわけでありまして、それをこの一貫校においてはそうではなくするよということでありますから、是非いい方向に、改善する方向に、いろいろな面から見ていく必要があるんだろうというふうに思います。
 ところで、今学校図書の話をさせていただいたわけでありますけれども、今スマホとかパソコンがいろいろ普及しているわけでありますけれども、どうしても国民から、いわゆる活字離れというか、そういったものが非常に強く感じられるというか懸念される部分というのもあるわけでありますけれども、図書館行政というものについてどのようなビジョンを文科省としてお持ちなのか、これは大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 公立図書館は住民の身近な場で、図書やその他の資料を収集、整理、保存し、その提供を通じて住民の個人的な学習を支援するという役割を担い、国民が生涯にわたって自主的な学習を行う上で大きな役割を果たしていると言えます。加えて、近年は地域の実情に応じたビジネス支援サービス等の情報提供サービスを行うところも現れてきております。
 また、学校図書館は学校の教育を充実させる上で欠くことのできない基礎的な施設であり、その役割としては、読書活動の推進のために利活用されることに加え、近年では国語や社会、美術等における調べ学習等様々な授業での活用を通じ、学校における言語活動や探求活動、アクティブラーニングを支援していくことが期待をされているところであるというふうに認識しております。
○那谷屋正義君 私も地元の図書館に先日行ってまいりましたけれども、本当にいろんな方が実は来られておりまして、年齢も小学生から高齢者の方までもう本当にいらして、そして何をされているのかなと思ったらスポーツ新聞を読んでいたりとか、そういうのも図書館の中できちっとやれるということで、あの人たちにとってはそのスポーツ新聞を図書館で読むというのが一つの日課というか一つの生活のパターンになっているんだろうなと。その意見としてメモを見ると、この新聞を借りていくのに何で名前と住所を書かなきゃいけないんだなんという、そういう苦情の文句とか書かれていましたけど、やっぱり貸し出すんですからそれはしようがないなと思うんですけれども、そういう意見とかもいろいろ出されていました。
 そういう意味で、本当に、今大臣言われたように、学校図書館、それから公立図書館の今日的な役割というものもこれまでと変わらず重要だというふうに思うわけでありますが、実は図書館法第十四条に設置の定めのある図書館協議会というものについて、私は大変重要な存在であるというふうに考えるわけであります。
 図書館協議会は、図書館法によって、「図書館の運営に関し館長の諮問に応ずるとともに、図書館の行う図書館奉仕につき、館長に対して意見を述べる機関」と定められているわけであります。この図書館協議会の役割とその重要性というものについて、政府として、文科省としてどのように捉えられているのか、お聞きをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 文部科学省といたしましては、当面、図書館協議会の設置、活動状況等について丁寧な実態把握を行った上で、それにより得られる好事例を地方公共団体へ提供することとしたり、図書館協議会等の設置促進と活性化を図ることとしたいと考えております。
 図書館協議会の必置化については、地域住民のニーズを適切に反映する方法としては、必ずしも図書館法に規定する協議会という形だけではなく、懇談会等別の組織を設置している図書館や、あるいは利用者満足度調査等の方法によりニーズを把握している地方公共団体もあると認識しておりまして、文科省としては、各地方公共団体の考え方や実態を踏まえた十分な検討が必要であるというふうに考えております。
○那谷屋正義君 今、実態を踏まえたということで、確かにこの協議会だけでなくて懇談会のようなものでそれを代えているというところもあるということでありますけれども、しかし、この間、全国の公立図書館における図書館協議会の設置状況ですとかあるいは運営状況に関して、政府としてその現状をどのように捉えていらっしゃるのか、その辺をちょっとお伺いしたいと思います。
○政府参考人(河村潤子君) 図書館協議会の設置、運営状況についてのお尋ねをいただきました。
 平成二十三年度の社会教育調査、これは三年ごとの調査でございますのでこれが今最新でございますが、平成二十三年度社会教育調査報告書によりますと、図書館協議会等の名称で図書館の運営に関する事項を検討するために設置される常設の会議体は、全公立図書館三千二百四十九館のうち二千四十七館において設置されておりますので、その設置率は約六三%ということになります。都道府県立図書館の場合は八割を超えておりますけれども、全体では今申し上げた約六三%ということでございます。
 また、その運営状況でございますけれども、各地方公共団体において図書館の規模あるいは図書館自体の運営実態も多様でございますことから、それに応じて図書館協議会等の運営状況についても、例えば開催回数でありますとかそういったことについてはまた様々であるというふうに認識をいたしております。
○那谷屋正義君 今、様々であるというお話でありましたけれども、それはやっぱり詳細にちょっと調べる必要があるんだろうと、文科省としてそれをしっかりと把握する必要があるんだろうというふうに思います。
 平成二十四年の十二月十九日の文部科学省の告示第百七十二号、図書館の設置及び運営上の望ましい基準には、図書館協議会について、「市町村教育委員会は、図書館協議会を設置し、地域の実情を踏まえ、利用者及び住民の要望を十分に反映した図書館の運営がなされるよう努めるものとする。」と、まあ努めるものとするというふうになっているわけでありますけれども、そのことについて、全国的にどういうふうになっているかということについて、やはり私は、これ、しっかりと全ての図書館を調べる必要があるんではないかなと思うんですけれども、それについていかがでしょうか。
○政府参考人(河村潤子君) 図書館協議会等が設置されているかどうかにつきましては、先ほども少しお答え申し上げましたように、おおむね三年ごとに実施をしております社会教育調査において悉皆調査で把握をいたしているところでございます。
 加えて、図書館協議会等の設置を更に拡大していくこと、機能の充実を図っていくこと、こういうことを進めていきますためには、既に設置されている図書館協議会の具体的な活動内容や効果を明らかにしていくことが重要であると考えます。このため、まずは関係団体とも協力しつつ、事例調査の方式によりまして個別の事例を取り上げて、言わば丁寧な研究を行っていくということを考えているものでございます。
○那谷屋正義君 ということは、悉皆調査ということではないけれども、しっかりとこれから調査をしていくという、そういうふうに理解してよろしいですか。
○政府参考人(河村潤子君) 悉皆調査ではございませんけれども、事例調査ということについてはしっかりとさせていただきたい、丁寧にさせていただきたいと存じます。
○那谷屋正義君 悉皆が一番大事だろうと思うんですけれども、とにかく、調査をし、現状を把握をし、図書館行政というものをどういうふうにしていくのかということについてきちっとやっぱり示していっていただきたいというふうに思います。
 ともすると、図書館というものについてこれまで果たしてきた図書館協議会というのは、やっぱり地元の人の、住民の意見を聞く大変重要な場であるという、そういうふうに言われているところがたくさんありますが、今様々な、財政の問題ですとかそういうことの中で、この図書館協議会が統合されたり、統廃合されたり、あるいはなくなりそうになったりという、そういうふうな動きがある中で、こういう動きになってしまうと、図書館の果たしてきた役割というものについて、さっき大臣からお話しいただきましたけれども、それがだんだん希薄になっていってしまうというおそれがございますので、是非調査をしっかりとやっていただきたいと。
 その上で、先ほど、必置ということは各地域の実態に応じてというふうな話がありましたけれども、私は、これはやっぱり必置でやっていくべきではないかなというふうに思うわけですけれども、その辺について、大臣、もう一度お考えを聞かせていただければと思います。
○国務大臣(下村博文君) 先ほども答弁をさせていただきましたが、図書館協議会の必置化につきましては、やはり地域住民のニーズを適切に反映する方法ということを考えると、必ずしも図書館法に規定する協議会という形ではなく、懇談会等別の組織を設置している図書館、それから利用者満足度調査等の方法によりニーズを把握している地方公共団体もあるということでもございますので、今、局長から答弁させていただきましたが、それぞれの実態調査をさせていただいて、その中でどのようなことが求められるか、その中の具体的な提言としてこの必置化等も上がってくるようであれば文科省として検討していきたいというふうに思います。
○那谷屋正義君 是非お願いをしたいと思います。
 そしてまた、そのときに、併せて、図書館協議会委員、これは常勤ではないですけれども報酬が支払われるわけでありますけれども、この公立図書館のサービス格差というものを是正するためにも、基準財政需要額の積算項目に市町村立図書館協議会委員の報酬というものを加えていただきたいと思うんですけれども、大臣、これはいかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) まず、都道府県立の図書館の図書館協議会委員の報酬、これは既に地方交付税措置の積算基礎として算定されているところであります。
 市町村立の図書館の図書館協議会委員の報酬については、今後、実態及び市町村からのニーズを把握いたしまして、設置の促進と活性化を図りつつ、地方交付税措置については総務省と相談してまいりたいと思います。
○那谷屋正義君 都道府県の委員の報酬にはしっかりとした支えがあるけれども、市町村の委員報酬には支えがないというこの区別はやはりおかしいと思いますので、今、調査をされた上でというふうなこともありました。それにつけても、この調査をしっかりとまずやっていただきたいというふうに思うところであります。
 続きまして、これはちょっとこの法案とは直接関わりがないんでありますが、実は今、参議院で棚上げになっているいわゆるマイナンバー法案、採決が棚上げになっているマイナンバー法案について、先日、連合審査が行われました。そのときに出された質問で、是非文科でも議論をしてもらいたいということがありましたので、それについてちょっとお尋ねをしたいというふうに思います。
 今国会に提出されている個人情報保護法改正法では、特定の個人を識別すること及びその作成に用いる個人情報を復元することができない匿名加工情報は、事前承諾を得なくても公表ないし第三者に提供できるとされている。もう少し具体的に言いますと、全国の例えば大学入試模擬試験を行う民間業者ないしその情報管理会社が、生徒個人の成績が特定できない形で高校別の成績あるいは分布を匿名加工情報として第三者に売却するか公表しても、個人情報保護法上は問題にならないというふうな理解でいいのかどうかということでありますけれども、これについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 個人情報の保護に関する法律の改正案は、個人情報の保護を図りつつ、パーソナルデータの利活用を促進することを目的としたものであるというふうに承知をしております。民間事業者が行う模擬試験等に係る個人情報を改正法案に基づき匿名加工情報として第三者に提供することは可能ではありますが、この場合には、当該個人情報が復元できないように加工することなどが法律上の義務として課せられておりまして、特定の個人の識別はできないということであります。
 また、例えば生徒数が極端に少なく、学校単位での平均点等の公表によって個人が事実上特定される可能性があるような場合には、個人情報保護委員会規則で定めた基準に従い、特定の個人を識別できないように当該個人情報を加工しなければならないということになります。ただし、法律上は、例えば匿名加工情報を基に学校ごとの平均点等の公表も可能となることになります。
 模擬試験等も、利用しようとする各学校においては、そのことを十分理解した上で参加について検討することが必要となります。また、模擬試験等を実施する民間事業者等におきましても、学校等との関係者の理解を得つつ対応されることが望ましいところだというふうに考えます。
○那谷屋正義君 今お話ありましたように、いわゆる個人が特定できなかったら、同意を得なくても簡単に外に学校単位だったら出すことができるということになるわけであります。だとすると、これは、さっきは大学入試の模擬試験の話をしましたけれども、今行われている全国学力・学習状況調査等についてもそうした懸念が生まれてくるわけですけれども、それについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 全国学力・学習状況調査につきましては、民間事業者に調査の実施に関する一部を委託はしておりますが、そもそも児童生徒の個人名をこれは記載しない方法で調査を実施しておりますので、個人情報を取り扱うというものではなく、本改正法案の適用を受けるという対象にはなりません。
 さらに、受託事業者は、業務を実施する中で取得した情報について調査目的以外に使用することはできないという契約をしておりまして、学校単位での平均正答数などの情報について目的外に使用することはできないこととしております。
○那谷屋正義君 目的外に使用することができないという業者との契約ということで、そこを信じたいわけでありますけれども、その契約とこの法律が改正されたときの強制力というのはどちらがあるのかなというふうな疑問もちょっと抱かざるを得ないんですけれども、この改正がされてもそのことはキープできると断言できるということでしょうか。
○政府参考人(小松親次郎君) ただいま申し上げましたように、この調査の方式そのものからいたしまして今回の法案の適用の対象にならないということがまず一つあり、その中でさらに契約によってその目的外使用が禁じられているという仕組みを取っておりますことから、この法案によって現状が変更されるということはないものと考えます。
○那谷屋正義君 そういうことであればというふうに思いますが、やっぱり一つ懸念されるのは、学力状況調査の目的にもありましたけれども、そうした学校別の平均とかそういったものがばっといろんな面で公表されちゃうということに対してどういうふうに考えていられるかということがやはり文科省の姿勢として大事なんだろうと思うんですけれども、その辺、もう一度確認をさせていただけたらと思うんですけれども。
○国務大臣(下村博文君) 今答弁いたしましたように、業者から調査目的外に使用することはできないという契約でありますから、これは厳格にそのように適用されると思います。ただ、御指摘のように、地方自治体、市町村の教育委員会がこれは判断すれば学校別については公表することができるということでもありますから、それぞれの教育委員会がどう判断をしてどう活用するかということはそれぞれ任せられているところであります。
○那谷屋正義君 そこのところは、当初全国学力状況調査をやるというふうになったときの様々な議論のやり取りと少しずつ変わってしまったところだなというふうに思うわけでありますけれども、また議論を後日させていただきたいというふうに思います。
 それでは、この学校教育法の一部を改正する法律案の最後の私の質問でありますけれども、免許の問題であります、教員免許の問題であります。
 これは大変切実な問題でありますけれども、まず、小学校の免許と中学校の免許と両方併有をするということが原則だということであります。当面の間は、義務教育学校の前期課程それから後期課程においてそれぞれの免許を使ってもいいというような、そういうふうな仕組みになっているわけでありますけれども、いずれこの併有を強制するというような可能性についてお聞きをしたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 義務教育学校の教員につきましては、小中免許状の併有を御指摘のように原則とした上で、当分の間経過措置を設け、小学校の免許状を有している者は前期課程、中学校の免許状を有している者は後期課程においてそれぞれ指導することを可能としております。
 今後、義務教育学校の教員の免許状の併有を進めていくために、文科省としては、一つは、三年以上の教職経験がある教員について、他の学校の免許状を取得する際に必要な単位数が軽減される制度を改善し、軽減措置を更に拡大していくこと、また、二つ目に、平成二十七年度新規事業として、大学等を対象に認定講習に関するモデル事業を実施し、免許状の併有に必要な単位を二、三年で効率的に取得できるようパッケージ化したプログラムを開発することなどの措置によりまして、必要な環境整備に努めてまいりたいと考えております。
○那谷屋正義君 つまり、強制をするということですか。
○国務大臣(下村博文君) この義務教育学校の教員については、先ほど申し上げましたが、小中免許状の併有を原則とした上で、当分の間経過措置を設け、小学校の免許状を有している者は前期課程、中学校の免許状を有している者は後期課程においてそれぞれ指導することが可能ということであります。
 これは小中一貫教育の効果的かつ円滑な導入を支援するための措置でありまして、文科省としては、各自治体がこのような免許制度上の措置を活用しながら、適材適所の人事配置を通じて義務教育学校において質の高い教育を実施していただくことを期待をしております。
 義務教育学校の推進に当たっては、任命権者において地域の実情を踏まえた上で免許状の併有を促進することとなりますが、それは任命権者と教員との間の信頼関係を前提とした組織的な判断として行われるものであり、免許状併有を希望しない教員にこれを無理強いするようなことはないというふうに考えております。
○那谷屋正義君 法律の中で当分の間というのがどのぐらい当分の間なのかと、結構ありまして、もう三十何年間も当分の間が続いている制度もあれば、本当に短期間の中でというのもありますけれども。
 いずれにしても、実際の運用としては、私は、今大臣が言われたように、とにかくこの一貫校になることによっての教職員の多忙感が増すというその課題というのは、先ほども申し上げましたようにあるわけでありますから、そこに拍車が掛かってしまうと、子供たちとの触れ合いがやっぱりどうしても手薄になってしまう可能性があるわけでありますから、そこのところは本当にうまく運用していただきたいというのがあります。
 一方で、そういうふうに運用をされるということのときに、教員免許の価値というものを考えたときに、何か調子いいときには運用されるけれども、そうでないときには、例えば更新しなければ職を失うとかというような今の仕組みというのは、どう考えても現場の先生方からしたらば納得いかない話なんですね。
 じゃ、併有を強制するぞと言われちゃうと、これは、那谷屋、とんでもない質問したということになりますから、そういうことを言っているわけではないんでありますけれども、あるときにはうまく運用を図れる、当面の間どうのこうのというふうに言える、それが、そういう免許、私はそれでいいと思うんですけれども、しかし、それが更新制というふうなところにつながっているということに対して、どうしても現場としては納得できない。
 研修の大事さというのはみんな分かっています。特に、この間の子供たちの様々な実態、そこからくる様々な教育課題、これに対応するためにはやはり日々研さん、研修をしなければならないということは現場の先生がもうよく分かっています。よく分かっている上で、しかし、それを何らかの形で更新をし損なった場合に、それでもう職を失ってしまうというこの困った制度というのを何とかしてほしいというのが現場からのすごい大きな声であります。
 ちょっと時間がもう大分なくなってまいりましたので、具体的な、免許をなくした方、失効した方とか、理由とか救済策について御質問しようと思いましたけれども、それちょっと置いておいて、まず、十年ごとに免許を更新するわけですけれども、まず最初の十年研修というのがあって、さらにそれと更新制の研修というのがあるわけなんですけれども、これやっぱり、もういいかげん一体化すべきだというふうに思うわけでありますけれども、これについてどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 私も中学校の教員免許を持っておりまして、もし私が当事者として小学校免許を併有をしろといったときに、この年で学校の先生として雇ってくれませんけれども、それでも今から音楽を勉強しなさいとか、それから体育がやれるようにしなさいと、小学校の免許ってそういう免許ですから、それは相当大変なことだと思うんですね。それをある一定期間に強制をするということは自分の立場から見ても相当大変な話であって、それは地方自治体の創意工夫で適材適所ということは、これはやっぱり柔軟に考えるべきことだというふうに思います。
 それから、免許の更新制と十年経験者研修でありますが、御承知のように、本当に教育現場が複雑化、高度化している中で、やっぱり常に教員も学んでいかないと、これからの問題として、例えばアクティブラーニングといっても言うのは簡単ですけれども、実際、じゃ、どういう形でアクティブラーニングをするのかということは、やっぱり研修を受けないとなかなか授業を受け持てない。それから、発達障害においても、もういろんな子供がたくさん出てきている中で、やはりきちっと研修を受けないと適切な指導できないという部分があると思います。ですから、この研修は非常に重要だというふうに思います。
 免許更新制というのは、そういう意味で、これは全ての小中高、国立、公立、私立、全ての教員を対象に最新の知識、技能を身に付けさせるために実施されているというものであります。一方で、十年経験者研修は、教育公務員特例法に基づき、公立学校教員としての資質向上を図るために実施されているものであるわけであります。
 また、免許状更新講習は、教員免許状の取得要件が備わってから十年に達する直前の二年間に行うのに対して、十年経験者研修は、おおむね在職期間が十年に達したとき以降に行われており、両者が重なっている割合は実際は一六%でありまして、そんなに高いとは言えないというふうに思います。
 これを前提として、文科省では、免許状更新講習を十年経験者研修として位置付けて実施するなどの軽減措置が可能である旨を都道府県、政令市、中核市の教育委員会、百九委員会に周知し、平成二十五年度においては四十八の教育委員会において軽減措置を行うなど、工夫に努めているところであります。
 具体的には、鳥取県、宮崎県等で、免許状更新講習の受講により十年経験者研修の一部を軽減したり、また、鹿児島県、島根県では、十年経験者研修の一部を免許状更新講習として認定しており、特に鹿児島県においては十年経験者研修の校外研修を受講し、試験を経て認定されると免許状更新講習全体を受講したものとして取り扱っているという事例もございます。
 こういう工夫等があるということが共有化される必要があると思いますので、都道府県教育委員会等に対して先導的な取組の事例について自治体等で共有できるようにし、両制度の円滑な実施が図られるようにしながら、無駄なことが講習として行われないような創意工夫については更に促してまいりたいと思います。
○那谷屋正義君 時間が来ていますね。もう終わりますけれども、是非、学校教育法の一条校の改正ということでありますから、この機にあらゆる観点から教育の様々な施策についていい方向に見直していくことについて、これからも議論を続けさせていただくことを改めて申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○柴田巧君 維新の党の柴田巧です。
 本題に入る前に、最初に国立の研究所や大学のサイバーセキュリティーの問題をちょっとお聞きをしたいと思います。
 今、日本年金機構へのサイバー攻撃で大変なことになっているんですが、実は、今申し上げた文科省関係と言ったらあれですが、研究所や大学へのサイバー攻撃も続いているところです。今月の九日の日だったかと思いますが、大学共同利用機関法人の学術総合研究所である国立情報学研究所、ここは全国の大学や研究機関あるいは民間企業などと連携協力したり、共同研究をする国内有数の拠点として知られているところですが、ここのサーバーが海外からのサイバー攻撃で乗っ取られて、新たな攻撃の中継点、中継する踏み台と言ったりもしますが、として使われていたと。
 この研究所によれば、先月の二十九日にサーバーを管理するパスワードを一時的に簡単なものに変更したところ、セキュリティーが脆弱になったということなんだろうと思いますが、その日から今月の二日にかけて、海外のIPアドレスから複数回、不正アクセスを受けたということのようであります。その際、送り込まれたウイルスが海外のサーバーに向けて、アメリカやカナダのと、計六つの民間サイトを標的にして大量のデータを送り付け、パンクをさせるサイバー攻撃を行ったと見られているわけです。
 かねてから、こういう研究所や大学のサイバーセキュリティーは穴だらけだと、サイバーセキュリティーの専門家からも指摘があったんですけれども、実際にこういうことが起きてしまったと。甘いパスワードの管理が原因なんだとは思いますが、個人情報を含むデータは一切、今のところは流出されていないというものの、ゆゆしき事態だと思うわけで、今この研究所では、どのような再発防止策を取ろうとしているのか、効果的な防止策、必要だと思いますが、どう取り組もうとしているか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(常盤豊君) 大学共同利用機関法人でございます情報・システム研究機構の国立情報学研究所におきまして、サーバーへの不正アクセスがございまして、他のサーバーに攻撃するための踏み台にされていたということが六月二日に判明したとの報告を受けております。
 不正アクセスを受けましたサーバーは、通常業務のサーバーとは別の、ソフトウエアの動作確認テスト用のサーバーでございまして、個人情報や機密情報は含まれておりませんでして、データの漏えいということもございません。また、研究所内の他のサーバーへの不正アクセスもないという報告を受けております。
 今回の事案につきましては、今御指摘ございましたけれども、当該サーバーについてアクセス制限及びパスワードの設定に不備があったことによりまして、セキュリティーに脆弱性が生じていたということが原因でございます。文部科学省といたしましては、国立情報学研究所に対しまして再発防止策を講じるよう強く指導したところでございます。
 同研究所におきましては、研究所が管理、運営する全てのサーバー等のセキュリティー設定の再確認、あるいはサーバーの設定に係る作業手順とチェック体制の見直しなどを実施をいたしまして、セキュリティー体制を強化するということとしているところでございます。
○柴田巧君 是非、しっかりした効果的な再発防止策が取られるように、文科省としても求めていただきたいと思いますが、実は、同様の被害がほかのところでも出ていまして、これも今月の七日の日に、富山大学で、実は今年の二月に同じようにサーバーが海外からの不正アクセスで乗っ取られて、アメリカ企業などへサイバー攻撃が悪用されていたということが明らかになったわけです。これちょっと、幾らか時間が空いているんですが、なってから発表されるまでですね。
 これも同じように、DDoS攻撃と言ったりしますが、このアメリカの企業などに対して短時間に大量のデータを送り付けるということで、ウイルスに感染して、サーバーが、そういうことが行われたということで、ここもまた、原因はといえば、このパスワードが初期設定のままで、単純な数字の羅列であったということが一番の原因だろうと言われているわけですが、大学などのコンピューターシステムというのは、学術研究の目的で世界のネットと直結するIPアドレスを優先的に割り当てられているわけで、その分、こういうサイバー攻撃の標的になりやすいと言われているわけですね。
 したがって、このサイバーセキュリティーの厳重化が国立大学は求められるわけですが、大学や独法は、個人情報もそうですし、国家プロジェクトに関わる知的財産も重要情報として持っているわけで、そういう意味でも、このサイバーセキュリティー、大学、国立大学においても、もっとその厳重化、厳格化が図られるべきだと思いますが、大臣のお考えをお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 今年二月、富山大学の運用するサーバーが不正アクセスを受け、そのサーバーから外部へ多量の通信が行われるという事案が発生したとの報告を受けております。
 富山大学の調査によれば、御指摘がありましたが、その原因は、当該サーバーが簡易なパスワードを設定していたため、不正アクセスが容易となったものであり、セキュリティー対策の不備が原因とのことでありました。
 これを受け、富山大学では教職員に再発防止を徹底したところであり、今後、情報セキュリティー対策の意識向上を図る研修等を実施するとともに、学内の情報機器を対象とした疑似侵入調査を行う予定というふうに聞いております。
 文科省においては、従来から国立大学等の関係機関に対し情報セキュリティー体制の強化を求めてきたところであり、今回の日本年金機構の情報漏えい事案を踏まえまして、六月二日付けで国立大学等の関係機関に対し通知を発出し、改めて個人情報を含む重要情報の適正な管理の徹底を求めてきたところでもあります。また、今日午後行われる国立大学法人学長・大学共同利用機関法人機構長等の会議におきましても情報セキュリティー対策の徹底を改めて求めることとしたいと思います。
 文科省としては、情報セキュリティー対策の重要性に鑑みまして、今後とも関係機関に対しその徹底を努めていきたいと思います。
○柴田巧君 是非、先ほど申し上げましたように、サイバー攻撃は弱いところに、脆弱なところに入ってきて感染をさせていくというのが常套手段ですので、先ほど申し上げましたように、国立大学や研究所、セキュリティー対策が不十分なところが正直あったと思いますが、そういうことが二度と起こらないように万全の体制を取っていただきたいと思います。
 では、学校教育法の改正法に関連してお聞きをしていきたいと思いますが、義務教育学校、いわゆる中一ギャップの緩和に役立つんだと、成果をこれまでも小中一貫教育校は上げてきたと、教育において上げてきたと言われておりますが、一方で、先ほどありましたように、参考人質疑、先般の、果たしてその成果は本当にできるのかどうか、逆に悪化させるのではないかというような指摘などもこの前参考人から出たところですが、いずれにしても、この中一ギャップの証左とも言える不登校の問題は大変深刻な今状況になってきていると思っていまして、この対策をしっかり講じていかなければならないと思っています。
 平成二十五年度の、ちょっと正式な名称を忘れましたが、調査によれば、小中学校の不登校生、二十五年度でいうと十二万人になっていると。これは十七年連続で十万人を超えているということですけれども、特に小学校は平成十二年から十四年度と並ぶ過去最高水準に今、二十五年度なったと言われております。
 今日は資料を用意してくればよかったのかもしれませんが、不登校は確かに中一でぐっと上がるんですが、小学校からずっと一本調子で上がり続けて、中二、中三までずっと上がり続けるわけですね。また、いろんな調査によっても、中一の不登校生の半数は、小学校四年生から六年生のいずれかで三十日以上の欠席相当の経験を持っている者が多いという調査結果もあります。つまりは、中学校に入って発現するんですが、実はその芽はもうかなり小学校の早い段階からあるということなんだろうと思っています。
 したがって、この不登校の早期発見、早期解決にしっかりと取り組む必要があると思っていますが、どのようにやっていこうと考えていらっしゃるのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) ただいまの御指摘の点でございますけれども、例えば国立教育政策研究所の調査によりまして見ますと、おっしゃられるとおり、中一の不登校生徒の半数が三十日以上の欠席相当の経験を小学校のときに持っている、あるいは、それよりは少し少ないんですけど、十五日以上二十九日未満の経験等まで含めますと、七五%から八〇%が休みがちな児童であったというふうに考えられておりまして、小学校段階から不登校の兆候は見られるという調査でございます。
 こうしたことを考えますと、小学校段階から休みがちになった要因や背景を把握して、学校が家庭や関係機関等と連携しながら組織的に対応するということは大変重要だと私どもも認識しております。
 文部科学省といたしましては、これまで小中を通じましてスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の配置、その充実を図って教育相談体制等の充実を図るということ、それから、家庭と地域、関係機関等との学校の連携の強化を促進していくこと、それから、地域の不登校施策の中核的な役割を担っております教育支援センター、適応指導教室でございますけれども、その充実を図ることなどに取り組んでおりますので、一つには、こうした政策全体を更に先へ進めて取り組んでまいりたいと思います。
 そしてまた、今年一月に不登校に関する調査研究協力者会議を立ち上げまして、従来の不登校施策を検証して、小中間の円滑な引継ぎ等を含めてより効果的な施策を検討しているところでございます。今後、この会議のお取りまとめ等を踏まえまして、きめ細かな指導や教育相談の充実等の不登校の早期発見、早期解決へ向けた施策を更に充実させることを検討してまいりたいと思います。
○柴田巧君 いずれにしても、早期発見、早期解決といいますか、有効な手だてを講じていくことが大事なんだと思っていますので、よろしくお願いをしたいと思いますが。
 先ほど申し上げましたように、ずっと小学校一年生から中三まで不登校の数は一本調子でこう上がっていくわけです。そんな中で、先ほど触れましたように、この前の参考人質疑でも、この義務教育学校の設置は、むしろこの不登校を増加させ、更なる悪化を招くんじゃないかという参考人の御意見もありました。というのも、中学校での独特の競争性や抑圧性が大きな原因であって、したがって、そういう中学式の教育を小六、小五、早期化することによって、よりこの矛盾が早期化していくんじゃないかという見立て、見方だったわけですが、今の法案の考え方では、義務教育学校が設置をされれば、そういう小一、中一ギャップが緩和される、緩和を目指していこうということなんですが、じゃ、実際にこの九年間を見通したこの不登校への支援がどういうふうに可能になるのか、また、その不登校の少なくしていく上で具体的な方策がどういうものがあるのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) ただいま御指摘の点につきましては、まず、もとより、小学校、中学校で今抱えております問題をそのままに、ただ中学校の教える内容等を下へ下ろすとか、そういったやり方をいたしますと、これは義務教育学校であるないにかかわらず様々な問題が生じるということは御指摘のとおりでございまして、こうした点については、学校教育の在り方として、様々にしっかりした取組をどう進めていくかを検討しなければいけないということが前提にあると思います。
 これを前提といたしまして、実は小中一貫教育につきましては、全国各地で数多くの実践が行われている中で課題もありますし、それに対する解決方法というのも蓄積されてきているわけでございます。
 それを見ますと、具体的には、小中学校での異年齢交流の大幅な増加を図る、合同行事とか合同活動とか、様々な方法を駆使するということでございます。それから、小学校高学年からの、例えば部活動や定期考査といったようなものを段階的に導入して、教科の専門性が次第に分かれていくところへ円滑につなげる工夫、それから、九年間を見通しまして、予防的な生徒指導、これは児童のときからということでございますが、その体制を充実していくといったような取組が挙げられるところでございます。
 これらの取組を通じまして、上級生と下級生との望ましい人間関係を構築するとか、いじめや暴力行為の発生を抑制するとか、あるいは中学校進学に伴う不安が緩和されるとか、こうした効果を上げて不登校の減少等の顕著な成果が上げられるといった報告がなされているところでございます。
 今回の義務教育学校の設置によりましては、同一の教職員集団による九年間の切れ目のない組織的、継続的な指導を通じてより多くの教職員が児童生徒に関わり、各学校段階の教職員が協働して問題行動にきめ細かに対応することが可能となる、ここが一つの追求する点、あるいは可能になる大きな点でございます。
 こうしたことを進めまして、その問題により効果的に対処できるようになると、これを是非生かしていただくように私どもとしても促し、あるいは優れた事例等を提供するなどの努力をしてまいりたいと思います。
○柴田巧君 今答弁されたような方向になるように念願をするところでありますし、我々としても厳しく、本当にそうなっていくのかチェックをこの後もしていきたいと思います。
 時間が少なくなってきたので次の質問に移りますが、夜間中学のことをちょっとお聞きをしたいと思いますが、この夜間中学、そもそもは戦後混乱期に昼間の仕事で学校に通えない子供たちのために開設をされましたが、今は中学校を卒業できなかった高齢者も通っていらっしゃるし、多く、国際化も進んで外国人の希望者も受け入れていると。また、最近では不登校の子が増えて、中学校での学び直す機会として求められているということです。
 現在、八都府県二十五市区、三十一校、千八百人近く通っていらっしゃるということですが、これは、文科省は既に、一県一校、この夜間中学を増やす方針だということは結構なことだと思っているんですが、不登校で形だけ中学校を卒業した人の学び直しの場としていくため必要性があると思っていますが、しかし、今の決まりでは中学校を卒業した者は夜間中学に入れないということになっているわけで、ここが一つ大きなネックになっていると思っていますが、ここはひとつその面は見直しが必要なんではないかと思うんですが、見解をお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) 端的にお答えをしたいと思いますが、従来、文部科学省では、通常就学すべき年齢を超えた方の中学校への受入れにつきましては、中学校を卒業していない場合は就学を許可して差し支えないという考え方を示してきたところでございますが、卒業はしていても、今おっしゃられましたように、実質的に十分な義務教育を受けられなかった方が希望した場合の学習機会の確保というのは、重要な課題になっていると思います。
 このため、ほとんど学校に通えないまま中学校を卒業したなどの方が希望された場合に夜間中学に入学することについては、教育委員会や夜間中学の関係者の皆様などの声もお聞きしながら、どのような基準なり考え方に基づいて行うべきか、そういったことを含めまして、学習機会の拡大、充実の方向で積極的に検討してまいりたいというふうに考えます。
○柴田巧君 是非、見直しの方向で検討していただきたいと思います。
 もう時間がなくなりますので、最後の質問になると思います。
 大臣にお聞きをしたいと思いますが、この法案の提出理由は、一人一人の豊かな人生を実現することが急務であり、そうした教育の実現に資するよう、学校教育制度の多様化、弾力化を推進するため義務教育学校の制度を設けるということですが、今も触れてきましたように、現代においては、子供の学びを保障するために教育制度の一段の多様化、弾力化、柔軟化が求められていると思います。不登校の問題もそうですし、今のフリースクールの問題などにも対応していくためにもそういったものが必要なんだろうと思っていますが、そういう意味で、この法案が改正された後も義務教育の機会の多様化にやっぱり取り組まざるを得ないと思っていまして、そういう意味でも、今後の我が国の義務教育とはどうあるべきかということを大臣に最後にお聞きをして、終わりにしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) もう時間が過ぎておりますので簡潔に申し上げたいと思いますが、義務教育学校の制度化、是非法案を通していただければ、その後も、次期学習指導要領の検討等を通じまして、各学校における個々の意欲、経験、能力に応じた新しい学びの実現を図っていく一方で、フリースクール等に通う子供たちへの支援や夜間中学の設置促進等を通じた多様な教育機会の充実を図ることなどをすることにより、我が国の義務教育全体の質の向上を図りつつ、多様化、弾力化を推進してまいりたいと思います。
○柴田巧君 時間が来ましたので、終わります。
 ありがとうございました。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 九日の委員会で、都内の小中一貫校の問題として、運動場が非常に狭く、行事や安全確保に悪影響があるということを指摘をして、義務教育学校の施設基準はどうなるのかという質問をいたしました。義務教育学校は小学校及び中学校の学習指導要領を準用して教育活動を行う学校であり、設置基準はこれらが実施できるように設定されているという答弁でしたが、簡単に言うと、設置基準も小学校、中学校それぞれの基準を準用するという意味だと思います。
 これ、確認したいんです。例えば、運動場は小学校の設置面積基準、中学校の設置面積基準をそれぞれ足し上げるということなのかどうか、端的に、局長、お願いします。
○政府参考人(小松親次郎君) ただいまの御指摘にもありましたが、義務教育学校は、小学校、中学校と同様の法的目的を実現するためにそれぞれの学習指導要領を準用して教育活動を行う学校であるということから出発いたしまして、義務教育学校自体についての固有の設置基準を制定することは考えておりませんけれども、学校教育法施行規則において、この法案が通りました場合には、前期課程は小学校設置基準、後期課程は中学校設置基準を準用する旨を規定することになると想定しております。
 したがって、義務教育学校の運動場の基準面積としては、原則は前期課程部分は小学校の基準面積、後期課程部分は中学校の基準面積が適用され、今現在の設置基準にも、地域の実態その他により特別の事情があり、かつ、教育上支障がない場合はこの限りではないという規定はございますけれども、原則としてはその基準面積を合計したものとなるというふうに想定されるところでございます。
○田村智子君 そうすると、今のそれぞれを足し上げたものだという基準の考え方は、これは明確に自治体に示すべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(下村博文君) 今、答弁をいたしましたが、義務教育学校は前期課程においては小学校設置基準、後期課程においては中学校設置基準を準用する旨省令において規定することを想定しております。その場合、義務教育学校の運動場の基準面積は、今御指摘のとおり、小学校、中学校、それぞれ前期課程、それから後期課程分合計として小学校、中学校設置基準の定める基準面積を合算したものというふうに当然想定しているわけであります。
 法案成立後に義務教育学校の設置の基準について定める際には、その趣旨や内容について施行通知や各種会議等の場を通じて丁寧に周知してまいります。
○田村智子君 先ほど局長の答弁にあったとおり、確かにその基準そのものにただし書で、特別の事情がある場合には基準を満たさなくてもよいんだというのがあって、このただし書も義務教育学校は準用することになるというわけですけれども、しかし、小中一貫校はやはり小学校の低学年と中学生が共に学ぶ学校であるということで、この特殊性への配慮が必要だというふうに思います。
 文部科学省の学校施設部会は、今年二月に、小中一貫教育に適した学校施設の在り方についての報告書案というのを示していますが、その中でも次のように書かれています。九年間の部活動、学校行事を含めた教育活動、学校開放での諸活動を具体的に想定し、校舎敷地、運動場や屋外教育環境施設等の用地について必要な面積を確保することが重要、放課後などに低学年児童が安心して運動や遊びができるように、部活動が行われる運動場とは別に低学年専用の運動場や広場等を計画することが重要と。
 こういう内容を私はしっかりと自治体に対して徹底することが必要だと思いますが、いかがかということと、あわせて、現在既にできちゃっていて運動場が非常に狭く、安全性にも問題がある、こういう学校については何らかの対応が必要だと思いますが、その点も併せてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 文科省では、現在、学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議におきまして、課題の一つとして、小中一貫教育に適した学校施設の在り方についても検討しているところであります。
 この検討におきまして、小中一貫教育を効果的に実施するため、地域の実情や学校施設の実態等を踏まえ、一つは、九年間を見通した教育活動ができるよう、例えば部活動、学校行事を含めた教育活動、学校開放での諸活動を具体的に想定し、校舎敷地、運動場等の用地について必要な面積を確保することや、児童生徒の発達段階に応じ、安全性を備えた施設環境を確保するため、御指摘がありましたが、例えば低学年児童が安心して運動等ができるよう低学年専用の運動場や広場等を計画することなど、学校施設の計画、設計上の留意事項を整理しているところであります。
 協力者会議では七月下旬をめどに報告を取りまとめる予定であり、文科省としては、今後、法案が成立すれば、その検討結果も踏まえ、留意事項を速やかに関係者に周知し、義務教育学校において児童生徒の発達段階に応じ安全性を備えた施設環境が確保されるよう努めてまいりたいと思います。
○田村智子君 あわせて、今既にできているところで問題があったら何らかの対応が必要だと思いますが、その点についてはいかがですか。
○政府参考人(小松親次郎君) 問題ということにもよろうかと思いますけれども、ただいま申し上げたような考え方は、最初に私御説明いたしましたように、小学校、中学校の学校教育法に定める法的目的を実現するために学習指導要領等を準用して行うことになりますので、その基本的な考え方に沿って、必要な面積を確保していただくように状況に応じて働きかけていくということになると思います。
○田村智子君 次に、学校そのものの規模についてお聞きしたいんです。
 足立区では、新田中学校というところの敷地に新田小学校を統合して、小中一貫校が六年前に設置をされました。当時から周辺は大規模マンションの開発が進んでいて、地域の住民からは、小学校は廃校しないで人口増に合わせた新設をやればいいじゃないかと、こういう意見が出されていたわけです。しかし、区教委は計画を見直さず、その結果、児童生徒は年々増えて、現在、小学校で三十六学級、中学校九学級、児童生徒数約一千五百人ものマンモス校になってしまいました。
 校舎に入り切らない一年から四学年は信号を渡った場所に造られた第二校舎で学んでいますが、ここには校庭はありません。廊下でぶつかるなどのトラブルは日常茶飯事で、先生方はPHSを日常持ち歩いて連絡を取り合わなければならないという状態で、来年度以降も児童数の増が見込まれている上、更なる大規模マンションの計画もあり、保護者からは一体どうなるのかという不安の声が上がっています。
 義務教育学校の標準的な学級数、これはどうするのか、お答えください。
○副大臣(丹羽秀樹君) お答えさせていただきます。
 義務教育学校の標準規模につきましては、基本的に一年次の入学者が九年次までそのまま進級することが想定されております。こうしたことを踏まえまして設定する必要があるというふうに考えております。例えば、具体的には、この法案が成立した後に政省令を整備する中でしっかりと検討していきたいというふうに思っております。
 仮に、現行の小学校の標準を踏まえて、各学年二から三学級を前提として九学年分を乗じた場合、標準規模は十八から二十七というふうになっておりますので、こういったことも踏まえて、今後どのような標準が適正か、具体的な検討も勘考していきたいというふうに思っております。
○田村智子君 この点で指摘しておきたいのは、これは足し上げたら駄目だということなんですね。文科省が示している標準規模は小学校で十二学級、中学校で十二学級ですけど、足し上げちゃうと二十四学級で、これ最大九百五十人規模。また、小学校十八学級、中学校十八学級とすれば、足し上げたら三十六学級で最大一千四百人規模ですからね。こういうのは適正規模なんて絶対言えないわけです。
 私、今回、文科省が学校の適正規模の手引というのも示しましたけれども、そこでは、小学校六学級あるいは中学校三学級以下は統廃合の検討をと促しているんですが、じゃ、大規模校に関してはということでは何にも制限を示していないわけです。今回の小中一貫校の場合は、やっぱり大規模化というのが既に問題になっているわけで、しっかりと国の考えを示していただきたいということは重ねて要望しておきたいと思います。
 それで、なぜこの大規模化にこだわるかといいますと、やはり大規模化によって児童生徒への対応や教職員の連携という点での問題が生じていると、この点を指摘しなければならないんです。
 品川区の小中一貫校で、二〇一二年二月、小六の女の子が、同年九月、中一の男子が相次いで自殺をしています。区内の別の一貫校でも、同年の七月、中一の男子が自殺をしています。いずれもいじめが原因の可能性が高いとされていますが、調査の報告書を読むと、大規模化に起因した問題があったのではないかと考えざるを得ないんです。
 例えば、報告書の中には、毎朝の幹部会で必要最小限の情報は管理職から伝えられているが、共通理解を図るための時間や場が設定されていない、教員は情報がないことも不安に思ったりしていると、こんな指摘があるわけです。教員数が余りに多くて、職員会議はもちろん、情報や問題意識の共有ができていない状態だったということがうかがわれます。
 また、品川区は大津のあの事件を受けて、いじめ実態把握緊急アンケートというのを行ったんですが、三人の副校長は一人として記入されたアンケートの原本を見ないまま集計した数字だけを区教委に報告をしています。自殺をした少年はこのアンケートに、二度ほど物を壊されている、今は収まったが、次にまた起こらないとも限らないというふうに記述をしていたわけです。だけど、担任の先生も大丈夫と声を掛けたけれども、面談はしていない。その後取り組まれたアンケートで、彼は解決できるというところに丸を付けているんですけれども、これによって担任の先生も学校もいじめの認知件数からも外しているんですが、彼はその解決できるの丸印の後にクエスチョンマークを手書きで記述をしているわけです。これ、教員がアンケートの記述について話し合うとか、いじめについていろんな話合いの場を持つとか、学校全体でそういう話合いの場があれば防げた自殺だったという可能性が大いにあったわけですね。
 こういう統廃合と一体の一貫校の設置で大規模化が進んだ、そのことが児童生徒への対応に重大な問題や弊害をもたらしてしまった、このことはしっかりと直視すべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、義務教育学校に限らず、一般的に過大規模校において、教職員集団として児童生徒一人一人の個性や行動を把握し、きめ細やかな指導を行いにくくなる可能性があるということから、問題行動が発生しやすくなる場合もあると考えられます。
 文科省としては、義務教育学校の導入に当たり、児童生徒の教育に支障が生じないよう、様々な機会を捉えて丁寧に指導してまいりたいと思います。
○田村智子君 やっぱり一学年から九学年という、本当に大規模化が、危険性があるわけですよ。是非、児童生徒に一人一人きめ細やかな対応ができるように本当に進めていただきたいというふうに思います。
   〔委員長退席、理事石井浩郎君着席〕
 併せて指摘したいのは、品川区は特例もあって、学校教育課程の、その中で道徳教育も重視しているんだということで、独自に市民科という科目も作って、区教委が教材も作って、その使用を全ての学校に義務付けているんです。ところが、この授業時間を確保するために、実はホームルームの時間をなくしてしまった。いじめを含む子供たちが直面するような問題を、あるいは学級の自主的な活動を話し合う場がないということなんです。実際、自殺事件のあった学校では、その事件の後でさえもホームルームの時間は持たれていないんです。
 義務教育学校の設置は、一学年から九学年の教育課程を各教育委員会が自主的に作成するということもメリットとされています。しかし、参考人質疑でも指摘をされましたが、品川区ではどのような検討によって区独自の教育課程がつくられたのか区民には分からない。その見直しを求める仕組みもない。区教委の判断でホームルームの時間をなくしてしまうようなこと、いじめや不登校の問題が起きたときに子供たちが教材や教科書を離れて自主的に話し合う、教員の、何というか、判断で話し合う、そういう時間さえもなくしてしまうと。こういうことについて大臣はどのように思われるか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 品川区では、教育課程特例校制度を活用し、特別活動の時間や総合的な学習の時間等を組み替えて、教養豊かで品格のある人間形成を狙いとした独自教材である市民科を設け、小学校一年生から中学校三年生までの九年間を通じて指導しているものというふうに承知しております。
 このように教育課程特例校制度を活用して既存の教科等を再編する場合であっても、学習指導要領上全ての子供に指導することとなっている内容は遺漏なく指導することが求められます。このため、品川区において、市民科の中では、田村委員の御指摘と違って、実際は特別活動において実施が求められている学級活動も行われていると。
 また、具体的には、市民科という教科の趣旨に基づいて、児童生徒同士の議論などを通じて学級の抱える様々な課題について考えるような活動も行われているということを文科省からも、品川には校長として出向していた経験のある当人からも聞きましたが、品川区からもそのように報告を受けているところであります。
○田村智子君 現場の先生からお聞きすると、それは、市民科の教科書の中の教材の中のこのページのこの項目はいじめの問題を話し合うのに使えるかもしれないといって、その教材の時間、このページを勉強したということで読み替えて、ホームルームの時間にしているんですよ。全くその教材から離れて、学級で起きた問題を話し合うという時間になっていないんですよ。これが実態なんです。
 ここも水掛け論みたいになっちゃうのでこの指摘にとどめますけれども、こういう柔軟な教育課程の編成というのはこの市民科だけではとどまらず、様々な弊害というのを私は起こしてきているんじゃないのかというふうに考えざるを得ないんです。
 資料でお配りしたのは参考人質疑でも配られた品川の教育課程の資料なんですけれども、例えば品川区の教育課程は、五年生までに六年間掛けて学ぶ漢字数は全て修了します。算数も、学習指導要領では中学で学ぶとされる正の数と負の数、角柱、円柱、錐体、線対称、点対称、図形の合同、比例、反比例、場合の数を全て六年生で修了とあるわけです。
 これ、これまでの答弁の中では、じゃ、転入したときにどうするんだと言ったら、補習で補うという答弁なんですよね。だけれども、これ授業時間も見てほしいんですけれども、六年生で総授業時間数、年間一千九十六時間、学習指導要領で定める九百四十五時間を百時間以上上回っているわけです。これだけの授業を受ける上に補習で、全く受けてこなかった部分を、前倒しでもうやっちゃった部分を教えるなんということは、これは子供にとって大変な負担になると思いますが、大臣、いかがですか。
   〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕
○国務大臣(下村博文君) 私は実際この日野学園の土曜授業を視察に行きまして、土曜授業でしたから通常授業の現場を見たわけではありませんが、子供たちは非常に生き生きと活動しておりまして、校長先生以下教職員も、本当に一生懸命やっているなという感じを持ちました。ここは、地元の品川区長等、教育委員会は当然ですけれども、同席をされておられましたが、かなり学校教育については、この日野学園において、自分たちの考えているものが子供たちにきちっと伝わって子供たちも意欲的に取り組んでいる、そういう非常に成功しているという印象を持ちました。
 ですから、いろんな指導要領以外の大幅な授業時間も組んでいる中で、転校した子供は大変じゃないかという話、御指摘がありましたが、そういうことも配慮しながら創意工夫をされているのではないかというふうに思います。
○田村智子君 これはもう配慮というのを超えたほどの詰め込み教育になってしまうんじゃないかというふうに私は危惧するわけですよ。
 私も行きましたけれども、確かに子供たち頑張って生き生き楽しそうに学校の中にいますけれども、それは一日や短時間見ただけでは分からないような問題というのをしっかりと私は検証すべきではないかというふうに思います。そうした検証もなく、法制化によって義務教育学校というのをつくること、これは全く拙速であるということを指摘をいたしまして、質問を終わります。
○松沢成文君 次世代の党の松沢成文です。
 大臣、お疲れさまです。よろしくお願いします。
 これまで同僚議員の方から、この制度を導入したときに様々こういう問題があるんじゃないかという具体的な指摘があって議論が交わされてきたわけですが、私、ちょっとそもそも論で文科省と大臣の考え方を伺いたいなと思うのは、学制ですね。今回、一貫教育にして、小中を、学制もこの義務教育課程の範囲内で柔軟に、四三二とか、そういう形で各学校で学制も柔軟につくっていっていいですよということになるわけなんですが、ただ、戦後日本は、GHQの占領統治もあって、そのときに、多分アメリカで広く行われていた学制なんだと思いますが、アメリカも地方分権の国だから全部一緒じゃないらしいですけど、六三三制を導入したわけですよね。それでずっとこれまで高度経済成長期から日本の教育課程の中でそれが定着してきたというか、そんな中で、この画一的な六三三制ではない、地域のもう少し多様な教育ニーズを生かした学制に少し変更していこうじゃないかという流れの中にこの法案はあると思うんですね。
 さあ、そこで、まず文科省は、この学制も各国それぞれ違うと思います。その国の教育の状況や国柄でも違うと思いますし、また生徒たちの発展段階とか、そういう、何というんですか、発達心理学みたいなものの立場からも分析があるんでしょうが、文科省もいろいろ研究機能があると思うんですけれども、こうした日本にとって望ましい学制の在り方、それを情報収集して分析して研究しているという機能があるのか。そうであれば、日本にとって望ましい在り方というのは、この六三三制ではない、こういう方向がいいんじゃないですかというところまで研究をしているんでしょうか、まず局長にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) 学制、特に学年の区切り方につきましては、諸外国の例あるいは歴史的な例、あるいは科学的な追求といったような幾つかの観点から、私どもとしても、もちろん国立教育政策研究所のようにそれを専門にしている部署もございますし、私ども、一般行政部局、あるいは様々な有識者会議等を通じまして情報収集し考えているところでございます。
 学制に関する学術的な基礎を持った見解に関して申し上げますと、例えば思春期の早期化、問題行動への対応等様々な観点から、六三制、これは戦後定着してきたという実績は考える必要があると思いますけれども、それを基本としつつ、例えば四三二、五四といった小学校段階と中学校段階の間の円滑な接続のための期間を柔軟に設けるということがいいんだという提唱もございます。
 また、発達生理学や脳科学とか、それから生徒指導上の様々なデータとか、こういったものを踏まえますと、例えば小学校四年生ぐらいまでが発達の差からすると急激ではないので、そこを一まとめにする。そして、そこから子供の心身の個人差が大きい思春期の前期、大体中二くらいまでを二つ目の区切りとして、さらには高校へ進んでいく個人差が落ち着く思春期後期を考える。こうなりますと、小中ではなくて、十二年間で例えば四四四といったものがいいのではないか。たくさんの例がありますけれども、幾つかそういった固まりがあるというふうに考えております。
 諸外国におきましては、また連邦制の国などでは州によっても違うというようなことがあるというふうに考えておりまして、私ども、それらを踏まえながら学制を考えていく必要があるというふうに理解いたしております。
○松沢成文君 大臣、今局長の方から、学制や一貫教育も含めて様々な研究をしている、いろんな意見が、意見というか考え方があるというお話がありました。
 今回、この法案を出すことによってやはり学制がより柔軟になりますよね。それから、一貫教育を進めるわけです。これまでは中高の一貫教育が先行していましたが、今度は初めて小中の一貫教育。そうすると、義務教育学校は九年制になるわけですね、六三が崩れて。その中で四三二とか、こういう学制でやってもいいですよということになると、非常に多様性を認めて柔軟になっていくわけですが、大臣の、政治家としてというか文科大臣として、日本であるべき学制、日本はやっぱりこういう国だからこういうのがいいんじゃないかと、そういう中でこの辺りを柔軟化した方がいいんじゃないか、その基本的なまず考え方を教えていただきたいんです。
○国務大臣(下村博文君) 明治から始まった学制制度は、当時、もう一八七二年ですから、そろそろ百五十年近くたとうとしていますけれども、子供の発達段階は相当変わってきていますから、大体二年間ぐらいは前倒しで、当時の六歳というのは今の四歳程度に当たるということが言われております。今局長が答弁したとおり、発達段階も六三と必ずしも合致していないという部分がありますから、柔軟に考えていく必要があると思います。その中で、そもそも義務教育期間の九年間というのは、もう世界の中で最も短いんですね。ほかの国は十二年間とかあるいは十年間とか、そういうふうな期間になっております。
 まずは、私は、無償化にできるだけ近づけると。ですから、三、四、五歳児の幼児教育の無償化、それから、民主党政権の方で進めたわけでありますが、更に促進して高校の無償化。ですから、三歳から十八歳まで無償化をする、教育費の軽減策を図るという中で今後義務教育期間をどうするか、それから発達段階に応じた学制をどうするかという順番があるのではないかと思いますが、まずはこの義務教育学校の法律を通していただければ、今の小中学校の九年間の中でも相当創意工夫、自治体によって枠組みがつくれますから、これをそれぞれ工夫をしていただいて、どんな六三制なのか、あるいは五四なのか、あるいは四三二なのかですね、いろんな工夫をしていただきながら検証していく、そして、義務教育期間については、まずは無償化をしながら更に検討していくということを考えていったらいいのではないかというふうに思っております。
○松沢成文君 局長さん、この学校教育法の中で、先行して中高の一貫教育ができるようになりましたよね。これは都道府県の教育委員会と市町村の教育委員会が連携していなきゃできないんですが、じゃ、その中学校と小学校の義務教育学校化というのは、これは現実上やるかどうかは別として、法的にはできることになりますか。そうなると、小中高の十二年間の一貫教育というのが可能になる法的な素地はできたというふうに見ていいんですか。
○政府参考人(小松親次郎君) 少し整理させていただきます。
 まず、端的に結論から申し上げますと、今、先行しております中等教育学校と、現在法案の審議をお願いしております義務教育学校、これは一応別種の学校でございますので、法的には独立に学校種があると。したがって、その間を法的にリンクして、言わば小中高十二年間の一貫校をつくるといったような立て付けにはなっておりません。
 これまでの制度化の議論におきましては、中等教育学校につきましては、言わば学校段階としては幼小を含みます初等教育、それから中高という思春期を中心とした中等教育、こういった考え方と、それから各地域での要望や実例等からその中等教育というところでまとめたというのが、これは一つのニーズや実例に即したものでございます。
 今回の義務教育学校についての検討経過は、これはまた別の意味で小中学校、初等教育か中等教育かという発達段階とはまた別の角度になりますが、その義務教育という制度的枠組みを活用して、各地域、各学校で様々な教育効果を上げている又は上げたいというような実例が積み重なってきたと、これが制度的に措置をする段階に達してきているという検討結果に基づいてこの制度をつくっている。
 そういう意味では、小中高全体、極端なことを言いますと、小学校一年生から高校三年生までが一つの学校にいるということが、教育手法上あるいは発達課題上どういう意味を持つか、あるいはどういう課題を持つかということは、正直に申し上げまして、現時点ではその希望なりあるいは実例なり、そういったものの蓄積がございません。
 そういう意味で、現時点でこれを制度化するということにはなっていないということでございます。
○松沢成文君 次に、学区との関係を伺いたいんですが、先週の参考人の皆さん、学識経験者の方多かったですけれども、かなりここのところは問題点を指摘されておりました。特に、今まで同僚議員の皆さんも取り上げましたけれども、品川区のように学校選択制が既に行われているところに義務教育学校という、品川にはあるそうですけれども、その制度が後から入ってきたことによる様々な問題点を指摘されていたんですね。
 品川の場合は、先に学校選択制が入っていました。そこで義務教育学校もやろうということで、まず母体の制度が選択制なので、その上に義務教育学校が入ってきたら、これは当然、義務教育学校も選択制の学校のうちの一つになるわけですね。
 今後、品川区のようなこの選択制プラス義務教育学校という制度設計は、当然自治体の意思で可能なんですね。
○政府参考人(小松親次郎君) 可能でございます。
 学校選択制は就学指定の手続の一つとして行われるものでございまして、この義務教育学校は、従来、御説明、御答弁申し上げていますように、就学指定を予定しておりますけれども、その一環として学校選択制ということがあり得るということでございます。
○松沢成文君 そうしますと、先ほど田村委員も関連したお話をしていましたけれども、例えばその自治体が学校選択制を取っていて義務教育学校ができたとしますよね。そうなると、九年間の一貫教育の中で様々進んだことをやってくれるんじゃないかという期待感ができる。そうすると、多くの皆さん、自由に選べるわけですから、行ってみたいなということで人が集まってくる。特に、九年間一貫で教育しますので、先ほど詰め込み教育になっていくという言葉もありましたけれども、ある意味でエリート教育化、特に高校受験に強い一貫教育校じゃないかなという期待も高まって、どんどんそちらに人が集まってきて、マンモス校化して問題が出てくる。
 確かに、学習指導要領上、義務教育課程、小学校課程、中学校課程ありますから、それにのっとってやるわけですけれども、いろんな工夫をして、総合学習の時間だとか、先ほどの市民科ですか、いろんなカリキュラムを区独自に作ってやっていくだけじゃなくて、どんどん、今まで六年間で覚えるべきものを五年間ぐらいで覚えてしまって、最後の方は受験に使ってもらえるように受験学校化していく、そういう可能性もあるわけですよね。
 これは決して教育需要がないわけじゃなくて、一部の父母はそういうものを求めていると思うんです。逆に、私学に行くのにはかなり経済的に厳しい、公立の学校で受験にも強い学校、一貫教育でつくってもらって有り難いということでそちらに集中して、ますます一般の小学校に行く人が少なくなって、学校の格差化、序列化が進んでしまうという心配をなされておりました。
 これについてはどう文科省はお考えですか。
○国務大臣(下村博文君) 既に、この小中一貫学校も、調べると一千百三十校のうち約三割ぐらいは学校選択制と重ねて制度化しているというところがあるそうです。
 義務教育学校は、小学校、中学校の学習指導要領を準用するということでありますので、学習指導要領に示された内容項目を網羅して行われるということで、これは既存の小学校、中学校と異なる内容、水準の教育を施す学校ではそもそもない、つまりエリート校ということではないということであります。
 また、いわゆる学校選択制はあくまでも就学指定の手続の一つとして行われるものであり、特定の学校に入学希望者が集中した場合の調整に当たっては、就学指定の基本的な仕組みを踏まえ、学力による入学者選抜が行われることなく、また、制度を運用するに当たっては、通学する学校により格差が生じることのないよう十分な配慮を求めてきているところであります。
 文科省としては、今回の制度化により、小中一貫教育を通じた学校の努力による学力水準の向上、これは当然、是非アップを目指していただきたいと思いますし、また、学校段階間の接続に関する優れた取組の普及による結果的に公教育全体の水準向上は、これは是非期待をしたいと思いますが、同一の市町村内で義務教育学校に通学する子供と通常の小学校、中学校に通学する子供との間で格差を生じさせるようなものではないというふうに考えております。
 これらを踏まえ、市町村において義務教育学校を設置する際、通常の学区制を導入するか学校選択制を導入するかについては、小学校、中学校の場合と同様、市町村が児童生徒の実態や保護者のニーズを踏まえ、対外的な説明責任も留意し、適切に判断していただきたいと考えております。
○松沢成文君 もう一つ学区制で私、疑問なのは、一つのパターンとして、一つの中学校でその下に二つの小学校が、生徒の数からいうとそれが一番ぴったり来るわけですね。一つの学区として、連携型の、分離型の小中一貫の義務教育学校をつくるとしますよね。そうすると、小学校二つあるわけですよ。でも、一つの学校なんですね、位置付けは。なのに、その学区内の小学生に、あなたはこっちのA校よ、あなたはこっちのB校よという就学指定をしていくんでしょうか。
 それは、一つの学校なのに、私はあっちの学校の方がいいと、例えば学校施設も差が出てきますよね、プールがあるとかないとか、校舎が新しいとかね。でも、一つの学校なら、私はどちらに行こうが、大きな、義務教育学校としての一つの学区ですから、選べるようにしないと逆に不平等感が出ちゃうと思うんですが、その辺りはいかがなんですか。
○政府参考人(小松親次郎君) 御指摘の点は、二つパターンがあると思います。一つは、学校を一個にしないで、分けたまま、連携型といいますか、そういった形で小中一貫をやる場合も今のお話には含まれていると思いますけど、この場合は従来どおり各学校ごとに小中一貫教育をやる場合でも就学指定を行うことになります。
 一つの学校にまとめた場合でございますけれども、今おっしゃられたように、小学校が本来二つあったというようなことで、前期課程の校舎等に鑑みますと、通常は、一つの学校では、特定の学年といいますか一定の学年についてはまとめて教育をやらないとできませんので、小学校低学年までの校舎とそれから高学年までの校舎を分けていくということを原則としていくことが予想されると思われます。
 地理的な要因から組織は一体化するけれども一年生から六年生までの校舎をそのまま存置するという場合も考えられるわけでございますけれども、こうした考え方につきまして、幾つかのパターンが考えられる中で、児童生徒の教育上の問題とあと安全上の配慮、それから通学などの地理的な要因、それと地域住民や保護者の方々の考え方というのを総合していただいてそれぞれ決定していくと、こういうふうに分かれてくるかなというふうに思っております。
○松沢成文君 もう時間ですのでまとめますが、今回、一貫教育をまた義務教育学校として導入する、それから学制も柔軟にということなんですが、今までの日本は、小学校、中学校、高校と、こういうふうに分かれた学制の中で、どこの地域に行っても小学校、中学校は大体決まっていたわけですね。で、地域で義務教育をやっていこうという形になっていたんですが、今回の法改正でいきますと、例えば小学校段階でも施設一体型の義務教育学校という選択もあるだろうし、施設分離型の義務教育学校というのも出てくるし、一般の独立した小学校というのも出てくる。今度は中学校段階に行くと、義務教育学校というのもあるし、一般の中学校というのもあるし、今度は中高一貫校というのもあるんですね。ですから、かなり、良く言えば多様化を認めて柔軟になったというんですが、義務教育課程からもう様々な選択肢、学校が出てきちゃって、特に学校選択の自由化と導入して一緒にやっちゃうと、義務教育課程でも親と相談してどこへ行っていいか分からないと、これ何が何だか分からないぐらいに混乱してくるぐらいに、少し私は多様化し過ぎてもいけないのかなと思っていまして、この辺りは、この学区制をどう考えるか、一貫教育をどう考えるか、あるいは教育の地方分権とか多様化をどのように考えていくか、非常にバランスが重要だと思っていまして、その辺り是非ともしっかりと認識をしていただいて、今後の改革を進めていただきたいと思います。
 以上です。
○委員長(水落敏栄君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べください。
○田村智子君 私は、日本共産党を代表して、学校教育法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 反対の第一の理由は、小中一貫校が義務教育学校として法制化されることにより、学校統廃合が更に加速されるからです。
 これまで小中一貫校の多くは、施設再編や統廃合と一体で計画、設置されてきました。一貫校を新設することで、統廃合に対する保護者や地域住民の反対を抑え込んだり合意を取り付けるという事例も少なくありません。
 政府は、これから多数の公共施設が更新時期を迎えることから、大規模改修の予算を抑制するため、公共施設等の整理統合を促す計画策定を地方公共団体に要請しており、本法案は縦横の学校統廃合を進めるてことなるものです。
 第二の理由は、義務教育段階から複数の学校制度、教育課程が設けられることとなり、教育の機会均等が崩されるからです。
 義務教育学校では、六三制の原則は維持されるものの、四三二制、五四制といった教育課程の特例を実施することで、地域により、あるいは同一自治体でも学校種別により教育内容に違いが生じることになります。また、英語の早期導入、教育課程の前倒しなど新たな詰め込み教育が危惧されるとともに、転出入する児童生徒への教育保障に問題が生じると指摘しなければなりません。
 審議を通じて、小中一貫校が学力向上、いじめや不登校の減少に効果的とする文科省の説明は、科学的に検証されたものとは言えないことも明らかになりました。一方で、統廃合と一体の小中一貫校設置が都市部では学校の大規模化をもたらし、運動場が狭いなど教育環境や児童生徒の安全に問題が出ています。また、小学校高学年期の主体性の成長が損なわれるといった弊害も指摘されています。問題解決に向けた具体的な議論もありません。そのような中で、義務教育学校の設置を法制化すべきではありません。
 なお、高等学校等専攻科修了生の大学への編入学については必要な制度改正であることを申し上げ、討論を終わります。
○委員長(水落敏栄君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 学校教育法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(水落敏栄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、斎藤君から発言を求められておりますので、これを許します。斎藤嘉隆君。
○斎藤嘉隆君 私は、ただいま可決されました学校教育法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、維新の党及び次世代の党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    学校教育法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
 一、義務教育学校の設置に当たっては、我が国の教育の基本原則である機会均等を確保するとともに、既存の小学校及び中学校との間の序列化・エリート校化・複線化等により児童生徒の学びに格差が生じることのないよう、万全を期すること。
 二、小学校及び中学校は児童生徒の学びの場であるだけでなく、各地域のコミュニティの核としての性格を有することを踏まえ、市町村教育委員会は、義務教育学校の設置に当たっては、安易に学校統廃合を行わないよう、特に留意すること。また、検討段階から保護者や地域住民等に対し丁寧な説明を行い、その意見を適切に反映し、幅広く理解と協力を得て合意形成に努めること。
 三、義務教育学校等における九年間の学びを地域全体で支えることの重要性に鑑み、保護者や地域住民の理解と参画を得るため、学校運営協議会等、組織的・継続的な学校支援体制の整備及び活用に努めること。
 四、児童生徒の人間関係の固定化や転出入への対応など小中一貫教育実施上の課題の解消に向け、政府は、各地域における取組事例を収集・分析・検証した上で、積極的な情報提供を行うとともに、課題解決のための指針の作成に努めること。また、市町村教育委員会は、自らの方針や各学校の取組について保護者や地域住民等に対し丁寧な説明を行い、幅広く理解を得るよう努めること。
 五、義務教育学校の設置等に当たっては、政府は、異なる学校段階間の接続を円滑にマネジメントする体制の整備や乗り入れ授業等への対応のための十分な教職員体制の整備を図り、教職員の更なる過重負担を招かないよう努めるとともに、小学校及び中学校が統合される場合においては、義務教育学校への円滑な移行が図られるよう、十分な教職員定数の確保に努めること。
 六、義務教育学校に係る教員免許状について、都道府県教育委員会は、他校種免許状の取得のための免許法認定講習の積極的な開講等、小学校及び中学校教員免許状の併有のための条件整備に努めること。また、政府は、併有する際の負担が過大なものとならないよう、必要な環境整備を積極的に行うとともに、教員免許制度の在り方について引き続き検討を行うこと。
 七、高等学校等の専攻科から大学への編入学を実施するに当たっては、政府は、大学の自主性を尊重しつつ、大学における学びの質が担保されるよう指針を示すなど、編入学者が大学教育に円滑に移行し、主体的な学びを実現するための取組を積極的に支援すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(水落敏栄君) ただいま斎藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(水落敏栄君) 多数と認めます。よって、斎藤君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、下村文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。下村文部科学大臣。
○国務大臣(下村博文君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
○委員長(水落敏栄君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(水落敏栄君) 御異議ないと認め、さよう決定します。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十三分散会