第189回国会 経済産業委員会 第11号
平成二十七年五月十九日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     林  芳正君     三宅 伸吾君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         吉川 沙織君
    理 事
                磯崎 仁彦君
                滝波 宏文君
                宮本 周司君
                加藤 敏幸君
                倉林 明子君
    委 員
                阿達 雅志君
                岩井 茂樹君
                高野光二郎君
                松村 祥史君
                三宅 伸吾君
                渡邉 美樹君
                小林 正夫君
                直嶋 正行君
                安井美沙子君
               佐々木さやか君
                浜田 昌良君
                東   徹君
                松田 公太君
                中野 正志君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       経済産業大臣   宮沢 洋一君
   副大臣
       経済産業副大臣  山際大志郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        奥井 俊二君
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  本日の会議に付した案件
○株式会社商工組合中央金庫法及び中小企業信用
 保険法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
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○委員長(吉川沙織君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、林芳正君が委員を辞任され、その補欠として三宅伸吾君が選任されました。
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○委員長(吉川沙織君) 株式会社商工組合中央金庫法及び中小企業信用保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案に対する質疑は既に終局しておりますので、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 私は、日本共産党を代表して、株式会社商工組合中央金庫法及び中小企業信用保険法の一部を改正する法律案に対し、反対討論を行います。
 反対する第一の理由は、特別小口保証を全額保証から部分保証に後退させようとしていることです。
 全国三百八十五万の中小企業・小規模事業者のうち三六・六%に当たる約百四十一万者が信用保証付融資を利用し、このうち一〇〇%保証制度を利用した企業は七割を超える約百一万者にも上っています。担保至上主義の民間金融機関がこの十六年間で中小企業向け融資を約百兆円減らす中、信用保証協会が公的保証人となる信用補完制度は中小企業の資金繰りに大きな役割を果たしています。中でも特別小口保証は、地方自治体の制度融資や無担保・無保証人融資を支え、担保力、信用力の弱い小規模事業者の資金繰りの命綱としての役割を果たしてきました。
 本法案は、条文上、特別小口保証に部分保証を導入するものであり、認められません。審議の中で宮沢大臣は、NPO法人以外の小規模事業者について引き続き一〇〇%保証を継続すると明言されました。条文上も明記すべきです。
 第二の理由は、破綻した政策金融改革に基づく商工中金の完全民営化方針に依然として固執していることです。
 商工中金は、これまで金融危機や災害時にセーフティーネットの役割を果たす危機対応業務のみなし指定金融機関としてその任に当たってきましたが、これまで危機対応業務への民間金融機関の参入実績はなく、この先の参入の見通しも全くありません。危機対応業務は政策金融の重要な手段です。その実施を商工中金に義務付けるのであれば、まず商工中金の政策金融からの撤退と完全民営化方針を掲げた政策金融改革の破綻を認めるべきです。
 商工中金の完全民営化方針は撤回し、中小企業のための政策金融機関として位置付けし直すよう求めて、反対討論といたします。
○松田公太君 日本を元気にする会・無所属会の松田公太です。
 会派を代表して、株式会社商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論をさせていただきます。
 本法律は、商工中金の完全民営化の実現に向けて、二〇〇七年に成立しました。当時の目的は、小さく効率的な政府の実現のために、政策金融機関を再編し必要な業務を日本政策金融公庫に一本化するというものでした。そのために、五つの政府系金融機関が統合され、商工中金については、日本政策投資銀行とともに、二〇〇八年を起点とし五年から七年で政府保有の全株式が処分されることとなったわけです。
 しかし、二〇〇八年のリーマン・ショック、二〇一一年の東日本大震災によって、二度にわたっての先送りがされました。そのときは緊急対策も必要であったため理解はできますが、今回は明確な危機もなく、三度目の先送りがされようとしています。
 本法案には、既に審議でも明らかにされましたように、様々な問題点がありますが、その最大のものは、これが通ってしまえば法案の当初の目的を見失ってしまう可能性が高いということです。
 政府は完全民営化の方向性は変えないとしていますが、では、なぜゴールの達成時期を削除する必要があるのでしょうか。どんな目標を掲げる場合でも、期間を設定するのは常識です。人間でも組織でも、いついつまでにという時間的制約がなければ達成するための行動力は大きく減退してしまいます。また、危機対応業務を責務として規定したり、地域中核企業支援貸付制度を創設するなど、商工中金に対して新たに強固な機能を与えようとしています。これでは更に商工中金に対する依存度が高まりますし、役割が増えることによって、完全民営化はますます遠のくでしょう。
 その他、一度は民間出身者がトップになったにもかかわらず、二年前からは元経産省の事務次官が返り咲き、現在は三人の官僚OBが社長、副社長、監査役になってしまっていること、商工中金の肥大化によって競合する民間金融機関が不利な状況になってしまうことなど、天下り先の温存につながる、そして民業圧迫が悪化するといった問題も見えます。
 今こそ、もう一度原点に戻るべきです。危機対応等の政策金融業務については、商工中金や日本政策投資銀行よりも支店数が多く、セーフティーネット貸付けなどの実績も豊富な日本政策金融公庫に一元化するべきですし、政策金融改革を実現するためにも年月を区切って政府保有の株式の処分を断行しなければなりません。
 繰り返しですが、当初の目的をなし崩し的に変えようとしている本法案には賛成することはできません。
 以上で私の反対討論を終わります。
○委員長(吉川沙織君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 株式会社商工組合中央金庫法及び中小企業信用保険法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(吉川沙織君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、加藤敏幸君から発言を求められておりますので、これを許します。加藤敏幸君。
○加藤敏幸君 私は、ただいま可決されました株式会社商工組合中央金庫法及び中小企業信用保険法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、維新の党及び次世代の党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    株式会社商工組合中央金庫法及び中小企業信用保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 株式会社商工組合中央金庫(以下「商工中金」という。)のできる限り早期の完全民営化を実現すべく、民間金融機関による危機対応業務が十分かつ確実に実施されるよう、民間金融機関等とも緊密なコミュニケーションを取りながら、早期かつ万全の措置を講ずること。特に、平成二十年十月の危機対応業務開始以来、民間金融機関による同業務への参加が得られていない現況を踏まえ、現行制度の問題点を検証しつつ、完全民営化の実現の目途や道筋について必要な検討を進めその結果について公表すること。
 二 民間金融機関が危機対応業務を担えるようになるまでは、商工中金が危機対応業務を的確に実施できるよう万全を期すとともに、政府が株式を保有することにより、商工中金が競争上著しく優位となり民業圧迫とならないよう、政府によるガバナンスを強化すること。
 三 本法により介護事業や生活困窮者支援事業、中小企業と連携していない事業等を行う者も含め幅広い特定非営利活動法人に対して信用保険の対象が拡大されることに当たり、当該制度の活用を促進するべく、関係金融機関や特定非営利活動法人に対して本法の意義等について周知徹底を図ること。また、特定非営利活動法人は地域の経済・雇用の担い手として重要性が高まっていることや小規模企業に焦点を当てた中小企業政策を推進している現況に鑑み、今後、中小企業基本法の改正も視野に入れつつ、中小企業と同様に事業を行う特定非営利活動法人を主要な中小企業施策の対象とするべく必要な検討を行うこと。
 四 信用補完制度に対する多額の財政支援が継続している状況に鑑み、国民負担を軽減するとの観点から、全国各地の信用保証協会の業務の効率化及びガバナンスの強化を図ること。併せて、信用保証協会による保証業務や保証基準の在り方についても、不断の見直し及び検証を行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(吉川沙織君) ただいま加藤敏幸君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(吉川沙織君) 多数と認めます。よって、加藤敏幸君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、宮沢経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。宮沢洋一経済産業大臣。
○国務大臣(宮沢洋一君) ただいま御決議のありました本法案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。
○委員長(吉川沙織君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川沙織君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時十分散会