第189回国会 経済産業委員会 第12号
平成二十七年五月二十八日(木曜日)
   午後一時三分開会
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   委員の異動
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     三宅 伸吾君     林  芳正君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     渡邉 美樹君     世耕 弘成君
     荒井 広幸君     平野 達男君
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     阿達 雅志君     渡邉 美樹君
     平野 達男君     荒井 広幸君
 五月二十七日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     阿達 雅志君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         吉川 沙織君
    理 事
                磯崎 仁彦君
                宮本 周司君
                加藤 敏幸君
                倉林 明子君
    委 員
                阿達 雅志君
                岩井 茂樹君
                高野光二郎君
                松村 祥史君
                渡邉 美樹君
                小林 正夫君
                直嶋 正行君
                安井美沙子君
               佐々木さやか君
                浜田 昌良君
                東   徹君
                中野 正志君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       経済産業大臣   宮沢 洋一君
   副大臣
       経済産業副大臣  高木 陽介君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       岩井 茂樹君
   政府特別補佐人
       公正取引委員会
       委員長      杉本 和行君
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        奥井 俊二君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      山本 哲也君
       公正取引委員会
       事務総局官房審
       議官       南部 利之君
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局長      松尾  勝君
       公正取引委員会
       事務総局審査局
       長        山田 昭典君
       総務大臣官房審
       議官       長屋  聡君
       外務大臣官房参
       事官       武藤  顕君
       財務省主計局次
       長        太田  充君
       厚生労働省職業
       安定局雇用開発
       部長       広畑 義久君
       経済産業大臣官
       房長       日下部 聡君
       経済産業大臣官
       房審議官     平井 裕秀君
       経済産業省製造
       産業局長     黒田 篤郎君
       資源エネルギー
       庁長官      上田 隆之君
       資源エネルギー
       庁廃炉・汚染水
       特別対策監    糟谷 敏秀君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      多田 明弘君
       中小企業庁長官  北川 慎介君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       砂防部長     大野 宏之君
       観光庁観光地域
       振興部長     吉田 雅彦君
       気象庁地震火山
       部長       関田 康雄君
       環境省水・大気
       環境局長     三好 信俊君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       原子力規制部長  櫻田 道夫君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査
 (独占禁止法違反被疑事件に係る審査手続の適
 正化に関する件)
 (エネルギーミックス策定における原子力発電
 の位置付けに関する件)
 (特定放射性廃棄物の最終処分に係る基本方針
 に関する件)
 (中小企業の海外展開支援に関する件)
 (省エネルギー対策及び再生可能エネルギー導
 入拡大の課題に関する件)
 (四国電力伊方発電所の再稼働に関する件)
 (原子力に係る技術・人材の維持・発展の方策
 に関する件)
 (東京電力福島第一原子力発電所事故に係る除
 染の進捗状況に関する件)
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○委員長(吉川沙織君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十九日、三宅伸吾君が委員を辞任され、その補欠として林芳正君が選任されました。
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○委員長(吉川沙織君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官山本哲也君外十九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川沙織君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(吉川沙織君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○阿達雅志君 自由民主党、阿達雅志でございます。
 委員長、理事の皆様、本日は質問の機会を与えていただき、誠にありがとうございます。
 私は、長い間民間で日本企業の海外進出あるいは日本企業の海外での法律トラブルの解決を手伝ってまいりました。その経験から今日は質問をさせていただきます。
 アベノミクスの成長戦略で、中小企業にもどんどん頑張って海外に行ってもらおうということですが、実は既に海外に行っている大企業も海外の法律制度との違いでいろいろな苦労をしております。特に、この数年、自動車部品メーカーの国際カルテルが米国、EU、中国などの各国で厳しく摘発されている事態を非常に危惧しております。米国では日本の自動車部品メーカー二十六社に対して総額二千億円以上、中国でも十社に対して二百億円以上の制裁金が科されています。
 日本の製造業を代表する自動車産業において重要な役割を担うこれらの部品メーカーでこのような問題、独禁法違反という問題が次々と出てくるのは、これはなぜか、これについて御意見をお聞かせいただけますでしょうか。これは公正取引委員会。
○政府特別補佐人(杉本和行君) お答えさせていただきたいと思います。
 委員が御指摘されました自動車部品メーカーによるカルテルにつきましては、近年、我が国の公正取引委員会におきましても独占禁止法違反として摘発し、厳正に対処しているところでございます。
 具体的には、平成二十四年から二十五年にかけまして、自動車メーカーが発注いたします自動車用ワイヤーハーネス、それからオルタネーター等、さらにはヘッドランプ等、こういったものの見積り合わせに参加いたしました事業者に対し、また二十五年には軸受製造販売業者に対しましてそれぞれ排除措置命令、これは十一社に対してでございますが、これを発出いたしまして、十二社に対しまして総額三百四十三億二千五百六万円の課徴金の命令を発するに至っております。
 また、軸受業者につきましては、平成二十四年に三社及びその従業員七名に対しまして検事総長に告発もしているところでございます。
 公正取引委員会としてもこのように独占禁止法を厳正に執行しているところでございますが、企業におきましては、独占禁止法に違反するような行為、競争阻害行為、競争に反する行為に関しましては、国際的にも重大な規範違反であるということの認識を深めて行動していただく必要があると思います。特に、企業活動が国際化している状況においてはその必要性がますます高まっていると思います。
 このため、公正取引委員会といたしましても、企業における独占禁止法及び外国競争法に関するコンプライアンスの取組の推進にも努めているところでございます。
○阿達雅志君 非常にこれ金額も大きい話ですし、大規模な問題と。やはり、こういう独占禁止法をちゃんと守っていただくというのは非常に大事なことだとは思うんです。
 ただ、その一方で、実は私は、この自動車部品メーカーで価格カルテル問題が発生した背景には日本のすり合わせ式の製造方法があるんじゃないかというふうに考えるんです。それは、日本の自動車メーカーの下で、部品メーカーが協力してコスト削減のために設計や製造方法を工夫し、部品の開発を進めるといういわゆるすり合わせの過程でどうしてもコスト情報を共有してしまう。また、あるいは共同で開発したという経緯があるために、どうしてもその後で部品メーカーで仕事を分け合ってしまう、こういうことが独禁法違反につながっているのではないかというふうにこの自動車部品メーカーについては思うわけでございます。
 そうすると、こういうすり合わせ方式の製造方法自体は、やはり日本の産業競争力にとっても非常に大事な一つの方法だと思いますし、これからも日本が海外で競争力を発揮する上では、こういう製造方法というのはある程度残していかないといけないのではないか。
 そうなると、やはり競合メーカー間の共同研究開発や情報交換について、独禁法違反とならないような、そういうやり方を考えていかないといけないのではないかと思うんですけれども、これ経済産業省としてこういうすり合わせ方式の製造方法についていかがお考えか、どなたでも結構ですが、ちょっと御説明をいただけますでしょうか。
○政府参考人(平井裕秀君) 御質問にお答え申し上げます。
 先ほどの御質問にもあったところでございますけれども、近年こうした事例が増えてきてまいりましたその背景につきましては、米国、EUを始めとした先進国にとどまらず、新興国まで含めて自動車部品カルテル事件に関して摘発された事件というのが非常に重畳的に起こっていることは事実でございます。そうした事案につきましては、先生の御指摘された側面もあろうかとは思いますけれども、それぞれ事情が異なる中で、一括してこれが全て共同開発若しくはすり合わせの研究開発によるものだということを申し上げることはなかなか難しいかと思っております。
 ただ、あえて申し上げれば、近年、こうした各国の競争当局が競争法の執行を全体的に強化していくという流れの中で、そうした流れに合った形で、自動車部品メーカーを含む我が国企業全体がこうした時代の流れ、世界の動きということに十分に対応したコンプライアンス体制を築いてこれなかったといったような側面が強いのではないかというふうに考えているところでございます。
 経済産業省といたしましては、これまでも業界団体等を通じまして海外競争法に関する注意喚起及び企業のコンプライアンス体制の整備の先進的事例についての周知といった独禁法に関する我が国企業のコンプライアンス向上に向けて取り組んできているところでございます。
 ただ、こうした事態に直面いたしまして、この事実を重く受け止めまして、この四月には改めてこうした直近の事例も含めた見直しを行いまして、各国競争法の執行状況とコンプライアンス体制に関する報告書といったものをこの四月にまとめまして、この報告書の内容を現在各業界団体に周知徹底を再度図っているところでございます。
 御指摘の共同研究開発といったような関係も含めまして、今後とも、引き続き各社に対する独禁法に関する我が国企業の遵法意識の徹底、その涵養、再発防止に向けて取組を行ってまいりたいと考えているところでございます。
○阿達雅志君 どうもありがとうございます。
 やはり、製造業のみならず、日本のこういう産業、各社それぞれにいろんなビジネス慣行を持っておりますので、是非、通り一遍なガイドラインということではなく、それぞれの分野、そういうことに丁寧な指導、あるいはそういうガイダンスというのをまとめていただければと思います。
 では、ちょっと次のテーマに移らせていただきたいと思います。
 実は、海外の自動車部品カルテルでは、米国やドイツの部品メーカーも何社か実際には摘発されております。つまり、米国、ドイツ、日本それぞれの部品メーカーが、製品が販売された米国、欧州でそれぞれの独占禁止法当局によって調査にさらされております。
 そこで、各国の独占禁止法における調査手続の違いが問題となっております。国際カルテルの調査、摘発では、日米欧の独禁法当局がそれぞれ反競争的行為に関する政府間協定によって調査協力をしているものと理解しておりますが、間違いないでしょうか。また、協力の内容はどうでしょうか。公正取引委員会、お願いします。
○政府参考人(南部利之君) 御指摘いただきましたとおり、日本政府としまして、平成十一年十月に米国と、それから平成十五年七月にEUとの間でそれぞれ二国間独占禁止協力協定を締結しておりまして、これらの協定に基づきまして競争当局間の協力を行っております。
 これらの協定におきましては、当委員会と米国又は欧州の競争当局との間における通報、情報交換、執行活動の要請あるいは調整、当局間の意見交換等について定められているところでございます。
○阿達雅志君 実際には、調査においてもそうやって協力をされているということだったわけです。そうしますと、欧米のいろんな手続と比較した場合に日本の調査手続はどうなのだろうか。これについては、従来から日本の調査手続は適正手続の保障が不十分なのではないかという指摘がなされてきております。
 そのため、平成二十五年の独占禁止法改正法附則第十六条では、政府は、公正取引委員会が事件について必要な調査を行う手続について、我が国における他の行政手続との整合性を確保しつつ、事件関係人が十分な防御を行うことを確保する観点から検討を行い、この法律の公布後一年を目途に結論を得て、必要があると認めるときは、所要の措置を講じるものとすると規定されております。また、衆議院経済産業委員会では、更に突っ込んだ附帯決議がなされております。
 これに伴って設置された独占禁止法審査手続についての懇談会は、平成二十六年十二月二十四日付けで報告書をまとめております。ところが、この報告書を読むと、立入検査における弁護士立会い権、検査当日のコピー権、供述聴取時の弁護士立会いあるいは供述聴取過程の記録、それから弁護士・依頼者間秘匿特権、このいずれについても認められていない。
 そうすると、政府は、改正法附則十六条、衆議院附帯決議にもかかわらず、この後どういうふうに考えていかれるのか、実際にはもう所要の措置をとられないということなのか、その辺所見をお聞かせいただきたいと思います。
○政府特別補佐人(杉本和行君) 委員が御指摘されました平成二十五年の独占禁止法改正法の附則第十六条、さらには国会の附帯決議等に鑑みまして、御指摘になられました独占禁止法審査手続についての懇談会というものが内閣府特命担当大臣の下に設けられまして、二十六年の二月から開催されて、約十か月間御議論いただきまして、報告書をいただいたところでございます。
 この報告書におきましては、現状の仕組みの下では、秘匿特権や供述聴取時の弁護士の立会いなどの防御権について、公正取引委員会の実態解明機能への影響が懸念されることを主な理由として、これらを認めるべきとの結論には至らなかったとされております。
 他方、立入検査時に弁護士を立ち会わせることや立入検査当日の提出物件のコピー、謄写につきましては、公正取引委員会の実務上既にこれを認めているところでございまして、また供述聴取時の弁護士の立会いについては、公正取引委員会における実務では、供述人の食事等の休憩時間は適切に確保し、その間に弁護士に相談することが可能となっているところでございます。
 報告書におきましては、こうした取扱いを審査手続に関する指針を作成、公表して明確にするように求められているところでございます。また、供述聴取時に審査官の対応に問題がある場合に対応するため、苦情申立て制度の創設が求められております。
 公正取引委員会といたしましては、この提言を踏まえまして、独占禁止法審査手続の適正化をより一層確保する観点から、当該指針や苦情申立て制度の創設について鋭意検討を進めてきているところでございまして、できるだけ早期に実現を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○阿達雅志君 ありがとうございます。
 いろんな国でそれぞれの制度の違いというのがある、それから独禁法違反事件を調べる上でもそれぞれが持っているツールが全然違う、これは非常によく分かるわけですけれども、ただ、日米欧の独禁法当局がいろいろ調査協力をやっている中で、日本企業だけが欧米並みの手続保障を受けられない、その結果不利になるということがあるというのはやはりどうなのかなという気がいたしております。
 また、今委員長から、実態解明の妨げになるのではないかということがございましたけれども、私は、こういう法的手続において適正手続の保障を高めることが実態解明の妨げになる、この論理よく分からないんですね。つまり、刑事事件なんかにおいても、その手続保障を高めることによって逆に実態が分かる、こういうことが本来言われているわけですから、行政手続においても本来は実態解明をするためにもこういう手続保障をしっかりしていくということもあっていいんじゃないかというふうに思います。
 その中で、やはり私、特に気になっていますのは、日本だけが弁護士、依頼者間の秘匿特権、これを今制度として認めていない。これは独占禁止法に限るわけではないんですけれども、ただ、この独占禁止法の場合に特に各国間で調査協力をやっている。その中で、日本でこういう秘匿特権が認められないことによって、公正取引委員会に提出させられた書類、弁護士とのいろんな相談、この記録が海外の当局に日本の企業についてだけ渡ってしまう。そういうことがあると、これは海外の当局とのいろんな交渉の中で日本企業だけが非常に不利になっていくのではないか、こういうふうに思うわけです。
 特にこういう弁護士の秘匿特権というのを考えたときに、弁護士にいろいろ相談することによって、それによって逆に将来的に法律をちゃんと守っていこう、ちゃんとやっていこうということで相談をするわけですが、実はこれ、弁護士と相談をしていると、その記録がそのまま当局に持っていかれて、それを基に追及をされる。弁護士と相談した方が不利な事態が起きるのではないか、こういうふうに懸念をするわけでございます。
 ですから、ちょっと、弁護士に相談していた場合の方が立件が容易になされかねないということはおかしいのではないか、それからまた、中身が海外の当局に伝えられる、こういうことはあってはおかしいのではないかというふうに思いますけれども、そこら辺について公正取引委員会の見解を聞かせていただけますでしょうか。
○政府参考人(松尾勝君) 御指摘がございましたとおり、弁護士・依頼者間秘匿特権につきましては、我が国におきましては、独占禁止法の審査手続以外の他の行政手続や刑事手続においても認められておりません。
 独占禁止法の審査手続におきましては、欧米に比しまして調査協力へのインセンティブ等が低い制度の下で、事業者、弁護士間のコミュニケーションにつきまして秘匿特権を認めた場合には、実態解明プロセスにおいて違反行為に係る事実へのアクセスが困難になるおそれがあることに加えまして、その濫用を効果的に防止する手段も存在していないということもありまして、問題があるというふうに考えてございます。
 また、公正取引委員会に書類が提出されると日本企業だけが不利になるのではないかというような御指摘もございましたが、公正取引委員会といたしましては、独占禁止法上の調査権限に基づいて収集いたしました調査物件等のうち、欧米において弁護士・依頼者間秘匿特権の対象となり得るものにつきましては、これまで公正取引委員会から海外の当局に提出いたしたことはございません。また、今後も提出することは考えておらないところでございます。
○阿達雅志君 やはり、今のお話の中で、弁護士にいろいろ相談すると実態解明の妨げになる、何かいろいろ隠されるのではないか、これはちょっと弁護士さんたちは非常に今のお話を聞くと不満に思うんじゃないかと思うんですね。やっぱり濫用される危険というのをちょっと大きく見過ぎなのではないかなというふうに思います。
 ただ、やはりこれ、各国のそれぞれの制度、いろんなその背景もございますし、それから、そういうコンプライアンスについてのそれぞれの意識の違いもあるということですけれども、日本企業だけが海外でいろいろやっていった場合にこういう適正手続の面で不利になる、やはりこれは非常に私は問題だと思っておりますので、今後、この改正法の附則に対する対応を考える上でも、できる限り日本企業も海外企業と同じように適正手続を保障される、そういう中でコンプライアンスをしっかり守って、さらに、コンプライアンスを守らせるような、そういう仕組みができるように是非お取り組みをいただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。
○直嶋正行君 民主党の直嶋でございます。
 今日は、せっかく一般質疑でお時間をいただきましたので、原子力の問題について、宮沢大臣や田中原子力規制委員会委員長中心に御所見を幾つか伺っていきたいと思います。
 まず、原子力を考える場合にやはり触れなきゃいけないのは、あの福島第一原発の事故だと思うんです。それまで政府は、原子力については、科学的見地に立ってきちっと安全対策をしているので安全であるということを一貫して言ってきました。絶対安全だと言う人もいたと思うんですが。しかし、残念ながら福島で三基の原発がメルトダウンを起こすという大変大きな事故が起きてしまったと。これは、私も原子力行政に関わった一人としてもう痛恨の思いであります。まだ福島では、申し上げるまでもなく、汚染地域の放射線量が下がらないとか、汚染水や汚染土の処理も未解決のままでありますし、廃炉に向けて、四十年ぐらい先と言われていますが、私が見る限り気の遠くなるような作業を、あるいはその努力を続けているというのが実情であります。
 昨日、報道によりますと、川内原発の再稼働がかなり大詰めに来ているという報道もございました。ただ一方で、やはり原子力に対する国民世論は非常に厳しいと言わざるを得ないと思うんです。今でも、やはり各種世論調査見ますと、若干の数字の違いはあっても、六割ぐらいの方が原発の再稼働に反対している、そういう状況でありまして、原子力を利用していくことについて国民の理解が得られている状況とはとても言えない、こういう状況だと思うのであります。
 そこで、まず最初に、この福島の事故の受け止めと、今申し上げた、国民の過半の皆さんが反対をしている、こういう現実を経済産業大臣としてどのように受け止めて、これからどう対処されようとしているのかを宮沢大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(宮沢洋一君) 福島の事故につきましては、まさにあってはならないことが起こってしまったわけでございます。大きな、そして多くの反省がございます。そしてまた、今なおいわゆる原発の被災地からだけで八万人に近い方が避難生活を余儀なくされているということは、本当に申し訳なく思っております。
 一方で、今いろいろ世論調査をいたしまして、原発の再稼働について反対の方が多いということは承知をしております。やはり、四年前のあれだけ大きな惨事が国民の皆様の頭から離れないということ、更に言えば、まだ避難を余儀なくされている方がたくさんいらっしゃるということ等々、いろんな意味で再稼働に反対する方が多い原因になっているんだろうというふうに思っております。
 ただ一方で、例えば原発再稼働についてはそういう世論調査でありますけれども、まだ世論調査はされていないものも、例えば温暖化目標につきまして、今、二六%、二〇一三年比減ということで作業を進めているわけでありますけれども、これについて世論調査をすれば、二六%ではまだ足りないというような御意見が恐らく世論としては多いんだろうと思いますし、また、今回のエネルギーミックス策定に関しては、電力料金を現状よりは下げるということを目標にエネルギーミックスを策定いたしましたけれども、世論調査をすれば、もっと電気料金は下がった方がいいと、こういう御意見が恐らく多いんだろうと思います。
 再稼働をしない、そして温暖化目標を二六%以上に高める、また電力料金を相当下げるということは、実はこれは恐らく可能ではない選択肢でありまして、そういうことをしっかりこれから私どもが国民の皆様に説明していくということが大変大事なことだろうというふうに思っております。
○直嶋正行君 いろんな調査で必ずしも整合性が取れる結果が出るわけじゃないんですけど、おっしゃった部分もあるかもしれませんが、一方で、やはり四年たって、なおかつこういう非常に根強い反対があると。今お触れになったエネルギーミックス等も後ほど議論させていただきたいと思っておりますが、そういう状況で、原子力の話と、その世論の形成にもかなり影響していると思うんですけれど、当面この原子力を使う、今後使う使わないということとは別にしまして、やはり乗り越えなきゃいけない最重要課題として、いわゆるトイレのないマンションと、こう言われておりますが、放射性廃棄物の処分の問題があると思うんです。
 先週閣議決定をされて高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針を発表されましたが、これで具体的なことがすぐに進むわけではないと思うんですね。この辺の話は後ほどちょっと一緒にお伺いしたいと思うんですが、取りあえず、この段階で、先ほど申し上げたトイレのないマンション状態と言われていることに関して、先ほど申し上げた世論の動向等を含めて大臣の御認識を承りたいと思います。
○国務大臣(宮沢洋一君) ともかく早くトイレを造らなければいけないということは間違いないわけでございまして、そういう観点から、二〇〇〇年に最終処分法が施行されましたけれども、残念なことに処分地選定の最初のプロセスであります文献調査にも着手できていないというのが今の状況でございます。こうした状況を反省いたしまして、一昨年から最終処分政策の抜本的な見直しに向けた検討を行いまして、今般、最終処分法に基づく基本方針を七年ぶりに改定したところでございます。
 この基本方針では、これまでのいわゆる手挙げ方式から転換し、国が前面に立ち科学的有望地を提示するなどのことを方針としております。今後、まず新たな方針として国民や地域の理解を得ていくことが必要でありまして、国として全国各地を訪問いたしまして、地域の方々や自治体に対する理解活動を積極的に展開していく予定でございます。
○直嶋正行君 今の大臣のお答えも含めて後ほどちょっと議論をしたいと思うんですが、その前にエネルギーミックスの原子力についてお伺いをしたいと思います。
 先般、これは正式決定ではないというふうに聞いていますが、政府が公表されましたエネルギーミックスによりますと、原子力の割合が二〇から二二%という幅の中で示されております。これは近々正式決定に至るんだと思うんですが、時期がかなりずれそうだという話もお聞きしているんですけど、大臣としてはいつ頃にこれを正式に政府としての決定をしていきたいというふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 四月の二十八日の審議会におきまして、エネルギーミックスの骨子がまとめられました。そして、その後でありますけれども、まず与党の手続というものは昨日で終了をいたしております。一方で、報告書案というものを審議会で取りまとめていただく作業を今しているところでございます。そして、報告書案がまとまりましたらば、これをパブリックコメントにかけるということをさせていただきます。
 そして、パブリックコメントをいただいた上で更に検討をして最終的なエネルギーミックスが確定するということになりますけれども、パブリックコメントをやはり丁寧にやっていくというようなことを考えますと七月半ば以降に正式に決まってくると、こういうことになろうかと思っております。
○直嶋正行君 正式決定が随分後ろへずれたなという印象はあるんですが、多分数字は余り変わらないだろうと思いますので、この数字前提にちょっと議論させていただきたいと思いますが。
 今申し上げたように二〇から二二ということなんですが、それで、御承知のとおり、私どもは、三〇年代ゼロにできるように政策資源を集中したいと、こういう考え方でございます。そういう観点からいきますと、二〇一五年、今現在、福島等の原発を除きますと、四十二基一応存在していると、使う可能性のあるものというんですかね、これは廃炉が決めたものも除いております。それで、私どもの仮に方針に基づいて例えば四十年使って廃炉にしていきますと、二〇三〇年で二十一基になります。このときは、ざっと言うと原子力の比率が一五%ぐらいということになります、粗っぽい計算ですけど。
 ということになるんですが、二〇から二二ということになるとやはりそれでは間に合わないということですから、手段としては、例えば新増設するとかあるいは今使っている原発の使用期間をどれか延ばして使っていくと、こういうことにならざるを得ないんではないかと思うんですが。
 それで、大臣は衆議院の委員会で、原発の新増設、リプレースは現時点では想定していないと、こういうお答えをされています。それから、今回のエネルギーミックスについても、新増設、リプレースは想定していないと、こういうふうにおっしゃっています。確かに、今決めても二〇三〇年に間に合わないと思うんですけど。
 ということになりますと、一つこれ確認なんですが、二〇三〇年までの間について原発の新増設、リプレースはお考えになっていないと、こういう理解でよろしゅうございますか。
○国務大臣(宮沢洋一君) まず、四十二基というお話がございましたけれども、私どもの計算では、震災前に五十四基ございまして、そのうち福島第一の六基を除きますと四十八基になり、そしてその後、関電等で廃炉の方向を決めた炉が五基ございますので、四十三基ということが考えております。
 そして、今の御質問にお答えいたしますけれども、衆議院でもお答えいたしましたように、現段階で新増設、リプレースは想定しておりませんし、また今回のエネルギーミックスにおいても新増設、リプレースというものは想定しておりません。
 したがって、やはりまず、これは民主党時代に作られた原子炉等規制法でございますけれども、四十年が原則でございますけれども、一回限り二十年を限度に延長を認めているという制度を事業者が希望すれば、そして規制委員会において適合性が判断されればこの再稼働を進めていくということと、もう一つは稼働率を高める工夫をいろいろしていくということを頭の中に描いております。
○直嶋正行君 今お話しのように、この四十年の使用期限を上限を使って活用していこうと、こういうことなんですが、ざっとそれで私ども計算しますと、さっき一基ちょっと計算は違ったんですけど、大体、能力的に言うと五基から七基、大臣がおっしゃったように稼働率上げると少し変わってくるかもしれません。ただ、どっちにしても二十一、二基のうちの五基から七基を動かす、延長して使うということになると、これは果たして妥当な判断と言えるのかどうかというのは率直に言って疑問がございます。
 元々この原子炉規制法の四十年運転制限というのは、おっしゃったように民主党政権時代ですが、自民党さん、公明党さん含めて賛成をいただいて、与野党協議をして、その上で議員立法の形で国会に提出した法案であります。これは、さっきもちょっと福島の話申し上げましたけど、福島の事故の教訓を生かして、原発の安全性を確保するという観点から、科学的な根拠に基づいて四十年の上限を決めたというふうに私は理解をいたしております。
 したがって、それはさっきもちょっと大臣おっしゃったんですが、要は原則は四十年で、例外なんだと、私はそういうふうに解釈しているんですけど。例外規定を積極的に活用していくということになると、これは立法上の趣旨、それから、そもそも始めた経緯からいってやはり逸脱することになるんではないかというふうに思いますし、好ましいことではないと、こういうふうに思うんですが、大臣、そこはどうなんでしょう。
○国務大臣(宮沢洋一君) まず、四十年を超えて延長するかどうかを決めるのは事業者ということになるわけでございますけれども、事業者がそれぞれの判断で、例えば関電は判断を既にしたわけでありますけれども、判断で延長を希望し、そしてそれを規制委員会に審査をお願いするというのは法律上書かれていることでございまして、原則とか例外ということではなくて、法律上のある意味では権利だろうというふうに思っておりまして、それを私どもが止めるということは権限的にはあり得ないんだろうと思っております。
○直嶋正行君 法律上は大臣がおっしゃったことなのかもしれませんが、しかし、これは政策的にいっても、まして先ほど議論させていただいたように、世論の皆さんは、まだ動かすことにすら反対しているというのがマジョリティーなんですよね。そういう中で果たしてこういうことをやっていくというのが本当に、さっき大臣がおっしゃった国民の皆さんによく御理解をいただいてということになるのかどうかなんですが、私は政治的にも非常にこれは難しいんじゃないかと思うんですけど、いかがなんでしょう。
○国務大臣(宮沢洋一君) 委員と私の恐らく一番の立場の違いはそこだろうと思っておりますけれども、私どもの政権におきましては、四十年を超える炉も含めて、規制委員会で適合と認められた炉については再稼働を進めていくというのが私ども政府としての方針でありますし、また、そういうことを衆議院選挙の公約にも書かせていただいて、三百議席近い議席をいただいたというのが私は事実だろうと思っております。
○直嶋正行君 ちょうど福島の事故の後ですが、この法案でいろんな議論があったんですが、一番は、四十年で止めて、四十三条の三の三十二の二項なんか要らないと、こうおっしゃったのが公明党の皆さんですね。それから、もちろん私どもも、当時担当が細野大臣だったと思いますが、しっかり四十年ということで申し上げてきたと思うんですが。
 これ、高木副大臣、ちょっと事前に通告はしなかったんですけど、もし何かコメントを聞かせていただけるんでしたらお願いをいたします。
○副大臣(高木陽介君) 今委員御指摘のように、三・一一が起きまして、国民の大半の皆様方は、原発に対しての危険性又は安全性の問題、いろいろと議論があったと思います。そういった流れの中で、当時は民主党の政権でございましたが、新しい第三者機関として規制委員会をつくると。そういった中で、当時、ちょうど二年半前の衆議院選挙でございましたけれども、そのマニフェストの議論の中で、私どももこの四十年というものをしっかりと厳守していこうと、そういう考えを持ちました。
 しかしながら、その後、規制委員会が新たな基準を作り上げましたので、この基準に基づいて原発というものが動いていくと。この原子力規制委員会の作り上げた新基準は、あらゆる分野においてその安全性を確認していくという世界で最も厳しい基準になっているという、こういう認識でございます。
○直嶋正行君 今規制委員会のお話もありましたが、田中委員長にこの点についてお伺いしたいんですが、例えば規制委員会ができる前の古い基準でも、高経年原発については、三十年を超えるものについては十年単位でチェックというんですか、安全を確認していく、特に劣化状況とか原子炉の脆化について確認をしていくという仕組みがあります、これは今も使われていると思うんですが。元々、原子力発電所の高経年化したものについてはやはりそういう心配が大きいので、三十年以上のものはちゃんと確認をして使うと、こういうことになっているわけで。
 その中でこの四十年というのを決めました。ということでいうと、私は、やはりこの四十年の規制というのは非常に大事にしなきゃいけないし、科学的にもちゃんとした根拠のあるものであるというふうに思うんですけれども、委員長の御所見はいかがでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 四十年の運転期間については、立法時の国会審議を私も随分読ませていただきましたけれども、経年劣化等に伴う安全上のリスクを低減する観点から、原子炉設置許可の審査に際して、設計上の評価が運転開始後四十年の使用を想定して行われているというようなことも多いことも考慮して原則四十年にしたというふうに理解しております。
 ただし、私どものベースになります原子炉等規制法においては、私どもが認可できたものについては二十年、一度だけですけれども最大二十年の延長を認めるということになっておりますので、事業者から申請があれば、その法の趣旨にのっとって厳格にきちっと審査をしていくという考えでおります。
 例えば、経年劣化一つ取りますと、四十年から次六十年になりますので、その後の二十年間の経年劣化等についての見通しについても相当きちっと見ていく必要があると思いますし、新しい規制基準ではバックフィット規制が入りましたから、この新たな新基準にきちっと対応しているということがまず前提で、その上で今の先生御指摘のような高経年化についても当然見ていくということが必要になります。
○直嶋正行君 役目上、申請があれば審査をしなきゃいけないというのは分かるんですけれども、先ほども委員長がおっしゃったように、今御答弁の中でもおっしゃいましたが、やはりこれ原則なんですよね、使用の。ですから、恐らく国民の皆さんも、やはり四十年というのが頭にあると思うんですよ。私どもも当然そういうつもりで考えておるわけですけれども。
 是非ここは、これから審査されるので余り予断を与えるようなことを申し上げるのはどうかと思いますけど、しかし、当時の法律の制定にも関わった者として、やはり大事にしていただきたいし、国民の皆さんの信頼をやはりしっかり重視をしていただきたいと、このことを要請をさせていただきたいと思います。
 それで、続きまして、ちょっと話題を変えますが、エネルギー基本計画の中で、やはりこれも昨年出されたエネルギー基本計画なんですが、新たに政策の基本的視点という形なんですが、安全性というのを重視をするということが打ち出されております。ちょっとポイントのところを読み上げますと、エネルギー政策の基本的視点として、エネルギー政策の要諦は、安全性を前提とした上で、安定供給を第一とし、最小の経済負担と環境への適合を図るため最大限の取組を行うとある。こういうことで、安全性が前提なんだと。よく3EプラスSとかおっしゃるんですけれども、この言い方はこの表現からいくと少し誤解を受けるんじゃないかなと私はちょっと危惧しています。やはり安全性が前提であるということを明確にここで述べています。
 この安全性という概念、考え方について田中委員長にお伺いをしたいんですが、たまたまこれ私拝見したんですが、原子力規制委員会の委員をされていた大島さんがお辞めになるときに記者会見の中でいろいろおっしゃっていて、特に、原子力の安全性の向上に必要な条件を三輪車に例えると、前輪が規制基準、後輪が事業者の安全文化と防災、避難計画の二つだと、こういうふうにおっしゃっています。
 たしか田中委員長も以前、私どこかで拝見したんですが、規制基準と防災は車の両輪だと、こういう言い方をされておりまして、この安全性という概念の中には当然、例えば非常時の住民の避難計画を始めとした様々なものが含まれるというふうに理解をさせていただいてよろしいでしょうか。田中委員長にお伺いします。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先生御指摘のとおりで、私自身も、安全性の中には防災・避難計画もきちっと入ったような、実効的なそういうものが入っているべきものと理解しております。
 ただし、防災・避難計画、そちらについての策定は当該自治体だし、国でいえば内閣府防災の方が私どもから独立した形で今担当しておりますので、そこは協力しながら、私ども、きちっとした実効性のある防災・避難計画の策定に御協力をさせていただいているところでございます。
○直嶋正行君 何か先回りされちゃったみたいですけれども、防災・避難計画の話はまた後、改めてさせていただきます。
 それで、もう一点なんですが、さっきちょっと宮沢大臣からもお答えをいただきました、いわゆる使用済核燃料の再処理後の高レベル放射性廃棄物、こういう高レベル放射性廃棄物を始めとする使用済燃料の中間貯蔵であるとか、あるいは廃炉に伴って出てきます様々な低レベルと言われる放射性廃棄物、これの処理とか処分をきちっとやるということも私は安全性ということの中に入っていると思うんですけれども、この点についてはいかがでしょう。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先生御指摘のとおりでありまして、放射性廃棄物、いろんなレベル、いろんな区分がありますけれども、これをきちっと安全に管理処分、処理処分をしていくというのは安全の中の大きな要素であろうというふうに理解しております。
 現在、特に廃炉というのが幾つか、今回、五基について新たに廃炉の計画が出てまいりましたので、これにつきましては、廃炉廃棄物、原子炉一つ廃炉にしますと様々なタイプの放射性廃棄物が出てまいりますので、最も厳しいところでは、少し放射能のレベルの高いもの、これは地下、地中に埋めるというようなことで、それの基本となります基準策定作りに今取りかかったところでございます。それをベースに事業者がきちっと処分場の選定をしていくというプロセスになろうかと思いますので、具体的に決まってくれば、またそこの安全については私どもが評価させていただくということになろうかと思います。
○直嶋正行君 ありがとうございました。
 今お答えあったように、要は放射性廃棄物の処理処分も安全性という概念の中に含まれるということでありまして、これは当然のことかもしれませんが、改めてちょっと確認をさせていただきました。
 さっきちょっと議論をしたんですが、私は、高レベル放射性廃棄物の処分が、今、さっき大臣がお答えの、行き詰まってきて新たな方針を出されたんですけれども、こういうものがやはり中間貯蔵等にもいろいろ影響が出て、全体に廃棄物の処理が遅れている、あるいはいろいろ心配な点が出てきているということにつながっていると思うんです。
 それから、さっきから申し上げていますように、これからの原子力はやはり廃炉時代だと思うんです。もちろん、一部は延ばして使うのかもしれません。いずれにしても、廃炉が増えてくると思うので、こういう廃炉の時代を迎えて改めて思うのは、今後の原子力というのは、やはりこうした廃棄物によって制約を受ける、廃棄物制約を伴ってくる、私はそういう受け止めをしているんですけれども、この点について大臣はどういうふうに見ておられるんでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) まず、今回再稼働を進めていくということと今お話しになったことはかなり時間的な違いがあって、すぐにその制約を再稼働が受けるというものではないと思っておりますが、長い将来を見たときに、まず中間貯蔵につきましても、その場所をしっかり確保を更に進めなければいけない。また、六ケ所村の再処理についても、やはりしっかりと稼働してもらわなければいけない。また、いずれ最終処分という話も出てきまして、中長期的に見れば、原子炉を動かすこと、まさに原子力をどう使っていくかということと、今おっしゃったような中間貯蔵であり、再処理であり、最終処分というものは当然関係しているというふうに考えております。
○直嶋正行君 そこで、先ほどお話あったように、先週五月二十二日に新たな方針を閣議で決められました。いずれ、これに続く廃棄物の処分計画も多分改定をされることになるのではないかというふうに思っておりますが、実は、これまでありました、平成十二年ですね、最初に法律を作って基本方針を出した、それから平成十七年に第一回の計画の改定をした、平成二十年に二回目の改定をしております。
 今回が三回目の改正と、こういうことになるんですが、過去二回の改正を見ますと、ちょっとスケジュール的なところで申し上げますと、いわゆる精密調査地区を決めて、そこから実際の処分場を決めて、それからその後、建設をして処分が始まると、こういうことになるんですけれども。この精密調査地区を選定するというのが、当初の二〇〇〇年、平成十二年の法律ができ、その後できた処分計画では、平成二十年代の前半というふうに規定しています。最初に改定された平成十七年の計画を見ると、やはり平成二十年代前半を目途に精密調査地区を選定と、こういうふうになっています。それから、平成二十年の処分計画を見ても、これは平成二十年代中頃を目途に精密調査地区を選定と、こうなっているんですよね。
 実は、十五年前に決めたこの精密調査地区の選定というのは、平成二十年代の初め、その後ちょっとずらして中頃と、こうなったんですが、もう平成二十七年ですから、何もしないうちに全部過ぎちゃったと、こういうことになると思うんです。結局、そういう意味でいうと、十五年前にいろいろ決めてきて、大体こんなことをやりましょうというふうに決めたことが、ちょっと極端かもしれませんが、一歩も進んでいないと。
 まあいろんな研究活動はしていますよ。私も、実はこの放射性廃棄物の処理はやはりこれから重要だと、さっき申し上げたとおりで、過去に、去年ですかね、去年は瑞浪の研究所を見学させていただきましたし、フランスのビュールやフィンランドのオルキルオトも拝見させていただきました。これは民主党の調査会として見せてもらったわけですけれども、それなりにしっかりやっぱりやらなきゃいけないという思いでおります。
 そういう中で、結局、さっき申し上げたとおり、ほとんど何もできずに破綻をしてしまった、そして今回新しく作り直したと、こういうことなんですが、この現実について、大臣、これは非常に深刻な話だと思うんですけれども、どのように受け止めておられるでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 先ほど御答弁申し上げましたように、二〇〇〇年に最終処分法が施行されて、おっしゃるように十五年たつわけですけれども、ほとんど進んでいないということは事実でございます。
 そして、その間、手を挙げかかった地域もあったわけですけれども、なかなか中がまとまらなかったようなことを経験しながら、最近において、四年前において福島の事故を経験したという中で今回最終処分についての基本方針というものを改定をさせていただきまして、今審議会の下のレベルで、その候補になり得る地点の要素といいますか条件といいますか、そういうものを、条件づくり、基準作りといったものをやっていただいておりますが、まさに私どもの世代で解決をしなければいけない大変重要な問題だと思っておりまして、基本方針を改定する、そして審議会での議論を更に進める、そしてそう遠くないときに処分計画自体も変えていかなければいけないと。
 そういう中で、全力を挙げて取り組んでいかなければいけない問題だと認識しておりますので、私自身も先頭に立って対処する考えでございます。
○直嶋正行君 それで、その過去の処分計画を拝見していて、もう一つちょっと確認をしたいのは、全体的にいうと、最終処分はガラス固化体にして四万本ぐらいを処分しようと、こういう方針で来ているわけですね、ここは変わっていないと思うんですが、まあこれから変わるのかもしれません。
 ただ、過去のこの処分計画を拝見しましても、大体この四万本に到達するのが平成三十二、三年だというふうに記述をされています。今六ケ所の施設が止まっていますから、それから今現在原発は稼働していないわけですから、多少のずれはあるんだろうと思うんですが、平成三十二、三年ということになると、まあ十四、五年先ですか、ああ、失礼、今二十七年ですからそんなに長くないですよね。ちょっと数字に弱いものですからあれですけれども。まあ本当に五年から七年という話ですよね、ぐらいの間にということになるんですけれども。
 こういうことを考えると、それまでに従来の計画でいうと目鼻を付けなきゃいけなかったというふうに思うんですけれども、ここはどうなんでしょう、やはりできるだけ早く目鼻を付けないといけないと、こういうふうにされているのか。あるいは、法律の中に、処分計画に書かなきゃいけないことがたくさんあります。処分を行う時期とか量とか、施設の規模だとか処理能力だとか、書きなさいというのは法律の中にうたわれています。それに基づいて処分計画作られてきたんですけど、そもそもからもう一回見直すと、こういうことになるのか、そこら辺についてはいかがなんでしょう。
○国務大臣(宮沢洋一君) まだその処分計画の変更について検討を始めたわけではないわけでございますので、なかなか中身については申し上げにくいわけですけれども、やはりこれまでの流れというものは当然ございます。
 そして一方で、この原子力災害を経験して、当然のことながら、先ほどもおっしゃったように、廃炉といったものが相当出てくるということも事実でございまして、そういうことも全面的に含めて、全面的な見直しというものが当然必要になってくるだろうというふうに考えております。
○直嶋正行君 全面的な見直しということになるということになりますと、多分、計画の遅れの影響も含めて考えると、あるいは選定地の困難さを考えると、やはりそもそもの計画より相当、例えば能力を上げていくとか、あるいは多くの量を処分をするとか、そういうことが想定されるんですが、そうなればなるほど、また処分地の決定が難しくなるというふうに思うんですけれども、ここら辺は、エネ庁長官でも結構でございますけれども、どのように見ておられるんでしょうか。
○政府参考人(上田隆之君) 処分計画につきましては今大臣から申し上げたとおりでございまして、様々な要素がございます。こういった要素を踏まえながら、将来検討をしていくべき課題であると思っております。
 この最終処分場につきましては、もちろん、その量等々によるべきところもあるわけでございますけれども、この最終処分場、私ども候補地を仮に選定したとしても、その後、文献調査、詳細調査、精密調査等々のプロセスがあるわけでございまして、こういったプロセスの中でその最終処分場の規模というものも最終的には考えていくことになると、ここにはかなりの時間が掛かると思っております。
 ただ、当面取り組むべき課題は、先ほど大臣から申し上げましたとおり、まずこの最終処分場の候補地となるべきところにつきまして、国が科学的有望地を御提示しながら、また地方自治体等々の理解も得ながら進んでいくということでございまして、そういうところに当面は注力をしてまいりたいと考えております。
○直嶋正行君 当然、費用もあれですよね、NUMOの見積りによりますと、去年の見積りだと処分費は三兆六千億ぐらいというふうに言われておりましたが、当然こういうことも改めて見直すということになるんでしょうか。
 今、ガラス固化体一本当たりに計算をして、このための費用をずっと電力料金にこれは上乗せされていると思うんですよね。これ、今原発動いていないのに取っているんですよね。これはちょっと今日はこれ以上細かいことは申し上げませんけれども、こういう費用の総額であるとか、あるいはどういうお金の取り方をするかと、この辺りもやはり抜本的に見直すということでよろしいですかね。
○国務大臣(宮沢洋一君) 当然そういうことになると思います。
○直嶋正行君 今日は廃炉の方の資料まで配らせていただいたんですけれども、二時十分で終われというメモが来ていますので、申し訳ありません、高木副大臣にも聞くぞと言ったことがちょっと聞けなくなりました。
 最後に一言だけ申し上げたいと思います。
 結局、今申し上げたような状況で、これまでの計画が御破算になってしまった、ほとんど進んでいなかったと。新たにもう一度方針を作って、出直しですよね、やり方も変える、出直しだと、こういうことなんですよ。こういう状況で、さっき大臣おっしゃったようにタイム差はあるかもしれませんが、原子力を二〇%以上使っていくというのが本当によろしいんでしょうかね。
 私は、やっぱりこの処分計画というのがある程度動き始めるとか、これ次回また廃炉の議論させていただきたいと思いますが、廃炉の廃棄物の処分が目に見えて進んでいるとか、こういう状況が見えないと、やはり国民の皆さんに説明するのが難しいんじゃないですか。
 経産省は、原子力は重要なベースロード電源だと、こういうふうにおっしゃっていますが、私はこの廃棄物の問題がやはり手かせ足かせになってくるということを考えると、ベースロードとして本当に安定した電源になるのかどうかというのは甚だ疑問だというふうに思っています。
 今日は、一言、最後にそういうことだけ申し上げまして、また次回続きをやらせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。よろしくお願いいたします。
 今日は、まず、中小企業の海外展開支援についてお聞きしたいと思います。
 少子化、超高齢化が進む中で、我が国企業の成長にとっては、国内の市場だけではなくてアジアを中心とした海外の需要を獲得していくことが必要だということは広く認識が一致するところではないかなと思います。
 中小・小規模事業者の皆さんについても同じことが言えるのではないかなと思っておりますけれども、神奈川県にありますある企業さんは、中小企業さんですけれども、工場で使用される機械、器具の販売を行っているんですが、ホームページを日本語だけじゃなくて英語、それからスペイン語、イタリア語でも作ったと。それによって、外国語のホームページを見て、これまで受注がなかった国とかまた地域からも注文が来るようになったと、このホームページの開設で海外との取引数が十倍程度大きく増えたということがあるそうでございます。
 ちょっとした工夫でこうした販路を海外に拡大するということもできるのだなと思ってお話を聞いたんですけれども、世界でも我が国の中小・小規模事業者の皆さんの高度な技術を使った製品ですとか、それからサービス、十分に通用するものだなと改めて思っております。しかしながら、海外進出のノウハウがないとか、そうした海外事業を任せられる人材がうちにはいないよとか、それからリスクも大きいと、こういったことから海外展開をちゅうちょしている中小企業・小規模事業者の皆さんもまだまだ多いかと思います。
 こうした海外展開の支援につきましては、ジェトロを始めとして国内外における公的な支援も行われているところでございますけれども、中小企業庁の委託によりまして二〇一三年に実施されたアンケート調査がございまして、これによりますと、公的な海外展開支援機関の例えば相互の連携について、余り連携していないなといった回答が多かったりとか、それから現地での支援ももっと充実してほしい、こういう声も多くございます。
 それから、ジェトロには、輸出、輸入、それから直接投資に関する相談が年間五万五千件以上寄せられるそうでございます。今後も増えていくであろうということを考えますと、こういう多くの中小企業の海外展開に関する相談、要望に対して全て公的機関で対応していくということもなかなか現実的ではないのかなと、民間との連携についてもより行っていくことが重要ではないかと考えております。
 こうした中で、中小企業の海外展開支援の取組と、また今後の充実について大臣に御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(宮沢洋一君) 私は、これまでこの委員会でも度々お話をさせていただいておりますけれども、いわゆる成長戦略の一つの肝は、薄利多売型の企業、経済から高付加価値、少量生産型に変わっていくということだと思っておりまして、そういう意味で、中小企業また小規模事業者の役割、少量生産でございますから、今後大変大きなものになると思っております。
 そして、高付加価値、少量生産ということになりますと、やはり世界の、特にアジアを中心に今いわゆる中産階級以上、お金持ちが増えてきておりまして、そういう方たちは、やはりクールジャパンと一言で言っておりますように、日本のまさに高付加価値で少し高い製品、センスのいい製品というものを大変愛好してくれる方が大変多いということを考えますと、中小企業の海外展開を支援するということは大変大事なことだろうと思っておりまして、私どもといたしましてもしっかりとこれから対応をしていきたいと思っております。
 現在行っている政策として具体的に申し上げますと、中小機構が海外ビジネスの実現可能性調査、いわゆるフィージビリティースタディー支援を行った後、ジェトロが現地パートナーとの商談や現地法人設立までを支援するといったような、両者の連携による一貫した支援といったものを行っております。また、海外現地での法務、労務、知財問題などの課題解決のために、官民の支援機関をネットワーク化した中小企業海外展開現地支援プラットフォームをアジアを中心に十二か国、十七か所に設置をいたしまして、一体的な支援体制の構築に取り組んでいるところでございます。
 また、五月の連休にインドに行ってまいりましたけれども、インド政府におきましては、インド政府を挙げて、商工省にジャパンプラスという窓口をつくってもらいました。これは、私ども経済産業省からインド政府に出向している者が中心になって働きかけて、モディ首相の共感も得てジャパンプラスという専用の部屋をつくり、窓口をつくり、日本の中小企業が、いつでも何でも相談に乗ってくれて、政府全体のことに相談に乗ってくれるという大変すばらしいものを現地もつくってくれるといったことを見てまいりましたけれども、そういうことを含めて、中小企業・小規模事業者の海外展開については最大限私どもとしても応援をしてまいります。
○佐々木さやか君 ありがとうございます。
 海外に進出する場合にどういうトラブルが起こり得るのかということについて、まず行く前にいろいろと調べて勉強していただくということは重要かと思いますが、その場合に法的なリスクについてもアドバイスを受けたいという場合も多いかと思います。
 今日は、阿達委員の方から、独禁法の手続保障に関連して各国の法制度の違いについてお話がございましたけれども、まず中小企業の皆さんは、初めて海外と取引してみようかな、新しいところと契約をしようかなと、そういう段階でも、契約書を作るとか契約書の点検をするとか、そういったところで弁護士などの専門家に気軽にアドバイスを受けれるような支援が重要ではないかなと思っております。
 専門的な大きな法律事務所に行くのがなかなか敷居が高いなというふうにおっしゃる中小企業の経営者の方もいらっしゃいまして、こういった声に応えて、日弁連の方では中小企業海外展開支援弁護士紹介制度というものを行っております。初回の三十分は無料だそうでして、若手の弁護士の先生方を中心に紹介をさしあげていろいろな支援を行うという制度だそうですけれども。契約書のチェックなども重要ですし、それから事業再編というところについてもこれから法律家のニーズというのは高まっていくのではないかと思っております。
 こうした日弁連の取組など法的な側面での海外展開に関する支援ということについても、経産省も是非力を入れていただきたいと思っておりますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(北川慎介君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、中小企業・小規模事業者の海外展開におきましては、やはり法的なアドバイス、これは非常に重要だと考えております。現在、日本弁護士連合会の方で中小企業海外展開支援弁護士紹介制度、これを全国九か所で実施されていると承知しております。この制度は、初回相談は無料、それからその後の料金もある程度までは、三十分一万円というように一律に設定するということで、中小企業・小規模事業者の方々の弁護士へのアクセス、これを改善するものでございまして、今後全国展開を期待しております。
 中小企業庁といたしましても、平成二十五年二月二十五日に日弁連さんと共同文書を公表いたしました。その中で、リスク対応も含めた海外展開支援を行う際に法的知見が必要な場合における弁護士の積極的な参画を促していくということとしております。具体的には、ジェトロあるいは日本政策金融公庫から中小企業・小規模事業者の方に対して本制度の紹介を行い、また活用を促したり、あるいは私どものポータルサイト、ミラサポを通じて周知を図っているところでございます。
 それ以外の様々な施策におきましても、弁護士の方々に御活躍いただくという趣旨から、中小企業海外展開現地支援プラットフォーム事業におきましても、そのコーディネーターとして、あるいは全国の認定支援機関に対する海外展開支援研修における講師として御活躍いただいているところでございます。
 最近では、今年度開始いたしました中小企業の海外での事業の再編戦略、行った先でいろんなことがございますので、再編戦略をつくっていくと、こういった支援事業におきましても日弁連さんの協力を得まして弁護士の活用を進めているというところでございます。
○佐々木さやか君 次に、箱根の火山活動について少し質問をしたいんですけれども、いろいろと報道も引き続きされておりまして、箱根で火山活動が活発になってから約一か月がたちました。噴火警戒レベルが二に引き上げられまして、現在も大湧谷周辺の半径三百メートルの範囲で立入りが規制をされております。まずは安全確保と、第一で今後も監視を続けていただきたいと思っております。
 しかしながら、宿泊施設のキャンセルが出たりとか客足が遠のく、こういった影響も出ております。立入りが禁止されている区域というのは、箱根全体から見ますと大涌谷の周辺ということで一部だと思いますけれども、やはりイメージで箱根全体が危険だなというふうに感じられてしまうところもあるのではないかと思います。こうしたことから、今後もまだどのように終息をしていくのか見えない段階ですので、やはり地元の事業者の皆さんはいろいろと心配の声も上げていらっしゃいます。
 この箱根の火山活動に関係して、地元の産業への影響などについて経産省の方ではどのように把握をして対応していらっしゃるのでしょうか。
○政府参考人(北川慎介君) お答えいたします。
 特に、御地元の中小企業・小規模事業者の方々への影響につきまして、中小企業庁、経済産業省全体として地元の商工会議所を通じまして情報収集に努めているところでございます。現在、一部の事業者の方で休業あるいはキャンセル等の影響が発生していると認識しておりまして、特に御地元では風評被害の拡大、これが大変懸念されていると認識しております。また、政府系金融機関にも一部の事業者の方から資金繰りに関する御相談も寄せられていると承知してございます。
 私どもといたしましては、これらを踏まえまして、引き続き、中小企業・小規模事業者からの御相談には地元の商工会、商工会議所あるいは各公的金融機関などにおきまして丁寧に御対応していきたいと考えておりますし、また、例えば資金繰りなどに苦慮される中小企業、小規模企業の方からの御相談につきましては、日本政策金融公庫あるいは商工中金におけるセーフティーネット貸付けなどもございますので、支援に万全を期してまいりたいと考えております。
○佐々木さやか君 是非よろしくお願いいたします。
 今月の二十五日に箱根町の山口町長が太田国土交通大臣に面談をいたしまして、気象庁の火山情報で使われています箱根山という表記につきまして、箱根全体が危ないという印象を与えかねないとして、大涌谷火口周辺などの表記に変更してもらえないかと、こういう要望があったというふうに伺いました。これに対しまして、大臣の方でも検討する方向の考えを明らかにしたという報道を聞いたんですけれども、どのように今後検討を行っていくんでしょうか。
○政府参考人(関田康雄君) お答えいたします。
 箱根につきましては、火山噴火予知連絡会におきまして、大涌谷を含むカルデラ全体を一つの火山として箱根山という名称で活火山に選定しているところでございます。気象庁でもこれに従いまして箱根山という名称を用いて火山に関する情報を提供してきております。
 一方で、今回の活動のように、警戒が必要な範囲がごく一部であり、それが特定できるような場合につきましては、その旨を情報の中で明示して発表しております。また、報道機関等に対しましても、正確に御理解いただけるよう説明や資料を工夫してきたところでございます。
 このような形でこれまで対応してきたところでございますが、今般、箱根山の呼び方につきまして、風評被害の防止の観点からこうしてほしいとの御要望をいただきましたので、火山の情報における表現の仕方や情報提供方策などにつきまして現在検討を行っているところでございます。本件に関しましては、地元ともよく相談して取り組んでまいりたいと考えております。
○佐々木さやか君 どうぞよろしくお願いいたします。
 風評被害が生じないようにということで、箱根は特に観光が重要ですので、この風評被害対策について観光庁にもお聞きしたいと思います。
○政府参考人(吉田雅彦君) お答え申し上げます。
 観光庁といたしましては、まず第一に、箱根への観光客の安全確保を図る観点から、五月六日、気象庁が火口周辺警報を発表したことを受けまして、全国の旅行業者に対して、当該警報に関して正確な情報収集に努めること、旅行者又は旅行予定者に対し正確な情報提供を図ることを文書で依頼いたしました。
 また、観光に与える影響を最小化するため、五月七日、今回の措置は大涌谷の噴煙地に近いごく一部への立入りを規制するもので、箱根の他地域まで規制が及ぶものではないこと、したがって噴煙地以外の各地域の施設や交通機関は平常どおり営業、運行していることなど、現地に関する正確な情報を国内外の旅行業者や旅行予定者に発信いたしました。さらに、この内容を周知徹底するために、五月八日、関係機関へ改めて文書を発出いたしました。
 加えまして、五月十五日には、観光庁と箱根町及び観光関係者との意見交換会を実施したところです。
 今後とも、旅行者の安全確保が最重要であることを踏まえ、現地の意向をよく伺いながら、箱根の観光関連産業に大きな打撃が出ないように取り組んでまいります。
○佐々木さやか君 おっしゃるとおり、正確な情報発信、そして安全確保、引き続きよろしくお願いいたします。
 しかし、やはり地元で雇用されている方々からは、客足が遠のいている、会社の業績が悪化して解雇されちゃうんじゃないか、こういう心配の声も届いております。今回のような事態の中で、政府として雇用を守るために行う支援というものはどういうものがあるんでしょうか。
○政府参考人(広畑義久君) お答え申し上げます。
 経済上の理由によりまして事業活動の縮小を行わざるを得ない場合に、廃業やあるいは解雇ではなく一時休業等によって雇用の維持を図る事業主に対しまして、休業手当等の一部を助成する雇用調整助成金制度がございます。
 この助成金は、事業主の雇用保険料を財源とした制度でございますので、自然災害による被害を受けたことを直接の理由として事業活動を停止、縮小した場合については支給対象とはなりません。
 しかしながら、例えばいわゆる風評被害によりまして事業活動が縮小した場合等については、経済上の理由に当たるとして支給対象とした例がございます。具体の相談も受けておりますことから、管轄の労働局やハローワークにおきまして、その活用に関する御相談に丁寧に対応してまいります。
○佐々木さやか君 運用についても是非柔軟に行っていただきたいなと思いますし、こういった制度も知らないと利用されませんので、相談に来たらお伝えするというのもそうですけれども、できるだけ厚労省の方からも積極的に周知していただくようにお願いしたいと思います。
 以上で終わります。
○東徹君 維新の党の東徹でございます。
 まずは、再生可能エネルギーの賦課金減免制度についてお伺いをしたいと思います。
 三月二十六日の経済産業委員会でも質問させていただいたんですが、この賦課金の減免制度については法律上予算措置がなされているということになっておりまして、その金額ですが、平成二十五年度が百九十一億円、それで平成二十六年度では二百九十億円、平成二十七年度では四百五十六億円ということになっております。
 約一・五倍ずつこれは膨らんでいっておるわけですが、国民負担の抑制の観点からは、単純にこの費用負担の調整機関の欠損を補填するために補助金を出していくということをやっておるんですが、そうではなくて、それと同じ金額を、例えば再生可能エネルギーとか燃料電池の導入とか、そういう省エネ対策、後で質問するんですが、エネルギー使用合理化等事業者支援補助金とかでやっているのもあるんですけれども、本当に電力使用量を引き下げる、そういったことの対策費用として事業者に交付していくことの方が、事業者の電気使用量を減らすこともできるし、事業者の負担がそれによって軽減し、産業競争力も維持することができるんじゃないかというふうに考えるんですが、その点についていかがでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) この減免制度につきましては、固定価格買取り制度が導入されたときに、国会における修正、要するに議員立法で、国会で修正を行って法律においてその仕組みが決まっており、元々の政府案にあったものではなかったということであります。
 そして、その背景といたしましては、電力多消費産業、例えば鋳物産業ですとかまた電炉メーカーといったものが日本の産業の礎を成している。鋳物というのはまさに物づくりの原点でありますし、また電炉の中で例えば特殊鋼というのは産業機械の大変大事な材料でありますので、そうしたことも含めてこういう減免制度が導入されたものと承知をしております。
 そして、その後、まさにこの減免の恩恵を受けている一方で、これらの業界というのは、今、産業用の電力料金が三割上がっているというものはもろにかぶっておりまして、大変厳しい状況が続いているということは事実であろうかと思っております。
 そして、今御提言のあった、このお金を使ってその他のものにしたらどうかということになりますと、御質問の趣旨がいま一つ私もはっきりしなかったのは、この業界の省エネ等々に対して支出をするということでありますと、正直申し上げまして、今八割の減免でございますから、相当な省エネ等々をやっても実はそれよりは効果ははるかに及ばなく、ますますこの業界が厳しくなっていくということだろうと思いますが、一般に広く薄くこれを電気料金の引下げに使うということになりますと、余りにも広く薄過ぎて、それぞれの御家庭からすると恐らく余り実感のない金額になってしまうのではないかなと思います。
○東徹君 先ほど鋳物とかそういうふうに言っておられましたけれども、私もこれ、すごいたくさんあるんですが、見ていきますと、例えば広域水道企業団、これは行政機関ですよね。そういったところがやっているのにも減免措置をやっておりまして、そういうところを考えれば、浄水場なんですけれども、浄水場だったら太陽光パネルを置くとか、そういったことをやって電力量、使用量を抑えるということの方がもっと有効的じゃないのかなというふうに思ったんですが、もう一度、そういったことについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 一般的には、やはり大きいのは電炉関係がかなり大口でございまして、今おっしゃったところが私どういうところかよく存じ上げませんけれども、やはりこの制度を使っている大宗はいわゆる電炉とか鋳物とかそういう企業だろうと思っておりまして、そういうところではなかなか太陽光パネルといったものは使っても余り意味がないといいますか、という状況で、今おっしゃったところがどういうところか……
○東徹君 浄水場。
○国務大臣(宮沢洋一君) 浄水場、株式会社がやっている浄水場でございますか。(発言する者あり)
○委員長(吉川沙織君) 委員長の指名を待って発言ください。
○国務大臣(宮沢洋一君) 逆に言えば、そういう、これは今の法律でできるかどうかは承知しておりませんけれども、自治体などは外してもいいのかなという気は大変強く持ちました。
○東徹君 自治体がやっている浄水場とかにもこれ使われておりまして、果たしてどうなのかなというふうにも思いますし、毎年毎年これ金額増えていきますよね。物すごくこれ国費を使っていくわけですから、予算的にも非常に厳しくなっていくのではないのかなと。何かやっぱりこれ考えていくべきだというふうに思っているんですが、今後もこれ続けていくということですか、そうしたら。
○国務大臣(宮沢洋一君) 今後につきましては、まさに来年度以降の予算編成の過程で決めていくことになりますけれども、予算以外の方法があるかどうかも含めて検討しなければいけないと考えております。
○東徹君 この辺のところ考えていかなかったら、FITもそうなんですけれども、年々年々これは負担が増えていくということですので、是非御検討いただきたいというふうに思います。
 続きまして、エネルギー使用合理化等事業者支援補助金についてお伺いをいたします。
 エネルギー使用合理化などの事業者支援補助金についてですけれども、平成二十六年度実績の実際の補助対象を確認すると、ほとんどもうLEDばかりなんですね。これ家庭でもLEDというのは自己負担でもう切り替えていっているわけでありまして、わざわざLEDにここまで国が補助を出す必要もないのではないのかなというふうに思うんですが、これ環境省の方では、LEDは相当程度普及しており、導入費用も安くなってきているということから補助の対象から外していくというふうな方針だということであります。
 LEDの普及の広がりなど、状況の変化に応じて柔軟に補助対象を変更していくことが必要というふうに考えますが、経産省として、LEDの取扱い、この補助金の対象をどのように考えていくのか、是非お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(上田隆之君) お答え申し上げます。
 このエネルギー使用合理化等事業者支援補助金、いわゆる省エネ補助金でございます。平成二十六年度の実績を見てみますと、確かにこのLEDを始めとする高効率照明の導入を中心とする案件が、件数でいいますと約五割ぐらいございます。ただ、金額でいいますと八%程度で、それ以外の空調、ボイラー等々の方が大きいという状況であります。
 私ども、もちろん御指摘のとおり、市場で自律的に導入が進むものについて補助金を出す必要がないということにつきましては、そういうことであるというふうに認識を共有させていただいておりまして、この補助金につきましても、投資の回収年数が三年以上のできるだけ長期の事業というものを優先的に採択するというような規定を設けているところでございます。
 他方で、この省エネ補助金の制度でございますけれども、何といいますか、個別のLED照明とかそういう機器を指定をしているわけではございませんで、事業者の創意工夫を引き出すという観点から、その公募の要領の中で例えば事業所全体での省エネの効率が、エネルギー使用が合理化されて一%以上向上するとか、あるいは五百キロリットル以上省エネ効果があると、そういった、何といいますか、ある種性能で規定をしておりまして募集をさせていただいております。
 したがって、どういう形で省エネを行うのかと、それが照明の場合もあれば、空調の場合もあれば、ボイラーの場合もあれば、あるいは生産設備の更新といったケースもあるわけで、そういったことをどのように組み合わせていくのかということにつきましては、事業者の創意工夫をできるだけ引き出すという仕組みを取っておりまして、こういった仕組みそのものは私どもは適切なものでないかなと考えている次第であります。
 いずれにいたしましても、自律したというものについての制度の在り方も含めて、真に政策的な支援が必要なものにできるだけ優先的に資金を回していくという御指摘につきましてはそのとおりだと思いまして、費用対効果というものを最大化するためにどういった方法があるのか、この省エネ補助金の運用につきましても検討を進めてまいりたいと考えております。
○東徹君 もう家庭でもLEDに切り替えていっているわけですから、そんなことに国の補助金を使ってまでやる必要はないというふうに思いますので、是非お願いをしたいと思います。
 続きまして、風力発電の接続可能量、地域間連系についてお伺いをいたしたいと思います。
 今年、平成二十七年ですけれども、三月の資源エネルギー庁の資料によりますと、風力発電の接続可能量についてでありますが、北海道電力は五十六万キロワットというふうにされておりますが、平成二十五年度末の導入量は既に約三十二万キロワットでありまして、このほか環境アセスメント中など運転開始前の案件で約百五十九万キロワットということで、大幅に接続可能量を上回っておるわけであります。東北も同様でありまして、東北電力の接続可能量は二百万キロワットなんですが、平成二十五年度末の導入量が約七十五万キロワットということで、運転開始前の案件で約二百六十八万キロワットであり、大幅にこれは上回っておるわけです。
 これにどう対処していくのかということですが、大型の蓄電池の活用をするということが考えられますけれども、そのコストも非常に高いというふうな課題があるということでありますけれども、こういったことについてどう対処していくのか、まずお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(岩井茂樹君) お答えをいたします。
 まず、風力発電についての可能性ということなんですが、これ大規模に開発をいたしますとコスト低減が可能な電源でありますが、ただ一方で、適地が北海道や東北地域に偏在をしておりまして、系統制約が生じやすいために、こうした地域においての系統への受入れの拡大に向けて取り組んでいくことがまず重要かと思います。
 委員御指摘のように、そういう中でも導入量と環境アセス中の容量と、あと接続の可能容量、これバランス取れていないんじゃないかという御指摘なんですが、まさにおっしゃるとおりなんですが、そこで非常に重要なのが、御指摘のとおりの大型蓄電池の活用だと思っております。余剰電力の吸収、周波数の調整等で使える大型電池につきましては、系統への受入れの拡大にとって有効な方策でありますので、そのコスト低減に向けた取組を今進めているところであります。
 具体的には、大容量の電気をためられるレドックスフロー蓄電池やNAS蓄電池について、現在のコスト、この半減をさせていく、目標としては今の揚水発電並み、具体的に申し上げますと、キロアワー当たり二・三万円という数値を目標にいたしまして、徹底的な技術開発、これ二十六年度の補正で六十五億円を予算として付けておりますけれども、進めているところでございます。
 このような取組を通じまして、まずは風力発電の最大限の導入を進めてまいりたいと考えております。
○東徹君 ちょっと計画そのものが一体どうなのかなというふうに思います。これについては、蓄電池は先ほど非常に金額が高いのもお聞きしたんですが、ちょっとまたそれは質問させていただきたいと思います。
 次に、平成二十四年の地域間連系等の強化に関するマスタープランの中間報告では、北海道と東北の風力とメガソーラーによるエネルギー五百九十万キロワットを東京電力管内まで接続する場合、一・七兆円必要というふうに試算されております。しかし、この数字は北海道電力と東北電力において一例として検討を行ったものであって、入札によってコストを削減することは考えられていないものというふうになっております。
 北欧では、ノルウェーとオランダを結ぶ国際海底送電線が、七十万キロワットではあるものの、五百八十キロメートルと、札幌から福島くらいまでの距離で六百五十億円というふうに言われておりまして、札幌から東京までは約八百三十キロメートルですから、そこで、この約一・七兆円という試算を状況の変化も鑑みてもう一度精査する必要があるのではないかというふうに考えるんですが、いかがですか。
○政府参考人(上田隆之君) この御指摘の試算でございますけれども、これは平成二十四年に、私ども、地域間連系線等の強化に関するマスタープラン研究会というものの中で、北海道と東北地域に風力発電を約五百九十万キロワット追加導入すると、その場合に北海道・東北地域から関東地域までの地域内送電線あるいは地域間送電線、そういったものの整備を進めるときの費用を試算したものでございます。一・七兆円と言いましたが、実際は一・一七兆円、約一兆二千億円弱というのが試算の数字でございます。
 この中身でございますけれども、北海道・東北の地域内の送電線の増強費用が二千七百億円、それから東北と関東を結ぶ連系線の増強費用として四千億円、それから北海道と本州を結ぶ北本連系線の増強費用として、六十万キロワットの海底ケーブルを三ルート敷設する、その工事で約三千二百億円、交直変換所等を含めた工事費一千八百億円というのが内訳になっております。
 これらの数字は、電気事業者に確認をいただいた上で学識経験者が確認をいただいた数字ということでございまして、実態からそう離れた数字であるとは私ども考えておりません。
 ただ、入札をすればもっと安くなるのではないかという御指摘につきましては、実際に今後地域間連系線の増強を行う場合には広域的運営推進機関というのが出てまいりまして、この広域的運営推進機関におきまして、その必要性を検討した上で、案件ごとに専門的見地からその状況を踏まえた基本要件というのを作成いたしまして、それを踏まえまして実施案と実施主体を募集をするという形になっております。その募集の中で経済性も踏まえた評価を行いまして、広域系統整備計画、こういうものを決定すると、こういう考え方で進めていくことにしておるところでございます。
○東徹君 もう時間ですので、またにさせていただきたいと思います。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 今日は、伊方原発について質問いたします。
 五月二十日、原子力規制委員会は、愛媛県の四国電力伊方原発三号機が新規制基準に適合するとした審査書案を了承いたしました。伊方原発の間近には国内最大規模の中央構造断層帯が走っている、南海トラフ巨大地震の震源域にも入っていると、地元ではこうした地震に対する不安の声、広がっているわけです。
 当初、四電の地震の揺れの想定はどうだったのか、そして適合と判断された審査書ではどうなっているのか、まず御説明ください。
○政府参考人(櫻田道夫君) お答えいたします。
 四国電力から提出のございました当初申請の中で基準地震動の設定値がどうだったかということでございますけれども、これは五百七十ガルという数字で代表される値でございました。最終的に今年の五月十一日に補正申請がなされてございますけれども、ここでは、五百七十ガルであったものが六百五十ガルという形になって、それを基にして審査書案を作成したということでございます。
○倉林明子君 当初五百七十ガルの想定の際は、原発沖、動くのは五十四キロということで想定していたものを四百八十キロまで動くということで想定し直して六百五十ガルに引き上げたということかと思います。
 これに対して、地震学者の都司嘉宣氏は、ここだけはやめてくれと、このワーストワンが浜岡原発だと、ワーストツーが伊方原発だと、こう指摘をされております。規制委員会の外部有識者でもある岡村眞氏は、日本最大級の活断層が前面海域六から八キロにあることについて、地上波を検出した後、僅か一秒で主要動が到達することを意味している、少なくとも千ガル、二千ガル以上の可能性があると、こういう指摘を行っております。
 原発前面海域の断層四百八十キロにわたって動くとした場合、六百五十ガルの揺れにとどまると、この根拠について説明していただきたいと思います。
○政府参考人(櫻田道夫君) お答えいたします。
 四国電力の提出した当初申請、これは平成二十五年七月八日のものでございますけれども、この地震動の評価に当たっては、先ほど先生から敷地の前面の海域の断層について五十四キロというお話がございましたけれども、その五十四キロという評価だけではなくて、いろいろとその断層の連動の評価も行ってございまして、例えば中央構造線断層帯が四百三十キロの連動があり得るという、そういった可能性も考慮した上で、様々なケースを想定して評価した結果として五百七十ガルというふうに設定をしていたというふうに承知をしてございます。
 また、審査の過程において、これは規制委員会の方から、もう少し連動について考慮すべきというような話がありまして、中央構造線の断層帯と隣接する断層帯の連動も更に考慮をして、最終的に四百八十キロという長さも考慮したということでございますけれども、その結果、基準地震動が六百五十ガルという形になりました。
 それから、地震動につきましてですけれども、今六百五十ガルとか言っていますけれども、これは地下の非常に深いところ、あるいは場所によっては浅いところでございますけれども、解放基盤表面という言い方をしますけれども、岩盤のような非常に堅固な状態のところがどのくらいの揺れになるかということを想定するその地震動のことでございまして、通常、こういった岩盤の上に緩いあるいは柔らかい地層があって、その上で地震動を評価するあるいは観測をするともっと大きな地震動になるということがございますので、地震動の大きさはその観測する地点あるいは評価する地点によっていろいろ差が出てきます。
 原子力発電所の地震動の審査の評価の仕方におきましては、先ほど申し上げました岩盤のような堅固なところでどのくらいの地震動になるかということを評価して、それを基にして安全性を確認するという形で進めていることを御理解いただければというふうに思います。
○倉林明子君 川内が六百二十ガル、高浜が七百ガルということで、こうした想定に対しても低過ぎるという専門家からの指摘もあったと思います。
 日本最大級の活断層に近接する伊方で六百五十ガルというのは余りにも過小だと専門家が、素人の私が言っているんじゃなくて、専門家の指摘だということが私は重く受け止める必要があると思うんです。適合しても本件原発の安全性は確保されていないと、これは高浜原発運転差止めのときの仮処分決定の指摘でした。私はそのとおりのこと言えるんじゃないかというふうに思うんですね。
 改めて基準地震動の再評価を行うべきだと思います。規制委員長、お願いします。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 基準地震動は、原子炉施設の周辺で地震が起きるメカニズムを地質学的調査などを通じて科学的に把握し、さらに、地震動評価に影響を与える不確かさを十分考慮することで原子炉施設の敷地において起こり得る最大級の地震動を策定することとしております。
 伊方原子力発電所では、原子力発電所三号機の新規制基準に係る適合性審査においては、先ほど櫻田部長の方から報告させていただいたように、規制委員会が中央構造線断層帯と隣接する別府―万年山断層帯との連動を考慮するよう指摘をし、これを受け入れて断層の長さを四百三十キロから四百八十キロに延ばし、そのモデルを使った地震動評価を行って、最終的に六百五十ガルという基準地震動を決めたものでございます。
 このように、地震動がより厳しくなるように、断層の連動性に加え、各種の不確かさの考慮を適切に行っていることを確認しており、伊方三号機の基準地震動六百五十ガルの設定は妥当なものと考えております。
○倉林明子君 継続的に安全性を高めるため基準の見直しというのは必要だということは、そういう姿勢で臨むんだということをおっしゃっていると思うんですね、規制委員会として。
 そこで、纐纈一起東大教授がこの件に関しても発言していまして、中央構造線断層帯が五十四キロから四百八十キロに延ばしてこれだけしか変わらない、先ほど連動の捉え方が違うんだということで御説明あったけれども、違和感があるとおっしゃっているんですね。その後、おっしゃっているのは、最も分からないのは将来どのような地震が起こるか分からないと、こういうふうに指摘されているんですね。
 私、専門家からの指摘を真摯に受け止めるのであるならば、基準地震動やっぱり見直して審査をやり直すべきだということを重ねて求めておきたいと思います。
 そこで、伊方原発には特有の避難の困難さがあるんですね。これ、資料で今日お配りをさせていただきました。佐田岬半島、大変狭い半島の根元のところに存在しているというのがこの伊方原発三号機であります。この原発でもし事故が起こったらどういうふうに避難するのかということで、とりわけ原発西部にお住まいになられている五千人の方にとっては逃げ道がないというような状況になるわけです。
 今、避難計画を策定義務付けているかと思います。どんな避難計画となっているのか、簡潔にお願いします。
○政府参考人(山本哲也君) まず、伊方原発の地域につきましてでございますけれども、これにつきましては、まず私ども内閣府で設置をいたしました伊方地域の原子力防災協議会のこの仕組みにおきまして、原子力災害対策指針にのっとり、具体的かつ合理的なものとなるよう今検討をしているところでございます。
 それで、緊急時の場合の対応でございますけれども、まず、伊方原発からおおむね五キロ圏内のPAZと呼ばれる地域の住民の方々については、まず施設敷地緊急事態で要援護者等の避難を開始をいたします。その上で、全面緊急事態になりますと、このPAZ五キロ圏内全住民の避難を実施するということになります。
 それから、今御指摘ありましたように、伊方からおおむね五キロ圏以遠の住民の防護措置につきましては、発電所の状況あるいは避難のための道路、避難手段、そういった様々な状況を想定して、対応をどうするかということを関係自治体とともに今議論しているところでございます。
 いずれにしましても、伊方地域につきましては、この避難計画を含む地域の緊急事態を具体化した上で、地域の原子力防災協議会におきまして、関係省庁、県、関係市町村でその実効性を確認してまいりたいと考えております。
○倉林明子君 議論中ということをおっしゃったとおり、まだまだ詰まっていないというのが現状だと思うんです。もし事故が起こったりしたら、陸路で逃げるということは非常に困難になる、その上、海が荒れていたら船で逃げるというのも困難になる、じゃ空路はどうかというと、ヘリポート、着けられるようなところも困難を極めるというようなことで、避難計画どうするのかというのは非常に大きな問題になっているということだと思います。
 そこで、この東西をつなぐ要は避難路がどうなっているかというと、二本しか主な道路ないわけですよね。この二本の道路が果たして安全に避難できるような、確保できるのかどうかというところで、私、過酷事故が起こるような地震が起こったら一体どんな状態になるのかということを考えた場合、土砂災害の危険がある地域でもあるんですね。
 そこで、二枚目に付けておりますものを見ていただきたいと思います。
 国土交通省にも来ていただいております。土石流の危険渓流、地すべり危険箇所、急傾斜地崩壊危険箇所とそれぞれあります。これ、色分けして地図に落としたものなんですけれども、一体どんな危険があるところなのか御説明ください。簡潔にお願いします。
○政府参考人(大野宏之君) 土砂災害危険箇所とは、土石流危険渓流、地すべり危険箇所、急傾斜地崩壊危険箇所から成りまして、国土交通省の依頼によりまして都道府県が土砂災害の危険性のある箇所を調査したものでございます。
 土石流は、水と土砂が一緒になって渓流を流下し、下流の人家や公共施設等に被害をもたらすものでございます。また、地すべりは斜面が広い範囲にわたってゆっくりと移動し、崖崩れは突然斜面が崩れ落ちる現象で、いずれも人家や公共施設などに被害をもたらすものでございます。
○倉林明子君 改めてこの土砂災害危険箇所マップを見ていただきたいんですけれども、この土石流危険渓流、土石流が起こる青のラインです。ここで起これば、道路、避難路を封鎖するという危険があることは明らかだと思うんですね。地すべり危険箇所や急傾斜地崩壊危険箇所というのも非常に多いところでもあります。
 全国的に豪雨災害が、広島の例などでもありましたけれども、そういうリスクも高まっている下で大いに市民の皆さんに知ってもらおうということでマップになった経過があるものなんですが、こういう土砂災害の危険箇所があるということを避難計画の策定の前提として検討しているのかどうか。
 規制委員長にもお聞きしたいんだけれども、これ、事故が起こった場合は進入路にもなってくるということでもあると思うんですね。事故対応の人たちの進入路にもなってくる、避難路にもなる。この状況についてはつかんでいたのかどうか、それぞれに確認させてください。
○政府参考人(山本哲也君) まず、避難計画の状況について御説明いたします。
 委員御指摘のとおり、土砂災害を含みます複合災害を想定した準備は極めて重要であるというふうに考えております。
 この伊方地域の先ほど申しました協議会の枠組みにおきましても、土砂災害を含みます様々な複合災害の地域固有の状況を想定した緊急時の対応も具体的方策を検討していきたいというふうに考えております。特に、今御指摘ありました土砂災害あるいは悪天候などによりまして避難経路が途絶するような事態も含めまして、緊急時の対応をどうするべきかということを検討してまいりたいと思います。
 いずれにしても、様々な事態に十分対応できるように、避難計画の充実強化、実効性のあるものにしていくということが極めて重要でございますので、関係自治体と協力して検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○倉林明子君 こういう危険なところで、避難計画もまだまだできていないというところで、大臣に最後確認したいんだけれども、川内方式で規制委員会の審査合格が出たら、地元立地県が合意したら進めるなんということは絶対やったらあかんと思いますけれども、どうですか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 川内方式とおっしゃいましたけれども、まだ方式が固まっているわけではございませんで、それぞれのまさに立地自治体の事情が様々であることから、国が一方的に一律に決めるのではなく、各地とよく相談して対応するという方針で臨んでおりまして、伊方原発につきましても、当然立地自治体とよくコミュニケーションを図りながら、各地の特に知事さんとよく相談して対応していきたいと思っております。
○倉林明子君 終わります。
○中野正志君 九州の川内ではなくて東北の仙台の中野正志でございます。
 実は、本日の新聞を見て大変晴れやかな気持ちでこの委員会に臨んでおります。というのも、一つには、川内原発、審査終了という記事がありました。二つ目には、福島第一、汚染水を全量浄化という見出し記事がありました。
 川内原発の審査は、当初、少なくとも半年という田中規制委員長の言葉からは大幅に遅れました。約一年十か月掛かってしまいました。しかしながら、再稼働そのものは、トータルで言えば、一日百億円プラスアルファと言われる燃料たき増し費の削減につながる、CO2の削減につながるという観点、さらには電力料金の抑制という観点から歓迎すべきものであります。
 規制委員会におかれましては、是非今後とも速やかな審査を期待したいと思いますし、経産省、資源エネ庁には大いに督励をしていただきたいと期待もいたしております。
 また、二つ目の福島第一の汚染水問題に関してでありますけれども、六十二万トンの浄化処理が完了したということは一歩前進であろうと思います。関係者の皆様の御努力に心から御礼、敬意を表したいと思います。
 ただ一方、この汚染水対策ではALPSのトラブル、相次ぎました。いまだ除去し切れないトリチウム処理の課題も残ります。原発の一号機から四号機の原子炉建屋では、地下水が流入するなどして一日当たり三百から四百トンの高濃度汚染水が発生しているということもありますから、今後とも、凍土遮水壁はもちろんのことでありますけれども、これに余りこだわらずに、あらゆる手段を通じて汚染水の流入を防ぐ努力を継続していただきたいと、こう期待もするところであります。
 今日は、昨日までに通告した質問項目によりましてまず質問をさせていただきたいと思います。
 実は、気になっておったんでありますけれども、経産省の敷地内の角に脱原発テントと書いてあるテントが三張りほど張られております。私は以前からおかしいと思っておりましたが、先日、今日の質問のためにあそこをあえて通りかかったら、まだ現存してあるんですね。
 どうなっているんだというのが正直な気持ちであります。私個人の意見でありますけれども、脱原発を語りながら公然と脱法行為をする、これはもう笑止千万なんです。しかし、私たちも政治の立場で黙認するわけにはいかない。
 是非、経産省当局の見解、今日までの経緯も含めて皆さんに開陳してください。
○政府参考人(日下部聡君) 今御指摘いただきましたテントの件の経緯をまず御説明申し上げます。
 このテントは、当省の敷地に無許可で平成二十三年の九月に設置されたものであります。これに対しまして、当省は粘り強くまずは自主的な退去を求め続けてきましたが、先方はなかなかこれを認めないということでございまして、平成二十五年の三月に土地明渡しの訴えを、同じく四月には使用料に相当する損害金の支払請求を東京地裁に提起をいたしました。
 その後、東京地裁は、今年の二月の二十六日に国側の主張を全面的に認める判決を言い渡したところでありますが、この判決に対して被告側は控訴をしたため、引き続き裁判で係争中という状況になっております。
 国としては、訴訟を通じまして、改めて一日も早い土地の明渡しをこれからも訴え続けていきたいというふうに考えてございます。
 以上が経緯と現状でございます。
○中野正志君 やっぱりそうだったんですよね。やはり、私たち、親から教えられたしつけでありますけれども、自分の物以外、手を付けてはならない、侵してはならない、これはもう人間としての基本的なマナー、しつけだと思うんですね。土地も同じでございまして、やっぱり公有地はみんなのものなんです。国民全員のものなんです。それを一部の人たちがそういう形で不法占拠するなどということはもってのほかだと、私からすれば恥知らずだと。控訴したというのでありますから、なおさら恥知らずだなと。さすが裁判所、国側の主張を全面的に認めたというのでありますから、当然だよなと。
 あえて、あえて申し上げておきますけれども、当然こういうケースでありますから、損害賠償といいますか、そういうこともやがては当然出てくると思うんですが、利息付きでしっかり取ってください。そうでありませんと、類似のケースが起こります。私はこういうことは許せない。是非よろしくお願いをいたしておきたいと思います。
 次に移ります。
 先日、四月二十八日、総合エネルギー調査会長期エネルギー需給見通し小委員会、二〇三〇年の電源構成の骨子案をまとめました。政府は、このほかの関連小委員会や審議会の報告書を受けまして、本年末、パリで開催されるCOP21に向けて提出する約束草案の要綱案を発表されました。それによりますと、日本が排出する温室効果ガスを二〇三〇年までに二〇一三年比で二六%削減する方針であるとのことであります。これは同じ二〇一三年比で、アメリカ合衆国が一八から二一%、EUが二四%の削減を打ち出しているのと比べれば、大変私は野心的な目標であると言えます。
 政府としては具体的にどのような国の施策を考えておられるのか、実現可能な具体策について是非お尋ねをしたいと思います。目標数値が単なる絵に描いた餅ではないように、是非お示しをいただきたいと思います。
○大臣政務官(岩井茂樹君) 中野委員御指摘のとおり、我が国の約束草案の要綱案におきましては、二〇三〇年の温室効果ガス排出削減目標を二〇一三年度比二六%削減としております。絵に描いた餅というお話ありましたが、その内訳でございますが、まずはエネルギー起源のCO2、これ削減することで二一・九%、そして代替フロンその他の温室効果ガス、これを削減することで一・五%、そして森林吸収源対策等によりまして二・六%を削減という内訳になっております。
 我が国の約束草案についての基本的な考え方でございますが、COP21に向けて国際的に遜色のない野心的なものとするのと同時に、エネルギーミックスと整合的なものとなるように、裏付けのある対策、施策、技術の積み上げによる実現可能なものにしていきたいと考えております。
 こうした考え方に沿いまして今般の約束草案の要綱案は策定をされておりますが、具体的に約束草案の前提となりますエネルギーミックスの骨子につきましては、まずは安全性を大前提にさせていただきながら、一つ目として、自給率はおおむね二五%程度まで改善をすること、そして二つ目、電力コストは現状よりも引き下げること、そして三つ目、欧米に遜色のない温暖化ガス削減目標を掲げることなど、3EプラスSに関する具体的な目標を同時達成する中で、徹底した省エネ、再エネの最大限の導入等を行うぎりぎりの案として提示をしているところであります。
 骨子につきましては、原油に換算いたしまして五千万キロリットルを超える省エネ、再エネ比率は二二%から二四%、そして原発比率は二〇%から二二%などとしており、御指摘の温室効果ガス削減の観点からもしっかりと検討をされた数字となっております。
 実現のための具体的な対策でございますが、例えば省エネ対策として、部門別に、まず産業部門における各業界の低炭素社会実行計画の推進、強化や、IoTを活用した徹底的なエネルギー管理の実施、そして民生部門におけるトップランナー制度を活用した機器の効率改善や新築住宅・建築物における省エネ基準適合の推進、そして運輸部門における燃費改善や次世代自動車の普及など、対策を個別に積み上げておりまして、このような積み上げに基づきまして温室効果ガス削減目標を設定したところであります。
○中野正志君 是非頑張ってください。
 ちょっと順番変えます。時間の関係で済みません。
 四月七日のこの経産委員会における私の質疑で、アメリカの経済学者であるジェフリー・サックス氏の「原発リスクより恐ろしい温暖化」の記事を紹介させていただきました。CO2削減を進める現実的、具体的方法として、私は原発の再稼働は極めて重要であると考えております。
 今般、私たちの国は東北の大震災に起因する原発事故を経験し、将来的には原発に対する依存度をできるだけ低くしていくという方針は打ち出しております。
 ただ一方で、中国においては二〇三〇年までに百四十基、二〇五〇年までに五百基の原子炉の運用を計画しているという報道もあります。これは事実であります。これには、中国政府の経済部、外交部が主導で、アメリカのウェスチングハウス社から技術導入を受けております。そのウェスチングハウス社は、二〇〇六年に我が日本の東芝の傘下に入る一方で、中国政府との技術協定を結び、技術供与を行っております。このままでは、私は、日本の優秀な技術者は中国に奪われ、日本の原子力関連の技術は衰退し、国力の衰退をも招きかねないと危惧いたしております。中国の原子力分野における覇権を後押しする懸念すら否定できなくなってしまいます。
 政府としては、このような中国の動きをどのように捉え、今後、日本国として官民の協力の在り方をどのようにイメージして日本の世界最先端の原子力技術を維持発展させていこうと考えているのか、お尋ねをいたしたいと存じます。
○国務大臣(宮沢洋一君) 中国の原子力発電計画については、いろいろ報道はございますけれども、世界原子力協会によりますと、現在二十三基が運転中、二十六基が建設中、そして四十五基が計画中ということであると承知しております。
 東芝の子会社でありますウェスチングハウス社も、最新炉型でありますAP1000を中国で四基建設中と承知しておりますが、隣国で急速に発展する原発建設計画に積極的に関与し、安全性を高めていくことは、我が国自身の安全確保の観点からも重要であろうかと思っております。
 一方、ウェスチングハウスのまさに技術が中国に移っていくということにつきましては、これは東芝でありウェスチングハウス自身の問題ではありますけれども、いずれ、では中国が自分たちの例えば各国に対する原子炉の売り込みのライバルになる可能性があるということであれば、おのずからその受け渡す技術というものにも限度が出てくるんだろう、そういう判断を民間会社としてされるだろうというふうに考えております。
 一方で、我が省としましても、原子炉を支える高度な技術を維持し、安全対策高度化に向けた技術開発や基盤整備、人材育成を進めるため、原子力安全や廃炉等に係る事業を支援しておりまして、二十六年度、二十七年度、約五十億円を計上しているところであります。
○中野正志君 時間です。終わります。
○荒井広幸君 荒井です。
 除染の技術と収束の技術に関してなんですが、時間の都合もありますので、今日は除染の技術、進捗状況、これらについてまずはお尋ねをいたします。
 集中復興期間十年の中の五年、来年の三月をもって集中復興期間というのは一つの区切りを迎えますが、これを継続するかしないか、いろいろと意見が出ております。
 そこでお尋ねいたしますが、除染の集中復興期間の進捗目標は幾らであって、国の直轄分と県、市町村がそれぞれ対応しているのがありますが、直近の達成率を示していただきたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) お答えを申し上げます。
 除染に関しましては、国が直轄除染をしているところにつきましては、集中復興期間内に終了するというところの目標を立てておりましたのは田村市、川内村、楢葉町、大熊町ということでございまして、それはそれぞれ二十五年度内に終了ということでございます。それにつきましては達成をしたところでございます。
 ただ、国の直轄の除染につきましては、市町村ごとに様々ございますけれども、全体としては二十八年度末まで除染を実施するという計画で進めているところでございまして、この目標の達成に向けて鋭意努力をしているところでございます。
○荒井広幸君 続きまして、除染、これは当初、どうやったらセシウムを除去できるかとかいろいろな話がございました。国が承認した除染技術で今活用されているものは何件あって、国が承認した件数は何件で、今活用されているのは何件か、効果が上がらないので利用をやめたというのであれば何件か、お示しいただきたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) 技術を承認するという制度はないわけでございますけれども、私ども、平成二十三年度から除染技術実証事業というのをやらさせていただいております。この事業は、対象技術について広く公募を行いまして、有識者で構成される委員会で選定をしているものでございます。
 これは、実は除染だけではございませんで、土壌の減容技術でございますとか、あるいは廃棄物処理も含めておりますけれども、平成二十六年度までに八十三件の技術を採択をいたしまして、このうち除染に関するものが二十一件でございます。それで、現在までに九件の技術が実際に除染の現場で活用されたというふうに承知をいたしております。
 なお、一旦採用されてやめたという事例は直接は承知をしておりませんけれども、例えば、今申し上げました実証事業の中で、濁水処理に係る吸着材のように、高い効果は確認されてございますものの中で、その後、凝集沈殿処理など、より安価で効果がある方法が普及したことから活用されていないケースもあるというところでございます。
○荒井広幸君 除染では減容化が必要だと思うんですね。減容化というのは様々なやり方がありますが、水分を抜くとか燃やすとか、こういったいろんな手法があると思いますが、減容化するのは、それぞれの地区から運んでくる場合、地区ごとに、運ぶ前に、中間貯蔵に持っていく前に減容化するのか、中間貯蔵地で減容化するのか、改めて確認します。
○政府参考人(三好信俊君) 減容化に関してでございますけれども、中間貯蔵施設まで搬入する前に減容化できる方が輸送量を減らすことができるというメリットがあるところでございます。
 したがいまして、可燃物につきましては原則減容化をすることとしておりまして、地元の御協力をいただきまして、既に幾つかの市町村におきまして仮設減容化施設を設置いたしまして減容化処理を行っているところでございます。ただし、現場で除染するということができない地域もございますので、併せて中間貯蔵施設内に減容化施設を設置することを検討しているところでございます。
 他方、土壌でございますけれども、先ほどもちょっと申し上げましたが、実証事業の中で分級でございますとか熱処理あるいは化学処理等の実証評価を行って、その技術的な効果、有効性を確認しているところでございます。ただ、土壌の減容化に関しましては、基本的に放射性物質の濃度が高い土壌と薄い土壌に分けるということでございますので、この濃度の薄い土壌を公共工事等で建設資材として再利用しなければ、実際上容積を減らすという効果が出てこないという点がございます。
 こういう状況を踏まえますと、福島県内で発生しました除去土壌に関しましては、まずは中間貯蔵施設内に搬入しまして減容化を行って、再利用と最終処分を考えていくという方が現実的ではないかというふうに考えているところでございます。
○荒井広幸君 今日は大体の概要を聞いているわけですけれども、このように努力もしていただいて、一見順調そうに見えるところもあれば、これから進めるというところを感じていただいたと思うんですが。
 例えば農業用水のため池、このため池の除染、汚泥ですね、こういったものを除染するという技術はこの三月に示されているんです、その技術マニュアルというのが。そして、三月に初めてそれがマニュアルとして示されて、実際には今年度ですから、四月から八市町村で除染が一部始まったり実態調査に取り組むと、こういうことなんです。
 ですから、私が申し上げたいことは、もう当初から、農業の場合だったらそうしたため池や水、もちろん地域環境にも影響します、またその水が流れていきますということですから、早くやろうと、どういうやり方があるかと言っていて、最初やる気がなし、国は、そして今になってこういう状況になっている。
 私は、最後に大臣にお尋ねするんですけれども、五年の集中復興期間という意味は、集中というのはやっぱり全ての分野が連携してお互いに補い合いながら、あるいは参考にしながら、そして本気になって国民の皆さんの気持ちもいただいて成果を上げるということだろうと思うんです。それをやめるというんですね。それをやめて次の段階に入るというならば、もっと県から、今事業はどこまでできているかというような話ではなくて、そして今直轄事業の件は聞きましたけれども、本当に進んでいるかどうか、必要性があるかどうか。国は国の考えがあるはずなんですよ。それを県とすり合わせながら総括する作業というのがいま一歩不十分だと私は見ているんです。
 ですから、この全体の総括、つまり個別の総括の合わせたもの、それらが相乗的にお互いに関係を持ってくるものもたくさんありますから、これらをきちんと押さえていくということでないと、実際は、集中復興期間を延ばす延ばさない、まだできていないものだけは続けると、そういうようなことにならぬのではないかと、こういうふうに思います。
 まだまだ目標未達成部分、やっと緒に就くものある、こういう段階だと思います。大臣の御見解を簡単に聞かせてください。
○国務大臣(宮沢洋一君) 経済産業省といたしましては、まさに廃炉・汚染水対策、また福島の復興、更に言いますと避難指示解除といったところが私どもの仕事でありますけれども、それらも含めて、除染も含めて、この五年間といいますか、四年ちょっとといったものについてやはりしっかりとした総括といったものが当然必要だろうと思っておりますし、それにつきまして、国だけではなくて県ともいろいろ突き合わせ等々やっていくということが必要でありまして、そうした上で、次の復興・創生期間といいますか、次の五年間に向けて、しっかりとした足取りで福島の復興のために国が最大限の協力をしていくということが可能になってくるんだろうというふうに思っております。
○荒井広幸君 環境省と一緒に力を合わせて技術の方を開発していただきたいと思います。
 ある程度認証したといっても、任せられた自治体は怖くて実証実験をやるまで行かないんですよ、実際は。そういうものもたくさんあるんですね。この辺ちょっと改善があると思います。後日それは申し上げます。
 さて、戦後七十年の節目です。シベリア抑留者の問題に触れさせていただきたいと思います。
 財団全抑協、相沢英之先生、我々の大先輩が会長をずっとお務めになっておられます。このシベリア抑留者の皆様方が若干置いてきぼりを食らっているような私は印象を拭い去ることができません。九十を超える方が大半でございます。数少なくおなりになりました。
 解決すべきがあります。その最大のものは、二十四か所の都道府県に慰霊碑を持っておりますが、この維持費と慰霊祭、顕彰碑、この費用が今までは財団のお金を取り崩しながらやっていますが、もう枯渇に来ている。しかし、公益財団になりますと国からの助成金は入れないなどという、全く血も涙もない、戦争の反省もないような、そういう態度に来ているわけです。
 何度も陳情しているわけです。何ゆえに慰霊碑の維持費と慰霊祭、顕彰碑を国が補填できないのか。もっと親身に対応すべきと思いますが、総務省、担当は総務省です、そして財務省、お金は財務省です、見解を聞かせてください。
○政府参考人(長屋聡君) お答え申し上げます。
 まず、委員御指摘のとおり、全抑協の各県の支部の方が協会の補助なども受けまして全国で二十四の抑留者の慰霊碑を建立されているというところでございます。実情から申し上げますと、これらの慰霊碑につきましては、抑留経験者、遺族それから地元自治体など関係者によりまして維持管理が行われているという実情になってございます。
 そういう中で、政府、国といたしましては、このシベリア抑留者に関する政策につきましては、昭和六十三年に平和祈念事業特別基金というものを設立いたしまして、国がここに援助いたしまして、この基金を通じて慰藉事業を展開してきたという経緯がございます。そういう中で、平成二十二年にシベリア特措法というのが全会一致で成立いたしましたが、ここで、平和祈念基金の資本金、残額二百億円ございましたけれども、これを国庫納付する予定だったのでございますが、これを特別給付金の支給に全て充ててしまおうということで、言わば使い切るという形で平成二十五年四月一日をもって解散ということになったわけでございます。
 総務省では、その中で、平和祈念基金の残務事業としては、展示資料館の運営とか慰霊碑の管理という、こちらを実施しているものでございますけれども、言わばこういった残務の範囲で必要な予算を計上しているということでございまして、現状におきましては、この慰霊碑の案件につきましては言わば祈念平和基金から引き継いでいないということもございまして、特段の補助、助成については行っていないという状況にございます。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 今ほど総務省から御答弁があったとおり、これまで平和の基金に関して様々な経緯があり、最終的に国庫納付なしで全額ある意味で使うというのを、平成十七年あるいは二十二年の経緯を経て最終的にそういう結論に至っているということでございます。
 委員御指摘のような慰霊碑の扱いについては、それを建立された方々等関係者の方々でまず御協議をいただくということだと思っておりますが、私どもとしては、総務省から御相談があれば、財政の許す範囲内において、大変厳しい状況だと思っておりますが、御相談はしてまいりたいというふうに思います。
○荒井広幸君 財務省の方が積極的なんですよ。
 総務省さんにお願いするのは、確かに経緯はあったでしょう。そういう経緯の中でも、やっぱりもう九十過ぎてこれが心残りだと言うんですよ、戦友。自分たちはそれを後世に伝える義務を持っているから、国のお金などもいただき、基金をつくり、今はそれを継承していきたい、伝えていきたいと。しかし、自分たちはもう手に負えないと。もう命が続かないんだと。こればかりが心残りだと言うんですよ、大臣。大臣もいろいろ、地元もお持ちだし、御経験もあると思うんですね。
 もう一回、総務省、そのしゃちほこばった、基金がまだあって、三十年まではあるんじゃないかみたいな話を言っていたら、三十年、先のことも心配しているんだし、もう取り崩して、ないんだからほとんど。やっぱりそこは今のうちに、こういうふうにしていくよと、そして我々の世代がそれを風化させないように伝えていくんではないんでしょうか。それが慰霊碑だと思うんですよ。
 総務省に猛省を促して、改めて予算措置を要望します。
 終わります。
○委員長(吉川沙織君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時三十分散会