第189回国会 経済産業委員会 第16号
平成二十七年六月十一日(木曜日)
   午前十時六分開会
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   委員の異動
 六月十一日
    辞任         補欠選任
     小林 正夫君     浜野 喜史君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         吉川 沙織君
    理 事
                磯崎 仁彦君
                滝波 宏文君
                宮本 周司君
                加藤 敏幸君
                倉林 明子君
    委 員
                阿達 雅志君
                岩井 茂樹君
                高野光二郎君
                松村 祥史君
                渡邉 美樹君
                小林 正夫君
                直嶋 正行君
                浜野 喜史君
                安井美沙子君
               佐々木さやか君
                浜田 昌良君
                東   徹君
                松田 公太君
                中野 正志君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       経済産業大臣   宮沢 洋一君
   副大臣
       経済産業副大臣  山際大志郎君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       岩井 茂樹君
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        奥井 俊二君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      兵谷 芳康君
       警察庁長官官房
       審議官      島根  悟君
       消費者庁審議官  河津  司君
       農林水産大臣官
       房政策評価審議
       官        石田  寿君
       農林水産省農林
       水産政策研究所
       次長       岩瀬 忠篤君
       経済産業大臣官
       房商務流通保安
       審議官      寺澤 達也君
       資源エネルギー
       庁長官      上田 隆之君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       木村 陽一君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        住田 孝之君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      多田 明弘君
       国土交通大臣官
       房審議官     宮城 直樹君
   参考人
       電力広域的運営
       推進機関理事長  金本 良嗣君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○電気事業法等の一部を改正する等の法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
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○委員長(吉川沙織君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 電気事業法等の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、資源エネルギー庁長官上田隆之君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川沙織君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(吉川沙織君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 電気事業法等の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に、電力広域的運営推進機関理事長金本良嗣君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川沙織君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(吉川沙織君) 電気事業法等の一部を改正する等の法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○加藤敏幸君 おはようございます。民主党・新緑風会の加藤敏幸でございます。
 今日も、いよいよ会期末が近づいてきまして、理事会の方も会期末に向けてのいろいろな意見交換がございましたので、委員の先生方、また政府、大臣始め皆さん方をお待たせをしたということで大変申し訳なく思っておりますけれども、御理解をいただきたいというふうに思います。
 さて、電気事業法等改正案等の法律案についての質疑でございます。今日は、議論を通じて、エネルギーミックスの問題を含めて、電力の安定供給を支える背景として、やっぱり電源構成比をどのようにこれは確実に担保していくかということも非常に重要な議論であるというふうに私ども受け止めております。
 そこで、特に原子力発電の位置付けなり扱いということについては、各会派それぞれお考えがあって、それぞれ御方針がある中で、そう簡単に直ちに白黒ということで話がまとまるとかそういうことではないというふうに思います。しかし、原子力発電の展開といいましょうか、この位置付けがやはり明らかになっていかないと次の議論が、なかなか緻密な議論ができないということもこれは事実であるというふうに考えております。
 そのことについてはまた各委員の皆さん方、御意見が出されてきたということでございますけれども、私は、一つだけ今日、少し明快にというとおかしいんですけれども、明らかにしていきたいなと思っている項目は、今日、原子力規制委員長にも御出席いただきましたけれども、いわゆる世界最高水準の規制基準という言葉が、これはこれで委員長の方からどういう経過でこの言葉が出てきたかということについて御説明をいただきたいというふうに思いますし、一番申し上げたいのは、普通にこの話を聞けば、世界最高水準の規制基準、これをクリアするとか、これがあるんだということは、普通の国民の皆さん方の御理解というのは、ああ、これで世界最高水準の安全性が確保されたと、まあ普通にこう単純に御理解されるし、メディア等含めて、ある場合簡単にそういうふうに理解されるのではないかというふうに思います。
 そこで、ここのところは、私は安全という言葉も、いわゆる専門的に安全ということを、例えばリスクの概念を背景にそのことを議論をするというステージと、安全にやれよとか安全第一ねと、安全を優先するという、そういうふうなニュアンスとやっぱり使い分けをしていく必要性も今は出てきているというふうに思います。
 そういうようなことで、やはり原子力規制委員会の方でこの世界最高水準のいわゆる規制基準ということについて、そのことと、じゃ、普通に言われている安全ということとの関連性等については更に丁寧な私は御説明をしていただきたいということが趣旨でありますので、お答えをいただきたいということと、じゃ、何をもって世界最高水準というふうにお考えになられたのか。各国際機関の安全基準であるとか、あるいは先進諸国と言われている国々の原子力発電所の各種基準の問題だとか、そういうようなことも含めまして解説方々お答えをいただければというふうに思います。
 付け加えまして、我が国は、地震、津波、火山噴火、洪水、台風、非常に自然災害については頻発するというのか厳しい環境であると。言ってみると、原子力発電所の立地条件は非常に厳しいわけです。こんな厳しいところに原発建ててどうするのという意見は意見としてあったわけですけれども、私自身もいろいろ考えてきて、いろいろ思うところが多々あるわけでありますけれども。
 しかし、国民生活を支え、産業を支える電力、このことの重要性も論をまたないし、また、そのことの安全性を、そして安定的に価格もある程度リーズナブルにと、こういうようなところも非常に重要な事態である。また、環境に対するやっぱり規制をクリアするための条件としてもこれも大事だと。
 この辺のところは私どもも非常に悩んできたところでございますし、我が党の云々ということは今日はさておきまして、以上の内容を踏まえてお話をいただければと思います。
○政府特別補佐人(田中俊一君) お答え申し上げます。
 原子力規制委員会は、福島第一原子力発電所事故の教訓、この最大は、地震、津波あるいは火山といった外的要因による共通故障が起こるということに対する備えが十分でなかったということが最大の教訓でございます。そういったもの。それから、IAEAとか諸外国、米国とかフランスとか、そういった規制基準も確認しながら新規制基準の策定に取り組んでまいりました。結果的に見てみますと、私は世界で最も厳しいレベルの規制になっているというふうに理解しております。
 例えば、世界との比較という御質問ですが、非常電源について申し上げますと、一定期間の外部電源喪失や全交流電源喪失に耐えられる備えを求めるという考え方は米国とかフランスとも共通でございますが、米国、フランスの場合は三日間ぐらいもてばいいということでございますが、我が国は一週間、七日間もつようにということ。
 それから、今回の福島の事故の経験から、各号機ごとに様々な、多種多様ないわゆる移動式も含めた電源車の配置とか、そういったものも求めております。
 それから、格納容器ベント。格納容器、最終的に放射能を外に出さないという一つのバリアになるわけですけれども、これが今回の事故では大きく破損したという問題があります。これを破損させないということが最も最終的には大事になってきます。ここにベントラインを設けるということです。今回はうまくベントが働かなかったということですが、もう一つ、ベントするについても放射能をできるだけ低減させるという意味でフィルターを付けるという考え方がございます。米国ではフィルターの導入がまだ検討中でございます。我が国ではこのフィルターの導入は義務付けておりますので、その点においても同等以上の水準であるというふうに思っています。
 地震や津波、これについても想定される最大の自然現象に対して施設の安全が損なわれないことを求めるという、そういう意味では米国もフランスも共通でございます。先生御指摘のように、我が国は地震国でありますので、地震、津波といった厳しい自然環境がございます。それに十分耐えられるようにという意味で相当厳しい要求を求めております。
 それから、バックフィット制度というのがあります。これは、新しい知見が得られた場合、安全上特にそうですが、それを古い施設にもフィットさせるということを求めるものです。これは、米国では費用対効果というのを見てそれを適用しております。欧州の場合、フランスも含めまして、十年ごとに合理的な範囲で適用するということが一般的に行われています。日本ではそういうことを抜きにして全てに適用するというようなことも求めています。
 それから、そういったことを、世界最高水準という言い方をすれば、世界一安全というふうに取られるではないかということでございます。これは、安全というものについての考え方、やっぱり一般的な考え方と技術的な安全というのを分けるべきであるという御指摘です。私もそう思います。一般的なところはちょっと今日は御説明できませんけれども、これは技術的には、ただいま申し上げましたように、相当高いレベルを求めているという意味では相当安全のレベルは高いと。稼働に際して、そういった安全を担保できるようなレベルを求めているということは申し上げることができると思います。
 ただ、世界との比較において、これは炉型とかその場所の立地環境とかいろんなことが違いますので、これは単純にこちらが安全であるとかということは申し上げることはできないということが、これが私どもの考えでございます。
○加藤敏幸君 なかなか実は議論が難しい、そしてそれは国民の皆さん方を含めた議論が難しいという局面だと思うんですよね。今委員長、いみじくも安全ということについて、何をもって安全とするのかも定かではないし、だから非常に、私なりに解釈をすれば、生活上におけるリスクという、これ生活におけるリスクマネジメントという学科もあるわけですけれども、この生活上のリスクというのを、例えば一人の国民が最終的にどういう形でお亡くなりになるのかという要因分析の中で、三分の一ががんで亡くなるとかいろいろ要素があるわけでして、交通事故で亡くなるということも多いんです、あるいは労働災害だとか、あるいは家の前で転んでとか、いろんなリスクはそれなりにこれはあって、その発生確率については大体十万分の一ぐらいのこれを指標にいろいろ比較をされています。
 ただ、その数字が低ければいいんだという議論になると、原発の例えば事故が発生したとして、直接的な死者が発生するとかしないとか、そういうふうなことに置き換わるとまた議論が少しセンシティブな内容は持ってくるので、そこを単純にそういうふうなことを出すのがいいのか悪いのかということは、私はやや検討すべきところはあると思うんです。
 しかし、やっぱり最後は、技術的にこの安全の問題を考えるといったときには、確率という問題と、その発生する確率と起こった損失、影響の度合いとの積で普通はリスクを表すということになっていますので、そういうふうなことを考えたときに、ここの仕組みを国民の皆さん方にどう理解していただくのか。
 特にアメリカの場合は費用対効果を考えてやるといったのは、まさに経済性ということについて非常にやっぱり高いウエートがあって、またそのことも大事なことなんですよね。経済性抜きに安全だけを考えてみても意味がないという部分もあるわけですから。
 だから、ある種安全神話の反作用的に、いや、絶対安全とかいう議論をしてみても政策的にはなかなか前に進みにくいという難しい状況もあるので、私は、最終的にはやっぱりこのリスクという問題について広く国民の皆さん方の理解を進めていくということが非常に大事だし、その上で政府の決断も当然できるし政策の前進も図れるという意味で、これはそういう私の考え方ですけれども、もしコメントがあれば、委員長。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先生御指摘のように、リスクとか安全というものを理解していただくのは大変難しいところでございます。
 私どもも、今回の規制の中では、絶対安全ということは申し上げられないと。ただし、事故が起こっても、セシウム137で百テラベクレルというような、最大でですが、これは福島の事故の大体百分の一以下になります、そういったところを目標に、規制の大きな目標を立ててやってまいりました。実際には、川内とかああいうところでは大体五テラベクレルぐらい、最大想定事故で、そういうふうにはなっておりますけれども、かといって、それを超えないかということは一〇〇%担保するわけにはまいりません。
 そういったことも含めて、国民の皆様に御理解いただくというのは大変難しいことですが、今後、私どもも含めまして、丁寧に我々の取り組んでいることについて御理解いただくよう努力してまいりたいと思います。
○加藤敏幸君 ありがとうございました。
 規制委員長におかれましては、私、以上で質問を終わりますので、どうか、御退席の方は、委員長、御配慮いただきたいと思います。
○委員長(吉川沙織君) 田中原子力規制委員会委員長は御退席いただいて結構でございます。
○加藤敏幸君 次に、政省令等の確認ということでございますけれども、今回の法律案も例によって政省令に委ねるという項目が多々あります。
 それで、政省令の内容が明らかでないということについて、私ども野党の立場で法案に賛成するということについてはやややっぱり危惧がある、心配があるということも、これはこれで事実であります。そこで、できる限り私は確認をやっぱり国会の場でやるべきだというふうに思っておりますので、従来は総論が多くて大変お答えする方は楽だったと思うんですけれども、本日は六点について、法案要綱に基づいてお聞きをしたいというふうに思います。
 まず、電力・ガス取引監視等委員会に関してでございますけれども、電事法の第百十四条第二項と第五項に、経済産業大臣は、政令で定めるところにより、監査の権限並びに報告の徴収及び立入検査の権限を委員会に委任する、また、政令で定めるところにより、委任された権限の一部を経済産業局長に委任することができるということがありますけれども、その政令の概要について御説明いただけますか。
○政府参考人(多田明弘君) お答えを申し上げます。
 先生今お尋ねの電気事業法の百十四条でございますが、政令の内容を御説明する前に、ちょっと全体の構造を簡単に御説明したいと思います。
 百十四条の規定は、経済産業大臣、それから今度新しくつくられます監視等委員会、そして地方にございます経済産業局長、この三者の権限委任関係を定めたものでございます。
 第一項のところで、まず電力の適正な取引の確保、この監視委員会の大きな役割でございますが、この適正な取引の確保に必要な報告徴収、立入検査権限につきましては、これは経済産業大臣から委員会に委任するということを定めております。
 これに対しまして、今御質問のございました第二項でございますが、第一項で委任する権限のほかの権限でございまして、委員会が取引監視等の実務の中で有するノウハウ、これを活用して執行していただくことが合理的だと、このように考えられるものを経済産業大臣の方から委員会に対しまして、これは言わば追加的に委任することができると、こういうことを定めたものでございます。
 そしてもう一点、第五項でございますが、これは地方の経済産業局長に委任するものでございますが、これは東京で地方の取引を全て監視するということは非常に難しいわけでございまして、地方における取引にもしっかりと監視の目が行き届く、こういったことを確保する仕組みとしたいと、こういうことから、委員会に大臣の方から委任された権限を、これを地方の経済産業局長の方に委任することができると、このように定めている、こういう枠組みでございます。その中で、それぞれ対象となります委任する権限の内容を今お尋ねの政令で定めようというものでございます。
 順に申し上げますと、まず第二項の政令の内容でございますが、こちらにつきましては、例えば電気の使用制限、これは震災後に使用制限させていただきましたが、このような事項、これは適正な取引の確保とは直接関係のないものと思われます。そのような電気の供給行為に関するもの、あるいは保安面、保安の確保、これも適正な取引の確保とは関係がないと、このように考えまして、そのようなものを除きます報告徴収、立入検査等の権限をこの政令の中に定めることによりまして大臣から委員会に委任すると、このように考えております。
 それから、その中で委員会から地方の経済産業局長に委任する、これを定めるのが第五項でございますが、こちらにつきましては、委員会が電気事業者に対して行う報告徴収、立入検査等の権限を想定をしております。基本的には電気事業者に対しての報告徴収、立入検査となりますけれども、一部、広域機関に対する報告徴収、立入検査もございます。こちらにつきましては、地方に委任することなく委員会が直接やっていくと、このようなことを想定しているわけでございます。
 最後に、第六項を置いた趣旨でございますけれども、これは、今るる申し上げましたような枠組みでございますので、第五項に基づきまして地方局長の方は委員会から権限を委任されるわけでございますが、その執行に当たりましては経済産業大臣ではなく委員会に指揮監督を受けると、こういう指揮命令系統を明確化するためにこの第六項を置かせていただいている、このように御理解いただければと思います。
○加藤敏幸君 委員会の運営等につきましては、次の質問で対応したいというふうに思います。
 取りあえず次の項目ですけれども、電事法第五十五条における電気工作物のうち、屋外に設置される機械、器具その他の設備であって主務省令で定めるものとありますけれども、この内容を御説明いただきたい。
○政府参考人(寺澤達也君) 御質問の省令につきましては、風力発電設備を規定することを想定しております。
 この背景としては、最近、風力発電絡みの事故が増加しているということがございます。特に風車が落下するとか羽根が飛散するといった大きな事故がこの三年間で十七件発生しております。この事故原因を見ますと、メンテナンスが不適切だったために事故に至っているもの、これが増えております。したがいまして、定期的な検査の義務付けが必要だと考えており、そのために、御質問あった省令において風力発電設備を規定するということを想定しております。
○加藤敏幸君 次に、電事法第二十三条第二項で、特定関係事業者その他一般送配電事業者と経済産業省令で定める特殊の関係にある者と取引を行ってはならないとされ、また、ガス事業法第五十四条の五において、特別一般ガス導管事業者は、適正な競争関係を阻害するおそれのある条件で特定関係事業者その他特別一般ガス導管事業者と経済産業省令で定める特殊の関係のある者と取引を行ってはならないとされていますけれども、この特殊の関係について政省令の中身の考え方を御説明いただきたい。
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 今の点につきましても、中身をお答えする前にちょっと構造を簡単に御紹介させていただきたいと思います。
 今引いていただきました二十三条の第二項、これはいわゆる法的分離に伴いまして中立性確保のために設けております行為規制の一部を定めております。具体的には、ここでは一般送配電事業者が通常の取引条件、これに伴って取引をしなければいけない、それ以外の条件では取引をしてはいけないと、こういうふうなものを定める規定でございます。
 その対象につきまして、今先生引用していただきました、私ども、特定関係事業者その他一般送配電事業者と経済産業省令で定める特殊の関係のある者と、このように規定しております。簡単に申し上げれば、特定関係事業者プラスアルファと、こう書いているわけでございます。
 ここを御説明する際に、まず特定関係事業者が何であるかを御説明しなければいけないかと思いますが、特定関係事業者は、簡単に申し上げますと、一般送配電事業者のグループ会社に属します小売電気事業者、それから発電事業者、あるいはいわゆるホールディングになります親会社、こういったものを特定関係事業者と定めております。この特定関係事業者という概念は、いわゆる役職員の兼職規制の対象となる範囲を定めております。
 したがいまして、今回のこの取引規制の対象は、兼職規制の対象となる特定関係事業者だけではなく、そこにプラスアルファがあるというのがこの規定の趣旨でございます。
 私ども、そのようなプラスアルファを定めなければいけないと考えておりますのは、いわゆる例えば資金融通ということを考えますと、迂回取引ということが十分に考えられます。グループ会社の特定の会社だけを定めますと、中間的な違う会社を通じてそこに利益を移転すると、このようなことをやることについてはあらかじめ手を打っておかなければならないと、このように考えた次第でございます。
 したがいまして、今申し上げました経済産業省令で何を定めるかという点につきましては、グループ会社の中でも特定関係事業者になりますのは、発電事業者、小売事業者、そしてホールディングと、こういうものに限られます。グループ会社には、実はほかにもたくさんあります。例えば、特定のファイナンスだけをやる会社等々あります。そのようなグループ会社の中で特定関係事業者にはならない事業者といったようなものを主に念頭に置きまして迂回取引を回避するための措置を講じたいと、こういうことでございます。
○加藤敏幸君 次に、ガス事業法第十四条第二項の、小売供給に係る料金その他の供給条件であって経済産業省令で定める事項を記載した書面を交付しなければならないとされていますけれども、この内容について説明されたいと思います。
○政府参考人(多田明弘君) この第十四条第二項、ガス小売事業者等が料金その他の供給条件を需要家に説明する場合におけます書面交付義務に関する規定でございます。その書面交付義務が掛かる、どのような事項を書面に記載すべきか、これを省令で定めるものでございます。
 私ども、この経済産業省令の中では、ガスの小売事業者等から需要家に対して説明されるべき重要な供給条件、これを規定する予定でございまして、私ども今、現時点で想定しておりますのは、もちろんガス小売事業者が行います小売料金に係る料金そのもの、これはもちろんでございますが、料金等を期間限定で割引をする、その割引する場合の割引の内容について書いてください。それから、契約の変更あるいは解除、こういったものもあり得ますけれども、その場合に違約金等を求める場合にはその内容を記載してくださいといったようなこと。さらに、料金そのものではございませんけれども、配管工事など工事に伴います費用の負担、こういったことも書いていただこうと思っております。
 さらに、これはお金の話ではございませんけれども、もちろん、ガスの供給に当たりまして、供給の圧力でありますとか熱量がどうであるか、こういった供給条件についても記載が必要であろうと、このようなことを考えておりまして、そのような内容を省令で定める予定にしております。
○加藤敏幸君 では次に、ガス事業法五十三条第一項で、一般ガス導管事業者は、それ以外の事業を営む場合は、経済産業省令で定めるところにより、業務に関する会計を整理しなければならない、この会計処理に関する省令の内容を御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 五十三条の一項でございます。この規定は、引き続き総括原価方式によりまして投資回収等が保証される形となります一般ガス導管事業者、こちらにつきまして、製造部門あるいは小売事業、これらを含めまして、他の事業と会計を分けて整理するいわゆる会計分離、これを全ての事業者に対して、一般ガス導管事業者に対して義務付けると、こういう規定でございます。規定の趣旨といたしましては、一般ガス導管事業者の導管部門で生じた利益が他の部門で使われていないか、これを会計面から監視して認可料金の適切性などを確保するためのものでございます。
 では、この省令の中で何を定めるかということでございますけれども、一般ガス導管事業関連業務に係る収支の計算の方法でございますとか、作成すべき書面の様式など、具体的な会計整理の手法を定めることを想定しております。現在も、一般ガス事業者につきましては託送供給関連業務につきまして会計整理をしておりまして、そうした例も参考にしてまいりたいと思います。
 それから、大変恐縮でございますが、先ほど二つ前の御質問で、特定関係事業者、その他の特殊の関係のある者ということで、電気の御質問とそれからガス事業法の第五十四条の五第一項についてもお尋ねがありました。私ども、同じような考え方でそちらについても措置することを考えております。
 以上、補足させていただきます。
○加藤敏幸君 次に、ガス事業法第八十五条第一項で、一般ガス導管事業者及び特定ガス導管事業者は、他のガス導管事業者が維持し運用する導管との接続、ガス事業の健全な発展を図るため、経済産業省令で定める措置を講ずるよう努めなければならないとありますが、この省令の説明をお願いします。
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 この八十五条でございますが、これはいわゆる導管の相互接続に関する事業者に対する努力義務を定める規定でございます。これまでも議論ありますように、ガス事業の場合、我が国においての導管網の整備、国土の六%弱ということでございまして、これを何とか相互接続を図っていかなければいけない、こういった考えに基づいて規定を設けております。
 お尋ねの省令の部分でございますが、ガス導管の接続を例示としておりますけれども、そのほかにも、ガスの利用者の利益を増進し、ガス事業の健全な発達を図るということに役立つものと、かつ一人ではできなくて他の事業者と協力が必要なもの、こういったものでございます。
 具体的に私ども一番大きく念頭に置いておりますのはガス導管の相互接続でございますけれども、そのほか、例えば、近接するガス導管事業者との間でガスの成分でございますとか熱量といったことについて異なっていて、それが導管を相互接続する、導管接続をすることの妨げとなっている場合があります。そうした状況を踏まえまして、ガスの成分や熱量についてそろえるといったことをこの努力義務の対象として定めることを想定をしております。
 なお、この点につきましては、同じ第八十五条の第二項以下で、協議の義務でありますとかそれから国によります命令、裁定といった一連の規定がございますけれども、そこの対象はあくまで導管の接続に限っておりまして、今のガスの成分や熱量についてそろえるというのはあくまで第一項の努力義務の対象ということにしております。
○加藤敏幸君 以上の政省令の内容についての概要をお伺いいたしましたけれども、これ最終的に国会との関係を含めてどのように内容についての御説明をいただけるのかということと、時期的なものがある程度あれば教えていただきたいんですけれども。
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 まず、政令、省令につきましては、基本的に審議会等で議論を重ねた上でパブリックコメントを行って定めていくという手順を踏みたいと思っております。今回の御提案させていただいている法案、施行時期がそれぞれ段階を踏んでおりますので、その段階の時点に応じまして、それに間に合うよう十分な時間的な余裕を持って定めていくと、このようなプロセスを考えているところでございます。
○加藤敏幸君 私どもに対する報告のタイミングと方法について何かありますか。
○政府参考人(多田明弘君) 私どもの政令、省令につきましてこの委員会の場で御議論いただく機会があるかどうかにつきましては、これは私どもの方から何か申し上げることではないのではないかと拝察をいたします。
○加藤敏幸君 委員会の場ということではなくて、また機会を、それぞれ各会派とも、重要事項、関心も高いし、これは関係者の皆さん方も非常に関心が高いし、いろいろ話が出てくると思いますので、その辺のところはしっかりとやっていただきたいというふうに思いますので、ここは大臣の方でもよろしくお願いしたいと思います。
○国務大臣(宮沢洋一君) 法律が通ってしまえば全てが内閣が決めていいというわけではないと思っておりまして、与党を含めまして政省令の内容につきましてしっかり事前に御説明をして、また御意見をいただく機会をつくっていきたいと考えております。
○加藤敏幸君 よろしくお願いいたします。
 では次に、電力・ガス取引監視等委員会につきまして御質問をいたします。
 これは実は、これも法案要綱に基づいて少し内容を見てみたんですけれども、およそ十項目の業務が挙げられております。事業者間の取引などで協議が調わない場合あっせんをする、事業者間の契約締結等で協議が調わない場合仲裁する、以下、委員会は検査、監査の権限、報告の徴収、立入検査の権限の一部を、もうこれは先ほど省令で御質問した内容がここに記載されております。
 そこで、前々回、佐々木委員からも詳細な質疑がございましたけれども、私としては、多少重複する部分もありますけれども、事務局の在り方と独立性、中立性の確保ということの二点について質問したいと思います。
 これは八条委員会ということで、実は三条委員会にしたらどうかという議論も内々いろいろありました。そういうようなことで、この委員会の性格をめぐって、政府との関係でいけばより距離が遠い、つまり独立性をより高めるべきなのかどうか。もう一つは、そうはいっても、独立委員会としたらば、これだけ広範な専門的な視点からの監視も含めて業務が多様にわたるということになると、それだけの人材、陣容を抱えることができるのかというのも、これも、実は行政改革の視点からいっても余りそこにコストを掛ける必要性はないのではないかと。そうすると、既存の経済産業省の人的パワーをどう使っていくかと。したがって、委任をすることができるとか地方の経済産業局長にやらせるとか、そういうふうな非常に入れ子構造の指揮命令系統の組織構造をこれは提起されていると。そうすると、ややもすると、まあ早い話、経済産業省のお役人がやっておるのかと。委員が五名と、それも非常勤でということで、一体そのときの独立性という視点はどうなるのということと今言った内容と、この二つをやはりどのように整理をするのかというふうなことだというふうに思います。
 また、あっせん、仲裁という言わば一つの仲裁法に基づく機能も、それに類似した行動を行うということでありますので、当然専門家の起用が必要だということでありますし、あっせん、仲裁等について職員がその任に当たるという部分もございますので、この辺のところ、スタッフの身分保障も含めてどのようにお考えか、これをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(多田明弘君) 電力・ガス取引監視等委員会についてのお尋ねでございます。
 まず、スタッフの規模等について御説明申し上げます。
 私ども政府部内での機構定員要求というものの結果、この監視等委員会の発足の時点では、委員会の事務局に東京で五十名の定員、そして先ほどございました委員会から委任を受け業務を執行する地方の経済産業局に十八名の定員を措置することになった次第でございます。もちろん、行政の肥大化、行政改革という視点は大事でございまして、この機構定員要求の中では、経済産業省全体の定員の中からこれを工面する、捻出すると、こういった形で手当てをさせていただいた次第でございます。
 その際、事務局職員が経済産業省の職員だけで構成されるということではございませんで、私ども委員会事務局への職員の異動はもちろん念頭にはございますけれども、それだけではなく、法務、会計あるいは金融の知見を有します弁護士の方々あるいは公認会計士の方々など外部の人材というものを積極的に採用するということによりまして多様な人材を確保し独立性と専門性の高い組織にしていきたいと、このように考えている次第でございます。
 また、あっせん、仲裁につきましてもお尋ねがございましたけれども、この委員会の事務局の職員、こちらにつきましては、電力あるいはガスの行政にこれまで知見を有しております資源エネルギー庁の職員なども含めまして委員会の事務局の方に異動いたしますけれども、今申し上げましたように、外部の人材、積極的に採用していきたいと思っております。
 その中で、委員会によるあっせん、仲裁につきましては、多くの紛争事案を同時並行して処理しなければならないといったようなことが十分想定されますものですから、あっせん委員あるいは仲裁の委員というものは、五名である委員会の委員に限定することなく、その他の職員の中からも指名することができるように措置をしているところでございます。
 詳細につきましては今後検討していかなければならないと、このように考えておりますけれども、この委員以外の外部の専門家にあっせん、仲裁というものを行っていただくことを私どもとして想定をしているわけでございます。その際に身分保障というものが非常に重要になるわけでございますが、このあっせん、仲裁を担う、元は外部の専門家であった方も、身分上は一般職の国家公務員となることになります。したがいまして、身分保障につきましては、国家公務員法の規定が適用されまして、しっかりと措置がされるということになるわけでございます。
 このような体制の中で、先生御指摘の八条委員会、経済産業大臣の下に置かれる八条委員会ではありながら、独立性と専門性の高い組織として取引の監視に努めていくと、このように考えているところでございます。
○加藤敏幸君 またいろいろと御意見を申し上げたい、機会があろうかと思います。
 最後になりますけれども、中立性、独立性の確保について政務の方から。
○国務大臣(宮沢洋一君) この委員会につきましては、当然のことながら、独立性、中立性を確保することは非常に大事でございます。そのため、例えば委員について言えば、その職務について公正かつ中立的な判断をすることができる者であることを任命要件として法律に明記をしているほか、委員は独立してその職権を行う旨を法律に規定し、個々の職務遂行について独立して判断を行うことを明らかにしております。
 また、地方の産業局に一部事務を委任しておりますけれども、地方の体制につきましては、経済産業局が地方支分部局として経産省の所掌事務を分掌して経産省の様々な業務を行っておりますが、一方、委員会として行うべき監視などの業務の独立性、中立性に配慮をいたしまして、委員会から委任を受けて監視などの業務を行う部署とその他の部署を明確に分けるということにしております。
 そして、委員会から委任を受けて行う業務につきましては、委員会からのみ指揮監督を受けるということで、指揮命令系統を区分して明らかにすることで独立性、中立性を確保される仕組みとしておりまして、これは証券等監視委員会で行われておりまして、証券等監視委員会につきましてもやはり独立性、中立性がしっかり担保されて行われている方式を踏まえて措置をいたしました。
○加藤敏幸君 質問は終わります。準備された皆様方にはまた別の機会があればと思いますので。
 ありがとうございました。
○安井美沙子君 民主党・新緑風会の安井美沙子でございます。
 システム改革、これ本当に国民生活、そして日本の産業界に大きな影響を与えるものですから、私はこの審議、本当に最後まで尽くさないと責任が果たせないというふうに思っています。第一弾のプログラム規定のときから非常に長い時間がたちましたけれども、当時、ガスシステム改革や熱供給というような話は全くなかったものですから、その部分については非常に私は拙速な議論になっているという感を拭うことができません。
 今回のこの改革、改革のための改革になっていないか、それから、本当に国民の利益につながる内容になっているか、この国会で必要な検証を全てしたのか、この辺がまだすっきりしないんですけれども、こんな思いを抱きながら幾つかの点について確認をさせていただきたいと思います。
 まず、検証規定についてお伺いをいたします。
 資料を配らせていただいておりまして、上段が第一弾の検証規定、それから下段が今回の法案に付いている検証規定でございます。
 検証規定というのはこれ実行しないと全く意味がないわけでありますけれども、第一弾の改正法における検証規定について確認をさせていただきたいと思います。
 第十一条の三のところで、各段階において、当該改革を行うに当たっての課題について十分な検証を行い、その結果に基づいて当該課題の克服のために必要な措置を講じつつ、当該改革を行うこととあります。第一段階、もう始まっておりまして、広域機関も設置されているわけですけれども、どんな検証を行い、どんな措置を講じたかということをお伺いしたいんですが、特に、この下にあります第十一条の五のところに、本法案を提出するに当たって、今回のですね、原子力政策を始め云々とありまして、競争条件が著しく悪化した場合、競争条件を改善するための措置というふうにあります。
 原子力の再稼働が進まず安定供給に不安が残る中、競争条件を改善するための措置は行ったのでしょうか。これも含めてお答えをお願いします。
○国務大臣(宮沢洋一君) おっしゃいましたとおり、第一弾の改正におきまして、各段階において当該改革を行うに当たっての課題について十分な検証を行い、その結果に基づいて課題を克服するために必要な措置を講じつつ改革を行うということが規定されております。
 そのため、政府におきまして、法的分離の実施のための課題について、電力システム改革の制度設計を検討している審議会の下で十分な検討を行ってまいりました。具体的には、総合資源エネルギー調査会電力システム改革小委員会制度設計ワーキンググループの下で、災害時などにおける関係事業者間の連携ルール、一般送配電事業者が需給のバランスの調整を行うための発電所への指令ルール、一般送配電事業者が確保すべき調整力やその費用回収の仕組み、一般送配電事業者としての中立性をより一層確保するための行為規制の在り方、一般担保規定などの取扱いについて検討を行いました。
 こうした検証の結果、例えば災害時の事業者間の連携のために広域的運営推進機関において定めるべきルールを検討し、同機関の業務規程及び送配電等業務指針の認可基準に反映いたしました。また、一般送配電事業者から発電所への指令のルールについて検討を行い、これを踏まえて各一般電気事業者がシステム開発に着手をしております。さらに、一般送配電事業者が確保すべき調整力は託送料金で回収することとし、託送省令において措置するなどの必要な措置を講じてまいっております。
 また、今回の法案でも、行為規制といたしまして、法的分離後、例えばトラブル発生時にはコールセンターの小売部門担当者も送配電部門の緊急時対応を即座に応援できるよう平時から両部門間の一定の連携を認めることとし、さらに資金調達面に関しては、一般送配電事業者とそのグループ会社などとの間の資金融通について、金利など通常の取引条件の範囲内であればグループ一括での資金調達を可能とするとともに、一般担保について激変緩和のための措置を講ずることで安定供給に必要となる資金の調達に支障を来さないよう配慮しているところでございます。
○安井美沙子君 最後にお聞きした部分にちょっとお答えいただいていなかったように思うんですけれども、原子力の再稼働が進まずに安定供給に不安が今あるわけですけれども、この競争条件を改善するための措置、もう一度お答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 再稼働につきましては、まさにこれまで申し上げてきたとおり、規制委員会に事業者が再稼働を申請し、規制委員会において新規制基準に適合すると認められた炉につきましては再稼働を進めていくということでございまして、現在までのところ、鹿児島の川内の二基、そして関電の関係で高浜で二基が設置変更許可というものをもらっているところでございまして、このような検討を行うという状況ではないと思っております。
○安井美沙子君 この検証規定を読むと、そういった安定供給に不安が残る中では法的分離の法律案を提出することはできないのではないかというふうにも思えるわけですけれども、粛々と進んでいることについてはこれ以上どうしようもございませんで、私たちも野党の立場できちっとこれ先々も監視をしていきたいと思っています。
 次に、今回の法案の検証規定についてお伺いをします。
 下の方ですけれども、エネルギー基本計画の実施状況、需給状況について検証を行うものとするとあるわけですけれども、ここで言うエネルギー基本計画の実施状況とは具体的に何を指すのでしょうか。二〇三〇年時点でのエネルギーミックスを見据えたその実現状況というのも検証対象に入るんでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 七十四条におきまして、エネルギー基本計画に基づく施策の実施状況などについて検証を行うものとされております。
 これは、エネルギー基本計画の一部として位置付けられている電力システム改革については、エネルギー政策全体を進めていく中で、改革だけを進めるのではなくエネルギー基本計画に位置付けられている他の諸施策と整合的に進めていくことが求められていることから検証の対象といたしております。
 エネルギー基本計画の内容は多岐にわたっております。具体的にどのような事項を検証していくかは今後検討していくことになりますが、例えば地域間連系線などの増強やスマートメーターの導入など改革後の電力システムを支える各種インフラの整備、円滑な廃炉や核燃料サイクル事業の安定的、効率的な実施のための原子力発電の事業環境整備など、改革と整合性を取って進める必要のある政策措置などについて、その進捗状況を検証してまいります。
 一方で、エネルギーミックスの状況が、この今回の制度改革に与えるといったものではないと考えております。
○安井美沙子君 エネルギー基本計画自体、三年ごとに見直されると思うのです。ですから、この検証結果に基づいて私はエネルギー基本計画が逆に見直されるのではないかと思っておりまして、そのエネルギー基本計画の中に関連しますエネルギーミックスもその時点でその検証結果をもって変更を加えられるのではないかというふうに思っておりまして、その場合、現時点ではお考えになっていないという原子力の新増設についても、またこれも見直されることがあるのではないかと思っているのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) この法案の検証規定とは直接には関係せずに、エネルギー基本計画については、エネルギー基本法におきまして三年に一度見直すということにされております。
 したがって、私どもはこれから、昨年エネルギー基本計画をまとめましたので、二年後にはエネルギー基本計画の見直しをしなければいけない。その中で、直接にはこの検証とは関わりないわけでありますけれども見直しを行っていく。そして、エネルギー基本計画の見直しを行った結果、エネルギーミックスを変更しなければいけないというような状況になったときにはエネルギーミックスも変更をいたします。
 しかし、それにつきましては、やはり地球温暖化対策で、正式にはこれからでありますけれども、二〇一三年比で二六%削減するという方向がございますから、その枠内で見直しをエネルギーミックスについても行うことが理論的にはあると、こういうことでございます。
○安井美沙子君 はっきりはお答えになりませんでしたけれども、温暖化という言葉が出てきますと、やはり原子力の推進というふうにも少し感じてしまうのが一般人の感覚でございますので、とにかくこのエネルギー基本計画及び検証規定というのを、今、直接には関係ないというふうにおっしゃったんですけれども、やはりこれ、次元は少し具体レベルなど違うかもしれませんけれども、どうしても関係してくるとは私は思います。
 次に、広域機関の役割についてお伺いをします。
 先週の委員会では、我が会派が広域機関の金本理事長にお越しいただきたいと切望していたわけですけれども、与党の反対でかなわず、理事長不在の中、前回は広域機関について議論を行わざるを得なかったわけですけれども、今日はお越しいただけましたので、改めて広域機関の役割について確認をさせていただきたいと思います。
 今の質問に関連するんですけれども、政府が示すエネルギーミックスを実現するためには、各電力会社の発電方法を俯瞰的な立場から政府の目指す方向へ誘導する必要があります。広域機関の重要な役割として、短期、中期、長期の需給計画の策定と広域的な観点による電源及び送電設備の調整が期待されていることは間違いないと思いますが、ということは、エネルギーミックスとは無関係ではないと思っています。
 エネルギーミックスを実現するための調整や軌道修正、こういったことを行うのでしょうか、理事長にお伺いいたします。
○参考人(金本良嗣君) 広域機関の基本的な役割は、基幹電力系統の整備や広域的な需給運用を通じて安定供給を図ることと認識をしております。エネルギーミックスに係る政策自体は政府において検討、実施され、必要があれば政府から広域機関に要請や指示があるものというふうに承知をしております。
 その中で、広域機関の役割は、将来のエネルギーミックスにおいて想定される電源構成においても安定供給が損なわれることがないように、必要な基幹電力系統の整備を進めるとともに、連系線を活用した全国大での需給運用を実施するということと考えております。
○安井美沙子君 今の御答弁からしますと、あくまで政府に対して受け身の立場であるというふうに私は理解をいたしました。ただし、政府がエネルギーミックスに鑑みて何か必要なことがあるというふうに判断をしたらば、またそれを受けて広域機関の方も何か実施すると、そのように受け止めました。
 次に、ほかの役割についてですけれども、先週の委員会で、私、危機対応時の需給調整について実は伺いました。ホルムズ海峡に機雷が敷設されて日本への原油の供給が途絶した場合の広域機関の役割なんですけれども、こういった場合、先週の委員会では、広域機関には状況を打開する手だてがない、そのことが確認されました。
 広域機関にできる、いわゆる業務規程にある需給逼迫時の対応とは、これ明記はされていないんですけれども、現実には平時のごく短期間の電力需給逼迫時の対応に限られると、これが政府の見解だったんですけれども、それで認識はよろしいでしょうか。
○参考人(金本良嗣君) 御指摘のようなホルムズ海峡封鎖のような事態につきましても、それが短期的なものなのか、あるいは持続的なものなのかということにつきましては状況によって異なるということだと思います。したがいまして、我が国の電力需給が受ける影響はそういったことによって大きく異なるということで、予見することは難しいということと考えております。
 したがいまして、こうした事態におきましては、稼働していない発電設備を動かすといった対応とか、あるいは、震災後に行われました電力使用制限のように、需要側の対策が必要になるかもしれないといったこともございます。そういうことにつきまして、本機関においては、集約しております需要と供給の両面のデータを経産省の方々などとも共有いたしまして、こういうのを基に国を挙げて取り組んでいくものと承知をしております。
 ということで、国全体の取組の中で、本機関としても、会員でございます各電気事業者に対して必要な指示を行うなどという本機関としての役割を果たしていくということになると思います。
○安井美沙子君 政府と広域機関と両方のお考えを伺って、私もよく理解できました。ありがとうございます。
 次に、全国規模で電力需給を調整する司令塔という位置付けに理解していますけれども、実際には、周波数の異なる東日本と西日本の需給調整というのは別々に行わざるを得ないんではないかというふうに思っています。東西間の周波数変換設備の容量拡大とか、この問題に関する今後の見通しとお考えをお聞かせください。
○参考人(金本良嗣君) 本機関の役割は、周波数変換装置の増強に関する具体的な計画を策定することでございます。
 周波数変換装置の容量は、現在百二十万キロワットでございますが、これが平成三十二年度までには二百十万キロワットに増強される予定でございます。これを二〇二〇年代の後半をめどに、なるべく早期に三百万キロワットまで増強することにつきまして、広域機関の方で、中立的な有識者にも加わっていただきまして広域系統整備委員会を設置して、来年四月を目標に検討を進めていることでございます。
 これの後の更なる増強につきましては、想定される送電需要、投資対効果などの経済性も踏まえて実施の要否について今後判断していくというものと考えております。
○安井美沙子君 今、二〇二〇年代までに三百万キロワットというふうにおっしゃったと思いますけれども、素人から見ますと、非常にこれ消極的に思うのです。もちろん、投資対効果というふうにおっしゃいました、それも理解いたします。でも、これ、全体の電力流通量からしますと、せいぜい二%とかその程度なのではないかというふうに思います。元々、広域機関の設置のきっかけというのが東日本大震災級の災害に備えたものが必要だということだったと思うんです。
 今、原発の再稼働が進まずに安定供給に非常に不安がある中、この東西の流通というのが、全国規模の需給調整というのがやっぱり求められるのではないかと思っておりまして、そもそものこの広域機関の成り立ちを思いますと、こんなスピードでいいのかと思ってしまうわけですけれども、理事長のお考え、いかがでしょうか。
○参考人(金本良嗣君) 連系設備の増強には非常に時間が掛かるということでございますので、現在検討を始めております三百万キロワットまでの増強につきましても、二〇二〇年代の後半めどということでございます。それ以降につきましては、それまでの需給の状況、どの程度東西の分断が起きるかといったことを踏まえて検討をしていくものというふうに考えてございます。
○安井美沙子君 この問題は、一つ広域機関が重要な役割を果たすところだと思っておりますので、是非積極的なお取り組みをお願いしたいと思います。
 ありがとうございました。
 次に、岩井政務官にお伺いしたいんですけれども、六月四日の議論の中で、中野委員の質問に対しての答弁だったと思いますけれども、「今回の改革は、市場の垣根を取り払い、総合エネルギー市場を創出するものでありまして、改革を遅らせることは消費者の利益につながらないと考えております。」とおっしゃいました。私、これ非常に残った答弁だったんですけれども、改革を遅らせることは消費者の利益につながらない、これ、本当にそうなのか、おっしゃっている消費者の利益というのは何なのか、なぜ遅らせると利益につながらないのか、御説明いただけるでしょうか。
○大臣政務官(岩井茂樹君) 今回の改革というのは、安定供給の確保を大前提としつつ、事業間の競争の進展による電気料金の最大限の抑制を図るものであります。
 そこでよく言われるのが、本当に電気料金抑制されるのかという話があろうかと思いますが、これまでの電気事業制度改革によりまして電気料金は着実に抑制をされてきております。また、全面自由化後も、今般設立をいたします電力・ガス取引監視等委員会が競争の進展状況を厳格に監視していくこととしております。また、電力会社や料金メニューを自ら選びたいという消費者のニーズに対応した需要家の選択肢の拡大や事業者の事業機会の拡大といった、これ先ほどの電気料金の抑制ということもあるのですが、これが国民の利益をもたらすものと考えております。
 こうした改革のメリットを早期に実現することが消費者にとっても重要であるという趣旨で先般の答弁させていただきました。
○安井美沙子君 では、更にお伺いします。
 まず、価格のことをおっしゃいました。もちろん日本では電気料金は相対的に高いと思いますし、私も非常に一生活者として圧迫感を感じています。この価格的メリットというのは、多少のことでは余り実感がないわけですけれども、どのぐらいの価格的メリットは最低保証できるとか、必ず価格的にメリットを保証できる、まあ、どのくらいというのが難しくても、岩井政務官の責任で価格的なメリットは少しでも必ず保証できると国民に対して言えますでしょうか。
○大臣政務官(岩井茂樹君) 私の責任でと、なかなかそれも厳しいというところがあります。
 メリットが、どれからメリットかというお話があろうかと思いますが、現実問題として、過去の電気事業制度改革の成果、これ顧みますと、一九九五年に行いました第一次電気事業制度改革、これ前後でやはり価格が確かに抑えられているところであります。燃料費用の増加に伴う上昇というのはあるんですけれども、燃料費以外の部分、例えば減価償却費、修繕費、人件費等々は、その後、大体改革開始以降約三七%低下しているという、これ数値として出ているところであります。
 これから考えてみましても、抑制効果というのはあるのではないかと考えております。
○安井美沙子君 今進められておりますこのシステム改革、国民からは理解できる部分は本当に限られていると思いまして、関心はこの価格に一番あると思っています。いろんな壮大な変革を起こしながら、この価格にメリットが実現してきませんと何のための改革だったということになりますので、是非ここは最優先の課題として何としても実現していただきたいと思います。
 それから、安定供給ですね、これが今より損なわれないという保証はあるのでしょうか。
○大臣政務官(岩井茂樹君) 安定供給をしっかりと果たすように全力を尽くしてまいります。
○安井美沙子君 諸外国で先んじてシステム改革を行っているところで、価格が余計に高くなったではないかということと安定供給が損なわれたではないかというのがやはり先例としてあるわけなんで、ここは本当に言い訳は許されないと思うんですね。後発の日本ですから、何とか先人の失敗に学んで回避をしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 最後に、大臣にお伺いしたいんですけれども、一番最初に申し上げたように、改革のための改革になってはいけない、それから、初めにスケジュールありきであってはいけないと思っています。検証規定も今回にも設けてあるわけですけれども、こういった今申し上げたような消費者利益が確実にもたらされるということを確認しながらこのシステム改革を今後も進めていくべきだと思っています。
 発送電分離がちょうどオリンピック・パラリンピックの年に当たると思います。世界に向けて日本は大きな責任を果たさなければいけない年でもあります。こういったときに、この壮大な社会実験みたいなことをして大丈夫なのかなというふうに私は心配をしています。
 今申し上げたような懸念も含め、とにかくスケジュールありきでなく、消費者利益あるいは産業界にとっての利益、国益を第一に進めていただきたいという思い、これを是非大臣に御決意を伺って、私の質問を終わります。
○国務大臣(宮沢洋一君) 先ほど岩井政務官からお話しいたしましたけれども、今回の改革につきましては、安定供給の確保ということを前提にして、電気料金の最大限の抑制、そして需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大といったことを目的としているものでございます。
 そして、世界の他国でもいろんな例がおっしゃるようにございました。例えば、イギリスにおいては小売料金を自由化した途端に料金が上がり始めた云々というような話もございます。そういう世界の前例を勉強しながら、例えば規制料金も、競争が進展していると認められるまでは規制料金のメニューを残すとか、また送配電業者に地域独占というものを認めて安定供給をするとか、そういう措置をしてまいりました。
 一方で、先ほど岩井政務官もおっしゃったように、この目的を達成した上に、それと同時にやはりスピード感を持ってこれを実現するということも我が国の国民にとっても私は大事なことだと思っておりまして、しっかりとスピード感を持ってこの改革を実現、成功させていきたいと考えております。
○安井美沙子君 先ほど申し上げましたように、オリンピックもありまして、後にはまたリニアモーターカーのスタートなんというのも控えております。非常にこれから大きな変革が予定されている中でこの電力システム改革を行っていくということ、期待も大きいのですが、不安もたくさんあります。これからも与野党を超えてしっかり議論を続け、監視をしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
○小林正夫君 民主党・新緑風会の小林正夫です。
 早速質問させていただきます。
 附則七十四条の検証規定に関する質問をいたします。
 今までの質疑の中で、政府は、検証において課題があればそれをクリアして進めていくと、こういう答弁がされております。そこで、二〇二〇年四月一日に送配電を分離すると、こういう法案になっているわけですが、この施行に当たってはどういう課題をクリアしておかなきゃいけないのか、この辺についてお聞きをいたします。
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 二〇二〇年四月一日に法的分離を行うということを明記させた法案を提出させていただいております。その法的分離に当たりましては、この実施に伴います様々な課題あるいは懸念につきましてきちんと検証を行った上で、必要に応じてこれを解消するための環境整備が進められていると、こういったことが大変必要だというふうに考えてございます。
 この法的分離の実施に先立って行います検証におきましては、現時点で具体的な検証の方法までは詳しく決まっておりませんけれども、少なくとも、条文の中で明示をされております法の施行の状況、そしてエネルギー基本計画に基づく施策の実施の状況、そして電気の需給の状況、さらには電気の小売に係る料金の水準、こういった事項につきまして検証の対象になるのは当然であると思っております。
 その上で、先ほど大臣からもお話ございましたけれども、今回の電力システム改革の目的は、安定供給の確保を大前提とした上で、電気料金の最大限の抑制、そして需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大と、こういったことを目的にしているわけでございますので、この法的分離を実施することが、私どもが目指します電力システム改革のこれらの目的の実現、これを損ねるものではない、これらの実施に伴う課題や不安要因に適切に対処されているんだ、こういったところを、そういう状況を実現してこれらに臨んでいきたいと、このように考えております。
○小林正夫君 政府の強いお気持ちはお聞きをいたしました。
 そこで、大臣、今言ったような課題の措置をしていく、そして次に進めていく、これがうまく課題がクリアできなかった場合、この措置ができなかった場合、これから五年間ありますからいろんな出来事もこの間にあるかもしれません、そうした場合に、二〇二〇年四月一日の送配電分離の施行というのはどういうふうに考えているんでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) これまでも何度か答弁してまいりましたけれども、まさにその検証を行った結果、課題や懸念があればそれを解消するための環境整備に政府として全力を尽くすということが趣旨でありまして、課題が解決しない場合という状況は想定はしていないわけであります。
 ただし、全く違うことが起こったときにどうだ、想定していなかったことが例えば大震災のようにあるではないか、こういう御質問であるとすれば、この法律におきましては二〇二〇年の四月一日に施行するとはっきり明記をしているわけでございますが、検証規定、この附則のあるなしにかかわらず、新たな立法をもって施行期日を延ばすということは法理論的にはあり得る話だと思っております。
○小林正夫君 いろんな思いがこもった答弁だというふうに私は受け止めましたけれども、万策尽きる、いろんなことを対策としてやっていく、あるいは措置をやっていく、今大臣がおっしゃったようなことに懸命に政府はやっていくんだと思います。ただ、先ほど言っているように、いろんなことが起きて、想定しないことも起きるかもしれない。政府は一生懸命この課題解決に向けてやっていくんだろうけれども、万策が尽きるということもあると思います。
 もう一度、そういう場面においてはこの二〇二〇年四月一日の施行についてどういうふうに考えていくのか、お聞きをいたします。
○国務大臣(宮沢洋一君) 現在想定できるある程度の範囲であれば、万策が尽きるということはないと考えております。
○小林正夫君 私の質問に、大臣、きちんと答えてくれていないんです。
 万策を尽きたらどうするのかということですから、万策が尽きると思わないとか今御答弁ありましたけど、万策尽きたらどうするんですか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 何度も申し上げますけれども、現在ある程度想定されるようなことにつきましては、何とか私ども対処できると考えております。
 ただし、最初の答弁で申し上げたような、本当に、例えば東日本の大震災のような想定外のことが起こったときには、法理論的には新たな立法をもって施行時期を遅らせるということはあり得ると、こういうことだろうと思います。
○小林正夫君 今大臣おっしゃった、初めに答弁をされたこともしっかり頭に入れさせていただきますけれども、いろんな事象が起きて想定外が起きた、またその対応のために二〇二〇年四月一日に送配電分離できるようにいろんな措置をやっていく、それでも、それがうまくいかなかった場合もあり得ると私は思っております。そういう中で、想定外のことが起きたり、あるいは想定外のことで対処していくため、それでも万策が尽きることもあるかもしれない。そうした場面においては、先ほど言ったように、大臣が当初答えたように、この二〇二〇年の四月一日についても考えていく必要もあるんじゃないかというふうに大臣は思っていらっしゃると、こういうふうに私受け止めました。是非、そういうことがあれば毅然と冷静に判断をしていただいて進めていただければと思います。
 今日もこの資料を用意をさせていただきましたけれども、前回よりか少し発電事業のところを詳しく描いてきた、それと、ちょうど真ん中の辺に死亡災害の件数もここに入れてまいりました。
 そこで、電気は発電所から需要家まで電線がつながっていないと送れませんということは、もう何回もこの絵を使って言ってきました。政府は、そのことを承知の上でこの送配電部門を電力会社から切り離して別会社にする、このように今回提案をしてきているんですけれども、今までも何回も指摘しましたけれども、電力の安定供給だとか作業安全の確保、あるいは自然災害の迅速な停電復旧など、私の経験からすると相当なリスクがあって、分離することに大変私は危惧をしております。これ、繰り返しですけれども、送電線、あるいは電線がつながっていないと電気は送れないのに、そこの部分の途中の送配電部門を別会社にするわけですから、そういうふうに私は思います。
 それと、昨年の六月の十日のこの経済産業委員会で、送配電の中立性について質疑を交わしたことがありました。そこで私の方はそういう質問をしたところ、政府の方からの答弁は、中立性に関して、国が法律に基づいて停止とか変更命令を課した事例はない、現行制度においても、一般電気事業者の送配電部門の中立性を確保するために、一つ、情報の目的外利用の禁止、二つ目、差別的取扱いの禁止、三つ目、会計の分離といった行為規制を措置している、こうした措置により送電部門の中立性は一定程度保たれていると考えていると、こういうふうに政府の方から答弁がありました。
 私は、現行の発送配電一貫体制の中でも一定の中立性は保たれている、そして、先ほど大臣とやり取りをしましたけれども、想定外とかいろんなことが起きて場合によっては二〇二〇年の四月一日の変更もあり得ると、こういうことの判断は当然冷静にきちんとやっていくべきだと思うと同時に、私は送配電分離そのものを、そういう課題があって二〇二〇年四月一日難しいということになれば、この送配電分離そのものを再考すべきだと、私はこのように思います。この論議はしませんけれども、そういうことを私は今日指摘をさせておいていただきたいと思います。
 次の質問に入ります。
 今日は、電力広域的運営推進機関の金本理事長にお越しいただきまして、本当にありがとうございました。
 送配電分離に関して、作業安全の確保策についてまずお聞きをいたします。
 電力の供給だとか停止等の作業では、電力の労働者が高いところで働いたり、あるいは電線や制御の機器などを直接手で触って仕事をやっていきます。電力組合の集計では、二〇一四年度十七名が労働災害で尊い命を落として、今年度も既に一名の死亡災害が起きている。これは今日提出した資料のちょうど中ほどにそのようなことが書いてあります。
 それで、先ほど安井先生と広域機関の仕事のことについていろいろやり取りがありました。私は、理事長のやられるところの仕事というのは、日本全体の電力の安定供給に本当に直接関係する大事なことをいろいろ決めていく、こういうところだと思います。
 そこで、広域機関が指示したことは現場で全てやるということになります。現場は人がやることになりますから、そういう意味で、広域的運営推進機関の電力労働者の作業安全に対する姿勢についてお考えをお聞きをしたいと思います。
○参考人(金本良嗣君) 先週の委員会での小林先生の作業安全に関する御指摘につきましては、経済産業省からもお話を聞いておりまして、十分認識させていただいております。
 先ほども申しましたけれども、私どもの機関の目的の最も重要なものの一つが全国大での広域的な需給管理に基づく電気の安定供給の維持でございますが、これは日々設備保全に尽力されておられます電力関連産業の労働者の方々によって支えられておりまして、労働者の方々の安全は当然に確保されるべき大前提であるというふうに考えております。一方で、労働者の安全確保は、実際に作業を行う各電気事業者の方々が作業環境等を踏まえて作成する作業計画や現場での安全管理において最終的には担保されるものというふうに認識をしております。
 したがいまして、私どもが果たし得る役割といたしましては、大きく二つあるかなというふうに考えております。
 第一は、私どもは送配電等業務指針という各電気事業者に守っていただかなきゃいけないルールを定めるということでございますが、この中に安全配慮に関する事項を含めるということで、それを電気事業者に遵守していただくということでございます。もう一つは、作業停止計画の調整に伴います関係事業者との日常の連携を綿密に行って、安全面や設備保全の観点から適切な工期が確保されているかどうかを確認することであるというふうに考えております。
 このような取組を通じまして、労働者の安全確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
○小林正夫君 安全は全てに優先します。是非この安全を最優先した考え方を持って今後も進めていただきたい、このことをお願いをしておきます。
 それで、次の理事長への質問なんですが、この絵を今日見ていただきたいんですが、送配電が分離されて別会社になりますので、発電事業者とか小売事業者、こことよく連携を取らないと、この送配電で仕事をやる人たちの安全確保はなかなか難しいじゃないか、こういうことで、五月二十九日の本会議で宮沢大臣にこの点について質問をいたしました。宮沢大臣の方からは、広域的運営推進機関において、送配電事業者と発電事業者及び小売事業者が協力して対処する仕組みを整備することとしている、こういう旨の答弁がありました。
 そこで、現在、理事長の方で、この発電事業者あるいは小売事業者とどういうふうな連携の仕組みをつくるか検討されていると思うんですが、その検討状況と、それはいつ頃をめどに結論を出していくのか、お伺いいたします。
○参考人(金本良嗣君) 既に御承知おきとは思いますが、本年四月に理事会で決定いたしまして、経済産業大臣の認可を受けました送配電等業務指針におきまして、一般電気事業者の系統運用において、人身の安全、設備の保全、電力系統の安定性等を確保して、電力品質を維持するために、電力系統の利用者に対して電力設備の運転や停止などの指示を出すことができると定めております。これを給電指令と呼んでおりますけれども、その給電指令を受けた発電事業者などの電力系統利用者は、これに従っていただく義務があるというふうに定めております。また、昨年八月に、本機関の設立認可と併せ認可を受けました定款及び本年四月に変更認可を受けました業務規程では、ルールに従わない事業者に対する指導、勧告及び制裁のルールも定めております。
 また、緊急災害時の対応につきましては、本機関と各事業者の間の緊急連絡体制を整備することや、災害対応に関する各社の資機材の保有状況等を把握することなどを業務規程に定めておりまして、これに基づいて事業者間の協調した取組を進めてまいります。
 今後、第三段階のシステム改革に向けたルールの見直しにつきましては、小売全面自由化後の各事業者間の連携協調の実態を踏まえて、十分な時間的余裕を持って成案を得るようにし、また関係事業者に周知徹底してまいりたいというふうに考えております。
○小林正夫君 まさに作業安全から見ると、ここの連携の仕組みがきちんとできないと私はいけないと思います。これも二〇二〇年四月一日の送配電分離をするための大きな私は条件だと思っています。そういう意味で、是非そういう仕組みを検討していただいて、またその検討状況について必要なときにお聞きをしたいと思いますけれども、また教えていただきたいと思います。
 もう一つ質問をいたします。
 六月四日のこの委員会で、私は、再生可能エネルギー導入に伴い、自然変動電源である太陽光発電や風力発電のためのバックアップ電源の維持など、系統安定化のための追加コストが生じる、系統安定のためのコストについての費用負担に関するルールはどのように検討を進めるんでしょうかと、また、どこの場で、いつ決めるのか明らかにすべきじゃないかという質問をいたしました。エネ庁長官から、再エネ導入拡大によって火力発電設備の稼働率が低下した分の費用や起動、停止に係る費用といった調整コストの負担の在り方について、電力広域的運営推進機関を中心に今後議論を深めていきたいと、こういう旨の答弁がありました。
 それで、私は火力発電設備は定格で運転していくことが一番効率もいい、このように思っておりますけれども、再エネ導入で調整運転が続くと、こういうことにこれからもなっていくんだと思いますけれども、この調整運転が続いていくというところの見解と、先ほど言ったように、調整コストの負担の在り方議論、これが現在どういうふうに進められているのか、またその議論はいつ頃に終えて結論を出すのか、お聞きをいたします。
○参考人(金本良嗣君) 太陽光などの自然変動電源の導入が拡大していく中にあって、需要と供給のバランスを取って電気の安定供給や品質を維持するためには、自然変動電源の出力に対応するための調整力を確保する必要がございます。御指摘の火力の問題についてもその一環であるというふうに考えております。
 そういったことのために、一般送配電事業者がどのような調整力をどれだけ確保する必要があるのかといった点につきまして、本機関において中立的な専門家にも加わっていただいた委員会を設置して、海外事例調査や従来の考え方の見直しに向けた技術的な検討に着手したところでございます。検討のスケジュールといたしましては、電力システム改革の第二段階実施までに検討結果を得ることとしておりまして、今後の再生可能エネルギーの導入拡大も踏まえて、更なる検討を進めてまいります。
 なお、一般送配電事業者が必要な調整力を確保するために要するコストの回収をどのように行っていくかという点につきましては、国の側で託送料金の制度設計の中で議論されるということであると認識しております。必要なコストにつきましては、適切に回収可能な仕組みとなるものと考えております。
○小林正夫君 ありがとうございました。
 私の質問の持ち時間の関係で、最後の質問になると思います。
 大臣にお聞きをいたします。原子力の事業環境整備についてです。
 政府は、原子力発電をベースロード電源として活用していきたい、そして原子燃料サイクルを推進していきたい、このようにおっしゃって、その政策の下に従って今そういうことを施行していると思います。その政策を実現するためには、この電力システム改革によって民間の事業者が原子力関係の業務をしっかり今後やっていく、こういうことの環境整備をしていかないと、なかなか原子力というのが進んでいかないんじゃないかと思います。先日の六月二日の委員会でも中野先生がこのような御指摘をして、六月九日の参考人質疑でも電事連の会長の方から、是非この辺については強く取り組んでほしいという要望も出されました。
 政府としてはどのような制度的な措置が必要と思っているのかということと併せて、原子力損害賠償法の見直しが第一回目始まったと聞いておりますけれども、この賠償法、現在は事故の過失、無過失にかかわらず無制限の賠償責任を原子力事業者に負わせている。このことに対する所見をお聞きをいたします。
○国務大臣(宮沢洋一君) まず、エネルギー基本計画を受けまして、審議会、原子力小委員会におきまして検討を行っておりまして、昨年の末に中間的な議論の整理を行いました。その結果、既に本年三月に、競争が進展した環境下においても円滑に廃炉判断を行うことのできるように、会計関連制度の整備を行ったところであります。
 また、今後、例えば核燃料サイクル事業については、審議会の中間整理において、今後、自由化により事業者間の競争が進み、また原発依存度が低減していく中においても、安定的、効率的な事業実施が確保されるよう、各事業者からの資金拠出の在り方等を検証し、その検討を踏まえて必要な措置を講じていくということが重要とされているところでありまして、この中間整理の方向性に沿いまして必要な政策措置について検討を進めてまいります。
 そして、原賠制度の見直しについてでありますけれども、御指摘のとおり、今後の原子力賠償制度の見直しについては、原子力委員会の下に有識者から成る専門部会が設置され、先月、五月二十一日、第一回が開催されたものと承知しております。
 有識者の方が今後検討されるわけでありますので、なかなか私自身の見解を申し上げるのはこの場では困難でありますけれども、現在の原賠法では事業者の無限責任とされておりますけれども、世界的には有限責任と無限責任の国があって、今後も原子力事業を継続するほとんどの国では有限責任を採用しているというのは事実でございます。
○小林正夫君 電力の安定供給が国力の源、私、このように思っております。今回の改革を進めていくんですが、この電力の安定供給、これがしっかり守れるような改革にしていくべきだ、このように思っていることを申し述べて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○東徹君 維新の党の東徹でございます。
 まず早速、今回の法案の中で一点ちょっと確認をさせていただきたいことから質問させていただきたいと思います。
 最近の研究、東京財団でありますけれども、この研究によりますと、ドイツの電力自由化後の電力価格が上がった原因というのが主に二つあるというふうにされております。一つは、再生可能エネルギーの賦課金額が上がったことということ、そして、これ二つ目は、発送電分離がなされないまま小売自由化を進めたために、送電事業を独占していた大手電力会社が高い託送料を課すことで新規の参入者を排除していく一方、小売の場面では不当に安い小売価格を設定することで寡占化が進んでいったということが挙げられております。
 今回の我が国における電力システム改革では、二〇一六年に小売が自由化実施された後、四年後の二〇二〇年までを目途に発送電分離が行われる予定であるということで、市場の自由化が先で発送電分離が後ということでありますけれども、これはドイツと同じような状況にありまして、なぜ今回、電力自由化が先で発送電分離が後に実施することにしたのか、まずその理由を確認させていただきたいと思います。
○副大臣(山際大志郎君) 今回の改革のポイントは、広域系統運用の拡大、そして電力自由化の推進、送配電部門の中立性、独立性を高めることでございます。御質問の小売全面自由化を先にしたことにつきましては、競争による効率化や需要家の選択肢、事業者の事業機会の拡大を可能な限り早期に実現するために、法的分離の実施を待つことなく第二段階として二〇一六年に実施する予定としたものでございます。
 一方、この第三段階の法的分離につきましては、発電部門と送配電部門が適切に連携できる仕組みが必要となります。具体的には、送配電部門から発電所に指令を行うためのルールの整備に約一年、システムの設計に約一年、実際のシステムの開発に三年から五年掛かるなど、安定供給のためのルールやシステムをしっかり整備した上で分離を進めるための準備が不可欠でありまして、そのような理由から二〇二〇年四月一日に実施することとしてございます。
○東徹君 ドイツの二の舞にならないようにということを非常に懸念をいたしておりますので、その確認をさせていただいております。
 続きまして、今日は農林水産省の方からも来ていただいておりますので、ちょっと順番を変えさせていただきまして、バイオマス発電の普及促進、再生可能エネルギーのバイオマス発電について質問させていただきたいと思います。
 バイオマス発電でありますけれども、太陽光発電と異なりまして、天候に左右されないエネルギーということで、森林資源の多い我が国においては風力発電よりも発電に適した場所が多くて、二〇三〇年のバイオマス発電の導入量は最大で七百二十八万キロワット、現在二百五十二万キロワットでありますけれども、約三倍になるという見通しであります。
 しかしながら、バイオマス発電に使う原料、製材時に出てくる木くず、一般家庭から出る廃棄物、稲わらなど農作物残渣でありますけれども、伐採業者の高齢化、人材不足に加え、木材の七割が輸入に頼っているという、価格が大きく変動する可能性があるなど、バイオマス発電における原料の安定的な確保が今後の大きな課題だというふうに思っておりますが、この課題に対してどのように取り組んでいくのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(石田寿君) お答えいたします。
 御指摘のとおりでございまして、バイオマスの発電の安定的な運営のためには、原料となりますバイオマスの安定的かつ低コストでの確保が重要な課題であると認識してございます。
 このためでございますが、一つには、地方自治体とか事業者さんが連携しまして、その開始前の段階で原料となるバイオマスの調達、そしてそこから収集、運搬、利用まで一貫したシステムが構築された上で事業に取り組めますように、地域レベルでのバイオマス利用の構想づくりに対する支援、こういうことを行いますとともに、例えば先生がおっしゃいました木質バイオマスを原料とする場合ですと、これまで林の中に放置されておりました未利用間伐材等、これを安定的、効率的に供給する体制が構築することなしには実現できないということでございますので、間伐等の森林施業の単位をまとめます施業の集約化に対する支援、それから未利用間伐材等を搬出するそのための路網等の整備への支援、それから木質チップの製造施設など関連施設の整備への支援等を推進しているところでございます。
 これらの施策を通じまして、農林水産省としまして、今後とも持続性そして安定性が確保されましてバイオマス発電事業の展開ができますように支援をしてまいりたいというふうに考えてございます。
○東徹君 これは、日本は森林大国でありまして、やはり山が荒れないように間伐もしっかりとこれ進めていかなければいけないわけですよね。実際、これ間伐やっていますけれども、間伐の多くはその辺に放置したままになっているんじゃ、たしかあれ八割ぐらいあったんじゃないですか、どうでしたっけ。
○政府参考人(石田寿君) 大体五割ぐらいが放置されているということでございます。
○東徹君 五割ぐらいが山に放置されたままになっているわけでありまして、これをバイオマス発電に活用できるようになっていけば相当な資源になっていくというふうに思っておりますので、是非ともこの活用を進めていっていただきたいというふうに思っておりますし、そしてまた、これはこの委員会ではないですが、木材の回収ということも、これも非常に大事だというふうに思っていまして、これは家庭とか事業所から出てくる木材の回収も、やっぱりこれはしっかりとしていくことも考えていかないといけないのではないのかなというふうに思っております。
 以上、バイオマス発電については終わらせていただきます。委員長の方で御判断いただければと思いますので。
 続きまして、地熱発電、バイナリーサイクル発電について質問をさせていただきます。
 地熱発電、これは安定的にこれも発電できる今後有望な電源であるというふうに思っておりまして、この地熱発電も今後普及させていく必要があるというふうに思っております。
 その方策の一つとして、いわゆるバイナリーサイクル発電というのがあります。これは大体、フロンなど、水より沸点の低い熱媒体を温泉の熱湯や水蒸気で気化させてタービンを回す発電技術でありますけれども、新しい源泉の調査とか掘削が要らないということと、そして、既存の温泉を使えるために、比較的低コストで、かつ短期間で運転を開始できるというメリットがあります。
 経済産業省として、このバイナリーサイクル発電についてどのように評価し、活用していこうとしているのか、御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(住田孝之君) バイナリー発電についての御質問でございますが、御指摘のとおり、地熱発電、安定的かつCO2を出さないで発電が可能なベースロード電源でございますので、大いに活用していきたいと思っております。
 直接発電をするのに十分でないような地熱資源の場合には、これは数千キロワットぐらいのバイナリー発電を行うことが可能でございますし、温泉の場合におきましても、ある程度温度が高い場合には、御指摘のように最大数百キロワット程度の小型のバイナリー発電が可能でございます。これは、地域に新しい産業を興し、また地域活性化につながるという側面がございますし、また、系統から独立しているような分散型のものの場合には、系統電源が停電をしたときにも作動ができるというような活用が可能であるものですから、非常に重要であるというふうに認識をしてございます。
 こうしたバイナリー発電の導入を促進するために、一つは、バイナリー発電を実施するための資源量調査への支援を行っておりますし、また、小型バイナリーにつきましては、導入のための手引書を作成、公表するなどしまして、導入の一層の促進を図ろうとしているところでございます。
○東徹君 ありがとうございます。
 続きまして、LNGの価格の抑制についてお伺いをしたいと思います。
 先日、六月四日でありますけれども、経済産業委員会でもこのLNGについて質問をさせていただきました。我が国はLNGの輸入量が世界一ということで、今後も重要なエネルギー源として扱っていく必要があるというふうに考えます。
 一方で、このLNGについては、大臣の御答弁にもありましたように、世界的に見て高い価格や仕向地条項、降ろせる港が決まっているということでありますけれども、こういった我が国のLNG取引に関する制約をできるだけ取り除かないと、発電事業者が安くLNGを購入することができなくて、自由化したにもかかわらず電気料金が高止まりをしてしまうという可能性があります。
 今年の九月には第四回目のLNG産消会議が東京で開催されるという予定となっておりますが、どのようにLNGの取引を、制約をなくすよう取り組んでいくのか、お伺いをしたいと思います。
○大臣政務官(岩井茂樹君) お答えいたします。
 一般的なLNGの調達契約には、購入したLNGの行き先を制限をする、委員、質問の中にもありました仕向地条項というのが付されておりますけれども、このLNGの安定的かつ低廉な調達を実現するためには、こうした仕向地条項の緩和ということを進めていくことが大変重要でございます。
 そのため、政府といたしましては、昨年六月に開催をされましたG7首脳会合における共同声明、仕向地条項の緩和を含む柔軟なガス市場の更なる促進を盛り込むとともに、昨年十一月に開催をいたしましたLNG産消会議においても、宮沢大臣から、安定的、競争的かつ柔軟なLNG市場の発展の重要性を世界に発信をしているところであります。
 本年九月に東京で開催をいたしますLNG産消会議においても、こうした仕向地条項の緩和に関するメッセージを世界に向けてしっかりと発信をしてまいりたいと考えております。
○東徹君 昨年十一月六日に、宮沢大臣もこの会議で御挨拶をされておりますけれども、その中でも触れておりましたが、民間会社が、LNGの輸送に関して、北極海航路がコスト削減や安全保障の面から大きな意義があるというふうに発信をしております。アメリカの地質調査によると、世界の未発見の天然ガスの埋蔵量の三〇%、それから原油の一三%が北極圏で眠るというふうにされておりまして、ロシア北西部ヤマルでも新規ガス田の開発が進むほか、新たな油田、ガス田の発見も相次いでおります。
 我が国も積極的に北極圏における資源獲得に関与していくべきというふうに考えますが、御所見をお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(岩井茂樹君) 委員御指摘のとおり、北極圏におけるポテンシャルというのは非常に高いものがございます。こうした北極圏の石油、天然ガスのポテンシャルの大きさに鑑みまして、平成二十四年六月に政府が取りまとめました資源確保戦略におきまして、北極圏を地理的フロンティアと位置付けさせていただいて、日本企業の参入を重点的に支援をするとしております。加えまして、平成二十六年七月に総合資源エネルギー調査会資源・燃料分科会石油・天然ガス小委員会が取りまとめました中間報告の中では、北極圏の事業をリスクマネー供給支援等で後押しをしていくという旨も記載をさせていただいております。
 これらを踏まえまして、経済産業省の具体的な取組といたしましては、デンマーク王国領グリーンランド島北東海域内での炭鉱プロジェクトに参画をしているグリーンランド石油開発株式会社に対して、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構、JOGMECでございますが、を通じて、累計で約二十七億円の出資を既に行っているところであります。
 今後とも、北極圏におけるプロジェクトの進展、しっかりと後押しをしていきたいと考えております。
○東徹君 よろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、先日、参考人質疑で関西電力の社長にもお越しいただいておりましたけれども、関西電力、東日本大震災以降二回引上げを行っておるということで、非常にこれは消費者目線から考えれば大変な負担を掛けているという状況になっております。
 経済産業省は、関西電力に対して石油やLNGの調達価格をより引き下げるなどを求めたということでありますけれども、関西電力の今年度の競争発注比率の目標が三〇%ということになっておりまして、東京電力が昨年度、二〇一四年度で既に五五%であることと比較してもやはり不十分であるというふうに考えます。経営合理化が徹底されていないということが言えるわけであります。
 大阪市は、関西電力の株主総会で、競争入札による調達価格の適正化、それから、過剰な広報費の削減、不要な資産の売却、こういったものを求める株主提案をしたということでありますけれども、経産省も、関西電力に対して家庭向け電気料金の引上げを認可するに当たって、より経営の合理化を求めていくべきではなかったのかというふうに思いますが、御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮沢洋一君) 大阪市がまさに物を言う株主として、関電に対しまして、競争入札による調達価格の適正化等々を提案されたということは、大変私はいいことだろうと思っております。
 もちろん、経営側の判断はいろいろあると思いますけれども、そういう提案のいいものは、是非関西電力においても受け入れて、そういうものを実行していくということが実現できる方向がすばらしいことであろうというふうに思っております。そして、今回関西電力から出された値上げ申請につきましては、専門家、消費者代表などから構成されております小委員会におきまして厳正に審査され、その提言を受けて公聴会、パブリックコメント、さらに消費者庁との協議を踏まえて経産大臣が認可を行ったものであります。
 今回の値上げ申請は実は二回目でございまして、前回の認可時の原価算定期間における二回目のものということで、その後の原価についての事情変化、要するに原発が当初の見込みどおり再稼働しなかったということを受けて電源構成変分認可制度というこの制度に基づいて申請が行われました。その審査に際しましては、燃料費、購入・販売電力料などが直接の査定項目となりまして、今大阪市が提言されているといった調達や広告に関する費用などは前回の値上げ認可時に審査していることから、今回の直接の査定対象ではありませんでした。
 今回の審査に当たっては、その前提として、需要家に更なる負担を求めるに当たり、前回の値上げ認可時に求めた経営効率化の取組が十分実施されているか厳正にチェックを行ったところでありまして、関西電力における経営効率化はおおむね進捗していると評価できるものの一部は未達となっていること、また、公聴会において関西電力による徹底的な経営効率化の取組を求める意見が多数寄せられたことなどを踏まえ、更なるコスト削減を求め、その成果を料金負担の軽減に充てることといたしました。具体的には、需要のピークを迎える夏の負担を軽減するため、激変緩和措置といたしまして、六月の実施から四か月間は査定後の水準より更に三・七%以上値上げ幅を圧縮したところであります。
 いずれにしましても、関西電力におきましては、今後、いろんな経営効率化に取り組んでいただいて、料金の最大限の抑制に努めてもらいたいと考えております。
○東徹君 この法案自体が消費者利益を最大限にというふうに言っておきながら、やはり経済産業省として非常に甘いのではないのかなというふうに思います。原発の再稼働が、これは誰もが分かっておるわけでありまして、もうこんな簡単に再稼働が進んでいかないというのは国民全体もよく理解していることだと思います。そんな中で、原発再稼働が予定どおりいかなかったからと、それはもう本当に理由にならないなというふうに思っておりまして、経営の合理化についてもっと厳しく求めていくべきだというふうに思いますので、是非お願いをしたいと思います。
 続きまして、大型蓄電池の研究開発についてお伺いをしたいと思います。
 独立行政法人製品評価技術基盤機構が、来年の春に大阪市の住之江区咲洲のコスモスクエア地区に大型蓄電池の試験評価施設を造って、研究開発のスピードアップ、コストダウンを目指していくということであります。また、住友商事も大阪市夢洲で二〇一三年からEV車載の中古電池を活用した大型蓄電池の実証実験などを行って、そのノウハウを生かしてアメリカの周波数調整市場向けに需給調整サービスを実施するということであります。
 このような、民間企業がその優れた技術、ノウハウをもって海外市場を獲得していくということは非常に大事であるというふうに思いますし、それを支える研究開発を独立行政法人が行うことは再生可能エネルギーの普及を更に進めていくために重要であるというふうに考えております。
 経済産業省は、平成二十六年度補正予算で、再生可能エネルギー余剰電力対策技術高度化事業として六十五億円を計上して蓄電池のコスト削減に向けた取組を行っておりますけれども、具体的にどのような事業に補助を行っていくのか、その目標とするところを含めてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(木村陽一君) 太陽光などの自然変動電源を拡大する方策といたしまして、やはり蓄電池、今後の有効な対策の一つだというふうに考えてございます。他方、コストが依然として高うございまして、これを克服するための技術開発ということで進めております。
 御指摘の予算でございますが、大容量の電気をためられるレドックスフロー蓄電池というのがございます。それとか、あるいはNAS蓄電池につきまして、現在のコストを半減させるということで、行く行くの目標といたしましては、調整電源でございます揚水発電並み、一キロワットアワーの電気をためるための揚水のコスト、大体二・三万円ということで、これとすることを目標とする技術開発を行っているということでございます。
 具体的には、電池部品の低コスト化でございますとか、あるいはその製造プロセスの改良、それから電池の性能、セルの高出力化といったようなことに現在取り組んでいるところでございます。
○東徹君 ちょっと時間がなくなってきましたので、続きまして、地域間連系線の強化についてお伺いしたいと思います。
 報道によりますと、住友電気工業が世界最軽量の海底送電線というものを開発して、英国とベルギーを結ぶ百三十キロメートルの海底送電線で三百億円の大型受注が内定したというふうに報道がされておりました。このような技術開発と海外での受注は我が国の産業にとって非常に重要であります。再生可能エネルギーの普及を進めるため、これを我が国の地域間連系線等の強化にも活用していくべきというふうに考えております。
 また、平成二十四年の地域間連系線等の強化に関するマスタープランでは、北海道と本州の連系線について三つのルートを想定して、五千億円程度という莫大な金額を試算されておるわけですけれども、風力発電の普及が進んでいなかった当時と、北海道内でも風力発電の場所がある程度特定されてきた現在とでは前提とする状況も異なってきており、前回試算に含まれた三つのルート全て連系線を強化する必要があるということも検討に値するというふうに思います。
 そこで、このような新しい技術、製品の活用や、前提とする状況の変化も踏まえて、この試算を見直していくべきではないのかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(上田隆之君) お答え申し上げます。
 この住友電工がイギリスとベルギーの間の送電網を受注された、それも新技術でというのは大変結構なことだと、私ども歓迎させていただきたいと思います。
 それに比べて、このマスタープラン研究会、高過ぎるので見直すべきではないかとの御指摘でございます。この住友電工の受注とマスプラ試算、少し状況が違いまして、今先生御指摘のように、住友電工、例えばケーブルの長さでいいますと、先生百三十キロとおっしゃいましたが、海底以外の部分を含めると百四十キロぐらいであるんですが、このマスタープランでは七百二十キロメートルぐらいであるとか、海の深度がマスプラ研究会では三百メートルですけど、イギリス―ベルギーでは六十メートルだとか、いろんな違いがございまして、実はなかなか単純に比較するというわけにはいかないかなとは思っております。このマスタープラン研究会におきましては、北海道と東北で風力発電が五百九十万キロワットを導入するということの仮定の下に費用を試算をして、先ほど申し上げたような費用になっているわけでございます。
 当時との状況の変化ということであれば、風力発電の導入量そのものは、当時、平成二十三年度末の数字といたしましては二十八・八万キロワットでございますが、現状は三十一・九万キロワットと少し増えてはおりますけど、そう大きくは変わっておりませんし、現時点での導入量とアセス手続中の風力発電設備量の合計も百九十一万キロワットと、当時見込んだ百八十七万キロワットとそう大きく変わっていないわけでございます。
 したがって、この試算そのものを今直ちにどうこうということは私ども考えておりませんけれども、これ現実に風力発電の地域間連系線を引くということになった場合におきましては、その詳細情報を手に入れながら、広域的運営推進機関におきまして、増強の必要性というものをしっかり検討した上で、経済性も含めた評価を行った上で、広域系統の整備計画ということを概略工事費も含めた形で決定をするということにいたしております。その概略工事費の試算を広域的運営推進機関が行うに当たりましては、今御指摘の新しい技術といったことも含めまして多面的な観点から検討を進めて、適正な資機材を調達するという前提ということで考えておりまして、そういった試みという形で今後は進んでいくことになるのかなと承知しているところでございます。
○東徹君 こんな新しいものも出てきておりますので、是非試算を見直していっていただきたいと思います。
 時間がありませんが、ちょっと洋上風力について質問させていただきたいと思います。
 以前にも洋上風力の発電のコストの試算について質問したところ、漁業補償や港湾利用者を始めとする幅広い方との利害関係の調整が必要であるが、この経費は試算には盛り込んでいないという答弁でありました。漁業補償などは発電事業者と利害関係者の間で行うもので、確かに民間同士の話ではありますけれども、答弁にもあったように、実際に洋上風力発電を実施しようと思うと現実に必要となってくる費用であります。
 二〇三〇年の発電コストの試算には、IRRというちょっと分かりにくい、相当政策経費というんでしょうか、があるということで、固定価格買取り制度によって優遇された利潤相当の政策経費八・六円も含まれておるということで、IRRの中から試算に含まれていない漁業補償など費用を事業者に負担しようとすると、その費用を十分に賄うことができない又は十分な利益が上げることができないとして事業者の参入が進んでいかず、その結果、洋上風力発電の普及が止まってしまうことも想定されるわけでありますが、これらの費用が必要になると想定しながら試算に盛り込んでいないのか、この理由をお伺いしたいと思います。
○副大臣(山際大志郎君) さきの委員会におきます政府参考人の答弁で十分な説明になっていなかったかもしれませんが、今御指摘の漁業補償費用については、必ずしも全ての案件で発生するとは限らないこと、また現時点では一般的な費用水準も明らかではないために、気象、海象による工事遅延に伴う費用などと同様に、発電コストの資本費や運転維持費には個別の費用としては計上はされていないというところでございますが、一方で、この漁業関係者との調整に伴う費用や気象、海象による工事遅延に伴う費用につきましては、洋上風力発電事業に伴うリスクとして、買取り価格の利潤、今御説明ありましたIRRでございますけど、これを陸上風力よりも高めることとしている中で、実質的には反映されているものと承知しております。
○東徹君 結局は、そのIRRという相当政策経費というところから漁業補償が払われるということですか。
○副大臣(山際大志郎君) そう理解していただいて結構でございます。
○東徹君 そうなってくると、本当に漁業補償もやらないとなかなか物事も進んでいかないのかなというふうに思いますが、それによって費用が高くなっていくというのもいかがなものなのかなという、その辺の検証をしっかりしていくべきだというふうに思っておりますので。
 もう時間になりましたので、以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(吉川沙織君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時七分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
○委員長(吉川沙織君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、小林正夫君が委員を辞任され、その補欠として浜野喜史君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(吉川沙織君) 休憩前に引き続き、電気事業法等の一部を改正する等の法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 前回の委員会で、消費者団体の参考人から、電気を選ぶための情報開示についての要望がありました。原発は嫌、高くとも再生可能エネルギーを選択したいとも意見で述べられました。
 本会議で、私が電源構成も含む原価情報と併せて料金決定に至る情報開示を求めたのに対しまして、総理は、消費者の立場からどんな情報公開を求めるか検討するという御答弁をいただきました。
 自由化後の料金について、消費者がどう関与できるのか、その仕組みはどう担保されるのか、いかがでしょうか。
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 先生お尋ねの件ですけれども、総理の方から本会議の方で御答弁がございましたように、私どもとして、小売料金規制の撤廃後につきましては、引き続き厳格な市場監視を行うとともに、消費者の立場からどのような情報公開を求めるか検討していくと、こういう立場でございます。
 なお、御案内のとおり、小売料金につきましては、競争が十分であると確認されるまでの間、経過措置として料金規制を講ずると、こういうことにしておりますので、その認可に係る審査過程を通じまして料金水準などについて情報開示を実施していくこととなります。
○倉林明子君 結局まだ決まっていないということなんだけれども、検討するということで、是非情報開示に向けて積極的な取組をしていただきたいとこれは思っているところです。
 そこで、値上げの際だったとはいえ、電気料金の中身が一定見えるようになった、そして市民意見も言える機会となった、これが公聴会だったと思うんですね。不十分だとはいえ、値上げ幅の抑制に対しても消費者が関与できるようになったということだと思うんです。ところが、自由化された後は、託送料金以外は消費者が関与できる仕組みがなくなるということになります。
 そこで、確認したいと思います。電気事業の営業費用で、現在、託送料金が占める割合というのは一体どうなっているかということで、一般電気事業者、直近のデータをいただきたいんですけれども、全部言っていただきますと長くなりますので、一番低い電力事業者はどこで何%になっているか、一番高いところはどこで何%になっているのか、お示しください。
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 最新のデータということで、平成二十五年度の送配電部門収支計算書において公表された送配電部門の営業費用の実績値、これを分子にいたしまして、同じく平成二十五年度の有価証券報告書において公表されました電気事業営業費用の実績値、これを分母にいたしまして割り算をいたしました。そういたしますと、割合が最も低い会社、これは九州電力でございまして二二・二%、割合が最も高い会社は北陸電力の二七・五%となります。
○倉林明子君 結局、これ資料でも今お話あったとおりのところが分かる、そもそもの電気事業者の営業費用の内訳が一枚目に付いておりまして、託送部分に係る費用の内訳もそれぞれ出ております。今御紹介のあったとおりの比率になろうかと思います。
 つまり、低いところで二二・二%、高いところでも二七・五%が託送料金ということで、自由化後もここの部分については規制掛けていくということになるので一定公開される担保があるんだろうと思うんですけれども、圧倒的な部分、七割から八割を占めるこの営業費用の内訳というのは見えなくなってくるんじゃないかと思うんですね。しかも、消費者の意見が多く出ている、関心事であるのが、この内訳で出てきます燃料費、さらに購入電力料、これが見えていたものが見えなくなるということに対する御懸念が出ているということだと思うんですね。
 そこで、電気もガスも家庭にとって欠かすことができないインフラであって、料金は公共料金の性格が強いものです。この料金に対して消費者が納得できる料金であるのかどうか、電力・ガスシステム改革の成果、これを国民が測る場合、大きな一つの目安になってくる問題だというふうに思うんです。
 電力・ガス取引監視等委員会には、料金が適正かどうか、つまり市場の監視をしていくということですけれども、料金が適正かどうかということも含めて、等の中に含めて、消費者団体の意見も反映できるよう消費者団体の代表を参加させる、こういうことを検討すべきじゃないかと思います。いかがでしょう。
○国務大臣(宮沢洋一君) 自由化後の料金ということになりますと、まさに自由に決められるということになるわけでありますけれども、私どもも、これまでずっと申し上げてきておりますように、まさに料金を抑制していくと、こういうことが大変大事だと思っておりまして、そのためには、何よりも大事なことは、電力の市場においてもガスの市場においてもしっかりと競争がなされていると、こういう状況をつくり出すということが一番大事だと思っておりまして、例えば、競争が十分に行われていると認められる前には、その前は規制料金的なものを一部残すというようなことをやって料金の抑制をする、そして競争を高めていくと、こういうことをやっていきたいと思っております。
 そして、恐らく御質問の趣旨は、これまでは総括原価方式の下で料金そのものが小売料金については規制されてきた、しかも消費者庁との協議等々というようなプロセスがあった。一方で、今後は託送料金だけがある意味じゃ規制料金となるということで、その託送料金についてどうかと、こういう話だろうというふうに思います。
 そして、まず、お尋ねの電力・ガス取引監視等委員会におきましては、高度の専門性が必要ということで、委員長及び委員は、法律、経済や工学などに関して専門的な知識と経験を有し、その職務に関し公正かつ中立的な判断をすることができる者のうちから経済産業大臣が任命することを条文に明記しているところであります。
 このように、高度な専門性を有する委員会が料金審査実務を担うこととなりますけれども、一方で、電気料金がおっしゃるように国民生活に重大な影響を及ぼすことから、国民の声を広く取り入れながら意思決定できるように運営していくことが必要となると考えております。例えば、委員会における検討に資するよう、料金審査の際に、幅広いステークホルダー、もちろん消費者も入れてでございますけれども、の声を酌み取る場を下部組織として設置し、そのような場において消費者代表の方にも参加していただくことを考えております。また、経過措置として残ります小売の規制料金の認可を行う場合には、これは消費者庁との協議が必要となってきております。
 このほかに、託送料金の審査を公開の委員会で開催して行うとか、また、託送料金を決めるルールを決める際にはパブリックコメントを行うとか、消費者、国民の声を反映するような形にしていきたいと思っております。
○倉林明子君 託送料金についての今御説明があったんだけれども、見えなくなる部分についても、やっぱり公共料金であるという性格から、消費者の声が反映できる仕組みが要るんじゃないですかということを申し上げましたので、その点も受け止めていただきたいと思います。私、誰のための電力・ガスシステム改革なのかという場合、国民が納得できる公共料金になること、これが大前提だと思いますので、その点も含めて検討を求めておきたいと思います。
 次に質問しますのは、システム改革が地方にとって与える影響ということです。電力・ガスシステム改革が行われることによって、地方にとっても活性化につながるものであるべきだというふうに考えるわけです。
 そこで、今日、農林水産省に来ていただいております。
 農山漁村再生可能エネルギー法を制定されまして、積極的な取組を進めておいでだというふうにお聞きをしております。改めまして、その意義、可能性について説明をしていただきたいと思います。
○政府参考人(岩瀬忠篤君) お答え申し上げます。
 農山漁村における再生可能エネルギー導入の意義とポテンシャルについての御質問ですが、農山漁村には、土地、水、バイオマスなどの資源が豊富に存在しており、再生可能エネルギー発電のポテンシャルは大きいと考えております。
 具体的にどの程度のポテンシャルがあるかについては、様々な試算ができますが、一つの試算としては、仮に農業上の再生利用が困難な荒廃農地十二・五万ヘクタール全てに太陽光発電設備を設置した場合には、年間八百五十四億キロワットアワーの発電量が見込まれます。バイオマスについては、仮に未利用間伐材の年間発生量二千万立方メートルを全て木質バイオマス発電に活用した場合には、年間七十億キロワットアワーの発電量が見込まれます。農業用水利施設を活用した中小水力発電についても、流量等から年間八億九千万キロワットアワーの発電量が見込まれるものであります。
 また、農山漁村における再生可能エネルギー導入の意義としては、こうしたポテンシャルを活用することによりまして、農林漁業者の収入増加やコスト削減といった金銭的なメリットに加え、家畜排せつ物の適正処理、間伐による山林の整備などの金銭以外のメリットがあると認識しております。
○倉林明子君 本当に、そういう意味でいいますと、可能性が極めて高いし、今本当に大きな問題になっています人口減少という課題にも、地域の主体的な自立を図るという観点から貢献するものだというふうに思うんですね。
 そこで、農林水産省に重ねて聞きます。
 昨年九月から電力事業者が接続回答保留ということで大変大きな問題になりました。こういう再生可能エネルギーの発電所を造るという経過あるわけですけれども、所管の部分でどんな状況になったのか、具体的に紹介をいただきたいと思うんです。経産省の第六回新エネ小委員会でも表明されているかと思います。そこで示された御懸念はどういったものだったでしょうか。
○政府参考人(岩瀬忠篤君) お答え申し上げます。
 昨年の電力会社による再生可能エネルギーの接続申込みに対する回答保留については、農山漁村における再生可能エネルギーの取組に大きな影響が出ることから、農林水産省といたしましても、昨年十一月五日に開催されました第六回新エネルギー小委員会において、農山漁村の活性化の観点から見た固定価格買取り制度の在り方について意見を述べたところであります。
 その中で、回答保留による現場への影響として農林水産省が把握した事例として、小水力発電では、三年掛けて地元農家約四千人の同意を得た上で発電設備の工事の準備を進めていたところ、回答保留により事業の見通しが立たなくなったという事例や、木質バイオマス発電では、発電所の建設に着手し、森林組合、自治体と事業の調整を進めていたところ、回答保留により、発電所に供給するためのチップ工場の新設等の見通しが立たなくなり、発電事業者だけでなく林業や木材産業関係者にも影響を及ぼしている事例などについて御報告をしたところです。
 さらに、こうした事例の報告とともに、この回答保留が長引けば、地域で高まりつつあった再生可能エネルギー導入への関心が抑制されるのみならず、固定価格買取り制度に対する信頼を大きく損なうおそれがあるというふうに述べたところであります。
○倉林明子君 本当に、このまま信頼が損なわれることになるんじゃないかという指摘は重く経産省は受け止める必要があるというふうに思うんですね。この回答留保の検討をした後に再生可能エネルギーについての規則改正をやって上限量を決めるということで、事実上、受入れに対する制限が掛かったというふうに私は受け止めているんですね。そういう意味でいうと、せっかくのポテンシャルを生かそうという農林水産省の取組についてはしごを外すようなことをしたらあかんということは一言言っておきたいと思います。
 その上で、第五回新エネ小委員会で、全国知事会エネルギー政策特別委員長、群馬県も意見を表明されています。アンケート結果として、再生可能エネルギー導入拡大、固定価格買取り制度の適切な運用に係る課題についてアンケートの結果を示されまして、系統問題が五六%というふうに、接続制限の渦中にあるということを紹介されておりました。この全国知事会がワーキンググループに対して要望されていたことは何だったでしょうか。
○政府参考人(木村陽一君) 昨年の十月十五日の第五回新エネルギー小委員会、御指摘のとおり大澤群馬県知事、委員として御参画いただいておりますけれども、その代理の方からでございますが、プレゼンテーションをいただきました。
 その中で、再生可能エネルギーが地域の活性化に寄与しているという具体的事例ですとかあるいは系統接続の課題について触れられた後、地域活性化に資するため、できるだけ多くの再生可能エネルギーの接続が可能となるよう系統ワーキンググループで活発な議論を行ってほしいという御要望をいただいております。
○倉林明子君 農山漁村からも全国知事会からも、この再エネの取組を通じてエネルギー自立社会を目指すんだということで目標も決めて取り組まれている、そのさなかの接続拒否ということだったためにこうした意見が寄せられた、私は当然のことだったというふうに思うんです。
 さらに、自由化に併せて今検討されているものとして、電力小売事業者が再エネ事業者から電力を調達する際のコストに当たります回避可能費用、これを市場価格に連動させようという動きがあると聞いております。現在の検討状況はどうなっておりますでしょうか。
○政府参考人(木村陽一君) FIT法に基づきまして、これまで一般電気事業者の総括原価をベースに、御指摘の回避可能費用でございますけれども、算定してきておりましたが、従来の一般電気事業者を中心とした電力システム自体が改革をされまして、総括原価方式が撤廃されるということになります。したがいまして、その価格指標として、一般電気事業者が支出を免れた平均費用のベースではなくて、卸電力市場価格に連動する方式というのを採用する方向で審議会で御審議をいただいたところでございます。
 これは、電力システム改革の中で、インバランス料金でございますとか、これが卸電力市場価格に連動して決められることになります。あるいは、卸電力市場の価格に連動させることで、取引所に転売することなどによりまして再エネが安く調達できたメリットが需要家に還元されないといった、そういう事態を防ぐことができるというのが主な理由でございます。
 他方、これまで比較的安定しておりました回避可能費用の変動幅が大きくなるということはあろうかと思っておりまして、その点に伴う採算性の変動分を小売事業者が料金に反映させる必要が生じます。このため、一部の新電力が回避可能費用の見直しの影響を小売料金に円滑に反映できるように、一定の激変緩和措置を講ずるということで検討を進めております。
○倉林明子君 基本的には激変緩和措置をとりながら、でも自由化と同時に市場価格に移行したいという方向での検討がされているというふうに伺っております。
 これに対して、新電力だけじゃないんですよね、消費者団体からも意見が出されております。固定価格買取り制度における回避可能費用の見直しについてということで、現状では再エネ以外に流通している電力はなく、市場規模は小売販売電力量の僅か一%程度だと、価格の予見可能性が低く、再エネを調達しようとする事業者が少なくなり、再エネ発電を新設する動きを抑制されることになると、こういう指摘があります。
 先ほど、農業のところで取り組んでいる木質バイオマスなどはとりわけ変動幅が大きくなるということになりますと、事業予見性が立たないということで撤退を余儀なくされるという動きも起こっているというふうに聞いております。
 今から二〇二〇年、ここをめどにして期限を切るということをせずに、やっぱり再エネの抑制になってはいけないと思いますので、そういう状況も見ながら実施時期等については十分に検証していくべきではないかと思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) まず、この今回の電力システム改革におきましては、おっしゃるようにまだ小さな卸売電力市場を育てていくということは大変大事なことであります。この活性化をまさに通じまして、改革目的の一つである電力料金の最大限の抑制を目指していきたいと考えております。
 一方で、その回避可能費用というのは、省エネの導入により調達を回避できた電気の価値とされているところでありますけれども、現在、たき減らしできた火力発電の平均費用よりも市場価格が高いことに着目して転売益を得ている事業者がいる、また、一般電気事業者との間で回避可能費用に差があることに着目して、再エネ事業者との間で買取り価格にプレミアムを上乗せした上、そのまま需要家に価格転嫁している事業者がいるということも事実であります。
 まさに、新電力におきましては、転売益を得たり、また需要家に価格転嫁することによりまして買取り価格にプレミアムを上乗せするというようなことで利益が新電力に出ているということは事実なんですが、じゃ、誰がその費用を払っているかというと、実はこれは需要家でございます。今は大口でありますけれども、今後、全面的に自由化されたときには、まさに消費者がその分を負担する、こういうことになるという形でありまして、本来の姿ではなくなっているということはたしかであります。
 したがって、一方で、また総括原価方式の下でそういう火力のたき増しの費用等々というものが分からなくなるということもあって、今後、卸売電力市場を活性化させるとともに、その数字を使うことが合理的であろうということで今作業を進めておりますけれども、一定期間の激変緩和ということについては検討していかなければいけないと考えております。
○倉林明子君 御説明あったとおり、いろんなことが起こってきているから市場価格に連動させる合理性があるということだと思うんですけれども、現状で市場価格というのは現行の回避可能費用よりも高いということで、変動幅も本当に大きいということから、再エネで投資を掛けていくというところにとってみれば、新電力、まあ新電力は新電力の言い分もあろうかと思いますけれども、私は、地域の活性化につながっていく、地方創生に向けての取組というような位置付けのあるところも同様にこういう回避可能費用が市場価格に連動ということになってくると、事業の採算性というものに対して見通しが立たないという事案が広がる可能性があると思うんですね。実際起こっているという事態も伺っているわけですから、こういう再生可能エネルギーに取り組もうという意欲をそぐようなことに結果としてはなるんじゃないかと。
 農山漁村活性化、地方創生、そして地球温暖化対策、こういう観点から見ても、こういうやり方というのは私、逆行することになるんじゃないかと思うんですけれども、大臣、お考えいかがでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 今申し上げましたように、一部転売益等々を出している新電力からしますと、経営云々という問題はあるかもしれませんけれども、一方で、それはまさに需要家の負担において得られた費用であるということはしっかり認識をしていただきたいと思っております。そして、今後まさにそういう今までの決め方のような総括原価方式でなくなるという中で指標を使うとすると、卸売電力料金市場の価格しかないことも事実でありまして、おっしゃるようなことの、将来の予見可能性を高めるという話のためには、やはり電力卸売市場というものをまさに分厚い市場に育てるということが一番の方法だと思っております。
○倉林明子君 経産省ということで新電力の話も一生懸命されたんだけれども、私、政府として進めていこうという政策として、やっぱり農山漁村をどう活性化していくのか、地方創生をどう進めていくのか、地球温暖化防止をどう進めていくのか、どれもやっぱり大きな、一体となって進めるべき課題であろうと思うんですね。それが、今回のシステム改革と併せて見直しが進められているというこの再エネの固定価格買取り制度を中心とした見直しの動きというのがこういう政策側面から与えている影響というのを、しっかり政策的にも経産省としても拾い込んで反映させていく必要があるというふうに思うわけです。
 再エネは不安定だからと何度も大臣は説明されております。そこで、私、改めて注目する必要があるんじゃないかというのは、この不安定な電源を受け入れるところがほかにないのかということで、実際に今、調整電源として十分に活用されていないんじゃないかということで問題提起をしたいのが揚水発電でございます。
 資料を付けております。三枚目になります。
 是非見ておいていただきたいんですけれども、これは系統ワーキンググループの第五回会合で指摘もされておったことなんですけれども、この揚水発電は再エネの余剰電力を吸収するため最大限活用する、これワーキンググループでも掲げられていたことだったと思うんです。
 ところが、見ていただきたいんですけれども、現在の活用状況はどうかといいますと、真っ先に、太陽光でパンクするということで接続を保留すると手を挙げました九州電力のところを注目していただきたいと思います。二十六年度の時点で揚水が使われておりましたのは〇・七三%。この後、接続は保留するということになって、じゃ、その後の揚水発電の使用状況はどうかというと、〇・七五%、二・二九%ということで若干上がっているだけ、こういう利用にとどまっているんですね。これから最大限活用していくという考え方なのかもしれないけれども、接続に上限を設けた上で最大限活用しますと言ったって、それは説得力ないと思うんですね。
 今ある揚水発電、これは各電力会社、原発持っているところは必ずあるわけですから、現時点でこの揚水発電を再エネの調整電源、受皿として最大限使うと、こういう状況をつくるべきではないでしょうか。どうでしょう。
○国務大臣(宮沢洋一君) 揚水発電につきましては、資料のとおり、発電実績というものが、二十五年度、これは確報でございますが二・九四%、そして暫定値の二十六年度が二・二といったような数字であることは事実であります。
 一方で、まさに現状において、いろいろ接続をするときに契約に条件を付けさせていただいております一方で、現実に接続をしないということはほとんど起こっていないわけでありまして、というのは、現状においてはまだ接続をしないで済むような量しか太陽光発電等々の再生可能エネルギーが導入されていないということであります。
 将来、太陽光が大量に導入された時点において、揚水運転を最大限、一〇〇%、一〇〇%と申し上げても、揚水発電の場合は揚水するときには発電できないというふうな状況がありまして、最大限でも五〇%より相当下の数字になるはずでございますけれども、そういう最大限用いることを当然の前提として、将来の導入量に加えて今の時点でどの程度の、契約において接続をしない日を何日ぐらい持ってもらうかということで、三十日を今度は無制限にしたわけでございますけれども、それ全部、全て揚水発電の能力を完全に最大限使うということは当然入れた上で今回の制限をお願いしていると、こういうことでございます。
○倉林明子君 接続制限が事実上掛かったんですね、今回、規則の見直しの中で。結局、再エネに対しては、事業の予見性、見通しというのがどんどん立たない状況が膨らんでいるんですよ。ところが、一方、原子力に対してはどうか。八木参考人も盛んに言っていましたけれども、投資回収の予見性が見通せるように事業環境を整備してくれと、こう言っているわけですよね。これに対しては、必要な措置はとると、法律も作れるんだと大臣もおっしゃる。
 私は、ひっくり返っていると思います。再エネ優先という形で掲げてきた政策目標の実現にも取り組むようなシステム改革にしていくべきだと、これは指摘して、終わりたいと思います。
○松田公太君 日本を元気にする会・無所属会の松田公太です。
 これは質問通告していないんですけれども、午前中の加藤委員の質問に対して宮沢大臣が、法律が通ってもその後のことを全て政府で決めていいとは思っていないというような答弁がありました。まだ議事録確認できないので、少し表現に違いがあったら申し訳ないんですけれども。しかし、その答弁を聞いていまして、やはり今年の三月に公布、施行されました廃炉に係る会計基準の変更、これを思い出してしまうんですね。
 これは、御案内のとおり、廃炉を決めた原発の資産価値を認めて、この減価償却をさせて、そのコストを消費者に負担させるというとんでもない私は変更だなというふうに思っているわけです。これは、負債と化すはずの廃炉を、その原発を資産として計上を続ける。そして、ある意味、これは私は以前も、ちょっと厳しい言葉かもしれませんが、粉飾決算のようなものじゃないかというお話をさせていただきました。このような重要な会計基準の変更というものが省令でぱっと、さくっと決められてしまうということは、私はやはり許されることではないんじゃないかと思っております、これはやはり国民負担が大きく増える話ですから。
 今後、このようなことは原発関連ではもう行わないという約束をしていただいたと、私はそのように今朝の答弁捉えたんですが、そう認識してよろしいでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 加藤委員から、今回の法律で政省令にいろいろ委任されていると、今の段階で想定していることについては政府委員から御答弁したわけでありますけれども、実際に決めるときにどの程度前に知らせてもらえるかというようなお話があって、私は、こういうことについては、やはり事前に与党だけではなくて野党の皆様にも御説明をさせていただきますということを申し上げたところであります。
 ただ一方で、意見が合わないときに、決めるのはやはり法律上政府であるということだけは根本であると考えております。
○松田公太君 今回、その会計基準の変更に関しては、たしかワーキンググループの方でいろいろ意見が出て、それでそのまま省令で決まってしまったというふうに思いますので、これは大事なことですから、ここで意見がぶつかったかどうかというのは今回なかったと思うんですね。是非、しっかりそういう話をさせていただいて、我々の意見も加味した上で最終的な御判断をしていただきたいと、このように思う次第でございます。
 これに関連して、同じようなことが私、多々起こっているのかなというふうに思っていまして、例えば東電が原発事故以降に銀行との取引で無担保融資に対して担保の追加設定を許していたと、これも実はそれに近いような事例じゃないかなというふうに思っています。
 これは、先日から本委員会でも、電事法の改正の場でも取り上げさせていただいておりますが、これって実は一般担保付社債の話なわけですね。一般担保付社債の担保価値というものは、当然、社債の償還が進めば進むほど余裕が出てくるわけです。
 その余力部分というのは、私は、万が一のことがあった場合に賠償金として支払わなくちゃいけない、若しくは除染の費用でまだ払っていない分があったら払わなくちゃいけない、そういった部分に残しておかなくちゃいけないんだろうなというふうに思っているわけですが、東電は何をしていたかというと、銀行と取引をして、どんどんその担保の部分、余力部分を付け替えていたということがあったわけです。数か月前にこの問題が発覚しまして、私も調べさせていただきましたが、たしか二〇一三年時点で一兆円以上の担保の付け替えがあったと記憶しております。
 これも本来は東電の、それは東電がやったことだからと言うかもしれませんけれども、東電の過半を持っているのは原子力損害賠償・廃炉等支援機構なわけですから、そういった部分も厳しくチェックをして、おかしいなと思う場合はちゃんとやめさせるという話じゃないかなというふうに思うんですね。
 ちょっと話がそれてしまいましたけれども、国には東電を厳しくチェックをしていただいて、また、会計基準でこのように電力会社を大幅に優遇させるようなこと、こういったことはやめていただきたいなというふうに思っているわけです。これは日本の会計基準の信頼性にも関わってくる問題じゃないかなというふうに思いますので、是非それは肝に銘じていただければと、このように思っております。
 それでは、通告させていただきました質問に移りますけれども、まず法的整理についていろいろお話をさせていただきたいと思っております。
 私は、福島第一原発事故直後から東京電力を破綻処理するべきだと、そのようなお訴えをさせていただきました。これだけの事故を起こしてしまった上、賠償金はとてもじゃないが払えないと当時の経営陣は言っていたわけですね。民間企業でそこまで言ってしまった以上は、私は破綻処理というのは当たり前のことじゃないかなというふうに考えていたわけです。であれば、やはり無理やり国の方からその経営をある意味私は継続させているんじゃないかというふうに思いましたが、今ある資産を売却して債務や賠償金に充ててもらって、経営陣にはもう全員退陣をしていただき、株主にもちゃんと株主責任、これを取っていただいて、粛々とそれこそ整理をしていくということが筋じゃないかなというふうに思ったわけです。その方が私は新しい電力体制の未来が築けたんじゃないかなというふうに感じているんですね。
 原発国有化法案、これを提出させていただいたんですが、これは今申し上げたような一環で提出をさせていただいたわけです。そのときは、新党改革の荒井代表にも発議者として大変御尽力をいただきましたけれども、残念ながらこの法案は審議されずに終わってしまったと。また、その後、原賠機構法が改正されまして、原子力損害賠償支援機構法だったところに、今度は廃炉というものが加わりまして、これも私は当時おかしいというお話をしたんです。元々設置されるときも、こういう変更がないですよねと、私、実は国会の場で何度も、当時は民主党政権でしたが、議論をさせていただいたんですが、そういうことはしませんというような話があったにもかかわらず、またこうやって廃炉というものが付け加えられてしまうと、永続的な機構としてこれはもう残ってしまうわけですね。廃炉だけでもこれから三十年、四十年、五十年と掛かるわけですから。
 それができてしまった結果、少し内容は、当時私がお話ししていたものと変わってくる部分はあるかもしれませんけれども、これは引き続き私は実現したいというふうに思っているんです。本委員会では既に何度か聞いているという委員の皆さんもいらっしゃると思いますけれども、再度この法案の提出も考えておりますので、是非、宮沢大臣にもこれ御認識いただきたいなと思いまして、またこのスキーム図も本日配付をさせていただきました。
 簡潔に説明をさせていただきたいと思いますけれども、まずこれは、東電を破綻処理するためだけに考えた特別法ではありません。一般法という考え方であります。つまり、今後、東電と同じように事故を起こしてしまった一般電気事業者が出た場合は、このスキームが適用されるという考え方です。
 図の方を御覧になっていただいていると思うんですが、前回提出したものと一か所だけ変えておりまして、それは何かというと、今申し上げましたその賠償支援機構のところには「・廃炉」という言葉を付け加えさせていただいております。
 まず、原発事故が発生したという想定ですけれども、それによって、一番左側にありますこの電力再生委員会というものが、これ、内閣府の外局、三条委員会として考えているわけですけれども、これがトリガーされて動き出すと。そして、事故を起こしてしまった事業者の資産査定、デューデリジェンスを行うわけですね。そして、債務超過などに該当するかを審査して、特別公的管理をするのかどうかという判断をするわけです。もうこれはサステーナブルじゃないなということになった場合は、つまり公的管理の決定がされた場合は、電力会社、これはイメージしやすいように東京電力とイメージしていただいてもいいかと思うんですが、例えば小売部門と原発部門以外の発電部門、以外です、発電部門を売却しまして、送配電事業部門と原発を一時的に国の管理下に置くというものなんです。
 一般担保付社債は、国に売り渡しましたその送配電網、そして民間に売却したこの小売部門、また発電部門からの売却益などを元にこれは満額返済される。されると思います。いろいろ私も資産査定をさせていただきましたが、例えば、その送配電部門で、これは当時の取得価格でいうともう十六兆円ぐらいでしたかね、十六、七兆円ぐらいだったと思いますし、残存簿価でも六兆円ぐらいあります。一般担保付社債がたしか四兆、五兆ぐらいの範囲だったと思いますので、これは可能だと思っております。
 被害者への賠償とか除染とか汚染水対策、そういったものは、もう既にこの機構があって特別負担金、一般負担金が入ってくるわけですから、そういったものを通じてお支払いすると。
 これをやることによって、原発は国が一旦、一旦です、これは受け取って、廃炉作業を全面的にやるということになるわけですね。国が完全にテークオーバーするという仕組みになっております。それ以降は、国は送配電部門、これ一時的に所有するわけですから、そこから得た収益によって今度、廃炉とか福島原発の処理、これを捻出するためのお金も出すことができるようになるわけです。
 まず、宮沢大臣、ここまで聞いていただいて、この原発国有化法案についてどのような印象を持たれたか、教えていただければと思います。
○国務大臣(宮沢洋一君) このスキームにつきまして、昨年の通常国会で当時の茂木大臣等々と随分議論をされたということは伺っております。
 正直、今軽くできると思いますとおっしゃった部分が本当にできるのかなというのが一番の疑問点でありまして、例えば送配電部門から生じるお金で廃炉等々といったようなものも含めて、恐らく賠償といったものも入るんでしょうけれども、そういうものが本当に出るのかどうかというような問題。それから、小売部門、発電部門を売却するといったときにどの程度で売れるのかといった問題。さらに、送配電部門につきまして、簿価云々というような話もございましたけれども、実際にどの程度で売れるのかといったような問題。なかなかそう簡単にはお金が回らないんじゃないのかなというのが率直な私の感じでございます。
 それに加えまして、やはり国有化といったことが行われた後、まさに国営企業ということになるわけでありますけれども、本当に国営企業というものが効率的に運営できるのかどうかといった問題、そういう問題があるのかなというのが印象でございます。
○松田公太君 ありがとうございます。
 お金が回らないかどうかというのは、確かに今この場で私が細かい数字等を、私が知る限りのものですけれども、提示していないので分からないということかもしれませんが、ざっくりとしたイメージではありますけれども、十分私は、東京電力の資産価値の部分、そしてまた、今後、送配電部門から生み出される収益で、全額とまではいかなかったとしても、多くの部分がこれ賄えるんじゃないかなと思っております。
 いずれにせよ、既に国としても支援を相当しているわけですから、それと大して変わらないといいますか、一旦国有化することによって収益金は一回確保できる、それによって長期的に廃炉の、汚染水の対策ということも練っていけるということになりますので、私は今の状況よりかは良くなる、ベストではないかもしれませんけれどもベターになるんじゃないかなというふうに、こう感じている次第でございます。
 また、国営企業の在り方ということも、他国では送配電部門というのが、これも本委員会でいろいろ議論が出ておりましたけれども、国有化されているところもあるわけですから、私が今まで言ってきていることと逆になっちゃいますけれども、これは所有権分離するべきだと、ただ、今回に関しては、東京電力の部分に関してはこういう方策で私はやるべきだろうなというふうに思っているわけでございます。
 これがやはり実現されれば、現在ネックとなっている様々な問題が解決の方向に向かって動き出すのかなというふうに思っておりまして、もう少しちょっとお話をさせていただきたいんですけれども、何度も申し上げていますが、廃炉・汚染水対策ですね、これ着実にやっぱり進めることができるんじゃないかと。
 いろいろ理由はありますが、私は、今の汚染水対策、問題が出続けていますよね。これはもうひっきりなしにいろんな問題が出てきていると。それは、少し東電が、中途半端なと言ったら失礼かもしれませんけれども、そういう気持ちで仕事をしてしまっているというのも一因じゃないかなというぐらい考えております。
 それは、今まで廣瀬社長とも私も幾度となく本委員会、ほかの委員会でも議論をさせていただいているわけですけれども、先日も原子力損害賠償法の話が出て、無限責任なのか有限責任なのかという話もありましたけれども、もう私は、東電サイドはやはり過去最高の地震や津波というのは異常に巨大な天災地変であったといまだに思っているんじゃないかなというふうに思うんですね。自分たちはある意味アンラッキーだったとさえ思っているんではないかと、こう感じています。その気持ちが全く分からないというわけでもないんですけれども、そういったものがやはり表れて、様々な凡ミスとか考えられないようなもう本当に単純なトラブル、こういったものが続いてしまっている面もあるんではないかなというふうに考えているわけです。
 また、東電は銀行とのコベナンツがあるわけですね、厳しい、多額の融資を受けているわけですから。そのコベナンツの中身で、やはり利益を出し続けなくちゃいけないということになっているわけです。その利益が出ていない、例えば何年連続赤字になると、そういった場合はその契約に抵触をして、融資条件のある意味大幅な変更につながってくる可能性があるということで、大きな事故を起こしてしまった民間企業ゆえに、ある意味利益を出せる、しっかりと出さなくちゃいけないという範囲内で対策費も捻出しなくちゃいけないという、非常にこれ厳しい状況にあるんじゃないかなというふうに思っております。
 また、政府も、何かあると国が前面に出てやりますと言うんですけれども、その前面という意味が私は今も中途半端なままなのかなと。国民から見ると、何か失敗があるたびに東電を盾に使って、その後ろで、いや、ちゃんとやらせますからということを繰り返しているようにも見えてしまうわけです。
 ですから、私は、こういった部分を、責任の所在も含めていいかげんはっきりするべきじゃないかなというふうに思っておりまして、国がやはり完全に汚染水対策も廃炉処理もテークオーバーするべきなんじゃないかなというふうに思うんです。いかがでしょうか、宮沢大臣。
○国務大臣(宮沢洋一君) 私といたしましては、まさに現在のスキーム、これは民主党政権時代に提案されて自民党も賛成してつくった枠組みでございますけれども、いろいろ難しい問題を抱えながらもそれなりに機能しているんだろうと思っておりますので、この方式でともかくいかなければいけないと思っております。
○松田公太君 ちょっとしつこくて申し訳ないんですけれども、そもそも、これから何十年も廃炉掛かるんですね。これも本当に一民間企業に任せていいのかというところもあるわけです。特にこれから、電事法の改正、今まさしく話し合われているように、総括原価方式も撤廃されまして、ますます一般電気事業者の経営が厳しくなっていく可能性があるわけです。競争とリスクに初めて電力事業会社が、一般電気事業者がさらされるということになるわけですね。
 日本が好景気のときやバブルのときというのは、電力会社とか銀行とか大手の会社が潰れることはないなんという話も当時されていた記憶があります。ただ、今はもう皆さん御案内のとおり、そんな時代じゃなくなってきているわけでして、どんな大手企業でも十年後、二十年後潰れるかもしれないと。しかし、廃炉というのは四十年も五十年も掛かりそうだという状況にあるわけです。
 もし東電のそれこそ本体に何か問題が発生して、例えば倒産というような事態になった場合は、これ、宮沢大臣どうされますかね。どういうことが想定されるか、そういうことも考えてリスクを取っていらっしゃるかということを。
○国務大臣(宮沢洋一君) 今、決して易しくない道を進んでいるということは私自身も意識をしておりますけれども、まさに企業価値を高めて株価を上げるということを東電自身やってもらわなければいけない一方で、まさに実施主体として廃炉・汚染水対策をやっていくということ。
 それから、賠償につきましても、負担金という形で東電自身も特別負担金含めてそれをしっかり賠償もやりながら企業価値を高めていく、廃炉・汚染水対策をするということで、本当に難しいことを何とか今実現しようと思って努力をしておりまして、そうした意味で私自身は、難しいけれどもこれは必ずやり遂げなければいけないし、やり遂げられると思っております。
 そして、仮に東電が破綻をするといったときには、今申し上げたスキームは全て狂ってくるということは事実でありまして、そのときにどういう新しいスキームをつくるかということは考えなければいけないわけでありますけれども、破綻がするような状況をつくり出さないように我々としては努力をしてまいりたいと思っております。
○松田公太君 そうですね、おっしゃっていた中にいろいろ私が懸念している点が実は含まれているんですけれども、まさしく東電はやっぱり潰しちゃいけないという話になっちゃうわけですよ、こうなると。
 これも前々回ですかね、この委員会でお話ししましたが、当時、菅総理が債務超過に絶対させないんだという話をしていたと、それは民間企業としておかしいでしょうという話をさせていただいたんですけれども、結局どんどんどんどんゆがんできていると思うんですね。
 先日も参考人招致をさせていただいて、電事連の八木会長にお話をしました。特別負担金を今、年間例えば三百五十億払っていると、三百五十億ぐらい払って自分たちは赤字になってしまっているということですよね。ただ、それに対して、今度東電は逆に黒字になっていますよという状況ですから、これはゆがんでいると思いませんかというようなお話もさせていただいたわけです。もちろん八木会長はゆがんでいるというような明言はされませんでしたけれども、ちょっと含んでいらっしゃるなというふうに私は思ったわけですけれども。やはり、そうやって東電を無理やり生かすという考え方、その発想から私は始まって、今の原子力損害賠償支援、また廃炉等機構ができてしまったというふうに思っておりますし、これ何かだんだんだんだんおかしな方向に向かっていっているなというふうにもう感じざるを得ないんですね。
 またちょっと違う観点からお話ししたいんですが、この私が提案しているスキームで国有化が実現されますと、ほかにもたくさんいいことがあるんですが、もう一ついいことがあって、それは汚染水対策そして廃炉作業に当たっている従業員のモチベーションのアップなんですね。
 これも先日の参考人質疑に出ていただいた、これは電力総連会長の岸本さんからも、電力会社の社員は、現場でモチベーションも下がり、将来の不安も広がりながら、大変な思いをして仕事をしているというような意見があったかと思うんですけれども、原発の処理現場で働いている社員や作業員は、健康被害の可能性も含めまして、もう大変心配な日々を過ごしているわけです。
 私も何人かとお話をさせていただきました。なのに、家に帰れば、御近所様に自分は原発の現場で働いているということを言えないんですね。これは、嫌がられてしまうという心配があるわけです。そしてまた、子供がいじめに遭ってしまうんじゃないかと、そういうことも心配しなくてはいけない。また、将来、自分がもしかしたらがんになってしまうかもしれないと、そういった心配もしながら、何の保障もなく働いている方々多いんですね。
 ですから、私は、廃炉がしっかり実現するかどうかは現場の人材に懸かっていると思うわけですから、ここは思い切って国が原発を一回テークオーバーして、そういった従業員、社員の方々、原発を特化してやる方々は公務員にしてしまった方がよいのではないかなと、このように思っているわけです。これもやはり私のふだんの主張とは違うんですね。私はふだんは小さな政府を目指そうよと言っているわけなんですが、事やはり国の命運が懸かっているようなこの原発の廃炉処理に関しては、やはり国が徹底的にやるべきだというふうに思ってしまうんです。ですから、それは、集中と選択じゃないですけれども、強弱を付けて私はやるべきだというふうに思っているんですね。
 チェルノブイリの事故で、その後、政府が一生懸命、石棺化も含めた処理に当たっているわけですけれども、チェルノブイリの方では、近くにしっかりした町をつくって、そこで廃炉・汚染水対策をやっている人たちを住まわせて、その人たちを例えば表彰したり、長年勤続された方々には国としてサポートをしっかりするというような制度もでき上がっておりまして、だからこそ、そこで働いている方々はプライドを持って働くこともできると。家に帰って自分は原発処理のために働いているんだと言ったら、家族の人たちみんな喜んでくれるわけですよ。日本と今、真逆の状況になっているんですね。
 そういったことも踏まえて、私は、やはり廃炉を、本当にこれをしっかり成し遂げるためには、やっぱり人材、そこで働いている人たちのモチベーション、これもう非常に重要なわけですから、やはり国がテークオーバーするべきだと言っているわけですが、その観点からはいかがでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 今、質問の前段を伺いながら、ちょっと一つ教えていただかなきゃいけないなと思っておりましたのは、まさに法的整理をした場合には、当然、担保権を持っている方、一般担保の方が先に権利を有して、その資産、純資産から返済を受ける。そして、恐らく賠償を受けられる方、賠償の権利を持たれている方というのは、そういう方に劣後してその資産の残りをもらうと、こういう形になろうかと思うんですが、そうなると、恐らく賠償そのものはほとんどできないというのが現実の数字になってくる。
 そうした場合に、その賠償を支払う義務というのが法的に誰にどういうふうに移っていっているのかというのが実はこの表から分からなくて、その辺をちょっと教えていただければ有り難いと思います。
○松田公太君 それに関しましては、まず、先ほど申し上げましたけれども、金額的には私はこれは十分可能な範囲だというふうに思っております。
 今、宮沢大臣がおっしゃっているのは、それでも足りない場合はどうするんだと、もう既に賠償金は相当払われておりますけれども、足らず前の部分で、足りない部分はどうするんだというお話だと思いますけれども、それについては私は国がやはりこれは負担しなくちゃいけないなというふうに思っております。
 これは、国策として原発というものはやられてきたわけですから、このような事故が起こってしまったという部分に関しては私は国が、これ足らず前の部分ですね、賠償金まだ残っている部分に関してはしっかりこれを払わなくちゃいけないんだろうというふうに、こう考えているわけです。
 是非、私の質問にお答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) ともかく国有化して、東電任せではなくて国が前面に立つ。一方で、国というのはまさに公務員でありますから、公務員というのは効率的でないといってみんなの党の皆様からいつも怒られていたわけですけれども、それよりも東電の方が更に効率的でないというのは、東電というのも相当ひどい会社と評価されているなと実は今思って伺っていたわけでありますけれども。
 私自身はやはり、国有化して、こういう国有化企業としてそれを取り扱うということは適当でないと思っておりますし、また先ほど、既に払ったものは払ったもので、残りのものは国が責任といっても、法律的にはなかなかそこの切替えというのは難しくて、恐らく原子力賠償法といったものを根本的に直した、なければ恐らくできない話なんだろうと思っておりまして、なかなか、御提案でございますけれども、実現する道のりはかなり遠いなという気がいたします。
○松田公太君 残り時間五分ということですので、今日はもっとたくさんいろんな質問をしたいと思っていたんですが、この法的整理の話に特化してしまいましたが、最後に、なぜこの話を私が、ある意味その対案として、今回の電事法の、出させていただいているかということなんですけれども、最大の理由というのは、やはりこの法的整理が実現すれば、このスキームにありますように、もう思い切った改革とその分社化、これができるんだろうというふうに思っているわけです。つまり、私がかねてから申し上げていますように、所有権分離、これが可能になるわけですね。私は、国が今でもやる気さえあれば、東電の所有権分離というのはできるというふうに思っているんです。それをなぜやっていただけないかという議論をずっと今までしてきたわけです。
 既に、原子力損害賠償・廃炉等支援機構というのは過半数の株式を保有していますので、東電はある意味国が面倒見ていると言っても過言ではないと思うんですが、経営権を持っているというふうに言えるんですね。ですから、私は今でもできると思うんですが、ただ、その機構の中には他社さんもいるし、国の一存では何も決めれないよという話もあろうかと思います。しかし、このような法律が実現すれば、滞りなく所有権分離まで持っていくことができるのかなと。今後も原発事業者が事故を起こす可能性というのは十分あるわけですから、その際もこれを適用して処理ができる。そして、それこそ送電網を一旦中立公正なプラットフォームに私は変えることができるんだろうと思っています。
 どうですかね。もう最後になりますので、もう一度だけお聞きします。宮沢大臣、これドラスチックな改革ではありますけれども、これこそが私は本格的な電力自由化、これにつながるというふうに思っています。是非これを安倍総理にも一度御提案いただきたいと。安倍総理は常にもう自由化、規制改革というふうに言っていますので、それをお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) なかなか、この表を見ただけで私は全てが理解できているわけではなくて、総理にこの表を説明するほどの能力が実はないと思っておりますので、委員におかれまして、機会を見付けて総理に是非この点を質問していただければいいのではないかと思います。
○松田公太君 ありがとうございます。
 新党を結成したときには一度会っていただいたんですが、その後は大変お忙しいようでなかなかお会いできませんので、これは何かほかの機会で、確かに総理とお話しする機会がありましたらさせていただきたいと、このように思っております。
 ちょっと早いですが、以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○中野正志君 次世代の党の中野正志でございます。
 六月四日の委員会に引き続いて、電力システム改革についてお伺いをいたします。
 今回の改革は、長らく続いてきました我が国のエネルギー供給構造を大きく変える大改革であります。それゆえ、改革に伴って様々なゆがみも生じるかもしれません。ですから、今日いろいろ議論になりましたけれども、今回の法案にも検証規定が置かれていると、そう理解をしているのであります。これまでの審議でも議論ありました、この検証の結果、課題が、あるいは懸念が明らかになった場合には、その克服のために万全を尽くすことがこの検証規定の趣旨であるというのが岩井大臣政務官の答弁でございました。
 改めて現在の状況に目を向けますと、この間申し上げた更に一歩進んで申し上げますけれども、原発の再稼働は依然として進んでおりません。また、需要供給、需給はいまだ厳しい状況であります。そして、廃炉や核燃料サイクルの在り方も正直明確に定まっておらない状況であります。もう火力発電、一生懸命、耐用年数を来たにもかかわらず、ある意味だましだまし使い続けているという現実も正直あるわけであります。検証せずとも既に目の前に問題は多数内在をしておりますよと、このことは当然御理解をいただいていると思います。
 電力システム改革の本格実施に当たりまして、こうした目の前の課題克服にどのように取り組んでいくのか、改めて大臣の決意をお伺いしたいと思いますし、申し上げましたように、先日の委員会では岩井大臣政務官からは実施時期の見直しは想定していないとの答弁でありました。しかし、検証規定の趣旨からすれば、この改革が悪影響を及ぼし得る場合には法律の施行は適切な時期に、例えばこれから二年あるいは三年、三年半たったときにいろいろな発電のすべを見ていかなければなりませんけれども、適切な時期に見直すという判断も必要だとする考えも当然あり得るわけでありますけれども、この点、大臣、どうお考えいただきますでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 今御質問にありましたように、検証規定の趣旨は、検証を行った結果、課題や懸念があれば、それを解消するための環境整備に全力を尽くすということでありまして、実施時期の見直しを想定しているわけではありません。
 一方で、御指摘がありましたように、いろいろ課題を抱えていることも確かであります。
 まず、足下の電力需給につきましては、老朽火力を含む火力のたき増しや発電所定期検査の繰延べなどによって電力不足を回避しているなど、引き続き予断を許さない状況であることは確かであります。一方、この冬、またこの夏につきましては、需給見通しを立てておりますけれども、何とか節電計画を立てていただくというようなことではなしに乗り切れるめどが付いているところでもあります。
 なお、原発の再稼働につきましては、これは規制委員会の基準によって、新しい基準に適合していると認められた原子力発電所につきましては再稼働を進めるという方針でございますので、これをしっかり取り組んでいかなければいけないと思っております。
 また、廃炉や安全対策、安定供給などの課題に対応できるよう、事業環境の在り方について検討を行うように基本計画で決まっておりますけれども、廃炉につきましては、事業者が財務会計上の理由から廃炉の判断をためらい、円滑な廃炉に支障を来すことがないよう、本年三月に電気事業会計規則などを改正をいたしまして、廃炉を行うと一括して発生する費用を分割して計上する仕組みなどとしたところでございます。
 また、高レベル放射性廃棄物の最終処分の問題につきましては、これは現世代で解決しなければいけない重要な課題だと認識をしておりますけれども、残念ながら、今に至るまで文献調査にも着手できていないということは事実でございまして、こうした反省を踏まえまして、一昨年から最終処分政策の抜本的な見直しに向けた検討を行ってきておりまして、今般、最終処分法に基づく基本方針を七年ぶりに改定をいたしました。これまでのいわゆる手挙げ方式を改めまして、国が前面に立ち科学的有望地を提示するなどの方針としております。この新たな方針につきまして国民や地域の理解を得ていく活動というものをこれからしっかりやっていきたいと思っております。そういう課題にそれぞれ対処していくということが大事だと思っております。
 そして、先ほど、午前中、小林委員からの御質問にもございましたけれども、それでは延期はあるのかないのかという話でございますが、少なくとも、今のような問題も含めて想定し得るような問題につきましては、それがあるがゆえに実施時期を延ばさなければいけないような状況にはならない。何とかそれぞれの課題をそれぞれに段階的に片付けながら進んでいくと、こういうことだろうと思っておりますが、一方で、それこそ委員は被災者でいらっしゃいますけれども、東日本大震災のようなことが起こったときに、じゃ、どうなるんだということであれば、それはなかなかこの実施時期をそのままにしておくということは難しいという状況がもちろんないわけではないと思います。
 そのときには、この検証規定あるなしにかかわらず、まさに新たな立法で実施時期を延期するという立法を行うというのが法理論的な話だろうと思っております。
○中野正志君 原子力規制委員会、もちろん独立した委員会でありますから、経済産業省が干渉、関与するというわけにはいかないのは重々承知いたしておりますけれども、しかし、現実的に、新規制基準への適合性の審査、これはもうずっと遅れている。このままいったら、本当に三年、四年、五年で、廃炉予定の原発は別でありますけれども、その他の原発について審査がしっかり終えられて、地元の了承を得ながら、当然ながらいろいろ新規制基準に指し示された新たな設備投資をしなければならないわけでありますけれども、どうも私は大きな懸念を持っております。
 ですから、逆に言えば、もう内閣総体として、もしかして原子力規制委員会の陣容が足りないというのなら、急に育成するというのも大変でありましょうけれども、大学界あるいはOBの力も借りながら原子力規制委員会の陣容を強化するとか、そういう意味でのこの結論を早くする、このことについてやっぱり政府全体として考えるべきだよなと。
 もう、前の議論にも申し上げておりますように、一日当たり百億円強の別枠のいわゆる燃料経費が掛かっている。それは石炭であり石油であり、あるいはLNGだということになるわけでありまして、私はどうしてもそこに政府全体の、とりわけ安倍内閣総理大臣のリーダーシップもこれから問われることになるのかなと、そんな気持ちであります。
 次に、ガスシステム改革についてお尋ねをいたします。
 前回の委員会で、私は、ガスシステム改革は電気事業と同じレベルで推進していくことには無理があるのではないかと申し上げました。
 その理由の一つに、やはり電気とガスでは事業者の規模が本当に大幅に違うという点があります。ガスでは地方の中小事業者が多くて、二百社余りのガス会社のうち、従業員百名以下の事業者が約八割と伺っております。
 前回、上田長官は答弁の中で、多くの中小都市ガス会社が小売電気事業に参入したいという意向を表明しており、これらのガス会社が地域の信用力などを生かして事業展開することを期待していると、力強い発言がありました。一方、新規参入者は、資本力のある地域の電力会社や通信大手が参入してくるのではないかと度々メディアで予想もされているところであります。
 そもそも、ガス事業者は、既にほかの燃料との競争が盛んに行われておりまして、特にオール電化の普及率の向上は目を見張るものがありますけれども、ガス事業者からは、今でも日々そういう意味では電力会社との厳しい競争にさらされている現実もあります。
 そのような状況の中で、今後の詳細検討について、例えば一つには、過度な情報遮断につながる規制強化、あるいは二つ目には、保安や最終保障サービス、料金経過措置など、既存ガス事業者の負担が増えるような制度設計が進んだ場合、競争上の公平性が失われ、ガス事業者が進めようとしている事業展開の足かせとなる可能性があります。また、それだけでなく、事業の効率性が悪化し、サービス品質の低下や料金の上昇など、消費者の皆様にとっても悪影響となる懸念も当然予想されます。これまで地域に根差して発展してきたこういった事業者が、厳しい制度設計がなされた結果、体力が低下をして淘汰されてしまうということでは、地域経済の活性化、ひいては日本経済の活性化のために決して良いこととは思いません。
 上田長官、答弁の中で、多くの中小都市ガス会社が活躍することを期待していると発言されましたが、こうしたガス事業者の実態を踏まえた上で、中小都市ガス会社が活躍するためにどのような制度上の配慮や支援策をお考えでしょうか、具体的に答弁をいただきたいと思います。
○大臣政務官(岩井茂樹君) 御指摘のとおり、都市ガス事業というのは、現在二百以上の一般ガス事業者によって担われておりまして、その大半は中小規模の事業者であります。そういう意味で、委員御指摘のとおり、ガス事業における中小規模の事業者に対する様々な配慮、支援策というのは大変重要かと考えております。
 例えば、法案の中での制度上の配慮ということで、こうした特徴を踏まえまして、今回の法案におきましては、法的分離の対象事業者を一定規模以上の導管を維持運用する者に限定をし、そのほかの規模の小さい事業者は引き続き会計分離により中立化を確保することとしております。
 また、中小規模事業者の導管網はLNG基地と直接パイプラインでつながっておらず、タンクローリーで原料を調達している事業者が多いというのも事実でございます。このようなことがコスト高に反映をしているということがありまして、導管整備の促進というのが非常に重要になってまいります。このため、今回の法案では、例えば、導管の相互接続に係る努力義務を規定をし、導管整備に係る事業者間の協議を国が命令、裁定できる制度を創設することとしております。
 このような法的措置に加えまして、例えば広域的に便益をもたらす導管の整備費用を周辺のガス事業者の託送料金に含めて回収できる措置や、建設後一定期間について高めの事業報酬率を設定できる措置なども検討をしているところであります。これらの措置によりまして導管の整備や相互接続が進めば、地方の中小事業者により低廉かつ安定的に天然ガスが供給されることが期待できると考えております。
 また、多様なビジネスモデルのための環境整備ということも必要かと考えております。
 現時点では、都市ガス事業者の約半数はエネファームやコージェネレーションを販売できておりません。今回の法案によりまして小売の地域独占が撤廃をされることで、技術力のある事業者と合弁会社を設立して機器とガスをセットで販売するといった新しいビジネスモデルも可能となってまいります。また、コージェネレーションやエネファームについては、導入に対する支援措置も講じているところであります。
 こうした措置を通じまして、中小の都市ガス事業者も地元のニーズに応じた新たな事業展開を描くことが可能となると考えております。その結果、地方の需要家においても選択肢拡大や料金の抑制が図られることが期待できると考えております。
○中野正志君 岩井大臣政務官、ありがとうございます。大変に具体的に支援策、お聞かせをいただきました。
 地方の都市ガス会社の多くは、大手都市ガス会社からガスの卸供給を受けております。もし卸元の大手が卸価格をつり上げた上で小売事業に参入してきたということになりましたら、中小のこの都市ガス事業者は正直ひとたまりもありません。当然であります。
 中小都市ガス事業者の競争環境が損なわれないよう卸価格を監視する必要があるのではないかとも思うのでありますけれども、経産省の見解をお伺いをいたしておきます。
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 現在、ガスの卸売事業に対する規制、卸価格につきましては、現在は自由になっているという状況でございます。平成十五年の法律改正におきまして、それまで届出制であったものが廃止されたと、このようになっているわけでございます。
 こうしたことを踏まえまして、今回、システム改革の議論をする中で、審議会の中でも委員の中から、この小売の全面自由化を行うに当たりましては、先生御指摘のように、卸売事業者が自らの小売事業を有利にするために卸先の事業者に対する卸料金を不当につり上げて、そして顧客を奪うと、こういった事態が生じないようにきちんと監視を行うべきだと、このような議論があったわけでございます。
 それを踏まえまして、審議会の中では、最終的な報告書といたしましても、「現状では、卸供給を受ける事業者にとって、卸供給元の選択肢が限られる場合もある中、適正な卸取引を確保する観点から、国が卸料金等の取引条件を監視することを検討する。」と、こういった指摘がございました。さらに、「具体的には、同様の需要形態を有する大口需要家に対する小売料金に比べ高い卸料金を設定する場合がないか必要に応じて調査し、改善を求めることが考えられる。」、このような具体的な提言があったところでございます。
 私ども、今回、法案の中に盛り込んでおります電力・ガス取引監視等委員会、この役割としても、こうした自由化される市場の中で競争が適切に行われているかどうか、しっかりと厳しく監視していくこととしておりますけれども、そうした中で、今の御紹介いたしました審議会の提言なども踏まえながら、この卸取引の監視というところにつきましてもしっかり取り組んでまいりたいと、このように考えております。
○中野正志君 是非そのようにお願いをしておきたいと思います。
 今般の法案では、ガスの消費機器の安全性調査、需要家に対するガス使用に伴う注意事項の周知、こういったことはガス小売業者が担うこととされています。今回の小売全面自由化に伴い、ガス小売への参入が増加することが期待はされますけれども、需要家保安の確保、やっぱりこれは消費者保護の大前提でありますし、新規参入するガス小売事業者もしっかりと調査、周知を行うことが必要であります。
 そこで、ガス小売事業者の保安体制をどのように確認していくのか、適正な調査等の実施をどのように指導していくのか、お伺いをいたします。
○政府参考人(寺澤達也君) お答えします。
 委員御指摘のとおり、ガス小売事業者が消費機器の安全性調査等をしっかりと行うことは極めて重要でございます。これを担保するために、今般、新たに保安業務規程制度の創設を考えております。
 具体的には、ガス小売事業者が、社内の責任体制の確立とか現場で作業する人材の育成、訓練の中身を保安業務規程に盛り込み、これを事業を開始する前に国に届出するということを義務付けています。国は届出を受けて内容を確認することで、ガス小売事業者がしっかりと調査等に取り組むということを確保していきます。
 さらに、仮に保安業務規程の中身が保安上不十分であるということであれば、変更命令を掛けることができます。また、事業を開始した後であっても、立入検査とか報告徴収を通じ、事後的に規程が十分に実現されていないということが判明した場合には、業務改善命令などを活用しながら適切にしっかりと対応をしてまいります。
○中野正志君 災害の対応についてもお伺いをしておきたいと思います。
 御存じのとおり、私の地域は東日本大震災の直接の被災地であります。自然災害、どのような場所で発生するか全く予測できません。中小都市ガス会社が被害を被った場合、自分だけで復旧をするということは当然困難でありまして、ガス事業者間で助け合う、そういう必要があると考えております。
 私たちの地域は、仙台市のガス局がありましたから、もう本当に連携が良くて、すばらしい支援体制でありました。東日本大震災のときのこういった支援の数々についてどういう御評価をいただいているのか、また、今後もそういった何かというときがあったときには支援体制維持されるのか、お伺いをしておきたいと思います。
 ちなみに、東日本大震災の際には、恐らく全国から約五十社ぐらいのガス事業者が支援でお伺いをいただいたんではないだろうか、また、延べ人数ですれば恐らく七万人を超える現場の皆さんに頑張っていただいたのではないだろうかと、こう考えます。
 幸いに、私たちの住む仙台市は、あの被災の後、若干時間は掛かりましたけれども、ガスはもう耐震のガス管でありますから、これから少々のことがあっても破損はないなと、こう安心はいたしております。
 ただ、ちなみに、東日本大震災のこの際に、仙台市ガス局のLNG基地である港工場が大きな被害を受けました。敷地のほぼ全域が浸水、電気系統や配管が流されるなど、基地の完全復旧までに正直約一年を要する事態となったのであります。その間、例えば、もう地上の、何というんですか、ガス送管ということで新潟から支援をいただいたりなどしております。どうあれ、海岸部に立地するエネルギー施設、原発も同じでありますけれども、地震の揺れのみならず、津波への対策も不可欠という点が東日本大震災の大きな教訓であったと考えております。
 多くが港湾地域に立地するLNG基地の津波対策の状況について、当然ながら厳しく行政指導をやられてきたとは思いますけれども、現状についてお伺いをしておきたいと思います。
○政府参考人(寺澤達也君) 御指摘のとおり、東日本大震災では約四十六万戸の需要家に対するガス供給が停止したわけですけれども、御指摘があったように、全国のガス事業者からの応援もあって、過去の災害等に比べまして早期に復旧ができたと評価をしています。
 今般の法改正後は、こうした災害時におけるガス導管の復旧工事、これは現在の一般ガス事業者に相当しますガス導管事業者が基本的に担うということになりますので、これまでどおり全国からの応援体制は法改正後も引き続き十分に生かされると考えております。さらに、ガス小売事業者についても、災害時においては、例えば需要家との間の連絡窓口を行うなどの一定の役割が期待されると考えております。
 このため、今回の法改正案におきましては、ガス小売事業者を含む全てのガス事業者について、保安について連携協力するということを義務付けております。
 二点目、委員御指摘のように、今回の震災の大きな教訓は、津波に対するLNG基地の対策を強化することでございます。その中でとりわけ重要なのは、津波があった場合でも基地の制御をするような重要な電気設備を自ら守って、その機能喪失を防止すると、これが重要でございます。
 このため、今般の教訓を生かして、重要な電気設備については設置場所のかさ上げ、そういった機械室については浸水対策ということを求めているところであり、これまでの取組によって全ての一般ガス事業者がこうした対応を完了しているところでございます。
○中野正志君 まさにそのとおりでありますし、今回、福島原発、ああいった形で、止める、冷やす、閉じ込める、これが結果的には消失してうまく回らなかったということですから、LNG基地につきましても、今、安心感はありますけれども、更に厳しい御指導をお願いをしておきたいと思います。
 もう時間でありますから最後の質問になろうかと思いますけれども、地方にはもちろん都市ガス会社のみならず多数のLPガス販売事業者もおりまして、その総数は約二万だと言われております。LPガス販売事業者は、今回のガスシステム改革によりどのような影響を受けることになるのかな、これらの事業者にもシステム改革の下で成長、発展できる可能性はあるのかな、そのことについてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(上田隆之君) お答え申し上げます。
 LPガス事業者、二万社以上あるということでございまして、今回のガスシステム改革は都市ガス事業に関する改革でございます。都市ガス事業の供給をめぐるサービスの競争が活性化していくということで、LPガスとの間の競争も激しくなる可能性は率直に言ってあると思っております。
 しかしながら、先ほどの中小ガスの話ではございませんけれども、まず、都市ガスの導管網、これはパイプラインはやっぱり一定の需要がないところにはなかなか引けないという性格でございますので、引き続きLPガスというのは私ども重要な役割を担うと思っております。
 また、今回の法案によりまして、導管の延伸ということが促進をされる、あるいは導管網の中立性が一層確保されることになる等々の効果が想定されるわけで、LPガス事業者も、こういった都市ガスの導管ネットワークというのを活用しつつ新しい事業展開が起こるということも考えられると思っております。
 さらに、これは報道等もございますけれども、LP事業者の一部は、今回のシステム改革の中で、例えば電力とも併せて事業を展開しようじゃないかということを御検討中のLPガス事業者もおられるというふうに承っておりまして、地域に密着した事業の特性を生かすということで、相当な私どもは成長、発展できる可能性もあるのではないかと思っております。
 この中小ガスにしてもLPにつきましても、大企業に駆逐されるのではないかという御議論を時々いただいております。競争の激化の中でそういう事業者というのが全く出てこないとはもちろん言えないわけではありますが、多くの事業者は、中小ガスにせよLPガスの方にせよ、今のような新しい成長ということを御検討をいただいておりまして、私どもとしてはそういったことを応援をさせていただきたいし、また大変期待をしているところでございます。
○中野正志君 新しい希望もお示しをいただきました。
 どうもありがとうございます。時間でございます。
○荒井広幸君 改革の荒井でございます。
 中野先生のLPガスに関連しまして、重複した部分ございましたので、中野先生の質問、感心して聞いておりまして、その中で、LPガスについて引き続きお尋ねをしたいというふうに思います。
 従来は、LPガスというのは石油随伴ガスというふうな位置付けでありましたけれども、今回の長期エネルギー需給見通し案では三%程度にというふうなことがあるようでございますが、今ほど長官からもございましたが、従来のLPガスの位置付けと、今回のシステム改革に併せて、LPガスの地位といいますか、役割といいますか、期待といいますか、どのようなものなのでしょうか。
○政府参考人(上田隆之君) 先ほども少し申し上げさせていただきましたけれども、今回の電力・ガスシステムの改革は、電気それからいわゆる都市ガスの全面自由化等を行うものでございまして、LPガスは既に自由化されているといいますか、元々自由な領域ということでございまして、今回の法案の改正の対象ということではございません。
 LPガスそのものの位置付けにつきましては、私ども、昨年の四月に作りましたエネルギー基本計画の中で定めておりまして、これはLPガスというものを、分散型のエネルギーの供給源であり、災害時の対応にも優れて、CO2の排出が少ないクリーンなエネルギーであると位置付けておるところでございます。かつ、東日本大震災の際に、災害時におけるLPガスの有用性、強さというものが改めて認識をされたわけでございまして、このエネルギー基本計画の中におきましても、災害時におけるエネルギー供給の言わば最後のとりでという表現として位置付けさせていただいております。
 私ども、都市ガスの改革、電気の改革が進んだ中においても、LPガスの重要な位置付けというものは変わらないと考えておるところでございます。
○荒井広幸君 天然ガスはメタン、大体二百社が取り扱いますし、液化石油というんでしょうか、我々よくプロパンとかこういった表現をしますが、ブタン、こういったものでこれができてまいります。大体、全国平均、私のところもLPガスなんですけれども、全国の御家庭の半分は、ガスでいえば都市ガスとLPなんですね。ですから、このLPのところ、非常に期待するところがあるんですが、ほかの部分の今回の改革で様々にいい方向に持っていきたいと、消費者にメリットがあるように持っていきたい、そういう可能性も出てくるわけですが、やっぱりちょっと問題になっていますのは、約二万社程度があります中小のLPガス屋さん、トラブルが絶えないというのがかなり報道されているわけです。
 そこで、消費者庁にお尋ねをいたします。
 消費者庁としては、LPガス市場での顧客争奪などを含めまして、料金が不透明であるとか様々な苦情や相談件数、大体どれぐらい、何年間か取っていただきまして数字を示していただけますか。
○政府参考人(河津司君) お答え申し上げます。
 全国の消費生活センター、自治体が開設しておりますが、に寄せられております生活相談につきましては、受け付けました相談員がその相談の内容を基に、あらかじめ設定されておりますキーワードの中から該当するものを選んでデータベースに登録するという仕組みが取られてございます。今委員御質問の争奪の勧誘あるいは料金の不透明というのは、そのままのキーワードが設定されておりませんものですから、大変恐縮でございますが、関連の深いキーワードに該当する件数というのをお答えさせていただきます。
 まず、顧客争奪戦の勧誘ということでございますと、恐らく強引な販売方法といいますか、勧誘ということになろうかと思います。二十二年度から二十六年度まで五年度間のLPガスに関する強引というキーワードに該当するもの、順番に件数申し上げさせていただきますと、二十二年度から、二百五十四件、二百四十一件、二十四年度が二百四十三件、百九十六件、それから昨年度が二百四件となってございます。
 それから、料金の不透明ということも含めまして、料金、価格に関するLPガスの御相談ということで申し上げますと、同じく五年度間でございますが、二十二年度から順に、二千百八十四件、二千百四十八件、二千二百三十九件、二十五年度が千九百三件、二十六年度が千七百三十六件というふうになってございます。
○荒井広幸君 そのデータベースが私はちょっと粗雑だなと思うんですね。粗雑だから、きめ細かい対応、どのように先手を打って、あるいは後手だけれどもきめ細かく潰していくかということに弱いと思うんですが。例えば、北海道新聞は今年の二月十二日にかなり細かく出しているんですね。
 そういう観点でいうと、今の数字にもありましたが、料金が不透明だというのが非常に多いんですよ。大体、プロパンガス、五立方メートルというのが基準なんだそうでございますが、四千円から全国で七千円台までになる。北海道でやや特殊だというのは、非常に高いということなんですね。こうなりますと、例えば、原油価格が下がったのにプロパンはほとんど値段下がっていないんですよ。こういったところも含めまして、これはかなりの改善の余地があるなというふうに私は見ているんです。
 こういったことを進めていかないといけないので、引き続き消費者庁には、細かくです、やっぱりその状況を分析して、それら細かいものの中から次の危ない犯罪やあるいは何がしかの苦情の芽見えるんですから、それを、たたくことできませんから、もっときちんと細かく分析をしていただける体制、データベースを作っていただきたい。
 同時に、経済産業省にお尋ねしますけれども、このような、切替え勧誘というふうに言っているんだそうです、この切替え勧誘というのは、これから電力も起こり得るんです。都市ガスも起こり得るんです。都市ガスが起こり得るというのは、導管は一緒でございますけれども、どういうふうに奪い合うかちょっと難しいところですが。
 こういったことは、今後の、消費者を守るあるいは利便に供する、こういった意味ではすごく課題だというふうに思いますので、料金の透明化や販売の適正化を経済産業省としてはどのように進めていくのか聞きたいと思います。進めているのかでもいいです。
○政府参考人(住田孝之君) 御指摘のとおり、LPガスの顧客獲得に当たりまして、消費者に対して説明が十分でない、あるいは強引な勧誘をするといったようなことが起き、切り替えた後にトラブルになるような事例がございましたり、あるいは、特定商取引法によって禁止をされていますいわゆる不実勧誘、不実のことを告げる行為を禁止した規定でございますが、これに該当するような悪質な事例も見受けられるところでございます。こうした事例によってLPガス産業の信頼を損なうということになりますと大変なことでございますので、消費者庁など関係省庁と協力をしつつ対処をしてきているところでございます。
 また、消費者とのトラブルを未然に防止するという観点から、業界団体を通じた料金の透明性の確保を促しているところでございます。さらに、いわゆる液石法そして特定商取引に関する法律に基づきまして、消費者に対して契約に関する適切な説明など、取引の適正化に向けた義務付けを行っているところでございます。
 なお、LPガスの小売事業の業界団体でございます一般社団法人全国LPガス協会におきましては、自らが策定をいたしましたLPガス販売指針がございますが、こちらの方、この三月に改定をいたしまして、ホームページなどで料金の透明性を確保するということを明記をしたほか、販売の適正化についても明確化を図っておるところでございまして、業界が一丸となって取り組むよう更に指導してまいりたいと思います。
○荒井広幸君 大臣、かなり改善の努力はして、一部の業者がやったことが全部だと言われるのも不本意だと思いますので、全ての事業者ではないことを、これは当然ですが、申し上げておきたいと思うんですが、そういうことがあると。
 そうすると、やっぱり苦しくなるからみんな同じことを始まっちゃうんですよ。というおそれもあるんです。今度はセット割とかいろいろなものが組み合わさりますから、この間の参考人の皆さんからもあったように、消費者団体の方からもあったように、何が何だか分からなくて最後はもう大変料金が高くなるとか、こういうのもあります。先にやっている、通信と電気のセットをやっています英国でも、結局は高いのを買わせられたというようなことが事例として、苦情としてあるんです。
 そこで、大臣、いかがなんでしょうか。先ほど指針というふうなお話があったんですが、私は、国は、標準的な一般家庭を基準とした価格の標準価格というのをきちんと出してみたらどうだろうと。
 それから二つ目は、販売事業者は自ら料金を公開するという措置をとったらどうだと。これは、プロパンガス屋さんが自分で運んでいくから、遠いところに運ぶのに近いところと料金が一緒ということはあり得ないんですけど、そういうことも含めて、やっぱりそういうものを含めて幾らになるんだという、そういう丁寧さが出てくるんだろうと思いますが、いかがでしょうか。
 標準、基準というものを適時適切に出しつつ、そして販売事業者は自ら料金を公表していくというやり方はいかがかなと。
○国務大臣(宮沢洋一君) 質問を伺いながら、私は、東京の家は都市ガスでありますし、地元も小さいながら都市ガスでありますが、長野の山荘はこれはプロパンガスでありますけれども、たしか建築業者に紹介された業者にそのまま来てもらって、その後、正直言って、自動引き落としで落ちているものですからさっぱり価格を知らないと。これは担当大臣としてはもう少し比較をしなきゃいけないのかなと思いながら実は伺っておりました。
 まず、標準価格を設定する、示すということは、これ輸入価格の変動とか地域に応じた輸送コストの違いなどがありまして、正直、なかなかこの標準価格というものを示すことは非常に難しいところはあるんだろうと私は思っております。
 ただ、一方で、まさに価格を表示するというようなことにつきまして、今部長からも話がございましたけれども、一般社団法人LPガス協会において、自ら策定したLPガス販売指針の中で取組を強化していると。業者の中でもそういうホームページで料金を公表する会社も出てきているということを聞いております。
 それで、いろいろトラブルがあるということになりますと、やはり標準的な価格を設定することは正直なかなか難しいということは事実でありますけれども、トラブルが続くようであれば、地域をどの程度細分化するかというのはまた難しい話があろうかと思いますけれども、そういうことも検討するという姿勢を政府が示すことによって、業者にしっかりと、まさにホームページで料金をしっかり公表する、しかもそれは分かりやすい形で公表するというようなことを自主的にさせていくということをまずやってみてもいいのかなというふうに今伺って考えておりました。
○荒井広幸君 大体スタンドはみんなハイオク含めて出ていますからね、どっちがいいというのは見るわけですけれども。全国的にちょっと不透明、業者さんが多いので、地域的にもいろいろありますが。今の大臣の検討する方向というのは、今の発言だけでも、かなりホームページで公表しようという人たち、先取りで出てくると思うんですね。大変いいことだと思うので、地域に分けるのか、どういうタイミングで出すのか、是非検討していただきたいと思いますので、期待をいたします。
 こういうことで、結構、中野先生ので話が進んでおりましたので幾つか飛ばしながらですが、私は、家庭ノミクスということで、家庭に恩恵があるようにと。大企業中心の経済の回し方じゃなくて、家庭から経済が回るやり方があるだろうと。まずは、真っ先に家計が一番大変なのは光熱水費であり通信料金だから、そこが安くなるということは実質手取りが増えたと同じですよと。そこは、毎日例えばお風呂ならば入りますので、そのお風呂に入るという光熱費が下がってくれば、あるいはそれで発電できたり、余った熱をまたいろんなところで使えるということになれば非常に生活も豊かになってくるだろうと、こういうことなんですね。
 そういうものに進んでいくということになりますと、非常にこれからは様々な組合せがどんどん入ってくるというのはほぼ間違いないことだと思うんです。これは家計費が下がるという意味で、家計のビッグバンというふうに呼ばさせていただいているんですが、料金が下がり利便性も増すが、しかし、今言いましたように価格が不透明で高いもの、あるいは争奪戦、切替え勧誘などで大変な被害を被るとか、一つ一つの料金は分からないけどセットだから何となく安くなったような思いがすると、こういうもので勘違いで売られるというのも非常にあるわけなんで。
 先日も御披露しましたが、これは、大臣は自分でローンを組んだかどうか分かりませんが、是非ローンを組んでもらうと分かるんですが、これは銀行からローンを組むときには、強制ではないですが、実質もう団体信用生命に入らなければ貸していただけないんです。お父さん、その借りた人が万が一亡くなった場合には家族に負担を掛けない、その保険で残金が払われるというきれいな言い訳でございますが、もうこれは家内が後ろで判こを押した瞬間に笑っておるわけですね。ああ、これでお父さんがいなくなってもこの家は私の家だなんという、そういう綾小路きみまろ風の話もあるわけですが。
 実際は、それだって、どれぐらいの生命保険が毎月払われているかということさえ銀行からのローンの引き下ろしは全く出てきませんから。それがあればどういうことができるかというと、別途自分が生命保険に入っていれば、例えば三千万入っている、これで払えるんじゃないかといって、その生命保険を団信の代わりに担保として提供できるんですね。そういったことはほとんどやっていないんですよ、日本というのは。
 やっぱり本当に消費者をどのように守っていくかということは透明性とも絡んで非常に重要なものだと考えております。
 大臣に最後に御見解をいただきたいんですが、こういうふうにいいことの反面、特にガス部門がこれだけ頑張ったというのは非常に私は、大臣、評価するべきだと思いますよ。今は電力、石油、こればっかりやっていたんですから、そこにガスの全面自由化とか入れてきた。LPガスについてもやっぱり透明性を図っていこうと。そういうもので初めて家庭というものにいろんな効果が、いいものも生まれていくわけですから、これは高く評価するべきだと思うんです。
 電力、ガス、それから通信、こういったセット販売などが出てくる、あるいは料金からポイント制などで還元というようなことも出てきます。こういうものをできるだけ細かく透明に、それぞれ見えるようにしていくということは重要だと思うんですが、そういう措置も検討してみてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 今回の法改正におきまして電気、ガス、熱供給を一体的に改革することによりまして、これまで縦割りだったエネルギー市場の垣根を越えて、御指摘のような電気とガスのセット販売を行う業者や、またポイント制など多様なサービスを提供する事業者が現れることが想定されております。
 こうした中で、料金やサービスの内容が需要家に適切に伝わる環境を整備するべきというのは、まさに委員の御指摘のとおりでございまして、昨年成立しました第二弾の改正電気事業法に加え、今回お諮りしているガス事業法の改正案につきましても、それぞれ電気及びガスにつきまして、小売事業者が需要家に電気やガスを販売しようとする場合における説明義務や書面交付義務に係る規定を設けております。
 これらの具体的内容につきましては、今後経済産業省令において明確化する予定でありますけれども、料金はもちろんのこと、ポイント制などのサービスを提供する場合には、その内容などが適切に需要家に伝わるような措置を講じてまいりたいと考えております。
 電気とガスの料金セットのときに、電気とガスの料金をじゃそれぞれ示すのかということでありますけれども、参考人からそのようなお話があったという話は伺っておりますけれども、一方で、定額制といった、まとめて幾らというような料金メニューを選択したいという需要家もまた少なくないということも考えまして、常に内訳を明示させることは逆にかえって需要家に魅力のある商品開発の妨げになることも考えられないでもないということも考えまして、メニューを作成する小売業者の創意工夫と需要家の立場からの情報開示の必要性のバランスも考慮しながら、電力・ガス取引監視等委員会において小売市場の監視を行い、必要に応じて適切なルールを作るなどの対応をしてまいりたいと考えております。
 正直、セットのときには、どこかで得してどこかで損しているということはもちろんあるわけであります。それは需要家側からいうと逆の場合でありますけれども、まさにその中身が、別々に表示をするかどうかということではなくて、そのシステムをしっかりと需要家、消費者にお知らせするようなことをまさに販売業者がするというようなことをしっかり担保できるような、そういう説明義務を課していかなければいけないと思っております。
○荒井広幸君 新聞報道上ですけれども、例えば東電は、携帯通信、それからLP含めてガス会社、それから有線放送会社、そして電気料金の支払にポイントを入れる、様々な組合せにしますね。そうすると、今のような、大臣がおっしゃるようなことも当然考えられるし、また人によっては、例えば原発が入っていて安いなら私は嫌よということもあるわけですね。
 だから、ここは料金まで出すかは別として、そういう様々なものでまたそれが競争になるという、市場に任せるというお考えなんだと思いますが、やっぱりなかなかうまくいかない場合もありますので、エンドユーザーを配慮した組立てにしていただかないと、上からだけの、提供者からだけの改革だけでは実は裾野が広くならない、実需が付いてこないということにもなりますから、十分並行して考えていただきたいと思います。
 そこで、エンドユーザーという立場で、若干本筋からは離れるかもしれませんが、タクシーの室内カメラと音声録音というということで、利用者のプライバシーの兼ね合いでお尋ねしたいんですね。
 これ、委員の先生方は、タクシーに乗りましたらば御自分の顔と、そして録音されていることはお気付きだったでしょうか。いいえという方もいらっしゃいます。
 これは、いつ頃、どう決めたんでしょうか。これは警察に聞きますか、国交でしょうか。
○政府参考人(宮城直樹君) お答えを申し上げます。
 平成の二十年から二十一年にかけて、このときに大変にタクシーの強盗が多発いたしました。平成二十年につきまして言えば二百件にちょっと欠けるぐらい。要は、二日に一回以上起きていたということでございます。
 このような状況を受けまして、平成二十一年に、警察庁、国土交通省、それからタクシーの事業者団体及び運転者の労働組合、これで構成いたしますタクシー強盗防犯対策会議、このような会議を開きました。ここにおきまして多発するタクシー強盗への対策を議論いたしまして、タクシー事業者の取組を推進するためのタクシーの防犯基準というものを定めたところでございます。この中で、タクシーに車内カメラを設置することなど、タクシーの強盗の抑止のための望ましい諸対策を盛り込んだところでございます。
 こういうことでございますので、カメラの設置につきましては、これは会議での決定事項でございまして、法令等で定めたものではございません。
○荒井広幸君 法令等で定めていないわけですけれども、結論を急ぎますが、プライバシーはどのように守られるのかということなんですね。
 これはそもそもタクシードライバーの皆さんを含めての防犯対策というところからスタートしているんですが、何か起きた場合はそれで、チップに入っているわけですが、それをタクシー組合か自分の会社か、持っていくわけですね。組合はいわゆる個人タクシーもあります。そういうところで提供してくださいと警察が言ったらこれは協力するわけですけれども、それは、場合によっては事故じゃなくても協力依頼できるということでしょうか。防犯以外にも協力を要請、警察はできるということでしょうか。ちょっとこれ、質問にないですが、どうですか。
○政府参考人(島根悟君) お答え申し上げます。
 元々といいますか、タクシー強盗等のそういった犯罪の予防という観点で設置されているわけですけれども、事後的に、例えば犯罪の捜査で必要だということで、法令の定めるところに従いまして警察がタクシー事業者に対してそうした録音された画像等の提供を求めると、いただくということは例としてございます。
○荒井広幸君 仕組み自体がすごく、法律じゃないので、かなりの部分、そうした全国ハイヤー・タクシー連合会みたいなところ、みたいじゃないけど、こういうところに自主ルールとして運用は任されているんですね。年金でさえこうやって盗まれる時代です。果たして乗客のプライバシーというのは守られるんだろうかというふうに思います。
 これをイギリスでどういうふうにしているかというと、まず撮影されていることを知らせるということで、きちんとタクシーの外に明示しなくちゃいけないです。今、しているところほとんどないですよ。内側に小さく書いているのならある。乗ってしまって、しまったと思うのかどうかは別として。だから、撮っていますよと見せるというふうに、見えるところにしておきなさいということなんです。皆さん、音声が撮られているというのはほとんど知らないと思いますよ。音声まで撮られている。
 それで、これは学者の間でも非常に議論がありまして、撮られた人が要求すれば開示義務があるということを例えばイギリスなどはやっているんですね。それよりも私は重要視するのは、防犯ということで、タクシードライバーさんを守るという意味で重要ですが、カメラの設置の周知義務を課していない、今言いましたように。だから、ほとんど分からなくて乗っているんですね。そこで中野先生とひそひそ話を私は携帯で一生懸命やっているわけですよ。日本人は、タクシーというのはかなりプライベート、私的空間だと思っているんです。ですから、そういうものを含めて、それが皆さん音声に撮られているんですよ、画像と一緒に。誰が頼んだわけじゃないですよ、我々お金払いながら。公道の防犯カメラと全然趣旨が違うんです。
 こういうことを警察と国交省に、今のやり方自体問題がある。この様々な、私は監視社会になってくるということばかり言うんじゃなくて、法律事項じゃなくて、丸投げして、そこで安全義務を課して、それがどう盗まれるかなんということに対してはほとんどノータッチ。こういう在り方であってはならないと思いますので、警察と国交に再検討を、情報が漏れない。
 そしてもう一つは、カメラの設置をしています、音声も撮っています、上の屋根に、最初のうちはみんなが分かるように、赤くなる、屋根のところに、カードオーケーなんていうのは乗っていますけれども、ちゃんと防犯用に入れていますよということを最低でも言っておくようなことは必要なんじゃないでしょうか。
 こういうことを私自身思いまして、これアメリカではやっていませんね、これはもう完全に人権じゅうりんですから。こういうことをやっぱり私たちは様々に考えないといけません。罰則の問題もあります。
 ですから、私はこれは一概にやめろと言っているんじゃないんです。分からないで乗っている人がいるよ、しかも法律じゃないのにどうしてそういうことを適用するのかと、説明が不十分じゃないかということを申し上げたいと思います。問題提起です。
 最後に、今度は原発事故についてでございます。
 せんだって、私は皆様方にも、自然災害弔慰金というのが原発事故の避難先で体調悪化等によって亡くなった方にも支払われていると。この法律は自然災害でありまして、原因者がいる原発事故とは異質なものなんです。
 応急仮設、常に悩んでいます。今もそうです。六年間子供を小学校に上げるのに、一年ごとに仮設はどうなるんだといって子供のことを考えて悩まない親がいるでしょうか。相変わらず一年ごとってやっている。これも自然災害だからです。もちろん、自然災害も長期もあるでしょう。しかし、原発は三十年、四十年ということは科学的にこれははっきりしているんです。こういういわゆる健康被害も含めてはっきりしているもの、その応急仮設住宅も相変わらず災害救助法に基づいているんです。
 もう、五年後の見直しというならば総括をし直して、これらの法律を、皆さんのお手元にお配りをさせていただきましたが、法制局とのこれは法案の骨子でございますが、まず、これから再稼働するというわけでしょうから、私は反対でございますが、何の反省もなく、原子力規制委員長が世界最高水準だという説明をるるされましたけれども、どこにこうした、心や生活に対する最高水準になっているんですか。自然災害のものそのままで私たちは再稼働するということ、それ以外に理由があるんですけれども、その一点取ったって、私はとても再稼働する状況ではないと思いますよ。相変わらずコンクリートと経済性を言っているんではないですか。自然災害のことだけ言っているんじゃないんですか。
 そこで、原発事故による被害に対する国が費用を負担して弔慰をしていく、見舞いをするという法律。それから、仮設住宅は、六年とも思いました、小学生が一番長い六年ですから、大学は四年だし、高校は三年ですが。そこで、一応区切りとして五年、五年ごとの延長で、セシウム半減期三十年、三十年間延長すると、こういうような見直しは必要だなというぐらいのことは私は十分考えていいと思うんですけれども、閣法として出したいというような内閣府に気持ちはありませんか。ないならないで小さくていいですよ、時間がないから、分かりやすいんだから。
○委員長(吉川沙織君) 時間ですので、質疑、端的に願います。
○政府参考人(兵谷芳康君) いただきました御提案につきましては、原因者がいる原発事故に対する被害についての新たな立法でございますので、先生御存じのとおり、内閣府、私どもはそういった災害を所管しておりませんので、その立法に対するお答えを直ちにさせていただく立場にはないものと考えております。
○委員長(吉川沙織君) 時間です。
○荒井広幸君 はい。
 大臣、所管じゃないじゃないんですよ、これ。全てに関わるから内閣で私はまとめないとそれぞれ意見が違ってできないということを言っているんです。大臣からこの間もいいお話いただいています。どうぞ閣内で、電力会社、原発を扱う大臣として十分にお考えください。議員立法でも先生方に御相談して進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げまして、終わります。
○委員長(吉川沙織君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時二十九分散会