第189回国会 経済産業委員会 第23号
平成二十七年七月九日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 七月八日
    辞任         補欠選任
     浜田 昌良君     河野 義博君
 七月九日
    辞任         補欠選任
     林  芳正君     森屋  宏君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         吉川 沙織君
    理 事
                磯崎 仁彦君
                滝波 宏文君
                宮本 周司君
                加藤 敏幸君
                倉林 明子君
    委 員
                阿達 雅志君
                岩井 茂樹君
                高野光二郎君
                松村 祥史君
                森屋  宏君
                渡邉 美樹君
                小林 正夫君
                直嶋 正行君
                安井美沙子君
                河野 義博君
               佐々木さやか君
                東   徹君
                松田 公太君
                中野 正志君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       経済産業大臣   宮沢 洋一君
   副大臣
       経済産業副大臣  山際大志郎君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       岩井 茂樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        奥井 俊二君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      中西 宏典君
       警察庁刑事局組
       織犯罪対策部長  樹下  尚君
       経済産業大臣官
       房審議官     保坂  伸君
       経済産業大臣官
       房審議官     黒澤 利武君
       経済産業大臣官
       房審議官     星野 岳穂君
       経済産業省貿易
       経済協力局長   宗像 直子君
       資源エネルギー
       庁次長      高橋 泰三君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        住田 孝之君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      多田 明弘君
       中小企業庁長官  北川 慎介君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○貿易保険法及び特別会計に関する法律の一部を
 改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(吉川沙織君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、浜田昌良君が委員を辞任され、その補欠として河野義博君が選任されました。
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○委員長(吉川沙織君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 貿易保険法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、経済産業省貿易経済協力局長宗像直子君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川沙織君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(吉川沙織君) 貿易保険法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○高野光二郎君 おはようございます。
 自由民主党の、高知県、参議院議員の高野光二郎です。よろしくお願いします。
 まず、本法律案についてお伺いをさせていただきます。
 日本のインフラシステム輸出における日本貿易保険の果たす役割について質問させていただきます。
 内閣官房長官を議長とする経協インフラ戦略会議では、二〇一三年五月に取りまとめたインフラシステム輸出戦略において、二〇一〇年に十兆円規模であったインフラシステムの受注を二〇二〇年には約三十兆円に拡大させる目標を掲げています。
 先月のインフラシステム輸出戦略のフォローアップでは、二〇一三年実績は約十六兆円であり、二〇二〇年には約三十兆円という成長戦略の成果目標に向けて軌道に乗っていると私は評価をしています。中でもエネルギー分野は、二〇一〇年の三・八兆円から二〇一三年には四・五兆円へとインフラ輸出の中でも最も大きな割合を占めており、インフラシステムの受注を牽引をしています。
 例えば、石油、ガスではベトナム・ニソン製油所・石化コンプレックスプロジェクト、鉱物資源ではオーストラリア・ロイヒル鉄鉱山開発プロジェクト、電力ではインド国営火力発電公社向け発電プロジェクト、そしてインフラでは、ノルウェーで海底資源探索船輸出プロジェクト、イギリスでは新幹線のプロジェクト、実績も数多く数えられます。
 初めに、今申し上げました日本のインフラ輸出の現状に関して宮沢洋一経済産業大臣にお尋ねをいたしますが、国策としてのエネルギー分野のインフラシステムの輸出において、二〇一〇年に三・八兆円が二〇一三年には四・五兆円と最も受注が大きく、三年間で約二〇%増となっております。順調である要因分析と大臣の評価、今後の課題について大臣にお伺いさせてください。
○国務大臣(宮沢洋一君) おっしゃるように、インフラ輸出、順調に伸びてきております。実績が増加した主な要因といたしましては、日本企業による電力分野への投資事業、また石油、ガスプラントの新たな受注などが要因として挙げられております。これまでの官民一体の努力の成果だと評価をしているところであります。
 一方で、今後の課題といたしましては、アジアを中心として膨大な需要がある、それに対してどう対応していくかということでありまして、特に東南アジアのエネルギーインフラ需要は、今後二十年間で一兆ドルに及ぶと見込まれております。
 こうしたこともありまして、本年五月、安倍総理は、今後五年間で約一千百億ドル規模の投資を提供する質の高いインフラパートナーシップ構想を公表されました。エネルギー分野におきましては、エネルギーとレボリューションを足してエネボルーションイニシアティブと名付けておりますけれども、そのイニシアティブの下でエネルギー政策の立案支援、人的・資金的支援、経験豊富な日本企業のインフラへの運営参加などを組み合わせ、各国のエネルギー問題に対して包括的な解決策を提供していきたいと考えております。
 私自身も今年の五月、四月の終わりの連休はインドに参りまして、高効率火力発電所の重要性を強調してまいりました。総理以下で積極的なトップセールスを行っていきたいと考えております。
○高野光二郎君 ありがとうございました。
 次に、昨今の国際情勢は、シリアやイラク等中東ではISILの台頭、イスラム教の宗派間の争いでイエメンではサウジアラビアを巻き込んだ内戦が勃発しており、ナイジェリアではボコ・ハラムのようなイスラム過激派などによるテロ活動が横行し、政情が不安定な地域も多々あります。
 また、経済的にもギリシャの財政問題、イギリスのEU離脱問題、あるいはウクライナ情勢を踏まえても、ヨーロッパやロシアの先進国においても不安要因があります。
 今朝のNHKのニュースで、ギリシャの債務問題に関して、日本貿易保険がギリシャ向けの輸出の引受基準を厳格化するとの報道もありました。海外輸出している日本企業や海外と取引している日本企業は大きな損失を被るリスクが高くなっていると言わざるを得ません。
 貿易保険は、民間の保険ではカバーし切れないカントリーリスク、例えば戦争やテロや自然災害による非常リスク、契約相手方の破産や三か月以上の債務の履行遅延など信用リスクに関して、国の信用力と交渉力に基づき企業を救済する保険で、日本企業の国際競争力の確保や日本経済の発展に必要な資源確保のためにも重要な制度であると思います。
 日本貿易保険の二〇一三年度事業報告書によれば、保険引受実績は前年比二・六%増の八兆五千億円となっています。日本貿易保険は、平成二十五年十二月閣議決定で、日本貿易保険を、国の政策意図の反映など国との一体性を高めつつ、経営の自由度、効率性、機動性を向上させるため、全額政府出資の特殊会社に移行するとされました。
 そこで、政府参考人にお伺いをいたします。
 そもそも論で恐縮ですが、今回の法改正で、独立法人から特殊会社への移行という、独立行政法人の何がデメリットで株式会社の何がメリットなのか、特殊会社という形態にすると貿易保険制度がどのように効率的で効果的に運用できるのか、ガバナンス、機動的運営の向上のために具体的に何を考えているのか、政府の考えをお伺いします。
○政府参考人(宗像直子君) お答えいたします。
 独立行政法人制度は、これまで国が担っていた業務をできるだけ効率的に運営することを目的に創設された制度でございまして、例えば役員の任免あるいは経営方針の決定などの権限が理事長一人に集中しているという形になっております。他方、貿易保険を取り巻く環境を見ますと、大型あるいは複雑な案件が非常に増えておりまして、専門的、技術的あるいは多角的な経営判断が求められるようになっております。
 そこで、NEXIの組織を、経営方針の決定権限が理事長一人に集中するのではなくて、取締役会に委ねられて、取締役による相互牽制が働く株式会社に変更するということにいたしました。人件費、業務費等の組織運営面につきましては、独立行政法人は一律の取扱いを受けておりますけれども、株式会社では現場の経営判断に委ねられることが基本となりまして、例えば業務内容に応じた専門人材を機動的に確保できるようになります。
○高野光二郎君 理事長に権限が集中しているということでございまして、この件についてお伺いさせていただきたいと思います。
 今回の改正では、第四条になりますが、独立行政法人から株式会社へ移行し、政府は発行済株式の総数を保有しなければならないと定めています。
 独立行政法人通則法の第十九条で、法人の長、つまり理事長でございますが、独立行政法人を代表し、その業務を総理するとあります。極端に言えば、全ての経営判断や理事の任免権を含め、理事長に権限が集中をしております。
 貿易保険は、民間では引受けができない戦争やテロという大きなリスクを背負い、保険補償金額も数百億円から数千億円という契約もあり、ガバナンスの面からいっても、独立行政法人の理事長が単独で経営判断するよりも、株式会社の取締役会による合議制で判断する経営方式がふさわしいと思います。しかし、その一方で、株式会社方式であっても、貿易保険の経緯や、国の信用を背景に業務が行われることを考えますと、国の政策と懸け離れた経営方針で運営されても問題が生じると考えています。
 そこで、本法律案は、NEXIの保険引受けに国の政策を反映させるため、第十五条で、経済産業大臣は貿易保険引受基準を定め、第十六条では、NEXIはその基準に従って貿易保険の引受けを決定しなければならないとされております。貿易保険引受基準の策定により会社の方向性が定まるため、この基準の策定はNEXIにとって大変重要な意味を持ちます。
 例えば、アフリカは天然資源が豊富で近年大きな経済成長を遂げており、インフラ市場としては高いポテンシャルが見込まれています。しかし、サハラ砂漠以南は、貧困やエボラ出血熱等のはやり病、食料の安定供給や医療システム分野の遅れている地域もあります。日本は、ヨーロッパや韓国、中国のアジアの競合国と比較してアフリカへの企業進出は後れを取っています。そこで、アフリカに進出し海外展開を図りたいという企業には優先的に保険契約を結ぶなど、取引基準があっても私はいいと思います。
 そこで、宮沢洋一大臣にお伺いをいたします。
 貿易保険引受基準の策定において、どのような点に配慮し、政策目標につなげていくのか、大臣のお考えをお願い申し上げます。
○国務大臣(宮沢洋一君) 貿易引受基準につきましては、本法が成立した後、当省において作成していくことになりますけれども、成長戦略に掲げられたインフラ輸出、資源確保、中小企業の海外展開支援などに資するものを重点的に引き受けるべきということとしたいと考えております。
 インフラ輸出の対象地域につきましては、本年六月に改訂されましたインフラシステム輸出戦略の地方別取組方針を反映したものにしたいと考えております。例えば、アフリカにつきましては、このインフラシステム輸出戦略におきましては、長くなりますので最初の点だけ説明させていただきますと、アフリカ地域は、国にもよるが、全般的には、豊富な天然資源、増加する人口を背景に近年目覚ましい経済成長を遂げており、インフラ市場としても高いポテンシャルを有する等々といったことが書かれておりまして、ここまで細かいものかどうかは別にいたしましても、そういう方向で貿易保険引受基準を決めていきたいと、こう考えております。
○高野光二郎君 ありがとうございます。
 次に、二〇一五年版のBP統計を基に二〇一四年の世界エネルギー供給状況を俯瞰すると、その特徴として、米国が石油及びガスの増産が顕著であり、石油においてはサウジアラビアの産出量を抜いて世界一位の石油産出国となり、ガスにおいてもロシアの産出量の約一・二五倍で世界最大であり、米国が全世界の二一・四%のシェアを占めるまでになっています。この背景にはシェールオイル及びガスの生産拡大があると考えられますが、昨年夏以降の原油価格下落によりシェール生産頭打ちという記事もあれば、一方で引き続き高水準の生産を維持するとの見方もされています。
 現状、日本の天然ガスのほとんど、九七%は輸入に頼っており、その価格の高止まりがエネルギー分野の課題となっています。
 これに対して政府は、仕向地条項の緩和、これ結構、意味が分からないんですけど、仕向地条項とは、LNGの売買契約時において事前に取決めをした港でしか荷揚げができないというもので、例えば横浜港でしか荷揚げができないと決められたLNGを神戸港には持っていけないということらしいです。この仕向地条項の緩和を含む柔軟な天然ガス市場の重要性について、G7首脳会合やAPECエネルギー大臣会合等の国際会議で主張していると承知をいたしております。
 また、二〇一六年以降に開始される米国産の安価なシェールガスの輸入は価格の是正にプラスに働き、LNGの値段が下がるのではないかと期待されており、さらに、米国のシェールガス事業に対するインフラ投資も期待をされております。
 そこで、政府参考人にお伺いいたします。
 政府は米国における今後の石油及びガスの生産についてどのように見通ししているのか、御見解をお尋ねします。
○政府参考人(住田孝之君) 今後の石油、天然ガスのアメリカにおける生産でございますが、今年の四月にアメリカのエネルギー情報局が発表したところによりますと、二〇一四年のアメリカの原油生産量、これ日量で約八百六十万バレル程度でございます。これにガスの形で出てくるものを加えますと一千万バレル程度になるということでございますが。それに対しまして、天然ガスの方はLNGに換算いたしますと約五億四千万トンというレベルになってございます。
 この同じエネルギー情報局の発表によりますと、これが今後、原油の方は、二〇二〇年時点では五百六十万バレル、日量五百六十万バレルぐらいまで伸びていく、そして二〇二〇年から二五年の間ぐらいのところでピークになっていくかなと。済みません、シェールオイルについては五百六十万バレルぐらいになっていくと。全体の原油の生産としましては日量で一千万バレルを超える水準になっていくだろうというふうに見ております。
 一方、天然ガスの方でございますけれども、天然ガスの方は二〇二〇年に向けましてLNG換算では現在五億四千万トンのものが六億五千万トンぐらいまで増えていく、さらに、その後も二〇四〇年に向けてずっと右肩上がりで増えていくというように予測をされております。
 これは、先ほど御指摘のございましたシェールオイル、シェールガスの生産が今後も、シェールオイルについては二〇二〇年頃までは伸びていく、そしてシェールガスについてはさらに二〇四〇年に向けてずっと伸びていくだろうといったようなことが背景にあるわけでございまして、アメリカの原油、天然ガス総生産量の約五割ぐらいはシェールオイル、シェールガスが占めてくると、こういうことになるだろうというふうに見通しております。
○高野光二郎君 インフラシステム輸出戦略平成二十七年度改訂版では、北米のシェールガス革命に伴い需要増が見込まれるLNG海上輸送事業等の支援を掲げていますが、NEXIの具体的な支援、関与はどのようなものを想定をしているのでしょうか。また、同戦略ではLNG輸入価格の低減に資するプロジェクトの支援の強化を推進していますが、LNG調達コストの低減に向けてNEXIの果たす役割とは何なのか、御所見をお伺いします。
○政府参考人(宗像直子君) お答えいたします。
 LNGにつきましては、LNGの海上輸送事業の支援ということで、日本にLNGを輸入するためのLNG船への融資に対して海外事業資金貸付保険を付保することを想定しております。これによって、市中銀行が融資できないような案件の実現や、あるいは融資コストの引下げというものが可能になります。
 また、そのLNG調達に関しましては、先ほど御指摘があったとおり、アメリカからの調達が重要でございまして、長年石油価格に連動した契約になっておったところを、昨年、NEXIが保険を引き受けたアメリカのシェールガスプロジェクト二件におきまして天然ガスの価格指標に連動させることができたということで、従来よりも安価な調達が実現することが期待されます。
 以上でございます。
○高野光二郎君 私、昨年、カタールのエネルギー大臣と会談をする機会をいただきました。そのとき、電力とか、LNGもそうでございますし、石油もそうですが、もうとにかく高い、日本は消費者が大変苦しめられている、この輸入価格含めて何とかもっと低くしてもらえることはできないかということをエネルギー大臣に突発的に要望をしました。そうしたら、それは世界市場が決めることだということで一蹴されてしまったんですが、やっぱりエネルギーの供給の分散化も踏まえて、何もかも言いなりになるのではなくて、分散化をする上で、ほかの国と比較をして市場性の中でしっかりと日本が対応していただきたいというふうに要望させていただきます。
 それでは最後に、中小企業、お伺いさせていただきます。
 中小企業が製品を海外に輸出しようとする場合、資金調達が大きなハードルとなります。大企業に比べて経営基盤が弱く、また信用力が相対的に低いことから、金融機関から資金調達が困難なケースが多く、経営者の個人資産などに依存をした資金調達方法を取らざるを得ない場合が多いです。
 日本貿易保険は、二〇一一年から国内の民間金融機関との業務提携を行っています。損保保険会社七社、メガバンク三行、地方銀行等五十五行、信用金庫二十二金庫とのネットワークを構築して、中小企業の海外事業支援を行うために専門チームを設置したとお伺いをいたしております。貿易保険制度を利用する中小企業にとって利便性が向上したと思われます。
 また、二〇一〇年に日本貿易保険と商工組合中央金庫は業務協力に関する覚書を締結し、貿易保険を活用した融資制度が行われています。この制度は、日本貿易保険にとって、貿易保険が付いている輸出代金債権を担保として商工中金が優遇金利によって中小企業に対し融資を行うものです。中小企業にとっては輸出代金債権の早期資金化が可能となり、運転資金が確保ができるメリットがあります。
 しかし、二〇一〇年から二〇一二年はそれぞれ二十件前後で一億二千万から一億四千万前後でその融資の実績は推移をしていたんですが、二〇一三年、二〇一四年は、二〇一三年はたったの十件で五千五百六十万、二〇一四年は十件で六千七百七十万、こういった実績の減少もありまして、活用件数も減る傾向にあります。
 そこで、お伺いをいたします。
 政府は、この貿易保険を活用した融資制度の実績に対する要因分析をされているのでしょうか。また、中小企業に対する輸出振興策としてどのように評価していますか。もっと多くのユーザーに使ってもらうために、この制度を中小企業の方々に周知させる方法はいかなる手段を取っているのでしょうか、お伺いします。
○政府参考人(北川慎介君) お答えいたします。
 御指摘の商工中金におけます貿易保険を活用している制度でございますけれども、これは、中小企業の海外展開を促進しようということでございまして、中小企業の輸出取引に関しまして、日本貿易保険による保険を付けた輸出代金債権、これを債権担保といたしまして金利を優遇するということで、御指摘のとおり平成二十二年度から実施をしております。その実績を見ますと、御指摘のとおりでございまして、二十四年度までは年間で一億円を超えておりましたけれども、二十五年度以降は六千万円程度で推移をしております。
 このように下がってきた原因といたしましては、一つは、やはり近年の金融環境の変化、それに伴います資金調達コストの低下という大きな流れもあると思いますけれども、私どもといたしましても、政府系金融機関におきますほかの制度、これも平成二十三年、二十四年、二十六年と累次中小企業海外展開促進という観点から強化してまいりました。例えば御指摘の商工中金では、これ以外にも、海外展開を行う中小企業に対してリスク性資金を供給するという観点から、平成二十六年にグローバルニッチトップ支援貸付制度というものをつくって講じております。このように、様々な利用できる融資制度の選択肢を確保するということで、中小企業の海外展開、これの支援をしていこうと思っております。
 御指摘の貿易保険を活用した融資制度につきましても、債権担保ということでニーズに応えるという可能性もありますので、適切な周知に努めたいと思います。具体的には、貿易保険、そしてまた商工中金で周知を図っておりますし、さらには商工中金のお取引先にも個別の融資の御相談のときに御紹介するといったことを行っております。このように、中小企業の資金需要にしっかり応えていきたいと考えております。
○高野光二郎君 中小企業に対してもそうなんですが、衆議院のこの法案に対する質疑の中で、いわゆる専門的な人材であるとか、組織の機能化、強化にすごく質問が集中していたように思われます。
 全くそのとおりでございまして、例えば中小企業に対する民間金融機関との連携も大変重要でございますが、日本貿易保険、NEXI自体がコンサル的な業務であったりとかコンシェルジュ的な機能であったりとか、そういったことの強化も進めていただきまして、中小企業の海外支援の掘り起こし、育成に努めていただきたいと思います。
 以上で質問を終わらさせていただきます。ありがとうございました。
○小林正夫君 おはようございます。民主党・新緑風会の小林正夫です。
 法案の審議に入る前に、大臣の御所見、ひとつ聞かせてください。
 昨日から今日にかけて中国の株価が大きく下落した。これはギリシャの問題に関与しているのかなと私は思いますけれども、このことが日本経済にどう影響を与えてくるのか、あるいは、今後の貿易含めて、どういうような状況になっていくと大臣は御所見を持っているのかということと、政府としてはどういうことを注視していかなきゃいけないのか、このことについてお聞きをいたします。
○国務大臣(宮沢洋一君) 私も、中国の問題につきましてはまだ報道ベースでしか状況を把握をしておりませんが、今週の株価というものは実はかなり注視をしておりました。ギリシャの問題が起こって、直後に開かれる最初の世界的な市場が日本ということで、たしか五百円弱株価が下落して、一時六百円近くまで行っておりましたけれども、そこで次の日また二百円以上上がったものですから、一安心というのが正直な気持ちでありました。
 ところが、昨日、まさにこれはギリシャと離れたところで中国の株というのが、たしか月曜日は国のてこ入れがあったと言われておりますけれども、世界の中で唯一実は株価が上がっているという中で、ああ、面白い動きしているなと思いましたら、火曜日からかなり急激に下がってきていると。こういうものを受けて、昨日、我が国の株価も二万円をあっという間に割ってしまったということで、今日どういう形で動いているかなということは相当これから注視していかなければいけないと考えております。
 それで、中国につきましては、かなり経済成長を、八%台を目指さないと若い方の雇用が維持できないというようなことがあって、八%以上の成長ということを維持してきたわけですけれども、たしか新常態とかいうんでしょうか、経済成長をもう少し下げても、ある意味では経済としてその方がいいということで、実はかなりスローダウンをしつつあると。もちろん経済成長はしているわけですけれども、してきた中で、株価だけ特にこの春先からかなり異常なペースで上がってきたということが、ここに来て裏返しとして下がってきているんだろうと、そういう報道が多いと私は思っております。
 ギリシャとは恐らく今直接関係のある話ではありませんけれども、少なくともギリシャの状態が日本に与える影響よりは中国の方がはるかに大きいものがありますので、相当に注意をしていかなければいけない状況だと私は思っております。
○小林正夫君 ありがとうございました。
 それでは、法案の質問に入ります。
 まず、大臣にお聞きをいたします。株式会社化の目的についてお尋ねいたします。
 本法律案の第三条ですけれども、会社は、対外取引において生ずる通常の保険によって救済することができない危険を保険する事業を行うことを目的とすると、このように定められています。また、第四条では、政府は、常時、会社の発行済株式の総数を保有しなければならないと規定しております。今回の法改正では、独立行政法人が行っていた業務と国の貿易再保険特別会計の経理に関する業務を新しくつくられる株式会社日本貿易保険が一元的に行うと、このようにしております。
 資料を用意をいたしました。これは、従来、現行、そして今回の法律でどう変わるかということを一覧表にまとめたものであります。振り返ってみますと、平成十三年度の独立行政法人改革の前は、国の貿易保険特別会計が貿易保険事業を一元的に行っていました。一番左に書いたところでございます。今回、貿易保険事業を国から切り離すことになりますけれども、先ほど高野委員もおっしゃっていましたけれども、政府が一〇〇%出資をして、役員の人事は国の意向が働き、そして貿易保険を引き受ける基準も国から示されるということであるならば、独法改革前とそれほど変わらないんじゃないか、むしろ先祖返りしているんじゃないかと私は危惧をしております。
 そこで、独法改革以前とどこが異なっているのか、さらに特殊会社に事業を運営させる理由は何なのか、独立行政法人から株式会社に移行するメリットは何か、このことについて質問をいたします。
○国務大臣(宮沢洋一君) まず、独立行政法人という制度からお答えした方がいいと思っておりますけれども、独立行政法人というのは二〇〇一年から動き始めましたけれども、イギリスのたしかサッチャー改革だったと思いますけれども、エージェンシーというものができて、非効率だったイギリスの政府がかなり効率的に運営されるようになってきたというようなことを参考にして、日本においても、政府がやる仕事だけれども、やはり運営に独立性を持たせて、そしてまさに独立した形で仕事をしてもらうというものを独法としたわけであります。
 ただし、最初、既得権といいますか、今の体制の方がいいよというのが各省が言っていて、なかなか独法の玉が出てこなかったという中で、かなり無理やりと言ってはあれですけれども、相当なものを独法にまとめてきた。例えば、それこそ印刷局とか造幣局というような国そのものがやるような事業があったり、またこうやって特別会計を切り出したり、また各省の研究所等々といったものを独法にするとか、いろんなことをやって実は独法というもののかなり数を多くしたということは事実だろうと思っております。そして、その独法につきましては独法通則法という法律で一元的なルールの下でやっていくと。
 こういう中において、なかなかいろんな部分で綻びが出てきていることは確かでありまして、去年ですかおととしですか、独法全体の見直しも法律改正もお願いしたわけでありますけれども。
 そういう中で、NEXIにつきましては、やはり独法通則法の世界にいますとなかなか機動的にできないといった問題、そして、収支相償という珍しい独法でありまして、そうした意味では、やはり経営といったものの感覚がほかの独法に比べれば求められてくるというような独法と。
 こういう状況の中で、たしか福田政権のときにNEXIを一〇〇%国が持つ株式会社にするという方針が決まり、民主党の時代も、それを維持した上で特会を廃止するといった方向が決まり、その上で、二十五年十二月に、これは安倍政権でありますけれども、閣議決定におきまして独立行政法人改革に関する基本的な方針というものが決まって、今回の法案の中身がほぼ固まった上で、今回、法律を提出させていただいたというのが経緯であります。
 具体的には、まさに申し上げましたように、大型、複雑な海外重要案件が増大するとか、多角的、専門技術的経営判断が求められている事業環境は変化しているというようなことを踏まえまして、まさに理事長一人の判断ではなくて取締役全体で経営をしていくというようなガバナンスの体制を確立するということが一点であります。
 そして、もう一点は、まさに独法通則法の下ではかなり組織また人員について縛りが強かったわけでありますけれども、今回は株式会社ということで、まさに状況の変化に応じて効率的な運営が行えるようになる、これが今回の法律の目的でございます。
○小林正夫君 自由度を持った運営ができるように、こういう大臣のお話がありました。後ほどこの辺についても質問をさせていただきたいと思います。
 次に、業務の効率的な遂行についてお伺いいたします。
 第三条を読みますと、独立行政法人から株式会社への移行に伴って、法人の目的から保険する事業を効率的かつ効果的に行うという文言が削除されていますけれども、これはどうしてでしょうか。
○政府参考人(宗像直子君) お答えします。
 NEXIを設立いたしました際には、この独法の通則法におきまして、独立行政法人は公共上の観点から確実に実施する必要のある事業を効率的かつ効果的に遂行する主体として設立される法人ということがまさに通則法で規定されたことを踏まえまして、その文言をそのまま受けて、貿易保険法におきましても目的にこれを明示したということがございました。
 今回の法改正におきましては、まさに株式会社になるということでありまして、効率的かつ効果的に事業を実施していくというのはまさに株式会社の本質そのものであるということから、それはあえて条文として書かなくてもよかろうと、他の特殊会社の規定においてもこのような表現が見られないことからこのような形になっております。ただ、提案理由で説明されておりますとおり、今回の法律改正はまさに貿易保険制度をより効率的かつ効果的に運用する体制を整備するためのものであることは言うまでもございません。
 以上でございます。
○小林正夫君 もう一点質問します。
 独立行政法人の業務運営は、主務大臣の定めた中期目標に基づいて各法人が中期計画を作成して大臣の認可を受けるとともに、毎年事業年度ごとに開始前に年度計画を定めて大臣に届ける、こういうことによって行われていると承知しています。また、各法人の業務の実績については主務大臣が評価をして、評価結果に対して独立行政法人の評価制度委員会が意見を述べること等によってPDCAサイクルを構築させることとしておりました。
 本法律案では、会社は毎事業年度の開始前に事業計画を定めて経済産業大臣の認可を受けなければならないこととしておりますけれども、事業実績に関する評価の定めはありません。株式会社化によりPDCAサイクルはどのように行われることになるのか、また、政府は発行済株式の総数を保有する立場としてどのようにこの問題についてチェック機能を果たしていくのか、お聞きをいたします。
○政府参考人(宗像直子君) 御指摘のとおり、これまでのNEXIは、通則法にのっとり、毎年度の業務実績と中期目標期間の業務実績につきまして、外部委員で構成される経済産業省独立行政法人評価委員会の評価を受けてきております。
 特殊会社化されますと、この通則法に基づく義務は外れるわけではございますけれども、他の特殊会社の例も参考にしつつ、第三者等による実績評価やそれを踏まえて改善を講じるという、まさに御指摘のPDCAの仕組みが導入されるように図ってまいりたいと考えております。
 また、政府といたしましては、経済産業大臣による毎年度の事業計画の認可を通じてしっかりと、このPDCAのPから始まるわけでありますけれども、このサイクルが機能するようにチェックしてまいりたいと存じます。
○小林正夫君 次に、国と会社との関係と経営の自由度確保について質問をいたします。
 貿易保険の引受けに国の政策を反映させるために、第十五条で、経済産業大臣は貿易保険引受基準を定めることとしております。第十六条第一項では、会社は同基準に従って貿易保険の引受けを決定しなければならないこととなっております。また、同二項では、一定の重要案件について国が会社に対し意見を述べることを可能とするように措置をしております。さらに、第三十一条では経済産業大臣は会社の業務に対して監督上必要な命令をすることができるとともに、国は会社の発行済株式の総数を有する株主としての立場も有している。これらによって国は会社の業務運営に対する一定の影響力を保持している、このようになると思います。
 一方、独立行政法人から株式会社への移行は、会社の経営の自由度、効率性、機動性を向上させるために行われるものであり、政府は株式会社化の趣旨を没却させることのないよう、会社への関与を最小限にとどめるべきではないか、私このように思います。
 さらに、日本貿易保険については、株式会社への移行の検討に当たって、予算管理及び組織、事務の運用の弾力性について議論が行われ、閣議決定では、経営の自由度、効率性、機動性を向上させるため、全額政府出資の特殊会社に移行すると、このように定められております。
 これまでの経緯を踏まえて、株式会社化後の組織、人事管理における経営の自由度の確保についてどのように考えているか、お聞きをいたします。
○国務大臣(宮沢洋一君) まさに最初の御答弁で申し上げましたように、今回の法改正の目的というのは、経営の自由度、効率性、機動性を確保するということがあるわけでありまして、これはしっかり自由度を持たせていかなければいけないと考えておりますが、一方で、まさに貿易保険というのは政府としても大事な政策実現手段の一つでありまして、そういった意味は担保していかなければいけないということで今回の法案を作ったわけですが。
 現行でありますと、まさに再保険という形で、ある意味では政府が全案件をチェックをしているというような形であったものを、今回は引受基準といったものを定めまして、大きな枠を政府が定めて、その運用につきましてはまさに特殊会社でやっていただくということで効率性等々を担保する、ただし、やはり大きな政府の方針というものはしっかり実現していく方向で貿易保険の引受けをしてもらうと、こういう方向の法案としたところでございます。
○小林正夫君 次に、業務方法書の作成についてお尋ねいたします。
 独立行政法人通則法に基づいて日本貿易保険において業務方法書が定められておりますけれども、独立行政法人から株式会社への移行に伴い、今後、業務方法書の作成義務は課されないことになります。業務方法書は、業務の基本的な事項を定めるとともに公表義務が課されていることから、業務運営の適正の確保に資するものであると私は思います。
 株式会社後も定款などに同趣旨の事項を定め、公表すべきではないか、このように考えますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(黒澤利武君) お答えいたします。
 議員今御指摘のように、現在、独立行政法人通則法に基づきまして業務方法書を作成し、公表することになっておりますが、提出いたしております法律案では、これはありません。
 これはどういうことかと申し上げますと、今回の法律案、改正の目的が、NEXI、日本貿易保険の組織経営面での自由度、効率性、機動性を高めるといったことを目的としていることから、内部管理体制などを定めた業務方法書をあえてこれを求めないということとしているわけでございます。
 しかしながら、国の施策を実行するNEXIという存在でございますから、肝の部分はやはり政府が押さえなくてはならないということで、定款、これは大臣の認可に関わらしめることになっておりますし、それ以外にも事業計画、毎年作ります、これも大臣の認可でございます。それ以上に重要なのは引受基準、これは政府で作りますし、さらに、責任準備金を積み上げるときの算定方法書、これも大臣の認可に関わらしめております。
 それから、伝家の宝刀のようなものですけど、先ほど議員が御指摘しましたように、第三十一条、監督権限を今回創設いたしました。これによりまして、随時必要に応じてNEXIに対して検査監督といった権限を行使することによりその適正を保つことができると考えております。
○小林正夫君 次に、株式会社日本貿易保険の資金調達についてお聞きをいたします。
 現行では、国が再保険を引き受けております。先ほどの資料のとおりであります。被保険者である企業や銀行は、万が一のことがあっても、国がNEXIのバックにいて再保険で対応してくれるという安心感があったと思います。
 資料の一番右に書いてありますけれども、国による履行担保が行われるというものの、国は当事者から外れる形になるのではないでしょうか。そこで、貿易保険を利用する企業にとっては不安が生じるのではないか、私このように思います。
 第二十八条は、政府は予算で定める金額の範囲内において必要な財政上の措置を講ずる、このように規定しております。株式会社NEXIが資金調達で困ることにならないことを政府は確約することが大変大事じゃないかと思いますけど、いかがでしょうか。
○政府参考人(黒澤利武君) お答えします。
 今御指摘がございましたように、NEXIが資金調達で困ることがないようにするということがまず大事だろうと我々考えております。
 したがいまして、まず、改正後の第二十二条に書いてございますけれども、きちっとした責任準備金を積み上げるように、算定方法書、これを大臣の認可の下、あっ、大臣が策定し、これに従うように行わせるようなことをしてしっかりと積み立てるようにします。さらに、責任準備金で足りないといったような事態が生じた場合、今御指摘もございましたけれども、二十六条におきまして、政府の保証の付いた債券、社債を発行して資金調達をすることができるようにまずいたします。それでもなおかつ資金が足りないというような場合は、第二十八条におきまして、予算の範囲内で政府が必要な財政措置を講じると、こういう立て付けになっております。
 こういった形を法律に明確に書き込むことによりまして、NEXIがしっかりと、リスク、過度に過敏にならないように、事業を遂行するように法律上担保しているということでございます。
○小林正夫君 株式と出資についてお尋ねいたします。
 株式会社日本貿易保険は、政府一〇〇%出資の株式会社となります。株式は政府がずっと持ち続けていくのか、それとも昔の日本航空のように、ある程度その役割を終えたら株を市場に売却したように、ある程度貿易保険事業としてやっていける見通しが立てば株式の一部は放出するということもあり得るのかどうか。
 もう一点。株式会社形態を取っている既存の特殊法人や認可法人、例えば特殊法人である日本政策金融公庫等に一般会計などから毎年のように出資を行っている例もございます。国との財政的なつながりはどうなるのか、株式会社NEXIにも出資の積み増しなどを行う、こういう考え方があるのかどうか、確認をいたします。
○政府参考人(宗像直子君) お答えの前に、先ほどの御質問の中で一点言い間違いがございまして、記録のために簡単に発言させてもよろしゅうございましょうか。恐れ入ります。
○委員長(吉川沙織君) 黒澤審議官。
○政府参考人(黒澤利武君) 若干技術的な点でございますが、先ほど責任準備金の算定方法書を大臣が策定と申し上げましたが、正確にはNEXIが策定し、大臣の認可ということでございます。大臣が策定いたしますのは引受基準の方でございます。
○政府参考人(宗像直子君) 失礼いたしました。
 貿易保険につきましては、戦争、テロなど通常の保険では受けられないリスクを引き受けるということで、長期的に事業の収支をバランスさせる収支相償という考え方で運営をしております。このため、国際情勢が不安定な時期など一定期間は赤字が続く事態も想定しておりまして、そういう意味では、継続的、安定的な利益を求める民間の出資というのはなかなか期待できない状況でございます。
 また、保険の支払に伴って、NEXIが保有する途上国向けの債権について援助政策といたしまして国際合意で削減をする、こういう場合があるわけでございますけれども、民間の出資がありますとこういう場合に国際交渉を機動的に行うということがなかなか難しいということでありまして、こういう貿易保険の性質に鑑みまして、主要国でも国又は国が一〇〇%出資する機関が貿易保険事業を運営しております。NEXIについても、そういう意味では将来の民営化を想定してはおりません。
 二点目でございますけれども、国との財政的なつながりにつきましては、NEXIが保険金支払のための資金調達が困難な場合に、二十八条によって、政府は予算の定める範囲において必要な財政上の措置を講ずることとしているわけでございますけれども、政府から交付された資金はその後の保険料収入から返済するということにしております。
 以上でございます。
○小林正夫君 次に、人材の活用についてお尋ねします。
 貿易再保険特別会計は平成二十八年度末で廃止をされる、このようになります。その資産や負債は新しい株式会社に継承されるとしております。
 一つ質問ですけれども、現在、貿易再保険特会の業務に国の職員は何名従事していますか、お尋ねいたします。
○政府参考人(黒澤利武君) 貿易保険に関する国の業務を担当しておりますのは、貿易経済協力局の貿易保険課というところでございますが、二十七年四月現在、総勢で二十六名おります。このうち、貿易再保険特別会計の経理そのものの業務に携わっている職員は五名ということでございます。
○小林正夫君 そこで、大臣、今二十六名の人がこの業務に就いていると、それで平成二十八年度末までにこの特別会計が廃止をされるということになるんですが、この職員の人たちは今後どのようになっていくんでしょうか。経済産業省内のほかの部署に配置換えになっていくのか、あるいは貿易再保険の実務を熟知しているので新しい株式会社に移ってノウハウを生かしてもらうのか。この辺についてどう大臣はお考えなのか、お聞きをいたします。
○国務大臣(宮沢洋一君) 貿易保険課自体の業務というものは例えば引受基準の策定等々ということで当然残るわけでありますけれども、特会が廃止されるということでございますので、特会に係る業務をしている職員につきましては、その仕事が法律が施行されればなくなってしまうと、こういうことになるわけでございますが、当然のことながら、経済産業省の中の人事として、もちろん貿易保険課かどうかは別でございますけれども、経済産業省の中で処遇すると、こういうことになろうと思っております。
○小林正夫君 丁寧に職員の方にも説明をして、また、別な場所に移るということになればそこで元気で頑張れるような、そういうような配慮も必要だと、私このように思いますので、よろしくお願いをいたします。
 次に、特殊会社の役員ポストにおける退職公務員の扱いについて質問をいたします。
 日本貿易保険について、全額政府出資の株式会社とすることにしておりますけれども、このような特殊会社については、民間に近い形態であり、経営の自主性を尊重することが基本であるものの、一部の役員ポストが退職公務員の指定席になっている、こういう批判に鑑みて、特殊会社の役員人事に関する当面の対応について、これは二〇一〇年の五月の閣議決定ですけれども、ここで定められております。
 改めてこの閣議決定の内容を確認をいたします。どういう内容だったんでしょうか。
○政府参考人(宗像直子君) お答えいたします。
 御指摘の閣議決定におきましては、まず府省庁による公務員の再就職あっせんは特殊会社についても一切行わないこと、そして、国が一〇〇%株式を保有する特殊会社におきましては、第三者が評価を行う委員会を設け、当該委員会から役員として適任であるとの評価を受けることを役員任命に関する所管大臣認可の条件とすること、そして、国が一〇〇%株式を保有していない特殊会社も含め、所管大臣は内閣官房長官に協議の上、認可を行うこと、そして、特殊会社の常勤役員に占める公務員OBの割合は全体の三分の一以内とするということが定められております。
○小林正夫君 そこで、お尋ねします。
 本法律案の第七条第一項では、会社の役員等の選任及び解任の決議は経済産業大臣の認可を受けなければその効力を生じない、このようになっております。株式会社化に当たって、現在の役員の処遇を含めて、会社の役員等の選定手続についてどのように考えているのか。
 また、先ほど確認した閣議決定ですけれども、株式会社の常勤役員のうち退職公務員が占める割合について、先ほどお話があったとおり、当面の措置としてその割合が三分の一以内になるように定めております。日本貿易保険の常勤役員四名のうち二名が経済産業省出身となっております。独立行政法人から株式会社への移行に当たって、常勤役員に対する退職公務員の占める割合についてどのように対応していくのか、お考えをお聞きいたします。
○国務大臣(宮沢洋一君) 二〇一〇年五月の閣議決定に沿って今後対応するということになろうかと思っておりますが、まず、平成二十九年四月に特殊会社になりますけれども、現在の役員が引き続き役員になるということではなくて、新たに当然、会社の取締役を選んでいかなければいけないと。
 その手続でございますけれども、まず、経産大臣が任命する設立委員会が人事案を作成する。そして、平成二十二年の閣議決定に従いまして、第三者委員会を設置して役員候補者の適性評価を事前に行った上で、会社設立前に開催される創立総会で選任することになります。また、役員及び代表取締役の選任、選定決議は経産大臣の認可を受けなければ効力を生じないほか、過去の閣議決定に従いまして、大臣認可に当たっては、代表取締役については閣議口頭了解、その他の役員についても官房長官に事前協議を行うこととなります。
 当然のことながら、常勤役員に占める退職公務員の占める割合についても、平成二十二年の閣議決定に従いまして、特殊会社の常勤役員に占める公務員OBの割合は全体の三分の一以内とするということで対処をしてまいるつもりでございます。
○小林正夫君 分かりました。
 次に、貿易再保険特別会計の廃止に関する質問を何点かいたします。
 まず、貿易再保険特別会計の廃止の課題なんですけれども、この貿易再保険特別会計を廃止して、その資産及び負債を全額政府出資の株式会社に継承させることの検討があったときに、一つとしては、日本貿易保険がリスクテーク主体となることによる案件引受けの慎重化、二つ目に、日本貿易保険の保険金不払時に国が補償する制度とした場合の財政民主主義との関係の整理、三つ目としては、国の政策判断を反映させる仕組みの喪失、こういうことが課題として挙げられておりました。
 これらの課題について、本法律案はどのように対応しているんでしょうか。
○政府参考人(宗像直子君) お答えいたします。
 初めに、御指摘第一点目の案件引受けの慎重化につきましては、財務基盤の確保とそして国の政策との一体性を確保するというこの二点でNEXIの引受姿勢が慎重にならないようにということを担保しております。
 具体的には、財政基盤の確保のためには、引受けリスクに見合った責任準備金の積立てをNEXIに義務付けるということと、NEXIが保険金を支払えなくなった場合には国が必要な財政上の措置を講じるという、これらのことを通じて財務基盤を確保しているということでございます。
 また、二点目の国との政策の一体性の確保のためにはということでは、役員の選解任、毎年度の事業計画を主務大臣の認可とすることということに加えまして、国が引受基準を定め、NEXIはこの引受基準に従って保険の引受けをしなければならないとするということと、一定の案件の引受けにつきましては、あらかじめ国の意見陳述の機会を確保するということにしております。
 これらを通じて、案件引受けの慎重化ということを克服しております。
 御指摘の二点目の財政民主主義につきましては、今回新たに規定いたしますNEXIが保険金を支払えなくなった場合の国の財政上の措置、これを講ずるに当たりまして、国会の予算議決が必要とされますので、これを通じて引き続き維持されているということでございます。
 三点目に、国の政策判断を反映する仕組みの喪失という懸念につきましては、冒頭の引受姿勢の慎重化への対応ということと同様に、国の政策との一体性を確保するための措置、これらを通じて対応いたしております。
 以上でございます。
○小林正夫君 次に、債務削減影響額の扱いについて質問をいたします。
 我が国の経済協力及び国際協力の観点から、債務支払が困難に陥った債務国に対して公的債務の債務繰延べや債務削減が行われております。二〇一三年度までに削減した債権の総額は一兆一千七百三十一億円であり、そのうち民間分が二千六百六十一億円、国及びNEXI分が九千六十六億円となっています。
 経済産業省は、債務免除等を行わなければ回収可能であった金額を、過去の実績に照らして回収率八九%を前提とすれば、九千六十六億円に八九%を乗じて得た約八千六十九億円が債務削減影響額とされております。この債務削減影響額について、これまで一般会計から貿易再保険特別会計に対して約二千五百三十三億円が繰り入れられており、差引き額は約五千五百三十六億円となっております。
 貿易再保険特別会計の廃止により今後は一般会計からの繰入れが不可能となることから、本法律案では、政府は予算で定める金額の範囲内において会社に対して免除又は放棄したために必要な経費に相当する額の交付金を交付することができる、これは附則の第二十四条第三項でこのように定めております。
 国として判断した債務削減の影響の負担を貿易保険の利用者に求めることは適切でないことから、政府は差引き額の約五千五百三十六億円を会社に対して確実に交付する必要があるのではないかと私は思います。交付金を交付するスケジュールをどのように考えているのか、お尋ねいたします。
○政府参考人(黒澤利武君) 御指摘ございましたように、債務削減の合計額は九千六十六億円で、このうち、差し引きいたしました五千五百三十六億円確実に交付するということが必要であろうかとは考えております。
 これは、理由と申しますのは、あくまでも国の援助政策の一環として債権を放棄したということでございますので、この負担を貿易保険の利用者だけに寄せるべきではないという考え方でとられている措置でございます。
 御指摘のように経過措置として附則でも書かれておりますし、今後新たに放棄する分につきましては、三十六条におきまして、やはり同じように必要な額を一般会計からNEXIに対して直接交付するというような規定をあえて設けさせていただいているところでございます。
 ただ、毎年どれだけNEXIに対して一般会計から繰り入れていくかということにございましては、まず、貿易保険、NEXI側の財務事情、それから国の一般会計側の厳しい財政状況、こういったことを踏まえながら、毎年予算という形で国会におきまして決めていただくということを考えております。
○小林正夫君 積立金の扱いについてお尋ねします。
 現行の特別会計に関する法律に基づいて、貿易再保険特別会計において毎会計年度の歳入歳出の決算余剰金を生じた場合には、当該余剰金のうち、再保険金の支払等の歳出の財源に充てるために必要な金額を積立金として積み立てております。平成二十五年度末の積立金の残高は約八千八百三十六億円となっておりますけれども、株式会社への移行時にこの積立金はどのような扱いになるのか。
 また、株式会社へ移行後も、通常の予測を超える危険が発生した場合に保険金の十分な支払能力を確保しておくため、一定水準の責任準備金を積み立てておく必要があると思います。その適正な水準についてどのように考えられているのか。
 もう一点。さらに、本法律案では、対外取引の健全な発達を図るため又は被保険者等の保護を図るため必要があると認めるときには、経済産業大臣は会社に対し責任準備金の算出方法書の記載事項の変更を命ずることができることとしておりますけれども、変更を命ずる場合として具体的にどのような場面を想定しているのか、お伺いをいたします。
○政府参考人(黒澤利武君) 三点、御質問いただいたと思います。
 一つ目は、現在特別会計にある八千八百三十七億円、これがどうなるかということでございますが、これ、元をただしますと、NEXIを通じて受け入れた保険料が積み上がったものというのが元の原資ということでございますので、再保険特別会計が廃止されれば、当然この金額はNEXIの方に移管されるという形になっております。
 あわせまして、NEXI側にあります責任準備金、自己資本と合わせまして約一・三兆円の資産になろうかと思います。この一・三兆円が果たして適切なのかという御質問でございますが、これにつきましては、この法律の施行までに我々研究いたしまして、しっかりした水準を見極めようと考えております。
 NEXIが引き受けるのは、通常の民間の保険会社が引き受けるような交通事故とかあるいは火災といったような大数の法則が働くような危険ではございません。戦争、内乱、革命といった異常危険ということでございますので、やはり特別な数理、保険数理を用いてこれを算定しなければならないと考えております。今現在検討いたしているものといたしましては、いわゆる確率論的アプローチということで、予想最大損失額を用いて測るというふうなことも検討いたしております。
 それから、最後の御質問でございますけれども、こういった算定方法書におきましてどのような形で積み立てていくかというようなことをNEXIが決めて大臣が認可するということでございますが、これが今後、一旦認可した場合、どのような場合に変更されるかということでございますが、これは今後のことでございますので予断は許しませんけれども、もちろん、今申し上げましたとおり、リスクをより精緻に見積もる新たな金融手法が開発された場合はそういったものに改めるというふうなことで、随時アップデートしていくというふうなことを我々は期待いたしております。
 以上でございます。
○小林正夫君 次の項目に行きます。
 インフラシステム輸出戦略について何点かお尋ねします。先ほど高野先生からもこの内容について幾つか御質問がありましたけど、私はエネルギー分野における問題について少しお伺いをいたします。
 インフラシステム輸出戦略において、エネルギー分野における日本企業の受注額は、二〇一〇年に約三・八兆円、二〇二〇年には九兆円程度になると推計されております。このうち原子力分野は年率二・四%の市場拡大が見込まれている、このようにお伺いをしております。
 また、同戦略において、インフラプロジェクトは概してリスクが高く、民間金融だけでは十分な資金を供給することが難しい場合があるため、公的金融による支援を強化し、リスクテーク機能の強化を図ることとしており、その一環として、経済産業省では公的信用付与の条件の一つとなる原子力関連の十分な安全確認制度を早急に整備すること、このようになっておりました。
 しかし、これまでのところ、同制度の整備はされていないというふうに私思っております。整備が遅れている理由と今後の見通しについてお尋ねいたします。
○政府参考人(中西宏典君) お答え申し上げます。
 まず、原子力発電所の安全確保の実施につきましては、当該原子力発電所が立地いたします国が責任を持って管理をするというのが国際的に確立された考え方でございます。
 その上で、従来、我が国におきましては、OECD環境及び社会影響に関するコモンアプローチ、その遵守をするという一環といたしまして、原発資機材の輸出に関しまして公的信用を付与するに当たりましては、経済産業省の方が、安全確保の観点から適切な配慮がされているかどうか、具体的には相手国のいろんな関連する制度が整備されているのかどうかといったものを確認をしてきているというのがこれまでのやり方でございました。
 その後、最近の動きといたしまして、従来経済産業省の中にありました原子力安全・保安院、こちらの方が、これもう平成二十四年の九月になりますけれども、独立した形での原子力規制委員会といったものに変わりました。そういったこともございまして、経産省単独ではその業務をやることが難しいということになりましたので、それを踏まえて、これは政府全体といたしまして、今後どういうふうな形で各省連携してこの確認作業をやるべきかといったことをずっと議論をしてきたところでございます。
 そういったことを踏まえて、まず、これは昨年の末になりますけれども、どの役所が全体を今後のプロセスとして調整していくのかといったことを検討した結果、原子力利用に関します事務調整を所掌する内閣府、我々の方がその全体の中心となって体制を検討すべきだということになりまして、それを踏まえて、我々の方が中心となりまして、関係省庁との間で今後の具体的な役割分担、さらには具体的な手続といったものにつきまして、現在、鋭意検討を進めているということでございます。
 そういった意味では、先生御指摘のように、じゃ、今後の具体的な進め方、スピードというようなことにつきましては、我々は鋭意今そこら辺を詰めているところでございますので、引き続き努力をさせていただきたいと思ってございます。よろしくお願いします。
○小林正夫君 今の現状は分かりました。大変大事な制度だと私思いますので、組織のいろいろ変更があって少し遅れたということも理由の一つだと思いますけれども、是非早い時期にこういうものを検討して成案を得る、こういう努力をしていただきたいことをこの場でお願いをいたします。
 そこで、海外における原子力発電所の建設あるいは廃炉、こういうことが世界ではどうなっているのか、この辺についてお聞きをいたします。
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 世界での原発の設備容量の見通し、建設の見通しということでございます。こちらにつきましては、IAEAの方で見通しを出しております。幅を持って見通しを出しておりますが、二〇三〇年までに世界の原子力発電所設備容量が一割から九割増加するという予測でございます。これ、百万キロワット級の基数に換算いたしますと三十基、あるいは高い方、九割増えるということでいきますと三百三十基増えると、こういうことでございます。現在、ちなみに、世界の原発、原子力発電所ございますが、約四百四十基ほどあるという状況でございます。
 それから、もう一点、廃炉でございます。廃炉につきまして、こちらにつきましては、現在廃炉をしている基数でいきますと、約百四十基の原子力発電所が廃炉の作業中でございます。既に完了した原発は十基ほどあると、こういう状況でございます。
 今後の廃炉の見通しという点につきましては、先ほども申し上げました建設のような見通しをIAEA持ち合わせておりません。これにつきましては、各国によって運転できる機械が違うということもありますし、それから、廃炉の判断自身をこれは経営者、事業者が判断するということで、なかなか見通しが持てないと、こういう状況かと思っております。
○小林正夫君 日本の原子力技術は大変優れていると私思います。日本の大手三メーカーも海外に出て原子力の関係の仕事をやっている、このように承知をしております。今、答弁の中で、廃炉を世界的には百四十基ぐらいのものが行われていて、世界では約四百四十基の原子力発電所があると、このようなお話でした。
 日本では、原則四十年制を採用して、さらに、原子力規制委員会が安全と認めれば二十年延長できると、こういうようなルールになっているわけですが、いずれにしても、今ある原子力発電所は、どこかの段階でその原子炉を止めて解体しなきゃいけないという、こういう作業が必ずや出てくると思います。
 そこで、先ほどインフラ戦略において、トップセールスとして大臣も海外に出て頑張っていくんだと、こういうお話がありました。原子力があれば必ず廃炉ということになっていくんですが、この廃炉に対する戦略的なもの、こういう点については、大臣、どういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 委員おっしゃいますように、今後、老朽化して廃止を決定していく原発というものは増えていくわけでありまして、これらの原発を安全に廃炉にするということは、これは国際的に見ても大変重い課題だと思っております。
 ただ一方で、インフラ輸出の一環という観点から申し上げますと、正直、これは委員も御承知のとおり、当面は福島の件、また国内で廃炉が順次増えてくるということを考えますと、国内で手いっぱいといいますか、特に福島の件につきましてはまさに世界の英知を結集して新たな技術開発等々に全力投球しているというところで、正直なかなか国際的展開までは頭が行かないというのが現状だろうと思っております。
 ただ、そういう国内の過程の中で、円滑な廃炉を実現するために高度な技術の維持と高いスキルと安全意識を持った人材の確保が今後非常に大事だと思っております。そして、中長期的にはそういった廃炉技術や人材を活用する延長線上に国際展開の可能性はあるだろうとは思っております。
○小林正夫君 政府参考人にもう一問。我が国における廃炉作業、これも、これから原子力発電所があれば必ずや解体をしていくということになっていきますので、廃炉作業に向けた要員の確保だとかあるいは技術などの課題、こういうことがどういうものがあるのか、お聞きをいたします。
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 我が国におきましても東海あるいは浜岡というところで既に廃炉の作業をしております。それから、先般五基の廃炉が決まったということでございまして、非常に大きな課題であろうかと思っております。
 先ほど福島の話ございましたけれども、通常炉と事故炉と、当然違うわけでございます。通常炉の廃炉につきましては、先ほどのような経験、既にやっている経験も踏まえながら取り組んでいくことが必要かと思っておりますけれども、この競争市場、これから電力の自由化も進めていきます。まずは、通常炉の廃炉につきましては、各事業者が、電力会社それから各メーカー、こういったような方々が連携をしながら、これまでの原発の、原子力発電所の建設、運営という中で培ってまいりました技術あるいは人材というものを生かしながら切磋琢磨しながら取り組んでいくこととなろうかと思います。
 ただ、今先生御指摘の人材の、要員の確保という観点からいたしますと、これから原子力への依存度の低減といった中で、この技術なり人材といったもの、廃炉に取り組むそうした技術、人材というものを確保していくというのは非常になかなか困難を極めていくことかと思っております。
 いずれにしましても、福島のような前例のない取組、こちらにつきましては海外の知見も活用しながら、そして福島とは違う通常炉の健全な炉についての廃炉につきましては、これまでの経験を踏まえ、そして人材の確保に努めながら取り組んでいくと、こういうことになろうかと思います。
○小林正夫君 今お話があったとおり、事故炉の廃炉と通常炉の廃炉、福島の事故が大変な事故だったものですから、何となく今廃炉というと福島の事故の原子力発電所の解体、廃炉というイメージがどうも先に立ってしまって、通常炉の廃炉というイメージがなかなか湧いてこない。私思うんですけれども、先ほど言ったように、これから原子力を担う人材がたくさん出てきてもらって、先ほど言ったように原子力発電所があれば必ずどこかでそれを解体するという事業が出てくるわけですから、そういう若い人たちが原子力の廃炉、そういうものに取り組むという、何かそういうことが我が国にとって大変大事かと思うんです。
 そういう意味で、私、事故炉を何となくイメージが湧いてしまう廃炉という表現、それと通常の廃炉、通常の原子力が一定の期間終わって廃炉していくという、ここの廃炉に少し区別をして何かネーミングを考えていく必要もあるんじゃないかなと私個人は思っているんです。
 ですから、そういう意味で、繰り返しになりますけれども、この廃炉という仕事は大変大事なんです。原子力の、原子力だけじゃなくてあらゆる技術を駆使して安全に要は原子力を解体していくということになりますから、そういうものを通常ではやっていくんですね。そういうものに対して、事故炉も廃炉、通常も廃炉、ここを少し区別化して、何かもう少しいいネーミングがあればいいなと私思うんですけれども、大臣、その辺について何か感想があればお聞かせください。
○国務大臣(宮沢洋一君) 法律用語で廃炉という言葉があるかといいますと、法律用語ではないようでございます。原子炉等規制法におきまして原子炉の廃止措置というふうに書かれておりまして、そういうところから恐らく廃炉という言葉が、通常、国会においても、また政府においても、またマスコミ等においても使われているということでありまして、これを福島と福島以外を分けて違う名前にするというのはなかなか難しいことだろうと思いますが。
 一方で、まさに有能な若い人材に廃炉関係の勉強をしっかりやっていただいて、この関係の事業を本当に間違いがないように、また新しい技術を入れて行っていくということは大変大事なことでありますから、例えば、高等教育機関等々がそういう学生のための学科等々といったものを宣伝するときにいろんなネーミングを、ハッピーリタイアメントではないでしょうけれども、何かそういうネーミングを付けていただくように我々としても働きかけができるのであればやっていきたいと思っております。(発言する者あり)
○小林正夫君 そうですね。私は建設という仕事にも携わってきましたけれども、建設というのはやはり自分たちのやった実績が形として残っていくということで、どちらかというと夢と希望を持ちながらそういう建設をしていくんですが。やはり、解体して壊していくということに対して、何も残らなくなるわけですから、そういう仕事も大変大事なんだということと、原子炉技術を駆使しないとこの廃炉作業もできないんだということからして、私が言いたいのは、やはり若い人たちが、この廃炉事業に取り組んでいく、こういう意欲を持った人たちが多く出てくることが必要じゃないかと思いますので、先ほど言ったように、私個人は何か通常炉の廃炉についてネーミングがあればいいなと思っています。
 また今後も少し私も考えてみますので、機会があればまたこういうやり取りをさせていただければ有り難いと思います。
 持ち時間の関係で、幾つか質問を用意しましたけれども、最後の質問になります。貿易保険の推進について経産大臣の所見をお伺いをしたいと思います。
 国が関係する貿易保険は、保険費用が巨額になったり超長期で先が見通せないなど、民間ではリスクが高過ぎて手を出せないため、意義のある私は事業だと思います。一方、万が一の場合には国の財政にも直接影響が及ぶ、こういうことになります。
 したがって、貿易立国、こういうことを考えると、国が関わる貿易保険の推進について、私は非常に大事だと思いますので、大臣のこの辺の御所見を聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(宮沢洋一君) まさにおっしゃるとおりでございまして、貿易保険というのは貿易立国を支える大変大きな手段の一つであります。そして、テロ、戦争等々の大きな危険に国が保険をしてそれに備えるということは先進国どの国でもやっていることであります。
 一方で、まさにイラク、イラン等々で起こったこととか南米で起こったことということで、いっときに相当な巨額な保険金の支払が行われるということもあって、やはり政府がしっかりそれに対応できる制度を用意しておかなければいけないということで、今回の法律におきましては、まず特殊会社化後のNEXIにおきまして責任準備金を積み立てなければならないとしておりますし、また、万が一責任準備金のみでは支払に支障が生じる場合には、政府は予算の定める範囲内において必要な財政上の措置を講ずるということにしているわけでございます。ただ一方で、そういうことをやった場合にあっても、その交付された資金につきましてはその後の保険収入から国に返済されるということで、中長期的に見れば国の財政的負担をなくすということが今回入っているわけであります。
 まさに今後のNEXIということを考えますと、民間の保険というものがもっと出てきてほしいというのが正直な気持ちでありまして、出てきた場合にはその部分はNEXIは行わないで、ただし、最初に申し上げたように、間違いなく政府でしかできない分野というものは必ずありますので、その分野につきまして保険がないからほかの国に競り負けるというようなことがあってはならないわけでありますので、しっかりと貿易立国実現のためにNEXIを活用していきたいというふうに考えております。
○小林正夫君 今日は廃炉の関係も少し質疑をさせてもらいました。中野先生、御心配していただきましたけれども、原子力発電の建設は大変大事だと、こういう基本的な考え方を持っているということを申し述べて、私の質問を終わります。
 以上です。
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。よろしくお願いいたします。
 今日も様々議論、お話がございましたとおり、企業が海外との取引また輸出入、そうしたことを安心して行っていくためには、この貿易保険制度、大切なものであると思います。とりわけ世界のインフラ需要、これを積極的に取り込んで我が国の力強い経済成長につなげていくということが、官民挙げて取り組んでいく、非常に求められている現在におきまして、公的金融による支援の強化はますます重要になってくるのではないかと思っております。こうした中で、昨年の秋にこの貿易保険法改正、施行されまして、そして今回、更にまた改正が議論されているという状況にあるところであります。
 そこで、改めまして、インフラシステム輸出などの我が国の成長戦略におきまして、この貿易保険制度が果たすべき役割というものはどのようなものなのか、昨年の改正の評価と、また更に今回行われる改正、成長戦略にどのように資することになるとお考えなのか、大臣の御所見を伺います。
○国務大臣(宮沢洋一君) 委員がおっしゃいますように、インフラ輸出というものは我が国のまさに今後の成長にとっても大変大事なものでありますし、その中で貿易保険といったものの果たす役割というものも大変大きなものがございます。
 そこで、前回の改正、昨年の十月一日に委員がおっしゃいますように施行されたわけでございますけれども、前回の改正では、テロなど日本企業が海外で事業を行う際に直面するリスクの高まり、企業活動のグローバル化に伴う取引形態や資金調達手法の多様化、中小企業の積極的な国際展開の動き、こういう三点につきましてそれぞれに対応する措置を講じたところであります。
 そして、今回の法改正、お願いしておりますのは、NEXIにおきまして、まず理事長一人に権限が集中していたものを、取締役会といったものでまさに相互牽制を働かせながら株式会社として運営していくということ、また、独立行政法人の通則法から離れることによりまして、人事の面等々におきまして、まさに目の前に起こったことに柔軟に効率的に対応できるような体制をつくっていくということでありまして、政府が今大変重要な柱の一つとして位置付けておりますインフラ輸出につきましても、この前回の改正、また今回お願いしている改正によりましてより柔軟に、そしてより効率的に対応できるようになると考えております。
○佐々木さやか君 大臣からもございましたとおり、今回の改正はこの独立行政法人日本貿易保険を株式会社、特殊会社化するということが大きな点の一つでございます。諸外国を見ますと、この貿易保険というところの特殊性から、やはり我が国と同様に、制度の違いはあるものの、国の関与というものがあるわけでございまして、直接国が貿易保険事業を実施しているという国もまだあるという状況でございます。
 そうした中で、今回、この時期に日本貿易保険を特殊会社化するという必要性、改めてこの点について、どのような改正の趣旨なのかについて確認をしたいと思います。
○政府参考人(宗像直子君) 元々、貿易保険は政府の一部局として運営されておりまして、それが、先ほど大臣が独立行政法人化の歴史について御説明申し上げましたけれども、国の業務の中で外に切り出すことができるものを独立行政法人にするという中でNEXIが生まれたという歴史がございます。
 その上で、独立行政法人という形態よりも特殊会社の方が現在の貿易保険を取り巻く環境により効果的に対応できるだろうという御判断の中でこういう特殊会社化ということが決定されてきたということでございまして、諸外国の中でも、確かに国が直接運営しているものもあれば、民間の会社に委託をして、国の責任において委託をしているというような形態もいろいろございまして、そういう中で、国の政策との一体性と、株式会社化することによる組織の機動性、弾力性をより併せて効果的にやっていければと思っております。
 以上でございます。
○佐々木さやか君 NEXIの特殊会社化という点と、また今回の改正では貿易保険の充実ということも盛り込まれております。例えば、海外事業資金貸付保険の適用範囲の拡大ということもございます。これは、貸付けの実施対象がこれまでは外国政府また外国法人などが行う事業ということでございましたけれども、今回、これに加えまして日本の法人などが行う事業、日本国外における事業でございますけれども、ここにも適用されるという改正の内容になっております。
 そこで、この改正の狙いというところについて伺いたいと思いますけれども、また、この適用拡大の対象になる事業というのは具体的には省令で定めるということになっておりまして、その省令で定められる事業に限定をされるわけでございますけれども、どういうものを想定をしていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(宗像直子君) 今般の法改正で新たに貿易保険の付保を可能にいたしましたのは、具体的には、国内で生産された航空機を外国の航空会社に輸出するために日本の国内に特別目的会社、SPCを設立いたしまして、そこから海外向けにリース事業を行うと、こういう場合を想定しております。このようなSPCへの融資は形式的には国内事業者への融資ということにはなるわけでありますけれども、そこで引き受けているのは海外からリース料が返ってくるかどうかというリスクでございますので、実質的には海外への投融資というものと同じリスクを受けていると考えることができます。
 今回の法改正によって、国内で生産された航空機を輸出する場合に、売買というものに加えて、アセットを余り拡大しないという意味で、所有権を移転しないリースを選好する顧客に対してそういう選択肢を提供することができるようになるという意味がございます。省令におきましては、まさにこの国内で生産された航空機を外国の航空会社に輸出する事業というものを定める予定でございます。
 以上でございます。
○佐々木さやか君 航空機のリース事業を是非戦略的に行っていっていただきたいと思います。今回の改正がその後押しになるというふうに思っております。
 そのほかにも、貿易保険の拡充のための措置、幾つか盛り込まれております。そうしたことによってNEXIの機能の拡充がされていくと思いますけれども、この点、先ほど大臣からもございました、民間でできるところは民間でというような考え方からいたしますと、NEXIの機能を拡充していく、貿易保険の対象も拡充をしていくというところについて、民業圧迫につながりかねないんじゃないかという声も上がることが考えられるかなと思います。
 貿易保険の特殊性ということはあるわけですけれども、例えばヨーロッパでは、市場でリスクヘッジが可能な短期貿易保険と、また、リスクがより高い中長期の貿易保険に分かれていて、民と官の分担が行われているというふうに聞いております。
 日本の場合には、この貿易保険というところについては民間の参入というのはまだ日が浅いのかなと思いますけれども、今回の改正も含めまして、NEXIの機能拡充、これが民業圧迫という批判を受けないように、民間の損害保険会社との調整というところも考えていかなければならないと思いますけれども、この点はどのように考えているんでしょうか。
○政府参考人(宗像直子君) 今、民間の損害保険会社が貿易保険類似の保険商品を取引信用保険という形で提供しておりますんですけれども、それを子細に見ますと、保険期間を短期に限定していることに加えて、引受金額が非常に小さいということ、そして経済環境が急変した場合には保険会社が一方的に引受上限を引き下げるというような条項が入っておりまして、実際にリーマン・ショックの後は民間損保の引受金額が大幅に減少してしまったということがございます。そこで、貿易保険を利用する日本の企業からは、なかなか民間損保だけでは短期についてもリスクをカバーし切れない部分があるので貿易保険の役割に期待するという面がございます。
 民業圧迫を避けるためには、民間が引き受けられるリスクを積極的に引き受けるように政策的にも促していくということが必要なわけでございまして、具体的には、昨年の法改正で、国内での民間からの再保険の活用ということで、民間の損害保険会社がまず保険を受けて、それをNEXIが再保険するというような連携を取って、その中で民間損保が可能な限り利用されるよう促してまいりたいと存じます。
○佐々木さやか君 次に、我が国のエネルギーの安定供給という観点から伺いたいと思います。
 NEXIでは、海外のエネルギー権益の確保のための保険というものも販売をしていると聞いております。東日本大震災以降、我が国のエネルギーを取り巻く環境というのは御存じのとおり厳しいものとなっております。電力・ガスシステム改革も、今国会で本委員会で議論をされまして法的分離ということも行われていくわけでございますけれども、そうした様々状況が変わっていく中で、今後もエネルギー資源を海外からどのように安定的に確保していくかということは極めて重要な課題であると思っております。
 そうした点からいたしますと、海外からのエネルギーの購入ということに関しましても、貿易保険の役割というものはますます重要性を増していくのではないかと思っておりますが、こうした点からの充実ということについてどのように考えているんでしょうか。
○政府参考人(宗像直子君) NEXIにおいては、海外からの安定的な資源供給を確保するために、二〇〇七年に資源エネルギー総合保険というものを創設しております。これは、通常の商品と比べておおむね五〇%から七五%程度保険料率を引き下げて低く設定しておりまして、加えて、リスクの填補の範囲も、通常九七・五%にとどまる非常危険の付保率を一〇〇%とか、カバーを拡大をしたものということをやっております。
 このような制度も活用いたしまして、アメリカのシェールガスの液化プロジェクトや、オーストラリア、インドネシアのLNGプロジェクトなど、日本の電力、ガス会社が引取り権を有するエネルギー関連のプロジェクトへの、それに対する融資も積極的に支援をしているところでございます。
 それから、二〇一二年から二〇一四年にかけまして、カナダからエネルギー資源を輸入する際の、その支援のために、カナダの貿易保険機関であるカナダ輸出開発公社、EDCというところが輸出者に付保する貿易保険の一部について再保険を引き受けるという形でリスクをシェアをしております。
 今後とも、エネルギー資源の安定確保のために、具体的なニーズを踏まえまして積極的に対応してまいりたいと存じます。
○佐々木さやか君 よろしくお願いいたします。
 それから、中小企業の海外展開ということも成長戦略としても非常に重要なことでございます。今日も議論の中で出てまいりましたけれども、具体的には、政府は、目標として二〇二〇年までに中小企業の輸出額二〇一〇年比で倍増していくと、こういう目標も立てているところでございます。
 昨年の法改正を受けまして、損害保険各社がNEXIと提携をして中小企業向けの輸出保険、これも拡充をしているというふうに今様々報道もございます、承知しておりますけれども、課題といたしましては、貿易保険の認知度、これが中小企業の皆さんの間でまだまだ高くはないということでございます。中小企業の海外展開、輸出拡大というためにも、この認知度の向上などを始めといたしまして、保険面での支援の拡充、これに積極的に取り組んでいくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(宗像直子君) お答えいたします。
 NEXIはこれまでに、中小企業を支援するために中小企業向けに特に手続を簡素化した商品、中小企業輸出代金保険という商品でございますけれども、これを提供しておるということに加えまして、全国五十五の地方銀行、二十二の信用金庫と中小企業支援のネットワークを構築いたしておりまして、その中で貿易保険の紹介や委託販売等の協力を行っております。それから、輸出相手の信用調査、これを八件まで無料化するというような取組も進めてまいりました。
 さらに、昨年の法改正を受けまして、今年五月二十二日には、NEXIは国内の損害保険会社二社と協力いたしまして貿易保険の提供のための基本合意書を締結しております。うち一社は七月中に日本商工会議所の団体保険として販売を開始する予定でございます。
 一方で、これまで独立行政法人一律の人件費、業務費の抑制の中でぎりぎりの効率化を進めておりまして、中小企業の支援や広報に必ずしも十分な人員を割けなかったということが実情でございまして、今回の法改正でNEXIの組織運営の自由度、機動性を確保することによりまして中小企業向けの広報、相談の体制も強化できると考えておりまして、その中で中小企業の国際展開を貿易保険の面でもしっかりと御支援してまいりたいと存じます。
○佐々木さやか君 今回の改正が中小企業の海外展開の支援についても大きな後押しになるというふうに理解をいたしました。期待をしたいと思います。
 残りの時間で、ちょっとテーマを変えさせていただきまして、女性の活躍という点について伺いたいと思います。
 先月の二十六日でございますけれども、すべての女性が輝く社会づくり本部、全閣僚で構成されておりますけれども、女性活躍加速のための重点方針二〇一五、これを決定をいたしました。仕事と家庭の両立のほかに、理工系の人材育成などにも力を入れるという内容になっております。
 経産省でも従来から、例えばダイバーシティ経営企業百選ですとかなでしこ銘柄ですとか、様々女性の活躍という観点から取り組んでいただいております。
 しかしながら、二〇二〇年に指導的立場の女性の割合を三割という目標を考えますと、やはりこの女性の活躍については加速化が必要であると思います。そのための今回の重点方針でございますし、是非とも経産省も含めて全省庁を挙げての取組を進めていっていただきたいと思いますけれども、この点、経産省における女性活躍加速のための取組について、大臣の御所見を伺います。
○国務大臣(宮沢洋一君) 経産省といたしましても、女性の力を最大限発揮できるようにということで経営者の意識改革や女性の起業、会社を起こすことに重点的に取り組んできております。
 そして、今委員御指摘のとおり、ダイバーシティ経営企業百選というものやなでしこ銘柄というものを二十四年度から指定をしてきておりまして、ダイバーシティ経営企業の方は、これは、女性だけではなくて、女性とか、また障害者の方とか、そういうまさに変化に富んだ人材を活用している企業を表彰する、これは上場企業に限ったものではなくて中小企業を含めて表彰すると、こういうことで、先日も、北海道に行きましたら、たまたまお目にかかった中小企業の方がダイバーシティ経営で選ばれたといって、女性をたくさん雇っているということで選ばれたといって、それを会社にどおんと門のところに貼り出している写真を見せていただきました。
 また、なでしこ銘柄の方は、まさに女性活躍推進に優れた上場企業を中長期の成長力がある銘柄として投資家に紹介するということで、これも二十四年度から始まっておりまして、二十六年度は今年に入ってからたしか私が出席して表彰式いたしましたけれども、まさに女子サッカーの佐々木監督に来て講演をしていただくというようなことをやっております。
 もちろんそれだけではなくて、これは委託事業でありますけれども、創業スクールというものがございまして、その中で女性起業家コースといったものも実施しておりますし、また、本年二月からでありますけれども、政策金融公庫におきまして女性起業家向けに無担保無保証で融資する制度といったものを拡充したところであります。
 そして、さらに今後でありますけれども、先月取りまとめられました女性活躍加速のための重点方針二〇一五に位置付けられた主な取組といたしまして、地域における女性の起業家支援のため、支援機関や起業経験者などとの連携促進について今後検討していきたいと思っております。さらに、女性活躍に積極的な企業におけるリーダー候補の女性を育成する研修を行うといった取組を、経産省と、これは一般財団でございますけれども、企業活力研究所と一緒になってそういう研修を今後行っていきたいと考えております。
○佐々木さやか君 ありがとうございます。是非引き続きよろしくお願い申し上げます。
 先ほど理工系人材の育成ということを御紹介申し上げましたけれども、女性の割合が少ない理工系におきまして女性の研究者、技術者を増やしていくということも非常に重要なことでありまして、今回の重点方針二〇一五のポイントともなっております、いわゆるリケジョと呼ばれる理工系の女性の人材の育成のために、リコチャレ応援ネットワークという、これは仮称だそうですけれども、ことで各省庁が連携をして取り組んでいく、ネットワークをつくっていくというふうに聞いております。
 女性の活躍、経済成長にもつながるということで掲げて取り組んでいるわけでございますので、このリコチャレ応援ネットワークなどについても経産省にも是非力を入れていただきたいと思いますけれども、取組の状況はいかがでしょうか。
○政府参考人(星野岳穂君) 御指摘のとおり、イノベーションを創出し我が国の持続的な発展を支えていくためには、理工系分野で活躍する女性を含めまして、多様な理工系人材が活躍できる場をつくっていくということが極めて重要だと認識をしてございます。
 昨年開催されました産業構造審議会の産業技術環境分科会研究開発・評価小委員会という場におきましては、まさに理工系分野で活躍をされる女性のロールモデルが少ないこと、それから、御両親を含めまして理工系は男子の専攻であるという先入観があるなどといったことが女子の学生の特に工学関連分野への進路選択を狭めているのではないかという御指摘がございました。
 経済産業省といたしましても、こうした御指摘を踏まえまして、理工系の女性を含めました幅広い理工系人材の育成のために具体的なアクションプランを策定するということで、今年の五月に、産学官をメンバーといたします理工系人材育成産学官円卓会議というものを関係省庁であります文部科学省とともに設置をいたしまして、既に議論を開始しているところでございます。この場で、今後、アクションプランの具体化に係る議論を早急に深めまして、年内にも具体的な行動計画を取りまとめて、しっかりと進めてまいりたいと思っております。
○佐々木さやか君 よろしくお願いいたします。
 以上で終わります。
○中野正志君 おはようございます。
 平成二十五年、第二次安倍内閣発足当初に閣議決定された独立行政法人改革等に関する基本的な方針において、経営の自由度、効率性、機動性を向上させるために、独立行政法人日本貿易保険を特殊会社へ移行するという方針が定められました。昨年、平成二十六年四月には、当委員会での審議も経て、抜本的な大改革が行われたと記憶いたしております。
 今回の法改正においては日本貿易保険を一〇〇%政府出資の株式会社化するということで、内部ガバナンスの強化、リスク審査がますます重要な課題となってくるであろうと考えております。また、ISIL等、国際テロの活発化を始めとした国際情勢の変容、さらにギリシャやプエルトリコのデフォルト危機問題など国際経済の激しい変化の中で、我が国のインフラ輸出もますますリスクが高まっていることも事実であります。さりとて、成長戦略を実現させる上でインフラ輸出は政策的にも大変重要であるわけでありまして、現内閣も、安倍総理を始めとして、もちろん宮沢大臣も、閣僚がトップセールスで日本の技術輸出を積極的に行っていると。この大きな意味においても、インフラや日本の技術輸出とセットで大切なのが貿易保険であろうと思います。
 さてそこで、この貿易保険が果たすべき役割と、あえて今独立行政法人から株式会社に移行する我が国としての経済的な多角的なメリットは何なのか、改めてお伺いをしておきたいと思います。
○国務大臣(宮沢洋一君) 貿易保険制度自体は一九五〇年にできた制度でございますから、私と同じ年ですから六十五年たつわけでございますが、その間やはり世界の状況というのは大きく変わってきておりまして、グローバル化が進むという中で、日本企業の国際的に活躍する、中小企業含めて、企業が多数になってきている、また、近年でいえば、インフラ輸出といったものが特にアジアに大変大きなニーズがあるというようなこともあって、成長戦略の一つの柱として大事になっているという中で、まさにこの貿易保険というものの果たす役割といったものは従来にも増して大きくなってきていると思っております。
 そして、今回、株式会社化をするわけでありますけれども、小林委員の御質問にもお答えしましたけれども、当初これは福田政権のときに株式会社化という方針が決められまして、その後、民主党政権になって、それを維持するとともに特別会計を廃止するということが方向付けられまして、その両方を受けて二十五年に閣議決定をしたということでございますけれども、まさに株式会社にすることによりましていわゆる独法通則法のくびきから離れるといったところで効率的また自由度の高い運営ができますし、また再保険といったものがなくなることによって当然審査もスピードを増すということは確実でございますし、さらに状況の変化等々に応じてどういう人材が必要かといった観点から適時適切に対応できるといったことも可能になってまいるわけでございますので、やはり日本の国にとって大変大きな経済的なメリットがある改正だと考えております。
○中野正志君 本当にそのとおりですよね。
 二〇一三年にまとめられたインフラシステム輸出戦略の中で、二〇二〇年に三十兆円のインフラシステムの受注が政府の目標として設定をされております。今大臣から、アジアでのニーズが激増というお話もありました。そのうちエネルギー分野の受注額は九兆円程度と推計をされております。インフラプロジェクトはリスクも高く、民間金融だけでは十分な資金供給が難しいと。
 そこで、先ほど来議論のありました特に原子力関連の十分な安全確認制度の整備が、公的信用付与の条件となる早急な整備が必要でありますけれども、あれから二年経過したが、この制度の整備状況はいかような状況になっておりますでしょうか。また、それを踏んまえた上で、原子力エネルギー分野を含め、インフラ輸出への大臣のトップセールスの御決意を改めてお伺いをしておきたいと思います。
 実は、七日から私たちの日本で、JR東日本も主催者の一つになっておるようでありますけれども、世界高速鉄道会議、開催をされております。こちらの省ではなくて国交省ではありますけれども、なるほどなと思いましたのであえて紹介をしておきますけれども、技術的評価は高い新幹線だが、輸出実績は台湾だけ。同社、JR東日本社は新興国の事情に合わせた運行管理や保守点検ノウハウなどの提供も打ち出すと。もう、ただ単に新幹線輸出のみならず、プラスアルファ、そういった付加価値を付けて出すということでありますから大変いいことだなと。
 同社は、今春の北陸新幹線開業で管内の新幹線整備が一巡し、技術継承面からも海外展開を急がなければならないと。もう、先ほど廃炉云々の話もありましたが、やめる、これだけでは新しい若い人材は出てこないわけでありまして、つくる、そこにこそやっぱり魅力を感じて若い新しい人材も大いに育ってくる、また育てなければならないということになるわけでありますけれども、ここに、今紹介したように技術継承面からも海外展開をと、なるほどなと思うのであります。
 実際の運営に必要な定時運行、保守点検、人材育成サービスなどの提供だと。そして、技術の核となる部分は残しながら現地の事情に合わせると言い切っております。例えば、気温が高いインド向けには乗客の快適さに関わる車内空調や膨張するレールの保守方法などの提供を想定すると。定時運行もダイヤ編成、列車の速度管理など様々なノウハウの結晶でありますけれども、それすらも提供すると。私は、思い切った、まさに新幹線のノウハウも含めた輸出体系だということになると思います。
 やっぱり、私たちの原子力発電所を始めとして、まだまだそういう意味では無尽蔵のセールス展開ができる潜在能力を持っておりますのが私たちの日本でありますから、含めた形で宮沢大臣には内閣府の後で御決意をお示しをいただきたいと思います。
○政府参考人(中西宏典君) お答え申し上げます。
 原子力関連機器の輸出に関しました公的信用の付与といったことにつきましては、一応、これは従来経済産業省の方でやってきておりましたけれども、原子力安全・保安院が廃止されたということで、単独で経産省でやるというのは難しい状態になってきたというふうな認識の下で、関係省庁、じゃ、その後どういうふうに進めていくのかといったことを議論を進めてきているところでございます。
 これまでの結果、どの役所が中心となってこの確認を進めるのかという点につきまして、これは昨年末に、原子力利用に関します事務調整を所掌する内閣府、我々の方が適当であるということで、我々が中心になって、具体的に、現在、関係省庁間の役割分担あるいは安全配慮確認等の内容、手続といったことにつきまして鋭意検討を進めているところでございます。
 先生も御指摘のように、この手続、大切なものでございますので、この検討作業、できるだけ早く最終的な姿が見えるように整備を進めていきたいと思ってございます。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(宮沢洋一君) 日本の原子力発電の技術につきましては、従来より高い評価を国際的に得ていたわけでありますし、また、ある意味で福島の経験といったものがそれにプラスアルファされているということもあって、開発途上国だけではなくて、アメリカやイギリスからもその技術について期待をされているというのが今の現状でございます。
 そういう原子力発電も含めて、インフラの輸出、新幹線等々も含めて、輸出というのはまさに日本の成長戦略の一つの柱でありまして、安倍総理を筆頭に、私自身も、四月の終わりにインドに行ったときにはモディ首相に例えば日本の新幹線についていろいろ宣伝をしてきたり、トップセールスをしているということがやはりインフラ輸出にとっては大変大事なことでありますので、政府を挙げて日本のインフラ輸出に、まさに先頭に立って輸出促進を図っていきたいと考えております。
○中野正志君 是非その御決意で更なる展開をよろしくお願いをいたしたいと思います。
 日本貿易保険の加入者の半数が中小企業であり、さらにこの中小企業に対する貿易保険の利用を促進していくために様々な取組がなされていると承知はいたしておりますけれども、なかなか中小企業では使いづらいという声があるのも事実であります。
 その上で、昨年四月の同法の改正案で、民間の損保会社がより充実した海外取引向けの保険を提供できるように、民間損保会社の対外取引向け保険に再保険を付することが可能になりましたが、この再保険の進捗状況、いかようでしょうか。また、国が民間損保を支援しているのではないかという指摘もあるようでありますけれども、どうでしょうか。また、保険料率、これも大事でありますけれども、どうなっておりますか。以上三点をお伺いをしておきます。
○政府参考人(宗像直子君) お答えいたします。
 昨年の法改正では、損害保険会社の全国的な販売網を通じまして地方の企業に貿易保険の普及を図るため、NEXIが民間の損害保険会社の対外取引向けの保険に再保険を付けるということができるようにいたしまして、引受対象や引受枠の拡大など、より充実した対外取引向けの保険を提供できるようにしたところでございます。
 その進捗状況ということでございますけれども、昨年の法改正以降、損保会社とNEXIとの間で具体的な商品設計やリスク負担の在り方などについて検討を進めてきておりまして、去る五月二十二日にNEXIと国内の民間損保二社との間で基本合意書を締結いたしまして、うち一社は七月中に日本商工会議所の団体保険として販売を開始する予定でございます。
 その再保険料率は、貿易保険全般の保険料率と同様に、長期的に収支、収入と支出がバランスするように定めることとなっておりまして、民間の損保会社向けに本来あるべき水準よりも低く設定しているというわけではないことから、民間損保会社支援ということではないということでございます。この再保険は、地方の中小企業の国際展開を支援するためにNEXIと民間がそれぞれの強みを生かして協力する仕組みでございます。
 保険料率につきましては、今申し上げたように、全体の長期的な収支相償の中で決められていくということでございます。
 以上でございます。
○中野正志君 十一時五十八分まででありますので、終わります。ありがとうございます。
○委員長(吉川沙織君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(吉川沙織君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、林芳正君が委員を辞任され、その補欠として森屋宏君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(吉川沙織君) 休憩前に引き続き、貿易保険法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 今回の貿易保険法改正、一体誰のための何のための改正なのかということが問われると思っているんですね。
 そこで、今日、資料を用意させていただきました。これ、経済産業省からいただいたものをうちの事務所で加工したものとなっております。これ、資本金別で保険金の利用実績を過去五年で示したものです。この過去五年間のデータの平均で見ると、総保険金額に占める割合、これが資本金別、三億円以上が何社で何%になっているか、また一千億円以上の企業が何社で何%になっているか、まずお答えください。
○政府参考人(黒澤利武君) お答えいたします。
 二〇〇九年から二〇一三年までの平均ということでお答えいたしますが、資本金三億円以上の企業は二十九社でございまして、総保険金額の八二%を占めております。また、資本金一千億円以上の企業は十六社でございまして、総保険金額の五九・七%となっております。
○倉林明子君 利用件数では中小企業も半分ぐらい使っているんだというお話あったわけだけれども、この総保険金額ということで見ますと、圧倒的な部分を占めているというのが大企業だということは見て取れると思います。しかも、資本金一千億円以上が今五年間平均でいうと約六〇%ということで、一兆円を超える巨大企業見てみれば三から五社含まれているということになっていようかと思います。
 そこで、先進国との比較で見てみると日本の貿易保険というのはどうなっているかということを確認したいと思います。
 一つは、貿易全体に占める保険分の割合がどうなっているか。保険料率はどうなっているか。アメリカ、イギリス、フランス、ドイツと比べてどうかということで、直近のデータをお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(黒澤利武君) 二つ御質問をいただきました。
 一つ目ですが、二〇一三年度の数字でお答えいたします。保険のカバー率ということでございますけれども、日本につきましては一〇・三%でございますが、アメリカは〇・三五%、イギリス〇・五六%、フランス二・三五%、ドイツ二・五五%でございます。
 二つ目、保険料率の比較ということですが、これも二〇一三年度の数字でお答えいたしますが、日本が〇・三八%であるのに対し、米国〇・八七%、英国五・二八%、フランス三・九九%、ドイツ二・三四%ということでございます。
 なお、各国ごとに大きくばらつきがございますが、これは、各国における保険の対象がおのずから異なっておりますし、また各企業の経営判断の違いによるものと考えております。
○倉林明子君 各国事情の違いがあるということなんだけれども、この数字見ますと、公的保険のカバー率が桁違いで高いというのが日本だし、保険料率で見ると破格の安値になっている。これ、日本の特徴だと見て取れると思うわけです。
 そこで、今回の法改正で、NEXIを履行担保制度を持つ特殊会社とするということになるわけですが、戦争、テロなどで大規模な給付事案が生じると資金調達が困難になる場合も想定されるわけですが、これまで特別会計で限度額が定められていたものが、限度額を超える税金投入も可能とするものになるんじゃないかと思うわけです。一時借入金の限度額もなくなると国民負担のリスクというものが拡大するんじゃないかと考えるんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 今の現行制度におきましては、NEXIが保険を引き受けたものを国が全て再保険をするということでありますので、NEXIの保険引受けによりまして特別会計の負担が増加する仕組みであったために、引受けに一定の上限を予算書上で設けております。
 ただ、上限といいましても、二十一年度から二十五年度まででいいますと大体六十兆弱、五十三兆から五十九兆ぐらいの上限額に対しまして、引受実績は十二兆前後でございまして、上限額といっても実はそれほど機能をしていた上限額ではございません。
 今回の改正によりましてまさに特別会計が廃止されまして、NEXIの引受けにより国の負担が自動的に増加することにはならないため、引受限度額は定めておりませんし、株式会社にする、また効率的な運営、また柔軟な運営といった意味からも限度額といったものは引き受けておりません。
 ただし、一方で、国民負担の増大ということにつきましては、それは我々としても気を付けていかなければいけないと思っておりまして、例えばNEXIにつきまして最低責任準備金を設けるといったようなことをきっちり積み立てた上で、一般会計から、引受限度額は定めておりませんけれども、必要に応じて予算で議決して補填をすることができると、このようにしております。
 ただ一方で、交付をした場合でありましても、それにつきましてはその後のNEXIの運用益から返済していくという形になるので、国民負担に中長期的にはならないと、こういうことでございます。
 しかも、それを担保するために、役員や事業計画の認可、引受基準の策定や意見陳述、事業運営に関する報告徴収、検査といったものが制度として制度化されておりまして、しっかりとNEXIの事業運営や引受状況を監督していく考えでございます。
○倉林明子君 いろいろ説明はあったんだけれども、この法上で限度額もなくなるし、一時借入金の限度額もなくなると。今、貸し付けた場合の返済については担保していくということだけれども、これ法文上の担保規定はないということになるわけで、私は、歯止めということでいうと明らかに後退することになるんじゃないかと、これは指摘をしたいと思うんです。
 独法だからこれまで公開された情報、あるいは行革法で定員、予算に掛けられていた縛り、こういうのもなくなっていくわけです。増えるのは国民負担のリスクということになる危険があるということは重ねて指摘をしておきたいと思います。
 そこで、NEXIが引き受けてきた事案について、その中身を見てみたいと思うわけです。それが二枚目の資料に付けております。これも経産省からいただいた資料で加工したものです。
 石炭火力発電事業について見ていただきたいと思うわけです。二〇〇三年度から二〇一四年度までの実績となっております。これ、公表ベースのみということになりますけれども、合計何件これまで引き受けてきたか、保険金総額は幾らになっているでしょうか。
○政府参考人(黒澤利武君) お答えいたします。
 二〇〇三年から二〇一四年までの間にNEXIが引き受けた石炭火力発電案件の合計は、件数にいたしまして十一件、保険金額では三千八百九十九億円でございます。
○倉林明子君 石炭火力への公的支援ということでいいますと、NEXIも含めてでございますが、非公開情報ということもありまして、全容がなかなか分からないという実態にあったものです。
 これ、最近発表された調査結果ありまして、WWFなど国際的な環境保護三団体が実態を調査しまして、今年六月二日に「隠された石炭支援」ということで報告書を取りまとめられました。ここで初めて明らかになったデータがあります。
 それによりますと、二〇〇七年から二〇一四年度の八年間で公的支援は七百三十億ドルと、約八兆円に上っている。そのうち日本の公的支援は二百四億ドル、約二兆円ということで、この三団体の調査結果によりますと世界最大の石炭支援国になっているというものでありました。その中心が国際協力銀行、JBICと日本貿易保険、NEXIということになるわけです。これが資料の三にデータを付けております。参考までに御覧ください。
 この報告書によりますと、二〇〇七年から二〇一四年度の八年間の石炭支援による二酸化炭素排出量、これ何とイタリア一国の排出量に匹敵する年間四億トンに上るというわけです。
 地球規模で二酸化炭素の排出削減、これ喫緊の課題となっていること、言うまでもありません。海外で石炭火力発電の建設を推進する、これは明らかな逆行になるのではないかと、私、即刻改めるべきだと考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) まず、このいただいた資料につきましては、中身が正直言ってよく分からないものですから、なかなかコメントしようがないわけでありますけれども。
 まず石炭火力の話につきましては、この委員会でも倉林委員と何度かお話をしてきたと思っております。
 そして、日本のまさに石炭火力発電所というのは世界で最も進んだ石炭火力発電所でありますし、さらに現在、液化とかさらに燃料電池を使うといった新しい技術についても、私の地元の広島県で実証実験を始めようとしているといったものであります。
 そして、まず、国内の話はもう申し上げませんけれども、海外との関係で申し上げますと、やはり開発途上国の中には経済的な理由等々におきまして石炭火力を選択している国というのは多々ございます。そして、そういう国に対しまして、日本の最も世界で進んだ技術、CO2排出量の少ない石炭火力発電所を輸出していくということは、私はこれは大変大事なことだろうというふうに思っております。
 もしも日本がやめた場合には、もっと非効率なものが恐らく出回って世界中のCO2の排出量が増えると、こういうことになろうかと思います。
○倉林明子君 世界の動きがどうかということを紹介したいと思うんですね。
 今、石炭支援の制限に向かっているという流れは明らかになってきていると思うんです。二〇一三年、アメリカ、イギリス、フランス、オランダ、北欧諸国、世界銀行や欧州投資銀行、こうした国際機関でも石炭支援に制限を加え、例外として認めているのは最貧国、石炭以外に代替エネルギー源がない場合など、大変限られたものになってきております。
 NEXIの石炭支援先は最貧国とは言えないものばかりとなっております。国際水準に立って高効率で新設するからいいんだという議論なんだけれども、新設すればLNGの二倍の二酸化炭素を排出する、絶対量を増やすということをしっかり見ないと駄目だと思います。
 石炭火力発電へのこうした支援について制限を掛けるべきだと私思います。どうでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 委員がおっしゃるような世界水準というものがあるとは私は承知をしておりません。もちろん、今OECDの場で石炭火力発電に対する公的信用を制限するかどうかという議論は行われております。ただ、やはり一番熱心な米国というものは、状況ががらっとこの二、三年変わってきておりまして、かつてはまさに石炭火力というのは大変大きな国内の発電の電源でありましたけれども、現在オイル価格が下がってきている、そしてシェールオイル、シェールガスが出てきているということで、恐らくアメリカをめぐる経済的状況の大きな変化といったものが、そういう国際機関の場でそういう議論が始まっている一番の要因ではないかと思っております。
 一方で、ヨーロッパにおきましても、ドイツなどはやはり石炭火力といったものはしっかりと高効率なものを輸出しなければいけないという立場でありますし、また、最貧国だけではなくて、ASEANといったところを見ましても、ASEAN全体としてやはり高効率の石炭火力に対する公的信用は大変大事なものだという意見でございます。
 先週もベトナムの大臣が来られまして、あそこは石炭の多い国でありますけれども、石炭火力のまさに効率化といったものの重要性について述べられていたのを記憶をしております。
○倉林明子君 二酸化炭素を世界的にどうやって排出削減していくのかということが迫られているということを重ねて指摘をしたいと思うわけです。
 今年六月に改訂したインフラシステム輸出戦略、先ほど来議論もありました、JBIC、NEXIの公的支援を強化し、リスクテークの強化を図るということで、原発、石炭火力発電の一層の推進、位置付けている。私、この戦略自身に問題があるというふうに思っております。石炭火力を世界で一番支援する、先進国として私は今や恥ずべきことだというふうに思います。世界の批判は免れないということを改めて指摘しまして、終わります。
○松田公太君 日本を元気にする会・無所属会の松田公太でございます。
 通告をしておりませんが、私も、気になる中国情勢について一言お聞きしたいというふうに思っております。
 先ほどニュースを確認したところ、東証は、昨日に引き続きまして、前場で一旦六百円ほど値を下げるということもありまして、最終的には少し戻しましてマイナス百三十五円で前場を終えたということですけれども、今回の中国株の大暴落というのは、中国政府の金利下げ、そしてまた株価を上げるという政策に起因している部分があるんではないかなというふうに思っております。全ての国民にある意味ではキャピタルゲインを巡らせようということで一方通行の例えば信用取引を推奨したり、今となっては個人の取引が八割にまで膨れ上がっているわけですから、そういったことがパニクりを増幅させたのかなというふうにも考えております。
 日本では最近GPIFの積極的な株式投資が行われているわけですけれども、今回、中国政府が政府系金融機関や証券会社に大規模な相場下支え策などを実施して何とか食い止めようとしているわけですけれども、現状は焼け石に水状態かなというふうに感じております。一か月足らずで三百九十兆円も時価総額を失ったというのは、これ非常に大きな問題だというふうに考えておりまして、ある意味、日本でバブルがはじけたときの状況を思い出させていただけるような話でもあろうかと思います。
 午前中も質問あったんですけれども、日本が今回の出来事から学べること、注意するべきことがあるとしたらどういったところだと大臣は思われますでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 恐らく、我々が中国から何を学ぶかというよりは、中国が我々の経験から実は学んでおいてほしかったなと思っております。
 何を学ぶかということは、正直、今の状況ではこれからどういうふうに推移していくかということも分からないわけでありまして、何を学ばなければいけないか、何を学んではいけないかということは現時点では分からないわけでありますけれども、やはり中国の状況を見ておりますと、実体経済でまさに八%を超える経済成長が必要だというものから政策転換をして、新常態というような形に変えてきて経済のクールダウンを図っている中で、おっしゃるように株価だけが特にこの春先から異常な高値になってきたということの大きな反動が今表れてきていると思っておりまして、まさに、いわゆるバブルといったものが崩壊しているということは確かでありますが。
 じゃ、これが株からさらに土地等々といった日本で起きたようなことになるのかどうかというようなことは、やはり相当注意深く見守っていかなければいけないんだろうと思っております。中国の経済が日本に与える影響というのは、これはギリシャとは比べ物のない大きさでありますので、相当注意深く見守っていかなければいけないと考えております。
○松田公太君 お昼の休憩中に私もいろいろ考えたんですけれども、今回のことから学べること、取りあえず当面は二つあるのかなというふうに思っておりまして、一つは、これは私も今回のことで知らなくて学んで驚いたんですけれども、中国は、企業サイドの事情によって、例えば株価が暴落しそうだからという理由で株式の売買を中止することができるという、ある意味では中途半端な市場経済というものが問題をより大きくしているんだろうなというふうに感じたんですね。
 だから、やはりマーケット、市場経済においては徹底的な自由化というのが私は重要になってくるのかなというふうに感じましたし、またアベノミクスという点においても少し心配になってくるわけですけれども、現在の日本の株価と実体経済の乖離、これが果たしてあるのかないのかという議論もありますけれども、私はこれはまだ埋まっていないんだなというふうに思っております。
 ですから、早急に効果的で積極的な、例えば規制改革、これを実現し、景気を本格的に回復軌道に乗せることが重要なんだろうというふうに考えております。このまま乖離が広がっていってしまうような状況が続けば日本の株も下落基調になってしまう可能性があるわけですから、是非経済産業大臣として様々な施策を積極的にこのように打ち出していただきたいと思っております。
 それでは、本日のテーマに沿って御質問させていただきたいんですけれども、これも午前中出ましたが、債務削減の影響額についてお聞きしたいというふうに思っております。
 二〇一三年度までに貿易再保険特別会計における政府開発援助のODA債権放棄額は九千六十六億円に上っているわけですけれども、このうち債権免除等を行わなければ回収可能であった金額は、過去の実績に照らして回収率八九%ということで推計されておりまして、八千六十九億円だというふうに言われております。
 この債務の削減影響額については、これまで一般会計から国民負担によって累計で二千五百三十三億円が繰り入れられてきたわけですけれども、残りは五千五百三十六億円となっているわけですけれども、今回、特会の廃止によってそのようなことができなくなるわけですね。そのため本法案では、政府はNEXIに対して免除又は放棄した額を交付金として交付することができると定めまして、ある意味、引き続き国民負担で損失を埋めることができるようにしているということなんですけれども。
 しかし、これは、やはり貿易保険という性質上、これは輸出入業者が加入する保険ですから、その損失を国民全体で補填するべきかどうかというのは、私、慎重にこれは考えなくちゃいけない部分があるんだろうなというふうに思っております。債務削減影響額の影響を国民に求めるということであれば、政府にはやはりそのことをしっかりと説明していただく責任があるなと思っていまして、交付金を考えているのであれば、いつまでにどれくらいの額を交付するかということはやはりお示しいただく必要があるんじゃないかなというふうに考えているんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(宗像直子君) お答えいたします。
 重い債務を背負う国に対する貿易保険関係の債権の放棄につきましては、これは国の援助政策の一環として国際合意に基づいて行っております。これはあくまでもやはり援助政策ということでございますので、その負担を貿易保険の利用者だけに寄せるべきではないという考え方に基づきまして、現在、特別会計に関する法律第百八十六条第一項第三号でございますけれども、これに基づきまして一般会計から貿易再保険特会への繰入れが行われております。
 特会の廃止後もこの国際援助政策による負担を保険の利用者だけに寄せるべきではないという考え方には変わりがないので、一般会計からの支出を引き続き行うこととしておりまして、ただし、改正後の三十六条は再保険特会を廃止をいたしまして保険の経理をNEXIに一元化いたしますので、それの支出先を再保険特会からNEXIに変更しているわけでございます。
 今後の国からのNEXIへの交付の具体的な金額とかスケジュールに関しましては、これはその時々の財政状況とNEXIの財務状況ということを勘案して年々の予算の中でお決めいただくということになっております。
 以上でございます。
○松田公太君 これは先日の決算委員会でも安倍総理にお話をさせていただいたんですけれども、例えば二十五年度のODA総額、六・五兆円あったわけですね。二十六年度はたしか四兆円程度だったと思いますが、ちょうど二十五年度の決算委員会だったので二十五年度を調べたところ、約二・二兆円の金額が国会での承認を経ずに決められてしまったという実態が浮かび上がりまして、それについての質問をさせていただいたんですが、ある意味、ODA、今お話も、債権放棄をするということはオフバランス的なものじゃないかなと私は考えておりまして、後からそういったものがどんどん次から次へ出てくるという状況もこれは看過できないというふうに考えております。
 必要な政府支出、これは国際的な約束に基づいてというお話ですけれども、これは人道的な支援とかいろいろあるでしょうから私はこれは行うなとはもちろん言いませんし、必要な部分はあると思うんですが、これだけ財政が逼迫している状況において、お金の使い道、これはしっかりとやはり国民にお示しをして、見通しを立てて、少なくとも支出を行う前に国民にしっかり説明責任を果たしていただく必要があるのではないかなというふうに思っております。それがやはり財政民主主義の立場からも重要なことではないかというふうに考えておりますので、是非そういう観点で今後考えていただければというふうに思います。
 引き続きまして、原発輸出における貿易保険についてお聞きしたいんですけれども、原発関係の輸出については、既に二〇〇一年から二〇一四年度まで累計で五十四件、保険金額にして千七百十六億円の引受けがNEXIによってされているわけですね。これは部品の輸出という意味合いが強いというふうにお聞きしております。それに対して、今、安倍総理が自らトップセールスを行っておりますけれども、今後はプラント全体の輸出、これも貿易保険の対象となるわけですが、その場合の保険額は例えば最大でどのくらいになるというふうに想定されているのか、お分かりでしたら教えていただければと思います。
○政府参考人(宗像直子君) 保険の金額につきましては、個別具体的な案件の申請を受けましてから審査をいたしまして決定いたしますので、特段今そのような想定があるわけではございません。
○松田公太君 例えば、日本が今輸出計画を進めておりますトルコ、この原発プロジェクトの総事業費は二兆円だというふうに言われているわけですね。このような大規模なプロジェクトを保険対象とした場合は、現行の再保険の制度では限度額が定められたわけですけれども、改定後、これは履行担保制度では限度額の規定がないということになりますので、私はNEXIだけではこの試算の額を見ても到底カバーし切れないんじゃないかなというふうに思いまして、非常にこれは心配になるところなんです。
 そこで、宮沢大臣にお尋ねしたいんですが、例えばトルコ、二兆円規模のような代金が輸出先の資金繰り悪化に伴って回収不能となりましたと、NEXIの資金調達が困難となったような場合にも、やはり限度額なしに政府が全額補償するということになるんでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) トルコの原発につきまして、日本企業が関心を有しているということは確かでありますが、一方で、日本企業だけで恐らく参加するのではなくて他国も参加するという中で、どういう形になるのか、また、特に具体的なファイナンススキームについてはまだ決まっていないというふうに承知しておりますので、具体的にどういうものがどうなるということを申し上げられる段階ではないわけでございます。
 今般の法改正によりまして、NEXIの支払財源が不足する事態に極力至らないよう、NEXIが保険引受けに当たって遵守すべき引受基準を、まず大きな方針を策定をいたします。その上で、一定の案件の引受けに際してはあらかじめ経済産業大臣の意見を聞かなければならないこととするなどの措置を講じております。
 トルコの案件がどのぐらいの規模になるかということはまだ分かっておりませんけれども、恐らく一定の案件の引受けに際してはあらかじめ大臣の意見を聞かなければならないという対象には入ってくるのだろうと思っておりまして、そういう中でしっかり中身を拝見していきたいと思っております。
○松田公太君 ありがとうございます。
 今まさしく大臣がおっしゃった経産大臣の権限で縛りを掛けるというところについて次の質問として考えていたんですが、今お話しいただきましたので、その先の質問に行かせていただきたいと思うんですけれども。
 原発関係の貿易保険、これは輸出関連リスク、建設遅延リスクだけじゃなくて、コスト超過リスクといったものも対応するわけですね。不可抗力によるコスト超過リスクの場合は、遅延に伴う補償金分もカバーされているということになるわけです。
 現在ヨーロッパで建設されておりますフィンランドのオルキルオト三号機、フランス・フラマンビル三号機、これは見ていて、遅延に次ぐ遅延ということでもう非常に時間が掛かってしまっていると。一基で一兆円を突破するというコストになってきているわけですが、このような事例がインフラ全体として、受注したフランスとかヨーロッパのことではなくて他国で発生した場合も、これは不可抗力による超過リスクとみなして貿易保険が適用されるということになるのでしょうか。
○政府参考人(宗像直子君) 貿易保険につきましては、あくまでも輸出等の代金不払や融資の返済不能を保険の対象とするものでありまして、そういうコストの事後的な高騰のリスクをカバーするものではございません。
○松田公太君 分かりました。
 もう時間ですので、これで終わりにさせていただきます。どうもありがとうございました。
○東徹君 維新の党の東徹でございます。
 時間がありませんので、端的にお答えいただければ有り難いかと思います。
 まず、特殊会社化後の人事についてお伺いをしたいと思います。
 独立行政法人日本貿易保険、NEXIの役員は、今年、平成二十七年四月時点でありますけれども、理事長が一名、理事が二名、監事二名、計五名という構成となっております。改正前の法律第八条では、第一項で役員として理事長と監事二人を置くこととし、第二項では三人以内を置くことができるというふうにされておりましたけれども、今回の法改正ではこの第八条が削除をされておるわけであります。
 NEXIが株式会社になった後、取締役の数を現在の三人より多くすることが想定されているのか、想定されているのであれば、その理由を含めてお伺いしたいと思います。
○副大臣(山際大志郎君) この特殊会社後のNEXIの役員数につきましては、これは法を通していただいてからの話でございますけれども、設立委員会が開かれまして、その設立委員会におきまして、他法人の例やその時点でのNEXIの業務内容及び組織体制に照らして適正な人数を検討することとなってございまして、現段階におきまして何か決まっているということではございません。
○東徹君 現在、NEXIの理事長を含む常勤役員四人、理事三人、常勤監事一人ということになっておりまして、旧通産省出身の方が二人となっております。平成二十二年、これは民主党政権の閣議決定によって、特殊会社の常勤役員に占める公務員OBの割合は三分の一以内にするということにされておりますが、現在それを超えているという状況にあります。
 適材適所の名の下に、特殊会社化後の取締役が天下りの指定ポストにならないようにしなければならないと思いますし、私はこういったことは民間の専門性を持った経営者の方に、是非なっていくべきだというふうに思っておりますが、この点について御見解をお伺いしたいと思います。
○副大臣(山際大志郎君) この役員の選任につきましても、法律上は、株主総会による決定後、経済産業大臣の認可を得ることとしてございまして、この経済産業大臣の認可に当たりまして、その特殊会社の役員選任に係る平成二十二年の閣議決定に従って、第三者が評価を行う委員会を設け、当該委員会から役員として適任であるとの評価を受けることを役員任命に関する所管大臣認可の条件とするということになってございます。
 ですから、このルールにのっとってやってまいりたいと思っておりますので、取締役が天下り指定ポストになるというふうなことではないと認識してございます。
○東徹君 是非そういう批判のならないようにしていかなきゃならないと思いますので、そういったことで質問をさせていただいております。
 続きまして、財務状況の健全性確保についてでありますけれども、NEXIの財務の健全性確保ですが、七月五日にギリシャで国民投票が行われてEUが財政支援の条件として示した緊縮策に反対多数となったことによって、ギリシャが今後の展開次第ではデフォルトに陥る可能性があるわけでありますけれども、そこで、今回のギリシャ財政危機に関し、NEXIの貿易保険においてどの程度保険金の支払が見込まれるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(宗像直子君) 本年五月末時点では、ギリシャ向けの貿易保険の引受残高は、短期が約十七億円、中長期が約二百四十一億円となっております。ただ、中長期のうち担保が付いていない貸出実行残高は現時点で約五億円にとどまっておりまして、ギリシャ全体について保険金支払が請求される可能性があるのは、今の時点では二十二億円程度となっております。
 あと、ギリシャ側から決済予定日に支払を受けられないということになりましたら、その場合は四十五日以内にNEXIに通知をするということになっておりますけれども、今のところそのような通知は受けておりません。
○東徹君 NEXIの年間保険料収入は平成二十五年度約三百二十億円でありますから、今回のギリシャの財政危機の貿易保険に対する影響は、これは大きいというふうに思うんですね。
 そこで、今後ギリシャ向けの輸出に関して貿易保険の引受制限などを行う可能性はあるのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(宗像直子君) まさに、このギリシャ情勢を踏まえまして、七月八日付けで短期貿易保険の引受条件を変更いたしまして、案件ごとの個別審査が必要な範囲を今までは一年未満ということを六か月未満ということにして、さらに、金額の一億円以上というものは全て個別審査にすることといたしまして、個別審査の範囲を拡大したところでございます。
○東徹君 かなり厳格化して行っていくということですね。
 続きまして、保険会社には、その財務の健全性を確保するという観点から、保険金等の支払能力の充実状況を示すソルベンシーマージン比率という指標が導入されております。金融庁の資料によると、平成二十七年三月期決算の状況として公表されるソルベンシーマージン比率では、例えば東京海上日動が七五一・七%、損保ジャパン日本興亜が七一六・三%ということになっております。一般に支払能力が充実しているか判断をする一つの目安は二〇〇%であって、各社ともそれを超えて、通常の予想を超える多額の保険金支払に備えておるわけであります。NEXIも改正後、第二十二条にもあるように、特殊会社へ移行された後は、保険金の支払能力を確保しておくために一定程度の責任準備金を積み立てておく必要がありますけれども、過去には一九九一年の湾岸戦争のときのように、その前後五年間で約一兆円の支払を行った実績もあります。
 現在、NEXIの年間保険料収入は平成二十五年度で約三百二十億円であるところ、引受責任残高は約十四兆円に上っておるわけであります。これら全てで事故が発生するわけではありませんけれども、今回のギリシャの財政危機のような場面が起こることからすれば、特殊会社化された後、NEXIは税金による履行担保を頼らなくてもいいように、どの程度の責任準備金というものを必要であるというふうに考えているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(黒澤利武君) お答えします。
 株式会社後のNEXIの積立水準につきましては、貿易保険が引き受けるリスクの特殊性、すなわち、今御指摘がございましたように、戦争や経済危機のように発生頻度は少ないが発生すれば多額の保険金支払が生じかねない、いわゆる大数の法則が働かないような特殊性がございます。したがいまして、民間の保険会社で通常用いられている保険数理では計算できない場合があります。
 そこで、私どもといたしましては、銀行などが適正な自己資本額を算出する際に用いております最新のリスク方法でございます予想最大損失額を確率論を用いて推計する方法なども含めまして、今現在適正な額を算出するよう研究いたしておるところでございます。
 なお、今議員御指摘ありましたように、貿易再保険特別会計及びNEXI、両方合わせた資産の合計額ですが、これは二十五年度末現在では約一・三兆円でございます。保険金の支払が集中しました一九八〇年代から九〇年代におきましては、実は累計で合計約二兆円もの保険金が支払われたということもございますので、一・三兆円というのは過大であるとは思っておりません。
○東徹君 続きまして、債務削減影響額に関してお伺いをしたいと思います。
 我が国では、国際協力の観点から、債務支払が困難になった債務国に対して債務削減や債務繰延べを行っておるわけでありますけれども、平成二十五年度までに削減した債権の総額は民間分を合わせて一兆一千七百三十一億円に上っております。
 経済産業省は回収率を八九%にした上で債務削減影響額を八千六十九億円と推計しておりますけれども、今までに一般会計から特別会計に繰り入れられたのは二千五百三十三億円にとどまっているわけであります。この差額である五千五百三十六億円でありますが、債務削減の影響による負担を貿易保険の利用者の負担とすることは適切でないというふうに考えますが、いつまでにNEXIに対する交付金等で穴埋めをしていくのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(黒澤利武君) 今御指摘ございましたように、国の援助政策の一環として国際的合意に基づいて行った債権の放棄につきましては、その負担を貿易保険の利用者だけに寄せるべきではないという考え方を持っております。したがいまして、貿易再保険特別会計の廃止後もこういった考え方は変わらないことから、本法律案におきましてはNEXIに対して直接交付金で交付をするように措置いたしております。
 なお、毎年どのぐらい返していくのかということなんでございますけれども、これはまず貿易保険サイドの財務状況、それから一般会計サイドの財政状況、こういったものを勘案しながら毎年予算により国会議決を経た上で決めていただくということを考えておりますので、現時点でいつまでに全部穴埋めをするというようなことの計画があるわけではございません。
○東徹君 そういった計画というのは、そうしたら、いつまでに立てるということをお考えなんでしょうかね。
○政府参考人(黒澤利武君) お答えします。
 今申し上げましたように、どれぐらい返すかということについては、毎年、貿易保険の財務状況及び一般会計の財政状況を踏まえて、この国会の場で御審議いただいた上で決めていただくのが適切と考えております。
○東徹君 じゃ、次の質問をさせていただきます。
 余裕金の運用についてでありますけれども、今回の貿易保険法改正案の第二十九条では余裕金の運用について定められております。そこでは特殊会社後のNEXIの運用方法が定められておりまして、例えば第一号では、国債や地方債などの有価証券による運用というものが許されておるわけであります。一方で、第四号では、前三号に掲げる方法に準ずるものとして経済産業省令で定める方法とされ、どのような運用方法が許されるのかが省令に委任されておるわけでありますけれども、この経済産業省令で定める方法とは具体的にどのようなものを想定しているのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮沢洋一君) 今回の御紹介にありました法二十九条ですけれども、現行ではNEXIは独立行政法人通則法に従って投資等は行ってきておりまして、それとの比較で申し上げますと、この四号といったもの、経済産業省令で定める方法といったものが新たに追加されたものであります。
 そして、これにつきましてどういうものを追加していくかというお尋ねでございますけれども、NEXIの場合、GPIF等と違って、要するに、リーマン・ショックのようなときが一番分かりやすいんですけれども、持っている資産をかなりリスクの高い、利回りのいいもので持っていた場合に、リーマン・ショック等々で保険金支払が多くなったときに実はその商品を現金化しようと思っても大変価格が安いといったような問題がありまして、かなり保守的な運用をこれまでしてきております。
 ただ、やはりまさに特殊会社に変わるわけでございますので、例えば外債につきましては、NEXIの保険が外貨建ての債券を対象としている場合がありますので、外債についての適切な運用の在り方などというものは今後検討していかなければいけないと思っておりますが、まさに安全ということ、そして一方で特殊会社としてもう少し利回りをにらんだ運用といったものの、いいバランスの中で今後対象を決めていきたいと考えております。具体的に今何をするということは決めておりません。
○東徹君 大臣の方も答弁にありましたが、国民の年金を扱うGPIFとは違って、NEXIでは一定のリスクを取って、このような努力を行って資産を増やしていくことができるんではないのかなというふうに思っております。これからだということでありますので、是非その辺のところもまたお考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。
 続きまして、特殊会社後の経営判断の自主性についてお伺いをしたいと思います。
 特殊会社後の経営判断でありますが、保険を業務とする場合、その重要な経営判断の一つが、自らの資産状況を踏まえてどれだけリスクを引き受けることができるかという保険の引受基準でありますけれども、先ほども質問がありましたが、今回の法案では第十五条によって経済産業大臣が引受基準を定めるというふうにされております。
 そうすることで経営陣の判断の自主性は制約されてしまうわけでありますけれども、元々今回の法案の趣旨は、経営の自由度、効率性、機動性を向上させるということでありまして、特殊会社後のメリットは経営陣がその時々の状況に応じて迅速かつ柔軟に経営判断を行うことがあるとすれば、そのメリットを制約してしまうのではないかというふうに考えますが、この点についてはいかがですか。
○副大臣(山際大志郎君) 今委員御指摘いただきましたように、この引受基準につきましては、経済産業省が行おうとしている政策の一体性を確保するということから、ある程度の制限を受けるものというふうに承知してございます。
 他方で、株式会社化によって業務内容に応じた専門人材の確保など組織運営は現場の経営責任に委ねられることが基本となりますので、まさにその辺りにつきまして自主的な経営判断による事業運営が可能となると承知しております。
○東徹君 時間になったようですので、これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○荒井広幸君 荒井です。
 それでは、貿易保険でございますが、関連した質問も出ておりましたけれども、エネルギー関連で貿易保険についてお尋ねをしてまいります。
 二〇一二年に、オーストラリア・イクシスLNGプロジェクト、二十七・五億米ドル、保険責任期間は約十六年。内容は、八百四十万トンのLNGを、年間ですが、これを生産し、七割を日本向けに輸出すると。これはオーストラリアです。米国キャメロンLNGプロジェクトには、二〇一四年で、約二十億米ドルの保険価格なんです。十六年の責任期間です。これは、日本企業が初めて参加するアメリカ産のLNGのプロジェクトだそうでございます。
 これは、オーストラリアと米国のLNGを取り上げましたが、いわゆる限定的集団的自衛権のホルムズ海峡にも当たる課題なんですね。これはどういうことかというふうに言えば、陸上交通を除きまして、海洋国家の概念として、海上水路におけるボトルネック、危険、問題、チョークポイントと言うんだそうでございますが、このチョークポイントがホルムズ、マラッカに、我が国は石油、LNGが中東依存のために、まさにここがチョークポイントになっているわけなんですね。
 ですから、これを、供給源の国あるいは海上資源輸送の多角化を図る、これは当然に重要なことだと思います。そのための貿易保険、こういうもので支援するという考え方は十分成り立つと思うんですが、政府はどの程度保険でいえばそういう見通しを持っているのかと聞きたいところでありますが、今回は、少なくとも政府としてもエネルギーセキュリティーの概念、考え方から、こうした供給源あるいは資源輸送、こういったことで多角化を図っていくという計画ぐらいは立てているんだろうと思って、経済産業大臣に聞いていきたいと思います。
○国務大臣(宮沢洋一君) NEXIとして、貿易保険としてどう対応するかという御質問だと思いますけれども、御指摘のとおり、エネルギーセキュリティーの確保は日本のエネルギー政策の根幹でありまして、供給源や資源輸送を多角化しようとする日本企業の取組を支援していくため、特殊会社化後もNEXIの業務運営とこのような国策の一体性を確保することとしております。
 具体的には、改正後の第十五条に基づき、特殊会社化後のNEXIが貿易保険の引受けに当たって従うべき引受基準を定めることとし、その中で、NEXIが重点的に引受けを行うべき分野として資源確保などエネルギーセキュリティーに資する案件を示すことを考えております。
 さらに、改正後の第十六条で、NEXIが経済産業大臣に意見を述べる機会を与えなければならないものを省令で定めることとしておりますが、これによって、資源分野など特に政策的にも高い案件については必要に応じて政府としてNEXIの積極的な対応を後押ししていきたいと考えております。
○荒井広幸君 本来は、ホルムズが危険だというのであれば、今言いましたような案件をどんどん国策上、外交、経済政策をやり尽くす意味で協力していくべきですよね。それを促すというのなら、保険価格等々を下げてあげるというやり方だってあるわけですよね。私は、そういうことが非常に足りないなというふうに思います。それで危険が出る、危険が出ると言うだけでは、これはとても予防外交にならない、このように考えていますので、是非、大臣、その点も御検討ください。
 続きまして、先ほど来から各先生方からもございました債務削減影響等々のお話をしたかったわけでございますが、貿易保険の利用者の負担の在り方等については十分に先ほどお話が出ましたので、局長、大臣から答弁がありましたので、この質問は削除させていただきたいと思います。
 そうなると、次に、時間があったらということでお尋ねしたかったというところで一つ二つ参りたいんですが、急ではございましたけれども、こういう課題が出てまいりました。ちょっと私は朝刊を見るまで知らなかったものですから。
 電力改革です。電力改革の実施前の段階で、電力改革を進める、来年四月ですね、その前段階として小売電気事業者に関する部分で、電源構成でこういう電気を売りますと小売が説明する場合に、簡単に言えば、ある特定の電源だけを売るというときだけに限って説明と。どういう電源なのか、水力なのか何なのかという説明をする、特定の電源だけ売る場合にはそういうエンドユーザーに対して説明と義務付けをするという案が、パブリックコメントで六月二日からこれを意見を聴取しているわけですね。ですから、まだ決まったわけではない。しかし、これ、省令で定めるということになっております。
 危険だなと思って私がおりましたのは、その他の供給契約の場合は、火力か原子力か、そういう種類は説明と表示をする義務がないんです。ですから、ある特定の小売だけ、うちは水力だけです、うちは風力だけですというような場合にはその中身を示すんですが、簡単に言えば、東電系の小売系であってもいいですけれども、東電から買って小売するという場合には、東電の場合の話でいえば原発なのか水力なのか火力なのか、その火力もLNGなのか石炭なのかを示さなくてもいいということになるわけです。
 こういうことで、果たして当初の目的でした、エンドユーザー、消費者に多様な選択肢を与える。価格だけではないはずなんです、安いだけではないはずなんです。どういう電源から私は買うのかというのも極めて大きな選択を与えるという当初の電力改革の趣旨になってくるだろうというふうに思いますので、どうぞ大臣には、このところ、しっかりパブコメをいただきながら、省令の段階では全ての小売事業者に説明と、そして電源構成を示す、これが当初の法律の精神、進める改革の意味であろうと思いますので、そういう姿勢で臨んでいただきますようにお願いしますが、今日、急でしたから、いかがですか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 私、委員がお話しになられた新聞記事を読んでいないものですから、今承りながら二つのことを御説明しなければいけないと思っております。
 まず一つは、電源構成の公表を義務付けるかどうかという点であります。これにつきましては、総合資源エネルギー調査会で議論をしていただいておりましたけれども、審議会の議論では、開示を義務付けるべきだという意見と法的に規制せずに電源構成を消費者にアピールしたい事業者の創意工夫に委ねるべきとの両方の意見がございました。
 なぜ法的に規制すべきでないというそういう意見があったかといいますと、それは、電気のまさに電源構成は企業戦略、まさに電気事業者からしますと企業戦略そのものに関わる可能性が高いということに加えて、一番大きな理由は、大変小さな中小業者にそういう電源構成の表示を義務付けるということは相当な負担を強いることになるのではないか。特に卸売市場等々を通した電力につきましては、その中身について細かくどの電力を買ったかということを記載するということもかなりの労力になるのではないかと、こういう御意見から、創意工夫に委ねるべきと、こういう御意見があったものと承知しております。ただ、この点についてはまだ決定をしておりません。御指摘の義務化につきましては、今後審議会の議論を踏まえて検討していきたいと考えております。
 それからもう一つは、小売事業者が電力を売買する、勧誘等々をする場合に、どういう電力と言えるかどうかという議論がございます。
 そして、その中では、まず、いわゆる再生可能エネルギーの中で、FIT制度、固定価格買取り制度を使わない、逆に言えば、高いけれども太陽光ですので買ってください、それを理解を示して買う消費者に対して、これがまさに再生可能エネルギーだ、クリーンのエネルギーだ、グリーンのエネルギーだということは当然やっていいわけでありますけれども、一方で、FITを使っている場合には、事業者自体は正直何の苦労もなく売れるわけであります、普通の電力と同じようなもの。そして、その負担は誰がしているかといいますと、これは消費者全体で負担しているということで、事業者の努力ではないということで、グリーンとかクリーンとかいうことをうたい文句にして売るべきではないという意見が審議会では強くて、じゃ、どういう形なら売れるかという議論を今最終的に詰めていただいておりますけれども、FITということを示した上で、FITというものはこういう制度であるというようなことをしっかり説明していけば、それはそれで消費者からは理解していただけるのではないかということを今議論している最中でございます。
○荒井広幸君 もちろん議論してもらっている最中なんですが、ちょっと、大臣、経済産業省も遅いんです。大臣に丁寧に通告した、急でしたけど、したと同時に資料を求めているので、遅いものですから、私の方の党のスタッフが全部そのパブコメに関わっている法律を持ってきました。
 読んだって、もう開示したくないんですよ。説明する大変な努力、全くありませんね。むしろお客様が、説明で聞きたい、それで買う。逆に言えば小売は、説明して売っていくんですよ、今度は。逆ですよ。
 そして、排出量まで今度は望むようになりますから、排出量まで私は義務付けてもらいたいと思っているんです、どれぐらいの排出量かと。こういったことも開示することによって初めて選択が生まれてくる。
 そうすると、結論で申し訳ありませんが、私は原発というのはビジネスモデルで成り立たなくなるだろう、というのは私の希望的観測もあるんですが。そういったことを開示していくということは商品成分開示と同じですから。
 同時に、各団体がパブコメをどんどんやっていますが、代表的な意見の中でも私と非常に似た意見が多数あります。そういったことで、排出量までどれぐらいかということ。これは、例えば原発なら有利な数字出るでしょう。そして、FITの場合だったら、国民の皆さん、電力料金にこれだけ乗せて皆さんはこれだけのことでFITで売買しているんだ、そういうことも載せてやればいいんですよ。本当に透明性になって選ばれる、選べる。
 どうぞ、まだ議論中ですから、ゆめゆめ誤った方向に行かないように私は申し上げておきたいというふうに思います。
 続きまして、六月四日に漢方薬について聞いたんですが、時間がありましたので、こちらに聞かせていただきたいんですが。
 この漢方薬の中で、大臣、財務省と経済財政諮問会議辺りだと思います。漢方を評価している経済産業省でありますが、厚生省にも聞きました、六月四日と六月三十日。その答弁にもあるように、経済産業省と厚生労働省は、漢方は非常にこれは有意義であると、これからは広げていかなくちゃいけないと。地域創生にも適用できます。ところが、財務省と経済財政諮問会議では、漢方を医療保険適用外にすると言っているようです。大臣はどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 公的医療保険の対象につきましてはまさに厚労省が担当でありまして、財務省といろいろ折衝しながら決めていくということでございますので、経済産業省としての立場からは申し上げる話ではございませんが、御質問ではあるんですが、経済産業省の立場は、保険が適用外の漢方はまさに私どもの所管に入ってくるわけでありまして、保険から出てきてもらえれば我々としても相当仕事ができて、漢方を普及させるためにしっかりとやっていかなければいけないと思っております。
○荒井広幸君 時間がなくなりましたので、今、世界で医療用大麻が、本当に悪用されない、薬物として、毒物としてでなく医療に解禁しようとする動きを、警察庁から世界の動きを聞きたいと思いましたが、時間がなくなりましたので、また機会があったら聞きたいと思います。
 以上にします。
○委員長(吉川沙織君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○倉林明子君 私は、日本共産党を代表して、貿易保険法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。
 反対する第一の理由は、新設される履行担保制度により、利用した多国籍企業等で多額の保険金支払が生じ、NEXIの資金調達が困難になった場合は国民の税金で際限なく穴埋めされるおそれがあるからです。
 現行の貿易保険法第五十八条は、あらかじめ国会の議決を経た金額での再保険の契約締結義務を課しており、その金額を超えての再保険はできないとされ、また、一時借入金の限度額という歯止めがあります。本法案では、予算で定める金額の範囲内と規定するのみで、明確な歯止めがなくなるものです。
 第二は、国会の監視機能、国民への情報公開が後退するからです。
 これまでは、独立行政法人として、中期目標、中期計画で業務の内容や人件費を含む予算等、国民への公表が義務付けられていました。本法案で公表が義務付けられているのは、第十五条の引受基準、再保険基準のみとなります。最終的に国民に負担を求める仕組みである以上、国民への情報公開の後退は認められません。
 第三は、巨大企業や商社が原発や石炭火力発電所などのインフラシステム輸出を一層加速させるものだからです。
 原発の再稼働や海外への輸出について国民の同意は到底得られず、石炭火力発電所の海外での建設促進は深刻化する地球温暖化の対策に逆行するものにほかなりません。我が国の貿易保険は、資本金一兆円以上の巨大企業を始め、ユーザー企業上位三十社の大企業が保険引受額の約八割を占めています。主要国に比べ公的保険のカバー率が格段に広い上、保険料は格安となっており、余りにも行き過ぎた巨大企業優遇と言えるものです。
 本法律案は、NEXIの経営の自由度を高め、リスクテーク機能を強化した特殊会社とするもので、多国籍企業が強化されたNEXIの保険を利用して海外事業の展開とインフラシステム輸出を推し進めるならば、国内産業の空洞化を加速させることにもなり、国民経済の発展には決してつながらないことを指摘して、反対討論といたします。
○委員長(吉川沙織君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 貿易保険法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(吉川沙織君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、加藤敏幸君から発言を求められておりますので、これを許します。加藤敏幸君。
○加藤敏幸君 私は、ただいま可決されました貿易保険法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、維新の党、日本を元気にする会・無所属会、次世代の党及び新党改革・無所属の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    貿易保険法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 独立行政法人日本貿易保険の特殊会社化に当たっては、利用者ニーズに対応した質の高いサービスを提供するため、専門能力を有する人材の登用や能力開発により職員の一層の専門性の向上を図ること。また、役員等の認可に当たっては、「天下り」の批判を受けることのないよう、これまでの政府方針を踏まえ、適材適所を徹底すること。
 二 株式会社日本貿易保険の事業の監督を行うに当たっては、同社の経営状況等の情報公開について適切な措置を講ずるとともに、「経営の自由度、効率性、機動性の向上」という特殊会社化の趣旨を踏まえ、同社の中長期的視点に基づいた経営を阻害することのないよう十分配慮すること。
 三 貿易保険事業が、戦争やテロ等によって生じる通常の保険によって救済することのできない損失を填補するリスクの高いものであるとともに、中長期的に収支相償の原則により運営されることを踏まえ、新たに発足する株式会社日本貿易保険の責任準備金の適正な水準について会社設立までに検討し、結論を得ること。
 四 我が国の経済協力及び国際協力の一環として、貿易保険に関して取得した債権等に対する債務削減が行われた場合には、その影響に係る負担を利用者だけに求めることのないよう、株式会社日本貿易保険に対し、債務削減額の全部又は一部に相当する交付金の交付に努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(吉川沙織君) ただいま加藤敏幸君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(吉川沙織君) 多数と認めます。よって、加藤敏幸君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、宮沢経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。宮沢洋一経済産業大臣。
○国務大臣(宮沢洋一君) ただいま御決議のありました本法案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。
○委員長(吉川沙織君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川沙織君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時七分散会