第189回国会 国土交通委員会 第3号
平成二十七年三月二十六日(木曜日)
   午前十時開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         広田  一君
    理 事
                江島  潔君
                森屋  宏君
                田城  郁君
                増子 輝彦君
                河野 義博君
    委 員
                青木 一彦君
                大野 泰正君
               北川イッセイ君
                酒井 庸行君
                中原 八一君
                野上浩太郎君
                脇  雅史君
                渡辺 猛之君
                金子 洋一君
                田中 直紀君
                前田 武志君
                山本 博司君
                室井 邦彦君
                辰巳孝太郎君
                山口 和之君
                和田 政宗君
                吉田 忠智君
   国務大臣
       国土交通大臣   太田 昭宏君
   副大臣
       国土交通副大臣 北川イッセイ君
       国土交通副大臣  西村 明宏君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官      うえの賢一郎君
       国土交通大臣政
       務官       青木 一彦君
       国土交通大臣政
       務官       鈴木 馨祐君
       環境大臣政務官  福山  守君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 利幸君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      兵谷 芳康君
       総務大臣官房審
       議官       青木 信之君
       総務省総合通信
       基盤局電波部長  富永 昌彦君
       財務大臣官房審
       議官       星野 次彦君
       厚生労働大臣官
       房審議官     苧谷 秀信君
       国土交通大臣官
       房物流審議官   羽尾 一郎君
       国土交通省総合
       政策局長     瀧口 敬二君
       国土交通省国土
       政策局長     本東  信君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        池内 幸司君
       国土交通省道路
       局長       深澤 淳志君
       国土交通省住宅
       局長       橋本 公博君
       国土交通省鉄道
       局長       藤田 耕三君
       国土交通省自動
       車局長      田端  浩君
       国土交通省海事
       局長       森重 俊也君
       国土交通省港湾
       局長       大脇  崇君
       国土交通省北海
       道局長      澤田 和宏君
       観光庁長官    久保 成人君
       気象庁長官    西出 則武君
       海上保安庁長官  佐藤 雄二君
       環境大臣官房審
       議官       高橋 康夫君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
 (国土交通行政の基本施策に関する件)
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○委員長(広田一君) ただいまから国土交通委員会を開会をいたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官兵谷芳康君外十九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(広田一君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
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○委員長(広田一君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、国土交通行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○江島潔君 自由民主党の江島潔です。
 それでは早速、国土交通行政に関しまして質問をさせていただこうと思います。
 私は、常日頃から、技術立国日本こそ日本の生きる道であると信じて疑わない者の一人でございます。私自身も技術屋として社会人のスタートを切りましたので、若い頃は技術立国日本の一翼を担うつもりで取り組んできた思いがございます。また、これは、現在ではもう間違いなく日本の技術というものは、世界の中でありとあらゆる分野、多くの分野においてトップレベルを行くのではないかと、高い評価を得ていると私はまたこれは思っているところでありまして、大変にこれは技術屋の端くれとして誇りに思うところでございます。
 ところが、大変残念なことに、先般、東洋ゴムが免震ゴムの性能不正があったということで、これを使っているユーザーあるいは住んでいる方にも少なからぬ不信感、不安感が広がったんではないかと思いますが、私は、もちろんこの不安もさることながら、何よりも日本の技術の裏打ちとなるようなデータそのものが改ざんされていたということに非常に強いショックと、そして憤りを感じました。これは、私は、決してこの特定の問題だけではなくて、本当に幅広く言えば、日本の言ってきたことというのは本当に大丈夫だったのかというような、日本そのものの技術力の信頼を揺らがすようなことにもつながりかねないと心配をしているところでございます。
 なかなか、高度な計算を積み重ねの上に性能試験というものはできているだろうと推測をいたしますので、非常にこれは難しい問題だろうと思いますが、まず、この耐震ゴムというもののそもそもが不正が起きてしまったという背景は、国土交通省としてはどのように把握していらっしゃるでしょうか。
○政府参考人(橋本公博君) お答え申し上げます。 
 現在、詳細については調査中でございますけれども、東洋ゴム工業の発表によりますと、一人の担当者が十年間にわたって一人だけでデータを改ざんし続けていて、それを品質管理部門は見抜けなかったというふうに申しております。
 ただ、立入調査等で改ざんの事実については把握をいたしておりますけれども、それがどうして起きたかということについては、今後、様々な会社側からのヒアリング、あるいは会社側の調査の結果も踏まえてよくチェックをしていく必要があると思っております。まだ現段階では詳しい状況については把握をしていないところでございます。
○江島潔君 担当者が原因というところまで分かって、把握をしたということであります。
 私がもう一つ非常に衝撃を受けましたのは、この東洋ゴムという会社が数年前にもやはりこのようなトラブルを起こして、いわゆる現在それに対する指導監督中の立場だったということでありまして、ということは、そういう事件とまた並行して新たなこういう問題を実は抱えていたということになるわけでありまして、数年前のそういう事件発覚があったにもかかわらず、やはりまた別の事例で同じような消費者に不安を与えるようなことを起こしてしまったということは、これは、こうなってくると少し国土交通省としての総合的な監督責任というものが問われるんではないかと思いますが、いわゆるそういうデータを改ざんをしてしまうというようなことの再発が防げなかったというところは、何か課題というものを今把握されていますでしょうか。
○政府参考人(橋本公博君) 先ほども申し上げましたとおり、現在まだ調査中のところもございますが、ちょっと今までの取組について少し御説明申し上げたいと思います。
 まず、東洋ゴム工業からは、三月十二日に大臣認定に関する不正があった旨の報告を受けて、十三日金曜日に認定を取り消したところでございます。この際に、まず所有者等に安全、安心を確保するという観点から、所有者に対する迅速かつ丁寧な説明を行うこと、それから構造安全性の速やかな検証を行うこと、それから原因究明、再発防止策を作ることと併せて、その他の認定に関わる不正の有無についても至急に調査をするよう指示をいたしました。
 三月十七日には、不特定多数が使う庁舎あるいは公立病院について、その名称等を公表を行ったところでございます。また、三月十七日には、東洋ゴム工業の明石工場に対して、原因究明等を行うために本省職員等も派遣して立入調査を行ったところでございます。さらに、三月十七日、同じ火曜日でございますが、北川副大臣をヘッドとする省内連絡会議を設けて、利用者、居住者の安全の確認、原因究明、責任の追及、制度上の課題の総点検を実施していくということにいたしました。
 三月十八日には、東洋ゴム工業の山本代表取締役社長を国土交通省に呼んで、北川副大臣から、会社を挙げて全力で取り組むよう指示書を交付をしております。
 この指示書の中で、今週半ばまでに緊急の安全性の把握を行うこと、それから三月中を目標として安全性の調査を実施するよう全力で取り組むよう指示をいたしました。このうち、今週半ばまでの緊急の安全性の把握につきましては、昨日、東洋ゴム工業から、五十五棟全ての建築物について震度五強程度の地震に対して十分な耐震性は有しており、倒壊するおそれはないとの確認を報告をいただきました。これにつきましては、私どもで検証いたしまして、一部データの修正はあるものの、安全性は確保しておるところでございます。今後、第二弾といたしまして、震度六強から七の最大級の地震に耐えられるという安全性の検証について、三月中に調査を終えるよう東洋ゴム工業に対して指示をしております。
 一方で、一昨日でございますけれども、東洋ゴム工業から当初の五十五棟以外にも免震材料について不正があった疑いがある旨の報告を受け、内容について精査をしたところ、どうも疑いが間違いないようであるという確信に至りましたので、昨日、この事実も公表したところでございます。東洋ゴム工業も発表しました。
 ところで、長くなって申し訳ございません、平成十九年にも東洋ゴム工業は耐火偽装を受けまして、再発防止策として、品質監査室による全出荷製品の品質検査の徹底、全従業員を対象としたコンプライアンス研修の実施、部門間人事異動の徹底という再発防止策を出しております。この一つでも確実に実施されていれば、今回のような事案は起きなかったというふうに考えます。
 まずは東洋ゴム工業において今回の不正事案が発生した原因究明を徹底に行うこと、そして、あわせて、平成十九年の再発防止策がなぜ正しく機能しなかったかということについて自らまず検証させること、これを一応四月の半ばぐらいまでには、東洋ゴム工業は外部の法律事務所、弁護士さんに今チェックをお願いをしている、原因究明をお願いしているということでございますので、この結果を提出をいただいた上で、我々国土交通省としてもその内容を厳重にまずチェックをしてまいりたいと考えております。その上で、国土交通省として今回の不正事案の原因を踏まえて、ほかに類似の事案が生じるおそれがないかを要因ごとに分析をし、その要因ごとに必要な再発防止策を検討してまいりたいと考えておるところでございます。
○江島潔君 平成十九年に耐火パネルに対するデータ改ざんがあったと。これに対して再発防止のために取り組んでいたという会社が、また今回、今度は免震ゴムで同じような事案をまた、別の人なんでしょうけれども、起こしてしまったと。
 これは、言わばイエローカード二枚目なんですよね。サッカーだったら、もうこれで退場ですから。本来であれば、もう一切こういうような、公共事業だけじゃないかもしれませんけれども、そういう分野へは本当はもう参入できないぐらいの信頼を揺らがすようなことを起こしているわけですから、是非これはもう、こういうことがいろんな理由があるにせよ起きるということは、何らかの問題が必ずその社内体制にあると思いますので、是非これは国交省としても、この会社はもちろんですけれども、他の会社においてもこういうことが起きないような、基礎的な言わば誰も確認のしようがないような部品に関するデータであり信頼性なわけですから、是非ともその点の監督体制に関しましてもしっかりとしたものをまた再構築をお願いをしたいと思います。
 それでは、続いての質問に移らさせていただきます。
 今、将来の人口が減りつつある中、そして高齢化社会を迎える中において、太田大臣は常日頃からコンパクト・プラス・ネットワークというキーワードを用いられてこれからの日本の未来像というものを描かれていらっしゃるわけでありますけれども、私の住む山口県でもそうなんですが、いわゆる消滅可能性自治体と言われるような町が非常に地方では大きくなってきているところでありまして、このコンパクト・プラス・ネットワークというものをそれぞれそういう地域がある中でどうやって実現しようかというのは、大変にこれはそういう人口減少がどんどん進む自治体の首長は大いに悩むところでございますが、このようなもう面としてもどんどん人口が減っている地域に関するコンパクト・プラス・ネットワークというのはどのような形で実現をしていけばいいか、また国交省としてのお考えを聞かせていただけますでしょうか。
○政府参考人(本東信君) お答え申し上げます。
 国土交通省におきましては、昨年の七月、二〇五〇年という長期を見据えまして、国土づくりのビジョンといたしまして国土のグランドデザイン二〇五〇というものを策定したところでございます。この中では、本格的な人口減少社会に立ち向かうために、それぞれの地域が個性を磨きまして、異なる個性を持つ各地域が連携することにより新しい価値を生み出す対流促進型国土、こういうものの形成を目指すことといたしております。
 こういった国土の形成に当たっての基本的なコンセプトといたしまして、御指摘にございましたようなコンパクト・プラス・ネットワークというものを提示いたしております。このコンパクト・プラス・ネットワークという考え方によりまして、中山間地域からあるいは大都市に至るまで、人口減少下においても活力ある国土づくりに取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 例えば、中山間地域におきましては、買物ですとか、あるいは診療、介護、ATM、こういった日常生活に不可欠な機能を、コンパクトな拠点となる集落、これを小さな拠点というふうに呼んでおりますけれども、こういったところに集めまして、こういった小さな拠点が周辺の集落とデマンドバスなどで結ばれることによりましてネットワークでつながる、こういったことによって中山間地域においても住み続けられるようにすると、こういったことを考えているわけでございます。
 また、地方都市におきましては、居住機能、都市機能を集約したコンパクトシティーを形成するとともに、こういったコンパクトシティーが相互に連携することによりまして高次の都市機能の維持に必要な人口を確保する、こういった都市間連携による連携中枢都市圏の構築と、こういったことを考えております。
 以上でございます。
○江島潔君 人口が減少しつつある地域では、なかなか本当にこの策を取りあぐねているというところがたくさんございます。
 このコンパクト・プラス・ネットワークというものの面的な、一つの、これぐらいならそういうエリアとして成立するだろうというような数字の目安として三十万人というような数字も挙げられているところでありますけれども、私の住む山口県を事例に取りますと、今現在、山口県の中で一番大きな市が下関市なんですが、平成十七年に合併したときに三十万人でございましたが、今、合併をしましたが、現在では、十年たちまして二十七万人になっております。
 合併の効果というものは、いろいろそういうまさに、この当時に、いろんな機能を集約してコンパクトにしていこう、そして、もちろんいろんなネットワークもつくっていこうということで取り組んできたところでありますけれども、なかなか人口減少に歯止めが利くところではありません。
 また、一つの自治体ですから、市の判断の中でいろいろなネットワーク化とかも取り組めるわけでありますけれども、これが、山口県の例を取りますと、一番大きな下関で二十七万で、そのほかは二十万人とか十万台の町がずっと点在をするという、ちょっと大きな町のない県の一つでありますので、言ってみればどこにも一極集中というようなことが起こらないままに全体が人口が減っているというような現象でございます。これが例えば北海道とか福岡県とかでしたら、本当に政令市にはどんどん人口が増えて周辺がまた減るという、そういう現象もあるんでしょうけれども、山口県の場合にはもう全体的に地盤沈下をしてしまっているということで、なかなかこれは難しいなと私も市長時代もずっと感じておりましたし、また、今でも山口県内の各首長さん方とお話をすると、人口減少に対する対策というのがなかなか手だてがないなと感じるところであります。
 一方で、非常に、山口県なんかもそうですが、有り難いなと思うのは、もう既に新幹線が昭和四十八年に開通をして、そして高速道路も開通を、山陽自動車道は開通をしておりますので、軸が通っているということで、新幹線での移動というのは非常にこれは快適でございます。
 先般、広田委員長の御地元の高知県に視察に行かせていただきましたが、横の長さは同じぐらいなんですが、非常に高知県の場合には横移動というのは時間が掛かるなと。これは強く、やはり隅々に整備新幹線やあるいは高速道路網というものを構築するということは非常に重要だなということも視察を通じて感じたところでありますけれども、山口県の場合には既に新幹線が通っているということは、これは有り難いことであります。
 ところが、現実にその新幹線の駅、今県内には五つあるんですが、全ての駅が人口が減少し続けておりまして、そして、全ての駅と言ってもいいと思いますが、駅前も疲弊をしているというのが現状でありまして、これは新幹線の通っていない地域からしたら、何ときちんと活用していないんだというお叱りを受けるかもしれませんが、もちろんそれぞれの自治体、必死な努力をしているにもかかわらず、なかなかそれが形になって、あるいは成績になって出てこないところであります。
 私が是非提案を申し上げたいのは、もう既にインフラ、基本的なこの新幹線というようなインフラが整ったところの自治体、先ほど申しましたように、みんな十万台のつながりでありまして、なかなか単独で地域の住民が満足できるような施設があるところではありません。ところが、結んでいけば、例えば二市、三市が集まれば三十万人を超えるわけでありまして、なかなか今それが自治体が越えるとつないでいくということが難しくなってくるわけでありますが、何らかの形で、新幹線の駅というものに注目をして、そこの周辺の一定のエリアに何か特別な取組を、自治体だけに任せるのではない、国の指導の下で言わば連携をさせるということを、策を講じることを通じてネットワーク化というものができるのではないか、比較的スムーズにできるのではないかなというような思いを持っております。
 言わば新幹線の「のぞみ」とかそういう大きな駅が、速い列車が止まらない駅というのがたくさんありまして、山口県の場合には一つも止まらない、若しくは止まっても一つだけというような状況でありますけれども、その止まらない、一番ゆっくり進む各駅停車の新幹線しか止まらない駅も、私はこれ磨きようによっては大変に大きな宝になると信じておりますし、言わば一つ一つを磨けばこれは真珠のネックレスのようにずっと数珠がつながるような、そういう地域ができるんではないかと思います。
 ただ、そのためには、私が感じている限りでは、なかなか単独自治体だけに任せて駅の再開発というものも限界がございます。少し大所高所からこの新幹線の駅を活用したコンパクトネットワークづくりというものができないだろうかというような考えを持っておりますが、この点に関しまして御所見を聞かせていただければと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 新幹線が山口は駅が非常に多くて、山口県は岩国とか防府とか小郡とか下関、もう一つが……(発言する者あり)五か所ということで、ある意味では恵まれているというふうに思います。
 まず、コンパクトシティーということからいきますと、実は駅自体がコンパクトシティー化するという、あるいは真ん中にあるというような位置付けを再編成をするという試みが私、非常に大事だと思います。
 長岡では、長岡の駅とそれから庁舎とがほぼ隣接をしまして、そこに空間を置いて、庁舎の中にも銀行とかそういうものが入って、新幹線の駅と庁舎と広場というものが一体化するという中でにぎわいというものを取り戻すということがかなり成功してきているという例がありますし、あるいは、郡山等に行きましても、駅自体の中に女子高生などが大勢いて何か勉強しているようなところもあって、コーヒーショップなどは、これは新幹線に乗る人というんではなくてそこに人が集まるという、その拠点自体に駅がなっているというような、そういう造りと人の流れをつくっているということがあろうと思います。
 そういう意味では、町が生き抜いていくためにはコンパクトシティーにしていく。そして、合併しているところも多いものですから、小さな拠点を併せてつくっていく。そこを、町としてのコンパクトシティーと道路網とか公共交通をつなげていく。そして、隣接したところで、コンパクトシティーにしたら生き残れるということはありませんで、コンパクトシティーと隣接するコンパクトシティー、あるいはもう一つ、二つとか三つとか連携を取り合っていくという形で、それぞれ特色を生かしながら、対流を促しながらやっていくというのが大事な考え方だと思っておりますが、そういう意味で、山口県などはこの駅を中心にしてという、新幹線の駅というある意味では大変なポテンシャルがあるわけでありますので、そこを更に生かしていくというまちづくりと連携を促すということは非常に大事なことだと思っています。
 これから、観光ということもありましょうし、それぞれ知恵を発揮してまちづくりに入っていこうという、地方創生の中にはそれぞれの都市がどういうふうに我が町を生き残らせるように個性を発揮できるかということのある意味では生き残り競争というような中での地方創生だと思っておりまして、一緒になってそこは考えていかなくてはならないと、このように思っておりまして、支援は惜しまないということを申し上げたいと思います。
○江島潔君 御支援をいただけるという大変に心強いお言葉をいただきまして、ありがとうございます。
 交通基本政策に関して少し質問させていただきます。
 二〇二〇年という大きな目標を持つ現在の日本でありますが、様々な分野においてこの二〇二〇年に向けてのブラッシュアップがされているところであります。
 旅客施設のバリアフリー化というのも、これもこの交通基本政策の中で描かれているところでありますけれども、例えば鉄道駅のホームドアの設置率等々もその数字が出ているところであります。あるいは、空港の全体のバリアフリー化とか船の旅客ターミナルのバリアフリー化とか、こういうものは二〇二〇年には一〇〇%にしていこうという非常に高い目標がありまして、やはり世界からお客様を迎えるときに、日本を一つのお手本にしよう、できる国にしようという意気込みが私は伝わってくるものだなと感じておりますけれども。
 多くのこの目標の中においては、これをじゃ一〇〇%にするというものは一体どういう形で、つまり、完全にこれはもう事業者任せでやれよというものなのかどうかというのがちょっとまだ分からないところがございまして、分からない中でもう二〇二〇年というのは喫緊の課題になってきますので、バリアフリー化は今でも様々な事業者はいろいろ取り組んでいると思うんですが、まだ残っているというのは、やっぱり当然いろいろなハードルが高いというところが結果的に積み残しになっているのではないかというふうに感じております。ですから、言わばこれからの一〇〇に向けての最後の一山登りというのは、なかなか結構険しい山なんだろうなというふうに感じております。だからこそ、しっかりとした国の支援スキーム等も今後その五年間の目標達成のためには示していかなければいけないというふうに私は感じますんですが、その辺はどのように国交省としてはお考えでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 東京オリンピック・パラリンピックがありまして、オリ・パラのパラの方が極めて大事な要素でもありまして、そこへ向けてバリアフリーを更に促進しよう、また高齢社会ということに対応をしていこうということです。
 それで、それはオリンピックまで、二〇二〇という数字は同じなんですけれども、元々これはそこの目標を立ててやっているわけではありませんで、これはいわゆるバリアフリー法に基づいてやっているという要素と、オリンピック・パラリンピックが決まったということと併せて今回の交通政策基本計画ということの三つの方向からこれを進めようとし、そして目標を設置をさせていただいているところです。
 具体的には、一日の乗降客数が三千人以上の旅客施設につきまして、二〇二〇年度までに原則全てバリアフリー化するということを数値目標として設定をしております。この目標設定につきましては、我々がただ単にそうして決めたということではありませんで、設定に当たりましては関係自治体とも、また関係者とも十分話合いをし、御理解をいただいた上で設定をさせていただきました。
 事業者が行うバリアフリー化事業に対し助成を行っておりまして、国と地方自治体、そして事業者と、こういう三者でそれぞれバリアフリーを行うということ、そして、国としては助成を行っているところでございます。事業者に対しまして目標の周知や整備推進の働きかけを行っているところでありまして、また、省内でも副大臣をヘッドとするワーキンググループを設置させていただいて、この数値目標が達成できるよう、よく地方自治体や事業者と連携して進めていきたいと、このように考えているところでございます。
○江島潔君 私は、こういう目標を通じて日本が世界に冠たるバリアフリー大国になるということはもう大賛成でございます。是非とも引き続き、最後はもう事業者に全てを任せるというようなことではないような形でのしっかりとした国の指導、そして支援をお願いをしたいというふうに思います。
 それでは続けて、交通基本政策とも関連をして、離島への交通移動手段に関しまして少し質問させていただこうと思います。
 これは、離島振興法の中で毎年確実に前進しているなと、離島への様々な配慮がなされているなということは私も感じております。
 ところが、まだまだ現実には、なかなかこの離島振興というものはやはり本土に比べると厳しいものがあるなということもこれまた現実でございまして、例えば、離島ですから、当然これは行き来というのは船が主たる手段になるわけでありますけれども、普通の船でいうと、やはりバス料金よりどうしても高くなる、鉄道料金よりかは更に高くなってしまう。そして、高速船という船も導入されておりますけれども、高速船で運賃を比較してみますと、今度は新幹線よりも相当割高になってしまうと。どうしても離島の移動手段というのはまだハンディがあるところでございます。
 そういう中で、同じ離島なんですけれども、先般、改正奄美振興法におきまして、交付金の中で航空運賃の低減を図るということがなされまして、これは既にもう成果が出ておりまして、奄美大島と成田空港間のLCCでありますバニラエアがこの対象となりまして、利用率も相当伸びてきて、結果として奄美地区の宿泊者数が一割以上伸びているという成果もあります。これは、住んでいる方にとってもそうですけれども、やはり島に行ってみたいという人にとっても交通運賃というものが相当効いてくるんだなという一つの実例ではないかと思っております。
 離島というのは、これまた大臣もよくお話をされますけれども、暮らしている人の生活もさることながら、やはり日本の周辺で大変に国土防衛という観点からも離島の重要性というものは高いということでありまして、私も誠にそうではないかというふうに思っております。
 いろんな意味を込めて離島振興というものはしっかりとまた国土交通省の下でやっていただかなければいけないと思いますが、いわゆる離島振興で対象となる、沖縄と奄美とそれから小笠原諸島を除いた二百六十ぐらいになるかと思いますが、島の交通政策の拡充というものに関しまして、今後の御省の方針をお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(本東信君) お答え申し上げます。
 離島は四方を海に囲まれておりますので、そういう意味では条件不利地域でございます。しかしながら、離島はそれぞれ異なる個性がございます。それぞれの地域資源を活用して離島の振興を図っていく、離島創生を図っていく、これは大変重要な課題だろうというふうに思っております。
 そういった取組を進めていく中で、御指摘にございましたような交通の確保、交通のコストの問題、これが大きな問題としてございます。このため、従来から、地域公共交通確保維持改善事業、こういった事業を活用いたしまして、離島の航路あるいは航空路の維持ですとか、あるいは運賃の低減、こういったものについて支援を行っているところでございます。
 また、奄美群島につきましては、御指摘にございました奄美群島振興交付金を活用いたしまして、観光キャンペーンのような形でLCCの周航、こういったものが実現して、観光客の増加にも結び付いているというところでございます。
 また、物資の輸送につきましても、従来から、離島活性化交付金を活用いたしまして、離島の戦略産品、まあ特産品などでございますけれども、こういったものの輸送費用についても支援を行っているというところでございます。
 今後とも、地域の実情を十分に踏まえまして、こういった離島の交通対策を進めていきたいというふうに思っております。
○江島潔君 もう一点、離島に関しまして御省の見解を聞かせていただこうと思います。離島活性化交付金の活用方策についてであります。
 こちらの方も、平成二十四年度に離島振興法が改正をされまして、従来のハード整備等にしか使えなかったものからソフト政策への転換も図られて、これは大変に該当地域の方々には喜ばれていると私も聞いております。ただ、まだこの中身の量的な問題、質的な問題が沖縄振興特別交付金やあるいは奄美群島の振興交付金等に比べると、やはり対象の数は非常に多いんですが、まだまだ十分ではないというふうに感じております。
 例えば、国庫補助率等に関しましても、沖縄では十分の八から十分の九、あるいは奄美の場合でも十分の七あるわけでありますけれども、離島振興法では、地方公共団体が主体となる場合に二分の一にとどまっているところでありまして、もう少し、奄美諸島並みに何とかもっと利用しやすくならないかなという声をいただいているところでございます。
 それから、金額的にも、奄美群島の振興交付金が平成二十七年度の政府原案で二十・五億円でありますが、こちらの離島振興の方は、対象の数が相当多いんですが、まだ奄美にも満たないということで、量的な問題、質的な問題をもう少し対応を考えられないかなと思っておりますが、この点に関してはいかがでしょうか。
○政府参考人(本東信君) お答え申し上げます。
 離島振興に当たりましては、基盤整備に加えまして、医療ですとか教育ですとか、そういった生活環境を整備するということ、また、観光振興を含む産業振興を図って雇用を生み出していくと、こういうことが非常に重要でございます。そういったソフトの政策のための予算といたしまして、御指摘にございました離島活性化交付金、こういうものが創設されまして、各離島において活用されているところでございます。
 この離島活性化交付金につきましては、順次その拡充も行っているところでございます。例えば、従来から戦略産品そのものの輸送費、これは支援の対象になっていたわけでございますけれども、平成二十六年度の補正予算あるいは二十七年度の当初予算におきまして、戦略産品の原材料、例えば家畜ですとか魚の飼料ですとか、あるいは農産品の肥料、そういったものでございますけれども、そういった原材料の輸送費についても支援の対象にするというような拡充を図っているところでございます。
 今後とも、地域の実情を十分把握しながら、地域の御意見を伺いながら必要な額を確保いたしまして、より使い勝手のいいものになるように努めてまいりたいというふうに考えております。
○江島潔君 少しずつ前進をしているのはよく理解しておりますので、是非より一層、日本の離島というものに対しての温かい御支援を続けて取り組んでいただければと思います。
 それでは次に、山陰側というか日本海側というか、この軸形成に関しまして、先般、予算委員会でも大臣にもいろいろと質問させていただいたところでありますけれども、山口県は山陽と山陰と両面を持つ県でございまして、特に山陽と山陰の格差というか、インフラの差はもう非常に激しいなということを私も痛感をする者の一人でございました。
 新幹線や高速道路が全て山陽側に集中している中で、山陰側というのは、国道も片道一車線でありますし、電車も単線ですし、電車というか、電車じゃなくて汽車でございまして、単線で無電化というところであります。一昨年は集中豪雨によりまして鉄橋が三本も流されてしまったりとか、なかなか古い路線のままですので、災害にも余り強くはない状況で今日に至っているところでありますけれども。
 特に、鉄道が寸断されますと道路に一気に負担が掛かるわけでありますけれども、道路も今お話し申し上げたような状況でございます。山陰自動車道の必要性というのは、非常に私は日本海側から見ますと強く感じておりますんですが、現状がどうなっているか。そして、これが完成することによってどんな日本海側一帯、これは、山口県、島根県、鳥取県はもう十分に、随分劇的に私は変わるんではないかと思うんですが、できたらどう効果が出るか、そして、それに向けての課題というのは今現在どういうものがあるかということを青木政務官にもし教えていただければと思います。
○大臣政務官(青木一彦君) お答えいたします。
 山陰自動車道は、全体では三百八十キロございますが、現在開通いたしておるところが百六十四キロ、約四三%でございます。そして、委員の山口県は百十五キロメートルのうち十五キロ、まだ一三%が開通しているにすぎません。そういった意味では、災害に強いネットワーク、そして観光の振興、地域経済の活性化等に資するためにも道路をつないでいかなければならないと確信をいたしております。
 先ほど大臣もおっしゃいましたが、新たな価値が生まれ、そして対流促進型国土を形成するためにもやはりネットワークというものが必要であると確信をいたしておりまして、江島委員は山口でございますが、面白きこともなき世を面白く、そういった地域社会が実現するものと私は確信をいたしております。
 こうした点を踏まえ、一日も早い山陰自動車道の実現に向け、江島委員を始め関係者の皆様の御協力を得ながら計画的に取り組んでいきたいと考えております。
○委員長(広田一君) 青木政務官も頑張ってください。
○江島潔君 現在、「花燃ゆ」が絶賛放映中でございますけれども、高杉晋作の辞世の句が今この委員会内に響き渡りまして、何か背筋がぴりっと私も伸びた気持ちでございます。
 山陰側というのは、日本海側といいますか、余り陰という言葉を使わない方がいいのかもしれませんが、日本海側というのはやはり、山口県でいうと瀬戸内側というんですが、太平洋側ですか、に比べると異なる発展をしてきた地域だと思います。また、今後のアジアというものをにらんだときには、また再び日本海側というのが大きな役割を果たすんではないかと思います。
 しかるに、太平洋側と同じような発展を後から追っかけていくという形では私はないだろうと思いますし、また、そうであってほしいなと思います。結果として残された自然の多くの海岸線が、もう太平洋側は全部コンビナート群が山口県なんかは整備されていますので、あれと同じことが決して日本海側で起きてほしいと私は願っておりません。この自然の良さというものが、結果として残ったものが一周遅れのトップランナーとなるような、そういう道路の整備であり、鉄道の整備であり、そして、その中できちんとした高速道路というネットワークが完成をすることを夢見るものでございます。
 是非とも、引き続きこの日本海側の国土軸形成というものにお力を注いでいただきますことをお願いを申し上げまして、次の質問に移らさせていただきます。
 ちょっとさっき、集中豪雨で山陰線の鉄橋が流されたお話もしたんですが、あっちこっちでここ二、三年そういう事例が多発をしているように見受けます。今年年初にはJR北海道の日高本線が、これは海から浸食を受けたことを予算委員会でもちょっと御指摘を申し上げたんですが、これはもう今後どこでも起きることでありまして、そのたびに経営状況が厳しい鉄道会社は非常にもう立ち往生してしまうような状況になりますので、やはり特に上下分離というものを本当にもう一般スキームとして早急に考えておいて、道路はこれはもう崩れたら速やかに国が直すわけですから、鉄路に関しましても、やはりある程度の路線というものはそういう心構えを持って国が対応していかないと、ネットワークそのものが崩れてしまう危機感を感じております。
 この鉄道の上下分離方式への移行スキームというものに関しまして、御省は現在どのようにお考えでいらっしゃいましょうか。
○政府参考人(藤田耕三君) 御指摘のように、豪雨等の災害によりまして鉄道施設が被害を受け運休を余儀なくされるといったケース、生じております。そうした場合においても、地域の足を確保するというのは大変大事な課題であると思っております。
 その場合、御指摘のように、鉄道復旧に当たって、上下分離方式を採用するということも含めていろいろな方法があろうかと思います。その意味で上下分離というものは一つの選択肢であろうかと思いますけれども、まずは地域の実情に応じまして、足の確保という観点から、鉄道事業者とそれから地元でよく議論をしていただくことが大事だと思っておりますし、私どももその議論を促進してまいりたいと思っております。
 なお、上下分離ということに関しましては、これは被災鉄道ということに限らず、鉄道路線の維持の方策としまして、私ども鉄道事業再構築事業という仕組みを持っております。この仕組みによりましていろいろな設備投資の支援等を行っておりますので、復旧に当たってもこういった制度の活用も御検討いただければと思っております。
○江島潔君 もう一点、鉄道に関して質問をさせていただきます。テロ対策についてであります。
 飛行機は、御案内のように、乗るときに相当ボディーチェックも受けて、金属探知機も受けて、液体探知機まで受けて乗り込むわけでありまして、近年これは相当な効果をもちろんテロ対策に対しては上げているだろうと思うんですけれども、時々ふっと不安になるのが、新幹線も三百キロで高速移動をしている中で、もしこの中で爆発物なんかを持ち込まれたときにどうなるのかなと。まあ飛行機と違いますから、墜落をして全員が死ぬということはないんでしょうけれども、やはり高速移動の中においてのそういうものが万一起きたときには、これはなかなかただじゃ済まないんだろうなと。ましてや、今後、リニア新幹線が今度は五百キロというスピードになりますと更にそれは、災害時の被害というのは大きくなるだろうなと思います。
 一方で、新幹線というのはもう非常に輸送量が多いですから、全員を飛行機と同じようなセキュリティーチェックをするというのは、これはなかなか現実難しいであろうなと思うんですが、その辺のまず新幹線等の高速鉄道に対するテロ対策というのは国交省としてはどのようにお考えで、今後もしその取組に向けての何か考え方があるのかを聞かせていただければと思います。
○政府参考人(藤田耕三君) 鉄道のテロ対策でございますけれども、基本的なことといたしまして、まずこれは高速鉄道に限りませんけれども、鉄道、大変多くの人が集まる場所でございますので、まずは駅員、乗務員あるいは警備員による駅構内、車内等の巡回警備、さらには防犯カメラによる監視などを行っております。それから、放送などによりまして、旅客に対しまして不審物の発見に関する協力の要請でありますとか、あるいは爆発物等の放置のおそれがあるごみ箱を透明にするといったことなども進めております。
 それから、新幹線に関しましては、これは車両基地あるいは沿線の警備ということも重要でありまして、注意を要する箇所に関しましては防犯カメラの設置、巡回警備の実施等を行っております。
 これらは鉄道事業者による自主警備でございますけれども、こういったことの強化と併せて、警察当局との連絡、連携の一層の強化にも努めております。
 国土交通省といたしましては、これは状況に応じまして、引き続き鉄道事業者、警察当局との連携を図りながら、テロ対策の強化、徹底を図ってまいりたいと考えております。
○江島潔君 車両の基地での何か爆弾を抱えられてしまうような対策というのは、これはしっかりと本当に事業者にもやってもらわなきゃいけないことでありますけれども、例えば、本当に考えたくもないんですけれども、自爆テロ犯みたいなのが体にいっぱい爆弾を巻き付けて車両に乗り込んでその中で爆発させたような、車内で確かに不審な荷物を見たら言ってくださいというのはあるんですけれども、一見不審と分からないような形で乗り込んで爆発をしたときの影響というのは、これは地上を走る鉄道なら大丈夫だというようなことは、実験するわけにもいかないんでしょうけれども、何らかの形でそれは、そのぐらいなら大丈夫だというような目安、目星というのはあるんでしょうか。
 もしそれが駄目なんだとすると、これは本格的に新幹線にもそういうセキュリティーゲートというのも付けていかなきゃいけないんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(藤田耕三君) 御指摘のようないわゆる自爆テロのようなものに対する対応という意味では、やはり人が集まるところ一般の問題という側面もあろうかと思いますので、私ども、警察当局ともよく協議をしながら対応を考えてまいりたいと思っております。今の段階で特に個別にそういったことの検証をしているというわけではございません。
○江島潔君 テロ対策に関しましては日本も、決して日本は関係ないという時代では既になくなってきておりますので、是非とも鉄道分野においてもしっかりとした対策を講じていただいて、言わば日本の技術力の一つのシンボルでもありますので、余計傾注をしていただければと思います。
 それでは、続きまして観光立国に向けての分野から質問させていただきます。
 現在、二〇二〇年に二千万人、そして二〇三〇年には三千万人を目指すという方向性が示されております。また、近年の日本への観光客の動向を見ますと、確実にその方向に進んでいるなと。少なくとも、去年、今年と順調に一千万人を突破をして一千三百万人と、この微分係数を維持できればいいんだなというふうに私は感じておりますんですけれども。
 ただ、そろそろいろんな意味でハードの物理的限界も出てくるのではないかと思います。特に、成田や関空の離発着数を増やすという目標も出されておりますけれども、それだけで三千万人まで受け入れられるとはちょっと私は考えられないと思います。どうしても地方空港、地方港湾等のフル活用というものがやはり目標達成に向けて必要ではないかと思いますんですが、それに向けての具体的なプランというものはどうお考えでしょうか。
○政府参考人(久保成人君) 委員御指摘いただきましたように、日本を訪れる外国人旅行者数は、昨年、過去最高の千三百四十一万人となりまして、この二年間で五百万人増加をいたしました。今後、二千万人、さらには三千万人というものを目指していくには、今は、ゴールデンルートと称していますけれども、東海道に集中しております外国人旅行者を、まず方向として全国津々浦々、各地域に呼び込んでいくことが重要だろうというふうに考えています。その際に、地方の空港、港湾、ここにおいて訪日の外国人旅行者を受け入れる体制を整えることも重要でございます。各空港、港湾において、例えばCIQの体制の充実等を更に推進していく必要があると思います。
 また、地方の空港、港湾をより一層利活用していただくために、空港そのものあるいは港湾そのものの情報をいろいろ発信するだけではなくて、地方空港を利用した観光の周遊ルート、あるいは港湾の後背地、いわゆる周辺を含む部分の観光情報を海外に発信する必要がありまして、それにも取り組んでいるところであります。具体的には、海外の旅行会社あるいはメディアを直接招請いたしまして、その招請ルートに地方空港を組み入れたり、クルーズ船、地方港湾を多く利用していますけれども、そのクルーズ船の寄港地、日本での寄港地をどうするのかという決定権者を日本にお呼びする、招請するなどの取組を積極的に今講じているところであります。
 私どもといたしましても、航空当局、港湾、海事当局と一緒になりまして、地方空港、港湾の活用に向けて今後もしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。
○江島潔君 外国の受入れをするときにいつもCIQの問題である壁に突き当たることがありまして、どうしても、いや、もう人員が増やせないんだということで、例えばCIQの時間の延長とか、こういうものの壁があったりとかします。ましてや、今まで国内専用だった港とか空港をインターナショナルエアポートにするというのは、結構そのCIQの問題の方がまず最初に引っかかるのかなという気がしております。
 ただ、やはり三千万人というのは、もう明らかに全国のいろんなところで受け入れられるような形にしなきゃいけないだろうと思いますし、そのためにはやはりCIQをこれもまた是非御省としても掛け合っていただいて、なかなか地方だけではこれはちょっと力不足に必ずなると思います。ですから、例えば地元の例でいうと、山口宇部空港が山口宇部国際空港というような名称になろうという意思を持ったらもうすっとCIQもそろえていただけるような、そういうようなバックアップ体制をしていただければ、また、初めて日本に来る人であっても、どこであっても、そこから例えば新幹線に乗ってどこでも行けるのが日本の多くの地域なわけですから、是非とも地方の空港とそして地方の港湾がインターナショナルエアポートでありシーポートになれるような応援を是非お願いをできればと。そうすることによって、この二千万人、三千万人という目標が、限られた空港とか限られた港だけではなくて、本当にオールジャパンでしっかりと迎え入れることができる日本に変わっていけるのではないかなと思っております。是非この点、よろしくお願いを申し上げます。
 時間となりましたので、これで終わらせていただきます。
○増子輝彦君 おはようございます。民主党の増子輝彦でございます。
 今日は大臣所信に対する質問をさせていただきますので、太田大臣以下、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 まず冒頭に、先ほども江島委員の方からお話がございましたが、東洋ゴムの不祥事問題、先ほども答弁があったとおり、今調査中ということでございます。私はこの問題は大変大きな問題だと思っておりますので、しかるべき時期が参りましたら是非この委員会に東洋ゴム関係者を参考人として招致して、いろいろと私たちもその問題の解明に少しでも責任を果たさなければならないということを思っておりますので、委員長、取り計らいのほどお願いを申し上げたいと思います。
○委員長(広田一君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をしたいと思います。
○増子輝彦君 それでは、質問に入らさせていただきたいと思います。
 これも先ほど江島委員の方からも質問がございました。今の国土交通行政の中で最も重要である、私は、いかに国土のグランドデザイン二〇五〇を具体的に速やかに実行していくような体制をつくるかということが本当に重要だと思っております。そういう中で、これを具体化するために長期計画の策定、見直しが必要との考えから、二月に交通政策基本法に基づいての初の交通政策基本計画を閣議決定をされました。大変私は重要な閣議決定だと思っております。
 御案内のとおり、我が国は大量生産、大量消費の時代から、やはり持続可能な分散型の、地域地域によって、まさに大臣がよくおっしゃっている国土交通省の一つの明確な基本方針であるコンパクトシティー、コンパクトコミュニティーをどのようにつくっていくかということが大変重要だと思っているわけであります。それぞれの地域において、地域のエネルギー、地域の有為な資源を活用した産業化、あるいは雇用をつくる、そして技術革新を果たしていく、さらにそれによって様々な医療分野にも連携をしていく、こういう私は持続可能な分散型のコンパクトシティー、あるいはスマートコミュニティーシティーというものをつくりながら、全国津々浦々が、大きなものでなくても、まさにコンパクトシティー的なもので地域がそれぞれ成り立っていくという時代に入ったんだろうと。
 これだけ人口減少が進んでくる、これだけ高齢化が進んでくる。本来の私は安倍政権の地方創生はここに最大の重点を置くべきだと思っていますので、そういう意味では国土交通省が今回作られた交通政策基本計画は極めて重要だと思っています。
 これを、二〇二〇年のオリンピックを一つの目標としながらも、あと五年しかありませんから、そう簡単ではありません。しかし、二〇五〇年に向けてのこれは大きな大きなグランドデザインですから、これを取りあえずどういうふうにしていくか。当面の二〇二〇年の東京オリンピックやパラリンピックに向けての様々な課題があるわけであります。先ほどもバリアフリーの問題もありましたが、これ、細かい各論は別として、大臣、これをどのような形で具体的に実行し、予算措置を確保しながらどのような形で進めていくか、そのことによってどんな日本の国土形成ができ地域形成ができるか、極めて重要なものだと思っていますので、大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) コンパクト・プラス・ネットワークという国土のグランドデザイン二〇五〇、これを長期的なものにしまして、そしてその中で交通政策基本法を一昨年の十一月に成立させていただいて、それに基づいて、非常に公共交通自体がどうやって維持していこうかというようなこともありましょうし、新しい、今先生がおっしゃったような持続可能な分散型ということの中で産業ということも極めて重要でありますから、そこで港湾も含めてどういうふうに交通をやるかということは具体的な、まあ血が流れていくということだと思います。
 そういう意味で、先般、交通政策基本計画を策定させていただいて、具体的には三つ大きな柱を立てておりまして、生活交通ということ、豊かな国民生活に資する使いやすい交通をつくるということ、そして経済成長を支える交通ということ、そして持続可能で安心、安全な交通に向けての基盤づくりというこの安全、安心な交通ということ、この基本方針を三つ立てた上で具体的に数値目標等五十六項目作らせていただきましたが、その施策を推進していくという形を取らさせていただいております。
 関係省庁も多いですし、また現場の声をよく聞いていかなくちゃならないし、地方自治体それぞれが生き残りを懸けてどういう町にするかというところで御相談もいただいたことをきちっと、先ほど第三セクターというようなお話もありましたが、様々どうやって展開するかということがございますので、計画の内容を着実に実施できるよう、しっかり支援をし、また御相談もしていきたいと、このように思っております。
○増子輝彦君 大臣、是非頑張っていただきたいと思います。私たちも全面的に支援しながら、このことが速やかに具体化していくことになるように応援をしていきたいと思っております。
 次に、大臣の所信の中で東日本大震災からの復興というものも大変大きなテーマとしてこれが取り上げられていること、まさにそのとおりでありまして、御案内のとおり、東日本大震災、まだまだ復興の途上であります。津波、地震によっての災害、依然として多くの方々が仮設住宅にまだ住んでいるという現状、それぞれの地域等についての復興も十分でありません。西村副大臣の宮城県もまだまだでありますから、このことについても全力でまた引き続き当たっていただきたいと。
 そういう状況の中で、御案内のとおり、福島県は原発災害という大変な実は事故があったわけであります。これさえなかったらと、本当にこれさえなかったら、私は、国土交通省を中心としてもっともっと早い形の中で復興というものは実行されていくんだろうというふうに思っております。しかし、残念ながら、かつて経験したことのない大変な災害であります。いまだ十二万人近くの方々が、福島県民、県内外に避難生活を強いられているという現状、場合によっては五十年、百年ふるさとに戻れないかもしれないという状況もあるわけであります。こういう状況の中で、是非私は、国会議員の皆さんも、あるいは霞が関のお役人の皆さんも、現場に足を運んでその現状をやはり自分の心と目と耳でしっかりと受け止めるということがこれからの大事な問題だと思っておりますので、是非引き続きの御支援をお願いを申し上げたいと思っております。
 そういう状況の中で、これから大事な一つの課題は、指定廃棄物、汚染土壌、原発災害で出たこれらについての中間貯蔵施設への搬入、搬送という課題が実は大きく重くのしかかっているわけであります。
 御案内のとおり、ようやく福島県、双葉、大熊両町が中間貯蔵施設の受入れは表明をいたしましたけれども、二千五百人弱の地権者がおります。まだまだこの地権者との交渉が進んでおりませんで、まだ一人しかこの用地買収の交渉に応じた方はいないということが報道されております。いつこのことが解決するのか。取りあえず、仮保管場によって、四十二市町村からそれぞれ少しずつ試験的にこの廃棄物、汚染土壌を運び込むということが三月十三日からスタートをいたしました。これ本当に地権者との交渉がまとまらなければ、五年、下手すれば十年掛かってしまったら、三月十三日を起点として三十年以内に県外に最終処分場を造るということすらより困難になってくると思います。
 ですから、このことについてしっかりと頑張っていかなければいけないということもありますが、そこで大臣にちょっとお尋ねをしたいんですが、この中間貯蔵施設に取りあえず運び込む三千万トン近くとも最大言われているこの汚染土壌や廃棄物、実は県内のそれぞれの道路を使って行くわけであります。
 基本的な環境省の方針では、高速道路を中心という方針が出ておりますが、高速道路が県内隅々に網羅されているわけではありません。やはり一般道路を通らなければいけないという問題が当然これ出てきているわけでありますから、今のところは大熊と双葉町が試験的にスタートしたということですが、今後ほかの市町村も、試験搬送も搬入も始まってくるわけであります。そういう状況の中でこの一般道路、高速道路までの進入口までの一般道路、そして高速道路から出た後、さらに仮置場から積込み場までの間の様々な道路上の問題があるわけであります。
 そこでお尋ねをさせていただきたいと思いますが、この道路を使用するという形のダンプ、計算上は三百万台がこれが完了するまでダンプの運行が必要だと言われております。道路の整備の問題あるいは放射能の安全対策の問題、こういうことがどういうふうに行われていくのか。
 と同時に、特に子供に対する安全対策というのは極めて重要だと思っています。除染は環境省であります。中間貯蔵施設の責任監督官庁は環境省でありますが、この道路の問題、あるいはダンプを動かす、あるいはトラックを動かすということになれば当然国土交通省ということになっていくわけであります。そういう状況の中で、大臣、このやはり横連携をしていくということは極めて大事ですが、現時点での国交大臣としてのこの問題についてのお考え方をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) お話を聞いておりまして、これは環境省だとか国交省だとか言っている場合ではないなということを改めて感じました。私の率直な気持ちは、そういうことではなくて、道路ということについて関わりがある以上、しっかりと国交省として、当然環境省とも連携取ることは必要でありますけれども、安全やあるいは拡幅工事やいろんなことについて最大限に努力をするということが大事だというふうに思っています。
 環境省が、市町村等からの意見も踏まえまして、今年一月に輸送実施計画を取りまとめて公表しています。この計画では、常磐自動車道方面にアクセスする道路として、国道百十四号、国道二百八十八号、国道三百九十九号等が輸送ルートとして指定されておりまして、これ県が所管になる国道でありますけれども、国交省としてもこの整備ということについて、県の要望をしっかり踏まえて環境省とも十分連携を取りながら対処をしたいと、このように思います。
 また、輸送の実施に当たりましては、今御指摘がありましたように、これは環境省において輸送物あるいは輸送車両の一元的な管理を行うわけではありますけれども、今お話がありましたように、子供さんの生活環境等に配慮して輸送の時間等もよく選定したりとか、様々なことをよく考えた上で、安全に万全を期するということ等も踏まえてしっかりと連携しながら進めていきたいと、このように思っています。
 最大限に、ここは、福島復興ということは一番大事なことでありますので、国交省として、これは何省だ何省だと言わないでやらせていただくということについて申し上げたいと思います。
○増子輝彦君 大変ありがとうございます。
 国交省が主体的に、私は、先頭に立って横連携をしていっていただいて、これが速やかに、そして円滑に安全に、そしてなおかつ東西南北様々な道路網の整備というものも促進をしていただくようにお願いを申し上げておきたいと思います。
 そこで、もう一つだけ。これらの搬送、搬入等につきましても、やはり先ほども申し上げましたとおり、最大三百万台ぐらいの十トンのトラック、ダンプが必要という計算上の今数字が出ております。やはりこのオペレーションをするに当たりましては、全国の多分業者さんも入ってくることが当然必要になってくるんだろうと思います、トラック業者の皆さんも含めて。しかし、除染の問題を考えると、大手ゼネコンが元請になって、下請、孫請、やしゃごと何層にも下に下りていくことによって様々な問題が実は除染の問題についても出ているんですね。
 ですから、具体的にこれやはり地元のトラック業界の皆さんとか、あるいは産廃業者の皆さんとよく連携をしていかなければ、これスムーズな運行もできなければ搬送もできない、安全対策もできない。ましてや、十トントラックを、ダンプをどういう形で放射能を遮蔽していくかということもまだまだ十分な体制ではありません。これは先般も環境省の方にもいろいろ国会の質問でさせていただきましたが、これから詰めなければならないところはたくさんございます。
 そういう状況の中で、是非このトラック業の業界の皆さんの、福島県の特に業界の皆さんの全面的な協力というものを得なければなりませんので、こういう方々に対するひとつ大臣からの働きかけというよりも、協力要請や環境省との連携も主体的に図っていただくよう、これお願いを申し上げておきたいと思いますので、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。何かあれば答弁を。
○国務大臣(太田昭宏君) よくこの輸送車両の円滑な調達に向けまして福島県のトラック協会とも情報交換をして、今、現場に即して対応できるように力を入れたいと、このように思います。
○増子輝彦君 次に、先般、三月一日に、半世紀にわたって念願でありました首都圏と仙台方面を結ぶ常磐自動車道が開通をいたしました。大臣にも総理とともに式典、開通式に御出席いただきまして、ありがとうございました。六号線もようやく全線開通、そして高速道路も全線開通、インフラが着々と整備をされていること、大変喜ばしいところであります。
 もう一つ大きなものが残っている。それは鉄路、鉄道であります。常磐線の問題であります。これは残念ながらまだ、避難指示区域、特に入ることのできない帰還困難区域がかなりあります。これに対して、先般、三月十日に、総理も大臣も記者会見の中で、できるだけ早くこれを全線開通をしていきたいということも表明されました。JRもそれを受けて、東日本も、しっかりやっていきたいということの意思の表明もあったようであります。
 これを開通させるに当たりましても様々な課題があることはもう大臣も御案内のとおりだと思います。何よりも除染の問題、極めて大事だと思います。そういう意味で、六号線よりもむしろ常磐自動車道が大変参考になるんだと思います。大臣もあそこ、開通式のとき高速道路は走られたと思いますが、モニタリング置いていく、依然として高い数値がまだ出ているところもあります。あれよりももっともっと実は鉄路のところは高いところがたくさんあります。
 そういう状況の中で、このことについて是非私は、このことを積極的にやっていただくためには現在のこの原子力発電所事故に伴う避難指示区域の除染の進捗状況というのが極めて大事だと思っておりますので、この進捗状況について、現状についてお伺いをしたいと思います。
○大臣政務官(福山守君) 居住制限区域や避難指示解除準備区域においては、生活圏である駅舎及び周囲の生活圏に影響を及ぼす盛土のり面、平面、踏切などについて優先的に除染を実施しているところでございます。
 平成二十六年六月に開通した広野―竜田駅区間については、開通前に除染を行いました。平成二十八年春までに開通することを目指している原ノ町―小高駅間については、平成二十七年五月までに除染が終了する見込みでございます。小高―浪江駅及び富岡―竜田駅についても、関係機関と調整しつつ復旧のスケジュールに合わせて必要な除染を実施してまいります。
 以上でございます。
○増子輝彦君 ありがとうございます。しっかりと環境省としても除染を進めていただきたいと思っております。
 そういう状況の中で、実は大臣、総理、国交大臣が、常磐線については将来的に全線で運行を再開させると、先ほど申し上げたとおり、記者会見等で発言がございました。これなかなか大変なことでありますが、一定の目標の数字も出されております。
 そういう状況の中で、国土交通省から運転再開時期が示されている避難指示解除準備区域の鉄道復旧について、国はどういう形で支援をしていくのか、支援する場合はその協力内容というのはどういうふうにしていくのか、このことについてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 今環境省からもありましたように、常磐線の不通区間につきましては、原ノ町―小高間は二〇一六年春までに開通し、小高―浪江間は遅くとも二年後の開通を目指し、また竜田―富岡間は三年以内をめどにできるだけ速やかな開通を目指すという基本方針を決定し、さらに、この一番大変なところについては、いつとは期間は言いませんが、必ずこれは通すんだという意思を三月十日には発表させていただいたところでございます。
 これらの区間の早期復旧に向けまして、鉄道沿線の放射線の量の状況を把握するための調査の実施、あるいは復興まちづくりに併せて駅を移設する場合の調整などの支援を行っているところでありますけれども、さらに、昨年十一月にJR常磐線復旧促進協議会を設置をしたところで、この会議を通じまして、引き続きこうした取組について支援、協力をしたいというふうに思っています。
 また、常磐道が全線開通をして、常磐線がということが非常に大事なんですが、増子先生がおっしゃるように、もうちょっと線量が高いところかというふうに思いますが、全部安全になってから工事が始まるというのではなくて、その前から、当然除染の状況等も勘案しながらではありますけれども、まず調査をしっかりと行う、その結果に基づいて設計を行うと、ここはできるわけでありますのでやらさせていただく。
 そして、鉄橋の点は一番ネックになるかとも思いますので、この辺の、時間が掛かる土木工事でありますが、この鉄橋をどういうふうに、いつ頃から工事を進めていけるかということについても、できるだけ早くできるようによく状況を見ながらも進めていきたいと、このように思っています。一日でも早くということで、できることからやりたいと、このように思っているところです。
○増子輝彦君 国が積極的にやはり関わり、支援をしていくということが大事だと思っています。
 高速道路の場合はいろんなやり方がありましたよね。のり面、コンクリートでしっかり遮蔽していくとか、様々な取組もありました。今度は、鉄路は、線路が通っている場所とその周りの問題と、様々な部分がやはり線量の問題があります。鉄路このものは、多分私はJRも、民間企業といえどもある程度の負担はしなければいけないと思っていますが、しかし、全部ということになったら、これ膨大な除染費というのが掛かることはもう今までの除染で当然分かっているわけですから、国がどういう形で、特に帰宅困難区域という線量の極めて高いところ、今大臣もおっしゃったとおり、全部完全に除染されてということではない、除染はするけれども一定の数値まで落ちたときにやるということも含めてという話でしたが、ここはやはり国の支援も極めて大事だと思いますので、JRがやらなければいけない部分、国がやってあげられる部分、ここのすみ分け、区別というのも極めて大事だと思いますので、この件についてはそういう方向で国も全面的に支援していくということの理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 鉄道の設備等の除染ということについては、これは基本的にはJR東日本が行うことになっておりますが、除染と復旧工事を一体的に実施するなどの工夫を行う中で、環境省ものり面等の必要な除染を実施するということになります。
 国交省としても引き続きこうした、先ほどから申し上げておりますように、環境省を中心ということにはなるわけでありますけれども、工事はこちらの関係にもなりますから、緊密に連携して、一日も早い全線開通に向けて我々もしっかり取り組んでいくということを申し上げたいと思っております。
○増子輝彦君 是非よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 やはり、双葉郡内を中心として、あの津波災害、地震災害、そして原発災害で大きなやはり打撃を受けている方々、地域の支援というのは、まさに福島の復興なくして日本の再生なし、ただ言葉だけではなくて、しっかりと国を挙げて実行していただきたいと。我々もこのことについてはオールジャパン体制でやっていく必要があるという責任を感じておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 質問を幾つか用意しましたが、もう時間が限られてまいりましたので一部質問ができないところがありますので、御理解をいただきたいと思います。
 一点。今、大きな課題となっていますか、あるいは話題となっていますか、アジアインフラ投資銀行についての参加についていろいろと今取り沙汰されていることは御案内のとおりであります。日本にとっては、アジア開発銀行あるいは世銀等々、日米でしっかりと連携、協調しながらやってきた開発のための融資、投資の金融機関があるわけでありますが、日本は今、改めてインフラシステムの海外展開ということも国の大きな政策の一つになっております。
 先般、西村副大臣もインドに行かれて、そういった関係の会議にも出て、企業も一緒に行かれたということもお聞きしておりますし、かつて私も、実は経産副大臣のときに、それこそ原発の売り込みを中東やベトナムにも、あるいは高速鉄道の売り込みもやってきた経過があります。
 やはり、日本がこれから更に海外でのこういうインフラシステムの展開をしていくときに、今の世銀や今のアジア開発銀行だけで果たして十分なのかなと。やはり、かなりの国が、ましてや欧米、アメリカも何か内々には検討しているという情報もありますが、ヨーロッパのイギリスやドイツやフランスまで参加を表明している。
 確かに問題点は幾つかあるのかと思います。透明性がない、公正な運営ができるのか、あるいは中国だけがいいものを取ってしまうのかという様々な課題があることは事実だと思います。しかし、日本もある意味では入り込んで、その中でしっかりとした透明性を高めて公正な運営をしていけるようなこともやっていくことも場合によっては必要なのかなと。そういった問題がクリアできるかどうか、課題は多いんですが、やはりインフラシステムのこれからの海外での展開ということになれば、国交大臣としても極めてこの大きな一端を担っているわけですから、直接の所管ではなくても。
 そういうこと含めて、国交大臣としてこれについてどのような見解をお持ちになっているのか。できれば私は、むしろ政府内部でよく話合いをしながら、大臣が積極的な発言をされることもまた必要な時期がやってくるのかなというふうに思っていますが、これについての見解をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) アジアを始めとして、インフラシステム輸出というのは極めて重要で、増子先生にもずっと推進をしていただいてきたと思います。
 それで、必ず出てくるのは、技術はもうすばらしいということは分かると、だけれども、何分、資金という点でどういうふうに手伝ってもらえるかというような話になりまして、その中における今回のアジアインフラ投資銀行についてスタートが切られるということの中で、今日の新聞等にも出ておりますように、オーストラリアも表明をしていくという動きの中でどうこれを考えるかということだと思います。
 問題点はもう御承知のことで、御指摘のとおりでありますけれども、現在、政府としては、公正なガバナンスを確立できるかどうか、債務の持続可能性を無視した貸付けを行うことによって他の債権者にも損害を与えることにならないか、こうした点も含めて慎重な検討が必要であるという考え方に立っておりまして、参加については慎重な立場であるということが政府全体の現在の状況であるというふうに思います。
 我々としては、今までの円借款の活用とか、あるいはJBIC、JICA、そして昨年スタートさせていただいた海外交通・都市開発事業支援機構による出資等、これを活用してその事業に最も適した資金面の支援を行うこととしておりますが、そうした基本方針に従いまして引き続いてインフラ海外展開を進めていきたいと、このように思っております。
○増子輝彦君 ありがとうございました。
 通告した質問を全部できませんで、申し訳ありませんでした。今後の委員会の中でまたいろいろと質疑をさせていただきたいと思います。
 本日はありがとうございました。
○田城郁君 民主党・新緑風会の田城郁です。
 まず、冒頭、ドイツのLCC機が山間部に墜落をした、多くの犠牲者が出ている、日本人の方も、はっきりしませんが、二名ほどその中に含まれているのではないかと、そのような情報が入っております。まずは、犠牲になられた方、御遺族の方に御冥福をお祈りしたいと思います。そして、他国での出来事ではありますが、この原因が何であったのか、そういうことを我が国としてもしっかりと把握をし、そして日本の陸海空の交通行政に是非教訓化していただければと、そのように思います。要請です。
 太田国交大臣の所信表明に対する質問をさせていただきます。主に太田大臣にお尋ねしますので、よろしくお願いをいたします。
 まず、江島先生の質問にもありましたコンパクト・プラス・ネットワーク、今回の所信においては、我が国に、急激な人口減少、少子化、異次元の高齢化の進展、巨大災害の切迫などの課題に立ち向かうために、コンパクト・プラス・ネットワークという考え方をベースとして克服すると述べられております。
 過疎地域における小さな拠点と集落とのネットワーク、あるいはコンパクトシティーをつくり、それら個性を持った複数の都市間の交通ネットワークにより、まさに点を線にし、さらに面へと有機的に結んでいくのは、鉄道を中心としたバス、タクシー、デマンド交通等、公共交通の役割であると捉えているわけですが、太田大臣の御所見をお聞かせください。お願いします。
○国務大臣(太田昭宏君) コンパクトという部分でもいろんな誘導型のまちづくりへの展開が大事でありますが、特に都市と都市、あるいはコンパクトシティーにしたという中における公共交通ということの在り方、こうしたことも変えていかなくてはならない局面だと思います。
 小さな拠点ということについての公共交通ということについて申し上げますと、小さな拠点と集落というのをそれぞれ結んでいくという少ない交通需要に対応して、コミュニティーバスであるとか、あるいはあしたはどこに行きますので来てくださいというようなディマンド型の交通というような交通ネットワークを確保するということが極めて大事になってくると思います。
 コンパクトシティーということの中における公共交通ということは誠に重要でありまして、中心市街地と居住エリアを結ぶために、地域鉄道やLRTの活用あるいは需要実態に合わせたバス路線の再編などによって交通ネットワークを形成することになります。駅に向かって直線的に走っていたというこれが、居住があるということからいきますと、高齢者と病院を回りながらというようなコミュニティーバスということが非常に大事になってきますし、あわせて、先週広島で、バス会社がお互いに連携取り合ってバスロケーションシステムというのを導入をしました。それぞれがスマホを見て、現在バスがどのくらい遅れているかどうかというようなことが一目で分かるというような状況の把握ができるということになったわけですが、いろんな意味で、コンパクトシティーにおける公共交通の在り方ということについてはかなり具体的に詰めていかなくてはならない問題だと思います。経済的な問題も、もちろんそこには経営上の問題ということもございます。
 三つ目は、複数の都市、コンパクトシティーとコンパクトシティー、あるいは他地域との連携という意味での大事さがあると思います。この点では、特に鉄道そのものやあるいは道路などの幹線交通というものが必要になると思います。小さな拠点、コンパクトシティーにおける公共交通、そして都市と都市を結ぶという幹線、こういうことで、それぞれ役割は違いますが、プラスネットワークというこのネットワークをつくる上で公共交通が大きな役割を果たしている、ここをよく練り上げたり、そしてバックアップをしていかなくてはいけないと、このように考えているところでございます。
○田城郁君 ありがとうございます。いよいよ公共交通の役割が特に地方において重要になってきた、そのように思います。
 次に、観光立国の推進という観点で質問をさせていただきます。
 観光立国の推進等に関しては、大臣所信で、各地域に外国人旅行者を呼び込むべく、複数の地域が広域的に連携し、滞在するルートをつくり、各地域の観光資源を日本ブランドとして広く海外に発信しますと述べられております。海外の旅行者が日本に行きたいという理由の一つに、日本は親切で丁寧なもてなしが魅力であると、そういうことをよくお聞きいたします。呼び込むではなくお迎えするという人に優しいおもてなしの精神で海外の旅行者をお迎えすることが肝要ではないか、そのように思います。
 春節の時期に、中国から大勢の旅行者が来日をされました。明るいニュースとして報道もされておりました。先日、小さな旅館で、仲居さんたちが、多くのアジアからのお客さんが宿泊してくれたので大変助かりました、有り難く感謝しておりますと、そんなような声もお聞きをいたしました。日本の隅々まで海外旅行者が訪ね歩いていかれる日が近いことを実感をいたしました。
 また、日々の営みの中で、その地域に住んでいる皆様が気付いていない歴史的、文化的に魅力のある地域や、その地域に根付いた伝統工芸等を観光資源として世界に発信していくことが重要であろうと思います。
 その際に、なかなかその地域に住んでいる方々が気付きにくいというこの状況を克服するために、各地域間の交流を盛んにしてお互いの良さを認識し合う、あるいは磨き合う、そんな仕組みを構築することが私は日本全地域での観光発展につながっていくのではないかと考えますが、大臣の御所見をお願いいたします。
○国務大臣(太田昭宏君) 二月は国内の観光等ではなかなか難しい時期であったと思いますが、しかし、ちょうど春節に当たりまして、大変多くの中国を始めとする方々が来ていただいて、今年の一月、二月、もう四〇%を超えるという、昨年からですね、多くの方たちに来ていただきました。これからさらに、ゴールデンルートだけでない地域に多くの外国人旅行者を呼び込む、あるいはお迎えするという戦略性が非常に大事だというふうに思っています。
 今御指摘ありましたように、日本ブランドあるいは地域ブランド発信と、こういうことを更に強めていくことが大事なんですけれども、その辺も更に進めていくためには、名物にうまいものなしなどということをよく言うんですが、うちは大したものないよみたいなことを日本人というのは案外言いがちだったんですが、今はその考え方を逆にして、うちはこんなにおいしいものがあると。まさに、見るもの、食べ物、買物と。どことは言いませんが、あるところへ行って、このお祭りは盛り上がるでしょうと、こう言ったら、いや、大したことありませんよと、こう言っておりましたが、行ってみるとなかなかのものだなと思ったこともありました。
 そういう意味では、今までのブランドというものに気付かないところ、あるいは何か遠慮がちであったこと、こういうことを変えていくということが極めて大事で、見るもの、食べ物、買物、この三つの物について、特にまた見るものについても、文化とか伝統ということがいかに多くの方を呼び込むかということを痛感をしておりますので、そこの知恵をお互いに、御指摘のように、お互いに交換をするというようなことが必要かと思います。
 私も、テレビ等で報道していただいて、例えば四国に祖谷というところがありますが、急に外国の方が、我々が高校時代や人文地理で学ぶと物すごく山の中ということを聞いておりましたが、そこがいいんだということで外国の方が大勢いらっしゃるというようなこともあって、様々な今どういう流れになっているかというようなことをお互いに交換をしながらやる必要があると。
 また、私、北海道に行ったときにも申し上げたんですが、食べ物といっても、いや帯広、十勝はとか、あるいは函館はとか、あるいは札幌ではとか、それぞれこういうのがおいしいとか言うんですけれども、名物は。みんな、そんな帯広へ行くとか函館へ行くとかそういうことで行くわけじゃなくて、北海道に行くということから行くと。もっと極端に言えば、沖縄に行くということは、沖縄に行くと言う外国の方もいらっしゃるんですが、日本に行くためにまず沖縄に入ったという方もいらっしゃいますから、自分の地域に来てくれたというときに、遠慮しないで、日本の代表が、クルーズ船が来たなら来たというところで、よりもう少し幅の広いブランドということを意識して物を売るというようなことも大事なことだというふうに思います。
 相当我々の意識も変わってきましたけれども、まだまだ従来型の遠慮しがちな日本の風土という、その気持ち自体も変えていかなくてはならないと、このように思っておりまして、そのためにも、できるだけ観光庁が前面に出て連携できる会合等も設定をしていきたいと、このように思っております。
○田城郁君 熱く御答弁をいただきまして、ありがとうございます。私も全くそのとおりであります。私も海外に五年ほど生活をして初めて、恥ずかしながら、日本の伝統文化の良さ、そういうものを自覚した経緯がありまして、そういうことからいくと、やはり自分で住んでいるところは気付かない、これをどうやって気付いて、気付くような仕組みをつくって、それで自分たちの良さを自覚し、磨き、それを世界に発信するか、このメカニズムをつくることが大事だと思いますので、是非よろしくお願いをいたします。
 次に、改正タクシー特措法について質問をいたします。
 大臣所信の中で、タクシーの適正化、活性化の取組を推進してまいりますと言及されております。改正タクシー特措法施行後の推移と現状をお尋ねいたしますが、その前に、委員会の議論の前提として、改正タクシー特措法制定趣旨について大臣の御所見をお聞かせください。また、所信の中で、交通の安全、安心の確保という文脈の中でこのタクシー問題に言及されている、そのことについての理由もお聞かせください。お願いします。
○国務大臣(太田昭宏君) タクシーにつきましては、近年の景気低迷による需要の落ち込み等によりまして多くの地域で供給過剰というのが続いていて、その中にまた規制緩和というものがあったものですから、よりそれが広がっていくというようなことがあったと思います。現在においてもその解消が十分に進んでいない状況だと認識をしております。
 また、タクシー事業におきましては運転者の賃金が歩合制であることが一般的でありますが、これを背景にして、供給過剰の下では過度な運賃値下げ競争が発生しやすく、それによって労働環境の悪化や、その結果として安全性の低下などにつながる傾向が強いという特性があると思います。
 タクシー特措法の改正は、こうした点を踏まえて行われたものと承知をしています。供給過剰による弊害等が発生している地域を対象として、その解消のために必要な措置等を講ずることとしたものと考えております。
 所信におきまして、タクシーにおいて交通の安全、安心の確保の項目の中で取り上げたのは、供給過剰がもたらす労働環境の悪化が安全性の低下につながることがあってはならないという問題意識から表現をさせていただいたところでございます。
○田城郁君 特定地域指定の方向性ということでまずお尋ねいたします。
 特定地域を二十九候補地に絞った理由と、東京特別区・武三交通圏、名古屋交通圏が指定候補から外れた理由をそれぞれお聞かせください。
○政府参考人(田端浩君) 特定地域の指定基準でございますが、実働実車率が平成十三年度と比較して一〇%以上減少していること、日車営収等が平成十三年度と比較して一〇%以上減少していること、また、営業区域における協議会の同意があることなど、六つの要件を決めているところであります。
 この特定地域の基準につきましては、運転者の賃金を効果的に引き上げていくという議員立法の趣旨、これを尊重いたしまして、また、客観的な基準の設定をしていくべきであるという両院の附帯決議、規制改革会議からいただいた安易な指定が行われないようにという御意見などを勘案して設定をいたしたところでございます。この指定基準を当てはめました結果、二十九の地域が指定の可能性がある地域となったものでございます。
 御指摘ありました東京・武三地区、名古屋の交通圏につきましては、実働実車率が平成十三年度と比較して一〇%以上減少という状態にはなっていないということ等によりまして、特定地域の指定基準を満たさないこととなっております。
○田城郁君 三十万人以上の都市の線引きという観点で質問いたしますが、特定地域指定を人口三十万人以上の都市に限った理由をお聞かせください。二十九万何千人という都市が数多くありますが、三十万人以上とする根拠についてお伺いします。一人でも三十万を切ると対象外になってしまう、そんなことでよろしいんでしょうか。所期の目的達成、要するに運転手さんの賃金アップというところも大きな目的であると思いますが、実効性あるものにするためにもある程度の幅を設けるべきではありませんか。国交省、お伺いいたします。
○政府参考人(田端浩君) お答えいたします。
 御指摘ありました人口三十万人以上の都市を含む営業区域という指定要件でございますが、この三十万人以上ぐらいあります地域はいわゆる流し営業が多く行われておりまして、こういうエリアは、タクシー事業の供給過剰による弊害が流し営業が行われている地域において顕在化しやすいということで、指定の基準に入れているものであります。
 この流し地域を、供給過剰が起こりやすいエリアというものも基準の一つになっておりますが、まずはこの特定地域制度をスタートさせ、特定地域に指定された地域で供給過剰の解消を一層強力に進めて、特措法の成果をしっかり出していくということを進めてまいりたいと思います。
○田城郁君 流し営業というものが多い少ないでなぜ供給過剰か過剰でないかという判断ができるのか理解に苦しみますけれども、ちょっと時間がありませんから先に進みますが。
 では、この基準でいくと特定地域におけるタクシー車両は何台になるのですか。それは全国のタクシー営業車両総数の何%ぐらいに当たりますか。
○政府参考人(田端浩君) 特定地域の指定基準に基づき指定の可能性のある二十九の地域が実際に指定された場合、指定される地域のタクシー車両は約六万五千台になります。これは全国のタクシー車両総数の約三四%に相当いたします。
○田城郁君 三四%というのは、規制改革会議の全国の営業車両総数の半数を有意に下回る割合とすべきであるというような意見を相当反映しているのではないかというふうに思われますが、そこら辺いかがですか。
○政府参考人(田端浩君) 特定地域基準につきましては、先ほどもお答え申し上げましたように、議員立法の趣旨を尊重をいたし、附帯決議で求められておりました客観的な基準にすべきというような点を踏まえ、また、規制改革会議においても、この法律の効果というのが厳しいというところから、要件の決め方は恣意的にならないように客観的にやるべきだと、こういう御意見を踏まえて指定したものでございます。それを踏まえて基準を客観的に整理をしました。
 その結果、全国の車両台数総数の三四%に相当する地域が指定をされるという可能性があるということになります。
○田城郁君 附帯決議にはちなみに数値的な目標設定はないというふうに思いますが、立法府の意思、そういうものを余り尊重していないような節が私にはどうしても感じざるを得ないということでありますが、時間がありませんから先に進みます。
 タクシー運転手の賃金水準の指定基準ということで、特定地域の指定基準には、タクシー運転手の賃金水準に関する指標として、タクシーの一日当たりの日車営収又は日車実車キロが平成十三年度と比較して一〇%以上減少していることとしておりますが、そもそもタクシーの量的規制緩和は、お手元、黄色い折れ線グラフがありますけれども、お手元のグラフでも明らかなように、平成十四年の二月の道路運送法改正時から実施されたのではなく、平成九年から本格的に行われておるわけです。比較するのであれば、平成十三年の一番下限に近いところではなく平成八年度の数値と比較するべきではないですか。いかがですか。大臣、よろしくお願いします。
○政府参考人(田端浩君) ただいまの御指摘の点、平成十四年の二月に道路運送法、それまでございました免許制、需給調整の規制がございましたが、これを廃止をいたしましたという大幅な制度改正を行っております。
 タクシー特措法につきましては、その後のタクシー事業をめぐります諸問題の解決を図るために制定されました経緯がありまして、特定地域の指定基準であります日車営収などにつきましても、比較の対象といたしましては、この道路運送法の抜本的な改正を行いました平成十三年度を基準として考えているところでございます。
○田城郁君 更に言えば、歩合制を採用しているとはいえ、日車営収あるいは日車実車キロだけの指標では、実際にどれだけ賃金に反映されるのかが分からないのは明らかだと思います。タクシー運転者の賃金アップが達成されなければ、幾ら法律を改正しても全く意味がありません。特定地域の指定によるタクシー運転者の賃金上昇が誰にでも明らかに分かるような労働賃金の指標作りのため、タクシー運転者の賃金の実態調査を実施すべきではありませんか。太田大臣、御所見をお伺いいたします。
○政府参考人(田端浩君) 先生御指摘の特定地域の指定基準として運転者の賃金水準そのものを用いるべきとの御意見あることは承知しておりますが、まず、タクシー運転者の賃金を正確に把握すること、なかなか困難でございます。また、賃金は労使間において決定されるものでございまして、指定基準において一定の金額を示すことにより労使間に影響を与える可能性があることなどから適当ではないと考えているところであります。
 このため、タクシー事業においては歩合制賃金が主体で使われている現状を踏まえまして、タクシー運転者の賃金と連動をするとされております日車営収などを指標として採用することとしているものでございます。
○田城郁君 大臣、今の実態調査の件も含めて、この際、特定地域の指定基準について、人口三十万人以上の都市に限るような指定の在り方を見直したり、タクシー運転者の賃金水準の実態をより明らかにする指標の作成など、タクシー特措法の改正における立法者の意図を行政側が十分に酌み取った指定基準に変えていってもらいたいと、そのように希望しますし、今後の見通しも含めて、皆さん特措法の効果を期待をしているわけですから、是非前向きな御答弁、よろしくお願いします。
○国務大臣(太田昭宏君) 指定基準の具体的な考え方については局長から説明したとおりでありますが、御指摘のことの、立法をしていただいたということ自体の意味は、私はよく承知をしているところでございます。こうした経過等々も踏まえまして、まずは特定地域制度をスタートさせて、特定地域に限定された地域において供給過剰の解消を一層強力に進めて、改正タクシー特措法の成果をしっかりと出していくことがまず現段階では大事であるというふうに考えているところでございます。
○田城郁君 是非、結果の出る、そういう行政をお願いいたします。
 次に、JR北海道の成果と課題ということでお伺いいたします。
 国交省として、向こう五年間、JR北海道を常設の監査体制で監督するという方針から約一年がたちました。この間の成果と課題をお聞かせください。太田大臣、お願いいたします。
○国務大臣(太田昭宏君) 昨年の一月に、事業改善命令、監督命令としまして、JR北海道が講ずべき措置を実施を命じました。これに基づきまして、JR北海道からは必要な措置の実施計画が提出をされております。国交省としましては、その進捗状況について定期的に報告を受けているところです。また、JR北海道に対しまして常設の監査体制をしきまして、取組状況を継続的に確認をしてきました。私も随時、北海道に行ったときにはお話を聞いてきたところでもありますし、先日も島田社長、また、北海道に行ったときには西野副社長等とも報告を受けたところでございます。
 その結果、全体的に言いますと、安全意識がかなり徹底されてきた、現場に至るまでそういう意識があると。鉄道マンはもう何が何でも動かそうということに当然なるわけでありますけれども、それでも危ないというときには止めるということもまた大事な勇気であるという、その安全意識というものが徹底されてきたということを報告をいただき、また、私も現場の人にも話をしますと、そういう声が返ってきています。
 安全に関する意識の徹底、そして知識の向上のための教育訓練体制の再構築、改ざん防止、効率的な作業を実現するための新型の検査機器の導入、あるいは本社と現場との意思疎通のための体制の整備、安全統括管理者を中心とする安全管理体制の再構築、こうした本社、現場を問わず、取組は進行しつつあるという認識をしております。
 この安全意識が次第に定着をしてきているという印象でございまして、さらに、今までの取組を形骸化させずに、折に触れてその必要性を個々の職員にも意識させるような工夫を続けていきたいと、このように思います。さらに、JR北海道に必要な対策が確実に実行できるよう指導監督をしていきたいと思っているところでございます。
○田城郁君 ありがとうございます。
 私も運転士時代は、止める勇気と動かす努力、こういうものを合い言葉に運転をしていた、そういう体験をしております。
 しっかりとJR北海道を見守っていただきたいと思いますし、北海道で、全国的にですが、トラック運転手の不足によってトラック輸送がなかなか担い手がいないという中で、特にJR北海道、貨物への鉄道輸送の期待というものも高まっております。そういう中では、JR北海道に対する支援というものは北海道全体の物流への支援だということにも結び付いてくるということにも私は思っていますので、是非特段の御配慮をよろしくお願いをいたしまして、質問を終わらさせていただきます。ありがとうございます。
○委員長(広田一君) 午後一時に再開をすることとし、休憩をいたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(広田一君) ただいまから国土交通委員会を再開をいたします。
 休憩前に引き続き、国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、国土交通行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○金子洋一君 お疲れさまです。民主党の金子洋一でございます。いただいた時間が三十分でございますので、簡潔にまいります。
 まず、福岡で白タク行為を実験と称して行っておりましたウーバー社についてお尋ねをいたします。
 このウーバー社というのは、時価総額が恐らく四・七兆円ということで、これはJR東日本やJR東海が約三・五兆円、それぞれですから、それよりはるかに大きい。日産が五・七兆円ですので、日産より若干小さいというくらいの大企業でございます。
 ところが、そんな巨大企業であるのにもかかわらず、非常に立ち振る舞いががさつでございまして、実はドイツ、フランス、スペイン、オランダなどで営業停止命令が既に出ていると。そして、英米でも国会などで問題になっている会社であるということであります。かつ、会社が海外にございますので、幾ら利益を上げても我が国に納税をしないという会社でもありますし、また、これも報道ベースなんですが、反応が遅いと。国交省からお尋ねをしても反応が遅い。かつ、英文でメールが戻ってきたりするというような会社であります。
 このウーバー社というのは、福岡で白タク実験をやったんですけれども、事故発生時に損害補償会社が白タク行為をやっていたときにもきちんと保険金を払うのかどうかについて、本人はチェックをしたというふうに言っているんですが、国交省さんが再チェックをしたら本当に払われるかどうかよく分からないというようなこともありました。極めてずさんな会社です。
 このウーバー社が、当局と話合いを継続していくというふうに報道されておりますけれども、果たしてこういった組織、会社と国交省がきちんとした話合いができるのかと。これ、大変厳しい態度で臨まなければいけないと思うんですが、国交省、いかがお考えでしょうか。
○政府参考人(田端浩君) お答えいたします。
 ウーバー社、先ほど御指摘いただきました保険の関係につきまして詳細な説明を求めたところ、仲介をする会社を通じての確認にとどまっていた、あるいは車両の使用目的の変更等の手続が必要となる可能性、この点についても確認がされていなかったなど、大きな問題がございました。したがって、ウーバー社に対しまして中止をするよう強く指導をしたところでございます。
 委員今御指摘の、ウーバー社が言うところのライドシェアというところは、実態として有償で旅客運送をするものでありまして、道路運送法に抵触するものと考えられます。事故が起きた場合の保険の適用についても今申し上げましたように確認が不十分でございますので、ドライバーや利用者の保護等の観点から問題があると考えております。
 旅客の運送につきましては、安全の確保や法令遵守が大前提でございます。これらについて懸念がある形でのサービスや事業が行われることのないよう、引き続き注視をし、厳しく指導をしていきたいと考えております。
○金子洋一君 ありがとうございます。
 要するに、会社として、まあ人としてと言った方がいいかもしれませんけれども、信頼できないところだというふうに私は受け止めております。そして、その信頼できない会社を相手に、例えば霞が関から、永田町から東京駅まで行ってくれというふうに消費者が連絡をすると。で、これが通常のタクシーでありましたら道路運送法の厳しい基準で安全に運んでくれると。ところが、ウーバー社のようなところを通じて頼んだ場合には、結局、安いかもしれないけれども、果たしてそれが安全性にしわ寄せが来ているかもしれないというような可能性まであるわけです。
 これは、二年前ですか、二〇一二年の関越道の高速ツアーバスと似たような構造があると思っております。一般の消費者から見ると、高速ツアーバスとそして路線バスの区別というのは付かないわけです。ところが、やっぱり中身は歴然と違うと。で、結果的にああいう大事故が起きた。今回のこのウーバー社の行為にしても、これは東京でもアプリで呼ぶようなことをやっているということですけれども、結果的にまたこうした事故も起きないとも限らないと思います。要するに、通常の消費者から見たらどれがどれなのか分からないという大変危険な内容があると思っております。
 そして、東京でタクシー配車サービスをやっているわけですけれども、旅行業と道路運送法を用いた言わば、良く言っても新しいといいましょうか、目を引くようなサービスの提供、サービス形態の導入について、今後どのように考えていくのかと。つまり、消費者にとっては安全が大事です。経営者にとっては、これは健全な経営ができることが大事です。そして、タクシーの運転者にとっては、これは賃金、給与、労働条件、こうしたものが大事です。果たしてこうしたものがきちんとした形で確保されるようなものになっていくのかどうか。もちろん、そういったことが損なわれるようではどうしようもならないわけですけれども、この点について大臣の見解をお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) ウーバー社は、東京におきましてもスマートフォンを用いて旅客と運送事業者とを仲介して配車を行うというサービスを提供しているところです。このサービスは、ウーバー社が旅行業法に基づく旅行業者として実施しているものと承知をしています。
 しかしながら、このような場合も、実際の旅客の運送を担っているのは道路運送法の許可等を有するタクシー事業者であり、当然のことながら、同法に定められた安全性確保等に係る規定を遵守する必要があります。したがって、御指摘のような形態でのサービスの提供についても、タクシーの公共交通としての安全性、健全な事業の運営、運転者の労働環境、これらが確保されるべきことは当然であり、ウーバー社及び同社と提携しているタクシー事業者に対ししっかりと指導してまいります。
○金子洋一君 ありがとうございます。
 まさにそういった御配慮は必要だと思います。思いますけれども、そうしたことをきちんとやっていても関越道の高速ツアーバスの事故というのは起きてしまった。あれも旅行業法と道路運送法できちんとやっていたはずなんです。それでもああいうことが起きた。今回も起きない可能性というのはありませんよ。それに早く手を打つ必要が絶対にあるんじゃないかと私は思います。
 今日は時間がありませんので、また今後取り上げさせていただきたいと思いますので、どうか大臣もよろしくお願いいたします。
 ちょっと駆け足で次の問題に移らせていただきます。次は、トラックの問題でございます。
 高速道路のサービスエリア、パーキングエリアでトラック、大型車の駐車スペースがございますけれども、これが特に平日夜間などは大変いっぱいで、満車になっていてなかなか止まれない状況です。特に、割引が、今年度の去年二〇一四年の四月一日から、深夜二十四時から朝四時までということで時間が短くなってしまいましたので、トラックもその時間に集中をして来ております。
 高速道路と一般道路を比較をしますと、高速道路の方が一般道路と比較をして事故が起きる確率が十分の一あるいは十二分の一でしょうから、できるだけ、高速料金は掛かりますけれども、高速道路を走っていただくことが望ましいというふうに思うわけですけれども、トラックのドライバーには、簡単に言いますと、四時間運転をしたら少なくとも三十分は休憩をしなきゃいけないという最低限の労働基準、改善基準告示というものがございます。ところが、厚労省の調べによりますと、改善基準告示の水準をちゃんと守っているところというのはなかなか多くない、慢性的に三割から四割ぐらいの事業所がそれを守っていないということであります。
 その大きな要因として、やはり、大きな要因と申しますか、その一つの要因として、それだけではないと思いますけれども、一つの要因として、トラックの駐車スペースが高速道路に少ないということが、不十分であるということが言えると思います。これをどうやって今後、もちろんこれトラックは公道の上を走るわけですから、民間企業の側での改善努力というのももちろん必要ですけれども、やっぱり国の取組というのはどうしても必要になると思います。
 この点、大臣、今後どういうふうにお取り組みいただけるのか、よろしくお願いします。
○政府参考人(深澤淳志君) お答え申し上げます。
 高速道路の休憩施設は、委員御指摘のように、過労運転による事故の防止あるいは利用者へのサービスの向上の観点から大変重要な施設であると考えております。高速道路会社では、これまでも計画的に休憩施設を整備してきております。東名、新東名高速道路を例に取りますと、この五年間で休憩施設十四か所、大型車駐車場約一千二百台分を増設するなどしてその確保に努めてきたところであります。
 一方で、既存サービスエリア等の駐車スペースの増設につきましては、土地や費用面からの制約、あるいは閑散時間帯には利用されないスペースも生じるといった課題があります。したがって、他のサービスエリア、他の休憩施設と連携した分散利用なども含めまして、利用者の方々ともよく相談しながら総合的な対策が必要であると考えております。引き続き、実態を確認しながら検討してまいりたいと思います。
 以上です。
○金子洋一君 ありがとうございます。
 確かに、ピーク時にはいっぱいになるけれども、それに合わせたら平常時には閑散としてしまう、それにコストが掛かるというのは分かります。でも、例えば昔の豊橋料金所のように、約三万平米あるものが少なくとも現状では利用されていないと、そういったものを転用するというような手もあろうと思いますし、また、御答弁の中でおっしゃいましたけれども、ほかの施設を使うということです。
 ところが、慢性的に、例えば東名高速なんかでしたら辺り一帯が混んでいる、ピークタイムには混んでいるわけですから、じゃ外に下りるということになると、外に下りると長距離逓減割引の対象外になってしまって、結果的に高速料金が高くなってしまうということが現時点ではあるわけです。
 そこで、その長距離逓減割引を、ちょっと休憩のために出た場合には引き継いでやるというような手続が必要になってくると思うんですけれども、この辺り、いかがでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 高速道路の料金につきましては、長距離利用を促進して高速道路ネットワークの効率的な利用を図る観点から、利用距離に応じて料金を逓減する制度、御指摘の長距離逓減料金制度としているところです。
 現在、休憩施設などに立ち寄るため高速道路の外へ退出した場合には、長距離逓減料金は継続されないということになっています。しかし、今年一月の国土幹線道路部会の基本方針では、高速道路の外にある休憩施設等を利用するため一定時間内に一時退出した場合であっても利用者の負担が増えないような料金体系を構築すべきと、このようにされているところです。
 先ほどの質問にもありましたが、長距離のトラック等の労働条件、環境というようなことの中で、休憩をしなくてはならないというときに、高速道路の中でそれを増やすというようなことがなかなか現実的には難しかろうと。若干増えているということは今道路局長からございましたけれども、そういう状況でありますが、この国土幹線道路部会の基本方針が、今年一月、そういう方向性が出ておりますものですから、この高速道路料金については、財源確保という課題もありますが、この基本方針も踏まえながら、様々な意見をいただきながら今後検討していきたいと、このように思っているところです。
○金子洋一君 ありがとうございます。是非、この基本方針を踏まえて、利用者の側に立った形で進めていただきたいと思います。
 あと、さらに、ピークタイムの交通量のコントロールということになりますと、現実には、大口・多頻度割引とそして深夜の時間帯割引をうまく組み合わせて、うまいこと理想の状態に持っていかなきゃいけないということでやっておられると思うんですが、やはり、先ほどもちらっと申し上げましたけれども、昨年の四月一日以降、深夜割引の時間帯が狭まった、それ以前は午後八時から午前六時までだったものが、二十四時から午前四時までですか、に狭まったと。その結果、よりその時間に集中をするようになった、あるいはその時間を待って、高速道路の上り線などですと東京料金所の手前でずらっと待っているような状況に陥ってしまったというところがあると思います。
 もちろん財源の問題もあるとは思いますけれども、この特に深夜の時間帯の割引の対象となる時間をもうちょっと延ばすというようなことで対応ができないでしょうか。
○政府参考人(深澤淳志君) お答え申し上げます。
 東名高速道路の海老名サービスエリアやあるいは東京本線料金所などにおいて、料金割引が適用されるために時間調節する車両が滞留して渋滞などを発生しているということは私どもも認識しております。委員御指摘のように、これを仮に長くしても、必ずそこのところでは、ピークがずれるだけであって滞留してしまうと、そんなこともございます。
 それで、平成二十六年四月から新しい料金割引を適用しているわけでございますけれども、それに当たっては、国土幹線道路部会の中間答申なども踏まえまして、もう全時間帯で割引をするいわゆる大口・多頻度割引、これを従来の三〇%から五〇%ということで引上げをさせていただいております、拡充させていただいています。
 他方、深夜割引は、交通量に余裕のある高速道路の利用を促進するという意味で、市街地の沿道環境を守るという意味もございまして、やっぱりある時間帯に設けるということも意味のあることかなというふうに考えております。
 引き続き、高速道路の利用の平準化を図るため、高速道路会社と協力をしながら、割引制度の趣旨もよく踏まえ、様々な手段で利用者の方々に周知してまいりたいと思っております。
 以上です。
○金子洋一君 ありがとうございます。
 ここは国交省の皆さんに、あるいは大臣に申し上げても仕方ないのかもしれませんけれども、やはりリーマンショックへの対応の経済対策で割引の基金と申しましょうか資金ができたけれども、それを使い切ってしまったということがかなり大きな要因になってくるんだろうと思いますし、これを国交省の皆さんにやってくれと言ってもなかなか査定官庁がどう言うか分からないというような問題もあるんだろうと思いますので、そこら辺は我々も努力をしなければいけないんだろうなと思いますが、またちょっと時間の制約がございますので、次の問題に移らせていただきます。
 自動車の関係諸税についてお尋ねでございます。これ、まず総務省にお尋ねをしたいと思います。
 消費税再増税の延期によりまして、自動車への環境性能課税の導入についてはこれは延期をされましたけれども、そもそも環境性能課税というのは、自動車取得税の廃止、これの単なる付け替えであり、これは全く不適当だと思います。私どももこの自動車取得税をできるだけ早く廃止すべきだということで、様々な形で活動をしてまいりました。政府への働きかけなどもしてまいりました。しかし、それが達成をされても似たようなものが入ってくるというんじゃ、これは余りにも余りだと思います。
 これについて、所見を問いたいと思います。
○政府参考人(青木信之君) お答え申し上げます。
 平成二十六年度の与党税制改正大綱におきましては、自動車取得税は消費税率一〇%への引上げ時に廃止をする、消費税率一〇%段階において、平成二十五年度の与党税制改正大綱を踏まえ、自動車取得税のグリーン化機能を維持強化する環境性能課税を自動車税の取得時の課税として実施すると、こうされているところでございます。平成二十四年八月に成立をいたしました税制抜本改革法の第七条を踏まえ、自動車取得税の廃止により自動車税制のグリーン化機能が後退することがないようにするほか、代替財源を確保するという観点からこうした方向になったものと考えております。
 平成二十六年度の与党税制改正大綱で示されました環境性能課税は、本則上、燃費値に応じて税率を変動させる仕組みとして環境性能を課税の柱に組み込んだという点で、自動車取得税から考え方を転換したものと受け止めているところでございます。また、この大綱におきまして、環境性能課税について、課税標準の在り方や税率の仕組み、税収規模、自動車税のグリーン化特例との関係等に関わる具体的な方針が示されているところでもございまして、その方針に沿って対応してまいりたいというふうに考えております。
○金子洋一君 図らずも、総務省という同じ役所が取得という同じタイミングで、そして同じ金額を確保したいということをお認めになったわけで、どう考えてもこれはおかしな話です。全く納得はいきませんけれども、国交委員会でございますので、ここはこのぐらいにさせていただきます。
 続いてエコカー減税ですけれども、これは二年延長はされたとは申しましても、その対象となる基準が更に厳しくなったということで、これは明確な増税であるというふうに私は考えております。この増税は、消費増税によって自動車販売が大幅に下落をしたというような現時点で極めて不適切だと考えておりますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 エコカー減税についてでございますが、エコカー減税、グリーン化の観点から、環境性能の高い自動車への需要を喚起、促進するための制度でございまして、定期的により高い燃費水準に対象範囲を重点化することで、更に優れた環境性能の自動車の普及を図る仕組みでございます。また、燃費技術の向上に応じて対象範囲が拡大をいたしまして税収が減少することから、安定的な財源の確保の観点からも、定期的に対象範囲を見直す必要があります。こういった観点からエコカー減税を考慮する必要があると考えております。
 平成二十七年度税制改正においては、エコカー減税の対象車が新車の九割程度を占める中で、こうしたグリーン化、安定的な財源の確保、それから足下の自動車の消費を喚起することにも配慮する観点を総合的に検討いたしました結果、エコカー減税の対象範囲について、最新の二〇二〇年度燃費基準に置き換えるとともに、二年間の経過的な措置として、現行の二〇一五年度燃費基準によるエコカー減税対象車の一部を引き続き減税対象とするなどの措置を講じたところでございます。
 今回の改正の結果といたしまして、平成二十七年度の減税対象車は新車の九割程度と、足下と同程度になるものと見込まれておりまして、自動車重量税、自動車取得税共に、国内の自動車販売にも十分に配慮した措置となっていると考えております。
○金子洋一君 やはりタイミングが悪いと思います。大きく落ち込んだところですから、それを配慮しなければいけないと思います。
 また、今回こうした形で実質的に増税となるわけですけれども、これによって自動車産業から入ってくる法人税がどのくらい落ちるのかというようなことは計算をしておられるでしょうか。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 法人税収のお尋ねでございますけれども、平成二十七年度の法人税収につきましては、二十六年度の補正税収を基に、平成二十七年度政府経済見通しの各種指標を踏まえながら見積りを行っているところでございまして、法人税収の見積りは、経済動向、税制改正を踏まえたマクロ的な試算でございます。したがいまして、平成二十七年度の法人税収について、エコカー減税の見直しのみによる効果を切り出してお答えすることは難しいということを御理解いただければと思います。
○金子洋一君 いや、つまり、同じ財務省という同じ省庁の中の主税局という同じ局の中で一つの課が増税をしたと。一方で、じゃ、その一つの課が増税したことによって別の課の所掌をしている税金にどういう悪影響があるのかということを、これをまず把握をしなきゃ、じゃ、全体としてどうなるのかというのは絶対分からないわけです。こういうことがやはり役所としての仕事のまずさにつながっていると思います。
 これがもっと大きくなっていくと、消費増税をして消費税収は上がったと。しかし、じゃ、その消費増税が起きたことによって個人消費が落ちると。個人消費が落ちたことで所得税とかあるいは法人税の税収が減るというようなことが起きるはずなんですけれども、そういうことに対する目配りもないわけです。そういうことがずっとつながっていくと、自動車産業だけじゃありません、我々全体、かなり厳しくなると思います。
 でも、財金委員会じゃありませんので、最後の質問に移ります。タクシー改正特措法に戻らせてください。
 タクシー改正特措法で、指定要件について日車営収が賃金の水準の指標として入っております。しかし、これはやはり乗務員の平均賃金を入れるべきだと思います。立法趣旨からしてそれを入れるべきだと思います。
 また、人口三十万人以上というのは流しが多いからだという御説明をいただきました。しかし、こんな、恣意的なと言うと失礼かもしれません、アドホックな指標をお使いになるよりは、例えば無線配車のその場所でのタクシー台数に対する比率とか、そういった統計データを使って、そして決めていった方がいいんじゃないでしょうか。結局、規制改革委員会に二分の一までは行っちゃ駄目よと言われたから二十九地域、三四%、三分の一ならいいですねということで、恣意的にカットするために使ったとしか思えないわけです。
 基準の指標を直ちに見直すべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(田端浩君) お答えいたします。
 ただいま御指摘ありました、乗務員の平均賃金を取り入れるべきではないかという点でございます。賃金を正確に把握するのはなかなか困難であるということ、あと賃金は労使間で決定されるということでありますので、この辺りは、一定の金額を示すことで労使間に影響があるという可能性で、適切ではないと考えているところであります。
 また、供給過剰状態が非常に起こりやすいというところが流し営業が多く行われているということでございますので、ここで人口三十万人以上の都市を含む営業区域というようなことで今般の指標に取り入れているところであります。
 指標につきましては、客観的かつ恣意的でない形で我々もいろいろ努力をしてまいりたいと思っているところであります。現在、きちっと把握ができる指標の中で、できるだけ客観性を持たせた努力をしてまいっているということを御理解いただければと思います。
○金子洋一君 納得がいったわけじゃございませんけれども、時間が参りましたので、また今後も議論をさせていただきたいということを申し上げて、終わりにさせていただきます。ありがとうございました。
○河野義博君 公明党、河野義博でございます。
 初めに、タクシー業界を取り巻く環境について質問いたします。
 地域交通を支えるタクシー業界でございますが、その運転手の年間所得は、全産業平均五百三十六万円に比べまして約半分、三百二万円。労働時間も、全産業平均が二千百七十二時間に対して、タクシー業界というのは二千三百四時間、平均よりも長い。そして、さらに平均年齢も、全産業は四十二・九歳なんですが、何とこれは五十八・七歳と高齢化も進んでおりまして、構造的な問題を多く抱えております。最大の原因は、国交省さんも今取り組んでいただいておりますけれども、やはり車両の供給量が多過ぎる、供給過剰の状態にあるというふうに考えております。
 そんな中、大臣所信の中にも、タクシーの適正化、活性化の取組を推進すると御発言がございました。まずは、太田大臣にその具体的な内容をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) タクシー事業につきましては、供給過剰の解消が現在も十分進んでいないという状況にございます。このため、御指摘のとおり、運転者の所得水準が低い、長時間労働である、高齢化が進んでいるなどのこうした労働環境面での問題が生じているという認識をしております。
 供給過剰の解消を通じてこうした問題の解決を図るためにタクシー特措法が一昨年十一月に改正をされて、昨年の一月二十七日、施行後約一年二か月が経過いたしました。その間、昨年四月には準特定地域、現在百五十三地域でございますが、これにおいて公定幅運賃制度が導入されております。
 また、特定地域につきましても、今年一月三十日に指定基準を策定いたしました。現在、指定の可能性がある地域、全国二十九地域におきまして協議会の開催等の準備が進められておりまして、今月十七日には秋田市におきまして、秋田交通圏の協議会において、全国で最初となります指定への同意がなされた状況にございます。今後、他の地域についても順次協議会が開催されるものと見込んでいるところです。
 活性化ということを、私、大臣所信で申し上げましたが、この改正タクシー特措法では、こうしたタクシー事業の適正化のための措置と併せまして活性化の取組も進めていくこととしております。いわゆる陣痛タクシーなど妊産婦向けのサービス、あるいはスマートフォンアプリを活用した配車サービス、観光タクシーの普及拡充、こうした様々な活性化の取組を通じて新たな需要の掘り起こしや利用者利便の向上に取り組んでいくことが非常に重要だと考えております。
 適正化と活性化、この両面にわたっての取組を進めることによりまして、タクシーが利用者にとって更に安全で安心して利用できる交通機関となるよう取り組んでまいりたいと思っております。
○河野義博君 活性化と適正化の両輪という、まさにそのとおりだと思っております。新たな需要を拡大をしていく大切な取組だと思います。まだまだ、福祉でのサービス利用や過疎地でのサービス利用という需要もこれから十分に掘り起こしていける可能性があると思っております。
 また、関連して伺いますけれども、供給過剰を解消するために特定地域を設ける、そして新規参入を禁止をして増車も禁止する、供給過剰状態を解消していくという取組の中で新たに特定地域を指定するということでございました。この特定地域にありましては、強制力のある供給削減措置をとるとされておりますけれども、特定地域に向けた、対象二十九地域と伺いました、秋田市が先駆的な名のりを上げられておると伺っておりますけれども、その他の地域も含めて、現状の指定に向けた見通し、これを自動車局長、伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○政府参考人(田端浩君) 新たな特定地域指定に向けた見通しでございますが、ただいま大臣から申し上げました、十七日には秋田交通圏で最初の指定の同意がなされたと承知しております。また、今月二十七日には仙台市及び新潟市において協議会が開催されると承知しております。
 個々の協議会の同意の見通しについては、それぞれ協議会の議論で決まるところでありますので、現時点で見通しは承知はしておりませんが、協議会においてしっかりと御議論されるということを私どもとしては期待をしております。
○河野義博君 地元のタクシー協会の意見を承ってまいりました。当初は、供給過剰にございますので是非とも特定地域にしようと考えていたんですけれども、ちょっと今考え直すタイミングにも来ているというような話でした。
 理由を伺いましたところ、ジャンルがちょっと変わるんですけれども、特に新興のタクシー企業、元気のいいタクシー企業がおられまして、公定幅運賃すら従わないというところもある、そして、行政訴訟を起こしてくるようなところがあるという中で、新たに特定地域に指定をして減車の予定を立てても、公定幅運賃すら従わない業者たちが果たして減車に応じてくれるのかというような不安からちょっと二の足を踏んでいるというような状況も伺いました。
 真面目に減車をしているところもある一方で、真面目な人がばかを見るということがあってはならないんですけれども、国交省としてはこういうようなお声、どのように受け止められておられますでしょうか。
○政府参考人(田端浩君) お答え申し上げます。
 タクシー特措法、政府提案で二十一年に成立しました。この中で、自主的に供給過剰状態解消のために減車に取り組む、こういう努力を一生懸命されている事業者さん、多くいらっしゃいます。一方で、なかなかそれに協力的でない方もいらっしゃいまして、その不公平感というものが課題でございます。不公平感の解消の視点も踏まえて改正特措法が議員立法で成立をしたと、このように理解をしております。
 私どもとしましては、協議会の役割が非常に重要でありまして、この協議会に地域の事業者、できるだけ多く参加をし、この改正特措法の趣旨、供給過剰状態をできるだけ早く解消していく、こういうことに多くの事業者が参画をし、やっていく必要があると考えております。
 また、特定地域に指定をされることになった場合においては、改正特措法に決められておりますけれど、一定の必要な要件に当たる場合においては、いわゆる営業方法の制限などによる供給力の削減についての勧告であるとか命令というものができる仕組みとなっているところであります。
○河野義博君 地域の主体性というのを重要視していかなければならないというのは論をまちませんけれども、一方で、こういう足並みがそろっていないという状況も大きな問題としてしっかりと受け止めていただいて、地域任せにしているとは思いませんけれども、しっかりと国としても関与をしていく必要があるんだろうなと思っております。地域のタクシー事業者が全体として受け入れられる計画をどうやって立てていくのか、そして着実に執行がされるような計画であらなければなりませんので、しっかりとサポートをお願いしたいと思っております。
 次に、私の地元福岡市で、アメリカのカリフォルニア州のITベンチャー、ウーバー社が、ライドシェアの実験を行いました。建前上は、これは料金を取っておりませんので、道路運送法の適用外ということで、あくまで実証実験という立て付けで、無料でライドシェアサービスを行っている実証実験が行われました。その実験の内容、また、当局として御対応いただいた対応の内容を併せてお聞かせください。
○政府参考人(田端浩君) 福岡で行われた、ウーバー社がいうところのライドシェアでございますが、タクシーの運転者の免許を持たない一般のドライバーと利用者をスマホアプリで仲介をいたしまして、ドライバーが利用者を運送するものであります。ドライバーに対しては、ウーバー社が一定の対価を支払うということとされておりました。
 安全確保や法令遵守は大前提でありまして、許可等を得ることなく、いわゆる白タク行為を行うことは認められません。利用者以外が料金を負担する場合であったとしても、この運送に対する対価が支払われている場合には道路運送法に抵触することとなります。福岡でウーバー社が仲介して行われていました形態は実態としては有償で旅客を運送するものでありまして、道路運送法に抵触すると考えられます。また、事故が起きた場合の保険の適用についての確認が不十分であることから、ドライバーや利用者の保護の観点からも問題があると考えます。
 このため、ウーバー社に対しては中止をするよう指導をいたしました。ウーバー社からは、ドライバーとの契約を三月四日をもって打ち切り、現在は行っていないと報告を受けているところであります。
○河野義博君 二月五日にウーバー社が始めた実証実験を、二月二十七日には中止命令を出していただいて、三月四日には実証実験も終わったということで、迅速な御対応、感謝申し上げるところであります。
 一方で、この実証実験以外にも、ウーバー社が実際に東京で旅行業の名目で配車サービスを行っております。配車サービスで料金を徴収をしておりますので、これは道路運送法ではなくてあくまで旅行業だという立て付けでございますが、一方で、クーポンを配って実質的には公定幅運賃に収まらないような形のサービスを結果的に利用者に提供ができているという状況にもあります。これは、道路運送法と旅行業という観点から業務自体を問題視する声もある中で、しっかりと実態把握をしていかなければならないんだろうと思っております。
 また、同様の会社がアメリカのリフトという会社、こちらには楽天がこの度三億ドル出資をするようになりました。タクシー業界からは、楽天もライドシェアに参加してくるんじゃないかというような不安の声も聞かれます。是非とも、国交省としてもこういった業態の実態把握をしっかりと進めていただいて、業界の適正な環境整備に努めていただきたいと思っております。
 続いて、自動車整備業界に関する問題を伺います。
 大臣所信にもございますように、交通の安全確保というのは最優先の課題でございます。その最先端の役割を最前線で担っていただいているのが自動車整備事業者なわけですけれども、その大半は中小零細企業でございます。十人以下の会社が多い。一方で、年間の整備売上げというのは日本全体で四・五兆円に上り、大事な一大産業なわけであります。一方で、中小零細企業が多い。しっかりと彼らの話を聞きながら、一緒に自動車整備事業者の環境整備、これも整えていくべきなんだろうと思っております。
 今年度、平成二十六年度には二億四千万円の予算措置を行いまして、自動車点検整備の促進、そして無車検・無保険車対策の強化を行ってまいりました。この一年間掛けて取り組んできた対策、その内容と、そして成果で分かるものがあれば、是非教えていただきたいと思っております。
○政府参考人(田端浩君) 自動車は時間の経過や走行により劣化をいたしますので、この自動車の安全、環境性能を維持する上で、適切な保守管理の実施が重要でかつ基本的なものであると認識をしております。現在、点検整備の実施状況の中で、車検と車検の間に実施します中間点検の実施率、乗用車で五割程度となっているという状況であります。国交省といたしましては、自動車ユーザーによります点検整備の促進、また未認証工場対策、無車検・無保険車対策、これが重要ということで総合的に取り組んでおります。
 まず第一に、点検整備の促進につきましては、関係機関と連携した点検整備推進運動の実施や、車検時に点検整備が未実施であったユーザーへの三十九万通の啓発はがき、送付をいたしまして、重要性を周知をいたしました。さらに、昨年二月から、自動車の車検証への記載による点検整備状況のユーザーへの情報提供、これを開始をいたしました。あわせて、劣化、摩耗による基準不適合車になった自動車に対する点検整備勧告の発動の要件を見直しをいたしました。これによりまして、年間数件でありました点検整備勧告は、二十六年四月から十二月までの間で約五百四十件発令をいたしております。
 次に、第二に、地方運輸局長の認証を受けずに分解整備を行う未認証工場、これにつきましては、安全確保において非常に支障がありますほか、車検代行を依頼したユーザーに整備が実施されたと誤認させるなどの悪質な問題もございます。このため、今年度から車検代行業者を利用しました約十万のユーザーを抽出いたしまして、点検整備の実施状況や違法行為についてのアンケートを行っております。得られた情報を今後の立入調査、指導に活用してまいります。
 第三に、無車検・無保険車につきましてですが、安全環境上の問題があるのみならず、事故の被害者の方に適切な補償がなされないということから、車社会の安全、安心を確保する上でこの排除をしていくことが極めて重要です。今年度から強化を図ったところであります。今後も引き続き対策を取り組んでいきたいと思います。
○河野義博君 対策を前に進めていただいておりまして、感謝を申し上げます。一方で、それがより実効的になされなければならないと考えています。はがきを三十九万通出していただく、アンケートを行う、正しい方法論だと思いますけれども、もっと実効的に、実効性を高めるような努力も、民間の力を使ってやるというような視点も大切ではないかなと思っております。
 ガソリンスタンドに依頼をして、車検がちゃんとなされているかチェックをしてもらうというような取組もやっておりますけれども、なかなかガソリンを入れてくれるお客さんに対して、車検がなされていなかったからそれを通報するという、そもそものところでハードルも掛かると思います。
 私は、二〇一二年までロンドンに住んでいたときがございました。ロンドンでは民間に取締りを委託をしておりまして、そこらじゅうに民間の方々がおられます。駐車違反をしますと、もうすぐ切符切られます。彼らはインセンティブ制をもってやっておりますので、検挙数に応じて給料が増えていくという中で、本当に至る所におります、すぐ切られます。
 また、切符が届くと、その切符も、ちょっと正確な金額は覚えていませんが、罰金が例えば二万円としますと、二週間以内に払えばこの罰金が一万円になりますといううまい持っていき方をすると。そうすると、誰でも二万円よりは一万円がましといって払っちゃうんですね。そうすると、やっぱりしっかりと国としての収入も確保できるといった点もあるんだろうと。民間の知恵も活用しながら、民間の知恵と力を使っていくというのは大事なんだろうと思っております。
 また、国が無保険事故への支払というのを行っておりますけれども、これは年間十億円にも上るそうです。費用と費用対効果も考えながらしっかりと、民間に任せられるときは任せていくというような視点も是非取り込んでいただきたいなと思っております。
 そんな中、無車検車、無保険車の把握をするためにナンバー自動読み取り装置を設置をして、その実態把握に努められていると伺いました。このナンバープレート読み取り装置、どういったことをやられているのか、どういった場所でやっておられるのか、ちょっと具体的に教えていただければと思います。
○政府参考人(田端浩君) ただいま御指摘いただきましたナンバープレート読み取り装置でございますが、道路に設置をいたしまして、サンプリング的に走行車両のナンバーを読み取り、そのデータと検査登録情報システムとの突き合わせを行いまして無車検車、無保険車を特定し、これを直接指導、警告する取組を始めました。
 今年度は初年度ということもありまして、一セットの読み取り装置により全国でナンバーを読み取る車両の台数でございますが、約十三万台でございますけれど、無車検車の走行を抑止する効果が期待されますので、今後、この拡充に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○河野義博君 是非拡充に努めていただきたいんですけれども、このナンバー自動読み取り装置というのは、無車検車、無保険車を把握するというために新たに設置された、東京、大阪、名古屋で十三万台チェックしたということでございますが、ナンバー読み取り装置というのはほかにもたくさんあるんですね。
 例えば高速道路、同じ国交省の所管でございますが、高速道路でナンバー読み取り装置をやっていたりする。また、警察の方で防犯の観点からナンバー読み取り装置をやっていたりする。それぞれ、申し訳ないんですが、ばらばらでやっておられる。せめて国交省なんだから一緒にやったらいいんじゃないですかと申し上げましたけれども、そこは、高速道路の場合はプライバシーの観点があって目的外の使用はできませんということで、なかなかうまくいっていないというようなお話も伺いましたが、やっぱりこの無車検車、無保険車の取締りというのは非常に大事な視点だと思います。犯罪にも直結するような重要性があると思います。また、事故もたくさん起こっておりまして、実際に十億円掛かっているという状況も考えながら、やっぱりあるものは使った方がいいと思います。新しく付けて確認することも大事だけれども、今あるんだったら使ったらいいと思う。是非とも、有機的にいろんなところと協力しながらやれるように、どうやったらやれるのかということを考えながら進めていただきたいなと思っております。
 最後に、これは地元の自動車整備業界からの要望なんですけれども、車検の際に必要となる自動車税の納税証明書、これは車検手続の代行を行う整備事業者が代行取得するケースが多いというようでございます。登録車の自動車税は県民税でありますので、運輸支局内にある出先の事務所で簡単に取得ができて、さしたる事務負荷にはなっていないというお話だったんですけれども、一方で、軽自動車税、これは市町村民税でございますので、運輸支局の中では取れない、ユーザーの住所がある市町村まで出向いて取りに行かなければならないということで、この代行の事務負担が大きい、どうにかしてくれないかというような要望がございました。
 そこで、支局内で市町村の納税証明書を取得できるようにしてほしい、こういった要望に対して、総務省、今日お越しをいただいておりますので、取組方針を教えてください。
○政府参考人(青木信之君) お答え申し上げます。
 軽自動車も、登録車と同様に、継続検査となる車検を受ける際には、軽自動車税の滞納がないことを証明するため納税証明書を提示する必要がございます。その納税証明書については、基本的には納税時又は納税後には毎年納税者が受領するものでございまして、それを保存していれば足りるものではございます。
 その上で、納税証明書を紛失した方等がその再発行を求める際に、車検手続場所となる軽自動車検査協会には市町村の税務窓口が併設されていないため、納税証明書がない場合には、御指摘のように、代行業者等がその場で再発行等を受けることができず、納税証明書を保管していれば済むこととはいえ、登録車の場合と比べて手続面での負担があると感じる場合もあり得るというふうに考えております。
 車検手続場所に課税状況が確認できる市町村の端末を設置をすれば、納税証明書の再発行のため納税者や代行業者が各市町村に出向く必要がなくなるということにはなりますが、紛失をするといったような場合に備えてどこまで対応するべきなのか、あるいはコスト面の課題といったようなこともあることから、現状では幾つかの市だけに導入例が限られている状況と伺っております。
 一方で、国土交通省を中心に、現在、登録車を対象として自動車保有関係手続のワンストップサービスを進めるためのシステムの構築を進めているところでございます。今後、このシステムに軽自動車への拡大と、これも検討されているところでございまして、その継続検査における納税確認を対象に含めることは可能かどうかといった点についても、コスト面や各市町村の意向などを踏まえながら関係省庁間で検討していくことになるものと考えております。
○河野義博君 随分前向きな御答弁をいただきまして、うれしく思っております。
 それを踏まえまして、自動車局長、何か、是非連携して進めていただきたいんですけれども、一言いただけませんでしょうか。
○政府参考人(田端浩君) ただいま総務省から御答弁ありましたワンストップサービスを実現していく、これを私ども自動車局としても一生懸命進めております。二十九年度に全国で進めていく、こういう中で、ただいま御説明ありましたように、軽自動車の分野においてもワンストップサービスを進めていこうという、こういうような取組を今着手をしているところであります。
 また、関係の省庁あるいは関係の団体などともよく御相談をして、いい仕組みになりますように努力をしてまいりたいと考えております。
○河野義博君 実際に委員長の御地元高知市ではこのワンストップサービスが受けられるようでございまして、軽自動車税も支局の中で納税証明書が取れるというお取組があるとも伺いました。
 今後とも連携をしまして、自動車整備業界の環境整備に努めてまいりたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○室井邦彦君 維新の党、室井邦彦でございます。
 早速でありますけれども、質問する前に、先日から不幸が相続いております。無念にも楽しい旅行中に命を奪われた日本人の三人の方々、そしてまた、このときは二十一名の諸外国の方も含めて犠牲になられたようでありまして、また、先日のドイツ機の事故では百五十名が亡くなられ、また日本人の犠牲が二名出ていると、このようにお聞きをしております。質問の前に、心から哀悼の意をささげる次第であります。
 早速質問でございますけれども、先ほど来もう二名の方々から東洋ゴムの質問をされておりますので、もうくどくは申しません。私も、ただ、国土交通省の建物の基礎にゴムが使用されているということを聞いておりましたもので、国土交通省の基礎のゴム大丈夫なのかな、こんな心配が真っ先に思いました。国土交通省の全建物は戦艦大和ぐらいの重量があるとも聞いておりますし、その中に、その基礎を切り取ってゴムをはめ込むという、こういう大工事をしていたということもお聞きをしまして、それで、どうなんだろう、本当に大丈夫かなという思いがあったもので、早速質問させていただこうと思ったんですけれども、これ以上申しません。
 ちょっとこれに対して何か、今後の対応とか、国土交通省のゴムは大丈夫だと、東洋ゴムじゃないということを聞いておりますので、何遍も答弁もお聞きしておりますけれども、せっかく用意しておりますので、出番もつくっておりますので一言コメントを。
○政府参考人(橋本公博君) 国土交通省の建物は他社の製品でございまして、まず安全であろうというふうに認識をしております。
 それから、御指摘の件でございますけれども、やはり再発防止策の策定を今後は進めなければいけませんけれども、まずは徹底した原因究明が必要であろうというふうに考えております。特に、東洋ゴム工業は、平成十九年の耐火偽装を受けて自ら再発防止策を作って、品質監査室による全出荷製品の品質検査の徹底、それから全従業員を対象としたコンプライアンス研修の実施、それから部門間人事異動の徹底ということを平成二十年の一月に発表しております。これらのいずれかが確実に実施されていたら、今回の不正事案は生じ得なかったというふうに考えております。
 したがいまして、まずは東洋ゴム工業において今回の不正事案が発生した原因究明を徹底的に行うとともに、平成十九年のこの再発防止策がなぜ行われなかったのか、なぜ機能しなかったのかを自ら検証させて、国土交通省としてはまずその検証に厳重にチェックをしてまいりたいと思っております。その上で、今後、今回の不正事案の原因を踏まえて、他に類似の事案が生じるおそれがないかを要因ごとに分析をして、その要因ごとに必要な再発防止策を検討してまいりたいというふうに考えております。
○室井邦彦君 よろしくお願いをいたします。ここの新聞にも出ておりますが、二度目のことだと、製品の種類は違っても改ざんの件に関しては二度目だということでありますので、ひとつよろしく御指導のほどお願いをしたいと思います。
 続いて、今日は国土交通大臣に対する、所信表明に対する質問でありますけれども、もう一点だけ、チュニジアでの博物館の襲撃テロ事件。
 今回、国土交通省観光庁に対して、非常に皆さん方が頑張っておられて、目標を達成しつつ、まだまだ高い目標を立てておられる、その結果が出ていることに対して心から敬意を表する次第であります。
 また、二千万、三千万というようなインバウンド、そのような予定を立てられているようでありますけれども、アウトバウンド、いわゆる海外に国内から行かれる方々、これは外務省の管轄なのかも分かりませんけれども、海外に旅行されていてこういう目に遭うということは、防げることはなかなか日本の行政では難しいかも分からないんですが、それぞれ、事何か起きたときに手際よく情報を国内に提供するというか知らせる、そして外務省との連携、そして諸外国とのそういう、特に日本人がよく行く観光地での連携というものも非常に大切になってくるのじゃないのかな、これからますますこのような問題も、事件も、起きてはならないわけでありますけれども、心配しているところでありますけれども、何か観光庁としてお考え、また、これからこういうふうにしていこうと、こう思っておるんだというふうなことがございましたら、コメントでも結構ですのでお願いをしたいと思います。
○政府参考人(久保成人君) 委員御指摘の日本人の海外旅行、アウトバウンドのことでありますけれども、旅行者の安全確保につきましては、観光庁におきましては、従前より、旅行会社に対しまして、ツアーの企画、販売、実施時において、御指摘の外務省の渡航情報を始めとする現地のリスク情報等を収集し、その上で、旅行者に対しても、実際に旅行される方でありますけれども、旅行者に対して正確な情報の提供に努めること等について指導を行ってきたところであります。
 今般のチュニジアでのテロ事件を受けまして、改めて海外旅行の安全確保に万全を期すため、事業者団体であります旅行業協会に対しまして、外務省発出の最新の渡航情報を適時適切に旅行者へ提供することと、あってはいけない話でありますが、不測の事態に備えた危機管理、連絡体制を整備せよということについて、傘下の旅行会社に改めて周知徹底するように要請をしたところであります。
 今後とも、私ども、外務省と連携を強化して、海外旅行における旅行者の安全、安心の確保のため、これらについて一層徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
 以上です。
○室井邦彦君 どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 我々の年代は、海外旅行というと、英語も余りしゃべれないものでついつい控えめになるんですけれども、もう今の若い人たちは十日ぐらいでヨーロッパを十か国でも回る、列車で回るというように、もう気軽に沖縄か北海道へ行くような感覚でどんどんどんどん海外に出ていかれる。これは非常にいいことだと、見聞を広めるためにも私は大賛成だと思っているんですが、やはりこういう事件がどんどん起きてくると、萎縮してもいけないですし、何とかまたそういう日本人が安心して海外に出れるような、なかなか難しいことでありますけれども、ひとつしっかりとそういう連係プレー、対応を心からお願いをしたいと思います。
 次は、インバウンドの訪日観光旅行者の方々が財布のひもをかなり緩めていただいて、約二兆円近いお金が落ちていると、大臣も日本の経済の底支えをできて誇らしげに思うというような自信のある記者会見といいますか、どこかでそういうお話をされておりました。すごいなと、二兆円もそういうふうにこのインバウンドで経済効果があるんだなと。また二千万、三千万人ということになってくると、ますますそういう期待も膨れ上がるという思いがしておるわけでありますが。
 私も多少クルーズの関係の港湾選定に当たった関係もございまして、日本海拠点港ということで、表日本、裏日本という表現はお叱りを受けますけれども、やはり日本海側の港湾、対外、いわゆるロシア、中国、朝鮮半島、そして東南アジアに向ける日本海側の港湾の重要性というものを、そしてまた、災害が起きたときにやはりそういう港湾、いわゆる東日本大震災のときには日本海側の港湾の活躍が非常に目立ちました。
 そういう意味におきましても、観光に対しても、当時、日本海側のクルーズの選定に七港選定をした記憶があります。伏木富山港、舞鶴港、境港、博多港、金沢港、長崎港、小樽港、これはクルーズということで選定をさせていただいたことがございます。
 その後、この進捗状況といいますか、いわゆるクルーズ船が入港する、それに対応すべき設備の改善、そういう面についてどのようになっているのか、そこは少し私も興味があるところでお聞きをし、また、日本海側だけじゃなく、もちろん太平洋側のクルーズ船を受け入れる各港の体制はどのように整備されつつあるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 日本海側拠点港につきましては、平成二十三年の十一月に十九港選定をしまして、いい港をテーマごとに伸ばそうということで選定をしまして、港湾管理者が中心となって様々な取組が進められてきました。
 クルーズにつきましては、外国船社によるクルーズ船の寄港が本当に増加しておりまして、平成二十六年の寄港回数は、博多港が九十九回で全国第一位、長崎港が七十回で第二位となっておりまして、三位は石垣、四位は那覇となっておりますが、日本海側の港湾の寄港回数は合計二百四十四回と、国内の約四割を占めているという状況にございます。金沢は十一回で十四位、小樽は三十一回で七位という状況でございます。
 また、我が国におけるクルーズ振興につきましては、観光立国実現に向けたアクション・プログラム二〇一四におきまして、二〇二〇年クルーズ百万人時代ということを掲げましてスタートをしております。現在のところ、我が国へクルーズ船で入国した外国人の旅客者数は前年度比で二・四倍の約四十一・六万人、寄港したクルーズ船は千二百三回と、過去最高になりました。
 クルーズ船が、大型が停泊できるという港湾の岸壁の整備やそうしたことも必要でしょうし、それから、昨年十月から全国で展開して観光のためにやっております免税店ということにつきましても、クルーズ埠頭における免税店を臨時に出店する手続ということをやろうとしたり、あるいはまた、クルーズ船が着いたときに港の前が真っ暗であったというようなことがないように、よく各港も連携取って、クルーズ船が来たら本当に盛り上がっているという形をしっかり取っていこうと。クルーズ船が日本海側に着きますと、大変これ、観光の点だけでなくていろんな意味で気持ちも明るくなったりして、また、港で催物もありますし、お祭りも東北の方は特にありますし、そうしたことをしっかりといいタイミングでいけるようにというような取組を、それぞれの商談ができるようということでやらさせていただいております。
 二〇二〇年クルーズ百万人ということを目標に向けて今力強く前進をしておりますものですから、更に一層今年は力を入れてまいりたいと、このように思っているところでございます。
○室井邦彦君 ありがとうございます。皆さん方のそういう地道な努力がこのようにインバウンドを多く増加していっているということであろうかと思います。引き続きしっかりと対応をしていただくようにお願いを申し上げます。
 もう一つ私の気になることがございまして、それは、目まぐるしく国際競争が進んでいるわけでありますけれども、日本は四方を海に囲まれ海運王国と言われてもおかしくない、また、我々はそのように自負しているわけでありますが、京浜港と阪神港の進捗状況。
 私は、神戸、尼崎、兵庫県でありますから、これはつぶさにどういう状況になってどう進んできたかというのは、複雑な人間関係、またそういうことも、神戸は元神戸製鋼の会長、大阪は野村証券の元会長、社長だったかな、そのバランスがうまく取れ、まず歴史のあるところから親分を決めていこうということで、神戸港が会長ということでこの阪神国際港湾株式会社がスムーズに樹立をされたということでありまして、去年設立されたばかりでありますから実績はどうだこうだということは言えないでしょうけれども、何かそういうことで飛び抜けてこういうところをこの機会に言っておきたいな、また報告しておきたいなという点がありましたらお聞かせ願いたいことと、もう一点は、相変わらず、京浜港の進捗状況はどうなっているんですかとお聞きをすると、三年、四年前と全く同じような問題で何かブレーキの掛かっているような感がしてならないわけでありまして、その辺のことも、将来において京浜港がいつこのように実現していき、この国際競争が非常に厳しいときにこの辺でブレーキ掛かっておれば、これはもう非常に先が不安で心配な思いでもありますし、だんだん港湾は船が大型化されていくというか、これはもう十年前から、パナマ運河が拡幅に入った当時から、まあ十年前でないですか、もっと前ですか、そういうことも言われております。
 その辺のことを、今日港湾局長がお答えいただけるのか、政務二役の方がお答え、あっ、港湾局長ですね、是非その辺のことをひとつ御報告をお願いしたいと思います。
○政府参考人(大脇崇君) お答え申し上げます。
 委員お話しのとおり、まず阪神港におきましては、神戸、大阪両港の埠頭株式会社が当初の予定を一年前倒しをしまして経営統合されました。昨年十月一日に阪神国際港湾株式会社ということで設立をされたところでございます。
 私ども国土交通省では、同年十一月二十八日に、この阪神国際港湾株式会社を阪神港を一体的に運営する港湾運営会社として指定をさせていただきました。それとともに、翌十二月におきましては同社への国からの出資を行い、国、港湾管理者、民間の協働体制を構築したといったところでございます。
 それから、京浜港につきましては、現在、東京港、川崎港、横浜港の三港の関係者によりまして港湾運営会社の設立に向けた調整が鋭意進められているという状況でございます。
 それからもう一つ、国際競争力の強化に向けた港湾整備も進めてございます。国際コンテナ戦略港湾の整備につきましては、コンテナ船の大型化に対応するために、日本再興戦略改訂二〇一四というのに基づきまして、平成二十八年度までに水深十六メートル以上の大水深のコンテナターミナルを十二バース供用できるようにということを目指して現在整備を進めているという状況でございます。
 以上です。
○室井邦彦君 局長、ちょっと残念ですね。京浜港が全く、四年前、三年前、二年前、もう答弁が全く同じだというふうに私は感じるんですが、努力しておられることはよく分かりますし、東京という大都市の、経済的に余裕のある東京都を相手に、川崎、横浜、そして一つにまとめて京浜港ということになってくると、その辺の力加減とかどうこうというのは、非常に難しい、ややこしい人間関係とか財力関係も関係してくるんでしょうけれども、国の大きな目的はそういうことじゃないと思っております。
 世界に対応すべき国際港、物流をしっかりと取り込むということであると思いますし、今、太田国土大臣のときにこれをやらないと、次の大臣がどなたになられるのか分からないけれども、私は本当、大臣、そのように期待をしておるんです、ここが全然進んでいないから。というふうに私は思っておるんです。その点をしっかりと、期待をしておりますので、お願いをしたいと思います。
 続いて、観光関係の質問に入ります。
 先ほど、重複いたしますが、すばらしい実績を上げ、勢いよくアクセルを踏みながらすばらしい実績を上げておりますが、この中で少し私も知っておきたいなというのは、外国人旅行者の受入れ環境の整備というのも幅広いですし、この冊子にも具体的には書いてあるわけでありますけれども、ちょっとその部分をもう一度しっかりとお聞きしたいことは、MICE、この誘致。東京国際会議場は非常にもう古い建物でもありますし、私が青年会議所に入会してまだ三十代の頃から手狭だなと、その当時、三十年前でもそのような感覚はあったんですけれども、築四十年かそこらでまだ建て替えどうこうという問題じゃないのかも、耐震化もしたということもお聞きしているので、当面はこの国際会議場を中心として進めていくんだろうけれども、国際会議、MICEについて、どのように進捗して、いい業績を上げているというのは聞いております、その辺を政務二役にお答えいただくことになっておるんですが、是非お聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(西村明宏君) 政府といたしましては、昨年の六月に決定いたしました観光立国実現に向けたアクション・プログラム二〇一四の下に、二〇二〇年、訪日外国人旅行者数二千万人という目標に向けて、今、政府一丸、官民一体となって取り組んでいるところでございます。
 今委員が御指摘ございました外国人旅行者の受入れ環境の整備につきましては、外国人旅行者の不便や不満といったものを解消するために、無料WiFi環境の整備、そして多言語に対応した表記の充実を図るとともに、消費税免税店の拡大や海外発行クレジットカードなどの利用環境の改善を進めるなど、きめ細かい対応を今図っているところでございます。
 また、MICEについて御質問がございました。
 このMICEの誘致と外国人ビジネス客の取り込みでございますが、日本の国際会議の開催件数は二〇〇五年の二百五十六件から順調に増加いたしまして、二〇一三年には三百四十二件と、二年連続で目標でありますアジアナンバーワンを達成しているところでございます。今後とも、自治体等に対しましてノウハウを提供するなど、MICE誘致に積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
 室井委員におかれましては、国土交通大臣政務官在任の折にMICEの誘致、開催に積極的に取り組んでいただいたというふうに承知しております。今後ともの御理解と御協力をお願い申し上げます。
○室井邦彦君 あと五分しかございませんので、申し訳ありませんが、無電柱化の件と海洋開発市場の件、次の委員会というか次の機会に質問できる機会がありますので、今日御準備していただいた省庁の方々にはちょっとおわびを申し上げまして、次の機会にさせていただいて、尖閣の海洋警備と小笠原諸島における中国漁船の件について、この二点、お伺いをしたいと思います。
 尖閣の海上警備の専従体制の確立、私は、自衛隊関係もありますけれども、やはりできれば海上保安庁で抑え切れるものはしっかりと頑張っていただきたいなと、こんな思いもありますし、日頃から海上保安庁の皆さん方には非常に高い敬意を表しておりまして、皆さん方が十一管区におきましても非常に若い人たちが体を張って警備に当たっていただいているということをよく承知をしております。
 そういう中で、今皆さん方が要望された要員の確保、財政の予算にいたしましても、それぞれ専従体制の確立がしっかりとなされているのかどうか、そういう点がないのかどうか、あるのかどうか、是非お聞かせをいただきたいと思います。
○委員長(広田一君) 佐藤海上保安庁長官、時間が参っておりますので、簡潔に御答弁のほどよろしくお願いします。
○政府参考人(佐藤雄二君) お答えします。
 尖閣三島の取得、保有以降、尖閣諸島周辺海域では、中国公船による徘回、接近や領海侵入が繰り返されております。このような情勢を踏まえ、海上保安庁では、周辺海域の領海警備に的確に対応するため、大型巡視船による尖閣領海警備専従体制の整備を進めているところです。
 まず、大型巡視船の増強配備については、平成二十六年度に四隻が就役しているところでありますが、平成二十七年度に残りの六隻が整備されることにより、尖閣専従体制が完成することになります。また、要員の確保については、来年度予算案において尖閣領海警備専従大型巡視船の乗組員やその支援要員として百七十八人の増員を計上させていただいたところです。
 これらの体制整備などを通じて、尖閣諸島周辺海域における領海警備に万全を期してまいります。
○室井邦彦君 これで終わりますが、小笠原諸島におけるサンゴの密漁の件と気象庁に対する火山対策、御嶽山の教訓を踏まえてどのような対応をされているかということ、あと観光、道路局長の無電柱化、次の機会にさせていただきます。おわびを申し上げます。よろしくお願い申し上げます。
 終わります。
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
 今日は、建設発生残土の適切な処理のための規制の在り方、そして国交省の対応について質問をいたします。
 近年は、発生残土をめぐって、土砂災害の危険性が増したり、また自然への影響、景観の悪化を及ぼしたり、また粉じんが舞うことによって健康被害を訴える人が出るなどの問題が生じております。残土が積み込みされる場所によって、森林法、砂防法、宅造法などで規制が課されるということにもなるんですけれども、それらの指定区域以外に置かれたものについては規制が及ばないという問題もあります。
 一方、産業廃棄物であれば、排出者の責任で適正に処理することが廃棄物処理法によって明確に義務付けられております。これを担保するために、運搬や処分の委託に当たっての基準や書面による契約、そして保管に当たっての基準、管理票、管理などのルールが定められているわけであります。違反した業者には立入検査、改善命令、許可の取消しなどの処分が規定をされております。
 ところが、建設残土、これは廃棄物ではありません。ですから、こうしたルールは適用されないということになっております。発生残土の不適切な処理によって崩落事故による犠牲も出ているということでありますから、私はこの残土の取扱いに対する法の整備、規制強化が求められるのではないかと、この角度から今日はちょっと質問をしていきたいと思います。
 まず、この発生残土の崩落事故は今世紀になってどれほど起こっているのか、そのうち犠牲者が出たのはどれほどあるのかということを確認したいと思います。
○政府参考人(瀧口敬二君) 委員御指摘のいわゆる建設発生土に伴います崩落事故でございますが、新聞などのマスコミで報じられたもの、あるいは関係省庁と意見交換をいたしまして情報を得たもの、そういったものを平成十三年度、今世紀に入りまして調べたものがございます。現時点で分かっておりますのは二十一件ということでございます。
 なお、この二十一件の中でお亡くなりになったというケースが二件ございまして、二十一年の広島県東広島市での事案、そしてまた二十六年十月の神奈川県の横浜市の事案、それぞれお一人の方がお亡くなりになっている、こういったことでございます。
○辰巳孝太郎君 お二人の方が犠牲になっているということでありました。
 では、続けて聞きますが、現在、建設残土の処分場、つまり残土置場ですね、これは全国にどれだけあるのか、また同時に、これが違法、危険な状況にあって、指導を受けている処分場というのはどれぐらいあるのか、お答えください。
○政府参考人(瀧口敬二君) 建設工事で発生をいたします土砂につきましては、まず現場内で利用するということを最優先で行っているところでございます。その上で、現場から搬出される土砂についても、他の土木工事などで活用されるケース、あるいは一時的に仮置きをされるケース、あるいは最終的にそこで処分されるものと、こういったようなケースがあるわけでございまして、外見的に埋め立てられたりあるいは盛土をされている場合であっても、盛土材として有効活用されているのか、処分場であるのか、一時的に置かれているのかということについてははっきりとしないといったような状況にございます。
 これはまさに廃棄物ではございませんで、有効活用されるといったような可能性もあるわけでございますので、そういったような特徴がございますので、国土交通省といたしましても、この処分場の数については把握をしていないところでございます。
 また、したがいまして、それぞれについてどのような状況にあるかについても、それぞれの法律の所管、管轄の区域内につきましては私どもの担当部局はそれぞれ把握していると思いますが、それ以外のものについては国土交通省として全体を把握しているわけではございません。
○辰巳孝太郎君 実態をつかんでいないということでありました。
 今日は資料も用意をいたしました。
 一枚目の資料なんですけれども、全国でどのような残土の崩落事故が起こっているのかということでありますが、これは大阪の豊能町というところで昨年二月に、元々四十六メートルの山があったんですが、そこに発生残土というのが持ち込まれ積み込まれて、最終的には七十メートルの山になったわけですね。この残土が崩落をいたしました。
 これ写真で見ても分かると思うんですけれども、物すごい量の残土が崩落したわけであります。幸い人的被害はありませんでしたが、これどんどん残土が積み上がっていく間にも大阪府は指導を繰り返したわけでありますけれども、これ元々、砂防指定地に家庭菜園の造成用地だということで大阪府の許可を受けていたんですね。実態はそうじゃないということで指導も繰り返していたんですけれども、効果はなかったわけです。もちろんこれ、悪いのは業者なんですね。しかし、砂防指定地管理条例違反の罰則というのが一年以下の懲役若しくは禁錮又は二万円以下の罰金であって、そもそも抑止力にはなっていないというのが実態であります。
 国交省に確認しますけれども、そもそもこの残土はどこから運ばれてきたものなのか把握をされていますでしょうか。
○政府参考人(池内幸司君) お答えを申し上げます。
 委員御指摘の昨年二月に発生いたしました大阪府豊能町の土砂崩落事案について、事故発生後、大阪府が残土の持込み状況の調査を行いましたが、残土がどこから持ち込まれたかは把握できなかったと聞いております。
○辰巳孝太郎君 把握できていないと。そもそも、すべがないわけですね。
 では、この残土がこのように不適切に処理される要因は何だと国交省は考えておられるんでしょうか。
○政府参考人(瀧口敬二君) ただいま委員の方から御紹介がございましたが、この豊能町のケースでは、まずこれ規制が掛かっておるわけでございまして、その規制に対しまして、この行為を行った者は、家庭菜園の造成地用として申請がなされていたということでございます。その実体の行為がそうではないんじゃないかというようなことについて府の方も把握をいたしまして、搬入行為の中止勧告であるとか是正工事の指導監督などを実は行っていたということでございます。にもかかわらず、この事業者はそれを、改善行為を実は行わない間にこういった土砂の崩落が起こったということでございます。したがって、規制がなかったというわけではなくて、まさに規制はあったんですが、この事業者が守っていなかったということだろうと思います。
 それぞれ、先ほど二十一件ということを申し上げましたけれども、それぞれ規制があるというケースも多うございます。そういったことについて、それぞれの経緯について事実関係を調べ、どういったような背景で崩落事故が起こったのかということについて整理、分析をしてみる必要があるんだろうと思っております。これについては、関係省庁などと連絡を取りながら、そういったことについて調査を進めたいと思っております。
○辰巳孝太郎君 先ほど、規制はあるんだという話をおっしゃいましたが、しかし、先ほど言いましたとおり、罰則そのものが二万円以下の罰金などですから、抑止力になっていないというのが実態であります。二十一件のうちほとんど規制が掛かっていると。しかし、問題はその規制が掛かっていないところに残土も置かれているケースがあると。それが崩れるケースだってもちろんあるわけですから、これしっかり対応することが必要だと思うんですね。
 なぜ残土が不適切な処理をされるのかといえば、やっぱり私はその一つに、残土そのものの供給過多があるのではないかというふうにも思っております。つまり、事業内や工事間での利用を残土が出れば進めるというんですけれども、しかし、その三分の一が結局、残土処分場等内陸受入れ地に運ばれて、そして問題になっているということであります。これは資料の最後に付けておりますけれども、三分の一が残土処理場に運ばれるわけですよ。公共事業がこの間やっぱり少なくなっております。ですから、発生する残土は少なくもなっているんですが、同時にその残土を受け入れている受入れ地も少なくなっているということも見ておく必要があるんじゃないかなというふうに思います。
 この残土の不適切処理の事例というのはほかにもありまして、例えば昨年の十月は横浜市で、これも宅地造成等規制法に反して大量に残土が持ち込まれて、これが台風十八号の影響で崩れて、下に位置するアパートを直撃して、三十歳の男性が死亡する、そういう事例がありました。
 これは資料の二枚目、三枚目に付けておりますけれども、これもまた大阪ですけれども、河南町というところでは、運び込まれた残土の管理が不適切で、これはブルーシートもかぶせていないわけですね。辺りはこれ、砂ぼこりが舞って、近隣住民の方から健康被害が出ているという苦情が続いて出されていると。河南町は要綱に基づく指導をしているんですけれども、しかし、業者が従わない、十分に従わないという状況であります。
 次の資料にもありますが、条例の制定がこの間進んでおります。都道府県で見ますと、二十の自治体に上っているわけですね。つまり、既存の法律ではなかなか対応できないからこそ条例の制定というのが必要になってきているわけであります。それでもやっぱり限界があると。つまり、小規模な自治体では体制的にも財政的にもなかなか監視や指導を徹底するのは大変だということであります。
 こうした悪質な業者に対して厳しくルールを守らせるやっぱり法の制定が私は求められているんじゃないかというふうに思います。そのことは自治体からも声が出ておりまして、例えば大阪府は昨年十二月に条例を制定をいたしました。同時に、大阪府は今年の二月十九日に提出した国への要望書があるんですね。ここにはこうあるんです。建設発生土等の土砂の埋立て等の行為の安全確保を主目的とする法令はない、こう指摘して、建設発生土の適正処理については、府県域を越える課題であり、国で全国統一的なルールを作ることが重要であることから、建設発生土の適正処理の確保に関する法律を制定すること、こういうふうに求めているわけであります。これ、国交大臣、農水大臣、環境大臣、三大臣宛ての要望書であります。
 そこで、大臣にお聞きしますけれども、やはり発生者の責任を明確にし、建設残土の発生から搬出、処理に至る流れを管理する仕組みを設けるために、残土の適正処理のための法制化を検討するべきではないでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 建設残土の崩落問題につきましては、人身に被害が及ぶ事案を含めて全国で発生しておりまして、適切に対処していく必要があるという問題であると認識をしています。
 過去の残土崩落事案につきましては、関係省庁にも御協力をいただきながら、過去の残土崩落事案や既存法令等について調査を行いまして、現時点において、先ほど答弁させていただきましたが、平成十三年以降二十一件の事案を確認をしています。
 また、砂防法などの既存法令や過去の残土崩落事案等について調査をしましたところ、国土のかなりのエリアで既存法令等による規制が適用され、残土、盛土について、事前の許可や届出、監督処分、罰則などの対象となることが明らかになってきました。実際に、過去の残土崩落事案二十一件のうち、これらの既存法令等に基づいて指導や命令を含めて改善を求めていたものが、御指摘の大阪の豊能のケースも含めまして十六件あったことを確認をしているところです。
 こうしたことから、残土崩落事案を未然に防止するに当たりまして、まずは既存法令の運用方法に改善の余地があるかどうか等について検討をしていくところから始めたいと、このように思っています。
○辰巳孝太郎君 やはり、違法な積み上げが確認をされる、そこで初めて行政が指導する、指導しているうちに崩落事故が発生し、大きな被害を生じると、事後的な対応に全てなっているわけであります。そして、繰り返しますけれども、二十一件のうち十六件が何らかの法の規制に掛かっているといいますが、しかし、罰則がああいうことですから、なかなか抑止力にもならないと。
 問題は、その残りの五件ですよね。どのゾーニングにも関わっていないところがあるわけですから、そこは法の網目の抜け穴ということで規制をすることができないということですから、私は、やっぱり残土を発生させた側の責任というのも明確にしないとこの問題というのは本当の解決にはならないんじゃないかなというふうに思います。
 残土の多くは公共事業から出てきております、これは最後の資料にも付けておりますが。そして、国交省もこの残土をどう取り扱うのかということは取組をされてきたというふうに思います。
 二〇〇三年、国交省がまとめた発生土等の有効利用に関する行動計画では、九つの課題とその対応のための八つの施策というのが示されております。そのうちの施策の一つに、建設発生土等の指定処分の徹底というのがあるんですね。
 確認しますけれども、この指定処分とは一体何なのか、そして、なぜ指定処分の徹底が必要なんでしょうか。
○政府参考人(瀧口敬二君) 公共工事におきます建設発生土につきましては、まずはその現場内、工事の現場内で有効活用するということを大原則といたしております。その上で、その現場内での処理に限界がある場合、他の工事での活用を図る、その現場の外の公共工事などでの活用を図るということを徹底するというのが基本的な方針でございます。さらに、このような他の工事で活用できない場合に、初めてどこか置いておく場所、これは一時的であるというケースとそこにずっと置くというケースがあるわけでございますが、そういった場所に持ち込むと、こういったことに実はなっておるわけであります。
 私どもが公共事業で行っております指定処分というのは、工事現場で使われなかった場合、現場から外に搬出することになるわけでございますが、それが外へ搬出して他の工事に使う場合、あるいは一時的又は長期にわたって置くという場合もあるわけでございますけれども、そういった置く場合、置くようなケースを考えまして、現場の外に持っていくことにつきまして、活用、処分等を行うということをあらかじめ決めておくということが指定処分というふうに言っておるところでございます。
 このような指定処分をなぜ行っておるか、徹底が必要なのかということでございますが、まず、公共工事を発注し契約する場合には、発生土の搬出先などを施工条件の一つとして明示をしておく必要があるということがございます。このため、発注、契約の段階において指定処分を徹底するようにということを指導しているところでございます。
○辰巳孝太郎君 つまり、指定処分というのは、発生土の不適切処理の防止を目指して、各公共工事の発注者が建設残土の行き先を完全に把握するために必要であると。そして、その徹底が必要であるということだと思うんですね。
 国直轄事業に関しては、これ当時でもほぼ一〇〇%の指定処分というのが実施をされておりました。一方で、この行動計画では、地方公共団体では指定処分の普及促進というふうに書かれているわけであります。このグラフにもありますとおり、やはり国に対して都道府県、政令市、市町村は指定処分の割合というのが少ないわけですね。
 そこで確認しますけれども、地方の公共事業においてどれほど指定処分は徹底されたんでしょうか。
○政府参考人(瀧口敬二君) 今御指摘の平成十五年に策定をいたしました行動計画におきまして、委員御指摘のように、地方公共団体の指定処分の普及促進を図るということがうたわれているところでございます。具体的な取組としては、各地方ブロックにおきます建設副産物対策連絡協議会といったような場を通じまして周知徹底を図ってきております。
 その結果、これ以降、地方公共団体においても指定処分が順次徹底を実はされておりまして、行動計画を策定したときの前提となったのは平成十二年でございますが、都道府県では例えば八四%でございました。これが、委員今配付をされております資料では八六%まで上がってきているということでございますが、直近の数字を申し上げますと、平成二十四年には九〇%まで上げてきていると、こういったような、九〇%まで上がってきているというような状況でございます。
 引き続き、地方公共団体におきましてもこういった指定処分の普及促進を図るということのために努力を重ねてまいりたいと思っております。
○辰巳孝太郎君 今九〇%と言ったのは都道府県ですか、全体ですか。私が聞いたのは、地方の公共事業においてどれだけ徹底されたのかという、その数字を教えてください。
○政府参考人(瀧口敬二君) ただいま九〇%と申し上げたのは都道府県の数字でございます。
 政令市では八〇%、市町村では平成二十年の段階で六〇%だったものが六八%強まで上がってきておるということで、全ての地方公共団体で努力をしていただいているというふうに理解をしております。
○辰巳孝太郎君 しかし、完全には徹底がまだされていないということでありますね。
 私は、これ公共事業ではやっぱり徹底していこうという問題意識は持っていると。だったら、大臣にお聞きしたいんですけれども、これ公共事業だけではなくて、この指定処分は民間事業でも普及させていくと、徹底させていくということが必要ではないでしょうか。どうでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 建設残土の崩落を未然に防止するためには、崩落に至る過程において適切に対処する必要があるという認識はしています。そのために、残土崩落をさせないというための最も効果的な対策について検討する必要があると考えます。
 これまでに調査した結果、国土の、先ほど申し上げましたが、かなりのエリアで砂防法等の既存法令等による規制が適用され、残土、盛土の事前許可や届出、監督処分、罰則などの対象となっているところです。さらに、大阪府のように、地域の実情を踏まえまして地方自治体が条例を制定し、独自に対処する動きもあるところです。
 そういう意味で、まずは条例も含め既存法令等の運用方法に改善の余地があるかどうか等について検討が必要だと、このように考えています。
○辰巳孝太郎君 何度も繰り返しますけれども、場外搬出されて、なおかつ工事間利用できないものがやっぱり出てくるわけですよね。そこで、やっぱりそれに対する規制やルールがないというのが問題であって、これ全部地方の条例でというのはあんまりだというのが大阪からも声が出ていると。そういう声に真摯に耳を傾けるべきやというふうに、私は、国としての責任としてこの問題に取り組むべきだというふうに思います。
 私は、先ほどもちょっと言いましたが、そもそもこの使い道、行き場所もはっきりしないままに残土だけは発生させる、このことそのものが問われているんじゃないかというふうに思っております。
 首都圏では、これから東京オリンピック・パラリンピックに向けた再開発、インフラ整備というのがめじろ押しであります。そして、残土といえばリニア、リニアといえば残土ですね。これ、品川―名古屋間というのはトンネルが九割ですから、そして残土が五千六百八十万立米出てくると。
 確認しますが、今の段階で残土の処分先が、リニア建設に関わってですね、明らかになっているのはどれぐらいですか。
○政府参考人(藤田耕三君) JR東海は、昨年の環境影響評価書の中で、発生土の総発生量の約二六%に当たる約千四百七十万立方メートルの利用先を示したところであります。
 また、これ以外に、沿線の自治体からは、建設発生土全体を超える六千五百万立方メートル分の候補地の情報提供があったと聞いております。
○辰巳孝太郎君 依然まだ二割ほどしか行き先は決まっていないということですね。
 最後お聞きしますけれども、この問題、繰り返し指摘していますけれども、これだけ大量の残土を適切に処理できるのか、そしてその担保はどこにあるのか、確認しておきたいと思います。
○政府参考人(藤田耕三君) この中央新幹線、極めて大規模な事業でありまして、多量の発生土が生じることが見込まれております。このため、昨年十月十七日の工事実施計画の認可に当たりまして、建設発生土の有効利用など、適切な環境の保全に努めることをJR東海に指示いたしました。
 JR東海は山梨リニア実験線を造っておりますが、その工事の際には、これに伴う建設発生土について全て指定処分をいたしました。今後の中央新幹線の工事におきましても、JR東海は環境影響評価書の中で、山梨リニア実験線における処理方法を基本に、より一層きめ細かな管理を行うというふうに記載をしております。
 国土交通省としても、全ての建設発生土を適切に指定処分とするように指導監督してまいります。
○辰巳孝太郎君 指定処分はすると、それは確認しました。当然厳格に適用されるべきだと思いますし、しかし、残土の行き先もそもそも決まっていないのであれば、私は、このリニアの事業をそもそも着工するなと言わなければならないと思います。
 このリニアの残土の問題というのは、これから大量に出てくることになりますから、この問題は引き続き住民の立場から取り上げて追及をしていきたいと思います。
 ありがとうございました。
○山口和之君 日本を元気にする会・無所属会の山口和之でございます。
 まず、早速質問に入らせていただきたいんですが、被災地の観光の回復について伺いたいと思いますが、今日の午前中の田城委員と太田大臣との質問、答弁のやり取りの中で、見るもの、食べ物、買物、遠慮しないブランドづくり、そしてまた田城委員からは、自分で気付き、磨き、発信させる地域づくりということで、日本を元気にする会は、お疲れさまという言葉を使わずに、お元気さま、あるいは元気ですかという言葉を使うところであります。
 私は元々リハビリの仕事をしておりましたので、リハビリの仕事というとちょっとネガティブに聞こえるかもしれませんけれども、リハビリテーションの仕事というのは、いいところを伸ばしていく、悪いところをしっかり補っていく、そしてまた悪いところもしっかりと改善していくというのがリハビリテーションの世界でございます。
 そういった意味で、被災地の観光の回復について若干お伺いしたいなと思います。
 震災から復興を今行っているところでございますけれども、資料一を見ていただきたいと思います。
 これは被災三県と福島県の被災前の同月の比率です。これは宿泊状況、上の方ですけれども、黒いところが全国の平均値でございます。そして、赤いグラフが東北三県、そして、とりわけ福島県についてでございますが、まだまだ被災前の状況には戻っていない、マイナスの状況が続いているということでございます。
 それから、その下の福島県の観光の状況ですが、これは観光客入り込み状況でございます。福島県全体では被災後マイナス三八・四%から二二・三、それから一五・五%と上がってきてはいるものの、会津が若干超えたぐらいで、それ以外の地域についてはマイナスが続いております。浜通りにつきましては、もうこれは相双地区にはマイナス七二・五%、いわきでマイナス二八・六%という状況が続いております。
 そういうことからして、被災からの復興、風評被害への払拭へ向けて観光庁はどのような策を講じてきたのか、また、課題は何かをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(久保成人君) お答えいたします。
 委員御指摘のように、数字に表れていますように、東日本大震災による多大な被害、また原発事故に伴う風評被害等によって減少した観光需要は、一定程度回復してきているものの、震災後の落ち込みからは回復しておりません。これも御指摘がありましたが、特に福島県においては浜通りを中心として回復の遅れがあります。
 観光は、私どもとして東日本大震災からの復旧復興をしていく上で大変重要な役割を担っていると考えております。需要を回復していくためには二つの方向があると思っていますが、現地の取組に関する最新の情報を広く発信するとともに、多くの旅行者の方に実際に現場、現地を来訪していただくということが必要だというふうに考えています。
 このため、特に太平洋沿岸エリアを中心に、地域、地元が実施される様々な取組に対する支援を行っております。例えば、ポータルサイトを設けて情報発信体制をつくっておりますが、これに対する御支援、また、海産物等、地域ならではの観光資源を生かしたモニターツアーの実施、あるいは震災の記憶の伝承を行う取組、また、地域関係者によるワークショップの開催などによって地域資源の改めての掘り起こしや滞在プログラムの造成、こういった地域、地元が実施される取組に対する支援を実施しております。
 また、特に福島県につきましては、県が企画立案し実施される国内のプロモーションはもとより、外国の旅行会社の招請等による海外プロモーションに対する補助を行っておりますし、特に教育関係者を招聘して教育旅行の再生を図っていく事業などに対しても補助を行っているところでございます。
 私どもとすれば、これらの取組を通じて一刻も早い観光需要の回復に向け、引き続き、地域、地元とも強く連携して対策に取り組んでまいるつもりであります。
 以上でございます。
○山口和之君 何とか福島のブランドをつくって、観光に来ていただいて、福島を知っていただくということがとても大事なことだと思っておりますので、是非、様々な企画、それから協力体制をつくっていただきたいと思います。
 観光立国の推進の中でということで、被災地について、大臣の所信表明の観光立国推進等の中では被災地の観光復興については言及がちょっとなかったところなんですけれども、全体的なところには入っているとは思うんですけれども、被災地の観光の回復、とりわけ風評被害の払拭に向けた国交大臣の決意をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(太田昭宏君) インバウンドが増えて千三百四十一万人に昨年なった、また今年も一月、二月も好調であるという中で、私はいつも、東北への外国の方も国内旅行も減っている、そしてこれがなかなか戻らないということについて、観光庁、また長官にも、今年は東北の観光ということに力を入れようということを一週間に一回ぐらい、ずっとこの一か月の間も言ってきました。風評と風化という二つの風との闘いであるということで、もうこれは三・一一から一年後のときにも、当時の知事の佐藤雄平さんから、風評も怖いが風化も怖いということを聞きまして、私どもはいつも風評と風化という二つの風との闘いであるということを言ってきました。
 その意味では、観光といっても、まず復旧、道路とかそういうことが必要なので、そうした道路等の交通手段の復旧というものがなくてはならないということを強く思ってきまして、やっと三月一日に常磐道が全通するということは、これはいろんな意味で大きな効果を発揮するのではないかと、このように思っておりますし、さらに、今日午前中には増子先生からの御指摘もありまして、様々な原発の問題が非常に大きいわけですから、そこに次々と手を打っているということを、政府を挙げてやっていくということが大事だというように思っています。
 風評被害ということにつきましては、随分我々も努力しているんですが、もっとしなくてはいけないと。私も、例えば白鵬等と懇談をしたり、あるいは福島のお米を大相撲の東京場所の年三場所の表彰ということを、これは雄平知事の時代に私もお手伝いを、相撲界と関係が深いものですからやらせていただいたりして、テレビの六時から外れるということで、NHKに、本当に中に入れてということで、NHKがわざわざ、今日はこういうお米が優勝者には届けられますということをポイントを当ててやっていただいたり、あるいは、いろんな形で、東京、それぞれみんなそうですが、何かイベントをやると必ず福島の食料品等のブースを作るというようなこともやらせていただいたり、ここはもう一遍力を入れます。
 政府を挙げてとにかく福島の風評、風化、この闘いということで、特に観光に力を入れる。やっぱり、見るもの、食べ物、買物と。食べ物って、浜通りの方では、北川副大臣がこの間ずっと回ってくれまして、やっぱり生きのいい魚ということについてのちょっとクエスチョンマークみたいなものをみんなが思うから、そこのところは非常に観光にも痛いんだという話も聞きまして、アンコウ鍋とかいろんな具体的なものがありますから、必ず観光には今年東北に力を入れるということについてはこの場を借りてお約束をしたいというふうに思います。
○山口和之君 力強いメッセージ、ありがとうございます。
 先ほどリハビリテーションの話をしましたけれども、良いところを伸ばすと。会津若松はプラス七%、先ほどの図表ではなっておりますけれども、これをプラス一〇%、二〇%に広げて、福島県内としては観光としてリーダー的な存在になっていただく。それから、中通りというところがありますけれども、中通りもしっかりそれに追従していく。いろんなイベントを仕掛けたり、それこそ先ほどの地域ブランド、おもてなしの体制を一緒に地域住民とつくっていくことによって新たなブランドというのができていくんだと思います。今の力強いお話で、県民と一緒に取り組んでいけたらなと思いました。
 さて、少し変わりますけれども、サービス付き高齢者住宅について若干お伺いしたいんですが、サ高住といいますが、サ高住のあり方検討会設置の意義についてお伺いします。
 高齢者住まい法改正に基づいて二十三年十月に始まった登録制サ高住、現在三年半で十八万戸と、急速な伸びをしております。サ高住の整備のあり方に関する検討会が昨年設置され、四月に中間取りまとめをする方向と聞いておりますけれども、この検討会設置の趣旨と検討状況についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(橋本公博君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、サービス付き高齢者向け住宅につきましては大変大きな伸びを示しておるところでございます。一方で、このサービス付き高齢者向け住宅につきましては、地価の安い地域に立地する傾向があるため、介護政策やまちづくりと連携が図られるよう地元自治体との関与を強化をすべきではないか、あるいはサービス付き高齢者向け住宅の整備を契機として周辺地域への医療・介護サービスなどの供給拠点の整備を推進すべきではないか、あるいは過剰なサービス提供がないよう適切な介護サービスをどのように確保すべきか、あるいは医療・介護サービスについて入居者の要介護度の重度化等に対応できるようにすべきではないか等の課題がずっと指摘をされておるところでございます。
 このため、国土交通省では、昨年の九月に有識者から成る検討会を設置をし、これを厚生労働省と連携をして検討を進めておるところでございます。今まで三回検討会を開催をいたしました。
 また、既に入居が開始されたサービス付き高齢者向け住宅の実態調査も行いました。その結果を踏まえて、まず市町村におけるサービス付き高齢者向け住宅の供給方針の明確化を推進すべきである、あるいは市町村の供給方針に即したものに対して補助等の支援を重点化すべきである、周辺地域に開かれた二十四時間対応の訪問介護看護事業所等を併設した拠点型のサービス付き高齢者向け住宅の整備を推進すべきである、地域の医療・介護サービスとの適切な連携を確保すべきであるなどの提言を今いただくように取りまとめをしているところでございます。
○山口和之君 今課題を出していただきました。私の資料の方の二にまさにそれが載っているところですが、地域の中でこのサ高住が偏在化している可能性があると。建っている場所にコミュニティーがあるのかと。
 元々、日本はコミュニティーの中で高齢者や障害者を見るという体制が余り得意じゃなかったんですね。これからどうしていくことが大事かということは、日本を元気にする会の中のミッションの中に、子供が夢を持って、大人が挑戦して、そして高齢者が活躍する、企業が発展して、世界から尊敬される地域を共につくると。共につくるということが非常に大事なところなんですけれども、高齢者の方々はお荷物です、あるいは障害が出てきたらもう社会から外れてくださいという日本では駄目だと。そういうことで、地域の中で高齢者の方々が活躍して、そしてまた障害が重度になったとしてもそこで安心して暮らせる地域社会をつくらなきゃいけないんだけれども、その趣旨がもしかしたらこのサ高住をつくっている方々に伝わっていない可能性があるのではないでしょうか。
 そういった意味で、次の質問に入らせていただきますけれども、サ高住における進行する介護度の対応についてということで、資料の三を見ていただきたいと思います。
 この資料三の方の上の方は、質問内容がどういう質問かというと、これは重度化について質問する内容なんですが、要介護状態が悪化していった場合に対応できますかという話ですね。その質問の中では、特殊浴槽など、要介護者のための設備が十分に整っていないため、入居者の生活ニーズに応えることが難しくなった。難しくなったということは、元々考えていなかったということです。まだまだ元気な人が入っていますから、この方々がどんどん重度になっていったら、もっと難しくなったという人がここに増えていくわけですね。不安だからそこに入るということよりも、まず元気なうちからの住み替え、そして、そこで役割を果たしていったり地域のコミュニティーをしていったり、で、重度になってもそこで住めるようにしていかなきゃいけないという全体的な話が多分伝わっていないのではないかなと、つくってはみたがという形に見えます。
 そういうふうに考えていきますと、そういったことに対してどういうふうに思われるか、御意見をお伺いしたいと思います。介護度が重くなっても安心して生活できることが重要であって、要介護度の進行に伴う適切なサービスの提供が行われるよう、どのようなことを検討しているか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(苧谷秀信君) お答えいたします。
 今御指摘ありましたように、サービス付き高齢者向け住宅におきましては、要介護状態になったときでも訪問介護等の居宅サービスの利用等によりまして安心して暮らすことができるようにすることが重要だというふうに考えてございます。
 このため、入居者が適切にサービスを選択し、かつ心身の状況や環境等に応じた適切なケアプランに基づくサービスが受けられますように、まず、サービス付き高齢者向け住宅を含めました優良老人ホームのガイドラインを見直しをしております。その中で、近隣サービスの情報提供をするように、適切なサービスを自由に選べるという中身を再度確認的に入れさせていただいたりしております。
 また、市町村によるケアプランのチェックをいたしまして、ケアマネジャー等が高齢者に合ったケアプランがきちんと作成しているかどうかのチェックをするなどの取組をしているところでございます。
 さらに、入居契約の中で要介護度が重くなった場合、あるいは認知症になった場合であっても、住宅事業者が入居者に対して退去を求めるとか、あるいは解約したりというふうなことができないものにすべきであるという旨、これは高齢者住まい法七条の方で定めたりしてございます。
 こういうこともございますけれども、引き続き都道府県とも協力しながら、サービス付き高齢者向け住宅事業者が、重度化しても継続的な居住が可能な住まいとしての役割、これを果たすことができるようにいろいろな取組を進めてまいりたいと考えてございます。
○山口和之君 ありがとうございます。
 このサ高住をつくられる方々、それからそこでサービスを提供されている方々、又は御本人、又は家族、その地域の方々も一体となってまちづくりの中に入っていかないとこのことはできないということだと思いますし、重度化したときには、今は病院、それから老健、それから特養と、そこら辺りが皆さん、例えば特養待ち四十二万人というふうに言われています。そこの方が安心するんです。
 それはなぜかというと、日常のケアがずっと継続してありますから、昔でいえば、家族がずっと付いているのと同じような状況があります。そういうことから考えていったら、小規模多機能を組み合わせるなり、あるいはグループホームを組み合わせるなり、いろんな作戦があると思うんです。
 いずれにしても、その地域の中でどういう役割を果たしてどういうところにつくればいいのかということが重要になってくると思うんですけれども、市町村における質の管理や立地のマネジメント等が必要だと思われますが、国土交通省としてはどういうふうに考えるか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(橋本公博君) サービス付き高齢者向け住宅の立地について、特に地域的にばらつきが見られること、あるいは相対的に地価が安い地域あるいは市街化調整区域等の郊外部に立地することが多いものですから、例えば高齢者が買物などに自由に行くことが難しくなって引きこもりがちになるとか、あるいは医療機関や介護事業者からの距離が離れていることで医療、介護等の連携が行われづらくなるという問題が指摘をされておるところでございます。
 先ほども申し上げましたけれども、やはり市町村が主体的に高齢者居住安定確保計画あるいは介護保険事業計画の中でサービス付き高齢者向け住宅の供給方針を明確に位置付ける、それから、支援に関しても、このような方針に従ったものに重点的に例えば補助を出す等の取組をしていただくことも重要でございますし、国も、従来はサービス付き高齢者向け住宅の供給を促進するために民間事業者に直接補助しておりましたけれども、これからはそういう市町村の意向も十分に踏まえた上で、そういうことに配慮しながら補助制度を運用する等の改善も我々はしていかなければいけないと考えております。
○山口和之君 ありがとうございます。是非、そのように進めていただきたいと思います。
 できる限り在宅で生活をする、場合によっては早めの住み替えをする、そして、その中で安心して地域に貢献しながら、あるいは障害が重度になってもそこで関係が断たれることなく、ロケーションが変わることなくそこで生活できる地域社会というのが非常に重要になってくるし、成熟した社会においては、日本としての、何というんですかね、ブランドというか誇りのようなものがしっかり形成されるんではないかなと思っています。
 持続可能な社会保障を考えていったときに、医療機関で何でもかんでもやってしまう、あるいは、介護老人保健施設というのは本来であれば地域とのやり取りをしなければいけないんですけれども、定住化して長期に入所されている方がたくさんいらっしゃる、特養待ちが四十二万人。この状況を変えていくためには、まちづくり、いわゆる住宅づくり、そこに地域のいろんなサービスが重なっていく、まさに総力戦というところなんですけど、大きな転換期に来ております。
 最後に、高齢者住宅の在り方について、またサ高住の整備について大臣の決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 全く同じ考えでございます。
 それで、サ高住がかなり前進をしてきているということがありまして、実は去年の今頃も、国土のグランドデザイン二〇五〇、対流促進型国土というときの、人口減少、高齢化というそうした与件の中でどういうふうにまちづくりをするかということを議論する中で、こうしたサ高住などが、どうしても昔は人里離れたところに行ったんですが、今はそういう意識ではないけれども、土地が安いということがあって事業者がどうしてもそういうところにつくっていく。これを何とか町中に持ってこなくてはいけないということで、コンパクトシティーという、あるいはまちづくりということを、そうしたお年寄りが歩いて暮らしていけるという、そしてみんなと一緒に住んでいるという、そういう町をつくっていかなくてはならないということで、コンパクトシティー・プラス・ネットワークということで、ネットワークの中には非常に、お年寄りも回っていけるようなコミュニティーバスにしたり、低床型のものにしたLRTを使うとかいうように、交通も町も、そして足も使ってというような町をつくるという思想をしっかりさせて、それで、土地が安いからといってついつい郊外に建てるということがないようにということをやるということもまた、私たちのコンパクト・プラス・ネットワークということの、構造的にまちづくりを考えようという中にはそういうことをさせていただいております。
 大都市周辺の郊外においても同じように、例えばUR団地が高齢化している、建て替えがあったりするといっても、柏の豊四季台団地のように、そこに建て替えとともに、医も、あるいは職という、食べ物の食じゃなくて職業ということも、高齢者が若干、それで、年金プラス夫婦で十万円、七十代で、せめて十万円、年金プラス十万円という社会はつくれないかというように動いているというようなことも大事で、私たちは、そういう意味でまちづくりというものを構造的に、コンパクト・プラス・ネットワークでつくっていかなくてはならない。それを地方創生の中にも基本テーマとして構造的に考えるんだと、構造的にやらなくちゃ駄目なんだということを、厚生労働省、そして地方創生、そして私たち、私は常にそういうことを言ってまちづくりということをさせていただいております。同じ考えだと思います。
○山口和之君 力強いメッセージ、ありがとうございました。是非、被災地をモデルにそういう展開も図っていただければと思います。
 どうもお元気さまでございました。
○和田政宗君 次世代の党の和田政宗です。
 まず、被災地の巨大防潮堤問題について聞きたいというふうに思いますが、一言。今月、仙台で開かれた国連防災世界会議で、この問題について海外の研究者や政府関係者と議論をしましたけれども、皆さん口々に、この事業は余りに巨大過ぎておかしい、もっと良いやり方があるはずだというふうに述べておりました。私は、東北の未来のためにも、住民、行政、そして立法府が一体となって英知を結集して改善をしていかなくてはならないというふうに考えます。
 では、質問をしていきます。
 平成二十三年七月の国による通知、これは数十年から百数十年に一回の頻度の高い津波について防潮堤等で総合的に防ぐようにというものですが、この通知の基になった中央防災会議の中間取りまとめでは、比較的頻度の高い一定程度の津波高に対して引き続き整備を進めていくことを基本とすべきとは述べていますが、一方で、海岸保全施設等の整備の対象とする津波高を大幅に高くすることは、施設整備に必要な費用、海岸の環境や利用に及ぼす影響などの観点から現実的でないと述べています。この中間取りまとめは、防潮堤の高さが高くなることへの警鐘を鳴らしており、すなわち頻度の高い津波に対して防潮堤等で防ぐにせよ、十四メートルを超えるような防潮堤の高さが設定されることを想定していないと考えます。
 国の考えとして、中央防災会議の中間取りまとめは防潮堤の高さが現在のように異様に高くなっても仕方ないと言っていると判断しているのか、お聞きします。また、中間取りまとめをどのように読み解き、国の内部での議論、決定を見て、この通知が出されたのか、お答えを願います。
○政府参考人(兵谷芳康君) お答えいたします。
 御指摘の中央防災会議の専門調査会の中間取りまとめでございますが、東日本大震災のような最大クラスの津波に対して海岸保全施設等の整備の対象とすることについては、施設整備に必要な費用、海岸の環境や利用に及ぼす影響などの観点から現実的ではないとし、比較的頻度の高い一定程度の津波高に対して海岸保全施設等の整備を進めていくというふうにされております。
 実際に、専門調査会の審議におきましても、例えば三陸海岸の場合、五十年から百五十年に一回の津波ということで、明治三陸地震や昭和三陸地震、あるいはチリ地震での津波といったものが対象になってくるという趣旨の議論がなされております。
 各地域の施設整備の対象となります津波の具体的な高さにつきましては、海岸関係省庁の通知に基づきまして各地域で決定していくものであると承知をいたしております。
○和田政宗君 実は、この専門部会に参加している防災の研究者の方々というのは私も非常に親交があって、私も防災の研究者ですので、あるんですけれども、私はこれ、趣旨はこれほど高い防潮堤ということは意図していないというふうに思うんですね。
 これは、国がもう今の状況では手を突っ込めないのかもしれないですけれども、県が、これ国は総合的に判断してほしいと言っているのに、国は設計津波を設定して単純に一メートル積んだというものをコンクリートで造るという状況ですので、私は根本的に見直しが、この中間取りまとめの趣旨などをしっかりと読み解いて、なるような形で、新たな通知などを出すべきだというふうに私は思います。
 次に、防潮堤の高さなどを定める宮城県の海岸保全基本計画の変更案について聞きます。
 これは、既に着工された防潮堤が幾つもあるのに、これからそれらの着工した防潮堤が要件を満たすように海岸保全基本計画を変更するということですけれども、これ海岸保全基本計画の趣旨からいっても手続上瑕疵があるのではないかというふうに思います。このようなことがまかり通れば海岸保全基本計画は意味を成さず、県が自由に海岸の形を変えた後に海岸保全計画を変更するということが可能になります。
 今回の防潮堤着工後の海岸保全基本計画の変更について、国はどのように考えますか。
○政府参考人(池内幸司君) お答え申し上げます。
 海岸保全基本計画は、防潮堤等の整備の計画的な実施の基本となるべき事項などについて定めたものでございます。
 今回の対象は、計画的な防潮堤の整備というよりは、東日本大震災によって損壊した防潮堤の復旧等が中心となっております。被災地におきましては、近い将来に襲来するかもしれない津波、高潮、高波に対して極めて脆弱な状況となっておりまして、被災した防潮堤の復旧等を速やかに行うことが求められております。
 このような状況におきましても、宮城県では、防潮堤の高さ等の決定に当たりましては、学識経験者、関係市町長の意見を聴くとともに関係住民への説明会を開催するなど、海岸保全基本計画を変更する手続と同様の丁寧な手続を行っておられますことから、手続上問題とはならないと考えております。
○和田政宗君 復旧ということなので手続上問題ないということですけれども、これ原形復旧ではなくて、五メートルの防潮堤が十五メートル近い防潮堤に化けたり、そういったことがあります。私はこれはもう新設に近いというふうに思いますし、余りに海辺の状況が変わってしまいますので、手続だけでも本来はしっかりとした形にのっとってやるべきだというふうに思います。国の見解がそうであるということであれば、それは議事録に残りますので、後世の研究者などが判断していくということになるというふうに思います。
 次に、北海道南西沖地震の後に高さ十メートル前後の巨大防潮堤が建設された奥尻島の例について聞きたいというふうに思います。
 北海道大学の松永勝彦教授が海を調査しましたところ、巨大防潮堤がある海岸から百メートル辺りの海の中、岩が真っ白で海藻もなく、生物がほとんどいなくなっていたということです。ウニなどは海藻で育つために、いそ焼けが起きると育ちません。海の生物に必要な栄養素を含んだ地下水を防潮堤がせき止めてしまい、海へ栄養分が流れなくなったためだと松永教授は分析しており、地元の漁師も、昔たくさん釣れたホッケも今はさっぱりだと述べています。
 奥尻島の巨大防潮堤の漁業や環境への影響について国土交通省はしっかり分析をしたのでしょうか、お答えを願います。
○政府参考人(澤田和宏君) お答えを申し上げます。
 平成五年七月十二日に発生した北海道南西沖地震、これによりまして甚大な被害を受けました奥尻町におきましては、その復興に当たって、アンケート調査、それから説明会、さらには戸別訪問等を通じて住民の皆さんの意見を十分に酌み取りながら、防潮堤を含むまちづくり計画を策定したという認識をしております。また、復興後の状況等を把握するために、昨年、私ども国土交通省の職員が奥尻町に出向きまして、現地で聞き取り調査等も行わせていただいているところでございます。
 今委員御指摘の防潮堤による漁業への影響についてでございますが、震災前後の漁業生産額を比較してみますと、奥尻町におきましては震災前に比べて五割程度まで減少していると、こういう状況でございますが、一方で奥尻町以外の周辺自治体におきましてはそれを上回って、震災前に比べて四割程度まで減少していると、こういう状況になってございます。こういった漁業生産額の減少につきましては周辺地域一帯に共通する課題であろうというふうに認識しておりまして、防潮堤による影響であるというふうには現在考えていないところでございます。
 また、現在、奥尻町におきましては、人口減少等の様々な課題を踏まえながら、豊かな地域の資源を生かして地域振興の取組を一生懸命今進めているところでございますので、国土交通省におきましても引き続きしっかりと支援をしてまいりたいと、かように考えている次第でございます。
○和田政宗君 これは、地下水の流れが本当にこの北海道大学の教授が指摘しているように止まっているのかどうかというところは、これ調べて知見をしっかりと今回の防潮堤に生かしていただかないと、二十年後の奥尻島の姿がそうなっているわけで、これから二十年後の東北で海のいそ焼けが起こって漁業が駄目になったということになりましたら、もうこれは元も子もありませんので、しっかりとした分析をして、改善すべきところは改善するという形を取っていただければというふうに思います。
 次に、JR気仙沼線の復旧についてお聞きしたいというふうに思います。
 JR気仙沼線の鉄路復旧、鉄道復旧についてJR東日本と意見交換した際、私が強い地元の要望などから鉄路復旧すべきだというふうに述べましたところ、ある執行役員が言下にそれを否定しましてBRTを推奨しました。これ、かなり強い口調で、私とてもびっくりしたんですけれども、その後、JRに改めて説明を求めましたところ、常務の方が説明に来まして、JRとしてはまだ何も決めていないということでしたけれども、私は、意見交換の際にJR東日本の執行役員から出た言葉がJRの本音で、鉄路復旧は諦めて、もうBRTということでJR内部では決まっているんではないかというふうに思います。
 国土交通省に対し、気仙沼線の復旧方法について、JR内部の決定事項について何らかの説明があったのかなかったのか、お答えください。
○政府参考人(藤田耕三君) JR気仙沼線の鉄道復旧につきましては復興調整会議等の場で議論が行われているところでございまして、JR東日本が例えば鉄道でなくBRTでの復旧を決定したというようなことにつきまして、国土交通省としては説明は受けておりません。
○和田政宗君 これは確認が、国には伝わっていないということが取れましたので、国としてもまだ何ら決まっていないというようなことであるというふうに思いますけれども、これ、国会議員に対して、JRの執行役員が国会議員の言った一つの選択肢を言下に否定してということの状況を見ますと、これはJR内部ではそういった決定がなされているんだというふうな判断が取られかねないですから、国土交通省の方でもしっかりと、JRがそういった国会議員への説明において誤解を生まないようにしっかりとアドバイスをしていただければというふうに思います。
 そのJR気仙沼線の復旧について、国土交通省の考え方を聞きます。
 地元では強い要望で鉄路復旧をすべきだというものが、これはもう住民だけではなく、議会の要望、自治体の要望としても上がってくるわけですけれども、気仙沼線の復旧については鉄路復旧との方針でよろしいでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 山田線が一定の前進をしましたものですから、気仙沼線がどうなるかということについては大変大きな関心事だというふうに思います。
 この復旧につきましては、国土交通省と沿線自治体とJR東で構成する復興調整会議において議論を重ねているところです。この会議では、鉄道の復旧に係る具体的な課題の抽出や調整などを行ってきました。国交省としては、今後とも、この沿線自治体の意向を踏まえながら、関係者間での議論を更に促進をしていきたいと、これ基本的な姿勢でございます。
○和田政宗君 地元はあくまで鉄路復旧を望んでいるということを改めて申し述べたいというふうに思います。
 そして、JR東日本、これ黒字企業でありますから、JR気仙沼線復旧に当たって国費の投入は行わないということでよろしいでしょうか。
○副大臣(北川イッセイ君) 鉄道の災害復旧につきましては、鉄道軌道整備法による補助制度がありますが、これは経営状況が厳しい鉄道事業者の場合に限って国庫補助の対象となっているということで、和田先生も御承知のとおりだというように思います。気仙沼線を運行するJR東日本につきましては黒字ということであります。国庫補助の対象にはなりません。原則自らの責任で復旧するということになるわけであります。
 今既に、仮にこの気仙沼線を鉄路復旧するという場合には、JR東日本において自らが負担するということを前提に、原状復旧費が三百億円となる旨、説明をしております。しかしながら、まちづくりに伴うかさ上げ費用といったいわゆる掛かり増しの費用の負担については関係者間で議論を進める必要があるというように考えております。
○和田政宗君 ありがとうございます。
 では次に、石巻市の大川地区の津波について聞きます。
 この地区には大川小学校があり、多くの子供が津波によって亡くなりました。北上川の河川堤防を越流した津波と、海岸から入り陸を遡上した津波が原因となったわけですけれども、石巻市や文部科学省が関与して作られた大川小学校事故検証報告書について、例えば河川堤防の越流時刻ですとかその量や流れなどについて、何人もの専門家から疑問の声が上がっています。
 多くの人が亡くなり、河川堤防を津波が越流していることから、国土交通省でも分析を行っていることと思いますが、その分析、検証において、堤防の越流時刻などについて大川小学校事故検証報告書と違っている点はあるのかないのか、あるとしたらどういった部分か、また、国交省においてこの地区の津波についてどのように分析しているのか、お答えください。
○政府参考人(池内幸司君) お答えを申し上げます。
 東日本大震災時の津波に関しまして、国土交通省は、津波遡上時の河川の水位、それから津波の痕跡水位、施設の被災状況、それから津波の挙動に関する目撃者からの聞き取り等の調査を行っております。
 これらによりまして、津波が河川を遡上した推定区間、それから津波が河川堤防を越流したと推定される区間、それから津波により浸水した区域、それから堤防等の施設の被災形態や被災原因等に関する情報を得ております。
 これらの調査は、河川管理者として堤防等の施設管理上の観点などから行ったものでございまして、大川小学校のある地区の釜谷地区における津波の詳細な挙動までは把握しておりません。
 なお、平成二十六年二月の大川小学校事故検証報告書には、国土交通省の福地水位観測所と、それから飯野川上流水位観測所における津波の到達時刻のデータが用いられております。また、その報告書には、「河川を遡上した津波が堤防を越流した数分後、陸上を遡上した津波が釜谷地区の中心部付近に到達した。」との記述がございますが、国土交通省の聞き取り調査でも、津波は北上川を遡上するものから遅れて陸域を遡上してきたとの情報を把握しております。
○和田政宗君 さらにこれ、河川堤防を越流していますので、やはり後世への教訓とすべきだと思いますので、分析、検証というものを、これ、しっかり行っていただければなというふうに思うんですが。
 文科省などが関与しました検証報告書の方というのは、データ的な詳細な分析というのが、例えば国の機関なりが関与してやっていませんので、国で新たなしっかりとした知見が得られるのであれば、これは今後の防災というところにも生きるというふうに思いますので、是非私は詳細な調査をやって、整合性が取れない部分、検証報告書と取れない部分についてはそういった原因を明らかにして、国交省内部でもしっかり蓄積をして、世の中に明らかにしてほしいというふうに思っております。
 この石巻市大川地区を含めた北上川右岸下流域には国土交通省のカメラが設置されておりましたけれども、全てのカメラの映像が残っているんでしょうか。また、これらの映像について御遺族や研究者への公開は可能か、お聞きます。
○政府参考人(池内幸司君) 震災時、旧北上川分流点より下流の北上川右岸には、カメラを六台設置しておりました。そのうち一台のカメラにつきましては、津波により光ファイバーが切断してしまいました。残り五台のカメラにつきましては、震災時の映像を保存しております。また、大川小学校から約五キロメートル上流にあるカメラの映像の一部につきましては、東北地方整備局のホームページで公開しております。
 保存している映像につきましては、御要請がございましたら、個人情報保護法の観点や、あるいは御遺族の方々の心情を配慮した上で、御遺族や研究者の方々に提供してまいりたいと考えております。
○和田政宗君 ありがとうございます。
 では次に、外航船のデジタルデバイドについて、すなわち海外を航行する日本の船の主にインターネット環境の整備についてお聞きしたいというふうに思います。
 これは、若い乗組員を確保する、また、乗組員が安心して働ける環境を整備するためにも、インターネットが使える、メールでやり取りができるという環境というのは非常に重要であるというふうに考えます。
 国の取組はどのようになっているでしょうか。
○政府参考人(富永昌彦君) お答えいたします。
 国際航海に従事する外航船につきまして、船上で長期間活動する船員と家族とのコミュニケーションの確保、緊急時の通信の確保など、海上においても陸上と同等のICT利用環境の実現を求めるニーズが高まっていることから、海上におけるデジタルデバイドの解消は重要な課題と認識しております。海上におけるデジタルデバイドを解消するためには、広域なサービスエリアを確保でき、災害に強いという特性を有する衛星通信システムを活用することが重要と認識しております。
 これまで、総務省といたしましては、海上における通信環境の整備といたしまして、世界的なサービスエリアでの通信を可能とするインマルサットシステムの通信速度の高速化や端末の小型化、小型端末による通信を可能とするイリジウムシステムの導入、船舶において高速ブロードバンドサービスを利用可能とするための新たな周波数帯の利用などにつきまして、他の無線利用との共用を可能とするための技術実証や技術基準の策定を行ってきております。
 今後、船舶と陸上との間の通信環境を充実するための取組といたしまして、より高い周波数帯を活用して、海上において現行の十倍以上の通信速度を実現するため、平成二十七年度から三か年計画で技術実証を実施し、技術基準を策定することとしております。
 総務省といたしましては、国土交通省等の関係府省と連携いたしまして、今後も技術の進展に対応した新たな無線システムの導入や既存の無線システムの高度化のための制度整備などの取組を進めることにより、海上におけるデジタルデバイドの解消に取り組んでいきたいと思っております。
 以上でございます。
○和田政宗君 是非このまま継続して、積極的に進めていただければというふうに思います。
 最後の質問ですが、お手元の資料を御覧ください。カラー刷りのものでありますが、宮城県岩沼市の集団移転の玉浦西地区の災害公営住宅ですが、コミュニティーロードという新しい考え方が取り入れられています。建物と建物の間に長屋の小道のように通っている歩道がコミュニティーロードで、二枚目なども見ていただければと思いますが、建物の玄関は全てコミュニティーロードに面していますので、自然に住民が顔を合わせる、コミュニティーのつながりが維持できる。あれ、あの家の方はここ数日顔を見ないけど大丈夫かしらというふうに、何かあったときの初期の発見にもつながるというメリットがあります。普通であれば、玄関は車道側にあって、災害公営住宅ですね、こうした小道が造られるというところは少ないんですけれども、このコミュニティーロードは地元宮城県の建築家の方々が復興公営住宅の在り方を様々議論する中で出てきた考え方で、何よりも持続的なコミュニティーを維持してもらうために考えられたものです。
 そして、三枚目を見ていただきたいんですけれども、コミュニティーロードに向けて緩やかな傾斜を付けることで簡単にバリアフリーとすることができます。比較対照で四枚目見ていただければと思うんですが、ほかの地区の災害公営住宅を見ますと、これバリアフリーに原則しないといけませんので、バリアフリーにするためにぐにゃぐにゃとスロープが付いているわけですが、これではコストも掛かりますし、デザインも良くありません。このコミュニティーロードにつきましては、玉浦西の災害公営住宅に入居する方も高い評価を得ています。
 私は、このコミュニティーロードの考え方を災害公営住宅の整備に当たり積極的に取り入れていくべきと考えますが、太田国交大臣のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) この考え方はすばらしいと私は率直に思います。こうした災害のときは、直後から時間軸の中で、一人一人が孤独になっていくという心の問題、そして孤独の問題、孤立化ということがいかに深刻な問題であるかということがあらわになっているというふうに思います。そういう意味で、災害公営住宅にこうした試みがされているというのは、できるだけ幅広く情報を提供して、また発信をしていくということが大事かと思います。
 相馬に行きましたときに、もう災害公営が今月で、あしたですね、あしたで全て完了、四百十戸完了するんですが、最初造ったときに、井戸端長屋といって、井戸端の昔の江戸時代のそういうような感じでやっていたり、お年寄りの孤立化を防いだりということでいろいろ工夫をしているわけですが、いろんなところで工夫をされている。こうしたことが広まっていくということが大事で、高台移転といっても、災害公営だけでなくこうした配慮をしていくということは、すごく、高台移転して住居は構えたけれども知り合いがいなかったということは非常に深刻な問題なので、いろんな工夫がされることが必要だというふうに思います。
○和田政宗君 ありがとうございました。終わります。
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。
 フランスにおける航空機事故で亡くなられた方々、心から御冥福をお祈り申し上げたいと思います。
 ルフトハンザ系のLCCということのようでございます。事故原因の究明もしっかりやっていただきたいと思います。私もLCCはちょっと問題意識を持っておりまして、また今後の委員会でも、一定程度中身がそろいましたらまた質問を取り上げさせていただきたいと思っています。
 今日は、タクシー、ハイヤーの問題につきまして質問をさせていただきます。
 先ほども金子委員からございましたが、福岡市でのウーバー・ジャパンのいわゆる実証実験についてまず質問をいたします。
 米国発のITベンチャー、ウーバーは、スマートフォンのアプリにより利用者と一般のドライバーの間の有償の移動サービスをマッチングをして仲介手数料を取るというビジネスモデルでありまして、全世界で急激に事業を拡大をしています。一方で、インドでは運転者による乗客のレイプ事件が発生したり、世界中で規制当局やタクシー・ハイヤー運転手との間でトラブルを起こすなど、問題も報告をされております。
 子会社であるウーバー・ジャパンは、福岡市で二月五日から三月四日まで一か月にわたり、利用者の運賃を無料にする代わりにウーバーが運転者に報酬を支払う、一時間千三百円だそうでありますけれども、ライドシェアの実験を行いました。
 今回の福岡での事案の経緯の概要、国交省の対応についてまず伺います。
○政府参考人(田端浩君) 福岡で行われましたウーバー社がいうところのライドシェアでございますが、タクシー運転者の免許を持たない一般のドライバーと利用者とをスマホアプリによって仲介し、ドライバーが利用者を運送するものであり、ドライバーに対してウーバー社が一定の対価を支払うということとされておりました。
 今回のウーバー社の福岡における問題につきましては、利用者の安全の確保に懸念があると判断をいたしましたので、中止するよう指導いたしました。週明け、三月三日に中止をするよう督促もし、三月四日をもってウーバー社からこの運送のいわゆるライドシェアは打ち切ったということの報告を受けているところであります。
○吉田忠智君 国交省は、今局長から答弁がありましたように、二月二十七日と三月三日の二度にわたり行政指導を行ったということでありますが、白タク行為、道路運送法違反を否定できないという判断に至ったポイントはどのようなものだったのでしょうか。また、背景にある規制の趣旨について簡潔にお答えください。
○政府参考人(田端浩君) 旅客の運送につきましては、安全確保や法令遵守は大前提でありまして、許可等を得ることなく行ういわゆる白タク行為は認められません。利用者以外が料金を負担する場合であったとしても、運送に対する対価が支払われている場合には道路運送法に抵触することとなります。今回のウーバー社の福岡における問題は、実態としては有償で旅客を運送するものであり、道路運送法に抵触すると考えられます。
 また、事故が起きた場合の保険の適用についての確認が不十分であったこと、ドライバーや利用者はウーバー社の日本法人ではなくそれぞれ別個の外国のウーバー社の関連法人と契約を締結する形が取られており、トラブルが起きた際に日本で裁判を提起することも制限されていたことなどから、利用者保護等の観点から問題があると考えられます。
 このため、ウーバー社に対して中止するように指導したところでございます。
○吉田忠智君 公共交通であるタクシーが安全、安心の移動サービスを提供するまでには、事業の認可、二種免許、それから万一の事故に備えた適切な自動車保険、そして設備投資や人材育成などの安全投資などなど、事業者、労働者一体となった努力、そして国交省の事前の規制監督という多くの取組があることをやっぱり確認すべきだと思っております。
 ウーバーの創始者でCEOのトラビス・カラニック氏は以前、カリフォルニアでの会議で、我々は政治運動を繰り広げている、候補者はウーバーであり、対抗馬はタクシーという名のあほだと発言しています。残念ながら、ベンチャー企業の一部に、規制の趣旨を理解せず、あえてリーガルリスクにチャレンジすること、規制を実力で突破することにビジネスチャンスを見出す傾向があることも事実であります。
 国交省が適切な行政指導をしたことは評価をしますけれども、結果として白タク行為を許してしまったわけであります。過去には、国交省が白タク行為を刑事告発したこともありますし、ウーバーは東京では第二種旅行業者の資格を取得をしておりますけれども、コンプライアンスに問題のある事業者への旅行業許可には疑義もあるわけであります。海外でのウーバーのビジネスモデルに鑑みれば、より厳重なペナルティーが必要だったのではないでしょうか。
 ウーバーは再開を検討していると報道されております。また、ウーバーに限らず同様の事案が発生する可能性もあります。再発防止に向けてどのように取り組んでいかれるのか、伺います。
○政府参考人(田端浩君) 旅客の運送につきましては、委員今御指摘のとおり、安全の確保、法令遵守が大前提でございます。これらについて懸念がある形でサービスや事業が行われることのないよう引き続き注視をし、問題がある点については厳しく指導を行っていきたいと考えております。また、関係機関に対してもいろいろ情報提供を行いながら密接に連携をして、いろいろな今般のようなことが起こらないような再発防止にも取り組んでいきたいと考えております。
 なお、ウーバー社からは、現在まで、このようなライドシェアの形につきましての再開については私どもは連絡を受けておりません。
○吉田忠智君 この後タクシー特措法の質問もしますが、このウーバーのようなものが入ったら、もう特措法どころの話じゃありませんからね。私は、この話を聞いたとき、戦慄を覚えました。適切な事前規制をなくして利用者の自己責任による事後救済のみに任せていては、安全、安心な公共交通であるタクシーを維持することはできないわけであります。また、一部事業者が法的規制をかいくぐって事業を展開するとすれば、競争の公平公正にも関わります。国交省には、今後とも厳格な監督をお願いをしたいと思います。
 次に、改正タクシー特措法について質問いたします。
 運転者の賃金、労働条件の悪化、事業者収支の悪化、事故の増加などを招いた平成十四年の行き過ぎた規制緩和を見直すことが改正タクシー特措法の趣旨でありますが、国交省が二月に公表した特定地域の二十九の候補地からは東京特別区・武三交通圏や名古屋交通圏などが外れて、大変なショックを受けました。田城委員の質疑にもありましたけれども、どのような指定基準でしょうか。それぞれの基準の背景にある趣旨はどのようなものでしょうか。また、東京が外れた理由についても伺います。
○政府参考人(田端浩君) お答えいたします。
 お尋ねの特定地域の指定基準でございますが、実働実車率が平成十三年度と比較して一〇%以上減少していること、また日車営収等が平成十三年度と比較して一〇%以上減少していること、三つ目、当該営業区域における協議会の同意があること、このような要件で、全部で六つの要件を定めているところであります。
 この特定地域の指定基準につきましては、議員立法の趣旨、賃金を効果的に引き上げていくという趣旨、これを尊重し、また両院での附帯決議、また規制改革会議からいただいています御意見を勘案しながら策定をしてきたところであります。客観的あるいは恣意的にならないという数値を入れて基準を定めてきたところであります。
 ただいま御指摘の東京都特別区・武三交通圏につきましては、実働実車率が平成十三年度と比較して六・九%の減少にとどまっておりまして一〇%以上の減少とはなっていないため、特定地域の指定基準を満たさないこととなっているものでございます。
○吉田忠智君 一〇%というお話がありましたが、特別区・武三交通圏では、平成十三年のタクシー運転者の年間所得が四百三十六万円、平成二十六年、十三年たって三百九十二万円と、賃金水準は明らかに下がっているわけですよね。これでなぜ特定地域から外れるのか、ちょっと理解できないんですけれども、もう一回答弁してください。
○政府参考人(田端浩君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げました実働実車率の一〇%以上減少しているという基準など、六つの基準がございます。
 その中で、委員今御指摘の日車営収又は日車実車キロが平成十三年度と比較して一〇%以上減少しているというような指標も入って、いろいろこれを総合的に判断をすることになっておりますが、先ほども御答弁申し上げましたが、実働実車率が六・九%の減にとどまっているというところでございますので、ここの要件に当たらないということで、今般、東京については指定の基準には合致をしないということの結果になっているということでございます。
○吉田忠智君 お手元の資料で、裏側ですかね、タクシー事業における日車営収と年間所得の推移、東京特別・武三の推移を付けております。
 指定基準の中で、日車営収又は日車実車キロが運転者の賃金水準の指標として採用されております。なぜ一日一両当たりの売上額である日車営収を賃金水準の指標としてできるのでしょうか、伺います。
○政府参考人(田端浩君) お答え申し上げます。
 日車営収、いわゆる一台当たりの一日当たりの売上げということでございますけれど、いわゆるタクシーの運転者の賃金そのものというものをどう把握をしていくかという課題がございます。
 委員御指摘の賃金水準そのものを用いるべきという御意見があるということも承知はいたしております。ただ、運転者の賃金などを正確に把握するということは困難であるという点。もう一点、賃金は労使間で決定されるものでありまして、指定基準において一定の金額をお示しをするということは労使間に影響が与える可能性が多いということから、そういう賃金水準そのものを基準とするということにはいたしていないところであります。
 一方、タクシー事業は歩合制賃金が主体とされている、こういう実態を踏まえまして、一日当たりの売上げ、日車営収というものがこの運転者の賃金と連動するというふうでございます。いわゆる歩合率を掛けていきますと運転者の賃金というものの水準が計られるということでございますので、これを指標として採用するということといたしたところでございます。
○吉田忠智君 確かに、現状、歩合制の賃金体系が広く採用されております。残念ながら実現はしていませんけれども、これまでも交通政策審議会やタクシー事業における賃金システム等に関する懇談会などで歩合給と固定給のバランスの取れた賃金体系への改善が検討されてきました。
 歩合制賃金がタクシー運転者の長時間労働や低賃金を招いてきたというのは我々と国交省の共通認識だったというふうに私は、共通認識だというふうに思っております。また、そもそも、長時間労働の問題と併せて、全産業平均の約半分、二百万円以上も低い年間所得の改善が急務であるにもかかわらず、平成十三年並みに賃金を引き上げることのみで運転者の賃金水準の改善と言えるのか、甚だ疑問であります。
 改めて申すまでもなく、職種別に見ると本当に厳しい賃金の実態にあるわけでございます。今後、賃金水準の改善に向けて国交省としてどのように取り組んでいかれるのか、伺います。
○政府参考人(田端浩君) ただいま御指摘ございました賃金水準の改善に向けて、取組でございますが、まずは特定地域制度というものをスタートさせまして、いわゆる供給過剰であった問題を解決をした上で、一台当たりの売上げ、日車営収というものの改善というものをしていって具体的な成果を出していくということが肝要であると考えているところであります。
 一方、改正タクシー特措法、附帯決議を両院からいただいております。参議院からもいただいておりまして、この中でも、施行状況や効果について三年ごとの総合的な検証を行うということとされております。この附帯決議の中には、ただいま御指摘もございました、歩合給と固定給のバランスの取れた給与体系の再構築、このような点も御指摘もいただいているところであります。このため、将来的な制度の見直しや運用改善につきましては三年ごと総合的な検証を行うこととしておりますが、その検証結果を踏まえましてきちっと対応策を取っていく必要があると考えております。
 なお、本年一月に、学識経験者、利用者代表、タクシー関係者などを構成員といたします検討会を自動車局に設置してございます。この改正タクシー特措法の施行の状況や効果についてしっかりとフォローアップをしていくこととしておりまして、ただいま御指摘ありました賃金水準の関係につきましてもフォローアップをきちっとした上で対策を取っていきたいと考えているところであります。
○吉田忠智君 改正特措法は、もうそれこそ超党派で議員立法で成立させたものでありますけれども、規制改革会議から横やりが入って、私は立法趣旨が曲げられているのではないかというふうに思っているんですけれども、その点についてはいかがですか。
○政府参考人(田端浩君) 特定地域の指定基準につきましては、御説明を先ほどから申し上げておりますが、議員立法の趣旨、これは賃金を効果的に引き上げていくということ、これをきっちりと尊重する。あと、両院の附帯決議、あるいは規制改革会議からは、一方、安易な指定は行われないように慎重にという御意見もいただいています。これを勘案しながら、一月三十日に策定をいたしてきているところであります。
 具体的には、指定基準を定めていくときに、客観的な指標を用いながら、私どもといたしましては、供給過剰となって運転者の労働環境改善が進まないなどの課題を抱えている地域につきましては、対策を取るためにできるだけ指定対象になるようにしていかなくちゃいけないという観点を頭に置きながら、例えば指標といたしましては、供給過剰の状況ということで、車両の稼働効率に関する指標、また、ただいま御指摘ありました賃金水準に関する指標としての日車営収、あるいは地域、利用者の意向の指標という意味で協議会の同意を得ることという点などを含めた六項目の指標を定めてきたところでございます。
 そういう基準を適用、当てはめた結果、現在最大で二十九地域、車両数ベースで三四%の指定の可能性があるということでございます。
 いずれにいたしましても、改正特措法施行なりまして、まだ特定地域の指定がなされていませんが、指定基準が定められましたので、まずこの特定地域制度をスタートさせて供給過剰の解消を一層強力に進めるということを進めてまいりたいと考えております。
○吉田忠智君 まずは改正特措法で平成十四年の規制緩和以前の状態に近づけるということだろうと思いますが、全産業平均並みの年間所得、労働時間を改善して、魅力ある産業に改革をしなければハイヤー・タクシー業界の持続可能性が低下をして、安全、安心な移動サービスの提供にも支障が出ることが懸念をされるわけでございます。
 最初に議論しましたウーバーの問題、そして改正特措法の趣旨も安全、安心な公共交通機関であるタクシーの維持だと、そのように思っております。
 大臣、ウーバーの問題、改正タクシー特措法の実施に当たっての大臣の御決意を伺います。
○国務大臣(太田昭宏君) 日本のタクシーがより健全で安全で運営できるということは極めて大事なことだと思っておりますし、おもてなしなどと言っても、処遇改善がなければ得られないというふうに思います。そういう意味からいきまして、最も大事なのは安全、安心、そのためには働いている人たちの処遇が改善されて賃金がきちっと得られるようにという体制をつくるということが大事だというふうに思っています。
 改正特措法の趣旨、御努力をいただいて作っていただいた、それが貫徹されるように、まず今回第一歩を踏み出すということになりますが、これをやった上で、きちっとその趣旨が貫徹できるようにということを考えています。
 ウーバーのことについては、これは最近、ITあるいはスマホ等を使っていろんな業界でそうした新しい、ビジネスモデルと言えるかどうか分かりませんが、試みがあったりして、空いているうちを、マンション等を一棟買いして、空いているところに旅館としてそれを勝手に入れていくというような、そんな仲介というような試みもあるというような動きもあるわけで、私としては、こうしたことについて、日本は安全、安心ということが、住まいの問題についてもいろんなところでもありますから、そこを先行して手を打っていくということが必要だというふうに思っています。
 安全、安心ということについて確保されてきた日本の社会全体が変なことで壊されないように全力を尽くしたいと思うところでございます。
○吉田忠智君 ウーバーの問題もしっかり水際で止めていくという対応もしていただきたいと思います。
 それから、先ほど局長からタクシーのあり方検討会の方も検討していくということでありますから、改正特措法の趣旨がしっかり生かされるように、大臣、リーダーシップを図って進めていただきたいと思います。
 以上で終わります。
○委員長(広田一君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会をいたします。
   午後四時二分散会