第189回国会 国土交通委員会 第1号
平成二十七年十二月三日(木曜日)
   午後一時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月九日
    辞任         補欠選任
     江島  潔君     北村 経夫君
     森屋  宏君     福岡 資麿君
 十月十三日
    辞任         補欠選任
     北村 経夫君     江島  潔君
     福岡 資麿君     森屋  宏君
 十二月二日
    辞任         補欠選任
     太田 房江君     石井 正弘君
     酒井 庸行君     三宅 伸吾君
     森屋  宏君     山本 順三君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         広田  一君
    理 事
                大野 泰正君
                田城  郁君
                増子 輝彦君
                河野 義博君
    委 員
                青木 一彦君
                石井 正弘君
                江島  潔君
               北川イッセイ君
                中原 八一君
                野上浩太郎君
                三宅 伸吾君
                山下 雄平君
                山本 順三君
                渡辺 猛之君
                金子 洋一君
                田中 直紀君
                山本 博司君
                辰巳孝太郎君
                山口 和之君
                室井 邦彦君
                和田 政宗君
                吉田 忠智君
                脇  雅史君
   国務大臣
       国土交通大臣   石井 啓一君
   副大臣
       復興副大臣    長島 忠美君
       国土交通副大臣  土井  亨君
       国土交通副大臣  山本 順三君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       宮内 秀樹君
       国土交通大臣政
       務官       江島  潔君
       国土交通大臣政
       務官       津島  淳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 利幸君
   政府参考人
       内閣府規制改革
       推進室次長    刀禰 俊哉君
       内閣府地方創生
       推進室室長代理  川上 尚貴君
       警察庁長官官房
       審議官      掛江浩一郎君
       国土交通大臣官
       房技術審議官   池田 豊人君
       国土交通省総合
       政策局長     毛利 信二君
       国土交通省土地
       ・建設産業局長  谷脇  暁君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        金尾 健司君
       国土交通省道路
       局長       森  昌文君
       国土交通省住宅
       局長       由木 文彦君
       国土交通省鉄道
       局長       藤田 耕三君
       国土交通省自動
       車局長      藤井 直樹君
       国土交通省港湾
       局長       菊地身智雄君
       国土交通省航空
       局長       佐藤 善信君
       観光庁長官    田村明比古君
       海上保安庁長官  佐藤 雄二君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
 (基礎ぐい工事問題等に関する件)
    ─────────────
○委員長(広田一君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 この際、委員長より申し上げます。
 大変理事会の協議が長引きまして、各委員の皆さん、また、大臣を始め国土交通省の皆さんには大変お待たせをいたしまして申し訳ございませんでした。
 それでは、まず、委員の異動について御報告を申し上げます。
 昨日、森屋宏君、太田房江君及び酒井庸行君が委員を辞任され、その補欠といたしまして山本順三君、石井正弘君及び三宅伸吾君が選任をされました。
    ─────────────
○委員長(広田一君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りを申し上げます。
 委員の異動に伴いまして現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例によりまして、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(広田一君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に大野泰正君を指名をいたします。
 なお、あと一名の理事につきましては、後日これを指名いたします。
    ─────────────
○委員長(広田一君) 今回、理事会が長引きました。これにつきまして改めておわびを申し上げたいというふうに思います。
 今回、質疑の内容が基礎ぐい工事問題等に関する件ということでございます。それに伴いまして、旭化成株式会社及び旭化成建材株式会社、この両社に対しまして、参考人招致について一旦理事懇で筆頭間協議になり、それについて委員長一任ということになって、両社に対して出席要求をしたところであり、それに応じて御出席を会社側もいただけることになっておりました。しかし、その後、本日の理事会におきまして自民党の方から、この合意を覆し、ほごにする御提起があった次第であります。
 このことは、委員会の皆さん、前代未聞のことでございまして、これが前例とならないように、今後、各会派の皆様方におかれましては、筆頭間で合意をしたこと、一旦全会一致で決まったことについては、それは特に与党の責任として、このことについては履行をしていただけるように委員長の方からもお願いを申し上げたいというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。
    ─────────────
○委員長(広田一君) 続きまして、この際、石井国土交通大臣、山本国土交通副大臣、土井国土交通副大臣、宮内国土交通大臣政務官、津島国土交通大臣政務官及び江島国土交通大臣政務官から発言を求められておりますので、順次これを許します。まず、石井国土交通大臣。
○国務大臣(石井啓一君) この度、国土交通大臣を拝命をいたしました石井啓一でございます。
 広田委員長を始め理事、委員の皆様の格段の御指導をよろしくお願いを申し上げます。
 国土交通委員会の開催に当たりまして、御挨拶を申し上げます。
 まずは、本年九月の関東・東北豪雨により被害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げます。施設では防ぎ切れない大洪水は必ず発生するとの考えに立ち、社会全体で常にこれに備える水防災意識社会の構築に向け、防災・減災対策を推進してまいります。
 また、横浜市のマンションに端を発しました基礎ぐいの問題につきましては、原因究明と再発防止策を講じ、国民の不安払拭に取り組んでまいります。
 さらに、東洋ゴム工業やフォルクスワーゲン社の不正事案についても、徹底した調査と再発防止策を図ってまいります。
 国土交通行政は、国民生活、我が国の経済に関わる幅広い分野にわたります。東日本大震災からの復興の加速、防災・減災、老朽化対策、交通機関の安全確保、我が国の領土、領海の堅守などの国民の安全、安心の確保にしっかりと取り組んでまいります。
 また、急激な人口減少、少子高齢化に直面する中で豊かな地域社会の実現を目指すとともに、観光立国の推進、ストック効果を重視した社会資本の整備などを通じて、我が国の経済再生に貢献をしてまいります。
 国土交通行政の推進に精いっぱい取り組んでまいりますので、委員長、委員各位の格別の御指導をよろしくお願いを申し上げます。
 以上でございます。
○委員長(広田一君) 続きまして、山本国土交通副大臣。
○副大臣(山本順三君) この度、国土交通副大臣を拝命いたしました山本順三でございます。
 広田委員長、そしてまた理事、委員の皆様方の格段の御指導、御鞭撻のほど、くれぐれもよろしくお願い申し上げます。
○委員長(広田一君) 続きまして、土井国土交通副大臣。
○副大臣(土井亨君) この度、国土交通副大臣を拝命をいたしました土井亨でございます。
 広田委員長を始め、理事、委員の皆様方の格段なる御指導を心からお願いを申し上げます。よろしくお願いいたします。
○委員長(広田一君) 続きまして、宮内国土交通大臣政務官。
○大臣政務官(宮内秀樹君) この度、国土交通大臣政務官を拝命をいたしました宮内秀樹でございます。
 広田委員長を始め、理事、委員の皆様方の格段の御指導をよろしくお願いを申し上げます。
○委員長(広田一君) 続きまして、津島国土交通大臣政務官。
○大臣政務官(津島淳君) この度、国土交通大臣政務官を拝命いたしました津島淳でございます。
 広田委員長を始め、理事、委員の皆様の格段の御指導を何とぞよろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございます。
○委員長(広田一君) 最後に、江島国土交通大臣政務官。
○大臣政務官(江島潔君) この度、国土交通大臣政務官を仰せ付かりました江島潔です。
 広田委員長を始め、理事、委員の皆様におかれましては、引き続きましてどうぞ御指導いただきますことをお願いいたします。
    ─────────────
○委員長(広田一君) 続きまして、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りを申し上げます。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府規制改革推進室次長刀禰俊哉君外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(広田一君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
○委員長(広田一君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のうち、基礎ぐい工事問題等に関する件を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○山下雄平君 自由民主党の山下雄平です。質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 委員会の開始が大分遅れまして、予定時刻であればもう私の質問は終わっているような時間なので、なるべく簡潔な質問に努めたいと思っております。
 今日は、横浜市のマンションで発覚をいたしました基礎ぐい工事不良、そしてデータ流用問題についてお話をお伺いさせていただければと思いますけれども、問題となったマンションは、目で見て分かるほど廊下に段差があって、今の日本でこんな建築物があるのかと、本当に世間に衝撃を与えました。
 所管の省庁として、国土交通省はこれまで関係業者に対してどのような指導を行ってきたんでしょうか、お聞かせください。
○政府参考人(谷脇暁君) お答え申し上げます。
 横浜市のマンションの事案につきましては、まず、売主でございます三井不動産レジデンシャルに対しまして、売主として責任を持って住民の不安解消や要望に誠実に対応するように指示してございます。
 また、建設業法に基づきまして、元請の会社でございます三井住友建設、下請の会社でございます旭化成建材などに対しまして、横浜市のマンションにおける施工不良やデータ流用につきましてそれぞれの責任に応じた事実関係の調査報告を求めるとともに、安全性の確認を行うように指示をしているところでございます。
 特に、旭化成建材につきましては、横浜市のマンション以外にも多数の現場でデータ流用等が判明したということを受けまして、十一月二日に同社に対し立入検査等も行ったところでございます。
 引き続き、建設業法に基づき関係企業を厳正に指導監督してまいります。
○山下雄平君 このデータ流用に関しては旭化成建材以外にも広がっています。データ流用の実態把握に向けて国土交通省としてどのように取り組んでいるのか、お聞かせください。
○政府参考人(谷脇暁君) 国土交通省といたしましては、まず、旭化成建材がくい工事を施工いたしました横浜市の分譲マンションで七十本のデータの流用が判明したということを受けまして、同社が十年間に施工いたしましたくい工事に係る施工データの流用等についての調査を指示いたしました。この結果が先月二十四日に報告がございまして、三百六十件のデータ流用があったという報告がございました。
 さらに、調査の過程でデータの流用が更に広がっているという懸念が生じたことから、業界の実態を把握するために、先月十九日にコンクリートパイル建設技術協会に対しまして会員企業の自主点検の結果を報告するように指示をいたしました。二十七日の日に報告を受けましたが、協会の会員四十社のうち六社二十二件においてデータ流用があったという報告を受けております。
○山下雄平君 データの流用はゆゆしき問題ですけれども、最も大切なのは安全性の問題だと思います。このデータ流用の問題と安全性の関係を明確にする必要があると考えますけれども、データ流用があった物件についての安全性の確認をどのように進めていく考えでしょうか、お聞かせください。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
 データ流用が判明いたしました物件につきましては、判明次第速やかに建築物の安全性の確認を施工業者に指示するとともに、地方公共団体の建築指導担当部局に要請をいたしております。
 まず、先行物件と呼んでおります横浜市のマンションの担当者が関与した物件と地方公共団体の調査等により先行してデータ流用等が明らかになった合計八十二件につきまして、先行して調査を進めているところでございます。
 まず、この八十二件につきましては、目視等によりまして傾斜、ひび割れ等の有無を確認をいたしております。これについては全て終了いたしておりまして、横浜市のマンション一件を除きまして特段の問題はないということでございます。これにつきましては、十一月二十五日の対策委員会においても報告をさせていただきました。また、この委員会におきまして、くいが到達しているかどうかの確認方法について御承認をいただきましたので、現在はこの方法に従って各公共団体がくいの到達についての確認を進めているところでございます。
 八十二件につきまして、現在までの公共団体からの報告によりますと、このうち、元々のデータがございまして、くいの到達が確認できた物件が一件ございました。また、セメントミルクの注入量のみのデータ流用で、この点につきましては、現在、確認方法の検討を行っております関係で、この流用のみのものが十四件ございます。
 この一件と十四件を除きます六十七件につきまして、そのうち五十六件は施工データ等からくいの支持層に到達している状況が判断できるというふうに考えまして、現在、公共団体において最終的な確認のための精査を行っているところでございます。また、その余の十一件につきましてはボーリング調査を行うこととしております。この中には横浜市のマンションも含まれております。今申し上げました五十六件につきましては、公共団体の精査が終わり次第取りまとめまして、国交省で今週中にも状況を公表してまいりたいというふうに思っております。
 また、旭化成建材の三百六十件でございますが、これにつきましては、調査が困難なものが一部残るかというふうには思いますけれども、年内に目途を付けまして報告できるように取りまとめてまいりたいと思います。その他の六社二十二件についても迅速に安全性の確認を行うよう求めているところでございます。
 なお、くいが支持層に未到達であるというふうに判断された場合には、特定行政庁によりまして構造計算等を行うことによりまして構造の安全性を検証いたします。この結果、問題が判明いたしました場合には、早急に安全確保措置を講じることとしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○山下雄平君 安全の問題は何にも代え難い問題です。国交省として最善を尽くすようによろしくお願い申し上げます。
 今回の問題の要因の一つとして、下請や分業が細分化されている業界の構造的な問題ではないかと指摘する声もあります。重層下請構造と今回の事案の因果関係をどのように見ていらっしゃるのか、お聞かせください。
○政府参考人(谷脇暁君) 建設工事におきましては、工事内容が高度化をしているとか、あるいは専門化、分業化をしている、さらに、受注する工事量に増減、繁閑というものがあるという、そういったものへの対応という中で、元請の企業と下請の企業が適切な役割分担の下に施工体制を構築するというのが合理的であるというふうに考えられているところがございます。ただ一方で、御指摘ございましたように、行き過ぎた重層下請構造につきましては様々な弊害があるという指摘もございます。
 今回の横浜市のマンションの事案の原因につきましては様々な要因が指摘をされておりますけれども、予断を持たずに、何が原因かをしっかりと究明することが重要であるというふうに考えているところでございまして、引き続き原因究明の取組を徹底して行っていきたいというふうに考えております。
○山下雄平君 今後このような事態が二度と発生しないようにするにはどうすればいいかということを考えなければなりません。また、くい打ち以外にこういったような不正があるのではないかというような不安の声も聞かれます。再発防止策を徹底しなければならないと思います。
 一方で、十年前に発生しました耐震偽装問題、いわゆる姉歯事件を受けて法改正がされ、建築確認の制度が厳格になった。その際は、法施行までの準備不足ということもありまして、建築住宅不況となった過去もあります。一部の不心得な業者のせいで過度な負担の掛かるような制度になって、真面目にやっている業者まで苦しんでしまうというような事態は避けなければならないというふうに考えます。さらに、マンション業者だけではなくて、話を聞いていますと、戸建ての住宅を造っている建築業者さんなんかも、自分たちにも今回の問題でしわ寄せが来るんではないかというふうに心配されております。
 今回の問題を受けて、再発防止策を徹底するとともに、現場の実態や経済への影響も十分に配慮しなければならないと考えますけれども、石井大臣の見解をお聞かせください。
○国務大臣(石井啓一君) 横浜市の分譲マンションに端を発しまして、くい工事において多くのデータ流用が判明をしたことにつきましては極めて遺憾でございます。データ流用のあった物件につきましては安全性の確認を早急に進めることとしておりますが、併せて重要なのは、御指摘ございましたように、二度とこのような事態を起こらないようにすることでございます。
 国土交通省では、今般の基礎くい工事問題の発生を受けまして、再発防止策等について専門的見地から検討することを目的といたしまして、学識経験者から成る基礎ぐい工事問題に関する対策委員会を設置し、これまでに三回議論を重ねてまいりました。
 引き続き、なぜ横浜市のマンションで施工不良が起きたのか、なぜこれほど多くのデータ流用があったのか、さらには建設工事全般について、本事案の要因となるような構造的な問題があるのかどうか等の観点から徹底的に原因究明を進め、その原因にしっかりと対応した再発防止策を検討してまいりたいと存じます。その上で、御指摘がございましたとおり、現場でしっかり機能する対策でなければならないとも考えてございます。
 引き続き、対策委員会での御意見も踏まえまして、年内の中間取りまとめに向けてしっかりと取り組んでまいります。このことによりまして、建設業界の信頼を回復し、建築着工、ひいては経済への悪影響の回避にもつながるものと考えております。
○山下雄平君 では、ここからテーマを変えて、治水の問題を取り上げたいと思います。
 今年九月の鬼怒川の堤防の決壊によって、激烈な本当に浸水被害が発生いたしました。全国各地でもこのような被害が度々起きております。本来であれば、災害が起こる前に河川整備だったりダム整備をしっかりやる必要があると考えますけれども、それにはお金や時間も掛かります。長期的な視野の下に河川整備だったりダム整備を進めるとともに、喫緊の対応、今やれることをやるということも求められていると思いますけれども、治水対策の取組をお聞かせください。
○政府参考人(金尾健司君) お答え申し上げます。
 平成二十七年九月の関東・東北豪雨を踏まえ、直ちに、全国の市町村長を対象としたトップセミナーの開催や、堤防の決壊による家屋倒壊危険区域の公表など、避難を促す緊急行動を実施することといたしました。
 また、十一月三十日に開催された社会資本整備審議会の大規模氾濫に対する減災のための治水対策検討小委員会、ここにおきまして、社会全体で洪水氾濫に備える水防災意識社会を構築すべきとの答申案をいただきました。具体的には、ソフト対策については、スマートフォンなどによる洪水予報の提供など、より実効性のある住民目線のものへの転換、ハード対策については、従来の洪水を河川内で安全に流す対策に加え、越水などが発生した場合でも決壊までの時間を少しでも引き延ばすいわゆる粘り強い構造の堤防などの、氾濫した場合にも被害を軽減する危機管理型ハード対策を導入していく、そういうことがポイントであるというふうに認識をしております。
 鬼怒川のような災害は他の大河川でも起こり得ることから、国土交通省といたしましては、小委員会の議論を踏まえ、このような大洪水に備えるハード・ソフト対策をスピード感を持って推進してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○山下雄平君 局長がおっしゃったような危機管理型のハード対策、ソフト対策、補正予算も検討されているということなので、できるところから手を着けていただきたいと思いますし、加えて、やはり抜本的なハード対策というのも必要だというふうに考えます。
 政府が一旦ダム検証を掲げたこともあって、事業の見通しが立っていないところもたくさんあります。私の地元でも城原川ダムという計画がありますけれども、これに関して、本当に四十年も地元の住民はどうなるのかというふうに翻弄されております。この問題に関しては、私、この当委員会でも四月そして六月にも質問をさせていただき、前大臣の太田大臣から、知事や市長など地元の意見をしっかりと聞いて、今後できるだけ速やかに検証を進めていくというふうにおっしゃっていただいております。
 この度、国土交通大臣になられた石井大臣にも是非御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 筑後川水系の城原川におきましては、平成二十一年、二十二年を始めといたしまして、相次ぐ水害に見舞われております。治水対策を進めることは重要であると考えております。御指摘の城原川ダムは、城原川の治水を目的に計画されているダムで、現在調査段階にございます。
 このダムはダム検証の対象となっておりまして、九州地方整備局において本年五月そして九月と順次ダム検証のための会議を開催し、検証を進めているところでございます。城原川ダムにつきましては、まずはこのダム検証をしっかりと行うことが重要であると考えております。ダム検証の中で佐賀県知事や神埼市長など地元の御意見についてもしっかりとお聞きしながら、できる限り速やかに検証を進めまして、その結果に沿って治水対策を進めてまいりたいと存じます。
○山下雄平君 本当に地元の住民は翻弄されておりますので、できるだけ速やかに進めていただければというふうに思います。
 話題を変えまして、整備新幹線についてお伺いしたいと思います。
 九州新幹線の西九州ルート、博多から長崎ですけれども、このルートは初めてフリーゲージトレインというものを使う予定になっております。在来線区間が新鳥栖から武雄温泉区間あるということで、それに向けてフリーゲージの研究開発が進んでおりますけれども、昨年十一月から耐久走行試験が休止されて一年が経過をしております。開業に影響が出るんではないかというような不安の声が聞かれておりますけれども、石井大臣は先週の閣議後の記者会見で、政府・与党の申合せで開業は平成三十四年度から可能な限り前倒しをすると示されており、これに従って着実に取り組んでまいるとおっしゃられております。だとすれば、フリーゲージトレインの走行試験がかなり遅れておりまして、平成三十四年度までにこのフリーゲージトレインの実用化が本当に間に合うのかと不安視する声が少なくありません。
 フリーゲージトレインの実用化の見通しは、どのタイミングで誰がどのように判断するのでしょうか。
○政府参考人(藤田耕三君) フリーゲージトレインにつきましては、昨年、車軸に微細な摩耗痕等が確認されましたために、耐久走行試験を一時休止し、鉄道・運輸機構が中心となって調査を行っております。
 具体的には、不具合原因の特定のための試験、それから改善策の検討、検証等を行っているわけでありますけれども、今般、この調査につきまして一定のまとめができる状況になりましたので、明日でございますけれども、技術的な内容を検討する軌間可変技術評価委員会を開催することといたしました。
 今後の進め方につきましては、まずは明日のこの評価委員会の審議を踏まえて判断をすることになりますけれども、基本的には、開発主体である鉄道・運輸機構が技術開発を行い、技術的な実用化のめどにつきましては、国土交通省が開催するこの軌間可変技術評価委員会の評価を経ながら検討していくことになろうかと思います。
○山下雄平君 では、質問の最後に道路について伺いたいと思います。
 今週日曜日に、福岡県と佐賀県をつなぐ早津江川橋の着工式に私、出席させていただきました。これは国土交通省が整備している地域高規格道路の有明海沿岸道路です。
 この有明海沿岸道路は、有明海を取り巻く熊本、福岡、佐賀をつなぐ基幹道路です。この有明海沿岸道路は、高速道路だったり新幹線そして佐賀空港など、アクセス性を向上させることによって経済効果が非常に見込まれているとともに、災害時の緊急輸送道路としても、そしてさらには低平地の佐賀平野の避難箇所としてもそのストック効果は絶大だというふうに考えておりますけれども、九州北部の持続的発展の骨格を形成する有明海沿岸道路の整備を加速させる必要があると考えますけれども、国土交通省のお考えをお聞かせください。
○政府参考人(森昌文君) お答えいたします。
 有明海沿岸道路、これ重要港湾の三池港、さらには有明佐賀空港といったような広域交通拠点を連絡させるとともに、そしてまた有明海の沿岸にございます都市群を連携して物流の効率化、そしてまた地域間の連携促進というものを目的とした重要な道路であるというふうに認識しているところでございます。
 特に、主要工事事業区間の二区間について少し御紹介をさせていただきますと、まず、福岡県内の開通区間と相まって、特に佐賀空港のアクセスの要となります大川佐賀道路、これにつきましては、現在、国土交通省が用地買収を促進しておりまして、委員にも参加いただきました早津江川の工事に着手をさせていただいたところということでございます。ただ、用地進捗率がまだ約一割ということでございます。できるだけ早く事業を進めてまいれるよう努力してまいりたいというふうに思っております。
 また、国道四百四十四号の佐賀福富道路、これにつきましては佐賀県さんの方で事業を進めていただいているところでございまして、現在、既に四・五キロが開通して、残り芦刈インターから住之江インター、二キロを二十七年度中に開通するということで事業を進めていただいているというふうに聞いております。残る区間につきましても、用地買収並びに工事を推進していきたいというふうに聞いているところでございます。
 いずれにしましても、引き続き、全体につきまして地域の住民の方々の御協力、御支援もいただきながら、また、佐賀県さんとも連携をさせていただきながら一日も早い開通に努めてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○山下雄平君 是非とも、一日も早い開通に向けてお力添えをよろしくお願いします。
 それでは質問を終わります。
○増子輝彦君 民主党の増子輝彦でございます。
 ようやく閉会中審査が開かれたこと、大変私もうれしく思っております。
 この間、大臣に就任された石井大臣始め政務三役の皆さんにも改めてお祝いを申し上げると同時に、今後ともしっかりと国土交通行政の推進のために御活躍をいただきたいと思います。特に江島政務官におきましては、この委員会で筆頭を務められましたので、一層国土交通行政に励んでいただきたいと思います。
 大臣、改めて、御就任本当におめでとうございます。もとより建設省出身ということで、もう既に国土交通行政についてはいろいろと豊富な経験をお持ちであります。また、自公政権の中の政調会長として、公明党でも御活躍をされてまいりました。
 今更、石井大臣にお聞きする必要はないかと思いますし、先ほどの冒頭の御挨拶の中にもそのような姿勢が若干表れましたが、改めて、大臣就任に当たられて、この我が国を取り巻く様々な国土交通行政の中で、いろいろな課題が山積していることは御案内のとおりであります。特に東日本大震災における復興の問題、大変これ重要でありまして、私は福島ですが、原発事故と重なっての大変厳しい状況にあります。
 是非、この復興に対する大臣の姿勢というものをどのようにお持ちで、今後具体的にどのような形で復興のために頑張っていかれるのか、その御見解を伺えれば有り難いと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 御案内のとおり、国土交通行政、大変幅広い分野を担当してございますが、その中でも私といたしましては東日本大震災の復興の加速ということを第一番目に進めてまいりたいと存じます。
 既に、大臣就任してより、東北の被災三県、視察をさせていただきました。道路ですとかあるいは様々な港湾施設等につきましては相当整備が進捗しているということを視察してまいりましたが、一方で、まちづくりあるいは住宅の再建はこれから本格化していく状況と。特に、福島におきましてはまだたくさんの方が避難をされている、まだ復旧すら手が着いていない地域もあるということで、地域によって相当大きな違いがある、復興いまだ道半ばという思いをいたしたところでございます。
 私といたしましては、引き続き被災者の皆様に寄り添いながら、一日も早い復旧復興ができるように、国土交通省といたしまして省を挙げて全力で取り組んでまいりたいと存じます。
○増子輝彦君 是非お願いを申し上げたいと思います。
 大臣は、東京電力福島第一原発に視察に行かれたことはあるんでしょうか。もしなければ、是非一度早く行ってほしいなと思います。この国土交通委員会でも、広田委員長を始めとして一同視察に入らさせていただきました。やはり福島の現状は、原発の事故抜きにはこれは様々な課題を解決することができません。この事故の検証をしっかりやっていかなければいけない。
 放射能による影響、様々なものがあるわけでありますから、もし行かれておられるならば何度か足を運ぶと同時に、まだ行っておられないのであれば是非早急に福島一Fの視察をしていただければ、今後のこの復興の様々な問題解決に大きな道しるべになるんだろうというふうに思っていますので、そのことをお願いを申し上げておきたいと思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 先日、福島の視察をいたしました際に、中間貯蔵施設の予定地までは視察をしてまいりましたが、残念ながら第一原発の中にはいまだ入ってございませんので、機会を見付けて視察をするようにいたしたいと存じます。
○増子輝彦君 できるだけ早い機会にお願い申し上げたいと思います。
 それでは、本来であれば、今日の中心テーマは基礎くい問題についてでございました。残念ながら参考人招致が全会一致ということでなりませんでしたので、おいでいただくことはできませんでしたが、この間、大野理事にもいろいろ御苦労を掛けましたけれども、是非しかるべき早い時期にまたしっかりと、それぞれ業界の関係者の皆さんにもおいでいただいて根本的な問題から、この問題について国会として説明責任なり国民に安心感を与えるためにしっかりと議論をしていきたいと思います。
 今日は、行政当局にお伺いをしたいと思っております。
 今回のこの基礎くい問題について、大臣については率直にどんな感想、御意見をお持ちか、お聞かせいただければ有り難いと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 建設産業は、国民生活、また経済活動の基盤となるインフラの整備に加えまして、防災・減災対策、老朽化対策などの国民の安心、安全を確保する上で重要な役割を果たしております。
 今回、横浜市のマンションに端を発しまして、多くのくい基礎に関するデータ流用が判明をいたしましたことは、我が国の建設産業に対する国民の信頼を損なうものであり、極めて遺憾であると、このように思っております。
○増子輝彦君 まさに大臣の今の御答弁のとおり、国民の信頼を失うということ、本当にこれは大事なところでございます。
 実は、この基礎くい関係の業界団体のくい工事業者団体コンクリートパイル建設技術協会の黒瀬会長が記者会見をされております。その中で黒瀬会長は、業界の大半で行われている、個別企業ではなくて業界全体の問題と認識をしているということ、これ大変重大な発言だと思うんです。
 業界全体の問題、個別企業の問題ではない、まさに今回のこの旭化成建材の不正がといいますか、問題が発生したということについては単なる旭化成建材一企業の問題ではないという認識を私自身も持っておりますから、是非この問題については、本当は今回、旭化成建材さんも、何か一企業が悪者になっているという感じが国民の中で印象付けられておりましたので、やっぱりきちっと説明をすべきだという主張を私もしてまいりまして今回の参考人招致になったわけでありますが、残念ながら来られなかったということ。これは一個別企業の問題ではない、業界のその会長が、業界の大半で行われている、これ大変重大な発言だと思うんです。会長の自らの企業でもそういうことがあったということを記者会見の中で実は言われているわけです。
 大臣、業界の大半で行われているというこの問題について、所管の大臣としてどのようにこのことを受け止めて、どのような今後対応をしていくのか、御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 先月十九日にコンクリートパイル建設技術協会に対しまして会員企業の自主点検結果の報告を指示をいたしました。これを受けて、二十七日に同協会から結果の報告を受けました。この報告によりまして、旭化成建材を除いた協会会員企業四十社のうち六社二十二件においてデータ流用が行われていたことが明らかになりました。これによりまして、私自身も業界において広くこのデータ流用が行われていたというふうに思ってございます。
 これらの調査によって明らかになった業界の実態を踏まえて、対策委員会における再発防止策の検討を一層加速をさせまして、年内の中間取りまとめへとつなげていきたいと思っております。
○増子輝彦君 大臣、データの解明とか取りまとめではないんですね、大事なところは。業界の大半で行われていると。事実を調査して事実を明らかにするということももちろん大事であります。しかし、この業界の会長が、業界の大半で行われているという事実、これは会長は率直にこのことを表明されたんですね、自らの企業もそういうことをやっていたということを含めて。これ、業界全体の問題ということは、ほかにも場合によってはもっともっとこういうことが行われている、これは必ずしもコンクリートパイル建設技術協会だけではなくて、様々なこの建設業全体の分野で何か同じようなことが行われている可能性が心配されるわけです。
 地方の業界関係者に聞きますと、何層にもわたって実は下請をしていけば、どこかで利益を出さなければいけないということになれば、どこかで何かをしなければいけない、当然のことですということは、十人に聞けば十人がそういうふうに答えるんですね。
 私は、これは業界全体の構造上の問題、そこにやはり大臣としても強い問題意識を持って、そこにどういうふうに改善策を考えて対処していくかということが大事だと思うんです。取りまとめを早急にするとかいうことではなくて、業界の大半で行われているというこの体質の問題について大臣としてどのようにお考えになるか、もう一度御見解をお聞かせ願います。
○国務大臣(石井啓一君) 今回の横浜市のマンションの事案につきましては、あるいはほかの明らかになったデータ流用の案件につきましては、今御指摘のあった重層下請構造などの建設業界特有とされている構造的な問題についても御指摘があることは承知をしております。そのほかにも工期の問題等もあるんではないか、様々な御指摘がされておりますけれども、私どもといたしましては、予断を持たずに何が原因かをしっかりと究明をすることが重要だというふうに思っております。
 引き続き原因究明の取組を徹底した上で、その原因に応じまして再発防止策を早急に検討してまいりたいと存じます。
○増子輝彦君 十分私は納得はいたしておりません。
 限られた時間の中ですから、またこの委員会がこの問題に集中して開かれるということも先ほど理事会の中でお約束をいただきましたので、是非もう少し時間を頂戴していろいろとやり取りをしていきたいと思っております。
 次は、この問題を含めて、多くの建設現場で日常的にデータ流用が行われていたのではないかという実は考えが国民の中に広くあります。
 横浜のマンションに端を発した今回の三千四十件の問題以外でも様々なところに実はこういうことが行われているんではないかという不安が、これ国民の中にもあるわけであります。ただ、これが社会的不安を招くような形になってはいけないということも十分私どもも承知をいたしております。
 しかしながら、やはりマンションを購入する、本当に多大なお金をそこに使って自分の家を持つということ、マンションを持つということ、大変なことでありますから、そういう意味で、そういう方々に対しても、あるいは真面目にやっている方々に対しても、同じようなことがそういうふうに思われることも決していいことではありません。
 今回のこの問題を含めて、多くの建設現場で日常的にデータの流用が行われていたのではないかという国民の不安に対して、どのような形の中で大臣始め国交省としては説明をしながら今後の対応をしていくのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 今回の事案につきましては、まず、くい基礎のデータ流用に端を発しておりますので、この問題について徹底的に原因を解明をして、しっかりとした再発防止策を講じることがひいては建設業界全体に対する不信を払拭することにつながっていくと、このように考えてございます。
 そういった意味におきまして、今国土交通省におきまして対策委員会を設けて再発防止策を検討していただいているところでございますが、年内に中間取りまとめを行うというスピード感を持って取り組んでまいりたいと存じます。
○増子輝彦君 先ほども少し質問が出ましたけれども、二〇〇五年の耐震データ偽装事件が発覚いたして、国民に多くの不安を与えたわけです。その際、様々な法改正をしたことは大臣も御案内のとおりであります。七年の六月には建築基準法を改正をいたしました。一定規模以上の建物については一級建築士による構造計算の二重チェックが義務付けられたことは御承知のとおりであります。この時点で、実はこのいわゆる旭化成建材のくいの問題が既に並行して行われていたんですよね。
 この法改正がどのように生かされたのか、それについてどういうふうにお考えになりますか。
○政府参考人(由木文彦君) 今御指摘をいただきました十七年に発覚いたしましたいわゆる姉歯事件、耐震偽装問題を受けまして、様々な制度改正をさせていただきました。
 御指摘をいただきましたように、十八年の建築基準法の改正では、鉄筋コンクリート造で高さが二十メートルを超えるような建築物につきましては、建築確認の段階で第三者による、構造の専門家でございますが、構造計算の審査を義務付けるというふうな措置を講じております。
 また、実際に売主となりましたマンション業者が倒産をするという事態がございまして、新たに住宅瑕疵担保履行法という法律も制定をさせていただいて、事業者が倒産した場合でも住宅を直す費用が賄えるような保証金の供託、こういった制度、あるいは保険の仕組み、こういうことも設けることができたところでございます。
 こういったいわゆる構造計算の厳格化といったような問題によりまして、きちんとした審査が大規模な建築物については取れるようになったということで、中間検査もこれを契機に義務付けをいたしております。
 こういった観点で、建築物の安全性確保には一定、この対策については寄与しているものというふうには考えております。ただ、委員今御指摘いただきましたように、時期を同じくして実はこういう流用問題が起こっていたということについては、もう甚だ遺憾であるというふうに言わざるを得ないというふうに考えているところでございます。
○増子輝彦君 局長、実は私、後で住宅瑕疵担保法について質問しようと思ったら、答えてもらって恐縮ですが、いずれにしても、今申し上げた建築基準法が改正されて、今のお話、御答弁では、今回の問題が発生したということを鑑みれば、どのように実は効果があったのかということがまだ不十分だと私は認識しています。
 同じように、〇八年の十一月には改正建築士法が施行になりましたよね。ここでもやはり大規模マンションやビルの構造設計は五年以上の実務を積んだ専門の建築士に限定したという形になっていますよね。言わば〇七年、〇八年と続けてこの改正建築基準法や改正建築士法というものでかなりの厳しいチェックをして、姉歯事件というものについてのやはり責任をきちっと果たしながら、二度とこのようなことがないようにということで法の改正が行われたと思うんです。
 しかし、それに並行して、事実関係はこれからどういう形になっていくのか、まだはっきりはいたしていないにもかかわらず、これだけの実は不正流用や不正的なくい打ちが行われたということは、本当にこういった法改正が有効に働いてきたのか。それを業界全体がしっかりとそのことを理解をして、実行して、二度と同じようなことを起こさないようにということに実は取り組んできたのか。あるいは、取り組んだけれども、取り組めば取り組むほど逆に赤字が増して利益が出ない、どこかで何かをしなければいけない、具体的に言えば手抜きをしなければいけないという構造上の問題になってしまったのではないかという問題意識を強く持っているんです。これは国民に対する不安、社会的な不安も含めて、大変重要な実は問題を逆に提起してくれたと思うんです。
 ですから、法改正はしたものの、同じような問題が起きてくるとか、あるいはこういう新しい問題が起きてくるということの問題意識をどう国交省としても持ちながら今後の対応をしていくかということが極めて大事だと思っています。
 大臣、このことについての御見解をお聞かせください。
○国務大臣(石井啓一君) 耐震偽装の問題につきましては、主に設計段階の不正ということで、これについては相当法改正等をやって対策を行ってきたというふうに思ってございます。
 その中で、先ほど局長申し上げたように中間検査という取組も行いましたが、二階の床を鉄筋を張った段階で確認をするということでございまして、その段階では既にくい打ち工事等は終わっておりますので、くい打ち工事の確認についてはこれまでデータあるいは書面等で確認をしてきたということでございますが、それについて巧妙な偽装が行われていたため、データの偽装が行われていたため、なかなかそれを見抜くことができなかったということがございます。
 ですから、施工段階でのこういった問題についてどう対処していったらいいのかという問題意識がございますので、これは予断なくしっかりと検証を行い、必要であれば関係の法令も含めて見直すことも含めてしっかりとした再発防止策を講じてまいりたいと存じます。
○増子輝彦君 大臣、なぜこういう問題が起きたんでしょうか。今回のような事案がなぜ起きたんでしょうか。お聞かせください。
○国務大臣(石井啓一君) その原因究明について、今対策委員会等を通じて鋭意探っているところでございます。
○増子輝彦君 ある意味では、私は、業者任せの自主点検というものに限界があるんではないかというふうに認識をしています。信頼性がもちろん大事であります。実態把握について各社の自主点検に委ねているということが原則でありますけれども、この自主点検ということについて、本当にこのままでいいんだろうか、このことについての考え方をお聞かせいただければ有り難いと思います。
○政府参考人(谷脇暁君) コンクリートパイル協会に対しまして、自主点検の結果を報告をするようにという指示をいたしました。その結果、二千八百件ほどの検査、調査の結果を報告を受けたわけでございます。その中で二十二件の流用があったということでございますけれども、年間のこの施工の件数が大体八千件ほどでございます。そういう意味で、二千八百件とかなり大きな数の母数でのデータをいただいておりまして、そういう意味では業界の実態を把握することができたというふうに考えているところでございます。
○増子輝彦君 今申し上げたのは、数の表明じゃないんです。自主点検に委ねたことがどうなのかということを質問しているんです。そのことについて答弁してください。
○政府参考人(谷脇暁君) 旭化成建材につきましては、そもそもマンションが傾いていると、さらに、くいが支持層に到達していないという、こういう疑いが強いという中でデータの流用が行われていたということがございましたので、旭化成建材につきましては過去十年間施工した全ての件数について調査をするようにという指示をしたところでございます。
 コンクリートパイル技術協会につきましては、それぞれの企業がいろいろなところからの要請を受けまして自主点検をしておりましたので、その報告を受けることによって業界の実態を把握しようとしたと、そういうことでございます。
○増子輝彦君 局長、いろいろ御答弁ありがとうございます。
 私がお聞きしたいことは、自主点検に限界があるんではないかと、自主点検に委ねたことに問題があるんではないかということを聞いているんです。そのことについては問題がないんですか、あると思われるんですか。そのことだけ答えてください。
○政府参考人(谷脇暁君) 自主点検の二千八百件にわたる結果をいただいたということで、業界の実態が把握をできたというふうに考えているところでございます。
○増子輝彦君 局長、ちょっと答えになっていないんじゃないでしょうか。そのままでこれ答弁受けるというのはちょっと、大野筆頭、どうなんでしょうかね。
 ちょっと止めてくれませんか。ちょっと止めてください。
○委員長(広田一君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(広田一君) それでは、速記を起こしてください。
 もう一度、谷脇局長、御答弁願います。
○政府参考人(谷脇暁君) 旭化成建材につきましては、そういう事情がございましたので全数調査をして、その後のいろいろな手続を進めているわけでございますけれども、自主調査という部分につきましてはコンクリートパイル協会の部分でございまして、そこの部分につきましては、業界の実態把握という観点からいたしますと、自主点検の結果を報告いただくということでその目的を達することができる、効果が上がっているというふうに考えて作業しているところでございます。
○増子輝彦君 局長、御就任早々申し訳ありませんね。ちょっと違うんだと思うんです。効果があるとか調査の報告を受けているとかじゃなくて、自主点検に任せていることに限界がありませんかということをお聞きしているんです。
 限界はないんですか。もうこのままの流れでいいならいいとお答えいただきたいんです、自主点検でいいんだと。いや、やっぱりここは問題があるから今後はこのことも含めて見直していくことが必要ではないかと思うんだとか、その自主点検の限界がどうかということをお聞きしているので、是非お願いします。
○政府参考人(谷脇暁君) 自主点検によります結果を報告いただきました。この結果を踏まえまして、業界の実態が分かったわけでございますので、それを踏まえてしっかりした再発防止対策の検討を早急に進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○増子輝彦君 また改めてやりますので、今日はこれで結構でございます。納得いたしておりませんので。
 この問題、もう本当は、三十九分で終わってしまうので、ほかにもいっぱいあったんですが、最後に、じゃ、もう一つだけ。
 実は、今回のこの問題等を含めて、先ほども申し上げた、自主検査について今お尋ねしましたけれども、国や自治体の検査体制に問題はないのか、何か改めることはないのか、そこがやっぱり、ここを大変、改善をするというか、こういう社会的な不安も含めて、問題を起こさないということでは大事だと思うんです。
 石井大臣、国や自治体の検査体制に問題はないかどうか、もしあるとするならばどういうふうに改善していくかということは今後どういうふうに考えているか、御見解をお聞かせください。
○国務大臣(石井啓一君) 今御指摘がございました検査体制の問題も含めて様々な原因が考えられると思いますので、予断を持たずにしっかりと原因を究明をして再発防止策を講じてまいりたいと存じます。
○増子輝彦君 しっかりお願いします。局長もよろしくお願いしますね。
 それでは、この問題はここで終わりまして、次の質問に変わりたいと思います。
 実は今、シェアリングエコノミーという問題が大変大きな話題になっております。当然、車の問題、民泊の問題がございます。
 実は車のこのやっぱりシェアリングドライブというのはいろんな問題があるということは、多分大臣始め関係当局もよく御存じだと思います。このことについてはこの後、田城委員が詳しく質問をいたしますので、私は一つ二つだけ質問させていただきます。
 タクシー改正特措法により業界はどのように変化をしたと考えておられるのか。業界はやはりしっかりとこの厳しい環境の中で自主努力をしながら、改善をしていこうということで努力をしているんですね。やっぱり過疎地にもしっかりとユーザー、それぞれ地域住民の皆さんに対応できるような努力もしていくということも頑張っておられるわけですが、タクシー改正特措法により業界がどのように変化をしたというふうにお考えになっているか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(藤井直樹君) お答え申し上げます。
 タクシー特措法につきましては、二十六年一月の施行後、新たに特定地域というものを設けまして、タクシーが過剰な地域において強制減車も含めた形で措置をとる、その地域指定が十九地域されているところでございます。これにつきましては、今後、それぞれの地域での協議会で具体的な減車の計画が進んでいくこと、それによってタクシーの需給が適正化され、労働条件の悪化等が是正されることを強く期待しております。
 それと同時に、タクシーのサービスの向上ということが、非常に落ち込んでおりますタクシーの需要を回復させるためにも非常に必要なことであると思っておりまして、このことにつきましては、都市部だけでなく、地域部も含めて様々なニーズにしっかり応えた形でタクシーのサービスを向上させる、そういった取組を特措法の下でしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○増子輝彦君 今後とも、この問題もまだ少し課題がありますので、しっかりと対応していただきたいと思っています。
 ライドシェアと聞こえはいいんですが、簡単に言うと、今は白タク行為ですよね。この白タク行為が認められるのかどうか。現行の法律では認められないはずですが、しかし、一部経済人が積極的にこの問題について規制緩和、規制緩和ということも言っておられますが、行き過ぎた規制緩和というのはやっぱり逆に国民に不安を与えます。
 このライドシェアは白タク行為ということで、現時点で当然認めるわけにはいかないということのお考えでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(藤井直樹君) ライドシェアにつきましては現在幾つかの提案がございます。これにつきましての対応方針は今後決定していくということでございますけれども、委員御指摘のとおり、旅客を車で運ぶという場合に、安心、安全の確保ということが何よりも重要な事項でございます。そういった安全な輸送というのを確保できるような運行の体制がしっかり確保できるものなのかどうか、そういったことをしっかり私どもこれからの検討の中で見ていきたいと思っております。
 その中で、今委員が御指摘になったようないわゆる白タクといったようなものであれば、それは認められないものであるというふうに考えているところでございます。
○増子輝彦君 ある府の副大臣が、これは当然違法行為であるけれども、総理が言ったから仕方がないんだというふうな発言をされたという話をお聞きいたしております。本当にそれでいいのかどうか、是非与党の皆さんにも、言うべきはきちっと言っていただきたいという思いを持っているわけですので、このことについては後ほど田城委員からしっかりと質問をしていただきたいと思っております。
 もう一つのこのホームシェア、これについて、やはり二千万人に迫ろうとしている今の日本におけるインバウンドの問題、大変ホテルが少なくて、宿泊施設に様々な課題が出ているということも承知しておりますが、これ、一連のずっと報道等も見ながら、実態も見ると、民泊ルールの作り方が極めて重要だということが指摘されております。この民泊ルールをどのように今後作っていくのか。これはどなたがお答えになるのかな。じゃ、長官。
○政府参考人(田村明比古君) 御指摘のホームシェアにつきましては、自宅の空き部屋でございますとか空き家等を宿泊施設として旅行者に貸し出すいわゆる民泊サービスのことというふうに理解しておりますけれども、現在行われております民泊につきましては、厚生労働省によりますと、その多くが旅館業法の許可を得ずに行われておりまして、このため同法を遵守するよう指導を強化しているというふうに承知しております。
 民泊、今先生もおっしゃいましたように、非常に旅行者が増えて、ホテルが取りにくくなっているというような現状もございますけれども、一方で、治安、防火等の安全面、それから宿泊者、貸主、近隣住民間のトラブル、感染症の蔓延防止等の衛生面、さらには旅館、ホテルとの公正な競争条件の確保、こういったいろいろな課題がございます。このため、厚生労働省とともに有識者会議を先月二十七日に設置したところでございまして、同会議での議論を踏まえまして、関係省庁と調整の上、民泊のルール整備等について検討していくこととしております。
○増子輝彦君 この件についてもしっかりしたルール作りをお願いを申し上げておきたいと思います。
 日本、本当にインバウンドがこれほど急速に伸びていくとは私も思いませんでしたが、東京オリンピック・パラリンピックに向けて更に増加が見込まれますので、日本に来て、本当にどういうところに、きちっとしたルールの中で宿泊していって、日本はすばらしい国だなと思われるような形の中でリピーターになっていただくことも大変必要ですから、是非このルール作りをしっかりとお願いを申し上げておきたいと思います。またこの問題等については今後行われる委員会の中で細かく質疑をしていきたいと思っています。
 質問を変えます。
 いよいよ来年度税制改正の問題が佳境に入ってまいりました。特に、大臣の所属する公明党さんにおかれても軽減税率の問題が非常に大きな今課題となっているわけであります。これは落ち着くところに落ち着くんでしょう、私の推測では。
 それと同じように、自動車車体課税、これ極めて重要だと思うんです。軽減税率もそれは確かに消費税の関連の中で重要だと思いますが、車と油は税金の本当に塊みたいなものなんですね。この自動車課税について、今、経産省と国交省二つが組んで総務省と綱引きやっているんだと思うんです。私たち、政権時代にもここに風穴を空けました。一部非課税に持っていきましたけれども、完全にできなかったことがちょっと悔やまれているんですが。
 いずれにしても、自動車課税、車体課税等についても、大変国民生活の中でも、雇用を守る意味でも、あるいは経済界をリードしてきたという産業界全体にとっても極めて重要な課題だと思いますし、地方に行けば行くほど車が必要になるんですね。それは、地方の財源、今回の議論の中で一千億ちょっとということを言われておりますが、もちろん地方の財源も必要であっても、車を使うユーザーというものもまたこれ大変重要な問題として残っていくわけですから、ここはユーザーの立場にも立って考えていただかなければいけない。
 是非、これは国交省も経産省としっかりとタッグを組んで頑張っていただきたい。私どもも毎年税制改正のときには自動車小委員会というものをつくって、不肖私がその小委員長でありますけれども、この問題について是非国交省としての決意をお聞かせいただければ有り難いと思います。
○政府参考人(藤井直樹君) お答え申し上げます。
 車体課税につきましては、平成二十九年度に予定されている自動車税及び軽自動車税に係る環境性能課税の制度設計につきまして、年末の税制大綱の決定に向けて今大詰めの調整が行われているという段階にございます。
 国土交通省としましては、特にトラック、バス、タクシー、こういった公共輸送あるいは物流の根幹を担う輸送が円滑に進むという観点、あるいは先ほど委員が御指摘の軽自動車につきましては、まさにこれが地域の足になっているという観点、そういったことを踏まえまして、こういった中重量のある営業車、あるいは軽自動車、さらにはバリアフリー、地方の路線バス、こういったものに関する、今回廃止を予定されております自動車取得税にありますような特例をしっかり今回の新しい環境性能課税においても生かしていただきたいということで、精力的な今活動を行っているところでございます。
 今後、二十八年度税制改正大綱の決定に向け、国交省の要望が実現されるようにしっかりと調整、検討を進めてまいりたいと考えております。
○増子輝彦君 環境性能割の導入、明確に反対を私どもいたしております。自民党の中にも、自動車小委員会、大変大きなものがありますから、是非皆さん一緒になって反対をしていただきたいと思います。
 是非、自動車に係る税金、本当にユーザーにとっては過重な税金であります。消費税上がるときに廃止をするということも実は大綱の中にあるわけですが、その前にやっぱりこの問題が、今年の、来年度でやるのか、その先でやるのか、総務省は、いや、手続に時間が掛かるから今年やらなきゃ駄目だというような言い方していますが、そんなことは時間的な制約は全くありませんので、しっかりと、今年はそういうものを導入しないという形の中で頑張って、大臣、よろしくお願いしますね。
 このことを大臣のひとつお力で頑張っていただくことも併せてお願いを申し上げて、時間が参りましたので、私の質問を終わります。ありがとうございます。
○田城郁君 民主党・新緑風会の田城郁です。
 石井国土交通大臣を始め政務三役の皆様の御就任、心より祝意を表したいと思います。おめでとうございます。
 前太田国交大臣、現場第一というお言葉をよくおっしゃっておりました。私も、問題、課題の多くは現場で起こることですから、答えは現場にあるという価値観で、この間、国土交通委員会の中では発言をしてまいりました。同じ公明党出身の石井大臣としても恐らく現場第一という同じお考えで国土交通行政に当たられるというふうに思いますし、期待もしておるところでございます。今後ともどうぞよろしくお願いをいたします。
 それでは、相次いで発覚をいたしました建築物のくい打ちデータの流用、改ざんに対する大臣の御所見ということでお伺いをいたします。
 横浜市都筑区のマンションを端緒に全国で相次いで発覚した建物のくい打ちデータの流用については、最近も新たな事例が発覚をし、とどまるところを知らないという現状であります。くい打ち等の基礎工事は建築物の安全性の基礎、基盤であり、その点で不正確なデータが使用されたことは、単に建築物への信頼が損なわれるのみならず、国民の安全が脅かされる極めて重大な問題だと考えております。そもそも、なぜこのような事件が起きてしまったのか、そうしたところから検証する必要があると思われます。
 当初、旭化成建材は、このくい打ちの施工を担当した現場代理人一人の責任であるかのように発言をしておりましたが、結果的に六十人以上の者が同様の行為に関わっていたということも判明をいたしております。企業としてこれらの監理体制が構築できなかったことは、現場への現状認識が甘かったと断定せざるを得ないと考えます。今回の事案は、現場代理人個人の問題とするには余りにも規模が大きく、もはや組織が招いた事故と考えられ、業界全体の問題としなければならない次元であることは明白であります。
 そこで、国民の安全、安心の確保といった我が国の根幹にも関わるこの問題について、まず国土交通大臣にお伺いをいたします。この問題の報告が最初に耳に入ったときの御感想、また問題意識、御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(石井啓一君) 国民が安心して暮らせる生活環境を確保することは国土交通省の最も重要な使命の一つでございます。
 その点におきまして、今回、横浜市のマンションにおいて施工不良が発生したこと、また、続いて多くのデータ流用が判明したことは国民の建築物に対する信頼を損なうものであり、極めて遺憾でございます。
 特に横浜のマンションに関しましては、マンションというのは一生に一度の買物でもありますし、購入された方はいろんな生活を夢見て御購入をされたというふうに思いますので、そういった思いを踏みにじる行為であって許されるものではないと、このように強く思ったところでございます。
 国土交通省といたしましては、国民の不安を払拭するためにも、横浜市のマンションも含め、データ流用があった物件について安全性の確認を早急に進めていきたいと思っております。あわせて、このような事態が二度と起こらないように再発防止策をしっかりと講じてまいりたいと存じます。
○田城郁君 私もちょうど十年前にマンションを購入いたしまして、ちょうど半分ローンの支払が終わって、あと半分だなというところでありますけれども、その中でこのような状況に私自身が陥ったとしても本当に途方に暮れると、そのように思います。
 しっかりとこの問題を克服をするよう、私も努力をいたしますし、是非お願いいたしたいと思いますが、重層化した下請構造ということで質問いたします。
 今回の事案については、建設業全体の構造的な問題を改善しなければ真の解決には結び付かないと考えます。構造的な要因としてまず挙げねばならないのは、重層化した下請構造にあるということであります。建設業界では、元請の業者が下請に発注し、そこがまた別の業者に発注するという孫請、さらにはひ孫請、何重にも重なっているのが一般的であります。
 今回は、元請が三井住友建設、下請が日立ハイテクノロジーズ、孫請が旭化成建材でありますけれども、現場の作業系統が細分化、複雑化しており、建設現場では全体を把握できる人がおらず、結果的に施工上の不備を修正できなかったのではないかとも考えられます。元請から下請に対するチェック体制が必ずしも十分でない上に、元請と下請との間には従来から主従関係のようなものが存在し、たとえ下請側が施工上のミスに気が付いて修正しようとしても意見が吸い上げられないといった実態もあるのではないかと考えられます。元請から下請、また下請から元請への双方向での不正やミスを対等にチェックし合える体制、関係性を構築できずにいたことが今回の重大な事案を引き起こした要因とも考えられます。
 一般的に、下請が現場で気付いた施工上のミスを修正しにくい環境であるならば、次第に図面どおりに施工すればよいとの発想に陥りやすくなりまして、施工上のミスに仮に気付いても、設計がそうなっているのだからということで、一方、元請はミスに気付けば当然申し出るべきという考えから、結果として関係する会社間で施工に対する無責任な体質が建設業界に蔓延しているのではないかという懸念もあります。
 国土交通省の御認識をお伺いをいたします。
○副大臣(山本順三君) 今ほど御指摘がございましたけれども、建設工事におきましては、工事内容の高度化等による専門化やあるいは分業化、そしてまた、受注する工事量の増減や季節的なばらつき、そういったものの対応のために元請と下請が適切な役割分担の下に施工体制を構築することが合理的であると、こういうふうに考えられております。ただ一方で、行き過ぎた重層下請構造については様々な弊害がある、今委員が御指摘のとおりのそういったことがあることも承知をいたしております。
 建設業法においては、元請は工事全般を監督する技術者として監理技術者を設置、下請は建設工事の施工の技術上の管理を行う主任技術者を設置、そういう義務を負っているところでございまして、双方が責任を持って適正な施工をチェックする制度となっております。
 今回の横浜のマンションの事案の原因でありますけれども、様々なことが指摘をされております。しかし、ここは予断を持たずに何が原因かをしっかり究明することが不可欠であるというふうに考えておりまして、国土交通省といたしましては、引き続き原因究明の取組を徹底してまいりたいと思っております。
○田城郁君 ありがとうございます。
 予断を持たずにということはそのとおりだと思いますし、今調査の段階ですから私も断定的に言うつもりはございませんが、しかし、仕事をやらないぞというふうに言われればどんなことも含めてのみ込まざるを得ないという、全部そういうものが現場第一線にしわ寄せが来ている、そういう現状もやはり考えられるということだけは私は思いますので、そういう視点も含めて調査をしていただければと思います。
 次に、工期と費用ということでお尋ねをいたします。
 もう一つの構造的な要因が工期の問題であると思います。よく、職人仕事は急がせるなというふうに言われますけれども、建設現場でもこのことは私は当てはまるのではないかと思います。時間的な余裕がない中で作業をさせても良い仕事はできないのではないか。
 マンションの販売に関しては、申込受付開始時期や入居可能時期など、将来の日程が示されていることが数多く見受けられます。このように将来のスケジュールが決まっている中で、施工に不備やミスがあってもやり直しをすることで工期が延び、費用がかさむと、そういうことを恐れてそのことを申し出にくい、そういうケースがあるのではないかと考えられます。
 これは、過去に私がJRの鉄道事故に対する安全意識の問題で、限られた工期の中で多くの工事をこなさなければならないという現場の実態を指摘したと同様のことであるとも言えます。保線業務や信号設備等の現場では、終電から始発までの限られた時間内に作業を行わなければならないことが多く、工事を進める中で何か事故の予兆となる要因を発見したとしても、工事の中断による全体の工程の遅れ、電車を止めたくないという意識、あるいはそれに伴う責任追及を恐れて、そうした予兆を上部に報告しづらい状況があるということをこの間指摘してまいりました。
 この点については、JRの労使が克服のために、止める勇気と動かす努力ということで今奮闘中でありまして、克服の方向で私は進んでいると認識をしておりますが、建設現場においても同様の状況があるのではないかと考えられます。販売者のスケジュールに合わせて人の命に関わる建物の安全性をないがしろにするようでは本末転倒でありますが、現在は安全より利益、更に言えば、命より金のような風潮があるのではないかとさえ思われます。こうした実態を改善しなければ、将来また同様の事例が発生する懸念があると思われます。大臣の御所見をお伺いをいたします。
○国務大臣(石井啓一君) 良好な品質の建築物を建設することは建設業の重要な使命でありまして、工期の制約を理由として建築物の安全性を軽視し、適正な施工がなされないということはあってはならないことだというふうに考えております。建設工事の品質を確保するためには、発注者や元請がそれぞれの立場で適切な工期を設定する必要がありまして、国土交通省におきましては、請負契約における適切な工期設定のため、発注者や元請に対して指導を行っているところでございます。
 一方で、今回のくい基礎データの流用等の原因につきましては、工期の問題等、様々な指摘がなされているところでございますが、予断を持たずに何が原因かをしっかりと究明することが不可欠であるというふうに考えております。
 国土交通省といたしましては、建設工事全般について、本事案の要因となるような構造的な問題があるのかどうかも含めて原因究明の取組を徹底して行った上で、その原因に対応した再発防止策を早急に検討してまいりたいと存じます。
○田城郁君 是非よろしくお願いをいたします。
 次に、販売者の責任についてお伺いいたします。
 売主側も買主の人生設計に大きな影響を及ぼす高額のマンション等を販売するわけですから、大きな責任を負っていると考えます。何を根拠に安全だとして販売をするのか、根拠となる安全性の正確さについても確認を行うなど、建物に責任を負うべきではないかと思われますが、国土交通省の御見解をお伺いいたします。
○副大臣(山本順三君) 先ほど石井大臣から申し上げたとおり、住まいというのは、これ、一生に一度の買物ということでありますから、自分が買ったマンションが適正に施工されていないということはもうあってはならない、そういうことだろうというふうに思っております。
 建物の安全性については、一義的には設計者及び施工者がその責任を負うということでありますが、不動産販売業者においても、売主として購入者に対し瑕疵のない安全な物件を提供する責任が課せられております。今回のような事案の発生はマンションの購入者に対して大きな不安を抱かせるものであることから、売主である不動産販売業者としても、設計者、施工者と連携して建物の安全確保や国民の不安払拭のための積極的な対応を講じていくことが必要であるというふうに考えております。
○田城郁君 私もそのとおりだと思います。建設業者の方と直接話すことは恐らくないと思うんですね、買う場合には。モデルルームに行っても、販売する売主の方との言葉のやり取りで、ああ、これは安全だという判断をして、それで契約に至るということですから、やはり売主の方々の言葉、責任というものは非常に重いものがあると思いますから、是非その点についてもよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、住民の今後の生活及び安全確保についてということでお伺いをいたします。
 データの改ざんが行われた建築物については慎重に調査をし、早急に安全性を明確にし、安全性に問題がある建物は至急対応をし、住民の不安を払拭しなければならないと考えております。調査状況はどのようになっておりますでしょうか。また、今後どのようなスケジュールでどのような対応を行うのか、現時点でお話のできる限りで結構ですので、国土交通省の御見解をお伺いをいたします。
○副大臣(山本順三君) 調査状況それから今後のスケジュールということでございますので、少し丁寧に説明をさせていただきたいと思います。
 国民の不安を払拭する観点から、早急に建築物の安全性を確認すること、これは非常に重要なことでございまして、データ流用等の判明した物件については、判明次第速やかに建築物の安全性確認をくい施工業者に指示をするとともに、地方公共団体の建築指導担当部局に要請をしております。現在、横浜市のマンションの担当者が関与した物件や地方公共団体の調査等により先行してデータ流用等が明らかになった物件、八十二件でありますけれども、これについては先行して現在調査を進めております。
 この八十二件については、目視等による傾斜、ひび割れ等の確認の結果、横浜市のマンションの一件を除いて問題がなく、その旨を十一月二十五日の基礎ぐい工事問題に関する対策委員会において報告をしたところでございます。また、同委員会において承認された方法を参考に、施設管理者、工事施工者及び地方公共団体の建築指導担当部局がくいの支持層への到達状況について現在確認を進めているところでございます。
 八十二件の調査状況でございますけれども、昨日、十二月二日時点での地方公共団体からの報告によりますと、元のデータが見付かり、くいの到達を確認できたものが一件、セメントミルク注入量のみのデータ流用のもので現在確認方法の検討を行っているものが十四件、この十五件を除く六十七件のうちの五十六件、これはくいの支持層到達について判断できるものとして、現在最終的な確認のために精査をしているところでございます。残りの十一件でありますけれども、これは横浜市のマンションも含んでおりますけれども、これは今後ボーリング調査等を行う予定という状況でございます。それから、精査中の五十六件については、地方公共団体の建築指導担当部局が確認した結果を国土交通省が取りまとめの上、今週中にも公表したいというふうに考えております。
 先行して調査を行っている八十二件を含め、旭化成建材のデータ流用が明らかとなった三百六十件、これにつきましては、調査が困難なものを除いて年内にめどを付け、報告できるよう取りまとめたいと考えております。その他のデータ流用が明らかとなった六社二十二件についても、迅速に安全性の確認を行うよう求めてまいります。
 仮に、くいが支持層に未到達というふうに判断された場合は、特定行政庁より工事施工者や建築主等に対して、構造計算等により建築物の構造安全性を検証した結果について報告を求め、構造安全性に問題が判明した場合には早急に対策を講じるように求めてまいりたいと思います。
 以上でございます。
○田城郁君 ありがとうございます。
 一日も早い不安払拭と、そして都筑区のマンションの住人の方々、早く将来が見通せるようなそういう状況をつくっていただければと思います。
 最後に、業界全体の改革ということで大臣にお伺いいたします。
 ここまで申し上げてまいりましたように、相次いだ基礎ぐい工事問題の背景には、重層化した下請構造や元請、下請の関係性、それに絡む工期と費用といった構造上の問題が存在していると考えられます。よって、このような事案が発生した際に、直接的な原因となった現場の作業員のみを追及しても根本的な解決にはならず、いずれまた同様の事案が再発してしまうことになります。業界全体の組織としての改革と作業員それぞれの意識の改革が必要になります。
 建設業界を監督する国土交通省には強いリーダーシップを持っていただいて改革をしていただきたい、そのように思います。また、居住者への対応についても大事な問題でありますので是非お願いしたいと思いますが、これらの点について石井国土交通大臣の御見解をお伺いをいたします。
○国務大臣(石井啓一君) 国土交通省におきましては、この今回のくい基礎問題の再発防止策等について専門的見地から検討することを目的といたしまして、学識経験者から成る基礎ぐい工事問題に関する対策委員会を設置しまして、これまでに三回議論を重ねてまいりました。
 これまでの対策委員会におきましても、各委員から、業界団体における改善の取組を促すべきであると、あるいはコンプライアンスの徹底や意識改革を推進すべきといった御意見をいただいているところでございます。引き続き、なぜ横浜市のマンションで施工不良が起きたのか、なぜこれほど多くのデータ流用があったのか、さらには建設工事全般について、本事案の要因となるような構造的な問題があるのかどうか等の観点から、私自身が陣頭指揮を執って徹底的に原因究明を進め、その原因にしっかりと対応した再発防止策を検討してまいりたいと存じます。
 また、横浜のマンションの事案では、三井不動産レジデンシャル、売主がマンション住民に対して補償などについて説明を行っているところでございますけれども、国土交通省といたしましても、引き続き、売主として住民の皆さんに責任を持って誠実に対応していくことを求めてまいりたいと存じます。
○田城郁君 石井大臣には強いリーダーシップを御期待を申し上げます。
 では次に、シェアリングエコノミー、その中でもライドシェア、白タク問題について質問をいたします。
 タクシー事業におけます第二種免許の意義といわゆるライドシェアについて、その不十分な安全対策について質問いたします。
 タクシー事業を運営するに当たって安全規制として満たされなければならない要件が存在していますが、どのような要件が満たされる必要があるのか、確認をいたします。特にタクシーの運転者については有効な第二種免許を有することが義務付けられておりますけれども、こうした規制を存在させる意義と理由についてお伺いをいたします。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。
 道路運送法上、タクシー事業を運営するに当たりましては、事業許可制の下、安全な運行を確保する観点から、運行管理体制の確保、運転者の第二種免許の取得、損害賠償保険への加入等が義務付けられております。
 このうち、タクシー運転者の第二種免許の取得義務付けについては、旅客の死亡あるいは傷害事故等を未然に防止しつつ旅客のニーズに合った的確な輸送サービスを提供するために運転に関する高度な技能や知識が必要とされる、そういったことを踏まえた規制であると認識しております。
○田城郁君 では、警察庁にお伺いをいたします。
 本年七月の国土交通委員会で私は警察庁に、第二種免許と第一種免許とを区別させる意義についてお伺いをいたしました。それを再確認をさせていただくとともに、今回は、第一種免許と異なって、第二種免許の取得に際してはどのような要件を満たす必要があるのか、内容的なことも加えて御見解をお伺いをいたします。
○政府参考人(掛江浩一郎君) 旅客自動車の運転については、一般的に営利を目的としており、営業効率を上げようとするため一日の走行距離や輸送人員が多くなること、乗客の指示による急な方向転換等に対応するため通常より高度の運転技能や知識が必要とされること、旅客自動車による事故は人命を損なうことが多いことなどを踏まえ、第一種免許よりも厳格な要件を求める第二種免許を設けております。
 具体的要件といたしましては、年齢が二十一歳以上であり、一定の免許を通算三年以上保有していることに加え、第一種免許より高度な運転技能や知識などを要する免許試験に合格することなどが必要とされております。
○田城郁君 ありがとうございます。
 去る十月三十日に新経済連盟という団体より、いわゆるライドシェアにおける安全確保策について提案されたとの報道がありました。それによりますと、運転者の登録要件としては、@として、二十一歳以上七十五歳以下、あるいは、Aとして、運転免許取得後一年以上経過、Bとして、仲介・配車事業者への運転記録証明書の提出、C、自家用有償旅客運送用の認定講習の受講などを掲げております。
 最終的には都市部でタクシーと競合しながら事業の展開をもくろむライドシェアですが、今述べられたような登録要件さえ満たせば現行の第二種免許と同等の安全性を運転者が有するというふうに認められるのでしょうか。私はとてもとても認められないというふうに思いますけれども、警察庁にその点お伺いいたします。
○政府参考人(掛江浩一郎君) 新経済連盟が提案するライドシェア事業について警察庁として詳細を把握しておりませんが、一般論として、旅客運送については事業者の安全管理と運転者の高い技能が必要であると考えております。
○田城郁君 まあ一般論ということですけれども、私は、繰り返しませんけれども、二十一歳以上で七十五歳以下とか、免許取得後一年ということ、そういうようなことを満たすと突然二種免許と同等の力が付くなどというふうには到底思えませんので、この点からしても、私は、ライドシェアというのは少しなじまないのではないかと、他人の命も含めて預かるのにはなじまない、そういう思いがしてなりません。
 また、新経済連盟の提案は、都市部での展開を視野に入れている割には、タクシー事業者の国土交通省の監督下における現行の安全対策と比べて著しく劣ると思いますが、いかがでしょうか。国土交通省にお伺いをいたします。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。
 タクシー事業においては、ドライバーの雇用形態を正規雇用又はこれに準ずる形態に限定する中で、事業者が運行管理、車両の整備管理、こういったことを的確に実施するための体制を構築をしているところでございます。
 一方、新経済連盟が御提案されているいわゆるライドシェアという案におきましては、マッチング事業者とドライバーの間には雇用契約は存在をいたしません。すなわち、運行管理あるいは車両整備、そういったことを的確に実施する、それに対して責任を負う主体が不明確であると、こういった中でタクシーと同様のレベルの運行管理等がしっかりと行え得るかどうかと、こういったことについて懸念を持っているところでございます。
○田城郁君 ありがとうございます。
 私も大いに懸念を持っているわけです。保険の問題しかり、あるいは車両整備、果たして個人の責任で十分しながら他人の命を預かるような運転、そういうものが保証されるのだろうか、懸念は尽きないわけであります。
 新経済連盟は、ライドシェアについて、本年六月に規制改革会議において国交省が対応不可との結論を出したにもかかわらず、改めて提案を行っているようでありますが、ライドシェアについては規制改革会議で既に一旦所管省庁の結論が出されたものであって、十月三十日の提案も含め、改めて規制改革会議の議題として取り上げる必要はないというふうに考えます。内閣府としてはどのような認識でおられるのか、確認をしたいと思います。
○政府参考人(刀禰俊哉君) お答えいたします。
 御指摘の新経済連盟によります十月三十日の提案は、いわゆるシェアリングエコノミーについての総論のほか、ホームシェア、民泊サービスとライドシェアを内容としております。
 先般、十一月十九日の規制改革会議におきまして新経済連盟から同提案に関するヒアリングを行ったところでございますが、規制改革会議におきましては、シェアリングエコノミーについて、当面、民泊サービスの検討を集中的に行い、ライドシェアを含めたその他の分野においては引き続き事務局において勉強し、必要に応じて検討を進めることとしておりまして、現在、ライドシェアについての検討を行っているものではございません。
 なお、規制改革会議の具体的な検討事案につきましては、規制改革会議の委員が会議において決定するという性格のものでございます。
○田城郁君 現時点ではライドシェアの検討は行っていないというようなことが確認できました。
 次に、ライドシェアに関する国家戦略特別区域の動きについて質問いたします。
 本年十月二十日、安倍総理が第十六回の国家戦略特別区域諮問会議において、過疎地等での観光客の交通手段として自家用自動車の活用を拡大すると言及をされました。また、兵庫県養父市や京都府京丹後市がライドシェアの提案をしているとも聞いております。
 自家用自動車の活用なら既に自家用有償旅客運送制度が存在しますが、タクシーで年間十六億人以上も運ぶのに対して、自家用有償旅客運送は、法改正による導入から十年近く経過をしましたが、三千万人に満たないという状況であります。ライドシェアを提案している地域では、ライドシェアで年間何人くらいを輸送できる見込みで考えているのか、お伺いをいたします。
 国家戦略特別区域とはいえ、需要の見定めが不明確であったり、余りに少ない人数しか見込めない中で法改正の必要性そのものを疑うわけでありますけれども、いかがお考えでしょうか、内閣府。
○政府参考人(川上尚貴君) お答え申し上げます。
 自家用自動車のライドシェアにつきましては、多くの地域から御提案をいただいておりまして、現在、国家戦略特区ワーキングにおいて議論いただいているところでございます。
 御質問の輸送人数等について、具体的にこれまで伺ってはおりませんけれども、仙北市、養父市等からは自家用有償旅客運送に関する外国人観光客あるいは住民の利便性向上等を図るための多くの提案をいただいているところでございます。このような地域における交通手段を確保するニーズに基づく提案を具体的に頂戴しておりますので、これらの提案を踏まえ、特に過疎地域等における観光客の交通手段として自家用自動車のライドシェアを拡大することにつきまして早急に結論を得たいというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。
○田城郁君 タクシー業界も今の交通空白地と言われるところにしっかりとトライしていくというようなこともお話をされているようでありますし、まだまだ努力の余地があるというふうにも思います。更に言えば、規制緩和というのであれば、今タクシー業界は七名乗りくらいまでのワンボックスまでの規制ということになっておりますけれども、その規制を緩和することで、そして、少し後押しするような財政的な支援もするとか、いろいろな案の中で今の業界をしっかりと基礎にしながら交通空白地を埋めていくと、そういうような規制緩和も私は考えていくべきではないのか、そういうふうにも考えるわけです。
 それでは、ライドシェアの提案を行っていた秋田県の仙北市が安全確保について認識に隔たりがあったとして取りやめたとの報道がありますが、事実でしょうか。それが事実であるとすれば、仙北市がライドシェア提案を取りやめた理由や経緯をお伺いをいたします。
○政府参考人(川上尚貴君) お答えをさせていただきます。
 平成二十七年十月十四日の第二回仙北市国家戦略特区会議におきまして、今後検討すべき規制改革事項として仙北市から地域公共交通の自家用有償旅客運送に関し、住民等の利便性向上等を求める提案が行われたところでございます。その後、この提案を取り下げたということとは伺っていないところでございます。
 以上でございます。
○田城郁君 大臣にお伺いいたします。
 新経済連盟の推進するライドシェアなるものは、過疎地のみならず都市部展開も見据えて提案されているものであります。安全対策も十分と言えるものではありません。仲介事業者に道路運送法に基づく立入検査や行政指導を行ったり罰則を適用することが極めて困難であるという根本問題も存在をしております。
 悪夢とも言える関越道高速ツアーバス事故を起こした高速ツアーバス問題でもこのような問題が指摘されていたため、仲介業者であった旅行業者を道路運送法の適用を受けるバス事業者とする新高速乗り合いバスの制度が誕生をしたわけです。高速ツアーバスで指摘された問題を、たとえ国家戦略特別区域ということであっても同じ自動車旅客運送を担うタクシーの分野で再度繰り返すべきではないと考えます。
 タクシー空白地では、業界の努力もするということも含めてまだまだ余地は残されていると思いますが、あるいは特定地域などを指定しながらタクシー特措法を有効に機能させるということも含めて、まだまだその努力を抜きにして、言葉が過ぎるかもしれませんが、怠ってライドシェアなどという実態の分からない新たな制度を付け加えるということは考えられないと思いますが、石井大臣の御見解をお伺いをいたします。
○国務大臣(石井啓一君) 自家用車による旅客の運送における安全、安心の確保は最重要な課題と認識しております。
 新経済連盟による提案では、運転者と利用者を仲介するマッチング事業者は運送者としての責任を負わないことが前提とされております。この点を含め、本提案については、安全の確保、利用者の保護等の観点から極めて慎重な検討が必要と考えております。
 一方、鉄道、バス、タクシー等の公共交通機関の維持が困難な地域における交通手段の確保は重要な課題でございます。地域公共交通活性化再生法に基づく取組を進めることによりこれらの課題に対処するとともに、過疎地等においては、安全の確保、利用者の保護等を十分に図りつつ、訪日外国人を含む観光客や地域住民の足を維持するため、自家用有償旅客運送制度の更なる活用方策を検討してまいりたいと存じます。
○田城郁君 安全、安心な交通行政、御期待をしております。よろしくお願いいたします。
○河野義博君 公明党の河野義博でございます。
 私も、まずは基礎ぐい工事のデータ流用問題に関しましてお伺いをいたします。
 原因究明に関しましては、国交省指導の下、現在鋭意進められているというところでございますので、この推移をしっかりと見守っていきたいというふうに思っております。
 その一方で、今回の問題、建設業界全体として本質的な問題である多重的な契約構造、この実態を明らかにすることを進めていかなければならないというふうに考えております。タイトな工期で限られた請負金額の中、下請業者にとっては非常に余裕のない工程を強いられておりまして、こういった事件が発生した一つのこの問題の本質ではないかと、この多重的な契約構造というふうに、私、個人的に考えております。
 まず、前提条件を確認をしていきたいと思っておりますけれども、今回、データ流用が明らかになり、かつマンション自体の傾きも発見をされました。このマンションに関しまして、元請、下請、様々なプレーヤーが登場するわけですけれども、どういう契約構造になっていて何社ぐらいの事業者が関わっていたのか、まずは前提条件としてお聞かせください。
○政府参考人(谷脇暁君) 横浜市のマンションの関係の工事の全体像ということでございますけれども、まず、売主が三井不動産レジデンシャルでございます。工事全体における施工上の責任を果たす元請会社が三井住友建設、くい工事の一次下請が日立ハイテクノロジーズ、くい工事の二次下請が旭化成建材、さらに、その下に二つの会社がくいの工事に携わっていたというふうに承知をしております。
 さらに、それ以外も含めまして工事の全体像という部分につきましては、私ども、建設業法に基づきまして調査を実施しておりますので、施工体制等の把握を進めておりますけれども、現在調査中でございますので、横浜の案件についての具体的な答弁は現時点では差し控えさせていただきたいと思っておりますけれども。
 少し一般論でお話をさせていただきますと、マンション建設につきましては、型枠でございますとか鉄筋あるいは設備、内装等々、多種多様の業種の組合せによって工事が行われるわけでございます。その規模にもよりますけれども、一次下請の会社の数が数十社に及ぶというような場合もあるというふうに認識をしております。
 工事の規模、専門性に応じて元請と下請が適切に協力をしながら施工をしていただく必要があるというふうに考えております。
○河野義博君 一般論として、一次下請が百社近くに上るようなケースもあるというふうな御回答をいただいております。今般の事案に限らず、重層的な下請構造に対する問題、この件に関しましては長年指摘をされてきたわけであります。
 国交省として、この建設業界に対する重層的な下請構造の実態、これは現時点でどのように実態を把握をされておられますでしょうか。また、その対処方法に関しても併せてお聞かせください。
○政府参考人(谷脇暁君) 建設工事におきまして元請と下請で適正に分担をしながら工事をするということにつきましては、工事内容の高度化などによる専門化、分業化、あるいはその受注する工事量の増減、あるいは繁閑の発生への対応といったようなことがございますので、そういう体制を構築することは合理的であるという部分があるわけでございます。
 ただ一方で、行き過ぎた重層下請構造については様々な弊害があるという指摘があることも承知をしてございます。国土交通省では、この基礎ぐい工事問題を受けたものではございませんけれども、今年度より重層下請構造の改善のための調査というものを行っておりまして、この調査におきまして、工事の規模、地域別、工事の規模でございますとか種類、あるいは地域によりましてもこの下請構造というのは違うわけでございますので、そういった実態を把握をしているところでございます。
 今回の横浜のマンションの事案の原因につきましては様々な指摘がなされておりますが、予断を持たずに何が原因かをしっかり究明をいたしまして、再発防止対策につなげていきたいと考えております。
○河野義博君 行き過ぎた重層構造を回避するというのは生産性を上げていく上でも非常に大事な観点だと思いますので、まずは実態把握を進めていただいて、監督を強化して円滑に賃金が現場に行き渡るような取組を進めていかなければならないと思っております。
 関連をいたしまして、設計労務単価の引上げと実際の賃金のミスマッチという観点からお伺いをしたい。
 地元で建設に関わる企業や団体、この閉会中、様々な御意見数多く承ってきましたけれども、この重層的な契約形態ゆえに、設計労務単価は引き上がったんだけれども実際にその果実が現場に届いていないというのが多くの御意見でございました。
 全国平均でも、この三年間、平成二十四年度に比較をいたしますと二八・五%労務単価が引き上げられまして、約三割労務単価自体は上がっていると。一方で、実際に現場で携わる従業員の給料はほとんど増えていないという切実な声を多く聞いているわけでありますけれども、当局として本件どのように御認識をされているのか、お聞かせください。
○政府参考人(谷脇暁君) 公共工事設計労務単価につきましては、今御指摘がございましたように、ここ三年にわたりまして引上げを行っておりまして、二八・五%上昇しておるわけでございます。この三度にわたる労務単価の引上げが現場の技能労働者の皆さんの賃金水準の上昇という好循環につながるように、建設業団体に対しまして繰り返し適正水準の確保を要請をしてきているところでございます。
 こうした取組の結果、現場の技能労働者の賃金、これは統計で見ますと若干上昇してきております。厚生労働省の平成二十六年賃金構造基本統計調査に基づいて試算をいたしますと、職別工事業、これは大工、型枠、とび、鉄筋、左官、板金、塗装等の男性生産労働者の年間賃金の総支給額が前年と比べまして八・九%伸びていると。この間の製造業の男性の生産労働者が三・七%ということでございますので、相対的に見ますと高い伸びになっているのではないかというふうに考えてございます。
 引き続き、適切な賃金支払の要請等を通じまして、賃金上昇の動きが下請も含めた技能労働者にも確実に行き渡るように努めてまいりたいと思っております。
○河野義博君 厚労省の統計によれば、八・九%現場の賃金が実際に上がっているということを聞きました。とても私は違和感を持ちました。
 現場では、まあさすがに一割上がっていれば給料上がったという声が出てきてしかるべきなんですけれども、全然上がってきませんので、この中身を見てみますと、この賃金構造基本統計調査というのは、実際、大工、とび、鉄筋、左官、様々現場の従事者の給料の統計ではあるんですが、いわゆる日雇労働者の給料というのは入っていないんですね。ですので、やはり安定的に雇用をされている方の賃金というのはこういうふうに確かに上がっている側面があるのかもしれないというふうに思いました。
 数字を探してみましたら、埼玉県の建設組合が実際にアンケート調査をやっておりました。二〇一二年と比べまして二〇一五年、これ、サンプル数は約三千回答を得ておりますけれども、どのぐらい賃金上がっているのかと申しましたら、二〇一二年一万三千九百五十一円だったのが二〇一五年には一万四千三百二十二円。これは僅か二・七%、三百七十円しか上がっていない。これがやはり現場の切実な、現場の生の声なんだろうなというふうに考えております。
 現場のお声も引き続き数多く聞いていただきながら、しっかりと適切な賃金確保、現場で働く担い手確保にも有益でございますので、しっかりとした取組をお願いしたいというふうに思っております。
 続きまして、関連をいたしますけれども、法定福利費の適切な支払について伺います。
 本年四月に、社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン、これが改定をされまして、法定福利費とされております事業主負担の社会保険料、例えば健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険料のうち、事業主負担分を明記した見積りの提出というのが求められるようになりました。
 本件は、社会保険加入というのは事業主の責任なんだということを改めて明示したいい機会であったと、この点は評価できると思うんですけれども、一方で、見積り段階では皆、法定福利費を明示して別建てで見積り出すんですけれども、いざ契約となると、別建てでこれも手配されてしかるべきなんですけれども、仮にたとえ大手のゼネコンであっても、法定福利費のようなものは別建てで契約されることはまれで、一つの丸まった数字になって契約をされると、どこに法定福利費が入っているのかさっぱり分かりませんというのが実態であるというふうに聞き及んでおります。
 これに関しましても国交省としてどういうふうに認識をされているのか、また今後どのように取組をされていくのでしょうか。
○政府参考人(谷脇暁君) 今御指摘ございましたように、社会保険の加入をこれから更に推進していくという必要があるわけでございまして、その際、法定福利費が元請企業から下請の企業、現場の労働者までしっかりと行き渡るようにするということが非常に大切だというふうに思っております。その中で、今お話ございました法定福利費を内訳明示した見積書、この活用を進めているところでございます。
 昨年の十二月に、サンプル数は少ないんでございますけれども、二百ぐらいの民間の建設現場で元請の企業の方八百社ほどにサンプル調査をいたしましたところ、下請企業から法定福利費を内訳明示した見積書の提出を受けた元請企業八百社のうち、約半数が法定福利費を含む見積金額の全額を支払う契約をしたと。まあ少ないサンプルではございますけれども、そういった調査もございます。
 さらに、法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順といったようなものも公表いたしまして、全国で普及を図っているところでございます。
 そういった中で、まだ一部のゼネコンではございますけれども、下請企業の社会保険の加入が進むように、契約の中に、今御指摘がございました、その契約の中に法定福利費を内訳明示をいたしましたり、あるいは社会保険に未加入の技能労働者の法定福利費分も反映させて契約を締結すると、こういったような取組も出てきているところでございます。
 引き続き、社会保険の加入に必要な法定福利費が契約に適切に反映されるよう、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。
○河野義博君 お取組自体、大変評価をしておりますし、感謝を申し上げるところでございますが、そのサンプルも恐らく元請と一次の契約の中で別建てで契約をされているということだと思っておりまして、二次下請、三次下請、この多重的な契約構造の中ではとても下請の立場から物が言える立場にないというのが実態だろうというふうに思っております。圧倒的に下請の立場は弱くて交渉できる立場にないというのが実情だろうと思っておりますので、そちらもしっかりとした御配慮をいただきながら、この多重的な契約構造ゆえの課題であると思っておりますので、引き続きのサポートをお願いしたいというふうに思っております。
 続きまして、公契約法、また公契約条例制定に向けた取組に関しまして伺います。
 先ほど申し上げました設計労務単価、これはあくまで予定価格の見積りの積算根拠として使われる数字でございまして、当然、賃金の支払が拘束されるものではありません。公契約に従事する労働者の最低賃金の遵守を委託契約の条件として受託事業者に対して義務付ける公契約法若しくは公契約条例の制定を望む声というのが寄せられております。
 地方自治体においては、作業報酬や賃金の最低額を取り決める歩みが進められておりまして、今年の十月時点で十七の自治体が公契約条例を制定しております。国としても、公契約法若しくは公契約条例を自治体が制定、これを後押しできるような制度、仕組み、サポートをやっていくべきではないかというふうに考えておりますけれども、御見解をお聞かせください。
○政府参考人(谷脇暁君) 国あるいは地方公共団体が発注する契約におきまして、適正な賃金を確保するということは重要な課題だというふうに考えております。建設業におきましても、技能労働者の処遇改善あるいは若手の入職者の増加につなげるという意味でも、技能労働者の適切な賃金水準を確保する必要があるというふうに考えております。
 ただ一方で、賃金等の労働条件は労働基準法等の関係法令に反しない限りにおいて労使が自主的に決定するというふうにされているところでございます。いわゆる御指摘ございました公契約法により賃金等の基準を新たに設けることにつきましては、既に条例を制定している地方自治体の状況等を注視する必要がありますが、今後も幅広い観点からの慎重な検討が必要ではないかと考えているところでございます。
○河野義博君 自治体での取組が進んでいって、国がどうするんだというふうに突き付けられる、そういう前に、国としても是非積極的に前向きに捉えてこの取組を見守っていただきたいなというふうに思っております。
 続きまして、石井大臣に伺います、担い手確保に関しまして。
 建設従事者は、国勢調査によりますと、二〇〇〇年に六百三十万人いらっしゃった従事者が、十年後、二〇一〇年には四百五十万人にまで減少しております。百八十万人、約三割減っているという状況でございます。若者の担い手に関しては特にもっとひどくて、三十歳以下の従事者というのは六割減っているという切実な状況がございます。
 第二次安倍政権が誕生して以来、労務単価の引上げや社会保険の加入推進など様々な旗振りを行っていただいて、その成果は現れつつあるんだろうというふうに考えておりますし、また、国交省一丸となって建設業界全体の担い手確保に取り組んでいただいたわけでございます。
 一方で、なかなかその成果が現れていないという厳しい現実も直視しなければなりません。社会資本整備や防災・減災対策にとって、この建設現場の実際に携わっていただける建設従事者の確保というのは必要不可欠で大きな課題であると思いますけれども、所管大臣としてどのように取り組まれるのか、御所見をお聞かせください。
○国務大臣(石井啓一君) 建設業がインフラの整備や防災・減災、老朽化対策など地域の守り手としての役割を果たしていただくためには、将来にわたって担い手の確保は不可欠でございます。担い手確保のためには、将来にわたる建設事業の安定的、持続的な見通しを確保することに加えて、建設業を若者にとって魅力ある産業とすることが重要であると考えております。
 そのためには、まず、適正な賃金水準の確保、社会保険への加入促進など、処遇の改善を図ることが必要です。また、休日の確保など若者や女性にとって働きやすい職場づくりや、技能を早期に習得していただくための教育訓練の充実も必要と考えております。さらに、施工時期の平準化等を通じて建設技能者の方々ができる限り年間を通じて安定した仕事ができるようにするなど、建設産業全体の生産性の向上にも取り組んでまいりたいと存じます。
 建設業における技能労働者の数は、これまでの取組によりまして、平成二十二年の三百三十一万人を底といたしまして、昨年には三百四十一万人まで増加し、少しずつ明るい兆しが出つつあります。今後とも、こうした流れを絶やさないために担い手の確保、育成にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。
○河野義博君 長期安定的に将来が見通せる産業ということが大事だと思っております。生産性の向上とともに、是非とも大臣のリーダーシップに期待をさせていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
 最後に、私の方からもライドシェア、白タク行為の規制に関しまして伺います。
 本年十月二十日の第十六回国家戦略特区諮問会議におきまして、過疎地での自家用車を使ったライドシェアの拡大、これに関して議論をされました。また、その直後、十月三十日には、新経済連盟から、自家用車の空き座席を用いて有償で他人を運送するサービスでありますいわゆるライドシェア、これを新たな交通サービスの類型として法律上位置付けてはどうかという提案がなされたわけでございます。
 この議論の過程におきまして、タクシー過剰地域からは、過疎地のライドシェア、この導入がアリの一穴となって全国的に広がっていって、ライドシェアそのものが法律上も認められてしまうのではないかといった多くの懸念が寄せられているわけでございます。
 私は、本件はあくまでタクシーの供給そのものが不足しているような過疎地域に限定して検討が進められているものであるというふうに承知をしておりますけれども、大臣の見解を最後にお聞かせください。
○国務大臣(石井啓一君) 鉄道、バス、タクシー等の公共交通機関の維持が困難な地域における交通手段の確保は、重要な課題であると認識しております。過疎地等においては、安全の確保、利用者の保護等を十分に図りつつ、訪日外国人を含む観光客や地域住民の足を維持するため、自家用有償旅客運送制度の更なる活用方策を検討してまいりたいと考えております。
 一方、都市部を中心にタクシーは供給過剰の状態にあり、これらの地域においてはタクシーの供給量の適正化とともにタクシーサービスの高度化を図ることがまず先決であると、このように考えております。
 新経済連盟による提案は、運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないままに、自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態を前提としております。この点については、安全の確保、利用者の保護等の観点から問題があり、極めて慎重な検討が必要と考えております。
○河野義博君 明確な御答弁をありがとうございました。
 供給過剰地域では自主的に減車に取り組んでいる状況でございます。正直にやっている人たちがばかを見るようなことがないように、しっかりと今後とも指導監督、徹底をお願いをいたします。
 ありがとうございました。
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
 くい打ちデータ偽装問題について質問をいたします。
 あってはならないことが起こりました。今回の問題は、旭化成建材だけではなくて、業界最大手の三谷セキサンやジャパンパイルなどでも流用が次々と明らかになっております。同時に、くい打ち業者だけの問題なのかということも提起しなければなりません。元請の責任はどうなのかということ、これが大事だと思うんですね。ずさんな工事施工に対しては、元請の責任というのは私は免れないというふうに思います。
 まず最初にお聞きをしますけれども、この元請である三井住友建設が当該マンション建設に関して果たすべき役割というのは何だったんでしょうか、まずお答えください。
○国務大臣(石井啓一君) 元請業者の責任でございますが、一般論として申し上げれば、発注者から直接建設工事を請け負った元請会社は、建設業法上、下請負人に対する指導や施工体制台帳及び施工体系図の作成、工事全般を監督する技術者としての監理技術者の設置等の義務を負っております。元請業者は工事全体の責任を負っているところでございます。
○辰巳孝太郎君 もう一つ大臣に続けて質問をしたいと思うんですけれども、今日の新聞各紙の報道で、三井住友建設が、この横浜のマンション建設の前に建っていた旧の建物では同じ場所に十八メートルのくいが使われていたということ、このことを知りながら十四メートルのくいを使うようにと旭化成建材に指示をしていたということが報道されております。くい打ちを行った旭化成建材の方では、この解体について事前には知らされていなかったと、こういうことであります。
 こういうことになりますと、設計ミスという問題どころか、故意に十八メートルを使わなきゃいけないくいを十四メートルでいいということを指示して下ろしたんじゃないかと、こういうことも疑われると思うんですけれども、大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 横浜の問題のマンションの件でございますが、国土交通省といたしましては、横浜市と協力をして基礎ぐいの設計等の状況について調査を行っているところでございます。
 今御指摘がございましたが、その調査過程におきまして、三井住友建設から提供を受けた資料から、当該マンションの敷地には従前他の建築物があったということ、当該建築物の既存ぐいに関して、くいの長さが十八メーターのものについてくいの全長撤去を行うことを示した書類があることは確認をしております。
 今後、これがマンションの基礎ぐいの設計施工にどのような影響を与えたのか等の点については、横浜市と協力して引き続き調査をしてまいりたいと思っております。
○辰巳孝太郎君 新聞報道のとおりであれば、重大な問題が元請の三井住友建設にもあると言わなければならないと思います。
 それと、今日私が取り上げたいのは工事監理者の責任でございます。今日、皆さんのお手元に、資料にも付けておりますけれども、建設、建築を発注する建築主、工事を施工する人、また設計者がいるわけですけれども、その間に工事監理者というのを置かなければならないと、こういうことになっているわけであります。この監理者というのは監督の監ですね、いわゆる現場ではさらかん、さらかんと言われているんですけれども、この工事監理者の役割とは何なのかということをまず示していただけますでしょうか。
○政府参考人(由木文彦君) お答え申し上げます。
 工事監理の問題につきましては、基準法と建築士法双方に規定がございます。基準法におきまして、建築主は、用途に応じまして一定規模以上の建築物の工事をする場合には、建築士である工事監理者を定めなければならないということとされております。建築士法におきまして、工事監理そのものの定義が置いてございます。その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認することというふうに定められております。
 実際に、ではどういう方法かということにつきましては、工事が設計図書のとおりに実施されているかを確認し、設計図書のとおりに実施されていない場合には、工事施工者に対し設計図書どおりに実施するよう求め、従わない場合には建築主に報告するということとなっております。
 また、建築士法におきましても、基準法と同様に、一定規模以上の建築物の施工管理については建築士でなければいけないというような形での同じような規定が置かれていると、そういう状況になっているところでございます。
○辰巳孝太郎君 つまり、この工事監理者というのは、その責任を果たす、チェック機能を果たすということが、ずさんな工事施工や、また欠陥住宅、この被害を減少させるために非常に重要であるということだと思います。
 しかし、今回この工事監理者がその責任をきちんと果たせていたのかということなんですが、国交省に聞きますけれども、当該マンションでこの工事監理者は誰が務めたんでしょうか。
○政府参考人(由木文彦君) お答え申し上げます。
 横浜マンションの事案につきましては、工事監理者は三井住友建設株式会社首都圏住宅建設事業部一級建築士事務所に所属いたします三名の一級建築士となっております。なお、この三名の建築士は設計者と同一でございます。
○辰巳孝太郎君 いわゆる設計施工が同一で、そして工事監理者も一緒だということであります。大臣、これで十分なチェック機能が果たせると思いますか。
○国務大臣(石井啓一君) 工事監理者は、施工者が工事を設計図書のとおりに実施しているかを確認し、必要な指示を行うとともに、従わない場合には建築主に報告するという役割を担っております。
 横浜のマンションの事案に関しまして、国土交通省としましては、三井住友建設に対しまして工事監理の実施状況についてヒアリングを行っております。それによりますと、工事監理者は、各棟のくいのうちの最初の一本である試験ぐいについて立ち会って支持層への到達等を確認し、残りのくいについては施工記録により確認していたということでございます。
 この工事監理の方法については、国において工事監理ガイドラインを定めておりまして、立会い確認若しくは書類確認のいずれか又は両方を併用して、工事に応じた合理的な方法で確認を行うこととされております。
 本事案における工事監理の方法はガイドラインに照らして直ちに問題があるとは考えてはおりませんけれども、いずれにいたしましても、今後、今回の事案の原因究明を早急に行い、建築関係法令も含めて予断を交えず対策委員会において御議論いただき、その結果を踏まえ、再発防止策を検討してまいりたいと存じます。
○辰巳孝太郎君 大臣、今工事監理の方法ということもおっしゃっていただきましたけれども、私が問題にしているのは、身内の三井住友建設から給料をもらっている建築士である、そして工事監理者が、第三者的な立場で工事監理、この責任を果たすことができるのかどうかということなんですね。これは到底私はできないと思うんですよ。
 先ほどガイドラインということも出していただきましたけれども、このガイドラインが制定される前の社会資本整備審議会において、これは姉歯事件を受けて議論をされているわけですね。「建築物の安全性確保のための建築行政のあり方について」、これが議論をされております。
 ここで指摘をされている中には、現場管理者が工事監理を行っていて十分なチェック機能が果たせていない場合がある、設計者が工事監理者であっても工事現場での照合をほとんど行っていない場合がある等、工事監理が適切に機能していない実態が明らかになってきており、工事監理の方法、内容、範囲等を明らかにして、工事監理者の責任を明確にすべきだという、こういう指摘があると報告では記述されております。と同時に、この工事監理業務については、その適正化と第三者性などの実効性の確保を図るための措置が必要だと述べているんですね。
 国交省に聞きますけれども、この実際のガイドライン、そして二〇〇六年の法改定では、これらの答申がどのように反映されたんでしょうか、第三者性について。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
 お話しいただきましたように、いわゆる構造計算書の偽装問題を受けて、平成十八年の八月に社会資本整備審議会の答申において、工事監理業務においての取りまとめが行われております。
 今御指摘をいただいた部分は、建築主と工事監理者となる建築士との間での業務内容の確認を行い、その適正と第三者性などの実効性の確保を図るための措置を講ずべきという部分でございます。
 この答申を踏まえまして建築士法等を改正いたしております。工事監理業務の契約締結前に、建築主に対し、その内容や実施方法について書面によりまして重要事項として説明をすることを義務付ける。あるいは、建築確認申請書に代表者だけではなくて工事監理を担当する全ての建築士の氏名等を記載することを義務付ける。あるいは、先ほどちょっと御説明申し上げました工事監理のガイドラインを国交省において策定をいたしまして具体的な方法を例示するといったような措置をとっております。また、これより前にも、実施した業務内容や実施方法について建築主や、中間検査あるいは完了検査時に報告をするというようなことも義務付ける制度も設けております。
 こうした措置によりまして工事監理業務の適正化を図っているというところでございます。
○辰巳孝太郎君 今言っていただいたのは、第三者性という観点では極めて不十分なんですよ。つまり、今おっしゃっていただいたことをやったとしても、別に身内がやってもいいということにはなっているんですよ。
 私が申し上げているのは、身内が工事監理者を本当にやっていいのかという問題提起であって、これしっかり国交省としてこれについての検討もしていただきたい。第三者的な立場でチェックをするという制度が私は必要だということを申し上げておきたいと思います。
 続いて、工法について取り上げたいと思います。くい打ちの工法が適切だったのかということであります。
 当該横浜のマンションで使われたのは、旭化成建材が開発したダイナウイング工法であります。この工法は、プレボーリング拡大根固め工法というものでありまして、旭化成建材によると、発生残土を従来よりも大幅に低減でき、高支持力を実現できるものということとしております。
 このダイナウイング工法は大臣認定を受けておりますが、それは砂質地盤とれき質地盤に限られております。横浜のこのマンションの地盤は土丹層なんですね。つまり、認定工法ではなかったということが明らかになっております。旭化成建材によりますと、過去十年行った三千件以上の工事の中で、ダイナウイング工法を土丹層で使った例というのは当該マンション一件のみだということであります。
 国交省に聞きますが、なぜわざわざ認定工法以外のものを採用したんでしょうか。
○政府参考人(由木文彦君) お答え申し上げます。
 今御質問いただきました、まず、くいの大臣認定についてでございます。くいの特性を踏まえまして、地盤の種類に応じた支持力の算出方法について大臣認定をいたしております。これを受けた場合には、施工場所による試験が不要となるとともに、確認申請の際に添付をしなければならない書類を省略することができるというものでございます。
 今御指摘をいただきましたように、この旭化成建材のダイナウイングという工法ですが、大臣認定を受けておりますが、これは、お話しいただきましたように、支持地盤の性質が特定をされた上で大臣認定を受けておりますので、この横浜のマンションでは、その大臣認定の適用範囲外として、特に特例を一切受けない形での使用ということになっております。
 これがなぜ用いられたかということについてでございますが、これにつきましては、先ほど来、三井住友建設からヒアリングをしている、これは特定行政庁である横浜市と連携してやっているヒアリングでございますが、こうした中では、複数のくい事業者からの提案を受けた結果、現地での試験費用を要することも含めて勘案した上で、総合的に判断して選定したというふうに報告を受けているところでございます。
○辰巳孝太郎君 つまり、くいの本数を減らして残土量も大幅に減少させることができると。ですから、大臣認定工法外の土丹層でもやったということであります。
 ところが、公益社団法人土木学会が行った興味深い工事施工業者に対するアンケート調査があります。ここでは、プレボーリング工法既製コンクリートくいの約半数は土丹層では施工不可能となっております。また、支持層の傾斜角が三十度以上となれば、これも約半数で施工不可能となっております。ちなみに、横浜のマンションの支持層は、旭化成建材によりますと最大で四十度の傾斜が付いております。
 また、大臣認定を受けたプレボーリング拡大根固め工法、これ、全部で二十一工法あるんですが、そのうち、砂やれき、そして粘土、この三ついずれも大臣認定を取っているところは合わせて十四あるんですね。こうなりますと、私は粘土層について大臣認定を受けているこの十四についても、本当に大丈夫なのかと、検証が私は必要だと思います。
 国交省、聞きますが、大臣認定をする指定性能評価機関は、この粘土層でもできるという認定をするときには、土丹層も含めて評価して認可をしているんですか。
○政府参考人(由木文彦君) 一般的なくいよりも強い支持力を設計時に用いるためには、原則として施工場所で試験用のくいを打設をいたしまして、必要な支持力を有しているかを現地で確認をする必要がございます。大臣認定を受けますと、この施工場所における試験が不要になるというのが一つの効果でございます。
 今回の横浜の事案で用いられたダイナウイング工法でございますが、これはこの場所では大臣認定の適用範囲外でございますので、現地で施工場所において試験用のくいを打設して支持力の確認がなされております。設計時の支持力の設定や当該支持力の妥当性を確認するための試験データにおいては、確認検査機関においてチェックがなされているものというふうに承知をしております。
○辰巳孝太郎君 今、載荷試験ですよね。大臣認定の際に、土丹層も含めて個別に評価して大臣認定をしたのかということを聞いているんです。
○政府参考人(由木文彦君) 恐縮でございますが、今手元に実際に土丹をどこまでやっているかというちょっと資料の持ち合わせがございませんので、後ほど御回答申し上げます。
○辰巳孝太郎君 この大臣認定された粘土層での基礎ぐいの性能評価の際、土丹層でも性能評価がきちんと個別で行われたのかという資料を、委員長、提出を求めたいと思います。よろしくお願いします。
○委員長(広田一君) 後刻理事会の方で協議をいたします。
○辰巳孝太郎君 この問題の背景には規制緩和もあると言わなければなりません。九八年、建築確認検査機関を民間開放する建築基準法の改悪が行われました。また、二〇〇〇年には、基礎ぐいについても性能規定の導入の規制緩和が行われました。つまり、今回の場合、大臣認定を取得していなくても、載荷試験を現場で一回やれば、くいの許容支持力を自由に設定することが許されるということになりました。ですから、その結果、くいの数をそれだけ減らせますし、残土も出ないということになるわけです。
 新しく開発された技術を現場に生かせるようにするということは私も必要だと思いますが、しかし、国民の安全、安心に関わる規制を緩和しておいてチェック機能体制を強化してこなかった、私は、行政の責任というのは指摘をしなければならないというふうに思っております。この建築基準法の改悪においても、我が党は、効率優先の規制緩和では安かろう悪かろうになるんじゃないかという警鐘を鳴らしてまいりましたし、今回の問題というのは、それが表面化、表層化したものだと考えております。
 国民が安心して、また安全な住居に住めるために行政が果たさなければならない役割というのは大きいと思いますし、また、今回取り上げられませんでしたけれども、重層下請の問題、この問題も業界全体にはびこっておりますので、この問題も指摘をして、引き続き、参考人招致は旭化成建材ではなくて元請も含めてきちんとやっていただくことを求めて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○山口和之君 日本を元気にする会・無所属会の山口と申します。よろしくお願いいたします。
 まず、石井大臣、そして山本、土井両副大臣、そして宮内、津島、江島政務官の皆さん、御就任おめでとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。
 さて、マンションの問題なんですけれども、先ほど来、その安全性については質問がたくさん出ておりますけれども、三千四十件のうち三百六十件においてデータ流用があったということです。安全なのかということは先ほど来出てきておって、そのうち先行でいろんな調査が行われているということでした。そしてまた、今後のスケジュール感については、年内をめどに、そしてそれ以外のことについても早急に進めてまいるというお話でございました。
 もう一度ちょっと確認をしたいんですけれども、この三百六十件が安全であるということをどのように担保しているのか。先ほど来聞く話の中では目視という言葉も出てきたりしますので、もう一度、年内中にどのようなことを確認していくのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(由木文彦君) お答え申し上げます。
 安全性の確認は主に二つのパーツからお願いをしております。
 一つは、まず目視によりまして不具合があるかないかという点を確認をしていただくということでございます。これは、傾斜とかひび割れ等の状況を技術者が目視で確認をするということでございます。これにつきましては、八十二件については既に終わっておりまして、横浜のマンションを除いて問題がないということでございます。同じように、三百六十件についてこれは全て目視をしていただくということをまずやるということが一点でございます。
 それからもう一つは、流量計のデータのいわゆる流用があったものについては、くいの到達の確認ができておりませんので、くいの到達を確認をしていただくということがもう一つでございます。これにつきましては、どういうやり方でそれを確認をするのかという点につきまして、十一月二十五日の対策委員会において四つの考え方を承認をしていただいております。それを地方公共団体等にお示しをいたしまして、その方法に基づいてそれぞれくいが届いているかどうかということについての確認をしていただいているということでございます。
 八十二件の状況は、そういった調査の中で、五十六件はボーリング調査をあえて行う、既に行ったものも実は三件含まれているんですが、今の時点でもうくいの到達が確認できるであろうというふうに考えて、今その最終精査をしているものが五十六件でございます。十一件は更に今後ボーリング調査が必要だというものでございます。
 これは今八十二件の状況でございますが、これと同じようなやり方で三百六十件についてもそれぞれくいの未達かどうかという状況を確認をしていただくということをお願いをしておるところでございます。スケジュールとしては、残るものは幾つかあろうかとは思いますけれども、年内にはめどを付けていただいて報告ができるようにということで進めているところでございます。
○山口和之君 そうなるとすると、前提条件が目視とくいの到達ということであれば、場合によっては到達していないものがあるということも考えられるわけでございます。そういった場合に、それが安全であるかどうかということをどうやって確認するかということは必要だと──お願いします。
○政府参考人(由木文彦君) 申し訳ありません。ちょっと答えを途中で省略してしまいまして、申し訳ございません。
 なお、その調査によってくいの未達、いわゆる未到達だということが判断された場合におきましては、特定行政庁から施工者あるいは建築主に対しまして、構造計算をやり直していただいて建築物の構造安全性をきちんと検証していただくということを求めます。そのやり直した結果、構造安全性に問題があるというふうに判明した場合につきましては、早急に安全措置、これは対応いろいろあろうかと思います、補強等が必要なものもあろうと思いますので、そういうものを講じていただくと、そういう形での手順で進めてまいりたいと思っております。
○山口和之君 全て年内にということでしたので、早急に是非お願いしたいと思います。また、その他についても是非それもお願いしたいと思います。
 先ほど来、重層下請あるいは工期の問題が取り沙汰されているんですけれども、データの流用について、この三百六十件ですけれども、施工時期ごとの経年傾向はあるのかないのか。例えば、最初のうちはたくさんのそういう流用があったとしても、ヒヤリ・ハットじゃないですけれども、どんどんどんどん精度も増して、そういうことを少なくしていく努力が本来ならばあるべきであって、もしそれがなされているのであればそれなりに評価はできるんですけれども、余り傾向がないということであれば、もうこれは許容範囲ですよと、この業界の中ではこれは普通、まあくいはいっぱい打ってあるんだから大丈夫ですよと思っているのかどうかと、その辺がすごく気になるところなんですけれども、その経年傾向があるのかどうか、あるいはそれを許容範囲としているのか、あるいはそれは元々調査法に問題があるのか、その辺ももし分かれば教えていただきたいと思います。
○政府参考人(谷脇暁君) データの流用についてでございますけれども、いろいろな要因が考えられておりまして、用紙とかインク切れ、あるいは雨にぬれて毀損したという非常に初歩的なミスによると考えられるもの、あるいは紙のみで記録するような旧式の機械がかなりいまだに多く使用されていると、こういったようなこと、あるいは、ルールの問題でございますけれども、データの取得管理、確認のルールがはっきりしていない、あるいはデータが取得できなかった際の対応がルール化されていない、こういった様々な要因が考えられておるところでございます。
 その中で、今御指摘のございました経年的に偏りがあるかどうかという点でございますけれども、その点につきましては、三百六十件につきまして、施工時期の経年的な大きな偏りはないという報告を旭化成建材から私ども受けておるところでございます。
 引き続き、このデータ流用はどういう要因で行われたのかという部分につきましてはしっかりと要因分析を引き続き行いまして、再発防止対策につなげていきたいというふうに考えております。
○山口和之君 であるならば、雨にぬれたとかなんとかということでなくなるのであれば、それは進化していなくて、余り重要視していないということにもなるので、ここら辺はしっかりと、次回、参考人としていらっしゃる可能性があるわけですから、そのときにでも質問したいなと思います。
 また、先ほど来から、重層下請についてのチェック漏れであったり、今回の事件は建設業界が抱える構造的な問題が露呈したものだという話が飛び交っておりました。これらの点についてどのような認識を持っているのか、もう一度確認したいんですけれども、これからの日本のことを考えると、もうジャパン・ブランドというのは、ジャパン・ブランドは国土交通に限らず全ての省庁に関わることなんですが、品質が第一と、このことによって日本がどう発展するかというのが大きく変わってくるものだと思っております。したがって、ここは大臣にお伺いしたいなと思いますので、よろしくお願いします。
○国務大臣(石井啓一君) 御指摘のように、建設産業において建設工事の品質を確保することは極めて重要であるというふうに考えております。
 今回のくい基礎の施工データの流用の原因については、管理体制だとかあるいは工期だとか重層下請だとか様々な指摘がなされておりますけれども、予断を持たずに何が原因かをしっかりと究明することが不可欠であるというふうに考えております。引き続き原因究明の取組を徹底して行った上で、対策委員会において再発防止策を早急に検討してまいりたいと存じます。
○山口和之君 是非、これは日本の未来にも関わることですので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 次に、水害対策についてお伺いします。
 先ほど来にも質問に出ておりました十一月三十日に取りまとめられました大規模氾濫に対する減災のための治水対策検討小委員会の答申案のポイントについて伺いたいと思いますが、先ほど来出ていますので、本当に簡単で結構でございます。お願いします。
○政府参考人(金尾健司君) お答え申し上げます。
 これまで二回の小委員会で審議をいただきました。十一月三十日の開催におきまして答申案が示されたところでございます。答申案のポイントは、洪水による氾濫が発生することを前提といたしまして、社会全体でこれに備える水防災意識社会、これを構築すべきとの方針が示されております。これを実現するための具体的な方策として、ハザードマップを住民の避難行動に直結するものへと見直すなど、ソフト対策についてより実効性のある住民目線のものへ転換すること。また、ハード対策につきましては、従来の洪水を河川内で安全に流す対策に加えまして、越水などが発生した場合でも決壊までの時間を少しでも引き延ばすいわゆる粘り強い構造の堤防などの、氾濫した場合にも被害を軽減する危機管理型のハード対策を導入することが提言されているところでございます。
 年内には答申をいただけるものと考えておりまして、これを踏まえて大洪水に備えるソフト・ハード対策をスピード感を持って進めてまいりたいと考えております。
○山口和之君 完全に抑えるというのは、もうこれを全国でやろうといったらそれは至難の業でございますので、今回の小委員会の答申案は非常に自分としては評価したいなと思っております。
 粘り強い構造の堤防等のハードの問題なんですけれども、何年掛けて整備するのか、また整備する総延長はどの程度と考えているのか、また優先順位をどうやって考えていくのか、少しもしお分かりでしたら教えていただきたいと思います。
○政府参考人(金尾健司君) お答え申し上げます。
 先般答申案を示されましたので、現在、越水等が発生した場合でも決壊までの時間を少しでも引き延ばす粘り強い構造の堤防につきましては、具体的にどのような区間でどれぐらいの期間を掛けて実施するか検討を進めているところでございます。ただ、場所のイメージといたしましては、水害リスクが高いにもかかわらず、上下流のバランスなどがございまして、当面の間、治水安全度の向上を図ることが困難なような箇所について優先的に実施することを考えておるところでございます。
 いずれにいたしましても、検討結果に沿って今後速やかに整備を進めてまいりたいというふうに考えております。
○山口和之君 次に、ソフトの面のところで新ハザードマップということですけれども、これに期待される効果、また作業の作成の手順とスケジュールについて伺いたいと思います。
○政府参考人(金尾健司君) 近年の想定を上回る浸水被害等を踏まえまして、本年の五月に水防法が改正をされまして、浸水想定区域図及びハザードマップにつきましては最大クラスの降雨を想定したもので作成することとなりました。
 この改正に合わせまして、国土交通省では、住民等が適切に避難できるよう、浸水想定区域図に従来は想定される浸水の区域と深さを示してございましたが、それに加えまして、洪水により家屋の倒壊等の危険性が高い区域や浸水の継続時間、これを示すことといたしました。今般の関東・東北豪雨による災害を踏まえまして、決壊すれば甚大な被害が発生するおそれのある約七十水系について、来年の出水期までに浸水想定区域図の作成、公表を進めていくこととしております。
 また、国土交通省においては、住民目線に立ったハザードマップを市町村が作成できるよう、ハザードマップの作成方法について年度内にまとめていく予定でございます。これらを受けまして、作成した浸水想定図を関連する市町村に説明をしっかりと行いまして、住民の避難行動に直結したハザードマップの作成に速やかに取り組んでいただけますように努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○山口和之君 水害が起きるたびに、ハザードマップはあることはあるんだけれども活用されていないということが毎回聞かれるわけでございます。そういった中で、今回の実際に堤防が決壊したときにどうなるんだというところが分かることと、それによってはいろんな問題が出るかもしれませんけれども、どこに避難しなければいけないのか、どうしなければいけないのかというのが本人が自覚しやすいような自分は気がします。
 したがって、従来のハザードマップよりも影響を及ぼすような気がしますし、先ほどのハードの面の粘り強い構造の堤防、これだと早い段階で整備が進んでいく可能性がありますので、この二つは是非この小委員会の答申案のところを国土交通省としても頑張っていただきたいなと思います。
 続きまして、先ほど、大臣には福島への決意をいただきましたところですが、就任の御挨拶の中で観光立国の推進という言葉がございました。福島が元気になれば東北全体も元気になっていく、これはもう皆さんお分かりのことだと思います。少しずつ風化していく、またそういうふうな雰囲気がどこかしらあるところもあります。道路や鉄道のインフラの整備、そしてまた観光振興を福島県において加速的にしていくことが福島県を元気にしていく大きな要因にもなると思っております。
 特にその観光ということは福島県にてこ入れが必要なところだと思っておりますが、大臣になられまして、是非ここは決意をお伺いしたいところでございます。よろしくお願いします。
○国務大臣(石井啓一君) 東日本大震災発災から約四年九か月が経過をいたしまして、被災地では、復興への確かな歩みが見られ、今年の三月には常磐自動車道が全線開通するなど、道路、鉄道等の基幹インフラの復旧は確実に進んでおります。
 私も大臣に就任をいたしまして、十月の下旬に福島県を訪れまして、首長さんにも直接お会いをして被災地の状況を確認してまいりました。福島の復興を加速していくためには、各地域の実情を踏まえ対応していくことが大切と考えております。特に避難されている方々の意向に沿って早期の帰還支援等の環境整備を進めることが求められております。
 国土交通省といたしましても、引き続き関係省庁と連携をして、必要なインフラ整備、住宅再建、復興まちづくりに着実に取り組んでいきたいと思っております。
 また、風評被害を払拭をして観光による復興を加速化させていくということは非常に重要というふうに認識しております。このため、今年の六月に観光庁で認定をいたしました福島県を含めた東北地方の広域観光周遊ルート、この形成に向けた支援、また東北観光の魅力を海外に発信する、そういった取組など、地域の観光資源を生かしながら地域と連携をして取り組んでまいりたいと思っております。
 こういった取組を通じて福島の復興を加速化させ、東北全体を元気にできるように全力で取り組んでまいりたいと存じます。
○山口和之君 是非、福島を始めとする東北を新しいゴールデンルートにしていただいて、それから復興そのものが加速化され、今、安心して生活ができない方々がたくさんいらっしゃいます、その方々も未来に向けて夢が持てるようなことにしていただきたいなと思います。
 ありがとうございました。
○室井邦彦君 室井邦彦でございます。よろしくお願いを申し上げます。
 早速質問をさせていただきます。
 くい打ち工事については後に質問をさせていただきますが、ちょっと四つほど私の気になることがございますので、先にその点について触れさせていただきます。簡潔にお答えいただければ、御協力いただければ有り難く思う次第であります。
 まず、再三再四にわたる東洋ゴムの問題に関しまして、非常に私も、この国土交通委員会でそれぞれ先生方と、この三月に発覚した免震ゴムの不正事案について、二十七年の五月十四日に東洋ゴム工業の山本社長、そして伊藤専務にここに来ていただき、出席を求めて質疑をしたわけであります。その中で、彼らの反省と再発防止のための姿勢というものを、努力をしておられるということを非常に感じました。
 また、国土交通省の指導が、良き指導というか、かなり厳しい指導に当たっていただいたということも評価をしているところでありまして、そういう中で、またまた三度にわたるこのようなことで、今度は鉄道や船舶に使用される防振ゴムですか、これについてまた検査成績書に不正が見付かったと、こういうことであるわけでありますけれども、どのように捉えて、どのように国土交通省としては考えておられるのか、ひとつコメントというかお考えをお聞きをしたい。よろしくお願いします。
○政府参考人(池田豊人君) お答え申し上げます。
 東洋ゴム工業株式会社につきましては、今年三月に発覚しました免震ゴムの不正事案を受けまして、緊急品質監査を実施して、八月に全ての製品について正規品が出荷されていることを確認した旨を公表していたにもかかわらず、今回不正が判明したことは大変問題があるというふうに認識しておりまして、東洋ゴム工業株式会社に対し猛省を促したいというふうに考えております。
 国土交通省としては、船舶や鉄道などの関係事業者に対して情報の提供を行うとともに、日常の点検について異常の有無がないか、確認を行うよう指示をしているところでございます。
 また、東洋ゴム工業株式会社に対しましては、不正の全貌の特定、取引先への情報提供、原因の究明や再発防止策の策定、これを早急に実施するように指示をしているところでございます。現時点においては、東洋ゴム工業株式会社からは、先ほどの指示事項につきましていまだ報告が得られていないところがございます。全体について早急な実施を強く求めているところでございます。
 なお、現時点におきましては、船舶、鉄道などに使用されている製品について異常の発生の報告はございません。船舶や鉄道の運行の安全性への影響は現時点では生じていないと考えておりますけれども、引き続きその状況をよく注視してまいりたいと、こういうふうに考えてございます。
○室井邦彦君 この免震材料に関する第三者委員会、計七回も行われております。その点を十分に含められて、七回もしておるのにまたこのような状況が続いたということ、再発したということを十分に考慮して対応に当たってください。よろしくお願いいたします。
 続きまして、もう一つちょっと気になるのが航空事故の再発防止について、この一、二か月のまとめというか、十月十日、十一月五日に、まだ今年に入って幾つかあったわけでありますけれども、長くなりますので一応この二点お尋ねしたいわけでありますけれども、鹿児島空港で日本航空機と練習飛行中の小型プロペラ機のニアミスが発生したと。また一方では、十一月の五日に、北海道の女満別空港では作業車が滑走路に進入し日本航空機が着陸をやり直したというこういう、事故にならなくてよかったんだけれども、これ、航空事故というのはかなり大きな人身事故につながるわけでありますけれども、よかったなとは思いつつ、こういうことが続いて起きております。
 航空局として、こういう重大なインシデント、事故、重大トラブルが発生が続いておるわけでありますけれども、再三同じような質問も私しております。またかということでありますけれども、どのように航空局としては対策、対応をしようとしておられるのか、これもひとつお聞きをしておきたいと思います。
○政府参考人(佐藤善信君) 航空事故の再発防止につきまして御答弁させていただきます。
 まず、事故の件数でございますけれども、平成二十六年度の航空事故が十八件、重大インシデントは四件でございましたが、平成二十七年度に入りましてから十一月末までで航空事故は二十三件、重大インシデントが九件発生しているという状況でございます。
 それぞれの事案につきましては運輸安全委員会が詳細な調査を実施中でありますけれども、航空局におきましても、関係者から事実関係を聴取いたしまして、原因究明を行った上で関係者に対しまして具体的な指示を行っております。
 指示の中身といたしましては、異常事態発生時の対応手順の再確認など運航乗務員の教育訓練の強化、管制機関との交信方法に関する運航乗務員や地上職員の教育の徹底といったような指示を行うなど、必要な対策を進めているところでございます。
 これらに加えまして、航空運送事業者で発生をいたしました航空事故や重大インシデントまでには至らない安全上のトラブルにつきましても報告を求めまして、外部有識者を交えて分析をした上で更なる安全対策に活用しているところでございます。
 公共交通におけます輸送の安全の確保は最大の使命であり、国土交通省といたしましては、引き続き航空輸送の安全の確保に万全を期してまいりたいと考えております。
○室井邦彦君 ひとつよろしく対応をしていただきたいと思います。航空局の指導力を発揮して、また大きな事故につながらないようによろしくお願いをいたします。
 続いて、またこれ、鉄道事故のことについて質問をもっと控えようと思ったんですが、今日、私、会館を出る前に、JRの横浜線で、また三日の午前二時半過ぎに工事中に六メーターの電柱が、コンクリート製が折れて、それぞれ市民の足を足止めしたという、こういうことが出ましたので、これはちょっと一言質問をしておかないかぬなと思いまして、四月で二回、八月で三回、いろんな鉄道の工事中、また架線の切断、そして鋼板が外れるとか電気ケーブルの火災等、そういう輸送障害が続いて起きているわけであります。
 これについても、特に車両、また鉄道施設に起因する輸送障害、頻繁に発生している中で、鉄道局としてどう対応というか、今後こういうことに対して、大変幅の広いことでありますので非常に国交省としても大変なことは分かっております。しかし、国民の足をやはり安心、安全で信頼感を取り戻し守っていただくために、更にこういうことについてどう努力しようと、対応しようとされるのか、お聞かせをいただきたい。
○政府参考人(藤田耕三君) 鉄道の安全輸送、安定輸送の確保のためには、まず個々の事故やトラブル、これにつきまして原因をしっかりと究明して、再発防止対策を徹底することが重要であると考えております。このため、事故やトラブルが発生した場合には、各社に対して必要な指示を行うとともに、保安監査などを通じて事案に応じた適切な指導を行っております。
 それから、鉄道全体の安全性、信頼性を向上するためには、その原因や再発防止対策等について、他社の事案を自らのこととして受け止めて各社の安全確保対策に生かしていただくと、こうしたことが必要でありますので、鉄道事業者間で情報共有する、これも重要なことであると考えております。そのため、JR各社、大手民鉄等を集めた鉄道保安連絡会議を開催しまして、事案の共有、再発防止対策等に関する意見交換を実施しております。加えて、社内の体制整備あるいは技術の継承、そうした各般の取組が各事業者に求められます。そうした取組への指導も含めて、引き続き鉄道の安全・安定輸送が確保されるよう努めてまいりたいと考えております。
○室井邦彦君 ありがとうございます。
 質問を変えます。
 今度は、これは大臣にお聞きいたします。
 何度も私もこの国土交通委員会で申し上げておるわけでありますけれども、今後、中国とのインフラ関係、もうこれについては、本当にインドネシア、これについても日本の技術力が中国よりも高く、そしてその受注価格も中国よりも低い、こういう状況なのに、なぜ中国にその工事が発注されるのかと。こういうことが、インドネシアだけじゃなく、今後アフリカ大陸、ヨーロッパ、アメリカ、いろんなところでそういう鉄軌道、高速鉄道のそういう受注合戦が続くわけでありますけれども、フィリピンの方では中国が受注した高速鉄道が途中で止まってしまい、工事が進んでいないという、そういうことも起きておりますけれども、このことについて、大臣も総理も官房長官もいろいろとコメントを出しておられますが、どういう手口を使ってどうしているかというのは言葉にしませんけれども、薄々私も理解をしているつもりでありますけれども、じゃ、それをそのままもう放っておくのか、今後どういうふうに、高度な技術というか政治力を生かしていくためにはどうしようとされるのか、ちょっと大臣のこのコメント。
 それとまた、JOINという組織ができましたよね。これを生かせるのか。今後これをどういうふうな形で助っ人として、このような海外へ進出するインフラのための媒体として出されてつくられたんでしょうけれども、その辺をちょっと聞かせていただければ有り難いと思います。
○国務大臣(石井啓一君) インドネシアの高速鉄道計画につきましては、我が国は実現可能な最良の提案を行ったというふうに考えておりまして、我が国の提案が採用されなかったことについては残念に思っております。
 国土交通省といたしましては、これまでも高速鉄道の海外展開に積極的に取り組んできたところでございます。私自身も先月マレーシアを訪問いたしまして、ナジブ首相や関係大臣と会談をいたしました。また、山本副大臣も着任早々、インド、それからアメリカを訪れていただきまして、関係大臣などに新幹線の優位性を訴えてまいったところでございます。高速鉄道の案件については、それぞれの国ごとに事情が異なることから、相手国のニーズをきめ細かく酌み取って、それぞれに対応した取組を進めていくことが重要だというふうに考えております。
 国土交通省といたしましては、関係機関とも連携をし、今御指摘がございましたJOIN、これは出資もできることで、機能も持っております。そういった支援ツールも十分に活用しながら、引き続き我が国の高速鉄道の導入を積極的に働きかけてまいりたいと、このように考えております。
○室井邦彦君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 この委員会で私も何度も口にしていることでありますけれども、高速鉄道、これはイギリスで日立が頑張り、獲得しました。そして、私もそういう関係の仕事をさせていただいたときに、EU諸国は、日本の安全基準が高過ぎると、もっと低くして、我々が日本に売り込みができるような、ハードルを下げろというような話もありました。しかし、日本の売るところはこの安全基準の高いというところが売り物であります。是非その点を、フランス、ドイツ、優秀な高速鉄道があるにもかかわらずイギリスが日本の日立のその高速鉄道を発注したという、こういう実績もありますので、ひとつその辺を踏まえて更に御努力をいただきたいと思います。
 それでは、本題のこのくい打ち工事の件についてお伺いをしたいと思います。
 いずれにしましても、先生方、もう七人目でありますから同じことの質問の重複をいたしますけれども、申し訳ありません。
 この三井住友建設、そして固い地盤にくいが届いていない、また旭化成側は短いくいを押し付けられ、それを打たざるを得ない状況、こういうお互いがなすり合いをしているような非常に醜い業界の体質を見せ付けられております。
 私も質問を今朝に変えました。この旭化成建材が参考人として来ていただけるということだったんだけれども、今朝来て、私も、ちょっとそういうことになったということで、質問を両方にさせていただきたかったんですけれども、国交省としてこういう現状をどのように把握されておられるのか、ちょっとお聞かせ願えませんか。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
 くい未達の関係であろうかと思いますけれども、三井住友建設は横浜市に対しまして、自分の行った追加地盤調査から一部のくいに支持層未到達が想定されるという報告を上げております。
 この追加的に行った地盤調査と申しますのは、住民からの段差の苦情を受けまして、今年の八月から九月に実施をいたしましたやや簡易な方式によりますスウェーデン式サウンディング試験によるものでございます。
 お話しいただきましたその傾斜の原因がこのくいの未達とどうなのかという点については、三井住友建設は横浜市に対して更にこういうふうな報告を上げております。くいの先端が支持層に達していないことが沈下の一因であると考えられるが、これで沈下量の全てを説明できるものではないというふうに考えていると、こういう報告を上げているところでございます。
 本件につきましては、この未達の問題が出た直後にくいのデータの流用の問題が明らかになりまして、この施工データの流用とくいの未達との関係はどうなのかというようなことを疑われたことから、施工データの流用についても調査を行ってきたという経緯があるものでございます。
 本件につきましては、横浜市が今後更に建築基準法の適合性を検査するに当たっては、より厳密にくい先端の状況の把握が必要だということで、三井不動産レジデンシャルと三井住友建設に対しまして追加できちんとボーリング調査をするようにという指示をいたしております。
 したがいまして、今後、そのボーリング調査の結果も含めまして、くいが未達であるかどうかという点と不具合がくいの未達に起因するかどうかという点、双方についてきちんとした調査をしていただいて報告をいただくということが必要かというふうに思っております。
 引き続き横浜市と連携をして、国交省としても早急な解明に努めてまいりたいと思っております。
○室井邦彦君 続けます、四十一分までということでありますので。
 国交省の方にもあと幾つか質問を通告しているんですけれども、申し訳ないですけれども最後の七番で終わらせていただきたいと思いますけれども。
 日本建設業連合会、ここが下請を原則二次業者までにしようという声掛けをしているようであります、昨年の四月からですか。この効果があったのかないのか、国土交通省として、今後このようなことに関してまだまだ時間を掛けて審議をしていきたい、また我々も活動したい、確認をしていきたいということがございますが、私の質問の中での最後のまとめとして、二次業者までにするというようなことでありますけれども、これは実際可能なのか、これが実現できるのか、これも国土交通省の非常な関わり合いと強力な指導がなければなかなか二次業者までというのはどうなのか、ちょっとその御意見、また、どのように考えておられるのか、対応しようとしておられるのか、お聞きをいたします。
○政府参考人(谷脇暁君) お答え申し上げます。
 建設工事におきましては、やはり元請と下請が適切な役割分担の下に施工体制を構築をして品質のいいものを仕上げていくという、ある意味そういう仕事をするものでございます。ただ一方で、行き過ぎた重層下請構造については様々な弊害があるということが指摘されているわけでございまして、今御指摘ございましたように、日建連におきましては、下請の次数を原則二次までとすることを目標として自主的な取組を進めているということでございます。
 私どもも、これは基礎ぐい工事問題を受けたものではございませんけれども、今年度より重層下請構造の改善のための調査というものを行っておりまして、やはり重層下請構造といいますのは、地域によっても非常に違いますし、業種によっても違いますし、規模によっても違うというところがございます。こういったようなものの実態把握を進めているところでございます。
 民間の団体でもそういう取組が進められておりますので、業界団体とも連携をしながら、行き過ぎた重層下請構造、こういったようなものの弊害が解消できるように引き続き取り組んでいきたいと思っております。
○室井邦彦君 これで終わります。まだまだ根深いものがあると思います。是非、国土交通省の強い指導力を期待をしております。よろしくお願いします。
 終わります。
○和田政宗君 次世代の党の和田政宗です。
 今回のくい打ちデータの不正については、建設現場において十分な工期が保たれているのかという問題もあるというふうに思います。
 まず、これについてお聞きをいたしますが、公共工事については品確法などによりしっかりとした工期が保たれているはずであると考えられるわけですけれども、民間の建設現場の現状を聞きますと、そもそも発注者が本来はもっと工期を取るべきところを短い工期で発注していたり、受注者自体が、これは受注するために工期を短くプレゼンテーションしまして受注を獲得するということがあるというふうに聞いております。また、台風や大雨などによる工期の遅れというものは考慮されないために、工期を前倒し前倒しで進めるために現場の繁忙は相当なものであるというふうに聞いております。
 民間工事においてもしっかりした工期を取るように発注者や受注者、元請に指示したり、例えば必ず隔週で全休日を設けるなどのことを国として求めることができないのか、まずこの点、お願いいたします。
○副大臣(山本順三君) 建設産業、御案内のとおりで、建設工事の品質を確保するということが一番重要な問題となっておりまして、その品質を確保するために発注者や元請がそれぞれの立場で適切な工期を設定をする必要がございます。
 国土交通省におきましては、請負契約における適切な工期設定のために、発注者に対しましては、発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドライン、これにおいて、また、元請業者に対しましては、元請負人に対しましては、建設業法令遵守ガイドライン、これにおいてそれぞれ指導を行っているところでございます。さらに、公共工事の発注者に対しましては、発注関係事務の運用に関する指針において、週休二日の確保等による不稼働日等を踏まえた適切な工期を設定ということで、発注、施工時期等の平準化に努めることを求めているところでございます。
○和田政宗君 いろいろな取組は、実は建設業の業界団体自体も第二土曜日を全休日にしようじゃないかというような試みも行われたわけですけれども、結局やはり、私が、じゃ、第二土曜日、建設現場はどうなっているのかというふうに見ますと、もう皆さん働いているわけですよね。
 これ、やはりちょっと民間に今回のくい打ちのことも含めて任せているだけではかなり私は厳しいというふうに思いますので、国の方がこれは積極的にイニシアチブを取っていただけないかなというふうに思いますので、御検討といいますか、御指導をお願いしたいというふうに思います。
 次に、くい打ちのデータのことについてお聞きをしていきますけれども、旭化成建材によるくい打ち等の施工データの流用が見付かった国及び国の出先機関の施設は何件あるんでしょうか。
○政府参考人(谷脇暁君) 国の施設でデータ流用が判明したものが十四件でございまして、そのうち十二件が出先機関の発注でございます。
○和田政宗君 そうすると、国が見抜けなかったというようなことになるわけですけれども、国が見抜けなかった事例にはどんなものがあって、その原因はどういうことなんでしょうか。
○政府参考人(池田豊人君) お答え申し上げます。
 国の出先機関が発注した先ほどの十二件の工事のうち、国土交通省関係につきましては北海道開発局が発注した四件が該当しております。今回、データ流用が見抜けなかった原因としましては、提出されました施工記録のデータが巧妙に偽装されていたために発注者が見抜けなかったというふうに考えておりまして、非常に遺憾であると考えております。
 今回、このような不正が発生したことを発注者としても重く受け止めまして、今後、原因究明を早急に行い、その結果を踏まえ、再発防止策を検討してまいります。
○和田政宗君 その再発防止というところですけれども、今後は国発注の公共工事におきまして今回のような事案が起きないようにどのような対策、改善を行っていくんでしょうか。
○政府参考人(池田豊人君) 現在、国土交通省発注の土木工事につきましては、監督職員ができる限り現場に出向いて日々施工状況を確認しております。このような中でこういった不正が発生したということでございます。今後、原因究明を早急に行い、現場の監督体制につきまして再発防止策を検討してまいりたいと考えております。
○和田政宗君 国の施設というものは、国の公共工事というものは極めて重要な施設が多いというふうに思っております。国交省内部においても、官庁営繕を始めとしまして、様々なノウハウですとか、そういったものが蓄積されていると思いますので、これ是非、もう二度とこういったことが国発注の工事でないようにしていただければというふうに思います。
 このくい打ちの問題ですけれども、私がこの委員会で何度も取り上げております防潮堤にも実は絡んでくる問題でありまして、岩手県宮古市鍬ケ崎地区の防潮堤では、基礎となる鋼管のくいが支持層に届かずに、八十本中五十二本を打ち直して工事が遅れました。国交省の説明では、支持層に届かなかったので設計変更して工事が遅れたということですけれども、同様の工法で建設されたほかの防潮堤において、基礎のくいは全て支持層に届いているというふうに国は言えるんでしょうか、どうでしょうか。
○政府参考人(菊地身智雄君) お答え申し上げます。
 東日本大震災の被災地におけます基礎ぐいを用いた防潮堤の復旧復興工事につきましては、各海岸管理者において実施をしてございます。事業主体でございます各海岸管理者は、国の出来形管理基準、これを準用いたしまして基礎ぐいの出来形確認を行っております。出来形管理基準におきましては、くいの打ち込み時のリバウンド量、これを計測をすることによりまして支持層に届いているということを確認をするということにしてございます。各海岸管理者におきまして、こうした出来形確認によりまして適正な施工管理がなされているというふうに認識をしてございます。
 以上でございます。
○和田政宗君 適正な管理がなされているということで、これは国の直轄のものもありますけれども、私は、巨大防潮堤の是非云々抜きにして、造られたものについては、しっかりとこれ支持層に届いていないと、津波を受けたときにそこから壊れてしまうというようなことがありますので、絶対にこれは支持層に届いていなくてはならないというふうに思いますので、そのような確証が国交省はあるということですけれども、問題がもし起きた際には早急な対応をお願いしたいというふうに思っております。
 皆様にお手元に資料をお配りしましたけれども、被災地はこういった防潮堤ができているわけでございます。
 私はかなりインフラ推進派でございますけれども、この防潮堤についてはやはり無用の長物の部分がかなり多いというふうに思っております。住民も望まないというような防潮堤があちこちにできておりまして、代替策が本来あって防潮堤の高さが下げられるようなところも当初計画どおり進められるところが多くて、宮城県も大分強引な合意形成をやりました。もうどうしてもここは反対が多くて駄目だというところは、十一・八メートルを三・五メートルに下げて、後ろに防潮林を配置して、予算は三分の一ということで、じゃ、反対しなければ三倍の予算で造られたのかと、そういったような状況がかなり多くあるわけですけれども、前任の太田国交大臣は、県が事業主体のところも丁寧に住民の意見を聞いて合意形成をするべきだというようなことをおっしゃっていました。
 ただ、これを復興庁がそもそもぶち壊しているんじゃないかという疑念についてお聞きをしたいというふうに思うんですが、ある復興政務官の経験者が後援会の機関紙の中でこう述べています。復興政務官の当時に、被災地に建設中の防潮堤の視察を企画し、復興庁の担当部局に行程を組むよう打診したところ、復興庁の担当者から行かないでほしいといって日程を組むことを当初拒否されたというふうに述べておりますが、これは事実でしょうか。
○副大臣(長島忠美君) 私の方からお答えをさせていただきたいと思います。
 出張の行程や日程については復興庁の担当者が秘書官を通じて調整したというふうに聞いております。言葉のやり取りの問題ですから、多少の受取方によって擦れ違いはあったかも分かりませんけれども、そういった事実はないということを事務方から確認をさせていただいているところでございます。
○和田政宗君 そうしますと、政治家たる復興政務官経験者が、国会議員たるその方が機関紙に書いていることがそうするとうそだということになるわけですけれども、このようなことも書いてあるんですね。その巨大防潮堤の視察を当初復興庁に拒否されながらも、絶対に行くと復興庁に伝えたところ、復興庁より、行っていただいて結構ですが、強大なものではなく、ごく普通の防潮堤を見ていただきますと返答があったと言っておりますが、このような趣旨の返答をしたことは事実でしょうか。
○副大臣(長島忠美君) 行程の問題ですから、多分タイトな時間の中の行程の組み方でしたから、たまたまその行ける範囲で防潮堤を見ていただくという行程に私はしたんだというふうに確認をしておりますけれども、先ほど申し上げたとおり、言葉のやり取りの中で当時の政務官の方がそういうふうにお受け取りになったかも分からないということは否定できない事実だと思います。
○和田政宗君 では、更に聞きますけれども、この復興政務官経験者は、復興政務官当時のこととしてその後援会の機関紙の中に書いているものなんですけれども、招待を受けた防潮堤の勉強会へ参加をしようとしていたところ、復興庁の担当者が、その勉強会を主催している人たちは反対派の人たち、行かないでほしいと述べたと言っているんですけれども、そのような趣旨の返答をしたことは事実でしょうか。
○副大臣(長島忠美君) そもそも、この防潮堤については、多分発災当時、和田先生も、大変大きな被害であると同時に、これはどうやって命を守る対策をすべきかということが第一点、そしてまちづくりをどうしていくのか、そして心のケアをどうしていくかという非常にやっぱり微妙な問題を丁寧にクリアしていかなければ合意形成ができないということ。
 我々復興庁としては、海岸管理者である県や市がきちんと住民との合意形成を得た中で結論を出したものについて支持をしていく立場を今日も取っているところでございますけれども、その中で、何といいますか、巨大な防潮堤ということだけではなくて、やっぱり我々は全く中立な立場として、明らかに賛成派だけのところ、明らかに反対派だけのところには、私は政務を担当する者として、行って発言をすることについては少し慎重であるべきだというふうに思っています。当時聞かれたら、政務官にも発言は丁寧にしてくださいよというふうにお答えをしたと思っています。
○和田政宗君 私が把握しているところでは、賛成派のところはかなり副大臣、政務官を含めて行っていらっしゃるというふうに私は認識をしております。であるならば、結局どうするにせよ、反対意見も聞いていただいて、まあ反対意見というよりこれは何とかしてほしいという改善意見なわけですね、それを聞いていただいて、結局最終的にどうするのかという判断、これが前任の太田国交大臣が言っていた丁寧な合意形成、住民の声に耳を傾けるということであるというふうに思うんですけれども。
 これ、政治家として復興政務官が実際に反対意見聞いてみたいとか防潮堤の勉強会に参加をしてみたいというようなことを言っているのをいわゆるお役所の官僚の人たちがこれを拒否するというようなことというのは、私はこれはあり得ない、あってはならないというふうに思うんですが、その辺り、長島副大臣、どのように考えますか。
○副大臣(長島忠美君) 和田先生から言われたとおり、復興庁の職員として、役人として、そのことに行ってほしくないという発言ではないと思います。だから、やり取りの中でそういうふうに当時の政務官がお取りになったのかも分かりません。
 ただし、私が先ほど申し上げたとおり、我々は、一人の政治家であると同時に、役所の中で仕事をさせていただく立場を考えたら、やっぱり公平な立場を持続しなければいけない、やはり賛成派という形でも反対派という形でも、余り偏ったところで安易な発言をすることは慎むべきだというふうに私はそう思っております。
○和田政宗君 長島副大臣は山古志村の村長でいらっしゃって、本当に復旧に、復興に御尽力をされたということは私も存じ上げておりますし、私も母方が柏崎で長岡にも多く親戚がいるものですから、本当に山古志の復興の在り方というものがどれだけ丁寧なものであったかということも認識をしております。
 そういったことを考えた場合に、今、宮城復興局の担当であるわけでありますけれども、現場の今できている防潮堤というものは、住民が仮に合意したところであっても、こんな巨大なものができるとは思わなかったというような状況になっています。百年に一度の津波を防ぐというようなことの趣旨であるかとは思うんですけれども、長島副大臣も平成二十四年の三月九日のダイヤモンド・オンラインのインタビューで、防潮堤よりも逃げることが大事だ、逃げられる道路の整備や訓練、逃げられる体制をつくることが重要だというふうに述べております。
 宮城復興局担当の副大臣として、今の被災地の防潮堤の在り方、これについてはどのような所感を持っているでしょうか。
○副大臣(長島忠美君) 先ほど太田大臣の答弁も引用されましたけれども、我々は、復興庁としては可能な限り丁寧に、見直しも含めて地元の声を聞かせていただくつもりです。ですから、一政治家として、そのことをきちんと政務として、例えば自分の持論としてやることは脇に置いておくとしたら、我々は、できるだけ被災地の皆さんがこれからまちづくりに希望が持てる形、そして、それとやっぱりこれから百年、二百年、安心をして家族を守れる環境を得ること、ともするとお互いに議論が必要な部分をきちんと受け止めながら丁寧に対応してまいりたいと、今はそう考えております。
○和田政宗君 本当に丁寧に当初からやっていただければ今こういった問題は私は起きていないんだというふうに思っています。
 石井国交大臣にお聞きしたいというふうに思います。
 国交大臣は、先月の末に被災地において気仙沼から商工岸壁の防潮堤なども御覧になっているというふうに思うんですけれども、建設中の防潮堤などを視察されたと聞いております。率直に感想をお聞きしたいのと、この巨大防潮堤計画について国交大臣としてどのような見解を持っているか、答弁をお願いしたいというふうに思います。
○国務大臣(石井啓一君) 大臣就任後、宮城県、岩手県の被災地を視察をしまして、防潮堤の現場も見てまいりました。被災地は津波や高潮などに対して極めて脆弱な状況となっておりまして、被災した防潮堤の復旧等を速やかに行うことが必要でございます。必要な高さの防潮堤を整備することにより地域の安全性が向上するものと考えておりますが、防潮堤の復旧については、どういう計画が地元にとって望ましいかについて十分に話し合っていただきながら合意形成を進めることが大切であるというふうに考えております。
 国土交通省としては、引き続き、海岸管理者である県などに丁寧に対応していただいて、合意が得られた地域について速やかに復旧が進むように最大限の支援を行ってまいりたいと存じます。
○和田政宗君 本来、復旧であったというふうに思うんですけれども、復旧以上のことが行われております。百年に一度の津波というようなところであれば、復旧よりも高い防潮堤が必要になるところも当然あるというふうに思います。ただ、例えば、昭和三陸地震であるとか明治三陸地震津波であるとかチリ地震津波のその最高値を、例えば湾の奥ではもう入り江になっているところはどんどん高くなるわけですけれども、その最高値を基に一律防潮堤の高さを掛けていくというようなこともあって、私は全然これは丁寧にやられていないというふうに思うんですね。実際に奥尻島の例もこの国交委員会で何度も述べていますけれども、漁業が壊滅的な状況になったりしています。
 繰り返しになりますが、私は、インフラはしっかりと整備することが国土の発展につながっていくというふうに思いますけれども、この防潮堤の事業については、もうやはり見直さなくては私は将来に禍根を残すというふうに思いますので、これを最後申し述べて、時間ですので私の質問を終わります。
○吉田忠智君 社会民主党の吉田忠智でございます。
 石井大臣を始め副大臣、政務三役の皆さん、国土交通省も多くの課題を抱えております。是非、健康に留意をされて重責を果たされるようにお願いを申し上げたいと思います。とりわけ石井大臣は、前任の太田大臣に続いて公明党からの入閣でございまして、国土交通大臣に引き続き就任をされました。平和の党、福祉の党と言われる公明党出身の大臣として、是非そういう立場でも職責をしっかり、らしい職責を果たしていただきたいと思っております。
 本来であれば、大臣から所信を受けて、臨時国会をしっかり開いて所信をお聞きをして、それから質疑に入らなければならないところでございます。野党、衆議院、参議院も四分の一以上の議員で臨時国会開会要求をしておりますけれども、開こうとしません。このまま開かずに通常国会を一月四日に開会をすれば、明らかな憲法五十三条違反、そのように言わざるを得ないと思います。
 そして、更に言えば、国家公務員の皆さんも来年の通常国会に一般職の給与法の改定を行うと、プラス改定、一時金もベアもプラス改定でありますけれども、越年をして差額が支給されるということであります。さらに地方公務員も、本来、法的には独自に決められるわけでありますけれども、国家公務員より先に決めちゃならぬということを総務省が何か地方に言っているようでありまして、十二月の自治体議会に間に合いません、改定は。したがって、地方公務員の皆さんも差額支給が得られない。アベノミクス、全国津々浦々と言いながら、やっぱり公務員の給与というのは影響が大きいですからね、地域経済。そういう点においても大きな問題があると思っております。
 いずれにしても、そうはいいながら、国民の皆さんが懸念をする、今日議論になっております基礎ぐい工事の問題など様々な問題がございますので、国民の皆さんのやっぱりそういう要求に応えなければならないということで、今日は閉会中審査が行われているわけであります。私も、基礎ぐい工事を始めとして、今問題になっている課題について何点か質問をさせていただきたいと思います。
 まず、基礎ぐい工事につきましては、委員の皆さんからるる質問がございまして、大体考えられるような課題はほぼ出尽くしたような気がしますので、総括的な質問になろうかと思いますが、何点か伺います。
 先ほどから答弁にありますように、有識者会議、基礎ぐい工事問題に関する対策委員会で検討しているということでございます。この対策委員会、現状の、今の議論の状況、今後の取組、そして、いつ頃結論、報告を出すのかについてまずお伺いします。
○政府参考人(谷脇暁君) 御指摘のございました基礎ぐい工事問題に関する対策委員会でございますけれども、十一月の四日に第一回を開催をいたしまして、現在まで三回開催をしてございます。年内の中間取りまとめに向けまして精力的に御議論をいただいている状況でございます。
○吉田忠智君 いつ頃をめどに報告を出すお考えですか。
○政府参考人(谷脇暁君) 年内を目途に中間報告をいただく予定にしてございます。
○吉田忠智君 この対策委員会の議事録や要旨が公表されていないために国民から国土交通省の取組が見えないという御指摘もあります。早急に議事録、要旨を公表すべきだと考えますが、いかがですか。
○政府参考人(谷脇暁君) 会議自体は非公表でございますけれども、議事録につきましては、会議終了後、委員の皆様、委員長に御確認をいただきまして、公表させていただいております。
○吉田忠智君 分かりました。
 それでは、大臣、この基礎ぐいの問題、国民に不安や懸念を与える深刻な問題だと思っております。改めて、二度とこのようなことが起こらないように根絶をしていく、そういう決意を大臣からお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 横浜市の分譲マンションに端を発しまして、くい工事において多くのデータ流用が判明したことについては極めて遺憾であります。国民の不安を払拭する観点から、データ流用があった物件につきましては安全性の確認を早急に進めることとしております。
 具体的には、先月二十五日の対策委員会において、くいの支持層への到達の確認方法について御承認をいただいたことから、これを参考として安全性の確認を早急に進めているところでございます。
 あわせて、重要なのは再発防止策でございまして、先ほど御紹介いたしました対策委員会を設置をして議論を重ねているところでございますが、なぜ横浜のマンションで施工不良が起きたのか、なぜ多くのデータ流用があったのか、さらには建設工事全般について本事案の要因となるような構造的な問題があるのかどうか等の観点から徹底的に原因究明を進め、その原因に対応した再発防止策を早急に検討してまいります。年内の中間取りまとめに向けて全力で取り組んでまいります。
○吉田忠智君 中間取りまとめ、年内にもということでございますから、それを踏まえまして、また、この国土交通委員会におきましても、今日参考人招致はできませんでしたけれども、関係企業の皆さんにも来ていただいて、またしっかりした議論をしていきたいと考えています。
 次に、私もライドシェアの問題について質問をさせていただきます。
 去る十月二十日に、先ほどお話がありましたように、国家戦略特区諮問会議で安倍総理が唐突に、過疎地等での観光客の交通手段として自家用自動車の活用を拡大すると発言し、これが解禁を表明などと報道されて、タクシーや交通運輸産業関係者に不安が広がっているところでございます。
 現在どういう状況になっているか、説明をお願いします。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。
 委員御指摘の安倍総理の御発言は、十月二十日の国家戦略特区諮問会議、こちらで京都府の京丹後市からその地域における自家用有償旅客運送の規制緩和に係る提案がなされた際の御発言だと承知をしているところでございます。
 その御提案に対する対応につきましては、現在、国家戦略特区ワーキンググループの中で議論がなされている段階でございます。その中で私どもも事務局としてヒアリングを受けている状況にございます。
 決定をされる時期については私どもはまだ承知をしておりませんけれども、こういった公共交通機関を維持が困難な地域において交通手段を確保する、そういった場合にも安全、安心の確保が極めて重要であると、そういった基本線に立ちまして調整を進めてまいりたいと考えております。
○吉田忠智君 国土交通省は、内閣府の規制改革ホットラインへの新経済連盟からの自家用車ライドシェアの提案に対して今年六月に回答されていますが、どのような回答だったのでしょうか。また、その理由はどのようなものだったのか、説明をしてください。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。
 六月の時点の御提案、まだライドシェアの具体的な制度設計について詳細な御提案というわけではございませんでした。ただ、その段階におきまして、私どもは、安心、安全を確保するための体制、具体的には運行管理、車両整備管理、そういったことがきちんとできる体制で運行されるということでなくてはならないと、そういうものかどうかということについて懸念があるということを申し上げたということでございます。
○吉田忠智君 楽天の三木谷氏は、リフト社に三百七十億円を投資をして、一〇%を超える株主となって、自ら同社の役員に就任をいたしました。その三木谷氏が代表を務める新経済連盟は、再三にわたり自家用車ライドシェアの解禁を求めておりまして、その突破口として過疎地におけるライドシェアを働きかけています。
 このようなライドシェアの最大の問題は、ウーバー社やリフト社などはITによってドライバーと利用者とをマッチングするプラットホームを提供するのみで運送事業者ではないというスタンスを取り、運送責任はあくまでもドライバー個人が負うという安全軽視の姿勢である、そのように考えますが、この点について国交省の見解を伺います。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。
 新経済連盟による提案は、運行管理や車両整備についての責任を負う主体を明確にしないままに自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態を前提としているものと考えております。すなわち、事故の未然防止という面では運行や車両整備等の管理者が置かれない、事故等の責任はドライバー個人が全て負うということかと存じております。
 この点につきましては、安心の確保、利用者の保護等の観点から問題があり、極めて慎重な検討が必要であると考えております。
○吉田忠智君 改めて石井大臣のお考えを伺います。
○国務大臣(石井啓一君) 先ほどから申し上げているとおりでございますが、新経済連盟による提案は、運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないままに自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態を前提としているということでございますが、こういった在り方では安全の確保、利用者の保護等の観点から問題があるというふうに考えておりまして、極めて慎重な検討が必要だというふうに考えております。
○吉田忠智君 過疎地においては、これまでもタクシー事業者やバスや鉄道事業者、自治体等も参加をして、先ほども答弁はありましたけれども、デマンドタクシーや自家用有償旅客運送など、住民の移動の足を確保すべく様々な取組がなされているわけであります。自家用車ライドシェアは、こうした努力を全て無にするものであると、そのように考えます。
 これまで国交省とタクシー事業者は協力をして道路運送法、道路交通法等の法令遵守、運輸安全マネジメントの導入、運転者教育や適性診断、運行管理、整備管理の徹底、保険加入そして二種免許など、利用者の安全、安心の確保を最優先にきちんとコストを掛けて現在の制度をつくり上げてきたわけであります。自家用車ライドシェアは、総合的な交通体系や持続可能性に何ら関心を持たないIT企業が安全へのコストを削って大都市でのもうけを狙い、結果として公共交通のシステムを破壊するものでありまして、断じて認められません。
 我が党は今後とも、公共交通の安全、安心を破壊する自家用車ライドシェアには断固反対していく決意でありますし、国土交通省も先ほど来慎重に検討するということでありましたけれども、これまでの国土交通省としてのやっぱり取組を無にしないようにしっかり役割を果たしていただきたい、そのことを申し上げたいと思います。
 次に、辺野古における海上保安庁の過剰警備について質問いたします。
 安倍政権は、沖縄の民意を無視して名護市辺野古に新基地建設を強行しようとしています。昨日も、福岡高裁那覇支部において翁長知事が日本に地方自治や民主主義はあるのかと意見陳述されましたが、一方、現地では連日、抗議行動に対する警察機動隊や海上保安庁による過剰警備が報道されております。とうとう警視庁の機動隊も現地に投入をされているという状況でございます。
 十一月十八日には、抗議船船長が四人の海上保安官に押さえ込まれ意識不明、嘔吐し、全治一週間、二十日には、カヌーの男性が海上保安官に首を絞められ頸椎捻挫で十日間の安静加療の暴行を受けています。海上保安庁の力で威圧するかのような通常の警備のレベルを超えた暴力については、多くの沖縄県民が憤りを覚えています。
 海上保安庁の佐藤長官は、昨年十月の当委員会でも私の質問に対して、拘束したり暴力的な制圧を加えたりということではなく、警察比例の原則に留意し、法令に基づき適切に権限を行使していると答弁されています。現状は明らかに過剰警備ではありませんか。警察比例の原則をどのように理解しているのか、伺います。
○政府参考人(佐藤雄二君) 辺野古周辺の工事の海域は、作業船が不規則に往来し、起重機船が重量物を設置する作業などが実施されるなど、危険な工事現場でございます。また、同海域は臨時制限区域として設定され、法律で立入りが禁止されており、ブイ、フロート及び看板でそのことが明示されているところであります。
 これらのことから、抗議者に対しては、工事事業者が手配した警戒船から常時現場において注意喚起がなされているとともに、海上保安庁においても現場において安全確保及び法令の遵守の観点から指導を繰り返しているところでございます。これにもかかわらず、現場海域においては、抗議者によるフロートを乗り越えて侵入する、現場海域に飛び込む、作業船にしがみつくなど看過できない行為が見受けられることから、これらの行為に対しては現場の海上保安官が適切に対処、対応しているところでございます。
 今御指摘のありました、十一月十八日の抗議船の船長が海上保安官に押さえ付けられ意識がもうろうとなったとされる件につきましてでございますが、当該抗議船が再三の指導、警告を無視し、法令に反して臨時制限区域内に侵入し、かつボーリング調査船の台船に向かおうとしたことから、海上保安官が乗り移り、これを停止させたものでございます。
 その際、抗議船の操船者が興奮して暴れ、海上保安官を突き飛ばすなどの危険な行為をしたことから、落ち着くよう説得を繰り返したところ、落ち着きを取り戻しました。その後、操船者が気分が悪い旨申し述べ、ぐったりとした状態に見えたことから、救急車を要請し、同人を救急隊に引き継いでおります。なお、海上保安官がけがをさせた事実は確認されておりません。
 また、もう一点の御指摘の十一月二十日に海上でカヌーに乗って抗議していた男性が海上保安官に首を絞められ頸椎捻挫のけがを負ったとされる件につきましては、カヌーに乗った抗議者一名が再三の指導、警告を無視し、法令に反して臨時制限区域内に侵入し、さらに、興奮して海上保安庁のゴムボートに自ら乗り移り、海上保安官を突き飛ばして暴れるなど危険な行為をしたことから、同人の行為を制止したものであります。
 この際、当庁のゴムボートで暴れた抗議者に対しけがの有無を確認したところ、首が痛い旨申し述べたものの、救急車は必要なく、大丈夫である旨申し述べております。
 以上でございます。
○吉田忠智君 今、海上保安庁の長官から説明がありましたが、現実の問題として、カヌーの乗員を海に沈めて窒息をさせかけたり、別の船に乗り移って乗組員の首を絞めたりしたという事実は確認されているんですね。制圧のレベルを超えていると言わざるを得ません。生命に危害を加えようとしているということも言えると思いますが、警察比例の原則から正当化できるのかどうか大変疑念を持ちますけれども、その点はいかがですか。
○政府参考人(佐藤雄二君) 様々な危険な行為を行ったり、あるいは法令違反の行為を行った場合には、その行為を行っている者の態様に応じまして適切に我々は対応しているというふうに考えております。
○吉田忠智君 今日は琉球新報と沖縄タイムスの社説を資料として配りましたけれども、右側の沖縄タイムスの社説の三段目の後ろの方、二〇〇四年に那覇防衛施設局が当時ボーリング調査に着手したとき、海上保安庁は流血の事態を招くおそれがあるとして強制排除を拒否したと、守屋武昌、当時の防衛事務次官、「「普天間」交渉秘録」。だが、安倍政権になって海上保安庁の姿勢は同じ官庁とは思えないほど変わったということもこれに書かれているわけであります。
 大臣、過剰警備にならないように海上保安庁に指導していただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(石井啓一君) 海上保安庁では、現場海域における安全の確保と法令の遵守の観点から適切に対応しているものと認識をしております。
 私からは、海上保安庁に対し、平素から過剰な警備となることがないよう繰り返し伝えているところでございます。
○吉田忠智君 石井大臣には、是非、平和の党の公明党の出身の大臣として、公明党の皆さん、沖縄にはやっぱり様々な思い、思い入れがあると思いますから、是非そういう立場で大臣としての職責を果たしていただくようにお願いを申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(広田一君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時二十二分散会