第189回国会 環境委員会 第5号
平成二十七年六月四日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 六月二日
    辞任         補欠選任
     舞立 昇治君     鴻池 祥肇君
     杉  久武君     石川 博崇君
 六月三日
    辞任         補欠選任
     石川 博崇君     杉  久武君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         島尻安伊子君
    理 事
                高橋 克法君
                中西 祐介君
                水岡 俊一君
                市田 忠義君
    委 員
                岩城 光英君
                尾辻 秀久君
                鴻池 祥肇君
                佐藤 信秋君
                中川 雅治君
                中曽根弘文君
                吉川ゆうみ君
                小見山幸治君
                櫻井  充君
                長浜 博行君
                浜野 喜史君
                杉  久武君
                清水 貴之君
                水野 賢一君
   国務大臣
       環境大臣     望月 義夫君
   副大臣
       環境副大臣    北村 茂男君
       環境副大臣    小里 泰弘君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  高橋ひなこ君
       環境大臣政務官  福山  守君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫻井 敏雄君
   政府参考人
       消防庁審議官   北崎 秀一君
       外務大臣官房地
       球規模課題審議
       官        尾池 厚之君
       外務大臣官房審
       議官       豊田 欣吾君
       厚生労働大臣官
       房審議官     成田 昌稔君
       厚生労働省医薬
       食品局食品安全
       部長       三宅  智君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       土屋 喜久君
       農林水産大臣官
       房審議官     川島 俊郎君
       水産庁資源管理
       部長       枝元 真徹君
       経済産業大臣官
       房審議官     谷  明人君
       経済産業省貿易
       経済協力局貿易
       管理部長     坂口 利彦君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        住田 孝之君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    鎌形 浩史君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       北島 智子君
       環境省水・大気
       環境局長     三好 信俊君
       環境省自然環境
       局長       塚本 瑞天君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○水銀による環境の汚染の防止に関する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
○大気汚染防止法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
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○委員長(島尻安伊子君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二日、舞立昇治君が委員を辞任され、その補欠として鴻池祥肇君が選任されました。
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○委員長(島尻安伊子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 水銀による環境の汚染の防止に関する法律案及び大気汚染防止法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、環境省水・大気環境局長三好信俊君外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(島尻安伊子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(島尻安伊子君) 水銀による環境の汚染の防止に関する法律案及び大気汚染防止法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉川ゆうみ君 おはようございます。自由民主党、吉川ゆうみでございます。
 本日審議されます水銀による環境の汚染の防止に関する法律案及び大気汚染防止法の一部改正案は、水銀に関する水俣条約を担保するために必要な措置を規定しているものと認識をいたしております。
 条文は、前文にもございますとおり、我が国の水俣病の教訓を踏まえ、一昨年に熊本で開催された条約外交会議において、我が国を議長国として採択されたものでございますけれども、この外交会議における安倍総理のビデオメッセージ、ここでは、水俣病を経験した日本だからこそ、世界から水銀被害をなくすために先頭に立って力を尽くす責任があるということも述べられたことを踏まえますと、我が国が取るべき水銀対策、これは世界をリードしていくべきであると、その必要が非常にあるものであるというふうに考えております。
 以上を踏まえますと、本日の質問では、両法案が審議、可決された衆議院における審議の中で既に議論された部分とも重なってしまう部分もあるかと存じますけれども、改めて両法案に関する政府の考えを確認させていただきたいというふうに思います。
 まず初めに、先ほど述べさせていただきましたとおり、水銀に関する水俣条約、これは我が国における水俣病の重要な教訓を踏まえ、我が国で採択されたものであります。世界でこのような深刻な環境汚染とまた健康被害、これを二度と繰り返すことがないよう、我が国は、世界の水銀対策をリードしていく姿勢、これが条約の求める措置を担保するということにとどまらず、条約以上の措置をとっていくということが必要であるというふうに私は強く考えております。
 そこで、まず望月大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。大臣はどのような基本姿勢で本法案などの条約担保措置の検討を行われたのかということをお伺いできればというふうに思います。
○国務大臣(望月義夫君) 先生御指摘のとおり、水銀条約は、我が国における水銀による深刻な環境汚染と健康被害の重要な教訓を踏まえまして、平成二十五年秋に我が国で開催された外交会議において採択された重要な条約でございます。
 我が国としては、条約を担保するということはもちろんのことでございますけれども、この経験を生かして、世界のどの地域でもこのような公害の被害を二度と繰り返してはいけない、そして世界の水銀対策をリードしていく、そういう責務があると、そういったことが重要であると考えております。
 具体的には、現在提案しておりますこの二法案、条約の義務を果たす措置のみならず、この条約以上の措置も講じて、そしてまた、併せて水銀対策に関する国際協力を進めることによりまして、地球規模の水銀汚染の防止にしっかりと貢献をしていきたい、このように思っております。
○吉川ゆうみ君 大臣、ありがとうございます。
 政府においても、水俣病の重要な教訓を踏まえ、条約以上の措置をとってくださるというお考えであること、また国際協力、それを日本がリードしていっていただくお考えがあるということ、そして積極的に展開をしていってくださるという基本姿勢を大臣の口から直接お伺いすることができ、非常に安心をいたしました。是非ともここは、私たち、水俣という大変な経験をしてきた我が国として、積極的な取組をお願いしたいというふうに思います。ありがとうございます。
 続きまして、国内担保措置で講じることとしている条約以上の措置について、その具体的な内容についてお伺いをしていきたいというふうに思います。
 まず、水銀による環境の汚染の防止に関する法律案、こちらにつきまして、具体的にどのような条約以上の措置を講ずることとされているのでしょうか。こちらは環境省、政府の方にお伺いをできればというふうに思います。
○政府参考人(北島智子君) お答えいたします。
 水銀による環境の汚染の防止に関する法律案におきましては、条約以上の措置といたしまして、条約上は努力義務となっている実施計画策定を政府に義務付けること、また特定水銀使用製品について、条約の求める水銀含有量基準及び廃止期限を深掘り、前倒しができる規定としていること、廃棄された水銀使用製品の適正な回収につきましては、条約上は規定されておりませんが、本法案では関係者の努力義務を規定したことなどの措置を規定しております。
○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。
 実施計画あるいは適正回収というところで、様々な条約以上の措置を検討していただいているということで確認をさせていただきました。
 次に、大気汚染防止法の一部改正でございますけれども、大気排出抑制対策については、こちらは具体的にはどのような条約以上の措置を講ずることとしていただいているのか、こちらも政府の方にお伺いできればと思います。
○政府参考人(三好信俊君) 大気排出規制の関係で条約との対比でございますけれども、水俣条約上は、大気排出規制の対象は石炭火力発電所などの五種類の施設ということに限定されておりますが、我が国独自の措置といたしまして、国内において水銀を相当程度多く排出する施設につきましては、自主管理基準の設定等の排出抑制の自主的取組を求めることを規定をしているところでございます。
 また、条約上は、新規施設は条約発効後五年以内、既存施設は十年以内に措置を講ずることが求められておりますが、我が国といたしましては、条約発効後二年以内に必要な準備ができ次第速やかに水銀大気排出規制を施行することといたしているところでございます。
○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。
 こちらも、自主管理の規制あるいは二年以内など、様々な条約以上の措置を講じるというお考えであるということが確認できまして、大変安心をいたしました。
 続きまして、両法案においては規定がされておりませんけれども、水銀の輸出入規制、こちらも大変重要であるというふうに考えております。具体的に、水銀の輸出入に関しましてはどのような条約以上の措置を講じようというふうにお考えなのか、こちらは輸出入の部分でございますので、経済産業省さんにお伺いをできればと思います。
○政府参考人(坂口利彦君) お答え申し上げます。
 輸出入規制についてのお尋ねでございます。
 輸出につきましては、外国為替及び外国貿易法に基づきまして、水銀に関する水俣条約で定められた規制以上の厳しい規制を行う予定としております。これは、我が国から輸出される水銀が輸出先国での不適切な使用により健康被害や環境汚染を引き起こさないことを一層確実にするための措置でございます。
 具体的に申し上げますと、条約で求められております水銀の輸出規制に加えまして、塩化第一水銀等六種の水銀化合物の輸出につきましても原則禁止とすることとしております。更に加えまして、周辺環境の汚染や健康被害のおそれのある零細及び小規模の金の採掘、いわゆるASGMでございますが、を用途といたします水銀及び水銀化合物の輸出を禁止するとともに、暫定的保管のみを目的とする水銀及び水銀化合物の輸出を禁止することとしております。
 輸入につきましては、外為法に基づきまして条約で定められた規制を実施する予定でございます。具体的に申し上げますと、条約の非締約国から輸入される水銀につきまして、条約発効後に開発された鉱山で採掘された水銀でないこと等が確認できる場合に限りまして輸入を承認することを予定しております。
○吉川ゆうみ君 ありがとうございました。
 輸出に関しては六種の水銀化合物の禁止、あるいは輸入に関しても多岐にわたって条約以上の措置を検討していただいているということが分かりました。
 最後に、こちらも両法案においては規定はされておりませんけれども、水銀の廃棄物対策、こちらも大変重要であるというふうに考えております。廃棄物としての水銀の対策として、政府は、具体的にはどのような条約以上の措置を講じようとされていらっしゃるのでしょうか。こちらは環境省さんにお伺いできればと思います。
○政府参考人(鎌形浩史君) 水銀廃棄物の扱いについてのお尋ねでございます。
 水銀廃棄物に対しましては、廃棄物処理法に基づきまして対応する予定でございます。そして、水銀廃棄物の種類といたしましては、まず水銀を含む汚泥等の水銀汚染物、そして蛍光灯などの水銀添加製品、そしてさらに金属水銀が廃棄物となったものである廃金属水銀がございます。
 このうち、水銀汚染物及び水銀添加製品につきましては、廃棄物処理法に基づく現行の基準により条約上の義務は担保されているところでございますが、条約上の義務を超える措置として、水銀汚染物及び水銀添加製品のうち、高濃度に水銀を含むものについては、その処分に当たって水銀回収を義務付けるということを考えてございます。
 また、廃金属水銀については、条約上の義務を担保するため、新たに特別管理廃棄物として規制対象に追加することといたしておりますが、さらに、条約の義務を超える措置として、この埋立処分に当たりまして、硫化、固型化により安定的なものにすることを義務付けることを考えているところでございます。
○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。
 以上四点、条約以上の措置をどのような形で環境省あるいは経済産業省において講じる計画をされているのかということについてお伺いをさせていただきました。
 我が国における水銀対策、こちらは、今皆様から御説明をいただきましたとおり、条約以上の措置を積極的に講ずることによって世界の水銀対策をリードしていくというふうになっていることが確認でき、非常に安心をいたしました。
 続きまして、水銀による環境汚染の防止に関する法律案に基づく具体的な措置について確認をさせていただきたいというふうに思います。
 我が国の水銀対策、こちらは、今回の両法案のみならず、既存の関係法令と相まって措置されるものであるというふうに理解しております。本法案成立後に我が国の水銀対策の全体像、こちらを明示した水銀による環境の汚染の防止に関する計画、こちらを策定することは非常に重要であるというふうに考えております。
 つきましては、この計画、いつ頃に策定される御予定なのか、また、水銀対策には多様な関係者が関与することとなる、このように思われますけれども、計画をより実効性のあるものにするために、それらの関係者にはどのように調整を進めていかれるお考えなのか、こちらは環境省にお伺いをさせていただきたいと思います。
○政府参考人(北島智子君) お答え申し上げます。
 条約が規定する対策の範囲は、水銀のライフサイクル全体にわたり関係者も大変広範でありますことから、関係する法令に基づく水銀対策の全体像や将来像を包括的に示し各種施策の密接な連携を図ることは、効果的かつ着実な施策の実施を確保する上で、先生御指摘のとおり、大変重要だと考えております。本法案の成立後には、まず法の施行に必要な政省令の整備を行いまして、その上で関連する施策を計画に盛り込む必要がありますことから、これらの政省令が整い次第、可能な限り速やかに策定してまいりたいと考えております。
 また、関係者の連携でございますが、水銀による環境の汚染の防止に関する法律案におきましては、法律案の規定事項に関する事業を所管する大臣全てを水銀等による環境汚染の防止に関する計画の主務大臣としており、環境省、経済産業省が中心となりまして、主務大臣以外の関係行政機関の長にも協議し、中央環境審議会、産業構造審議会の意見を踏まえまして、本計画を策定することとしております。
○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。
 計画は、水俣条約の締結後、本当にこの水銀に関してはライフサイクルにおいて非常に多くの関係者が関わっているかと思いますけれども、各関係者との調整を踏まえ、政省令策定後に速やかに策定されるというお考えであることが分かりました。また、環境省さん、経産省さんが中心になって、各関係する主務大臣とも連携を取っていかれるということも確認させていただくことができました。
 次に、水銀による環境の汚染の防止に関する法律案、こちらでは、水銀使用製品の製造を原則禁止としていることや、あるいは製造工程における水銀等の使用が禁止されていることになりますけれども、これらにおける、条約以上の措置も含まれることから、関係する事業者への影響はどのようなものになってくるとお考えでいらっしゃいますでしょうか、お考えをお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(北島智子君) 我が国の産業界は、これまでも水銀の使用代替、低減の努力を続けてきております。このため、水銀使用製品について、我が国は他国に比べ先進的な技術を有しており、これに加えて、製造事業者へのヒアリングを行う等により、製品の規制水準を適切に設定することとしております。
 また、我が国におきましては、本法案の規制対象となる製造工程は、いずれも既に水銀等を使用しないものに代替されております。このため、今般、水俣条約の担保措置として導入する規制によって我が国産業界に新たに過度な負担が生ずるものではないと考えております。
○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。
 製造業者へのヒアリングなどもされて、きめ細やかな対応をされていくということで、本当に有り難いなというふうに思っております。また、本法案に基づき取られる製品規制、あるいは製造工程、こちらは我が国においては既に水銀使用を低減する取組が非常にしっかりとされているということ、あるいは事業者における対応の可能性も踏まえた措置、こちらもとられているということが分かりまして、事業者への今回の法案あるいは条約などが過剰な規制とならないように配慮していただいているということを確認させていただくことができました。
 続きまして、水銀による環境の汚染の防止に関する法律案では、法案の第十六条、十七条、十八条において、それぞれにおいて水銀使用製品の適正な回収を促進するために、国あるいは市町村、また事業者が、努力義務というものが規定されておりますけれども、それぞれ具体的にどのような措置を想定されていらっしゃって、また、相互にはどのような関係を進めていこうというふうにお考えでいらっしゃるのか、こちらも環境省さんにお伺いをさせていただきたいと思います。
○政府参考人(北島智子君) 本法律案の第十六条は、国の責務といたしまして、水銀使用製品を市町村が適正に回収するために必要な技術的助言等を行う責務を規定しております。具体的には、市町村に対しまして、分別回収に関する先進的な取組を事例集で紹介することなどを想定しております。
 第十七条は、市町村に対しまして、その区域の経済的社会的諸条件に応じて、廃棄された水銀使用製品を適正に回収するために必要な措置を講ずる責務を規定しております。これは、市町村には一般廃棄物の適正な処理を行う責務がありますことから、国の技術的助言も踏まえ、それぞれの事情や状況に応じた適切な回収に努めていただくことを想定したものでございます。
 第十八条は、事業者に対しまして、製品の適正な分別を確保するため、消費者に対する情報提供の責務を規定しております。これは、適正回収を行うためには、消費者がその製品に水銀が使用されていることを把握することが重要でありますことから、水銀使用に係る製品表示等の情報提供をしていただくことを想定したものです。事業者からの情報提供に関しましても、国において、その対象範囲や消費者にとって分かりやすい表示の在り方も含め一定の指針を策定し、事業者に求められる具体的な取組の内容を明らかにしてまいります。
 以上の措置はいずれも水銀による環境汚染を防止することを目的としておりますので、相互に連携して適正回収を促進してまいりたいと考えております。
○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。
 法案の第十六条、十七条、十八条においての具体的な措置を確認させていただくことができました。また、国、市町村、そして事業者が相互に連携を取っていく、また、より取りやすいような施策も考えていただいているということが確認できました。
 続きまして、大気汚染防止法の一部改正に基づく具体的措置についてお伺いをしたいというふうに思います。
 我が国においては、水俣病の経験を踏まえ、水銀の排水規制は、これは水質汚濁防止法に基づき厳しく講じられてまいりました。この結果、水俣条約においては水あるいは土壌への放出に関する規制が要請されているわけでございますけれども、我が国は既にこの要請は満たしているという状況にあるかと理解をしております。
 他方、水銀の大気への排出規制、こちらはなぜこれまで導入されてこなかったのか、その理由と、これまで水銀の大気排出に関してどのような措置を講じられていらっしゃったのか、併せて環境省さんにお伺いをさせていただきたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) 水銀の大気排出につきましてのこれまでの取組と、これまで規制が講じられていなかった理由でございますけれども、まず、これまでの取組でございますけれども、水銀等につきましては、大気汚染防止法に基づきます有害大気汚染物質対策の中で、有害大気汚染物質に該当する可能性のある物質のうち、優先取組物質として選定をされてきております。これを受けまして、環境中の有害大気汚染物質による健康リスクの低減を図るための指針となる数値として、大気中の水銀蒸気の吸入による長期暴露に係る指針値を設定してきております。また、事業者に、有害大気汚染物質の大気排出状況の把握でございますとか、排出抑制のために必要な措置を講ずることを責務として求めてきているところでございます。
 現在の我が国の大気の汚染状況でございますけれども、まず、我が国では大気汚染を防止する観点から従来から厳しいばい煙規制等を講じてきておりまして、その排ガス処理の工程でばいじんに付着するなどしております水銀等は除去をされることから、水銀等の排出抑制についても一定の効果が上がっているものと認識をしております。
 その結果、全国のモニタリングの結果によりますと、先ほど申し上げました指針値を大きく下回っておりまして、大気中の水銀濃度は直接吸入することによる健康影響が生じるレベルにはないということが確認されてきておりまして、その点から、これまで水銀等の規制措置を講ずる必要がないとされてきたものでございます。
 今般の大気汚染防止法の改正は、先生御質問の過程のとおりでございますけれども、条約に対応するために、新たに環境中を循環する水銀量を削減するために大気排出規制が求められていることを受けまして、所要の措置を講ずるというものでございます。
○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。
 これまで大防法で規制をされてこなかった理由といたしまして、水銀の大気排出については大気環境中の水銀を吸い込んでも健康被害が生じるレベルにはないということ、しかしながら、一たび大気中に排出された水銀は、残留性、あるいは生物蓄積性、あるいは長距離移動性を持ち、海洋や魚などを通じて環境中を循環してしまうという全地球的な問題があり、これに対応するために大気排出規制を新たに導入をしていただくということが確認できました。
 私も、我が国の大防法、こちらは本当に世界に誇るべき規制で、また日本の事業者の皆様も非常に努力をしてきてくださったものだというふうに理解をしておりますけれども、更に踏み込んで、世界的なこの水銀の問題に対処するための対策を講じていただいているという意味で、従来の大気汚染対策よりも一歩踏み出していただいているものと思いまして、非常に評価できる部分であるというふうに思います。
 では、水銀排出施設に関する届出制度及び水銀濃度の排出基準の遵守の義務付けによる効果はどのように考えていらっしゃるのでしょうか。こちらも環境省さんにお伺いしたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) 今回の大気汚染防止法の改正案におきましては、水銀排出施設と位置付けられた施設につきましては、設置等の届出、排出口の水銀濃度排出基準の遵守及び水銀濃度の測定を義務付けることといたしております。
 排出基準は、条約で求められております利用可能な最良の技術、いわゆるBATということに対応いたしまして、排出削減に関する技術水準、経済性を勘案いたしまして、現実的に排出抑制が可能なレベルで排出が可能な限り削減されるよう設定することといたしておりまして、これにより水銀の排出抑制対策が確実に行われるものと考えているところでございます。
 また、排出基準に継続して違反したと認められるときには、改善勧告等により対処いたします。さらに、それをもって違反状態が是正されない場合には、改善命令等により対応することといたしているところでございます。
 このような厳格な排出規制を講ずることによりまして、条約の求めます大気排出規制を担保し、地球を循環する水銀量の削減に貢献してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。
 大気排出規制を導入することにより地球を循環する水銀量を削減していくというお考えであるということが分かりました。規制に関しても、事業者さんの非常に負担は増える部分はあるものの、私たち日本は世界に先駆けて本当に高い基準でもって環境の保全もしていかなければならない、規制をしていくというところも非常に重要であるというふうには思っております。我が国としても、是非ともしっかりと取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。
 ただし、その規制措置を導入する際には、それに伴う費用について支援していくことも、やはり関係者にとっては必要な措置ではないかなというふうに考えられますけれども、水銀に関する大気排出規制に積極的に取り組む企業に対して、環境省は何らかの支援措置を講ずるというお考えはおありになられるのでしょうか。
○政府参考人(三好信俊君) 水銀の排出による大気汚染を防止するための施設の設置、改善を促進することは重要と考えておりまして、改正法案の中でも、そのための必要な資金のあっせん等の国の援助規定を設けさせていただいているところでございます。
 ただ、対策に係ります具体的なコストは、それぞれの施設の種類ごとに、大気排出の実態でございますとか排出基準の水準等によりまして異なってまいりますので、今後の支援の具体的な内容につきましては、事業者のニーズを精査しつつ、排出基準の検討と併せまして検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。
 水銀の排出規制に積極的に取り組む企業に対しては資金あっせんなどの支援措置もしっかりと考えていただいているということで、安心をいたしました。
 続きまして、両法案においては規定をされていませんけれども、我が国からは約七十トンの水銀の輸出が行われているという実態があり、我が国から輸出される水銀、こちらが輸出先の国において環境汚染を引き起こしてしまうというようなことはあってはならないことであるというふうに考えております。
 そのためには、水銀の輸出規制について、輸出先における最終用途の厳格な確認が重要であるというふうに考えますけれども、こちらはどのようにお考えで、またどのように実施をされるおつもりなのでしょうか、お教えいただければと思います。
○政府参考人(坂口利彦君) お答え申し上げます。
 我が国から輸出される水銀は、鉱山からの一次採掘由来ではなく、非鉄金属製錬過程等から分離、回収されたものでございまして、年間七十トン程度ございます。
 外為法に基づき行います水銀の輸出審査におきましては、輸出相手国から書面による同意が得られていること、試験研究を始め、条約上許可される最終用途であることなど、輸出される水銀が輸出相手国で適切に使用されることが確認できる場合に限って例外的に輸出を認めることとしております。
 加えまして、事後的にも適宜輸出者に対して報告を求めることによりまして、最終需要者、最終用途等につきまして輸出承認時の内容とそごがないということを確認する予定としております。
 以上申し上げましたように、我が国から輸出される水銀が輸出国先での不適切な使用により健康被害や環境汚染を引き起こすことがないよう、厳格に確認をしてまいります。
○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。
 水銀の輸出規制に関しては、原則禁止でございますけれども、条約上許された最終用途だけではなく、追加的な措置を講じることによって、我が国から輸出される水銀、これが輸出先において環境汚染を引き起こすことがないような防ぐ仕組みを取られているということを確認させていただきました。
 このように、条約発効後には、水銀の輸出規制が厳格されることや世界的に水銀の需要が減少していくということを踏まえると、将来的には水銀を廃棄物として扱う必要が出てくるのではないかということが想定されますけれども、この廃棄物となる金属水銀に関しましてはどのような対策を取ることになるのでしょうか、環境省さんにお伺いをさせていただきたいと思います。
○政府参考人(鎌形浩史君) 現在、水銀を含む廃棄物等から年間約五十トンの金属水銀が回収、再生されておりますが、そのほとんどが有価物として扱われているというところでございます。
 しかしながら、御指摘のとおり、水俣条約を受けまして、今後水銀需要の減少が見込まれていくという中で、これまで有価物として取り扱われてきた金属水銀についても中長期的には廃棄物として処理される場合が想定されるということでございます。
 このため、廃金属水銀は、これまで廃棄物処理法の規制対象として想定してこなかったということでございますが、今般の条約を受けまして、新たに特別管理廃棄物として規制対象に追加するということ、さらに、環境上より適正な管理を確保するため、その埋立処分に当たりまして、硫化、固型化により安定的なものにすることを義務付けて対応を取ってまいりたいというふうに考えております。
○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。
 廃棄物となってしまった金属水銀については、安定化など適正な処理方法を検討の上、処分されていく方針であるということを確認させていただくことができ、安心をいたしました。
 そして、私からの質問、最後になりますけれども、条約発効に向けた我が国の役割について、こちらは望月大臣にお伺いをさせていただければというふうに思います。
 条約発効には五十か国の締結が必要でございますけれども、現在はまだ、いまだ十二か国程度であるというふうに伺っております。条約発効に向けて我が国が果たすべき役割といたしましては、政府はどのように考えていらっしゃるのでしょうか。特に、アジアは世界の水銀排出量の半分を占めるため、アジアの国々が条約を早期に締結し、発効につなげていくということが世界の水銀汚染を防止していくためには非常に重要であるというふうに考えております。これには、我が国が先頭に立ち、こうした国々の条約締結への働きかけを積極的に行っていくべきであるというふうに考えますけれども、望月大臣のお考えと、そして意欲についてもお伺いをできればというふうに思います。
○国務大臣(望月義夫君) 我が国は、水俣病の経験を踏まえて、世界のどの地域でもこのような悲惨な公害の被害を二度と繰り返さないように世界の水銀対策をリードしていくという大切な役目があると考えております。
   〔委員長退席、理事中西祐介君着席〕
 昨年の九月の国連総会を含めて、諸外国に対し様々な機会を捉えて条約の締結を促してきております。直近では、四月に上海で開催されました日中韓三か国環境大臣会合、これTEMMということでございますが、これは中国がいろんなことがあって実は三年ぶりの会合でございましたが、そういう中でも中国及び韓国と意見交換を行って、私からも水銀の問題については提起させていただきました。
 そして、今後も依然として先生今御指摘のように水銀を使用、排出している途上国、これ非常に大きな問題でありますが、日本の水銀対策技術の国際展開、それから人材育成、そういったものの支援、水銀のモニタリングに関するアジア太平洋地域に関する協力等を通じて、条約の締結と効果的な実施を後押しして、引き続き地球規模の水銀汚染の防止に向けて世界の水銀対策を我が国としてリードしていきたい、こういう気持ちでございます。
○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。
 意欲的なお考えをお伺いでき、大変うれしく思っております。繰り返しになってしまいますけれども、我が国は水俣という大変重要な経験をし、そしてまだいろいろなことが続いているという状況でございます。是非とも、我が国がリードして世界のこの水銀汚染をなくしていくんだということを環境省さんには積極的なお取組をお願いできればというふうにお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井でございます。
 今日は、水銀の問題の前に、ちょっと地元で問題になっております放射性の廃棄物のことについて質問をさせていただきたいと思います。
 前回の委員会でも申し上げましたが、まず地元の皆さんにきちんとした説明をしていただきたいと、そしてその上で、地元の皆さんに合意をいただいてから進めていただきたいんだという話は申し上げました。
 これは、マスコミ報道でしかないんですが、もう既に様々なまず説明会を行ってきていて、何かきちんとした本当に地元の合意を取ってやっているのかどうかは分からないこともございます。
 それから、この委員会ではありませんが、復興の特別委員会などで、渡辺美知太郎議員がこの廃棄物について、もう一度その濃度測定などを行うべきではないのかという質問をされていますが、残念ながら、今のままでいいんだと、それから、理論的に計算できるのでその必要はないというような趣旨の答弁がなされております。
 改めて大臣にまずちょっとお伺いしておきたいことがありますが、放射性廃棄物というのは自然に減衰するわけであって、当然濃度が変わってまいります。一番分かりやすい例で申し上げれば、ドライアイスがありまして、ドライアイスを袋に入れておいたらどうなるかというと、これは、やけどするから触るなと言われるわけですよ。しかし、いずれ時間がたてば、そこの中にドライアイスがなくなれば、ここに入っていた袋を触っても別に何の問題もなくなるわけです。つまり、自然界の中で変化するものがあれば、当然のことですが、元々毒性といいますか人体に影響があるものもありますけれど、時間がたてば影響がなくなるというものもあるわけですね。
   〔理事中西祐介君退席、委員長着席〕
 ですから、放射性の、この間も廃棄物のことで申し上げましたが、四年たてば、半減期の計算をしてみると、線量から見れば半分以下になっているわけです。
 改めて申し上げておきたいと思いますけれども、セシウム134と137が一対一で本当に存在するんだとすればですよ、これは環境省から説明を受けると一対一ですと。そして、134から出ている放射線量とそれから137から出ている放射線量の比率は五対二だと。そうすると、七ミリシーベルトの地点で四年たつと、134は恐らく理屈的にいえば五ミリシーベルトから四分の一になるので一・二五ミリシーベルトになるはずなんですね。そうすると、二ミリシーベルトと一・二五を足すと三・二五ぐらいになりますから、七ミリの半分になっています。
 宮城県内のたしか放射性の廃棄物は、それほど高い濃度ではなくて、ほとんどが三ミリシーベルト以下だったんではないかというふうに私は記憶しています、間違っていればこれは御答弁いただきたいと思いますが。仮に二ミリシーベルトのもので、一ミリシーベルトを超えるものだからといってこれは放射性の廃棄物で一般のものとは違いますよと区分けされているとすると、理屈から申し上げればもう既に半分以下になっているので、一ミリシーベルト以下になっているはずなんです。
 ですから、このことから考えてくると、これを後生大事に放射性の廃棄物でこれは別個処理をしなきゃいけないんだという考え方に立っているところに私は根本的な間違いがあると思っているんです。これは、前回このことについて質問をさせていただいて、検討をいただけるのかよく分からないまま終わってしまったんです。
 改めてですが、大臣、こういうことを考えてくれば、これは理屈上誰でも分かることですから、改めて計測するなり、もし計測することができないのであれば、理屈上ちゃんと考えていただいて、改めて対処の仕方をここで方向転換する必要性があるんじゃないかと、そう思いますが、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(望月義夫君) 事故から四年を経過している中で、放射性物質が核種に応じて、今、137、134ございましたけれども、時間の経過とともに減衰するという、こういう性質に着目するということが大変重要な視点であると、私たちもそのように考えております。
 指定廃棄物の放射能の濃度につきましては指定廃棄物の申請時に把握しておりますので、全体的な濃度の減衰の傾向については計算上これは把握が可能であると我々も思っております。あわせて、御指摘もございますように、個々の一時保管場所について指定廃棄物の現状がどのような状況になっているのかについても把握することはこれは重要であると私たちも考えております。
 つきましては、環境省が現地の確認を行う際には、主要な一時保管場所においてこれは空間線量率の測定を行うなど、一時保管の状況をしっかりと把握してまいりたいと、このように考えております。
○櫻井充君 ありがとうございます。
 改めてですけれども、その指定廃棄物の処理場をめぐって、今宮城県内で三か所あります。要するにどこも受けたくないわけですよ、はっきり申し上げれば。どこも受けたくないことが分かっているから、恐らくですよ、恐らく補助金を出して、補助金といいますか、その地域の振興のために五十億用意されているらしいんですが。結局のところは、済みませんが、これは迷惑施設だというふうに考えているからそういう補助金を用意されているんですよね。違うんでしょうか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 指定廃棄物の長期管理施設につきましては、私どもといたしましては、その施設の安全性なり必要性、あるいは安全に維持管理していくことを御説明していくことが肝要と考えてございますけれども、地元の皆様方、様々御懸念がございまして、これまでも市町村長会議の場で、地域の振興対策あるいは風評被害対策などについてもよくよく考えてほしいということの御要請がございましたので、五県で五十億円という予算の枠を確保しているというところでございます。
○櫻井充君 そういうことなんです。幾ら安全だと言っても、地域の人たちから見ればとても安全だとは思えないし、それから、今答弁ございましたが、風評被害に対してと。つまり、風評被害ということは何かというと、周りの人たちから見ればこれは危ないものなんだという認識なわけですよ。そうすると、こういうものを造られると、結果的にはまた新たな犠牲者が出るんですよ。こういう犠牲者という言葉は使ったらいけないかもしれないけれども。
 そうすると、そのことを避けていくためにはどうするかというと、本来どうしても造らなきゃいけないものだったら、それについて私は造るなと言っているわけじゃないんです。もしかすると、もう既に造る必要性がなくなっているものなのかもしれないから、それについて改めて検討していただきたいと思っているんです。
 環境省は、何で二十ミリシーベルトの地点に住めるのかと、あの当時説明していたのかというと、いずれ自然減衰していくので濃度が下がってきますから、だから、現時点で二十ミリシーベルトでも、未来永劫二十ミリシーベルトじゃないから大丈夫なんですと。生涯線量から見ても、たしか二百ミリシーベルトぐらいだったかと思いますけれども、その程度で済むんですと。こうやって、あるところでは自然減衰するから大丈夫ですよと言っているんですよ。
 それなのに、今度は放射性の廃棄物に関しては、自然減衰についてあるでしょうということを申し上げても、なかなかかたくなで進まないんですね。ここは大臣のリーダーシップでちゃんともう一回考え直そうじゃないかと、そういうふうに指導していただきたいんですが、その点について改めていかがですか。
○国務大臣(望月義夫君) 御指摘のとおり、放射性物質の放射能は時間の経過に従い減衰するものであると、これは基本的に先生のおっしゃるとおりでございまして、他方で、宮城県の放射能に汚染された廃棄物でありますけれども、土の除染のものとは違って、稲わらなど腐敗しやすい農林系のそういった副産物が大部分を占めておりますので、これらを結局、減衰していっても、処理する際に燃やすことによって放射能濃度が上昇するということがちょっとした留意点であると思います。
 ですから、八千ベクレル以下のもので、要するに、低いものであっても、そこまで指定されていなかったものも、燃やすことによって放射能濃度が上昇するというものも出てくるということが、やっぱりそういった留意が必要ではないかなというふうに思っております。ただ、保管が長く続けば、大型台風など自然災害のリスクもこれ無視できません。
 ただ、いずれにいたしましても、御指摘の自然減衰も考慮した対応につきましては、これは貴重な御意見でございます。しっかりと受け止めさせていただきたいなと、このように思います。
○櫻井充君 前段が余計でしたね。前段は要らないんです。前段を付けられると、本当に受け止めてもらっているのか分からないです。ここのところは、それはちゃんと素直に聞いてもらった方がいいと思いますよ。
 それで、役所の方が説明しても、なかなかもう難しい状況にあるのは私分かっているんです、地元の方で。それはそうなんですよ、話が二転三転している地域もありますから。
 これは、そこの地域がこういうことで指定されましたと。指定されたんですが、実は条件合っていなかったんですよ。条件合っていなかったら次々違う条件付けてきて、だから合うでしょうというふうに言って、そこを候補地の一つにしているわけですよ。だから、もう完全にこじれてしまっていて、なかなか方向転換しにくいことはよく分かっているんです。
 ただ、大臣、これは地元の説明は私がやりますから、私が責任を持ってやりますから。環境省ができないのだったら私がやります、私が地元の代表者としてきちんとやらせていただきます、このぐらいの意志を持って、このことについて質問しているんですよ。
 ですから、改めてこの計測のやり直し、まずサンプルで結構です、全部やってくれなんてことは言いません。それから、あの手の袋が相当傷んできています、今。ですから、もう一度袋を作り直して、これ保管し直さないといけないんですよ。だったら、この手のことをやるのであれば、改めて本当にそういう管理が必要なのかどうかということをやっていただかないと相当無駄な支出になります。これは地元の業者が言っておりました。あの当時、大量に出たものですから、海外の、これは業者の説明のとおり申し上げますけれども、安いものを使ったので、結局のところは、ずっと太陽に照らされていて傷んできているんだと、ですから、改めてもう一度袋に入れ直さないといけないんだという、そういう説明をしておりました。違ったら違ったで答弁していただいて結構ですが。
 でも、そういうことがあるのであれば、改めてちゃんと測定していただきたいなと、そう思うんですけど、改めて、大臣、この点について何とか前向きに御答弁いただければ有り難いなと思うんですけどね。
○国務大臣(望月義夫君) 大変穏やかに質問をしていただきまして、ありがとうございます。
 減衰とか、それによって相当内容が変わってくるということはやはり我々もしっかりと注視をしていかなきゃいけないということで、これについては、ちょっと技術的なことは分かりませんけれども、できる限りのそういった数値を求めていきたいなというふうに思います。
 ただ、ちょっと、フレコンバッグといいますか、その内容の細かいものについては、耐用年数とかそういうのは分かりませんので、もしもあれでしたらまた役所の方から答弁させますが、そういった形の中で努力をしていきたいと、このように思います。
○櫻井充君 ありがとうございます。
 大臣を信頼して、今の言葉は私なりに重く受け止めさせていただいて、それから、地元の議員として協力できることについては全面的に協力をさせていただきたいと、そう思います。
 これ、幾ら非難していても解決できる問題ではありません。お互いに知恵を出して、どうやってやっていけばいいのかということ、そのことをきちんとやることが、東日本大震災それから原発の事故の更なるまた被害を生むことになるので、こういったことについては与野党の壁を越えてきちんとやっていく必要性があるんじゃないのかなと、そう思います。ありがとうございました。
 じゃ、本題に入ります。
 一応、ちょっと基本的なところから始めていきたいと思うんですが、改めて、水銀の人毒性についてまず認識した上で質問に入っていきたいと思います。
 水銀って、たしか秦の始皇帝の時代には不老不死の薬だといって重用されていたものでございます。結局、これを飲んだがゆえにむしろ命を縮めたんじゃないかと言われているようなものですが、あとワクチンなどに使われた時代もありますし、様々な形で使われてきていて、そのことによって人体に影響が及んできたという歴史がございます。
 どういうような人毒性があるのかについて、まず基本的に説明していただきたいと思います。
○政府参考人(成田昌稔君) 水銀につきましては、金属水銀や様々な化合物がございますので、網羅的にお答えすることは困難でありますことから、メチル水銀を例にお答えさせていただきます。
 WHO環境保健クライテリアなどによりますれば、メチル水銀の人体に対する影響につきまして、中枢神経系に対する影響が最も典型的なものとされており、感覚障害、視野狭窄、難聴などの症状が出るとされております。また、代謝等につきましても、経口摂取により消化管から吸収され、また蒸気に関しましては、気道から吸収されて肺から吸収された後、肝臓においてグルタチオンという三つのアミノ酸から成るペプチドに抱合され胆汁中に排せつされるというふうにされております。
○櫻井充君 要するに、神経毒であることと、それから、肝臓で代謝されていくことになるので多分肝臓に対しても毒性があるんだろうと思うんです。
 今ちょっと消化管から吸収されるという話がありました。一方での説明では、消化管からは余り吸収されないんだという話もありますよね。つまり、例えば昔、体温計などに水銀が使われていましたけれども、この水銀を飲んだとしても余り影響がないと、なぜならば、消化管から吸収されないでそのまま排せつされるからだと。一部は腸内細菌などによってそれは変わるところはあるのかもしれませんが、そういうふうに言われていて、むしろ、問題になるのは呼吸器系から入ってくることなんだと、それから皮膚からも緩やかに入ってまいりますが。
 ですが、ちょっとここは大事な点なので確認しておきたいんですが、消化管からの吸収というのは、これは起こり得るんですよね。起こり得るというよりも、これは大量に吸収されるというふうに理解してよろしいんでしょうか。繰り返しになりますが、前の水銀を用いた体温計のときには飲んでも余り心配ないんですよと、我々はそういう説明していたものですから、ここについてどうなのかの確認だけさせてください。
○政府参考人(成田昌稔君) 先ほど説明させていただきましたのはメチル水銀についてでございまして、先生のお話の体温計等に使われている金属水銀につきましては消化管からの吸収は余りない、少なくとも一%以下であるというようなことで理解しております。
○櫻井充君 ありがとうございます。
 そうすると、今日議題になっているのは、これはメチル水銀になるんでしょうか。その水銀の種類は何になるのか、ちょっとそこを教えていただけますか。
○政府参考人(北島智子君) 主に金属水銀とその化合物でございます。
○櫻井充君 済みません、今説明あったのはメチル水銀の話なので、じゃ、その金属水銀、これの代謝を教えていただけますか。議論になるところはそこなので、これのまず人毒性があるのかないのか、人毒性があるからこうやって条約を結ぶはずなので、どういうふうになっているのか。肝腎なことについて、じゃ、説明してもらわないといけないんですが。
○政府参考人(成田昌稔君) 金属水銀につきましては、先ほど申し上げましたように、消化管からの吸収は少ないということになっておりますが、水銀蒸気の吸収というのがあるというふうに理解しておりまして、水銀蒸気への長期暴露の結果、不安定歩行でありますとか注意力散漫であるとかその他の神経毒性の兆候が出るというふうにされております。
 また、その代謝につきましては、蒸気でございますので、気道を経由いたしまして肺から吸収された後、赤血球、肺、肝臓等で酸化されて二価の陽イオン、つまり、無機水銀ということで尿とか便に排せつされるというふうにされております。
○櫻井充君 そういうことなんだろうと思うんです。
 そうすると、若干不思議なことがありまして、我々は水銀を摂取するとすると、主にどういうものから水銀を摂取していることになるんでしょうか。
○政府参考人(三宅智君) 経口摂取というところで申し上げますと、食品による水銀で、これは主にメチル水銀ですけれども、の摂取については魚介類が主な暴露源となっていると推定されております。
○櫻井充君 済みません、メチル水銀が出てきて、今問題になっているのは金属水銀なので、どこがどういうふうになってくるのか、ちゃんと説明してもらいたいんですよ。
 そうすると、メチル水銀もこれ同じように人毒性があるというふうに考えていいんですね。
○政府参考人(成田昌稔君) メチル水銀につきましては、先ほど申し上げましたように、肝臓等で代謝されてくるということで、そういう毒性も考えられるというふうに思っております。
○櫻井充君 済みません、今回のこの法律の対象になるのは、これはメチル水銀なんですか。メチル水銀も入っているんですか。
○政府参考人(北島智子君) 法律そのものの対象物質といたしましては、金属水銀とその化合物でございます。
○櫻井充君 済みません、その金属水銀と化合物の中にはメチル水銀というのは入るんですか、入らないんですか。
○政府参考人(北島智子君) メチル水銀は入っておりません。
○櫻井充君 これからそうすると相当不思議な議論になるんですが。今我々は、そうすると、経口から摂取されますと。だけど、これ、全然対象外なんですよ、今回の条約というか、この法案だと。それ、何か意味があるんでしょうかね。
○政府参考人(北島智子君) 法律で直接対象としている物質は金属水銀とその化合物でございますけれども、それが何が問題になっているかといいますと、それらが大気中に放出されたりいたしまして海洋に入ったり、世界を循環することによりまして一部メチル化したり魚の中にたまったり、そういうことを防いでいこうというのがこの条約の趣旨でございます。
○櫻井充君 条約の趣旨は分かりました。条約の趣旨は分かっているんですよ。だけど、問題はそうじゃなくて、我々が摂取する際には、これ、多分魚介類が一番なんでしょう、魚介類から取るんでしょう。魚介類から取っているときには、これは今度はメチル水銀なんですよね。これについては、もうそのままで結構ですということになるんですか。
 つまり、そうなると、今度は食べ物についてある程度の基準を決めているはずなんですが、この基準については、じゃ、どういう観点で、どのような法律でこの基準を定めることになるんですか。
○政府参考人(三宅智君) 食品につきましては、メチル水銀それから総水銀について基準が決められております。それは、食品衛生法に基づいて魚についてのそういった基準というのが決められております。
○櫻井充君 そうすると、整理しておきたいのは、今回は気道から入ってくることについて何とかしましょうと、人毒性に関して言うと。それから、空気中に大量に出ることを防ぐことによって、その後の食物連鎖も含めて何とか抑え込んでいきましょうということであって、直接的に食物については関係ないということで、直接的にはですね、関係ないと、後から付いてくるものだということなんだと思うんです。
 ただ、ここで理解しておいていただきたいのは、食べ物は食べ物で、我々、先ほどの話ですと、経口から摂取する方が圧倒的に多いわけで、だと説明でした。であるとすると、主な経路はどこですかということになると、ちゃんとこのことについて認識をしておかないといけないはずなんです。その経口摂取する際に、魚介類ですが、主な魚介類、どういう魚介類が多くの水銀を含んでいるのか、これについてお答えいただけますか。
○政府参考人(三宅智君) 魚介類については、多くを含んでいるものとしましては、生物学的濃縮というものがメチル水銀にはされていきますので、マグロですとか鯨ですとか、それからイルカといったような魚に高い傾向が認められております。
○櫻井充君 食物連鎖で、結果的には、なかなか排出されないから大型の魚が最終的には多く水銀を摂取していてというか、含んでいることになるんだと思いますが、これちょっとつまらない話ですけど、これ蓄積されているのって脂肪の組織ですよね。
○政府参考人(三宅智君) 済みません、ちょっと脂肪組織かあるいは筋肉等か、ちょっとその辺はにわかにお答えしかねます。
○櫻井充君 何でこんなことを言っているかというと、例えばダイオキシンなんかはこれ脂肪の組織に含まれていまして、やっぱり同じように食物連鎖でどうなるかというと、だからマグロを食べるときも、トロ食べるか赤身食べるかによって全然違うんです、毒性がですね。それから、イカなんかはイカの腑に含まれていますから、おいしく塩辛いただいていますけど、本当はかなりの毒性を含んでいるものを食べている可能性もあるので、どこの部位に含まれているのかということをちゃんと言ってもらわないと、これは、国民に知らせるときに。全部、そうなると、マグロがみんな単純に危ないとか鯨が危ないとか、そういう話になってしまうので、そこはまずきちんとしておいていただきたいと、そう思うんです。
 さてその上で、今度は、じゃ、この水銀の今発生源としてどうなのかという話ですが、AERAに面白い記事が載っておりまして、中国から相当数の水銀が飛んできているんだと。これはPM二・五にくっついてきているわけではないんですが、それとは別個に結果的には水銀が飛んできていると。それを観測しているのが実は琵琶湖でやっておりまして、これは環境省でも水銀の濃度を調べているんだそうですけど、その中国から飛来してきた水銀によって琵琶湖のナマズが環境基準を超えてきていると。魚介類に含まれる総水銀の暫定基準が〇・四ppmと定められているんだそうですが、ビワコオオナマズは〇・八五六ppm、それから普通のナマズでも〇・四二〇ppmになってきていると。ですから、これ淡水魚でいうと環境基準を超えるぐらいまでなってきていて、非常に大きな問題じゃないかと思うんですが、この点についていかがですか。
○政府参考人(三好信俊君) 魚に含まれている基準につきましては後ほど厚生労働省さんの方から御答弁あると思いますけれども、まず我が国の大気環境中の中国大陸等からの影響についてお答えを申し上げます。
 大気環境中の水銀に関しまして、今先生御指摘の粒子状水銀として存在しているものもございますけれども、バックグラウンドで私どもも測定をいたしておりますけれども、極めて微量でございまして、大部分はガス状の水銀として存在しているということでございまして、この辺りはWHOの報告とも一致しております。
 ガス状の水銀といいますのは、直接大陸というよりは、更に大陸をまたいで全地球的に移動するということが確認されておりまして、そういう意味で、この水俣条約も全地球的に水銀の排出を抑制するという観点で条約化されたというふうに認識をしているところでございます。
○櫻井充君 でも、先ほど吉川委員が、アジアが半分ぐらいの排出しているんだという話でした。これ中国、相当排出しているんじゃないんですか。だから、それで偏西風に乗ってやってくるんじゃないんですか。そこは違うんですか。
○政府参考人(三好信俊君) 先生御指摘のとおり、中国からの排出量は非常に世界的にも大きな割合を占めておりますので、全地球的な排出量という観点からは中国からの影響は大きいものというふうに考えているところでございます。
 私先ほど御答弁申し上げましたのは、粒子状の物質にくっついて大陸から来ているものというものの割合については極めて微量であるという点を申し上げたかったところでございます。
○櫻井充君 私だってPM二・五にくっついてきているわけじゃないって、さっきちゃんと質問のとき言っているじゃないですか。人の揚げ足取らないでほしいですよ。
 それで、じゃ、この琵琶湖のナマズの実態は環境省としてどうお考えですか。
○政府参考人(三好信俊君) 私ども、直接その琵琶湖のナマズについては確認をいたしておりませんけれども、大気環境と水環境につきましては従来から水銀濃度の常時監視を行っているところでございます。
 水に関してでございますけれども、大気も同様でございますけれども、全国的な経年変化を見ますと横ばい又は減少傾向にございまして、近年、特に水銀濃度が上昇しているという状況にはないところでございます。
 また、この観点では、国立環境研究所におきましても、水銀の地球規模での移動を予測するモデルの構築等に関する研究も併せて行っているところでございます。
○櫻井充君 先ほど、食物連鎖によってどんどん濃縮されていって、それで上がってくるという話になっているわけでして、水の状態がどうであれ、実際にこうやってナマズからこれだけの水銀が検出されるということについてどうお考えなのかということです。
○政府参考人(三好信俊君) 食品の安全の観点からは厚労省さんの方で様々取組をされているところでございますけれども、私ども淡水魚の水生生物の保全の観点からは、様々な観点で検討いたしているところでございます。
 水銀につきましても、一次リストといいますか、その中には入っておったわけでございますけれども、繁殖異常でございますとか増殖異常、あるいは生息に直接与える影響という観点からは、今、一次スクリーニングの後は、全亜鉛でございますとかノニルフェノール、LAS、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩ということの三項目につきまして、水生生物の保全に関する環境基準を設定をいたしております。
 水銀につきましては、今、一次スクリーニングの観点での生物への支障のおそれでございますとか水環境中での存在につきまして確認をしておりませんけれども、引き続き、環境中の動向につきまして注視をいたしまして、専門家の意見を聞きながら必要な検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○櫻井充君 済みません、淡水魚の所管省庁はどこになるんですか。
○政府参考人(三宅智君) 魚のメチル水銀等につきまして、厚生労働省では昭和四十八年に、湖沼のものを含め、魚介類が食品として流通する場合の規制値としまして、総水銀〇・四ppm、メチル水銀〇・三ppmを設定しております。その上で、各自治体に対しまして、規制値を超える魚介類が市場に流通しないよう求めてきているところでございます。
○櫻井充君 答弁しているんだから、所管省庁はこれ厚生労働省なんですか。
○政府参考人(三宅智君) 食品としての魚としては厚生労働省が。
○櫻井充君 そうすると、食品じゃなくて、その辺の湖で泳いでいるときはこれどこが所管なんですか。
○政府参考人(三好信俊君) 生態系を構成する生物要素としての淡水魚につきましては環境省で所管をいたしておりまして、先ほども申し上げましたとおり、環境からの影響で生物の生息でございますとか繁殖に影響を与えるようなものに関しましては環境基準を定めまして、水生生物の保全を図っているところでございます。
○櫻井充君 であったとすると、環境省にこれ聞いていいわけですよね。
 じゃ、残念ながら、今日お答えいただけないようなので、改めてこのことについて確認していただいて、理事会の方に御報告いただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○委員長(島尻安伊子君) ただいまの櫻井充君の要求につきましては、後刻理事会において協議いたします。
○櫻井充君 改めてですが、琵琶湖のナマズ、こうやってとにかく水銀の濃度が高くなっているので、まずこれちゃんと調査していただきたいと思うんです。
 食用に適していないと、食べ物じゃないから大丈夫なんだという説明をされている方もいらっしゃるんですが、調べてみると、琵琶バス料理というのがありまして、そこの中になまず天丼とかあるんですよ。これ、どこのナマズを食べているのかよく分からないので、本当にこういうナマズを食べているんだとすると、ちゃんと規制されているものがあるにもかかわらず、しかもこうやって濃度が分かっているにもかかわらず、もし流通していたとすると、これかなり問題になるんだろうと思っていますので、その点についてきちんと調査をしていただきたいと、そう思います。
 この調査をしていただけるかどうかについては、これはどこの役所になるんですか。
○政府参考人(三宅智君) 食品として一般的に流通しているようなものについては、自治体を通じて調査を行っております。
○櫻井充君 じゃ、済みませんが、このナマズがどこで捕れているナマズなのか、いや、これ、逆に言うと、琵琶湖で売りにしていて、ここで、国会で質問して、私が質問したことによって風評被害を及ぼすと大変なことになりますので、これ名物ですから。だから、その意味で、ちゃんとここはきちんと調べていただきたいということはお願い申し上げておきたいと思います。
 これ、面白いことに、今度は、海の魚になると、これは環境省の所管になるんですか。
○政府参考人(三好信俊君) 先ほど申し上げましたとおり、生態系を構成する要素としての生物について、周辺の環境がどのような影響を与えているかの観点につきましては、環境省の方で担当することになるというふうに考えておるところでございます。
○櫻井充君 よく分からないので、頭が悪いから。要するに、その辺で泳いでいる、さっきマグロがある程度蓄積性があって高いと言っているんですけれども、このマグロとかの所管は、泳いでいるマグロの所管は環境省なんですか、水産庁ですか。
○政府参考人(三好信俊君) それぞれ役所の任務等の中で必要な関わりを持つということではないかというふうに考えております。
○櫻井充君 いや、だから、例えば、この手の魚が環境基準を超えているのか超えていないのかとか、そこのところについて、まず、食品になる前にどういう汚染状態になっているのか、これはまず海水のところは濃度は調べるんでしょうけれども、魚がどうなっているのかとか、そういうことの調査というのはしないんですか。だって、さっき、おかしな話じゃないですか、我々は経口摂取するんですと、これが主なんだということであったとすると、経口摂取するものの安全性を確認するなんていうのは当たり前のことですよね。
 ですから、済みませんけれども、水の濃度と、じゃ、食物連鎖していって、大型魚の相関関係というのはこれ決まるんですか。それとも、かなり、何といったらいいのかな、そうじゃなくて、ある程度長く生きている魚であればあるほど多分相当摂取していることになるので、単純にはそうならないんじゃないかと思いますが、この手のものが水銀に汚染されているかどうかとか、こういう計測というのは一体誰がやるんですか。
 もうちょっと別な観点からいうと、例えば、今、放射性物質が残念ながら福一からまだ出ていて、そうすると、放射線に汚染されているかどうかというチェックしているはずなんです。これ、泳いでいる魚です。この泳いでいる魚の所管はどこなんですか。要するに、人に毒性を与えるか与えないかについて、だから流通今していなかったりするわけであって、この手のことについてどこがやることになるんですか。
○政府参考人(三好信俊君) 先生御指摘が食品として適しているかどうかということであれば、厚生労働省さんの方で管轄されているというふうに承知をいたしております。
○櫻井充君 いや、違う、食品はもう分かったって。だから、その辺を泳いでいる魚の所管省庁はどうなんだって言っているんです。淡水魚は分かりました、環境省だということが。だから、今度は、海で泳いでいる魚についてはどっちなんですかと。要するに、資源だとして見ているので水産庁だと。
 いや、この間、何でこんなことになったかというと、沖縄の今のボーリングなんかやってサンゴがどうなっていくんだろうかと、これについて環境省がやるべきじゃないんですかと、設置基準から見たらできるでしょうと言ったら、魚の管理については、あの手の管理については、資源管理は水産庁だと、そういうふうに説明するわけですよ。だから、ちゃんと誰がどの責任を持ってやるのかについて教えてもらいたいんです。みんなこうやって曖昧になっているじゃないですか。
 済みませんけれども、食べ物になったら厚生省は分かっているんです、さっきから何回も説明を受けましたから。泳いでいる魚について、海で泳いでいる魚の所管はどうなっているのかと。どういう場合は何省で、どういう場合は何とか省になるんですか、じゃ。そこを教えてください。
○政府参考人(三好信俊君) 私どもは、水生生物の保全に係る水質目標というものを策定をしたいということを考えておりまして、水生生物への有害性が考えられる物質でございまして、かつ水生生物が継続して暴露する可能性が高い物質につきましてスクリーニングを行いまして、必要な環境基準などを定めてきているところでございます。
 先ほど御答弁の中で申し上げました三種類の物質については、環境基準を設けましてその対応をしているところでございます。
○櫻井充君 賛成法案だからこんなことで止めやしませんが、委員長、お願いですけれども、要するに、海水の今度は泳いでいる魚について、どういう場合はどこの省庁が所管するのか、この点についてきちんと明確にして答えをいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○委員長(島尻安伊子君) 後刻理事会において協議いたします。
○櫻井充君 それで、前々から申し上げていることなんですが、これ、大気の汚染について環境省でこれからやっていきますということなんです。これはこれでいいんです。
 そうすると、今度は室内の空気はどうなるのかということでして、室内の空気は実は環境省ではないんですよね。それなので、例えば工場がありまして、工場で何らかのものを精製する際に、例えば亜鉛なら亜鉛を、その手のものを取ってきて、それを今度は精製する際に水銀が発生するわけですよ。この工場の中で発生するような水銀について、これはどこの省庁が規制をすることになるんですか。
○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。
 水銀につきましては、労働安全衛生法に基づく特定化学物質障害予防規則におきまして、その蒸気等が発散する屋内作業場については私どもが規制を担当しております。事業者は発散源を密閉する設備、あるいは局所排気装置又はプッシュプル型換気装置を設けなければいけないというような規制であるとか、あるいは水銀濃度について管理濃度を設定して、管理濃度以下になるように作業環境の改善を図らなければならないという規制をしております。
○櫻井充君 そうなんですよね。ですから、これが労働安全衛生法で管理されてくると。
 これ、望月大臣、通告していませんが、こういうのは一元管理できないんでしょうか。
 例えば、シックハウスの問題をやっていたときも、あの当時は、結局は、この室内の空気に対しての化学物質の規制はどこがやったのかというと、国交省の住宅局なんですよね、住宅ですから。だけど、化学物質が外に出ていったら、これみんな環境省なんですよ。だけど、我々、具合悪くなっていたのは住宅から出てくる化学物質であって、その化学物質だって、はっきり言えば窓を開ければ外に出ていくんです。だから換気しろと、二十四時間換気しなきゃいけなくなったのはそのためですから。だから、二十四時間換気するということは、室内で出ている化学物質は室外にどんどんどんどん放出されるということですよ。となってくると、これいいかげん、大気について見たら、環境省が一元管理するとかいうルールを決めた方が私は合理的じゃないかなと思うんですけどね。
 急なむちゃぶりで本当に申し訳ないんですが、今のことを聞いていて、余りに、このものはある省庁、このものはある省庁というふうに規制をしていると、抜けるところも出てくるし、それから縦割りで、都合のいいところはやるし、都合の悪いところはやらなくなるんですよ。そういう意味では、もういいかげん、環境省は後からできてきたからこういうことになっているのであって、これからは環境の問題全体を考えてくるとすれば、工場の中からなんだって、こういうふうに労働安全衛生法でやるんじゃなくて、今回の条約などで全部網羅していった方が私はいいと思っているんですけどね。大臣、いかがですか。
○国務大臣(望月義夫君) ただいま先生の方から様々御指摘いただいた中で、やはり縦割りの中で、省庁間の谷間で曖昧であるのかなと思うようなところが、これは我々しっかり対処していかなくてはいけないなということは、今様々、細かいところまで行きますとそういうことあるんだなと認識させていただきました。
 ただ、やはり様々、働く人たちの考え方、あるいはまた食べるということ、それから生態系、そういったもの、それぞれ専門が違います。ただ、これを、やはり縦割りの弊害というものはこういうところに出ているのかなと思うと、横の連絡というのはより密に取っていかなくてはならないという御指摘だと思います。
 ただ、環境省、全て一元化してやるということになると、なかなかまた、そういった人事的なものもございます。そういう中で、しっかりと今の御指摘も踏まえて、横の連絡というものをしっかり取っていきたいなと、このように思います。
○櫻井充君 環境省の果たすべき役割は大きくなっているんですよ。大臣の所信に対する質疑のときにも申し上げましたが、環境省の設置法を変えた方がいいと思いますよ、僕は。もう少し変えて、役割を明確にして広げていった方が私はいいと思っています。応援隊のつもりで申し上げております。
 それから、先ほどちょっと中国の話が出ましたが、この手の条約については中国はどういう立ち位置なんでしょうか。これ、批准しているんでしょうか。
○政府参考人(尾池厚之君) お答え申し上げます。
 水俣条約に関しましては、中国は署名はしておりますが、まだ批准、締結はしておりません。
○櫻井充君 これ、中国はいつ頃批准してくれるんでしょうか。
○政府参考人(尾池厚之君) 中国政府との話合いの中では、彼らは基本的に、前向きにできるだけ早くやりたいということを言ってございます。
○櫻井充君 是非お願いは、日本が努力をしたとしても、日本はもう既に努力をしていて、多分環境基準、今回決めますけれど、もう全部排出量は下がってきてそれ以下なんです。あとはいろんなものが、工業製品とかあって、この手のものをやめなきゃいけないものは随分あります。一番多いのは多分医療用の例えば血圧計なんか、あれ水銀ですから。体温計も水銀でした。
 だから、ああいうものについての代替物質もできているし、それから大気中に対する排出量についても、日本はきちんとやれていると思うんですよ。問題は多く排出している国々であって、何か北極のアザラシか何かは水銀の濃度が高くなってきているらしいので、世界全体での空気の中を循環している水銀が増えてきているので、この時期にこういうことをやりましょうという話になっているんだと思います。
 その意味では、日本一国だけ努力しても何ともならないので、多くの水銀を排出している国々に対して日本政府としてリーダーシップを持って働きかけて、国民の皆さんの健康管理に努めていただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。
 本日は、水銀による環境の汚染の防止に関する法律案、そして大気汚染防止法の一部を改正する法律案という、我が国が水銀に関する水俣条約の的確かつ円滑な実施を確保するための法案審議の場でございますので、まずはこれら両法案に関連いたしまして、順次質問をしたいと思います。
 まず、先日報道のありました内容について、一つ確認をしておきたいと思います。
 環境省は先月下旬、経済産業省との合同検討会におきまして、水銀に関する水俣条約の批准に向けた国内措置の一環として、二〇一七年から水銀を含む電池やランプの製造を原則禁止するという方針を明らかにしたという、こういった報道がございました。
 このような報道が法案審査中にあったわけでございますが、まず冒頭、この報道の内容についての事実関係を伺いたいと思います。特に、製造禁止を前倒しされる意図は何なのか、また、前倒しをしないアルカリボタン電池や高圧水銀灯についてはどのようにされるのか、さらに、これら製造禁止の時期につきまして今回の法案では触れられておりませんが、どこに明記され実施されていくのか、環境省に伺いたいと思います。
○政府参考人(北島智子君) お答えいたします。
 御指摘の報道につきましては、環境省が行っている技術的な検討の途中経過についてのものと思われますが、確定しているものではございません。最終的には、法律の成立後に、審議会での御審議、パブリックコメント等の必要なステップを経て決定されるものであると考えております。
 その技術的な検討の考え方といたしまして、優れた水銀代替・低減技術を有する我が国といたしましては、世界の水銀対策をリードする観点から、製造が原則禁止される特定水銀使用製品の指定に当たりましては、事業者の意見も聞きながら、製品ごとに水銀含有量基準の深掘りや廃止期限の前倒し等も検討しており、今後、必要なステップを踏んだ上で、政令において規定してまいりたいと考えております。
 なお、廃止期限の前倒しがなされない製品につきましては、条約の規定に基づき、平成三十三年、二〇二一年でございますけれども、これ以降の製造、輸出入が原則として禁止されます。
○杉久武君 続きまして、法案の中身について少し伺いたいと思います。
 環境省からいただいております我が国の水銀に関しますマテリアルフローのチャートを拝見をいたしました。皆様も御存じのとおりですが、我が国におきます水銀の流れ、特に我が国で水銀がどのように生み出されているかといいますと、輸入原燃料から回収されます水銀が圧倒的に多いわけでございます。他方、今般のこの水銀に関する水俣条約におきましては二〇二〇年までに水銀の輸出入を原則禁止するとしておりますが、我が国は資源小国でございますので、原燃料を輸入いたしませんと経済が成り立たない。したがいまして、原燃料の加工をし続ける限り水銀は必然的に生み出される、こういうわけになると思います。
 この輸入原燃料から生み出されました水銀は現状はどこに行っているかといいますと、吉川委員からもお話がありましたとおり、ほとんど水銀は輸出になっているという、そういう状況でございます。海外由来の水銀につきましては、少なくともそのフローはある意味釣合いが今現状だと取れているわけでございますけれども、今後は輸出ができなくなるということになりますと、国内に滞留をする、そういった状況になるということも考えられるわけであります。
 したがいまして、今後水俣条約によりまして輸出が原則禁止となりますと、海外由来の水銀の出口がなくなる、そういう可能性がありまして、それら水銀は国内でストックをされていく、それがどんどん増えていく、そういう可能性が考えられるのではないかと思いますが、条約の批准後、国内に残留する可能性のある水銀につきましてどのように取り扱っていくのか、環境省に説明を求めたいと思います。
○政府参考人(北島智子君) ただいま御指摘いただきましたとおり、現在我が国に存在する水銀のほとんどが我が国に輸入された鉱石等に微量に含まれていたものであり、これを国内の高度な技術によりまして分離、回収しております。水俣条約が発効することによりまして世界的に水銀の需要が絞られることになりますと、我が国から輸出されている水銀が将来的には国内にとどまることも想定されます。このため、国内にとどまった水銀につきましては、水銀による環境の汚染の防止に関する法律案に規定する指針と定期報告によりまして、その環境上適正な貯蔵を確保していくこととしております。
 また、廃棄物となりました金属水銀につきましては、新たに特別管理廃棄物として廃棄物処理法の規制対象に追加することとしており、また、環境上より適正な管理を図るため、埋立て処分に当たり、硫化、固型化により安定的なものにすることを義務付けることとしております。
○杉久武君 これら蓄積されていく水銀についての取扱い、慎重に対処を行っていただきたいというように思います。
 さて、先月二十二日、参議院におきましても全会一致で承認されましたこの水銀に関する水俣条約でございますが、この条約は水銀の採掘や輸出入、使用や環境への排出、廃棄といった水銀のマテリアルフロー全体を包括的に規制をしていこうとする、文字どおり地球的規模の取組でございます。ただ、このようなマクロの視点とは別に、私たちがふだん生活の中で使用しております様々な製品の中にも水銀を使用したものがございますので、このような製品がごみとして廃棄される際の回収方法につきまして少し伺いたいと思います。
 まず、水銀が使用されている製品が家庭からごみとして、あるいは事業所から産業廃棄物として出される製品を現在はどのように回収をしているのか、また、水銀が使用されている製品を分別回収している自治体は全国でどの程度あるのか、環境省に伺います。
○政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘の水銀添加廃製品の扱いでございますが、まず、家庭から排出されるものは市町村の責任で、また事業所から排出されるものは事業者の責任において、廃棄物処理法に基づき生活環境保全上適正な処理を行うこととされてございます。
 まず、家庭から排出される体温計や蛍光灯などの水銀添加廃製品でございますが、こうしたものを分別収集している市町村の割合は、現時点で約七割であると承知してございます。これらの市町村におきましては、例えば蛍光灯、電池といった分別区分をして定期的な回収を行うとか、あるいは小売店の店頭に回収ボックスを設置するなど、それぞれの市町村の実情に応じて工夫を凝らした分別回収が行われているところと承知してございます。
 また、事業所から排出される水銀添加廃製品につきましては、例えば東京都医師会など関係団体が中心となって医療機関から排出される水銀体温計などの自主的な回収事業に取り組んでいるというふうに承知してございます。
○杉久武君 今答弁いただきましたように、家庭用のごみは自治体が回収をし、事業者によるごみは産業廃棄物として事業者が負担をして回収に回されているというわけでございますが、今お話しいただきましたように、水銀を含んだ製品、廃棄物をしっかり回収をしている自治体、これはまだ七割にとどまっているという状況であるということであります。
 現在、この水俣条約によって世界的に水銀の取扱いが注目されているわけでございますし、我が国がイニシアチブを発揮して積極的に取り組んでまいりました条約でもありますので、ここはやはり我が国の全ての自治体におきまして水銀使用製品が確実に、また適切に回収、廃棄されることが大事なのではないかというように考えております。
 そこで、環境省には、自治体に対して水銀を含んだ製品、廃棄物の回収指導や適切な廃棄のノウハウを提供するなどして、全ての自治体が廃棄物となった水銀使用製品の回収を適切に行えるよう積極的に支援していく、このような取組が必要ではないかと考えますが、環境省の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(鎌形浩史君) 家庭から排出されます水銀添加廃製品につきましては、将来的な環境リスクの低減に一層の万全を期すという観点から、分別回収も更に徹底、拡大を後押ししていく、こういう必要があると考えてございます。
 まず、市町村がそれぞれの事情や状況も踏まえて水銀添加廃製品を適正に回収できるように、分別回収に関する先進的な取組を事例集にして紹介するほか、水銀が飛散しやすい蛍光管や体温計などの回収時における留意点などをガイドラインで示すことを考えてございます。さらに、水銀体温計などの退蔵品につきましては集中的に分別回収を促進していく必要があると考えてございます。これまでも、例えば昨年度、環境省として、旭川市や阿蘇地域におきまして薬局に回収ボックスを設置するなどのモデル回収事業を行っているところでございます。
 今後とも、分別回収の徹底、拡大を後押ししていくということでございまして、こういったガイドラインとかあるいはモデル事業の成果、こういったものを活用いたしまして、関係機関の協力を求めながら、市町村に対して技術的な支援もしっかり行ってまいりたいと考えてございます。
○杉久武君 是非とも、これはしっかり前に進めて、この回収率を少しでも向上させるように取り組んでいただきたいというように考えております。
 次に、家庭や事業所からごみとして廃棄された水銀を使用した製品につきまして、もう少し細かく触れてみたいと思います。
 水銀といいましても、金属水銀や無機水銀、有機水銀といったものがございます。もちろん、これら種類によりまして程度の差こそはありますけれども、水銀そのものは人体に悪影響を与える物質であるということについては論をまたないと思います。
 このような意味からも、水銀を使用した製品の回収はしっかり行うべきであると考えておりますし、特にエンドユーザーであります消費者の皆様にも、水銀が使用されております製品を廃棄する際には確実に分別をしていただくといった自発、能動の取組、これも大変に重要なことであると考えております。
 しかしながら、我々の身近にある水銀といいますと、今では余り見かけなくなりましたが水銀体温計でありますとか、一昔前ですと乾電池などもございましたけれども、それらに加えまして、例えば蛍光灯につきましても、一本の蛍光管に含まれている水銀自体は大変微量ではございますが、蛍光灯の中に水銀が封入されているわけでございます。
 ここで申し上げたいのは、微量とはいいましても、例えば蛍光灯に水銀が使われていることを御存じの方は実際のところそう多くはいないのではないかということも思われます。例えば蛍光灯を購入する際に、蛍光灯のパッケージを見ても水銀が使用されていることが明示されている、そのような文言とかマークといったものは書かれていないと思います。
 一方で、乾電池などでは水銀ゼロといった表示、こういったものがよく見ることがあります。逆に今まで乾電池には水銀が入っていたのかという、表示を見て初めて認識されるような方も多かったかもしれません。逆に、水銀が入っていますよと明示されている製品というものは、商品へのイメージの問題もあるかもしれませんが、私たちがふだん生活をする中では余り多くないのではないかと思います。
 しかしながら、我々がふだん使用している製品のどれに水銀が使用されているのかということをやはり私たちは知るべきであると思いますし、私たちが認識すればこそ、これらの製品を慎重に扱い、また適切に廃棄をしていこう、そういった意識も芽生えてくるのではないかというように思うわけであります。
 そこで、環境省に質問いたしますが、水銀使用の製品には水銀使用を明記すべきではないか、また消費者に対する適切な情報提供に向けた取組について法案ではどのように位置付けられているのか、確認をしたいと思います。
○政府参考人(北島智子君) お答えいたします。
 条約においては水銀使用製品への表示は求められておりませんが、正確な情報を消費者に伝達することで廃棄する際に当該製品に水銀等が使用されていることを認識できるようにすることは、御指摘のとおり大変重要でございます。また、この情報の伝達は消費者が製品を選択する際にも効果があると考えております。
 このため、本法案第十八条におきましては、条約の要請より踏み込んだ措置といたしまして、水銀使用製品の製造や輸入を行う者に対して、水銀等の使用に関する表示を行うことなどにより、消費者が適切に分別、排出するために必要な情報を消費者へ提供する努力義務を規定しております。
 法案を成立させていただけましたら、速やかに、対象範囲や消費者にとって分かりやすい表示の在り方も含め、情報提供に関する一定の指針を作成し、事業者に求められる具体的な取組の内容を明らかにしてまいりたいと考えております。
○杉久武君 本当に消費者の目線でしっかりと有効に運用できるような形での指針の策定の方を是非お願いをしたいと思います。
 続きまして、水俣病関連で何点か質問をさせていただきます。
 今回の法案は水銀に関する水俣条約に基づきます国内法の整備という位置付けでございますが、この条約につきましては、水俣という土地の名前を条約名に付したものでございまして、極めて重いものであると思います。我が国ではあの水俣病という余りにも痛ましい公害を二度と起こしてはならない、また我が国を挙げて徹底して水銀対策を行う、そして世界規模の水銀対策を率先して貢献をしていく、そういった形での我が国の不退転の決意が込められた名称であると思いますので、今回の法整備によりまして国内外におきます水銀に対する取組が十分発揮されますよう、この場で改めて環境省に強く要望をしておきたいと思います。
 先月の三十一日に、新潟水俣病の公式確認五十年式典が挙行されましたが、この式典におきまして、望月環境大臣におかれましては、世界の水銀対策をリードすると、この水俣条約の早期締結、そして水銀対策に対する力強い決意を述べておられました。
 この半世紀、国の基準で新潟水俣病として認められた方は四月末現在で七百二名であり、このうち五百三十一人の方は既に亡くなられていらっしゃる、このような報道もございました。また、医師から水俣病であると診断されながらも国の基準では患者と認められなかった方々は、今も認定や救済を求めて国や県、それに新潟市などに対し裁判を続けられておりますし、一部では差別や偏見に対するおそれから病気であっても名のり出ることをためらったり、あるいは水俣病であると気付かないまま原因不明の病として苦しんでいらっしゃるような、言わば潜在的な被害者の方も多く残されているのではないか、このような指摘もございます。
 一方、熊本県水俣市におきます水俣病、こちらは水俣病の確認から五十九年、来年で満六十年という節目を迎えようとしておりますが、こちらでも健康被害を受けられた皆様方が苦しい病と闘いながらいまだ訴訟を続けられております。
 先ほど条約の名称に水俣の名を冠したことについて述べましたけれども、水俣病問題は現在もなお未解決でございますし、被害者の方々への救済の動き、五十年、六十年を経てなお訴訟が続いている、このような事態は水俣病の因果関係を云々する前に、もはや人権上の問題でもございますし、国際的にも恥ずべき事態ではないかと私は強く危惧をしております。
 本年の新潟水俣病公式確認五十年、そして来年の水俣病六十年の節目を迎えます今こそ、環境省を始めといたしまして、政府にはこの水俣病被害の全容解明、そして被害者の皆様の救済を目指していただきたいと私も強く要求をしたいところでありますが、大臣の新潟水俣病公式確認五十年式典に参加されての感想と、被害者救済に向けての決意を是非伺いたいと思います。
○国務大臣(望月義夫君) 五月三十一日でございますけれども、新潟水俣病公式認定五十周年式典に出席をさせていただきました。与野党問わずたくさんの国会議員の皆様方に御出席いただいて、大変有り難かったなというふうに思います。
 ただ、聞いたところによると、国の方から環境大臣出席したのは今回が初めてだということで、改めて我々はしっかりと対応していかなくてはいけないということを感じました。そしてまた、語り部や被害者団体の方々と懇談するとともに、新潟水俣病資料館、そういったところも見学をさせていただきました。
 私といたしましては、公害の教訓でございますけれども、人の命や健康や環境をないがしろにして豊かな生活は実現はしないと、改めてこれを認識させていただいたところでございます。悲惨な公害を二度と繰り返してはいけない、そしてまた地域の皆様が安心して暮らせる社会を実現し、水俣病を解決するために全力で取り組むとの思いを新たにさせていただいたところでございます。
 今後とも、やはり現場といいますか、そこで一番身近にいる関係地方公共団体の皆さんとも意見交換をしっかりとしていかなくてはいけない、そしてまた公健法、これを適切な運用を積み重ねていくことがやはり大事かなと、こんなふうに思っております。
 そしてまた、水俣病発生地域の医療、福祉の充実、水俣病に関する情報発信を始め地域のきずなの修復、この地域のきずなというのは非常に大切でございまして、先月ですか、熊本の方にも私、五十九年、来年六十年目になるということで行かせていただきましたし、今回もこういうことで行かせていただきましたが、地域だけではなくて、親戚にも言えない、家族の中でも話ができなくて、みんな触らないんだと、そういうような時代を過ごしてきて本当につらい思いをしたというようなことがございます。地域のきずなの修復を進めることによって、地域の皆さんが安心して暮らしていけるような社会の実現にしっかりと今後取り組んでいきたいと思います。
○杉久武君 是非、大臣におかれましては、先頭に立ってこの問題について取り組んでいただきたいというように思います。
 さて、皆様も御承知のとおりでございますが、水俣病は脳細胞を含む神経細胞が障害が起きるという病気でございまして、特に脳細胞は一旦壊れてしまうと元に戻らないと言われております。根本的な治療法、治療薬がこれまでございません。今日に至るまで、水俣病の患者の皆様方は症状を緩和するリハビリなどに頼るしか手だてはございませんでした。
 しかし、最近、環境省によります大変地道な研究によりまして、水俣病の治療薬の開発に光が差していると聞いております。具体的には、環境省の国立水俣病総合研究センターにおきまして、水俣病に特有の手足のしびれなどの神経症状を緩和する可能性のある成分が見付かったとの報道がございました。
 そこで、環境省に質問いたしますが、この研究成果の内容と、水俣病初となる可能性を秘めた治療薬の開発に向けた取組につきまして伺いたいと思います。
○政府参考人(北島智子君) 現在、環境省では、国立水俣病総合研究センターを中心に水俣病の治療法の開発に関する研究を進めております。
 御指摘の水俣病特有の手足のしびれ等の神経症状を緩和する可能性のある成分につきましては、現在、動物実験によってその効果の知見を得るべく研究を進めているところであり、今後もこうした研究をしっかりと進めることによりまして知見の集積に努めてまいりたいと考えております。
 また、水俣病の治療につきましては、平成二十七年度から五か年で進められる国立水俣病総合研究センターの中期計画におきましても、水俣病の方の日常生活動作や生活の質の向上のために有効な治療法を確立するための研究を進めることとしておりまして、具体的には、筋肉の緊張や手足の震えを和らげる治療法等について、ほかのいろいろな医療機関と連携しながら研究を進めることとしております。
○杉久武君 しっかりとこの研究についても前へ進めていただきまして、一人でも多くの患者の方の苦しみを和らげていただくように進めていただきたいと思います。
 あと何問か通告をさせていただいておりましたが、時間になりましたので、残りの部分についてはまた次の機会で質問させていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○清水貴之君 維新の党の清水貴之と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず初めに、今回の法案成立後の規制による産業界への影響についてお聞きしたいと思います。
 初めに吉川委員からも質問がありまして、その答えとしましては、保健部長から、今回のこの法案によって産業界への過度な負担はないというようなお答えがあったかと思います。
 まずお聞きしたいのが、その根拠ですね、どういった根拠で過度な負担はないというふうに判断することができるのか。また、業界も様々範囲が広がっておると思いますので、しっかりとその辺り、業界団体であったりとか、その企業であったりとか、そういったところにヒアリングをして、意見交換などをしてそういった判断に至ったのかどうか、この辺りを教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(谷明人君) お答えさせていただきます。
 十分、業界関係とはヒアリングをさせていただいております。
 具体的には、電池に関しましては、乾電池に関しましては既に無水銀化を達成しております。また、電池の中でもボタン電池につきましては、国内流通分の大半は無水銀化されているところでございます。
 蛍光ランプに関しましては、二〇二〇年までに条約基準を達成する見込みでございまして、また、無水銀かつ省エネルギーの代替製品として、LED照明、有機EL照明等の代替品が普及しつつございます。蛍光ランプに関しましては、原則上、水銀の使用をゼロにはできないため、今後、業界といたしましては、LED照明、有機EL照明等の普及に注力する意向であると確認しておるところでございます。
 また、電力を制御いたしますスイッチ及びリレーという電気機器に関しましては、無水銀の代替品が開発及び普及しつつございまして、二〇二〇年までに無水銀化を達成する見込みでございます。交換部品としても今後は一定の需要が見込まれますが、条約の適用除外に該当しているところでございます。
 また、医療用計測器に関しましては、体温計や血圧計に関しましては水銀を使用しない電気式の代替技術が既に確立されており、普及が進みつつございます。
 工業用計測器、温度計、圧力計に関しましては、二〇二〇年までに無水銀化を達成する見込みでございます。
 今後とも、業界と密接に連携を続けていきたいと思っております。
○清水貴之君 今お答えいただきましたように、いろいろヒアリング等も重ねて、各業界団体も非常に努力をされてということが伝わってきました。
 突然規制が掛かって今までの仕事ができないというふうになったら、これはこれで問題だと思いますので、その辺りをしっかりと密に連絡を取りながらやっていただきたいと思うんですが、ただ一方で、今例に挙がりました、これ日本電球工業会さんの資料、これ事前にいただいているので読ませていただいたんですけれども、これを読みますと、例えば今使用中のランプは規制対象にならないですとか、基準があって、その基準以下のものが主なので大丈夫だとか、一般照明用が対象なので紫外線ランプやプロジェクター用などの特殊用途は規制対象となりませんですとかいう記述がありまして、もちろん業界団体が発表する大丈夫ですよという資料ですので、こういった書き方になるかなとは思うんですが、これを読みますと、でも、逆にもっともっと厳しくできる部分も余地としては残っているんではないかなというふうにも読み取れるんですね。
 この辺りというのは、基準以下だから大丈夫ですよと言ってしまって本当にいいのか、いやいや、もっともっとそこは厳しく、長い目で見ていって、努力をして、お互いに少しでも水銀を減らしていく努力をする方向に進んでいくのか、この辺りについての考えというのはいかがでしょうか。
○政府参考人(谷明人君) お答えさせていただきます。
 本法案では、条約で規制対象となっている電池、蛍光ランプ、計測器等について原則として製造を禁止した上で、条約上も規制対象から除くことが認められた代替製品によって交換できない場合等の特定の場合に限りまして例外的な製造を許可することとしております。具体的には、主務大臣は、国内における実現可能な代替製品がない場合に許可することとしております。
 このため、現在は製造を許可する製品でございましても、先生御指摘のように、技術革新等によって将来的に実現可能な代替製品が存在することとなれば、当該製品の製造は許可されないこととなります。
 また、輸出入に関しましても、外国為替及び外国貿易法により同様の措置を講ずる予定でございます。
 さらに、条約の規制対象となる製品は、条約上、条約発効後五年以内に再検討されることとなっておりまして、現在規制対象となっていない製品も将来的には対象となる可能性がございます。
 このように、更なる技術革新を進め、水銀製品に関する国際的な動向も踏まえ適切に対応してまいりたいと存じます。
○清水貴之君 その代替化を進める更なる技術革新、これに向けての国としてのバックアップ体制、これはどうなっていくんでしょうか。
○政府参考人(谷明人君) お答えさせていただきます。
 我が国産業界としては、水銀使用製品の代替や低減技術の開発と導入が他国に先駆けて進められていると認識しております。例えば、大半の電池は既に無水銀化を達成しており、水銀使用量はピーク時の年間約百七十トンから約〇・三トンまで削減されております。
 国の取組として、先生御指摘の件に関しましては、例えば蛍光ランプの代替製品となるLED照明等の高効率照明器具に関しましては、省エネルギー等に関する設備、機器の導入支援の一環としてエネルギー使用合理化等事業者支援補助金、また生産性向上設備投資促進税制による支援を行っております。
 また、水銀を利用した電力制御を行う機器でございますスイッチ、リレーや圧力計等の主に中小事業者が製造を担う製品の代替化に関しましては、ものづくり基盤技術の高度化のための戦略的基盤技術高度化支援事業を活用した支援も行っております。
 こうした支援策も活用しながら、産業界が引き続き技術革新を進めるように、官民密接に連携しつつ国としても取り組んでまいります。
○清水貴之君 今国内の話で、今度は、今お話も少しいただきましたが、輸出入についてお聞きしたいと思います。
 この輸出入も、原則禁止という、原則というやはり言葉がありまして、今御説明いただいたように、代替製品がないとかいうのが答えなのかなとも思うんですが、確認のため、この原則禁止の原則の意味をお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(坂口利彦君) お答え申し上げます。
 原則禁止の原則の意味についてのお尋ねでございます。
 水銀に関する水俣条約におきましては、水銀の輸出を原則禁止としつつ、輸出相手国から書面による同意が得られている場合であって、条約上許可される用途等であることが確認できる例外的な場合に限り輸出が許可されることとなっております。具体的に申し上げますと、試験研究用の場合や、水銀を含まない代替製品によっては交換できないスイッチ、計測器等の条約で定める場合などが例外とされております。
 こうした条約の規定にのっとりまして、外国為替及び外国貿易法に基づく輸出審査におきまして、輸出相手国から書面による同意が得られていること、試験研究用を始め条約上許可される用途であることなど、輸出される水銀が輸出相手国で適切に使用されることが確認できる場合に限りまして例外的に輸出を認めることとしております。
○清水貴之君 その輸出相手国でしっかりとこれが問題なく使われているというのは、どのようにして確認して、どのようにして担保しているんでしょうか。
○政府参考人(坂口利彦君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げました外為法に基づき行います審査でございますけれども、事前の輸出審査におきましては、輸出相手国におきます水銀の最終用途及び最終需要者などにつきまして厳格に確認をするということを予定しております。加えまして、事後的にも適宜輸出者に対しまして報告を求めることによりまして、最終用途及び最終需要者などにつきまして輸出承認時の内容とそごがないということを確認する予定としております。
 以上申し上げましたとおり、厳格な審査を通じまして輸出相手国での適切な使用を担保しつつ、水銀の輸出管理の実効性をしっかり確保してまいりたいと考えております。
○清水貴之君 その確認作業なんですが、どのように、どこまでやるんでしょうか。書面でこれちゃんとやっていますよと出して報告してもらうだけでは、本当に適切に使われているかどうかというのはこれは分からないと思うんですよね、何とでも作ろうと思えば作れるわけですから。
 その辺り、本当にしっかりと間違いなく使われているというのは、日本国として大丈夫だという保証できるような体制がつくれるんでしょうか。どのようにしてその適切な使用というのを確認していくんでしょうか。
○政府参考人(坂口利彦君) お答え申し上げます。
 私どもといたしましては、事後報告において詳細な情報を報告を求めるということでしっかり確認をしていきたいというふうに考えております。物質名であるとか仕向地であるとか経由地であるとか最終需要者、最終用途、使用数量など、輸出される水銀、あるいはその用途に応じまして的確に報告を求めることにより、しっかり問題がないように確保をしてまいりたいというふうに考えております。
○清水貴之君 繰り返しになるんですけれども、事後報告はそれはしっかり求めなきゃいけないです。その事後報告が正しいかどうかという確認というのは行っていけるんでしょうか。
○政府参考人(坂口利彦君) お答えいたします。
 私ども、輸出管理、水銀以外にも様々な品目について行っておりまして、実際にそのような用途に使用されたかどうかというのは、輸出相手国との協力なども踏まえましてしっかり情報を入手して確認をしておりますので、私どもとしては水銀につきましても万全を期してまいりたいというふうに考えております。
○清水貴之君 相手がちゃんと報告しているから、じゃ大丈夫だなという、それだけではやはりちょっと甘いんじゃないかなとも思ってしまうんですね。これは日本から外に出すわけですから、しっかりと、最後どこでどういう形で、相手国を信じてとか、しっかりやっているだろうという善意の下で発送するのは決して悪いことではないと思うんですけれども、決してそういうちゃんとした相手ばかりとももちろん限りませんので、最後の最後までしっかり確認をしていただきたいと思うんですが、ここはいかがでしょうか。
○政府参考人(坂口利彦君) お答え申し上げます。
 輸出者においては報告において虚偽があった場合には罰則等で厳しく担保をしておりますし、相手国との関係でもしっかりその用途については確認をするということに取り組んでまいりたいと考えております。
○清水貴之君 輸出はしっかりやっていただくとして、今度は輸入についてもお聞きしたいと思うんですけれども、輸入ももちろん申請に基づいてしっかりとした形でやっているとは思うんですが、その一方で、これもいただいた資料を見ますと、様々なところに含まれていたりとかルールがちゃんと決まっていなかったりとか、例えばですけれども、ボタン電池にしても、今安い百円均一のお店なんかもあったりとか、あとおもちゃの中に例えば電池が入っていてそこに紛れ込んでいるとか、細かいことを言い出すとなかなかこれ把握するのは難しいんじゃないかと思うんですが、この輸入に関してはしっかりと把握する体制というのは整っているものなんでしょうか。
 済みません、輸入というか、正式な形ではなく、紛れ込んできてしまっているといいますか、入り込んできてしまうようなものまでしっかりと把握はできているんでしょうか。
○政府参考人(坂口利彦君) お答え申し上げます。
 水銀添加製品が含まれる製品、組み込まれた製品についてのお尋ねであると思います。
 条約におきましては、水銀が使用されている血圧計、体温計、一定以上の水銀が使用されているボタン形電池やランプ等の水銀添加製品につきまして輸出入の禁止ということでございまして、私どもとして、輸入につきましてもしっかり審査をし、的確に対応していきたいと考えております。
 特に、水銀添加製品を組み込みました製品でございますが、具体的に申し上げますと、水銀が使用されている電池が組み込まれておりますおもちゃなどにつきましても輸入規制の対象としております。そのおもちゃがどういうふうに対象になるのかということにつきましては、組み込まれた製品について適切に輸入者の方に判別していただくということが必要になります。
 我が国の市場で流通しております水銀添加製品を組み込んだ製品、おもちゃ等でございますが、これを調べましてリスト化をするということを検討しております。こうした情報を輸入事業者に積極的に提供することなどを通じまして、輸入事業者が規制対象となります水銀添加製品を組み込んだ製品をしっかり認識をして、輸入申告を的確に行っていただくということを通じまして、私ども、外為法に基づく輸入管理を適切に行ってまいりたいと考えております。
○清水貴之君 いただいた資料だと、これ二〇一〇年度ベースということなんですけれども、輸入量と輸入量に含まれる水銀の量というのが、蛍光ランプとかこの辺はしっかり把握されているそうなんですが、乾電池とかボタン形のアルカリ電池、あと水銀充満式温度計、基準液柱圧力計、この辺り、あと無機薬品、この辺りに関しても不明というのがずっと並んでいるんですね。輸入量も不明ですし輸入量に含まれる水銀量も不明となっているんですが、このデータだけ見ますとしっかり把握できていないんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(坂口利彦君) お答え申し上げます。
 私ども、水銀条約、それを施行するに当たりまして、これまで必ずしも把握できていなかった輸入品につきましても、先ほど申し上げましたように、組み込み製品のリスト化をするなどして的確に把握をして輸入管理をしっかり行ってまいりたいというふうに考えております。
○清水貴之君 ということは、済みません、このデータが五年ぐらい前のものなので、それとは状況が変わっていて、今回条約も結ばれるし法案も適用ということで、体制を変えていく、もっと更に厳しくやっていくということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(坂口利彦君) お答え申し上げます。
 私どもとしては、輸入管理をしっかりやってまいりたいと思います。
 なお、データにつきましては、通関統計で取られているものだと思いますので、分類その他の観点から、必ずしもどこに分類して、小分類で的確な数字が出てくるかどうかということについては、これはほかの要素も考慮をして定めていっていただく必要があるというふうには考えますけれども、私どもの輸入管理としては、しっかり水銀添加製品が組み込まれている製品につきましては輸入管理を行ってまいりたいというふうに考えております。
○清水貴之君 そのやり方とか仕組みがちょっと分からないので教えていただきたいんですけれども、おもちゃに入っている電池まで本当に全部これ確認できるものなのか。何でこんな質問したかというと、やっぱり見逃されて入ってきてしまうものがあるんじゃないかなというような懸念があるものでこういう質問をさせていただいているんですけれども、その辺りというのはしっかりと全部把握できるものなんですか。
○政府参考人(坂口利彦君) お答え申し上げます。
 もちろん、水際で全て私どもは止めるように最大限の努力をいたしますけれども、入ってきてしまうものというのが出てくるということは、これはもう否定できないというふうに考えております。
 これは環境省さんと協力をさせていただきまして、試買品を買って確認をして、それを基に事業者に対して注意喚起、あるいは外為法違反であれば外為法に基づく的確な対応をするというようなことによって、水際あるいは国内での流通についてしっかり管理をさせていただきたいというふうに考えております。
○清水貴之君 おっしゃるとおり、物すごい量のものが入ってくるわけですから、全部というのは難しいかもしれません。とはいえ、やはりどこかでしっかり止める方策を考えていただきたいなというふうに思います。
 こういうことを踏まえて、大臣、やはり日本の果たす役割というのは非常に大きいと思うんですね。この輸出入ということを見ても、やはり水俣病を経験している日本だからこそ、海外に向けてしっかり、日本は外に出すものに対してもしっかりチェックもしていくし、中に入ってくるものに関してもしっかり管理をしていく、把握をしていくんだという、こういう姿勢が大事だと思うんですが、日本の世界に果たす役割が僕は大変大きいと思うんです。この辺り、いかがでしょうか。
○国務大臣(望月義夫君) 先生今御指摘ございましたように、水俣病の経験というのはこれは非常に重いものがございまして、熊本の方、こちらも来年六十年、新潟も五十年と。しかしながら、まだまだ本当に様々な思いで苦しい生活を余儀なくされている皆様方、たくさんいらっしゃるという、そういう経験を踏まえて、世界のどこの地域でも悲惨な公害、健康被害を二度と繰り返してはいけない。やはりそういった意味で、世界の水銀対策といいますか、これをリードしていく役割というのは日本にはあると、このように思います。
 そのために、この条約、今回皆さんにお願いして、これを担保することはもちろんでありますけれども、水銀の、今お話のありましたように、輸出規制、厳格化をしっかりとやっぱりしていかないと、水が漏れるようになってはいけないと、そういったことも思います。
 それからまた、特定水銀使用製品ですけれども、やはり水銀含有量の基準を条約以上にまた深掘りをしなくてはいけない、それから廃止期限の前倒しもしていきたい、それからまた水銀使用製品の情報提供、廃製品の分別回収の徹底と拡大を、これもやはりしっかりとしていかなくてはいけないと思います。
 それから、大気中への排出の抑制に関する自主的取組等、条約にはそういったものは規定されておりませんけれども、そういったことよりも踏み込んだ取組をさせていただきたい、このように思っております。
 依然として、先ほどからお話ございましたけれども、多くの水銀を使用、排出している途上国に対しては、条約の締結と効果的な実施をやはり我々の方から後押ししていく、そういうことを通しまして、世界の水銀対策を我が国としてはリードする立場になっていかなくてはいけないと、このように思います。
○清水貴之君 その根本となります計画を策定するというふうにこの法案の中にも入っておりまして、水銀等による環境汚染の防止に関する計画ですけれども、主務大臣が策定するというふうに法案はなっていますが、これはいつまで、どのような形で発表するつもりでしょうか。
○国務大臣(望月義夫君) 条約の対象とする範囲でありますけれども、これは、水銀のライフサイクル全体でありますから、関係者も、先ほどいろいろ話がありましたが、工場から、おもちゃだとか食品だとか様々ございまして、関係する法令に基づく水銀対策の全体像それからまた将来像、こういったものを包括に示して、各種施策のやはり綿密な連携を図るということ、そしてまた、効果的、着実な施策の実施を確保することが重要だと、このように思っております。
 法の施行に必要なまず政省令をしっかりと整備を行った上で、関連する取組を計画的に盛り込む必要があることから、これらの政省令が整い次第、可能な限り速やかに策定していきたいと、このように思っております。
○清水貴之君 策定するに当たっては各自治体の意見というのもしっかりと反映していただきたい。やはり、先ほども出ていましたけれども、回収作業は何かといったら、今度自治体の作業になって、負担も発生するかとも思いますので、この辺りの意見もしっかり聞いた上で策定をなるべく早くお願いできればなと思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○市田忠義君 日本共産党の市田です。
 水俣病が公式に確認されて五十九年がたちました。この間、公健法あるいは九五年の政治解決、水俣特措法などによって補償、救済された人たちは五万人近くになっていますが、被害はいまだに終わっていませんし、逆に拡大する状況であります。いまだに必要な健康調査、環境調査も行われていませんし、新たに三千人近くの人たちが補償、救済を求めて立ち上がっていると。
 今日は、水俣条約の国内担保法としての二法案が整備をされるわけですが、そういう水俣病の痛苦の経験をした我が国にふさわしい実効性のあるものになっているかどうか、幾つかの観点からただしたいと思います。
 まず、大臣にお聞きしたいんですけれども、現在もアフリカやアジア、南米地域の開発途上国の多くのところで小規模金採掘、これが行われており、再び水俣の悲劇が起ころうとしている、この問題についてであります。
 大臣は、水俣病を経験した我が国が教訓を世界に発信し、水銀対策をリードしていくことが必要と、こうお述べになっています。しかし、こういう地域で再び水俣の被害を繰り返さないようにするためには、こういう国に危険を輸出しないということが私大事だと思うんです。先ほど、維新の党の方と経産省のやり取り聞いていましても、その歯止めになっているんだろうかと。水俣条約を踏まえた今回の一連の対策は、その点で歯止めになっているのかどうか、大臣の認識を聞きたいと思います。
○国務大臣(望月義夫君) 御指摘のとおり、海外で二度と我が国のような公害で苦しむ人があってはならないというのは、これやはり我々の経験してきたその先にあるものだと、そういうふうに思っております。水俣を経験した我が国から輸出される水銀が輸出先で健康被害、環境汚染を起こすというような事態は絶対にやはり避けていかなくてはならない、このように思います。
 我が国としては、外為法によって水銀の輸出は原則禁止ということでございます。最終用途が条約上許可されるものであって、零細小規模金採掘、この使用や暫定的な保管を目的とするものでない場合に限って例外的に認めることが適切であると、こんなふうに考えております。
 これは、水銀の最終用途等について経済産業省において厳格な事前審査を行って、例外的に輸出を認める場合には、事後的にも適時輸出事業者に対して報告を求めることにより輸出の適正性を確認することと、このようにしております。さらに、水銀による環境汚染や健康被害の防止をより徹底するために、水銀のみならず特定の水銀化合物を輸出規制の対象としております。
 このように、条約の規定よりも更に踏み込んだ措置を講じることによって地球規模の水銀汚染の防止に全力を尽くしてまいりたいと、このように思います。
○市田忠義君 原則禁止とおっしゃいましたが、金採掘以外の目的で最終用途の確認ができて、相手国の同意があれば輸出が許されるということになっています、例外的とはいえ。しかし、水銀が一旦輸出されてしまえば、その後どこへ流れるか、先ほどのやり取り聞いていても分からない。私はほとんど歯止めにならないと思うんですね。
 今起きているアフリカとかアジア、南米の開発途上国の現状を見ると、やっぱり水銀条約で日本が世界をリードすると言うんだったら、原則禁止にとどめないで水銀等の輸出は全面禁止すると、そこへ一歩踏み込むべきじゃないかと思うんですが、大臣の基本的な考え方で結構ですからお述べください。
○国務大臣(望月義夫君) やはりこれ、全面禁止ということも考えられますが、まだまだ、発展途上国始めそういったところにつきましては、そういった工場等の施設、あるいはまた研究がなされていないというようなことがございます。
 そしてまた、先ほどお話ございましたように、まだ体温計、今はこれはもう体温計はほとんどないんですけれども、血圧計とかそういうところで、よんどころなき、ほかのもので代替ができない、なるべく代替するようにしておりますけれども、そういったもの、逆にまた、そういったことによって人類に貢献しているものもあるということでありまして、そういったものをいち早く代替に替えられるようなことを研究や技術を進めて、そして最終的にはもちろん全面的に禁止するという方向に行きますけれども、今回につきましては、こういう条約の中でより水銀が厳格に輸出、輸入ができないような方向に持っていく一つの道筋の大きな第一歩かなと、こんなふうに思っております。
○市田忠義君 今でも多くの人が苦しんでいるわけで、今回の一連の法案は、幾つも私抜け穴が残されているわけで、やっぱり危険な輸出を水俣病を経験した日本がやるべきでないと、諸外国の現状を考えてもやっぱり日本の国の責任で水銀等の輸出は全面禁止すべきだということを改めて指摘しておきたい。まあ大臣は将来的には全面禁止するとおっしゃいましたが。
 このほかにも国の対応として幾つもの私問題点があるように思います。水銀条約では、水銀を使用しない社会の実現に向けて水銀排出量が多い施設を規制の対象にしています。しかし、この間の日本の動きを見ていますと、例えば石炭火力発電所を国内では増設をして、海外に輸出をしようとしていると。これが水銀条約の精神に果たして合致すると考えているのか。私は世界の流れに逆行しているんではないかと思いますが、この点、いかがでしょう。
○国務大臣(望月義夫君) 石炭火力発電所でありますけれども、これはまさに非常に水銀の排出量の増加につながることはこれは否定できません。水銀条約が求める利用可能な最良の技術を用いた大気排出規制を実施することによって、水銀の大気への排出を可能な限り抑制できると考えております。具体的に言いますと、大気汚染防止法改正案につきまして、排出削減に関する技術水準、経済性を勘案し、現実的に排出抑制が可能なレベルで、排出が可能な限り削減されるように排出基準を設定することとしております。
 我が国全体の排出量が増加しないように、インベントリーを活用した排出量の定量的な把握及び評価を行うとともに、排出抑制に係る技術情報の収集、整理及びその普及に取り組んでまいりたいと、このように思っております。
○市田忠義君 世界の流れに逆行しているんじゃないかと聞いたんです。アメリカやEUでは石炭火力発電を減らす方向にあるのに、日本の方向性は世界の流れに逆行しているじゃないかと。
 よく一般に、石炭火力は安くて効率的だということが言われます。しかし、石炭火力発電所のCO2排出量は天然ガス火力発電の約二倍であります。今年の末にはCOP21も開催されて、新たな削減目標が決まります。また、電力が自由化されると、新たな省エネ規制が導入されることになる、現在は比較的安くて規制が厳しくない、だから今のうちに駆け込み的に造ってしまえというような石炭火力発電所の増設だとか輸出というやり方は、やっぱり国際的な信義に私はもとるんじゃないかと。
 この際、新たな石炭火力発電所の増設とか輸出は可能な限り抑制をして、天然ガスに転換する、水銀もCO2も削減せよと、そういう方向に転換すべきじゃないかと考えますが、改めていかがでしょう。
○国務大臣(望月義夫君) 先生御指摘のように、特に電力部門でありますけれども、我が国全体の四割を占めるという最大の排出源でございまして、とりわけ火力発電所、これにつきましては、最新鋭の技術でも、御指摘のように天然ガスでございますが、の二倍の二酸化炭素を排出すると、こういったことでございまして、それもまた、石炭火力発電所を一回造れば十数年これ稼働するということでございますので、これはやはり中長期の温暖化対策としてしっかりと対応する必要はあると、このように思います。こういったことで、国の削減目標を確実に達成できるように、電力業界に対し温暖化対策の枠組みの構築を促すことが一昨年の関係大臣会合によって決まっております。
 また、個別の火力発電所の新増設、今お話が出ましたが、環境影響評価手続の中で、もちろん最新鋭の技術が、高効率な技術が採用されているか、あるいはまた構築された枠組みに事業者が参加することとしている等、適正に審査をしていかなくてはいけない、こんなふうに思っております。
 ただ、大変残念なこともございます。まだ枠組みが構築されていない一方で、石炭火力の新増設の計画が相次いでいることに私も懸念を持っておりますので、この辺もしっかり対応してまいりたいと思います。
○市田忠義君 懸念と言われましたが、私ども重大な懸念を持っていると。
 次の問題に移りますが、これは事務方で結構ですが、鉄鋼製造施設の水銀大気排出量と、国内の主要な排出源の中で占める割合がどれぐらいあるか、お答えいただけますか。
○政府参考人(三好信俊君) 環境省が二〇一〇年度ベースの水銀大気排出量を推計した排出インベントリーにおきまして、国内における年間の水銀大気排出量は全体で、幅がございますけれども、十七トンから二十一トン程度と推計いたしております。そのうち鉄鋼施設からの排出量は、これも推計でございますが、四・七二トンでございまして、国内の排出源に占める割合はおおよそ二五%ということでございます。
○市田忠義君 二五%ですから四分の一、国内では二番目に水銀の大気排出量が多いと。にもかかわらず、鉄鋼製造施設を規制対象から外している理由は何ですか。
○政府参考人(三好信俊君) 水俣条約におきましては、世界における大気排出量が多い石炭火力発電所等の五種類の施設が大気排出規制の対象とされております。鉄鋼製造施設につきましては、条約規制対象とはされておらないところでございます。
 今般の大気汚染防止法改正案におきましては、大気環境中の濃度が水銀の直接吸入による健康影響が想定されないレベルであることを勘案いたしまして、規制対象は条約上排出規制が求められている施設とすることが適当との答申をいただき、そのような内容で法律を措置させていただいたところでございます。
○市田忠義君 条約では五種類だと。しかし、最初のお話では条約の水準以上のものを日本はやるんだと言っておきながら、条約では規制の対象になっていないと。しかも、人体に余り影響がないと。しかし、全体の四分の一も占めていると。
 私、今日ここに持ってきているんですが、去年の九月二十六日の第六回水銀大気排出対策小委員会に提出された日本鉄鋼連盟からの意見書があります。鉄鋼業の水銀排出抑制についての今後の取組について、一つは、国際的に見れば排出量は低位、低い、これは一番目ですね。二つ目に、大規模な設備投資は影響が極めて大きい、要するにお金が高く付く、三番目に、条約で五分類の施設に限定されている中、我が国において鉄鋼業を規制対象とすることは国際競争の観点から公平性を著しく欠く、だから自主的取組が適当であると。おおよそこういうことが意見書の中で書かれてある、これは間違いありませんね。事実確認です。
○政府参考人(三好信俊君) 第六回の水銀大気排出対策小委員会におきまして、鉄鋼連盟所属の委員から、先生御指摘のとおりの意見書が提出されているのは事実でございます。
○市田忠義君 その前の第五回小委員会で排出規制の在り方に議論が集中をしました。その小委員会で、日本経団連の高澤委員、日本鉄鋼連盟の中村委員はこうおっしゃっているんですね。過剰規制は新たに設備投資を招き、国内産業の国際競争力をそぐことになると、こう発言しています。私、こういう考え方は、国際競争力強化のためには環境のことなど考えておれないと、後は野となれ山となれという発想だと思うんですよ。こういう発想を認めるということになれば、結局、業界、経済界に屈したと言われても仕方がない。
 私、企業ですから利潤を追求するのは当然だと思うんです。もうけるのはいいと、ただやっぱり一定のルールが必要だと思うんです。経済だけを優先して、人の命や健康、環境をないがしろにしていいのかと。他の五つの排出施設と同様に、私は規制の対象にすることが水俣病を経験した日本の責任、排出事業者の責任じゃないかと思うんですが、いかがでしょう。
 いや、これは大臣の認識です、大臣の。これは政治の決断なんですよ。そういう企業の要求に屈していていいのかと。私はもうけを否定しているんじゃないんですよ。当然企業だから利潤追求するけれども、一定のやっぱりルールで規制、自主的な取組とかいうことでは結局駄目じゃないかと言っているんです。
○国務大臣(望月義夫君) 先生の今御質問の中にいろいろな御配慮があったと思います。そこで、鉄鋼とかそういったところではたくさんの人も働いておりますし、利益、利潤も追求する。一方ではそういうこともありますが、やはり我が国の環境を守っていくということ、これは大切なことでございまして、そのバランスも必要だと思いますけれども、我々としては、環境省としてはできる限り環境を守るという立場の省でございますので、そういったことをしっかりと追求をさせていただきたいなと思います。
 ただ、今この鉄鋼につきましては、先ほど、水俣条約の中の五つの中には入っておりません。しかし、これはやはり看過するわけにいきませんので、水俣条約において規制を求めている施設を規制対象とするとともに、鉄鋼製造施設のように我が国において条約対象施設と同等に水銀を相当程度出している施設については、条約対象施設に準じた排出抑制の取組を求めるべきものであると、このように考えております。
○市田忠義君 これは大臣に通告していないんですけれども、もし御存じだったらなんですが、経済界でも、例えばソニーの前の会長をやった盛田昭夫さん、もう亡くなりましたけれども、一九九二年、文芸春秋に「「日本型経営」が危い」という論文を書かれて、これ大変話題になったんです。経営者の中でもそういう良識を持っている人がいるのかと。
 お読みになったことはあるか、あるかないかだけで結構です。
○国務大臣(望月義夫君) それは、その資料はまだ見ておりません。
○市田忠義君 かなり有名になったものですから、是非御覧になっていただきたいと思います。
 時間の関係で全部を言いませんけれども、要するに、世界の資本主義の中で日本の資本主義が生き延びていくためには、今のようなやり方ではまずいよということを盛田さんが大胆に提起しておられるんです。
 詳細は言いませんが、六点挙げておられるんですね。一つは労働時間が長過ぎる、二番目は賃金が安過ぎる、それから三つ目には株主の配当が非常に低い、四つ目は下請企業と大企業との関係が対等、平等でない、五つ目は日本の企業は地域社会の貢献に積極的とは言い難いと述べた後、六つ目に、私これが非常に大事だと思っているんですが、こうおっしゃっているんですよ。環境、資源、エネルギーは人類共通の財産であることを企業自身も強く認識すべきではないかと。日本の企業は環境の汚染や破壊に無関心である、これは駄目だよと。
 そこで、どうすればいいかと。この提案が私非常に大事だと思っているんです。何が言いたいかというと、単なる自主的取組に任せていては、これはCO2削減問題でもそうですけれども、経団連は、あれ自主行動計画に基づいて自主的取組ですよね、そういうやり方では私まずいということを、盛田さん自身もこうおっしゃっているんですよ。日本の現在の企業風土では、あえてどこか一社が改革をやろうとすれば、その会社が結果的に経営危機に追い込まれてしまうような状況が存在していると。周りがやらないのに自分だけやったら必ず失敗してしまうということになると。だから、一社では無理だから社会全体の仕組みとして変えていかなければならない、日本の経済、社会のシステム全体を変えていくことによって初めてその実現が可能になると。一社ではできない改革もこうすればできるようになると。
 要するに、自主的取組で各々の企業に任せるのではなくて、やっぱり一定のルールを設けてもいいけれども、このルールはお互いに最小限守ろうじゃないかという、我々、今の日本社会はヨーロッパに比べてルールなき経済社会と呼んでいますけれども、同じような考えを経済界のトップにいた人が、こんなやり方していったらまともな経済、企業の発展もないよということでかなり警告しておられるんですね。
 そういう際に、日本鉄鋼連盟辺りから、お金が掛かって困る、しかも世界の中で見れば僅かで、日本の中では四分の一占めているのに、大したことないから規制から外してくれと、そういう要求に国や環境省が屈していていいのかという考えはやっぱり重要な物の考え方の根本に関わることだと思うんですよ。
 これは、政治的立場の違いを超えて、何というか、まともな経済の在り方、いわゆる新自由主義的な発想でない立場にやっぱり立つべきではないかと思う。その辺、いかがでしょう。もし、大臣の哲学があれば。
○国務大臣(望月義夫君) これはもう本当に与野党とかそういう主義主張を超えた大切なことを御指摘いただいたと、このように思っております。
 今、経済界、様々、私は全てがこういう形ではないと思っております。ニューヨークで、たしか経済同友会の方がお会いしたいということでお会いしました。そして、この環境問題、経済界もしっかり取り組んでいかなきゃならないと。大分、我々もいろんなところで経済界、様々な会合を環境省としても持たせていただいております。我々も非常に厳しめにお話をしているんですけれども、その方が言うのには、やはり日本は遅れていると。それに、後で経済界が失敗するというお話ございましたが、今掛けないでいたら、後で相当何倍ものお金を掛けなきゃならなくなると。だから、今苦しくても今掛けるべきだというお話をさせていただき、今、市田先生のおっしゃったのと、まさにそのとおりのやっぱり経済界の方もおります。
 そういう意味では、我々もしっかりとこのことに取り組んでいかなくてはいけないと、このように思います。
○市田忠義君 ちょっとこの問題に時間掛け過ぎて、あといっぱいあるんですが。
 事業者の責任問題に次、移りたいと思います。
 消費者が水銀の有害性を理解をして、水銀を使用している製品を適切に分別して出すためには、製品それ自体に水銀使用やその廃棄の仕方などが表示をされているということが私不可欠だと思うんです。
 水銀の危険性を考えれば表示の義務化というのは当然だと思うんですが、本法では義務化されることになっているんでしょうか。これは環境省で結構です。
○政府参考人(北島智子君) 事業者に対する努力義務として規定をいたしております。
○市田忠義君 なぜ努力義務にとどめているんですか。単なる努力義務じゃなくて義務化すべきじゃないかと。努めるものとしなければならないというような書き方では、全然、への突っ張りにもならないと言ったら言い過ぎだけど、どうして義務化しないんですか。理由は何ですか。
○政府参考人(北島智子君) 我が国におきましては、水銀使用量の削減が相当程度進んできていること、また、本法案の施行により水銀使用製品の流通量が更に減少する可能性があることなどに鑑みまして、事業者には努力義務として適切に取り組んでいただきたいと考えております。
○市田忠義君 比較的進んでいるから努力義務でいいんだという答弁ですが、それでは私納得できないですが、時間が来たので、この問題の続きは次回にやって、終わります。
○水野賢一君 無所属の水野賢一でございます。
 今日、審査の対象になっている法案の二本というのは、いわゆる水俣条約、正式な名称で言うと、水銀に関する水俣条約の担保法という位置付けになっているわけですよね。ですから、この条約の方は条約の方で今国会で衆参両院で承認をして、そして、さらには、この担保法の方も環境委員会、本会議で可決をされて、そして批准していこうという、そういう方向だと思うんですけどね。
 条約の方についてお伺いしたいんですが、条約は、これ発効条件というのは五十か国が締結したら九十日目に発効というふうになっているわけですが、順当にこの条約が衆参両院で可決されて、そして担保法も可決、成立をしたら、条約が発効するときには日本の締結の方も間に合いそうか。つまり、最初の五十か国というのになれそうなのかということを、このペースでいったら間に合うのかを確認したいと思います。
○政府参考人(豊田欣吾君) お答え申し上げます。
 水俣条約でございますけれども、委員御指摘のとおり、五十か国が締結した日の後、九十日目に効力を生ずることとされておりまして、現在、締約国は米国等十二か国でございます。現時点で発効の見通しにつきまして確定的なことは申し上げられませんけれども、国連環境計画は、平成二十五年十月、本条約の採択に際しまして、二、三年以内の発効を目指す旨を発言しておりまして、今後、各国による締結に向けた努力が一層進むことが見込まれます。
 我が国における本条約の締結につきましては、先般、国会において御承認いただいたところでございますが、水俣病を経験した我が国といたしまして、優れた水銀代替・削減技術を生かし、世界の水銀対策に主導的に取り組むためにも、可能な限り早期の締結を行うことが重要であると考えております。現在御審議中の関連国内法案が成立すれば、必要な政省令等の整備を行った上で、速やかに締結に向けた手続を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
○水野賢一君 いや、それは分かるんだけど、そうすると、だから、最初の五十か国には入れそうですかということを聞いているんです。
○政府参考人(豊田欣吾君) 我が国による締結の具体的な時期につきましては、必要な政省令の改正等がいつになるかにもよるため、現時点で特定することはできませんけれども、条約発効に間に合うよう早期の締結を目指して、関係省庁とも連携してまいりたいと考えておるところでございます。
○水野賢一君 日本の地名も入った水俣条約ですから、当然発効したときには日本が締結国になっているというのは当然それを目指すということだと思いますよね。
 その観点からいうと、これ前にも大臣にお伺いしたんですが、日本の地名が入っている条約というのは実はそんなに多いわけじゃないんですよね。そんなに多いわけじゃないけど、環境分野の中に幾つかあるんですよ、一番有名なのは京都議定書ですけれども。
 そのうちの一つに名古屋議定書というのがあるんですね、これは生物多様性関係ですけど。この名古屋議定書、これは名前どおり名古屋での会議で採択されたからなんですけれども、正しい名称で言うと、生物の多様性に関する条約の遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する名古屋議定書という、そういう名前になるんだけれども。
 これ、二〇一〇年に採択されて、日本も署名はしているんです。署名はしているんだけれども、そして多くの国が署名して批准もしているから発効もしているんですよね。だけど、これ日本は署名はしたけど批准手続が終わっていないんですね。これは、何も政府が国会に承認を求めたけど国会が否決したわけじゃなくて、署名した政府が国会に承認を求めていないからなんですけれども。大臣、これ何が障害になっているんですか。何で国会に承認を求めようとしないんですか。
○政府参考人(塚本瑞天君) 名古屋議定書の締結に向けては、我が国において利用される遺伝資源について、その資源提供国の法令に従って取得されることとなるよう国内措置を講じることが求められています。
 遺伝資源の利用は様々な学術研究や産業に深く関係しておりまして、これらの利用実態に即した実効的な国内措置とするためには、丁寧な検討が必要と考えております。このため、現在、産業界を始めとする国内関係者の要望を聴取しておりまして、それらを十分踏まえまして、早期の締結を目指して、関係省庁と現在鋭意検討を進めているところでございます。
○水野賢一君 いや、それは国内措置をきちっとやらなきゃいけないし、それに丁寧な時間を掛けると、それは分かりますけれども、そんなことは、どこの国だってそういうような国内措置をやらなきゃいけないわけでしょうし、それは、締結したのは二〇一〇年で、サインしたのは大体どこの国も同じなんですから、なぜ日本の地名の付いているこの名古屋議定書というのを、諸外国は多くの国が批准しているから発効しているんですから、条約としても。何で国内では国内措置をきちっととるような整備ができていないのかということなんですね。
 これ、今局長もおっしゃったけれども、要するに、締結はしたいということは言っているんですよね。大臣もこの前からの答弁で、一日も早く締結していきたいというその気持ちは変わりないとか、可能な限り早期の締結を目指して鋭意検討を今進めているとかおっしゃっているので、締結したいということは間違いないんでしょう。
 それで、私の聞いたのは、これ民主党政権のときにサインしているから、自民党政権でも変わらないんですかということを聞いたら、そこは変わらないんだと、締結はしたいんだと言っているんだけれど、要は、今局長からの答弁にあったように、各方面のいろんな調整が済んでいないからということなわけですね。これは確かに利害関係関わることだから、特に製薬会社だとか化学業界だとか、そういうところは、まあはっきり言えばちょっと恐れているところもあるんですよ、そういうような。
 そうすると、そういうところの利害調整をするというのは、じゃ、直接的には厚生労働省だったりとか経済産業省だったりあるのかもしれないけど、大臣、やっぱり最終的にはこれ環境の問題の話なわけだから、そういうところでいろいろ調整をするのも必要なんでしょうけれども、大臣自身だって一日も早い締結ということをおっしゃっているので、どういうイニシアチブをこの締結に向けて発揮しているのかをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(望月義夫君) 気持ちとしてという言い方はおかしいんですけれども、一日も早いやはり締結というものはこれ必要だなと我々も思っております。
 ただ、遺伝資源の様々な利用の実態というものがございまして、こういったものに対しては、厚生労働省もあれば経済産業省もあると。ただし、やはり今先生御指摘のように、環境省がしっかり中心となってやっていかなくては前へ進まないなと、こんなふうに我々も認識をして、やはり責任の重さというものを痛感しております。
 ただ、産業界、学術界でございますから、そういった国内関係者の要望や実態を的確に把握するためには、やはりそういった細かい意見交換というもの、今までの経過というものを私もはっきり把握したわけではありませんけれども、やはり我々はしっかりやっていかなきゃいけないなと、こんなふうに思っております。
 それからまた、今月からより多くの国内関係者と意見交換を行うという方針をもう出しておりまして、一般向けに公開の勉強会等の開催も予定しております。これは、製薬界とか、今いろんなお話がございましたけれども、特には、こういう条約締結して、その後に、我々は包括的にそうであっても、国によっては、そういうことでそれぞれの国がこういう条約を締結したんだから、我々の方としては今までの費用を払ってもらうよとか、そういうようなことをそれぞれの国でやられた場合に、一義的にはそういうことはあるのかもしれませんけれども、我が国のやはり世界最先端の様々な産業の研究者、中小とかそういうのが多いんですから、そういった大企業でない場合には、これで首が絞まってしまうのではないかなと恐れているところもございます。
 やはりそういった皆さんにも安心して、こういう条約でこういうことであるので、こういう資源を守って、今まで提供してきたそういった国、歴史的なものも踏まえてお互いに貢献し合いましょうというものを、まだまだ説明、我々の方でそういったことが遅れてきたのかなと思うと同時に、これからしっかりと説明をしていきたいと、このように思っております。
○水野賢一君 分かったような分からないような形のところもありますけど、しっかりとこれはリーダーシップを発揮してもらいたいというふうに思いますし、今日はこれは水銀の話だから、ちょっとこの法案の方に話を戻しますけれども。
 今回の法案によって、大気への水銀の排出基準なんかを設けていくという、大気汚染防止法なんかだとそういうことが書いてあるわけですが、じゃ、水の方に関しては、当然、水俣病なんかは特に水への水銀の流出だったわけですから、排出だったわけですから、こっちの方はもう既に担保済みだという理解でよろしいのか、これは排出基準がもう既に、大気は今度新設するんだけど、水の方は水質汚濁防止法なんかであるのか、そしてその水質基準なんかが守られているのかをお伺いします。
○政府参考人(三好信俊君) 水質汚濁の関係でございますけれども、先生御指摘のとおり、水質汚濁防止法に基づきまして、水銀につきましては同法の第三条による排出基準が定められておりまして、条約との関係では担保済みという整理でございます。具体的には、排出基準に適合しない排水は、工場、事業場から河川や湖沼、海域等の公共用水域に排出してはならないというところでございます。
 遵守状況でございますけれども、直近のところで申し上げますと、各地方公共団体から毎年報告を求めておりますが、過去五年、平成二十一年度から二十五年につきましては、水銀に関する排水基準違反による摘発等の事例はないところでございます。
○水野賢一君 これは、確認ですけど、要するに水の方への排出はもう水質汚濁防止法で排出基準が定まっているからそっちは担保済みなんだけれども、大気の方に放出しちゃうやつについてはそういうような基準がないから、だから今度大気汚染防止法を変えてそういう新しいものをちゃんと作るんですという、そういう理解でよろしいですか。
○政府参考人(三好信俊君) 先生御指摘のとおりでございまして、大気排出に関しましては、我が国の環境濃度等を勘案いたしまして排出規制という形ではやっておりませんでしたところでございますけれども、今般水俣条約を締結するに当たりまして、必要な措置として、必要な大気排出規制を盛り込むべく大気汚染防止法の改正をお願いさせていただいているところでございます。
○水野賢一君 じゃ、局長にお伺いしたいんですが、今まであった水質汚濁防止法の水の方への排出の基準にせよ、今度の新設するであろう大気汚染防止法に基づく大気への排出基準にせよ、これはいわゆる濃度規制だというふうに、つまりリッター当たり何ミリグラム、水だったら、とか何ppmというその濃度を規制するという、そういうイメージでよろしいのでしょうか。
○政府参考人(三好信俊君) 基本的に大気排出規制に関しましては、条約上、BATという考え方を適用することになっておりますから、それを踏まえた濃度規制で取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
○水野賢一君 今の話は、条約は濃度規制ということを別に明示的に書いているわけじゃないけど、国内法制上は濃度規制で臨んでいきたいと、そういう理解でいいですか。
○政府参考人(三好信俊君) 条約上は様々なやり方が認められているわけでございますけれども、私どもといたしましては、これまでの大気汚染防止法の規定の枠組み等を勘案いたしまして、BATを反映いたしました濃度規制とすることが適切というふうに考えているところでございます。
○水野賢一君 確かに、今までの大気汚染防止法でも水質汚濁防止法でも濃度規制というやり方が多く使われていましたよね。
 ただ、濃度規制の一つの弱点というのは、非常に単純な言い方をすると、薄めちゃえば濃度は薄まるというのがあるわけですね。水なんかだって、薄めちゃえば、濃度上はたくさんのものを排出するんだけれども、希釈すれば薄くなるということで、濃度規制クリアできるということがあるわけなので。
 そういうことじゃいかぬということで、一方の考え方として総量規制という考え方がありますよね。現実の日本の法体系の中でも濃度規制が基本だけれども、総量規制でやっているものというのもありますよね。その例をちょっと挙げてください。
○政府参考人(三好信俊君) 大気排出規制に関しての総量規制ということでございますが、これまでの例といたしましては、固定発生源からの有害物質の排出に関しましては、例えば大気汚染防止法に基づきます硫黄酸化物及び窒素酸化物の総量規制、それから、制度といたしましては、ダイオキシン類対策特別措置に基づきます大気中に排出されるダイオキシン類の総量規制がございます。
 このうち、制度としてと申し上げましたのは、ダイオキシン類対策特別措置法につきましては、法施行後にすぐ削減目標が達成されたため、現実には総量規制は行われなかったという経緯がございます。
○水野賢一君 要は、制度として総量規制としてあっても、それを発動するかどうかというのはこれはまた別な話だから、法律上そういうことができるようにしておくという場合と、できるから実際にそれも使っているという場合があるのは当然なわけですけれども。
 これちょっと、これは政治レベルに伺いたいんですけど、要するに水銀の問題というのは残留性とか蓄積性とか、つまり生体濃縮とか食物連鎖によってどんどんどんどん濃縮されていってしまうということが問題なわけだから、要するに問題としては、薄まっていても、それがだんだんだんだん濃縮していって、体内とかでそれによって悪さが起きるようなことが起きるわけだから、総量規制というような観点も考えたっていいんじゃないかと。つまり、薄く希釈して出しちゃったって、たくさんのものが環境中に出たら困るわけだから、総量規制的なことだって考えたっていいんじゃないのという議論は当然あり得ると思うんですけど、そういう考え方は今回は取らなかったんでしょうか。
○大臣政務官(高橋ひなこ君) 現在、実際に区域を指定して総量規制を実施しているのは大気汚染防止法に基づく硫黄酸化物及び窒素酸化物の総量規制というふうになっているんですが、実際に水銀の大気排出については、水俣条約の大気排出規制の趣旨は、利用可能な最良の技術を適用して大気排出量をできる限り削減するというものであって、地域ごとの排出削減目標が達成されるよう規制する総量規制にはなじまないというふうに考えております。
 さらに、大気中の水銀を直接吸入することにより健康に対する影響は生じないレベルというふうに考えておりまして、地域的な汚染状況に応じて特に排出量の削減を必要とするような状況にはないというふうに考えております。このため、総量規制よりも排出抑制技術の水準に対応した排出濃度による規制を採用するということが適切と判断をしたものでございます。
 水銀の大気排出をできる限り抑制するための制度をしっかり構築できるよう取り組んでまいりたいと存じます。
○水野賢一君 いや、別に総量規制というのは濃度規制と相対する概念じゃなくて、補完的なものであって、そういう窒素酸化物だとか硫黄酸化物だって総量規制やっているわけですよね。だから、何もとっぴなこと言っているんじゃなくて、現実にほかでもやっているんですね。そういうようなものも、濃度規制も濃度規制であるわけですよ。ある上で、だからといって希釈して出しちゃうような抜け道を防ぐために総量規制もあるんですけれども。
 だから、一般論として濃度規制を設けること、それはそれで大いに結構なことだけれども、事の性質上、総量という点に着眼したって別に条約に抵触するわけでも何でもないんで、いいんじゃないかと思いますけど、大臣、何かありますか。
○国務大臣(望月義夫君) 様々な見方があると思います。今、希釈されてしまえば総量規制をしなければ何も役に立たないのではないかというような考え方もございますが、一般的に、水銀の濃度が低ければ、大気中の、人に与える影響というものは非常に少ないということになりますので、こういう濃度規制という形がやはり適当なのかなと。総量規制というものもほかのところでもいろいろ使われておりますので、こういったものも濃度規制とともに我々としては着目をすることはいいことかなというふうに思いますが、この法案については濃度規制ということでいかさせていただきたいと、このように思っております。
○水野賢一君 それでは、伺いたいのは、さっきも議論になっている鉄鋼製造施設ですね、これはまさに総量としてたくさんの水銀を大気中に排出しているというわけですけど、自主的取組をやっていくんだという話をしていますけれども、自主的取組というのは具体的にどういうものになりそうなんですか。
○政府参考人(三好信俊君) 自主的取組でございますけれども、まず法律上は、水銀排出量が相当程度多い施設は要排出抑制施設と位置付けて排出抑制の自主的取組を講じなければならないこととしております。
 その中で、条文上も規定させていただいておりますけれども、自ら遵守すべき基準の作成をしていただきまして、それを遵守していただくということでございます。新増設時には水銀処理設備の設置でございますとか、排出状況の測定、記録、保存などが挙げられているところでございます。また、要排出抑制施設の設置者は遵守基準の達成状況等の自主的取組の実施状況を評価し、その結果を公表しなければならないという責務を定めさせていただいているところでございます。
○水野賢一君 先ほどのやり取りの中で大臣の御答弁に、法律で規制が掛かってくるところに準じたようなものというような御答弁があったんじゃないかというふうに思いますけど、そうすると、ちょっと局長にもお伺いしたいのは、法律の規制が掛かってくるところは排出基準が法律上掛かりますよね。そういうようなものと同レベルのものは、つまり罰則が掛かってくるわけじゃないかもしれないけど、同レベルのものには必ずなるという、そういう理解でいいですか。
○政府参考人(三好信俊君) まず、自主的取組でございますので、自らが遵守すべき基準を策定していただくということになっておりますが、まず、その自主的取組の実施状況を評価し結果を公表していただくとともに、そういう公表を通じて国民の皆様の厳しいチェックの下に置かれるということがございます。
 それからさらに、国といたしましても、審議会等におきまして自主的取組の状況につきまして定期的に把握、評価を行うことを考えておりまして、こういうことを通じまして排出規制施設と準じた取組が進められるよう対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○水野賢一君 その準じた取組というのは、つまり排出基準なんかも、彼らの作る自主的な基準というのも国が定める排出基準と同じもの、少なくとも同程度のものになることを国としては希望するという、そういう理解でいいですね。
○政府参考人(三好信俊君) 適切な技術評価を通じましてそういう情報を鉄鋼関連業界と共有をいたしまして、必要な措置が講じられるように対応してまいりたいというふうに考えております。
○水野賢一君 ここはまた今度も議論したいと思いますが。
 ちょっと今度、廃棄物のことをお伺いしたいんですが、衆議院の議事録見ると、水銀が含まれている、水銀が廃棄物になったときですね、この廃棄物の処理というのを、原則的には廃棄物処理法では、産廃の場合の話ですけど、産廃だったら排出者が負担するわけですよね、処理費用は。そこら辺のことが原則だから、この水銀が廃棄物になったときも、特に何か国としてそれを資金的に助成をするとか、そういうことは考えていないというような答弁だったと思いますが、そういう理解でよろしいですか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 水銀を含んだ廃棄物については、廃棄物処理法により対応していきたいと思ってございます。御指摘の産業廃棄物としている水銀を含む廃棄物についてでございますが、廃棄物処理法上、産業廃棄物につきましては排出事業者が責任を持って処理すると、こういう構造でございますので、その中で対応していきたいと考えてございます。
○水野賢一君 確かに廃棄物処理法上その排出事業者が責任を持つというのが大原則で、費用も含めてそうだというのが原則でしょうけど、ただ、例外がやっぱり一つあって、環境省の所管しているものだとPCBなんかそうですよね。PCBは、排出事業者が費用も含めて原則としては本来負担すべきところだけれども、それじゃ中小の事業者とかがなかなか、つまり普通の産廃に比べて費用が高いからということで、それによって処理が進まないということで、環境再生保全機構からの補助金をたくさん出して、それによって処理が進むようにやっていますよね、PCBの場合。要するにトランスとかコンデンサーなんかのPCBですよ。こういうような仕組みというのはこの水銀については考えないという、そういう理解でよろしいですね。
○政府参考人(鎌形浩史君) まず、現在の水銀につきましては、回収されて再生利用されている、有価で回っているケースが多いという状況でございます。廃棄物として出てくるのは将来的な話というふうな想定をしてございますので、そういった対応につきましては、その状況を見て判断することになろうかと思いますけれども、PCBにつきましては、御指摘のとおり、中小に対しての助成ということはございますが、これは期限を切って全てのPCB廃棄物を処理していくと、こういうようなことを踏まえての対応ということでございまして、今後の水銀の対応と必ずしも同じような状況とは言えないというふうに考えてございます。
○水野賢一君 時間ですので、もう質疑はこのぐらいにいたして、次にまたいたしますけれども、要するに、基本的には事業者が負担すべきところではあるけれども、PCBの場合に例外をつくっているわけですから、こういうようなことというのは研究の課題があるのかどうかは今後また議論をさせていただければというふうに思います。
 以上です。
○委員長(島尻安伊子君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
○委員長(島尻安伊子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 水銀による環境の汚染の防止に関する法律案及び大気汚染防止法の一部を改正する法律案の審査のため、来る九日午前十時に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(島尻安伊子君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(島尻安伊子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時一分散会