第189回国会 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 第1号
平成二十七年十二月十日(木曜日)
   午後一時三十分開会
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   委員の異動
 十二月九日
    辞任         補欠選任
     猪口 邦子君     三木  亨君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         中曽根弘文君
    理 事
                塚田 一郎君
               三原じゅん子君
                白  眞勲君
                矢倉 克夫君
    委 員
                赤池 誠章君
                石井 浩郎君
                衛藤 晟一君
                北村 経夫君
                二之湯武史君
                三木  亨君
                有田 芳生君
                長浜 博行君
                柳澤 光美君
                柳田  稔君
                平木 大作君
                井上 哲士君
                藤巻 健史君
                中山 恭子君
   国務大臣
       外務大臣     岸田 文雄君
       国務大臣     加藤 勝信君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  浜地 雅一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宇佐美正行君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       永井 達也君
       内閣官房内閣審
       議官       岡本  宰君
       法務大臣官房審
       議官       佐々木聖子君
       外務大臣官房審
       議官       下川眞樹太君
       外務省アジア大
       洋州局長     石兼 公博君
       海上保安庁警備
       救難部長     秋本 茂雄君
       防衛大臣官房審
       議官       辰己 昌良君
       防衛省防衛政策
       局長       前田  哲君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に
 関する調査
 (拉致問題への取組に関する件)
 (北朝鮮の特別調査委員会による調査に関する
 件)
 (拉致問題解決に向けた国際的連携に関する件
 )
 (日米韓六者会合首席代表者会合に関する件)
 (北朝鮮情勢に関する件)
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○委員長(中曽根弘文君) ただいまから北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、猪口邦子君が委員を辞任され、その補欠として三木亨君が選任されました。
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○委員長(中曽根弘文君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官永井達也君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中曽根弘文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(中曽根弘文君) 北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○白眞勲君 民主党の白眞勲でございます。
 本日は閉会中審査ということで、与党そしてまた政府の皆様方におかれましては、このように開催に御協力くださいましたことを改めて感謝申し上げたいというふうに思います。
 まず、加藤大臣にお聞きいたします。
 御就任おめでとうございます。是非、拉致問題に対し全力で取り組んでいただきたいというふうに思いますし、大臣御自身も先日の御答弁で、全ての拉致被害者の一日も早い帰国に向けて政府一体となって全力で取り組んでいきたいとおっしゃっておりますが、ここでお聞きしたいのは、大臣、いろいろな担当も今御兼務をされているということで、この前も私テレビ見ていたら、一億総活躍担当大臣として御出演もされていたと。相当お忙しいんじゃないのかなというふうに思うんですけれども、一体幾つの大臣を御兼務されているのかなと、その具体的な担当の名称も含めてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) この度、拉致問題担当大臣を拝命いたしました加藤勝信でございます。
 今お話しいただきましたように、拉致被害者の方の一日も早い、全ての方の帰国を目指して全力で尽くしてまいりたいと思いますので、御指導、御鞭撻、よろしくお願いしたいと思います。
 今御指摘、私の兼務でありますけれども、拉致問題担当大臣以外においては、一億総活躍、そして女性活躍、再チャレンジ、国土強靱化、また内閣府の特命担当大臣といたしまして、男女共同参画、少子化対策、これを一応担当させていただいているところでございます。
○白眞勲君 六つの、今お話聞いていると、大臣かな、やられていらっしゃるようなんですけれども。
 私が思うには、過去の大臣も当然御兼務はされていたわけなんですね。しかしながら、例えば前大臣の場合には国家公安委員長としての兼務だったわけで、双方がお互い関連し合っている部分もあったと思うんですね。だから、兼務されたとしても、私ちょっと納得いくような感じはしたんですけれども。また、官房長官と兼務された場合もありますが、これとて政府全体として取り組む姿勢というものがあったというふうに思うんですが。
 今回の御兼務の場合、私が見たところ、余り拉致問題以外に関係ないんじゃないかなと思うんですね。この辺りどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません。あと再チャレンジも担当しておりましたので、付け加えさせていただきます。
 もちろん、一億総活躍等々と拉致問題、これ、おっしゃるようにやや性格が異なるということもあろうかと思います。ただ、安倍内閣にとりまして、拉致問題に関しては最重要課題であり、最優先で取り組むという姿勢でございますので、私としても、そうした総理のリーダーシップの下、先ほど申し上げましたように、一日も早い全ての拉致被害者の方々の帰国に向けて全力で取り組んでいきたいと思っております。
○白眞勲君 でも、大臣、この今六つ、再チャレンジも忘れていたということで入れた。私、聞いたような気がしたんですけど、最初に再チャレンジとおっしゃったような気がしたんですけれども、まあいいや。どうであれ、それぞれがみんな私は重要な課題であると思うんですね。ですから、当然、最重要課題だと、もちろん総理は、安倍内閣としてもそういうふうにおっしゃっているとしましても、これ全部重要な問題じゃないかなと思うんですよ。
 ですから、今私が申し上げているのは、ほかの、何というんですか、大臣と御兼務はされているけど、拉致だけが、拉致とほかのとは関連し合っていませんよね。ですから、そういう中で、この全部がそれぞれ重要なんじゃないのかなというふうに思うんですけれども、この中で一番重要だと思うのはどの大臣なんですか、じゃ。
○国務大臣(加藤勝信君) それぞれの視点に立てば、それぞれ今申し上げた課題あるわけでありますから、それを一つ一つ取り組んでいくというのは大変重要なことだというふうに思っておりますが、ただ、先ほど申し上げましたように、安倍内閣において、スタート当初からこの拉致問題については最重要課題という位置付けをして最優先で取り組んできたということがございます。そういう流れの中で、安倍総理のリーダーシップの下で担当大臣として全力を尽くしていきたい、こう考えております。
○白眞勲君 よく分かるんですけど、気持ちは。これは安倍総理が決めた人事だから、それを加藤大臣どうこうという話でもないかもしれませんけれども、一億総活躍も、何か安倍総理、安倍政権の目玉商品として位置付けているようなところもありますよね。ですから、そういう中でそれぞれが全部最重要課題ですといったら、それはやっぱり拉致だけ中心に考えているというような人たちにとってみたら、これはちょっと何か兼務され過ぎているんじゃないか、忙し過ぎるんじゃないんだろうか、拉致に対してそれだけしっかりと取り組んでいけるんだろうかという素朴な疑問というのは私はあると思うんですけれども、その辺りどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 就任当初、そうしたお話、特に拉致被害者の御家族の方からもそうしたお話も頂戴をしたところでございまして、まさにそういう懸念あるいはそういう御心配がないように全力で取り組んでいきたいと、こう思っております。
○白眞勲君 ですから、懸念とか御心配がないように全力で取り組んでいきたいというのであるならば、それは最終的に結果を出すということが一番重要なポイントだというふうに思うんですよね。
 そこで、ちょっと岸田大臣にここでお聞きしたいと思うんですけれども、大臣は、今年の八月三十一日に当拉致問題特別委員会において、私の質問に対して、北朝鮮の李洙ヨン外務大臣、外相に対する直接の働きかけを八月六日にして、その反応を見極めて、我が国として具体的な対応を引き出すために効果的な対応をしなければならないと御答弁されました。既にお会いされてから四か月もたっていますけれど、相手からは反応はあったんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、八月六日ですが、北朝鮮李洙ヨン外相と外相会談を行いました。そして、その後の反応ですが、北朝鮮側に対しましては大使館ルートを通じまして様々な意思疎通は図り続けておりますが、先方から、今行っている特別調査に関わる結果等、通報等は何もこちらに伝えられていない、こういった状況が続いております。引き続き、先方への働きかけ、そして意思疎通の継続、努力をしたいと考えています。
○白眞勲君 岸田外務大臣が御自ら直接あのときに李洙ヨン外相に会って働きかけをしたにもかかわらず、四か月たってもいまだに何の連絡もないということは、少しこれは私はばかにされているんじゃないのかな、そういうふうに思うんですね。一国の外務大臣が頼んでいるのに返事がないというのは、これは変ですよ。無視されているというふうに思いませんか。
○国務大臣(岸田文雄君) 八月に外相会談が行われ、その後の北朝鮮の対応につきまして、北朝鮮側の真意や意図について私から申し上げる材料はありませんが、いずれにしましても、今日まで調査結果について通報がない、そして何よりも全ての拉致被害者の帰国が実現していないということについて大変遺憾に感じているところであります。是非、一層北朝鮮側から建設的な前向きな態度を引き出すべく努力をしていきたいと考えます。
○白眞勲君 でも、大臣、もう四か月もたっているにもかかわらず何の連絡もないと今お答えになったわけですよね。やはり相当これは考えていかなければいけない。
 特に、八月三十一日に大臣はこうおっしゃっているんですね。反応を待っているこの段階、今の段階で具体的な期限を切るということ、ある意味では駆け引きの我が国の基本方針を明らかにするということ、これは交渉を行う上においては適切だとは思わない。そのときはそのときで、私は、なるほどなと思う部分は、納得はいかなかったがありました。しかし、四か月もたっても全くないのであるならば、当然これに対して何らかの対応をそろそろしていかなければならない時点になっているんではないんだろうか、そういうふうにも思うんですけれども、その辺りについて大臣はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 先ほど申し上げましたように、今日まで調査結果については何ら示されておりません。しかし、大使館ルートを通じまして北朝鮮側とは引き続き様々なやり取りを続けております。
 このやり取りの中身については今ここで具体的に申し上げるわけにはいきませんが、このやり取りを通じて、是非北朝鮮側から建設的な前向きな対応を引き出すべく引き続き努力をしていきたいと存じます。御指摘を踏まえて一層努力を続けたいと考えます。
○白眞勲君 つまり、もうちょっと待つということでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) もう少し待つのかという御質問ですが、これは、いつまで待つとか、いつまでに何かをするというような話ではなくして、一日も早く、少しでも早く先方から具体的な対応を引き出すべく努力すべき課題であると考えます。
○白眞勲君 でも、大臣、これ、八月の上旬に会ったものが、八月下旬には、今の段階で具体的な期限を切るということはこれは適切ではないというふうに言っているんですけれども、四か月もたって全くないというのは、私はもうそろそろ次のステップに入っていかなければいけないんではないのかなということなんですが、その辺りは念頭に置いてはいるんでしょうか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 何よりも大切なことは、調査を通じて一日も早く全ての拉致被害者の帰国を実現することであると考えています。その目的のために、北朝鮮側から前向きな態度を引き出すべく何をするべきなのか、これを絶えず考えていかなければなりません。そうした姿勢で、引き続き、向こうとのやり取り等もしっかり念頭に置きながら対応を検討し続けていきたいと考えます。
○白眞勲君 いつまで待つ気なんでしょうか、それをちょっとお答え願いたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 北朝鮮側とは今現在も大使館ルートを通じてやり取りを続けております。今の時点でいつまでと申し上げることは適切ではないと考えます。
 いずれにせよ、大切なことは、一日も早く結果を出すことであると思います。そのために資する対応は何であるのか、これを絶えず検討し続けていきたいと考えます。
○白眞勲君 四か月たっても全く八月の答弁と余り変わらないというのは、私は北朝鮮に逆に誤ったメッセージを与えかねないんではないんだろうかという懸念をしているところです。
 そういう中で、今も岸田大臣から遺憾であるという、返事が来ないのは遺憾であるというお話がありました。この遺憾というのは、私、前に、これはちょうど十年ぐらい前ですけれども、小泉総理に、この遺憾というのはハングル語ではちょっと違うというか、少し柔らかい感じになってしまうので、余り使わない方がいいんじゃないんですかと言ったことがあるんですよ。
 これ、韓国語ではユーカムと言うんですよ。ユーカム、ユーカンじゃなくてユーカムと言うんですけれどもね。このユーカムというのは、ハングル語で言うと、これ辞書にこう書いてあるんですよ。心に残っている、名残惜しい、気が塞いで晴れない。そういった印象になってしまって、日本語の遺憾というのは政治家はよく使いますけれども、非常にこれ自身が若干北朝鮮に対して誤ったメッセージになりかねないんではないか。加藤大臣も遺憾だという言葉をさんざん、さんざんというか、何回か使っていらっしゃいましたから、これ、是非私、お願いしたいなと思うんですね。
 余り遺憾だという言葉を使ってほしくないんですよね。小泉総理も、その当時、私の指摘でこう言っているんです。北朝鮮の対応に対しては憤りを持っていることは誤りのないように伝えなきゃいけない、これ、小泉総理の答弁であります。ですから、私はそういう言葉を是非お願いをしたいなというふうに思っているんですけれども、そういう中で、加藤大臣にお聞きしたいと思います。
 昨年七月のストックホルム合意による特別調査委員会の立ち上げと制裁解除から既に一年半ですね、たっているわけで、大臣は就任前、官邸において官房副長官として拉致問題に対して思うところは申し上げていたと就任した際の記者会見でおっしゃっています。
 まさに官邸外交の当事者の一人でもあったんではないかと思うんですけれども、今の現状、つまり北朝鮮からなしのつぶての、まあ交渉はしているようですけれども、外交ルートを通じて、少なくとも外務大臣に対して向こうの外務大臣から何にもないという、そういった今の一端の責任は外務省だけの責任ではなくて官邸にもあったんではないんだろうか、そういうふうに思うんですけれども、大臣はこの辺の責任についてどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今御指摘ありましたように、ストックホルム合意、あるいは北朝鮮が調査を始めると言ってからもう一年半近くたとうとしている。この間に、調査そのものというよりは、我々は、全ての拉致被害者の帰国の実現、あるいはそれに向けての具体的な道筋がいまだ見えていないということはある意味で遺憾と申し上げましたけど、韓国語の意味であればしっかり対応していかなきゃいけない、強く対応していかなきゃいけない、こういうふうに思うわけでありますけれども。
 これまで政府もさんざん申し上げておりますけれども、安倍総理のリーダーシップの下、私ども拉致担当大臣あるいは外務大臣とも連携を取りながら政府全体として取り組んでいるわけでありますから、今の現状に対してこれをどう打開していくかということに対しても政府全体、一体として、先ほど外務大臣おっしゃられたように、どういう対応をしていけば先ほど申し上げた拉致被害者の方々、全ての拉致被害者の方々の帰国に向けての具体的な行動を引き起こしていけるのかと、こういう観点に立ってしっかりと取り組んでいきたいと思います。
○白眞勲君 今の加藤大臣の御答弁ですと、制裁の再発動もそろそろ念頭に置いているというふうなことでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 具体的なことを今の段階で念頭に置いているわけではございませんが、ただ、先ほど申し上げましたように、どういう対応が、先方のより一歩、少なくとも一歩進んだ対応を引き出していけるのかということを常に考えながら取り組んでいきたいと、こう思います。
○白眞勲君 ですから、そういった中での制裁の再発動もその選択肢の一つとしてあるかないかなんですけれども、その辺についてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) そうした対応を取るべきだという御意見もそれぞれいただいているところではあります。ただ、今の段階でそれを具体的に念頭に置いているということを申し上げる段階にはないと思います。
○白眞勲君 じゃ、どこに、どういうあらゆる選択肢がほかにあるんでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) いや、ですから、どういう対応をしたら先ほど申し上げた全ての拉致被害者の方々の早期の帰国につながっていくのかという観点から何がいいかということをしっかりと検討していきたいということでありまして、これだあれだという今具体的なことを申し上げる状況にはないということであります。
○白眞勲君 いや、もちろん具体的なものをおっしゃらなくても結構でございますが、その中には当然制裁の再発動ということも念頭にあるということで私はいいと思うんですけれども、それを何で言わないのかなという感じがするんですよね。制裁の再発動もあるし、国際社会にいろいろな面で訴えていかなきゃいけない部分も、様々な選択肢がそこにある、それで私はいいと思うんですけれども、それで何で制裁の再発動についてはそれは具体的にないとおっしゃるんでしょうか。その辺についてお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、今それを具体的に念頭に置いているわけではないということを申し上げているんであって、先ほどから申し上げているように、どういう対応をすれば全ての拉致被害者の方々の一日も早い帰国が実現できるか、そういう観点に立ってしっかりと中で議論をしながら対応していきたいと、こう思っております。
○白眞勲君 まさにおっしゃるとおりで、最終目標はそこにあるかと思うんですけれども、そういう中で加藤大臣にお聞きしたいのは、一部の世論では、外務省ではなくて拉致担当の大臣が主体で北朝鮮と交渉すべきなんではないんだろうか、そういう意見もあるんですけど、その辺りについて加藤大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げましたように、この問題は安倍政権として最優先で取り組む課題としてこれまでも取り組んできているわけでありますけれども、しかも政府一体としてこれまでも取り組んでこさせていただきました。例えば、日朝協議において、必要に応じては担当大臣が集まったその協議の上で方向を決めてきたと、こういう流れもあるわけでありまして、引き続き政府一体となってこの問題は取り組んでいくべき課題だと、こういうふうに思っております。
○白眞勲君 いや、ですから、その外交、北朝鮮とのやり取りは今外務省が中心となってやっているということなんですけれども、加藤大臣は、そうではなくて、拉致担当の大臣としてそういう北朝鮮側と交渉してもいいんではないだろうか、そういうふうに思うかどうかなんですね。例えば、TPPに関して言えば、外務省ではなくて甘利大臣が行っているわけですよ、いろんなところにね。ですから、当然、担当大臣としてそれはありだと私は思うんですけれども、その辺りはどうでしょうか。大臣としての意気込みを聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) ちょっとTPPがどういう経緯でああいう形になっているか、私もつぶさに承知しておりませんから、それと比較して述べるというわけにはいかないんですけれども。
 先ほどから申し上げているように、政府一体として取り組み、交渉においては外務省が中心になって今取り組んでいるわけですが、それは外務省が単独でやっているわけではなくて、政府一体という、意思の中でこれを取り組んできているわけでありまして、引き続き一体となってしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
○白眞勲君 岸田外務大臣にお聞きしたいと思いますが、国連の人権委員会から任命された方が訪日を計画していたものの、外務省はお断りになったようですね。
 私が心配しているのは、北朝鮮に対しては、国連の場でもこの拉致問題は人権問題の一環としてしっかりと訴えていって、安保理事会にも働きかけを強めている、そういったさなか、ちょっと私、おかしいと思うんですよね、これ。国連が北朝鮮に入ってほしいと日本側は主張しながら、日本に入るのはお断りというのは、これ矛盾していませんか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の点は、国連の人権理事会の表現の自由特別報告者の訪日の日程の調整についての御指摘だと思いますが、まず我が国としまして、国連の人権理事会の特別報告者制度、この制度につきましてはこれまでも全面的に協力をしてまいりました。そして、御指摘のこの度この表現の自由特別報告者が我が国を訪問するという件についてでありますが、まず、これは受け入れる方向で我が国として今調整をしてきましたし、これからも調整を続けていきたいと考えています。
 そして、当初はこれは十二月の初旬に来日をするべく調整を続けてまいりましたが、この調整の過程で特別報告者の意図、関心事項等を調整していったわけですが、その範囲がかなり広範であること、それから、今までの先例等を考えましたときに、ある程度高い政治レベルとの対話等も必要になるというようなこと等々がありましたものですから、この十二月の初旬の時期ではなくして、そうした関心事項に十分応じられるための準備が整い、そして、この対話、対談等も可能になるような時期を再調整しようということになっております。
 これ、決して訪日を断っているわけではなくして、先方の関心事項等にしっかり応えられるような体制が整い、そして時期を調整して是非実現するべく引き続き努力をしていきたいと我々は考えております。
○白眞勲君 この方が自身のブログで、決定の再考を求めたがキャンセルされたと、来年秋までの延期を示唆されたとのことですが、これ、こういったことはないということでよろしゅうございますね。
○国務大臣(岸田文雄君) 日程を再調整しているのは事実でありますが、来年の秋等、具体的なものが取り沙汰されていることはないと考えています。できるだけ早く対応が可能な時期を双方でしっかり確認をして御訪日をいただく、こういったことにつなげていきたいと考えます。
○白眞勲君 もちろん、これはやっぱりアポイントメントということになりますと、先方の御都合もあるとは思うんですけれども、そうはいっても、こちらも早めにこういうのはどんどん受け入れた方がいいんではないんだろうか。今、特に北朝鮮問題で言えば国連に対していろいろな働きかけを強めている中で、やはり我々としてもこういう時期だったら大丈夫だというのは向こうにもどんどん投げていかないと、こういった、来年秋までの延期を示唆されたみたいなことがブログで書かれてしまうということもあり得ると思います。
 ですから、そういった面で、いつだったら受入れが可能なんだということをはっきりとおっしゃった方がいいんじゃないのかなと私は思うんですね。例えば、予算編成が終わる、あるいは大体、つまり来年の二月以降だったら大丈夫だとか、そういったことを実際に具体的に今この場で、もし大臣、よろしければお話しいただきたいというふうに、その方がいいメッセージになると思いますので、お願いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) この特別報告者の訪日につきましては、御指摘のように、アポイント等の調整ももちろん大切でありますが、そもそも特別報告者の関心事項に我々としてしっかりと応えていく準備もしなければなりません。
 今聞いておりますところによりますと、この関心事項として、国内規範の枠組みですとか、メディアの自由ですとかインターネットの自由ですとか特定集団の表現の自由、さらには情報アクセス、ジャーナリストの保護、様々な具体的な関心事項が示されております。こうした関心事項に応えるための準備も整えなければならないと思いますので、アポイントと併せて、この辺の準備をしっかり整えられる時期を先方とできるだけ早く調整したいと考えます。
○白眞勲君 これ最後にしますけれども、いつだったら大体大丈夫だという、そのめどは大体どれぐらいですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 済みません、今申し上げましたように、先方の関心事項、かなり広範囲にわたっております。ですから、引き続き受け入れるための準備は続けていきたいと思いますが、今の時点でいつそれが完了するのか、ちょっと私自身まだ報告は受けておりません。
 いずれにしましても、ある程度高い政治のレベルとのアポイント、そして関心事項への対応、こうしたものをしっかりと整えた上で、できるだけ早く訪日の時期を調整し、確定したいと考えます。
○白眞勲君 終わります。
○有田芳生君 民主党・新緑風会の有田芳生です。
 まず、外務大臣及び拉致担当大臣にお聞きをします。
 ストックホルム合意をこれからも日朝交渉の基本原則として維持されるんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 先ほども答弁の中にありましたように、拉致問題は人権そして国民の命や安全に関わる重大な問題であり、我が政権にとりましても最も重要な課題であります。この課題に取り組むに当たって、政府挙げてオールジャパンで取り組んでいかなければならないと思いますが、全ての拉致被害者の帰国を始めとする日本人に関するこの問題を解決すべく引き続き全力で尽くしていく、こうしたストックホルム合意に基づく我が国の立場、これは引き続き変わらないと考えます。
○国務大臣(加藤勝信君) 基本的には外務大臣と同じ立場でありますけれども、先ほど白委員からもお話がございました、現状は、残念ながら、拉致被害者の帰国の実現どころか実現に向けての道筋も見えない、こういう状況でありまして、これはしっかりと打破していかなきゃいけない。そのためにも、今外務大臣のおっしゃった対話と圧力、行動対行動と、この基本原則にのっとって、一日も早い実現に向けて全力で対応していきたいと思っております。
○有田芳生君 外務大臣にお聞きをします。
 二〇一四年、昨年十月末に平壌で公式協議が北朝鮮の特別調査委員会との間で行われておりますけれども、それから一年以上がたちましたが、なぜそれ以降の公式協議というのは進んでいないんでしょうか。その理由をお示しください。
○国務大臣(岸田文雄君) 北朝鮮側に対しましては、ストックホルム合意以降、そして今の御指摘の公式協議以降も様々な形で働きかけ、やり取りを続けてきたところでありますが、その中で具体的な見通しが立っていないということ、遺憾という言葉が弱いというのであれば、残念を始め、大変この現状については問題があると我々は認識をしております。
   〔委員長退席、理事塚田一郎君着席〕
 公式協議がその後ないということについてなぜかという御質問でありますが、やはり公式的な協議に結び付けるためにはしっかりとしたやり取り、準備が求められます。こうした公式協議等、具体的な形にするべく引き続き様々なやり取りを続けていかなければならない、努力をしなければならないと考えております。こうした様々なやり取りの結果が公式協議ということでもあるのかと思います。是非、引き続き努力を続けたいと考えます。
○有田芳生君 私は、今年の十月末に訪朝いたしました。関係者から聞き取りをしたところによりますと、日本側が強く解決を求めている政府認定の拉致被害者についての報告はほぼ完成をした、あるいは、行方不明者、日本人配偶者、そして残留日本人、さらには日本人遺骨、その報告については約八割まで完成しているということを聞きました。さらに、重要だと思いましたのは、日本政府の対応によってはその特別調査委員会の報告を一方的に公表せざるを得ないような事態もあり得るんだということを聞きました。それは避けるべきだと私は強く思っております。
 例えば、北朝鮮を訪問したマスコミが何かを語るとそれが報道される、あるいは私が訪朝から帰ってきたら取材があって最小限語ったことが報道される、そうしたことで日朝間の現状が国民に分かるというのは不自然だと思うんですよね。そうではなくて、先ほどから何度も外務大臣がおっしゃっているように、昨年十月末から公式協議は止まっているけれども、水面下で今年に入ってからもずっと非公式の協議が行われているというのは承知していますよ。だけど、そのことを表に出せないわけですから、日本側としても外務省の体制、局長も替わった、そして課長さんもお替わりになったわけですから、今の段階で一方的公表をさせないためにも、公式協議を行って、そして正式に日本国民にアナウンスをする、拉致被害者御家族にも現状はどうなっているのかということをお知らせすると、そういうことが必要だと思うんですよ。
   〔理事塚田一郎君退席、委員長着席〕
 だから、こういう段階でこそやはり公式協議というものを実現すべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、北朝鮮側が一方的に調査結果を公表することがあり得るということを言っているということにつきましては、政府としまして、御指摘のような北朝鮮側の発言を確認しておらず、これにコメントすることは現状適切ではないと考えております。少なくとも、北朝鮮側から直接一方的な調査結果の公表を示唆するというような事実は今のところ存在いたしません。
○有田芳生君 昨年十月の平壌での先方の特別調査委員会との公式協議において、外務大臣にお聞きをしたいんですが、幾つかのテーマの中で残留日本人についてはどのような報告がありましたでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 昨年十月ですが、政府担当者を平壌に派遣しまして、十月二十八日、二十九日、二日間にわたりまして特別調査委員会の徐大河委員長、二人の副委員長、分科会責任者等と約十時間半、面談、協議をし、残留日本人・日本人配偶者分科会を含めて様々な質疑を行いました。そして、北朝鮮側からは、資料を分析するとともに、現地調査により証言を聴取し、人定事項等の確認に努めるとの説明はありましたが、具体的な情報を含む調査結果の通報はなかったと報告を受けております。
 政府としましては、残留日本人に関わる問題、これは人道的な観点から取り組むべき重大な問題であると認識をしております。引き続き、全ての日本人に関する問題を解決する努力を続けていきたいと考えます。
○有田芳生君 昨年の平壌での十時間以上にわたる協議の中で、残留日本人についての具体的な話はなかったということは今お聞きをしましたけれども。
 戦争が終わったときに、朝鮮半島に日本の民間人は大体七十一万人から七十二万人おりました。北朝鮮北部においては二十七万人から二十八万人、民間人がいたんですよね。厚生省の調査によりますと、一九九七年の段階で残留日本人が約千四百人確認をされております。それからどんどんどんどん時間がたっておりますから、皆さん高齢化しております。北朝鮮に残らざるを得なかった人で、地元の人と結婚してとどまった人、あるいは御両親が亡くなったために残留孤児としてとどまらざるを得なかった人、中国残留孤児と同じような悲劇が存在しているわけですけれども、日本ではそのことがなかなか報じられてもいませんから、余り今でも知られていない。
 その中で、例えば丸山節子さんという方がいらっしゃいます。丸山節子さんは、昨年の八月の四日に北朝鮮の特別調査委員会から聞き取りを受けて、なぜ北朝鮮の清津にいたのか、日本に帰りたいのか、そういうことを聞かれた。これは秘密でも何でもなく、NHKとか毎日新聞でも報道された丸山節子さんですけれども、日本に帰国を六十年間以上求めながら、今年の一月十六日にお亡くなりになりました。そういう事実は外務省は確認されていますでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、残留日本人ですが、ただいま委員から御指摘がありましたように、戦後、北朝鮮地域で行方が分からなくなったとして旧厚生省に対して安否調査依頼があった者、これは計千四百四十名であるということは承知をしております。
 しかしながら、現状ということを考えますと、政府として残留日本人の具体的な現状等について直接確認する手段がないことから、確定的にお答えすることは困難な状況にあります。様々な機会を捉えて安否確認等を求めるなど、その消息等の把握には努めているところであります。
 そして、丸山節子さんについて御質問がありました。
 この点につきましては、今の全体の取組の中で、個人情報に関わることでありますので、今、私の立場からこうした場でお答えするのは控えさせていただきたいと思います。
○有田芳生君 個人情報とおっしゃるんだけれども、NHKも毎日新聞もこれは報道しているわけですよ。そういうことを当然承知されていなければいけないし、そういう悲劇というものをもう繰り返してはいけない。
 私は、平壌で聞き取りをやったことでびっくりしたことがありますけれども、丸山節子さんを含めて、日本に帰国したいということを熱望して、例えば丸山節子さんなどは弟さんとの交流の中で、早く日本に帰りたい、去年、涙を流しながら語っていらした。それが一月十六日に八十六歳でお亡くなりになるんですけれども、重要なのは、今年に入ってから、日本に帰りたいと熱望をしている残留日本人が四人亡くなったと聞きましたよ。少なくとも十数人の残留日本人を確認しているはずです。そういうことをしっかりと捉えて、人道問題として前に進めるためにも、やはり公式協議やるべき段階だというふうに思うんですよね。
 もちろん、政府認定拉致被害者、特定失踪者、取り戻さなければいけません。最優先、当然、御家族の気持ちです。だけど、日本社会で明らかになっていないけれども残留日本人のそういう人たちがいるという、この問題をやはり人道問題として前に進めるべきだと思いますが、外務大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、残留日本人の問題、これは人道的な観点から取り組むべき課題であると認識をいたします。
 こうした問題についても日朝間で協議を行っているところですが、やはり政府としましては、この日朝合意に基づいて、残留日本人の問題、そして当然のことながら拉致問題、こうした全ての日本人に関する問題、これを解決することによって、御指摘の点についてもしっかりと対応することにつなげていかなければならないと考えます。
○有田芳生君 拉致担当大臣にお聞きをする予定でしたけれども、あと少しありますので。
 菅官房長官が夕刊フジとのインタビューの中で、拉致問題というのは官邸直轄で取り組んでいくんだという発言をなされました。とはいえ、もちろん拉致対策本部あるいは警察庁など様々な部署で今後も取り組んでいかなければなりませんが、やはり直接の交渉をするのは外務省なわけですよね。外務省が勝手に官邸から離れて交渉するわけではありませんから、今後も外務省が現場で努力をしていただきたいと思うんですが。
 最後に、拉致担当大臣、官邸直轄と外務省との関係についてお話しください。
○国務大臣(加藤勝信君) 菅長官の趣旨は、多分拉致問題は、先ほどから申し上げていますように、安倍政権にとって最重要の課題であって、政府として最優先で解決すべきであり、また安倍総理のリーダーシップの中でやってきた、またやっていくべきものと、こういう認識だというふうに思っております。
 したがって、外務省がとか、どこどこがということではなくて、政府全体としてその力をフルに発揮をして、一日も早い拉致被害者全員の帰国の実現に向けて、特に私ども、外務大臣、あるいはもちろん総理のリーダーシップの下、よく連携を取りながら、まさに政府一体となって取り組んでいきたいと、こう思っております。
○有田芳生君 終わります。
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。
 昨年五月二十九日にストックホルム合意がなされまして、早くも一年半が経過をいたしました。具体的な目に見える形での進展がないという大変厳しい状況にあるわけでありますけれども、まずこの現状について政府としてどのような御認識を持っているのか、そしてこれからどう取り組まれていくのか、私の方からもお伺いしたいと思います。
 まず初めには、加藤大臣にお伺いしたいと思います。
 御就任から早くも二か月が経過をいたしました。先ほども白委員から御指摘ありましたけれども、大臣は、一億総活躍ですとかあるいは女性の活躍推進、まさに政府として今、目玉で取り上げている職務を幾つも兼務をされている。世間の皆様の中には、やはりこれで拉致問題への取組というのがちょっと鈍るんじゃないかということを心配されている方もいらっしゃるかと思います。
 改めて大臣からこの問題の解決に向けた御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 北朝鮮による拉致問題、まさに我が国の主権、そして国民の生命、安全、これを甚だ侵害する重大な問題であると同時に、御家族の方々の本当に大事な時間を切り裂き、そして夢や希望のある拉致被害者の方々の将来を奪う、人道上も、また人権上も本当にゆゆしき問題だというふうに思います。
 私も、就任以来、拉致家族の皆さんあるいは拉致の疑いが排除されない方々の御家族の方々ともお話をさせていただきました。本当にこの拉致に対する肉親を奪われた強い怒り、そして一日も早く帰ってきてほしい、そしてそれがもう三十年、四十年と続く中で御自身も大変高齢化をされておられます。中にはこの間亡くなられた方もいらっしゃいます。そして、現地で待っていられる方々も大変厳しい中でまた一年一年、年を重ねられておられると。こういう状況の中で、本当に一刻も猶予ならない、こういう問題だというふうに認識をしているところでございます。
 そういう中で、国際社会においてもこの連携の動き、これを問題にするという機運も高まっておりますから、そういったものもしっかりと連携をしながら、安倍総理の力強いリーダーシップの下、対話と圧力、行動対行動、こういう原則にのっとりながら、一日も早い拉致被害者の方々の帰国に向けて、そして、何がそれを引き起こすことができるのか、そういった観点に立ってしっかりと検討しながら取り組んでいきたいと、こう思っております。
○平木大作君 先ほども議論ございましたけれども、問題に対する取組の優先順位を付けるときによく用いられますのが二つの指標でございまして、一つは重要度、そしてもう一つが緊急度、緊急性の高さというところであるかと思っております。国務大臣の職務に対していわゆる重要度に差を付けるということは私は基本的に不適切だなと思っているわけでありますが、ただ、一つこの緊急性ということに関しては、拉致問題はとにかくもう残された時間が本当にない、僅かであるという問題でございます。
 その意味で、大変な職務を兼務されている中でありますけれども、何とぞ加藤大臣が最後の担当大臣であったと言われるように、この拉致問題、全力で取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 また、今、拉致被害者の家族の皆様との御交流等にも触れられました。先日、大臣が横浜の赤レンガ倉庫の横田めぐみさんと家族の皆様の写真展、訪問されているのを報道で知りまして、私もあの展示会、実は行ってまいりました。あの一枚一枚展示されている写真は、まあ言い方があれですけれども、ありふれたというか、もう本当にどの家族も持っているような幸せな日常の一枚一枚なわけですけれども、だからこそやっぱり胸に刺さるものがあるんだな、この幸せな一枚一枚が十三歳のある日でぴたっと止まってしまっているというこの現実というのは、本当に重く受け止めなければいけないなということを実感をしたわけでございます。
 赤レンガのこの取組自体は、赤レンガ倉庫での開催は昨日で終わったかと思うんですが、こういった取組も是非政府としても、また一人でも多くの皆様に足を運んでいただけるようにお力添えいただけたらなというふうに思っております。
 この写真展自体は昨日で終わったわけですが、本日十二月十日より十六日までの日程で北朝鮮人権侵害問題啓発週間が始まるわけであります。北朝鮮当局による拉致問題について、我が国で起きた問題なんだということ、これを広く国民の皆様に知っていただく大事な週間であるかと思うんですが、具体的に政府としてどのように取り組まれるのかをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(岡本宰君) お答えいたします。
 政府は、これまで、北朝鮮人権侵害問題啓発週間の機会に、拉致問題の啓発を目的といたします各種の行事を開催、主催してきたところでございます。
 本年は、十二月十二日土曜日十四時から、イイノホールにおきまして、拉致問題を含む北朝鮮の人権問題についての国際シンポジウムを開催することといたしております。昨年の北朝鮮における人権に関する国連調査委員会、COI報告書の公表以来、国際社会において北朝鮮の人権状況の改善を求める機運がこれまでになく高まっておりまして、先月には国連総会第三委員会で昨年に引き続き北朝鮮人権状況決議が採択されました。本シンポジウムは、この機運を更に強化し、全ての拉致被害者の一日も早い帰国の実現につなげるべく開催するものでございます。
 本シンポジウムでは、国連関係者、関係国政府高官、有識者をお招きいたしまして、国民の皆様とともに拉致問題について人権、人道上の観点から国際社会の動向や取組をレビューいたしまして、国際社会との連携を通じた拉致問題の早期解決の方途を探ることとしております。
 政府といたしましては、本シンポジウムを通じて、拉致問題に関する国民の御理解を深めるとともに、北朝鮮の人権状況改善に向けた内外の機運をより一層強化して、全ての拉致被害者の一日も早い帰国の実現につなげる一助にしたいというふうに考えております。
○平木大作君 今おっしゃっていただきましたシンポジウムですとか様々な取組で、やはりこれはもう本当に遠い国のどこかの誰かで起きた問題ではなくて、本当に自分たち、自分の家族にも起こり得た問題なんだということ、これを本当知っていただくということは重要なことでありますし、またそれこそが交渉における大きな力になっていく、変わっていくというふうに思っております。全力で取り組みまして、また成功させていただきたい。
 また、あわせて、今御答弁の中にも触れていただきました、我が国の問題なんだ、我が事なんだということと同時に、もう一つやはり大きな側面がこの拉致問題にはございます。それがこの人権侵害なんだという点でありまして、十一月二十日、今御紹介いただきましたように、ニューヨークでの国連総会第三委員会におきまして、日本とEUが共同で提出をした北朝鮮の人権状況を非難する決議というのが、これもう十一年連続十一回目ということで採択をされたわけであります。
 この拉致問題というのは人権侵害なんだ、であるからにはしっかりとこれ国際社会で連携して取り組まなければいけないということ、これも併せて取り組みしていただかなければいけないわけですが、この点について、より具体的に今後の取組、また方針、お示しいただきたいと思います。
○大臣政務官(浜地雅一君) お答えいたします。
 まず、平木委員より、この拉致問題は人権侵害である、人権問題であるというお言葉がございました。この拉致問題、これは当然、我が国の主権、そして国民の生命、安全に関わる重要な、安倍政権としての最重要課題でございましたが、御指摘のとおり、国際社会におきましてもこれは普遍的な基本的人権への侵害であると、我が国政府としてはまず思っております。
 政府としましては、この早期解決に向けました具体的な取組としまして、やはり国際的な機運を高めようということで、二国間でのバイの協議の場、また国際会議におけるあらゆる機会を捉えまして、各国に対し拉致問題を提起しまして協力を要請をしてきております。
 具体的な例えに行きますと、四月及び十一月の日米首脳会談ございました。また、六月のG7エルマウ・サミット、先般の日中韓サミット、またASEAN関連首脳国会議の場でも安倍総理より各国に協力を要請をしております。また、八月のASEAN関連外相会議、また九月の日米韓外相会議の機会におきましても、岸田大臣におきまして拉致問題について各国の理解と協力を求める、そういった動きをしております。
 御指摘のとおり、十一月には国連の総会第三委員会におきまして、我が国とEUが共同提出いたしました北朝鮮人権状況決議が昨年を上回る百十二票の賛成を得て採択されたところでございます。加えまして、まさに本日、十二月十日に国連安保理において北朝鮮に関する集中的な議論が行われる予定と、そのように承知をしております。
 政府としましても、引き続き、関係国、また国連と密接に連携を取りまして、対話と圧力、行動対行動の原則を貫いた拉致問題の早期解決にしっかりと取り組んでまいりたいと、そのように思っております。
○平木大作君 今、浜地政務官からも、あらゆる機会を捉まえてしっかり取り組んでいくという決意をお伺いすることができました。
 国際社会がしっかり連携してというときに、様々、今もバイの取組ですとか日中韓ですとか、いろんな枠組みがあるというふうに御紹介いただいたんですが、その中で、やはり大きな枠組みが、この連携の中の一つの具体的な枠組みが基本的には核をめぐる六か国協議であるかなというふうに思っているわけであります。
 十二月四日、ちょうど先週でありますけれども、ワシントンで日米韓首席代表者会合というのが開かれました。報道によりますと、外務省から、石兼アジア大洋州局長から、日本人拉致問題の解決に向け米韓から支持と理解が得られたと、このように説明をされたわけでありますが、この首席代表者会合の結果と今後の取組について具体的にお教えいただけますでしょうか。
○政府参考人(石兼公博君) お答え申し上げます。
 今御指摘になりました日米韓の六者会合首席代表会議におきましては、最近の各国の取組について情報共有するとともに、今後の対北朝鮮政策について意見交換を行いました。その上で、日米韓三か国で緊密に連携して対応していくと、こういうことを改めて確認したわけでございます。
 また、北朝鮮に対しましては、実効的な圧力を維持して、それから挑発行動を自制せしめ、安保理決議、あるいは六者会合の共同声明の誠実かつ完全な実施を求めるということの重要性が再確認されました。また同時に、中国あるいはロシアとも一層協力しながら、北朝鮮が意味のある対話に応じるよう、様々な努力をしていくことの重要性も確認されました。
 そして最後に、今委員から御指摘ございましたように、私の方から拉致問題の解決に向けた取組について理解と支持をお願いし、先方から力強い支持をいただいた、こういう次第でございます。
○平木大作君 実効的な圧力をしっかり掛ける、また、意味のある対話になるようにすると。
 北朝鮮という国、大変やはり交渉相手としては難しい相手なんだろうなというふうに思っております。一つの特徴として、言うまでもありませんけれども、この北朝鮮、軍事力ですとか軍事技術、こういったものをある意味あからさまに外交交渉の道具として持ち出してくる、ここが一つ大きな特徴かなと。その意味では、ある意味、時間が延びれば延びるほど北朝鮮にとって自分たちの選択肢、オプションが増えてくる、向こうにとって交渉が有利になるという面があるのかなと思っております。
 そこで、ちょっとミサイル開発の現状について確認をさせていただきたいと思っています。
 十月に行われました朝鮮労働党創建七十周年の軍事パレードで、改良されたと見られます大陸間弾道ミサイル、いわゆるICBMが登場いたしました。また、十一月二十八日には、北朝鮮が日本海で潜水艦発射弾道ミサイル、いわゆるSLBMの発射実験を行ったと、これについては失敗したというふうな報道もあるわけでありますが、現在の北朝鮮のミサイル技術の進歩について政府としてどのように評価をしているのか、まずお伺いしたいと思います。
○政府参考人(前田哲君) お答え申し上げます。
 北朝鮮のミサイル技術の進歩についてのお尋ねでありますが、北朝鮮、これは一九八〇年代に、射程三百キロと言われておりますスカッド、これを基に弾道ミサイルの長射程化を始めていると。現在は、我が国を射程に収め得るノドンというミサイルを数百発配備をいたしておりますほか、射程が一万キロ以上に及ぶ可能性があるテポドン2の派生型、この発射にも成功いたしまして、弾道ミサイルの高精度化に係る技術も進展をさせていると、このように認識をしております。
 また、近年、北朝鮮は、高い機動性あるいは秘匿性を確保するために、発射台付きの車両、これはTELと申しますけれども、こういったものを活用いたしまして、夜間あるいは早朝を含めて任意の地点、そしてタイミングで複数の弾道ミサイルを発射するなど奇襲的な攻撃能力を向上させていると、このように見ております。
 さらに、北朝鮮、先ほど先生御指摘のように、潜水艦発射の弾道ミサイル、SLBMでありますとか、移動式の大陸間弾道ミサイルと見られるような、これはKN08という名前でありますけれども、この開発を進めるなど、多様な打撃手段の開発を新たに推進していると、このように見ております。
 こうした北朝鮮の弾道ミサイル能力の増強は、核兵器開発の進行あるいは我が国に対するミサイル攻撃の示唆などの挑発的な言動、これらと相まって我が国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威であると、このように認識しているところでございます。
○平木大作君 今、多面的な形で評価いただきました。SLBMが仮に失敗していたとしても、そんなことで喜んでいられるやはり状況ではない、大変厳しい今状況があるんだなというわけでございます。
 これを、今の報告も受けまして、今後の日朝協議、実際にこのミサイル関連技術の発達、どう影響していくのか、これは外務省の方にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(石兼公博君) ミサイル関連技術の発達、それが進展、これが日朝関係にどういう影響を及ぼすかという御質問でございますが、まずは、いずれにいたしましても、そうした北朝鮮による核あるいはミサイル開発の継続は我が国として決して容認できないものでございます。これは、国連安保理決議、あるいは六者会合の共同声明、日朝平壌宣言に明らかに違反しておりまして、地域と国際社会の平和と安全に対する脅威でございます。
 したがいまして、政府としては、引き続き、米国あるいは韓国等の関係国と連携して、北朝鮮に対し挑発行動を自制し、関連安保理決議、六者会合共同声明等をしっかりと実施するよう求めていくこと、これがまず大事だと思っております。
 その上で、対話と圧力の一貫した方針の下、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を解決すべく粘り強く交渉したいと考えておりますが、核実験、あるいはそうした形での長距離弾道ミサイル、こうした発射等が行われれば、これは日朝関係に深刻な影響が及ぶと、及ばざるを得ないと考えておりまして、こうしたことはこれまでも日朝間の協議において繰り返し強調してきている、こういうことでございます。
○平木大作君 最後にお伺いしたいんですけれども、今後の交渉の打開に向けて一問お伺いしておきたいと思います。
 拉致被害者であります蓮池薫さんが最近の講演の中で、北朝鮮が最終的に求めているのは日本との国交正常化、さらには多額の経済協力と指摘した上で、誠実に対応し解決した場合の経済協力というカードを提示すべきと、このように御提言をされています。
 制裁の強化と併せて、北朝鮮が問題解決に動くための誘因、インセンティブも必要なんじゃないかという考え方、これについて政府として今どう受け止めているのか、お伺いします。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、政府としましては、対話と圧力、行動対行動の原則に基づいて取り組んでおります。そして、御指摘の点で申し上げるならば、例えば日朝平壌宣言の中においても、国交正常化後の経済協力について記載されているところであります。
 しかしながら、拉致問題の解決なくして北朝鮮との国交正常化はあり得ない、こうした方針には変わりはありません。全ての拉致被害者の帰国を目指し、日朝平壌宣言に基づき諸懸案を包括的に解決すること、これが何よりも不可欠であると認識をしています。
○平木大作君 蓮池さんのこの御発言、御提言、恐らく、別にこれ制裁強化すべきでないとかそういう話ではない。しっかり掛けるべき圧力は掛けるべきだというお考えの中で、やはり最後は、一番大事なことは何だったかというと、それは、制裁を掛けることが目的化しないで、ちゃんと拉致被害者の皆さんを取り返すということ、ここにしっかり焦点を当てて挑んでいただきたい、そのためにはどんな手段を使ってでも取り返していただきたいという思いの発露であったんだろうなというふうに思っております。
 その意味でも、なかなか交渉のさなか開示できない情報も多い中であるかと思いますけれども、しっかりとこれ取り組んでいただいて、この安倍内閣の中で必ずこの問題解決していただきたい、心より念願をいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 外交、内政課題が山積みの中で、野党としては臨時国会を求めてまいりました。政府が開かないという下で、国会議員の四分の一以上、参議院では六党会派の連名で憲法五十三条に基づいて召集の要求をしたわけでありますけれども、外交等を理由に開かれていないということはもう極めて遺憾だと言わざるを得ません。一方で、しかし、この懸案事項についてしっかり国会でただすということは私どもの責務でありますから閉中審査を求めたわけでありますが、臨時国会に代わるものではないということは重ねて申し上げておきたいと思います。
 その上で、今日は核問題などを中心に質問をしたいと思います。
 核問題そして拉致問題など包括的な解決の場は六か国協議なわけでありますが、二〇〇八年の十二月を最後に七年間にわたって開かれておりません。その下で、今もありましたように、先週の四日に日米韓の六者会合首席代表者会合がアメリカ・ワシントンで開催をされました。岸田大臣は、十二月一日の会見で、この協議について、北朝鮮をめぐる様々な情勢について情報交換や意見交換がしっかり行われるだろうと、こういう見通しを述べておられましたが、協議の結果はどうだったのか、まず大臣から概要をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、十二月四日、ワシントンDCにおきまして、日米韓三か国のこの六者会合、首席代表による会合が開催されました。
 そして、その会合の中身、成果ですが、会合では、最近の各国の取組について情報共有を行い、そして今後の北朝鮮政策について意見交換を行い、そして日米韓三か国で緊密に連携していくこと、これをまず確認いたしました。そして、北朝鮮に対する実効的な圧力を維持し、そして、挑発行為の自制、そして安保理決議、六者会合共同声明等の誠実かつ完全な実施、これを求め、そして中国やロシアとも一層協力しながら北朝鮮が意味ある対話に応じるよう様々な努力を続けていく、こうしたことの重要性を確認したと報告を受けております。
 なお、日本側からは、拉致問題の解決に向けた取組について改めて米韓両国から強い理解と支持を得たという会議でありました。
○井上哲士君 この協議に出席した石兼局長にお聞きいたします。
 協議の後の局長の記者団に対する発言で、今おおむね外務大臣がおっしゃったようなことでありますが、北朝鮮が非核化に向けた意味のある対話に応じるよう日米韓が協力していくことを確認したというふうに述べられております。
 具体的に、この協議では今後の対北朝鮮政策にどういうような意見が交わされたのかと、アメリカ側、韓国側からはどのような認識が示されたんでしょうか。
○政府参考人(石兼公博君) 概要につきましては今大臣から御答弁差し上げたところに尽きるかと存じますが、私ども三者の間では、会合の意見交換を通じまして、やはり対話と圧力、そして圧力につきましては、様々な制裁の実効的な実施、それから不拡散体制の確保、そういうことが重要であろうと。それから、対話については、今委員からもございましたように、非核化に向けた意味のある対話がなくてはならない、単なる対話のための対話ではなくて意味のある対話を行う、こういうことが重要であろうということが確認されました。
 そして、北朝鮮がそうした非核化に向けた真剣な意思や具体的行動を示してくることが、これが重要で、そうした北朝鮮側の具体的な行動を引き出すために日米韓で一体何ができるだろうかというようなことをいろいろな形で話合いをさせていただいた、こういうことでございます。
 それ以上の詳細については控えたいと存じます。
○井上哲士君 先ほどの概要でもありましたが、この会合では中国やロシアと一層協力するということも確認をしたとのことであります。これ、五月に行われた日米韓のやはり協議でも、中国、ロシアを含む五者の団結について確認されたとされております。
 一方、ロシア、中国は会合には参加をしていないわけですね。両国とは今外交上の様々な懸案の課題もあるわけでありますが、この中国、ロシアとは具体的にどういう個別的な協議などが行われ、その中でどういう対応を両国がしているという認識でしょうか。
○政府参考人(石兼公博君) 御指摘のとおり、中国、ロシアの役割、非常に重要でございます。中国は国連安保理の常任理事国であり、かつ六者会合の議長国を務めておりまして、北朝鮮に対して引き続き大きな影響力を有していると、このように考えております。また、ロシアと北朝鮮の間でも、近年、経済あるいは安全保障分野におきまして政府高官の頻繁な往来が見られます。
 こうした観点から、私どもといたしましては、中国やロシアとも一層協力しながら、北朝鮮が意味のある対話に応じるよう努力を続けていくことが、これが重要だと思っております。このために、政府といたしましては、累次の機会を捉えて中国、ロシアと意見交換を行ってきております。
 例えば、本年九月、日ロ外相会談、あるいは本年十一月の日中韓サミット、こういうところでも、挑発行動に反対し、安保理決議等が遵守されるべきであるということで一致をしております。また、本年九月にはロシア、あるいは十月には中国の六者会合首席代表との間で意見交換を行いまして、北朝鮮問題について協力をしていくということを確認いたしました。
 今後とも、日米、日米韓、この連携をしっかりと維持しながら、中国、ロシアを含む関係国と緊密に連携をしていきたい、このように考えております。
○井上哲士君 北朝鮮の核問題に対応していく上で何よりも大事なことは、いかにこの問題を対話による解決のレールに乗せることだと思います。先ほど来、意味のある対話ということが強調されておりますが、このレールに乗せていくという上で、今の中国そしてロシアを含む国際社会が一致して実効ある制裁にしていくということが大事だと思うんですね。
 その場合、こうした制裁が、制裁のための制裁ではなくて、北朝鮮を対話のテーブルに着けると、この目的をはっきり据えたことが大切だと思います。この点が今、日本が努力を傾注しなければならない問題だと考えますけれども、この点、局長の認識、いかがでしょうか。
○政府参考人(石兼公博君) 北朝鮮による核・ミサイル開発の継続というのは、先ほど来申し上げておりますように、安保理決議あるいは六者会合共同声明に明白に違反しております。地域あるいは国際社会の平和と安定、これに、安全に対する脅威でありまして、決して容認できません。政府としては、引き続き、関係国と連携して、北朝鮮に対して挑発行動の自制、安保理決議、六者会合共同声明、これの誠実な、かつ完全な実施を求めていきたいと思っております。
 その上で、対話と圧力、こうした方針の下、安保理決議に基づく制裁措置の着実な実施あるいはその実効化、これを通じまして北朝鮮に対する実効的な圧力を維持する、それとともに、中国やロシアとも一層協力をしながら、北朝鮮が諸懸案解決に向けた意味のある対話に応じるよう様々な努力を続けていきたい、このように考えております。
○井上哲士君 繰り返しますが、やっぱり対話のテーブルに着けるという目的をしっかり据えるということを改めて強調をしたいと思います。
 今回の日米韓の協議に先立って九月末に外相会談が日米韓で行われておりますが、その際に、北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射や核実験は明白な安保理決議違反であり、国際社会の断固たる対応を招くとの認識を共有し、北朝鮮に挑発行為の自制、安保理決議や六者会合共同声明の遵守を強く求めていくことを確認したと、こうされておりますが、このことは当然今回の日米韓の協議でも確認をされたということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 今御指摘の九月二十九日の日米韓外相会合においては、北朝鮮の核・ミサイル開発への懸念を共有し、そして北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射や核実験は明白な安保理決議違反であり、そして北朝鮮に挑発行動の自制、安保理決議や六者会合共同声明の遵守、これを強く求めていくことを確認しました。
 そして、十二月四日の日米韓三か国の六者会合首席代表会合においても、日米韓で緊密に連携し、北朝鮮に対し挑発行動を自制し、安保理決議や六者会合共同声明等を誠実かつ完全に実施することを求めていくことが重要である、このような確認を行っているところであります。
○井上哲士君 この安保理決議の遵守、北朝鮮に求めていくという確認でありますが、一方、二〇〇六年の国連の安保理決議一七一八号はこういうふうに言っております。「朝鮮半島の検証可能な非核化を達成し、かつ、朝鮮半島及び北東アジア地域の平和と安定を維持するため、中国、北朝鮮、日本、大韓民国、ロシア連邦及びアメリカ合衆国によって二〇〇五年九月十九日に採択された共同声明を迅速に実施するために、外交努力を強化し、緊張を悪化させるおそれのあるいかなる行動も差し控え、かつ、六者会合の早期の再開を促進するというすべての関係国による努力を歓迎し、更に奨励する。」と、こうなっているわけですね。
 この加盟国、とりわけ北朝鮮を含む六か国協議の当事者に対して、緊張を悪化させるおそれのあるいかなる行動も差し控えるということを明記しておるわけでありますが、これは二〇〇九年の一八七四決議、二〇一三年の二〇八七決議でも同様の点が明記をされております。この点は、当然、日米韓三国もしっかり遵守をしていくということが大事だと考えますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の一連の安保理決議ですが、内容を見ますと、この共通している点としまして、まずは北朝鮮が弾道ミサイル計画並びに全ての核兵器及び既存の核計画を放棄すること、そして北朝鮮が核実験や弾道ミサイル技術を用いた発射を実施すべきではないこと、こうしたことを決定し、そしてこれらの箇所は北朝鮮に法的義務を負わせる、こういった内容であると解しております。
 他方、これらの安保理決議における委員今御指摘になられました箇所、要は北朝鮮に係る緊張を悪化させるおそれのあるいかなる行動も差し控える国連加盟国の努力を歓迎し、奨励し、またその必要性を強調する、この部分につきましては、今申し上げたようなより緩やかな文言が使われているという内容になっております。
 いずれにしましても、関係各国はこの決議に盛り込まれた内容に従うべきであると認識をいたします。
○井上哲士君 表現のことを言われましたが、最後には当然遵守すべきだと、こういうお話でありました。
 ところが、海外メディアの報道によりますと、アメリカ海軍の制服組トップのリチャードソン作戦部長が十月十六日にソウルで行った記者会見では、北朝鮮の脅威に対抗するため日米韓は合同で軍事演習を行う必要があると述べて、日米韓の合同軍事演習は北朝鮮に対する抑止力をより強固なものにすると強調しております。こういう主張は、この決議の、緊張を悪化させるおそれのあるいかなる行動も差し控えるということとは反するものだと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、北朝鮮による核・ミサイル開発の継続は、この安保理決議あるいは六者会合の共同声明、こうしたものに明白に違反するものであります。にもかかわらず、北朝鮮は繰り返し核実験や弾道ミサイル発射等を実施してきております。これは、地域及び国際社会にとって平和と安全に対する脅威であると認識をしています。
 それに対しまして、まずは外交努力を通じて平和を守ることが重要であり、政府としては、北朝鮮の核・ミサイル問題を平和的に解決すること、これを目指しております。しかし、万一のための備えも重要であります。日米同盟を更に強化するとともに、安全保障分野において日米韓三か国で緊密に連携していくこと、これは大変重要なことであります。
 こうした日米韓三か国で緊密に連携していくことと、これは、今申し上げた日米韓の安全保障分野における協力と、一方でこの安保理決議等に明白に違反した北朝鮮の核・ミサイル開発、これは同列に論じることは適当ではないと考えます。
○井上哲士君 時間なので終わりますが、同列云々という問題ではなくて、やはりこの決議自身は、全てのこの加盟国に対し緊張を悪化させるいかなる行動も差し控えると、こういうふうに述べているわけですね。
 今、外交努力が何よりも必要だと言われました。そのとおりだと思いますが、その一方で、こうした軍事対軍事の悪循環に陥るということは、これはやはりこの決議には反するものだというふうに考えます。そのことを強調しまして、質問を終わります。
○藤巻健史君 おおさか維新の会、藤巻です。よろしくお願いいたします。
 ヨーロッパではシリア難民がかなり大きい混乱を招いていると思います。万が一、北朝鮮が崩壊するようなことがあれば、百万単位の難民が押し寄せるかなというふうに危惧するわけなんですけれども、そうなった場合の対応策を政府はきちんと考えているのか。具体的には、取りあえずはどこに居住させるのか、そしてまた拉致被害者をそういう事態のときに円滑に救済することができるのかどうか、その辺を政府がきちんとシミュレーションをしている若しくは対応策を考えているのかどうかをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のような状況が発生した場合に、この拉致被害者を始めとする邦人の安全確保、これは極めて重要であると認識をしています。
 ただ、こうした緊張した場面において具体的に我が国がどう対応するかというようなことをこうした公の場で明らかにすることは適切ではないと思いますので控えたいと思いますが、しかし、政府としましては、様々な状況を想定して対応すべきであるということ、これは当然であると考えます。北朝鮮の情勢も注視しつつ不断に検討を行っておりますし、これからも行っていかなければなりません。
 その際に、同盟国たる米国との協力は特に重要であると認識をしております。引き続き、あらゆる状況、あらゆる事態において全てのこの拉致被害者を始めとする邦人の安全確保を図るべく、米国あるいは国際社会とも連携しながら、全力で対応を検討し、努力をしていきたいと考えます。
○藤巻健史君 今の大臣の御回答ですと、公表はできないけれども、少なくとも邦人の安全対策はきちんと考えていると。それはそうだと思うんですけれども、難民対策も公表はできないけれどもきちんと考えているという理解でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(永井達也君) お答え申し上げます。
 内閣官房におきましては、我が国に大量の避難民が流入した場合を想定いたしまして、関係省庁と連携いたしまして対応の方策を検討してきているところでございます。また、その対応方策につきましては、情勢の変化に応じ、随時見直しを実施しているところでございます。これらの対応を適切に行うためには、関係機関との緊密な連携が肝要でございます。連携の在り方等につきまして、今後とも引き続き検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○藤巻健史君 次の質問ですが、最近、日本の近海で北朝鮮と思われる木造船とか、それから遺体がかなり数多く見付かっているということを聞いております。
 これに関しまして、十一月二十五日のNHKでは、ある識者が、食料を自給自足をするために北朝鮮の政権が水産業に力を入れている、それがゆえに装備の不十分な漁船が出ていって遭難しているのではないかと、こういう認識をされましたけれども、その一方、CNNの方では、イギリスのシンクタンクのジョン・ニルソンライト氏が、脱北者の可能性が高いと指摘されたわけです。今、中国との国境警備が強化されたおかげで、危険を承知で海の方に出ていく、それがゆえに遺体が浮かんでくるのではないか、木造船が多く見付かるのではないかという指摘をされておりましたけれども、政府としてはどちらが正しい、どちらの方を分析をしているのか、教えていただければと思います。
○政府参考人(石兼公博君) 政府といたしましては、北朝鮮の情勢につきましては重大な関心を持って不断に注視をしております。平素から米国あるいは韓国と緊密に連携するとともに、北朝鮮に公館を置いている国を含む各国との情報交換、これも通じて内部の動向把握に努めているところでございます。
 政府といたしましても、北朝鮮が慢性的な食料不足にあって、食料事情が相当困難な状況にあるというふうには判断しております。また、これまで中国に入国した脱北者が多くいるということも承知しております。そして、そういうことにつきまして、今委員の方から御指摘がありましたようないろいろな分析がなされているということも承知しておりますが、私どもとして、北朝鮮の食料事情あるいは北朝鮮域内の警備の状況が北朝鮮の具体的な行動にどのような影響を及ぼしているのか、あるいはそれが北朝鮮のどのような具体的行動につながっているのか、これについての分析については回答を控えさせていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、北朝鮮がそういった問題でそうした困難に直面していることは間違いないと存じます。
○藤巻健史君 分析しているけれども、一応の結論は政府内では持っているということでよろしいですよね。
 次に、今の御回答の中にも関連いたしますけれども、食料事情についてお聞きしたいと思うんですが、今年の夏は百年に一度の大干ばつだったというような報道がありました。これは本当にそうなのか、それとも国際援助を得たいがための方便なのか、どちらだというふうに判断しているかをお聞かせください。
○政府参考人(石兼公博君) 御案内のとおり、北朝鮮は極めて閉鎖的な体制でございまして、干ばつの状況等、これを正確に把握することはなかなか難しいかと存じます。
 そうした前提の上で申し上げますと、例えば本年六月、北朝鮮の国営メディア、これがまさに百年に一度の大干ばつで農村が深刻な被害を受けているというようなことを報じていることは事実でございます。また、今年八月、今般の干ばつが北朝鮮の農業生産に影響を与えており、北朝鮮の人々の健康、栄養及び衛生状況が悪化しているという、こうした判断の下、そこにございます国連中央緊急対応基金、ここが六百三十万ドルの緊急支援を行ったというふうに承知しております。
 私どもといたしましても、北朝鮮、慢性的な食料不足にあって、食料事情が非常に困難な状況にあるというふうに考えておりますけれども、引き続き状況をしっかりと注視していきたい、このように考えております。
○藤巻健史君 もし大干ばつが本当にすごいもので本当だとすると、各国は人道的支援等を始めるんだと思うんですが、我が国の態度はどうなるんでしょうか。人道的支援をするのか、やっぱりしないのか。
○政府参考人(石兼公博君) 昨年五月の日朝合意におきまして、政府としては、人道的見地から、今後適切な時期に北朝鮮に対する人道支援を実施することを検討することとしたということになっております。
 ただ、政府といたしましては、北朝鮮の前向きな具体的行動を引き出すために何が最も効果的か、こういう観点で我が国がとるべき措置について不断に検討を行っているということでございます。現時点で人道支援を検討しているということはございません。
○藤巻健史君 産経新聞のデジタル版によりますと、山口県の岩国市で十一月の二十九日に拉致問題の早期解決を求める集会が開かれたそうなんですけれども、その中で北朝鮮の元工作員が、日本上陸は簡単なミッションで、みんなちょっと日本へ行ってくるぐらいの気持ちだったと。韓国は海岸警備が厳しいので、日本を経由して中に入れたと、あると語ったというふうに書いてございました。
 この発言は本当に元工作員の方の発言だというふうに理解しているのか。もし本当に北朝鮮工作員の方の発言だと、これ入国管理に対して極めて疑問を持つというか、極めて怖いなと思ってしまうんですけれども、どういうふうに判断したらよろしいのでしょうか。
○政府参考人(秋本茂雄君) 我が国沿岸の警備体制でございます。海上保安庁がこれをやっておりますが、海上保安庁では、我が国周辺海域において巡視船艇それから航空機による哨戒を実施するとともに、警察等の関係機関と緊密な連携を図りながら、漁協、漁業協同組合、それから一般市民からの協力も得て、不法入国等、不審事案の発見に努めておるところでございます。
 また、海上保安庁では、夜間監視能力を強化するなど、高性能化を図った巡視船艇、それから航空機の代替整備や、情報収集分析要員の増強を推進し、監視警戒体制の強化に努めております。
 今後とも、関連情報の収集、分析に基づいて、状況に応じ適時適切に監視体制を強化するなど、密航の水際阻止に全力を挙げて取り組んでいく所存でございます。
 以上でございます。
○藤巻健史君 阻止に全力を挙げて取り組んでいらっしゃっても、工作員がいとも簡単なミッションだと言われるのでは、甘っちょろいというふうな、思ってしまうんですけれども、これ抜本的に何か考えなくちゃいけないんじゃないんでしょうか。お聞かせください。
○政府参考人(秋本茂雄君) やはり、先ほども申し上げましたが、いかに我が国沿岸で多くの目で監視するかというのは非常に重要なことだと思います。その点では、海上保安庁のみならず、関係機関、それから一般、民間の方からの情報、それを総合的に集めて的確な監視体制を取る、これが重要なことではないかと考えております。
○藤巻健史君 韓国は厳しいというふうにその元工作員がおっしゃっているわけですけれども、じゃ何が違うんですか、韓国と日本と。どうすれば、韓国と同じようにやれば厳しく管理できると思うんですけれども、どうなんでしょう。
○政府参考人(秋本茂雄君) 韓国の監視体制、私は、申し訳ございません、承知しておりませんが、いずれにしましても、我が国の海上保安庁を始めとする関係機関のきちっとした連携によって、それから海上を適時的確に哨戒していく、パトロールしていく、これによって不審事案の早期発見に努める、これに尽きるのではないかと考えております。
○藤巻健史君 拉致問題の発生自身も、元はといえば工作員をやすやすと日本に入れてしまったからじゃないかと私は思うんですけれども、そういうことも考えてきちんと今後の対策は練っていただかなくてはいけないと思っておりますので、よろしくお願いします。
 最後にもう一つ、今の関連質問なんですけれども、やはり産経新聞の十二月三日版なんですが、国際研修協力機構が今年九月、衝撃的な数字を明らかにした、二十六年度に技術実習で来日した外国人のうち、行方不明者が三千百三十九名もいるという、中国とベトナムが約八六%を占めるが、世界最大のイスラム人口国で、イスラム国の浸透防止に苦慮しているインドネシア人二百人が消えたままだという記事がありました。
 日本でも当然そのISが危険視されているわけなんですけれども、密入国がこれはやっぱり甘いのかな、怖いなというふうに思うんですけれども、いかがでしょう。
○政府参考人(佐々木聖子君) それでは、法務省から、いわゆる水際対策とそれから不法滞在者対策の双方につきまして御説明をさせていただきます。
 法務省におきまして、これまでも我が国への入国を試みるテロリスト等を水際で確実に阻止するため、平成十九年から原則として我が国に入国しようとする十六歳以上の外国人の方に対し指紋と顔写真の提供を義務付け、これらの個人識別情報を活用した入国審査を実施しておりまして、この制度の導入から本年の十月末までに約六千人の入国を阻止しているところでございます。
 その他の対策といたしましては、航空会社が搭乗手続時に取得した乗客のお名前などの情報の提供を航空機が我が国の空港等に到着する前に受けまして、私どもが保有をしますいわゆるブラックリスト等と自動的に照合する事前旅客情報システムの活用、また、航空会社に対してPNR、乗客予約記録と申しておりますけれども、航空券の予約者の身分事項、座席の番号等を記録したものの報告を求め、その情報によって不審者を発見をする制度の導入、それから、紛失・盗難旅券を悪用したテロリスト等の不法入国を未然に防ぐため、国際刑事警察機構の国際的な紛失・盗難旅券データベースを活用した審査の実施などを行っております。加えまして、空港、海港、沿岸部におけるパトロールや船舶への立入検査など、警察等関係機関との連携を図りながら様々な水際対策を行ってきたところでございます。
 これからでございますけれども、本年十二月四日開催されました国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部におきまして「パリにおける連続テロ事案等を受けたテロ対策の強化・加速化等について」が決定をされまして、その内容も踏まえまして、水際対策の強化のため、手配されている写真を入国審査時に取得した写真と機械的に照合いたします顔画像照合機能の活用の強化、あるいは去る十月に法務省に設置をいたしました出入国管理インテリジェンス・センターを中心とした水際情報の収集、分析の強化、それから、もとより出入国管理体制に係る人的、物的基盤の整備強化などに取り組んで、テロを未然に防止するための水際対策に全力を尽くしていく所存でございます。
 一方で、我が国に潜伏する不法滞在者対策についてでございますが、いわゆる不法残留者は平成五年の一番多かった時期には約三十万人に達しておりましたが、今年の初めは約六万人まで減少させてきております。今後、それでもまだなお六万人の不法滞在者が潜在しておりますが、事案といたしましては小口化、分散化して、一か所当たりの摘発者が減少傾向になっておりますことから、効果的な摘発を行うべく、今後とも、警察等関係機関との協力関係を一層強化し、また各種情報の収集、分析を徹底をいたしまして、積極的に摘発を行っていくことによって管理を強化してまいりたい、この両面で頑張ってまいります。
○委員長(中曽根弘文君) 藤巻君、時間ですのでおまとめください。
○藤巻健史君 はい。
 時間が参りましたのでこれで終わりますけれども、今までの努力は評価いたしますけれども、行方不明者ゼロに近くなるように努力していただければと思います。
 ありがとうございました。
○中山恭子君 次世代の党、中山恭子でございます。
 昨年五月二十九日にストックホルム合意が発表されましたとき、この合意によって拉致被害者を救出できることはないと直ちに思いました。そして、六月一日の拉致問題の国民集会で、この合意では拉致被害者は帰国できませんと発表いたしました。また、今年、去る七月三十一日に、次世代の党拉致問題対策本部長として安倍総理に対し、安倍総理直轄の下、拉致被害者救出の特別チームを編成し、直接指揮を執ることを要請いたしました。
 今回の内閣改造におきまして加藤拉致問題担当大臣が任命されましたこと、また、菅官房長官から官邸主導で拉致問題に取り組むとの御発言があったことについて私は大変うれしく思いましたし、また、かつ頼もしくも思っています。
 加藤大臣におかれましては、安倍総理の信頼も厚いと伺っておりまして、全ての被害者を一括帰国させるために英知を注ぎ、全力を傾けて取り組んでいただきたい、いただけるものと期待しているところでございます。
 先ほど、大臣は、政府一体となって取り組むというお話でございましたが、この拉致問題、ほとんど全ての省に関わるような問題でもございます。当然、政府一体となって被害者救出に当たっていただくわけですが、その中でもやはり拉致問題担当ということで、加藤大臣がその主務大臣、中核となって動いていただきたいと考えているところでございます。
 この拉致問題への取組について、もう一度改めて加藤大臣の御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 中山委員御指摘のように、本日に至るまで、残念ながら拉致被害者の方々の帰国が実現をしていない、この状況を何とかして展開をしていかなきゃいけない、その思いは全く同じでございます。
 そういう意味も踏まえながら、拉致問題の担当といたしまして、安倍内閣で必ずこの問題は解決するんだと、こういう強い決意の中で、私も拉致問題対策本部の副本部長という立場でありますけれども、総理のリーダーシップの下、外務省を始め関係省庁とよく調整を取りながら、本当に政府一体となって、まずこの拉致の被害者の方々の一日も早い帰国を実現をしていく、そして、先ほど申し上げましたけれども、もう余り猶予がない、そういう切迫した状況にあるんだということをしっかり認識して取り組んでいきたいと、こう思っております。
○中山恭子君 外務省、本当に仕事熱心な省だと考えております。ただ、外務省の場合には日朝国交正常化という大きなテーマを抱えているということもありまして、北朝鮮との交渉におきましては国交正常化というものが中心テーマになって、ストックホルム合意もそうでございました。昨年十月に政府から委員が北朝鮮に派遣されたとき、初めて日本側として最重要課題が拉致問題であるということを伝えたということでございますので、国交正常化交渉というものは必ず拉致被害者を救出した後で進めるという形を取らなければ、国交正常化交渉をしている限り拉致被害者は帰ってこないというように言えると考えておりますので、しばらくの間、拉致被害者救出の方に主力を置いて、国交正常化交渉の方は少し止まっていてもらいたいと考えているところでございます。
 岸田外務大臣から先ほど、拉致問題の解決なくして国交正常化なしとのフレーズをいただくことができました。これは小泉総理のときに、小泉総理が本当に折に触れてよくおっしゃってくださっていたフレーズでございます。今回、安倍政権におかれましても、拉致被害者の帰国なくして国交正常化なしとのフレーズを常時発していただきたいと考えておりますが、加藤大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 安倍総理もまさしくそういうふうに、最近においても明確におっしゃっております。
 我々も、まずはこの拉致被害者の方々の全ての方の帰国、これがなければそれから先はない、こういう認識でありますし、先ほど外務大臣からも同様の答弁があったと、こういうふうに認識しております。
○中山恭子君 是非いろいろな発言の中で、拉致被害者の救出又は帰国なくして国交正常化はないんだということを言っていただくと、これ北朝鮮の方にも伝わりますので、是非そういった簡単な分かりやすいフレーズを発していただきたいと思っているところでございます。
 直近の問題として、今やらなければならないことが一つあると考えております。人質救出に当たりましては、人質を取っている犯人側の方が、生殺与奪の権と言っていいでしょうか、生かすも殺すもできるというそういった権を北朝鮮側が持っておりますので、交渉の間では北朝鮮側が絶対優位に立っていると、その中で交渉していかなければならない状況であることは、もうこれははっきりしています。そのために、日本が使えることとして、拉致被害者救出のために使える手駒として、国連がとる制裁措置に加えて日本独自の制裁措置を実施していました。
 ただ、昨年七月四日、北朝鮮側の調査委員会を立ち上げるとの言葉に対して、日本側は規制措置を一部解除するという行動を取りました。政府は行動対行動であると言っていましたが、実際は北朝鮮の言葉に対して日本は行動で応えたものであるということはもう誰の目にも明らかなことでございます。非常にバランスを欠いた対応をしたと言ってよいと思っています。もし行動対行動ということであれば、最低限、北朝鮮が把握している被害者の名簿、それとその現状について明らかにして、そこで初めて制裁措置を解除するというのが行動対行動と言える、そういう対応が必要であったと考えています。
 しかも、この制裁措置は拉致被害者救出のために科した規制でございます。ただ、今回この措置を日朝国交正常化交渉、この国交正常化交渉の中では拉致被害者救出というのは最重要課題になっていなかった、そういう状況の中で、被害者救出のためにとっていた制裁措置を国交正常化交渉を継続するために解除したというのが実態であると言えるかと思っております。ある意味では筋違いの行為を行ったと考えています。
 そういったことを考えますと、拉致被害者救出のために日本がとれる措置、制裁措置というものを手駒として持つ必要があると考えておりまして、再度こういった制裁措置を科す、又は更に制裁措置を強化する、厳格な法執行を徹底して行うということが拉致被害者救出というテーマにとっては必須のことであると考えておりまして、この点について加藤大臣はどのようにお考えでしょうか。そういった主張をしていただけるのでしょうか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) まさに御指摘あるように、どういう対応をしていくことが一日も早い拉致被害者の方々の帰国の実現につながっていくのか、またそうした具体的な行動を北朝鮮から引き出していくことができるのか、そういう観点に立ちながら、引き続き政府全体として検討しながら適切な対応を取っていく、こういう姿勢で臨んでいきたいと、こういうふうに思っております。
○中山恭子君 この点に関しましては、救出を担当する大臣がやはりリーダーシップを取って、どういった形であれば救出できるのかということを真剣に考え、担当の方々とも相談し、徹底した情報を取って救出に当たっていく必要があると考えております。
 北朝鮮の状況を予想しますと、北朝鮮は金正恩一家の国であると言ってもいいと考えております。そういった意味で、その北朝鮮の金正恩第一書記一家に対して日本が交渉をする場合、向こうの国家公務員である外務省と交渉しても全くらちが明かないということだということもしっかり念頭に置いていただきたいと思っております。この外務省の日本と北朝鮮の組織が全く違うということも念頭に置いていただきまして、外務省と交渉して拉致被害者救出はできないと言っていいと思っておりますので、そうではなくて、金正恩第一書記の一家に直接意見が伝わるような、そのルートを是非おつくりいただいて、そこと交渉をするということしか、それをしない限り救出にはつながらないと考えているところでございます。
 そういったこともあって、北朝鮮は日本の制度ということにもやはり違和感を持っている、同じ形ではないということをしっかりつかんでおりませんので、やはり総理直轄で動くということに対して北朝鮮は相当の信頼を置くと見ておりますので、やはり総理直轄の形で北朝鮮との交渉ルートを探るということが非常に大事であろうと考えておりますので、大変かもしれませんが、それについての御尽力をいただきたいと思っているところでございます。
 金正恩第一書記の決断一つで決まると申し上げていいと思いますので、そこにどうやってつなげていくのか。また、ある意味では、逆に日本などと違って、国会を通さなければいけないとか、そういうこともありませんので、そこに真っすぐ交渉がつながって金正恩第一書記が返そうと決断さえしてくれれば、逆に日本よりもある意味では簡単に拉致被害者をもう日本に返すということも可能になってくるとも言えますので、非常に機微な問題でもありますが、是非その点は思い切った形で加藤大臣がリードをして、金第一書記の、何というか、判断を進めるような、そこまで進めていただきたいと思っているところでございます。
 したがって、今の形、外務省は熱心ですから、国交正常化交渉又は日朝交渉というものを続けます、やっていきますと常にそういう努力をしていらっしゃいますが、そうではなくて、そこは一旦待ってもらって、拉致被害者救出というところに的を絞って金正恩第一書記のところに直接届くような交渉を進めていただきたいと思っておりますが、御所見を伺いたいと思います。
○委員長(中曽根弘文君) 時間ですので、答弁は簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(加藤勝信君) 中山委員がおっしゃったように、我が国と基本的に政治体制が根本的に違うわけでありますので、その辺もしっかりと認識をしながらこの問題には取り組んでいかなきゃいけないと思いますし、それから、最終的には先方の方の金正恩第一書記の判断が相当大きなウエートを示すんだろうなと、これは私もそう思うところでありまして、それも含めてどういう反応が、あるいは行動が引き起こしていく、拉致被害者全ての方の帰国の実現に向けてしていくためにどうすればいいのかということ、その方法論も含めて、よく我々としても検討しながら、一日も早い拉致被害者全員の帰国に向けて政府一体となって取り組んでいきたいと、こう思っております。
○中山恭子君 期待しております。よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
○委員長(中曽根弘文君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時二十一分散会