第189回国会 東日本大震災復興及び原子力問題特別委員会 第7号
平成二十七年五月十三日(水曜日)
   午後一時開会
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   委員の異動
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     寺田 典城君     川田 龍平君
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     宇都 隆史君     北村 経夫君
     片山さつき君     森屋  宏君
     中野 正志君     和田 政宗君
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     滝波 宏文君     豊田 俊郎君
     塚田 一郎君     中西 祐介君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         櫻井  充君
    理 事
                熊谷  大君
                酒井 庸行君
                中原 八一君
                堀内 恒夫君
                礒崎 哲史君
                浜野 喜史君
                若松 謙維君
                紙  智子君
    委 員
                阿達 雅志君
                愛知 治郎君
                岩城 光英君
                岡田  広君
                北村 経夫君
                上月 良祐君
                佐藤 正久君
                高階恵美子君
                滝波 宏文君
                塚田 一郎君
                豊田 俊郎君
                中西 祐介君
                堀井  巌君
                宮本 周司君
                森 まさこ君
                森屋  宏君
                脇  雅史君
                大島九州男君
                神本美恵子君
                田城  郁君
                田中 直紀君
                徳永 エリ君
                前田 武志君
                水岡 俊一君
                新妻 秀規君
                浜田 昌良君
                川田 龍平君
                真山 勇一君
                田村 智子君
                山口 和之君
                和田 政宗君
               渡辺美知太郎君
                山本 太郎君
   副大臣
       経済産業副大臣  高木 陽介君
       環境副大臣    小里 泰弘君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       高階恵美子君
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 利幸君
       常任委員会専門
       員        櫻井 敏雄君
   政府参考人
       内閣官房原子力
       規制組織等改革
       推進室長     中井徳太郎君
       文部科学省研究
       開発局長     田中 正朗君
       厚生労働大臣官
       房審議官     大西 康之君
       厚生労働省職業
       安定局派遣・有
       期労働対策部長  坂口  卓君
       水産庁漁政部長  水田 正和君
       経済産業大臣官
       房審議官     土井 良治君
       資源エネルギー
       庁次長      高橋 泰三君
       資源エネルギー
       庁原子力損害対
       応総合調整官   森本 英雄君
       環境大臣官房審
       議官       田中 聡志君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    鎌形 浩史君
       環境省総合環境
       政策局長     小林 正明君
       環境省水・大気
       環境局長     三好 信俊君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       次長       清水 康弘君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房核物質
       ・放射線総括審
       議官       片山  啓君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房審議官  大村 哲臣君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房審議官  山田 知穂君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       原子力規制部長  櫻田 道夫君
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  本日の会議に付した案件
○東日本大震災復興の総合的対策及び原子力問題
 に関する調査
 (原子力問題に関する件)
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○委員長(櫻井充君) ただいまから東日本大震災復興及び原子力問題特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、寺田典城君、片山さつき君、宇都隆史君及び中野正志君が委員を辞任され、その補欠として川田龍平君、森屋宏君、北村経夫君及び和田政宗君が選任されました。
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○委員長(櫻井充君) 東日本大震災復興の総合的対策及び原子力問題に関する調査を議題とし、原子力問題に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○滝波宏文君 自由民主党福井県選出の滝波宏文でございます。原子力問題に関する件ということで質疑をさせていただきます。
 高浜原子力発電所三、四号機の運転差止めの仮処分申請で、福井地裁は四月十四日、再稼働を認めない決定をしました。福井地裁は、新規制基準について、深刻な事故を引き起こす可能性が万が一にもないような厳格な内容を備えるべきとしましたが、その判断はゼロリスクを求めており、実は震災前の安全神話に逆戻りしております。震災で得た教訓は、リスクは常にあるんだ、その前提でそのリスクの確率を多重防護でどれだけ小さくできるか、そこに不断の努力を傾けることが重要である、それこそが教訓なんだと、そのはずであります。
 リスクは、オン、オフ、あるかないかではなく、世の中にはリスクは必ずあります。自動車に乗っても交通事故のリスクは必ずあるわけでありまして、ゼロリスクを叫ぶ人は車に乗らないのかもしれませんけれども、家にいたって火事になるかもしれないし停電になるかもしれない、そういったゼロリスクはあり得ないんだということを直視して、直視の上にそのリスクのマネージに、確率のコントロールに全力を尽くすべきであります。
 しばしば、ないことの証明は悪魔の証明と言われます。世の中の森羅万象を全て調べ尽くさなければならず、不可能に近いからです。これを利用して、○○がないという証拠がないから○○はあるというふうな言い方、詭弁ですね。例えば、お化けがいないという証拠がないからお化けはいるんだと、こういった形で詭弁を弄する論法がありますけれども、これでは決して科学的な議論ではなくなります。
 原子力規制委員会の田中委員長も、今回の福井地裁の決定についての記者会見で、絶対安全を求めると結局事故は起こらないという安全神話に陥るという反省から、私どもはそういう立場で常に安全を追求する姿勢を貫くということでやってきているのですが、そういった趣旨が、意味が御理解いただけないことが極めて残念であります、残念だというか遺憾であります、決定は非常に重要なところで事実誤認がいっぱいあるとコメントされておりますけれども、以上を踏まえて、田中委員長、改めて、ゼロリスク、震災前の安全神話に逆戻りした福井地裁の決定及びそれが依拠する考え方についての御所見を伺います。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 規制委員会は本件裁判の当事者ではないため、福井地裁における仮処分決定について直接コメントすることは避けたいと思います。その上で、先生御指摘のように、決定文でも引用されていました私の安全とは言わないという発言は、それは今先生解釈していただいたように、たとえ新規制基準に適合していたとしても、それが絶対に安全であるということを意味するものではなくて、安全という言葉が独り歩きしてゼロリスクという意味で捉えられることを防ぐために述べて、これは再三にわたって国会でも御答弁させていただいております。
 つまり、安全神話に陥ると、まあ安全神話、事故は起こらないと思った途端に安全性の向上は停止してしまうということでございますので、安全追求に終わりはなく、より一層の安全を追求すべく事業者には努力を継続するよう促しつつ、当委員会としても不断の努力をして、リスクをできるだけ小さくしていくという努力をしていく所存であります。
○滝波宏文君 安全追求に終わりはない、非常にいい言葉だと思います。
 翻って、敦賀発電所の破砕帯評価の問題に目を向けますと、原子力規制委員会も福井地裁と同じ過ちに陥っているのではないでしょうか。ゼロリスクを求め、科学的な議論がなされていないのではないかという疑問がございます。
 順を追って議論しましょう。
 まず、規制委員会が法的根拠もないのに有識者会合というものを三年前の十一月につくり上げて、敦賀発電所の破砕帯の評価を委ねたことから始まります。
 有識者会合が最初の現地調査をしたのが翌月の一日、二日で、いまだ調査結果が出そろってもいないのに、僅か数日後の十二月十日には活断層の可能性が高いとの判断を下しております。また、有識者会合の最初の段階なのに、規制委員会の田中委員長自ら、有識者会合等では例を見ないオブザーバーとして自ら出席をして、これでは安全審査はとてもできないと踏み込んだ異例の発言をされました。
 事業者が、調査報告書があと一か月で出るので、これを待ってくれ、結論を出すのを待ってくれと再三要請したにもかかわらず、規制委員会として有識者会議の判断を了承と評価を下してしまったのが翌二十五年五月の二十二日。この規制委員会の性急な決定にめげることなく、事業者は予定どおり調査を終えて、七月に報告書を出したわけであります。
 そこから、今度は放置が続きましたが、ようやく昨年四月に有識者会合が再開されました。今度は別の第三者の意見も聞くピアレビュー会合も設置されましたが、開催されたのは昨年の十二月一回きりであります。そして出たのが有識者会合の今年三月の再評価書でありまして、結論が変わらなかった等々と報じられてはいましたが、活断層と判じる表現自体は弱くなっており、それと呼応して、規制委員会も今回は再評価書を了承ではなくて受理にとどめていて、今後事業者から規制委員会に新規制基準への適合性審査の申請がなされた際の参考にすると仕切り直しをしております。
 大きく腰が引けたのは明らかですけれども、敦賀の活断層認定に自信がなくなってきたのではないですか。やはり、敦賀の活断層認定は無理があるのではないでしょうか。田中委員長、お答えください。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 敦賀発電所の敷地内破砕帯に関しては旧安全・保安院の当時から指摘されていて、そのフォローアップとしての調査を進めることにしまして、関係学会から推薦を受けた有識者を交えて、平成二十四年十一月から十四回の会合、二回の現地調査を行い、そのうち事業者にも七回の会合に出席していただきながら、二年以上という長きにわたって検討を行っていただいた上で評価を取りまとめていただいたものというふうに理解しております。
 御指摘の点は、昨年十二月十日に行われたピアレビュー会合でのレビューアーからの指摘を受けて修正した点でありまして、これも専門家同士の議論によって科学的な議論を踏まえたものであるというふうに私は理解しております。
 このように、有識者会合は評価書をまとめるに当たって十分に科学的、技術的な議論を行ってきており、規制委員会としては、今後事業者から適合性審査の変更申請がありました場合には、重要な知見として参考にしていただくということにしたところであります。
 了承とか受理とかという言葉についての御質問がありましたので、ちょっとお答えしたいと思います。
 平成二十五年五月の第一回目の評価も今回の二回目の評価も、原子力規制委員会としては有識者会合の報告を受けたということは事実であります。了承したとか承知したというのは同じような意味で使っていますけれども、先生御指摘のように、報告を受けたというスタンスは変わらないのですが、了承したというと、規制委員会としての判断を丸投げしたのではないのかと受け取られる可能性があるので、今回はあえて受理したというふうにしております。
 一回目の敦賀の評価の際には、有識者会合の報告を受けた上で、規制委員会としては、当面、二号炉直下の破砕帯が耐震設計上考慮する活断層であると判断して、燃料プールについての安全については評価をお願いしたという経緯はございます。
○滝波宏文君 ここで、配付しました資料を御覧いただきたいと思います。
 規制委員会の指針では、十二、三万年前までに活動が認められた断層を耐震上考慮すべき活断層としております。敦賀二号機の下に伸びる断層、ここでは右の図の赤い、斜め下に下りるD―1破砕帯というのがございますけれども、この断層自体の活動時期が十二、三万年前より古いことは確認されております。
 残る問題は、今再評価にまで至った、先ほど委員長がいろんな議論をしてきた中でだんだん活断層認定が後退してきているわけですけれども、残る問題は、この近傍にある断層、ここでは左側の図でオレンジ線でK断層と呼んでおりますが、このK断層の活動時期と、それから発電所下に伸びる、先ほど申し上げたD―1破砕帯がつながっているかということであります。
 前者のK断層の活動時期、すなわち活断層と言えるほど古いかどうか、これ自体も大いなる議論があって疑念があるわけですけれども、本日は当座、後者の論点、すなわちこのオレンジ色のK断層とそれからD―1破砕帯、赤色のものが連続性があるかどうか、このことについて議論を絞りたいと思います。
 資料に記載のとおり、元々この資料は有識者会合から規制委員会に提出されたものなんですが、左上の逆断層と書いてあるもの、それから真ん中にある正断層、それから下にピアレビューでのコメント、ここはうちの事務所の方で追加してございますけれども、この図にあるように、D―1破砕帯とK断層は、正断層と逆断層と、地盤に加わった力が明らかに異なっていることから、全く別の活動の結果であって、さらに、二つの断層のずれの向きは異なっていると。したがって、連続性はないんだということが事業者の主張であります。
 これに対して、有識者会合の以前の、二年前の評価書では、K断層はD―1破砕帯と一連の構造である可能性が高いと言い切っていました。ところが、今回の再評価書では、K断層の連続性については、南方に連続している可能性があり、D―1破砕帯と原子炉建屋直下を通過する破砕帯のいずれかと一連の構造である可能性が否定できない、非常に後退しているわけですけれども、いずれかなんです、いずれか。
 その原電の一昨年の事業者の調査報告でデータが増えて、このK断層というのは、こちらの図でもありますように、最後、掘っていったら、むしろ左側に向かっているわけです。
 一方、そのD―1破砕帯、二号炉とありますけれども、建屋直下に向かっているものは下の方に行っているわけで、方向が、向きが違っているのが見えてきて、しかもそこで尽きて終わっているというふうなことが判明してきて、そのD―1破砕帯とK断層の連続性を言いにくくなってきているので、いずれかというのは何か分からないけれども、今二枚目にありますけれども、これは全部基本的に有識者会合から出たものですが、真ん中にある白抜きの円だけはうちの事務所で追加しましたけど、この丸の中にある細い線が二号炉の下につながっている可能性のある破砕帯なわけですけれども、これのどれか分からないけれどもどれかと、この左上にある黄色いK断層とがつながっている可能性があるかもしれませんねというところまで後退していて、かなり苦し紛れなんだと正直思っております。
 私自身もこういった資料を拝見する限り、D―1破砕帯とK断層のずれの向きも明らかに違っているように見えるし、実際、このピアレビューアー、先ほど一枚目の方に掲げさせていただきましたけれども、ピアレビューアーの方々のこの発言から見ても、明らかにK断層とD―1破砕帯は連続性がないんだということを強く主張しておりますから、そうなんじゃないかというふうに思っておりますけれども、この状況でも有識者会合が発電所直下の破砕帯のいずれかとつながっている可能性が否定できない、こういう評価というのは、田中委員長が先ほど自ら否定したゼロリスクを求める態度と同じなんじゃないでしょうか。
 私には、先ほどまさに申し上げた悪魔の証明の詭弁の世界に陥っていると思います。恐らくこの論理だと、一帯の土地を全部掘って、それこそ建屋もほじくり返して、まだ可能性は否定できないと言うんじゃないですか。これで科学的な議論、科学的な評価と言えるんでしょうか。ゼロリスク、安全神話を求める考え方とこの敦賀破砕帯評価との関係について、委員長のお考えを伺います。
○政府特別補佐人(田中俊一君) まず初めにお断りしておきたいのは、この先生出された参考資料ですけど、これみんな事業者から基本的には出たものでございます。そういったものをベースにして有識者は現地調査を含めて調査をしているということを、まずそこだけはお話しさせていただきたいと思います。
 で、有識者会合による二号炉直下を通過する破砕帯のいずれかは、将来活動する可能性のある断層等に該当するという評価は、有識者会合以外の専門家によるピアレビューでの意見を踏まえて、それも考慮してまとめられたものというふうに承知しております。
 当初は、二号炉の直下を通る破砕帯の一つであるD―1破砕帯との関係に着目した評価を行っていました。これは、事業者からはD―1破砕帯だけが表示されていたからそういうことだった。ところが、現地調査においてK破砕帯もあるということが有識者の目に留まりまして、じゃK断層、K破砕帯は実際に動き得る断層なのかどうかということで議論が進んできたというふうに私は承知しております。
 K断層、二枚目にありますように、元々はこの敷地から二、三百メートル離れたところに浦底断層という非常に第一級の断層がございます。これは、この敦賀の原子炉を造った当時は断層はないと言っていたんですが、今、これは万人が認める立派な断層だというふうになっています。この断層から派生しているような形でいろんな破砕帯と言われるものが出ているわけであります。ですから、そういったところでK断層もその一つであるというふうな判断をされたんだというふうに理解しております。
 重要施設、いわゆる原子炉のSクラスの施設の直下の破砕帯が動いた場合には、ずれの量とか力の掛かり方をあらかじめ予測するということは非常に困難であると言われております。重要施設が岩盤から動いた場合、損壊するおそれがありますから、規制基準においては、将来活動する可能性のある断層等の直上には重要な施設を設置することは認めておりません。これは、先生が言うゼロリスクというものではなくて、リスクが十分に小さいものであるかどうかという問題であり、断層変位のように、ずれの量や力の掛かり方をあらかじめ予測することが困難な事象については、十分に慎重な判断を行うべきと私どもは考えております。
○滝波宏文君 今、ゼロリスクではない、リスクが十分に小さいかということでありましたけれども、結局、程度の問題なんだと思うわけですね。ゼロリスクを求めるわけでなく、リスクがあることを直視した上で、どう多重防護でリスクを小さくしていくか、こういうことが重要だということは恐らく委員長も私も前提にしているかと思いますけれども、この点、以前に、昨年の原子力特委でも議論しましたけれども、断層に対する重層的対応の是非について議論したいと思います。
 そのとき、昨年は田中委員長のお答えは、リスクはゼロでないから、電源とか冷却設備とか火災対策等々重層的な要求で対応を、それを求めていますと。ただし、断層だけは別です、重要施設の直下の活断層についてはそれだけで一発アウトですと。工学的な工夫を幾ら重層的に重ねてもこれは認められないという旨の内容でありました。なぜか断層だけオン、オフのゼロリスク、安全神話の態度でおかしいんじゃないかということを私抗議したところ、地震だけ厳しくしているとか地震学的なところだけでやっているというのは当たらないということも一方でおっしゃられて、何か首尾一貫していないなと当時思ったところであります。
 それで、今改めて、この再評価書が出たところでこの敦賀発電所の断層を考えると、前は、私の記憶では、D―1破砕帯、赤色自体が活動時期が新しいんじゃないか、だから、これはまさに直下にあるわけですから、これが活断層だったら一発アウトですねと、こういう議論をしていたわけですけど、それも今は有識者会合も後退しちゃって、K断層はこれはまだ活断層の可能性があると、それとつながっているからD―1か、あるいはそこの辺りのいずれかが活断層につながっている可能性があるというところまで後退しているわけです。
 つまり、直下にあるものが、その直下の断層が活断層だということまで断定できない状況、そこのレベルの話に今なっているわけでありますから、こういったものについて工学的な多重防護で対応するということを認めるべきであると考えませんか。御所見をお願いします。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 重要施設直下の破砕帯については工学的対応も許容すべきであろうという御意見でございますけれども、これは、新規制基準策定時に専門家を交えて相当議論を行っております。その結果、現状の知見では、断層が動く際のずれとかその量、力の掛かり方をあらかじめ正確に予測することは困難であり、工学的な対応による安全の担保が難しいため、将来活動する可能性のある断層の直上に重要施設を設置しないよう求める、そういうふうな基準になっております。そういうことになりました。
 また、断層のずれに関する確率論的な評価手法についても、国内のみならず海外も含め研究は極めて限定的であり、今使えるような状況にはありません。将来、研究や実証データの蓄積が進めば、御指摘のような対応も検討の俎上に上がることはあり得るということまでは否定しませんけれども、現時点では、原子力施設の安全規制として適用するのは困難であります。
 それから、K断層について途中までしか分かっていないかということですけれども、施設とかそういうものが現状ありまして、その下を調べることができないので途中で切れたような状況になっているということも併せて申し上げておきたいと思います。
○滝波宏文君 済みません、私が言っているのは、二号炉の下にあるものがどうかという話じゃなくて、そこに至るD―1破砕帯、そことのつながりの部分に重層的対応を認めてもいいんじゃないかということであります。改めてそこは検討いただきたいと思います。
 時間もないので次に行きますが、ピアレビュー、先ほど、一回しか開かれていない、しかも、この紙にも、下の方に書きましたけれども、多くの活断層認定に否定的な発言もある中で、当時、座長は、ピアレビューは再評価する場所じゃないと何回も何回も、たしか六回だったと思いますけれども、議論を遮るようなこともしておりました。
 こういったことを踏まえると、ピアレビューのやり直しをしてもっと意見を聞くべきじゃないか。ピアレビューの参加者の一人はエネルギーの専門誌のインタビューに、D―1破砕帯とK断層は違うものなのかという問いに、そう考えている、専門の学者が普通に見れば同じものとは思わない、私は現場で詳しく見たつもりですと答えています。また、破砕帯の再評価をするものではないとしている規制委員会に対し、それでは何のために私たちは現地調査までしたのでしょうか、全く意味がありません、評価書案の内容をもう一度再検討していただきたいとまで言い切っています。
 こういった状況を踏まえて、もう一度議論をすべきではないか。少なくとも、規制委員会の敦賀の適合性審査に当たっては、このようなピアレビューアーの意見を十分に尊重し、踏まえていただかねばならないし、是非、ピアレビュー再開について検討して、求めたいと思いますが、所見をお願いします。
○政府特別補佐人(田中俊一君) ピアレビューについての御質問ですけれども、ピアレビューは、有識者会合が取りまとめる評価書案について論理的矛盾がないか、改善すべき点がないか等の御意見をいただく場であります。
 昨年十二月のピアレビュー会合においては、結論に至る論理展開の中で説明が不足している部分がある、追記をすべきというような様々な御指摘をいただいたということは承知しております。そういった意見を踏まえて、有識者会合において確認をしながら、必要に応じて評価書案に反映した上で最終的に報告書がまとまったものということでありますので、ピアレビュー会合をやり直す必要はないと考えております。
 いずれにしても、事業者から新規制基準への適合性審査の申請がなされた場合には、改めて規制委員会として、現在議論になっております点も含めまして審査を進めていくことにしております。
○滝波宏文君 とにかく、敦賀発電所の件でも、三・一一以前のゼロリスク、安全神話の世界に逆戻りしたと批判されないように進めていただきたいと思います。
 さて、二月の決算委員会でも申し上げましたが、三・一一が明らかにしたことの一つは、都会は都会だけで成り立っているわけではないということだと思います。私の地元福井など原子力立地地域としては、今まで思っていた以上のリスクを背負って、これまで安定、安価な電力を都会等の大消費地に供給してきたんだ、もっと感謝してもらってもいいのではないかと、そんな思いもあるにもかかわらず、現状はまるで放り出されたかのような状況であります。福島は、特にそのリスクが発現してしまったところでありまして、返す返すも残念なあの事故でございます。この点は特に、私も東京に長くおりましたから、東京を始め東電地域の消費地はまだまだ感謝が足りない、そういうふうに思っております。
 いずれにしても、我が国は都市国家ではなくて、立地地域と大消費地のように都会と地方が支え合ってこの厳しい国際情勢を乗り越えていく、それこそが、都会と地方の支え合いというものでできているのが我が国の形なんだ、このことを改めて認識すべきだと思っております。
 今、エネルギーミックスの議論が佳境に入ってございます。私は、日本の経済力維持、安全保障確保、地球温暖化対策、そして今お話しした、こういった立地地域と消費地にも表れる地方と都会の支え合いという我が国の形、こういったものを踏まえると、原子力は基幹的電源として活用が不可欠なのが日本の、我が国の現実だと思っております。
 そこで、立地地域を抱える議員として、中央の皆様に訴えたい、分かっていただきたいことが二つございます。一つは既存の立地サイトの重要性であり、もう一つは原子力発電所のアップグレードの必要性であります。
 先ほども申したように、そして今、政府でも審議会で案がかかっているように、我が国の国家、経済社会を立ち行かせるためには現実として原子力をゼロにすることはできない。であれば、どこかに立地せざるを得ず、三・一一の今、新たな立地サイトを求めることは非常に困難であるでしょうから、であれば、既存の立地サイトは国にとって非常に貴重なところであります。これ以上放置しないでいただきたいと思います。より重きを置いて、感謝と敬意の念を忘れないでいただきたいのであります。
 そして、これが先ほど申したもう一点の点につながってまいります。
 事故を起こしてしまった福島第一発電所、これは古い発電所でした。より新しい福島第二、そして女川は無事でありました。それぞれ状況の違いはありましたけれども、一般的に新しい原子炉は安全対策も新しくて向上しているわけです。福井の立地の、まさに地元の方からお聞きしたことが耳に残っております。自分たちは国にとって、日本にとって必要な最先端の技術を受け入れたはずだと。リスクのある中、国のために、消費地のために誇りを持ってそれを引き受けていただいた方々、その地元の方々に対して、単に廃炉に向かう死んでいく古い技術と何十年も共にしてくれ、これは言うことはできません。
 必要なのは安全向上を含めた最新技術へのアップグレードです。そして、それは廃炉と新増設、すなわちリプレースによって初めて可能になります。そして、国のしっかりとした原子力維持へのコミットメントが不可欠なはずです。大都市が必要とし、受益する大量の安定、安価な電力、そしてそれを供給する立地地域への感謝と敬意、負担と報償がなければ我が国は立ち行かないことを御認識いただきたいと思います。
 この点、エネルギーミックスの議論の中でどう反映いただけるかも含め、政府の見解を問います。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 議員御指摘のように、立地地域の皆様方におかれましては、長年にわたり日本の原子力政策、エネルギー政策に多大な御協力をいただいていることにつきまして、私どもも強く認識をしております。そうした御地元の様々なお取組あるいは御苦労も含めまして、そうした御協力について、御指摘のあったように、電力の消費地を始め、都会も含めて全国的な理解を深めていくということも大変重要なことだと認識をしております。
 私ども、御指摘のように、立地地域からの声も十分エネルギー政策、原子力政策のために反映をするということで心掛けてきております。
 昨年閣議決定したエネルギー基本計画におきましても、原子力につきましては、エネルギー安全保障、経済性、CO2の排出面で優れており、コストが安く出力が一定の重要なベースロード電源と位置付けたところでございます。
 エネルギーミックスの検討におきましても、立地地域からも様々な御意見をいただいてきております。そうしたものも踏まえまして、先月の二十八日の審議会で骨子を取りまとめたところでございます。今後もパブリックコメント等を予定しておりますけれども、更に広く意見を伺いながら、最終的な取りまとめに向けて議論を深めてまいりたいと思います。
 また、エネルギーミックスを踏まえて、更なる原子力の政策の実施に当たりましても、安全確保を大前提としつつ、立地地域に置かれた様々な状況を踏まえ、かつ、その御理解を得ながら原子力の活用をしていくことが重要だと考えてございます。
○滝波宏文君 この関連でですが、国の方針の下、三月、美浜一号機そして敦賀一号機の廃炉が表明されました。更地化までには三十年もの期間を要し、立地地域はここから長期にわたり廃炉の安全確保の問題に向き合うことになります。一方、廃炉は、これまで国のエネルギー政策に貢献してきた立地地域の経済、雇用、財政等に大きな影響を及ぼします。
 廃炉が進められる段階において、政府として、立地地域への影響を十分に考慮してしっかり支援していく制度が必要だと思いますけれども、廃炉に伴う立地地域の振興に関する政府の考えを伺うとともに、政策措置の具体的な内容についてお伺いします。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、原子力の立地地域におきましては、原子力発電が地域の基幹産業になっているということ、それから、市町村によっては電源立地の交付金それから固定資産税の収入等、原子力関連の歳入が大きいということで、廃炉に伴いましてその地域の経済、財政等への影響を及ぼすことが懸念をされておりまして、必要な対策を検討していくことが必要だと考えてございます。この点につきましては、昨年十二月に公表いたしました総合資源エネルギー調査会原子力小委員会の中間整理にも明確に位置付けさせていただいているところでございます。
 今後、電源立地地域の影響を十分考慮しながら、電源立地交付金等の制度趣旨なども踏まえまして、具体的な必要な対策について検討を続けてまいりたいと考えております。
○滝波宏文君 地方と都会の支え合い、先ほども申し上げておりますけれども、この我が国の形を、これをしっかりと踏まえたエネルギー政策を立案をお願いしたいと思います。
 さて、今般のエネルギーミックスの議論は、COP21に向けたCO2削減の目標法案提出と一体になっていることは御案内のとおりです。この点、原子力はCO2を出さない重要な電源であり、環境省として、この電源比率の拡大を含め、原子力の活用を求めるべきだと私は思いますけれども、どうも腰の引けた態度で気になっております。いわく、自分たちは規制委員会を所掌しており、そこで原子力の再稼働等を審議している関係で原子力への言及を控えたいみたいな、そういったことは聞いたりしましたけれども、この話は非常におかしいと思います。
 そもそも規制委員会は三条委員会で、大臣の指揮命令系統から独立していると。環境大臣また環境本省は手も足も出せない状態になっているのに、その委員会に振り回されている、本来の自分たちの仕事のCO2削減に向けて十分声が出せないというのはおかしい、本末転倒だと思いますけれども、改めて環境省の、そして原子力をどのように位置付け、どのような議論をしてきたのか、そしてしていくのか、これを伺いたいと思います。
○政府参考人(田中聡志君) お答え申し上げます。
 原発につきましては、まず、いかなる事情よりも安全性を最優先させる前提の下、原子力規制委員会により、世界で最も厳しいレベルの規制基準に適合すると認められたものについて、その科学的、技術的な判断を尊重し、再稼働を進めていくというのが政府の方針でございます。
 委員御指摘のとおり、我が国の温室効果ガスの排出の大宗をエネルギー起源の二酸化炭素が占めておりますので、エネルギーミックスの在り方というのは温暖化対策を考える上でも大変重要な問題でございます。そういう観点から、環境省といたしましては、政府の方針にのっとりまして、徹底した省エネルギー社会の実現と再生可能エネルギーの最大限の導入、これを旨といたしまして、これからも地球温暖化対策を議論してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
 御指摘の点でございますけれども、環境省でも原子力発電所をどう位置付けているのか、主張しているのかということでございますが、この点につきましては先生御指摘のとおりでございまして、原子力規制委員会は、原子力に関する規制と推進を分離するために、人と環境を守るという使命を持つ環境省の外局として設置されたところでございます。こうした観点から、原子力発電の将来の稼働の状況等について予断を与える可能性がある、そういった類いの発言については差し控えさせていただいているということについて御理解を賜ればというふうに思っております。
○滝波宏文君 CO2削減に原子力は役に立つんですか。それだけ教えてください。
○政府参考人(田中聡志君) お答え申し上げます。
 先ほど、資源エネルギー庁の方から御説明がありましたとおり、エネルギー基本計画においても、原子力発電の二酸化炭素の観点からの位置付けについても言及があるところでございます。
 また、気候変動に関する政府間パネル、IPCCと呼んでおりますが、これが昨年、第五次評価報告書を発表しておりますが、ここにおいても、原子力エネルギーは成熟した温室効果ガス排出の少ないベースロード電源である、原子力エネルギーは低炭素なエネルギー供給への貢献を増加し得るが、各種の障壁とリスクが存在するというふうな客観的な評価がなされているものと承知しております。
○滝波宏文君 環境省の奥歯に何か挟まったような腰の引けた状況を早急に改善をしていただきたいと申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○阿達雅志君 自由民主党の阿達雅志です。
 委員長、理事の皆様、本日は質問の機会を与えていただき、誠にありがとうございます。
 今、滝波委員からも御質問がありましたが、私もまず、原子力規制委員会の様々な取組について質問させていただきたいと思います。
 原子力規制委員会が三月十日に公表された過去一年間の原子力規制委員会の取組の概要を拝見しましても、本当に多岐にわたる所掌事務に取り組んでおられ、また福島第一原子力発電所事故によって失われた原子力規制に対する信頼を回復するために大変な努力をされているものと、改めて敬意を表する次第です。それだけに、四月十四日の福井地裁による高浜原発三、四号機再稼働差止め仮処分決定は、極めて驚きでした。
 先ほど滝波委員からの質問に対して、田中委員長の御答弁、当事者ではないので詳しいコメントは差し控えるということをおっしゃられました。また、四月十六日の衆議院原子力問題調査特別委員会で、福井地裁の命令について田中委員長は、今回の仮処分については、私ども当事者じゃありませんので、余り詳細についてコメントする立場にありません、また、幾つか事実誤認がありましたので、そういうことも踏まえまして、私どもとしては、今、新しい私どもの規制基準を変えるというところまでは必要ないという答弁をされました。その後、四月二十二日に鹿児島地裁が川内原発再稼働差止め仮処分申立てを却下する全く反対の決定を出しました。
 その上で、田中委員長にお聞きしたいのですが、現在も福井地裁決定については同じお考えか否か、お聞かせいただけますでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先ほども滝波委員からの御質問にお答え申し上げましたように、地裁の仮処分事件の当事者でないので、これについて直接コメントする立場にはないものという認識には変わりはありません。ただ、福井地裁の決定の内容には、その判断の前提となる幾つかの点において事実誤認があったというふうに考えております。
 したがいまして、当委員会としては、これまで明らかとなりました福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ、IAEAとか諸外国の規則、基準も確認しながら、世界でも最も厳しいレベルの水準の基準となるよう規制基準を策定して、それに基づいた審査を行ってきておりますので、これを現在見直す必要はないと考えております。
 もちろん、新しい知見が出た場合には、これはバックフィット規定というのもありますので、いずれのタイミングかでそういうこともあろうかと思いますけれども、そのことを踏まえましても、今回、鹿児島地裁も含めまして決定が出た現在、福井地裁も含めまして、私どもの認識は変わらないということを申し上げておきたいと思います。
○阿達雅志君 ありがとうございます。
 ここでちょっと一点確認をさせていただきたいんですけれども、今まで住民から電力会社に対して全国でいろいろな原子力発電所運転差止め請求訴訟あるいは仮処分の申立てが行われていると思うんですが、原子力規制委員会が何らかの形で訴訟に関与したことは、この高浜原発事件、川内原発事件も含めて、ないというふうに理解しておりますが、間違いないでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先生御指摘のとおり、私ども、高浜三、四号機運転差止め処分事件及び川内一、二号機運転差止め処分事件を含めて、国が当事者になっていない原子炉運転差止め訴訟、これたくさんありますけれども、それについて当委員会が何らかの形で訴訟追行をしたという事実はございません。
○阿達雅志君 どうもありがとうございます。
 この高浜原発、川内原発、いずれもそれぞれ、関電、住民によって即時抗告がなされておりますから、司法による決着は先送りされたということだと思うんですが、このそれぞれの決定の中で、福井地裁は、決定の理由として、新規制基準は緩やかに過ぎ、これに適合しても本件原発の安全性は確保されていない、新規制基準は合理性を欠くものであるということを挙げております。一方、鹿児島地裁決定は、新規制基準は専門的知見を有する原子力規制委員会によって策定されたものであり、その策定に至るまでの調査審議や判断過程に看過し難い過誤や欠落があるとは認められないから、その内容に不合理な点は認められないとしております。
 このように、原子力規制委員会が策定した世界で最も厳しい規制基準について二つの全く相異なる司法判断がなされており、しかも、その裁判所の審理においては、先ほど規制委員会から見た、裁判所は前提について事実誤認があるとおっしゃったにもかかわらず、この手続に原子力規制委員会は全く関与していないという、こういう事態が生じているわけです。
 そこで、お尋ねをいたします。
 原子力規制委員会は、原子力規制委員会設置法第三条が定める原子力利用における安全の確保を図ることという規制委員会の任務を果たすために、法律の趣旨にのっとった規則、基準を策定されているわけです。しかし、もし福井地裁が判示したように、規制基準が合理的でないとすると、原子力発電の安全性が維持できず、委員会は任務を果たしていないということになります。規制基準が合理性を持っているか否か、これは国の利害、公共の利益という観点からしても極めて重要な問題ではないかと思うのですが、委員長の所見をお聞かせいただけますでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 国が直接の当事者でない訴訟について、当委員会が何らかの裁判手続によって訴訟を追行することの可否及びその要否については、個別の事件ごとに裁判手続について定めた法律の規定等に照らし、関係省庁とも十分に調整の上で慎重に判断すべきものと考えております。一般的には、かかる裁判手続を利用するための要件を充足する場合はかなり少ないというふうに認識しております。
 なお、新規制基準策定の過程では、検討チームの議論について、資料や会議の映像も含めて全て公開し、さらに二度のパブコメも実施するなど、基準策定に当たっての考え方等については十分な説明責任を果たしてきたものと認識しておりますし、先ほども申し上げましたように、福島第一の事故あるいは国際基準等も参考にしてかなり厳しいレベルの規制基準を適用しているというふうに自負しております。
○阿達雅志君 今、田中委員長の御答弁でございましたけれども、この訴訟について考えた場合に、電力会社、事業者は、その規制基準の合理性を立証していないということで福井地裁の判断を受けたわけですが、一方で、事業者は、この裁判において規制基準の合理性そのものを立証できる立場にないわけですね。つまり、関西電力自体は規制基準の策定を直接担当したわけではありませんから、自分が作ったものでもないこの規制基準、これについて、結局その判断を受けてしまったと、こういうことになるわけです。ですから、原子力規制委員会が全く関与せず裁判の世界に任せるというのは、先ほどちょっと委員長がおっしゃられたような法律的にどういう参加があるかという問題を別にしますと、本質的な問題の解決にならないのではないかと。
 といいますのは、万一関西電力が規制基準が合理的であるということの立証に失敗した場合に、関西電力にとって原子力規制委員会が苦労して策定したこの新規制基準、これが規制基準として意味を持たなくなるわけですね。電力会社にとって規制基準を満たすというのは、これは再稼働を申請する上での必要条件になっているわけですが、関西電力はよりどころを失うわけです。そうすると、関西電力として、民間企業である電力会社にとって原子力の予見可能性というのが全くなくなってしまう、こういう事態が起きる。
 一方で、この差止めを求めた住民の方々からしても、策定した当事者である規制委員会が全く関与しないところで規制基準を裁判所が審理し、その結果、今回差止め命令が出ているわけですが、ただ、将来この差止め命令がひっくり返されたら、再稼働を止めていた間の損害賠償として巨額の賠償責任に直面することにもなりかねない。
 両当事者にとって問題の根本的解決をもたらすためには、原子力規制委員会として自らが策定した規制基準について、やはり何らかの形でその合理性を主張し説明する責任、責務があるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか、委員長。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先ほどのちょっと繰り返しみたいなところもありますけれども、今度は事業者側からの問題ですけれども、一番端的には行政訴訟というか行政不服という、我々に対してはそういうことができるわけですが、裁判所については私どもが何かを申し上げる立場にはありません。
 ただ、私どもの規制基準については、先ほど来申し上げておりますように、相当客観的にいろんな議論をしましたし、福島第一事故はもちろんのこと、それからパブコメも二度にわたって行っております。そういったことで十分に説明責任を果たしているというふうに判断しております。
 したがいまして、個別の裁判の判断については、私から申し上げる立場にはないのでそれは控えさせていただきたいと思いますが、私どもとしては、きちっと説明責任を果たして客観的な規制基準をつくっているというふうに考えております。
○阿達雅志君 どうもありがとうございます。
 規制委員会のお立場というのも分かるんですが、ここで一つ、例えば、法務大臣権限法、これ国の利害に関係のある訴訟についての法務大臣の権限等に関する法律というのがございます。この第四条では、例えば、「法務大臣は、国の利害又は公共の福祉に重大な関係のある訴訟において、裁判所の許可を得て、裁判所に対し、自ら意見を述べ、又はその指定する所部の職員に意見を述べさせることができる。」、こういう規定がございます。また、民事訴訟法におきましても、補助参加、民事訴訟法第四十二条で、「訴訟の結果について利害関係を有する第三者は、当事者の一方を補助するため、その訴訟に参加することができる。」、こういう規定もあるわけでございます。また、実際には、裁判において調査嘱託における意見表明など、これ裁判所がある程度指揮を執った場合ですけれども、政府が当事者でない場合であっても、国が訴訟において意見を述べる機会というのは法律制度的には存在しているわけでございます。
 それぞれの場合において、従来は国の考え方、政府の考え方というのは非常にこの手続、要件、運用について限定的に解してきたために、多分、規制委員会も従来の考え方に沿って今回の民間の訴訟については距離を置かれたということではないかと思うんですけれども、こういう問題は、必ずしも原子力のような場合だけじゃなくて、高度な技術判断を要する裁判について、裁判所がどのように審理すべきかという民事訴訟法自体の在り方にもなるかとも思うんですが、ただ、今回のこのケースを見ますと、私は、やはりこの原子力安全に関わる規制基準という極めて公益性が高いこういう問題について、しかも裁判の争点が規制委員会の法律で定められた責務、これに直結しているような場合について、やはり規制委員会としても、訴訟において規制委員会の立場を、どういう形かは別にして、表明するための最大限の検討、努力をされるべきではないのかなというふうに思います。
 将来、こういうような事案というのはまだまだ続くと思います。その場合に、やはりいつまでもこれは民間の話だから我々関与しないんですと、こういう態度でいるということは、これは訴えられている住民の側、それから訴えられた電力会社、両方にとっても利益にならない。やはりこの国の国益というのを考えた場合、あるいはこういう公共性を考えた場合には、是非、今後前向きに検討をいただきたいというふうにお願いをさせていただきます。
 同じことは、これは経産省についても言えることだと思いますので、それは、やはりこういう運転差止め請求の仮処分が高浜のような形で認められるのであれば、国が今進めようとされている原子力再稼働というのはほぼ難しくなってくる。それから、経済産業省さん、今まではやはりどうしても民間同士の訴訟として若干距離を置いていたのではないかと思いますが、この福島第一原発の事故を受けて、国として国策民営である程度原子力行政をしっかり進めようということであれば、この原子力の安全の重要性、それから原子力立地に関しては実際に国費が投入されているわけでありますから、やはり経済産業省としても、再稼働に関わる訴訟に何らかの形で関与をするということを考えていただいてもいいのではないかと思います。
 特に、例えば規制基準については確かに規制委員会の所掌ということでありましても、地域防災計画などについては経済産業省の取組というのも重要になってまいりますし、そういう意味で、もし経済産業省として何か所見がありましたら、お聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 国が訴訟当事者でない訴訟についてどう関与するかについては、先ほど田中委員長からも御答弁がありましたとおり、それぞれの事案ごとに、法律の規定に照らして、関係省庁とも十分調整の上、慎重に判断すべきということでございます。
 仮処分の訴訟が出てきておりますけれども、今回の高浜の仮処分の件につきましては、田中委員長からも先ほど御答弁がありましたように、規制委員会としての立場も表明されております。
 政府といたしましては、独立した規制委員会が専門的な見地から十分時間を掛けて世界最高水準の新規制基準に適合すると判断した場合については、その判断を尊重し、再稼働を進めていくという方針に変わりはございませんので、その方針に基づいて手続なり私どもの取組も進めてまいりたいと考えております。
○阿達雅志君 どうもありがとうございます。
 私が今申しましたのは、住民の側に立ってほしい、あるいは電力会社の側に立ってほしいということではなくて、国の立場を、原子力に関して、規制基準あるいはその国の立場というのをやはりはっきりと表明していただくことが大事ではないかということでございますので、是非今後とも御検討をお願いをいたします。
 次の問題に移らせていただきたいと思います。原子力規制委員会が行っている原子力発電所の規制基準適合性審査のプロセスについてお尋ねをいたします。
 原子力規制委員会設置法、また規則等では、原子力発電所の規制基準適合性審査手続に関する規定というのがはっきりしておりません。審査の状況については確かにホームページで公開をされており、透明性を確保ということだと思うんですけれども、どのようなルールに従って適合性審査を実施されているのか、教えていただきたい。また、そのルールはどのように書面化されているのかを御教示いただきたいと思います。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 現在の新規制基準施行後の設置変更許可等に対する審査の進め方については、平成二十五年七月十日の原子力規制委員会において、どのように審議を進めるかということについて検討し、進め方について定めております。具体的には、審査会を公開で行うこと、資料も原則公開とすること、審査の過程においては委員の判断の下、外部専門家の意見を聞く場合もあること等を定めております。こうした進め方については、規制委員会の会合資料として全て公開しております。
 また、審査官が判断の際に参考とするための重大事故対策の有効性評価に関する審査ガイド等については、書き物にして、相当厚いものでございますけれども、個別に印刷物として公開しているところでございます。
○阿達雅志君 ただいま田中委員長から御指摘がありました、原子力規制庁が平成二十五年七月十日付けで発出された審査の進め方についてのペーパーですけれども、これ、私が読む限りでは、審査のフローについて書いているだけで、そこで具体的にどういう手続をやっていくのか、例えば関係者の意見陳述をどうする、資料提出をどうする、それから文書主義、あるいは異議申立て手続、あるいはバックフィットルールなど、そういった問題についてどうもこのペーパーだけでは読み取れないように思いました。
 また、原子力規制委員会設置法では、設置法自体は組織をどうするかという話ですから、そういうところは書いていないにしましても、例えば原子炉等規制法、これを見ましても、こういう実際の審査をどのようにやっていくか、このプロセスの部分というのがやはりルールとしてはっきり確立しているんだろうか、こういう気がいたします。
 また、行政手続法の適用ということでいった場合でも、例えば先ほど滝波委員から御指摘がありました有識者会議あるいはピアレビュー、こういったものの位置付けがないわけですね。一方で、この原子力規制委員会設置法では、法律上では幾つかの審査会、専門審査会の設置ということが書かれております。
 ただ、この原子炉安全専門審査会、これについては、法律上は原子力規制委員会の指示があった場合において原子炉に係る安全性に関する事項を調査審議するというふうにはされているわけですが、実際には、国内外で発生した事故、トラブル及び海外における規制の動向に係る情報の収集、分析を踏まえた対応の要否について調査審議を行い、助言を含めその結果の報告を行うことというふうに指示内容というのが非常に限定されているわけです。ですから、法律上の規定があり、しかもその後でしっかりとどういう組織をつくれというふうに書かれているこの原子炉安全専門審査会、これが、その業務の中身というのが、指示の中身というのが非常に限られている。
 その一方において、有識者会議、これは法律上の規定になく構成もはっきりしていない。その有識者会議というのが、また規制委員会の判断によって、先ほど滝波委員の御指摘に対して、あくまでこれは報告を受理し、それから重要な知見として参考にするものだという言い方をされたわけですけれども、どうもこの辺、何かアンバランスに思えて仕方がないわけです。
 ですから、やはりこれは関係者の方々がいろんな疑念を抱かないように、少なくともはっきりと政令レベルなりでルールとして、先ほど申し上げたとおり、そういう適合性審査に関わるプロセス、これをはっきりと明記し、やはりそれにのっとって実際のことをやっていただく。もちろん、実際にはちゃんとやっておられるんだと思います、思いますけれども、ただ、そういう形というのをちゃんと取らないと、やはりそこには、審理を途中で切ったんじゃないかとか、あるいは異議申立てを認めてもらえなかった、そういうような指摘が当然出てくるわけですね。
 ですから、その部分についてやはり法律に基づく行政ということをしっかりお考えいただきたいと思うんですが、所見をお聞かせいただけますでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) まず申し上げたいことは、原子力規制委員会は、国内外の多様な意見に耳を傾けつつ、最終的には独立した立場で科学的、技術的見地から原子力施設の安全確保に関する事項について責任を持って判断するということでございます。
 そういう意味で、重要なことは、様々な有識者から必要な意見を伺うということが必要でありますし、その場合は必ずしも法的に位置付けが必要かどうかというふうには考えておりません。ただし、委員会としては、そういった有識者の選任とかそういった有識者会合を設定する場合には、委員会で議論してその設置を認めるか判断をしておるところでございます。そういうことで、委員が直接有識者と意見を交換しながら判断をして審査会を進めていくというようなところもございます。
 他方で、委員が参加していない原子炉安全専門審査会及び核燃料安全専門審査会について御質問がありました。これは、その役割をどういうふうにするかということについては、私どもももう随分議論を重ねた結果、まずは国内外で発生した事故、トラブル及び海外における規制の動向に係る情報の収集、分析を踏まえた対応の要否について、幅広い分野の有識者から助言を聞くこととさせていただきました。
 これは、この両委員会は八条委員会で、我々が直接関与するというか、その中に入って議論をするというような場でございませんので、そういうことになって、そこに全てを、まあ言い方は適切じゃないと思いますが、ある程度委ねてしまいますと、かつての原子力安全委員会が行っていたように、原子力安全委員会の形骸化というようなことが起こりましたので、そういうことのないように、私どもが最後まで責任を持ってきちっと審査結果については判断できるようにということで、私どもが直接関与する形でやらせていただいているところでございます。
○阿達雅志君 いずれにせよ、この規制委員会、やはり法律に基づくしっかりした行政ということで、できる限り事前に文書という形でルールを明確化して、その手続にのっとって運営を行っていただきたいと切に願う次第でございます。
 時間も限られておりますので、ちょっと最後の質問に移らせていただきたいと思います。
 今回、原子力に対しての国民の信頼は福島第一原発事故によって大きく損なわれました。この原子力に対する国民の信頼を回復するには、やはり福島第一原発事故の継続的な検証、それから福島第一原発事故の収束、これが極めて重要であると思います。
 国会事故調報告書や政府事故調において相当の検証はなされているわけでありますが、まだ未解明の項目というのも多々ございます。こういう中で、原子力規制委員会の重要な所掌事務としてこの福島原発事故の検証というのがございますが、今後どのように取り組んでいくのか、それからどのような体制で進めるのか、その点、御説明をいただけますでしょうか。
○政府参考人(山田知穂君) 先生今御指摘をいただきましたとおり、東京電力福島第一原子力発電所事故の分析ということにつきましては、原子力規制委員会の大変重要な所掌事務の一つでございます。したがいまして、長期にわたる原子炉内の調査等も踏まえつつ、技術的な側面から分析を継続いたしまして、必要な知見を安全規制に取り入れていくということは大変重要であるというふうに考えてございます。
 このために、原子力規制委員会では、平成二十五年三月二十七日に東京電力福島第一原子力発電所における事故の分析に係る検討会というものを設置をいたしまして、同年五月から、国会事故調報告書で今後規制当局や東電による実証的な調査、検証が必要であるというふうにされております未解明問題等について議論を開始をいたしました。これまで検討会を六回、現地調査を九回実施をいたしまして、平成二十六年十月に原子力規制委員会として、一号機原子炉建屋四階において水が出たといったような事象ですとか四号機原子炉建屋の水素爆発といった七項目について、中間報告書を取りまとめてございます。
 一方で、政府事故調などにより検証すべきとされている原子炉格納容器の損傷状況といったようなものについては、放射線量が非常に高うございますので、なかなか現地調査ということにも着手ができません。したがいまして、今後引き続き検討が必要であるというふうに考えてございます。
 中長期にわたる原子炉内の調査等も踏まえつつ、引き続き技術的に解明すべき問題について検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○阿達雅志君 規制委員会におかれては、引き続き徹底した検証を進めていただきたいと思います。
 時間がなくなってきましたのでこれで終わりにしたいと思いますけれども、やはり原子力政策を考えていく上では、同じことをこの経済産業省におかれても、しっかりと福島第一原発事故の検証、そしてほかの再稼働を考えている原発がどこが違うか、これをはっきり示していただくということがやはり国民の信頼を回復するためにも極めて重要であると思います。
 引き続き、関係する皆様方の、大変な作業だとは思いますけれども、御尽力をいただきたいと思います。
 以上で質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○大島九州男君 民主党の大島九州男でございます。本日、質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
 それでは、早速質問をさせていただきたいと思いますが、四年と二か月前の二〇一一年の三月十一日の東日本大震災による東京電力福島第一原発事故をきっかけに、これまでの原子力行政の在り方が問われ、大きな見直しが迫られることとなり、翌年二〇一二年九月に原子力規制委員会が発足をいたしました。
 先般、四月二十二日の本委員会でその活動状況について田中委員長から御報告をいただいたところでありますが、改めて、まず最初に、この原子力規制委員会の使命というのをどういうふうに受け止めていらっしゃるのか、委員長の所見をお伺いしたいと思うんですが。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 私ども、新たに原子力規制委員会が発足した経緯を踏まえまして、まず福島第一原子力発電所のような事故を二度と起こさないと、そのためには、原子力発電所の稼働については、人と環境を守るということを第一に、そのために必要な規制をきちっと適切に行っていくということが我々の任務だと思っております。
○大島九州男君 今おっしゃった、二度とあのような事故を起こさないという、これがもう一番の大きな使命であるというふうにお受け取りをいただいているということは私も共有をするところであります。
 当然、あの福島第一原発の事故によって、今まで住み慣れ、暮らしてきた町を離れて帰還もならぬ住民の方々がいまだ多くいらっしゃる。また、その事故を本当に今後の大きな教訓として、そして今後二度とこのような事故が起こさないように原子力行政の在り方をしっかり根本的に考え直していかなければならないという、そういう私どもは受け取りをするわけでありますね。
 で、今回ああいう大きな事故を起こしたにもかかわらず、これからも原子力発電をベースロード電源として使っていこうというような形で政府が決定をして、基本的な考え方の中でそれを進めていこうとする、その自信というか根拠というか、そこら辺は役所として、そういう事故を踏まえて、そしてそれを二度と起こさないという中で、今後ベースロード電源としてこういうふうに使っていこうというふうにお考えになったその根拠とか、そういうものをちょっとエネルギー庁から聞かせていただければと思います。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 昨年の四月にエネルギー基本計画を閣議決定をしてございます。震災後のエネルギー政策の基本となりますのは、先生も御指摘のように、福島の事故の反省と教訓をきちっと政策にも踏まえていくということでございます。
 そうした観点から、エネルギー基本計画では、まず福島の事故の教訓を踏まえて、そのためのリスクを最小限にするための対策を万全に尽くすというようなことが前提となっております。そうした上で、いかなる事情よりも安全性を全てに最優先させると、その上で国民の懸念の解消に全力を挙げるという、そういう前提の下で、原子力発電の安全性については、規制委員会の専門的な判断に委ねた上で、規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し原子力発電所の再稼働を進めるということでございます。
 その上で、原子力の特性といたしましては、燃料投入量に対するエネルギー出力が圧倒的に大きく、数年にわたって国内保有燃料だけで生産が維持できる等々、低炭素の特徴、それから国産エネルギー源としての位置付け、それから供給安定性ということも考えながら、安全性の確保を大前提として、エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源であるという位置付けをされているところでございます。
 私どもとしても、この考え方は、福島の事故の反省に立ちまして、全てのいかなる事情より安全性を全てに優先させた上で原子力を活用していくということでございます。
○大島九州男君 今の御説明を聞きますと、全てにおいて安全性を重視し、そしてまた住民の皆さんのことを考えて進めていくと。
 でも、結果、例えば住民が、これは安心なのかな、安全なのかなと。まあ、規制庁はそうだと、政府はそうだと。でも、それが不安だから裁判に訴えて、ではこれどうなんですかと司法にそれを国民の権利として訴えて、司法が、それはちょっと何か安心と言えないから取りあえず仮処分で止めたいんだけどというふうに言われたこの判断は、住民と、まさに福島第一原発で起こったその事故の教訓を基に司法が判断をしているんだろうなと、客観的にそう思うわけですね。
 そのことに対して、行政、司法と、まさにこの三権分立という中での、日本のその成り立ちの機構の中でどういうふうにそれを受け止めるのかと、当然真摯に受け止めるべきだと思うんですね。
 ところが、いやいや、何かあの高浜の差止めの仮処分の決定については事実誤認があるんじゃないかと。この事実誤認というふうにおっしゃるのは、それはその裁判所の見方が間違えているよということをおっしゃっているんだと思うんですね。じゃ、本当に裁判所の見方が事実誤認によって間違えているんだと、それをちゃんと住民に説明をすれば、住民が納得して、ああ、そうだなということになれば、先ほど御説明された、住民のことを考えて、住民の不安を取り除く、まさにそういう行政が進められているというふうに受け取れるんですが。
 その事実誤認というのは何が事実誤認なのか、そしてまた、そういうことがあって、いやいや、それは違いますよ、世界最高基準のもう絶対安心なやつなんですよということをちゃんとPRしたり理解してもらうような、そういう努力はされているのか、そこら辺ちょっと聞かせていただきたいんですが。両方ですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先ほど来申し上げているんですが、地裁の仮処分決定について細部にまでコメントする立場にはありませんけれども、地裁の判断の大きな材料になりました、使用済燃料ピットの給水設備の耐震重要度分類がSクラスではないから安全性を欠くという判断をされておりますが、当該施設については耐震重要度分類Sクラスとなっているという点でその指摘が当たっていないということを申し上げています。
 そのほか、免震重要棟についても記載がございますけれども、免震重要棟については、新たな免震重要棟でなくてもその機能を果たすものであれば当面は認めるということでありますので、猶予期間を設けてそういう要求をしておりまして、そういう意味で高浜発電所においても緊急時対策所としてその施設を、機能を果たす設備を設置することになっているというようなことがございまして、事実誤認ということを申し上げたわけでございます。
 いずれにしても、原子力規制委員会としては独立した立場で、裁判は裁判として、独立した立場で科学的、技術的見地から原子力発電所の適合性審査をしてまいりたいと考えております。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 仮処分の内容につきましては、独立した原子力規制委員会のお立場から、今委員長から内容についてのお話がございました。規制委員会としては、今回の仮処分の決定を受けましても、規制の変更等については、そういうことは考えていないということと承知しておりますので、私どもとしては、その独立した規制委員会が専門的な見地から十分時間を掛けて世界最高水準の規制基準に適合すると判断したものにつきましては、政府としてその判断を尊重して再稼働を進めていくという方針で臨みたいと思います。もちろん、国民の様々な理解を得ていく活動というのは大変重要だと考えておりますので、その点の取組も丁寧にやっていきたいと考えております。
○大島九州男君 事実誤認という言葉が当たっているのか、まあ僕が聞いていると、何か見解の相違なのかなと。使用済燃料ピットの給水設備の耐震重要度分類がSクラスではなく安全性を欠くというふうに司法が指摘をしたということですよね。ところが、田中委員長たち規制委員会は、いや、それは違いますよと、当委員会としては御指摘は当たりません、耐震重要度分類はSクラスとなっていますよと。
 まさに、一つの物差しで測ってそういう違う見解が出ることは僕は科学的にはないと思うんですよ。だから、これが本当に世界最高水準で、ちゃんとオーソライズされた見方の物差しで両方がそれを見れば同じ結果が出るはずなんです。だから、これが見解の相違だとか自分たちの思惑だとか、そういうもので測れば、当然、止めたい人はそれはSクラスじゃないですよと、やりたい人はSクラスですよという、そういう答えが出てくるのはこれ至極当たり前です。
 ところが、裁判でそういうふうに指摘をされるということは、ちゃんとした同じ物差しできっちり測っているとしか私は認識しないんですけど、そこら辺、世界最高水準とおっしゃるんですから、世界最高水準であるとかいう決まりは、極端な話が中国だろうがアメリカだろうがどこでも同じで、高浜だけ物差しが違うと、そういうことではないんですよね。ちょっとそれ確認で、委員長。
○政府特別補佐人(田中俊一君) まず、使用済燃料プールの特性ですけれども、一番避けなきゃいけないのは水位が低下して燃料がむき出しになることであります。ですから、その水位をきちっと測定して、それをある一定レベルを保つと、そのための給水設備、これは大変安全上重要ですので、その点についてはSクラス、大きな地震が来てもきちっと機能が保てるような要求をしています。これは、世界各国全部調べたわけではありませんけれども、基本的にはそういう考え方に立っているというふうに理解しておりますけれども、これは、世界基準で判断すべきものというよりは、まず安全上の重要さをもって、やはりここはSクラスを求めるべきものであるというふうに思っています。
 そのことを、設備ですのでこれはまさに事実そのものでございますから、そこで、SでないとかSであるとか、原子力に反対だとか賛成だとかという、そういうこととは全く無縁のことだというふうに理解しております。
○大島九州男君 今のを聞いて分かったんですけど、Sクラスであるというんじゃなくて、Sクラスを求めていると。求めているけれども、司法の判断としては、規制委員会はそれで求めて、それでオーケーであればそれは認めましょうと。ところが、司法の側は、求めているけれども、じゃ、高浜はそのSクラスに合致していないんだろうなというふうに判断したということでしょうね、客観的に。私はそういうふうに受け取ります。でなければ、今言うように、向こうも専門家ではないわけですから、今おっしゃった、求めていることにここが一〇〇%応えられるかどうかに疑念があると、疑わしきは罰せずじゃないけれども、やはりそういう部分の判断を司法がしたんじゃないかと。
 これ、私、何かとかぶるなと思って、実はふと思い出したら、これは水俣病とかぶるんですよ。これは、正直、私も水俣特措法の法律にずっと携わってきまして、先日も新潟水俣に行かせていただきまして、ちょっともう皆様も御存じでしょうからあれですが、特記するところだけ御説明しますと、新潟の水俣病というのは、元々、熊本のチッソのあの水俣病が発病して、そしてあの昭和電工、まさにカーバイド、石灰窒素の製造が開始をされ、昭和電工、まさに昭和の、もう戦前、十一年頃からそういうことをやっていたらしいんですね。
 あそこも、結局チッソもそうですが、先ほどの答弁にもありましたけど、原発に依存する町、交付金だとかそういうふうに依存するというような形で、この昭和電工も昭和電工城下町としての鹿瀬町という歴史がそこに始まり、鹿瀬工場の最盛期は一九四八年、昭和二十三年頃で、正社員が二千名、下請五百名にも上る、その鹿瀬町は、その頃、東蒲原随一の工業都市で人口も一万人を超えて隆々発展し、その繁栄は、売店、病院、幼稚園、映画館等を直営していたことにも表れるという、まさに昭和電工の城下町だったんですね。
 実際、そういう水俣病がチッソの関係で出てきた後にもかかわらず、この鹿瀬町というのは、一九六五年、県が実施した第一回集団検診で高濃度の水銀保有者が発見されたために、翌六六年の第二回検診は、昭和電工を犯人と断定するための資料集めには協力できないとの理由で拒否、中止をさせたと。この年九月、鹿瀬町議会は、水俣病の原因は昭和電工ではないとする阿賀野川下流流域の有機水銀問題に関する意見書を採択して、当時の県知事や県議会議長や厚生及び通産両大臣、科学技術庁長官、衆参両院議長に提出をしたと。当時の北野県衛生部長は、鹿瀬、津川の周辺は水俣問題では治外法権のようなものでどうしようもないと語っていたと。
 まさに城下町で、みんなここの人たちは、人口の既にもう七割とかそういう人たちが昭和電工の仕事に関わるような仕事をしていたという、そういう地域であるからこそそういう話が全然できない、あっ、八〇%でした、鹿瀬町の人口が約五千六百人の中の八〇%の人が何らかの形で昭和電工と関与をしていたと。まさにそういうことが言えないような状況の中で犠牲になっているんですよ。
 今日は、私、皆さんに資料を、ちょっとお渡しをしている一枚紙があるんですけど、これ、チッソ水俣工場と昭和電工の鹿瀬工場の年次別のアセトアルデヒドの生産量の推移というのがあるんですよ。
 熊本の水俣病が、バッテンで示されているところですけど、一九五六年の五月なんですね。新潟水俣病が一九六五年のまさに六月にそういう公表をされたと。ちょうどこのグラフ見ていただきますと、熊本水俣病が公表されてから一気に増産しているんですよ。これ何で一気に増産したかというと、これは電力で加工するそういう設備を石油でやるということで、そっちの方に転換をしていく最中なんですね。それで、この新潟水俣病がちょうど出てきたその六五年、公表されるまでに、徹底的に増産して企業としてその設備の償却をして、そして、これアセトアルデヒドの生産やめたんじゃなくて、石油化学の方にそれを持っていって山口の方に移転していったというんですよ。もう徹底的にこれは経済至上主義とその企業の論理なんですよ。
 私は、東電がどうとかこうとかじゃないんですよ。だから、ここに、その住民だとかそういう人のことを考えたら、あのチッソの水俣病が出たときに、ちょうど政府挙げて、国会でも水俣病発生の危機が指摘をされているんですよ。
 それで、そういう指摘をされたからどうなったかというと、水俣病国会調査団も結成されて、五九年十月三十一日から十一月四日の五日間にわたり現地調査が行われましたと。これを受けて、通産省や関係各省も関与して作成された水俣病に関する対策案では、通産省が、同種工場について除外施設、排水、環境等の調査を早急に実施することや、経済企画庁が水質保全法を早急に適用することが決まりましたと。このときにそのことをちゃんと真面目にやっていれば、新潟水俣病というのは正直もっともっと被害が小さくて、まあ全て起こらなかったことはないでしょうけれども、被害は小さかったと思う。
 ところが、この同種工場排水データを今まで公表していないんですよね。一九六〇年二月に通産省、厚生省、水産庁、経済企画庁によって水俣病総合調査研究連絡協議会が設置され、全国の同種工場の排水の水質調査を通産省が担当することになりましたと。通産省は、依頼先の工業技術院東京工業試験所から同種工場排水分析結果のデータを受け取り、これを六一年三月に開催された協議会に提出した形跡がありますが、協議会でその結果をどのように検討したかは不明ですと。このデータでは、同種工場六社の排水中にチッソ水俣工場の排水よりも高い値の総水銀量が検出されていますが、国はデータを公表せずに、協議会の議事録も作成せず、六一年三月の開催を最後に協議会自体そのものを消滅させてデータを隠蔽したと。
 まさに行政が、なかったことのように、そしてまたその鹿瀬町という町、そしてそこでは、いやいや、その昭和電工の問題じゃなくて、新潟地震で農薬が漏れて、その農薬がそういう原因になっているんだとかいうことを平気で言ってきたわけですよ。
 だから、それが全てとは言いませんよ。皆さん、安全だ安全だとおっしゃっていますね。本当にそれが、じゃ、安全なのかと。行政として、こういう水俣で学んだことを、これは環境省だとかほかの、経産省とかで皆さん国策として進めようとしている。これも国策ですよ。このアセトアルデヒドをどんどん作っていくのも国策でした。今回の原子力再稼働を進めていってベースロード電源にしていくというのも国策ですよ。まさにそこに、誰が、じゃ責任を持ってやっていくのか。国が責任持たなきゃいけないんですよ。
 ここの水俣の関係は、この新潟水俣病は国の責任はもっと私は重いと思うのに、まだ裁判では国の責任は認められていないんですよ。そのうち、間違いなく私は国が責任を認めざるを得ない状況になると思います。それは何か。それが真実だからですよ。
 今回の原発の事故も、津波で電気が落ちたからああなったというふうにおっしゃっていますけれども、私は本当にそうなのかなと。さっきもやりました、古い原発ですから地震でパイプが外れた可能性だってあるんですよ。あれ、津波で後からかぶっちゃったから、その津波のせいに僕はしていると言われても否定のしようがないはずなんですよ。この原因はこういうことが全ての原因で、そして今回の福島第一原発事故が起こっているんですよというきっちりとした検証があって、そして、こういう対策を打っているからだから安心ですよと言われれば、多くの国民もある程度は理解するかもしれない。ところが、まさに真実というそれを隠しているように国民は受け取っているんだと思うんですよ。
 だから、本当に全てが明らかになって、国が謝罪するべきことは謝罪をし、そしてそのことの反省の上に二度とこういうことがないように私たちはやるんですよと言えば心に響くんだけれども、そこは隠されていて、だから心に響かないと。だから司法がああいう決定を出すんだと思いますよ。私はそういうふうにしか受け取れない。これは私個人ですけどね。
 だけど、皆さんにも、そういう行政マンは行政マンとして、委員長は委員長、自分が、あの福島第一原発の事故を受けて多くの人が苦しんでいる、二度とそのことを繰り返させないということが使命だとおっしゃった。まさにそのことに立ったときに、本当に今政府が進めようとしているその計画が、国家国民のためになるのかどうなのか、そして、それが将来の我々の子孫のためになるのかどうなのかと、そういうことをしっかり受け止めて、そして腹を割って進めていかない限りは、私は司法も理解してもらえない、当然国民も理解をしてもらえない。ただ、今、経済至上主義で、そして経営だとかそういうことだけを考える人たちは当然原発の方がいいですねと言うけれども、これはおかしいですよ。これだけの事故が起こった、そのいろんなコストはまるっきりそこには反映されていない。
 当然、必ずとは言いませんけれども、私は今の形であればきっと同じような事故が起こる可能性は非常に高いと思いますよ。それはなぜか。そこに本当の反省と、本当に国民のためにとか将来の国家のためというのは、国家は国民ですからね、経済じゃありませんからね、本当にその国家のためにというのなら、国民一人一人のために自分たちが信念を持ってこの政策が間違いないんだというその心で気合を入れてやるんだったら私はまだ道が付くかもしれないけれども、心の中で、何かこれはちょっとおかしいけど、まあ国策だからなと。これは国策ではありません。今の政権が自分たちの利害とその企業の一部利益のために進める政策であったとするなら、必ず同じような事故が起こる、私はそのように受け取ります。
 だから、本当に国家国民のために、それが国策だというふうに思って、今後は委員長に、私はそういう思いでいろいろ進めていただきたいというふうに思いますので、最後、委員長があの水俣のお話とか聞かれてどのようにお受け取りになって、今後その規制委員会を委員長として仕切っていくときの心構えがもしあれば、一言御挨拶いただければと思います。
○政府特別補佐人(田中俊一君) まず、先生今たくさんのことをおっしゃられたので、幾つかについてですが、私どもの規制、先ほどSクラスの話ですが、これにつきましては、工事認可で見て、それから使用前検査で見て、確実に、いわゆる認可の過程で議論したことが実行されているかどうかということについては、これは全く独立した立場で、国民とは別かもしれませんけれども、そういった視点で行っていきます。
 それから、原子力発電所の稼働については、私どもは、再三申し上げていますけれども、コミットしませんと。ただ、運転をするに際して必要なレベルの安全が確保されているかどうかということについて審査をしているということでございます。
 それから、福島第一原子力発電所の事故、全て分かったかというと、これは先ほども山田の方からお答えしたように、全ては明らかになっておりませんけれども、相当程度私どもとしても検討し、国際的にもいろんな調査があります。そういったことを踏まえて、一つ一つ、今回はシビアアクシデントを起こさないための対策、それからシビアアクシデント、仮に万が一起こったときにもそれを大きな事故にしないような対策というのを、これは全く独立した立場で進めているところでありますし、そのことについては今後とも堅持していきたいというふうに思っております。
○大島九州男君 ありがとうございました。
 るる述べさせていただきましたけれども、一番大事なのは、本当に国家国民という、国民が第一でございますから、そこのところを踏まえて今後も一緒にやれたらいいなというふうに思っていますから、お互いさま、よろしくお願い申し上げます。
 質問を終わります。
○浜野喜史君 民主党の浜野喜史でございます。
 本日は、大きくは二つのことにつきましてお伺いをしたいと思います。大きく一つ目は、原子力の四十年運転制限制について取り上げさせていただきます。そしてもう一つは、先ほど来から議論のございました、日本原電の敦賀発電所の敷地内破砕帯の評価について、大きくこの二つでございます。
 まず一つ目、四十年運転制限制について御質問をさせていただきます。
 発電用原子炉を運転することができる期間を四十年というふうに法的には位置付けられております。この四十年運転制限について、規制委員会として科学的、技術的見地から妥当性を検討するべきではないかというふうに私は考えております。規制委員会としていかにお考えか、見解をお伺いいたします。
○政府特別補佐人(田中俊一君) これは先生も関与されたと思いますけれども、新しい原子炉等規制法では、発電用原子炉を運転することができる期間を運転開始から四十年とし、その満了までに特別な許可を受けた場合には一回に限り二十年を超えない期間で運転期間を延長することができるとされております。
 具体的に、四月三十日に関西電力高浜一、二号炉の申請がございました。これは来年の七月に四十年を迎えます。それについてこれから審査に着手するということで、本日の定例会でも、どういった体制で審査するかということを議論させていただいたところであります。
 現時点で、本制度について見直しを当方として検討するということは今考えておりません。
○浜野喜史君 田中委員長として検討するお考えはないという御答弁でございました。私は、それは全くおかしいことだということをこれは主張させていただきたいと思います。
 別の角度で質問をさせていただきます。
 この原子力規制委員会設置法案、国会で審議されたのは三年前でございます。この三年前の原子力規制委員会設置法案の国会審議におきまして、提案者は、四十年運転制限制については、新たに設置される原子力規制委員会において検討をされる旨の説明を明確にいたしております。立法者は四十年運転制限を新組織で検討することを期待していたということは私は明らかだというふうに思います。
 国会の意思は、規制委員会においてこの四十年運転制限制を検討するんだ、これを明確に表しております。そのように私は認識をしておりますけれども、田中委員長はどのように認識をされておられるか、お考えをお伺いしたいと思います。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 立法時の国会審議についていろいろ私も拝見させていただきまして、運転期間の年限に関しては、経年劣化等に伴う安全上のリスクを低減する観点から、原子炉設置許可の審査に際して、設計上の評価が運転開始後四十年の使用を想定して行われていることが多いこと等も考慮し原則四十年としたとの説明があったと認識しております。
 ただし、そこで運転期間延長については、事業者からの申請に基づき、法にのっとり厳格かつ速やかに、まさに科学的、技術的に対応すべきものと考えているところでございます。
○浜野喜史君 国会審議において、原則四十年にすると、そういうルールは決めたということはこれ事実でございます。そして、その国会審議の際に、これ議事録をコピーしてまいりましたけれども、例えば、平成二十四年の六月十八日の参議院の環境委員会、議員立法でございますので、当時、衆議院議員の田中和徳議員が説明をされております。加藤修一議員の質問に対してのお答えでございます。具体的にこういうことをおっしゃっているんです。四十年の数字をこの法文の中にも入れてございますけれども、新たなる組織が国会の中で選ばれ、成立し、スタートした時点では、やはりその委員会並びに規制庁の考え方を尊重すべきだと、これを検討すべきだということを明確におっしゃっておられます。
 もう一つ取り上げさせていただきます。
 翌日の六月十九日、二十四年の六月十九日でありますけれども、水野賢一議員の質問に対して、同じ田中和徳衆議院議員がお答えになっております。そうすると、今の話は、委員会が今後専門家としての見地から四十年というのを例えば六十年というふうに延ばすということもあり得るかもしれないし、二十年ということにすることもあり得るかもしれない、そういうニュートラルな、法文上はニュートラルだという、そういう理解でよろしいですかと。全くそのとおりですというふうにお答えになっております。
 こういうことからも明らかなように、法律を変えるのは、これは規制委員会のお力ではできません。私は、法律を変えよと、ルールを変えよということをすべきだということを申し上げておるわけではありません。検討をするということは、その当時の国会の中において提案者がしっかりと明確に説明しておられたことだというふうに思いますので、こういうことも踏まえて原子力規制委員会としては立法者の意思を踏まえて検討すべきであると、これは私は当然のことだと思いますけれども、いかようにお考えか、改めてお伺いいたします。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 原子力規制委員会設置法附則第九十七条では、同法附則第十七条等による改正後の原子炉等規制法の規定について対象としており、今御質問の運転期間延長認可制度、四十年運転制限についても附則第九十七条の見直しの対象となると考えられています。
 ただし、運転期間延長制度については、初の申請として先月三十日に提出された関西電力高浜一、二号炉の申請について審査を着手しようとしているところであり、現時点において原子力規制委員会として制度の見直しまでは検討していないということでございます。
○浜野喜史君 現時点において検討しているかどうかを私は問うているものではございません。この四十年制限について原子力規制委員会として検討しなければならないというふうに思いますけれども、そういう位置付けでいいのかどうかを問うておるわけでございます。お答えください。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 運転期間延長は、一回に限り二十年の延長ができるということでございますので、今その規定に基づいて審査を始めたところでございます。
○浜野喜史君 委員長、現行ルールを問うておるわけではないんです。当時の原子力規制委員会設置法案、提示をされて、国会審議において提案者がきっちりと説明しているわけです。新たな組織で検討するんだと明言しているんです。この要請を踏まえて、期待を踏まえて検討するのは当然だということを問うておるわけです。
 改めてお答えください。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 現在、法律に明記されているのは、一回に限り二十年の延長を、認可した場合には、我々が認めた場合には認められるということでございます。
 ですから、検討するというその委員の趣旨ですけれども、これを十年にしろとか認めないとか、そういうことも含めておっしゃっているというふうに理解すればよろしいんでしょうか。(発言する者あり)
○委員長(櫻井充君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(櫻井充君) 速記を起こしてください。
 改めて、浜野君。
○浜野喜史君 現行の四十年ルールを問うておるわけではございません。四十年制限制、この四十年ということについて規制委員会のお立場で科学的、技術的見地で検討をするということが義務だというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 設置法の附則九十七条を読ませていただきますけれども、「附則第十七条及び第十八条の規定による改正後の規定については、その施行の状況を勘案して速やかに検討が加えられ、必要があると認められるときは、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるものとする。」ということでございまして、今審査を開始したところですから、今必要だというふうには考えていないということでございます。
○浜野喜史君 委員長、これ私は全く納得いきません。原子力規制委員会設置法案、これは附則で、原子炉等規制法の改正等も含まれた一括審議が行われて、その中で提案者が明確に、新たな組織における検討事項なんだということを明確にされております。立法者の意思を踏まえて検討されるのが当然でございますので、もうこのような不誠実な私はお答えは理解できないということを申し上げたいと思います。
 そして、このことを是非この委員会の理事会においても取り上げていただきたいというふうに思います。お願い申し上げます。
○委員長(櫻井充君) 後刻理事会で協議させていただきます。
○浜野喜史君 一つ目の点は終えさせていただきまして、日本原電の敦賀の関係、取り上げさせていただきます。
 今日は配付資料を五枚お配りをいたしました。環境委員会におきまして私が資料要求をいたしまして、二百七十ページほどの資料を原子力規制庁から提出をしていただきました。私がお願いしましたのは記載の三点でございます。
 改めてお伺いをいたします。
 事業者が、具体的にこの評価書の中身については六十三項目の問題があると。事実誤認、そして根拠が明らかではないというところであります。これについて、私は、真正面に向き合って原子力規制委員会は答えるべきだというふうに考えますけれども、改めて考え方をお伺いします。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先ほども御質問にお答えしましたけど、敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合は、有識者同士で御議論いただき、見解をまとめる場であり、事業者が公表した指摘の全てに答えるといったようなプロセスは踏んでおりません。
 敦賀発電所の敷地内破砕帯活動性に係る評価書の取りまとめに必要な範囲においては、事業者の見解も十分に伺うことができているというふうに考えています。また、御指摘の六十三の問題点についても、ピアレビュー等で他の有識者からいただいたコメントと内容が重複する部分もあります。評価書に反映すべき箇所は反映したと理解しております。
 なお、更に幾つかいろいろ事業者としては御疑問もあろうかと思いますが、これは改めて正式に変更申請があった場合に、その中で十分に議論をさせていただくことにしております。
○浜野喜史君 一々事業者指摘に答えない、これは私は全くもっておかしなことだと思います。
 先ほど来からの議論でもありましたように、有識者会合は、事業者の説明が認められるものなのかどうなのか、材料は事業者が出してきているんです。それに、独自の調査を有識者会合はしているわけでは決してございません。それは先ほども議論の中でありました。事業者が説明してきたことについて、事業者が、事実誤認があると、有識者会合の評価は根拠がないということを具体的に挙げているんです。それに対して答えるのは義務だと思います。
 その上で質問いたします。
 二枚目の資料を御覧になっていただきたいと思います。これは六十三項目の中の一つの事例、全くもって事実誤認だというふうに事業者が指摘をしておる内容でございます。資料二でございます。
 事業者は、もう詳しくは申し上げませんけれども、Bという層は全体としては細粒な砂、シルトを挟んだ堆積構造が認める地層であると。私は、これはもう専門的には分かりません。こういう説明を事業者はしたと。しかしながら、評価書の中には、静穏な環境においておおむね水平堆積しているというふうに表現されています。これも、有識者の評価がこうだという表現ではありません。右の方にも表現されておりますように、日本原電の説明としてそういう説明をしたんだと、B層についても静穏な環境においておおむね水平に堆積しているというふうに日本原電が説明しているというふうに評価書には書かれてあるんです。
 そんなこと言っていませんということを事業者が、これはもう言っていることは当然のことだと思うんです。それを聞く耳を持たないという対応をしているのはおかしいんじゃないですかということ。これ、六十三の問題点のうちの一つとして挙げておるわけです。こういう対応は全くもっておかしなことじゃないかということを私は質問しているわけでございます。田中委員長、お答えください。
○政府特別補佐人(田中俊一君) こういったかなり専門的なデータをどういうふうに評価するか、どういうふうに見るかということについて、私がお答えできるだけの専門的な知見は持っておりませんので詳しくはお答えできませんけれども、当然、事業者が出してきた同じデータについても、専門家によってはいろんな見方があるということだというふうに思います。
○浜野喜史君 私は専門的な評価のことを問うているわけじゃないんです。六十三項目の中の一つの項目、これ、二十四ページ物の一ページなんです。ここで、もう分かりやす過ぎることなんです、これは。事業者はそんなこと言っていませんと言っておるんです。しかし、評価書の中では、事業者が説明したと表されているんです。なぜなんですかということなんです。これ、専門的なことじゃないんです。
 これは規制庁からいただいた資料ですよ。私が作った資料じゃありません。規制庁から提出された資料において、専門的な評価をめぐっての見解の分かれとかそんなことじゃないんです。評価書の中で有識者がどう判断したかということを表現しているところもないんです。
 もう一度御答弁ください。
○委員長(櫻井充君) これ、事務方はきちんと答弁してもらえませんか。
 ちょっと速記止めてもらっていいですか。
   〔速記中止〕
○委員長(櫻井充君) 速記を起こしてください。
 それでは、櫻田規制部長。
○政府参考人(櫻田道夫君) お答えいたします。
 委員御指摘のところについては、確かに委員がおっしゃるとおり、私どもが提出させていただいた資料において書かせていただいたところは、日本原電の説明を評価書の中に記載した部分としてはこういうふうに書いていますと、そういう御説明をいたしました。
 これは、有識者の方々がこの日本原電の説明をどう受け止めたのかということを表現したところでございまして、日本原電から指摘されていた問題点にはこのように書いてございますけれども、それまでの間において、日本原電から提出された資料、評価会合において提出された資料、あるいはそこにおいて説明されたこと、やり取りがあったわけでございまして、そこを踏まえると、有識者としては日本原電はこのようにおっしゃっていたというふうに理解をされて、最終的な評価書の中でもこのように書かれたというふうに私どもは理解してございます。
○浜野喜史君 全く理解できません。ただ、これ時間がありますので、後ほど、全て一式、一括して私は資料要求を改めてしたいと思います。
 次の質問に移ります。
 この一枚目にありますように、ピアレビュー会合を開いた後、会合を一切開いていません。有識者の先生方、集まっておられません。事務局が修正案を作って、メールのやり取りを有識者の方々と交わしているということです。確認をいたしましたら、一切会合持たれていません。
 なぜ会合を持たれなかったのか、考え方、聞かせてください。
○政府参考人(櫻田道夫君) ピアレビュー会合におきましてはいろいろ御指摘をいただきまして、その多くは、表現が不適切であるとか、あるいは結論に至るまでの論理展開に不十分なところがある、あるいは論拠が不明である、説明が不足しているので追記すべきである、このような意見がたくさんございました。
 そういったことによって、御指摘については有識者の方々もよくその場におられたので御理解いただいていますし、その後の対応についても、私どもの方でそれまでに材料、評価会合を何度も何度もやってございますのである程度ございましたので、それを使うと、このような形式で評価書の修正をしたらいかがでしょうかということを事務局としての提案を作ることは可能でございました。
 そのため、そういったものを作りまして、有識者の方々に通信でその文案を御提示し、その御意見をいただくというやり取りをメールベースで行うことによって十分に反映をすることが可能であったというふうに承知してございまして、そのため、有識者会合をもう一回開くべきだというような御意見も特に有識者の間では発生しなかったという、そういうものでございます。
○浜野喜史君 それも全く納得できませんね。
 角度を変えて質問しますけれども、これは評価書の第二というふうになっています。評価書も前段、二年前にまとめられております。その際には、二十五年の三月の八日にピアレビュー会合が開かれたと。そして、二十五年の四月二十四日には事業者を参加させての評価会合が開かれているんです。そして、五月十五日に改めて有識者の皆さん方だけの評価会合が開かれるんです。
 前回はこういう取りまとめ方のプロセスを経て、今回は一切それをやらずにメールのやり取りだと。これはどういう理由なんでしょうか。説明ください。
○政府参考人(櫻田道夫君) 有識者の方々に集まっていただいて会合を開くかどうかについては、その場において議論すべき論点が多数あるかとか、集まって本当にそこで議論しなければならないような問題が残っているかとか、そういったことを十分に勘案した上で会合を開くかどうかということを検討して決定をしてございます。
○浜野喜史君 全くそれも納得できませんね。
 それじゃ、規制委員長、今のようなことをどこでどういう議論をして決めたんですか。今、櫻田部長がおっしゃった、会合を開く必要がないというのを、どういう基準でもって、ここまでいろんな意見出ているんですよ。一方、事業者は事実誤認だと、具体的に、今の例も単なる一例ですよ。そういうことを言ってきているにもかかわらず、やり取りだけで済むんだということをどこの場で誰が判断したんですか、こんな重要なことを。御説明ください。
○政府参考人(櫻田道夫君) 会合を開催するかどうかにつきましては、座長である石渡委員と御相談し、また先生方から何か御要望があるかということも当然参考にいたしますけれども、特に先生方からは、先生というのは有識者の先生方からは、集まってもう一回議論する必要があるという、そういう御要望もございませんでしたと、そういうことでございます。
○浜野喜史君 これも私、納得できないんです。ずっと全ての意思決定プロセス、大事なことは公開しているというふうにおっしゃいながら、こんな大事なところはクローズドで恣意的判断をしておられるというふうに私は考えざるを得ないと思います。またこれも含めて、後ほど資料要求をさせていただきたいと思います。
 次に移ります。
 次の資料、右肩に資料三という資料ございます。これは、ピアレビュー会合を踏まえて、どういうふうに修正をしようかというメールのやり取りを、これは規制庁の事務局の方だと思います、提案をして、それに対してやり取りをされた記録を規制庁から提出をしていただきました。
 一番上に番号十五番と打ってあります。ピアレビュー会合に御出席された有識者の大谷先生が、全体に関わる部分ということで、少し字が小さいんですけれども、こういうことを述べておられます。今回の評価書は事業者側と有識者側で異なる見解が記述されている、事業者側の考え方を否定するという構成になっているので、やはりそこは丁寧な説明が必要であるということをおっしゃっています。その下に、例えばという事例で、事業者側の表現と規制委員会の評価と、これを読み手が読めば、どちらが正しいのか読み手が判断するためのデータが何も示されていない、こういう御意見があったと。それに対して、右の方ですね、規制庁の事務局がどう考えたか。全体を組み替えるとなると大きな変更になり、また今までの会合での議論だけに基づくと、書けない部分も多いので、今回の評価では対応しませんと。
 これ、私、目を通させていただきまして、正直びっくりいたしました。議論していないから書けないんだ、したがって今回は対応しないんだと。そして、なおかつ、これは関連箇所は全体にわたってということなんです。そして、大谷先生も、例えばという事例を挙げて、例えばこの部分についても判断できませんよ、判断根拠を示していませんよと、こういう指摘があって、それに対して規制庁の事務方は、全体を組み替えることになると大変なので変えない、そして今までの会合での議論だけに基づくと書けないと、こういうことなんです。
 もう一つ行きます。中段の岡田先生、一番ですね、もう割愛いたしますけど、美浜テフラは最近発見されたものなので、事例が少ないのは当然のことである。これは、評価書の中では事例が少ないので有力な証拠とはなり得ないというふうに評価されているところなんです。これを事務局は感想と受け止め、対応せずというふうにしているんです。感想と指摘の分かれ目は何なのか。
 こういうことを見てみると、本当にしっかりとした検討がなされていない、そして極めて恣意的にこういうコメントが扱われているというふうに理解せざるを得ないというふうに思うんですけれども、このようなやり取りについて、私が今申し上げたこと、どのようにお考えか、御説明ください。
○政府参考人(櫻田道夫君) お答え申し上げます。
 委員の御提出の資料を使わせていただいて恐縮でございますが、今委員が御紹介された資料は、委員の資料一の中に提出資料の一覧がありますけれども、その資料六というやつでございます。これは、ここに書いてございますように、三月五日に有識者に送付した資料ということでございまして、その時点でピアレビュー会合でいただいた指摘を整理をして、これに対してどのように対応するかということについての事務局の案を整理したものでございます。それとは別に、Aというところがございますが、ピアレビュー会合でのコメントと評価書での対応についてという資料は、また別に整理をして委員には御提出申し上げています。
 何を申し上げたいかというと、御紹介いただいた資料六というのは作業途中のものということでございまして、ある種、表現にかなりはしょったところとか乱暴なところがあってきちんと書き切れていない部分があったので、そこも含めて、Aの資料二というものがありますが、これについてきちんと整理した形で御提出しているので、もし御指摘があるのであればこちらを基にしていただければというふうに思いました。
 その上で、二つ今お話ございましたけれども、最初の大谷先生のコメントにつきましては、確かにここにはこのように書いてございますけれども、先生の御指摘の趣旨は、この評価書自身がかなり簡潔にまとめようとしているので、はしょっているところがある、もう少しボリュームを増やしてもきちんと説明を加えるべきではないかと、こういう趣旨の御指摘でございまして、そこは有識者の中でもそれまでの間に議論がなされておりまして、説明の簡潔性とそれから十分性をどちらを取るかということで、簡潔なものをやっぱりここでは採用しようという判断になりましたので、そこも含めて大谷先生の御指摘については今回はちょっと対応するのは難しいかなという判断を事務局としてはさせていただいた、そういうことでございます。
 それから、岡田先生のこのコメントにつきましては、感想と受け止めるというところはちょっと乱暴な表現でございまして、そうではなくて、先ほど御紹介した別途作らせていただいた方の資料にはそうは書いてございませんけれども、ある種事実の指摘をしていただいたので、その事実についてはそのとおりでございますので、そこについては受け止めた上で、評価書に反映するべきかどうかは検討させていただいたと、そういうことでございます。
○浜野喜史君 そろそろ時間が来ましたので、これで最終資料要求をしてまた終わりたいと思いますけれども。
 いろいろ聞きたいこと、まだ山ほどあるんです。一つだけ、それじゃ、感想と受け止めるというふうに整理をした方々には、感想という位置付けでいいんですねということは確認されたんでしょうか。これだけお伺いいたします。
 そして、もう時間が参りましたので、最後に資料要求させていただきます。
 櫻井委員長に次のことを求めます。
 原子力規制委員会から本委員会に対して、第一に、事業者指摘の六十三の問題点について個別にどのように判断したのか、それぞれの指摘の正否を具体的に明らかにした資料、第二に、評価書の取りまとめをメールでのやり取りだけで行うことを、いつ、誰が、どのように決定したのかという経緯を明らかにした資料、第三に、評価書案修正の議論において、一月二十九日、二月二十日、三月五日、三月十日に事務局から有識者に資料を送付しているが、その際、どのような依頼を行ったのか具体的に分かる資料、第四に、評価書の取りまとめの最終段階において、全ての有識者の了承を、いつ、どのように得たのかが具体的に分かる資料、これらを提出することを要求していただきますようにお願いを申し上げます。
 以上で終わります。
○委員長(櫻井充君) 後刻理事会で協議させていただきたいと思います。
 答弁、簡潔にお願いします。
○政府参考人(櫻田道夫君) 感想であると受け止めたということについて御本人に確認したのかということでございますけれども、この資料を作る時点ではそのような確認は行わずに、事務局としてそのように書かせていただいたと、そういうことでございます。先ほど申し上げましたように、この表現は適切ではないというふうに我々は考えてございます。
○浜野喜史君 終わります。ありがとうございました。
    ─────────────
○委員長(櫻井充君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、塚田一郎君及び滝波宏文君が委員を辞任され、その補欠として中西祐介君及び豊田俊郎君が選任されました。
    ─────────────
○新妻秀規君 公明党の新妻秀規と申します。
 原子力規制委員会、規制庁が発足してもうすぐ三年になります。この間、各界から厳しい意見を投げかけられながらも新規制基準を作り、また再稼働に向けた適合性審査を推進してまいりました。道がない道をつくりながら膨大な作業に取り組んできたその御努力と成果は素直に評価をするべきだというふうに思います。一方で、審査のプロセスにはまだまだ改善の余地も見られるように思います。本日はこの点について質疑をしてまいります。
 まず、敦賀の破砕帯調査をめぐる原子力規制委員会と事業者の意思疎通について取り上げたいと思います。この点については、先ほど滝波先生、また浜野先生からも質疑があったとおりでございます。
 平成二十六年の六月の二十一日に行われました敦賀発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合第二回追加評価会合におきまして、原子力規制委員、有識者と事業者とのやり取りを議事録で確認をいたしました。原子力規制委員会の議事運営、また事業者の対応の両方に問題があるように思いました。議事録からは、事業者の主張が時間の都合で認められない、又は遮られる、こうした場面が散見をされているように受け止めました。
 例を挙げますと、先ほども滝波先生の質疑でありましたK断層の活動性を評価をするというかなり重要だと思われる議題について、このようなやり取りがありました。事業者の方から、K断層は将来活動する可能性の断層に該当しないというふうに見るんですけれども、そういう話ではないでしょうか。それに対して有識者、そういうのは活動性の評価のときにやっていただければと思います、ここではそれは関係ない。事業者、ただ、そこの事実関係は、後でもいいですけれども。有識者、時間もないので後にしましょう。事業者、いや、ここは時間を掛けて、ここの年代感は非常に活動性評価の本当の根幹に関わる部分なので、そこはしっかり、そのB層をどういう年代感なのかというところに対しては、しっかりデータに基づいて、同じ見解に至るまでちゃんとやりたいんですけれども。規制委員、その点ですけれども、我々はそこはキーポイントではないと思っているので、基本的に問題の設定が違っています。こういうふうに打ち切られてしまっています。
 また、これ以外にも、この原子力規制委員は、その議論よりも重要な議論があるとか、我々が一番重要だと考えていることを議論させていただいて、それからという形を考えております。このような形で事業者の主張が遮られている。これはやはり改善の余地があるんじゃないかなというふうに思うんです。
 この日の議論の終盤に、原子力規制庁は運営の改善について言及をしております。事務方の方が、審議の進め方については、できるだけ早い段階で調整を進めながら、二度とああいうことがないように私ども事務局の方も努めたいとありますが、その後どのような改善をされたのでしょうか。
 昨年のこれは五月の二十九日なんですけれども、衆議院の原子力問題の調査特別委員会では、東京工業大学の特任教授であられる西脇参考人はこのようにおっしゃっています。最近の基準適合性審査における事業者との対話を見ても十分な議論が尽くされていないという状態になっておりまして、これは規制側と事業者側で結論が異なるのは致し方ないとしても、相互信頼関係を築くためには、なぜ相手がそういう主張をしているのかということが分かるぐらいにまで議論をしておかないと、結論が違った時点で相互不信関係しか残らないということになりますので、議論が尽くされているとは言えないというふうに思っております、このようにおっしゃっています。やはり規制委員会と事業者間の議論に関わるこの指摘は、この敦賀破砕帯調査についての規制委員と有識者、そして事業者との間にも当てはまっているように思います。
 ここでお伺いしたいと思います。破砕帯調査をめぐる原子力規制委員会そして事業者との意思疎通について、改善の具体的な取組又は今後の方針について教えていただきたいと思います。御答弁をお願いいたします。
○政府参考人(櫻田道夫君) お答えいたします。
 今委員御指摘のやり取りは大分以前のことでございますので、その後いろいろ改善を行いました。その辺について御紹介したいと思います。
 その前に、この有識者会合というのは、有識者が議論をして、そこに必要な情報を事業者からいただく、それに際して事業者が考えていることがあれば述べていただくと、こういう立て付けで行ってございますということをまず御理解いただければと思います。
 その上で、会合を円滑に行うために、事業者との面談もその問題が生じた後になるべく行って、評価会合を行う十分前の段階で、事業者からこういうことを今回説明したいとか、あるいはこういう人を呼んできたいとか、そういう申入れをいただいて、その上で、そういった専門家がどういう事業者との関係なのかということを明確にしていただければ会合への出席を認めますよといったようなことも行って、円滑な会合の運営に資するような措置を講じて、実際に事業者側の専門家にも御出席いただいたと、こういうようなことも行ってきたわけでございます。
 それから、さっき申し上げました、この有識者会合はそういう有識者が自分で考える場だということでございますけれども、適合性審査についてもちょっと御言及があったので、適合性審査の場はそれとは全く異なりまして、事業者の申請に対して私どもが基準に適合しているかどうかを判断する、そのために事業者の申請の内容をきちんと聞いて、その妥当性を説明をいただいて、それに納得するかどうかということを我々が考えていくという、そういう場でございますので、十分時間を掛けて議論させていただいているということでございます。
○新妻秀規君 ということだと、このやり取りに関しては、その会合の前に、必要なこういう人を呼びますよということをあらかじめやり取りするということだけが改善点だったんでしょうか。
○政府参考人(櫻田道夫君) その会合で何を行うかというところについての双方のやり取り、共通認識を持つということがやっぱり一番重要なことだというふうに思ってございまして、その会合において、どういう人に出席していただいて何を論点として議論するのか、そのときに使う資料はどうするのか、これを整理することによって会合自身の運営が円滑に進められるようになったというふうに考えてございます。
○新妻秀規君 それは当たり前なことだと正直言って思います。
 私は、今回の問題を取り上げるに当たって、規制委員会、規制庁のホームページも拝見しましたし、また事業者側のホームページも拝見しました。私が素直に思ったのは、事業者側が言っていることがなしのつぶてにされているということなんじゃないかなというふうに思うんですね。質問をして、それに対して答えが戻ってこない。規制庁、規制委員会からは回答をする、整理をするというふうに言葉はもらっているんだけれども、いつまでたっても回答が来ない。でも、その間に重要な決定がされている。
 こういうところがやっぱりコミュニケーションの基本なんじゃないかなというふうに思うんです。約束は守ってくださいよということを、例えば最近の、この破砕帯調査についての事業者の主張が三月二十七日辺りから断続的に出ておりますけれども、こうした主張は、私、妥当なんじゃないかなというふうに思うんです。なので、そうした口約束をしたことをきちんと守るということも改善の一つなんじゃないかなと思うんですけれども、その点についてはいかがなんでしょうか。
○政府参考人(櫻田道夫君) 今委員から御指摘のございました、最近の面談において事業者から質問をいただいて、こちらが検討して回答するといったことについては、これは準備してございまして、準備整い次第、事業者と面談をしてお答えするということをやろうと思っていまして、今作業をしているという、そういう状況でございます。
○新妻秀規君 そうした状況であれば、検討をしている、いついつまでに回答をするというのは、やはり例えば民民の取引であれば当然そういうことは、期限を、ある程度のところのスケジュール感を示すということは基本なんじゃないかなと思うんですけれども、今のところはそうしたスケジュール感とかは示していないわけなんでしょうか。
○政府参考人(櫻田道夫君) 事実関係だけ申し上げますと、面談の場でいついつまでにというところまでは申し上げているわけではございません。どのくらい時間が掛かるかというところについて必ずその場ですぐ判断ができるものでもないので、そこはなかなか難しいところがあるというところは御理解いただければというふうに思います。
○新妻秀規君 ただ、やはりこうしたお互いの信頼関係を醸成していくということは、結果として適正かつ迅速な審査につながると思うので、御検討をお願いしたいと思います。
 次に、ピアレビュー会合の位置付けについての原子力規制委員会の決定についてお尋ねをしたいと思います。
 お手元に二つの資料を用意してございます。まず、資料の一が、平成二十五年、おととしの二月の二十七日に原子力規制庁が作りました「敷地内破砕帯の評価書案に関するピア・レビュー会合について(報告)」という資料でございます。ここの資料の一番下のポツには、ピアレビューの結果については、必要に応じ評価書案に反映をするというふうにございます。一枚めくっていただいて資料の二に参ります。これはその約一週間後なんですけれども、平成二十五年の三月八日、約一週間後に行われましたこのピアレビュー会合当日の資料でございます。このピアレビューを行う趣旨、一番目のところの三行目ですね、本文に入りまして、こうあります、具体的には、当該破砕帯の再評価をするのではなくというふうになっているんです。
 この二枚を見比べると、先ほどの二月二十七日では、ピアレビューの結果は必要に応じて評価書案に反映をするとなっているのに対し、この当日の資料、資料二では再評価はしませんよというふうに、何か違うように見えるわけなんです。
 事実、事業者若しくはこういうエネルギー関係の雑誌におきましては、ピアレビュー会合の位置付けが突然変わったという声が上がっています。これはどのように捉えたらよいのでしょうか。御答弁をお願いいたします。
○政府参考人(櫻田道夫君) お答えいたします。
 委員の配付された資料一、二十五年二月二十七日の紙、これは原子力規制委員会においてピアレビュー会合を行うということについて御議論いただいたときの紙でございます。
 その中に、今御紹介ありましたように、一番下の行に、ピアレビューの結果については、必要に応じて評価書案に反映するんだと、そういうことで書いてございます。これは、レビューアーがいろいろコメントされますが、その内容について有識者自身が検討を行って、その結果必要だというふうに判断されれば、その必要性に応じてその意見を評価書案に反映すると、そういう趣旨のことを書いたわけでございます。
 資料二の方は、これは一ポツというところにピアレビューを行う趣旨ということで書いてございまして、ピアレビューって一体どういう目的で何のためにやるんだよと、そこについて実際の先生方に御理解いただくために少しかみ砕いて書いた資料でございます。
 ここに書きましたのは、一行目から読ませていただきますと、第三者の視点で確認をしていただくんだと、こういうことを書いてございまして、それは具体的にはどういうことかというと、改めて一から再評価するということではなくて、多くの専門家の意見をいただいて参考にして、評価書案をより良いものにするというのが目的なんだと。すなわち、五人のメンバーによる有識者会合がこの評価書案をまとめる主体であって、ピアレビューの先生方はこの主体ではありませんよということを示している、そういうことでございます。
 したがいまして、ちょっと書き方は違いますけれども、この二つの紙で書いてあることは、レビューアーの意見を参考にしながら有識者の方々が評価書案を必要に応じて修正する、コメントを反映するという、この考え方に両者は全く変わりはないということでございます。
○新妻秀規君 やっぱり分かりにくいと思うんですよ。
 今の御説明を聞かないと、言っていることが同じだということが分からない。国民に広く公開されている文書です。事実、事業者とかエネルギー系の雑誌ではこういうことについて疑念の声が上がっているということは事実としてございます。なので、やはりこうした分かりやすさということを今後はきちんと意識をしていただきたいと思います。これは要望させていただきます。
 次に、破砕帯調査のピアレビュー会合で出された意見の取扱いについてお伺いをしたいと思います。
 昨年の十二月の十日に行われました敦賀発電所破砕帯調査に関する有識者会合のピアレビュー会合におけるレビューアーの指摘におきまして、石渡委員は本年三月二十五日の臨時記者会見で、結論を変えろという御意見はなかったというふうに評価していらっしゃいますが、その根拠は何なのでしょうか。
 事業者は、この点につきまして、今年の四月一日発表の「敦賀発電所の敷地内破砕帯の評価に関する事実関係について(その二)」という資料で、事実に著しく反していますと指摘しています。私自身、事業者の肩を持つわけでは決してありませんけれども、事業者発表のこの資料での指摘を念頭に、この十二月十日ピアレビュー会合の議事録をもう一度確認いたしました。専門的な中身は正直言って分かりません。ただ、事業者の指摘の中には真っ当な主張だなというふうに思えるところも多かったというふうに認識をしています。四点紹介させていただきます。
   〔委員長退席、理事浜野喜史君着席〕
 レビューアーの一人、岡田先生はこういう指摘をされています。K断層とD―1破砕帯、全く違うものじゃないかと、こういうことを私は現場で詳しく見たつもりでいます。それに対して座長は、有識者会合の方では、一応の議論と結論が、ここに評価として出ているということでありますね、余りそこに立ち入ってしまうと、じゃ、最初からやり直しましょうかという話になってしまうので、それはちょっと難しいということで、やっぱり議論がここで深まらないんですね、これ以上。
 また、違うレビューアーの粟田先生は、これは本当に断層ですかねというのも意見としてあるのですがというふうな御意見を発出したのに対し、座長は、繰り返しますが、ここは再評価をするところではございませんので、いただいたコメントはコメントとして受け取って、後に有識者会合の方で文案を更に詰めるとかというふうに、ここでも議論が遮られてしまっております。
 また、先ほどもありました大谷先生、事業者側の考え方をある意味否定をしたいということであれば、やっぱりそこは丁寧な説明が必要なのかと思うんですね。で、座長、今のはコメントとして受け取っておけばよろしいんですかねということで、事業者の考えをなぜ否定するのかという理由は、そういう議論になっていないんですね。
 最後に、また再び粟田先生、K断層の活動層準、ちょっとテクニカルタームですけれども、その認定のところで、事業者が時間ごとに違うスケッチを出してきたということを出して、それを非難するような記述があったんですが、それを問題にするのは私は信じ難いんですがと。で、座長は、評価の内容に踏み込んでやる場ではありませんけれども、御意見は御意見として承るということで承っておきたいと思いますということで、議論が全く深まっていないんです。これはやはりどうなのかなというふうに正直言って私は思いました。
 原子力規制委員会には、意見がこのように多く出された中で結論を変えないというふうにした理由については少なくとも説明する義務があるのではないかなというふうに思うのですが、委員長の見解をお願いをいたします。
○政府特別補佐人(田中俊一君) ピアレビューはレビューアーが評価書案の再評価を行うというものではなくて、有識者会合が取りまとめる評価書案について論理的矛盾がないか、改善すべき点がないか等の御意見をいただく場であります。
 昨年十二月のピアレビュー会合においては、結論に至る論理展開の中で説明が不足しており追記をすべきといったような様々な御指摘をいただいたと聞いております。ピアレビューでの御意見については、有識者に御確認をいただきながら、必要に応じて評価書案に反映した上で最終的に御報告いただいたものと考えております。
○新妻秀規君 ちょっとよく分からなかったんですけれども。
 私、正直言ってこの議事録を詳しく幾ら読んでも地質学の詳しいことは分かりません。ただ、非常に専門的な高度な内容であって、相当意見の見解というのが先生方によって異なるんだなということは分かるんです。ピアレビュー会合の位置付けも、今委員長の御説明で分かりました。まさにこの資料の二に書いてあるとおりです。
 今委員長がおっしゃったのは、この資料二の真ん中ほど、二のレビューの視点のところの、多分五つのポツのうちの頭二つだと思うんですね。考え方のプロセスに客観的、本質的な誤りはないか、論理展開に無理はないか、こうした視点でレビューアーの方にレビューをしてもらって、それを有識者の先生に判断していただく、これがピアレビュー会合の位置付けだという御説明だと思ったんですけれども、でも私は少なくとも、専門の内容を分からなくても、感じたのは、ああ、ここというのは相当根幹に関わるところなんだなと、そういう指摘をされているんだなということは分かるんです。
 ここで委員長に教えてほしいんですけれども、もしこういうピアレビューの会合において、考え方のプロセスに本質的、客観的誤りがあって、また論理展開には無理があることが判明をした場合、その場合にはこの評価書の再評価をするということはあり得るのでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 明らかに論理展開等に矛盾があったり誤りがあれば、それは再評価するということになると思います。
○新妻秀規君 分かりました。
 そうですね、今後のピアレビューの議論におきまして、万人が、ああ、ちゃんと議論が尽くされたんだなというような議論を展開していただけるように、これは要望させていただきたいと思います。
 次に、審査における経験の蓄積の整理、そして公開についての検討状況について伺いたいと思います。
 昨年の五月二十八日、参議院の原子力問題特別委員会におきまして、私の質問に対して、必要に応じてガイド、審査基準等の改正に努めていくとの御答弁が竹内原子力安全総括官からありました。また、さらに、それを踏まえました昨年の十一月の十二日の参議院原子力問題特別委員会では、私より、川内原発の審査の終了を受けまして審査ガイドや基準の改定に川内の経験を生かすべきと訴えたところ、答弁といたしましては、規制当局としても審査における経験を蓄積して今後の審査に役立てることは必要だと思っている、審査の指摘、整理については整理して公開することが必要だと考えており、対応について検討したいというふうに櫻田部長より御答弁をいただいております。
 その後の審査における経験そして蓄積の整理、公開についての検討状況はどのようになっているのか、実例に即して教えていただきたいと思います。御答弁をお願いします。
○政府参考人(櫻田道夫君) 今、御質問の中に二つの内容があったかと思います。一つは基準ガイドといった問題、それからもう一つは審査の経験の蓄積の文書化という問題ですね。
 前者の方から申し上げますと、昨年五月の答弁の後ということではございますが、ちょっと遡りますけれども、昨年の四月に基準の解釈の改正を行っていまして、これは審査の経験において明らかになった、ちょっと明確性が足りなかったというところを補足した形の解釈の改正でございます。
 それから、昨年九月に、これは竜巻のガイドの改正なんですけれども、これは誤りが見付かったということがございまして、審査をしてその結果をまとめていく過程において、ガイドの中にちょっと書き誤りがあったということが分かったので改正をしたと、こういうようなことをやってございます。
 それから、審査の経験の蓄積の整理でございますけれども、これは作業的にはかなり膨大なものがございますので、なかなか一朝一夕に進まないんですけれども、中では、内部的には随時今作業をしてございまして、一つ今取組を行ってございますのは、実際に審査の会合にかける前にヒアリングとかということをやるんですけれども、その場においてどういう論点をこの課題において審議するかというようなことをまとめたようなものを事業者に提示をするということをやってございまして、それをホームページに公開するというようなことも試行的に取り組んで始めてございます。これは公開しますので、ほかの事業者にも参考になるということになるかなと思いますし、過去の経験の蓄積についても随時整理をして公表するように努力していきたいということについては、以前御答弁申し上げたのと同じでございます。
 ただ、さっき申し上げましたように、審査をしながらこういうものを作っていくということになりますので、少し進捗がなかなか進まないところございますけれども、鋭意努力してまいりたいと思います。
○新妻秀規君 今、櫻田部長からありました、最後におっしゃった、なかなか進まないこの審査の経験の蓄積のところなんですけれども、具体的にはどのような文書について作業されようと思っていらっしゃるのか、ちょっとこれについて御答弁いただけますでしょうか。
○政府参考人(櫻田道夫君) 失礼いたしました。
 念頭に置いていますのは、審査基準に各条文ごとに要求事項が書かれています。それから、これは、解釈があり、また審査ガイドがありという形で、かなり細かいところまで既に文書化がなされているんですけれども、もうちょっと突っ込んで、実際の審査の場合にどういうことを聞いたのか、その結果がどうだったのかということについて整理をすることによって、同じようなプラントについて同じような審査を行うときにお互いが何を議論すればいいかということが分かるようにすると、そういう内容のことを考えてございます。
○新妻秀規君 今部長がおっしゃった取組は、適正な審査を迅速に進めるために大変役立つものだと思いますので、是非とも促進をしていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○川田龍平君 維新の党の川田龍平です。
 豊島区内の公園の遊具付近で高放射線量が検出された問題について伺います。
   〔理事浜野喜史君退席、委員長着席〕
 先月、豊島区の区民の通報で調べたところ、区立池袋本町電車の見える公園の滑り台が二つ連なった複合遊具近くの地表で、毎時四百八十マイクロシーベルトという大変高い放射線量が測定されたと区が発表しました。この数値は除染を行う基準値の二千倍で、この場所に二時間いると年間許容量とほぼ同じ量の被曝をすることになります。区が地中を調べたところ、直径三ミリ高さ三ミリのステンレスカプセルを発見し、三十七メガベクレルの放射能を持つラジウムが入っていたとのことです。
 区が経緯を調査中ですが、二〇一三年の開園時には都が土壌汚染の調査をしたものの、放射線量は対象ではありませんでした。その後、区は安全宣言をして公園を再開放していますが、ゴールデンウイーク中も利用者は少なく、ほかの遊び場の放射線量は大丈夫なのか不安との声が区民から上がっております。
 区は、住民の不安の払拭に向け、専門家による説明会を実施するほか、公園や小中学校、保育園など、子供利用施設の放射線量を順次測定しているとのことですが、三・一一以降、放射線の被曝に非常に高い関心と不安を持つ母親たちは豊島区民だけではありません。測定器を持ち歩くお母さんたちもいます。
 池袋保健所が設置した相談窓口には、子供が公園を利用していたが健康影響はないのかなどの問合せが相次いだそうですが、今回の事件を受けた母親たちの不安の解消策を自治体任せにしてもよいのでしょうか。
○政府参考人(片山啓君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の池袋の公園で発見されたラジウムの件でございますけれども、原子力規制庁といたしましては、豊島区から四月の二十三日に連絡を受けまして、その日のうちに原子力規制庁の職員を現地に派遣をし、線量の測定をいたしました。その結果として公園の土の中から高い放射線が検出されたということでございます。また、原子力規制庁の方から、専門機関であります日本アイソトープ協会を紹介をいたしまして、その後の放射性物質の除去あるいは保管といったような区の取組を支援してきたところでございます。
 また、健康不安への対応という点でございますけれども、豊島区の方が池袋の保健所に健康相談を受け付ける窓口を設置されるなど、非常に迅速かつ適切に今御対応いただいているものと我々は認識をしております。原子力規制庁といたしましても、所管をしております研究開発法人放射線医学総合研究所を通じましてこの池袋の保健所からの問合せ対応に応じるなど、技術的な支援を行ってきているところでございます。
 引き続き、豊島区からの要請がございましたら、必要な技術的な支援というものを行っていきたいというふうに考えております。
○川田龍平君 今回の初動は、規制庁原子力災害対策・核物質防護課事故対処室が担い、区の調査の結果、福島第一原発由来の放射線でないことが分かり、ラジウムは放射線障害防止法の届出対象物質だとして、規制庁放射線対策・保障措置課放射線規制室が担当となったとのことです。
 しかし、同法の目的に捜索というのはなく、届け出された物質の適切な管理状況について毎年報告を受けるのみです。同法施行前の古い物質であれば、そもそも届出されていません。
 豊島区同様の遊び場調査をほかの自治体でも行うとなった場合、国としての補助の検討はできないのでしょうか。
○政府参考人(片山啓君) お答え申し上げます。
 自治体が管理をされている公園でございますとか、そういうところでの安全、安心を図る観点から、管理をされておられるお立場でいろいろと自主的にそういう調査の取組がなされることもあるのかもしれません。
 ただ、委員の御指摘ではございますが、原子力規制委員会、規制庁、公園でございますとかそういう施設を所管している行政機関ではございませんので、我々としてそういう調査などへの補助金の検討を行うということは少し難しいのかなというふうに考えてございます。
○川田龍平君 今後、対策としてですが、公共施設開設時には地表の放射線量も測定するように、土壌汚染対策法第二条の改正を検討してはいかがかと考えますが、環境省、いかがでしょうか。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。
 先生御指摘の土壌汚染対策法でございますけれども、有害物質使用特定施設が廃止された場合でございますとか、三千平米以上の土地の形質の変更の場合などに特定有害物質について土壌汚染の状況の調査を行い、土壌汚染のある土地の適切な管理を行っていくことを目的とした法律でございます。
 御指摘のとおり、放射性物質は土壌汚染対策法の対象外になっておりますけれども、今回の豊島区の事例に関しまして申し上げますと、その点に加えまして、今申し上げました土壌汚染対策法の調査の要件にも該当していないところでございます。
 今回の事例のように、管理下にない放射性物質が局所的に発見された場合には、規制庁に設置されている問合せ窓口に通報していただいた上で処置をするという対応が取られておりまして、今申し上げました土壌汚染対策法による土壌汚染調査及びその管理にはなじまないのではないかというふうに考えているところでございます。
 なお、土壌汚染対策法における放射性物質に係る適用除外の取扱いにつきましては、放射性物質汚染対処特措法の施行状況の検討を踏まえまして検討することといたしておりまして、今後、適切に対処してまいりたいと考えております。
○川田龍平君 是非この土壌汚染対策法の改正に前向きに取り組んでいただきたいと思います。
 次に、昨年三月に、福島第一原発地下水バイパスの海洋放出水のトリチウム濃度運用基準は一リットル当たり千五百ベクレルと福島県漁連と東電の間で合意されています。一方、青森県の六ケ所再処理工場においては、実際の使用済核燃料を使用したアクティブ試験中の二〇〇七年十月には、海洋へ一リットル当たり一億七千万ベクレル放出していました。これは、日本原燃提出の事業指定申請書にある管理目標値から計算したものとほぼ一致するものです。
 この海洋放出濃度は、福島第一原発の放出水運用基準の約十一万倍もの高濃度です。また、原発からの放出濃度限度は一リットル当たり六万ベクレルであり、その二千八百倍に当たります。
 再処理工場の放出水におけるトリチウムの濃度は、なぜ原発と違って規制がないのでしょうか。
○政府参考人(大村哲臣君) お答えを申し上げます。
 今、再処理工場の放出水におけるトリチウムの濃度の考え方ということでございますが、それが原子力発電所と違っているがということでございます。
 再処理施設に起因する放射性物質の影響につきましては、トリチウムの海洋放出による影響を考慮しても、これを含めても周辺監視区域外の線量が年間一ミリシーベルトを超えないとする法令限度を定めているというところでございまして、この値につきましては国際的な水準を踏まえたものということでございますが、原子力発電所についても同じく年間一ミリシーベルトを超えないということで、基本的な考え方は同じであるというふうに考えてございます。
○川田龍平君 これは地域住民にとっては到底納得できる答弁ではありません。
 このような大量の放射性物質を環境に放出することは、環境基本法の目的、第一条、第三条から第五条にある理念に反するのではないでしょうか。せめて原発並みの濃度規制を行って漁民や一般の人々の環境を守るべきではないでしょうか。いかがでしょうか。
○政府参考人(大村哲臣君) お答えを申し上げます。
 先ほどお答えをしたとおりでございますが、再処理施設につきましては、液体の放射性廃棄物が、海洋の放出施設、これは陸地からかなり遠いところに設けました海中の施設を通じて放出するというものでございますが、この海洋放出施設から放出されるという形態を踏まえまして、海産物の摂取等も含めた一般公衆の被曝線量の限度という形で定めておるものでございます。
 それから、さらに、再処理事業者に対しましては、海洋放出施設の放出口周辺の海域の海水であるとか、それからあと海底の土、海産の生物、それから漁業に用いる道具、こういったものについての放射性物質の濃度等を三か月ごとに記録をするということを義務付けておりまして、これを国に報告するという義務を課しているというところでございます。
○川田龍平君 原子炉関連規則の規定に基づく線量限度等を定める告示には、千核種以上の濃度限度が記載されているなど、原発や放射性物質を扱う事業所では多数の核種についての濃度限度の対応が行われています。発電炉の場合の周辺監視区域外の水中の濃度限度、そして放射線障害防止法に基づく研究用、医療用等施設の場合の廃液中又は排水中の濃度限度と表現は違っていますが、同じ核種については同じ数値になっているではないですか。なぜ再処理施設だけ特別扱いをするのでしょうか。
 六ケ所再処理工場が本格稼働すれば、一日置きにこの極端に高濃度のトリチウム汚染水が海洋へ放出されることが想定されます。津軽暖流が岸沿いに南下していることを考えると、世界三大漁場の一つに数えられる三陸の海の生態系に大きな影響を与えることが懸念されますが、農水省の見解を求めます。
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 六ケ所村の再処理施設からの排水につきましては、それが自然環境とかあるいは水産物に悪影響を及ぼすことのないよう、規制官庁において適切に対応されるものというふうに認識をしているところでございます。
 農林水産省といたしましても、水産物の安全性が確保されるよう、関係省庁と連携をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○川田龍平君 大量の放射能を環境へ放出する再処理工場が環境影響評価法の対象事業でないとの答弁書を昨日受け取りましたが、納得できません。
 その理由はなぜでしょうか。環境影響評価をせずに稼働させてもよいというお考えでしょうか。
○政府参考人(小林正明君) 環境影響評価法、これは、事業者が自ら事業の環境影響を事業実施前に調査、予測、評価をする、そういったプロセスを通じまして事業が環境保全に十分配慮して行われるようにしていくと、こういうシステムでございます。
 この再処理工場につきましてですが、現在、御指摘の六ケ所村の施設が今存在しているわけでございますが、これはこの環境影響評価法の制定あるいは施行以前の平成五年に既に着工がされていたということから、この環境影響評価法の対象事業ということにはなっていないと、こういう事情でございます。
○川田龍平君 エネ庁は来ていますか。
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 環境影響評価法につきましては今環境省の方から答弁あったとおりでございますけれども、この六ケ所の再処理施設につきましては、先ほども規制委員会からも御答弁がありましたように、再処理施設から放出される放射性物質につきまして、国際放射線防護委員会の勧告も踏まえまして、再処理施設周辺監視区域外における一般公衆の被曝線量が年間一ミリシーベルト以下になるように放射能濃度等の限度を定めておりまして、その上で施設からの放出形態や核種の種類に応じた規制を行っていると承知をしております。
 こうした規制の下に厳格な基準をクリアした上で、六ケ所再処理工場が竣工に向けた取組を進めていくというふうに理解をしております。
○川田龍平君 規制は十分ではないと思いますし、やはりしっかりとやるべきだと思います。
 環境基本法第十六条では、政府は、水質の汚濁に係る環境上の条件について、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準を定めるものとするとあります。
 海洋のトリチウム環境基準を定めてはどうかとの私の質問主意書に対して、平成二十四年の環境基本法から放射性物質に係る適用除外規定が削除され、放射性物質に係る環境基準を大気の汚染等についても定めることができるようになったが、諸外国では、ICRP勧告の考え方にのっとり発生源を管理する手法で防護が行われており、我が国の環境基準を設定する必要はないとの驚くべき答弁書の内容でした。
 これは今回初めて公表した事実でしょうか。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。
 今先生御指摘がございました答弁書は、もちろん先生の質問主意書にお答えをしたものという意味では今回初めてでございますけれども、その考え方を整理いたしました検討結果につきましては中央環境審議会の総会で御報告をさせていただいておりまして、それは本年の二月に行ったものでございますけれども、これにつきましては事前に開催の報道発表を行った上で公開で行ったところでございますし、また、その報告書につきましては環境省のホームページに掲載をいたしまして閲覧いただけるような形にさせていただいているところでございます。
○川田龍平君 このような大事な決定を審議会で報告するだけでいいのでしょうか。
○政府参考人(三好信俊君) 今、私、報告書のところを申し上げましたけれども、そもそも環境省では、国際機関や諸外国の情報収集を行うということでやらせていただいたところでございますけれども、これは中央環境審議会におきまして、先ほど先生御指摘がございました平成二十四年の六月に成立いたしました原子力規制委員会設置法の附則により、改正により、環境基本法からいわゆる放射性物質適用除外規定が削除されたことを受けまして、環境法体系をどのように整理していくべきかについて、平成二十四年十一月の中央環境審議会意見具申において方向性や検討課題が示されたところでございまして、その意見具申の中の検討課題の一つとして、一般環境中の放射性物質の基準又は目安などの設定に関する考え方を整理する必要があるということでございまして、先ほど申し上げましたとおり、国際的な動向の調査等を踏まえて、二月十三日に開催された中央環境審議会総会の場で検討結果を御報告させていただいて御了承をいただいたところでございます。
 なお、その報告の中でも述べておるところでございますけれども、放射性物質の防護をめぐる国際動向等につきましては引き続き知見の収集に努めていくこととしておりまして、その上で必要な場合には適切な対応を検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○川田龍平君 その調査結果について後で教えていただきたいと思います。
 放射線で汚染された我が国においては、独自の理想的な環境基準を定めるべきではないでしょうか。ICRP勧告が環境基本法よりも尊重されなければならない理由を教えてください。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。
 今、累次の御答弁の中にございますけれども、放射性物質につきましては、原子力発電施設等の周辺監視区域外において一般公衆の被曝線量が年間一ミリシーベルト以下となるようにするという発生源管理が原子炉等規制法等により既に行われておりまして、一般環境の状態についての基準を改めて設定する必要性はないという考えでございます。
 東京電力福島第一原子力発電所より放出された放射性物質による汚染への対処に当たりましては放射線防護に係る長期的な目標等が設定されておりますが、これは、通常の事業活動に起因する環境汚染の防止を念頭に定めてきた基準でございます環境基準とは性格が異なるものという整理をさせていただいているところでございます。
 なお、これらの考え方は、ICRPの勧告を踏まえたものであると同時に、今申し上げました環境基本法に基づく環境基準のこれまでの運用を踏まえたものでございます。
○川田龍平君 納得いきませんが、次の質問に行きます。
 一九八二年に発行された「重水素およびトリチウムの分離」という専門書で発表された放医研の研究によると、トリチウム水は動植物に摂取されると一%前後は有機結合トリチウムとして固定される、また人における生物半減期はトリチウム水で約十日、有機結合トリチウムでは、低分子の場合は約三十日、高分子、二百五十日から五百日などの事実が分かってきたとのことです。また、昨年、原子力学会が主催したトリチウム研究会における海洋生物系の研究発表では、トリチウム水を体内摂取した場合、三%が有機結合トリチウムに移行するともあります。
 このような研究成果及びトリチウムの毒性について、原子力規制庁はどのような見解を持っているのでしょうか。
○政府参考人(片山啓君) お答え申し上げます。
 今委員が御指摘をされました研究成果というものは、有機物に結合した形で取り込まれたトリチウムは無機物として取り込まれたトリチウムに比べて実効線量への寄与が大きいと、そういう知見であろうかというふうに思います。
 この点も含めまして、トリチウムの放射線の人体への影響につきましては、国際放射線防護委員会、ICRPにおきまして、一九八九年に摂取量と実効線量の関係を表す線量係数と言われているものが示されているところでございます。我が国におきましても、このICRPが示した数値に基づきまして、この線量係数を原子炉等規制法においては二〇〇一年に規制の中に取り入れて、今適切に規制を行っているというふうに認識をしております。
○川田龍平君 六ケ所再処理工場が本格稼働すれば、年に一京八千兆ベクレルものトリチウムが海洋へ放出されることとなりますが、この全量を仮に経口摂取すると、単純計算で三億二千四百万ミリシーベルトになります。実に三億二千四百万人分の年摂取限度になります。
 このような放出が許されるのであれば、下北、三陸の海産物にトリチウムが取り込まれ、有機物として濃縮され、海産物資源に恵まれ生かされてきた日本の国民全体の食と健康、漁民の生活に大打撃を与えるものと憂慮します。
 環境基本法にのっとり、漁業者の生活を守り、人々の食の安全を絶対に守り、国民の信頼を裏切らないようにするべきではないかと考えますが、環境省、原子力規制庁、いかがでしょうか。
○政府参考人(小林正明君) 環境基本法、先生の御指摘ございますように、第一条、目的規定でございますが、特に第三条から五条までにおきまして、環境の恵沢の享受と継承、あるいは環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築、こういった形で環境保全についての大きな方向性を示し、基本的理念を示しているものでございます。
 この目的あるいは基本的な理念、これは、この規定も踏まえまして、それぞれの個別の分野におきまして、個別法に定める措置など具体的な政策を通じて実現されるものというふうに考えているところでございます。
○委員長(櫻井充君) 補足するべき点がありますか。補足するべき点があれば、簡潔にお願いします。
○政府参考人(大村哲臣君) 放出の量につきまして簡潔に御説明を申し上げます。
 一京八千兆ベクレルと評価されているものについては、これは委員の御指摘のとおりということでございますが、先ほど申しましたように、敷地の周辺で年間一ミリシーベルト、これを守るというのは法令の要求でございます。
 実際、これは事業指定の審査におきまして評価が行われておりまして、公衆への影響につきましては、これは気体、液体全部含めてでございますが、年間約二十二マイクロシーベルト、〇・〇二二ミリシーベルトでございますが、こういうふうに評価されているというところでございます。
○川田龍平君 ありがとうございました。終わります。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 福島第一原発で、今年一月十九日、雨水受けタンクの点検作業をしていた労働者が、タンクの蓋を開けた際、蓋もろとも約十メートルの高さから落下し死亡するという事故が発生しました。昨年三月にも、倉庫の下の掘削作業で土砂崩壊し、生き埋めとなり死亡事故が発生しています。一Fでの作業で労働災害は二〇一四年度六十四件、資料でお配りしています、前年度の三十二件から二倍増えています。こうした労働災害は、事故収束作業にも影響を与えています。
 重大事故、労働者の事故が急増している原因、また事故収束作業への影響など、原子力規制庁は分析や評価を行う予定はありますか。委員長。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 労働安全に係る規則については、所管省庁において必要な対応がされているものと認識しておりますが、原子力規制委員会委員長として、この労働環境の改善については大変大きな関心を持っておりまして、これまでも、東京電力廣瀬社長と面談し、二度ほど作業員の作業環境整備、サイト内の放射線対策等を求めて、作業環境の改善を優先的に改善するように求めてきたところであります。
 本年二月に、私どもは福島第一のリスク低減目標マップを作成しました。平成二十七年二月版です。ここでも、原子力規制委員会として、この労働環境の改善ということも重要項目としてうたっているところでありまして、これについて引き続き監視を求めていきたいと思います。
○田村智子君 説明を求めましたら、関心はあるけれども分析や評価を行う立場にはないという説明も受けているわけです。
 一月二十九日、東電の數土会長は一Fを視察し、相次ぐ労働災害について、国や東電の日程で作業スケジュールが決まり、これに追い付くためにやってきた、今後は無理な工程をつくることはない、事前の準備作業を十分に行い、元請や下請企業とも理解を共有して作業を進めると述べています。
 原子力規制庁は、事故収束や廃炉作業の技術的評価を行うというのが役割ですけれども、スケジュールや人員体制を含めた評価をしなければ、その工程が実現可能かどうかということは判断できないのではないのかと私は思います。特に、国や東電の日程による作業スケジュールが問題だったと東電自身が認めたわけです。そうすると、原発を規制する機関が、スケジュールや人員体制を含め、事故収束作業をチェックするということが必要だと思いますが、いかがですか。田中委員長。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先生御指摘のように、スケジュールありきの作業ではいけないということで、労働災害が非常に増えているということ、その大きな原因としては、一つは労働環境が悪い、タイベックスーツを二枚着るとか、全面マスクをしなければいけないとか、これから夏場にかかるとそうですけれども、日射病にかかる、そういったことがありますので、まず作業環境を、放射能のレベルを、放射線のレベルを下げるということを強く求めてきました。
 さらに、やはりベテラン、今大体一日に七千人から八千人の労働者が入っているということを聞いておりますけれども、この中、十人一組ぐらいで一つのグループをつくって作業をしていますが、そのリーダーとなるべきベテランが、被曝線量が増えてなかなか継続的に作業ができない状況が生まれております。これについても改善を求めております。
 ですから、いろんな意味で、働く人も含めて命と安全を守るというのは我々の大きな任務だと思っております。
○田村智子君 ここは、実行力、指導力を持ってできるような仕組みというのを今後是非検討していただきたいというふうに思うんです。
 国や東電の日程というふうに數土会長が指摘をしたと。これが無理だった。その最たるものは、汚染水を二十六年度末までに浄化すると廣瀬社長が安倍首相に約束をしたことです。
 安倍総理は、二〇一三年、平成二十五年の九月、一Fを視察し、その場で廣瀬社長に、しっかり期限を設けて全量処理をしてほしいと汚染水の問題で要請を行いました。廣瀬社長はそれに応えて、二十六年度末までに汚染水処理を完了させると約束をしたわけです。その二週間前、安倍総理はオリンピック招致の演説でアンダーコントロールと全世界に発信をしたと。これが現場に強いプレッシャーになったんだと現場の労働者は指摘をしています。
 もちろん、汚染水の問題は早期の解決が求められます。しかし、当時もALPSはトラブル続きで、非常に困難な現状でした。
 経産省に確認します。
 平成二十六年度末までに完了するというこの東電社長の安倍総理への重大な約束は、東電と経産省がしっかり評価、検討した上でのものなんですか。経産省。
○政府参考人(土井良治君) お答え申し上げます。
 平成二十五年九月十九日に、委員御指摘の東京電力の廣瀬社長の方から総理の方に二十六年度中に全ての汚染水の浄化を完了できるよう取り組むという趣旨の御発言があったことは承知しておりますが、この当該浄化目標に関しましては東京電力が自主的に設定したものでございまして、経済産業省といたしましては事前に承知していたものではございません。
○田村智子君 昨日聞きましたら、一緒に行ったエネルギー庁の方はもうびっくりしたと。こういう全く無責任に期限が設定されちゃったんですよ。それで、無理なスケジュールが現場に横行して労働災害の急増につながったと。だからこそ、私は、第三者機関によるしっかりとしたチェックが必要だということを求めたいというふうに思うんです。
 次に、厚生労働省にお聞きします。
 タンクから落下で死亡したのは元請企業の災害防止責任者。この災害防止責任者というのは作業に加わることは禁じられています。また、高所作業で義務付けられる安全帯も使用していないことが分かっています。また、倉庫下の土砂崩れですね。この死亡事故は、落札した事業者に同様の工事実績はない。掘削作業を行う上で必要な安全措置もとられずに事故が発生をしています。
 どちらも通常の工事現場ではあり得ない事故で、そうすると、一Fの構内では法令に定める労働安全対策がなおざりになっているということがうかがえます。
 福島労働局や富岡労基署が月に一、二回のペースで立入調査を行って努力していることは承知をしています。では、その調査で指導を行った件数をまとめて、あるいはその指導でどういう内容の指導を行ったのかということなどを経産省や規制庁に情報提供を行っているのかどうか。厚労省、お聞きします。
○政府参考人(大西康之君) 委員御指摘のとおり、福島労働局におきましては、平成二十三年五月から二十六年十二月までの間に四十二回、おおむね一か月に一回立入調査を実施いたしました。その結果、二百八十八の事業者について四百三十二件の法違反が認められたものでございますので、必要な是正指導を行ったところでございます。
 この立入調査の結果につきましては、平成二十六年の十二月に福島県庁で行われました会議の場におきまして、当時の最新情報でございますが、それを関係省庁、原子力規制庁あるいは資源エネルギー庁の方も御参加された会議の中で福島労働局から説明し、情報提供を行ったところでございます。
○田村智子君 これは、仕組み的にはないわけですよね。
 私は、事故が起きて、確かに経産大臣も厚労大臣も呼んで東電に、何というか、再発防止を要請するということをやっているんですけれども、やっぱり労働安全対策を事故収束の重要な柱と位置付けて、常日頃の実態把握ということをやっていくべきだと、これも要望しておきたいと思います。
 この東電の報告を抜粋した資料、おめくりいただきますと、事故発生の原因、スケジュールの問題と同時に、やっぱりベテランが少ないという問題が指摘されています。
 昨年度の災害発生の七割は一Fでの作業経験一年未満の労働者が起こしているものです。東電の会長も、元請の現場監督が人的にも技量的にも不足をし、安全手順に違反する作業があっても見過ごされるずさんな実態だったと、ベテラン労働者の不足が深刻であるということを認めています。
 事故収束や廃炉作業というのは、やはり三十年、四十年、それ以上という長期のスパンで行われるものです。一Fというのは、ほかにはないような労働環境で働かなければなりません。となれば、一Fで労働者が技術や知識を蓄積し、長く働けるような様々な支援や対策というのが求められると思います。これはとても東電任せにはできない、国も関与して対応すべきだと思いますが、経産省でしょうか、いかがですか。
○政府参考人(土井良治君) 委員御指摘のとおり、福島第一原発における廃炉・汚染水対策に関しましては、高い放射線環境下における高度な技術を要する作業が多く、作業員の確保のためには専門性の高い人材がモチベーションを維持しながら安全に働ける環境を整備することが重要であるというふうに認識しております。
 東京電力の方では、第一原発における労働環境の改善を図るという観点から労働環境に関するアンケート調査を数次にわたり行いまして、その結果を踏まえて、給食センターの設置、大型休憩所の設置、労務費割増し分の増額、中長期の作業員確保に配慮した随意契約の適用といった労働環境の改善に取り組んでいるところでございます。
○田村智子君 それは東電がやっていることで、私がお聞きしているのは、やっぱり国が、長く働けるような労働者の生活環境、労働環境、こういうのを本当に、あるいは育成も含めてですよ、一Fで働くそういう労働者が技量が積めるような育成も含めて、何らか国が対応を取ることが必要じゃないですかとお聞きをしたんです。
○政府参考人(土井良治君) 福島第一の廃炉・汚染水対策を遂行する上で、委員御指摘のとおり、必要な労働者の方々を確保すると、それも計画的に確保するということは極めて重要であろうと思っております。
 私どもは、中長期ロードマップに基づきまして廃炉・汚染水対策を進めているところでございますけれども、そのロードマップの中におきまして、今後数年を見通してどのような計画で労働者の方々を確保するかということは、東京電力にも相談しつつ、ロードマップの中に位置付けているところでございます。
 経済産業省としましても、福島第一原発の廃炉・汚染水対策が着実に進むように、労働環境の改善に向けて継続的に東電の取組状況を確認するとともに、適切に行われていない場合には更なる必要な対策を東電に求めるといったような対応をしっかり取り組んでまいりたいと思います。
○田村智子君 国がやるべきということで、具体的に求めたいと思います。
 一つは、労働者の待遇改善。危険手当と呼ばれる労務費基準単価の割増し分が現場の労働者に渡っているかということを私たち何度も取り上げてきました。一定の改善があるとは聞いています。しかし、昨年九月には、危険手当や残業代の未払があるんだといって、東電と下請企業十六社を四人の労働者が提訴しています。二〇一四年十一月、東電が現場労働者に行ったアンケートを見ても、割増し、いわゆる危険手当について説明も受けていないと回答した労働者は六百七十六人に上ります。
 除染作業というのは国の直轄事業なので、労働者に危険手当分がちゃんと払われるという仕組みがあります。もっと危険で過酷な事故収束作業について、せめて危険手当の完全支給が実現する仕組み、必要だと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(土井良治君) 東京電力の方では、平成二十五年十一月に発表しました緊急安全対策の中で、元請各社の協力の下、作業員の方々に賃金改善に取り組み、モチベーションの向上を図ることを目的に、工事費を積算するための労務費割増し分の増額対策を打ち出しております。
 これを踏まえまして、元請各社に対しましては、まずこの対策の趣旨を丁寧に説明する、割増し分の労務費が作業員の方々に確実に行き渡るよう具体的な施策の立案や実行を要請する、その施策が適切に行われていることを適宜確認してきているというふうに聞いております。
 政府としましては、作業員の方々が、放射線レベル等の異なる様々な作業環境におきまして、賃金や仕事の内容、作業環境などについてしっかり説明を受けて、納得をした上で働いてもらうことが重要だというふうに考えているところでございます。
○田村智子君 危険な作業をしているのは自分たちなのに、何でピンはねされなきゃいけないんだと。これ、労働者の士気に関わる問題なので、今後も私質問していきたいと思います。
 事故収束作業に悪質な事業者を入れないという対策も必要です。東電のアンケートでは、作業内容や休憩時間等を指示する人の会社と賃金を払っている会社は同じかという問いに、回答した労働者の二八・三%が違うというふうに回答していて、一年前のアンケートよりも一〇%以上増えています。これ、違法派遣、偽装請負の横行が疑われるアンケート結果なんです。
 アンケートの回答、厚労省は東電から受け取っているのでしょうか。事業所名が分かるものは労基署が調査すべきだと思いますが、いかがですか。厚労省。
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
 都道府県労働局におきましては、定期的な調査以外につきましても、労働者等からの具体的な情報により、いわゆる偽装請負のおそれがある事案を把握した場合には、調査を行いまして必要な指導を実施しているところでございます。
 特に、御質問のこの東電の福島第一原発の中で作業に従事している労働者の方につきましては、いわゆる御質問の偽装請負について相談しやすい環境を整えるということのために、相談先も明記しました労働者向けの分かりやすいリーフレットを作成しまして、労働局やハローワークを通じて配布しているところでございます。
 こうした取組を通じまして、私どもとして情報収集をし、しっかり対応してまいりたいということで考えております。
○田村智子君 これ、アンケート、是非東電からも提供を受けるべきだと思うんですよ。それで、もっとやるべきは、やっぱり厚労省自らもつかむことじゃないかというふうに思うわけですね。
 いわき市の日本共産党は、多数のポスターやチラシで労働者を励まして、相談の電話番号なども直接知らせる努力をしています。そういう中で寄せられる声の中で、アンケートは会社の回収とボックス回収があるが、会社の回収にするようにと指示をされて正直に書けないと、こういう声も寄せられているわけです。やっぱり東電や関連企業や雇用主から独立した機関でなければ、労働者は危険手当のことを含めて問題をなかなか話すことできないと思うんです。
 厚労省が直接アンケートに取り組むなど、自ら違法行為などをつかみ一掃する、労働者の権利擁護の仕組みをつくる、こういうことを検討すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(高階恵美子君) 田村委員には発災当初から労働者の安全衛生確保に大変懸念を示していただき、また改善点などを提案していただいております。改めて感謝を申し上げたいと思います。
 そしてまた、本日御提案いただいたアンケートの直接実施ということでございますが、前提としては、今、福島労働局におきまして、労働者の皆様からいただいた情報、それに基づきまして立入調査等の指導を進めさせていただいておるということと、それから、先生御承知のとおり、リーフレットの作成あるいは配布、こういったことを通じてなるべく労働者の皆様の正直な声がきちっと聞けるように対応してまいりたいと努めさせていただいているところではございますが、なおまだ十分な状況には至っていないのだという御指摘だと思います。
 今後は、東電が実施しておりますアンケート、この結果の詳細な内容についての提供、あるいはそれをどのように活用して次の施策に反映していくか、こういったようなことも併せて真摯に検討し、対応してまいりたいと思います。
○田村智子君 これ、悪質事業者の一掃とか違法行為の一掃に、まさにチームつくるぐらいのことで取り組んでいくということを是非求めたいと思うんです。
 現場は、実は使命感とか士気とかやりがいがもうどんどん失われていって、すさんだ労働現場になっていると、待遇への不満や、いきなりの雇い止めが行われて、それへの不満も鬱積して、それが、わざとトラブルを起こして、それで辞めていくということにつながるんじゃないかと、ここまでの危機感が今現場の中では広がっているわけです。
 事故収束というのは東電の責任で行うことは当然なんですけれども、それでは、総理も国が前面に立って事故収束に当たると言ってきた、これは一体何を示しているのか、改めて確認したいと思うんです。
 今の質問の中でも、作業工程の外部チェックというのはやっていません、起きている問題はこれからいろいろつかんでいく、努力されるということでしたけれども、今のところ直接つかむという仕組みもないわけですよね。
 今回の死亡事故などを受けて、経産省は東電社長を呼んで再発防止や対策を要請したと言いますけれども、その要請に法的拘束力があるのか。この一Fの事故収束というのは、他の電力会社と経産省との関係とは違う、もっと行政指導が強力に行われるような関係というのがあるのかどうか、お答えください。
○副大臣(高木陽介君) まず、結論から申し上げますと、今御指摘のありました、東電の社長を呼んで、私が経済産業副大臣として、また内閣府副大臣、原子力災害の現地対策本部長という立場もございましたけれども、この徹底した原因究明及び労働安全対策、この実施を図るようにと、このように指示をいたしました。これは一般で言われる行政指導として行われたものでございます。
 ただ、先ほどからお話がありましたけれども、私も現地対策本部長として毎月一回、現地におきまして現地調整会議というのを行わさせていただいております。これは、東電の担当者も参りまして、そのほか各省庁が集まっていろいろと確認をしながら、この廃炉・汚染水問題についての進捗状況を確認しながら進めさせていただいています。
 正直、昨年、私が九月に就任してから十月、十一月と労災事故が、軽微なものでございますが、幾つかございました。そのときにも確認をしましたが、その後、一月に死亡事故が起きたということで、これはもうとんでもないということで、東電の社長を呼んでここで指導をいたしました。
 その後、約二週間、この原子力発電所の全作業を全て中断をしまして、安全点検、さらには事例の検討会の実施、また東京電力及び元請企業による現場の確認、原因究明その他行いまして、労働安全対策に関するマネジメント改善策についても新たに講じていくことになっております。
 その後、モチベーション下がっているという、先ほどからありましたけれども、実際私も現場に行って感じました。ですから、三月、二回にわたりまして朝四時から現場に行きまして、朝礼にも参加をさせていただいて、現場の作業員と話もさせていただきました。
 このように、国としても前面に立って取り組んでいるところでございます。
○田村智子君 済みません、一言だけ。
 これ、法的拘束力というのは事実上なくて、他の電力会社と経産省の関係というのは法的には全く同じなんですよ。私、それでいいのかという問題を感じます。ほかにはない事故現場なんです。国が前面と言えるような法整備が必要ならそれもやって、しっかりとした事故収束をやっていただきたい、要望して終わります。
 ありがとうございました。
○山口和之君 日本を元気にする会・無所属会の山口和之でございます。
 早速ですが、汚染水対策についてお伺いしたいと思います。
 福島第一原発の汚染水対策は国が前面に立って取り組む方針とのことで、この間何度も聞いておりますが、しかし、二号機の建屋屋上にたまった汚染水が外洋流出した情報を東電が公開していなかったことがこの春明らかになりました。経産省も、昨年十二月に東電から関連データを示されたにもかかわらず、東電に公表を指示していなかったことも分かりました。福島県がどれだけ風評被害対策に力を入れても、汚染水の問題が出るたびに努力の結果が、そして信頼が吹っ飛んでいるわけで、監督官庁として感度が鈍いと批判されても仕方がないところだと思います。
 どのように総括したのか、このことについてお伺いしたいと思います。
○副大臣(高木陽介君) ただいま御指摘がありましたK排水路の放射性物質の流出について、まず昨年十二月に東電より、清掃を実施しても排水路の濃度が十分に下がらないことについて報告を受け、事務方より、更なる調査、対策を行うように指導いたしました。
 この指導を受けて、結果として、二号機原子炉建屋大物搬入口の屋上部のたまり水、これが汚染源として検出されて、それが二月二十四日に東電より公表されました。
 正直申し上げまして、それが発表されたときに、その数値について、私どもも具体的にそういう形で以前発表されていなかったということに対して衝撃を受けまして、東電に保有する情報の公開は一義的には東電の責任でもありますけれども、いずれにせよ、情報公開の遅れにより、結果として今委員御指摘の福島の風評被害にもつながっておりますので、この汚染水対策への関係者の信頼を損なったことは誠に遺憾であると思います。
 そのことを踏まえまして、私も、東電の増田プレジデント、これを招きまして、具体的にこの総点検を行いなさいと、こういうように指示をさせていただきました。このリスクの全ての総点検をするというような形に対しまして、四月の二十八日に、取りまとめた結果、国の方に報告がございまして公表されたところでございます。
 今後とも、適切な情報発信が風評対策、これを防いでいく大きな原動力であると、このことを私ども認識しておりますし、この総点検につきましても東電任せにせず、私ども国の側もスタッフが一緒に一Fの中に入りまして、その総点検、リスクがどこにあるのかということを確認もさせていただきました。今後更に、そういう点につきましては、国が前面に立ちながら取り組んでまいりたいと考えております。
○山口和之君 監督官庁の信頼は風評被害対策の大前提でございます。ですので、今の答弁のとおり、前面に立ってしっかりと対応していただきたいと思います。
 まさに今出た、四月二十八日にまとめた総点検の結果についてなんですが、その概要についてお示ししてほしいのと、その評価についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(土井良治君) K排水路問題を受けまして、先ほど副大臣からお話がありましたように、リスクの総点検の指示が出ております。この実施に当たりましては、私ども廃炉・汚染水対策チームも、四月二日、五班に分かれて現地に乗り込んで現地調査を行うとともに、項目の洗い出しや対策の必要性等について助言を行うなど積極的に関与してまいりました。その取りまとめ結果が四月二十八日に東京電力から報告がございました。
 この中では、水に関する百五十九項目、ダストに関する三十一項目、合計百九十項目のリスクを抽出しております。このうち百二十四項目に関しましては対策済み又は対策中若しくは対策の必要性が十分低いものというふうな整理をしておりますが、それ以外の六十六項目については対策が必要か調査が必要ということでございます。すなわち、二十一項目については対策が必要と評価しておりまして、優先度を考慮しつつ、順次対策を実施するということでございます。また、その他の四十五項目に関しましては調査が必要というふうに評価しておりまして、調査における課題を解決しつつ、順次調査を実施していくということにしております。
 ただ、この調査が必要と評価したものでもリスクが高いと推定されるものがあります場合には、調査結果を待たず対策を講ずるよう、先般、宮沢経産大臣が現地に視察に行った際に指示を出しているところでございます。
○山口和之君 繰り返しになりますが、風評被害対策についても、これを実らせるためにもしっかりとした国のグリップをしていただきたいと思います。是非よろしくお願いいたします。
 同検討結果について、原子力規制委員会の評価を伺いたいと思います。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先ほど高木副大臣から御説明がありましたように、このK排水路の問題を契機として、福島第一の敷地境界外に影響を与える可能性のあるリスクについて、その課題を事業者自ら整理したものと承知しておりまして、事業者がこうした系統的な取組を行って取り組むことは望ましいと考えています。
 私どもも、規制委員会としては少し行き過ぎかなという、関与し過ぎかなと思いつつも、本年二月に、安全上の観点から優先的に解決すべき課題を明確にすること、そのことによって少しでも福島県民の方に福島第一の廃止の進展が分かるようになればということを願いまして、中期的リスクの低減マップ、平成二十七年二月版を決定しました。これは五年程度ですので、今後随時見直していきたいと思いますけれども、こういったことを踏まえて今廃止措置についての実施計画について東京電力の方から出ていますので、こういったことについてもきちっと評価して、今先生が御指摘のような風評被害も含めまして安全対策に取り組むよう指導してまいりたいと思います。
○山口和之君 安全対策を、バードビューというんでしょうか、全体的に見た視点で、是非、東電と連携を取りながら、国と連携を取りながら、この対策を廃炉に向けてもしていただきたいなと思います。
 どうしても一つスポットを浴びせられますと、そこに対症的な対応というふうになってしまいますけれども、全体的に見る視点というものを国がまず持った上で、それで現地の方でしっかりと指示、指導というのをしていただきたいなと思います。そうでなければ、また事故が起きるたびに対症療法するようになってしまいますので、是非お願いしたいと思います。
 次に、今後SPEEDIを活用しないことについてお伺いしたいと思います。
 今般、原子力災害対策指針が改定されて、今後SPEEDIは使用しないということになっておりますけれども、事故を経験した福島県では、SPEEDIについて三月三十日付けで以下のように要望を出しております。内容は、予測結果により、あらかじめ避難範囲や避難ルートなどの検討や準備を可能となること、及び緊急時モニタリングを重点的に実施すべき範囲を特定する手段となることから、引き続き参考情報として位置付けることと要望しております。
 また、立地県の新潟県も、二月六日に以下の要望を出しております。実測値による防護措置の判断では被曝が前提となっており、住民の理解が得られるのかは疑問がありますと。福島第一発電所の事故では、線量の高い地域に避難して被曝した人がいたこと、原子力防災訓練で地元から避難先の判断を求められたことなどを踏まえると、SPEEDIも活用すべきというふうに新潟県でもおっしゃっております。
 確かに、事故調の報告書を始めとして、初動の避難指示に役立ったかどうかということについては、SPEEDIが批判的な評価があることも事実なんですけれども、実際に避難を陣頭指揮する自治体がこうした要望が出ているということをどのように受け止めるのか、お伺いしたいと思います。また、福島県の要望にあるように、SPEEDI等による予測が機能しないとの判断をするのであれば、システムの改良あるいは代替となる予測システムを早急に整備することなどの声にはどのように受け止めるのか、以上の二点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(片山啓君) お答え申し上げます。
 原子力規制委員会では、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓ですとか、国際原子力機関、IAEAが定めます最新の安全基準を踏まえ、緊急時に住民の防護措置を迅速かつ的確に実施するための仕組みとして、原子力災害対策指針の整備を進めてまいったところでございます。
 具体的には、施設の状態を踏まえて、緊急事態を判断するための基準及び講ずべき防護措置の内容をあらかじめ定めるとともに、これに基づきまして、放射性物質の放出の前に、予防的措置として、PAZ、おおむね五キロ圏内でございますが、そこにつきましては避難、UPZにおきましては屋内退避を実施するということとしております。さらに、事故の鎮圧に至らず万が一放射性物質が放出に至った後につきましては、緊急時モニタリングの結果を踏まえて、あらかじめ定められました放射線量の基準に達した区域を特定し、追加的な防護措置として避難や一時移転等の措置を講ずることとしております。
 こうした考え方に基づきますと、住民の防護措置を実施するに当たって、SPEEDIなどの予測的手法を利用することは必要ではないというのが原子力災害対策指針の考え方でございます。
 したがいまして、福島県からの御要望は我々も承知をしておりますけれども、国として放射性物質の拡散予測の改良又は代替を行うということは現時点では考えてございません。
 いずれにいたしましても、これまでも随時様々な機会を捉えまして自治体の関係者の皆様方にはこうした考え方を御説明してきておりますし、また引き続き御理解賜れるように御説明をさせていただければというふうに考えております。
○山口和之君 予測手法を使わないということは、事故が起きて被曝する可能性が強いところで避難の話になるわけですから、やはり自治体の責任者としては非常に警戒されているんだと思います。そう考えると、丁寧にちゃんと十分な納得、話合い、それから本当に避難ができるのか、相手は人間ですから、みんな理路整然と今言った話の中で行動されるかどうかということも考えれば、あらゆる可能性を検討して、このことについてはしっかりとやっていただきたいと思います。
 次に、原発が戦争やテロで攻撃された場合や、あるいは飛行機が、航空機が墜落した場合の対応について伺いたいと思います。
 原発が戦争やテロで攻撃されたときの被害について予測した報告書を一九八〇年代に外務省が作っていたことが報道で明らかになりました。戦争やテロ、あるいは飛行機の墜落による原子炉の被害、このような災害への対応も本指針で行うのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(片山啓君) お答え申し上げます。
 いわゆる戦争といったような武力攻撃事態などにおきましては、通常の原子炉の運転により発生する原子力災害とは異なる対処が求められるというふうに承知をしております。したがいまして、原子力災害対策特別措置法の対象とはなっておらず、武力攻撃事態等に対処するための制度に基づいた措置が講じられるものというふうに承知をしております。
 一方で、原子力災害対策特別措置法では、大規模な自然災害のみならず、テロリズムその他の犯罪行為による原子力災害の発生を想定して、原子力災害の防止に関し万全の措置を講ずることとされております。したがいまして、原子力災害対策特別法に基づき、原子力規制委員会が定めました原子力災害対策指針では、原子力発電所に対する意図的な航空機衝突などのテロリズムなどによって生じる原子力災害も想定して住民防護措置が定められているところでございます。
○山口和之君 新聞では、報告書が公表されていれば、事故の未然防止や住民の避難に役立った可能性があるのではないかということも述べておりますし、そもそも海外で事故が発生したときに原子力防災計画がしっかりなされていればこんなことにはなっていないと思います。
 最後に、今後の指針の改定では、五キロ圏内のPAZについては即時避難ということですが、これらの避難が本当にしっかりできていくのか、あるいはUPZの中でも混乱が生じないのか等々、考えられることがあります。被曝から守ることが最後のとりで、手段ですので、ここを是非ともしっかりとやっていただきたいと思います。
 このことを申し上げて終わらせていただきます。ありがとうございました。
○和田政宗君 次世代の党の和田政宗です。
 今し方、山口委員の方から原発のテロ対策等についてコメントがありましたので、ちょっと私も申し述べたいというふうに思うんですけれども、原発の使用済燃料プールというものが地上にあるというのは、これ極めて私は問題であるというふうに思っております。これは、ミサイル攻撃等を受けたときに、もし仮に、様々な防護を取っているとはいえ、破壊された場合には、これとんでもないことになるというふうに思っておりますので、早急にこの対策というのも強めていただければというふうに思っております。
 それでは、通告しておりました質問に移っていきたいというふうに思います。まず、原発ADRについてです。
 東京電力福島第一原発事故の被災者が東京電力に損害賠償を求める裁判外紛争解決手続ADRで集団申立てが増えています。和解実績がそれなりにある一方で、和解案は拘束力がないために、東京電力が拒否し、申立人に不満が残るケースが出ております。
 その最も特徴的な事例が、昨年、福島県浪江町の約一万五千人が申し立てた集団ADRで示された慰謝料一律五万円増額の和解案を、東京電力が中間指針に乖離するなどと拒否したというものです。ADRセンターの仲介委員が勧告という強い言葉で受諾を求めたものの、東京電力は計四回拒否を重ねております。
 浪江町の集団ADRで示された和解案を東電は早急に受け入れるべきと考えますが、政府はどのように対応していくんでしょうか。
○政府参考人(森本英雄君) お答え申し上げます。
 今委員御指摘のように、事故から四年以上経過した状態でなお避難生活余儀なくされている方がいらっしゃること、大変重く受け止めております。
 浪江の町民の方から原子力損害賠償紛争解決センターへ申立てがされているわけでございますが、ただ、その一つ一つの事案については、個別事案であり、我々としてはコメントを差し控えたいというふうに考えております。
 ただ、本事案、まだ和解仲介の手続係属中でございます。今後とも、東京電力に対しては丁寧な対応を求めるとともに、経済産業省としても、この東電の対応を引き続き注視してまいりたいというふうに考えております。
 なお、東京電力は、和解案に対しまして、可能な限り受諾できる範囲では受諾の回答もいたしております。そういうことも含めて、我々としても引き続き東電の丁寧な対応を求めてまいりたいというふうに考えております。
○和田政宗君 これ、私もこの委員会を始めとして繰り返し質問しておりますけれども、ADRセンターというのは国が関与する公的な機関でありまして、和解案については、これは極めて極端なものではなくて、私は適正に近いものであるというふうに思っております。ただ、それを東京電力は拒否をし続けているというわけでございます。
 じゃ、どうするのかというところですけれども、例えば日弁連は、和解案について片面的拘束力、つまり東電に原則として和解案を受け入れることを義務付けることなどを意見書として提案をしております。
 このように、国はADRの仲介に強制力を持たせる仕組みをつくるべきと考えますが、政府はどのように考えますでしょうか。
○政府参考人(田中正朗君) お答え申し上げます。
 東京電力は、国が認定しました新総合特別事業計画におきまして、和解仲介案を尊重し、迅速な和解の実現に努めることをうたった被害者の方への三つの誓いを徹底するということをこの中で明記しておりまして、委員御指摘のございました原子力損害賠償紛争解決センター、ADRセンターと我々申しておりますが、における和解仲介手続は、平成二十七年五月八日現在で、和解仲介手続を終えました一万三千百四十七件の約八三%に当たります約一万九百件で和解が成立している状況にございます。こういうことでございますので、現行の枠組みにおきましても、ADRセンターはその役割を果たしているものとは考えてございます。
 なお、現在、原子力委員会におきましては、有識者から成る専門部会を設置いたしまして、今後の原子力損害賠償制度の見直しの検討が進められる予定と承知しておりますけれども、その際、紛争を迅速かつ適切に解決するための組織の在り方も一つの論点として考えられているところと承知しております。
 文部科学省といたしましては、引き続き、現行の枠組みの下で公平かつ適正な賠償が迅速に行われるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。
○和田政宗君 公平かつ適正な賠償というのはそれは当然だというふうに思うんですけれども、これ、ADRセンターは国が関与をしている、国が関与というか、実質的に国がやっているものに対して、私はこれ適正な勧告だと思うんですよ。それを東電が受け入れないということで、そういった御説明ですとこれは前に進まないというふうに思うんですけれども、それでも既存の枠組みでそのままやるということなんでしょうか。
○政府参考人(田中正朗君) ADRの状況につきましては、個別の案件につきましては答弁は差し控えさせていただきたいと思ってございますけれども、いずれにしましても、ADRセンターは、様々な形で和解仲介案については東電側と、あるいはその申し立てた方々と協議をずっと継続し、できる限りその両者が納得した形で和解が成立するというための努力を現在も続けているというふうに承知しているところでございます。
○和田政宗君 浪江町から二本松に避難している方々、これは私は現職になる前から支援をしている避難所、仮設住宅というところがありますけれども、そこに伺ってお話を聞きますと、こうした申立てを行うのは、お金が欲しいのではなくて、自らが住んでいた土地の速やかな原状回復ですとか帰還を望んでいたり、帰れないのであれば、もう帰れないというふうに決めてもらって、新天地で出発するために一括で賠償金などを受けて新生活への一歩を踏み出したい。すなわち、ずるずる先延ばしされることについて怒っているわけです。原発避難者の方々が未来に希望が持てる決断と施策を政府には要望したいというふうに思います。
 次に、指定廃棄物最終処分場について聞いてまいります。
 今年の三月十六日、栃木県の指定廃棄物処分等有識者会議で、指定廃棄物最終処分場詳細調査候補地選定の際に使用されたデータの一部が欠落していたということが公表されています。処分場の選定の基礎データとして、GISデータと呼ばれる地理情報をデータ化したものを使っております。図面だけではなく、コンピューターの中に地理や地形情報がデータ化されたものです。過去に地すべりがあったとか近くに自然公園はないか、そういった条件をコンピューターに入力すれば該当する地域が選定されるというものなんですけれども、今回は、そもそも判断材料として使っていたGISデータそのものに欠落があったというものです。
 栃木県ではそのようなことがあったということですけれども、宮城県の詳細調査候補地選定においてはデータの欠落等はなかったんでしょうか。
○政府参考人(鎌形浩史君) お答え申し上げます。
 まず、栃木県におきまして、詳細調査候補地の選定作業に使用したデータの一部に欠落があったことについてでございますけれども、関係者の皆様に混乱を与えかねない状況が生じたことを深くおわび申し上げたいと思います。本来あってはならないデータの欠落を見抜けなかったのは事実でございます。
 ごく簡単に栃木県の事実関係を申し上げますと、選定作業を行う際に用いたデータ、御指摘ございましたけれども、GISデータでございますが、例えば候補地の母集団に入れるべき県有地や、あるいは自然災害のおそれがあるなど、候補地から除くべき地域のGISデータに登録されているデータの一部に欠落がございました。栃木県につきましては、これらのデータを全て確認いたしまして、欠落した部分について候補地として残らないところばかりであるということを確認して、結果的に選定結果に影響はなかったということでございます。
 そこで、宮城県についてのお尋ねでございますが、こうした栃木県でのことを踏まえまして、宮城県につきましても、現在、選定作業に使用したデータに欠落がないかなど、選定作業全般について確認作業中でございます。確認作業が済み次第、結果を速やかに公表するとともに、関係者には丁寧に御説明させていただきたいと考えてございます。
○和田政宗君 これは、いつ頃をめどに調査を終えるんでしょうか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 今やっている作業について申し上げますと、宮城県の詳細調査候補地選定のために行った作業に関しまして、まず一つは、選定作業に用いた全てのデータについて、原データ、すなわち数値データだけではなくて、例えば原図などに当たるようなことのデータの照合作業、そして実際の選定作業に使った業者とは別の業者による全ての選定工程を再現する、いわゆるクロスチェックの作業、こういったことを今実施しているというところでございます。
 確認作業は慎重を要するものでございます。そういう意味で、いつまでということを確たることを申し上げることは今はできませんけれども、現在、必要なデータはほぼ集めておりますので、できるだけ速やかに作業を完了すべく努力していきたいと、こういうふうに考えてございます。
○和田政宗君 今そのようにやっているというふうには分かるんですけれども、それだけ掛かるのであれば、初めの選定のときにこれ全然丁寧に行ってなかったんじゃないかという疑問すら湧くわけですけれども、その調査によって選定結果に影響を及ぼすようなデータの欠落などが判明した場合には、宮城県内の候補地選定をゼロベースで行うということもあり得るんでしょうか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 今回の再確認の作業において選定結果に影響を及ぼすようなデータの欠落等が判明した場合の対応ということでございますが、あくまでも仮定のお話ということで、私どもとしてはお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、確認作業を慎重かつ速やかに行い、作業が済み次第、結果の公表、そして関係者への丁寧な説明という形でやらせていただきたいと考えてございます。
○和田政宗君 これは、そもそも宮城県内における三か所の候補地というのは、自衛隊の演習場のすぐ脇にあったりですとか、岩手・宮城内陸地震の地すべり地帯の中にあって活火山が近くにあったりですとか、そもそも必要な面積を満たしていないのではないかと思われる山のてっぺんにあったりとか、何でこんなところが選ばれるのかというふうに疑問に思うところばかりなんですね。
 環境省は、今月の中旬にも宮城県の現地での詳細調査を再開したいということですけれども、候補地の選定の基となった選定のデータについてまだ調査をしているということですけれども、その調査が終えるまでは詳細調査には入るべきではないというふうに考えますが、政府の見解はいかがでしょうか。
○副大臣(小里泰弘君) 宮城県におきましては、現地調査につきましては雪解けを待って、これを三か所同時に実施可能となり次第、速やかに行うということを申し上げてきたところでございます。
 一方、御指摘のとおり、データ欠落問題がありまして、その確認作業を今急いでいるところでございます。その作業もにらみ合わせながら、これは現地調査については判断をしてまいりたいと思います。
 また、当然のことながら、丁寧な説明を住民の皆様を始めしっかりと努めながら、宮城県における指定廃棄物の処理が早期に進みますように頑張ってまいりたいと思います。
○和田政宗君 そうしますと、今の答弁ですと、調査が終えるまでは詳細調査には入らないということでよろしいんでしょうか。
○副大臣(小里泰弘君) データについての調査をにらみ合わせながらと申し上げたわけでございますが、例えば、鎌形部長も申し上げましたとおり、データ欠落の調査のためのデータは一通りそろいつつあるところでございまして、あとは、その中で特に結果に影響を及ぼしかねないような重要な欠落がないことが分かるとすれば、それはまた一つの要素でありますし、なかなかその辺は、仮定の話というか、お答えしにくいところでございますけれども、いずれにしましても、そのデータ欠落の確認作業の状況をよくにらみ合わせながらこれは判断したいということでございます。
○和田政宗君 先ほど、宮城県の三候補地が、何でこんなところが選ばれるのかというのは、これはもう地域の住民の思いでもありますし、私も宮城県選出の議員として、何でこんな場所が選ばれたんだというふうに思いますし、今、データの欠落等があるというようなところというのは、これもし仮に宮城県に候補地を置くとしても、極めて住民の不信感につながっていくというふうに思っております。
 私は、もう一度これについてはしっかりとゼロベースで仕切り直すことも考えていかなくてはならないというふうに思いますので、政府にその点を要望したいというふうに思います。
 時間ですので、終わります。
○渡辺美知太郎君 無所属の渡辺美知太郎です。
 和田政宗議員が放射性指定廃棄物長期管理施設についての質問を行っておりましたが、私の方も引き続きこの指定廃棄物長期管理施設、この質問をしたいと思います。
 今、和田議員からGISの欠落問題について質問がありました。栃木県の方は有識者会議で欠落があったデータの検証は終わっている、これは私も理解しておりますが、有識者会議では、欠落したデータ以外にももうちょっと検証を進めてほしいという要望が幾つかあったと思いますが、そちらの方の検証について、ちょっと今、通告はしていないんですけど、進捗状況など、御存じであれば教えてください。
○政府参考人(鎌形浩史君) 栃木県の有識者会議におきまして、私ども環境省が行った作業について検証いただいているというところでございます。ちょっと今、手元に詳細な資料ないんですけれども、そのうち、幾つもの項目が、五十ぐらいの項目がございまして、そのうちの三十数個だと思いますが、そういう項目についての検証をしていただいたというところが今までのところだと思います。
 そういう意味で、検証作業というのは有識者会議の方で、つまり栃木県の有識者会議の方で行われているということでございますので、私どもとしては、そちらの残りの項目について何がしかの御指摘があれば、それに対してまた対応するというようなところで考えているところでございます。
○渡辺美知太郎君 済みません、ありがとうございます。
 では、通告どおり質問をしたいと思っています。
 おとといの決算委員会でも質問させていただきました。宮城では栗原、加美、大和と、栃木では塩谷町が詳細調査候補地に選定をされています。先月、千葉県の中央区、東電の火力発電所の敷地になった。このことに関して、この私有地、宮城や栃木では国有地や県有地が候補地となっていますが、千葉県では市町村長会議の決定において火力発電所の敷地内になったということは私も理解はしておりますが、宮城県や栃木県の詳細調査候補地、これは私も現地に度々足を運んでおりますが、自衛隊の演習場がすぐ近くにある、あるいは名水百選といった本当に自然が豊かな地域が選定をされておりまして、やはり地元の方々としては、なぜ千葉は火力発電所の敷地なのだと疑問を持つと思っております。
 今後反発が予想されると思うのですが、宮城や栃木の方から東電の敷地も考慮してほしい、そういったもし要望があった場合、どのように対処されるおつもりでしょうか。環境省に伺います。
○政府参考人(鎌形浩史君) お答え申し上げます。
 まず、宮城県、栃木県、千葉県、いずれもそれぞれ市町村長会議を何度も積み重ねまして、知事や市町村長と議論を積み重ねて選定手法を決めてきたということでございます。その結果、各県において、各県の実情を踏まえたそれぞれの選定手法が確定されたということで、これらの結果は私どもとしては尊重されるべきものと考えてございます。
 宮城県や栃木県から東電の敷地も考慮してほしいという声があったらどうするかというお尋ねでございますが、そもそも千葉県におきましては、まず私有地を含めることに議論が調ったために私有地を対象としたということでございまして、選定作業の結果で結果的に東京電力の敷地が詳細調査候補地として選定されてございますが、東京電力の敷地を選定することを意図して選定手法を確定したというものではございませんので、あくまで千葉県の事情を踏まえて私有地全体を対象とするというルールに基づいて選んできているということでございます。
 いずれにいたしましても、市町村長会議で積み重ねたそれぞれの県のそれぞれの選定手法、ルールというものは尊重されるべきものだというふうに考えてございます。
○渡辺美知太郎君 市町村長会議で決められたと、それはこちらの都合でありまして、実際に、例えば加美町ではもうお米を買わないよと、そういった風評被害、塩谷町などでも、やはり水が有名なところなので、塩谷町で造ったお酒は買わないといった実際に風評被害が生じているわけでありますよ。市町村長会議の決定というのは私も分かってはおりますが、是非その辺り、ほかの地域にもしっかりと説明をしていただきたいなと思っています。
 それで、今回、東電の私有地ということですが、これ、昨年の四月に千葉県の市町村長会議で選定手法が確定され、その後、東電ともやり取りをされていると思うのですが、この東電とのやり取りで、東電の敷地を使ってもいいですよと承諾をもらったのはいつ頃なんでしょうか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 申し訳ございません、正確な日付につきましては今手元にございませんが、まず、千葉市に対して、この土地、千葉市中央区の東電火力発電所の敷地を詳細調査の候補地にしたいと申し上げましたのが四月の二十四日でございます。その直前の段階で、東京電力に対しまして、こういったことで選定されたので調査をさせていただきたいということで照会いたしまして回答をいただいているというところでございます。
○渡辺美知太郎君 今、この処分場の問題、最終処分場から長期管理施設に名称が変更されたり、あと解除についても議論されています。最終処分場にならないんじゃないかという議論もあるわけでありますが、この東電の敷地を、細かい話なんですけど、借り上げるということですか、それとも買い上げるということですか。
○政府参考人(鎌形浩史君) まず、今回の千葉県の候補地は、まだこれから詳細調査をすると、こういう段階でございます。そういう意味で、具体的に借りるのか、買い上げるのかということについては、まだ私どもとして決めているところではございません。
○渡辺美知太郎君 今日はちょっと東電側の方をお呼びしてはいないんですが、環境省としては、東電から全面的に処分場について土地の提供など協力をいただくという理解でよろしいんでしょうか。もうそういった話は付いているのでしょうか。
○政府参考人(鎌形浩史君) あくまで詳細調査を行いますということで照会したというところでございますので、具体的に、何というんですか、使わせていただくということについて了解を得たというところではまだございません。
○渡辺美知太郎君 千葉については以上であります。
 例年、異常気象が続いております。今日も大変気温が高いということでして、今の指定廃棄物、これ仮置きされておりますが、台風や竜巻などで飛散をするおそれがあるのではないか、これはもう毎年懸念をされております。仮置場の補強について理解を示している自治体の市長さんもいらっしゃいまして、そういった、とにかく今は処分場の議論とは別に、仮置場を例えばコンクリで補強をする必要があるのではないかと、そういった意見も上がっております。
 そういったその補強について、環境省としては検討していただけるのでしょうか。
○政府参考人(鎌形浩史君) まず、仮置場での保管でございますが、放射性物質汚染対処特措法に基づいて、国等に引き渡されるまでの間、指定廃棄物を占有する施設管理者において、私どもの作成した指定廃棄物関係ガイドラインに基づき一時保管をしていただくということでございまして、この一時保管、補強のお話出ましたけれども、一時保管の状況につきましては環境省の地方環境事務所の職員が現地確認を行う、さらには、必要に応じて通常フレキシブルコンテナに入れているわけでございますけれども、その状況を見て、それを二重にかぶせるといった、そういった措置も講じておるというところでございます。
 そういう意味で、しっかりとした管理がなされるよう環境省としても対応して、必要があれば、保管につきましては、今申し上げたフレキシブルコンテナの二重化のような措置をやっているということでございまして、今後とも安全に一時保管できるように我々としても対応してまいりたいと思っております。
○渡辺美知太郎君 栃木などですと農家の庭先などにも保管をされていて、フレキシブルコンテナ、竜巻などが生じた場合に耐久性の問題が出てくると思うんですね。
 以前、御質問したときは、ちょっと慎重だった答弁だと記憶しているのですが、前よりは、以前よりは前向きにその補強について御検討いただけるという理解でよろしいんでしょうか。それとも、環境省の姿勢としては変わりはないのでしょうか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 補強という言葉の意味がどの程度のことを意味しているかということにもよるかと思いますけれども、私どもとしては、例えばフレキシブルコンテナに入れる、あるいは覆土をするというような、あるいはシートをかぶせる、あるいは建屋の中に保管する、そういった形で災害などにも対応ができるように国としてもやってきておることでございまして、そういった対応を引き続ききめ細かにしていきたいということでございます。
○渡辺美知太郎君 いやいや、竜巻などの直撃に耐えられるんですかという質問です。
○政府参考人(鎌形浩史君) 可能な限り災害に対しても対応できるようにということで考えてございますけれども、いずれにいたしましても、そういったリスクもございますので、早期に長期管理施設を整備してそこに運び込むということをしていきたいというふうに考えております。
○渡辺美知太郎君 ただ、その長期管理施設、建設するとしても三、四年ぐらいは掛かるわけですよね。その期間に、いずれにせよ、何もしないわけじゃないでしょうけど、災害が直撃したときに放射性廃棄物が飛散をしてしまわないかと、そういうことを懸念をしているので、処分場の建設とは別個に、是非その補強についてもこれまで以上にお力添え賜りたいなと思っております。
 では、先ほど私、解除手続の話をさせていただきました。環境省は、放射性物質濃度が基準を下回った場合の解除手続の検討を始めたということでありますが、現時点で解除手続を取るとどのぐらい指定廃棄物が減るのかといった試算があるのか、そして福島原発、放射性指定廃棄物の発生から既に四年以上がたっておりまして、指定廃棄物の放射性濃度の再測定というのは検討されないんでしょうか、伺いたいと思います。
○政府参考人(鎌形浩史君) 指定廃棄物の指定の要件は、放射能濃度が一キログラム当たり八千ベクレルを超えるかどうか、逆に言うと、以下になれば、以下のものについては指定しないということでやってきていることでございます。
 幾つかの自治体から、指定解除により処理が円滑に進むという御指摘などもございますので、解除手続については検討しているというところでございます。ただ、仮に現在、指定解除を行った場合に、どのくらいの指定廃棄物減少するかという試算は行ってございません。
 ただ、いずれにしても、指定廃棄物として現在指定されているものは放射性物質汚染対処特措法に基づきまして国が責任を持って処理をすると、こういうものでございまして、八千ベクレル以下になったからといって機械的に指定解除するというようなことでは、処理のめどが立たないまま解除するということになりかねないので、私どもとしては現実的ではないと考えてございます。
 また、改めての測定というお話がございましたが、指定廃棄物の放射能濃度について指定の申請時に把握してございます。そういう意味で、それを基に濃度の減衰傾向については把握が可能ということで、改めて再測定するということは考えてございません。
○渡辺美知太郎君 私は、いろいろな方々とも話をしていて、現時点でやっぱり八千ベクレルを超える指定廃棄物がどのぐらい減ってきているのかと、四年以上たっているわけですから、関心を持っている方がいるんですよ。
 私も別に、八千ベクレル下回ったからといって指定をすぐに取れという話ではなくて、例えば、実際に今、指定廃棄物として指定をされている放射性廃棄物を測定してみて、八千ベクレル下回っていても、現時点で指定が付いている廃棄物については引き続き管理下に置くなどして、四年たっている以上は、やはり再測定のめどや、どのぐらい解除をすると指定廃棄物が減るのかという試算は是非行っていただきたいのですが、もうちょっと前向きな答弁いただけないものでしょうか。
○政府参考人(鎌形浩史君) まず、測定に関してでございますけれども、指定時に濃度を把握してございますので、物理的な減衰でございますので、いつの時点でどれだけの濃度があるというのが分かっておれば、何年たてばどれだけ減るということは計算上出てまいります。そういう意味で改めて測定するということの必要は乏しいというふうに考えてございます。
 また、八千ベクレル以下にどれぐらい下がったかということを示せとの御質問でございますけれども、実際に指定廃棄物を処理する際には、例えば農林業系の廃棄物を焼却するということで濃度が濃縮されるということもございます。そういう意味で、仮に八千ベクレル以下に下がっても、燃やした場合に濃縮されて更に八千ベクレルを超えるということもございますので、そういったことも踏まえますと、なかなか正確な試算を行うのは難しいなというふうに考えているのが今の私どもの考えでございます。
○渡辺美知太郎君 時間がもう終わってしまったので、私の質問は以上にしたいと思います。
 ありがとうございました。
○山本太郎君 いよいよ最後でございます、皆さん。生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎と申します。
 田中原子力規制委員長に質問いたします。十五分しか時間がございません。答弁、簡潔にお願いいたします。
 鹿児島県の川内原発再稼働問題について御質問いたします。
 鹿児島県の伊藤祐一郎知事、昨年十一月七日、川内原発の再稼働を認める記者会見で、今回の制度設計というのは百万年に一回の事故を想定するわけですよね、そして、そのときは、百テラベクレル、それを同じ条件で同じような事故が川内に起こったときにはどうなるかというのは、実は五・六テラベクレル、そうすると、炉心から五・五キロのところは毎時五マイクロシーベルトなんですよね、五マイクロシーベルトというのは、二十でもって初めて避難ですから、動く必要がないと発言されました。
 鹿児島県の伊藤知事、今回の制度設計は百万年に一回の事故を想定していると発言された。この発言の意味、理解できないんですよね。鹿児島県知事ともあろう方がその場の思い付きで適当に言ったとも考えられませんよね。
 規制委員会、百万年に一度の確率でしか事故起こらないですからというようなことを、根拠のない吹き込み、刷り込み、知事に行ったんですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) まず、鹿児島県については、原子力規制委員会の取組とか規制基準の概要等については、川内原発についての許可が下りましたので、現地の検査官事務所、あるいは私どもの、こちらから、東京から出向いて鹿児島県各市町村において御説明をしております。ただ、県知事に対して直接私どもから何かレクチャーをしたとか説明したということはございませんので、今御指摘のことは、そういうことはありません。
 ただ、私どもの一つの、今回の基準の指針というか安全目標として、セシウム137の放出量が百テラベクレルを超えるような事故の発生頻度は百万炉年に一回程度を超えないように抑制されるべきという目標を追加して、そういう評価をしております。それに基づいて、様々な川内の重大事故、十九ほど、その中で最悪のケースで五・六テラベクレルぐらいになるという評価をしておりますので、それを知事は引かれたのではないかと思います。
○山本太郎君 なるほど、勘違いということですね、鹿児島県知事の。分かりました。
 伊藤知事がおっしゃった炉心から五・五キロのところは毎時五マイクロシーベルト、この発言、これは規制委員会も同じ見解でしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) これは鹿児島県だけに限ったことではなくて、一般的な評価として、OSCAARという評価コードを使ってどれぐらいの全身被曝になるか、それから甲状腺の被曝になるかということで、仮に百テラベクレルの放出があった場合に距離に依存してどうなるか、屋外に何もしないでいた場合にどの程度の被曝になるか、あるいは屋内にいたらどの程度になるか、甲状腺はどの程度になるかという評価をしております。
 それを、風向きとかいろいろな条件によって違いますので、一概に常にこうなるということは言えませんけれども、百テラベクレルの値を見て、多分五・六テラベクレルに換算したんだろうと思われる値が五・五ですか、五・五マイクロシーベルト・パー・アワー、そういうことだと思います。
○山本太郎君 今、百テラというお話をされていましたよね。まあ大丈夫です、その先に行きます。
 先日の規制庁の説明で、福島第一原発のセシウム137の放出量、一万テラベクレル、それが川内原発では五・六テラベクレル、福島東電原発と同規模の事故が起こったとしても川内原発はセシウム137の放出は五・六テラベクレル。川内原発、百万炉年に一回の重大事故の放出量は福島第一原発の千七百八十五分の一、これ少ないような、何かなと思うんですけど、どうしてこんなに少ないんですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 新しい規制基準では、福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえて、地震、津波あるいは電源喪失といった、竜巻等も入りますけれども、そういったものに対して耐えられるような、いわゆるシビアアクシデントが起こらないような対策を求めております。
 仮にそういった対策が機能しなくて事故が起こった場合でも、放射能がそのまま外に出ないように、放射能を中に、格納容器が壊れないようにするためのいわゆるフィルターベントとか、PWRですと中に、そういう必要ありません、大きいので、そういったスプレーとかということで、外界に出る放射能の量を非常に減らすようにできておりまして、それで、大体、推定ですけれども、福島第一原発では一万テラベクレル程度だったんですが、一応、環境の汚染とかいろんなことを考えた場合はその百分の一ぐらいには最低限すべきだろうということで、そういうことがある程度担保できるような対策を求めているということでございます。
 その結果、その対策に基づいて、いろんなシビアアクシデントのシナリオについていろいろ評価した結果、川内では五・六テラベクレルになったということでございます。
○山本太郎君 東電の福島第一原発事故、同様の事故が起こったとしても、川内原発では、放射性物質、福島東電原発事故の千七百八十五分の一しか放出されない、そのために新規制基準があっていろんな手当てをしているんだよと、だから、過酷事故が起こったとしても福島東電原発の千七百八十五分の一ぐらいしか放出しないんだぜというようなお話をされたと思うんですよね、そういう手当てをされているからこそ。
 お聞きしたいんですけれども、避難計画を立てるときには、このセシウム137は五・六テラベクレル、要は福島の東電原発の千七百八十五分の一ということが前提で作られているということですか。──もうずっとここにいておいていただいてもよさそうな感じですが、行ったり来たりが申し訳ないんで。よろしくお願いします。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 避難計画は、そういうことではなくて、全国的にほぼ同様の一律的な評価をしなきゃいけませんので、一応、百テラベクレルですけれども、その前に、基本的に違いますのは、いわゆるエマージェンシーアクションレベル、いろんな状況が、原子炉の状況が変わります。必ずしもその時点で放射能が外に出るような事態ではなくても、今後シビアアクシデントに至る可能性があるような場合や、五キロ圏内、PAZの住民についてはまず避難をしていただくと、それから、その外側の三十キロまでのUPZの方については屋内に退避していただくということが基本になっています。
 これは、そういった放射能が出る場合に、非常に半減期の短い希ガスと言われるようなものは、プルームとよく言うんですが、これが、相当短時間ですが、数時間にわたって空気中を漂います。これは、大体、福島の経験からいっても二時間とか三時間で二桁ぐらいすうっと落ちますので、その間は外に出ないで、いわゆる家屋の中、あるいはしかるべき避難所を設置しましたのでそういったところに退避していただくということが大事だということで、そういう基本的な方針で災害対策指針を作っております。
○山本太郎君 申し訳ないです、繰り返しになるかもしれませんけれども、避難計画が違うんだと。じゃ、福島東電原発の最初の放出量というものを基盤にして避難計画というものが作られているという理解でいいんですか、それとも違うんですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 福島は、先ほども申し上げましたように、一万テラベクレル程度というふうに評価しております。その百分の一程度を、百テラベクレルを、最悪でもその程度に抑えるということであります。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 最悪の事態を考えない避難計画なんてあるんですかという話をしたいんですよ。百分の一って何なんですかって。実際、福島の東電原発で放出された量を基に避難計画を作らなきゃ、避難計画の体なんて立っていないじゃないですか。実際に事故起こるまで分からないんでしょう、新基準がどれぐらいの機能を果たすかなんて。話聞いていないでしょうけど、今いろいろ話聞かれていて。
 最悪の事態を想定されない避難計画に意味があるのかという話をしているんです、今初めて聞かれたと思いますけれども。少なくとも、福島と同じ量の放射性物質が放出されることを前提に避難計画を立てるべきじゃないですか。じゃなきゃ、意味ないじゃないですか。二日ぐらいで希ガスが消えるとかどうのこうのと言って、だから、初期被曝の量を甘く見積もっていたりとか、初期被曝の情報を集めようというような行動に移らなかったわけでしょう。余りにも事故の反省がなさ過ぎる。
 それを今、東南海、南海、東海、首都圏直下、いろんな地震が起こると言われている、噴火まで起こるかもしれないという前提に立って、それでも再稼働させるんだというんだったら、最悪の事態想定してくださいよ。当然でしょう。人の命、守る気ありますか。国民の生命、財産を守るためにここの場でいろいろやり取りをしているわけですよね。百分の一の放出量でしか避難計画は立っていないなんていう話はあり得ないことなんですよ。
 次、行きます。
 田中委員長、以前から、弾道ミサイル、原発を直撃するリスクというのは、規制委員会が規制によって対処すべきものではないとおっしゃっています。間違いないですよね。そこはそこで分かりました。けれども、原発に弾道ミサイル直撃のリスクがあるということはお認めになりますよね。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 弾道ミサイルが原発を直撃する事態というのは、我々、規制の対象外だというふうに認識しておりますので、あるかないかということについてお答えするのは控えさせていただきます。
 それから、先ほど、避難計画ですけれども、福島の避難の中で一番大きな犠牲者を出したのは、慌てて避難したということであります。ですから、そういう意味で、基本的に屋内退避というようなことも含めて避難の指針を作って避難計画を作成していただいておりますので、そこの辺も御理解いただければと思います。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 慌てて逃げたばっかりに被害が広がったと。違うでしょう。SPEEDIという国民の財産でつくった放射能の拡散予測というものがあったのに、あれだけでも十分に指針として、道しるべとして使えたんですよ。風向きがどっちかということ分かるわけですから。正確な数値が分からなくたって、一ベクレルから入れるというの当然でしょう。それが公表されなかったこと、そして、公表しないまでも、自治体にまでしっかりとそれを伝えて逃げる方向性というものを示してあげられなかったということが一番の原因だと。それだけじゃない、とにかく全ての認識が非常に不思議なんです。食べ物の基準も、そしてこの避難に関しても。
 ごめんなさい、余りもう、あと一分、もう四十五秒しかないです。その間に話をしなきゃいけないんです。
 もちろん、委員長言われたとおりです。そんなミサイル飛んできたからって、俺たちにどうすることもできないよ、当然です。それを撃ち落とすのは国の役目、自衛隊の役目かもしれない。でも、それが原子力発電所内に着弾した場合は、それ以降のリスクを見積もらなきゃいけないのは皆さんなんじゃないですか。その着弾によってどのような影響が生まれるのかというのを試算しなきゃいけないのは皆さんじゃないですか。どうしてやらないんですか。しているんですか。着弾した場合、どれぐらいの放出量になりますか、教えてください。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 結論から申し上げますと、評価はしておりませんし、今後もやるつもりはありません。
 ミサイルはいろんな種類がありますので、どういったものが飛んでくるかも分かりませんし、どういう状況になるかということも想定できませんので、やるつもりはありません。
○山本太郎君 終わります。ありがとうございます。
○委員長(櫻井充君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時十九分散会