第189回国会 我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会 第4号
平成二十七年七月二十九日(水曜日)
   午前九時開会
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   委員の異動
 七月二十八日
    辞任         補欠選任
     矢倉 克夫君     西田 実仁君
     仁比 聡平君     小池  晃君
     山口 和之君     松田 公太君
 七月二十九日
    辞任         補欠選任
     足立 信也君     広田  一君
     大塚 耕平君     加藤 敏幸君
     西田 実仁君     矢倉 克夫君
     小池  晃君     仁比 聡平君
     浜田 和幸君     和田 政宗君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         鴻池 祥肇君
    理 事
                石井 準一君
                佐藤 正久君
                塚田 一郎君
                馬場 成志君
                堀井  巌君
                北澤 俊美君
                福山 哲郎君
                荒木 清寛君
                小野 次郎君
    委 員
                愛知 治郎君
                石田 昌宏君
                猪口 邦子君
                大沼みずほ君
                北村 経夫君
                上月 良祐君
                高橋 克法君
                豊田 俊郎君
                三木  亨君
                三宅 伸吾君
                森 まさこ君
                山下 雄平君
                山本 一太君
                山本 順三君
                小川 勝也君
                小川 敏夫君
                大塚 耕平君
                大野 元裕君
                加藤 敏幸君
                小西 洋之君
                那谷屋正義君
                白  眞勲君
                広田  一君
                蓮   舫君
                谷合 正明君
                西田 実仁君
                平木 大作君
                矢倉 克夫君
                片山虎之助君
                井上 哲士君
                小池  晃君
                仁比 聡平君
                松田 公太君
                和田 政宗君
                水野 賢一君
                吉田 忠智君
                山本 太郎君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       総務大臣     高市 早苗君
       法務大臣     上川 陽子君
       外務大臣     岸田 文雄君
       経済産業大臣   宮沢 洋一君
       国土交通大臣   太田 昭宏君
       防衛大臣
       国務大臣     中谷  元君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     望月 義夫君
       国務大臣     石破  茂君
   大臣政務官
       防衛大臣政務官  石川 博崇君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  横畠 裕介君
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
       常任委員会専門
       員        宇佐美正行君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       前田  哲君
       内閣官房内閣審
       議官       山本 条太君
       内閣官房内閣審
       議官       土本 英樹君
       内閣官房内閣審
       議官       大庭 誠司君
       内閣官房内閣審
       議官       槌道 明宏君
       内閣法制局第一
       部長       松永 邦男君
       外務省総合外交
       政策局長     平松 賢司君
       外務省国際法局
       長        秋葉 剛男君
       防衛省防衛政策
       局長       黒江 哲郎君
       防衛省運用企画
       局長       深山 延暁君
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  本日の会議に付した案件
○我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資
 するための自衛隊法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○国際平和共同対処事態に際して我が国が実施す
 る諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(鴻池祥肇君) ただいまから我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十八日、山口和之君、仁比聡平君及び矢倉克夫君が委員を辞任され、その補欠として松田公太君、小池晃君及び西田実仁君が選任されました。
 また、本日、浜田和幸君及び足立信也君が委員を辞任され、その補欠として和田政宗君及び広田一君が選任されました。
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○委員長(鴻池祥肇君) 我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案及び国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○西田実仁君 おはようございます。公明党の西田実仁でございます。
 昨日から当委員会が審議をスタートいたしました。用意しました質問をする前に、冒頭、まず二点、昨日の委員会を受けまして総理に見解を伺いたいと思います。
 昨日、存立危機事態への対応ということが戦争への参加なのかという質疑が行われたと承知しております。この存立危機事態というのは、我が国がまだ直接攻撃を受けていない、しかし我が国と密接な関係にある他国に対する攻撃があって、それによって我が国に対して我が国が直接攻撃を受けたと同様の重大かつ深刻な被害が明らかである、こういう事態を存立危機事態というわけであります。この存立危機事態への対応が戦争への参加なのかどうかという質疑だったというふうに承知をしております。
 戦争という概念は、昨日もございましたけれども、これは国際法上違法でございます。そして、この戦争という言葉には、侵略戦争とかあるいは違法な武力の行使といったニュアンスがあるのではないかというふうに思うわけであります。我が国が直接攻撃を受けて対応する個別的自衛権の措置の際、戦争に参加するとは言わないわけであります。
 そこで、今回の平和安全法制における、憲法九条の下でさえ許される自衛の措置というものが、我が国に対する攻撃があるときはもちろんでありますけれども、まだ我が国に対する攻撃がなくても、密接な関係する他国に対する攻撃がきっかけとなって、我が国に甚大な影響を及ぼす明らかな客観的な危険がある、こういうときに対応するというものでございまして、これを戦争への参加というふうに呼ぶには、ちょっとというか、かなり違和感がございます。
 そこで、こういう存立危機事態への対応というのは、戦争への参加ではなくて、我が国のあくまでも自衛のための措置でありますし、また我が国を防衛するための実力の行使であると、こういうふうに言わなければならないのではないかと思いますが、総理の見解をお伺いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 西田委員御指摘のとおり、国連憲章の下では戦争は違法化されています。国連憲章の下で違法でない武力の行使は、個別的自衛権によるもの、集団的自衛権によるもの、国連安保理決議に基づく集団安全保障措置の三つのみであります。これらは、国連憲章の下で違法とされている戦争とは明確に区別されています。
 我が国が新三要件が満たされた場合に行う武力の行使は、あくまでも我が国の自衛のための措置であり、国際法上も正当な行為であります。にもかかわらず、戦争をする、戦争に参加するという表現を用いることは、あたかも違法な行為を我が国が率先して行っていると誤解されかねない、極めて不適切な表現であると思います。我が国の自衛のための措置、我が国の防衛のための実力の行使という表現を用いることが適切であると考えます。
○西田実仁君 もう一つお伺いしたいと思います。
 同じく存立危機事態への対応ということが、我が国への攻撃はまだないのにそれに対して対応するというのは先制攻撃ではないか、こういう趣旨の質疑も昨日あったかと記憶をしております。
 そもそも、先制攻撃というのは、相手方が武力を行使していないにもかかわらず先に武力を行使すること、これが先制攻撃です。しかし、今回の存立危機事態における対応というのは、我が国と密接な関係にある他国に対する攻撃があって、これが大前提なんですね、あって、それをきっかけとして、我が国に対して我が国が直接攻撃を受けたのと同様の重大かつ甚大な被害が客観的に明らかな、こういう場合に対応するものでありますので、こうした先制攻撃というような不法な、そもそも武力の行使をしている国に対して自衛の措置をとることは先制攻撃と呼ぶことは適切ではないと、このように思いますけれども、総理の見解をお伺いします。
○国務大臣(岸田文雄君) 国連憲章におきまして自衛権が認められているのは、武力攻撃が発生した場合に限られています。したがって、いわゆる先制攻撃のように、何ら武力攻撃が発生していないにもかかわらず我が国が自衛権を援用して武力を行使すること、これは国際法上合法とは言えません。
 一方、集団的自衛権とは、国際法上、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を自国が直接攻撃されていないにもかかわらず実力をもって阻止することが正当化される権利とされています。ここにおいては、他国に対する武力攻撃の発生、これが大前提であります。この集団的自衛権は、国連憲章上、加盟国に認められた固有の権利です。個別的自衛権、さらには国連憲章第七章における集団的安全保障と併せて、武力の行使の違法性を阻却するものとして認められております。ですから、国際法上合法と言えない先制攻撃とこの集団的自衛権、これは全く異なるものであります。
 そして、昨日の議論で、この二つ、先制攻撃と見えるのではないか等、これ混同される可能性がある、こういった指摘がありましたが、これは、集団的自衛権を行使しますと、その後、国連の安保理に対しましてしっかりと報告をしなければなりません。これは内容をしっかりと説明する義務が生じるわけです。
 また、今回、限定された集団的自衛権の行使を新三要件に基づいて行使するということにつきましても、国内法においてしっかりと対処基本方針を策定して国会に承認を求める、こういった手続もあります。これは混同されることはないと考えております。
○西田実仁君 それでは、質問に、用意されたものから入りたいと思います。
 なぜ今平和安全法制なのか、国民の皆様方を守るという視点から具体的に議論を深めなければならないというふうに思います。今回の平和安全法制が違憲なのか合憲なのかということにつきましても、まさにこの日本を取り巻く安全保障環境の変化をどう見るかに懸かっているわけであります。
 なぜならば、今回の平和安全法制の中で、従来から政府が取ってきた基本的な論理、考え方は変えておりません。しかし、その当てはめを変える、それは日本を取り巻く安全保障環境がどう変わったのかという認識によって変わってくるわけでありますので、ここが大変重要になってくるということであります。
 また、安全保障環境、これに対する認識を共有できるのであれば、この参議院での議論というものもより充実されていくんではないか。そうした環境変化にどう対応するのか、政府が提出した法案で十分なのか、それとも何か別の対案があり得るのか、はたまた何もしないでよいのか、こうした議論こそ参議院にふさわしい生産的な議論ではないかというふうに思います。
 そこで、最近、様々新聞の投書等も拝見をいたしますと、こんな投書がございました。この法案、平和安全法制の推進派というのは、海外進出を進める中国や核、ミサイルを開発する北朝鮮の脅威を挙げると。しかし、冷戦時代にもソ連の脅威が強調されていた。爆撃機や軍艦が日本周辺に頻繁に出没し、核、ミサイルが日本を射程に入れているとも言われたと。そうしたソ連の脅威が言われていた冷戦期とはどう今の日本を取り巻く安全保障環境が変化しているのか、どう厳しくなっているのか疑問だと、こういう否定的な投書でございましたが、この当時と比べて、じゃ、今どう違うのか。私の考えでは、一番大きな変化は、一つは軍事技術の高度化であろうと、そしてもう一つはアジアにおけるパワーバランスの変化である、このように認識をしておるわけであります。
 こうした日本を取り巻く安全保障環境の議論の大前提は、大事なこととして申し上げますと、事実としての安全保障環境の厳しさを認識するということでありまして、何か特定の国の脅威をあおることで法制を整備するべきことではないということであります。抑止力を高める法制度の意義は当然強調されてしかるべきでありますけれども、抑止力の向上が決して軍拡競争のようなものにつながってはならない、安全保障環境の厳しさに対応する抑止力の向上が外交で諸課題を解決する推進力になるということが大切であるということをまず強調しておきたいと思います。
 その上で、客観的な事実として、日本を取り巻く安全保障環境の厳しさについて政府の認識を順次問うていきたいと思います。
 パネルをお願いいたします。(資料提示)
 これは、一昨年、政府が閣議決定をいたしました国家安全保障戦略の抜粋であります。「我が国を取り巻く安全保障環境と国家安全保障上の課題」ということについて三つ挙げられております。特に、一番目は「アジア太平洋地域の戦略環境の特性」であり、二番目には「北朝鮮の軍事力の増強と挑発行為」、そして三番目には「中国の急速な台頭と様々な領域への積極的進出」、この三つが掲げられております。
 まず、この国家安全保障戦略で言うところの「北朝鮮の軍事力の増強と挑発行為」ということに対しまして、日本を含む地域の安全保障環境にとって具体的にどのような課題と認識をされているのか、また、それに対する対処は日本単独で可能なのか、それとも日米等の共同対処が必要なのか、できるだけ分かりやすく総理にお答えいただければと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず前提として、この国家安全保障戦略を策定していく上においても、ここに書かれておりますように、日本を取り巻くアジア太平洋地域の戦略的な安全保障上の環境が大きく変わっている。その中においては、パワーバランスの変化、軍事技術の向上、委員が御指摘された大きな変化があるわけであります。
 北朝鮮については、日本の大半を射程に入れる数百発もの弾道ミサイルを配備をし、発射されればおよそ千キロメートルを僅か十分で到達するという状況にあります。また、二〇〇六年以降、三回の核実験を繰り返し、ミサイルに搭載できる核兵器の開発を進めているなど、地域の安全保障に与える脅威が深刻化をしています。このような北朝鮮のミサイルの脅威に対しましては日米で構築しているミサイル防衛体制が必要不可欠であり、日米の共同対処が死活的に重要であると考えています。
 また、中国につきましては、公表国防費が一九八九年以降ほぼ毎年二桁で伸びておりまして、過去二十七年間で四十一倍でありまして、今年度においては中国の国防費は日本の防衛予算の三・三倍に達しており、軍事力を広範かつ急速に強化をしています。
 東シナ海においては、尖閣諸島周辺海域において中国公船による領海侵入が繰り返され、境界未画定海域における一方的な資源開発が行われています。南シナ海においては、中国が活動を活発化をし、大規模かつ急速な埋立てを一方的に強行している。このような既存の国際秩序とは相入れない独自の主張に基づき力による現状変更の試みを行っている。こうした中国の姿勢は、その安全保障政策に関する透明性の不足と相まって、我が国を含む国際社会の懸念事項となっています。
 中国に対しましては、戦略的互恵関係の考え方に立って関係を改善をしていくとともに、中国による力による現状変更の試みに対しては、我が国としては、事態をエスカレートさせることなく、引き続き冷静かつ毅然として対応していく考えであります。
 いずれにいたしましても、こうした安全保障環境の変化に対して、まずは大切なことは、外交を通じて平和を構築していくことが重要であることは言うまでもありません。そして同時に、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中においては、日米安保体制を更に強化をするとともに、地域の内外のパートナー国との協力関係を深めることによって紛争や戦争を未然に防ぐ力を整えていくことが重要であります。それがいわゆる抑止力でありますが、抑止力を一層強化をし、紛争を未然に防いでいかなければならないと、こう考えているところでございます。
○西田実仁君 今お話がございました例えば北朝鮮の弾道ミサイル、大変に軍事技術自体が高度化している、飛躍的に向上しているということでありますので、それへの対処は日米の共同対処によらなければならないという御指摘でありました。
 そうでありますので、例えば、日本海の公海上で北朝鮮のミサイルを警戒監視しているアメリカのイージス艦に第一撃があったと、そのときに、それによって我が国の存立また国民の権利が根底から覆されるような客観的で明らかな危険があるようなときには、やはりそれを対処しなきゃならないということで、今回、法整備がなされているんだろうというふうに思います。
 中国の御指摘もございました。その中で、特に力による現状変更の試みという御指摘もございました。こうした試みに対しまして、では、日本はどう対応しているのか、まさに日本だけで対応することができるのか、それとも日米それぞれが役割を決めて一体運用していくことが不可欠なのか、こうした点についてお聞きをしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど、中国の軍拡の状況、東シナ海、南シナ海における行動についてお話をさせていただきました。まずは、国際社会において、こうした力による現状変更は認められないというこの認識を共有することが極めて大切であろうと思います。
 ですから、問題が生じたときには国際法にのっとって主張すべきであるということ、こうした武力や力によって威嚇をしてはならない、そして問題があれば平和的に解決をするという三原則について、昨年もシャングリラ会合で訴え、多くの国々の賛同を得たわけでございます。こうした国際社会の理解が言わば中国の政策的な変更につながっていくことを期待をしたいと、こう思っているところでございますが、そうした意味におきましても、国際社会との連携を強めていく、そしてその連携の基軸は日米同盟であろうと思います。
 同時に、中国に対しても直接働きかけを行っていく必要もあるわけでありますし、関係も更に改善させていかなければなりません。習近平主席との二度にわたる会談を通じまして、戦略的互恵関係の考え方について日中関係を改善していくことで一致をしています。日本と中国は地域の平和と繁栄に大きな責任を共有しており、今後も様々なレベルで対話を積み重ねていきながら、安定的な友好関係を発展させ、国際社会のそれは期待でもありますから、そうした期待に応えていきたいと考えているところでございます。
○西田実仁君 こうした、今総理から、現状の認識、またそれへの対処のお話をいただいたわけでありますが、そこで防衛大臣にお聞きしたいと思います。
 今回のこの平和安全法制全体の法整備によりまして、特に日本とアメリカとの一体運用がどう強化されていくのか、その法制との関連を具体的に分かりやすくお答えいただければと思います。
○国務大臣(中谷元君) 日米同盟は、我が国の安全保障の基軸でございます。我が国に駐留する米軍のプレゼンス、これは地域における不測の事態の発生に対する抑止力として機能いたしておりまして、西田委員も御指摘のとおり、我が国を取り巻く安全保障環境、これは一層厳しさを増しておりまして、こうした中で我が国の平和と安全を確保していくためには、平時からグレーゾーン、また集団的自衛権に関するものも含めて、あらゆる事態に切れ目のない対応が日米が一層協力をして実施できるようにしておくということが必要でございます。
 今回、平和安全法制、これを整備をすることをお願いしておりますけれども、これが実現しましたら、例えば平素から米軍の艦艇等の防護、これを行うことが可能となりまして、自衛隊と米軍の連携した警戒態勢等の強化につながります。また、重要影響事態、この事態におきまして、米軍に対してより充実した支援を行うことが可能になります。また、存立危機事態、先ほど日米のミサイル防衛のお話をいただきましたけれども、自衛隊と米軍の一層緊密な協力関係、これが可能となりまして、さらに、これらの新たな活動を効果的に遂行するために、平素から幅広い種類の訓練そして演習、これを実施できるようになります。
 これらによりまして、様々な危機に対応する日米の共同対処能力、これは飛躍的に向上いたしまして、もし日本が危機にさらされたときには、日米同盟、これは完全に機能をするようになります。また、そのことを世界に発信をすることによって、紛争を未然に防止をする力、すなわち抑止力、これは更に高まり、日本が攻撃を受ける可能性、これは一層なくなっていくものだと考えております。
○西田実仁君 ただいまは、抑止力の強化、向上ということがこの平和安全法制によって成し遂げられるというお話をいただきました。
 他方、先ほど総理も少しお話をされましたけれども、中国は、例えば海洋における不測の事態を回避、防止するための取組にも大変強い関心を示しているわけであります。一昨年九月には、日中防衛当局による海空連絡メカニズムの早期運用開始に向けた協議の再開で原則一致をいたしました。昨年十一月の日中首脳会談の成果を踏まえまして、今年六月には第五回目の共同作業グループ協議も実施をされております。
 抑止力を高めるということはもちろん大事ですが、当然に多国間の対話、また二国間の対話も併せて行うべきでありまして、そこで、まず日中間の海空連絡メカニズムにつきまして防衛大臣にお聞きしたいと思います。
 この海空連絡メカニズムは、具体的に日中間でどのような意思の疎通が図られるようになるのか、それは日中間の課題解決にどんなことが期待されるのか、その早期運用開始の見通し等も併せてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 日中防衛当局間の海空連絡メカニズム、これは現在、まず定期会合の開催、ホットラインの設置、艦艇、航空機間の直接通信、これで構成するということで日中間で合意をいたしております。
 このメカニズムというのは、まさに不測の衝突を回避をすることでございまして、海空域における不測の事態が軍事衝突あるいは政治問題、これに発展をすることを防止をするということを目的とする日中防衛当局間の枠組みでありまして、このメカニズムの早期運用の開始、これは日中の相互信頼、そして相互理解、この増進及び防衛協力強化に資するものと考えております。
 この具体的内容につきましては、鋭意日中間で調整をしているところでございまして、現時点において署名又は運用の開始時期等の詳細について固まっているわけではございませんが、現在、協議を実施をいたしておりまして、このメカニズムの早期運用の開始に向けて、引き続き努力を重ねているところでございます。
○西田実仁君 一昨年、政権交代してすぐでありました一月の二十五日、我が党の山口代表は訪中をいたしまして、総理から親書をいただき、習近平氏と約七十分間意見交換をいたしました。その際、この海空連絡メカニズムの早期開始を山口代表から強く促させていただきまして、先方からも、様々な課題に対する立場とか意見というものは違う、しかしこの立場や意見が違うことが問題なのではなくて、それを対話とそして協議によってコントロールしていくことが大事であると、こういう趣旨のお話がありまして、あくまでも話合いによって問題を解決をしていくということが強調されたわけであります。
 昨年七月一日の閣議決定におきましても、戦後日本が歩んできた平和国家としての歩み、それは、やはり外交とそして抑止力ということが車の両輪のようにしてそれを成し遂げてきて、それを更に強固にするものが今回の平和安全法制であると、こういうお話も閣議決定されたところであります。
 そこで、総理にお伺いいたしますが、中国との信頼醸成のためにどのように今後動いていかれるおつもりなのか、首脳会談についてどう考え、見通しを持っておられるのか、これについてお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日中関係というのはまさに最も大切な二国間関係の一つであろうと、重要な二国間関係の一つであると、こう考えておりますが、例えば東シナ海につきましては、この海を平和、協力、友好の海とするため協力していくことで一致をしております。東シナ海の資源開発に関する日中間の協力について一致をした二〇〇八年六月合意を実施に移すことは両国共通の利益であり責任であろうと、こう考えております。
 そして、中国との関係におきましても、様々なレベルで対話を積み重ねながら安定的な友好関係を発展させていきたいと、こう考えておりますが、次の日中首脳会談につきましては現時点ではまだ何も決まっていないわけでございますが、私の対話のドアはいつもオープンであり、国際会議など様々な機会を捉えて実現をしていきたいと考えています。
 また、私から習近平国家主席に対しまして、昨年十一月の日中首脳会談の際に、ガス田開発を念頭に東シナ海での協力の必要性に言及をいたしました。さらに、本年四月の日中首脳会談においては、東シナ海で緊張状態が継続していることを指摘をしつつ、二〇〇八年六月合意の実施に向けた協議を加速させたい旨を働きかけを行っております。
 先ほど既に指摘をされました海空の連絡メカニズムにつきましても、これは第一次安倍政権の際に、首脳会談の際、先方に申入れを行ったところでございますが、残念ながら実質的には動かなかったのでございますが、先般、御紹介されたように、山口代表が訪中をされ、そしてその後、私が二度にわたって首脳会談を行ったことによって、やっとこれが動き始めているわけでございます。
 ガス田の問題もそうでありますが、対話を通じて問題を解決をしていくべく努力をしていきたい、我が国としてもこのような働きかけを継続していくとともに、戦略的互恵関係の原点に立ち戻る、常に立ち戻りながら両国関係を両国で発展させていくように努力をしていきたいと思います。
○西田実仁君 今御指摘ありました二〇〇八年の日中共同声明、この協議を更に加速をしていくと、こういう話もいただきました。
 次に、平和安全法制によって抑止力がどう高まるのかという先ほど来からお話がございますが、もう少し踏み込んでお聞きしたいと思います。
 今回の法整備により、これまでできなかった対応でできるようになるものにはどういうものがあるのか、今回の法整備でどう抑止力が高まるのか、言い換えれば、どう紛争を未然に防ぐことができるようになるのかというところが一番大事なところであります。
 そういう意味では、有事にこういうふうに対応ができるということは、もちろん万が一の備えでありますし、国民の生命、自由、幸福追求権を守るという意味では最も大事でありますけれども、またそれ以上に、そうした有事にならないように、平時から、平素からどのような対応ができるのか、紛争を未然に防ぐことができるのか、ここが最も大事なところであろうかというふうに思います。
 そこで、自衛隊が米軍等の部隊と連携して活動し、有事には至らないように、紛争を未然に防げるように、連携活動をしている際にお互いの武器を守り合う、いわゆる武器等の防護、これにつきまして、その基本的な考え方をお聞きしたいと思います。
 合衆国軍隊等の部隊と自衛隊とがお互いの武器等を守り合うことができるのは双方どのような連携活動を行っているときなのか、お聞きしたいと思います。
○大臣政務官(石川博崇君) 私からお答え申し上げます。
 御指摘の今般新設させていただきます武器等防護の規定、自衛隊法第九十五条の二でございますが、我が国の防衛に資する活動というのはどういう活動なのか、どこまで含まれるのか、公明党を始め、与党協議の場でも精力的に御議論いただいたところでございます。この我が国の防衛に資する活動とは、例えば平素から行われるものといたしまして、弾道ミサイルの警戒を含む我が国の防衛に資する情報収集・警戒監視活動や、自衛隊と米軍等が各種事態、状況の下で連携して行う活動を想定した共同訓練が考えられます。また、重要影響事態に際しまして行われます輸送、補給等の活動が考えられるところでございます。
 また、本条に基づく警護の対象となる外国軍隊の部隊というものはどういうものなのか、これについても御議論いただいたところでございますが、この外国軍隊の部隊とは、自衛隊と連携してこのような我が国の防衛に資する活動に従事する部隊であり、また自国の部隊等の警護を我が国の自衛隊に依頼するという事柄の性質から、情報分野を始め防衛分野において我が国と緊密な協力関係にある国におのずから限られると考えております。
 以上でございます。
○西田実仁君 今お話がありました、今回の自衛隊法九十五条を改正して九十五の二にこの武器等防護の拡大ということが盛り込まれたわけでありますけれども、今お話しのように、防衛大臣が判断をするというふうになっているのはなぜか、また内閣がどう関与していくのか、これにつきましてお聞きしたいと思います。
○大臣政務官(石川博崇君) お答え申し上げます。
 今般、この武器等防護の警護を行うか否かを防衛大臣が判断するものとさせていただいております。これは、警護の要請のあった米軍等の部隊が自衛隊と連携して我が国の防衛に資する活動を行う米軍等の部隊に該当するか否か、また、自衛隊が警護を行うことが必要か否かの判断について、当該活動の目的、内容のほか、周囲の情勢等の様々な関連情報を踏まえて判断を行うことのできる立場にある者により行われる必要があることから、自衛隊の隊務を統括する防衛大臣が行うこととさせていただいております。
 ただし、警護を行うか否かの判断につきましては、より慎重な判断を確保する観点から、警護の要請があった場合における手続等に係る運用上の枠組みや重要影響事態における運用等については、国家安全保障会議における審議も含め、内閣の関与を確保した形で進めていく考えでございます。
○西田実仁君 今お話がございましたように、抑止力を高めていく、そのために日米の共同対処能力を向上させる、それは平時からいろんな手だてをしてできるようにしよう、していこうというのが今回の平和安全法制でありますが、だからといって、いつでもどこでも米軍等と自衛隊がお互いの武器等を守り合うという、そういう野方図なものでは一切ないということも今御指摘がありました。情報収集とか共同訓練とか、あるいは警戒監視とか、こういうものに限られるということでありますし、防衛大臣のそれは判断をする、そこには内閣がきちんと関与をしていくと、こういうことまで二重三重に掛けているというふうに理解をしてございます。
 また、こうした平時から警戒監視とかあるいは情報収集活動の際にお互いの武器等を守り合うことができるというふうになれば、双方の連携活動がより円滑に進められるということは間違いございませんし、未然に紛争を防ぐ、そうした抑止力も高まる効果が期待できるわけであります。また、今お話がありましたように、共同訓練も、これまで参加できなかったことも参加できるようになる。そういうことになれば、様々なシナリオを想定した演習に加わることができますし、それだけ想定外の事態への対応力も強まり、戦争にはならない、紛争を未然に防ぐことにもつながっていくのではないかというふうに思っているわけであります。
 そこで、この平和安全法制、今細かいお話も含めてしていただきましたけれども、総理に全体としてお聞きしたいと思いますが、今回のこの平和安全法制がいかに抑止力を向上させるのか。国民の皆様方には二度と戦争は御免だという大変強い思いというものがあります。それは、当然それをしっかりと受け止めて、そして今回の平和安全法制によって、全体として、平時から有事に至るまでの切れ目のない法整備によっていかに抑止力が向上されるのか、未然に紛争を防ぐことができるのか、分かりやすく国民の皆様に総理からお訴えをいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 七十年前、我が国は二度と戦争の惨禍を繰り返してはならないとの不戦の誓いを立て、これを七十年間、ひたすら平和国家としての歩みを進めてきたところであります。同時に、地域の平和、安定、繁栄のために貢献をしていくことはまさに日本の平和にもつながっていくという考え方から、アジアの地域、特にそうした国々に対する支援も行いながら、またPKO活動にも参加をしたところでございます。
 平和国家としての歩みは今後も決して変わることはございません。また、外交を通じて平和を守っていく、今後も地球儀を俯瞰する視点から積極的な平和外交を展開してまいります。
 その上において、万が一への備えも怠ってはならないわけでありまして、今回の平和安全法制が実現すれば、国民の命と平和な暮らしを守るために、グレーゾーンから集団的自衛権に関するものまで、あらゆる事態に対して切れ目のない対処が可能となるわけでございますし、先ほど来防衛大臣も答弁しておりますように、我が国の安全保障政策の基軸である日米同盟のきずなは更に強化されていくことによって、戦争を未然に防ぐ力、抑止力はより強化されていくことになるわけでございますし、また、日本が更に国際社会と連携して地域や世界の平和維持、発展のために協力していくことによってより世界は平和になっていく、このための平和安全法制であるということでございます。
○西田実仁君 今、総理からその思いを伝えていただきました。
 そこで、今度は、平和安全法制全体に対しましての我が党側も与党協議を通じまして訴えてきたことを中心にお話をさせていただきたいと思います。
 パネル三をお願いしたいと思います。
 今回、公明党は、この平和安全法制全体につきまして、政府の恣意的な運用を防ぐ意味から言わば三重の歯止めというものを掛けさせていただいております。その一つはここにありますように憲法の適合性という憲法上の歯止めでございますし、また法制度、法制上の歯止め、さらにはその政策をやるかどうかという政策判断の歯止め、この三重の歯止めでございます。
 まず、憲法上の歯止めにつきましては、憲法九条、戦争をしてはならない、戦力を持ってはならないという憲法九条と、もう一方、憲法十三条、国民の生命、自由、幸福追求する権利を守っていかなければならないと、この九条と十三条の整合的な解釈から導き出されます、許容される自衛の措置というものを、これはあくまで自国防衛、国民の権利を守る場合のみでありまして、それを新三要件と、これまでの三要件を旧三要件といえば、今回は新しく新三要件として過不足なく全て法律に書き込むべきであると、こう与党協議でも主張してまいりました。
 そこで、次のパネルを御覧いただきたいと思います。
 このパネルは憲法九条の下で許容される自衛の措置ということで、新たな三要件は過不足なく全て法律の中に書き込んでいるということを書いてございます。
 この@、A、Bという新三要件、この全てを満たさなければ自衛の措置は発動できません。つまり、武力の行使はできません。その際、国会承認の対象となる対処基本方針には、第一要件に当たる具体的な事実はもちろんでありますけれども、A、第二要件、「これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないとき」と、この第二要件につきましても、その理由の明記が義務付けられております。事態対処法九条二項一号ロでございます。これも我が党の強い主張によって盛り込まれたわけであります。この規定は従来の旧三要件にはなかったものでありまして、武力攻撃事態対処法に定めはありませんでした。
 我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないということを対処基本方針に記すということは、政府が国会に対して、他に適当な手段がないという、その説明責任を負うことになるのではないかというふうに理解してよろしいのか、総理にお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員がお示しをいただきましたように、我が国として武力の行使を行うことが憲法上許容されるのは新三要件全てを満たすときだけであります。
 そして、委員御指摘のとおり、新三要件のうち第二要件については、今回の法整備において、新たに事態対処法改正案第九条において、武力攻撃事態又は存立危機事態に至ったときに、政府が策定する対処基本方針に、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がなく、事態に対処するため武力の行使が必要であると認められる理由についても明記することを義務付け、これを含め直ちに国会の承認を求めることとしているわけであります。
 自衛の措置としての武力の行使はあくまでも最後の手段であり、紛争の平和的解決のために外交努力を尽くすことが当然の前提であります。そうした他の手段を尽くさずして武力の行使を行うことが憲法上許容されないことは当然であり、これを国会や国民に対してしっかりと説明する責任を政府に義務付ける今般の法案は、武力の行使についての明確な歯止めとなっていると考えております。
○西田実仁君 今お話がありましたように、他に適当な手段がないということを政府が国会にきちんと説明をする、その義務が負わされたということでございます。そうであれば、仮に、任務遂行中に他に適当な手段があるというふうに判断した場合、それは国会が対処措置を終了すべきことを議決するということがあった場合、政府は対処基本方針の廃止について閣議の決定を求めなければならないというふうに考えられます。
 と申しますのも、現行の武力攻撃事態対処法第九条第十四項にはこのように規定されております。「内閣総理大臣は、対処措置を実施する必要がなくなったと認めるとき又は国会が対処措置を終了すべきことを議決したときは、対処基本方針の廃止につき、閣議の決定を求めなければならない。」と、このように規定をされております。
 今回の平和安全法制全体でもこの武力攻撃事態対処法第九条第十四項は変わらないと思いますので、申し上げたとおり、他に適当な手段があると国会が判断をしてこの任務をやめるべきであると、こういうふうに決めたときには直ちにこれはやめなければならなくなると、こう理解してよろしいのか、総理にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 西田委員御指摘のとおり、この新三要件の第二要件については、武力の行使を開始するための要件であるとともに、これを継続するための要件でもあるわけでございます。したがいまして、存立危機事態を認定した後に、我が国の存立を全うし、国民を守るための他の適当な手段がないとは言えなくなった場合におきましては、新三要件を満たさなくなるために、武力の行使を含む対処措置、これを終了しなければなりません。
 この事態対処法の第九条において、内閣総理大臣は、対処措置を実施する必要がなくなったと認めるとき又は国会が対処措置を終了すべきことを議決したとき、これは対処基本方針の廃止につき、閣議の決定を求めなければならないと規定をされておりまして、今回の規定、法整備においても改正をしておりません。したがいまして、武力攻撃事態等において、存立危機事態においてもこれは変わるものではないということでございます。
○西田実仁君 変わるものではないということでありますので、それだけ国会の責務は大変に重いというふうに思います。
 続いて、自衛隊を海外に派遣する際の三つの原則、自衛隊の海外派遣三原則についてお聞きしたいと思います。
 公明党は、与党協議におきまして、法制度上の歯止め、すなわち自衛隊を海外に派遣する際の三原則を新たに設けるよう主張をいたしました。それは、自衛隊の海外派遣が時の政府の自由になり、無制限な派遣になるという懸念に対する歯止めでございます。すなわち、この三原則は、第一に国際法上の正当性の確保をされなければならない、第二に国会の関与など民主的な統制が必要である、そして第三に自衛隊員の安全確保、この三つの原則、自衛隊の海外派遣三原則を主張をいたしました。
 パネルを御覧いただきたいと思います。
 まず、国際法上の正当性の確保についてでございますが、ここにございますように、例えば、国際平和共同対処事態における協力支援活動は、国連の総会又は安保理の決議が存在する場合として、法文上、国際平和支援法、この三条一項一号に定めをしております。
 また、国際連携平和安全活動におきましても、次のいずれかが存在する場合ということで三つ法律によって定めてございますが、その中で、例えばAの次の国際機関が行う要請というところで、国連の難民高等弁務官事務所又は欧州連合、こうしたことを定めているわけでありまして、全て要件が法律によって定められております。どこかの国が言ったからとか、あるいは時の政権が恣意的に自衛隊を海外派遣するというようなことには当然ならないわけであります。
 続いて、国会承認のパネルに移っていただきたいと思います。
 三原則の二つ目、国会の関与など民主的統制ということにつきましては、議会制民主主義の日本にありましては国民の皆様こそ最大の歯止めであるということの確認でございます。
 特に、ここに挙げました幾つか、重要影響事態、我が国の平和と安全に関わるところ、原則、事前の国会承認、あるいは国際平和共同対処事態、ここはいわゆる後方支援の一般法のところでございますけれども、これは当初、事前に国会の承認を得ることを基本とするという議論もございましたけれども、しかし、我が党が与党協議の中で大変強く主張をいたしまして、例外なき事前承認という形になったわけでございます。
 その他、ここにございますように、国際連携平和安全活動、あるいは存立危機事態への対処のための防衛出動、船舶検査活動と、それぞれ国会の関与など民主的な統制を図るべく、きちんと法律によって定めさせていただいているわけであります。
 それだけ国会の責任は大変重くなっているということでありますけれども、ここでちょっと気になるのは、何を国会承認するのかという、より具体的な話であります。
 先ほど申し上げました、この例外なき事前承認になりました国際平和支援法におきましては、基本計画を添えて国会承認というふうになるわけでございますけれども、一方、我が国の平和と安全に関わるところの重要影響事態法におきましてはそうした定めはございません。承認の対象となるのは、法文上「対応措置を実施すること」というふうに定められておりまして、基本計画は国会報告はされるんですけれども、いわゆる承認案件に後方支援一般法のように添えて基本計画が国会に出されるわけではございません。
 そこで、重要影響事態安全確保法に基づく国会承認案件には、一体何を具体的に記載するのかについてお聞きしたいと思います。
 今申し上げましたように、我が国の平和と安全に関わる重要影響事態、これにつきましてはその基本計画は閣議決定をされます。したがって、閣議決定される前には当然与党の協議というものがあって、それの段階で既に何を国会承認にかけるかということについては恐らく相当の情報がもう公開されているんだろうというようには思われますけれども、国会として責任ある判断を下すためにも、内閣から当該対応措置に係る十分な情報というものが提供をされなければ責任ある判断はできないと、このように思うわけでありまして、この重要影響事態安全確保法に基づく国会承認案件にどういった内容を記載していくのか、十分な情報提供はなされるのか、これについてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 重要影響事態法におきましては、自衛隊による後方支援活動、捜索救助活動、船舶検査活動、この実施につきましては国会承認を求めるとされておりまして、その承認に際しましては可能な限り最大限の情報を開示して丁寧に説明をする考えでございます。
 そのために、国会に提出する基本計画、ここには重要影響事態に際し自衛隊が実施する後方支援活動等の内容等を具体的に記載することとしておりまして、さらに、今回の改正におきまして、新たに事態の経緯、我が国の平和及び安全に与える影響、我が国が対応措置を実施することが必要であると認められる理由、これを基本計画に記載することを法定化をいたしまして、政府として国会に対してしっかりと情報提供を行うことを一層明確にしたところでございます。
○西田実仁君 国会承認について、存立危機事態への対処のための防衛出動に係る点をお聞きしたいと思います。
 昨日も議論がございました。存立危機事態であっても武力攻撃事態等にはならないケースがあり得る、これは別の観点、概念であるためということが議論を、衆議院でも、昨日もされていたと承知しております。ただ、現実の安全保障環境を踏まえたときには、存立危機事態に該当するような状況は同時に武力攻撃事態等、すなわち日本が直接攻撃をされるような事態に該当することが多いというふうに整理をされております。論理的には確かに武力攻撃事態等と存立危機事態が重ならない場合が例外的にあり得るといたしまして、そうした重ならない極めてまれなケースにおける国会の関与はどうあるべきなのか、これについて議論をしたいと思います。
 こうした存立危機事態でしかし武力攻撃事態等ではない場合の国会承認、これは、我が党としては、そうした極めてまれなケースというのは、時間的な余裕ということも考え合わせますと、国会の承認は事後ではなくて事前の国会承認になるんではないかと理解をしておりますけれども、総理、この点いかがでございましょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現実の安全保障環境を踏まえれば、存立危機事態に該当するような状況は同時に武力攻撃事態等にも該当することが多い、委員の御指摘のとおりでありますが、そう考えられますが、存立危機事態に認定されるような場合が同時に我が国に対する武力攻撃が予測あるいは切迫しているとは認められないこともあり得るわけであります。存立危機事態を認定して自衛隊に防衛出動を命ずる場合には、事前の国会承認により難い場合に事後承認が認められておりますが、原則はあくまでも事前承認であることから、政府として、存立危機事態であるが武力攻撃事態でない場合も含めて可能な限り国会の事前承認を追求していく考えであります。
 そこで、そうでない場合としては、例えばホルムズ海峡の機雷封鎖に起因する存立危機事態ということが考えられ得るわけでございますが、ホルムズ海峡における機雷封鎖に起因して存立危機事態を認定し、自衛隊に防衛出動を命ずる場合には、基本的には国会の事前承認を求めることになると想定しております。
○西田実仁君 具体的な事例も引きながらお話をいただきました。可能な限り事前承認、特に例外的にホルムズの話もなさいましたけれども、これは事前承認というお話でございました。
 続いて、三原則の三つ目、自衛隊員の安全の確保というパネルに移りたいと思います。
 自衛隊員の安全確保につきましても、パネルのように、全て関連規定が法案に盛り込まれております。それぞれ、安全配慮規定あるいは実施区域の設定等々でございます。
 衆議院の特別委員会は私の地元の埼玉において参考人質疑が開催されましたが、その際、埼玉県の商工会連合会また防衛協会の会長でもある佐伯鋼兵氏は、自衛隊のリスクを強調し、自衛隊員やその家族に無理に不安を抱かせるべきではない、リスクを最小限にする処置や、名誉や処遇も含めてどのように支援するかを建設的に議論すべきではないかと指摘をされておりました。全く同感でございます。
 そこで、まず、国際平和支援法におきまして、後方支援活動を行っている際に状況が変化した場合に、現に戦闘行為が行われている現場となっているかどうかは誰がどのように判断するのか。現場の指揮官が判断するんでありましょうけれども、かつて、防衛大臣がそうした現場で判断するときには、ある種の外形標準のようなものを設けてより判断をサポートすべきではないかという議論もあったかと記憶しております。
 防衛大臣にお聞きしたいと思います。後方支援における休止、中断の判断について、それをどのようにお考えなのか、お聞きします。
○国務大臣(中谷元君) 後方支援活動等を行っている自衛隊の部隊が活動している場所若しくはその近傍において戦闘行為が行われるに至ったか否か、そのようなことにつきましては、その部隊等の長又はその指定する者、これが、そのような、人を殺傷し又は物を破壊する行為が現に行われているか否かという明らかな事実により客観的に判断をし、一時休止するなどして危険を回避することとなります。このような一時休止等の仕組みは、旧特措法、これと変わりはございません。部隊等の長がかかる判断を適切に行われるようにすることも含めて、具体的な運用の在り方については引き続き不断に検討してまいる所存でございます。
 その上で、このような事実関係を含む現場の部隊等からの情報、また他国政府からの情報等を踏まえて、防衛大臣が活動現場において現に戦闘行為が行われているかどうかを最終的に判断し、もし戦闘行為が行われるに至ったと判断する場合には、活動を円滑かつ安全に実施することが困難であるとして、防衛大臣は、活動の中断又は実施区域の指定の変更、これを命じなければならないというふうにいたしております。
○西田実仁君 自衛隊が後方支援する際の実施区域の指定につきましてお伺いしたいと思います。
 一昨日の本会議におきまして、我が党の荒木議員からの質問に対しまして、総理は、後方支援における実施区域の指定に関して、今現在戦闘行為が行われていないというだけではなく、自衛隊の部隊等が現実に活動を行う期間について、戦闘行為がないと見込まれる場所を指定します、したがって、攻撃を受けない安全な場所で活動を行うことは従来と変更ありませんと、このように答弁をいただいております。
 法律におきましては、防衛大臣が円滑かつ安全に活動し得る場所を指定すると、このように書かれているわけでありますが、その運用方針としては、今申し上げた、総理から答弁いただいた、戦闘行為がその期間中発生しないと見込まれる場所であると、こういうことでございます。これがどう担保されるのかということについてお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自衛隊による後方支援の実施に際して円滑かつ安全に実施することができるように実施区域を指定するとの規定は、法律上、防衛大臣に対して安全に活動できる場所を指定することを義務付けているものであります。円滑かつ安全に活動できるという要件は重いものであり、今現在戦闘が行われていないというだけではなく、部隊等が現実に活動を終えるまでの間、戦闘行為が発生しないと見込まれる場所を実施区域に指定することは当然であります。
 具体的には、今般の法制においては、実施区域は防衛大臣が定める実施要項の中で指定します。そして、法律上、防衛大臣は、実施要項について、内閣総理大臣の承認を得た上で自衛隊の部隊等に対応措置の実施を命ずるものとしています。このように、実施区域の指定については、内閣の長たる内閣総理大臣が、内閣全体として得た情報等に基づき、実施要項の承認を通じて適切に判断をします。
 したがって、部隊等が現実に活動を終えるまでの間、戦闘行為が発生しないと見込まれる場所を実施区域に指定することは、内閣総理大臣及び防衛大臣が関与するプロセスを通して法律上十分に担保されております。
○西田実仁君 今総理から明確に御答弁いただきましたように、総理大臣また防衛大臣、内閣としてしっかり関与した上で、自衛隊の安全確保たる後方地域支援でそうした期間中にそうした戦闘行為が発生しないということがきちんと指定をされるという手続面に踏み込んでの御答弁もいただきました。
 続きまして、今回の平和安全法制では船舶検査活動法も改正されております。与党協議におきましては、当初、船長の同意なしの船舶検査という議論もございました。と申しますのも、そもそも、この船舶検査活動法の制定時から、乗船検査において船長の承諾を要する、あるいは任務遂行型の武器使用が認められない、こういうことではその実効性についてどうなのかと、こういう議論があったわけでございますが、今回は、我が党の主張もございまして、船長のあくまでも同意なしにはなし得ないという形に整理がなされました。
 こうした今回の船舶検査法の改正に当たりまして、船長の同意が全て必要というふうにした理由は何か、防衛大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 現行の船舶検査法は、強制措置、これに及ばない範囲で船舶検査活動を実施するということにいたしておりまして、乗船検査については船長等の承諾を得て行うということに規定をいたしております。これは、乗船検査に際しまして、不測の事態、これが生じることがないようにするとともに、船内における書類及び積荷の検査、確認を円滑に行うことを目的としたものでございます。
 我が国による船舶検査活動を適切、円滑に行うため、法改正においても引き続きこの規定、これを維持をすることといたしておりまして、国際社会におけるこれまでの船舶検査活動の状況を踏まえれば、強制措置に及ばない態様であっても国際社会と連携をした取組の中で実効的な対処、これは十分可能であると判断をしたわけでございます。
○西田実仁君 それでは、先ほど三重の歯止めという話で憲法適合性、法制度の話をしました。そしてもう一つ、政策判断ですね。憲法には当然適合していなければならない、そして法律上もきちんと定められていなければならない、しかし、法律上できるからといって全てやるわけではない。これは、しっかりとした政策判断というものが必要になってくるわけであります。
 その自衛隊を海外に派遣する際の政策判断として、三つの視点ということが掲げられてございます。本会議におきましても総理から御答弁をいただきましたが、この三つ、一つは我が国の主体的判断、そして二つ目には自衛隊にふさわしい役割、そして三つ目には平和外交努力と、この三つが政策判断として、その視点を持って、そして海外へ派遣するかどうかということを決めていくということでございます。これは大変大事な総理の御答弁であろうというふうに思っております。
 政府として自衛隊を海外に派遣する際に、こうした三つの視点から判断したんだと国民の皆様に理解をいただく、理解を求めるということが大変必要でありまして、それをどう担保していくのか。この三つの視点から見た具体的な事実について、特に国際平和支援法におけます基本計画とか、あるいは国際平和協力法の実施計画とか、こういうものにしっかりとその三つの視点から導き出された事実というものが書き込まれていくんだろう、それで国民の皆さんにも理解を得ていくんだろうと、このように思うわけでありますが、総理の御答弁をお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 委員が今御指摘になったように、この平和安全法制が整備されれば、その要件、法律の要件を満たせば必ず自衛隊員が派遣されるわけではこれは全くありません。派遣ができるようになるという法制を整えたということでありまして、そして、その上において自衛隊を派遣するか派遣しないかは慎重なこれは政策判断を行うわけでございます。
 そして、具体的に政策判断を行うに際しまして、一、我が国の主体的判断であること、二、自衛隊の能力、装備、経験等に照らして自衛隊にふさわしい役割であること、三、その前提となる外交努力を尽くすことなどを重要な視点として慎重に政策判断を行うことになります。
 国際平和支援法の基本計画やPKO法の実施計画については、御指摘の趣旨も踏まえて適切な形で策定したいと考えております。
○西田実仁君 今総理からは、こうした三つの視点を踏まえて適切に実施計画あるいは基本計画に盛り込んでいくと、こういうお話でございました。
 そこで、一つ一つちょっと掘り下げてお聞きしたいと思いますが、まず一番目の視点である我が国の主体的判断ということについてはどのようになされていくのかをお聞きしたいと思います。
 よく言われますように、どこかの国が言ったからやる、派遣をするとか、あるいは法律上でできるから何でもやるんだと、こういうことが意図的に曲解されて言われたりすることがございますけれども、あくまでも我が国の主体的判断で派遣するかどうかを決めていく、日本にとって必要なのかどうかを決めていく、それは具体的にどう判断をする際の判断要素をお考えになっておられるのか、総理に御答弁をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自衛隊の活動の実施に当たっては、我が国として主体的な判断に基づきこれを実施をしていくことは当然のことであります。
 この主体的判断に当たっては、まず、政府として入手できるあらゆる情報を総合的に判断、分析をしまして、国家安全保障会議において十分な審議を行い、内閣として意思決定を行います。その上で、内閣としての意思決定の根拠となった情報等をしっかりと公表し、自衛隊の活動の実施について国会の承認をいただくことになります。しっかりと国会の御承認をいただいて自衛隊は活動するということになるわけでありますし、その上で、このようなプロセスを経ることで、当該活動の実施が我が国の国益にかなうものかどうか、国民の理解を得られるものかどうか、しっかりと主体的な判断がなされるものと認識をしているところでございます。
○西田実仁君 今お話がありましたように、我が国の国益あるいは国際情勢、そして国民の皆様方の利益、理解、こういうものなどを日本にとって必要かどうかと判断をしていかれるということであります。
 その我が国の主体的判断という意味でいいますと、例えばISILに対する作戦の後方支援、これは実施するお考えがあるのか、一つの事例として総理に御答弁いただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今御指摘をいただきましたISILに対する作戦の後方支援について、国際平和支援法の下で我が国が後方支援を行うためには、要件となる国連決議の存在に加えて、我が国が国際社会の一員として主体的かつ積極的に寄与する必要があるかを含め、法律に定めた要件を満たすか否かを個別具体的に判断し、かつ事前に国会の承認をいただく必要があります。
 そして、その上で申し上げれば、政府としては、政策判断としてISILに対する軍事的作戦を行う有志連合に参加する考えはありません。ISILに対する作戦への後方支援を行うことは全く考えていない。これは今回の法案が成立した後であっても変わりはございません。
 我が国は、今後とも、難民、避難民に対する食糧・人道支援など我が国ならではの人道支援を拡充し、非軍事分野において国際社会における我が国の責任を毅然と今後も果たしていく考えであります。
○西田実仁君 あくまでも我が国の主体的判断としてISILに対する作戦の後方支援は行わないと、こういうお話もございました。
 三つの視点の二つ目でございますけれども、自衛隊にふさわしい役割とは一体何かということについてお聞きしたいと思います。
 自衛隊の能力、装備、また経験などから、今回の平和安全法制が成立をいたしたとしても、何でも自衛隊ができるわけでは当然ありません。一定の制約があると承知しております。自衛隊はあくまでも専守防衛の自衛隊でありますし、また財政制約も当然あります。この自衛隊にふさわしい役割について判断する際のその判断要素は一体どういうものなのか、お聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自衛隊にふさわしい活動は何かということでございますが、国際協力を行うに当たりましては、自衛隊にふさわしい役割を果たすことが重要と考えています。したがって、今回の法整備が行われた後であっても、実際の自衛隊の派遣に当たっては、当該派遣が国益に資するものであるかどうか、また自衛隊の能力、装備、経験等に適合するかについて考慮する必要があると考えています。
 具体的に申し上げますと、例えば、自衛隊の国際平和協力活動は我が国の防衛に支障のない範囲で行われるべきであること、また我が国が適切に対応することが可能な分野であるか、派遣地において自衛隊が十分に活動できる治安情勢であるかなど、自衛隊の能力が適切に発揮できるものであること、さらに活動の実施が派遣地の現地社会や国際社会から評価され、さらに我が国の国民からも支持されるものであることなどを、そうしたことなどを考慮する必要があると考えています。
 こうした要素を考慮した上で、我が国が国際社会の一員として、国際社会の平和と安全により一層積極的な役割を果たせるよう取り組んでいく考えでございます。
○西田実仁君 三つの視点の三つ目でありますが、平和外交努力、これは前提として外交交渉を尽くしていく上で判断をするという意味であろうかと思います。加えて、非軍事分野での貢献も必要であると。今年二月に、開発協力大綱の基本方針の第一には「非軍事的協力による平和と繁栄への貢献」を挙げておられます。
 そこで、総理にお聞きしたいと思いますが、日本ができることは何か、どう取り組んでいくのか、この非軍事的協力について総理の決意をお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国は、人間の安全保障の視点に立ちまして、紛争終結後の平和と安定、安全の確保のため、ODA等を活用して緊急人道支援から復旧復興・開発支援まで切れ目のない支援を行うなど、国際社会から高い評価を得ています。
 また、今回の法整備においては、紛争終結後の国に対する人道復興支援や国づくり支援等にも更に貢献できるよう、PKO法を改正することとしています。また、このような取組として、例えばカンボジアに対しては、我が国初のPKOを派遣し、同国にとって最大の援助パートナーとして社会開発の促進やガバナンス強化等のODAを通じた支援を行ってきています。
 こうした協力は、戦闘行為が当面終結した後、内戦に逆戻りしないようにする上で有意義であり、積極的平和主義の考え方の下で今後とも一層強化をしていきたいと考えております。
○西田実仁君 今総理から三つ目の視点として平和外交努力、特に内戦に逆戻りしないようにするために日本ができることを挙げていただきました。
 残り僅かでございますが、PKO協力法について少しだけお聞きしたいと思います。
 今回の国際平和協力法におけます自衛隊員の安全確保ということにつきましてお聞きしたいと思います。
 新たに安全確保業務が追加をされました。国連PKOが住民等の防護に当たるようになった背景は一体何なのか、国連が持っている防護を必要とする基準は何か、またいわゆる安全確保業務はどのように実施されていくのか、国連PKOの実態に即してお聞きしたいと思います。
 またあわせて、防護を必要とする住民等の存在が認められれば、派遣先国の領域内であればどこでも自衛隊が出向いて安全確保業務を実施するのか、この安全配慮規定というものに絡んでお答えを最後いただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 近年の国連のPKO活動、こういった活動におきましては、国家間の紛争から内戦型のような紛争への対処が必要となってきているところでございまして、任務が多様化をする中で、切迫した暴力からの脅威、これから住民の保護等を始めとする安全な環境の確保、これが重要な任務となっておりまして、それぞれ住民の防護を含めた各業務を行うに当たっては、PKOのマンデート、これに基づき、国連が定める武器使用基準によって各国がそれぞれ定める規定に基づき行うものと承知をいたしております。
 したがいまして、我が国が業務を行うに当たっては、このような基準の範囲内で、改正PKO法を根拠として、我が国が定める武器使用権限を含めた隊員の行動基準に基づき対応を行うということでございます。
 また、住民の防護等につきまして、自衛隊を派遣する際に、国連等と合意した活動地域の範囲内におきまして、PKO等の司令部と治安情勢、また自衛隊の対応能力等の各種の要素を考慮して、調整した上で個別具体的に決定されるものでありますが、住民等の防護についても、かかる範囲において安全確保業務の一環として実施するものでありまして、派遣先の領域内のどこでも出向いて実施をするものではないと。常に隊員の安全、これに重視をして活動を実施したいということでございます。
○西田実仁君 終わります。どうもありがとうございました。
○片山虎之助君 維新の党の片山虎之助でございます。
 順次質問させていただきますが、まず、私は毎回同じことを言っているんですけど、できるだけ分かりやすい質問をいたしますので、できるだけ分かりやすい答弁、さらに、できれば簡潔で明快な答弁をお願いしたいと思います。
 それで、分かりやすさといいますと、私はびっくりしているんですよ。世論調査を見ますと、この安保関連法制の審議が進めば進むほど、分からないとか説明が不十分だとかという数字が増えるんですね。私は、どうなっているか、事柄は難しいですよ、そんな簡単に分からない。事柄は難しいですが、やっぱりこれは、例えば答弁や説明の方に、まあ歯切れが悪いと言ったらいかぬのですが、歯切れが悪かったり、少し曖昧で腑に落ちないところがあったり、いろいろ問題がある。質問の方も全部いいとは言えませんよ。とにかく野党だから攻撃せなしようがない。それから、細かいこと、技術的なことを言う。見ている国民の皆さんは分かりませんよね。
 それがあの数字に私はなっているんじゃないかと思うので、参議院では、総理は国民に分かりやすい審議、国民に分かりやすい答弁、説明ということを言われましたけど、もう一度ちょっと総理のお覚悟というのかお気持ちを。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに今、片山先生が御指摘になられましたように、国民の理解が進んでいない。私どもから考えますと誤解されている面も多いわけでございますが、答弁等において、片山先生がおっしゃっておられるように、なるべく歯切れよく、国際情勢に関わるものでございますから、完全に歯切れよくというわけにはいきませんが、しかし、国民の皆様から、ああ、こういうことを言っているんだなというふうに考えていただきやすく答弁をしていきたいと考えております。
○片山虎之助君 私は昔、公務員というか役人をやりまして、その頃悪い先輩に教わったんですよ。役人というのはうそを言っちゃいかぬと言うんですよ、うそを言ったらばれますからね、分かっちゃう。しかし、本当のことを言わぬでもいいと言うんですよ。うそを言っちゃいかぬけれども本当のことを言わなくてもいいと。どういうことですかと聞きましたら、百の真実があったら八十まで言うんだと言うんです。二十は残すんです。八十は本当ですよね。だから、うそじゃない、本当。しかし、百を言わないということは、あることについてはこれも本当じゃないんですよ。
 大丈夫でしょうね、防衛大臣、外務大臣。その伝で答弁していないと思いますけれども、どうですか、中谷大臣。
○国務大臣(中谷元君) 努めて分かりやすく、正直に、丁寧に答弁をいたしております。
○片山虎之助君 ああいう淡々と言うのが怪しいけれども、岸田大臣、どうですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 私も、丁寧に、謙虚に、分かりやすく答弁に努めております。引き続きその姿勢を大切にしていきたいと考えます。
○片山虎之助君 ところが、総理の側近で本当に正直な人がおりますよね。名前は言いませんけれども、某補佐官は、あれは自分の本当のことを言ったんだと思いますよ。
 しかし、言っていいことと悪いことがあるわね。法的安定性というのは憲法やいろんな法律の命ですよね、本質ですよね。それは変わってもいいんですよ、変わってもいいんだけれども、もう頭から安定性は関係ないというような言い方は非常に困るんですが。
 総理、総理の補佐官なんですよ、官房長官の補佐官じゃないの。どうされますか、注意ぐらいでいいのかな。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 法的安定性については極めて重要なことでございまして、補佐官に対しましても、官房長官からも、私からも、昨日の答弁におきましても、こうした誤解を与えることのないように気を付けなければならないと、このように申し上げているところでございます。
○片山虎之助君 私も満更知らないわけじゃないのであれですけれども、ひとつよろしくお願いします。憲法を守るというのが閣僚や公務員のある意味じゃ最大の義務なのでね。それは将来変えるという、変えればまた別ですよ。しかし、今の憲法を守ろうということは基本なんですよ、今度の安保法制でも。改正しない限りは現行憲法を尊重し、守り、その枠内でやるということを是非申し上げたいと思うんです。
 これから参議院の審議が始まりますよね。それで、早めに衆議院をお通しになったから、六十日間ルールが九月の十四日から恐らく適用になるんですよね。丁寧に分かりやすくと皆さんも言われているので、そういう審議になりますよね。そうなって、六十日を超えても六十日ルールなんというのは使わないように、これは与党の党首として、総理、お願いしますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに参議院の審議は昨日から本格的にスタートしたばかりでございまして、この良識の府たる参議院におきまして議論が深まっていく、参議院側の御判断に従うべきことと、こう考えているわけでありますが、いずれにせよ、国民の皆様の御意見に真摯に耳を傾けながら、今後の法案審議においても工夫を凝らして、分かりやすくしっかりと答弁していきたい、説明していきたいと考えております。
○片山虎之助君 国会は国会として十分、六十日ルール対応は私は考えなきゃいかぬと、こういうように思っております。
 そこで、私どもの維新の党は衆議院で対案を出させていただいたんですよ。安保の関係できちっと条文まで細かく書いて、かなり膨大な、総括した法案を出した例は私は今まで余りないんじゃなかろうかと。それはそれなりに自負しているんですが、百十六時間三十分審議しながら、維新の対案を御審議いただいたのは五時間なんですよ。分かりますか。全体は百十六時間三十分、維新のあれは五時間で、それから強行採決されるんですよね。ちょっと私は失礼じゃないかという感じがしますし、別に与野党協議をやっているのも、当然、そういうことですから中断ということになりますわね。
 継続ということのようですけれども、やっぱりそれは参議院でもどうするかというのが当然あるので、私個人は、対案を作れば出すべきで、国民の皆さんに判断してもらう。政府案と対案を並べて細かく議論することが、両案の良さも悪さも分かるんですよ。だから、それをどう本当にいいものにするかということが、これは国会なんですよ。与野党の審議なので、出されたものは尊重してもらわないと。五時間じゃ困りますよね、強行採決じゃ困る、総理。だから、そこの態度をしっかりと聞いておかなかったら、我々はどうするかということを考えないかぬ。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 衆議院におきまして維新の党には法案を提出をしていただきまして、国会での審議は更に深まり、建設的な議論になったと、このように思います。
 六十時間以上の審議を重ねてきた上において、その論点を踏まえて維新の党において法案を出されたわけでありますから、ある程度煮詰まった上において維新の党の皆様に法案を出していただいたということにおきましては、その後の審議においても更に議論を深めていく、今、片山委員が御指摘になったように、両案を見比べながら、どういう課題があるのか、それぞれどういう指摘があるのかという国民の皆様の判断材料を提出することにはつながったと、このように思っております。
 維新案におきましては、我が国に対する直接の武力攻撃が発生していない段階でも、自国防衛のため自衛権の行使を限定的に認めているということでございますので、したがって、大きな方向性では一致しているのではないかと、こう考えております。残念ながら、衆議院では合意には至りませんでしたが、採決直前まで与党と維新の党との間で誠実に修正協議が行われ、一定の共通の理解が得られたものと認識をしております。
 協議は今後も継続されるものと承知をしておりますが、法案は、まさに国民の命と平和な暮らしを守り抜いていくための、必要な、そして重要な法案でございます。良い結果を出すためにしっかりと議論を行いまして、可能な限り、一致点を見出すべくお互い努力を続けていきたいと考えているところでございます。
 維新案が、参議院の審議における取扱いについては、今後、片山委員を中心にお決めになることだと、こう思いますが、対案が国会に提出をされれば政府としては真摯に対応したいと考えており、早期に国会に提出をされることを期待しております。
○片山虎之助君 今日も、この質問時間の範囲で私どもの主な考え方を政府案と対比して申し上げさせていただきますけれども、是非、総理、今の御答弁のように是非よろしくお願いいたしたいと思います。
 そこで、私どもの基本的な立場は、今の日本を取り巻く安全保障環境のある意味での激変を考えるときに、安保法制を見直して、一種の切れ目のない安全保障体制をつくるということは私たち賛成なんですよ。日米がコンビを組んで、同盟を強化して抑止力の向上を図るということも私どもは必要だと考えている。
 だから、それをどうやるかということと、憲法改正ならいいですよ、九条の。憲法の改正がない以上、現行の枠内で、違憲違憲と言われる中では私はやるべきじゃないと思う。やっぱり合憲の範囲でやる、そこがポイントなんですよね、そこが。
 それをぎりぎりどこまで考えるかということで、恐らく与党の皆さんと私どもの方が、若干というのか、かなりというのか、相当というのか、ずっとというのか、そこの乖離が、そこがどう埋められるかということがこれからの大きな私は焦点だと思いますけれども、今の御答弁で真摯に我々と対応されるということは、ちゃんと私らも重く受け止めてまいります。
 そこで、今の現行憲法の枠内で、合憲の中で、違憲じゃなくて合憲の中でやられるということについて、総理、もう一度御答弁ください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の平和安全法制の整備は、これはあくまでも憲法の許容する範囲内でこれを行うものであり、これは当然のことであります。憲法改正ができないから解釈変更を行うものではないということは、はっきりと明確に申し上げておきたいと思います。
 我が国を取り巻く国際情勢が大きく変化する中において、国民の命と平和な暮らしを守るために、砂川判決の言う必要な自衛の措置とは何かをとことん考え抜いていかなければならないわけでありまして、現実に必要な安全保障政策を講じる必要が、考え抜いていく必要があるわけでありまして、この点は我が党も御党も同じであろうと。この必要な自衛の措置とは何かということを考えた中において、我が国に対する武力攻撃が発生していない中において自衛の措置をとり得るということについては、先ほど申し上げましたように、御党も考え抜いた上で、それも憲法の許容する範囲内であるということについては、ここは一致をしているんだろうと思います。
 今回の平和安全法制は、そうした政治の責任において必要な自衛の措置を国民を守るために考え抜いた結果、昭和四十七年の政府見解で示した憲法解釈の基本的論理は全く変わっていないわけでありまして、これは砂川事件に関する最高裁判決の考え方とも軌を一にするものであります。平和安全法制はこの最高裁判決の範囲内であり、違憲ではないということは繰り返し申し上げたいと思います。
○片山虎之助君 それと、総理、もう一つ、七十年掛かって日本国民がみんなで築き上げた平和国家というイメージがあるんですよ。戦争しない国、血を流さない国という、このイメージは私は大切にせないかぬと思うんです。
 だから、それも大きな、これは情緒論ですよ、しかし、これも大きな、いろんなことをこれから考えていく上に、安全保障法制を、大きなこれもポイントだと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 七十年前、二度と戦争の惨禍は繰り返してはならない、この不戦の誓いの下、戦後、日本は平和国家としての歩みを進めてきたわけでございます。この日本の歩みは国際社会からも評価されている。そして、平和を守っていくためには、日本一国のみではなくて、国際社会と協力して地域や世界の平和をしっかりと守り、そしてつくり上げていくことも大切であり、今後、より一層そうした役割も果たしていきたい、そのための法制でもあると、このように考えております。
○片山虎之助君 集団的自衛権なんですけど、これは、我が国では七十年掛かって、国会論議を中心に、持っているけれども使えない、憲法九条で、持っているけれども使えないと、こういう解釈がまあほぼ確定というか確立したと思いますね。
 それで、私ももう相当いい年なんですけれども、私は、物が幾らか分かるようになったときから、持っているけれども使えないというのはおかしいじゃないかと、私は個人的には思っている。私個人の考えですよ。持っているものが使えないというのは持っていないことなので、持っている以上、私は必要最小限度は使えるんじゃないかと。その必要最小限度が難しいんだけれども。個別的自衛権も集団的自衛権も、持っているんなら必要最小限度は使えるという解釈があってもいいじゃないかと思ってきたんですが、しかし、日本では、もう国会を中心にいろんな議論の中で、持っているけど使えないと、こういうことになってきたんですね。それを総理はお変えになるんですよ。
 ところが、歴代それをずうっとやってきたのは自民党政権なんですよ、声高にやって。その先頭に立ったのは法制局長官なんですよ。そこで、初めて総理がアクションを起こしてこういうことをおやりになった。歴代の、何でそれが自民党の大きなお考えならもっと早くから誰かがどこかでやりながらつないでいかないのか。おやりになったのは総理なので。しかも、それは平成十八年の第一次安倍政権で、私も参議院の幹事長でしたからよく存じ上げておりますけれども、それがまた総理がお引きになったときから中断をして、五年掛かってまたお始めになったと。途中民主党政権時代もありましたけれども。それが何でそういうことになるのかなということが一つ分からない。
 それから、更に言わせていただくと、歴代の法制局長官がネガティブな意見ですよね、どっちかというと、今回の安保法制に。これも、まあこれは分かるんですよ、法制局長官が一生懸命頑張ってこられた説なんだから。それがまた今変わる。法制局というのは政府の機関で、総理の下ですよ。しかし、これは一種の専門性と権威を持たせて内閣の中で特別なあれにしてきたんですね。それがまた変わる。
 その辺が私は国民の多くが分からない原因じゃないかと思いますが、総理、いかがですか。これは私の私見が相当入っています。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそも、日本は憲法九条、特に二項の制約があるわけでありまして、その中で、果たして我々は自衛権があるのか、自衛のための措置を、対応を取ることができるのかどうかという議論があったわけでございますが、憲法の最終的な判断を行う、これは憲法にも書いてありますが、砂川判決において、これは、争われたのは日米同盟に関わることでございますが、その前提としての重要な要素を構成する自衛権について、必要な自衛の措置をとり得ることは、国家固有の権能の行使として当然のことと言わなければならないと、こう明示したわけでございまして、自衛権はありますよということでございます。そして、平和的生存権を守る上において、無防備であっていいということではないということであったわけでございます。
 この必要な自衛のための措置をずっとこれは歴代の政権が考え抜いてきたわけでございますが、かつては米ソの冷戦構造時代があり、アメリカは圧倒的な言わば西側自由主義陣営においてはリーダーであり、軍事的な力も有していたわけでございますし、自衛隊の能力というのは、まだまだ発足当初から何年間かの間は非常にこれはまだ脆弱な組織でしかなかったのでございますが、その間、まさに法制局においても、それはとことん議論していく中において昭和四十七年の見解が出されたわけでございます。
 しかし、一度やはり出したものは、これは法的安定性もございますから、自民党政権もこれを維持しつつ、しかし、国際情勢との関係において、今、片山委員が御指摘になったように、国際法上は集団的自衛権の権利は持っているけれども、憲法上これは集団的自衛権は行使できない、つまり、これは必要最小限度を上回ってしまうと。
 こういうことであったわけでありますが、そこを果たしてどうかという考え方の中において、我々は更にそれを必要な自衛のための措置をとことん考えていく上において、例えば四十七年の見解を出したときから、米軍、これは兵隊の数においても艦船も、そして航空機も約半分になっております。一方、自衛隊は米軍と協力をしながらミサイルを撃ち落とす能力を勝ち得ている。他方、北朝鮮はミサイルを撃つ能力を、日本に撃ち込む能力、数百発の能力を持ち、さらにそのミサイルには核兵器もこれ搭載し得る能力を開発をしているという中において、このミサイル防衛を日本と米国においてしっかりとしたものとして発揮をしなければ日本の存立は危うくなる。
 その一角が崩されるということは我が国の存立にも関わるという、これは大きな変化が起こっている中において、我々は今回、そうしたことも踏まえて、国民を守っていくという責任を果たしていく上において、必要な自衛の措置の中に、今回、国の存立に関わり、あの三要件に当てはまる範囲では集団的自衛権の行使は認め得ると、こう考えたわけでございます。
○片山虎之助君 総理、総理の熱意や思いは分かるんですよ。しかし、それが昔からの自民党全体のお考えだったのか、あるいは法制局がどうだったかというところに私はちょっと疑問、今申し上げたんですけど、今言われた昭和三十四年の砂川判決、それから四十七年の政府見解が今回の法律制定の論拠になっているようですが、それ、昭和三十四年というのは古いわね。それから傍論ですよ。傍論というのは傍らの論ですよ、乱暴な論じゃありませんよ。傍論で、あのときは、裁判官によっては意識された方もおるんだけれども、集団的自衛権、意識していないんですよ。意識していないから排除していないんですよ。
 だから、排除していないから論拠になるというのはいかにも牽強付会の感じを与えるし、それから、昭和四十七年の政府見解は、あれは集団的自衛権を否定するために作った政府見解なんですよ。それ、理屈だけ持ってきて結論が百八十度変えるというのは、いやいや、私はこれは無理筋ではないのかなという気が個人的にしているんです。
 だから、国民は分からないんです。分からない私は原因の一つはこれだと思うんです。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 砂川事件、そしてまた昭和四十七年の見解、それぞれ確かに古いわけでございますが、自衛権について判断が下されたのは砂川判決でございます。古くてもこれは最高裁の判決であり、そしてまた四十七年の見解も、今日までこれは維持をされてきたものでございます。かなりの経過はしているのでございますが、これらの中に憲法第九条に関する基本的考え方が示されておりまして、今日でも重要なものだと思っております。
 限定的な集団的自衛権の行使容認について、昭和四十七年の政府見解で示した憲法解釈の基本的な論理は全く変わっていないわけでありまして、これは政府の基本的考え方が一貫していることの証左でもあります。
 また、砂川事件の最高裁判決は、先ほど申し上げましたように、我が国が自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置をとり得ることは、国家固有の権能の行使として当然のことと言わなければならないと明確に述べているわけでありまして、砂川事件につきましては、自衛隊の合憲性や我が国による武力の行使の回避そのものが争点となった事件ではないということは先ほど申し上げたとおりでございますが、最高裁判所があえて判断の過程で考慮したことをこのような形で示しているということは、重みを持って受け止めるべきものと考えています。
 新三要件の下で認められる限定的な集団的自衛権の行使は、我が国の自衛の措置に限られるものであり、砂川判決の範囲内のものであると、こう考えているところでございまして、憲法の解釈を最終的に確定する権能を有する唯一の機関は最高裁判所であり、その考え方に沿った判決の範囲内のものである限定的な集団的自衛権の行使は憲法に合致したものであると考えております。
○片山虎之助君 それは総理、最終的には最高裁の判断ですよ、違憲立法審査権もちゃんと憲法に認められているんですけれども、日本の最高裁は伝統的に、統治行為的なことに積極的に口を出す、あるいは判断を示すような癖がないんだね。訴訟が起こらなきゃ駄目なんですよね。だから、我々は、これは別のあれなんだけれども、憲法裁判所をつくるべきだとか、最高裁の中にも憲法部をつくるべきだと、憲法部、そういうことを言っているんですね。
 最高裁の判断にそれはまたざるを得ませんけれども、しかし、現実に憲法学者の大多数が違憲論を展開する、それから、今言った法制局長官のOBもどっちかというとそっちの方がほとんどだと。こういうことの中でどうかというところが、やっぱり違憲論をクリアする、違憲でないという感じを国民に与えるということが、私は、国民の理解を増やすゆえんだし、それは今後の日本にとっても、迂遠ですよ、ちょっと後退するかもしれない、しかし、それが一歩後退、二歩前進、三歩前進になると思いますけれども、いかがですか。とにかくぱぱっといきますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、片山先生がおっしゃったのも一つの御見識だと、こう思っておりますが、我々は、今申し上げましたように、大きく国際環境が変化している中において、国民の命を守るために必要な自衛の措置はどこまで認められるかということを、これも考えているわけでありますし、先ほど御紹介いただきましたように、二〇〇六年のときからずっと私も、これは懇談会をつくり、議論を重ねてきたところでございます。
 また、先ほど、砂川判決においては、これは集団的自衛権という認識がなかったんではないかという御指摘もございましたが、しかし、砂川判決の中において、国連憲章は全ての国が個別的及び集団的自衛の固有の権利を有することを承認していると、こう述べておりますので、それは認識をした上での判示ではないかと、こう思っておりますが、しかし、もちろん、自衛の措置としか述べていないのは、これは先ほど申し上げたとおりでありますが、しかし、そういう認識はあったのではないかと思います。
 いずれにいたしましても、この私どもの法制は、当然憲法の範囲内であるということは重ねて申し上げたいと思います。
○片山虎之助君 今、私はだだっとと申し上げたんですが、原案を一つも変えずにこのままで採決まで持ち込まれますかという意味なので、ちょっと端的なあれですけれども、なるほどという意見があったら修正される。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府としては、もちろん私どもがお出しをしているこの法制はベストなものと考えておりますが、まさに、今この参議院の委員会において議論をしていただいておりますので、この中におきまして、様々な御議論、また御党から案が提出をされるでしょう、また協議が進んでいくわけでございますから、そうした協議において合意が得られれば、我々は当然真摯に対応していきたいと思っております。
○片山虎之助君 それじゃ、私どもの基本的な考え方と政府案の対比について、これから少し質問させていただきたいと思うんです。
 パネル一を出してください。(資料提示)
 私どもの自衛権の考え方は、このパネルあるいは資料のようでございまして、これまでは個別的自衛権と集団的自衛権は別のものであったと、分かれておったと。もう釈迦に説法ですが、御承知のように、個別的自衛権は自国が攻撃されたときに反撃する権利ですね。集団的自衛権は、他国が、自国と密接に関係はあるんだけれども、他国が攻撃されたときに反撃する権利です、自国側が、自国は攻撃されていないのに。これがまあこれまでのあれでございましたが、安全保障環境の大きな変化、あるいは核やその他のいろんな戦略兵器その他の変化等を踏まえて、今は我々は個別的自衛権と集団的自衛権が重なる部分があるんではないかというのがこの表でございます。
 他国が攻撃されたんだけれども、それは即自国に跳ね返る、自国と一体の攻撃だと。その場合には、今までの個別、集団でなくて、新しい対応ができる。これを集団的と言うか個別的と言うか、好みの問題と言ったらまた語弊がありますけれども、実態は個別的なんだけれども形式は完全に集団的ですよね。そういう新種というのか新しいことが、私は今の時代にあってもいいといって考えておるのが我々の考え方。総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに今委員がおっしゃったように、我々も三要件を、この三要件満たす場合は集団的自衛権、武力行使ができることになっておりますが、三要件は、まさに我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される危険ということでございますから、今この委員がお示しになった憲法上、憲法との関係においてはこういう概念、言わばそういう、先ほど申し上げましたように、ミサイル防衛の一角が崩される、これはまさに、純粋にフルに他国が攻撃されたからその他国に行ってそこを防衛するということとは違うという、そういう事態も生じ得るという時代になったということにおいては、今委員がおっしゃったこととこれは大体同じではないかと。
 ただ、国際法的には、それでも我が国に対する攻撃が発生していませんから、これは集団的自衛権に当たるというのは、これはそういうことでないかと、このように思います。
○片山虎之助君 だから、これを個別的か集団的と言われると困るんですよね、ようかんの切り方で名前を別々に付けるようなものなんですから。だから、我々は自衛権の再定義、自衛権の範囲の見直しと言っているんですよ。
 そこで、今問題は、パネル二を。
 総理が言われた、これが中核ですよね。国際的に言う集団的自衛権を行使できる場合なんですが、これ見ていただくように、政府案の新三要件の第一ですよね、第二、第三は必要最小限度とほかに手段があるかないかというあれですから。第一なんですが、政府案では、もう何度も皆さん御承知だからしつこく申し上げませんが、我が国と密接な関係のある他国に対する武力攻撃が対象で、武力攻撃やった場合にどういうことの危険かというと、国の存立、生命、自由、幸福が根底から覆される明白な危険がある場合にその自衛権の発動ができる、武力行使ができると、こういうことですね、政府の案は。
 維新の案は、明白な外形基準、歯止め、線引きをやっているんです。まず、日本周辺でなきゃいかぬと。我が国と密接な関係があるという曖昧なあれじゃなくて、日本周辺でなきゃいかぬと。そして、日本と条約を締結した国の軍隊でなきゃいかぬと。国じゃないんですよ、関係のある他国じゃないの。他国というと、民間だってその他だって入りますよ。それから、日本の防衛のための活動中の外国の軍隊に対する武力攻撃なんです。他国に対するふわっとした、漠然とした武力攻撃じゃない。それから、国の存立、生命、自由、幸福を根底から覆される、言葉は大仰でおどろおどろしいんですが、中身は分からない、これ、簡単に言うと。読みようによってはどうにでも読める。そこで、日本に対する武力攻撃が発生する明白な危険が見えるとき、我々はこう考えているんです、その場合に初めて自衛権が発動ができると。
 だから、この案については多くの憲法学者が合憲と言っています。実態は個別的自衛権的ですよ。しかし、今総理が言われたように、国際法的に言うと集団的自衛権の分野に入る、分類に入る。こういうものを認めないと、事実上不都合がいっぱいできている、日本周辺で。それが我々の基本的な考えですが、総理、いかがでございますか。まあどこまで入れるか、いろいろありますけれども。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、言わば政府案を更に限定したもの、つまり、例えば条約締結国の軍隊といえば、もうこれは米国だけでございます。実際、安保法制懇においてもいろんな議論がなされました。私自身も、議論をする中において、これは、同盟国である米国にだけこれは限定すべきかどうかということも考えたわけでございますが、しかし、実際に、例えば近隣諸国でそうした紛争が起こって我が国に飛び火しそうな状況が起こっているときに、米艦だけかといえば、これはそうではない可能性も今は現実に出てきているわけでございまして、例えば豪州とは、2プラス2、あるいは日米豪のこれは外相会談、防衛相会談も行いながら、防衛当局間の連携も共同訓練も進んでいる中において、これは条約締結国だけに限るべきでないという結論に至ったところでございます。
 また、日本周辺だけに限るかどうかということについては、これはかなり、実際にこれは様々なことが起こり得るということを考えて、我々は事態にこれは着目すべきだということでございまして、現時点では我々はそういう考え方を持っているところでございます。
○片山虎之助君 我々の中にもいろんな意見あるんですよ。私個人も意見あるんですが、やっぱり違憲では困るんですよ、合憲でなきゃ困るんですよ。憲法適合性が念頭にあるんですよ。そのことは是非お考えいただきたい。
 私は、堂々とやるのなら憲法改正だと思いますよ。国民に理解を求めるべきです。日本の国民は、私は分かってくれると思う、いろんなことを。ただ、時間や手間が掛かりますよね。今、それを強引に解釈で押し切るのがいいのかどうか。国民のこれだけ国論を二分して、いろんな騒動を起こしながら。そこなんですよ。
 だから、この案もいろいろ意見ありますよ。私はあって当然だと思う。どこまで効果があるのか、どれだけのあれがあるのか。しかし、今よりはずっと前進なんですよ。それが次の道につながるんですよね、総理。しかも、憲法適合性なんですよ。
 今ある憲法は、それは否定なのか肯定なのか分かりませんよ、これからそれは最高裁の判断をまたなきゃ。しかし、そういう大きな議論があるときに強行するのがどうかというのが我々の考えなので、そこについてもう一度答弁できるなら言ってください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、今こうして考え方の政府案との違いを示していただきながら、同時に、我が国に対する武力攻撃が発生していない中においても、我々は、武力攻撃が発生していない中においても武力の行使が憲法との関係でもこれはできるという考え方は、ここは同じだということは、大きなこれは一致だろうと思いますが、この上において、この参議院の場において、御党とのこのまた案について、御党の案に我が党の議員もこれは質問もさせていただきますし、議論を深めていく中において更に一致点が見出せれば、それは広い国民的な理解につながっていくものではないかと、このように思っております。
○片山虎之助君 それじゃ、パネル三を出してください。
 それで、今一番ポイントを申し上げましたが、それ以外で維新案と政府案の対比を見ていただきたいと思います。
 まず、ざっと説明いたしますと、維新案の方は、憲法の適合性は合憲と今言っていただいておるので、憲法学者の皆さんやその他に、政府案の方には、決まったわけではありません、これはバツを付けて申し訳ないんですが、バツと言う人が多いものですから、一応バツにさせていただきました。
 それから、自衛権行使の要件が、今のあれですが、今の存立危機事態は大変我々としては歯止めがない、政府の最終的に判断が白紙一任になるおそれがある。こういうことで、我々の方は武力攻撃危機事態と言っておりますけれども、ちゃんと外形基準をたくさん入れて歯止め、線引きをしていると、こういうわけであります。だから憲法適合性があると、こういう意味でございます。
 それから、海外派兵については、後ほどまた申し上げますが、我々はできないですね。政府の方もできないんですが、例外としてホルムズ海峡の機雷掃海が出てまいります。私どもの方は経済的要因は入れておりませんから、外国の軍隊に対する武力攻撃が発生しなきゃいけませんから、だから経済的要因なしですね。だから、エネルギーや物資の欠乏で経済危機が起きてということは今の要件に入れておりません。
 それから、グレーゾーンについては、これも後ほど申し上げますけれども、我々は領域警備法を作るべきだというわけでございますが、政府の方は、今日の質問でもありましたけれども、運用でできると。
 日本の役所というのは本当に法律好きなんですよね。私は法律が多過ぎると思っている。しかし、これだけは嫌だと言うんだよね。何で嫌だかというと、縄張争いなんですよ、総理が言われるように。縄張争いは、総理の一喝でこれはまとめていただかないと。私は要ると思いますよ。今一番問題は周辺なんですよ、ホルムズ海峡じゃなくて、尖閣諸島や東シナ海や何かなんで。まあちょっと余分なこと言いましたが。
 それから、その下が周辺事態、後方支援で、今もお話ありましたが、我々は米軍に限定ですね。それから、政府案は米軍以外の外国軍も、それから地理的制約はなしと、こういうことですが、我々は地理的制約を残して周辺概念を堅持すべきだという、これも憲法との関係なんですよ。それをそこに書いております。
 それから、後方支援等他国領内における国際貢献については、国連の安保理七章決議、授権決議のきちっとしたものだけが対象にすると。関連決議を含む国連決議については、政府案はそれを対象とする。
 それから、例の後方地域支援等で問題になる武力行使の一体化でございますが、我々は現行の非戦闘地域に限定した方がいいと、これは憲法との関係であります。それから、戦闘準備のための航空機への給油や航空機の整備は認めない、武器弾薬の提供も認めないと。それで、政府の方は、現に戦闘が行われている現場を除く地域はいいと、給油や整備もいい、武器弾薬の提供もいいと。こういうことなんですが、政府の方は、現場を除く地域といいながら実施地域をおつくりになるということは、同じじゃないですかね、非戦闘地域と。その辺の考えがよく分かりませんので、是非そうしていただきたい。
 それから、防衛出動の承認なんですが、私どもは、国会で多数でさっと承認するんじゃなくて、できれば専門委員会的なものをつくって、実質審議して承認を厳格化したらどうかと、そのぐらいのことで対応すべきではないかということですが、これについては提案でございまして、今後、制度設計等については、もしこれでいこうということになると与野党で十分協議すべきことだと、こう考えておりますが、政府の方は通常の国会承認手続。
 全般に大変限定的、抑制的、厳重化であります、私どもの方は。それは何でかというと、現行憲法との適合性を考えているからでございまして、根っこに、その辺が政府のあれとは違うのかなと思いますけれども。
 そこで、防衛大臣、中谷防衛大臣、どこにでも行けるようになると、今の自衛隊の能力で対応できますか。周辺が一番大事なんですよ。周辺に一番問題のある国があるんです。そういうことを言っちゃいけませんが。そのときに、そこに集中すべきじゃないの、力を。それをどこでも行けますと言って、まあいいですよね、宣伝ということは、各国に対してはいいけれども、それはいかがかなという気はいたしますが。
 今の自衛隊の実力から見て、ずうっと領域が広がる、業務が広がる、店が広がるということが本当に対応が可能かどうか。率直なところ、本当のことを言わないけませんよ。うそでない本当は駄目。よろしくお願いします。
○国務大臣(中谷元君) 基本的には自衛隊は我が国を防衛するということを主任務といたしておりますが、重要影響事態等におきましては、これは我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態ということで、従来は周辺事態ということでございましたが、これはこの地域につきましておのずと限界があると考えてきましたけれども、現実の問題として、片山先生が御指摘のように、我が国の近くで起きた事態の方が我が国の平和と安全に影響を与える程度は相対的に高くて、重要影響事態に当たる蓋然性もより高いと考えておりますけれども、しかし、国家間の相互依存関係が深化して安全保障環境が大きく変化した現在におきましては、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態が生起する地域においては特定の地域をあらかじめ排除することは困難でございまして、こういった事態にも対応する必要があるということで法律の整備をいたしました。
 現時点におきましても、海賊対処ということでジブチにおいて国際的な貢献もいたしておりますし、またいろんなPKO活動も実施をしておりますが、これはあくまでも我が国を守る自衛隊の能力の範囲内で行っていることでございますが、自衛隊といたしましては、我が国の平和と安全に関わることにつきまして、与えられた任務を果たすために実力をまた維持をして対応していきたいということでございます。
○片山虎之助君 いや、私が言うのは、今の現員の自衛隊の隊員の数、あるいは予算、機器、そして仕組み、そういうことで、もしいろいろなところから注文が来てと言ったらおかしいですけど、後方支援関係や周辺事態の拡大の関係で来たときに対応できますかということを言っている、現実に。だから、人を何万人増やすとか予算を幾ら取るとかという、こういうことが必要なんじゃないですかということを申し上げているんですが、いかがですか。それだったら、総理どうぞ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今の委員の御指摘はもっともだと、このように思います。
 この法制が成った段階においても、もう既に我々、中期防衛計画で自衛隊の予算というのはこれ〇・八%ずつ伸びていくという計画が決まっております。その範囲内において、先ほど防衛大臣から答弁をいたしましたように、まず我が国事態、これが最優先であることは当然でございます。この中における自衛隊という資源をいかに有効に活用し得るかという中において政策判断をしていくわけでありますから、当然、我が国の防衛にこれ支障が出るようなことがあっては決してならないわけでありまして、当然、我が国事態そして我が国の周辺、その上において我々ができ得ることを行っていく。
 先ほど公明党からの質問にもお答えをさせていただきましたが、自衛隊を海外に出す場合においては、基本的なこの政策判断の視点というものも持ちながら、自衛隊のまさにある意味では分に合ったもの、自衛隊の能力に適した形で行っていきたいと、このように考えております。
○片山虎之助君 それはその支障が出れば断るということで、それじゃ余り店を広げない方がいいんじゃないかという気もするんですけどね。
 そこで、今そういう話が出ましたから申し上げるんですが、自衛隊員のリスクということで、よく衆議院でも議論になりました。それを普通に常識的に考えると、総理、仕事が広がって、行くところが広がったらリスクは増えるんですよ、これは、普通は。ただ、増やさない努力というのは要りますよ。
 だから、リスクが増えるということをお認めになって、しかし国のためには仕方がないんだと。だから、リスクをできるだけ減らす、こうやって。それから、もし万一いろんなことが起こったらきちっと手当てをする、処遇をすると。そういうことを言われた方が私は分かりやすいと思う、これもう分かりやすさからいうと。
 今みたいにリスクが広がってもリスクは変わりませんと言うんじゃ分からないですよね。だから、本当は隠しているんじゃないかと、分かりませんよ、というようなことになって、それじゃ自衛隊員になる人がおるんでしょうかということを普通の主婦や何かに私は聞かれるんですよ。だから、それはおるでしょうと、今も大勢志望しているんだから、あるいはお金を出すんだからというようなことを申し上げているんですが。
 だから、そこははっきり言われた方がいい。それが徴兵制なんということの宣伝に私は使われていると思いますよ。いかがですか、総理でも防衛大臣でも。
○国務大臣(中谷元君) 自衛隊はリスクはないというふうには申したことはございません。
 片山委員がおっしゃるように、新たな任務に伴う新たなリスクが生じる可能性、こういうものは事実あるわけでございまして、本日も、御嶽山において昨年の噴火のまだ行方が分からない方の捜索を始めたわけでございますが、この去年の御嶽山の捜索においても、かなりのリスクを生じながら自衛隊は捜索活動をいたしました。
 現在も、自衛隊の任務といたしまして、やはり事に臨んでは身の危険を顧みず、国民の負託に、負うために様々な任務を様々なリスクを抱えつつ実施をしておりまして、その辺は自衛隊は危機管理のプロでありますので、いずれのリスクにおいてもしっかりと自分で管理をし、そして運用し、そして任務を果たすということでございますので、新たな任務に伴うこの新たなリスク等につきましても、実際実施するときは様々な観点でリスクを極小化をして実施をさせていきたいというふうに思っております。
○片山虎之助君 よく自衛隊員の方とコミュニケーションをおやりになった方がいいと思うわね。初めての事態でもないんだが、初めての事態みたいなものですよね。そういう私は心配があるんじゃないかと思います。
 ちょっと時間の関係あります。次に、パネルの四で、ホルムズ海峡機雷掃海の法的検討と。お手元に資料もあると思います。
 もう御承知のことをそこに書いておりますが、ホルムズ海峡には公海部分がありません。紛争中の機雷掃海は国際法上武力行使に当たると、こういうことでございますし、紛争中の機雷掃海は事実上やらないということを総理は答弁されたと私どもは承知しております。
 そこで、右の方を見ていただきますと、紛争継続下に我が国自衛隊がホルムズ海峡で機雷掃海することは、海外派兵ですから憲法違反となります。ただし、これまでの衆議院における総理の答弁では、新三要件に該当すればできると、機雷掃海が可能となる場合があるというんでしょうか、できると、こういうふうな御答弁であったように思いますけれども、総理、そういうことでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一般に海外派兵は禁じられている。これは、必要最小限度を上回るものという観点からこれは海外派兵はできないということでございますし、この新三要件におきましても、第三要件に必要最小限度の実力行使にとどまるべきこととございますから基本的には海外派兵はできないわけでございますが、しかし、ホルムズにおけるこの機雷の掃海におきましては極めて受動的であり限定的であることから必要最小限度を超えるものではないと考え得ると考えておりますが、しかし、第一要件、国の存立、言わば国の存立に関わるかどうか、国民の命に関わるかどうかということにおいては、これはまだ総合判断をしなければいけませんから、そういう機雷封鎖が行われたら直ちにそうなるかどうかということではございませんが、当たり得るということで答弁させていただいているところでございます。
○片山虎之助君 だから、根底から国民の生命、自由、幸福追求権利がひっくり返るようなケースですよね、第一要件に該当せないけませんから。しかし、そういうことが機雷掃海云々だけでなるのかなというのが、これも分からない大きな要因なので、維新の案では経済的要因は全部要件から外していますから。
 そこで、そこにありますように、憲法上、より正当性がある機雷掃海は後方支援でできないかと。遺棄機雷になるとこれは廃棄物みたいなものですから自衛隊法でできるそうでございますが、憲法上、遺棄でない機雷掃海の後方支援でできないかと。その場合に、国連の安保理七章決議による機雷掃海はこれは国際法上問題がないと。米国が多国籍軍等による場合には、これは問題がある場合もあるし、ない場合もあると。こういうことでございまして、機雷掃海が例の存立危機事態の中にどんと座っているものですから、全体が分からなくなって収まりを悪くしているんですよ。
 だから、これを、ホルムズ海峡だけを外せばもっと私は分かりが良くなるし、国民は理解すると思いますけれどもね。総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このホルムズ海峡においては、まさに一般に禁止されている海外派兵の例外として扱っております。ですから、片山委員が御指摘になられるように、国民の皆様にとりまして論理的な面において複雑だという印象を持たれるかもしれないと、こう思うところでございますが、この必要最小限度の範囲内であるというのが我々の、政府としての考え方でございますが、実際に、もしこれは停戦が合意されれば、これはもうあとは遺棄機雷として除去していくことができるわけでございますが、事実上の停戦状態とはなったけれども正式に停戦がなされていないというこの期間はあり得るのではないかというのが我々の考え方でございまして、その期間であったとしても、これは相当重要な影響を我が国に与えて第一要件にも適合し得る可能性もあると、こういうことで考えているところでございます。
○片山虎之助君 だから、遺棄機雷になれば問題ないんですよ。今総理言われておるそれは二か月ぐらいだそうですよ、二か月ぐらい。だから、それは後方支援でやったらどうかというのが当方の提案でございますけれども、これは是非検討していただければいいと思います。
 そこで、今の東シナ海のガス田付近における、中国が構築物、ステーションというんですか、それを十六基も造っているといいますけれども、これは約束違反でしょう、外務大臣。
○国務大臣(岸田文雄君) 二〇〇八年六月の合意に基づいて、日中はこの海域において共同開発を行うということになっております。日中間の境界線が画定する前に一方的な行動を行うということは認められないと考えております。
○片山虎之助君 共同開発なんて全然していないじゃないですか。当方に断りなく勝手に開発してもいいんですか。こういうところで事を荒立てたくないというお気持ちは分かりますよ。しかし、やっぱり国益は守らないと。
○国務大臣(岸田文雄君) 今申し上げましたように、日中間では二〇〇八年六月の合意に基づいて共同開発を行うということになっております。よって、中国が一方的な行動を行っていることに対しましては、我が国は抗議を行っております。認めることはできないと考えます。
○片山虎之助君 ヘリポートでも造って、ヘリコプターが尖閣諸島に無断で上空を侵犯したり下に降りてきたりしたらどうするんですか。そういうことを言うのは中国に失礼かもしれぬけれども、それは分かりませんわね、いろんなことが。
 そういう意味でも、領域警備法というのは要るんですよ。関係の機関が連携する法的根拠を与えることによって、日本のお役人というのはちゃんと対応するんですよ。それを電話で、閣議を電話でやるからという、まあ今の時代に電話というのもいかがかと思うけれども、そこはお考えになったらどうですか。
 私は、簡単に言うと、警察と海上保安庁と自衛隊というのか防衛省の所管、セクショナリズムというのか縄張争いだと思いますよ、申し訳ないが。私の経験からしても大体そうです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは五月十四日に閣議決定を行い、スムーズな海上警備行動を発令できる手続を行ったところでございますし、また、現在、警察や海上保安庁など関係機関が各々の対応能力の向上を行い、情報共有を含む連携をかなりこれは強化をさせているわけでございます。
 また、役所間の縄張争いではないか、それで今回我々は法制を見送ったのではないかという御指摘がございます。
 確かに、かつては相当これ縄張争いがあり、情報は自分で抱え込み、なかなか連携もしない、海保と海自同じ船の名前があったり無線の連絡もなかなか難しかったという時代もあったのでございますが、今般の閣議決定においては、発令手続の迅速化に加えまして、それぞれの場合について、内閣官房を含む関係省庁が、事案発生においても連携を密にして、訓練等を通じた対処能力の向上を図ることについても定めておりますし、不審船共同対処に係る海上保安庁と自衛隊の共同訓練や、治安出動命令が発令される事態を想定した警察と自衛隊の共同訓練を積み重ねてきておりまして、警察機関や自衛隊の関係機関の連携は、これまでと比較して格段に私は向上しているのではないかと。
 そういう意味におきましては、今回、この閣議決定において、スムーズに、もしこれは海保で無理であれば海上警備行動を直ちにこれを行う、スイッチするということは十分に可能であろうと考えております。
○片山虎之助君 今、日中の海上連絡メカニズムというのができますね。それとの関係はどうなりますか。あれも一種のコミュニケーションですよね、多元的な。
○国務大臣(中谷元君) これは日中間で安全保障当局間でお話をしておりますが、これはあくまでも不測事態の防止、これが拡大して政治的な対立にならないようなことのために連絡をする手段を設けること、またそのような対話、話合いの機会を設けることなど、基本的なルールを定めるために現在日中間でその話合いをしているということでございます。
○片山虎之助君 そのためにも領域警備法はあった方がうまくないですか。そこが分からない。領域警備法的なものがあった方が。いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) これはあくまでも不測の事態の防止のための日中間のルールを定めようとするものでございまして、それぞれの体制等につきましてはそれぞれの国で整備をするものでございまして、我が国におきましては、警察、海保、自衛隊という関連機関の中でこういった事態に対応する体制というものを逐次検討して取っているということでございます。
○片山虎之助君 まさにグレーゾーンだから、軍じゃないわね、軍の前ですよね。
 だから、それ、やっぱり私は個人的には領域警備法というのを御検討を真摯に願いたいと思います。総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々、今般の閣議決定において、先ほど申し上げましたように十分に対応できると、こう思っておりますが、片山委員からの御指摘、また法案の提出をしておられるわけでございますから、この委員会においてまた議論が進んでいくことを期待をしたいと、こう思っておりますし、我が党もかつてこの法制化についてずっと議論をしてきたところでもございます。
○片山虎之助君 もう時間おしまいになってまいりましたが、戦後七十周年総理談話というのはお出しになるというような報道でございますけれども、いつ、どういう形で、言える範囲で結構ですけれども、お出しになりますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 戦後七十年を迎えたわけでございますが、七十年前、我々は戦争の惨禍を二度と繰り返してはならないと、この決意の下、そして不戦の誓いの下に平和国家として歩んできた。我々、過去への反省、そしてこの七十年の歩み、そして日本はこれからどういう国として歩んでいくのか、世界に対してどういう貢献をしていくのかということについて七十年を迎えたこの機に発信をしていきたいと、こう考えているところでございますが、その上において、現在、有識者の皆様に御議論をいただいておりまして、この有識者の皆様から提言をしていただきまして、その提言の上において談話を作成していきたいと思っております。
○片山虎之助君 五十年、六十年と出してまいりまして、今年は七十年で、出すことに意味があると思いますが、これもう未来永劫続くんでしょうかね。そういうことがまた、ちまたというか、そういうことでも議論になっておりまして、そういう総理のお気持ちは分かりますよ、そのお気持ちの談話が出ると、前と比べてここがおかしい、ここが後退、ここはないではないかと、こういうデメリットというのか、そういうことだけ指摘されるおそれもあるんですよね。褒めてもらえるというんじゃなくて、むしろ、これは変わった、これは後退、これは何だと、こういうことになるんで。
 今のお気持ちはよく分かりますよ。今までの七十年の本当に頑張り、未来志向の平和国家への更なる発展というのか、分かるんだけど、その辺が私はどうかというのと、これはずっと、総理は十年後も総理をやっているとは思いませんけれども、また八十年、九十年とやるんでしょうかね。総理のお考えがあれば。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはその時々の、八十年、九十年、百年とあるわけでありますが、未来はあるわけでありますが、それはその時々の総理が判断されるんだろうと、こう思うところでございますが、私どもの談話につきましては、基本的には、今後、更に今後の十年後、二十年後、三十年後等を見据えながら談話を発出していきたいと、こう思っているところでございます。
○片山虎之助君 談話とも一番関係があるし、一番近い国は中国と韓国ですよね、北朝鮮というちょっと変わった国を除きますと。これとの外交的な前進というのが私はこの全体に言えると思うんですよ、安保法制についても。その辺についての総理の大きい戦略があれば、是非最後お聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 中国、そして韓国とも関係を改善していきたいと、こう思っております。
 中国につきましては、習近平主席と二度にわたる首脳会談を行いました。先ほど御紹介をいただきました海空の連絡メカニズムについて発動させていくということについても一致をしているところでございますし、こうした対話を積み重ねていきたいと思いますし、また、日韓におきましては、先般、日韓の国交樹立五十周年の機会に外相会談が実現をしたところでございまして、日中韓の外相会談も行われたわけでございますが、これを日中韓の首脳会談につなげていきたいと、こう考えているところでございます。
 韓国も日本と戦略的な利益を共有する大切な隣国でございます。この平和安全法制についても説明もしてきたところでございますし、また、のみならず、アジア、ASEANの十か国も含めて、アジアの国々とも更に関係を緊密にしていきたいと思います。
○片山虎之助君 今日、割に長い時間、総理始め皆さんと対話ができましたので、我々も参議院において対案をどうするか、あるいは与党協議をどうするか、十分みんなで相談して、適正な結論を出して、またお話合いに入らせていただきたいと、こう思います。
 どうもありがとうございました。終わります。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 本法案への反対の声は日を追うごとに広がっております。数万人の市民が連日国会を取り囲んでおります。安保法制に反対する学者の会のアピールへの賛同者は一万二千四百六十一人。私も、周辺事態法、テロ特措法、イラク特措法などで国会論戦取り組んでまいりましたが、こんな経験は今までなかったですよ。
 総理の地元からの声を一つ紹介したい。
 山口県の日置、首相の祖父である安倍寛さんの出身地です。今は長門市の油谷・日置地区、そこの浄土真宗本願寺派山口教区大津西組の組長が総理宛てに、安全保障関連法案に反対し、廃案を求める要望書を出しております。そこにはこう書かれています。
 貴殿の祖父安倍寛氏は、戦争遂行の翼賛体制の中、理想を求め、反戦の立場より、翼賛体制に染まることなく批判し、無所属で立候補し見事に当選されました。御尊父晋太郎氏は、俺は安倍寛の息子だと父を誇りとされていたとのことです。なぜ貴殿が安倍家の誇りを大切にされず、受け継がず、日本を危険な方向に導かれるのでしょうか。
 昨年七月のこの要望書、これは、地元事務所のあなたの秘書は、選挙区の皆さんの声として安倍に伝えますというふうに答えたそうですが、今度の要望書も届いているかと思います。
 総理は、御自身の地元中の地元のこの批判の声、どう受け止めていらっしゃいますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今御紹介をいただきましたように、私の祖父の安倍寛は、翼賛会選挙の際に、非翼賛会、翼賛会の非推薦で当選を果たしたところでございます。言わば、日米の開戦につきましても、東条内閣に反対の立場であったわけでございます。しかし、それは、当然そのときの国際情勢を見ながら国際協調を進めるべきであると、そして、国の安全を守り、国民を守らなければいけないとの立場を一貫させたところでございますが、その立場は私も全く変わりがないわけでございます。
 もちろん、私の地元にも様々な御意見がございます。そうした御意見に真摯に耳を傾けることは地域の代表でもある国会議員としての役割でもあろうと思いますので、そうした様々な声に目を通しているところでございますが、今回の法制は、間違いなく国民の命を守り、平和な暮らしを守り抜くためのものであり、必要な自衛の措置とは何かをとことん考え抜いた上において今回の法制を行わなければならないと、こう決意したところでございます。
○小池晃君 国民はそう受け止めていないから、本当に立場の違いを超えて反対の声が広がっているんじゃないですか。これだけの世論調査の結果、憲法学者の反対、こういうことが起こっているわけであります。
 しかも、丁寧に説明すると総理は言いながら、先日のテレビでの説明、あれは何ですか。まともな議論にこれは値しない。戦争と火事は本質的に異なるのに、これを説明したわけですね。私は、これは、総理が法案についてまともに国民に説明する能力も論理も持っていないことを自ら告白するようなものだというふうに言わざるを得ないと思うんです。
 衆議院での強行採決の前後に一体何が起こったか。これは、陸上自衛隊幕僚監部によるイラク復興支援活動行動史であります。これは衆議院の審議中に墨塗りの形で提出をされました。委員会強行採決後に、ようやく墨塗りを外したものが出てきたわけであります。一体どこが墨塗りになっていたか。
 第一次イラク復興支援隊が活動を開始した直後の平成十六年四月七日及び四月二十九日に宿営地近傍に迫撃砲弾が着弾する事案の発生。あるいは、平成十六年十月三十一日、発射されたロケット弾は、駐屯地内の地面に衝突した後、鉄製の荷物用コンテナを貫通して土壌に当たり宿営地外に抜けており、一つ間違えば甚大な被害に結び付いた可能性もあった。そのほかにも、自衛隊の車両に、IED、いわゆる即席爆発装置、路肩爆弾と言われるようなものが、その攻撃が二〇〇五年六月、翌年五月と続いたことも記録されているし、こうした緊張状態の中で、メンタルヘルスストレスチェックの結果において、約二割の隊員にストレス傾向が見られたということも書かれております。
 私は、この問題、昨年の予算委員会でも総理と、サマワの宿営地がいかに危険だったのか、非戦闘地域でこれだけのことが起こったではないかという議論もさせていただいた。そのとおりのことが起こっていたことを自衛隊が認めていた。自衛隊の海外での活動を大幅に拡大する議論に当たって、直近の活動についての情報は必要不可欠ですよ。
 何でこういう重要な問題を墨塗りにしたんですか。まともに国民に説明もしないでやり過ごそうとした、そう言われても、大臣、仕方がないじゃないですか。
○国務大臣(中谷元君) その資料につきましては、陸上自衛隊のイラク復興支援活動行動史でございます。その内容等につきましては、活動をまとめたものでございますが、これまでその情報公開に際しましては、部隊の編成、運用、指揮系統等に関する情報につきましては一部不開示としたところでございます。
○小池晃君 部隊の編成と全く関係ない部分ですよ、これは。答えになっていないですよ。
 何で隠したんですか。
○国務大臣(中谷元君) その部分、私も先ほど拝見をいたしましたが、訓練を行った内容とか、また部隊の編成等に係る記述等もございまして、この点につきましては部隊の運用また指揮系統等に関する情報でございまして、一部不開示としたところでございます。
○小池晃君 先ほど見たということは、墨塗りにしたのは、じゃ、大臣は関与しないんですね。官僚が隠すわけですね。そんなことで議論ができるんですか。大問題ですよ。
 防衛省は今でもこうやって墨塗りにする。しかも、今いろいろ言われたけど、墨塗りにしているのは、もうほとんど全ページ墨塗りだってあるわけですよ。部隊の編成何人か、そういったところだけじゃない、丸ごと墨塗りにしている、これが実態。しかも、中谷大臣は、存立危機事態の認定の前提となった事実に特定秘密が含まれる場合も考えられるというふうにおっしゃっている。特定秘密保護法の対象となれば、墨塗りでは済まないわけですよ。情報全体が秘匿されるわけです。
 政府は、政府が全ての情報を総合して、客観的、合理的に判断すると言うけれども、特定秘密にされたら、じゃ、誰が合理的に判断するんですか。国民は判断のしようがないじゃないですか。今でもこれだけ墨塗りにする。こんなことが許されてどうやってそれを合理的、客観的に判断できるんですか。
○国務大臣(中谷元君) その文書につきましては、平成二十六年の五月及び十月に情報公開法に基づく開示決定を行いまして、一部を不開示として開示を実施したわけでございます。
 特定秘密におきましては、特別にやはりこういった情報の管理、これはしっかりしているわけでございますが、こういったものに対する情報公開等につきまして、やはり国民や皆様方にも御理解を得る必要がございます。特に、自衛隊の武力行使や海外派遣などについては国会による民主的統制が適切に確保されるということが必要でございまして、平和安全法制につきまして、自衛隊の活動に当たってはその必要性等について閣議決定により明らかにするとしておりまして、例えば存立危機事態の認定に当たりましては、事態の経緯、事態の認定の前提となった事実、武力行使が必要な理由などを記載した対処基本方針を閣議決定して、国会の承認を求めて、これに対して周知を図るということで、必要な情報が適切に公開をされるように努力をいたします。
 そこで、特定秘密が含まれる場合も考えられますけれども、その場合には、情報のニュースソース、また具体的数値そのものは明示をしない形で情報を整理するなどして、特定秘密の漏えいとならない形で国会や国民の皆様に事実の認定の根拠をお示しすべきものと考えております。
○小池晃君 特定秘密の漏えいに関わらない形で出すって、特定秘密になっている部分が肝腎な部分でしょうが。それを出さないでどうやって国民は判断できるんですかということだと思うんですよ。
 私は、この記録読んでみるとほかにも発見ありました。政府は今回の法案でも国会答弁でも後方支援という言葉を使っていますが、この行動史には後方支援という言葉は出てきません。全て兵たんと言っています。自衛隊内では後方支援ではなく兵たんという言葉なんですね。
○国務大臣(中谷元君) 法律としては後方支援でございます。これはロジスティックということでございまして、これを訳せば後方支援ということでございますが、兵たんにも当たるわけでございます。そういう意味で、部内の検討資料といたしましては兵たんという言葉を使うこともございます。
○小池晃君 国民向けには後方支援という言葉でごまかしておいて、今認めたように部内では兵たんという言葉を使っているわけですよ。だから、私もこれから全て兵たんという言葉で議論をさせていただきます。
 政府提出法案には、武力行使をしている米軍への兵たんを定めた二つの法案があります。一つは重要影響事態法案、もう一つは国際平和支援法案。この二つの法案では、これまで政府が戦闘地域としていた場所まで自衛隊が行って兵たんを行うことになります。
 衆議院の特別委員会では、我が党の志位和夫委員長の質問に対して総理は、戦闘地域にまで行けば自衛隊が攻撃対象となる危険性も認められた。さらに、攻撃された場合に武器を使用することも認めた。しかし、それは自己保存のための武器使用であって、これは武力行使ではないと弁解された。それに対して志位委員長は、国際法上、自己保存のための自然権的権利というべき武器の使用という特別な概念や定義があるわけではないという外務省の資料も示して厳しく批判しました、国際的には全く通用しないと。総理もこのやり取りを覚えていらっしゃると思うんです。(資料提示)
 そこで、お示ししたのは、これは私どもが入手した海上自衛隊の幹部学校作戦法規研究室による平和安全法制案についてという内部資料であります。今年六月のものであります。この中に、武器使用と武力の行使との関係というページがあります。それをお示ししております。武器の使用と武力の行使について、我が国政府の考え方と外国の考え方を対比しているとても分かりやすい資料になっています。
 これによれば、我が国の考え方は、武力攻撃発生までは武器の使用だが、それ以降が武力行使だと、そういうふうになっている。しかし、その下、他国の一例では、ユース・オブ・フォースとしか書かれておりません。
 外務大臣、ちょっと一般的に、ユース・オブ・フォースって何ですか。
○国務大臣(岸田文雄君) ユース・オブ・フォース、そのまま訳せば武力の行使かと思います。
○小池晃君 他国の例には武器使用という言葉はありません。ユース・オブ・フォース、すなわち今言われたように武力の行使であります。
 総理にお聞きしますが、あなた方が武器の使用というふうに呼んでいるものが、外国から見ればこれは武力の行使となる、これは当然だと思いますが、お認めになりますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、国際法上、自然権的武器の使用という特別な概念や定義があるわけではありません。しかし、国際法上合法な活動を行っている自衛隊の部隊等が急迫不正の侵害にさらされている際に、生命や身体を防護するという言わば自己保存のための自然権的権利というべきものとして必要最小限の実力を行使したとしても、これは国際法上禁じられた武力の行使には当たりません。これは明確でございます。
 そういう意味におきましては、このような自己保存のための自然的権利というべきものでありまして、このような自己保存のための自然的権利というべきものとしての武器使用権限は、PKO法に始まり周辺事態安全確保法等の従来の法律においてこれは規定されてきたものでありまして、今般の平和安全法制においてもその考え方や位置付けにこれは何の変更もないということでございます。
○小池晃君 全く答えていないですよね。禁止されている武力行使じゃないと言ったけど、これ、武力行使という概念に当たるということじゃないですか。これ、自衛隊自身が認めているじゃないですか。
 大体、防衛大臣、これは海上自衛隊で使われている内部資料ですよ。しかも、法案の審議中にもかかわらず、国会では一回も使ったことのないような資料を使って内部で説明している。防衛省はこういうことを認めるんですか。
○国務大臣(中谷元君) まず、御提示の資料につきましては、少なくとも防衛省としてこれまで公表した資料にあるとは承知をいたしておりませんので、どういった経緯によって入手されたものか明らかでない限り、当資料の位置付けについてお答えすることはできません。
 なお、もう一点、ユース・オブ・フォースにつきましては、外国においては武器の使用と武力の行使を区別せずに用いられているわけでございまして、我が国におきましては、自己保存のための武器使用ということで、武器の使用でございます。
○小池晃君 ユース・オブ・フォースが武器の使用だって、そんなことを世界で言ったら笑われますよ。もうめちゃくちゃな話ですよ、今のはね。しかも、公表されていないと、実際の資料だと。こういうことを公表していないことが大問題じゃないですか。国会に一度も出さない資料で内部で検討している、大問題じゃないですか。これだけで法案審議止めてもいいぐらいの話ですよ。
 委員長、これは実際に、この戦争法案、審議している法案が、これを運用するのは自衛隊ですよ。その中で、国会にも説明しない。当たり前だと元自衛隊の幹部の方は言っているけど、当たり前なんてとんでもないじゃないですか。
 委員長、今日示されたこの海上自衛隊の内部資料、正式に提出させてください。陸上自衛隊、航空自衛隊も同じようなことをやっていると思います。全部出させてください。よろしくお願いします。
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまの小池委員の発言につきましては、後の理事会において協議をいたします。
○小池晃君 自衛隊が、じゃ、どういう内容の兵たんを行うのか。その内容も今回の法案で大きく変わってまいります。
 これまでの周辺事態法、テロ特措法、イラク特措法では、補給に関して、弾薬、武器の提供を含まない、戦闘作戦行動に発進準備中の航空機への給油、整備は行わないとしておりました。
 今回の重要影響事態法案と国際平和支援法案では、ここを変えて、武器の提供以外はできるようになった。それから、これまでできなかった戦闘作戦行動に発進準備中の航空機に対する給油や整備もできるようになる。しかし、可能になったのはそれだけではありません。
 防衛省に聞きます。テロ特措法では、物品の輸送には、外国の領域における武器弾薬の陸上輸送は含まないとしていた。間違いないですね。
○国務大臣(中谷元君) 御指摘のとおりでございます。
○小池晃君 イラク特措法では、法律上の規定ではありませんが、実施要領において、物品の輸送に関しては、武器弾薬の輸送を行わないとされていました。間違いないですね。
○国務大臣(中谷元君) そのとおりでございます。
○小池晃君 しかし、実際には運んでいたわけであります。
 しかし、法律上は、したがって、これらの特措法と比べれば、陸上であれどこであれ、米軍など他国軍隊の武器を輸送できるようになる点も変わるわけであります。
 今回の重要影響事態法案と国際平和支援法案で、法律上、こういう武器は運んではいけないというものはあるんでしょうか、大臣。
○国務大臣(中谷元君) 活動の支援内容、また種類等については法律に書いた限りでございます。
○小池晃君 いや、だから、運んじゃいけない武器はありますかと聞いているんですよ。イエスかノーか。
○国務大臣(中谷元君) 特別にはございませんが、弾薬に入れないような装備等も若干ございます。
○小池晃君 米軍のミサイル、米軍の戦車、運べますね。運べるでしょう。運べるでしょう、法律上だから、提供じゃないから。
○国務大臣(中谷元君) 法律では除外をした規定はございません。
○小池晃君 今回の法案が通ればどんな武器でも運べるわけですよ。
 弾薬は新たに提供することもできるようになります。ロケット弾も戦車砲弾もりゅう弾砲弾も無反動砲も、運ぶだけではなく外国軍に提供できるんですね、大臣。
○国務大臣(中谷元君) 特に排除をしている規定はございません。
○小池晃君 もう本当に何でもできるようになるわけですよ。
 そして、爆撃に向かおうとしている戦闘機や戦闘ヘリにも給油できる。その場合、空中給油も、海の上での艦上の、洋上の給油もできるようになる。間違いないですね。
○国務大臣(中谷元君) 現に戦闘行為が行われている現場では実施しないということになっております。
○小池晃君 資料をお示しをしております。先ほどの海上自衛隊資料の別のページであります。これは重要影響事態と国際平和共同対処事態の際の実際の運用を踏まえたイメージ図であります。
 これを見ますと、米軍のヘリが敵潜水艦を探知する。で、追加部隊が投入をされる。で、敵潜水艦を攻撃した後、米軍ヘリが海上自衛隊のDDH、ヘリ空母に着艦して燃料補給を行う。
 法律が成立して、発進準備中の航空機に対する給油活動が可能になったらば、大臣、こういう活動が可能になるという理解でよろしいですね。
○国務大臣(中谷元君) 掲示されている資料につきましては、日米共同による対潜水艦作戦における後方支援の一つをイメージとして表したものと考えられますが、この資料の中では、作戦行動のために発進準備中の米軍のヘリに対して給油、整備を行う海上自衛隊の護衛艦、これは魚雷等の攻撃を受けない安全な場所で活動を行うことを示しておりまして、自衛隊が支援活動を行う際に安全な場所において行うということが大前提であること、魚雷の射程まで書いてあります。魚雷の射程という側面から示したものでございます。
○小池晃君 戦闘現場でやらないということは、魚雷の射程の外であればやっていいということですね。
○国務大臣(中谷元君) この図は、そういった意味におきまして、魚雷等の攻撃を受けない安全な場所で活動を行うということを示したものでございます。
○小池晃君 これ、重大じゃないですか。こんなことも今まで一切示されていないですよ、魚雷の射程外だったらこんなことまでやっていいんだと。
 大臣、追加で聞きますが、それでは、この図に更に付け加えて、海上自衛隊が、これで着艦してDDHで燃料補給しますよね。この米軍ヘリがまた飛び立ってこの敵潜水艦に対する武力攻撃を行う、それも可能なんですね。
○国務大臣(中谷元君) これは、現に戦闘行為が行われているかどうか、そういった現場では実施をしないということでございます。
○小池晃君 いや、魚雷の射程の外だったら何でもできるんだと、米軍のヘリが、攻撃したヘリが給油で自衛隊のヘリ空母に戻ってくる、そこで給油をする、整備をする、それがまた飛び立って攻撃をする、また戻ってくる、これができるんですか。これはできるということですね。
 もう一回確認します。それが魚雷の射程の外であれば可能だというのが今度の法案だということですね。はっきり答えて。
○国務大臣(中谷元君) 現実には、法律で、防衛大臣が円滑かつ安全に活動を実施する区域を示すということでございまして、そこの範囲等につきましては、現に戦闘行為が行われている現場に加えまして、期間中において戦闘行為が起こる見込みがない現場、こういうことを指定をして安全を確保するということでございます。
○小池晃君 今度の法律ではそれができるんですねということをイエスかノーかで答えていただきたい。今の前提で、できるということですよねということで確認します。
○国務大臣(中谷元君) 先ほどお話をした安全を確保できる地域においてしか実施ができないということでございます。
○小池晃君 できるということですよ。安全を確保する地域というのは、魚雷の射程の外だったらいいということですよ。こんな状況でもう一切やると。自衛隊のヘリ空母で給油、整備された戦闘ヘリがヘリ空母から飛び立って攻撃を行って、また戻ってきて給油すると。
 総理、今のやり取り聞いていただいたと思うけど、これ、誰がどう見たって完全に米軍と一体になった武力行使じゃないですか。これが世界から見て、これが世界から見て別のものだってなりますか。もう外国から見て、これは一緒になって、米軍と一緒になって自衛隊が戦争をやっているというふうにしか見えない。これは世界中の誰が見たって、日本国民が見たって、この構図の中で自衛隊がやれば、これは一緒に戦争している、そういうことになるじゃないですか。一体となって、まさに一体となって武力行使をしているというふうになるじゃないですか。どうですか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず前提として、重要影響事態、我が国に極めて重要な影響のある事態が発生したと、そのままではまさに我が国に対して大変大きな重大、深刻な影響があるという、そういう事態、そしてまた、あるいは国際平和協力法において国連決議等々がある場合に後方支援をするわけでございます。そういう前提の下に、我が国の平和を守る、あるいは世界の平和を構築をしていく、守っていくために行う活動に対して自衛隊が後方支援を行う。
 そして、一体化しないというのは、まさにこれは憲法の要請でありますが、この一体化しないという中においての後方支援でございますが、実際に実施していく上においては、まさに戦闘現場とならない地域を実施区域に厳格に指定をしていくということになるわけでございます。
○小池晃君 いや、これね、自衛隊がこういうことをやると、イメージだと出してきているもの。それで、しかも、今総理はそういう活動を否定されませんでした。結局、魚雷の射程の外であればやれるということですよ。
 で、私が聞いていることに全く答えていない。こういうことをやれば、これは米軍の武力行使と一体だと誰が見たって思うでしょうと私聞いているんです。イエスかノーかで答えてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、魚雷の射程の外であればできるということではなくて、魚雷の射程の外であればどこでもできるということではなくて、実際に戦闘現場でないところで行うということを私は先ほどから申し上げているとおりでございます。そこで実施区域を定めるわけでございます。そこで、まさに我々は、一体化しないという考え方の下に、一体化しないという考え方の下にこの後方支援活動を行うわけでございます。
○小池晃君 我々がどう考えているかというあなた方の理屈を聞いているんじゃない。あなた方が、これは一体化していないと言うんでしょう。世界の誰が見たって、これ一体じゃないですか。そういうふうに見られるでしょうと私は率直にそう聞いているんですよ。世界はそう見るでしょう、どう考えたってこれは米国と──ちょっと、いろいろ耳打ちしないでくださいよ、私は、当たり前の総理の感覚を聞いているんですよ。これは、世界中の誰が見たって一体としてやっているということになるじゃないですかと聞いている。答えてください。はっきり答えていただきたい。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) だから、先ほど答弁しているように、これは、我が国としてはまさにこれは一体化しないと判断をしているわけでございますし、我々も、国際社会に対しましては、我々が行い得る活動は後方支援に限られ、そしてそれは武力行使と一体化しないものに限られると、これは憲法上の要請であるということは、これは説明をしているわけでございます。
○小池晃君 これ全く駄目ですね。これ駄目ですよ。こんな、米軍のヘリが敵潜水艦を攻撃して、それが海上自衛隊のヘリ空母に戻って着艦して給油して、そしてそれが戻ってまた攻撃をする、これを繰り返す。これ、世界がどう見るか。もう誰が見たって、これは一体としての行動ですよ。敵国からすれば、これは明らかに交戦国ですよ、日本は。そういうことになりますよ、これは。そういうことも認めようとしない。
 私は、これ本当に危険だということが今日の議論を通じてはっきりしてきたというふうに思います。戦闘地域での兵たんは、武器の輸送、弾薬の提供、戦闘作戦行動への発進準備中の航空機の給油、整備、これはもう明らかに他国の武力行使と一体の活動、若しくは武力行使そのものであるということがはっきりしたというふうに思います。それを地理的限定なく地球の裏側まで行って行う、明白な憲法違反であるということを申し上げたい。
 ちょっと切りのいいところで、午後は兵たんの危険性について議論させていただきたいというふうに思います。
○委員長(鴻池祥肇君) 午前の質疑はこの程度でとどめます。
 午後一時まで休憩といたします。
   午前十一時五十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまから我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 本日、大塚耕平君及び西田実仁君が委員を辞任され、その補欠として加藤敏幸君及び矢倉克夫君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(鴻池祥肇君) 休憩前に引き続き、我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案及び国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 午前中に引き続いて質疑をさせていただきます。
 午前中の質疑では、戦闘地域で行われる自衛隊の兵たんが米軍などの武力行使と一体不可分の活動である、あるいは武力の行使そのものに当たる、憲法違反であるということを指摘をいたしました。
 午後は、こうした兵たんがいかに危険な実態を伴うものであるか、このことに絞って議論をしたいと思います。
 アメリカ海兵隊の海兵隊教本、この兵たんの部分には、なぜ兵たんが危険なのか、その理由が詳しく書かれております。
 ちょっと読み上げますが、兵たんは大量の物資、巨大な距離、短い対応時間に対応しなければならず、兵たんはほかの機能以上に、常套手段、計算さらに予測を用いる、これらの活動の全ては、予想外の出来事、我々の間違いあるいは敵の行動によって容易に影響され妨害される、その結論として、兵たんの部隊、設備、施設は、単なる攻撃対象ではなく、軍事行動の格好の標的であることを認識することが重要であると、こう書かれているんですね。
 つまり、兵たんというのは、これは大量の物資を計画的に届けるわけですよ、計画的に前もって、事前に周到に計画を立てて。そうしなけりゃいけないから、もう事前に綿密な計画を立てなければいけない。だから、今の対テロ戦争のような突然の攻撃に大変弱いんだということなんですね。これは最近の、アメリカ海兵隊が二〇一〇年に発表したエネルギー戦略と実施計画、この中にも、コンボイ、輸送車隊は伝統的戦闘や非対称の攻撃、いわゆるテロ攻撃ですよ、脆弱で攻撃目標になるとしております。
 総理は、この兵たん問題、この間、国会での答弁で兵たんは重要であるというふうに繰り返されています。重要であるからこそ安全確保しなければいけないんだと答弁されています。しかし、アメリカのこの海兵隊の文書を見ても、兵たんは軍事行動の格好の標的であるし、特に昨今の対テロ戦争のような相手が無秩序に突然の攻撃を仕掛けてくる、こういう攻撃には最も弱いものだと。そういう認識は総理はお持ちですか。率直にお答えいただきたい。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般も答弁をしたことがございますが、軍事技術が発達した今日においては、部隊は食料や物資の供給がなければ、いや、今日においてもですね、今日においても、部隊は食料や物資の供給がなければ活動はできず、後方支援は不可欠であります。また、補給を受けている間は攻撃に対して極めて脆弱な状態にあるため、現に戦闘行為が行われているような状況の下では有効な後方支援を行うことは困難であります。
 このため、軍事技術の発達した現代においても、後方支援に際しては、危険を回避して安全を確保することは当然であり、合理性のあることであります。これは同時に、後方支援を十全に行うためにも必要なことでございます。今日においても実際このような形で後方支援が行われておりますし、十分な情報収集を行うことによって、安全を確保した上で後方支援を行うことは可能であります。
 そして、今、小池委員が指摘をされました米海兵隊ドクトリンにおいては、兵たんの脆弱性及び兵たんに対する攻撃の危険性について指摘した記述は確かにございます。他方で、同じ米海兵隊ドクトリンにおいては、兵たんの拠点、すなわち、実施場所を考えるに当たって安全確保は主要な要素の一つであるとされており、また同様に、兵たんの実施場所は敵の行動から合理的な安全性が確保されなければならないとされているわけでございます。
○小池晃君 いや、安全確保するのは当然でしょうが。それ書いてあるからといって大丈夫だという議論というのは成り立たないですよ。私が言っていることに全く答えていないじゃないですか。一般的な攻撃じゃなくて、今の対テロ戦争というのは、いつ何どき本当に攻撃が起こるか分からないような実態の中でやっている。だから、最も弱いんだと、脆弱なんだと言っているわけですよ。
 今日、しんぶん赤旗の今朝スクープ記事で、陸上自衛隊の幕僚監部が監修した最新版の陸自教範「兵站」、これも記事にいたしました。この中でも書いてあります。兵たん部隊及び施設は、攻撃の開始に先立って、できるだけ前方で、かつ、主攻撃の支援に便利なように配置するとともに、攻撃の進展に応じてこれを更に前方に推進していく。これが兵たんの実態でしょう。
 その中で、私が言っているのは、今のこのテロ攻撃に対して、総理が言ったことは本当に古典的な、何か一定、計画ができて、ここは危ないと予測できている、そんなものじゃないでしょうと、今の実態は。そういう中で危険性があるということを、総理はそういう認識を持っていないんですか。総理は最高責任者なんですよ。その認識を持たずに自衛隊員に命令できるんですか。私は、そういう危険があるということをはっきり認めていただきたいと思う。
 総理に聞いているんです。総理の答弁なんだから、総理に答えてもらいたい。
○国務大臣(中谷元君) いや、その前に、陸上自衛隊の教範のお話がありましたが、これは、基本的な事項を記述した、各部隊の指揮官のために、教育訓練の一般基準を与えることを目的として作成しているものでございます。その上で、この御指摘の兵たんというのは、陸上自衛隊の兵たんの運用について、武力攻撃事態への対処に際しての陸上自衛隊の戦闘部隊への支援要領を中心として記述していますので、重要影響事態、また国際平和協力事態における他国の軍隊に対する支援については、記述はしていないということでございます。
○委員長(鴻池祥肇君) 答弁されますか、安倍総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、小池委員の御質問に答えますが、確かにこれ軍事技術は発達をしておりますが、同時に、これは攻撃能力だけではなくて、情報収集能力も大幅に向上しているのも事実でありまして、情報部の分析や評価の技術も発展しております。衛星等からの情報を収集し、それを分析をしていくシギント等のまた別途能力も向上しているわけでありまして、したがって、十分な情報収集を行うことによって安全を確保した上で後方支援を行うことは可能であると。他方、安全が確保されない限り、自衛隊による後方支援を行うことはないわけであります。
○小池晃君 中谷大臣、陸自教範に今議論している法案に基づくものが書いてあったら大問題じゃないですか。書いてあるわけがないんですよ。何を言っているんですか。ばかな答弁しないでいただきたい。
 それから、総理の答弁は、やっぱり実態を全く私は分かっていないというか、対テロ戦争の現場の実態に目を背けた議論だというふうに言わざるを得ないと思うんですね。私は、今日は実態に即して議論をしたいというふうに思うんです。
 アメリカの陸軍の環境政策研究所がまとめたレポートがございます。これによりますと、これは二〇〇三年から二〇〇七年までの間にイラクとアフガニスタンでの補給任務での死傷者数、これ見ますと、陸軍だけで、イラクで二千八百五十八人、アフガンで百八十八人に達しております。補給物資の五〇%は燃料、二〇%が水、その他三〇%。アフガンで、パネルにしましたが、〇七年度だけですが、輸送回数、燃料は八百九十七回、水は四百三十八回です。その八百九十七回の輸送のうち死傷者が三十八人出ています。実に二十四回に一人の割合であると。それから、水の輸送でいうと、四百三十八回のうち十五人ですから、二十九回に一人の割合で死傷者が出ているわけです。水と燃料の輸送でこれだけの被害が出ている、これが戦場の実態なんですよ。
 大臣、このレポートでは、イラクとアフガンにおける補給任務での死傷者数は深刻であると、米陸軍の死傷者の一〇%から一二%であると、その大多数は燃料と水の輸送に関係しているというわけですよ。
 総理、これが実態なんです。このレポートの書き出し、最初の一文は何と書いてあるかというと、戦場での燃料、水の補給は命懸け。兵たんがどれほど危険かを示すレポートだと私は思うんですね。対テロ戦争の現場では兵たんほど狙われやすい、こういう実態があるということを総理はお認めにならないんですか。
 私が聞いているのは、いや大丈夫です大丈夫ですって、こういう危険があるということを、これは当のやっぱりアメリカの陸軍あるいは海兵隊、そこがはっきり言っている。それなのに、そのことをお答えにならないのは極めて不誠実ですよ。それを自衛隊員にやらせようとしているときに、そのことを明白に言わない。こんな無責任な態度ないですよ。はっきり答えていただきたい。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) アフガンにおける今活動についてのお話でございますが、我が国はアフガンに部隊を送っているわけではございませんので、諸外国が実施した諸活動や派遣に係る制度の詳細について我が国として把握をすることは困難ではありますが、我が国は、憲法第九条の制約や法律上の規定を受けて、今現在戦闘行為が行われていないというだけではなくて、自衛隊の部隊等が現実に活動を行う期間について戦闘行為が発生しないと見込まれる場所を実施区域に指定した上で後方支援を行うこととしているわけでございまして、最初把握していないと言ったのは、今、他の部隊がどのような行動の基準を持っているかということについては把握をしておりませんから直ちに比較をすることはできないわけでありますが、我が国は明確に憲法九条の制約がある上においての法律にのっとって活動するということは申し上げておきたいと思いますので、よって、一くくりに後方支援という切り口で日本と諸外国を比較することはできないと思います。
○小池晃君 イラクとアフガンの兵たんの実態を把握していない、そんな中でそれを実際に可能にする法案を出す、こんな無責任な話ないですよ。
 しかも、今、兵たんについて、自衛隊が現実に活動を行う期間について戦闘行為がないと見込まれる場所を実施区域に指定すると、そうおっしゃいました。条文のどこに書いてあるんですか。言ってください。
 総理が言ったことですよ、総理が言ったことですから、総理、答えてください。
○国務大臣(中谷元君) 条文につきましては、実施区域を指定する際に、防衛大臣は、現に戦闘行為が行われておらず、活動の期間に戦闘行為が行われる見込みがないということで、円滑かつ安全に実施できる区域を指定するというふうに記述をされております。
○小池晃君 法律の何条に書いてあるんですか。今言ったことは何条に書いてあるんですか。
○国務大臣(中谷元君) 法案の中に、防衛大臣は、実施区域の指定が書かれておりまして、活動期間を通じて円滑かつ安全に実施する区域を指定すると書いております。(発言する者あり)
○委員長(鴻池祥肇君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(中谷元君) 国際平和支援法第七条三によりまして、防衛大臣は、前項の実施要項において、実施される必要のある役務の提供の具体的内容を考慮し、自衛隊の部隊等がこれを円滑かつ安全に実施することができるように当該協力支援活動を実施する区域、これを指定するものといたしております。
 これは、法律上、防衛大臣に対して安全に活動できる場所を指定することを義務付けるということでございまして、これは今現在戦闘行為が行われていないというだけではなくて、部隊等が現実に活動を終えるまでの間、戦闘行為が発生しないと見込まれる場所を実施区域に指定することは、円滑かつ安全に活動を実施する上で当然のことでございます。
○小池晃君 私が聞いたのは、自衛隊が現実に活動を行う期間について戦闘がないと見込まれる場所という言葉がどこに書いてあるのかと聞いたんです。法律にはそんなことは一言も書いていないじゃないですか。書いていないということを認めてください。イエスかノーか。
○国務大臣(中谷元君) この点の記述は、先ほどお話ししました七条の三、防衛大臣は、円滑かつ安全に実施することができるように協力支援活動を実施する区域を指定するものとするということで、安全な地域ということでございます。(発言する者あり)
○委員長(鴻池祥肇君) 速記止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を起こして。
○国務大臣(中谷元君) 七条三におきまして、防衛大臣は、部隊による活動が円滑かつ安全に実施することができるように実施区域を指定すると規定をいたしております。
 その他の安全規定については法案の記述はございません。
○小池晃君 書いていないんですよ。さっきから、内容はそうなんだとか与党席からあるけど、国会というのは法案の条文に即して議論しなきゃいけないんですよ。条文にないことを、それがあるかのように発言する、こういう態度が国民の私は不信を招くんだということを申し上げておきたいと思います。
 対テロ戦争の現場は、先ほどから議論しているように、アフガンでもイラクでもIEDが道路の路肩に仕掛けられていて、それが最も多くの死傷者を出している、これが実態です。IED、これは即席爆発装置というふうに、直訳すればそうなるのかもしれない、路肩爆弾とも言いますが、突然爆発するわけですよ。
 ちょっと総理、ちょっと聞きます。IEDって御存じですか。
○国務大臣(中谷元君) このIEDというのは、道路の横に仕掛けられた爆薬等でありまして、こういったIED、また自爆のテロ、こういうことは、イラクに自衛隊が派遣された当時もこういった施設は目撃をされたわけでございますが、自衛隊は、非戦闘地域、すなわち戦闘行為が行われておらず、活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域で安全に細心の注意を払いつつ活動を行いまして、一人の犠牲者、これも出ていないということでございます。
○小池晃君 聞いていないことを答えないでくださいよ。
 外務省にアフガニスタン戦争に派遣された米軍以外の犠牲者の死因を質問したらば、独立系ウエブサイト、アイカジュアリティーズによる報告を持ってきました。それを分析したのがこのパネルであります。
 アフガン戦争では、カナダ軍の犠牲者は百五十八人、そこから事故や自殺などいわゆる非敵対的な理由による死亡を除くと百三十一名、そのうち、IEDそれから自爆による死者が百五人で八〇%です。五十四人が死亡したドイツでも、事故などを除く三十六人のうち、IEDや自爆攻撃などによる死者が二十二人で六一%です。四十三人が死亡したデンマーク軍でも同様にIEDなどによる死者が六八%、四十八人が亡くなったイタリア軍では七五%に上ります。対テロ戦争の現場というのは、銃撃戦などによる戦闘による犠牲者はもちろんいらっしゃいます。しかし、IEDなどによる犠牲者が圧倒的に多いというのが、六割から八割だというのが実態なんですね。
 今もおっしゃいました、現にサマワでもIEDを見たという話ですよ。あのイラク復興支援活動行動史の墨塗り部分にも、IED攻撃があったことが書かれているわけです。だから、非戦闘地域であってもそういったことはあったわけですよ。
 まさに、戦闘が今まさに行われている現場でなくても、例えばトラックで物資を運んでいるときに突然IEDで吹き飛ばされると。あらゆる場所が一瞬にして戦闘現場になる、これが今の対テロ戦争の現場の実態じゃないですか。総理はそういう認識はないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、先ほど大臣からも答弁をいたしましたように、イラクにおいても、IED、これは簡易爆発物でありますが、この簡易爆発物や自爆テロによって諸外国には犠牲者が出ていたものと承知をしておりますが、我が国はこれは一人の犠牲者も出ておらず、これは我が国による安全確保の仕組みは十分に有効であったと、こう考えているわけでありますが。
 そして、先ほど大臣が答弁をいたしましたように、この法案の中には、円滑かつ安全に活動できるという要件が書かれているわけでありますが、これを政府として、この安全かつ円滑にということについての、これは政府として解釈する中において、部隊が現実に活動を終えるまでの間、戦闘行為を発生しないと見込まれる場所を実施区域に指定するということを申し上げているわけでありまして、それが円滑かつ安全に活動を実施する上において当然と、これは答弁をしているわけでありますが、当然そのように運用をしていくわけであります。
○小池晃君 だから、法律にじゃ何で書かなかったんですか。法律に書いていないことをここで幾ら言われても、これは国会の議論に堪え得るものではありません。
 しかも、今あったように、これは実態としては、だからイラクではそれはなかったと、自衛隊員の犠牲者は出なかったとおっしゃる。それを変えようとしているんじゃないですか、今。非戦闘地域ということに限っていたものを、戦闘現場でなければということで拡大するわけでしょう。だから、危険性がないのかと。重要影響事態法案、国際平和支援法案は、地理的な限定なく地球の裏側でも自衛隊員を兵たんに参加させるわけですよ。
 しかし、こういう実態、一瞬にして戦闘現場になってしまうような対テロ戦争の兵たんで、安全な場所で行うから大丈夫だという議論など成り立つはずがないではありませんか。イラクでは犠牲者は出なかった、それで今度は大丈夫だと何で言えるんですか。それを拡大しようというのが今度の法案じゃないですか。
 こういう認識は総理にはないんですか。そういう危険性を自衛隊員に与えることになる、今度の法案は。イラクのサマワではなく更に拡大する。その危険性の認識はないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、小池委員も、イラクにおいては自衛隊においてIED、簡易爆発物や自爆テロ等について犠牲者が出なかったということをお認めになった。それは非戦闘地域という区分を切っていたわけでございますが、非戦闘地域については、これはまさに、例えば半年間の間、サマワを非戦闘地域としたわけでございますが、今度は、実際に自衛隊が例えば二週間活動するよということについて、そこは言わば戦闘現場にならない、そして戦闘現場にはならないと見込まれる、十分に見込まれる地域に指定をするということでございますが、それはまさにサマワで活動してきたこと、昨日、実際に活動をした佐藤筆頭理事からも質問の際に説明をされたのでございますが、そうした実際の実態の経験を基に、実際に活動する期間と場所について、そのように指定した方がこれは現実的だという観点から今回は整理をし直したということでございます。実際に安全の確保ということについては、委員もお認めになったイラクで実際に一人の死傷者も出なかったと同じような安全確保が行われるわけでございます。
○小池晃君 安全確保がされていますか。だって、この活動が行われると見込まれる期間において戦闘が発生しない、そういうことを置いたことがやはり自衛隊員の安全性を守る一定の担保になったと、これ当然じゃないですか。それをやめてしまうということになるわけですよ。だから私どもはこれは危険だというふうに言っているけど、全く今の答弁では、私、答えていないというふうに思うんです。やっぱり、現実に起こっている戦争、それが一体どういう実態なのかということにしっかり目を向けるべきですよ。そこに実際に活動を拡大しようというのが今度の法案なわけです。
 その点で、日本がインド洋での給油という戦後初めての海外での兵たん、これを行った戦争がアフガン報復戦争であります。このアフガン報復戦争によって一体何がもたらされたのか。
 第一に、無辜の市民の甚大な犠牲であります。
 私は、あのアフガンの空爆が始まった二〇〇一年の十一月にアフガンの国境近くのクエッタ、パキスタンのクエッタの病院まで行って、クラスター爆弾によって非常に被害を受けたたくさんの負傷者を見てまいりました。体中に爆弾の破片が刺さった母親、頭蓋内に爆弾の破片が飛び込んでいる乳児、もう本当に痛ましい光景で、今も忘れられません。
 国連がアフガニスタンの戦争で犠牲になった民間人の数を発表するようになったのは二〇〇七年以降であります。この二〇〇七年以降、二〇一四年の末までで二万一千四百十五人、今年に入って四か月でも九百七十八人、今でも市民の犠牲は続いています。
 それから第二に、報復戦争が憎しみを呼んで新たなテロを世界中に拡散したわけですよ。
 外務省にお聞きをしますが、世界でのテロ戦争による死者数を二〇〇〇年と直近の二〇一四年でお示しをいただきたい。お願いします。
○政府参考人(平松賢司君) お答えいたします。
 アメリカ国務省が国別のテロリズム報告書において引用しておりますメリーランド大学のテロ及びテロ対応研究コンソーシアムというものが作成した資料がございます。そのデータベースによりますと、二〇〇〇年の全世界のテロ事件における死者数は四千四百二十二名でございます。二〇一四年の全世界のテロ事件による死者数は四万三千五百十二名でございます。
○小池晃君 テロによる死者数はアフガン報復戦争以来十倍になっているわけですよ。発生件数も見てみますと、千八百十四件から一万六千八百十八件、激増しているわけです。その多くがアフガン、パキスタン、イラク、ナイジェリア、そしてシリア。
 総理、テロに対して報復戦争、対テロ戦争、これ世界に何をもたらしたのか。報復戦争は憎しみを生んで更なるテロを生む。まさにテロの拡大再生産という、そういう状況を生み出したんじゃないでしょうか。それが私はアフガン報復戦争の総括として必要だと思う。総理はそういう認識ないですか。報復戦争がテロを世界中に広げた、そういう認識はありませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) テロというのはまさに過激主義の中から発生してきている、近年のテロについては過激主義の中から発生をしてきているわけでございます。こうしたテロに対して国際社会は協力して闘っていこうという決意をテロ発生以来我々は示しているわけでございますが、しかし、その中において、同時に、アフガニスタンをテロリストがばっこする地域からしっかりと成功した国にするために国際社会は協力をしてきたわけでございます。
 日本も、その意味におきまして、そういう観点からテロと闘うと同時に、アフガニスタンをテロリストがばっこする国から平和で繁栄する国に変えていこうという意思を持ちながら、そういう同志とともに貢献をしてきたと、このように考えております。
○小池晃君 アフガニスタンをテロリストがばっこする国から変えようとした、その結果どうですか。まさにテロがアフガンでも更に増えているじゃないですか。私はその認識を聞いているんですよ。対テロ戦争がテロを更に拡大したと。これ、客観的に見ればそういう実態があるじゃないですか。そういう認識はあなたにはないのかと、このことをお聞きしているんですよ。どうですか。はっきり、こういったことにちゃんと誠実に答えてほしいんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、まさに九・一一のテロがございました、それに端を発するものでございますが、こうした過激主義に対抗していこうということは、これは国際社会のかなり共通した認識であり、累次これは国連の決議もあるわけでございます。そうした中において、言わばテロに対抗しなければならない様々な国々がそれぞれの国々の貢献策を行ってきているわけでございますし、日本も日本としての活動を展開をしてきているわけでございます。
 そこで、例えばアフガニスタンが、あの段階でタリバンが支配するアフガニスタンがアルカイダとともに世界に対してテロリストを輩出させる基地となっていたら、相当大きなこれは被害を多くの国々が被ったのは間違いないわけでございまして、単純に、今の小池委員がお示しになっている死者数について、我々が例えば行っている給油活動がその死者数に関与しているかのごときのお話でございましたが、そうではなくて、これはやはりテロリストを封じ込めていくために多くの国々が協力をしているということでございます。
○小池晃君 あのね、ひどいですよ。これが関与していないんですか。
 だって、ISだって、結局アフガンでの報復戦争が怒りを呼んで、もちろん私はISを擁護する気持ちは全くありませんよ。断固として許されない集団ですよ。しかし、やはりアメリカの軍事攻撃があの地域にテロを拡散したというのは、これは誰だって認める事実じゃないですか。世界中の人が認めているじゃないですか。私ははっきりそのことは認めるべきだと思う。総理、どうですか。やっぱりそういう認識を持つ、それが出発点ではないですか。
 私は、繰り返し言いますが、テロリストを擁護する気持ちは全くないし、テロと闘う、それは当然だと思います。しかし、報復戦争という手段がテロをなくす上で本当に役に立ったのか、むしろ逆に拡散させたのではないか、これが世界の共通の認識ではないですかというふうにお聞きをしている。そういう認識を総理はお持ちでないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 九・一一に対応して、世界はテロと闘うという決意において様々な試みを行っているわけでございます。
 それは、例えば先ほど申し上げましたように、アフガニスタンをしっかりと平和で安定した国にしていくための努力を我々もしております。言わばテロリストだった人々を正業に就けるための教育、職業訓練等への支援等も行っているわけでございますし、医療の支援等も、人道支援も行っているわけでございます。その中におきまして、我々は、過激主義を排するために中庸が最善という認識についてカイロで演説をしたところでございます。
 また、言わば経済的に発展をしていくことによってそうした過激主義を排する方向に進んでいくわけでございますので、それぞれの地域が国として自立する、あるいは地域として自立する、それぞれの人々が自立するような支援も行っていきたい、そうした総合的な観点から、テロとの闘い、テロの根絶を図っていかなければならないと、こう考えているわけでございます。
○小池晃君 そういうことを否定していないですよ。医療・人道支援、そういったことはやっぱり徹底的にやっていくべきなんですよ。しかし、報復戦争が一体何を生み出したのか。
 平和な国にするというふうにおっしゃった、総理は、平和な国にすると。実態どうですか。アフガン戦争、戦渦は今なお広がり続けています。ベトナム戦争を超えて米国史上最長の戦争になっている、これはオバマ大統領がそう語っているわけですよ。今も戦乱の中ですよ。平和な国になどなっていないではないですか。
 アメリカ、イギリスを中心としたOEF、不朽の自由作戦は、昨年十二月三十一日、OFS、自由の番人作戦、名称を変更しましたが、約一万人の米軍がいまだにアフガンには駐留をしています。出口の見えない泥沼化した戦争が依然として続いているわけですよ。
 ペルシャ湾、アラビア海、インド洋、紅海、こういった地域に囲まれた中央軍・第五艦隊の作戦地域、この海域には、空母を中心とした艦隊である空母打撃群、そして強襲揚陸艦を中心とした部隊である遠征打撃群が、これパネルに示しました、ちょっと、誠に申し訳ない、字が物すごく小さいですが、本当にこの十五年間延々とこの海域に米軍は派遣をしています。
 二〇〇一年以来、今年六月までに、空母打撃群は五十三回、遠征打撃群を含めると八十七回、空母や強襲揚陸艦から攻撃機がアフガンやイラクの基地に派遣され空爆を繰り返しています。ごく最近の例でも、ブッシュ空母打撃群は昨年三月から十月までに一万二千五百四十八回攻撃飛行を行った。一番最近のカール・ビンソン空母打撃群は昨年十月から今年四月までに、一万二千回以上の攻撃飛行を実施しています。五十万ポンド以上ですよ、大量の爆弾を投下したと海軍ニュースに書かれている。これによってまさに民間人が次々殺されるという事態も起こっているわけです、続いているわけですよ。
 これが集団的自衛権の名によって行われた直近の戦争です。総理は、このアフガン戦争、この実態を見て、これが正しい戦争だったと言えるんですか。テロを広げ、いまだに戦乱が収まらない。この戦争を私は肯定するような態度だったら本当に恐ろしいことだというふうに言わざるを得ないと思うんですよ。
 これが集団的自衛権、アメリカは個別的自衛権の発動としてこの戦争に、そしてNATOは集団的自衛権を、そしてこの戦争を始めたわけですよ、集団的自衛権の名の下に行われた直近の戦争、これがアフガン報復戦争ですよ。そして、日本はテロ特措法を作ってこの戦争で初めての海外での兵たん活動、洋上給油活動をやったわけです。
 中谷大臣にお聞きしますが、衆議院の審議で我が党の赤嶺政賢議員の質問で大臣はこう答弁しています。仮に、我が国がテロ特措法に基づく対応措置や補給支援特措法に基づく補給支援活動を実施していたと全く同じ状況が生起する場合には、今回は国際平和支援法に基づいて活動する。この答弁、間違いないですね。
○国務大臣(中谷元君) はい、そう答弁をいたしました。
 実は、この二〇〇一年の同時多発テロ事件が発生したとき、私は防衛庁長官でありました。このテロというのは、ニューヨークの貿易センタービルで三千人近くの方が犠牲になりました。日本人も数十名犠牲になりました。やはりこういったテロ行為に対して、当時国連で、これは国際平和の安全に対する脅威であると認め、国際社会に対してテロ行為を防止し抑止するための一層の努力を求めた安保理決議の一三六八、これがございました。
 当時は、我が国といたしましてインド洋における燃料給油活動等をするためにテロ特措法を成立をさせましたけれども、やはりこういった国際社会としてテロ行為、これに屈するわけにはいきません。やはり平和で安定した社会を築こうというのは、各国なし得るだけの努力をするわけでございまして、仮に同じような事態が発生するということはあり得ないわけでございますが、このようなテロが発生をして国連がそのような決議をした際には、我が国はそれなりの対応をしなければならないと私は思っております。
○小池晃君 私は、九・一一のときにカナダにおりまして、九・一一の日にカナダから日本に帰国する途中だったんです。飛行機がダイバートしたんです。本当に恐ろしい思いをしましたよ。
 テロは許さない、それは当然ですよ。しかし、この報復戦争、今いろいろとおっしゃったけれども、国連安保理決議は武力行使を容認しておりません。
 最初の答弁あったように、今回は国際平和支援法に基づいて活動するんだと、同じような事態になれば。しかも、今回の法案では、洋上の補給活動にとどまらず、戦闘作戦行動に発進準備中の米軍戦闘機に対する給油も整備もできるようになる、それは午前中に議論しました。それらに加えて、PKO法の改定によって危険な治安維持活動にも参加できるようになるわけです。武器使用権限も大幅に拡大するわけです。
 アフガンのRS任務への参加について、参議院本会議で総理は、検討していないと答えたのみで、将来の参加について否定していない。今度の法案が成立すれば、アメリカは現在も続いているこのアフガン戦争に支援を求めてくることは間違いないだろうと。それに対してこの法案は、まさにそうした要求に切れ目なく応えることができるものになっている。集団的自衛権行使容認によって、今まで辛うじて存在していた歯止めをことごとく取り去ったからであります。現実に今も続いている戦場に、従来よりも格段に危険な形で日本の自衛隊の若者が入っていく。これが本法案によってもたらされる当面の最大の現実的な可能性であり、危険性だと。
 総理は、イラク戦争、湾岸戦争のような戦争に武力行使を目的として参加することはないと言うが、一たびこんな活動に自衛隊が入っていけば海外での武力行使に道を開いていくことは明白であります。明らかな憲法違反だ。憲法違反の戦争法案は廃案にするしかない。断固廃案だ。そのことを申し上げて、質問を終わります。
○松田公太君 日本を元気にする会・無所属会の松田公太です。
 本日は初回ということでありますし、時間が三十分ちょっとしかありませんので、法案の中身、詳細についてはまた後日お聞きしたいと思いますが、本日は、総理の基本的な姿勢、考え方、ここについてお伺いをしていきたいと、このように思っております。
 これはかねてから申し上げていることですし、また先月の決算委員会でこれ安倍総理にもお聞きしたことなんですが、明確にそのときお答えいただけなかったのでもう一度お聞きしたいというふうに思っておりますけれども、今回のこの法案の国民の理解がなかなか進まない最大の原因の一つが、総理がやはりこの国を果たしてどのようにしていきたいと思っているかというビジョンの部分、これがしっかりと伝わっていないというところだと思うんですね。
 ですから、例えば、百年後、五十年後を考えてくれと私は言いませんけれども、三十年後の日本、ちょうど戦後百年となるわけですけれども、そのときの日本はこういう国にしたい、こういう国にあるべきだというふうに思っている、その部分をやはり明確にお伝えいただくことが、国民、なぜこの法案が必要なんだというその目的に対して、目標ですから、この法案というのは、そこが見えてくる一つのきっかけにもなるんじゃないかなというふうに、こう思うわけです。
 是非、その部分を今日は総理に明確に簡潔にお答えいただければと思います。国民に分かりやすい言葉で、これ伝わらなければビジョンと言えないと思いますので、是非、総理にお願いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 七十年前、我々は、二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない、この不戦の誓いとともに七十年間ひたすら平和国家としての歩みを進めてきました。同時に、地域の平和と繁栄のためにも貢献をしてきたところでございます。
 今後とも、日本は大きな経済力をその間得ることができました、国際的な信頼も得ることができた、その上に立って、その信頼を基礎として、世界がより良い世界となるために日本は更に貢献をしていく国でなければならないということでございます。
○松田公太君 非常に簡潔であったんですが、信頼、この部分を、今まで得るに達したわけですから、それを壊さずにやっていきたいということなのかもしれませんけれども、この法案は、私、逆にその信頼を失ってしまうきっかけにもなるんではないかなというふうに、こう思うわけですね。
 私は、私のビジョンで恐縮ですけれども、日本はアジアでリーダーシップを取っていく、そういう国をしっかりと目指していくべきだというふうに思っているわけです。ただ、それは総理の考えている方向性とちょっと違うかもしれません。総理ももちろんアジアでのリーダーシップということは常におっしゃっていますので、そのことはベースにあるんじゃないかなというふうに思うんですけれども。
 私は、やはりアジアという地域はこれから経済成長のポテンシャルも非常に高いわけですし、その中でのリーダーシップを取っていく。それは、人道的支援や国際協力、そしてまた外交活動。また、個別的自衛権、これを更に拡充していく。集団的自衛権、これに関しては間違っても地球の裏側に行くところ、そういうところまでは考えない。そういう方式で私は日本のプレゼンスを高めていくべきだと思うんですね。
 ベースになるのが、やっぱり日本のその平和ブランドの力だと思っているわけです。その平和ブランドの力、これを更に構築していって、経済的にも文化的にも各国の国民たちとともに新たな価値を創造していく、一緒に世界を切り開いていく、そのような仲間になるというのが私はこの日本のビジョンであるべきだというふうに思っているわけです。
 私は、海外生活が非常に長いんですけれども、アフリカ、アメリカで育って、自分で会社をつくってからはシンガポールにも数年間滞在したことがあるんですね。そのシンガポールを拠点にしましてアジアの国々をずっと回っていたわけですけれども、私が例えばインド、パキスタン、中東の国々を訪問する、その際に、例えばパキスタンに入国するときに自分自身が危機感を覚えたり、心配だなと思いながら入国をしたことはほとんどないわけです。
 それに対して、例えばそういったパキスタンの国々の人たちと一緒にビジネスを交渉する、当時は、実は私、アメリカの二番目に大きなサンドイッチチェーンのアジアパシフィックリージョンの社長もちょっとしていたんですけれども、アメリカのパートナーに、パキスタンで良いパートナーが見付かった、是非契約のためにカラチに来てくれないかと、こういう話をすると、そのアメリカのパートナーたちは、いや、過激派がいて、いつ自分たちが誘拐されてしまうかもしれない、拉致されるかもしれない、そういうおそれがある国にはなかなか心配で行けないと、こういうふうに言われてしまうわけです。
 そのとき私は仕方なく何をしたかというと、ドバイを集合地点にしまして、アメリカからドバイに来ていただいて、私もシンガポールからドバイに行って、パキスタン・カラチのパートナーにはドバイに来ていただいてそこで交渉したと。ただ、そういう感じではなかなかやっぱり商談もうまくいかなくなって、最終的にはこれ御破算と、こうなってしまったんです。
 日本人が、一部の国を除いては、世界中のほとんどのどの国もターゲットになるようなことを心配せずに入国できる、またビジネスを展開できる、そして文化の交流もできる、これがまさしく私は平和ブランドの力だと、このように思っているわけです。日本が戦後七十年間こつこつと築いてきた、それが私は日本の宝だろうなというふうに、こう考えているわけですね。
 これを私は崩さずに、日本は民間の力、経済の力、文化の力でアジアのリーダーとなっていく、こうあるべきだと思うんですが、総理はいかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど答弁いたしましたように、日本はこの七十年、ひたすら平和国家としての道を歩んでまいりました。と同時に、世界の平和の構築のためにも努力をしたわけでございます。
 かつて、PKO法において自衛隊をカンボジアに派遣するかどうか大変な議論になったわけでございますし、大変な反対もあったわけでございますが、しかし、あのとき我々が決断したことによって、先般日本に来日をされたフン・セン首相がこう言っておりましたが、まさにあのとき日本も賛成をしてくれたPKOの力によって、今カンボジアはPKOを出す側に回ることができた、世界の平和構築に回る側になったと。スーダンにおいて彼らは医療活動を行っているわけでございます。そこで、今般この我々の審議をしている法律が通過をすれば、日本のPKO部隊と自分たちのPKO部隊がより強固に連携することにもなるのではないかと期待をしていると、そういう話もあったわけでございます。
 私は、五十四か国、今まで訪問をいたしました。先般も日・メコンの会議もございました。そのほとんどの国々から、日本が進めている国際協調主義の下の積極的平和主義、そして今回の法改正について理解をいただき、また支持もいただいていると、このように確信をしているところでございます。
 また、もちろん今、松田委員が指摘をされたような日本のブランドというのがあるのは事実でありますから、この日本の言わばソフトパワーということも大切にしていきたいと、このように考えております。
○松田公太君 今、安倍総理からカンボジアPKOの話等ございましたが、私も、PKOの協力法、ここに関してはもっと徹底的に拡充してもいいんじゃないかというふうに思っているんです。でも、今回の法案は、まあ説明するまでもありませんが、そこが主ではございませんよね。ですから、話は私、違ってくると思っていますし、総理も各国に行っていろんな方々とお話をされて日本の立場を説明して、それについて賛同していただけるということもあるかもしれませんが、私自身も非常に多くのビジネスパートナー、アジアにもいるわけでして、そういった方々とお話をすると、逆のことをおっしゃる方も実際はいるんですね。ですから、こういった法案というのは、大きなまた外交防衛の転換方針というのは、両サイドから私はこれしっかり見なくちゃいけないんだろうというふうに思うわけです。
 その上で、先ほども言いました国際協力法の部分であったり、集団的自衛権、存立危機事態の法案であったり、こういったものがミックスになってしまっているという話で、次の質問に入りたいんですけれども。
 衆院で百十六時間これは審議が行われたというふうに言われているわけですね。でも、はっきり言って、国民は残念ながらまだまだ理解できていないというのが現状なんです。私を含めたここにおられる国会議員も、正直その審議を聞いていて、細かい話のやり取りを聞いているとだんだん混乱してしまって、何かよく訳分からないなということに最後なってしまっている方も多いんじゃないかなというふうに正直思っております。それはそうだと思いますね。失礼ですけれども回りくどい説明が非常に多いですし、総理と閣僚の答弁が違ったり、また法制局長官の答弁も食い違ったりする、また理解が違っていたりということが明るみに出るわけですから、ますます、国会議員だけじゃなくて、国民も混乱してしまうということだと思うんですが。
 やっぱり、そのような混乱を招いてしまっている理由の一つが、この二つの法案というのが、実は一つの新法と十の法案の改正によって成り立っているということにあるんではないかなというふうに思うんですね。
 百十六時間審議されたと先ほど話しましたが、その十一の法案で割っていったら、一つの法案当たり十時間ぐらいでしかないわけですよ。これだけ重要な法案に対してやっぱり十時間というのは、私は少ない方じゃないかなというふうに思うわけですけれども、こうやって束ねてしまって玉石混交にしてしまうと、より難解さがこれ増すのは当たり前のことだと思うんですね。場合によっては、皆さん、総理も含め、もしかしたら国民の理解が進む前にこの法案を通してしまおうなんという、多少そういう助平心もあったのかもしれませんけれども。
 本当に、この法案、一つ一つ読み解いていくのも難しいものなんです。それを十個もくっつける改正、本当に分かりにくくなってしまう。別々にしていただければ、我が党も含めて、ほかの私、実は会派の方々ともお話しするんですが、そうですけれども、この法案については賛成できるのになというのが実はあるんじゃないかなというふうにも思うわけです。
 総理、この法案をやっぱり一度戻していただいて、こればらばらにしていただいて、一つ一つにしていただいて、出し直していただくということはこれできないでしょうか。全部、十一ばらばらにしろとは言いません。例えば、軸で分けることは私できると思うんですよ。例えば存立危機事態、例えば国際平和協力、若しくは後方支援、こういった軸に分ければ、私は三つか四つぐらいに分けて出すこともできるんじゃないかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回、既存の十本の法律について改正を行うということにしておりますが、この十本の改正の目的は、いずれも我が国の平和と安全の確保及び国際社会の平和と安全の確保という点に集約されることは事実でありますし、明確だと考えています。
 また、法律案の条項につきましては、相互に関連し、一つの体系を形作っているわけであります。例えば、存立危機事態の新設は自衛隊法、事態対処法、米軍行動関連措置法等の改正を伴うことから、ばらばらに改定したのでは個々の法案の相互関係がかえって分かりにくくなってしまうという点もあるわけでございまして、そこで一本の法律案で一覧的にお示しをし、改正の適否を総合的に判断をしていただくことが適当と判断したものでありまして、このため、政府としては、十本にばらして出し直す、法形式を改めて再提出するという考え方はございません。
○松田公太君 一つの体系でこれはでき上がっているという話ですけれども、今お話をお伺いしているところでは、存立危機事態というところは何となく意味が分かります。事態対処法であったり、米軍行動関連措置法案であったり、捕虜取扱法、そういったものは一つにしなくてはいけないということなんでしょうけれども、私、そこはそれで一つとしてまとめたら、ほかの二つ、三つ、例えば国際協力法の部分は少なくとも、PKO協力法ですね、これは別に審議できるんじゃないかなというふうに思いますし、今どなたかがおっしゃっていましたが、本当に丁寧にやりたいと思うのであれば、審議を例えば一括にしたとしても、採決ぐらいはこれ別々にすることができるんじゃないかなと、こういうふうにも思うわけです。
 私は、繰り返しですけれども、後方支援、存立危機事態、そして国際協力という三つぐらいには分けられるんだろうなというふうに思っていますので、是非それを最後の最後までしっかり考えて検討していただければというふうに思うんですけれども。
 ちなみに、総理は、今出されておりますこの十一の法案、これ略称ではなくて正式な法律名を資料を見ないで言うことできますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 急な御指摘でございますから、既存の法律でございますが、一々今それにお答えすることはできませんが、今まさに申し上げましたような目的においては、この十本の改正する目的は明確であろうと、このように考えているところでございます。
○松田公太君 総理大臣にちょっと恥をかかせるのが目的ではありませんので、絶対この場で答えてくださいと、そのようには言いませんけれども、総理、正直におっしゃっていただきたいんですが、これなかなかちょっと難しいと思うんですよ、この十一法案、正式な法律名を全部十一個言うというのはですね。正直、私も不安です。多分、ここにいらっしゃる国会議員だってそうじゃないかなというふうに思うんです。略称は覚えているかもしれませんよ、でも正式名のことを私言っています。
 しかし、戦後七十年の大転換と、こう言われるわけですし、総理が歴史のある意味その審判を将来的に受ける、そういう覚悟も込めてこの法律を出されているというふうに思いますので、一つ一つの法律名にやっぱり私は魂がこれ込められてもいいんじゃないかなというふうに思うわけです。魂を込めるんであれば、本来であれば十一の法案ぐらいはずばっと、ぱっと言えてもしかるべきじゃないかなと思いますが、ただ、それやっぱり言えないような法案をこの一国会で国民全員に理解しろというのは、私はこれ難しいんじゃないかなというふうに、これちょっとひどい話じゃないかなというふうに思ってしまうわけです。
 やっぱりこの束ね法案は、私、一旦取り下げて、中身をよく精査して、閣僚や政府参考人の皆さんと答え合わせをしっかりしていただいて、そして、その上で幾つかに分類をして提出をし直していただくべきじゃないかなというふうに思います。
 また、私がこれ心配することではありませんけれども、この法案に対する強引さと問題点が国民に明らかになって、最近の安倍内閣の支持率は下がってきてしまっていますよね。
 確認させていただきたいんですけれども、安倍総理は今後、この支持率が二〇%台になろうが一〇%台になろうが、若しくは、例えばおじい様の岸総理のときのように、法案を通した後にすぐ退陣をしなくちゃいけない、そのような事態に追い込まれたとしても、この国会でこの法律は通されると、そういう強いお気持ちなんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私どもが法律を提出をしているこの意味は、国民の命と平和な暮らしを守るために、我々はその責任を果たさなければならないという考え方の下に法案を提出をさせていただいているわけでございますし、そして、まさに今こそこの法律を成立をさせなければならないという決意でこの法案について審議に臨んでいるところでございます。
○松田公太君 強い決意をお持ちだと、何があろうともこの法案をこの国会で通すということだと思います。
 政治家として強い信念を持つのは、これは当たり前のことですし、私自身も強い信念を持って幾つかの政策、これは実現したいと、このように考えているわけですけれども、しかし、時折その権力者の強いその信念というものが強過ぎて危険な事態を生むかもしれないということは、これは歴史を見ても証明されているわけですね。
 総理は、現在御自身がちょっとかたくなになり過ぎているな、少し柔軟になって国民の声にもうちょっと耳を傾けてみようかな、若しくは野党の声にもうちょっと耳を傾けていこう、そのような姿勢をお持ちいただくことはできないのでしょうか。そう考えることはできないのかということが私の質問です。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私どもがこの法律、法制を提出する上において、例えば集団的自衛権の一部行使容認におきましても、二〇〇六年、第一次安倍政権ができたときに有識者の懇談会、安保法制懇を立ち上げまして、様々な御議論をいただいたところでございます。その際に、例えば個別的自衛権を拡大するという御意見もございました。しかし、それは国際法的に極めて非常識であるという議論の中でそれは排除されていくわけでございますが、私が退陣した後、しばらくこれは議論がなされなかったのでございますが、第二次安倍政権が発足をしてから再びこの議論がスタートをいたしまして、そして五月の十五日に安保法制懇の議論がまとまりまして、提言をいただいたわけでございます。そして、このいただいた提言を、更にこれを抑制的な形において七月の一日に閣議決定を行った。そして、その後、閣議決定を行う上におきましても、これは与党での議論も行い、そしてさらに長い間与党で議論を重ね、今回の法制に至ったわけでございます。
 そういう意味におきまして、私は、ただ単に、例えば一千万人といえどもわれゆかんということではなくて、自らかえりみてなおくんばと、何回もこれは果たして大丈夫だろうかということを自省しながら、これはまさに与党でそういう議論を重ねながら今回法律を出させていただいたところでございますが、しかし、今まさに参議院で議論がスタートしたわけでございます。午前中には、片山委員から、維新において対案を出すというお話もございました。この委員会におきまして、様々な御議論も我々は当然政府として真摯に拝聴してまいりたいと、こう思うところでございます。
○松田公太君 国民の声、野党の声にもしっかりと耳を傾けていただけるというお話ですが、その上でお聞きしたいんですけれども、少し話は変わりますけれども、私は、あの原発事故以降、原発問題、エネルギー問題に取り組んできたわけですけれども、原発の再稼働における問題の一つは、検証がまだしっかりされていないということだというふうに思っております。国会に設置されました事故調がございましたね。事故調から出てきました提案の中に、指摘の中には私は実行するべき非常にいいものが幾つかあったなというふうに思っておりますが、残念ながら、そういったものに手が付かず、再稼働が優先されて、どんどん話が進められてしまっているというのが現状だと思っております。
 本法案の問題も、過去の歴史をしっかりと検証しないで進めてしまっているところに私は問題があると、こう感じております。
 例えばその一つが、先ほどアフガンの話が出ておりましたが、私、イラク戦争への参加なのかなというふうに思っております。結局、大量破壊兵器がこれ見付からなかったわけですね。それに対して、総理大臣、岸田大臣も、以前の答弁を拝見させていただきましたけれども、その検証はしっかり行われていますよというふうにおっしゃっているわけです。しかし、それは外務省がこれ行ったものであって、公表されている内容というのはたったの四ページのものなんですね。ごく当たり前のことしか書いていない、もう本当に内容が薄いものなんです。なぜ日本は米国に言われるがままに参加をしてしまったのか、米国にしっかりと説明を聞いたのか、事前に独自の自分たちの調査を行ったのか、こういったことが全く明らかになっていないわけです。
 総理にお尋ねしますが、イラク戦争の検証と国民への説明は十分だったというふうにお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 諸外国において、例えば米国、英国において検証を行っております。第三者が関与する形で行われた例もございます。
 検証の目的や対象、調査の手法は検証ごとに異なるものでありますが、そもそも、人道復興支援や後方支援のみを行った我が国と、言わば武力行使そのものを行ったり、あるいは主体的な海外での諜報活動を行い、その諜報活動を行った成果の分析を行った国と言わば海外におけるそうした諜報活動は行うことはそもそもしていない我が国、イラク戦争においてもアフガン戦争においてもそれはそうでございますが、そうした各国と同列にこれを論ずることはできないんだろうと、こう思います。
 外務省における検証は、当時の政策決定過程を検証し、もって教訓を学び、今後の政策立案、実施に役立てることを目的として行ったものであり、現時点で第三者による検証を行う考えはございませんが、しかし、もちろん、松田委員が御指摘のように、様々な出来事から我々学ばなければいけないわけでございますし、実際、大量破壊兵器は見付からなかったのも事実でございます。それをなぜそのように誤解をしてしまったかという米国、英国のこれは検証もございますし、そうしたものから学ばなければならないと。
 我々も、今後、例えば様々な後方支援活動等を行っていく上においても、そうしたことを参考にしていく、また教訓にしていくことは当然のことではないかと思います。
○松田公太君 立場が違う国々もあったというのはもちろんのことですし、イギリスの、今米国の話も出ましたが、例えばイギリスでは、これは御存じのとおり、イラク戦争に関して独立の調査委員会をこれ設けて、徹底した検証が行われたわけですね。ブレア元首相も呼ばれて、意思決定に関わった関係者が八十人ぐらい呼ばれて、もうテレビ、オープンに、インターネットもオープンに全部公開された状況で事情聴取というものが行われたわけです。
 事情がもしかしたらちょっと日本に近いかもしれないオランダ、オランダというのは事後の協力しかしておりませんので。オランダに関しても、実は徹底した調査が行われて、国民に公開されたその調査書というのは五百ページにも及ぶんです。ちょっと日本の四ページとは訳が違うなというふうに思うわけです。私もちらっと読ませていただきましたけれども、徹底して調査が行われている。
 未来への教訓とするためには、やっぱり戦争をめぐる意思決定のプロセス、ここが私は非常に重要だというふうに思っておりますので、徹底して検証して、よりオープンに私はこれを公開をしなくちゃいけないんだろうというふうに思っているわけですが、総理、ここについてもう一度お聞かせいただければと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 検証について、各国の比較について御指摘がありました。
 先ほど総理からありましたように、実際に武力行使、攻撃を行った国と人道復興支援あるいは後方支援を行った国、これは同列に論ずることはできないという部分がありますが、それに加えて、我が国において外務省が行った検証ですが、これは我が国の政策決定過程について検証をしたものであります。
 そして、四ページ、大変ページ数が少ないのではないか、こういった御指摘がありましたが、これはあくまでもその主要なポイントを明らかにしたものであります。なぜならば、その政策決定過程において、各国と具体的などんなやり取りをしたのか、あるいはどのような情報収集をしたのか、こういった部分もしっかり検証いたしました。こういった部分につきましては、各国との関係もありますのでこれは明らかにできないということで、主要なポイントを明らかにしたということであります。
 いずれにしましても、外務省としましては、政策決定過程につきましてしっかり検証をしたわけでありますが、これを今後の政策決定にしっかりと反映をしていきたいと考えます。
○松田公太君 各国との関係でやっぱりつまびらかに明らかにできない部分が多いというお話ですが、その結果が四ページのあの内容ということであれば、本当に、何も実はやっぱり公表できないんじゃないかと。主権国家として、ほかの国々を見ていますと、もっとしっかり国民に開示をしているという部分が非常にそこは違うな、日本と、というふうに感じてしまうわけですね。そういった部分があるので、ますます私はこの法案について心配になってしまうわけです。
 先ほど総理にお聞きしましたけれども、何が何でもこの法案はこの国会で通すということでしたけれども、そういうお気持ちであったとしても、例えば、少しでも改善をするために、この法案の中にもうちょっと明確に検証を事後にする仕組みというものを取り入れるべきだというふうに思っております。
 これについては、また後日もうちょっと深掘りした議論をさせていただければと思います。本日はちょっと時間がありませんので、次に進めさせていただきたいと思います。
 また、これも度々申し上げてきていることなんですけれども、この法案は、平和安全法案としたり戦争法案としたり、そういう言葉のレッテル貼りというのは、野党もそうですし、特に与党も私はこれは控えていただきたいというふうに思っている次第です。
 しかし、これは安保法案である以上、これはもう密接に平和と戦争、ここに関わってくる。これは当たり前のことでして、日本国憲法前文第一段目で、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」と述べているわけですね。
 そして、この憲法の一番最初の文章に込められた意味というのは、やはり戦争を二度と起こさないためには、国民が政府を統制し、政府を真に国民の政府たらしめることが必要であるという強い決意だというふうに私は思っております。まさにそれこそが真の民主主義だというふうに思いますし、平和主義を貫くために不可欠なことだろうと考えているわけです。
 ですので、今回のようなこの本法案を議論するに当たっては、まずもって、日本がまさに武力攻撃を受けている事態はこれは別にして、少なくとも、自衛隊を海外に派遣するときには、それが存立危機事態であろうが、後方支援、重要影響事態であろうが、全て例外なく国会の事前承認を条件にするべきだと私は思っております。
 政府は、存立危機事態にも重要影響事態にも原則国会の承認が必要だというふうには言っていますが、原則の意味というものがやはりこの審議を通じても明らかになっておりませんし、その意味がやはり政権によって幅が出てきてしまうというふうに思うわけですね。まあ安倍総理だったらいいかもしれませんけれども、とんでもない独裁者みたいな人が総理大臣に突然なられて、そういった方が思うがままにちょっとしたことでもこれは存立危機事態だと言って派遣をしてしまう可能性が出てくるわけです。
 その危険性を少しでも排除したい、歯止めを掛けるために、武力攻撃事態を除く全ての場合において例外なく国会による事前承認を付ける私は必要があるというふうに思っておりますが、それについて総理はどのように考えられますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自衛隊の活動に対する民主的統制について国会の承認が必要であるという認識は、委員の御指摘のとおりだと思います。
 今回の平和安全法制の策定に当たっては、自衛隊の活動について民主的統制を確保するため、国会の関与について適切に規定をすることとしました。国会の関与が必要な活動については原則事前承認としていますが、例外として事後承認を認めているものであります。例えば、存立危機事態や重要影響事態における活動の実施は緊急時の事後承認を認めていますが、これを認めなければ我が国の平和及び安全の確保に支障を来す可能性がある場合であります。具体的には、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が事前に十分察知されずに突発的に発生し、またこれによって、間を置かずして我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある状況に至ることは否定できないわけであります。
 こういう事態だなということがまさに国会議員の皆様にも大体おおむね理解をしていただけるような例外的な事態でなければ、それは事後承認とはしないということであります。極めて短期間のうちにそのような事態に立ち至った場合には、国会承認の前であっても、並行して自衛隊に行動を命じ、まず何よりも国民の幸せと幸せな暮らしを守ることが必要ではないかと考えております。
 また、PKO法に基づく活動の実施については、国会閉会中や衆議院解散中に活動の必要性が生じた場合、次期国会の開催を待っていては国際社会の期待にタイムリーに応えることができないことも想定されるわけでございまして、このように、やむを得ない場合には事後承認となることもあり得ますが、原則はあくまで事前承認でありまして、原則事前承認ということは大変私は重いと考えておりまして、政府としても可能な限り国会の事前承認を追求していく考えであります。
○松田公太君 いろいろ今幅広にお話をしていただきましたけれども、私がやはり心配するのは、その原則という言葉であったり、例外という言葉も何回か出てきましたし、可能な限りという話も出てきましたが、ここがやっぱり私、歯止めになっていない部分だというふうに思うわけですね。
 例えば存立危機事態にちょっと絞ってお話をさせていただきたいんですが、存立危機事態と武力攻撃事態というのはかぶっている部分があるというのが政府の説明だというふうに思いますけれども、今出てきている存立危機事態のやはり唯一のその例というのがやはりホルムズ海峡なわけですね。
 今朝の答弁にもありましたが、そういった場合は必ずこれは国会の事前承認しますよということなんですけれども、じゃ、その他の例えば具体的な例というのがやっぱり今示されていないということもありますし、我々は非常に理解に苦しむ部分なんです。普通に考えますと、その存立危機事態と武力攻撃事態でかぶっている部分は、私は、その瞬間は、例えば武力攻撃事態にシフトすることによって、これは武力攻撃事態の状況になったわけだから、それはもう政府の責任において進めますよということにすればいいんじゃないかなというふうに思うわけですよ。そうすれば、すっきりとその部分というのは分けられるんじゃないかなというふうに思うんですね。
 並立して存在するということも私は意味は分かりますけど、並立した瞬間に、それは武力攻撃事態、これは等ですね、予測事態も含まれるわけですから、そっちにシフトして入れてしまうという考え方が、私はこれすっきりして、そういうふうに考えていただければ国民はもっと理解が進むんじゃないかなというふうに思いますが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 武力攻撃事態等、これは予測事態も含みますが、予測事態、そして切迫事態、武力攻撃が発生するという事態を含めての武力攻撃等ということでございますが、これと存立危機事態は大体重なっていくわけでございますが、この外にある存立危機事態としては、念頭にございますのはホルムズ海峡による機雷封鎖ということになるわけでございますが、他方、武力攻撃事態等におきましては、予測事態においては、これ自衛隊に対しては防衛出動の待機命令を出すということでございますから、ある意味においてはこれは時間的な余裕も考えられるわけでございますし、また、言わば切迫事態においては、これは防衛出動をするわけでございますが、こちらは武力行使はまだその段階ではできないということになるわけでありまして、実際に武力攻撃が発生してから武力行使ができると、こういう仕組みになっておりますが、国会の関与においては、もう今まで既にこれはそれぞれ決まっているわけでございますが、それは私は適切な国会の関与であろうと、このように考えております。
○松田公太君 事前承認と事後承認については、また今後議論を深めさせていただければと思います。
 どうもありがとうございました。
    ─────────────
○委員長(鴻池祥肇君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、小池晃君が委員を辞任され、その補欠として仁比聡平君が選任されました。
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○和田政宗君 次世代の党の和田政宗です。
 我が党は、我が国の平和を守るために必要な法整備を行うべきと考えており、衆議院では野党で唯一、法案に賛成をいたしました。しかしながら、我々は政府案にはまだ不十分なところがあると考えています。それは、武器使用権限が厳し過ぎるため、いざというときに本当に国民や自衛隊員を守れるのかという点や、グレーゾーン事態への対処についてです。私の本日の質問は、安保法制の整備の必要性とともに、不十分な点をいかに改善すべきかという観点から聞いていきます。
 まず、総理にお聞きします。
 次世代の党は、既に二月に国家安全保障基本法案や領域警備法案を官邸に届けています。これは、その後示された政府案でカバーできていない部分、例えば、自衛隊の国や平和を守る活動において国際標準に沿った武器使用権限を持たせる、これは使うかどうかは別で抑制的であるべきであると考えますが、権限をしっかり持たせておかないと不測の事態に対処できない、こうした点について対処できる内容になっておりますし、グレーゾーン事態についても、次世代の党の案は、つなぎ目なく事態に対応できる内容となっております。
 我が党は、より良き法案とするために政府・与党と是非協議をしたいと考えておりますが、総理のお考えはいかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 次世代の党からは、本年二月に国家安全保障基本法案及び領域警備法案について申入れをいただきました。一層厳しさを増す安全保障環境についての認識や現状について危機感を共有していただいていると思います。また、政府案に先立ち、法案の形で自らの政策や立場を明確に示された誠実な姿勢に敬意を表したいと、こう思う次第でございますし、国民の命を守り、そして幸せな平和な暮らしを守っていくためにその責任を果たそうという姿勢に対して評価したいと思います。
   〔委員長退席、理事佐藤正久君着席〕
 安全保障に関わる法案は、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために極めて重要なものであり、より良い結果を出していく上において、国会の場などにおいてしっかりと議論をしていきたいと、このように思います。
○和田政宗君 我が党は、審議拒否は絶対に行わず、徹底的に審議をして、我が国の抑止力を高め、平和を守る法整備につなげていきたいというふうに思いますので、総理のおっしゃるように、審議の中でそれでは議論をまず深めていきたいというふうに思っております。
 さて、今回の法整備に反対する人の中には、集団的自衛権の行使を容認すると戦争に巻き込まれる、すなわち戦争法案だというレッテル貼りを行っている人もいます。私は、絶対に戦争を起こしてはならないという反戦論者でありまして、だからこそ、国際情勢や日本の防衛力を客観的に分析をしてまいりましたけれども、子を持つ親として、今何もしないというのは全くあり得ません。我が国の抑止力を高め、我が子を守るためにも、必要な法整備を行っていかなくてはならないというのは明白です。(資料提示)
 個別的自衛権で対処する論のみならず、軽武装中立を主張する人もいますけれども、何もせず平和を守れる時代というのは終わりました。例えば、中国はウイグルで何をしているでしょうか。デモ隊に銃を乱射し、千人を超える人を虐殺しました。これは映像も多数残っています。そして、南シナ海では国連海洋法条約に違反し軍事拡張を続け、さらに我が国固有の領土尖閣も奪い取ろうとしています。こうした状況の中、何もせず放置をすれば、戦争に巻き込まれる危険性が高くなるということは明白です。このような状況で軽武装中立を主張する人は、いざというときにスイスのように国民皆で武器を取って戦うという覚悟があるのでしょうか。しかし、それでは多くの国民の血が流れてしまうわけです。
 そして、テロの抑止です。
 既に、日本はテロのターゲットに残念ながらなっています。世界は協調してテロと闘っているのに支援も何もしなければ、日本は何もしないのでやりやすいということで誘拐やテロの集中的なターゲットになるおそれがあります。だからこそ、今、手を打つ必要があります。
 個別的自衛権での対処を主張する人もいますが、もうそれでは日本は守れません。アメリカのオバマ大統領がもはやアメリカは世界の警察ではないと言い、米軍が中国のミサイルを警戒し前線での能力を後退させている中で、日本はその空白をしっかり埋め、近隣友好諸国と連携し共同で対処しなければ、平和は守れません。
 そこで、政府にお聞きをしますが、日本単独の個別的自衛権のみで全てに対処するとの考えを取り、日本がアメリカにも頼らず自国のみの防衛力で防衛をしようとする場合、防衛費は幾らになると見込まれるでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 自主防衛論について、一般論として申し上げれば、今日の国際社会において自国の意思と力のみで国の平和と独立を確保しようとすれば、核兵器の使用を含む様々な侵略事態、また軍事力による威嚇等のあらゆる事態に対応できる隙のない防衛体制を構築することが必要になります。
 我が国が独力でこのような体制を保持することについて検討しておらず、必要となる防衛費をお答えすることは困難ですけれども、一般論を申し上げれば、米国が有する装備品や運用基盤等を我が国自身が装備していくことになれば、所要の防衛費、関係費、これは大幅に増加するものとなると考えております。
○和田政宗君 国民の理解を進めるためにも是非数字を挙げてほしかったですけれども、防衛大学の二人の教授の試算では、単独防衛の場合は防衛費は二十四兆円になるということです。これは現在の防衛費の五倍で、とても今担える金額ではありません。だからこそ、他国と連携して我が国の平和を守っていく必要があるわけです。
 そして次に、集団的自衛権の説明について聞きます。
 そもそも、自衛権は、個別的であろうと集団的であろうと、国際法上、国家の基本権、自然権として認められており、国連憲章五十一条に明記をされています。だからこそ、世界各国の憲法では自衛権が明記されている国は少数なわけです。これは、国家に自衛権があることは余りに当たり前のことで、わざわざ憲法に書く必要がないからです。日本国憲法にも書かれておりません。
 その自衛権のうち、集団的自衛権についても、政府は昭和二十五年の答弁から一貫して国家の基本権として認めてきているわけですけれども、昭和四十七年の政府見解では、集団的自衛権は持っているが行使できないと制限をしたわけです。つまり、キャップをかぶせたわけです。去年の政府解釈の変更は、その過度な制限を外したにすぎない、キャップを外したにすぎないわけで、むしろ集団的自衛権について適正化されたと考えるべきです。どう考えても合憲でありまして、憲法違反には当たりません。
 私は、政府はこうした説明も行っていくべきと考えますが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、和田委員から御指摘になられたように、四十七年の見解もそうでありますが、我が国は国際法上は集団的自衛権の権利を保有しております。これは世界各国が、国連憲章に書いてあるわけでありますからそうでありますし、安保条約の前文にもこれは書いてございますし、日ソの共同宣言の中にもこれは実は書かれているわけでございます。
 ここで持っている権利というのは、まさにこれはフルの集団的自衛権でございまして、国際社会が認識している国際法上における集団的自衛権の権利は、我が国はこれはもう従来より持っているという認識では一貫しておりますが、憲法上の要請によってそれは行使できないというのが四十七年の見解でありました。ですから、権利を有しているというところは同じでございます。
 しかし、その行使においては、全部行使できないのか、しかし、果たしてそれは必要な自衛の措置の中に入るものもあるのではないかということを我々は考え続けてきたところでございますが、その中におきまして、国家の存立が脅かされ、そして国民の生命や財産や幸福を追求する権利が根底から覆されるという三要件に当てはまる場合には、これは許されるという判断をしたわけでございまして、これはまさに憲法の範囲内であるということは言うまでもないと、このように思います。
○和田政宗君 総理の御答弁でも分かるんですけれども、やはりより分かりやすくシンプルな説明というものを国民は求めているというふうに思いますので、また我が党もこの審議の中でしっかりとそういった点が深まるようにしていきたいというふうに思っております。
 次に、我が国の平和を守り、抑止力を高めるという観点から、政府に改善を求めなくてはならないという点を質問していきます。
 まず、武力行使の新三要件について聞きます。
 これは、我が国をしっかり守ることを考えた場合、旧三要件より後退しているのではないかという懸念があります。それは、新三要件では武力行使が認められる要件として武力攻撃があったこととなっておりますが、旧三要件では急迫不正の侵害があることであり、早い段階から攻撃の端緒を捉えて攻撃することが、反撃することが、行動することができたわけです。しかし、新三要件の武力攻撃があったことでは、明確な武力攻撃を受けてからでないと反撃できないのではないでしょうか。また、何をもって武力攻撃を受けたとするのか、お答えください。
○国務大臣(中谷元君) 従来から、武力攻撃が発生した時点は武力攻撃が始まった時点、すなわち相手が武力攻撃に着手をした時点でありまして、武力攻撃による現実の被害を待たなければならないというものではないと解されており、これは旧三要件でも新三要件でも変わりません。いずれにせよ、我が国又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生していないにもかかわらず個別的、集団的自衛権を行使することは、憲法上も国際法上も認められません。
 御指摘の急迫不正の侵害、これはそもそも刑法上の概念として、急迫不正の侵害に対処する正当防衛、これの要件として用いられる言葉でございます。昭和四十七年見解及び旧三要件においてもこの急迫不正の侵害という言葉が使われておりまして、ここで言う急迫不正の侵害という言葉は、一般的な正当防衛の要件である急迫不正の侵害と同様のことを意味する表現でございます。また、国際法上も個別的、集団的自衛権に基づく武力行使の要件となる武力攻撃の発生の中には、本来的に急迫不正の侵害があることが前提となっております。
 そこで、今回、新三要件を整備するに当たりまして、急迫不正の侵害という言葉よりも、国際法上確立しており、自衛隊法等でも用いられる武力攻撃の発生という言葉で整理をしたところでございまして、このように実質何ら変更があるわけではございません。新三要件と比べて旧三要件の方が幅があったということではございません。
○和田政宗君 それでは、確認ですけれども、新三要件の武力攻撃があったことと旧三要件の急迫不正の侵害があること、これは同じ意味というふうに捉えてよろしいでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 我が国に対する武力攻撃が切迫をしている場合には、自衛隊に防衛出動を命じて部隊を展開するなど、基本的に武力行使以外の必要な措置を講じることとなります。この点においては、旧三要件も新三要件も変わりません。
 一方、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態、すなわち存立危機事態においては、新三要件を満たす場合に、防衛出動を命じられた自衛隊は武力の行使を含む対処が可能になるということでございます。
○和田政宗君 この新三要件の武力攻撃があったことに関連しまして、サイバー攻撃についてお聞きをしたいのですけれども、敵国が武力攻撃を日本に行おうとする場合、通常、サイバー攻撃を行いまして、例えば自衛隊のデータリンクシステムなどを無力化しようとするわけです。
 政府は、サイバー攻撃の際、何をもって武力攻撃があったというのでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 武力攻撃が発生したか否か、これはその時々の国際情勢、相手国の明示された意図、攻撃の手段、態様など個別具体的な状況も踏まえまして判断すべきものと考えており、サイバー攻撃、これも同様であります。
 その上で、サイバー攻撃につきまして申し上げれば、その態様には様々なものがあり、また実施する主体も国とは限らず、個人であっても大きな被害をもたらすことは考えられます。
 こうしたサイバー攻撃の特性を踏まえ、サイバー攻撃のみで武力攻撃と評価することができるかにつきましては、政府としても従来から検討を行っているところでありますが、国際的にも様々な議論が行われている段階であり、現時点において政府としてどのようなサイバー攻撃であればそれのみでも武力攻撃と評価されるかについて確定的な判断を示すということは差し控えさせていただきたいと思います。
○和田政宗君 今回の安保法制は、今この日本がさらされている状況についてしっかりと守っていこうという法案であるというふうに認識をしておりますが、サイバー攻撃についてはこれから検討するということでありましたら、これは抑止力も含めて高まっていかないというふうに思いますので、これは早急に対応をお願いしたいというふうに思います。
 そして、新三要件について更に確認をしたいのですけれども、新三要件においても、まさに日本や同盟国を標的としたミサイルに燃料が充填されようとしているときに敵基地を攻撃できるんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 敵基地攻撃については、従来の考え方は、法理上、法的な理屈の上では新三要件の下でも変わらないわけでございます。ただし、現在は我が国は敵基地攻撃を目的とした装備体系を保有しておらず、個別的自衛権の行使としても敵基地を攻撃することは想定をいたしておりません。ましてや、集団的自衛権の行使として敵基地を攻撃すること、これはそもそも想定をしていないわけでございまして、先ほどサイバー攻撃のお話がありましたが、いずれにしても、これまでサイバー攻撃に対して自衛権が行使された事例はなくて、サイバー攻撃に対する自衛権行使の在り方については国際的にも様々な議論が行われている段階でありまして、現実の問題として、サイバー攻撃に対する自衛権行使の在り方について、国際的な議論も見据えつつ更に検討してまいりたいと思っております。
○和田政宗君 これは、現行憲法の枠内で更に所要の法整備を行ってあらゆる事態に対処できるということが我が国の抑止力ということが高まっていくというふうに思いますので、この点についても更に議論をしていきたいというふうに思っております。
 次に、グレーゾーン事態について聞きます。
 例えば、離島に漁民に偽装した外国の武装兵士が上陸した場合において、武力攻撃と認定できず、防衛出動ではなく治安出動や海上警備行動として自衛隊が出動する可能性があります。その場合、自衛隊には警察官職務執行法が準用され、警察権行使としての武器使用となるため、事態に十分対処できないおそれがあります。外国からの明確な武力攻撃が認定できないような場合においても武器使用権限を国際標準に沿った形にすることなど、事態に十分に対処できるような法整備が必要ではないかと考えます。
 今回の政府案についてはこうした点の法整備がなされておりません。我が党は既に領域警備法でこのような点を政府に提案をしておりますが、政府はどのように考えるんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 御指摘のような事態に際しまして、政府は五月十四日、「離島等に対する武装集団による不法上陸等事案に対する政府の対処について」を閣議決定をいたして、警察機関では対処できない場合等には自衛隊に海上警備行動や治安出動を速やかに発令をすることといたしました。
 議員の御指摘のように、海上警備行動そして治安出動時の権限については警察官職務執行法を準用しておりますが、正当防衛の案件であります急迫不正の侵害が認められる場合には、自衛官は相手の攻撃を待つことなく危害射撃、これを行うことが認められており、その時々の状況に応じて適切に対処できるものと考えております。
 さらに、治安出動時におきましては、小銃、機関銃等の殺傷力の高い武器を所有していた者が我が国に侵入をし、そして武器を使用するほかにこれを鎮圧する適当な手段がない場合には、事態に応じて合理的に必要と判断される限度において武器を使用することができるということでございまして、このように、海上警備行動や治安出動を命ぜられた自衛隊には現行法においても事態に対処するため十分な武器使用権限が与えられておりまして、御指摘のような事態に対しても支障なく対処できるものと考えております。
○和田政宗君 今大臣は自衛隊法の第九十条のところを挙げているわけですけれども、要件として三つ、これにいずれかに該当するというようなことがありますけれども、これ判断に迷う場合もあるというふうに思うんですよね。警察官職務執行法でまずやるということになりますれば、これはその枠からはみ出すときに判断というものが必要になるというふうに思いますので、自衛隊は、これはもう国際法的には軍隊であります。基本的には軍隊の運用基準である武器使用権限、これ国際標準にのっとってやることができれば、これはその段階が進んだとしても適切に対応できるというふうに思いますので、そういった観点が必要であるというふうに考えております。
 そして、それに加えて、海上警備行動について更にお聞きしますけれども、海上警備行動が発令されますと、自衛隊には海上保安庁法が適用されます。その際、日本の領海内を無害でない航行を行う外国の軍艦は適用除外となるはずです。すなわち、何らかの侵害行為を行おうとしている軍艦に対し、武器を使用できず、警告射撃すらできないことになりますけれども、この点について政府はどのように考えているでしょうか。
 また、これは領海内を潜って航行し浮上しない潜水艦についても同じことが言えます。どう対処するんでしょうか。過去、スウェーデンは領海侵犯した潜水艦に警告のために爆雷を落としたことがありますけれども、日本はこれはできないんでしょうか。同じことは中国の海警局の巡視船が領海内に侵入してきた場合にも言えます。政府はどのように考えるでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 御指摘のような事態に際しまして、政府は五月十四日、「我が国の領海及び内水で国際法上の無害通航に該当しない航行を行う外国軍艦への対処について」を閣議決定をいたし、海上における人命若しくは財産の保護又は治安の維持のため特別の必要がある場合には自衛隊に海上警備行動を速やかに発令することといたしました。
   〔理事佐藤正久君退席、委員長着席〕
 御指摘のような事態における自衛隊の具体的な対応につきましては、個別具体的な状況に応じて判断する必要があり、一概に申し上げることは困難でありますが、一般論として申し上げれば、国際法上、外国軍艦、公船、これは我が国の領海内においても我が国の管轄権からの免除、これを有しておりまして、議員の御指摘のとおり、これらの船舶に対して自衛隊は第九十三条三項の規定に基づき武器を使用すること、これはできません。
 しかしながら、仮にこれらの船舶が不法に発砲や体当たり等を行い、我が国船舶に危害を及ぼすような場合等には、その行為を排除するため、海上警備行動により、その事態に応じ合理的に必要と判断をされる限度で武器を使用することができます。また、外国軍艦、公船による侵害行為が我が国に対する外部からの武力攻撃に該当すると判断をし、我が国を防衛する必要があると認められる場合には、防衛出動により対処することとなります。
 このように、現行法においても事態に対処するために十分な武器使用権限が与えられており、御指摘のような事態に対しても支障なく対処できるものと考えております。
○和田政宗君 海上警備行動で対応できないときには防衛出動というようなことでありますと、これはその都度判断が入るということでありまして、例えば閣議を電話で行うというようなことでもありますけれども、それでも最低恐らく三十秒から一分、もっと掛かるというふうに思うわけです。その間にもう、例えば我が自衛隊の艦船がやられてしまったとか相手からの攻撃を受けたというようなことになってしまう可能性もあるというふうに思いますので、これは、我が党が提案をしております領域警備法も含めて、しっかりと自衛隊が初期の段階からつなぎ目なく対応できるような形、これを政府は検討すべきであるというふうに私は思います。
 次に、我が国防衛に密接に関係する南シナ海の状況について聞いていきます。
 近くは現実的、遠くは抑制的と言っている政党もありますけれども、これは現在の兵器の能力向上からするとナンセンスであるというふうに考えております。速度マッハ十のミサイルを中国が開発中でありまして、これは南シナ海から十数分、インド洋からも二十数分で日本に飛んでくるわけです。
 遠くだから抑制的でよいというわけではなく、遠くも対処できるようにしなければ日本は守れない状況です。特に、南シナ海は、制海権、制空権を中国に取られると大変なことになります。それは、中国が原子力潜水艦による安定した他国への攻撃能力を身に付けることになるからです。
 地図を御覧ください。東シナ海を見てみますと、水深が浅い部分ですね、白くなっておりますけれども、水深二百メートルぐらいでありまして、自衛隊や米軍が容易に探知することが可能です。一方、南シナ海は水深が二千メートルを超えておりまして、地図の部分では青くなっております。十分な深さがありますので、探知しにくくなるわけです。
 すなわち、中国がこの海域を取れば、原潜からの日本への攻撃能力やアメリカへの攻撃能力を身に付け、その力を誇示して領土拡張圧力を強めることが予想されます。だからこそ、中国は国連海洋法条約に違反してもこの海域を押さえようとするわけです。
 政府は、この南シナ海における中国の軍事的拡張行動についてどのように考えているのでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 中国は、南シナ海で埋立て中の地形について軍事利用を認めると公言をいたしております。今後、港湾、滑走路、レーダー等の軍事施設を建設をしていく可能性がございます。
 仮にこうした軍事施設が建設をされた場合に、一般論として申し上げれば、海警のほか海軍や空軍の南シナ海におけるプレゼンスを増大させる可能性があり、それが南シナ海全域における中国のA2AD、接近阻止、領域拒否、この能力の向上につながる可能性が考えられるわけでございます。
 現在、中国は、開発が進むSLBM、潜水艦発射弾道ミサイルJL2、これを搭載するためのジン級SSBN、弾道ミサイル原子力潜水艦、これの配備を進めていると見られておりますが、仮に、強化されたA2AD環境下、これらが南シナ海で運用された場合に、水深が比較的深いという特性と相まって安定的な核抑止パトロールが可能となり、その結果、中国の戦略核戦力の向上につながる可能性も考えられます。
 防衛省といたしましては、南シナ海における情勢が我が国の安全保障に与える影響を注視をしつつ、防衛省としていかなる対応を取っていくべきか、引き続き検討してまいりたいと考えております。
○和田政宗君 その南シナ海ですけれども、この南シナ海において機雷がまかれた場合、迂回ルートもあり、日本としては対処しない、機雷掃海については対処しないという政府答弁でありますけれども、中国が機雷をまくということはこの海域に潜る原子力潜水艦の安定した攻撃能力の確保を狙っているわけで、日本にとっても米国にとってもASEAN諸国にとっても、中国がこの海域を押さえれば軍事上も経済上も死活問題です。
 日本はいかなる場合も南シナ海で機雷掃海を行わないのでしょうか。世界で最も多くの機雷掃海の艦船を持ち、アジアにおいて高い機雷回収能力を持っているのは日本のみで、だからこそ、自国の平和を守る、そして、それのみならず、この地域の平和のために担わなくてはならない役割があると考えておりますが、防衛大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) これはいろんな前提があろうかと思いますが、停戦前のいかなる段階においても南シナ海で機雷掃海を行えないのかという前提でございますが、これは限られた前提条件だけで判断し得るものではなくて、また特定の国名、これを挙げた上での仮定のお尋ねでありまして、お答えをすることは差し控えるということをまず御理解いただきたいと思います。
 その上で、あえて一般論として申し上げるといたしますと、正式な停戦の合意、これがいまだなされておらず、機雷が遺棄されたものと認められない段階におきまして、自衛隊法八十四条の二に基づいて機雷等の除去を行うことはできません。
 他方、遺棄された機雷など外国による武力攻撃の一環として敷設されているものではない機雷を除去することは、敷設国に対する戦闘行為としての性質を有さないために武力行使には当たらず、自衛隊法八十四条の二に基づき実施することが可能でございます。
 こういった場合等におきまして容易に事態が認定できるものではないと考えておりますが、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、政府があらゆる情報を総合的に、客観的、合理的に判断をしてまいりたいと考えております。
○和田政宗君 加えて御質問いたしますけれども、他国領域内での機雷掃海、これはホルムズ海峡のみということでありますけれども、南シナ海においては、いわゆるそういったホルムズ海峡と同じような状況であれば機雷掃海は行わないということで、この答弁は変わらないでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ホルムズ海峡につきましては、これは言わば海外における、一般的に海外派兵は禁止されている中における、領海内におけるこれは国際法上は集団的自衛権の行使、武力の行使に当たるという例として、例外的な例として申し上げているわけでございますが、もちろん、どの場所であろうとも、日本の周辺で機雷封鎖されればこれは三要件に当てはまる可能性も出てくると。そして、ホルムズ海峡においても、ここを八割通ってくるという観点から第一要件にも当たり得るということでございます。
 そして、南シナ海について私が答弁をいたしましたのは、迂回ルート等もあるのでこれは想定をしにくいという趣旨で答弁をさせていただいております。基本は、もちろん三要件に当てはまればこれは対応していくということでございます。
○和田政宗君 ありがとうございます。
 次に、日本を攻撃するミサイルに対する防衛力についてお聞きしていきたいというふうに思いますけれども、現在、日本にある迎撃ミサイルというのは、PAC3でこれ三十六セット、そしてイージス艦が六隻ということですけれども、これ、中国が全面攻撃を仕掛けてきた場合、これは、これもナンセンスと言われるかもしれないですけれども、数百発のミサイルが日本に飛んでくるわけでございまして、とても対応できる能力ではありません。これは、最大の抑止力というのは、いざというときに相手の領土に確実に反撃できる能力を持つことであるというふうに思っております。
 例えば、日本ができることとしては、潜水艦にトマホークのような巡航ミサイルを配備するやり方があります。これは比較的安く配備することができまして、イージス艦を一隻買うお金で千発のトマホークを買えるわけです。しかも、それだけで十分な抑止力になります。迎撃ではなく抑止の観点から相手国への反撃能力として巡航ミサイルを配備することについて、政府はどのように考えるんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) まず、特定の国、また地域を対応いたしておりませんが、我が国は、弾道ミサイルの脅威に対しては、我が国自身の弾道ミサイル防衛システムを整備をするとともに、日米安保体制によります抑止力、対処力の向上に努めることによりまして適切に対応するということといたしております。
 また、我が国の弾道ミサイル防衛システムは、多目標対処、これを念頭に置いたシステムでありまして、多層防衛により、複数の弾道ミサイルが我が国に向け連射された場合にあっても対処することは可能でございまして、引き続き、防衛大綱に基づいて、即応態勢、同時対処能力、継続的に対処できる能力を強化する種々の取組を行ってまいります。
 この弾道ミサイルへの対応につきましては米国との協力は不可欠でございまして、新ガイドラインにおきましても、弾道ミサイル防衛に対して協力を行うということを確認をいたしておりまして、こうした日米協力の強化、そして我が国の弾道ミサイル防衛システムとが相まって、ミサイル脅威への抑止力、対処力を高めてまいります。
 そして、潜水艦にトマホークのようなという御質問がございましたが、我が国は、武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空へ派遣するいわゆる海外派兵、これは一般的に自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上許されないと解しております。
 このような従来からの考え方、これ、新三要件の下でも集団的自衛権を行使する場合であっても全く変わらず、新三要件から論理必然的に導かれるものでありまして、敵基地攻撃についての従来からの考え方、これにつきましても、るる御説明をいたしているとおり、装備体系を保有しておらず、また集団的自衛権の行使として敵基地を攻撃することはそもそも想定していないということでございます。
○和田政宗君 最後に、総理に聞きます。
 日本と台湾、ASEAN諸国との安全保障協力を我が国の抑止力向上のためにも推進すべきと考えますが、どうでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ASEAN諸国等との安全保障協力については、一昨年の日・ASEAN特別首脳会議、昨年の日・ASEAN防衛担当大臣ラウンドテーブル、今月の日・メコン首脳会議等、様々な機会を通じて、ASEAN諸国との間で平和安全保障分野での協力の強化について話合いを行ってまいりました。今後も基本的価値を共有するASEAN諸国との協力関係を一層強化してまいります。
 また、台湾との関係につきましては、非政府間の実務関係として維持するというのが我が国の立場であります。台湾は、基本的価値観を共有する我が国の重要なパートナーであり、大切な友人であります。どのような協力や対話を進めていくかは、我が国の基本的立場を踏まえつつ検討してまいりたいと思います。
○和田政宗君 終わります。ありがとうございます。
○水野賢一君 無所属の水野賢一です。
 冒頭、さっきの松田委員とちょっと重なりますけれども、安保法制と一口に言っていますけれども、十本の法律を改正するわけですよね、自衛隊法とかPKO法とか周辺事態法とか、ほかに新法もいっぱいあるわけですけれども。十本の法律を改正するというときに、じゃ、衆議院で採決したときに十回採決したのかというと、そうじゃなくて、十本分は改正部分はまとめて一回の採決で済ませているんですよね。なぜかといえば、これは政府が法案を束ねて出したからであって、これだと、一括して賛成なのか一括して反対なのかという意思表示しかできないわけですよ。
 しかし、普通十本も法案があれば、法律があれば、当然、この部分は理解できるけれどもこの部分は絶対容認できないとか、若しくはここは情報をしっかり開示してもらわなきゃ判断ができないとか、やっぱり当然そういうことがあり得るんだろうけれども、それを全部一くくりにして採決というのは僕は乱暴だと思いますし、これは審議するときだって丁寧な審議にならないと思うんですね。
 総理はよく、まあ総理に限らず、世の中一般で議論が深まっていないという声があるんだけれども、その背景には、その一因には政府がこうやって束ねて法案を出してきたというこの乱暴なやり方もあるんじゃないかというふうに思いますけれども、そうした反省は、総理、ございますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回、十本の法律、既存の法律について改正を行うとしておりますが、十本の改正法の目的は、いずれも我が国の平和と安全の確保及び国際社会の平和と安全の確保という点に集約されていることは明確であります。
 また、法律案の条項は相互に関連をして一つの体系を形作っているわけでありまして、例えば存立危機事態の新設は自衛隊法、事態対処法、そして米軍行動関連措置法等の改正を伴うことから、ばらばらに改正したのでは個々の法案の相互関係がかえって分かりにくくなってしまうということであります。
 そしてまた、今回我々が進めている国際協調主義の下における積極的平和主義において、しっかりと我が国の平和と安全を守り、地域や国際社会に貢献をし、より安全で平和な世界を維持をしていくというこの一つの大きな体系の中におきまして法律を一団で分かりやすく出しているわけでありまして、その上において改正の適否を総合的に判断をしていただくことが適当と、こう判断をしたところでございます。
○水野賢一君 だから、総合的にしか判断できないから、全体をパッケージにして、だから、おかしいから個別にしっかり審議していきましょうというふうに申し上げているんですが。
 さて、法案の内容に入りますけれども、集団的自衛権の限定容認に関してですが、我が国と密接な関係にある他国が武力攻撃を受けた場合、そこから要請があって、かつ、もちろん新三要件は満たした場合、そういうときに武力行使があり得るというわけですが、この要請が必要ということは法律には明記していない。
 では、なぜかというと、国際法上当然のことだから改めて書くまでもなかったというわけなんですが、じゃ、伺いますけれども、最初はその国から日本に対して要請があったと、そして日本も武力行使の三要件に照らして集団的自衛権を行使しました、しかしその後になって要請がなくなったような場合、例えば武力行使はもうこの辺まででいいですよとかというふうに要請国が言ってきた場合というのは、自衛隊はあれですか、自動的に撤収するんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそも、国際法上要請がなければ、これは集団的自衛権の行使は行えないわけでございます。そして、同時に、要請が行われて我々が集団的自衛権の行使を行うのは新三要件に合致をするということでありまして、これは我が国の存立が脅かされている、そして生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆されるという中において行うわけでございまして、そこで途中で要請が、ここでやめてくださいということは、現実的には極めてこれは想定し得ないのではないかと、こう思うわけでございます。
 しかし、いずれにいたしましても、これは国際法上我々は違法なことはしないというのが大前提でございまして、当然、国際法上違法な状況になれば、それは直ちに行使をやめるということになるわけでありまして、常にそれは国際法にかなっているかどうかということにおいて判断をしていくということになるんだろうと、このように考えております。
○水野賢一君 ですから、それは、確かにその要請してきた国が翌日やめてくださいとは言わないでしょう。だけれども、これ例えば一か月とか二か月とかというスパンの中では、これはここまで作戦目的をいろいろ達成したんだからもう武力の行使の段階は終わりましたねということを言ってくるということは十分あり得るわけで、そういうときはあれですか、今総理の答弁、確認ですけれども、要請がなくなったんだから、日本としてはもう自衛隊は撤収して防衛出動は撤回すると、そういう理解でよろしいですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、存立危機事態においては、言わばこの存立危機事態を生起している攻撃を排除していくということでございますから、言わば一般のこれ集団的自衛権の行使とは違って、A国がB国に攻撃をしていると、そして、そのA国に対してこれは壊滅的な打撃を与えるために攻撃されたB国と共同してここを攻撃するということではなくて、まさに三要件に関わる攻撃がこのB国に攻撃をしている関連において行われたということでございまして、例えば近隣諸国においてA国が米国を攻撃をしたという中において、そしてそのA国がミサイル能力を持っていて、このミサイル能力から日本を守るために展開をしている米国の艦艇をこれは守るということについては、これは言わば三要件を満たすという中におきまして、存立危機事態における言わば武力攻撃を排除するために攻撃をするということを我々は行っていこうということでございまして、そこがまさに私どもが認めている、一部容認した集団的自衛権の行使の本質ということになるわけでございますが、その上において、今申し上げましたように、いずれにいたしましても国際法に我々は反することはしないということでございます。
○水野賢一君 総理は、私が聞いたのは、要請がなくなったら撤収するんですか、防衛出動は撤回するんですかということを聞いているんだけれども、ちょっと違う話をずっとされるのでよく分からないんだけれども。
 あれですか、国際法には反さないとおっしゃっていますよね。国際法に反さないというのは、じゃ、要請国がもうここらでやめましょうと言ったときに、その後も武力行使をするというのは国際法違反だというふうにお考えですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 国際法上、集団的自衛権の要件としましては、武力行使を受けた国からの要請又は同意、そして必要性、そして均衡性、こうしたものが挙げられています。この要件を満たさなければ、これは国際法上問題が生じてしまいます。我が国は、この国際法をしっかり守らなければならないと考えます。
○水野賢一君 これもしっかりと今後も議論しますけれども、これだけやっているとこれだけで問題が終わっちゃうので。
 これ総理に伺いますけれども、存立危機事態のようなことが起きても、要請がなければ日本としては武力行使には出かけないわけですよね。それは分かるんだけれども、ただ、その場合でも、日本にとっては存立危機の事態なわけですから、これ、そういうときは防衛省設置法に規定されている調査研究とかを理由にして、現地、つまり海外とかに自衛隊が派遣されることはあるのかということをお伺いしたいんですが。
 何でそれを聞くかというと、同時多発テロの後にテロ特措法に基づいてインド洋に対して自衛艦が、海上自衛隊が派遣されたんですが、このときも、法律にのっとって派遣される前に、中谷防衛庁長官の時代ですよ、そのときに、調査研究を名目に、法律にのっとる前ですよ、テロ特措法に、インド洋に護衛艦と補給艦を派遣したことがあるので。こういうようなこと、ただ、これ無原則にやると、どこにでもあらゆるときに派遣できちゃうようなことになりますけれども、これは存立危機事態のときはどうなんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) これは、防衛省設置法の第四条十八号、所掌事務の遂行に必要な調査研究を行うことが可能ということで、例えば国連のPKO派遣の検討の根拠として調査チームの派遣、出張を行うことが可能ではありますが、あくまで所掌事務の遂行に必要な範囲に限られるということから、防衛省の所掌事務に該当しない事項に関する調査研究を行うことはできません。
 確かに、あの九・一一の後、テロ特が成立をいたしまして、その際、活動を円滑に実施するために必要な情報収集をするために私が海上自衛隊に対して命令を発しましたが、これは、当該の情報収集活動は、テロ対策特措法、これの成立の後でありまして、この成立によって同法に基づく協力支援活動等の実施が防衛省の所掌事務になったことにより実施可能になったものでありまして、成立の前には実施することはできなかったということでございます。
 存立事態等につきましては、法律の成立後ということになろうかと思います。
○水野賢一君 いや、だから、法律が成立して、存立危機事態のような状況であったって、海外から、外国から、重要で密接な関係のある外国から要請がなければ自衛隊は少なくとも武力行使には行けないわけですよね。そういうときに、調査研究の目的で、調査研究ということで実際その現地の方に行くということはあり得るんですか、日本にとっては存立危機事態なんだからというのは。そこはどうですか。
○国務大臣(中谷元君) 例えば、国連のPKOの派遣検討のために同号を根拠として調査チームによる現地出張を行うということは可能でございますので、あくまでも防衛省の所掌事務の遂行に必要な調査研究であるかどうかということが判断になろうかと思います。
○水野賢一君 じゃ、この調査研究で自衛隊を海外に派遣するときというのは、これは誰が派遣するんですか。前回のインド洋派遣のときは中谷長官の名前で派遣の命令をしたんでしょうけれども、これはルールは決まっているんですか。
○国務大臣(中谷元君) 前回は、内閣総理大臣が発表された同時多発テロへの我が国の措置において情報収集のための艦艇を派遣するとされたことを受けまして、この設置法に基づく派遣を報告をし、そして大臣として了承されたということで、自衛艦隊司令に命令を発したということでございます。
 命令権者につきましては、これは防衛省設置法に基づくわけでありますので、あくまでも防衛大臣ではないかと思っております。
○水野賢一君 いや、つまり、調査研究名目で自衛隊を派遣するということになれば、幾らでも拡大解釈ができるし、実は国会の承認もなければ内閣総理大臣の承認もなく、どこでも行けるんじゃないかという、そういうような危惧、懸念を持つわけですけれども、これ、ルールとか歯止めとか、そういうことはお考えになりませんか。
○国務大臣(中谷元君) これによりまして現在も情報収集、警戒監視活動、これは実施をいたしておりますが、この活動は所掌事務の遂行に必要な範囲において行われると、また、国民の権利及び義務に関わらない行為であって、実力の行使を伴うようなものではございません。
 この情報収集、警戒監視を含めまして、自衛隊による全ての活動は国際法及び憲法を含む我が国の国内法令に従って行われると。このため、他国による武力攻撃が発生しているような状況下で、我が国が自ら武力紛争に巻き込まれるような行為は許されないということでございますので、今後とも、国際法及び憲法を含む我が国の国内法令等に従い、節度ある情報収集、警戒監視等を行ってまいるということでございます。
○水野賢一君 その節度ある情報収集というのはよく分からないですけれども。
 集団的自衛権について伺いますけれども、法案を読むと、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、」となっていますが、先日、私は質問主意書で、この他国というのは国交がない国も含むのかと聞いたら、答弁書では、「我が国が外交関係を有していない国も含まれ得る」という答弁書が返ってきたんですね。普通に考えて、密接な関係なら外交関係はあるんだろうというふうに思うんですけれども、多分、それは外交関係はなくても経済関係が密接な場合もあるとかとおっしゃるのかもしれませんが、この答弁書で明確に答えていないことがあるんですね。
 私はこの主意書で台湾も含まれるのかと明確に聞いているんですが、答弁書は、「意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。」という答えだったんですね。意味するところは明らかなんですよ。
 改めて聞きます。他国には台湾は含まれるんですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国と密接な関係にある他国につきましては、従来から米国はこれに該当する可能性は高いと考えておりますが、それ以外の国につきましては、該当する可能性、相当限定されると考えております。
 そして、その上で申し上げるならば、これは一般に、外部からの武力攻撃に対し、共通の危険として対処しようという共通の関心を持ち、我が国と共同して対処しようとする意思を有する国を指す、このように考えております。
 これは武力攻撃が発生した時点で個別具体的に判断するわけでありますが、あらかじめ、どの国が当たる、ここは該当する、ここは該当しない、こういったことは示しておくものではありません。これは武力攻撃が発生した段階で個別具体的に考えることであり、事前に、ここは該当する、ここは該当しない、公の場で申し上げるのは適切ではないと考えております。
○水野賢一君 いや、総理は、先日の衆議院での答弁で、北朝鮮以外は該当し得るという趣旨のことをおっしゃっているんじゃないですか。北朝鮮以外というときに、北朝鮮はとんでもない国だからということなのかもしれないけれども、台湾が入るのかどうか。
 これ、今の岸田大臣の答弁で、要するに、実際に台湾海峡で何かが起きたときにこれが該当するのかどうかというのは、それはそのときのいろんな個別具体的な事情があるだろうから、当てはまるかどうか今のうちには言えないだろうけど、今聞いているのは法律上の話なんですよ。総理、今聞いているのは法律上の話なんです。法律で言っている他国には台湾は含まれているのかということです。総理に聞いているんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) さきの委員会でお答えをしたのは、私が北朝鮮以外は含まれると言ったのではございません。これは、北朝鮮が我が国と密接な関係になることは全く考えられないと答弁したわけでありまして、北朝鮮以外があるというふうに答えたわけではないわけでありまして、質問に対してそうお答えをしたところでございますが、我が国と密接な関係にある他国について、米国以外の外国がこれに該当する可能性は相当限定されるということでございます。これは一貫して申し上げているとおりでございまして、それ以上においては、まさにその段階で総合的に判断をしなければならないと、このように考えております。
○水野賢一君 じゃ、伺いますけれども、今審議している法案の中の重要影響事態法案では、後方支援、給油とかの後方支援については米軍以外にも実施することがあり得るわけですよね。合衆国軍隊等という言葉を使っています。米国以外の外国の軍隊と言っていますが、この後方支援、米軍以外と言うときは、じゃ、これは、このときの等には台湾は含まれるんですか。
○国務大臣(岸田文雄君) これは先ほど存立危機事態のときに申し上げましたが、存立危機事態のときには武力攻撃が発生した時点で個別具体的に判断するということになります。
 御指摘の件につきましても、これは個別具体的に判断するものであると考えます。
○水野賢一君 だから、それはその場その場で、実際に支援するかどうかはいろんなそのときの事情があるのは分かりますよ。法律の議論を聞いているんです、法律上は含まれるのかということです。
○国務大臣(岸田文雄君) 先ほども答弁させていただきましたが、これは法律として、これは具体的には個別具体的に判断するとしております。よって、こうした、事前に公の場において、ここは入ります、ここは入りません、これを明らかにすることは適当でないと先ほども申し上げさせていただいております。
 御指摘の点においても同じだと考えます。
○水野賢一君 要は、今の議論の中でも全く煮詰まっていないということが明らかだと思いますけど。
 ちょっと話進めますけど、この法改正が成立すれば、集団的自衛権以外にもPKOとか邦人救出とかで自衛隊の海外での活動はより広がっていくと予想されますが、ですから、私は、今回、自衛隊法に国外犯の処罰規定を設けたということは一定の評価をしています。自衛隊員だって犯罪を犯す可能性はあるわけですし、海外で犯罪を起こす可能性だってあるわけですから、この国外犯処罰規定には一定の理解はしますが、この自衛隊法改正案の中に入っているものには決定的に重要なものが抜けているんですね、決定的に重要なもの。
 自衛隊法百十八条一項四号に武器の不当使用についての罰則があるんですね、武器の不当使用。だから、国内で自衛隊が武器を不当に使用すれば当然罰則がある。ところが、せっかく国外犯の処罰規定を設ける中で、海外で武器を不当に使用したときの罰則はすっぽり抜けているわけですよね。
 これ、じゃ、海外で、今、例えばこういうときにしか、正当防衛や緊急避難のときにしか武器は使っちゃいけないとかと書いてあるけど、勝手に使った場合、これ罰則ないんですよ、国外犯の処罰ないんだから。何でこれ抜いたんですか。
○国務大臣(中谷元君) 不当の武器使用でございますが、本号の法定刑は一年以下の懲役又は三万円以下の罰金であり、刑法上の国外犯処罰規定が事実上三年以上の懲役を伴う罪とされていることとの均衡を考慮いたしまして、国外犯処罰規定を設けていないということでございます。
○水野賢一君 それじゃ、PKOでもどこでも、邦人救出のときでも、武器の使い方を法律に書いてある使い方と全然違う使い方しても、国内でやったってそれは一年以下というその感覚が間違っているんだけれども、こんな感覚が、国外でやったときは法律上何の罰則もないということでいいんですね。
○国務大臣(中谷元君) 自衛官による武器使用に当たっては、いついかなる活動を行う場合であっても、法令に基づいた適正な武器使用が求められ、かつ極めて厳正な注意義務が求められております。また、派遣に際して、法令に基づいた適切な武器使用が行われるよう徹底した訓練、これを行っており、自衛官が海外で違法な武器使用を行うということは一般的に想定はされません。自衛官が派遣先で犯罪を犯した場合に、我が国と派遣先国のどちらが裁判管轄権を持つかにつきましては、派遣先国との間の地位協定等の内容いかんによることになります。
 その上で、あくまでも一般論として申し上げれば、故意により人を死亡させた場合には殺人罪が成立することが考えられますが、殺人罪には刑法に国外犯処罰規定が設けられているため、刑法を適用して処罰をする場合がございます。
 その使用につきましては、自衛隊法百十八条第一項の四号で、武器の不正使用につきましては国外犯処罰規定がないために、国外で行われた行為については罰則の適用がございません。本号につきましては、法定刑は一年以下の懲役又は三万円以下の罰金ということで、刑法上の国外犯処罰規定が事実上三年以上の懲役を伴う罪とされていることと均衡を考慮いたしまして国外犯処罰規定を設けないといたしておりまして、これはこれで適切であると考えております。
○水野賢一君 これ、大臣、一番肝腎なことじゃないですか。大臣、何か僕は勘違いしているんじゃないかと思いますけれども。国外犯処罰規定というのは、今度新設されたのを見ると、海外で自衛隊員がストライキをしたりとかサボタージュをしたりとかしたときに処罰する、それはまあ、それも必要でしょう。必要だろうけど、この問題の本質というのは、海外で自衛隊が勝手に部隊を動かしたり、若しくは勝手に武器を使用したら思わぬ戦争とかに発展しちゃうじゃないかという、満州事変みたいな形のことが、中央が全然把握していないのに勝手に鉄道を爆破したりとかしたら大変なことになるでしょうと。そういうことのときに、ここに武器使用を海外で、いや、ここは重要だから、危害射撃のときには正当防衛とか緊急避難とかいろいろと制約が掛かっているわけでしょう。
 総理、勝手に武器を使用しても何の罪に問われないというのは、これ、いいんですか。どういうことなんですか。中谷大臣はさっき、法令に従ってやっていくんですと。じゃ、法令に従わない人がいたときにどうするんだって聞いているんですから。総理、どうですか。
○国務大臣(中谷元君) 前回も委員から御指摘をいただきまして改正をさせていただきましたが、本日更に委員からも御指摘をいただきました点、また自衛隊法の罰則の在り方等につきましては、今般の法制とは別途不断の検討を行っていくべきものと考えております。
○水野賢一君 いや、今の発言は、大臣もこの法律にはこのままじゃ不備があると、だから別途出し直さなきゃいかぬのだという、そういう答弁でしょう。それだったら、欠陥があるというんだったら、これ以上審議できないですよ。これ以上の審議できないから、これは出し直しを私は要求します。
○国務大臣(中谷元君) 前回、委員から御指摘いただきました点で我々は検討いたしまして、法律に盛り込みをさせていただきました。今回におきましては、今回の改正におきましては、その点は盛り込みましたが、今後、この法案とは別途、非常に不断の検討を行っていきたいと思っております。(発言する者あり)
○委員長(鴻池祥肇君) 速記止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を起こしてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど中谷大臣から答弁させていただいたとおりでありまして、これ、本号の法定刑は一年以下の懲役又は三万円以下の罰金でございまして、刑法上の国外犯処罰規定が事実上三年以上の懲役を伴う罪とされているということとの均衡、先ほど申し上げたとおりでございまして、均衡を考慮しまして国外犯処罰規定を設けていないわけでございまして、その均衡において今回の法制はこうした形にさせていただいたということでございます。
 それとはまた別途、別途検討というのは、言わば国内犯においてこれはどのような規定を設けていくかということについてでございますが、そもそも現行の自衛隊法の罰則については、他の国家公務員との均衡などの観点から、最高刑は七年以下の懲役又は禁錮とされております。
 自衛隊は、志願制度の下、個別の隊員の強い責任感に基づいて厳正な規律を維持することが基本であり、専ら罰則をもってこれを維持するとの考え方には立っていないということでございまして、いずれにいたしましても、自衛隊法の罰則の在り方については、今回の法制というのは海外における海外犯との均衡を考えて出しているわけでございますから全く問題のないところでございますが、それとはまた別途、常に不断の検討を行っていくべきものであるということを大臣は答弁したところでございます。
○水野賢一君 私は総理の答弁に全く納得できないですね。
 一般の公務員との均衡という話を言っていましたが、そもそもこれは自衛隊員の特性として、武器を持つという特別な特性を持っているわけですよね。だからこそ武器の不当使用に対しては厳しい罰則が必要なわけです。だから、それを今まで一年以下の刑にしていたということ自体がはっきり言って甘過ぎるんです。はっきり言って甘過ぎるんだけれども、しかし、そこが甘いから、一年以下の刑だからこれ国外犯作らなくていいなんというのは本末転倒の議論であって、大体、一発の銃声から泥沼の戦争になっていくことだってたくさんあるわけですよ。
 例えば盧溝橋事件だとか、これは日本が発砲したのか中国側か、若しくは国民党なのか中国共産党なのか、いろんな議論はあります。ありますし、これ、故意なのか偶発なのか、いろんな議論はありますが、いずれにせよ一発の銃声によって泥沼の戦争になっていくということはあるわけだから、だから武器の使用ということに対しては、特に海外での武器の使用に対しては厳しい視点というのが必要なわけであって、それを、じゃ、中谷大臣、今、安倍総理も別途というふうに言いましたけれども、これで自衛隊員が海外で武器を勝手な形で使ったときには、しかも、今後、救出とかいろんなことで武器の使用が増えることがあるわけですよ。非常に論争を呼ぶようなことがあるわけですよ。
 そういうときに、これで別途、じゃ総理、どういう方向で出すんですか。どういう方向で出すんですか。今の法律は甘いということですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私が申し上げていることは、今回、言わば国外においてどういうこれは量刑にしていくかということについて均衡を図った中において、国内と国外の均衡を図るということにおいて今回はこの法律の中に付け加えなかったところでございますが、それとはまた別途、自衛隊法の中においてどうすべきかということについて議論をしていくという意味で申し上げているわけでございます。国内法においては言わば不断の検討を行っていくということは、それはもう様々な制度においては当然そうであるという観点から申し上げているわけでございます。
○水野賢一君 だから、不備があるわけでしょう。
 つまり、これ自衛隊法を別途直さなきゃいけないといったって、この法律で百何時間も衆議院で取って、しかも十本もの法律を議論している。この場にそんな重要なことが出ていないで、それで、これ法律が通ったら自衛隊がどんどんどんどん海外に派遣されることが増えるわけだから、別途という間に、その間にいろんな問題が起きることだってあり得るわけでしょう、自衛隊が勝手に武器を使用するような。
 だから、別途検討するぐらい、総理自身も、大臣も総理もこれは問題だと言っている以上、出し直しを改めて要求して、私はこれ以上質問はできないということを申し上げます。
○委員長(鴻池祥肇君) 答弁は要りますか。
 安倍内閣総理大臣。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、言わば、水野委員は私が問題があるというふうに発言したというふうにおっしゃっていますが、私は問題があるという発言をしたわけではございません。言わば、今回、国内法との関係におきまして、この本号の法定刑は一年以下の懲役又は三万円以下の罰金であり、そして、刑法上の国外犯処罰規定が事実上三年以上の懲役を伴う罪とされていることとの均衡を考慮して国外犯処罰規定を設けていないと、こういうことでございます。
 そこで、水野委員は、それではそもそもの国内犯の規定が軽過ぎるのではないかという御指摘があったわけでございますが、しかし、それにつきましては、それを変えるということを私は申し上げているわけではなくて、そもそも様々な法律について、体制については、自衛隊法の罰則の在り方については今回の法制とは別途不断の検討を行っていくべきものと考えていると、このように申し上げているわけでありまして、この法制そのものが問題であるということは私は一言も申し上げていないということでございます。
○委員長(鴻池祥肇君) 水野君。(発言する者あり)
 速記止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を起こしてください。
 ちょうど最初の約束の質疑時間が来ております。たまたま、水野委員からは、これ以上質疑できないという状況になっておることは御高承のとおりでありますけれども、ここで委員長が内閣側に申し上げたいわけでございますが、なお、この件につきましては一層議論が深まっていくと思いますので、内閣の方、総理始め防衛大臣も、この答弁につきましてはもう一度検討していただきまして、水野議員につきましては、明日以降について、再度、党の質問時間内で再び質問をしていただくと、こういうことにしたいと思いますが、いかがでございましょう。よろしゅうございますか。よろしゅうございますか。
 それでは、質問者、替わってください。
 水野君。
○水野賢一君 今の委員長の裁定というか裁きに従わさせていただきますけれども、私としては、海外の自衛隊が勝手に発砲しようと、命令以外の武器を使用と、罰則も何もないというようなこの欠陥法案については、断固反対すると同時に、出し直しを要求するということで、委員長の指示に従いたいというふうに思います。
 終わります。
○吉田忠智君 社会民主党の吉田忠智でございます。
 我が党は衆議院で一回も質問できないまま、強行採決をされました。今日が今回の法案の初めての質問でございます。まず、基本的な考えを申し上げたいと思います。
 十一本の安全法制は、集団的自衛権の行使容認、武力行使と一体である後方支援、ロジスティックサポートの非戦闘現場への拡大、国連が統括しない活動への自衛隊派遣など、明確に憲法九条違反であります。
 社民党は、専守防衛に徹し、自衛のための必要最小限度の実力組織である自衛隊は憲法の認めるものであるとする自衛隊合憲論に立っています。一方で、アフガニスタン、イラクなどへの海外派遣は、個別的自衛権の担い手たる自衛隊の権限を超える違憲状態であり、戦争への道を開くものとして厳しく批判してまいりました。こうした我が党の懸念が現実化したものが今般の戦争法案、十一法案だと考えています。
 我が党は、昨年亡くなった土井たか子名誉党首がまとめた二十一世紀の平和構想、いわゆる土井ドクトリンにおいて、平和憲法の理念を基本に、戦後七十年、一人の命も奪ったことのない非戦のブランドを生かし、戦争やテロの原因である貧困や社会的不公正などの解消に貢献する人間の安全保障こそ実践すべき安全保障政策だと考えます。
 まず、中谷大臣に質問いたします。
 この戦争法案の理念は、米国の世界的な軍事戦略に、より積極的に奉仕、貢献していく見返りに、今まで以上に米国に抑止力を行使してもらおうと期待するものではありませんか。
○国務大臣(中谷元君) これは、あくまでも我が国の防衛、安全保障、これをしっかりしたものにするために、あらゆる事態に切れ目のない対応ができますように、私も防衛大臣をいたしておりますが、法律の整備がなければ自衛隊は活動できないわけでございまして、現在の安全保障環境に鑑みまして、不備なところ、また隙のあるところ、こういうことを補完をするということで、安全保障の法制、これを見直すために実施をするものでございます。
○吉田忠智君 ショー・ザ・フラッグ、ブーツ・オン・ザ・グラウンド、次々と要求を突き付けられ、テロ特措法、イラク特措法と、米国の対テロ戦争にお付き合いをしてきたわけでありますけれども、今日も議論がありましたけれども、結果として憎悪と報復の連鎖を招いただけであります。米国の抑止力偏重の安全保障政策の結果が、中東の泥沼であり、ISILの台頭ではありませんか。
 次に、法制局長官に伺います。
 従来、他国に対する武力攻撃の阻止を内容とする集団的自衛権の行使は憲法上許されないとされてきたものを、なぜ集団的自衛権の行使容認に踏み切れたのでしょうか。
 歴代の内閣法制局長官経験者に衆議院の特別委員会の質疑の場で、例えば宮崎さんは、黒を白と言いくるめる主張だ、また阪田さんは、従来の憲法解釈の枠内から外れると批判されています。
 歴代長官経験者が国会で議論されている法案について憲法違反と公式の場で述べるというのは、私は前例のない異常な状況ではないか、そのように思っておりますが、横畠長官は、その根拠も含めてどう考えておられますか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 新三要件の下での限定された集団的自衛権の行使は、あくまでも我が国の存立を全うし、国民を守るため、すなわち我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置として、一部限定された場合において他国に対する武力攻撃が発生した場合を契機とする武力の行使を認めるにとどまるものでございます。すなわち、国際法上は集団的自衛権の行使として認められる他国を防衛するための武力の行使それ自体を認めるものではないということでございます。その意味で、国際法上の集団的自衛権の行使一般を認めることは憲法に抵触するという考えは変わっておりません。
 このように、新三要件の下での限定された集団的自衛権の行使が憲法に適合すると言える理由につきましては、昭和四十七年の政府見解を引用して、これに基づいて説明させていただいております。この昭和四十七年の政府見解は、その文言からすると国際関係において一切の実力の行使を禁じているかのように見える憲法第九条の下でも、例外的に自衛のための武力の行使が許される場合があるということ、それがどのような理由によるのか、また具体的にどのような状況がそれに当たるのかということを整理して述べているものでございます。
 すなわち、第一に、憲法の前文、第十三条に照らしても、憲法第九条が自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じているとは到底解されないと述べており、これは昭和三十四年の砂川判決の最高裁大法廷判決の、我が国が自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置をとり得ることは、国家固有の権能の行使として当然のことであると言わなければならないという判示と軌を一にする考え方でございます。
 第二に、しかしながら、だからといって、平和主義をその基本原則とする憲法が、右に言う自衛のための措置を無制限に認めているとは解されないのであって、それは、あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置として初めて許容されるものであるから、その措置は、右の事態を排除するためとられるべき必要最小限度の範囲にとどまるべきものであるとして、このような極限的な場合に限って例外的に自衛のための武力の行使が許されるという考え方を述べております。
 この第一及び第二の部分が、憲法第九条の下でなぜ例外的に武力の行使が許されるのかという理由、根拠を述べた部分であり、その意味で基本的な論理と述べております。
 新三要件は、この昭和四十七年の政府見解の基本的な論理を維持し、この考え方を前提として、安全保障環境の変化の状況を踏まえて慎重に検討し、これに当てはまる極限的な場合として、我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限られるとしてきたこれまでの認識を改め、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合もこれに当てはまるとしたものであります。その結果として、昭和四十七年の政府見解の第三の結論の部分が一部変更されるということであります。
 もとより、他国防衛の権利として観念されるいわゆる集団的自衛権一般の行使を認めるわけではないので、もとより結論が真逆になったということでもございません。要するに、これまで憲法第九条の下でも、外国の武力攻撃という軍事力を用いた急迫不正な侵害行為によって国民が犠牲になるという極限的な場合には自衛のための武力の行使ができる、ゆえに、そのための自衛隊も合憲であるというその理由と同じ理由で、新三要件の下での限定された集団的自衛権の行使も合憲であると言えると考えているところでございます。
○吉田忠智君 これからは簡潔に答弁してください。
 一応、正式に法制局長官の見解を聞きました。
 いずれにしても、曖昧な根拠で憲法解釈の変更を行うということは、別の政権が何らかの理由で憲法解釈の変更を行うことを許すわけでありまして、立憲主義を否定して法的安定性を損なうことになると、そのように考えます。
 長官、歴代長官が守ってきた憲法解釈の一貫性、整合性を破壊したことの責任をどう考えておられますか。これは簡潔に答えてください。
○委員長(鴻池祥肇君) 内閣法制局長官、簡潔明瞭にお願いをいたします。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 安全保障環境の変化ということを前提として検討したということでございます。
○吉田忠智君 安全保障環境の変化と言えば、政権が替わって、いかようにも憲法解釈を変えられることになるんじゃありませんか。
 そして、日本の裁判所は、具体的な事件が起こるまで違憲審査を行わないという付随的違憲審査制を取っています。自衛隊員や国民に犠牲者が出て初めて戦争法制の合憲性が判断されます。それでは取り返しが付かないから、内閣法制局が法の番人、憲法の番人として監視してきたんじゃないんですかね、法制局長官。
 今長官は、大変失礼な言い方になるかも分かりませんが、安倍政権の番犬じゃありませんか。それを進んで受け入れていると言わざるを得ません。あなたが本来の職責を果たさなかったために生じる戦争犠牲者にどのような責任を取るのか、その覚悟はおありですか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 今回の法案、これが成立することによって戦争をするということではないと考えております。あくまでも我が国と国民、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合に、やむなく自衛のための武力の行使をすることが許されると、そういう規定でございますので、これはこのような武力の行使を憲法第九条が禁じているとは解されないということでございます。
○吉田忠智君 またそれは今後、法制局長官と議論をしっかりさせていただきます。
 次に、中谷大臣に質問します。
 大臣は、第二次安倍政権以前、例えば二〇一三年八月の対談で、これは衆議院でも議論になりましたけれども、政治家として解釈のテクニックでだましたくない、自分が閣僚として集団的自衛権は行使できないと言った以上は、本当はできるとは言えません、そこは条文を変えないと、と発言するなど、憲法を改正して集団的自衛権を行使できるようにすべきと訴えてこられました。その目標そのものは賛同しかねますが、政治手法としては極めて真っ当な主張であったと思います。
 それが今回、集団的自衛権の行使容認は憲法改正を経ないでも憲法解釈の変更で足りるというのは、余りにも便宜的で、法的安定性をないがしろにするものではありませんか。政治家としての矜持をやっぱり私は失っているんじゃないか、そのように思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) 私の見解につきましては、十年前、御指摘のような考えを示していたというのは事実でございますが、これはフルセットというかフルスペックの集団的自衛権について考えていたことでございます。
 しかし、この十年、我が国を取り巻く安全保障環境、非常に変化をいたしております。そして、この状況で与党として、政府としていかにするのか、一年前でございますが、政府・与党の中でこういった安全保障に対して緻密な議論と考察を経て慎重に検討をした結果、あくまでも、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福の追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態に限って限定的な集団的自衛権の行使を容認できるという結論に至りました。
 これ、私自身も真剣に、今の憲法、国の存立のために必要最小限度の自衛権、これはいかなるところまで容認されるのか、これを考えた結果でございまして、我が国を取り巻く環境、そして憲法の解釈と論理的整合性、法的安定性、これを私なりに真剣に考察をして納得をしているわけでございます。そして、四十七年の政府見解における憲法九条の解釈の基本的な論理、これはしっかりと維持された考察の結果でございまして、この従来の憲法解釈の基本的な論理を引き継いで、この国の安全保障、防衛をしっかりするために、閣議決定に従って法案を作り、そしてお願いをしているというところでございます。
○吉田忠智君 この質問をするに際してちょっと資料を調べておりましたら、中谷大臣が平成十六年、二〇〇四年の二月五日、憲法調査会で出した資料で、その冒頭に、憲法九条の意義ということでこのようにレジュメで書かれているんですよね。
 第九条は、二十世紀後半の五十年間、戦後の復興から高度成長の時期に日本のためによく機能し、歴史的役割を果たした優れたもの。憲法九条の果たしてきた機能、一番、敗戦後、日本がアジアの国々に国際的に受け入れられる現実的条件であった、二番、軍事力の増強、防衛予算の増額を求める米国を抑え、軽武装、経済成長政策の柱であった、三番、国家利益の追求の手段として、経済利益追求はしても武力に訴えないこと、武器を輸出して死の商人にならないことなどを遵守し、平和を希求する道義的国家であり得た。
 私はすばらしいなと思って感動いたしました、これを見て。そういう中谷大臣が、今、この憲法違反と言われる法案の中心になって防衛大臣として仕事をしておられる、まあ心中はどうか分かりませんけれども、その点を大変残念に思っています。
 次に、存立危機事態について法制局長官に二点確認したいと思います。
 まず、経済的な影響のみで存立危機事態を設定できるのか。二点目は、現在米国がサイバー攻撃に対して有形力による対応、すなわち、米軍がサイバー攻撃の拠点をたたくことを戦略としておりますが、仮にサイバー攻撃を受けた米国から要請があれば、集団的自衛権の行使として存立危機事態を認定して自衛隊を出すことがあり得るのか、お聞きします。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) まず、経済的影響のみというお尋ねの点、若干特定されていませんので、一般論としてお答えさせていただきます。
 存立危機事態とは、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態であり、他国に対する武力攻撃が発生した場合において、そのままでは、すなわち、その状況の下、武力を用いた対処をしなければ、国民に我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況であるということをいっているものと解しております。まさに外国の武力攻撃という、武力、軍事力を用いた急迫不正な侵害行為によって国民が犠牲になるという極限的な場合を表しているものでございます。
 この要件に該当するかについては、実際に生起した具体的な状況に即して、主に攻撃国の意思、能力、事態の発生場所、その規模、態様、推移などの要素を総合的に考慮し、我が国に戦禍が及ぶ蓋然性、国民が被ることとなる犠牲の深刻性、重大性などから客観的、合理的に判断することとなるわけでございますが、いわゆるホルムズ海峡において武力攻撃に当たる機雷の敷設によってこれが封鎖された場合を考えますと、それは単なる経済的影響にとどまらず、生活物資の不足や電力不足によるライフラインの途絶が起き、これにより国民生活に死活的な影響、すなわち国民の生死に関わるような深刻、重大な影響が生じる可能性もあるわけでございまして、この点を総合的に評価して、状況によっては存立危機事態に該当する場合もあると考えられます。単なる経済的な影響のみで存立危機事態を認定するということではないと考えております。
 もう一つ、米国へのサイバー攻撃のお尋ねがございました。
 一般論として申し上げれば、いわゆるサイバー攻撃が武力攻撃の一環として行われるということは考えられるわけでございますが、それが他国に対して行われる場合において、そのサイバー攻撃と存立危機事態との関係についてはなかなか一概には申し上げられない、個別の状況に応じて判断すべきものであるというふうに考えております。
○吉田忠智君 いずれにしても、曖昧で、そのときの政権が恣意的に判断をできるという点が、衆議院でも議論されておりましたけれども、極めて明らかであります。
 次に、中谷大臣に、重要影響事態法案と国際平和支援法案で、非戦闘地域から非戦闘現場、より現場へ、戦場へ近い地域へと自衛隊の活動領域が拡大されるわけでありますけれども、自衛隊の戦死リスクが高まるとの批判に対して、政府は、自衛隊が現実に活動を行う期間について戦闘行為が発生しないと見込まれる場所を実施区域に指定する、これは何度も答弁をされておられますね、中谷大臣。
 なぜこれを、先ほども議論がありましたけれども、法文に明記しないのか、この点は修正して入れるべきじゃありませんか。
○国務大臣(中谷元君) 先ほど法案の条文を朗読をいたしまして、七条の三に、後方支援活動を行うに際して、防衛大臣は、部隊による活動が円滑かつ安全に実施することができるよう実施区域を指定すると規定をしております。
 これは、法律上、防衛大臣に安全に活動できる場所を指定することを義務付けているものでありまして、部隊等が円滑かつ安全に活動できるという要件は非常に重いものでございます。今現在戦闘行為が行われていないというだけではなくて、部隊等が現実に活動を終えるまでの間、戦闘行為が発生しないと見込まれる場所を実施区域に指定することは、円滑かつ安全に活動する上で当然のことでございます。これは私、防衛大臣として責任ある発言をいたしましたし、政府としても公式にこれはお答えをしたわけでございます。
 したがいまして、この趣旨を法律上重ねて規定する必要はないと考えておりまして、実施に際しましては、まさに円滑かつ安全に実施する区域において活動させるということでございます。
○吉田忠智君 それについても、法理上とそれから実際の運用、厳格に行うということでありますけれども、政権が替わればまた法律が独り歩きするわけでありますから、その点は極めて問題だということだけ今日は指摘をしておきたいと思います。
 こうした後方支援は兵たん活動に当たり、憲法九条一項が禁ずる他国の武力行使との一体化でありますけれども、非戦闘現場での活動によって戦争に巻き込まれるのではないか。自衛隊の活動場所が戦闘現場となった場合に、捜索救助活動は継続されるし、休止、中断ができない場合もあるわけであります。総理も、二〇一三年の百田尚樹氏との対談本で、休止、中断は国際社会では通用しないと認めておられるわけであります。
 中谷大臣、撤退しない、できない場合、個別自衛権の行使として応戦すれば戦争に巻き込まれます。応戦しないで全員拘束されても、政府は、自衛隊は武力紛争の当事者ではないのでジュネーブ条約上の捕虜としての保護を受けないと言いますけれども、無権利状態に置かれるのではありませんか。
○国務大臣(中谷元君) 自衛隊は、我が国の安全のために日頃から訓練を重ね、いわゆる危機管理、これのプロといたしまして、あらゆるリスク等におきましては自ら管理をし、そして運営をし、そして安全に任務を遂行する、こういうことを日々訓練を重ねております。
 ここで言う後方支援というのは、そもそも戦闘を行うというところではなくて、その性質上、危険を回避して、活動を安全を確保した上で実施をするというところでありまして、軍事技術が発達した今日においても、いかなる国の部隊であっても補給を受けている間は攻撃に対して極めて脆弱な状態になると。このため、現に戦闘行為が行われている現場では有効な支援を受けることは困難ということで、後方支援の実施は安全な場所であるということが大前提でございます。
 このような大前提の下に、この重要影響事態法、そして国際平和支援法で、防衛大臣が区域を先ほど言った安全、円滑な地域に指定をするということでございますので、この非戦闘地域、これまでもイラクで実施をいたしましたけれども、この仕組みの下で実施区域が指定されるなどして、安全が確保された従来と安全面では私は変わりなく実施をさせる、そして、し得るのではないかと思っております。
 また、活動を実施する地域に当たっては、常に活動地域の情勢に対する情報収集、これを行う。また、万が一、部隊等が活動を実施している場所その他の近傍において戦闘行為が行われるに至った場合は、付近の状況等に照らして戦闘行為が行われることが予測をされる場合も、部隊等の長は活動の実施を一時休止をして危険を回避する旨規定をいたしておりまして、部隊が武器を使用して反撃しながら活動を継続するというようなこともございませんし、戦闘に巻き込まれる、すなわち自衛隊が戦闘行為を行う、あるいは自衛隊の活動が戦闘行為になるということはないということでございます。
○吉田忠智君 撤退できない場合、戦争にならないとすれば自衛隊員は見殺しです。そもそも、こんな希望的観測を重ねた非現実的な想定で殺し殺される現場に自衛隊を出すことは問題であります。
 今日、石破大臣においでをいただきました。防衛政策に深い見識をお持ちの石破大臣に質問します。
 徴兵制について、石破大臣は結論的には政府見解に従うとおっしゃられているのは承知をしています。一方で持論をお持ちだと思います。兵役、自衛隊の服務は奴隷的な苦役に当たるとお考えですか。
○国務大臣(石破茂君) お答えを申し上げます。
 これは、政府が昭和五十六年三月十日に森清議員に対します答弁書というものを作成をし、閣議決定をしておるところでございます。委員御案内のことかと思いますが、そこにおきまして、政府答弁書はこのように述べておるところでございます。
 すなわち、政府は、徴兵制度によって一定の役務に強制的に従事させることが憲法十八条に規定する奴隷的拘束に当たるとは毛頭考えていない、このように政府として申し述べておるところでございます。まして、現在の自衛隊員がその職務に従事することがこれに当たらないことは言うまでもない、政府が徴兵制度を違憲とする論拠の一つとして憲法第十八条を引用しているのは、徴兵制度によって一定の役務に従事することが本人の意思に反して強制されるものであることに着目して、さきに述べたような意味でその意に反する苦役に当たると考えているからである。これが政府の立場でございます。
 この考え方に私は全く異を唱えるものではございません。このとおりでございます。
 その前の昭和五十五年八月十五日、稲葉誠一議員の質問に対します政府答弁書におきましては、憲法の趣旨、すなわち幸福追求権を定めました憲法第十三条、そして憲法十八条、この趣旨から徴兵制は違憲であるというふうに申し上げているものでございます。
 ですから、委員の質問にストレートにお答えをするとすれば、奴隷的苦役ということを政府は言っておりません。意に反してというところに意義があると、そういうことでございます。
○吉田忠智君 徴兵制を取るか否か、政策判断であると過去にお答えになったというふうに私は承知をしていますけれども、一二年四月に発表された自民党憲法改正草案では、前文に国民の国防義務が明記されています。
 また、現在、自衛隊の新入隊員は、陸自で約六か月、空自でも半年から一年半ぐらいの教育訓練で第一線部隊に配属されると。十年も専門的な訓練をやらないと使い物にならないというのはデマ宣伝ではありませんか。少子化もありまして、新入隊員の採用も困難になっています。特に、海自などで募集業務に苦労していると聞いております。必要性がないとは言い切れません。
 そこで、最近問題になっているのが経済的徴兵制と言われることであります。文部科学省の学生への経済的支援の在り方に関する検討会では、昨年五月、奨学金返還延滞者に自衛隊でインターンさせたらどうかとの発言がなされ、経済的徴兵制として報道されました。今後、徴兵制を導入する以前に、自衛隊に入隊すれば例えば奨学金返還免除などの経済的インセンティブを与える、そういう制度を導入する可能性はないのでしょうか。中谷大臣。
○国務大臣(中谷元君) 防衛省におきまして、自衛隊に入隊することを条件に学生支援機構の奨学金の返還、また国の教育ローンの債務を免除するという制度は存在をいたしません。
 ただし、自衛隊貸費学生制度というのがありまして、これは有能な技術系の幹部自衛官となる人材を確保するための制度でありまして、平成二十七年度の貸費学生、これ十六名おられます。
 この制度は、学校教育法による大学又は大学院で理学、工学、これを専攻している学生で、卒業後、その専攻した学術を応用して自衛隊に勤務しようとする者に対して、本人からの応募に基づく選考の後、採用した者に毎月定額の学資金を貸与することによってその修学を助成し、卒業後に陸海空自衛隊の幹部候補生として任用する制度でございますが、貸与された学資金は、自衛官として一定年度以上勤務をいたしますと規定に従って返還が免除をされるということですが、これはあくまでも志願に基づいて選考採用する制度でございまして、先ほど申し上げましたとおり、奨学金の返還、また教育ローンの返済を免除するという制度は取っていないということでございます。
○吉田忠智君 アメリカは入隊する際に奨学金免除という制度もありますから、この経済的徴兵制という問題も決してこれは無視できない課題だと思っています。
 そして、憲法十八条の解釈で、総理も法制局長官も、それは苦役に当たるから、徴兵は、これは絶対、徴兵制など十八条の解釈からしてあり得ないんだということでありますけれども、憲法九条の解釈をあんなにいとも簡単に変えたら、やっぱり国民の皆さんは不安に思いますよ。防衛省の官僚経験者の方からもやっぱり徴兵制導入の懸念の声が上がっていますから、素人だけの議論じゃないんですよ、これは。その点だけ申し上げたいと思います。
 総理に質問いたします。
 相当、今回の法案、国民の反対の声が上がっています。六〇年安保のときとよく最近比較されるんですけど、そのときと違っていろんな国民の各層の声が、SEALDsと言われる大学生や若い人たち、子供を持つお母さん、学者、文化人、芸能人、中年の皆さん、本当に幅広く反対の声が上がっています。昨日、今日と私も議論を聞いていまして、この憲法解釈の変更、私は、将棋でいうともう詰んでいるんじゃないかと思うんですけど、詰んでいる。もう論理的な整合性というのがやっぱりない。
 そして、合憲と言っている憲法学者、公式に言っているのは三人しかいないんですよ。今までの安保法案とは違う。ほとんどの憲法学者が違憲だと。そして、先ほど申し上げた内閣法制局長官経験者が、現に審議している法案について、その委員会の場で参考人として出てきて、これは憲法違反だ、違憲だ、問題だと、そんなことは今までありませんよ。そういうことをやっぱりしっかり受け止めて、私は、撤回して出直すべきだ、国民の皆さんの声をしっかり聞くべきだと。
 先ほど、総理のもう一人のおじいさん、総理は岸信介元総理のことはよく出されますが、安倍寛さんの話は余りされませんけれども、すばらしい方で私も敬服しています。安倍寛さんのことも少し思いを致して、新国立競技場で政治判断ができたんですから、政治判断したらどうですか。いかがですか。戦争法案、撤回してくださいよ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この平和安全法制は、国民の命と平和な暮らしを守るために必要な自衛の措置とは何かということを我々は議論し尽くし、とことん考えた末にこの法制を法案として提出をさせていただいているところでございまして、もとより憲法の範囲内であることは間違いないと我々は確信しております。
○吉田忠智君 これから、せっかく今日が皮切りで社民党も議論に参画をいたし、あしたは福島副党首が質問に立つようになっております。社民党は院内外で違憲の戦争法案の廃案に向けて徹底して闘うことを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○山本太郎君 生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎です。
 党名は長いんですけれども質問時間はなかなか長くないということなので、是非簡潔にお答えいただきたいと思います。よろしくお願いします。
 その前に、本日この審議を傍聴しに来てくださっているお客様の中に、六名の沖縄からのお客様がいるそうです。辺野古から来ていただいたということです。
 過去四度、直近の選挙では沖縄の民意ははっきりとしました。辺野古に基地は造らせない、それが沖縄の選んだ民意、そしてそれが決めたこと。にもかかわらず、どうやら安倍政権はどうしても造る気満々のようです。一体、安倍さんが何を考えておられるのかということもこれからいろいろ聞いていきたいと思うんですけれども、民主主義とは何なのか、立憲主義とは何なのかということを、今日お越しになっていただいている辺野古の皆さんにも是非お伝え願えたらと思います。よろしくお願いいたします。
 まず、総論としてのお話を始めたいと思います。
 私たち生活の党と山本太郎となかまたちは、今回の政府・与党の言う平和安全法制、私たちから見れば紛れもない戦争参加法制だと思うんですけれども、これらの法案は明らかに憲法違反であり、そればかりでなく、安全を保障するどころか自衛隊員と日本国民全体の危機を高めるもので、断固反対、全力で反対いたします。
 今回、この特別委員会で発言の場を得ましたので、私たちは次の四つの視点を基本に質疑を行ってまいりたいと思います。
 第一、やはり何よりも今回の政府提出法案は日本国憲法九条に違反する違憲立法だということです。
 憲法九条には、自衛権を認めるとはどこにも書いてありません。明確に武力の行使、これ禁止されております。しかし、外部から日本に対して攻撃、急迫不正の侵害があり、ほかに手段がない場合は必要最小限度の実力行使が許されるという解釈で正当防衛のための自衛隊を保有しているんですよね。日本が攻撃されていないにもかかわらず、武装した自衛隊が海外で武力行使をするということは到底許されることではありません。
 第二、後方支援は武力行使そのものだということです。
 日本政府は後方支援と言っておりますけれども、国際法上、ロジスティックスは補給、兵たんであり、後方支援する自衛隊は、日本が支援するアメリカ等の敵対国あるいは敵対組織の軍事目標、攻撃目標に当然なります。アメリカの敵がそのまま日本の敵になる、有志連合国の敵がそのまま日本の敵になってしまうという話ですよね。
 第三、国際法上の正当性についてです。
 中東、アフガニスタンでのアメリカ等の爆撃や地上作戦に巻き込まれた市民、女性、子供たちの殺傷、これ明らかに戦争犯罪です。国際法上の正当性、あるわけがございません。このようなアメリカ軍等の行為に日本の自衛隊が参加、協力すること、あってはならないです。自衛隊員の皆さんの危険が高まること、このことも重大な問題ですけれども、日本の自衛隊が非戦闘員の市民、女性、子供たちに対し過って発砲し、加害者側、戦争犯罪者側になることは絶対にあってはなりません。
 現場の情勢、刻一刻と変化します。戦場ジャーナリストの方々にお聞きすると、皆さん口をそろえてこうおっしゃる、身を守るために動くものは全て撃つ、そんな状況に陥るのが戦場だと。安全だと思われた場所もその先は分からないという話なんです。
 我が国は海外ではあくまで集団安全保障、国連中心主義で行動すべきで、自衛隊の海外派兵は行わず、国連の人道支援活動を中心に参加、協力すべきです。
 憲法違反の法案に対して、対案を出せ、これよく聞きますよね、声高に、与党側から。これはただの詭弁です。論点ずらし以外の何物でもない。憲法違反の法案に対する対案は廃案であると、先日、参議院本会議で民主党北澤筆頭理事がおっしゃいました。そのとおり。
 続いて、第四として、私たちの安全保障に関する政策を主張していきたいと思います。
 まず、日本の領域に対する急迫不正の侵害に対しましては、従来どおり個別的自衛権と日米安保で対処します。尖閣、小笠原、東シナ海の中国漁船等については、海上保安庁の能力を一段と高め、自衛隊はそれをサポートすべきです。南シナ海に対しては軍事力ではなく外交力で対処すべき。ASEAN諸国と連携し、APECの枠組みで海上輸送路の安全を確保すべき。中国に国際法に違反するような行為があったとするならば、APECやG7などとも協力して経済制裁をすることとし、そのことを抑止力とすべきではないでしょうか。中東につきましては、自衛隊は派遣せず、国連の人道支援活動への参加、協力に徹するべきだと思います。イスラムは日本の敵ではありません。これが私たちの政策、いわゆる対案です。
 以上、四つの視点から質疑を行いたいと思いますけれども、今日は第一回目ですから、現在の我が国に差し迫った日本壊滅のリスクに関する重大な脅威について質問していきたいと思います。
 衆議院で百時間以上を超える審議が行われたという話なんですけれども、でも、ほぼ誰も理解できていないんじゃないですか。総理でさえも余り理解されていないんじゃないかなというふうに、先日のテレビでの分かりやすい説明とか見ているとそういうふうに思っちゃうんですけれども。安保法案に対して、それでも、テレビにも出演されて、いろいろかみ砕いてみんなに伝えようというお気持ちというのはすごく伝わってくるんですけれども、残念ながらますます混乱を深めているだけ。
 理解を深めるコンテンツとして、今ちょっと話題がかなり盛り上がってきています、皆さん御存じだと思います、「教えて!ヒゲの隊長」、御存じですよね。本家本元のひげの隊長の方も盛り上がっていますけれども、その一方で、そのパロディー版が本家を超えるヒット数ということで、これ併せて見ていただくとかなり面白いと思うんですけれども。
 まず最初の質問は、このひげの隊長さんの動画、その一こまをお借りして質問したいと思います。(資料提示)少数会派はセルフサービスです。それでは参りたいと思います。
 この動画の中、ひげの隊長さんはあかりちゃんに対しまして、「実際に日本にミサイルを向けてる国があるの知ってる?」、このように聞いています。
 安倍総理、実際に日本にミサイルを向けている国というのは存在するんですか、教えてください。
○国務大臣(中谷元君) 中国、北朝鮮、ロシア、これは我が国に到達し得る多数の弾道ミサイル、これを保有をしております。しかし、それのみをもって我が国の安全に対する脅威と評価しているわけではありません。弾道ミサイルの能力のみならず、その時々の国際情勢、また当該国の言動、行動など総合的な分析、評価が必要となります。
 その上で、政府として、北朝鮮による弾道ミサイル能力の増強等は我が国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威と認識をいたしておりますが、これは、まず北朝鮮が国際社会の自制要求にもかかわらず、核・弾道ミサイル開発を継続をしている姿勢を崩していない、そして過去三回の核実験を通じて、核兵器の小型化、弾頭化の実現に至っている可能性を排除できない、そして日本を、大半を射程に入れる数百発もの弾道ミサイルを配備をしている、そして昨今、弾道ミサイルの発射訓練を繰り返している、そして我が国の具体的な都市名を挙げて弾道ミサイルの打撃圏内にあることを強調するなど、挑発的な言動を繰り返していることなどを総合的に分析を評価した結果でございまして、北朝鮮の軍事動向、これは我が国はもとより、地域、国際社会の安全保障にとっても重大な不安定要因となっております。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 質問レクというのが質問をする前にございまして、そこでどんな質問をするかというのを、少しお互いにコミュニケーションできないといけないのでやり合うんですけれども、そのときに、ここはさくっといきたいですと、世間話をしているようにというようなお話があったんですけれども、丁寧に御説明をいただきました。ありがとうございます。
 続きまして、ひげの隊長、もし現実にミサイル撃ってきたらどうするのと、どうするのとは言っていないです、どうする、あかりちゃんに聞いているんですよね。安倍総理、そろそろ声を聞かせてください。もし現実にミサイル撃ってきたとしたらどうするんですかね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国に対して弾道ミサイルが発射された場合には、自衛隊が米軍と協力をしつつ、弾道防衛ミサイルシステムによってこれを迎撃をいたします。具体的には、イージス艦とPAC3により二段階で対応することを考えております。
 その際、我が国に弾道ミサイルが飛来すると認められるものの、これが我が国に対する武力攻撃とは認められない場合には、自衛隊法第八十二条の三に基づく弾道ミサイル等破壊措置により対処することになるわけであります。
 他方、我が国に対する外部からの武力攻撃に該当すると判断をし、我が国を防衛する必要があると認められる場合には、自衛隊が自衛隊法第七十六条の防衛出動により対処をすることとなります。
 また、武力攻撃事態などに該当すれば、事態の状況に応じて国民保護法等の関係法令や国民保護計画等に基づいて警報の発令や住民の避難等の措置を迅速かつ的確にとることになります。
○山本太郎君 ありがとうございます。丁寧に御説明いただきました。
 次は一言で答えていただけると助かります、時間の問題もありますので。
 安倍総理、「教えて!ヒゲの隊長」だけでなくて、国会答弁でもよく出てくると思うんですよ、この弾道ミサイルの問題、武力攻撃の問題、よく出てきますよね。我が国にとって重大かつ差し迫った脅威であるという認識でよろしいですか。イエスかノーかでお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、当然、数百発のミサイルを保有していて、核を開発している、搭載能力を向上させているということについて脅威と考えております。
○山本太郎君 ありがとうございました。
 同じ答えを、以前出しました質問主意書、その中でお答えをいただきました。まさに脅威であると、我が国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威となっていると認識しているというお答えを以前にいただいているんです。
 これ、テレビ御覧になっている方々、御存じなかったらいけないので軽く説明させてください。
 質問主意書というシステムがございます。何か疑問に思ったことがあれば、質問を書いて、それを政府に渡すと、それが答え、閣議決定として返ってくるというシステムなんですね。非常にいいシステムですよね。
 去年十二月、私は、政府に対しましてこの質問主意書を使って出しました。どんな内容だったか。九州電力株式会社川内原子力発電所への弾道ミサイルによる武力攻撃に対する国民保護計画に関する質問主意書を提出しました。皆さんのお手元にあるのは配付資料の二です。余りにも長くて、漢字だらけで、よく分からなかったでしょう。もしも川内原発に弾道ミサイルその他が飛んできたらどうするんですかということを質問主意書で聞いたというお話です。
 進めます。
 その中で私は、弾道ミサイル攻撃等を含む武力攻撃による原子力災害への対処について、鹿児島県と薩摩川内市はそれぞれの国民保護計画の中に記載があると以前政府は答弁しましたが、政府自身は、九州電力株式会社川内原子力発電所に対する他国等からの弾道ミサイルによる武力攻撃を想定していますかと質問いたしました。安倍総理の名前で返ってきた答弁書、質問主意書に対する答えは安倍総理のお名前で返ってくるんです。
 他国等からの弾道ミサイル攻撃に関する想定については、政府として特定の施設についてお答えすることは差し控えるが、弾道ミサイル等の移転・拡散・性能向上に係る問題は、我が国や国際社会にとっての大きな脅威となっており、特に、北朝鮮の核・弾道ミサイル開発は、我が国に対するミサイル攻撃示唆等の挑発的言動と相まって、我が国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威となっていると認識している。政府としては、国民の生命・財産を守るため、平素より、弾道ミサイル発射を含む様々な事態を想定し、関係機関が連携して各種のシミュレーションや訓練を行っているところであると書いてありました。
 総理、政府としましては、平素より、弾道ミサイル発射を含む様々な事態を想定し、関係機関が連携して各種シミュレーションや訓練を行っているということで間違いございませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府においては、国民の生命、財産を守るため、平素から、様々な事態を想定して、地方公共団体、関係機関を通じた対処能力の向上が図られるよう各種のシミュレーション、そして政府機関が連携した対処訓練や地方公共団体と共同した国民保護訓練を実施をしているところであります。このうち、国民保護共同訓練については、各種テロや武装グループによる攻撃など緊急対処事態を主として、警察、消防、自衛隊など関係機関が参加した総合的な訓練を行っておりまして、原発に対するテロ攻撃を想定した訓練も行っております。
○山本太郎君 ありがとうございました。やはり、有事に備えてしっかりとシミュレーションするんだ、訓練もするんだという総理のお仕事をちょっとかいま見れたような気がいたします。
 では、お聞きします。総理、様々な事態を想定し各種シミュレーションを行っているそうでございますが、川内原発の稼働中の原子炉が弾道ミサイル等攻撃の直撃を受けた場合、最大でどの程度放射性物質の放出を想定していらっしゃいますか、総理。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 御質問ですが、航空機衝突を含めて、原発が大規模に損壊した場合の対処施設は規制要求として求めておりますが、弾道ミサイルが直撃した場合の対策は求めておりません。弾道ミサイルが直撃するような事態は、そもそも原子力施設の設置者に対する規制により対処すべき性質のものではないと考えています。
 放射能が放出されるという事態は、したがって弾道ミサイルによって放出されるという事態は想定しておりませんが、川内一、二号炉の適合性審査では、原子炉格納容器破損の防止、あるいは放射性物質が異常な水準で敷地外に放出されることを防止するための対策を求めると同時に、厳しい事故を想定し、対策の有効性を確認しています。それによりますと、放射性セシウム137の放出量は、川内一、二号機の場合には約五・六テラベクレルと評価しております。ちなみに、この値は福島第一原発事故で放出された量の約千分の一以下ということになっております。
○山本太郎君 ということなんですが、今の答弁は余りにも長過ぎて、テレビを御覧の方は何を言っているか全く分からなかった方、大勢いらっしゃると思います。要は、シミュレーションしていないんだと、シミュレーションしないんだということをおっしゃったんですよね、委員長。弾道ミサイルが飛んできた場合、原子炉、その近くに着弾した場合、もしもそれが破損した場合に一体どのような状況になるか、その漏れ出すというものに対しては、それは計算されていないということですよね。
 今言われたものに関しては、言われましたよね、福島の千分の一、もちろん基準はあるんですよ。もしものことが起こった場合、千分の一だったり百分の一とかといううっすらとした、うっすらとした何かの基準は存在しているんです。だけれども、皆さんどう思いますか。弾道ミサイルが着弾したとする、そのほかにいろんなミサイルが着弾したとして、原子力施設を破壊されて、福島の東電原発の千分の一の放出量で済むと思いますかという話なんです。思えませんよね。どうしてそれをしっかりと計算しないのかという話になるんですけれども、余りにもひどくないですか、これって。
 これ、質問主意書で質問したんですよ。仮定の質問であり、お答えすることを差し控えたいという話なんです。仮定の話というけれども、仮定の話というと、やっぱりこれ、答えるの難しいものなんですかね、総理。これはお伝えしていなかったんですけれども、やっぱりそういう何が飛んでくるか分からないという状況の中で仮定の話というのには、なかなかそれは答えづらいものなんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 武力攻撃事態は、その手段、規模の大小、攻撃パターンが異なることから、これにより実際に発生する被害も様々であり、一概にお答えすることは難しいということでございます。
○山本太郎君 一概に答えるのは難しい、仮定では答えられない。そして、この安倍総理の名前でいただいた質問主意書でも、仮定の質問であり、お答えすることは差し控えたいというようなお答えをいただきました。
 でも、考えてみてください。今回の法案、中身、仮定や想定を基にされていないですか。A国がB国に攻撃を仕掛けた、友好国のB国から要請があり、新三要件を満たせば武力行使ができるのできないの、これ仮定ですよね。仮定でしょう。仮定でよく分からないとかってごにょごにょ言う割には、仮定でどんどん物事をつくっていこうとしているんですよ。仮定、想定で、そこからシミュレーションしていって物事をつくり上げていくというのは当然のことだと思うんです。都合のいいときだけ想定や仮定を連発しておいて、国防上ターゲットになり得る核施設に関しての想定、仮定できかねますって、これ、どれだけ御都合主義ですかという話だと思うんです。
 我が国を取り巻く安全保障環境、著しく変化しているんでしょう。飛んでくるかもしれないんでしょう、ミサイル。中国が、北朝鮮が、いろんな話をされているじゃないですか。十分で到達します、飛んできたときは何もできていません。困りますよね、それ。本気で守る気あるんですか。この国に生きる人々の生命、財産、幸福追求権守るんだったら、一番脆弱な施設、しかも核施設をどのように防御するかということを考えなきゃいけないのに、その逃がす方法も。千分の一、百分の一、その程度の放出量でしかないなんて、これ何なんですか、意味が分からない。
 続けます。
 この先ほどお示しした質問主意書、避難計画、防災計画作成の必要性は最大で何キロメートル圏の自治体に及ぶと想定していますかと質問しました。でも、これ答えなかったんですよ。おかしくないですか。何かあったときにどの範囲で避難するか、どのような方法で避難するかということは決められていなきゃいけない。国民の生命、財産、幸福追求権守るんでしょう。どうして書かれていないんでしょう。
 総理、もしも弾道ミサイルが飛んできて破壊された場合、何キロ圏までの計画を作成するべきなのか教えてください。
○政府参考人(大庭誠司君) 武力攻撃事態は、武力攻撃の手段、その規模の大小、攻撃パターンなどにより様々な想定があり得ることから、国民保護措置の実施に関する基本的な方針を閣議決定した国民保護基本指針においては、着上陸侵攻、ゲリラや特殊部隊による攻撃、弾道ミサイル攻撃、航空攻撃の四つの類型を想定しておりますが、特定の定量的な被害は記していないところでございます。
 そして、弾道ミサイルなどの武力攻撃により原子力災害が発生した場合については、あらかじめ地域を定めて避難等の措置を講ずるものとするものではなく、事態の推移等を正確に把握して、それに応じて避難等の対象範囲を決定することとしております。
○山本太郎君 先ほどの内閣官房の方にお聞きしたいんですけれども、後半部分よく聞き取れたんですけれども、いろんなパターンがあるからどういう状況になるかが分かりづらい。だから、実際にそうなってみて、いろんな被害の状況を見たりとか実測値を測っていきながらその避難の範囲であったりということを決めていきたいという理解でよろしいでしょうか。イエスかノーかでお答えくださいますか。
○政府参考人(大庭誠司君) 事態の推移等を正確に把握してその対象範囲を決定するということでございまして、例えば放射性物質等の放出の状況とか武力攻撃事態の推移等、これらにつきましてなるべく正確に把握して避難等対象範囲を決定していきたいということを考えております。
○山本太郎君 皆さん、分かりましたか、今の、テレビ御覧の皆さん。要は、前もってのちゃんとした避難計画であったりとかというものは、うっすらしか存在していないということなんですよ。今言いました事態の推移、この意味分かりますか。原発にもしも事故があったとしても、福島第一の、東電福島原発のような事故があったとしても、そしてそのほかに、今一番危険とされている、安倍総理、そして安倍内閣が声高に叫び続ける中国、北朝鮮からのミサイルがという着弾が原子力施設にあったとして、被害があったとしても、これ、事態の推移、要は、一度被曝していただくという話ですよ。実測値で測っていくしかないんだという話ですよ。
 こんないいかげんな話あるかよって、誰の税金で食べて、誰のお金でこの国会が成り立っていて、そして霞が関も、そして永田町もやっていけているんだって、誰の命を守るんだっていう話でしょう。どうして真剣にやらないんでしょうね。こんな、一日三億円近く掛かる国会の審議と言いますよね、予算割っていったら。それを九十五日間も延長しておいて、実際その飛んでくるだ何だと言われているミサイル、もしもそれが着弾した後の最悪のパターンというものを考えていないんですか。あきれて物も言えない。国民の生命、財産、幸福追求権、これを守れるとは到底思えない。何もやっていないに等しいと思います。
 先に行きたいと思います。
 配付資料の三。去年五月二十八日に発表されました。田中規制委員長が主導して、関係自治体の地域防災計画や防災準備に資する基礎的データを提供するために原子力規制委員会が作成したんです。要は、基準がなかったよねということなんです。基準がなかったから、それじゃちょっと避難計画とかいろんなものを立てづらいでしょう、いろんなものにお役立てくださいということで規制委員会が作ってくださった。田中委員長、専門家の方ですよね、作っていただいたということですよね。これがどれぐらいの数値だったかといいますと、先ほど一度出てきました東電福島原発の排出の百分の一、先ほど千分の一という単位も出てきましたけれども、これは百分の一で間違いがないですよね。
 その下に注意書きが書いてあるんです。「緊急時の被ばく線量及び防護措置の効果の試算について」という紙なんですけれども、これは。これ、下に注意書きが書いてある。どんな内容か。「なお、本試算はこれ以上の規模の事故が起こらないことを意味しているものではない。」。
 百分の一で計算していたらどえらい目に遭いますよ。我が国で起こった事故で一番最大の数は何なんだという話ですよ。どうして百分の一にするんだって。それは、新規制基準というものを作りましたから。新規制基準を通過したものは、幾ら事故があったとしても恐らく百分の一ぐらいにしかならないんじゃないかなという希望的観測じゃないですか、これ。これ、もしも事故があったとして誰か責任取りますか。想定外で終わりですよね。
 現在も進行中の事故、福島、メルトダウンスリーとも言う、スリーメルトダウンとも言われているレベル7の事故三つ。収束の仕方も分からない、そんな事故があるにもかかわらず、誰も逮捕されない、強制捜査も入らない。分かりますよね、言っている意味。責任どうやって取るのかということを、覚悟を知りたいですよね。無理にやるんだろうって。安全保障の問題だ、エネルギー問題だっていろんなことを言っているけれども、実際はどうなんだって。もしものことが起こった場合、また泣き寝入りか、福島の事故のように。余りにもおかしいじゃないですか。百分の一なんていう数字、これじゃ試算できないはずです。人々の命は守れない。
 総理、答えてくださいよ、これ、百分の一で十分だと思われますか。これ、伝えていないですけれども、総理に答えていただきたい。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 武力攻撃による原子力災害への対処については、国民保護基本方針に基づいて、原発からおおむね五キロ圏内は直ちに避難、原発からおおむね三十キロ圏内はまずは屋内退避といった対応を取ることがこれは基本であります。
 他方、武力攻撃によって五キロ圏、三十キロ圏といった範囲を超える大規模な放射性物質の放出が起きた場合には、そうした状況に応じて臨機応変に対処を行うことは当然でございます。指針も、事態の推移に応じて必要があると認めるときは、三十キロ圏よりも外も三十キロ圏内と同じ避難等の措置を行うとしています。
 その上で、国は、汚染のレベル、武力攻撃の状況等に応じて避難地域、避難先を明らかにして、避難に関する措置を地方自治体に指示いたします。さらに、国は、自衛官、海上保安官による誘導避難を通じて、地方自治体とともに全力で住民の救援に当たってまいります。
○山本太郎君 安倍総理、原子力規制委員会、原発に対する弾道ミサイル攻撃については関知していないんです。
 これ、以前に自分の所属している内閣委員会でもお聞きしたことがあるんですよね。こうおっしゃっています。結論から申し上げますと、評価はしておりませんし、評価というのはそういう事故があった場合の評価はどうするのかということですよね、今後もやるつもりはありません。ミサイルはいろんな種類がありますので、どういったものが飛んでくるかも分かりませんし、どういう状況になるかということも想定できませんので、やるつもりはありません。
 これ、困るんじゃないですか。今、この法案、十本のものを一本に束ねて無理やりやろうとしているこの法案、ゆう活といいながらみんなの夏休みを奪っているこの法案。この法案、どうします。
 これ、やっぱり試算しなきゃ駄目なんですよ。原子力災害対策本部長って誰でした、原子力災害対策本部。総理ですよ。そうですよね。ということは、委員長、自分で勝手にできない。ひょっとしたらやりたいかもしれない。まあやりたくないでしょうけれども。だったら、総理が決断するしかないんですよ。
 これはシミュレーションしてもらってください。いかがでしょう、総理。総理に聞きたい。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このシミュレーションにつきましては、先ほど申し上げましたように、各種テロや武装グループによる攻撃など緊急対処事態を主として、警察、消防、自衛隊など関係機関が参加した総合的な訓練を行っております。
 原発に対するテロ攻撃を想定した訓練も行っておりますが、この原発への弾道ミサイル攻撃についてでございますが、この武力攻撃事態は、武力攻撃の手段、その規模の大小、攻撃パターンなどによって様々な想定があり得ることから、国民保護措置の実施に関する基本的な方針を閣議決定した国民保護基本方針においては、着上陸侵攻、ゲリラや特殊部隊による攻撃、そして弾道ミサイル攻撃及び航空攻撃の四つの類型を想定しておりますが、特定の量的な被害は記していないわけであります。
 そして、弾道ミサイルなどの武力攻撃により原子力災害が発生した場合には、あらかじめ先ほど申し上げましたような形で避難等の対象範囲を決定することとしております。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 とにかく、答えは出せないんだと。それはそうですよね。これ、危機管理の基本って何だと。プリペア・フォー・ザ・ワーストですよ。最悪の事態に備える、これ当たり前です。でも、最悪の事態には備えていない。どちらかというと、見たくないものは見ない、耳は塞ぐ、でもやりたいことだけやっていく。それがたとえ国民のリスクにつながったとしてもやる。原発を見りゃ分かる。安全保障問題は誰のため。よく分からない。
 本当に国民の生命、財産を守るためだったら、このミサイルが飛んできたらどうするかということに対して、核施設が直撃されたらどうするかということに対して、対策はもう既にできているはず。でも、それができていない。屋内退避ですって、その間に実測値測るって。なるほど、よく分かりました。
 じゃ、お聞きします、田中委員長に。
 これ、誰も教えてくれないんですよ。川内原発の場合、一号機原子炉内の核燃料百五十七体の放射性物質全て放出された場合、また貯蔵庫の燃料六十四体、使用済燃料プール千百二十八体の放射性物質全て環境中に放出された場合、全てです、セシウム137基準でそれぞれ何ベクレルになるんですかと言って原子力規制庁と資源エネルギー庁に質問したんですけれども、誰一人答えられないんです。
 専門家である田中規制委員長、お願いします、短めに。
 川内原発PWRの燃料一体から最大で何ベクレルのセシウム137の放出があり得るんですかね。知っているか知らないか。知っていたらその後続けていただいて結構です。知らなかったらそこでおやめください。お願いします。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 燃料集合体の中の放射性物質というのは、燃焼度とか冷却期間とか、様々な条件によって変わります。当然、全体の量というものは把握しておりますけれども、全部が放出されるというようなことは想定しておりません。先ほど申し上げたとおりです。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 計算のしようがないって。でも、分かりそうなものですけどね、計算したら。
 で、お聞きしたいんですよ。これ、再稼働なんてできるはずないんですよ、川内原発。政府が川内原発に対する弾道ミサイルに対して危機感を持っている。もしも着弾した場合、弾道ミサイルが飛んできた場合の対処の方法はほぼないんですよ。再稼働させるんですか、ただでさえ避難計画むちゃくちゃで適当なのに。
 それだけじゃない。地震、断層ももっと広がってきているということが分かっている。火山も火山学会がおかしいと言っている。再稼働できるはずないでしょう。ミサイルどうやって防ぐんですか。再稼働するんですか、それでも。できるはずないですよ。
 お答えください、総理、お願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、従来から政府の立場は御説明をしておりますが、原子力規制委員会において安全基準、これは非常に世界でも厳しい基準でありますが、この基準を満たしたものについては再稼働していく方針でございます。
○山本太郎君 安倍総理の規制委員会への責任転嫁で、この質疑は終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○荒井広幸君 新党改革の荒井広幸です。
 私の卑見を述べて、国民の高見を賜りたいというふうに思います。
 総理に、この参議院の審議に入り、基本的な姿勢をお尋ねしたいと思います。
 各党から修正案あるいは対案、こうしたものが出された場合には、先刻も議論がありましたが、柔軟に、合意できるものは合意してそれを認めていくという柔軟な姿勢であることは変わりがありませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府としては、私どもベストな案を提出をしたと、このように考えておりますが、この参議院の委員会の御議論に対しましては、謙虚に、真摯に受け止めていきたいと、このように思っております。また、さきの衆議院の委員会におきましても、自民党、公明党、与党と維新の会が提出した法案等についての真剣な協議が行われたものと承知をしております。
 この参議院に場を移しましてからもこうした姿勢で臨んでいきたいと、このように考えております。
○荒井広幸君 対案、修正案などには柔軟に応じていただけると、こういうことですね、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この委員会の議論において、更に議論が深まる中において、より広い我々も賛同を得ていくべく努力をしていきたいと、このように思いますので、いい提案があれば、当然、政党間の協議が進んでいくものと思います。
○荒井広幸君 総理、そこなんです、私が聞きたかったのは。恐らく国民の皆さんも、全て押し付けてくるんじゃないかという誤解、不安があるんだと思います。
 やはりいいものは取り入れていく、また、ある意味では政府が一歩進んでいるかもしれませんが、国民が、まだまだ十分な議論が、あるいは理解がない場合、この参議院の議論を通じて、そこにある一種の妥協点を認めていただいて国民の合意形成を図っていただく、その姿勢をいただいて、恐らく国民の皆さんも、納得、多少していただいている方も多いんだろうと思います。
 経済産業大臣にお越しいただきました。
 山本さんからもお話がありましたが、私は、政府と原発対策については真っ向から反対をいたしております。原発事故はなぜ起きたんでしょうか、経産大臣。
○国務大臣(宮沢洋一君) 福島第一原発の事故につきましては、一言で申し上げれば、政府及び原子力事業者がいわゆる安全神話に陥っていて、結果として想定外の事故につながったということだと思っております。
 国会の事故調、また政府の事故調においてもいろいろ指摘がされておりますが、国会の事故調では、福島第一原発は四十年以上前の地震学の知識に基づいて建設された、その後の研究の進歩によって建設時の想定を超える津波が起きる可能性が高いことやその場合すぐに炉心損傷に至る脆弱性を持つことが繰り返し指摘されていた、しかし東電はこの危険性を軽視していたというようなこと、また、政府の事故調では、東京電力や原子力安全・保安院等の津波対策、シビアアクシデント対策が不十分であったと、また、同じく政府事故調では、東京電力を含む電力事業者も国も、我が国の原子力発電所では炉心溶融のような深刻なシビアアクシデントは起こり得ないという安全神話にとらわれていたがゆえに、危機を身近で起こり得る現実のものと捉えられなくなっていたことに根源的な問題があると指摘されているところであります。
○荒井広幸君 参議院に議論が移りましたら、安倍内閣がすごく私は変わったような、ちょびっと変わったような気がするんですね。それは今まで初めてです。私は三月十一日以降ずっと議論していて、普通は、原発事故の原因は何かといえば、津波、地震をまず第一に言っていました。今テレビの前の皆さんもお聞きになって、安倍内閣、代表して経産大臣は、まさに安全神話に陥っていたということを言いました。そこなんです、私が言いたいことは。
 国会の事故調査委員会、戦後初めてです。戦争の責任についてもうやむやにしてしまいました。様々な問題でうやむやにしましたが、戦後初めて、衆参で全ての政党会派が委員を選び、この原発の事故原因たるは何ぞやとこの事故調を立ち上げて、その結果を引用していただきました。
 私は、こうしたことが非常に重要だと思うんですが、その国会の事故調の結論の、結びの中で、今回の事故は、これまで何回も対策を打つ機会があったにもかかわらず、歴代の規制当局及び東電経営陣が、歴代の規制当局というのはこれは政府を含んでいることですが、それぞれ意図的な先送り、不作為、あるいは自己の組織に都合の良い判断を行うことによって、安全対策が取られないまま三月十一日を迎えたことで発生したものであったと、このように結論付けています。
 私は、安全保障法制も、保守リベラルの立場として極めて臆病で慎重論を持っていた人間でありましたけれども、この原発の事故に私は遭遇をし、そしていまだに大勢の皆さんが苦しんでおられます。
 国会事故調査委員会報告では、マインドセットという言葉も使っています。思い込みです。私も思い込みがあったのだと思います。原発を進めてきました。大丈夫だ大丈夫だ、何重にも安全をつくっているから大丈夫だと言ってやってきたんです。しかし、こうした本当に責任を感じる、責任のある、申し訳ない事故が起きてしまいました。大変なことです。
 私は、その意味において、総理、内閣には何としてでも避難している人、自主避難も含め、そして放射線量の、先ほど規制委員長言いましたが、五ミリシーベルトと言っていますが、低線量長期被曝の原因は分からない。ウクライナの政府報告書、こういったものももう一回、二十七年、三十年の歴史を踏まえて考えてもらいながら万全を期していただきたい、そのように思います。当然、原発再稼働は反対であります。
 想定外を置いて安全神話、思い込んでいた。私は、その意味において、平和という安全神話に陥っていたかもしれないと思っているんです。あらゆる想定をして、この場合にはこんな対策、こういうことも起きるのではないか、あらゆることを想定して国民を守っていくという責務が政府に私はあろうと思うんです、総理。
 あらゆることを想定する。しかし、その中で、憲法の制約がありますから、限定したことしかできない。あらゆることを想定するという意味では、まだまだ私は不十分だと思います。次世代さんとか維新さんが言うように、もっとこういうケースもあるんじゃないかと考えた方がいいと思う。
 しかし、今回の法律は、憲法の範囲の中でどこまでできるかというぎりぎりのことを、大丈夫だと言わないで、万が一に備えるということでやっているわけです。その意味において、私は、国民の皆さんに安倍政権は問いかけをしていると、こうも言えるんだろうと思うんです。その問いかけをしている立場として、丁寧で、そして時間を掛けて理解を得るまでというのは当然の姿勢でありましょう。そのあらゆることの想定の中で、憲法の範囲の中でできるものは何かといったときに、それが限定的集団的自衛権の行使というところに行き着いていったのであろうと思います。
 今回は、私の憲法の考え方を述べながら、これについて見解を申し述べさせていただきたいと思います。
 まず、国民の皆さんは、参議院の選挙制度、変わったなと思ったと思います。衆議院は、選挙制度、議長の下の第三者委員会、民間の委員の方に今検討を委ねております。参議院は、自ら身を切る覚悟で、いろいろ御議論はあったと思いますが、二つの案に集約されてまいりました。そして、今度、四県二合区を含む十増十減案ということで、この法案が成りました。
 参議院の議論が、審議が国民の皆さんの信頼に堪え得るかどうかは、参議院が自ら、最高裁の要請を受けて、較差問題を何とかしろといったことに応える道しかありませんでした。その意味において、我々は自ら一年前の七月二十四日に採決をし、衆議院で昨日通ったわけです。
   〔委員長退席、理事佐藤正久君着席〕
 その選挙を見ますと、憲法第七条というのを是非国民の皆さんも読んでいただきたいんです。天皇の国事行為です。天皇は象徴です。その国事行為として、七条四号には、「国会議員の総選挙の施行を公示する」というのが天皇の仕事であると書いてあるんですね。もう一度読みます。「国会議員の総選挙の施行を公示すること。」となっているんです。
 これはどうでしょう。衆議院は総選挙です。参議院は、これは通常選挙なんです。憲法には通常選挙と書いてありません。総務大臣、どうしてこのように総選挙だけが憲法に書いてあるんでしょう。
○国務大臣(高市早苗君) 日本国憲法第七条第四号に規定する総選挙とは、全国全ての選挙区において同時になされる選挙を指し、公職選挙法で言うところの衆議院の総選挙のみならず、参議院の通常選挙もこれに含まれると解しております。
 戦後、憲法改正法案の国会審議が始まりましたのは昭和二十一年六月二十五日でございました。この審議に向けて法制局が作った想定問答がございました。この中で、国会議員の総選挙は衆議院の総選挙のみを予想するのかという問いに対して、参議院議員の半数改選をも予想した概念でありますということになっておりましたので、よって、そもそも現行憲法では両院の選挙を総選挙と位置付けている、このようになっております。
○荒井広幸君 マッカーサー、そして民政局のホイットニー准将、そしてケーディスという大佐、この方が二十一年の二月十三日に吉田外務大臣と憲法を担当する松本烝治大臣と話をする。そのとき渡されたのがマッカーサー・メモです。
 一院制でした。衆議院と呼ぶかどうかは別として、一院制だったんです。しかし、我々先人は、私から言えば、戦争の反省を含め、政府と衆議院の暴走を防ぐためにもう一院、国民から選ばれる参議院をつくろうとして二院制を主張しました。この二院制の主張は認められるんです。よって、あの憲法を作る、ある種混乱の中で、戦後の混乱もありました、そういった混乱の中で、公職選挙法は、この公職選挙法というのは選挙を決めるものです、同時に議論されていくんです、憲法と公職選挙法。そのときに総選挙という言葉だけが残ってしまうんですね。
 公職選挙法では三十一条が衆議院、三十二条が参議院通常選挙となっているんです。まあうっかり忘れたといえばそういうことなんですが、後で気付いてそのような答弁になっているものなんですね。ですから、憲法制定過程というのは、ある程度私たちも十分に勉強し直さなくてはならないというところがここにあると思うんです。
 私は、これが間違いだと言っているんではないですよ、憲法が。しかし、そういう過程を経て、今見たらば不自然な総選挙しかやらないんだから、私たち参議院は永久議員のままでいられるんですから、こんないいことはない。しかし、そうはなっていないんですね。
 法務大臣、この七条四号にありますが、「国会議員の総選挙の施行を公示する」ということで、参議院は通常選挙でありますが、これは憲法を解釈しているというふうに読んだらいいんですか、どうなんですか。
○国務大臣(上川陽子君) お尋ねの総選挙に関する事柄でございますけれども、一般的に法務省の所管するものではございませんで、法務大臣としては、答弁につきまして差し控えさせていただきたいと存じます。
○荒井広幸君 これは肩透かし食っちゃったような話なんですけどね。
 非常に、課題として、まあ答えられないというのはもう当然分かってはいるんですけれども、これ皆さん非常に、衆議院と参議院というのは、二つあって、公職選挙法は同じときに憲法と同じく議論されていくんです。第九十回帝国議会、この日本国憲法というのは明治欽定憲法の改正なんです。第九十回帝国議会で、帝国憲法改正案で審議されていくんですが、並行して、同時にこの選挙制度というのも議論されていくんです。
 こういう中で、二院制を主張している日本がですよ、違う名前で、参議院は通常選挙で解散するなんということはあるまじきことですよ。こうした課題をしょっているということを私は言いたいんです。私から言えば、これもある種解釈として許容されているんだと思うんです。こういうことを私は申し上げてまいりたいんですが、このパネルを、皆さんのお手元にもお配りしましたが、御覧いただきたいんです。(資料提示)
   〔理事佐藤正久君退席、委員長着席〕
 憲法は、我々は尊重しなければなりません。当然のことです。憲法は、当時の、戦争終結後ですから様々な世界の力学が動きましたし、そして、それに先立つ半年前、国連もできています。国連も理想主義を掲げます。世界ももう戦争はしたくない、日本も二度としない、これが国民の意見でありました。そういう中で憲法が形作られてまいります。
 そのときに、押し付け憲法というのも一つ見方としてあるでしょう。しかし、先ほど言いましたように、少なくとも二院制において、これは憲法第四十二条です、国会は衆議院、参議院の両院をもって構成する。これが政府の行き過ぎにストップを掛ける再考の府であり、衆議院の議論の結果に更に熟議を重ね、国民に説明し、場合によっては再考を促す、これが熟議の府、参議院の成り立ちです。こうした成り立ちが存在意義そのものであります。この存在意義を、のっとったときに、何ゆえに憲法七条四号に総選挙としか書いていないか、重大な私はここに空白があった。それは同じなんです。
 憲法は尊重されなければならないけれども、その時々に極めて厳しい現実があります。今言っている安全保障の環境というものです。自然環境なら分かりますが、安全保障の環境とは何ぞやというのは、またどんどん議論が行くと思いますが、日本が非常に武力的に危ない状況に包まれている、そういう環境だと。
 憲法は第九条で平和主義を言っている。一、二という文脈で言っています。しかし、厳しい状況の中で命や自由や幸福を追求する権利をどう守ったらいいか、常にこのハウスで先人方が悩み、国民とともに、どのようにするかを議論し、時には激しくぶつかり合ってきたわけです。
 憲法には、十三条、皆さんの命を守り、自由というものを守る、そして幸福を追求する権利を、これを認めるんだと。では、万が一武力に襲われたときに、我々は皆さんの命や自由という権利をどう守れるでしょうか。
 そこで生まれたのが英知である解釈ということであったのだろうと思います。憲法の尊重すべき理念、哲学の許される範囲の中で、しかし現実のものの中で、どのように国民の命、自由、幸福の追求する権利を守っていくかということを、ぶつかり合いながら考えた結果がこの解釈ということの、ある意味で憲法の中で許される一つの英知、やり方だったろうと思います。私は、そこにおいて、今回の限定的集団的自衛権の行使はぎりぎり憲法が許容できるものだ、憲法が許しているものだという立場に立つものであります。
 では、この法律が仮に通った場合、どこがこの法律が違憲か違憲でないかを議論するかであります。これは最高裁判所になるわけです。最高裁判所は、学校の教科書にも、習いましたが、すぐ私も忘れてしまいますが、憲法八十一条、憲法の番人は最高裁判所であると言われています。違憲立法審査をすることができるからです。唯一、合憲か違憲かは最高裁の判決を待たなければならないんです。
 そして同時に、内閣法制局の考えがどうであったか、一貫してあったものかどうであったかというのが逐次議論になります。明日以降これらの議論もしてまいりますが、内閣法制局が憲法の番人のような誤解がありますが、子供たちの教科書にはそれは最高裁判所です。書いてあるとすれば、内閣の法律顧問が内閣法制局であると書いてあるんです。内閣の法律顧問が内閣法制局であると書いてあるんです。法制的な面から内閣を補佐する組織です。衆議院にも参議院にも法制局があります。私どもも、そうした法律を作るときには、そこの専門的知識、憲法とぶつかっていないか反しないか始め、法律を作っていただくということをやってまいります。
 こうしたことから、最後には最高裁が判決を下さなければならないのでありますけれども、それにまっているような国会では国民の信頼は取れません。この議論を含めてどうであるのかということをしっかり議論をしていくべきだと考えております。
 そして、私はこう申し上げます。国民を守らない憲法というのは存在するのであろうか。国民を守らない憲法というのは存在するのであろうか。憲法九条、平和主義、そして、命、自由、幸福追求権十三条、この悩ましい課題に直面する現在、我々は、侵略戦争、植民地支配を反省し、どのように国民とともに世界の平和と繁栄に貢献していけるかということを考える重大な岐路に今我々参議院は立たされています。国民とともに十分な議論をしてこれを進めていかなければならないと思います。
 理念、理想はある、しかし現実がある。そこに私は、憲法の範囲の中で解釈は許される、限定的集団的自衛権の今回の行使は、三条件という下の中で縛りを掛けていることによって、私はこれは合憲であると考えている次第です。
 総理の御意見を改めて聞かせていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま委員が御指摘になられたように、憲法の七条も引かれたわけでございますが、九条においてもまさに自衛権について言及がないわけでございます。
 そこで、果たして自衛権を持つことができるかどうか、これは九条の二項との関係もあるわけでございまして、自衛隊が合憲かどうかということも大きな議論になったのでございますが、砂川判決におきまして、必要な自衛の措置をとり得ることは国家固有の権能の行使として当然のことと言わなければならないと、自衛権はあるということを明確に憲法の番人である最高裁が判示した、示したわけでございます。
 その上において、四十七年に政府解釈として、この砂川判決と軌を一にするものでございますが、必要な自衛の措置についての考え方を示したところでございます。
 我々は、国民の命と幸せな暮らしを守る責任があるわけでございます。当然、憲法は、砂川判決にもあるように、平和的な生存権、そして国民の命、自由、幸福追求の権利、憲法の前文そして十三条を引いた上において、非武装で国民を守らないということはないという考え方を示したわけでございます。
 そして、その中に入るものは、必要な自衛の措置は何かということを我々考える中において、今回まさに我が国の存立を脅かす、国民の生命や自由や幸福追求の権利が根底から覆されると、そういう状況、まさに三要件を付け加えた上において、三要件を満たしたものについては、集団的自衛権の中におきましてもその三要件が当てはまるものは行使できると、こう判断をしたところでございます。
 それはあくまでも、まさに委員がおっしゃったように、憲法が、国民が平和的に生存していく、本来の自然権である権利をしっかりと守り、追求していくことができないということではないという考え方に立ってのものでございます。
○荒井広幸君 総理を信頼するものでありますが、私は、戦争の反省から二院制で参議院が生まれた、国民の目を入れて国民の立場で政府の暴走を抑えるためには、自衛隊を派遣する前に国会の同意を全てにおいて事前においてこれをかけていくということが不可欠であるということを申し上げたいと思います。それは後日に譲ります。
 朝日新聞の憲法学者の皆さんへのアンケートで、六三%に上る碩学の学者の皆さんが、自衛隊を違法判決、憲法違反の可能性があると答えております。それに対して、国民は違和感を持っている、自衛隊の災害派遣活動やPKOは国民からも世界からも高く評価されている、自衛隊が違憲、違憲の可能性との前提に立った議論は正しい国民の皆さんの理解に結び付かないんではないかと新聞紙上で公明党山口代表がお話をされています。
 私も同感なんです。憲法学者の皆さんの声には、我々しっかり心に刻まなくてはなりませんけれども、もっともだなというふうに思います。ここにも書きましたが、九条と十三条、そのはざまをどう埋めていくのかということに我々は本当に心血を注いでいるわけです。
 その意味におきまして、前の公明党代表でもあります、そして自民、公明連立のシンボル的存在でもあります太田大臣のこのアンケートに対する分析をお聞かせください。
○国務大臣(太田昭宏君) 私は、現在、公明党を代表する立場にはありませんし、自衛隊の所管大臣でもありません。また、個別の世論調査の一々について、それにコメントをするということは、公的に私は適切ではないと、このように思っています。
 その上で、御指摘でございますので、その上であえて申し上げますと、政府は従来より、憲法第九条は我が国が主権国家として持つ固有の自衛権まで否定する趣旨のものではなく、自衛のための必要最小限度の実力組織である自衛隊は憲法上認められるものであるとしておりまして、私もそのように思っているところです。
○荒井広幸君 この調査は大変参考になるんです。ですから、誤解をしないで聞いていただきたいんですが、この朝日新聞の憲法学者の皆さんに対するアンケートでは、七月十一日の新聞の紙面では、存立危機事態における限定的集団的自衛権を可能にする安全保障関連法案は憲法違反に当たるとお考えですかというと、違反ですよ、百四名、違反の可能性がありますよ、十五名、百二十二名のうち百十九名の方が、この先輩憲法学者の皆さんが答えていらっしゃいます。これは十分に胸に刻んで、中身を精査して、我々も学ぶべきところがあります。
 しかし、そのアンケートにあった七月二十二日になって、朝日デジタル版といういわゆるデジタル新聞版です、朝日新聞の。ここに公表されたのが、自衛隊の存在は憲法違反に当たるかどうかという質問だったんです。同じく質問を聞いていたようです。しかし、一週間、十日遅れて発表になった、自衛隊の存在は違憲かどうか、同じ方に聞いているんです。自衛隊の存在は憲法違反に当たると考える方が五十名、可能性があると考える方を含めると七十七名で、六割を超えているんです。自衛隊が違憲であるという方々が、限定的な集団的自衛権をこれもまた違憲であると先輩学者の皆様方はおっしゃっているということでございます。同時に、こうした情勢を見なくてはならないことは、憲法学者はもとよりでありますが、政治学者、社会学者、全ての学者の皆さんの意見も幅広く聞いていかなければならないことであろうというふうに思います。
 こうした観点において、私どもは常に理想としての憲法を、これを我々は遵守していく、絶対に逸脱しない。しかし、憲法制定時代からいろいろな国際状況が変わってまいりました。その変わった問題の中で、憲法改正という道もあります。しかし、この憲法改正の国民投票が決まったのはついこの間です。そして同時に、解釈という英知を集めたやり方があった。憲法の理念とそれをうまく生かし切る、そして国民も生かしていく、命や生命や財産を、そして自由、何よりも尊い自由や幸福追求権を守っていくために、それに危害を加える内外のものを排除するというその手段を持つ、備えを持つということは、私は、憲法において、今度の政府の言っている限定的集団的自衛権の行使はぎりぎり解釈として容認できるものであるということを申し上げたいと思います。
 以上申し上げまして、私の本日の質疑を、提案を終わります。
○委員長(鴻池祥肇君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 これにて散会いたします。
   午後五時十五分散会