第189回国会 我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会 第6号
平成二十七年八月三日(月曜日)
   午後一時一分開会
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   委員の異動
 七月三十日
    辞任         補欠選任
     二之湯武史君     大沼みずほ君
     石上 俊雄君     蓮   舫君
     河野 義博君     平木 大作君
     山田 太郎君     山口 和之君
 七月三十一日
    辞任         補欠選任
     愛知 治郎君     滝沢  求君
     山本 順三君     舞立 昇治君
     尾立 源幸君     白  眞勲君
     大塚 耕平君     礒崎 哲史君
     前川 清成君     小川 勝也君
     真山 勇一君     藤巻 健史君
     仁比 聡平君     辰巳孝太郎君
     山口 和之君     田中  茂君
     中山 恭子君     和田 政宗君
     福島みずほ君     吉田 忠智君
 八月三日
    辞任         補欠選任
     舞立 昇治君     中泉 松司君
     和田 政宗君     浜田 和幸君
     水野 賢一君     中西 健治君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         鴻池 祥肇君
    理 事
                石井 準一君
                佐藤 正久君
                塚田 一郎君
                馬場 成志君
                堀井  巌君
                北澤 俊美君
                福山 哲郎君
                荒木 清寛君
                小野 次郎君
    委 員
                石田 昌宏君
                猪口 邦子君
                大沼みずほ君
                北村 経夫君
                上月 良祐君
                高橋 克法君
                滝沢  求君
                豊田 俊郎君
                中泉 松司君
                舞立 昇治君
                三木  亨君
                三宅 伸吾君
                森 まさこ君
                山下 雄平君
                山本 一太君
                礒崎 哲史君
                小川 勝也君
                小川 敏夫君
                大野 元裕君
                小西 洋之君
                那谷屋正義君
                白  眞勲君
                広田  一君
                蓮   舫君
                谷合 正明君
                平木 大作君
                矢倉 克夫君
                藤巻 健史君
                井上 哲士君
                辰巳孝太郎君
                田中  茂君
                浜田 和幸君
                水野 賢一君
                吉田 忠智君
                山本 太郎君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       外務大臣     岸田 文雄君
       文部科学大臣   下村 博文君
       経済産業大臣   宮沢 洋一君
       防衛大臣
       国務大臣     中谷  元君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
   大臣政務官
       防衛大臣政務官  石川 博崇君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  横畠 裕介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
       常任委員会専門
       員        宇佐美正行君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       前田  哲君
       内閣官房内閣審
       議官       山本 条太君
       内閣官房内閣審
       議官       土本 英樹君
       内閣官房内閣審
       議官       槌道 明宏君
       外務大臣官房審
       議官       中村 吉利君
       外務大臣官房参
       事官       滝崎 成樹君
       外務省総合外交
       政策局長     平松 賢司君
       外務省北米局長  冨田 浩司君
       外務省国際情報
       統括官      岡   浩君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        藤井 敏彦君
       防衛大臣官房長  豊田  硬君
       防衛大臣官房衛
       生監       塚原 太郎君
       防衛大臣官房技
       術監       外園 博一君
       防衛省防衛政策
       局長       黒江 哲郎君
       防衛省運用企画
       局長       深山 延暁君
       防衛省人事教育
       局長       真部  朗君
       防衛省経理装備
       局長       三村  亨君
   参考人
       内閣総理大臣補
       佐官       礒崎 陽輔君
       株式会社国際協
       力銀行代表取締
       役副総裁     矢島 浩一君
       独立行政法人日
       本学生支援機構
       理事長      遠藤 勝裕君
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  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資
 するための自衛隊法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○国際平和共同対処事態に際して我が国が実施す
 る諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(鴻池祥肇君) ただいまから我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、二之湯武史君、山田太郎君、河野義博君、石上俊雄君、中山恭子君、前川清成君、尾立源幸君、愛知治郎君、山本順三君、真山勇一君、大塚耕平君、福島みずほ君及び仁比聡平君が委員を辞任され、その補欠として大沼みずほ君、田中茂君、平木大作君、蓮舫君、和田政宗君、小川勝也君、白眞勲君、滝沢求君、舞立昇治君、藤巻健史君、礒崎哲史君、吉田忠智君及び辰巳孝太郎君が選任されました。
 また、本日、和田政宗君が委員を辞任され、その補欠として浜田和幸君が選任されました。
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○委員長(鴻池祥肇君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案外一案の審査のため、本日の委員会に内閣総理大臣補佐官礒崎陽輔君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鴻池祥肇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(鴻池祥肇君) 我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案及び国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 まず、礒崎参考人に発言を求めます。礒崎参考人。
○参考人(礒崎陽輔君) 発言の機会をいただき、誠にありがとうございます。
 七月二十六日の国政報告会における私の軽率な発言により平和安全特別委員会の審議に多大な御迷惑をお掛けしたことを、国民の皆様、与野党の先生方に心からおわび申し上げます。
 もとより、私は、平和安全法制において法的安定性が重要であることを認識しております。今回の平和安全法制は、必要最小限度の武力の行使しか認められないとの従来の政府見解における憲法第九条の解釈の基本的な論理は全く変わっておらず、合憲性と法的安定性は確保されていると認識しております。
 その上で、平和安全法制を議論していく上では、あくまでも合憲性及び法的安定性を当然の前提とした上で、憲法との関係とともに、我が国を取り巻く安全保障環境の変化を十分に踏まえる必要があると認識しております。
 国政報告会において、安全保障環境の変化も議論しなければならないことを述べる際に、法的安定性は関係ないという表現を使ってしまったことにより大きな誤解を与えてしまったと、大変申し訳なく思います。私のこの発言を取り消すとともに、関係者の皆様に心よりおわびを申し上げます。
 また、同じ国政報告会において、平和安全法制の成立時期に関する発言をしたことについても深くおわびを申し上げます。
 私の個人的な見立てを申し上げたわけではありますが、総理補佐官としてこのような発言をしたことは極めて不適切であったと考えております。
 今後は、平和安全特別委員会の審議に御迷惑をおかけすることのないよう、総理補佐官としての職務に精励していく所存でありますので、何とぞ御理解を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
○委員長(鴻池祥肇君) さきの理事会によりまして御承認をいただいておりますので、この委員長席から委員長としての質問をお許しをいただきたいと思います。
 極めて単純な質問で恐縮でありますけれども、総理補佐官というのはどういうお仕事をなさるんでしょうか。国民の皆さんに分かるように御説明をいただきたいと思います。
○参考人(礒崎陽輔君) ただいま御質問いただきました内閣総理大臣補佐官は、総理大臣を助け、その助言を与えることを主な内容といたしておりまして、私は、国家安全保障担当内閣総理大臣補佐官として、その所管について総理に助言をすることを仕事といたしております。
○委員長(鴻池祥肇君) それじゃ、なお補佐官にお伺いいたしますけれども、さきの報道によりますと、この安保法制と法的安定性ということが問題になっておりますけれども、それともう一つ私はけげんに思っておることがあるんです。それは、報道ですから真偽のほどは分かりませんけれども、この重要な法案は九月中旬に上げたいと、こういう御発言があったように聞いております。
 同じ参議院議員として総理補佐官にお伺いしたいんですが、参議院の存在というのは、先人が苦労して二院制に持ってきて、さきの大戦の反省から、貴族院が止められなかったあの軍部の戦争に至った道というものを十分反省をしながら、参議院の存在を一生懸命つくり上げた。そのことは、衆議院と参議院は違うんだと、表現が少しきつくなるかもしれませんけれども、衆議院の拙速を戒めるのが参議院である、もう一つは衆議院の足らずを補完していく、補っていくのが参議院である、できれば、できるだけ合意形成に近づけていく、こういうのが参議院の役割の一つだと思うんです、私は。多くの方々もそうだと思っていらっしゃると思います。
 その中において、参議院の審議をしているさなかに、九月中旬にこの法律案を上げたいという発言についてはいかがかと思うんです。もう一つ言いますと、我々参議院は、衆議院の下部組織じゃない、官邸の下請やっているんではない。この辺りをひとつ補佐官にただしたいと思います。
○参考人(礒崎陽輔君) 委員長おっしゃるように、私も二院制の価値は十分に理解をいたしておるつもりでございます。
 おっしゃるように、参議院は衆議院でのコピーではなく、参議院独自に一院の行き過ぎを抑制する、そういう機能を持っているということは私もよく理解をいたしておりまして、これまでも、その機能を一層強めるための参議院改革の議論にも私も参加してきたところでございます。
 今回の発言は、そうした中で、なかなか参議院の、その後に申し上げたのは、相手方もありますのでなかなか簡単にはいきませんよということを強調したかったわけでございますが、その前に言わずもがなの時期的なことを申し上げたのは、総理補佐官の発言として極めて不適切であったと考えているところでございます。
 今後は、そういう不適切な発言のないよう努力するとともに、今委員長から御示唆のありました参議院の価値についても、もう一度私自身見直してしっかりと考えてまいりたいというふうに思いますので、御理解を賜りたいと思います。
○委員長(鴻池祥肇君) この席で余り興奮するといけませんので、私の質問はこれぐらいにさせていただきたいと思います。
 以上で、次の質問に移りたいと思います。質問のある方。
 それでは、福山哲郎君から御発言をいただきます。
○福山哲郎君 福山です。
 この参考人質疑をお取り計らいいただきました鴻池委員長の御英断に心から感謝を申し上げます。また、野党一党の質問ということで、私が代表して質問させていただくことを御理解いただいた各野党の先生方にも心から感謝を申し上げる次第でございます。時間がありませんので早速行かせていただきたいと思います。
 昨年の閣議決定以来、総理並びに政府は、法的安定性は維持しながら集団的自衛権の限定容認をしたとこれまで強弁し続けてこられました。それが、よりにもよって総理の補佐官であるあなたが法的安定性は関係ないと言い放ちました。まさにちゃぶ台をひっくり返したも同然でございます。この責任は極めて重い、辞任に値すると私は考えます。あなたは、自らの判断で職を辞するべきです。
 与党からも進退論が公然と噴出する中で、なぜあなたは辞任せずにここに出てこられたのか。これまで前例のない、総理補佐官が国会に参考人として招致されるという立法府と行政府のルールまで壊して、あなたはなぜ補佐官に居座り続けるのか。お答えをいただけますか。
○参考人(礒崎陽輔君) 私の発言によりまして大変御迷惑をお掛けしたことは、改めておわびを申し上げたいと思います。
 当日の国政報告会の発言は、最初にまず、憲法における自衛権という規定が明確には書いていない、その中で昭和三十四年の砂川判決によって自衛のための措置が認められたと。そして、その中で、最高裁が具体的な中身を示さなかったので、政府としてずっと真剣に各内閣がその自衛の措置の内容について議論をし考えてきたと。したがって、その中で出てきた憲法判断基準である必要最小限度という基準はきちんと守ってきたということを申し上げた上で、最後の部分で、その現実の当てはめについては、本来であれば法的安定性とともに国際情勢の変化についても十分配慮すべきだと言うべきところを、私が誤って法的安定性は関係ないということを申し上げたわけでございまして、これはまさに私の過ちでございます。そのことについては先ほどおわびしたとおりでございますが、今申し上げたかったのは、決してその法的安定性全体を否定したわけではなく、最後の部分の当てはめのところで余りにも国際情勢の変化というところの、情勢のところを強調したかったためにそのようなこととなったと、そういうことでございますので、何とか御理解を賜りたいと考えているところでございます。
○福山哲郎君 質問にお答えください。
 なぜ辞任をしなかったのかと答えを求めています。なぜ補佐官に居座り続けるのかと。
 あなたは撤回をしましたけれども、撤回をした日の前の日に、必要かどうかも議論しないで法的安定性を欠くとか、法的安定性でね、国守れますか、そんなもので守れるわけないんですよと、法的安定性をそんなもの呼ばわりをしています。あなたは一日の発言を撤回をしましたけれども、それ以外にもあなたは同様の発言をされています。
 なぜ辞めないのか、短くで結構ですから、はっきりお答えください。
○参考人(礒崎陽輔君) 今申し上げましたように、その前日の発言も、今言ったような必要最小限度という法的安定性の話をした上で、最後の当てはめの部分を言うときに私が誤った発言をしたものでございます。
 したがって、それにつきましては、今申し上げましたように取り消させていただき、また、おわびをさせていただいたところでございますので、今後は、先生方の御指導を賜って、総理補佐官の職務に専念することによって責任を果たしてまいりたいと考えております。
○福山哲郎君 総理から注意を受けたとのことですが、それはいつのことですか。そして、そのときにあなたは総理に対して進退伺をされましたか。また、総理から進退の言及はありましたか。短く事実だけお答えください。
○参考人(礒崎陽輔君) 総理から連絡がありましたのは火曜日の夕刻であると認識をいたしております。そのとき、私の方から、大変私の発言で御迷惑をお掛けしましたと申し上げたところ、総理から、誤解を生むような発言をすべきではないので注意をしなさいというお叱りを受けたところでございます。進退についての言及はありませんでした。
○福山哲郎君 お酒を飲む前に注意があって、進退についてはお互いが言及はなかったということは、総理もあなたもこの問題に対する責任の大きさについて何も感じていないということですね。
 実は、いろんなあなたはこういった発言をしているんですけど、イエスかノーかでお答えください。
 あなたは、この発言の後の二十八日のぶら下がりで、国際情勢の変化に伴って必要最小限度の内容が変わるということは今まで何度も政府としても個人としても言ってきたと、このことが法的安定性の内容だとおっしゃっているんですが、あなたはさっき法的安定性は関係ないことを撤回しましたが、このことも撤回されるわけですね。イエスかノーかでお答えください。
○参考人(礒崎陽輔君) 国際情勢の変化に伴って、それに対して一定の配慮をすべきだという部分は、私は間違ってはいないと考えておるところでございますので、その部分については撤回する考えはありません。
○福山哲郎君 実は、あなたは、二〇一五年六月、今年の六月号のジャーナリズムという雑誌で、集団的自衛権は限定容認論の下、我が国の存立が脅かされる場合に限られますが、その次です、万一の場合には戦わなければならないときもあるのだと思いますと発言をされています。これはもう活字になっています。
 戦わなければならないのがなぜ必要最小限なんですか。あなたは、必要最小限が内容が変わると言った。まさに、変わるからこそ、万が一の場合、存立危機事態でも戦わなければいけないときもある。そして、あなたはこのときに上陸まで言及をされています。
 つまり、総理は必要最小限があるから歯止めがあるんだと言われているのに、あなたは最小限度の内容が変わることに対して、万一の場合には戦わなければならないときまであると言っています。あなたの必要最小限というのはここまで広がるものなんですか。
 あなたは、撤回しなかったということは、この言葉を、つまりこの必要最小限度がこんなに広がること自身が法的安定性を損なうことであり、このことがあなたの法的安定性は関係ないという言葉につながっていると考えますが、いかがですか。
○参考人(礒崎陽輔君) ただいまの雑誌については全て記憶いたしておるわけではございませんが、その部分は、戦うというのは集団的自衛権において武力の行使をするという話で言ったものと思います。
 私は、必要最小限度というのは、一般に、他国の領域、領土において戦闘はしないということだと認識いたしておりまして、それは、政府の見解と全く考え方は変わらないと認識いたしております。
○福山哲郎君 あなたは上陸と言っているんですね。そして、総理がイラク戦争や湾岸戦争に行かないということを言われていますので、抑制的にと言って、あなたは総理の言葉を肯定しないで、あり得るという、抑制的という言葉を使っています。最小限度とこのことがイコールなら、実は、万一の場合は戦わなければいけないところまで必要最小限が広がると、まさに法的安定性が損なわれるということがあなたの議論の中にはあると私は考えています。
 その次、行きます。
 あなたは、やはりジャーナリズムという雑誌で、今のところ、私たちのところに解釈の変更は憲法違反だと言ってきている人はいません、新たな解釈が現行憲法に外れているのであれば、それは当然議論しなければならないわけですが、そういう主張をしている人は余り見当たりません、今回の解釈の変更が違憲という話は聞いたことがないですと言われています。
 あなたは、何を根拠にこの法案が憲法違反だとしている人は見当たらないと言っているのか、それともとぼけているのか、それとも政権と考えを異なる意見は無視をするということなのか、明確に、簡潔にお答えください。
○参考人(礒崎陽輔君) まず、その雑誌の取材があったのは四月の上旬であるということは申し上げておきたいと思いますが、いずれにいたしましても、今何を根拠にとおっしゃったのは、まさに私の感覚を言ったまででございまして、きちんとした根拠もなくそのような発言をしたことは私も軽率であったと思いますので、その点についてはおわびを申し上げたいと思います。
○福山哲郎君 あなたの感覚は、憲法解釈の変更は違憲という話を聞いたことがない、それがあなたの今の感覚ですか。私は驚きます。
 また、今年の二月、あなたは信じられない発言をしています。憲法改正を国民に一度味わってもらう、怖いものではないとなったら二回目以降は難しいことをやっていこう。
 これは一体どういう意味ですか。国民は政権の実験台だとでも言いたいのですか。難しいものというのは一体何でしょうか。憲法改正は主権者たる国民の選択です。権力側から上から目線で国民に味わわせるようなものではありません。まさに立憲主義の根本をあなたは理解していない。一体このことについてあなたはどう思っているのか、理由をお聞かせください。
○参考人(礒崎陽輔君) その発言は、憲法改正手続を国民に経験してもらいたいということの発言でございます。
 というのは、憲法改正という手続自体国民がまだよく理解していない中で、一度憲法改正手続を踏まえれば、最長で百八十日間、最短でも六十日間という丁寧な手続で憲法改正をやるということが国民が分かっていただければ、いろいろな課題についても国民の御理解が高まってくるのではないかということを申し上げたわけでございますが、これは、ただ私の自民党の役職として申し上げたことでございますので、御理解を賜りたいと思います。
○福山哲郎君 自民党はそういう政党だということをお認めになられました。
 あなたは、二〇一三年十一月、特定秘密保護法案について、ある報道番組に対して、キャスターが廃案にさせなければならないと明確に言ったと、明らかに放送法に規定する中立義務違反の発言だとツイッター上でつぶやきました。ここ数か月、安保法制に関して廃案にするべきだと発信するコメンテーターやキャスターが増えていますが、あなたは、当時と変わらずそれは放送法違反との認識なんですか。
 政府高官がそのような発言をすることは報道や表現の自由への介入という意識はその当時はなかったのか、今の認識と当時の認識をお答えください。
○参考人(礒崎陽輔君) いずれにいたしても、総理補佐官の発言としては、やはり行政に関わることはもっと慎重に発言をすべきだったと思っております。今後もその点については慎重に対応してまいりたいと思います。
○福山哲郎君 答えていません。今の認識を聞いています。お答えください。
○参考人(礒崎陽輔君) 一般に、放送の公平性という原理は、これは放送法第四条に規定されていることでありますから、これは各放送事業者が自主的にお守りいただくべきであると考えております。
 ただ、私がそういうことについて、具体的な内容について発言することにはやはり問題があると考えてございますので、今後は具体的な発言はしないようにいたしたいと思います。
○福山哲郎君 あなたは今、問題があると自分でもお認めになりましたね。それだけでも十分に辞任に値しますよ。
 報道への介入姿勢、国民がこれだけ違憲だと言っているのに、違憲だと言う人は聞いたことがないという国民の声に耳を傾けない態度、法的安定性なんて全く関係ない、存立危機事態の後、万が一の場合は戦うこともあり得ると言って、まさに必要最小限度の議論を非常に引き延ばして、そしてまさに法的安定性を損なう発言。
 この補佐官を安倍総理がかばい、その任に居続けさせるということは、まさに安倍政権の基本的なスタンスであり、安倍政権の考えとあなたの考え、本音が同じだということではありませんか。これ、この補佐官を任命し続ける安倍総理の責任は非常に私は大きいと思います。
 先ほど私が紹介した御発言以外に、あなたは、今の総理の法案に対する説明と異なる説明がたくさんあります。この委員会でしっかりそのことを総理に問うていきたいと思いますし、あなたの今回の発言の真意がこの場で国民に伝わったとは思いません。
 引き続き、我々は、あなたの辞任を求めるとともに、あなたが居続ける限りあなたの発言について追及をしていくことを申し上げ、法的安定性を根底から覆す安保法案の撤回を求めて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(鴻池祥肇君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 礒崎参考人は御退席いただいて結構でございます。
    ─────────────
○委員長(鴻池祥肇君) それでは、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案外一案の審査のため、本日の委員会に株式会社国際協力銀行代表取締役副総裁矢島浩一君及び独立行政法人日本学生支援機構理事長遠藤勝裕君を参考人として出席を求め、その意見を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鴻池祥肇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(鴻池祥肇君) 我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案外一案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐藤正久君 自民党の佐藤正久です。
 先日の委員会で専守防衛に関する議論がございました。そこの専守防衛についての議論が一部かみ合っていない部分もあったように感じましたので、再度確認をさせていただきたいと思います。
 専守防衛というのは、まさに急迫不正の侵害から我が国を守るために、憲法の精神にのっとって、まさに受動的、防衛的な戦略というふうに私も考えています。前回の議論の中で、専守防衛の定義の中で一番最初の部分に、相手から武力攻撃を受けたときという部分につきまして、この相手から武力攻撃が我が国だけではなく我が国と密接な他国が武力攻撃を受けたときも入るというのであれば、この表現を変えなければフルスペックの集団的自衛権も認めてしまうことになるのではないかという議論がありました。
 これは、フルスペックの集団的自衛権は、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略をはみ出す、憲法には認められない範疇と考えております。まさにこの定義について、再度明確な答弁を防衛大臣からお願いしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 専守防衛というのは、これまでも繰り返し御説明をしているとおり、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢でございます。
 昭和四十七年の政府見解にあるとおり、我が国による自衛の措置は、あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態に際して、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ないものとして初めて容認をされるものであります。
 この基本的論理というのは、新三要件の下においても維持されております。すなわち、新三要件において容認される武力の行使というのは、我が国と密接な関係にある他国への武力攻撃の発生を契機とするものであっても、他国の防衛それ自体を目的とするものではなく、あくまでも我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置として初めて容認をされるものでありまして、この専守防衛というのは、このような憲法第九条の解釈の基本的論理の下における憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢でありまして、いわゆるフルスペックの集団的自衛権を認める余地、これはございません。
○佐藤正久君 今日お配りしました一枚紙、これにまさに今防衛大臣が述べられた専守防衛の切り分け、まさに今回の政府の見解にありますように、専守防衛というのは憲法の精神にのっとった防衛的な受動的なものであって、あくまで急迫不正の侵害から我が国を守る、まさに目的が自衛というものに限られるということでありますから、個別的自衛権の場合に加えて限定的な集団的自衛権、この場合を指すものであって、いわゆるフルスペックの集団的自衛権は専守防衛の外だという理解だと思います。私もそういう感じで受け取っておりますので、しっかりこれは明確な答弁を今後ともお願いしたいと思います。
 次に、これも前回の委員会で、存立危機事態の定義、ここに国民というものがありました。まさに日本国籍を有する国民というものが対象だというふうに大臣から答弁がありました。ただ、その議論の中では、海外に在留する百五十万人、海外を旅行する千八百万人の邦人を守るため、存立危機事態を認定をして、自衛隊は世界の警察官になるんじゃないかというような御指摘もありました。
 これは、全くの誤解であると私は思います。海外にいる邦人、これを守るのは日本国の責務でありますが、この全員を、在外の邦人を守ることをもってすぐ存立危機事態と、これはちょっと論理が飛躍し過ぎというふうに感じます。まさに今回、存立危機事態の定義にある国民、これには日本国籍の有する者が入りますけれども、だからといって在外の邦人を守るイコール存立危機事態ではないというふうに私も思います。
 この点、もう一度明確に御答弁を願えればというふうに思います。
○国務大臣(中谷元君) 存立危機事態の定義にある国民についても、一般にそうであるように、日本国籍を有する者をいうため、海外に駐留する邦人も含まれますが、個々の国民を指すということではありません。このことは、我が国の存立が脅かされと国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があるとは表裏一体の関係にあり、両者一体で一つの事柄を表しているものであることからも明らかでございます。
 したがいまして、御指摘のような、海外に駐留あるいは旅行している個々の邦人が攻撃を受ける危険があるからといって、これだけで存立危機事態となることはなく、自衛隊が世界の警察官になるというようなことは誤解であると考えております。
○佐藤正久君 ありがとうございます。引き続き明確な答弁をお願いしたいと思います。
 もう一点、これも前回の委員会の質疑におきまして、存立危機事態の定義、ここに、国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険というものがございます。我が国と密接な関係にある国が攻撃されることによって我が国の存立が脅かされるとかそういう場合は、日本人が死亡してしまう明白な危険とか日本が植民地になってしまうということを指すというふうに取られかねないという、私からしたら大きな誤解のような御指摘もありました。
 これは、全くそれは当たらないと、明確な答弁を大臣からお願いしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 存立危機事態というのは、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生した場合におきまして、そのままでは、すなわち、その状況の下、武力を用いた対処をしなければ、国民に我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況をいいます。
 我が国に対して直接ミサイル攻撃がなされたとしても、それで日本が植民地になるといったことにはならないのと同様に、他国に対する武力攻撃が発生して、それにより我が国の存立が脅かされるという状況も、決して日本が植民地になってしまうというような極端なものであると説明することは妥当ではございません。
 それから、先ほどその前の答弁で海外に駐留あるいは旅行しているという邦人を言いましたけれども、駐留ではなくて在留ということで訂正させていただきます。
○佐藤正久君 いずれにしても、やっぱり存立危機事態ということの定義、これは非常に大事なものでございます。専守防衛の定義、これも非常に今回の議論において大事なものであります。法的安定性というものを確保する上でも、この定義ということはやはりこだわらないといけないと。まさに、それぞれの国民は何を指し、国民がどういう場合にあったときにそれが存立危機事態に当たるのか。あるいは、まさにこの我が国と密接な関係にある国が攻撃されたことがどういう形で我が国の存立とかあるいは国民の権利が根底から覆されるということに関係するかと。これは、非常に根本のやっぱり論理、安定性というのは大事な分野ですから、引き続き明確な答弁をお願いしたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
○三木亨君 こんにちは。自由民主党の三木亨でございます。大変暑い日が続いておりますが、この暑い日に質問の機会を与えていただきまして、本当にありがとうございます。
 今日は四問ほど質問を用意させていただきましたけれども、やはり今回の安全保障法制は、私の地元の方でも大変話題になることが多うございます。地元の方々とお茶を飲んだり、あるいはお菓子を食べたり、あるいはお酒を飲んだり、おにぎりを食べたり、まあそういった間にお話をすることがあるんですけれども、この話題が出てくることも大変多うございます。その中でも、非常に私ども聞かれることが多いのは、例えば衆議院でやられたような憲法論の話ではなくて、もう少し入口の議論が私ども話させていただくことが多いように思っております。
 そういった観点から、今日はふだん聞かれることの多いところから、私なりの切り口でお聞きさせていただきたい質問を集めました。ちょっと言葉の言い回しとか稚拙なところもあるかとは思いますけれども、どうぞ、普通の人というか、まあ私も普通の人ですけれども、そこら辺歩いているおっちゃん、おばちゃんに分かるような感じでお話しいただけたらなと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず最初に、法整備の必要性についてお聞きしたいと思います。
 報道等を見ておりますと、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増しているということ、そしてまた、安全保障環境の変化に対して何らかの対応が必要であるということについては、ほとんどの政党の方々が認められているように思います。野田内閣の時代の平成二十四年の七月に、国家戦略会議から平和のフロンティア部会報告書というものが出されておりまして、この報告書の中でも、「集団的自衛権行使や海外での武力行使をめぐる憲法解釈など、全く異なる時代状況下で設けられた政治的・法的制約を見直すことで、日本の連携力、ネットワーク力を高めることは可能である。」といった内容の文言が出てきております。
 ところで、平和安全法制は、安全保障環境の変化と我が国が直面する複雑かつ重大な国家安全保障上の課題に対処するための法制でございますけれども、衆議院の審議、先ほど私も申し上げましたように、少し憲法論の方が多かったように思っておりまして、法案の原因となっている安全保障環境の変化について、国民の方々に対して詳しくしっかりとする説明の機会が若干少なかったように思っております。安全保障環境という面では、北朝鮮の問題もあるわけですけれども、特にそのお隣の中国の急激な台頭と軍事的膨張、またその一方において日本を守ってきたアメリカの相対的な地位の低下というものがあると思っております。
 そこで、我が国を取り巻く安全保障環境がどのように厳しくなっているのか、またこれを解決するために我が国としてどのような課題を解決しなければならないのか、いま一度具体的に詳しくお伺いをいたしたいと思います。
 そしてあわせて、さらに、最近の各種の世論調査を見てみますと、内閣の支持率が下がっておりますとともに、不支持率が支持率を上回ってきております。また、平和安全法制に対する国民の理解もまだまだ進んでおりません。総理は、国民の理解が十分でないということは認めておられますし、しっかりとした説明をしていくというふうにもおっしゃられております。ただ、政権に言わば傷が付くような感じで進めてしまっておりますので、内閣支持率も下がっております。なぜ今この法案の成立を急ぐ必要があるのか、つまり、なぜ今なのかということ、この点についてお伺いしたいと思います。
   〔委員長退席、理事塚田一郎君着席〕
○国務大臣(中谷元君) 御指摘のように、我が国を取り巻く安全保障環境というのは厳しさを増しておりまして、それは科学技術の進歩、これによって兵器やミサイルの性能、射程、これはますますその能力が上がってきております。
 北朝鮮はミサイル発射実験を繰り返しておりまして、日本の大半を射程に入れる数百発もの弾道ミサイル、これを配備をし、その上、核兵器、これの開発をいたしております。また、中国の活動につきまして、東シナ海におきまして公船による領海侵入、これを繰り返しております。また、南シナ海におきましては中国が活動を活発化をいたしておりまして、大規模かつ急速な埋立て、施設の建設を一方的に強行をいたしております。自衛隊のスクランブルの回数、これも十年前と比べて約七倍に増えておりまして、我が国における中国軍、またロシア軍の活動が大いに活発化をいたしております。
 また、アルジェリア、シリア、チュニジア、これは日本人がテロの犠牲となる事件が起こっておりますが、現在もISILを始めとして暴力的な過激主義が台頭いたしておりまして、我が国を取り巻く安全保障環境、昭和四十七年に政府見解がまとめられたときから四十年以上の月日を経過をいたしまして大きく変化をしており、まさに脅威というのは国境を越えてやってくる、そして、もはやどの国も一国のみでは自国の安全を守れない時代となってきております。
 私も防衛大臣として、現在の法律の制度の下において、例えばミサイル防衛、公海上で警戒監視の任務に当たる米軍が武力攻撃を受けても、日本自身への武力攻撃がなければこれを守ることができません。また、我が国近隣で武力紛争が発生し、取り残された多数の邦人を米国の船舶が輸送をしている際に、そのアメリカの船舶が武力攻撃を受けたとしても自衛隊はこれを守ることができません。また、PKO活動参加中に自衛隊の近傍で我が国のNGOが武装集団に襲われた場合でも、自衛隊は駆け付けて助けることができないといった十分ではない点がありまして、何もできない、何もしない、また見て見ぬふりをする、果たしてこれでいいのでしょうか。
 やはり政府は、安全保障環境が大きく変わっている中において、国民の命と平和な暮らしを守るために必要な自衛の措置とは何かを考え抜き、あらゆる事態を想定をし、切れ目のない備えを行う責任があり、平和安全法制はそのために不可欠なものでございまして、政府としても、国家国民のために真に必要な政策を進めていきたいと考えているわけでございます。
○三木亨君 済みません、ありがとうございます。ちょっと時間が読めないので、次の質問に行かせていただきたいと思います。
 七月三十日の委員会で、お子様を持つ親の立場からすれば当然のことでございますけれども、森委員の方から、繰り返し繰り返し本当に丁寧に徴兵制に対する質問がございました。
 これに対して、憲法十八条では、その意に反する苦役には服せられないと規定されておりまして、憲法上、徴兵制は採用できないというふうな御答弁でございました。また、兵器を使うためには長期にわたる訓練が必要でございまして、徴兵制というのはいきなり連れてきて急にやらせるわけですから、それではまた役に立ちませんし、また訓練に時間と費用が掛かるだけだというような答弁もございました。
 また、これ以外にも、私は、少子高齢化がどんどん進みまして、どんどん人口が減少していく時代に、徴兵制をしいて百万人も二百万人もの労働者、若者を労働市場から奪う、こういったことは日本経済の破滅を意味してしまうと思います。憲法上はもちろんですけれども、政治的にも経済的にも徴兵制はできないというふうに私は思います。
 ところが、徴兵制という言葉に踊らされて、いまだに徴兵制に懸念を抱いている方がいらっしゃいます。この徴兵制の議論の息の根を絶つためにも、しつこいようですけれども、重ねて、先日の答弁に誤りはないか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 徴兵制というのは、憲法十八条が禁止する意に反する苦役に該当するなど、明確な憲法違反であり、徴兵制の導入はあり得ません。このような憲法解釈を変更する余地、これは全くありません。いかなる安全保障環境が変化があろうとも、徴兵制が本人の意思に反して兵役に服する義務を強制的に負わせるものという本質が変わることはありません。したがいまして、今後とも徴兵制が合憲になる余地というものは全くございません。
 現在の自衛隊の状況を申し上げますと、自衛隊というのは志願制でございまして、非常に今ハイテク装備で固めたプロ集団であります。隊員の育成には長い年月また相当な労力が掛かりまして、隊員は毎日非常に厳しい訓練を受け、そして教育を受けながら、精強な自衛隊というものをつくっているわけであります。
 現在の募集の状況を見ましても、これは景気や雇用の動向に影響を受けますけれども、ここ数年、七倍を上回る水準を維持をいたしておりまして、それだけ使命感を持ち、能力の高い国民が自衛隊に入っていただいているわけでありまして、非常に今後、少子化、高齢化、これが進行していくわけでございますけれども、多くの優秀な若者が自衛官を志していただいておりまして、今後とも優秀な人材を十分確保できるものであるというふうに考えております。
○三木亨君 ありがとうございます。
 続きまして、一問目に少し関わることかと思いますが、戦後の日本の安全保障というものは、日米安全保障条約を中心に構築されてまいりました。この条約は、日本がアメリカに基地を提供するという代わりにアメリカが日本の防衛義務を負うというような、一面で片務条約ではございますけれども、この日米安保によりまして、半世紀以上にわたって日本の平和は保たれてきたわけであります。
 しかし、先ほども御答弁で触れられましたように、近年、北朝鮮は核を持ち、ミサイルを持つようになりまして、日本はその射程圏に入っております。
 また、中国は毎年国防予算を一〇%以上膨らませておりまして、公表されている数字だけでも我が国の国防予算の三倍を超えておりますし、その内容は明らかでないところも多うございます。
 最近の動きを見ましても、我が国の生命線とも言える航路である南シナ海では、国際法上意味を成さない九段線というものを持ち出すとともに、南沙諸島で七つの岩礁を埋め立て、急速に大規模な人工島を築いておりますし、東シナ海でも、尖閣だけではなくて、先日政府が公表しましたように、一方的にガス田開発を進めておりまして、既に十六基の海洋プラットホームを確認しておるというふうにも聞いております。
   〔理事塚田一郎君退席、委員長着席〕
 また、昨年、小笠原に中国のサンゴの密漁漁船が大挙押し寄せまして、小笠原漁民を震撼させましたけれども、長崎県五島列島の福江島にも中国漁船が大挙避難する事件がありましたし、また鹿児島県の下甑島に中国人密航者が上陸するというような事件が発生するなど、様々な事件が発生しておりまして、警察権だけでは対応できないような案件も発生しております。空の方でも、我が国の防空識別圏と重なる空域に勝手に防空識別圏を設定しておりますし、中国機に対するスクランブル発進はこの五年間で十倍以上に急増しております。
 一方、我が国の同盟国であるアメリカはといいますと、世界最大の軍事大国であるとはいえ、相対的には以前よりも地位が低下しておりまして、かつてのような圧倒的な力というものはなくなっておりますし、イラク撤退以降、アメリカ国民の意識が内向きになっておるというような報道もございます。
 今、東アジアでは軍事的なアンバランスが生じつつあるわけでありまして、このように複雑化し、急速に変化しつつある国際情勢下において、日本一国で、またアメリカにおんぶにだっこで我が国の平和と安全を確保することは困難な情勢となってきているように思います。これからは、日米同盟をより強固なものとするとともに、国際ルールを守ろうとする国々と緊密な国際協力関係を構築していくことが、これが膨張を続ける中国への大きな抑止力になるものというふうに考えております。
 そこで、今回整備される安全保障法制下において、どの程度、あるいはどのような抑止力が期待できるのか、御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 委員が述べられましたように、近年の国際情勢の変化、非常に複雑化をし、そして急速に変化をしてきてまいっておりますが、どのように対応していくのか。
 それは、今回の平和安全法制、これはあらゆる事態に切れ目のない法制を整備をして、日米同盟、これをより一層強化をすることで紛争を未然に防止する力、すなわち抑止力を高めるということが目的でございます。このため、平和安全法制と日米ガイドラインについて整合性を図りつつ進めてまいりました。今回の法整備を行えば、日米ガイドラインの下で日米の防衛協力の実効性、これを更に高めることができます。
 具体的には、平時におきましては、いわゆるグレーゾーンの事態における米軍等の部隊の武器等の防護、また警戒監視活動など、様々な場面での物品役務の提供の拡大などが挙げられます。
 そして、重要影響事態におきましては、従来の周辺事態法ではできなかった公海上における輸送以外の後方支援、また重要影響事態に対処する米国以外の外国の軍隊等に対する後方支援の実施、これが可能になります。
 また、存立危機事態におきまして、これは新三要件、これが満たされる限りにおきまして、在外邦人を輸送する艦艇の防護、また機雷の掃海、停船検査等の海上における活動、弾道ミサイル攻撃への対処などが可能になりまして、平時から有事に至るまで日米の防衛協力の実効性を更に高めることによって、日本が危険にさらされたときに日米同盟は完全に機能するようになります。
 さらに、それを世界に発信をすることによって抑止力は更に高まり、日本が攻撃を受けるリスク、これは一層下がっていくものだと考えております。
○三木亨君 大臣、ありがとうございます。
 実は次が最後の質問なんですが、最後の質問の答えを今一緒にいただいたようでございまして、大変実は困っておるんでございますが。
 最後の質問は、実は、今回の法案の要である重要影響事態あるいは存立危機事態あるいは武力攻撃事態の区別、あるいはそれぞれの関係について、集団的自衛権や個別的自衛権の行使との関係も含めて、官僚の言葉ではなくて、国民にも分かるようにというふうに、分かりやすい言葉で説明していただきたいという質問だったんですが、抑止力の中で大臣の方に詳しく答えていただきましたので、十分答えはいただいたと思います。
 ここの部分が非常に分かりにくいという方は非常に多うございまして、例えばどの場面で個別的自衛権が問題になるのか、あるいは集団的自衛権はどの場面で行使したら問題になるのかということをよく聞かれます。私なりに分かる範囲でお伝えはしておりますけれども、何分にもまだまだ整理が付いていない部分もございますので、特に一般の方々に対しては私どもも余りうまく伝え切れていないところがございまして、繰り返し聞かれることが多うございます。
 実はもう一つお聞きしたいのが、今回の法制の一つの肝となっております新三要件ということでございます。
 とにかく戦争する法案じゃないかというふうに言われる向きも多いわけですし、それのためのブレーキはどこで利いているのかということ、これについて非常に不安に思っておられる方がいらっしゃいます。ただ、度々答弁いただいていますように、新三要件という歯止めでもって集団的自衛権にブレーキを掛け、使う場面を限定しているということを説明しておるわけでございますけれども、このことについて、繰り返し政府の方では述べられているわけでありますけれども、もう一度分かりやすくお伝えいただけたらと思いますので、その新三要件の歯止めということに説明いただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 新三要件というのは、第一に、我が国に対する武力攻撃が発生したこと、そして、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生をし、これによって我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること、そして第二要件が、これを排除して、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないということ、そして第三に、必要最小限度の実力行使にとどまるべきものであるというような三つの三要件、これを厳格に基準をクリアをする必要がございます。これは、国際的にこのような三要件があるというのは我が国だけでありまして、国際的にも非常に厳格な基準でございます。
 また、事態が発生した場合におきまして、政府は、客観的、合理的に判断をして、対処基本方針、これを閣議決定を行いますが、この閣議決定の中にしっかりとその理由また対処の内容、こういうことを記述をいたしまして、国会に諮り、承認を求めるわけでありまして、白紙委任を政府にするという主張は間違っているというふうに思います。
 その上で申し上げれば、安全保障というのは相手があるものでありまして、透明性、予見の可能性と個別具体的な状況における柔軟性のバランスを取りながらやっていくわけでございますが、やはり、国家の危機、すなわち国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合に限ってこの対応をするということで、非常に厳格な要件が課せられると私は考えております。
○三木亨君 ありがとうございました。時間が来たので終わります。
○小西洋之君 民主党・新緑風会の小西洋之でございます。
 私は、安保法制の中で、集団的自衛権の違憲論点、また、先ほど礒崎補佐官がおっしゃいました、安倍政権の七月一日の閣議決定また安保法制は従来の基本的な論理に基づいている、ゆえに合憲性があり、かつ法的安定性があるということでございましたけれども、それが根本的に違うのではないかということについて質問をさせていただきます。
 お手元に資料を複数お配りをさせていただいておりますけれども、冒頭、中谷大臣にお願いをさせていただきたいと思います。
 こちらの、この横の七月一日の閣議決定の縮小のコピーのものがあるんですけれども、よろしいでしょうか、そこの(1)番を、恐れ入りますが、ちょっと読み上げていただけますでしょうか。第一段落でございます、(1)番。とても大事なことが書いてあります。そのとおりです。そこでございます。
○国務大臣(中谷元君) 朗読させていただきます。
 「我が国を取り巻く安全保障環境の変化に対応し、いかなる事態においても国民の命と平和な暮らしを守り抜くためには、これまでの憲法解釈のままでは必ずしも十分な対応ができないおそれがあることから、いかなる解釈が適切か検討してきた。その際、政府の憲法解釈には論理的整合性と法的安定性が求められる。したがって、従来の政府見解における憲法第九条の解釈の基本的な論理の枠内で、国民の命と平和な暮らしを守り抜くための論理的な帰結を導く必要がある。」ということでございます。
○小西洋之君 ありがとうございました。
 大臣に読み上げをいただくのは大変恐縮ではございますけれども、今回の安保法制のもう一番核心的な大事な部分でございます。
 今お聞きいただきましたように、憲法九条において、憲法の条文を変えない限りできない、解釈変更の余地すらないと議会が歴代内閣を議院内閣制の下で監督し、確立してきた憲法九条の解釈、それがこの七月一日の閣議決定によって百八十度根底から変わっているわけでございます。
 しかし、七月一日のまさにこの閣議決定の、なぜ、どのような考え方で変えたのか、その基本的な論理を示す部分で、「政府の憲法解釈には論理的整合性と法的安定性が求められる。」というふうに閣議決定自身にずばり書いてあるわけでございます。
 中谷大臣に伺います。
 礒崎総理補佐官の法的安定性は関係ないという発言は、この七月一日の閣議決定の根本の考え、それを根底から否定し、また、国民における安保法制への信頼を根底から覆すものではないでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 閣議決定に記述しているように、「論理的整合性と法的安定性が求められる。」と、これは一番大事な大前提でございます。
 先ほど補佐官本人が、この国会の場において、そのことは重要であり、前提でありますが、せんだっての発言におきましては、これを取消しをいたして、その上で謝罪をし、撤回をし、そして改めてこの法的安定性、これが重要なことであると述べられたので、国会においてそのように補佐官が述べられたということでございます。
○小西洋之君 いや全く、恐れ入りますが、足りない答弁だと思います。
 礒崎補佐官の発言というのは、私、先ほど申し上げましたように、この安保法制の根幹の考え方、しかもそれを、この安保法制が成り立っているその基盤である閣議決定の中の一番大事な考え方、法的安定性が求められる、それをまさに真っ正面から否定しているわけでございます。このような方が、しかも安保法制の担当補佐官です。たった一人の安保法制の担当の総理補佐官です。このような方が、引き続きその職にとどまってこの安保法制の審議を我々立法府に求める、良識の府の参議院に求める、そのようなことは絶対にあってはならないことだというふうに思います。
 では、今、この法的安定性についてですけれども、単に礒崎補佐官は正直に自分の思われていたことを包み隠さずおっしゃったんだと思うんですけれども、実はそれはある意味正しい、全く正しいわけでございます。なぜならば憲法違反でございますから。そのことを今からお示しをさせていただきたいと思います。
 今、皆様に御覧いただいているこの七月一日の閣議決定、下の方に目を移動させていただけますでしょうか。(2)番が、なぜ憲法九条において集団的自衛権の行使が許されるのか、その論理を七月一日の閣議決定に書いた部分でございます。真ん中に外国の武力攻撃という言葉がございます。誰に対するというふうに書いてありません。裸の外国の武力攻撃でございます。外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態、これに対処してかけがえのない国民の命などを守る、そのためだけの必要最小限度のことはできるというふうに言っているわけでございます。
 しかし、問題なのは、安倍内閣は、この外国の武力攻撃、誰に対するというふうに書いていないので、当然、我が国、日本国に対する外国の武力攻撃、すなわち日本に侵略が起きたときに、それを正当防衛で防いではね返す従来からの個別的自衛権、それだけではなくて、同盟国に対する外国の武力攻撃、同盟国などに対する外国の武力攻撃ということもここに含むんだということを言っているわけでございます。これは、三月に私が外交防衛委員会で初めて明らかにし、衆議院でも厳しい追及を受けました。
 そのような言葉の読替えができるのかどうか。同盟国などに対する外国の武力攻撃によって日本国民の生命などが根底から覆される。当てはめますと、同盟国アメリカに対する外国イラン、アメリカに対するイランの武力攻撃によって日本国民の生命などが根底から覆される。まさにホルムズ海峡がいきなりでき上がってしまうわけでございます。
 このような言葉遊びのようなことで集団的自衛権を本当に解禁することが許されるのか、それが問題でございますけれども、下に更に目を移動させていただけますでしょうか。基本的な論理という言葉がもう一度出てまいります。安倍内閣は、この七月一日の閣議決定で、今申し上げました外国の武力攻撃というのは二通りに読めるんだと。限定的な集団的自衛権と言っておりますけれども、日本国民の生命などが根底から覆される、それを防ぐための、自国防衛のための集団的自衛権というものも論理として含むんだと。
 つまり、二つ論理があると言っているわけでございます。従来の個別的自衛権の論理と、七月一日のこの閣議決定で初めて認めた限定的な集団的自衛権の論理。その二つの論理を含んだのが基本的な論理であり、それが、次でございますけれども、昭和四十七年十月十四日に参議院決算委員会、我が参議院でございます、我が参議院の決算委員会に対し政府から提出された資料、集団的自衛権と憲法の関係に明確に示されているところというふうに書いております。
 つまり、この文書の、閣議決定の意味するところは、昭和四十七年政府見解のことでございますけれども、そこにこの基本的な論理、個別的自衛権の論理と限定的な集団的自衛権の論理が二つ書かれているのだということを閣議決定で紛れもなく明言、断言しているわけでございます。
 じゃ、ちょっと皆様のお手元に今、その昭和四十七年政府見解の本物のコピーをお配りさせていただいております。カラーでございますけれども、こちらでございます、ちょっと見ていただけますか。この上に赤い色で判こが付いた紙がございますけれども、これをちょっと一枚おめくりいただきまして、右側の下ですね、右の下、左肩に五ページというのが付いていますけれども、ちょうど真ん中の行の上から六文字目に「外国の武力攻撃」という言葉がございます。先ほどの確認いただいた閣議決定の言葉ですね。「外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底からくつがえされる」、ここからきているわけでございます。先ほど閣議決定に書いてあったように、この昭和四十七年政府見解の外国の武力攻撃も裸の外国の武力攻撃でございますので、ここに、我が国に対するだけではなくて同盟国に対する外国の武力攻撃も読めるんだというふうに安倍内閣は言っているわけでございます。
 ここで横畠内閣法制局長官に伺います。
 この昭和四十七年政府見解の前、政府の国会答弁全てです、あらゆる国会答弁、議事録あるいは政府見解で、限定的な集団的自衛権が法理として認められるといったものがあるでしょうか。また、昭和四十七年政府見解以降、昨年の七月一日の閣議決定までに、同じく、あらゆる国会答弁や政府見解などで限定的な集団的自衛権が法理として認められると示したものがあるでしょうか。質問主意書でも私確認していますので、イエスかノーかだけでお答えください。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 昨年七月以前におきましては、政府として限定的な集団的自衛権の行使を認めるという考えを表した、表明したものはございません。
○小西洋之君 ありがとうございました。今の答弁は物すごく重要な答弁です。
 つまり、安倍内閣の、民主党は四月二十八日、北澤筆頭理事の下でまとめました安保の党見解で、安倍内閣の新三要件は立憲主義に反するというふうに言い切っていますので解釈改憲と呼ばさせていただきますけれども、安倍内閣の解釈改憲というのは、昨年の七月一日に新しく集団的自衛権を法理として作ったというふうには言っていないんですね。この昭和四十七年政府見解を作った瞬間から、この中に集団的自衛権が法理として存在するんだというふうに言っているんです。しかも、我が国の戦後の日本国憲法の下での議会の歴史の中で、この昭和四十七年政府見解以外に限定的な集団的自衛権を認めた政府の文書、政府の答弁というのは一切ない。
 つまり、安倍内閣の解釈改憲の肝、要諦というのは、本当にこの中に集団的自衛権の行使が論理として書いてあるのかどうか。書いてなければ、先ほど七月一日の閣議決定確認いただきましたように、まさに閣議決定で明確に示されている、書いてあると言っているわけでございますので、閣議決定がもろとも根底から覆り、それに基づく安保法制は根底から覆り、そして、安倍内閣は国民の憲法をじゅうりんしたその責任をもって退陣をすることになるわけでございます。
 では、この昭和四十七年政府見解に本当に限定的な集団的自衛権があるかどうかを確認をさせていただきます。
 先ほど中谷大臣にお読みいただきましたこの七月一日の閣議決定の紙を一枚、御覧いただけますでしょうか、開けていただけますでしょうか。一枚開けていただきまして、上に六月二十六日、これ衆議院の特別委員会の議事録でございます。民主党の大串博志委員の質問でございます。二つ線を引いている箇所がありますけど、下の方を御覧いただけますか、横畠法制局長官の答弁です。
 その論理といいますのは、だから、当時の担当者の頭から出て紙として今に残っているということでございまして、その当てはめの問題につきましてはまさに現在の事実の認識がどうかということでございまして、そこがなぜ変わるかということはまさに論理ではなくて、安全保障環境がどのように変化したか、そういうことによるわけでございます。
 この前の大串先生の質問を見ていただきますと、「当時の吉国さん」と言っていますけど、この昭和四十七年見解を作った法制局の長官ですね。その法制局の長官が限定的な集団的自衛権の論理というものをここに入れたんですかというような質問をされているわけでございます。
 横畠長官に伺います。
 今私が読み上げたあなたの答弁部分ですね、この答弁の一番右下の部分、「紙として今に残っている」、この紙は昭和四十七年政府見解で間違いないですか。イエスかノーかで簡潔にお願いいたします。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 「紙として今に残っている」というものは、この昭和四十七年の政府見解のことでございます。
○小西洋之君 ありがとうございました。
 じゃ、引き続き今のところで伺わせていただきます。
 その上に「担当者」ってありますね、「当時の担当者の頭から出て」。この担当者は吉國内閣法制局長官は入るということで間違いございませんか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 当時の吉國長官を含む内閣法制局の担当者の考えということでございます。
○小西洋之君 先に答えていただいてありがとうございます。
 念のため確認します。先ほど皆さんに御覧いただきました昭和四十七年政府見解のこの起案の文書、上は吉國長官でございます。後のプロ野球のコミッショナーになられる方です。左下が真田次長、後に長官になられます。右下は角田第一部長、第一部長というのは、横畠長官も歴任されましたけれども、法制局の中で憲法解釈を担当する部長様でございます。そして、右下の早坂さん。今私が申し上げているのは、内閣法制局に事前に全て事実関係を文書で確認させていただいております。早川さんは参事官クラスの方ですね。私もかつて霞が関の官僚でございましたけれども、法案の審査などの御指導をいただく課長クラスの方でございます。
 念のために伺います。今、私、この六月二十六日の横畠長官の答弁の担当者、早坂さんがこの起案文書を作ったんですね、これ、文字を見ていただくと筆跡で一目瞭然なんですけれども、また、そういうふうな手続、私もこういうものを何十本と役人時代に作りましたけれども、早坂さんが十月の五日、日付が書いてございますね、昭和四十七年十月の五日に作って、それを十月の七日の二日間の間にこの三人の上司の方、この総務主幹の方はいわゆる総務的な立場ですので、いわゆる法令解釈の審査をしたのはこの御三人だというふうに法制局から伺っておりますけれども。
 では、伺います。今の担当者というのは、この吉國長官、真田次長、角田第一部長、あと早坂さん、起案を諮ったですね、この四名全て含まれるということでよろしいですか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) まさにこの原議に判をついているわけでございますので、そのとおりであろうと思います。
○小西洋之君 ありがとうございました。
 では、横畠長官のこの答弁ですけれども、「当時の担当者」、この担当者の頭の中から紙として今に残っている、四十七年見解に残っている、何がというと、左側の論理でございます。さらに、上の方に下線引かせていただいていますね、論理といいますのは、それを考えた人、個人の頭の中にあるというふうにおっしゃっております。この四人の中の頭の中にあったということでございます。それが言葉となって外に出て、今、論理として生きているもの、昭和四十七年見解で生きているものでございます。
 横畠長官に伺います。
 ここで言っている「論理」、あなたの答弁の論理というのは新三要件の下で認められた限定的な集団的自衛権の論理でございますね。憲法九条との関係で新三要件に基づく限定的な集団的自衛権が認められるというその論理のことでございますね。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) もとより、その当時、新三要件の考え方はございませんでした。先ほど御指摘のあったとおり、新三要件の考え方は、昨年七月以降、政府として取っている考え方でございます。そこで私の申し上げたその論理といいますのはこの昭和四十七年見解の基本的な論理の部分のことでございます。
○小西洋之君 今、横畠長官がおっしゃられましたけれども、先ほどの大臣にお読みいただきました七月一日の閣議決定の下の(2)番ですね、皆様に確認していただきました。
 あそこに書かれている基本的な論理ですね、七月一日の閣議決定。それが昭和四十七年政府見解にも書かれている。その基本的な論理について、この四名の頭の中にあって、それが昭和四十七年政府見解の中に当時書き込まれたというふうな答弁をなさっているという理解でよろしいですか。イエスかノーかだけでお答えください。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) まさに昭和四十七年当時におきましては、その昭和四十七年見解の結論で述べておりますとおり、個別的自衛権といいますか、我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみが、ここに言う外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態に当たるのだという、そういう事実認識の下で昭和四十七年見解が作成されているわけでございますけれども、その前提となっている、すなわち憲法第九条の下でもなぜ我が国として武力の行使ができるのかというその基本的な論理の部分は、まさにこの基本的論理、この四十七年見解で示された基本的な論理であるという、そういう考え方を当時の担当者は皆持っていたということであろうというお答えをしているわけでございます。
○小西洋之君 ありがとうございました。
 では、皆様、次のページを御覧いただけますでしょうか。済みません、もう今答弁いただきましたので、次のページですね。
 六月十一日の外交防衛委員会の私の質問ですけれども、横畠長官の答弁が一番左下にありますけれども、私の質問はそのちょっと前、四十七年見解を作ったときに、今お認めになった限定的な集団的自衛権を容認する法理、今おっしゃった基本的な論理のことです、が含まれていたのか、作った瞬間にですね、作ったとき。それに対して横畠長官は、「法理といたしましてはまさに当時から含まれている、」、作ったときから含まれているというふうな答弁をされました。今、ここで答弁していただいた内容と同じでございます。
 じゃ、次をおめくりいただきまして、四月二十三日の外交防衛委員会の私の質問でございます。
 この昭和四十七年政府見解というのは、じゃ、一体どういうものかということなんですけれども、一番左上で横畠長官はこういうふうに答弁をされております。
 昭和四十七年九月十四日、実はこの昭和四十七年政府見解を作るきっかけになった国会の審議がございます。参議院の決算委員会でございます。先ほど確認いただきました十月七日の吉國長官の決裁から僅か三週間前に、参議院の決算委員会で、当時社会党の水口先生という方が憲法と集団的自衛権の関係について質問をし、最後に政府統一見解を求められたものでございます。議事録をそのまま、もう一つの資料で付けておりますので、後でお示しさせていただきますけれども。
 その横畠長官の答弁、四月二十三日の続きでございますけれども、昭和四十七年九月十四日の国会での審議は多岐にわたっておりますので、それを論理的にまとめて分かりやすくして提出したものでございますというふうに、昭和四十七年政府見解のことを言っております。
 そして、左に行っていただきまして、先ほどから申し上げた二つの武力行使が許容される基本的な論理というものがあるわけでございますけれども、更に左に行っていただいて、この昭和四十七年九月十四日の国会での御指摘、私の指摘ですけれども、この答弁、吉國長官の答弁も、そのような基本的な論理、二つの武力行使、限定的な集団的自衛権をも許容する基本的な論理と当時の吉國長官の事実の認識を踏まえた議論であろうかと思いますというふうに言っております。
 横畠長官に伺います。
 このあなたの答弁のとおりだと、九月の十四日のその審議を踏まえてこの昭和四十七年政府見解が作られた、しかも、その昭和四十七年政府見解を作るに当たって踏まえられた九月の十四日の審議のその論理的な内容がこの四十七年見解に反映されていると、そういう理解でよろしいでしょうか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 御紹介いただいたとおりでございまして、昭和四十七年九月十四日の国会での審議がまさに多岐にわたっておりましたので、それを政府として論理的に取りまとめて整理したものがこの昭和四十七年の政府見解でございます。
○小西洋之君 今日の質疑は、国民の皆様の憲法を、国会議員の憲法遵守擁護義務に懸けて真剣勝負をさせていただきます。
 まず一つ目の非常に重要な質問をさせていただきます。
 今、横畠長官は、この昭和四十七年政府見解というのは、昭和四十七年九月十四日の国会での審議、その内容を論理的にまとめたというふうに既におっしゃっているわけですけれども、なお重ねておっしゃっていただきました。かつ、この四月二十三日の答弁で、そのときの吉國長官の答弁も、この二つの武力行使が含まれる基本的な論理を踏まえた議論であるというふうに言っております。
 では、横畠長官に伺います。
 皆様、この当時の昭和四十七年九月十四日の、四十七年見解を作るきっかけになった議事録を配らせていただいております。吉國長官答弁というふうにマジックで書かせていただきました。下にページ番号を細いマジックで書かせていただいておりますけれども、八ページまでのものです。内容的には全体は約七ページなんですけれども、八ページのものですね。
 横畠長官に伺います。
 この吉國長官と当時の社会党の水口議員とのやり取りの中で、我が国が武力攻撃を受けていない状況で我が国が武力行使をすることが許される基本的な論理ですね、基本的な論理、同盟国などに対する外国の武力攻撃によって日本国民の生命などが根底から覆されるおそれがあるときに、それを防ぐやむを得ない、ほかに手段がない場合に必要最小限度のことができるという集団的自衛権、皆様が認めた限定的な集団的自衛権を論理として示している箇所、何ページの何行目にそれがあるか、答弁してください。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) この昭和四十七年の政府見解は、その結論でお示ししているとおりでございまして、当時の認識といたしましては、先ほどの基本的な論理に当てはまる具体的な場合としては、(発言する者あり)我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみがこの基本的な論理に……
○委員長(鴻池祥肇君) 答弁中でありますが、小西洋之君に注意を申し上げます。着席のままの発言は控えてください。
○小西洋之君 失礼いたしました。
○委員長(鴻池祥肇君) 答弁を続けてください。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 当てはまるとの当時の事実認識を前提として、この結論、すなわち、我が国に対する急迫不正の侵害に対処する場合に限られる、すなわち、いわゆる集団的自衛権の行使は憲法上認められないという、そういう結論を導いているわけでございまして、当時の関係者の認識、事実認識としては、あくまでも外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態といいますのは、我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限られるのだという、そういう事実認識を前提として議論がされていると、そういう状況を申し上げているわけでございます。そこの認識が変わりましたのは、政府としては、昨年七月以降ということになります。
○小西洋之君 横畠長官に申し上げます。
 私は、十二年間霞が関で官僚として働いておりました。国会に出す法案の審査などで法制局に何十回と通いました。この国会の議場にも何十回、何百回と、まあ何百回単位になるでしょう、参りました。あなたのような法制局長官を私は一度も見たことがありません。国会議員が論理的な質問をして、それと全く関係ないことをなぜ答えるんですか。国民の憲法ですから。あなた自身が日本の、我が国の法的安定性を壊しているのではないか、そういう問題意識が私の質問の一番根底にはございます。
 先ほど横畠長官はおっしゃいました。この四人、吉國長官以下四名の方は、限定的な集団的自衛権を法理として含む基本的な論理を当時頭の中に持っていた。そして、それを四十七年見解という紙に書いた。そして、その頭の中の論理は、この三週間前の九月十四日の質疑の中、その内容を論理的に取りまとめた。かつ、その九月の十四日の審議というのは、その基本的な論理を踏まえた議論であったというふうにおっしゃっているわけですから、この九月十四日の議事録の中に、限定的な集団的自衛権を法理として含む基本的な論理を論理として示す箇所が絶対にあるはずなんです。それを具体的に示してください。
 鴻池委員長、また全てのこの参議院の安保特別委員会の委員、皆さんがあなたの答弁を待っています。そして、一番大切な方が待っています。誰でしょう、国民の皆さんです。国民の皆さんが、私たちの憲法はいつの間にか安倍総理に奪われてしまった、国会の下で六十年間、憲法の条文を変えない限りできないと言われていた集団的自衛権ができるようになった、なぜなんだ、皆さんが知りたがっています。その思いで、怒りの思いも持って、国会の前にも大勢の方がいらっしゃいます。その核心を説明するものです。
 あなたは、元、法制局に勤めるまでは二十年間、検察官でしたね。これは物証の問題なんですよ。この議事録の中に、どこに限定的な集団的自衛権を法理として含む基本的な論理を論理的に示した箇所がありますか。何ページの何行目ですか。どうぞ。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 何度もお答えしているわけでございますけれども、当時の事実認識としては、国民の権利が根底から覆される、そういう事態というのは、我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限るという事実認識だったわけでございます。
 今般、その基本的な論理として重視しておりますのは、憲法第九条の下でも、なぜ、あるいはどういう理由で、また、どういう場合に我が国として武力の行使ができるのかというその基本的な論理をこの四十七年見解も語っているわけでございます。それがまさに基本論理の部分でございます。まさに、我が国の存立を守り、生命、自由及び幸福追求の権利を守るためには武力の行使もやむを得ないということでございます。
 御指摘の、議事録についてのお尋ねでございますけれども、昭和四十七年九月十四日のこの議事録のページ数で申し上げます。議事録のページ数の十二ページの一段目でございますけれども、我が国が他国の武力に侵されて、国民がその武力に圧倒されて苦しまなければならないというところまで命じているものではない、これは当時の認識として我が国に対する武力攻撃が発生した場合のことを述べております。
 ただし、三行目に行きますと……(発言する者あり)三段目ですね、三段目の左の方でございますけれども、生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利が根底から覆されるおそれがある、その場合に、自衛のために必要な措置をとることを憲法が禁じているものではないということも明言しているわけでございます。
 その他、何か所か該当する部分がございますけれども、念のため申し上げておきますと、先ほどもお答えしたとおり、当時におきましては、そのような国民の権利が根底から覆るような場合というのは我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限られるのだという事実認識を前提にしてお答えしているわけでございますので、その辺が両者一体となったお答えをしているという部分がございますが、論理といたしましては、まさに国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される、そういう場合には武力の行使を行うことを憲法は禁じていないという、そこは基本的な論理の部分でございます。
○小西洋之君 同僚、先輩の議員の皆様と、あとこれを御覧いただいています国民の皆様に御説明します。私の質疑、一体何をやっているかといいますと、もう簡単に申し上げますと、この昭和四十七年政府見解、これを勝手に読み替えているだけなんですね、解釈改憲というのは。外国の武力攻撃という言葉に、何の根拠もなく何の法的な論理的な根拠もなく、同盟国に対するという言葉を言いがかりで付けているだけのものなんです。
 それを突き詰めていくと、一番この昭和四十七年見解を作るきっかけになったこの九月十四日の議事録の中にそういう法理があるということを言わざるを得なくなるんですけれども、それがあるかというと、今あるというふうに言ったんですけれども、じゃ、言った箇所、全くないことをこっぱみじんに指摘させていただきます。
 横畠長官が御指摘されましたマジックの五ページのところでございます。私もちょっと分かりませんでしたが、マジックの五ページで、議事録の十二ページでございます。
 横畠長官が限定的な集団的自衛権の法理がここにあるというふうに示された箇所でございますけれども、一段目のマジックでちょっと黒く塗っているところでございますね。ちょっと読ませていただきますと、マジックの太いところからですけれども、「日本は自衛のため必要な最小限度の措置をとることは許されている。」と。これ実は砂川判決、右側に行っていただくと砂川判決を引いています。これ吉國長官の答弁です。「その最小限度の措置と申しますのは、説明のしかたとしては、わが国が他国の武力に侵されて、国民がその武力に圧倒されて苦しまなければならないというところまで命じておるものではない。」、ここに限定的な集団的自衛権の法理があるというふうに横畠長官は言いました。
 しかし、それは真っ赤なでたらめです。その次を読みましょう。国が、日本国です、国土が、日本国の国土が侵略された場合には、我が国に対する外国の武力攻撃が発生した場合には、聖なる国土、愛する国土を守るため、「国土、国民を防衛するために必要な措置をとることまでは認められるのだという説明のしかたをしております。」というふうに言います。
 限定的な集団的自衛権は、我が国に対する外国の武力攻撃は発生せず、同盟国などに対する外国の武力攻撃のみが発生している局面でございます。申し上げるまでもございません。明確な虚偽答弁でございます。
 横畠長官にお伺いします。
 今私が読み上げた箇所を総合して、なぜここに限定的な集団的自衛権の法理が認められるのか、もう一度論理的に説明していただけますか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) そこは昨年七月以来何度もお答えしているところでございますけれども、昭和四十七年当時の政府、内閣法制局含めてでございますけれども、事実認識といたしましては、まさにこの基本論理、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される、そういう場合というのは我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限られるのだという、そういう事実認識の下で議論していると、先ほど来申し上げているとおりでございます。ですから、議事録の御指摘の部分にはそのようになっている、それはもう当然であろうかと思います。
 この昭和四十七年の政府見解をよく御覧いただければお分かりいただけると思いますけれども、まさに、一つ目におきましては、繰り返しませんが、憲法前文それから十三条を引きまして、我が国が自らの存立を全うし国民が平和のうちに生存する権利までも放棄していないことは明らかであるという、そういうことを明記しているわけでございます。
 さらに、二つ目におきまして、平和主義をその基本原則とする憲法が、右に言う自衛のための措置を無制限に認めているとは解されないのであってと言って、先ほど来繰り返しております外国の武力攻撃によって国民の権利等が根底から覆される、そういう急迫不正の事態に対処して、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置として武力の行使ができるんだと、そういうことを述べておりまして、それがまさに基本的な論理、なぜ憲法第九条の下でも武力の行使ができるのかということの考え方、論理を述べたのがそこでございます。
 最後の結論に至るプロセスにおきましては、まさにそれに当たる、該当する場合というのは、我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみであるという事実の認識を前提として結論を導いていると、そういうことでございまして、そこの事実認識が近時の安全保障環境の変化によって変わったということを述べているわけでございます。
○小西洋之君 もう全く、法制局長官としての答弁、まさに我が国の議会の法的安定性を根底から覆すような答弁を連発されておりますけれども、後でそこを更に追及させていただきますけれども。
 今のこのページですね、先ほど横畠長官が読み上げたところでございますけれども、下から二段目の一番左側の方を御覧いただけますか。ちょっとマジックで太く、解釈の論理の根底というふうにございますね、解釈の論理の根底。つまり、憲法九条の根本規範は何かということでございます。
 先ほど横畠長官が答弁されましたように、昭和四十七年見解以前にも以降にも、政府の中には限定的な集団的自衛権を法理として認めた国会答弁も政府見解も一つもございません。つまり、我が国が憲法九条の下で武力行使ができるのは、我が国がまさに外国の武力攻撃を受ける、我が国に対する武力攻撃の着手が生じる、そのときに国民の命が失われる前に相手を撃退する、そのことだけだという論理を吉國長官はひたすら述べているだけでございます。
 このどこに我が国が武力攻撃を受ける前の限定的な集団的自衛権の行使が許容される法理があるんでしょうか。全くないわけでございます。こんなもの、日本中の憲法学者が、もっと言うと法学部の学生だってこんなもの分かりますよ、こんなの読み取りができないと。
 そして、今のそこの詰めをする前に、もう一つ、実はもう衆議院の特別委員会、さらに私、三月からこれ追及しているんですけれども、横畠さんは二つの言い訳をするんですね。
 一つ目は、横畠さんがさっきおっしゃったように、事実の認識がなかったと。昭和四十七年の当時は、吉國長官以下四名は、我が国に対する武力攻撃が発生していないのに国民の生命などが根底から覆される、そういうことが社会的な事実としてあるという認識にはなかったということを言います。分かりやすく申し上げると、ホルムズ海峡のようなことは起こり得ないという事実の認識にいたということでございます。
 しかし、その答弁は、横畠長官がどうしても逃れられないもう一つの大きな崖っ縁に追い込まれるわけでございます。それを今からお示しします。
 もう一つの資料がございますけれども、三枚配らせていただきまして、議事録が上に載った、衆議院の平和特別委員会の六月二十六日の抜粋ですね、よろしいでしょうか。これ横畠長官の答弁でございますけれども、憲法九条の解釈、これまさに横畠長官がおっしゃっているんですけれども、憲法九条の解釈は憲法を作ったときから変わりません。一番スタートの解釈はこの横畠長官がおっしゃっているものでございます。
 読み上げさせていただきますけれども、「憲法第九条のもとにおきまして、九条そのものが、まさにその文言からしますと一切の武力の行使を禁じているかのようにも見える」、そういう解釈でございます。
 つまり、戦争の放棄、武力行使の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認、およそ軍事に関することを徹底的に明文で否定している憲法九条は、日本語として読むと、我が国は国際関係において一切の実力行使が禁止されているように見えるという解釈、ここから九条の解釈は全てスタートします。何か迷うことがあればここに戻ってくればいいわけでございます。なぜならば、九条の日本語は絶対変わらないからでございます。
 今の解釈でございますけれども、先ほど中谷大臣にお読みいただきました七月一日の閣議の(2)の冒頭にも書いてございます。憲法九条はその文言からすると、国際関係における武力の行使を一切禁じているように見えるという解釈でございます。この解釈を横畠長官も六月二十六日の衆議院の特別委員会でもちゃんと維持されております。
 ところが、こういうことなんですね。この一切の実力行使を禁止しているように見えるという解釈は、昭和四十七年当時、吉國長官がこの四十七年政府見解を作ったときも変わらないわけでございます。変わらない。一切の実力行使、武力行使が禁止されているように見える憲法九条から集団的自衛権の行使という新しい武力行使をつくるためには、立法事実、二つの社会的な事実が必要になるわけでございます。
 下に、横畠長官が代表の編集執筆を務められます、出版社の名前はあえて控えますけれども、法律用語辞典、これ霞が関の全ての部署が買っております。この週末に話した弁護士さんの事務所も買っているというふうにおっしゃいましたけれども、立法事実というものが必要でございます。
 更に下を御覧いただけますでしょうか。こういうものが必要になるんですね。(A)、(B)でございます。我が国に対する武力攻撃が発生していない局面、つまり集団的自衛権の局面の段階で、同盟国に対する武力攻撃を自衛隊が阻止しなければ、命などが失われることになる日本国民が存在するということです。かつ、そうした命が失われる日本国民を守るために、集団的自衛権の行使以外に手段がない、個別的自衛権も駄目、外交努力も駄目、集団的自衛権の行使しか手段がない、この二つの事実の認識がなければ、全ての実力行使が禁止されているように見えるという憲法九条の解釈の下で、新しい武力の行使たる集団的自衛権を論理的につくり出すことはできないわけでございます。
 これ立法事実論といいまして、最高裁の昭和五十年の薬事法違憲判決というものがございまして、立法事実がないことを原因として、我々立法府が作った、議員立法だったんですけれども、違憲無効と切って捨てられております。どこの憲法の教科書にも載っている考え方でございます。
 横畠長官に伺います。
 あなたは、衆議院の特別委員会あるいは私の今の質疑においても、吉國長官以下四名は、昭和四十七年当時、この四十七年政府見解を作ったときも、その三週間前の九月十四日の審議のときも、我が国に対する武力攻撃が発生していない局面、我が国に対する武力攻撃が発生していない局面では日本国民の生命などは根底から覆ることはないという事実の認識にいたというふうに繰り返し答弁をしています。
 その事実の認識の下で、なぜこの方々が、一見にして全ての実力行使を禁止しているかのように見える憲法九条の全面禁止規範の下で新しい武力行使、集団的自衛権の法理を四十七年見解に書き込むことができるんでしょうか。絶対できないはずですよ。どうぞ。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 繰り返しになるかもしれませんが、憲法第九条は、その文言からいたしますと、まさに一切の武力の行使を禁じているかのように見えます。であるがゆえに、伝統的に憲法学者の方々は、およそ一切の武力の行使はできないのである、もとより自衛隊も違憲であると、そういう説が極めて有力であったわけでございます。単純に文言だけから見ますとそのように見えてしまう、そういう規定であるということは、これは否定し難い。それが出発点でございます。条文でございます。
 ところが、昭和四十七年見解は何を言っているかというと、そのような憲法第九条の文言の下におきましても、実は武力の行使をする、すべき場合があるのだということを述べています。それはなぜかといいますと、さすがの憲法も、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されてしまうような、そういう事態において、日本国が何もするなというふうに命じている、憲法が命じているはずがないであろうと、そういうまさに論理でございます。であるがゆえに、この国民の権利が根底から覆される急迫不正の事態というのは何かという当時の事実認識におきましては、我が国に対する武力攻撃が発生した場合であるということで結論を出し、そのような議論をずっとしてきたわけでございます。
 昨年七月以降、何が変わったかといいますと、まさにその国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される、そのような場合において、憲法第九条の下でも武力の行使は許されるのだという基本的な論理、それは変わりません。その限りで武力の行使が認められるということは変わりませんが、従前のように我が国に対する武力攻撃の発生を待っていたのでは手遅れになる、そういう場合もあるであろうと。まさに、他国に対する武力攻撃が発生し、それだけでは足りません、それによって我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある、そういう場合には、全く同じ論理に基づきまして、我が国として憲法九条の下におきましても武力の行使が可能であると、そういうことを申し上げているわけでございます。
○小西洋之君 全く何もお答えになりませんでした。
 全てを否定している憲法九条の下で、新しい、新武力行使、それが必要不可欠であると、それを証明する立法事実がなければ法規範は作れないんです。
 じゃ、横畠長官に伺わせていただきます。
 あなた、二十年間以上、二十年間余り内閣法制局で働かれておりますけれども、禁止規範、殺人罪などの禁止規範の例外を作る場合で、内閣法制局が扱った法令の審査で立法事実がなく禁止規範から例外を認めた例が一件でもございますか。あったら教えてください。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) もとより、その解釈の変更なり新たな法改正、立法において立法事実が必要であることは当然でございます。
 申し上げておりますのは、今日の安全保障環境の下におきましては、我が国に対する武力攻撃の発生前におきましても、他国に対する武力攻撃が発生し、それによって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される場合があるのだという認識、そこが立法事実でございます。そういう事実がないというなら、それは一つの議論かと思います。ただ、そういう事実があるという場合において、なおそれは憲法が何もするなと命じているのかというのは、これは憲法解釈の問題になろうかと思います。
○小西洋之君 私が聞いているのは昭和四十七年見解を作った四名の方々の立法事実の認識でございます。ない、それについてはそういう事実の認識はないと、我が国に対する武力攻撃が発生していないのに日本国民の生命などが根底から覆されることはないというふうに、そういう事実の認識であるというふうに言っているわけですから、立法事実はないわけですよ。九条から新しい武力行使を認める、そのことを幾ら質問しても認められません。
 委員長に、委員会に、提出資料、政府の統一見解を求めたいと思います。
 一つは、吉國長官とのこの九月の十四日の議事録の中で、限定的な集団的自衛権の行使が法理として示されている、論理として示されている箇所を全て内閣法制局から提出をさせていただきたいと思います。具体的に線を引いて、この箇所をですね。かつ、その説明、なぜそれが限定的な集団的自衛権の論理だというふうに認められるのか、その論理的な説明をお願いしたいと思います。
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまの小西君からの要求につきましては、後の理事会でお諮りすることにいたします。
○小西洋之君 重ねて、今の質疑の関連でもう一つ政府統一見解を求めさせていただきたいと思います。
 昭和四十七年政府見解を作られたこの四名の方々、特に吉國長官については繰り返し横畠長官は答弁しておりますけれども、我が国に対する武力攻撃が発生していない局面では、日本国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されることはないという事実の認識だと言っております。
 その事実の認識の下で、なぜ、昭和四十七年政府見解を作るその当時において、吉國長官は、個別的自衛権以外のまた別の集団的自衛権という実力行使、武力行使の法理を作ることができるのか。そこの論理的な説明を政府統一見解としてこの委員会に出していただきたいと思います。
○委員長(鴻池祥肇君) あわせて、後の理事会で諮ることといたします。
○小西洋之君 ありがとうございます。
 もう横畠長官は何を聞いても論理的に答えないんですね。それは答えられないからです。もうこの解釈改憲というのは、あえて申し上げます、これは法令解釈なんかではないわけでございます。
 その一つの証拠をお見せさせていただきたいと思いますけれども、今、横畠長官、「立法事実」の紙をおめくりいただきまして、下から二つ目の紙の一番下を御覧いただけますか。「立法事実」の紙の、小さく薄く七ページというふうに打っているんですけれども、下から二枚目の紙、表の紙、御覧いただけますか。七ページという数字番号の上の括弧の中でございます。
 実は、横畠長官、なぜ答えられないかというと、昨年の七月の一日に憲法九条解釈の法令審査を全くやっていないんです。この衆議院の特別委員会の質疑から国民の皆様の安倍内閣に対する、安保法制に対する不信はどんどんどんどん高まっております。私たちの憲法がじゅうりんされているんじゃないのか、憲法違反の立法ではないのか、しかも中身は全く分からない。当たり前です、審査していないんです。
 横畠長官にお読み上げをいただけますでしょうか。七ページです。政務官からいただいて、じゃ、読み上げてください。私の質問主意書に対するあなたの答弁の部分です。全ての質問主意書は内閣法制局が審査して閣議決定をして国会に出しますから、あなたが行った、確定した質問主意書です。読み上げていただけますか、「内閣官房国家安全保障局は、」というところから。はい、どうぞ。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 「内閣官房国家安全保障局は、平成二十六年六月三十日、内閣法制局に対し、御指摘の閣議決定の案文を送付して意見を求め、内閣法制局は、これに対し、所要の検討を行った上、同年七月一日、内閣法制局設置法(昭和二十七年法律第二百五十二号)の規定に基づき、口頭で、意見はない旨の回答をしたものである。」。
○小西洋之君 今読み上げていただいたとおりでございます。恐るべきことが起きております。
 横畠内閣法制局長官が、国民の皆様の憲法の解釈を変えるに当たって、内閣法制局によって審査した資料は、私が今手に持っております、この七月一日の閣議決定、裏表で僅か四ページ、七ページの紙でございます。これしか審査をしていないんです。
 本当に昭和四十七年政府見解の中に限定的な集団的自衛権の行使が書かれているのかどうか、それが九月十四日のこれを作った吉國長官の答弁と矛盾しないのかどうか。あるいは先日、福山理事が追及をなさいました。私ども国会が、歴代の政府の憲法解釈、新しい総理大臣になって勝手に九条の解釈を変えていないか、そのことを私たち国会は、常に政府に質問をして確認をしてまいりました。その積み上げた国会のその議論、我が国に武力攻撃が発生したとき以外我が国は武力行使はできないという、その積み上げてきた国会の答弁、政府見解、そうしたものとの整合性も全く審査をしていないんです。
 あえて申し上げます。クーデターです。法令解釈なんていうものじゃないです、安倍内閣がやったことは。私は元霞が関の官僚です。憲法九条の解釈を変えるんだったら、この床から天井まで、本当ですよ、積み上がるような審査資料が必要になります。それでもなお、憲法の条文を変えない限りできないという結論になります。それを、国民の皆さんの憲法ですよ、国民の皆さんの憲法をこのたった裏表の四枚だけの審査でやってしまっているんです。
 横畠内閣法制局長官に伺います。
 あなたのこの行為、内閣法制局設置法の第三条によって、あなたは憲法問題について審査をする、意見をする、法的な義務が掛かっております。あなたがこの事実上の審査をしなかったという行為は、その内閣法制局設置法に違反する行為であるとともに、我が国の法的安定性を根底から覆す、そういう暴挙であるというふうにお考えになりませんか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 昨年七月一日の閣議決定に至るまでについては、長い経緯がございます。元をたどれば、第一次安倍内閣における安保法制懇の議論というのもございました。それには内閣法制局として賛同できないものでございました。その後、第二次の安保法制懇が設置され、その見解がまとめられ、さらに総理の記者会見がございまして、さらに与党間で極めて濃密な議論というのが行われたわけでございます。その過程につきましては、私どもフォローさせていただいていたわけでございまして、何もしていなかったということではもちろんないわけでございます。
 その意味で、その御指摘は全く当たらないと考えております。
○小西洋之君 では、横畠長官に伺います。
 先ほど、私が委員会提出要求もしましたこの九月十四日の議事録ですね、九月十四日の議事録の中に限定的な集団的自衛権が法理として認められている、そういう箇所があると。九月十四日のこの議事録の中に限定的な集団的自衛権を認めている箇所、それについて内閣法制局で今日、今この瞬間に文書として整理をして、それをこの閣議決定のときに審査していますか。審査していなくても、文書としてその箇所を整理した文書があるかどうか。情報公開請求が掛かるから絶対ごまかせませんよ。
 答弁願います。イエスかノーかでお願いします。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 昭和四十七年九月十四日の議事録についての御指摘だと思いますけれども、何度もお答えしているとおり、当時におきましては、我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみが国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される急迫不正の事態であるという、そういう認識の下での議論をさせていただいたわけでございます。
 ですが、その基本的な論理といいますのは、この昭和四十七年見解で整理されております一つ目と二つ目のところということでございます。
○小西洋之君 この九月十四日の議事録の中に限定的な集団的自衛権の法理が示された箇所があるということについて、ちゃんと法制局の中で分析、整理をした文書がありますか。それもないのに、この九月の十四日の、この昭和四十七年政府見解の中に集団的自衛権は認めるなんて、そんなこと、それは単なる言葉遊び以外の何物でもないですよ。あるかないか、イエスかノーかでお答えください。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 基本的論理はこの昭和四十七年の政府見解そのものに示されているわけでございまして、昭和四十七年の政府見解そのものがそれでございますので、四十七年見解がございます。
○小西洋之君 では、同じ質問をします。
 九月十四日のこの議事録の中に限定的な集団的自衛権の行使の法理が論理として含まれている、ここの箇所だということを分析、整理した資料がこの瞬間、今日この瞬間、今この瞬間に内閣法制局の中に文書としてございますか。イエスかノーかだけで答えてください。私の、今日質問してからもう四十分たちますけれども、五十分でしょうか、一言も、一度もあなたはまともに答えていないですよ。どうぞ。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 何についてあるかないかお尋ねなのでしょうか。すなわち、四十七年見解そのもの、四十七年見解そのものがその基本的な論理のところにおきまして今回の新三要件に適合する、そういうものであるということを示しているわけでございます。(発言する者あり)
○委員長(鴻池祥肇君) 小西君。手が挙がっている。手が挙がっている。小西君。
○小西洋之君 済みません、理事に今お諮りしたいと思います。
○委員長(鴻池祥肇君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記起こしてください。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 国会答弁の資料等はございますけれども、部内的にその昭和四十七年見解でどのように新三要件につなげるのかというのを書いた紙というのはございません。
○小西洋之君 正直な答弁ですね。新三要件を作ったその論理の紙が一枚もないんですね。先ほど申し上げたとおりなんです。昭和四十七年見解にある外国の武力攻撃、これが誰に対するかと書いてないから、そこに同盟国等に対するという言葉を入れて、集団的自衛権の行使を言いがかりで作っているだけなんです。これだけの問題なんです、解釈改憲というのは。
 それを今から更に根底から覆させていただきます。
 先ほどのこの答弁で、質疑でございますけれども、この九月十四日で横畠長官が読み上げた部分ですね、マジックの五ページでございます、議事録番号で十二ページでございます。御覧いただきましょうか。まさに横畠長官が読み上げた部分でございます。上から三段目の一番左側の文章を御覧いただけますでしょうか。
 侵略が現実に起こった場合、生命、自由、幸福追求のところがあります。これ、少し前から読ませていただきますが、太いマジックの文字を追いかけさせていただきますと、外国による侵略です。日本に対する武力攻撃が起きている局面です。外国による侵略、外国の侵略、その外国の侵略が現実に起こった場合に、これが平和的手段で防げない、その場合、外国の侵略が現実に起こった場合に、「「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」が根底からくつがえされる」、出ました、有名な言葉でございます。武力行使の新三要件の、「国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される」、そして、先ほど御確認いただきました昭和四十七年政府見解の中の「国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底からくつがえされる」、ここからきているんです。
 これは、括弧でくくってあるように、「生命、自由及び幸福追求の権利」、憲法十三条の言葉でございます。この憲法十三条の三つの言葉を覆される、覆ると答弁した国会の議事録は、これは国民の皆様が国会図書館のインターネット検索でどなたでも確認いただけますけれども、一度もございません、この日まで、九月十四日まで、昭和四十七年。つまり、吉國長官は、生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利が根底から覆される、この言葉の生みの親なわけでございます。
 では、この言葉を作った吉國長官がどういう論理的な文脈でこの言葉を使っているかが問題でございます。今申し上げたとおりでございます。我が国に侵略、外国の武力攻撃が日本に現実に起こった場合に、日本国民の生命、自由及び幸福追求に対する権利が根底から覆される、その場合に、それを守るための自衛の措置、それをとることだけは、先ほど御紹介しました憲法九条の解釈の論理の根底、根本規範としてあると、そういうことを言っています。
 つまり、日本に武力攻撃が起きたときには日本国民の命が失われる、そしてあしたの幸せを含めたもう全てがひっくり返りますね。武力攻撃を受けるわけですから、戦争が起こるわけですから、学校にも通えない、病院も麻痺する、全てがひっくり返るわけでございます。そうしたこと、生命などが根底から覆される、そのときに、それを守るためだけの自衛の措置ができるというのが九条の解釈の論理の根底、根本規範。根本規範ですから、ほかに並ぶ余計な集団的自衛権の法理などはないわけでございます。
 そしてさらに、ここからです、国民の皆さんが国民の皆さんの手に安倍総理から憲法を取り戻す一番大切な部分です。是非一緒に御覧ください。
 今のその論理、吉國長官の論理、日本に武力攻撃が起きたときに日本国民の生命などが根底から覆される、それを守るためだけの武力行使はできるという「その論理から申しまして、集団的自衛の権利ということばを用いるまでもなく、他国が──日本とは別なほかの国が侵略されている」、日本は武力攻撃を受けていないんです。日本の同盟国が侵略を受けているということは、「まだわが国民が、わが国民のその幸福追求の権利なり生命なり自由なりが侵されている状態ではない」、他国に対する、同盟国に対する武力攻撃が起きているだけの段階では、日本国民の、順番は変わっていますけれども、生命、自由、幸福追求の権利は侵される状態ではない。つまり、生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆らないというふうに言っているんです。覆らないと言っているんです。
 なので、日本ができる自衛の措置はありませんよ。じゃ、いつできるのか。最後です。日本が侵略をされて、日本が外国による武力攻撃を受けたそのときに初めて自衛の措置ができる、憲法ができたときからの解釈でございます。
 つまり、安倍内閣が行った、横畠長官がそれを先導して支えて行ったこの解釈改憲というのは、先ほどのこの七月一日のこの閣議決定、これが一番見やすいかと思います。四十七年見解でも同じでございますけれども、外国の武力攻撃という言葉の前に同盟国などに対するという言葉を入れれば、同盟国などに対する外国の武力攻撃で日本国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆ることがあるというふうに解釈するという考え方に基づいております。
 しかし、それを作った吉國長官、まさに言葉の生みの親の吉國長官が、日本国民には武力攻撃は発生していない、日本国には武力攻撃が発生していない、同盟国などに対する武力攻撃の段階では日本国民の生命、自由及び幸福追求の権利は根底から覆らないというふうに言っているわけでございますから、昭和四十七年政府見解を作った四十二年後の昨年の七月一日の閣議決定において、それを根底から覆ることがあると読み替えてそこに集団的自衛権の法理を認めるということは、この世に理屈や論理がある限り、子供たちが学校で習っている日本語が日本語である限り絶対に許されないんです。こんなことは小学生が考えたって分かります。中学生が考えたって分かります。実はもう、解釈改憲ってこれだけの問題なんです。
 横畠長官に伺います。
 言葉の生みの親の、あなたの偉大な先輩です、吉國長官が、国民の生命、自由及び幸福追求の権利は同盟国に対する武力攻撃では覆らないと言い切っているのに、しかも、これを基に、昭和四十七年政府見解を、この論理を基にこれを作ったとあなたは先ほど答弁しました。なぜ昭和四十七年政府見解において国民の生命など根底から覆されることがあるというふうに考えて集団的自衛権を可能にできるのでしょうか、明確に答弁ください。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) まさに国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるおそれがある、吉國長官はそう言っていますけれども、そういう場合に武力の行使を行うことを憲法は禁じていない、そこがまさに基本論理でございます。
 繰り返しますけれども、当時の事実認識としては、内閣法制局もそうでございますが、政府におきましても、そのような場合に当たるのは我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限ると。別の言い方をすれば、我が国に対する武力攻撃が発生するまでは何があっても国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆るおそれはないのだと、言わばそういう事実認識だったということでございます。
 ところが、その事実認識のままでは今日の安全保障環境の下で適切な対応をすることができないのではないかというのが問題意識であろうかと思います。
○小西洋之君 ちょっと、まず時間ですので、先に、先ほど私が申し上げました、言葉の生みの親である吉國長官が四十七年見解を作るきっかけになった、これが論理的に反映されているというこの昭和四十七年政府見解でございますけれども、その九月十四日の質疑の答弁の中で、同盟国などに対する、他国ですね、対する外国の武力攻撃の段階では、日本国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されることはないというふうに言っているのに、それを四十二年後にあると、吉國長官が作ったことを読み替えることがなぜ論理的に許されるのか、なぜ日本語の論理的な解釈として許されるのか。その理由について、政府統一見解をこの我が委員会に提出をお願いいたします。
○委員長(鴻池祥肇君) どちらですか。
○小西洋之君 統一見解をお願いします。
○委員長(鴻池祥肇君) それじゃ、先ほどの二点、加えて、後の理事会で協議をいたします。
○小西洋之君 国民の皆様、もう横畠長官が何を言っても答弁されないのは御理解いただいていると思いますけれども、結局どういうことかといいますと、安倍内閣は、憲法九条において論理的に集団的自衛権の行使を一応作ろうとしたんですけれども、安倍総理のお友達を集めた安保法制懇というものをつくってやったんですけれども、できなかったんです。論理的にやったんだけれども、できなかったんです。
 なぜかというと、さっき御説明したように、憲法九条というのは、戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認など、もう軍事に関することを徹底的に否定しているので、我が国が武力攻撃を受けて国民が死んでしまう、それを守るもうこの究極の事態、この武力行使以外は論理的にどうやったって、集団的自衛権というのは日本が攻められないときの他国防衛ですから、論理的に作れないんです。作れなかったから、ある政府見解を見付け出して、たまたま裸の外国の武力攻撃、昭和四十七年見解以外の全ての政府見解には、我が国に対する武力攻撃あるいは外国からの武力攻撃というふうに書いてあって、こういう読替えができないようになっているんです。これを見付け出して、ここに集団的自衛権があるという言いがかりを言っているんです。
 なぜそういう言いがかりを言わなきゃいけないかというと、元々あったということにしないと、まさにこの七月一日の閣議決定に書いています、法的安定性と論理的整合性、七十年間近くのこの国会の議論、国会による政府の、内閣の憲法解釈のその議論が全て根底から覆されるんです。
 仮に、しかし、四十七年見解、ここにあるといっても、その前後は全部ないというふうに、さっき言いましたように、答弁は一切、政府見解もありませんから、全部いずれにしても矛盾するんですよ。いずれにしても矛盾するんですけれども、一生懸命そういうような頑張って言いがかりを言い張っているということだけなんですね。
 じゃ、横畠長官に、先ほどのあなたの立法事実の紙ですね、立法事実の紙をめくっていただきまして、下の五ページの、紙をめくっていただきまして、あなたの偉大な先輩ですね、高辻元内閣法制局長官のお言葉がございます。高辻法制局長官の「内閣法制局のあらまし」、「時の法令」七百九十三号、時あたかも一九七二年八月三日、本日でございます、四十三年前の今日の書物でございますけれども、この文章を読み上げていただけますか。同局というのは内閣法制局という意味ですけれども、これをそのまま読み上げていただけますか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) ・・・同局の法律上の意見の開陳は、法律的良心により是なりと信ずるところに従ってすべきであって、時の内閣の政策的意図に盲従し、何ら政府によって好都合であるからという利害の見地に立ってその場をしのぐというような無節操な態度ですべきではない。
○小西洋之君 横畠長官に伺います。
 本日の私に対する質疑、また私ども同僚議員に対する質疑、あなたの質疑は、時の内閣の政策的意図に盲従し、政府にとって好都合であるという利害の見地に立ってその場をしのぐ無節操な態度であるというふうにお考えになりませんか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 御指摘は全く当たらないと考えております。
○小西洋之君 私、法制局長官を厳しく詰めておりますけれども、一番の責任は大臣たちです。政治の下でこういう行政が行われているんです。
 ただ、横畠長官、あなたは日本で一番の法律の使い手です。あなたが良心を失ってしまったら、違憲の戦争で自衛隊員は戦死し、違憲の戦争の中で国民が死んでいくことになる。最高裁長官は、よろしいですか、法の支配、権力者ではない、法によってこの国を治めていく。法の支配においては、内閣法制局長官の方が、あえて言います、最高裁長官よりも私は大切な局面があると思います。なぜならば、違憲の戦争で自衛隊員や国民が死んでしまうのを体を張って止めるのが内閣法制局設置法に基づくあなたの使命なんです。最高裁長官は、違憲の戦争で国民が傷ついて損害賠償を求めたときのその賠償請求の命令、もちろんそのときに違憲だという憲法判断を出しますけれども、それしかできないわけです。そのことをどうかかみしめていただきたい。もうあなた、十分じゃないですか。
 自衛隊員は転職できない方もたくさんいるんですよ。かつての日本兵のように、あれよあれよという間に巻き込まれていって、違憲の戦争で死んでいくことにこのままだったらなります。
 解釈改憲が違憲だということは、今日証明させていただきましたように、日本語が日本語である限り、世の中に理屈が、論理がある限り、もう絶対誰が考えても変わりません。このことは仮に安保法制を強行採決しても変わりません。一月になっても変わりません。年が明けても変わりません。来年の参議院選挙になっても変わりません。来年の参議院選挙のときには、もっと多くの国民が、中学生や高校生でも理解できるような、あえて言います、不正、広辞苑の言葉によれば不正なんですけれども、不正という言葉でございますけれども、それはみんなが分かる、こんなもので我が国は議会政治を続けるんでしょうか。そうしたことが問われているところでございます。
 最後二分で、申し訳ございません、今、横畠長官が読み上げていただいたところに我が参議院の本会議決議がございます。昭和二十九年の参議院の本会議決議でございます。ちょっと私から読み上げさせていただきます。これは自衛隊をつくったときに成立させた本会議決議です、全会一致です。
 「自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議」、「本院は、自衛隊の創設に際し、現行憲法の条章と、わが国民の熾烈なる平和愛好精神に照し、海外出動はこれを行わないことを、茲に更めて確認する。」と言っております。
 自衛隊の海外出動ですから、集団的自衛権の行使そのものでございます。この趣旨説明、鶴見祐輔先生の趣旨説明を御覧いただけますでしょうか。
 「世界に特異なる憲法を有する日本の自衛権は、世界の他の国々と異なる自衛力しか持てないということであります。」。
 続きでございます。「自衛とは、我が国が不当に侵略された場合に行う正当防衛行為であつて、それは我が国土を守るという具体的な場合に限るべきものであります。幸い我が国は島国でありますから、国土の意味は、誠に明瞭であります。故に我が国の場合には、自衛とは海外に出動しないということでなければなりません。如何なる場合においても、一度この限界を越えると、際限もなく遠い外国に出動することになることは、先般の太平洋戦争の経験で明白であります。それは窮窟であつても、不便であつても、憲法第九条の存する限り、この制限は破つてはならないのであります。」。
 その次です。「憲法の明文が拡張解釈されることは、誠に危険なことであります。故にその危険を一掃する上からいつても、」、「国民の総意として表明しておくことは、日本国民を守り、日本の民主主義を守るゆえんであると思うのであります。」。
 まさに北澤筆頭理事が、代表質問で、本会議で付言された本会議決議でございます。
 横畠長官に最後に伺います。
 昭和四十七年政府見解の限定的な集団的自衛権の内容と全くこれは矛盾します。吉國長官が、参議院のこの本会議決議があるのに、限定的な集団的自衛権を提出するんでしょうか。明確にお答えください。(発言する者あり)あっ、失礼しました。
○委員長(鴻池祥肇君) 質問ですか。
○小西洋之君 じゃ、意見として。
 終わります。
○藤巻健史君 維新の党、藤巻です。
 今までの衆議院の議論、そして参議院の議論を聞いておりまして、日本を取り巻く安保環境が急速に劣化しているという事実は国民の皆様共有の認識だと私は思っております。
 そして、その日本の平和を、日本は平和を七十年、戦後ずっと平和を享受してきたわけですけれども、当然のことながら平和憲法がその平和に貢献してきた、同様に、日米同盟による米国の軍事的抑止力が貢献してきたのも事実だと思っております。
 その米国が世界の警察としての力を失い、そして、先ほど中谷防衛大臣がおっしゃったように、弾道ミサイル等の武器の発展によって、単に我々の、日本の防衛をアメリカのみに頼っているわけにはいかない。すなわち、日本とアメリカがチームワークを持って日本の防衛に資さなくてはいけないということも事実かと思います。
 そのチームワークですけれども、今の安保法制において、そのチームワークがこのままでは機能不全になってしまうリスクがある。これは、先ほどやはり中谷防衛大臣がおっしゃったように、日本を守っている米軍が攻撃を受けたとき、自民党が、自衛権を発動できない、単に見ているだけというのでは余りにチームワークというのが発揮できない、アメリカの信頼、チームとしての信頼を失ってしまう、アメリカからの信頼を失ってしまうということで、今の安保法制を最低限修正しなくてはいけない。これは、我が維新の党の考えと与党案というのはここまでは一致しているわけでございます。
 ただ、ちょっと違うところがありまして、ここからは思想的な違いなんですけれども、私ども思いますには、与党案というのは、これ、世界の警察の範囲まで他国へ配慮するということだと思うんですけれども、我が維新の党の案というのは、自国防衛のための範囲で他国軍、これは条約に基づいておりますので現状では米軍だけですけれども、米軍への配慮、要するに、自国防衛のための範囲で米軍への配慮をする、そこまでの法改正をしようということであります。
 衆議院で対案を出しましたけれども、それは、今の国際環境、安保環境から見ると、修正は間違いなく必要だ、しかし、範囲として、自国防衛のための範囲で米軍への配慮をしましょう、これが我が維新案でありまして、与党案というのはもう一歩進んで、世界の警察の範囲まで、そして他国へ、他国軍じゃなくて、他国への配慮をしようというところまで踏み込んでいるのが与党案というふうに理解しております。我が維新の案というのは、そういうことで多くの憲法学者や歴代の内閣法制局長官から合憲だという、ほとんどの方からそう言われているわけで、そういうことを考えますと、確かに、日本への攻撃の明白な事実があるときに、座して死するわけにはいかない、だから何とかしなくてはいけない。ですけれども、やはり憲法の範囲でやりましょうと。
 こういうことで我が維新の党は衆議院へ対案を出したし、参議院でも対案を用意しているわけですけれども、この維新の党、違憲というわけではないわけですから、反対する方々も少ないと思いますし、非常に劣化している国際環境を考えると、やるべきことはやるということで出しておりますので、この法案、なかなか、まあ自画自賛しておりますのですが、この法案を、菅官房長官にお聞きしますけれども、我が維新の対案、出した場合に、受け入れていただく余地があるのかないのか、是非お聞きしたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 政府としては、現在提出をさせていただいて審議されておりますこの法制がベストである、こういうふうには考えております。
   〔委員長退席、理事塚田一郎君着席〕
 また一方、維新案では、我が国に対する直接の武力攻撃が発生していない段階でも、自国防衛のため自衛権の行使を限定的にこれ認めている案であります。したがって、大きな方向性では一致しているのではないかというふうに考えております。衆議院では合意をすることはできなかったのでありますけれども、採決直前までこれは与党と維新との間で誠実に修正協議、これが行われ、一定の共通の理解が得られたものだというふうに認識をいたしております。
 協議は今後も継続的に続けられるというふうに思っておりますが、いずれにしろ、法案は国民の生命と安全な暮らしを守るために何としてもこれは必要だということで私たちは提出をしておりますので、可能な限りしっかり議論をして一致点を見出すべく努力していく必要があるというふうに思っています。是非、政府の立場において、維新案の参議院審議におけるこの法案提出のことについてはコメントは控えたいと思いますけれども、提出されれば、そこは当然真摯にこれは対応させていただきたいというふうに思っています。
 できる限り国会に早く提出をされますことを望んでおります。
○藤巻健史君 対案を出さないということは、現在の厳しい安保環境でも大丈夫だという理解になってしまうと思います。私どもは、やはり日本近隣の安保環境は極めて劣化しているという事実に基づき対案を出させていただいたわけなので、是非真摯に御検討いただければというふうに思っております。
 次に、最初に、その安保環境は非常に劣化しているという事実をちょっと確認しておきたいのでお聞きしますが、防衛大臣にお聞きいたしますけれども、日本の防衛費というのは対GDP比でかなり大きいのか否か、その辺、中国を含めてお聞きしたいと思います。
 この法案が通ってしまうと日本が軍事大国になってしまうというような批判も国民の一部にはあるかと思うんですけれども、それは本当なのかどうか、その辺について防衛大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 主要各国の二〇一三年度における国防費の対GDP比は、米国が三・八%、中国が一・三%、ロシアが三・二%、韓国は二・四%、オーストラリアが一・六%、イギリスが二・一%、フランスが一・八%にあるのに対しまして、我が国のGDP比は平成二十七年度では約〇・九六%でありまして、諸外国と比べて高い水準であるとは考えておりません。
○藤巻健史君 中国は一・三%ということでしたけれども、五年ぐらい前でしたか、GDP、中国に抜かれて三番目になったと大騒ぎしましたけれども、その後、中国はGDP、名目GDP、非常に拡大していまして、今や二・二倍でございますので、対GDP比、日本よりも多いということであれば、中国の総額軍事費というのは二・五倍、三倍近くになるのかというふうに理解いたしました。
 そのときに、日米同盟なくして日本の防衛、日本人の生命、それから平和、幸福追求権というのを日本単独で守り得るのかどうか、防衛大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 日米防衛というのは我が国の防衛の基本的なことでありますが、これが日米同盟なしで我が国を守るとなりますと、まず核兵器の使用を含む様々な侵略事態や軍事力による威嚇等、あらゆる事態に対応できる隙間のない防衛体制を構築する必要がございます。我が国が独力でこのような体制を保持することは、人口、国土、経済の観点からも容易ではないということでありまして、やはり引き続き米国との同盟関係を堅持をしまして、抑止力と、そして我が国自身の適切な防衛力の保持によって隙間のない体制を構築して我が国の安全を保障していくという必要があると考えております。
○藤巻健史君 先ほども申しましたように、今や米国だけに頼るわけにもいかず、それから弾道ミサイルの開発が、今大臣がおっしゃったようなことを含めまして考えますと、やはり日米でチームをつくって日本の防衛を図らなくてはいけないということだと思うんですが、チームワークをということになりますと、当然、一方だけの思惑ではいかずに、今同盟していますアメリカの意向というのも非常に重要なことになると思うんですが、今アメリカで、例えば日本を守っている米艦隊が攻撃を受けたときに自衛隊が反撃をできないという、現状の安保体制では、法制ではそうだと思うんですけれども、それをアメリカはそれでもよしとしているのか、それともこの片務的な、チームワークとして片一方だけの、日本のテーク・アンド・テークの状況に対して全くアメリカの不満がないのかどうか、その辺について大臣にお聞きしたいと思います。防衛大臣に。
○国務大臣(中谷元君) これは、まず基本的に日本自身の問題で、我が国の安全保障を考えますと、例えばミサイル防衛、これは非常に北朝鮮のミサイル、精度も射距離も増しておりまして、これが我が国に向けられた場合に、日米で共同でこの警戒監視や迎撃対処をしておりますけれども、一方的にアメリカが攻撃された場合にまだ我が国が武力攻撃を受けていない場合、これは米艦艇を防護、防衛することはできないということで、これは信頼関係も失ってしまいますが、その時点で我が国に対するミサイル防衛の機能、これを失ってしまうわけでございまして、我が国の安全保障に重大な影響を与えるわけでございますので、こういった場合の対処、これにつきましては我々は、個別的自衛権ということで、我が国に攻撃が発生をしない、着手しない場合、これはできないとされておりますけれども、維新案によりましては、自衛権という観点で非常にいい対案を出されておられまして、こういう点における概念におきましては共通の点がございます。
 このほかにも、国際的な安全保障上もやはり日米で協力をしていく場面というのは非常に多くなっているわけでございますので、米側といたしましても期待はあると思いますが、あくまでも我が国自身がこれは決めることでございますので、我が国自身においてどのように対処するか、これが非常に重要な問題だと認識をいたしております。
○藤巻健史君 ちょっと私の聞き間違いかもしれないんですが、中谷大臣のコメントで一つちょっと気になることがありましたのでコメントさせていただきますけれども、米国に対するミサイル攻撃に対して自衛隊がどうこうするということを我が維新案では考えておりません。我が維新案、衆議院で提出した対案というのは、あくまでも米軍艦隊に、日本を守っている米軍艦隊ですから米軍でありますし、それから日本を守っている米軍艦隊への防御ということはちょっと認識しておいていただきたいなというふうに思っております。
 次に、フィリピン、一九九二年、冷戦が終わりまして、これ、フィリピンの米国に対する対米感情が非常に悪くなりまして、フィリピンから米軍が撤退したと思います。しかし、昨年、再駐留することになったと思うんですが、その辺の理由というのを教えていただければというふうに思っております。
○国務大臣(中谷元君) フィリピンは、近年、領有権主張の対立を背景に、中国による南シナ海への進出に対して懸念を強めておりまして、例えば、二〇一二年にスカボロー礁をめぐって艦船が対峙をする事案、また、二〇一三年にはセカンドトーマス礁付近で中国艦船がフィリピン軍の補給を妨害をする事案が発生、そして、二〇一四年には南沙諸島において中国が急速かつ大規模な埋立て、これを強行するなど緊張感が高まっておりまして、フィリピンは中国による一方的な現状変更に深刻な懸念をあらわにして、国際法に基づいた紛争の平和解決を追求をいたしております。
 このような状況の下で、フィリピンは、海洋安全保障を含む領域主権の防衛を目指した国軍の近代化を推進する一方、一国のみで対応には限界があることから、同盟国である米国を含む関係国との防衛協力の関係強化に努めていると認識をしておりまして、米国との間では、一九九二年、駐留米軍が撤退した後も、相互防衛条約の下、協力関係を継続をしておりまして、二〇一四年四月には、米軍によるローテーション展開を可能とする防衛協力強化に関する協定、EDCA、これを締結するに至ったと承知をいたしております。
○藤巻健史君 今までの議論、討論を通じまして、やはり我が党は、日本近海の安保環境は極めて劣化していて、アメリカとのチームワークは極めて重要であり、現状の安保体制で不備な部分を早急に改正しなくてはいけないというところまでは極めて一致しているということを再確認させていただきました。
 ここからがちょっと違うんですが、与党案で例外的海外派兵としているホルムズ海峡の機雷掃海についてお聞きしたいんですけれども、先週木曜日の中西委員の質問に対して安倍総理が、ホルムズ海峡は日本が輸入する石油の八割、天然ガスの三割が通過している、この全量を輸入するための迂回路はないとおっしゃったわけです。
 これを立法事実としていろいろ考えているわけですけれども、ここで、まずJBIC、国際協力銀行にお聞きしたいんですが、アブダビ国営石油会社がアブダビ首長国において石油・ガス事業を展開しているというふうに聞いております。JBICはアブダビ国営石油会社と取引があるのか、あるとすればどのような使途の資金を貸しているのか、取引しているのかということについてお聞きいたします。
○参考人(矢島浩一君) これまで国際協力銀行は、アブダビ国営石油会社に対しまして三度の融資を実行しております。いずれの融資も、アブダビの国営石油会社が長期原油販売契約の下で本邦企業に対して原油を販売する、そのために必要な資金に充てられているものでございます。
 以上でございます。
○藤巻健史君 資金量的には幾らぐらいなんでしょうか。
○参考人(矢島浩一君) これまで三度融資してございますけれども、いずれも民間金融機関との協調融資で三十億ドル、これを三回融資しております。
○藤巻健史君 アブダビとの関係が非常に良好であるということは認識できたと思います。
 次に、宮沢経産大臣にお聞きしたいんですけれども、今日、この地図を持ってまいりました。宮沢大臣、小学校のとき地理クラブでしたので、わざわざ地図も必要ないかと思うんですけれども。
 私、余計な話ですけれども、宮沢大臣とは小学校六年間、中学三年間、同じクラスでございまして、私が級長、宮沢大臣が副級長で、立場が随分逆転いたしましたけれども。当時は、学級会でウサギ小屋の当番とかについて大議論をした記憶がありますが、五十数年たって国会で非常に重要なことを議論させていただくことを光栄に思っております。
 大臣にお聞きしたいんですが、この地図でいうとアブダビからホルムズ海峡、何というんですか、オマーン湾の方のフジャイラに向かってパイプラインが引けているというふうに思うんですけれども、それはどのくらいの能力があるのか。もう一つ、日本でパー・デーでどのくらいの原油を輸入しているのか。そしてもう一つ、アブダビからフジャイラに対する石油のパイプラインとはどのくらいの送油能力があるのかということをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(宮沢洋一君) 九年間同級生だった藤巻委員といつ議論ができるかと思っておりましたけれども、今日は楽しみに参りました。
 ホルムズ海峡の内側からホルムズ海峡の外側に向けて二本のパイプラインがございます。一本は今おっしゃられたUAE、アブダビにあるものでございます。もう一本はサウジアラビアにございます。
 そして、能力につきまして、公開情報に基づいて機械的な推計でございますけれども、UAEにあるものにつきましては、輸送能力が日量約百五十万バレル、現在の実輸送量が日量約六十万バレル、したがって追加的な輸送可能量は日量約九十万バレルとなります。また、サウジアラビアにあるものは、輸送能力が日量約四百八十万バレル、実際の輸送量が日量約二百万バレルでございますから、追加的な最大限の輸送可能量は日量約二百八十万バレルということになります。
 ただ一方で、この能力等につきましては、安定的に一〇〇%活用できるものではないとの見方もございますし、また、危機時におきましては世界各国から利用が殺到することが予想されますので、実際どれほどが日本の輸入に寄与できるかということは現時点では判明はしておりません。
 一方で、石油、原油以上に我が国経済、また国民生活に重大な影響を瞬時に及ぼすものはLNGでございます。LNGにつきましては、現在、全輸入量の二五%がホルムズを通っておりますけれども、LNGは基本的には備蓄ができません。平均的な在庫と、またホルムズを抜けた後、日本に向かっている平均的なタンカーに積んである量を合わせて約二十五日分。ということは、瞬時に日本の電力、ガスに影響を加える。
 特に、電力につきましては、各電力会社ごとに大きく様相が違っておりまして、一番ホルムズ海峡の内側に依存しているのは中部電力、約四割がカタール等々から来ております。また、次が東京電力、約二割弱であります。御承知のとおり、中部電力管内というのは、自動車産業を始めとする大変な産業集積でございますから、四割が瞬時に減るということは、恐らく日本の経済、また国民生活に大変大きな影響が出てくるし、東京電力管内の約二〇%というものも非常に大きな影響があるものだと思っております。
○藤巻健史君 大臣の答弁聞いておりますと、大変な影響があるということは分かるんですが、総理のおっしゃる国民の生命、自由及び幸福の追求が根底から覆されるかと言われると、極めて疑問に思うんですね。
 ですから、それはやっぱり立法事実にならないのではないか。ホルムズの機雷掃海というのは、もし本当に必要ならば、これが本当に危険を感じているのであれば、経産省なり国の国家戦略として余分なパイプラインを引いておくと。それが保険としてはいいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮沢洋一君) 他国に我が国がパイプラインを引いたということは今まで政府としてはないわけでございまして、当然、民間がその必要があるといったときに、民間がほかの中東の国の了解を得て共同開発などをして、そして、それに対して政府として輸出信用等々ということでお手伝いするということは論理的にはありますけれども、現在、そのようなプロジェクトがあるということは一切伺っておりません。
○藤巻健史君 今おっしゃったプロジェクトを進める方が、憲法違反か否かの議論を押し切ってまで法律を作る理由はないんではないか。立法事実を超えて立法いたしますと余分な自衛権発動の危険が生じます。そこが歯止めが利かないと国民が思っているところではないかと思いますので、その辺を十分に考えていただいて、一歩を踏み出すことなく、憲法内での安保法制の改正にとどめていただきたいなというふうに思っております。
 今日は時間がなくなってしまったので議論はいたしませんけれども、我が国は自衛権に対して、集団的自衛権とそれから個別自衛権を分けて考える、カテゴライズして、これが合憲だ、違憲だという議論をするというのは単なる神学論争であって実のないものではないかと思っております。というのは、日米のチームワークが必要になった現状においては、集団的自衛権と個別自衛権がダブってしまうんですね。
 例えば、ほかの例でいいますと、昔はスポーツの世界でアマとプロがありまして、大会参加規定があった。その参加規定に、プロは駄目だけれどもアマチュアはいいということだったんですが、最近はセミプロというのができてきたわけですね。例えば共産圏のスポーツ選手等はノンプロなわけですけれども、ノンプロがプロであるかアマであるかを議論してそれが大会規定に合致するのかという議論というのは無意味でして、セミプロというのはダブった真ん中ですから、それが大会規定に合致するのかどうかということを議論すべきであるということで、集団的自衛権、それ二つに、個別自衛権、カテゴライズしないで、憲法に合致するかどうかという議論を進めるべきだと私どもは思っております。
 以上です。
   〔理事塚田一郎君退席、委員長着席〕
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○委員長(鴻池祥肇君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、舞立昇治君が委員を辞任され、その補欠として中泉松司君が選任されました。
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○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 質問に入る前に、先週木曜日に取り上げた、陸上自衛隊が昨年一月に行った米陸軍戦闘訓練センターにおける日米共同訓練の資料について申し上げたいと思います。
 この訓練は、砂漠を選んだものでも中東を想定したものでもないという答弁でありましたけれども、アメリカ側は砂漠での戦闘隊形や戦車演習について自衛隊を指導したと明確に述べております。食い違っておるわけですから、この訓練について、防衛省からは大半を黒塗りにした資料しか提出されておりません。どのような訓練が行われたか明らかにするために、黒塗りを外した資料の提出を求めたいと思います。
 委員長、取り計らいを求めたいと思います。
○委員長(鴻池祥肇君) 後の理事会において諮ります。
○井上哲士君 先ほどの礒崎氏の参考人質疑について申し上げたいと思います。
 礒崎総理補佐官は、法的安定性は関係ないとの言葉については、間違いであり、撤回すると述べられました。しかし、これは私は、言葉だけで、反省がないと思うんですね。なぜか。一方で、福山氏の質問に対して、国際情勢の変化に伴って必要最小限度の内容が変わるということは今まで何度も政府として言ってきた、この発言については撤回しないと答弁をされました。
 国際情勢が変われば政策が変わるのは、それは当然です。しかし、どんなに情勢が変わっても、これだけは憲法上やってはいけないと、その必要最小限度は変わらないんです。これが変わるということになれば、それこそ法的安定性が崩れるということになるじゃありませんか。私はこの言葉を発言しなかったことに本音が表れていると思いますが、これは政府見解と一致するんですか。中谷大臣、いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) 先ほど質疑がありましたけれども、政府の基本的な論理、これは引き続き堅持をしていくわけでございます。そこの点で、我が国の安全保障の変化、これがこの昭和四十七年の政府見解以降、事実としてあったわけでございますので、その結論部分の当てはめを行いまして、今回は、自衛の措置としての武力行使の新三要件、これに基づいて自衛の措置としての対応をするということでございます。
 今回の憲法解釈の一部変更は、国際情勢の変化を踏まえて、新三要件、これを満たす場合における限定的な集団的自衛権の行使を、憲法第九条の下において自衛権の行使が許容される我が国を防衛するための必要最小限度、すなわち砂川判決に言う必要な自衛の措置に含まれると解したものでございます。しかし、このような解釈の下で、武力行使も憲法の認める必要最小限度の範囲内にあるというところは不変でございます。
○井上哲士君 私は、今の答弁からは、政府自身もこの法的安定性というものに対しての対応が問われると思います。先ほどの礒崎氏の答弁には到底承諾ができないということを改めて申し上げておきたいと思いますし、政府自身のその姿勢が問われているということも申し上げておきたいと思います。
 その上で、武器弾薬の補給についてお聞きいたします。
 後方支援に関するこれまでの法律では、他国軍への補給について、武器弾薬の提供を含まないとしておりました。周辺事態法の審議の際に、当時の大森法制局長官は、武器弾薬の提供について、最終的にはそのような需要はないということでございましたので詰めた検討を行うには至っていない、しかし、大いに憲法上の適否について慎重に検討を要する問題であろうという感触は持っておりますと答弁をされております。
 今回の重要影響事態法案と国際平和支援法案ではこれを変えて、弾薬の提供は可能とし、武器の提供は引き続き不可といたしました
 まず聞きますけれども、この武器と弾薬の区別というのは一体何なんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 今回の平和安全法制によって重要影響事態法等において新たに提供可能となる弾薬、これは一般的に武器とともに用いられる火薬類を使用した消耗品であり、例えば拳銃弾や小銃弾などがこれに当たります。
 これに対し、提供対象とならない武器とは、直接人を殺傷し、又は武力闘争の手段として物を破壊することを目的とする機械、器具、装置であり、例えば拳銃、小銃、機関銃など、消耗品でないものを指すわけでございます。
○井上哲士君 じゃ、武器とともに使わない手りゅう弾はどっちに入るんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 手りゅう弾につきましては、武器とともに用いられるものではありませんが、直接人を殺傷するなどを目的としている火薬類を使用した消耗品であり、弾薬として重要影響事態法に基づいて提供することが可能であるということでございます。
○井上哲士君 つまり、手りゅう弾も提供が可能だということであります。
 引き続き武器の提供はできないと、これはニーズがないという説明でありますけれども、この武器の提供についての憲法上の判断はされたんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 今回の法整備におきまして、武器の提供につきましては、他国の部隊が必要とする武器は通常自ら携行するものと考えられたこと、また、ガイドライン見直しに係る日米間の協議の中でも米側から武器についての支援のニーズはなかったことから踏まえまして、自衛隊が提供する物資の対象に武器は含めないとしたわけでございます。
 その上で申し上げれば、今般の法整備に当たりまして武力の行使との一体化について改めて検討をした結果、補給、輸送などの支援活動については、提供する物資の種類にかかわらず、現に戦闘行為を行っている現場において行うものでなければ武力の行使と一体化するものではないと判断をいたしておりまして、仮にこのような場合において武器の提供を行ったとしても、武力の行使と一体化をするものではないと考えております。
○井上哲士君 つまり、武器の提供については、憲法上の判断を今回可能だと行ったということですか。事前のレクでは行っていないというお話でありましたが、はっきりさせてください。
○国務大臣(中谷元君) 今回はニーズがなかったということで物資の対象に武器は含めないということにしましたが、その上で、改めて今回の法整備に当たりまして武力の行使との一体化について検討をした結果、提供する物資の種類にかかわらず、現に戦闘行為を行っている現場において行うものでなければ武力の行使と一体化するものではないと判断をいたしまして、武器の提供を行ったとしても武力の行使と一体化をするものではないということでございます。
○井上哲士君 大森長官は憲法上の適否について慎重に検討を要する問題だと言われたわけでありますが、今の答弁を聞いておりますと、とにかくニーズがあったと、そしてとにかく現場でなければよいと区分けをしただけでありまして、まともな検討がされているとは到底思えないわけですね。
 さらに、武器弾薬の輸送について聞きます。
 テロ特措法では、物品の輸送には外国の領域における武器弾薬の陸上輸送は含まないとし、イラク特措法では、実施要領において武器弾薬の輸送を行わないとしておりました。
 今回の法制では、陸上であれどこであれ、他国軍隊の武器弾薬の輸送が可能になるわけでありますが、先日の我が党の小池議員の質問に対して、武器弾薬の輸送について、法律上、これは運んではならないという規定されたものはないという答弁でありましたが、そういうことでよろしいですね。
○国務大臣(中谷元君) 今回の重要影響事態法、また国際平和支援法におきましては、法律上、特定の物品の輸送を排除する規定はございません。
 ただし、輸送の実施に際しては、いつ、どこへ、どのような物品を輸送するかなど支援対象国からの具体的な輸送の要請内容に基づいて、活動地域の情勢、自衛隊の部隊の運用状況等を踏まえて輸送を安全に行うことができるかについて評価し、個々の輸送の都度、自衛隊として主体的に実施の可否を判断をするということになります。
○井上哲士君 武器弾薬の中身についての排除するものはないということなんですね。そうしますと、非人道的な兵器だと禁止が求められてきたクラスター爆弾であるとか劣化ウラン弾も法律上は輸送が排除されないということになるわけですね。
 クラスター爆弾については、特に不発弾によって多くの一般市民が紛争終了後も死傷者を出す非人道的兵器だということで、国際的な禁止の世論が広がって、クラスター爆弾禁止条約、日本も批准をして、二〇一〇年八月一日に発効いたしました。
 劣化ウラン弾については、一九九一年の湾岸戦争で初めて使用されて、破壊力が大きいために世界各地の紛争で使われてきました。使用されると、微粒子になって周囲に飛散して、これが体内に取り込まれて内部被曝とか化学的毒性による健康被害を引き起こしたとして、住民であるとか、そして帰還兵からも訴えが続けられております。
 外務大臣にお聞きしますけれども、このクラスター爆弾や劣化ウラン弾について、米国はどういう政策を持って、そして保有と使用の状況はどうなっているでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 劣化ウラン弾につきましては、まず米国の保有状況につきましては公表されておりません。よって、我が国として詳細は把握しておりません。そして、使用状況につきましても、詳細については承知しておりませんが、例えば二〇〇一年に米国防省が公表した資料によれば、米国は一九九四年から一九九五年のボスニア・ヘルツェゴビナにおける紛争、あるいは一九九九年のコソボにおける紛争において使用したと承知をしております。
 そして、どんな政策を持っているかという御質問でございますが、それにつきましては、劣化ウラン弾、国連総会においては、その使用がもたらす環境及び健康に対する影響を更に調査すべきとする決議案が提出されておりますが、米国は、多数の国際機関による調査にもかかわらず、明白な証拠がない中で劣化ウラン弾の環境及び健康に対する影響があることを前提とすべきではない、こうした立場を取っております。
 クラスターの方につきましても、まず米国は保有状況を公表しておりません。よって、詳細は把握しておりません。そして、使用状況につきましても、詳細は把握しておりませんが、米国、関係者の様々な文書、例えば米国議会調査局報告書によれば、米国は、二〇〇一年から二〇〇二年にアフガニスタンで、そして二〇〇三年にはイラクにおいて英国とともにクラスター弾を使用しております。ただ、二〇〇三年以降は使用していないということであります。
 そして、このクラスター弾に対する姿勢でありますが、米国はクラスター弾の無差別の使用による影響について懸念を有する一方で、その軍事的有用性も認識している、このような基本的な立場にあると承知をしております。
○井上哲士君 つまり、クラスター爆弾も劣化ウラン弾についても、米国は、この世界の非人道的兵器はやめようという声には同意をしていないわけでありまして、クラスター爆弾禁止条約にも入っておりません。
 過去、二〇〇八年の当時の北米局長の答弁で、この劣化ウラン弾について、在日米軍の一部の施設・区域に保管されているものと承知しておりますと、こういう答弁があります。
 そして、日本がクラスター爆弾の禁止条約に参加をしていく過程の中で、これはウィキリークスが暴露をしたわけでありますけれども、アメリカ政府は日本側から在日米軍のクラスター弾の撤去を求められる可能性に懸念を伝えていたということがあるわけですから、いずれも在日米軍の施設に保管がされているものであります。
 そうなりますと、在日米軍も持っているし、アメリカはいずれも使用をやめるということは言っておりません。現に保有をしております。アメリカから依頼をされれば、この非人道的兵器、クラスター爆弾や劣化ウラン弾も日本は輸送するということは、法的に排除されないんじゃないでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 後方支援をするに当たりまして安全が確保されていることは大前提になるために、輸送の実施に当たって物品がどのようなものであるのか、これは重要となります。
 劣化ウラン弾につきましては、人の健康等に対する影響に関して国際機関による調査が行われてきておりますが、現時点で国際的に確定的な結論は導かれていないと認識をいたしております。我が国としては、保有をしたことのない弾薬でありますので、劣化ウラン弾の輸送の安全性について承知していないために、現時点において、他国の劣化ウラン弾を自衛隊が輸送することができるかどうか、これは確定的に申し上げることができません。
 また、クラスター弾につきましては、法律上、排除はしておりませんが、クラスター条約締結国であるという我が国の立場も踏まえまして、事態に応じて慎重に判断をしていくことになると考えております。このクラスター弾に関する条約におきまして、我が国は締結をしておりますけれども、同条約が規定をする移譲に当たらない形であればクラスター弾の輸送を行うことは、条約上は否定をしておりませんが、いずれにしましても、特にこれらの弾薬を輸送することは、念頭に置いて今般の法整備を行うわけではないと。
 最初に申し上げましたとおり、後方支援を行うに当たりましては安全が確保されているということが大前提で、そのような物品がどのようなものかにつきましては非常に重要なものであると認識をいたしております。
○井上哲士君 お得意の念頭にないという言葉がまた出たわけでありますが、法律上は可能でありますし、輸送しないという答弁はありませんでした、輸送できないという答弁はありませんでした。
 中身の問題を先ほど言われましたけど、あのイラク戦争のときのバグダッド空港での空自の輸送活動について違憲だと判じた当時の名古屋高裁の判決はこう言っているんですね。
 日本政府は、航空自衛隊は武器弾薬を輸送しないとの方針を示しているが、米国から託される搭載品にはラッピングが施され、自衛隊員が内容物を確認することはできず、航空自衛隊が武器弾薬を輸送している可能性も否定できないと、こういうふうに言っているんです。
 そして、先ほどクラスター爆弾の禁止条約のことも言われました。これ第二十一条で、非締約国がクラスター弾の使用を抑制するよう、最善の努力を締約国には求められているわけですね。そして、ウラン弾について言いますと、国連人権小委員会において、兵士、市民のいずれに対しても大量無差別被害をもたらす、既存の国際人道法や国際人権法と両立し難いという決議が、この間、五度にわたり採択をされているわけですね。
 ですから、明確に、この二つのものの輸送がもし依頼をされれば断ると、そうでなければ国際人道法にも条約にも反するとちゃんと答弁してください。
○国務大臣(中谷元君) 劣化ウラン弾につきましては、人の健康等に対する影響に関しまして国際機関が今調査を行っているということでございますので、現時点で国際的に確定的な結論は導かれていないと認識をいたしております。
 クラスター弾につきましては、我が国は条約締結国であるということの立場を踏まえて、事態に応じて慎重に判断をしていくことになると考えておりますが、国際的には我が国がクラスター条約締結国であると、また呼びかけ国であるということは米国も認識をいたしておりますので、この点につきましては、米国にその場合においても事前にお伝えをしたいと思っております。
○井上哲士君 これだけ言っても、運べませんと、断りますということは言わないんですね。むしろ、そういう非人道的兵器は使うのをやめろと言うべきなんですよ。
 ノルウェーで行われたこのクラスター爆弾の禁止条約の署名式で、当時の中曽根外務大臣がスピーチをされております。中曽根さんは、カンボジアやタイでの地雷除去のために活躍する日本のNGOへの支援を行って、現場にも行ったと、その実感としてこういうふうにスピーチされたんですね。紛争終結後も人々の憎しみをよみがえらせるような兵器の使用を許してはならないと痛切に感じましたと。これ、大変私は共感を覚えました。
 もう日本が禁止条約に加盟をしているような兵器、そして紛争終結後も人々の憎しみをよみがえらせるような兵器をアメリカから輸送を依頼されたら、それは断って、そんな兵器は使うべきじゃないと言うのが当然じゃありませんか。それができないで、何でそれが国際平和への貢献なんですか。それができないのが日米同盟なんですか。はっきり答えてください。
○国務大臣(中谷元君) クラスター弾につきましては、我が国は、条約締結国であるという我が国の立場も踏まえまして、事態に応じて慎重に判断をしていくことになると考えているわけでございます。
 実際の輸送に関しましては、どのような物品を輸送するかなど支援対象国から協議をして、我が国としての立場や主張等も述べるということで、とにかく輸送が安全に行うことができるかどうか判断をし、個々の輸送の都度に自衛隊として主体的に実施の可否を判断してまいりたいと思っております。
○井上哲士君 自衛隊が安全に輸送できるかどうかを聞いているんじゃないんですよ。こういう非人道的な兵器を実際に使う、その片棒を日本が担ぐようなことをやるんですかと、それを断らないのがこの法律なのかということを私は聞いております。これだけ言っても断るという答弁がなかった。極めて残念であり、重大だと思います。
 次に、重要影響事態法や国際平和支援法による武器等防護について聞きますが、これを行う場合に地理的制約もない、それから防護対象の武器等の制約もないと。法律上は空母であっても可能だということが衆議院での答弁でありました。そうしますと、核兵器を搭載をした例えばF35などが載っているような空母を日本が防護をすると、こういうことも法律上は起こり得るんじゃないですか。外務大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、米国自体はNCND政策という政策を取っております。要は、外国政府からのこの照会への対応などにおいて核兵器の所在を肯定も否定もしない、こういった政策を取っております。これは、核抑止力を有効に担保するために必要な戦略上の要請に基づくものであると承知をしております。
 こうした米軍の核政策を踏まえれば、さらには核兵器の持つ特殊性を考えれば、米軍が自衛隊に核兵器を搭載した航空機あるいは艦船等の警護を要請することはそもそも想定されないと考えます。
○井上哲士君 法律上は何ら排除するものはないわけですね。
 そして、今言いましたように、アメリカは存否を明らかにしないという政策を取っています。そして、二〇一〇年の核態勢、NPRの見直しの中で、今後、空軍はF16をF35に置き換えて、そして通常兵器と核兵器の両方を運搬する能力は保持するとしております。さらに、米国の核兵器をF35などの戦術戦闘爆撃機及び重爆撃機で前方展開する能力を保持すると、こうしているわけですね。
 ですから、あくまでも米国は核兵器の前方展開する能力を保持をしているわけですから、その下でアメリカは核兵器搭載の有無を明らかにしないという方針を持っているわけですから、日本がそういうのを載せた米空母の防護を行う可能性もあると。グリナート太平洋軍の司令官は先月の二十九日の記者会見の中で、空母打撃群との連携を含めた海上自衛隊と米海軍の関係の全く新しい一章を刻むと、こういうことまで言っているわけでありますから、そういう一群に組み込まれる中で事実上そういう役割を担うことはあるんじゃないですか。
 また、今度、被爆七十年であります。広島出身の岸田大臣も八月六日を迎えようとしておりますけれども、私は、アメリカの核抑止力を是としてこれに依存する政策の下で今回の法案のような対米軍事支援を広げることは、日本が米国の核兵器を防護することもあり得ると、こういうことになると思います。そんなことを広島出身の大臣、許されるんでしょうか、お答えください。
○国務大臣(岸田文雄君) 先ほど米国の政策としてNCND政策について申し上げましたが、それ以外に公表された米国の核政策、例えば一九九一年のブッシュ・イニシアティブにおきまして、水上艦船及び攻撃型潜水艦を含む米海軍の艦船及び航空機から戦術核兵器を撤去する旨を表明しています。また、一九九四年、核態勢の見直しとして、水上艦船及び空母艦載機から戦術核兵器の搭載能力を撤去することを決定しています。また、二〇一〇年、核態勢の見直しとして、冷戦終結後、米国は、水上艦船及び通常型潜水艦から核兵器を撤去することを含め、太平洋地域から前方配備の核兵器を撤退させた。こうした政策を明らかにしています。
 こうした様々な政策、そしてなおかつ核兵器の持つ特殊性を考えた場合に、米国が我が国に対しまして核兵器を搭載した航空機や艦船等を警護することを要請すること、これは考えられない、想定されない、このように申し上げております。
○井上哲士君 時間ですので終わりますが、先ほど申し上げましたように、アメリカは前方に展開する能力を保持するとしておりますし、核戦略そのものが変化をするものでありまして、法律上排除をされていないと。これが極めて問題だということを厳しく指摘をいたしまして、質問を終わります。
○田中茂君 日本を元気にする会・無所属会、無所属の田中茂です。
 平和安全法制を審議するに当たり、その核心部分は、日本を取り巻く国際情勢が年々厳しさを増している中で、我が国の安全保障をいかに遂行していくのか、そのために集団的自衛権の行使容認がなぜ必要なのか、この点であると私は思っております。
 その本質的な問題とは別に、衆議院では、安保法制をめぐる議論では集団的自衛権の行使が違憲かどうかという憲法論議に集中し過ぎた感があったと思っております。衆議院での安保法制特別委員会で七月十三日に招致された憲法学者が、集団的自衛権のみならず自衛隊をも違憲であるとの見解を示しました。集団的自衛権も憲法問題に固執していくと、多くの国民から受け入れられ、有事や災害時に危険を顧みず救援に駆け付けてくれる自衛隊を違憲であるとするような次元と同一の議論になってしまい、現実世界との論理矛盾が生じるわけであります。
 この点から言えば、今から二十年前なんですが、村山内閣が誕生したときに、当時の社会党は、国際情勢の変化により現在程度の規模の自衛隊は合憲であると、それまでは長年違憲であるとしてきた自衛隊について、いとも簡単に合憲であるとその立場を変更した過去があります。すなわち、国際情勢の変化によって違憲になったり合憲になったりするのは、自衛隊の存在が本質的に憲法問題ではなく、日本にとってどの程度の軍事力が必要なのかという政策判断の問題であったことを当時の社会党及び社会党出身の総理大臣が身をもって証明したわけであります。
 これは必要最小限もそうなんですが、相手国の攻撃の度合いやそのときの国際情勢、軍事科学技術の進展の度合いによって自衛に必要な武力行使の程度は大きく変動するので、今回政府が個別的のみならず集団的自衛権もこの範疇に入るとしたのも私は当然であると思っております。これも政策判断であります。
 したがって、安全保障、防衛とは、単なる憲法問題ではなく、その時々の政府が主導し、責任を持って決定すべき政策問題であるということがその本質ではないかと考えております。
 そこで、質問なんですが、国家の独立と国民の生命、財産を守るという点で、自衛隊の活動や集団的自衛権行使に関する問題は失敗が許されず、現実的、高度な実効性を持たなければならないはずであります。だからこそ、自衛隊や集団的自衛権行使に関わる問題は、単なる憲法問題ではなく、第一義的には政策判断によって解決される重要問題であると考えますが、この点についてのお考えをお聞かせください。
○国務大臣(中谷元君) 自衛隊は創設六十年になるわけでございますが、様々な活動を通じて国民の皆様方にも評価と御理解をいただいておりますし、PKOも二十年以上国際的な現場で活動をいたしておりまして、各国との国際協力、これを実践をしているわけでございます。
 今回の法整備につきましては、従来の政府見解の基本的な論理、これを維持をいたしておりまして、最高裁判決、これの考え方の範囲内のものであると考えております。憲法に適合した法整備を行うということにつきましては、昨年七月一日、閣議決定以来、十分に説明をいたしております。
 その上で、今回の法整備に際しまして、近年、安全保障上の課題や不安定要因が複雑かつ多様で広範になりまして、我が国をめぐる安全保障環境はますます厳しさを増していることが前提となっていることから、御指摘のように、憲法の問題のみならず安全保障政策について議論をするとともに、適切に政策判断を行っていくということは極めて重要なことだと考えておりまして、政府といたしまして、我が国の平和と安全を守るために、まず何よりも我が国自身の努力、そして日米同盟の強化、これを通じて抑止力を向上させていくこと、その上でアジア太平洋地域の平和と安定を確保して、さらには国際社会の平和と安定を確保するための努力を行わなければならないと考えておりまして、今回、法整備を国会において議論をしていただいて、これの整備が必要だという認識に立っているわけでございます。
○田中茂君 過去、防衛政策に関わる政策判断はかなりありまして、四十以上あるんではないでしょうか。まず、政策判断が行われ、それを憲法に基づいて法案を作成していくわけであります。
 フランスの哲学者ルソーが、社会契約論の中で、法の持つ硬直性は国家を滅ぼしかねないと言いましたが、憲法改正は、ドイツは六十回、米国は十八回、フランスは二十四回等々、各国は法の持つ硬直がないようにしてきましたが、日本は憲法改正がなかなか困難で時間が掛かると。だからこそ、ある意味では先人の知恵として、法の安定性を保ち、法の持つ硬直性をなくすために、私自身は、憲法解釈の変更が日本では行われてきたのではと、そう思っております。
 中曽根元総理が総理時代に集団的自衛権を否定していると、その話が何度か出ております。先ほども話しましたが、この問題は政策判断の問題であります。村山首相が国際情勢の変化により現在程度の規模の自衛隊は合憲であるとその立場を変更したように、中曽根元総理は、多くの著書で、集団的自衛権行使は合憲である、それは国際情勢の変化、国情の推移によって解釈が変化する政策論である、したがって、個別的自衛権はあるが集団的自衛権は行使できないというのも政策論であるということです。
 自衛権というのは、個別的自衛権も集団的自衛権も同根一体のもの、つまり、憲法以前に主権国家に存在する自衛権は、よほどの正当な理由がない限り、その行使が個別にあって集団にないことはあり得ないと。日本の防衛のために、個別的自衛権を完全ならしめるために米軍と協力し、原則として米軍を日本の防衛のために働いていただく、集団的自衛権の行使も認められてしかるべきであると。実際に、集団的自衛権とは米国との同盟関係であり、単なる軍事同盟ではなく、日本のみならず、アジア全体の平和と繁栄に寄与する政治的安定を図るものでもあると。現在の政府解釈よりは、より進化した集団的自衛権合憲論を述べているほどであります。
 ところで、最初に憲法論議は避けたいと私言いましたが、今回の安保法制の基本が集団的自衛権の行使容認であるがゆえに、中曽根元総理の集団的自衛権行使の定義を踏まえて、政府の集団的自衛権に関する憲法解釈について一点のみお尋ねします。
 私自身も、集団的自衛権は合憲であるとの考えであります。国連憲章第五十一条の条文、これが集団的自衛権の根拠になっていることも皆さん御承知のとおりであります。ただ、集団的自衛権について具体的な定義はしておりません。そのために、これまで様々な解釈が行われた、論争の的になってきたわけであります。
 政府見解による集団的自衛権とは、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず実力をもって阻止する権利とされています。これは自衛ではなく、単なる援軍にしか解釈はできません。この政府解釈は、いわゆる国際法学界におけるドイツ法の他衛権とも全く定義が異なっております。
 かつて東大教授を務めた故佐藤誠三郎氏が二十年ほど前に発表した集団的自衛権合憲論の論文では、集団的自衛権とは、ある国への武力攻撃がその国と自国との密接な関係により自国への攻撃とみなすことができる場合に、攻撃を加えた国に対して共同して反撃することであると。米英法的な解釈であります。私は、当然この見解に同意するものであります。
 また、五十年以上も前になりますが、国際法学者の東京大学名誉教授の高野雄一氏が、集団的自衛権は、必ずしも国際連合における創作ではなく、今日の国際社会における自衛権の発展した形態であると指摘されたように、そもそも集団的自衛権とは、軍事技術の発達と国際相互依存の深まりに伴って自衛権が進化した形態なのであると。つまり、集団的自衛とは、ある国への武力攻撃がその国と自国との密接な関係により自国への攻撃とみなすことができる場合に、攻撃を加えた国に対して共同して反撃する。だからこそ、集団的自衛権は自衛権の発達した形態なわけであります。
 ですが、これまでの見解では、このある国に対する攻撃を自国に対する攻撃とみなし得る場合という条件がなく、その代わりに、自国が直接攻撃されていないにもかかわらずという一項が加えられることによって、集団的自衛とは自国の安全に直接関係ないものであり、それゆえ個別的自衛とは質的に異なるものという解釈へと集団的自衛権の定義が変更されており、国際的な集団的自衛権の見解とは懸け離れているわけであります。
 しかも、国連憲章第五十一条では、英語では、「individual or collective self-defence」となっております。この「or」は、又はです。この条文を見る限り、自衛の権利は個別的と集団的が別個に存在するとは解釈されず、両者は区別されておりません。私も、そもそもこの時点から定義からくる混乱が始まったのではないかと考えております。
 そこで質問なんですが、集団的自衛権の現在の解釈が行われた一九七二年の十七年後に冷戦は終結し、更に四半世紀が過ぎた今、世界情勢は大きく変化し、政府が新たに三要件を定めて集団的自衛権が行使できるようにしたことは、私自身評価をしております。ただし、従来の集団的自衛権の解釈を変更しないと、いつまでたってもその行使について、先ほど来いろんな質問が出ておりますが、行使についての誤解や解釈の不明確が生じるのではないかと考えております。
 確かに、今まで政府が積み重ねてきた論理を覆すのは容易ではないかもしれません。当時の状況を考えると、政治的便宜主義として、個別的自衛権と集団的自衛権を分離した方が都合がよかったのも理解します。
 しかし、集団的自衛権の行使は政策問題でもありますから、歴代内閣の見解を踏襲する必要はなく、今回の新三要件の一つである、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があることという要件は、先ほど私が申し上げたような、密接な関係にある国に対する攻撃を自国に対する攻撃とみなし得る場合と近いものであるので、従来の解釈を変更し、個別的自衛権と集団的自衛権は一体同質とした上で、国家安全保障基本法に集約した形での集団的自衛権の限定行使とした方が私はすっきりしたのではないかと、そう思っております。
 これについての御意見をお聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、我が国の憲法は、国民の命を、暮らしを守るために必要最小限の自衛の措置を認めるものであると考え、そして、その中にあっても、我が国が武力の行使を行えるのはこの新三要件に該当した場合に限られる、こういった説明をさせていただいております。そして、我が国が憲法との関係において認められる武力の行使の中に、一部国際法上はこの限定された集団的自衛権と説明される部分があるという説明をさせていただいております。
 そして、その中に限定された集団的自衛権が含まれるというのであるならば、国際法上の集団的自衛権の考え方としっかり整合性を保たなければなりません。そして、委員の御指摘の中に、この集団的自衛権、個別的自衛権に対する考え方、これは国際法の学説としては様々な学説があり、議論が行われています。
 しかし、今、国際社会において、国際司法裁判所の判決等において確認されている限り、この集団的自衛権と個別的自衛権、これは自国に対する武力攻撃に対処するものであるかどうか、これによって明確に区別されていると理解されていますし、我が国もそのように考えております。
 こうした国際的な考え方に沿って我が国がもし限定的な集団的自衛権を行使するとした場合も、しっかりと説明できるものにしなければなりません。なぜならば、我が国がこの限定的な集団的自衛権を行使したならば、これは国連の安保理にこれをしっかりと報告をしなければいけません。国際社会に説明できるものでなければなりません。
 ですから、我が国の集団的自衛権に対する考え方、国際司法裁判所等の判決に基づいた、国際社会において理解されるものであるべきだということでこの議論においても説明をさせていただいているところであります。
○田中茂君 個別的自衛権と集団的自衛権というのは私は同根一体のものであると、そのようにした方がいずれ禍根を残すことはないと、私はそう思っております。これは一言言っておきますので、私自身のこれは考えとして捉えておいていただきたいと思います。
 あと、冷戦以後、国際情勢も変化し、自衛権の形も進化しております。そこで……(発言する者あり)そこで、これだけちょっと言わせておいていただきたいのは、今回の法案は周辺国への抑止力となるのは当然であります。しかし、それのみならず、今、アジアでは、アメリカと五か国の軍事同盟や……
○委員長(鴻池祥肇君) 田中君に申し上げます。次の機会に譲ってください、御意見は。
○田中茂君 分かりました。じゃ、次に譲らせていただきます。
 ありがとうございました。
○浜田和幸君 次世代の党の浜田和幸です。
 岸田外務大臣、中谷防衛大臣、今年の十月一日、結構大きなオクトーバーサプライズが日本を襲うのではないかということが今ネット上で大変大きな話題になっています。
 これは私の最初の質問ですけれども、我が国の安全ですとかあるいは平和を脅かすのは必ずしも北朝鮮のミサイルや中国の軍事力だけではないということを、言ってみれば我々きちんと捉えておく必要があるんじゃないかと思うんですね。
 ネット上では、日本の今の経済状況、特にIMFが先週発表した膨大な赤字、また、アメリカや世界で、言ってみれば経済の予測専門家と言われるアームストロング氏とかエーデルソンさんという人たちがこぞって、十月の第一週と第二週が日本がデフォルトに陥る可能性がとても大きいということをネット上でいろいろと情報を流している。それが我々日本人とは関係ないところ、外国の投資家や海外の国々が日本に対する評価をおとしめることにつながっていると思うんですね。
 そういった観点で、やっぱり日本が独自のインテリジェンス機能を持ち、そうした本当に事実に基づかないような予測、ためにする日本の経済力とか金融力や政治力といったものをおとしめるようなネット情報に対してはきちんと反論し、正しい日本に対する理解を深めることが必要だと思うんですけれども。
 そういう点で、二人の大臣にまずお聞きしたいんですけれども、十月危機説といったものをはっきりと否定していただけるような、そういう金融情報のデータをお持ちなのかどうか、また、そういうものがどんどんどんどんほかの分野でも広がることに対して、どのようなインテリジェンス機能を日本が今後果たすべきだとお考えでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国を取り巻く安全保障環境、ますます厳しさを増す中にあって、自国の平和や安定に関わる情報を収集し、そして分析をするということ、これは大変重要な課題であります。
 そして、御指摘のように、ネット上には本当に様々な情報が飛び交っております。そうした情報が我が国に対しまして政治的あるいは経済的な影響を与えることになる、こういったことを考えますときに、やはりそうした幅広い情報も含めて情報収集能力を高めていく、さらには我が国の状況、立場をしっかり理解してもらうために正しい発信を行っていく、この二つが大変重要であると考えます。
 こうした観点から、例えば外務省としまして、情報の発信という意味におきましては、各国報道やネット情報のモニタリング等の公開情報の収集、分析について体制強化を努める、こうした取組を行っております。一方、発信の方ですが、国際メディア等に対する発信、これはもちろんですが、ウエブサイトあるいはSNS等のIT広報の強化、あるいは有識者の招聘、派遣、あるいはシンクタンクとの連携、こうした様々な取組を通じて戦略的対外発信、これもしっかり強化していきたいと存じます。
 こうした情報収集、情報分析、そして戦略的な対外発信、こうしたものを併せて行うことによって、今御指摘になられました様々な懸念に対してしっかり説明責任を果たし、対応していかなければならないと考えます。
○国務大臣(中谷元君) 中国は、情報戦、宣伝戦、法律戦、いわゆる三戦ということで非常に、情報、インテリジェンス、重要視をいたしております。
 我が国におきましても、こういった情報につきましては、総合的な把握なくして安全保障問題への適切な対応は困難でございますので、防衛省では、情報本部、これを中心に国際情勢について、軍事専門的な事象だけではなくて政治経済などを含めた幅広い視点からの事象の把握に努めております。
 このような情報の対応は防衛省のみで行うのは困難でございまして、自身の能力強化に努めるとともに、米国を始めとする関係各国の情報機関との協力、また関係省庁との協力の深化に努めまして、こういった不測の事態等の対応に万全を期してまいりたいと考えております。
○浜田和幸君 今、中谷大臣からアメリカとの情報共有ということの重要性、そういう観点でいいますと、先週末、アメリカのNSAが安倍総理の自宅の固定電話まで盗聴のターゲットにしていたと。同じ同盟国でありながら、ドイツもフランスもブラジルもみんな、アメリカがどこまで信用しているのか分からないような対応をしていますよね。
 我が国の場合どうなんでしょうか。総理のみならず、名前が出ている二人の大臣の電波傍受、盗聴が行われていた。そういうことを、じゃ逆に日本はする必要がないのかどうか。アメリカに対して何らかの照会、抗議をされるのかどうかを含めて、岸田外務大臣、中谷大臣の方から御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、米国との間においては、同盟関係にもあり、様々な分野、様々なレベルについて情報を共有し、緊密に連携を行っております。その中にあって、今御指摘の具体的な案件については、これは今の段階では、私の方から発言すること、コメントすることは控えたいと存じます。
 引き続き米国との間においてしっかりとした連携協力体制はつくっていかなければならない、このように考えます。
○国務大臣(中谷元君) これは政府全体として、情報の保全、情報管理、これは努めていかなければならないわけでございまして、仮にこれ事実でありますと同盟国として極めて遺憾でございますが、本件については、内閣官房長官の方でクラッパー米国家情報長官と連絡を取り合っているところでございまして、我が国としては、引き続き事実関係の確認、これは強く求めてまいりたいと思っております。
○浜田和幸君 やはりこういったインテリジェンスというのは、例えば今、TPP、ハワイでなかなか決着が付かなかった。これも、お互いに相手国がどういうようなスタンスでこの交渉に臨んでいるのか、そういうことの情報収集をやっぱり徹底的にやる必要がある。ですから、アメリカの動きだけじゃなくて、参加国、どういうようなスタンスで臨んでいるのか、そこの読み誤りがアメリカにとっても大きな今回反省点ではないかと思うんですね。同じことは日本にも言えるかと思います。
 そういう観点で、軍事的な脅威ということに限って言いますと、核弾頭やミサイルの数だけではなくて、そういうネット上での様々な情報、どういった形で相手国を自国にとって有利な方向に誘導するのか、それがこれからは重要な安全保障上の要になると思うんですね。
 中谷大臣は、先ほど中国のネット戦のことをおっしゃいました。一説では、中国は四十万人とも五十万人とも言われるサイバー攻撃部隊を擁している。北朝鮮でも四万、五万。
 じゃ、一方、日本はどうなんでしょうか。自衛隊の中にサイバー部隊、編成されていると聞いていますけれども、数百人の単位と承知しています。これで四十万、五十万の中国のサイバー部隊と果たして渡り合っていけるんでしょうか。
 その辺りについて、今後の展開も含めて、お考え、お聞かせいただきたいと思います。
○大臣政務官(石川博崇君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のようなサイバー攻撃対処などを担う人材の育成、確保というのは極めて重要な課題であると認識をしております。防衛省といたしましても、教育の拡充、あるいは部外からの高度人材の効果的な採用など、枠組みについて検討を行っているところでございます。
 御指摘いただきましたとおり、昨年三月、サイバー防衛隊を新編をいたしまして、これにより、防衛省・自衛隊のネットワークの監視及びサイバー攻撃発生時の対処を二十四時間体制で実施をしておりますとともに、サイバー攻撃に対する脅威情報の収集あるいは分析、調査研究等を一元的に行っているところでございます。
 今後とも、サイバー防衛隊の能力等の向上やサイバー人材の育成、確保につきまして、不断に検討を行ってまいりたいと考えております。
○浜田和幸君 実は、アメリカの人事局も外国からのサイバー攻撃を受けて、大量の政府役人データが流出した。アメリカは、FBI等がたどっていくと、これは恐らく中国ではないかということも言っています。そして、中国に対する反撃の必要性までアメリカの議会では議論されています。
 そういうことを考えますと、両大臣にお伺いしたいんですけれども、なぜ中国はアメリカにそういうサイバー攻撃を仕掛けているのか。日本でもさきの年金機構の問題ありまして、この年金機構に対する攻撃もそういった海外のサイバー攻撃が関わっているんじゃないかということが言われています。
 今、現状どういうような認識でおられるのか、また、彼らは何を狙って年金機構や人事局のデータを盗もうとしているのか、それの分析、評価ということについてのお考えをお聞かせください。
○国務大臣(中谷元君) 中国は、近年、サイバー空間に強い関心を有していると見られまして、中国人民解放軍がサイバー部隊を編成し訓練を行っているとの指摘があるほか、中国がサイバー攻撃によりネットワーク諜報、また知的財産の取得を行っていると指摘をされております。知的財産の搾取ですね、これを行っていると指摘をされております。
 例えば、アメリカの法務省は、今年五月、中国が二〇〇六年から長期間にわたって様々なサイバー攻撃を行ってきた旨確認したといたしまして、米民間企業から原子力発電所等の技術情報を搾取したといたしまして、中国人民解放軍の将校五名、これを起訴しております。
 こうした中国によるサイバー攻撃の意図については、あくまで一般論として申し上げれば、ネットワークへの侵入を通じて、ネットワークの妨害に必要となる情報を平素から収集をすること、また、高度な技術情報、これを取得をいたしまして自国の技術開発等に応用することなどが考えられます。
 なお、御指摘のアメリカの国家人事管理局へのサイバー攻撃につきましては、中国の関与を指摘する報道があるということは承知をいたしておりますが、米国政府は引き続き調査中と承知をしておりまして、コメントは差し控えたいと思っております。
 いずれにしましても、防衛省としては、中国のサイバー戦能力につきまして、引き続き重大な関心を持って必要な情報収集、分析に努めてまいりたいと考えております。
○浜田和幸君 そういう意味では、サイバー空間がどんどん安全保障のターゲットになってきていると。日米の新ガイドラインの第五項目、地域及びグローバルな平和と安全のための協力という項目を見ますと、日米両国は、アジア太平洋地域及びこれを越えた地域の平和、安全、安定及び経済的な繁栄の基盤を提供するため、パートナーと協力しつつ、主導的役割を果たす。その先には、日米両国は世界の様々な地域における課題に対して実効的な解決策を実行するということですよね。
 従来のような周辺事態ではなくて、世界どこでも、またサイバー空間でも日米は協力して戦うということなんですけれども、これは今の議論になっている安保法制等の中でどういう具合に整合性があるのか、中谷大臣にお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 新ガイドラインにおきまして、例えば我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態について地理的に定めることはできない旨記述をいたしております。これは、当該事態があくまで事態の性質に着目をした概念であって、地理的に生起する場所についてあらかじめ定めることはできないことを示したものでございます。新ガイドラインは平和安全法制の整備と整合性を確保しつつ策定したものでありまして、重要影響事態法においても、重要影響事態が発生する地域から特定の地域をあらかじめ排除することはできないとの考えが取られているところであります。
 いずれにしましても、新ガイドラインの下での協力を含めまして、自衛隊の派遣については、我が国として自らの国益に照らして主体的に判断するものでありまして、我が国の平和及び安全の確保、国際社会の平和と安定への貢献とおよそ関係なく自衛隊を派遣することはあり得ないと。また、その際、自衛隊が特定の活動を行うためには根拠となる法律が必要であるということは当然でございまして、法律の規定に従って活動していくということでございます。
○浜田和幸君 以上で終わります。ありがとうございました。
○水野賢一君 無所属の水野賢一でございます。
 まず、先日質問した、海外で自衛隊が違法な形で武器を使用しても罰則が掛からないというこの問題から伺いますけれども、これ、自衛隊法では、国内の場合は不当武器使用の罰則というのが自衛隊法百十八条一項四号に掛かっていますよね。これ、適用された例というのは、国内の場合はありますか。
○国務大臣(中谷元君) 自衛隊法百十八条に規定される、正当な理由がなくて自衛隊の保有する武器を使用した者の適用を受けた件数は、把握をしている限りにおいて、昭和三十五年度から平成二十六年度までの五十五年間で三十八件でございます。この三十八件の内訳は、武器を自分に向けて撃った場合、また山に向けて発射した場合などに適用されており、有罪になったものが六件、起訴猶予等が三十二件でございます。また、これらのうち、懲戒処分を行ったものは十五件でありまして、その他については、自殺、自殺未遂により不問となったものが二十件、現在調査中が一件、不明が二件となっております。
○水野賢一君 確かに、武器を自分に向けて、つまり自殺などに使う場合も、これも武器の不当使用には違いないわけでしょうけれども、山に向けて撃つようなことでも、海外で非常に緊迫した中の任務遂行中の武器使用なんかも今度PKOで認めようという中で、極めて危険なことだというふうに思いますけれども。
 じゃ、今、国内のこと、これは国内は今も罰則はあるわけですよね。海外活動というのは、もうこの二十年ぐらい続いているわけですよね、UNTACとかそういうのから。この中では罰則が掛かっていないという問題は前にも指摘しましたけれども、海外活動の中で、刑事罰が掛かるかどうかは別として、政府として把握している不当武器使用の例はございますか。
○国務大臣(中谷元君) PKO法、イラク特措法、海賊対処法などに基づく活動に従事する隊員が不当な武器の使用を行ったことはありません。また同様に、懲戒処分を行った例もございません。
○水野賢一君 それは、今まで規律が保たれていたということは非常にいいことですけれども、しかし、それに甘んじているわけにはいかないわけですね。
 今お話にあったように、国内においては三十八件もそういうような例というのが把握されているわけですし、これ、中谷大臣は七月三十日の答弁でこうおっしゃっているんですね。武器の使用については、徹底した教育訓練を行うとともに、隊員が職務の義務に違反した場合などには懲戒処分を科すことにより、隊員が海外で違法な武器使用を行うことは十分に防止できると考えておりますと述べていますけれども。
 これまで三十何件も国内である中で、これ本当に十分に防止できると自信持って言えるのでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 佐藤委員もおられますが、自衛隊が海外派遣するという際に、自衛隊が選抜をされて編成をされますけれども、非常に重い使命感とまた規律、そして部隊として事故を起こさないような教育訓練、これ相当した上で派遣をするわけでございまして、特に武器の使用につきましては、自己防護のための武器使用等を含めて、現地の実情に応じた部隊の行動要領について十分な教育訓練、これを行うことにいたしておりまして、的確に任務を遂行できるように、武器の使用の仕方も含めまして最大限努力をしたわけでございます。
 あわせて、服務指導、これにつきましても、国民の期待と信頼に応えて適切に任務を遂行することが重要でありまして、こういった派遣の際におきましても、厳正な規律の保持、これに努めて、ほぼ派遣する一か月も二か月も前から要員を集めて共に行動をするというような仕方でこういった規律の保持をいたしておるわけでございます。
○水野賢一君 今までそういう不祥事が少なくとも海外においてなかったということについては一定の評価はしますけど、しかし、この法案通れば、自衛隊の海外での活動というのはPKOとかでも広がるし、さらには邦人救出とかいろんな形で広がるわけですよね。
 今まで、そういう意味においては極めてえりすぐった人たちを、行く人数も少なかったわけですからえりすぐった人たちを、規律ある人たちを、使命感にあふれる人たちを送るということはあったのかもしれないけれども、これは人数が広がっていけば、そして、しかも行動においても今までよりも更に武器の使用をするかどうかというかなりぎりぎりのこともあるわけですよね、邦人救出みたいな話なんですから。私は非常に、少なくともここにおいて罰則がないというのは、正当な武器使用を別に否定しているわけじゃないですよ、不当なことについて罰則がないというのは大きい抜け穴だと思いますけれども。
 これ、大臣に伺いますけど、大臣の答弁は、先日は、別途、だから検討しなきゃいけないんだというようなことを言って、七月三十日の答弁を見ると、今度はこれを国外犯処罰規定が適用される犯罪とすることは妥当ではないと考えていますとか、同じ七月三十日には、本法案における罰則規定は新たな自衛隊の任務に対応した必要にして十分なものと考えていますというような答弁もあって、一方で別途検討する必要があるんだと言っていて、一方で検討しなくてももう必要十分なんだと言っているようですけど、これ、どっちが本当なんですか。
○国務大臣(中谷元君) これは最終的にお答えをさせていただきましたけれども、不当な武器使用に対する罰則、仮にその武器使用の結果何ら被害が発生していない場合であっても適用されるものでありまして、一年以下の懲役等の法定刑については適切なものであると考えております。
 また、刑法における国外犯処罰規定が適用される罪、これは基本的に三年以上の懲役を伴う罪とされていることでありまして、均衡を考慮すれば、これを国外犯処罰規定が適用される犯罪とすることは妥当になりませんが、先ほどお話をさせていただいた事例等におきましても、山に向けて発射した場合、また自分に向けて撃つ場合などに適用されておりますけれども、国外における武器の不当使用については、個別具体的なケースに応じて、上官命令反抗などの自衛隊法の罰則、殺人罪、傷害罪等の刑法の罰則も含めまして法的責任が検討されるものと考えております。
 いずれにせよ、本法案における罰則規定は、新たな自衛隊の任務に対応した必要にして十分なものだと考えております。
○水野賢一君 大臣は、例えば武器を使用して人を殺したら殺人罪が適用されるんだから、だからいいんだとは言わないけれども、そういうような部分があるんだからというようなニュアンスのことをおっしゃるんですね。私、これはやっぱり基本的に違うと思うんです。
 これ、ちょっと例え話というのは余り正しくない、物の本質をゆがめちゃうときがあるからあれですけど、要は、例えば放火とかを行って、放火をした結果人が亡くなったときは当然放火でもあり殺人でもあるわけだけど、それは殺人罪が適用されるからいいというものじゃないわけですね。放火は放火で重大な犯罪なんですよ。
 武器使用の結果人が亡くなれば当然殺人だけれども、武器使用そのものが海外で非常に危険なことなわけですから、だから、ここを一年でいいなんというような、その感覚自体がそもそも間違っているんです。窃盗だって十年ですよ、最高刑は。何で窃盗が十年で、武器を海外で使用するという極めて危険なことがあって、それが一年の刑で、しかもそれは海外では罰則にならないというのはおかしいと思いますけれども。ちょっと、これはまた追及いたしますけれども。
 次の話題に移りますけれども、集団的自衛権の話について伺います。
 これまで集団的自衛権が国連安保理に報告された例というのは、いろんな例、十何例かありますよね。これは、ハンガリー動乱とかプラハの春とか、そういうようなものも入ってくるんですけど、歴史の見方はいろいろあるでしょうけど、ハンガリー動乱とかプラハの春とか、別にどこかの国がハンガリーとかチェコスロバキアを攻撃してきたというわけじゃなくて、国内の中での親ソ連派と反ソ連派の中の対立はあったんでしょう。その中で、親ソ連派がソ連に救援を要請したようなことはあったんでしょうけれども、言わばこれは国内の中の話ですよね。ハンガリーに対してどこかの国がアタックしてきて、武力攻撃をしてきたわけじゃないわけなんだけれども、それでも集団的自衛権が理由になったことがあるのでちょっとお伺いするんですが。
 新三要件の「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生」という表現があります。これ、密接な関係にある他国、例えば米国が例に挙がりますけど、例えば、国名を挙げちゃいかぬのかもしれないけど、北朝鮮が米国を攻撃したとかという場合を典型例として出てくるのかもしれませんけれども、これはあれですか、外部の国がその密接な関係の国を、つまり、北朝鮮が米国とかということだけに含まれるんですか。それとも、さっき言ったハンガリー動乱みたいな形で、同国内の、その国の中の、別に米国に限らないわけですから、その国の中の反政府勢力とかが日本にとって密接な政権を攻撃したとかという、そういう内戦、内紛みたいなことがこれは含まれるのか、そこをちょっとお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、我が国が国際法上違反とされていますいわゆる内政干渉は行わない、これをまずしっかりと確認した上で御質問に答えさせていただきたいと思いますが、新三要件における我が国と密接な関係にある国に対する武力攻撃、これはすなわち我が国と密接な関係にある国に対する組織的そして計画的な武力行使を指すということであります。そして、一般に、国家以外の主体による攻撃であってもこれに該当する場合はあり得ると考えています。
 ただ、今御指摘になった例が実際具体的にどういった内容なのか、これはしっかりと確認しなければいけませんので、それが当たるか当たらないかは個別具体的に判断しなければならないと思っています。
 そしてさらに、外国との関係について御指摘がありました。国際法から見た場合、国連憲章五十一条による武力攻撃は、一般に、一国に対する組織的な、計画な武力の行使とされています。また、国連憲章第二条四において禁じられているのは、国際関係における武力の行使とされています。すなわち、国際法上、ある行為が自衛権行使の前提となる武力攻撃を構成するには、国際関係において、この一国に対する武力の行使が組織的、計画的に行われることが必要であると解されております。
 したがって、一般に、純粋に国内の関係だけにおいて行われる実力の行使が武力攻撃を構成することはないと考えています。
○水野賢一君 今、非常に長く、分かったような分からないような答弁であれですけど、要するに、今の大臣の答弁を聞いていると、最終的にはそのときの具体的な状況とかによって判断しなきゃいけないけれども、少なくとも、絶対に否定される、つまり、日本にとって極めて重要なある国の政権が、外からの攻撃じゃなくて、国内での反政府勢力からの攻撃を受けた場合でも、日本にとって密接な関係の政権を助けるというようなことは必ずしも否定をされる、絶対に否定されるわけではないということですか。これは場合によってはあり得るということですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 整理して申し上げますと、密接な関係にある他国に対する武力攻撃は、国家以外の主体による攻撃であっても、組織的、計画的な武力行使であるという場合には該当するということを一般論として申し上げています。
 ただ一方で、国際法から考えた場合に、国連憲章等の条文から見る限り、これは、一国に対する組織的、計画的な武力行使であるとか、国際関係における武力行使であるとか、こう規定されています。よって、今申し上げましたように、国家以外の主体による攻撃であっても該当する場合はあるとはいうものの、これは、純粋に国内の関係において行われる実力行使はこの武力攻撃を構成することにはならないと考えております。
○水野賢一君 この今の答弁も、二度目を聞いても何だかまだ分かったような分からないような言い方になっていますけれども、要はこれ、典型的な、つまり第三国から攻撃をされたようなときに集団的自衛権を行使するというだけじゃなくて、国に準ずるような、反政府勢力みたいなことからの攻撃でも、その場合でも助けに行くことがあり得たりするような、その政権からの要請があったりすればですよ、みたいなことになれば、非常に、他国の内政にも、つまり内乱とか内紛とかにも巻き込まれるようなことになりかねないんじゃないですか。
○国務大臣(岸田文雄君) ですから、冒頭申し上げました、まず、いわゆる内政干渉、こういったことに該当する行為を我が国は行うことはありません。その上で、御質問において一般論としてお答えをさせていただきました。
 あわせて、国際法の観点から考えますと、こうした国内における様々な動き、これは国際関係において様々な影響のある動きであるということを御説明させていただいているところであります。
○水野賢一君 時間ですので終わりますけれども、まだまだ追及していくべき点がたくさんあるというふうに感じたところでございます。
 終わります。
○吉田忠智君 社会民主党の吉田忠智でございます。
 今日の礒崎補佐官の参考人質疑を私も聞いておりまして、礒崎補佐官は、法的安定性は関係ないということを撤回をされて陳謝をされたわけでありますけれども、綸言汗のごとしという言葉があります。政治家は、自ら発した言葉に責任を持たなければいけません。まして、礒崎補佐官は、官邸の中にあって今回の法案の作成に中心的な役割を担われた方であります。それでなくても、多くの国民の皆さんが憲法違反ではないのか、そのような疑念を持っている中での発言でありますから、事柄の重大性を安倍内閣は理解すべきだ、そのことを改めて申し上げたいと思います。礒崎補佐官の辞任は当然のことでありますけれども、今後の推移を見ながら、私も、また安倍総理に直接見解を求めたいと思っております。
 今日は、私は、実質的な集団的自衛権行使につながる可能性のある米軍等の部隊の武器等防護について質問をいたします。
 昨年七月の閣議決定で、武力攻撃に至らない侵害への対処の一つとして米軍等の武器等防護が示され、戦争法案に自衛隊法九十五条の二の新設が盛り込まれました。この場合の武力攻撃に至らない侵害とは何なのか、どの点で至らないのか。
 関連して、二項でありますけれども、他国軍隊からの要請、防衛大臣の判断は、侵害の前か後か、いつの時点でなされるのか、伺います。
○国務大臣(中谷元君) まず、米軍以外の外国軍隊の武器等であっても、現に我が国の防衛に資する活動に用いられているのであれば、我が国の防衛力を構成する重要な物的手段に相当するという評価ができます。この条文上、米国以外の国についてはあらかじめ特定をしておりませんが、自国の武器等の警護を依頼するという事柄の性質を踏まえれば、情報共有を始め防衛分野において我が国と密接な協力関係にある国におのずから限られると考えておりまして、他方、具体的にいかなる外国軍隊の部隊の武器等が警護の対象になるかにつきましては、防衛大臣が当該部隊が行う活動の目的、内容等を踏まえて個別具体的に判断するということになるために、あらかじめ申し上げるということは困難でございます。
 そして、この行動をする際には、当然のことながら、米軍等から警護の要請を受けて自衛官による警護を行うことが必要と判断した場合に警護を命じるということになるわけでございまして、本条による米軍等の部隊の武器等の防護に先立って当該の米軍等からの要請があるのは当然でございますし、その際にはしっかりと相手国と協議をするということでございます。
○吉田忠智君 ということは、侵害のない時点であっても防衛大臣は許可できるということでよろしいんですか。
○国務大臣(中谷元君) あくまでも、我が国の防衛に資する活動に用いられているというものであれば、我が国の防衛力を構成する重要な物的手段に相当するということでございまして、条文上、米国、これは明記をされておりますけれども、それ以外の国におきましても、防衛分野において我が国と密接な協力関係にある国ということで、その中で個別具体的に判断をするということでございます。
○吉田忠智君 米軍以外のその他の外国とはどこですか。あわせて、我が国の防衛に資する活動とは何ですか。防衛大臣の判断基準を示してください。
○国務大臣(中谷元君) ただいま御説明をいたしましたけれども、米国以外の国についてあらかじめ特定はいたしておりませんが、自国の武器等の警護を依頼するという事柄の性質を踏まえますと、情報共有を始め防衛分野において我が国と密接な協力関係にある国におのずから限られるということでございまして、具体的にいかなる外国軍隊の部隊の武器が警護の対象になるかにつきましては、防衛大臣が当該部隊が行う活動の目的、内容等を踏まえて個別具体的に判断をしていくということでございます。
○吉田忠智君 衆議院でも、特別委員会でも大分議論されていますけど、それが非常に不明確なんですよ。もっと明確に答えてくれませんか。
○国務大臣(中谷元君) 法文にも書いておりまして、まず、我が国の防衛に資する活動とは何かということでございます。これは、例えば弾道ミサイルの警戒を含む情報収集・警戒監視活動、そして重要影響事態に際して行われる輸送、補給等の活動、そして第三に共同訓練、こういうことが考えられるわけでございます。
○吉田忠智君 日米安保、日豪ACSA、共同訓練と、防衛関係の条約、協定があれば武器等防護の対象と言えるのでしょうか、お伺いします。
○国務大臣(中谷元君) ただいま説明をしました三つの事例が挙げられるわけでございますが、本条に基づく警護の対象となる米軍等の部隊というのは、自衛隊と連携をして我が国の防衛に資する活動に従事する部隊でありまして、また、自国の武器等の警護、これを我が国の自衛隊に依頼するという事柄の性格から、その他の外国の軍隊の部隊は防衛分野において我が国と密接な協力関係にある国の軍隊のものにおのずから限られるということでございます。
 ACSA等は現在米国とオーストラリアと締結をいたしておりまして、こういった物品等の協力等につきましてはこれに基づいて協力をしていくということで、二か国だけでございます、現時点において。
○吉田忠智君 衆議院では、資する活動は、一、重要影響事態における輸送、補給、二、共同の情報収集・警戒監視活動、三、今大臣も言われました共同訓練を例示、列挙していますけれども、この三事例に限定されるのですか。また、この三事例に該当すれば、全て我が国の防衛に資する活動と言えるのですか。
○国務大臣(中谷元君) 我が国の防衛に資する活動ということで、例えばということで三つの事例を挙げましたが、この三つに限定されるわけではなくて、我が国の防衛に資する活動を行うに当たってということでございます。
○吉田忠智君 それが曖昧なんですよね。もっとはっきり答えてください。
○国務大臣(中谷元君) 資する活動ということでございますが、これは現行の自衛隊法においてもある目的の助けとなる活動という意味で用いられておりまして、例えば自衛隊法三条二項で、我が国の周辺地域における我が国の平和及び安全の確保に資する活動という形で用いられているわけでございます。
 我が国の防衛に資する活動という文言は、第九十五条の二の対象とする範囲を明確に表するための適切な文言として考えておりまして、この資するというのは、助ける、そして役立てるという意味がありまして、我が国の防衛に資する活動とは我が国の防衛の助けになる活動を意味するところで、自衛隊と連携して現にこのような活動に従事している米軍等の部隊等の武器であれば、我が国の防衛力を構成する重要な物的手段に相当するものと評価することができるということで、この範囲において適用するということでございます。
○吉田忠智君 その時々に個別に判断をするということですか、それでは。
○国務大臣(中谷元君) まさに我が国の防衛に資する活動ということでございまして、こういったいろんな状況等がございますが、最初に規定を申し上げましたとおり、いかなる外国軍隊の部隊の武器等が警護の対象になるかにつきましては、防衛大臣が当該部隊が行う活動の目的、内容等を踏まえて個別具体的に判断をしてまいりたいと考えております。
○吉田忠智君 それがやっぱり非常に不明確なんですよね。
 武器使用は合理的に必要と判断される限度とされるが、使用できる武器の範囲はどのようなものですか。
○国務大臣(中谷元君) まず、要件は五つございまして、武器を使用できるのは職務上警護に当たる自衛官に限られる、そして、武器等の退避によっても防護が不可能である場合等、他に手段のないやむを得ない場合でなければ武器を使用することができない、そして、武器の使用は、いわゆる警察比例の原則に基づいて、事態に応じて合理的に必要と判断される限度に限られる、そして、防護対象の武器等が破壊される場合や、相手方が襲撃して中止をし、又は逃走した場合には武器の使用ができなくなること、そして、正当防衛又は緊急避難の要件を満たす場合でなければ人に危害を加えてはならない、これが使用の要件でございます。
 武器の使用においては、特に制限を加えたという規定はございません。
○吉田忠智君 武器使用の要件を長々と答弁をされたわけですけど、それをだから定められていないんですよ、それが不明確なんですよ。一生懸命先ほどから防衛大臣は解釈を答弁をされておられます。それがやっぱり疑念を生むわけであります。全然私の質問に答えていません、先ほどから。
 この場で無理なら、九十五条の二の各要件に沿ってきちんとした、委員長、きちんとした判断基準、政府見解を資料で委員会に提出をいただきたいと思います。委員長、是非お取り計らいお願いします。
○委員長(鴻池祥肇君) 後の理事会において協議をいたします。
○吉田忠智君 米軍等の武器等防護は、二〇〇七年五月の第一次安保法制懇でも、二〇一四年五月の安保法制懇最終報告、これは二十三ページでも集団的自衛権の行使の事例として例示をされているわけであります。中谷大臣、御存じですよね。
○国務大臣(中谷元君) はい、承知しております。
○吉田忠智君 また、今年四月に改定された日米防衛協力の指針、ガイドラインには、平時からの協力措置としてアセットの相互防護が定められましたが、米国の標準交戦規則、SROEでは、他国軍隊を防護する活動は集団的自衛権の行使とされているのは御案内のとおりであります。SROEで集団的自衛権だと規定されていることは、これも御存じですね。
○国務大臣(中谷元君) 米国は米国といたしましてそのような規定を有しているということは承知をいたしております。
○吉田忠智君 この米軍等の武器等防護は、侵害以前の他国の要請であっても大臣が許可でき、武器使用は現場の自衛官の判断であります。
 本来、集団的自衛権の行使であれば、国際法上は国際司法裁判所が一九八六年のニカラグア事件判決で示した被害国の宣言と援助要請が必要であり、さらに、この戦争法案では存立危機事態と認定して、対処基本方針を作成、閣議決定しなければなりません。これらの手続を省略して、いきなり実質的な集団的自衛権を行使するのが今回の米軍等の武器等防護規定ではありませんか。
○国務大臣(中谷元君) 我が国の武器使用の規定につきましては、我が国として独自に設けるわけでございます。
 改正後の九十五の二による警護を要請する米軍等に対しては、自衛官による武器使用の要件等を事前に十分説明をし、理解が得られていることが前提となるわけでございます。本条による警護の実施は、あくまでも我が国の主体的な判断で行うということ、そして、本条の武器使用の要件に該当しない行動を取る場合には、自衛隊は警護を継続せずに武器を使用することもないということでございまして、本条による武器使用の要件が満たされている場合に応じて、状況に応じて武器を使用することが可能ということでございますので、大臣として、しっかりとこの趣旨に逸脱しないような範囲で武器防護をするということでございます。
○吉田忠智君 資料を求めましたけれども、いずれにしても、今日の議論だけでもお分かりのとおり、極めて不明確であります。まさに憲法九条に違反する集団的自衛権行使の更に抜け道、裏口入学である、断じて認められない、そのことを申し上げまして、また引き続き具体的なやり取りをさせていただきます。
 以上で質問を終わります。
○山本太郎君 生活の党と山本太郎となかまたち共同代表、山本太郎と申します。
 七月三十日のこの特別委員会で、私は安倍総理に対しまして、我が国がジュネーブ条約や国際人道法や国際人権法に違反する行為、つまり戦争犯罪に協力することがあり得るかあり得ないかと質問いたしました。安倍総理は、「それは、我が国は、我が国として国連憲章上違法な武力行使を行う国に対して支援や協力を行うことはないわけであります。」、このように答弁されました。
 岸田外務大臣にお伺いしたいと思います。
 我が国は、民間人に対する攻撃、殺人、傷害などを禁じたジュネーブ諸条約、国際人道法や国際人権法に違反する違法な武力行使を行う国に対して支援や協力を行うことはないということで間違いないでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 仮にある国が、軍事目標主義、要は文民を攻撃してはならないとか、あるいは捕虜を人道的取扱いしなければならない、こうしたジュネーブ諸条約を始めとする国際人道法に違反する、こうした行為を行った場合に、我が国がそのような行為を支援することがない、これは当然のことだと考えます。
○山本太郎君 中谷防衛大臣にお聞きしたいと思います。
 日本の自衛隊員は、今後とも民間人に対する攻撃、殺人、傷害などを禁じたジュネーブ諸条約や国際人道法や国際人権法に違反する米国などの違法な武力行使には支援や協力は行わないということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 自衛隊が活動するに当たりましては、国際法を遵守をし、また国際人道法上違法な行為に対する支援を行わないというのは当然でございます。
 これは法案によって規定をされておりまして、例えば重要影響事態法、これによる我が国による後方支援活動の対象は日米安保条約又は国連憲章の目的の達成に寄与する活動を行っている外国の軍隊等に限られております。また、国際平和支援法におきましても、国際社会が国連憲章の目的に従い共同して対処していることが要件の一つでございまして、国連憲章の目的に反する活動を行っている相手に対しては我が国は支援を行わないということは国内法上担保されているということでございます。
○山本太郎君 今日の私の質問のテーマなんですけれども、経済的徴兵制。
 私は、今回の安保法制によって、日本の自衛隊が世界中のアメリカなどの戦争に参加、協力し、自衛隊員自身が殺されたり、拘束されて人質になるリスク高まることももちろんこれ重大な問題なんですけれども、自衛隊員がアメリカ軍などの戦争犯罪に加担し、民間人殺害の共同正犯になることも非常に重大な問題だと考えています。
 これまでは専守防衛、正当防衛、災害救助など大義のある正義の行動だったものが、大義のない正義に反する戦争犯罪に自衛隊員が加担してしまうことはあってはならないと思います。私は、自衛隊員になろうとする人が減ってしまうんじゃないかなというふうに懸念しております。
 それでは、パネルの方をお願いいたします。(資料提示)
 そこで、経済的徴兵制という話になるんですけれども、パネルと配付資料の方を御覧ください。これは、昨年五月二十六日、文部科学省の学生への経済的支援の在り方に関する検討会議事録でございます。色の塗ってある部分が該当部分です。当時、経済同友会の専務理事で、現在、奨学金を担当する独立行政法人日本学生支援機構の運営評議会委員でもある前原金一さんの発言です。色がちょっと違う部分ですね。
 これ、与野党の理事の皆さんの了解があれば、ひょっとしたら、この方、参考人に呼べたりするんじゃないかなと思いまして、取りあえず問合せをしたんですね。いろんなことも確認しておこうということで、スケジュールはどうなんだろうと思ったんですけれども、支援機構が言うには、この前原さん、八月一日で委員を辞められるので、本日八月三日はもう委員ではないということだったんですよね。でも、それでもしつこく今日も確認したんです。そうしたら、まだ手続が終了していないので、今日現在はまだ学生支援機構の運営評議会委員であるそうなんですよ。おかしな話だな、これ。話変わっているんですよ。
 元の話に戻りたいと思います。(発言する者あり)是非来ていただきたいですよね。
 この議事録の中で、うわさの前原さん、このようにおっしゃっている。まず、延滞している人の年齢別の人数教えていただきたい、それから、延滞者が無職なのか、低収入なのか、あるいは病気なのかという情報をまず教えていただきたい、このように発言されているんです。
 学生支援機構、奨学金に関するこのような情報というのは存在するんですかね。そして、この前原さんとか防衛省に情報提供をしたことあるんですか。そして、返済猶予、恐らく情報があるとしたらこの返済猶予の手続を取った人たちだと思うんですけれども、この返済猶予の理由別の人数教えていただけますか。さらに、防衛省やほかの機関から情報提供を求められたことはあるのかどうか、お答えください。
○参考人(遠藤勝裕君) お答えいたします。
 平成二十六年度末の延滞者の年齢別の件数でございますけれども、二十五歳未満、六万二百件、構成比は一七・二%、二十五歳以上三十五歳未満が二十一万四千七百五十一件、構成比は六一・四%、三十五歳以上四十五歳未満が五万七千百七十六件、一六・三%、そして四十五歳以上が一万七千八百四十八件、構成比五・一%です。
 また、御質問でございますけれども、延滞者の延滞事由別の件数ということでございますが、全体の事由別件数というのは把握しておりませんが、サンプリング調査によりまして、奨学金の延滞者に関する属性調査というものを行っております。
 これの平成二十五年度の属性調査の数字でございますけれども、まず一番多いのが、半分以上、五一・一%が本人の低所得によるもの、そして一五・一%が本人が失業中、無職ということでございます。それから、本人が病気である、これが五%ということです。それから、もう一つ大きな理由として親の支援というのがございます。親の経済的困窮に対して返還者が支援をすると、そういう理由が一七%ほどということでございます。
 また、返還期限の猶予制度の適用者の主な事由別件数でございますけれども、これは二十六年度末のデータでございますが、やはり経済的な困難、失業等、これが九万二千三百四十一件、八七・二%、まあ九割近くを占めている。ほかに御本人の病気、あるいは生活保護、あるいは災害に遭ったと、そういったことが返還期限猶予制度の適用者の理由になっております。
 なお、お尋ねの奨学金の延滞者に関する属性調査の結果については、これは私ども公表をしております。ただ、個別の延滞者の情報について、前原委員あるいは防衛省、他省庁に提供したり、防衛省や他省庁から問合せを受けたという事実はございません。
 以上でございます。
○山本太郎君 済みません、たっぷりとお時間を使って御説明いただきました。本日の質疑時間は十五分しかございません。
 さあ、続いて参りたいと思います。
 前原さんですね、先ほどのうわさの前原さん、このようにコメントされております。現業を持っている警察庁、消防庁、防衛省などに頼んで一年とか二年のインターンシップをやってもらえば就職というのはかなり良くなる、防衛省は考えてもいいと言っている、二年コースを作ってもいいと言っていますと発言されています。
 防衛省、端的にお答えください、あったかなかったかだけね。前原さんにこのように言ったんですか。二年コースのインターン、検討されたんでしょうか。お願いします。
○国務大臣(中谷元君) 防衛省では、前原氏に対して、企業が新規採用者を二年間自衛隊に実習生として派遣するとのプログラムのイメージについてお示しをしたことはございますが、防衛省としては、奨学金の返還延滞者を対象としたインターンシップ制度、これについては検討は行っておりませんし、また今後検討を行う予定もございません。
○山本太郎君 今お話しいただいたのは社会人ということですか、その検討されたというか、その話合いの場に上ったというのは。そういうことですよね。奨学金のことは上っていないけれども、その社会人の教育訓練というような部分に関して上がったということでよろしいですかね。ごめんなさい、そうなのか、そうじゃないのかだけお答えください。
○国務大臣(中谷元君) これは企業が新規採用者を二年間、自衛隊に実習生として派遣するというプログラムのイメージでございまして、社会人のことでございます。
○山本太郎君 これ、どういうことですか。
 じゃ、この前原金一さんという人は、むちゃくちゃですよね、言っていること。防衛省となかった話を、うそを言っているということになるんです。防衛省がうそを言っているのか、この前原さんという人がうそを言っているのかという話ですよね、これ。
 こういう方が奨学金に関わって、今、若者たちが首が絞まっているような奨学金に関していろんな意見を言うということは、すごく問題ですよ。これ、前原さんがうそを言っているのか、防衛省がうそを言っているのか。
 防衛省にもう一度お伺いします。
 今の御発言、間違いない話なんですか。イエスかノーかで結構です。
○国務大臣(中谷元君) 私が先ほど申し上げました、防衛省では前原氏に対して、企業が新規採用者を二年間自衛隊に実習生として派遣するとのプログラムのイメージについてお示しをしたことはございますが、防衛省としては、奨学金の返還延滞者を対象としたインターンシップ制度については検討は行っておりませんし、また、今後検討を行う予定もないということでございます。
○山本太郎君 なるほど。ということは、前の経済同友会の専務理事である前原金一さんがとんでもない人だということが、今、防衛省がうそをついていないのであれば、とんでもないということがはっきりとしたという話ですね。
 一度、この方、参考人として呼んでいただきたいんですけれども、これ、理事会で協議していただけないでしょうか、委員長。
○委員長(鴻池祥肇君) 後の理事会で協議をいたします。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 昨年の七月一日、憲法違反の閣議決定をした直後に、全国の高校三年生に一斉に自衛隊からお手紙が来ました、ダイレクトメール、郵送されてきたんですね。これ、インターネットでも、すわ赤紙、赤紙来たあというふうに大変に話題になりました。
 これは、法令に基づいて全国の市町村から情報提供を受け、全国の高校三年生の個人情報を、名前、生年月日、性別、住所の四情報を収集して行ったという話なんですけれども、防衛省、現在持っている全国の高校三年生の個人情報、今何人分あるんですか。この情報、今後どうするんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 自衛隊の募集に関して必要となる個人の氏名、生年月日等の情報は、自衛官募集を目的といたしまして、それぞれの自衛隊地方協力本部において用いられるものでございます。全国の地方協力本部において、こうした情報を何名分保有しているかにつきましては、集計をする必要がないため集計をしておりません。
 自衛隊の協力本部では、取得した情報を自衛官募集に係るダイレクトメールの送付のために利用をいたしておりますが、自衛隊の地方協力本部において、こうした情報の利用目的の達成に必要な範囲のみで保有することを徹底することを含めて、今後とも法令に基づき適正に管理するように努めているわけでございます。
 また、これの保管等につきましては、一年以内に消去をいたしておりまして、この個人情報等につきましては、法令上個人情報ファイル簿の作成、公表を要しないということにされて、厳正に管理、また対応しているということでございます。
○山本太郎君 これ、非常に不気味なんですよ。そんなダイレクトメールいきなり来たら、えっ、どうしてと、どうして私が今年卒業するのって分かるのというような話で、もう全国でいろんなところでいろんな声が上がっているんですけれども、やめていただきたいんです、こういうこと。
 何よりも、防衛省として把握していない、この数を。余りにもおかしくないですか、十八歳に該当する人たち百二十万人近くいるんですよ。ひょっとしてその人たちの情報を全て持っているかもしれない。それをどうするのかというか、その数も把握していないなんて、余りにもおかしな話なんです。
 たくさんお話をしたかったんですけれども、下村文科大臣がミラノからわざわざ直行してくださったんですね、本当にありがとうございます。お疲れのところ、いろんなお話伺いたいんですけれども、もうポイントで行きたいと思います。
 大臣は、交通遺児育英会の交通遺児奨学生の第一期生ですよね。もう本当に奨学金を受けている人たちの星だと思うんです。経済的格差を利用して兵員を確保すること、経済的徴兵制。問題になるのは、私、やはり日本の奨学金制度に問題があるからだと思うんです。
 各省庁見てみても、これ、給付型の奨学金があるのは防衛省だけなんですよ。おかしいでしょう、こんなこと。これ、余りにもおかしいと思うんです。不平等だと思うんです、法の下の平等に反している。奨学金、何が問題か。利息が付くこと、延滞金が付くこと、これ、サラ金と一緒なんですよ。これ、何とかしてあげてほしいんです。国がサラ金やってどうするの、国が武富士になってどうするんだという話なんです。
 力を貸していただきたいんですけれども、この利息、どんどん減らしていくと、無利子で奨学金を出していくということにお力を貸していただきたいんですけれども、一言聞かせていただけますか。
○国務大臣(下村博文君) ありがとうございます。
 もう時間がオーバーしていますので、簡潔にお話、お答えさせていただきたいと思いますが、認識は全く同じでありまして、まず有利子奨学金をできるだけ無利子奨学金にしてまいりたいと思います。そして、平成二十九年から所得連動返還型奨学金制度の導入について今検討しているところでございます。年収三百万以下であれば返還しなくてもいいというような形を取ることによって、全ての意欲と能力のある若者がチャンス、可能性が広がっていくような、そういう奨学金制度を充実を更にしてまいりたいと思います。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 無利子に加速させると安倍総理は施政方針演説で言いましたけれども、八十八万人の有利子の奨学金を借りている者のうち、それに該当するのは一%しかいないんです。力を貸していただきたいんです、奨学生の星でありますから。大臣がそれを行ったということを大きく見せていただきたいんです。首が絞まっています、若い人たちの。よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
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○委員長(鴻池祥肇君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、水野賢一君が委員を辞任され、その補欠として中西健治君が選任されました。
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○荒井広幸君 新党改革の荒井です。
 今日は、自衛隊員の皆さんのメンタルヘルス対策についてお尋ねをいたします。
 まず、メンタルヘルス企画官という方がいるんだそうですけれども、簡単に、どういう仕事をされているんでしょうか。事務方、お願いします。
○政府参考人(塚原太郎君) お答えいたします。
 メンタルヘルス企画官は、平成二十四年度に人事教育局衛生官の下に新設をされました。
 メンタルヘルス企画官を設置した趣旨でございますけれども、東日本大震災におきまして実施をいたしましたメンタルヘルス対策の重要性を認識したこと、それから各種事態に適切に対応するためには任務終了後も含めました中央から部隊等まで一貫したメンタルヘルス教育の更なる充実が必要なこと、平素からの指揮官等に対するメンタルヘルス教育の充実が必要であることといった認識によるものでございます。
 メンタルヘルス企画官は、防衛省・自衛隊の各機関等が実施しておりますメンタルヘルスに関する取組についての情報共有を図りまして、施策の強化を図るということでございます。これまで実施している施策を推進するとともに、今後更に防衛省・自衛隊としてのメンタルヘルス対策の強化の役割を担うという役割を担っております。
○荒井広幸君 三・一一以降ということなんですが、今回の法改正で自衛隊の皆さんにまた任務が追加されたり、様々な任務が増えてまいります。非常に重要なところだと思うんですが、このメンタルヘルス企画官という方は医者を中心にしているんでしょうか。そしてまた、御自身も例えばPKOの経験などがある方なんでしょうか。今分かればお願いします。
○政府参考人(塚原太郎君) お答えします。
 メンタルヘルス企画官は、メンタルヘルスを担当するに相当するような知識と経験を持つ防衛省・自衛隊の事務官が担当しております。この方は医官、医師の資格を持っている方ではございません。
○荒井広幸君 それでは、それと関連していくんですが、メンタルヘルス対策に係る予算規模はどれぐらいでしょう。五兆円を超えるというような報道を、昨日、今日、概算でございました。メンタルヘルスに係る予算規模、主なもので結構です。費用全体と、それから主なものの費用、どんな仕事をやる、幾ら、こんなことを代表的に挙げてください。
○政府参考人(塚原太郎君) お答えいたします。
 平成二十七年度におけますメンタルヘルス関連予算といたしましては、約一億八千万円を計上しております。
 費目でございますけれども、まず、部外カウンセラー招聘のための非常勤職員手当、それから部外講師を招聘する、あるいは部内の心理専門家育成のための教育訓練費、それからメンタルヘルス啓発や自殺事故防止のためのポスターや庁費、その他、自殺事故アフターケアのための職員旅費といったようなものでございます。
 なお、部内の精神科の医官でありますとかカウンセラーの人件費というものは別途計上されております。
○荒井広幸君 大臣にお尋ねします。
 二億円にならないというところですね。お金の中身よりも、医務官含めて、あるいは経験者、事務官がやっているということで、それぞれ専門知識はあるんだろうと思いますが、まだまだ十分に自衛隊員の皆さんのメンタルヘルスをできるとは、様々なケースもあるでしょう、それぞれの個性にもよるでしょう。あわせて、家族の事情とかいろいろなものが部隊任務と関わり合って心に、あるいはいろんな意味で圧迫、障害、いろんなことをお持ちの方、悩みを持つ方もいらっしゃると思うんです。
 メンタルヘルス対策の総括部署というんでしょうか、先ほど医務官は別にいるというんですよね。そういう意味では、総括部署の必要性あるいはこの設置、こういったことについての検討はなされているんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 防衛省・自衛隊のメンタルヘルス対策については、各自衛隊の特色、これに応じた対応が必要であると認識をしておりまして、例えば任務が終了した後も含めた中央から部隊に至るまで一貫したメンタルヘルス体制の強化、構築、そして平素から指揮官等に対するメンタルヘルス教育の更なる充実が必要であるという認識を持っておりまして、平成二十四年度に人事教育局衛生官の下にメンタルヘルス企画官、これを設置をいたしております。
 委員が御指摘の総括部署という観点におきまして、メンタルヘルス企画官は、防衛省・自衛隊の各機関が実施しているメンタルヘルスに係る取組について情報の共有を図り、施策の強化を行っているところでございます。
 今後、防衛省・自衛隊としましても、このメンタルヘルス企画官の下に更に施策が充実されるように推進していく所存でございます。
○荒井広幸君 これは是非充実が必要だろうというふうに思います。
 スティグマという言葉があるんだそうですが、部署、部隊の中で精神的に弱いとみなされることを非常に嫌がって、怖がってカウンセリング等を避けていくという、そういう心理的なメカニズムが働いていく、こういうものをスティグマというんだそうですが、部隊単位でいわゆるこのスティグマというものを払拭するようなことがないと、どんどん心に積もっていくんだと思うんですね。これが思わぬ方向に行ってしまいます。
 これについて、払拭対策について担当者から説明を聞きます。
○政府参考人(塚原太郎君) お答えいたします。
 スティグマに関する御質問でございますけれども、これまでの取組の中におきまして、精神への負荷、ストレスは特別なものではないこと、あるいは、程度の差はあっても誰でも感じ得るものであり、何かあったときにはカウンセリング等により病気になる前に軽減することや予防することが可能であること、仮に精神疾患を発症した場合でも、早期の発見、適切な治療、対処により軽減、完治が可能であるといったような正しい知識の付与が重要であると考えております。このことから、これまでも正しい知識の普及あるいは啓発活動に取り組んでいるところでございます。
 メンタルヘルスケアにつきましては、長期的フォローを含めまして継続した取組が重要でございます。また、一概に効果が見えにくいものでございますけれども、これらの取組を継続、拡充することが重要であると認識しております。
○荒井広幸君 最後に大臣にお尋ねしますが、御家族も大変だと思います、今回の法改正ということになりますと。今でも様々な御意見があるわけですよね。大変な、御家族も精神的な様々なものを抱えていらっしゃるかもしれません。隊員の家族のカウンセリングの利用拡大、あるいは家族への相談窓口を拡充していくということも防衛省・自衛隊として必要な措置と思いますが、大臣、取組をお願いしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 隊員が各種任務に安心して従事するためには、隊員家族、これの理解、協力、これが不可欠であると考えておりまして、平素から家族支援体制、これの充実に努めております。
 その一環として、部内の臨床心理士による隊員家族に対するメンタルヘルスに関する講話を開催をいたしているほか、駐屯地等に隊員家族用の相談窓口、これを設置をいたしまして様々な相談に応じるなど、隊員家族の精神面のケアにおいても十分にサポートをする体制を取っております。
 また、隊員が海外に派遣される場合には、留守家族が不安を抱くことがないように、派遣部隊の活動等に関する情報提供、派遣隊員と定期的に連絡が取れるようにテレビ電話等の整備をするなど、隊員と留守家族のきずな、これを維持するような体制を整えております。
 今後とも、防衛省といたしましては、隊員、そして隊員を支える家族に対する施策の充実を図りまして、しっかりと立派な任務が対応できるような、またメンタルヘルスに対する対応等も実施してまいりたいと思っております。
○荒井広幸君 せんだって、海上自衛隊の幹部候補生の遠洋航海の見送りに行ってまいりました。やはり本当に、練習艦隊ではありますけれども、御家族、涙を流して、あるいは心配そうな顔をされていました。乳母車で子供さんもいました。
 自衛隊の皆さんを考えるときには、家族ぐるみということをやっぱり基本に置くべきだなということを痛感した次第です。どうぞ、大臣の方向で充実をしてください。
 官房長官、今日は質問がございました。この間は失礼いたしました。
 次に読み上げます新聞記事なんですが、これは朝日新聞なんですが、これは、読み上げますのは、どの内閣のときで、どなたがこれを発言していたというふうにお考えになりますでしょうか。
 時の総理と官房長官なんです。このある官房長官は四日の記者会見で、ある政権が、政府の憲法解釈を国会で示してきた内閣法制局長官の過去の答弁に縛られないとの見解を示した。憲法九条などの解釈は、今後内閣が政治判断で行う考えも表明。この首相は同日夜、記者団に、法制局長官の考え方を金科玉条にするのはおかしいと述べた。三十三面に関係記事ということがございます。この三十三面の関係記事では、この官房長官は会見で、これまでの法制局長官の憲法解釈には内閣は縛られないのかと問われ、もちろんそういうことだ、政治主導だから政治判断で解釈していくと述べた。集団的自衛権の行使を違憲とするこれまでの政府解釈については、現時点では過去に解釈されたことを踏襲すると述べたと。
 こういうものですが、これはどの内閣、首相であって、この官房長官、当時どなたでございましたでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 二〇〇九年十一月当時は、鳩山由紀夫総理大臣、そして平野官房長官であったというふうに承知をしております。
○荒井広幸君 そして、この場合にどういうふうになったかというと、このときは二〇〇九年の十一月五日でございましたが、二〇一二年一月二十日には、元に戻すということで、内閣法制局長官が国会の答弁の復活を閣議決定して戻ったということなんです。
 私、これは、官房長官に申し上げたいのは、官房長官と同じ考えだと思うんですが、当時の民主党政権でも、国民の命と日本の存立を考えた場合に、このままでいいのかと悩んでいたということは十分にうかがい知れると思うんですね。この点は、官房長官はどういうふうに解釈されますか。
○国務大臣(菅義偉君) まず、内閣法制局長官の所掌業務でありますけれども、法律問題に関して内閣並びに内閣総理大臣及び各省大臣に対し意見を述べる、こういうことが含まれておりますけれども、しかし、内閣としての意思決定はあくまで内閣総理大臣が主宰する閣議の下で行われるというふうに考えておりますので、国民の皆さんの平和な暮らし、生命を守ることに責任を持つのはやはり内閣であるというふうに考えております。
○荒井広幸君 全く私も同感でございまして、このときの内閣官房長官がどうのこうの言うわけでないんです。こうやって新聞記事、当時の、我々も当時にいたわけですが、遡ってみますと、やっぱりどうやって憲法と、そして現在のこの厳しい環境下、当時も含めて、これらをどのようにして国民の命を守っていくかということで、やっぱり政府内にあった方は同じように悩んでいたのではないかというふうなことが十分察せられるということを申し上げた次第です。
 あしたの質問にさせていただきます。
○委員長(鴻池祥肇君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 これにて散会いたします。
   午後五時四十一分散会