第189回国会 我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会 第10号
平成二十七年八月十九日(水曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 八月十一日
    辞任         補欠選任
     森屋  宏君     大沼みずほ君
     柴田  巧君     片山虎之助君
     井上 義行君     山口 和之君
 八月十二日
    辞任         補欠選任
     大久保 勉君     白  眞勲君
 八月十八日
    辞任         補欠選任
     平木 大作君     河野 義博君
     片山虎之助君     東   徹君
     山口 和之君     井上 義行君
 八月十九日
    辞任         補欠選任
     大沼みずほ君     中泉 松司君
     那谷屋正義君     藤田 幸久君
     矢倉 克夫君     杉  久武君
     井上 義行君     田中  茂君
     和田 政宗君     浜田 和幸君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         鴻池 祥肇君
    理 事
                石井 準一君
                佐藤 正久君
                塚田 一郎君
                馬場 成志君
                堀井  巌君
                北澤 俊美君
                福山 哲郎君
                荒木 清寛君
                小野 次郎君
    委 員
                愛知 治郎君
                石田 昌宏君
                猪口 邦子君
                大沼みずほ君
                北村 経夫君
                上月 良祐君
                高橋 克法君
                豊田 俊郎君
                中泉 松司君
                三木  亨君
                三宅 伸吾君
                森 まさこ君
                山下 雄平君
                山本 一太君
                山本 順三君
                小川 勝也君
                小川 敏夫君
                大塚 耕平君
                大野 元裕君
                小西 洋之君
                那谷屋正義君
                白  眞勲君
                広田  一君
                藤田 幸久君
                蓮   舫君
                河野 義博君
                杉  久武君
                谷合 正明君
                東   徹君
                井上 哲士君
                小池  晃君
                井上 義行君
                田中  茂君
                浜田 和幸君
                和田 政宗君
                中西 健治君
                福島みずほ君
                山本 太郎君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       外務大臣     岸田 文雄君
       防衛大臣
       国務大臣     中谷  元君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
   大臣政務官
       防衛大臣政務官  石川 博崇君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  横畠 裕介君
   事務局側
       事務総長     中村  剛君
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
       常任委員会専門
       員        宇佐美正行君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       前田  哲君
       内閣官房内閣審
       議官       山本 条太君
       内閣官房内閣審
       議官       土本 英樹君
       内閣官房内閣審
       議官       永井 達也君
       内閣官房内閣審
       議官       槌道 明宏君
       内閣官房内閣参
       事官       小澤  仁君
       警察庁長官官房
       審議官      斉藤  実君
       外務大臣官房審
       議官       梨田 和也君
       外務大臣官房審
       議官       鈴木  哲君
       外務大臣官房参
       事官       武藤  顕君
       外務省総合外交
       政策局長     平松 賢司君
       外務省総合外交
       政策局軍縮不拡
       散・科学部長   相川 一俊君
       外務省アジア大
       洋州局長     伊原 純一君
       外務省北米局長  冨田 浩司君
       外務省中東アフ
       リカ局長     上村  司君
       外務省国際法局
       長        秋葉 剛男君
       外務省国際情報
       統括官      岡   浩君
       防衛省防衛政策
       局長       黒江 哲郎君
       防衛省運用企画
       局長       深山 延暁君
       防衛省経理装備
       局長       三村  亨君
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  本日の会議に付した案件
○我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資
 するための自衛隊法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○国際平和共同対処事態に際して我が国が実施す
 る諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(鴻池祥肇君) ただいまから我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、柴田巧君、森屋宏君、大久保勉君及び平木大作君が委員を辞任され、その補欠として東徹君、大沼みずほ君、白眞勲君及び河野義博君が選任されました。
 また、本日、矢倉克夫君が委員を辞任され、その補欠として杉久武君が選任されました。
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○委員長(鴻池祥肇君) 我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案及び国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 この際、中谷防衛大臣から発言を求められておりますので、これを許します。中谷防衛大臣。
○国務大臣(中谷元君) まず最初に、防衛省の作成した資料によりまして本委員会での審議が滞る結果になったことにつきましておわびを申し上げます。
 今月の十一日の本委員会で小池委員が配付した資料につきまして、防衛省において確認、調査を行ったところ、当該資料は、統合幕僚監部が、日米防衛協力のための指針及び平和安全法案についてその内容を丁寧に説明をし、あわせて、法案成立後に具体化をしていくべき検討課題をあらかじめ整理をし、主要部隊の指揮官等に対してそれらを理解してもらうことを目的に、内部部局と調整をしながら作成した資料であるということを確認をいたしました。
 防衛省といたしましては、国民の負託にしっかりと応えていく体制を不断に整えていく努力が必要だと考えております。このため、五月の十四日に法案の閣議決定を機に必要な体制を整える観点から、翌五月十五日に私から省内の幹部に対して、法案の内容について一層分析、研究に努めるとともに、隊員に対しての周知を行うよう指示をしたところでございます。この当該資料は、そうした私の指示を踏まえて法案の閣議決定後の五月下旬に作成したものでございます。
 資料の内容といたしましては、ガイドラインと併せて法案の内容を丁寧に説明するとともに、今後具体化していくべき検討課題を整理するものとなっており、統合幕僚監部として当然に必要な分析、研究を行ったものでございます。
 十一日の委員会において御指摘のあった点について申し上げます。
 まず、法案の成立時期についての記述がありますが、これは、統合幕僚監部として今後具体化していくべき様々な検討課題を整理をする際に、作業スケジュールのイメージ化を図る観点から、資料作成当時の様々な報道等を踏まえて仮の日程を置いて記述をしたものであり、国会における御審議、また法案の成立時期を予断をしているものでは全くありません。
 また、PKOの派遣部隊についての記述がありますが、国連の南スーダン・ミッション、UNMISSの要員にはこれまで陸上自衛隊の各方面隊から順次交代して派遣をしてきており、引き続き既存のローテーションに基づいて部隊を派遣することとなった場合のスケジュールを機械的に示したものにすぎません。
 このように、この資料の内容は私の指示の範囲内のものであり、法案成立後に行うべきものである実際の運用要領の策定や訓練の実施、関連規則等の制定は含まれておらず、シビリアンコントロール上も問題はあると考えておりません。
 また、資料には秘密に該当するものは含まれていないということを確認しておりますが、当該資料は対外公表を行うことを前提に作成されたものではなく、そのような資料が外部に流出したことは極めて遺憾であると考えております。本件を受けまして、私からは文書の取扱いに関する規則の遵守を徹底するように改めて指示をしており、防衛省・自衛隊としては、今後とも情報保全には万全を期してまいりたいと考えております。
 政府としては、引き続き、国会審議を通じまして法案の内容について丁寧に説明をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○委員長(鴻池祥肇君) 以上で中谷防衛大臣の発言は終了いたしました。
 これより両案について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 今初めて、私が示した内部文書が正式に統合幕僚監部が作成したものであるということを認められました。
 今の大臣の発言、ちょっと今聞いたばかりなので確認をしたいと思うんですが、大臣の指示の下に作られた文書である、そして、作られた文書は指示の範囲内のものであるというふうにおっしゃった、その作られた文書は今後の具体化すべき検討課題を整理したものだというふうにおっしゃった。間違いないですね。
○国務大臣(中谷元君) そのとおりでございまして、五月十五日に、閣議決定をされた法案を、自衛隊、内局共に幹部を集めまして、分析また研究をするということに対して、そして隊員に対して周知を行うということに対して指示をいたしました。それは、今回の文書につきましてはその範囲内ということでございます。
○小池晃君 この文書はプレゼンテーション用だと思いますが、実際にはいつどのような場所で使われましたか。
○国務大臣(中谷元君) これは、五月二十六日に防衛省の統幕で行われましたテレビ会議、これは陸海空の高級指揮官に対して、この法案そしてガイドラインを説明をする会議において使う資料として作成をされました。
 なお、その前日の五月二十五日に、私は週に一回、事務次官、また統幕長と三人で月曜日、会合を行っておりますが、その際、統合幕僚長から、翌日に全国の陸海空指揮官に対して法案の説明を行うという説明を受けておりました。
○小池晃君 ということは、五月二十五日に大臣はこの文書を見たんですか。
○国務大臣(中谷元君) その際、二十六日に説明を実施するということを報告をいただきましたけれども、資料については、その際、私は見ておりません。
○小池晃君 このビデオ会議、誰の責任で開かれた会議なのか、それから出席者の数はどの程度か、それから、今高級というお話がありましたが、どういう方が出席の招集の対象だったのか、お答えください。
○政府参考人(黒江哲郎君) 五月二十五日に行われましたテレビ会議の事務的な内容でございますので、私の方から御答弁申し上げます。
 この会議につきましては、統合幕僚監部が開催をしたというものでございまして、統合幕僚長も出席して行われました。
 また、会議に参加した人間でございますけれども、各幕僚監部あるいは内局、内部部局の職員のほかに、陸上自衛隊につきましては、北部方面総監、東北方面総監、東部方面総監、中部方面総監、西部方面総監、中央即応集団司令官、海上自衛隊につきましては、自衛艦隊司令官、横須賀地方総監、呉地方総監、佐世保地方総監、舞鶴地方総監、大湊地方総監。失礼しました、五月二十六日に行われた会議でございます、訂正をいたします。航空自衛隊につきましては、航空総隊司令官、航空支援集団司令官、北部航空方面隊司令官、中部航空方面隊司令官、西部航空方面隊司令官、南西航空混成団司令官といった主要な部隊、部内ではメジャーコマンドと称しておりますけれども、主要な部隊の指揮官本人又はその代理者及びそのスタッフが参加をし、統合幕僚監部の担当者より説明を行ったというところでございます。
 全体の人数につきましては、約三百五十名というふうに把握をいたしております。
○小池晃君 五月二十六日というのはどういう日だったか、衆議院の本会議で法案の審議が始まった日ですよ。その日に、国会と国民に対して安倍首相が初めてこの法案について説明した日に、今お聞きになったように、自衛隊の制服組の幹部が勢ぞろいしているという会議で、現在に至るまで国会に示されていないような内容も含めて詳細に報告されていたということなわけですよ。これ、私、極めて重大だというふうに言わざるを得ない。
 前回も指摘したように、この内部文書には、ガイドライン及び平和安全法案を受けた今後の方向性ということが明記されているわけですね。私は前回の委員会で、国会審議のさなかに今後の方向性が検討されていた、大問題ではないかと大臣にただしました。そのとき、大臣、何と答えたか。安保法案については国会の審議が第一でございますし、法案が成立した後、これは検討を始めるべきものでございますと大臣答えたじゃないですか。
 ところが、大臣は、法案成立どころか閣議決定の翌日に、これは指示としては、先ほど言われたけれども、その指示の範囲内のものだというふうにおっしゃったわけですから、結局、今後の検討課題を整理するように、もうそういうことになったわけですよ。
 これ、明らかに法案については成立後に検討を始めるべきものと答弁しながら、もう大臣の指示の下に検討課題整理する文書が出てくる。大臣のやったことは、大臣の答弁に照らしたって矛盾だらけじゃないですか。明確に説明してください。
○国務大臣(中谷元君) まず、自衛隊の幹部に対する説明につきましては、やはり法案の内容を正しくしっかりこれ周知徹底をするという意味でこれは重要なことでございます。また、その際、やはり実施部隊といたしましても、これについての研究、分析、これは必要なわけでございまして、様々な課題を整理をしていくという意味においては、部内においてこれの分析、研究を行っていくということは必要でございますし、様々に今後具体化をしていくべき課題、これを整理をしておくということは私は当然のことであると認識しております。
○小池晃君 当然というのはひどいんじゃないですか。
 だって、大臣は何と言ったかと。安保法案については国会の審議が第一なので、法案が成立した後、これは検討を始めるべきものだと言っている。検討するのは当然だ。全く違うじゃないですか。こんな答弁と違うようなことを言われて、これ納得できませんよ。これじゃ駄目だと私は思います。
○国務大臣(中谷元君) 私が指示したのは、あらかじめこの内容を分析、研究をしていくということは、実際にこれは任務として実施していく防衛省・自衛隊としては必要なことでありまして、この資料も統合幕僚監部として当然に必要な分析、研究を行ったものでございます。
 他方、法案の成立後に行うべきものである実際の運用要領の策定又は訓練の実施、また関連規則の制定、これは含まれておらず、この点につきましては法案を先取りをしたようなものではないということでございます。
○小池晃君 この内部文書の三十八ページ以降、三十九ページ、これは全委員に配られていると思いますが、研究、検討事項なんて書いていませんよ。「ガイドライン及び平和安全法制に基づく主要検討事項」、「平和安全法制に基づく主要検討事項」じゃないですか。分析や研究ではありません。そういう言い逃れでは絶対これは納得できない、これじゃ駄目です。この答弁では納得、私できません。
○政府参考人(黒江哲郎君) 前回小池先生がお示しになられました資料、今回我々が示した資料の中では三十五ページに当たりますけれども、この全般の予定イメージの中には、平和安全法制が成立する前の段階を研究、成立した後、平和安全法制を施行するまでの間を検討という形で使い分けをいたしております。
 他方、先生が今御指摘になられたような部分につきまして、この検討のフェーズにおいて何をしないといけないかという課題を洗い出す作業をこの研究の段階で行うというのは、何ら矛盾をしていないということでございます。
○小池晃君 めちゃくちゃですね。今の説明、全く私、納得できない。
 これ、はっきり言って検討しているわけですよ。先取りですよ。だって、法案の中身にもガイドラインにないものも出ているわけだから、これは大臣の答弁にも明らかに矛盾する。駄目です。
○委員長(鴻池祥肇君) 質問を続行してください。(発言する者あり)
 速記止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(中谷元君) 小池委員の指摘は、項目を洗い出して、それに対して検討を行うということでございます。
 この点につきましては厳密に使い分けをしておりまして、資料の三十五ページ、これのガイドラインと平和安全法制関連の関係に対する概念イメージということで、これは法案の成立前と成立後、これの図を描いておりますが、成立前が研究、そして成立後、施行までが検討ということでございます。
 この法案の成立前でも行われる分析、研究というのは、当該法案についての認識を深め、法律の施行に伴い必要となる事柄についてあらかじめ整理をするという意味で申し上げております。
 他方、この成立後に行うべき検討とは、これは法律の施行に伴い必要となる事項について結論を得るために具体的な原案を立案して関係部局と実質的な調整を行っていくという意味で申し上げております。また、先ほど申し上げました。
 そして、一般的に、政府は法律の成立前においても、政省令等の検討を始めとして法律の施行に必要な事項に係る研究作業を行っております。今般の法制に関しましても、成立前に法律の施行に際して必要となる事項についてあらかじめその内容を分析、研究しておくことは、実際に任務として実施していく防衛省・自衛隊としては必要なことでありまして、本資料も統合幕僚監部として当然に必要な分析、研究を行ったものでございます。
 なお、その際には、内局の職員も同席をいたしまして、防衛省全体として分析、研究を行ったということでございます。
○小池晃君 国論がこれだけ二分している問題ですよ。それを、自衛隊という実力組織を具体的にどう動かすのかということを事前に検討するって、これ一般的な法律の検討とは訳が違いますよ。こんなことがやられている。しかも、憲法違反の内容なわけですよ。
 それで、今いろいろおっしゃったけれども、三十九ページ見てくださいよ。これ全部検討事項になっているじゃないですか。だって、検討事項というふうに書いてあるじゃないですか。しかも、「平和安全法制に基づく主要検討事項」になっている。
 しかも、その後で書かれている中身を見ると、これ結局、例えば、前回も指摘したけれども、検討事項というこの三十九ページの表題の後で、その具体的な検討内容を全部詳細に八ページにわたって書かれているじゃないですか。これは、はっきり言って、前回の大臣の答弁、法案につきましては、これは成立した後、検討を始めるべきものということと全く矛盾するというふうに言わざるを得ない。
 しかも、その中身は、例えば同盟調整メカニズムの中に常設の軍軍間の調整所を置く、ガイドラインにだって法案にだって書かれていないじゃないですか。それが検討事項の中に書かれているじゃないですか。これを先取りと言わずして何と言うんですか。どんどん進めているんですよ。
○国務大臣(中谷元君) これは当然、実施官庁としては、この法律について分析をして研究を行うということは必要でありまして、この法案成立後に具体化していくべき検討課題、これを整理をして、主要部隊の指揮官に対してそれを理解をしてもらうということを目的に内部部局と調整をしたわけでありまして、これは検討課題の洗い出し、そういうことで項目を列挙したにすぎないわけでございます。
○小池晃君 検討課題を洗い出して検討しているんでしょうが。それ、全く詭弁ですよ。
 大臣は前回言ったんですよ、はっきりこの場で。法案におきましては審議中ですから、この検討は当然、法案が通った後の作業になるわけでございますと。全く違うじゃないですか。
 結局、この中身は、実際に法案の中身をもう検討する、具体化する、しかもそれはガイドラインにも法案にもないような中身を次々検討している。そういうことをやっているじゃないですか。これ、大臣の答弁に照らしても大問題だし、私は、国会軽視、国民に対する全く説明もなくこんなことをやっている。これはもう独走と言わずして何なんですか。
 今の説明では多分聞いている国民だって絶対納得できませんよ。どう違うんですか。大臣が法案の成立前にはやらないと言った検討と今回ここでやられたことはどこがどう違うのか、分かりやすく説明してください。
○国務大臣(中谷元君) 前回の発言は、私、中身を確認していないわけでございまして、今回資料を……(発言する者あり)一般論で発言をしました。
 それで、今回、その検討というのは、先ほどもお話をしましたように、これは法案の施行に伴い必要となる事項について結論を得るために具体的な原案を立案して関係部局と実質的な調整を図っていく行為でございまして、そういう意味で検討ということで申し上げております。例えば、運用の実施要領の策定とか、また訓練の実施とか規則の制定とか、これが当たるわけでございますが、今回実施したのは、あらかじめ具体的に伴うようなことについて事項を整理をしたということでございます。
○小池晃君 全然説明になっていない。だって、中身見てなかったから言ったんだ、これじゃ駄目ですよ。これじゃ国会審議成り立たない。(発言する者あり)
○委員長(鴻池祥肇君) 速記止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(中谷元君) 前回は、中身を確認していないので分からないということで、一般的に法案を先取りしては駄目だという発言はいたしました。現在、その文書を確認をしまして、その上で答弁をさせていただいておりますが、この内容につきまして、この法案の施行に伴って必要となる事柄について結論を得るために原案を立案して部局と調整をしていくといったような行為、これには及んでいない、単なる必要となる項目を積み上げてそれを整理して列挙した、項目を列挙したにすぎないという意味におきましては、分析、検討の範囲内に収まるということでございます。
○小池晃君 いや、もう詭弁です、これは。もう言い逃れです。
 法案が成立した後、検討を始めるべきものだというのは、これは一般論だから、どういう資料かによって左右される問題じゃないですよ。その大原則を言っておきながら、後で中身が出てきたら違うことを言うと。こんなことではこの法案のまともな議論はできないというふうに申し上げます。
 午後もう一回この問題を取り上げます。
 終わります。
○井上義行君 日本を元気にする会の井上義行でございます。
 今日は、この安保法案で陸上自衛隊が拉致被害者を救出できるかどうかということを質問したいというふうに思っております。
 拉致被害者が、一部の拉致被害者が帰ってきました、二〇〇三年。しかし、多くの拉致被害者がいまだに北朝鮮に取り残されております。
 日本は、拉致被害者が北朝鮮に連れていかれて、そして外交交渉で解決をしようとしている。そういう中で、先般八月六日、ASEANプラス3外相会議の機会に、北朝鮮外務大臣と岸田外務大臣との間で交渉が行われたというふうに聞いておりますが、どのような交渉が行われたのでしょうか。岸田大臣、お願いします。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、八月六日の日に、ASEAN関連外相会議の機会を捉えまして、マレーシアにおきまして、李洙ヨン北朝鮮外相と三十分ほどですが会談を行いました。
 今回の会談の目的ですが、これは、まず安倍総理からの指示を踏まえて、この拉致問題の解決に向けて北朝鮮からの具体的な動きを早急に引き出すために直接北朝鮮の外相に働きかけを行う、これが目的でありました。その働きかけの中において、昨年五月の日朝合意の履行を求めつつ、日本国内の懸念も伝え、そして一日も早い全ての拉致被害者の帰国を強く求めた、こうした次第であります。
 これに対しまして、先方から、ストックホルム合意に基づき特別調査委員会は調査を誠実に履行している旨の説明はありましたが、調査開始から一年以上たった時点で具体的な見通しが立っていないこと、これは誠に遺憾なことだと感じております。
 大切なのは、この働きかけに対して先方がどのような反応を示すのか、これをしっかり確認することだというふうに考えております。今回の働きかけの結果、これをしっかりと見極めていかなければならないと考えておりますし、引き続き、具体的な動きを早急に引き出すべく努力を続けていかなければならない、このように考えております。
○井上義行君 今、会談が三十分程度というふうに聞きました。多分、通訳が入ると実際は十五分ぐらいの内容だというふうに思っております。
 そこで、外務大臣が話された、そのときの向こうの、北朝鮮の外務大臣からの言葉に対して、当然交渉ですから、一辺倒の、ただ話をして返してくる、これでは全く意味がない。何回も何回も、拉致問題、何でだということを追及したというふうに思いますが、何回ぐらいやった記憶があるのか、そして、向こうの感触はどうだったのかということを再度答弁願いたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 外交交渉の中身、具体的なものは控えなければならないと思いますが、このやり取りにつきましては極めて真剣なやり取りであったと感じています。このやり取りの雰囲気につきましては、緊迫した雰囲気の中でやり取りが行われたと感じております。
 先ほど申し上げましたように、働きかけ、この真剣な雰囲気の中で我が国の言うべきことはしっかり先方に伝えたと考えております。
○井上義行君 そうしますと、この交渉によって、我が国は拉致問題が優先であるということを伝え、そして向こう側はストックホルムの合意を真摯に履行するという内容だったというふうに思いますが、そのとき、じゃ、ボールはどっちにあるかというふうに考えたかというふうに思うんですね。
 例えば、交渉であると、拉致被害者の帰国を当然求めるわけですから、相手の拉致被害者のいわゆる真相究明、この事実をいつまでに回答してくれというふうに迫ったのか、あるいは向こうがいつまでに回答するというふうに言ってきたのか、その辺が一番大事だというふうに思っておりまして、ボールはどっちが握っているのか、それとも投げられたのか投げたのか、その感触をお願いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 今の時点でボールがどちらにあるかという御質問ですが、要は、この北朝鮮との交渉において、目指すところは全ての拉致被害者の一日も早い帰国であると考えております。この目的のために我々は努力をしなければならないということで、今回、北朝鮮の外相に対して直接働きかけを行いました。
 大切なことは、まず、この拉致問題が最重要課題であるという日本の考え方、さらには現状に対する懸念、そして現状における我が国の国内の雰囲気、状況、こういったものを北朝鮮の最高指導部にきちんと伝えることであると考えています。そして、そうした働きかけを今回行い、そして大事なのは、その働きかけに対してどのような結果が生ずるか、先方からどのような反応が生じるのか、この点であると考えています。それを見極めて、そしてその次の働きかけ、行動を考えなければいけない。
 いずれにしましても、全ての拉致被害者の帰国という大きな目標に向けて、しっかりと前進を具体的に図っていきたいと考えています。
○井上義行君 そのときに、トップに伝えるという言葉はあったんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 私の方からは、先方に対しまして、我が国の先ほど申し上げました立場や思い、現状についてしっかり伝えさせていただきました。具体的な言葉、やり取りは控えなければならないと思いますが、真剣な雰囲気の中で先方も受け止めてくれたと考えています。
○井上義行君 私は、外交交渉で確かに言えないことってたくさんあると思うんですが、伝えるといった言葉については別に隠す必要はなくて、むしろ、岸田外務大臣から相手の外務大臣に伝えてトップに伝えるということが今回の目的ですから、当然向こうが伝えるということを言わなければ今回の会談という意味がないので、これはしっかりと国民に、いや、伝えたと、そして外務大臣はトップに伝えると言ったということを私は明らかにした方がいいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 具体的な言葉、やり取りについては控えたいと思いますが、私の方からは、我が国の考え方、立場、状況につきまして、しっかりと北朝鮮の最高指導部に伝えてもらいたいということについては申し上げました。真剣な雰囲気の中で、先方、しっかりメモを取りながら受け止めてくれたと感じています。
○井上義行君 私、そこがいつもこの拉致問題で、多分外務官僚が答弁書を作っているかもしれませんが、そこが分からないところなんですね。
 つまり、日本側が伝えたと、そして、要は言葉として伝えますと言ったのか、それともただ単に聞きおいて、感じとしてまあ伝えてくれるだろうというのはすごく大きく意味が違ってくるので、そこは、オールジャパンでやっていますので、私たちはむしろ、ちゃんと伝えてくれたんだろうか、家族もこの岸田外務大臣の答弁を、僕注目していると思うんですね。
 ちゃんと岸田外務大臣は強く向こう側に求めたんだから、向こう側はきちんとトップに伝えるということを約束したということをはっきり言った方がいいと思いますが、もう一度お願いいたします。
○国務大臣(岸田文雄君) 私の方からは、しっかりと言うべきことは伝えさせていただきました。大切なのは、その結果、何が先方から反応として返ってくるかであると思います。その結果をしっかり見極めることが重要だと考えます。結果を見極めた上でしっかりと大きな目標に向けて前進を図りたいと思っています。
○井上義行君 是非、北朝鮮との間の交渉では、例えば向こうが今そういう状況ではないとか、厳しい言葉があったというふうに言っても、私は今の全国の国民は十分分かっていると思いますし、逆に、日本とそして北朝鮮との状況がどういう状況になっているかということをしっかり分かることがやはりオールジャパンでどういう政策を取ったらいいのかということが分かるというふうに思っております。
 そこで、最近では北朝鮮との、そして韓国との境界線でいろんな緊張関係が出ております。もし、北朝鮮と韓国の間で交戦、あるいは北朝鮮内部でのそれぞれの権力闘争に巻き込まれて内乱が起きたとすれば、拉致被害者を我々は救出する手段がない。そのときに、日本の国民をただ単に眺めていていいのかというふうに私は思っております。
 そこで、私の方は、お手元にある北朝鮮有事における北朝鮮拉致被害者等の輸送に関する特別措置法案というものを考えました。ここでは、北朝鮮人権法等において北朝鮮拉致被害者の帰国の実現に最大の努力をすることが国の責務というふうに書いております。やはり、この国の責務ということは、いかなる状況になろうとも、これは特別に何らかの措置をとって拉致被害者を救出しなければならないというふうに考えております。
 そこで、防衛大臣にお伺いをしたいんですが、今回の平和安全法の整備である程度自衛隊の輸送が緩和されたというふうに思っておりますが、こうした北朝鮮内部において内乱があった、あるいは北朝鮮と韓国との間で交戦があった場合に、今の自衛隊法の改正で救出できるんでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 新たに設けます在外邦人等の保護措置は、領域国の同意に基づいた武力行使を伴わない警察的な活動として行うものでありまして、領域国の同意がある場合に、その同意が及ぶ範囲で活動すると。
 法案におきましては、自衛隊が保護措置を行う場所において、領域国の当局が現に公共の安全と秩序の維持に当たっており、かつ、戦闘行為が行われることがないと認められること、また、武器の使用を含む保護措置の実施について領域国の同意があること、また、予想される危険に対して保護措置をできる限り円滑かつ安全に行うために自衛隊と領域国の当局との連携及び協力の確保が見込まれることなどを保護措置を実施する要件として挙げておりまして、このようなときに実施をするわけでありますが、領域国の同意が得られない場合に自衛隊の部隊を派遣して自国民を救出、保護することは、国際法上も憲法上も難しいものであると考えております。
○井上義行君 そこで私が考えたのは、北朝鮮、内乱があった場合に、一方の反乱軍というか、暫定地域ができる可能性もあるわけですね。例えば、韓国と北朝鮮が交戦になった場合にも暫定地域ができる、あるいは内乱が起きたときにも暫定地域ができる。その暫定地域の管轄をしている者が国連に要請をして、何とかしてほしいとか、あるいは安保理の決議によってそのところに国連として入っていくとかということが想定はされるんですね、まさにここはグレーゾーンになるかもしれませんが。
 だから、私は、憲法を変えなくても、この法案で暫定地域のいわゆる管理者が、国連又は安保理あるいは様々なことの要請に応じて日本の自衛隊が拉致被害者の救出のために入るということは可能だというふうに思っておりますが、中谷防衛大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) これまでも邦人輸送の場合に、平成十六年四月に現行の法案でC130の輸送機によってイラクからクウェートまで邦人を輸送した際に、これは国連安保理決議の一四八三によりまして当時イラクにおける施政権限を認められていたCPAの同意を得て行ったことがございますが、今回の措置におきましても、国連の総会又は決議に従って当該外国において施政を行う機関がある場合にあっては当該機関の同意である旨、法律上明記しているところでございますが、これの実施につきましては、先ほどの要件が適合されない場合に実施されないということでございます。このような規定は設けております。
○井上義行君 終わります。
○和田政宗君 次世代の党の和田政宗です。
 質問の順を少し繰り上げます。
 官房長官、記者会見あるということで、まずお聞きをいたしますけれども、戦後七十年の内閣総理大臣談話についてです。
 今回の談話は、これまでの戦後五十年談話や六十年談話で使われてきた侵略や植民地支配といった定義できない歴史的事実から飛躍した曖昧な用語で安易に片付けるのではなく、歴史的事実に沿った説明が行われており、評価すべき談話であると思います。
 その七十年談話においては、戦場の陰には深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たちがいたことも忘れてはなりません、戦時下、多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去をこの胸に刻みますと述べられています。
 これらの文言が指す女性には、満州、朝鮮、樺太、千島列島などにおいてソ連軍による暴行等、悲惨な体験をした日本人女性が当然含まれると思いますが、政府の見解はどうでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 二十世紀においては幾多の戦争があり、その下で、悲惨な中で尊厳や名誉が傷つけられた女性たちがたくさんいたということも事実です。それは、その戦争の中で全ての女性ということで考えています。
○和田政宗君 ありがとうございます。
 全ての女性ということでありましたら当然含まれるというふうに解することができるわけですけれども、こうした許されざるソ連軍の行為、悲惨な歴史的な事実についてもしっかりと我々は直視をしていかなくてはならないというふうに思っております。そして、日本国民が二度と戦争に巻き込まれないようにしなくてはならないというふうに思います。
 では、通告済みの質問を順番に聞いていきたいというふうに思います。
 先週八月十五日は終戦七十年の日でした。私は、靖国神社、宮城県護国神社に参拝をいたしまして、御英霊の方々に尊崇の念と哀悼の誠をささげてまいりました。また、八月十五日の前後には、各地で行われた戦争で命を失った方々の供養の式典にも参列をいたしました。
 その中でも特に印象に残っておりますのは、八月九日に宮城県栗原市にある通大寺というお寺で地域の方々が参加して行われた戦没者の御供養なのですけれども、終戦七十年に当たり、寺に眠る戦没者百四十三名のお名前を記した灯籠を建て、供養が行われました。灯籠には、お名前に加えて、「平和のため国の礎となった戦没者」、「み霊永遠に安かれと祈る」と供養の言葉が書かれました。まさに、国を守るために先人たちは戦ってきたわけです。そして、灯籠に書かれた百四十三名の戦没者御英霊それぞれに御家族があり、それぞれの人生がありました。そうした先人たちがささげられた尊い命の上に現在の我が国があるということを忘れてはなりません。
 絶対に戦争を起こさない、戦争によって国民が犠牲になることはあってはならない、これは、さきの大戦、大東亜戦争を戦って多くの戦没者、犠牲者を出した日本国民として、また政治家のどなたにおいても同じ思いであるというふうに思います。だからこそ、私は、しっかりと日本の抑止力を高め、国や国民を守れる体制を構築しなくてはならないと考えます。
 今回の安保法制については、我が党は政府案の不十分な点について質問をしておりますけれども、抑止力を高め、国民を守るため必要な法整備をしていくための第一歩であるという点は評価をしております。しかしながら、今回の法案については戦争法案と呼ぶ議員もおりまして、さもこの法案が通ると戦争が起きる、戦争ができるようになるという言い方をする人もいます。私は、こうした論は飛躍をしているのではないかというふうに思います。
 政府にお聞きします。そもそも、この法案が通ると戦争ができるようになるんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 安倍総理の戦後七十年談話でも述べられておりましたけれども、日本は平和国家としての歩みはこれからも決して変わるものではない、そして二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない、この不戦の誓いを将来にわたって守り続けていきます。
 今回の法案は、国民の命と平和な暮らしを守り抜くためのものであります。戦争をするためのものでもなく、戦争を未然に防ぐためのものでありまして、あくまでもいざというときの備えでございます。したがって、戦争法案とのレッテル貼りや戦争ができるようになるとの主張は全くの誤りでございます。
 このような点も含めまして、引き続き今回の法案の必要性につきまして、分かりやすく丁寧な説明を行うように心掛けてまいりたいと考えております。
○和田政宗君 政府並びに自衛隊、そして我が国会、国会議員がしっかりと不戦の誓いの下にこういった法を運用していくのであれば、私は今回の法については抑止力が高まるというふうに思っております。正当な評価が必要であろうというふうに思います。
 次に、法案に関連して拉致被害者の救出について聞きます。
 まず、北朝鮮による拉致被害者の御家族の心を踏みにじるような行為が今月四日に秋田でありました。これは新聞で全国に報じられましたけれども、拉致被害者の御家族が参加した秋田での署名活動で、隣で活動していた秋田・戦争をさせない一〇〇〇人委員会のメンバーに署名を呼びかけたところ、拉致より憲法だと言い放たれたということです。
 私は拉致被害者の御家族の方から直接この話を聞き、怒りを覚えるとともに、情けなくなりました。憲法を改めずに守ることが重要だと考える人はいるでしょう。しかし、拉致より憲法という言い方はあり得ないというふうに思います。北朝鮮の犯罪によって家族を奪われた方々の心の痛みを考えれば、口が裂けてもそんなことは言えないはずです。もし自分の家族が北朝鮮に拉致された状態にあっても、拉致より憲法と発言できるのでしょうか。まさに一人一人が我が事として考え、国民が結束して拉致被害者の奪還を求めていかなければならないはずです。
 一方で、今回の法整備では、いざというとき北朝鮮に拉致された被害者を救出できるのか、疑問があります。北朝鮮が動乱や無政府状態になった場合にも、自衛隊の派遣については相手国の同意が必要であり、実質的に北朝鮮による拉致被害者を救出できるようになっていません。憲法上の制約があるとの答弁もあります。
 そこでお聞きしますけれども、外国領域内にいる拉致被害者をその本国が相手国の同意がなくても保護、救出するため必要最小限度の武力を行使することは、国際法上、自衛権の行使として許容される場合があるというのが国際法の考え方です。政府はこの考えを取らないんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、今回のこの平和安全法制の検討課題において、海外における邦人の命をどのように守るべきか、これは重要な課題でありました。そして、その邦人の中に拉致被害者の方々も含まれる、これは当然のことであると考えています。平和安全法制により海外の邦人を守るための制度の充実を図ったところですが、一方で、自衛隊の活動については、国際法上の観点に加えて我が国憲法上の制約があり、自衛隊の活用には限界がある、これも事実であると考えています。
 そして、今回、平和安全法制の中において新たに設ける在外邦人等の保護措置につきましては、昨年の閣議決定の中でも示させていただきましたように、領域国の同意に基づいた、武力の行使を伴わない警察的な活動として行うものとしております。領域国の同意がある場合に、その同意が及ぶ範囲、すなわちその領域において権力が維持されている範囲において活動をする、これが前提となっております。
 いずれにしましても、拉致被害者の方々の安全確保は極めて重要であり、その救出のためにできること、これにつきましては引き続き不断の検討を行わなければならないと認識をしております。
○和田政宗君 従来答弁なわけですけれども、これはやはりまさに北朝鮮国内に拉致被害者がいるわけでありまして、これをいざ、やはり救えるようにするというのは当然のことだというふうに思うんですけれども、これがなぜできないのかというようなことを思います。
 先ほど井上委員より法案についての提示もありましたけれども、参議院としてもしっかりとそういったものも提示をしていかなくてはならないというふうに思っておりますので、政府についてもいざというときに助けることができるということをしっかりと考えていただきたいというふうに思います。
 それに関連しまして、拉致被害者の安全が脅かされるような事態に至った場合に、拉致被害者の安全確保のための協力を米国政府に対して依頼をしているということですけれども、これは具体的に何を指すのでしょうか。いざというとき、北朝鮮による拉致被害者を米軍が助けてくれるんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、拉致被害者の方々の安全確保、これは極めて重要な課題であります。そして、様々な状況が想定されます。この様々な想定される状況の中でどのような対応が考えられるのか、こういった点で検討をする、これは当然のことでありまして、その様々な想定の中において米軍の存在そして同盟国たる米国との協力、これは極めて重要であると認識をしています。
 そういった観点から、まずは米国に対しまして拉致被害者に関する情報をしっかり提供しております。そして、様々な事態を想定しながら、拉致被害者の安全確保のための協力、こうした協力を米国政府に対し依頼をしている、これも事実であります。
 そして、具体的に何を依頼しているのかという御質問ですが、これは、ケースにつきましては様々なケースが想定されます。米国との間においてしっかりと意思疎通を図っているわけですが、こういったケースにおいてはこう対応する等々、具体的なものを今こういった公の場で申し上げるのは適切なことではないと考えています。
 是非、この拉致被害者の方々の安全確保という大切な課題に向けて、米国との協力も大事にしながら、政府としましても様々なケースを想定し、努力をし、全力を尽くしていきたいと考えています。
○和田政宗君 細かいことを言うのは手のうちを明かすということになるのかもしれないですけれども、一点だけ、米軍が救出することということもあり得るということでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 様々なケースが想定されます。様々なケースを想定しながら、あらゆる対応を検討していかなければならないと考えます。
○和田政宗君 あらゆる事態を想定して、確実に救えるようにしていただきたいというふうに思います。
 次に、相手国より我が国が攻撃を受けた際にどういったことができるのかをお聞きします。
 相手国の基地よりミサイル攻撃を我が国が受けた際、再び相手国の基地から我が国に向けミサイル発射が行われようとしているときに、我が国が巡航ミサイルで敵基地を攻撃することは法理上可能でしょうか、憲法上可能でしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 敵基地攻撃についての従来からの考え方は、法理上、つまり法的な理屈の上では新三要件の下でも変わりがなくて、誘導弾等による攻撃を防ぐ他の手段がないと認められる限り、敵基地をたたくことは自衛の範囲に含まれて可能でありますが、ただし、我が国は敵基地攻撃を目的とした装備体系を有しておらず、また個別的自衛権の行使としても敵基地を攻撃することは想定をしておりません。
 御指摘のような能力の保持につきましては、極めて慎重な検討が必要であると考えております。
○和田政宗君 今の政府の答弁では、憲法上は自衛の範囲内であり、法理上は可能ということですけれども、先月、八月五日の当委員会で、私が以前、抑止力の観点から巡航ミサイルの配備も考えるべきではと質問したことに対し、ある議員がこういう発言をしているんですね。
 この前なんか、びっくりしたんですけれども、賛成会派のある議員なんかは、日本が巡航ミサイルのトマホークを持てと、そんな、憲法を知らないのか、荒唐無稽なことまでテレビで流されていると、という発言なんですが、私はこの発言をそのままお返ししたいというふうに思いますけれども。
 私は、現憲法上の制約などを考慮した上で質問をしておりますし、政府も憲法の範囲内だと認めております。当然、巡航ミサイルを配備したとしても、相手国にどんどん撃ち込んで先制攻撃をするということはあり得ないわけで、あくまで攻撃を受けた後の反撃、相手に攻撃をさせない抑止の観点で質問をしているわけです。これに対して憲法を知らないのかというレッテル貼りをするというのは、国民の皆様にミスリードをすることになります。
 他党やほかの議員の質疑に対する批評や批判はあってよいと思います。それが議論の活性化につながり、それが議会です。しかしながら、正しい理解に基づかない批判はいかがなものかというふうに思います。
 次に、集団的自衛権の解釈について聞きます。
 集団的自衛権については、全く何もないところから、昨年、政府解釈により集団的自衛権が生み出されたというような誤解をしている方もいます。しかし、集団的自衛権は我が国が保有するということは一貫して政府も認めてきており、その行使については昭和四十七年の政府見解によってできないとしたわけです。つまり、キャップをかぶせて制限をしたわけです。それを、昨年、政府解釈の変更によってキャップを外して行使できるとしたわけで、我が国の防衛のため過度の制限を外したわけです。
 そこでお聞きしたいのですけれども、昭和三十五年三月三十一日の参議院予算委員会において、林修三内閣法制局長官が、集団的自衛権には幅のある解釈がある、日本が基地を提供する、経済的援助をすることを憲法上認められないというのは言い過ぎであると答弁していることや、昭和三十四年七月の衆議院外務委員会のやり取りからは、政府は当時も憲法上行使可能な集団的自衛権があり得ると捉えていたということでよろしいと思うんですが、内閣法制局はどうでしょうか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 集団的自衛権という考え方は国連憲章において初めて登場したものでございまして、御指摘の昭和三十年代におきましては、その内容等についてなお議論があったところでございます。
 当時の岸総理の答弁等では、他国の領域に出ていってその国を守ることをその最も典型的な行為であり憲法上許されないとする一方、他国に対する基地提供や経済的援助等も集団的自衛権と呼べば呼べないこともないというような答弁がございます。
 その後、個別的自衛権及び集団的自衛権というのは、そのような基地の提供でありますとか経済的援助ということの根拠ではなくて、実力の行使に係る概念、すなわち武力を行使する場合の要件であるというふうに整理され、その理解が定着しているところでございます。
 今般の新三要件につきましても、そのような武力の行使の要件であるという意味での個別的自衛権、集団的自衛権という概念を前提として整理をしているところでございます。
○和田政宗君 時間が来ておりますのであれですけれども、相手国まで出かけていってその国を防衛する集団的自衛権は認められないけれども、それ以外の集団的自衛権については行使し得るという解釈であったというふうなことであるというふうに思います。
 残余の質問につきましては、また改めていたします。ありがとうございます。
○中西健治君 無所属クラブの中西健治です。
 今日は、午前と午後の審議、二回質問に立たせていただきます。どうぞよろしくお願いします。
 まず、集団的自衛権の国際法上の概念の整理についてお伺いしたいと思います。
 これまでの委員会の質疑におきましても、これは衆議院でも参議院でもということでありますが、集団的自衛権について、憲法との関わり合いについては大変議論されているということだと思いますが、国際法における集団的自衛権の概念については議論がそんなにはされていないというふうに私は認識しております。そして、その議論においても理解が一致しているというふうに思えないということであります。
 例えば、個別的自衛権と集団的自衛権のメルクマールをどこに求めるのかといった議論というのがされたりはしていますが、それとは別に、本日お聞きしたいということは、政府としては国際法上違法な行為を支援しないと、こういうことを繰り返し言っていると思います。
 となりますと、この集団的自衛権を行使している国、それに対して我が国が支援を行うというような場合には、この集団的自衛権の行使が適法かどうかということを判断しなきゃいけないということになるかと思いますが、その際には、我が国が考えている国際法上の集団的自衛権の概念と、こういう世界標準で考えられている国際法上の集団的自衛権に違いがあれば、それはその世界標準のもので考えていかなきゃいけない、こんなようなことになるんじゃないかと思います。
 例えば、アメリカが集団的自衛権を行使して社会主義国であるベトナムを支援するような場合に、日本として適法に米国への後方支援を行えるかどうかについて、アメリカの集団的自衛権の適法性が問題になるということになるんじゃないかと思います。
 ちょっと資料を今日は用意させていただいたんですが、まず、おさらいということになりますが、この集団的自衛権の国際法上の法的性質に関する学説というものが、主な学説が三つあるということだと思います。一つ目が個別的自衛権共同行使説、二つ目が他国防衛説、三つ目が死活的利益防衛説ということになると思いますが、この二つ目、他国防衛説というのが、国際司法裁判所が集団的自衛権について判示したニカラグア事件判決で採用したものと一般的には解されているということだと思います。
 他方、我が国政府は、いわゆるフルスペックの集団的自衛権について、資料にあるとおり、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を前提としておりますので、死活的利益防衛説に近い考え方を取っているという評価がされているというふうに思います。岸田外務大臣は、特定の学説を採用するものではないと、こういうふうにおっしゃっていますけれども、評価としては死活的利益防衛説にかなり近い考え方を取っているんであろうというふうに思います。
 そこで、外務大臣に質問したいと思いますが、政府が言っているフルスペックの集団的自衛権はこのニカラグア事件判決で示された集団的自衛権の概念と同じものなのか異なるものなのか、ここをお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 集団的自衛権に対する考え方、我が国の考え方と国際法上あるいは国際社会における考え方、これが整合しているものなのかどうか、こういった趣旨の御質問だったと思います。
 集団的自衛権につきましては、従来から申し上げておりますように、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を自国が直接攻撃されていないにもかかわらず実力をもって阻止することが正当化される権利とされています。そして、一般国際法上、要件としまして、武力攻撃を受けた国からの要請又は同意、さらには他に適当な手段がないこと、すなわち必要性、そして必要最小限度の実力を行使をすること、すなわち均衡性、この三つが満たすべき要件とされております。この点につきましては、我が国の考え方、そして国際法上あるいは国際社会において一般的に言われている考え方、これは一致をしていると思います。
 そして、御指摘のニカラグア事件の判決、他国防衛説に立っているのではないかということでありますが、まず、ニカラグア事件の判決については、集団的自衛権の要件として、今申し上げました必要性と均衡性の要件に加えて要請が必要であるということを述べているわけでありまして、この点については我が国の考え方と整合していると考えます。
 一方で、このニカラグア事件、他国防衛説に立っているのではないかという御指摘があるのは承知しておりますが、ただ、伝統的な他国防衛説に分類される学説の中には、武力攻撃を受けた国からの要請又は同意という要件を明確にしてこなかった、こういったものも存在すると承知をしております。よって、ニカラグア事件判決、これ武力攻撃を受けた国からの要請が必要であるとしておりますので、同判決が他国防衛説と完全に一致しているとまでは言い切れないと考えております。
 いずれにしましても、先ほど申しました点におきましては、国際社会と我が国の集団的自衛権に対する考え方は整合していると考えています。
○中西健治君 岸田外務大臣がおっしゃるのは、ある点については整合しているということだろうと思いますが、違っているところはどこなのかということを私は聞いているわけです。
 違うところがあるのかどうかというところで、これは岸田外務大臣が直接的にはお答えになっていませんけれども、密接な関係にあるというものが、ニカラグア事件判決及び国際法の教科書を見ると、そこは出ていません。通常の教科書を見れば、他国に対する武力攻撃をというのが集団的自衛権の定義とされております。
 ですので、二枚目の資料になりますけれども、政府がこれまで言っている、たとえフルスペックであっても、このフルスペックの集団的自衛権と、それから国際標準で考えられている、他国防衛説と名前を呼ぶかどうかは別として、このニカラグア事件判決にも示されている集団的自衛権というのは、密接な関係にある他国かどうかという点において開きがあるということなのではないかと思います。
 そこで質問させていただきたいと思いますけれども、アメリカが我が国が考えているフルスペックの集団的自衛権を行使した場合というのは、これは日本として適法に後方支援をなし得ると、こういうふうに理解されているんだろうというふうに思いますけれども、アメリカが、他方、ニカラグア事件判決の集団的自衛権の範囲内ではあるもののフルスペックの集団的自衛権を超えて集団的自衛権を行使した場合、例えば密接な関係にあると認められない他国を支援した場合、我が国は適法に後方支援をなし得るのかどうか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、ニカラグア事件につきまして、密接な関係にある他国、その密接な関係ということについては触れていないのではないか、こうした御指摘でありました。
 求めているのは要請だけではないか、こうした御指摘でありますが、この点につきましては、集団的自衛権の行使につきまして、要請国と被要請国の間に外部からの武力攻撃に対して共通の危険として対処しようとする共通の関心があるからこそこれは要請が行われると考えています。そして、被要請国はこうした要請に応ずるものであって、このニカラグア事件判決はそのような意味における密接な関係の必要性を否定するものではない、このように考えています。よって、先ほど申し上げました点につきまして、我が国の考え方と国際社会一般の考え方、これは一致をしていると考えます。
 そして、御指摘のようなケースにおいて我が国は後方支援をするのかという御質問がありました。
 我が国が後方支援をするのは、あくまでも、今、平和安全法制の審議をお願いしております。この法律がもし成立したならば、その法律の要件に当てはまる範囲内で様々な支援を行うということであります。そして、その前提として、国際社会が認める集団的自衛権、合法的な自衛権でなければならない、これは当然のことであります。これは、しっかり行使した上で、国連の安保理に対しましてこれは報告をしなければなりません。その過程、プロセスを経た上で、国際社会から合法として認められなければならないものであると考えています。
○中西健治君 今、岸田外務大臣の答弁を聞いてちょっと気になったんですが、要請がある以上はその他国は密接な関係にある、こう考えられると、こういう趣旨のことをおっしゃられたかと思いますけれども、それじゃ逆なんじゃないんですか。本当は密接な関係にあるかどうかというのがまず要件として考えなきゃいけないところであって、要請があればそれは密接な関係にあるというふうに考えられるから共通の関心に対処するんだ、これはおかしいんじゃないですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 密接な関係にある国について、従来から説明させていただいておりますが、外部からの武力攻撃に対し共通の危険として対処しようという共通の関心を持ち、我が国と共同して対処しようとする意思を表明する国、こうした国であると説明をさせていただいています。こうした国に該当するかどうかということにつきまして、先ほど申し上げましたように、要請があるということは大変重要なことであると思っております。これは密接な関係の必要性をニカラグア事件が否定をしていない、こういったことを申し上げているわけであります。今言った意味におきまして、先ほど申し上げたこと、従来から説明していることと整合性は取れていると考えています。
○中西健治君 いや、それはおかしいんじゃありませんか。要請があれば密接な関係になると考えられると、こういう趣旨の答弁をされたと思うんです。
 まず考えるべきことは、密接な関係にあるかどうか、そういった他国かどうかということを判断した上で、そこから要請があるかどうかということを考えていくのが物の順序だと思いますが、密接な関係にあるかどうかということの判断材料として要請があるかないか、これはおかしくありませんか。
○国務大臣(岸田文雄君) 先ほどから申し上げておりますように、まず、ニカラグア事件においては求められているのは要請であります。そして、密接な関係にあるということにつきましては、これもまた従来から申し上げておりますが、武力攻撃が発生した時点で個別具体的に考える、こういったことであります。そして、その際に、要請があるということは密接な関係にある他国を考える上で重要な要素になるということ、これは当然ではないかということを申し上げております。
○中西健治君 密接な関係にあるかどうかというのは、やはり別な判断じゃないかというふうに思います。敵の敵は味方であるというようなことではないんだと思うんです。やはり、当初から密接な関係がある他国なのかどうかということが判断のポイントにならなきゃいけないというふうに思います。そこで要請があるかどうかというのは、それは当然その次の要件ということになるんだろうと思いますけれども、何かおっしゃっている順序が違うんじゃないかなというふうに私自身は思いました。
 そして、この集団的自衛権、ニカラグア判決というのは昭和六十一年に出ているわけでありますけれども、我が国が密接な関係にある他国ということで集団的自衛権を定義付けたのはそれより前ということになりますから、やはりニカラグア事件判決も受けて、今の国際法上の世界標準にこの集団的自衛権の考え方は改めていく、再定義していくべきなんじゃないでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) ニカラグア判決においては、先ほど申し上げたように、求めているのは、必要性そして均衡性と併せて要請であるということであります。そして、一方で、我が国として、集団的自衛権に対する考え方、これは長年の議論の中で整理をされてきました。その議論と先ほどのニカラグア事件の判決、これは矛盾をしない、整合的である、こういったことを申し上げております。
 我が国のこうした議論、国内の議論ももちろんでありますが、国際社会における様々な議論、そして国際司法裁判所における様々な判決、これが積み上がった上で整理をされ、確定してきたものだと思っています。国際社会においてもこういった整理が行われている、結果として、現状において、我が国の考え方と国際社会の考え方、先ほど冒頭申し上げたような定義において整合的である、このように説明をさせていただいております。
○中西健治君 我が国が、自衛権を我が国自身が行使する、その要件として、当然、憲法上の要請もあって制限的に解釈していく、それはあると思うんです。しかし、国際法上の集団的自衛権の概念そのものということでいえば、やはり密接な関係にある他国というのが、密接な関係にあるとどの教科書を見ても出ていないわけですから、そこを改めていくべきなんじゃないんですか。そうじゃないと、適法な後方支援になるのかどうか、適法な集団的自衛権をしているから後方支援ができるという判断になるわけですが、その判断はあくまで世界標準の国際法上の概念で行うんじゃないでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 国際法上の集団的自衛権の概念、先ほども議論の中に出ておりましたように、他国防衛説など様々な学説があるのは御指摘のとおりであります。
 しかしながら、この集団的自衛権を考える際に、国際社会として一致できている部分、この部分については整理が行われていると思います。武力攻撃を受けた他国からの要請又は同意、そして必要性、均衡性、この三つの要件を満たさなければならない、このことについては一致を見ていると考えます。そして、我が国の考え方とこういった考え方は整合している、こういった説明をさせていただいております。こうした部分については国際社会共通の認識を持っていると考えます。
○中西健治君 ちょっと疑問点は残ると思っておりますが、また午後の質問に譲りたいと思います。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 今回の「「日米防衛協力のための指針」及び平和安全法制関連法案について」という防衛省内部の資料について、私もまず冒頭お聞きをいたします。
 これを見て私は非常にショックを受けたのは、例えば二十二ページ、「今回の改正により、法律に基づく活動として、これまでの国際連合平和維持活動、人道的な国際救援活動、国際的な選挙監視活動に加えて、国際連携平和安全活動が新たに加わりました。」。法案ですから、加わる予定ですなら分かるんです。加わりましたって何で過去形になっているんですか。
○国務大臣(中谷元君) 閣議決定をされて、これから法案を国会に提出をされたということで、それで加わったということでございます。
○福島みずほ君 おかしいですよ。これ、案とか、こうされる予定ですとか、こういう議論がありますではないんですよ。加わりましたというのは国会軽視じゃないですか。これは明らかに国会で法案が成立されたことを前提に議論していますよ。加わりましたって何で過去形なんですか。加わる予定ですと未来形でないとおかしいでしょう。
○国務大臣(中谷元君) 提案をいたしました法案の中に加わりましたということでございます。
○福島みずほ君 国会で法案が廃案になったり、継続審議になったり、修正されることは考えていないんですか。
○国務大臣(中谷元君) これは、単純に法案の内容に対して説明をし、隊員に対して周知徹底をするということで、法案の中身の説明でございまして、法案の中に加わったということでございます。
○福島みずほ君 加わる予定ですなら分かりますよ。加わりましたは駄目でしょう。どこにも案なんて書いていないですよ。対案も修正案も廃案も継続審議も考えていないということじゃないですか。まさに国会軽視じゃないですか。
○国務大臣(中谷元君) あくまでもこれは法案の説明でございまして、この法案の中に国際連携平和安全活動が新たに加わったと、あくまでも法案の中身の項目の説明でございます。
○福島みずほ君 国会をなめないでくださいよ。国会の審議を全く考えていないじゃないですか。
 これ、最後に、先ほどシビリアンコントロールが利いているからいいんだとおっしゃいましたが、今後の進め方で、七月の下旬から八月中に法案成立というタイムスケジュールになっていますね。これ、大臣の指示ですか。大臣もこれ指示されていたんですか。
○国務大臣(中谷元君) この文書を見まして、あくまでも私はこの法案についての分析、研究を指示をいたしました。防衛省・自衛隊といたしましても、様々な課題を整理をする、そういう中で、具体的に課題を整理する中で、それぞれのスケジュールにつきまして、イメージといたしまして、当時のマスコミ報道などの情報に基づいて、そのイメージアップをするためにそれを出して、法案の整理の一助で使ったのかなということでございます。
○福島みずほ君 質問に答えていないですよ。大臣は、七月下旬から八月中に法案が成立するという認識だったんですか。
○国務大臣(中谷元君) これは、法案の成立は当然この国会の状況の中でございますので、私も、いつ成立するか今の時点でも全く念頭にございません。ただ、政府でありますので、出した法案におきましては国会で成立をお願いする立場でございます。
 部隊等、現状におきましては、当然これ実施をする組織でございますので、この実施に際しましていろんな課題がございます。また、具体的にも考えなければならないということで、そういう場合におきましてイメージアップをするという必要性がありますので、当時のマスコミ等の情勢からそのようなことを当てはめて、一応、具体的な研究をする場合における資料として作成したということでございます。(発言する者あり)
○福島みずほ君 イメージアップを当てはめるという意味が分からないという声がありますが、そのとおりだと思います。
 大臣は、今の時点でもこの法案がいつ成立するか分からない。にもかかわらず、事務方が勝手にこれで法案がこの日に成立するというのをやってもいいんですか。
○国務大臣(中谷元君) これは、やはり実施組織といたしまして、防衛省・自衛隊、内局も入っておりますけれども、今後具体化をしていくべき様々な検討課題、これをやはり整理をしておく、そして考えておくというのは必要でございますので、こういった作業スケジュールもやはりイメージとして捉えて考えていかなければならないということでございますので、五月当時の様々な報道等を踏まえて仮の日程を置いて記述をしたものでございまして、法律の成立時期、これは誰も予断をできるものではございませんので、当時もそういったことで予断をしたものではない。しかし、様々な作業スケジュール、こういったことを踏まえて、やはり仮の日程を置いて記述をしておいて、今後、検討課題を整理する際に作業スケジュールのイメージとして捉える必要があるということで作成したものではないかと思います。
○福島みずほ君 大臣が指示していないのにこんなの勝手にスケジュールを決めたんだったら、防衛省の内部の暴走なんでしょうか。そして、国会、まだ今の時点でも成立するかどうか分からないのに、こんなことをやってもいいんですか。
 それから、もしイメージアップあるいは丁寧に説明するということであれば、これ国会にまず見せるべきじゃないですか。
○国務大臣(中谷元君) いずれの省庁もそうでありますが、法律が閣議決定をされた以降は政令とか省令、これの研究、検討は実施をするわけでございまして、そういう意味におきまして、やはり様々な課題がございます。国会でいろいろ御議論をされておりますけれども、そういった指摘等もございますので、実際に実施をする組織といたしまして、様々な検討課題、これはやっぱり真剣に研究をして整理をしておく必要がございますので、そういう意味において作られたものでございます。
○福島みずほ君 検討、研究はしないというふうに言っていて何でできるんですか。検討はしないと言っていて、何でこれが出てくるんですか。
 それで、実はこの中で、四十七ページの駆け付け警護についての、南スーダンにおける駆け付け警護の問題です。
 南スーダンの駆け付け警護がされる可能性がありますとありますが、これも問題ではないですか。やりたいやりたい、あるいはやる可能性があるというのはあるにしても、駆け付け警護がなぜ今まで禁止されてきたか、そしてそれはどうして今回変えるのか、そしてそのことでどういう問題があるのかということをすっ飛ばして、南スーダンPKOで駆け付け警護をする可能性があります。現場が法律を食い破っているというか、法律がまだ成立もしていなくて、議論も、これから議論が始まる段階で、何でここまで言えるんですか。
○国務大臣(中谷元君) 防衛省・自衛隊が行っているのは分析と研究でございます。南スーダンにおきましては実際六か月の周期で隊員を交代させてきておりまして、ローテーションを実施する場合を想定をいたしまして、これはスケジュールを機械的に示したものにすぎません。
 その上で、仮にこの平和安全法案が成立をして施行をされた場合には派遣される部隊には新法制が適用されるということになるために、新法制が成立した場合に必要となり得る作業の課題、これを従来のスケジュールに仮の日程を置いてプロットしたものにすぎず、法案を先取りして具体的な作業を行っていたというわけではないということでございます。
○福島みずほ君 法案の先取りですよ。閣議決定した直後にこんな文書おかしいですよ。
 駆け付け警護は現在禁止されておりますが、なぜ禁止されているんですか。
○国務大臣(中谷元君) これは、憲法から、武力の行使をしてはならないという観点におきまして、国又は国に準じる組織と対抗する場合にはそのような可能性が生じ得るということでこれまで駆け付け警護を実施してきていなかったわけでございます。
○福島みずほ君 じゃ、なぜやれるように法律改正するんですか。
○国務大臣(中谷元君) これまで二十年以上PKO活動を実施してまいりましたけれども、こういったこれまでの実績と国連のPKO等の必要性上から考えまして、今回の法案におきましては、国又は国に準じる組織が出ないというような前提において法案に盛り込んで実施をするということでございます。
○福島みずほ君 さっき大臣は憲法上の要請と言いました。憲法上の要請が変わるんですか。実際上のPKOの実績とかじゃなくて、憲法上の要請を重要視すべきでしょう。
 そして、国又は国に準ずる組織かどうかということを入れるということですが、南スーダンは大統領派とそれから副大統領派が争っています。これは、国に準ずるものというのが登場する可能性はありますか。
○国務大臣(中谷元君) まず、南スーダンの状況でございますが、この場合に、マーシャル副大統領が率いる反政府勢力、これが国又は国に準ずる組織に該当するとは考えておらず、UNMISSの活動地域において武力紛争が発生したとは考えておりません。これは、現地に派遣されている要員からの報告、また我が方の大使館、国連からの情報を総合的に勘案をしたわけでございます。
 この根拠につきましては、南スーダンで発生した事案、これは、反政府勢力は系統立った組織を有しているとは言えない、また反政府勢力による支配が確立されるに至った領域がない、南スーダン政府と反政府勢力の双方とも国連の安保理事会を含む国際社会から敵対行動の停止を求める働きかけに応じて協議を行い、敵対行為の停止について双方が合意に達するなど、以前からの事案の平和的解決を求める意思を有しているというようなことが考えているということで、PKO法上の紛争当事者は存在しないと考えているわけでございます。
 そして、今回、駆け付け警護におきまして、第五原則の武器使用の要員の生命等の防護のための必要最小限という基本的な考え方は維持しつつ、この後に、受入れ同意が安定的に維持されることが確認されている場合に限り、いわゆる安全確保業務、いわゆる駆け付け警護の実施に当たって自己保存型及び武器等の防護を超える武器使用が可能とすることといたしました。
 このように、受入れ同意が安定的に維持されているということをもって対応しているということでございます。
○福島みずほ君 問題は、時々刻々と状況が変わるということです。今の時点でそういう判断が正しいかどうかという検証も必要ですし、将来またそれが変わるかも分からない。この法案がいつ成立するかも分からない。廃案になるかも分からない。そして、南スーダンの状況がどうなるか分からない。そして、日本が警護、駆け付けるというふうな段階において相手が国に準ずる組織になっているかもしれない。
 それが分からないにもかかわらず、なぜここで防衛省は南スーダンにおける駆け付け警護の可能性があるとこんなに先取りして書けるんですか。これは問題でしょう。だって、分からないわけですから、将来のことが。これは現場の先取りであって、現場の駆け付け警護をすべき、さっき大臣は憲法上の要請と言ったけれども、その憲法上の要請をこんなに簡単に踏みにじっていいのかというふうに思います。
 大臣、二〇一四年一月、日本は多国籍軍の輸送、南スーダンPKOで国連からの要請を断っていますね。理由は何ですか。
○国務大臣(中谷元君) 当時はヘリコプターの輸送支援を求められたと私は報道で仄聞はいたしておりますが、実施したかしなかったか、これは当時の政府の判断でございまして、いろんな要請があったことは推測されますけれども、その辺の調整がうまくできなかったということではないかと思います。
○福島みずほ君 憲法上の要請があり、一体化の可能性があるから断ったんですよ。
 韓国軍へ弾薬提供を平成二十五年十二月二十三日の閣議決定で一万発決めて、提供していますね。
○国務大臣(中谷元君) これは、平成二十五年十二月中旬から現地の情勢が急激に悪化をいたしまして、韓国隊の所在するボル、これの国連宿営地内において争乱状況が発生したということで避難民を一万五千人受け入れたというような状況の中で、韓国の隊員及び避難民の生命、身体を保護するために必要な弾薬を早急に確保する必要がありまして、国際連合から我が国政府に対しまして当該弾薬の譲渡要請がなされて、現行PKO法第二十五条第一項に基づく物資協力を実施する旨閣議決定をした上で譲渡したということでございます。
○福島みずほ君 この点について、韓国軍から返還を受けていますし、これまで、一九九一年十月の国会での答弁では、こういう弾薬は提供しないというふうにしています。
 大臣、武器輸送と提供、多国籍軍の輸送はできるというお考えですか。
○国務大臣(中谷元君) これは、国連平和協力法において、第三条四号において、物資協力、これは物品を譲渡することと定義をされているわけでございまして、法令上、物品には武器弾薬、これが含まれると解されておりますので、この第二十五条の対象から排除されていないということでございます。なお、それに加えて国連からの要請があったということで、緊急の必要性、人道性が極めて高いものでございまして、こういった観点から閣議決定を行ったということでございます。
○福島みずほ君 何でもできるということで、問題です。今までの国会の憲法上の議論を全く無視するもので、この法案駄目だということを申し上げ、質問を終わります。
○山本太郎君 生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎です。
 永田町ではみんな知っているけれどもわざわざ言わないことを質問していきたいと思います。答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 まず、中谷防衛大臣、よろしくお願いいたします。
 中谷大臣は、七月三十日の本委員会、福島みずほ委員の、今まで周辺事態法でできないとされていた弾薬の提供がなぜできるのかという質問に対し、現行法制定時には米軍からのニーズがなかったので、弾薬の提供と戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機への給油、整備については除いていたが、その後、日米の防衛協力ガイドラインの見直しの中で、米側から、アメリカ側からこれらを含む幅広い後方支援への期待が示されたと答弁されました。
 ということは、中谷大臣、今回の安保法制制定の立法事実として、米軍のニーズ、要請があるということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 現行法の制定時におきましては米側からのニーズがなかったということで支援内容から省いておりました。これ、国会でも答弁をいたしたとおりでございます。
 しかし、その後、日米防衛協力ガイドライン、これの協議が行われまして、その中で米側からこれらを含む幅広い後方支援への期待が示されたということです。また、先ほど答弁いたしましたが、一昨年、南スーダンPKOに参加している陸自の部隊が国連からの要請を受けて韓国部隊のために弾薬提供を行ったように、想定外の状況によって弾薬を融通する必要がある場合も想定をされるということ、また、いろんな状況も変化をしてきたということでございまして、こういったことをもちまして、今回、あらかじめ法的に措置をしておく必要があると考えたわけでございます。
○山本太郎君 中谷大臣、現在の周辺事態法ではできなかった弾薬の提供などを今回の安保法制でできるようにするのは、アメリカ側からの期待、米軍のニーズがあったからということでしたけれども、米軍からいつ頃どのような形でどのような具体的なニーズがあったのかということを教えてもらえますか。
○国務大臣(中谷元君) 日米防衛協力が進展をしたということ、またガイドラインの見直しが進められたということ、また自衛隊もそういった能力が向上してきたということで、米側からこれらを含む幅広い後方支援への期待が示されたということで、今回、重要影響事態に際してもこれらの支援を行うようにできるように法的措置を講じることにしたということでございまして、基本的には日米間の協議の中でニーズが出てきたということでございます。
○山本太郎君 余り答えていただいていないような状況だったと思うんですけれども。
 とにかく米軍のニーズが立法事実になっているんだという話ですよね。リクエストされたから、ニーズがあったから、それによってこの国の在り方、ルールを変えていくという話ですよね。弾薬の提供、輸送をすると。弾薬は、法律上は銃弾、砲弾、手りゅう弾、ロケット弾、果てはミサイル、核兵器まで提供、輸送できる。また、戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機への給油、整備も。これらは誰が見ても明らかに武力行使と一体となった輸送、兵たんで、明白な憲法違反。
 弾薬の提供、輸送と戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機への給油、整備については、これまで武力行使と一体となった後方支援ということで憲法違反だったんですよね。でも、今回、憲法解釈を変えたんですよね、米軍のリクエストで。
 実は、アメリカ側のリクエストというのはもっとスケールが大きくて綿密なんだよということをお知らせしたいと思います。パネルをお願いします。(資料提示)
 このパネルは、集団的自衛権を認める昨年七月一日の憲法違反の閣議決定の二週間後、七月十五日、首相官邸での写真でございます。首相官邸のホームページから引用させていただきました。
 安倍総理と握手している方、ショー・ザ・フラッグ、ブーツ・オン・ザ・グラウンド、この言葉で有名なリチャード・アーミテージ元アメリカの国務副長官。一人置いて左から二番目、赤いネクタイの方、もうほとんど側頭部、後頭部しか写っていない方ですけれども、この方がジョセフ・ナイ・ハーバード大学教授。
 このお二人、一体何者なのと御存じない方のために、外務省のホームページで次のように詳しく紹介されています。日米安全保障研究会米側委員を代表してジョン・ハムレ戦略国際問題研究所、CSISですよね、CSISの所長が、十四年前にアーミテージ元国務副長官とナイ・ハーバード大学教授がアーミテージ・ナイ・レポートを作成し、日本の安全保障に対するアプローチについて提言したと述べたと書いてあります。
 このお二人が提言してくださった有り難いお言葉の数々が日本国の政策にそのまま反映されている、とても影響力のある方々というお話なんです。
 二〇〇〇年十月に第一次、二〇〇七年二月に第二次、そして二〇一二年の八月に第三次が公表されたアーミテージ・ナイ・レポートは、それぞれ日本の安全保障政策に大きな影響を与えた。
 パネル、入れ替えてもらっていいですか、お願いします。
 二枚目のパネルは、その第三次アーミテージ・ナイ・レポートの中の日本への提言九項目、そして、その他注目すべき記述を抜粋したものです。これを見ると、今回の憲法違反の閣議決定から憲法違反の安保法制まで、ほとんど全てアメリカ側のリクエストによるものだということがよく分かる。
 まず、パネルの下の方ですね、いきなり下でごめんなさい、その他の十番を御覧ください。レポートの本文ではこのように書かれています。
 皮肉なことに、日本の国益保護に必要な最も過酷な状況下では、米軍は自衛隊と日本の集団的防衛を行うことは法的に禁止されているのだ、日本の集団的自衛権禁止を変えることはこうした皮肉の全てを解決するだろう、政策転換において、統合軍やより軍事的に攻撃性の高い日本、日本の平和憲法の変更は希求されるべきでない、集団的自衛権の禁止は同盟にとって障害だと書かれています。
 パネル一を一瞬上にかぶせてもらっていいですか。
 このときの写真、一体何なんだろうなと思ったら、集団的自衛権容認の憲法違反の閣議決定を提言した人たちですよね。提言した、しかもそれが実現した。だから、彼らは官邸までよくやったね君たちと褒めに来てくれた、そんな現場での心温まる写真の一枚なんじゃないかなというふうに考えてしまいます。
 済みません、パネルを外していただいて、二枚目のパネルに戻ります。
 提言の一です、一番上です。ここでは何と原発再稼働を求めている。安倍総理は、これも安全性無視で実行しましたよね。提言の三、TPP交渉参加。安倍政権は、二〇一二年の衆議院選挙での自民党の選挙の公約を堂々破って、これを忠実に実行している真っ最中でございます。提言の八、日米間の、あるいは日本が保有する国家機密の保全。これ、特定秘密保護法そのまんまじゃないかよって、これもクリアしてしまっています。次は、もうちょっと下になるんですけれども、その他の十二、日本の防衛産業に技術の輸出を行うよう働きかける。これ、防衛装備移転三原則で実現していますものね。
 今年四月二十七日、新しい日米防衛協力ガイドラインを承認したときの日米共同発表文書には、日本が国際協調主義に基づく積極的平和主義の政策を継続する中で、米国は、日本の最近の重要な成果を歓迎し、支持する。これらの成果には、切れ目のない安全保障法制整備のための二〇一四年七月一日の日本政府の閣議決定、国家安全保障会議の設置、防衛装備移転三原則、特定秘密保護法、サイバーセキュリティ基本法、新宇宙基本計画及び開発協力大綱が含まれると書いてあるそうです。この第三次アーミテージ・ナイ・レポートの提言どおりの新ガイドラインとその他の重要な成果なんですよね。
 そして、今回の安保法制、戦争法制は、パネルで見てみると、二、シーレーン保護、五、インド、オーストラリア、フィリピン、台湾等との連携、六、日本の領域を超えた情報・監視・偵察活動、平時・緊張・危機・戦時の米軍と自衛隊の全面協力、七、日本単独で掃海艇をホルムズ海峡に派遣、米国との共同による南シナ海における監視活動、九、国連平和維持活動(PKO)の法的権限の範囲拡大、十一、共同訓練、兵器の共同開発。これらはほとんど全て今回のこの安保法制に盛り込まれたという話です。
 岸田外務大臣にお伺いします。
 この第三次アーミテージ・ナイ・レポートで示された日本への提言などが、今年四月二十七日の新ガイドライン共同発表に書かれた日本の最近の重要な成果や今回の安保法制で実現することになったとお考えになりますか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘の報告書ですが、あくまでもこれは民間の報告書ですので、政府の立場からこれ逐一コメントすることは控えなければならないと思いますが、少なくとも、御指摘の今年の新ガイドライン、さらには今審議をお願いしております平和安全法制、これはこの御指摘の報告書を念頭に作成したものではないと考えます。
 平和安全法制につきましても、あくまでも我が国の国民の命や暮らしを守るためにどうあるべきなのか、これは自主的な取組であると考えておりますし、新ガイドラインにつきましても、安全保障環境が厳しさを増す中にあって、日米の防衛協力について一般的な枠組みですとかあるいは政策的な方向性、こうしたものを示したものであると認識をしております。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 中谷防衛大臣、配付資料でお配りした第三次アーミテージ・ナイ・レポートの概要、これ、今でも海上自衛隊の幹部学校のホームページに掲載されているものをそのまま使わせていただきました。この第三次アーミテージ・ナイ・レポートの日本への提言、今回の安保法制の内容に生かされていると思いますか。
○国務大臣(中谷元君) 防衛省・自衛隊といたしましては、幅広く世界のいろんな方々からの考え方も含めまして情報収集、また研究、分析をしております。
 今回の平和安全法制につきましては、あくまでも我が国の主体的な取組として国民の命と平和な暮らしを守るというために作ったわけでありまして、これは時間を掛けてオープンな場で様々な意見、議論を経て決定をされたということで、特に政府内の有識者の懇談会、また与党内、自民党と公明党の協議会において二十五回に及ぶ徹底的な議論を経て作成したものでありまして、このナイ・レポート等の報告書を念頭に作成したものではないということでございますが、しかし、政府としましては、今後の点において、これからも研究、検討は続けてまいるわけでございますので、このレポートで指摘をされた点もございますが、結果として重なっている部分もあると考えておりますけれども、あくまでも我が国の主体的な取組として検討、研究をして作ったものであるということでございます。
○山本太郎君 民間のシンクタンクなんだよって、偶然の一致なんじゃないのみたいなお話ですけれども、民間のシンクタンクの方々がこれだけ頻繁に日本に訪れ、そして総理もそのシンクタンクで演説をなさったりとかしているわけですよね。随分懇意だねって、それが偶然の一致なんて話になるのって。これらのレポートを念頭に作成したものでない、結果重なってしまっている部分があると言うんですけど、ほとんど重なっているんじゃないかって。そっくりそのままですよ。完コピって言うんですよ、こういうの、完全コピー。
 昨年七月一日、憲法違反の閣議決定から今回の憲法違反の安保法制、戦争法制までだけを見たとしても、何だこれ、アメリカのリクエストどおりじゃないかって。おまけに、原発再稼働、TPP、特定秘密保護法、武器輸出三原則の廃止、何から何まで全てアメリカのリクエストどおりに行っているんだなって。アメリカ、アメリカ軍の要請、ニーズには、憲法を踏みにじってでも、国民の生活を破壊してでも真摯に全力で取り組むって、これどういうことなんですか。これ、独立国家と呼べますか。完全コントロールされているんじゃないかよ、誰の国なんだ、この国はという話をしたいんですね。
 これだけ宗主国様に尽くし続けているのにもかかわらず、その一方で、アメリカは、同盟国であるはずの日本政府の各部署、大企業などを盗聴し、ファイブアイズと呼ばれるイギリス、カナダ、ニュージーランド、オーストラリアなどとその盗聴内容をシェアしていたと。もう間抜けとしか言いようがないお話、先月出てまいりました。
 いつまで都合のいい存在で居続けるんですかってお聞きしたいんですよ。いつまで没落間近の大国のコバンザメを続ける気ですかって。(発言する者あり)今、後ろから声が聞こえてきました、もう一つの州、最後の州なんじゃないかと。そういう考え方もあると思います。もう一つの州であるならば、アメリカ合衆国の大統領、僕たちが選べなきゃおかしいんですよ。そんな状況にもされていないって。
 諦めているんですか。いつ植民地をやめるんだ、今でしょって。対等な関係、健全な関係にするべきじゃないですか。出されたリクエスト、全て形にしていくなんておかしな話ですよ。
 今回の戦争法案、アメリカのアメリカによるアメリカのための戦争法案には断固反対。当たり前です、廃案以外はあり得ません。中国の脅威というならば、自衛隊を世界の裏側まで行ける、そのような状態をつくり出すことは、この国の守りが薄くなるということですよ。どうして自衛隊が地球の裏側まで一体化してアメリカと一緒にいろいろなところに行けなきゃいけないの。アメリカ以外の国とも一緒に行けるような状況になっていますよね。歯止めありますか、ないですよね。中国の脅威をうたっている割には、国の守りが薄くなることに対しては全然平気っぽいですね。
 廃案以外はあり得ない、この戦争法案、廃案以外あり得ないと申し上げて、午前の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○荒井広幸君 新党改革の荒井です。
 では、外務大臣に冒頭お尋ねします。
 総理が村山談話のいわゆる継承を打ち出しました。両国、中国、韓国との関係を改善する私はいい機会になるだろうというふうに思います。日中及び日韓の首脳会談の見通しを具体的にお聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) 日中関係、日韓関係、この二つの二国間関係、これは我が国にとりまして大切な、最も重要な二国間関係のうちの二つであると認識をしております。
 そして、それぞれの首脳会談の見通しについて御質問がありました。
 日韓関係につきましては、今年、日韓国交正常化五十周年というこの節目の年を迎えまして、外相会談等におきましても、是非今年を意義ある年にしなければいけない、こうしたことで議論を進めております。日韓の首脳会談について、まだ決まっているものではありません。
 具体的な動きとしましては、今年三月に日中韓の三か国の外相会談を久しぶりに開くことができました。その際に、日中韓のサミット、首脳会談を是非早い時期に実現しようということで一致したということであります。こうした議論を踏まえまして、日韓関係、そしてさらには日中関係については首脳会談、既に二度行われていますが、次の日中の首脳会談、こうしたトップ同士の会談について考えていかなければならないと考えます。
 いずれにしましても、様々な対話が重要でありますが、それぞれの国のトップ同士の対話、これが最も重要な対話であるということは間違いないという認識の下に、引き続き努力を続けていきたいと考えています。
○荒井広幸君 デリケートですから、努力をしていただいているということだというふうに思います。外務大臣も精力的に世界を回り、また日中、日韓とも御努力いただいていることには大変評価を申し上げますが、是非実現をしていただきたいんです。
 安全保障法制の関連で、全て外交努力というのが重要だと言っています。全ての国と共に平和を享受し、そして経済的にも社会文化的にもお互いに交流して、お互いが豊かになっていく、そういう努力をしていくわけですから、是非実らせていただきたい、両国との首脳会談を実現していただきたいと、そのように切望いたします。
 国際貢献についてです。
 海自が護衛艦二隻とP3C哨戒機二機によって海賊対策を行っています。二〇一三年には、海自は、CTFというふうに言うんでしょうか、151多国籍部隊に加わっております。これを評価いたしますが、防衛省に、担当者にお尋ねしますが、今度の法改正によって、どの法律によってCTF150、今は151ですが、150に参加できるようになるのかならないのか、お尋ねします。
○政府参考人(土本英樹君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のCTF150は有志国による多国籍部隊の一つであり、海上の安全を促進することを任務として、紅海、アデン湾、インド洋等において、テロ組織の要員や武器の移動阻止等を目的とした活動を実施しているものと承知しております。
 お尋ねのどの法案でという関係でございますが、新たな法制には船舶検査活動法の改正も含まれているところでございますが、CTF150を含む特定の活動への参加について政府として現時点で具体的に念頭に置いているものではなく、CTF150への参加が可能かにつきまして、政府として現時点で具体的な検討は行っていないというところでございます。
○荒井広幸君 続いて、これは防衛大臣にお尋ねしたいんですが、安保法制の関連法案が成立すれば、今、150は考えていないと、こういうことですが、自衛隊による国際貢献は、度々参議院のこの委員会でも指摘されているように、質、量共に大きくなっていくということは間違いないわけです。これによって、例えば派遣の判断、そして派遣場所の判断というのはすごく重くなると思うんです。
 事務方にもお尋ねしたかったところでありますが、ストレートに防衛大臣にお尋ねしたいんですが、非常に量、質共に国際貢献重くなってまいります。その場合の派遣の判断、現場の判断、改めてどんなものであるか、お尋ねしたいと思います。八番になります。
○国務大臣(中谷元君) 自衛隊の海外における活動の実施に当たっては、これまでも十分な検討の上に慎重な判断に基づいて派遣を行ってきておりまして、法制成立後も変わることはございません。
 ただ、派遣を判断するに当たって、政府として入手できるあらゆる情報を総合的に分析をいたします。そして、国家安全保障会議、これの十分な審議などを経て内閣として意思決定を行うわけでございまして、この内閣としての意思決定の根拠となった情報等をしっかり公表して、国際平和支援法については、対応措置の実施について事前の国会の承認をいただくことになるわけでございますし、改正PKO法についても、安全確保業務等の実施につきまして原則事前承認をいただくことになるわけでございまして、こういう見地におきまして、国会の承認をいただいて実施していくことになるということでございます。
○荒井広幸君 外務大臣にもお尋ねしたいんですが、国際貢献で非常に自衛隊の質、量共に活動大きくなるわけです。派遣する判断というのは非常に今大臣がおっしゃったように重いものですし、国会の承認を得たいと、こう言っていますが、海外派遣の場合にもこれは原則というところがあるんですよ。
 こういったところの問題もあるんですが、問いの九になりますけれども、防衛大臣と同じ質問をさせていただきたいんですが、派遣の判断、現場の判断、これは非常に重要になってくると思うんですが、外務大臣としての御見解をお聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、この派遣等の判断、大変重要だと考えます。そのために、外務省としての役割ですが、その基礎となる情報収集、分析、これにしっかりと力を注がなければならないと考えています。
 外務省として、全世界に百三十九の大使館、六十の総領事館が存在いたしますが、そうした拠点を中心に幅広い情報源あるいは人脈を持っております。こうした外務省の強みを最大限活用しながら、これまでも情報収集、分析の強化に努めているわけでありますが、より一層こうした体制を充実することによって、御指摘のような大切な判断に資するような情報収集、分析を続けていきたいと考えています。
○荒井広幸君 それは同時に自衛隊員のリスクを減らすことでもあるわけなんですね。非常にここは重要なところだと思います。ですから、NSC、閣議決定だけで進めていくということは、例えばPKOも含めまして、幅広くもう一回国会の承認をどういう場面でどう求めるかということは、再検討の余地があるというふうに思います。
 今回の法律のほとんどが今までの法律の改正で来ています。イラク特措法だけの、恒久法だけは新法なんですが、ですから整合性を取るために、実は実態上もっと国会承認を求めた方がいいのに、今までもそうでしたからという形で作られているんですよ。これは、私はもう一回立ち止まって改正していく必要があるだろうというふうに思います。
 そこで、外務大臣に改めて確認しますが、国際平和支援法案、国連決議に基づいて活動する多国籍軍への後方支援を恒常的なこれは法律にしたわけでございます。国連総会か安保理から日本への要請が必要であるか否かを改めてお尋ねします。
○国務大臣(岸田文雄君) 国際平和支援法案ですが、この中で我が国が後方支援を行うためには、一つは国連決議があり、そして、国際社会の平和及び安全を脅かす事態に関して、その脅威を除去するために国際社会が国連憲章の目的に従って共同して対処していく、こうした要件が求められていると思います。
 よって、御質問の国連総会や安全保障理事会から直接我が国に対して個別の要請があるのが必要かということにつきましては、そうした要請は必要ではないと考えております。
○荒井広幸君 ここのところはちょっとまた次回に深く議論をさせていただきます。
 今日はずっと一つの入口論的な問題提起をしてまいります。
 防衛大臣にお尋ねします。
 十二番になりますが、この場合、国際平和支援法案、派遣前に必ず国会承認をすると。法案に出す前は原則だったんです。ところが、例外なく事前承認にしました。法案提出直前に例外なく国会承認にした理由をお聞かせください。
○国務大臣(中谷元君) 政府といたしましては、今年の三月に与党での協議会で合意された具体的な方向性を踏まえまして、自衛隊の海外における活動の参加に当たっては国会の関与等の民主的統制が重要であり、これを関係する法律に規定する方向で検討したところでございます。
 そして、国会でのいろんな御議論もございました。そして、国際平和支援法におきまして、この法律が国際の平和及び安全に寄与する目的で自衛隊を海外に派遣するための一般法であることに鑑みまして、国民の理解を十分に得つつ、民主的統制、これの確保をする観点から例外なく国会の事前承認を必要としたところでございます。
○荒井広幸君 では、十四番の質問に入りますが、改正PKO法、いわゆる国際平和協力業務ないしは国際連携平和安全活動と、こう呼んでいる部分ですが、この場合は国会が閉会中及び衆議院が解散されている場合を例外にしました。大臣の先ほどのお話では、先ほどは国際平和支援法ですけれども、シビリアンコントロール、この観点からいって国会の事前承認を例外なくしたと、こう言っているんですが、防衛省にお尋ねしますが、十四番ですけれども、例外ですね、原則国会承認、こういうことでいいんですね。
○政府参考人(山本条太君) 改正PKO法におけますところの国会承認の扱いについてのお尋ねでございます。
 現行法上、自衛隊の部隊等が行う停戦監視業務等につきましては事前に国会の承認を仰ぐことを原則とすると、ただし、国会が閉会中の場合又は衆議院が解散されている場合につきましては、派遣の開始後最初に召集される国会におきまして遅滞なくその承認を求めなければならず、不承認の議決があったときは遅滞なく業務を終了させなければならないもの、こう定めておるわけでございます。
 今度の改正法におけますところの自衛隊の部隊等が行ういわゆる安全確保業務につきましても同様の扱いということで扱っております。
○荒井広幸君 続いて、飛ばしますけれども、じゃ、この場合、十四番の三番、四番になりますが、防衛省の担当者にお尋ねしますが、本部長の総理大臣が実施要項を定めて具体的な中身をずっと書いていくわけです。その場合、策定にどれぐらいの時間が掛かりますか。二つ目は、策定されて、自衛隊が派遣準備に要する時間、日数、これを示してください。
○政府参考人(山本条太君) 御指摘のとおり、改正PKO法案におきましても、現行法と同様、閣議決定を経た実施計画に従いまして、国際平和協力本部長である総理が実施要領を作成することといたしております。
 この実施要領は、国際平和協力業務の行われる地域や期間、業務の種類や実施方法、業務の中断や一時休止その他、法の第八条に掲げる事項について、実施計画に従い、具体的な要件を定めるものでございます。
 その作成に当たりましては、実施計画の枠内における具体的な運用指針として十分適切な内容の速やかな策定に努め、もって業務の準備や実施に遺漏なきを期す必要がございますが、作成期間の標準的な目安、これを一概に申し上げることは困難でございます。
 ただし、過去二十三年の実績を通じ、それなりに定型化をされた部分も存在をいたしますし、また実施計画と並行して検討を進めるなどの工夫も講じまして、実施計画の閣議決定後速やかに、例えばその日のうちに作成を完了したと、こういう例もあるところでございます。
 さらに、実際の派遣準備に要する期間についてのお尋ねでございました。
 政府としましては、派遣に向けて準備を進めることを決定をいたしました後に部隊の派遣までの間、状況の詳細な把握のための調査、関係機関との調整、実施計画等の作成、部隊の編成や装備品の検討、物品の調達、あるいは要員の選定や教育訓練、予防接種などなど、各種の準備を行う必要がございます。
 準備に要する期間でございますけれども、派遣部隊の任務、規模、あるいは国連始め関係方面との調整によって異なる面はございますので、一律のものとして申し上げることは困難でございますけれども、これまでの実績ということで申し上げますと、陸上自衛隊の部隊派遣につきましては、二か月で準備を完了したもの、三か月で準備を完了したもの、そして五か月で準備を完了したものがございます。
○荒井広幸君 この改正PKO法でも、一部は国会の事前承認というふうにはなっていないんです。今のように、時間が掛かるんです。閉会中でも解散中でも十分に、国会は三日で召集できます。重要であればその日に決められるわけです。
 そういったことも含めて、まだまだ改正の余地が国会の承認としてはあるということを申し上げて、終わります。
○委員長(鴻池祥肇君) 午前の質疑はこの程度にとどめます。
 午後一時まで休憩といたします。
   午後零時十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまから我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、井上義行君、和田政宗君、大沼みずほ君及び那谷屋正義君が委員を辞任され、その補欠として田中茂君、浜田和幸君、中泉松司君及び藤田幸久君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(鴻池祥肇君) 休憩前に引き続き、我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案及び国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○藤田幸久君 民主党の藤田幸久でございます。
 まず、夏の間、国会が延長になりまして、三大臣を始め大変精励いただいて、ありがとうございます。
 そんな中、安倍総理が最近、随分ゴルフをやっていらっしゃるという報道がされておりますけれども、せっかく閣僚の皆さん始めこれだけ精励して、まあ国会議員もそうですけれども、そんな中、安倍総理がゴルフをされている、あるいは静養されているという話もありますけれども、そうした姿勢において、この安保委員会が続いておりますけれども、やはりそういった姿勢についてはいかがなものかということをまず申し上げた上で、精励をしておられますこの三人の大臣を中心に質問させていただきたいと思います。
 まず、岸田外務大臣にお伺いしたいと思いますけれども、ホルムズ海峡というのはイランの領海の一部でしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) ホルムズ海峡の沿岸国としては、イランとそしてオマーンと両国があると承知しております。
○藤田幸久君 領海の一部でしょうかという質問です。
○国務大臣(岸田文雄君) イランの領海とオマーンの領海が含まれると承知いたします。
○藤田幸久君 そのイランの関係でございますが、八月五日、本委員会におきまして白眞勲議員の方から質問がございまして、六月にイランとそれから日本の外務省の局長会議があったと。その内容について、一部報道によりますと、このいわゆるホルムズ海峡が事例に挙げられているということに関して抗議と遺憾の表明があったという報道があるけれどもいかがなものかという質問に対して、それはないということでございましたが、一方で、大臣は、その内容については承知していないとその委員会で答弁されているわけですが、承知されていなかったわけですが、その後、報告を聞いたんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) たしか今月の初旬の委員会で御指摘をいただきました六月十五日のこの日・イラン局長協議につきまして、内容について、その後、確認をしております。報告を受けております。
○藤田幸久君 その議事録について提出をしてほしいという白議員からの要請に対して、外務省の方からは出せないという意向のようでございますが、出せない理由について大臣あるいは上村局長からお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の六月十五日の日・イラン局長協議に限らず、非公開を前提として行った協議を公開するということになりますと、我が国の信頼を損ねるとか、あるいは今後真摯な意見交換の実施に支障を来す、こういったことになります。御指摘の協議のみならず、全て非公開を前提に行った国際的な協議につきましては公開をしない、こうした方針であります。
 そして、六月十五日の日・イラン局長級協議も非公開を前提に行われたものでありますので、記録を明らかにするのは控えさせていただきたいと考えている次第でございます。
○藤田幸久君 先週、私は福山議員と一緒にイランのナザルアハリ大使にお会いをしてきました。内容についても、大使の方から語っていただける範囲についてはいろいろお話を伺ってまいりました。この話の内容については、大使の方は、既に外務省の立場というのは公開されている内容であるので、この内容について明らかにすることについては大使の方に関していえばやぶさかでないという話でございましたが。
 ということは、先方は内容については透明性の観点からも構わないとおっしゃっているわけですけれども、であるならば、外務省の方から、いわゆる議事録を出すという方法と、あるいは内容についていろんな公開の仕方があると思いますけれども、公開していただけませんか。
○国務大臣(岸田文雄君) 先方に確認されたということでありますが、外務省としましてもイラン側と様々なやり取りはしております。そのやり取りの結果として、今、現状においてはこの協議の記録を公にすることは控えなければならないと考えています。
○藤田幸久君 今申しましたように、形は別にして、先方は構わないとおっしゃっているんですけれども、そもそも前回、大臣は内容について承知していないとおっしゃったわけですよ。つまり、大臣に報告がされない、あるいは大臣が重要でないと言って報告を聞かなかった内容について、先方がいいと言っているものを出さない理由がないじゃないですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 委員の方でそういったやり取りをされたということですが、外務省として正式にイラン側とやり取りをした結果として、今現在公表するのは控えなければならないと考えております。
○藤田幸久君 その公表しないというふうに確認したというのは議事録に関してですね。いつ確認をされましたか。
○政府参考人(上村司君) お答え申し上げます。
 今大臣より御答弁申し上げましたとおり、いろいろやり取りを行っていることは事実でございます。詳細について明らかにすることは差し控えさせていただきますけれども、少なくとも六月十五日の日・イランの局長級協議は非公開を前提に行われたと。こういう前提についてはいまだに日・イランの間に共通認識がございます。
○藤田幸久君 先ほどの大臣の答弁は、その後イランとやり取りをした結果、公開しないことにしたということですけれども、それは八月五日以降にイラン側とやり取りしたんですか。今の話と答弁違いますよね。
○政府参考人(上村司君) お答え申し上げます。
 八月五日以降に我々はやり取りをやっております。
○藤田幸久君 いつですか、日にちを教えてください。八月の何日ですか、教えてください。
○政府参考人(上村司君) 私ども、イランの在京の大使館とは日々やり取りをやっております。(発言する者あり)
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(上村司君) お答え申し上げます。
 八月五日以降にイランの在京の大使館と我々はコンタクトをしております。私も話をしております。
 いついつ誰とということにつきましては、外交上のやり取りですので差し控えさせていただきたいと思います。
○藤田幸久君 私は八月十三日に大使とお会いしておりますが、お盆の最中でしたが、十三日以降に連絡取っていますか。
○政府参考人(上村司君) 私は八月十三日以降も連絡を取っております。
○藤田幸久君 後でもう一度質問いたしますが、局長会議が六月にございましたが、実はその前に、このナザルアハリ大使は外務省を訪れています。
 それで、局長会議で出たような、つまり、この事例にホルムズ海峡が入っているようなこと等々について話をしたということでございますけれども、このナザルアハリ大使が二か月ほど前、つまり局長級会議の前に外務省を訪れておりますけれども、お会いしたのは上村局長ですか。
○政府参考人(上村司君) ちょっと日程を確認させていただきたいと思いますけれども、多分局長が対応しているものと、私が対応したものと思います。
○藤田幸久君 局長御自身なんじゃないですか。会っていないですか。ナザルアハリ大使と二か月ほど前、つまり局長級会議の前に。
○政府参考人(上村司君) 会っております。ただ、いつどこで会ったということについては……(発言する者あり)お会いしております。局長級前にはお会いしておりますし、私どもは、ナザルアハリ大使とはそれぞれ、ほぼ月に一回とは言いませんけれども、やっております、会っております。(発言する者あり)
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を起こしてください。
○藤田幸久君 それでは、六月の日本とイランの局長会議の前に大使がわざわざ外務省まで行かれた、それで局長が会われたと。そのこと自体が、非常に曖昧な答弁自身がおかしいと思いますが、大使が行かれたということは重い話ですよね。それで、具体的にいつですか。
○政府参考人(上村司君) 現在、至急日程を確認しておりますので、しばらく御猶予いただきたいと思います。(発言する者あり)
○委員長(鴻池祥肇君) 速記止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を起こして。
○政府参考人(上村司君) 申し訳ございません。お答え申し上げます。
 六月八日にお会いしております。
○藤田幸久君 大使が外務省に行かれたということは、この安保特でいろんな形でこの事例についてホルムズ海峡が出ているわけです。これは、イランでも、日々、イランの政府あるいはメディアには伝わっているわけです。そうすると、もうしょっちゅう事例としてホルムズ海峡というのが出てくるということは、これはイランが対象国になっているということをみんな心配して大使にいろんな圧力が掛かっていると。それで、やむにやまれず外務省に行ったという経緯でございました。
 そこで、まずこの資料の一枚目を御覧いただきたいと思いますが、そもそも、これ岸田外務大臣が一昨年の十一月十日にイランを訪問され、外務大臣と一緒に共同声明を出されておりまして、ペルシャ湾とシーレーンにおける法の支配の尊重及び貿易及び航行の自由の意義を強調しということを、これ声明で出しているんですね。
 ということは、領海に存在をする海峡についての封鎖の話が出ること自体が、両国でこういう声明を交わしたならば、領海の中が集団的自衛権行使の対象にされること自体、もし逆の立場、日本の領海の中にまるで遠い国が集団的自衛権行使のためにやってくるということになったら、これ抗議しますよね。
 だから、そもそもこういう共同声明がありながら事例として入れること自体がこれは外交上失礼千万のことであって、こういう声明があるならば、事例として挙げること自体がこれは全く不当なことじゃないんですか。いかがですか。
○国務大臣(岸田文雄君) これは度々申し上げていることですが、今回御議論をいただいているこの平和安全法制、これは特定の国を対象にしたものではありません。
 そして、ホルムズ海峡について御指摘がありました。ホルムズ海峡につきましては、先ほど委員から御指摘がありましたように、沿岸国あるいは領海を持つ国としてイランとオマーンがあるわけですが、この周辺にはアメリカの第五艦隊の基地を始め多くのアメリカの拠点も存在いたします。また、多くの国々がこの関係国として存在し、ホルムズ海峡につきましても日々多くの国々の艦船が通航しています。よって、機雷の敷設につきましても、攻撃国、非攻撃国に該当する国というのは、今の時点で特定する、そういったことはできません。これは様々なケースが想定されます。その様々なケースの中にあって、このホルムズ海峡の機雷の敷設が行われたならば、我が国として存立危機事態に該当する場合もあり得る、こういった議論をお願いしている次第であります。
 イランだけを特定して議論をしているという、イラン等特定の国を想定して議論をしているわけではない、これは重ねて申し上げたいと存じます。
○藤田幸久君 この共同声明あるならば、今の論理でいけば、イランは該当しないというふうに声明しなきゃまずいんじゃないんですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 中東をめぐりましては、様々な動きが引き続き存在いたします。不安定な状況が続いていると認識をしています。イエメンを始め、新たな事情も存在しています。こういった不安定な状態ですので、ホルムズ海峡をめぐって想定される事態を、あらゆる事態を念頭に、我が国として、我が国の国民の命や暮らしを守るためにどうあるべきなのか、これは議論をすることは大変重要な課題であると考えています。
○藤田幸久君 このイラン大使が、局長級会議、それから先ほど言いました六月八日に外務省を訪れたときにも、この声明のことと、そもそもイランはホルムズ海峡を封鎖するといった基本政策は掲げていないということを言明しておられるということですが、この六月の中東局長会議は白眞勲さんに対する答弁で報告がなかったということですが、六月八日の大使が局長に会われたことについては報告受けていますか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御質問は、六月八日に上村局長が先方大使に会ったということにつきましては、内容について報告は受けてはおりません。
○藤田幸久君 つまりこの五日の白眞勲議員の前までには、外務大臣は、大使がわざわざ外務省を訪れたこと、それから局長級協議があったこと、その中でこうした基本的な声明、それから、その封鎖をする政策がないと言っている基本政策というのは、イランにとって大変大きな政策を外務省側に伝えたにもかかわらず、大臣が知らなかったということですよ。
 だからおかしなことになってしまって、この二枚目御覧ください、資料。これは、七月十日の安倍総理の衆議院における答弁になります。この一行目の後半ですけれども、「イランが機雷を敷設した段階において、」と言っております。それから、下から三行目の後ろの方に、「例えばイランが停戦に向かって進んでいく」と。
 つまり、停戦に向かっているということは参戦しているということです。これは、いわゆる実質的な停戦合意と正式な停戦合意についての答弁でありますけれども、両方においてイランを特定した答弁を七月十日に総理はしているということは、六月に、大使がわざわざ外務省に行き、局長級協議をやったにもかかわらず、大臣にも伝わっていない。
 したがって、総理が政府として、イランという、つまりホルムズ海峡が領海として有する国がこの敷設活動を知らないと言って、かつその航行の安全について外務大臣が正式に声明を出しているにもかかわらず、最高責任者である総理が具体的に国名を挙げて言っていること自体が、これは外交的にいいますと断交に近いようなことを日本政府がやったんじゃないんですか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、七月十日の総理の答弁についてですが、この答弁は質問者側からイランという国名を挙げて質問がされています。そして、総理の方から、例えばイランという国を挙げておられますがということで、こうした答弁をしていると承知をしております。
 そして、イラン側に対しまして、我が国の平和安全法制の議論、これは、このホルムズ海峡の機雷掃海につきまして日本として特定な国を想定しているものではない、これは再三イラン側には説明をしてきております。そういったことにつきましては、しっかり私としては報告を受けております。
 その中での六月八日の上村局長の先方大使との会見であったと承知をしておりますし、六月十五日の日・イラン局長級協議、これにおきましても、私自身、後に報告を受けた内容としまして、上村中東アフリカ局長からは、モハージェル東アジア大洋州局長に対しまして、ホルムズ海峡における機雷掃海に関して日本として特定の国を想定したものではない、こういった説明を行ったと聞いておりますし、これに対して、この事実として、イラン側からは抗議、遺憾の意の表明はなかった、このように報告を受けています。
 このように、イラン側に対しまして、特定の国を想定をしていない、この基本的な考え方につきましては、以前からイランに対しまして様々ルートを通じまして説明を続けています。そういったことにつきましては、私自身、大臣としてしっかり報告を受けた中での御指摘の動きであったと承知をしています。
○藤田幸久君 先ほどの答弁と総理が違った答弁ですね。
 それで、もし、たまたま質問者がそのある国を挙げたというのに応じて答えたと言うならば、ある国と友好関係があってこういう声明まで結んでいる、それに対して、ある方がたまたま質問で言ったならば、それに乗ってその例示を受けてしまうということになったならば、この声明とか外交関係というのは成り立たないじゃないですか。
 いずれにしましても、答弁とこの安倍総理の答弁というのは全く矛盾していますね。特定の国を想定しているわけですね。しかも、その相手国が敷設をしないと言っているわけでして、しかも、その航行の安全について岸田外務大臣自身が声明まで結んでいるわけですから、この安倍総理の答弁を撤回していただくか、あるいはイランは特定の国には入らないということを声明していただかなければ、これは外交成り立たないんじゃないですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 六月十日の総理の答弁につきましては、先ほども申し上げましたように、これ質問者側からイランという国名を挙げて質問がされました。それに対しまして、総理側から、イランという国を挙げて、例えばイランという国を挙げておられますがということで答弁をしております。これはあくまでもこの質問に対して仮定の問題として答えた、この質問者自身がイランという国名を挙げたからして、それに答えた答弁であると認識をしております。これは撤回すべきものではないと認識をいたします。
○藤田幸久君 ホルムズ海峡というのを事例として挙げたのは、政府そのものじゃないですか。そのことについてイランという国を特定して言っているわけで、しかも敷設という、具体的な敷設という言葉まで使って、これは総理は答弁しているんですよ。
 ですから、今までの、今日に限っても、先ほどの岸田大臣の答弁と違うことを総理がおっしゃったんじゃないですか。
○国務大臣(岸田文雄君) ホルムズ海峡の例を政府として挙げさせていただいております。そして、ホルムズ海峡につきましては、先ほど申し上げましたイラン、オマーンという沿岸国のみならず、アメリカも多くの拠点を持ち、そして周辺国があり、そして日々多くの国の艦船がホルムズ海峡を通過しています。こういった状況ですので、様々なケースが想定されます。特定の国を想定したものではないということ、これを再三申し上げております。
 そして、その議論の中で、六月十日の総理発言につきましては……(発言する者あり)失礼、七月十日の総理答弁につきましては、質問者側からイランという国名を挙げて質問をされた、こういったことであります。あくまでもホルムズ海峡の機雷敷設については特定の国を想定したものではないということ、これは再三申し上げておりますし、全く変わっていないと考えています。
○藤田幸久君 では、なぜホルムズ海峡という地域を特定しているんですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 今、平和安全法制の中で存立危機事態について御議論をいただいております。しかし、その中にありまして、海外派兵ということについては、もう一般に憲法との関係においてこれは許されない、こういった議論をさせていただいておりますが、ホルムズ海峡の例はその唯一の例外として挙げている、こういったことでホルムズ海峡を取り上げさせていただいていると承知をしております。
○藤田幸久君 その唯一の例外というのはどういう理由ですか。なぜ唯一の例外。その国は特定していない、だけれども、その領海であるところのイランという国が敷設はしないということを国の政策と言っていて、その国と外務大臣自身が航行の安全について責任を担うということを声明をしておいて、そして、しかもその地域だけが特定されているということは、当然領海にある国というものはやはり対象になり得ると。
 先ほどの、駐日大使がわざわざ外務省に行かれたり局長会議でおっしゃっていることは、日本の国会でホルムズ海峡ということが言われるたびに、メディアを通してイランの人々は、当然イランが対象になっているだろうと、だって領海がホルムズ海峡なわけですから。そういう中で、この懸念があるのでということが、外務省に行ったり、局長級会議の中でイラン側から懸念が表明されているわけです。それに対して、きちっと外務大臣にも伝わっていないし、だからこういうことが総理の答弁に七月に出てくると。
 ですから、これはやっぱり撤回をしてもらわないと、これ外交関係自身が成り立たないじゃないですか。やっていることと想定していることとが、まるで矛盾じゃないですか。
○国務大臣(岸田文雄君) ホルムズ海峡につきましては、先ほど申し上げましたように、特定の国を想定したものではありません。そして、先ほど説明させていただきましたように、様々な国々が関連してまいります。これは様々な国、ケースが想定されます。
 そして、そもそもホルムズをどうして挙げたのかということでありますが、先ほど申し上げましたように、海外派兵の唯一の例外ということで申し上げております。ホルムズ海峡、我が国にとりまして大切なシーレーンであり、日本のエネルギー等を考えた場合に、存立危機事態に該当する可能性はあり得る、こういったことを念頭に、海外派兵の唯一の例外として挙げさせていただいている、これがホルムズ海峡であると認識をしております。
○藤田幸久君 まず、イランは敷設しないということを国の政策としてはっきり言っていて、それを外務省にも伝えている。そして、その国とこういう声明をもって航行の安全については一緒にやろうと言っている。
 そうすると、それをあえて地域を特定して、この事例だと言っていること自体が理論的にも外交的にもあり得ないんじゃないですか、立法事実として。外交的にも、これはイランと国交を、これからむしろ解除しようかと、制裁を、言っているときに、逆にイランとこれ、国交関係、非常に外交関係おかしくするようなことをやっていると。つまり、外交的にも法律的にもあるいは事例的にも、いわゆる立法事実として三重の意味で存在し得ないんじゃないんですか。
○国務大臣(岸田文雄君) ホルムズ海峡の機雷敷設については、特定の国を想定したものではありません。
 そして、その上で、我が国の外交・安全保障を考える場合に、まずは外交努力を通じて我が国にとって好ましい国際環境をつくっていく、これが基本であると思っています。
 日本とイランにつきましては、様々な課題が、国際的な課題がある中にあっても、歴史的な友好関係を我が国は持っていると認識をしております。そして、我が国はこの歴史的な友好関係に基づいて、イランに国際社会としっかり対話をするように、こういった働きかけをずっと続けてきました。こうしたイランと国際社会、そしてイランと我が国、こうした国の友好関係をしっかりと維持し発展させる、これは外交の大変重要な役割だと思っています。
 こうした役割をしっかり果たしつつ、今、平和安全法制でお願いしているのは、万が一の場合に切れ目のない対応をしっかりと用意しておかなければいけない、こういったことで、国民の命や暮らしを守るために何が必要なのか、こうした議論をお願いしている次第であります。
 外交において努力をする、これは当然のことであります。その上での、万が一の対応というのが平和安全法制のありようであると認識をいたします。
○藤田幸久君 確認をする上で、上村局長、八月五日以降、大使館の誰と、どういう方法で連絡を取ったのか、それから八月十三日以降、つまりお盆休みの最中でございましたけれども、いつ、誰と連絡を取ったのか、それをちょっと教えていただきたいと思います。
○政府参考人(上村司君) お答え申し上げます。
 私が在京のイラン大使と連絡を取っておりますのは、一番最近は昨日のことでございます。
 ちょっと手元に手帳がございませんので、例えば電話連絡ですとか、そういうものをいつ、あるいは我々の課長レベルで連絡を取っているかにつきましては、ちょっと確認をさせていただきたいと思います。
 いずれにしましても、最新の私と大使の接触は昨日のことでございます。
○藤田幸久君 質問通告、昨日しておりますけれども、八月五日以降の、つまり白眞勲議員が質問した以降ですね、それから、六月八日の事例については今日大臣に初めて質問したわけですけれども、つまり、その八月五日以降、イラン大使館とどういうやり取りをしたのか、それから、六月八日の大使が訪問したものが誰に外務省の中で報告をされたのかということを後で理事会の方に出していただきたいと思います。
 委員長に、理事会の方で提出をいただくように取り計らいをお願いしたいと思います。
○委員長(鴻池祥肇君) 本件につきましては、後の理事会で諮ることといたします。
 質問を続けてください。
○藤田幸久君 少なくとも、これ国の国会において安倍総理がイランと特定をしているわけですから、そのことと今までの答弁と違うということについての外交的な対応についてどうするかということについて改めてお答えをいただきたいと思いますけれども。
 ちょっと時間の関係で、七十年談話について質問させていただきたいと思います。
 資料で四枚目が、これは実は安倍総理の談話の英語版の抜粋です。それから、その次が十五日の天皇陛下の慰霊祭におけるお言葉の英訳でございます。
 ちょっと比較で、時間がないので英語だけ持ってまいりましたけれども、まず総理のこの英訳の抜粋でございますけれども、例えばこの一ページ見るだけでもアイという主語がこれ二つ目の段落に二つ言葉が出ております。これは一部でございますけれども、三千字にも及ぶ安倍総理の談話、これは閣議決定をされているわけですが、このアイという、つまり英語で主語が出てくるのは二か所だけであります。一か所について言葉のアイというのは二か所、三か所ありますけれども。
 その二か所はどういうことかといいますと、日本語で言いますと、戦後七十年に当たり、国内外に、全ての人々の命の前に、深く頭を垂れ、痛惜の念を表すとともに、哀悼の誠をささげますというのが一か所です。それからもう一か所は、当然の事実をかみしめるとき、今なお、言葉を失い、ただただ、断腸の念を禁じ得ません。つまり、これだけの長い中でアイという主語が英語版で出ているのは、この哀悼の誠をささげるという箇所と断腸の念を禁じ得ないというところしか出ていないんです。
 他方、比較をして恐縮でございますけれども、次のページ、これは天皇陛下の八月十五日のお言葉の宮内庁の英訳でございます。これ全部主語がアイでございます、全ての段落。それから、一番上の行の右から三番目の部分でマイ・ソーツとありますから、自分の考えはと、これも含めますと全部アイでございます。
 そうすると、次のページに日本語の陛下のお言葉がございますが、これを英語から日本語に戻しますと、例えば一行目の、全国戦没者追悼式に臨み、私はさきの大戦において、というふうに英語からは直せます。それから次の行で、真ん中辺ですけれども、私は深い悲しみを新たにいたしますと。それから、その下の二行先の後半ですけれども、戦後という前に私はという言葉が入り、それからその下、二行行きますと、さきの大戦に対する深い反省とともに、私は今後、となって、切に願い、となって、そして次の行の一番左の方ですけれども、私は全国民とともに、ということになります。つまり、陛下のお言葉は全部これ私はということになります。
 他方、この安倍総理の三千字の方は、先ほど申しましたようにアイという部分は二か所でございまして、それ以外はウィーか、あるいはジャパン。したがって、主語がない、あるいは受け身ということでございまして、いわゆる四つの言葉が話題になりましたけれども、この四つの言葉は名詞で入っておりますので、いわゆる形容詞、動詞的な使われ方をしていないので、つまり、誰がどこで何をという部分が欠けたのがこの十四日の言葉でございます。
 したがって、官房長官にお聞きをしたいと思いますけれども、これは比較の問題で恐縮でございますが、陛下の八月十五日のお言葉の英訳と比較をいたしましたが、安倍総理のこのいわゆる談話、しかも英語版はキャビネット・ディシジョンと書いていますから、閣議決定ということをあえて英語版で出しておられるんです。
 閣議決定をされたこの談話が、つまり、今までの歴代の総理の言葉を踏襲したと言いながら、実は肝腎の安倍総理、閣議決定をされた中での意思というもの、気持ちというもの、それから今後行動するという部分が非常に欠けている談話と思いますけれども、今の私の説明に対してコメントをいただきたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 天皇陛下のお言葉については、私の立場で発言することは、ここは控えさせていただきたいと思います。
 ただ、内閣総理大臣談話については、閣議決定をされたものでありますので、安倍内閣としてその内容に賛同をしたものであります。
 今回の総理談話について、安倍総理はさきの大戦について、我が国が痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明してきたとした上で、こうした歴代内閣の立場は今後も揺るぎないものであるという決意を明確にされているというふうに思います。さらに総理は、さきの大戦への深い悔悟の念を示し、国内外で犠牲になった方々に対し深くこうべを垂れ、そして痛惜の念を表すとともに、永劫の哀悼の誠をささげるというふうに述べておられます。
 このとおり、総理はまさに、自らの言葉で、自らの真剣な気持ちを述べておられるというふうに考えております。
○藤田幸久君 したがって、三千字の中で、つまり御自身が主語なのは二か所しかないという、今おっしゃったとおりであります。
 他方、この総理談話が発表される直前に、外務省のウエブサイトから歴史問題に関するページが削除されたということであります。その削除をされた部分をちょっと見てみますと、まさに、例えば政府の歴史認識に関して、「かつて植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。」とかいう部分とか、いわゆる歴史問題に関する部分がこれ全部削除されちゃっているんですね。
 ということは、今の総理談話を今回のような、つまり主語がほとんど入らない形、今その歴史問題に関して読み上げた部分については主語がないわけです。そして、外務省がこれを削除しちゃったということは、この八月十四日以前まで外務省のホームページにあった立場と違った形でのこの総理談話が発表されたがゆえに、外務省はこれ、ホームページを削除したんじゃないですか。つまり、矛盾があるからじゃないんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、外務省のホームページについては、削除したのではなくして、新たな総理談話を受けて整理し直した上で、新たなものをこれからアップするつもりであります。基本的な部分については変わりはありませんが、一方で、新たな談話の中にあって、この過ちの部分についても、より具体的に内容を明らかにする、こういったことを総理も会見の中で申しておられます。
 こうした内容もしっかり整理した上で、外務省として新たなホームページのQアンドAをしっかりアップしたいと考えています。
○藤田幸久君 であれば、改訂すればいいわけですね。明らかにこの削除した部分と今回の談話は、読み比べてみるとかなり違っています。
 ですから、これはやはり今までの歴代の総理あるいは外務省が取ってきた政策とは違った内容の談話であるということを、これは対照表を作れば明らかでございますので、速やかに、この元のものを生かす、踏襲するならば、復元をした上で必要な部分だけ修正をして、これ、たくさんのページですよ、あの削除しちゃった部分は。ということは、よっぽど今の談話が、今回がこれまでの政策と違った談話であるということをある意味では証明していることになるんじゃないんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 今申し上げたように、これは削除したのではありません。新たな総理談話に基づいてしっかり整理をし、外務省としてしっかりとしたQアンドAをアップさせていただきたいと考えております。
○藤田幸久君 ほかのものは、例えば総理談話、すぐ英語その他で掲載しているぐらいのものを、それを掲載すればいいだけのことでありまして、それを削除しちゃった、これだけはですね。ということは、内容が違っていたんだろうということを申し上げておきたいと思います。
 時間が参りましたけれども、これ、いろんな意味でこの談話というものが今までの政策と違ったものであり、そして例えば英語と読み比べてみても相当誤解を与えているということで、かなり方針が違っていると思いますので、これはまた改めて追及をさせていただきたいと思います。
 時間が参りましたので、終わります。
○大野元裕君 民主党・新緑風会の大野元裕でございます。今日は時間がないので、早速質問に入らさせていただきます。
 午前中も議論になりました統幕提出資料について、大臣は省内の幹部に対して法案の更なる研究と課題の整理を命じられたということでありましたが、五月二十五日に報告を受けた際にはこれについて資料は確認されていなかったという話だと思いますが、それでは最初にこの資料を確認されたのはいつでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 統幕長よりこの法案についての説明をするという話は聞いておりました。この資料を私が確認をいたしましたのは、この委員会が開かれて、この資料を見せられたというときでございます。
○大野元裕君 当然、これ見ていれば、大臣、私、意見あったと思うんです。というのは、四十八ページ御覧になっていただくと、法案の成立の日程があります。大臣、これイメージとして設定されたとおっしゃいました。しかし、実はこの当時、我々は与野党関係なく六月の二十四日の会期末に向けて、この会期末までに何とかしようと努力していたんです。政府も同じだと思うんです。
 ところが、なぜか統幕だけは、六月二十四日に国会終わっているのに、八月に法案が成立する、どんなイメージなんですか、教えてください。
○国務大臣(中谷元君) この資料は五月二十六日に説明のために使われたと聞いております。作成されたのが五月の下旬ということで、その時点でのマスコミを始め、いろんな報道の資料に基づいた情報だと思っております。
○大野元裕君 当時、六月二十二日に延長が決定をされました。その前のマスコミの話に基づいてこれ作るんですか。スケジュールはマスコミの話に基づいて作るというのが大臣の御答弁ですけれども、それでいいんですか。
○国務大臣(中谷元君) 午前中も答弁いたしましたが、あくまでもこの資料は法案の説明のためでございます。そして、今後の課題等の整理をするということで、イメージアップをするということで、この国会での項目について、その時点においての情報に基づいて当てはめて記述をしたというふうに認識しております。
○大野元裕君 何をおっしゃっているか分かりません。
 マスコミの報道に従ってこのスケジュールを統幕は作るんですか、教えてください。
○国務大臣(中谷元君) 今後、目的は、具体化をしていくべき様々な検討課題を整理する際に、作業スケジュール、これのイメージアップを図る観点から、作成当時、五月下旬の様々な報道等を踏まえて仮の日程を置いて記述をしたものでありまして、何ら法案の成立時期を予断をしたものではないということでございます。これは、八月に平和法制が成立し、その六か月以内に施行が開始されるという、最も早いパターンでの時程を前提として表記をしておりますという記述からも明らかであると考えております。
○大野元裕君 何が明らかか分かりません。六月二十四日に国会は終わるんです。八月に成立する、どんなイメージだか私には分かりません、全く分かりません。
 大臣、これ、もし御覧になっていたら、仮に、最近御覧になったとおっしゃいました、当時御覧になったら、こういうイメージ、大臣は描かれますか、それで適切だとお思いになられますか。
○国務大臣(中谷元君) これは、防衛省・自衛隊は実際に行動をするという官庁でございまして、そのためにいろんな課題、また分析を行っていくわけでございまして、この国会の模様や御指摘も踏まえて分析、検討するということでございます。
 これはプレゼンテーションの原稿になっているわけでございますが、最も早いパターンでの時程を前提として表記をしておりますという記述からも明らかでありますが、最も早い場合にやはり対応しなければならないということを考えて、そのようなことを記述したと思っております。
 仮にこれ、法案がいつ通るかいまだに分かっておりませんが、法案が成立しなければこういったものについては破棄をされるわけでございまして、そういう意味では、分析と検討をするということだと思います。(発言する者あり)
○委員長(鴻池祥肇君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を起こして。
○大野元裕君 六月二十四日に閉会をするという形で政府、総理、それから与党、野党もみんな動いていました。そんな中でこれは、イメージではありますけれども、統幕が勝手に決めたということで、それはよろしいですか、マスメディアの報道に基づいて。
○国務大臣(中谷元君) 当時どういう状況であったかということで、例えばマスコミの報道によりますと、ある新聞社でありますが、政府・与党は今月下旬に衆議院本会議で趣旨説明と質疑を行い、審議入りさせたい考えで、遅くとも八月上旬までの成立を目指していると、これは読売新聞でございますが、そういう報道がありました。
 ただし、マスコミの報道だけではなくて、様々な情報で検討をしたわけでございまして、これにつきましては、先ほども説明しましたけれども、作業スケジュールのイメージアップを図る観点から、作成当時、五月下旬の様々な情報を踏まえて、仮の日程を置いて記述したということでございまして、何ら法案の成立時期を予断したものではないということでございます。
○大野元裕君 イメージアップではなくてイメージダウンだと私は思います。
 これ、今おっしゃったように、マスコミの報道に基づいて、最短、実は最短は六月二十四日ですよ。我々、そのときそれで一生懸命努力していたんです、与野党で。そうですよね。ところが、それをマスコミの報道に基づいて三百数十名の日本全国の自衛官に対してこれやるというのは余りにも無責任じゃないですか。これ、しかも大臣見ていらっしゃらない。見ていたとしたら、これ私、何か言ったと思いますよ。
 その意味では、実は大臣は指示を、命令をした。で、統幕が勝手にイメージを報道に基づいてつくった。これでシビリアンコントロールですか。これは世間では大臣、丸投げと言います、丸投げと言います。
 これについてもう少しお伺いしますが、この八月上旬に、この書いてあるのが邦人保護の基本計画、同じ四十八ページですけれども、これ八月上旬に基本計画、修正することになっています。マスコミのイメージで八月にこれ法案が通るんではないか、それはいいかもしれません。ただ、その前ですよ、その前に基本計画を修正すると早くからこれスケジュールで書いてしまっている。これはどうお考えになられますか。問題ではないんですか。
○国務大臣(中谷元君) これは、在外邦人輸送の基本計画でございますが、あくまでも現行法に規定する在外邦人等の輸送に基づくものでありまして、これは平成二十五年の十一月の自衛隊法の一部改正を受けて修正した以降、基本計画の修正しておりませんが、その上で申し上げれば、現行法に規定する在外邦人等の輸送については、従前より基本計画を策定し、各自衛隊の部隊に待機態勢を取らせるなど、緊急事態に迅速かつ適切に対応するための体制に取り組んでおります。
 それで、この当該の基本計画については、平素から訓練等の教訓や新たな装備品の調達を計画に反映するなど、その改善について不断の検討を行っているところでありまして、そのような検討を行うことは法改正の有無にかかわらず行われるべきでございます。このような現行法に基づく対応の改善に加えて、仮に平和安全法制が成立し施行された場合には、同様の趣旨で、緊急事態に際し、部隊が迅速かつ適切に対応するための体制構築を行う必要がありまして、資料中に示された新法制に係る記述は、このような新法制が成立した場合に必要となり得る作業や課題を整理をし、従来の待機部隊の交代のスケジュール、これにプロットしたものでございます。
 したがいまして、法案を先取りして作業を行ったものではないということでございます。
○大野元裕君 大臣、全く適当な話ですよ、それ。今おっしゃったのは、法案が成立した場合に基本計画の修正とおっしゃいましたが、この表を見てください。どう見ても法案が成立する前に基本計画の修正って書いてあります。違うじゃないですか。
 しかも、不断の見直しではなくて、これ現行の、十一月二十九日の計画ですよ。私、手に持っていますけれども。その一ページ目に何て書いてあるか。この自衛隊在外邦人等輸送基本計画は、自衛隊法第八十四条三の規定に基づき、基本的事項を定めと書いてあるんです。法律に基づいてこれは改定されたものが現行なんです。それを大臣の命令に基づいて法律ができる前に明らかに計画の修正、これは法律に基づく計画ですよ、その修正を言っているというのは、大臣がおっしゃる不断の見直しとは、私、到底同じものとは思えません。今の話は是非撤回していただきたいと思うし、もう一度御説明を賜りたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) この基本計画については、平素から訓練等の教訓、また新たな装備品の調達を計画に反映するなど、改善については不断の検討を行っているところでありますので、そのような検討を行うことは法改正の有無にかかわらず行われるべきでございます。
 このような現行法の基づく対応の改善に加えて、仮に平和安全法制が成立して施行された場合には、同様の趣旨で、緊急事態に際して部隊が迅速かつ適切に対応するための体制構築を行う必要がありますので、資料中に示された新法制に係る記述は、このような新法制が成立した場合に必要となり得る作業や課題を整理をして、従来の待機部隊の交代のスケジュールにプロットをしたということでございます。
○大野元裕君 全く先ほどと変わっていない答弁だと思います。
 しかも、お読みいただけますか、この発言部分を読んでいただくと分かると思うんですが、「下段の紫色の部分は平和安全法制関連です。法案成立に伴い、国際平和協力活動等担任部隊の準備訓練にその内容を反映させるとともに、法施行に伴い新法制に基づく運用ができるよう準備を進めます。」と書いてあるわけですよね。つまり、これは法に従っているわけです。新法に従ってこの検討をするわけですよね。それがこう書いてあるということは、これ不断のだったら、ここに書く必要なんかないじゃないですか、全く。しかも、元々の基本計画は法に従ったものです。しかも、その基本計画の変更は法の成立よりも前に書いてあるんです。これを大臣はしっかりと本来は確認をしておくべきものであると思うし、しかもこれ不適切ですよね。
 これ、私、もう一度大臣に、プロットしたもの云々という以前の問題として、このような計画自体の立て方は、私は検討が悪いと言っていません、その計画の立て方自体はおかしいとお思いになりませんか、大臣。
○国務大臣(中谷元君) この在外邦人の輸送の基本計画、これの作成に係る防衛大臣指示は平成十九年の一月九日に発出しておりますが、その際、基本計画は必要に応じて修正し、その都度防衛大臣の承認を受けるものと指示をいたしておりまして、先ほど述べたとおりでありまして、このような検討を行うことは、法改正の有無にかかわらず行うべきものでございます。
 この記述は、このような不断の検討の中で、仮に次の待機部隊の交代に際して基本計画を見直すこととした場合に必要となる作業を機械的にプロットする中で、統幕内における事務的な修正案、これを作成する作業を行う時期について記載をしたものでございます。
○大野元裕君 次の待機部隊とおっしゃいますけれども、これ、済みません、全体の計画の話じゃないんですか、基本計画というのは。それぞれの待機部隊に応じて基本計画があるんですか。これが基本計画ですよね。これは今まで、平成二十五年十一月からずっと使われているものであって、部隊ごとに変わっているわけじゃないじゃないですか。そんな適当な答えしないでください。それじゃ駄目です、大臣。
○国務大臣(中谷元君) これは常に不断の検討を行っておりまして、現行法における対応の中で、仮に次の待機部隊の交代に際して基本計画を見直すこととした場合に必要となる作業を機械的にプロットをする中で、統幕内における事務的な修正案、これを作成する作業を行う時期について記載をしたものであるということでございます。
○大野元裕君 大臣、これ何度繰り返しても同じ話なので、私は、済みません、優しいので少し前に進めさせていただきますけれども、大臣、そもそもこれ……(発言する者あり)
 最後に、済みません、じゃ、もう一回だけ聞きますけれども、基本計画は不断に見直すとおっしゃいましたが、ここに書いてあるということはこの法制に従ったものです。しかし、新法ができる前に基本計画の修正と書いてあることが適当であったか。そして、この平成二十五年からずっと使っているもの、大臣は部隊の交代等に合わせて不断に見直すとおっしゃいましたが、今まで見直されたことないですよね、二十五年から。これ、いまだに使っているというふうに私聞いています。それが今度新しく改定されることは、別に部隊の交代とは関係がない。大臣のお答えは到底納得ができるものではないので、いま一度お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 不断に見直すというのは基本でありますが、この資料というのは考え方の整理でございまして、在外邦人の保護措置における国会等の議論におきましても、任務遂行型の武器使用を伴う対応場面といたしまして、唯一の輸送経路がバリケード等で通行妨害に遭ってしまった場合、邦人の集合場所が暴徒に取り囲まれてしまった場合をお示ししているように、在外邦人の保護措置においては、在外邦人の輸送、陸上輸送中における警護、これも想定をしておるわけでございます。
 改正法の在外邦人等の保護措置に係る基本計画の策定など、その取扱いについては法案成立後に検討すべき事柄でございますが、いずれにせよ、そのような保護措置の内容を踏まえれば、現行の在外邦人等の輸送における陸上輸送の見直しと整合を図りながら分析、研究を行うということは不適切ではないと考えております。
○大野元裕君 不適切ではない。大臣、これ基本計画の修正を命じたわけですよね。修正をされる場合には大臣にそれを報告するという話でしたよね。あるいは、九次隊が行く、その上のPKOもそうです、通達もそうですけれども、これら大臣が命令出されたわけですけれども、その上の方のまず通達から聞きますけれども、派遣準備通達については既にこれ出されたんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 出ております。
○大野元裕君 そこについては、新法が反映されたものになっているんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) まだ現行どおりでございます。
○大野元裕君 それでは、この通達についての資料の提出及び基本計画の修正、これ、なぜなされなかったというのは、ちなみに大臣はお聞きになっていらっしゃいますか。
 まず、委員長、済みません、通達の方の提出をお取り計らいをいただきたいと思います。
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまの件も後の理事会で諮ることといたします。
○大野元裕君 基本計画の修正について、なぜこれ修正がなされなかったか、大臣、報告受けていらっしゃいますか。
○国務大臣(中谷元君) それは受けておりません。
○大野元裕君 大臣、まず、そもそも大臣が命令を出しました。統幕はこのように、私はこれ問題あると思いますけれども、このような訳の分からぬスケジュールを作って、国会を無視し、延長までも予期したようなものを作り、そして、それを出して、これ、そもそも問題なんです。それは、大臣、しかも確認していない、丸投げなんです、これ二つ目の問題です。それから三つ目には、これ基本計画なりの修正作らないということは、大臣、命令指示違反じゃないですか。そうだとしたら、逆に大臣のところに報告があって、これこれこういう理由で作っていません、こういう話じゃないですか。最後に確認もしていない。大臣、これトップに立つ者として私は責任大きいと思いますよ。
 大臣、覚えていらっしゃると思います、五月、六月、防衛省設置法の議論をしたときに、何度大臣がこの言葉を使われたか覚えていらっしゃいますか。シビリアンコントロールというのは政治の統制ですと、それを受けて防衛大臣が、文民やあるいは統幕のような補佐を受けて政治家がコントロールすると言っているんですよ。全然コントロールできていないじゃないですか。大臣の責任ですよ、これ。しっかりとそこは受け止めていただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 現実に法案が閣議決定をされておりまして、これ実施官庁としてその分析、研究をするというのは当然のことでございます。その指示を私は出しました、これは部内で研究、そして分析をしてくださいと。そして、統幕においても内部部局と調整をしながら作成をしたものでありまして、あくまでもこの資料は法律の説明でございます。この法律の内容の説明でありまして、この資料は、丁寧に説明するとともに、今後具体化をしていくべき検討課題を整理をすべく、統合幕僚監部として当然に必要な分析、研究を行ったものでありまして、私の指示の範囲内でありまして、問題があるとは考えておりません。
○大野元裕君 指示の範囲内だけれども、大臣の指示は実施されなかった、報告もなかった、確認もしなかった、問題がない。これは組織のトップとしては私は問題だと思います。
 時間がないので、あと八分ですから、別の質問に移らさせていただきますが、今日御用意した資料は使いません。別な質問にさせていただきますけれども。
 大臣、前回、覚えていらっしゃると思いますが、領域警備法等のグレーゾーンの話させていただいたと思っています。この件については、前回、本法制、我が党は二回出させていただいています。一回は維新の党さんと御一緒に出させていただいていますけれども、そのときの議事録確認してもよく分からないことがありますので、お伺いしたいんです。
 総理はそのときに、官邸におられたとき、官房副長官やあるいは総理としておられたときに、縦割り行政が問題だからこの法律が必要だと思った、しかしその後、この数年は、警察、海保、自衛隊、ここがうまくできているので、そこで運用で構わないという結論に達したとおっしゃっています。
 ところが、七月に、与党の政策協議の責任者であった高村自民党副総裁は、防衛省と警察庁の百年戦争に火を付けるから見送ったと述べておられるんですね。運用で、各省縦割り行政をしっかりとねじ伏せてできるとおっしゃった方が、その横におられて、与党の多分公明党さんにもそういう説明されたんだと思いますよ、責任者ですから。その方が、法制でできない、官僚に言いなりで軍門に下った、こういうふうにおっしゃっていると私は理解していますけれども、今の与党、つまりこれは軍門に下ったからこの法制は出せなかった、運用になっちゃった、こういう理解でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 与党協議会、私も当時は事務局長で参加をいたしておりますが、様々な議論がございました。その中でも、やはり、海上警備行動の発令の迅速化、そして内閣官房を含む関係省庁との連携を密にする、また訓練等を通じた対処能力の向上等を図るということで閣議決定を行うということがまとまりまして、与党といたしましても、警察機関や自衛隊との関係機関の連携、これはこれまでと比べて非常に格段に向上をしているということでございますし、近年の状況等も各省庁からヒアリングをいたしまして、これまでと比較して向上しているということで、閣議決定を行うということで決着をしたわけでございます。
○大野元裕君 ということは、高村副総裁のおっしゃっていることは間違いであると、そういう理解でよろしいんでしょうかね。
 高村副総裁のもしおっしゃるとおりだとすると、このときに、匿名ですけど自民党の幹部で、役所栄えて国滅びると書いてあります。まさにそのとおり、役所栄えて国滅びると書いてありますけれども、まさにそのとおりの与党のスタンスなのではないかなというふうに思います。これ、どちらが正しいか私には分かりませんが、ただ、いずれにせよ、最も喫緊の課題には法制度としては対処しない、遠くにばかり自衛隊を送りたがる、縦割り行政の言いなりになる、こういう政府の言葉の軽さというのを僕は、国民は認識しているから説明をしても理解をいただけないんではないかと思うんです。
 そこで、御提案なんですけど、大臣、この間の議論で、この領域警備、こういったグレーゾーンについては法制度としては対応していないということは総理にも大臣にも御確認をいただきました。ところが、何度も何度も、総理を始めとする各大臣は、切れ目のない対応を可能とするために、グレーゾーンから集団的自衛権の行使に至るまでの法案という言葉をお使いになっていらっしゃるんですね。でも、これは事実と違うんですね。法案はグレーゾーンに対処していないので、虚偽なんですよね。これ、法案は全く対処していませんから、切れ目のない法制という言葉は使わない方がいいんじゃないかと思いますけれども、いかがでございますか。
○国務大臣(中谷元君) このグレーゾーンにつきましては、米軍等の武器等の防護ということで、アセット防護ということで、侵害に至らない場合の対応ということで、新たに法律を改正するということは実施をするというようなことで対応するということにいたしております。
○大野元裕君 ちょっと待ってください。アセット防護で尖閣諸島等の島嶼部が守れるんですか。これがその法制なんですか。
 そのことについて議論をして、総理はこのニーズについてはお認めになられた。しかしながら、法制ではなくて運用でやるというふうに前回の議論でもう既に総理も大臣もお認めになっているんです。しかし、これが入っていない。ということは、これについては法制度としては対応していない。
 切れ目のないではなくて、私、もし必要であれば、穴の空いた安保法制とか喫緊の課題はないがしろにする安保法制とか、違うお言葉を用意しても構わないんですけれども、それよりも使わない方がよろしいんじゃないんでしょうか。いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) これは、与党内で各省庁からヒアリングをいたしまして、警察、また海上保安庁等の対処能力の向上、これは格段に進んできております。そして、連携、訓練も重ねてきていると。そして、自衛隊による治安出動等の下令の手続の迅速化も含めて各般の分野において必要な取組を一層強化するということで、与党といたしまして議論の結果、これについては、閣議決定を通じましてより迅速に意思決定ができるし、情報の共有という点におきましても、事前から情報も共有をし、何よりもNSCという組織が誕生いたしまして、官邸内での各省庁の連携強化、まさにここがポイントでありまして、こういった省庁の連携を迅速に行うというようなことをすることによって対処し得るというふうに結論が至ったわけでございます。
○大野元裕君 全くお答えいただいていません。
 アセット防護で尖閣諸島等の島嶼部に対する対応はできるんですか、まずこれが一問です。そしてもう一問は、この法制の中に法制度として入っていない。これはもう議論は前回やりましたから結構です、そのときにもうお認めになっていらっしゃるんですから。領域警備に対応できないんだから、グレーゾーンから武力攻撃事態までの対処をする切れ目のない法制という言葉はお使いにならない方がよろしいんではないんですか、二つ目です。以上、お答えをください。
○国務大臣(中谷元君) 米国に対する平時における武器防護、アセットにつきましては、これはまさにグレーゾーンのときに与党の中で提案をされて議論をいたしてできたところでありまして、特に平時における米軍との共同連携、まさに平時における米軍との共同連携、これは今大きな課題となっているわけでございますが、こういった米軍との連携についてより密接に協力ができるということになりまして、非常に大きな効果がある法律改正だと認識しております。(発言する者あり)
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(中谷元君) 確かに、尖閣などの島嶼防衛、これを念頭に置いたものではございませんが、しかし、平時に対して、米国に対して武力攻撃に至らない場合の協力ということで、私は非常にこれは我が国の防衛にとりまして大きな成果、効果があると思っております。(発言する者あり)
○委員長(鴻池祥肇君) 中谷大臣。
○国務大臣(中谷元君) これは、まさにシームレス、切れ目のないという効果ももたらす法律改正であると私は認識しております。
○大野元裕君 時間がございませんのでこれでやめますけれども、三十分間何もお答えになっていないと私は理解をしております。
 島嶼防衛について等の切れ目のないというのは、これは明らかに誤りです。今夏休みで、小学生もこの国会答弁聞いていらっしゃると思います。大臣がうそつきのように取られるのは、私は決していいことではないと思いますよ。ですから、そこは虚心坦懐に御議論をさせていただければと、これからもお願いをさせていただいて、私の質問は終わります。
 以上です。
○河野義博君 公明党の河野義博でございます。
 まず、私の方からも、防衛省から流出をいたしました資料に関して質問を二つさせていただきます。
 まず第一に、今回の資料、秘密に該当するものではなかった、そういうことでございますけれども、一方で、防衛省が作った資料が正規の手続を経ずに流出してしまった、このことは極めて残念でございます。改めて防衛省として文書管理を徹底するように強く求めたいわけでございますけれども、防衛大臣の見解をお伺いいたします。
○国務大臣(中谷元君) 本資料には秘密に該当するものは含まれていないということが確認をされておりますが、対外公表を行うことを前提に作成されたものではない資料がこのような形で外部に流出したというのは、極めて遺憾なことであると考えております。
 現在、省内において、流出に関する経緯等について鋭意調査を行っているところであります。また、本件を受けて私から、実力組織たる防衛省・自衛隊の職員として、いま一度その任務の重さについて思いを新たにするとともに、国民の負託にしっかりと応えていくことができるように、文書の取扱いに係る規則の遵守と情報の保全を徹底するよう改めて省内に指示をいたしました。
 防衛省・自衛隊として強い危機感を持ち、情報保全についてなお一層の徹底を図りたいと考えております。
○河野義博君 徹底を是非ともよろしくお願いいたします。
 実際に法律を運用する行政府としましては、法律案の策定以降、成立、また施行までの間に一定の準備を行うといったことは、言わば当然なわけであります。施行のときに何ら準備ができていないということの方が問題なわけでございます。
 一方で、例えば関連規則を実際に策定をしたりとか、また実際に部隊を訓練させたりといった、言わば先取りと言われるような作業は厳に慎まなければなりません。今回の統幕の作業は、そういったいわゆる先取りには当たらない、一般的に行政府が行うべき準備の範囲と考えてよろしいんでしょうか、防衛大臣の見解を伺います。
○国務大臣(中谷元君) 一般的に政府は、法律成立前においても、政省令案の検討を始めとして、法律の施行に必要な事項に係る研究作業等は行っております。今般の平和安全法制に関しても、法案の成立前に法律の施行に際して必要となる事項についてあらかじめその内容を分析、研究しておくことは、実際に任務として実施していく防衛省・自衛隊として必要なことであると考えております。私からも、法案の閣議決定後の五月十五日、省内の幹部に対して、法案の内容について一層の研究に努めるとともに、隊員に対して周知を行うよう指示をいたしました。
 この資料は、そうした私の指示を踏まえて統合幕僚監部として当然に必要な分析、研究を行ったものであり、一般的に行政府が行うべき準備の範囲内であると考えております。法案成立後に行うべきものは、運用要領の策定、また訓練の実施、関連規則の制定等はこれに含まれておらず、これは法案を先取りしたものではないと考えております。
○河野義博君 法案を先取りしたものではない、一般的に行政府が行う準備を行っていただいたという明確な御答弁をいただきました。
 一方で、いま一度お願いは、文書管理を徹底していただく、このことを改めて強くお願いを申し上げまして、質問に入らせていただきます。
 私の方からは、今回、国際平和協力法改正に関して伺います。まず、新たに対象となる活動業務に関して伺います。
 今回の法改正によりまして、従来、国連平和維持活動に加えまして、国連が統括をしないいわゆる国連非統括型の国際連携平和安全活動が、国際平和協力業務や物資協力の対象になることとなります。我が国が国連の統括しない活動に参加するに当たっては、当該活動の国際法上の合法性と正当性が確保されているということが重要であると思っております。
 政府は、国際連携平和安全活動の例としてアチェ監視ミッションやソロモン地域の支援ミッションを挙げているわけでございますけれども、これらの活動の国際法上の合法性と正当性、これはどのように担保されているのでしょうか。また、かかる基準で国際法上の正当性が担保できると考えている理由を併せて岸田外務大臣の答弁をお願いいたします。
○国務大臣(岸田文雄君) 活動の合法性そして正当性について御質問いただきました。
 まず、合法性の部分ですが、ある国の領域において他国の軍隊等が活動を行う場合、国際法上、一般に当該領域国の同意が必要であるとされています。このため、国際連携平和安全活動については、当該活動が行われる地域の属する国の同意があること、これを前提にしております。これが合法性の部分であります。
 そして、もう一つ、正当性の部分ですが、正当性を確保するため、改正PKO法においては、一つは国連安保理等の決議に基づくもの、二つ目として国際機関の要請に基づくもの、三つ目として当該活動が行われる地域の属する国の要請に基づくもので国連の主要機関の支持がある場合、この三つに限定をしています。
 そして、この理由についても御質問いただきましたが、このうち、一つ目の国連安保理等の決議に基づく活動については、これは当然、国際的な正当を有していると認識をしております。
 二番目の国際機関が要請する活動については、国連難民高等弁務官事務所等の国連の機関やEU等の、実績、専門的能力を有する国際機関が要請するものに限定をしております。これによって、国連憲章の目的に合致する、又は国連を中心とした国際平和のための努力に積極的に寄与するものであり、国際的に正当性を有するということになります。御指摘になられましたアチェ監視ミッションはこの二番目に該当すると認識をしています。
 そして、三番目の当該活動が行われる地域の属する国の要請に基づく活動については、国連の主要機関が支持を与えているものに限定しており、このような活動は国際的に十分な正当を有すると考えられます。これが、御指摘のソロモン地域支援ミッションがこの三番目に該当すると考えます。
 このように、国際連携平和安全活動ですが、国際法上、合法性に加えて正当性も有していると、十分にこうしたものが確保されていると認識をしております。
○河野義博君 国際法上の合法性、両国の同意がなされているということ、また国際機関からの正当性を帯びているということ、合法性プラス正当性と、この両面が備わったプロジェクトしか参画できないということを御答弁をいただけたと思っております。
 続きまして、いわゆる安全確保業務と任務遂行型の武器使用に関しまして、幾つか質問させていただきます。
 いわゆる安全確保業務を追加する背景、事情、そしてまた経緯に関しましてですけれども、今回のいわゆる安全確保業務では、防護を必要とする住民、被災民その他の生命、身体及び財産に対する危害の防止及びその他特定の区域の保安のための監視、駐留、巡回、検問及び警備を行うということになります。この業務を国際平和協力業務に追加するに至った背景、事情、またその経緯について、近年の国連PKOの実情も交えて御説明をいただきたいと思っております。
○政府参考人(山本条太君) いわゆる安全確保業務の背景事情につきまして御説明を申し上げます。
 冷戦が終わりまして以降、国際社会による対応が迫られる紛争の多くが国家間の武力紛争から一国内における紛争へと移行をしてまいりました。その結果、国連PKOの活動も多様化をいたしまして、紛争終了後の国づくりの取組への支援、そしてそのための安全な環境の創出、これが重要な役割となってきておるわけでございます。現在展開中の十六の国連PKO活動のうち十一のPKOにおきましても、住民の保護と国連要員の保護、これが任務として明記をされております。
 国際的な平和協力活動のこのような発展が遂げられつつある中、一層積極的で効果的な協力、これを可能とする法的な枠組みを整備してまいりたいと、これが今般の法案中に御指摘の安全確保業務を盛り込むことといたしました経緯でございます。
○河野義博君 国際平和協力業務が多様化していく中で、憲法九条の枠内の中で、世界の平和と安定のために我が国が貢献していくといったことでございます。
 安全確保業務において、警察権そのものの執行が除外される理由をこれは次に伺いたいんですけれども、いわゆる安全確保業務におきましては、当該任務を遂行する自衛隊の部隊等が実施できる内容は監視、駐留、巡回、検問及び警備に限られておりまして、犯罪捜査や犯人逮捕といった警察権そのものの執行は除外をされております。警察権そのものの執行を除外することとした理由、また、安全確保業務を行う自衛隊部隊と領域国内の警察組織とはどのような関係になるんでしょうか。また、当該国連PKOに設けられた文民警察組織との関係も併せて御説明をいただきたいと思っております。一般にこの件、まだ理解が進んでいない、誤解もある点でございますので、明確に答弁をいただければと思います。
○大臣政務官(石川博崇君) 私からお答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、今回付け加えました安全確保業務におきましては、犯罪捜査、犯人逮捕といったいわゆる警察権の執行そのものを除外しているところでございますが、これは一般的に、今の、現代の国連PKOにおきまして、こうした業務は現地警察当局又は国連暫定統治機構がある場合にはその国連警察が実施することとされているからでございます。自衛隊の部隊等が行う安全確保業務には、そういった理由からこういった業務を含まないこととさせていただきました。
 その上で、今回の安全確保業務には、参加五原則が満たされていることに加えまして、派遣先国の受入れ同意が安定的に維持されていることを前提にいたしまして、あくまでも派遣先国の警察権の補完あるいは代行として行うものと位置付けさせていただいているところでございます。これが二問目の質問の、領域国内の警察組織との関係に対するお答えでございます。
 またさらに、今回の安全確保業務におきまして法律に示されております業務内容は、先ほど先生御指摘になられましたとおり、防護を必要とします住民等の生命、身体及び財産に対する危害の防止、そして、その他特定の区域の保安のための監視、駐留、巡回、検問及び警護を行うものでございまして、犯人の捜査や犯人の逮捕といった業務は含まれず、治安維持活動一般とは異なるものと考えております。
 こうした活動を行います諸外国の軍隊や、また、今回新設いたします安全確保業務を実施することとなる自衛隊の部隊等から成る部門と、それから国連PKOが通常行います文民警察組織は構成や指揮命令系統が異なる別組織でありまして、また両者の任務も基本的には異なるものでございますが、必要に応じ、連携を取りながら活動を行ってまいりたいと考えております。
○河野義博君 次に、安全確保業務に伴う任務遂行型の武器使用に関する点について何点か伺います。
 自衛隊部隊がいわゆる安全確保業務を実施する場合に、業務に従事する自衛官にいわゆる任務遂行型の武器使用権限が今回付与されることになります。なぜ、安全確保業務の実施に当たっては現行の自己保存型を超える武器使用権限が必要になるんでしょうか。国連PKOの実情や具体的な事例をお示しいただきながら、説明をいただきたいと思っております。
○大臣政務官(石川博崇君) お答え申し上げます。
 従来の自己保存型の武器使用におきましては、自己そして自己と共に現場に所在する隊員又は自己の管理下に入った者を防護するためにのみ武器使用が認められているところでございます。他方、今回新設されますいわゆる安全確保業務では、具体的に申し上げますと、例えば派遣先国の現地住民や被災民の保護、あるいは国連PKO等の活動を円滑に実施するための当該国連PKO等の要員や人道支援要員の警護、さらには特定施設の警護等を想定しているところでございます。
 こうした業務を実施するに当たりましては、これまでの自己保存型を超えた武器使用が認められなければ十分に対応を行うことができないと考えております。例えば、自己等の生命又は身体を保護するためでなくとも、施設の警護や離れた場所にいる他人の防護等のために武器使用が必要になることが十分に想定されるところでございます。
 こうした中、自衛隊が隊員の安全確保を図りつつ任務を遂行するためには、行動の実施に必要となる武器使用権限をその目的に応じて過不足なく付与することが重要でございまして、これに必要ないわゆる任務遂行型の武器使用権限を付与することとしたものでございます。
○河野義博君 その武器使用でございますけれども、次に、安全確保業務に伴う任務遂行型の武器使用、この限度について伺います。
 安全確保業務の実施に当たっては、紛争当事者の受入れ同意が安定的に維持されているということが要件とされておりますため、任務遂行型の武器使用を行っても、国家又は国家に準ずるような敵対組織がそもそも存在しないため武力の行使に発展するおそれはないというふうに政府は説明をされております。一方で、安全確保業務に伴う任務遂行型の武器使用であっても、一発の銃声が戦争を引き起こすといった事態の混乱や悪化を懸念する向きもございます。
 PKO五原則が満たされ、かつ紛争当事者の受入れ同意が安定的に維持されているという状況で行う任務遂行型の武器使用の限界というのはどういったところまでになるんでしょうか。事態の悪化や拡大を招かないためにどのような手だてを講じているのか、具体的な答弁をお願いいたします。
○大臣政務官(石川博崇君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、いわゆる安全確保業務に伴う任務遂行型の武器使用は、領域国及び紛争当事者の受入れ同意がこの業務が行われる期間を通じて安定的に維持されることが認められることを要件としております。これによりまして、国家又は国家に準ずる組織が敵対するものとして登場することがないことを確保しておりまして、このような武器使用が憲法第九条の禁ずることになります武力の行使に当たらないことを担保しているところでございます。
 また、あわせて、この武器使用は、自己又は他人の生命、身体、財産を守るため、又はその業務を妨害する行為を排除するためやむを得ない場合に認められるものでありまして、厳格な警察比例の原則に基づくとともに、危害許容要件、すなわち相手を傷つけることが許されるのは正当防衛又は緊急避難の場合に限られるところでございます。
 このように、任務遂行型の武器使用は、憲法との関係も担保しつつ、また危害許容要件も正当防衛又は緊急避難に限定されるなど業務の実施に必要な範囲でのみ認められる武器の使用にとどめられていることから、先生御懸念のような事態の悪化や拡大を招くようなことにならないと想定しております。
○河野義博君 明確な御答弁をいただきました。
 任務遂行型の武器使用といっても、受入れ同意が安定的に維持されているという条件がございますので、国家又は国家に準ずるような敵対組織はそもそも存在しない、したがって憲法に抵触するような武力行使にはそもそもなり得ないという点が一つ。そして、万が一必要な場合に武器を使用したといっても、許容される危害許容要件として正当防衛、緊急避難に限るといった極めて限定的な武器使用が認められる場合があるという極めて抑制的な制度であるということを確認させていただきました。
 次に、いわゆる駆け付け警護とそれに伴う武器使用に関して何点か伺います。
 これまで我が国が自衛隊を派遣した国連PKO活動などにおいて、自衛隊が現地で活動をする関係者などから緊急の警護要請を受けた事例というのはあるのでしょうか。また、もしある場合、これに対して我が国はどのような対応を過去行ってきたのでしょうか。
○政府参考人(山本条太君) NGOから緊急の要請がございました事例について御説明を申し上げます。
   〔委員長退席、理事佐藤正久君着席〕
 この委員会におきましても谷合先生から言及をいただきました事案でございますけれども、一九九四年、ザイールのキブンバ難民キャンプで活動をしていた我が国のNGOの車両が難民により強奪をされ、そのNGOから自衛隊に対し緊急の要請がございました。当時、自衛隊はルワンダ難民救援隊として現地で活動をいたしておりました。
 その際、宿営地から隊員と車両が派遣をされ、輸送業務の一環といたしましてそのNGOの要員を難民キャンプからゴマの市内まで輸送をしたと、こういう経緯がございます。
○河野義博君 次に、人道復興支援等に従事する活動関係者に与える影響を石川政務官に伺いたいと思っております。
 自衛隊がいわゆる駆け付け警護を実施できることになることで国際機関やその他関係者などにどのような効果がもたらされるのか、国連PKOを始めとする国際平和活動や平和構築支援にどのような形で資することになるのか。本邦NGOの中からは、自衛隊がいわゆる駆け付け警護を実施できるようになることから、実際に活動する本邦NGOの職員などが実際にテロの標的になるのではないかといった不安の声も一部あるというふうに聞いております。
 しかしながら、そもそも駆け付け警護は要請に基づく業務であり、この業務が新設されたからといってNGO職員が常に武器を携行した自衛官と行動を共にするわけではなく、また、自衛隊部隊によるPKO活動も施設部隊による道路整備や敷地造成などが中心であることから、今回の法改正によってNGO職員に対するテロの脅威が増すことは考えにくいと考えておりますけれども、政府の見解を聞かせてください。
○大臣政務官(石川博崇君) お答え申し上げます。
 NGOの方々の中には様々な御意見があることは承知しているところでございます。しかしながら、政府といたしましては、これまでも自衛隊の活動の現場におきまして、平素より国際機関あるいはNGOの職員の方々と様々な情報交流、各種の連携を図ってきているところでありまして、自衛隊の部隊等による緊急時の保護に対する期待もあるものと考えております。
 今般、自衛隊がいわゆる駆け付け警護を実施できるようになることで、国際機関やNGOの方々等と連携を取りながら緊急時におけるリスクを低減すること等により、互いに協力をしながら全体として国際平和協力業務をより効果的に行うことができるものと考えております。
 また、このいわゆる駆け付け警護業務は、あくまでもその被害に遭われる活動関係者の方々の近傍に所在する、例えばでございますが、自衛隊の施設部隊等が一義的に地域の安全確保を担う現地治安当局や安全確保を担う国連PKO等の部隊よりも速やかに対応できる場合に、緊急の要請に対応してその現場に駆け付ける、当該活動関係者の生命及び身体を保護するものでございます。
 したがいまして、先ほど先生が御指摘なされましたとおり、駆け付け警護を実施するといいましても、NGO職員が常に武器を携行した自衛隊と行動を共にするわけではございません。また、御指摘のとおり、施設部隊等が緊急の要請に応じて駆け付け警護を行うことができるようになったとしても、そのことによりNGO職員に対するテロの脅威が増すことは考えにくいと政府としては考えております。
○河野義博君 NGO職員に対するテロの脅威が増すことは考えにくいという御答弁をいただきました。
 次に、駆け付け警護に伴う武器使用の限度に関しても質問をさせていただきます。
 現地の治安当局が対応できない場合、道路整備等に当たっている自衛隊の施設部隊が緊急の要請を受けて駆け付け警護を行うということになるわけですけれども、地理的には派遣先国のどこまでが可能な範囲であるのでしょうか。また、駆け付け警護に伴う武器使用が事態の悪化や混乱を招かないため、どのような点に留意していくおつもりでしょうか。石川政務官、お願いいたします。
○大臣政務官(石川博崇君) お答え申し上げます。
 この駆け付け警護が地理的には派遣先国のどこまでが可能な範囲なのかという御指摘でございますが、まず、駆け付け警護を行うに際しましては、本来、施設業務等を行う自衛隊の部隊等がその装備や人員に応じて安全を確保しつつ対応できる範囲内であること、それから、当該自衛隊の部隊等が一義的に地域の安全確保を担う現地治安当局や国連PKO等の他の部隊よりも速やかに対応できる場合であるといったような場合におきまして、緊急の要請に対応してその現場に駆け付ける形で行われるものでございます。
 また、更に申し上げれば、襲撃する者々が逃亡するなど、保護の対象となるような活動関係者の生命及び身体の安全が確保されれば終了するものでございまして、逃亡する襲撃者を追走するようなものではございません。このような業務の実態に鑑みますれば、対応する地域はおのずと限定されると考えておりまして、地理的範囲が無制限に広がるとは考えられないというふうに申し上げたいと思います。
 また、もう一点、駆け付け警護が事態の悪化や混乱を招かないための留意点についての御質問でございますが、これは先ほどの安全確保業務と同様でございますけれども、領域国及び紛争当事者の受入れ同意がこの業務が行われる期間を通じて安定的に維持されることが認められることを要件とさせていただいております。これによりまして、武器使用が憲法九条が禁ずる武力の行使に当たらないことを担保させていただいているところでございます。
 また、この武器使用につきましては厳格な警察比例の原則に基づくものでございますので、保護対象であります活動者の生命又は身体の防護のためにその要件は限定されるとともに、危害許容要件は正当防衛又は緊急避難の場合に限られるところでございます。このように、この駆け付け警護に伴う武器使用につきましても、憲法との関係も担保しつつ、また、危害許容要件は正当防衛又は緊急避難に限定されることから、業務の実施に必要な範囲でのみ認められる武器の使用にとどめられると考えております。
○河野義博君 そもそも道路整備や敷地造成を行っている部隊が保持している武器を使うわけでございまして、その行為また地理的範囲に関しましても極めて限定的な対応になるということは明らかなわけでございます。また、今明確に御答弁をいただいたように、いわゆる駆け付け警護に関しましても、自己又はその保護しようとする活動者の生命又は身体を防護するにやむを得ない必要があると認められる相当の理由がある場合にその事態に応じて合理的に必要とされる範囲で武器を使用することができるという極めて限定的な業務内容になっているということを確認をさせていただきました。
 時間の都合上で、その前段、通告の前の方に戻りまして、中谷防衛大臣に伺います。対象となる活動業務の拡大に関しまして、停戦監視業務は引き続き国会の事前承認とする件に関しまして質問をさせていただきます。
 現行法上、自衛隊の部隊等による停戦監視業務等のいわゆるPKF本体業務は国会の事前承認を必要とされております。現行法上、いわゆるPKF本体業務が国会の事前承認の対象とされている理由はなぜでしょうか。また、今回法改正を行いますけれども、この本体業務に関しましては国会の事前承認が維持されるわけでございますけれども、これはどういった理由によるものでしょうか。
 なお、今回新設される安全確保業務も国会の事前承認を要するわけですけれども、この理由も併せて伺います。停戦監視業務と安全確保業務の関連性についても簡単に触れていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(中谷元君) 自衛隊の部隊等による停戦監視等のいわゆるPKF本体業務の実施につきましては、平成四年でありますが、PKO法案の審議過程において自民党、公明党、民社党の合意に基づいて法律案が修正をされまして、原則として国会の事前承認を必要とするとされたわけでございます。その理由につきましては、当時の審議の中で修正の提案者が、停戦監視等の業務に当たる者、いわゆる歩兵部隊、これが主であることから、これらの業務についてはシビリアンコントロールで歯止めを掛ける必要があるといった趣旨を答弁いたしております。
 政府としましては、この国会承認は国際平和協力業務における自衛隊の海外派遣に係る国会のシビリアンコントロールを確保する趣旨で入ったものと理解をいたしておりまして、今回の法改正におきましてもこの認識に変わりがないことから、従来どおり、自衛隊の部隊等によるPKF本体業務の実施については原則国会の事前承認を必要とする規定を維持をいたしております。
 また、新設される安全確保業務も、現行の停戦監視等のPKF本体業務と同様に、諸外国の軍隊における歩兵に相当する普通科主体で構成される部隊が実施することが想定されるものであるために、同様に国会のシビリアンコントロールを確保するため、やはり原則国会の事前承認を必要とするということにいたしました。
○河野義博君 ありがとうございました。
○東徹君 維新の党の東徹でございます。
 本日、既に報道発表されておりますけれども、少し時間が掛かったという感はありますが、昨日の党の決定機関におきまして、我が党におきましても今回の安全保障関連の法案に対して対案というか独自案を出させていただくと、今週中でありますが、決定をさせていただきました。
 今までも議論がされておりますように、我が国の安全保障の環境、これはもう北朝鮮の弾道ミサイルであったり、そしてまた核兵器の開発であったり、そしてまた中国の軍事費を年々増大させていっているとか、南シナ海、東シナ海においても活動が活発化されていっているとか、そしてまた国籍不明の航空機に対する自衛隊機の緊急発進、いわゆるスクランブル発進、こういったものも回数が十年前と比べて七倍ぐらい増えているということであったり、そういった状況を考えていきますと非常に我が国の安全保障の環境は厳しさを増しているというふうに考えておりまして、我が国の防衛力を強化していくこと、抑止力というものを更に高めていく、こういったことをしていかなきゃならないというふうに考えております。
 維新の党も、参議院では少数でありますけれども、野党ではありますが、しっかりと対案を出して、批判だけではなくて建設的な議論をさせていただきたいというふうに思っております。
 そこで、維新の党の独自案が提出された場合、十分な審議時間を掛けて審議していただき、そしてまた修正協議も行ってまいりたいというふうに考えておりますが、この点についてまずは御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 維新案の参議院の審議における取扱いにつきましては、政府の立場でございますのでコメントを控えますが、いずれにしても、対案が国会に提出をされれば政府としては真摯に対応したいと考えておりまして、早期に国会に提出されることを期待をいたしております。
 衆議院で議論された維新案では、我が国に対する直接の武力攻撃、これが発生していない段階でも自国防衛のため自衛権の行使を限定的に認めています。したがいまして、大きな方向性では一致をしているのではないかと考えております。
 衆議院では合意に至りませんでしたが、採決直前まで与党と維新の党との間で誠実に修正協議が行われて、一定の共通の理解が得られたと認識をいたしておりまして、協議は今後とも継続されるものと承知しておりますけれども、政党間の協議が進んでいけば我々も謙虚に耳を傾けてまいりたいと考えている次第でございます。
○東徹君 是非、審議時間をしっかり取っていただいて、そして修正協議に臨んでいきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 今回の法案がなかなか国民には分かりづらい、分かりづらい、そういったことをよく言われております。個別的自衛権、集団的自衛権、こういったものが一体どういうものなのか、こういったこともなかなか国民に分かりにくい部分もあるかもしれませんが、ただ、今回の存立危機事態、この言葉もなかなか国民に伝わりづらいのではないのかというふうに思っております。
 今回の存立危機事態でありますけれども、文章を読むとかなり限定的で、これ手遅れになるのではないのかというふうなことも心配されれば、政府の恣意的な判断によって武力の行使ができるようになるのではないのかと、そういった批判もされておるわけですけれども、この概念の分かりづらさ、これが法案の国民の支持をなかなか得られにくい一つの要因だというふうに考えております。
 そこで、まず、存立危機事態に言う存立という文言、どういう意味で用いているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(槌道明宏君) 存立という用語につきまして、法案では特段の定義をしておりませんで、一般には、滅びずに存在し続けること、存在して自立することといった意味で用いられておるところでございます。本案においても同様でございます。
○東徹君 法案では定義していないということではありますが、一般的に、滅びずに存在し続ける、存在して自立することという意味だということでありますけれども、文字どおり、国の存立が脅かされるような事態になれば、国民が一致団結して、この国の独立と自らの生命、安全、こういったものを守っていかないといけないわけでありますが、この存立危機事態、言葉の定義だけではどうも理解しづらい、分かりづらいというのが国民の本音だというふうに思います。
 どういったことなのかと今までもいろいろと議論があったんですが、まずお聞きしたいのが、歴史上、この存立危機事態に該当するような事例、何かしらあったのではないのかというふうに思いますが、どういうものが該当すると考えるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 過去の起きた事象につきまして存立危機事態に該当するか否かを逐一評価するということは、その当時の全般的な情勢を総合的に判断をする必要があるために困難でございます。また、他国の存立に関する事柄については、そもそも政府としては評価する立場にはないということでございます。
○東徹君 我が国においても困難であるし、他国においてもということでありますが、だから、なかなか、この存立危機事態って一体どういう事態なのかなと、これを想像するのが非常に難しくてイメージがなかなか湧いてこないわけであります。やっぱりこの点については、この存立危機という言葉も含めて是非見直していくべきではないのかというふうに考えます。
   〔理事佐藤正久君退席、委員長着席〕
 集団的自衛権の行使に関してはホルムズ海峡での機雷掃海の例がよく用いられておりますけれども、ホルムズ海峡のようないわゆるチョークポイント、海上交通量が多い狭い海峡のことでありますが、ここを押さえることは、一万数千キロメートルに及ぶシーレーンというものを守っていくためにも大変重要であるというふうに考えます。
 我が国にとっては、ホルムズ海峡以外にも、マラッカ海峡、それからその迂回ルートであるスンダ海峡、ロンボク海峡、南シナ海、東シナ海を結ぶバシー海峡、それから宮古海峡、こういったものがあるわけですけれども、このチョークポイントというものがシーレーン上にあって、ここを自由に航行することができなくなってしまうと我が国にとっても重大な影響を生じる可能性があるというふうに思います。
 そこで、これらの海峡に機雷が敷設された場合、政府の言う集団的自衛権の行使の対象となるのかどうか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 集団的自衛権の行使というと、まさに存立事態に該当するかどうか、いわゆる三要件に該当するかどうかということでございます。
 先ほど、ホルムズ海峡、マラッカ海峡、バシー海峡の御指摘がございましたが、ホルムズ海峡というのは、我が国が輸入する原油の約八割、天然ガスの約三割、これが通過する、エネルギーの安全保障の観点から極めて重要な輸送路でありますが、その全量を輸入する上で、迂回路、これがございません。
 我が国に至る海上輸送路は様々でありますが、ホルムズ海峡と異なって、マラッカ海峡やバシー海峡などその他のチョークポイントについては、様々な迂回路、これがあり得ると考えられます。例えば、マラッカ海峡につきましては、最短航路で我が国へ輸送を行うと仮定した場合には、我が国が輸入する原油の約九割、天然ガスの約四割が同海峡のシーレーンを通過することになりますが、これには様々な迂回路があり得ます。
 したがって、この存立危機事態に該当する、すなわち我が国として集団的自衛権を行使して対処する必要があるような事態には容易に想定できるものではないと考えております。
○東徹君 容易に想定できることではないということでありますけれども、我が国のシーレーン上にあるチョークポイント、これはホルムズ海峡以外は比較的我が国に近い場所でありますけれども、これを守っていくためには、尖閣諸島を含めた南西諸島の防衛力の強化、こういったものが不可欠であるというふうに考えますが、どのように対処しようとされているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(黒江哲郎君) 尖閣諸島を含めました南西諸島の防衛力整備の在り方という御質問でございます。
 現在の防衛計画の大綱におきましては、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増していると、これを踏まえまして、南西地域の防衛態勢の強化を始め、各種事態への実効的な抑止及び対処を実現するための前提となる海上優勢、航空優勢の確実な維持に向けた防衛力整備を優先をすると、これとともに機動展開能力の整備も重視するという、そういう方針を立てておるところでございます。
 これに従いまして、具体的に、防衛省といたしましては、水陸機動団、これはまだ仮称でございますけれども、こういったもの及び南西地域への陸上自衛隊の警備部隊等の新編、V22オスプレイあるいは水陸両用車の導入、海上自衛隊の護衛艦の五十四隻体制への増勢、潜水艦の二十二隻体制への増勢、那覇基地の戦闘機部隊の二個飛行隊化に伴う第九航空団の新編、F35戦闘機の着実な整備などの取組を今後行っていくということとしております。
○東徹君 では次に、ミサイル共同防衛と武力行使の一体化についてお伺いをしたいと思います。
 今回の安全法制が応えられるのか非常に大事なことだというふうに思っておるんですが、今回の法改正によって、抑止力を向上させて紛争自体を未然に防いでいくということが大変重要だというふうに考えております。
 北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に対して、安倍総理は、日米イージス艦同士をリンクさせ、日米共同で対処していくというふうに答弁をされております。
 我が国に対して複数の弾道ミサイルが様々な地点から連続して発射されてくる状況も想定されるわけですけれども、日米の複数のイージス艦で対応せざるを得ないわけでありまして、重点分散交戦スキーム、DWESでありますけれども、などによって日米イージス艦同士のデータをリンクさせていくこと、これが非常に重要であるということですが、昭和六十三年四月十三日の衆議院安全保障特別委員会で、ある目標、何度何分、角度何度で撃てという情報は情報の提供になるのか、武力行使とも密接不可分なものになるようなものもあるというふうに答弁をされておりまして、日米共同でミサイル防衛を行っていくために日米間でなされるこのような情報のやり取り、こういったものは武力行使と一体化し、憲法上許されないものとなるのか、限定的に集団的自衛権を認めることとの関係についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 委員御指摘のとおり、効果的な弾道ミサイル対処を日米共同で行うためには、日米のBMD関連装備品の間でセンサー情報、これをリアルタイムで相互に直接共有するということが必要であります。このため、自衛隊と米軍のレーダー情報等を、データリンク、これを活用しながら迅速かつ効果的に共有することといたしております。
 このようなデータリンクを活用した情報共有につきましても、それが一般的な情報交換の一環として行われる限り、憲法九条との関係では問題はありません。このような情報提供と武力の行使の一体化に関する考え方は、今般の法整備においても変更はないわけでございます。
 他方、これまで、一般的な情報交換の一環としての情報提供にとどまらず、ある目標に南緯何度何分、角度何度で撃てというような行為は、情報の提供にとどまらない軍事作戦上の指揮命令、これの範疇に入るものでありまして、憲法上問題を生じる可能性があると従来から説明をしてきておりまして、この考え方にも変更はないわけでございます。
 この点、自衛隊及び米軍は、データリンクを活用いたしまして情報の共有を緊密に行いつつも、BMDシステムの下で迎撃を実施するに当たっては、それぞれのセンサーで捉えた目標情報をそれぞれの指揮系統に従って主体的に判断することとなっておりまして、憲法上は問題ないと考えております。
○東徹君 もう少し、ちょっと答弁を簡潔にしていただければというふうに思います。
 ちょっと時間がなくなってきましたので、テロ対策についてお伺いしたいと思います。
 日本時間の八月十七日午後九時、タイのバンコクの中心部で爆弾が爆発し、邦人を含む約百二十人以上死傷するという事件が起こりました。十八日もまた起こったということで、テロの可能性があるというふうな報道もされております。
 今回の法案によって国民がテロの標的になるのではないか、このような懸念を持つ国民もいるところであると思いますが、テロは起こらないというだけではなくて、テロが生じた場合にどのように国民を守るのか、どのような対策を講じていくのか、まずこういったことについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 今回の目的につきましては、国際法上、完全に合法で正当性のあるものでありまして、憲法の制約下で諸外国と比べて極めて抑制的なものでありまして、法整備によりましてテロの危険を高めるといった性格ではなくて、この法制の整備によりまして日本国民がテロの標的になるのではないかという指摘は当たらないわけでございます。
 法整備によりまして、在外邦人の救出、またPKO、NGO等の駆け付け警護の実施による救出、また破綻国家の出現を防止するというようなことにも役立つわけでございまして、この法案の整備は、現にテロの危険がある国際社会において我が国としての対応の幅を広げるものになると考えております。
○東徹君 毎年タイで開かれておりますコブラゴールドという多国間合同軍事演習というものがありますけれども、そこでは人道支援、復興支援、災害派遣などの演習がありまして、これらについては日本の自衛隊も参加をし、他国の軍隊と同じシナリオで訓練ができるわけですけれども、現状では武器使用を伴う対テロ演習については憲法上の制約から参加ができないというふうに言われておりますが、今回の政府案によってこれができるようになるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) まず、この平和安全法制の成立の後、新たに定められた様々な任務を適切に遂行するために必要な各種訓練、これを実施していくことになりますが、コブラゴールドでどのような内容の訓練を実施するかについても、自衛隊の任務の遂行に資する訓練であるか否かという観点から検討するようなことになるわけでございます。
 自衛隊は、防衛省設置法第四条九号に基づいて所掌事務の遂行に必要な教育訓練を実施しておりまして、コブラゴールドにおいてどのような内容の訓練を行うかについて、憲法及び法律の範囲内のものであるかどうか、また自衛隊の戦技技量の向上にとって効果的であるかどうかといった観点から個別具体的に判断してまいりたいと考えております。
○東徹君 非常にテロの危機も増してきているという状況でありますから、訓練はやっぱりやっていくべきだというふうに思っております、一般的な話でありますが。憲法上許される範囲でありますけれども、武器使用の伴う対テロ演習について是非訓練をやっていくべきというふうに考えております。
 続きまして、新三要件の第一要件で、国民の生命、自由及び幸福追求の権利の中にある国民とは在外邦人を含むものと理解しておりますけれども、現在多くの日本人が海外で活躍しておりますが、このような在外邦人の抱えるテロの脅威に対しては今後どのように対処していくのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 先ほど委員からも御指摘がありました、先日、タイ・バンコクで爆発事案が発生しました。この事案はまだ犯行声明が確認されていません。捜査中ではありますが、今年に入ってからも、シリアにおける邦人殺害事件、あるいはチュニジアにおける銃撃テロ事件等、様々な事件が発生しております。こういった中ですので、全ての国がテロの脅威にさらされる、こういった時代が来ていると言っても過言ではないと認識をしております。
 その中にあって、政府が邦人の安全を守るということ、これは重要な課題であり、そして、その中にあって、例えば情報の収集、分析、あるいは情報の発信、さらには邦人間の連絡体制の強化、さらには在外公館の人的体制、さらには警備体制、こういったものの強化など、様々な分野において体制の強化をしていかなければならない、このように認識をしております。
 先般、外務省におきましても、在外邦人の安全対策強化に係る検討チームを設置をし、提言をし、公表を行ったところでありますが、その際に、例えばSMS、メッセージの一斉発信制度を新たに導入して実際に実施に移すなど、できるところから邦人の安全確保のために今努力を進めているところです。
 引き続き、大きな重要な認識を持って取り組んでいきたいと考えます。
○東徹君 最初にも申し上げましたが、この二年間でアルジェリア、シリア、チュニジアで日本人がテロの犠牲になったということもあります。しっかりとテロ対策についても進めていかなくてはならないというふうに思います。
 続きまして、後方支援についてお伺いしたいと思います。
 今回の重要影響事態法による後方支援についてでありますけれども、後方支援について、法律上、地理的限定はなく、まさに地球の裏側まで行ける、そういうことが言われておりまして、際限なく自衛隊の活動範囲というものが広まってしまうのではないかと、こういう懸念もあるし、多くの国民は本当に大丈夫なのかという心配があります。
 一方で、安倍総理も、現実の問題として、我が国に近い地域において重要影響事態が生起する蓋然性が相対的に高いというふうにも答弁をされておりまして、政府も、事実上、我が国と地理的に近いところを主にこれは想定しているはずだというふうに思います。
 維新の党の独自案でありますけれども、この点に関しては、日米の連携を強化しつつも、自衛隊が後方支援できる範囲を地理的に限定することで、地球の裏側まで行ける、際限なく活動を行えるようになってしまうという国民の不安を払拭する内容となっております。
 安全保障に関する法制度は、まさに国民の生命、安全に関係するものであり、国民の支持というものが非常に大事だというふうに思っております。
 そこで、この点に関して政府案を修正するおつもりがあるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 今回の重要影響事態といたしましては、非常に今、国家間の相互依存関係が深化しまして安全保障環境が大きく変化をした現在において、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態、これが生起する地域において特定の地域をあらかじめ排除することは困難でございまして、今回改正をいたしたわけでございます。
 現実の問題として、我が国の近くで起きた事態の方が我が国の平和と安全に影響を与える程度は相対的に高く、重要影響事態に当たる蓋然性はより高いと考えておりますが、政府といたしましても、今後、発生した事態の規模、態様、推移等を踏まえて個別具体的に判断した上で、国会承認といった慎重な手続の下、必要な対応措置を講じる必要があると考えておりまして、政府といたしましても、あらかじめ特定の地域を排除することは困難であると考えております。
○東徹君 特定の地域を排除するのは困難であると、そういうふうに答弁を続けておるので、なかなか国民からはもう本当にこれ大丈夫なのかと心配され続けているんだというふうに思います。
 最後になりますが、後方支援における戦闘機の給油についてですが、これについても今まで安倍総理も答弁をされてきておりますけれども、戦闘準備中の戦闘機に給油するということは、まさしく武力行使と一体化されるというふうにこれこそ見られるというのは一般的な人でも分かるような話であるというふうに思うんですが、このことについてですけれども、武力行使と一体化しないのかどうか、このことについて是非お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) これについては、今の現行法の制定時におきましてはこの支援を行うことが想定をされなかったということから内容に含めなかったわけでございますが、今回改めて検討をした結果、現に戦闘行為を行っている現場では支援活動を実施しないという今般の一体化回避の考え方が適用できると判断をいたしまして、これについては、四つの要素、これが、一線を画する場所で行う、また戦闘行為とそれ自体とは明確に区別することができる活動である、また我が国の法令に従い自らの判断で活動できる、そして現に戦闘行為を行っているものではないということなどを考慮すると、一体化をするものではないと言うことができると考えております。
○東徹君 戦闘機ですから、その戦闘機が発進準備中であるわけでありまして、これに給油をしていくというのは、非常にこれはもう一体化とみなされるという、私はそういうふうに思います。
 是非このことについてもまた今後議論させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 午前中の質疑では、法案成立後に検討を始めるべきものという大臣答弁と統幕内部文書作成の指示の矛盾を私、指摘をいたしましたが、大臣は、統幕が行ったのは分析、研究、実際の運用要領の策定、訓練の実施、関連規則の制定は含まれていないと答弁しました。
 確認ですが、つまり、運用要領の策定、訓練の実施、関連規則の制定でなければ、それは検討ではなくて分析、研究ということなんですね。
○国務大臣(中谷元君) いわゆるこの分類でございますが、法案前でも行うことができる分析、研究というのは、当該法案において認識を深めて、法律の施行に伴い必要となる事柄についてあらかじめ整理をする行為という意味で申し上げております。
 他方、法案成立後に行うべき検討というのは、法律の施行に伴い必要となる事柄について、結論を得るために具体的な原案を策定をし、関係部局と実質的な調整を図っていくという行為という意味で申し上げておりまして、本法案については、運用の要領の策定、訓練の実施、関連規則の制定等が当たると考えております。
○小池晃君 これは本当にインチキですよ。
 運用要領の策定、訓練の実施、関連規則の制定、これは法案の具体化ですよ。検討を通り越していますよ。幾ら暴走する統幕だって、そんなことを法案成立前にやるはずがないと私は思いますよ。結局、これは苦し紛れのごまかしに過ぎないということだと思います。やっていることは、一般的に言えばこれは検討以外の何物でもない。それは大臣の、検討はしてはいけないという答弁に明らかに矛盾をするということを申し上げておきたいと思います。
 それから、午前中の質疑で、大臣は繰り返し、この統幕文書は大臣の指示の範囲内だとおっしゃった。ということは、これは内容も指示の範囲内、問題はないという認識ですね。イエスかノーかでお答えください。
○国務大臣(中谷元君) この文書の目的というのは法案の周知徹底を図るために作ったものでございまして、改めて文書の内容を見まして、私の指示の範囲内であると認識しております。
○小池晃君 指示の範囲内だと、内容に問題はないということなんですね。内容に問題はないんですね。指示の範囲内で、内容に問題はないんですね、お答えください。ちょっと、後ろから紙出さないでいいから。簡単なことを聞いているんだから。
○国務大臣(中谷元君) 私が指示をいたしましたのは、分析、研究を行えということ、また周知徹底ということでございまして、その範囲内であると考えております。
○小池晃君 内容に問題がないのかと聞いているんですよ。答えていない。答えてください。
○国務大臣(中谷元君) 一読をいたしましたけれども、あくまでも法案の内容について一層の研究をしていると、また隊員に対してこの法案の中身を周知徹底していると、そういう内容の範囲内であります。
○小池晃君 その内容に問題はないのかと聞いているんです。
○国務大臣(中谷元君) 私が読みまして、内容に問題がないと認識しております。
○小池晃君 内容に問題はないというのは、私、深刻だと思います。
 四十一ページに、新ガイドラインで新たに設けられることになった同盟調整メカニズムが常設のものとなることが明記され、「ACM内には、運用面の調整を実施する軍軍間の調整所が設置される」とあります。
 軍軍間の調整所って何ですか。
○国務大臣(中谷元君) これは既に存在をいたしております。つまり、今のガイドライン等におきましても、ミリタリー・ツー・ミリタリーというようなことで共同の調整所等が存在しているということでございます。
○小池晃君 軍軍間というのは、じゃ、自衛隊と米軍のことですね。
○国務大臣(中谷元君) 日米間のメカニズムの中で、米軍と自衛隊でございます。
○小池晃君 ということは、ここで言う軍は自衛隊ですねと私は聞いているんですよ。イエスかノーかで答えてください。はぐらかさないでください。
○国務大臣(中谷元君) 制服同士の関係でございまして、日米間では便宜的にミリタリー・ツー・ミリタリー、つまり軍軍間ということがございまして、制服中心で構成する組織であるという意味で、日米間の組織を便宜的に軍軍間、いわゆるMMといいますけれども、ミリタリー・ツー・ミリタリーという表現を使っております。
○小池晃君 だから、自衛隊を軍とする文書ですねと。この文書では自衛隊を軍としているわけですよね。それは大臣の指示の範囲内だとおっしゃっているわけだから、この軍軍間の調整所の軍は自衛隊ですねと。一つは米軍、一つは自衛隊。もうこんな単純な質問、イエスかノーかで答えてください。
○国務大臣(中谷元君) これは、一九九七年の旧ガイドラインで構築された日米間の調整メカニズムというのがありまして、また包括的メカニズムというのもあります。もう既に自衛隊と米軍という制服同士が調整や協議を行う組織としてBCC……(発言する者あり)説明させてください。
○委員長(鴻池祥肇君) 答弁中、答弁中。
○国務大臣(中谷元君) 日米共同調整所といいます、BCCといいます。また、共同計画検討委員会、BPCといいまして、これは、制服同士の関係について、日米間では便宜的にミリタリー・ツー・ミリタリーと呼んでおりまして、軍軍間というようなことを表現したということでございます。(発言する者あり)
○委員長(鴻池祥肇君) 速記止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を起こして。
○国務大臣(中谷元君) 自衛隊と米軍でございまして、この関係の略語でございます。
 なお、自衛隊は憲法上、必要最小限を超える自衛隊を保持しないという制約を課せられておりまして、自衛隊が通常の観念で捉えられる軍隊であるということを意味するものではないということは御承知のとおりでございます。
○小池晃君 この軍軍間が自衛隊、一つは自衛隊だということを認められた。
 自衛隊を軍とする文書が、これは大臣が内容は問題ないと言うのは、私、大問題だと思いますよ。
 しかも、軍軍間の調整所が中核になるわけですから、これはまさに米軍と自衛隊の総合司令部になるわけです、平時からの。しかも、調整というけれども、圧倒的な情報量を持っているのは米軍ですからね。これは、米軍が主導権を持って自衛隊が米軍の指揮下になることは誰が見たってはっきりしているわけでしょう。
 そもそも、新ガイドラインにも法案にも軍軍間の調整所なる規定は私ないと思うんですが、ないですよね。新ガイドラインにも法案にも軍軍間の調整所なる規定はないですね、確認してください。
○政府参考人(黒江哲郎君) 法案の中あるいは新ガイドラインの中での記述ということでございますけれども、先生が言われるような記述というものはございません。
 他方で、新たなガイドラインの中におきましても同盟の調整メカニズムというものが定められておりまして、これについて更にブレークダウンをするということは我々の任務でございますし、統合幕僚監部の任務でもございます。また、その際に、先ほど先生から御指摘がありましたけれども、これにつきまして、ガイドラインの中では日米双方はそれぞれの指揮系統に従って行動するという記述も併せてされておるわけでございます。
○小池晃君 余計なことを言わないでほしい。私はそんなこと聞いていない。
 ブレークダウンする。ブレークダウンで軍軍間の調整所ですか。こんなこと一切書いていないわけですよ。新ガイドラインには、「自衛隊と米軍との間の協力を強化するため、運用面の調整機能が併置される」、「平時から、連絡窓口に係る情報が共有され及び保持される。」ということは書いてありますよ。ただ、軍軍間の調整所なんという言葉はないわけですよ。
 結局、この文書の、私、大問題というのは、この法案に書かれていないことだけではない、新ガイドラインにすら書かれていないような中身が、これで初めて知ったわけですよ。前からありましたと言うけど、そんなことを国会で今まで一度も答えたことないじゃないですか。どうですか、国会で今まで一度でも説明したことがありますか。軍軍間の調整所が日米間に存在する、そんな答弁を、中谷さん、あなた国会でやったことがありますか。
○国務大臣(中谷元君) その前提ですけれども、今度の新ガイドラインでも、自衛隊及び米軍の活動について各々の指揮系統を通じて行動すること、また各々の憲法及びその時々において適用のある国内法令並びに国家安全保障政策の基本的な方針に従って行われるということが明記されておりまして、自衛隊が米軍の指揮下に入るということはございません。
 そして、これまでも、BCCといった日米共同調整所、またBPC、共同計画検討委員会といった枠組みが設置されておりまして、このような制服同士の関係におきましてこういった関係の調整所などは存在をした、しております。
○小池晃君 国会で答弁したことはありますかというのが私の質問なのに、一切答えていないですよ。イエスかノーかで答えてください。国会で今まで軍軍間の調整所なることを答弁したことがありますか。
○政府参考人(黒江哲郎君) 国会答弁の有無という事実関係につきましては改めて確認をさせていただきますけれども、このユニホーム同士の調整所といったものの存在につきましては、既に現行、現行といいますか、前のガイドラインの調整メカニズムの一環といたしまして、これを我々としましては防衛白書その他の文書で公にいたしておるところでございます。
○小池晃君 国会の議事録の中で軍軍間の調整所なるものは出ていないですよ。軍軍間の調整所と言ったら、それだけで国会は止まりますよ。そんなことが、まさに軍を自認するに至った自衛隊の下で、その中で国会にも明らかにしないでどんどんどんどん進んでいるというのは、本当に私、極めて重大な事態だというふうに思います。
 それから、四十一ページ、下の説明。四十一ページの下を見てください。ここは共同計画の策定について書かれているんですが、新ガイドラインでは今までのガイドラインの計画検討という表現が共同計画の策定を行うというふうになりました。しかし、統幕文書はそれにとどまりません。ここに何て書いてあるかというと、「これまでは日米共同計画については「検討」と位置付けされていたことから、共同計画の存在は対外的には明示されていませんでしたが、今後は共同計画の「策定」と位置付けられ、日米共同計画の存在を対外的に明示することとなります。」。
 今まで政府は何と答えてきたか。共同計画はあくまで検討段階で、計画そのものは存在しないという答弁を続けてきている。
 二〇〇三年の武力攻撃事態特別委員会で当時の石破防衛庁長官は、共同作戦計画がこれあるわけじゃないんだと、両国政府が行うのは共同作戦計画についての検討、共同作戦計画の中にそのようなものが入っているのかと聞かれれば、そのようなものができ上がっているわけではございません云々と答えているわけです。
 それから、中谷防衛庁長官時代に、これはブレア米太平洋軍司令官がアメリカの下院で、九七年のガイドラインに基づく共同作戦計画に署名したと証言をして、その問題を我が党議員が国会で取り上げて、大臣も答弁している。二〇〇二年三月の国会です。日米共同計画への署名が行われることを認めたけれども、その際にも、作業の進捗を確認するためのものだと。だから、共同作戦が存在することは一切これまで国会で認めてこなかったわけですね。
 これまで、検討を続けてきたのであって存在しないと言ってきたけれども、この文書を見る限りでは、実際には存在していたということになるんじゃないですか。これもイエスかノーかで答えてください。はっきり認めてください。
○国務大臣(中谷元君) これは、協議を積み上げてきて、経緯もございます。
 というのは、九七年のガイドラインの下に計画検討作業を行って、二〇一三年の十月の2プラス2の共同発表で、かかる作業の進展及び精緻化について確認がされ、更なる検討を積み重ねてきたということでございます。
 その上で、今般のガイドラインの見直し作業におきまして、日米間で、これまでの計画検討作業の進捗及び成果を踏まえれば、これにより相当程度精緻化された成果を得るに至っており、かかる精緻な検討結果について共同計画として保持することが両国の対応を一層迅速、的確なものとするために有益であると認識で一致しました。
 となりまして、このように共同計画につきましては、これまでの検討において徐々に精緻化された結果、計画として保持し得る段階に達したのでありまして、防衛省が共同計画の存在を隠していたという御指摘も当たりませんし、共同計画の内容、その詳細については、緊急事態における日米両国の対応に関わるものであるからということで、事柄上、性質上、お答えは差し控えさせていただきますが、この存在を隠していたということはございません。
○小池晃君 あるということですよ、これ。だって、ここを見てくださいよ。これまで検討と位置付けされていたことから共同計画の存在は対外的には明示されていませんでしたがと書いてある。あるということじゃないですか、これ、日本語、どう見たって、あるということじゃないですか。どうですか。
○国務大臣(中谷元君) 先ほど公式にお答えをさせていただいておりますが、ガイドラインの作業におきまして、日米間で、これまでの計画検討作業の進捗、成果を踏まえれば、これにより相当精緻化された成果を得るに至っており、かかる精緻な検討結果について共同計画として保持することが両国の対応を一層迅速、的確なものにするために有益であるという認識で一致をしたということを発表いたしております。
○小池晃君 要は、もうあるんですよ。今の答弁を聞く限り、精緻化されたものができているということじゃないですか。今までないと言っていたことをあると認めた、これ重大だと私は思う。こういうことが、この文書が出てこなかったら私は表に出なかったのではないかと思う。これは本当に重大ではないか。
 それから、四十二ページ見ていただきたいんですが、これは「平時からの協力措置」で、「情報収集、警戒監視及び偵察」、いわゆるISRについて書かれている。ここでは、「東シナ海等における共同ISRのより一層の推進」に加えて、「南シナ海に対する関与のあり方について検討」とありますよ。
 新ガイドラインにも法案にも、これないですよね。この検討も大臣の指示の範囲内ですか。南シナ海における関与の在り方について、ワーキンググループで関与の在り方について検討する。これは大臣の指示の範囲内なんですか。
○国務大臣(中谷元君) まず、これからの話ですが、一般論として申し上げれば、脅威の兆候を可能な限り早い段階で特定するとともに、情報収集、分析における決定的な優越を確保するために、日米両政府は共通の状況認識を構築し、維持しつつ情報を共有して保護をするということにしております。このため、自衛隊及び米軍は、アセットの能力として、利用可能性に応じて相互に補完的な方法で共同のISR、情報収集、警戒監視、偵察活動を行うということにいたしております。
 新ガイドラインにつきましては、双方の防衛協力に係る役割、任務等について一般的な大枠や政策的な方向性を示すものでありまして、お尋ねの南シナ海も含めて、特定の地域を対象にしているものではありません。新ガイドラインの下で具体的なISR協力については現実の事象に即して適切に対応していくことになりますが、本資料においてはあくまでも統合幕僚監部において今後検討していくべき課題として記載をしたものであると聞いておりまして、南シナ海においては現在自衛隊として継続的な警戒監視を行っておらず、またその具体的な計画を有しているわけではないということでございます。
○小池晃君 特定の地域を指定しないと言いながら、南シナ海における関与の在り方について検討すると。特定の地域が書かれています。今の答弁は全く間違っている、全くおかしな答弁だと。これは納得できないです。
○政府参考人(黒江哲郎君) 南シナ海におきまして自衛隊がどのような活動をするかという点につきましては、今国会におきましても幾たびか既に質問が出まして、これに対して防衛大臣からも明確にお答えをしておりますけれども、これまで我々としては、具体的な行動の計画というのはないけれども今後その点についても検討していくべき課題であるというお答えを累次いたしてございます。
 その内容を受けまして、統合幕僚監部におきましても今後の検討課題であるということを記述したというものでございます。(発言する者あり)
○委員長(鴻池祥肇君) 質問を継続してください。答弁に不満だったら、立ち上がってしたらどうですか。
○小池晃君 これは審議の前に出された文書で、全く説明されていないことが、南シナ海という地域名も特定されているわけで、それに対して全く答えていないわけですから、こんなことを繰り返しても時間が無駄ですから止めてください。(発言する者あり)駄目です。止めてください。ちょっと協議してください。同じことを答えるから、どうせ。どうせ同じことを答えるから。
○委員長(鴻池祥肇君) 委員長が発言いたします。
 ただいまの小池君の質問に対して、正確に明瞭に答えられるなら答えてください。
○国務大臣(中谷元君) 南シナ海の活動におきましては、私は大臣として、国会におきまして、これは課題であるということは数回以上答弁をいたしておりまして、その内容におきましてはまさに私の答弁と全く同じでありまして、今後の課題であるという記述そのものでございます。
○小池晃君 国会の審議が大分進んだ後で答弁したことを今みたいに、こんな何か最初から言っていたかのように言われたって、これは全く国会を欺くもので、委員長、これではもう同じことですから、ちょっときちっと協議してください。
○委員長(鴻池祥肇君) 速記止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) それでは、速記を起こしてください。
○国務大臣(中谷元君) もう一度答弁させていただきます。
 新ガイドラインは、日米の防衛協力に係る役割、任務についての一般的な大枠、政策的な方向性を示すものであり、お尋ねの南シナ海も含めて、特定の地域を対象としているものではありません。
 新ガイドラインの下で、具体的なISR協力については現実の事象に即して適切に対応していくことになりますが、本資料においては、あくまでも統合幕僚監部において今後検討していくべき課題として記載をしたものであると聞いており、南シナ海において現在自衛隊として常続的な警戒監視活動を行っておらず、またその具体的な計画を有しているわけではございません。
 なお、私は以前の国会答弁におきまして、四月二十三日に、この南シナ海の情勢に与える影響等につきましては今後の課題であるというふうに答弁をいたしておりまして、この記述におきましてもその範囲内の記述であると認識しております。
○小池晃君 新ガイドラインには特定の地域は書いていないわけですよ。それが新ガイドラインに基づく検討事項の中にちゃんと書いてあるわけですよ。だから、新ガイドラインで書いていないことがここに書かれている。このことについての、政府、どういうその説明をするのか、ここに特定の地域名を書いたことについて、統一見解を求めます。それを後でお願いしたいと思います。
○委員長(鴻池祥肇君) 後の理事会において諮るようにいたします。
○小池晃君 それから、四十七ページですね、下の方に何が書いてあるかというと、これはPKOについて書いてあるんですが、下に参考資料というのがあります。そこに何と書かれているか。自己保存型の武器使用については、「自己の生命又は身体を守るためのものであり、どのような場面でも憲法第九条との関係で問題にならないため、どのような場面でも権限として行使できる。」。
 これが防衛省の見解ですか。大臣。
○国務大臣(中谷元君) そのとおりだと思います。
○小池晃君 どのような場面でもですか。自己保存だったら、いかなる場合でも、どのような場面でも憲法第九条には違反しないと。こんなことを言っているから、あのイラク復興支援活動行動史でも黒塗りになった部分で、危ないと思ったら撃てという指示をしていたというのがあるわけですよ。私、こんなことを今まで国会で言ったことないと思います。こういうことが自衛隊の中で堂々と議論されているということに私は戦慄を覚えるんですよ。
 結局、丁寧に説明するというふうにおっしゃってきましたけれども、今日私が取り上げたこの文書の中身の問題は、何一つとして今まで国会で議論されたことのない問題ですよ。それがこういう文書になって出ているわけでしょう。衆議院の審議でも一切これは答弁されていませんよ、この中身は。国会に提出する前にアメリカと新ガイドラインを合意して、それで法案を出して、国会が審議が始まっていない段階でこれだけ詳細な中身が自衛隊の中では説明をされている。
 私、さっきから与党が何かかばって出てくるけど、これはおかしいですよ。与党だって怒らなきゃいけないんですよ。だって、国会って、じゃ、何なんですか。国会の議論の中で我々は問題点を指摘をする、それを受けて答弁をする、そういう中で法案というのは作られていくんじゃないんですか。こんなことやったら、全く国会は関係ないということになるじゃないですか。だから、私、こういう国会のまさに自殺行為のようなことを本当に認めていいのかということは、これは党派を超えた課題だというふうに思いますよ。これじゃ通過儀礼ですよ。
 私は、これは……(発言する者あり)そんなことないと言うけれども、一番怒らなきゃ。だって、大臣は見ていなかったんでしょう、私がこれ国会で示すまで。大臣、見ていなかったわけでしょう。大臣が怒らなきゃいけない問題じゃないですか。こんなことが自衛隊の中で堂々と議論され、具体化の作業まで進んでいるということなわけで、私、中谷大臣の責任、安倍総理の責任も極めて重大だというふうに思います。この文書の作成に責任を持つ統合幕僚長、証人喚問すべきだというふうに思います。
 改めて憲法違反の戦争法案は断固廃案にするしかないということを申し上げて、質問を終わります。
○田中茂君 日本を元気にする会・無所属会、無所属の田中茂です。
 小池先生の後、ちょっとやりにくいんですけれども、早速質問をさせていただきたいと思います。
 この安保法制の論議、この法案、戦争法案だとか、集団的自衛権を認めると戦争になる、そのようなレッテル貼りがありますが、しかし、集団的自衛権による軍事同盟の強化は反対に戦争のリスクを減少させ、国際社会の安定に寄与すると、これは学術的にも認められているわけであります。
 我が国の平和と安全は、専守防衛の範囲内の抑制的集団的自衛権と、周辺国との首脳会談の実施など地域の信頼醸成措置の強化にも努め、この両輪によって担保されるべきであると考えております。
 集団的自衛権は、軍事技術の高度化、発達の度合いと国際的相互依存の深まりに応じた自衛権の進化形であると考えておりますが、冷戦以後、国際情勢は時々刻々と変化しており、自衛権の形が進化すれば安全保障の概念も変化することは当然であります。例えば、米国、カナダ及びEUにおけるNATOの場合は、集団的自衛権による集団的チェックが働くため、かえって個別的自衛権の行使よりも極めて抑制的なものへと変化しつつあります。さらには、明示的に集団的自衛権を持つ同盟を宣言し、協調することで戦争を起こさない抑止力を強化させ、紛争予防と信頼醸成の役割を担っている一面もあります。
 そこで質問なんですが、冷戦時代と冷戦後における欧州のほぼ全域の国々が加盟している集団的自衛権を伴う軍事同盟であるNATOの安全保障に対する役割も変化したと思いますが、その変化について日本としてどのような分析をされているのか、お聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、NATOですが、これは武力攻撃に対する相互援助を約束する集団防衛のための機構でありますが、まず冷戦下においては、集団的自衛権の行使により東側陣営の脅威からNATO加盟国を守ること、これを主たる役割としておりました。
 そして、冷戦後ですが、NATOは、引き続き様々な脅威が存在する安全保障環境に対応するため、集団防衛を中核的任務と位置付けています。そして、それと併せて、ボスニア、アフガニスタン等における平和維持、安定化のための活動、さらにはソマリア沖海賊対処活動等を通じて、民族紛争、地域紛争やテロとの闘いにも対応してきており、かかる任務も中核的任務と位置付けていると承知をしております。
○田中茂君 今大臣がおっしゃったように、様々な面で安全保障の概念というものは変わっていっていると思っております。役割も当然ながら変化してきております。さらに、ワルシャワ条約機構が消滅した後、NATOには一九九九年から旧東欧の国々が加盟し、二〇〇四年にはバルト三国、二〇〇九年にはクロアチア、そしてアルバニアも参加し、現在は二十八か国が加盟しているはずです。今年のNATO軍事演習にはNATO加盟十四か国に加え、フィンランド、スウェーデン、ジョージアも参加し、ロシアへの牽制、抑止力となっているのも事実であると考えております。
 このように、軍事同盟イコール集団的自衛権は紛争抑止力にとどまらず、今や軍事同盟イコール集団的自衛権は政治同盟イコール政治的、経済的安定性強化へとつながっていると、そう考えております。簡単に言えば、NATO加盟国は集団的自衛権でお互いが助け合い、小国連的な体制になりつつあると、そう思っております。
 現代において、米国のエール大学のラセット教授が民主主義による平和と名付けたように、民主主義国家間での紛争はない、まれであると言われています。集団的自衛権も含む同盟国として緊密な関係を維持している国同士が戦争を行うことは、まずあり得ません。軍事同盟を結べば結ぶほど、同盟関係のきずなが増えれば増えるほど戦争のリスクが減り、国際政治の平和的安定に強く影響するという米国の国際政治学者による有名な研究もあります。
 ただ、アジアでは皆さん御存じのように欧州とは異なる風土と歴史があり、また多民族、宗教間における終わりなき対立もあり、おびただしい強大な帝国、王国の興亡の歴史もあります。石油及び鉱物資源の獲得等、多種多様な要因が複雑に絡み合っており、いわゆるEU、NATOのように単純に統一、簡単にはできないと、それも理解しています。
 そこで、アジアにおいてNATOと同等の機能を有する機構は今も言いましたように現段階では非現実的とは思いますが、将来の方向性として、日本政府としてはいかなる考えを抱いておられるのか、特に豪州、フィリピンなどの米国の同盟国との間で日本はどのような安全保障関係の強化を考えるべきなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、委員御指摘のように、アジアにおきましては政治体制、さらには経済の発展段階もかなり多様化しております。こうした多様性を有するアジアにおいて、少なくとも現時点でNATOのような枠組みを設立する、これは現実的ではないと考えます。
 そこで、アジアにおいてこの安全保障をどう考えていくかということですが、まず一つは、我が国として、日米同盟を基軸とするわけですが、アジアにおきましては、例えば東アジア・サミット、EASですとか、ASEAN地域フォーラム、ARFですとか、拡大ASEAN国防相会議、ADMMプラスですとか、こうした様々な対話の枠組みも現実に存在いたします。こうしたものを重層的に活用していく、これをまず考えなければいけませんし、それと併せて、今委員が御指摘になられました、日米同盟を強化するとともに、豪州ですとかASEAN諸国を含む世界のパートナーと信頼及び協力関係を深めていく、こうした関係を築いていく、これが重要だと思います。
 多国間の現実にある枠組みと、今申し上げた世界のパートナーとの信頼関係、協力関係の構築、これを重層的に組み合わせていきながら安全保障を考えていく、これがアジアにおいては現実的な対応ではないか、このように考えます。
○田中茂君 今大臣いろいろと御説明いただきましたが、今現在、アジアでは、日本、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランド、韓国の五か国が米国と安全保障条約を個別に締結し、いわゆるハブ・アンド・スポークの同盟構造にあると言われております。同盟国のあつれきが減少し、東アジア領域における政治的安定へと進化して、同盟国間での軍事費分担により日本が軍事大国化せず、安全と平和につながるであろうことは容易に想像もできます。
 先ほど大臣おっしゃいましたが、現在、アジアには対話と経済機構、いわゆる、先ほどもおっしゃいましたが、EASもあればAPEC、PECC、PBECもあればAPPF、さらには包括的な安全保障の対話の枠組みとしてARFがあり、このARFに関しては北朝鮮と中国が参加する場合は対話が成立しないという批判もありますが、その枠内に入れてARFを強化することも紛争予防と信頼醸成へとつながり、地域の政治的、経済的安定、そして繁栄にも寄与すると考えております。これに日本は積極的に関わっていくべきであります。
 集団的自衛権限定行使容認による同盟の強化とともに、周辺の国との対話と信頼醸成を強化することももちろん重要であります。特に、最近激化している国際テロという新たな脅威に対して、その対応も含めて、アジア太平洋にある既存の国際機関、今先ほど大臣もおっしゃったように、その既存の機関、そして組織を進化、発展させていく、そのためにも日中韓定期首脳会談開催の重要性がより一層強まっていると、そう思っております。
 そこで、質問なんですが、日中韓首脳会談へ向けての現況についてお聞かせください。また、つい先般ARFが開催されましたが、集団的自衛権限定行使を認める一方で、将来に向けてこのような取組の積極的関与が極めて重要になると考えております。今後の日本の戦略上どのようなスタンスで臨んでいくのか、現状認識と今後の政策についてお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、前半の日中韓のサミットの見通しですが、まず、今年三月に日中韓の外相会談、久しぶりに開催することができました。その際に、日中韓サミットにつきましては最も早期で都合のよい時期に開催することで一致をしたということでありました。そして、その後、これは今月六日ですが、マレーシアにおきまして日韓外相会談を開きました。日韓外相会談の席で尹炳世韓国外交部長官との間で、日中韓サミットを年内の早期開催を目指して協力をしていく、このことを確認いたしました。
 こうした日中韓サミット開催に向けて議論を続けているわけですが、サミット、この三か国の首脳間の対話、極めて重要な対話であると認識をしております。是非、こうした積み重ねの延長線でできるだけ早期に開催にこぎ着けていきたいと考えます。
 そして、後半の御質問、ARFの御質問でありますが、多様性を特徴とするこのアジア太平洋地域における安全保障の向上、あるいは信頼醸成の促進、こうした観点から重要なフォーラムであると認識をしております。そして、このARFについては、委員も御指摘になられましたが、北朝鮮が参加している対話の枠組みであるというのが一つ特徴として挙げることができます。そして、近年は、安全保障のみならず、海洋ですとか災害救援ですとか、テロあるいは国境を越える犯罪対策、あるいは軍縮・不拡散、こうした分野においても取組が行われている、こういった点を我が国としては評価をしています。
 今月六日に開かれましたマレーシアでの第二十二回ARF閣僚会合におきましても、南シナ海あるいは北朝鮮問題を始めとする地域情勢について我が国の立場を明確にする、こうしたことも行いましたし、日本の安全保障政策、現在審議いただいている平和安全法制のこの法案についても説明する、こういった機会となりました。
 是非、我が国としましては、引き続きARFを重要なフォーラムと位置付けて、しっかりと貢献をしていきたいと考えます。
○田中茂君 先ほど質問でもありましたが、何度か、タイでもテロが行われております。新たな脅威対策ということで、そういう世界中が一致してその体制をつくっていかなくてはいけないという、こういう時期であります。
 日中韓首脳会談がこんなに長い間行われていないというのはこれ異常な事態だと、私はそう思っております。特に、今回の集団的自衛権限定行使容認に向けて動くのであれば、朝鮮半島有事、台湾有事、あらゆるものも想定したときに、日中韓の首脳同士の定期的な会談というのが、これが今現在行われていないということはこれ致命的な問題でもあると、そう思っております。だから、この日中韓首脳会談に関しては、あらゆる手を尽くしてでもいいですから開催へ向けて是非とも努力していただきたいと、そう思っております。
 先ほど、ラセット教授が民主主義国家間での紛争はないと言いましたが、日本の周辺には残念ながら民主主義とは言えない国があります。そういう意味では、軍事的危機が高まる可能性は十分あるわけで、今回の法整備による集団的自衛権行使が抑止力となるのは至極当然であると考えております。
 従来、政府の解釈は、集団的自衛権は国際法上は保有しているがその行使は憲法上許されないとありましたが、これは、例えば言論の自由が権利はあるけれども行使はできないというそのような論理矛盾を明らかにしているようなものであります。今回、そういう意味では、この非常識な論理矛盾が、そういう状況であったことを改善されたという意味では私は非常に評価しておりますので、そういう考えを述べて、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
○浜田和幸君 次世代の党の浜田和幸です。
 様々な日本を取り巻く安全保障の環境の変化、それに的確に対応するということが今回の安保法制の一番の重要な点だと思っています。
 実は、あしたから日本海を舞台にして中国とロシアの共同軍事演習が開始されることになっています。今、ロシアの太平洋艦隊、中国の戦艦がウラジオストクに続々と結集をしているんですね。この日本海で中国の海軍がロシアの海軍と合同の軍事演習を行うというのは、中国の歴史上初めてのことであります。実は、この五月にも地中海で中国とロシアが共同軍事演習を展開いたしました。来年の五月には南シナ海でロシアと中国の共同軍事演習が計画されているということがロシア、中国から発表されています。まさに日本で我々が議論している、全く現在進行形で中国とロシアが日本海でこのような大規模な共同軍事演習を行う。
 まず、中谷大臣に、今回初めて日本海で中国、ロシアがそういう軍事演習を行う、そういう中国、ロシアの意図をどのように分析されているのか。また、外務省として、そういう軍事挑発行為に対してどのような対応を考えるべきだとお考えなのか。その点について、まずお考えをお聞かせください。
○国務大臣(中谷元君) これは私見でございますが、国際情勢というのは大きく変化をいたしておりまして、中国もロシアも、やはり安全保障、また防衛協力等につきましては、各国との必要性に基づいてこういった合同演習などを実施をしていると思っております。
 なお、同時に、アメリカと韓国におきましても米韓の今、軍事演習も実施をいたしておりまして、我が国も米国や他国との共同訓練も実施をいたしておりますが、それぞれの国際社会の変化の中でそれぞれの国が安全保障の政策に基づいていろんな活動をしているというものの一部だと認識しております。
○浜田和幸君 外務大臣にも、日本の政府としての対応を是非お聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の合同演習の動き等、国際的な動きにつきましては、しっかりと情報収集、分析等を行い、注視をしていかなければならないと考えます。
 その意図について何か申し上げる立場にはありませんが、しっかりと情報収集、分析を行うと併せて、外交の立場からは、何よりも我が国にとって好ましい安定した国際環境をつくるために外交努力を続けなければなりません。御指摘の東アジア地域においても、是非安定した国際環境をつくるべく外交努力を続けていきたいと考えます。
○浜田和幸君 その関連で、いろいろと今回もこの委員会で議論になりましたけれども、バンコクでの邦人も巻き込まれたテロ、そしてまた天津のあの中国史上最大と言われる爆発事件ですよね。これ、別にテロと認定されているわけではありませんけれども、その可能性も否定できませんよね。そういう日本を取り巻く、あるいは日本人が巻き込まれる可能性のあるようなテロがあちこちで起こっている。また、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックということを想定しますと、攻撃する集団からすると一番見せ場になる可能性もあるわけですよね。
 そういう意味で、今、外交当局あるいは防衛当局として、この国際的なテロに関する予防あるいは彼らの動きを事前に察知する能力、これをどう高めて、それを日本人に対する安全情報としてどのように警告を発するのか、その辺りについての現状、取組、お考えをお聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘のようにテロリズムの脅威は増していると認識をしております。そしてその際に、外務省としては、まずは情報収集・分析能力の強化に努めなければならないと考えています。
 そのために、例えば今般、外務省内に国際テロ情報収集ユニットを新設し、内閣官房に併任される幹部級職員を配置する。また二つ目としては、拠点となる在外公館に国際テロ情勢、現地情勢や語学に精通する適任者を配置し、情報収集体制を強化する。また三つ目としましては、官邸幹部、外務省や内閣情報調査室を含む関係省庁との間で定期的に各々の情報及び情報関心を共有し、焦点や優先度について集約する仕組みを構築する、こうした取組を進めているところであります。
 こうした国内の取組と併せて国際社会との情報共有における連携、これも重要だと思いますし、その連携の形としましてG7の枠組みですとか日米豪テロ対策対話、こうした多国間あるいは二国間の定期的な協議が存在いたします。こうしたものと相まって、情報収集能力あるいは情報共有の体制、こういったものが一層強化されるよう努めていきたいと考えます。
○浜田和幸君 そのテロ対策ということでは、やはり中東の世界がテロの温床、ISISを含めて様々な課題を我々に突き付けているわけですよね。
 そういう中で、現在、イラクの日本大使館に駐在武官が不在という状況が続いています。クウェートの武官が兼任をしているという状況ですよね。やはり、昨今のイランの核問題に関する六か国の協議が合意された、そしてイランの状況を踏まえると、イラクの動きというのはとてもこれから重要な課題だと思うんですけれども、いつ、どの時点でイラクの日本大使館での駐在武官の不在という状況が解消されるのか、その辺りについての外務大臣あるいは防衛大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○大臣政務官(石川博崇君) 私からお答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、イラクの軍事情報の収集体制の強化というのは重要な課題だと認識をしております。防衛省といたしましても、ISILの動向を含めた国際的なテロの動向について情報収集するとともに、中東地域は我が国にとって安全保障の観点からも重要性を増しておりますことから、同地域についての更なる情報収集能力の強化が重要と考えております。
 このような考えに立ちまして、また御指摘のシリア邦人殺害テロ事件も踏まえまして、中東地域における情報収集体制の当面の強化策といたしまして、本年六月三日、在クウェート防衛駐在官がイラクを兼轄することとなりました。この在クウェート防衛駐在官は早速精力的に情報収集に当たっておりまして、まず、そもそもクウェートには対ISIL作戦を担当いたします米中央軍統連合任務部隊司令部、CJTF―OIRが存在しておりまして、この駐在武官がクウェートにおきまして同司令部と日常的に接触することができます。また、情勢の変化に応じて迅速にイラクに入国することもでき、既に二回にわたってイラクを訪れ、今月も十日以上にわたってイラクに滞在して情報収集等の業務に当たっているところでございます。
 こうした在クウェート防衛駐在官のイラク兼轄によりまして相当な情報を得ることができると期待しているところでございますが、今後とも中東地域における更なる情報収集体制の強化に向けて検討をしてまいりたいと考えております。
○浜田和幸君 イラク政府からも、もし日本がそういうイラク情勢、中東情勢に本当に立ち向かうつもりがあるのであれば、フルタイムの日本の駐在武官を是非クウェートとの兼轄ではなくてイラクに派遣してほしいという要請もありますので、是非早めにそういうことが実現できるようにお願いしたいと思います。
 タリバンのオマル師が先日亡くなった、もう二年前に亡くなっていたということがこの時点で公表されたわけですけれども、彼が亡くなったことによってタリバンとISISとの連携が急速に加速している。そういうものがこのアジア地域、日本にもどのような形で影響を及ぼすか分かりませんので、是非そういう意味での情報収集能力を高めていただきたいと思います。
 そして、オリンピック関連でインフラに対する攻撃ということも十分あり得るわけですけれども、警察庁の方からもそれに対する対策について是非現状をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(斉藤実君) 御指摘のとおり、我が国に対するテロの脅威が現実のものとなっている中、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会は国際テロ組織等にとって格好の攻撃対象になり得るものと認識をいたしております。
 こうした認識の下、警察庁におきましては、本年六月一日に、オリンピックの開催までのおおむね五年程度を目途として重点的に取り組むべきテロ対策を警察庁国際テロ対策強化要綱として取りまとめたところでございます。
 具体的には、人材の育成、各国治安情報機関との関係強化等による情報収集・分析能力の向上と国際テロリズム緊急展開班の活動基盤の強化、あるいは科学技術の活用によるインターネット上の情報収集の強化、さらには入管、税関等と連携をした水際対策や官民連携の強化、そしてまた各種部隊の能力向上等による国内におけるテロ発生時の事案対処能力の強化等の対策でございまして、今後、日本警察の総力を挙げて強力に推進をしてまいる所存でございます。
○浜田和幸君 是非、ABC戦略のアトミック、そしてバイオロジカル、ケミカル、その後のDですよね、D戦略、デジタル戦争にどう立ち向かうか、これが日本の技術力、情報収集力が問われていると思いますので、オリンピック・パラリンピックの成功に向けて是非万全の情報収集体制をお願いしたいと思います。
 最後に、今回の安保法制の施行後に様々な集団的自衛権の行使という事態になった場合に、我が国の防衛予算というものが当然増える可能性があると思います。アメリカからも大変強い高い期待が表明されていますよね。アメリカがこれまで単独で闘っていたそういうテロとの闘い、そういったところに日本がアメリカや同盟国と一緒になって世界の平和と安全のためにどこにでも出かけていくことが可能になる、これは過大な負担、過大な期待かも分かりませんけれども、現実にはそういう期待が次々とアメリカの政府から表明されています。
 じゃ、果たして今の中期防の予算計画の中で、このような新しい任務に対して、十分な人的配置あるいは装備品の調達、最後には、在日米軍の駐留費、あるいは米軍が世界で戦うときに経費を日本がどの程度負担するのか、思いやり予算だけで済むものかどうか、そういった予算をどのようにこれから確保することができるものか、見通しについて、是非、中谷防衛大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 防衛省の予算につきましては、自衛隊の装備など、今回の法制とは別途、一昨年末の防衛大綱、また中期防を閣議決定されておりまして、安全保障環境を踏まえて自衛隊の体制整備、これを図っております。
 中期防におきましては、五か年の防衛費の総額を明示をしまして、五年間実質平均〇・八%の防衛費を伸ばす計画となっておりますが、今回の法整備によりまして自衛隊の役割はより一層重要になってまいりますけれども、全く新しい装備が必要になったり、あるいは防衛費の大増強、これが必要になるということではございません。あくまでも自衛隊の任務は我が国の国民の命と平和な暮らしを守る、そういう内容でございますので、引き続き現行の計画に従って着実な防衛力の整備を行っていく考えでございます。
○浜田和幸君 よく分かるんですけれども、何が起こるか分からない、想定外のことが起こるというのが今の現状だと思うんですよね。予定していた中期防の予算の伸展の中で果たして十分アメリカや世界の期待に応えるものかどうか、その辺り、緊急事態に対する柔軟な予算措置、予備費の蓄積ということを含めて、是非、十分な検討、対応をお願いして、私の質問を終わりたいと思います。
○中西健治君 無所属クラブの中西健治です。
 午前中は集団的自衛権の国際法上の概念について議論させていただきましたけれども、午後の質疑では、まず昭和四十七年の政府見解についてお聞きしていきたいというふうに思っております。
 政府は、昭和四十七年の政府見解、基本的論理は維持した上で当てはめを変えるんだ、だから結論が変わるんだと、こういう論理構成を取っているわけでありますけれども、この説明はやはり無理があるんじゃないかなというふうに思います。
 資料を配らせていただいておりますけれども、その資料の四番、四ページ目、御覧いただきながらがよろしいかと思います。是非御覧いただきたいと思いますが、この資料の四、これは、政府が集団的自衛権の行使を容認する根拠としている昭和四十七年見解の第三段落を取り出したものであります。
 第三段落、一つの段落にすぎないものですけれども、これを政府は集団的自衛権の行使を容認するに当たって、一つの段落を@の部分、Aの部分、Bの部分と三つにわざわざ切り分けた上で、Bの部分の冒頭に「そうだとすれば、」と結論を導くとも取れる接続詞があることから、@、Aの部分が基本的論理、Bの部分が帰結であり当てはめと分けた上で、@、Aの基本的論理を維持して、Bの当てはめを変えて、集団的自衛権の行使を限定容認する、そして法的安定性は保たれる、こんな説明をしているわけでありますけれども、しかし、本当にそうなのかということであります。
 このBの部分、よく見ますと、「そうだとすれば、」という接続詞の後に「したがって、」という結論を導く接続詞が認められます。そのため、基本的論理と帰結とに分ける、結論に分けるという政府の考え方に沿って考えるのであれば、Bの「したがって、」以下が結論であって、@、Aの部分と、それに加えてBの前段、すなわち、個別的自衛権に限られるまでが基本的論理として維持されなければならない部分ではないかというふうに思われます。このように捉えた場合には、基本的論理の中に個別的自衛権への限定が含まれるため、集団的自衛権の行使はこの昭和四十七年の政府見解からは認められないということになるのではないかと思います。
 この昭和四十七年の政府見解における基本的論理は、@、Aの部分のみならず、Bの前段までを含む、そしてBの後段が結論である、こうした解釈になるのではないでしょうか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) お示しの資料に基づいて御説明させていただきたいと思います。
 このBの前段部分を見ていただくと、二つの部分から成っています。「憲法の下で武力行使を行うことが許されるのは、」として、次に、「わが国に対する急迫、不正の侵害に対処する場合に限られる」ということになっています。
 なぜ、許されるのは限られるということになりますと、その間に理由というものが必要になります。その理由なるものが、この@の部分とAの部分ということであります。その意味で、「そうだとすれば、」という接続詞が用いられていると理解しております。
 そして、御指摘のBの部分の前段と後段の関係でございますけれども、Bの前段の部分におきまして「憲法の下で武力行使を行うことが許されるのは、わが国に対する急迫、不正の侵害に対処する場合に限られる」ということを言った以上は、これすなわち、Bの後段部分、「したがって、」でございますけれども、「いわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されない」ということになるわけでございます。そういう構造になっているということでございます。
○中西健治君 「したがって、」という接続詞、これは結論を導く接続詞なのではないでしょうか。
 今、横畠長官は「したがって、」というのをすなわちと言い換えましたけれども、「したがって、」と言う以上は、これは結論を導く接続詞であって、すなわちと言ったり、つまりといった接続詞とはこれは違うと理解すべきなんじゃないでしょうか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) Bのその後段部分の「したがって、」ということでございますが、Bの前段、後段、いずれもその結論であります。
 それ、なぜ結論かといいますと、先ほど申し上げたように、@の部分、Aの部分が、憲法の下でも武力の行使が許される場合があるのだ、それがどのような場合なのかというその理由、根拠、基本的論理と申し上げていますけれども、憲法の下でも武力の行使が許される場合があるのだ、その場合はどういう場合であるのかということを説明したところが@、Aの部分であるということを申し上げているところでございます。
○中西健治君 何か非常に都合の良い解釈をしているのではないかというふうに思います。
 「そうだとすれば、」という接続詞ですけれども、これは通常考えれば、論理の展開を示す接続詞なのではないかと思います。ですから、論理の展開がBの部分の前段まで行われているということなんじゃないかと思います。そして、「したがって、」は、やはり結論を導く接続詞と解するべきなんではないかと思います。
 私はそのように思いますけれども、もし政府の言うように、「したがって、」を同義の関係だということで言うのであれば、「そうだとすれば、」という言葉もより同義の関係に近いもの、そうした接続詞になるんじゃないかと思います。
 そして、そうだとすれば、Aの部分とBの部分を同義で読むということになりますと、このBの部分の前段は、これは「わが国に対する急迫、不正の侵害に対処する場合に限られるのであって、」、要するに個別的自衛権に限られるということを言っているわけでありますから、Aの部分のよく議論になります「外国の武力攻撃」、これも我が国に対するものに限定して解釈すべきなんじゃないでしょうか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 繰り返しになるかもしれませんが、Bの部分は、その前段、後段を含めて結論であると理解しております。
 我が国に対する急迫不正の侵害に対処する場合に限られる、あるいはいわゆる集団的自衛権の行使は許されないということだけでは、なぜそうなのか、なぜそのように解釈するのかという理由が何も述べられていないことになります。まさにその理由を述べているところが@の部分とAの部分であると、そのように理解するほかないと理解しております。
○中西健治君 いや、私は、@、A、そしてBの前段までが基本的論理であって、そしてBの部分の後段が「したがって、」ですから、結論ということに解するのが通常の日本語の読み方なんじゃないかというふうに思います。
 そして、今のこの「外国の武力攻撃」が我が国に対するものに限定して解釈すべきかどうかということについてお答えいただいていませんので、お答えいただきたいと思います。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) Aのところでは「外国の武力攻撃」とございます。Bの部分では「わが国に対する」ということを明記してあります。
 その意味で、その結論を導くための理由、根拠として述べられているAの部分で用いられている「外国の武力攻撃」というのがもし我が国に対する武力攻撃そのものであるということであるとするならば、それ自体がまさにその結論を先取りして述べているということになってしまって、それは理由、根拠にならないということになろうと思います。
○中西健治君 ということは、この「外国の武力攻撃」の前に我が国に対するという言葉が入っていないのは意図的に欠落させたものである、このように解釈しているということでしょうか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 少なくとも、この昭和四十七年の政府見解の論理展開、説明の構造からしますと、そのように見えると。まさに、その「外国の武力攻撃」については、我が国に対するという限定をする以前のまさに外国の武力攻撃、すなわち自然災害とかそういうことではなくて、外国の武力を用いた急迫不正の侵害行為によって、まさに我が国ですけど、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態に対処して、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置という、そういうものは憲法九条は禁じていない、そういう場合の武力の行使は憲法九条は禁じていないんだという、その理由を述べているところであると理解しております。
○中西健治君 これまでの質疑で横畠長官は、この四十七年の見解が作成された当時の事実認識として、我が国に対する武力攻撃でなければ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される事態に至らない、こういったことをおっしゃられていますけれども、それはそういう認識でよろしいでしょうか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) このAの部分の論理が「そうだとすれば、」ということでこのBの前段部分の結論に結び付くためには、まさにその当時の認識として、我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみがAの言うところの「外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底からくつがえされるという急迫、不正の事態」に当たるのだ、その場合のみであるという事実認識を前提にして「そうだとすれば、」という結論を導いていると理解するほかない。ただし、今般におきましては、安全保障環境の変化に対応いたしまして、そのような場合に限らない場合があり得るということで新三要件を導いたということでございます。
○中西健治君 事実認識について、当時の事実認識は、我が国に対する武力攻撃がなければ深刻な事態に至らないと、こういうような事実認識であったというふうにおっしゃられていますけれども、この政府見解が参議院の決算委員会に提出された同じ日に、防衛庁から決算委員会に政府見解が出ております。「自衛行動の範囲について」という防衛庁の見解が出ておりますけれども、これ、防衛大臣、以前から御存じでしたでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) はい、認識しておりました。
○中西健治君 であれば、中身のこともよく御存じなのではないかと思いますが、今、横畠長官が事実認識として、それだけだったはずである、それのみであったと言ったのと全く異なることがこの防衛庁からの資料、政府見解には書かれているんです。
 それは何が書かれているかというと、「自衛行動の範囲について」という資料の中で、憲法九条が許容している自衛行動の範囲について、そのときの国際情勢、武力攻撃の手段、態様により千差万別であり、限られた与件のみを仮設して論ずることは適当でないと思われる、こういう政府見解が同日に出ているんです。
 これは、あらゆる可能性があるということを想定していたということなんじゃないでしょうか。事実認識としてそうだったということじゃないでしょうか。防衛大臣。
○国務大臣(中谷元君) この四十七年の見解と同時に決算委員会に提出した「自衛行動の範囲について」という資料、これにつきましては海外派兵について記載をされておりまして、武力行使の目的をもって武装した部隊を他国の領土、領海、領空へ派遣するいわゆる海外派兵、これは一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上許されないと解しているという認識を持っております。
○中西健治君 私が申し上げたいのは、法制局長官は当時の事実認識として個別的自衛権のことしかないということをおっしゃられていたと思います。しかし、そうではないということなんです。この防衛庁の資料ではあらゆる事態を想定していると、こういったような資料が出ているので、これは二つの政府見解が同日に出されています。そして、同じ水口委員の質問に対する見解としてまとめられているんです。矛盾していませんか。
○国務大臣(中谷元君) これにつきましては、私の考えでございますが、同時に自衛権の発動の三要件、これを満たすものがあるとすれば、憲法上の理論としてはそのような行動を取ることが許されないわけではないと解しておりまして、特に敵地攻撃について、従来の考え方は、法理上、法的な理屈の上で新三要件の下でも変わらないというような、その以前に答弁があるものでございますので、そういったことを念頭に書かれたものではないかなと私は解釈をしております。
○中西健治君 今の答弁ちょっとよく分からないので、委員長に求めたいのですが、四十七年に出されましたこの「自衛行動の範囲について」という防衛庁の資料と、それから横畠長官が四十七年当時の事実認識としてこれしか考えられないと言っていることについての関係について、これを政府の統一見解を求めたいと思います。
 私の質問はこれで終わります。ありがとうございました。
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまの件に関しましては、後の理事会にてお諮りすることといたします。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 予算、費用についてお聞きをいたします。
 ISIL、イスラム国に対する掃討作戦のアメリカ国務省が発表した費用、これは一日九百八十万ドル、十二億円ということでよろしいですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 米国の国防総省の公開情報によりますならば、七月三十一日現在、昨年八月八日に開始された対ISIL作戦に掛かった費用は合計三十五億ドルとされています。
 この間三百五十七日ですので、一日当たりの平均費用、九百八十万ドルになると承知をいたします。
○福島みずほ君 莫大なお金が掛かっています。年間四千億円、十年間やれば四兆円になります。
 集団的自衛権の行使には反対です。戦場で人を殺し殺されるわけですから、莫大な人たちの命が奪われます。
 それともう一つ、予算、まさに会計の問題があります。掃討作戦、これ一年間に四千億円、莫大なお金です。ISILへの空爆等に関する協力支援活動、これは条文上できないということではないですね。
○国務大臣(中谷元君) 法案にはそのほか条件としてありまして、その三つの条件を満たさないとできないわけでございます。
○福島みずほ君 三つの条件というのは違うでしょう。それって新三要件のことじゃないんですか。(発言する者あり)違う。じゃ、言ってください。
○国務大臣(中谷元君) 国際平和支援法で我が国が後方支援を行うためには、要件となる国連決議の存在のみならず、第一に国際社会の平和及び安全を脅かす事態に関し、第二にその脅威に対して国際社会が国連憲章の目的に従い共同して対処していること、第三に我が国が国際社会の一員として主体的かつ積極的に寄与する必要があると認められることといった法律に定められた要件、これを満たす必要がございます。
○福島みずほ君 重要影響事態法の方は国連決議など必要ではありませんが、ISILへの空爆等に対する支援活動は条文上できますか、できませんか。
○国務大臣(中谷元君) ただいま三要件を述べましたが、ISILに対する作戦への後方支援につきましては、現時点でこれらの要件を満たしているかどうか、これは判断をしておらず、また、その判断を行う必要があるとも考えておりません。
○福島みずほ君 法律上の定義に当てはまるかどうかを聞いています。どっちですか。
○国務大臣(中谷元君) まず、この法案で、先ほど言いましたけれども、国連決議があるか否かのみで決まるわけではなくて、ほかの要件を満たすか否か慎重に判断する必要があると。その上で、この国連決議の要件として申し上げるならば、これは同法の三条一項一号ロに規定する決議に該当し得ると考えますが、他方、先ほど申し上げました三要件ですね、これの要件も満たす必要がございまして、現時点でこれらの要件を満たしているかどうか、これは判断をしておりません。また、その判断をする必要があるというふうにも考えておりません。
○福島みずほ君 条文上当てはまるかどうかという判断はできるでしょう。法律は誰が解釈しても一義的にされなければおかしい。だとすれば、法律上できるんでしょう。
○国務大臣(中谷元君) ただいま述べたとおりでございますが、我が国は軍事的作戦を行う有志連合に参加する考えは全くありません。ISILへの空爆等への後方支援を行うことは全く考えておりませんし、これは今回の法律が成立した後であっても不変でございまして、我が国は今後とも、難民、避難民に対する食糧・人道支援など、我が国ならではの人道支援を拡充して、非軍事分野において国際社会における我が国の責任を毅然として果たしていくという考えでございます。(発言する者あり)
○委員長(鴻池祥肇君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を起こしてください。
○福島みずほ君 定義上除外されていますか。
○国務大臣(中谷元君) 国連決議につきましては、答弁したとおり、該当し得るということでございます。
 ただ、軍事的作戦をやることは全く考えておらず、この法案においての適用等につきましては全く判断をしていないということでございます。
○福島みずほ君 今の判断なんか聞いていません、法律上の解釈を聞いています。ここは国会です。政策論議なんか聞いていません。
 誰が考えても、定義に当てはまるか当てはまらないか、定義に当てはまるでしょう。
○国務大臣(中谷元君) この三要件に当てはまるかどうかにつきましては、個別具体的に判断する必要がありまして、この要件を満たさなければ実施できないし、仮に満たすとしても事前に国会の承認をいただくということが必要でございます。
 ISILに対する作戦への後方支援については、現時点でこれらの要件を満たしているか、これは判断をしておりません。また、その判断を行う必要があるとも考えておりません。(発言する者あり)
○委員長(鴻池祥肇君) 質問を続けてください。
○福島みずほ君 答えてないですよ。時間を無駄にしないでください。真剣勝負やっています。
 法律の定義に当てはまるか当てはまらないか、十年後の内閣がどう判断するかですよ。そのことを聞いているんですよ。政策判断なんか聞いていません。
○国務大臣(中谷元君) 全く判断をすることは現時点はないわけです。ですから、当てはまらないということでございます。
○福島みずほ君 現状で当てはまらないという解釈はできないということでよろしいですか。
○国務大臣(中谷元君) この国際平和支援法で我が国が対応措置を実施するためには、要件となる国連決議の存在のみならず、この三要件、これを共に満たす必要がありますが、現時点でこれらの要件を満たしているかどうか、これは判断をしておりません。また、その判断を行う必要は全くあるとも考えておりません。
○福島みずほ君 法律の、こんな、議論ができません。以前は当たると言ったじゃないですか。政策判断なんか聞いてないんですよ。
○委員長(鴻池祥肇君) 答弁しますか。(発言する者あり)
 速記止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記起こして。
○国務大臣(中谷元君) 我が国は、軍事行動を行う有志連合に参加する考えは全くなくて、このISILへの空爆等への後方支援を行うことは考えておりません。これは、今回の法案が成立した後でも不変でございまして、私は以前から答弁におきましては、最初の国連の決議の要件、これについては該当し得ると考えておりますが、残りの三要件につきましては、これを満たすというようなことは判断をしていないし、またその判断を行う必要がない、あるとも考えていないと、ずっと一貫をいたしております。
○福島みずほ君 中谷防衛大臣の下で論議はできません。法律の議論をしているのに、考えがあるかないかなんてそんな議論していません。法律は未来永劫、その法律がある限り内閣を縛るものです。こんな答弁の下で質疑はできないですよ。
 判断なんか聞いていません。定義を聞いています。じゃ、これについては明確な議論の整理を理事会でやっていただくようにお願いをいたします。よろしいですか。(発言する者あり)
○委員長(鴻池祥肇君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(中谷元君) 法的には、一般論としては条文のとおりでございます。ただ、我が国は、軍事的作戦を行う有志連合に参加する考えはなくて、ISILへの空爆への後方支援を行うことは全く考えておりませんし、これは今回の法律が成立した後でも変わっておりません。判断をしていないから、三要件を満たすことはありません。
○福島みずほ君 違いますよ。三要件を判断していなければ、二つの要件を、当てはまる場合があるじゃないですか。要件を満たせば行くということでよろしいですね。
○国務大臣(中谷元君) そのような意思もありませんし判断もしておりませんので、三要件を満たすことはあり得ません。
○福島みずほ君 済みません、こんな大臣の下でこの法案の審議はできません。法律の定義を聞いているのに政策判断で答える大臣がいるなんて、信じられません。次の大臣が別の判断をしたらどうするんですか。法律がどうかという議論をやっているんです。駄目ですよ。
○国務大臣(中谷元君) 全く軍事活動をするという意思もなければ選択もありませんので、三要件を満たしているかどうか、これは判断をしていないわけでございます。
○福島みずほ君 こんな答弁だったら、これ駄目ですよ。あなたの判断なんか聞いていないですよ。法律の解釈を聞いているんですよ。法律を作ったらそれが未来を拘束するから、こんな大臣の下で、まさに国会が何を審議したか分からないじゃないですか。こんな大臣の下で審議はできません。(発言する者あり)
○委員長(鴻池祥肇君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を起こして。
○福島みずほ君 あとの二つの要件を満たせば、後方支援することはあり得るわけですね。(発言する者あり)法理論上、あり得るわけですね。
○国務大臣(中谷元君) 一般論として申し上げれば、国際平和支援法の下で我が国が対応措置を実施するためには、要件となる国連決議の存在のみならず、国際社会の平和及び安全を脅かす事態に際し、その脅威に対して国際社会が国際連合憲章の目的に従い共同して対処していること、また、国連決議の存在を前提に、我が国が国際社会の一員としてこれに主体的かつ積極的に寄与する必要があると認められることの要件を共に満たす必要があります。
 判断としては、一般論としてはあり得るわけでございますが、いずれにせよ、ISILにつきましては、全くそういった軍事活動、後方支援をする考えは持っておりませんし、今回の法案が成立した後でも不変でございまして、現時点でこれらの要件を満たしているかどうかは判断をしておりません。
○福島みずほ君 あり得るんでしょう。あり得ると初めから答えてくれればいいんですよ。僕はやりませんなんという答弁を繰り返して、こんなの国会の答弁ではないですよ。こんな防衛大臣の下でこの法案を審議することはできません。
 さっき、掃討作戦についてアメリカが使っているのが十二億円。年間、ですから四千億円。十年やれば四兆円。日本が後方支援という名の下に様々な形で、だってミサイルも核兵器もクラスター爆弾も劣化ウラン弾も定義上弾薬ですから、消耗品をたくさん提供すれば莫大なお金が掛かる。将来、万が一この法律が成立した後、日本が負担するこれらの予算についてどう考えていますか。どうやって歯止めを掛けるんですか。
○国務大臣(中谷元君) これは一般論としてできるようになると申し上げておりまして、それはそれぞれの現状において政府が判断することでございますが、現時点におきましては全くそういった軍事活動を支援をするというようなことは考えておりませんし、今後とも難民、避難民に対する支援を、非軍事的な分野において我が国の責任を毅然として果たしていくということでございます。
○福島みずほ君 ひどいですよ。前の答弁言って、私の質問に答えてないじゃないですか。私の質問は、もしこの法案が万が一成立した後、莫大なお金が掛かるんですよ。掃討作戦だって何だって、後方支援だって、消耗品の弾薬を提供するので莫大なお金が掛かる。一兆五千億円、骨太方針で三年間抑制すると言っている。社会保障はばっさばっさばっさばっさ削ってるじゃないですか。にもかかわらず、日本には、後方支援という名の下に、集団的自衛権の行使という名の下に莫大なお金を使うことはできないんですよ。誰がその抑制をするのか、誰が判断するのか。どうですか、大臣。
○国務大臣(中谷元君) これ、全部やるというわけではございません。これ、法律の判断をして実施するわけでございますが、我が国は当然財政的な状況等もございますので、実施する場合においても財政当局と調整を行って必要に応じて最適な対応を取るということで、現時点においては既存、既定の経費の範囲でその経費を賄うように努めているということでございます。
○福島みずほ君 予算をこんなことに使う余裕は日本の財政上もありません。戦争法案には断固反対ですし、政策と法律の定義を混同して答える防衛大臣の下で戦争法案の審議はできません。戦争法案廃案へ向けてしっかりやってまいりますし、大臣、この答えは全くできてない。こんなことでこれらの法案成立させることはできません。
 以上申し上げ、質問を終わります。
○山本太郎君 生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎です。
 永田町ではみんな知っているけれどもわざわざ言わないことを、午前に引き続き質問したいと思います。今回は、もう一つアメリカのリクエストを皆さんに御紹介したいと思います。パネル、お願いいたします。(資料提示)
 このパネル、政府・与党が今回の集団的自衛権容認の根拠にした砂川事件の最高裁判決そのものが実はアメリカのリクエスト、指示によるものだったということを表す資料でございます。これは、早稲田大学の憲法学の教授水島朝穂先生のホームページから、水島先生の許可を得、引用した資料でございます。
   〔委員長退席、理事佐藤正久君着席〕
 この砂川判決、もう皆さんの前では言うまでもないかもしれませんけれども、一九五九年、昭和三十四年三月三十日に東京地方裁判所で米軍駐留の違憲判決が出て、ちょうど日米で交渉中だった新安保条約に政治的に悪影響を与えないように、東京高裁をすっ飛ばして、東京高裁をすっ飛ばして最高裁に直接上告した。これ、跳躍上告っていうそうですね。この跳躍上告、かなり珍しいことで、その中でもなお珍しい、戦後、砂川事件も含めて三件しかない検察官による跳躍上告を行った事件だったそうです。それもアメリカのリクエストだったと。
 一九五九年、昭和三十四年三月三十日、東京地裁で駐留米軍は憲法違反の判決が出た翌日、朝八時に、アメリカのマッカーサー駐日大使、この方はもう皆さん御存じでしょうけれども、GHQダグラス・マッカーサー元帥のおいっ子さんだそうです、このマッカーサー駐日大使その人が当時の藤山愛一郎外務大臣に面会をして、日本政府が迅速な行動を取り、東京地裁判決を正すことの重要性を強調し、日本政府が直接最高裁に上告することが非常に重要だと言ったそうです。それに対しまして藤山外務大臣は、直後の、今朝九時に開催される閣議でこの行動を承認するように勧めたいと語ったそうです。そして三日後、四月三日、検察官が跳躍上告をしたと。そして、それから三週間後、四月二十四日、当時の田中耕太郎最高裁判所長官がマッカーサー大使に、日本の手続では審理が始まった後、判決に到達するまでに少なくとも数か月掛かるとわざわざ語ったというんです。
 これだけでも日本の最高裁って一体何なんだよという話ですよね。わざわざそんなことを報告しに行くのかって、おかしな話だよなと思いますよね。でも、本格的にびっくりするのは次のお話なんです。こちらのパネル、もう皆さん御存じだと思います。(発言する者あり)はい、そのとおりです、今、外電ねというお話がありました。
 それから三か月後、七月三十一日、ただいまお見せしたパネルは水島朝穂先生のホームページから引用させていただいたものなんですけれども、二〇一三年の一月に元山梨学院大学教授の布川玲子さんがアメリカ国立公文書館に情報公開請求して出てきたものです。在日米国大使館から国務長官宛ての公電、ウィリアム・レンハート首席公使に田中長官が述べた話の報告、その電報のコピー、先ほど皆さんにお見せしたのがその内容でございます。
 ちょっとお伺いしたいんですけれども、この文書の存在というのは御存じでしたか。外務大臣からお聞きしてもよろしいですか。済みません、これ、いきなりなんですけれども、申し訳ないです。
○国務大臣(岸田文雄君) 米国において様々な公文書、公開されております。公開された文書については米国も一般にコメントを行わない、このようにしていると承知をしております。日本国政府として、この公開された文書について一々コメントすることは適当でないと考えます。
○山本太郎君 知っていたということでよろしいんですかね、この文書の存在は。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のこの文書も含めて、砂川事件に関しまして審理過程で日米間で交渉したのではないか、こういった指摘があります。これにつきましては、日米間で交渉したという事実はないと考えます。砂川事件の際の最高裁判所への跳躍上告が米国の要望によるものであるというような御指摘は当たらないと考えております。
 そして、御指摘の中で、三月三十一日のこの文書については衆議院の委員会におきましても指摘がありました。この文書についても外務省として改めて確認作業を行いましたが、日本側にこれに該当するような文書は存在しないということを報告させていただいております。
○山本太郎君 日米間でのやり取りはなかった、別にそれはアメリカ側が跳躍上告させたわけじゃないんだというような話だったと思うんですけれども、でも、日本側にはその文書も残っていないって、それは破棄しただけじゃないのという話ですよね。だって、アメリカの公文書館から出てきているんですもの。当時のアメリカ大使から国務長官宛ての公電で首席公使が田中長官と話し合ったことをここに書いてきているわけですよね。
 その内容、どんな内容なのということなんですけれども、このような内容でした。
 田中耕太郎最高裁長官はアメリカ大使館の首席公使レンハートさんという人に、砂川事件の判決が恐らく十二月に出るであろうと今は考えている、争点を、これは裁判の争点ですよね、争点を事実問題ではなく法的問題に限定する決心を固めている、口頭弁論は九月初旬に始まる週の一週につき二回、いずれも午前と午後に開廷すればおよそ三週間で終えることができると信じている、最高裁の合議が判決の実質的な全員一致を生み出し、世論をかき乱しかねない少数意見を避ける仕方で進められるよう願っていると語ったというんですね。
 これだけ聞いてもちょっとよく分からないなって恐らくネットの中継御覧になっている方いらっしゃると思うんですけれども、ざっくり言うと、普通の外交ルートでは知り得ない最高裁の内部情報、しかも、かなり精度の高い情報を最高裁長官自らがぺらぺらとアメリカ側に横流しをした、自分の立場を最大限に生かして、手心を加えまくって根回しをして、日米安保を成立させるために都合のいい判決を出すのを急いだという話なんですよね。
 アメリカの政治工作のとおり、日本の最高裁はシナリオどおりの判決を出したという忠犬ハチ公もびっくりのお話。これ、アメリカの公文書館から出てきているものですよ。そこに書かれているんですよ。それをとぼけるってすごくないですか、知らないって。そんな事実はないというような雰囲気で先ほどお答えをいただいたと思うんですけれども。
 そして、その田中長官のお言葉どおり、一九五九年、昭和三十四年十二月十六日、最高裁大法廷で裁判官十五名の全員一致で田中長官本人の口から米軍の駐留は合憲という砂川判決が言い渡されたと。これで、米軍の駐留は違憲とされた東京地裁判決、いわゆる伊達判決は破棄されましたというお話です。
 本当にここまで聞いて、何か少し前にノーベル物理学賞ですか、受賞された中村修二教授が日本の司法は腐っているとおっしゃっていたんですけれども、よく聞きましたよね、そういう言葉を。最高裁長官が自ら動いて、超スピードでアメリカに言われたとおりの判決を出すなんて、日本の司法は随分前から腐り続けていたんだなという話だと思うんです。砂川判決は、司法の独立などほとんどが夢の話で、自己保身に必死な者たちによる腐った判決だったと私は言えると思います。
 岸田外務大臣、この砂川判決、先ほどもお答えいただいたんですよね、先回りをして。もう一度お聞きしたいな。該当する部分だけお聞きしたいと思うんですけれども、この砂川判決、跳躍上告がアメリカのリクエストだったということを御存じでしたかという話だったんですけれども。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、この砂川判決につきまして、米国の関与につきまして裏付ける文書は確認できていないと考えます。
   〔理事佐藤正久君退席、委員長着席〕
 そして、あわせて、最高裁と在京米国大使館とのやり取りについて御指摘がありました。最高裁と在京米国大使館とのやり取りですので、私の立場で申し上げるのは適切かどうか分かりませんが、私の知る限り、平成二十五年ですが、五月九日の参議院法務委員会において、最高裁内部において御指摘のやり取りを裏付けるような資料はない、こうした答弁があったと承知をしております。
○山本太郎君 この国の真実は、もう海外からの情報公開に頼るしかないというような状況になってしまっているということですよね、本当に。これ、特定秘密も入ってしまえば余計にそうなっていくというような話だと思うんです。
 政府・与党が集団的自衛権行使容認の根拠とする最高裁の砂川判決、この判決には集団的自衛権の容認などどこにも書いていませんよね。政府・与党の議論はおかしいし、信用できませんし、何を言っているのか分からないレベルですよ。その砂川判決、砂川判決そのもの、アメリカのリクエスト、要求、指示によって跳躍上告され、要求どおりに作られた全く信用できない代物だということですよね。こんな腐った砂川判決を根拠にして、しかも、その判決文には全く書かれていないのに集団的自衛権の行使が合憲だと言われても、説得力全くありませんよねという話です。
 水島朝穂教授も、判決が出た翌日の電報、この電報でマッカーサー大使が田中最高裁長官の手腕と政治的資質を称賛していると書いておられます。政治的資質ですよ、政治的資質ってどういうことなんですかね。魂を売って、そしていかに役に立っているかということを政治的資質というんですかね。国会内外でそのような魂を売り、そしてスパイ活動、そしてこの砂川判決というものをひっくり返したという勢力が確かにあるという話ですよね。
 こんな砂川判決、信用できるのかと。アメリカのロックフェラー財団が田中長官と密接な関係を持ち、アメリカに招待し、人的な関係を築いていたそうです。こんな砂川判決、信用できるはずありませんよね。
 そして、政府自ら認めているように、これまで憲法違反であった弾薬の提供、輸送や戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機への給油、整備も、武力行使と一体化した後方支援ではないから憲法違反でないと今回勝手に憲法解釈を変更したのもアメリカからのニーズ、リクエストなんですよね。何でもニーズには飛び付くんだなって。国内のこの国に生きる人々のニーズには耳を傾けずに、けど、アメリカ様やアメリカ軍の言うこと、そして多国籍企業の言うことはいろんな手を使っても推し進めるんだな。
 じゃ、今回のこの法案、アメリカ側のニーズって何なのって、リバランスでしょうって。リバランスって何なんだって、アメリカの肩代わりだよって。
 スターズ・アンド・ストライプス、星条旗新聞、これ、二〇一五年五月十三日の分ですよね。何て書いてあるか。アメリカの防衛予算は既に日本の自衛策を当てにしている。二〇一六年の最新のアメリカ防衛予算は、日本政府が後押しをする新法案、すなわち同盟国防衛のための新法案を可決するという前提で仮定をしている。見込まれているんですよ、もう、これが通るから。あと、金のことよろしくなって。だから、四万人もアメリカは軍関係者を削減したと。それだけじゃないって。最新の防衛予算はもう削減がはっきりしていると。この肩代わり、リバランスするの誰、日本ですよね。
 それだけじゃない。フォーリン・ポリシーってもう皆さん御存じですよね。米国の権威ある外交政策研究季刊誌、フォーリン・ポリシー、七月十六日にこのような見出しで書かれていたと。日本の軍事面での役割が拡大することはペンタゴンとアメリカの防衛産業にとって良いニュースとなった。
 どういうことか。金が掛からない上に金ももうけられるんだって。誰がもうけるのって。
 日本政府は多くの最新の装置を買うことができる。それはアメリカの防衛産業にとって良いことである。テキサスに本社を置くロッキード・マーチン社製のF35、バージニア北部に本社を置くBAEシステムズ社製の海兵隊用の水陸両用車両、日本政府は購入する予定。日本政府はまた、アメリカに本社を置くノースロップ・グラマン社製のグローバルホークの購入計画を持っている。二隻のイージスレーダーを備えた駆逐艦とミサイル防衛システムの開発を行っている。これらはロッキード社製だというふうにフォーリン・ポリシーには書かれている。
 完全に利用されているじゃないですか。ATM、いつやめるんですか。
 そして、午前の部で私が御紹介しました第三次アーミテージ・ナイ・レポートに書いてあるとおり、今回の安保法制、戦争法制も原発再稼働もTPPも特定秘密保護法も防衛装備移転三原則もサイバーセキュリティ基本法もODA大綱も、全部アメリカのリクエストだということ、はっきりしているじゃないですか。いつ植民地やめるんですか、今でしょって。
 この戦争法案、アメリカのアメリカによるアメリカのための戦争法案、軍事関連産業の軍事関連企業による軍事関連企業のための戦争法案、断固反対、廃案以外ありませんよ。再度申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○荒井広幸君 新党改革の荒井です。
 先ほどは、国際平和支援法を中心に改正PKO等々で、国会の関与との関連で質問をしてまいりました。今日は、今日というか午後の部は、周辺事態法の改正、つまり、これは重要影響事態です。
 ある事態が重要影響事態に該当すると評価され、特定の対応措置を実施する必要があると認められる場合には、政府は、閣議決定した基本方針を遅滞なく国会に報告するとともに、後方支援等の実施については事前に国会の承認を得ることになっている。しかし、緊急の必要がある場合は例外となっております。さらに、防衛大臣が実施要項を定め、より具体的内容を記載することになっている。
 こうなっていることは、防衛省の担当者、よろしいでしょうか。それがよろしいなら、実施要項を策定する日数はどれぐらい掛かるんでしょうか。そして、重ねて聞きます。自衛隊を派遣する準備に必要になる時間は実施要項を策定してからどれぐらいの日数が掛かるんでしょうか。
○政府参考人(黒江哲郎君) ただいま先生御指摘になられましたように、防衛大臣が基本計画に従いまして実施要項を定めるというのはまさにおっしゃるとおりでございます。
 また、これに要します時間、あるいは準備に要する時間ということにつきまして、午前の審議ではPKOについての実例といったものを参考にして御答弁申し上げたわけですが、本件につきましては、残念ながらそういう実例がございません。そういう意味で、迅速かつ適切に計画を作成し、派遣準備を行うということに尽きるというふうに思います。
○荒井広幸君 迅速かつ適正というのはどれぐらいの幅ですか。
○政府参考人(黒江哲郎君) 具体的な期間につきまして、一概に申し上げることは極めて困難でございます。いずれにしましても、可能な限り速やかに作成をするということでございます。
○荒井広幸君 先ほどの、午前中の場合には、PKOの改正等々でございましたけれども、派遣までに二、三か月掛かるということでしたけど、時間単位で読むのか日数で読むのか、それぐらいのことは大体検討できるんじゃないですか。
○政府参考人(黒江哲郎君) これは仮定の御質問になりますので、なかなか今おっしゃったような形での御答弁というのは難しゅうございますけれども、他方で、PKOのときのように海外に派遣されるということが前提になっておるものとは、重要影響事態というのは必ずしもそういう場合でない場合もございますので、一般的には、そういったPKOの場合よりはより短い期間で準備をすることが可能であろうというふうには見積もっております。
○荒井広幸君 急な場合、例外とすると。国会にかけない。非常に曖昧なんですよね。どれぐらいの時間が掛かるか分からない。しかし一方では、私も、大臣、小池議員が指摘されたこの内部文書、この内部文書は私もちょっと危機感持ちますよ、これはやっぱり。
 いろいろな頭の体操はしなくちゃいけない、しかし、今聞くと、何だかちんぷんかんぷん、分かりませんと言うだけですよ。片方では何か一生懸命、どういう場合はどうするという頭の体操をしながら、今のところでは具体的には分からないと、こう言っているわけでしょう。そうしたらば、急を要するなんていう判断どこでするんですか、そもそも。急を要したって間に合わないじゃないですか、そうしたら自衛隊を派遣する。こういうことの一方で矛盾があるんですね。
 そこで、私は今日、事務総長にお越しいただきましたが、事務総長にお尋ねをいたしますが、例外なき国会の事前承認をするといった場合、国会側の適切な対応も必要なんですね。我々も、全ての会派、政党の皆さんと迅速にこれを審議して結論を出さなければなりません。
 存立危機事態においては、この場合は存立危機事態についてお尋ねしますが、被害国から正式な支援要請が来て、国会審議に素早く入れるようにする工夫があればいいんですね。同時に、存立危機以外でも同じです、今の重要事態でも。そうしたスピード感ある審議に、国会側の対応、例えば議院運営委員会を早めに、予測できる段階でそういう場合もあるかもしれないと言っておく、切迫する以前の段階で言っておく、そして本会議を念のために時間を上げておく、あるいは事務局の体制、そういったものの準備も必要だと思うんですが、この辺について、事務的にはどのように考えますか。国会側のスピードある対応ということについて、見解を聞かせてください。
○事務総長(中村剛君) お答えいたします。
 先生お申し越しの緊急時における国会側の対応ということでありますけれども、例えば開会中であれば、緊急に議運の理事会を招集して本会議を迅速にセットするということが考えられると思います。また、閉会中にあっては、次期国会の召集前協議を議運の理事会で協議を行い、召集後直ちに本会議が開かれるようにするといった想定がまた考えられると思います。
 いずれにいたしましても、事務局といたしましては、先生方の政策的な判断に支障が及ばないように、例えば人員面、例えば連絡網の整備といったことに必要があれば取り組んでまいりたいと思っております。(発言する者あり)
○荒井広幸君 いや、まさに中立的で、何があっても事務局としては備えるということであります。
 ですから、今趣旨を私が言えば、いわゆる議運を含め全党全会派で運営していく国会ですから、それらに任せていくと、こういうことではあるわけです。
 しかし、国会を開く場合には、憲法、そして国会法、衆と参の規則というのがあります。これにのっとってやれるということには限界がありますが、去年から申し上げておりますが、過去二回、緊急集会を開いたことがございました。五日間掛かったんです。しかし、実際に事務局と詰めて詰めて私なりに判断したものは国会に提出いたしましたが、三日間で、そして早ければこれは二日間でも国会審議に入れるということを、私は確信といいますか、事務的、憲法、国会法、そして衆参の規則で私はそれをまとめて報告したわけなんです。その二日間、本当に重要ならば二日間で国会は答えを出しますよ。説明が付かなかったら、これは秘密です、そんなものだったら根拠が分からない。それならば吹っ飛ばしますよ、歯止めになりますよ。
 ですから、私は、二日、三日でも、説明が付かない、急ぐんだというところの根拠を、大臣、両大臣ですね、具体的に出してもらわないと、本当に急だからといって、分からないんです、答弁は、そのときの事態が来てみないと、総合的に判断するんだ、こればかりですから。そうなったら、これは国民全体が、もしかしたらばどんどんどんどん戦火が広がるんじゃないかとか巻き込まれるんじゃないかという不安の、そこに原因が私はあると思っているんですよ。だから、国会が歯止めを掛けていくべきだと、こういうことを申し上げるために今事務総長の話を聞いたわけなんです。
 そこで、若干飛ばしますけれども、私は、小池議員始め皆さんの御指摘が、両大臣、もっともだなというふうに思うのは、やっぱり軍部の独走ってあるんじゃないかということなんですよ。自衛隊の独走というのはあるんじゃないかと、防衛省の。アイゼンハワーは、軍産複合体、これは大変な問題であると、こういうことを言ったわけですね。日本は官僚が非常に強いから、軍産官複合体になるというおそれを私はすごく感じるんですよ。
 その意味において、私は、この八月十一日の小池委員の質問に発するところの気持ちは、方向性としては一緒なんです。その一緒である中でもっと私が重要視するのはここなんです。私が八月五日にこの委員会で言ったときに、南スーダンについて事例を一つ一つ聞いていったわけですね。その答弁を深山参考人は、防衛省の運用企画局長です、本年一月に中谷大臣が南スーダンを訪問した際には、マニャン国防大臣及びテスファマリアムUNMISS軍部門というんですか、軍部門司令官から、自衛隊の活動について謝意と継続的な活動への期待が表明されました、大臣に対して、そういうのがあったんだそうですね。
 これを聞いた次の次の日です、七日の日、私の質問は五日です、七日の日に、政府は七日の閣議で、南スーダンのPKOへの自衛隊派遣について、今月末となっている派遣期間を二〇一六年二月末までの半年間延長することを決めたとなっているんです。法律に、国会にかけることがないから、この答弁のときに言う必要がなかったということなんですよ。
 これこそ国会軽視です、私から言ったら。国民無視ですよ。あの質問の流れならば、少なくとも局長も、今検討して継続するかどうかと、言いぶりはありますが、そういう段階にあるぐらいの付言を大臣が言ったっておかしくなかった。どうもどうも、この自衛隊の内部の皆さんの動きというものに大丈夫かと私も思いましたよ。そういう問題を今指摘されているんだと思うんです。
 ですから、よっぽど注意していただきたい。軍産複合体ではなくて軍産官複合体に日本はなり得るおそれがあるということを、くどいですが、去年も私は指摘しているわけです。どうぞ、ちゃんとシビリアンが利くように、だからこそ衆と参の国会できちんと事前の歯止めを掛けなければならないということを改めて強く申し上げます。
 では、なぜ、防衛省の担当者に聞きます、あのとき、今継続を検討しているぐらいのことを付言しなかったのか、担当者に聞きます。
○政府参考人(深山延暁君) 五日の日に、当委員会におきまして、今、荒井委員が御指摘の答弁は私が行いました。この御答弁の中では、私は確かにUNMISSの延長につきまして何ら言及をいたしておりませんでした。それは、委員の御指摘が、陸上自衛隊のこれまでの貢献、活動をどのようにしてきたのかという御趣旨であったために、これまでのことをるる申し上げまして、今後のことは御答弁申し上げなかった次第であります。しかし、ただいまそのような御指摘をいただきまして、大変申し訳なかったと思っておるところでございます。
 私ども、いろいろ御指摘をいただいたところでありますが、自衛隊の活動につきましては、国民を代表する国会の委員の方々にきちんと御説明した上で御理解を得ていくということが当然のことながら極めて大事だと思っておりますので、ただいまの委員の御指摘も重く受け止めまして、今後答弁の機会があります際には、より御丁寧かつ適切な内容の答弁に努めてまいりたいと思っております。
○荒井広幸君 これは両大臣に関係するところですね。特に、少なくともNSCに関わる重要なところにいるわけですね。やっぱり国会に対して、言われないから言わないんじゃなくて、これは必要だと思う、判断材料だとして必要だと思うというところは、やっぱり両大臣、提供するのが筋だと思うんです。もちろん私の聞き方という意味では私の方にも問題があったかもしれませんが、次の次の日の朝の閣議でこの南スーダンの延長を決めていくんですから、それは少なくとも大臣の方から挙手があって、今これについては検討するところでもあるというものがあってもいいぐらいの今安全保障関連の法案をやっているということですから、どうぞ、そういうところを御留意を心から願いたいと思うんです。
 そこで、そうなりますと、ますます国会に言わなくていいことなら言わないというおそれを私は感じるんですよ。事前承認だけど原則だと、原則だからこれは当てはめないんだといって、いかようにでも裁量がまかり通るということです。ここを正していくために、どうぞ、駆け付け警護や武器使用も可能にもなります。事態を細かく分けました。自衛隊の任務の重さは重大でありますし、同時に、自衛隊の皆さんの安全にも関わります。もちろん、国民のリスクが最大です。これを守るというときに、少なくとも国会とともに判断をする、駄目なものは駄目、いいものは、それは本当に自衛隊の皆さん、安全を確保して頼みますよと、拍手で送ってやられるようにしなければならないんじゃないですか。そのときに国会の承認は原則だなどということは是非ともこの参議院において修正するべきものと考えていますが、大臣の見解を問います。
○国務大臣(中谷元君) 今後とも丁寧に情報提供をして、国会の方にその状況や、また理由等も御報告をしていきたいと思います。
 PKOにつきましては、これまで活動してきておりますが、施設業務を中心とした業務を実施しておりまして、国会承認の対象となる業務は実施しておりませんし、非常に状況としては価値のある活動をしてきておりますが、今回の改正で、いわゆる駆け付け警護については、人道性、緊急性に鑑みまして、これらの業務を行う場合には、活動関係者を保護するために必要な限度で行うものでありまして、国会承認の対象となる普通科主体で構成される部隊が実施する業務でもないことから、こういうことにいたしております。
 ただ、緊急の場合もございますので、こういった場合に自衛隊に防衛出動を命ずるというのは、何よりも国民の命と暮らしを守ることが必要でございまして、このような状況に応じましては事後の場合もあり得るわけでございますが、国会については事前承認が原則であるという認識を持って務めてまいりたいと思っております。
○荒井広幸君 これは、大臣は、人柄は私もよく、いい方だというのは分かっています。しかし、自衛隊の皆さん、防衛省の皆さんが悪いと言っているのでもないですよ。誤解しないでくださいよ。
 そこに、軍備としてもどんどん広がっていっているでしょう、今。どんどんどんどん止められない方向に行ってしまうんですよ、自己増殖的に。そこをどうやって歯止めを掛けるかは、両大臣、防衛大臣がしっかり監視する必要があるんです。そのときに、国会も手伝って監視しなくてどうして歯止めが利くか。これが歴史の教訓ではないですか。どうぞ、修正協議に応じるようにお願いしたいと思います。
 終わります。
○委員長(鴻池祥肇君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 これにて散会をいたします。
   午後五時三十六分散会