第190回国会 法務委員会 第5号
平成二十八年三月二十三日(水曜日)
   午前十時三十分開会
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   委員の異動
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     仁比 聡平君     大門実紀史君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         魚住裕一郎君
    理 事
                西田 昌司君
                三宅 伸吾君
                有田 芳生君
                矢倉 克夫君
    委 員
                猪口 邦子君
                田中  茂君
                鶴保 庸介君
                牧野たかお君
                丸山 和也君
                溝手 顕正君
                柳本 卓治君
                江田 五月君
                小川 敏夫君
                加藤 敏幸君
                仁比 聡平君
                真山 勇一君
                谷  亮子君
   国務大臣
       法務大臣     岩城 光英君
   副大臣
       法務副大臣    盛山 正仁君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  田所 嘉徳君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局刑事局長   平木 正洋君
       最高裁判所事務
       総局家庭局長   村田 斉志君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫟原 利明君
   政府参考人
       警察庁長官官房
       審議官      斉藤  実君
       法務大臣官房審
       議官       高嶋 智光君
       法務省民事局長  小川 秀樹君
       法務省刑事局長  林  眞琴君
       法務省人権擁護
       局長       岡村 和美君
       法務省入国管理
       局長       井上  宏君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成二十八年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)、平成二十八年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)、平成二十八年度政府関係
 機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (裁判所所管及び法務省所管)
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○委員長(魚住裕一郎君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁長官官房審議官斉藤実君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(魚住裕一郎君) 去る十六日、予算委員会から、三月二十三日の一日間、平成二十八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、裁判所所管及び法務省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 裁判所及び法務省関係予算につきましては既に説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○小川敏夫君 民主党・新緑風会の小川敏夫でございます。
 今日は予算の委嘱審査ということでございますけれども、法務省、裁判所、人件費がその大きなウエートを占める役所でございます。なかなか予算の使い道といっても、結局は職員の方がどういうお仕事に取り組んでいるのかなというところが中心なのかなともいうふうに思っておりますが、今日はいろんな法務省の抱えている課題の中の民事法の中の家族法制のことについてお尋ねさせていただきます。
 選択的な夫婦別姓制度の採用でございます。
 こうした制度を取らないことが憲法には違反しないというような裁判所の判断も出たようでございますが、政府、法務省としては、この夫婦別姓制度の採用についてどのように取り組む考えであるのか、そこら辺のところをお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(小川秀樹君) まず、私の方からこれまでの検討状況についてお答えしたいと思います。
 まず、法制審議会は、平成八年の二月に選択的夫婦別氏制度を導入することなどを内容とする民法の一部を改正する法律案要綱を答申いたしました。その後、法務省は、平成八年と平成二十二年に法案の提出に向けて法制審議会の答申を踏まえた改正法案を準備いたしましたが、この答申の内容につきましては国民の間にも様々な意見があったほか、これは与党内においても異論があったことなどから改正法案の提出にまでは至らなかったものでございます。
 以上がこれまでの検討状況でございます。
○小川敏夫君 では、現在の状況はどうなんでしょうか。
○政府参考人(小川秀樹君) 現在の状況でございますが、先ほど御指摘ございましたように、昨年の十二月十六日に最高裁判決がございまして、その中で選択的夫婦別氏制度の導入の是非については、国会で論ぜられ判断されるべき事柄であるという指摘がされてございます。
 選択的夫婦別氏制度を導入した場合には、その夫婦の間の子が必ず夫婦の一方と異なる氏を称することになるなど、我が国の家族の在り方に影響を及ぼすことが考えられ、これによって家族の一体感が失われるか、夫婦間の子供に好ましくない影響が生ずるかといった観点から様々な意見が交わされている状況にあると認識しております。このように、夫婦の氏の問題は我が国の家族の在り方に深く関わる問題であり、国民の間にも様々な意見があることから慎重に対応を検討する必要があると考えておりまして、この点は最高裁判決の前後を通じて変更はございません。
 いずれにいたしましても、法務省といたしましては、国民的な議論あるいは国会における議論の深まりを関心を持って注視していく必要があると考えているところでございます。
○小川敏夫君 そうですか。では、法務省としては特に法案提出等を予定していないということで、では、国会の方で議論ということですから、国会の方でまた提案して、そうした機会をつくっていきたいというふうに思っておりますが。
 ただいまお伺いした中で、法制審からそうした別姓制度を採用するようにという答申を受けたのが平成八年ですか、法制審から答申がありながらそれが実現していないということですが、法制審の答申があってもそれが法制化されないということは、これはよくあることなんでしょうか、あるいは例外的なことなんでしょうか。
○政府参考人(小川秀樹君) 例外的なことでございます。
○小川敏夫君 そうすると、その例外的な状況が発生しているということについては、どういう状況によるんでしょうか。先ほどいただいた経過で大体事実経過はいただきましたけど、要するに異論が出たということなんでしょうか。
○政府参考人(小川秀樹君) 先ほども御説明いたしましたが、法務省といたしましては、平成八年の要綱を踏まえて、平成八年、その要綱が出た後と平成二十二年に法案の提出に向けて改正法案を準備いたしましたが、国民の間にも様々な意見があったほか、与党内においても異論があったことなどから、結果として改正法案の提出にまでは至らなかったというものでございます。
○小川敏夫君 国民の間にいろんな意見があったということでございます。いろんな意見があることは承知しておりますが、国民の考え方がどういう傾向にあるのか、そうしたことについての政府が行った世論調査というものがあると思いますが、一番新しいそうした世論の調査の状況はどういう状況だったでしょうか。
○政府参考人(小川秀樹君) 直近のものは平成二十四年の世論調査でございます。
 この世論調査の全体を見ますと、選択的夫婦別氏制度に賛成すると答えた者の割合は三五・五%、この制度に反対すると答えた者の割合は三六・四%と、拮抗している状況でございます。
○小川敏夫君 その世論調査は二択で意見を求めたものですか、それとも、ほかの項目の選択の、何というんだろう、設問といいますか、もあったんでしょうか。
○政府参考人(小川秀樹君) 基本的に、選択的夫婦別氏に賛成する立場と反対する立場と、それから通称使用のみ容認する立場、それから分からないというお答えも予定されているところでございます。
○小川敏夫君 その世論調査の結果なんですけれども、さらに、この賛成、反対が拮抗しているというんですけれども、相当年代によってかなり違う傾向が表れていると思うんです。年配の御婦人の方ですと反対という方が圧倒的に多い、しかし、若い方の年代の女性ですとむしろ賛成の方が圧倒的に多いというふうな傾向にあると思うんですが、そこら辺のところ、少し年代別に数字等を示していただけませんでしょうか。
○政府参考人(小川秀樹君) ただいま御指摘いただきましたように、女性について見ますと、二十歳から二十九歳の方で見ますと、賛成が五三・三%、反対が一六・一%でございます。それから、三十から三十九、要するに三十代で見ますと、賛成が四八・一%、反対が一六・二%、四十代は賛成が四四%、反対が一八%、五十代は賛成が三九%、反対が二三・二%、六十代は賛成が三三・三%、反対が三九・九%、七十歳以上で見ますと、賛成が一七・九%、反対が五八・五%という結果でございます。
○小川敏夫君 夫婦別姓ですと、要するに実際にはこれから結婚する方がどうするかという問題であるわけでありまして、そうしますと、御年配の御婦人は余りこれから結婚するという方はかなり少ないんではないかというふうに思います。これから結婚する、あるいは職に就く、その職に就く必要上やはり旧姓使用ということを求めるというような必要性ということを見ますと、若年層の方が実際にこの夫婦別姓を取るか取らないかの実際上の必要があると思うんですが、そうした実際上の必要がある、あるというか強い方々の若年層の女性の方においては圧倒的に夫婦別姓制度を採用してほしいという意見が強いわけでございます。
 そうしますと、やはりそうした意見をこれは強く意識した方がよろしいんではないかというふうに思うわけでありまして、全体を取ると拮抗という意見もありますが、むしろこれから結婚する方、現に仕事を持っている方の中で夫婦別姓制度を求めるという方が非常に多いということを踏まえて、やはりそうした方向での検討をすることが必要なのではないかとも思いますが、どうでしょう、そこのところは。
○国務大臣(岩城光英君) 私からでよろしいですか。
○小川敏夫君 どうぞ、法務大臣。
○国務大臣(岩城光英君) 御指摘のとおり、平成二十四年の世論調査では、若い年代の女性の方が選択的夫婦別氏制度の導入に賛成する方が多い傾向にございます。その一方で、先ほども答弁させていただきましたとおり、世論調査の全体を見ますと、選択的夫婦別氏制度の導入について国民の各層の意見が分かれております。
 この選択的夫婦別氏制度の導入につきましては、我が国の家族の在り方に深く関わる問題であり、また、とりわけ子供の氏をどうするかというそういった課題もありますので、国民の大方の皆様方の理解を得て行うべきものであると考えております。私といたしましては、若年層の意見のみならず国民各層の意見を広く考慮しながら、慎重にその対応を検討してまいりたいと考えております。
○小川敏夫君 このアンケート調査で、要するにアンケートですから、答えた方のみの数を集計しておるわけであります。そうして見ますと、アンケートに答えた数が、年代の上の方の方がアンケートの回答率が多いというんで、この世論調査の中でも高年代の方の意見が強く反映されているんじゃないかというような気がしておるんですが、この回答をいただいたサンプル数は、これは年代別に出ますでしょうか。
○政府参考人(小川秀樹君) 女性ということで申し上げますと、二十代が百三十七名、三十代が二百十名、四十代が二百七十八名、五十代が二百四十一名、六十代が三百七十八名、それからあとは七十歳以上という区分けですが、四百三十一名という内訳でございます。
○小川敏夫君 これは、そうしますと、ですから私の想像では、御年配の方は大体在宅していらっしゃるから、それに時間も随分おありでしょうからアンケートにしっかりと答える、若い人の方は、在宅していないことも多いし、忙しいからといって回答しない方が多いんじゃないかというふうに思います。
 結果として、このサンプルの数が、年代の高い人の方が圧倒的に反対が多い、その圧倒的に反対が多い層のサンプル数がまた圧倒的に多いというんで、ただ単に全体の数だけを合わせると拮抗していると言うけれども、これを例えばサンプル数を同じ数の水準で平準化して出しますと、これは若い人の意見が更に大きく反映されるわけですから、指数化しますと、かなり夫婦別姓制度を導入してほしいという意見の方が強くなると思うんですが、こんな私の意見はどうでしょうか。
○政府参考人(小川秀樹君) お答えいたします。
 内閣府の方で一度そういうことについて試みたことがございまして、性及び年齢別の回答結果に、総務省の人口推計による性、年齢別の人口構成比率を掛けて補正したことがございます。
 そういう数字を出したことがございまして、そういたしますと、選択的夫婦別氏制度の導入に賛成する旨の回答は、公表数値が三五・五%ですが、三六・六%に上昇いたします。それから、反対する旨の回答は、公表数値の三六・四%から三四・六%に低下すると、こういう結果は出てございます。
○小川敏夫君 そうですか。私が期待したほどそんなに大きく変動はなかったけど、でも逆転したことは逆転したわけですね。
 それから、私、アンケートの取り方で、賛成か反対のほかに、通称使用を認めればいいんだという設問が用意されているわけです。そうすると、夫婦別姓はやっぱり必要だなという人の中でも、ああ、そうか、まあ通称使用でいいんじゃないかという、一つの何というのかな、逃げ道というか、本当は賛成なんだけど、そういう人たちの一部を吸収してしまうような設問もあると思いますので、私は、この通称使用でいいという方たちの中で、そういう設問がなくてイエスかノーかだったら、賛成か反対だったら賛成の方に行っちゃう人が多いような予想はするんですがね。アンケート調査については、意見としては、私の方は、やはり選択的夫婦別姓を現実のものとして受け入れる世代で圧倒的にそれを必要として賛成するという人が多いということを踏まえて、国会の議論に任せるということではなくて、政府の方もむしろ前向きに取り組んでいただきたいと、こういうふうに思っております。
 それから、この夫婦別姓制度ですけれども、よく聞くのが、同姓制度が日本古来からの風習であるというような意見があるんですけれども、そうかなと私は思います。元々、明治よりも前の時代は、いわゆる民ですか、一般は姓そのものを持っていなかったわけでありまして、一部の武士階級とかそこら辺しか持っていなかったわけであります。
 また、歴史上の女性の人物、例えば一人だけ挙げてみますと、日野富子ですか、足利義政の正室でありますよね。これ、足利義政の正室であるけれども足利富子じゃなくて、日野家に生まれた日野富子のままで通してあるわけでありまして、そうすると、日本は夫婦同姓が古来からの風習ということではなくて、明治以降、明治になって日本の戸籍制度ができてから夫婦同姓というものがなったので、それ以前は夫婦別姓だったんじゃないかなというふうに私ちょっと感じているんですが、ここら辺はどうですか。
○政府参考人(小川秀樹君) 私ども、ちょっと必ずしも定かに理解しているわけではございませんが、基本的な理解としては、明治以降に同姓制度が導入されたということだというふうに理解しております。
○小川敏夫君 あと、子供の姓の問題もありますが、諸外国でもそうしたことはあるわけでありまして、特に夫婦同姓制度を取っているから日本が家族のきずなが強いと果たして言えるのかどうか、あるいは家族の一体感、あるいは子供の養育に支障があるかどうか。外国でも夫婦別姓制度が多いということ、特にそうした家族のきずなが弱いということも聞きませんのでそれほどの有力な事情じゃないかとも思うんですが、ここは意見として言わさせていただきます。
 あと、質問時間少なくなってまいりましたが、親子の関係についても少し質問させていただきます。
 今、遺伝子の解析技術というものが飛躍的に発達しまして、生物学的に親子であるか他人であるかということが一〇〇%に近いぐらいの確率で判明、判定することができるというふうに技術が進歩しております。
 そうすると、そもそも親子とは何なのか、日本の家族制度において親子とは何なのか、親子であってもしかし生物学的に親子でないということが判定した場合にそれはどうなるのかとか、そうした問題も出てくるというふうに思うわけでありますが、そこら辺、総論的に、法律上の親子関係とそれからそうした生物学的な親子ということの関係について少し総括的に御説明していただけませんでしょうか。
○政府参考人(小川秀樹君) お答えいたします。
 まず、法律上の母と子、母子関係から御説明いたしますと、法律上の母子関係につきましては明文の規定はございませんが、最高裁判所におきまして、母子関係は分娩の事実によって当然に生ずるという判断が示されております。
 それから、法律上の父子関係でございますが、これは二つに分かれまして、法律上の父子関係のうち、母が婚姻していない場合につきましては父が認知をすることによって父子関係が生ずることになりますが、血縁関係にない者が認知をしたとしてもその認知は無効とされるところでございます。他方で、母が婚姻中に懐胎した子を出産した場合には、嫡出推定制度によりまして、これは血縁関係の有無にかかわらず原則としてその夫が父となるということでございます。
 したがいまして、生物学的な親子関係と法律上の親子関係が違う場面があるかということで申し上げますと、母子関係につきましては、先ほど申しましたように分娩の事実によって当然に生じますので、例えば第三者の卵子の提供を受けた生殖補助医療などのような場合を除けば、生物学的な親子関係と法律上の親子関係が異なることはないと考えられます。
 これに対して、父子関係につきましては、嫡出でない子の場合には生物学上の父が認知することによって法律上の父子関係が生じますので、有効に認知がされれば生物学上の父と法律上の父は一致することになりますが、嫡出子につきましては、婚姻中の母が夫以外の男性の子を懐胎した場合など、生物学的な親子関係と法律上の親子関係が異なる事態が生ずることにはなるということでございます。
○小川敏夫君 余りそこら辺のところ、技術が進歩していないときにはある意味事実がよく分からないから問題がなかったのかもしれませんが、まさに遺伝子の解析で技術がかなり進んできたということによって新たな問題があるというふうに思います。
 今ここでどうするこうするということを議論するというほどの時間もありませんけれども、やはり親子関係は何かという非常に根本的な問題でもございます。そうした面についてもこれからしっかりと、法整備が必要であればまたそうした整備をしていただきたいというふうに思っております。
 今日は予算の委嘱審査でありますけれども、例えば夫婦別氏制度とか親子の制度、あるいはそれに限らず、今法務省では民法の改正という大変大きな作業をしておるわけでありますけれども、こうしたテーマテーマごとのがあればそれが予算に反映するというような、そうした仕組みはあるんでしょうか。
○政府参考人(小川秀樹君) 一般に、新しい法制度などにつきましても、法務省といたしまして調査をすることがございます。
 具体的に、本日テーマになりました選択的夫婦別氏制度ですとか親子関係について見ますと、法務省では、親権制度の在り方などを検討する前提といたしまして、平成二十五年度には主要国の親権制度について実情調査をし、平成二十六年度には各国の離婚後の親権制度に関する調査研究業務の委託をしております。これらについては、もちろん予算の措置が付いているところでございます。
 平成二十八年度、今年度の予算について見ますと、選択的夫婦別氏制度ですとか親子関係の問題について予算を計上して調査するということは予定しておりません。
○小川敏夫君 こうした問題についてしっかり取り組んでいただきたいということを述べさせていただいて、私の質問を終わります。
○有田芳生君 民主党・新緑風会の有田芳生です。
 今日、資料の二枚目にお示しをいたしましたけれども、平成二十八年度予算案で法務省が目指す方向として、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向けてユニバーサル社会の実現に向けた新たな人権擁護施策の推進、結論として人権大国日本の構築をすると。その条件はどこにあるのかという立場から質問をしたいと思います。
 御承知のように、昨日、人種差別撤廃施策推進法の参考人質疑が行われました。そこに参加をされた川崎市の崔さん、在日三世の女性ですけれども、その彼女が暮らす川崎で、昨日も発言がありましたけれども、十二回にわたってヘイトスピーチのデモが行われてきました。
 しかも、そこのデモでとんでもない発言をしてきた人物たちが、資料の一枚目にお示ししましたけれども、二十日に保守系の政治団体の街宣活動で演説を行いました。何回か前のこの法務委員会でも写真でお示しをしましたけれども、日本版ネオナチと言っていい、ナチスのハーケンクロイツの前で演説をしたり、あるいはヒトラー生誕祭を祝うというようなことをやってきた人物が、二十日、街宣車の上から演説をやりました。と同時に、昨日、崔参考人が発言をされたように、川崎で十二回行われてきたデモの主催者がやはりこの二十日の川崎駅前の街宣活動で発言をしておりました。
 そこで、写真でもお示しをしましたけれども、暴力行為が発生をいたしました。そのことについて、二十一日の神奈川新聞では、「保守系政治団体街宣参加者 抗議の男性に暴行 JR川崎駅前」、そのときに起きた一部始終がもう映像でも記録をされておりますけれども、殴り付けた瞬間の写真がそこに示したものです。二十日の午後一時四十一分、こういう暴行シーンがありました。
 まず、警察庁にお聞きをしたいんですが、一体どういう事件が起きたんでしょうか、教えてください。
○政府参考人(斉藤実君) お答えいたします。
 本件は、三月二十日の日曜日午後一時半頃でありますが、JR川崎駅前において、政治団体が主催をする街頭宣伝活動に対して抗議を行っていた方、二名の方でありますが、が数名から暴行を受けたという事件でございまして、現在、神奈川県警察において捜査中と承知をいたしております。
○有田芳生君 この件については、写真もお示しをしましたけれども、二十二日、TBSが映像を含めて報道しました。反ヘイトスピーチの男性殴られた事件、警察が捜査。これは、一昨日だったと思いますが、韓国のSBSでもモザイクなしで報道をされておりますけれども、どういう状況だったと認識されていますでしょうか。
○政府参考人(斉藤実君) お答えいたします。
 当日でございますが、その政治団体の街頭宣伝活動の場所がございました。その二十数メートル離れた道路を挟んだ反対側でこの事案が発生をしたものでございます。
○有田芳生君 警察はどういう警備態勢をしかれていましたか。
○政府参考人(斉藤実君) 神奈川県警察におきましては、円滑な人の流れの確保、トラブルの防止、関係者等の安全の確保を図る観点から、川崎警察署員や機動隊員等を配置をして所要の警備を実施をしていたものでございます。
 この事案の発生時は、先ほど申し上げました街頭宣伝活動の場所付近におきましてその政治団体とそれに反対をする勢力が対峙をしておりまして、その衝突を防止をするための活動を実施をしておりましたところ、二十数メートル離れました道路を挟んだ反対側においてこの事案が発生をしたものと承知をいたしております。
○有田芳生君 写真を見ていただければ分かりますし、TBSのニュース報道あるいは韓国SBSの報道についてもネット上には今も出ておりますけれども、この写真を見ても、殴り付けている男性の後ろに、はっきりとは写っていませんが、白いものが写っておりますけれども、これは警察官のヘルメットですね。
○政府参考人(斉藤実君) 申し訳ございません、写真だけではなかなか判然といたしませんが、この事案が発生をした場所におきましても警察官が警告、制止等の活動をしておりましたので、その場に警察官がいたということは事実でございます。
○有田芳生君 街宣活動をやっている、道路を隔てたところで反対の抗議をしている人、あるいはヘイトスピーチやめましょうという署名活動をやっている人たちもおりましたけれども、そこに警察官何人いましたか。
○政府参考人(斉藤実君) 具体的な警察官の人員あるいはその配置の箇所等についてはお答えは差し控えさせていただきますが、いずれにいたしましても、その街頭宣伝の場所並びに反対側で抗議をされていた場所、両方に警察官の配置はございました。
○有田芳生君 何言っているんですか。街宣活動をやっている、ヘイトスピーチを当たり前のように吐き散らしている人たちに、警察官、その周りにいましたよ。しかし、常に、川崎だけではなくて全国各地でヘイトスピーチをやめさせようという人たちに、そっちの方を警備しているじゃないですか。しかも、警察官たちは川崎も、この日も、ヘイトスピーチに反対する人たちの方を向いて警備しているんですよ。そこに、道路を隔てて十数人の男性たちがやってきた、いきなり殴り付けた。映像でも出ているし、多くの市民も含めてそれを見ているんですよ。そこに、私が数えただけでも少なくとも六人、ほかの方々の証言だと十人を超えるヘルメットをかぶった神奈川県警の警察官あるいは公安の方、そこにいるじゃないですか。目の前で殴り付けられている。何で現行犯逮捕しないんですか。
○政府参考人(斉藤実君) 被害の発生場所におきましても、警察官は警告や制止等の措置を講じながら現場の混乱を鎮静化をしようとしておりました。まさにその中で発生をした事案でございまして、その場で被疑者を特定をして現行犯逮捕には至らなかったというふうに聞いております。
○有田芳生君 何言っているんですか。目の前で殴り付けているのを、警察官何人もそこで見ているじゃないですか。何で現行犯逮捕しないんですか。それが警察のあるべき姿ですか。
○政府参考人(斉藤実君) 繰り返しで恐縮でありますが、大変現場は混乱をしておりまして、そのまず鎮静化をしようとした中で被疑者の特定には至らなかったものでございます。現在、得られた画像も解析をいたしまして、被疑者を逮捕すべく捜査中でございます。
○有田芳生君 何言っているんですか。川崎署はこの人物知っていますよ。知っていますよ、この人たちが何者であるかを。何で現行犯逮捕しないんですか。目の前で殴り付けられている、その横に警察官いるじゃないですか。映像でも残っているんですよ。おかしいでしょう。どんな弁解できるんですか、それは。
○政府参考人(斉藤実君) 度々で恐縮でございます。その混乱をする現場の中で被疑者を特定するには至らなかったものでありまして、現在、その映像を解析をして、被疑者を特定し逮捕すべく鋭意捜査中でございます。
○有田芳生君 今日の十三時四十一分で丸三日。何しているんですか。捜査やっているんですか。これが誰かというのは、地元の警察は十分知っていますよ。目の前で殴り付けられて、目がかすんで、今もむち打ち状況で大変な思いしている、病院にも搬送された。これ、被害者の事情聴取しているじゃないですか。誰だというのは分かっている、地元の警察も。何で三日間逮捕もせずに放置しているんですか。それ以前に何で、目の前で殴り付けられて蹴られて、複数の男ですよ、この革ジャンの男だけじゃないですよ、この左にいる男も殴り付けている、明らかなこと。どうして現行犯逮捕できないんですか。何かやましいことでもあったんですか。
○政府参考人(斉藤実君) 度々で恐縮でありますが、警察官は現場の混乱を鎮静化をしようとする活動をしておりまして、その場では被疑者を特定をできなかったものと聞いております。
 いずれにいたしましても、現在、映像を分析をして、鋭意逮捕すべく捜査をしているところでございます。
○有田芳生君 ヘルメットかぶって、ヘイトスピーチに反対する人たちの方の過剰な警備をいつもやっていて、そこに暴行を働く人物たちが道路を渡って十数人やってきて、ヘルメットかぶって警備をしている警察官の横で、この写真示しましたけれども、別の写真を示したらもっと明らかですよ。この横にいるんですから、警察官は、ヘルメットをかぶって。被疑者特定できないんですか、目の前で殴られていても。どういうことなんですか。
○政府参考人(斉藤実君) まさに大変混乱をしている現場の中での出来事でございまして、その場では現行犯逮捕には至らなかったものと聞いております。
○有田芳生君 混乱していたのは事実ですけれども、混乱を止めただけではなく、警察官の横で、十人近い警察官の横で二人の人が殴られ蹴られ、そういう場合でも一般論として警察官は暴行を働いた人物を逮捕しないんですか。
○政府参考人(斉藤実君) もちろん、現場の状況によってケース・バイ・ケースではございますが、可能であればその場で現行犯逮捕をするのが原則でございます。
 ただ、その場で被疑者を特定をして逮捕に至らなかった場合には、鋭意、事後捜査によって逮捕するというものでございます。
○有田芳生君 地元の警察が十分に知っている人物を三日間放置して、捜査しているんですか。
○政府参考人(斉藤実君) 捜査の進捗状況についてはお答えを差し控えますが、いずれにいたしましても、その得られた映像を分析をして、被疑者を特定をし逮捕すべく捜査をしております。
○有田芳生君 映像分析じゃないでしょう。公安の方だって撮っていましたよ。それ以前に、目の前で暴力を振るわれている、誰だか分かっている。何で三日間放置しているんですか。怠慢でしょう、これは。誰が見たって怠慢ですよ。違いますか。怠慢じゃないんですか。徹底した捜査、それでやっているんですか。
○政府参考人(斉藤実君) まさに現在徹底した捜査をしているところでございます。
○有田芳生君 日本の優秀な警察が、三日間、誰だか分かっている暴行犯放置している。おかしいでしょう。
 もう同じ繰り返しになりますからやめますけれども、川崎だけではなくて全国各地で行われているヘイトスピーチのデモの現場において、反対する者が一歩歩道から道路に足を出しただけで、現場の警察官たちは、おまえ逮捕するぞ、そういうことが行われているんですよ、銀座でも川崎でも福岡でも名古屋でも札幌でも。
 だからこそ、二〇一四年、人種差別撤廃委員会の日本審査のときに、私は、皆さんにも見ていただいたヘイトスピーチの現場、安倍首相にも菅官房長官にも見てもらいましたけれども、その映像を見た人種差別撤廃委員会の委員の人たちは、その映像を見て、差別主義者たちを日本の警察が守っているとしか見えない、国際的にそう思われてしまっているんですよ。思われているだけではなく、こうやってあからさまな暴行を働く人物、目の前にいて警察官は放置する。これじゃ何が人権大国なんですか。とんでもない話ですよ。
 とにかく徹底した捜査をやっていただきたいということと、先ほども言いましたけれども、ヘイトスピーチをやっている、差別の扇動をやっている人物たちを守るような警備なんというのはもうやめていただきたい。逆でしょう。日本の警察が疑われているんですよ、国際的に。
 もう一つ。二〇一四年、この川崎では暴力事件が起きました。どういう事件でしたか。
○政府参考人(斉藤実君) お尋ねの事件の概要でございます。
 平成二十六年二月の二日、右派系市民グループのデモに参加をしていた男が、JR川崎駅京浜東北線ホーム上において、持っていた模造刀で被害者に切り付け、傷害を負わせたという事件でございます。
 本事件については、神奈川県警察が、その後の捜査によりまして、同年三月三日、被疑者を逮捕したものと承知をいたしております。
○有田芳生君 この二〇一四年二月二日に川崎で起きたことは、やはり同じくヘイトスピーチのデモが行われて、それに反対する人たちがおりました。チラシまいておりました。そのチラシを受け取った一般の方が川崎駅の構内でそのチラシを読んでいたら、デモに参加していた人物が模造刀を持っていて、それで、おまえ、それでも日本人かと絶叫しながら切り付けて、全治七日の傷害を負わせるという事件でした。裁判では懲役一年、執行猶予三年の判決を受けております。
 一方的におまえは日本人ではないというようなことを言うのが川崎だけではなく全国各地でいまだ続いていることなんですが、このデモのときも、御存じないかも分かりませんけれども、この模造刀を持った人物は堂々と模造刀を持ってデモをやっているんですよ。警察官がいっぱいいたんですよ。その後の事件ですよ。何やっているんですかという話ですよ。
 もう同じ答えを聞いてもむなしいだけですからやめますけれども、ヘイトスピーチというのはやはり差別の扇動、これがヘイトクライム、事件に結び付くというのはナチス・ドイツの歴史の教訓でも明らかですし、この日本でも関東大震災で多くの朝鮮人それから日本人も殺害をされた。そういうことが起きているわけですから、やはりヘイトスピーチというのは与野党を超えて克服していかなければいけない課題だというふうに思うんです。
 昨日も在日三世の崔参考人が、怖い、殺されるかも分からないというようなことを発言されておりましたけれども、これは崔参考人だけではないんですよ。私は多くのその被害者、当事者から話を聞いておりますけれども、本当に怖がっているんですよ。だから、土曜、日曜、子供さんを連れて買物に行くときなども、インターネットで今日買物に行く近くでヘイトスピーチのデモがないかどうかを調べて買物に行くというような方々が全国各地、今でも多いんですよ。何で人間としてのごく普通の日常生活が送れないのか。そういうことを恐怖とともに与えているのがヘイトスピーチ、差別の扇動の集会でありデモであるということをやはりもっともっと私たちは知らなければいけないというふうに思います。
 法務省は、二〇一四年の十一月から啓発活動、力入れてくださっております。ヘイトスピーチ許さないという、そういうポスター、それから、これはネット上でもそういう啓発活動をこれまでも努力してくださっております。非常に有り難いことだと思いますけれども、それだけではヘイトスピーチが終わらない、なくならないという現実をやはり直視しなければいけないというふうに思います。だからこそ、最初に御紹介しましたけれども、法務省がこれから東京オリンピック・パラリンピックに向けて人権大国日本の構築という、資料二枚目にお示ししたような方向を力を入れてくださるというのは、私たち共に進めていかなければいけないというふうに思いますが。
 人権擁護局長にお聞きをしたいんですけれども、この人権大国日本の構築といった方針が定まる経緯というのはどういうことだったんでしょうか。
○政府参考人(岡村和美君) 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控え訪日外国人の数が急速に増加する中、外国人と接する機会も増加し、外国人の人権がより重大な課題となっていくことが予想されております。また、本年四月一日に施行される障害者差別解消法の下、障害のある人に関する理解を一層促進する必要もございます。
 そこで、外国人や障害のある人の人権を始めとした国内の人権状況をより良いものにするため、人種、障害の有無などの違いを理解し、自然に受け入れ、互いに認め合うことのできるユニバーサル社会を目標に、人権大国日本の構築を目指すことといたしたものでございます。
○有田芳生君 昨年の七月二日に、公明党のヘイトスピーチプロジェクトチームの遠山座長などが菅官房長官に宛ててヘイトスピーチ問題などで申入れをなされておりますけれども、菅官房長官はそれを積極的に受けて、ヘイトスピーチについての実態調査も行うんだと、非常に素早い対応を取ってくださいました。
 そうした動きとこの法務省の新しい政策というのは関わりがあるんでしょうか。
○政府参考人(岡村和美君) 現在、御指摘の調査については、ヘイトスピーチが行われているとの指摘のあるデモ等の発生状況やこれらのデモ等における具体的発言内容について、公益財団法人に設置された専門家の会議体で分析、調査を進めていただいているところでございますが、こういった調査を前提に、引き続き人権擁護活動を進めてまいりたいと考えております。
○有田芳生君 公明党の提言を素早く引き受けてそういうヘイトスピーチについての実態調査をやれという菅官房長官のお話の中では、記者会見で明らかになったことですけれども、今年度中という発言が昨年ありましたが、今年度中はもう終わるんですけれども、発表というのは間近なんでしょうか。
○政府参考人(岡村和美君) 現在専門家の会議体において分析、調査を進めていただいているところでございますので、私どもといたしましては、その調査をいただき、今月末をめどに公表できればと考えております。
○有田芳生君 まずヘイトスピーチの実態調査、これ、実際に大阪の鶴橋あるいは川崎の方々からも聞き取り調査をやったというのは私は承知しておりますけれども、さらに来年度から外国人調査、ここにもありますけれども、外国人の人権状況に関する調査も行われるわけですね。
○政府参考人(岡村和美君) そのとおりでございます。
 今年度も、複数の地域におきましてヘイトスピーチの対象とされた方々やその他の関係者の方々からの聞き取り調査を進めておりまして、来年度につきましては、その問題の背景を探るべく広い形での調査をしたいと考えておりますので、この調査方法についてもただいま専門家の方々に御検討いただいているところでございます。
○有田芳生君 そこで伺いたいのは、人権大国日本の構築、人権大国、そうすると、例えば世界を見渡せば人権小国という国も見られますよね。端的に言って、北朝鮮などは人権状況はもう国際的にも問題があるということが広く知られておりますけれども、そういった人権あえて小国に比べて人権大国と言った場合、それは国際的に何かを比較されてこういう表現を取っていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(岡村和美君) 人権大国という言葉について、委員御指摘のような特段の基準があるものとは考えておりませんが、法務省の人権擁護機関としては、一人一人が違いを認め、互いを尊重することの大切さを理解するとともに、全ての人々の人権が尊重される豊かで安心できる成熟した社会を実現することが必要であると考えております。そうした社会の実現に向け人権擁護活動の更なる取組を着実に進めていくべきとの思いを、人権大国日本の構築という言葉に込めて表現することといたしたものでございます。
○有田芳生君 やはり人権大国をうたうからには、日本が加入している人種差別撤廃条約など国際的な基準にできるだけ近づいていくということが必要だと思います。例えば個人通報制度なども日本で導入していくことが、これからの日本の人権大国になっていく上での重要な課題だというふうに思います。
 と同時に、今年サミットがあります。あるいは日中韓の首脳会議が行われる予定にもなっておりますけれども、いずれにしても朴槿恵大統領が来日する可能性が非常に高い、韓国の情報を得ますと来日するんだということも聞いておりますけれども、そうしたときに、ヘイトスピーチなどがもう公然と毎週行われるような状況というのはやはり克服していかなければいけないと私は考えております。今週の土曜、日曜も東京で同様のデモが準備をされておりますけれども、この課題というのは、本当に人権大国日本になる上で与野党を超えた重要な課題だと思います。
 最後に、もう時間ですが、法務大臣に決意のほどを語っていただきたいと思います。
○委員長(魚住裕一郎君) 法務大臣、時間ですので、簡潔にお願いします。
○国務大臣(岩城光英君) はい。
 外国人の人権、それから障害のある人の人権、こういった課題を特に重点的な取組対象としつつ、国内の人権状況をより良いものにするため、人種、障害の有無などの違いを理解し、自然に受け入れ、互いに認め合うことのできるユニバーサル社会の実現を目指して人権擁護施策を推進していくこととしております。
 こうした取組によりまして世界における人権大国日本を構築できるよう、今後とも力を尽くしてまいりたいと考えております。
○有田芳生君 終わります。
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。よろしくお願いいたします。
 今日は予算委員会の委嘱ということで、私の方からは法務行政に必要な資金の規模、これに関して幾つかお尋ねをしたいと思っております。
 私、法務委員会の方に在籍をして二年間、感じることは、本当に法務行政というのは非常に広がりがどんどん広がってきているなというところであります。再犯防止に象徴されるように人の更生という部分まで考えて、従来であれば収容であったのが、さらに住まいであったり職業であったり、そういう司法の部分が福祉のところにまでしっかり関与をしなければいけないという広がりがやはり出てきたと。
 他方で、高齢化社会にもあるわけですけれども、成年後見制度に対しての期待であったり、また法テラスなど、司法ソーシャルワークというんでしょうか、従来は福祉の分野でもあったものが、より司法的な分野もやはり関与しなければいけないというような形になってきた。ここから言えるのは、法務行政というのを支えていくためにお金というのがこれどんどんどんどん必要になってくるなという意識はございます。
 ただ、そんな広がりのある法務行政の予算でもあるんですけれども、これを見てみると、率直に言うと少ないなと、これだけ必要な分野がいっぱいあるはずなのに桁がほかのところとやはり違うんじゃないかなというところは、私、率直な感想としてあるところであります。規模としては七千億強ではあるんですけれども、しかも、その予算の内訳というか特徴として言えることが、まず人件費がこれほとんどを占めると。今、手元の資料ですと、六七%がこれ人件費であります。しかも、人件費以外の物件費と言われているような分野の方のことに関しても言えることは、この内訳ですけれども、例えば一般官署の光熱費であったり、あと矯正施設、被収容者に食費を出したりとかするわけですけれども、そういうものであるとか、これはなかなか支出が必須となってしまうようなやはり経費というのが非常に多いと。
 要するに、お金がこれから必要になるんですけれども、じゃ、どこかから、ほかのところから持ってきて新しく必要なお金の方に振り分けるとか、そういうのがなかなかできない、スクラップ・アンド・ビルドと言っていいのか分からないですけれども、そういうものがやはりできないような規模である。そうすると、やっぱり法務行政に必要なお金の規模全体を大きくしないと課題解決にはならないのではないかなというふうに思っているところであります。
 それで、大臣には後ほど、法務予算というのをいかに広げていくのか、これ決意はいただくといたしまして、まずは資料を御覧いただきたいんですが、民間資金をどうやって使っていくのかというこれ知恵もやはり大事かなと。
 こちら一枚目の方に、ソーシャル・インパクト・ボンドというなかなか聞き慣れない資料でありますが、社会的課題解決のために民間の資金をいかに取り入れるかというこれ取組であります。ボンドといっても債券ではなくて、成果に連動した形の投資契約。何に投資しているかといえば、再犯であったり医療費の問題、貧困の問題、あと認知症だとか、社会的課題を解決する事業に対してのこれは投資でありまして、その成果に対してリターンを受けるというものであります。
 二枚目の方は、これはイギリスの方の、世界で初めてのソーシャル・インパクト・ボンドと言われている、これは再犯防止がプロジェクトとなっているものであります。
 そこで、これは予算委員会の方でも質問はさせていただいたんですが、法務省の見解として、こういうアメリカとかイギリスで主に採用されているソーシャル・インパクト・ボンドの取組についてどのように御見解を持たれているのか、答弁いただければと思います。
○政府参考人(高嶋智光君) お答えいたします。
 ソーシャル・インパクト・ボンドと呼ばれます新しい社会的投資スキームにつきましては、最近、アメリカやイギリスで導入され始めている取組と認識しております。
 このソーシャル・インパクト・ボンドというのは、従来行政が担ってきた社会政策実施制度を民間投資を導入して実施すると、こういうスキームだというふうに聞いておりますが、再犯防止との関係におきましては、今委員が御指摘されましたとおり、イギリスにおいて第一号の事例があるというふうに承知しております。これは、短期受刑者に対する刑務所内でのプログラムあるいは出所後の更生プログラムについて導入したものというふうに聞いているところでございます。
 この民間資金を導入したプログラムということにつきましては、我が国についても従来からPFIの手法などの形で公的分野に活用する取組が進められてきておりますが、法務省としても、このソーシャル・インパクト・ボンドがどういう仕組みであるのか、関心を持っているところでございます。
 このスキームは、民間資金の活用という点ではPFIと同じ、類する面を有しておりますし、また、再犯防止対策におきまして民間の知恵やノウハウを活用する、そういう契機となり得るという点で注目しているところでありますが、我が国への導入ということを考えるに当たりましては幾つか検討しなくちゃいけないことがあるだろうというふうに考えております。
 一つには、民間資金を導入して利益を上げるという仕組みがこの再犯防止という分野において国民感情から見てなじむのかどうかという、こういう問題でございます。それから第二に、資金を提供する民間投資家に対する償還の基準の設定や評価の方法、これらが実際できるかどうか、あるいはできるとしてどういう仕組みとするのがいいのか。ここは大変難しい問題があるというふうに考えております。さらにもう一つは、このソーシャル・インパクト・ボンドは複数年を想定した社会的投資スキームでありますが、我が国の予算は単年度予算というふうになっていることとの整合性でどういうふうな仕組みをしなくちゃいけないのか、こういった問題がございます。
 これらを含めて様々な観点からの検討が必要であるというふうに考えておりますが、法務省におきましても、我が国における先行事例があると聞いておりますので、その状況把握、それから外国の先例についても把握していきたいというふうに考えております。
○矢倉克夫君 今、我が国においての先行事例というふうにおっしゃってくださったのは、資料三で書かれているものであると思います。法務省内でも検討を開始されたということ、これは前進であるかなというふうに思います。
 今、課題の一つとして、やはり成果をどうやって評価していくのかというところがありました。これについては、前回も委員会の方でも御質問を関連としてさせていただいたところはあるのですが、例えば再犯防止に関しては、厚生労働省のホームページなどでは、一人再犯者が起きなければどういった費用的な効果があるのかというところで、被収容者に対して与える食費の観点などから一日千七百四十六円であるとか、それに関連する施設の維持費であるとかも含めれば一日七千五百七十六円とか、そういった具体的な数値も出ているところではあるんですが、こういった見解に対して法務省としてはどのような見解を持っていらっしゃるのか、答弁をいただければと思います。
○政府参考人(高嶋智光君) 再犯防止の効果をできる限り見える形で示していくことは大変重要なことだと考えておりまして、ただいま委員が御指摘された受刑者等の食費等、あるいは一人当たりの管理費がどうなるかということが大事な一つの数値であるというふうに認識しております。
 再犯防止の効果一般につきましては、これまでも御議論いただいている中で二つの点、すなわち社会的負担の減少と、それから社会的利益の増大、この二点について考えられるとお答えしているところでございますが、先ほど御指摘のありました被収容者一人当たりの食費あるいは一人当たりの運営経費、これは社会的負担の減少の方に分類されるものでございますが、このほか、非常に大事なコストとしましては犯罪自体が社会に与える負のコスト、これもございます。
 こういった再犯防止による社会的な負担の減少というものを算定することは、特に最後の犯罪による社会的コストそれ自体を金額的に評価することは非常に難しい面がございますが、委員の御指摘も踏まえながら、再犯防止の効果をできる限り見える形にしていきたいというふうに考えているところでおります。
 これに関連しまして、現在、法務省では刑事情報連携データベースシステムの開発を進めているところでございます。今後、このシステムを活用するなどして施策の効果を検証し、施策の効果を国民の皆様に説明していくことによりまして一層の御理解と御協力を得られるよう努めてまいりたいと考えております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。
 一人の犯罪を犯した人に対しての与える効果であるとかを数値にするのはなかなか難しいのかもしれませんが、例えば資料二の、これイギリスの事例なんかはどういうふうにやっているかというと、受刑者を三つのグループに分けて、一つのグループでも再犯率がプログラムを受けなかった同種の犯罪者と比較して一〇%低下するか、グループの平均で七・五低下すれば償還するというような、要するに見える化というのが大事でありますから、こういう事業プログラム等の影響を受ける人たちをグループ化して、そのグループの事業プログラムを受けた前と後をこれ比較対照してどういう効果があるのかとか、いろんな成果の見え方等あると思います。
 見える化というお話もあったので、そこら辺は是非、今お話もいただいた刑事情報連携データベースシステム、これも、今後の情報連携、再犯を犯した人が今後どうなるのかとかそういう情報までトレースできるようになれば、また更に評価価値、評価の基準としても上がってくると思いますので、いろいろこちらも是非活用をして更に研究を進めていただきたいというふうに思っております。
 大臣から、今民間活用というところも言ったところでありますが、冒頭申し上げたとおり、法務予算というのは非常に少ないと、これから需要が非常に多くなるところでありますので、是非これの更なる拡大等に向けて、また御決意等をいただければと思います。
○国務大臣(岩城光英君) 御指摘のとおり、法務省の予算の約七割が人件費であります。また、物件費につきましても、毎年必ず予算計上せざるを得ない経費が大部分を占めております。したがいまして、新たな政策課題に対応するための予算の確保、これが極めて大切な課題だと承知をしております。
 財政事情は引き続き厳しいわけでありますが、法務行政の果たすべき役割はますます重要性を増しております。したがいまして、関係各方面や国民の皆様方の御理解、御支援をいただきながら所要の予算の確保に努めますとともに、御指摘のソーシャル・インパクト・ボンドという新たな民間資金の活用方策等につきましても、各方面における実施状況等を注視してまいりたいと考えております。
○矢倉克夫君 私も、法務委員会として法務行政に関わらせていただく機会を与えていただいた人間として、より良く、この分野がいかにお金が必要かというところもまたどんどん発信してお力添えをさせていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 もう一点、今のところとも関連するんですが、私、もう一つ強調したいのは、これは法務の分野、特に法務省というところの特色として挙げられるのは、行政の内容も広がっているところはあるんですが、法務省そのものも霞が関の中でやはり独特の専門家集団であるなと。この法務省がいかに霞が関全体、さらには国民全体に便益を与える、利益を与える集団かというところもここはしっかりとアピールをして、また予算という部分での獲得というのにも影響していかなければいけないというふうに改めて理解もしているところであります。
 先日も大臣所信の中でもいろんな政策のことをおっしゃってくださったわけですけど、その中で、今の観点から私やはり大事だなと思ったところの一つが、今、法務省が推進されている予防司法機能の強化というところであります。これは、まさに法務省でしかできないような部分でもあるかなというふうに思っております。この点を、意義と具体策についてまた御答弁をいただければと思います。
○副大臣(盛山正仁君) 今委員が御指摘いただきましたように、法務省は言わば政府の顧問弁護士といったような形で、訴訟が起きる前から法的に関与するということで行政の法適合性を高め、政府のコンプライアンス機関としての役割を果たしていくことが重要であると考えております。
 そういった中、昨年四月に法務省に訟務局が設置されましたが、その目的の一つがこういった予防司法機能の強化ということでございます。今、我々の訟務局におきましては、訴訟が起きる前から法的な問題点について相談を受ける、いわゆる霞が関リーガルコンシェルジュと言われる取組を行っています。
 また、昨年の五月には内閣官房に全府省庁の官房長による連絡会議が設置されておりまして、法務省は、同連絡会議を通して各府省庁における予防司法の取組の積極的な活用を促進しているところでございます。
 これまで一年間で約二百四十件の相談が我々のところに参っております。それらの相談に訟務局が法律専門家としての意見を回答することによりまして、政府全体のコンプライアンス機能の強化、これを着実に図っているものと考えておりますが、今後とも、委員の御指摘のように、まずは予算の獲得、そしてそれに伴って人員の養成、こういったことも含めまして予防司法機能を更に強化をしていき、国と国民の権利利益の保護に寄与するよう取り組んでまいりたいと考えております。
○矢倉克夫君 是非、引き続きよろしくお願いします。
 紛争等になって不利益を受けるのはやはり国民の皆様でありますから、そういったことの予防を事前にするべく、このコンプライアンス機能というのをしっかり果たしていく顧問弁護士的な役割というのは非常に重要であるし、国民全般に利益が及ぶ大事な大事な役割でもあると思っております。我々もこれはしっかりまたアピールというか強調させていただいて、広く国民の皆様に知っていただくように訴えていきたいと。
 もう一個思ったのが、やはりまたおっしゃっていらっしゃる国際訴訟への対応というところであります。TPPなども今、議論等もこれからされる部分もあるかもしれません。また、かつては捕鯨の問題であったりとか、そういうような問題もございました。法曹資格を持っている専門家の方々が国際分野でも活躍をするという視点は大事であると思います。
 これは、例えば国際訴訟において、いろいろと訟務局の知見、ノウハウはあるわけですけど、これが国際訴訟においてどのような効果を発揮するのか、この辺りも御答弁をいただければと思います。
○副大臣(盛山正仁君) 委員が今御指摘していただきましたように、国際訴訟あるいは国際紛争というものが増加をしているという環境の中、我々訟務局のメンバーが法に基づいて適正に解決していくというところにお手伝いをすることができると思いますし、また、それが我が国の国益、利益を守ることにつながると私たちは考えているところです。
 我々の訟務局には、長年にわたる国内での裁判に関する法解釈論や主張立証についての知見やノウハウの蓄積がございます。こういった国内裁判への対応によって培われた知見、ノウハウは国際訴訟等での法解釈の手法や実際の国際機関の法廷等における主張立証活動に十分に活用できるものと考えておりますが、これから、これまで以上に一層我々のノウハウあるいは知見を高めていきたい、そんなふうに考えております。
○矢倉克夫君 やはり法曹としていろいろ職務等を担われた方は、手続の話でもあったり、また未知な法律にぶつかったときのリーガルマインドと言われているものも備わっていると思います。それが国際訴訟に生かされるものとしては非常に大きなものでもあると思っておりますので、この分野も是非更に拡大をしていただきたいというふうに思っております。
 法務省、これからの法務行政の広がりもそうですし、こういった特色ある行政を担うところとしてまたしっかり予算も更に取っていくというような御覚悟も、必ず取っていただけた上で、是非適切、的確な法務行政を進めていただきたいというふうに念願申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございます。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
 昨日、この法務委員会でヘイトスピーチの根絶と立法措置の在り方を含めた政治の責任について初めての参考人質疑が行われたわけです。これは、本当に歴史的なといいますか画期的なこの委員会が果たしている役割を示すものだと思うんです。
 そこで、通告している質問に入る前に、先ほど有田理事が取り上げられた、問われた三月二十日の川崎における事件についてなんですけれども、大臣はお聞きになっておられましたし、刑事局長お聞きになっておられたかどうかよく分かりませんが、先ほどの質問で警察庁は、街宣活動家とカウンターと呼ばれる市民の衝突を防止するために多数の警察官を配備していたということ、動員しているということを認めているわけですね。衝突を防止するために多数の警察官を動員しながら目の前で殴る蹴るを制止できなかったということ、しかも現行犯逮捕をしなかったということ、そして身元は分かっているのに三日間にわたって任意同行さえ求めていないと。
 もしそうだとすると、これは警察組織がこの街宣活動家たちの暴行を容認していると社会的に評価をされるものであって、ほくそ笑むのは加害者なんですよ。こんなことが我が国の捜査機関において許されるのかと、私はちょっと怒りが収まらないんですけれども、大臣か刑事局長か、御感想をいただければ。
○政府参考人(林眞琴君) 具体的な事件についての捜査活動について、事案を承知しているわけではございませんので、それに対して見解を述べることはできませんが、いずれにしても、検察ということでいけば、事件として法と証拠に基づいて取り上げるべき事件であれば適切に対応していくものと考えております。
○仁比聡平君 事実関係を通告しての質問ではありませんから、局長の答弁、今のところでとどめますけれども、つまり問題は、目の前で行われている暴行を現に止めていないのが警察組織であるということがこの事件によって明々白々になっているということなんですよ。これは一体なぜかと。これは、法務省も、もちろん警察庁も、そして政権を挙げてしっかりと見極めるべき課題だと、私たち法務委員会としてもしっかり考えなきゃいけない課題だということをまず申し上げたいと思うんです。
 そこで、昨日の参考人質疑ですけれども、在日三世の崔さんの意見陳述に、与党、野党といいますか、会派を超えて皆さん胸を打たれたと思います。
 先に人権擁護局長に、この参考人質疑を聞いておられての御感想はどうかということと、それから、この崔さんの意見陳述の中心は、私は、これまで多様性を豊かさとして誇りとして共に生きてきた桜本という町、暮らしの町にヘイトデモがじゅうりんせんとして迫ってくる。とりわけ、去年十一月八日、そして今年の一月三十一日のこのデモの場面で、現場で例えば勇気を持って訴えたというのは、桜本を守ってください、桜本に入れさせないでくださいと勇気を持って訴えた中学一年生に対してもヘイトスピーチが浴びせられ、コリアンダブルであるその中学生は、体は半分にできない、心はばらばらにされたと、そうした言葉で被害を語っているわけですよね。
 この現場から、崔さんや、それから一世のハルモニ、それから崔さんのお連れ合いが人権侵犯事件として申告をされたわけですけれども、その思いについて私、昨日お尋ねをしました。崔さんは、名を名のって申告をすることでさらされてしまうという恐怖がある。具体的にインターネット上でのバッシングも行われて、息子さんは、駅のホームで前に立たないでくれ、何があるか分からないと訴えておられる。けれども、大人として必ずヘイトスピーチを根絶する、そうした責任感を持って私はこの申告に及ばれたのではないか、そんなふうに決意を受け止めました。崔さんは具体的に実効性ある判断をというふうに政府に求めましたけれども、これに応えなければならないと思うんですね。
 この参考人質疑の感想も踏まえて、この申告に対して私は速やかに勧告を出す、そのために直ちに調査を開始し、許さないという宣言をする、そのことが大事だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(岡村和美君) 私も昨日の崔参考人のお話を伺いまして、今更ながらではありますが、改めてヘイトスピーチはあってはならないものだと痛切に感じております。
 そして、委員御指摘の崔さんたちが勇気を振り絞って申告された案件についてでございますが、この事案は、平成二十八年三月十六日、横浜地方法務局川崎支局が、川崎市在住の在日韓国人ら三名から、いわゆるヘイトスピーチにより精神的苦痛を被るなどの被害に遭ったとして被害申告を受けた案件であると理解しております。
 ただいま、横浜地方法務局川崎支局においては調査を開始しております。申告のあった同日付けで人権侵犯事件として既に立件し、救済手続を開始いたしております。今後は、横浜地方法務局川崎支局において速やかに調査を行い、その結果に基づいて適切な措置を判断いたす所存でございます。
○仁比聡平君 大臣にも感想と決意をお伺いをしたいんですけれども、この参考人質疑の御感想も踏まえて、私、先ほど来申し上げている、共生の集住地域に迫ってくるデモによってどれほどの痛み、悲しみを皆さんが受けられるかということ、その申告をされた在日一世の七十八歳になるハルモニは、出ていけというこのヘイトに対して、人生を丸ごと否定されたような思いだという趣旨のことを語っておられると思うんですね。当然だと思うんですよ。
 こうした特定の人種や民族に属する人々に対して憎悪、暴力を扇動し、権利や自由の基礎である個人の尊厳を否定して社会から排除せんとするヘイトスピーチに、崔さんは中立や放置はあり得ないとおっしゃいました。国はなくす側に立つべきだと、なくす側に立つということを宣言すべきだ、そうおっしゃったんですが、大臣はいかがでしょうか。
○国務大臣(岩城光英君) 昨日の崔参考人の意見陳述、私も拝見をしておりました。その中で、いわゆるヘイトスピーチの現場に御子息とともに立たれ、そして自分たちに対する差別的言動、これを身をもって感じ、大変な恐怖感、ショックを受けたというその当事者の生の声をまたお聞きし、そして感じている不安感や恐怖感、こういったものを改めて痛感した次第であります。ヘイトスピーチは絶対に許されないということを更に強く訴えていかなければならないと考えておりました。
 また、桜本に入れさせないでという、そういったお話をされた、その在日の方々が集住している地域において当該民族や国籍の人々を排斥する差別的言動が行われたとすれば、そこに住む当該民族、国籍の人々に耐え難い不安感やそして嫌悪感を与えることになるものであって、改めて許されないことであると、そういったことを強く感じた次第であります。
○仁比聡平君 ありがとうございます。
 大臣が今の御答弁の中で、そうしたヘイトが行われたとすればという留保付きで御発言になりましたけれども、私は行われたということが昨日の参考人質疑で明々白々であって、だからこそ侵犯事件、人権侵犯事件として、先ほど局長が決意を述べられたように、直ちに調査に入っているということだと思いますので。
 私、こうした事件が起こって、これに対して法務省を中心に政府は直ちに対応して、速やかに許さないという宣言をする、この積み重ねが極めて大事だと思いますので、人権擁護局を先頭に是非頑張っていただきたいと思います。
 今日は次に、質問を性暴力と刑法改正の問題で続けさせていただきたいと思うんですが、三月八日に、性暴力禁止法をつくろうネットワークという被害者、当事者、支援者、研究者などの皆さんから法制審議会に対して要望書が出されています。これ、確認しましたら、法制審議会の刑事法(性犯罪関係)部会長宛てに伝わっているということなわけですけれども、この中で、このままでは性暴力被害の実態と乖離した刑法強姦罪の問題点が解決されないままに終わってしまうのではないかという強い危惧感が示されているわけです。
 大臣、今法制審でこの刑法の問題についての議論が行われているわけですけれども、そもそも問われている出発点が性暴力被害の実態と乖離した現行刑法強姦罪の問題点というのは、私、そのとおりだと思うんですけれども、大臣はいかがでしょう。
○国務大臣(岩城光英君) 諮問に至る経緯からお話をさせていただきたいと存じますが、性犯罪の罰則については、平成二十二年に閣議決定された第三次男女共同参画基本計画において性犯罪に関する罰則の在り方の検討が求められていたほか、各方面から様々な御指摘がございました。
 これらを踏まえまして、法務省において性犯罪の罰則に関する検討会を開催しました。ここで、性犯罪被害の実態に詳しい法律実務家や被害者支援団体関係者にも構成員となっていただいた上、性犯罪被害者等からのヒアリングを実施し、これを踏まえて性犯罪の罰則の在り方に関する多くの論点について検討を行ってまいりました。
 今回の諮問は、このような検討会の議論を踏まえまして、性犯罪被害や事案の実態に即した対処をするための罰則の整備を行う必要があると考え、諮問したものでございます。
○仁比聡平君 という経過は何度も繰り返し御答弁をいただいているんですけれども、私、焦点になっているのは現行刑法と被害実態の乖離であると、問われているその被害者、当事者の皆さんの声、ここをちゃんとやっぱり聞かないといけないと思うんですよ。
 具体的な事件で少し議論してみればと思いまして、資料をお配りしました。これ、ゴルフの教え子で十八歳の高校生だった女性に対して、ゴルフ指導者、練習場経営者が準強姦罪に問われた、けれども、これ、最高裁まで争われて無罪となったという事案なんですけれども、何を私言いたいかといいますと、性犯罪でこの事件は初めて検察審査会による強制起訴が行われた事件だということなんです。そこで二回の検察審査会の起訴すべきであるという議決によって、検察官は起訴しない、嫌疑不十分だとしたけれども、弁護士が検察官に代わって起訴をする、公判を維持するということになったわけですが、その二度目の審査議決をお手元にお配りしました。
 めくって二ページ目を御覧いただきたいと思うんですが、市民が中心の、市民によって構成されている検察審査会は、ゴルフの指導を口実にホテルに連れ込んだ、そこで部屋の鍵を締めて三十分ほどゴルフに関しての話をし、安心させたり説教したりしてから急に姦淫行為に及んだと。被害者は、頭の中が混乱して、また信じ切っていた加害者から姦淫行為に及ばれて、裏切られた悲しさとショックでパニック状態になり、体が固まってしまって逃走や抵抗ができなかったとして、起訴相当である、つまり刑事法上罰するべきであるという判断をしたわけですね。私、これ市民の感覚だと思うんですよ。ところが、検察官は不起訴にした。ここには、被害実態と市民感覚と検察官の乖離、もしかしたら現行刑法規定の乖離というのがあるんでしょうかね。局長、いかがでしょう。
○政府参考人(林眞琴君) 委員お尋ねの事項につきましては、やはり個別具体的な事件において実際に具体的になされた検察官の処分に関わる事項でございますので、法務当局からはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○仁比聡平君 そうおっしゃるんですけれども、この事件では、地方裁判所が抗拒不能という成立要件、構成要件が認められないとしました。高等裁判所は、抗拒不能ではあると認めながら、被告人に故意がないというふうにして無罪の判決をしたわけですけれども、この裁判を通じて、刑法そのものの解釈というのがどんなふうになっているのか、ここ問題、問われていると思うんですよ。
 これ、一九六五年の「注釈刑法」という法律家にはよく知られている本がありますけれども、ここでは、ささいな暴行、脅迫の前にたやすく屈する貞操のごときは本条によって保護されるに値しないという表現があります。女心の微妙さを考慮に入れよという言葉も刑法の解説書に書いてあるんですが、これ、刑事局長、法務省としてになるのか、刑法は所管しておられるんですが、同じお考えですか。
○政府参考人(林眞琴君) 御指摘のその注釈については、これはあくまでも注釈書の記載でございまして、私どもといたしましては、この抗拒不能の意義につきましては、やはり過去に行われた裁判例にのっとって理解しているところでございます。
○仁比聡平君 時間がなくなって本当に悔しいんですが、その裁判例とおっしゃる法律実務の中で、なぜ抵抗しなかったのかということを捜査機関やあるいは法廷で尋問をするということがもう当たり前のようにあります。なぜ抵抗しなかったのかとなぜ被害者に問うのか、それがどういうことなのかというのは大問題なんですよね。抵抗や逃走ができなかったというそうした状態の被害者に対してそれを問うこと自体は、これは人権侵害だと思うんですが、女性差別撤廃委員会から〇九年八月七日の最終見解でこういう指摘があります。「委員会はまた、本条約の精神、目的及び規定が十分に認識され、裁判において活用されるように、本条約及び委員会の一般勧告に対する裁判官、検察官、弁護士の意識啓発の取組を締約国が強めることを勧告する。」と。
 最高裁に聞きますと、お手元の資料のように、裁判官がそうした研修を……
○委員長(魚住裕一郎君) 時間です。
○仁比聡平君 できているというわけではないんですが、最高裁、もし一言いただければお願いしたいと思います。
○委員長(魚住裕一郎君) 最高裁判所事務総局平木刑事局長、簡潔にお願いします。
○最高裁判所長官代理者(平木正洋君) お答え申し上げます。
 性犯罪の被害者を始めとして、犯罪被害者の方々のお気持ちや心情等について理解を深めておくことは裁判所としても重要であると考えております。委員が配付されました資料に書いてございますような種々の研究会などを実施しておるところでございます。
 裁判所といたしましては、今後もこうした取組を通じて性犯罪の被害者の方々のお気持ちや心情などに配慮する理解を深めてまいりたいと考えておるところでございます。
○委員長(魚住裕一郎君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(魚住裕一郎君) ただいまから法務委員会を再開いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、仁比聡平君が委員を辞任され、その補欠として大門実紀史君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(魚住裕一郎君) 休憩前に引き続き、平成二十八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、裁判所所管及び法務省所管を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○真山勇一君 維新の党、真山勇一です。
 午後一でまぶたが重たくなる時間帯でございますけれども、頑張ってやりますので、是非よろしくお願いいたします。
 やっぱり今のこの社会、そして国会でも問題になっているのは、子供の保育所をめぐる問題と、それからもう一つは貧困という問題もあると思うんですね。私はこれ、この委員会でしばらくの間、別居ですとか離婚ということが原因になって子供の貧困が起きるのではないかという問題を取り上げてまいりました。先日の委員会でも、岩城大臣の方から、やはり両親の別離とか離婚という問題が子供の貧困につながる可能性もあるのではないかというような発言もいただきました。
 確かになり得るというふうに私も思っているわけなんですけれども、本当にこれは、繰り返し申し上げますけれども、子供には何の責任もなくて、両親の都合でそういうことになってしまうということになっているわけですけれども、貧困に陥るということ以外に、実は子供は両親の別離とか離婚によって別な問題も起きるということが指摘されているわけなんですね。今日、まずその問題をちょっと大臣にお尋ねしたいんですけれども。
 片親疎外、あるいは子供たちが大勢がそういう同じような傾向を見せるということなので片親疎外症候群、あるいは片親引き離し症候群などというふうにも言われているんですけれども、これは医学的にはまだいろいろと研究の余地があるというふうに言われているんですけれども、この言葉、大臣は御存じでしょうか。そして、こうした問題の何らかの調査ですとか対策ですとか、そういうものがやったことがあるのかどうか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岩城光英君) 片親疎外症候群という言葉ですが、精神科医のリチャード・ガードナーによって提唱されたものでございまして、これは、両親が離婚や別居をした場合におきまして、子を監護している親が子に対して他方の親の悪口を言うなどして子に他方の親に対するマイナスのイメージを与え、結果として子が他方の親を遠ざけようとする状態をいうものと、そのように理解をしております。この考え方につきましては、法務省が委託しました各国の離婚後の親権制度に関する調査研究業務、これにおいても触れられているところでございます。
 いずれにしましても、両親が離婚した後にも子との面会交流が適切な形で行われることは子の利益を図る観点から極めて重要であるものと認識をしております。
○真山勇一君 ありがとうございました。
 大変、離婚とかそういうものが多くなるとやはり子供が犠牲になるということで、特に貧困と同時にやはり子供自身が今おっしゃったように精神的なダメージを受ける。あるいは、これ場合によっては、それによって、何というんですか、別れて親権を持っている方の親から、もう一人の親の方に会わないでくれと、会っちゃ駄目だとか、あるいはいろんなことを、精神的なことを言われて、その苦痛で虐待ということすらあるんじゃないかというふうに言われているわけですね。ただ、医学的にはまだ研究の余地があるということで、症候群というふうな言葉を付けるのかどうかということにはまだ議論があるというふうに言われているわけですけれども、法務省がやはりそういうことで委託してこれについて調べているということは評価できると思うんです。
 やはり、子供たちの両親が別れるということによっていろいろなことが起きると思うので、その子供のことについてそうした調査研究を進めるということは大事だと思うので、今後もこれは是非、まだ余りはっきりした統計も出ていないというふうに伺っていますので、是非これを引き続きやっていただきたいというふうに思います。
 もう一回、これから貧困の問題にまた移りたいというふうに思うんですけれども、実は別れた後やはり問題になるのは、先ほど大臣もおっしゃいましたが、面会交流が一つ、それからもう一つはやっぱり貧困の原因となっている養育費をどうするか、こういうことが離婚のときにどうしても、はっきり取決めができればいいけれども、やっぱり人間というのは別れる別れないのときにそんな冷静な話はできないじゃないかという人もいると思うんですね。
 そういうために、やはりどうやったら子供のことも考えられるかということで法務省が始めたことを一つ、ちょっとこれ今日取り上げたいと思うんですが、まず、資料一を見ていただきたいんです。これは離婚届ですね。これ、離婚届の用紙自体は明石市のものです。ですから、ここに書いてあるのは見本なもので、これ私が書いたのでも、それから実在のものでもありません。これは明石市が書いた見本ですね。これ、委員長の名前、右側のところの上に委員長と同じ名字があるのでちょっと気になるようなこともありますけれども、これはあくまでも見本ということで。
 私も、幸か不幸か離婚届なんというのをこうやってじっくり見たのは初めてなんですけれども、こういうふうに書くんだなというふうなことで見ていたんですが、その中でやはり大事なことは、右側の下の方の長い四角を見ていただきたい。未成年の子がいる場合は、次の四角の当てはまるものに印を付けてくださいというのがあります。面会交流と、それから養育費の分担というのがありますね。
 これ、実はやはり子供、両親が離婚するときに当たって、今まではこういうのはなかったんですね。これを、民法を改正して二〇一二年の四月に離婚届の中にこうした欄を作る、法務省がこういうことを改正したということで、これはやはり離婚が親だけじゃなくて子供も絡んでいるんだ、この意識をつくる上で大変大事なことだと思うんですね。その中で、特に面会交流、なかなかうまくいかないと言われている面会交流と、それから養育費の分担をどうするのかということ、この取決め、ここへチェック欄があって、取決めをしているか、まだ決めていないのかということを申告するようになったということなんですね。これは二〇一二年の四月からこの新しい欄が、チェック欄ができたというふうに伺っているんですね。これは当然、明石市の離婚届の中にもこれは書いてある。これは全国全部、離婚届はこうした様式を使っているということなわけです。
 これを作りまして、資料の二を見ていただきたいんですが、これは法務省からいただいたものを表にいたしました。このチェック欄を離婚届に設けてからこの新しい欄がどんなふうに使われているのか、そのチェック状況、面会交流の取決めと養育費の取決め、平成二十四年度ですからこれは二〇一二年からになるわけですね。去年、二十七年度まで四年あったわけですが、これは数字見ていますと、やはり初年度よりも、少しずつですが、取決めがあったとかないとか、そういうことを記入することが増えてきているというようなことだと思うんですね。ただ、そうはいっても半分ちょっとということなわけですね。
 やっぱりお子さんがいる人は全てこの問題というのは大変大事なことだと思うんですけれども、この半分ぐらい、実施されてから四年、今年が五年目に入っているわけですけれども、この数字、これをどういうふうに大臣は評価されますか。
○国務大臣(岩城光英君) この資料によりますと、年々増加してきておりますけれども、正直申し上げましてまだちょっと足りないなというふうに思うし、もう少しこの数字を伸ばしていかなければいけないと、このように受け止めております。
○真山勇一君 左側を見れば中ほどに未成年の子の氏名というのがあって、やっぱり子供がいるんだと。いるんだということが書いてあったらば右側の、別れてもやはり子供というのは、会いたいという親もいらっしゃるし、それから子供にとっては、養育費も掛かる、その養育費を負担したいという親もいると思う、そういうことを確かめるということはこれはやはり必要なこと。
 やはり子の貧困ということから考えれば、こうしたことを法務省のこの離婚届の中で新しく入れたということは大変評価できると思います。そして、その使用状況も少しずつ上がってきている。でも、まだまだ足りないと思う。私は、やっぱりこういう問題ですから、九〇%とか一〇〇%になったっていいと思う。ただ、申告したからといって、これは強制力はないわけですから、すぐに解決に結び付くというわけではありませんけれども、でもやっぱりこうした姿勢というのは大事な気がいたします。
 で、実は、今申し上げたように強制力がないわけですね。ですから、なかなか、じゃ実際にどのぐらい効力があるのかどうか、こういうことがあると思うんですね。そのために、実は地方自治体、離婚届を出す窓口になるところが法務省のこのフォーマットから更に一つ先に進んできているわけですね。それが資料三、見ていただきたいんですが、これは明石市の書類でございます。
 明石市は、離婚届を出したときに、当然このチェックがある、それ以外にもう一つ別な明石市独自の用紙を付けて、離婚届を出しに来た夫あるいは妻にこの問題を聞いているわけですね。こどもの養育に関する合意書、つまり、離婚するんで面会交流とか養育費を決めているのかということがあったら、決めてあるのならば具体的にその内容ってどんなのなんだろう、それをお互いに決めてありますかということですね。
 あるいは、そういうことで合意が取れていますかということで、これ左側の方を見ていただくとお分かりのように、これも記入例で赤い字で明石市が書いた言葉が書いてありますけれども、まず一番が親権、そして二番目が養育費、そして三番目が面会交流ということで細かに、こういうことで夫と妻が合意しているよということを書いていくわけですけれども。一番の親権というのは、もちろんこれ親権者はどちらかと、今日本の場合は単独親権ですからどちらが親権を持ちますかということから始まって、養育費、どのぐらい、どんなふうに払うのか、それから面会交流、これはどのぐらいの割合で子供とどんなふうにして会うのかということを取り決めておいた方がいいんじゃないかということで、明石市の場合はこれを離婚届と同時にやっぱり書いてもらって出してもらう。
 これは、二〇一四年の四月、おととしから明石市で始めて、この明石市が始めたのが全国で初めての取組、子供の権利を守るということでこういうふうな子供を育てるための両親の合意文書を作るということになったわけですけれども、これについて、やはり一歩進めてここまで自治体がやっているということについてはどんなふうな感想をお持ちですか。
○国務大臣(岩城光英君) 明石市が全国に先駆けて今お話がありました取組をされていることについては承知をしております。子を持つ夫婦が離婚をする事情には様々なものがあると思われますが、委員からもお話がありましたとおり、大切なのは、親の離婚によって子に社会的、経済的な不利益が生じないようにするという視点でありまして、こうした視点を持って対応していくことが子の利益の確保につながるものだと思っております。明石市の取組は、まさにこのような子の利益にかなう行政支援と言うことができ、地方自治体におきましてこうした取組がされることは望ましいものと考えております。
○真山勇一君 明石市が始めたこの取組、その後自治体に広がっておりまして、私がちょっと調べたところでは、鹿児島市、奈良市、新座市、半田市、知多市、柏市などにも広がってきているということで、これは大変好ましいことだというふうに思います。やっぱり、どういったことで養育と面会交流のことを決めておくかということは大事だと思うんですね。後から話すると、会わせないとか養育費も払わないとかいろいろ問題が起きるわけで、やっぱりこういうふうに決めていくことが大事だというふうに思います。
 ただ、残念なことに明石市のこの合意書も強制力はないということなので、現実的には、じゃ、どこまでこの合意した内容が履行されているのか、約束が守られているのかということは、実は、これも明石市に確認しましたところ、まだ制度が始まったばっかりで統計的、数値的な調査はやっていないという回答なんですね。
 これ是非、これはこの合意書を作っている自治体にはフォローアップをしてもらって、そして現実的にやっぱりどうなんだろうかと、守られているのかどうかとかという辺りを、これは是非法務省としても、せっかく離婚届にこれだけやったんですから、ここまでやっぱり自治体になるべく広くやってもらうことと同時に、その後のフォローアップというのをこれやっていただけるといいのではないか、子供の権利の問題、これをやっぱり一つ一つクリアにしていく大事なポイントではないかというふうに思っているんですけれども、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(岩城光英君) 今、フォローアップについての話がありました。その委員からの御提言を参考にさせていただきまして、法務省として今後どういった対応が可能か検討をしてみたいと考えております。
○真山勇一君 私も何回も取り上げてきましたけれども、やっぱり別れた夫婦、離婚した夫婦にとって子供の問題、特に子供に会う会わせないの問題とか、それから養育費の問題というのはなかなかお互いに理解がいかなくていろんな問題が起きているわけですね。
 ですから、そういうところに対するアプローチとして、せっかく離婚届で一つこういう未成年の子の扱いということをチェック欄を作ったんですし、もう一歩進めて、それならばこのぐらいの合意はできるのかできないのかということを聞いていく、そういうシステムをつくっていくということはやはり必要なことじゃないかなというふうに思っています。これが取りも直さず、やはり面会交流がきちっと行われたり養育費もちゃんと払われることになるし、それから場合によっては子供の権利が守られていくという大事な問題につながってくるのではないかなというふうに私は思っております。
 あと、要するに離婚に当たってやっぱり養育の問題と面会交流で問題なのは、今も申し上げたようにお互いの合意で、これ合意しない場合は裁判に訴える、調停に訴えるということになると思うんですけれども、この辺り、共同養育の問題、それから面会交流の問題ということをある程度義務付けるということとか、それを促進させる、そういう方法、もう少し進んで例えば法務省として考えてもいいのではないかというふうに思うんですが、その辺りについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(岩城光英君) 離婚の際に共同養育計画、これが策定され、また面会交流、養育費の支払といった子の監護に関する事項が適切に取り決められることは子の利益の観点からいって望ましいものだと考えております。
 しかしながら、仮に共同養育計画及び面会交流計画の策定を離婚の際に一律に義務付けることとした場合には、これらの計画が策定できない限り離婚が許されないこととなり、また、離婚に消極的な当事者が離婚を引き延ばすために相手方が受け入れ難い不当な条件を提示し続けるなど濫用的に利用されることも、そういった可能性もございます。また、計画の作成に時間を要し、長期間にわたって事実上の離婚状態が継続することにより、かえって子の利益を害するおそれも考えられます。そういったことから慎重な検討が必要と考えております。
 離婚の際に面会交流、養育費の支払といった子の監護に関する事項が適切に取り決められるよう促進するための施策を講ずることは子の利益の観点から重要であると考えますので、法務省におきましてもどのようなことができるか引き続き検討してまいりたいと考えております。
○真山勇一君 ありがとうございました。
 別離とか離婚した御夫婦にお話を聞くと、やっぱり子供のこうした面会交流とか養育費をめぐって例えば調停とか裁判になると、もう本当に時間も掛かる、そしてその間というのは、両親もそうですが、子供もいろいろな苦しみが受けることがあるということなので、確かに裁判とか調停も必要ですけれども、それに至るまでやはりできること、これは是非法務省も、子供の権利ということ、先ほどおっしゃった子の利益のために是非前向きに検討していただきたいというふうに思います。
 ありがとうございました。
○谷亮子君 谷亮子です。
 本日は平成二十八年度予算の委嘱審査ということでございまして、岩城大臣始め法務省の皆様、よろしくお願いいたします。
 本日、私は、法務省が所管されています出入国審査管理についての質疑をさせていただきたいと思っております。
 昨年の第百八十九回国会、三月二十六日に開会されました本委員会におきまして、私は、我が国の空港における入国審査時に入国審査料等を徴収されてはいかがでしょうかという問題提起をさせていただきまして、提案型の質疑に終始いたしましたけれども、現在、日本の空港における入国審査時に審査料等を徴収しているのかについてお尋ねしたところ、法務省からは、現在のところ、我が国においては入国の審査に関する手数料等は徴収していないと御答弁をいただきました。
 では日本の出国時はどうなのか、調べてみました。現在、日本では出国時のみにおきまして旅客施設使用料と、空港によっては旅客保安サービス料が徴収されておりますが、使途につきましては、空港管理会社が徴収されていて、空港における様々な施設の維持管理に充てるために、これは利用者、すなわち出国していかれる方たちが負担する料金でありますので、現在、日本は入国そして出国のどちらの審査時も諸税やまたさらには審査料等は発生せず、徴収されていないということになりまして、諸外国に比べてみますと立ち遅れの感が否めないところでございます。
 質疑の中では、これから日本が観光立国の推進、また二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック東京大会の開催、そして安倍総理がおっしゃられている世界一安心、安全な国日本を目指していく中で、法務省が担っておられる出入国審査そして管理は世界中の人々がこれから対象になっていくということを考えますと、これは厳正で万全な審査管理体制を構築していく必要があると思いますので、法務省独自の財源を生み出していく、また生み出し続けられることを考えていかなければいけないと私は思っております。なぜなら、現在、日本の多省庁にわたる訪日者の審査、そして検査、管理等が国民の皆様の税金によって賄われているという現状を鑑みますと、このまま税負担を今後ずっと国民の皆様に強いるわけには全くもっていかないと思っているからでございます。
 こうした観点から、入国審査料等を徴収し、それを日本国内における国際テロに対する水際対策やテロ行為の未然防止対応策に資するよう設備整備を進めることにより、国際テロに対するこれは抑止力となりまして、安心、安全、そしてさらには信頼できる国としての日本を世界に向けて発信していくことができるようになるという御提案をさせていただいたところでございます。
 そこで、この委員会の質疑におきまして御提案させていただきました我が国における入国審査料等の徴収について法務省としてはどのようにお考えになられているのか、是非お聞きしたいと思います。
○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。
 谷委員からは、昨年、今御紹介いただきましたように、法務省独自の財源という有り難い御提案をいただいたところでございますが、現状は、昨年も御答弁いたしましたように、出入国の審査に関しまして税とか手数料は徴収していないわけでございます。このことにつきましては、国際民間航空条約という世界的な標準的な条約がございまして、それの出入国の円滑化とか簡易化について定める第九附属書というものがございます。その中に、出入国審査に関しましては、各締約国はその当局によって設定された勤務時間の間、関係当局、行政当局の十分なサービスを料金なしで提供しなければならないという規定がございまして、その意味におきますと、我が国の取扱いは国際的な標準に沿ったものになっていると考えるところでございます。
 委員の御提案の様々な施策を進めることは常に念頭に置いてございますが、まずは同条約の規定も勘案しつつ、所与の予算の中でいかに充実した行政運営を行うかということについて検討を重ねているというところでございます。
○谷亮子君 御丁寧に御答弁いただきましてありがとうございました。
 ただいま御説明していただいたことは本当にそのとおりだというふうに思っておりますけれども、国際民間航空条約で入国審査料が徴収できない状況であるという御答弁をいただきましたが、昨年の三月二十六日の委員会におきまして御紹介させていただきましたが、入国時に入国税や入国審査料が発生し徴収されている国は二か国ございまして、これはアメリカとペルーでございます。
 アメリカは入国審査料として八百四十円、そしてペルーは入国税として千七百九十円が徴収されています。また、アメリカの場合は、入国時につきまして、諸税そして審査料等の合計は四千百九十円、徴収されている現状でございまして、先ほどの御答弁では国際民間航空条約の附属書の内容において入国審査料を徴収できないとのことでございましたが、先日、外務省の国際民間航空条約の御担当をされている方に問合せをしましてお聞きしましたところ、一般的に条約は国家間の合意でありますので一度締約すると条約自体をこれは変更することはできないけれども、航空機の要件、そして出入国審査、入国審査料などの国際民間航空における詳細事項を記した附属書については、相違通告があった場合、書き換えされることがあるとのことでございました。
 また、国際民間航空条約の第三十八条、これは国際の標準及び手続からの乖離に、国際標準に完全に一致させることが不可能と認める国は、相違を直ちに国際民間航空機関に通告しなければならないという条文がございまして、この条文からすると、入国審査料を徴収することができないと規定されている附属書の内容を変更し、国際民間航空機関に相違通告を行えば、これは入国審査料を徴収できるようになるのではないかと思いますとお答えいただきました。
 また、アメリカ、ペルーがこうした入国審査料等を入国税として徴収できているということは、国内においてこの附属書の内容を変更し、国際民間航空機関に相違通告を行っているのかなとも思いますし、昨日、法務省の方にも問合せさせていただきましたけれども、これはこうした条約を締約する前にアメリカが入国審査料をもう既に徴収されていたのかもしれないし、その期日、いつからアメリカが入国審査料を徴収するようになったのかということを法務省に今お尋ねしているところでございまして、またその状況が分かりましたら是非御教示、お知らせいただきたいというふうに思っております。
 また、先日の三月十日の委員会質疑でも触れさせていただきましたけれども、二〇一五年の訪日外国人旅行者数は千九百七十三万人をこれは超えまして、二〇二〇年の政府目標である二千万人に迫る勢いとなっているとともに、外国人が旅行中に日本国内で使ったお金が前年よりも約一兆四千四百九十三億円これは増加し、過去最高の三兆四千七百七十一億円となりまして、訪日外国人旅行者のもたらす日本での経済効果というのは非常に大きなものとなっております。仮に、昨年の訪日外国人旅行者約千九百七十三万人から一人当たり千円入国審査料として徴収いたしますと、これは百九十七億三千万円となるわけでございます。
 出入国審査を所管されている法務省の責務といたしましては、入国審査管理をしなければならないということと同時に、入国を許可するわけでございますから、滞在中や日本国民の皆さんの安心、安全を守る責務があるということは十分にお考えになられていると思いますが、財源を生み出していく、また施策を充実させていくという意味では、こうした入国審査料等を考えていっていただきたいなというふうに思うんですけれども、その点、法務省としてもう一度、どのようなお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(岩城光英君) 御指摘がありましたとおり、訪日外国人旅行者の急増、これに伴いまして、入管のみならずその他の政府機関、さらには地方公共団体等に生ずる様々な経費や負担の増大につき、受益者負担の観点から外国人に負担いただくことは一つの考え方であると、このように認識をしております。
 しかしながら、そのような意味での料金は、観光立国の推進等の中に位置付けて政府全体で検討すべき課題であろうと、そのように考えておるところでございます。
○谷亮子君 ありがとうございました。
 こうした現状を鑑みますと、これから観光立国、そしてさらには二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック東京大会、またさらには今後の日本のそうした続いていく観光、そうしたことを考えていきますと、やはりこれから先、訪日していただくそうした外国人の皆様、そしてさらには日本国内の国民の皆様の安心、安全ということを考えますと、法務省独自の財源というものをきっちりと確保していくということがこうした施策を充実していくことにつながっていくと思いますので、その点を是非大臣にも御検討いただきたいなというふうに思っています。
 また、日本における出入国制度は一九五一年に公布された出入国管理令を出発点といたしまして、今年で六十五年が経過いたしました。日本のテロの水際対策のとりでである出入国審査管理行政等をより厳正にしていくために有益であるという施策の実施はこれまで考えられず、現在に至っているところでございます。
 ここで私が注目したいのはアメリカの現状でございます。アメリカは、入国時につきましては、先ほど申し上げましたが、諸税、審査料等の合計が四千百九十円となっておりまして、九・一一以降、様々なテロ対策を打ち出し、関連の立法も行ってきております。また、その中でも、テロ直後の二〇〇一年十月二十六日に制定されましたアメリカ愛国者法が中心となりまして、関連の最終報告書、こちらを提出されまして、こちらを見てみますと、九・一一の実行犯がアメリカの難民庇護制度や出入国管理制度の隙をついて入国し、ハイジャック機に搭乗したこと等が報告されてありましたし、入国審査等の失敗であったとも結論付けられておりました。
 私は、やはりこうした入国時において税や審査料等を徴収し、国際テロ等に対処するために使われているというアメリカのこうした対応策、また諸外国の動向を見た中で、実際に安倍総理がおっしゃっておられる世界一安心、そして安全な国日本を実現されようと思われるのであれば、やはり審査料等をこれは今後検討されていってもいいのではないかなと思っております。
 まして、この提案をさせていただいております日本の入国時の審査料等の使途につきましては、これは日本国内における国際テロに対する水際対策やテロ行為未然防止対応策に資するものでございますし、日本にお見えになる方、そして、先ほども申し上げましたが、日本の国民の皆様の安心、安全のための入国料等の徴収ということを是非これは御理解の上、この趣旨を是非酌み取っていただきまして再度一考していただきたいというふうにお願いさせていただきたいと申し上げさせていただきたいと思います。
 それでは、次の質問に入らせていただきます。
 出入国管理インテリジェンス・センターの設置について岩城大臣にお伺いしたいと思います。
 岩城大臣は所信の中で、テロの未然防止を含む厳格な入国管理と観光立国推進に向けた円滑な入国審査を高度な次元で両立させる必要があるということについて述べられていらっしゃいますが、外国人観光客を増やしつつテロリストの入国リスクを減らしていくことの両立を追求する施策を進めていくことは、これは私も大変重要であると思います。
 昨年十月、法務省の入国管理局に出入国管理インテリジェンス・センターがこれは設置をされまして、テロ関係者等に係る情報収集と分析を行い水際対策を推進しているとのことでございますが、十一月にはフランスのパリ連続テロ事件が発生するなど、テロ情勢の厳しさは、これは一層厳しさを増しているものと思います。
 そこで、インテリジェンス・センター設置から五か月余りがたちましたけれども、テロ情勢の厳しさを踏まえ、本年五月の伊勢志摩サミット、そしてさらには二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの安全な開催等に向け、今後ともインテリジェンス・センターの機能をより一層向上させて、テロの未然防止に全力を尽くしていただきたいと思っております。
 そこで、入国管理における同センターの設置によるこれまでの効果や実績及び今後の機能強化の方向性はどのようなものをお持ちでいらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(岩城光英君) まず、効果と実績でございますが、インテリジェンス・センターにおきましては、本年一月以降、航空会社等からPNRと呼ばれている乗客予約記録について電子的に報告を受け、その情報等を分析し、テロ関係者を含む出入国管理におけるハイリスク者の類型化を実施しております。また、関係機関と連携を図り、テロ関係者等ハイリスク者の顔画像の収集を推進しております。そして、これらの情報を空港等の水際の最前線に提供し、活用をしております。
 このように、テロの未然防止等のため出入国管理インテリジェンス・センターにおいて情報収集、分析を進めているところでありますが、特に水際対策における顔画像の活用は今後ますます重要になっていくものと考えております。上陸審査時に取得した顔画像と入国管理局が保有するいわゆるブラックリストに登載している顔画像を機械的に照合する顔画像照合機能の活用強化を推進していく所存でございます。
 法務省といたしましては、出入国管理インテリジェンス・センターの機能を最大限に発揮させ、伊勢志摩サミット、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の安全な開催に向けて貢献してまいりたいと、そのように考えております。
○谷亮子君 大臣、ありがとうございました。
 様々な対応策、また施策等が充実してきていると思います。そして、やはり我が国におけるテロの未然防止という極めてこれは重要な目標の実現に向けて、政府一丸となってこの取組を推し進めていっていただきたいなと思います。
 また、報道によりますと、政府は、日本路線を持つ欧州連合、EU加盟国の航空会社に対しまして乗客予約記録、PNRの電子データ提出を義務付けるために、近くEUと個人情報の取扱いを定めた協定の締結に向けた交渉に入る方針を固めたと伺いました。この目的は、欧州経由で入国を図る要注意人物を漏らさず捕捉し、テロ防止の水際対策を強化するのがこれは狙いだとおっしゃっていらっしゃいましたけれども、テロ防止の水際対策を強化するために国際間の協定を結ぶなどの手続も必要ということでございますので、我が国としても、政府内の連携をより強化されましてEUとの交渉を早期にこれは開始していただきたいと思います。
 そこで、法務大臣に、テロ防止の水際対策強化をするため、国際間及び政府内の連携強化の必要性についてお伺いしたいと思います。
○委員長(魚住裕一郎君) 岩城法務大臣、簡潔に。
○国務大臣(岩城光英君) 出入国管理インテリジェンス・センターにおいてテロ関係者等ハイリスク者の特定、類型化を行い、空港等の水際の最前線で分析結果を活用することにより、水際対策がより実効性のあるものになると考えておりますので、国際間及び政府の機関との情報連携を今後とも推進してまいりたいと存じております。
 また、欧州系の航空会社からPNRの報告を受けることにつきましては、EU内の個人情報保護法制との関係で、我が国とEUとの間でPNRの報告を可能とする協定を締結する必要がございます。そのため、引き続き関係省庁と連携し、EUに対して働きかけを行ってまいりたいと考えております。
○谷亮子君 ありがとうございました。是非強力に進めていっていただきたいと思います。
 また、入国審査料等につきましても、井上入国管理局長にも更にまた御教示いただきたいと思っております。
 ありがとうございました。
○委員長(魚住裕一郎君) 以上をもちまして、平成二十八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、裁判所所管及び法務省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時四十一分散会