第190回国会 法務委員会 第16号
平成二十八年五月二十六日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     三宅 伸吾君     石井みどり君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     石井みどり君     三宅 伸吾君
     柳本 卓治君     中泉 松司君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         魚住裕一郎君
    理 事
                西田 昌司君
                三宅 伸吾君
                有田 芳生君
                矢倉 克夫君
    委 員
                猪口 邦子君
                田中  茂君
                鶴保 庸介君
                中泉 松司君
                牧野たかお君
                丸山 和也君
                溝手 顕正君
                江田 五月君
                小川 敏夫君
                加藤 敏幸君
                真山 勇一君
                仁比 聡平君
                谷  亮子君
   国務大臣
       法務大臣     岩城 光英君
   副大臣
       法務副大臣    盛山 正仁君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  田所 嘉徳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫟原 利明君
   政府参考人
       警察庁長官官房
       審議官      河合  潔君
       総務大臣官房審
       議官       宮地  毅君
       法務大臣官房司
       法法制部長    萩本  修君
       法務省民事局長  小川 秀樹君
       法務省刑事局長  林  眞琴君
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  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○総合法律支援法の一部を改正する法律案(第百
 八十九回国会内閣提出、第百九十回国会衆議院
 送付)
○民法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
○法務及び司法行政等に関する調査
 (ヘイトスピーチの解消に関する決議の件)
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○委員長(魚住裕一郎君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、柳本卓治君が委員を辞任され、その補欠として中泉松司君が選任されました。
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○委員長(魚住裕一郎君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に三宅伸吾君を指名いたします。
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○委員長(魚住裕一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 総合法律支援法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務大臣官房司法法制部長萩本修君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(魚住裕一郎君) 総合法律支援法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○三宅伸吾君 おはようございます。自由民主党の三宅伸吾でございます。
 議題となっております法律案は、日本司法支援センターの業務を拡大し、ストーカー等被害者に対する援助を拡充することなどを内容としております。
 まず、法務省にお聞きします。ストーカー等被害者に対する援助というのは具体的にどのような援助を想定されておられますか。
○政府参考人(萩本修君) 御指摘いただきましたストーカー等の被害者に対する援助、これは今回の改正法案における主要な改正点の一つになりますが、これはストーカー、配偶者からの暴力、いわゆるDV及び児童虐待を現に受けている疑いがあると認められる者に対し、その資力のあるなしを問わないで法律相談を行うこととするものでございます。
 ストーカー、DV及び児童虐待、この三類型は、いずれも深刻な再被害へと急速に発展する危険性が大きく、その被害者が危険性を感じた場合にできるだけ早い段階で弁護士の助言を受けられるようにする必要があると考えられましたことから、事前の資力審査を不要とし、迅速に法律相談援助を行うことができるようにしようとするものでございます。
○三宅伸吾君 連日痛ましい事件、事故が新聞をにぎわせているわけでございます。沖縄でも本当に痛恨の極みの事件がございました。そして、都内でも先日、アイドル活動をされておられました女子学生が男性ファンに刺されて重体になるという痛ましい事件がございました。
 これ報道によりますと、事前に女子学生から相談を受けた警視庁武蔵野署がストーカー相談として受理せず一般相談として扱っていたという報道がなされております。女子学生は、男性ファンからSNS、ソーシャル・ネットワーク・サービスの一つでありますツイッターでプレゼントを返せ等の執拗な書き込みを受け、そのことを警察に伝えていたとも報じられております。
 私の読んだ新聞記事ですと、SNSはこのストーカー規制法の定義の電子メールには当たらないので一般相談にしてしまったという報道が一部あったわけでございますけれども、お聞きしたいのは、ストーカー規制法に定める規制対象行為である付きまとい等に本件、本当に該当しなかったのか、警察庁にお聞きいたします。
○政府参考人(河合潔君) お答えいたします。
 現行法上、ツイッター等のSNSを通じて単にメッセージを送る行為自体は、電子メールや電話等による場合とは異なり、ストーカー規制法の対象となり得ないというところでございます。
 しかしながら、メッセージの内容が面会の要求や乱暴な言動であるなど社会的に逸脱した付きまとい等の行為であると認められる場合は、それがツイッター等によるものであってもストーカー規制法の対象となり得るところであります。
○三宅伸吾君 本件では、この被害者の母親が電話で容疑者の自宅のある京都府警右京署に相談をしていたそうでございます。また、本人も、被害者ですけれども、警視庁武蔵野署を訪れて、加害者の氏名、住所を告げ相談をしていたとのことでございます。同署は、事件前日に女子学生に電話を掛け安否は確認しておりましたけれども、女子学生から依頼がなく、ライブハウスに警察官は派遣しなかったと報じられております。
 このようなケースで、女子学生から日本司法センターに援助を求められれば、この改正法案の施行後はどのような対応を支援センターとしてすることが新たにできるようになるのか、教えてもらえませんでしょうか、法務省。
○政府参考人(萩本修君) 具体的な事件を想定した対応につきましては、現在捜査中の個別の事件に関わることになりますので、お答えは差し控えたいと思います。
 その上で、一般論としてお答えいたしますと、まず本改正法案におけるストーカーの被害者に対する法律相談援助は、法案の三十条一項五号の文言から明らかなとおり、ストーカー被害を現に受けている疑いがあると認められる者を対象とするものですので、法律相談の時点においてストーカー規制法の要件に該当することが明白でなくても、その疑いが認められさえすれば弁護士の法律相談を受けられることになります。
 次に、改正法案が成立し、施行された場合の法律相談の具体的な内容ですけれども、例えば、この事案の背景事情や被害の深刻度を踏まえた上でのことになりますが、警察への告訴の手続、警察への警備要請の方法、警察への避難宿泊所へのあっせん依頼の方法、警察からの加害者に対する警告発出の要請の手続、公安委員会による加害者に対する禁止命令の要請の手続などにつきまして、弁護士が被害者に法的助言を行うことが考えられるところでございます。
○三宅伸吾君 すばらしいことだと思うんですけれども、余り法律の素養のない方がストーカー規制法の中身とか理解をして警察に相談するとしても、なかなか警察官に言いくるめられる可能性もあるかもしれないと思うのであります。できれば、一緒に同行して被害の内容、それから法律上の論点等を同伴してもらった弁護士さんに説明してもらって、適切な対応をもし求めることができればいいんではなかろうかと思うのでありますけれども。
 今御説明のあった改正案の第三十条一項五号のこの法律相談、本当に座って相談するだけなのか、今私が申し上げたような、場合によっては警察署に一緒に出向くとか、そういうことも可能なのかどうか、法務省、教えていただけますか。
○政府参考人(萩本修君) 今御指摘いただきましたとおり、改正法案により新設されますのはストーカー等の被害者に対する法律相談援助にとどまりますが、当然のことながら、ストーカー等の被害者に対する法律相談を行った結果、更に再被害を防止するための法的措置を講ずる必要などが認められる場合も想定されるところでございます。そのような場合には、法テラスにおきましてストーカー等の被害者を弁護士や警察などの関係機関に円滑かつ適切に結び付けることを現在想定しているところでございます。
 実際にも、法テラスでは、各地域における警察署その他の関係機関との連絡関係の構築を進めることのほか、ストーカー等の被害者支援に真に精通した弁護士に適切に結び付けることができるように、そうした弁護士の名簿の整備なども検討していると聞いております。
○三宅伸吾君 是非よろしくお願い申し上げたいと思います。
 この日本司法支援センターでございますけれども、スタッフ弁護士がいるというのは私知っているのでございますけれども、弁護士以外の隣接法律職種の方、司法書士さんとか行政書士さんとか、様々な隣接の方がいらっしゃるわけですけれども、現状、どういう、何人ぐらい隣接法律職の方がスタッフ弁護士となっていらっしゃって、そしてまた、どのような雇用等の契約になっているのか教えていただけますか。
○政府参考人(萩本修君) 法テラスには、法律事務を取り扱う職員として弁護士が今御紹介いただきましたとおり勤務しておりますけれども、この勤務弁護士と同様な形で法律事務を取り扱う職員として勤務している弁護士以外の隣接法律専門職種は現在おりません。
 人数の点を御紹介しますと、法律事務を取り扱う職員としての弁護士、いわゆる常勤弁護士は今年の五月一日現在で二百四十六名でございます。また、法テラスの職員ではありませんが、法テラスとの間で民事法律扶助事件を取り扱う旨の契約を締結している全国各地の一般契約弁護士、これは先月末、平成二十八年四月三十日現在ですが、二万一千百二十五名おります。それから、同様に法テラスとの間で民事法律扶助事件を取り扱う旨の契約を締結している全国各地の一般契約司法書士、こちらも同じ日付で七千百四十一名いるというように承知しております。
○三宅伸吾君 今回の法律案で、認知の問題、認知機能が十分でないために自己の権利の実現が妨げられているおそれがある国民等を特定援助対象者として新たに援助の対象とするというふうになっております。後見制度とかそういう分野では司法書士の方々も多大なる貢献をされているわけでございますけれども、今お話を伺っておりますと、勤務司法書士はゼロだということであります。
 そしてまた、法律案を見ますと、第三十条一項三号でこういう記述があります。弁護士、弁護士法人又は隣接法律専門職のサービスの提供を自発的に求めることができないものを援助する。第三十二条の二においては、契約をしている弁護士につき、弁護士会及び日本弁護士連合会並びに隣接法律専門職団体との連携の下、中略、資質の向上に努めるというふうに規定しているわけでございまして、この法律案だけを見ると、どうも弁護士主体でこの司法支援センターは回っているような気もするのであります。
 契約されている司法書士さん、七千百四十一人いるということでありますけれども、どうしてその司法書士、司法書士に限らず隣接の法律専門職の方を常勤で一部でも雇わないのか素朴な疑問が湧くわけです。日本司法支援センター、これは弁護士さんの仕事の場を確保するための場じゃないわけでございまして、あまねく司法サービスを国民に円滑に行き渡らせると、こういうことが多分この設置目的だと私は理解しております。
 そういった観点から、隣接職種の常勤化等についてどのような方針を持っていらっしゃって、現状、勤務司法書士等がいないのか、ちょっと分かりやすく御説明をいただけますか。
○政府参考人(萩本修君) 法テラスの業務につきましては、日本司法書士会連合会、それから全国各地の司法書士に日頃から多大の御協力、御支援をいただいているところでございます。
 また、法テラスが司法書士を職員として雇用することについて、総合法律支援法上の制約も特にございません。ただ、他方で、司法書士につきましては、司法書士法によりましてその業務の範囲が画されている関係上、司法書士が取り扱うことができる法テラスの業務は、民事法律扶助業務のうち書類作成援助、それから紛争の目的の価額が百四十万円未満の民事事件についての法律相談援助と代理援助にとどまる、とどまらざるを得ないということが申し上げられます。
 また、司法書士が取り扱うことができるこれらの民事法律扶助業務につきましては、先ほど契約をしている一般契約司法書士の人数を御紹介しましたけれども、その全国各地の一般契約司法書士において十分対応できている状況にございます。そのため、現状におきましては、法テラスにおいて職員として司法書士を雇用するまでの必要はないということで運営されているものと理解しております。
○三宅伸吾君 ありがとうございました。終わります。
○真山勇一君 民進党・新緑風会の真山勇一です。よろしくお願いします。
 今回のこの総合法律支援法改正案、日本司法支援センター、いわゆる法テラスの業務の拡大ということの改正案ということで、これについて質問させていただきたいと思います。
 法テラスというのはちょうどできてから十周年、今年で十周年というふうに伺っています。名前がなかなか浸透しないという、私、現場で大分前に伺ったときに、なかなか日本司法支援センターという名前では何をやっているのかよく分からないというようなことを一般の人から言われて、それから法テラスという名前に変えているわけですけれども、この法テラスというのも、ちょっと今度は逆に、おしゃれなテラスなんていう名前が付いているんで、よくカフェかどうかと思って間違えて入ってくる人がいるとか、そんな話をちょっと伺ったことがあるんですが、最近の認知度とか、それから、知っているけれども何をやっているのかというあれでいうと、かなりまだ、もう少しこれから知ってもらわなくちゃいけないのかなという気がしますね。
 平成二十六年度の認知度でいうと五五・八%、それから業務認知度というのになるとぐっと低くて一三・三%という統計が出ているというふうに伺っているんですが、やっぱりもう少しこういうものがあるということを、今の私たちの社会というのは法律的ないろんな相談結構たくさんあるんで、存在を知ってもらうということはとても大事で、活用を今回この業務を広げるということで期待はしております。
 しかし、その一方で、やはり広げたものは結構今の私たちの社会の中で難しい問題が多いですね、微妙な。先ほども三宅委員の方からも出ましたけれども、ストーカーなんていうのはどんどん今やっぱり、問題としてはどうやって対応するかというのは難しい面もありますし、認知症の方をどう扱うかというのもこれも難しい、こうした問題をこれからサービスの中に入れていくということで、様々なやはり問題が出てくるんではないかなというような、そんな気もしております。
 その点で、二点ほど、一つは認知機能の不十分な高齢者、障害者というところに拡大する点と、それからもう一つ、ストーカーなどという、この辺についてお伺いしたいんですが。
 まず、認知機能が不十分な高齢者の方、障害者の方、この相談に乗るということで、司法ソーシャルワークという、これ新しい言葉ではないかというふうに思うんですね。つまり、ソーシャルワークということになれば、当然、厚生労働省がやっておられるいろいろな障害者のためのサービスですけれども、それに法律的な要素が加わってこういう事業計画、司法ソーシャルワークという言葉ができたと思います。これ、確かに必要なことだと思います。やはり、これから縦割りじゃなくて、問題解決するためにはこうした例えば法律の専門家と介護の専門家が結び付いていくということは大変大事だと思いますね。
 私がまずお伺いしたいのは、この拡大する業務の中の認知機能が不十分な高齢者、障害者に対する援助、これが、例えば高齢者によっては望まない人もいるわけですし、それから認知機能がもしなかった場合、それでもケースワーカーがこうしたことをやっぱり相談した方がいいということになるのかどうかということとか、それから全くもう認知機能が失われているような方は、逆に言ったら、本人の意思がなくてもこういうサービス、援助をするということになるのか、その辺の、どんなふうにして機能をすると考えておられるのか、まずこれをお聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(萩本修君) 今御紹介いただきました認知機能が十分でない高齢者、障害者に対する援助制度の新設ですけれども、まず、この制度が念頭に置いている対象者ですけれども、これは条文にありますとおり、認知機能が十分でないというにとどまるものでして、認知機能がもうなくなってしまっている重度の認知障害あるいは知的障害を有する者などにつきましては、そもそも法律上の行為能力がないということになりますのでこの制度の対象外でして、成年後見制度などの下で保護が図られることになるという整理をしております。
 この制度が対象としております認知機能が十分でない者について、どのような形でこの制度がワークするかという御質問でしたけれども、この制度自身は福祉関係の機関と十分な連携を法テラスが取って取り組んでいくということを念頭に置いたものですけれども、例えば、法テラスと連携している福祉機関の関係者が、その担当する高齢者や障害者の中に法的問題を抱えていることがうかがわれるような事情を発見したというような場合、例えばですけれども、督促状とおぼしき郵便物がたくさん届いているのに放置してあるとか、あるいは、誰に買わされたか分からないけれども不要な布団ですとかいろんな商品が山積みになっているけれども、それが問題だという意識を持っていないですとか、そういうような方がいらっしゃるということに気付いた場合に、近隣に親族などがいてその援助を受けられればいいわけですけれども、そういう方もいらっしゃらないというようなときに、こういう人がいるけれどもという連絡を法テラスにいただいて、その連絡を端緒に法テラスの弁護士などがその高齢者、障害者の方に働きかけて法律相談を行うといったような流れを想定しているところでございまして、その連携の中で高齢者、障害者の方の意思も十分確認しながら進めていくことを想定しているものでございます。
○真山勇一君 連携が大変大事だと思いますね。
 それからもう一つは、御本人の意思の今確認ということをおっしゃいましたけれども、もし本人が望まないけれども、でもケースワーカー自体はやっぱりこのままにしておくと大変だなというようなことがあると思うんですよね。だから、法テラスに相談したいと思っても、本人がそういう意思がなければ、これは基本的には本人が相談したいと思って来れば余り問題ないですけれども、その本人が望まない、そういうケースもあると思うんですが、そんな場合にはどんなふうな対応をすることになりますか。
○政府参考人(萩本修君) 元々、法テラスに自ら相談に来れる方の場合はある意味でこの司法アクセス障害がないわけですけれども、この制度は、自らそうして法テラスに相談に来ることができないような、そういう意味での司法アクセス障害を抱えた方を対象にしているわけですから、相手が法テラスに行く気がないからもうそれで法テラスの方から働きかけないということではもちろんありません。働きかけるわけですけれども、その働きかけるに当たりましては、その高齢者、障害者の方の認知機能が十分でないことに配慮するとともに、その高齢者、障害者の方の認知機能の程度に応じて丁寧な説明をしていくことを想定しているものでございます。
○真山勇一君 やっぱり説明聞いていると難しいですよね、こういうのは、どうやって判断していくかというのは。やはり認知症の、機能十分じゃない方、どんなふうに扱っていくか、ケースワーカーでさえ多分どうやって扱っていいか分からないという、そういう状況の方を相手にすることが多いと思うんですよ。それを引っ張り出してきて、客観的な情勢で見れば確かに何かしてあげなくちゃいけない、してあげなくちゃいけないけれども、本人の方は余計なお世話だと思われたら、やっぱり困ると思うんですね。その辺りの難しさもあると思うんですが、その辺はどうやって対応するかという、やはり現場の方のいろいろ御苦労あると思うんですが、その辺りは、是非、こういう新しい仕組みをつくるんでしたら、乗り越えていくべき一つの壁じゃないかなというふうに私は思っています。
 それともう一つは、やっぱり同じように、ストーカー等被害者援助制度の新設と、ここでもやっぱり大変難しい問題を扱うと私は感じております。ストーカー被害者、DV被害者、児童虐待を受けたということなんですが、今度の改正ではストーカー等という部分の「等」というのは、この三つのケースということで考えてよろしいんでしょうか、まず確認です。
○政府参考人(萩本修君) 御指摘のとおり、ストーカー等の被害者を対象とする法律相談援助という言い方をしていますけれども、このストーカー等と言っておりますのは、ストーカー、それからDV、児童虐待の三つの類型を想定したものでございます。
○真山勇一君 私も委員会で何回か取り上げさせていただいているんですが、DVですね。先ほど三宅委員からもストーカーの話があったので、これは三宅委員の方で聞いていただけたので、私はDVの方でちょっとお話を伺いたいんですが、ストーカーもこれ被害もし起きたら大変です。ごく最近もアイドルが襲われるという事件がやっぱり起きるわけです。もう本当に相談をきちっと対応していかないと、本当に大変な結果を招くということがよく分かるわけですね。
 それから、DVもやっぱりそうだと思うんですね。最初は単純に暴力を振るわれているぐらいの話だけれども、本当にそれを防がないととんでもないことが起きるし、虐待という問題もあります。これ、いずれもやはり最悪の場合に死に至るようなことすら起こる、犯罪になってですね、そういう危険があります。
 ストーカーももちろん、先ほど話があったようなことなんですが、DVについてもちょっとお伺いしたいんですが、DVの被害に遭っている方というのは本当に深刻で、そして恐怖にさらされている、ストーカーと同じように、そうだと思うんです。それは是非私は、これは守ってあげなくてはいけないということがあります。そのために、警察あるいはそうした関係の援助を行うシェルターというのがありますね、こういうところで今行っているわけですが、こういうところは、基本的に申告があったら、事実があるかどうかということを別問題として、取りあえず緊急避難的に保護をするということが使命になっています。
 今度はここの、法テラスの場合は、駆け込んできた場合というのはどんな対応をするということになるんでしょうか。まず、一般的な駆け込んできたときの対応についてお聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(萩本修君) 先ほども少し条文の表現に言及いたしましたけれども、ストーカー、DV、それから児童虐待、これらの被害を現に受けている疑いがあると認められる者を対象としてこの改正法案は新たな制度の創設を盛り込んでおりますので、法テラスに相談者がいらっしゃった場合には、まず、そうした被害を現に受けている疑いが認められるかどうか相談者の方から事情を伺い、その伺った事情に基づいて相談に応ずるかどうかを判断するということになります。
○真山勇一君 今、疑いということ。ですから、事実があるかどうかというのは、多分そこまで行かないですね。御本人があると言えば、それは疑いがあるということになると思うんですが。
 そこで、ちょっと質問、もう一つ別なところから伺いたいんですが、これは総務省になるんですかね。実は、私が時々DVで取り上げている、ストーカーとかDVって、被害者の方を保護するのはいいんですが、DVの場合は特に御家族の関係があることがあるわけですね、主に多いの。そうすると、家族の関係の中には必ず子供も絡んできて、そのことで問題が起きるケースがあるんです。
 それで、今日お配りしてある資料を御覧いただきたいんですが、何回かこの委員会でも私、質問で取り上げさせていただいた地方自治体の窓口、区役所、市役所、そうしたところの窓口で、住民基本台帳の住所非開示、つまり、自分が住所を他人に知られたらまずいとか、あるいは何か危険があるから住所を非開示、つまり教えないでくれと、公開しないでくれという申請をする用紙です。これ出典、国立市と書いてありますが、これ総務省が出している書式にのっとったもので、どこの地方自治体も同じような書式で作っているということなので、これが見本でございます。
 それで、御覧いただきたいんですが、住民基本台帳事務における支援措置申出書といって、どういうときに使うかというと、下の二行書いてあるように、ドメスティック・バイオレンスとかストーカーなど、児童虐待、まさにこの三つ、こうしたときに支援措置を求めますということで、問題はその一番下のところです、下の欄。添付書類がなかった場合ということで、書類があればそれは正式なことで進められていくんでしょうけれども、なかった場合、警察署等の意見と書いてあるんですが、警察署等という、前回私がこれを伺ったときに、ここを書くのはどこかといったら相談を受けた警察署かあるいはシェルターだということをおっしゃったんですね。
 それで、新たに今回、法テラスもDVの相談を受けるということになります。この欄の、警察署等の見解と書いてありますが、そこに、今回のこの改正によっての、法テラスはここを書くということがあり得るのかないのか、その辺りをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(宮地毅君) お答え申し上げます。
 この住民基本台帳制度のDV等の支援措置に関しましては、市区町村がこの支援措置の必要性を確認をするために意見聴取をすることになっております。これを、いわゆる相談機関等から、警察などの相談機関等から意見聴取をすることになっております。それの具体的な形がこの資料にございますような申出書に意見を付していただくというふうな取扱いを通常としております。
 この相談機関等につきましては、DVあるいはストーカー行為、児童虐待等に関する相談が可能な機関などが該当するものと考えております。
 法テラスにつきましては、従来から、所管法律で定めます民事法律扶助制度を利用した法律相談を行うという限りにおきまして、DV、ストーカー行為、児童虐待に関する相談への対応が可能であると伺っておりまして、この相談機関等にも該当していると考えているところでございます。
○真山勇一君 今、この住所非開示にするための申請の申出書の警察署等の意見というところに、今回法テラスもここに対象となっているというお答えでしたね。
 そこで、また法務省の方にお伺いしたいんですが、そうなると、私がこれ度々問題にしているように、DVはあってはいけないということなんですけれども、緊急避難では、これは本当に命に関わることがあるので保護しなくちゃいけないと思うんですが、実際になかなか、事情を聞くといってもDVをしているという相手方の意見というのを聞くことが少ない。
 これ、例えば警察に私お話を伺ったんですが、一応事情は聞くけれども、やっぱり被害を受けている人の方がこれは深刻だからということで、事情は聞いても、やっぱりDVがあったと疑い、ということになってしまうし、シェルターに至っては、駆け込んできて話を聞いたらもうその時点で保護ということになって、はっきり言うと、相手の言い分を余り聞く必要がないということじゃないけれども、ほとんど聞かないということがあるんですね。
 何が問題かというと、DVの事実があったかどうかということよりも、私も緊急避難が大事だと思います。ただ、困るのは、これで住所非開示になると、例えばそのことによって親子が別れるというケースが多いわけですね。そして、我が子に会いたいお父さん、我が子に会いたいお母さんというのがいらっしゃるんですけれども、結局、子供を連れて例えばDVがあったということで出てしまうと、私が何回か取り上げたのは、これ一回出されてしまうと、もう大げさに言うと、半永久的にどこに住んでいるかということが分からなくなってしまうという事態が今起きているわけですね。
 基本的には一年ごとにこれ申請し直さなくちゃ駄目だと言われているけれども、その時点でも、いや、DVがありますと言うと、そのまま自治体の窓口は書式さえ整っていれば受けちゃうと。事情を聞くと言うけれども、実際にはそんなに、両方に聞いて証拠を集めるわけじゃない、それは逆に言うと警察にお任せしますという話で、現場ではそこまでなかなかやらないから、被害を防ぐという方が大事だと思うので結局そっちへ重きが行ってしまうという。
 そのために今起きていることが、世の中に結構起きていて、子供を本当に一緒に育てたいとか、それから今、片親だと子供の貧困というのが言われていて、そういうものを解決するために養育費を出したいという親がいても、結局、自分の子供との連絡が取れない、会えない、面会ができないという状態が今起きてきて、そういう方がほんの少しずつですけれども、やっぱり離婚も増えていますし、そういうケースが増えてきているわけですね。
 この辺というのは、本当に私、実際に扱ってみて、犯罪になったら大変だし、だけれども、そうした、何というんですか、逆な被害も出てしまってはいけないというふうに考えるんですね。
 今回のこの法テラスは、ストーカーをされたという被害者の話、相談には乗るかもしれない。そうすると、ストーカーをしていると言われた方、実際には私していないんですよ、何とかそれを証明したいんです、相談に乗ってください、それから、子供を連れて配偶者が出ていっちゃったんだけど子供に会いたいんですよ、こういうことをどうしたらいいんですかというような相談も、その逆な立場の人からの相談もひとしく受けるということで解釈してよろしいんですか。
○政府参考人(萩本修君) 先ほど総務省から答弁がありましたとおり、法テラスもこの真山委員の資料で言う「警察署等」の「等」に含まれますので、法律上は、DVの被害者などが住民票の交付等の制限を申し出てきた場合には、法テラスがこの意見を書くことも一応想定はされることになります。
 ただ、委員が繰り返し御指摘のとおり、このDVの被害が実際にあったかどうかの判断が極めて難しいというのはその御指摘のとおりだと思いますし、法テラスの法律相談援助におきましては、援助を受ける一方当事者の申出を把握できるにとどまりますので、一般的には、法テラスが把握する内容だけで住民票の交付等の制限の措置の要否というんでしょうか、適当か不適当かを判断するのは困難な場合が少なくないというように思われます。
 したがいまして、実際には、法テラスにおいては、個別の案件ごとに把握した情報等を踏まえ、そうした住民票の交付等の制限の措置の必要性や相当性を慎重に見極めた上で、この意見欄に意見を書くかどうかも含めて検討することになるものと考えております。
 実際、法テラスにおいてこれまでどうだったか確認しましたが、これまでこの意見欄に法テラスが記載をした例はないというように聞いております。
○真山勇一君 これまでは多分ないと思うんですね。
 いわゆる言葉で言うと虚偽DVというのが最近言われているんですね。つまり、実際にDVがないんだけれども、一番の問題は、DVが本当にあればこれはDVがあったということで法的な手続とかあるいは犯罪が起きないようにしなくちゃいけないんですけれども、ないのにDVがあった、私が取材した限りでもそういうケースがやっぱりあるというんですね。
 子供を連れて、まあ事情はいろいろあるけれども別れたいと、子供を連れて出ちゃう。そうすると、そのときに、例えば後から追跡されたくないので住所を非開示にしたいといったときに、それではとにかくDVがあったことにしなさいと、そうすればもうすぐに自治体の窓口でこれ認めて住所非開示措置がとられちゃう、そういうケースがそんなに多くはないけれどもやっぱりある。そういう被害も出ているわけですよね。
 ですから、今回法テラスがこうした援助の仕事を始めるということになれば、私、これストーカーとかそれから児童虐待にも同じようなことが言えると思うんですね。本当にあったかどうかというのは難しい。これは、警察に私が取材した限りでも、あったかどうかを証明するのは本当に難しいので、やはり言った人のことをどちらかというと重要視するというようなことをやっぱりおっしゃっているんですね。
 そうすると、法テラスがやはりこういう業務をやるんでしたら、やはり両方の言い分というか、加害者と言われている人が、実は私は本当はDVやっていないんですと、虚偽DVなんです、うそのDVでそういう目に遭っているんです、子供に会いたいのにどこかに行ってしまって、連れ去られてしまって行方不明でもう全く会えない、接触も取れないということが起きて、そういう相談が来たときに、それに対して私はどういうふうに法テラスというのは対応してくださるのかということを伺っています。
○政府参考人(萩本修君) 今回の改正法案で新設することにしておりますのは、このDVに限りませんが、DV、ストーカー、児童虐待の被害者からの相談を受けられるようにするというものですけれども、今、真山委員御指摘の、言ってみれば加害者とされてしまった、あるいは、言い方が悪いかもしれませんが、でっち上げられてしまった方につきましては、この新設する制度の対象になるものではありませんけれども、従前から法テラスが行っております民事法律扶助業務の中で当然、こういう加害者とされてしまったんだけれどもどうしたらいいだろうかということは当然法律相談の対象として、資力要件とかはありますけれども、その相談を受けることができることになります。
○真山勇一君 法律の中身を見るとそれぞれ被害者というふうに書いてあるので、いわゆる加害者と言われる人の相談というのは、もしかすると、いや、それは法テラスの方の仕事に入っておりませんと、言い方は悪いですけれども門前払いされる可能性もあるんじゃないかなと私は思っているんですが。
 加害者とされる人、つまり虚偽DVって今救済のところがないんですね。結局、そういうことで、子供に会いたいのに、養育費を出したいのに、それから場合によっては話し合ってよりを戻したいのに、というのに、どんどんどんどん、この今の制度でいうと、別れた、何というんですかね、カップルを増やしていって、逆に言うと子供が犠牲者になっているという部分があるので、やはり子供のことを考えたら、何か事情があって別れた夫婦でも、またよりを戻すまで行かなくても子供を真ん中にして何か事をできるということもあると思うんですね。
 ですから、私は是非その辺も、本来ならばこうした、つまり今まで受皿がなくてさまよっていたわけですね、虚偽DVでどこに相談に行ったらいいんだろうという人たちが。警察に行って追い払われ、シェルター行って追い払われ、今度また新しく今範疇に入ってくるというから、もしかしたらまた駆け込む人が増えて、そして私がやっぱり気になるのは、警察とかシェルターに駆け込むにはそれなりの覚悟がやっぱり必要なんですけど、本当に、言ってみれば気軽に相談できる法テラスへどうぞということになって気軽に相談に来て、やっぱりここ、警察署等の意見というところを書かれてしまうと、これでもう、大げさに言って、本当に、先ほど申し上げましたけれども、大げさじゃなくて半永久的に子供と会えなくなってしまう、別れ別れになってしまうということが、またそういうケースを増やすことにもなりかねない。私はちょっとその辺が大変心配な気がしておりますので、これ、運用については是非これからも検討していただきたいというところがたくさんあるということを御指摘をさせていただきたいというふうに思います。
 そして、やはり今回のこの法案の改正の大事な点であります大規模災害被災者の救済ということで、これ、この法案が審議されて衆議院を通過した時点の後になるんですね、あの熊本・大分大地震が起きました。また、大きな被害が出ています。これはそもそも地震の被害者の救済に当たるための法律ということなので、特定非常災害というふうに指定されれば速やかにその援助が行われることになるということなので、これ、今回のこの法案の中身を見たり、それから衆議院の段階で付いていた附帯決議というのがありますが、それを見ても、熊本、大分のこの地震に際してこれを適用するかどうかということが書いていないんですが、私はこれも、せっかくこういう法律ができているんならば、適用を何とかする方法はないのだろうかということを考えているんですが、これは大臣にお伺いしたい。いかがですか。
○国務大臣(岩城光英君) 法テラスにおいて、本改正法案の規定により、被災者に対する無料法律相談、これを実施するためには、施行日、政令の制定、それから政令による災害地区、実施期間の指定、そして業務方法書等の各種規定の改正などの施行準備が必要であります。
 このように、今おただしの熊本地震の被災者に対し、改正法案の規定による無料法律相談、これを実施するためには、本改正法案の成立後一定の準備期間、これを要することになりますが、本改正法案が成立した場合には、被災者の被害回復や生活再建を図るという大規模災害の被災者に対する無料法律相談制度の趣旨に鑑みまして、この熊本地震の被災者が可能な限り早く法テラスの無料法律相談を利用できるよう、法テラスとともに早急に準備を進めてまいりたいと考えております。
○真山勇一君 ありがとうございます。
 これこそこの今回の法案を作っていった本当の本来の趣旨。そして、現実にそういう災害が起きている。どれだけ速やかにそれに対応していけるかということが大事なことだと思います。
 今の御答弁、是非本当に速やかに、熊本も大分もまだまだ避難されている方も多いし、それから、何といっても今回の地震はもうとにかく余震どころじゃなくて大きな地震がもう後々まで続いているという、現地の方々というのは本当に苦しい生活を送っていると思います。いろんな問題もできていると思います。ですから、この法案が成立したら、本当に、二年後じゃなくちゃ駄目だとかそういうことではなくて、もうとにかく一刻も早く是非この法案の適用ができるようなことを是非お願いさせていただきたいというふうに思います。
 そして、今回私指摘させていただいたように、この法案、これからどういうふうに活用していくかということが期待できる法案だと思っています。ただ、そのためには非常に難しい点が今あるということを三宅委員も指摘されましたし、私も今幾つか指摘させていただきました。やっぱり、ニーズに合った対応をしていくこと、それからスピード化、それからもう一つは連携。つまり、私がいつも申し上げている、縦割り行政じゃなくて非常に横ですね、これ警察庁も絡むし、総務省も絡むし、厚生労働省も絡むし、法務省も絡みます。そういう中でこの法テラスがこれから仕事をやっていく。大変なことだとは思いますが、是非その辺の運用、これからも含めて、その決意を大臣に最後にお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(岩城光英君) ただいま真山委員から御指摘がありましたとおり、ニーズに合ったものになるよう、それからスピード感、そしてまた柔軟な対応、そういったことができるような運営に心掛けていただくよう法テラスの方にもしっかりと要請をしていきたいと思いますし、この法案が成立いたしましたならば、そういったことを含めて法テラスの方に万全の体制で臨んでいただけるように私どもも協力をしてまいりたいと考えております。
○真山勇一君 是非、私も法テラスの活動というのは期待しておりますので、是非よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
○矢倉克夫君 おはようございます。
 今日は総合法律支援法改正法案でございます。我が党、法曹資格者が多いという背景もあり、この法案の意義についてはかねてより強調をしてきたところでもあり、今回の改正案も非常に重要な意義のある法案であるというふうに理解もしております。
 まず、とりわけ非常災害についての適用が考えられるというところ、これも申すまでもないところなんですけど、東日本大震災のときのような、あのような事例がありました。被害に遭われた方のローンの関係の問題などの処理もそうですし、津波や建物の倒壊した後の土地の境界のまたいろんな紛争であったり、そういうものもございます。また、残念ながら相続という形になったときのその後の処理であったりとか家族間の問題とか、様々本当に、現地の方が抱えられている法律相談というものは本当に多く発生もする、私も現地に行って改めて感じたところであります。
 そういった方々に、本当に可能な限り司法アクセスというのをしっかりと改善をして、次に向かって一歩を踏み進める意味でも大きな法案でもあるかと思っております。
 まず、これに関連もいたしまして、この非常災害、衆議院の質問に対する答弁で、今、熊本、大分を中心にした熊本地震、こちらについて、この法案で定義をされている、著しく異常かつ非常災害であって、その被災地において法律相談を円滑に実施することが特に必要と認められるもの、今回の地震はこれに該当し得るという答弁が政府から既にあったわけですが、この確認とともに、今申し上げたこの定義、この定義の一般的な判断基準というものはどういうものであるのか、改めて政府から答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(萩本修君) 今回の改正法案に盛り込まれております大規模災害の被災者に対する法律相談援助制度、これは、大規模災害の被災者が多重的に法律問題を抱えてしまうにもかかわらず、被災者自身が資産を失い、しかも行政的な援助を受けることも難しいといった状況に置かれることから、こうした被災者の司法アクセスを確保することにより、被災者の被害の回復や生活再建のより早期の実現につなげようとする趣旨のものでございます。
 この対象となる災害ですけれども、条文上は「著しく異常かつ激甚な非常災害」としているものでして、この文言は特定非常災害特別措置法で用いられている文言と同じものでございますので、抽象的に申し上げますと、その災害のレベル感としましては特定非常災害と同レベルのものを想定したものでございます。
 今委員から具体的なその判断基準という話がございましたけれども、この改正法案が規定する災害に該当するかどうかにつきましては、被災者の数といった人的被害の程度、住宅の損壊や交通、あるいはライフラインの途絶といった物的被害の程度や範囲、こうした被災状況が甚大で、地域全体の日常生活が破壊された状態になるような災害が想定されるところでございます。
○矢倉克夫君 今答弁ありましたその基準等に照らしましても、また趣旨に照らしましても、今回の熊本地震が指定される、これは是非指定されるべきものであるということは改めて強く申し上げたいと思います。
 指定されるという前提で次にまたお尋ねもしたいんですが、今回の法律のまず施行期日、これは公布の日から起算して二年を超えない範囲内においての政令で定める日、この施行の期日を定める政令がまず必要であります。それをした上で、今回の法律の定義にあるものに熊本地震が当たるという、この政令もう一つ必要になる、二本の政令が技術上は必要になるということでありますが、可及的速やかにこの熊本地震を指定するという意味合いでは、少なくともこれは同時にしっかりと一本にまとめるぐらいのつもりで政令として指定すべきであると思いますが、政府の方針を伺いたいと思います。
○政府参考人(萩本修君) 熊本地震の被災者にこの改正法案によって新設される法テラスによる無料相談を実施するためには、委員御指摘のとおり、施行日政令の制定だけではなく、災害地区、実施期間を指定する政令が必要になるところでございますし、先ほど大臣から御答弁いたしましたとおり、法テラスにおいて業務方法書等の各種規定を改正するなどの施行準備も必要になるところでございます。
 このように、熊本地震の被災者に対して無料法律相談を実施するためには一定の準備期間を要することになりますけれども、本改正法案が成立した暁には、被災者の被害回復や生活再建を図るというこの新制度の趣旨に鑑みまして、熊本地震の被災者が可能な限り早く法テラスの無料法律相談を利用できるように、委員から御指摘がありましたとおり、必要となる二つの政令を同時に制定、施行することも含めまして、法テラスとともに早急に準備を進めたいと考えております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。
 もう一点、ちょっと今通告をしていないんですけど、その関連で。
 今、業務方法書の改定等もありました。これ、最高裁との協議や関連の委員会との協議なども必要であるという部分であります。ただ、事務的なところとしてこういう部分は必要という部分はあるんですが、それら事務的なものが終わり次第すぐに指定するという方向で是非お考えいただきたいと思うんですが、答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(萩本修君) ただいまの点も、御指摘のとおり、業務方法書、法務大臣の認可に係るものですが、その認可に当たりましては、あらかじめ最高裁判所、それから法テラスの業績を評価する第三者機関である評価委員会の意見を聞かなければいけないことになっております。これらの複数の手続が必要になりますけれども、正式な準備が整い次第ということではなく、その準備の段階から同時並行的に作業を進めまして、可能な限り速やかに政令が制定できるように努めてまいりたいと考えております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。是非よろしくお願いします。
 もう一点、こちらの激甚非常災害に関してですけど、法文上、一年を超えない範囲内において、今回の実情を勘案した政令で、要するに、必要な法律相談の実施期間は、これ、「一年を超えない範囲内において」という文言がございます。ただ、もう御想像もされるとおり、一年で終わるような法律相談だけではないわけでありまして、なぜこのような一年という期間がこれに明記されているのか、この趣旨を御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(萩本修君) 大規模災害の被災者に対する法律相談援助の実施期間を一年以内で政令で定めるとした趣旨ですけれども、これは東日本大震災のときの経験を踏まえまして、大規模災害の被災者にとって災害発生後に特に需要が大きいと考えられる無料の法律相談援助を特別措置法の制定を待つことなく政令によって迅速に実施できるようにする一方で、一年間の期間があれば、その間に大規模災害の被災状況等を踏まえ、法律相談だけではなく代理援助や書類作成援助等の法的援助を実施する必要があるかどうか、その必要があるとしてどのような特別措置法を制定するのが適当か、そういった検討を行うとともに、必要があればその特別措置法を制定することによって被災者のニーズに的確に応えることができると、こう考えられたことによるものでございます。
○矢倉克夫君 今の御答弁からは、特別措置法、これ待つまでの間の措置というようなニュアンスにも私は受け取らせていただきました。であれば、この一年の期間内に、その後の特別措置法というものもしっかりとこれ対応することも踏まえて政府内でも是非御検討いただきたいということを改めてこの場では御要望させていただきたいというふうに思います。
 その後、様々、大震災の関係もございます。とりわけ衆議院の議論などでは、過去でも豪雨災害などもございました。これについては、該当という部分では必ずしも該当はしないというような答弁があったわけでありますが、他方で、政府の方では、現地で法テラスなどが様々な拡大もされて取組もされている、そういった取組も今後検討しながら更に検討もしていくということもおっしゃっていましたので、この分野についても、これは要望として、引き続き対象の拡大、対象となる地震の拡大、また災害の拡大などについてもこれは検討をいただきたいということ、これは御要望だけさせていただきたいというふうに思います。
 さらに、この次の質問ですけど、今回の非常災害の適用のほかに、今回の法改正の意義というのは、DVとまたストーカーの、それに対する司法アクセス、そして高齢者また障害者の方々への司法アクセスというものの改善のための要件もしっかりと規定をしたという、これであると思います。特に、司法アクセスという部分で、司法というもののアクセスが足りなかったところで本来であればもっと救済できた方が救済されなかったという事態が今まであった。それを改善する趣旨の下で、今回、今申し上げたような事案についてのアクセスを改善するための措置もとられたわけであります。
 とりわけ、まずそのためにも、初志貫徹のためには、対象となる方の間口はやはり広く、そして、今回は資力要件をまずなくした、なくしたというよりは事前の資力審査をなくすという手続を取ったわけですが、後ほど資力があれば負担金を回収するという手続もしている。間口はちゃんと広くした上で、回収されるという資力の判断についてはこれは限定的にという、この両方の関係での解釈というのはしっかりとなされなければ、法案の趣旨というのはこれは貫徹されないというふうに思っております。
 その上で、まず、今申し上げたうちの資力要件の関係について、高齢者や障害者に対する法的サービスの拡充というところでまずお尋ねをしたいと思うんですが。
 私も、とりわけこの法テラス等の業務に関係する専門家の方とお話もするんですけど、高齢者や障害者の方が御相談に来るときには既に多重債務等が非常に問題になっていたと。もっと早い段階で相談に来てくれれば別な対応ができたのにというところがあります。他方で、なぜそういうふうに早い段階の対応ができなかったといえば、やはり法律問題だということを当事者等が御認識をされていないというところが大きかったという部分であります。
 そのような趣旨から、今回の法案のこれに関する趣旨というのは、そういった法律問題があるということを御認識がなかなかされていない方々に対して、むしろ弁護士等の専門家の方がアウトリーチをしてそのような気付きをするきっかけをやっぱり与えていくというところがこれは趣旨であると。そのきっかけを与えるためにも、事前の資力審査というものがあるとなかなか手を差し伸べられないので、これを今回手続的になくして、より弁護士等の方からアウトリーチをしやすいという体制を取ったというふうに私は趣旨としては理解しております。
 他方で、そういう趣旨でありますと、また弁護士側からの働きかけの、何か働きかけるわけですから、そこで様々な働きかけの方法の在り方によっては当事者の中で誤解をされる可能性もある。資力要件というものを後ほど判断をして負担金を回収という手続があるということの理解がないままに利用してしまうということもあるわけですけど、そういった現場のトラブルが起きないような形での方策ということについては法務省としてはどういうふうにお考えであるのか、答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(萩本修君) 認知機能が十分でない高齢者、障害者に対する法律相談援助の新設の趣旨につきましては、御丁寧に御紹介いただきましてありがとうございます。
 この制度の運用に当たりましては、とりわけその利用者からの働きかけを待つのではなく、法テラスの側から積極的に利用者に対して働きかけていく、そのアウトリーチの場面において相談者が無料であると誤解をして後にトラブルになることがないようにすることが重要と認識しております。
 そのために、認知機能が十分でない者に対する法律相談を行うに当たりましては、相手方の認知機能が十分でないことに配慮し、この法律相談の開始時に相手方の認知機能の程度に応じた丁寧な説明をすることがまず必要になると考えているところでございます。
 この援助は法テラスと福祉機関との連携の下で行うことを想定しているものですけれども、法テラスにおきましては、例えば弁護士が実際に法律相談に赴く前にまずは福祉機関の担当者からこの制度の概要について説明してもらうとともに、法律相談を実施する弁護士が赴いた際に重ねて丁寧な説明をすることなどを検討していると聞いております。
○矢倉克夫君 是非しっかり、そういう誤解が生じないように、さらには、そもそもがまずこういった無料の法律相談を受けなければいけないような方々というのは、やはり、特に高齢者、障害者の方も資力というものが類型的にそれほど高くない方も多いかもしれません。そういうような事情も配慮して、このような資力要件というものを後ほど検討するようなことになり負担金を回収するというような事案は、もうこれ可能な限り本当に限定した事案という形で是非これは運用もしていただきたいというふうに、これもまた御要望をさせていただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事西田昌司君着席〕
 もう一点、DVとストーカーの方ですけど、こちらの方の趣旨は、とりわけこのDV、ストーカーなどは法律相談ないままに事態がどんどんどんどん深刻化していく。本来であればもっと早い段階で、軽微な段階で法律相談というものがなされて、そうすることで事態の深刻化というのが防げたこともあるかもしれないのに、やはり相談する側の心理的な壁などによって司法アクセスというのが妨害されていたというところがあるかと思います。
 例えば、本当に軽微な段階、これぐらいでお金を払ってまで法律相談をする必要はないんじゃないかというふうに当事者が仮に思われていた段階があったとしても、今回こういった形で無料という形、後ほどの資力要件の部分はまだ法律としては残っているわけですけど、そういったものがあれば、当事者の中では、そうであればこういう軽微な段階かもしれないけど相談をしようというところがどんどん広がっていく。先ほどの高齢者とか障害者の場合は弁護士からの働きかけですけど、今のDV、ストーカーの場合は、まさに被害に遭われている当事者の方の心の部分からの壁を取っ払って司法アクセスを拡大していこうというような趣旨であるかと思います。
 であれば、私はとりわけこの分野に関しては、法律の趣旨からも、最終的に資力の要件から負担金を回収するというようなことは、できる限りゼロに近いぐらいに限定的に私は運用すべきというふうに思うんですが、この辺りについて法務省の見解を求めたいと思います。
○政府参考人(萩本修君) ストーカー等の被害者に対する法律相談援助制度、この趣旨は、これらのストーカー、DV、児童虐待の被害が被害者の生命、身体等に対する深刻な被害へと急速に進展する危険性が高いことから、被害者が再被害の危険性を感じた場合、できるだけ早い段階で弁護士に助言を受けられるようにしようとするものでございます。
 このような趣旨からしますと、委員御指摘のとおり、後から相談料の負担を求められるということで被害者が相談をちゅうちょするようでは、その制度の趣旨にもとるということになろうかと思います。ただ他方で、一口に被害者といいましても、それなりの資力を有する方もいらっしゃると思いますので、そのような者について一律に法律相談料を無料とすることは財政的な側面から国民の理解を得にくいということで、資力のある者に法律相談料を負担していただくという制度設計をしたところでございます。
   〔理事西田昌司君退席、委員長着席〕
 ただ、法律相談料を負担させるかさせないかの具体的な資力の基準を今後検討するに当たりましては、今申し上げた趣旨にもとることがないように、また、既存の犯罪被害者支援制度、具体的には被害者参加人のための国選弁護制度における資力要件ですけれども、これなども参考にしつつ、また、その法律相談料の負担を求めることによって被害者がこの制度の利用をちゅうちょすることにならないように留意しながら、施行までの間に検討しなければならないと考えております。
○矢倉克夫君 是非引き続き検討をお願いしたいと思います。
 先ほども三宅理事からもお話もありました小金井の事件、本当に痛ましい、傷害の被害に遭われている方のお心というのを考えると、本当に言葉も出ないような感じでもございます。
 ストーカー規制法に関しては、SNSというもの、明示はされていないというような答弁も先ほどあったところであります。他方で、今回のこの法案についての特定侵害行為という、これの該当性に関しては、先ほど政府の方からも、法文上の現に疑いがあると認められる者、このような形での疑いというところで広く捉えられるというような答弁が先ほどあったというふうに理解もしております。
 改めて確認ではございますが、ストーカー規制法上はSNSという、この二条五項にも明示はないわけですけど、他方で、付きまとい等というものには、これ、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で等々という一般的な定義等もあります。このSNSなど、そういった事象からこのような一般的な定義にも当たり得るというような疑いがあれば、しっかりとこの法案の対象に該当するということをまた政府から確認の答弁をいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(萩本修君) 本改正法案は、ストーカー等の被害を現に受けている疑いがあると認められる者まで援助の対象としておりまして、法律相談の時点において法律上の被害者という要件該当性が明白でなくても、その疑いが認められさえすれば足りることとしております。
 今、矢倉委員から具体例の御紹介がありましたので、それに即して申し上げますと、ストーカー規制法に言うストーカー行為に該当するためには、今御紹介がありましたが、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的が認められることが必要とされております。
 ただ、知らない者から付きまといを受けているけれども、それがどういう感情に基づくものなのか、恋愛感情等に基づくものなのかは分からないという場合が多々あるというか、普通分からないのではないかと思います。ですから、そのような場合でも、この改正法案では疑いがあるということで援助を実施することが可能な仕組みになってございます。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。
 こういった被害に遭われる方がないように、事前の法律相談というものもしっかり、これ、この法律を使って更に市民の方々に拡充していく運用を是非お願いしたいというふうに思います。
 最後、大臣にお尋ねしたいんですが、今のDV、ストーカーの事案などもございます。これは、今回この法案によって、法テラスがこのような事案についてもしっかり関与する道がどんどん開いていった、弁護士等の専門家の方がそのような事案にどんどんまた関与をしていく道を法律としてもしっかりと作られるということであります。
 他方で、このようなDV、ストーカーなどは扱いを一歩間違えると生命、身体に非常に危害が及ぶ。専門家として関与する人たちの責務というものも、やはり資質というものも非常にこれ重要になってくる。そういった方に経験がある方がやはりしっかり対応しないと、間違えることでかえって危ない方向に行くということもあります。そういった資質の向上というのがまず重要であります。
 また、もう一点、今回対象の事案がやはり増えたことで、今の専門家の方とは別に、法テラスの職員の方々のこのような負担というものも考えられ得るところであります。
 こういった資質の向上とともに、また関与される方々、従業員等の方々の量の、量といいますか人数、この確保、こちらをしっかりとまた政府としても御検討いただかなければいけないと思いますが、最後に大臣から御所見をいただきたいと思います。
○国務大臣(岩城光英君) 矢倉委員から御指摘がありましたとおり、本改正法案により新たに法テラスが行うこととなる業務には、事案の性質上、救済の必要性は高いものの、その解決に相当の時間と労力を要し採算性が低いなどの理由から、一般契約弁護士では受任することが困難なものが含まれております。そのため、これらの類型の事案には法テラスの常勤の弁護士がより多く対応することが想定されておりまして、その職務を全うしていただくためには常勤弁護士の資質の向上が不可欠である、そういったことから、本改正法案では、この点についての法テラスの責務を明文で定めることとしております。
 そこで、これまでも法テラスにおきましては、研修や実地訓練を実施するなど常勤弁護士の資質の向上に努めてきたものと承知をしておりますけれども、この改正法案においてその責務を明確化した趣旨を踏まえ、必要な施策を実施し、より一層の資質の向上が図られることを期待をしております。
 そして、御指摘のとおり、今回の法改正による新業務に十全に対応できる体制整備は極めて重要と認識をしております。法務省といたしましても、法テラスの業務体制の充実に必要な支援を引き続き行ってまいりたいと考えております。
○矢倉克夫君 よろしくお願いします。
 ありがとうございます。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
 この法案に関して、これまで御議論があっていますとおり、大規模災害の被災者や、そして高齢者、障害者など、法案の用語で言う特定援助対象者、それから特定侵害行為の被害者、この今回の法案で司法支援を拡充しようとしている皆さんに法的な支援が極めて必須であるということについてこれまでももうお話のあってきたところなんですけれども、まず最初に、性暴力、性虐待の被害者がその人間の尊厳と権利を回復することがどれだけ困難かということを共有したいなと思いまして、釧路で起こった性的虐待の事件、これは二〇一五年の七月に最高裁判所で損害賠償の判決が確定をしたんですけれども、この事件について少し紹介し、当局のお考えを聞きたいと思うんです。
 どんな事件かといいますと、女子が三歳から八歳という幼少期に叔父から性的虐待を受け続けたわけですね。中学生のときにその行為の性的な意味に気付き、それまでの間に既に離人症あるいはPTSDを発症をしていました。高校生のときには摂食障害が始まり、けれども、その間、その加害者に対して訴えて出るとかいうことはずっとできなかったわけですね。三十代にはうつ病を発症するなどの、この性的虐待の被害によってPTSD、解離性障害、うつ病などの重篤な精神的障害を受けながら、その被害を訴えて出ることができたのは二十年以上を経過していたと。
 そうした事件について、最高裁判所の判決を受けて被害者はこうNHKのインタビューで語っています。今の日本の法制度の中で私の被害はどう裁かれるのか、裁かれないのか知りたいと思って裁判を起こしました。釧路地裁で除斥期間で権利は消滅したと言われましたが、札幌高裁で認められ、最高裁という日本の最高の場所で裁判官が全員一致で認めてくれたことで、やっと自分が悪かったんじゃない、加害者が悪いんだと認められ、自分を肯定してあげられると思いました。性的虐待を受けている子供が加害者を訴えたいと思っても、未成年の間は親が訴えてくれなければ被害を訴えることもできません。その間に加害者を守る時効が進んでいきます。せめて自分の力で訴えることができる二十歳まで本当は時効自体なくしてほしいですけど、せめて二十歳まで時効を止めてほしいと思いますというのがこの被害者の要求なんですけれども、民事局長、刑事局長、それぞれ除斥期間あるいは公訴時効についてお考えを聞かせてください。
○政府参考人(小川秀樹君) お答えいたします。
 不法行為に基づく損害賠償請求権につきましては、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知ったときから三年が経過すると時効によって消滅し、また、不法行為のときから二十年が経過する場合も消滅すると規定されております。判例は、この長短二種類の期間のうち二十年の期間につきましては、一定の時の経過によって法律関係を確定させるための請求権の存続期間であるものと解し、これを消滅時効期間ではなく除斥期間であるとしております。
 この除斥期間には、長い時間の経過に伴って証拠が散逸することなどにより反証が困難となった債務者を保護するという公益的な機能もあり、その機能は軽視することができないものと考えられます。また、二十歳に達するまで停止するとした場合には、被害者の年齢によっては停止期間が長期に及ぶほか、性的被害に関してのみ除斥期間の特例を設けることは他の重大な法益侵害との均衡を欠くおそれがあるのではないか等の問題もございます。そのため、被害者保護のために除斥期間を廃止することですとか除斥期間の進行を停止することについては慎重な検討を要するものと認識しております。
 もっとも、この除斥期間につきましては、御指摘の問題のほか、時効の中断などの規定の適用がなく、また判例上、裁判所は、当事者の主張がなくても除斥期間の経過によって権利が消滅したとの裁判をすべきであるとされております結果、加害者の除斥期間の主張が権利濫用とされる余地がないということのために、消滅時効と比べても厳格で、被害者の保護が十分でないという問題が指摘されております。
 そこで、第百八十九回国会に提出いたしました民法の一部を改正する法律案、いわゆる債権法改正法案でございますが、この中におきましては、被害者の保護を図る観点から、除斥期間を消滅時効期間と改めることとしております。これによりまして、被害者は、時効の中断などの規定の適用を受けるほか、加害者による時効の援用が権利濫用であるなどと主張することも可能となり、被害者の保護が図られるものと考えております。
 このほか、債権法改正法案におきましては、人の生命又は身体を害する損害賠償請求権の消滅時効期間を現行の三年から五年に長期化する特例も設けることとしておりまして、これに該当する性的被害についても救済が進むことになるものと考えております。
 法務省といたしましては、これらの手当てによりまして性的被害の被害者の保護を進めてまいりたいというふうに考えております。
○政府参考人(林眞琴君) 年少者に対する性犯罪に関する公訴時効の撤廃又はその停止につきましては、平成二十六年十月から平成二十七年八月まで開催いたしました性犯罪の罰則に関する検討会においても検討が行われたところでございます。
 その検討会におきましては、被害者が一定の年齢に達するまで公訴時効の進行を停止することをすべきであると、このような意見が一方で述べられました一方で、これに対しましては、性犯罪についてのみ時効制度の根本に関わるような改正をすることには大きな疑問があるという意見のほかに、例えば殺人罪などであれば死体など客観的な証拠が保全されやすいが、性犯罪については被害当時に証拠が保全されず、長期間たってから被害申告がなされるような事案では、多くの場合、唯一の証拠が被害者の供述ということになり、特に子供の記憶については変容のおそれが大きいことなども考慮すると、公訴時効期間の進行を停止したとしても、実際にはほとんどの事案について犯罪事実の立証が困難なために起訴できないことになるのではないか、あるいは被疑者、被告人の防御の観点からも証拠の散逸が問題となるといった問題点が指摘されたところでございまして、このような問題点を踏まえて、法制審議会にはこの点については諮問をしなかったものでございます。
 なお、検討会におきましては、子供たちの権利を守り、被害者を救済するためには、何よりも、早期に児童の性的虐待を発見、顕在化して、適切に刑事手続につなげていくようにしていくことや、その際に子供から適切に記憶内容を、あるいは供述を聞き取るいわゆる司法面接の手法を取り入れていくこと、こういった別の支援が考えられるべきであるという意見が述べられておりまして、法務省におきましても、そのような意見を真摯に受け止めて、必要な対応を取ってまいりたいと考えているところでございます。
○仁比聡平君 両局、長く答弁をされましたけど、つまり難しいんですよ。今のお話を性暴力や性虐待の被害者に理解しろというのかということなんですよね。
 特に公訴時効の問題については、繰り返して申し上げてきましたけれども、こうした被害者の声を今法制審の部会できちんと改めて聞くべきだと、今日は答弁を求めませんが、強く要求をしておきたいと思うんですが。
 ですから、今お二人にお話をいただいたように、法的に難しいと。つまり、九九%これは法的には困難だということは弁護士であれば誰しもが思います。
 ですから、この釧路で、被害者御自身は少ない弁護士の事務所に電話を掛けられたみたいですけれども、うちはそういうのをやっていませんからといった形で断られて、最後に、この釧路にできた法テラスから独立して事務所を構えたばかりの女性弁護士に受けてもらえるかもしれないという情報を聞き付けて相談をしたんだそうです。そのときにその弁護士は、どうしようもなくかわいそうな事件で、採算はもう取れないけれども、採算が取れなくてもここで受任しなければ、受けてあげなければ死んでしまうんではないかという思いで受任をしたということなんですね。
 大臣、こうした極めて困難な事件についても、あまねく国民の法的支援を受ける言わば権利、とりわけ弁護士の支援を受けることができるそうした権利、これを保障しようと。これまでそうしたものがまるで自己責任だとか弁護士の方が悪いとかみたいな話になったけれども、いや、違うでしょうというのが司法改革の出発点の議論であり法テラスの出発点なんではないかと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(岩城光英君) ただいまのお話、大変お気の毒な事例だなと、そんなふうに受け止めさせていただきました。
 仁比委員御指摘のとおり、様々な立場の方々が法的に相談をできる、そういった法律の相談ができる、そういった受皿となる法テラスという、そういう意義だと思っておりますので、私ども法務省としましても、できる限りそういったことに対応できるような体制を取るためにこれからも努めていきたいと考えております。
○仁比聡平君 法テラスとそれから法テラスが所管をして運営をしている民事法律扶助、今日も随分議論出ていますけれども、これをどう発展させていくのか、どうすれば司法アクセスが本当に解消できるのかという、そこの議論が今本当に大事なんじゃないかと思うんですね。
 今回の法案というのは、司法改革から十年、法テラスが始まって十年という大きな節目でこれまでの運用を振り返ってこれ発展させようということで有識者会議も設けて行ってきたんだと思うんですけれども、もう皆さん御案内のとおりだと思いますが、有識者会議が提言をしたことと今回の法案というのは大きな差があります。
 この特定侵害行為の被害者に対する援助の考え方としては、有識者会議は、生命、身体等を守るという観点から、資力の多寡がその援助の必要性に影響を及ぼすものではない、特定侵害行為の被害者に対して無料法律相談制度を構築するに当たっては国の責任として取り組むべき事業であるというような意見で一致をし、資力を問わない、つまり、後から資力があるでしょう、払ってくださいという負担金を求めるんじゃない、相談なんですから、一件言わば五千四百円という、ここは無料にしようと。
 それから、援助の対象、これ皆さん議論をされているとおり、警察あるいは裁判、医療機関、シェルター、児童相談所、いろんな対応が必要ですよね。しかも、息の長い対応が必要だし、加害者側からの暴力から守るための様々な対応というのも極めてシビアなものがある。
 こうした中で、大臣にお尋ねをしたいんですが、全部を聞いていく時間はありませんから、この援助の対象、何を援助できるのかということについて、実際には今申し上げたような様々な行動が必要なんですよね、被害者を守るためには、権利を回復するためには必要なんですが、そうした考え方が有識者会議でも提言をされながら、どうして今回の法案では見送ったんですか。
○国務大臣(岩城光英君) 今回の法案で、代理援助に相当する援助、これを設けない理由でありますけれども、DV等の被害者に対する支援としては、昨今、被害者が殺害される事件が世間の耳目を集めていることなどもありまして、法律事務を超えるような非常に幅広い支援を行うことが期待されるようになっております。
 このような状況の下で代理援助に相当する援助を設けるためには、その担い手となる弁護士そして他の関係機関等との役割分担や協力体制、それぞれの実施体制などを検討し、整備すべき事項が少なくないことから、本改正法案においてはこれを見送ることとしたものでございます。
○仁比聡平君 衆議院からそういうふうに大臣答弁されているんだけれども、僕はそれが理解ができないんですよ。だって、そうした深刻な事件が起こって、どうしても対処が必要だ、だから見送るという話でしょう。おかしいですよ。そうした深刻な事件が起こって、国の責任において向き合うことが必要だから、対処することが必要だから、だからこういう制度をつくって、その下でお話しになったような担い手やあるいは関係機関の連携、役割分担というものを具体化していくと、それが政治のあるべき立場なんであって、深刻だということが分かっているけれども、その深刻な事態に応える力が今ないからごめんなさいという、それは法テラスの出発点と違うでしょう。
 私は、今申し上げたように、この法案は法案として、すぐにこの特定侵害行為の被害者あるいは特定援助対象者、もちろん震災被害者もそうですけれども、こうしたニーズを必要としている、法的支援を必要としている国民の皆さんのニーズをしっかり本当につかんでこれに必ず応えると、そのためには財政的な決断を政府がしなければならないということはあるんだと思うんですけれども、また、そういうふうに検討を進めていくべきだと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(岩城光英君) 被害者支援の拡充の必要性、これについては、まず本改正法案により新たに導入されましたストーカー等の被害者に対する法律相談援助を含む法的支援、その実施状況等を見た上で、今後、利用者のニーズや犯罪被害者等の支援のための他の方策の在り方等も踏まえつつ、関係機関、団体としかるべき場を設けて協議を重ねるなど、適切に検討してまいりたいと考えております。
 そして、仁比委員御指摘の利用者のニーズについては、関係機関、団体と情報交換するなど、幅広く把握をしていくように努めてまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 関係機関というふうにおっしゃっているんですけれども、具体的に言うと、法テラスの本部と日弁連が、国民、日本社会の中にどんな法的ニーズがあるか、これをしっかりとつかんで、国民の皆さんにもちろん理解を得ながら、ここを国の責任としてやっていく必要があるという、ここの議論を私たちも含めてオープンにやらないと、何だかどこで検討しているか分からないような状況では前進させる力が生まれてこないじゃないですか。その中で泣いていくのが多くの弱い被害者ということになってしまうんですよね。
 そこで、大臣に改めて、このニーズを検証するという意味では、施行後の相談の実態をしっかりつかんでいく、それを通じて、どんな援助、法的手続もあるでしょうし事実行為もあるでしょうし、これを、どんなことが現に行われ、行われなければならないのか、ここをちゃんとつかんで集約し、国会にも報告をしていただくということを考えていただきたいと思うんですね。実際に、法テラスあるいは民事法律扶助に関わる弁護士はそうした報告書を全部出していますから、だから政府がやろうと思えばできることなんですよ。
 そうした報告を国会に是非いただいて、日弁連始めとした関係団体とのオープンな協議の場もつくっていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(岩城光英君) 今の御指摘につきましては、様々な機関との検討、協議をしていくわけでありますけれども、そのことについて国会に報告するとか、そういったことをしてほしいという内容でよろしいですね。
 そのことにつきましては、今後検討してまいりたいと考えております。
○委員長(魚住裕一郎君) 仁比君、時間です。
○仁比聡平君 時間が参りましたのでこれで終わりますけれども、今回の法案は一歩前進ではありますが、申し上げてきたような様々な不十分さがあります。公費、国の責任ということを私たちが本当にしっかり考えなきゃいけないということを強く申し上げまして、質問を終わります。
○谷亮子君 谷亮子です。
 本日の議題となっております総合法律支援法の一部を改正する法律案につきまして、質疑を行わせていただきたいと思います。本日は、大規模災害の被災者の方々への法的支援制度の創設を中心に質疑をさせていただきたいと思います。
 初めに、この度の熊本、大分を中心に発災いたしました地震で犠牲となられました方々及び御遺族の皆様へ心よりお悔やみを申し上げますとともに、今もなお避難生活を余儀なくされている皆様方へ心よりお見舞いを申し上げさせていただきます。
 それでは、質疑に入らせていただきます。
 本日の改正案の審議が行われております総合法律支援法は平成十六年六月に成立をいたしまして、これに基づきまして法務省所管の公的な法人として日本司法支援センター、法テラスが平成十八年四月に設立をされました。
 この法テラスは、これまでの間、民事、刑事を問わず、国民の皆様が全国において法的なトラブルの解決に必要な情報やサービスの提供を受けられる社会の実現を目指すことを基本理念といたしまして、経済的に余裕のない方が法的トラブルに遭った際に、無料法律相談や必要に応じて弁護士、司法書士費用などの立替えを行う民事法律扶助業務や、そのほかにも犯罪被害者支援業務や司法過疎対策業務等を推進されてきましたことに対しまして、心より敬意を表したいと存じます。また、様々に問題を抱えていることも多くございますので、引き続き御努力をいただきたいと申し上げさせていただきます。
 そこで、まず、今回の法改正の必要性及び趣旨につきましては、法的援助を要する方の多様化により、より的確に対応するため、法テラスの業務につき、認知機能が不十分な高齢者や障害者、そして大規模な災害の被災者の方々に対する法律相談援助の充実等を図る等の措置を講ずることが必要であるためということは承知いたしております。
 ここで改めまして、法務省より、大規模災害被災者の方々への法的支援制度の創設を中心として、今回の改正法案を提出された背景及び法案成立の際に今般の熊本、大分の地震はその対象となるのかについてお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(萩本修君) 今、谷委員からニーズの多様化というお話をいただきましたけれども、本改正法案は、これまで想定しておりました典型的な司法アクセス障害、資力に乏しいという経済的な司法アクセス障害だけでは賄い切れない新たな司法アクセス障害を抱える方々の存在が言わば認識されるようになりまして、それらの方々に対し必要な法的支援を提供するための施策を講ずることが強く求められているということが法案提出の背景でございます。
 特に委員御指摘の大規模災害の被災者に対する法律相談援助制度ですけれども、これは、東日本大震災の経験を踏まえまして、来るべき大規模災害に備えるために新設するものでございます。すなわち、大規模災害の被災者は、多重的に法律問題を抱えてしまうにもかかわらず、被災者自身が資産を失い、しかも行政的な援助を受けることも難しいといった状況に置かれることから、こうした被災者の司法アクセスを確保することにより、被災者の被害回復や生活再建のより早期の実現を図る必要があるところでございます。
 ところが、現行の法テラスの民事法律扶助制度ですと、資力に乏しい方を対象としている関係で資力審査が必要になるわけですけれども、避難所などで生活する被災者に対して資力を確認しようとすることは実際上極めて困難ですし、被災者に対して大きな精神的な負担を負わせることにもなりかねません。言わば二次被害を与えてしまいかねないという問題がございます。そこで、この改正法案では、大規模災害の被災者につきまして、事前事後の資力審査をいずれも不要とし、無料で法律相談援助を実施できるようにしようとするものでございます。
 熊本地震につきましては、この法案が対象としている災害が「著しく異常かつ激甚な非常災害であって、その被災地において法律相談を円滑に実施することが特に必要と認められるもの」ですので、先ほど矢倉委員の御質問にお答えしましたとおり、人的被害や物的被害の程度、範囲、そうした罹災状況が甚大で地域全体の日常生活が破壊された状態になるような災害という、この想定した災害に当たるかどうかを考えることになりますけれども、熊本地震では、既に熊本県を中心に千七百人を超える方が死傷し、一か月以上を経過した現時点においても一万人近くの方が避難所での避難生活を継続しておられる上、七万棟を超える住宅が損壊したほか、依然として交通が広範囲にわたって途絶し、一部の自治体では庁舎外に機能を移転する、こうした厳しい状況にあるものと認識しております。これらのことからしますと、熊本地震はこの改正法案が規定する災害に該当し得るものと考えているところでございます。
○谷亮子君 ありがとうございました。
 熊本地震は、著しく異常かつ激甚な非常災害として対象となるということが前提であるということをただいま理解させていただきました。
 本改正案が成立、施行される際におきましては、熊本地震また大分地震等で被災された方々にとって多くの法律問題が同時発生することが見込まれている中で、無料法律相談を受けるに当たっての事前の資力審査が困難となるであろうということを踏まえながら、復旧復興の迅速化のため法律相談の窓口を広げることが強く求められていることからも、被災された方々に寄り添う形での資力を問わない無料法律相談が着実に実施されていくということを重ねてお願い申し上げたいと思います。
 続きまして、本改正案の施行日につきましては、附則第一項において、「この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。」とされておりまして、施行までの準備期間を長く確保する形となっております。
 そこで、まず、改正法施行までに準備期間が必要とした理由についてお伺いするとともに、被災された方々に対する支援の充実という観点からいたしますと、特に大規模災害の被災者に対する法的支援制度につきましては一日も早い施行が望まれるものと思いますので、今後の見通しにつきまして、併せて岩城法務大臣にお伺いさせていただきます。
○国務大臣(岩城光英君) この改正法案の規定によります新たな業務を実施するに当たりましては、法テラスにおいて関係機関と調整、協議の上、担い手となる弁護士等の確保、業務システムの整備、職員の研修等の準備が必要となります。そのため、「公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日」を施行期日としております。
 もっとも、この法案のうち大規模災害の被災者に対する無料法律相談に関する部分につきましては、他の部分に先行して施行することも可能と考えております。そこで、法案が成立した場合には、熊本地震の被災者を始めとする大規模災害の被災者が可能な限り早く法テラスの無料法律相談を利用できますよう、その部分を先行して施行するための作業を法テラスとともに早急に進めてまいりたいと考えております。
○谷亮子君 大臣、ありがとうございました。
 改正案の規定により、ただいま大臣の方から御答弁いただきましたとおり、その施行期日につきましては改正案成立後政令で定められるということとなると思いますけれども、喫緊の課題といたしまして、熊本地震で、また大分の地震で被災された方々への法的支援を充実させていくという観点からも、改正法の対象として速やかに指定していただきまして、被災者の方々の生活の再建に当たっての必要な法律相談を実施する体制を整備していただきたいということをお願いさせていただきます。
 そして、続きまして、ここで重要になってくるのが、被災者の方々に対しましての法的支援制度の存在をどのようにして周知するのか、その方策についてお伺いしたいというふうに思います。
 平成二十四年に実施されました東日本大震災の被災者等への法的支援に関するニーズ調査におけるアンケート調査結果、これを見てみますと、法テラスの認知度といたしましては四一%にとどまりまして、特に高齢者のみ世帯では二七・六%でございました。今般の熊本地震では今後様々な法律問題に直面する方々が増えていくということが見込まれることから、熊本地震そして大分地震が法的支援制度の対象となる大規模災害に指定された場合、被災者に対しまして支援制度の存在をいかに周知していくのか、このことが重要な課題となると考えられます。
 そこで、東日本大震災の際の被災者の方々への法テラスの周知について法務省としてはどのように分析をされましたでしょうか。今後の具体的な取組と併せましてお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(萩本修君) 熊本地震に本改正法案により創設される無料法律相談制度が適用されることとなった場合に、その被災者の方々に対する周知、広報が重要な課題となることはまさに委員御指摘のとおりと考えております。
 東日本大震災の際の取組ですけれども、被災者の方々への法テラスの広報、周知のために、テレビCMを東北六県において放送しましたり、また、大幅な紙面を取った新聞広告を全国紙に掲載するなどしたほか、ラジオ、インターネットなどの様々な媒体を利用した広告を行ったところでございます。また、法テラスの職員による仮設住宅へのチラシの配布、被災自治体の広報誌への記事やコラムの掲載、東日本大震災被災者支援シンポジウムの開催、そういった様々な取組を実施してきたものと承知しておりまして、これらは被災者に対する法テラスの認知度の向上にも一定の成果を上げたものと考えております。
 熊本地震につきましても、この改正法案による新制度が適用されました場合には、その周知のために、今申し上げましたような東日本大震災の際における各取組も参考にしながら、各種の広告あるいはチラシの配布、そういったもので周知、広報していく取組を積極的に進めていくことになるものと考えております。
○谷亮子君 ありがとうございました。
 東日本大震災の教訓を生かしながら、いつどこで発生するか分からない大規模災害への備えの一つといたしまして、平時からやはり法テラスの存在やその業務内容を十分に周知していただきまして、今回の改正法により指定される大規模災害の被災者の方々が必要とする法律相談を受けやすい体制を構築していただくよう重ねてお願いさせていただきます。
 次に、法テラスの認知度を高めるための取組について伺いたいと思います。
 冒頭に申し上げましたように、今回提案されております法改正がなされますと、法テラスの業務の範囲は拡大されまして、その果たすべき役割はますます重要になってくることになります。
 そこで、先ほどは大規模災害の被災者の方々に関して取り上げさせていただきましたが、こうした方々を含めまして、法テラスを利用する側である国民の皆様の間におきまして法テラスに対する認知度は十分であるのかという問題がまだ残っております。
 そこで、法テラスでは、国民の法テラスの認知状況を把握し今後の広報活動や各業務遂行上の参考とするために認知状況等調査を実施されておりますが、平成二十六年度版の法テラス白書を見てみますと、調査対象者全体における認知度、すなわち法テラスを全く知らない以外の回答をした人の割合は、平成二十二年度の調査では三八・七%でございましたが、平成二十六年度の調査では五五・八%となっております。
 そこでまた、平成二十五年十一月五日の本委員会におきまして法テラスに関する質疑が行われた際に、当時の谷垣法務大臣は、法テラスの認知度がまだ十分ではなく、これを更に上げていくよう努力していかなければならないと思っている旨の御答弁をされていらっしゃいましたけれども、このことに関しまして、岩城大臣といたしましてはどのように御認識をされているのかについてお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(岩城光英君) 谷委員から御指摘ありましたとおり、近年認知度が向上してきているとは思っておりますが、まだまだ十分ではないと、そう考えております。それで、法テラスの名前を御存じの方はある程度いらっしゃっても、そのサービスの内容までというと、これは御存じじゃない方が多いんじゃないかと、こんなふうに思っております。
 法的な救済が必要な国民の方々に法テラスを積極的に利用していただくためには、引き続きその存在を広く周知するとともに、業務内容について理解を深めていただくような広報に努めるなど、認知度を上げる取組を更に進めていく必要があると、そう考えております。
○谷亮子君 ありがとうございました。
 やはり今後とも、積極的な取組を通じまして法テラスの存在を広く国民に認知してもらうということが大事であろうかというふうに思いますが、次のステップといたしましては、法テラスがどのようなサービスを提供しているのか、その業務内容についてもやはり、ただいま岩城大臣の方からお話がありましたように、国民の皆様に理解をしてもらう必要があるものというふうに考えます。
 そこで、法テラスの業務内容についての認知度の状況を見てみますと、平成二十六年度においては、法テラスがどのようなサービスを提供しているのか知っていると回答した方は八・一%にとどまっているというところでございました。
 そこで、今回の法改正の機会を捉えまして、国民の法テラスの業務内容についての理解を更に深めていくということが必要であるというふうに考えますが、今後の具体的な取組につきましては法務省としてはどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか、具体的にお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(萩本修君) 法テラスがその役割を十分に発揮するためには、法テラスそのものの存在を知っていただくだけではなく、利用者である国民の方々にその業務内容を理解していただく必要がありますし、今回の改正はそのための好機でもあろうと考えております。
 これまで法テラスでは、その業務内容につきまして国民の方々に理解を深めていただくため、インターネットや広報誌、政府公報などを通じてその業務内容や法テラスを利用する際の流れを周知してきておりますし、裁判所や地方公共団体といった関係機関、団体の職員の方に法テラスの業務を理解してもらい、そうした機関の窓口に訪れた方のうち法的支援が必要な方には法テラスを紹介してもらうと、そうしたことを促すために、法テラスの各地方事務所において、関係機関、団体の職員の参集を得まして地方協議会を実施するなどの取組を進めていると承知しております。
 こうしたこれまでの取組を着実に進めるとともに、それだけではなく業務内容について理解を深めていただくためには広報に当たってどのような工夫をしていくことが考えられるか、どのようにしていくべきか、そうしたことにつきましても法テラスとともにしっかりと検討してまいりたいと考えております。
○谷亮子君 ありがとうございました。
 やはり年代別の認知度というのを見てみましても、二十代から五十代までの認知度に比べまして六十歳代以上の認知度というのが非常に低いという状況にあることから、また性別、年代別の法テラスに対する認知度の違いを踏まえながら、その向上に向けてきめ細やかな対応を図っていっていただきたいというふうに申し上げたいと思います。
 続きまして、認知機能が不十分な高齢者、障害者の法的支援の充実について伺いたいというふうに思います。
 今回の改正案では、高齢者や障害者で認知機能が十分でないために自己の権利の実現が妨げられているおそれがあって、近隣に居住する親族がいないこと等の理由によりまして弁護士等のサービス提供を自発的に求めることが期待できない方に対し、資力を問わない、すなわち事前の資力審査を行わない形での法律相談を行う旨の規定が設けられております。
 これは、高齢者や障害者の方には、心身の状況等により従来の法律相談場所における相談を受けることが困難であったり、認知症や知的障害等により判断能力が十分でない等の事情から、自身が法的問題を抱えていることの認識が不十分であったり、法的問題を抱えているとの認識があっても法的サービスを受けなければならないとの認識が不十分であるなど、自ら法律専門家にアクセスしてくることが期待できないという場合が多いということから、これに対応するというものでございます。
 そこで、高齢者、障害者で認知機能が十分でない方が法テラスにおいて行われる法律相談を受けるために至るまでのプロセスについては、法務省といたしましてはどのようにイメージされていらっしゃいますでしょうか。
○委員長(魚住裕一郎君) 萩本部長、時間ですので、簡潔に答弁してください。
○政府参考人(萩本修君) 今お尋ねいただきました具体的な流れですけれども、法テラスと連携している福祉機関の関係者が、その担当する高齢者、障害者の中に法的問題を抱えていることをうかがわせる事情があるにもかかわらず、認知機能が十分でないためにそれが問題であることにそもそも気付いていない、あるいはどうしたらよいか分からないでいるといった方がいる場合に、法テラスに連絡をしてもらい、これを端緒に弁護士の側が働きかけて法律相談を行うという流れを考えているところでございます。
 したがいまして、この新設制度につきまして、福祉機関等の関係者にも十分御理解いただいた上で、援助が必要な方がいらっしゃった場合には直ちに法テラスに連絡をいただけるよう、福祉機関等との密接な連携を構築することが極めて重要であると考えているところでございます。
○谷亮子君 ありがとうございました。
 やはり福祉機関との連携が非常に重要であるというふうに思いますので、そこをしっかり推し進めていただきたいと思います。
 まだまだ通告していたんですけれども、時間となりましたので、質疑を終えたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(魚住裕一郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 総合法律支援法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(魚住裕一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、真山君から発言を求められておりますので、これを許します。真山勇一君。
○真山勇一君 私は、ただいま可決されました総合法律支援法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民進党・新緑風会、公明党、日本共産党及び生活の党と山本太郎となかまたちの各派の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    総合法律支援法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び日本司法支援センターは、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
 一 司法アクセス障害を有する高齢者・障害者に対する法的支援の重要性及び必要性に鑑み、特定援助対象者に対する資力を問わない法律相談援助の実施に当たっては、その趣旨を没却することがないよう、その対象者の該当性を判断するとともに、費用負担を求める基準及びその負担額を定めるに当たっては、利用者がちゅうちょすることのないようにすること。
 二 特定援助対象者の司法アクセス障害が真に改善されるよう、特定援助対象者への代理援助等の対象となった「自立した生活を営むために必要とする公的給付に係る行政不服申立手続」の範囲については、柔軟に解釈するとともに、代理援助等の対象とする手続を、行政機関への申請行為にも拡大することを引き続き検討すること。
 三 福祉機関等や弁護士等による総合的な高齢者・障害者への生活支援の実施の必要性に鑑み、福祉機関等と弁護士等との連携活動の促進のため、地方公共団体への協力要請等、必要な措置を講ずること。
 四 国民の生命、身体、性的自由等の重大な法益を守り、安心・安全な生活を提供するという国の責務に鑑み、特定侵害行為の被害者に対する資力を問わない法律相談の実施に当たっては、その趣旨を没却することがないよう、その対象者の該当性を判断するとともに、費用負担を求める基準及びその負担額を定めるに当たっては、利用者がちゅうちょすることのないようにすること。
 五 国として、真に援助が必要な犯罪被害者に対し適切な援助を行うことにより、その生命、身体が危険にさらされないよう、捜査機関・民間支援機関・行政機関との交渉等の場面における弁護士費用の援助及び未成年者である犯罪被害者への費用償還を要しない援助の必要性について引き続き検討すること。
 六 本法に基づく平成二十八年熊本地震の被災者に対する無料法律相談を早期に実施できるよう、大規模災害の被災者に対する無料法律相談に関する規定の施行及び政令による平成二十八年熊本地震の指定を早期に行うこと。
 七 大規模災害の被災者に対する法的支援制度の対象となる災害及び地区については可及的速やかに政令で指定するものとし、その際には被災者の立ち直り及び地域の復旧・復興の迅速化を図るという制度趣旨を没却することがないように留意すること。また、今回創設される無料法律相談の実施状況を踏まえ、支援対象となる災害の範囲及び援助期間の拡大並びに無料法律相談以外の法的援助の創設について検討を行い、必要な措置を講ずるよう努めること。
 八 日本司法支援センターに対する国民の認知度を高めるための取組を強化するとともに、同センターが国民の多様な法的ニーズに迅速かつ適正に対応することができるよう、十全な財政措置を含む必要な措置を講ずるよう努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(魚住裕一郎君) ただいま真山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(魚住裕一郎君) 全会一致と認めます。よって、真山君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、岩城法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。岩城法務大臣。
○国務大臣(岩城光英君) ただいま可決されました総合法律支援法の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
 また、日本司法支援センターに係る附帯決議につきましては、日本司法支援センターにその趣旨を伝えたいと存じます。
○委員長(魚住裕一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(魚住裕一郎君) 民法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明を聴取いたします。岩城法務大臣。
○国務大臣(岩城光英君) 民法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 この法律案は、女性に係る再婚禁止期間を前婚の解消又は取消しの日から六か月と定める民法の規定のうち百日を超える部分は憲法違反であるとの最高裁判所判決があったことに鑑み、当該期間を百日に改める等の措置を講ずるものであります。
 その要点は、次のとおりであります。
 第一に、女性に係る再婚禁止期間を前婚の解消又は取消しの日から起算して百日とするとともに、女性が前婚の解消若しくは取消しのときに懐胎していなかった場合又は女性が前婚の解消若しくは取消しの後に出産した場合には再婚禁止期間の規定を適用しないものとしております。
 第二に、再婚禁止期間の規定に違反した婚姻は、前婚の解消若しくは取消しの日から起算して百日を経過し、又は女性が再婚後に出産したときは、その取消しを請求することができないものとしております。
 なお、この法律案は、衆議院において一部修正されており、その内容は、この法律案の附則に「政府は、この法律の施行後三年を目途として、この法律による改正後の規定の施行の状況等を勘案し、再婚禁止に係る制度の在り方について検討を加えるものとする。」との規定を加えることであります。
 以上が、この法律案の趣旨であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(魚住裕一郎君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ─────────────
○委員長(魚住裕一郎君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題といたします。
 有田君から発言を求められておりますので、これを許します。有田芳生君。
○有田芳生君 私は、自由民主党、民進党・新緑風会、公明党、日本共産党及び生活の党と山本太郎となかまたちの各派の共同提案によるヘイトスピーチの解消に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    ヘイトスピーチの解消に関する決議(案)
  「ヘイトスピーチ、許さない。」
  ヘイトスピーチ解消の啓発活動のために法務省が作成したポスターは、力強くそう宣言する。
  従来、特定の民族や国籍など本人の意思では変更困難な属性を根拠に、その者たちを地域社会ひいては日本社会から排除しようという言動であるヘイトスピーチについて、それが不特定多数に向けられたものの場合、法律の立場は明確ではなかった。
  しかし、個人の尊厳を著しく害し地域社会の分断を図るかかる言論は、決して許されるものではない。このため、本委員会において、ヘイトスピーチによって被害を受けている方々の集住地区の視察などをも踏まえて真摯な議論を重ねた結果、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律、いわゆる「ヘイトスピーチ解消法」が、五月十二日に本委員会で全会一致、十三日の本会議において賛成多数で可決され、二十四日の衆議院本会議において可決・成立した。同法は、国連の自由権規約委員会、人種差別撤廃委員会などからの要請をも踏まえたものである。
  平成三十二年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた共生社会の実現のためにも、ヘイトスピーチの解消に向けて取り組むことは、党派を超えた喫緊の重要課題である。今般成立したヘイトスピーチ解消法は、ヘイトスピーチの解消に向けた大きな第一歩ではあるが、終着点ではない。引き続き、法務省の「外国人の人権状況に関する調査」を始めとする実態調査や国会における議論等を通じて立法事実を明らかにしていくことが、私たちに課せられた使命である。
  全国で今も続くヘイトスピーチは、いわゆる在日コリアンだけでなく、難民申請者、オーバーステイ、アイヌ民族に対するものなど多岐にわたっている。私たちは、あらゆる人間の尊厳が踏みにじられることを決して許すことはできない。
  よって、私たちは、ヘイトスピーチ解消及び被害者の真の救済に向け、差別のない社会を目指して不断の努力を積み重ねていくことを、ここに宣言する。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(魚住裕一郎君) ただいまの有田君提出の決議案の採決を行います。
 本決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(魚住裕一郎君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、岩城法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。岩城法務大臣。
○国務大臣(岩城光英君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨を踏まえ、法務省としましても、引き続き人権擁護行政にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。
○委員長(魚住裕一郎君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四分散会