第190回国会 農林水産委員会 第3号
平成二十八年三月二十三日(水曜日)
   午前十時三十分開会
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   委員の異動
 三月十一日
    辞任         補欠選任
     吉川ゆうみ君     熊谷  大君
 三月十六日
    辞任         補欠選任
     舞立 昇治君     二之湯 智君
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     二之湯 智君     舞立 昇治君
 三月十八日
    辞任         補欠選任
     高橋 克法君     古賀友一郎君
 三月二十二日
    辞任         補欠選任
     古賀友一郎君     高橋 克法君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         若林 健太君
    理 事
                山田 修路君
                山田 俊男君
                小川 勝也君
                紙  智子君
    委 員
                熊谷  大君
                高橋 克法君
                中泉 松司君
                野村 哲郎君
                長谷川 岳君
                馬場 成志君
                舞立 昇治君
                山崎  力君
                郡司  彰君
                田中 直紀君
                柳田  稔君
                平木 大作君
                山口那津男君
                儀間 光男君
   国務大臣
       農林水産大臣   森山  裕君
   副大臣
       農林水産副大臣  齋藤  健君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       佐藤 英道君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       内閣官房東京オ
       リンピック競技
       大会・東京パラ
       リンピック競技
       大会推進本部事
       務局企画・推進
       統括官      高原  剛君
       総務大臣官房審
       議官       内藤 尚志君
       財務大臣官房審
       議官       矢野 康治君
       スポーツ庁審議
       官        木村 徹也君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   佐藤 速水君
       農林水産省消費
       ・安全局長    小風  茂君
       農林水産省食料
       産業局長     櫻庭 英悦君
       農林水産省生産
       局長       今城 健晴君
       農林水産省経営
       局長       奥原 正明君
       農林水産省政策
       統括官      柄澤  彰君
       林野庁長官    今井  敏君
       水産庁長官    佐藤 一雄君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       藤木 俊光君
       環境大臣官房審
       議官       早水 輝好君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成二十八年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)、平成二十八年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)、平成二十八年度政府関係
 機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (農林水産省所管)
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○委員長(若林健太君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十一日、吉川ゆうみ君が委員を辞任され、その補欠として熊谷大君が選任されました。
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○委員長(若林健太君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局企画・推進統括官高原剛君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(若林健太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(若林健太君) 去る十六日、予算委員会から、本日一日間、平成二十八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 森山農林水産大臣から説明を求めます。森山農林水産大臣。
○国務大臣(森山裕君) 平成二十八年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。
 平成二十八年度農林水産予算の総額は、関係府省計上分を含めて二兆三千九十一億円、その内訳は、公共事業費が六千七百六十一億円、非公共事業費が一兆六千三百三十億円となっております。農林水産予算の編成に当たっては、農林水産業・地域の活力創造プランに基づき、農林水産業の成長産業化を促進をし、美しく伝統ある農山漁村を継承していくための施策の展開に必要な予算を重点的に措置したところであります。
 以下、予算の重点事項について御説明申し上げます。
 第一は、水田フル活用の推進と経営所得安定対策であります。
 飼料用米、麦、大豆等の戦略作物の本作化による水田フル活用を一層推進をするため、飼料用米等の数量払い、多収品種の導入等への支援を引き続き実施してまいります。また、収入減少による農業経営への影響を緩和し、安定的な農業経営ができるよう、経営所得安定対策を講じてまいります。
 第二は、強い農林水産業のための基盤づくりであります。
 農地中間管理機構との連携等による農地の大区画化を進めるとともに、老朽化した農業水利施設や漁港施設の長寿命化・耐震化対策、山地災害対策等を進めてまいります。また、強い農林水産業づくりに必要な共同利用施設の整備を支援するとともに、加工・業務用野菜への転換や産地においての労働力の提供を円滑に行う仕組みの構築を進めてまいります。
 第三は、担い手への農地集積、集約化等による構造改革の推進であります。
 農地中間管理機構による担い手への農地集積、集約化を加速するとともに、農地利用の最適化に向けた農業委員会の積極的な活動を支援してまいります。また、多様な担い手の育成、確保に向け、青年就農者等に給付金を給付するとともに、法人での実践研修等を支援してまいります。
 第四は、畜産、酪農の競争力の強化であります。
 畜産、酪農の国際競争力を強化するため、和牛、生乳の生産拡大に向けた研究開発を進めるとともに、輸入粗飼料の使用量を削減をして飼料作付面積を拡大をする取組を支援するなど、自給飼料の生産拡大を図ってまいります。また、畜種ごとの特性に応じた経営安定対策も着実に実施してまいります。
 第五は、農林水産物・食品の高付加価値化等の推進であります。
 六次産業化や多様な異業種との連携により高付加価値化を進めるとともに、昨年開始した地理的表示保護制度の導入、活用を図るため、産地が行う地理的表示の登録申請や、これを活用した地域ブランド化の取組を支援してまいります。
 第六は、輸出の促進と日本食・食文化の魅力発信であります。
 平成三十二年の農林水産物・食品の輸出額一兆円目標の前倒し達成に向け、品目別輸出団体によるジャパンブランドの確立に向けた販路開拓等の取組を支援するとともに、海外で日本食を広めるための人材育成やメディアを活用した日本食の情報発信に取り組んでまいります。また、生食、発酵食品を含めた日本の食文化に適用しやすく、国際的に通用する食品安全管理規格の策定、普及を行ってまいります。
 第七は、品目別生産振興対策であります。
 野菜、果樹・茶、甘味資源作物等について品目ごとの特性に応じた対策を講じてまいります。
 第八は、食の安全、消費者の信頼確保であります。
 国産農畜水産物の安全性の向上や家畜の伝染病の発生予防等の取組を進めてまいります。
 第九は、人口減少社会における農山漁村の活性化であります。
 多面的機能支払交付金など日本型直接支払を着実に実施するとともに、都市と農山漁村の共生、対流や薪炭、山菜等の地域資源の活用、農山漁村における定住を図るための取組を支援してまいります。また、鳥獣被害対策を進めてまいります。
 第十は、林業の成長産業化・森林吸収源対策の推進であります。
 林業の成長産業化に向け、間伐、路網整備や木材加工流通施設の整備など、地域の実情に応じた川上から川下までの取組を総合的に支援してまいります。また、林業の低コスト化に向けた施業集約化の取組や、多様な担い手の育成、確保を支援してまいります。さらに、森林吸収源対策を推進するため、森林整備、保全を進めてまいります。
 第十一は、水産日本の復活であります。
 地域の創意工夫に基づく漁業収入の向上、コスト削減の取組や担い手の育成、確保を支援してまいります。また、資源管理、資源調査の強化を図りつつ、収入安定対策等の漁業経営安定対策を講じるとともに、低魚粉配合飼料による養殖技術の確立、普及を進めてまいります。さらに、新たな調査計画に基づく鯨類捕獲調査の安定的な実施を支援してまいります。
 次に、特別会計については、食料安定供給特別会計等に所要の予算を計上しております。
 最後に、財政投融資計画については、株式会社日本政策金融公庫、株式会社農林漁業成長産業化支援機構による財政融資資金等の借入れ等、総額二千六百二十九億円となっております。
 以上で平成二十八年度農林水産予算の概要の説明を終わります。
○委員長(若林健太君) 以上で予算の説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○舞立昇治君 自由民主党の舞立昇治でございます。昨年十二月の畜産物価格等の審議での質問に続き、質問させていただきます。
 本年も、森山大臣、そして齋藤副大臣、そして佐藤政務官始め農林水産省の職員の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
 私は与党でありますけれども、同僚議員たちからは結構厳しい質問をするねと時々言われております。隣の山田俊男先生には全然かないませんですけれども、やはり国の基である農林水産業の振興には与党も野党もないと思っていまして、完璧な制度などなく、やっぱりただただ制度を少しでも良くしたい、農林水産業を発展させ、農山漁村を活性化させて持続可能なものに、そして安心して再生産に取り組める環境をつくりたい、その思いから質問しているだけでございますので、どうか今日原稿にとらわれずに一つ一つの質問に真摯に真心を込めて答弁いただきますようによろしくお願いいたします。
 まず最初に、農政新時代に向けた決意についてでございます。
 来年度当初予算案関係の委嘱審査に当たりまして、冒頭、昨年十月のTPP参加十二か国による大筋合意、十一月の政府による総合的なTPP関連政策大綱の策定、そして本年二月の署名と手続が進み、今後国会において承認や関連法案の成立に向けた審議が進んでいくこととなりますけれども、まずは、やはりいまだ少なからずこのTPPに強い不信感と不安感を抱いている現場の生産者を始めとする農林水産業の関係者の皆様に対し、国として、TPPによるマイナスの影響を最小限にとどめて、現場に寄り添いながら十分な予算と期間を持って、そして機動的、弾力的な運用でもって適切な対策を講じていくんだと。そして、今回だけでなく、必要に応じて何度でも必要な対策を講じることでTPPを乗り越え、TPPの有無に関係なく、岐路に立つ日本の農林水産業に明るい将来展望を持つことができるような農政新時代を切り開いていくということが重要でございますが、改めて現場の皆さんに向けて大臣の力強い決意表明をお願いいたします。
○国務大臣(森山裕君) 舞立委員にお答えを申し上げます。
 今般のTPP大筋合意を受けまして、生産現場の一部に残っております懸念と不安というものをきっぱりと断ち切って、次世代を担う生産者が経営の発展に積極果敢に取り組めるようにするということが最も大事なことであるというふうに考えております。
 このため、これまで攻めの農林水産業として進めてまいりました産業政策と地域政策を着実に進めていくことに加えまして、昨年十一月に取りまとめられました政策大綱に基づきまして、攻めの農林水産業への転換のための競争力強化・体質強化対策を講じさせていただきたいと考えております。また、経営安定、安定供給のための備えとして、協定発効に合わせて経営安定対策の拡充等を講ずることとしております。あわせて、農林水産業の成長産業化を一層進めるために、検討の継続項目として掲げられております十二項目について、本年秋を目途に具体的内容を詰めていくということにしております。
 今後も、現場で御努力をいただいている方々の気持ちを大切にしながら、これまで進めてきた農政改革や政策大綱に掲げた施策を着実に実行していく、これによりまして、次世代を担う生産者が新たな国際環境の下でも夢と希望を持って所得の向上を図り、経営発展に積極果敢に取り組んでもらえるような農政新時代を切り開いてまいりたいと考えております。
○舞立昇治君 大臣、ありがとうございました。
 是非、また本年秋に詰めていく対策、重要となりますので、よろしくお願いいたします。
 次に、来年度当初の農林水産予算、約二兆三千九十一億と、対前年度一億の増加を確保していただきまして、厳しい財政状況の中で最大限努力していただいたことには感謝申し上げます。
 先般の大臣の所信におきまして、いわゆる産業政策に加え、農業、農村の有する多面的機能の維持、発揮を促進するための地域政策を車の両輪として推進しと記載がございまして、いつも地域政策に触れていただいていることには感謝申し上げますが、産業政策に加えと、この「加え、」の表現から感じられるように、どうも地域政策はついでのように感じられるといった感が否めないところでございまして、攻めの農林水産業を推進する現在の国の農林水産行政、個人的にもそうでございますけれども、やはり現場では産業政策に偏りがちというような意見もまだまだ少なくないところでございます。
 私としては、中山間地域等の条件不利地域が多く、自然や気候、災害等の影響を受けやすい、また、食料安全保障や安全、安心な食料の安定供給等の観点から、やはり国の基、命の源である農林水産業、元来、まず第一に地域政策を中心に据え、安定的かつ継続的に農林水産業に取り組める、再生産可能な環境をきちんと整備することが何より重要だと考えておりまして、その上で、TPPの政策大綱にもございますように、生産者の持つ可能性と潜在力を遺憾なく発揮できる環境を整備する、まさに産業政策により需要に応じた生産振興、農地の集積、集約、六次産業化等による高付加価値化、輸出促進等を図っていくことが重要ではないかと思っております。
 現場が今の農政に対し様々な不安や意見、要望が絶えないのも、やはりいま一つ地域政策が十分じゃないからじゃないかなというふうに感じるところでございます。
 ナラシ対策にしても、生産費のコスト面が考慮されずに、収入の減少が続けば補填額も減少が続き、経営の見通しが付けにくい、再生産を断念せざるを得なくなるような不安定な制度ではなかなか十分じゃないと考えますし、米の戸別所得補償廃止後の姿はどうなるんだと、日本型直接支払をもっと地域で使い勝手のいい形で拡充できないのかと。さらには、今検討されている収入保険の制度が真に生産者の安心感を得られるような制度になるのかどうかも不安な状態でございまして、やはり、仮に農林水産業が厳しい局面に陥った際はきちんと国が温かい手を差し伸べて守る、それが伝わるような政治行政を行わないといけないと考えております。
 そういった意味で、農林水産省の職員の皆様には、どの事業が地域政策でどの事業が産業政策なのか、地域を、農村地域を、農村コミュニティーを維持発展させるためには何が必要なのかといったことを真剣に考えていただきたいと思いますし、そのような環境をつくっていくためには、やはり大臣の高い御見識と強いリーダーシップの下で、この地域政策と産業政策の位置付け、バランスや両立政策を実施する上での留意点等について関係者と適切なコミュニケーションを図りながら政策をつくっていただきたいというふうに考えております。
 今の農林水産行政において、農水省としては、地域政策としてどのような点に配慮して施策に取り組んでいるのか、これを伺うとともに、それら地域政策上の課題は何で、課題解決のためにはどのような見直し、改善を行っていくことが今後必要とお考えになっているのか、大臣の御見解をお聞かせください。
○国務大臣(森山裕君) お答えいたします。
 我が国の農政は、農業、農村の有する多面的な機能を維持する地域政策と、農業の成長産業化を図る産業政策を車の両輪として推進をしてきているところであります。このような中、農業生産の場である農村地域においては、人口減少と高齢化が進行しており、集落機能が低下しつつあるという厳しい現状があることも強く認識をしております。
 このため、農林水産省としては、地域の共同活動を通じて営まれる農地等の資源の維持、継承、農村の豊かな地域資源を最大限活用した六次産業化等による雇用の創出と所得の向上、観光、教育、福祉等と連携した都市農村交流や農村への移住、定住等の施策を講じた農村の活性化を図っているところであります。例えば、委員の地元であります鳥取県における鳥取県鹿野町の事例は非常に先進的だなと思いますが、ここでは地域住民を主体とした協議会によって地域の将来像づくりとその実現に向けた耕作放棄地の観光農園などへの活用が進んでおります。
 農林水産省としては、こうした地域住民が主体となった活動を後押しするなど、農業者の声に寄り添いながら地域政策を引き続き推進をしてまいりたいというふうに考えております。
 なお、現在、農林水産省におきましては、収益性の高い中山間地域の農業の優良事例集を作成をしているところであります。今後、こうした優良事例の横展開を図ることによって地域の活性化を後押しをしてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○舞立昇治君 ありがとうございます。
 地元の旧鹿野町の話題にも触れていただきまして、ありがとうございました。
 やはり、何度もよく言われますけれども、経済的換算にして、少なくとも林業は七十兆、農業は八兆、そして水産業は十兆以上もの多面的機能を発揮しているとも言われております。こうした機能を存続させていくためにも、是非、やはり地域政策に腰を据えた対策をとっていただければと思っております。
 その次に、三番目でございますけれども、基金の関係でございます。
 政府が策定しましたTPPの政策大綱では、TPP対策の財源確保や継続性を担保するものといたしまして、「機動的・効率的に対策が実施されることにより生産現場で安心して営農ができるよう、基金など弾力的な執行が可能となる仕組みを構築するものとする。」と記載されております。当然、TPP対策のように中長期を見据えて対策を継続して実施しなければならない、こういった事業は単年度予算主義の弊害にとらわれず、複数年度腰を据えて確実に取り組んでいくということが必要でございまして、まさに特定の目標の実現に向けて切れ目なく安定的かつ確実に取り組める基金の設置は重要と考えております。
 今回、本年度の補正予算におきまして、農業分野では営農戦略を策定した平場や中山間地等で高収益作物・栽培体系への転換を支援する産地パワーアップ事業五百五億、そして畜産クラスター計画を作成した地域におきます機械のリース導入や施設整備、家畜導入を支援します畜産クラスター事業六百十億、また林業では、間伐、路網や木材加工施設の整備等を支援する合板・製材生産性強化対策事業二百九十億、水産業では、担い手へのリース方式による漁船導入や競争力強化に資する漁業用機器の導入等を支援する水産業競争力強化緊急事業二百二十五億など、一定程度の基金事業を設置していただいたところでございまして、これにつきましては、その他の事業の基金化の要望もあるところでございますけれども、それはさておきまして、地方団体や関係者の皆様の間では、大変重要な事業だけに喜ばれているところでございます。
 しかしながら、基金の割に全国からの要望に対して果たして予算が足りるのかと、すぐに枯渇するんじゃないか、足りなくなればまたきちんと積み増ししてくれるんだろうかといったような心配の声が多いのも事実でございます。
 ついては、今回の基金は総額ありき、期間ありきのものではないと認識しておりますけれども、中長期的に必要なものでございまして、また、意欲ある担い手たちがその能力を遺憾なく発揮するためにも、要望したら速やかに予算手当てする、措置する、その取組を応援するということが重要と考えておりまして、今後基金が足りなくなるような事態が生ずれば、その都度、臨機応変、迅速に積み増して対応するということは当然だと思いますが、念のため御見解をお聞かせください。
○副大臣(齋藤健君) 委員御指摘のように、今回のTPP関連対策におきましては、委員御紹介なさった産地パワーアップ事業など七つの事業について、機動的、効率的に対策が実施されることにより生産現場で安心して営農等ができるように、弾力的な執行が可能となるように基金を設けて事業を実施することといたしております。
 現在、まさに各地域において事業を活用した体質強化の取組についての検討が行われているところでありまして、まずは、今回の補正予算により産地一丸となって戦略的に収益力強化に取り組もうとしている地域を強力に後押しをしていくことが重要であると考えております。
 先生御指摘のように、今後、事業の着実な推進を図っていく上で、皆様方の御要望の声もしっかりお聞きしながら、予算が足りないということにならないように万全を期していきたいと思っております。
○舞立昇治君 副大臣、力強い答弁、ありがとうございました。
 一点、ちょっと地元案件で恐縮でございますが、畜産クラスター事業でございまして、今、鳥取県から施設整備で約十二億、そして機械リースで約三億の要望を出しております。これ、基金だから満額措置していただきたいというところでございますが、是非特段の御配慮をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 続いて、やはりちょっと、遊休農地等の課税の強化は時間が足りなさそうなので、奥原局長、済みませんが、飛ばさせていただきます。
 続きまして、森林吸収源対策等に移りたいと思います。
 来年度の二十八年度税制改正大綱におきまして、長年の林業関係者によります森林吸収源対策の新税の創設の要望に対しまして、ようやくこの大綱では、「森林整備等に関する市町村の役割の強化や、地域の森林・林業を支える人材の育成確保策について必要な施策を講じた上で、市町村が主体となった森林・林業施策を推進することとし、これに必要な財源として、都市・地方を通じて国民に等しく負担を求め、市町村による継続的かつ安定的な森林整備等の財源に充てる税制(森林環境税(仮称))等の新たな仕組みを検討する。その時期については、適切に判断する。」と記述されました。大きく一歩前進したことに評価したいと思います。
 しかしながら、この新税につきまして、国税なのか地方税なのか、どの省が中心になって検討するのか、現在、都道府県や市町村で住民税の均等割を引き上げる形で森林環境税を徴収しておりますが、それとのデマケはどうなるのか、税制等の新たな仕組みということで、等が付いていて本当に新税できるのかなど、いま一つ心配な点も少なくないところでございます。
 今後、新税等の新たな仕組みの創設に向けては、やはり林野庁が中心になって与党と一体で本格的に検討されていくことになると思いますが、現時点におけます林野庁としての基本的な考え方や今後の取組方針についてお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(今井敏君) 森林吸収源対策についてお答え申し上げます。
 昨年決定されました平成二十八年度与党税制改正大綱におきまして、森林環境税につきましては、市町村における森林整備等の財源に充てる税制等の新たな仕組みを検討することと明記がされました。森林吸収源対策の安定財源に向けた道筋を付けていただいたというふうに受け止めております。
 一方で、今委員の方から御指摘がありましたように、今後どのように制度設計をしていくのか、また、その際、どんな点について既存の制度等について整理をしていくのかといった課題もいろいろございますけれども、林野庁といたしましては、引き続き林野庁が中心となって、大綱で示された新税等の新たな仕組みが森林整備等を安定的に進める上で効果的なものとなるよう、与党と一体となってしっかりと検討を進めてまいりたいと考えております。
○舞立昇治君 ありがとうございました。
 是非、いろいろと方策はあると思いますけれども、いろんな角度から分析の上、検討していただきたいと思います。
 同じく与党の税制改正大綱におきましては、財源確保に係る税制措置の部分につきまして、地球温暖化対策税につきまして、木質バイオマスのエネルギー利用の本格的な普及に向けたモデル事業や技術開発、調査への活用の充実を図ることとし、経産省、環境省、林野庁の三省庁は連携して取り組むと記述されたことには同じく一定の評価をさせていただきたいと思います。
 これは昨年末に決まったことでございまして、来年度の二十八年度は余り運用は変わらないと思いますが、本格的に充実が図られていくのは再来年度の二十九年度からというふうになるかと思いますが、現下の経済情勢等を考慮すると、また来年度も早期の補正予算ということも考えられるところでございます。今後、三省庁で具体的にどう連携して取り組むのか、どの程度の予算配分が可能となるのか等につきまして早急に詰めていく必要があると考えております。
 まず、平成二十七年度当初そして補正、そしてまた現在審議中の来年度当初予算におけます木質バイオマス関係のモデル事業や技術開発、調査に関係するエネルギー特会の予算と林野庁の予算につきましてそれぞれ予算額を伺うとともに、それを受けて、林野庁として現在の検討状況、三省庁連携に向けた取組方針等についてお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。
 まず、エネルギー特会の予算額でございます。
 地域に存在する木材等を有効活用する木質バイオマス発電あるいは熱利用は地域の活性化にも資する重要なエネルギー源であり、固定価格買取り制度のほかに、予算においても必要な対策をしっかり措置してまいりたいと思っております。
 具体的には、木質バイオマス発電、熱利用設備等の導入支援、それから地域特性を生かした経済性のあるバイオマスエネルギー利用の確立に向けたモデル実証、木質バイオマスの新たな用途開発、技術開発などの取組を推進していくための関連予算を計上しているところでございます。
 平成二十七年度、今年度の当初予算は約十億円でございますが、現在御審議いただいております平成二十八年度当初予算においては、これらを合わせまして約百八億円を盛り込んでいるところでございます。
 こうした支援策を通じまして、関係省庁と連携しながら、木質バイオマスのエネルギー利用の支援にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○政府参考人(今井敏君) 木質バイオマスエネルギー関係の農林水産省の予算といたしまして、平成二十七年度の予算におきましては、木質チップ、ペレットの製造施設などの木質バイオマス関連施設の整備への支援、もう一つ、木質バイオマスの利用拡大に向けた全国的な相談・サポート体制の構築ですとか、加工、利用のための技術開発などの支援、こういった予算について措置しておりまして、平成二十八年度の予算案においても同様の予算を措置しているところでございます。
 また、エネルギー特会の予算の活用につきましては、これまでも環境省等と連携し、木質バイオマスエネルギー利用の推進に取り組んできたところでありますけれども、二十八年度税制改正大綱におきまして、委員から御指摘のありましたように、木質バイオマスのエネルギー利用への活用の充実という方向が明記されたことを受けまして、平成二十八年度のエネルギー特会の活用について、林野庁から地方自治体や関係団体あるいは事業者等にも情報提供を行いまして、積極的に木質バイオマス利用に係る事業に応募してもらうなどの働きかけを行っているところでございまして、今後とも、三省庁連携いたしまして、地球温暖化対策税の更なる活用の充実が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○舞立昇治君 ありがとうございます。
 経産省の藤木部長におかれましては、二十七当初の十億から来年度百億超ということで、非常に再生可能エネルギーということで重点的に措置していただいたことに感謝申し上げたいと思いますし、林野庁におかれましても、経産省の事業等の周知等適切に、今いろいろと連携を図っていただいているということで、是非今回の大綱を契機といたしまして、この木質バイオマス関係、非常に林業の成長産業化につながるということで、まだまだ全国からの要望、需要が多いというふうに考えられますので、今回の大綱でエネルギー特会を有効利用して一層の事業の推進を図れるような体制をつくっていただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。
 次に、今日は総務省から、私の大先輩でございます内藤審議官にお越しいただいておりますけれども、来年度の地方財政対策におきまして、森林吸収源対策として新たに五百億円の地方財政措置がなされたことにつきましてはとても評価したいと思います。総務省及び林野庁の御尽力に感謝申し上げます。
 一方で、現場の地方団体や林業関係者にはまだまだ十分に伝わっていないのかなと考えられますので、適切な制度のPRのためにも、例えば森林面積に応じた配分になるのか、県や市町村の事業量に応じた配分になるのか、さらには、県分になるのか市町村分になるのか又は両方に措置されるのか、林業振興に熱心に取り組んでいる団体の需要に応じた算定が適切になされるのかなど、具体的な交付税の算定は今後行われることになると思いますけれども、現時点におけます算定の考え方や内容につきまして、できる限り詳しめに御説明いただければと思います。
○政府参考人(内藤尚志君) お答え申し上げます。
 平成二十八年度の地方財政計画におきましては、今後、市町村が主体となった森林整備等が円滑に実施されますよう、森林整備の実施に必要となる地域の主体的な取組に要する経費につきまして、新たに重点課題対応分といたしまして、都道府県分二百億円程度、市町村分三百億円程度、合計五百億円を計上しているところでございます。
 具体的には、森林整備に必要な基礎情報を記載いたしました林地台帳の整備に要する経費、森林の所有者の確定、境界の明確化や施業の集約化に要する経費、林業の担い手対策に要する経費等を想定いたしまして地方交付税措置を講じることといたしております。
 また、地方交付税措置の多くの部分につきましては普通交付税において算定することといたしておりまして、道府県にありましては、林野行政費において公有以外の林野面積を、市町村にありましては、林野水産行政費におきまして林業従事者数等を用いて算定することといたしております。
 このほか、各地方団体の事業実績に応じた措置を講じる必要がある場合や普通交付税措置額を超える場合などにつきまして、更に特別交付税措置を講じることを検討しているところでございます。
○舞立昇治君 ありがとうございます。
 できる限りきめ細かい算定になるような今感じが持てました。ありがとうございます。
 そして、今回の五百億の措置というのは、あくまでも森林整備の実施に必要となるその前提と、環境整備の予算措置だというようなことで理解いたしました。是非、総務省そして林野庁連携して地方団体への適切な周知に努めていただければと思っております。
 続きまして、この森林整備事業、公共の方でございますけれども、特に、民有林補助につきましては、軌道に乗り始めた森林・林業の再生にとってとても重要な予算でございますけれども、まずは、二十八年度当初そして二十七年度補正の合計額と、二十七年度当初及び二十六年度補正の合計額との比較につきまして、ちょっと予算額を教えていただければと思います。
○政府参考人(今井敏君) 森林整備事業の予算の民有林補助についてのお尋ねでございます。
 森林整備事業に係る予算のうち、民有林補助分は、平成二十八年度予算案で三百二十四億円、平成二十七年度補正予算で八十一億円でありまして、その合計額は四百五億円です。これに対しまして、平成二十七年度当初予算は三百十八億円、平成二十六年度補正予算は十九億円でありまして、合計額は三百三十七億円。したがいまして、平成二十八年度に執行可能な予算の合計は、前年度と比較いたしまして約二割増加する見込みでございます。
○舞立昇治君 ありがとうございます。
 ということは、来年度、二割ぐらい増の予算で民有林補助に臨めるということでございます。
 鳥取県の場合、本年度の当初予算におきまして、昨年度の繰越しがあった関係だと思いますが、ちょっと要望の半分以下しか措置されない事態になりまして、厳しい状況になりました。何とか昨年度の補正と合わせて昨年度と同等規模の事業量を本年度確保できたところでございますが、やはり、合板や発電用チップ用材等の需要が年々増えているいい流れだけに、予算がもっとあればもっとより多くの事業ができる、そのような環境になってきているところでございます。
 来年度に向けまして、鳥取県はほとんど繰越しが期待できないと思われるため、二十八年度、来年度の当初予算の配分に当たりましては、万が一にも、二割増ということで、昨年のような少額の箇所付けにはならないと思いますけれども、地元の要望に応えられる、これは鳥取県を始めとして全国の団体でございますけれども、地方からの要望に応えられる必要十分な事業量確保に向けて適切な予算配分をしていただきたいというふうに考えておりますけれども、この点に関しましては、是非、森と山の振興に最も造詣が深い森山大臣から前向きな答弁をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(森山裕君) お答え申し上げます。
 森林整備事業は、森林の有する多面的な機能を発揮する上で極めて重要な事業であるというふうに考えております。これまでも森林整備事業予算の確保は重点的にやってまいりましたし、また、おかげさまで資源の成熟化とともに各県の要望も高まりつつあります。
 このような中、平成二十八年度は、公共事業の森林整備事業のほか、いわゆる非公共事業の次世代林業基盤づくり交付金や二十七年度補正予算の合板・製材生産性強化対策事業においても木材の安定供給のための間伐等を支援するメニューを措置させていただいておりますので、これら事業の予算配分に当たりましては、現場の要望や実態を踏まえまして適切に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○舞立昇治君 ありがとうございます。
 今の段階ではそこまで強く言えないと思いますが、公共、非公共合わせて適切に配分していただきますようよろしくお願い申し上げます。
 最後の項目で、いわゆる農事用電力の電力料金の引下げ等の関係につきましてちょっと質問させていただければと思います。
 TPPの政策大綱では、農政新時代を創造すべく、生産者の努力では対応できない分野の環境を整えるという、当たり前といえば当たり前、でも、これまで余り真正面から検討や議論がなされてこなかったような問題なだけに、私としては、どのようにそのような環境が整えられるのか、大変期待しているところでございます。
 生産者の努力では対応できない分野の環境整備といたしまして、大綱には、生産資材、飼料、機械、肥料などその価格形成の仕組みの見直し、生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通、加工の業界構造の確立、土地改良制度の在り方の見直し等々が検討継続項目として挙げられておりますが、これらの中に、是非この農事用電力の軽減対象の拡大につきましても検討対象に加えていただきたいと考えております。
 現在、かんがい排水等の土地改良施設等一定の施設は、農事用電力として電気代が軽減されていると思いますけれども、これにつきまして、いつ頃から、どのような経緯で、具体的にどのような施設に対してどのように軽減されているのかお伺いしますとともに、この四月から始まります電力小売自由化に当たりまして何か変化が生じるのかどうかにつきましてもお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(今城健晴君) お答えいたします。
 農事用電力は昭和十七年頃、当時水力発電が主だったことということで、夏場の余剰電力ですとか食料増産という目的を背景に水稲関連の電力供給を中心に設定されたというふうに承知しております。現在においても、各電力会社ごとに、対象は一部異なるものもございますけれども、委員御指摘のとおり、主にかんがい用施設ですとかあるいは脱穀調製施設、こういうものを中心に農事用電力というものが設定されております。
 この農事用電力を含む新たな低圧電力、低い電圧の電力の料金体系につきましては、現状では経済産業大臣の認可が必要でございますが、皆様御承知のとおり、本年四月一日以降、電力の小売が全面的に自由化されるということでございますので、その認可が不要となり、届出となるというふうに承知しております。したがいまして、新たに小売に参入される事業者から、より有利な電力供給が提示されればそれを選べるということになりますが、一方で、この四月以降、電力の小売が自由化された以降も、二〇二〇年までの間は経過措置といたしまして、引き続き現行と同じ、いわゆる規制料金のメニューも選択できるというふうに承知しております。
 したがいまして、当面、農事用電力を使用している農業者の方々がすぐに不利になるというようなことにはならないというふうに承知しております。
○舞立昇治君 ありがとうございます。
 二〇二〇年までの経過措置ということで、ちょっと今後どうなるか不安でございます。土地改良区の組合員の方ですとか、カントリーエレベーターを運営するJAとかその組合員の方は、この仕組みがあるおかげで非常に助かっていると思っております。
 しかしながら、このような農業用の大規模な施設はほかにもありまして、例えば私の地元でいいますと梨の選果場といったように、一年の半分しか稼働していないのに基本料金は毎月変わらず、例えば一つの施設で月八十万とか、高額な料金を払わざるを得ないというところもございます。これがやはり流通生産物の単価を押し上げる要因、また組合員の重い手数料負担となっているんじゃないかと。今後の農家人口、組合員人口の減少を考慮しますと、いつまでもつかといったようなことも非常に不安なところでございます。
 電気料金の軽減対象の拡大は小売自由化で難しいかもしれませんが、新規の小売事業者が参入してこない地域も予想されますし、また、電力会社による軽減以外につきましても、負担軽減措置の切り口は何らかの形で様々な歳入歳出両面での措置が考えられるところでございまして、私も、今後自民党の部会等でしっかりと主張していきたいというふうに考えますが、是非、それと同時並行で農林水産省の方にも検討をお願いしたいと考えますが、是非、これにつきまして、齋藤副大臣から前向きな答弁をよろしくお願いいたします。
○副大臣(齋藤健君) 現在、各地の電力小売業者の皆さんは、電力を利用する事業者等のニーズに応じて、夜間に安い料金体系や、需要の多い時期以外を安くする料金体系などの取組を実施をしていると聞いております。
 こんな中で、本年四月から電力の小売が自由化されるということになりまして、各電力会社の判断により、様々な料金体系が今後設定されてくることになると思います。また、地域によっては新しい電力小売業者の参入も行われてくるという、そういう状況になるんだろうと思います。
 このため、自由化でありますので、農業用施設の料金設定も、農業用施設を有する者が各電力会社に相談をしていただくというのが基本だろうと思っておりますし、その際、私どもといたしましては、農業用施設における電気料金の体系が現場ニーズに即したものとなっているか、あるいは負担軽減につながるようになっているか、各電力会社との話合いがこれから進められることになるでしょうから、注視をしてまいりたいと思っております。
 また、農業用施設におきましては電力料金の低減を図ることは重要だと考えておりますので、そのコスト削減のために省エネ化によって生産コストや集出荷コストの低減を図る取組につきましては、産地パワーアップ事業や強い農業づくり交付金等により現在支援が行われるようにもなっております。
 繰り返しになりますけれども、これから自由化が行われる中で、この自由化が農家の電力コストにどういう影響を与えるか、この点につきましてはよくよく注視をしてまいりたいと思っております。
○舞立昇治君 ありがとうございます。大変丁寧な御答弁、ありがとうございました。
 今の時代は民間の給与設定に政府が口を出す、携帯電話料金が高いといって総務省が口を出す、様々な分野でやっぱりこれはおかしいんじゃないか、これは必要じゃないかといったようなことにつきましては国がしっかりとリーダーシップを発揮するということが重要じゃないかなと思っておりまして、これから本当に農家の人口が、今、基幹的農業従事者百八十万と、そのうち六十五歳以上が百十万人ということで、二十年もすればもう農家人口は半分、半減以下の状態になることが見込まれますし、はたまた臨時雇用者も二百万いると言われておりますけれども、ほとんどが多分高齢者の方だと思いまして、農業を支える方たちがどんどん本当に急激に減っていくといったような構造が予想される中で、この電気料金は、どうしても電気会社がこういう経営状況だから、こういう体系だから、一律だから難しいといったようなことで、やはり生産者の努力では対応できないんじゃないかなと思っておりまして、様々な面で、今副大臣から注視していくといったような非常に心強い御発言をいただきましたので、是非とも継続して見守って、必要な対応を御検討いただければというふうに考えております。
 そういうことをお願い申し上げまして、私からの質問を終わります。ありがとうございました。
○小川勝也君 民主党・新緑風会の小川勝也でございます。
 今日は予算案に対する委嘱審査ということでありますけれども、たまたま三月十日、前回の委員会で農薬について質問をさせていただきましたところ、関係する実験結果が環境省関係の研究所から出ました。そのことについてまず確認をさせていただくところから質疑を進めさせていただきたいと思います。
 ネオニコチノイド系農薬が蜜蜂等に大変影響が強いのではないかという危惧を質問させていただいたわけでありますが、そのことを踏まえて、国立環境研究所で実験水田を用いてネオニコチノイド系農薬などの浸透移行性殺虫剤がトンボ類を含む水田の生物相に対してどのような影響を与えるのかを調べていただいた結果が三月十六日に出ました。
 我々は全て化学の専門家ではありませんので、分かりやすく簡潔に御説明をいただければ幸いでございます。よろしくお願いします。
○政府参考人(早水輝好君) お答えします。
 先日公表されました国立環境研究所の研究成果でございますが、ネオニコチノイド系殺虫剤などがトンボ類を含む水田の生物相に対してどのような影響を与えるかについて、実験用の水田において調査をしたものでございます。競争的資金であります環境研究総合推進費によりまして、平成二十五年度から三か年計画で実施されているもののうち、初年度分を学術論文としてまとめたものと承知をしております。
 発表によりますと、現在国内で広く使用される殺虫剤を使用した試験により、一部の殺虫剤では実験用の水田においてトンボの幼虫であるヤゴの生息や羽化に顕著な影響が見られたとされております。
○小川勝也君 トンボについては後でもう一問質問をさせていただきますけれども、今回の実験結果と、いわゆる蜜蜂についての知見は何か発表できることがございますでしょうか。
○政府参考人(早水輝好君) 蜜蜂に関しましては、これとは別の推進費の調査を環境省では支援しております。同じ競争的資金であります環境研究総合推進費によりまして、これは平成二十六年度から平成二十八年度までの三か年の予定で実施をするものでございますけれども、フィールド調査や室内実験などによりまして、農薬による野生の蜜蜂など様々な昆虫類への影響についての調査が今進められておるところでございます。
○小川勝也君 今回の実験の主眼はトンボ類でありました。私などが子供の頃は、トンボだらけの夏の終わりから秋だったと思います。これは多分、森山大臣も同じ記憶だったと思いますけれども、大変トンボが減っているというのは、北海道内のいろんな農家さんに聞いても同じことを聞くわけでありまして、実は気になっておりました。
 トンボについては、今回クロチアニジン、これはネオニコチノイド系農薬、フィプロニル、フェニルピラゾール系、そして比較対象のクロラントラニリプロール、ジアミド系と、この比較実験をしていただいたわけでありますけれども、トンボについては、ここまでのところ顕著に実験結果が出ているというふうに思います。環境省から報告を受けたいと思います。
○政府参考人(早水輝好君) お答えいたします。
 今回の研究結果でございますが、ネオニコチノイド系農薬などの使用がトンボ等に与える影響を検討する上で重要な知見の一つと認識をしております。
 今回、まだ三か年計画の中の初年度の成果でございますので、今後、三か年分の調査結果の取りまとめを注視するとともに、環境省が行っております、これは別途行っておりますが、実際の環境中における影響などに関する調査結果などと併せまして、ネオニコチノイド系農薬等の使用がトンボ等に与える影響について総合的に検討をしていきたいと考えております。
○小川勝也君 今御答弁いただきましたように、まだ速報の段階ですので、私のところに手元にグラフはありますけれども、まだ今日は参考資料として添付させていただきませんでした。
 環境省の方からの正式な発表がありましたら、今回の実験結果などを数値に表した顕著なグラフもありますので、議論のネタにさせていただきたいと思います。
 私の前回大臣に対する質疑の趣旨は、ヨーロッパなどでは日本よりも厳しくネオニコチノイド系農薬の使用を中止、禁止をしている例が見られるということでありますので、私は、今、大臣からの予算案の中にもいろいろありました攻めの農業とか輸出促進とかもうかる、これもいいんですけれども、一番大事なキーワードは、前回の委員会でも申し上げました持続可能、サステナビリティーということが大事だろうというふうに思っています。人間だけがもうかればいいということではなくて、蜜蜂とも、そしてトンボとも、家畜とも共存しながら農業が未来永劫、我々人類の業として発展、そして持続していただきたいという思いを大臣と共有をさせていただきながら、再びではありますけれども、今、環境省からの実験結果も踏まえて、農薬、そして蜜蜂、これは蜜蜂は大臣の所管であります、を含めた生態系全般について大臣の所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 国立環境研究所等がネオニコチノイド系の農薬等の浸透移行性殺虫剤について、野生の蜜蜂とかトンボ等の生態系への影響に関して調査を実施されたということは承知をしております。
 今後、環境省では、これらの調査結果を踏まえて農薬の生態系への影響について検討を行っていくことになるだろうというふうにも思いますし、農林水産省としては、防除効果への影響、人や生態系への影響などを考慮しつつ、今後の環境省の検討を注視してまいりたいと考えておりますし、今委員がおっしゃるように、再生産ということはやはり自然との共生ということが最も大事なことでございますので、今後の環境省のいろんな調査を待ちたいと考えております。
○小川勝也君 ありがとうございました。
 トンボがピンチということもあるんですけれども、実はこの後議論させていただきます二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック、これもいろんなピンチがあるようであります。一つはエンブレムの問題がありました。そして、次に話題となりましたのは聖火台の問題であります。
 しかし、そのことは誰かが何とかしてくれるだろうというふうに思っているんですけれども、私が心配しているのは、例えば二〇一五年の七月二十七日の読売新聞に出た、オリンピックで国産食材のピンチ、この情報であります。
 また議論させていただきますけれども、前回の委員会でも同僚の郡司委員がGAPについての質問をさせていただきましたけれども、一般社団法人日本生産者GAP協会というところから、二〇二〇年東京オリンピックで国産野菜を供給できない可能性があるよという心配がありました。
 このことは、大臣の予算の説明の中にまさに盛り込まれています。七ページ、第六の項の最後であります。国際的に通用する食品安全管理規格の策定、普及を行ってまいりますと。これが非常に大事でありますし、また、自虐的な言い方をして恐縮ですけれども、日本は進んでいる分野もたくさんあったけれども、この分野は遅れていると言わざるを得ない。日本が追い付け追い越せの部分がまだまだたくさんあるんだということを共通認識にしながら、この二〇二〇年に向けて、農林水産省と農林水産委員会に所属する我々でこういった分野を後押ししていきたいというふうに考えての質問の趣旨であります。
 オリンピック・パラリンピック、アスリートの集まりでありますので、食べ物はより重要であります。選手団あるいはスタッフに供される食事について、ロンドン・オリンピックではどのような努力をされたというふうに把握されておられるのか、スポーツ庁から答弁を求めたいと思います。
○政府参考人(木村徹也君) お答えいたします。
 ロンドン大会においては、大会における食品調達の基準については、それぞれの組織委員会において義務的基準と努力基準が定められていると承知しております。ロンドン大会においては、例えば、果物、野菜、サラダ、シリアルについて、義務的基準として英国の農業者団体が運営する国内農畜産物認証制度の遵守等が求められ、努力基準として農業生産工程管理における国際認証を満たすこと等が定められたと承知しております。
○小川勝也君 後でまた聞きますけれども、次のリオ五輪に向けてはどういう努力をされているというふうに伺っておりますでしょうか。
○政府参考人(木村徹也君) リオデジャネイロ大会においては、義務的基準としてトレーサビリティーシステムを備えることや環境に配慮した持続可能な生産工程管理等が求められる一方、努力基準としてブラジル有機基準の認証を受けた産品の優先購入等が定められていると承知しております。
○小川勝也君 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、いわゆる食事、食べ物については、現在までのところ、どういう方針が政府等の中で決定されておられますでしょうか。
○政府参考人(高原剛君) 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会関係施設で提供されます食事は組織委員会において検討することになります。現在、組織委員会では、食材も含めた物品、サービスに係る持続可能性に配慮した調達コード等の検討を進められているというふうに承知をしております。
 以上でございます。
○小川勝也君 これから決めることがまだまだあるんだろうというふうに思っています。
 ここで私の意見ですけれども、役所の方だけで物事が決められるということは余りいいことではありませんので、国際的な基準に詳しい方、諸外国の事情に詳しい方々、あるいは日本国内において消費者団体等、食品の安全とかあるいは様々な認証に詳しい方々の意見も取り入れて、世界の方々にやっぱり胸の張れるような食事を供される東京オリンピック・パラリンピック大会にしていただきたいと存じますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(高原剛君) 委員御指摘のように、組織委員会において食の問題について検討するに当たりましては、幅広く関係者の意見を取り入れることは非常に重要なことであるというふうに認識をしております。現在、組織委員会では検討中でございますが、その検討に当たりましては、有識者あるいは関係団体等の幅広い意見を取り入れるように働きかけてまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○小川勝也君 このことについて、やはり農産物を生産する者については監督官庁が農林水産省でありますので、森山大臣にも大変高い関心を持っていただいて、遅れているところは追い越していただきたいし、特に私は自慢したいのは、日本の農産物は、野菜も果物も安心、安全でおいしいと、これをやっぱり認識して、東京大会はよかったなというふうにみんなに思ってもらいたい、これみんな同じ思いだと思いますので、遅れている部分はまずキャッチアップしていただきたいと思います。
 そこで、先ほど御答弁いただきましたけれども、世界で残留農薬の基準なんかは、それぞれ主権国家でありますので、ばらばらだと思います。しかし、日本だけ飛び抜けて基準が甘い分野は、それは海外から指摘される可能性がありますので、ここは勉強して、日本なりの基準を作って、下げるところは下げる、あるいは上げるところは上げるなど、やはりしっかり世界を見ていくチャンスだと思います。ですので、ネオニコチノイド系農薬等、また世界の残留農薬基準より緩やかだと思われている分野は一層厳しくする必要性があろうかと思いますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 農薬の登録の申請に当たりましては、農薬メーカーに、我が国での作物の栽培方法や病害虫の発生状況を踏まえ、防除の必要性や効果を勘案をして作成した使用基準の案や、毒性、残留、薬効、薬害等に関する試験成績を提出させております。
 これらの試験成績に基づき、食品安全委員会が食品の健康影響評価を実施をさせていただき、環境省が水産動植物への影響評価を実施をし、厚生労働省が食品中の農薬の残留基準等を設定をして、農林水産省が病害虫の防除効果や作物への薬害等に関する審査を実施しているというのが流れでございます。これらを踏まえまして、農薬の安全性及び効果が確保されることを確認した上で、農林水産省が農薬の使用基準を定め、登録をしているということになっております。
 同じ作物であっても、国によりまして気象条件や栽培方法、病害虫の発生状況が異なることがあるために、使用基準が異なるということもございます。例えば、我が国においてホウレンソウは、畝ごとに時期をずらして播種しまして、毎日畑から収穫をして出荷している場合があります。その中で病害虫が発生した場合は、収穫を行っている畑全体に防除を行うことが必要となるために、生産現場からは農薬を収穫日の近くまで使用できるようにしてほしいとの要望があることも承知をしております。一方、米国では、そのような状況にないために、同じ農薬であっても収穫日の近くまで利用できるようになっていないと承知しております。
 このように、国により、栽培、収穫、出荷の方法や慣行が異なることがありますので、農薬の使用基準が異なることについては御理解もいただかなければならないところでございます。
○小川勝也君 その分野はしっかり対応していただきたいと思います。
 それ以外でも、実は大変だろうなというふうに思っています。二〇一二年のロンドンでさえ、様々な形で食べ物の指針、フードビジョンを策定されたということを先ほど伺いました。一、食の安全と衛生。食品の衛生管理基準とトレーサビリティー基準を守り、悪質な汚染をなくす。二、選択とバランス。品質、価格、文化の多様なケータリング、健康的で栄養価の高いオプション提供等。三、食料調達とサプライチェーン。環境倫理と動物福祉の基準に関する供給地域を含むサプライチェーンのサポート等、非常に高い基準で食べ物を提供しようとする意欲がもう既にロンドン大会でなされている。そして、先ほどリオの取組もお伺いをいたしました。有機農産物を優先的に提供するようにしたいと。
 実は、いろいろ遅れているという指摘をしたいんですけれども、まず決定的に遅れているのは有機農産物、オーガニック認証と流通です。これは、多分私の想像ですけれども、体が資本のアスリートの皆さんは食べ物に物すごく気を使います。それで、今大臣からいみじくも答弁があったように、残留農薬の基準なんかは世界標準じゃない。だとするならば、自分たちが自分の国で食べている、自分の地域で食べていると同じ安全性を確保したいと思えば、まさに世界的な有機農業の認証などが求められているわけです。その分野は日本が決定的に遅れています。
 三番のところで申し上げた動物福祉の概念、これは前回の委員会で指摘をさせていただきました。これは日本が毛頭遅れているところであります。
 例えば、平飼いで飼われた鶏の卵しか食べない選手、あるいは地鶏の肉しか食べない選手、必ず、ロンドン・オリンピックの例を出すまでもなく、東京オリンピックに伺います。そういう人たちにも満足を与えられる、いわゆるファンダメンタルズがこの国にあるので、これは農林水産省もしっかりと鉢巻きを締めて取り組んでいただきたいというのが私の思いであります。
 そのほかにも、食べ物というのは人間の基礎、基本ですので、いろんな方々がおります。多分、この間私が指摘をしたアニマルウエルフェア、動物福祉の概念なんかは耳に新しいサウンドだったかと思いますけれども、そういう運動をされている方の中には、いわゆるベジタリアンを通り越して乳製品も卵も口にしないという方々が非常に多いんだというふうに伺っています。この方々はビーガンと言うんだそうです。それから、今申し上げたベジタリアン、あるいは宗教的な理由でハラール認証を取らなければ口に食べ物を入れられないという方々もいます。これがいわゆる高いオプションとか多様性の確保ということだろうというふうに思います。
 ですので、有機農産物や様々な嗜好に合致した農産物、畜産物の提供、乳製品、卵の提供、これは二〇二〇年までにしっかりやらなきゃいけないんだと、このことについての意欲をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(今城健晴君) 委員御指摘のとおり、ただいまいろいろなところで検討をされていると思われますいわゆる調達コードの問題、これも私ども非常に関心を持って注視しておりますけれども、その面におきまして、まず委員御指摘の有機農業でございます。
 おっしゃるとおり、私ども有機農業の推進に関する法律等に基づきましてその推進に努めているところでございますが、取り組んでいる農家がまだ農家数で一・二万戸、これは〇・五%、それから面積ベースで一万六千ヘクタール、〇・四%という水準になっております。したがいまして、自然環境の保全に関する農業生産活動を支援するという観点から、環境保全型農業直接支払のほか、しっかりとこの支援を進めていくことにより、有機農業の拡大というものを後押ししていきたいというふうに考えております。
 また、有機農業への参入支援や有機農産物のまさに販売先を確保するということのマッチングフェアなどのソフトの事業ですとか、農業者の有機JAS認定取得の支援の講習会ですとか、そういうことにも意を用いているところでございます。
 また、御指摘のアニマルウエルフェア、先日重要な御指摘いただきましたけれども、これも私ども、補助事業により、公益社団法人畜産技術協会というところがOIE基準に準拠した飼養管理指針というものを、私どもがOIE指針が改定されたのに合わせたものとなるよう、鋭意これは改定を急がせておるところでございます。
 こういうようなことも踏まえまして、現場には、やはりしっかりと外国人の方が来られる機会を活用しまして、日本の安全、おいしい農産物を供給できるということに努めていきたいというふうに考えております。
○小川勝也君 また議論の機会もあろうかと思いますのでこの程度にとどめますけれども、例えば、牛乳なんかは北海道が産地でありますので、おいしい牛乳を飲んでいただきたいと思います。しかし、世界の中では日本のように高温で殺菌している牛乳を好まない方々がたくさんおられるというふうに伺っていますし、またそれぞれの嗜好であります。私なんかは低温殺菌の成分無調整の牛乳が一番好きだと思っておりますけれども、様々なライフスタイルの中で、私は一%を飲むんだ、私は二%を飲むんだというふうに、アメリカ合衆国のスーパーマーケットなどは乳脂肪分別に棚が分かれているというふうに伺っています。そういうことも含めて、いろいろ勉強することは多々あろうかと思います。酪農分野もしっかり勉強をしていただきたいと思います。
 それで、水産物については、いわゆるこの後の参議院先議の法律のときに併せてお伺いしようと思っていますけれども、これもMSC認証やASC認証、日本なんかでは非常に遅れていますけれども、魚、水産物もいわゆる養殖、畜養のものとワイルド、野生のものと分けて考えるというアメリカ合衆国の概念などもあります。全てアメリカのまねをしろ、ヨーロッパのまねをしろと言うつもりは毛頭ありませんけれども、日本が遅れている分野でもありますので、この際しっかり勉強して、日本発、日本ならでは、世界で最も先進の食品のトレーサビリティーや安心、安全の基準作り、頑張っていただければというふうに思います。この分野は大事ですので、また質問させていただきたいと思います。
 今日は、少し農地あるいは林地の問題を質問しようと思って用意してまいりました。
 森山大臣なら御理解いただけるかと思いますけれども、東京と地方では、今日の新聞にも出ていましたけれども、土地の価値に大きく差が出てまいりました。ですので、戦後すぐにできた法律概念で申し上げますと、全てのものが有価値であるというのが日本の民法の規定であります。
 しかし、私も昨年、母を見送りました。母一人で住んでいた家が今空き家になっています。余り高い価値を有していないどころか、解体撤去費用を考えると、資産とは当然言えません。このことは先日説明に来てくれました林政部長からもお話を伺いました。相続で林を所有しているけれども、もう自分が所有したくない、森林組合から間伐や除伐のはがきを受け取りたくない、誰かに持ってもらいたいというような人が結構出ているんだというふうに伺っています。
 それと同時に、農地の話も私は非常に懸念を持っています。今、中間管理の法律を作って担い手に出せ出せ、あるいは特区をつくって株式会社に所有させろ、この議論とはまた別に、今のように民法の中で相続を繰り返している農地は、いわゆる所有者がどんどんどんどん筆分かれをしてたくさんの所有者が一枚の田んぼや畑を持っている。そして、生産性を高めるためには、畦畔の除去をしたり、土地改良をしたり、あるいは交換をしたり、大きな圃場にしたりということがこれから繰り返されていかなきゃならないのに、まさに所有はそのままであります。
 ですので、空き家問題に端を発して、いわゆる民法という大本がありますけれども、農地の問題あるいは森林の問題も農林水産省で議論をしっかり進めていただかなければならないというふうに私は考えているところであります。
 ですので、農地に関する問題意識といわゆる森林分野に対する問題意識と併せて別々に御答弁をいただければというふうに思います。まず農地問題についての御所見を伺いたいと思います。
○政府参考人(奥原正明君) まず農地の関係でございます。
 先生御指摘のように、農地につきましては、相続によって農業を行わない方が所有する場合がかなり増えてきております。また、相続をした共有者の所在が不明であると、こういう事例も増えておりまして、遊休農地の解消ですとかあるいは担い手への農地の集積、集約化を進める上での阻害要因となっていると、こういうケースがかなり出てきているわけでございます。
 こういう観点で、農地法あるいは関連する制度におきましていろんな工夫はしておりまして、一つは、所有者不明の農地につきまして共有権者の過半の方の同意があれば利用権が設定できると、これは農業経営基盤強化促進法の十八条でございます。それから、農地中間管理機構をつくるときに農地法も直していただきまして、過半の持分を有する方を確知できない場合でも、公示等の手続を通じまして利用権を設定することが可能となるという制度を設けているところでございます。こういう制度が徐々に動き出しておりますけれども、現場ではこの公示の制度ではなかなか時間が掛かると、こういった声も我々聞いているところでございます。
 こういった所有者不明の土地に係る問題につきましては、農地に限らず土地制度全般について顕在化しておりますので、関係省庁が協力をして所有者の探索を円滑に進めるためのガイドラインを作ったり、あるいは相続登記の促進等を図るといったことを進めておるところでございます。
 さらに、社会情勢の変化を踏まえた新たな国土政策あるいは土地制度についての長期的な視点からの政策論、これも必要でございますので、今後、土地制度全体を所管しております国土交通省、それから民法を所管しております法務省、こういったところとも十分連携を取って検討を深めていきたいと考えております。
○政府参考人(今井敏君) 森林についてお答えいたします。
 森林につきましても、委員御指摘のとおり、森林所有者の不在村化等が進んでおりまして、今後、森林の適切な管理と利用を進めていくためには、間伐等の森林施業の集約化、円滑化を図っていくことが重要な課題となっております。
 このため、現在、森林経営計画制度の定着の促進、あるいは森林所有者や境界の明確化の取組への支援、さらには、森林所有者が不明な場合でも間伐の代行等が可能となるような措置の導入、こういったことをこれまでもやってまいりましたけれども、さらに、今回提出いたしました森林法等の改正法案におきましては、森林組合等による施業の集約化や所有者不明の森林の施業の円滑化のための措置を講ずることとしているところでございます。
 今後とも、都道府県とも連携し、これらの制度の活用を進め、適切な森林整備を推進していきたいと考えておりますけれども、先ほど奥原局長からも答弁がありましたとおり、これは農地、森林だけにとどまらず、日本の国土全体に共通する課題でもありますので、これに関しましては、国土交通省あるいは法務省とも連携しながら検討を進めていきたいというふうに考えております。
○小川勝也君 今答弁いただきましたように、抜本解決には大変大きな力が必要です。これは農林水産大臣というよりも、内閣、国全体で取り組まなければいけませんので、森山大臣には課題の認識だけお願いをさせていただきたいと思います。また、現場が混乱を来さないように、少しでも合理的な施業や運営ができるように知恵を絞ってまいりたいというふうに思っています。
 質問を終わります。
○委員長(若林健太君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(若林健太君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成二十八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○郡司彰君 民主党の郡司でございます。
 今日は委嘱審査ということでございまして、午前中に大臣の方から予算の説明をお聞きをいたしました。所信のときには六ページまでにTPPという言葉が五回出てまいりましたが、今回は一回も出てこないということでありますけれども、総じて関係をする予算が散らばっているのではないかなということで、今日はTPPの大筋合意と基本計画、そしてその予算についてお尋ねをしたいというふうに思っております。
 まず最初に、このTPPに対する農水省の評価、全体として国内生産への影響は少ないというようなものだというふうに理解をしておりますが、そのような理解でよろしゅうございましょうか。
○政府参考人(佐藤速水君) お答え申し上げます。
 三年前の平成二十五年三月にも試算を行っておりますが、この際は、全ての関税が即時撤廃をされ、追加的な国内対策も行わないという仮定の下で試算を行いました。その結果、農林水産物の生産額が三兆円程度減少するという試算を行ったところでございます。他方、今回の試算につきましては、政策大綱に基づきまして、集中的な体質強化対策の実施ですとか経営安定のための備えなどの国内対策を講ずることなども踏まえまして、農林水産物の生産減少額は約一千三百億円から二千百億円程度と見込んだところでございます。
 金額で見ますと、前回、三年前の試算に比べて今回の生産減少額が小さいことは確かでございますが、TPPの影響につきましては品目によっても異なっておりますし、一概に大きいか小さいかといった評価を行うことは難しいのではないかというふうに考えてございます。
○郡司彰君 一概に大きい小さいという表現では難しいのではないかということでございますが、また、数字を見ると、三兆円が最大でも二千百億円ということでございますから、影響は小さいというふうな評価に皆さん方は理解をしているんだと思います。
 ただ、その影響が小さいということと、今おっしゃったようなことの理解が進んでいるということとはまた逆なんだろうと思いまして、いろいろなところでいろいろな方々とお話をすると、農水省の評価に対する理解が進んでいないというようなことを感ずるわけでありますけれども、この理解が進んでいない原因については何かお考えでしょうか。
○政府参考人(佐藤速水君) お答え申し上げます。
 TPP交渉は保秘義務が掛かっておりましたので、大筋合意まで交渉の進捗を現場の方々に説明できないという状況にございました。そういうことから、農業者の皆様にとりましては、情報がない中での大筋合意による心理的な不安ですとか心配が大きかったというふうに考えてございます。
○郡司彰君 少し不足だろうと思いますね。例えば、これまでTPPがあるなしにかかわらず、七八%ぐらいから一年経過するごとに一%ぐらいずつ減ってきました。そういう形で四〇%を切るような形になってきたということがこれまでの長い歴史のトレンドだということになれば、今後もそのままでいけば下がるというようなことは、これはTPPがあろうとなかろうと出てくるだろう。
 それから、人口減少社会に入っているわけでありますから、お米でいえば、八万トン毎年減るということに加えて人口減少分六万トンも出てきますよというような形で、一年間に十四万トンぐらいずつ減っていくんではないかというようなことが予測をされております。だとすると、輸入量が変わらず消費の方が減ってくる、こういうようなことも出てくるんではないだろうか。
 それから、TPPの中で、結構御理解をいただいている方の中では、もう一回やるんでしょう、これ最後の年まで行くまでに、七年後にもう一回見直ししたり、あるいはその批准をする際にも、アメリカのこれからの大統領がどなたになるかによっても違うのかもしれませんが、今のところ、有力な二つの党の候補者になろうとしている方々はTPP反対ということでございますから、そういうようなことを含めて影響は少ないというのが理解が進んでいないというところの根底にあるんだろうというふうに思っています。それに加えて、情報の公開がなされてこれまでいなかった。じゃ、今はなされているのかというと、それも完全にはなされておりません。
 したがって、評価というものと対策というものがきちんと分離をして、そこを結ぶからこういうことに、影響が少なくなっても大丈夫なんだというようなことには理解をされていない、そういうようなことだと思うんですが、改めて、先ほどのように簡単なことでこの理解がこれから進むとは思えませんけれども、どうなんでしょうか。
○政府参考人(佐藤速水君) 農林水産省では、TPPの大筋合意以降、現場の農業者の皆様に対しまして、TPPの大筋合意の内容ですとか影響、さらには国内対策の内容等につきまして詳細かつ丁寧な説明会を行ってまいりました。具体的には、地域ブロックごと、さらに都道府県ごとに品目別などで延べ五十七回開催してきたところでございまして、この二月十日に一巡をしたところでございます。これによりまして、全体としては理解が一定程度進んだと感じておりますけれども、引き続き、市町村別、さらには集落別など、昨年十月に配置をいたしました地方参事官も活用いたしまして、よりきめ細かく丁寧に説明をしているところでございます。
 このような活動によりまして、現場の農家の皆様と農林水産省が大きな方向感を共有した上で、意欲的な農業者が経営発展に積極果敢に取り組めるように、政策大綱に掲げられた施策を着実に実行してまいりたいと、かように考えてございます。
○郡司彰君 正直なところ、今のお話を聞いても理解が進むというような感じはいたしません。これからさらに求められているものに対してきちんと説明ができるようにしていただきたいなというふうに思っております。
 次に、今もお話にありましたけれども、国内対策を行うことによって生産や農家所得は確保されるというふうになっているわけでありますけれども、生産量、生産額についてはどういう見通し、見込みを立てていらっしゃるのでありましょうか。
○政府参考人(佐藤速水君) 今回のTPP交渉の結果、重要五品目を中心に多くの主要品目につきまして関税撤廃の例外を獲得いたしましたし、国家貿易制度の維持、長期の関税削減期間、セーフガード等を措置したところでございます。これに加えまして、関税削減の影響が生じるまでには一定の期間があると考えられます中で、政策大綱に基づいて集中的な体質強化対策の実施や経営安定のための備え等の国内対策を講ずることとしております。
 その結果、各品目につきまして、引き続き国内生産量が維持されるものの、関税削減等の影響によりまして価格低下が生じ、その結果、農林水産物の生産減少額は約一千三百億円から二千百億円になるというふうに見込んでいるところでございます。
○郡司彰君 その場合の農家所得というのは、総体で、あるいはまた個別というか、何というんでしょう、経営体というか、それの動きについてはどのように関わってくるんでしょう。
○政府参考人(佐藤速水君) お答え申し上げます。
 農家所得につきましては、個々の経営体によりまして栽培品目が異なるといったような経営形態が様々であることから、個別経営体ごとに農家所得がどうなるかという分析は行っていないところでございますけれども、生産強化対策による生産コストの低減、品質向上ですとか経営安定対策を着実に進めることで、総体としては引き続き農家所得は確保されるというふうに考えてございます。
○郡司彰君 一つ一つの品目ごとについて、これからTPPその他の議論でやっていかなければいけない問題があるだろうというふうに思っております。
 大臣、ちょっと通告がしていなかったかもしれませんけれども、例えばお米については、入ってくるものは備蓄の方に回すんですよ、市場の方には流れませんよと、こういうような言い方をしておりまして、また、いろんなところで、古くなったお米を食べさせるのはなというような発言も大臣以外の方からもございました。
 どうも話を伺っていると、その備蓄の方の関係で一〇年以降は棚上げという形を取っております。どうも話を聞いていると、回転と棚上げと何か混じり合ったような感覚のお話をされているようなところがございまして、その辺、もし、大変急なところの質問で恐縮でございますけど、大臣の方のお考えがあればお聞かせいただければというふうに思います。
○国務大臣(森山裕君) お答え申し上げます。
 郡司委員が言われますとおり、TPPに関連をいたしまして、現場でやっぱり米に対する非常に不安なお気持ちを持っておられる農家の皆さんがたくさんおられるなというふうに思っております。
 一つは、飼料米の政策等々が今後本当に続いていくんだろうかということに対するお気持ちもあるんだろうと思います。また、七万八千トンというTPP枠の米が市場に出て主食米の価格に影響するのではないかという御心配もおありになるんだろうなというふうに思っておりますが、度々御説明を申し上げておりますように、備蓄米として別枠で処理をさせていただきますので、米については影響を与えることはないというふうに思っております。
 運営の見直しを行いまして、いわゆる保管年数について、消費者により鮮度の高い備蓄米を提供する観点も踏まえて、米が不足する有事に際しても、より保管年数が短くて鮮度の高い米を消費者に提供するということも一つの大きな目的でございますので、そのことで対応をしていけば問題はないと、こういうふうに考えているところでございます。
○郡司彰君 これ事務方の方で結構でございますけれども、先ほど言った棚上げ備蓄になったという経過がありますけれども、説明を聞いていると、今後はそれを見直す、回転備蓄も視野に入れるというようなことを検討なさっているんでしょうか。
○政府参考人(柄澤彰君) 米の備蓄制度の内容につきましてお尋ねがございました。
 今行っております現行の政府備蓄制度は、大凶作などによって民間在庫が著しく低下するなどの米が不足する場合には政府備蓄米を主食用米として国民に供給いたしますけれども、そのような万一の事態が発生しなければ、一定期間備蓄後に加工用、援助用、飼料用といった非主食用として販売する、いわゆる御指摘のような棚上げ備蓄方式を採用しております。
 今般のTPPに伴います政府備蓄米の運営の見直しにおきましても、現状のこのような棚上げ備蓄の基本的な枠組みは維持したいと考えております。また、現行百万トン程度の適正備蓄水準もそのまま維持した上で、国別枠の輸入量相当の国産米を政府が追加的に備蓄米として買い入れることとし、その際、保管年数をそれに応じて短縮するというふうに考えております。
 具体的な運営見直し後の保管年数につきましては、今大臣からも御答弁がございましたが、万一の場合であっても消費者に対してより鮮度の高い備蓄米を供給するというような観点も踏まえまして、より保管年数が短く鮮度の高い米を消費者に供給できるというような観点からも、現状の原則五年から三年程度に短縮するということでございます。あくまで棚上げ備蓄方式の考え方は維持するということでございます。
○郡司彰君 これからのことは質問通告をしておりませんのでお答えは要りませんが、今のことも含めて播種前契約を今やっているわけですね、二十万トンについては。しかし、昨年の米価の下落のときの対応を見ても、直接もう介入しないんだと、出口対策はやらないんだというようなことは、表面的にはそのままの表現が続いているわけでありますけれども、実質的に出口対策ではないかと見られるようなことも行ってきているということがこれまでもあったわけであります。
 私は、その辺のところの政策の継続性なりというものが揺らぐと、これは、いろんなことを決めてもやっても、最後は何かの圧力その他で変わるんだからということになっては、農政の信用性というものが損なわれるのではないかなというような感じがしております。
 次の質問に移りますけれども、食料自給率、これ、合意内容の最終年においても現在と同水準で維持されるということでございます。だとすると、基本計画目標のカロリーベースで三九が四五、生産額が六四が七三だったと思いますけれども、この目標は変更するんでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 今回の食料自給率の試算は、先生御承知のとおり、あくまでもTPPの影響のみを考慮したものであり、国産生産量は維持されるとともに、千三百億から二千百億円の生産減少が生じるという試算結果を基に食料自給率を計算したものであります。結果として、カロリーベースで三九%、生産額ベースで六四%となり、平成二十六年度の自給率と同じ水準となっております。
 一方、将来の食料自給率目標につきましては、TPPがあるなしに関わらず、その向上を図るために、食料・農業・農村基本計画において、今後の食料消費の変化等を見通しながら、国内外での国産の農産物の消費拡大や食育の推進、また、飼料米の推進や消費ニーズに対応した麦、大豆の生産拡大、優良農地の確保や担い手の育成の推進といった各種の施策を総合的かつ計画的に講ずることを前提として設定をされたものでありますので、こうしたことから、食料自給率目標の達成は決して不可能ではなくて、引き続き現在の基本計画が定める目標の達成に向けてしっかりした取組を進めていく考えでございます。
○郡司彰君 一番最初の質問で、生産は対策を行うので、影響は大きい少ないという言い方はしないけれども、最小限にとどめるんですよと。しかし、それでも長期的にはいろんな作物ごとに、品目ごとにいろんなことが出てくるのでありましょう。自給率については、最終年度も今の水準を維持することができるのではないかというようなことである一方で、目標の四五%、七三%はできるという可能性が残る、それに向けて努力をする。
 多くの方々は、その説明の仕方ということ自体に理解を示していない。だから、政府の言っていることを余り信用できないというふうに私は思っているのではないかなというふうに思っておりまして、これ、同水準で維持をされるということが、なぜ三九から四五というような形の今の答弁になるのか。普通の農家の方々や消費者が聞いてお分かりになるような、そんな説明というのはできないのでありましょうか。
○政府参考人(佐藤速水君) TPPの今回の影響試算におきまして、カロリーベース三九%、生産額ベース六四%、変わらないという結果をお示ししたところでございますが、その計算につきましては、平成二十六年度の食料自給率の基になりました分母である国内消費仕向け、分子である国内生産、これを平成二十六年度の数字を前提としております。
 この国内消費仕向けは、TPPの影響分析によりますと生産量が変わらないということで、国内消費量は不変でございます。他方で、国内生産につきましては、国産米が一部買い上げて備蓄の方に回りますので、その分のカロリー、六キロカロリーが分子から小さくなるという計算で、あくまでも二十六年度の国内消費仕向け、国内生産をベースに、このTPPの影響を言わば数値を代入するとどうなるかということで、自給率は変わらないということを公表申し上げたところでございます。
 他方、自給率目標につきましては、今大臣が答弁申し上げましたとおり、食料・農業・農村基本計画に基づく様々な施策を総合的かつ計画的に講ずることとしておりますので、平成三十七年度の四五%という自給率目標の達成に向けて、引き続きしっかりと政策を進めていくということでございます。
○郡司彰君 皆さん方は理解したのかもしれませんが、私はよく理解ができないでおります。
 今の話は次の質問にも関わりますけれども、生産が維持されるということは、いろんな外的な要因、分母、分子の問題もありますけれども、単純に言うと、生産が維持されるというのは、自給率は上がるんですか、下がるんですか。
○政府参考人(佐藤速水君) 国内生産が仮に維持されるということだとしますと、分母といたしましては、国内生産のほかに輸入、輸出、さらには在庫の増減といったものがございます。したがいまして、国内生産が仮に一定であっても、輸入がどうなるか、輸出がどうなるか、在庫がどうなるかによって自給率は一般論としては変わってくることもあり得るということだと思います。
○郡司彰君 非常に普通の方々とやり取りをしているときに分からないんですよね、今の説明では。実際に生産は維持されるんですよ、そして自給率はそのままの数字が行くんですよ、でも本当はいろんな要素があるからどうなるかよく分からないんですよというようなことの話をすると、何なんだというようなことになるんですね。
 その辺全体に、消費者の方々や生産者も含めて、これからはこういうふうになるんですよというようなお話ができるような、そういう体系的な、総合的な考え方というのは打ち出せないんでしょうか。どこかで検討するおつもりはありますか。
○国務大臣(森山裕君) 大変大事な課題であると考えておりますので、平成三十七年度に向けての品目別の生産目標というものも定めているところでございますから、そういうことに基づいて四五%、七三%という数字に結び付いてくるわけでございますので、この数字だけが先走りをしても、今委員おっしゃるとおり、国民の皆さんにはなかなか理解ができにくいというところもあろうかと思いますので、今後は、品目別にどういう生産目標を目指しているんだと、これを達成することによって自給率、あるいはカロリーベースの自給率、あるいは生産額ベースの自給率というものがあるんだということをよく説明をできるように今後は努力をさせていただきたいと思います。
○郡司彰君 石破大臣のときの所信の原稿に、スイスの卵というのが出てきたんですね。値段は忘れましたが、五十円だか六十円だか、高いけれどもみんなそれを買って食べるんですよというようなことでありました。その背景には、憲法の改正を行いながら、食料安全保障として、ヨーロッパの中でEUにも入らずに生きていくために、この生産については残念ながらほかに依存をするような形にしましょうと、通常は畜産とか草地にしておいて、いざというときにはそれがこういう作物に転換できるような力を蓄えておくんですよというようなことがあったんですね。
 これ、今までのこの議論は、問題の私どもの設定のことに対する答弁ですから当然なのかもしれませんけれども、自給率は維持されるから、でもそれは四五が目標だから頑張りますよというのと、それは私どものときは、できればそれは六〇とか何かでなけりゃやっぱり独立国ではないのではないかと。やっぱりこの国の食料を国は安全保障として考えるし、生産者は所得の保障ということをきちんと考える。消費者にとっては安定とか安全というものをきちんと行うというような役割があって、国からすると自給率というのは、維持できるとか、それが高くなる、目標は下げませんとか、いろんな条件によってそれはどういうふうに変わるか何ともはっきりは言えませんとかということとは別に、やっぱり国は、食料安全保障としてこの部分とこの品目ということについてはこれだけの農地を造っておいてというような総合的なものが出てこないから、先ほどのような議論のやり取りになるんじゃないかなという感じがしております。
 もしよろしければ、大臣、一言。
○国務大臣(森山裕君) いずれにいたしましても、食料の自給率をいかに高めるかということは農水省にとっての一番大事な役割であり、仕事であるというふうに理解をいたしております。そのためには、生産者である現場の皆さんの御理解と御協力、そしてまた消費者の皆さんの御理解と御協力がなければ達成をすることはできないわけでございますので、先ほど申し上げましたようなことも含めて、国民の皆さんに御理解をいただける説明の方法というものを計画に基づいてしっかりとつくらせていただいて、説明を今後もさせていただきたいというふうに考えております。
○郡司彰君 今日は資料を一枚お配りをさせていただきました。これは農水省の資料でございますから当然お目通しはしていると思いますが、品目ごとの農林水産物への影響ということで、影響の度合いを一、二、三、四。一のところには、特段の影響は見込み難い。二のところは、影響は限定的と見込まれる。三のところは、幾つかありますけれども、見込み難いというようなところもあるが、一部懸念もあったりしますねというような書き方。四については、当面輸入の急増は見込み難いが、長期的に関税引下げの影響の懸念がありますよということであります。
 これを見ると、今後の対策というのは、逆に四、三、二、一というような優先順位で対策予算というものを考えるということでよろしいんでしょうか。
○副大臣(齋藤健君) 今回のTPPによる影響が品目ごとに異なるということだと思いますし、それに応じて対策の方も品目ごとにきちんとしていかなくちゃいけないということなんだろうと思います。したがいまして、これによって対策に、どっちが優先だ、優先じゃないということは決めておりませんけれども、それぞれ品目に応じてきちんとした対策を講じていくというのが基本的考え方でございます。
○郡司彰君 ありがとうございます。そういうような御答弁をいただくのが一番有り難いですよね。
 ただ、現実的に言うと、俺のところが一番ひどいじゃないかと言われるところの方々の思いも出てくるでありましょうけれども、マイナークロップのようなもので地域限定で作っているところは、場合によっては産地そのものが消滅をするようなこともあり得るかもしれない。全体から見れば僅かだけれども、壊滅的な被害といいますか影響が出るようなところもあるわけでありますから、まさに今御答弁をいただいたようなことなんだろうというふうに思います。
 だとすれば、先ほど冒頭のところでも言いましたけれども、時間を取って、品目ごとにどういう対策が必要でどのようなことが行われなければいけないかということをしっかりやっていかなければいけないと思いますし、TPPの特別委員会だけではなくて農林水産委員会でもしっかり時間を取って、品目ごとの議論をこれからさせていただきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。
 本日は平成二十八年度予算案の委嘱審査ということで、私の方からは、まず、TPPの影響が特に大きいというふうに言われております畜産、酪農の競争力強化に関してお伺いをしていきたい、特に従来の支援の在り方からどう変わっていくのかということ、そしてコスト低減にどう取り組んでいくのかと、この二点に大きく絞って今日はお伺いしていきたいというふうに思っております。
 畜産クラスター事業でございますけれども、これについては一五年度補正予算から基金化がなされまして、基本的には複数年度にわたる事業の実施というのが可能になりました。この基金化については私どもも党として政府にお願いをしてきたところでありまして、現場の皆様にとっても大変うれしい話だなというふうに思っているんですが、実はこれと併せて大きな改変がございます。それは何かというと、機械のリース導入支援事業ですね、これについては、予算執行の在り方自体が根本的に、基本的に変わります。
 まず、これまで独立行政法人農畜産業振興機構、いわゆるALICですね、ALICを通じて事業を行っていたわけでありますけれども、まずALICの関与をなくした。そして、それまでは公募した全国十一の事業実施団体、これを通じて基本的に事業を配分していたわけでありますけれども、これも中央畜産会一団体に絞る。そして、各県に分けた後に、今度は、最後は個々の生産者というよりは、しっかりと地域の畜産クラスター協議会、これを支援の対象とするという形でこの執行の在り方自体が大きく大きく変わったわけであります。
 このまず改変の意義と狙いについてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(今城健晴君) 畜産クラスターについてお尋ねがございました。
 委員御指摘のとおり、畜産クラスター事業の施設導入ではない部分、要するに機械導入事業、これにつきましては二十七年度補正予算から、御指摘のとおり全国十一団体、ALICを経由してですが、さらに、全国十一団体を経由して交付していたというこれまでの仕組みを基金方式とさせていただいたことも踏まえまして、全国一本の中央畜産会・基金管理団体を経由すると。それから、採択に当たって、施設整備等の連携を図るという観点からも、都道府県は関与していただくという交付の仕組みに改めたところでございます。
 この意義ということでございますけれども、十一団体がそれぞれのルートで配分を行っていたということでございますので、それぞれにちょっと細分化されて配分されていたということがございますが、これを一本化することで、全体で見て収益向上の効果を見て、その効果の高い取組から優先的に採択していただくということ、それと、施設整備の採択を行う都道府県が機械導入の採択にも関与するということで、その両者が整合的に採択されるということを狙いとして変えたものでございます。
 これにより、地域の関係者が連携して地域全体で収益向上を図るという畜産クラスター事業の趣旨を一層徹底しまして、畜産、酪農の収益力強化に向けた取組を強力に推進していけると、かように考えているところでございます。
○平木大作君 今御答弁いただいたとおり、基本的にはこの畜産クラスター事業、二つ大きな柱があるわけでありますけれども、施設整備の事業と機械のリースの導入と、この二つをある意味全体観に立って整合的にやっていくためには、やはりこの流れ、執行の在り方自体もそろえていかなきゃいけないんじゃないかということ、そして、より現場に近い県に、県の単位でよりしっかりと現場に近いところで意思決定をしていくということでありまして、大変これは私、大事な改革であるというふうに思っております。
 畜産クラスター事業については本当に各地で好評をいただいている事業であるがゆえに、このやり方を大きく変えていますので、これ、ある意味、今から新しく始まった事業というつもりでまた今の新しい流れの中で円滑に事業ができるように、是非これは御配慮いただきたいなというふうに思っておる次第でございます。
 畜産、酪農でありますけれども、この畜産と酪農を語る上で、やはり生産コストの四割から大体多いところでいくと七割ぐらいを占めていると言われておりますいわゆる飼料費ですね、これをやっぱり語ることなしに競争力強化というのはなかなか議論ができないんじゃないかなというふうに思っておるわけでありまして、政府としては、国産飼料の割合を高めて畜産経営の安定化を図るというふうにしております。
 これ、例えばトウモロコシですとか大豆の油かすですとか、こういった畜産価格が国際的に大変変動してきた、さらには、原油が高騰したときには海上運賃も値上がりしてしまったりあるいは為替の変動に翻弄されたりと、生産現場の皆さんは本当にこういう大きな変動要素に振り回されながら今まで経営をやってきたということでありまして、これはしっかりと国産のものを増やして、この飼料の自給率というものをしっかりと高めて変動要因をならしていくことが大事なことであるというふうに思っています。
 同時に、ただ、これ、ならせばいいかというと、それだけでは済まない。やはりさっき申し上げたように、コストのそもそも半分から多いもので七割ぐらい占めているわけでありますから、これをいかにして低減するかということを併せて並行してやっていく必要があるわけであります。これについて、飼料自給率の向上に取り組みながら、同時に、畜産農家あるいは酪農家の生産コスト低減、どうやって図っていくのか、これをまずお伺いしたいのと、ちょっと併せてお伺いしちゃいたいんですが、先日、衆議院の農林水産委員会の議論の中で、政府の答弁の中に、配合飼料について、これは既に過剰供給や過当競争があると、こういう見解が示された上で、農業分野においては初めて産業競争力強化法五十条に基づく市場調査を実施すると、こういう答弁もあったわけでございます。国内の飼料メーカーに対する今後の施策、これも併せて御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(今城健晴君) 飼料についてお尋ねがございました。
 御指摘のとおり、大家畜経営の生産コストに占めます飼料費の割合というのは、酪農で約五割、肉用牛生産で約四割という高い水準になっております。経営安定のためには、国産飼料の生産、利用の拡大による飼料自給率の向上、重要であると認識しております。
 特に、いわゆる粗飼料、牧草やサイレージなどにつきまして、これは仮に国内でちゃんと生産をしていけば、輸入乾牧草に比べましてコストは約三割ぐらい安価に生産できるというような統計もございます。そういうことも生産コストの低減には有効であると考えております。
 したがいまして、現在、輸入粗飼料への依存度が約七割と高い特に都府県の場合、これを仮に国産粗飼料に代替することができれば、飼料コスト全体約一割、全体の生産コストで四%削減するというような数字もございます。したがいまして、粗飼料の自給率の向上ということに支援をしっかりしてまいりたいと思います。
 それから、二点目でございます。いわゆる配合飼料関係のことでございます。これも飼料費の削減ということには非常に重要な課題と受け止めております。
   〔委員長退席、理事山田修路君着席〕
 現在、我が国の配合飼料製造業界は、家畜飼養頭数の減少等を背景にいたしまして、工場の操業率が低下するなど、若干過剰な供給設備も顕在化しているというようなこともございます。また、配合飼料業界全体の経常利益率は、全体、大手と中小を合わせて約一%程度と非常に低い水準にございまして、過剰供給構造、過当競争という面もあるというふうに考えられております。
 このような状況を踏まえまして、この配合飼料業界、事業再編も視野に入れながら、工場の操業率の向上を通じた製造コストの低減等を促進するという観点から、産業競争力強化法五十条に基づく市場調査の実施ということにも向けまして更に関係者と議論を深めてまいりたいというふうに考えております。
 いずれにしましても、農林水産省としては、自給飼料の生産拡大、配合飼料の安定供給を軸といたしまして、畜産経営の飼料費の低減に努めてまいりたいと考えております。
○平木大作君 今、前段の問い、国産の粗飼料をしっかり増やしていくことによって十分コスト的にもこれは低減にも働いていくし、かつ、変動要因をならしていくことができるんだという答弁、これ大変分かりやすいというふうに今お伺いして思いました。
 後段のところ、ここが若干、私、引っかかっておりまして、実は、質問の翌日でしょうか、三月十日付けの日経新聞で報道がございました。
 これ、報道によりますと、いわゆる飼料メーカーについて、国内には上場企業も含め六十五の飼料メーカー、それから百十五の工場がある、非効率な生産で日本の飼料価格は例えばお隣の韓国よりも一割から二割高いと、こう示されておりました。これ、どれもファクトの話でありますので、恐らく大体正しい数字なのかなというふうに思うわけですが、こういったものを受けて、ただ、今の御答弁にもちょっとありましたけれども、報道の中にはこうも書いてあるんですね。こういう事実を受けて、政府は飼料業界の再編を促し、割高な家畜用の飼料価格引下げにつなげるというふうに報道がなされていまして、私、ちょっとここ首をひねっております。
 本来、業界再編をする、統合する、ある意味これやれば普通価格って下がるんじゃなくて上がるんですね。基本的には価格が下がり過ぎているときにやる、上げるために再編、統合というのをやることになりまして、そういう意味でいくと、業界が過当競争、で、再編してプレーヤーの数を減らす、あるいは今余っている生産設備みたいなものも統廃合していく。結果として、需要に応じたようないわゆる供給体制をつくっていくということでありますから、これ、ある意味、国内で例えばお米の生産調整でやっていることとか、あるいは中国で今鉄鋼でやろうとしていることと基本的には同じでありまして、これやれば価格は上がっちゃうんですね。なので、ちょっとこれ、そもそも記事の書き方だと思うんですけれども、工場の稼働率がいわゆる飼料価格が高い問題の核心であるかのような書き方がしてあって、私は大変違和感を覚えたわけでありますけれども。
 今申し上げたように、ある意味、まだまだ飼料メーカーが乱立していて配合飼料が過剰供給されているのに、小売価格自体は国際価格よりもちょっと割高だなと。これは、ある意味、この事実だけを追っていけば、問題の所在は、工場の稼働率ということよりは、むしろ価格の決まり方だとか流通の在り方自体がやっぱりちょっとおかしいのかなと普通は疑うんだと思うんですね。
 この点、ちょっと通告しておりませんけれども、この調査、何か再編のためにやるということじゃない、ちゃんとこれ、流通の在り方だとか価格の決まり方も含めて業界全体を見ていただくというふうに思っているんですが、この点、御答弁いただけますでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) まず、飼料の問題というのは、大部分がトウモロコシを始め輸入なものですから、外国からの輸送の仕組みがどう今後変わってくるかということもしっかりにらみながら、我々は対応しなければいけないなというふうに思っております。
 恐らく、今後はばら積みの船で運ばれてくるんだろうと思います。ですから、バルク港を国内にどことどことどこに造るかという計画と、飼料工場をどこに置くかということとは非常に大事な関係でございまして、ここが一番やはりコストを下げられる要因ではないかなというふうに考えております。
 ですから、そういうことをにらんで再編をお願いをしていくということが大事なことではないかなというふうに思っておりまして、これは港の整備とも連動するわけでございますので、国交省の御理解もいただいて、バルク港をどこにどう今後整備していくかということの方針も決めて、そこにできるだけ飼料工場を集中させていくということがコストには一番いい影響があるというふうに考えておりまして、そういう将来を見据えながら計画を進めさせていただきたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○平木大作君 今の答弁の中でも、再編を促していきたい的なことがちょっとあったわけでありますけれども、先ほど申しました、この問いの考え方自体、まずはやっぱり飼料価格が変動要因をなるべくならしていく、国内にしっかり持ってくる、そしてそれはコスト低減にもつながるというお話でありました。私も本当にこれはしっかりやっていただきたいと思っております。
 その上で、先ほど申し上げたように、いわゆる再編のところを最初からゴールと考えると、これは、飼料価格にとっては逆向きの動きになってしまう可能性があるわけでありますので、どうやったら下げられるのか。
 先ほどの生産局長からの答弁にもありましたが、一方で、いわゆる飼料の国内の安定供給体制をつくっていくということの中で恐らくこの再編ということをおっしゃっていただいているんだというふうに理解をいたしましたので、そこをしっかり、最終的に、じゃ、ちゃんと総合的に価格下がっていくんだなというところを見据えながら施策を打っていただきたいということを改めてお願いしたいと思います。済みませんでした、通告なしでお伺いをいたしました。
 次の質問に移っていきたいというふうに思います。
 法人化の推進と経営支援の在り方ということで、実は昨年の五月十九日、私が行った質問を、改めて今日同じ質問を行いたいというふうに思っております。
 これ、農業経営の法人化という、日本再興戦略の中で打ち出されまして、平成三十五年、二〇二三年までの十年間で法人経営体数を五万法人にするということを目標として掲げております。ちょうど一昨年行われましたいわゆる実行実現点検会合において、このいわゆる法人化の取組はB評価、進捗が思わしくないという評価がなされていたことを受けまして、当時の現状認識とそれから打ち手について私お伺いしたわけですが、来年度の予算の中にも、法人化、集落営農の組織化支援ということで、今年度に上積みして農業経営力向上支援事業という形で新たに計上されているわけでございますが、これ同じ質問になりますが、現時点での進捗、どうなっているのか。
 あわせて、この目標達成に向けて、農業経営の質の向上促進、こういったものも含めて今後どのような形でこれを取り組んでいくのか、目標達成に向けてどういうところに注力をしていくのか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) お答えいたします。
 農業経営を発展をさせて確実に次世代に継承していく上では、法人化というのは非常に重要な課題であるというふうに考えております。
 今委員が御指摘をされましたとおり、日本再興戦略では三十五年までに五万法人を目指しているわけでございますが、二十五年に閣議決定をされましてから、余り進捗が実は思わしくありません。平成二十六年の法人数は一万五千三百でございまして、平成三十五年に五万法人という目標を達成するためには、法人の増加ペースを加速させていくということが大事なことだと考えております。
 このため、これまでも各都道府県に法人化の相談窓口を設置するなどして法人化の推進体制を整備をしてまいりました。また、法人化のメリットや手続等を分かりやすく整理したパンフレットを作成をいたしまして、大規模家族経営農家等に対しまして周知徹底を図ってきたところでございますが、さらに、二十八年度の予算におきましては、各都道府県ごとに税理士、中小企業診断士等の外部の専門家も参加する法人化の推進体制を整備をさせていただきたいと考えております。また、法人経営の質の向上に向けて、他産業での経験を有する人材に農業法人で活躍してもらう仕組みや、農業法人の従業員のキャリアアップを促していく仕組みづくりを進めてまいりたいと考えております。
   〔理事山田修路君退席、委員長着席〕
 こうした取組を通じまして、農業経営の高度化と法人化を推進をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○平木大作君 今御答弁いただきました。
 一つは、質の向上促進も含めて、これそのものは法人化を促進することではないわけでありますけれども、今御答弁の中にもありましたけれども、法人化していくことのメリットというものを、パンフレットで配るよりも、あそこは法人化して発展しているなというのをやっぱり姿で見せていくということだと思っております。
 そういう意味では、法人化を促していくのと同時に、やっぱりメリットが出るような形で、今御紹介もいただきましたが、他産業での経験を持っている方とマッチングして、より活力あふれる職場にしていくですとか雇用者のキャリアアップにつなげていくですとか、そういった姿を見せていくということを同時にやっていただくことがやっぱり必要だと思っております。
 同時に、私は、これ昨年の質問の中でも指摘をさせていただいたんですけれども、なかなかうまくいかない。最終的に、五万法人ということ自体は絶対的な目標じゃないと思っています。四万八千だったかもしれないけれども、最終的にこれは農業の担い手がしっかりと自立して運営できるようになっていけばいいという話でありますので、まだちょっとオフトラックだと、うまくいっていないところもあるということであったわけですが、大事なのは、いっていないなというときに、昨年質問したときにも、これから鋭意分析していきますみたいな御答弁をいただきました。
 大事なのは、こういう目標をやるときには、よく政府の御答弁の中に、KPIを設定してPDCAサイクルを回していきますというんですけれども、PDCAサイクルというのは基本的にKPIの設定をうまくやっておかないと回らないんですね。昨年さんざんこれ質問の中で言わせていただきましたので割愛いたしますけれども、いわゆる政策を打ったときに、どういう波及、いわゆる経路で政策が及んでいくのかというところの関所関所でサブKPIみたいなものをつくっておかないと、うまくいかなかったなとなってから、じゃ、原因は何だろうといって探っていたら、もう来年度のやっぱりこれは施策につながらないわけでありまして、この途中途中のKPIが足りない。どこが今一番足りないのかというところをリアルタイムで把握しないとやっぱり意味がない。
 昨年の答弁の中で、実は、経営局長の多分答弁だったと思うんですが、例えばということで、大規模な個別経営、売上げが二千万円以上の経営体って実は四万八千ぐらいあるのだと、ある意味、ここにまず働きかけるんだみたいなお話があったんですね。これ本当に指標として正しいものを見ているなというふうに思いまして、じゃ、四万八千のうち、この一年間でどれだけアクセスできて、どういうことを例えば施策として打ったんだけれども結果として法人化できなかったのかとか、あるいはどのくらいできたのかとか、やっぱりそれも一個一個見ていかなきゃいけないというふうに思っております。その意味では、本当にやるべきことをきっちりとこれからもやっていただきたいなということをお願いします。
 法人化が進まないというところは、私もいろんな原因が当然あるんだと思っております。ただ、私も幾つかお話をお伺いした中で、この二つというのはやっぱりいろんな全国の地域で共通で抱えているなというふうに思いましたのは、一つは、これ、じゃ、いざ法人化しようと思っても、いわゆる労働力になってくれる方たちがなかなか確保できないという声がまず一つ。そしてもう一つは、じゃ、農作業のピークに合わせて人をいざ確保して法人化してみたら、今度はいわゆる暇な時期ですね、雪とかに覆われちゃって実際に農作業できないような時期、こういう時期に人が余ってしまって、結果としてこれはなかなか法人として経営がうまくいかないなという、いわゆる繁閑の差を考えると、抱えたくても、あるいは法人化したくてもできないというような声。この二つは人のやりくりにいずれも関わるところだと思っていますけれども、この二つにやっぱりしっかりアプローチしていくことというのがこれから推進していく上で大事じゃないかと思っております。
 その意味では、ちょっと次の質問に移らせていただくんですが、法人化を進めていく意味でも、来年度予算の中に新たに盛り込まれました農業労働力最適活用支援総合対策事業ですか、例えば産地間ですとかあるいは他産業との間で労働力を融通し合ったりと、こういう仕組みをこれからつくりたいということで新たに予算計上をされたというふうに認識をしているんですけれども、これは、今お伺いをしましたいわゆる法人化の取組と本当に相まって一緒にやっていくものだなというふうに思っております。
 本事業の意義と具体的な取組についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(今城健晴君) 農業労働力最適活用支援総合対策事業についてのお尋ねでございます。
 やはり、農村就業者の農村人口の減少あるいは高齢化による労働力不足という中にありまして、産地におきましては、委員御指摘のとおり、収穫等の作業ピーク時あるいは規模拡大に合わせた労働力の確保ということが大きな課題になっているという認識でございます。御指摘のとおり、法人が発展していくに当たっても、労働力が円滑に確保できるということが極めて重要であると考えております。
 このため、来二十八年度予算案におきましてこの事業を仕組んでおりますが、産地において農業労働力の確保を推進する体制というものを産地ごとに整備していただきまして、その体制の下で、産地が必要とするまず労働力の把握、労働力の募集、研修あるいは産地とのマッチング、農作業を受託する事業体を活用した労働力の提供と、こういったことをこの体制の中で融通し合っていただくというような取組を支援していきたいと考えております。
 このように、農作業の分業化、外部化や、あるいは地域内外の労働力の融通ということの仕組みづくり等に取り組むモデルの構築を通じまして、法人化等を念頭に置きました農業労働力を円滑に確保する環境の整備を進めてまいりたいと考えております。
○平木大作君 これ、大変私期待をしております。今御答弁にもいただきましたけれども、各地域ごとに労働力確保戦略センターということで、結局、地域の中で必要な作業ってどんなものかというものを棚卸しして見える化する。その中で、じゃ、何人足りないのかとか、そういったことがだんだん見えてくる。あるいは同時に、地域の農業人材のスキルみたいなもの、当然、高い方、低い方、いろいろいらっしゃるわけでありますけれども、それも見える化してくる。そうすると、これまでですと、いわゆる担い手の皆さんが自分の知り合いの中でとか親戚の中でとか一生懸命声を掛けて集めていた労働力というものをある程度地域の中で融通し合える体制ができてくる。さらには、これが一つ一つ地域の核になってくると、地域の間で、戦略センター同士で情報をやり取りすることによって、今度は地域間でやり取りができると。
 先ほどお伺いをしましたけれども、法人化の取組のボトルネックになっている人の融通の部分、ここに大変効果の高い施策なんじゃないかなというふうに思っている次第でありまして、これ今後に期待したいというふうに思いますので、是非各地域でまずはモデルになるものをつくっていただきたいということをお願いしたいと思います。
 ちょっと時間が押してまいりましたが、次の質問に移りたいと思います。
 次は、輸出の促進と日本食、そして食文化の魅力発信についてお伺いをしたいと思います。
 これ、午前中の質問にもありましたので関連の質問になるかと思うんですが、輸出促進に資する取組ということで、いわゆるJGAP、これも含んだ日本発の食品安全管理規格の活用と、こういうことが今検討されているわけであります。午前中の質疑の中でも、東京オリンピック・パラリンピックの中で、選手村で日本が誇る食材が提供できなくなってしまうんじゃないかと、こういう懸念も示されたわけでございます。
 来年度の予算案の中で、新規で一億五千万程度計上されておりますけれども、これまでも、例えばHACCPを始め、この委員会でもこういったいわゆる規格についてはさんざん議論してきたわけでありますが、輸出入で用いられている国際規格、いろんなものがグローバルスタンダードとして既に確立しているわけですね。
 残念なことに、日本発の規格というのは今のところ、何か世界標準の取れたものはあるかというと、残念ながらないというのが実情でありまして、例えばこのグローバルギャップに関しましても、これ既に百十七か国、十四万の農場で取得をされているというわけでありますので、この段階で日本発のものを何か出していくことの私、ちょっと勝ち目みたいなものがなかなか見えにくいのかなというふうに思っているんですけれども、この新しく取り組む規格の意義と国際的な普及の見込み、これ、是非、グローバルギャップとの比較も踏まえて御答弁をいただけたらと思います。
○大臣政務官(佐藤英道君) 平成二十七年三月に閣議決定されました食料・農業・農村基本計画におきまして、輸出の促進に向けて、国際的な取引にも通用するGAPに関する規格認証の仕組みの構築を推進するということが位置付けられました。これを受けまして、国際的に通用するGAPの規格の検討に向けた取組の支援を行っているところであります。
 現在検討が行われている新たなGAPの規格におきましては、一点目に、我が国主導の規格であることから、農業者やGAPの認証を行う機関の審査員が取り組みやすく、認証取得者の増加が認められること、二つ目に、我が国の法令や指針等の見直しに合わせた規格の改定が容易であること等のメリットが見込まれるところであります。またさらに、国際的に通用する規格にすることを通じて国際的なルール作りに参画することができるよう、影響力の向上につながることなどが期待できると考えております。
 今後は、速やかに規格を策定し、平成二十八年度からの運用開始、平成二十九年度の国際規格化を目指しており、普及拡大に向けて引き続き支援を行ってまいります。
○平木大作君 御答弁いただきました。
 これはお願いでありますけれども、とにかく屋上屋を架すようなことがないようにしっかり作っていただきたい。先ほどもありましたけれども、ロンドン・オリンピック・パラリンピックのときにも同じような問題が起きて、じゃ、ということで自国発の規格を作ったわけでありますけれども、これは、一部報道によりますと、結局のところ、じゃ、オリンピック終わってパラリンピック終わって輸出に使おうと思ったときに、これが余り使えないとなって、このときに食材を提供したいわゆる英国の農家の皆さんはグローバルギャップもう一回取り直したみたいな話が実際にございます。
 そういう意味では、まさにこれしっかりと、そもそも国際的に通用する形で規格を発信していただかないと二度手間にしかなりませんので、ここを改めて強くお願いを申し上げまして、時間が参りましたので、ちょっと大分質問を残してしまいましたが、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 消費税の増税に伴う軽減税率、インボイスの制度について今日はお聞きをいたします。
 それで、まず財務省にお聞きしますけれども、二〇一七年の四月から消費税は八%から一〇%に増税するとしています。同時に、軽減税率が導入されるのに伴って二〇二一年からインボイスを導入しようとしていますが、インボイスというのはどういうものなんでしょうか。
○政府参考人(矢野康治君) お答えを申し上げます。
 適格請求書等保存方式、いわゆるインボイス制度でございますが、複数税率の下におきまして、例えばですが、売手が軽減税率で申告をし、買手は標準税率で仕入れ税額控除をするといった事態が発生しないように、事業者間の相互牽制によりまして適正な税額計算を確保するための仕組みとして導入するものでございます。
 具体的には、売上税額や仕入れ税額につきまして、適格請求書の記載どおりに計算する仕組みでありまして、このため課税事業者のみが適格請求書を発行できる仕組みとするということになっております。そういうものでございます。
○紙智子君 簡潔にはしてほしいと言ったけど、余りにも簡潔過ぎて、ちょっと一回聞いただけじゃよく分からないなという感じがあるんですけど、もうちょっと丁寧に言ってもらえませんか、分かりやすく。
○政府参考人(矢野康治君) かみ砕いてと言ったら失礼でございますが、実業界の方におきましては、仕入れをして、そして卸していく、あるいは消費者に売るという形を取る場合が多いわけですけれども、そのときに、仕入れるときに、今までは一本の税率で仕入れをして一本の税率で売り渡す、これは相手が事業者か消費者かはありますけれども、という形を取っておったわけですが、それが複数の税率になりますために、標準の税率か軽減の税率かいずれかどちらかで仕入れをし、標準の税率か軽減税率かいずれかで売り渡していくという形になりますけれども、その内訳がどうであったのかということが、ほっておくと、ほっておくとと言うとちょっと平易に過ぎますが、分からなくなってしまう。
 そうすると、物すごく平易に言えば、高いものでより多く買って、安いものでたくさん売りましたという形を取れば、それは経費が過大に計上されたり売上げを過小に計上できたりということができ得る、今までの単一税率ではあり得なかったことが起こり得るわけでございますが、そういうことがあってはならないわけでございまして、そういうことを排除するために、これは欧州諸国に幾多の先例がございますけれども、仕入れたものが八のものと一〇のものそれぞれが幾らであり、売ったものの中が八のものと一〇のもの幾らずつであったかということがきちんと明確に分かるように印を残す、そのために存在するものがインボイスでございます。
○紙智子君 少しは分かりやすくなったと思うんですけど、要するに、複数の税率という話がありましたけど、事業者が行っている経理のやり方で消費税率が一〇%、八%という品目ごとに異なるということが出てくることから、適格請求書等保存方式というインボイスを発行して納税額を正確に把握するということですよね、要は。
 農水大臣にお聞きします。
 来年の四月から実施される軽減税率と、二〇二一年から導入されるインボイス制度は、生産者や農林漁業者にどういう影響を与えるでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 紙委員にお答えをいたします。
 まず、軽減税率制度が導入されますと、複数税率に対応した区分経理が求められることになりますので、事務負担が増えることになると思います。さらに、インボイス制度が導入されますと、免税事業者からの仕入れにつきましては仕入れ税額控除ができなくなることから、免税事業者が取引から除外されるのではないかとの懸念の声があるというふうに認識をしております。
 このため、関係省庁と連携をさせていただきまして、制度の周知や相談体制の整備を図ることが大事だと思いますし、農産物流通の実態を踏まえて、農協や卸売市場が請求書を代替発行できるようにするということも大事なことだと考えておりますし、インボイスの導入までに四年間の準備期間を設けることなどによりまして、制度の円滑な導入に努めてまいりたいと考えております。
○紙智子君 事務負担が増えるということをおっしゃいましたし、それから免税事業者がいろいろな、何というんでしょうか、面倒な事態ということもお話しにはなっていると思うんですけれども、農家が生産するのは食料品だけじゃありませんよね。多岐にわたると思います。例えばお米や花などを生産している農家がどうなるかなということなんですけれども。
 それで、ちょっと財務省にもう一度お聞きするんですけれども、例えばチューリップなどの観賞用の花卉を出荷する際に掛かる税率というのは何%になるでしょうか。
○政府参考人(矢野康治君) お答え申し上げます。
 御下問でございますが、今般の税制改正法案におきましては、軽減税率八%の適用対象となる飲食料品につきましては、酒税法に規定する酒類を除きます……
○紙智子君 花のことを先にお願いします。
○政府参考人(矢野康治君) 失礼しました。
 済みません、これは総論を申し上げているんですけれども、要するに、食品表示法に規定する食品という、そのうち酒とかを除くということを申し上げようとしたんですけれども、食品表示法に規定する食品、これが軽減対象でございます。
 軽減税率の適用対象となるか否かにつきましては、更に申しますれば、事業者が商品を販売する時点におきまして、食品表示法に規定する食品、すなわち、人の飲用又は食用に供されるものであるか否かによって判断されることが原則となります。
 一般論として申し上げますと、今御指摘ございましたような食用の花みたいな、花といっても、普通の花は一〇%ですけれども、食用の花もあるではないかという話になってまいりますと、これは人の食用に供するものとして販売時点で販売者の意思をもって販売されているということですので軽減対象、八%ということになりますし、観賞用の花でありますと、これは人の食用に供するものではございませんので、食品ではなく食品表示法の対象外、一〇%の適用ということに相なります。
 いずれにいたしましても、軽減税率の適用対象となるか否かにつきましては、個別具体の取引の態様等を踏まえまして個別に判断をしていただくことになります。その点は御理解をいただきたいと存じます。
○紙智子君 今、聞いたことに物すごくたくさん答えていただいたんですけど、観賞用の花は一〇%ということですよね。次にまた聞くんですから。
 それじゃ、お米なんですが、お米というのは食用に出荷するものもありますけど、飼料用に出荷するお米もあるし、お酒用に出荷するお米もありますよね。いろいろ用途によって使い分けられるわけですけど。
 これ、食用、それから飼料用、それからお酒用、これは税率がどうなるか、それぞれについてお答えください。
○政府参考人(矢野康治君) 一般論として申し上げさせていただきますと、御指摘のような食用の米あるいは酒造用の米、これは人の飲食に供するものとして事業者から販売されます。したがいまして、食品に該当いたしますので、軽減税率の対象、八%という整理になりますし、一方で、飼料用の米は人の食用に供するものとして販売されるものではございませんので、食品には該当せずに軽減税率の対象外、一〇%という区分けになります。
 以上です。
○紙智子君 お酒用は、これ、ちょっと問い合わせたら一〇%というふうに最初答えられたんですけど、今、八%とおっしゃいましたよね。整理されたんですか。
○政府参考人(矢野康治君) お酒そのものは、先ほど冒頭に申し上げさせていただきましたように、食品表示法の中でもお酒は外しているわけですけれど、お酒として販売される時点では軽減対象ではございません。しかしながら、その原材料としてのお米、これは人が口にする食べ物として作られ、卸されという形になりますので、その時点で事業者としては人の食用に供するものという整理ですので、その時点で軽減税率でございます。
○紙智子君 いろいろ聞いていると、すごく複雑なんですよね。
 それで、来年四月からお酒用に係る消費税が一〇%と、最初お聞きしたときそういうふうにおっしゃっていたんですよね。それで、お酒といってもいろいろありますよね。日本酒もあれば焼酎もあるし、それから各地で造られている地ビールもあるし、それからブドウ酒もありますし、ブドウは、ブドウ酒になるものもあるし、ブドウのジュースになったりもするわけですよね。だからいろいろで、そうすると、すごく種類によって違ってくるということでは、経理は複雑になるんじゃないかなというふうに思うわけです。
 それで、今のちょっと例を、実は資料をせっかく出しましたので見ていただきたいんですけれども、軽減税率が与える負担、混乱という方の表を見てください。
 それで、出荷のところを見てほしいんですけれども、食料品なら今説明あったように八%、飼料用、観賞用の花、それから工業用、ペットフーズなんかだと一〇%、酒類は、今いろいろ話があったんですけれども、ちょっと昨日の時点でよく分からなかったのでクエスチョンにしました。
 そこで、来年四月から導入される軽減税率、その後実施されるインボイスによって、農家が行う経理や事務負担が増えて作業時間も増えることになると。場合によっては新たな機材を、いろいろ計算をやるためにも機材を購入しなきゃいけないとか、あるいは人材が必要になるんじゃありませんか。これ、農水大臣にお聞きします。
○政府参考人(奥原正明君) 先ほど大臣からもお答えをいたしましたけれども、この軽減税率制度が導入をされますと、今財務省の答弁にもございましたように、どの品目が八%なのか一〇%なのか、これはやっぱりきちんと確認をして、それに則した経理をするということが必要になってまいります。
 そういう意味で、事務負担は多少増えるということに当然なるかと思いますけれども、これにつきましては、これは農産物だけの話では必ずしもございませんが、財務省、中小企業庁等の関係省庁あるいは業界団体とも連携をいたしまして、この軽減税率制度の周知徹底を図るということ、それから相談窓口をきちんと設置をするということ、それから講習会も実施をいたしますし、巡回指導なり専門家の派遣等のサポート体制の整備もいたします。それから、必要な場合には受発注システムの改修等への支援と、こういったことも予定をしておりまして、制度の円滑な導入に向けて対処してまいりたいと考えております。
○紙智子君 いろいろ今対処していきたいという話なんですけど、やっぱり事務量は増えるということですよね。事務量は増えるし、やっぱり人材も必要になるんじゃないかと。そこは、ちょっと確認しますけど、そうですよね。
○政府参考人(奥原正明君) 定量的にどのくらいかということをはじいているわけではございませんが、従来に比べて手間は掛かるというのは事実だと思います。
○紙智子君 そこで、もう一度今の表を見てほしいんですね。
 仕入れのところなんですけれども、種子、肥料、燃料、それからこん包するための材料など、仕入れには一〇%の消費税が掛かります。次に出荷のところを見てほしいんですけれども、食料品は八%と。農家は自分で販売価格を決めるのは困難ですから、消費税を価格に転嫁できるかどうかということが出てくるわけです。仕入れ段階で、今まで八%だったのが一〇%に上がると。つまり、消費税率が二%上がった費用を価格に転嫁できなければ、農家の手取りが減少するんじゃありませんかね。これ、農水大臣にお聞きします。
○国務大臣(森山裕君) 転嫁できなければ紙委員おっしゃるとおりだと思いますが、免税事業者であっても、仕入れや諸経費の支払において消費税を負担をしておりますので、この分は転嫁をする必要があります。したがって、取引先が免税事業者であることを理由に消費税の転嫁を拒む場合は消費税転嫁対策特別措置法の転嫁拒否に該当することになりますので、このような場合には、内閣府や農林水産省の転嫁等相談窓口に通報していただければ、消費税転嫁対策特別措置法に基づいて、消費税の転嫁を拒む事業者に対して、調査、指導等を行い、改善を求めることになると考えております。
 いずれにいたしましても、必要な消費税の転嫁が円滑にできるように十分留意していくということが大事なことであろうと思います。
○紙智子君 なかなかちょっと伝わりづらいかなと思うんですけど。
 昨年の米価は生産費を大きく落ち込んで赤字だったわけですよね。収入は減っているのに、アベノミクスで生産コストや仕入れの価格は増えていると。消費税を一〇%に引き上げて増税分を価格に転嫁できなければ、ますます農家の手取りが減る可能性があると。ですから、そのやっぱり現実ですね、現実をよくつかんで、本来だったらもっと実効性のある支援策が必要だというふうに思います。
 それから、もう一度財務省にお聞きいたします。
 事業者免税点制度というのがありますが、これはどういう制度なんでしょうか。
○政府参考人(矢野康治君) 事業者免税点制度につきましてですけれども、中小事業者の事務負担に配慮するという観点から、前々年又は前年度の課税売上額が一千万円以下の事業者につきまして、消費税を納める義務を免除する制度でございます。
○紙智子君 課税の売上高が一千万円以下の事業者は消費税の納税を免除する、小規模な事業者の事務負担や税務執行コストを軽減するという制度だというふうに理解しています。
 それで、次に、仕入れ税額控除なんですけれども、課税事業者が売上げに掛かったとされる消費税額から仕入れに掛かった消費税額を差し引いて納税額を決める仕組みですよね。
 それで、財務省にお聞きしますけれども、インボイス制度の導入で、取引先が仕入れ税額の控除を利用するためには農家にインボイスを発行してもらう必要があるということになるんでしょうか。
○政府参考人(矢野康治君) 適格請求書等保存方式、いわゆるインボイス制度につきましては、売上税額や仕入れ税額につきまして適格請求書の記載どおりに計算をしていただく必要がありますので、課税事業者のみが適格請求書を発行できる仕組みということになってまいりますので、したがいまして、御指摘のとおりでございます。
○紙智子君 ということは、取引先が仕入れ税額控除をやりたいときには農家にインボイスを発行してもらうことになるということですよね。
○政府参考人(矢野康治君) 基本的にはそのような形になりますけれども、ただ、農業に関しましては、農家の方が農協を通じて農産物を販売する場合につきましては、農協はどの農家が生産したものであるかということを区別することなく農産物を取りまとめて販売をしておられますので、農家が自ら生産した農産物の買手を特定していわゆるインボイスをお渡しするということができませんので、そういう流通プロセスの問題があること等を踏まえまして、農協が発行した請求書等の保存があれば、買手側、買い取った側は仕入れ税額控除ができるということで、個々の農家が発行する必要を免じているということになっております。
○紙智子君 ちょっと農協の話はまた後でやりますから。先へ先へと行っちゃう。
 それで、仕入れ税額控除の要件ですけれども、現行の制度では、免税事業者からの仕入れ税額控除というのは現行では可能になっているんだけれども、インボイスを導入した後は免税事業者からの仕入れ税額控除というのは不可能になっていますよね。
 それで、農水省から免税事業者の数をお聞きしております。二〇一〇年の農林業センサスの集計ですけれども、農業者数百六十八万人、課税業者はそのうち約十三万人ですから、免税事業者というのは約百五十五万人、農業者全体の九二・一%が免税業者ということになっています。それで、インボイス制度が導入されたら、全国に百五十五万人もいる免税事業者がどうなるのかと。
 その表のもう一枚目のところを、資料を見てほしいんですけれども、インボイスを発行できるのはという表示の資料ですけれども、上段の方を見てください。仕入れ税額控除を利用する取引先からはインボイスの発行を求められると。そうすると、免税事業者であるのをやめて課税事業者にならなきゃいけないというふうに思う人たちも出てくると。
 次に、図の下の方を見てください。免税事業者であり続けるということになるとインボイスを発行できないので、取引先からは仕入れ税額控除ができないと言われて、商品取引を断られる。小売店だけでなくて、直売所や道の駅においても商品取引から排除される可能性があるんじゃないか。
 こういうことが起こり得るんじゃないですか、農水大臣。
○政府参考人(奥原正明君) 今財務省からもお答えがございましたが、このインボイス制度が導入をされますと、免税事業者からの仕入れにつきましては仕入れ税額控除ができないということに基本的になってまいります。そういう観点で、今先生から御指摘ございましたように、免税事業者が取引上不利になるのではないかと、こういう懸念の声があることは承知をしております。
 しかしながら、免税事業者の方が消費者に直接農産物を販売する場合、要するにこの場合は、この図でいきますと、取引先のところが消費者でございますので、仕入れ税額控除を適用するという場面がございませんので、特段の不都合はございません。それから、取引の相手方が簡易課税の事業者ですとか免税事業者の場合には、この仕入れ税額控除の問題が発生をしないと、こういうことがまずございます。
 それ以外のケース、例えば免税事業者の農家の方が小売業者に直接売るですとか、あるいは外食産業あるいは食品メーカーに直接売るということになりますとこういう議論は出てまいりますけれども、そこにつきまして今般の税制改正法案の中では、免税事業者が農協に委託をして農産物を販売する場合、ここにつきましては、農協などが代替発行した請求書によって相手方の方が税額控除ができるという仕組みを作っているところでございます。
 それからさらに、軽減税率の導入からインボイス制度の導入まで四年間の準備期間がまず設けられております。しかも、このインボイス制度が導入されてから六年間の間は、免税事業者からの仕入れ額に係る消費税相当額の一定割合を控除できるという経過措置が設けられております。最初の三年間は八〇%相当の控除が可能で、その後の三年間は五〇%の控除が可能でございます。四年間の準備期間があって、その後、六年間は経過措置でございますので、合わせますと十年間の間は免税事業者の方は、自分の経営を考慮して課税事業者を選択するかどうか、こういったことを判断できる、こういった時間があるわけでございます。
 いずれにいたしましても、農林水産省といたしましては、現場が混乱しないように相談体制の整備、あるいは制度の周知徹底、これに努めてまいりたいと考えております。
○紙智子君 取引先がJAなら問題ないということで、JAが七割だとしても、JAがインボイスを代理発行するだけですから、JAの事務負担は膨大になるということがあるわけですよね。それから、JAと取引していない農家もあるわけですよ。そういうところは影響を受けることになるというふうに思います。
 免税事業者が商品取引から排除される可能性についてあるんじゃないかと聞いたんだけれども、今のいろいろとそうならない対策という話はあったんですけど、排除される可能性は絶対ないと断言できるんでしょうか、農水大臣。
○政府参考人(奥原正明君) まずJAの負担の方でございますが、現在でもこういった仕事はJAではやっているわけでございます。今後も、このインボイス制度が導入された後もそれと同じことが基本的にはできるということでございますので、今回の制度に伴って追加的に事務負担が特に大きくなるということではないのではないかなというふうに思っております。
 それからもう一つ、農協に委託しないで免税事業者の農家の方が直接販売するというケースは、これは一定程度あるわけでございます。先ほど申し上げましたように、この方々が直接消費者に売っている場合、例えば直売所ですとか道の駅、あるいは産直で直接宅急便で送る場合も含めて消費者に売る場合には、この仕入れ税額控除の問題はそもそもございませんので、そうしますと、免税事業者の方が今度取引先の方から相手にされるかどうか、こういう議論が起こってくるのは、農家の方が、小売業者の方、あるいは外食メーカーの方、あるいは食品メーカーの方、こういったところに販売する場合に限られてくると、こういうことになります。
 これは、センサスの調査の結果によりますと、小売業者ですとかあるいは食品メーカー、外食産業のところの数字で大体一割弱といった形になっておりますので、この一割弱のところにつきましては、十年間の経過期間の間に課税事業者を選択するかどうかよく検討していただくと、こういうことだと思っております。
○紙智子君 断言できるんですかと聞いたわけですけど、やっぱりそういう影響が可能性としては残っているということですよね。絶対そんなことはあり得ないと言えないわけですよね、そこは。確認しておきたいと思います。
 それで、この制度というのは、品目ごとに税率や税額や事業者番号を記載する必要があると。農家は複雑な経理が求められて事務が膨大になります。免税事業者であり続けるならば取引先の商品取引から排除される可能性もあると、こういう混乱が発生するということを非常に懸念に思っているわけです。
 それで、改めて聞きますけれども、軽減税率というのは小規模事業者や農家にとっては恩恵があるんでしょうか。
○委員長(若林健太君) 質疑時間が来ておりますので、簡潔にお答えを。
○政府参考人(奥原正明君) 軽減税率制度は、これは農業の観点というよりも、税制そのものの問題として検討されて導入をされるということになったものと考えておりますので、そういう観点の議論は特にしておりません。
○紙智子君 この後また続きをやります。
 終わります。
○儀間光男君 最終バッターでありますから、残り時間をどうぞお付き合いください。
 今日は二十八年度の予算関連の委嘱審査ということで、予算から少しやっていきたいと思います。
 まずは、外国漁船操業対策費。二十八年度予算で外国船の操業対策費として百五十八億余が計上されております。その背景には、外国漁船の違法操業が頻繁にある、あるいは可能性もいっぱいある、増える可能性があるというようなことが容易に想定されるわけですが、あらかじめまず最初に、その実態について明らかにしてほしいし、併せて、違法操業を取り締まっている現況をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) 漁業取締りでございますが、大ざっぱに申し上げますと、我が国の水産庁では、監視船といいますか、取締り船は四十四隻ございます。この四十四隻で我が国の水域について取り締まっておりまして、大体年間で二十隻ぐらいの拿捕が行われているといったような状況になっているところでございます。
○儀間光男君 違法操業といえば記憶に新しいのが小笠原に出没した、あれ、襲来と言っていいんでしょうかね、襲ったと言っていいんでしょうか、中国のサンゴ船が問題になったわけでありますが、その後、外国船による違法操業が繰り返されている実態がございます。
 特に、南西沖縄海域、そうなんですが、さきに私ども沖縄及び北方問題特別委員会で委員派遣で沖縄県に着いた折に、石垣、八重山地方に行ったんですが、特に与那国町の外間町長から要請の中で、久部良漁港を取締り船の停泊港としての整備をしてほしいという話があって、伝わったと思いますが、どうお考えかを伺いたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 今、私どもの漁業取締り船は、那覇港、糸満漁港、石垣港を利用させていただいております。
 委員御指摘の与那国島の久部良漁港の整備につきましては、現在、管理者である沖縄県が、周辺水域で活動する漁業取締り船による漁港等の利用の実態や、取締り船が久部良漁港を利用する際に必要となる泊地や岸壁の水深等の技術的課題について平成二十六年度より必要な調査を進めておられると承知をいたしておりますので、農林水産省といたしましては、沖縄県での検討状況を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。
○儀間光男君 特に、大臣、この海域は、御承知のとおりでありますが、日台漁業取決めあるいは日中漁業協定、日台取決めの中にはありませんが日中漁業協定の中にあって、この辺は頻繁に違法操業が行われる。台湾船、中国船、韓国船もあるかどうかは聞き及んでおりませんが、こういうことでかなりの違法操業があって、沖縄県としても、今大臣がおっしゃった三つの港ではなしに、どうしてもやはり先島一帯を集中的に取り締まる船が必要だということをしておって、今いろんな条件整備でやっているようでありますけれど、政府として、この海域、全国で四十四隻あると言いましたが、この海域は大体何隻、何杯ぐらいで取締りを行っているか、その状況をお伝えいただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 今先生の方から御指摘ございました沖縄周辺水域での取締りでございますが、平成二十六年に那覇市に水産庁・沖縄総合事務局外国漁船合同対策本部を設置いたしまして、漁業取締り船についても六隻を配置いたしまして取締りの強化を図っているところでございます。さらに、四月以降のマグロの盛漁期におきましては、他の海域からも漁業取締り船を増派いたしまして、集中取締りを実施しているところでございます。なお、二十五年度以降、ここにつきまして、八隻の台湾のはえ縄漁船を拿捕したところでございます。今後とも、拿捕を含む取締りを徹底して、台湾漁船の違法操業の根絶に全力を挙げていきたいと、このように考えてございます。
 また、訂正させていただきますが、先ほど私、二十件ほど国全体で拿捕の件数があると申し上げたんですが、二十七年度では十二隻と、こういうような結果になっているところでございます。訂正させていただきます。
○儀間光男君 ここは台湾漁船だけの実績ですか、ほかにはなくて台湾だけですね。
○政府参考人(佐藤一雄君) 台湾はえ縄漁船の実績でございます。
○儀間光男君 せっかく日台漁業協定でもって両国が安全で仲よく操業する法令適用除外水域を設けてそこでやりなさいということをサービスしてやっておるのに、それ以外で違法操業する。
 拿捕してみて、その人たちの何か言い訳みたいな、理由みたいなのを聴取しておりますか。しておれば聞きたいと思うんですが。なぜ違法操業したのか、海域があるのに。
○政府参考人(佐藤一雄君) 先ほど申し上げましたが、台湾のはえ縄については、平成二十五年度以降、八隻の拿捕をしているところでございまして、拿捕の実態でございますが、今先生おっしゃったように、この取決め区域から外れたところで拿捕しておるといったような状況になっておりまして、これについては、違法操業した者にいろんな事情はあるかと思いますが、具体的なものにつきましてはちょっと十分把握しておりませんので、答弁は差し控えさせていただきたいと、このように思っております。
○儀間光男君 その理由がよく分からないとおっしゃるのだったら仕方がないんですが、できたら、拿捕した段階で、君たち、何で法律を犯してこんなところへ来るのよと、適用除外された水域もあるのに、向こうへ行ってやりなさいよと、何で来たのぐらいは聞いておいた方がいいと思いますよ。
○政府参考人(佐藤一雄君) 先ほどお答えしたわけでございますが、まさに私ども、この適用水域外のところで取締りもやっておりまして、時々、ここの海域につきましては、適用水域以外のところでございますが、ほかの海域に行くということで、よく台湾や何かの船が通っていくというようなことがございまして、その船に対しましては、まさに今先生おっしゃったように、我が国の領域での漁業は禁止されておるといったようなことを放送したりして、できるだけこういうものについて未然に防ぐといったようなことで対応を取っているところでございます。
○儀間光男君 それは分かったけど、私が言ったのは、拿捕した、つまり台湾の漁民から、何でおまえたち違法操業やっているんだと、適用除外された海域には入らないのかというようなこと等も分かればいいなと思ったんです。
 理由は、宮古、八重山の漁民に会っていると、向こうのなまりでよく出るんですが、何でかねと言うんですね、何でこんなところに来たのかねと。訳があるのかねと。こんなようなことをよく聞かれるんですが、いや、訳分かりませんから水産庁で聞いてみましょうというような話を日常会話としてあるんですね。それで聞いたんですが、よく分かりませんともう一度言っておきます。
 さて、今、六隻で沖縄海域、南西海域をパトロールしているというようなお話がありましたが、地元与那国町長辺り、あるいはそちらの八重山の関係漁民から聞いていますというと、六隻の船がローテーションを組んで回るんだそうですけど、その船がローテーションを組む間、取締り船が、間にもう狙ったように、狙い澄まして入ってくるというんですね。そして、時としてトロールを行ったりするというようなことなので、一杯でもあるいは石垣港に停泊する船があるならば、与那国に一泊停泊できるような状態になれば、違法操業をしている台湾漁船その他の外国漁船に対してのプレッシャーとなって減っていくのではないか、ゼロとは言いませんが、ゼロに限りなく近くなっていくのではないのかと。そのためには、やはり先島地域の漁民の安全な操業に寄与することがあることであるから、是非とも久部良を停泊港にしていただきたいと。
 そんなようなことでありましたから、どうぞ、私も沖縄県に申し上げますけれども、皆さんの方からも沖縄県を督励して、早めにやって久部良に停泊できるように、沖縄しっかりやれと言ってほしいと思うのですが、言ってくれますか。
○政府参考人(佐藤一雄君) 先ほど申し上げましたように、しっかりと私ども取締りというものを行っていかなきゃいかぬかと思っておりまして、先生御案内のように、今、那覇市に水産庁・沖縄総合事務局の外国漁船の合同対策本部、こういったものを設置させていただいておるところでございます。
 また、この件につきましては、十分、沖縄県あるいは沖縄の漁業者の皆さんとよく相談しながら、また、先生今おっしゃいましたように、取締りの仕方についてもいろいろな方法があるかと思っておりまして、できるだけしっかり安心感が出るような取締りといったことで頑張っていきたいと思っておるところでございます。
 それと、先ほど、なぜこの海域で違法操業が起こるかといったことでございますが、まず一義的に言えるのは、非常にここについてはクロマグロの好漁場でございますので、そうしたことからやはり違反操業ということが起こってきているのではないかと思っております。先ほど申し上げました、これまで八隻の台湾漁船を拿捕してございますが、これは全て無許可営業ということであります。
 以上でございます。
○儀間光男君 ありがとうございました。
 時間も関係ありますから次へ行きますけれども、取締り船をもっともっと強化するためには、最新鋭の漁業取締り船を用船するとあるんですが、建造じゃなしに用船ですか。
○政府参考人(佐藤一雄君) 四十四隻の取締り船があるんですが、そのうち、今先生御質問がございました、用船といって、船を借りてやっておるわけでございまして、それが三十七隻ほどございます。
○儀間光男君 それもまた支援船を用船して、私はこれ沖縄海域かと思ったらそうでもないようですけれども、また次の機会でやりたいと思います。
 次に、TPP関連の牛肉について少しお話をさせて、聞かせていただきますが。
 TPP大筋合意の中で、特に肉の関税関係については十六年間の猶予期間を置いて少しずつ関税率を下げていって、最終年度、十六年後は九%にするんだと、その中で折々に触れて必要ならばセーフガードをしっかり発動して対応していくんだというようなことで、一応経過を見ながらしか評価をしていけないと思うんですが、政策らしきものが打たれていることについてはある程度の評価をしたいと思います。
 そこで、いわゆる市場競争になったときの国内産牛肉と外国産牛肉の市場競争にちょっと目を向けたいと思うんですが、我が国の肉は非常に良質な肉で、いろいろ分類があるんですね。
 等級でA、B、Cとありますし、それは肉の質の歩留りをA、B、Cに分けてあるんですが、さらには、肉の等級を決めるためには、脂肪交雑、つまりサシの入り具合、それから肉の色沢、つまり色具合、さらには肉の締まりときめの細かさ、あるいは脂肪の色とその質、この四項目で分けて、等級AからB、Cあって、その区分はもっとあるんですが、ここでは脂肪交雑、つまりサシの入り具合のものだけを取って、Aランクだけを取ってやっていきたいと思うんですが。
 サシの入り具合については等級が1から12まであるんですね。それは、肉のマーブリング・スタンダードで決めて判定していくようでありますが、1から5までランクがあって、さらに1から12のビーフ・マーブリング・スタンダードのランクがあって、等級の1から5までのランクがあるんですが、その中において、特に私ここで等級の規格を表示したものを言いたいんでありますが、まず等級の1というのはいわゆる赤肉のまま、サシが入らないやつ、それから2は標準に準ずるもの、3は標準である、4はややサシが多いもの、5がかなり多いものと。かなり多いものは上質と言われているんでしょうけど。ナンバー8から12までを等級5とする、それからナンバー5から7は4、3から4が3、2は2、1は1と、サシの入らない順になるんですが。
 ここでちょっと聞きたいのは、日本の畜産技術、飼育技術では、A3、A4、A5、これ、非常に技術が高くてよく産出すると言われているんですね。その中で、日本国民がよく消費しているランクはどこかというと、Aの2とAの3、ここに食卓は集中するというんですね。そこで、それを知ったアメリカやオーストラリア、ニュージーランドの畜産農家の牛農家は、日本の市場を狙うにはA2とA3、この二つを主に市場へ出すんだということのようでありますが、こうなると、恐らく日本の多くの国民が食用に供しているA2とA3、ここは市場で熾烈な戦いになると思うんですね。
 そういうことが予想されるこのTPPの後の話ですが、どうお考えになって、どう対策を立てようとしているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○大臣政務官(佐藤英道君) 委員御指摘のとおり、国内で消費されている牛肉につきましては、品質的に2等級以下が中心とみなされる輸入牛肉と3等級以下の国産牛肉の量の合計が全体の約九割を占めているところであります。
 TPPによる牛肉への影響につきましては、十六年目に最終税率を九%とする長期の関税削減期間を措置していることなどから、当面は輸入の急増は見込み難いと考えておりますが、御指摘のように、長期的には輸入牛肉と競合する乳用種を中心に、3等級以下の牛肉の価格の下落も懸念されるところでございます。
 このために、昨年十一月に政策大綱を決定し、生産コストの低減などの体質強化対策と併せて、セーフティーネットとしての経営安定対策の充実強化を図ることとしたところであります。具体的には、畜産クラスター事業を強化し、乳用種の育成、肥育経営の一貫化や肥育期間の縮減、生産コストの低減などの取組を支援し、受精卵移植の計画的な活用による乳用種等から付加価値の高い肉専用種への生産転換を推進するほか、牛マル緊について補填率を引き上げ、法制化するなどの充実強化を図ることとしているところであります。
 今後も、こうした同大綱を踏まえまして、必要な財源を確保しつつ、我が国の畜産業の再生産が確保できるよう、体質強化対策や経営安定対策を適切に実施してまいりたいと考えております。
○儀間光男君 関税対策は、さっきも申し上げたように、施策が打たれておりますから、その推移を注視していくお話をしましたけれども、問題は、現実的に市場でもってA2、A3が競争が激化したときに、今おっしゃるだけではなかなか僕は大変だと思いますし、先ほど平木委員からもあったコストの問題等々も含めて、ここは農家と、いわゆる官民合わさった、企業も含めて、六次産業化の、さっきありましたが、それを相当強化していかぬと駄目だと思うんですね。そこへの施策を積極的に展開する。今、やるような気合があって、そうおっしゃっていましたけれども、それを徹底してやっていかぬと、ここが競争が激化して、この部分、日本の国産品が落ちていくということは日本の自給率も低くなっていくということですから、これはあってはいけないし、その分、じゃ、輸出する中で補っていけるかというと、それもよく分からない。それならば徹底して法人化し、あるいは法人化する中で各農家を網羅して、牛の供給を網羅して、農家が採算が合うような商業ベースで販路を拡大していくというようなことをしないといかぬと思うんですが、その辺、どういう感触をお持ちか、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) まず、私は、和牛とアメリカの牛肉、オーストラリアの牛肉とは基本的に違うのだと思っております。ですから、和牛のAの3とアメリカの牛肉のAの3とは基本的に違うものであるという認識を私は持っております。これは、やはり我が国の生産者が長年にわたって育種改良を重ねてきて、世界で御評価をいただけるような牛肉になっているのが和牛であるというふうに思いますし、これは大変な努力があったんだなというふうに思いますから、ここはやっぱりしっかりと和牛を守り、そしてその良さをしっかりPRしていくということが大事なことだなというふうに思っておりまして、今現場においては、サシの入り具合だけで牛肉のランクを決めるのではなくて、オレイン酸がどれぐらい含まれているかもしっかり見ようではないかというのが近年の牛肉に対する評価の動きであるというふうに思いますので、そのことをしっかりと重ねていくということが大事なことではないかなというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、和牛はほかの国の牛肉とは違うという基本認識を持ってしっかりPRをして、世界の皆さんに食べていただける、評価をしていただける和牛として育てていくということが大事なことだと思いますので、今申し上げましたとおり、いろんな試みが始まっておりますので、さらに和牛というのは世界の牛肉の世界でリードしていけるだろうというふうに考えております。
○儀間光男君 ありがとうございました。
 時間がなくなって、もう収めに掛からなきゃなりませんが。
 大臣の御地元の鹿児島県、野村先生もそうですが、非常に先進的なことをやっておって、四月一日から、牛肉農家やあるいは外食、輸出に活路を見出す商社やメーカーなどを併せて、カミチクが中心になって、いろいろ四月一日から法人化でスタートしようとしておりますね。ああいうことが絶対これから必要だと思うんですが、現時点でそのタイプの法人が幾法人ぐらいあるのか、お答えいただけますか。
○委員長(若林健太君) 時間が来ていますので、簡潔にお答えを。
○政府参考人(今城健晴君) 御指摘のカミチクにつきましては、地元の資本の関係が協力をされまして非常に大規模な経営ということでございますが、済みません、ちょっと手元に、日本全国でどれぐらいの経営があるかというのはただいま把握しておりませんので、後ほどお調べして。
○政府参考人(櫻庭英悦君) 補足させていただきます。
 A―FIVEの出資した、先ほど委員御指摘のようなカミチクのような大きなタイプではございませんけれども、ハム、ソーセージを作ったり、六次産業に取り組んでいる出資案件は二十五件でございます。
○委員長(若林健太君) 時間が来ておりますので、まとめてください。
○儀間光男君 はい。
 二、三の質問を飛ばしましたけど、次にやりたいと思います。この続きも次またやりたいと思いますから、よろしくお願いします。ありがとうございました。
○委員長(若林健太君) 以上をもちまして、平成二十八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(若林健太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十二分散会