第190回国会 予算委員会 第3号
平成二十八年一月十八日(月曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 一月十五日
    辞任         補欠選任
     片山さつき君     山田 修路君
     武見 敬三君     大沼みずほ君
     豊田 俊郎君     大野 泰正君
     長峯  誠君     三木  亨君
     宮本 周司君     島田 三郎君
     石橋 通宏君     西村まさみ君
     大塚 耕平君     石上 俊雄君
     藤田 幸久君     相原久美子君
     水野 賢一君     大久保 勉君
     矢倉 克夫君     竹谷とし子君
     山口 和之君     山田 太郎君
    薬師寺みちよ君     中西 健治君
 一月十八日
    辞任         補欠選任
     山田 修路君     羽生田 俊君
     森本 真治君     神本美恵子君
     石川 博崇君    佐々木さやか君
     井上 哲士君     小池  晃君
     東   徹君     藤巻 健史君
     平野 達男君     荒井 広幸君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  宏一君
    理 事
                石井 準一君
                宇都 隆史君
                岡田  広君
                高橋 克法君
                二之湯武史君
                堀井  巌君
                長浜 博行君
                野田 国義君
                山本 香苗君
    委 員
                愛知 治郎君
                赤池 誠章君
                井上 義行君
                猪口 邦子君
                大沼みずほ君
                大野 泰正君
                古賀友一郎君
                島田 三郎君
                島村  大君
                高野光二郎君
                羽生田 俊君
                三木  亨君
                三宅 伸吾君
                山下 雄平君
                山田 修路君
                相原久美子君
                石上 俊雄君
                大久保 勉君
                風間 直樹君
                神本美恵子君
                田中 直紀君
                西村まさみ君
                広田  一君
                森本 真治君
                石川 博崇君
                河野 義博君
               佐々木さやか君
                竹谷とし子君
                小池  晃君
                辰巳孝太郎君
                川田 龍平君
                山田 太郎君
                東   徹君
                片山虎之助君
                藤巻 健史君
                中山 恭子君
                中西 健治君
                福島みずほ君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣     高市 早苗君
       法務大臣     岩城 光英君
       外務大臣     岸田 文雄君
       文部科学大臣
       国務大臣     馳   浩君
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
       農林水産大臣   森山  裕君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  林  幹雄君
       国土交通大臣
       国務大臣     石井 啓一君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     丸川 珠代君
       防衛大臣     中谷  元君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (復興大臣)   高木  毅君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       規制改革、防災
       ))       河野 太郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    甘利  明君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(国家戦
       略特別区域))  石破  茂君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、科
       学技術政策、宇
       宙政策))    島尻安伊子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策、男女共同
       参画))     加藤 勝信君
       国務大臣     遠藤 利明君
   副大臣
       財務副大臣    岡田 直樹君
        ─────
       会計検査院長   河戸 光彦君
        ─────
   政府特別補佐人
       人事院総裁    一宮なほみ君
       内閣法制局長官  横畠 裕介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 亮治君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       澁谷 和久君
       内閣官房内閣審
       議官       大島 一博君
       内閣官房内閣審
       議官       坪井  裕君
       内閣官房内閣人
       事局人事政策統
       括官       若生 俊彦君
       厚生労働省医政
       局長       神田 裕二君
       厚生労働省健康
       局長       福島 靖正君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局長  中垣 英明君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       香取 照幸君
       厚生労働省政策
       統括官      武田 俊彦君
       防衛省防衛政策
       局長       前田  哲君
       防衛装備庁長官
       官房審議官    石川 正樹君
       防衛装備庁装備
       政策部長     堀地  徹君
   参考人
       日本銀行総裁   黒田 東彦君
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  本日の会議に付した案件
○平成二十七年度一般会計補正予算(第1号)(
 内閣提出、衆議院送付)
○平成二十七年度特別会計補正予算(特第1号)
 (内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成二十七年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十七年度特別会計補正予算(特第1号)、以上二案を一括して議題とし、去る十五日に引き続き質疑を行います。宇都隆史君。
○宇都隆史君 おはようございます。自由民主党の宇都隆史です。先週金曜日に引き続いて質問を続けさせていただきます。どうぞ本日も一日よろしくお願い申し上げます。
 ちょっとパネルを出してください。(資料提示)先週のちょっとレビューをしてみたいんですが、先週の金曜日ですね、安倍総理及び閣僚の大臣の皆様方に対して、安倍政権における外交、安全保障という切り口からいろんなお話、質問をさせていただきました。
 その中で、総理が総理に就任して間もない頃に提案をされた英文での論文のセキュリティ・ダイヤモンド構想、ここからお話を始めたわけなんです。外交は、一対一の国の関係だけではなく、より広く地球儀を俯瞰するように見て、多国間の関係、あるいは多角的な視点、あるいは地政学に基づき、あるいは戦略的に進めることの重要性というのを総理の方から御答弁いただきました。
 また、この地図の中の頂点にありますそれぞれの国、我が国の最大の同盟国であるアメリカ合衆国、また今潜水艦の技術提供をめぐって話が進んでいるオーストラリア、あるいはインド等との関係と、その中に含まれたASEAN諸国、これらの外交の推進に関するお話をいただいたわけです。
 そんな中、昨日、ちょうどこのダイヤモンドの中にあり、また我が国の安全保障にとっても非常に重要な地政学的なポイントを占める台湾において総統選挙が行われまして、歴史上初の女性の、しかも野党の民進党の蔡英文さんが誕生したということで、政府としましては、早速岸田外務大臣の方から祝意を述べられたというふうに伺っておりますけれども、総理、改めてこの総統選挙に対する結果に対して、日本の総理大臣としての見解をお願いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 台湾は日本の古くからの友人であります。自由な言論の上に選挙によってリーダーを決める。総統選挙は台湾の自由と民主主義のあかしであると考えます。
 今回の総統選挙によって蔡英文主席が勝利を得られました。改めて蔡英文主席の勝利に対して心から祝意を表明したいと思います。
 今後、日本と台湾の協力、人的交流が更に進んでいくことを期待しております。
○宇都隆史君 総理、ありがとうございました。
 この新しい台湾の政権との、また日本との新たな関係を構築していくこと、この地域にとって非常に重要なことであろうと思います。
 蔡英文新総統もおっしゃっていますが、この日台関係というのは、現状を維持しつつ、非常に安定した地域づくりを目指したいという方向性は表にされておりますので、我が国と早期に強いきずなをつくれるような外交関係を進めていっていただけたらというふうに思います。
 さて、先日は、このセキュリティ・ダイヤモンドに関連して、このダイヤモンドの中で、ではウイークな部分、弱いところと言ってはどこなんだろうかという話の中から、それは朝鮮半島なんではないだろうかという私なりの考え方をお話をさせていただき、朝鮮半島の安定のために我が国の外交をいかに推進していくかというところに話を進めてまいりました。
 北朝鮮の話をして、そして韓国との関係、日韓関係、あるいは、もっと言えば日米韓関係をどうやって強固にしていくか、ここが重要になるであろうというお話の中から、昨年の末に行われました日韓のいわゆる慰安婦問題に関する最終合意、これが非常に重たい総理としての政治的決断だったのであろうというお話をしましたが、早速、いわゆる慰安婦問題に関する日韓の最終合意関連に関しての質疑に入らせていただきたいと思います。
 まず、昨年の末のことでございまして、もう国会も閉じている中で、少し私としては唐突感といいますか、日韓の五十周年という、もう切れる、この年内に合意をしなければならないということで、急な決心であったなという感じを否めませんでした。
 また、ちょうど国民に対して新たなまた消費税の増税が加わるという中で、十億円という非常に大きなお金の支出が伴うということで、国民の皆さんにとっても、果たしてこの決心がいかなるものに基づいた、情報に基づいた決心だったんだろうというところはもう少し説明の必要があろうかと思いまして、今回いろいろ考えましたが、質問の中に入れたわけでございます。
 私、このニュースをまず耳にしましたときに、言葉が出ないというか、ううんと天を仰ぎまして、総理の御決心、難しさというのはいかばかりだっただろうかというふうに思いを巡らしたときに、ふと頭に浮かんだことが、旧帝国海軍の山本五十六元帥が残された有名な言葉がありますけれども、男の修行という言葉がございます。苦しいこともあるだろう、言いたいこともあるだろう、不満なこともあるだろう、腹の立つこともあるだろう、泣きたいこともあるだろう、これらをじっとこらえていくのが男の修行であると、有名な山本五十六元帥の一つの言葉なんですが、私は、これを一人の人間としての人間構築のための言葉としてではなくて、山本五十六元帥というのは優秀な指揮官でもあったわけですから、指揮官というのは時においてこの負の感情というのに自分がとらわれてしまうと正確な物事の判断ができなくなってしまう、できるだけ物事というのをリアリズムにのっとって、そして、より冷静に大局観を持って判断をしていかなければならないんだという指揮官に対する戒めの言葉というふうにも受け取っております。
 その中で、今回の最終合意の中で、事は相手のある外交のことですから、全てをつまびらかにオープンにすることはこの国会においてもなかなかできないとは思いますが、しかしながら、同時に、内閣はその行政執行権においては国会と連帯の責任を持って実行していくということがあるわけですから、できる限りこの国会の中でも我々にも納得がいくような御答弁をいただきたいと思います。
 まず、一つ目なんですけれども、二つ目のパネルを、資料二を皆様にはお配りをしております。
 今回の最終合意をめぐって、政府の方からは、各政府からの反応ということでは、極めて、日韓の関係が合意に至ったことに関しては是とするというような評価を得たという話なんですが、民間のいわゆる一般紙がどのような評価をしているかというところに関しては、少し私としても紹介をさせていただきたいと思います。本日は、有名紙と、皆さんも一回は聞いたことがあるような、海外における有名紙がどのような報道をしたかというところでございます。
 一番上に関しては、これアメリカ、ワシントン・ポスト、この最終合意が行われた十二月二十八日の記事なんですが、日本の訳では下に書いてありますが、韓国人の性奴隷に関する日本の賠償を機に残虐行為を金銭で解決することが是か非か、このような非常にセンセーショナルな題を付けまして、アトラシティー、残虐行為、あるいは実際にこの慰安婦問題のことをセクシャルスレーブリーという言葉を使って、しかも二十万人という、「アズ メニー アズ ツーハンドレッドサウザンド ウイメン アンド ガールズ」と、少女という言葉も使って報道をしているわけなんです。
 二つ目のパラに行きますと、これは同じく米国のウォール・ストリート・ジャーナル紙なんですが、同じようにセックススレーブスという言葉を使っております。
 また、イギリスに、ヨーロッパの方に目を転じまして、ザ・ガーディアン紙の方に目を移しますと、ガーディアン紙も同じくウオータイム・セックススレーブスという単語を使った上で、これ、カンシードという言葉を使われたのに関しては非常に納得がいかないなと思っています。下に日本語訳を入れていますが、日本政府は性奴隷にされた女性たちに対して軍当局の関与も認めたというような、改めて何か我々が日本政府として今までの見解から更に一歩進んで何かを合意をしたような、このような報道がなされているわけですが、こういうことに関して外務省としてどのような認識をしているか、あるいは、実際に政府としてどのような対応を行ったとかいうのがあれば御回答をいただきたいと思います。外務大臣、お願いします。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、今回の合意によりまして最終的、不可逆的な解決を確認したわけですが、両国政府がそろってこの最終的、不可逆的な解決であることを国際社会に向けて明言したということは今までなかったことであり、この点は画期的なことであると思っています。
 そして、米国を始め各国政府が歓迎の意を表しております。その中にあって、米国政府は、米国内の人々を含むその他の人々が米政府と同様にこの合意とその完全な履行を支持することを希望する、こういった旨述べています。
 そして、御指摘のメディアについてですが、メディアにつきましても、欧米の主要紙、ワシントン・ポスト等が、日韓関係の改善、この改善につきましても高く評価している、こうした反応が見受けられます。そして、その中にあって、委員御指摘のように、このセックススレーブズといった不適切な表現、事実に基づかない記述、これが散見されております。
 政府としましては、まず今回の合意の正確な内容や意義について、在外公館等を通じて各国政府あるいは有識者、メディア等に積極的に説明していくことが重要だと思っていますが、あわせて、御指摘のような不適切な記述については適切に今申入れを行っています。性奴隷というような言葉は事実に反するものであり、使用すべきではないというのが日本の考え方です。
 そして、韓国側からは、今回、韓国政府はこの問題に関する公式名称は日本軍慰安婦被害者問題だけであることを改めて確認する、こうした発言も表明されています。
○宇都隆史君 外務大臣、ありがとうございました。
 海外で働く日本の邦人、あるいは留学生、あるいは我々の公的機関で働く、子供たちも含めて、この海外の報道によって、事実に基づかない部分で日本人のアイデンティティーが毀損されないように、外務省としては引き続き努力をお願いしてまいりたいというふうに思います。
 もう一点、別件で質問いたしますが、今回、軍の関与ということで非常に日本政府の責任を感じるというような合意の内容になっているわけですけれども、拉致あるいは強制連行をしてはいないのだという認識で私はいるわけです。
 平成十九年三月八日に辻元清美議員からの質問主意書において政府が行った平成十九年三月十六日の答弁書では、政府が発見した資料の中には軍や官憲による強制連行を直接示すような記述は見当たらなかったという閣議決定の答弁書を回答しているわけですが、この点に関してはいささかも変更はないんだということを確認させてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府としては、これまでに政府が発見した資料の中には軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述は見当たらなかったという立場を辻元清美議員の質問主意書に対する答弁書として平成十九年に閣議決定しており、その立場に何ら変更はありません。
○宇都隆史君 総理、ありがとうございました。
 今回のこの最終合意に対して、私の関係している団体の皆様からも非常に心配の声が上がっておりました。その関係している団体の皆様というのは、戦友会の皆様、それから実際に戦争によって御家族を亡くされた御遺族関係の皆様ですね、彼らのやはり名誉というのも私としても守っていきたい。そういう意味で、今総理の方から御答弁いただいたことは非常に心強くあります。
 もう一度確認をしますが、我が国としては、日韓の基本条約、六五年におけるこの条約で法的な責任はしっかりと解決されているという、ここから一歩も前には出ていないんだということで構いませんね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本政府は、従来より、日韓間の請求権の問題は一九六五年の日韓請求権・経済協力協定により法的に解決済みであるとの立場を取ってきており、この立場は何ら変わっておりません。今回の合意によって、例えば戦争犯罪に当たる類いのものを認めたわけではありません。
○宇都隆史君 総理、ありがとうございました。
 もう一点、話題によく上るのがソウルの大使館前にございます少女像に関してなんですが、この件に関して外務省の認識を伺います。
 この少女像は、ウィーン条約二十二条における海外における公館の運営に対して、これに抵触するというふうな認識でこの撤去を求めているというように私としては認識していますが、外務省の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 在韓国日本大使館前の少女像につきましては、これまで累次にわたりまして我が方から、ウィーン条約第二十二条二項に規定する公館の安寧、威厳の維持の観点から懸念をしており、早期に移転することを求めてまいりました。
 今回の合意におきまして、韓国側から、公館の安寧、威厳の維持の観点から日本政府が懸念していることを認知し、韓国政府として適切に解決するよう努力する、こうした表明がありました。この合意に基づいて適切に対処されるものだと認識をしております。
○宇都隆史君 外務大臣、ありがとうございました。
 お互いの国民感情を波立たせるような非常にセンシティブな問題でありますから、お互いに冷静になりながらお互いの努力をやはりしていくことが必要なテーマであると思っています。
 是非総理、これは要望なんですが、このいわゆる慰安婦の問題に関して、引き続き根気強く、双方の指導者が双方の国民に対しても自重を促す、あるいは説明をしっかりと果たしていくことをお願いしたいですし、また同時に、我々若い世代、次世代に対してもこの解決というのは長くお互いの気持ちの解決も含めて必要なんだということで、我々の世代間交流に関しても是非大きく背中を押して、促していただきたいと思います。
 最後に、この国際環境において、日韓関係、この改善がいかに必要なのかというのを、もう一度総理の言葉で国民に対して御説明いただければと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の合意は、長年、日韓間のとげとして刺さっていた慰安婦問題を最終的かつ不可逆的に解決するものであります。その基盤はお互いが誠意を持って対応する、それをしっかりと対応していくというお互いに対する信頼感の上に朴槿恵大統領と合意に至ったわけでありますから、当然、お互いが誠意を持って約束したことを実行していく、私もそのように確信をしているところであります。
 そして、日韓というのは隣国であります。そして、戦略的利益を共有している。その中で、日韓がしっかりと協力していくことによって、両国の経済、交流はより発展をしていくわけであります。
 そしてまた、同時に、厳しさを増すアジア太平洋地域の安全保障環境、特に北朝鮮の動向でありますが、それに対応していくためには日韓が協力して対応していかなければならない。残念ながら、その協力についても影を落としていたのは事実、慰安婦問題が影を落としていたのは事実であります。その結果、日韓米の協力にも課題があったわけでございます。
 しかし、今回の最終的な、かつ不可逆的な解決によって、先般、北朝鮮が核実験を行った後、すぐ日米の電話首脳会談、そして日韓の電話首脳会談があり、日本が国連の場において、安保理非常任理事国として、韓国の意も酌みながら、日米韓で協力し決議の採択に向けて努力をしていく、それに対する期待も示されたわけでございます。
 その意味におきましては、今回の合意は日本の安全保障においても大きな意義があったと、このように確信をしております。
○宇都隆史君 総理、ありがとうございました。
 我々も与党として、あるいは国会としても、今回の最終的合意のここからが勝負だと思っておりますので、我々もしっかりとお支えをしますし、また同時に、厳しい目でこの努力というのがお互いにどれだけしっかり履行されていくのかというのを追求してまいりたいと思いますので、どうか総理、今後とも、安易な政治的な妥協ではなく、国益を第一義に掲げられた外交を推進していただくことを心からお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で宇都隆史君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、石川博崇君の質疑を行います。石川博崇君。
○石川博崇君 おはようございます。公明党の石川博崇でございます。
 本日は質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。早速質問に入らせていただきたいと思います。
 まずは、この三年間、自公政権で取り組んでこられた政府の外交、そして安全保障政策についてお伺いをしたいと思います。
 この三年間、総理御自身、地球儀を俯瞰する外交を精力的に推し進められて、日本と国際社会の連携を確実に強化してこられました。特に昨年は、平和安全法制の成立直後でございましたが、日中韓サミットを開催し、また中国、韓国とのそれぞれのバイの首脳会談も実施され、またさらには、先ほど来御議論のありました日韓の外相会談において、長年の懸案でございました慰安婦問題に最終的かつ不可逆的な解決という歴史的、画期的な合意が得られたと、私自身、大変高い評価をしているわけでございます。
 なぜ、昨年末、臨時国会を開かなかったのかという一部同僚議員の方からの御批判がございますが、私は、それに勝る外交的成果を上げられ、我が国の国民の利益のために、また国益のために勝ち得ていただいたと高く評価するものでございます。
 しかしながら、こうした昨年の政府による外交的成果、必ずしも政府の力だけでなし得たものではないと考えております。公明党は、昨年十月、山口代表が訪中、訪韓を行うなど、これまで与党を挙げて政府の外交努力を補完し、お支えしてまいりました。私自身、党の若手同僚国会議員らとともに中国、韓国を訪問するなど、関係改善に奔走してまいったものでございます。こうした与党を挙げての努力が政府の外交努力と相乗効果を生み、これまで難航してきた近隣諸国との関係改善に向けた動きがようやく生まれてきたのだと確信をしております。
 依然として、先般の北朝鮮の四回目となる核実験の実施、あるいは尖閣周辺、東シナ海の状況を始め、東アジア情勢は予断を許さない厳しい状況にあるわけでございますけれども、我が国は本年、世界最多となります十一回目の安保理非常任理事国を務め、またG7の議長国でもございます。
 今年度外務省補正予算にも、国連分担金、あるいはテロ対策、難民問題対策など喫緊の課題に対応する二千九十五億円が計上されておりますけれども、積極的な平和外交を更に推し進めていただく総理の御決意をまずはお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 外交においては、政府だけではなくて、与党の皆様にも大きな役割を果たしてきていただいたと、こう思っております。
 安倍政権が発足直後に山口代表には訪中をしていただきました。そしてまた、昨年も中国と韓国を訪問していただきましたが、その際、私の親書を持っていっていただいたところでございます。大変重要な役割を果たしていただいたと感謝しているところでございます。また、昨年十二月には自民党と公明党の両幹事長一行が訪中をし、約七年ぶりとなる与党交流協議会が開催をされました。
 このように、中国、韓国との間では、政府間の対話に加えまして、連立与党においても議員間、政党間の交流を積極的に積み重ねていただいており、こうした活動は大局的な観点から日中、日韓関係を発展させていく上で非常に有意義であると思います。
 本年は、国連安保理の非常任理事国入り、早速、北朝鮮の問題においては安保理決議において日米で今リーダーシップを取っているところでございます。そしてまた、G7伊勢志摩サミット、不透明さを増す世界経済においてしっかりと価値観を共有する国々と率直に話合いをし、目指すべき道筋を示していきたいと、こう思っております。また、様々な世界的な課題について議論をしていきたいと思います。また、TICADの初めてのアフリカでの開催、そして日本での日中韓サミットの開催など、日本外交が世界を引っ張っていく一年であります。
 様々な課題があります。難民の問題もありますし、あるいはISILの問題、過激主義にどう対応していくかという課題もあります。そして、一方的な現状変更の試みに国際社会がどう対応していくかということもあるでしょう。
 そうした中において、日本がしっかりとリーダーシップを発揮していく中において、適切な道筋について、進むべき適切な道筋について日本もしっかりと示していきたいと、こう考えているところでございます。
○石川博崇君 与党の外交努力への評価と、また総理自ら今後も平和外交を力強く推し進めていただく明確な御答弁をいただきました。
 さて、この三年間、こうした平和外交と車の両輪で進めてきたのが日本の平和と国民の皆様の幸せな暮らしを守り抜く安全保障体制の整備でございます。一昨年の七月一日、国の存立を全うし、国民を守るための切れ目ない安全保障法制の整備に関する閣議決定を行いました。また、昨年は、五月に日米ガイドラインの見直し、また通常国会では、防衛省設置法の改正による防衛省改革、最大の争点となった平和安全法制を制定したところでございます。
 私自身、こうした戦後史上ある意味かつてないというこの大きな安全保障体制の整備に当たって、自公連立政権を組んでからは公明党から初めてとなります防衛大臣政務官を務めさせていただき、中谷防衛大臣の下でこれらの諸課題に取り組ませていただき、また昨年は、特に平和安全法制担当の政務官として自公与党協議も踏まえながら尽力をさせていただきました。先ほどの平和外交努力と相まって安全保障体制の整備を政府・与党を挙げて全力で取り組んできた結果、先ほど総理からもおっしゃっていただきましたとおり、米国を始めとする国際社会との連携は確実に強化されてきたと考えております。
 また、先般の北朝鮮の核実験後の対応においても、この強化された各国との関係が生かされているところでございます。東シナ海情勢など日本を取り巻く安全保障環境は引き続き厳しい状況にあるわけでございますが、少しずつではありますが、ようやく着実に改善に向けた糸口をつかみ始めてきたと確信をしております。
 パネルを御覧ください。(資料提示)このことを示す一例として御参考いただければと思います。
 航空自衛隊によるスクランブル発進回数の四半期ごとの数値を毎年度平均で表した数字でございます。御覧のとおり、この十年間、航空自衛隊が行う対領空侵犯措置、急激に増加してまいりました。十年間で七倍に増加し、昨年度には年間で九百四十三回、四半期の平均で二百三十六回を数えていたところでございます。いかに日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増してきたかということを如実に表す数字でございますが、今年度、まさに私たちが平和安全法制の国会審議を進めていたさなか、第一・四半期、四月―六月、第二・四半期の七月―九月はこの数年間の中で初めてこのスクランブル発進回数、減少傾向に転じたところでございます。
 この三年間の自公政権の取組によって、日本の平和を守り、そして安全保障環境を改善させていく、そのための具体的な努力がようやく形に表れ始めているのではないか。その一例として取り上げさせていただいたところでございます。
 もちろん、減少した背景には、ウクライナ情勢が少し鎮静化して、ロシアへの対領空侵犯対処が減少したことも挙げられますので、引き続き依然として厳しい安全保障環境にあることに変わりなく、気を引き締めての対応をお願いするものでございます。
 もう一つ御紹介させていただきたい事例がございます。それは、我が国の国際社会への平和貢献でございます。中でもソマリア沖・アデン湾における海賊対処でございます。パネルを御覧ください。
 このソマリア沖・アデン湾、インド洋と地中海を結ぶ世界の中でも最も重要な国際航路の一つで、年間一万七千隻が航行すると言われておりますが、かねてより海賊が多発する海域で、日本の船舶も海賊の被害を受けてまいりました。このソマリア沖・アデン湾において海上自衛隊が船舶の護衛、また警戒監視活動に従事している中で大きく地域の平和と安定に貢献をしております。
 これは麻生政権のときから開始した活動でございますが、海洋国家たる我が国、海の上、海上における警戒監視活動においては国際社会の中でも極めて高い優れた能力を有しております。その実力を生かして現地、現場でプレゼンスを発揮し、また継続的に貢献をしてきた結果、当初は毎年、グラフのとおり二百件を超える海賊事案が発生をしておりましたけれども、特に平成二十四年度以降、海賊発生件数が激減してまいりまして、昨年ついに、何と速報値で海賊発生件数ゼロ件となったところでございます。国際社会からも高い評価を勝ち得ている活動でございます。
 イラクのサマーワで人道復興支援活動に勤務させていただいた経験のある私でございますが、私もこのジブチの現場を訪問させていただきました。厳しい環境の中、一生懸命頑張って仕事をしている隊員の笑顔は大変にまぶしいものがございました。
 中谷防衛大臣より、この海賊対処活動の意義、国際貢献、また日本の平和と安全を守るために日夜奮闘している現場の隊員へのねぎらいの言葉などをいただければ幸いでございます。
○国務大臣(中谷元君) 石川委員におかれましては、防衛大臣政務官といたしまして、我が国の安全保障体制の確立や、また国際貢献においても、ジブチ、ジュバ、南スーダンまで行っていただいて、隊員の安全状況の確認や、また国際貢献の体制の整備など、大変重要なお仕事をしていただきました。そういう中で、やはり備えあれば憂いなしと申しますけれども、備えることによって平和と安全が保たれるということは国の防衛、安全保障の要諦でございまして、そういう意味で、石川委員とともに、平和安全法制、これの整備においても万全の体制で取り組んだところでございます。
 御質問のソマリア・アデン湾の状況、ここはスエズ運河を経由してアジアとヨーロッパ、これを結ぶ重要な交通路でございまして、海賊の脅威からいかに民間船舶を守っていくかということで、平成二十一年以降、この海域に護衛艦二隻、そしてP3C哨戒機の二機、これを派遣しまして、民間船舶の護衛、またアデン湾における警戒監視、これを実施をいたしております。
 気温も五十度を超える非常に灼熱の地でもありますし、言葉も文化も生活環境も海外で非常に我が国と違った中でも、隊員それぞれがそれぞれの責任を果たしてこうした活動を確実に実施をしていただいていること、私といたしましても大変誇りに思っているところでございます。その結果、海賊の行動が年間二百件を超えておりましたけれども、平成二十四年以降どんどん減少しまして、昨年は速報値ベースでゼロ件になっております。
 しかしながら、不審船というのはまだ依然として存在をしておりまして、ソマリアの貧困もまだ解決をしていないということで、脅威は引き続き存在をしているわけでございます。
 やはり備えあれば憂いなし、こういった努力をするから犯罪が起こらないということでありまして、今後とも自衛隊は、国際社会の平和と安定に貢献するために諸外国の部隊とともに国際社会と連携をしまして、今後とも海賊対策活動、これを継続していきたいと考えております。
○石川博崇君 日本の活動への高い評価によりまして、昨年はこの海賊対処活動の連携調整役でありますCTF151の司令官も日本が初めて務めたところでございます。
 先ほど大臣からありましたとおり、ゼロ件になったからもう必要ないというものではございません。警戒監視活動を続けているからこそ海賊の事案が発生していないという状況の中、日本の役割に対する大変大きな期待があるということは申し添えておきたいと思います。
 総理、以上、二つのパネルをお示しさせていただきました。この三年間、自公連立政権の外交、安全保障の取組は、確実に日本を取り巻く厳しい安全保障環境、少しずつではありますけれども、改善させるための努力を行い続けている、また日本の平和を断じて守り抜く取組であると確信をしているところでございます。
 こうした世界の平和にも我が国の持ち味を生かして貢献してきている、この政権の取組、国民の皆様の中には戦争反対とおっしゃられる方々いらっしゃいますが、そういう方々にこそ是非とも御理解いただき、また御支援をいただきたい取組だと確信をしているところでございます。
 総理から、平和を実現するため、外交と安全保障を車の両輪としてフル稼働させて汗をかき努力をしていく、その総括的な御所見を賜りたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いかなる事態においても国民の命と平和な暮らしを守り抜いていく、これは国民の負託を受けた我々政治家の最も重い責務であります。日本を取り巻く安全保障環境、国際情勢は厳しさを増しているのは事実であります。この現実から目を背けてはならないと思います。そして、課題に真正面から取り組み、国民のために安保政策を前に進めていく必要があります。
 自民党と公明党は、風雪に耐えた強固な連立政権であります。この連立政権、連立与党においては、今私が申し上げました国民の命を守り抜くというこの責任感を共有し、政権与党としての役割を果たすために、与党協議において、平和安全法制において二十五回に及ぶ徹底的な議論を行いました。そして、全体像をお示しをしたわけでございます。
 そして、通常国会では、戦後最長となる延長を行い、二百時間を超える充実した審議を行い、私も千回答弁をいたしましたし、中谷大臣は二千回以上答弁をさせていただいたわけでございますが、その結果、野党三党の賛成を得て成立をすることができました。
 石川議員には、法務担当の政務官として、防衛大臣政務官として、政府内における検討において大いなる御貢献をいただいたことに感謝申し上げたいと思います。
 平和安全法制の成立によって日米の信頼関係は大きく向上したわけであります。それは、何よりも日本を守るために日米間で完全にしっかりと協力できないようではその同盟は危うくなるわけであります。今回、日米同盟は完全に機能することによってその抑止力はしっかりと発揮され、日本そして地域の平和はより向上していくと確信をしているところでございます。
 先ほど例として示していただきましたアデン湾の海賊対処行動でございますが、これは日本の自衛隊が他の国々の海軍とともに協力をして海賊に対処するものでございます。その結果、二百件を超えていた事案がゼロになった。まさに海外の軍とともに協力することによってこうした大きな成果を生むことができる。まさに抑止する力と言ってもいいんだろうと思います。抑止する力でありますから、二百がゼロになったところでこれをすぐにやめるわけにはいかないわけであります。
 安全を守る、あるいは戦争を抑止する、今回の法制はまさにそのためのものであり、多くの国々、アジアの国々を含む多くの国々が支持、理解を示しているわけでありまして、それがまさに戦争法案ではないということのあかしではないかと、このように思います。
 今後とも、連立与党とともに、国民の命と平和な暮らしを断固として守り抜いていく決意でございます。
○石川博崇君 こうした日本の平和と安全保障環境改善に向けた取組を更に推し進める上で是非とも力を入れていただきたいのが、昨年一年間、私も政務官として関わらせていただいた日中防衛当局間の海空連絡メカニズムの早期運用開始でございます。偶発的な衝突など不測の事態を回避するために、現場で通信をし、コミュニケーションを図ることができる。また、海幕や空幕、こういった防衛実務者と先方カウンターパートの間でホットラインを設けて、日常的にコンタクトを図ることができる。このことが早期運用開始に至れば、我が国の安全保障環境、大きく前進を図ることができ、現場の自衛官からも高い期待が寄せられております。
 さきの日中首脳会談等でも積極的に努力することで合意されたところでございますが、一日も早い運用開始に向けていかに取り組むのか、中谷防衛大臣より御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(中谷元君) 現在、中国は、南シナ海、東シナ海における海空域における活動をもう急速に拡大また活発化をいたしておりまして、特に海洋における権益、利害が対立する問題をめぐっては、力を背景とした現状変更の試みなど高圧的とも言えるような対応を示しているわけであります。
 具体的に言いますと、二〇一三年の一月、中国の海軍艦艇によって、この東シナ海において海上自衛隊の護衛艦に対して火器管制レーダー、これが照射をされました。また、二〇一四年の五月、六月、東シナ海の上空において自衛隊機への戦闘機による異常な接近など不測を招きかねないような危険な行為にも及んでおりまして、この点におきまして、日中防衛当局間におきまして海空の連絡メカニズム、これを構築するということが急務でございまして、現在、日中間で協議を実施をいたしております。
 現在のところ、この海空の連絡メカニズムにおきましては、定期会合の開催、ホットラインの設置、艦艇、航空機間の直接通信から構成することで一致をしておりまして、その具体的な内容について中国側と調整を続けているところでございます。その状況におきましては、相手国との関係もありましてお答えは差し控えますけれども、運用の早期開始の重要性につきましては、首脳会談、防衛大臣会談などで日中間で累次の機会に確認をいたしておりまして、今後、具体的な調整状況や運用開始時期等も含めまして日中間で協議を継続をしてまいりたいと思っております。
○石川博崇君 日中防衛当局間でのこの海空連絡メカニズムを構築すること、急務の課題でございます。是非、早期運用開始に向けて引き続き御努力いただきたいと思います。
 さて、昨年の通常国会におきまして成立しました若者雇用促進法についてお伺いをしたいと思います。
 私自身、二年前、この予算委員会におきまして、総理に今こそ若い方々に対する総合的な施策を政府を挙げて進めるべきだということをお訴えをさせていただきました。また、私が責任者を拝命しております公明党青年委員会といたしましても法制化を政府に対して御提言させていただき、一貫して関わらせていただいただけに、この若者雇用促進法の成立、大変感慨深いものがございます。
 この春にはこの若者雇用促進法、本格施行を迎えるわけでございますが、その中でも特にいわゆるブラック企業対策、若者を使い捨てにするような企業への対策が大幅に進むこととなります。この十年間のデフレ経済、これが進んできた中、そのしわ寄せの悪影響をもろに受けてきたのが、残念ながら日本の未来を担うべき青年層ではなかったかと思います。
 この三年間、自公政権になってから、デフレからの脱却を最優先課題としながら、私たち公明党の主張も取り入れていただきつつ、政府はこうしたブラック企業対策、精力的に取り組んできていただきました。これまでの取組について、総理より御所見も併せてお願いできればと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 若者は日本の将来の社会を担う人材であります。その使い捨ては許されるものではないと考えます。長時間労働や賃金不払残業の解消に向けて精力的に取り組んでまいりました。公明党からも、いわゆるブラック企業への対策について貴重な提言をしていただきました。
 具体的には、労働基準法に基づき、賃金不払残業や過重労働等が疑われる企業への重点的な監督指導の実施、社会的に影響力の大きい企業が違法な長時間労働を繰り返している場合に、これまでの書類送検を行った段階で原則公表する取扱いを一歩進めて是正を指導した段階で公表することなど、取組を強化しています。
 また、昨年の四月から東京、大阪の労働局に特別チームを編成しまして、広域的に過重労働が認められるケース等への対応に取り組んでいます。
 また、仕事に悩む若者の相談体制についても、平日の夜間や土日に無料で相談を受け付ける労働条件相談ほっとラインを設置しています。フリーダイヤル〇一二〇―八一一―六一〇と。〇一二〇、これは、はい、六一〇で労働と、こう読んでおりますが、これを是非覚えていただいて、もしそういう問題がある職場におられる若い皆さんがこれは問題だと感じれば、気軽にこのダイヤルを回していただきたいと思います。
 企業が、そもそも最初から入った、入社した人の大半が辞めても何人か残ればいいと、毎回毎回それを入れ替えていけばいいんだという感覚で人材を育てようという認識が全くない企業、そういう企業はしっかりと明らかにして退場していただく、そういう社会にしていきたいと、このように思います。
○石川博崇君 総理から、労働条件相談ほっとダイヤルについても御紹介いただくとともに、力強い御答弁をいただきました。
 今回の若者雇用促進法によりまして、このブラック企業対策、今後は労働基準法違反など法令違反を繰り返す企業からの求人票はハローワークでは受理をしない、そういう体制を組むことになります。画期的な法律だと確信をしております。
 一方で、多くの学生さん方は、スマホなどを用いて、あるいは大学のキャリアセンターなどで求人情報を入手して就職活動を行っておりますので、ハローワークで不受理とする、受理しない求人情報が他の職業紹介を通じても扱われないようにすべきだと考えております。先週、青少年雇用対策基本方針などが取りまとめられましたけれども、塩崎厚労大臣、この点、どう担保されましたでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生から御指摘ございましたように、ハローワークで求人票の不受理を行うということが行われるように、この法改正でもってなるわけでありますけれども、今御指摘のように、ハローワークだけではなくて、職業紹介事業者にも求人不受理の取扱いを促していくということが極めて大事だと我々も考えているわけでございまして、参議院の厚生労働委員会で附帯決議がございましたが、その中で、若者雇用促進法に基づく指針に職業紹介事業者についてもハローワークが求人不受理の取扱いにする求人者からの新卒求人は取り扱わないようにすることが望ましい旨の規定をいただいております。指針に基づいて、本年三月一日の施行に向けて職業紹介事業者に対して求人不受理の取扱いを促していこうというふうに考えております。
○石川博崇君 また、この若者雇用促進法の成立によりまして、今後は企業側から情報提供を行うことが義務付けられることになっております。こうした情報提供が企業に義務付けられることで学生さん方が就職活動を効率的に行い適切なマッチングが促進されると、画期的な制度と考えておりますが、しかし、法律上、この情報提供は応募者等から求めがあればとされております。就職活動を行っている大学生から情報提供を求めるのを待っているのではなくて、積極的、能動的に情報提供をするように促し、また大学のキャリアセンターからの求めにも応じていくように促していくべきだと考えております。
 この点について、塩崎厚労大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生今御指摘のように、情報提供の求めが求職者からあった場合に限らず、求人者が過去の三年間の新卒採用者数及び離職者数、そして前年度の所定外労働時間の実績などの職場情報、これを求職者に積極的に情報提供していくということが大事だということを今御指摘もいただいたわけでございますが、これに関しまして、参議院の厚生労働委員会の附帯決議は、若者雇用促進法に基づいて、指針で単に求めがあった場合ではなくてという場合についても触れていただいておりまして、求人者は求職者から求めがあった場合に情報提供が義務付けられている職場情報について全ての項目をあらかじめホームページで公表するなどが望ましいと、それから、職業紹介事業者、これについても、求人者に対して全ての職場情報をあらかじめ提供するように求人申込みを受理する際にその企業からもらえるように働きかけることが望ましいなどが定められております。
 そこで、本年の、先ほどと同じように、三月一日の施行に向けまして、こうした指針の内容をしっかり周知をすることで求職者に対して職場情報が広く提供されることが当然であるといった社会機運を醸成して、単に求めがあった場合だけではなくて、もっと自発的にしっかりと企業もそれから紹介事業者もこういった情報は事前に前広に公にしていくということを努めるようにしてもらいたいというふうに考えております。
○石川博崇君 この若者雇用促進法の施行を確実なものにするためには、先ほど御指摘しました情報提供を求めることができることを含めて、学生さん方に法律制度の趣旨などについてよくお知りいただくことが大事でございます。また、ハローワークと大学のキャリアセンターとの連携強化も重要となりますが、文部科学省としてどのように取り組んでいただくか、馳文科大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(馳浩君) 今ほど総理や厚生労働大臣からお答えいただいたとおりではありますが、文科省としても十分に準備を進めてまいりたいと思っています。
 学生生徒が職場情報を積極的に入手できるようにするためには、大学のキャリアセンター等が若者雇用促進法の規定や指針の内容について十分に理解し、積極的に対応することが重要であります。そのため、ハローワークによる必要な協力も得ながら、大学等においてキャリアセンター等による若者雇用促進法についての講演の実施など、大学等とハローワークとの積極的な連携協力を促してまいりたいと思います。
 現状におきましても、ハローワークから派遣された職員による学生生徒に対する出張相談、求人情報の提供及び就職支援セミナーの実施、職業相談や面接指導等の個別支援などを行っていただき、また未内定者への集中支援なども行っていただいておりますが、今後、より一層法律の施行に当たって連携を強めてまいります。
○石川博崇君 以上、若者雇用促進法のこの春の本格施行を前にして、何点か御質問をさせていただいたところでございます。私自身、この若者雇用促進法の法制化を御提案させていただいて、お願いさせていただいた当事者として、今後も施行、運用に積極的に関わってまいりたいと考えております。
 続きまして、スマートフォンの料金値下げについてお伺いをしたいと思います。
 パネルを御覧ください。公明党は、これまで携帯電話あるいはスマートフォンの施策について、以前より関わらせていただいた経緯がございます。
 一九九四年、携帯電話がそれまでのレンタル制から売り切り制に導入されましたが、そのとき、私どもの大先輩であります神崎武法元代表が郵政大臣として、当時、売り切り制にして本当に大丈夫かといった懸念の声もある中で政治的御決断をしていただきました。また、今は当たり前のように御活用いただいております携帯電話事業者を移った場合に自分の携帯番号を持ち運びできるモバイル番号ポータビリティー制度、これも当初、一部業界には御反対のお声もあったようでございますが、その実現に向けて公明党の青年局、全国一千万人の署名を集めさせていただいて、政府に提出させていただく取組を行わせていただきました。また、SIMロック解除、格安携帯、MVNOの普及促進などにも取り組んできたところでございます。
 昨年、総理の指示を受け、スマホ料金引下げ議論が活発に行われている中、これを推進するよう私どもとしても総務大臣に要望書を提出させていただき、一定の方向性をお示しいただいたことを評価申し上げるところでございます。
 この昨年末の一連の取組に対して、総務大臣より、改めて、意義、目的、今後の見通しなどを国民の皆様に御説明をいただくとともに、一部国民の皆様の中には、今後端末料金が高額になってしまうのではないか、こういった御懸念の声もあるわけでございますが、この点についても御見解をお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(高市早苗君) 公明党の皆様におかれましては、もう二十年以上にわたりましてこの携帯電話の問題に取組を続けられ、そして様々な成果を上げていただいたことに対して、まず心から敬意を表します。
 携帯電話は、もう今や災害対応ですとか、それからシニア世代や子供さんたちの見守りといったことを考えましたら、もう本当に私どもに欠かせない生活インフラとしての位置付けにあると思います。ただ、今、フィーチャーフォン、いわゆるガラケーもそれからスマートフォンも両方とも持っていらっしゃらないという方もまだ二割以上おいででございますので、更に普及を促進していく必要がございます。
 特にIoT時代に向けて考えますと、このスマートフォンの普及というのが非常に大事になるんですが、現在、日本のスマートフォンの保有率は五〇%を超えたものの、他の先進国に比べますと低い水準にとどまっていて、恐らく料金の高さ、分かりにくさというのが敷居を高くしているのだろうと考えております。
 このため、携帯料金の家計負担の軽減を図るべきだという安倍総理の御指示を受けまして、昨年の秋に総務省に携帯料金に関するタスクフォースを設けて、約三か月間で集中的に具体的方策の検討を行いました。
 その昨年十二月、いよいよ取りまとめに向けて幾つか悩ましい論点も残っていた時期に、石川議員が委員長を務めておられます公明党青年委員会が具体的な提言をおまとめいただき、そして大臣室までお運びをいただき、御説明をいただきました。相当参考にさせていただくことができました。
 今後の見通しということなんですけれども、タスクフォースの取りまとめを踏まえまして、昨年十二月十八日にスマートフォンの料金負担の軽減及び端末販売の適正化に関する取組方針を策定し、その日のうちに携帯電話事業者各社に対しまして、私から、利用者の多様なニーズに対応した料金プランの導入や端末販売の適正化について要請を行いました。
 その結果、多様なニーズに対応した料金プランの導入につきましては、既に一部事業者からライトユーザーの負担を軽減する料金プランの導入が発表されたところでありますので、引き続き事業者の取組状況をしっかりフォローアップしてまいります。それから、端末販売の適正化につきましては、一月末までに事業者から当面の取組状況の報告を受けます。そして、二月以降、外部からの情報提供窓口の設置や店頭での実態調査の実施によりまして、改善状況を把握し、さらに、端末購入補助の適正化に関する基本的考え方や電気通信事業法第二十九条の業務改善命令の規定の解釈、運用方針を示すガイドラインをパブリックコメントを経て年度内に策定し、実効性を確保することとしています。
 これらの取組によって、利用者にとって分かりやすく納得感のある料金、サービスを実現してまいります。
 そして最後に、御指摘がありました点ですが、これによって、公明党の青年委員会の提言書にも書いていただいていましたが、ちょっと若者に厳しい感じで端末価格が高額化するんじゃないかとか、官製不況の懸念があるんじゃないかといったことでございますけれども、端末購入補助の見直しが端末の販売に一定の影響を与える可能性は認識しますけれども、今回の事業者への要請は、十万円近くもする高額な端末を実質ゼロ円とするような行き過ぎた端末値引きの是正を求めるものでありまして、端末購入補助の完全廃止まで求めるものではありません。むしろ頻繁に端末を買い換えておられる一部の利用者に対する行き過ぎた端末購入補助を見直して、むしろライトユーザーや長期利用者の方々の負担感を軽減することでスマートフォンの普及がより進むことを期待しています。
 また、MVNOの普及促進によりまして、MVNOの取り扱うSIMロックフリー端末も含めた多種多様な端末の流通も期待されます。
 それから、発売から期間が経過した型落ち端末の流通でございますけれども、これも、今後のガイドラインの策定の中で、最新の端末、これに比べましてある程度値引きを大きくすることも許容するような方向で検討を進めてまいりたいと思います。
 以上のようなことから、高額な最新の端末のほかにも、若者にも購入しやすい手頃な価格帯の端末の選択肢というものが確保されるように取り組んでまいります。
○石川博崇君 よろしくお願い申し上げます。
 時間もありませんので、最後に、話は変わりますが、昨年イングランドで行われたラグビーのワールドカップ、日本代表の活躍で日本国内で一気にラグビー人気が高まりました。
 二〇一九年には我が国でワールドカップが開催される予定でございまして、私の地元大阪にありますラグビーの聖地、花園ラグビー場も、全国十二の開催会場の一つとして地元自治体総力を挙げて準備に取り組んでおります。
 全国の開催会場を有する自治体、準備に取り組んでおりますけれども、文科省、国交省としてしっかり御支援をしていただきたいと思いますが、馳文科大臣、石井国土交通大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(馳浩君) お答えいたします。
 まず、文科省としては、日本ラグビーフットボール協会と協力をして、普及啓発事業として、タグラグビーを活用したラグビーの普及拡大、中学生等の競技者の拡大に向けた放課後ラグビー教室の実施、女子指導者やレフリーを養成するための研修等の実施、ラグビーを通じた国際交流プログラムの実施をいたしておりますし、また、ワールドカップ大会に向けた競技場の整備に活用できる助成制度として、totoにおいては、スポーツ競技施設の大規模改修等、天然芝生の整備、夜間照明施設等の整備、そして、石川議員御地元の花園ラグビー場を始めとした全国の会場の整備については、スポーツ振興くじにおいて既存の施設整備の助成制度に加えて、ワールドカップ会場の施設整備等についても新たな助成制度が導入されることとなっておりますので、今後、地元のニーズを十分に把握をし、必要な支援を行ってまいりたいと思っております。
○国務大臣(石井啓一君) お答えいたします。
 二〇一九年ラグビーワールドカップにつきましては、開催十二会場のうち十会場が都市公園にありまして、開催自治体より社会資本整備総合交付金による会場整備の支援の御要望を伺っております。
 開催会場の一つである花園ラグビー場がある東大阪市の花園中央公園につきましては、これまで、社会資本整備総合交付金によりその整備を継続的に支援をしているところでございます。
 国土交通省といたしましては、厳しい予算状況ではありますけれども、関係省庁や関係自治体等と協力しつつ、花園中央公園を始めとする都市公園整備への支援を通じて大会の成功に貢献できるように取り組んでまいります。
○石川博崇君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 関連質疑を許します。竹谷とし子さん。
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子です。
 まず、明年四月の軽減税率制度導入に向けての支援策とその周知徹底について伺います。
 世界の多くの国々で導入されている消費税の軽減税率制度、その対象品目は国によって異なりますが、特に食料品については、OECD加盟国の標準税率一〇%以上の国において八割の国で軽減税率の対象となっています。我が国でも、今回の与党税制改正大綱で、明年四月の消費税一〇%時に加工食品を含めて暮らしに身近な食料品を広く軽減税率の適用対象とすることが決まりました。その影響額がたとえ月数百円であっても、消費税の税率が一〇%に上がったときに食料品は軽減されるという安心感は痛税感を和らげることにつながります。だからこそ、世界の多くの国が食料品の税率を軽減して暮らしに配慮しているのだと思います。
 世界でも当たり前のように実施されている軽減税率制度ですが、いざ導入しようとすると、これは八%、これは一〇%というように経理を分けていただく必要がありますから、事業者の方の事務負担はどうしても増えてしまいます。私は、公認会計士、税理士として税務に携わっておりましたので、導入時に事業者の方の事務負担をできるだけ和らげるよう、軽くできるよう、いきなりヨーロッパ型のインボイスにするのではなく、日本の今のやり方に近い請求書等保存方式を利用した方法を提案するなど、検討を重ねてまいりました。
 軽減税率の導入に向けて事業者の方々の負担を和らげるために、国では、平成二十七年度の予備費九百九十六億円と補正予算で計上した百七十億円を使って様々な支援策を講じることになっています。(資料提示)例えば、配付資料にあるように、複数税率に対応したレジの購入費を補助する、システム改修費用を補助するといった支援を行うことになっています。
 国ではこのようにしっかりと支援をするわけですが、これだけでは、何を購入すれば補助されるのか、どれが補助の対象外なのか分かりにくいと思います。例えば、こういう機能があるレジは補助対象にします、対象になる機種はこれですよとか具体的に示していただきたいと思います。
 また、このような支援があるということ、相談窓口もある、専門家も派遣しますということを皆様に知っていただくために具体的にどのように取り組まれるのか、経済産業大臣に伺います。
○国務大臣(林幹雄君) 軽減税率導入に向けての支援策でありますけれども、御指摘のように、昨年十二月十八日、予備費を使用することを閣議決定をいたしまして、まず、中小の小売事業者に対しまして、複数税率に対応したレジの導入などに対しての支援、そしてまた、複数税率への対応ができない電子的な受発注システムを用いている中小の小売業者並びに卸売業者等に対しましてシステム改修の支援を行うことにしております。
 補助対象となるレジの機種については、複数税率に対応する機能を持つものであれば基本的には対象になるというふうに考えているところであります。具体的な対象機種等の特定、あるいはまた中小小売業者に事務負担を掛けずに簡単に申請してもらうための手続などについて、現在、補助制度の詳細設計を進めているところでございます。
 今後、制度の実施に当たっては、議員御指摘を踏まえつつ、事業者に分かりやすい形での支援策の周知を徹底していきたいと考えています。また、中小企業団体等と連携をいたしまして、講習会の開催あるいは相談窓口の設置等々を通じて丁寧なサポートを行います。
 これらの取組を通じて、軽減税率制度の導入、運用に当たり混乱が生じないよう、事業者の支援にきめ細かく取り組んでまいります。
○竹谷とし子君 次に、財政の見える化について伺います。
 消費税は全額社会保障のために使われているわけですが、そう言われても、税金の使われ方に不信感があり、増税に納得できないという方が国民の中に多くいるというのも現実だと思います。国民に負担をお願いする以上は、税金が何に幾ら使われたのか、分かりやすく見える化して国民にお知らせするとともに、行政も無駄をなくすように努力し続けていくことが強く求められています。
 公明党は、税金の使い方を検証して無駄をなくしていくために、民間企業が行っている複式簿記、発生主義会計の良いところを見習って、国や自治体のお金の流れを透明化する財政の見える化を訴え続けてまいりました。
 まず、総務大臣に質問いたします。
 最も身近な行政サービスを提供している地方自治体において何に幾ら使っているかを住民にお知らせするということは、税金の使い道に納得感を持っていただくために大変重要です。
 総務省は、昨年の一月、全ての地方自治体に対して、限りある財源を賢く使うために、複式簿記、発生主義会計をベースにした統一的な基準による財務書類等を作成して予算編成等に活用していくよう要請いたしました。その後の進捗状況、及び財務書類作成と活用を進める上で国から地方に対して行う支援の内容について総務大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(高市早苗君) 固定資産台帳の整備と複式簿記の導入を前提としました統一的な基準による財務書類につきましては、原則として平成二十九年度までに全ての都道府県及び市区町村において作成するように昨年一月二十三日付け総務大臣通知によって要請をしています。現時点で、平成二十九年度までに九八・二%の団体において整備される予定です。
 総務省としての支援措置ですが、標準的なソフトウエアの無償提供や一定の財政措置、研修の充実強化により支援を行っています。この標準的なソフトウエアについては、既に昨年十二月末までに固定資産台帳機能及び財務書類作成機能の提供を開始しておりまして、本年三月末までに活用機能の提供も開始する予定でございます。
○竹谷とし子君 引き続きの御支援を何とぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、国の財政の見える化について麻生財務大臣に伺います。
 国は、毎年、複式簿記、発生主義会計の考え方を取り入れた財務書類を作成しています。しかしながら、最も大切なことは、作って終わりではなくて、それを予算編成や政策評価に生かしていくこと、すなわち無駄をなくして真に必要としている事業や人に優先的にお金を使っていけるように活用していくことです。財務書類をいかに活用するかは海外でも課題となっていることですが、財務省においても専門家の知見を得ながら検討を重ねてきたと認識をしております。
 昨年四月、財政制度等審議会法制・公会計部会のワーキンググループの報告書において、国が実施する個々の事業ごとに全体で幾ら掛かっているのかという情報を提供する取組が求められていました。国が実施する事業は規模が大きく階層も深いために、お金の流れが複雑で見えにくい部分があると思います。したがって、この取組によって全体を見える化することが、無駄がどこにあるかを明らかにする鍵となり、国民の不信を払拭していく上でも大変重要だと考えております。その進捗状況を大臣に伺います。
○国務大臣(麻生太郎君) 竹谷先生御指摘のとおり、国が実施いたします個々の事業につきましては、直接掛かる事業費というだけではなくて、そのほかに人件費、物件費、減価償却等々いろいろございますので、そういったものを含めた全体としてのコスト、いわゆるトータルコストとかいろんな表現ありますけど、フルコスト情報というものを国民の皆様に明らかにしていくということは、これは財政の透明性というものを高める上で極めて重要という御指摘なんだと思いますので、私どもも全く有意義なことだと考えております。
 他方、国が実施をいたします事業は極めて多いので、御指摘の報告書を踏まえて、まずは、各省庁において一から二の代表的な事業を選定してフルコストを示す。さらに、その単位当たりのコストとして、例えば利用者でいえば一人当たり、あるいは業務一日当たりというようなことを試行することから考えている。これ、事業が物すごく大きいものですから、これはちょっと、簡単に言っておりますけど、これは物すごく大変な作業になります。
 しかし、この取組につきましては、近々各省庁においてホームページにおいて公表することというところまで話ができておりますので、御指摘のとおり、お金の流れというものを分かりやすく示していくということになりますので、財政というものを、何というか、国民の方々から御理解を、納税者の方々から御理解を深めるという意味におきましてはこれは非常に重要だと思っておりますので、引き続き、更に何ができるか検討させていきたいと考えております。
○竹谷とし子君 これは大変重要な取組だと思います。物すごく作業量が掛かるということもそのとおりであると思います。それを一歩前進させたということに敬意を表したいと思います。引き続き、私自身も提案し、議論をさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 続いて、日本公庫の遅延損害金の扱いについて財務大臣に伺います。
 日本では超低金利時代が長く続いています。これを反映して、平成二十六年に個人や法人に課す重過ぎる延滞税率の引下げを、自公政権発足後に引き下げました。その後も公明党は、期限内に納めてくださった方へ配慮をしながらも、延滞税引下げに合わせて、奨学金や厚生労働省所管の災害援護資金貸付けや母子福祉資金貸付金、更に社会保険料の滞納に対する延滞利息の引下げのために取り組んで実現をさせていただきました。
 その一環で、日本政策金融公庫、この公庫の遅延損害金についても、昨年二月、予算委員会において我が党の岡本三成衆議院議員が一刻も早く引き下げるよう質問をさせていただいたところでございます。長期にわたる低金利の中で、是非公庫の遅延損害金について早期に引下げをお願いしたいと思います。麻生大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のありましたように、昨年の二月の四日の衆議院の予算委員会で岡本三成先生の方から今言われた趣旨の御質問があっております。
 そのときにお答え申し上げましたのは、これはなかなか民業圧迫になりかねない部分もありますので、一方的に公庫だけがどんと引き下げたら他の民間の金融機関にとりましても影響を与えますということもありますし、加えて、政策金融公庫というのは、国民公庫、中小金融公庫だったかな、農林公庫と三つ併せてでき上がった新しい金融機関でもありますので、調整やら何やらいたさねばなりませんので少々時間を下さいと申し上げたと思いますが、いずれにいたしましても、あの当時の状況といいますと、平成二十五年度に一四・六%の遅延金を九・一%に引き下げるということをやらせていただいたと記憶をいたしますが、これが他の制度とのバランスというものも考えないといかぬと思っておりますが。
 いずれにいたしましても、この方向に沿って検討を進めているところでありますので、財務省の検討を進めているというのは大体いつになるか分からないような話が大体多いんですけれども、そういったようなことにならないようにしたいと思います。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 引き続き進めていただけるものと確信をいたしております。麻生財務大臣のリーダーシップに期待しております。
 次に、食品ロス削減への取組について総理に伺います。
 世界には十分に食事ができない、飢えで苦しんでいる子供たちがいる一方で、日本では多くの食品が廃棄されているのは総理もよく御存じのことと思います。食料自給率が低い我が国ですが、その我が国で年間廃棄される食品はおよそ五百から八百万トンです。この量は、こちらの表にあるように、WFP、国連世界食糧計画が一年間で行う食糧援助の総量、二〇一一年では三百九十万トン、これを大きく上回る量です。
 食品ロスは、メーカーや小売店、レストランなどの事業者の利益率を下げています。裏を返すと生産性を下げています。また、家庭でもお財布の負担が増えて、さらに、廃棄された食品の多くはごみとなって、その処理費は自治体の財政にも大きな負担となっています。焼却時にはCO2を排出して、地球環境にも負荷を掛けています。何もいいことがありません。
 国は、食品ロス削減のために商習慣の見直しや七省庁による連絡会議などで取り組み、一定の効果が出るということも分かってきています。しかし、残念ながら数字的にはまだ大きな効果は出ていません。それは、食品ロスの削減のためには一人一人の意識が、もったいない、食べ物を無駄にしない、あるいは賞味期限が近いものから購入しようというように変わっていくことが不可欠だからです。
 命を紡ぐ基となる食、食の安全保障という大きなテーマもありますが、公明党は、まず食品ロスの削減を足下から始めるためにプロジェクトチームを立ち上げて精力的に取り組んでいるところです。一人一人の意識改革へ大変興味深い取組がスタートしていますので御紹介したいと思います。
 配付資料にある学生さんが考えたビジネスプラン、幸せおすそわけプロジェクトです。ホテルの立食パーティーなどで大量に残る料理をお裾分けボックスに入れて持ち帰っていただくことを勧める、いわゆるドギーバッグですが、これを使って発展途上国の支援のためのスキームがつくられています。
 途上国の子供たちが描いた絵を貼ったボックスに、一個について十二円をデザイン料として途上国のNGO等に送金するというものです。この十二円は、子供一人の一日分の給食費用に当たるそうです。おいしいお料理を家庭に持ち帰り、それで途上国の子供の支援をするというプロジェクトで、既に導入しているホテルもあります。
 ドギーバッグの活用や賞味期限と消費期限の違いについて理解をしていただく、また賞味期限が近い商品から購入していただくなど、食品ロスに対する国民の知識と理解を深めていただくことで家庭の食品ロス、そして事業者の食品ロスも削減をすることができます。一人一人に取り組んでもらうために国民運動として総理のリーダーシップを期待しています。総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本では、まだ食べられるのに廃棄される食品、いわゆる食品ロスは年間約六百四十二万トンと推計されておりまして、これは、世界全体の食糧援助量三百二十万トンの二倍に相当するわけであります。
 我が国の食品ロスのうち約半分の三百十二万トンは家庭で排出されています。このため、地方公共団体や消費者団体と協力をして、各種行事を活用して買物や料理の際の注意事項を周知しているところであります。流通過程では、納入や店頭での販売の期限を定め、これを経過した食品は廃棄されるという商慣習がありますが、これが食品ロスを増加させていることから、その見直しを進めています、ただいま竹谷委員の方からも御紹介があったところでございますが。
 これらの取組が効果を上げるためには消費者の理解が欠かせないわけでありまして、国民各層に対して引き続き様々な機会に働きかけをしていく考えでございます。
○竹谷とし子君 総理から、国民に様々な機会で働きかけているという御答弁いただきました。是非よろしくお願いいたします。
 総理は、就任以来積極的に海外に出かけ、平和外交に取り組んでおられます。是非、世界の平和にとって、また人間の安全保障にとって最重要の食の安全保障についてもお取り組みいただきたいと考えています。歴史上、多くの紛争や革命は飢えが原因となって引き起こされています。また、災害などで食料価格が急騰した場合に最初に被害を受けるのが貧しい立場にある人です。これを防いでいかなければならないと思います。
 本年は伊勢志摩サミットが開催されますが、二〇〇八年の洞爺湖サミットで世界の食料安全保障に関するG8首脳声明が出されました。その中で、食料備蓄を有する国が食料価格高騰の際には食料難にある国々を支援する、人道目的の国際的仮想備蓄システム構築の是非を含めた検討がうたわれています。
 これを先取りするように、二〇〇四年、日本のリーダーシップで、ODAを活用し、東アジアで食料を融通し合うためのモデルプロジェクトが始まりました。これを発展させて、二〇一二年にはASEAN十か国プラス日中韓の三か国で互いに融通し合うAPTERR協定が発効しています。
 配付資料にあるように、日本の備蓄米を利用して、いざというときに二十五万トン提供可能ですよと申告をしておくスキームです。また、災害の多いフィリピンやラオスには、加盟国が資金を拠出し合い、現地に現物が備蓄されており、二〇一三年以来、台風や干ばつ、洪水のときに現地からの要請で活用されています。緊急時にいつでも迅速に適正な価格で融通し合える食料が備蓄されるということは、食料への投機的な動きを抑制できるという予防的な効果もあると思います。
 日本のリーダーシップで世界で初めて東アジアにできたこのスキームをこれからも着実に進め、いずれ何らかの形で世界全体に広げて世界食料銀行とも言えるスキームに発展させていくことができれば、食料安全保障を通じて日本が世界の平和にも貢献できると考えますが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ASEANプラス3、今御紹介いただいたように、ASEANの国々と日本、中国、韓国、このASEANプラス3緊急米備蓄、これは略してAPTERRと呼んでおりますが、APTERRは、米を主食とする東アジア地域において大規模な自然災害時の緊急事態に備えて米を備蓄をし、そして緊急事態発生時に速やかに供給できるようにする取組でございます。この意義についてはもう既に御説明をいただいたところでありますが、二〇〇四年のパイロットプロジェクトの開始以降、日本が主導して進めてきたものであり、加盟各国の緊密な協力の下、地域内の食料安全保障を図る世界に類例のない取組であります。
 これまで我が国は、APTERRの枠組みの下で、二〇一二年のラオスでの干ばつ被害、そして二〇一三年のフィリピンでの台風被害等に際し、日本の備蓄米を活用した支援を行ったわけであります。また、昨年はフィリピンやカンボジアにおける災害に備えた備蓄形成に対し米の現物支援を行いました。
 APTERRにおける我が国の貢献については、加盟各国からも高い評価を受けています。また、この枠組みが更に活用されるよう、私から、ASEANプラス3首脳会議等の場においてその重要性や連帯強化を訴えてきたところであります。今後、米を主食とする他の国や米以外で同様の仕組みを構築したい地域から関心が示された場合には、これまでの経験や知見を幅広く提供していきたいと、こう考えております。
 このAPTERRは、実際に有効に活用され、海外からも評価をされているわけでありまして、今申し上げましたように、米以外の分野におきましても今までのこの経験を生かしていきたい、このスキームが世界で活用されるよう積極的に対応してまいりたいと思います。
○竹谷とし子君 是非よろしくお願いいたします。
 次に、マイナンバー活用について総理に伺います。
 現在、マイナンバーが役場から送付されて、個人番号の交付が希望する方には始まっております。しかし、多くの国民の方が、行政の都合でマイナンバーが導入されて、よく分からないけれども何か面倒な感じがする、必要性を感じないと思われていると思います。マイナンバーを活用することで国民の皆様が受けられる様々なサービス、手続も簡単に便利に使えるようになる、そのためには明年七月から本格運用されるマイナポータルを存分に活用することが必要だと私は考えております。
 マイナポータルを活用して、日本の大切な国民である皆さんには、あなたにはこんなに使っていただけるサービスがありますよ、例えば子育てサービスはこんなものがある、そういうお知らせ主義に変えていくということが必要だと思います。そのためには、内閣府だけではなくて総務省を始め関係省庁の協力が不可欠です。是非、大切な国民の皆様の権利行使のプラットホームとしてマイナポータルを育てていっていただきたいと思いますが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このマイナンバーが国民の皆様にとっていかにこれは有益であるか、国民の皆様の権利や権限を守ることにもつながっていくということをしっかりとお伝えをしていきたいと考えておりますが、マイナンバー制度は、より公平な社会保障制度や税制の実現を図るとともに、情報化社会の基盤としてオンラインサービスの拡充や添付書類の削減等によって国民の利便性の向上や行政運営の効率化を目指すものであります。効率化を行うことによって無駄が削減されるということになります。
 今年からマイナンバーの利用が始まり、当面は行政内部の情報管理の正確性向上や効率化を進めることとしています。来年からは行政機関同士での個人情報の共有が可能となることから、例えば、従来であれば社会保障の給付申請の際に必要とされていた住民票の写しや所得証明書などの添付が不要となるなど、申請者の負担軽減が図られるようになります。来年から設置される国民一人一人の専用サイトであるマイナポータルでは、国民の皆様の個人情報や記録をインターネット上で確認することができるようになるほか、税や社会保険料のクレジットカード納付を可能とします。このほか、国民年金保険料のワンクリック免除申請や子供の予防接種や保育園の入園手続など、子育てに関する情報のワンストップでの提供などを検討しています。
 さらに、将来的には民間サービスと連携をして、例えば、引っ越し時に郵便局など一か所に住所変更手続を行えば、金融機関など本人が指定した他の機関に通知が届くようにするといったサービスを提供することも検討しています。
 このように、マイナンバー制度を通じて国民の皆様にメリットを実感していただけるように準備をして進めていく考えであります。
○竹谷とし子君 最後に、総理は一億総活躍を実現するために介護離職ゼロに取り組まれると力強く決意され、補正予算でも緊急対策として一千三百八十四億円を計上して、しっかり目配りをされているところです。
 私の地元東京では、保育園や高齢者施設が足りない、まとまった土地を都内で探すのは至難の業でなかなか進まない状況です。そこで、国有地の活用が注目されます。
 介護離職ゼロのために国有地の更なる活用策、支援策について財務大臣に伺います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘のありましたように、一億総活躍国民会議において取りまとめられました緊急対策において、介護離職ゼロの実現が緊急の課題とされたところです。特に、この都市部における介護施設の整備に当たっては、用地の確保というのも大きな課題となっておりました。
 そこで、新たに地方公共団体に対して、介護施設整備の利用可能な国有地の情報というものを広く提供してもらいたいというのが一つ。二つ目に、用地確保が困難ないわゆる大都市部等々において、初期投資の負担軽減というものを考えないとなかなかできませんので、政策的に必要な期間、また地域、また施設に対して、当初十年の定期借地料というようなものを五割、いわゆる五〇%減額するというような、国有地の更なる利用を図ることとさせていただいております。
 財務省としては、いわゆる介護施設整備の促進に向けて国有地というものが有効に利用されるように、地方公共団体や関係省庁との十分な連携の下に、今後とも適切に対応してまいりたいと考えております。
○竹谷とし子君 都内では、高齢者の施設、また子供の施設が一緒になっている複合施設というものも増えていくと思います。複合施設でも高齢者部分は減額されるということを伺っておりますけれども、是非進めていただくことをお願いして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で石川博崇君及び竹谷とし子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、小池晃君の質疑を行います。小池晃君。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 総理は、アベノミクスで経済の好循環が生まれたと、第二ステージは一億総活躍社会を実現すると、この補正はそのスタートだということだと思うんです。
 しかし、第一ステージでの暮らしや景気の実態というのは、これは好循環とは程遠いのではないか。国民生活基礎調査では、生活が苦しいと答えた人は六二・四%、年々悪化しています。中でも、児童がいる世帯になると六七・四%。確かに、企業は史上最高の収益を上げています。あるいは株高で巨万の富を手にした投資家もいるでしょう。しかし、国民には景気回復の実感はほとんどないと思うんです。
 総理、これに対して総理は国会で、成長の果実を分配に回すんだとおっしゃっています。ということは、つまり総理は、今の最大の課題は所得の再分配、これが重要な課題になってきているという御認識でしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 分配か成長かという、そういう議論もあるわけでございますが、まずはしっかりと成長していく、そして、企業が収益を上げていくことによって賃金を上げていくことも可能となるわけでございますし、そうした企業が払う税金をこれはしっかりと活用していくことによって再分配機能を、これを生かしていくことが大切であろうと。そして、それが可能となっていくわけでありますから、しっかりと経済を成長させ企業が収益を上げる中において、我々が行っている政労使の懇談会においてそうした認識を共有し、十七年ぶりの高い賃上げ率を、連続でこれを確保している、高い賃上げ率を確保しているということは大きな実績だろうと、こう思っております。
 今後とも、成長と分配の好循環を回していきたいと思っております。
○小池晃君 ですから、企業は史上最高の収益を上げているわけで、そういう点でいえば、今の一番やっぱり大事な課題は分配という認識なんですねと聞いているんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは共に必要でありまして、分配も極めて大切であるということについては共産党とも認識を一致しているのではないかと思います。
○小池晃君 認識一致しているのはいいことだと思いますが、ならば何で消費税の増税なのかということなんですよ。所得税や住民税免除される方でも生活保護世帯でもワーキングプアでも消費税というのは掛かってくるわけで、まさに所得再配分に最も逆行する税制なわけですね。
 ところが、一年三か月後に一〇%増税が迫っているわけであります。二年前の八%の増税は、暮らしや経済に本当に深刻な打撃になっていますよ。これは、二〇一四年度は年間通じてマイナス成長になりました。総理はワンショットの影響だとおっしゃったけれども、一五年度の四―六もマイナスです。七―九も僅かにプラスになったけど、景気回復には程遠いわけです。とても景気回復とは言えない。八%増税がどれだけ打撃になったのかを私は真剣に見るべきだと思うんです。
 中でも深刻なのは家計ですよ。消費減退の大きな原因がまさに八%増税だった、これは明らかです。この上一〇%に引き上げれば、これは僅か四年間で十三兆円、前代未聞の連続増税になるわけですね。デフレの脱却どころか、個人消費と家計に深刻な打撃を与えることは間違いないわけです。
 総理、これでも増税を強行するとおっしゃるんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この八%への三%の引上げは、確かに消費に大きな影響を与えたのは事実であります。だからこそ、私たちは一〇%への引上げを一年半延期をしたところでありまして、この間、しかし、我々はしっかりと三本の矢の政策を進めていき、しっかりと成長軌道に戻しつつあるわけでございますし、その中で賃上げも順調に行われております。今年の四月も来年の四月も賃金が引き上げられていくという状況をつくり出していく中において、大切な社会保障制度を次の世代に引き渡していくためにも消費税の引上げは必要であろうと、こう考えているところでありますし、そういう環境をつくっていく考えであります。
 ちなみに、この消費税の引上げによる増収分は全額社会保障の充実、安定化に充てることとしており、特に、所得の低い方々に対しては国民健康保険料の保険料軽減の拡充等に講じているわけでございまして、来年の四月の消費税の引上げについては、繰り返しになりますが、引き上げられる環境をつくっていく考えでございます。
○小池晃君 しかし、景気指標は次々悪化していますよ、今。こんな中で増税したら本当に深刻な事態になると思います。
 しかも、今、社会保障に充てる充てると言うけれども、八%に増税して社会保障良くなったという国民の実感あるでしょうか。私はほとんどないと思いますよ。これ、増税分充てると言うけれども、八%引上げの増収八・二兆円のうち社会保障の充実に充てたのは一六%です。それ以外はほかの財源を消費税に置き換えただけですから、社会保障の中身自体は変わっていないわけです。
 しかも、正反対のことがこの間起こっている。安倍政権になって三年間で社会保障の自然増が毎年五千億円まで抑制されました。これ、自然増というのは、人口が伸びる、あるいは高齢化する、医療技術が進歩する、当然、何もしなくても増える部分です。だから、当然増という言葉もあるわけです。
 これが、例えば二〇一三年度は、夏の概算要求のときに八千四百億の自然増の見込みだった。一四年度は九千九百億円だった。一五年度は八千三百億円だった。これが過去三年間五千億円まで抑制されたわけですから、まさに小泉政権の毎年二千二百億円を上回るわけですよ。生活保護の改悪あるいは介護報酬の削減、そういったことが行われたわけであります。そして、来年度もやはり五千億円にするという。
 私、総理に率直に伺いたいのは、安倍政権がこの間やってきた社会保障の抑制、自然増の抑制は、これは数字で見れば、これは小泉政権時代を上回る規模でやってこられたということは事実としてお認めになりますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 結果としては、言わばそれを上回る形の適正化等々が行われたと、こう思っておりますが、小泉政権のときのアプローチと違うのは、最初に金額ありきではなくて、目安としては金額は置いておりますが、言わば各制度の適切化、適正化を図っていく、集約化を図っていくことによって、結果としてそういう数字になっているということでございます。
○小池晃君 でも、結果として抑制したことは認めた。
 しかも、目安目安と言うけれども、財政審の建議で何と書いてあるかというと、目安から逸脱することは断じてあってはならない、三年間の目安であるからといって、歳出の伸びの抑制を先送りすることがあってはならない、最大級の表現で、これは目安という表現を事実上骨抜きにしたんですよ。これが実態だと。
 小泉政権のときは、消費税増税せずに痛みに耐えて頑張れと言って社会保障の削減をやった。ところが、安倍政権は、社会保障の削減は小泉政権以上に進めながら、消費税の増税も同時並行でやると。何が社会保障のための消費税だということになるんじゃないですか、これでは。
 それから、軽減税率なるものについても聞きたいんですが、軽減と言うけれど、これ、総理、聞きますが、軽減と言うけれど税率下がるわけじゃないですよ。今より軽くなるわけじゃないですよね。これ、お認めになりますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この軽減税率というのは、フルに掛かっている税率に比べて安い税率があるという、制度としてのこれは表現でございまして、しかし、一〇%になるものに対しましては、一〇%に上がらずに八%のまま、一〇%に比べれば当然これは軽減ということであろうと思います。
○小池晃君 いや、ごまかしちゃいけない。今より上がらない、今よりも軽減されるわけじゃないですよねと私聞いているんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはそのとおりでございますが、一〇%に比べれば二%軽減しているという意味で使わさせていただいているところでございます。
○小池晃君 だから、これ軽減じゃないんですよ、今より軽くなるわけじゃないんだから。据置税率なんですよ、あえて言えば据置税率だと。
 自公両党は、食料品、新聞の税率を八%に据え置く、これで一致したわけですが、この税率、据え置いたとしても大増税ですよ。
 財務大臣に聞きます。
 酒類、外食を除く飲食料品及び新聞の税率を八%に据え置いた場合でも一〇%増税でどれだけの負担増になるのか、単身世帯とそれから二人以上世帯のそれぞれ平均で示してください。
○国務大臣(麻生太郎君) お待たせしました。済みません。
 酒類及び外食を除く飲食料品及び一定の新聞の定期購読料を軽減税率の対象として、いわゆる標準税率を一〇%に引き上げることとしておりますが、今御質問の内容は、消費税負担の増加額を一定の仮定の下で機械的に試算をいたしますと、単身世帯当たり二万二千円程度、二人以上の世帯当たり四万一千円程度となるという計算ができております。
○小池晃君 お聞きになったように、二人以上世帯は平均で四万円超える、単身世帯は一人だけで二万一千円超える、大変な負担増なわけです。改めて家計への大打撃になるということですね。これ、軽減なるものをやってもこうなるわけですよ。
 今、グラフをお示ししておりますが、(資料提示)消費税のやっぱり最大の問題点は逆進性です。所得が低いほど重くのしかかってくるという問題です。年収二百万円以下の場合、これは消費税の負担率、家計に占める、年収に占める割合はこの増税によって一%程度増えます。それに対して、年収千五百万円では〇・四%の増加です。一%と言うけれども、年収二百万円で二万円収入が消えるというのは、これ、本当に深刻だと思いますよ。
 一〇%に増税すれば、財務大臣、幾ら据え置いたとしても、八%のときよりもこのように逆進性が強まるということをお認めになりますね。
○国務大臣(麻生太郎君) 単純に計算すると、そうなるのは当然のことだと存じます。
○小池晃君 当然と平然と認めてもらっては困るんですよ。そういうことをやるんですかということですよ、これ。所得の分配が必要だというときに逆進性更に高める、そんな増税をやっていいのかということなんですよ。
 財務大臣にちょっと聞きたいんですが、食料品、新聞の税率を八%に据え置くために必要になる財源は一兆円、一兆円というふうにこの間議論になりました。この一兆円の根拠をお示しいただきたい。通告してあります。
○国務大臣(麻生太郎君) 軽減税率導入によるいわゆる減収見込額につきましては、税率一%当たり消費税額二・一兆円、これは、国などにおけます負担する消費税額や住宅取得に係る消費税額を除いたものでありまして、家計消費に消費するものだけなんですが、家計調査における軽減税率の対象品目の消費額の割合二四%を掛けまして、これに軽減税率幅二%を掛けることなどにより一兆円程度ということを見込んでおるところであります。
○小池晃君 一兆円だと。
 一方、総理は衆議院の予算委員会で、食料品を軽減税率の対象とした場合の二人以上世帯の一人当たりの負担軽減額が年間四千三百円程度というふうにお答えになっています。総理の答弁なので総理にお答えいただきたいんですけど、これに新聞加えて単身世帯も含めた場合の全世帯ではどうなるんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 酒類及び外食を除く飲食料品及び一定の新聞の定期購読料を軽減税率の適用対象とした場合の総世帯の一人当たりの負担軽減額については、一定の仮定の下、機械的に試算すれば四千八百円程度となるものと見込まれております。
○小池晃君 四千八百円程度だと。
 今の日本の人口というのは一億二千六百八十八万人なんですよ。これ、四千八百円ということにすると、単純計算でこれ掛けると六千億円ちょっとになるんですね、六千百億円ぐらいかな。一方で、一兆円というわけですよ。これ、どうしてなんですか。この一兆円と六千億円の差額は一体どこに行くんですか。
○委員長(岸宏一君) ちょっと待ってくださいね。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のとおり、今の話で、ちょっとにわか勉強で誠に恐縮ですが、これは、全体で取っている数字と家計調査に基づいて足してきた数字との差が多分これに出てきているのではないかと想像されます。
○小池晃君 そんな説明通用しないでしょう。だって、九千億円と一兆円とか、九千八百億円と一兆円というのなら分かりますよ。六千億円と一兆円ですよ。全然違うじゃないですか。
 大体、家計調査、確かに家計調査で把握できないものはありますよ。ただ、食料品というのは一番把握しやすいんですよ。高額の消費であれば、それは把握できない部分はあるかもしれない。それがこれだけ乖離がある。これは全く説明になっていない。これでは駄目です。これ、納得のいく答弁してください。
○委員長(岸宏一君) じゃ、どうですか。ちょっと、じゃ、宿題にして。
○小池晃君 いや、駄目ですよ。
○委員長(岸宏一君) じゃ、ちょっと待って、ちょっと待ってください。これ時間にカウントになっていないから、ゆっくり待ってください。
 じゃ、一応、速記を止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(麻生太郎君) 大変お待たせしました。
 基本的に、先ほど申し上げましたように、家計調査というものを我々はいろいろな方にお願いをして出してもらっているわけですが、その出している方々が書いていただいているやつを我々は基にして、先ほど申し上げたことになりますけど、実際全部書いていられるかというと、なかなかそんなことは書いていられませんよ、調査してみたら分かりますから。当然でしょう、だって、書いていない部分は意図的に書いていないとかいうのではなくて、全体としては非常にもっと大きなものになりますので、そうなりますと、その全体の、税収入全体でいきますと、その差が出てきているのは当然なんだと思いますが。
○小池晃君 今の説明だったら、家計調査って全く信用できない調査だということになりますよ。だって、六千億円と一兆円の違いですよ。僅かな誤差じゃないじゃないですか。これは駄目ですよ。
 だったら、さっきの、例えば大臣は一世帯当たりの負担増の数字も出したけれども、あれも全部でたらめだということになりますよ。こんなのじゃ議論できないですよ。ちゃんとした正確な数字出してください。やっぱりこれが、六千億円、この家計調査の方が間違っているんだとすれば、これは今までの議論が全部間違っているということになりますよ。
 それから、もしかして軽減税率一兆円だというのが過大な数字だとすれば、これは、今まで衆議院では全部一兆円の軽減税率だと、財源どうするんだという議論をしてきたのが全部駄目になりますよ。全部議論やり直しですよ、これ。はっきりさせてください。こんなのじゃ駄目です、政府の統一見解を出してもらわないと。
 今の説明では、家計調査がちゃんと把握できないからそれでは合わないなんという、そんな説明では全くこれは誰も納得できないですよ、これはどう考えたって。多少の誤差ならともかく、これは国民、テレビを御覧の皆さんだってこれはやっぱり納得できないと思いますよ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま財務大臣から答弁したとおりでありまして、家計調査の場合は、家庭にお願いをして言わば家計簿を付けていただいて、それをサンプルとして我々が集めたものを、そしてそれを、例えば言わば全ての世帯がこのとおりという、そういう計算をするわけでございますが、我々が一兆円とお示しをしているのは、まさにこれはマクロの数字として、実際に言わば今まで八%の既に消費税を掛けているわけでございますが、そのベースとなったものに一〇%を掛ければ当然この一兆円が出てくると、こういうことでございますから、当然、今までの既に実績ベースで出されてきたマクロの数字としては正しいものが一兆円であると、こういうことでございまして、家計調査についてこれ割り返してみたらどうなんだという質問を民主党からいただいたものでありますから、そこで、新聞を除いたものとして四千三百円かな、というものを出したわけでございまして、通常、そこから、では税収がどれぐらい減るかということをこれは計算するものではないわけであります。
 それはなぜかといえば、これはそれぞれの家庭に家計簿を付けていただいている、これは全部の家庭ではなくて幾つかにサンプルをお願いをしていると、こういうことでございますから、そもそもこの家計調査とこういうマクロの数字を取るという、これは趣旨がそもそも違う、性質が違うということに起因するものでございます。(拍手)
○小池晃君 あのね、拍手するところじゃないですよ。政府の統計がでたらめだという答弁なんですよ。そういうことじゃないですか。家計調査が全く反映していないということじゃないですか。
 大体、それだとすれば、これだけの誤差が起こるということは納得できないですよ。だって、家計調査は確かに全世帯調査じゃないから、車を買った世帯とそうでない世帯と、差は出ますよ。ただ、食料品というのはどんな家庭だって買うんですよ。一番誤差が少ない部分なんですよ、家計調査の中でね。一番実態把握しやすい部分でしょう、食料品というのは。それがこれだけ違うというのは、これは全く、だって説明になっていないでしょう。これじゃ説明になっていないです。
○国務大臣(麻生太郎君) 重ねて申し上げるようで恐縮ですが、少なくとも、小池先生のおっしゃるように、間違いなく家計調査というものはきちんとしたお願いをさせていただいた方々のところですから、サンプル量は当然小さくなるのは当たり前の話なんであって、そのものに対して我々は、その比率から計算して、税収全体から見てこういった比率だと、それを掛け合わせますので、そちらの側の方の全体、税収全体から見たら一兆円になるという話を申し上げているのであって、決して私どもは、サンプルを基にしてそういう比率を割り出しておりますから、そういった意味では決して間違っていないと思いますが。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
 じゃ、麻生財務大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘のことに関しまして、明確な答弁が今は数字の上でできませんので、後刻資料をもって提出させていただきます。
○委員長(岸宏一君) ただいまの件につきましては、これまでの答弁を精査の上、後刻政府から統一した見解を文書で提出し、答弁するようお願いしたいと思います。よろしいですか。
○小池晃君 いや、後刻じゃ、後刻じゃ駄目。後刻、いつまでですか。あしたの委員会が始まる前までに出してください。
○委員長(岸宏一君) ちょっと、じゃ、速記を止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
 麻生財務大臣、どうぞ。
○国務大臣(麻生太郎君) あしたの午前中、始まるまでに。
○委員長(岸宏一君) よろしいですか。それでは、そのようにいたしましょう。
○小池晃君 これ、いずれにしても、今までの衆参両院での説明、全部間違っていたことになるんですよ。(発言する者あり)そうですよ。だって、家計調査に基づいて答弁しているんだから。だから、全部それ違っていたわけですよ。家計調査、把握できていなかったというんだから。これは重大ですよ。本当は、臨時国会やればこんなことにならないんですよ。これ、自民党と公明党だけでやるからこういうずさんなことになるんだよ、国会でちゃんと議論しないから。
 一方で、消費税増税の一方で法人税の減税、これも本当に納得いきません。法人税の減税によって、総理は、賃金に還元し、消費が増えて、さらに、企業の収益が上がっていくといういい循環に入ることが日本全体のためだと言ってきた。安倍政権がこれまで実施してきた企業減税は、復興特別法人税の一年前倒し廃止、法人税率引下げなど平年度ベースでは三兆円、来年度以降はこれに一兆円が加わるわけですね。これにどれだけの効果をもたらしたのか調べてみました。
 これ、各企業の有価証券報告書を取り寄せて、上位減税十社、増税分はちゃんと差し引いて、増減税差引きで、上位十社調べてみました。ベストテンの詳しい資料は配付資料の中にあります。一位はトヨタ、トヨタ自動車、二位は三菱東京UFJ銀行、三位はNTTドコモ、三井住友銀行、KDDI、みずほ銀行、国際石油開発帝石、JR東海、富士重工業、第一生命保険と続くわけですね。
 グラフにしてみましたが、この十社足し合わせると、過去二年の税引き前利益は二兆三千億円増えています。安倍政権の下で行われた増減税差引きで三千億円超える減税になり、さらにこれから一千五百億円の減税をやろうとしている。ところが、賃金は九百億円しか増えていません。一方で、配当は一兆円を超える増加なんですね。これ大半は海外投資家の懐に消えていますよ。
 私、これ、総理、大企業憎しということで言っているんじゃないんです。こんな形での減税やって何の意味があるんですかと。経済にも財政にも何の意味もないじゃないですか、これ。どうですか、この減税。いかがですか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この法人税の減税につきましては、これはまさに日本の企業の競争力を高めていくということもあるわけでございます。同時に、我々は、減税を行うことによって、通常であれば政府が企業に対して賃金を引き上げろということは今まで自由主義経済の中ではなかったのでございますが、デフレから脱却をしていく上において、政府は政府としての努力をしていく上において、企業もしっかりと努力していただきたいと、こうお願いをしたわけでございまして、政府の努力としては、ビジネス環境を良くしていく、競争力を引き上げていく上において法人税の減税を行ったところでございますが、これがやはり一つの例、後押しをしていく、企業の背中を強く押していく効果はあったのではないかと、こう思うわけでございます。
 その結果、十七年ぶりの高い賃上げ率が実現をしているわけでございますし、そして、それはまた設備投資へも回っていくということについては、結果としてそれはさらに更なる成長に結び付き、経済の好循環につながっていくと、こう考えております。
○国務大臣(麻生太郎君) 補足を申し上げるようで恐縮ですが、二〇一四年のあの税制改正のときは、あれは復興法人特別税の廃止であって、あれは当初の予定を一年間前倒ししたものなのであって、恒久的な減税として扱うのは少々おかしいんじゃないんですかね。
 二〇一五年、一六年度の設定に関しては、税率引下げが、これ課税ベースの拡大とセットになっていますから、そういったもので行われておりますので、試算ではその点が十分に勘案されていないんじゃないのかなという感じがしておりますのと、いわゆる外形標準課税の拡大については勘案されているような計算になっていますけれども、国の法人税課税ベースの拡大の影響については忘れられていると思っているのが二点目。
 税制改正につきまして言わせていただければ、二〇一六年度までのカウントしておられますけれども、賃金の増加は二〇一四年までしか勘案されていないんじゃないですかね、これは。そういった意味では、細目にわたって言わせていただくといろいろ言わせていただきたいことはいっぱいあろうと思いますが、いずれにいたしましても、こういったものは慎重に考えねばならぬことだと思いますが。
 私どもがずっと申し上げておりますのは、企業の利益が出た分に関しましては、内部留保がかなりな、大幅に増えておるという状態を考えた場合に、その内部留保が二十四兆の二十六兆、約四十九兆九千億、約五十兆増えておりますので、そういったものを、少なくとも賃金、配当、設備投資にもっと回されてしかるべき、これはずっと申し上げてきておりますが、その点は事実だと思います。
○小池晃君 いろいろごちゃごちゃ言ったけれども、これ回っていないということは認めるわけですよ、事実としてね。それから、これまでの減税分にも達していないじゃないですか、賃金、これから上がるかもしれないとおっしゃったけど。その今までの賃金増加分、これまでの減税分の半分以下しかないじゃないですかと言っているんですよ。これが実態でしょうと、どれだけの効果があったんだと。
 だから、大企業には法人税減税ばらまく一方で消費税を増税する。社会保障のための消費税の増税だと言いながら、社会保障の削減を進める。所得の再配分が必要なときだと言いながら、配分に最も逆行する増税をする。私、これ一かけらの道理もないというふうに思います。
 来年四月の一〇%増税は中止をすべきだと。増税するなら消費税ではない、アベノミクスでさんざんもうけた富裕層ではないかと。史上最高の利益を上げている企業に応分の負担を求めることではないか、大企業減税を中止することこそ必要なんじゃないかと。そうしなければ経済の好循環なんて生まれないですよ。国民の暮らしが良くなければ経済の好循環なんて生まれないんですよ。根本的に転換するということは必要だということを申し上げたいと思います。
 さらに、貧困の問題を取り上げます。
 政府の統計でも相対的貧困率が上昇を続けているわけですね。OECDや厚生労働省の相対的貧困の定義及び貧困ラインと、相対的貧困率について全体及び子供の数字を示してください。
○国務大臣(塩崎恭久君) OECDの定義がございまして、相対的貧困率とは、いわゆる等価可処分所得の中央値、すなわち一人一人の可処分所得を一定の計算式で算定をいたしまして、全ての人を低い順から並べて、その場合の真ん中の人の所得額の半分の額、これが貧困ライン、貧困線として、それに満たない方々の人数の割合を相対的貧困率と呼んでいます。
 国民生活基礎調査によりますと、これは平成二十四年の調査ですが、相対的貧困率平成二十四年は一六・一%、子供の貧困率は一六・三%で、貧困線は百二十二万円となっております。そこまででよろしいですか。
○小池晃君 六人に一人が貧困ラインを下回る社会に日本はなっているんですね。特別な人の問題でないわけです。多くの国民にとって貧困がすぐ身近にある、人ごとでない、そういう状況が生まれてきているわけですよ。
 新聞や雑誌で貧困特集なされて、下流老人、貧困女子、漂流青年、困窮中年、あらゆる年代、階層が貧困に陥ってしまう危険と隣り合わせの暮らしになっている、これが実態だと。とりわけ女性と子供の貧困が深刻なんですね。昨年暮れの朝日新聞でシングルマザーの記事で、食べ物がなくて幼い姉妹がティッシュを口にして、ティッシュって甘いのもあるんだよと。本当に切ない記事でした。
 今お示しした世界の統計を見ると、子供の貧困率は日本は世界一です。OECD加盟三十四か国で最悪です。OECDのホームページを見ると日本だけグラフに入っていないんです。五〇%が上限だから、欄外になっちゃっているんですよ。
 総理、日本が世界有数の貧困大国になったという認識はありますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このOECDの比較でございますが、厚労省の数字と総務省の数字はそれぞれ少し違うわけでございまして、厚労省の数字ではOECDの平均よりも子供の貧困率は低いわけで、低いというのは以下になっているわけでございますが、総務省の数字はまた別であろうと思います。
 いずれにいたしましても、大切なことは、しっかりと経済を成長させていくことと、子供たちが家の経済状況に左右されないで幸せな生活を送れる、そしてまたしっかりと学ぶことができるという環境を整えていくことではないか、また再分配の機能をしっかりと発揮していくことも大切ではないかと考えております。
○小池晃君 いや、厚労省の数字というのがOECDの平均以下なんて、違うでしょう、今の。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、以下と言ったのは、これ低いという、全体よりも、言わば以下というのは高いという、貧困率が高くないという意味で、貧困率が高いということにおいては厚労省の数字が高くて経産省の数字が低いと、こういうことでございます。(発言する者あり)総務省の数字が低いということであります。
○小池晃君 何か混乱しているようですけれども、役所によって数字が違うというのはおかしな話だと思いますが、OECD、厚労省がこの問題は基本なんだから、それはOECD平均より悪いのは明らかなんですよ。
 総理、私の質問に答えていないんです。日本は世界有数の貧困大国だという認識があるかと聞いているんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この子供の貧困率ということについていえば、言わばこれは、先ほど申し上げましたように、どういう基準で計算をしているかということについては厚労大臣がお示しをさせていただいたわけでありますが、小池委員が、では日本が貧困かといえば、それは決してそんなことはないわけでありまして、言わば国民所得、そしてまたあるいは総生産を一人で割っていく一人当たりのGDP等でいえば、もちろん日本は世界の標準で見てかなりこれは裕福な国になると、こういうことではないかと思います。
○小池晃君 日本が貧困かどうかなんというそんなばくっとした話じゃない。貧困率、相対的貧困率というのは世界の標準の数字なんですから、それで見れば日本は世界有数の貧困大国になっているでしょうと、そういう認識から出発しなくちゃいけないじゃないですか。総理、その認識聞いているんです。
○国務大臣(塩崎恭久君) 小池先生が御指摘のように、OECDのこの相対的貧困率の国際比較を見てみても、確かに順番はこれ日本はかなり低い方であることは間違いない。今日お配りをいただいている子供の貧困率も、大人一人、一人親家庭ですね、この子供がいる場合の数字も一番高いという数字を配っていただいていますが、今総理から申し上げたのは、総務省とそれから、これ家計調査とデータが取っているものが違うということでレベルが違うけれども、方向としてはいずれも高まってきているということは間違いないところでございます。
 ただ、相対的貧困率というのは、先生も御案内のように、例えば現物給付は全くカウントしない、所得だけで見ると、さっき私から定義を御説明申し上げたとおりでありまして、そういうこともありますので、様々な指標を併せ見ていかなければいけないけれども、OECDが指摘しているように、貧困率について、相対的貧困率については確かに日本はレベルとしてもかなり高いし、なおかつ方向としても増えてきているということでありますから、それぞれの対策を打っているわけで、年末にも一人親等の対策としてパッケージを出させていただいて、今回の補正予算、そして二十八年度予算にも様々入れさせていただいているということで、基本的な認識はそういうことでございます。
○小池晃君 総理も同じ認識でよろしいですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この厚労省のお示しをしている相対的貧困率においてはOECDの平均よりも低いというのは、言わば悪いという意味で使ったわけでございますが、総務省では、これはOECDの平均よりはいい数字が出ているわけでありますが、いずれにいたしましても、しかし、我々としては、傾向としては、これは安倍政権の成立をする前の、最新のものは二〇一二年であろうと、こう思うわけでありますが、傾向としてはそれが進んでいるという状況はしっかりと把握をしておりますので、今般も一人親世帯あるいは多子世帯を支援すること等に七千億円、補正予算そして来年度予算に計上しているところでございます。
○小池晃君 どの政権がというような小さい話じゃないんですよ。やっぱり大きな流れとして貧困大国になっている、そこから出発して政策立てないといけないんじゃないか。
 文部科学大臣に聞きます。
 子供の貧困が次の世代に連鎖していくという問題があります。進学率への影響あるいは学力への影響、いろんな調査があると思います。お答えいただきたい。
○国務大臣(馳浩君) お答えいたします。
 家庭の経済状況と学力の関係については、全国学力・学習状況調査に基づく調査研究によりますと、家庭所得や保護者の学歴に基づき設定した指標である家庭の社会経済的背景が高い児童生徒の方が各教科の平均正答率が高い傾向が見られること、社会経済的背景にかかわらず、平日の学習時間が長い児童生徒の方が各教科の平均正答率が高い傾向が見られ、学習時間の長さが不利な環境を克服する手段の一つとして考えられることなどが示されていると承知をいたしております。
 また、家庭の経済状況と大学進学率の関係については、全世帯の子供の現役大学等進学率が七三・〇%であるのに対し、生活保護世帯の子供は三一・七%、児童養護施設の子供の高校卒業後の進学率が二二・六%であるなど、家庭の経済状況によって大学等の進学率に差があるものと承知をいたしております。
○小池晃君 深刻な実態だと思うんですよ。
 それから、先ほど前半で述べたことで、これ、社会経済的背景の高い子供が全く学習しなかったときの正答率と社会経済的背景の低い子供が三時間以上学習した場合の正答率を比べると、低い子供の三時間以上勉強した子の方が正答率が低いという、そういう数字もあるわけですね。決して自助努力だけで解決できない問題じゃないか、そういう認識はありますか。
○国務大臣(馳浩君) そういう認識は持っております。
○小池晃君 これは本当に重大な問題だと私は思うんです、これは。
 それから、健康に対する影響も紹介したいんですが、これ全日本民医連に加盟している十一医療機関で、二〇一四年度に入院した小児のうち協力が得られた七百二十七件、相対的貧困家庭とそうでない家庭比べて仏教大学の武内一教授がまとめた調査です。これ見ますと、入院四回以上が貧困世帯では一・七倍、経済的な理由で受診を控えている方は四・四倍、気管支ぜんそく基礎疾患している方は一・九倍、ぜんそく発作による入院は約二倍、それからインフルエンザワクチンを接種していない比率は三倍以上と、健康にも影響を与えているということであります。
 少子化担当大臣にお聞きしますが、こうした子供の貧困状態を改善することによってどのような経済、財政への効果があるのかという調査あると思いますが、分かりやすくお示しいただきたい。
○国務大臣(加藤勝信君) 政府において特にあるわけではありませんけれども、直近では昨年十二月に日本財団等が公表された資料がございます。それによりますと、子供の貧困対策を講じることによって、現在十五歳の子供のうち貧困状況にある子供約十八万人において進学率、中退率、これが改善した場合には、六十四歳までの間で生涯所得の合計額が約二・九兆円増加、また、それに伴い税、社会保障の納付が増加することなどから、政府の財政が一・一兆円改善するという研究がございます。
○小池晃君 これは非常に大事だと思うんですね。これは、貧困世帯を一人親とか生活保護世帯だけに限定しているという問題点、この調査はあるんですけれども、これは大事な調査だと私は思う。現在十五歳の子供だけですから、これは一定の年代でやればもっと大きな効果が出てくるわけですよ。
 改めて総理にお聞きしますが、素直にお答えいただきたいんだけれども、やっぱりこれは、貧困というのは本当に日本の政治にとって重大な課題だし、これを放置することは日本社会にとって重大な損失だし、これを本気で解決することは、日本の未来を切り開く力を持っていると、そういう課題であるという認識を総理はお持ちでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この点につきましては、小池委員が御指摘されたように、未来の担い手となる子供たちの貧困の連鎖を断ち切っていくことが極めて重要であろうと、こう思います。
 政府は、二〇一四年八月に子供の貧困対策に関する大綱を初めて定めまして、対策を総合的に推進することとしました。昨年十一月には、一億総活躍国民会議で取りまとめた緊急対策において子供の貧困対策を大きく取り上げたわけでありまして、昨年の十二月に決定したひとり親家庭・多子世帯等自立支援プロジェクトでは、第二子以降への児童扶養手当の加算額の倍増、奨学金の充実など、大綱に盛り込まれた施策を大幅に拡充することとし、今般の補正予算と来年度予算に盛り込んだわけでありまして、今後ともこうした取組を通じて子供の貧困対策に力を入れていきたい、政府を挙げて全力で取り組んでいく考えであります。
○小池晃君 いろいろやっておられることは承知をしているわけですよ。しかし、じゃ、何で消費税をこういうとき増税するんですかという話にまたなってくるわけですね。
 八%に増税したときに、政府は、その影響緩和のためだといって、これ、一回限りではありますけど、低所得世帯には臨時福祉給付金、子育て世帯には子育て世帯臨時特例給付金、これ出した。なぜかといえば、子育て世帯に消費税増税というのは非常に打撃になるからやったわけでしょう。極めて不十分ではあったけれども、その対策取ったわけでしょう。にもかかわらず、一〇%増税すると。
 総理、やっぱり、今、政府を挙げて子供の貧困対策やろうというときに、私はこれほどの逆行はないんじゃないかと思いますよ。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この一〇%への引上げは、子育て支援を進めていく、今、小池委員が御指摘をされ、私が答弁をさせていただきましたように、言わば貧困家庭への支援も含めているわけでありますが、そうした子育て支援をしっかりと充実をしていく、そしてまた、高齢者の福祉の支援、社会保障の充実のために、言わば一〇%の引上げ分は全てこれは振り向けていくわけでございます。
 そうした意味におきましても、この社会保障を充実をしていく、社会保障制度を次の世代に引き渡していくためにも一〇%への引上げは必要であると、こう考えております。
○小池晃君 社会保障の充実とまた言うんですけれども、じゃ、具体的に聞きますよ。
 児童扶養手当を拡充すると先ほど前段で御説明がありました。確かに、第二子の加算額を現在の五千円から一万円に、第三子以降を三千円から六千円に引き上げると。これ、第三子は二十二年ぶり、第二子は実に三十六年ぶりの引上げになると。二子、三子の加算引上げというのは、これは関係団体も強く求めてきたことです。月三千円、月五千円というのはもう余りにも少な過ぎたわけで、これ引上げは当然だと思いますが、第一子分には引上げ、ないわけですね。
 厚労省に聞きますが、一人親家庭のうち、お子さんが一人の比率、どれだけですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 平成二十三年度の全国母子世帯等調査によりますと、一人親家庭のうちで子供が一人の家庭の比率は五四・七%となっております。
○小池晃君 ちょっと直近の数字は違うんですけれども、まあ五割、六割、六割近いという数字を言っていたわけですね。これは引上げ対象にならないわけです。
 先ほど指摘した給付金はその後どうなったのか。臨時福祉給付金は、昨年度は一人一万円、今年度は六千円が支給されました。また、子育て世帯臨時特例給付金は、昨年度は子供一人一万円、今年度は三千円でした。ところが、来年度は、臨時福祉給付金が半減の三千円になる、子育て世帯臨時特例給付金は廃止だと。
 これは、子供一人の母子世帯で見ると、昨年度は二つの給付金の併給はなかったが、二万円もらえました。今年度は一万五千円でした。これが来年度は六千円になるわけです。そこに消費税の増税が加わってくるわけですね。この母子世帯の年収が二百万円以下であれば、消費税が八%から一〇%に引き上げられた負担増が一万四千円から六千円だと。児童扶養手当の引上げは全く関係ないわけですよ。
 総理、こういうことで貧困の解消できますか。貧困の解消どころか、逆にこれで消費税増税加われば、給付金もなくなって、児童扶養手当のかさ上げもなくて、貧困加速することになりませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の七千億円につきましては、これは補正予算と本予算を合わせたものでございますが、これは、保育の受皿の量の拡大あるいは保育士の人材確保等々を行っていくわけでございますし、また一人親家庭につきまして、また多子世帯への支援につきまして先ほど申し上げたとおりでございますし、また幼児教育の無償化の段階的拡充も行っていくわけでありまして、プラス三百八十億円程度を行うところでございます。
 児童扶養手当の多子加算の倍増につきましては先ほど申し上げたとおりでございまして、今後とも多子世帯あるいは一人親家庭への支援を進めていきたいと、こう思っております。そして、それとともに、先ほど申し上げましたように、こうした支援を確かなものとしていく上においても消費税の引上げは必要であると考えております。
○小池晃君 私が聞いたことに答えていないでしょう。
 これ、一人親家庭の場合は、今回の措置で何のいいこともないじゃないですかと、一人親家庭、子供一人であれば。これ、給付金はどんどん減っちゃう、加算もない、消費税だけのしかかる。こういうことで子育て支援、子供の貧困解決になるんですかと私は聞いたんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) しかし、一人親家庭において子供が一人の家庭の比率は先ほど厚労大臣が答弁をいたしましたように五割ということでございますから、あとの五割の方々は二人、三人と子を持っておられるわけでございますから、一人親家庭全てがこれは恩恵を被らないということではないんだろうと。半分はこれはそうであるわけでございますし、また一人親であるか否かにかかわらず、これ幼児教育の無償化を進めていくわけでございますから、そうした恩恵はしっかりとあるんだろうと、こう思っているわけでございます。
 そしてまた、所得の低い方々は、所得と今回の軽減税率によって恩恵を被る比率はこれは高まっていくと、このように、所得の高い方よりも、消費に占めるこれ食料品の比率は高いわけでございますので、そうしたものもしっかりと対応していると、こういうことでございます。
○小池晃君 私、説明になっていないと思うし、幼児教育無償化というけれども、二子、三子でしょう。二子、三子は市町村がほとんど無償化を今やっているんですよ。しかも、問題になっているのは、今、税制の見直しによって保育料がどんどん上がっているんですよ。それに対して何の手も打っていないじゃないですか。私は、今の話は本当に実態が分かっていないというふうに思います。しかも、子供が多ければというふうに、半分はもうどうでもいいという今の答弁ですよ。子供一人だったら別にそれはどうでもいいという話になりますよ。
 しかも、子供が多ければ多いほどどうなるかと。生活保護で何が起こっているかというと、この間、生活扶助基準の適正化によって、過去三年間連続的な引下げによって、このパネルにあるように、生活扶助基準は、一人親家庭の場合、母一人子一人だと月四千五百八十円の削減、二人だと一万三千百四十円、三人だと一万五千九百六十円、削減比率も増えているんです。さらに、今、冬季加算の削減ということも行われていて、寒空の下、大変なことが起こっていて、これも子供の数が増えれば増えるほど削減額増えていくわけですよ。
 これやっぱり、子供の貧困問題対策をするんだと言いながら、子供の多い家庭には手厚くやるんだと言いながら、全くやっていることがあべこべじゃないですか。これ、矛盾していませんか。
○国務大臣(塩崎恭久君) まず、生活保護でございますが、先生には釈迦に説法ではありますけれども、国民のテレビを見ていらっしゃる方に向かって少しお話をしたいと思いますが。
 元々、これは憲法第二十五条で全ての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有すると、この権利に基づいて生活保護法が定められておりまして、「この法律は、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。」と、これが生活保護の一番の基本でございます。
 今、生活扶助基準それから冬季加算の見直しについて御指摘がございましたけれども、それらにつきましては、低所得世帯の消費実態、つまり特に低所得の方々で、一番近いところは第一・十分位と呼ばれているところでありまして、この方々の消費実態と物価の動向を勘案して見直しを行っていると。
 それから、世帯人員、人数別の消費実態を勘案をして必要な適正化を今回この二つの問題については図っているものでありまして、生活保護を受給していない低所得世帯との均衡の取れた最低限度の生活を保障するという、今申し上げた生活保護の制度の趣旨に沿った見直しをしているということでありますけれども、同時に、この見直しに当たっては、当然のことながらやっぱり一定程度の配慮はしないといけないということで、改定幅は一〇%以内という限度を設けているということ、それから、三年間掛けて段階的に見直しを行うということで、生活保護受給者への影響を緩和をするという配慮をして、これがちょうど二十七年度が三年目の年に当たっているということでございます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま厚労大臣が答弁したとおりでございますが、一人親世帯で子供一人についての比率が五割あるじゃないかと、こういう御指摘でございましたが、同時に、子供の人数が多いほど就労収入が一人親世帯では少なくなり、かつ、当然、子供が多いわけでありますから、支出は多くなるわけであります。
 その中で、限られた財源の中でそれをどのように振り向けていくかということでございまして、経済的に厳しい家庭に振り向ける方策として、第二子、第三子にこれは多子加算をしているということでございまして、第一子四万二千円でありますが、第二子は言わば五千円、そして三千円ということでございましたから、第二子、第三子が生まれた場合は、この第二子、第三子に対しましては、今申し上げましたように、これは所得によってちょっとこれ変わりますが、基本的モデル世帯では倍増していくということにしたわけでございます。
 さらに、先ほど厚労大臣が答弁をいたしましたように、大切なことは、一人親世帯において自立を支援をしていくことも極めて重要であろうと、こう思います。そのために、一人親の就職に有利な資格取得支援あるいは保育所利用の負担軽減など、総合的な支援を実施しております。
○小池晃君 自立支援、自立支援って言うんですよ。しかし、日本の母子世帯の就業率は世界有数の高さなんですよ。そして、相対的貧困率を比べると、働いている一人親家庭の貧困率と働いていない一人親家庭の貧困率を比べると、働いている家庭の方が高いんですよ、貧困率が。こんな国は世界で日本だけなんです。大体、ヨーロッパは働けば貧困率は改善するんです。
 今の低賃金、男女間の賃金格差、これがあるわけですよ。就労によって自立するという母子支援策の誤りを認めるべきだと私は思う。そんなことを強調していったら、もうますます子供と触れ合う時間もなくなっていく、非常に深刻な事態になるわけです。頑張っているにもかかわらず貧困から抜け出せない、そういう人たちに対して抜本的な支援をやるべきなんですよ。
 財源がない、財源がないと言うけれども、じゃ、あの大企業に対する減税はどうなんですか。あるいは、軍事費、五兆円超えたじゃないですか。そういったところに見直す余地はないのか。私は、日本の未来ということを考えるのであれば、本気でやっぱりこういうことに取り組むことが今求められているというふうに申し上げたいと思うんです。
 生活保護の問題もありましたけれども、実態に合わせるということでしょう、結局。低い方に合わせるということでしょう。こんなことばっかりやっていたら、まさに日本は貧困大国の道を突き進むことになりますよ。憲法二十五条の生存権が全く破壊されるような、そんな国になっていいのか。
 私は、根本的な政治の転換が必要であると、この貧困から抜け出すためにも必要なんだと、消費税の増税は絶対にやるべきでないということも重ねて申し上げて、質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で小池晃君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、山田太郎君の質疑を行います。山田太郎君。
○山田太郎君 維新・元気の会会派の山田太郎でございます。新会派になって初の質疑となります。どうか皆さん、よろしくお願いします。
 さて、まず、軽減税率に関する質問から行きたいと思っております。ちょっとパネルを見ていただきたいんですが。(資料提示)実は、菅官房長官は、去る記者会見及びBSの番組で、図書に軽減税率を適用するには有害図書を指定をする必要があると発言されていますが、その真意についてお答えいただけないでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) まず、書籍、雑誌に係る軽減税率については、今般の与党税制改正大綱において、その日常生活における意義、有害図書排除の仕組み、その構築状況等を総合的に勘案しつつ引き続き検討する、こういうふうになっています。
 今の御質問でありますけれども、私、年末のテレビの番組の中で、一つの考え方として、有害図書については、地方自治体、これによって条例で規制しているところもありますし、してないところもあります。さらに、これまでの業界の取扱いの慣行、そうした中で、業界の中で自主規制の形で線引きに活用できる全国一律の基準を決めていただき、その上で、例えば議員立法等の形できちんと法制化した方がいいんじゃないかという私の考え方を申し上げました。
 もとより、表現の自由、これを守ることは極めて重要であるというふうに考えています。
○山田太郎君 まさに、官房長官は一律に線引きは問題があるということもおっしゃられたんですが、例えば長崎県なんかでは春画が有害図書指定されているんですね。そうなってくると、有害図書というのは誰にとって有害で、また誰が決めることを念頭に置いているのかと、非常に難しい問題があると思いますが、この辺りも、官房長官、よろしくお願いします。
○国務大臣(菅義偉君) ですから、私、番組の中で、今申し上げましたように、それは条例が全国一律じゃないわけですから、有害図書に対して、それと同時に、表現の自由、これは極めて重要なものでありますから、いずれにしろ、例えば議員立法の形できちんと法制化するというのも一つだという私の考え方を申し上げたところであります。
 いずれにしろ、この軽減税率についての書籍、雑誌、この取扱いについては、先ほど申し上げましたように与党の税制大綱に沿ってこれから検討が進められていくんだろうというふうに思っています。
○山田太郎君 有害図書と不健全図書というものに関してもちょっと整理する必要があると思うんですが、条例で定められている有害図書又は不健全図書というのは未成年に対して見せないというものなんですよね。今回、軽減税率を雑誌、書籍にそういったものをして幅広く掛けた場合には成年にまでいわゆる影響が及ぶということだと思いますが、有害図書の概念を、じゃ成年まで広げるということになるのかどうか。決してこれは、条例を幅広く横並びにして新たな仕組みをつくろうということとは随分質が違うことになると思いますが、その辺り、長官、いかがですか。
○国務大臣(菅義偉君) 先ほどの私の考え方の中で、地方自治体によってはそうだと、それと同時に、これはこれまで業界の取扱いの慣行もあるのではないかと、そういうことも実は申し上げております。
 いずれにしろ、議員立法のような形できちんと法制化することが大事だろうということを申し上げたということであります。
○山田太郎君 有害図書指定をすると、租税法律主義が重要な考え方になると思います。
 先ほどから長官の方は議員立法という話もありますが、法律で対処するということになるんですが、これは法制局長官にお聞きしたいんですが、この租税法律主義、どのような原則なのか教えていただけますか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 憲法第八十四条は、「あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。」と規定しております。
 この規定の趣旨は、租税の種類及び根拠、納税義務者、課税物件、課税標準及び税率といった課税要件並びに徴税手続を法律で定めることを要するというものであると解されております。
○山田太郎君 そうすると、法律上、有害図書指定というのは出版社等の自主努力ということでは難しいということになると思いますが、その定義を法律に書かないといけないということで間違いないんでしょうか。長官、もう一度お願いします。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 有害図書排除の仕組みの構築状況等を総合的に勘案しつつ引き続き検討するというのが与党税制改正大綱の内容であると承知しておりまして、具体的にどういう形で法律にするのか、なるのか、そこの点について今この場で私から申し上げることは難しいと思っております。
○山田太郎君 これ、まさに菅官房長官がおっしゃったように、都道府県ごとにも違います。未成年、成年の区分もあると思います。非常にこの定義するのは難しい、誰にとっての有害かというこういう問題もありますが、これ担当大臣がいらっしゃると思うんですが、どういう形で今後明文化していくことになるのか、そんな辺り、是非教えていただきたいんですが。──有害図書指定の担当大臣っていないんですか。
○委員長(岸宏一君) 担当大臣、どなたですか。
 麻生財務大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) 山田先生御存じかと思いますけれども、ちょっと昔話で恐縮ですが、当選される前ぐらいに、ポルノコミックを規制するポルノコミック規制議連というのをつくらざるを得ぬことになって、おまえ漫画詳しいからおまえやれと言われて私やらされたことあるんですが、ポルノ促進議連の間違いじゃないかと言われて、えらいあっちこっちからいろいろつつかれながらテレビでよくやりましたけれども、これ、雑誌社全部呼んで何回もやりました。
 結果としてこれはどういうことになったかといえば、漫画読まれるかどうかは知りませんが、成人コーナーというのをつくりまして、黄色い楕円のマークに黒字で成年と書いたものを作ると、あそこまでが限度だったんですよ。あれまでが雑誌社と協定して、これ、表現の自由だから物すごくこれはぎりぎりの話になりますので、これはなかなか難しい話だと思いますので、今回も新聞と雑誌の話の差が出たときに、雑誌の方はどこを雑誌とするかという規定がないので、おまけにこれは雑誌というものを所管している役所というのは基本的にありませんから、なかなか、今言われたように、私どもの申し上げられるのは、書籍、雑誌につきましては、これは、私どもがこれ税制の話でしかお話ができないということも御理解をいただいた上で、これは民間団体と何回もこの話をやった上の話を申し上げておりますが、いわゆる確認を要件とする仕組みというのはなかなか採用に至るまでにはかなりの時間を要すると思いますし、各団体全部意見が違いますから、すごく、物すごく難しいんだと自分で実感しております。
○山田太郎君 今、麻生財務大臣がおっしゃったのは区分陳列の話でありまして、成人、未成年で分けようということなんですが、税金の有害図書を指定してしまうと、これはもう成人にも関わるわけなんですよね。そういう意味で、本質的に国家が何をもって有害と決めるのかというのは、非常に表現の自由から見ても私は非常に恐ろしいと思うんですね。
 もう一つ気になりますのが、民間団体などが自主的に税区分を決められるのかといった問題もあると思っております。菅官房長官の御発言の中では民間の方でも自主規制をしていただいて云々とあったんですが、ここは重要な問題なので確認しておきたいと思います。租税法律主義の観点、先ほど法制長官からもありましたが、財務大臣としては、これ、民間の方で税区分を決めることになるというのは問題があるというふうに思わないでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これはなかなか難しいと存じますね。
 しかも、時代とともに変わっていきまして、多分、山田さん、「チャタレー夫人の恋人」という本を読まれて、これが何で発禁になったか多分あなたには理解できませんよ。しかし、俺たちの世代はあれは全部発禁だったんだから。あれ、みんな回し読みしたものですよ。今でも記憶ありますね、そういう時代。
 だから、時代が違ってきていますから、そういったことも勘案して、併せてそういったことも考えないとなかなか簡単に事は進まぬと思っております。
○山田太郎君 午前中の時間がこれで終了ということをサイン受けましたんで、午前中……(発言する者あり)えっ、まだありますか、ああ、そうですか。
 じゃ、一個、もう一つ、出版前にもし政府機関が書籍の内容を確認して有害図書を指定すると、政府機関における今度は事前の検閲ということにもなる可能性があると思いますが、こういうことは絶対あってはならないと思います。これは総理、大事な問題なのでお答えいただけないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそも、これ、検閲は、これはできないわけでございますから、それは全くもちろん考えておりません。
○山田太郎君 じゃ、委員長、これで午前中の質問を終わりにさせていただきたいと思います。午後、よろしくお願いします。
○委員長(岸宏一君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成二十七年度補正予算二案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。山田太郎君。
○山田太郎君 ありがとうございます。
 午前中は表現の自由ということをやりました。後で少しまた出てきますので、お付き合いください。
 さて、予算委員会ですから、ちゃんと補正予算の件についてもやりたいと思っておりますが。
 補正予算の原則について、財政法十二条の単年度主義、それから財政法二十九条にある補正予算の要件について、まず財務大臣の方から教えていただきたいんですが、お願いします。
○国務大臣(麻生太郎君) 財政法上の第二十九条に、義務的経費の不足を補うということのほかに、予算作成後に生じた事由に基づいて特に緊急、緊要となった経費の支出などを行う場合に補正予算を編成し、予算の追加を行うことができるといたしております。
 今回の補正予算は、二十七年度予算編成後初の、昨年十一月に一億総活躍国民会議において取りまとめた緊急を要すべき対策とか、昨年十月のTPP大筋合意を受けて取りまとめましたTPP関連政策大綱に基づく施策もありまして、直ちに実施すべきものに係る経費などを盛り込むものと思っております。
 以上であります。
○山田太郎君 財政法十二条の方もお願いできますか。単年度主義です。
○国務大臣(麻生太郎君) 会計年度独立の原則ということが第十二条に書いてありまして、各会計年度における経費は、その年度の歳入をもって、これを支弁しなければならないとされております。
○山田太郎君 まさに財政法十二条、二十九条によれば、その年度でそのお金を使い切ること、それから補正は、緊要ですね、緊急で必要なものだけというのが法律の財政上の要請だと思っています。
 昨年、平成二十六年度の補正予算の実は正味執行状況というのは、調べた表がここにあります。ここで記載されている、まず、平成二十六年度の補正予算の正味執行状況等について会計検査院は把握されているのかどうか、会計検査院長、お願いします。
○会計検査院長(河戸光彦君) 国の予算につきましては、原則として当初予算と補正予算とが区別せずに執行されておりますため、補正予算のみに係る支出済歳出額や翌年度繰越額等の決算は作成されておりません。しかし、会計検査院としても、決算における翌年度繰越額、不用額等と補正予算との関係等についても関心を持って検査に当たってきております。
 例えば、国会からの検査要請に基づき平成十八年十月に報告いたしました「特別会計の状況に関する会計検査の結果について」では、当時の公共事業に関する特別会計について、歳出予算現額に対する補正予算額の占める割合と繰越額の関係を見ると、補正予算の規模が繰越額に影響する面があることがうかがえる旨を報告しているところでございます。
 今後も引き続き、当初予算だけでなく補正予算についても、予算の執行過程あるいは執行結果に問題がないか多角的な観点からしっかりと検査してまいりたいと考えております。
○山田太郎君 おかしいですね。実は、この表にあるように、これは私の事務所で一週間ぐらい掛けまして各全省庁に連絡をさせていただきました。そこで、平成二十六年度補正予算のうち、分かってきたのは正味執行予算、つまり、実際にその年度中に使った去年の補正予算は三割以下なんですよね。そうなると、先ほどの原則に照らして私は問題があるのではないかというふうに思いますが、この辺り、財務大臣、いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 山田先生が作成をされましたその資料につきましては、これは各省から提出をされたいわゆる計数の内容だと思いますので、それを私どもは承知しているわけではありませんが、またどのような基準で計数を整理するかなどということにつきましても、その結果、その意味合いが異なる性格というものもあろうかと存じます。
 当初予算で計上された経費と補正予算で計上した経費の区分けをどのようにして行っているか等々、整合性が取れていないということも可能性は十分にあろうと思っておりますので、一般論として、今、異なる性格のものということも含めまして、ちょっと今のは一言で、コメントを差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げれば、結果として翌年度に繰り越すということになったとしても、補正予算に計上することで年度内に事業の箇所付けや契約準備を円滑に進めることができる、特に地方においてはそうだろうかと思います。また、翌年度予算で対応するよりも速やかな事業執行が可能となります。
 さようなことから、早期に効果が現れることを目指すという経済対策の経費を補正予算として計上するということは、決して不適切なことだとは考えておるわけではございません。
○山田太郎君 私は、であればちゃんと本予算で議論すればいいというふうに思っておりまして、もちろん補正の中でも必要なものはあるのかとも思います。ただ、やっぱりこの正味執行率が、私の事務所が調べたものではありますが、三割以下であるというのも調べて驚きだったわけですね。
 こういった調査は実は財務省さんにとっても会計検査院さんにとっても今後絶対私は必要だというふうにも思っておりますが、特に財務省は今後こういった形でもって正味執行額についての把握するおつもりはあるのかどうか、これも財務大臣、お答えいただけますか。財務大臣、是非お考えを。やりましょうよ、せっかくだから。
○国務大臣(麻生太郎君) なかなかそういう言葉に乗らなくなりましてね、最近。
 歳出予算の項の、項って例の一項、二項の項ですが、項ごとに国会が歳出権の付与を行うという仕組みになっておるんですが、補正予算によって同じ項に歳出を追加した場合、その歳出権は当初予算、補正予算一体として付与した形ということになりますので、当初予算と補正予算の執行に明白な区分けをするということは非常に困難なためなんだと思いますが。
 先ほども申し上げましたように、こういったようなことは補正予算を計上することでいわゆる仕事が早くなるということも確かな面もありますので、今言われましたように捕捉をしておくという点も、私、その必要を全然否定するつもりは全くありませんが、それに要する時間等々手間を考えて、そのほかのことの仕事がその分だけ遅れるということを考えますと、さあそれは経済効率として経営的な感覚からいったらどっちがいいかなというのはなかなか疑問なところです。
○山田太郎君 逆に、今回の平成二十八年度の本予算を二十六年度の補正の正味執行額を知らないで作られたのかな、どうやって作ったんだろうかと、こういうふうにもなっちゃうわけですね。
 その辺りも、財務大臣、その辺は全く加味せずに本予算それから今年の補正を作られたということでよろしいんですか。財務大臣のお言葉で是非。
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほども申し上げましたように、一般論として申し上げれば、結果として翌年度に執行を繰り越すことになった、執行が翌年度になったとしても、補正予算に計上することで年度内に、先ほど申し上げたような箇所付けとか契約準備等々が進めることや何かが可能になりますし、翌年度予算で対応するよりも速やかな事務執行というものが、数か月早いだけで随分違ってまいりますので、そういった意味で、効果が現れることを目指すという経済対策の経費というものを補正に計上するということは、効率から考えても決して悪いことではないのではないかと思っておりますが。ただ、おっしゃるように、どれくらいやられているかつかめているかと言われれば、今年は四十何%だったとか、いろいろ毎年、年によって違いますので、そういったところはよくよく、次の年になったときは、前年度はこれぐらいしか行っていませんねという話は、予算編成の段階でよく話し合うところではあります。
○山田太郎君 うちの事務所で一週間ぐらいで全部確認ができる、まずラフだとはいえできることだと思いますので是非やっていただきたいと思いますが、会計検査院も、やっぱり私は、検査法の二十条、合規性ですね、法律の趣旨に合っているかどうかということで検査をしなきゃいけないということでありますが、私はやはり、財政法十二条、それから二十九条にあるところを見れば、単年度主義又は緊要の予算以外は補正については認めるべきじゃない、こういう大前提はあると思っておりますが、会計検査院、今後、こういう検査されないんでしょうか、本当に。院長、お願いします。
○会計検査院長(河戸光彦君) 国の予算につきましては、年度内に執行されることが原則であります。したがいまして、会計検査院では、年度内に執行できなかった翌年度繰越額のそれぞれの繰越理由等につきまして問題がないか検査を実施しているところでございます。一方で、当初予算と補正予算とは原則として区別せずに執行されているため、補正予算のみに係る支出済歳出額や翌年度繰越額等の決算は作成されておりません。
 いずれにいたしましても、引き続き、予算の翌年度繰越し等の理由等に問題がないかを含め、予算の執行過程あるいは執行結果に問題がないかにつきましては、しっかりと検査してまいりたいと考えております。
○山田太郎君 しっかりと検査するという意味で、正味執行額又は執行率というのを是非加味していただければと思っています。
 次のちょっとパネルで、平成二十七年度予算は、この補正なんですけれども、実はまだ批准どころか国会にも提出されていない例えばTPPの対策費とか、初めから基金に入れる前提で予算が付いているものがあるんではないかと、本来補正予算とすべきではないものが入っているんではないかなと思いますが、この辺り、財務大臣、いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今御質問の、言われたとおり、TPP等、まだこれ十二か国で決める話ですから、相手国のサインがまだでき上がっていない段階でもありますので、これが実際に、この法案が、今大筋合意をしただけであって、それが現実問題に、これ施行されるかということにつきましてはまだ確定されていないということは、もう山田先生御存じのとおりであります。
 この大筋合意に至ったTPPの効果を経済再生、地方創生に直結させていくためには、いわゆる攻めの農林水産業というものをしっかり後押ししていくということが必要だろうと思っております。
 今般のこの補正予算は、こうした緊要性あるものとかいうような、必要なものを施策に直ちに実施していくために編成をしたものであります。議員は年度内に執行できない可能性があることを問題になっておるんだと思っておりますけれども、事業の実施までには一定の手続の時間が必要であるのはもう御存じのとおりなんであって、当初予算を待たずに補正予算に計上して速やかに実施していくことが、特にTPPの場合は、いわゆるその影響を受ける方々にとっての安心等々の面においては非常に必要なものだと考えております。
 その際、厳しい財政状況でもありますので、財政の健全化にしっかり取り組むべきであるというのはもうこれは御指摘のとおりなんであって、この予算におきまして必要な施策というものをしっかり充実させつつ、財政規律に関しましても、いわゆる基礎的財政収支、PB赤字の半減というものを堅持するとともに、新規国債発行額等々につきましては二年連続で減額をさせていただいておりまして、この三年間で十兆新規国債が減っておると思いますが、いずれにしても、経済再生と財政健全化を両立させるという、二兎を追うという政策を続けていく必要があろうと思っておりますので、この問題を両立させる予算ということにおいては特に問題があると考えているわけではございません。
○山田太郎君 そうしたら、仮に、ちょっと何かアメリカも雲行きが怪しくなってきたんですが、TPPが批准できないような事態あるいは発効できないような事態になった場合に、例えばここにあるような農水の三千億円、経産で使う二千億円のTPP対策費、これ一体どうなっちゃうんでしょうか。お金使っちゃった場合、返すということですか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、昨年の十月に大筋合意をしたところでありまして、多くの中小零細企業の方々から、TPPを活用した海外展開の準備を直ちに始めたいとか、支援をしてもらいたいという声はいろいろ上がっております。
 また、農林水産等々の現場からも体質強化策を早期に示してほしい等々の声が上がっておりますので、政府としては、これらの声を真摯に受け止めて、これが仮にTPPが合意に至らなかったとしても、日本としてこういった農林水産業とか海外に展開事業をしていくということは長期的に見て必要なところであろうと思いますので、そういった意味においては、私どもとしては、補正予算に計上して速やかに実施をしていくという体制をまずはつくり上げて、そういった形になったときにもきちんと備えておく。仮にできなかったとしても、日本の農業にとりましてその体制、また体質が強化されるということはいいことだろうと思っておりますし、また中小零細企業にとりましても、海外に出ていける、人口が減っていくんですからということになれば、海外で仕事をということを考えられる、そういった積極的なところを支援できるような体制というものは必要であろうと考えております。
○山田太郎君 攻めの農水とかで必要だとかという趣旨は分かるんですけれども、やっぱり財政法というんですかね、我々はしっかり規律を持って予算を審議しなきゃいけないですし、国会で、じゃTPP目的でというふうに認めた予算が結局そうじゃなくなっちゃったら、これ審議し直すのかどうか、勝手に別の科目で使ってしまうのかどうか。これは財政法上の趣旨、日本の国会の在り方にとってもちょっと問題があるのではないかなというふうに思っています。
 そういうことも含めて、今度総理にお聞きしたいんですが、やっぱり補正予算、三兆五千億という大規模なものであります。中には必要なものもあるんでしょう。ただ、二月にこれが箇所付け、配賦されて三月末に使うとなると、あと二か月ぐらいしかないという状況で、しかも補正の予算、御案内のとおり審議が非常に短いということであります。うがった見方をすると、天下り先のためだとか来年度予算を良く見せるためにやるんではないかと、こういうふうにも言われかねないと思うんですが、総理、是非その辺り、補正予算の件、よろしくお答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 補正予算について、財政規律上、山田委員が指摘されるような点も十分に留意する必要がありますが、一方、今回の補正予算の作成に当たりましては、我々、一億総活躍社会という新しい目標を立てまして、人口問題に今から取りかからなければならないという考え方の下に、例えば保育や介護のための施設の整備、人材の確保を行う必要があります。そのためにはしっかりと予算付けをして準備をしていく必要がありますし、また先ほどの大筋合意に至ったTPPに対する対策でございますが、これは署名には至るわけではございまして、ただ、では各国の批准状況がどうなのかということでございますが、しかしそれは批准していくということを前提に我々は、競争力を高め、海外に輸出していく力を高めることは、どちらにしろ、農業あるいは中小零細企業にとってはプラスになるわけでありまして、なるべく早く取りかかっていく必要はこれはあるわけでございまして、例えばどこかの国が批准が遅れるからいつまでもそこを見ているというわけにはいかないと考えるわけでございまして、そういう観点から今回、補正予算に計上したところでございまして、同時に、財政規律という観点からは新規国債発行額を二年連続でこれ減額をしているわけでございますし、PBの赤字半減目標も堅持もしているということでございまして、経済の再生と財政の健全化を両立させるという目標に合致する、両立する予算であると、このように考えております。
○山田太郎君 やっぱりTPPは、私、どう見ても財政法十二条に違反している可能性があるのかなと、それから本予算できちっとやればいいというふうにも思っておりますので、ちょっとこの議論はまだ続けていきたいというふうに思っております。
 さて、もう一つ、平成二十七年度の予算に繰越明許というのがあるんですけれども、これはどれぐらいあるのか、併せて繰越明許の定義も教えていただけないでしょうか。これは財務大臣、お願いします。
○国務大臣(麻生太郎君) 二十七年度の補正予算におけます補正追加額四兆七千六百八十億円のうち、繰越明許の額につきましては二兆二百八十六億円でありまして、補正追加額に占める繰越明許の割合は四二・五%ということになろうと存じます。
 当初予算であれ補正予算であれ、この経費につきましては年度内執行が前提と、先ほど言われましたとおりなんですが、その性質上、年度内にその支出が終わらない見込みのあるものにつきましては、財政法上、繰越明許費としてあらかじめ国会の議決を得て翌年度に繰り越して使用することができるとされております。
 これがお答えなんだと思いますが、山田先生は、この繰越明許は翌年度以降の執行も想定されているから緊要性を満たさないのではないかという多分御関心なんだと思いますんですが、しかしながら、繰越明許と申しましても、最初から翌年度に繰り越しされるということを前提にしているわけではございません。年度内執行を前提にしておりますので、これを補正予算に計上いたしたとしても問題はないと思っておりますが、結果として二十八年度に繰り越す可能性がある経費でありましても、今回の補正予算に計上いたしておくことで年度内に事業の箇所付けとか契約準備とかいったことが進めることが可能になります。
 また、翌年度予算で対応するよりも、これは速やかな事務執行、業務執行が可能となりますので、そういったことから、予算編成後の事由に基づいて速やかに実施していく必要があります経費につきましては本補正予算に計上しているという経緯であります。
○山田太郎君 まさに繰越明許というのは、今は使わない、来年度に繰り越すかもしれないということをあらかじめ国会に許可を取っておこうということなんですね。
 実は、繰越明許になっていないものに関しても、基金や特会に飛ばされるという、ちょっと言い方は悪いかもしれませんけど、そういう形で出ているものもあるわけでありまして、私は、補正予算が常態化しているというんですかね、これは決していいことではないというふうに思っているんですね。やっぱり、補正予算を組まなければいけなくなった事態、あるいは前倒しでもって、前借りでお小遣い借りておくわけじゃないんですから、是非これはきっちし財政の健全化、これは安倍政権としても極めて重要な課題として、特に二〇二〇年までにはプライマリーバランスをやっていこう、こういうことだとも思っています。
 また、国債も減らしたとは言いますが、やっぱりこういう予算付ければ、元々のいわゆる収入というのは実際の支出には到底足りていないわけですから、やっぱり何らかの形での国債の依存ということになるわけでありまして、国債を今発行するということは将来の人たちへの借金を背負わせる、まさに子供たちに払わせるということにもなりかねないわけであります。
 そうなると、私は、何としてでも本予算の中でしっかりやりくりをしていく、できれば、もちろん財政を再建して借金を早く返していく、こういうことが重要だと思います。そういった今後の補正、このようにいわゆる常態化させていくのかどうか、これは総理に、今後のことも含めて是非御見解をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 法令にのっとって補正予算を作成し執行していくのは当然のことでございますが、その中において、この補正予算、しかしそうはいっても余りやるべきではないというのが委員のお考え方だと、このように思うわけでありますが、我々は法にのっとって補正予算を実行していく、そういうニーズがある中においてしっかりと対応していく必要があるんだろうと。
 そう申し上げますのも、世界は大きく変化をしているわけでございますし、また経済においても大きな変化もあるわけでありまして、それに対応をしていくことが大切であろうと。国民生活を守り、そして経済の成長をしっかりと確かなものにしていく上においては、機動的な補正予算を組んでいくという意味において、法令にのっとって補正予算を編成するということは今後もあり得ると、このように考えております。
○山田太郎君 ちょっと時間もなくなってきました。次の話に行きたいと思います。
 続いて、国連の特別報告者ブーア・ブキッキオ氏の十月の発言という件について行きたいと思います。
 ブキッキオ氏が日本の女子学生の一三%が援助交際をしているという発言がありました。この経緯を外務大臣、教えてください。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の発言につきましては、十一月二日、外交ルートを通じて国連人権高等弁務官事務所に対して抗議をし、一三%という数値の情報源等を開示すべきだという申入れを行いました。
 これに対しまして、十一月三日、国連側から、本件に関する公式な数値を受領したことはないことを認めた上で、一三%という数値は公開情報から見付けた概算であり、本件が緊急に対応すべき事象である点を強調するために言及したとの釈明の書面を受け取りました。
 しかし、これでは到底納得できませんので、十一月七日、政府として外交ルートを通じまして、一三%に関する発言の撤回を強く求めるとともに、三月に国連人権理事会に提出する報告書は客観的データに基づくものとするよう、改めて厳しく申し入れました。
 その結果、十一月十一日、特別報告者本人から、書簡にて、一三%という数値を裏付ける公的なデータはなく、一三%という概算への言及は誤解を招くものであったという表明がありました。そして、今後この数値は使用せず、国連人権理事会に提出する報告書でも言及しない旨、説明が本人からあったところであります。政府としましては、この説明を事実上発言を撤回したものと受け止めている次第です。
○山田太郎君 これ、一三%発言以外にもいろんなことを言っているんですね。ちょっとパネル見ていただきたいんですが、児童ポルノ犯は有罪にならない、児童ポルノ犯は懲役刑にならない、児童ポルノ犯は警察は捜査しない、沖縄で家庭崩壊で家出すると全て売春産業に行くんだと、こんなことを報告書で出して帰られていました。英語で発言されましたので、アメリカ、韓国、それから中国のネットや記事でも拡散されておりまして、さらに、これに関して三月に、今後国連から勧告も出る予定になっています。
 政府はこの一三%以外の問題に関してもこのまま本当に放置していていいのかどうか、この辺りも強く、外務大臣、修正と訂正あるいは謝罪を求めたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 一三%発言についてはただいま答弁させていただいたとおりですが、御指摘のように、特別報告者は記者会見において様々な発言を行っております。この発言につきましても、政府としまして特別報告者に今説明を求めております。根拠ですとか資料について要求をしているところであり、引き続きやり取りを行っています。是非この御指摘の点等につきましても納得のいく説明あるいは根拠を求めていきたいと存じます。そしてその上で、何よりも大切なのは、三月に人権理事会にこの報告書が提出されます。この報告書自体が客観的データに基づくものになるようしっかりと働きかけていかなければならないと考えております。
○山田太郎君 次のパネルも見てほしいんですけれども、実は、逆にブキッキオさんは、日本には児童の性的搾取に対する総合的な取組が進んでいないんじゃないかと、こういう指摘も受けたんですね。これについては、私、うちの事務所にいろんな省庁来ていただいて五回にわたる議論をしたんですが、結局、各省庁担当じゃないと、こういうような話でありました。
 児童の性虐待、搾取に関する取組、絶対重要だと思っております。必ず三月の国連の勧告に言われます。日本政府どうする気なのか、お答えいただけますか。これは総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 児童を性的搾取や虐待から保護することは、これはどこの省ということではなくて、政府が一丸となって取り組むべき重要な課題であると認識をしています。御指摘の女子差別撤廃委員会の勧告については三月に出される予定と承知をしており、その内容を十分に検討の上、政府としては適切に対処をしていく考えであります。
○山田太郎君 じゃ、総理、担当部署はどこになって政府はやっていくんですか。担当省庁です。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、今申し上げましたように、どこの担当ということではなくて、まさに政府一丸となって対応していくという考え方で臨んでいきたい。今までもその場合は、どのようなものが報告書が出されるかということもありますが、今まで政府一丸となって対応していくというものは多々あるわけでございまして、これは青少年の健全育成についてもそうでありますが、そういう意味において、これは各省庁をまたぐ課題であり、しっかりと政府一丸となって対応していきたいと思います。
○山田太郎君 そうしたら、各省庁教えてほしいんですが、内閣府、文科省、総務省、厚労省、法務省、警察庁、内閣官房、全く私の部屋に来ても、それぞれ何を個別の省庁がしていいか分からぬということだったんですが、大臣、じゃ一丸となって何をそれぞれの省庁担当してやられているのか、教えていただけますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げましたように、どこどこの省庁ということではなくて、まさに内閣で一丸となってこれ対応していきたいと、こういうことでございます。
 いずれにいたしましても、ブキッキオ氏が指摘したことは事実ではないわけでございまして、この事実ではないことに対してこれ対応することはできないわけでありますが、いずれにいたしましても、最初に申し上げましたような、人間が虐待をされているということはあってはならないわけでありまして、そうしたことに対応していくためには政府一丸となって対応していきたいと、こう考えております。
○山田太郎君 じゃ、児童の性的搾取に対する総合的な取組、具体的に政府は何をやっているか教えてください。
○国務大臣(菅義偉君) 委員の御指摘でありますけれども、児童のこの性的虐待への対処方針として、政府としては、関係機関、委員から今御指摘がありましたけれども、それぞれの省庁が総合的に対応策を今講じておるわけでありますし、全体としては、犯罪対策閣僚会議の庶務全体は、内閣官房の内閣官房長官補室で全体は行っております。
○山田太郎君 是非、内閣府、文科省、総務省、厚労省、法務省、警察庁、内閣官房、教えていただきたいんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(菅義偉君) 今申し上げましたけれども、全体としては内閣官房で取りまとめをしておりまして、具体的なことについては、今委員からありましたけれども、それぞれの警察だとか厚労省だとか、様々の省庁で実質的なものは行っているということであります。
○山田太郎君 あしたの予算委員会の質疑も出る予定でありますので、引き続きこの問題はやらせていただきたいと思います。
 本日は、時間になりましたのでこれぐらいにしたいと思います。ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で山田太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、川田龍平君の質疑を行います。川田龍平君。
○川田龍平君 維新の党の川田龍平です。
 今日は、維新の党を代表して質問させていただきます。
 まず初めに、この維新の党も含め、野党による開会要求が条件を満たしていたにもかかわらず、それを無視して臨時国会を開かなかったことは許されることではありません。憲法をないがしろにするような行為は今後はやめていただきたいという私の意思を強く表明して、質問を始めさせていただきます。
 そして、二つ目の軽減税率については、これは、先ほど午前中の質疑でもこれは据置税率ではないかという話もありましたが、これについて、一兆円の試算についてや家計調査の納得のいく説明がされるまで、これはあした以降のこの質問に回させていただきたいと思います。
 その次の質問に移ります。
 化血研の問題について、薬害エイズの原因企業である熊本県の化血研が長年血液製剤やワクチンの不正製造をしていたことに対し、厚労省は、本日から百十日間の業務停止命令を出しました。私の事務所にも、全国のお母さんから、化血研のインフルエンザワクチンを子供に打ちたくないという相談が舞い込んでいます。
 化血研及び厚労省において薬害エイズの教訓はどのように生かされたのか、それとも生かされなかったのか、厚労大臣に見解を求めます。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、川田議員から御指摘ございましたように、化血研はHIV訴訟の被告企業でございました。
 平成八年の原告団との和解に当たって、安全な医薬品の供給と薬害の再発防止に最善、最大の努力を重ねるということになったわけでありますけれども、にもかかわらず長期にわたって組織的な周到な欺罔あるいは隠蔽工作を行っていたわけでありまして、これは薬事制度の根幹を揺るがして医薬品に対する国民の信頼を失墜をさせたということで、極めて遺憾だと思っております。
 厚生労働省においても、結果として今回の不正を見抜けなかった事態を真摯に受け止め、査察方法の見直しなど再発防止に努めていかなければならないというふうに考えております。
 薬害の発生の防止というのは最も重要な任務の一つであって、引き続き、命の尊さを心に刻んで、高い倫理観を持って医薬品の安全性、有効性の確保に厚生労働省として最善の努力をしてまいりたいというふうに思います。
○川田龍平君 何よりも許せないのは、二十年前にあの薬害エイズの裁判の和解を報告したまさに同じ日、同じ会議室でこの化血研の経営陣は血液製剤の不正製造の報告を受けていたという事実です。一方で薬害エイズの事件の謝罪をしながら、その裏で別の不正を平気で行う、どうしてこのようなことができるのか。私自身は、先週、おかげさまで四十歳の誕生日を迎えましたが、私も含め全ての薬害エイズの原告たちは、この事実にショックを受けております。
 しかしながら、いかに化血研の隠蔽工作が巧妙だったとはいえ、四十年もの間それを見抜けなかった国の監督責任も同じくらい重く、歴代の総理、厚労大臣、厚生大臣は責任を取る立場にあります。これについて、総理の見解をお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の化血研の事案は、二重帳簿を作成するなど周到かつ組織的に国等の査察を逃れる隠蔽行為などが長期にわたって行われてきたものであり、医薬品に対する国民の信頼を失墜させる決して許されないものであると考えております。
 一方で、今、川田委員から御指摘があったように、なぜ国は長年にわたって査察においてこの不正を見抜けなかったのか、当然の怒りであろうと思います。そのことを我々は重く受け止めなければならない、深く反省しなければならないと考えています。
 厚生労働省では、製薬企業に対する査察方法を抜本的に見直し、そして抜き打ち査察を取り入れることとなりました。さらに、査察の方法自体も検討し、そして二度とこのような事態が発生しないように国の指導監督に万全を期させたいと、こう考えています。
○川田龍平君 今回、厚労省は百十日間の業務停止処分を過去最長と強調していますが、実際はこの製造品目の八割に当たる二十七品目は引き続き製造、出荷を認めるという、ほとんど処分とは言えない甘い内容です。必要な薬の供給が停止されないようにという理由で不正を罰せられないのなら、別の形で処分をしなければ不正はなくならないのではないでしょうか。
 刑事告発も検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、百十日の業務停止命令を行いましたが、本来、今回の事案は、今総理から申し上げたように、組織的、周到な欺罔そしてまた隠蔽工作ということであって、医薬品製造販売業の許可取消処分を直ちに本当は行わなければいけない、そういう事案だと思っております。
 しかし、今議員からもお話があったように、この化血研でないと作れないもの、あるいは供給量のかなりの部分をシェアを持っているということで、今直ちに製造を止められるということになれば国民の命を守ることができないということで、それらについては引き続き製造してもらいますけれども、私どもとしては、直ちに今申し上げた理由で取消処分は行わないけれども、そして一方で、業務停止処分の期間の運用上の上限であります百十日の業務停止処分を取りあえず行うということにしているわけでございます。
 それに加えて、これは単にこの化血研の業務を停止、百十日間やるだけで済む話ではなくて、むしろこれを契機に、ワクチン・血液製剤産業の日本の在り方、これについてもやはり根本から考え直すべきではないかということで、もちろん抜き打ち査察の問題を含めて、これ産業としてどうするんだということで、今、根っこから考え直そうということで、ワクチン・血液製剤産業タスクフォースというのを先日厚労省内に立ち上げたところでございまして、そういうような契機にしながら、二度とこういうことが起きないようにし、皆様方の、国民からのワクチン・血液製剤産業に対する、企業に対する信頼回復を図っていかなければならないというふうに考えているところでございます。
○川田龍平君 その一方で、薬害エイズ事件がそうであったように、今回の事件で、待ってましたとばかりに外国資本が入り込み、血液製剤やワクチンの国内自給率が下がってしまう懸念も拭えません。すると、何が起こるのか。米国などと比べて明らかに不足している薬事行政の人員と予算で、海外の製造現場に抜き打ちの立入調査を行って不正を暴き、悪事が見付かればすぐに制裁を加え、再発防止のために監督することができるとは到底思えません。
 血液や血液製剤、ワクチンなどの生物製剤、一般の医薬品などはどれも国民の命に関わるものであり、その安全性に対し国が責任を持たなければなりません。そのためには、一定量は国内で供給できる体制を維持するための国内メーカー育成、癒着や不正防止の監視体制と情報公開の整備などすべきではないでしょうか。
 厚労大臣はもはや化血研の名前で製造販売は許さないとおっしゃっていますが、問題の本質は第二、第三の化血研を出さないための国の監視機能の整備です。そして、私が申し上げたように、今後、化血研の組織見直し、再建過程の中で、経営統合や事業譲渡に外資が入ってくる可能性も十分あり、そうなれば、国内メーカー以上のチェック体制が求められるわけです。
 今回の事件以降、私のところには、血液製剤やワクチン供給について大きな不安を感じたお母さんたちから不安を訴える問合せがありました。厚労大臣、今後どうやってワクチンや血液製剤の安全を守っていくつもりなのか、全国のお母さんたちにも分かるようにお話ししていただけますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げましたように、今回の化血研の事件は、私ども薬事行政をつかさどる者としては大変な衝撃でございました。
 ですからこそ、これを契機に、これまでどちらかというと規制を理由とする、言ってみれば護送船団方式でやってきたこのワクチン・血液製剤産業をどうやっていくのか、その規制と言いながら護送船団をやってきた中で、今お話がありましたように、抜き打ち検査もやらずに事前に通告をした上で行くという、これでは検査にならないわけであって、これはかつて金融でも同じようなことをやっていて、とっくのとうにもうこの護送船団方式からは決別をしているわけでありますが、残念ながら、この医薬品製造販売業に関してはそれをやっていなかったということが分かりました。
 したがって、今回、このワクチン・血液製剤産業タスクフォースの中で具体的な検査や監督の在り方を詰めるとともに、やはり産業として我が国の国民の命を守るためにどうすべきなのかと。しかし、世界は国際化をしていますから、世界の中でどういうふうに日本のワクチンメーカーやあるいは血液製剤メーカーも貢献することができるのかという国際的な視野も持ちながら、この産業を育成していかなければならないだろうと。
 しかし、原点は、今議員御指摘のように、我が国の国民の命をどう守るかでありますから、当然、これは我が国としての、国民の命を守る国家戦略として今回もこの化血研をどうするかということは考えていかなければならないということでありますから、今御懸念のような、外資系の企業が、かなりの部分を製造販売シェアを持っている化血研のこの製造を、取って代わるようなことを私どもとしては全く考えているわけではございません。
○川田龍平君 次に、ディオバン事件をきっかけに私が提案した臨床研究適正化法案について、現時点での政府案の策定状況を教えてください。
○国務大臣(塩崎恭久君) この臨床研究の法案につきましては、平成二十六年十二月、おととしの十二月に臨床研究に係る制度の在り方に関する報告書というのが取りまとめをなされたところであります。倫理指針の遵守を求めるだけではなくて、法規制をやっぱりやらなきゃ駄目だと、こういう結論だったわけでございます。
 一方で、規制の範囲とか枠組み、研究者自身による自主的な取組が既に行われているわけでありますけれども、こういったこととのバランスをどう取るのかということをしっかり検討しろということも同時に指摘をされていまして、現在、このような指摘も踏まえて検討を深めているところでございまして、与党ともよく相談をした上で、もちろん厚生労働委員会、衆参の委員会での御議論もしっかりと踏まえながら、法案提出に向けて精力的に検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○川田龍平君 このディオバン事件は、何か所もの大学病院が不正なデータ操作によって販売数を増やした悪質な事件です。政府は口を開けば医療費が高過ぎるなどと力説をしますが、安全性に加え、不正な医療費押し上げを防止するためでもあるこの法案について、法案提出になぜこんなにも時間が掛かっているんでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 直接的には、先ほど申し上げたように、この報告書の中で、しっかりバランスを考えた上で内容を詰めるべきというふうに言われた規制の範囲とか、あるいは枠組みとか、中身の問題、それから自主的な努力との関係とか、そういうことについて詰めているところでございますけれども、当然、ディオバン事件の教訓については、議員からも何度もこの問題についてはお取上げをいただいておりまして、薬の有効性を測る臨床研究でデータ改ざんが行われるというようなことは、やはりあり得ない、信頼を大きく損なうものであるわけでありますから、こういうことを踏まえて法案を作るということは当然であるわけでございます。
 データ改ざんを防止するための研究責任者の責任においてモニタリングを行うとか、大学等の倫理審査委員会に複数の外部有識者の参加を求めて中立性を確保するとか、それから、資金提供の状況などについて研究計画書に記載させるとともに、研究対象者に説明させるといったような対策を講じてきてはおりますけれども、なお、これは、欧米では既に臨床研究について法律があるわけでありますので、私どもとしては、健康・医療戦略に沿って被験者保護や研究の質の確保等の観点から臨床研究の法制化を行わなければならないということで、今中身を最終的に詰めているというところでございますので、また御議論をいろいろ賜りたいというふうに思っております。
○川田龍平君 世界で臨床研究を法制化していないのは日本だけです。安全性と医療費抑制の二点だけ見ても即実施する案件のはずですが、この法案についてはなぜか政府は及び腰です。
 総理、この事件の概要と教訓をどのように承知しているのか、簡潔にお答えいただけますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この御指摘の事案については、薬の有効性を測る治験以外の臨床研究でデータ改ざんが行われたものであり、我が国の臨床研究に対する信頼を大きく損なうこととなったわけでありまして、誠に遺憾に思います。
 この事案を踏まえ、臨床研究に関する倫理指針を見直し、例えば、データ改ざんを防止するための研究責任者の責任においてデータの確認、モニタリングを行わせること、大学等の倫理審査委員会に複数の外部有識者の参加を求め、第三者中立性を確保することなどの対策を講じたところであります。さらには、先ほど厚労大臣から答弁をいたしましたように、現在、厚生労働省において被験者保護や研究の質の確保の観点から法制化の検討を進めているところでございます。
○川田龍平君 総理は常々、医療を成長産業にするとおっしゃっておりますが、しかしながら、諸外国では当たり前のように存在するこの臨床研究に関する法律すらない我が国を今後どうやって世界に押し出していくおつもりでしょうか。今後医療産業を拡大していく中で、この臨床研究適正化法のような法律の重要性を総理はどのように認識しているのでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 臨床研究については法制化を含め一定のルールは必要であると、このように認識をしておりますし、また、先ほど御指摘があった、また塩崎大臣からも答弁いたしましたように、法制化の事例がある、この欧米の事例も参考にしていく必要があるんだろうと、こう思います。
 現在、与党の御意見も伺いながら、厚生労働省として検討が進められております。検討の結果、法案がまとまれば、国会において御審議をお願いしたいと考えております。
○川田龍平君 是非、これ国会に、今国会に出していただきたいと思います。韓国でもアフリカ諸国でもこの法律はあります。欧米だけではありません。本当に日本が立ち遅れているんです。
 昨年の国会でも厚労大臣は、引き続き与党とも相談しながら検討を進めていきたいと私に答弁をしています。与党での検討は昨年の五月で止まっているじゃないですか。もし臨床研究適正化法をこれ以上もたもたと引き延ばすのであれば、代わりに、私が昨年の四月に議員立法で提出をした臨床研究法制化のプログラム法案の方をまずこの国会で先に審議をしていただきたいと思います。
 国民の命と健康を守るための法案成立をこれ以上後回しにすることはできません。政府がやらないというのであれば、是非この良識の府参議院から議員立法でこれを実現させるしかありません。どうか皆さん、各会派の皆さん、お力をお貸しください。御賛同をどうかよろしくお願いいたします。
 次に、TPPについて伺います。(資料提示)
 先般、政府はようやくTPP協定全文の暫定仮訳を公表しました。厚労大臣は、TPPの医療分野に関連する全文は読んだのでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お話がありました和文になった分厚いやつ、私も目を通したところでございます。
○川田龍平君 この協定の附属書については、いまだ暫定仮訳が公表されていません。今国会の承認を目指すということですが、そうであれば、全国会議員が附属書も含めて全て中身を読むことができ、総精査しなければなりません。附属書の翻訳はいつ公表されるんでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 附属書の部分はまだリーガルスクラブが続いております。本体も部分的に残っているのがあるんですが、本体は公開しても構わぬだろうということで、日本が一番最初にこの間公開した部分はやりました。附属書部分、これは六千ページぐらいあると思うんですけれども、これはもう少し掛かると思います。ただ、署名がされるときまでには全てリーガルスクラブも終わって公表できるんじゃないかと思います。
○川田龍平君 これ、一日も早く公表していただきたいと思います。全文については、英文では十一月の五日に昨年公表されています。それについての訳がようやくこの一月七日に日本政府が出したということです。
 私は、日本政府がTPP参加を言い出した頃から、この条約が日本の医療に与える影響を懸念してきました。現在は維新の党のTPP調査会長として民主党と一緒にこのTPP合同調査会を連日開催して、中身についての議論を重ねています。
 医療分野については、既に全文を英語で精査をしたWHOや国境なき医師団などの国際機関、また各国の医療関連団体などから、TPPによって薬価が上がり、命に関わる医薬品へのアクセスが制限されることへの強い懸念が表明されています。ニュージーランドの公衆衛生学会も、TPP後に薬価が高騰するという試算を出しています。日本の医療費全体を見ると、最も多く占めているのは薬剤費であり、年々上がっています。政府は我が国の医療費が高い高いと二言目には医療費抑制を口にしますが、TPPで薬価が高騰したらどうするおつもりでしょうか。厚生労働大臣、これらの各国からの懸念も含め見解をお聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) このTPP協定には、外国企業の薬価決定プロセスへの介入といった薬価収載手続の変更とか、あるいは混合診療の解禁といった我が国の公的医療保険制度の在り方そのものについて変更を求める内容というのは含まれていないということでありますので、今議員御懸念をお示しになられましたような事態は起きないということでありまして、いずれにしても、今後とも日本が誇るこの皆保険制度というのは守っていかなければならないわけでありまして、安全、安心な医療が国民皆保険の下で行われていくということを私たちは大切にしてまいりたいというふうに考えているところでございますので、TPPもそれに反することはあり得ないということだと思います。
○川田龍平君 ただいまの厚労大臣も政府も総理も、国民皆保険制度は堅持すると主張いたしますが、たとえ形だけ残しても中身が形骸化してしまえば元も子もありません。
 このパネルを御覧いただきたいんですが、TPPで薬価が高騰したときにもし国の医療費を抑えながら制度を維持するには、患者の自己負担を増やすか、混合診療を拡大するか、医療機関への診療報酬を下げるしかありません。このどのやり方を選んでも、保険証一枚でいつでもどこでも誰でも一定レベル以上の医療が受けられるという国民皆保険制度の根幹は崩れますよね。形だけ残せば中身が空洞化してもいいということでしょうか。総理の見解をお聞かせいただけますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 薬価が上がるのではないかということは、つまり、画期的新薬において後発医薬品が出るまでの期間、守られている期間がこれ長くなっていけば、それは後発医薬品が出にくいという状況がつくられますので薬価が上がっていくのではないかという懸念が実際に当たっていくということになるわけでありますが、TPP協定は生物製剤のデータが八年間保護されることなどを規定しているわけでございます。この規定は、日本の現行制度、日本も八年でございますので範囲内であり、現状よりジェネリック医薬品の承認を遅らせることはないと考えております。ほかの加盟国のことはこれは分かりませんが、日本においては八年が八年そのままということでございまして、そして、TPP協定は医薬品等の薬価を定める手続の透明性を求めておりますが、全ての日本の現行制度の範囲内でございますので、今までの薬価を決める仕組みは変わらないということでございます。
 このように、TPP協定における医薬品関係の規定は全て日本の現行制度の範囲内であり、TPP協定によって薬価が高騰することはないと、このように認識をしております。
○川田龍平君 そうですか。マスコミはいまだにこのTPPが農業と関税の問題だけであるかのように報道していますが、既に多くの国民がこのTPPに入っても今と同じように保険証一枚で医療が受けられるのかとの不安を感じ始めています。私のような難病患者だけではなく、がんや心臓病など重篤な疾患と向き合っている家族も含め、あらゆる人がこの医療については当事者だからです。
 もし、総理が今おっしゃったように、国民皆保険は空洞化しない、将来にわたって必要な医療は公的保険でカバーすると、そこまで力説するのであれば、医療費が六十一兆円に達すると言われている二〇二五年度までにおいて治療に必要な医療は全て保険収載されると理解してよろしいのでしょうか。
 しかも、この六十一兆円という数字は民主党政権時代の二〇一二年に推計されたもので、安倍政権になってからはまだ一度も将来推計の再計算を行っていません。TPPで薬価は絶対に上がらない、皆保険の中身も変わらない、医療費は無駄を切り捨てれば抑えられるというならば、今の政権で今後の医療費の伸びを、それに対する政府の対応策を参議院選挙前に国民に示すことをここで約束していただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) まず第一に、TPPが何か外国に政策決定権や拒否権を与えるというようなことはあり得ないわけで、私どもは国内法制でこの医療制度を決めているわけでございます。
 今、医療費の将来推計について参議院選前に提示すべきというお話ではありますけれども、この医療費の見通しというのは適宜必要に応じて今まで作ってまいりました。
 今、御案内のように、各都道府県でこの医療構想を二〇二五に向けて作り直していただいているわけで、これらがどういうふうになるか、つまり医療供給体制がどうなるかということがこの医療費の見通しなどに大きな影響を与えていきますので、私どもとしては、こういったこと、あるいは国民健康保険が都道府県単位になるとか様々な今変化がございますし、また逆に、重症化予防などの横展開を特定の保険者などがやっているいい例について広げていこうということもやっていますから、これはプラスマイナスいろいろな形で医療費というのは変化し得るわけでございます。
 したがって、それらについて絶えず検討を加えて国民の皆様方にもお訴えはするんですが、参議院選挙前に何か出せということを今ここでお約束するようなことはなかなか難しいかなというふうに思います。
○川田龍平君 国内法制で守る、国民皆保険は堅持すると、総理も含めて政府は度々私にそう答弁いたしますが、国民皆保険の実質的な空洞化につながる非関税障壁の譲歩、薬価決定プロセスへの外資系企業の介入、ジェネリック医薬品の市場参入における新たな障壁などにつながるような文言が附属書や日米間交換文書等に書いてあることが各国の医療関係者を始め様々な方面から指摘をされています。
 医療の章だけを読んで、制度変更するとは書いていないから大丈夫だとは言えません。医療費の中には、先ほど申し上げました薬価だけでなく、診療費や医療機器費用も含まれます。つまり、医療以外の章、例えば知的財産権の強化なども結果的に薬価や診療費を引き上げるということです。透明性向上の章を読めば、我が国の価格決定プロセスへの製薬会社の介入が今より強化されることが分かります。
 だからこそ、国民の命に関わる医療には、大きく関わるTPP条約の批准については、採決の一票を持つ私も含めた国会議員が全文附属書、日米間交換文書の翻訳を読み、何らかの形で精査する時間が必要です。言い換えれば、全文を隅々まで精査しないうちは批准の採決自体すべきではないということです。繰り返すようですが、一刻も早く附属書の訳出をお願いします。
 どれだけ企業が潤い経済が成長しようとも、国民の命と健康が守り切れなくなるのであれば本末転倒です。経済成長は国民が健やかに安心して暮らせるという前提があってこそのものであり、こうした優先順位を決して見誤らずに全力を尽くすのが国会議員の仕事であると私は考えています。今、アメリカを含めた各参加国の国内では、まさにこの優先順位についての議論が紛糾している状態です。我が国が一体何を最優先するのか、TPP審議とはまさにそのことが問われているのではないでしょうか。それをいま一度主張させていただいて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で川田龍平君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、片山虎之助君の質疑を行います。片山虎之助君。
○片山虎之助君 おおさか維新の会の片山虎之助でございます。順次質問させていただきますけれども、おおさか維新の会として公式に参議院で質問するのは初めてなものですから、まず我が党の立ち位置等についてお話をさせていただきたいと思います。
 私どもは野党です、見た目も中身も。国会運営は野党として行動しますけれども、ただ、我々は、もう何度も言っておりますけれども、政策については是々非々主義でいく。是々非々主義でいく、いいことは賛成、悪いことは反対。反対のときはできるだけ建設的な対案を提示する、それで議論していく、その結果国民のためにプラスかマイナスかで最終的な判断をしたいと、こう思っております。
 衆議院では総理から対案を出されれば真剣に検討するという答弁をいただきましたから、参議院でも是非御答弁を賜りたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然我々、建設的な御提言であれば検討したいと、このように思っております。
○片山虎之助君 ところで、今の政治状況は、何度も言われておりますように、一強多弱ですよね。私は一強多弱は良くないと思っているんです。やっぱり、健全な議会制民主主義の発展にはプラスじゃない。総理、いかがお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、強いとか弱いとかいうことではなくて、恐らく片山先生にも御賛同いただけると思いますが、まさに政策が、しっかりと責任を持った政策であるかどうかということではないかと、こう思うわけであります。
 我々も、与党としての、また政府としての責任をかみしめながら、国会において御審議をいただきたいと、こう考えております。
○片山虎之助君 我が党は、二強になりたい、場合によっては二強、三強、そういうことになりたいと、こう思っているんですよ。元々、我が党は、創業者の橋下前大阪市長の言のように、数人から始まっているんですね。数人の府会議員さん、市会議員さんから始まって、今大阪では第一党ですよね、府議会、市議会も。時によっては過半数も取ったことがある。今は第一党。そういうことで、やっぱり自民党に対抗して、自民党と切磋琢磨して、場合によっては政権交代をするという、こういう、何というか、迫力を持ったそういう党になりたいと、こう思っておるんですよ。
 総理、いかがお考えですか。一般論で結構です。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 片山先生も自民党参議院の幹事長時代、片山一強と言われた時代もあったのでございますが。
 大切なことは、今委員がおっしゃったように、お互いが政策を示し合い、切磋琢磨して、政策を磨き合っていく姿が正しいのではないかと、このように思います。
○片山虎之助君 いや、過分のお言葉ありがとうございました。
 ただ、私どもは自民党とかなり似たところもあるんですよ。しかも、似ていないところがある。どこが似ていないかというと、自民党がしたくないこと、したいと思わないこと、できないことをやりたいんですよ。それは何かというと、身を切る改革なんです。徹底的な行財政の改革、あるいは地方分権、あるいは規制緩和。こういうことについて、恐らく自民党もやりたい人大勢おると思うんだけど、なかなかそうは、今までのあれからいって、しがらみというんでしょうかね、やれませんわね。それを我々はやりたいと思うんです。そういう党が必要だと思っているんです。これについても総理、一般論で結構ですが。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御党は、今度は片山委員が共同代表に就任をされたと、松井知事と様々な御提案をいただけることを楽しみにしておりますが、今までも思い切った御提案をしていただいた。そういう思い切った御提案が世の中を動かすこともあるわけでございますし、私どもも参考にさせていただきたいと、このように思っております。
○片山虎之助君 第二次安倍政権ができましてもう三年たっているんですね、三年をとっくに過ぎている。あっという間ですよね。今お話がありました第一次安倍政権のときは、私も参議院の幹事長として安倍総理・総裁にお仕えしたんです。もう四年になるんですよね。
 私は、率直に言って日本を変えたと思いますよ。日本を変えた。アベノミクスで日本の経済を再生させ、少なくとも企業収益は大変上がりましたよ。大企業だけじゃないかという議論がある、地方は別かという、こういう議論もある。あるけど、企業収益は良くなっていることは確かだし、雇用も改善していますよ。非正規が多いじゃないかと。多いかもしれません。しかし、相当確かに変えているんです。これだけ外国に行きまくって、地球儀外交なんでしょうが、首脳間の取引をやって成果を上げているじゃないですか。それから、中国だって韓国だって進んでいますよ。あれだけ具合が悪かったのが、かなり氷が解けた。そういう意味では私は認めないかぬと思うんですよ。
 そこで、何か総理はこの前、桃クリ三年柿八年で、今三年たったので、桃とクリですか、これは収穫できた。何が桃で何がクリか知りませんよ。それは聞いてみないかぬ。柿八年というと、東京オリンピックですか、東京オリンピックまでやれば八年になる。どういうお考えか、お考えをお聞きします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 桃クリ三年、ちょうど三年目を迎えておりましたので、桃とクリまでは行ったと。さらに柿があるという、これは例えで申し上げたわけでありまして、その先は、例えば梅はすいすい十三年というのがございまして、そしてリンゴにこにこ二十五年というのもあるわけでございます。長期的に見なければ収穫を得ることができないものもあるわけでありますから、今のうちからしっかりと計画を作っていくことも大切であろうと。
 一億総活躍社会もそうでありますが、私の時代だけではもちろん達成し得ないものもあるわけでありますから、それも今の時代から取り組んでいきたいと考えているところでございます。
○片山虎之助君 先ほど、自民党ではしたくないこと、自民党ではできないことと、こういうことを言いましたけれども、是非そういうことまでやってもらうと有り難いんです。日本の政治変わるんです。しかし、まだできていませんわね。それについて、私らはそれは不服、不満ですよ。それについて何点か申し上げます。
 一つは、総理、もう何度も同じことを聞かれてまたかということになるんでしょうが、身を切る改革で、国会議員さんの定数カットなんですよ。これは前の野田総理と約束されたんですよね。それは、やらないとは言わないけど、ほとんどやらないに近いわね。
 それで、今回調査会が答申を出しましたよ、衆議院で十人減の。これはおやりになるんでしょうね。いやいや、それは国会のことだから、国会で各党各会派という御答弁はお得意だけど、議院内閣制なんだから、官邸、総理が主導できるんですよ。軽減税率主導したじゃないですか。今度も、定数カット主導してくださいよ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 定数削減を含む衆議院の選挙制度の在り方については、先週十四日に、衆議院議長の下に設置をされた第三者機関、衆議院選挙制度に関する調査会から答申が出されました。
 一昨年九月から調査会が真摯な議論を重ねて答申がまとめられたことに敬意を表したいと思いますが、答申では、小選挙区選挙において定数を六人削減、比例代表選挙において定数を四人削減、合わせて十人削減して、衆議院議員の定数を大正十四年に男子による普通選挙が実現して以降最も少ない数となる四百六十五人とする案が示されたわけでございますが、これは、大正十四年は人口は六千万人でございましたので、今の約半分のときのこの定数以下になっていくということでございますが、答申を受けて大島議長から、各党の御理解をいただいて、何としてもこの国会において結論が得られるよう議長としても最大限の努力を図ってまいりたいと述べられたものと承知をしておりますが、今後は、これは我が党はもちろん、我が党はもとよりでございますが、各党各会派がこの答申をしっかりと受け止めて、選挙制度改革の実現に向けて真摯に議論を行い、早期に結論を得ることによって国民の負託にしっかりと応えていくべきであると考えております。
○片山虎之助君 日本の国会議員さんが私は多いと思いません。多いと思わない。むしろ、幾らか少なめです。しかし、日本を本当の地方分権国家にするなら、これから減らしていってもいいんですよ。そういう覚悟があるかどうかなので、わざわざ調査会で答申を出してもらったものを、これをちゃんとやれないようじゃいかがかと思いますよ。
 同じことが公務員給与なんですよ。公務員給与、我が党は二割カットということを前から、国も地方もですね、二割カットということを言っているんです。しかし、人勧制度があるからこれは完全実施がいいんだということかもしれませんが、地方は去年で四割の地方自治体が、場合によっては人事委員会勧告を超えて給与や手当のカットをやっているんですよ、四割近い団体が。私はそれが国民に対する姿勢だと思いますが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もう既にお話をいただきましたが、労働基本権が制約されている国家公務員の給与については、その代償措置である人事院勧告制度を尊重するとの基本姿勢の下、民間の水準を踏まえて決定をされております。本年度においては、民間企業の給与上昇を反映した人事院勧告を受け、国政全般の観点から検討を行った結果、勧告どおり実施するとの結論を得るに至り、今国会に法案を提出しているところであります。
 一方で、国家公務員の総人件費については、国家公務員の総人件費に関する基本方針において、職員構成の高齢化等に伴う構造的な人件費の増加を抑制するとともに、簡素で効率的な行政組織体制を確立することにより、その抑制を図ることとしております。
 具体的には、一昨年の給与法改正に盛り込んだ給与制度の総合的見直しにより初任給を据え置く一方、高齢者層を四%引き下げることにより俸給表水準を平均二%引き下げ、併せて地域手当を見直すことによって世代間、地域間の給与配分を見直しております。定員自体についても厳しく削減を行い、平成二十六年度以降も、震災復興等の臨時増員を除き、政府全体で千人程度の純減を確保しているところであります。
○片山虎之助君 それから、担当大臣の御意見いかがですか。──いいですか。
 ちょっと時間があれですから先に進みますが。
 それに絡みまして、私は、給与水準もさることながら、数だと思うんですよ。国家公務員は今約三十万人だし、自衛隊の関係やなんかを除きますと、そのうちに出先が十八万六千人おるんですよ、出先機関が。私は中央の役所はそれなりに頑張っていると思います、忙しいと思う。地方出先機関はそうでもないんですよ。だから、私はこれを思い切ってやめるということが国の大きい行革になると思う。私は半分以上は数を減らせると思いますよ、悪いけれども。一遍にじゃないんでね、計画的にやるんですけれども。
 そういうことのあれが、民主党政権のときにちょっと進んだんですよ。止まっちゃいましたよね。後ずっと止まりっ放しなんですよ。総理、進めませんか、もう一度。
○国務大臣(河野太郎君) 国家公務員制度担当大臣として答弁させていただきます。
 来年度も九百十七人の純減ということにさせていただきました。これからも厳しく定員、機構を精査して、無駄のないように行政をしっかりと縮小してまいりたいと思います。
○片山虎之助君 全然、河野大臣らしくないね。そんな役人書いたのを読んじゃ駄目ですよ。
 地方出先機関をやめたらどうかと言っているんですよ。どうしても国の仕事がとか現業みたいなものは別ですよ。半分ぐらいやめられると言っているんですけど、どうですか。自分の言葉でひとつ。
○国務大臣(河野太郎君) 今日の答弁は私の前回の国会答弁を基に役人が書いてくれていますので、私の言葉でございますが。
 先生おっしゃるように、削減できるところはしっかり見てやってまいりたいと思います。
○片山虎之助君 時間の関係で次に行きますがね。
 今は国の中央の機関の地方移転が問題になっていますよね、特に消費者庁と文化庁ですか。ほかにもいろいろありますよね、観光庁だとか中小企業庁だとか特許庁だとかその他あるんだけれども、しかしこれは移転の仕方によってはかえって悪くなるんですよ。中途半端にやるとかえって弊害が広がるんですよ。しかし、このくらいやれないで、このくらいやれないで地方分権だとか地方分散なんかできませんよ。民間が、どこが聞きますか。理屈を超えて、創意工夫して、地方移転の実験をやるべきですよ。そうでなきゃ信用しない。いかがですか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この中央官庁の地方移転について、様々な今案について検討しておりますし、また候補地も挙がっております。今、片山委員からも御指摘があったように、これはある程度これを思い切って決めていくと同時に、かえってそれによって国民あるいは消費者の利便性に反することになってはならないわけでありますが、そうしたことも勘案しながら、決断すべきは決断していきたいと考えております。
○片山虎之助君 これ、一人だけ答えていただきます。
 河野大臣、消費者庁どうしますか。
○国務大臣(河野太郎君) 消費者も担当しておりますので答えさせていただきますと、徳島県から消費者委員会、消費者庁及び国民生活センターの移転の要望というのが挙がっております。これは、まず消費者庁及び消費者委員会あるいは国民生活センターの中で会議を、テレビ会議などを使ってきちんと何が問題になるかということを抽出すると同時に、三月には消費者庁長官に徳島に行って少し勤務をしていただいて、問題点を洗い出しながら何が課題なのか、そしてその課題をどう潰すかという作業をしっかりやってまいりたいと思います。
 その課題がきちんとクリアできるということを確認できれば、徳島に三つの省庁を移転してまいりたいと思っております。
○片山虎之助君 それはやり方なんですよ。クリアできますよ、クリアしようと思えば。思うか思わないか、どうですか。
○国務大臣(河野太郎君) できると思っているからやるわけでございまして、かつて片山虎之助総務大臣の下に大臣政務官としてお仕えをいたしまして片山イズムをたたき込まれておりますので、しっかりできるように頑張りたいと思います。
○片山虎之助君 ひとつ頑張ってください。
 そこで、財政金融は専門家の藤巻先生に質問してもらいますけれども、私は今回の補正予算を見て、当初を含めて、もうとにかく毎回同じことを言っているんですが、補正というのは当初予算のシーリング逃れになっているんですよ。これはある意味で私は要求側と査定側の談合で、ぐると言ってはいけませんけれども、決まっている。だから筋悪のものが上がってくるんですよ。
 悪名の高い低所得高齢者の給付金の三万円のやつ、あれ前倒しでしょう。補正に来てやったんです。これのことはみんな言っていませんよ。時期も良くないわね、六月に配るなんというのは。一回きりで、高齢者だけで。制度にするんじゃないんでしょう。だから、そういうのが入ってくるんですよ。
 それから一億総活躍社会、まあ細々細々、とにかくマッチングから、結婚して、引っ越しから新居から、三世代同居となっている、トイレを二つ造れ、浴室二つ造れ。いいでしょう、そんな細かいことまで。介護職員のベビーシッター代を出すとか、いいですけれども、何で財源を与えて地方自治体に自由にやらせないんですか。地方自治体の方がずっといい知恵を出す。それを全部補助制度をつくって細かくチェックして。手間も大変ですよ、国も地方も。一億総活躍にはなりませんよ。くたびれちゃう。
 加藤大臣、どうですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の補正予算につきましては、昨年の十一月、一億総活躍国民会議で議論をいただきまして、緊急に取りまとめるべき政策、特に希望出生率一・八、介護離職ゼロと、それに絞り込んで、そして今緊急にやるべきことを計上させていただいたところでございまして、実施に当たりましても、よく中身、また特に横並び、一つの政策だけ行って後が付いてこなくちゃうまくいきませんから、その辺も見極めながら予算を計上させていただいたところでございます。
○片山虎之助君 加藤大臣は絞り込んでと言われたが、全然絞ってないわ。むしろ無理やりアイデアを出したような補助事業が多いですよ。じゃ、細かい補助事業はやめなさいよ。地方団体はみんな困るんですよ。それは喜んでいる向きも一部ありますよ。だからそういうことは直してもらわないと。是非よろしくお願いいたします。それが一億総活躍の前提です。
 そこで、軽減税率ですけれども、軽減税率制度の法案は出して、財源が一年待てと、来年度だよというのは、閣法として制度の法案を出すのは無責任じゃないですか、総理。
 それから、あの一兆円の中には地方の取り分が、地方消費税と地方交付税が約三千億円あるんですよ。地方も寝耳に水ですよ。これはとばっちりみたいなもので、だからどうにかしてくれと思っているんでしょうけれども、ちょっと乱暴じゃないのかな。結論がああいうことになったからということかもしれませんが、私は大変閣法の権威に関わると思いますよ。国会軽視でもありますよ。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 軽減税率は、給付付き税額控除、総合合算制度と並び、消費税引上げに伴う低所得者への配慮の観点からの検討課題の一つでありました。
 安倍内閣は、社会保障を充実させ、国の信認を確保するために、三党合意に基づき、社会保障・税一体改革の枠組みに沿って、この三年間で消費税率を五から八、八から一〇へと二度にわたり引き上げることとしています。
 しかしながら、十七年ぶりとなった前回の引上げ後は、予想よりもはるかに消費の落ち込みが大きく、また長く続きました。来年の四月に八%から一〇%へと引き上げていくに当たって、私は国民の皆様に納得をしていただく必要があると申し上げてきたわけでありまして、消費への影響にも配慮しなければならないと考えています。
 こうした中、軽減税率制度は、給付付き税額控除といった給付措置とは異なりまして、日々の生活において幅広い、消費者が利活用している商品の消費税の負担を直接軽減することによって、買物の都度、痛税感の緩和を実感できるという利点がありまして、この点が特に重要であるとの判断により、導入を決定をいたしました。
 消費税が有しているいわゆる逆進性の緩和の観点からは、食料品の消費支出に占める割合を見たとき、年収千五百万円以上の世帯では一五%程度でありますが、二百万円未満の世帯では三〇%程度となっておりまして、軽減税率の制度の導入によって、消費税負担の軽減の効果が所得の低い方により大きく及ぶことは御理解いただけるのではないかと思います。
 また、酒類、外食を除く飲食料品等に係る消費税負担の収入に対する割合は、所得の低い方の方が高所得者よりもはるかに高くなっていることから、所得の低い方の方が消費税負担の軽減度合いが大きくなり、まさに消費税の逆進性の緩和にもつながるものと考えております。
 また、今回の財源の問題についてでございますが、平成二十九年四月の消費税の軽減税率制度の導入に当たっては、与党及び政府の税制改正大綱において、財政健全化目標を堅持するとともに、社会保障と税の一体改革の原点に立って安定的な恒久財源を確保するとの観点から、平成二十八年度末までに歳入及び歳出における法制上の措置等を講ずること等とした上で、その趣旨を、軽減税率制度を創設する規定を盛り込んだ平成二十八年度税制改正法案において明記することとしておりまして、このように軽減税率を導入する平成二十九年四月までに財源確保に係る法制上の措置等を講ずることとしておりまして、財源確保を先送りしてやっているということではなくて、きっちりと法定していくということでございます。
○片山虎之助君 それで、財源はそれじゃ、税収の上振れは恒久財源じゃないからこれは具合が悪いようなことを言われながら、経済財政諮問会議で議論をしてもらうと。経済財政諮問会議がいいと言ったら、税収の上振れを充てるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この税収の上振れという、この上振れは何かということでございますが、まさに上振れすれば下振れもすると、そういう不確かなものという考え方においては、既に申し上げておりますように、それは充てないということでございます。
 他方、我々政権を取ってから、消費税の増税分の税収増八兆円を除けば十三兆円、国、地方で増えているわけでございます。これをどのように捉えていくか。これはもちろん、上振れも大きくこれはあるわけでございますが、その中でこの果実を、私たちが進めてきたいわゆるアベノミクスの果実をどのように、今後、例えば成長のために配分をしていくのかということも含めて諮問会議において御議論をいただきたいと、こう考えているところでございます。
○片山虎之助君 そうすると、税収の上振れの中に、いわゆる上振れと果実による別の上振れがあるということですか。そういうふうに聞こえますよ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回、統一見解を出させていただいているわけでございまして、税収の上振れについては、経済状況によっては下振れすることもあり、基本的には安定的な恒久財源とは言えないと考えられるわけであります。と同時に、アベノミクスによる経済の底上げによる税収増をどう考えていくかについては、経済財政諮問会議において議論をしていく必要があると考えております。
○片山虎之助君 そこがよく分からないんですよ。
 アベノミクスによる果実分はいわゆる上振れではないんだから、この恒久的な財源として使ってもいいというふうに聞こえるんで、それはどれがいわゆる上振れなのか、アベノミクスの果実の堅いものか何か知りませんが、その仕分を経済財政諮問会議にやらせると、こういうことですか。
○国務大臣(甘利明君) 税収がかなり政権交代後増えています。増えている税収を基に翌年度の税収を置くわけであります。そして、年度末には更にそれの上振れがあるわけであります。どこからどこまでを、上振れもあれば下振れもあるという見方をするのか。それとも、アベノミクス自身は名目三%の成長を目指していくわけでありますから、三%の成長に見合った税収というのは向こう十年間これは目指すわけでありますから、そこはより堅く見積もることができるんではないかと。
 ただ、いずれにしても、諮問会議で専門家において、本当に補正だけにしか使えない予算の部分なのか、それとも多年度にわたって投入ができる部分があるのか。そこは専門家に諮問会議で議論をしていただくということで、ここからここまでがせいぜい補正にしか使えませんとか、ここからここまでは複数年度に、つまり、税収増というのは長期債務の前倒しで減らすのにも使いますけれども、全体を押し上げるための経済成長を引き続き確保しなきゃならないと。それを補正だけでやるのか、複数年度で、政策によっては複数年度掛かるのもあります、それに使えるのかと、広範な議論を諮問会議でしていただくということになるわけでありまして、まだ結論は出ているわけではありません。
○片山虎之助君 今の経済状況は甘利大臣が言うほどそういう安定的で簡単なものだとは私は思いませんけれども、株の状況を見ているときに。それから中国経済、ありますよ、アメリカの利上げ。いろんなことがある中で、私はかなり、油の問題もある、変動する中で、そんなことを、しかも諮問会議なんかでどこかで線を引いてもらうということが果たして可能なのかどうか。
 それは、財政秩序、財政規律からいって大変私は問題だと思いますよ。何かしっかりした、まあ政府見解というのか分かりませんが、税収の上振れを使うような使わないような今感じなんですよ。それじゃ何かというと、それは、たばこをやるんですか、外為特会の余裕金をやるんですか、あと何やるんですか。そういうあれになるんで、それは何か要ると思いますけど、いかがですか。
○国務大臣(甘利明君) 予断を与えるような答弁は私もできないんでありますけれども、アベノミクス自身は向こう十年間平均して名目三パーを目指していくわけであります。名目三パーを目指すということは、名目掛ける税率イコール税収ですから、その間はずっと安定的に税収を増やしていくんだという目標があります。その一方で、財政再建目標がありまして、それをたどっていく具体的な道筋として三年間で社会保障で一・五兆、そしてそれ以外も含めて一・六兆。もちろんこれは物価の上昇分はプラスアルファなんでしょうけれども、そういう枠はきちっとはめているわけでありまして、その枠の外で、枠の外で複数年度で使うものがあるのかないのかという議論をしなければならないということを諮問会議で行うということであります。
○片山虎之助君 委員長、この問題やっていますと時間がありませんから、後の委員会に譲りますけれども、当予算委員会でしっかりした答弁が要りますよ、と私は思っております。
 そこで、今度のその二パーなんですよね、軽減が。二パーなんでしょう。イギリスは二〇パーとゼロなんですよ。フランスも二〇パーと五・五なんですよ、外食は一〇らしいけれども。ドイツは一九と七なんですよ。スウェーデンは二五と一二なんですよ。これだけ軽減税率の値打ちがあるんですよ。二パーでこれは軽減税率って、千百円のものが千八十円で喜びますか。まあ中にはおるかもしれない、そういう小銭に強い人が。
 しかし、私は、何でこの軽減税率入れるかというと、後、消費税をずっと上げていく、そういう伏線というのか、そういう趨勢の上にあるんで、そういうことなら私はもっと慎重でなきゃいかぬと思いますよ。消費税の再増税は、再引上げは、やっぱり身を切る改革をやる、経済が安定的に移行する、軽減税率の財源もはっきりする、納得できるようなそういうことがない限り、再増税は私は慎重にやるべきだと、場合によっては延ばすべきだと思いますが、どうですか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一〇%へのこの引上げでございますが、先ほど申し上げましたように、この財源に、一兆円の財源について先ほど御説明をしたんですが、現時点では具体的な措置内容がこれ念頭にあるわけではないわけであります。たばこ税等々を例として挙げられたわけでありますが、具体的な措置内容が念頭にあるわけではありませんが、与党とも相談しつつ、歳出歳入両面にわたってしっかりと検討をしていきたいと、こう考えておりますが。
 いずれにいたしましても、既に一〇%に引き上げていくことを念頭に、子育てへの支援等については我々昨年から実施をしているわけでございまして、社会保障の充実のためには必要な財源でもあり、実行していきたいと。リーマン・ショック級あるいは大震災級の経済に与えるショックがあればこれはまた別でありますが、そうではない限り、引上げを予定どおり行っていきたいと考えております。
○片山虎之助君 だから、その経済がどうなるかというのは大きい要素なので、リーマン・ショックまでのそういうおかしさがなきゃそれは上げるんだというのが正しいのかどうか。それから、私は何度も言いますけれども、身を切る改革で国民に納得してもらう。それから、今の軽減税率の財源の明確化。
 それでもなおおやりになると言うなら、国民に信を問うべきじゃないですか、総理、立ち入りますけれども。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 前回、一昨年の総選挙の際に、既に、一年半一〇%への引上げは延期しますと。一年半延期しますと同時に、一年半後には、今申し上げましたように、リーマン・ショックあるいは東日本大震災級の地震があり、そうした結果、日本経済に影響が出るという大きな状況があれば別であるが、それ以外であれば実施をしていくと、こういうふうに申し上げている。このように政権の公約あるいは選挙戦における私の説明の上に我々、国民に信を問うたわけでございます。
 また、軽減税率につきましては、給付付き税額控除あるいは総合合算制度との中において考えていくと、このように申し上げておりますので、前回、一昨年の暮れの総選挙のお約束の範囲内で我々、今回軽減税率を組み込んだところでございます。
○片山虎之助君 引き続き慎重な検討をお願いし、また予算委員会で議論させていただきたいと思います。
 それじゃ、憲法改正について申し上げますが、御承知のように日本の憲法は硬性憲法で、なかなか変わらないようになっています。私は、憲法を変えないのがいいことだという意見には、ちょっとおかしいなと。無理に変えることはありませんよ。無理に変えることはないんだけれども、変えなきゃいかぬ事情が出たら変えた方がいいので、変えないからかえって解釈改憲みたいなことになるんです、逆に。だから、それは国民のきちっとした手続で同意が要るんですからね。
 そういう意味では、憲法を改正する議論は私は大いに必要だと。何か敬して遠ざけて、怖いものをやるような、すぐ戦争か平和かなんていう考え方は短絡的じゃないかと思いますが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自民党は、立党以来の大きな柱として憲法改正を掲げているわけでございます。憲法改正については、まさに私たち自身の手で憲法を書いていく、これこそ新しい時代を切り開いていく精神につながっていくんだろうと、私はそう確信をしておりますし、憲法が制定されてからこれ相当の年限が経過をしているわけでありまして、現在の状況とはそぐわないこともあるわけでございます。
 そういうことを鑑みながら、我々は憲法改正を必要と考え、野党時代に谷垣総裁の下において憲法草案を発表させていただいたところでございまして、おおさか維新の会とも、その憲法改正の必要性、どの条文ということではなくて、必要性、あるいはこの時代が大きく変わる中において私たちはその責任があるのではないかという、この責任感においては共有しているのではないかと、このように思います。
○片山虎之助君 よく、憲法をいじるというのは悪くするんじゃないかと。悪くするわけ、変えるわけがない。今の憲法の持つ例えば国民主権だとか基本的人権の尊重だとか平和国家、そういうことを変えるわけがないんですよ。おかしいところ、時代にそぐわないところを変えるので、しかもそれは国民の合意が要るんですよ。ちゃんとした手続が要るんです。
 そこで、我々は、我々が前から言っているのは、地方分権改革や統治機構の改革なんですよ。私は、今、日本にいろんな大きい問題があるけれども、一つの大きい問題は、人口の減少でしょう、少子高齢化でしょう、一極集中でしょう、地方の衰退でしょう。これをお金やちょっとしたアイデアで変えるというのは私はもう難しいと思うんです。国家の基本的な仕組みを変えないと地方の衰退は止まりません、一極集中も止まらない、人口だって止まらない。若い人がみんな東京や首都圏に集まってくるような、大学生の三割から四割東京におるというじゃないですか。やっぱり直さないかぬのですよ。
 それを私は、統治機構を変える、構造を変える、地方分権をもっと徹底する。今の憲法の地方自治の章がありますよ、第八章に、四条ある。しかし、これは全部抽象的で魂がこもっていない。中身がないんですよ。熱意がない。私は、あれをまず変えることからいくべきだと。身の回り、取り付きやすいんじゃないかと。テーマもあるんです、何をやるかということが。
 大問題、国論を二分するようなことをやるのも一つのやり方ですよ。我々は、まず地方自治、統治機構の改革、地方分権の改革はやりたいと思いますが、総理、お考えあれば。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま片山委員がおっしゃったように、普通の法律、法案であれば、これを国会で審議をして、国会議員の過半が賛成すれば成立をするわけでございます。
 しかし、憲法の場合は、これは三分の二以上の議員が衆参それぞれ賛成をしなければ発議できないわけでありますが、要はその後の国民投票によって決するわけでありまして、まさに国民が決するということが憲法の大きな特徴ではないかと、憲法改正の大きな特徴ではないかと思います。
 そこで、地方自治、分権改革や首相公選制等の統治機構に関する事項については、自民党の草案には盛り込まれていないわけであります。これは、統治機構の根幹に関わる事柄について更に議論を尽くす必要があるとの認識によるものでございまして、いずれにいたしましても、憲法改正については国民の理解が必要不可欠であり、具体的な改正の内容や時期についても国会や国民的な議論と理解の深まりの中でおのずと定まってくるものと考えておりまして、引き続き、新しい時代にふさわしい憲法の在り方について国民的な議論と理解が深まるよう努めてまいりたいと考えております。
○片山虎之助君 最後にもう一問だけ。
 TPPにつきまして、農林水産物の生産額は下がるけれども生産量は下がらないと、悪くはならないと、それは国内対策をやるからだと、これが政府の試算ですよね。一部では、それは大本営の発表じゃないかと言う人も、お年を召した方です、そういうことを言われるのは。しかし、やっぱり末端の条件が不利なところもそれで大丈夫かという保証が要ると思うんですよ。農林水産大臣、いかがですか。
○国務大臣(森山裕君) 片山委員にお答えをいたします。
 今回のTPPの影響試算におきましては、交渉で獲得をいたしました措置とともに、政策大綱に基づく体質強化対策や経営安定対策等の国内対策により生産コストの低減や品質向上を図り、差別化、収益性の向上などが図られることから、国内生産量は維持されると見込んでいるところでございます。
 ただ、先生おっしゃいますように、条件の不利な地域をどうするのかという課題は確かにございます。ただ、条件の不利な地域だと思っていたところでも結構頑張っていただいていいものができてきて、所得を上げておられる地域もございます。
 また、先生のお地元の岡山県でも、農事組合法人のアグリ堀坂などは圃場整備を契機として随分効率のいい農業に励んでいただいておりますので、こういう政策もしっかりやりながら地域政策とも併せて頑張っていくことによって生産性を維持していきたいと考えております。
 以上であります。
○片山虎之助君 引き続き議論を行います。
 私の質問は終わります。ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 関連質疑を許します。藤巻健史君。
○藤巻健史君 おおさか維新の会、藤巻健史です。
 まず、低所得高齢者に一人当たり三万円の給付金を配付することについてお聞きしたいと思うんですが、今、日本の財政というのは極めて厳しい状況にあると思うんですね。(資料提示)千五十四兆円の借金がある。この千五十四兆円というのは、十兆円ずつ返しても百年掛かる借金なんです。平成二十八年度予算政府案を見ますと、六十二兆円の税収プラス税外収入を予想していますから、これ、歳出を五十二兆円に抑えて初めて十兆円が浮いて、そして百年掛かって返せる借金なんですね。五十二兆円に抑えるべき歳出をこれ九十七兆円使っていますから、これ、百年どころか二百年たっても三百年たっても返せないような借金なわけですよ。
 そういうことを考えて、一人当たり三万円、総額三千億円の更なる支出というのは、これ、明らかに我々世代では返せないですね。孫子、ひ孫しか返せないような借金、金額なわけです。今、私が考えるに、日本で一番の格差問題というのは世代間格差だと思うんですよね。そういうことを考えると、我々が使う人、孫子が税金払う人では、世代間格差を更に拡大する、そのような追加的三千億円を今補正なんかでやる必要はあるのかどうか。
 確かに、参議院選挙のときに老齢者はうれしいでしょうよ。でも、今十八歳以下で選挙権がない、若しくはまだ生まれていない人たちは、これ、何で我々が払うんだって文句たらたらだと思うんですけれども、それでも三千億円の支出が必要なのか、大臣、教えていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この今回の三万円の給付でありまして、なぜやるかということだと思います。
 そもそも、税と社会保障の一体改革の中において、年金生活者の支援給付金として、八十七万円以下のお年寄りに対して六万円の給付を、これをずっと恒久的に行うということが決まっておりました。しかし、一年半、消費税の引上げを、八から一〇への引上げを延期をいたしましたので、この給付と負担の関係から、当時、選挙でも一つのこれは話題となりましたが、これを行えないと。しかし、その中で、アベノミクスの果実が得られる段階から段階的に行っていきたいと、こういうふうに申し上げていたわけでございます。
 そこで、今回、先ほど申し上げましたように、国、地方を合わせて税収は二十一兆円増えたわけでございまして、そして、この補正予算においてもしっかりと新規の国債発行について減額することができたわけであります。
 この二年間の減額というのは、平成に入ってもう二十八年になるわけでありますが、歴代の内閣において三番目、四番目の規模のこれは減額を行っているわけでございまして、ちなみに一番多かったのは第一次安倍政権のときでございますが、このように、しっかりと安倍政権においては国債の発行の減額を行っている、新規国債発行の減額を行っているわけでありますが、その上において、言わば私たちの経済政策において、企業は最高の収益を上げ、賃金が過去十七年間で最高の収益を上げているわけでありますが、低年金の年金生活者の方々はその恩恵には被ることができないわけでありますし、それのみならず、本来であればデフレスライドしなければいけない年金を、ずっと長い間これはデフレスライドさせていなかったものを、安倍政権においてはこれはデフレスライドをさせていくという判断をしたわけであります。つまり、年金額が減少していく、これは言わば、デフレのときには減少させる、インフレのときには上げていくというこのルールにのっとって行ったわけでございます。
 しかし、他方、先ほど片山委員からも御指摘があったように、消費が落ち込んだのは事実でございます。これは回復しつつあるわけでありますが、しっかりとこれは支えていく必要もあるということにおいて、我々は、六万円ではなくて三万円、そして、四月から実施できるように住民税非課税ということで百五十五万円以下の方々に三万円の給付を行うということを決定したのでございますが、私の今の御説明で、最初の部分はまさにミクロ政策について御説明をさせていただいたわけでありますが、ミクロ政策としても、アベノミクスの恩恵を受けることができなかった方々にしっかりと支援をしていく、と同時に、消費性向が高い層にしっかりと給付を行うことによって消費の冷え込みを抑え、しっかりとした成長につなげていきたいと。その意味におきましては、マクロ政策としても正しいと考えているところでございます。
○藤巻健史君 世代間格差の拡大についての御回答を得ていなかったと思うんですが、それはともかくとして、今総理は、新規国債発行額が減っているということを自慢されていましたけれども、新規国債額は減っていますけれども、累積赤字は増えているわけですよね。例えば、昔、二年前に二百キログラムもあった人が、去年は二十キロ増やして二百二十キロになった、それで今年は十キロしか増やさなくて二百三十キロになったというときにダイエットに成功していると自慢していいのかという問題を私は思っていますからね。
 それはともかくとしまして、軽減税率一兆円の話なんですが、先ほどうちの片山共同代表も質問しましたときに、アベノミクスの果実を使うとか、甘利大臣は三%の名目成長率を予定しているからその分を軽減税率等使うというふうにおっしゃったんですけれども、景気が良くなると確かに税収増えますよ。しかし、残念ながら支払金利も増えるんですよ。支払金利というのは税収増に遅れます。なぜならば、税収というのはすぐ上がれば法人税、所得税が増えますけれども、支払金利というのは、国の借金って大体長期国債ですから、例えば〇・五%の国債を五年、十年発行している。途中で五年後に景気が良くなった、〇・五%の金利、それでもあと五年間払えばいいわけですから、支払金利は満期になって初めて、新しい国債を発行する高い金利になったところで支払金利、増えていくわけです。
 ですから、支払金利というのは税収増に遅れる、それにもかかわらず増えた税収増を前に使っちゃったら、後で支払金利が増えてきたときにどう対応するのか非常に疑問に思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) プライマリーバランスが均衡している段階では経済成長率と金利とが同一であればそれ以上拡散はしない、金利が経済成長率を上回っていった場合には均衡状態は崩れるわけです。ですから、均衡状態に達したらそれにプラスしてその比率を、プラスの比率を増やしていくということが当然安全策になります。最終的にはもちろん絶対額を減らしていくという手順ですけれども、まず手順としてはPBをバランスさせる、そしてPBを黒字化させていくと、そしてその次に絶対額を減らすように経済を強化していくという手順があるんだと思います。
 まずはPBを均衡させるということに向かって作業中で、中間点の二〇一五年はクリアできそうだということであります。
○藤巻健史君 ちょっと質問通告ないんですけど、今お話聞いていますと、プライマリーバランス二〇二〇年黒字化の話されていましたけれども、これまだ内閣府の試算では六・二兆円か何かマイナスですよね。それとともに、今、甘利さんが、名目成長率が名目金利より高くなればプライマリーバランス以降累積赤字が減っていくというふうにおっしゃいましたけど、内閣府のあの名目三%、実質二%の試算でさえも二〇二〇年逆ですからね、名目金利の方が高いですからどんどん拡散していっちゃうことになりますけれども。そうするとあの試算はどうなんだという話を私は思います。これは質問通告していませんのでいいんですが。
 次に、日銀総裁にお聞きしたいんですが、消費者物価指数二%になったとき異次元の量的緩和を続けるのかどうか、それを明確にお聞きしたいんですが。
 今、異次元の量的緩和、すなわち国債の爆買いをしているのはCPI二%を安定的に達成するためだと思っているんですが、そのCPI二%、総裁は二〇一六年度後半に達成すると予想していらっしゃいますけど、そのときに国債買入れ、すなわち異次元の量的緩和をやめるのか否か、やめなければ当然お金の垂れ流しでハイパーインフレになるというのはこれ歴史の証明するところなんですが、今ここで、CPI二%になったらやめるというふうに確実な明確なお答えをいただきたいんですが。
○参考人(黒田東彦君) 御案内のとおり、量的・質的金融緩和、これは二%の物価安定の目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで継続するということにしております。したがいまして、その先の金融政策運営については、その時々の経済・物価情勢と先行き見通しを踏まえて二%の物価安定の目標を安定的に持続するために必要な政策を行っていくということに尽きると思います。
○藤巻健史君 今のお話聞いていると、大体消費者物価指数二%と安定的になったら取りあえずは爆買いはやめる、国債の爆買いはやめるというふうに理解したんですが、一九九八年十二月に資金運用部ショックというのがあったんですね。資金運用部というのは、郵貯とか簡保で集めたお金を投資する機関というか勘定だったわけですけれども、その資金運用部が国債を買うのをもうお金がないからやめるよと言った途端に国債マーケット暴落したんですよ。〇・六%の長期金利が二・四%まで一か月で上昇した。大慌てだった大蔵省はやっぱり購入をしますよと言ってマーケットは安定したわけなんですが、そのときに資金運用部が買っていた国債というのは年間発行額の約二〇%しかないんですね、この表にありますように。今、日銀は市中発行額の八〇%の国債を買っているんです。二〇%であれだけのショックが起きたならば、八〇%買っている日銀がやめたらマーケットどうなっちゃうんだろう。
 要するに、そのときに、どんなマーケットでも八〇%買っている人がいなくなったら国債マーケットって暴落しますよ。ましてや、一九九八年の資金運用部ショックのときは、資金運用部が買うのをやめたらば日銀が代わりに買ってくれるだろう、最後のとりでに日銀があるねとみんな安心していたんです、トレーダー、市場関係者は。でも、今度は最後のとりでの日銀が買うのをやめちゃうんですよ。マーケットどうなっちゃうんでしょう。
 国債が暴落したらば、これ、さっきの支払金利、後で急増しちゃって予算なんか組めないですよ。若しくは入札もできないかもしれない。入札ができなくて政府のお金がなくなれば国家公務員の給料は出ない、地方交付税出ないから当然のことながら地方公務員の人も給料出ない、年金も出ないなんという状況になっちゃう。まさにギリシャと同じデフォルトの状況になっちゃうんですが、いかがでしょうか、大丈夫でしょうか。財務大臣、お願いいたします。
○国務大臣(麻生太郎君) よくこの質問を度々伺っておりますので、毎回同じことをお答えするようで恐縮ですが、日本銀行に聞かれるべき金融の出口の話ですから、その当人は今おられますからあちらに聞かれるのがまず適切であって、財務大臣に聞かれて、財務大臣が日本銀行の発行のことに関して口を差し挟むのはいかがなものかというのが常識だと存じますが。
○藤巻健史君 アベノミクスのときには、金融、量的緩和を第一の矢として挙げたんですよ。新アベノミクスでは落としたんですね。私に言わせると、政府は全部日銀に投げかけて任せちゃって、日銀としてははしごを外されたと思うんじゃないかと思うんですけど、いかがでしょうかね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、第二の矢で外したわけではありません。
 言わば金融政策、大胆な金融政策を行うということは変わりがないわけでありますが、そこで、我々は日本銀行と二%という物価目標について合意をしているわけでございます。この手段としての金融政策については日本銀行がこれを判断するわけでありまして、ここで我々は、別に国債を大量に購入せよと言っているわけではなくて、今までの発想にとらわれない大胆な金融緩和を行ってもらいたいと、こう申し上げているわけでございます。これをやらなければデフレから脱却できない。事実、約二十年間デフレから脱却できなかったんですよ。ほかに方法はあるんですか。これ、ないんですよ。
 我々は、もはやデフレではないという状況をつくり出すことができた。その中において、あとはどういうものをこの緩和において日本銀行が買っていくかということは、これは日本銀行が判断する、手段においては判断するわけでございます。
○藤巻健史君 総理はほかにないと断言されましたけど、私に聞いてくだされば、当時、幾らでも言いましたですけどね。
 ということなんですが、最後に質問。
 ギリシャと日本の差というのは、ギリシャは中央銀行が紙幣を刷って助けられない、ユーロというのはヨーロッパ中央銀行しか紙幣を刷れませんから、ギリシャ中央銀行は政府を助けられない。今、日銀は紙幣を刷ることによって助けているんですが、今後助けられなくなったときに、日本の財政はどうなっちゃうのかなと。今、何となく平和なのは、経済が平和なのは、CPIが、消費者物価指数が二%行かないし、経済がうまくいっていないから、何となく日銀と政府がぶつかってないんじゃないかなというふうに思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で片山虎之助君及び藤巻健史君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、中山恭子さんの質疑を行います。中山恭子さん。
○中山恭子君 日本のこころを大切にする党の中山恭子でございます。
 昨年十二月二十一日に党名を日本のこころを大切にする党、略称、日本のこころと改めました。
 政治の場では、日本の伝統的な考え方は古くさいものとして切り捨てられています。米国から輸入した自由主義、民主主義、共産主義、保守主義など、何とかイズムで表される考え方がほとんど全てを支配しています。しかし、日本人の精神の基層にあるもの、日本の人々が長い歴史の中で取捨選択してつくり上げてきた風俗や習慣、自然を大切にし、穏やかで、しかも進取の気性に富む文化はすばらしいものであります。日本の人々は、四季折々の美しい風景の中で、争いを嫌い、和をもって貴しとなし、相手を思いやり、美しいものを尊び、細やかな心の営みをしてきました。
 今、日本の社会で悲しい問題が多く起きています。これは、私たちが本来持っている日本の心を見失っているからではないでしょうか。政治の場でも、世界で高く評価される日本の心を主義の考え方に加えてもう一本の柱としてしっかり認識し、政策に生かして温かな社会をつくっていくことが求められていると考えています。
 日本のこころを大切にする党、とても小さな党ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 さて、党名変更の一週間後、十二月二十八日、日韓外相共同記者発表がありました。発表文を読んでびっくりし、日本のこころを大切にする党代表としての談話を出しました。皆様の机上に配付してございます。
 戦時中であっても、女性たちが貧困などのゆえに体を売るなど、人としてむごい状況に置かれることは決してあってはならないことです。日本が率先して国連の場でこの問題を取り上げてもよいと考えています。しかし、今回の共同記者発表は極めて偏ったものであり、大きな問題を残したと考えています。
 共同記者発表では、慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、日本政府は責任を痛感している、全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復、心の傷の癒やしのための事業を行うとしています。
 この共同記者発表では、元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復の代替として、日本のために戦った日本の軍人たちの名誉と尊厳が救いようのないほどに傷つけられています。さらに、日本人全体がけだもののように捉えられ、日本の名誉が取り返しの付かないほど傷つけられています。
 外務大臣にお伺いいたします。
 今回の共同記者発表が著しく国益を損ねるものであることに思いを致されなかったのでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、今回の合意ですが、この慰安婦問題が最終的、不可逆的に解決されることを確認し、これを日韓両政府が共同で、そして国際社会に対して明言した、このことが今までなかったことであり、この点においては画期的なことであると認識をしております。
 その上で、今様々な御指摘をいただきました。まず、この合意における認識ですが、これは従来から表明してきた歴代の内閣の立場を踏まえたものであります。そして、これも度々申し上げておりますが、日本政府は、従来より、日韓間の請求権の問題は一九六五年の請求権協定によって法的に解決済みであるという立場を取ってきており、この立場は全く変わっておりません。このように、この従来の立場、我が国としてしっかり守るべきこと、確認すべきこと、これはしっかり確認し、変わっていないものであると認識をしております。
 こうした点を確認した上で、是非この合意に基づいて日韓関係を前に進めていきたいと考えております。
○中山恭子君 今回の日韓外相共同記者発表の直後から海外メディアがどのように報道しているか、今朝、宇都委員の質疑でも取り上げられましたが、紹介いたします。
 お手元に配付してある資料、なでしこアクション代表の山本優美子さんが取りまとめた日韓合意直後の主な海外メディアの報道の一覧表です。オーストラリアのザ・ガーディアンは、日本政府は、女性の性奴隷化に軍が関与していたことを認めた。また、ニューヨーク・タイムズでは、戦争犯罪の罪のみならず、幼女誘拐の犯罪でもあるなどと書かれています。BBC、そのほか米国、カナダでも極めて歪曲した報道が行われています。この中から、ザ・サンの報道のコピーをお手元に配付いたしました。両外務大臣の写真が載っているものでございます。このものは、いつでも、誰でもパソコンから引き出せます。
 日本が軍の関与があったと認めたことで、この記者発表が行われた直後から、海外メディアでは日本が恐ろしい国であるとの報道が流れています。日本人はにこにこしているが、その本性はけだもののように残虐であるとの曲解された日本人観が定着しつつあります。今回の共同発表後の世界の人々の見方が取り返しの付かない事態になっていることを目をそらさずに受け止める必要があります。
 外務大臣は、今回の日韓共同発表が日本人の名誉を著しく傷つけてしまったことについて、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、今回の合意につきまして、海外における評価ですが、この合意直後から、米国、豪州、シンガポール、英国、ドイツ、さらにはカナダ、そして国連からもこうした合意について歓迎する声明が出されております。国際社会からは幅広い支持をいただいていると考えます。
 そして一方、海外のマスコミの反応ということで申し上げますならば、海外メディア、欧米主要国等においても、日韓関係の改善については高く評価されていると承知をしています。ただ、その中に不適切な表現あるいは事実に基づかない記述がマスコミの報道等に散見される、これはしっかりと受け止め、そして対応していかなければならないと思います。こうした不適切な記述についてはしっかりと申入れを行い、我が国の立場、そしてこの事実につきましてはしっかりと国際社会に明らかにしていかなければならないと考えます。
 今回の合意の内容や意義についてはしっかり説明していかなければならないと思いますが、あわせて、こうした不適切な表現、あるいは事実に基づかない記述に対しましては、しっかりと我が国としての立場を明らかにしていきたいと考えます。
○中山恭子君 当時の軍の関与の下にという言葉が入っていて、この言葉が何を意味するのか全く何の説明もないまま使われていることが、世界では、軍の関与は慰安婦の強制連行、慰安婦狩り始め性奴隷化をしたことであるとの解釈が当然のこととして流布されてしまっているということだと思います。
 二〇〇七年三月五日、参議院予算委員会、第一次安倍内閣の当時ですが、総理は強制連行について、言わば慰安婦狩りのような強制連行的なものがあったということを証明する証言はないと述べておられます。
 まさに現在、そのとおり、吉田証言は虚言であり事実ではないこと、朝日新聞のいわゆる従軍慰安婦なるものも存在しなかったこと、強制連行はなかったことが明らかになっています。にもかかわらず、今回、説明のない、当時の軍の関与の下にと発表してしまいました。当時の軍の関与の下にが何を意味するのか、遅きに失してしまったかもしれませんが、明らかにしておくことが政府の責務であると考えています。
 外務大臣にお伺いいたします。
 今回の日韓外相共同記者発表で、当時の軍の関与の下にとは、慰安所の設置、健康管理及び衛生管理について軍が関与したとの意味であり、日本軍が慰安婦を強制連行したり惨殺した事実は全くないことを全世界に向けて発言していただきたいと思っております。
 各国に向けて不適切な表現について申入れを行っているだけでは、世界の中で日本というものの名誉は傷つけられたままになると考えております。いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の点につきましては、今回の合意において、慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である、このような認識を示しているわけですが、まず、この認識につきましては、従来から我が国政府として表明してきた認識です。当然、歴代内閣の立場を踏まえたものであると考えます。
 その上で、これまで政府が発見した資料の中には軍や官憲によるいわゆる強制連行は確認できなかったという政府の立場、平成十九年の政府に対する質問書に対する答弁書で閣議決定した我が国の立場ですが、この立場については何ら変更はないと認識をしています。このことにつきましては何度も明らかにしているところであります。
○中山恭子君 今の外務大臣のお答えだけでは、今ここで、世界で流布されている日本に対する非常に厳しい評価というのが払拭できるとは考えられません。明快に今回の軍の関与の意味を申し述べていただきたいと思っております。
 安倍総理は、私たちの子や孫、その先の世代の子供たちにいつまでも謝罪し続ける宿命を負わせるわけにはいかないと発言されています。私も同じ思いでございます。しかし、御覧いただきましたように、この日韓外相共同記者発表の直後から、事実とは異なる曲解された日本人観が拡散しています。日本政府が自ら日本の軍が元慰安婦の名誉と尊厳を深く傷つけたと認めたことで、日本が女性の性奴隷化を行った国であるなどとの見方が世界の中に定着することとなりました。
 今後、私たちの子や孫、次世代の子供たちは、謝罪はしないかもしれませんが、女性にひどいことをした先祖の子孫であるとの日本に対する冷たい世界の評価の中で生きていくこととなります。これから生きる子供たちに残酷な宿命を負わせてしまいました。安倍総理には、これらの誤解、事実に反する誹謗中傷などに対して全世界に向けて正しい歴史の事実を発信し、日本及び日本人の名誉を守るために力を尽くしていただきたいと考えます。
 総理は、この流れを払拭するにはどうしたらよいとお考えでしょうか。御意見をお聞かせいただけたらと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど外務大臣からも答弁をさせていただきましたように、海外のプレスを含め、正しくない事実による誹謗中傷があるのは事実でございます。
 性奴隷あるいは二十万人といった事実はない。この批判を浴びせているのは事実でありまして、それに対しましては、政府としてはそれは事実ではないということはしっかりと示していきたいと思いますが、政府としては、これまでに政府が発見した資料の中には軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述は見当たらなかったという立場を辻元清美議員の質問主意書に対する答弁書として、平成十九年、これは安倍内閣、第一次安倍内閣のときでありましたが閣議決定をしておりまして、その立場には全く変わりがないということでございまして、改めて申し上げておきたいと思います。
 また、当時の軍の関与の下にというのは、慰安所は当時の軍当局の要請により設営されたものであること、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送について旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与したこと、慰安婦の募集については軍の要請を受けた業者が主にこれに当たったことであると従来から述べてきているとおりであります。
 いずれにいたしましても、重要なことは、今回の合意が今までの慰安婦問題についての取組と決定的に異なっておりまして、史上初めて日韓両政府が一緒になって慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認した点にあるわけでありまして、私は、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子供たちに謝罪し続ける宿命を背負わせるわけにはいかないと考えておりまして、今回の合意はその決意を実行に移すために決断したものであります。
○中山恭子君 総理の今の御答弁では、この日韓共同記者発表での当時の軍の関与の下にというものは、軍が関与したことについては、慰安所の設置、健康管理、衛生管理、移送について軍が関与したものであると考え、解釈いたしますが、それでよろしゅうございますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げたとおりでございまして、衛生管理も含めて設置、管理に関与したということでございます。
○中山恭子君 総理から明確なお答えをいただいて、少しほっとしたところでございます。この後、全世界に向けてこの旨をしっかりと伝えて、日本に対する曲解を解いていくために私たちも努力していきたいと思っておりますし、政府の方々も是非お力を入れて、国を挙げて日本の名誉を守っていただきたいと思っております。
 短期的なその場しのぎの日本外交が、真の意味で日本の平和をもたらすとは考えられません。歴史の事実に反して日本人についての曲解された見方が世界中に伝わり、日本に対する信頼が損なわれたことの方が長い目で見ていかに大きな損失になるか、申し上げるまでもないことです。
 日本の名誉を守ることは日本人自らしかできません。米国など他の国にとって、日本の名誉などどうでもよいことです。しかし、日本が軍事力で平和を維持するのではなく、日本の心や日本の文化で平和を維持しようとするとき、日本に対する海外の見る目、海外の評価はとても大切です。子供や孫、次の世代の子供たちが、あなたの先祖はむごいことを平気でやった人たちだと事実でもないのに罵られるような事態を私たちが今つくってしまったことを大変情けなく、無念なことと思っています。
 曲解を招くような外交、日本をおとしめるような外交は厳に慎むべきと考えます。これを挽回するための対応を私たちは直ちに取らねばなりません。政府にもその旨を要求して、質疑を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で中山恭子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、中西健治君の質疑を行います。中西健治君。
○中西健治君 無所属クラブの中西健治です。
 本日は、経済問題を中心に質疑をしていきたいと思います。
 初めに、現下の経済情勢に関する認識を総理にお伺いしたいと思いますが、年初来、皆さん御存じのとおり、世界市場は大荒れの状況が続いております。総理、年頭の記者会見で、新興国経済、さらには世界経済に不透明感が広がりつつあることを指摘されていました。その後の二週間で日本も含めた世界の景気の不透明感は更に高まったのではないかと思います。総理の御認識をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 世界経済は全体としては緩やかに回復しているわけでありますが、しかし、緩やかに回復しているものの、中国では投資や輸出が弱い動きとなるなど、アジア新興国等において弱さが見られます。
 こうした中、年明け以降、原油価格の下落や中国や欧米における金融市場の変動が見られます。世界経済の先行きについては、アメリカ等の回復が続くことによって緩やかな回復が続くことが期待されますが、いずれにせよ、こうした世界経済や金融市場の動向について引き続きよく注視していきたいと、こう考えています。
○中西健治君 昨年末と比べますと、日経平均は一〇%、ニューヨークのダウ・ジョーンズも八%以上下落しております。今日も日経平均下がったようでありますけれども、株価の上下は株を持っている人にしか関係ない話だと思われがちですけれども、株価は半年先の景気の状況を示す先行指標である、鏡であるということもよく知られております。だからこそ私は心配して、今危機感を強めているということであります。
 そこで、総理に、元々の三本の矢の現時点での位置付けをお伺いしたいと思います。
 最近では、従来の矢は旧三本の矢などと呼ばれ、あたかも過去のもののような受け止め方をされているように見えます。しかし、金融、財政、成長戦略の三つは、日本経済を成長過程に導く重要な政策パッケージだと思います。このところの世界経済の変調に対応して、むしろ旧三本の矢のそれぞれを点検して再強化すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたように、世界経済は不透明感を増しているわけでありますが、しかし、その中で日本経済は緩やかな回復基調が続いておりまして、ファンダメンタルズはしっかりしていると考えております。
 そこで、アベノミクスの三本の矢の政策によってデフレではないという状況をつくり出すことができているわけでありますが、さらに、デフレ脱却に向けてしっかりとこの三本の矢を更に射込んでいきたいと、こう思っているわけであります。この流れを更に加速し、日本経済を上昇気流に乗せるために、実質成長率二%程度、名目成長率三%程度を上回る経済成長を実現し、戦後最大のGDP六百兆円という目標に向かって、従来の三本の矢を束ねて一層強化した新たな第一の矢を放っていく考えであります。
 具体的には、賃上げを通じた消費の拡大、そして民間投資の拡大、生産性革命によって経済の好循環を力強く回し続けていきたいと思います。政府としても、法人実効税率を二〇%に引き下げる、これを、前倒しを実現をいたしました。そのことによって積極的な賃上げや設備投資を促していく考えであります。
 また、最低賃金につきましても、年率三%程度を目途に引き上げ、全国加重平均で千円を目指してまいります。
 また、TPPについては、総合的なTPP関連政策大綱に沿った施策を展開をするとともに、地方創生も本格化させていきます。
 またさらに、希望出生率一・八や介護離職ゼロという新たな第二、第三の矢に向けた施策を強力に推し進め、安心できる社会基盤を築くことによって成長と分配の好循環を回していきたいと。しっかりとこの希望出生率一・八に向かって実現していくな、あるいは介護離職に向かって政策が進んでいるなということは、これは経済基盤、社会基盤を安定させるわけでありまして、この上に更に成長戦略を進めていくことによって経済を成長させていくことができるだろうと。そして、この成長の果実をまたこの希望出生率一・八あるいは介護離職ゼロに振り向ける、あるいは更なる成長のための投資に向けていくことによって日本は更に成長し、そしてその果実を得て私たちの生活を豊かにしていくと、このように思います。
○中西健治君 中長期的に新三本の矢、三つの的、三つの目標を達成していくことに向けてやっていくということはそうだろうというふうに思うんですが、しかし、今年、来年、これまでやはり世界経済というのはどちらかというとフォローの風が去年の半ばぐらいまでは吹いていたんじゃないかと思います。しかし、現況は多分かなりアゲンストの風が吹き出しているということだと思いますので、今年、来年が日本経済にとって正念場になっていくんじゃないかというふうに思います。だからこそ、元々の三本の矢、これを強化、再強化する必要があるんだろうというふうに私自身は思っているということであります。
 デフレ脱却について、甘利大臣にお伺いしたいと思います。
 原油価格が二年前のピークの三分の一、水準としても十二年ぶりの安値にまで落ち込んだこともあり、依然としてデフレ状態ではないけれどもデフレ脱却には至っていないと、こういう認識だと思います。私もそれは共有しております。
 政府はデフレギャップは解消されていないという見立てだというふうに思いますけれども、現時点でこのデフレギャップ、金額にしてどれぐらいあるというふうに見込んでいらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) GDPギャップは、政権交代前でいいますとマイナス二・四%でありましたが、現在、直近の数字でいいますとマイナス一・三%であります。改善はしておりますけれどもまだマイナス状態でありまして、この一・三を金額に換算しますと七兆、GDPギャップはマイナス七兆あるということであります。
○中西健治君 七兆円ということでありました。依然として大きなデフレギャップがあるという状態だろうと思いますが、更に景気の不透明感が高まるとデフレ不況に後戻りしかねません。これだけは何としても避けなきゃいけないということだろうと思います。
 補正予算なんですが、例年の補正予算は、経済対策が策定されて、その実施のための補正予算としてパッケージになっていたかと思います。ただ、今年の補正予算に関しては、この経済対策というものが閣議決定されているわけではありません。TPPに関する文書、そして一億総活躍社会に関する文書というのはありますが、経済対策というのが打たれているということになっていないと思いますが、でありますと、この三・五兆円という補正予算の規模が大きいのか少ないのか、これが経済対策としてはどうなんだという疑問が生じてくると思いますが、今の状況に対応して、この三・五兆円というのが必要十分だとお考えでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 七兆円のギャップに対して三・五兆の予算ということであります。それだけ比較すると、もう少し大規模にやった方がよかったんじゃないかという意見もあろうかと思います。ただ一方で、財政の信認ということがありまして、二〇一五年度のPBの赤字幅を半減にするという、つまり二〇一〇年度から比べて半減、二〇一〇年度がマイナスの六・六ですから、マイナス三・三、これが正直言ってぎりぎりのところであります。
 もちろん、予算だけでなくて、最賃を上げるとかパートの賃金を上げるとか元々の賃上げをするとか、あるいは下請代金を改善するとか、あるいは設備投資をすると。これは、民間の力をどんどん投入して、国の財政力だけじゃなくて民間の経済力で引き上げていくという作業を官民対話でやっております。設備投資を伸ばし消費を伸ばす、そういう環境をつくって、両々相まってGDPギャップが埋まっていくように慎重に経済運営をしていきたいと思います。
○中西健治君 初めに申し述べましたように、今の経済の状況、世界の経済の状況は相当厳しくなってきているんじゃないかということ、そういう認識を持っていますので、やはり早め早めの政策対応というのがこれから必要となってくると思います。その準備は少なくともしておいていただきたいというふうに思います。
 本予算に関して、一点だけ麻生財務大臣にお伺いしたいと思います。
 来年度の予算の税収見積り、二十七年度、今年度から三・一兆円増加して五十七・六兆円となっております。前提となる名目GDP成長率は、今年度の実績見込みが二・七と置いているわけですが、来年度はプラス三・一というふうに置いております。税収は過去三年、確かに上振れしてきております。これまでの三年間は、財務大臣と税収の弾性値の議論をして、もう少し出るんじゃないのという立場で私は議論していましたけれども、今の経済状況を見ますと、これで十分堅めに見積もられているのか、もう少し慎重さが必要なんじゃないかと。ここについていかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今の中西先生のお話で、確かに、先行きのリスクとしてアメリカの金融政策の、まあ正常化が正しい表現ですかね、正常化が進んでいく中で、中国等々新興国の景気の下振れに関しては十分に留意をしておかないかぬというお立場なんだと思いますので、それは間違いなく御説のとおりなんだと思いますが、我々として、このGDP成長率三・一%というのを見込んだ上で、今御指摘になっています五十七兆六千億という話は、三兆一千億多いというのは、二十七年度当初の予算編成のときに五十四兆五千億でしたかね、五十四兆五千億で我々は予算を編成させていただいたと思いますが、二十七年度の補正後では五十六兆四千億になっておりますので、それに比べていただくと一兆二千億という増になっておりますので、それほど背伸びして五十七兆六千億にしたわけではないというように御理解をいただければよろしいのではないかと思っております。
 いずれにしても、経済、これは金融だけではなくてその他いろんなものが動きますので、私どもとしては、いろんなものの動き、設備投資等々いろんなものを勘案しながら、更に慎重に見込んでまいりたいと思っております。
○中西健治君 下振れのリスクも相応には考えておく必要があると思います。
 黒田日銀総裁にお伺いしたいと思います。
 資料を皆さんにお配りいたしましたけれども、(資料提示)この資料は日銀が行っている生活意識に関するアンケート調査の中の物価下落についての感想という設問に対する答えの推移を示したものです。この調査結果では、緑の部分、物価下落がどちらかといえば困ると答えた人が一年前には過半数おりました。ところが、これが減ってきているんです。要するに、デフレは困るという人たちが減ってきている一方、最近では、全く逆にこの赤の部分、物価下落がどちらかといえば好ましいという回答が五二・四%と過半数にまで急上昇しています。
 黒田総裁はインフレ期待は下げないということに今多大の努力を払っているというふうに理解していますが、このデータを見ると、またデフレ期待が高まっている、デフレマインドがまた頭をもたげているという危険な兆候を示しているのではないかと思いますが、総裁の見解をお伺いします。
○参考人(黒田東彦君) ただいま委員から御指摘のありました生活意識アンケート調査の物価下落についての感想という設問は、一年前に比べて物価が下がったと回答した方々に尋ねたものでありまして、そういう回答をされた方は全体の二%しかありませんでした。したがいまして、この二%の人を対象に聞いたところの結果でございますので、母集団が非常に小さいという点に留意する必要があるのではないかと思います。
 その上で、生活意識アンケート調査を含めた各種のアンケート調査、あるいは物価連動国債を用いたBEIなど予想物価上昇率を把握するための様々な指標がございまして、それらを見ているわけですが、このところ、原油価格下落の影響などもあって、幾つかの指標では確かに弱含む動きになっているということであります。
 しかしながら、こうした指標だけでなく、企業の価格設定スタンスあるいは家計の支出行動というものも予想物価上昇率の変化を反映して動くわけでありまして、この点、消費者物価を構成する品目のうち上昇した品目数から下落した品目数を差し引いた指標ははっきりと上昇しております。また、食品や日用品などについての日次や週次の物価指数も、昨年四月以降最近までプラス幅の拡大傾向が続いております。
 これらは、本年度入り後の企業の価格改定の動きが広がりと持続性を持っているということを示しているのではないかと思います。逆に言えば、家計の側でも、雇用・所得環境が着実に改善する下で、以前に比べると値上げを受容するようになっているのではないかというふうに思われます。
 こうした点を含めて見ますと、予想物価上昇率は、やや長い目で見れば全体として上昇しているというふうに判断をしております。ただ、委員御指摘のとおり、この予想物価上昇率については引き続き十分注視してまいりたいと思っております。
○中西健治君 デフレは人々の気持ちや考え方にも影響を及ぼす萎縮作用が大きいですから、デフレスパイラルに陥らないように、是非金融緩和というのは強めてもらいたいと私は思っております。
 その中で一点、金融緩和の具体的手段についてお聞きしたいと思います。
 日銀の量的・質的緩和は、引き続き国債やETF、REITの購入等が実行されていくというものだと思いますが、金融緩和策の本丸といえば金利ということになりますが、金利の中で温存されているカードが一枚あります。それは何かというと、銀行などが日銀に預けている超過準備に対して付けている金利です。これが〇・一%付けられているということですけれども、これはゼロにするか引き下げる、このカードをそろそろ切るべきなんじゃないでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 御案内のとおり、日本銀行はこの量的・質的金融緩和の下でマネタリーベースを年間約八十兆円に相当するペースで増加するような金融市場調節を行っておりまして、これらは所期の効果を発揮しているというふうに考えております。
 御指摘の日銀当座預金への付利、これはこうした大量のマネタリーベースを円滑に供給することに資するものであるというふうに考えておりまして、いわゆる付利金利の引下げということについては検討はいたしておりません。
○中西健治君 マネタリーベースを上げるということが至上命題ではなくて、物価安定化目標を達成するということですから、それに向けては、この金利の引下げということもやはりちゅうちょせずに考えていただきたいと私は思います。
 若干視点を変えて総理に伺いたいと思います。
 政府と日銀の間で前回共同声明を発表してから三年間が経過いたします。この三年間でいろんな諸般の事情、例えば原油価格が大幅に下落した、こんなこともありますし、あと、物価だけを目標とすることに対してやはり懐疑的な見方というのはあるかと思います。物価が上がっても賃金が上がらない、こうした見方もあるかと思います。ですので、三年経過したところで改めて共同声明出し直して、例えば名目GDPプラス三%を目標にするということを追加する、こうしたお考えはないでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 平成二十五年一月の共同声明は、デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のために、政府と日本銀行の政策連携を強化し、一体となって取り組むことを公表したものでありまして、具体的には、日本銀行はCPIを二%とし、これをできるだけ早期に実現することを目指すこととし、政府は機動的なマクロ経済政策運営に努めるとともに、成長力、競争力の強化の取組を実行することとしております。また、こうした取組は経済財政諮問会議において検証されることになっています。
 政府としては、これまで、実質二%程度、名目三%程度を上回る経済成長を目指し、機動的な財政政策に加えて、コーポレートガバナンス改革などの成長戦略や政労使の取組等を強力に進めてきました。こうした取組によって、名目GDPは二十八兆円増え、就業者数は百十万人以上増えて、賃金上昇率は十七年ぶりの高水準となっておりまして、成果は出ている、言わば政府と日本銀行が連携しながらこうした成果を上げてきていると思います。
 改めて共同声明の中に名目経済成長率の目標を明記すべきではないかとの御指摘でございますが、この経済成長については、先ほど申し上げましたように、実質二%、名目三%程度を上回る経済成長を目指すということは私も申し上げてきているわけでありまして、政府としてしっかりと目指していきたいと思っておりますが、この共同声明の中に明記する必要があるとは考えていないわけであります。
 いずれにせよ、今後とも、名目GDP六百兆円の実現に向けて政府、日銀が一体となって、実質二%程度、名目三%程度を上回る経済成長を目指して取り組んでいきたいと思います。
○中西健治君 御存じのとおり、アメリカのFRBは物価の安定のほかに雇用の最大化という目標を入れております。そうした実体経済に即した部分というのも入れ込んでいくべきではないかというふうに私自身は思っているということであります。
 続きまして、TPPと農業についてお伺いしたいと思います。
 TPPは成長戦略の切り札とされて、世界銀行も、二〇三〇年までに日本のGDPは二・七%増加する、こうした試算を出しております。これは大いに期待できるところじゃないかと私自身は思っていますが、政府も同じような試算を出しています。二・六%、十三・六兆円という経済効果があるというふうに示していますが、世銀が二〇三〇年と言っているのに対して、政府の方は時期は特定、明示しておりません。これはいつ頃までに効果が出てくるというものでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 世銀も政府も、政府はGTAPモデル、世銀はそれに類するモデルを使っているようでありますけれども、ただ、違うところは、世銀の方は動学モデル、そしてGTAPというのは静学モデル。静学モデルというのは、途中経過を示さないで最終的に安定形に入ったときに幾らになりますということなんですね。ですから、厳密に言えば、例えばステージングなんかが全部終わって最終決着になったというのが、厳密に言えばそうなんだと思います。
 ただ、大多数は、関税以外の部分がGDP効果は大きいですし、関税の部分も大どころはかなり早い時期に最終形に入っていきます。ですから、新しい均衡に入るというのは、通常、十年とか二十年が新しい均衡に入ってくると。ただ、厳密に細かく最後の数字まで取るとステージングが全品、全部終わったときということになりますから、これは大分長くなりますけれども、その前に大宗は出てくると思います。
○中西健治君 成長戦略の切り札ということですし、二〇二〇年頃までに六百兆円、GDP六百兆円と言っていらっしゃるわけですから、やはりそこら辺までに効果が発現できるといいということなんじゃないかというふうに思います。
 TPPに関しては、農業について懸念する声が多いのも事実だと思います。現状を確認したいと思います。
 資料の二ですが、この資料は国連が発表しております世界の農業生産額ランキングであります。日本の農業生産高は世界第十位です。青く色塗りしているのがG7諸国で、実は、日本は農業大国フランスよりも上に位置しているということになります。
 これは、会合などでこの表を出しますと、ああ、そうだったのかとよく驚かれるんですけれども、農業についてはとかくネガティブなことが取り上げられやすいと思いますが、農業GDPランキングなどというものを考えた場合には、日本の農業というのは、少なくともベースはしっかりしている、攻めの農業の基盤はあると自信を持って言っていいのではないでしょうか。農水大臣にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) お答えいたします。
 農林水産業に従事しておられる方々の大変な努力によって、今委員おっしゃるとおり、基盤としては確かなものがあると思いますし、また、条件不利地域においてもいろんな努力が重ねられてまいりましたので、このことをしっかり今後続けていくということが大事なことだろうと思っております。
○中西健治君 農業生産額のランキングのこの表を見ていただきますと、オランダという国が三十五位ということになっております。これは、オランダはよく引き合いに出されます。何で出されるかというと、農産物の輸出大国ということでは、世界一位がアメリカですけれども、世界第二位が何とこのオランダということでよく引き合いに出されます。
 日本はどうなのかということで見ますと、日本の農業生産高は、申し上げたとおり十番です、世界十位。しかしながら、輸出額は五十三位ということになります。このオランダのようになれないのかということがよく言われるわけですが、もう一枚ちょっとグラフを見ていただきたいと思うんです。
 日本の輸出額というのは漸次増えてきています。五千億円、六千億円と増えてきていて、二〇二〇年までに一兆円、これを実現したいということで政府はやっているわけで、あえてその前倒しをするということも言っていますが。実は、ちょっとドルベースで見ると、これは資料三を御覧いただきたいと思いますが、赤い線が円ベースでの増えてきている金額なんです。ところが、ドルベースで見ると六十億ドル付近で実は足踏み、ちょっと上がっています、上がっていますが、この壁の辺りでちょっと足踏みをしているという図が見て取れます。これはこれまでの円安が大分効いているのじゃないかというふうに見て取れるということでありますが、やはりここら辺、輸出の競争力というのは、これから是非とも攻めの農業で上げていっていただきたいと思います。
 時間が来ましたので、私の質問はこれで終わります。ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で中西健治君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、福島みずほさんの質疑を行います。福島みずほさん。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 今日は、国民の生活実感、困っていること、そのことについて御質問をいたします。
 総理が、景気が回復し、そして雇用が増加する過程においてパートで働く人が増えていく、妻は働いていなかったけれども、景気はそろそろ本格的に良くなっていくから働こうかと思って働き始めて月二十五万円、これには本当に驚きましたし、多くの女性たちも怒りを表明をしております。
 景気はそろそろ本格的に良くなったから、良くなっていくから働こうかと働きに出る女性がいるんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそも、これは景気が良くならなければ職は増えないわけでございますから、働くことができないと、こういうことではないかと思います。
○福島みずほ君 景気が良くなったから働こうかという人がいるんでしょうか。多くの人は住宅ローンのため、子供の教育費のため、生活のため、そのために働くんじゃないですか。生活のためにみんな必死で働いていますよ。どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、多くの方は当然それは生活のために働いているわけであります。これは当然のことでありまして、その上で申し上げているわけであります。
○福島みずほ君 景気が良くなったから働こうかなんという人、見たことないですよ。みんな生活のために働いていますよ。こういう認識は現状とはずれていますよ。
 それから、月収二十五万円、こんな女性がいるんでしょうか、パートで。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは衆議院の議論でも申し上げたところでありますが、私はパートで妻が二十五万円とは申し上げていないわけでありまして、それは、これは総雇用者所得と一人当たりの平均賃金、実質賃金との比較において、どうして言わば景気回復期においては平均賃金が下がるかというこの構造について説明したわけでございまして、一方、総雇用者所得と一人当たりの賃金の比較について分かりやすい説明で、私が五十万円で妻が二十五万というときにはパートという表現は使っていないわけでありますし、また、別の機会、これは昨年の言わば予算委員会において説明したときには、私、たしか私が三十万円で妻が十万円というふうに言っているわけでありまして、ですから、これは固定してずっと言ってきているわけではなくて、そして、言わば十万円という表現を使ったときには、むしろ女性が十万円という表現がこれは問題だという批判も実は受けたわけでございまして、今回は二十五万円ということでございまして、要は、景気が回復局面には新たに仕事を得て働き始める人たちが多いと、パートを含めて、その方々は必ずしも所得は高くないということを説明したわけでございまして、総雇用者所得ということの説明を行ったところでございます。
○福島みずほ君 これ、だって、パートで働く人が増えていくという文脈で語って、これはパートですよ。
 総理、短時間労働者の女性の平均賃金、幾らぐらいだと思われますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) パートについては八万円から九万円ということだったと思いますよ。
 そこで、今、パートですよという決め付けをされましたが、例えばインターネットの中で私を批判している方たちの中には、この妻が働き始めて、括弧してパートと書いてあるんですね。私言っていないですから。括弧してパートと書かないとパートと言ったことには恐らく読めないんだろうなと、この文脈の中では、というふうに理解をしているわけでございます。
 いずれにいたしましても、大切なことは、しっかりとパートの賃金も上げていくことが大切なのではないかと、こう思うわけでありますが、安倍政権においてはしっかりとパートの言わば時給が上がっていっているんだということは申し上げておきたいと思います。
○福島みずほ君 いいかげんなことを言わないでくださいよ。
 総理は、ここでパートで働く人が増えていくと言って二十五万円と言っているんですよ。そして、おっしゃったとおり、短時間労働者の女性の平均賃金は九万一千百八十一円、十万円をはるかに切っているんですよ。みんなそんな状況で働いています。そして、仮に正社員でも、総理、じゃ逆に、大学卒の女性の初任給ってどれぐらいだと思いますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 済みません、質問通告なかったものですから用意していませんが、二十万弱ぐらいじゃないかなというふうに思っております。
○福島みずほ君 女性は十九万八千円、男性は二十万四千円、確かに二十万円を切っています。短時間労働者は十万はるかに切って九万一千円ですが、女性の正社員、大学を卒業しても女性は二十万切っているんですね。男性も実はどっこいどっこいです。みんなこういう賃金で働いています。総理のこの発言、やっぱりおかしいですよ。現実と遊離を完璧にしているというふうに思います。
 それで、女性パート労働者、これを見てください。(資料提示)三百万以上の人、月収二十五万以上は一%しかいません。多くの女性はこういう状態で働いている、それと全くずれていますよ。
 総理、次に子供の貧困率、貧困について申し上げます。
 日本は、貧困に関しては今一四・六、でも、一人親世帯は五〇・四、しかも、就労すると五〇・九に上がるという。ほかの国は、就労すると一桁台になっていますね。デンマーク、フィンランド、ノルウェー、就労すると貧困率ががくんと落ちるんですが、日本は非常に貧困率が高い上に、就労するとむしろ高くなるんですよ。この実態をどう御覧になられますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほどもこのOECDの統計をお取上げをいただいた質問がございましたけれども、それで、今、働く場合と働かない場合の一人親世帯のことについて貧困率について御指摘がありましたが、この統計自体が、まず、二〇一二年、相対的貧困率はですね、の数字であるということと、ですから安倍内閣ができる前の数字でありますが、さらに、この相対的貧困率自体はいろいろ独特の動きをするときもあって、全体の所得が増えると貧困線も上がって貧困率が上昇することもあれば、逆もまたあるといったこともございますし、また、全体の所得との兼ね合いで複雑にこれは変動するんですね。
 事情の異なる他国との比較というのは、本来、これだけではなかなかなじまないし、それで、例えば子供がいるところの貧困率を見てみても、日本が先ほど悪いという話でしたけれども、例えばEUで財政破綻している国が十二位で日本が三十三位であったり、いろいろあります。
 安倍内閣になってから、雇用環境の改善には、先ほど総理から答弁したように、最低賃金を三年間で五十円程度上げていますし、パートで働く方の時給は二十二年間で最高になっていると。それから、正規、非正規の賃金格差についても縮小傾向になっているわけでありますし、これは先ほど私の答弁の中でも申し上げましたけれども、これについては現物給付が全く含まれていないので、例えば今回、一人親の家庭の場合の保育園は無償にしますが、そういうことは何も含まれないわけであります。
 大事なことは、やっぱり政策として所得再分配をどうやるかということによって暮らしていらっしゃる方々は生活というものを感じるわけでありますので、そういう意味では、再配分後のジニ係数などは、もう何度も御覧をいただいていますけれども、ほぼ横ばいで推移をしているわけであります。これは、先ほど申し上げたとおり、この相対的貧困率だけで何か日本の状況を判断するというのはいかがなものかということでありまして、それで日本が世界の中で貧困大国だと断ずるのはちょっと早計ではないのかと思っております。
 先ほど申し上げたように、トレンドとしては、確かに総務省の統計を見ても厚労省の統計を見ても上昇傾向にあるということは認識をしているということも申し上げました。したがって、そのことはしっかりと頭に入れながら、先ほど来申し上げているように、経済再生最優先でやってきているというのは暮らし最優先でいこうということでありますので、そういうことで、安倍内閣でこれから、雇用にしても、また、後ほどお取上げをいただくんでしょうけれども、教育にしても、そしてまた今回の一億総活躍の二本目の矢の子育てでも、あらゆる面でやはりこれは経済が、あるいは暮らしが良くなるようにしていくための手を我々としては打っていきたいというふうに思っているわけであります。
 これ、ちなみに、相対的貧困率、日本は二十九位でありますけれども、ちなみに、アメリカは三十位、同じ豊かな……
○委員長(岸宏一君) 答弁をそろそろまとめてください。
○国務大臣(塩崎恭久君) オーストラリアも二十六位ということで、なかなかこれだけの統計を見ての判断というのは難しいなという感じがいたしております。
○福島みずほ君 全然現実と合っていないですよ。
 日本のお母さんは働いて働いて働いて貧乏なんですよ。就労しなくて貧乏じゃなくて、働いて貧乏なんですよ。母子家庭の平均年間就労所得百八十一万円、総理はこれについてどう思われますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大切なことは、大切なことは、例えばパートについて、いろいろと私の説明について批判をしておりましたが、実際、パートの時給を上げていくことが大切なんですね。パートは二十二年ぶりに時給は高くなっているんですよね。そこをちゃんと見ていただきたいと思いますし、また、あるいは正規と非正規の雇用につきましても、正規から非正規に移られる方々と非正規から正規に移られる方々を比べれば、正規に移られる方々が安倍政権になって上回ったわけでございます。
 そうしたものをしっかりと見ていくことが大切であろうし、政策においてそうしたことを実行していくことが、これは福島さん、大切なんですよ。そこをちゃんと考えていただきたい。それを見なければ、本質を見ていなければ結果を出すことはできないんだと思いますよ。私たちは、しっかりと本質を見ながら、どこをどうすればいいかということにおいて政策を実行してきているからこそ結果が出ているんだと、こう思う次第でございます。
 例えば、有効求人倍率については、これはもう二十三年ぶりの高い水準にありますし、全国各地において有効求人倍率は大幅にこれは改善をしているわけでございますし、あるいは七つの県では過去最高になっているということは、これは例えば高度経済成長やバブル期をも上回る、上回るこれは改善になってきているということでございまして、働く環境もそれに従って良くなっていくわけでございます。
 ここは私たちは更にしっかりと進めていきたい、こう思っておりますし、あるいはまた、最低賃金におきましても、三%をずっと、これからしっかりと引き上げつつ、千円を目指していきたいと、こう考えているところでございまして、今後とも、雇用、教育、子育てなどあらゆる面において、経済環境、経済状況が厳しい方々にしっかりと目配りをしていきつつ、成長をしっかりと確保し、果実が行き渡るようにしていきたいと、こう考えている次第でございます。
○福島みずほ君 結果が出ていないから質問しているんですよ。非正規雇用が四割を突破しました。これについてどう思われますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) この非正規雇用の問題については、少し長いトレンドで御覧をいただくと、過去十年間で約四百万人非正規の雇用者は増えております、これは二〇一四年まででありますが。
 この中で、約四百万人増えているんですけれども、どういう方々が増えているのかと申し上げますと、一番増えているのは高齢者、六十歳以上、この方々が六一%増えています、四百万人のうちの。さらに、女性が二八%増えている。約三割が女性、六割が高齢者、残りの一割が現役の若い男の人たち、こういう増え方をしています。
 この間、高市大臣から、この女性の中で不本意非正規がどれくらいいるかと、その傾向はどうなっているのかというお話がありましたが、そのときに、直近、昨年の七―九月の非正規雇用で働く女性は一二・四%という数字を高市大臣がおっしゃったと思います。
 したがって、そうなると、今非正規雇用が増えていることが全てアベノミクスの何か悪いかのようなことを言っていますけれども、これは、高齢者は言うまでもなく、六十歳で更に継続して働きたいという方はみんな働けるようになったわけで、その場合には非正規になる傾向が多いわけですね。したがって、高齢者の方々にも本当はもっと働いていただこうと我々は思っているわけですから、それはいいと思うんです。
 問題は、ですから、この女性の三割の中も、本来非正規じゃなくて正規で働きたいと本当に思っていらっしゃるその一二%ぐらいの方々についてはやっぱり正社員になってもらわなきゃいけないということで、それから、男性ももちろんそうでありますので、我々はこれを正社員転換・待遇改善実現本部というのを私ども厚労省の中につくりました。今月中にプランを作ります。さらにこれ、都道府県に同様の本部をつくって、それぞれがまた地方での正社員転換、待遇改善の計画を三月までに作ってもらうことになっています。
 ですから、国挙げて、政権挙げて正社員にしていくということで、格差を縮めていくことはもちろんこれまでもやってきていますけれども、同様に、やっぱり正社員になりたい方にはなっていただくということをやっていこうということで、ですから、非正規が四割になったというのは、確かに全体としてはそうですけれども、今申し上げたように、どこが増えているのかということをよく御覧いただくとそのような分析になるということを御理解をいただければというふうに思います。
○福島みずほ君 非正規雇用が四割を突破した。高齢者や女性は非正規雇用が拡大している。なぜか。生活が苦しいからじゃないですか。年金が低いから働かざるを得ないんですよ。国民年金は二十歳から六十歳まで毎年払い続けて六万五千五百四十二円です。さっきも言いました、女性の短時間労働者九万一千円、母子家庭就労の平均は百八十一万円。食べていけないですよ。みんな必死で働いていますよ。結局、総理が、妻が景気が良くなったから働こうかしら。パートというか、働き出すというのは景気が悪いからなんですよ。生活が大変だからなんですよ。非正規雇用が拡大しているということは何が拡大しているかと。非正規雇用が拡大している、これは労働条件の悪い労働が拡大しているんですよ。アベノミクスの成果なんかないですよ。格差拡大と貧困、そしてこういう状況で食べている人、働いている人がいることを政治はおろそかにしていますよ。今日の答弁もひどいと思います。
 総理、国民年金六万五千五百四十二円、そして短時間労働、女性パート九万一千円、消費税一〇%に上がってどういう状況になると思われますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 福島委員の認識とは全く逆の認識でございまして、言わば非正規がなぜ増えているかということ、比率については先ほど塩崎厚労大臣から御説明をさせていただきました。まさに、六十歳以上の方々の非正規が増えているということでございまして、特に団塊の世代の方々が二〇一三年以降、次々とこれは六十五歳を超えていくわけでございまして、この言わば団塊の世代というのは二百七十万人近いこれは塊がそれぞれの世代にいるわけでありまして、その方々が言わば定年を迎える中において、これは雇用をし続ける中において正規から非正規に変わっていって、そして仕事を続ける方が大変多いということでございます。
 それと、当然、景気が良くならなければ仕事はないんですから、これが分かっていないと経済政策そもそも立てられませんよ。言わば、安倍政権になってから、安倍政権になってから我々は二割倒産を減らしています。二割倒産を減らし、更に昨年そこからまた一割減らしたわけでございまして、一万件を切ったというのはまさに二十四年ぶりのことでございまして、そうしたことを実現をしているからこそ有効求人倍率が良くなっていくと。そしてまた、正規の、正規の正社員の有効求人倍率は統計を取り始めて以降これ過去最高になっているということも申し上げておきたいと、こう思います。
 そして、不本意の非正規の方々でありますが、女性の就業者数が百二万人増加をしておりまして、非正規雇用の増加が大変多いわけでありますが、大きいわけでありますが、正規雇用も三十一万人増加をしているわけであります。
 女性のうち正規雇用の仕事がないため不本意ながら非正規雇用の職に就いている方の割合は、前年同期比に比べ七四半期連続で低下をしているんですね。昨年七―九月期では約一割にとどまっているわけでございまして、つまり不本意ながら非正規で働いているという方の割合はこれはむしろ縮小しているんですね、安倍政権になってから。このこともしっかりと、こういう大切な指標もしっかりと見て経済政策を立てなければならないと、このように思うわけであります。
○福島みずほ君 国民年金が六万五千五百四十二円で、街頭演説なんてしますと、福島さん、消費税増税一〇%しないでください、あるいは、その年金で借家住まいだから大変です、そんな声を聞きます。本当にそういう貧困や、本当に生活が大変。年金、一回こっきり三万配るなんて買収じゃないですか。一回こっきりで持続可能な社会なんて出てくるとは思えない。本当に解決すべきこと、そういうことに安倍内閣は対峙しておりません。
 次に、大学の授業料、入学金についてお聞きをいたします。
 一九六五年は一万二千円だった授業料が、最近は五十三万五千八百円、約五十四万円です。私立大学は八十六万四千三百八十四円、入学金もありますから、初年度、一番初めに百万以上払わなくちゃいけない。しかも、大学に入らなければ奨学金なかなか借りられませんから、母子家庭の人たちなど、お金を借りて、まさに子供を私立大学にようやく入れている、あるいは、ずうっと手前で諦めている、こんな状況です。国立大学の授業料、国公私立大学、余りに高くないですか。
 というか、総理、母子家庭の年間所得、就労所得百八十一万円の人、これ払えると思いますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この今の御質問でございますが、子供たちの未来が家庭の経済事情によって左右されるようなことがあってはならないと、このように思います。
 そこで、来年度予算案においても大学の授業料減免について、国立では二千人増員し約五万九千人、私立では三千人増員し約四万五千人にするとともに、大学等の無利子奨学金を一・四万人増員いたしまして四十七万四千人とするなど、充実することとしております。
 今後とも、これらの施策により学生の経済的負担の軽減に努めていきたいと考えております。
○福島みずほ君 これ、授業料は余りに高騰していますよ。
 文科大臣、平成三十年には百万近くにするというのが文科省の考えですよね。
○国務大臣(馳浩君) お答えいたします。
 今、福島先生がおっしゃった話は、衆議院の十二月一日の委員会での多分発言だったと思います。これは当時財務省の方から現実的な一つの方向性を示されておりまして、大学の運営費交付金を一%ずつ減らす、そして自ら自主財源を一・六%ずつ増やしなさいと。そのときに共産党の委員から御指摘がありまして、自主財源を一・六%ずつ毎年増やさないで、その分を全部授業料に転換して、増やすとしたら幾らになりますかという前提の下の御質問がございました。そうした場合には授業料の標準額が大体九十三万円ぐらいになりますという、そういう仮定の前提の下での答弁であったということであります。
○福島みずほ君 国立大学で九十三万なんという授業料になったら、本当に限られた人しか行けないですよ。
 文科大臣、お聞きします。
 授業料は高騰していますが、下げるという考えはあるんですか、あるいはこれから高騰する可能性はあるんですか。その二点についてお聞かせください。
○国務大臣(馳浩君) お答えいたします。
 先ほど総理もお答えしたと思うんですけれども、やはり家庭の経済状況によって意欲と能力のある学生が進学できないということのないようにできるだけしていかなければいけないというふうなことを前提に考えていますから、したがって、授業料を下げた方がいいのか上げた方がいいのかというふうな今御質問だったと思いますけれども、できるだけ経済的な負担の掛からないようにするという形で、より一層進学を求めている方に応えていくというふうな、そういう政策を今後とも取っていきたいと思っています。
○福島みずほ君 ちょっと分からないんです。
 国公立、私立大学、すごい授業料高騰していますね。これを下げることはできないんですか。
○国務大臣(馳浩君) 国公私立の大学共に、当然大学を経営していく上には必要な財源が必要であります、運営費交付金であったり私学助成金であったり。また、大学それぞれが、大学病院などもそうですけれども、企業との連携をして寄附金をいただいたりしながら、やりくりをしながら運営しておるのが実情であります。
 そういった中で、できるだけ学生の経済的な負担をさせないように奨学金制度などを拡充して負担を掛けないようにするという考え方で運営をしていただいておりますし、文部科学省としてもその方向で取り組んでいきたいということであります。
○福島みずほ君 今のお考えだと、授業料が上がる可能性が十分ありますよね。国際人権規約A規約は、高等教育における無償化を条約でうたっております。
 事前にお聞きしましたが、国公立大学を授業料を無償化するには、入学金も合わせて四千百六十八億円、私立は二兆六千八百八億円、多額の金額ですが、むしろ若い人たちに教育の支援をやるべきじゃないですか。いかがですか。
○国務大臣(馳浩君) 二つお答えいたします。
 先ほどのお尋ねにもありましたが、国立大学の授業料は、やはり福島先生がおっしゃっている確かにその趣旨もありまして、この十年間は上げておりません。これは、できるだけやっぱりそれは守っていくべきだと私も間違いなくそう思っています。これが一点目です。
 二点目ですが、今細かくお答えいたしますが、国立大学が三千三百十五億円、公立大学が八百五十三億円、私立大学が二兆六千八百八億円、合わせて三兆九百七十六億円です。もし学生の納付金をいただかないとしたら、これだけの財源が必要です。恐らくこの数字を財務省、財務大臣もお聞きになれば、やはり受益者負担ということもありますし、しかしながら、学生に、また保護者にできるだけ負担を掛けないようにして高等教育を受けさせる機会を拡大すべきだとも考えていますから、そういう実情を踏まえた支援の、特に奨学金制度の充実が必要であると、こういうふうに考えております。
○福島みずほ君 確かに、この十年間は約この五十四万円は変わっていないんですね。でも、私はやっぱり言いたい。年収二百万円以下の人にとって、この五十四万円はやっぱり高いんですよ。子供を大学にやれないんですよ、私立大学にやれないんですよ。だとすると、やはり金額は多額ですけれども、日本の社会が何を目指すか、大学の授業料の無償化、これは国際人権規約A規約を批准しているわけですから、やはりその方向で目指すべきだと思います。
 奨学金についてお聞きをいたします。
 奨学金をもらっている人、今大学の半分ということでよろしいですね。そして、平均返済額は三百万円と言われておりますが、平均返済額の分布、もしこれちょっと質問通告が細かく行っていなかったら済みません、教えてください。
○国務大臣(馳浩君) 質問通告いただいておりませんでしたが、細かい数字はまた改めて報告させていただきますが、確かに奨学金をいただいている学生は全学生の大体五〇%ほどであります。これはやっぱり大変な状況であるという認識は持っております。
 月の平均の返済額は、大体、無利子奨学金の方で一万三千円ほどであったと思いますし、有利子奨学金の方で一万四千円ほどではなかったかと、毎月の返済額、そのようなものだったと思っています。
○福島みずほ君 親の実質賃金が下がっておりますし、授業料も高いですから、物価も上がっていますから、おっしゃったとおり、大学生の四八%が今奨学金をもらっています。平均返済額が三百万と言われておりますが、私は、三百万、五百万、八百万、一千万、大学院やロースクールに行けば掛かりますし、司法修習生も今貸与制ですから、二百九十九万円最高裁から借りる、これが現状です。どれだけやっぱりお金が掛かるか。
 奨学金に関して、かつて、文科大臣にお聞きをします、一九八四年、日本育英会法全面改正で有利子枠が創設し、その後有利子枠がどんどん拡大しているということでよろしいですね。
○国務大臣(馳浩君) そのとおりでありまして、したがって有利子から無利子へというふうに今シフトをしつつあるということであります。
○福島みずほ君 かつて奨学金は無利子でした。それが有利子になって、有利子が非常に増えております。
 学費は非常に引き上がる一方、一九九九年に財政投融資と財政投融資機関債の資金で運用する有利子貸与制度ができた。一般財源の無利子枠は拡大せずに、有利子枠のみ、その後十年間で十倍に拡大になりました。二〇〇七年度以降は民間資金の導入が始まっています。
 これは、社会人になるときに多額の借金で始まる。極めて問題ではないですか。
○国務大臣(馳浩君) 問題意識は共有しております。
○福島みずほ君 文科省の持つというか、この機構の給付型の奨学金はどれだけありますか。
○国務大臣(馳浩君) 今現在、給付型の奨学金はございません。
○福島みずほ君 自治体で給付型の奨学金やっているところ、僅かですが、あるんですね。今御答弁のとおり、文科省がやっている、機構がやっている給付型の奨学金はゼロです、ゼロ。
 これは、給付型の奨学金の創設すべきではないですか。
○国務大臣(馳浩君) お答えいたします。
 給付型の奨学金制度が必要ではないかということは与党の方からも重々もちろん指摘もいただいておりまして、今検討の段階であります。
 当然、給付型でありますから渡し切りという形になろうかと思いますが、財源を考えなければいけませんし、当然その水準をどうするかということも考えなければいけませんし、じゃ、どういう渡し方をしたらいいのかということも考えなければいけませんし、したがって、やっぱり、この制度設計についてはやっぱり十分に検討をした上で、でも、先生もおっしゃるように、給付型の奨学金制度は必要であるという認識は持っております。
○福島みずほ君 大分前進しましたが、給付型の奨学金つくってください。どうですか、改めて。
○国務大臣(馳浩君) 今ほど実は申し上げたとおりでありまして、給付型の奨学金制度は必要であるということは与党の側からも十分に指摘を受けて、したがって、制度設計について考えております。
 その考えておる内容は三点です。
 財源をどうすべきかという問題です。当然財務省ともこの内容については検討する必要がございます。二点目は、じゃ、給付型の奨学金を支給するとして、その水準をどうするかと。先ほど来、意欲と能力のあるというふうな言い方をしておりますが、その水準もあるでしょうし、家庭が、お子さんが三人、四人と、教育費が掛かっているという問題もあるでしょうし、一人親というふうな御家庭もあるでしょうから、その水準というものは考える必要があると思います。それから次に、もう一つは、渡し方をどうするかと。これもやっぱり公平公正にしなければ当然、公的資金を使うことでありますから、そういった観点を十分に検討の上で判断していく必要があると。
 したがって、私の一存だけでできる話ではありませんが、政府全体の中でやっぱり給付型の奨学金制度については実現に向けて十分検討を深めていく必要があると思います。
○福島みずほ君 OECDで日本の教育予算は、御存じ、低いんですね。やっぱり子供たちを応援することが必要だ。
 どうしてこの話をするかというと、ある母子家庭の子供がある有名私立大学に通った。しかし、やっぱり貸与制の奨学金は自信がないんですよ、返さなくちゃいけないから。結局、大学進学を断念したんですね。もし給付型の奨学金があったら大学進学できたのにと思って、やはり子供たちを応援しなければというふうに思っています。市場ビジネスではなく、公共あるいは若者への教育支援としてやるべきであるというふうに思います。
 もう一つ、こういう実態、ちょっと聞いてください。
 子供は、やはり初任給が二十万ぐらい、そして二万ぐらい返さなくちゃいけない。例えば、いろんなホットラインやいろんな話を聞いています。初任給、例えば給料が十七万ぐらい、二万円ぐらいお金を返している、しかしうつ病になったりブラック企業であったりいろんな形で辞めた。そうすると返せなくなっちゃうんですよね。返せない、延滞料がどんどんかさんでいく、そして一括で返せと言われる、本当に大変な状況です。ブラック企業は残念ながらたくさんあるし、辞めたり精神的にダメージを受ける若者も本当に増えております。
 それで、本人が自己破産をしても、連帯保証人である親には掛かっていきます。親の中には、子供の奨学金のために退職金に手を付けられないという人や、自分の家を売却しなくちゃいけない、つまり子供の奨学金の問題、だって半分もらっているわけですから、何百万といって社会人スタートするわけですから、親自身にも負担なんですね。親の、要するに下流老人、老人破産というのもこういうところから起きる。
 その点からも、総理、さっき奨学金問題、これは今の重要な課題として解決すべきではないか。総理、どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 奨学金問題については馳大臣から答弁したとおりでございまして、経済的な理由で返還が困難な者に対しては、従来から、毎月の返還額を減額をし、そして長期間掛けて返還する減額返還制度や、あるいは経済困窮による返還期限猶予制度により対応してきたところであります。また、平成二十六年度から返還期限猶予制度の年数制限を五年から十年に延長するとともに、延滞金の賦課率を一〇%から、これ一〇%はさすがに高いわけでありますから、これを五%に引き下げるなど、救済措置の充実を図っているわけでございます。
 ですから、奨学金を受けるときに、最初からこれは難しいと考えることなく、こうした今対応をしておりますから、そうしたものも含めて考えていただきたいと思います。
 またさらには、将来の収入に応じて返還ができる所得連動返還型奨学金制度の導入に向け準備を進めているわけであります。今までは硬直的な返還しかできなかったのでありますが、所得に応じて返還できるような仕組みも考えています。また、給付型の奨学金につきましては馳大臣が答弁したとおりでございます。
 いずれにせよ、向学心のある、能力のある子供たちが経済的な理由で勉強することを諦めなくてもいい社会をつくっていきたいと考えております。
○福島みずほ君 それから、半分が奨学金をもらっていると、結婚すると二人でダブルになるんですよね。六百万借金抱える。子供を産もうとかそういうことができなくなる。やっぱり奨学金問題、あと授業料を本当に引き下げるということが重要だと思います。
 雇用に関する提言。新卒者は正社員雇用を原則に。最低賃金千五百円の実現。アメリカは十五ドルというので今運動が起きています。日本でもエキタスというグループが取り組んでおります。均等待遇の実現。公契約法、公契約条例の制定・推進。女性の短時間労働者の賃金が九万一千円、そんな状況を本当に変えるべきだと思います。
 今日は給付型奨学金でかなり前向きに言っていただいたので、奨学金問題の解決ができるよう申し上げ、質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で福島みずほさんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、荒井広幸君の質疑を行います。荒井広幸君。
○荒井広幸君 新党改革・無所属の会の荒井広幸です。
 平野達男議員とともに私どもは、アベノミクスを始め安倍政権の進める政策の大方を評価をしております。引き続き、我々の問題意識を入れながら、より良いものに改善できるよう是々非々で提案をしてまいりたいと思います。
 冒頭、鳥獣対策での自衛隊の協力の件でお話をします。
 農林水産大臣、いわゆる鹿、イノシシ、猿、こういった野生鳥獣による被害、どれぐらいの額で、どうして現在大変な深刻な原因に陥っているのか、御説明ください。
○国務大臣(森山裕君) 荒井委員にお答えをいたします。
 鳥獣被害は大体二百億ぐらいではないかというふうに推計をいたしております。平成三十五年度までにまず鹿とイノシシを半減をさせるという目標に向かって努力をしているところでございます。
○荒井広幸君 お手元の資料にもありますが、その半減させたいというところなんですが、しかし、いわゆる捕獲力が下がっていると聞いております。パネルにも出しました。(資料提示)どのように現状なっているか、御説明できますでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 捕獲力は、人的問題もありますし、猟銃の免許の問題もありますけれども、最近は、わなが、非常にいいわなが出てきておりまして、そこに実は補正予算でもお願いをしているところであります。また、捕獲の頭数もかなり増えておりまして、今回補正予算もお願いをしているところでありますので、引き続き総合的に対策を進めさせていただきたいと考えております。
○荒井広幸君 わななどもそうなんですが、最大は、パネルにありますように、猟友会の皆さんを含めて高齢化や新たに免許を取る人がいなくなったというのが一つの大きな原因なんです。
 環境大臣、ではこのままで、先ほど農林大臣が言いましたが、半減させるだけの今力があるんでしょうか。
○国務大臣(丸川珠代君) お答えをいたします。
 先生御指摘のとおり、狩猟免許所持者というのが数が減少しております。何とかそれを増やす努力を様々させていただいておりまして、例えば、平成二十四年度から狩猟フォーラムというのを全国で開催をいたしまして、狩猟免許の取得を促したり、また平成二十七年に施行いたしました改正鳥獣法では、捕獲を安全かつ効果的に行うことのできる事業者を認定する制度が導入されまして、現在までに三十四団体が認定をされております。また、わな猟及び網猟につきまして、狩猟免許の取得年齢を二十歳から十八歳に引き下げたところでございます。人材の育成確保、懸命に努力をしているところでございます。
○荒井広幸君 努力は認めるんですが、自衛隊の本来任務ではありませんが、自衛隊の力を政策的に借りていくということはいかがでしょうか。提案をいたします。
 これは、福島県議会でも川田昌成県会議員始め大勢の方が提案をし、そして市町村からも提案が出ています。福島特有の課題はあるものの、全国からもそういう要望はあるというのが防衛省に対する聞き取りでした。
 そこで、提案をいたします。
 防衛大臣、環境省と農林省とじっくりその数字を合わせながら、現状をつかまえながら、自衛隊が被害を及ぼす鳥獣の捕獲に協力できるよう政策的検討を求めたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 防衛省・自衛隊といたしましては、鳥獣被害対策としてこれまで二例実施した例がございます。
 第一に、北海道が実施するエゾシカ駆除計画の協力といたしまして、自衛隊のヘリコプターによりまして、エゾシカの捜索、生育状況の調査、これを行いまして、雪上車などによって捕獲したエゾシカの輸送を支援をいたしました。
 もう一例は、高知県における国有林地内の地元の有志との協力でありまして、ニホンジカの被害対策、非常に深刻でありましたので、要請を受けまして、駆除の際の自衛隊のヘリによる生息偵察等の支援を実施をいたしております。
 ただし、自衛隊は、猟銃等を使用した鳥獣駆除の訓練を実施していないこと、また猟銃従事者が持つ山野に生息する鳥獣の特性等を踏まえた猟銃のノウハウ、これを有していないことから、現状困難な事情があるということは御理解いただきたいと思いますけれども、防衛省・自衛隊は所掌事務に必要な教育訓練を実施することとされておりまして、通常、御指摘のような猟銃の教育訓練が防衛省の所掌事務に必要な教育訓練であると認めることは困難でございます。
○荒井広幸君 二例やっている程度ではそれこそ仕方がない鹿なんですよ。
 自衛隊は、大臣、御案内のとおり、かつては道路も造っていたんですよ。そして、民業を圧迫してはならない、道路が足りないから道路を造る、そういう手伝いもしていたということを考えれば、消極的過ぎますよ。
 研究を求めます。もう一度お願いします。
○国務大臣(中谷元君) 先ほど御説明いたしましたけれども、猟銃等を使用した駆除の訓練は実施しておりませんし、そのようなノウハウは有しておりませんけれども、自衛隊の組織を活用して地元の御要望に応えた例もございます。
 防衛省・自衛隊としては、関係省庁とよく連携をして、法令に基づいて任務を適切に遂行していくという観点から、何ができるのか、引き続き検討してまいりたいと思います。
○荒井広幸君 今度は分かりました。ありがとうございます。検討してください。
 続きまして、川田さんからも化血研の話がありました。厚生省の監督責任を批判した意見で、当然だと思います。
 では、お尋ねします。
 血液や原料血漿などは事業者間で運びます。そしてまた、血液以外に尿や便などというのも、我々検査したときも、医療機関等々、あるいは検査機関等々に運びます。一般的にはどのように運んでいますか。
○政府参考人(中垣英明君) お答えいたします。
 血液などの生物由来原料につきましては、医薬品医療機器法等に基づく生物由来原料基準によりまして、その製造に使用される際に講ずべき必要な措置が定められております。
 この基準に基づきまして、例えば輸血用の血液であれば一度から十度の温度で保存することなどが定められておりまして、輸送等の際にも、この材料の性質に基づきまして、専用のバッグでありますとかあるいは専用のマットでこん包をして、その上で保冷剤を使用するといった措置を講ずることによりまして、こういった原料を利用した医薬品等の品質、有効性、安全性を確保するための措置を講じられているものと認識いたしております。
 また、御指摘の臨床の検体につきましては、それぞれの利用目的に応じまして、各事業者におきまして検体が変質することのないような方法によりまして運搬が行われているということで認識いたしておるところでございます。
○荒井広幸君 最後の部分ですね、事業者間の問題です。様々なちょっと問題じゃないかという提起がなされております。どうぞ厚生大臣、調べていただきたいというふうにお願いします。これはお願いしておきます。
 続いて、子供の貧困について先ほど来からお話がありました。
 日本財団と三菱UFJリサーチコンサルティングが貴重な報告をしました。子供の貧困の対策を現状のまま、あるいはそれを改善した場合では、こちらに示しましたように、進学であるとか就職で大きな差が付きます。経済対策の視点でいえば、所得で二・九兆円、そして政府の負担、これは社会保障とか税ですね、それらのもので一・一兆円。児童手当が一・二兆円の世界ですから、非常に大きな額です。注意は、これは十五歳だけを拾った調査報告でした。
 つまり、貧困の痛みというのが、お金目でも明らかにこれは計量できるということです。ですから、この痛みを取り除く政策は、実は痛みを取り除くと同時に経済対策、財政対策であるという観点を見逃してはならないというふうに思います。
 財務大臣はこの報告をどう受け止めますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 委員御指摘の資料が、というか報告書が、これ日本財団だと記憶していますけれども、出されているのを知っております。
 いわゆる子供の貧困層への対応として、今厚生労働省と文部科学省において、昨年の十二月でしたか、ひとり親家庭・多子世帯等自立応援プロジェクトに沿いまして、一人親世帯などを支援する児童扶養手当につきましては第二子以降倍増ということで、第二子以降は月額五千円が一万円、第三子以降は三千円が六千円と倍増するという点が一点。幼児教育無償化の段階的推進とともに奨学金の充実というのを図るということであります。
 もう一点は、一人親の就職支援貸付事業を創設するなどの支援を行うということで、平成二十七年度から施行いたしました生活困窮者自立支援制度の下で子供の学習支援の強化を図っておるという途中であります。
 いずれにしても、どのような支援が効率的かつ効果的なのか、これ、いろいろな方がいろんなことをおっしゃいますので、所轄官庁におきまして引き続き十分な検討が必要であろうと思って、今いろいろなところのプロジェクトを私どもとしては関心を持って見守っております。
○荒井広幸君 大臣のお話にもありましたが、いろんな方がいろんなことを言うということですから基礎調査が重要だと思うんですね。今回の日本財団、UFJのコンサルの皆さんが言っているのは、資料が本当にないというんですよ。基礎的な資料と継続的に調査したものがないというんです。
 厚労大臣、子供の貧困を示す指標として政府ではどういうものを扱っているんですか。そして、新たな実態、それをきちんと、今日の議論でもかなりずれがありましたね、それをなくすためにも基礎調査というのをきっちりする必要がある。いかがでしょう。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生御指摘の子供の貧困を示す指標でありますが、政府としては、先ほどもちょっと話題が出ましたけれども、子供の貧困対策の推進に関する大綱というのを策定をいたしました。子供の相対的貧困率、あるいは教育や就職の状況とか子供を支援する施策の状況など、子供の貧困に関する二十五の指標というのをこの大綱で定めておりまして、その改善に向けて今政府を挙げて重点施策を推進しておるわけでありまして、この二十五は、先生も御案内だと思いますけれども、様々ございます。生活保護世帯における子供の高等学校等進学率とか児童養護施設の子供の進学率、あるいは一人親家庭の子供の就園率、進学率、就職率等々、それからスクールソーシャルワーカーの配置人数であるとか、こういったものを二十五定めているわけであります。
 子どもの貧困対策会議が政府にございますが、この大綱に基づく施策の実施状況や対策の効果などを検証、評価をして、これを踏まえて対策等の見直しや改善に努めることとしておりまして、必要な実態把握等を行うことに努めて、含めて、厚生労働省としても、内閣府など他の省庁と関連するところで協力をして取り組んでいきたいというふうに考えております。
○荒井広幸君 実態を把握するというのはなかなか容易でない話だと思いますが、きちんと多方面、いろんな角度からアプローチしてください。これがないというのを非常に困っておりました。意見も聞いていただきたいというふうに思います。
 貧困の要因を取り除くために、これは十五歳の皆さんの十八万人の計算です。所得とそしてもう一つは教育、この格差、二つから見て、国の持ち出しが非常に多くなる。それなら最初から手当てをして貧困の痛みを和らげた方が圧倒的に有利だということは、全く私もそのとおりだと思っています。そういうアプローチを是非安倍内閣で更に続けていただきたいと思っております。
 続きまして、総理が先ほど見入っていただいておりました、皆様のお手元に写真をお配りをしています。
 私、反省しております。一年半前から知っていたんですが、この間までこのままでした。これは、富岡町の、全町避難ですが、仮設学校です。三春町にあります。第一、第二小学校、第一、第二中学校、そして幼稚園もあるんです。ほとんどは転入でその地域の学校に入りますが、五十数名の子供さんたちがここで学んでいます。やっぱり自分の仮校舎でも学校がいいなという子供さんたちもいるんですね。
 ここで、ちょっと真ん中を見ていただくと、これが隙間なんです、三十センチで四メーター。そして、右、左がAとBの地図になります。今日も東京は大変だったですが、全国大変だった。福島もふぶいたでしょうね。それを我々は三年半放置したんです。
 そして、阪神・淡路大震災から二十一年になりました。茨城でも大水害。全国でいっぱい課題がありました。我々は、知らぬ間に隙間を見落としているのではないでしょうか。あるいは、知っていてそれを忘れていたのなら、もっと問題なんです。私もこれには責任があるんです。ずっとこのままだったんです。やっと今度、これに屋根を掛けるかと、こういうことになりました。学校にプレハブを建てますから、消防法や建築基準法で問題があるんじゃないかと思って、みんなそれだけで来てしまったんです、あのときの動乱でもありましたから。
 どうぞ、あらゆることに我々は小さな隙間を見逃してはならないと思うんです。また、それに気付くように努力をしなくてはならないと思います。それが安倍内閣の大きな使命の一つだと思います。隙間がないように、あれば塞ぐ、そして隙間を見付ける注意を我々はしていくべきだと考えております。
 総理、この東日本大震災基本法に基づいて、復興基本方針を間もなく策定すると聞いています。改定版ですね。大震災の復興の基本的総理の姿勢を伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 東日本大震災からの復興は安倍内閣の最重要課題でございます。地震・津波被災地域では、これまで高台移転、災害公営住宅共に九五%以上で事業が開始いたしました。水産加工施設の八五%で業務を再開するなど、復興は新たなステージを迎えていると思います。
 先月、岩手県の陸前高田市を訪問しました。三年前にはまだ何も建っていなかった場所にコミュニティーホールができて、そして来年度にはほとんどの災害公営住宅が完成すると伺いました。また、津波被害を乗り越えて新たな商品開発に乗り出したしょうゆ醸造業者からもお話を伺い、なりわいが震災前よりも更に新しい形で再生してきていることを実感をいたしました。
 本年四月からは、いよいよ後期の五か年の復興・創生期間が始まります。今般の補正予算や平成二十八年度予算においても、住宅再建や復興町づくりの着実な推進など、復旧復興を加速することとしています。引き続き、地元の声に丁寧に耳を傾け、町づくりやなりわいの再生、そして心身のケアにしっかりときめ細かな対応をしていきたいと思います。
 また、福島の原子力災害被災地域では、住民の帰還を可能にし、そして、ふるさとを取り戻す取組が着実に進展をしています。昨年九月には、楢葉町で避難指示が解除されました。仕事がなければふるさとに戻れない。官民合同チームは八千の事業者を個々に訪問いたしまして、まさに事業者を個別訪問いたしまして相談を受け、実情に応じた支援を行っています。浜通りでは、廃炉やロボット等の先端技術を中核とするイノベーション・コースト構想を進めています。
 昨年十月に楢葉町を訪問いたしました。帰還した方々から、町のみんなが戻ったときに灯をともして迎えてあげたい、だから真っ先に帰ったと伺いまして、ふるさとへの思いが復興の原動力だと改めて実感をいたしました。こうした被災者の方々の気持ちを大切にし、安心して戻れるふるさとを一日も早く取り戻すことができるように全力で取り組んでいきます。
 福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なしという安倍内閣の基本方針の下、被災者の方々の心に寄り添い、従来の発想にとらわれることなくスピード感を持って全力で復興を加速化してまいります。その際、発災から五年近くもたつことを踏まえまして、被災者の方々の体の健康や不安な気持ちの解消にこれまで以上に心を砕いていきたいと考えております。
○荒井広幸君 総理、私も一定の評価をしているんですが、保健室に行くところの隙間なんです。仮設の体育館は造ったのに、そのときも気が付かないでこのまま放置しているんです。こういう隙間に総理、是非次の視察のときにいろいろなところを行っていただいて隙間がないか見ていただきたいと思います。総理、よろしくお願いしたいと思います。
 今日は官房長官来ていただきました。あっ、今日は全員でしたね。済みません、先ほど記者会見だったので、前後して質問の組立てが変わっておりますことをお許しいただきたいと思います。
 私は、昨年の九月に、普天間の危険を取るためには、沖縄県に県営の下地島空港というのがあるではないか、沖縄自身で工夫できる県営の下地島空港があって、これと、普天間の、事件があるんじゃないか、墜落があるんじゃないか、その密集しているところの危険を取り除くということを、沖縄県の県知事始め県議会も自らこれを何かに使えないかと考えてしかるべきだと私は訴えました。その後の会談が官房長官を通じて進んだと思いますが、下地島空港についての活用について話は出たんでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 沖縄県側から普天間飛行場の危険除去に対してそうした申入れはありませんでした。
○荒井広幸君 私はこれは残念なんです。中立的立場に言っても、飛行機の訓練場としてこの下地島空港はできたんです。しかし、もうシミュレーターで飛行機の実験ができるようになりましたから、ほとんど今使われていない。三千メーター級です。島民ほとんどいらっしゃいません。島です。しかも県の所有なんです。屋良主席との約束はありましたが、県民の危険な状態をどうするかと考えたら、沖縄県は沖縄県の所有として自分が扱えるこの飛行場をどうにか普天間の危険を取るそのために活用しようではないか、使えるのか使えないのかと検討して私はしかるべきだと思うので、翁長知事に私はただいま言いましたことを問いかけたいというふうに思います。
 最後になります。
 財務大臣、アベノミクスでつい最近だけだって五十兆円の税金が増えてまいったわけです、五十兆円。内部留保です。これはアベノミクスの恩恵ですから、二九%台の仮に法人税率を下げるという場合は、適用する企業は、先ほどもありましたが、教育などに寄附をした企業、投資をした企業、雇用や賃金を上げ、下請企業に単価をアップした企業にのみ適用するということはやって許されるだろうと思うんですが、これも度々申し上げていることですが、財務大臣の見解をお尋ねします。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、荒井先生御指摘のように、企業収益、間違いなく好調であります。二年間を見ましても、二十五兆五千億、二十四兆、約四十九兆九千億ぐらい増えておりますんで、それは内部留保だけで、これは税金を払った後に残った金ですから、内部留保だけでそれだけ増えておりますんで、この金をじっと持っているんではなくて、それが基本的には設備投資に回るか給与に回るか配当に回るか、何らかの形で回してもらって初めて経済は回っていくことになるんですが、それがじいっとしているというところが一番問題なので、これが前向きに動いていくように、いわゆる政策減税という話をされますが、我々は既に投資促進税制もやりましたし、また、所得拡大促進税制も三年続けてやりましたし、そういった意味では今こういったものの効果を少し見極めないかぬところなんであって、留保金課税を掛けろとかいろいろな話がいっぱい来ていることは確かです。確かですけれども、今回というか今年の企業側の対応というものがこの春闘を含めましていろいろ今から出てくるところだろうと思いますので、それを見極めていくのがまず最初に肝要かと思いますので、今言われたような件は一つの考え方としては頭に入れとかないかぬなとは思っております。
○荒井広幸君 続きは明日にいたします。
○委員長(岸宏一君) 以上で荒井広幸君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 次回は明十九日午前八時五十五分から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十六分散会