第190回国会 予算委員会 第8号
平成二十八年三月三日(木曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二日
    辞任         補欠選任
     鶴保 庸介君     山下 雄平君
     小川 敏夫君     大久保 勉君
     藤本 祐司君     広田  一君
     新妻 秀規君     西田 実仁君
     平木 大作君     秋野 公造君
     井上 哲士君     小池  晃君
     川田 龍平君     松田 公太君
     東   徹君     清水 貴之君
     平野 達男君     荒井 広幸君
 三月三日
    辞任         補欠選任
     中川 雅治君     三木  亨君
     宮沢 洋一君     三宅 伸吾君
     石上 俊雄君     神本美恵子君
     西田 実仁君     荒木 清寛君
     小池  晃君     田村 智子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  宏一君
    理 事
                石井 準一君
                宇都 隆史君
                岡田  広君
                高橋 克法君
                二之湯武史君
                堀井  巌君
                長浜 博行君
                野田 国義君
                山本 香苗君
    委 員
                愛知 治郎君
                赤池 誠章君
                井上 義行君
                石田 昌宏君
                猪口 邦子君
                大野 泰正君
                片山さつき君
                古賀友一郎君
                島村  大君
                高野光二郎君
                中川 雅治君
                三木  亨君
                三宅 伸吾君
                宮沢 洋一君
                山下 雄平君
                山本 一太君
                石上 俊雄君
                大久保 勉君
                大塚 耕平君
                風間 直樹君
                田中 直紀君
                藤田 幸久君
                森本 真治君
                秋野 公造君
                荒木 清寛君
                河野 義博君
                西田 実仁君
                小池  晃君
                田村 智子君
                辰巳孝太郎君
                松田 公太君
                山田 太郎君
                片山虎之助君
                清水 貴之君
                中山 恭子君
                吉田 忠智君
               薬師寺みちよ君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣     高市 早苗君
       法務大臣     岩城 光英君
       外務大臣     岸田 文雄君
       文部科学大臣
       国務大臣     馳   浩君
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
       農林水産大臣   森山  裕君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  林  幹雄君
       国土交通大臣
       国務大臣     石井 啓一君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     丸川 珠代君
       防衛大臣     中谷  元君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (復興大臣)   高木  毅君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       規制改革、防災
       ))       河野 太郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(国家戦
       略特別区域))  石破  茂君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、科
       学技術政策、宇
       宙政策))    島尻安伊子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策、男女共同
       参画))     加藤 勝信君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    石原 伸晃君
       国務大臣     遠藤 利明君
   副大臣
       財務副大臣    岡田 直樹君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  横畠 裕介君
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 亮治君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       市川 正樹君
       内閣府大臣官房
       審議官      山本 哲也君
       警察庁生活安全
       局長       種谷 良二君
       厚生労働省健康
       局長       福島 靖正君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局長  中垣 英明君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       加藤 誠実君
       水産庁長官    佐藤 一雄君
       特許庁長官    伊藤  仁君
       中小企業庁長官  豊永 厚志君
       国土交通省住宅
       局長       由木 文彦君
       国土交通省自動
       車局長      藤井 直樹君
       国土交通省海事
       局長       坂下 広朗君
       気象庁長官    西出 則武君
       海上保安庁長官  佐藤 雄二君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房緊急事
       態対策監     大村 哲臣君
   参考人
       日本銀行総裁   黒田 東彦君
       東京電力株式会
       社代表執行役社
       長        廣瀬 直己君
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  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成二十八年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十八年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十八年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
○派遣委員の報告
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○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十八年度総予算三案審査のため、本日の委員会に東京電力株式会社代表執行役社長廣瀬直己君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(岸宏一君) 平成二十八年度一般会計予算、平成二十八年度特別会計予算、平成二十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、昨日に引き続き質疑を行います。宮沢洋一君。
○宮沢洋一君 おはようございます。
 昨日に引き続いて質問をさせていただきます。
 昨日は、世界経済、中国経済、また電力卸売市場の活性化などについて質問をさせていただきましたけれども、今日はまず税制について少し質問をさせていただきます。
 まず、三党協議、三党合意、いわゆる社会保障と税の一体改革について、その経緯等々を少しお話をさせていただいて、そして質問に移らせていただきたいと思っております。
 たしか二〇一二年の六月でございましたけれども、社会保障について、また税について三党協議が行われ、合意に達したわけであります。その前、税につきましては、民主党、当時の与党の中で随分議論をされて、たしか素案とか成案とか、決まったのかなと思うと決まっていなくて、やっと国会に税法が出てきた。そういう中で三党協議が行われたわけでありますけれども、私は税の方の三党協議に亡くなられた町村先生と一緒に自民党を代表して出ておりました。
 税の方の協議について申し上げますと、その前に、自民党は公約として、消費税につきまして当面一〇%に引き上げると、プラスアルファがあるという意味も含んで当面という言葉を使っておりましたけれども、引き上げると、こういう公約を掲げておりましたので、民主党の方が、二段階に分けてでありましたけれども、一〇%に引き上げるという法案を提出してきたわけで、中身としてはかなり合意に達しやすかった、割合スムースに議論が進んだ記憶がございます。たしか月曜日に始めて金曜日の深夜まで掛かったわけでありますけれども、社会保障の方は相当にいろんな議論がされましたけれども、税の方はかなりスムースにいって、そして一番時間を掛けたところが実は低所得者対策でありました。
 当時、民主党政権でありますから、政府の法案には、総合合算制度及び給付付き税額控除などの低所得者に配慮した再分配に関する総合的な施策を導入すると、こう書いてあったわけでありますけれども、私ども自民党も公明党も給付付き税額控除という制度につきましては反対でありまして、やはりヨーロッパで多数の国が採用している軽減税率制度を導入すべきだということで、いろいろ議論を闘わせましたけれども、最終的には、当然その場でどちらかが降りるというわけにはいかないということで、両案を併記しようということになりました。
 そして、これがいわゆるこの抜本改革法の第七条の一号でありますけれども、イのところに、総合合算制度、給付付き税額控除について検討するということ、そしてロのところに軽減税率制度について検討すると、こういうことを書きまして、そしてお互いに相手の案の問題点を三つ出してそれに加えようということになりまして、総合合算制度、給付付き税額制度につきましては、所得の把握、資産の把握の問題、執行面での対応の可能性等を含め様々な角度から総合的に検討すると、軽減税率につきましては、財源の問題、対象範囲の限定、中小企業の事務負担等を含め様々な角度から総合的に検討すると、こういうことになったわけでありまして、当然そのときの三党の意識としては、その後の選挙において、衆議院において、参議院において多数を取った方の案を低所得者対策としようと、こういうことであったわけであります。
 そういう中でありますから、ある意味で今の与党が軽減税率という法案を出すということは当然の流れでありますし、ある意味でいえば、その流れからすると、せっかく三党合意ということでありますから、どちらかが勝った方が、相手の案が成立するだろうということで行った協議でありますので、できれば、やはりあのとき両方検討することにして、自民党、公明党、与党になったんだから軽減税率でしようがないなということで民主党にも賛成をしていただければ大変有り難いぐらいの経緯だったというふうに思っておりますが、石原大臣は当時幹事長としてこの全体を差配され、最後に署名をされた、そして今は一体改革担当大臣でありますけれども、あのときの経緯を振り返られて、少し御感想をお願いをいたします。
○国務大臣(石原伸晃君) 税と社会保障一体担当大臣として感想を申し述べさせていただきますと、今、宮沢委員が御説明されたとおり、あのときの税調の協議というものは社会保障よりもすんなり早くまとめていただいたなという印象を持ちました。
 そんな中で、今委員が御指摘されたとおり、やはり消費税の逆進性を考えたときに、消費税、もちろんこれ社会福祉目的税でございますので、全て国民の方々に社会保障という形で御還元させていただきますけれども、低所得者の方には何らかの手当てをしていかなければならない。
 そんな中で、宮沢委員が中心になられて、自民党、公明党は軽減税率、当時は民主党野田政権でございますけれども、給付付き税額控除、そして総合合算制度、これを決め切るところまでは社会保障の側からは至らなかった。ですから、この三つを併記させていただこうという形で三党であの法律案を取りまとめ、私は画期的なことではないかと、野党が増税をするということに、与党の、当時の民主党のイニシアチブに乗りまして賛成をさせていただいたということを覚えております。
 そして、私どもの考えの中はやはり軽減税率制度が、EUで行われているこの軽減税率制度が望ましいと、そういう形でこの議論が進んできた。そういう中で、税法も今参議院の方にも回ってきているわけでございます。
 是非、至らぬ点、全ての制度は完璧でございませんので、至らぬ点も互いに認め合い、そんな中で国民の皆様が、また低所得者の方々が痛税感を本当に和らげられる、そういう施策を三党合意の中で野党の皆様とともにこれからもつくり出していくという形が望ましいという委員の考え方には私も賛同させていただきます。
○宮沢洋一君 民主党はまさに総合合算制度と給付付き税額控除という主張、私どもは軽減税率という主張をしてきたわけでありまして、その総合合算制度というものが今回入れられていないということは、ある意味ではこれまでの流れの必然のようなものでありまして、総合合算制度が入っていないから問題だというのは、少しこれはこれまでの経緯を知らない方の議論だろうというふうに思っております。
 そこで、なぜ給付付き税額控除に私どもが賛成でないかということを少しお話をさせていただきたいと思っております。
 給付付き税額控除というのは、テレビを見ている方はなかなかお分かりにならないかもしれませんが、一定所得以下の方に対して一定の金額を戻すということでありまして、所得税を払われている方はそれを税金からお引きする、払われていない方はある意味ではキャッシュの形でお戻しするということをするというのが給付付き税額控除。軽減税率の方は、これはまさにヨーロッパでやられている話でありますので、皆さんすぐにお分かりになる制度だろうというふうに思います。
 まず、給付付き税額控除につきまして言いますと、所得をどう把握するかという問題がございます。所得につきまして、例えばサラリーマンの方であれば、これはもう源泉徴収ではっきりしているわけでありますけれども、じゃ事業をやられている方の事業所得というものが本当に把握できているのかどうか。
 例えば、国の税、所得税、国税でありますと、税務署、かなり目を光らせているようでありますが、実は所得税、所得を払われている方に対して、実調率と言っておりますが、実際に調査をする割合というのは僅か一・一%でございます。
 簡単に言えば、百万円、五百万円所得が多くなった方がいたとしても、それに人員を掛けて調査を一週間、二週間してやってみても、実は増税額というものはそれほどのものはないというようなこともあって、国税の方に直接聞けばちゃんとやっていますと言いますけれども、実際にはかなり目が粗いというのが事業所得に対する対応でありますし、更に言えば、課税最低限が少し違う等といったことがあって、国税は払っていないけれども地方の住民税は払わなければいけないと、こういう方もたくさんおりますが、ここは地方の市町村が実際は調査をしなければいけないわけですけれども、現実問題としてこれはほとんど行われていないということでありまして、事業所得につきまして言えば、言い値で大体通っているというのが相場でありまして、実際に脱税されている方がどの程度いるかということはよく分からないと、こういう状況でございます。これが事業所得。
 さらに、給付付き税額控除といったものを導入している国、いわゆる消費税に関してではなくて、一般的な意味で給付付き税額控除というものを導入している国というものはそれなりにありますけれども、主要国であれば、全て実はいわゆる金融所得、利子とか配当も当然のことながら含まれております。利子、配当といったもの、例えば、年金は百万円しかもらっていないけれども、大変な金融資産を持って配当も利子も相当もらっているという方はそれなりにいらっしゃるわけでありますけれども、こういう方も当然金融所得も対象にして、じゃ、その人の所得が多いのか少ないのかと、こういう判断をするというのはある意味では当たり前のことだろうと思います。
 翻って、日本について言いますと、金融所得というのは、特に利子についてはなかなか把握できていないというのが実情ではないかと思っておりまして、これは財務大臣に伺いますけれども、金融所得も含めて、いわゆる人の所得といったものを把握することは日本において可能なのかどうかということをお答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) よく言われております例えばマイナンバーというものの制度が導入されるとして、仮に申告書とか法定調書などのいわゆる税務関係の書類の番号までそっちに記載をされるというようなことになって、法定調書の名寄せとか申告書の突合なんというものが的確かつ正確に行えるようになり、所得把握の、何でしょうね、正確性が向上する可能性はあるということなんだと思いますが、しかし、例えば同時に、じゃ預金とか貯金とかいうものの口座は、銀行へのマイナンバーを告知するということは義務かといえばそうではありませんし、一般消費者を対象とするいわゆる小売業者とかサービス業者等々の取引などについて法定調書の対象とはなっていないのは御存じのとおりですので、したがって、仮にマイナンバー制度が定着したとしても、所得とかそういったものに対する把握というものの正確を期すというにはおのずと限界があろうと思っております。
○宮沢洋一君 現状で申し上げても、利子の所得については全く税務署は把握をしていない。配当所得については、把握はしているはずでありますけれども、いわゆる名寄せというものが全くできていない。したがって、それぞれの方がどれだけの金融所得を受けているかということは全く分かっていないというのが現状でございます。
 そして、今、麻生大臣からお話がありましたように、マイナンバーというものが定着したとしても、正確な金融所得の把握といったものも今のままでは難しいわけでありますし、更に言えば、それこそスーパーで何買ってきたといういわゆる商取引についてマイナンバーというものを使うということであれば、これは完全に所得の把握はできますけれども、いわゆる商取引にそういうナンバーといったものを使っている国はないわけでありますし、プライバシーの侵害といった点からもこれはなかなか実際に実行するのは不可能だろうと思っておりまして、そうした意味で所得の把握というもの、特に金融所得についてできていない。事業所得についても先ほど申し上げたようにかなり穴が空いている。そして、金融所得についてはできていないと。
 こういう中で、本当に給付付き税額控除が公正な形でできるのかどうか。給付付き税額控除を導入している例えばイギリス、アメリカなどでも、これまでの過去の調査といいますか調べた結果、その一割から二割はこの所得について過誤とか不正といったものがあったという調査もあるようでございまして、まさに、例えば脱税している人に対して給付を行うということになりますと、これは言わば泥棒に追い銭のような制度でありまして、そうした点で大変問題が多い制度だろうというふうに思います。
 さらに、本当にこの給付付き税額控除というものが日本において実行できるのかどうかということについても大変疑問に思っております。
 例えば、民主党のホームページ等々を見ますと、掛かる経費は三千六百億円、それは年収五百万円以下の方を対象にすると三千六百億円と、こう書いてあるわけでありますけれども、果たして年収といったもの、これはなかなか難しい定義でありまして、年収というのは、サラリーマンであれば普通、会社からもらうお金がそれでありますけれども、その後、当然のことながら、配偶者控除でありますとか、勤労所得控除でありますとか、さらに扶養控除等々ということで、課税所得といったものが決まっていくわけであります。恐らく、税額控除、税という制度に乗っけるのであれば、当然、年収という曖昧な概念ではなくて課税所得といったところを対象にするのが正しいんだろうと思いますが、果たしてその課税所得なるものがきっちり把握できるのかどうか。
 更に言えば、例えば簡素な給付というものを今やっておりますけれども、これはいわゆる地方住民税の非課税世帯を対象にする世帯単位ということでやっております。地方税の世界は基本的には世帯単位という世界でありますけれども、国税の世界というのはこれは基本的に個人単位になっておりまして、世帯という概念が基本的にありません。じゃ、年収五百万円以下の人を対象にするといって、お父さんが年収四百万、お母さんが年収四百万、子供も年収四百万、計千二百万という世帯も恐らくそれぞれの方が対象になってしまうと。
 世帯単位で課税所得を把握するということはこれは不可能でありまして、相当数の方が対象になるという中でこれを実際に誰が実行できるかというと、市町村でもなかなか難しい、国の組織、国税でもなかなか難しい。果たしてこの制度、実現可能かどうかということは大変疑わしい制度だろうというふうに思っております。
   〔委員長退席、理事岡田広君着席〕
 さらに、財源の問題もございます。先ほど申し上げましたように、民主党の案であれば総合合算制度といったものをやるということになる。そうすると、これは〇・四兆円掛かるわけであります。私どもの方は一兆円で、〇・四兆円、今の総合合算制度に当たるべきものをやらないということで財源確保して、あと〇・六兆円を年末に向けて歳入歳出で確保していくと、こういうことでありますけれども、民主党の場合は、総合合算制度をやるということになりますとこの〇・四兆円というものがないわけでありまして、〇・四兆円に恐らく給付付き税額控除、実行可能だとしても相当な実行に掛かる経費、簡素な給付でも相当掛かっております。それを足し合わせますと、恐らく〇・五兆から〇・六兆といった財源を新たに見付けてこなければいけないというのがこの給付付き税額控除の一番の問題だろうと思っております。そうした中で、本当によく提案されたなと。年金で、かつて最低保障年金と報酬比例年金というふわっとしたものを提案されたときと何となく図式が似てきているなというのが率直な感想でございます。
 それで、軽減税率について少しお話をさせていただきますが、軽減税率というものは、これは、先ほど申し上げましたように、OECDの加盟国でいわゆるVAT、付加価値税型の消費税を導入している国ではほとんどの国で軽減税率、導入をしていると思いますけれども、どの程度の国が導入されているか、財務大臣、お願いいたします。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、軽減税率の話ですけれども、まずこの給付付き税額控除をやっておられる国というのは、主要先進国の中じゃカナダだけですかね、たしか、主要先進国で給付付きやっているのはカナダだけだと思います。
 それから、今の付加価値税で、いわゆる軽減税率は、これはOECD三十三か国でこれを入れておりませんのは日本とチリだけです。あとは全て軽減税率制度が三十一か国で導入されていると存じます。
○宮沢洋一君 恐らく、正確に言いますと、給付付き税額控除を低所得者対策として導入しているというのが一か国で、軽減税率につきましてはほとんどの国が導入しているということでありまして、まさに軽減税率というものは、この付加価値税の世界では世界の常識になっている、これを日本も今回導入しようということで、世界の常識を常識として我々も受け入れると、こういうことだろうというふうに思っております。
 そういう中で、軽減税率につきましては、やはり円滑な導入ということが何よりだと思っております。いわゆる売る側、食料品を売る側の方について言えば、例えばシステム対応ですとかレジの入替え等々といってかなりの作業をお願いをしなければいけませんし、そしてもう少し心配しておりますのが、買う側の事業者について、この軽減税率で事務負担をしなければいけないというところの意識がまだ余りないというところであります。大きな会社におきましても、例えば会議をするときにはペットボトルのお茶が出てくる、缶コーヒーが出てくる、また夜食でお弁当が出てくる、さらに贈答品等々で食料品、お菓子を贈るというようなことがあるわけで、これはしっかりと区分経理をしていただかなければいけませんが、どうもまだ買う側の方、買う側の事業者の方がそれほど自分のものと見ていないといったところが大変心配でありまして、こういうことを含めてしっかりと経済産業省が中心になって対応していただきたいと思っておりますが、経産大臣から一言お願いいたします。
○国務大臣(林幹雄君) 宮沢先生御指摘のとおりでございまして、軽減税率を導入することによりまして、要するに、売る側だけじゃなくて、弁当などをやはり経費として購入する側、つまりそういった事業者に対しても税率に応じた区分経理が必要だと思います。場合によっては経理システムの改修が必要になりますし、影響は全ての事業者に生じるものというふうに考えます。
 このため、まずは全ての事業者に制度内容を周知いたしまして必要な対応を促していくことが大事だろうと考えておりまして、経産省としては、全ての所管業界団体に対して、所属する事業者への税制改正大綱や税制改正法案の内容の周知を依頼すると同時に、求めがあった場合には説明会に講師を派遣したり、大綱や法案の説明を始めているところでございまして、今後とも、関係省庁と十分に連携いたしまして、所管業界団体などを通じて周知にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 幅広い事業者に自らのこととして制度内容の理解を求めまして、適切に対応していただけるよう全力を尽くしてまいりたいと思います。
   〔理事岡田広君退席、委員長着席〕
○宮沢洋一君 経産省を中心に、政府全体としてしっかり対応していただきたいと思っております。
 最後になりますけれども、総理に、来年四月、消費税を一〇%に引き上げる、そして、それとともに軽減税率を円滑な形で導入する、総理の意気込みを最後にお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 来年、消費税を一〇%に引き上げるのは、今、宮沢委員が御指摘になったように、まさに私たちの世界に誇るべき社会保障制度を次の世代にしっかりと引き渡していくためのものであり、そしてまた社会保障費をしっかりと充実させていくためのものでございます。そのために、来年四月、消費税を引き上げていく、リーマン・ショックあるいは大震災級の事態にならなければ予定どおり引き上げていく考えでございますし、その際、軽減税率を導入をしてまいります。
 軽減税率につきましては、どのような形でどれぐらいということについては、まさに宮沢税調会長の下で相当の議論がなされたわけでございます。大切なことはスムーズな導入であろうと思います。確かに、小売店の皆様、中小零細の皆様は大変だろうと思いますが、政府としてはなるべく混乱が起きないように全力を挙げていきたいと、スムーズな導入に向けて全力を挙げて取り組んでいきたいと、こう考えています。
○宮沢洋一君 ありがとうございました。
 最後に一言だけ。
 昨日の民主党との議論を聞いておりまして、いわゆる外形標準課税につきまして中小企業にも適用はされるような議論が行われておりましたけれども、資本金一億円未満の企業はこれは全く対象外でありまして、もしも抽象的な言葉を使われるのであれば資本金一億円以上の中堅企業という言葉が正確だと思っておりますので、最後に申し述べさせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で宮沢洋一君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、中川雅治君の質疑を行います。中川雅治君。
○中川雅治君 自由民主党の中川雅治でございます。
 昨日の東京株式市場は大幅に上昇いたしましたが、このところ世界の株式市場は混乱の様相を呈しております。世界の株価下落の直接的な要因は原油価格の下落だと思います。アメリカなどでシェールオイル、シェールガス、これを商業ベースに乗せて採掘できるようになったのに、OPECが原油のシェアを維持するために減産しない方針を取ったことから、原油の供給がだぶついて原油価格が下落したということだと思います。そういう状況でオイルマネーが縮減いたしまして、その運用先である政府系ファンドが資金引揚げを加速させて世界の株式市場で売りが続出しているということだというふうに認識しております。
 こうした状況に加えて、特に市場関係者の間で、中国経済に対する不安感が非常に強くなっている、さらに新興国経済も心配だ、アメリカ経済の先行きも不透明になってきた、EUも大丈夫かと、こういった悲観的な見方が強まり、取りあえずリスク資産である株式を売って日本国債やEUなどの安全資産と言われる国債を買っておこうという動きになっているのが最近の状況だと思います。市場では世界経済の見通しについてどうも悲観的な見方が強く、リスクが過大に取り上げられている嫌いがあると思います。
 まず、石原経済財政担当大臣にお伺いいたしますが、石原大臣は、アメリカ、中国、新興国など世界経済の現状と今後の見通しをどう御覧になっているのか、お伺いをいたします。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま中川雅治委員が大変的確な世界経済に対する分析を、特にここ、年初のですね、年初からこの二月にかけての世界経済のマネーの動きについて的確な御指摘をいただいたと思っております。
 年明け以降のやはり中国の景気減速への懸念、こういうものはやっぱりあるんだと思いますし、委員が御指摘になりました原油価格の低下、これを背景に世界経済が必要以上に変動しているという認識は、二月十八日に公表されましたOECDの経済見通しの中でも明らかになっておりますし、しかし、そんな中で世界経済全体のファンダメンタルズをどう見ているかということを見ますと、二〇一六年の世界全体の成長率は三・〇%の見込みというふうになっております。
 私も、このOECDの分析、また中川雅治委員の分析というものに賛同するわけでございますけれども、世界経済のファンダメンタルズが大きく揺らいでいるという認識は持ち合わせておりません。多くの先進国では経済活動の緩やかな拡大が続いていることは事実でございますし、主要な新興国の成長は引き続いて大きいものがあると。ただし、やはりアメリカの金融政策、ゼロ金利からの脱出といったような問題、あるいは中国を始めアジア新興国等の経済の先行き、原油価格、最近は三十四ドル台まで戻しておりますけれどもこの影響、金融資本市場の変動の影響などについてはやはり注意深く見守っていく必要があるのではないか。
 これからも、委員が御指摘になりました点について、注意深く見守ってまいりたいと考えております。
○中川雅治君 ありがとうございました。世界経済の見通しについて、もちろん楽観はできませんが、余りに悲観的な見方をして過度にリスクを強調するのはどうかということだと思います。
 最近の株価の状況や為替も、若干円高になったというそういう状況をもってすぐにアベノミクスは失敗だというような見方をする方が出てくるわけでございますが、私は全く当たらないと考えております。野田前総理が解散を明言した平成二十四年十一月十四日の株価は八千六百六十四円ですから今でも約二倍となっておりますし、為替も当時は一ドル約八十円でしたから、今一ドル百十円台ということでございます。
 経済指標はいろんな時期にいろいろ発表になるわけですけれども、時には悪い指標が出てまいります。しかし、ある程度の期間を見て全体を判断しなければならないわけでありまして、様々な経済指標を全体として見れば、随分良くなってきているというふうに思います。私は、アベノミクスは順調にいっているというように思います。
 安倍総理に日本経済の現状認識と今後の見通しをお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど石原大臣から答弁をいたしましたように、中国の景気の減速懸念等を中心に、そうした国際的な要因を背景にリスク回避の動きが世界の市場で出ている中において、日本の市場も大きな変動が見られるわけであります。その中で、先ほど中川雅治委員も指摘をされたように、日本の国債や海外の国債も買われる、あるいはまた、こういう変動をしているときに一番リスクが少ないと世界の人々が思っている円も買われるわけでございます。
 そういう意味におきましては、日本の経済に対するある種の信認というものもある、そういう考え方もあるんだろうと、こう思うわけでありますが、G20の声明においても、最近の市場の変動の規模は、その根底にある世界経済の現在のファンダメンタルズを反映したものではないとの認識が示された、これはまさにG20の声明であります。
 そこで、我が国の実体経済を見れば、もはやデフレではないという状況をつくり出す中で、政権発足以降、名目GDPは二十七兆円増加をしましたし、何といっても、企業は過去最高の収益を上げています。企業の動向がこれは非常に厳しいというのであれば実体経済は厳しいかもしれない。しかし、企業は最高の収益を上げていて、かつ政労使の対話等も通じ、この上げた最高の収益は給与となって十七年ぶりの賃上げにもつながっている。労働市場も二十四年ぶりの有効求人倍率の高さにあるし、これは全国全ての都道府県で有効求人倍率は改善をしているという状況でございます。また、失業者も六十万人減少をしておりますので、日本の経済、ファンダメンタルズはしっかりとしたものであろうと、このように思います。
 世界経済については弱さが見られるものの、全体としては緩やかに回復しており、先行きについても欧州の、欧米の景気回復に支えられ、緩やかな回復が続くことが期待されます。
 こうした中で、我が国経済の先行きについては、新興国経済や市場の動向に注視が必要でありますが、雇用・所得環境の改善が続く中、民需に支えられた景気回復が見込まれるわけでありまして、今後とも、国際社会と連携しながら、内外の情勢を注視しつつ、雇用の改善や金利の上昇を通じた経済の好循環を継続させていかなければならないと、このように考えております。
○中川雅治君 ありがとうございました。
 安倍総理が言われるように、日本経済のファンダメンタルズは良好であります。悲観的な見方が強くなれば景気の先行きは悪くなっていく。個人も企業も景気の見通しというものに基づいて行動する面があるわけでございますから、やはり政府・与党としては、日本経済の本当の姿、ファンダメンタルズは良好だと、こういう姿を国民の皆様にきちんと説明していくべきだというふうに私は思います。
 本日は黒田日銀総裁に来ていただいております。日本銀行は、一月二十九日の金融政策決定会合でマイナス金利政策の導入を決めました。マイナス金利の導入については、我が国では初めての経験でありまして、国民の皆様がその意味や目的について理解しにくい面があるように思います。そして、その評価についても、否定的なものから、銀行、企業、家計のいずれにも恩恵をもたらすという肯定的なものまで様々であります。
 また、国民の間に預金金利もマイナスになってしまうんではないかという不安が出ていることも事実であると思います。預金金利がマイナスになるなら現金で保管した方がよいと考える方が出ておりまして、最近では金庫がよく売れているというような話も聞くわけでございます。
 既に国会でも、また様々な場所で、黒田総裁はマイナス金利政策導入の狙いや個人預金金利がどうなるのか等について説明していらっしゃいますが、この予算委員会で改めて分かりやすく御説明をお願いいたします。
○参考人(黒田東彦君) 今回導入いたしましたマイナス金利付き量的・質的金融緩和、これは、日本銀行の当座預金の一部にマイナス金利を適用することによりましてイールドカーブの起点を引き下げ、同時に、大量の国債、長期国債の買入れを続けることによってイールドカーブ全体を引き下げるということで経済に影響を与えようというものでございます。この点、マイナス金利付き量的・質的金融緩和を導入以降、短期も長期も国債の金利は大幅に低下しております。また、こうした市場金利の低下を踏まえまして、貸出しの基準になる金利、あるいは住宅ローンの金利ははっきりと低下しております。
 このように、金融面あるいは金利面では政策効果は既に現れておりまして、今後その効果は実体経済や物価面にも着実に波及していくものというふうに考えております。一方、預金金利も若干低下しておりますけれども、既にかなり低い水準にあったために、その低下幅は貸出金利に比べれば小幅なものにとどまっております。
 また、中央銀行が既にマイナス金利を採用しております欧州諸国の例を見ましても、金融機関の個人向け預金の金利がマイナスになるとは考えておりません。その背景としては、やはり各金融機関が顧客との長期的な取引関係を考えることと、仮にマイナス金利を個人預金に適用しますと、当然、現金を引き出して保有する方が有利になるという事情がございますので、やはり個人預金にはマイナス金利が付くことはないというふうに考えております。
 この三年間、日本銀行は御承知のように量的・質的金融緩和を続けまして、国民の下に定着してしまったデフレマインドの抜本的な転換を図ってまいりました。その結果、先ほどの総理の御答弁にもありましたとおり、企業は過去最高水準の収益を上げておりますし、失業率は三・二%と、ほぼ完全雇用の状況にございます。物価面でも、従来は、量的・質的金融緩和導入前はずっとマイナスでありましたけれども、消費者物価の上昇率は、生鮮食品とエネルギーを除くベースでは一%を上回っております。
 日本銀行といたしましては、この金融緩和の下で二%の物価安定の目標の早期実現を図ってまいりたいというふうに思っております。その上で、こういった状況については十分国民の皆様に分かりやすく説明してまいりたいと思っております。
○中川雅治君 ありがとうございました。
 個人の預金金利がマイナスになることはないと明言されたと思います。慌てて金庫を買うといった行動を取る必要はないということでございます。
 黒田総裁は私の二年先輩でありまして、大蔵省で一緒に仕事をさせていただきました。黒田総裁は国際畑が長く、私の方は理財局での勤務が長く、国債の発行実務にも携わってまいりました。
 国債の発行というのはもちろん日本銀行の金融政策とは別のものでございますが、国債の発行に当たっては、いつどういう種類の国債をどのくらい発行したらよいのかということについて市場との対話を続けていく、そして市場のニーズを酌み取って、言わばマーケットフレンドリーに国債の発行をしていかないとなかなかスムーズに進まないということを身をもって経験いたしました。
 日本銀行も、市場とのコミュニケーションに努めることによって、市場が日本銀行からの情報発信を信頼して、そして市場が日本銀行の金融政策に安心感を持って対応できるようにするということの方が長期的にはプラスだと考えます。日本銀行は今後、市場との対話、マーケットフレンドリーな運営という点についてどうお考えなのか、黒田総裁にお伺いいたします。
○参考人(黒田東彦君) 委員御指摘のとおり、金融政策の運営に当たりましては、政策に関する考え方、あるいはその前提となる経済・物価情勢についての判断をできるだけ分かりやすく説明し、市場参加者を含めた人々の理解を得ていくということは非常に重要でございまして、日本銀行も従来から、経済・物価情勢につきましては様々な形で見通しを公表しておりますけれども、昨年まではいわゆる展望レポートという形で経済や物価の詳細な見通しを年に二回出しておりましたけれども、今年から年四回、四半期ごとにそれを出すということにいたしております。
 日本銀行の金融政策運営につきましては、従来から、二%の物価安定の目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで量的・質的金融緩和を継続するというとともに、経済、物価にリスクがあり得るわけですので、リスク要因を点検して、物価安定の目標の早期実現のために必要であればちゅうちょなく調整を行うという方針を申し上げております。
 具体的な政策決定につきましては、もちろん、金融政策決定会合におきましてその時々の経済、物価の動向を点検し、また特にリスク要因も十分勘案いたしまして、政策委員の間で丹念に議論して政策の決定を行っております。今回のマイナス金利の導入もそうした枠組みの下で決定したものでございます。
 日本銀行といたしましては、このマイナス金利付き量的・質的金融緩和について、委員御指摘のとおり、引き続き丁寧な説明を行いまして、金融政策一般について市場関係者を含めた幅広い国民の方々に対するコミュニケーションは更に強化してまいりたいというふうに思っております。
○中川雅治君 ありがとうございました。
 黒田総裁はこれで退席していただいて結構ですので、委員長、よろしくお願いいたします。
 総理が言われるように、日本経済のファンダメンタルズは良好であります。これは、アベノミクス三本の矢の効果であるというふうに思います。
 私は、様々な団体や地域の方々の集会に出席をして、多くの方々と意見交換をしております。そういった中で、中小企業や小規模事業者の方々からは、我々はアベノミクスの恩恵は受けていないよと、我々の実感からすると景気の実態は相変わらず悪いですよという声が非常に多く出されております。実際に、例えば従業員一人当たりの付加価値額という数字を取りますと、二〇一二年から二〇一四年までの間に製造業の大企業は一七%増大しているわけでありますが、中小企業はほぼ横ばいなんですね。しかも、この従業員一人当たりの付加価値額は大企業と中小企業で大きな格差がございます。この格差はむしろ拡大しているという状況でございます。
 そこで、林経済産業大臣にお伺いいたします。中小企業や小規模事業者の方々がアベノミクスの果実を手にしていただけるようにするというのが今年の課題だというふうに私は思いますが、そこに向けてどのような施策を考えておられるのでしょうか。
○国務大臣(林幹雄君) 中小企業の足下は、地域や分野、事業所の規模によってばらつきがあるものの、アベノミクスの進展につれて着実に改善傾向にあるというふうに認識をしております。更なる業況の改善に向けまして、中川議員御指摘いただいたとおり、中小企業の従業員一人当たりの付加価値額、いわゆる労働生産性、これを向上させることが大事だろうというふうに思います。
 このため、現在検討中ですが、中小企業等の生産性向上を支援する法案におきまして固定資産税の軽減措置などで生産性向上を支援していきますし、また、ものづくり補助金によりまして新商品の開発などへの支援、あるいは各都道府県のワンストップ窓口、よろず支援拠点の拡充などに取り組んでまいります。
 さらに、中小企業の収益拡大のためには取引条件の改善を図ることが非常に大事だろう、重要だろうと思っておりまして、現在、産業界に対しまして大規模な調査を実施中でございまして、これを踏まえて必要な対策を検討してまいります。
 あらゆる施策を総動員して、地域の中小企業・小規模事業者にその活力を最大限発揮していただけるよう取り組んでまいりたいと存じます。
○中川雅治君 ありがとうございました。林大臣の決意を伺いました。こうした様々な政策が現場まで下りて、しっかりと実効を上げるようにお願いをいたします。
 さらに私は、官公需についても、もっと中小企業の受注機会の増大に努めるべきであるというように思います。官公需法も改正され、国等の契約の基本方針も定められているわけですから、地方自治体も含め、国全体として中小企業の受注を増やす努力を更にすべきであるということも申し上げておきたいと思います。
 ところで、この一年半ほどで原油価格の下落率は七〇%を超えました。原油価格が五〇%下落すると原油の輸入金額は年間七兆円減少すると試算されております。機械的に計算いたしますと、この七兆円というのは消費税率二・六%分に相当するわけでございます。ですから、この原油価格の下落によって資源関連企業の中には打撃となるところも当然出てくるわけですけれども、多くの企業や国民にとっては相当な減税になったのと同じことになるという面もあるわけでございます。この効果はいずれ現れてくるというふうに思います。
 ですから、原油価格の下落については、産油国等の経済の悪化を招き世界経済に悪影響を与えるとか、あるいは株価の下落によって日本経済も大きな影響を受ける、あるいは我が国のデフレ脱却の時期が遅れるんじゃないかという暗い面ばかり強調される嫌いがあるわけですけれども、私は原油価格の下落が日本経済や国民生活に与える良い面、良い影響というものも政府はしっかりと説明をすべきだというように考えますが、石原大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) 私も、中川雅治委員が今御指摘されたとおり、原油価格の下落によってのプラス面というのは意外に私たちの周りにあるんじゃないかと常々思っておりました。例えばガソリンですけれども、高くなったときは非常に気になるんですが、今はリッター当たり、街道筋見ますと、百円をもう切っている。そういうようなことで、どうもやはり産油国とか資源国の経済の悪影響から原油価格の下落の負の面ばかりが喧伝されているような気がしてならないわけでございます。その委員の御指摘というのは、まさに原油消費国である我が国にとっては本来プラスの面が大きいんですよと、これをしっかり説明していかなければならないという御趣旨だと聞かせていただきました。
 総論的なことをお話しさせていただきますと、輸入価格が下落するということは、我々は十四兆円普通ですと買っていたものが、先ほどの委員の御説明ですと七兆円で済む、すなわち海外の買物が安く済むわけですので、国富の流出というものが抑制されることになります。あるいは、このことによりまして油を使う企業はコストが低減しますので、収益環境というものは改善する。そして、家庭の話、先ほどガソリンの話をしましたけれども、やはり電気代はかなり実感できるぐらい下がっていると思います。それはどういうことかというと、家計の実質所得が増加することだと思っております。ですから、やはりプラスの面がかなりあるということはやはり再認識する必要があるという中川雅治委員の御指摘は、まさに的を得た御指摘であると認識をしているところでございます。
 また、ガソリンや灯油などの燃料価格が素材価格を低下するという面も忘れてはならないと思います。消費者や企業マインドに対してもプラスの影響を与える、こういうこともやはりもっともっと説明をしていく必要があるということを中川雅治委員の質問を聞かせていただきまして強く感じたところでございます。
○中川雅治君 ありがとうございました。是非、石原大臣が今御答弁されましたような正確な説明をもっとしていただきまして、国民の皆様に原油価格の下落は良い面があるのだということも、日本経済にとっても良い面がある、これからまたそういう効果が出てくるということを説明をしていただきたいというように思います。
 このところの世界の株式市場等の様相から、市場関係者の間の不安を払拭し、国際金融市場を安定させるためには、主要国の間で政策協調することが大事であるという声が高まりました。そうした中で、先週末、G20、財務大臣・中央銀行総裁会議が開かれました。G20で採択された共同声明では、金融、財政、構造改革、全ての政策手段を個別にまた総合的に用いると強調しまして、金融市場はひとまず落ち着きを取り戻したというように思います。
 特に、今回のG20におきまして、先ほど安倍総理からもお話がございましたが、最近の市場の変動の規模は、その根底にある世界経済の現在のファンダメンタルズを反映したものではないということ、また、為替レートの過度の変動や無秩序な動きは経済及び金融の安定に対して悪影響を与え得るといった点について合意を得られたということは大きな意義を持つものであるというように私は認識しております。
 麻生財務大臣はこうした合意に向けて強いリーダーシップを発揮されたというように伺っております。麻生大臣としては、今回のG20についてどのように評価しておられるのでしょうか、お伺いいたします。
○国務大臣(麻生太郎君) この種の会議というのは総じて利害が相反する国が当然出てきておりますので、サウジアラビアとかそういった輸出国、ロシアを含めまして、そういった国にとりましては、原油価格等々の下落、暴落というのは自国の経済に極めて大きな影響を与えておるというのはもう想像できるところですけれども。
 輸入をしております私ら日本とか中国とかそういった国にとりましては、今、中川先生おっしゃったとおりに、極めていい意味での影響を被っておりますので、貿易収支が大幅にこのところ赤字だったものが急激に縮んだのは、原発停止に伴います石油の急激な輸入、それによって値段も上がった等々によりまして日本の貿易収支は大幅な赤字だったんですが、それが急激に縮んでいったというのも、これは日本の経済にとりましては非常に大きな影響を与えるという、こちらにとってはメリットですが、向こう側にとってはそうじゃありませんので、これらの意見を調整するというのは、かなりないろいろ意見を調整するのに時間が掛かるものなんですけれども。
 世界経済のいわゆる基礎的な状況というものはそんなに悪くないということに関しては、これは皆ほぼ同様な意見をお持ちだったことが一点と、各国かなり石油の値段を競争して、最後に今イランとイラクだけが残っていると思いますが、あとのところは総じて、OPEC、ロシアを含めまして、総じて何となくこの石油の値段というものはいいかげんにしておかないと、損益分岐点を大幅に割り込んでおりますので、このままでは自国の経済もたないし、外貨準備高も大幅に減っていますし、そういったものを含めてこれ何とかせないかぬという意識がそこそこ皆あったので、これはお互い譲るべきところは譲ってそこそこ合意をしないと、結果的に回り回って、自国も先に回ったらえらいことになり得るという可能性に関しての危機感というものは、かなりこの半年間ぐらいの間、去年のアンタルヤから四か月の間にかなり醸成をされてきて、四か月前とは随分、まあ根回しいろいろありましたけれども、回ってきた結果、少しそういったものに対する理解が広められてきた、共有されてきたということになってきたのが、今回のいわゆるコミュニケというものの中に日本の言い分等々が大幅にわあっと載っかっていますけれども、ああいったのが載せられるのは四か月前はとても難しかったと思っていますけれども、今回はそれができるようなことになったというのは非常に大きな成果であり、各国きちんとした対応をしないと自国の利益につながらぬという意識に関しては、大いなる共有、意識を共有できたというのが大きな成果だったと思っております。
○中川雅治君 麻生財務大臣の御努力に敬意を表したいと思います。
 今後、今回の合意によって提示された課題に各国が正面から取り組むことが重要でありまして、こうした各国の取組について、五月には伊勢志摩サミットがございますし、七月には中国の成都で開かれるG20財務大臣・中央銀行総裁会議がございますし、また九月には中国の杭州でG20サミットが開催されるわけでございます。ですから、こうした国際会議に向けて、今回のG20の合意で示された各国が取るべき施策について、各国の間で、関係国の間でしっかりとフォローをしていくということが大事だというように思います。
 先ほど、繰り返しになるわけですけれども、安倍総理は、日本経済のファンダメンタルズは良好であるということをおっしゃいました。こうした情報を政府・与党は積極的に発信し、国民の皆様に安心感を持っていただくということが重要であるというふうに考えます。しかしながら、国民の皆様は日本経済の将来の見通しについて決して楽観していないことも事実だというように思います。経済成長の隘路の根本には少子高齢化という構造的な問題がございます。国民の皆様はそのことをもう感じ取っているわけなんですね。
 我が国は、既に人口減少局面に入っておりまして、人口減少がこのまま進むと、百年後には約四千万人になると、こういう推計もございますし、さらには三百年後は四百五十万人を割ると、こういう試算もあるわけでございます。こうした少子高齢化の進行による人口減少が将来の経済規模の縮小を招く、生活水準が低下していくのではないかと、こういう認識が将来に対する不安、悲観へとつながっていくものと考えます。将来の不安、老後の不安があれば個人消費は拡大しませんし、企業も設備投資をするということについて消極的になってしまいます。
 安倍総理が提唱された一億総活躍社会というのは、そこに向けた様々な取組の中で、国民一人一人の安心感を醸成し、将来の見通しを確かなものにしていこう、そのことによって、消費の底上げ、投資の拡大を促し、経済の好循環を実現しようというものだと考えます。
 安倍総理は、特に一億総活躍社会に向けての新たな第二の矢として希望出生率一・八という目標を掲げられました。私は、これからの日本にとって、まずはこの目標が達成できるかどうかということが極めて重要だというように思います。希望出生率一・八の実現に向けて、希望どおりに結婚ができない状況や、希望どおりの人数の子供を持てない状況を抜本的に改善するためには、まずは若者の雇用、経済的基盤を改善するということが重要な課題であります。そのためには、非正規雇用労働者の正社員転換、待遇改善の推進を図っていくことが必要になるというように思います。
 安倍総理は、二月二十三日の一億総活躍国民会議で同一労働同一賃金に向けた指針策定を指示されました。非正規社員でも正規社員並みの仕事をこなしている、あるいはそれ以上の仕事をしているケースも多いわけでございまして、この同一労働同一賃金の実現というのは、特に若者の経済的基盤の改善のため期待されているところであります。
 安倍総理にお伺いいたします。
 同一労働同一賃金というのはどういうイメージなのか、さらには、そこに向けてどういう道筋を考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本のファンダメンタルズは確かなものがある、これはまさにマクロの観点からしっかりと今、日本の経済は成長しているというお話をさせていただきましたが、実際は多くの方々がどう感じておられるか。
 中川雅治委員は東京が地元でございますが、島嶼部からまさに八王子の近辺の山間部まで含めて多くの地域でミニ集会を重ねて、地域の皆さんの声に耳を傾けておられるんだろうなと、このように思います。そうした観点から御質問をいただいているわけでございますが、先ほどの中小企業の、零細企業の心配、実感についてもお話をいただきました。
 先ほど林大臣から既に答弁をさせていただいておりますが、ちょっとそれも、ちょっと補足をさせていただきたいと思うんですが、確かにこれは、企業は最高の収益を上げておりますが、中小企業の皆さんは、なかなか取引条件が改善をしない、あるいは生産性が悪いという御指摘をされた。生産性を上げていかなければ収入が増えない、そのために投資をしたくてもお金がない、お金を借りようとすると個人保証を求められる、いろんな新しい情報、なかなか分からない、忙しくて、毎日毎日夜までという課題があった。
 まず、取引条件については、経団連に取引条件を改善するようにお願いをしました。そして、先ほど大臣がお答えをしたものづくり補助金。新しいアイデアがあるけど、こういう新しい機械を入れるにはお金がない、そういう皆さんには一千万円。これは工場だけではなくて、サービス業においても旅館業においても生産性を改善して、みんなもっと給料を上げていきたいという人たちにはものづくり補助金が行きます。
 また、お金を借りる、個人保証。これは安倍政権になってから、これは個人保証の慣行を断ち切るという考え方の下、政策金融と商工中金だけで既にこれは数万件を超える個人保証抜きの融資ができています。でも、それを御存じない中小企業、零細企業の皆さんがおられる。
 そこで、先ほど大臣が答弁したように、ワンストップでそういうことも、こういうことができますよ、ものづくり補助金もありますよ、こういう個人保証抜きの融資もありますよ、あるいは、今こういうところにニーズがありますからこっちを行くといいですよという様々な情報を得られることを、それをしっかりと応援をしていく。また、今、金利が下がってきますから、融資、非常に低い金利で融資も入りやすくなった。そういうことも含めて、総合的にしっかりと成長企業の底上げを進めていきたいと思います。
 そして、今御指摘の希望出生率一・八という目標を達成するためにも、働き方改革の実行は不可欠であります。その重要な柱が同一労働同一賃金であり、我が国の労働者の四割を占める非正規雇用で働く方の待遇改善は急務であります。
 我が国の非正規雇用労働者については、例えば女性では結婚、子育てなどもあり、三十代半ば以降、自ら非正規雇用を選択している方が多いことが労働力調査から確認されていますが、パートタイム労働者の賃金水準は、欧州諸国においては正規労働者に比べ二割低い状況でありますが、日本では四割低くなっているとの指摘があると承知をしています。
 このため、女性や若者などの多数の働き方の選択を広げていくためには、非正規雇用で働く方の待遇改善を更に徹底していく必要があると考え、同一労働同一賃金の実現に踏み込むことといたしました。進め方については、一億総活躍国民会議で議論いただいた上で、この春取りまとめるニッポン一億総活躍プランにおいて同一労働同一賃金実現の方向性を示したいと思います。
 具体的には、我が国の労働慣行には十分に留意しつつ、同時に、ちゅうちょなく法改正の準備を進めていきます。あわせて、どのような賃金差が正当でないと認められるかについて、政府としてもこういうガイドラインを示していかないと中小企業も含めて多くの企業の経営者の皆様は不安だと思います。ですから、どのような賃金差が正当でないと認められるかについては、政府としても早期にガイドラインを制定し事例を示していきたいと、このように思います。
○中川雅治君 ありがとうございました。
 同一労働同一賃金の実現といいましても、日本の年功賃金体系とどう調整するのか、正社員には将来への期待、転勤の可能性もあり、同じ職務なら同じ賃金だという単純な考え方は取らないでほしいといったような声が既に経済界からも出ているようでありますけれども、安倍総理のリーダーシップで、是非我が国にふさわしい同一労働同一賃金を実現していただき、一億総活躍社会、そして経済の好循環の実現、持続可能な社会へと進めていただきたいと思います。
 希望出生率一・八を実現していくためには、まずは若者の所得を上げ、経済的基盤をしっかりさせていくことが必要だと考えますが、同時に、待機児童解消に向けた取組が重要であります。
 政府は、待機児童解消加速化プランに基づく平成二十九年度末までの保育所整備目標は五十万人分とするといたしましたが、保育所という箱の整備をしても、保育を支える保育士の確保をしなければ実際に待機児童の解消はできないわけであります。本年一月には保育士の有効求人倍率は二・四四倍となっておりまして、今後も高い水準になることが見込まれております。
 私は東京都選出の参議院議員でありまして、特に東京都は、昨日の質疑においても出ておりましたが、全国で最も保育士の有効求人倍率が高く、本年一月は六倍を超える状況となっております。この待機児童解消のために、東京都では平成二十六年度から二十九年度までの四年間で四万人の保育サービスを拡大することにしておりまして、そのためには保育士が八千八百人必要となるということでございます。
 保育士の平均賃金は全業種と比べるとかなり低い、保育士の処遇改善は急務だと思います。それと、保育士については、例えばリーダー的な保育士になるとしっかりと賃金が上がっていくというようなキャリアアップの仕組みをつくってほしいと、こういう声が出ております。今後の保育人材の確保に対する塩崎厚生労働大臣のお考えをお伺いしたいと思います。介護人材の確保も同じ問題があるんですけれども、今回は時間の関係で保育士について御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、一億総活躍社会づくりの中で、保育の受皿の拡大、四十万から五十万人ということでありますけれども、これに伴って追加的に必要な保育の人材が約二万人ということになるわけでございます。
 保育の現場で働いている方々の処遇改善につきましては、平成二十七年度の当初予算において、消費税を上げたということを受けて三%相当の処遇改善を行ってまいりました。何度か予算委員会でも議論になっておりますあと三千億円の財源の話がよく出てまいりましたが、この少子化対策について、またさらにそれを実現する中で二%更に上げるということも、我々しっかりと財源を確保しながら、更なる処遇の向上に取り組まなければならないというふうに思っております。
 いずれにしても、今回の補正予算とそれから来年度の予算で、保育士を目指す学生の方に卒業後保育士として五年間の勤務をしていただければ返済は免除するというこの奨学金の制度を拡充をいたしました。さらには、一旦仕事を、保育から離れた方々についても、再び仕事に就く場合に保育士として帰ってきていただければ、二年間働いていただければこの返済を免除する再就職の準備金というのも用意をするわけでございます。
 それから、保育現場の厳しい勤務環境、これを改善することによって職場の魅力を増すということのために、保育補助者の雇い上げ支援、それからICTの活用による業務の効率化ということで、保育士の皆さん方の負担を軽減をしていくということも同時にやっていこうというふうに考えております。
 いずれにしても、こういったことで、就業促進そして離職防止に取り組むことが大事だということで、更に保育人材の確保はしっかりやっていきたいと思いますし、特に、今お話しのように、東京などの都市部では大変厳しい状況でありますので、しっかりやってまいりたいと思っております。
○中川雅治君 ありがとうございました。
 保育人材の確保、さらには介護人材の確保について、政府としてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。これが一億総活躍社会の実現に不可欠なことだというように思います。
 次に、オリンピック・パラリンピックについてお聞きしたいと思います。
 オリンピックの開催費用が巨額となる中で、IOCはオリンピックレガシーという概念を強調するようになっております。レガシーというのは、オリンピックを契機として生まれる有形無形の遺産という意味でございます。オリンピック憲章には、価値あるレガシーを残すことを開催都市や開催国に対して奨励するとございます。
 有形のレガシーの代表は競技施設や選手村等でありまして、これはオリンピック以後も有効に活用するということに尽きるわけでございますが、特にユニバーサルデザインの観点から整備した、バリアフリーに配慮した施設を生かしていくということは重要なことであります。
 私は、更に重要なのは無形のレガシーであるというように思います。特に、パラリンピックの無形のレガシーが重要であると考えます。障害者スポーツの普及に関しては、個々の障害者の身体的、社会的な状況が様々でございますので、競技レベルやそれぞれの地域に応じた取組が求められております。パラリンピックを通じて、各地域におけるスポーツ環境のハード、ソフト両面での整備が進展することが期待されるわけでございますが、さらに、障害者への理解促進や障害者の社会参加が進んでいくことが期待されます。
 私は、こうしたパラリンピックの無形のレガシーは極めて重要であると考えますので、その創出、形成に向け、遠藤大臣はどのようなことをお考えになっておられるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(遠藤利明君) お答えいたします。
 まずは、中川委員には、東京都選出となりますが、オリンピック・パラリンピックの開催準備について、大変御指導、御支援いただいております。改めてお礼を申し上げたいと思います。
 さて、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の成功の鍵はとりわけパラリンピックの成功であると認識しておりますし、パラリンピックの成功をレガシーとして、次のユニバーサルデザインの社会をつくるきっかけにしたいと考えております。
 こうしたことから、昨年十一月に閣議決定されましたオリパラ基本方針においては、オリパラ大会の開催を通じて、全国展開を見据えた世界に誇れるユニバーサルデザインの町づくりや、心のバリアフリーの推進により共生社会を実現することを盛り込んでおります。
 昨年秋にロンドンのボリス・ジョンソン市長がおいでになりましたが、ボリス・ジョンソン市長は、ロンドン・オリンピックはオリンピック・パラリンピックを一体として運営したことで成功したんだと、パラリンピックの成功がとりわけ大事だと、そういうふうな話をされた中で、バリアフリーの整備はむしろ日本の方が優れていると思う、しかし、ロンドンにおいては、ハード面におけるバリアフリーも大事であったが、市民が自然にサポートできる心のバリアフリーの普及が進んでおったと、こんなことから成功したんだと、そんな話をお伺いいたしました。
 このようなことから、先日、ユニバーサルデザイン二〇二〇関係府省庁連絡会議を立ち上げまして、ハード面の整備だけではなくて、障害の有無にかかわらず、誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合うことができるよう、心のバリアフリーの普及に向けた施策を幅広く実行する体制を整えたところであります。
 今後、障害のある方々を始め多くの方から御意見をいただきながら、学校教育や民間事業者による接遇対応等も含めて広く国民全体を巻き込んだ取組を実施することによって、パラリンピックの無形のレガシーとして高齢社会も視野に入れた共生社会を実現してまいりたいと考えております。
○中川雅治君 ありがとうございました。
 障害者の方への理解促進、今、遠藤大臣は心のバリアフリーと言われましたが、まさにこのことが重要でございます。パラリンピックを通じて形成される無形のレガシーを大切にする社会を目指して、政府・与党一丸となって取り組んでいきたいと考えます。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で中川雅治君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、西田実仁君の質疑を行います。西田実仁君。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 今、自民党、公明党の連立政権におきまして、経済再生、すなわちアベノミクスの成功、また一人一人が輝く一億総活躍社会、これを実現していくための大きな鍵となるのは地方創生であると私は思っております。
 今、この地方創生につきましては、それぞれの自治体が自主的に取り組んでいくことが最も大事でありまして、今地方版の総合戦略というものが立てられているところでございます。しかし、今後の少子高齢化問題あるいは防災面等々を考えたときには、こうしたそれぞれの自治体の取組だけでは十分とは言えないかもしれません。むしろ、そうした自治体同士が広域に連携をすることによって、様々な諸課題を解決をしていくということがとりわけ大事ではないかというふうに思います。
 一つ事例を挙げさせていただきますと、例えば首都直下地震への対応ということがございます。この首都直下地震、マグニチュード七クラスの地震が三十年以内に七割の確率というふうに言われております。万が一そうなった場合には、一か月以上の避難生活を強いられる方が四百万人ぐらいいるのではないかと、このように内閣府の試算でなされているわけでございます。
 そうしたときに、応急住宅をどうするのかという問題があります。一世帯二・七人という平均で換算いたしますと、必要な応急住宅は約百八十万戸ということになります。しかし、一つの県やあるいは都だけで短時間にこの百八十万戸の住宅を生み出すということは大変難しい。しかし、これを広く目を転じて一都十一県、東京に加えまして千葉、埼玉、神奈川、茨城、栃木、群馬、さらには長野、新潟、福島、山梨、静岡と、この一都十一県と広く広域の首都圏で見ますと、今賃貸住宅で空き家が実は百九十万世帯あるということであります。したがって、広域連携をすることによって、万が一そうした首都直下地震が起きたときにも、被災して避難生活を強いられても翌日から温かいお風呂に入ることができる、そういう可能性すらこの広域連携にはあるということであります。
 また、高齢化の問題も同様でございまして、特に東京圏におきましては、今後、二〇三〇年に向けては二百万人、さらには、一旦減りますけれども、二〇五五年というこれから四十年先を見ますと三百四十万人まで七十五歳以上の人口が増えていく。しかし、この東京圏を除きますと、実は二〇三〇年をピークにこうした七十五歳以上人口というのは減っていくわけでございまして、これをうまく広く連携することによって、こうした高齢化の問題についても解決をする可能性があります。実際に、東京都杉並区におきましては、静岡県の南伊豆町というところと提携をして、特別養護老人ホームをそちらに建てているというケースもございます。
 こうした地方創生につきましては、地方が抱える高齢化や人口減少、防災等様々な課題がございますけれども、地方自治体が広域に連携をして諸課題に取り組むことがとりわけ重要ではないかと考えますけれども、地方創生担当大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(石破茂君) 昨年の十月の二十八日だったと思いますが、さいたま市におきまして東日本の地方創生連携フォーラムというのがございました。私も行ってお話をしてまいりましたが、間もなく北海道新幹線も函館まで行きますが、その会合には函館市長、あるいは東北新幹線の沿線の市長、上越新幹線、北陸新幹線沿線の首長さんがお集まりになりまして、委員が御指摘になりました防災であるとかあるいは観光であるとか、そういう広域連携のお話を随分活発になさっておられました。
 これから先、間違いなく人口は減るわけです。首都圏というのは人類が経験したことのない規模とスピードで高齢化が進むわけで、そうすると、どうやってそれに対応するか、またいろんな施設をどのようにして共用していくかということも考えていかなければなりません。
 また、観光というのを考えたときに、成田とか羽田だとかにぽおんと下りてゴールデンルートだけ行っていても仕方がない話であって、どうやって近隣で連携し、これから先、定住人口はしばらく減るわけですから、交流人口をどれだけ増やすかということであります。
 ですから、一つの自治体だけで事が完結するはずはないのであって、防災においても、あるいは観光においても、あらゆる面で連携というのは極めて重要であると。で、埼玉の果たす役割というのはその中で非常に大きなものがあるだろうと思っております。
 地方創生というのは、首都圏、東京の人や富を全国にばらまこうなんぞという、そういうつまらぬ取組ではございませんので、広域的な連携を通じて、首都圏というのもその持てる力を更に発現していくような、そういうような取組をお願いしたいと思っております。
○西田実仁君 大臣、埼玉の名前を何度も言っていただき、ありがとうございます。
 この広域連携というのは、自治体同士の連携はもちろんですけれども、加えて、国やあるいは民間の企業との連携ということも必要になってくるというふうに思います。しかし、その連携していくためには当然共通のビジョンというもの、なければなりません。その共通のビジョンを打ち立てていくために、今広域地方計画というものが立てられているというふうに聞きます。その計画を立てるために自治体、国、民間が連携をして広域地方計画協議会というものをつくり、そこで共通のビジョンを作成し、加えて、ビジョンのみならず具体的なプロジェクトも作ろうとしているということであります。
 これは、かつていわゆる何全総と言われた全国総合開発計画とは違いまして、まさに地元から、地域から積み上げていって、国や、また国だけでなく自治体そして民間と、みんなが協議をしていく中で積み上げていく、そういう上から目線とは違う地域からの積み上げによる国土の利用計画であると私は思っております。
 この広域地方計画協議会というものが既にもうでき上がっておりまして、これにつきまして、今の活動状況、また広域地方計画の策定状況について、国土交通大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 昨年、新たな国土形成計画の全国計画が閣議決定されたことを受けまして、現在、全国八つの広域ブロックごとの国土づくりの戦略となる広域地方計画の策定を進めております。計画の策定に当たっては、各ブロックにおいて、今委員から御指摘がありましたように、地方から声を上げていただく、地方から積み上げていく、そういった仕組みとしまして、地方自治体、経済団体及び国の関係機関から成る広域地方計画協議会を設置をし、広域的な地域間連携の在り方や官民協働のプロジェクトの検討、協議が行われているところでございます。この二月には各協議会において計画原案が取りまとめられたところでありまして、パブリックコメント等を経て、今年度中をめどに決定をする予定でございます。
 決定後は、広域地方計画協議会を中心としまして、地方創生との連携、調整を図りつつ、国と地方、官民の連携により計画を推進していくことが重要と考えております。
○西田実仁君 まさに今御指摘いただきました広域地方計画こそアベノミクス成功の中心的な鍵を握ると私は思っております。
 今手元にございますのは首都圏の広域地方計画と言われるものでございまして、先月二月の二十五日に策定をされたもの、原案であります。ここには様々なことが書かれてありますけれども、一言で申し上げますと、対流型首都圏をつくっていく、それぞれ個性の違う地域が連携を広くすることによって対流を、温度差による対流という、その対流を起こして、首都圏一体となって活性化していこうと、こういうことであります。
 例えば観光客を見ていただきますと、今外国から訪日旅行客が増えております。しかし、その七割は東京に集中をしています。しかし、日本人も含めた全体の旅行客で見ますと、東京のシェアは七割ではなくて三割であります。つまり、東京以外の栃木とか茨城とか群馬とか、あるいは静岡とか福島とか北陸とか、そういうところに、日本人はいろんなところにいいところを見出して宿泊しているんですけれども、訪日する外国人は東京に一極集中している。これをどう変えていくのかという視点も述べられておりまして、図を御覧いただきたいと思います。(資料提示)
 この都県別外国人延べ宿泊者数の試算というものでございまして、緑の帯は現在の状況、そしてこれをそのまま外国人三千万人の時代といったときに、単純拡大してしまうと、東京に実は二千九百五十四万人宿泊しなきゃいけなくなってしまうと。現状は千三百万人なんですけど、これが二千九百五十四万人、これを東京で全部収容するのはとてもとても無理であります。しかし、日本人も含めた旅行客全体の割合に分散し直しますと、東京は今と同じ千三百万人の外国人で済むわけですね。逆に、千葉、神奈川、埼玉、栃木、群馬、山梨、茨城、静岡、長野、福島、新潟と、いずれも増えていくと。つまり、東京に一極集中している訪日旅行客の方を、今、日本人が宿泊しているのと同じように広域に分散をしていくことによって約五百万人分ぐらいの旅行客の需要が生まれてくるということでございます。
 これは大変地方創生にとっては大事でありまして、外国の旅行客十人で定住人口一人が年間に消費するのと同じ消費をしてくれるということでありますので、五百万人が分散されて宿泊すると、外国人が旅行で泊まるということになると、五十万人分の定住人口が東京以外のところに生み出されるという、そういう効果をもたらすということでございます。それだけ大きな効果があります。
 防災面におきましても、これは防災・減災ということは成長・発展戦略とまさに一体で考えていかなければならないわけで、そういうことがこの首都圏の広域地方計画にも書かれてございます。
 この対流型首都圏をつくっていくという中にあって、先ほど石破大臣もお触れいただきましたけれども、その一つのプロジェクトに東北と北陸と北海道をつなぐ首都圏対流拠点の創出というプロジェクトが実はこの原案の中に盛り込まれております。これは、昨年の北陸新幹線、そして今年三月、今月、三月二十六日の北海道新幹線がいよいよ開業することを生かしまして、首都圏と東北、首都圏と北海道、そして首都圏と北陸、これをつないでいく、連携を強化するために、新幹線の六つの路線が集結するのが実は大宮でございまして、その玄関口となる大宮を対流拠点として位置付ける、そして首都直下地震の際にはさいたま市が首都圏のバックアップ拠点として機能してもらう、そういうプロジェクトとして作られているわけであります。
 例えば、先ほど東京に一極集中する外国人観光客の話を申し上げましたけれども、これを東北や北陸に分散をしていくということには、新幹線の玄関口である大宮と成田のアクセスを強化をしていくことが必要である。あるいは、オリンピック、これはさいたま市でもバスケットボールあるいはサッカーが開催されますけれども、その機会を捉えて、それぞれの地域の歴史とか文化、あるいは芸術や物産等を世界の人々に知っていただく、そして、ついでにそちらに立ち寄っていただけるような連携プロジェクトも進めていくべきであるというふうに私は思います。
 実際に、先ほど石破大臣お触れいただいた昨年十月には、さいたま市に函館や福島市、あるいは郡山、新潟、金沢など十三の市長さんが集結されて、そこで大宮に集結してフォーラムが開かれました。このさいたま広域プロジェクトというのはまさに東北の復興ということにも資すると、こういうことで皆、意気軒高だったわけであります。
 この埼玉には実は国の出先機関も集積をしておりまして、病院等も充実しております。平時には東日本の玄関口として機能するばかりではなくて、有事には首都直下地震の復旧復興を支えていく拠点として機能していくということがこの原案には述べられているわけでございます。
 もう一つ図を見ていただきますと、こうした大宮に新幹線が六路線集結することに加えまして、圏央道が昨年、埼玉県内つながっております。そのことによりまして、東北道や関越道、そして来年度中には開通するであろう常磐道を始めといたしまして、中央道や東名高速道路などをつなげる役割を果たしていくわけであります。災害時には各地の血液センターをつなぐ緊急輸送道路にもなるのがこの圏央道ということもありまして、そうした機能もまさに対流拠点としての埼玉が果たしていくということがこの原案には述べられているわけであります。
 いわゆる何全総という全総は、今まで六回、戦後作られてきました。今回は言わば七回目に当たるわけでありますけれども、この国土計画が策定される七回目になって、初めて実は埼玉ということがこの事業計画の中に位置付けられたということでございます。こうした考え方は、まさに中央からの発想では、目線では出てこない、地域積み上げだからこそ出てきたということで、こうした動きを政府全体として支えていくということが大事であろうというふうに思っております。
 中でも、この広域地方計画、広域地方計画協議会の活動は中心を成すものでありまして、国土交通省のみならず各省庁ともよく連携をして、政府全体としてしっかりとその後ろ盾をしていくべきであるというふうに思います。このことについて、大臣の御見解、また、さいたま広域プロジェクトについての御評価もいただければと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 広域地方計画に盛り込まれるプロジェクトにつきましては、効果的かつ着実な推進に向けまして、広域地方計画協議会を中心として、関係省庁が連携協力して一体となって取り組んでいくことが重要と考えております。
 また、今御紹介いただいた首都圏の計画原案に盛り込まれたさいたまプロジェクト、さいたま広域プロジェクトについてですが、これは、東北、北陸、上越方面からの新幹線が集結するさいたま市を東日本の玄関口と位置付けております。その上で、さいたま市において、首都圏と隣接する各ブロックとの対流拠点としての機能、また、災害時に首都圏をバックアップする最前線としての機能を強化することとしております。
 こういった広域連携のプロジェクトは、国土形成計画の全国計画で掲げました対流促進型国土を実現するための拠点を形成するものとして重要な取組になるものと認識をしているところでございます。
○西田実仁君 石破大臣にお聞きしたいと思います。
 地方創生の推進交付金というのがいよいよこの予算、来年度予算に盛り込まれています。こういう広域な連携にこそ、まさにこの地方創生の推進交付金ということは是非後押しをしていただきたいと、そうした要請があった場合にはしっかりとした後押しをお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(石破茂君) 地方創生におきましては、今国交大臣からも答弁がございましたが、地域間連携というのが必要だと、官民の連携が必要だと。そしてまた、政策間の連携、一つの政策だけを実現させるのではなくて、政策が複数にわたって実現されることが必要であるというふうに考えております。
 それから、委員御指摘のように、上から下りてくる話じゃなくて、ボトムアップ型の、官民が連携し、地域が連携し、複数の政策が成就されるということが極めて重要だというふうに認識をいたしております。
 したがいまして、この原案を作成する広域地方計画協議会、委員が何度もお触れになっているものであります。これには民間団体も含まれておるわけでございますので、こういうものから提案がありました場合には、新型交付金も含めまして、積極的にこれをバックアップすることが極めて重要であると思っております。
 そこにおきましては、精神論もよろしいんですけれども、やっぱり経験と勘と思い込みで政策をつくられても困るのでありまして、いかにして数字をきちんと分析をするか、まさしくそれは民間の得手とするところだろうと思っております。そこにおいて、三つの連携をきちんとやりながら、ボトムアップ型の地方創生というものを実現をしたいというふうに考えておる次第でございます。
○西田実仁君 ありがとうございます。まさにボトムアップ型の地方創生こそ、この政権の最重要な課題だというふうに思っております。
 総理にお聞きしたいと思います。
 この今私がるる申し上げましたのは、首都圏だけではなくて、全国で八つの実はこの広域地方計画協議会がそれぞれ取組をしているわけです。地方創生という取組につきまして、私は、連携が連携を呼ぶ、連携の嵐のようなものをこの日本全国に、日本列島全体に起こしていくということがまさに地方創生であり、アベノミクスの成功につながるというふうに思っているわけでありますが、こうしたことを政府一体となって連携の嵐を後押しをしていくということについての御見解をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も、まさに今、西田実仁委員が言われた連携の嵐をつくっていくことこそ地方を豊かにしていく、元気にしていく、地方創生の鍵の一つではないかと思います。
 新たな国土形成計画では、個性豊かな地域が相互に連携することによって、人、物、情報等が双方向で活発に行き交う対流促進型国土の形成を基本コンセプトとしています。着実に整備が進む高速道路や新幹線等の高速交通ネットワークも生かし、個性と連携による対流で地域の活力やイノベーションを創出するため、全国八ブロックで広域的なプロジェクトの検討が進められています。
 この三月には北海道新幹線が函館まで開業します。委員御指摘のさいたま広域プロジェクトにより、大宮駅の機能向上やMICE等の拠点が整備され、さいたま市が東日本ネットワークの結節点となることで、首都圏と東北圏や北陸圏、さらには北海道まで活力ある対流が促されるものと考えています。
 つまり、単に大宮駅の機能向上は大宮駅にとどまることではなくて、このように対流が進んでいく、そして広域による、まさに今委員がおっしゃったように連携の嵐が進んでいくように、大宮駅のこの新たな機能の向上が関東地域、それはしかし、更に多くの、八つのブロックにも拡大していくものではないかと、こう考えています。
 広域地方計画に盛り込まれたプロジェクトを効果的かつ着実に推進していくことで、地方の主体的な取組を政府一丸となって支援し、全国各地に連携の嵐を西田実仁委員とともに起こしていきたいと、このように考えております。
○西田実仁君 大変に温かいお言葉をいただきまして、ありがとうございます。
 次に、軽減税率制度についてお聞きしたいと思います。
 消費税が一〇%になりますときには軽減税率制度を導入する消費税法の改正法案が、既に衆議院から参議院へと送られました。これまでの議論としては、消費税の逆進性対策ということで総合合算制度とかあるいは給付付き税額控除ということも論じられてきましたけれども、先ほど別の委員からもお話がありましたように、これらを実現するためには正確な所得や資産の把握ができなければできない、しかし、これは非常に困難であるということ、また、いずれも買物のたびに感じる痛税感を緩和するということには直接つながらないわけでありまして、したがって、結局、消費税一〇%引上げ時に逆進性対策や痛税感の緩和策として現実的かつ実行が可能である、効果があるのは軽減税率制度しかないんだというのが衆議院の結論で、こちらに、今参議院に来ているということであります。
 そこで、まず総理に総論的にお聞きしたいと思いますけれども、これからの社会保障を支えていく基幹税としての消費税、これが一〇%と二桁になるときに、食料品全般に幅広く軽減税率制度が導入される。かつ、平成三十三年四月からは、いわゆるインボイスと言われる商品ごとに税率と税額を記載する制度が導入される。この意義について、消費税に対する国民の皆様方からの御理解という観点も含めて御答弁をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍内閣においては、社会保障を充実をさせ、そして国の信認を確保するために、三党合意に沿って、五%から八%、そしてさらには八%から一〇%、二度にわたって消費税を引き上げていくこととしております。
 しかしながら、十七年ぶりとなった前回の引上げ後は、予想よりもはるかに消費の落ち込みが大きく、そして長く続きました。来年四月に八%から一〇%へと引き上げていくに当たり、私は、国民の皆さんに納得していただく必要があると申し上げてまいりました。消費への影響にも配慮しなければなりません。
 こうした中で、消費税の軽減税率制度は、税制抜本改革法に基づき、消費税率引上げに伴う低所得者への配慮として導入するものであります。この軽減税率制度は、給付付き税額控除といった給付措置とは異なり、今、西田実仁委員が御指摘をされたように、まさに日々の生活において幅広い消費者が消費、利活用している商品の消費税の負担を直接軽減することによって買物の都度痛税感の緩和を実感できるとの利点があり、この点が特に重要であるとの判断により導入を決定したところであります。例えば、千円のものが千百円とはならずに千八十円のままだなということを感じることができるということであります。
 さらに、年収の低い方の飲食料品等の消費支出に占める割合は、収入が高い方、高収入の方よりも高くなっています。消費税が有しているいわゆる逆進性の緩和の観点からも有効であると思います。
 また、事業者への配慮を行いつつ、平成三十三年度からインボイス制度を導入することとしており、これによって複数税率の下で適正な課税を確保できるものと考えています。
 こうした軽減税率制度の導入により、日々の生活の中で痛税感の緩和を実感していただけるとともに、適正な課税が確保されることを通じて消費税制度への一層の理解や信頼につながることも期待できると確信をいたしております。
○西田実仁君 衆議院の議論では、インボイス制度について随分ありました。免税事業者はこのインボイスを発行できませんので取引から排除される、あるいは課税事業者への転換を余儀なくされるなどして、あたかも全ての免税事業者が廃業に追い込まれるかのような議論さえあったわけであります。
 しかし、本当にそうでしょうか。実際に、例えば消費者を相手にしている免税事業者の方は決してインボイスを求められることはありません。また、仮に企業を相手にしていたとしても、相手が簡易課税制度を導入しているところであれば、インボイスではなくても、当然売上げだけで計算できるわけであります。また、全ての免税事業者が課税事業者に転換するということに仮になったとしても、簡易課税制度を選択すれば仕入れ税額を計算することは必要ないわけであります。すなわち、インボイスを導入したからといって全ての免税事業者が廃業に追い込まれるような議論というのは、私は明らかに行き過ぎではないかというように思います。
 もちろん、インボイス制度の導入によって免税事業者が影響を受けるのは事実であります。ですから、今般のこの税制改正法案にも円滑に制度を導入できるような様々な配慮がなされておりますし、いわゆる検証規定ということも盛り込まれているわけでございます。
 そこで、財務大臣にお聞きします。
 今回のインボイス制度の導入の意義並びに免税事業者を含む中小事業者の方々が円滑に制度を導入できるよう、今般の税制改正法案にはどのような配慮がなされ、措置が講じられようとしているのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) インボイス方式とよく言われておりますが、正確な日本語で言うと適格請求書等保存方式というのは、多分直訳すればそういった意味なんだと存じますけれども、長いものですから、このインボイス方式という言葉が今何となく広まっておりますけれども、いわゆる複数税率というものをやります場合においては、間違いなくこういった制度が必要。なぜ必要かといえば、売手が軽減税率で申告したけれども、買っている納入業者、BツーBの場合ですけれども、納入業者の場合は標準税率でやったという形にして仕入れ税額控除ということにしますと、これは明らかにそこに不正が発生する、二%差が出ますので不正が発生すると。
 したがいまして、事業者相互間である程度牽制をしていただいておく必要があろうと思いますので、そういった意味では、税額計算というものをきちんと確保するためにはこういったような仕組みを導入しておかないと、複数税率というものは非常に複雑かつ抜け穴だらけみたいな話になりかねぬということになろうかと存じます。
 そこで、我々としてはこの方式が、適格請求書方式ですけれども、これにおいて税額が明確ということになりますので、逆に言えば売手、今度はBからCに売っている場合でも、BからBに売る場合でも同じですが、価格転嫁、これにはちゃんと税額が掛かっているんですからという価格転嫁がしやすくなりますので、これが税額ですということを示せるということになろうという点もあろうと思いますが、いずれにいたしましても、こういったことでやっていこうと思っておるんですけれども、今御指摘のありましたように、免税事業者からの仕入れというのは仕入れ税額控除というものができないということになるので、課税選択を余儀なくされるので課税業者の方に無理やり移行せいということになるのではないかという懸念の声があるということも事実です。
 したがって、私どもは、これは免税事業者への影響は実に様々なんだと思っております。例えば、簡易課税というのがありますが、御存じのとおりですが、これを適用している納入業者にとりまして、失礼、納入先業者は仕入れ税額というのを積み上げて計算する必要がありませんので、簡易業者の場合は、したがって、いわゆる適格請求書、インボイスというものを必要としません。
 したがいまして、免税事業者から取引を排除されるということは基本的にあり得ませんので、例えば地元の小さなスーパーとかレストラン等々が地元の農家から直接物を仕入れているというのは多分こういった例に当たるんだと思いますけれども、そういったことにはならぬと思っております。
 また、免税事業者が課税選択というのを行うということになりました場合も、その業者が簡易課税という制度を利用することによって、いわゆる事務負担というものが一挙にぼおんと軽減できる、通常と変わりませんから、そういったことに軽減するということも可能だと思っております。
 そして、免税事業者としては、こういった事情というものをよくよく理解していただいた上で課税業者への転換というものを決めていただかないと、安易に決められるということではいかがなものかと思いますので、適格請求書等保存方式と言われるこのインボイス制度というものの導入というものは、これは二十九年、来年四月から導入をさせていただくと、それの四年間掛けまして平成三十三年の四月からということで、まず準備期間というものを四年は置かせていただかないと、これ、実にいろいろな、初めてのことですから、いろんなことがあろうと思っております。
 また、仮にインボイス方式というものが導入されてから六年間、六年間は免税事業者からの仕入れというものにつきましては、これは一定の仕入れ税額控除を認めるということにしておりますので、前半三年間は八〇%、後半三年間で五〇%というような簡易なやり方を考えるといたしておりますので、我々としては、トータル十年間の十分なる期間もあろうかと思っております。
 また、この方式導入までの間、導入いたしますまでの間は、複数税率に対応したいわゆる経済用語で区分経理というものの整理が困難な小企業者、零細業者はおられるということをある程度考えておかぬといかぬところだと思いますので、この税額計算の特例というものを設けることにして、いわゆる小規模の小売業者が複数税率に対応するために必要なレジとか、それからPOSなんてそんな大きなシステムじゃないでしょうけれども、小さなシステムというものを改修するのに必要な資金の手当て等々は、既に予備費やらまた補正予算等々で手当てをさせていただいております。
 いずれにしても、今回の税制改正の附則におきまして、この制度の導入に当たって、いわゆる事業者の準備状況及び事業者の間の取引等々への影響など、これ、我々でもいろいろ調べさせていただきませんと、実際わあわあわあわあ言うけど本当にどうなるかというのはよく分かりませんので、そういったものをきちんと検証させていただいた上で我々としてはきちんとした対応を行おうということを考えておりますので、御心配な点は多々あることは重々承知しておりますけれども、そういったものに私どもとして全力を挙げて取り組みたいと考えております。
○西田実仁君 今大臣お示しいただきましたように、いわゆる平成三十三年四月にインボイス制度が導入されるまでの間は、現行の請求書等保存方式が基本的には維持されるということであります。しかし、今度は軽減と標準という二つの、複数の税率になりますので、それをきちんと区分をするということが必要です。その際に、例えば米印等によって区分していくというやり方も示されています。
 しかし、今図で示させていただきますように、事業者の方から、こういう米印ではなくて、軽減税率対象の商品の請求書は請求書、つまり八%の請求書、そして標準税率一〇%の対象の商品の請求書、一〇%の請求書と。この図にありますように、ここではスーパー等の統一伝票の例をイメージで挙げておりますけれども、一〇%ということをきちんと書いて、この請求書はもう全て一〇%ですよ、あるいはこの請求書は全て八%ですよ、こういうふうに分けてやるやり方がいいんじゃないかと、こういうのを是非認めてもらいたいんだというお声があります。
 私たちはこの事業者の方々の声をしっかりと聞いて、もちろん適正な課税が確保されることが大前提でありますけれども、その上で、制度をできる限り柔軟に運用して、事業者の方々のそれぞれの工夫により、軽減税率制度の導入に向けた準備負担をできる限り軽減するということが必要ではないかと思いますけれども、こうしたことが認められるのかどうかということも含めて御見解をお聞きしたいと思います。
○副大臣(岡田直樹君) 制度の具体的な運用の御質問になりますので、私からお答えをさせていただきたいと存じます。
 ただいま財務大臣も答弁申し上げたように、インボイス制度、平成三十三年四月から、四年間の準備期間を置いて導入をされるわけでありますけれども、それまでは原則現行制度を維持しながら、区分経理に対応するために請求書の中に軽減税率対象品目である場合にはその旨の記載をしていただく、また、税率ごとに合計した対価の額の記載も求めることとなっております。このうち、軽減税率対象品目である旨の記載を求める意味は、売手と買手の双方が、売買した商品のうち何が軽減税率適用対象であるかについて検証し、共通の認識を持てるようにすることが目的でございます。
 したがって、こうした目的を達成できるならば特段具体的な方法を限定する必要はないと考えておりまして、先ほど委員から御指摘がありましたような米印などの印を付ける方法も考えられますが、また今御提案があった適用税率ごとに請求書を分けてそれぞれの請求書に税率を明記する方法も採用し得るものと、このように考えております。
○西田実仁君 大変に分かりやすく御説明いただきまして、ありがとうございます。
 先ほど大臣からお話がありました予備費や補正予算に盛り込まれておりますレジの導入支援あるいは受発注システムの改修等の支援の補助詳細はいつ頃示されるのでしょうか。できるだけ早く示していただいて準備に当たりたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(林幹雄君) 本補助金につきましては、中小企業・小規模事業者が補助金申請を円滑に行えるように申請者の手続負担にも配慮した制度設計が必要だというふうに考えておりまして、このため、レジ導入等の支援については、具体的には、応募期間を限定せず随時申請を受け付ける、あるいは申請書類の枚数を最小限とする、申請や金額確定のために通常複数回必要な手続を極力減らすとか、あるいはレジメーカーに補助金申請事務のサポートやレジ操作の指導をしていただくなどを今検討しているところでございまして、軽減税率制度の開始までに中小事業者やレジメーカー等の準備が円滑になされるよう、申請受付前にも対象機種の範囲など支援制度の詳細について明らかにするということを考えているところでございます。
○西田実仁君 支援の対象となる受発注システムの範囲についてお聞きしたいと思います。
 この受発注システムが余り狭く取られると意味がないし、広過ぎても際限がない。この範囲について長官にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(豊永厚志君) お答え申し上げます。
 複数税率対応レジの導入や改修に対する補助とともに、中小の小売事業者や卸売事業者が行う複数税率に対応するために必要となる受発注システムの改修、入替えを補助することとしております。それは先生の御指摘のとおりでございます。この受発注システムの改修、入替えにつきましては、一定額の上限はございますけれども、三分の二の補助ということになってございます。
 このシステムの一つの特徴ではございますけれども、現実的には受発注のみならず経理や在庫管理などと併せて一体的に改修することも想定されますが、その場合でも、取引先との受発注に必要な部分については支援の対象とすることといたしたいと考えております。
○西田実仁君 ありがとうございます。
 次に、子育て世代包括支援センターについてお聞きしたいと思います。
 児童虐待による痛ましい事件が続いております。こうした児童虐待をなくすためには、児童虐待を防止し、かつ妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援を実現することが必要であります。そこで、ワンストップ拠点としての子育て世代包括支援センターを各地において立ち上げていこうということが行われているわけでありますが、現在は予算措置でありまして安定しておりません。市町村の取組を促すためにはこれを法定化すべきではないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、西田先生御指摘のように、子ども・子育て支援新制度の下でこの子育て世代包括支援センターは法定をされていないわけでありまして、予算事業で行っているわけでございます。昨年末に取りまとめました児童虐待防止対策強化プロジェクト、この中で同センターの法定化を盛り込んだところでございまして、これを受けて、子育て世代包括支援センターの法定化を含む児童福祉法等の改正法案を今国会に提出すべく、準備をただいま行っているところでございます。
 さらに、これに加えて同センターの好事例の周知などを行うこととしておりまして、これを通じて、平成三十二年度末までに子育て世代包括支援センターの全国展開をしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○西田実仁君 これは、行政だけではなくて民間の力も十分に活用していくべきではないかと思います。
 総理あるいは厚労大臣も視察されました埼玉県の和光市でございますけれども、ここでは、虐待のおそれがある家庭のみならず、子育てに不安を抱えている家庭に対して訪問して支援する、ホームスタート事業と言っているようでありますけれども、これを民間団体に委託して実施をされております。運営者はNPO法人のわこう子育てネットワーク、中心者は森田圭子さんという方で、既に三十八の御家庭に訪問支援をしているということであります。
 こうした民間の力を利用した取組に対しても積極的に支援していくべきでありますし、ボランティアの皆さんが効果の高い支援に取り組むための研修などの人材育成、これにも取り組むべきと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘のような埼玉県の和光市には総理も私も参らせていただいて、名物部長さんを中心に地域ぐるみで非常に御努力をいただいているのをつぶさに見てまいりました。
 特に今お話ございましたホームスタート事業、これは家庭訪問型の子育て支援でございますけれども、民間団体と協力をして、言ってみればパートナーシップを組んでやっているという先進事例ではないかというふうに思います。
 この子育て世代包括支援センターによります妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援を提供するためには、やはり人材の育成を含めて、地域の実情に応じて市町村と民間事業者の皆さん方とが協力をしてそれぞれの機能を最大限発揮するということがとても大事だというふうに思っております。
 この子育て世代包括支援センターの全国展開に向けて、今お話がございました和光市の取組を含めて、民間事業者等と協力をして実施している好事例を厚生労働省としてもしっかり周知を行っていきたいと思っておりますが、この人材育成の支援に関しましては、まず保健師等の専門職、こういった方々を対象として子育て世代包括支援センターにおける保健指導等に関する研修に対する支援を行うということが一つ。それからもう一つは、必ずしも専門性はなくても子育ての御経験が豊富だという方々についての保育や子育ての支援サービスに従事するために必要な研修を行うということも同時にやっていこうと思っておりまして、こういう中で官民パートナーシップを組んでそれぞれの地域に合ったサービスを提供していくようにしてまいりたいというふうに思います。
○西田実仁君 最後ですが、中小企業支援、下請取引の改善についてお聞きしたいと思います。
 表を見ていただきたいと思いますが、日本経済全体の付加価値の五一%は中小企業、働いている方は七割働いていらっしゃいます。それがいかに今日本経済の成長を牽引しているかということを、一昨日、財務省の法人企業統計が発表されました、それで確認をしたいと思います。
 人件費をどれだけ増やしているのか、設備投資をどれだけ増やしているのか、経常利益がどれだけ増えているのか。これ見て明らかでありますが、人件費は全規模平均二・五%に対して、資本金が一千万から五千万のところが一番増やしているんですね、昨年一年間で。設備投資も一番増やしているのはやっぱり一千万から五千万のところなんです。経常利益が一番増えているのも実は一億円未満のところでありまして、つまり、中小企業がまさに成長を牽引しているというふうに私は思います。その御認識を総理にまずお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 中小企業におきましても経常利益は過去最高水準を記録をしております。日本経済を持続的な成長軌道に乗せていくためには、好調な企業収益を中小企業の業況の一層の改善につなげ、経済の好循環を確実なものにしていかなければならないと考えております。もちろん、過去最高とはいえ、大企業とはこれ水準が違うということももちろん我々は認識をしております。
 このため、生産性の向上に向けた設備投資支援として固定資産税の大胆な減税を行います。多くの中小企業は、言わば残念ながら法人税を払えるというところになっておりませんから、こちらの方で設備投資に減税してもこれは恩典が行かない。今まではこの仕組みしかなかったんですが、ほかの仕組みはないか、これ与党で、自民党、公明党、一緒に知恵を絞った結果、設備投資支援として固定資産税の大胆な減税をこれは初めて行うことにいたしました。
 また、先ほども御説明したんですが、ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金により新商品の開発等も支援していきます。手元になかなかお金がない、これを変えていけば生産性が上がって利益も出てみんなの給料が上がっていく、でもお金がないという方に対しまして、その生産性を上げていくアイデアに対して一千万円、物づくり、かつては工場だけだったんですが、サービス業等々にも広げた補助金を行っていきます。
 また、財政面に加えまして、経験豊富な専門家が相談に応じるワンストップ窓口を拡充していきます。中小零細企業の人たちは、もう仕事で朝から晩まで忙しくて、いろんな新たな経営方針とかこんなメニューがあるって考える時間はないんだろうと思います。ですから、一か所で、こういういい融資がありますよと、個人保証は要らないこういう融資がありますよというアイデア、経営方針についてもいろいろと、この情報プラスいろんな知恵も提供していただける、中小企業・小規模事業者の様々な経営課題にきめ細かく対応してまいります。
 あらゆる施策を総動員して、地域の中小企業・小規模事業者にその活力を最大限発揮をしていただくように全力を挙げていく考えでございます。
○西田実仁君 そういう意味で、この下請取引をしている中小企業の支援策ということで今回実態調査を大規模にやっていただいています。特筆すべきは、大企業のみならず、三次、四次という取引上の立場が弱いというおそれのある下請企業の意見もしっかりとヒアリングされているという、これは私は大変大事だと思うんですね。
 この下請取引が厳しいということは言われていても、意外と実態はもっと厳しいんだという声を地元でよく聞くわけでございまして、この調査は是非継続していただきたいということと同時に、法的には触れていなくても実際には大変だという、そういう取引上の改善も、これは是非実態調査に基づいて促していただきたいと思います。最後の質問、総理にお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 取引条件、これは極めて重要であります。大企業は、特に輸出企業は大きな利益を上げておりますが、下請企業というのは、言わば円高が是正されたメリットがなくて、むしろ海外から輸入する、むしろ円安が逆になっている、そこで条件が変わらなければ結局厳しいということになっています。
 ですから、我々、利益を上げている企業は特にそうなんですが、この実態調査をしっかりと行いまして取引条件の改善に努めていきたいと、このように思っております。
○西田実仁君 終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で西田実仁君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、秋野公造君の質疑を行います。秋野公造君。
○秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。お役に立てますよう質疑をしたいと思います。
 まず、総理にお伺いをしたいと思います。
 アベノミクスの推進により景気が回復をいたしました。そして、デフレではないという状況まで参りました。全ての方が賃金の上昇を実感してもらうために、まずはお伺いをしたいと思います。
 昨年、経団連が公表しました二〇一五年春季労使交渉妥結結果を見ますと、大手企業の妥結額が平均して八千二百三十五円、中小企業は平均して四千七百二円という結果であります。
 パネル、お手元の資料を御覧をいただきたいと思いますが、(資料提示)一般的に、上段でありますが、給料がこれぐらい上がってまいりますと、社会保険料の増額分を差し引いても手取り額は増加をするということになりますが、これを二十歳から二十四歳の若年者について見ますと、平均三千円の賃上げにとどまりますと社会保険の増額分が給与の増額分とほぼ相殺をされてしまうということでありまして、三千円が平均でありますれば二千円の方もいらっしゃいましょう。こうなりますと逆転現象も起こるということであります。
 社会保険料は、労働者が将来の医療又は年金、こういった不安を抱えることなく安心して働くことができる基盤整備のためのものでありますので、特定の目的のために軽減をするといったようなことはできるものではないと私も思いますが、賃上げの効果が見えにくい若年者にも賃上げの恩恵を実感してもらうためには、更なる処遇改善を行おうとする事業者の支援を検討してはどうかと考えます。
 補正予算では、非正規労働者の方が正規労働者に転換する際に社会保険料の負担が発生することによって手取り額が減少しないよう、キャリアアップ助成金を拡充して事業者を支援する施策が盛り込まれました。大変意義あることで、正規雇用の促進がなされると思います。
 手取りが少ない若年者の正社員についても、更なる賃上げ等で処遇改善を図った事業主に対して、例えば雇用保険二事業を活用した支援策を拡大してはどうかと考えますが、総理の見解を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、秋野委員から、経済が良くなって賃金が上がっているけれども、しかしなかなかそれを実感できない、そういう理由の一つを御説明いただいたと思います。
 現在の制度においては、委員の御指摘のような、社会保険の標準報酬月額の等級が一つ引き上げられた場合に、社会保険料の増額により手取りが若干減るケースが考えられます。
 政府としては、アベノミクス三本の矢の政策によって経済の好循環をより一層進め、雇用・所得環境の改善を進めていきます。より力強い賃金上昇の実現を促すとともに、消費の底上げ効果が発現し、若い方々にも賃上げの効果を実感していただけるよう、各種政策に取り組んでいきます。
 若い方々、働く方々にとっては、職場に定着し安心して働き続けられるようにするためには、何よりも将来を見通せるよう賃金体系が明確になっていることが必要だろうと、自分は将来どうなっていくのかなということです。
 このため、雇用保険二事業において、職場定着支援助成金によって職能や職歴に応じて賃金が決定される賃金表を導入した事業主を支援をいたします。また、平成二十八年度予算においては、特に介護事業者が賃金表を導入した場合の助成を新たに創設することといたしております。これは、介護の現場で働いている方々にとってはちゃんと自分の賃金が上がっていくのかどうかということは大変不安なんだろうと思いますから、そういうことをしっかりと支援していきたい。
 このような事業を活用しつつ、事業主の方々におかれては、社内の賃金制度の改善などに取り組み、働く方が賃上げを実感していただけるような環境を整えてまいりたいと思っております。
○秋野公造君 総理、ありがとうございます。
 賃金制度や賃金表の導入に取り組んでいただくということは、今私が御指摘申し上げたことも事業所ごとに共有をしていただくということになりますので、対応が進むかと思います。どうかよろしくお願いをしたいと思います。
 一月二十日の参議院決算本会議におきまして、私は、病気の予防そして重症化予防策は一人一人の健康につながるとともに社会保障費の抑制にもつながるということを申し上げまして、例えば、予防できるがんである胃がん、肝臓がんの予防、又は糖尿病の合併症対策も腎症だけではなく目も足も重要であるということを申し上げ、塩崎大臣よりそうだと同意もいただいたところであります。
 こういったところで予防や健康増進に向けた保険者の取組といったものに期待がなされるところでありまして、レセプトデータを活用した健康指導サービス、いわゆるデータヘルス事業はほとんど全ての健保組合が計画を策定し事業がなされているところであります。しかしながら、国民の三分の一が加入する日本最大の保険者である協会けんぽにおいてさえ、全国的に見ても糖尿病性腎症の重症化予防にとどまっているというのは大変残念なことであります。
 まずは、ビッグデータを持っている協会けんぽにおいて、糖尿病性腎症に限らず目も足も、そして、予防できるがん、胃がん、肝がんの予防、重症化予防事業についても各県のデータヘルス事業に位置付けて全国展開に向けて検討すべきと考えますが、厚労大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生御指摘の疾病予防あるいは健康づくり、そしてまた重症化予防というのはしっかりと取り組むべきことであって、医療保険者にこの取組を行ってもらって、それをベースとしてデータヘルス事業ということでデータヘルスをしっかりやる中で、それを全国的な規模で展開をしてもらいたいと思っております。言わば国民運動としてこれをやっていくことが、健康のため、そしてまた医療費の抑制のためにも大変大事だと思っております。
 特に、今申し上げたように、保険者が医療関係者と連携をして糖尿病の患者に早期に対応して人工透析に移行するリスクを回避する重症化予防、この取組は、今お話がありましたけど、広島を始め五つの今協会けんぽでやっておるわけでありますが、御本人の精神的、金銭的な負担だけではなくて医療保険財政全体にも効果があるわけで、糖尿病性腎症に限らず、御指摘のように、他の分野についてもエビデンスに基づく予防の効果が期待できるならば応用が大いに利くというふうに考えるわけでございまして、協会けんぽでは広島、私も呉を含め協会けんぽのお話を聞いてまいりましたが、私の地元の愛媛も先進的に取り組んでいると聞いておりますけれども、御指摘のような分野への発展ができないか、協会けんぽにデータ分析をしていただくとともに、効果が期待できるならばやはり全国展開をしたいというふうに思います。
○秋野公造君 肝臓がんの原因の二割を脂肪肝が占めるようになりました。脂肪肝の原因は肥満と飲酒であります。
 沖縄のデータを御紹介をしたいと思います。
 我が国で肥満者が一番多いとされているのが沖縄県でありまして、肥満の原因と言われますとカロリー摂取が多いのではないかということでありますが、御覧いただきますと、昭和四十七年、返還前後と比較しますと御覧のように随分減っている状況であります。では、脂質の摂取が多いのかと聞かれると、脂質も随分減っているような状況であります。運動不足があるのかと聞かれますと、男性でありますが全国十位ということでありまして、動いているということであります。飲酒の習慣が多いのかと言われますと、これも全国第四十四位ということで、必ずしも積極的に原因を指摘できない状況であります。
 カロリーも脂質も摂取量は低下し、それでも肥満が増加をしているという現状をどのように説明をしたらいいのかということであります。もしも飢餓状態で肥満が増加をしているのであれば、栄養の指導の在り方自体も見直さなくてはならないということになります。そして、肥満者の定義も、BMI、すなわち身長と体重だけで計算をしておりますけれども、筋肉量が多い方、少ない方、こういった方のことも考えなくてはなりませんし、一番下を見ていただきますと、摂取している脂肪エネルギーの比率というものは沖縄は圧倒的に高いような状況でありまして、例えば食事の組合せや栄養素の摂取量や体の組成とかいった細かな再検討を行わないと的確な健康栄養指導というものはできない状況にあるのではないかと思います。
 厚労大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) ただいま具体例をもって問題提起をしていただきましたが、厚生労働省では、国民の健康を増進するための基礎資料を作る目的で、国民健康・栄養調査というのを行っております。この調査では、国民の健康状態とか栄養摂取の状況に加えて、所得などを始めとする経済状況あるいは地域間格差を把握するなど、調査内容を充実をさせてまいっております。
 調査の内容につきましては、毎年、国民健康・栄養調査企画解析検討会、ここで御検討いただいているわけでありますけれども、ただいま秋野委員から御指摘をいただきました点につきましては新たな視点だというふうに思います。より効果的な健康増進につながる可能性もあるのではないかというふうに考えられますので、二月に開催をされた検討会でも関連するような内容の御議論をいただいておりますので、引き続き、専門家の御意見も踏まえて、先生の御提案をしっかり念頭に調査内容を検討したいというふうに思います。
○秋野公造君 沖縄の島をガンジューに、そして全国の皆様を健康にしてまいりたいと思いますが、学校現場においては、子供の育ちの観点も加味をしなくてはなりません。文科大臣にもお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(馳浩君) 委員の御指摘の点については、新たな視点を提案するものであり、大変重要であると考えております。
 学校においては、学校給食を通じて適切な栄養の摂取や食事、運動、休養及び睡眠の調和の取れた生活などを指導するなど、子供の健康の保持増進に努めております。
 厚生労働省から調査結果が示された際には、文科省としても、子供の育ちの観点において参考になると考えられることから、教育委員会を通じて各学校に調査結果を周知してまいりたいと思います。
○秋野公造君 ありがとうございます。よろしくお願いをします。
 半島振興法が改正され、施行されたところでありますが、半島については条件不利地としての支援が重要でありまして、中でも生活の足である航路の支援は離島と同様に極めて重要であります。パネルと資料を御覧をいただきたいと思います。
 長崎市茂木と熊本の天草半島苓北、富岡を結ぶ航路でありますが、これは私もかつて通勤で使っておりました航路ですが、陸路では五時間掛かるところを海路で七十五分のところでありまして、町民の生活の足を守るために現在苓北町が補助をして運航を支えているところであります。航路は大変重要であります。
 国の離島航路補助の対象として申請が出た場合には国土交通省より支援をしていただけるのか、支援をしていただきたいとの思いで見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 御指摘の航路につきましては、天草地方と長崎市を結ぶ半島の短絡ルートでありまして、天草地域の方の移動手段として大きな役割を担っていると認識をしております。
 国の離島航路の補助は、当該の航路が本土と島を結ぶ唯一かつ赤字の航路であって、生活需要があることなどが要件となりますが、陸路での移動が著しく不便であることなどの要件を満たせば、半島を結ぶ航路も対象となります。
 本件については、国土交通省としてまだ地元から航路補助に関する要望を直接伺ってはおりませんけれども、ただいま委員からお聞きした航路の状況であれば、国の離島航路補助の対象となる可能性はあると思われます。
 今後、航路事業者や熊本県、苓北町などの地元自治体などで地元協議会が構成をされ、航路補助に対する御要望、御相談がありましたら補助申請の準備について支援をしてまいりたいと存じます。
○秋野公造君 離島航路についてもお伺いをしたいと思います。パネルと資料を御覧いただきたいと思います。
 博多、対馬の比田勝、釜山を結ぶ国際航路を用いて、海外からもお客様が比田勝港、博多港をにぎわわせています。しかしながら、この対馬、比田勝にお住まいの方がこの国際航路に乗ることができません。国内旅客は国際航路に乗ることができないわけでありますが、もしもこの国際航路に乗船できたならば一時間ちょっとで博多に着くところを、比田勝の皆さんは陸路で二時間ちょっと厳原まで移動をして、それから国内航路で博多にまた向かうといったような状況であります。
 ここで、対馬の財部市長を中心となって、国内旅客と混乗させて対馬の皆様の生活利便の向上、ひいては対馬を訪れる国内旅行者の増加につなげようという取組が行われております。もちろん、混乗に関わるCIQの問題はクリアしなくてはなりませんが、これがクリアできたならば国際航路に国内旅客を混乗させて運航することは可能か、航路の事業を所管する国交大臣として、このような地元の取組に対して今後どのように臨んでいくお考えか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 一隻の船に国際旅客と国内旅客を一緒に乗せる、混乗させるという対馬市の取組は、新たな着想による工夫であるというふうに考えております。
 本件は、昨年四月に太田前国土交通大臣が対馬に伺った際に地元の御要望をお聞きしたものと承知をしております。また、混乗に係る出入国管理や税関等の問題については、今、秋野議員が精力的に関係者間の調整を図っておられるとお伺いをしております。国土交通省といたしましては、その問題が解決されれば国際旅客と国内旅客を混乗させて航路事業を行うことは可能と考えております。
 今後、出入国管理や税関等の問題が解消され、航路開設の動きが本格化してまいりましたら、航路事業者や対馬市などの関係者の意向を確認しながら、航路開設の手続に対応してまいりたいと存じます。
○秋野公造君 ありがとうございます。うれしいです。これができますと、例えば釜山―平戸―佐世保とか台湾―与那国―西表―石垣―宮古と、こういった航路なども発展的にできるのではないかと期待をしたいと思います。
 次に行きます。
 私は、これまで国民年金六万六千円しか資力がない高齢者が暮らす仕組みづくりに取り組んでまいりました。特養はこの役割を果たしてまいりましたものの、入居条件が要介護度三から五に限定されたことによって、要介護度一、二で低所得者の方が行き場が減少してしまいました。現状ではサービス付き高齢者向け住宅に期待をするところでありますが、鹿児島で、ふきあげタウンなど、国民年金六万五千円で暮らすことができる仕組みを紹介をしてまいりましたけれども、なかなか全国展開は困難な状況であります。
 介護が必要な低所得者の暮らしを守るために空き家を活用したり、サ高住の整備については、要介護度が上がっても住み続けることができるよう、例えば特定施設入居者生活介護の指定を前提としたところを重点化するなど、高齢者が安心して暮らすことができるセーフティーネットの強化策を提案したいと思いますが、国交大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 御指摘のとおり、サービス付き高齢者住宅について、空き家等の既存ストックの活用や医療・介護サービスとの連携を推進することは重要な課題と認識をしております。
 このため、空き家等の既存ストックの活用促進に向けまして、平成二十八年度予算案において、既存ストックを改修して供給するものについて補助を拡充することを盛り込んでおります。
 また、平成二十八年度より、住宅事業者自らが介護サービスを提供している場合や、医療機関、介護事業所との連携が確保されている場合など、医療・介護サービスが適切に供給されると市町村が判断するものに補助を重点化したいと考えております。
 加えて、医療機関や介護事業所を併設するサービス付き高齢者向け住宅につきましては併設施設の整備への補助も行っておりまして、平成二十八年度予算案におきましては、特に地域の医療・介護サービスの供給拠点となるものについて補助を拡充することも盛り込んでおります。
 今後とも、厚生労働省と連携し、介護の必要な高齢者や低所得者の高齢者等が安心して暮らすことができる住まいの確保を図ってまいりたいと存じます。
○秋野公造君 最後に、総理に伺いたいと思います。
 社会保障制度の充実は国民の願いであります。そのど真ん中に住まいが位置付けられるようになりました。一億総活躍社会へ向けての住まい対策について、総理の御見解と御決意を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一億総活躍社会とは、まさに若い人たちもあるいは高齢者も、男性も女性も、また難病を持っておられる方も障害のある方も、一人一人の希望が実現できる、そういう社会をつくっていく。それを阻むあらゆる障害を取り除いて、制約を取り除いていかなければならないと思います。
 住まいについても、様々な世帯がそれぞれの暮らし方に応じた住宅を確保できるよう、住宅政策を展開していきます。
 希望出生率一・八の実現のため、若年世帯が安心して暮らせる住宅を確保できるよう、新婚世帯や子育て世帯向けに地域優良賃貸住宅の家賃優遇や、子育て世帯向けにUR賃貸住宅の近居割を拡充していく。三世代同居に対応したリフォーム等を支援し、結婚や子育てをしやすい環境を整備をしていく。また、介護離職ゼロの実現に向けて、サービス付き高齢者向け住宅の補助の拡充、医療・福祉施設等の誘致によるUR団地の医療拠点化の推進などにより、医療・介護サービスと連携した高齢者向け住宅の供給を促進してまいります。
○秋野公造君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で秋野公造君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、小池晃君の質疑を行います。小池晃君。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 二〇一四年の四月に消費税を五%から八%に引き上げて以来、我が国の個人消費は、ここにお示ししていますように、もう冷え込み続けております。(資料提示)
 これは、消費税増税前後の家計消費支出の推移を、前回の増税時と今回の五から八に増税した場合とを比較したものです。これは見ていただくと分かるように、増税前の駆け込み消費もそれから増税後の落ち込みも、今回の方がはるかに深いものになっているわけですね。更に重大なのは、その後の消費の落ち込みが二年近くたっても低迷が続いている、前回よりも低迷しているということだと思うんです。
 総理にお聞きしますが、この家計消費の落ち込みは一昨年の消費税増税に最大の原因があるということは間違いないと思いますが、御認識を。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、三%、前回の消費税の引上げは三から五でございますから二%であったわけでありますが、今回は五から八ということもあって、また駆け込み需要も多かったことから、予想以上に消費が落ち込み、それが現在まで続いていると、こういうことだと思います。
○小池晃君 総理は、この間の議論の中でいろいろと数字を持ち出して、雇用は良くなった、あるいは賃金も上がった、中小企業の倒産も減ったというふうに繰り返すわけですが、もしそれが事実だったら、何でこんな事態が続いているということになるんでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) 客観的な事実だけ御説明させていただきたいと思います。
 委員のお示しのとおりだと思います。消費税引上げによる駆け込みの反動減というものが我々が予想したものよりも大きかったということも事実でございます。また、物価上昇によります実質所得の減少が消費を押し下げたといった影響があった。これも当然のことだと思います。
 そして、特筆すべきは、二〇一四年を思い出していただければ、夏が大変寒うございました。また、春先には長雨があった。この天候不順というものも消費に大きな影響を与えるということは月例経済報告でも明らかなわけであります。ですからこそ、安倍内閣は消費税の一〇%への引上げというものを一年半延長した。
 こういう期間、総理がいつもおっしゃられておりますように、三本の矢の政策によりまして、二〇一五年の名目のGDPの成長率は二・五%、実質GDPでも〇・四%、GDPデフレーターでも二・〇%といずれも上昇しており、経済再生は確かなものだと認識をしているところでございます。
○小池晃君 天気のせいだけにするのはやめた方がいいと思うんですね。私はもっと深刻に考えるべきだと思うんです。やっぱり消費税増税による大打撃とともにアベノミクスの悪循環が起こっているということじゃないですか。
 企業が世界一活躍しやすい国にするというふうにおっしゃったけれども、結局、大企業は確かに史上空前の利益を上げた、しかし実質賃金は四年連続で下がっているわけですよ。勤労者世帯の実質世帯収入はマイナス続いているわけですよ。結局、アベノミクスの三年間でこれ五%低下していますから、実質世帯収入は。年収ベースで六百二十四万円から五百九十万円まで低下しているわけですから、これで家計消費が上向くわけがないわけです。
 総理は、一昨年の当委員会で我が党の大門実紀史委員の質問に対して、消費税はワンショットですというふうにお答えになった。一時的なものだというふうに認識をされていた。ところが、ワンショットにとどまらずに、これは日本経済のやっぱり悪循環、悪くするんじゃないかと私ども言ったけれども、結局やっぱりそれが現実のものになっているのではないか。
 総理、やはり八%への増税がこれほど消費を冷え込ませるということは、これははっきり言って想定外だったんじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほども申し上げましたように、答弁、ほかの方との議論でも申し上げたんですが、確かに予想以上に落ち込んだのは事実であり、また予想以上に長引いているのも事実でございます。
 しかし、そういう中にあっても、私たちの経済政策によって名目賃金は十七年ぶりの高いこれは引上げ率になっておりますし、実質で見ましても、変動の多い賞与の影響を除けば、昨年七月以降これ増加傾向になっておりますし、みんなの稼ぎである総雇用者所得については、実質においてもこれはプラスになっているということは申し添えておきたいと思います。
○小池晃君 世帯収入減ったって私言ったじゃないですか。都合のいい数字だけで言うのはやっぱりやめた方がいい。先ほど、自民党の議員だって実感がないという声が町にあふれていると言ったじゃないですか。それが現実なんですよ。そこをしっかり見据えるべきだ。
 九七年の増税のときも家計消費は落ち込んで、その後の不況の原因をつくったわけです。そして、その後十七年間、消費税は増税しなかったわけでしょう。ところが、今回は、その九七年よりも落ち込んでいるのに、それなのに、来年、これ一〇%に再増税するということをやろうとしているわけですよ。
 私は、今回の増税というのは、結局、八から一〇だけれども、実質的には連続増税ですから、これは家計にとってみれば三年間で五から一〇に引き上がることになる、これ実態はそうですよ。
 それでは、財務大臣に聞きますが、消費税率を五%から一〇%に引き上げる、こうなると、国民一人当たり及び一世帯当たりは負担増、どれだけになるんですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 消費税率を八%から一〇%に引き上げ、酒類、外食を除く飲食料品及び一定の新聞の定期購読料に八%の軽減税率を適用する場合の総世帯の一世帯当たり及び一人当たりの消費税負担の税率は、五%時から比べての増加額ということですね。正確に言わぬと、この間も言葉の差異から行き違いましたので、きちんとしておかぬといかぬと思って、長々申し上げて恐縮です。
 消費税収の見込額、税率一%当たり二・七兆円、軽減税率制度導入によります減収見込額一兆円程度というのを、世帯数及び人口等により機械的に算出いたしますと、一世帯当たり十八万四千円程度、一人当たり八万一千円程度になると思われます。
○小池晃君 すさまじい額なんですよ、これは。家計から見ればこれだけの大増税になるわけですよ。これ、世界でもこんなに十三兆円も消費税を連続的に増税した例なんてないですよ。
 私は、この連続する増税というのは、これは家計消費に対して、これまでの例えば九七年の増税に比べてもはるかに深刻な打撃となると。幾ら軽減、軽減といったって税率下がるわけじゃないんだから。これだけの負担増になる。九七年の例えば消費税増税に比べても過酷な打撃になるという認識は、総理、ありますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 九七年のときには社会保険料等もこれは引き上げておりまして、今回とは違うわけでございますが、そこで今回のこの増税ということについては、まさに社会保障を充実をさせていく、そして世界に冠たる社会保障制度を次の世代に引き渡していくためにこれは行うものでございまして、消費税を払っている皆さんにも、これは社会保障、子育てにおいて、あるいは介護が必要になったときのため、あるいは年金、これも含めてこれは使われていくんだということも御理解をいただきたいと思いますが、いずれにせよ、我々は、リーマン・ショックあるいは大震災級の出来事がない限り、事態にならない限り消費税を引き上げていく考えでございます。
○小池晃君 答えていないんだけど。九七年のときに比べても過酷になるでしょうと、消費税、どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 税率だけ見れば、あのときは二%でございましたが、今回も二%ということになります。ただ、連続ということ、要するに連続という意味においては、前回、まさに大変短い期間での八から一〇でございました。また、種々の経済状況に鑑み、これ一年半、延期したところでございます。
 そのどちらが過酷かということについては、一概にお答えはできないのではないかと思います。
○小池晃君 三年間で五%上げるんだから、明らかに過酷じゃないですか。一世帯当たり十八万円の負担増になる、明らかに過酷じゃないですか。
 今、総理は、リーマン・ショックや大震災のような事態がなければやるんだと。今のように家計消費の水準が増税前を下回ったままであっても増税をすると言うんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私ども従来から申し上げておりますように、リーマン・ショック級あるいは大震災級の事態が起こらない限り、基本的に現段階では消費税を引き上げていく考えでございます。
○小池晃君 家計消費が今のような水準のままだったら当然増税すべきじゃないじゃないですか。そういったことを一切考慮しないんですか。考慮しないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん、この家計消費の動向というものは注視をしてまいります。
 私どもといたしましては、今年の四月の春闘、そして来年の四月、しっかりと賃金が上がっていく経済状況をつくっていく中において消費税を予定どおり上げていきたい。その際、リーマン・ショックあるいは大震災のような出来事がなければ上げていきたいと、こう考えております。
○小池晃君 このまま増税に突き進めば、国民の暮らしも日本経済も大変なことになりますよ。これ、来年四月の消費税一〇%増税は断じて行うべきでない、中止すべきだということを申し上げたい。それが国民に対して私は今必要なメッセージだというふうに思います。
 それから、社会保障のためなんだということを先ほど言われたので、ちょっと午後に掛かっちゃうかもしれませんが、社会保障について何が行われようとしているのか。
 まず年金ですが、政府が今国会に提出する予定の年金法案にマクロ経済スライドへのキャリーオーバー制度の導入というのは、これ聞いてもよく分からないので、できるだけ分かりやすく、テレビ見ている国民の皆さんが分かるような説明を大臣にしていただきたい。
○国務大臣(塩崎恭久君) マクロ経済スライドそのものについては、平成十六年度改正におきまして、現役の世代の負担が、つまり若い人たちですが、過重なものとならないようにするために将来の保険料の上限を固定をいたしまして、その範囲内で年金の給付水準を調整をしていくというマクロ経済スライドを導入をしたわけであります。
 一方で、マクロ経済スライドの導入後も、デフレによって賃金や物価が上昇しないという状況が起きました。給付水準の調整が行われない状態がずっと続いてきたわけでありまして、これをできる限り先送りをしないという観点から、マクロ経済スライドの在り方について社会保障・税一体改革のときから課題として検討をされてきたわけでございます。
 このため、マクロ経済スライドについては、現在の高齢世代の生活にも配慮をしつつ年金の名目額がマイナスとならないようにする現行のいわゆる名目下限という枠組みを維持をしながら、経済状況によってマクロ経済スライドの調整が完全に実施できなかったとしても、その未調整分を直近の景気上昇局面で、すぐ翌年とかいうことではなくて、直近の景気上昇局面で調整をこの未調整分についてするという方向で今検討をしているところでございまして、いずれにしても、この将来世代の給付水準を確保をするという先を見た考え方でこの調整を図る仕組みを御提案申し上げようということでございます。
○小池晃君 ちょっと今の説明では、ほとんど見ている人が分からないと思うんですが。
 具体的に当てはめてみると例えばこういうことになるんじゃないですかということなんですが、パネルにしていますが、仮にマクロ経済スライドによる調整率が〇・九%だとします。今年の物価上昇が例えば〇・三%ぐらいにとどまったとすると、これは〇・三%分の削減が行われて、これ二〇一七年度分というのはこれは年金額据置きということになる。そうすると、〇・九%との差額〇・六%が次の年に繰越しになる。二〇一七年四月には消費税一〇%増税がやられるというふうになるとその分物価上昇が想定されるわけで、仮に一・五%上昇するとすると、一八年度は、調整分の〇・九%に加えて繰越分の〇・六%が加わって一・五%削減になり、年金額は差引きでこれは据置きになると、こういう仕組みということでいいですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の検討中の見直しにつきましては、将来世代の、先ほど申し上げたとおり、給付水準の確保のために現在の高齢者にも少しずつ協力をしていただこうという、世代を超えた言ってみれば助け合いの仕組みとして行うものでございまして、また、現在の高齢者には前年度からの年金の実額は下げない範囲という、先ほど申し上げた名目下限というのを配慮して行うということになっております。
 その上で、今先生からお示しをいただいた例でございますけれども、まず第一に、この法案の内容は現在検討中でございますので、今施行がいつかということと、例えばマクロ経済スライドの調整率がマイナス〇・九と書いてありますが、これらのいずれも、毎年年金額というのは物価・賃金動向に応じて改定されて、なおかつマクロ経済スライド調整率も被保険者数の動きなどによって毎年変動するということでありますので、そういうことを前提にしていただかなければならないということが一つと、それから、今お話がありました検討中の見直し案に仮定の数値を当てはめることは、ですから慎重に行うべきだろうと思いますが、仮に今先生が御提起になられた数字を機械的に当てはめると、仕組み上の数値の例は御指摘のとおりになるということでございますが、タイミングは、先ほど申し上げたように、消費税のタイミングとかいろいろおっしゃいましたが、全くまだ検討中だということを覚えておいていただきたいというふうに思います。
○小池晃君 最後の一言だけでいいんですよ。
 そこに私が示した数字は仮定の数字ですよ。しかし、これありそうな数字なんですよ、結局このくらいになりそうなんですよ。そうすると、結局、年金額下がることはないとおっしゃるけれども、消費税増税しても、一〇%に増税しても年金は据置きということになるんですよ、これ。結局、まとめてそこから取っちゃうということになるわけですよ。社会保障のための消費税と、こういうふうに言っていたじゃないですか。ところが、消費税増税分すら年金に反映させないような仕組みを今度の国会にあなた方は提出しようとしているんですよ。とんでもないじゃないですか。
 大体、マクロ経済スライドというのは、これはあなた方が想定しているような、アベノミクスが想定しているような物価上昇があるんだったらやる必要ないんですよ、こんな仕組みつくらなくたって物価は上がるんだから。わざわざ物価が上がらないことを想定してこんな仕組みをつくっておいて、いざ消費税が増税になったときには、全部物価が上がらなかったそれまでのツケを消費税の増税分からも取っていくと。全くもってひどいやり方だというふうに言わざるを得ないというふうに思います。マクロ経済スライドの強化でどんどん年金が目減りするような仕組みつくれば、これは受給世代の消費冷え込ませる、内需の冷え込みは結局受給世代の賃金にも悪影響を与える、年金への将来不安高めるだけですよ。
 私は、こんなやり方はやめるべきだということを申し上げて、午後は積立金の問題を取り上げたいというふうに思います。
○委員長(岸宏一君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成二十八年度総予算三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。小池晃君。
○小池晃君 午前中に引き続いて質問します。
 年金の問題、午前中やりましたが、次の世代に引き継ぐためだと政府は繰り返すわけです。しかし、年金資金の株式運用で将来世代の年金資金が失われるのではないかという不安も広がっているわけです。
 そこで、厚労省にお聞きしますが、公的年金積立金、現在、総額幾らになるでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 平成二十六年度末の厚生年金と国民年金を合わせた年金積立金全体の総額は約百四十五・九兆円でございまして、うちGPIFの運用資産額は約百三十七・五兆円でございます。
○小池晃君 今、時価総額で百四十六兆円という数字がありました。これは、国民一人当たりにすると百十四万円、四人家族で四百五十六万円分の年金資金があります。これが市場で、このかなりの部分が運用されているということになる。
 世界でこれだけ巨額な公的年金積立金を株式などで市場運用している国というのはありますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 保険料を原資とする積立金を保有し、市場で運用している公的年金としては、カナダ、韓国、スウェーデンなどがございまして、GPIFほどの規模ではないにせよ、いずれにしても、株式を含めた様々な資産への分散投資を行っておるところでございます。
○小池晃君 カナダ二十五兆円、韓国五十一兆円、日本とは桁が違うわけですね。アメリカは、一般国民を対象とする連邦政府の年金制度、社会保障信託基金、これは全て非市場性の国債で運用されているわけです。アメリカの連邦政府の社会保障年金積立金が市場での株式運用をしていない理由は、アメリカはどういうふうに説明しているでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘のアメリカの社会保障信託基金、OASDIでは、その資産の金額を市場に流通していない国債で保有をしているわけでありますが、これはどういう資金かといいますと、完全賦課方式でございまして、ペイロールタックスで入ってきたものを年金に回すわけでありますが、一時的に資金繰り上積み上がったものを市場に流通しない形の国債で運用しているわけで、過去にこのOASDIの株式運用について議論が行われたことがございました。その際に、たしかグリーンスパンだったと思いますが、言ってみれば、時の政権の政治介入により直接株式市場の効率性を損ねるのではないかとの懸念等が示されたと聞いておるわけでございまして、むしろ株式市場へのインパクトがどうなのかということを考えて、このような形で市場に流通しない国債で資金繰り上一時運用をしているというふうに私どもは理解をしているところでございます。
○小池晃君 一時的とはいえ、三百三十四兆円もの資金を運用しているわけですよ。それを非市場性の国債でやっている。その理由は、政府が特定の目的で介入することを回避する、マーケットインパクトを回避する。逆に言えば、日本がやっていることは、これは政府の介入の余地を認めている、リスクにさらす、マーケットに対して政府は介入するということになっちゃうんじゃないですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 一つはっきり申し上げておかなきゃいけないのは、アメリカと日本は全く制度が違う、先ほど申し上げた完全賦課方式でありまして、実は、この社会保障信託基金、アメリカの財政はかなり悪化をしておりまして、二〇三四年には積立金が底をつき、予定している年金金額の給付ができなくなるとのレポートも出されていまして、負担と給付の見直しについて議論がなされているというふうに聞いております。
 我が国は、一方で積立金も活用しながら、およそ百年間で収支が均衡する制度設計となっておりまして、現在、積立金の運用は必要な利回りを十分確保しているというふうになっているところでございます。
○小池晃君 その積立金をどんどんどんどん取り崩すような事態が足下で起こっているわけじゃないですか、日本だって。
 確認です。これは大半は、日本の場合はこれは信託銀行で運用されているということなわけですが、ちょっと調べてみました。これは、年金積立金の株式運用比率を倍増させたポートフォリオ見直し以降の株式市場の動きを東京証券取引所のデータでまとめてみたものであります。
 これを見ますと、二〇一四年十月末にポートフォリオを変えて株式運用比率を大幅に引き上げたわけですが、それ以降の六十八週間で海外投資家とそれから信託銀行の株の買い越しがどうなっているか。この六十八週のうち、海外投資家と信託銀行が同じ行動を取ったのは二十四週です。ところが、異なる行動を取ったのは四十四週あります。海外投資家が買い越した三十五週のうち信託銀行が売り越したのは約半分の十七週に対して、海外投資家が売り越した三十三週のうち信託銀行が買い越したのは実に八割の二十七週になっているんですね。
 信託銀行の動きは、これは大半が公的年金の運用であるということは、これ市場関係者の常識だというふうに思います。海外投資家と全く反対の動きになっているわけですよ。
 大臣、これは年金マネーが結局株価を買い支えているということを証明しているものではありませんか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今の先生の推論は、市場で言われているというお話である信託銀行はほとんどGPIFの動きだという誤った認識で組み立てられているというふうに思います。
 つまり、確かにGPIFの株式運用は、これは基本は信託銀行に預けているのは間違いないわけでありますが、しかし、信託銀行はGPIFとだけ商売をやっているわけでは決してないのであって、当然のことながら、企業年金もあり他の共済もあり、いろいろな年金の資金を運用しているわけでありまして、その中の一部であるわけで、このような動きがあたかもGPIFかのようなことを言うのは余りにもジャンプが大き過ぎるというふうに金融のプロは多分考えるというふうに思います。
○小池晃君 金融のプロが、例えばロイターなんかは、もうこの動きは公的年金の動きだとはっきり書いているわけですよ。みんなそう思っているわけですね。
 しかも、ポートフォリオの変更前には、ポートフォリオの変更前にはこんな売り買いは起こっていませんでしたよ。調べてみたんですよ。それ以前はこんな激しい動きしていませんから、信託銀行は。結局、ポートフォリオを変更して国内株式の運用比率を引き上げて以来、こういう激しい売り買いが起こっていることは明らかなわけですね。
 最近でも株価が、これ一番最後の週は、株価が一万六千円を割った先々週ですけれども、外国人投資家が四千億円売り越す一方で、信託銀行はこれまでで最高の五千億円買い越している。
 総理、お伺いしたいんですが、衆議院の予算委員会で専ら被保険者の利益のために最適な運用を検討した結果なんだというふうにおっしゃっています。株価を上げるなど恣意的なものでは決してないというふうに言っています。まさに株価を上げるための売り買いだというふうに見られても仕方ないような動きになっているんじゃないですか。これをどう説明しますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそも、では、安倍政権が株価を上げたいからGPIFにどんどん買えなんということは全く起こっていないわけでありまして、まさに決められたポートフォリオの中で最適な運用、そのためのポートフォリオでもありますが、その中で最適の運用を行っているわけでございます。
 かつて、デフレ時代には国債をどんどん買っておけばこれはよかったわけであります。何といったって物価は上がっていかないんですから。しかし、物価が上がっていく中においてはそれに追い付いていく必要があります。例えば国債を買っていたって、今、国債の金利、これはマイナスじゃないですか。これじゃとても将来の世代に年金をお支払はできないわけであります。その中で、しっかりと経済が成長し、デフレから脱却をしていき経済が成長していく中において、まさに国内の株式あるいは海外の株式との適切なこれはポートフォリオを形成してこれは今運用をしているわけであります。
 ちなみに、あのリーマン・ショックを入れたとしても、現在のポートフォリオでずっと運用していれば今までの運用よりもはるかに運用益は出ているわけでありますし、実際、安倍政権において、現在の段階で、安倍政権ができてこの三年ちょっとで三十八兆円かな、一番最新の数字を入れると三十八兆円のプラスになっているわけでございます。最近の株価のこの下げ局面を入れてもそうなっているわけでございまして、そこのところは、これは是非、党派性を超えて冷静に見ていく必要があるのではないのかなと、このように思います。
○小池晃君 私は冷静な議論をしているんです。単に下がった、損したという、そういう話をしているんじゃないんですよ。こんなリスクにさらして、例えば今、足下でいいというふうにおっしゃる、安倍政権になってからいいとおっしゃる。短期的な結果で見ちゃいけないと言っていたのに、安倍政権になったら良くなった、矛盾しているじゃないですか、言っていることが。
 例えば安倍政権だって、一月に入ってから株価は下落していますから。これ、第三・四半期は確かに四・七兆プラスになった、おととい発表されました。しかし、この一月に入ってからの株価下落で、これは五兆円マイナスになっているわけですよ、大体。そうなると、四―六はプラス一・九、七―九でマイナス四・三、それから、十月から十二月で三兆プラスになってちょっと取り戻したけれども、今年度末はこのままでいけばマイナスになる可能性が高いですよ。私は、こういう国民の財産をジェットコースターのようなこんな相場にさらしていいのかと。その比率を引き上げたのが安倍政権じゃないですか。
 先ほど国債の利率が下がったと言うけど、じゃ、誰がやったんですか、それは。マイナス金利で自分でやった話じゃないですか。私は、本当に今のは天に唾する話だというふうに思いますよ。しかも、国債の運用部分について見れば、国債の運用部分について見れば第三・四半期まで見たってプラスになっているわけです、これは明らかに。
 だから、そういう意味でいうと、アメリカは、市場にさらせば特定の政府の意思が介入して、これがマーケットを荒らすからといってやっていない。ところが、日本はそれをやった。これを安倍首相が言い出したんですよ、あなたが。
 安倍首相が、総理、二年前の一月にダボスで、五月にはロンドンのシティーで、世界最大の年金基金、一兆五千億ドルを超す運用資産を持つGPIFがフォワードルッキングな改革を進めていくと、この演説をした後で上限ぎりぎりまで株を買うようになって、さらにポートフォリオの変更までやったんじゃないですか。世界最大の年金ファンドが政府保証付きでマーケットに参入する、そのことを宣言したのは、まさに総理、あなたではないですか。
 この議論のときに、ダボスやシティーで総理が演説したときに、年金のためだなんて一言も言っていないんですよ。成長戦略のためだと、アベノミクスのためだと、バイ・マイ・アベノミクスと、こう演説したんじゃないですか。結局、年金積立金を年金加入者の利益のために運用しているなどということではなくて、アベノミクスを支えるために株価に投入した、株式市場に投入したと、これがあなたのやったことではありませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 短期のこと、安倍政権のことを言うなと言うから、言うなと言ったんですけれども、安倍政権のときに年金の積立金を削っているんじゃないかという趣旨の御発言をしたから、そうではなくて、削っているどころか増えていますよという、誤解を解こうとしたわけでございまして、そこで、そこで言わば確かに短期の話をしたって意味がない話であって、先週までの話をすれば下がっていますが、今週の動きはまたこれ違っているわけでありますから、ですから、足下、まさにこの直近の足下の話をしたって余り意味がないわけであります。
 そこで、ポートフォリオを変えたらどうなるかということについてお話をしたのでありますが、まさに年金積立金の運用は専ら被保険者の利益のために安全かつ実効的に行うことが重要であります。デフレから脱却、先ほど申し上げましたが、デフレから脱却をして物価が上昇していく局面では、これは、デフレ時代と言わばデフレではないという状況では運用を変えていくのはこれ当然のことでありまして、運用を変えなければ年金被保険者の利益にはならない、マイナスになってしまうわけでありますから、そこでポートフォリオを変えるのは当然だろうと。
 ポートフォリオの変更については、このような想定の下で、年金の財政検証の結果に基づき、GPIFの運用委員会においてシミュレーションや統計的な分析等による専門的な検討を行い、最適な組合せを選定したものであります。もちろん、恣意的なものではないということは、これはもう御理解いただけているのではないのかなと、半分ぐらいですね、思うのではないのかと思いますが。
 なお、基本ポートフォリオ変更後の運用収益は、今年度第二・四半期がマイナス七・九兆円となったものの、第三・四半期はプラス四・七兆円となっておりまして、一昨年十月以降の累積はプラス八・九兆円。
 また、仮に現行のポートフォリオで、先ほど申し上げましたようにリーマン・ショックを含む過去十年間、過去十年間ですね、この過去三年間ではなくて過去十年間にもし当てはめてみましょう。そうすると、運用したと仮定すると、従前のポートフォリオよりそれぞれの年度の収益のぶれ幅はこれは大きくなりますが、名目運用利益は四・三%。運用益が、これリーマン・ショックで下がった、あれだけ大幅に下がったものを見ても、四・三%これ運用益が出ておりまして、従前のポートフォリオよりも一・一%高い収益率が得られるわけであります。
 これがマイナスであれば、これは被保険者のためにならない、しかし、ちゃんとプラスになっているんですからこれは御安心をいただきたい、このように思う次第でございます。(拍手)
○小池晃君 いや、拍手するところじゃないですよ、ここは。
 やっぱり年金について国民は不安を持っているんですよ。年金の積立金というのは、かつては、これ年金制度が発足したときは戦費調達のためにつくったわけですよ。そのことははっきり言っているわけです。戦後は公共事業のために、あるいはグリーンピアなどを造るために積立金がさんざん食い荒らされてきた、そういう歴史を持っているわけですよ。そして今度は、安倍政権になって株式市場にこれだけ大量に投入すると、アベノミクスを支えるために使っているんじゃないかと、そういう不安が広がるのは当然ではありませんか。あなた方のやっていることがまさに年金不安をあおっている。
 安倍政権の株価の維持のために国民の老後の資産を食い潰すようなことは絶対私は許されないと。運用に失敗したって誰も責任取らない仕組みですよ、これ。巨額の資金を株式市場に投入して、そうしたら経済をゆがめる、そういう指摘だってあるわけですよ。だからアメリカだってやっていないわけでしょう。私は、こんな無責任な、こんな国民の不安をあおるようなやり方は直ちにやめるべきだということを申し上げておきたいというふうに思います。
 年金だけではない。介護保険の問題について聞きたいんですが、介護離職ゼロを掲げる安倍政権ですけれども、介護サービスを更に受けにくくするような提案をされております。
 財務大臣にお聞きしたい。
 財務省は、介護保険の要介護一、二の方について、訪問介護における生活援助を原則自己負担とすることを提案しています。これはなぜでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のありました財政制度審議会の資料なんだと思いますが、政府部内での検討段階における財政当局の立場からの提案を記載したものだと思いますけれども、それは。
 具体的には、介護保険における軽度、いわゆる要介護一とか二とかいうところの要介護者への生活援助につきましては、日常生活における通常負担すべき費用とのバランス、例えば生活援助等々によって一割の自己負担で掃除、調理を受ける受給者と一般の家事代行サービスを利用する高齢者とのバランス等々であります。また、介護保険制度の持続可能性というものから考えねばいかぬと。また、価格、サービスに関する競争の確保、例えば生活援助とほぼ同じ内容の家事代行サービスとの価格差などの観点から、保険給付をどの程度まで確保すべきか、また効率的なサービス提供体制をどう構築すべきかといった問題意識で提案を行っているところであります。いわゆる全額自己負担にすべきとの主張だけではなくて、現在の九割を、自己負担一割から引き下げるべきとの提案を行ったと知っております。
 いずれにせよ、改革工程表において、軽度に対する生活援助サービスなどの在り方は、これは厚生労働省の出しております関係審議会において検討し、二〇一六年末までに結論を得るとされたところでありまして、この方針に沿って政府として検討を進めてまいりたいと考えておるという資料だと思います。
○小池晃君 いや、だから、検討中だから、決まってからでは遅いから聞いているわけであります。
 今資料をお配りしてありますけれども、例えば朝日新聞、読売新聞などでもこれは大きく報道されているわけですね。安倍政権の下で既に介護保険の制度改悪続いています。既に、要支援一、二の方は介護保険給付から除外をされたわけです。地域支援事業に今移行しつつあるわけです。介護サービス利用時の負担増も行われたわけです。そして、今度は要介護一、二の生活援助サービスを原則自己負担にするという案を財務省は提案をしている。
 このパネルを見ていただきますと、この訪問介護を受けている方の中で要介護一、二というのは、これは非常に大きな割合を占めます。認定者数の中でも大きな割合です。要介護一は一番多いわけですが、訪問介護を受けている方の中では要介護者全体の六一・三%。だから、介護関係者からもこのやり方には強い批判があるわけですよ。
 公益社団法人全国老人福祉施設協議会の意見書にはこういうふうに書いてあります。家事援助についても単純に調理のみ、買物のみを行っているのではなく、ケアプランに基づき訪問介護計画で明確な目標を掲げて実施しています。実施に当たっても、食べ残しやごみの状況から体調を観察したり、好みの変化や買物の内容の変化で認知症の症状の進行を把握したりと専門職による支援をしています。特に、認知症の独居の人にとって家事援助を民間サービスに委ねることは、上記の支援が期待できなくなり、在宅生活の維持が難しくなると考えられますと。
 今、麻生大臣は、家事代行サービス、民間の家事代行サービスとの類似性みたいなことをおっしゃった。民間の家事代行サービスとは違うんです。専門家による生活援助というのはそういう意味を持っているわけです。だから、要介護度が低い人にきちっと専門家が介入をして、そして生活援助も含めてやっていくことがその人の要介護度を悪化させない大きな担保になるわけですよ。そういう専門的な役割があるわけです。
 一昨日は、最高裁で認知症の方の鉄道事故について画期的な判決も出されています。そして、この問題についても老施協は、要介護者と配偶者の双方が十分な介護サービスを受けることである程度のリスク軽減は図られただろうというふうに言っているんですね。これは、本当に国民全体のやっぱり将来不安に関わる問題です。
 総理、要介護一、二の方の生活援助サービスを介護保険制度から除外する、あるいは原則自己負担にする、こんなことをやれば総理がおっしゃっている介護離職ゼロにも明らかに逆行することになると私は思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これ今検討しておりますのは、軽度の要介護者の生活を支えるという観点から何をすべきかという検討を行っているわけであります。
 介護保険制度の趣旨や制度の改正の状況を踏まえつつ、そしてまた介護保険制度の持続性も考えなければいけないわけでありまして、介護保険制度を維持するためには、これはまさに御本人の負担もあるし、そして現役世代の負担と、そして六十五歳以上の皆様方に保険料として負担をいただいていて、国費も出していますが、その中で維持をされているわけであります。
 過度に保険料が上がらないということも考えていく必要も当然あるんですが、だからといって必要なサービスを切るという考え方はございません。その中でどのような改革を行っていくか、しっかりと検討が行われているものと承知をしております。
○小池晃君 介護保険制度で軽度者といったらば、特養ホームの入所基準は軽度者は外したというときに、要介護一、二を外したんですよ。だから、軽度者といったら要介護一、二ということになるじゃないですか。
 だから、私が聞いていることに全く答えていないんだけれども、結局、こんなことをやれば、要介護一、二の人の生活援助サービスなどをやめてしまったら、あるいは原則自己負担にしたら、今二百五十円ぐらいが二千五百円と、こんなことになったら介護離職ゼロという安倍政権の方針に逆行することになるんではないですかということを聞いているんです。
○国務大臣(塩崎恭久君) おっしゃるように、要介護度一、二を対象とする生活援助サービスなどの在り方についてが検討課題に改革工程表でなっているということはそのとおりでありますが、まだ議論は始まったばかりでもありますし、今総理から御答弁申し上げたように、どうするかはこれからの議論であるわけでありまして、元々介護保険は、もう先生御案内のように、高齢者の自立と、それから介護の重度化を防ぐ、今朝ほど和光市の例が出ておりましたけれども、やはりどうやって軽度化をするのかというのが、保険者としての市町村が介護保険の中で頑張ってもらわなきゃいかぬ、こういうことでありまして、その中で必要なものは何なのかということを考えるということが大事でありまして、何か最初に何々ありきということで決め込んでいるわけでは決してないわけで、もちろん、財政審は財政審の使命でいろいろおっしゃいますけれども、我々は、我々も別な立場から申し上げることはあるわけでありますから。
 さっき申し上げたように、介護保険の原点は高齢者の自立と介護の重度化を防ぐということでありますから、それにとって何が必要かということをしっかり議論をこの部会でしていただこうというふうに考えております。
○小池晃君 その部会で反対意見が、日本医師会、老施協、もう続出しているわけですよ。
 じゃ、ちょっと大臣に聞きますけど、財務省はそう言っている、要介護一、二は外すんだということを言っていると、厚労省はやらないんですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) 財務省は財務省の立場があることはお分かりのとおりでありますけれども、我々は、さっき申し上げたように、介護保険の原点から見て、高齢者が自立をできるだけするように、そして要介護度が悪化しないようにするという観点から全てを議論をしてもらおうと思っているわけでありますから、初めから何か結論ありきということでは決してないわけであります。
 ただ、御案内のように、これは持続性というものも考えなきゃいけないということは総理が申し上げたとおりであって、そういう中で本当に必要なことをしっかりとやっていくということであるわけでありますので、議論はまだ始まったばかりでありますから、これから大いにいろんな方々に思いのたけを言っていただいて、それをしっかりとみんなで考えて決め込んでいきたいというふうに思います。
○小池晃君 結局、介護保険の原点とか言いながら、財務省と同じことを言っているじゃないですか。持続性だということで言っているじゃないですか。結局切り捨てるということになるじゃないですか。
 私、保険制度の大原則の一つは、所得に応じた保険料と同時に、やはり保険料を払えば給付についてはこれは平等に受けることができるということが原則だと思うんです。
 医療保険というのは、大概の人が病気になりますから必ず使うことになる。しかし、介護保険というのは、要介護状態にならずにかなり長期間過ごす方はいらっしゃるわけですよ。だから、言葉がいいかどうか分からないけれども、かなり掛け捨てになっちゃう人も多いわけですよ。しかし、でも、なぜあれだけ高い保険料を払うかといえば、やっぱり要介護状態になったときに介護保険サービスが受けられるという期待があるからこそ私は保険料を払うんだと思うんですね。
 ところが、今やろうとしていることは、高い保険料を払っても、結局、要介護一、二という大半のところでもうサービスから除外されるようなことを検討を始めているわけですよ。間違いないです、これは。検討しているわけです。
 厚生労働省で介護保険制度の創設に携わり、初代老健局長を務めた堤修三さんは、この間の厚生労働省の給付抑制を厳しく批判をして、業界紙でこう言っています。給付は保険料を支払った被保険者との約束で、国がそれをほごにしてしまっては保険料を納める意欲は減退する一方だ、言い過ぎかもしれないが、団塊以降の世代にとって介護保険は国家的詐欺となりつつあるように思えてならない。
 私、決して言い過ぎじゃないと思いますよ。総理、四十年間介護保険料を払い続けたのに、要介護状態になっても必要なサービスが一番多い部分で受けられないような制度にしてしまって、介護保険制度に対する信頼が保たれるとお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 堤局長は導入時の局長で、私、当時自民党の社会部会長で一緒に導入に汗を流したんですが、そういう発言があったことは大変残念でございます。
 現在、厚労省で行われている検討は、まさにこれ、介護離職ゼロを実現するために、持続性というのはこれ当然じゃないですか。持続性がなければこれから先にサービスをずっと続けていくことができないわけでありますから、持続性を考えるのはこれ当然のことだろうと思っております。
 そして、高齢者の自立を支援し、真に必要なサービスが提供される。先ほど和光市の例を挙げましたが、私も和光市へ行きました。新たな取組で、要介護が必要にならないような様々な取組をし、そして成果を上げているところだってあるんですね。真に必要なサービスが提供されるようにするためのものであって、これは、介護離職ゼロに逆行する、あるいは介護保険の本旨に反するとか、ましてや詐欺行為ということとは全く違うということははっきりと申し上げておきたいと思います。
○小池晃君 現実に、要支援を外したところで、和光市なども含めて、必要なサービスを受けられない事態が起こっていますよ。そういう話が来ているんです、我々にも。しかも、この大半の部分、要介護一、二という大半の部分を外すようなことを検討し始めているわけですよ。こんなことをやったら、制度は残るかもしれないけれども、国民の暮らしはずたずたになりますよ。国民の命や健康の持続可能性は破壊されますよ。全く私は、こんなことをやったらば介護保険制度は破壊されることになるというふうに思うんです。
 これだけじゃありません。財務省の社会保障制度改革の提案は介護だけにとどまらないわけであります。医療も年金も介護も生活保護も、大改悪メニューが並んでいるわけですね。主なものをパネルにしてみましたけれども、大臣、大体これ、財務省とはやり取りをして作ったパネルですから、ほとんど間違いありませんね。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘の資料につきましては、これは昨年の末、経済財政諮問会議において決定された改革工程表というものの政府部内における検討段階において、財政制度審議会等々での議論の土台として財政当局の立場から提案を行ったものなのだと記憶をいたしますが、その上で基本的な考え方を申し上げさせていただければ、既に歳出全体の三分の一を占めております、歳出総額九十六兆のうち三十二兆ですから、今後も高齢化に伴う伸びが見込まれる社会保障分野の歳出改革は、これは避けて通れない課題なんだと、我々は基本的にそう思っております。
 受益と負担というものの均衡が取れた持続可能と、先ほど来出ている言葉ですけれども、持続可能な制度を構築していく必要があるというのはもうはっきり認識をいたしております。このため、社会保障の効率化とか制度の改革にこれは不断に取り組んでいくというのは当然のことで、必要なことだと思っております。
 御指摘の各項目については、それは個別にはそれぞれの制度の趣旨、現状、様々な論点があるものと承知をいたしていますが、いずれにしても、大きな考え方といたしましては、今申し上げましたように、制度そのものを持続可能なものとして次の世代に引き渡していく責任というものが果たしていかねばなりませんので、財政当局としての案を示したものでありまして、いずれにしても、政府としては、年末に決定をされる改革工程表に沿いまして、今後、社会保障分野の各々の分野、個々の改革項目を着実に検討し実施していくということが重要であろうと考えております。
○小池晃君 この項目を検討していることを認めるわけですよ。医療費も介護保険も、七十五歳を過ぎても二割負担にすると。自己負担の限度額も引き上げると。入院したらば、一般病床でも居住費、水光熱費などを徴収するようにすると。要介護一、二は生活援助も福祉用具も住宅改修も自己負担にしていくと。そして、年金は支給開始年齢の引上げということも入っているわけですよ。これを避けて通れないと今おっしゃった、持続可能な制度にすると。
 私は、こんなことをやったら日本の社会保障制度は破壊されると思いますよ。国民の暮らしも日本の経済も持続不可能になりますよ。結局、こんなことをやれば、ますます重度化、悪化をして、医療費や介護の費用だってかさむことになる。私は、悪循環だ、財政面からいったってそうなるというふうに思うんです。
 大体、社会保障のための消費税だと言いながら、何ですか、これは。増税が決まった途端にもう全く歯止めなく社会保障大改悪をやろうとしている。しかも、何でこれ一七年法案提出なんですか。全部軒並み一七年法案提出ですよ。何で来年なんですか。選挙をやり過ごして、選挙が終わったらこれだけの痛みを押し付けようという、そういうことじゃないですか。
○国務大臣(麻生太郎君) いろいろな御指摘が小池先生としておありになるということは理解しますけれども、私どもは、基本として、問題の趣旨は、この制度の維持というものをやっていくためには、今のままの、少子高齢化というものに真っ正面からやっていくために、毎年一兆円ずつ増えていくというような現在の社会保障の伸び率というものを、私どもとしては、この三年間の間、少なくとも三年間で約一兆五千億というものに対応できましたので、今後少なくとも三年間ということで、今、まずは二〇一八年までは五千億ということで考えておりますけれども、そういったものの中の一環として、更に増えていくという状況に対応するためには、財政当局としては当然のこととしていろんな案を考えるのであって、いろんな対応につきましてはいろんな御意見が出てくるんだと思います。私どもの案として出させていただいているということだと存じます。
○小池晃君 完全に開き直りですね。
 麻生大臣は、麻生総理だったときに、二千二百億の社会保障の削減はこれは間違っていました、やめますということを言った人ですよ。それが今や、消費税は増税する、社会保障は大改悪だと。
 結局、こんなことをやったら、私は、日本の経済も国民の暮らしも破壊されることになると。格差と貧困を広げるような政治をこれ以上続けるわけには絶対いかない。個人の尊厳を踏みにじるような政治を続けさせるわけにはいかない。
 日本共産党は、自民党、公明党を来るべき選挙で少数に追い込むために野党が力を合わせて戦い抜くと、今そういう議論を進めておりますので、必ず安倍政権を打倒するということを宣言させていただいて、私の質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で小池晃君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、松田公太君の質疑を行います。松田公太君。
○松田公太君 維新・元気会会派、日本を元気にする会の松田公太でございます。
 自民でもない、民主でもない、しがらみのない是々非々の政党をつくりたいと、こう思ってみんなの党からこの政界に入って、はや六年がたとうとしております。残念ながら、みんなの党はなくなってしまいましたが、その後、同じようなことを標榜していた政党も多々出てきましたが、分裂を繰り返して、今、国民の目から見たら、もしかしたらそのいわゆる第三極というのは風前のともしびのように見られているのかもしれません。
 それでも私は、日本の議会制民主主義、これを健全に発展させる、機能させるためには、間違ったことは間違っている、正しいことは正しい、これがしっかりと言える政党、これをつくり上げる必要があるというふうに思っております。日本を元気にする会は非常に小さな政党になっておりますけれども、その信念を曲げずに引き続き活動していきたいと、このように思っている次第でございます。
 まず、昨日結果が出ましたスーパーチューズデーについてお聞きしたいというふうに思います。
 当初の予想を覆しまして、ドナルド・トランプさんが勢いをどんどん増しているわけですね。このままいきますと、共和党の候補者になってクリントンさんとの一騎打ちになる可能性が出てきました。場合によっては、ドナルド・トランプさんが大統領になる可能性も出てきたというふうに思うんですね。
 トランプ氏は安倍総理とお会いしたことがあるそうですね。アイ・メット・ヒム・ワンタイムというふうに言っていました。そして、アベ・イズ・リアリー・スマート、アイ・ミーン・ヒー・イズ・スマートと言って、安倍総理は物すごく頭の切れるやつだというふうに言っているわけですね。その理由はなぜかというと、キャロライン・ケネディ大使を接待漬けにして、ワインとか食事をたくさんごちそうして何でも日本の言うことを聞かせるようにしているからだと、このように言っているわけです。
 まず、お聞きしたいんですけれども、安倍総理はトランプさんとお会いになられたことがあるんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、選挙中でございますので、特定の候補者についてのお会いした、お会いしていないということも含めてコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、昨日の結果、今後予備選挙がどのような展開をしていくかということについては大変注目をしておりますが、いずれにせよ、日米の同盟関係、これは極めて外交、安全保障上重要、基軸でございますから、新たに選出をされた大統領との間においてもしっかりと信頼関係を構築し、この同盟関係を発展させていきたいと考えております。
○松田公太君 おっしゃるとおり、日本にとってアメリカが最大のパートナーだというふうに思っておりますが、同時に、御存じだと思いますが、トランプ氏は日米安保条約をただ乗りで不公平だというふうに言っているわけですね。日本のことを痛烈にまた非難をしているわけですよ。このような方が大統領になってしまえば日米安保の改正を求めてくる可能性もあるんじゃないかなというふうにも思いますし、また、集団的自衛権の行使を強硬に要請してくる可能性も否定できないというふうに思っております。日本でもそうですけれども、米国でもどのような方が大統領になるか、これをしっかり考えながら安保法制というのは作り上げていかなくちゃいけないんだろうというふうに思っております。
 だからこそ、私たちは、昨年の安保法案のときに、本当は丸ごと考え直していただきたかったんですが、苦肉の策として、とにかく集団的自衛権を行使する存立危機事態の認定の際は国会を通すという修正、これを少なくとも必要だと思って作らせていただき、それによって、総理の一存ではなくて国会がしっかりと関与して認定をするということが決まったわけですね。そして、その詳細を自民、公明、新党改革、次世代、そして我々の五党、いわゆる五党協議で詰めていきましょうということにもなっているわけです。ただ、総理、この協議会がまだ一度も開かれていないんですね。全く内容を詰め切れていないんです、詰めれていないんです。
 総理は、先日もこの任期中に憲法を改正したいという発言をされましたが、私も、そういった話が出てきたら、それは正々堂々と議論していきたいと、このように思っておりますけれども、残念ながら、このような状況では我々もちょっと疑心暗鬼にならざるを得ないんですね。
 是非、総理、まずこの五党協議の早急な開催、これをお願いしたいんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 平和安全法制の際には、与党のみならず御党、松田委員とも、与党とそして三党と大変な議論を重ねたわけでございますが、野党三党の皆さんの賛成も得て、より幅広い合意が形成されたことは大きな意義があったと考えています。
 昨年九月十六日の五党合意においては、「平和安全法制に基づく自衛隊の活動に対する常時監視及び事後検証のための国会の組織のあり方、重要影響事態及びPKO派遣の国会関与の強化については、本法成立後、各党間で検討を行い、結論を得ること。」とされていることは承知をしております。合意内容に関しては五党の間で実現に向けて努力をすべきものであり、御指摘の開催時期を含め、政党間で十分に議論を行い、結論を得るべきものと考えております。
 私は、行政府の長たる内閣総理大臣としてここに立っておりまして、政党間の合意の具体化に関する事柄について、かつ、その内容が国会の組織や運営に関わるものについて政府としてはお答えをすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、しかし他方、自民党としては、合意の当事者としてその実現に向けて努力をすべきことは当然のことであります。
 本件は、松田代表とのお約束でもございます。自民党としても、まずは実務レベルでしっかりと対応してもらいたいと考えております。五党の間でしっかりと議論を行い、実現に向けて努力をしていきたいと考えております。
○松田公太君 総理、もう一か月切っています。是非よろしくお願いします。五党協議ですね、これしっかりと行われないと私は話が前に進まないというふうに思っております。よろしくお願いいたします。
 一点だけ、アメリカの大統領選にちょっと戻りたいんですけれども、総理は、非主流派と言われているサンダース候補とか例えばトランプ候補、こういった方々が人気を博していることをどのように分析されていますか。何といいますか、世界各国で格差に対するうねりというものが私はあるんじゃないかなと感じていまして、それが日本にも来るんじゃないかなというふうに分析しているんですが、総理はどのようにお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 米国の国内の選挙戦でございますから、言わばその中の一々の候補者の傾向や発言について申し上げることは、内政への干渉になりますので総理大臣としては差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、言わば格差の問題ということは世界的な一つのこれは課題であろうと、このように考えております。
 我が国におきましては、いわゆるジニ係数というものについては横ばいではございますが、我々、例えば家庭の経済事情によって進学を諦めなければならないという状況はつくってはならないと、このように思っているわけでございますし、格差の固定化はあってはならないと、こう考えているところでございます。
○松田公太君 さて、次に移りますが、今後の予算委員会を通じて、旧アベノミクス、三本の矢についていろいろと議論していきたいと思っているんですね。
 まず、是々非々の政党として言わせていただきたいのは、一本目の矢、これについては我々も賛成です。そして、二本目の矢については、例えばコストベネフィットの計算をして利益率が高いものに関してはどんどんやるべきだと思いますが、その他の部分については、概要的にですけれども、例えば民主党が言っていたコンクリートから人へ的な考え方の方が正しいんだろうというふうに考えている次第なんですね。そしてまた、三本目の矢、この構造改革については踏み込み不足だと正直思っております。今のままでは日本の経済を成長させるには至らないんじゃないかなというふうに考えております。
 二本目の矢と三本目の矢につきましては今後の予算委員会を通じていろいろ提言をさせていただきたいというふうに思っておりますが、その一本目の矢の金融政策、ここにつきましては、もう私も、六年前から金融緩和、是非やってくださいという話をしてきたんですね。これは民主党政権でも何度かさせていただきました。菅総理、野田総理にもしましたが、当時は、日本がハイパーインフレになっちゃうかもしれないということを言われて、これが全く実現しなかったんですけれども、それが安倍総理になって実現していただいたことは大変賢明な措置だったというふうに私は思っております。
 金融緩和の効果というのは当初顕著に現れましたよね。円安になって株高になってGDPも伸びていくと。非常にいい状況だなというふうに私は感じたんですが、残念ながら、現在はGDPも下がってきてしまっている。物価上昇率、CPIも、これは〇%、実際はコアコアCPIも〇・七%ですけれども、インフレターゲットの二%からは程遠いところにあるわけなんですね。そして、その大きな原因の一つが消費税の増税だったことは間違いないと思うんですね。もちろんそれだけではありません、それだけではありませんが、やはり完全にデフレから脱却するまでは消費税は私は上げるべきじゃなかったというふうに思っております。
 これも、六年前から私、一貫してずっと申し上げてきたことですが、残念ながら消費税は上げられてしまったというのが現状なんです。
 そこで、ちょっと資料を出していただきたいんですが、(資料提示)ちょうど二日前に一月の消費支出、これが発表となりましたけれども、三・一%下がっていましたね、これ。これを見ると明らかなんですけれども、消費税を上げると、その前と後ではがくんと一段落下がっているんですね、消費支出が。下がった後は、これは二〇一二年の数字、二〇一三年の数字と比較しても、もちろん戻していないという状況です。しかも、その下がった分が、大体三百六兆、三百七兆円から二百九十八兆円に下がっているので三%、なぜか消費税増税分と同じぐらい下がっているんですけれども、実は、一九九七年のときも二%下がっているという状況なんですね。
 今回もし消費税が上げられていなかったら今よりも三%上の部分で消費支出が私は推移していたと思いますし、大体消費が六割と計算しますと、GDPに対する効果というのは、私は十兆円、十五兆円あったんだろうというふうに思っています。だから、今でいうと、二〇一四年から下がっていますから、累積でいうと五百五十兆円ぐらいにGDPは回復したんじゃないかなというふうに思うんですね。本当に私は惜しいことをしてしまったなというふうに思っております。それこそ、本当に正社員、これが増えて、賃金が増えて、そして良いスパイラルというものが生まれていたんじゃないかなというふうに考えるわけです。
 当時、私は、消費税増税を本当に反対しながら総理のことをしっかりと拝見していたんですけれども、本当は総理は消費税上げたくなかったんじゃないかなと、こういうふうに感じていたんじゃないかなというふうに私は思ったんですね。どうでしょう、総理、当時全く悩まなかったですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 五%から八%に上げていくに際して、有識者の皆様、経済学者の皆様にお集まりをいただきまして検討会合を開催をしたところでございます。
 その中において、そういう意味においては、私自身も、どうすべきかということについてそうした方々の意見を聞くべきだと、こう思ったところでございます。その結果、有識者の大半の御意見は消費税を引き上げていくべきであろうという結論に達したところでございます。
○松田公太君 本音はなかなか言えないと思いますけれども、私は、本当は総理も上げたくなかったんじゃないかなというふうに感じています。
 さて、資料二の方を御覧いただきたいんですが、まず上のAの方ですね。これは、前々回、一九九七年のときの消費税増税と前回の二〇一四年のときの変化を表したものですね。これは総務省のグラフをそのまま使っておりますけれども、最後の方がちょっとしぼんでおりまして、もしかしたらこれは回復しているんじゃないかと思われるかもしれませんので、下のBのグラフも付けまして、実は消費税増税以降はずっと回復できていないということがこれで一目瞭然じゃないかなというふうに思います。
 上の資料Aに戻りますけれども、九七年というのは、実は私が脱サラをしてタリーズコーヒーを始めたときだったんですね。そのときにデフレが一気に進行しまして、もう本当に苦労したんです、これは。当時も、消費税が三%から五%、たかだか二%じゃないかというふうに言われたんですが、その二%が消費者にとっても物すごく重たいですけど、経営にとっても物すごく重たいんですね。これはもう大変だったんです。特に、コーヒー一杯売って十円若しくは二十円もうかる、もうからないというふうな商売していますと、この消費税増税によって単価が上がるというのは大きな影響になって、間違いなく景気は悪くなる、おもしになってしまうんです。
 その一九九七年のときよりも前回の二〇一四年、これを見ますと、もう三%ということですから、より大きな影響が出ているのがこれも分かっていただけると思います。非常に単純明快かなと思いますけれども、一%分の影響がこれだけ顕著に現れてしまうんですね。
 また、もう一つ言わせていただきますと、これは商売の現場を経験された方でしたら分かっていただけると思いますけれども、一〇%という二桁になるというのも、これは心理的に大きいんですよ、すごく大きいんです。そしてまた、お客様が買物に行って簡単に計算できるようになるんですね、一〇%というのは。例えば八%のときは、三千円の八%、何となくうにゃうにゃと一瞬なりますけれども、一〇%というと三百円とすぐ分かるわけですよ。そうなると、これは心理的に購買意欲を大きく実は減退させるんですね。これは間違いありません。ですから、私は、前回の三%のときよりも今度の二%のときの方がより大きく影響をもたらすというふうに考えています。
 金融緩和を継続しながら同時に消費税増税をするというのは、私はアクセルとブレーキを同時に思い切り踏むようなものだと思っていますので、やっぱり消費税増税は絶対に延期するべきだと思うんですね。総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 消費税については、もうこれ何回もここで答弁をさせていただいておりますように、リーマン・ショックあるいは大震災のような事態が発生しない限り、予定どおり消費税を引き上げていく予定でございます。
○松田公太君 総理は最近リーマン・ショック級とよくおっしゃいますが、私、実はそれ違うんじゃないかなというふうに思っているんですね。リーマン・ショック級の経済恐慌が起こってしまったら、もうそのときはなかなか手の付けようがないんです。無意味だとは言いませんけれども、焼け石に水状態になってしまうんですね。そんな状況で消費税を二%もう上げるのやめますといっても、なかなかプラスの影響は私は出てこないと思っています。
 つまり、平時のときに消費税増税をストップして、そして景気を回復させて、体力を何とか回復させることに私は意味があるんだろうと思います。会社でいえば、何とか利益率を上げる、国でいえば税収を上げる、そして借金を返せる体制にする。まあ鶏が先か卵が先かじゃないですが、私は、やはり体質改善をまずするということが重要じゃないかなというふうに考えるわけです。
 是非、消費税増税はやめていただきたいと思っていますが、世界経済、リーマン・ショックとおっしゃいましたが、を見ても、今、EUも中国も新興国も非常に大変ですよ。アメリカ一国だけが何とかエンジンを回しているという状況ですが、ここでまた日本が駄目になったら、もう私はアウトじゃないかなと思います。だからこそ、景気回復のために消費税増税をやめて、アメリカともう一つのエンジンになって景気を回復させる、それが私は、日本の経済だけじゃなくて世界経済のためでもあるんじゃないかなというふうに思っております。
 総理、どうでしょうか。もう一度お答えいただければと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般のG20においても、現下の世界経済に対しての分析そして対応について声明が発出されたところでございますが、今年は伊勢志摩においてG7サミットが開催され、私は議長を務めるわけでございます。その際にも、こうした現下の経済状況についてどのような協調ができるか、G7として明確なメッセージを出し、世界経済の持続的そして力強い成長に貢献をしていきたいと考えておりますが、それに向けて、国内外の有識者の皆さんあるいは著名な世界の経済学者にお集まりをいただいて、国際金融経済分析会合を開催して、現状についての分析をお伺いしたいと考えております。
○松田公太君 どうも総理の話を聞いていますと、その会議の後また伊勢志摩サミットの後は、何か消費税増税をやめるんじゃないかなというふうに感じてしまいますが。
 先日、安倍総理のブレーンでもある浜田宏一さんとノーベル経済学賞のクルーグマンさんの対談を読ませていただきました。その中でクルーグマンさんは、景気回復の最も効果的でなおかつ手早い政策は増税した消費税を一時的に減税することです、安倍総理が増税したことは気の迷いだったと言いながら、元の税率に戻すのがよいというふうに言っています。私も本来は減税をするべきだと思っていますが、それができないのであればせめて消費税増税をやめていただきたいと強く申し上げて、私の質問とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で松田公太君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、山田太郎君の質疑を行います。山田太郎君。
○山田太郎君 松田議員に引き続きまして、維新・元気会の山田太郎でございます。
 私の方は、ちょっと質疑通告、順番を変えまして、南海トラフ、首都直下型地震、それから子供の虐待というところを今日は質疑させていただきたいと思います。
 両方ともまさに命に関わる問題ということでありまして、先ほど松田議員の方からもありましたが、我々、提案型政党であります。提案を是非今日少しさせていただきたいと思うんですが、来週は、我が国にとっても大変な、記念日というか、いわゆる三月十一日の震災五周年に当たるわけであります。我々はこの教訓をやっぱり生かさなければいけないと思っております。
 私は、震災の後、皆さんもそうだと思いますが、現地にいろいろ行かせていただきました。その中でもいろんな碑があるんですね。宮古市には明治二十九年と昭和八年に津波がここまで来たよというような碑があったり、牡鹿半島の方も随分回ったんですが、碑がある。結局、我々はそういう先人の教訓を本当に生かせていたのかどうか。今度、我々自身がその教訓を生かさなければいけない。そうなってくると、次に想定される南海トラフ、それから首都直下型地震というのは、本当に我々、どういうふうに今対処しようとしているのか。これは大変な問題でもあると思っています。
 この機会でありますので、是非その辺り、河野防災大臣の方に、この二つの地震の発生の可能性、想定される人的被害、物的被害、経済損失、経済に与えるインパクト、お答えいただけないでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 文部科学省の地震調査研究推進本部の地震調査委員会によりますと、南海トラフでマグニチュード八から九クラスの地震が発生する確率並びに南関東地域でマグニチュード七クラスの地震が発生する確率は、共に三十年以内に七〇%と推定されております。
 平成二十四年から二十五年にかけて中央防災会議のワーキンググループが行った被害想定によると、被害がおおむね最大となるケースで、南海トラフ地震の死者、行方不明者は約三十二万人、建物の全壊、焼失棟数は約二百四十万棟、経済被害額は、直接、間接被害を合わせて二百十兆円。同様に、首都直下地震の死者数は二万三千人、建物の全壊、焼失棟数は約六十一万棟、経済被害額は約九十五兆円と想定されております。
 これは、東日本の死者その他を著しく大きく上回るものでございまして、我が国全体の社会経済活動に甚大な影響を及ぼすものだと思っております。
○山田太郎君 確かに、河野大臣はさらっと読まれたような感じだったんですが、三十二万人が亡くなる、しかも三十年以内に七割、お天気予報だったら必ず雨が降るという予測でありまして、もう必ず来ると。もちろん、政府は、今回、注意喚起をするために、南海トラフであれ首都直下型であれ最大の想定をした、このことには、喚起としては敬意を表したいと思いますが、やっぱりこれ何とかしなければいけない。もしかしたら、私自身の問題意識は、防衛も大事ですけれども、それ以上に、必ず来るこの地震に対して我々はどうするのか、このことが必要だと思っています。
 そこで、予算委員会ですから、この大変な影響がある地震に対してそれぞれの、二つの地震についてのそれぞれの対策費用は、予算はどうなっているのか。これ、河野大臣になるかと思います。教えてください。
○国務大臣(河野太郎君) それぞれの地震の対策予算というふうに分けては計上してございません。平成二十七年度防災関連の予算としては、災害予防関係と国土保全関係として、政府全体で六千三百億円を計上しております。
○山田太郎君 気になりましたので、私の方でも今回の例えば南海トラフに関してひも付いている特別な予算がどれぐらいあるかというふうに見付けたんですが、これ実は、推進費用として一千六百五十一億円、南海トラフ巨大地震、首都直下型地震等の推進ということで、実はひも付いているのはこれしかないと。もちろん、国土強靱化の全体の中で、どこでも地震が起こるから対応しているんだといえばそのとおりかもしれませんが、ただ、地域特性という問題はやっぱりあると思っているんですね。
 先ほどの被害の中には、実は避難者、首都直下が起これば九百五十万人が避難しなければいけない。これは、通常のいろんなところで起こる地震よりはるかに大きな避難をしなければいけないということでありまして、これは通常の地震対策費という中では対応ができないんではないか、こういうふうにも思っています。
 そんな中で、特に気象庁の早期の予測をきちっと国民に伝えるというところが実際どうなっているのか、これが非常に私は気になるんですが、気象庁、今日来ていただいていると思いますけれども、それぞれ南海トラフ、首都直下型について、どのような被害特性に合わせた対策と予算を組んでいられるのか、是非教えてください。
○政府参考人(西出則武君) 気象庁では、全国約三百か所に設置した地震計や関係機関の地震計のデータを活用して地震や津波を二十四時間体制で監視しております。
 南海トラフ地震に対しては、海洋研究開発機構が紀伊半島沖に設置している海底地震計や沖合津波計のデータを活用しております。また、首都直下地震に対しては、防災科学技術研究所が首都圏の地下深くに設置した地震計のデータを活用しております。
 気象庁としては、引き続き関係機関と連携し、緊急地震速報や津波観測情報を迅速に発表してまいります。
○山田太郎君 もう一度気象庁に聞きたいんですが、それぞれの地震に対してひも付いている予算、地域特性を生かした対策費用、これは具体的にどうなんですか。
○政府参考人(西出則武君) 気象庁の平成二十八年度予算案におきましては、南海トラフ地域や首都圏を含む全国における地震計等の観測や、津波警報、緊急地震速報等の発表、伝達による災害の防止、軽減に充てる経費として十六億一千百万円を計上しているところでございます。
 南海トラフでありますとか首都圏というのを直接ひも付けた予算としては、特に南海トラフについては、沖合に整備したケーブル式常時海底地震計観測システムの陸上部機器の更新強化の経費として三千万円を計上しているところでございます。
○山田太郎君 予算の多寡では私は確かにないと思います。
 是非、気象庁長官の方で知っておいていただきたいんですけれども、DONETですよね、これは六億八千二百万やっているようですので。ただ、一桁億。防衛費が五兆円のこの時代に、やっぱり内なる防災というんですかね、これの憂いを絶対してはいけない、これがあの日に刻まれた、もう一度我々に教えられたことだというふうに思っているわけであります。(資料提示)
 とはいうものの、じゃ、政府は何もしていないかというと、どうやったら亡くなる方を減らすかということでやっていらっしゃる、そのシミュレーションをしています。全部取り上げる時間がありませんから、まさに南海トラフ、三十二万人ですよ、三十二万人が亡くなる可能性があるけれども、津波の二十三万人に対しては施策を取れば四万六千人まで減らすことができると、こういうふうに試算をされています。
 ただ、これにはハードとソフトの二つの側面から対応しなければならないということで、こういうプロセスに基づいて、何もしなければ三十二万人亡くなるけれども、対応、対策をしていけば組合せでもって四万六千人、ここまで被害を少なくする、もちろんゼロにするべきだと思いますが、少なくできると、こういう試算をされているんですが。
 さて、ここでお聞きしたいんですが、今の基本計画の中で、この資料はその基本計画の像を表している、津波対策について表している図でいただいたものなんですが、どこまで進んでいるか、どの箱の部分までソフトとハードが進んでいるのか、この辺り、これは防災大臣になると思うんですけれども、教えていただけないでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) まず、二十三万人からスタートしておりますが、これは地震発生からすぐに避難を開始する方が二割という想定でございます。これを二割から全員にすぐ避難をしていただくということ、それから既存の津波避難ビルが有効活用することができるようになれば、二十三万人から六万人まで死者を減らすことができるわけでございます。ここはほとんどお金が掛かりません。これは、そういうふうに早く避難を開始していただく、あるいは津波用の避難ビルを有効活用するという言わばソフトの部分でございますので、ここはしっかりやってまいりたいと思っております。
 そこから四万六千人に死者を減らすためには、建物の耐震化、それから家具の転倒防止策、これをしっかり進めるということで、六万人を更に四万六千人まで減少させてまいりたいと思っております。ここにつきましては、先ほど申し上げました政府全体で六千三百億円を計上しているわけでございますが、これを活用してまいりたいと思っております。
 そして、これがどれぐらい進むかということでございますけれども、防災担当部局といたしましては、津波避難ビルの指定がどれぐらい進んでいるか、あるいは防災無線がどれぐらい整備されているかなど、アウトカム指標をこれからしっかり取って進捗状況を管理してまいりたいと思っております。
○山田太郎君 そこでお聞きしたいんですが、じゃ、そのビル、それから無線はどれだけの進捗が進んでいるんでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 計画期間が南海トラフは平成二十六年からになっておりますので、こうした指標をこれから取ってまいりたいと思っております。
○山田太郎君 つまり、平成二十六年からやっているということでありまして、遅きに失するということはないと思いますけれども、やっぱり五年前の震災、私はなかなか教訓が生かされていないというふうに思っているんですね。
 この計画がまた長くて、十年にわたって整備をしていくという計画にそれぞれなっていまして、あした、あさって来るかもしれない、来年来るかもしれない状況下の中で、十年にわたって、三十年以内に七割来る対策、しかも三十二万人も亡くなるかもしれないということについては、余りにも私は対応、対策がお粗末なんではないかと危惧するわけであります。
 もう一つ、自治体の対応も必要だと思いまして、国だけが頑張っていてもこの地震対策はできません。基礎自治体、広域自治体がどの程度、どういう進捗にあるのか、どう把握されているのか、これは総務大臣になると思いますので、総務大臣、お答えください。
○国務大臣(高市早苗君) この消防庁の関連施策については、地方公共団体と密接に連携を図って実施をしております。
 地方公共団体が実施する取組の進捗状況ですが、平成二十七年四月一日時点でございますが、緊急消防援助隊の強化については、四千九百八十四隊が登録されました。平成三十年度末までに六千隊を目標としております。それから、自主防災組織のカバー率でございますが、八一%となっています。これも一〇〇%に近づけることが目標です。
 このほかに、地方公共団体が自ら実施する取組として、業務継続計画ですけれども、四十二都道府県、六百三十五市町村が策定済みでございます。防災拠点となる公共施設の耐震化については、八八・三%まで進捗いたしました。今後、広報啓発活動も含めましてしっかりと取り組んでまいります。
 また、緊急消防援助隊、それから自主防災組織につきましては、二十八年度分の予算につきましても、それぞれ消防庁として五十八億円、そしてまた六・五億円を計上しております。
○山田太郎君 もうちょっと突っ込んでやっていきたいんですけれども、時間もあります。
 最後、総理にこの点についてお伺いしたいんですが、やっぱり先人の命、もしかしたら亡くならなくて済んだかもしれない政策があったかもしれない。そう思えば、一日も早く、十年なんという計画ではなくて、今回の五周年を機に大きく見直していく、加速化していくと、こういうふうにしていただきたいんですけれども、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今後とも、私自身が国のリーダーとして先頭に立って、国民の生命と財産を守るために、政府の総力を結集して、同時に地方自治体としっかりと連携しながら、基本計画にのっとって、平時からの防災・減災対策、特に防災・減災によって一人でも多くの命を守っていきたいと思っておりますが、有事の災害対応に万全を期してまいりたいと思います。
○山田太郎君 さて、次は、もう一つの命の問題、子供の虐待の話について質疑させていただきたいと思います。
 まず最初に、事実関係から把握していきたいと思いますが、年間の児童虐待の相談件数が今どうなっているのか、これ厚労大臣になるかと思いますが、お答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) お尋ねの児童相談所における児童虐待相談の対応件数でございますけれども、年々増加をいたしておりまして、平成二十六年度は八万八千九百三十一件となっております。
 児童虐待による死亡事例については、自治体と協力して調査し、厚生労働省の専門委員会で検証を行うということになっておりまして、これ、人数もですか。
○山田太郎君 またもう一回聞きます。
○国務大臣(塩崎恭久君) はい。
○山田太郎君 このフリップを御覧いただきたいんですけれども、まさに八万九千弱、年々増加しているという実態であります。
 一方で、今お答えいただけそうでしたけれども、子供の虐待死についても、具体的にその人数、それから加害者が一体誰なのか、こういった辺りもお答えいただけますでしょうか。これ、厚労大臣になるかと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) この虐待死の例につきましては、先ほどちょっと申し上げましたが、自治体と協力して調査を厚労省でしておりまして、専門委員会で検証を行っております。
 平成二十五年度の数値は六十九人となっておりまして、実母が一番多かったというふうに理解をしております。
○山田太郎君 そうなんですね。まず、把握できているところで、年間六十余人、毎週一人の命が虐待で亡くなられている。しかも、事もあろうに、この加害者は実父母それから養父母がほとんどのケースを占めている、つまり家庭内で行われているということでありまして、逆に、虐待とその死亡の問題は、なかなか家庭内にあるために分かりにくいというところがあるかと思っています。
 一方で、痛ましい事件、最近たくさん起こっています。今年の一月に埼玉県狭山市で起こった児童虐待事件、概要に関して、これ、担当大臣、加藤大臣になると思いますが、少し概要を教えていただけないでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) あくまでも報道ベースで申し上げさせていただくことになると思いますが、今年の一月でありますが、狭山市で三歳の女の子が自宅マンションで死亡したと、母親と内縁の夫が保護責任者遺棄致死容疑で逮捕されております。捜査関係者の言葉によりますと、押し入れに金具とロープで閉じ込められたり、熱湯を掛けたりした疑いがあり、発見時には痩せ細り、胃には食物もなかったと、こういう事案でございます。
○山田太郎君 大変痛ましい内容でありますが、私がこれを取り上げた理由は、実は近隣住民から事前に、女の子が布団にくるまり玄関に出されていたと、それで警察はそのことを知っていて、通報されて、ただ、これが児童相談所の方にしっかり情報も行っていなかったと、こういうことで、このケースはやっぱり行政の現場の縦割りが一つ大きな問題だったんじゃないかと。市も児童の協議会もこのことははっきり認めていることなんですね。
 さて、もう一つ、行方不明の子供たちという話も少し虐待とともに考えていかなきゃならないんですが、一年以上居所不明児童というのが一九六一年から二〇一五年までに累計何名で、現在の居所不明児童は何人なのか、これは文科大臣の方、お答えいただけますか。
○国務大臣(馳浩君) 学校基本調査では、一年以上居所不明である児童生徒数を一九六一年度から調査しております。毎年度の人数を単純に集計すると、二〇一五年度までの五十五年間の累計で延べ二万四千百九十五人であります。ただし、この中には複数年度にわたって居所不明である同一の児童生徒が重複して計上されていることについては御留意をいただきたいと思います。
 直近ではありますが、平成二十七年度で百十八名、このうち学齢児童、七歳から十一歳が七十三名、学齢生徒である十二歳から十四歳までが四十五名と、こういうふうになっております。
○山田太郎君 この居所不明児童というのは、実は、自治体の住民票があるにもかかわらず居場所が分からないという子を対象にしているんですね。実は、母子手帳を受領した妊婦さんから生まれてきた子がちゃんと住民登録されているかどうかは実はいろんな問題があったりします。この辺りは把握されているのかどうか、これ、厚労大臣、教えていただけますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 母子手帳を交付されていながらその後フォローができないというケースについては私どもの方でも把握をしなければいけないということでございまして、ただ、しっかりできているかどうかというのはいろんなケースがあり得て、途中で残念ながら流産をされる方とか、そういう方もおられるものですから、そういうところまでが正確に把握できているかどうかということについて、私どもとしては正確なところははっきり分からないところもございます。
○山田太郎君 もちろんいろんなケースがあることは把握しているんですが、ただ、実は児童虐待で死亡の最大の年齢はゼロ歳ゼロか月。まさに生まれた直後に捨てられるように亡くなるケースが実は一番多いんですね。
 こういうことを考えると、やはり母子手帳からも探っていくということをやらないと、居所不明児童だけの問題では我が国はどれだけの子供がいなくなっているのかということは分からない。これは是非政府にきちっと調査をお願いしたいと思いますが、一方で、警察の方も、子供の行方不明届の受理件数と原因調査、それから結果の追跡を行っているかどうか、その辺り詳細に教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(種谷良二君) お答えいたします。
 平成二十六年中、都道府県警察において、九歳以下の者に関する行方不明届を九百六十九件、それから十歳代の者を一万七千七百六十三件、受理しているところでございます。
 児童に関する行方不明届が出された場合には、警察におきましては、様々な警察活動を通じて早期の発見、保護を図っておりますけれども、中でも犯罪により生命又は身体に危険が生じているおそれがある場合、生命に関わる事故に遭遇しているおそれがある場合など特異な場合については、立ち回り見込み先の探索等のより迅速な対応に努めているところでございます。
○山田太郎君 要は、十歳以下の行方不明、実は多くがプチ家出というのも入っちゃっているそうでありまして、ただ、中には非常に厳しい状態にある子もいるのかもしれません。
 私は、警察の方もなかなか今把握できていない、その後がきちっと追えていないというのも問題なんじゃないかなと。この辺はきめ細かく今後追って、どうなったのかの把握をしてほしいんですが、これは国家公安大臣である河野大臣の方に是非コメントいただけますか。
○国務大臣(河野太郎君) 行方不明届が出ている子供たちに関しましては、やはりなるべく早く発見、保護を図る必要があると思いますし、犯罪に巻き込まれているおそれのある特異な場合、特異行方不明者の場合などは、立ち回りの見込み先の探索などしっかりやって早期発見に努めてまいりたいと思います。
○山田太郎君 ということで、警察、厚労、文科、いろんな立場がありますが、やっぱりそれぞれが担当というところがあって、縦割りの部分があるのではないかと。この話は、実は一月の十九日に予算委員会で菅官房長官にも質疑させていただきまして、今後、国家行政組織法が四月から改正されることによって総合調整権限ができる、それから、答弁としても、児童の虐待の問題は政府が一丸となって取り組まなきゃいけないと、こういうことであります。
 私、実は僣越ながら官邸の方に、安倍総理、菅官房長官に要は要請と提案書というのを持っていった実は経緯がございまして、この官房長官のいわゆる質疑、発言を受けて、中身ですよね、どういったものをつくるのか、これは是非お願いしたいと、こういうふうに思っております。
 是非、菅官房長官、御発言いただけないですか。
○国務大臣(菅義偉君) この児童虐待対策について、委員から総理宛て、私ども宛てに要望書を頂戴をいたしています。
 今この議論でも明らかになってきましたけれども、こうした虐待が減るどころか増え続けているという実態、そして、今の国の行政の縦割りの中でなかなか具体的なことができかねている部分も数多くあるというふうに思っています。
 そういう中で、先般私申し上げましたこの国家行政組織法、これの改正によって、各省等への総合調整の権限、そこをそれぞれの、どこにするかということを、権限、できることになりましたので、警察がいいのか、あるいは厚生労働省がいいのか、今、文部科学省も総務省も関係します、そういう中で、やはりどこかが必ず責任を持って、そしてそれぞれの省庁としっかりと連携をして、こうしたことをなくすことができるように政府としては一つ一つ着実に、そしてまた早急に取り組んでまいりたいと思います。
○山田太郎君 提案すると言いましたんで、ちょっと時間がないので提案をしたいのは、私はもうどこがじゃなくて子供庁というのをつくるしかないのかなと。子供未来庁でもいいです。子供に寄り添った省庁がなければ縦割りはいつまでたっても終わらない。
 そこで、提案なんですが、これフリップを見ていただきたいんですけど、岐阜県にもそういった試みがあって、エールぎふというのをつくっています。子ども未来部もあります。イギリスとノルウェーにおいても、これは文科省と別に子供を専門とするそれぞれの省庁、機能を持っているところがあります。是非そういった、国内でもそういう動きになっていますし、海外でもやっぱり子供を視点とした縦割りを排した、どの国もそういう問題を持っていたようですから、そういった解決型の再編をしていただきたいというふうに思っております。
 提案書の中にはその子供庁のことも詳しく書かせていただきましたが、最後にこの件、菅官房長官、そして安倍総理にとってもこの問題は大事だと思います。それぞれ御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 委員の御指摘を真摯に受け止めさせていただきたいと思います。そして、今の現実、そこを解決することがまず一番大事だというふうに思っていますので、できることからしっかり対応していきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 委員が言われたように、子供の貧困や児童虐待、あるいは子育て支援等、子供を中心として様々な政策というのはもちろん一体的に見ていく必要もあるだろうと思います。
 私は、本部長として、全閣僚によって構成される子ども・若者育成支援推進本部においても、先月、子供・若者育成支援推進大綱を決定したところでございますが、しっかりとこれは縦割りを排して、子供の育ちをしっかりと守っていきたい、見守っていきたいと思っております。
○山田太郎君 是非二つの命、震災と子供、是非やっていただきたいというふうに思っております。
 表現の自由は得意技だったんですけど、時間がなかったのでまた次回やらせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 以上です。ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で山田太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、片山虎之助君の質疑を行います。片山虎之助君。
○片山虎之助君 おおさか維新の会の片山虎之助でございます。
 それじゃ、順次質問させていただきますが、まず、参議院の本会議で憲法改正問題について、少し前回、過日触れさせていただきましたんで、その追加といいますか、続きを少しやらせていただきます。
 私は、もう言うまでもなく憲法は国の基本法、国の形を決める基本法、最高法規、これがより良きものになる努力はみんなすべきだろうと、こういうふうに思いますね。触らなければいいんだと、そっと置いときゃいいんだと。まあ、七十年間そうだったんだけどね。いや、それが果たして正しいんだろうかと、こう思っております。より良きものにするということは、いいところは全部残すんですよ。いいところは残して、今の国情に合わない、時代に合わないところがもしあれば直す、変えていく、足りないところがあれば付け加える、そういうことだと思うんですね。
 それについて、総理の基本的な認識をまずお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 全く委員に同感、片山委員に同感でございまして、これはもう憲法ができ上がって七十年近くになるわけでございます。時代にそぐわないものもございます。そして、新たに付け加えていくものもあるでしょうし、そしてまた、そもそも私たちの手で憲法を作っていく、この精神を持つことが大切ではないかと。
 いずれにせよ、国民投票にかけられるわけでありますから、国民的な議論の中で私たちの国の形を決めていくことが大切ではないかと思っております。
○片山虎之助君 そこで、まあいろいろあるんですね。
 あるメディアの調査によりますと、今の憲法はやっぱり今の時代、国情に合っていないというのが過半数以上ある、直す、変えるべきだというのも過半数以上ある。ところが、この夏の参議院選挙で、これはまあメディアが好んで言っていますよね、改憲勢力、この改憲勢力という言葉も私は違和感があるんだけれども、改憲勢力が三分の二になることは好ましくないという、拮抗しているんですよ、好ましいと好ましくないが、しかし好ましくないのがちょっと多いんですね。
 頭から憲法改正はタブーにして、何となく立憲主義に反するような、そういう雰囲気が私はあることが憲法問題の我が国の不幸だと思うんですよ。もっと冷静にフラットに、ちゃんとあるべき憲法というものを議論して、この国をどうしようかということを、そういう意味での認識、連帯意識をつくっていくということが私必要ではないかと思うんですよ。何をどうやるかもあれしないのに、駄目だ駄目だ駄目だと、憲法を言うなと、いかがかなと思いますが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 憲法には指一本触れてはならない、こういう空気を醸成し、思考停止に陥ることはあってはならないんだろうと思います。常に、時代時代に日本のために何をすべきかという中において、憲法もやはりその対象なんだろうと、こう思うわけであります。成立から七十年たっているという現実も見なければなりません。
 そして、よくこの三分の二の勢力云々という話があるんですが、これは最終的には、これは法律と違います、国会が決めるんではなくて、国会はあくまでもこれは国民の皆様にどうでしょうかという発議をするわけでありますから、決めていただくのは国民でございます。ですから、まさに国会は発議するにすぎないということでございまして、ですから、三分の二の勢力云々というのは、これはやや議論としておかしいのではないのかなと。
 つまり、これはただ単に、この条文についてはどうだろうかということが国会の中でこれは熟して、そしてそれが三分の二に達すれば国民の皆さんに御判断をいただくということではないかと、このように思います。
○片山虎之助君 総理、私は安保法制のときも申し上げたんですよ、憲法は国会マターですよと、内閣マターじゃありませんよと。今言われたのと同じですよね。しかし、安保法制は安保法制の都合でああいうことになったんですけれども、今言われたとおり、国会マターで、国会が発議して国民が最終的に判断するんですよね。
 私はそれが正しいんで、そこで私どもは、おおさか維新の会は憲法改正について案を今作っております。間もなくまとまると思いますが、我々がまず考えたいのは、地方自治のところをもう少し充実する、統治機構の改革を含めてちゃんとやる、憲法裁判所をできればつくりたい、安保法制のあのような議論がある。もう一つは教育の無償化なんで、これは大問題ですからこれからやっていきますけれども、私は、各党各会派が、総理がお好きな言葉です、各党各会派、憲法審査会に案を持ち寄って何をどうやるかの議論を国民的な注視の中でやったらいいと思うんですよね。
 そこで、自民党は谷垣総裁のときに作った案で、あのままですか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自由民主党としては、谷垣総裁時代に作った案を党としての案としてお示しをしているところでございます。
○片山虎之助君 これは国会マターですから、まさに国会自らが決めることで、最初から論議をしないとかなんとかということは私は良くないと思いますよ。七十年間論議を封印したことがむしろ問題なんで、堂々とやって、いい悪いやったらいい。どっちがいい、どっちが悪いというのは、これはいろんな議論があるんで、いろんな価値判断があるんで、是非それを各党各会派にもお願いいたしたいと思います。
 そこで、私どもは提案型政党の本家だと思っています。まあ提案型があっちこっちから出てきまして結構でございますけれども、今回も私どもは、企業・団体献金の禁止法案、消費税の延期法案、これをまとめました。数が少ないからなかなか国会に出せないんですが、今後とも努力いたします。
 その絡みで、政治献金と政策減税の関係について少しお尋ねいたしたい。
 平成二十三年度から、民主党政権のときですけれども、租税特別措置の実態調査の報告を国会にするようになりました。私は結構なことだと思うんです。結構なことだと思うんだけれども、それはコード番号だけで企業名は出ませんわね。これはいろんな議論があるんでそういう措置をとったんだと思いますよ。
 ところが、これも過日のある新聞だったと思いますが、報道によると、自民党政権に替わってから政策減税が倍になったと、これはアベノミクスをやるためのいろんな恐らく税制上の措置をとったことを含むんでしょうが、倍になったと、しかもその恩恵は大企業に六二%行っていると、こういうことなんですが、確認いたします。政府、お答えいただきたい。
○国務大臣(麻生太郎君) お尋ねのいわゆる租特の適用実態調査の報告書というものを基に、これは一定の前提を置いてやりませんといけませんので、法人税関係の租特の減収額というものを試算しておりますが、平成二十四年度一兆、二十五年度一兆五千億であったのに対し、平成二十六年度は二兆一千億円となり、二十四年度に比べてほぼ倍増いたしておりますのは事実であります。
 一部の報道で二十六年度の減収額一・二兆円とされていたという文書を基にしておられるのかもしれませんが、これは租特のうちの税額控除などの一部のみを抜き出した数字だと承知をいたしておりますので、そのベースで見ましても二十四年度と比べますと約倍増しているという形になっております。
○片山虎之助君 今、財務大臣からお話ありましたが、このパネルにありますように、(資料提示)民主党政権時と自民党政権時、分けて棒グラフに書いておりますけれども、お話しのように、二十四年度に一兆三億円だったものが二兆五百八十七億円になる。幾ら何でもちょっと倍増というのはいかがかなと思いますし、今、一生懸命、安倍政権は法人実効税率の引下げをやっているんですよね。そういうときにこの租税特別措置、法人関係の減税がこれだけ額が伸びるというのはいかがかなと思いますけど、その辺はいかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 片山先生、よく、数字の上でいきますと、二十六年度にかけて租特において、我々にとりましては、いわゆる財務省にとっては減収することになりますので、減収額というのが増えておりますのは、これは何といっても経済再生等々によりましてこれは法人税を納める黒字企業というのが一挙に増えてきております。これ大体二〇%台だったものが三〇%台まで増えてきておりますので、そういった意味では、この経済再生に向けて賃金引上げなどを促すための所得拡大促進税制といった租特というものを思い切って充実させたということもこれは非常に大きく影響しておると思っております。
 こうした対応も一つのきっかけとして、例えば二年連続で大幅な賃上げというのが実現しておりますので、経済の好循環が回り始めていることも大きく影響しておると思っております。
○片山虎之助君 今、財務大臣が言われたとおり、大きいのは研究開発関係の拡充と生産性向上の設備投資ですよね。それをまけるのと、あとは賃金を上げたら賃金分を控除してやると、こういうあれなんですね。それはそれで私は意味があると思うけれども、全体として法人実効税率を下げているときにやっぱり縮小すべきじゃないんですか。
 そこで、今問題になっているのは、これも某メディアのあれですけれども、その関係とは必ずしも言っていないんですが、それによって自民党への企業・団体献金がかなり増えていると。まあ増えていますよね。これ、政府、説明してください。
○国務大臣(高市早苗君) 失礼します。
 自民党にというよりも、自由民主党の政治資金団体である国民政治協会が受けた企業・団体献金の金額ですが、平成二十三年は十三億二千万円、二十四年は十三億七千二百万円、平成二十五年は十九億五千四百万円、平成二十六年は二十二億一千三百万円、平成二十三年から二十六年の合計は六十八億五千九百万円です。
 ちなみに、それぞれの政党に対しても法人その他の団体からの寄附はございますけれども、野党の皆様のところも含めて、割と二十五年から二十六年は増額になっております。共産党さんは受け取っておられません。
○片山虎之助君 国民政治協会経由のものですよ、このパネルは。これ以外に、支部ですよ、中心は、それが約七十億あるんですよ、その企業・団体献金は。
 だから、我々は、やっぱり甘利さんの問題もその他いろんな問題も出るので、政党助成金もあるんだし、企業・団体献金はもっと厳しくする、あるいはやめる、こういう決断がやっぱり要るんじゃないかと思いますよ。総理、いかがですか、検討されるおつもりはありますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もう片山委員も参議院自民党の幹事長をやっておられましたから、これはよく御存じのことだろうと思いますが、これは租特とこの献金額とはこれ全く関わりがないわけでありますが、我々は、大切なことはお金でもって政策をねじ曲げてはいけないということでございまして、それは個人献金であろうと団体献金であろうと、あるいは企業献金であろうと、これは同じことではないかと、このように感じております。
○片山虎之助君 ところが、補助金については、これとまたちょっとこの減税は違うんですよね。補助金については自民党政権になってから、平成二十五年ですが、臨時閣議か何かで決めて、ホームページその他でオープンにするようになっているんです。だから、どこの企業なり団体に幾ら補助金を出したかというのは大体分かる。ところが、こっちの政策減税の方は、これは分からないんですよね。それから、補助金の方は、一年間は補助金を国等からもらったところは政治献金できないんですよね。それを分かってか分からずかやって問題になりましたよね、何件か。ところが、こっちの方は何にもないんですよ。
 ある意味で、政策減税は隠れた補助金なんですよ。払うべきものを払っていないんだから、政策的にまけてもらっているんだから。補助金は、まあ補助金は裁量行為で個別じゃないかと、こういう議論は確かにありますよ。しかし、政策減税と補助金を比べたときに、ちょっといかにもバランスを欠く。一方はオープン、一方は非公表でしょう。もう一方は、一年間、もらった企業は企業・団体献金できない、こっちはできるんです、まあ野放しと言ったらいかぬが。その辺のバランスは総理、いかがですか。私はもう今自民党の幹事長じゃありませんので。
○国務大臣(麻生太郎君) 法人税関係のいわゆる租税特別措置の適用状況というのは、これはもう毎年度国会に提出をさせていただいております適用実態調査の報告書においてお示しをさせていただいておりますが、政策税制の利用状況を明らかにして政策の企画立案に役立てていくということを目的としておりますのは御存じのとおりです。平成二十二年度立法されましたが、これは二十二年ですから民主党政権のときなんですが、こうした目的に照らして個別企業名までは公表する必要はないと整理をされておりますのは御存じのとおりです。
 現在、この調査を通じまして、政策税制の適用件数、適用金額、適用状況の偏りといった状況を把握して税制改正プロセスで有効に活用させていただいておりまして、現行の扱いを変えるということを今考えているわけではございません。
○片山虎之助君 せめて政策減税については、限定しても工夫しても、何かもう少し透明度を上げるということが必要じゃないかと思うし、補助金を受けた場合には一年間禁止ですよね。あれはもう大議論があって通った法案なんですよ、私も記憶していますけれども。
 政策減税についても何らかの歯止めがないと国民の理解を得られませんよ。いろいろ政策的にやって、その結果が、結果としてですよ、関連があるかどうかは別にして、それが政治献金で還流しているなんというと、国民は消費税をこれから負担していくわけですから、耐えていくわけで、私はそれは何か要ると思いますよ。
 しかも、我が国は政党助成金があるんですよ。ちょっとパネルを見てください。政党助成金で、これはヨーロッパが多いんだけれども、アメリカは今大統領選をやっていますが、これは特殊の助成ですよね、PACというまた別の制度もあるし。日本が一番高いんですよ。国民一人当たりの単価は日本は二百五十円でドイツは二百五十一円ですけれども、総額はもう日本が圧倒的に多い。見てください。イギリスはこれだけですよ。フランスは企業・団体献金をなくして政党助成金はありますよ。日本はこれ七十八億円、支部分ですね、これ以外に二十二億の国民政治協会があるので。
 そもそも政党助成金は、総理始め皆さん御承知のように、企業・団体献金をやめようというところから始まっているんですよ。ところが、結果としては二重取りになっていますよね。二重取りと言わざるを得ない。どちらかをやっぱりある程度抑制するとかオープンにするとか、こういうことがないと国民の私は理解が得られないと思いますよ。総理、どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この政党助成金についての経緯は、一部今委員が御説明になられたわけでございますが、個々の政治家の資金管理団体に対する企業・団体献金については五年後に廃止するものとされ、そのとおり五年後には廃止されたわけであります。他方で、政党等に対する企業・団体献金の在り方については、各党間で合意に至らなかったものと承知をしております。
 いずれにせよ、この問題は、民主主義の費用をどのように国民が負担していくかという観点から、各党各会派において十分に御議論をいただきたいと思います。
○片山虎之助君 総理のお得意の各党各会派が出ましたので、問題は引き続いて、我が党で引き続いて議論をさせていただきたいと思います。
 そこで、消費税の我々は延期法案出させていただきました、再増税につきまして。私は、再増税をする場合には三つ要件があると、これはやや個人的にですが、考えております。景気の動向、身を切る改革の実行、もう一つは軽減税率の財源探しがしっかりできるか。
 三つともできていないじゃないですか。それでもやられますか。景気は大変おかしいですよ。もう今朝からも大変な議論がある。衆議院でも議論ありました。そこにパネルがありますけれども、消費が良くないですよね。ずっと下がっているんだ、一貫して、何年間も。総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 消費の動向についてはしっかりと注視をしていきたいと思いますし、また下支えも考えていかなければならないと。下支え、これは補正予算ということではなくて、例えば三万円の低所得者、年金生活者への給付等も行うわけでございます。こうした形で下支えをしていきたいと、こう考えておりますが。
 今三つの条件というふうに言われたのでございますが、景気の動向につきましては、これはもういつも申し上げておるんですが、リーマン・ショックあるいは大震災の事態にならない限り消費税を引き上げていく考えでございます。
 そしてまた、二つ目の身を切る改革につきましては、我々、定数を、これは衆議院でございますが、定数を十減らすということを決断したところでございます。
 そしてまた、もう一点の軽減税率の財源については、もちろんこれ財源の手当てができなければ、それは消費税は引き上げることができないのでございますが、この引上げまでに間違いなくしっかりと財源を得て、財源を決めていきたいと、このように考えております。
○片山虎之助君 話がいろいろ飛ぶのであれですが、身を切る改革もこれからでしょう、総理。定数削減はやっていないんですよね。
 そこで、昨日も議論になりましたが、府県の単位に衆参の選挙をやると必ず格差問題は続きますよ。これは首都圏の一極集中を止めようと思っても止まらない、なかなか。スピードを落とすことはできるかもしれません。全体の人口は減っているんですから、必ず衆も参も格差問題ができるので、府県単位を残すなら憲法に何か書かないけませんわね。そこまでのお気持ちがあるのかどうかですよ。そうでなければ、府県を越えた選挙制度を考えるかどうか、衆も参も、最終的には。もうこれから最高裁判所との追っかけごっこでしょう。私はずっと続くと思う。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 衆の方については、衆の定数是正については、もうこれは議論をして私の考えを述べているわけでございますが、今、片山先生は参議院も含めての御議論だと思いますが、現行の都道府県制度は、長年にわたって広域自治体としての行政の単位として国民にも社会にも深く定着しているものと承知をしております。委員御指摘のように、衆参の選挙制度を都道府県単位とすることを規定するといった御意見も一つの見識ではないのかなと、このように思います。
 衆議院におきましては、いわゆるアダムズ方式を二〇二〇年の国調以降、国調にのっとって導入していくことを中心に今議論をしているところでございますが、参議院においては合区を行いました。合区を、今後もこれをどんどん増やしていくことがいいのかどうかという議論、しかし、そうではなくて、やっぱり都道府県を一つ、都道府県の代表ということで考えていく、例えば岡山県なら岡山県の代表ということで考えていくのであれば、これは憲法改正というものも視野に入れていかなければならないのではないかと、こういう御議論もあるところと承知をしております。
○片山虎之助君 この定数削減の問題は引き続いて大きい議論だと、こういうように思います。
 前回消費税を延ばすときは、約十か月前、十か月とか十一か月前に決めたんですよね。今回は軽減税率がありますから、準備があるんですよね。私はもうぎりぎりだと思う。延ばすのか延ばさないのか。表向きは延ばさないというあれですが、何となく雰囲気は延ばす可能性がだんだん増えてきたように思いますよ、私。何か今度は外国の学者を呼んで会合をやるんでしょう、何とか会合。会合をやれば、前回も会合やられたじゃないですか、点検会合か何か。あれは国内の学者だったかもしれませんけれども。
 そういうことで、だんだん雰囲気として、無理に上げてもしようがないんですよ、総理、無理に上げても。もう百も承知でしょうが、税率が上がって税収が落ちるようなばかなことになって、みんなが不安になって全部の景気が落ち込んだら何の得があるんですか。メンツだけになる。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん、メンツというものは全く私は考えていないのでございますが、前回の点検会合はまさに上げるか上げないかという判断をしていただいたのでございますが、そのときには大勢はこれは上げるべきということでございました。今回は、世界経済はどうなっているんだと、G7の議長国でありますから、世界がどのように協調して今の現下の国際経済状況に対応していくのかということも含めて御議論をいただきたいと、性格がちょっと違うということでございます。
○片山虎之助君 それから、条件のもう一つの軽減税率なんですけど、これは両方の議論があるんですが、私も詳しくはありませんけれども、ヨーロッパではやや反省のあれが出てきているんですよね。アメリカの有名なノーベル経済学賞をもらったマーリーズという人ですか、それがシンクタンクの座長みたいなことになってそのレビューをやって、その結果、やっぱり失敗だったということなんですよ。ただ、ヨーロッパではやっていますよね。ただ、最近、こういう消費税的なものを導入した国はやらないところがどんどん増えてきている。やらないところが確かに増えてきている。
 だから、両方の私は議論があると思いますけれども、ここは慎重にされた方がいいんじゃないかと、こう思いますよ。財源がないんでしょう。何かこの構造改革で特別に堅くなった、コアみたいな恒久財源があるんですか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 委員も税調のインナーでおられましたから大変お詳しいんだろうと思いますが、いずれにいたしましても、我々もしっかりとした財源を見据えて、安定した財源を見据えてこの軽減税率を実行していきたいと考えております。
○片山虎之助君 痛税感といっても二パーでしょう、総理。二パーで、いかにもこれが次がある次があるという感じがあるんですよ。これがやや不安なんですよ。二パーの軽減税率じゃ、軽減もないわね、軽半分と、こういう話でございまして、是非御検討を賜りたいと、こういうふうに思います。
 それから、公債特例法は我が党は賛成しました。総理の財政再建の決意や、あれ聞いて賛成しました。政局の具にするのもよくないと思って賛成しましたけれども、せめてノーズロでなくて各年度の上限を書いてくれませんか、各年度の上限を。そういうことが財政法の精神なんですよ。とにかく赤字国債は出さない、財政健全化でいくと、財政健全主義だというのが私は財政法の精神で、先輩は死に物狂いで守ったんですよ。それがもう今ちょっとおかしくなっていますよね。もう書いてくださいよ、せめて五年、書いてくださいよ、上限を。
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう御存じのように、御賛成をいただいた上での御意見だと思いますけれども、今回の特例法の改正というのは、少なくとも二〇二〇年度まではもう今の状態、今の状態というのは、いわゆる特例公債は発行せざるを得ないという状況を意味しておりますけれども、そういった情勢の下では、今までこの四年間、現行法の、今の法律でやらせていただいてきておりますけれども、この法律の、今の法律のままで、少なくとも私どもはこの四年間、私どもが政権交代しました後、この法律、今の法律によりまして少なくともきちんとして、プライマリーバランスの半減目標というものの達成というのもやれておりますし、特例公債に関しましては、新規国債発行を約十兆円減らすということもきちんとできておりますので、私どもとしては、今おっしゃるように上限を決めるというのも一つの方法かとは思いますけれども、少なくとも我々は責任を持って、これ今まで、この三年間きっちり実行してきたところでもありますので、私どもとしては、今後この特例公債というものの発行額というのを毎年現実減少させてきておりますし、そういった意味では、今後この法律の下で、現行法のルールの下で私どもは財政規律を緩めないという対応できちんとした義務というものを履行させていただきたい。かつ、この三年間それを既に実証ができておると思っております。
○片山虎之助君 もう一つ、これが問題があるのは、今までは法律だったものを予算だけにするわけですよ、毎年度の。そうしますと、参議院の審議権が侵されるんですよ。法律だと、それは衆議院も通し参議院も通す、しかし、三分の二というのはありますよ、あるけれども、参議院も参加できて意思決定できるんですよ。ところが、これが予算だけになると、場合によっては自然成立があるんだから。
 私は、参議院としても、こういう今の赤字国債発行のためのこの決め方については検討してもらいたいと思いますよ、院としても。これはどなたに言うのか分かりませんが、財務大臣、いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のように、予算の議決に関わります衆議院の優越は憲法上認められているということによって言っておられるんだと存じますけれども、政府としても、これは衆議院、参議院というものを問わず、予算審議におきましては具体的な特例公債というものの発行の必要性も含めまして、これ予算案そのもの自体をしっかりと御説明をこれまでもさせていただいておりますし、今後ともその対応はきちんとやらせていただきたいと思っております。
○片山虎之助君 もう時間がありませんから、文化庁の京都移転は本決まりですか、文科大臣。
○国務大臣(馳浩君) 文化庁の京都移転については、これまでの経緯は先生御承知だとは思いますが、最終的に石破大臣と協議中であります。
   〔片山虎之助君「決まったのかと聞いたのに。決まっていないということですね」と述ぶ〕
○委員長(岸宏一君) 片山虎之助君、委員長の許可を得てからしゃべってください。
○片山虎之助君 はい。
 決まっていないということですね、そう理解していいんですね。
○国務大臣(馳浩君) 基本的に検討中であります。どういう内容を検討しているかということだけ申し上げたいと思います。
 移転をするとしたら、そうはいっても右から左に移るというのでは意味がない。京都において、我が国の文化行政にどのようなやっぱり機能を発揮して貢献をしていただけるのかというそもそも論を議論しなければいけませんし、当然、石破大臣の下では、地方創生という観点から、京都に移った場合の新たなやっぱり文化庁の機能強化であったり、組織として果たすべき役割、こういったことを詰めないと、簡単に移す移さないということの結論を出してはいけないと思っています。
 もう一点は、そうはいっても、議院内閣制の下で、やっぱり国会に対して説明責任もありますし、法案の準備もありますし、予算折衝等もありますし、各国大使館との連携等、また文化芸術団体との日頃の連携もありますから、必要な、いわゆる東京に置いておくべき機能は何なのかと、こういうことも見て判断していかなければいけないということを今検討中ということであります。
○片山虎之助君 今文科大臣が言われた、まさにそのとおりなんですよ。そこにこの問題のいろんな点があるんですよ。
 しかし、私はやるべきだと思う。成功させるためには文化庁だけではいけません。仲間をたくさんつくりなさいよ。何とか庁というのは、これは独立した仕事になっているんですよ。だから外局というのが成立しているんです。だから、何とか庁というのはいっぱいあるじゃないですか、まだ。もう名前を挙げると迷惑になるから言わないけれども、そういうところと連携を取って数を増やすことと、今言われた国会を始めとする仕組みを変えることですよ。今の役所の仕組みを変える、国会との関係も整理する、それをやればできますよ。そういうことをやることが地方分権の導入になるんですよ、きっかけに。地方主導にするためには私は思い切ってやるべきだと思う。下手をするとマイナスだけですよ。あなたは下手はしていないと思うから、レスリング強いし。是非頑張ってくださいよ、そういう意味では。いかがですか、もう一度。
○国務大臣(石破茂君) 御指摘、誠にありがとうございます。
 そもそも、この東京に過度な一極集中というのを何とかしなければならぬ。民間企業も本社がこれだけ首都に一極集中なんて、世界中見てもどこにもございません。民間企業に本社機能を地方に移転してくださいとお願いをするに当たって、政府は何も動かないというようなことでは説得力も何もないわけで、やっぱりそういう観点が一つあるだろうと思います。
 これだけ交通が発達し、通信手段が発達をし、これは河野大臣の下でもやっていただいていますが、テレワークみたいなものができるようになったでしょうがと。そして、それがなぜそこなのかということは、やはり多くの御理解を得るためには必要なことだと思います。今文科大臣からお話がありましたように、それが単なる機能の維持ではなくて、更に向上につながるようにしなければいかぬと思っております。
 ですから、今また片山先生の御指摘もいただきながら、ほかにも移せるものがあるのかもしれない。ただ、私どもとしては、今月中に基本的な方針を、総理を長といたします、まち・ひと・しごと創生会議で決めたいというふうに思っております。
 これからもどうぞ御指導賜りますようお願い申し上げます。
○片山虎之助君 私の時間が来ましたのでこれで終わりますけれども、あとは清水議員がやります。
 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 関連質疑を許します。清水貴之君。
○清水貴之君 おおさか維新の会の清水貴之と申します。どうぞよろしくお願いいたします。(資料提示)
 私からはまず、再稼働したばかりですけれどもトラブルが続いている福井県の高浜原発、これについて質問をさせていただきたいと思います。
 先月の十九日なんですが、我々おおさか維新の会の議員団でこの高浜原発、ちょうど視察をしてきました。三号機、四号機で一千億円ぐらい掛けて地震ですとか津波の対策をしたということで、それはそれは何重にも重ねて何かあったときのための対策を取られているというのは目の前で実際見せていただきました。非常によく分かりました。
 ところが、その翌日に四号機で汚染水漏れがあって、再稼働の作業が一部中断されます。その後、四号機再稼働するんですけれども、そのたった三日後、今度は変圧器の周辺でトラブルがあって緊急停止をしました。テレビのニュースで御覧になった方も多いと思います。ちょうどカメラが入っているその前で再稼働の、その変圧器のスイッチを入れたら、ワーワーワーワー緊急の音が鳴って停止したということになってしまいました。まあ、テレビカメラを入れる、報道陣を入れるということですから、相当自信を持って関西電力としては取り組んでいたんじゃないかと思うんですが、こういう結果になってしまいました。
 こういったトラブルが続いていることに対して、まず、総理、どのように考えられますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 高浜原発で相次いでトラブルが発生したことは大変残念であります。
 東京電力福島第一原子力発電所事故の後の原発再稼働であり、国民の信頼を得るため、トラブルがないよう十分な準備をして丁寧に対応しなければなりません。トラブルが発生したら、速やかに原因を究明し、十分な再発防止策を講じることが当然であります。特に、原子炉が自動停止したトラブルについては、法令に基づき原子力規制委員会に報告されており、今後、原子力規制委員会が厳格に確認することとなっています。しっかりとやってもらいたいと考えています。
 関西電力は、スケジュールありきではなく、安全第一で万全を期して十分な対策を講じてもらいたいと考えています。
○清水貴之君 その原子力規制委員会にもお話をお聞きしたいと思うんですけれども、私が気になったのは、このトラブル、最初のトラブルですね、あったすぐ後に、視察した直後でしたので、関西電力の方にお話を聞きました。その説明を受けている最中に、トラブルには大中小というレベルがあってというお話をされました。今回は小のレベルだったんですというようなお話だったんですね。確かに、水漏れで人的な被害もなかったですし、そのレベルで見たら小なのかもしれませんが、この原発に対して非常に何か危険があるんじゃないかと思っている方とか周辺の住民の方にとっては、私はもうそのレベルが大中小とかそういう問題ではないと思うんですね。
 もうトラブルはトラブルとしてしっかり受け止めて信頼を得ることが大事だと思うんですが、その辺り、審査に当たった規制庁、どのように思われるでしょうか、規制委員会。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先生御指摘の高浜発電所四号機におけるトラブルについて、まず二月二十日に発生した放射性物質を含む水の漏えいについては、その濃度とか量からして法令報告に該当しないレベルであり、事業者が当該弁の分解点検後、当該弁を含む系統を適切に復旧したことを確認し、既に原子力規制庁としてはそういった対応をさせていただきました。また、その後、二月二十九日に発生した原子炉の自動停止については、現在、事業者において原因究明や対策について検討しており、規制委員会としても事業者からの報告を踏まえて厳正に対処してまいりたいと考えております。
 なお、こうしたトラブルが発生したことについて、社会的信頼の回復の観点からは極めて残念に思っております。ただし、規制委員会としては、今後絶対にトラブルが起こらないという考えで対応するのではなく、むしろ起こることを想定しながらその都度安全性への影響を見極めて、事業者が適切に対応することを確認していくことが重要と考えております。
 高浜発電所四号機については、現在、原子炉規制法に基づき使用前検査等を実施している段階でありますので、新規制基準への適合については引き続き厳格に確認してまいりたいと思います。
○清水貴之君 確かに委員長おっしゃるとおり、何か起きたときに重ねて対策を取る、そういう仕組みはできているなというのはそれは感じたんですね。でも、こういったやっぱり想定できなかったようなトラブルも起きるわけですから、この辺りの対策というのも今後しっかり取っていっていただきたいというふうに思います。
 引き続き、総理にちょっとお聞きしたかったんですけれども、私のスタンスとしては、このような、原発というのは今すぐに全て止めてしまうというのは現在の日本の状況からして非現実的ではないかなというふうに思っています。ただ、一つやはり問題だと考えているのが最終処分場の問題、これが決まっていないということです。最終処分場が決まっていないのに原発を動かし始める、これは非常に無責任、将来に対して無責任じゃないかなというふうに思っています。
 高浜原発、このまま動かし続けますと、保管プール、七、八年でもういっぱいになってしまうということなんですね。ほかの原発だと数年でというところもあります。結局、その最終処分場、場所を決めようとしても、手挙げ方式でやりましたけれども、この十年、二十年、まあ結局決まってきませんでした。
 ということで、誰かがどこかで決断をしなければいけないんですけれども、例えば大阪の松井一郎知事なんですけれども、大阪が最終処分地にふさわしいかどうかの調査には反対しないというようなことを言っています。だから、どこかで誰かが、それはどこが最終的に決まるか、これはまた別の話ですけれども、調査には手を挙げますよと。それは、大阪とか私の兵庫などは生産地ではありません、消費地ですから、消費地としての責任もあるわけです。だから、手を挙げるというようなことを言っているんですが。
 総理、戻ったばかりで申し訳ないんですけれども、今、最終処分場の問題でして、大阪の松井知事は、最終処分場、調査に当たるのには手は挙げてもいいぞというようなことを言っております。それぐらいの気概を持って最終処分地を決めていかないと話が進まないんじゃないかと思うんです。総理も御地元山口県で、決まる決まらないは別ですよ、でも、調査は受け入れるよぐらいの気概を持って臨むべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国は既に相当量の使用済燃料を保管しており、高レベル放射性廃棄物の最終処分場の確保という課題を避けて通ることはできません。処分場をしっかり確保していくことが政治の責任であると考えています。
 その場所としては、火山や活断層の影響など科学的に検討した上で、長期にわたって安定した地下環境であることなどが求められます。そうした特性が期待できる場所が国内にも十分にあることを示し、国民の皆様に関心と理解を深めていただく最初の一歩とするためにも、本年中に科学的有望地を提示することを目指しています。それはまさに、これはどこだとか政治的に決めるのではなくて、今のような科学的根拠の中で示していきたいと思います。
 国民や自治体との対話を丁寧に重ねながら、幅広く理解を得られるよう、一歩ずつ着実に進めていく考えでございます。
○清水貴之君 その最終処分場が決まらずに動かし始める、動かし続けるのは、これは無責任であるということを重ねてお伝えしたいというふうに思います。
 続いて、教育の無償化についてお尋ねします。
 こちら、大阪で今進めている事例です。我々の前代表、橋下徹前代表が大阪府知事のとき、市長のとき、大阪はやはり教育問題、かなり熱心にやりました。大阪府では、二〇一一年度より私立高校の授業料の無償化、これは所得制限はあるんですが、実行しております。
 そして、この春からなんですが、これは今後、議会を通らなければもちろん進まない話ではありますが、五歳児の幼児教育の無償化、これは所得制限なしです、こういった形で行おうと、今、吉村市長が進めているところです。五歳児、幼稚園全額無料です。保育園は教育と養護に分かれますので五、六割減ということになるそうなんですが、人口増を狙って地方都市が実施する例はあるけど、政令市ではこういった五歳児無料、初めてだということなんですね。
 政府でもこういったことを検討されたことがあるというふうに、総理、聞いておりますが、なかなかやっぱり財源の問題などもあると思うんです。実現には至っておりませんが、これぐらい進めるお気持ちはお持ちではないでしょうか。いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、子供たちの未来が家庭の経済状況によって左右されてはならないと考えております。
 政府としても、これまで高校の授業料負担を軽減する就学支援金や、所得の低い家庭について授業料以外の負担を軽減する奨学給付金、また幼児教育無償化の段階的推進を始め、家庭の教育費負担の軽減に取り組んできたところであります。
 さらに、今般の来年度予算におきまして、奨学給付金の対象者の増と、そして非課税世帯の給付額の増額を行いました。そしてさらに、幼児教育について、所得の低い世帯の保育料を、第一子の年齢にかかわらず、第二子は半額、第三子以降は無償とすることなどを盛り込んでいます。
 今御紹介がございました大阪の取組については、大阪の実情を踏まえた意欲的な取組であると評価したいと思います。このような取組も参考としながら、各自治体において、地域の状況に応じ教育費の負担軽減に取り組んでいただきたいと考えております。
 政府としては、今後とも、財源を確保しつつ、奨学給付金の充実や幼児教育の段階的無償化など、初等中等教育における教育費負担の軽減にしっかりと取り組んでいきたいと思います。そのことが大阪府や大阪市のような意欲的な自治体の取組を後押しすることとなると考えております。
○清水貴之君 今総理紹介いただいたように、国も一生懸命やっているのもこれは分かっておりますが、更に進んでということを我々おおさか維新考えておりまして、何とか大学まで無償化できないかというようなことを、これも憲法に入れてできないかということを今一生懸命考えているところです。
 ただ、やはり財源の問題になるわけですが、財源、大阪では公務員若しくは議員の人件費、人数の削減、こういったところで生み出した財源を教育に回しております。これ、財源確保のための公務員給与の見直しということで、決算委員会、先日も質疑をさせていただきましたけれども、やっぱり民間給与と公務員給与、これ人事院勧告の制度ですけれども、この比べ方がおかしいんじゃないかと思うんです。
 民間給与というのは、企業規模五十人以上かつ事業所規模五十人以上ですから、もうかなり大きな、地方ではなかなかないんじゃないかというような企業と公務員の給与を比べて、公務員給与がちょっと少なかったから今回は上げましょうということで千五百円ぐらい上げられたわけですね。でも、民間の実態、これ国税庁が調査しているものですが、これと比べると大体十数万円違ってきてしまうわけなんですね。
 これ、人事院に聞きますと、その仕組みの問題とかいろいろなってくるんですが、総理、このグラフ、表を御覧になって、これで民間の実態、公務員の給与の問題に関して反映していると思われますか。
○国務大臣(河野太郎君) 国家公務員制度を担当しておりますので私からお答えさせていただきたいと思います。
 国家公務員の労働基本権が制約されている代償措置として人事院勧告というのがございますので、この調査方法を含め、人事院勧告は受け入れるというのが政府の基本的な方針ではございますが、この人事院勧告という制度は国民の皆様の理解と納得の上に成り立っている制度だと思いますので、国民の代表である国会の中でこの件については大いに議論していただきたいと思います。
○清水貴之君 さらに、地方における官民格差、これが広がっているという話も出ております。これは、自民党の行革本部でも問題になっている、テーマになっていると聞いておりますが、こちらはいかがでしょうか。
○国務大臣(高市早苗君) 地方公務員の給与は地方公務員法第二十四条の給与決定原則に基づきまして、これも地域の民間給与や国家公務員の給与等を考慮して定められるものでございます。
 民間給与の実態調査でございますけれども、これも委員がさっきおっしゃいましたとおりですが、各人事委員会が人事院と共同で実施しておりまして、その手法については、やはり第三者機関としての人事院及び人事委員会において専門的な見地から判断されていると思います。その従業員五十人以上の企業という基準も、やはり同種の職種があるところということだというふうに私も説明を受けております。
 人事委員会を置かない市町村におきましては、都道府県の人事委員会の勧告を参考に給与改定を行っているんですが、やはり国と同じく地域の住民の皆様の御理解と納得が得られる水準にしていただかなきゃなりませんので、これはもう給与の適正化、それから給与制度の総合的な見直しはしっかりと進めてまいります。
 また、地方公共団体に対しまして、民間給与との比較も含めて十分な情報公開を要請しておりますし、そのために必要な基本フォームの提供もさせていただいております。
○清水貴之君 時間なので終わりますけれども、これ、東京都が発表しております同じような職種で官民でどれだけ違うかという表なんですね。二倍ぐらい開きがあるんです。総理、同一労働同一賃金、今後進められるということではありますが、正規と非正規の同一労働同一賃金も大事ですが……
○委員長(岸宏一君) 時間ですので。
○清水貴之君 同職種の同一労働同一賃金もしっかり見ていっていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で片山虎之助君及び清水貴之君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、中山恭子さんの質疑を行います。中山恭子さん。
○中山恭子君 日本のこころを大切にする党、中山恭子でございます。
 質問通告をしておりませんで大変恐縮でございますが、昨日、三月二日、国連安保理で北朝鮮制裁決議を全会一致で採択し、本日午前、北朝鮮が日本海に向けて短距離ミサイルを発射いたしました。拉致問題についても心配される問題でございますので、大変恐縮でございますが、総理、この点についての御見解をお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、国連決議でございますが、この厳しい決議は国際社会の北朝鮮に対する明確なメッセージであります。決議には我が国の考え方が相当盛り込まれています。日本は、国際社会と協力をし、決議を厳格に実施をしていく考えであります。また、この決議には人道上の懸念に対しての言及もあるわけでございます。拉致問題の解決は安倍政権の最重要課題でございまして、北朝鮮に対し、拉致問題を解決をし、核、ミサイルの問題を解決するよう強く求めてまいります。
 北朝鮮のこの短距離ミサイルの発射等々につきましては、今重大な関心を持って、動向については平素から情報収集、分析に努めておりますが、個々の具体的な情報の内容、分析については我が国の情報収集能力が明らかになりかねないためコメントは差し控えたいと思いますが、いずれにせよ、我が国に飛来する飛翔体は確認されておらず、我が国の安全保障に直接の影響を及ぼす事態が発生したとは認識しておりません。
 政府としては、引き続き、米国、韓国等と緊密に連携しつつ、北朝鮮に対し挑発行動の自制及び関連する安保理決議や六者会合共同声明の遵守を求めていくとともに、いかなる事態にも対応することができるよう、緊張感を持って警戒監視を始めとする必要な対応に万全を期してまいりたいと思いますが、拉致問題におきましては、先ほど申し上げましたように、安倍政権の最重要課題でございます。しっかりと取り組んでまいる決意でございます。
○中山恭子君 北朝鮮問題、例えば自衛隊法の改正なども準備しておく必要があろうかと思います。あらゆることを想定した上で拉致被害者の帰国に向けて御尽力いただきたいと思っています。
 今日は竹島問題を取り上げたいと思います。
 この北朝鮮による日本人拉致問題、そして北方領土問題、竹島の問題、いずれも法をたがえた中で、拉致問題は日本人を法を犯して連れていっている、竹島も同じように法を犯して不法占拠している、北方領土も同じ問題だと考えております。
 確認しておきたいと思いますが、昨年十二月二十八日の日韓外相共同記者発表では慰安婦問題だけが取り上げられており、韓国による竹島の不法占拠問題は全く取り上げられておりません。別問題と考えてよろしいでしょうか、外務大臣にお願いいたします。
○国務大臣(岸田文雄君) 昨年末の日韓合意ですが、これは慰安婦問題について最終的、不可逆的な解決が行われるということを確認したものであり、竹島問題は合意の中には含まれておりません。
○中山恭子君 竹島の問題は含まれていないという確認をできて有り難いと思っております。ただ、竹島の不法占拠問題も日韓の交渉の場があるときには必ず取り上げてもらいたいと思っております。溝口島根県知事からも、外交交渉の場で竹島の問題が話し合われるよう強い要望が出ておりました。
 二月二十二日に島根県が主催する第十一回竹島の日記念式典がありまして、そこに参加してまいりました。
 この竹島領有権問題、北方領土問題、これが日本が抱える二つの領土問題でございます。竹島問題は北方領土問題と同じ領土問題でございますが、竹島の日は島根県の条例で定められております。北方領土の日と同じく政府制定とし、記念式典も政府主催の行事とすべきものと考えますが、政府としてはいかがでございましょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 竹島は、歴史的事実に照らしても、かつ国際法上も明らかに我が国固有の領土であります。政府としては、竹島の領有権の問題に関する我が国の立場を主張し、問題の平和的解決を図る上で何が有効か、何が有効な方策であるかにつき不断に検討を行ってまいりました。このような観点から、今後とも竹島の日の記念式典をどのような形で開催するのかについて適切かつ総合的に判断していきたいと思います。
 いずれにせよ、今後とも、竹島に寄せる地元の皆様の思いを重く受け止め、国民の生命、財産、我が国の領土、領海、領空を断固として守るとの決意の下、竹島問題の解決に向けて全力で取り組んでいく考えでございます。
○中山恭子君 さらに、北方領土問題については内閣府の中に北方対策本部が設置されております。竹島につきましては、そのような単独で、専担で扱う本部がございません。竹島についても内閣府の中に竹島対策本部を設置すべきと考えますが、いかがでございましょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 内閣府に設置せよとのお話でございますが、いずれにせよ、今後とも、我々、竹島の問題の解決において、領有権の問題に関する我が国の立場も主張してきたところでありますが、問題の平和的な解決を図っていく上において何が有効な方策であるかということを考慮し、適切に判断をしてまいりたいと思います。
○中山恭子君 喫緊の問題として、日本の漁業者の安全操業を確保する問題がございます。日本として、国土を守るとの国家の意思を明確にし、外交、経済、国防、教育などあらゆる手段を講じて韓国に対し竹島の不法占拠を解除するよう説得し続けなければいけないと考えております。
 現在、日韓漁業協定により竹島周辺は暫定水域と定められて日韓が共同で管理することとなっておりますが、日本漁船が締め出されている状態で、日本漁船は事実上、漁ができない状況になっております。
 政府は、少なくとも竹島周辺の暫定水域での日本漁業者の安全操業の確保に全力を挙げていただきたいと思いますが、この点、いかがでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 中山委員にお答えを申し上げます。
 日本海の暫定水域においては、ズワイガニの資源状況が悪化する中で、韓国漁船によるズワイガニ等の漁場の占拠や漁具の放棄により、日本漁船による沖合底引き網漁業等の操業に支障が生じております。
 我が国は、平成十一年の日韓漁業協定発効以来、毎年の日韓漁業共同委員会などにおいて暫定水域の資源管理や漁場利用について韓国政府に対し問題解決を図ることを強く求めてきたところでありますが、韓国政府は長年、政府間の協議に応じてきませんでした。
 しかしながら、昨年一月の日韓漁業共同委員会において、日本海の暫定水域における漁場の交換利用を実現するために、政府及び民間漁業者で構成される協議会、いわゆる官民協議会を立ち上げることに合意をいたしました。昨年の八月に第一回の会議が行われたところであります。
 同協議会を開催をいたしまして、今後も交換利用の水域や期間等について議論をするとともに、政府レベルでも韓国側と鋭意協議を進めているところであり、引き続き日本の漁業者が安心して操業できるように粘り強く取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○中山恭子君 やはり漁業者が安全な形で漁を行うことができる、これは、日本の領土の周りで漁ができないという状態が続いているということを深く認識した上で政府として対応していただきたいと考えております。領土問題は国の尊厳に関わる基本問題であり、ゆるがせにしてはならない問題です。韓国を刺激しないようにという事なかれ主義ではかえってややこしくなり、解決には至らないと考えております。
 また、国際司法裁判所への単独提訴の準備につきましても、二〇一四年一月三十日参議院本会議で総理の御答弁がございました。進めるとの御答弁でございました。このような状況について、総理の御見解はいかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この竹島の問題、そして暫定水域の問題について農水大臣から答弁をさせていただいたところでございます。
 まさにこれは共同管理でございますから、旗国、自分の国の保安、言わば日本であれば海保が我が国の漁船を取り締まり、韓国側は韓国側の海上警察がしっかりと取り締まっていただかなければならないということでございますが、残念ながら、状況は先ほど農林水産大臣から答弁されたとおりでございます。
 いずれにいたしましても、国際法上、間違いなく我が国の固有の領土であり、先般答弁をさせていただきましたように、私どももしっかりと取るべき対処等々については検討をしていくことは当然のことではないかと、このように考えております。
○中山恭子君 政府を挙げて、また国を挙げてこの問題に取り組むことが大変重要であろうと考えておりますので、これからも、是非あらゆる手段を使って不法占拠であることを韓国側に説得していただきたいと思っております。
 経済政策について伺います。
 これまでにも、今日も多くの委員の方から消費税の問題が提起されておりました。現在の日本経済は、デフレ状態から完全に脱却したとは言えない状況にあります。来年までに急に景気が改善するとも思えませんので、二〇一七年四月に消費税を引き上げられる状況ではないと考えております。
 私どもは、昨年四―六月期のGDP成長率が大幅に落ち込んだ段階で、その原因が二〇一四年四月の消費税引上げにあると考え、二〇一七年四月に予定されている消費税の増税延期を主張しました。十一月四日には、総理、官房長官に、経済の現状を踏まえた緊急措置として、消費税増税の再延期と財政出動を要請いたしました。
 消費増税の前にやることがあると考えております。例えば、労働分配率を引き上げ、所得の倍増を図り、個人消費を喚起する政策を取り、景気回復を図ることがまず必要であると考えております。早期に消費税増税の延期を発表し、消費マインドの冷え込みから抜け出す算段を整える必要があると考えますが、総理でよろしいんでしょうか、お願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 消費税につきましては、世界に誇るこの社会保障制度を次世代に引き渡していく上においても、我々は、リーマン・ショックあるいは大震災級の出来事がない限り、予定どおり消費税を引き上げていく考えでございます。また同時に、消費の動向についてはしっかりと注視をしていきたいと思います。
 また、労働分配率を上げていくべきである、それはまさにそのとおりであろうと思っております。企業は最高の収益を上げているわけでございますから、更に経済の好循環を回していく上においてもしっかりと、経団連の会長がおっしゃるように、収益を上げている企業は、この労働分配率を上げるように賃上げに協力をしていただきたいと、しっかりと実施していただきたいと、このように期待をしているところでございます。
○中山恭子君 個人消費を喚起することで景気回復を図ることができれば、これがまず先決であると考えておりますが、増税なしでも消費税収は確実に増加します。消費増税により経済を縮小させ税収が縮小してしまっては、景気が停滞して税収が縮小するということの可能性が多くあります。これでは元も子もなくなってしまいます。
 席上に配付いたしました一人当たり名目GDPの表でございます。IMFが出している資料を基にしたものでございますが、二〇一五年一人当たりの名目GDP、日本は三万二千四百八十ドルと二十五番目でございます。もちろん、一千万人以下の小さな国で高い個人所得、個人名目GDPを誇っている国がたくさんあるわけでございますが、一千万以上の人口の国だけ丸が付いておりますが、取りましても九番目でございます。米国の五万五千九百四ドルの五八%にしかすぎません。
 さらに、二枚目でございますが、主要先進国の一人当たり名目GDPの推移をグラフにいたしますと、日本は、一九九〇年代、非常に高い一人当たりの名目GDPを誇っておりましたが、二〇一五年ではイタリアの上、下から二番目でございます。
 これを指数にしてみました。一九九五年を一〇〇として指数化してみますと、日本だけが七六・四、他の先進諸国は、ドイツが一三〇・一ですが、全て指数として一〇〇を超えております。カナダ、英国、米国はほぼ二倍の一人当たり名目GDPを持っております。
 個人所得を倍増することを目標として政策を立てていくことがまさに今必要になっていると言えるかと思います。財政再建も経済成長なしにはできないことでございますので、この個人所得又は一人当たり名目GDPをいかにして増やしていくかということについて御検討いただき、政策を取っていただきたいと考えますが、これは麻生大臣でしょうか、政府の中でどなたかお願いいたします。
○国務大臣(麻生太郎君) 中山先生、これこそまさにデフレなんです。これ、九〇年からやられた方がもっときっちり出たんだと思いますけれども、八九年の十二月に三万八千九百十五円付けた株、それが一番てっぺんで、九二年まで土地が上がって、九二年から土地も下がりましたので、それからざあっと下がっていったというのがこれだと思いますけれども、結果として、私どもとしてはこれを回復させるために一番の努力をしてきたんですが、日本だけ他国に比べてこの間デフレーションというものの状況下での不況というのをやったのは、多分戦後七十年と言われる中では日本だけという状況でありましたので、私どもは、よく失われた二十年と言われますけれども、何が失われたかといえば経済政策を失っていた、もうはっきりしていると思っております。
 この反省に立って、私ども政権交代した後この点に頭を置いて、私どもはデフレ状況、いわゆるデフレ不況から、正確には資産のデフレーション、動産、不動産によります資産のデフレーションからの脱却というのに最重要点を置いてやらせていただいたのがいわゆる通称アベノミクスと言われるものになったんだと思っておりますけれども。
 いずれにしても、こういった形になっているのはこれは事実でありまして、GDPの中に占めます比率は個人消費が約六〇%を超えておるという状況にありますので、私どもは、このGDPを上げるためには、個人消費と民間設備投資と政府支出、この三つがGDPの主たる要素でありますので、この三つのうち一番大きなこの個人消費というものが一番大きな問題だと思っておりますので、それを上げるためには、やっぱり企業としても生産性が上がらないと、企業としてもそれは金を払うことはできませんので、私どもとしては、それをいろんな形で後ろから背中を押したということだと思っておりますけれども。
 その企業側も、残念ながら今までのところ、得た利益のほとんどが、労働分配率も上がらず、むしろ下げて、内部留保を増やして給与がほとんど増えなかったという状況というのが私どもとしては大いなる問題だと思っておりますので、今後、今年一月の各経済三団体の長の御意見なり、正月、所信を見ましても、政府にはこの三年間よくやってもらった、これからは民間の出番だというような言い方を、それぞれ別の言い方をされておりますが、ほとんど内容は同じようなことを言っておられますので、私どもとしては大いに期待をするところですけれども。
 同時に、世界情勢というものが合わさって出てまいりますので、極めて複雑だとは思っておりますけれども、G20見ましても、ファンダメンタルズは決して悪くないというのは各国皆、今回同意しておりますので、そういった意味では各国いろいろな意味で、こういったものを踏まえてきちっと、各国を見ましても全部下がってきておりますので、こういった状況に合わせて私どもも対応してまいりたいと思っております。
○中山恭子君 是非努力していただきたいと思っております。
 個人消費を増加させるに当たっては、もちろん個人所得を倍増するというようなテーマを掲げて、そのためにどうしたらいいかという対策を練っていただくということも非常に効果があろうかと考えております。IMF、G20でも公共事業の実施を推奨しているという話が出ておりますので、民間だけではなく公共事業、政府支出を伸ばした上で、財政再建はそれに付いてくるということと考えておりますので、大いに御検討いただきたいと思っております。
 以上で終わります。ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で中山恭子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、吉田忠智君の質疑を行います。吉田忠智君。
○吉田忠智君 社会民主党の吉田忠智でございます。
 昨年の九月十九日、憲法違反の戦争法と私たちは呼んでおりますけれども、安保法制が強行されました。今なお全国各地で多くの国民の皆さんが反対の声を上げております。
 ちょうど五か月たった二月十九日に、社民党を含む野党五党で戦争法、安保法制廃止法案を国会に提出をいたしました。是非与党の皆さんには今国会における真摯な議論をお願いしたいと思っておりますけれども、総理、この提出を受けての受け止めをまずお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々は、まさに平和安全法制にのっとって、日米の強い同盟のきずなとともに、日本人の命、そして地域の平和と安定を守り抜いていかなければならないと、こう決意をしているところでございます。
 この野党が出された議員立法については、まさに議員、政党間で御議論をいただきたいと思います。
○吉田忠智君 この安保法制は、二〇一五年四月二十七日の日米防衛協力のための指針を受けて強行されたことはもう皆さん御案内のとおりでございますが、この指針、新ガイドラインはこれまでのガイドラインとどう違うのか、説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 近年、日本を取り巻く安全保障環境、大変大きく変化をいたしてきております。最近のそういった情勢等を鑑みまして、平時からグレーゾーンまた有事に至るまで、あらゆる場合に切れ目のないような対応が日米間で取れるように、そういうことを念頭に日米間で協議をいたしておりました。
 こういった点におきまして、それぞれ一致した点におきまして、新しいガイドラインにおいて両国間で確認をいたしたということでございます。
○吉田忠智君 違いを言ってください。違いが分かりません。
○国務大臣(中谷元君) 多岐にわたって合意事項がございます。例えば、ACMという同盟調整メカニズム、両国の間でいろんなレベルにおいて協議を行うような仕組みもつくりましたし、BPMという平時から有事に至るまでの両国間の計画作り、こういうことも実施をしていこうと。また、宇宙やサイバー、こういった分野における関係、また平時、グレーゾーン、有事における日米間の協力、そして日米間の共同訓練等におきまして更に協力をしていくというような多岐な内容におきまして、旧ガイドラインから変更して両国間で合意をして確認をしたというようなことでございます。
○吉田忠智君 防衛大臣の説明では違いがよく分からないと思いますので、私から申し上げますけれども、自衛隊の行動エリアを米軍の世界戦略に沿った形で地球規模に拡大して、さらに、米国以外の多国籍軍も含めた戦略体系に組み込まれたということじゃありませんか。どうですか、防衛大臣。
○国務大臣(中谷元君) 情勢が、本当に環境が変わってきておりますし、科学技術も進展をいたしまして、ミサイルとかいろんな兵器が出てきております。その点につきまして、大きな柱として、シームレスという切れ目がない対応をしていこうと、そしてグローバル、これはやはり他国で起こったことも日本の安全保障に非常に重大な影響を与えるような時代になってきておりますので、グローバルな関係における日米の協力、そしてメカニズム、これは確実に実行、実施ができるような仕組みをつくっていこうと。こういった三本柱におきまして、日米がより有効に行動ができ、機能ができ、そしてそれが抑止力また対処力になり得るように日米間で協議をして合意したということでございます。
○吉田忠智君 従来の日本が攻撃された場合の日米協力についてももちろん入っておりますけれども、自衛隊が米軍を世界規模で支援するという日米安保条約も踏み越える内容ともなっていると、そのように言わざるを得ないと思っています。
 国会の承認を要する条約の範囲に関する判断基準はどのようなものですか、説明してください。
○国務大臣(岸田文雄君) 国会の承認に関する基準についてのお尋ねですが、一九七四年の大平外務大臣の答弁、いわゆる大平三原則という原則があります。次の三つの国際約束が国会の承認を必要とするとした上で、一つがいわゆる法律事項を含む国際約束、二つ目としていわゆる財政事項を含む国際約束、そして三つ目として、このような法律事項又は財政事項を含まなくとも、我が国と相手国との間、あるいは国家間一般の基本的な関係を法的に規定するという意味において政治的に重要な国際約束であって、それゆえに発効のために批准が要件とされているもの、この三つにつきましては国会承認を必要とする、これがこの大平三原則の内容であります。
○吉田忠智君 外務大臣から今説明をいただきましたが、パネルにもしておりますけれども、大平三原則。(資料提示)この新ガイドラインはこの大平三原則に照らしても国会承認条約とすべきだったのではないですか。
○国務大臣(岸田文雄君) この新ガイドラインにつきましては、これは日米両政府の意図を表明した文書であり、国際法上の政府間の法的な合意を意味する国際約束ではないとまず位置付けられています。そして、更に申し上げるならば、この新ガイドラインの中に明記されておりますが、いずれの政府も立法上、予算上、行政上、その他の法的な義務を義務付けるものではなく、法的権利又は義務を生じさせるものではない、このようにはっきり明記をされています。よって、この新ガイドライン、国会承認の対象になる文書とは考えておりません。
 そして、このことにつきましては、一九九七年、前回のこのガイドラインにおいても同様でありまして、当時も国会承認の手続は取られていないということでございます。
○吉田忠智君 じゃ、ガイドライン、今、前段のところを、黒い字のところを外務大臣が読まれましたけれども、後段のところですよね。二国間協力のための実効的な態勢の構築が指針の目標、具体的な政策及び措置に適切な形で反映することが期待されると書いてあります。
 これは、もう一回ちょっと大平三原則、実質的にこの@の、左側の、国会の承認を要する国際約束の@法律事項を含むものではありませんか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の文書ですが、まさにこの具体的な政策及び措置に適切な形で反映されることが期待されるとしています。これは日米両政府の意図を表明した文書です。これは政府間の法的な合意を意味する国際約束ではない、そもそもこの国際約束ではないと考えています。
 そして、御指摘のこの赤字の部分ですが、これは一九九七年のガイドラインにもほぼ同じ文章が盛り込まれております。同旨の文章が盛り込まれておりまして、その上で一九九七年当時も国会承認は手続取られていないということであります。
○吉田忠智君 これは、米国の単なる期待だったと、我が国が自主的、主体的に応じて法改正をしたということですか。
○国務大臣(岸田文雄君) これは、先ほどから申し上げておりますのは、国会承認と、そしてこうした文書、取決めとの関係についてであります。
 ガイドラインというもの、この新ガイドライン、そして一九九七年の旧ガイドラインも、これは両政府の意図を表明した文書であり国際約束ではないという説明をさせていただいた上で、その国際約束のうち国会承認を必要とするものについての基準、これが大平三原則であるという説明をさせていただいております。
 国会承認を必要とする国際約束についての基準でありますので、そもそも国際約束だというふうに評価されていないこの文書については国会承認が必要とされない、こうした理屈について御説明をさせていただいております。
○吉田忠智君 米国が単に期待を表明しただけで、安倍政権は内閣法制局長官の首をすげ替えて、従来憲法違反としていた集団的自衛権行使を合憲だと解釈の変更をして、四月二十九日に総理は米国議会で夏までに成立させると対米公約をして、自民党が推薦した学者も憲法違反と指摘するなど、多くの反対を無視して両院で強行的に採決して、そのときには一〇%近く内閣支持率も下がりましたけれども、さらに、政府に批判的なマスコミに圧力を掛けたのではないかとも言われております。
 米国が単に期待したことにすぎないことを、これほどまでの政治的エネルギーを費やして全力で応えてみせた、これは対米従属、独立した主権国家としての誇りも尊厳も感じられないと思います。安倍総理がおっしゃる、これは戦後レジームそのものじゃありませんか。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) じゃ、安倍内閣総理大臣。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 全くそのように考えておりません。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 吉田忠智君。失礼しました。
○吉田忠智君 もう一回質問ですが、本当にこの新ガイドラインに米国からの法改正の要請がなかったと言えるんですか。じゃ、総理、改めて。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 法制局長官が交代したのはその前の年でございますから、もちろん全然このガイドラインとは関わりがないことでございますし、このガイドラインにのっとって法改正したことはございません。
○吉田忠智君 そこで、この安保法制では、今後自衛隊が、ISIL空爆等に対する後方支援、あるいは南シナ海での米海軍等による航行の自由作戦などでの後方支援、武器等防護も法律的には可能になるわけですよね。見解を伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ISILに対する軍事作戦については、これまで累次にわたり御説明をしておりますが、政府としては、政策判断としてこれに参加する考えはなく、またISILに対する軍事作戦に対して後方支援を行うことも全く考えておりません。このため、このような活動について平和安全法制の要件を満たしているか否かについては判断しておらず、また判断をする必要もないと考えています。
 我が国は、今後とも、難民、国民、国内避難民に対する食糧・人道支援など、我が国ならではの支援を拡充し、非軍事分野において国際社会における我が国の責任を毅然として果たしていく考えであります。
 また、航行の自由作戦については、米国が独自に行っているものであり、自衛隊の活動とは関係がないものであります。したがって、自衛隊が米軍とともに航行の自由作戦を行うことはありません。また、そもそも、現在、自衛隊は南シナ海において常時継続的な警戒監視活動を行っておらず、いずれにせよ、米軍の武器等の防護について何ら具体的な検討は実施しておりません。
○吉田忠智君 やっぱり国民の皆さんが非常に懸念や不安を覚えている。
 今総理が答弁されたのは政策判断ですよね、政策判断。法的に可能かどうかということを私は聞いております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げたとおり、政策判断として行わないということはもう明らかにしているわけでありまして、その下において、もうこれ政策判断として行わないんですから、それがこの平和安全法制に、法において合法かどうかということについて検討する必要がないという考え方の下に検討は行っておりません。
○吉田忠智君 いやいや、安倍総理がそう言っても、政権が替わったら政策判断として法的に認められるから行うという可能性があるじゃないですか。法的にどうかということを私は聞いているんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、まさに政策判断としては我々行わないということを申し上げているわけでありまして、これは政策判断として行わないということがもう明らかになっておりますから、これが合法かどうかということについては検討する必要がないと。これ、行うかどうかということを考えるときにこれは適法かどうかということを検討を命じるわけでありますが、行わないということが明らかでございますので、当然そんな検討しろということを必要もないということでございまして、検討はしておりません。
○吉田忠智君 去年、防衛大臣、可能だということを答弁していますよね。
○国務大臣(中谷元君) 累次いろいろ質問をいただきましたけれども、私の答弁は、あくまでも一般論として、法律の要件を満たせばその法律の適用はあり得るという言わば当然のことを述べたものでありまして、ISILに対する軍事作戦の後方支援につきましてこの要件を満たしているかどうかの判断をしたものではございません。
 先ほど総理がお話をされましたとおり、判断も行っておりませんし、また判断、検討をする予定もないということでございます。
○吉田忠智君 法的に可能かどうか、私聞いているんだから。答弁していないじゃない。政策判断を聞いているんじゃないんです。
○委員長(岸宏一君) 中谷防衛大臣、今の、もう一回、じゃ、答えてさしあげてください。
 安倍内閣総理大臣。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 吉田委員は私どもに対して聞いているのは、これが平和安全法制について、この法に、合法かどうかということについて、ISILに対する軍事作戦がですね、という御質問がありました。
 政策判断として、私たちは行いません。行わないということを決めておりますから、検討する必要がないですから、検討していない以上、これ合法かどうかということについてはお答えのしようがないし、検討する必要もないと考えております。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 吉田さん、質問続けて。質問続けてください。
○吉田忠智君 答えていないじゃないですか、私の質問に。政策判断を私は聞いているんじゃないの。法的にそれが可能かどうかと。国民はそれを一番恐れているんですから、実際。不安や懸念を持っているんですから。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 続けて、続けて。(発言する者あり)
 吉田先生、質問続けてください。これはみんな、理事、あれの合意ですから、どうぞ続けてください。
○吉田忠智君 それでは、委員長にお願いします。
 法的に可能かどうかということを文書で提出してください。いいですか。
○委員長(岸宏一君) それでは、理事会で後刻検討いたしましょう。
 質問を続けてください。
○吉田忠智君 要は、私も何回も言いましたけど、この安保法制で、アメリカの要請があれば日本政府は断り切れないのではないか、法律にそういうふうにうたわれれば。それを一番心配しているんですよ。米国の戦争に巻き込まれて、米国の期待に応えてなし崩し的に自衛隊が海外の戦場に派遣されるのではないかというふうに懸念をしています。安倍政権は、米国が期待しただけで日本政府は全力で応えたという大きな実績、先例をつくってしまったわけであります。
 具体的な歯止め。総理、例えば米国の要請を断り切れるのか。現に、例えば米国の要請に応えて、報道にありましたけれども、南シナ海紛争の当事国であるフィリピンに海上自衛隊の退役航空機を貸与するとかということもありました。
 総理は政策的にやらないということでありますけれども、どうやってこれを担保するんですか。その具体的な歯止めは何ですか、歯止め。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今これ歯止めというのは、法律のどの法律について歯止めがということに、これ後方支援について御下問なんでしょうか。
○委員長(岸宏一君) じゃ、ちょっと今の質問、何に対して担保するかという、それをまだ言っていらっしゃらないので、もう一回質問してみてください。
○吉田忠智君 ISILに対する後方支援、それから南シナ海における警戒監視活動、例えば具体例として、それを、歯止め。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 歯止めも何も、もう私ははっきりと申し上げておりますように、ISILに対する言わば軍事活動の後方支援活動についてはやらないということを申し上げているわけでありまして、これはこの先もやらないわけでございます。
 そして、では、安倍政権が替わったらどうなのか。歯止めということでありましょうが、それはその時々の我が国の国益を考えて判断をするわけでありますが、当然その際には、これは合法なものかどうかということになるわけでありますが、先ほど中谷大臣が答弁をさせていただきましたように、合法であれば、これは当然合法でありますから政策的選択肢としてやるということになった後それは実行することはあるだろうと思いますが、そもそも我々はこれはやる必要がないと考えておりますので、当然、独自に判断をし、やらないという決定をしているわけでございます。我が国が決定した以上、米国から依頼されても、これは我が国独自の判断をいたしますから、それが変わるということはないということは申し上げておきたい。
 そして、航行の自由作戦というのはそもそも米国が独自に行うものでございまして、アメリカが航行の自由作戦を行うときにほかの同盟国に行ってくれということは、これはないんです、基本的に。航行の自由作戦というのはそういうものでございます。
○吉田忠智君 いずれにしても、総理は自分が最高責任者だと言って憲法解釈を閣議決定で変えたわけですから、国民は信用していませんよ、そもそも。憲法九条こそが最大の歯止めである、そのことを改めて申し上げたいと思います。この違憲の安保法制、戦争法は廃止するしかない、強く訴えたいと思います。
 次の質問に移ります。
 防衛省は、民間船員を海上自衛隊の予備自衛官補に採用する制度を新たに導入する方針で、来年度予算案には予備自衛官補二十一人分が盛り込まれております。これに対して、船員の組合である全日本海員組合は事実上の徴用につながると抗議をしています。
 第二次大戦の国家総動員体制下では、民間船員が強制的に徴用されて、六万六百九人もの船員が命を奪われました。特に、陸海軍軍人の犠牲率一九%の二倍を上回る四三%という高い犠牲率、二十歳未満の船員が三割を超えています。戦後の補償も大きく遅れたことなど、民間船員は大きな犠牲を強いられました。先日、このパネルにありますけど、私も横須賀の観音崎にある戦没船員の碑を訪れました。こう書いてありました。「安らかにねむれ わが友よ 波静かなれ とこしえに」。この碑文を前に、犠牲となられた方々の御冥福を祈るとともに、二度と過ちを繰り返さないということを誓いました。
 総理は、戦没した民間船員について知っておられましたか。そして、この観音崎の戦没船員の碑や神戸の戦没した船と海員の資料館を訪れたことがありますか、お伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 多くの戦没船員の方々がおられる、戦死された方々がおられることは承知をしておりますが、それぞれ訪れたことはございません。吉田委員が献花されたことに対しましては敬意を表したいと思います。
○吉田忠智君 海自予備自衛官補二十一人分の予算、さらには民間海上輸送能力の活用に関わるPFI事業はどのような事業か、説明してください。
○国務大臣(中谷元君) 防衛省が実施を予定しております民間船舶運航・管理事業、これは一層厳しさを増す安全保障環境の下、自衛隊の迅速かつ大規模な海上輸送能力、展開能力、これを民間資金の能力、また活用をするPFI方式によりまして効果的に確保しようとするものであります。
 具体的には、民間事業者に船舶を維持管理をしてもらい、訓練や災害派遣など平時における自衛隊の輸送に関しては、当該事業者により自衛隊のため優先的に船舶を運航してもらうことを想定しております。この場合に、民間事業者がその社員である民間船員によって船舶を運航するものであり、運航形態につきましてはこれまで行ってきた民間船舶のチャーターと同様であります。一方、防衛出動の場合などには、自衛隊が民間事業者から船舶そのものを借り受けまして、自衛官が乗り組んで自衛隊自らが運航することを想定をいたしております。このように、防衛出動の際には民間船員による運航をすることは考えておりません。
 なお、今回、既に陸上自衛隊で導入している予備自衛官補の制度を海上自衛隊にも導入しまして、元自衛官でなくとも、志願をすれば、まず予備自衛官補となり、教育訓練を受けた上で予備自衛官となることを可能とする予定であります。しかし、これはあくまでも予備自衛官のソースの拡大を目的とするものでありまして、海上自衛隊の予備自衛官について引き続き退職した元自衛官を採用することを基本といたしております。また、予備自衛官補及び予備自衛官はあくまでも本人の志願に基づき採用されるものでありまして、いかなる人に対しても、いかなる場合であっても強制をされるということはありません。
○吉田忠智君 現状、民間船舶運航に必要な海技士資格を有する海自の予備自衛官は八人しかおりませんし、予定されている民間船舶の運航には最低二十一人必要ですよね。一般に、船員は、甲板、機関、司厨など役割が細かく決まっておりまして、一人が欠けても運航できない、チーム意識から自分だけ登録しないということが困難、会社との雇用関係があり、予備自衛官補への登録にノーとは言いづらい実態があると聞いております。
 本人の意思を尊重するとおっしゃいますけれども、一方で、事業契約書案、事業者は予備自衛官を確保するよう最大限努力すると記載をされています。
 一月二十二日の海員組合の公明党への申入れ時には、防衛装備庁幹部が、入札した会社には船員になるべく予備自衛官補になってもらうようお願いしていると発言しておりますけれども、これ、事実ですよね。
○国務大臣(中谷元君) まず、その文書にあります業務要求水準書の記載につきましては、これは、民間事業者が新たに船員を採用する際に、予備自衛官又は予備自衛官補になることを希望する方を採用していただくことを期待をしているものでありまして、事業者に対して既に在籍している民間船員の方の予備自衛官補への転換を促すことを期待するものではございません。予備自衛官等の採用はあくまでも本人の志願に基づくものでありまして、防衛省としては、予備自衛官等の志願が行われるように広報等に取り組んでまいります。
 それから、自衛隊幹部との話がありましたが、累次、必ず話の際には、これは本人の志願又は希望によるものでありまして決して強制するものではないということは何度も念押しをして申し上げていますし、また、使用契約書の中にも事業者側がそのような強制は行わないというような旨も記載をされているわけでございます。
○吉田忠智君 もし民間船員を予備自衛官補に採用するというのが本当に例外的規定で、実際は必要ないのであれば、二十一人分の予算は削除すべきじゃありませんか。
○国務大臣(中谷元君) 今、非常に船舶の人員が雇用が少ないと伺っておりますが、この二十八年度の海上自衛隊の予備自衛官補に関する予算は、一定の人員、装備品等を輸送できる船舶一そうの運航に必要な人数を参考に最大二十一名が採用された場合を想定して計上したところでありまして、先ほど申し上げましたが、予備自衛官補はあくまでも本人の志願に基づき採用されるものでありまして、いかなる人に対しても予備自衛官補になることを強要するものではないということで、民間事業者に対しても船員の希望を尊重するように求めているところであります。
○吉田忠智君 予算を削減しないのは、今回仮に予備自衛官補で対応できたとしても、今後このような民間動員を広く採用するためのケーススタディーではないのか、そのような疑念があるわけであります。財政上の制約から米軍が自衛隊にリスクを押し付けて、そして自衛隊が民間にリスクを押し付けるという構図ではないか。これ、二十一人分だけの問題じゃないと思いますよ。今後、他の交通運輸産業やそこで働く人々の動員、一億総動員とかつて言われましたけれども、つながる大変に深刻な問題ですよ。
 強制はしないというように法律には確かにうたわれていますけれども、総理どうですか、その点は。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは防衛大臣から答弁したとおりでありまして、強制ではないということはもう明確にしているわけでございます。
○吉田忠智君 民間動員が新ガイドライン、安保法制、戦争法制と密接に結び付いていることはよく分かりました。
 民間船員を予備自衛官補に採用する制度の撤回、さらに戦争法の廃案を求めたいと思います。
 総理に最後にお伺いしますが、昨日、総理は任期中の憲法改正に強い決意を示されました。今年は日本国憲法が公布されて七十年の節目の年であります。日本国憲法が果たしてきた役割、それをどのように評価をされておられるのか、考えておられるのか、お伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本国憲法の三つの柱である国民主権そして平和主義、基本的人権の尊重、これはしっかりと日本人の間に定着をしてきた、これは大きな成果だったと思うわけであります。ちなみに、自由民主党の憲法草案におきましてもこの三つの考え方が柱としてあるわけでございます。
○吉田忠智君 一昨年亡くなられました土井たか子元党首は、日本国憲法を貫く平和主義は国民の総意であり希望であると、そのように言われました。私は、社会党、社民党と護憲運動ということで続けてきましたけれども、しかし、これからはやっぱり憲法を変えるのではなくて、憲法を生かす、活憲運動、これを私もしっかり先頭に立って進めていくという決意を申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で吉田忠智君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、薬師寺みちよさんの質疑を行います。薬師寺みちよさん。
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。本日もよろしくお願い申し上げます。
 本年一月十五日に軽井沢でスキーツアーバスが転落しまして十五名が、若い世代の皆様方が命を落とすという悲惨な事件が起こりました。実は、亡くなられた皆様方と私、同じ年代の子供を持っておりまして、とても他人事とは思えません。しかし、四年前、関越自動車道高速バスの事故でも乗客七名がお亡くなりになられ、様々な施策が講じられたばかりでございます。本当にこれでいいのか。私は、どこか制度に穴がないのかということを健康管理の側面から議論し、再発防止につなげるための仕組みを考えてみたいと思います。
 では、まず石井大臣にお尋ねをさせていただきます。
 バスの需要はこれ伸びていること、大変うれしいことでございます。しかしその一方で、バス運転手の高齢化、そして長時間労働の悪化というものが問題となっております。事業用の自動車の運行の安全が確保できていないこの現状、国交省としてどのように受け止めていらっしゃるか、お願いできますでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 軽井沢スキーバス事故の原因究明については、現在警察で行われている捜査の状況を注視しているところであります。
 一方、国土交通省といたしましては、貸切りバス事業者がこのような悲惨な事故を二度と起こさないよう今般の事故の原因究明を進めるとともに、貸切りバスの抜本的な安全対策を検討し実施することが重要と考えております。
 今御指摘ありました運転者の高齢化や長時間労働については貸切りバス事業における構造的な問題として認識をしておりまして、これらの点を含め抜本的な安全対策について、有識者から成る軽井沢スキーバス事故対策検討委員会において議論を進めているところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 若い世代の皆様方というと、なるべく安いツアーを選んで、そして旅行に行きたいという思いも強いようでございます。しかし一方で、運転をしていらっしゃる皆様方というのは大勢の命を預かっている、大変肉体的にも精神的にもこれは重労働でございます。私も、運転するときに一人だとスピードが出てしまいますけど、家族が乗っていると緊張してしまうというようなこともございまして、運転手の心身の健康管理というものは特に大切な施策だと思いますけれども、国交省としてどのようにお考えなのか、石井大臣、お願い申し上げます。
○国務大臣(石井啓一君) 輸送の安全確保はバス事業における最大の使命でありまして、運転者の心身の健康管理を始めとした健康起因事故の防止対策は非常に重要な課題であると認識をしております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 今、大臣、健康起因事故のことについても言及をいただきましたけれども、ここ最近、報告件数が上昇しておりますですよね。重大事故、そして運転者の病気によって運行の取りやめ、中止を行った原因疾患、私も調べてみました。そういたしましたら、一番が脳内出血のような脳血管疾患、そして第二番目が心筋梗塞のような心臓疾患であることが分かってまいりました。
 これらの病気というものは予防可能であり、予見可能でもあるということで、未然に予防することが可能なケース、実は多く含まれていたんではないのかなとも思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 日頃から、運転者の勤務条件や生活環境を良好に保ち、適切な健康管理に努めるとともに、主要疾病の早期発見に有効なスクリーニング検査等を活用していれば防止することができた事故もあると認識をしております。
 国交省といたしましては、運転者の労務管理や健康状態の確認、スクリーニング検査の受診等について、事業者向けに事業用自動車の運転者の健康管理マニュアルを策定をいたしまして、各種セミナー等を通じてこの周知徹底に取り組んでいるところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 この労働安全に関しましては厚生労働省が管轄でございます。事故を起こす事態、予測するためにも、健康診断というものは欠かせません。貸切りバス事業者におきまして、労働者に年一回義務付けられている健康診断、しっかり受診していただいているんでしょうか。その受診率について、塩崎大臣、お答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 定期健康診断の受診率のお尋ねでございますが、貸切りバス事業者に限定をした数字というのは把握をしておりませんけれども、平成二十四年の統計調査によりますと、貸切りバス事業者を含む道路旅客運送業については、定期健康診断を受診している労働者の割合は九五・七%でございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 健康診断というのはほとんどの従業員の皆様方が受診していただいていることがこれで分かってまいりました。しかし、残念ながら、今回のバス事業者、事故を起こす二日前に、十三名中十人の運転手に対し健康診断を受診していないということが発覚して行政処分を受けたばかりですよね。しかし、実際に運転をして事故を起こした方は健康診断を受けていない。こんなことで本当にいいのか、行政処分自体が軽視され、抑止力になっていないんではないかと私、大変危惧をいたしておりますけれども、まずは石井大臣の方に、このような行政処分の在り方について御意見をいただけますでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) バス事業者は、道路運送法令において、乗務員の健康状態の把握に努め、疾病、疲労その他の理由により安全な運転をできないおそれがある乗務員を乗務させてはならないとされておりまして、これを踏まえ、労働安全衛生法に基づく定期健康診断を受診させることとしております。国土交通省では、バス事業者に対する監査においてこれらの法令違反を確認した場合には行政処分を科しているところでございます。
 今、委員の方から、この行政処分が甘いのではないかという恐らく御指摘かと存じますが、この処分の在り方全般につきましても、今、軽井沢スキーバス対策事故検討委員会で検討しているところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 では、労働安全を管轄する厚生労働省として、塩崎大臣、いかがでいらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 指導の件ですね。
 労働基準監督署によります監督指導におきましては、定期健康診断が行われていないなど労働安全衛生法等の違反が認められた場合には、当然のことながら、書類送検を含めて厳正に対処しておるわけでございます。
 また、今回のバス事故を踏まえて、貸切りバス事業者に対しまして緊急の集中監督を実施をしました。健康診断の実施状況を含めて、法令の遵守状況について徹底した確認を行っているところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 では、先ほど健康診断はほとんどの方が受診なさっていることが分かりました。しかし、その後が肝腎でございます。健康診断をして異常値があればしっかりと指導しなければならない。これは厚生労働省としてこれからも行っていかなければならない施策だと思いますけれども、じゃ、実際にそのような運転手の皆様方に対して健康指導がなされていたかどうか、厚生労働省、どのような数値を把握していらっしゃいますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 事業者は、健康診断の結果、異常な所見が認められた場合、この場合は、医師等からの意見聴取とか、あるいはその聴取結果を踏まえて労働時間の短縮などの必要な就業上の措置、いわゆる事後措置を行わなければならないこととなっておりますが、平成二十四年の統計調査によりますと、貸切りバス事業者を含む道路旅客運送業について、医師又は歯科医師からこれらの意見聴取をした事業所の割合は、全業種の平均二六・八%は上回っておりますけれども、四三・八%にとどまっているという現実でございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 実はここにトリックが隠されております。パネルを御覧いただきたいと思います。(資料提示)貸切りバス事業者の構造的な問題がここにございます。
 貸切りバスの事業者の約六〇%が従業員数十名以下です。今大臣がおっしゃった数値というものは十名以下の事業所は入っておりません。調査対象にもなっていないんです。従業員が五十名未満の事業所というのは全体の九四%を占めております。従業員数が五十名、これ大変重要な数字でございまして、五十名以上の事業所では産業医というものを選任しなければならない。しかし、産業医も選任されていないような事業所がほとんどを占めているこの貸切りバス事業者では、労働安全というものも行う仕組みが整備されていないということになってまいります。
 では、この五十名未満の貸切りバス事業者において産業医が選任されている割合を教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(加藤誠実君) 十人以上五十人未満の事業所におきましては、産業医が選任されている割合は、平成二十三年の統計で、これ全産業でございますけれども、三五・一%でございまして、業種別には集計しておりません。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 今も十名以上という数字しか出てこないんですね。十名未満の皆様方というのは更に劣悪な環境に置かれていると言わざるを得ない状況でございます。
 では、バス事業者において安全に運行するためには、やっぱり長時間労働の面談というものはこれ大変重要なものだということは、前回の事故、四年前の事故でもこれははっきりしていることです。
 では、どのくらい面談指導が徹底されていたのか、大臣、お答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 労働安全衛生法において、長時間の時間外・休日労働をしている労働者から申出があった場合に、事業者は、当該労働者に対し医師による面接指導を受けさせなければならないとされております。本制度については、所管の厚生労働省によりますと、労働基準監督署等を通じて事業者に徹底を図っていると聞いております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 これは残念ながら十人以上の事業所ですけれども、一六・五%というような数値も出ております。
 塩崎大臣、従業員五十名未満の事業所の皆様方に対してもしっかり厚生労働省は実は手当てをしてくださっていますですよね。全国に三百五十か所ございます地域産業保健センターという、これ無料で相談を受け付けております。貸切りバス運転手の皆様方の御利用状況というものを調査していらっしゃいますでしょうか、教えてください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘いただきました地域産業保健センター、ここで、働く方が五十人未満の小規模事業所に対して健康診断結果に基づく労働者に対する保健指導、長時間労働を行った者に対する医師による面談指導などを無料で行っているわけでございます。平成二十六年度の利用者数は延べ約五十万六千人というふうになっております。
 御指摘の貸切りバス事業者、運転手の利用状況につきましては把握をしておらないわけでございますが、限定した場合には、運送業の小規模事業所の利用者数は約六万四千人、うち長時間労働者への面接指導の利用は約二千人となっております。
 なお、個別訪問による産業保健指導の利用状況は把握をしておりません。
 産業医が選任されていない小規模事業所における労働者の健康管理を進めることは重要な課題であることは先生御指摘のとおりでありまして、働く方の健康管理に取り組む小規模事業所を、全国三百五十か所に設置をされております今御指摘の地域産業保健センター、これが無料支援を行っているわけでありますから、貸切りバス事業者を含めて地域産業保健センターの利用促進がしっかり図られるように、今後ともあらゆる機会を捉えて周知、広報、徹底をしてまいらなければならないというふうに思っております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 今、運送業の面談が二千ぐらいだという数字でございます。運送業といっても様々な運送業がございます。この貸切りバス事業者見ても四千社がございます。もう明らかに少ない数字だということが皆様方にも御理解いただけるのではないでしょうか。
 では、このように産業保健が整っていない現場におきまして、運転手の健康、疲労の状態をどのような方が判断なさっているのか、どのような資格があるのか、教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。
 運転者の健康や疲労の状態については、事業者が選任する運行管理者が判断することとされております。この資格につきましては、国土交通大臣が行う運行管理者試験に合格した者又は一定の実務経験を有している者に対して認められているところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 運行管理者が判断をする。じゃ、その運行管理者の受験資格、そして様々な講習につきまして本当に健康管理というものが理解できているぐらいの時間が割かれているのか、その資質が十分であるのかということについて、大臣、お答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 道路運送法令上、運行管理者試験の受験資格といたしまして、事業用自動車の運行管理に関し一年以上の実務経験を有していること又は国土交通大臣の認定する健康管理等を含めた講習を受講していることのいずれかを求めております。これらの実務経験や講習によりまして、健康管理に関する知識を習得した上で運行管理者試験を受験することとしております。
 加えて、運行管理者として事業者に選任された場合には、少なくとも二年に一度、国土交通大臣の認定する健康管理等を含めた講習を受講することが義務付けられておりまして、健康管理に必要な知識を更に深めることができるよう措置をしているところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 しかし、大臣、事業用の自動車の運行の管理に対して一年以上の実務経験があれば全く受講は必要ないです。基礎講習の中にも二時間、自動車事故防止に対することというものがございますけど、その一部に健康管理というものが入っているだけです。一般講習で二年に一度受講しなければなりませんが、そのトータルも五時間、その中にももうほんの少し健康管理が入っていればいい。その程度では素人さんが本当にこの健康状態というものが判断できるのかどうか、私は大変、産業医としても疑問に思っております。
 では、大臣にもう一問お尋ねをさせていただきたいと思います。
 今、国交省では事業用自動車健康起因事故対策協議会というものが設けられているかと思います。健康起因事故が増えているということで、様々な抑制策としてスクリーニング検査というものを普及していこうじゃないか、これ、大変私いい試みだと思っております。
 しかし、業界団体の働きもあってこのような施策を充実させることとともに、やっぱり従業員五十名以下の事業所でもいかにこの産業保健というものを充実させていくべきだと、そういう議論も行っていただきたいんですが、いかがでいらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 御紹介いただきました国土交通省で設置しました事業用自動車健康起因事故対策協議会におきましては、脳・心臓・消化器系疾患や睡眠障害等の早期発見のための検査をより効果的なものとして普及させるために、最新の検査機器や新たな検査方法等について情報共有するとともに、検査の普及方策について検討しておりまして、本年の夏までには中間取りまとめを行う予定でございます。
 従業員五十人未満の事業所で産業医の活用をというお話でありましたが、先ほど委員の方から御紹介をいただいた地域産業保健センターの活用を私どもとしては推奨しているところでございます。道路運送業界は中小企業が多く、産業医が選任されていない事業所が多いことから、まずは、厚生労働省と連携し、この地域産業保健センターを有効に活用するよう事業者に周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 皆様方もそうだと思うんですけれども、病院って検査しただけでは駄目なんですね。その検査からどういう指導を受け、どういう治療を受けるか、これが一番肝腎なところでございます。それが抜け落ちてしまってはいわゆる産業保健というものが有効的に利用されないということになりますので、是非更に推進する施策をお願いをしたいと思います。
 しかし、次に、パネルを示させていただきますけれども、この問題、バス事業者に限ったことではございません。
 平成二十六年度の経済センサスにおきまして、民間事業者では、十名未満の事業所が八〇%弱、従業員数五十名未満の事業所は九六%に上ります。そこで働く労働者の数は全体の約六〇%、全労働者の六割が実はこの安全と健康を守るための産業保健という仕組みが享受できていないという可能性も出てまいりました。
 先ほど紹介いたしました従業員五十名未満の事業所に対しまして、無料で相談できる地域産業保健センター、十分利用されていないのではないか、どのような調査を行っていらっしゃるのか、まず大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げましたように、地域産業保健センターの利用者数は延べで約五十万六千人ということを申し上げたわけであります。一方で、今先生御指摘のように、五十人未満の事業場で働く方々は約三千万人おられるということでございますので、現在の事業規模では全ての事業場で十分に活用していただいているとはとても言えない状況だというふうに認めざるを得ないというふうに思っております。
 今後とも、最大限予算を確保し、また事業の周知徹底を図るということでこの地域産業保健センターの利用を促し、労働者の健康確保に努めてまいらなければいけないと思っておりますが、その一方で、今、厚労省において産業医制度の在り方に関する検討会というのが先生からの御示唆もいただきながらスタートをさせているわけでありまして、国による予算措置以外の方法も含めて、小規模事業場における健康管理対策の強化、この方策についても検討をしておるところでございます。
 今後、その検討結果を踏まえて小規模の事業場における健康管理対策の強化を図らなければならないと思いますし、特に、今回のような悲惨な事故が若い命を奪っていくというようなことを考えてみれば、この問題の重要さというのはますますクローズアップされているのではないかというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 私も、大いにこの産業医制度の在り方に関する検討会、期待をいたしております。なぜならば、産業医制度、四十年ぶりの抜本的な見直しなんです。四十年前と今と産業構造はどう違っていますかということです。全くこの四十年間手付かずでいたものがようやく動き出す、これは大きな改革だと私は思っております。
 例えば産業構造も、工場とオフィスでは全くそのリスクは違います。長時間労働一つ取りましても、新卒の方と、じゃ、退職後再雇用された方で同じでいいのか。様々な側面から多様的な角度で施策を充実させる必要があると思います。そのためにも、まず不断の見直し、これ、四十年ほっておくようなことはなく不断の見直しをお願いしたいんですけれども、大臣、いかがでいらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) この産業医制度の在り方に関する検討会は、病院長が産業医を兼ねて、そこで働いている人たちの健康管理をするのはおかしいんじゃないかと、こういう問題意識が一つのきっかけでございました。
 しかし、今お話ありましたように、昭和四十七年に労働安全衛生法が制定された際に設けられた制度がこの産業医制度でありますけれども、マイナーチェンジはやってまいりまして、おおむね四回はやってきたわけでありますけど、今お話しのように、メジャーなチェンジは四十年やってこなかったということであります。
 この産業保健に関しては、この場で今検討をしていただいておりますけれども、その検討の内容については、まず、産業構造が大きく変化をして企業の形態も多様化をしている中で、私どもは、それぞれに合った、事業場の状況に応じた産業医の在り方を検討しなければいけないということがまず第一点。
 それからもう一つは、新たな多様な働き方というのはどんどん広がっていきますし、これから働き方改革というのをやるということを総理も明言をされているわけでありますから、その多様な働き方をされる方々がそれぞれの状況に合った形で健康管理ができる、そういう仕組みというのは一体産業医制度においてはどういうものなのかということも考えなければいけないんだろうと思います。
 それから、今お話しの五十人未満の事業場における産業保健の推進をどう図っていくのか。これは、五十人未満であろうとも長時間労働の場合には医師による面談指導が必要である、しかしそれが実効性が図られていないというような現状もありますから、その辺をどうするのか。
 さらに、保健師などの医師以外の方々による協力体制、チーム医療というのがありますけれども、これらをどうするのかというようなことを含めて、働く方々の健康が確保されるように、法改正を含めて対応していかなければならないと思っているところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 この問題につきましては、大臣とも厚生労働委員会で派遣法改正のときにかなり議論を進めたところでございます。やはり受けられる産業保健の在り方について雇用形態によって違ってはならない、そのはざまに陥ってはならない。だからこそ、今回、しっかりと大臣おっしゃっていただきました、様々な多様な働き方においても産業保健というのは平等に受けられるような状況をつくっていただきたいと私どもは再び要求をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 では、最後に総理にお伺いをさせていただきます。
 何問か議論をさせていただきたいんですけれども、強い経済ということが言われております。今日の日本が抱えます問題、様々ございますけれども、私、このバスの事故におきまして、日本が今抱えている労働力の不足、そして過度な利潤追求、そして健康、安全の軽視、そのようなものが一気にひずみとして出てきた結果ではないのかなというふうに考えております。経済最優先の施策というものはもちろん充実させなければなりません。しかし、最低限労働者を守る産業保健が必要だということはここで共通認識として私持っていただけたんではないかなと期待をいたしております。
 第一本目の矢、希望を生み出す強い経済のためにも産業保健の充実が必要だというふうに思っていただけたということを一言いただけますでしょうか。よろしくお願い申し上げます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本は、長い間デフレ経済の中でより安くという傾向があったのも事実なんだろうと。これからは、より良いものをつくっていく、より良いサービスを行っていくということ、そういう姿に変えていかなければならないと考えておりますが、働く方々の健康と安全を守ることは、一人一人の生産性向上を通じて社会全体の生産性向上にもつながることから、薬師寺委員が言われたように、新三本の矢に掲げる希望を生み出す強い経済の前提となる重要なものと考えています。
 このため、従来より、労働安全衛生法に基づき、産業医の選任や定期的な健康診断の実施などを事業者に義務付けるとともに、平成二十六年に労働安全衛生法を改正し、重大な労働災害を繰り返す企業に対して改善計画を作成させ、改善を図らせる仕組みを導入するなど、労働者の健康・安全確保の取組の強化を図ってきたところであります。
 今後も、働く方の健康と安全を確保するための対策の充実強化を政策の重要な柱として位置付け、その推進を図っていく考えでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 この産業保健の充実は、一本目の矢だけではなく、新三本の矢の三本目、安心につながる社会保障、これもしっかり守っていくことができます。疾病の予防にもつながりますし、医療費の削減にもつながります。
 しかし、残念ながら、これは政府、労働者、使用者の三者の合意も必要ですし、省庁横断的な取組でもございます。しっかりと様々な方々と連携をしながら進めていくと、最後に一言だけいただけますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 若いうちからの健康管理や疾病予防の取組は、社会保障の支え手である働く人々の健康と活力の維持につながることから、将来にわたって安心につながる社会保障を実現するために重要であります。
 このため、職場の健康管理を行う産業保健において、労働安全衛生法により産業医の選任や定期的な健康診断の実施などを事業者に義務付けるとともに、企業の健康保険組合においては、レセプトや特定健診データを用いた保健指導の実施や、企業とともに社員の健康づくりを企業戦略と位置付け推進する健康経営の取組の普及などを推進し、働く人々の健康管理や疾病予防に努めています。
 今後とも、事業者や健康保険組合など保険者のこのような取組を推進し、将来にわたって安定した社会保障を実現するように取り組んでいく考えでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で薬師寺みちよさんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、荒井広幸君の質疑を行います。荒井広幸君。
○荒井広幸君 新党改革の荒井広幸です。
 子ども・被災者支援法の議員連盟の総会が昨日ありました。葛尾村から東京に避難されている御婦人が、来年で仮設住宅等の支援が打ち切られることについてこう言いました、犯人がどうして我々にこういう命令を下すんだと。これは、閣僚の皆さん、本当に正直なところの気持ちですよ。いつまでも政府は責任を認めない、そして東電も責任を逃げてADRのいわゆる仲裁も捨てている、こういう状態です。どうぞそういう観点で次の事項を聞いていただきたいと思います。
 新潟県の技術委員会の指摘を受けて東電が社内調査を行い、メルトダウンはもう既に起きていたと、その判断する基準を持っていたのにもかかわらず五年間隠蔽していました。
 東電社長に聞きます。
 そのときの判断基準のマニュアルを提出していただきたいということと、法定の原子力事業者防災業務計画とどういう関係があるかお答えください。
○参考人(廣瀬直己君) この度、この炉心溶融の問題につきまして大変皆様に御心配をお掛けしておりますことを改めておわびを申し上げます。
 本件につきましては、先週公表いたしました。その際に、今先生から御指摘のありました問題となりましたマニュアルにつきましても記者の皆様に配っております。したがいまして、御用意することは可能でございます。
 次に、原子力事業者防災業務計画と私どものいわゆるマニュアルとの関係についてのお尋ねだというふうに理解しております。
 まず、原子力事業者防災業務計画と申しますのは、原子力の災害を防止し、拡大を防止するために必要とされる業務の概要を定めたものでございまして、自治体と協議をして国に届け出ているものでございます。一方で、私どものマニュアルは原子力災害対策マニュアルと申しまして、これは、今申しました防災業務計画を実際に実行していく上で必要となる業務の範囲や手続、手順などを詳細に定めたものでございまして、いわゆるこれは社内で独自に定めた運用規定でございます。いわゆるマニュアルでございます。
 以上でございます。
○荒井広幸君 そのマニュアルは、少なくとも福島原発の安全防災担当の社員にはこのマニュアルを作って周知していたと聞いています。間違いないですか。
○参考人(廣瀬直己君) はい。
 社内の業務のマニュアルでございますので、業務を遂行する人間は業務のマニュアルを当然知っていなければいけないというふうに考えております。
○荒井広幸君 そのマニュアルを知っていて何でメルトダウンでないと。中村、保安院、そのときの、当時は審議官ですが、民主政権は首飛ばしました。社長はどう考えますか、このところを。
○参考人(廣瀬直己君) 既に先週公表いたしましたが、三月十四日の朝、バッテリーをつなぐことができて、各種の計器の数値が明らかになってまいりまして、それに基づいて、格納容器内の放射線量やそれに基づく炉心損傷の割合というのが計算できるようになりまして、この数字はその場で適時に国に通報、報告いたしました。
 したがいまして、その時点で、一号機は五五%の損傷率だということを朝の五時に報告したわけでございますけれども、マニュアル上は五%という数字をもって炉心溶融と判定しなさいというふうに書かれておりましたので、もちろん、その五五%というのは明らかに五%より大きいわけでありますので、隠蔽するということではなかったというふうには考えておりますが、そこで、その用語の使い方についての適否については今後第三者の方々も入っていただいてしっかり調べて、再発防止をしっかりやっていきたいというふうに考えているところでございます。
○荒井広幸君 当時の民主党政権の官邸は、大丈夫大丈夫、メルトダウンはしていないんだということですよ。
 そうなりますと、お尋ねしますが、これは規制委員長、もし内規で五%、当時もう第一は五五%ですから、第二、第三は三〇から三五なんですよ、炉心溶融、いわゆる溶けている率が。五%というのをはるかに超えている。だったら、避難のさせ方も、そしてあのコントロールの仕方も変わったんじゃないかということを言いたいんですよ。
 まず、規制委員長、避難とかあのときの収め方、コントロールの仕方、変わった可能性ありますか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 事故発生時のいろんな原子炉の機器の状況というのは、詳細は知る由はありませんけれども、後で様々な事故調査によって、事故調査報告書から推定すれば、事故発生当時の状況であれば、やはりひたすら炉心に注水し炉心を冷却するという方法に、サイト内ではそれが一番ベストな方法で、そのことに邁進したんだろうというふうに思っています。ですから、炉心が崩壊しているとか溶融しているとかということとその手だて、対策は基本的には変わらなかったんではないかというふうに想像されますが、そのときの詳細な状況が分かりませんので、それ以上はちょっとお答えしかねます。
 それから、サイト外でございますが、当時の防災指針と現在の原子力規制委員会が作成した防災指針とは考え方が大きく異なっております。その上で、炉心溶融と住民避難との関係でございますが、炉心溶融のおそれ、その後の放射能の放出等を踏まえて段階的に避難範囲が当時は広げられていったというふうに承知しております。そういう状況ですので、炉心溶融の情報があったかないかということで防護措置の判断にどのように影響を与えたかということについては、なかなか明確にお答えすることは難しいというのが正直なところでございます。
 しかし、いずれにせよ、現在の原子力災害対策指針では、この作成に当たりましては、私ども、福島第一の今回の事故の教訓を十分に踏まえて、住民の被曝線量をできるだけ少なくするということ、それから、今回の大きな教訓であります、避難に伴って放射線被曝による以外のことで多くの犠牲者を出したというようなこともありますので、そういったことを踏まえて新たな指針を作っております。
 今後、そういったものを十分に訓練を重ねて、十分機能するようにしていくことが大事だというふうに認識しております。
○荒井広幸君 知る由が、当時担当じゃないから知る由がなかった、だから報告書があったり国会事故調、政府事故調があるわけですよ、委員長。そこから学び直して今度の規制を作っているわけでしょう。心もとない話ですね。そして、技術的には同じことをしたかもしれないということですが、避難についてははっきり言えない、これなんですよ、非常に大きな問題です、これは。
 では、お尋ねしますが、規制庁事務方に聞きます。
 原発を持つ十の電力会社のうち、当時こうした社内マニュアル持っていたかどうか、そして現在は持っているかどうか。
○政府参考人(大村哲臣君) お答え申し上げます。
 規制当局は事業者が策定した社内マニュアルを法的に知り得る立場にはないということでございますので、事故当時におきまして炉心溶融の判断基準について記載をしたと言われるこのマニュアルが存在したかどうかについては、ほかの事業者につきましても承知をしておらないということでございます。
 それから、現在でございますが、マニュアルを提出させるというような法的な手続はございませんけれども、一部の事業者からは、原子力事業者防災計画の提出に併せて、任意で同様のマニュアルの提出を受けているというところでございます。
○荒井広幸君 規制委員長、ざるですよ、ざる。
 法律的に作っているかどうかさえ分からない、どこが二重三重の安全基準なんですか。どこが世界最高の安全基準なんですか。こうして一つ一つ分かってくると、やっぱりまだまだ私は再稼働するような状況でない、このように思います。
 なぜ、東電社長、五年間知らないままいたんですか。隠蔽したんですか。どうしてこういう状態なんですか。
○参考人(廣瀬直己君) お答え申し上げます。
 その点につきましては、これからもしっかり第三者の先生に入っていただいて、独立した社外の目でその原因をしっかり究明するとともに、二度とこうしたことのないように対策を取っていきたいというふうに考えているところでございます。
○荒井広幸君 東電の社内文化というのは、本当に、一遍二遍謝って、絶対にこれからこれからといって、必ず百遍ぐらいこういう話があるんですよ、この二十年間。そして、この五年間だってたくさんあるんです。そして同時に、当時のいわゆる官邸含めた対応というのは、非常にこの点いかがかというような問題があるということを指摘しておきます。
 それから、業務上必要な注意を怠った結果、人を死傷させた犯罪ということで、東電元会長を始め三人が強制起訴されました。現社長としてどう受け止めていますか。
○参考人(廣瀬直己君) 私どもの福島の事故から間もなく五年がたとうとしておりまして、このような長きにわたりまして、大変大きな事故を起こし、大変多くの皆様に多大なる御心配、御不便をお掛けしておりますことを改めまして深くおわびを申し上げたいと思います。
 強制起訴の件につきましては、今後、司法の場で判断が下されるということになるというふうに考えております。
 私どもとしましては、福島の責任をしっかり果たしていくということが全てでございますので、今後、原子力発電所の汚染水対策、廃止措置、さらには賠償、除染、それから福島復興に向けた取組に社員一丸となって全力で取り組んでいく覚悟でございます。
 今後とも御指導いただければと思います。
○荒井広幸君 隠されていたら指導のしようもありません。
 確認します。規制委員長、規制庁はこの五%内規ルールがあることを知っていたか知らなかったか。いかがですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先ほど当方の審議官からお答えさせていただきましたように、原子力災害対策マニュアルは事業者である東京電力が独自に作成した社内マニュアルでありますので、原子力規制委員会はこれを法的に知り得る立場にはなく、報道の直前までその内容については承知しておりませんでした。
 なお、今回、東電が発表するに当たって、当方にもそのマニュアルは届いております。
○荒井広幸君 ということなんですね。もう何とも言いようがありません。
 これは、規制庁、原子力規制委員会や、あるいは福島県の調査委員会で分かった事実じゃないんです。柏崎刈羽原発を持っている新潟県の泉田知事の下でのいわゆる調査会が指摘してこれが発覚するという本当に不本意な、残念なこの結果なんです。規制委員会も福島県も何をしていたんだと。
 そして、再稼働、これを東電は新潟県に迫っているけれども、よくぞ私は、こうした命を大切にして一つ一つ点検しているという新潟県を私は共鳴しているんです。しっかりもう一回精査し直すことを強く望みます。
 そして、規制委員長。規制委員長は、原子力規制委員会、だんだん人がいなくなる、原発をやめると人がいなくなると、こういったことを日経新聞でインタビューで答えていらっしゃいます。
 しかし、ここに、総理以下皆さん、ありますのは、二十六年の五月に超党派で出しました原子力規制委員会の設置法の一部を改正する法律、これは、法律の中に廃炉安全専門の審査会というのが法律でないんです、ないんです。これを法律で定めなさいという議員立法です。残念ながら廃案になっています。これを、法案を是非、与野党共に通していただいて、原子炉安全専門委員会を法律できちんとつくると。審査会をつくるとなれば、総理が必ず、研究者の皆さん、研究に就いてください、その研究成果を生かします、雇用しますという長期的な約束を政府がしていただければ人材は集まるし、規制委員長、規制委員長もそれをやれば人材は私は今より集まると思うんです。いかがですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先生御指摘の、今後、廃炉の課題は非常に重要な課題になるというふうに認識しております。現行の原子炉規制法において、廃止措置計画を定めて原子力規制委員会の認可を受けるという道筋がありまして、廃炉段階にある原子炉というものは、今、原子炉規制法の中でもきちっと安全を担保できるようにはなっております。
 ただ、今その関連で御指摘のありました人材の確保、これは、我々規制委員会とか規制庁だけの問題ではなくて、原子力界全体の問題だということを申し上げたいと思います。
 原子力規制委員会が可能な限り人材育成ということで、二十八年度からは人材育成事業という予算もいただきまして、安全確保のための人材育成については最大限の努力を図っていく所存でおりますけれども、事業を進める、廃止措置を進める、いろんな課題がありますので、そういった人材を継続的に確保するためには、やはり今いろいろ問題になっておりますけど、教育用の原子炉、それから教育訓練用のいろんな施設、全てもう四十年から五十年たっている施設しかありません。こういう状況をやはりきちっと直していただいて、きちっと若い人がそういうところで研究をし、学んで、新しい人材が原子力分野に入ってきていただくような道筋を国全体として是非考えていただきたいというのが私の本心でございます。
○荒井広幸君 またこの件は次回にただしたいと思います。
 予算委員会ですから、経済です。お手元に配付しました「アベノミクスとは」というものです。(資料提示)
 私は、アベノミクスを高く評価しています。御覧いただきましたように、鶏という経済、日本経済を大きく太らせない限り、まず税収、そして雇用、ここまでは何とか来ました、不十分はあっても私は評価しています。今度、いよいよ第二ステージで格差、貧困というところに再分配で行こうとしている。
 ところが、外圧がありますね。今日も午前中来からありました海外の動向です。そういったことに左右されます。道のりはなかなか長いんです。この道のり、時間が掛かるということも、国民皆さんにも理解をしていただきながら、私はこれ以外に勝る今のところ提案はほとんど聞いたことがありません。成功させるために是非私どもも協力をしていきたいというふうに思っています。
 経済成長は目標ではありません。GDPだけで豊かさは判断できない。これは国連ももう既に言っていることです。本当の豊かさは何なんだろうかとみんなで考えていくときに来ているんだと思います。その豊かさ、あるいは成長の質というんでしょうか、こういったことで全閣僚、総理を中心に知恵を出し、実行を進めてもらっているものもあるわけです。
 その中で私が申し上げたいのは、財務大臣に前回も御提案、度々させていただきましたが、例えばアベノミクスの段階で、この二年で四十九兆円の内部留保、四十九兆円です、この四十九兆円の内部留保を寝せておく手はない。これをどう活用するかというときに、例えば二九%の法人税、福島、この支援は、法人税やめたんですから、少なくともアベノミクスで株高、円安で受けた恩恵の一割程度は吐き出してもらったっていいという条件を付けて二九%にしたらどうだと、そういうやり方もあるというふうに申し上げたんですが、今日ここで申し上げたいのは、お金に志をつくる寄附文化ということについてお話をさせていただきたいと思います。
 杉並で小中一貫校和泉学園というのが、区立で中高一貫やっております。この間まで中学校でどういうことをやっていたか。子供たち全員が集まりまして、どこに寄附をするかみんなで問題を探求し、議論して決めるんです。その探求して決める中で、今回は障害児保育園、これ日本で初めて創設されます。そこに、商店街に寄附をもらいに行き協力してもらい、街頭で募金活動してもらって、そして寄附をしたんです。大変喜ばれた、自分の居場所も見付かった。
 学園長からお話を聞きましたけれども、子供たちが社会的課題を見付け、自ら行動を起こす、そして貢献する、こういうことに実は、予算一辺倒の国の仕組みを、一人一人が自ら、みんなで議論しながら、志あるお金を直接政府に任せないで協力していこうという共助の分野を広げていくということがこれからの社会問題を解決すると思います。
 財務大臣、この中学校の取組、どのように聞きますか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは自助、公助、共助、一番基本的なところなんですけれども、基本的に、自由主義経済とか資本主義とかいうものをやっていって、規制を緩和して自由にすればするほど格差は付きます。人によって個人能力の差が違いますから、また個人の努力も違いますから、運もある、周りの環境もある、いろんなもので差が付く、もうそれは規制を緩和すればするだけそうなります。
 同時に、それは活力を生みますので、規制をすればするだけ活力はなくなります。だから、どの程度に調整するかというのは最も難しいところですけれども、自由にして元気を戻すというのが我々に今与えられている長い間のデフレ、資産デフレーションによる不況から立ち直っていく過程において今まさにそういうことがあちらこちら指摘のあるところ、よく知っているところですが、ありますが。
 問題は、その得た金を寄附をするという文化というのがアメリカが私の知っている中では一番進んでいるように思いますけれども、アングロサクソンの方が多いのかな、ヨーロッパでもラテンとかドイツは少し違うような気がしますので、イギリス、アメリカの方がまだ進んでいるような気がしますから、アングロサクソン系統の方がそういった文化が強いのかもしれませんけれども。
 そういったようなものは、一回もうけたものを政府が集めて、その上で、政府が判断して配るんじゃなくて、政府に納める前に自分で判断して自分でやると言えることをやろうとしておられる、大体、テレビに向かって分かりやすい言葉で言うとそういうことを言っておられるんだと思っていますけれども。
 それをやる場合に、これはいろんな本人の問題が起きまして、御本人がやる場合に、もらった人はその人に対していろんな、これ百万円くれたらあなたに五十万円返しますとか言って、そこで五十万円差額を出るとか、いろんなことをこれやろうと思えばいろんな悪いことは考えられるんです。いろんな知恵がよくこれまでも指摘されているところですから。
 そういったことも考えた上で私どもとしてはこういったものに対応していかないと、おっしゃっていることは全く正しいんですが、全ての第三者は善者ばかりとは限らぬということも考えておかないかぬのは当然のことなのであって、そういったことが行き過ぎるとまた別の問題が出てきますので、そこらのところをどの程度にするかというのは難しいところだと思いますが。
 いずれにしても、中学生のところから、この杉並の和泉学園の話というのは意外と有名なところなんですけれども、こういった問題というものは子供のうちから考えさせておくというのはすごく大事なことで、役人から見てこれが大事とか、何々党が言ったからこれが大事とか言うわけにはいかないのであって、有権者というのは、我々はそれで選挙をやっておるわけですから、広く有権者という国民の声を聞くチャンスをもらっているのは我々ですから、そういった者の目から見てどうかという点は大いに私どもとしては、そういったものを聞けるチャンスがあるという意味においては非常に優位な立場にありますので。
 そういった点もいろいろ考えて今言われたようなことをやっていくには、この寄附の文化というものを醸成せないかぬという非常に大きな問題が別に抱えていますので、それを子供のときからどうやってやるかという話はちょっとなかなか大きな話ですので、これは一概に簡単に税額をどうすればいいとか言うわけにはいかないんですが、ここのところ、二十七年、二十八年と小口の分については随分昔とは変わった形で、財務省もそういったものを昔に比べては随分寄附に関するあれを緩めてきた、緩和してきたという事実はありますけれども、そういった文化があるかと言われれば、これは、荒井先生、今までのところなかなかない、それをどうしていくかというのはこれからの問題として真剣に考えないかぬところだと思います。
○荒井広幸君 これは次回もやらせていただきますが、総理がよくお分かりの、寄附の性格に似たもので、社会貢献しながら投資をする社会的インパクト投資というのが始まっています。これを安倍総理の下で、G7伊勢志摩サミットにおいて、寄附の性格を持ったような社会的投資をやるんだと、これを議題にのせて宣言するということはいかがでしょう。
 そのとき、我々国会も、休眠預金の社会的活用というのを言っているわけですね、法律、閣僚の皆さんも入って、皆さんも入っていらっしゃると思います。この休眠預金、これを社会的に活用していく。寄附の精神と非常に同じなんです。これを日本はやるんだと安倍総理が言ったら、世界の経済、新たな意味で、志があるお金で、政府などが手が付けられなかった、本当に隅々まで一人一人の善意のお金が行き渡るということになろうと思います。
 総理に提案を申し上げます。
 伊勢志摩サミットで、この寄附の精神を生かした取組、特に社会的インパクト投資というものを議題にのせ、宣言をさせていただいてはいかがか。そして、休眠預金を、我々国会は、この活用の法律を成案をして、世界に志あるお金の使い方を提案する、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員がおっしゃったこの社会的インパクト投資、社会的影響投資は、例えば不登校の子供たち、子供の不登校といった大きな社会的な問題に対して必要な資金を民間の投資家から集めて支援事業に回す、そして、それが、成果が上がったことによってそれまで必要とされていた政府予算の削減が可能となっていく、その一部を政府が民間の投資家に還元をしていくといった社会問題の解決と利益の確保とを同時に目指す、これは新しい取組であろうというふうに理解をしています。
 この社会的影響投資については、過去二、三年の間、官民協力の新たな形として、例えば、貧困からの脱却、また再生可能エネルギーの導入、これは一番分かりやすいんだろうと思いますが、また子供たちの感染症予防といった課題を解決するためにいかなる形で用いるべきか活発に議論がなされている、世界的に議論がなされてきたというふうに承知をしております。国際社会の議論の最前線にあるこの手法について示唆に富む御指摘をいただいたと、このように思います。
 伊勢志摩サミットの議題については現在G7各国と調整中でありまして、議長声明に盛り込むべきかも含め今後検討していきたいと思います。
○荒井広幸君 貧困に取り組んでいる、格差に取り組む安倍総理ですから、是非世界を牽引してください。
 終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で荒井広幸君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて基本的質疑は終了いたしました。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) この際、先般、本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員から報告を聴取いたします。
 それでは、報告を長浜博行君にお願いいたします。長浜博行君。
○長浜博行君 予算委員会委員派遣の調査につきまして御報告いたします。
 派遣団は、岸委員長を団長とする十六名で編成され、二月八日及び九日の二日間、三重県及び愛知県を訪れ、両県における重要施策の取組状況、東海地方の経済情勢等について概況説明を聴取するとともに、畜産業の現状、伊勢志摩サミットの準備状況等について調査を行ってまいりました。
 まず、三重県においては、県内の産業の状況、伊勢志摩サミットに向けた取組等について説明を受けました。三重県の産業は、製造品出荷額に占める電機・電子、輸送用機械等の割合が高いため、日本全体の景気に左右されやすく、経済感応度が高いという特徴がある。伊勢志摩サミットの経済効果は、外国人観光客の増加等により、サミット後の五年間で千百十億円と見込まれ、既に、サミット開催決定後、外国人を含め宿泊者数が増加している。また、官民挙げたテロ対策に取り組んでおり、県独自のドローン規制条例の制定や住民懇話会の開催などを行っているとのことでありました。
 また、三重県畜産研究所及び伊勢志摩サミット会場を視察しました。
 畜産研究所においては、松阪牛の概要について説明を受け、TPPの影響、輸出への取組等について意見交換を行った後、研究所内の松阪牛を見学いたしました。
 伊勢志摩サミット会場においては、伊勢志摩サミットのスケジュール、各国首脳の移動方法、国際メディアセンターの設置等について説明を受けた後、メディアセンターや首脳会議場等の施設となる県営サンアリーナ、志摩観光ホテル、賢島宝生苑を視察しました。
 次に、愛知県においては、県内の産業の状況等について説明を受けました。
 愛知県は、製造品出荷額等が全国一位であり、また、中部地域は我が国随一の航空宇宙産業の集積地となっている。愛知県に立地する主要機体メーカーがボーイング社の主要サプライヤーとなっており、また、我が国初の国産ジェット旅客機MRJが平成二十七年十一月に名古屋空港で初飛行し、現在量産体制を整備中とのことでありました。
 なお、愛知県からは、平成二十八年度税制改正における地方法人課税の見直しに関し、地方自治体の財政運営等に影響が生じないよう、必要な対策を講じてもらいたい旨の要望が述べられました。
 次に、東海地方の経済情勢については、企業部門で改善の動きが続いているなど、回復している。生産活動は緩やかに持ち直し、設備投資は自動車、リニア中央新幹線の関連などで大幅増加が見込まれ、企業収益も引き続き増益見込みとなっているとのことでありました。
 そのほか、当該地域の金融情勢、国税収納状況及び税関でのサミット対策等について説明を受けました。
 なお、このほか、九日午後に三菱航空機株式会社、日本ガイシ株式会社の視察を予定しておりましたが、同日、参議院本会議が開会されることとなり、視察を取りやめた次第です。
 最後に、今回の委員派遣におきましては、視察先の関係者の方々に多大な御協力をいただきました。ここに深く感謝の意を表するものであります。
 調査の詳細につきましては、これを本日の会議録に掲載されますよう、お取り計らい願いたいと存じます。
 以上でございます。
○委員長(岸宏一君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 なお、提出された報告書につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 次回は明四日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十七分散会