第190回国会 予算委員会 第15号
平成二十八年三月十六日(水曜日)
   午後一時一分開会
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   委員の異動
 三月十五日
    辞任         補欠選任
     矢倉 克夫君     荒木 清寛君
     山田 太郎君     松田 公太君
 三月十六日
    辞任         補欠選任
     神本美恵子君     石上 俊雄君
     吉良よし子君     紙  智子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  宏一君
    理 事
                石井 準一君
                宇都 隆史君
                岡田  広君
                高橋 克法君
                二之湯武史君
                堀井  巌君
                長浜 博行君
                野田 国義君
                山本 香苗君
    委 員
                愛知 治郎君
                赤池 誠章君
                井上 義行君
                石田 昌宏君
                猪口 邦子君
                大野 泰正君
                古賀友一郎君
                島村  大君
                高野光二郎君
                羽生田 俊君
                三木  亨君
                三宅 伸吾君
                山下 雄平君
                石上 俊雄君
                大久保 勉君
                大塚 耕平君
                風間 直樹君
                小西 洋之君
                田中 直紀君
                広田  一君
                藤田 幸久君
                荒木 清寛君
                河野 義博君
                新妻 秀規君
                紙  智子君
                辰巳孝太郎君
                室井 邦彦君
                寺田 典城君
                中山 恭子君
                松田 公太君
                又市 征治君
               渡辺美知太郎君
                平野 達男君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣     高市 早苗君
       文部科学大臣
       国務大臣     馳   浩君
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
       農林水産大臣   森山  裕君
       国土交通大臣
       国務大臣     石井 啓一君
       国務大臣
       (復興大臣)   高木  毅君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       規制改革、防災
       ))       河野 太郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(国家戦
       略特別区域))  石破  茂君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策、男女共同
       参画))     加藤 勝信君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    石原 伸晃君
   副大臣
       財務副大臣    岡田 直樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 亮治君
   政府参考人
       内閣官房行政改
       革推進本部事務
       局長       高野 修一君
       内閣府政策統括
       官        田和  宏君
       内閣府地方創生
       推進室長     佐々木 基君
       内閣府政策統括
       官        加藤 久喜君
       復興庁統括官   吉田 光市君
       総務大臣官房総
       括審議官     稲山 博司君
       消防庁長官    佐々木敦朗君
       財務省主税局長  佐藤 慎一君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局生
       活衛生・食品安
       全部長      福田 祐典君
       国土交通省住宅
       局長       由木 文彦君
       国土交通省自動
       車局長      藤井 直樹君
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  本日の会議に付した案件
○委嘱審査に関する件
○平成二十八年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十八年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十八年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
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○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成二十八年度総予算三案の審査の委嘱についてお諮りいたします。
 本件につきましては、理事会において協議の結果、次のとおり決定いたしました。
 一、審査を委嘱する委員会及び各委員会の所管は、お手元に配付のとおりとする。
 一、審査を委嘱する期間は、特別委員会については三月二十二日の一日間、常任委員会については三月二十三日の一日間とする。
 以上でございます。
 ただいま御報告いたしましたとおりとすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(岸宏一君) 平成二十八年度一般会計予算、平成二十八年度特別会計予算、平成二十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、昨日に引き続き質疑を行います。紙智子さん。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 東日本大震災と福島原発事故から五年がたちました。改めまして、被災者の皆様にお見舞いを申し上げますとともに、復興のために粘り強い努力をされている皆さんに心から敬意を表したいと思います。
 今年二月に、参議院の復興・原子力特別委員会の委員派遣で、気仙沼市や南三陸町などを始めとする被災地に参りました。
 南三陸町の佐藤仁町長は、巨大地震の後、津波が来たので、十二メートルの屋上に避難したけれども、津波はその庁舎ものみ込んだ。非常階段の手すりに足が引っかかって流されなかった、九死に一生を得たと。犠牲になった多くの仲間たちのためにできることはこの町を復興させることだ、それが残された自分の使命だと言われました。
 今行うべき国の使命は何でしょうか。これまでの取組を検証し、課題を明らかにすることです。五年間を振り返ると、従来の枠組みでは解決できないことがたくさんあります。制度で被災者を縛るのではなくて、被災者に合わせて柔軟な運用と制度を変えていく、ここに国の使命があるのではないでしょうか。復興大臣、そして防災大臣、国土交通大臣の御認識をこの点についてお聞きいたします。
○国務大臣(高木毅君) まさに未曽有の大災害でございまして、もちろん制度というものはしっかりと進めなきゃなりませんけれども、これまでの五年間、弾力的に運用もしたというふうに思いますし、復興が進めば進んだで新たな課題も出てきておりますので、それに十分に対応していく。いずれにしても、一人残さずしっかりと復興の実感を持っていただける、そうしたようなことを進めていくべきだというように考えているところでございます。
○国務大臣(河野太郎君) 五年が震災からたちまして、亡くなられた方の御冥福をお祈り申し上げるとともに、いまだまだ避難生活の続いている方にお見舞いを申し上げたいと思います。
 おっしゃられたように、これまでの五年間を振り返って、何ができたのか、また、どうした制度については改めるべきものがあるのかというところをしっかりやはり見ていかなければならないというふうに思っております。五年というのは一つの大きな区切りだと思いますので、ここのところはしっかり振り返っていきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 東日本大震災はこれまでに日本が経験したことのない未曽有の大災害であることから、その復旧復興に当たっても、これまでの従来の枠にとらわれない措置を講じてきております。
 国土交通省といたしましては、被災者に寄り添って、この四月から始まります復興・創生期間に当たっては、被災者の皆さんが実感できる復興、これを実現するために全力で取り組んでまいりたいと存じます。
○紙智子君 仮設住宅から自宅や災害公営住宅などに移り、日常的な暮らしが始まってこそ街も復興されると思います。
 そこで、現状についてお聞きします。
 現在の避難者の数、原発事故による自主避難者、応急仮設住宅等の入居状況、被災三県の恒久住宅の現状、そして完成戸数、進捗率について御説明をお願いします。
○政府参考人(吉田光市君) お答え申し上げます。
 まず、東日本大震災の避難者の数でございます。現在、約十七万人となってございます。また、福島県から県外へ避難されている方、約四万人ございます。また、いわゆる自主避難と言われている方が、福島県の調査によりますと一万八千人ほどおられると、こういった状況でございます。
 また、恒久住宅の整備状況でございます。二十八年一月末時点で、災害公営住宅、計画戸数二万九千九百九十七戸のうち一万四千四百六十六戸、計画戸数に対しまして四九%、高台移転、計画戸数二万三百三十八戸のうち六千五百三十四戸、計画戸数に対しまして三二%が完成しているところでございます。なお、来年春までに、災害公営住宅の八五%、高台移転の七割で工事が完了する見込みとなってございます。
○政府参考人(加藤久喜君) お答えいたします。
 お尋ねの応急仮設住宅の入居者数でございますけれども、本年二月一日現在、建設仮設住宅に五万八千人余、建設仮設住宅以外のいわゆるみなし仮設住宅に八万三千人余、その合計で十四万二千人余となってございます。
○紙智子君 進捗率はおっしゃいましたか。
○委員長(岸宏一君) ちょっともう一回。ちょっと聞こえなかったんですが。
○紙智子君 民間住宅用の宅地二万八千戸で、その進捗率。
○政府参考人(吉田光市君) 失礼いたしました。
 高台移転の関係だと思いますけれども、計画戸数二万三百三十八戸のうち現在六千五百三十四戸、三二%が完成しているということでございます。来春には七割で完成する見込みということでございます。
○紙智子君 今御報告がありましたように、五年たつわけですけれども、まだ多くの仮設住宅に入居されているわけです。
 そこで、災害公営住宅についてお聞きします。
 被災者から災害公営住宅に入居できないという悲痛な声を聞きました。私たちの新聞ですけれども、しんぶん赤旗で被災地を継続的に取材していますけれども、例えば石巻のある男性は、賃貸アパートが津波で大規模半壊になって大家さんが改修したものの、悪臭や畳が浮いているという状況で住める状況じゃなかったために一旦避難したと。しかし、現在でもアパートが解体されたわけじゃないので災害公営住宅には入れないというふうに言われたと。災害公営住宅になぜ入居できないのか。こういう実情について把握しているかどうか。
 石巻では、災害公営住宅を希望しながら様々な理由で入居資格がないとされた世帯が四百世帯以上あるというふうに言われているわけです。石巻で四百世帯ということですから、ほかの被災地も見れば、もっと膨らむんじゃないかというふうに思うんですけれども、この実態を調査すべきではないでしょうか。
○国務大臣(高木毅君) 国は、災害公営住宅の入居資格として、災害により住宅を失った者と定めているところでございまして、しかしながら、自治体においては、例えば保証人を求めたり、あるいは市税滞納者をお断りしたりするということで、独自の要件を課しているところもございます。
 復興庁としては、自治体に対し、入居資格について弾力的に運用して、柔軟に対応していただけるよう働きかけているところでございます。いずれにしても、被災者の方々の避難生活が一日も早く解消されるよう、引き続き取り組んでまいりたいというふうに思います。
 また、実態の数把握という話でございますけれども、これは数の問題ではなく、いずれにしても、最後のお一人まで避難生活が解消できるよう、被災者に寄り添ってしっかりと支援していくことが重要であるというふうに考えているところでございます。
○紙智子君 数だけじゃなくて実態もということを言ったんですけれども、実際にそういう把握をされるということですか。
○国務大臣(高木毅君) 先ほど申し上げましたけれども、自治体においてそういったような状況を把握をしていただくと、そしてまた、国としてはそういった被災者の方々がしっかりと対応していただけるように支援をしていくということかというふうに思います。
○紙智子君 市町村に把握してもらうということじゃなくて、国も把握しなきゃ駄目だというふうに思うんですよ。実態つかまないと、今被災者が求めている支援はできないというふうに思うんですね。
 災害公営住宅の入居対象として、滅失した住宅に居住していた者というふうになっているわけですよ。この滅失したというのはどういうことでしょうか。
○政府参考人(由木文彦君) お答え申し上げます。
 滅失につきましては、住宅の損壊あるいは焼失、流失した部分の床面積がその住宅の延べ床面積の七〇%以上に達した程度のもの又は住宅の主要な構造要素の経済的被害が住宅全体に占める損害割合の五〇%以上に達したもの、これをまず全壊というふうに言っております。
 それから、それ以外の大規模半壊あるいは半壊に当たるものにつきましても、通常の修繕では居住することができないなどの理由によりまして解体することを余儀なくされたものは滅失というふうに捉えているところでございます。
 以上でございます。
○紙智子君 それじゃ、具体的にお聞きしますけれども、先ほど紹介しましたように、住んでいたアパートが解体されていないと。それで、災害公営住宅にそういう場合、入れるんでしょうか。
○政府参考人(由木文彦君) お答え申し上げます。
 今お話しになりましたのは、災害公営住宅の入居資格につきましては、公営住宅法上、災害発生の日から三年間の間は、当該災害により住宅を失った者ということにされております。この者に当たるかどうかというお尋ねかというふうに思います。
 御指摘のケースにつきましては、大規模半壊いたしましたアパートの家主から退去を求められている、しかも自己都合によらず住宅を失うことになるということから、この住宅を失った者というふうになっておりますような災害公営住宅に入居することは基本的に可能だというふうに考えております。
 また、災害発生から三年が経過、既に現時点ではいたしておりますので、こうした三年が経過した時点におきましては、地方公共団体の判断により、一般の公営住宅と同様に、住宅に困窮する低額所得者に御入居いただくということは法律上可能ということになっているところでございます。
 以上でございます。
○紙智子君 もう一つ、宮城の県民センターも相談活動しているんですけれども、仙台市のある女性は、一部損壊判定だったので災害公営住宅の入居要件を満たさないというふうに言われたと。一部損壊判定だった被災者は、これは災害公営住宅に入れないのでしょうか。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、三年間の間、住宅を失った者ということになっておりますので、先ほど申し上げました滅失に当たる場合に災害公営住宅に入居するということになっているところでございます。
 御指摘のケースは、現時点、先ほど申し上げましたように、災害発生から三年以上が経過をいたしておりますので、一般の公営住宅と同様に、地方公共団体の御判断によりまして、住宅に困窮する低額所得者、通常の公営住宅の要件に該当する場合には、法律上入居いただくことは可能であるというふうに考えております。
○紙智子君 可能であると言うんだけれども、自治体からは入れないと、満たさないと言われたということなんですよ。その場合、一体、被災者はどうしたらよろしいんでしょうか。
○政府参考人(由木文彦君) お答え申し上げます。
 基本的には、事業主体でございます地方公共団体の御判断に尽きるということかと思います。恐らく、先ほど申し上げましたように、災害公営住宅は、被災によりまして滅失した住宅に居住をされていた方々に整備をされる住宅であるということに鑑みますと、まずはそうした方々の避難生活の解消を優先して地方公共団体が考えておられるということではないかというふうに推察するところでございます。
 以上でございます。
○紙智子君 災害公営住宅に入居できる対象者というのは、今もおっしゃいましたけれども、全壊、全流出、それから全焼又は半壊又は大規模半壊であって、解体を余儀なくされたものだというふうになっているわけですよね。この滅失した住宅というふうになっているために、住宅がなくなっていない人というのは対象から外れると。
 実際には、誰が見ても住めない状況なんだけれども、結局なくなっていないということで、戻ることを基本にしているために災害公営住宅に入れないんじゃありませんか。だから、実態から見るとこの基準を変えるべきじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(由木文彦君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、三年間の間に入る住宅を災害により失った者という要件、それから滅失という要件につきましては、法律上、公営住宅法上規定をされておりますので、法律の範囲で、書かれております範囲でどこまでそれを読めるかどうかという問題かと思います。実際にどこまで適用しているかというのは、先ほど申し上げました範囲の中で、個別に事業主体である公共団体が判断して対応しているものというふうに考えております。
○紙智子君 自治体が個別に判断しているんだろうというんだけれども、結局書いてあることが、法律上書かれているということですよね。
 それで、整備戸数を造るときにその滅失ということが入っているわけですけれども、造るときの基準ということが実質上入居の基準になってしまっているということがあるわけですよ。自治体の判断というのであれば、この滅失した住宅に居住していた者の次に実情に応じてという言葉を入れると自治体も非常にやりやすくなるんじゃないかと思うんですけれども、これ、ちょっと大臣に伺います。そういうふうに実情に合わせていくということが必要だと思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(石井啓一君) 災害公営住宅は、公営住宅法第八条の規定に基づきまして、地方公共団体が災害により滅失した住宅に居住していた低額所得者に賃貸するため整備するときに、補助率を通常の場合よりも引き上げて国が地方公共団体を支援するものであります。これは、災害で住宅を失い、自ら住宅を確保することが困難な者に対して、地方公共団体が災害公営住宅の整備を緊急に行うことを支援するためのものでありまして、補修により住宅が使用可能な一部損壊についてまで対象とするものではございません。
 なお、従来、滅失については全壊のみを対象としておりましたが、東日本大震災の被害に鑑みまして、大規模半壊又は半壊であっても解体を余儀なくされたものを追加したところでございます。
○紙智子君 追加をして広げたんだという話なんだけど、現に救われていない人がいるわけですよね。だから、やっぱりそこを現状に合わせて、実情に合わせて変えられるようにするべきじゃないかと。なぜ、それできないんですかね。
○国務大臣(石井啓一君) 先ほどから住宅局長御説明させていただいているとおり、災害発生から三年以上が経過した時点では、地方公共団体の判断により住宅に困窮する低額所得者に災害公営住宅に入居いただくことは、公営住宅法上は可能でございます。ただ、そうした場合でも、まずは、震災により滅失して避難されている方々の避難生活の解消を最優先で災害公営住宅の入居を進めることが適切と考えておりますけれども、その上でも、さらに、災害公営住宅の一部に空き室が生じている場合などには、地方公共団体の判断によりまして広く住宅に困窮する低額所得者に入居していただくことは可能でございます。
○紙智子君 繰り返しになっているんですけど、やっぱり柔軟に対応してもらうんであれば、やっぱり国が書いているところを若干変えると。それを是非やって、その縛りをなくすべきだということを強く申し上げておきたいと思います。
 次に、仙台市ですけれども、当初の計画から大幅に建設計画減らしたということもあり、災害公営住宅が足りないと。民間賃貸住宅も活用するというふうになっているわけです。しかし、被災者は家賃が払えないという事態になっていると。こういう状況についてはつかんでいるでしょうか。
○国務大臣(高木毅君) 被災者の災害公営住宅の入居資格の話でございますか。ではなくて……(発言する者あり)家賃補助の。ああ、分かりました。
 民間賃貸住宅を地方公共団体が借り上げまして住宅を失った被災者に災害公営住宅として提供することは制度的には可能でありまして、したがいまして、住宅を失った被災者が現在入居している民間賃貸住宅を地方公共団体が借り上げて災害公営住宅として提供することとなれば、当該被災者の家賃負担が軽減されるということになります。
○紙智子君 今の借り上げの公営住宅としてできるというのは、それはいいと思うんですよ。ただ、やっぱり広さとか耐久性とか、構造的な基準があると。それから、入居資格も限られているわけですよね。資格のない人は入れないと。
 仮設住宅の退去の期間が三月末、それから五月末、七月末ということでもう通知が行っているわけですよ。借り上げ災害公営住宅では間に合わないという人たちもいて、そういうときに民間に入るということになるんですけれども、このみなし仮設の居住者が、子供の学校のこともあるので、みなし仮設としてそのまま今入っている民間のところを災害公営住宅にしてほしいという要望も出ているんですけれども、このような場合、家賃補助をすべきではありませんか。
○政府参考人(由木文彦君) お答え申し上げます。
 現在、民間賃貸住宅を地方公共団体が借り上げて住宅を失った被災者に災害公営住宅として提供することは制度的に可能であるということは、先ほども復興担当大臣の方からお答えがあったとおりでございます。
 その際の家賃の減額につきましては、住宅を失った被災者の方が現在入居をされておりますいわゆる民間賃貸住宅を事業主体でございます公共団体が借り上げて災害公営住宅として提供することになれば、公営住宅としての当然家賃減額の措置が適用されることになります。したがいまして、被災者の方の家賃の減額ということが普通の公営住宅並みには取られることが可能であるというふうに考えているところでございます。
○紙智子君 それは、今入っているところのみなしを借り上げというふうにできるということですか。
○政府参考人(由木文彦君) お答え申し上げます。
 あくまで事業主体である公共団体が他の被災者とのバランス等の中で判断をされるべきことではございますが、制度的には可能でございます。
○紙智子君 可能ということでよろしいですね。
 それでは、仮設住宅から自宅や災害公営住宅にスムーズに移れない事情というのを今紹介してきたんですけれども、被災地、被災者にとって必要なのは、やっぱり制度で被災者を縛るということではなくて、被災者に合わせて制度の縛りを、もう五年たっているわけですから、なくしていくことだというふうに思います。
 仮設住宅は、応急的、一時的な住まいの構造ですから、床なども相当傷みが出ていますし、ある男性は、私たちブルーシートで野外生活をすることになるんだろうかと痛切な思いを語られているわけです。あるボランティア団体は、住まいの難民は一人も出さないと頑張っておられます。
 被災者を路頭に迷わせないと、そういう決意でこれからも被災者の実情に合うように対策を取るように強く要望したいと思いますけれども、復興大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(高木毅君) 先ほども申し上げましたけれども、時間が経過します。心と体、被災者は大変な状況であります。また、復興が進めば新たな課題というのは出てきますので、それに応じた、まさに被災者に寄り添った支援をやっていくということが大切だというふうに考えております。
○紙智子君 次に、在宅被災者についてお聞きします。在宅被災者という定義はあるのでしょうか。
○国務大臣(高木毅君) 自宅が被害を受けながら仮設住宅へ避難せず自宅での暮らしを続けてこられた方々の中に、現在も生活環境が十分に整わない方がおられるという指摘がありますが、被災地の状況あるいは被災者というものは様々でございまして、国として一律に定義付けたものはございません。
○紙智子君 災害救助法に基づく住宅応急修理制度というのがあるんですけれども、これについて説明お願いします。
○政府参考人(加藤久喜君) お答えいたします。
 お尋ねの応急修理制度でございますけれども、災害のため住家が半壊し、自らの資力では応急修理をすることができない者又は大規模な修理を行わなければ居住することが困難である程度に住家が半壊した者を対象とするものでございまして、居室、炊事場、便所等、日常生活に必要な最低限度の修理を行うことで引き続き元の住家で日常生活を営むことができるようにすると、そういうものでございます。
○紙智子君 この住宅応急修理制度を活用した被災者は仮設住宅に入ることできないんですよね。
 国土交通省にお聞きしますけれども、滅失でない住宅に住んでいる被災者でも災害公営住宅に入居できるでしょうか。
○政府参考人(由木文彦君) お答え申し上げます。
 災害公営住宅に入居できるか否かの基準については先ほどお答えしたとおりでございますが、お話のございましたケースで、御自宅が引き続き居住可能な場合におきましては、公営住宅一般の要件といたしまして住宅に困窮している者という要件がございます。これに一般的に該当するとは言い難いことから、公営住宅一般に入居するのはなかなか難しい問題があるのではないかというふうに考えております。
 なお、今後、御自宅が居住困難な状況になった場合におきましては、先ほども申しました基準にのっとりまして、公共団体の判断によりまして、住宅に困窮する低額所得者に入居いただくための公営住宅に入居いただくことは可能になることはあり得るというふうに考えております。
○紙智子君 震災後、経験したこともない大変な混乱だったと。その中で、ある男性は住宅支援だと聞いて応急修理制度を使ったわけです。しかし、この制度を使ったら仮設住宅に入れなくなるということを知らなかったわけですね。修理代の三十七万円返すので災害公営住宅に入りたいというふうに言ったら、これも拒否されたという話があるんですね。
 是非、こういう在宅被災者の実態調査をすべきだと思います。これ最後に、大臣、よろしくお願いします。
○国務大臣(高木毅君) 在宅の被災者の把握につきましては、先ほど申し上げたとおり、被災地の状況、あるいはまた被災者の状況がそれぞれでございますので、国として一律に調査することは難しいと考えておりますが、しかしながら、在宅の被災者を含めた被災者の実態把握や意向調査については、被災者支援総合交付金により自治体を支援していくこととしているところでございます。
○紙智子君 自治体支援というだけじゃなくて、国として調べていただきたいということを最後に強く申し上げまして、質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で紙智子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、室井邦彦君の質疑を行います。室井邦彦君。
○室井邦彦君 維新の会の室井です。
 御承知のとおり、この維新の会は、まず身を切る改革ということを皆さん方に申し上げております。人よりも一歩前へ出なくてはならない立場の者はしっかりと議員定数のまず改革を行い、議員報酬の改革も積極的に行う、そしてそれが国民の皆さん方にしっかりと示す、そして行財政改革を行っていく、このことを基本理念に我々は国会活動を行っていく、このことは不動のもので、ぶれることはありません。そういう観点から今回の質問をさせていただきますけれども、どうかよろしくお願いをいたしたいと思います。
 まず、経済のグローバル化が進む中で、国民生活の向上と我が国産業の国際競争力の強化を図るため、規制緩和の必要性が強く求められるようになってまいりました。そこで、政府は規制改革の経済効果、そして利用者、国民のメリットをどのように分析をされているのか、是非お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(田和宏君) お答えいたします。
 平成二十二年十月に公表いたしました政策課題分析シリーズ、これで、様々な産業分野における規制改革によって生じた価格の低下とそれに伴います財・サービスの購入量の増加、これを利用しまして利用者メリット額というものを計算をしております。計算に当たりましては、特定の規制改革によるプラス又はマイナスによる効果を直接積み上げて計算することが困難であるために、分野によって時期の差はございますけれども、主要な規制改革が実施された九〇年代半ばから二〇〇八年度までの価格の変化とそれによる財・サービスの購入量の変化を利用いたしましてマクロ的に計算をしております。
 こうした前提の中での試算ではございますけれども、平成二十二年の分析では、九〇年代半ばから二〇〇八年度までの間に十五分野合計で二十五兆円程度の利用者メリット額があったというふうに試算されております。
○室井邦彦君 ちょっと、私の出した数字とは多少変わっておるんですけれども、じゃ、国民一人当たりの計算は出ておるでしょうか。
○政府参考人(田和宏君) 今申し上げた数字はまさに九〇年代半ばから約十年超の期間の間の累計でございまして、一人当たりでは計算はしてございません。
○室井邦彦君 分かりました。
 私の方の調べた結果、国民一人当たり十四万四千円の利用者のメリットがあったと試算をしておると、このようなことを聞いております。
 この規制改革によって大きく経済が、その業界の経済が伸びたんだということにつながっていくのかどうか。この辺はいろいろ分析の仕方もありますが、今、バスの事故、スキーツアーの事故もでありますけれども、ここで考えなくてはいけないこと、それは、事前チェック型からまた事後チェック型への行政の転換は図れてきたという経緯がありますけれども、経済コストが優先をされて、そして安全は後回しといったような問題が指摘されている。今特にそういう状況でありますが。
 例えば、この一月にスキーツアーバスの事故がありました。問題となった貸切りバスに対する処分は約十一か月掛かっていると。国土交通省の報告によれば、平成二十六年で全国で千七百九十八件の監査を実施したと。そのうち、車両使用停止処分以上の行政処分を行った件数は百七十九件ということを聞いております。
 この百七十九件の行政処分は、行政処分にもいろいろとあるわけでありますけれども、ちょっとその辺の分析ができておるんでしたらお聞かせ願えませんか。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。
 貸切りバスにつきましては、平成十二年に需給調整の廃止を行っておるところでございます。その時点での行政処分の件数、百二十五件ということでありましたけれども、その後、平成二十三年度、その件数が増加をいたしまして、最大六百七十件ということになっております。直近では、平成二十六年度が三百一件ということでございます。
 この三百一件のうち、特に車両使用停止以上の重い処分ということにつきますと、二十六年度におきましては許可の取消しが一件、車両の使用停止が百七十八件ということでございまして、この百七十九件というのが先ほど委員御指摘の数字でございます。
○室井邦彦君 ちょっと聞き取りにくかったんですが、免許取消しが一件というふうに言われましたか。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。
 二十六年度は、許可の取消し、一件でございます。
○室井邦彦君 その中で、死亡事故、犠牲になられた方というか、死亡事故はどうでしょうか。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。
 平成二十六年度におきまして、そういった車両の使用停止ないし許可の取消しの件数、先ほど申し上げたように百七十九件あったわけでありますけれども、その中で死亡の事故に係るものにつきましては、車両の停止が一件ということになっているところでございます。
○室井邦彦君 この規制緩和をされてから、バス業界でのそういう死亡事故はゼロですか。今回のイーエスピーもありますが、過去において何か数字が出ておれば。──じゃ、またその数字、死亡事故が規制緩和されてから、バス業界のことを今例に取ってお聞きしているんですが、要するに私が申し上げたいのは、規制緩和によって業界も利益が上がり、国民にもいい傾向の、単価的に非常に安く観光旅行ができる、バスに乗れるんだというメリットがある反面、そういう犠牲者が、事故で、今回のようなイーエスピー、将来ある若い人たちが犠牲になった。これは、人の命は地球よりも重いという言葉があるように、その辺は、日本の国、今日これだけ小さな国がこれだけ世界の日本という名が売れる信用があるのは、やはり日本の安全基準が非常に高いということを冠たるものとしておるというか、私はそう思っております。身内で、国内でこういうだらしがないというか、けじめの付かないこういうバス、またグレーな業者がたくさんいるということになってくると非常に問題になるので、国交省としてもしっかりとそういう点を、いろんな角度で見直しながら結果を出していっていただきたい、このように要望しておきます。また、数字は結構です、また後ほどお聞かせいただければ。
 それでは、次の質問に移ります。
 東京の一極集中についての関係でありますけれども、人口を東京へ一極集中の是正をさせるためには、地方に安定した雇用の場を確保するというのが一番得策というか効果のある方法であるということは私も承知をしておりますが、昨年、通常国会において、地域経済の縮小が人口減少を加速させているという、地方における人口減少問題を克服するための新しい事業スキームの創設、地域再生法の改正がありました。
 改めて、この地域再生法における企業の地方拠点化の促進について、その制度の概要、支援対象に含まれない地域がありますが、どのような地域でどのような基準で支援対象から除外をされたのか、お聞きをしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 昨年の常会で成立しました改正地域再生法におきましては、地方への本社機能の移転、新増設を行う事業者に対する設備投資減税、雇用促進税制の特例である地方拠点強化税制を創設をしたところであります。また、地方拠点強化政策におきましては、企業誘致に計画的、戦略的に取り組んでいる地域に対してできるだけ広く恩恵が及ぶように配慮をいたしましたが、東京圏、近畿圏中心部、中部圏中心部のような客観的に見て既に人口や産業が著しく集中している地域については、周辺地域からその地域への移転が促進されるといった問題が生ずることから、限定的ではありますが支援対象外としておるものであります。
 具体的に申し上げれば、これらの地域は人口密度及び事業所密度といった客観的な指標がほかの地域と比べて突出して高いということでございまして、本制度の支援対象外とすることは妥当であると考えておるものでございます。すなわち、確かに、大阪でも名古屋でもそれはかつてのような集中というのはやや是正をされつつあるのかもしれない。しかし、地方と言われる例えば秋田とか山形とか山陰とか九州とか、そういうところに比べれば相当に集中しているというのは数字の面から見て明らかでございます。そうしますと、それを同列に取り扱うことは余り妥当ではないと考えておりまして、例外的に対象外としておるものでございます。
○室井邦彦君 この質問については、小熊慎司先生も質問され、また私どもの椎木保議員も質問をいたしました。大臣からの答えは予測はしておりましたけれども。
 私が申し上げたいのは、平成二十七年の国勢調査で、東京への一極集中が進行する一方、大阪は六十八年ぶりに人口減に転じました。約二万六千人の人口減であります。関西の地盤沈下がこれによってまさに明らかになったということであります。こういう、特にいわゆる減少数が目立った工業地帯ですね、物づくりの集積地である東大阪、一九八三年には約一万社あった製造業者が、事業者数、三十年後には五千社を下回る数字になったという、これは非常に大きな我々は問題としておりますし、今後を心配をしております。──ああ、そうか、終わってしまったな。余り熱が入り過ぎて前を見ておりませんでした。
 そういうことで、是非、この対象は、人口密度、事業者密度の数字だけじゃなく、景気の動向、地元の意見をしっかり尊重しながらまたこういう問題を対応していただきたい、このように思っております。
 本当に、あと石原大臣、また厚生大臣、また、あと誰だったかな、河野さん、ごめんなさいね。もう本当わざわざおいでいただいて、三人の大臣に、答弁できなくておわび申し上げます。私、二十五日にまた質問いたしますので、そのときに再挑戦しますので、御勘弁ください。
 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で室井邦彦君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(岸宏一君) 次に、寺田典城君の質疑を行います。寺田典城君。
○寺田典城君 維新の寺田典城でございます。よろしくお願いいたします。
 通告していないんですが、非常に残念な質問しなきゃならないんですが、石破大臣に質問させていただきますが、昨日、地域再生法の法案を原稿読み違えたという話が……(発言する者あり)そうなんですよ、びっくりしました。
 大臣、法案の内容を理解していらっしゃいますか。
○国務大臣(石破茂君) これは法案の内容は理解をいたしております。
 これは、もう事務方のミスだの何だのかんだの言っても始まりませんで、これはもう本当に途中でこれはおかしいなと当然気が付くわけでありますが、その時点で読み上げというのを中止をして、正規のもの、つまりこれ去年のものが出ていましたので、これ表紙は今年のものとなっておりまして、これはもうそれをそのまま読んでしまいましたと。読んでいて、これはもう随分おかしいねということには気が付いているわけですが、そこはもう国会の御審議の場でもございますし、これはもう本当に自分で、そういう法案の説明も自分できちんと書かねばならぬという当たり前のことであります。理解をしていなければ本会議の答弁なぞはできません。
○寺田典城君 もう少し突っ込ませていただきますが、要するに、原稿を読み違えたとかというと、まあ部下の責任は全て私の責任だっておっしゃっているんですけれども、部下の責任じゃない、あなたの、大臣の責任なんですよ。大臣というのは、政策を考えて提案して指示するのが大臣の仕事なんでしょう。私も地方の自治体の長とかもやらせていただきました。それから、議員になっても原稿は全部自分で書くように、スタッフと書くようにしています。
 ですから、ぽっと見ただけでこれおかしいよと気付くのが当たり前のことだと思うんですよ。だから、それは、そのような大臣というのはあり得るのかって、率直に言って。私は、すぐに大臣を辞めるべきだと思いますよ。いかがですか。
○国務大臣(石破茂君) それは、委員の御見解は御見解として承っておきます。
 それは、もうおっしゃることは、そういう、私は部下の責任は私の責任だというようなことを申し上げたかもしれませんが、それは、私が申し上げたかったのは、自分の所管のところで起こることは全て自分の責任であるという当然のことを申し上げました。
 今答弁いたしましたように、法案の場合にはやはり事実関係が随分ございますので、法案の説明というのはこれ官僚が書いたものをそのまま読むということを私も今まで大臣のときやってきましたが、それは法案の説明も自分できちんと原稿を作って読むというふうにしていかねばならないということは今回私自身学んだところでございます。
○寺田典城君 法案の説明というのは、はっきり言って理解しなきゃならないと思うし、スタッフとディベートして、官僚と、そして内容を理解するというのが当たり前のことだと思うんですよ。将来総理大臣までなるなんて言われている人がこういうことあり得るのかというのは率直に驚いています。もう一度、お辞めになることを考えていただいた方がいいと思いますよ。
 次に移ります。本題に入ります。
 一億総活躍社会なんですが、私、安倍さんが総理になって、アベノミクス、異次元の金融緩和とかいろいろ、株高、円安とか、お金、お金、お金、お金ばっかりのような感じするんですね。そして経済成長する、財政健全化すると。そして、成長と分配の好循環をもたらしますと言うんです。そのほかに委員会で何か言うっていうと、安倍総理は、税収は増えました、求人倍率も高くなりました、賃金がと、もう繰り返してその話だけなんです。そして、そのほかにGDPはマイナスだとは言わないんです。
 ですから、もっと別の考え方、本当に、加藤大臣、実現可能なものって何ですか、一度教えてください。
○国務大臣(加藤勝信君) 今お話がありましたけれども、この間の中で働く方が増えてきたとか、そういう話を総理がされました。まさにそうした成長の果実をもってして働く方の雇用が安定し、あるいは給与が上がり、あるいは財政で見れば税収が上がり、こういったものを、私ども、第二、第三の子育て支援やあるいは社会保障、それをつなげていく。またそれによって安心して働き、またあるいは、働く場所だけじゃなくて、やっぱり地域社会とか家庭とかそういう場所においても活躍をしていただく。またそのことが、ひいては活力のある社会、多くの方が労働に参加していくことも可能かもしれません。あるいは、様々な多様な方が入ることによって新たなイノベーションが起きていく、またそれが強い経済を引き起こし、そして先ほど申し上げた、また第二、第三の矢を強めていく、この好循環をつくっていきたいということを総理が言われているわけであります。
 言葉で言えばそういうことでありますが、決して簡単なことだとは思っておりません。これを一つ一つ着実に進めていきたいと、こう思っております。
○寺田典城君 今、少子高齢化、人口減少の時代です。そして、年金生活者も増えるということは所得も増えないということですね。若者が減少すると。だから、消費というのは構造的に伸びていくような形にはなっていないし、それから、輸出なんかは増えれば成長するでしょうけれども、このグローバルな社会では現地生産が主体になってきているわけですね。それもよく御存じになっていると思うんですよ。ですから、もう少し身の丈に合った考えを地道にすべきだと思うんです、私は。どこかおかしいんじゃないのかなと、このまま行っちゃったら、日本の国、駄目になっちゃうと思うんですよ。
 要するに、二〇二五年になると高齢化率三〇%というと、大体、私はもう後期高齢者ですけれども、七十五歳以上が約百人に二十人ぐらいいる時代になっちゃうんですね。要するに、そういう一億総活躍社会というのは、みんな働けとかお金だというんじゃなくて、人生を楽しむ能力とか習慣を植え付けるような、そういうことを考えるような社会をつくっていかなきゃならぬと思うんですよ。だけど、何かその辺がどこか偏っているというような、今そういう政策が多いんじゃないのかなと思うんです。それはどう思いますか。
○国務大臣(加藤勝信君) 人の幸せあるいは国民の幸せは経済成長という数字だけで測れるものでは私もないというふうに思います。
 しかし、先ほど申し上げましたけれども、経済が発展する中で、やはり雇用の安定等がなければしっかりと家庭との両立というのをできるわけではありません。それから、あるいはそういったものがあるからこそ年金財政も賄われるわけでありますので、やはりその基盤としては、強い経済、経済をしっかりしていくということが私は大事じゃないかなというふうに思います。
○寺田典城君 あと一分しかございませんで、誠にあれですが、一番最後の方に入りますけれども。
 日本の国というのは、世界一安全な国という、国家公安委員長にお聞きしますけれども、そういうふうになっている。確かにそうなんです。警察のイメージというのは、二十六万人のマンパワーがおって、どちらかというとそういう治安とか取り締まるということなんですが、消防はどちらかというと人を助けるというのが社会で植え付けられています。
 こういう高齢化時代に、何というんですか、それこそ先ほど百人のうち二十人近くが七十五歳以上になると、そして高齢者の問題とか、いろんな出てきているんです。もっと警察の組織とか方向の在り方を変えてみたらいかがですか。
 以上です。
○国務大臣(河野太郎君) 高齢者が被害となっている特殊詐欺が大変多くなっていたり、あるいは交通事故死者の全体の半数以上が高齢者という時代でございますから、やはりこの高齢者の安全、安心をどう守っていくかというのは警察にとっても大変大きな課題だと思っております。
 そうした高齢化社会への対応ということをしっかり頭に置いてこれからも警察を指導してまいりたいと思います。
○寺田典城君 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で寺田典城君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(岸宏一君) 次に、中山恭子さんの質疑を行います。中山恭子さん。
○中山恭子君 日本のこころを大切にする党、中山恭子でございます。
 石原大臣にまずお伺いいたします。
 三月十一日に内閣府から経済情勢についてというのが発表されておりますが、二〇一五年の実質GDP成長率はプラス〇・五%で、ただ内需が〇・〇ということになっておりますが、昨年の最後の十―十二月期を見ますと、これはマイナスの数字がずらっと並んでおりまして、十―十二月期で実質GDP成長率がマイナス〇・三、内需がマイナス〇・四となっております。こういった状況を見ますと、昨年の秋以降、経済は減速していると考えております。石原大臣は、午前中の本会議での御答弁でも、デフレから脱却していないと申されました。デフレに戻らせないために、経済成長戦略を早期に取る必要があると考えております。
 さらに、今年一月二十一日に、経済財政諮問会議が中長期の経済財政に関する試算を発表いたしました。その中で、経済再生ケースを見ますと、名目GDPが二〇一六年で五百十八・八兆円、名目GDP成長率は三・一%、実質で一・七%、これが二〇二〇年では名目GDPが五百九十二兆円、GDP成長率が三・六%、実質で二・二%となっております。
 石原大臣にお伺いいたします。是非、二〇二〇年頃に六百兆円のGDPを達成していただきたいと思っておりますが、具体的にどのような成長戦略をお考えでいらっしゃるのか、お示しいただきたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) 中山委員が御指摘のとおり、昨年の十―十二月期のQE、経済成長は若干鈍化いたしましたけれども、二〇一五年通年で見ますと、実質、名目共にプラスでございます。そんな中で、今の御質問は、二〇二〇年に現在の五百兆円強のGDPを六百兆円に持っていかなければならないという御示唆ではなかったかと思っております。
 そのためにどういうことを行うのかということでございますけれども、やはり賃金、所得の向上を引き出すための企業などの物やサービスの力を伸ばす、企業サイドのいわゆる供給側の強化ということが一つ重要なのではないかと思っております。また、賃金や所得を増やしまして、多様な潜在ニーズの顕在化を通じまして、個人消費が、委員の御指摘のとおり、十月―十二月悪かったように、個人消費がGDPに占める割合は六割でございますので、ここを喚起する政策を出していく。さらには、それによりまして成長の果実というものが出てまいりますので、これを分配して更なる成長につなげる経済財政の好循環のシステムということを構築していくことが肝要ではないかと考えております。
 今年の春の終わり頃に取りまとめさせていただきますニッポン一億総活躍プランにおきまして、GDP六百兆円を含みます新三本の矢の目標達成に向けた道筋についてしっかりとお示しをさせていただきまして、六月、年央に取りまとめます骨太方針の中に六百兆円経済実現に向けた全体像というものをそのときお示しをさせていただきたい、こんなふうに考えているところでございます。
○中山恭子君 是非、二〇二〇年、オリンピックも開かれる年でございますが、このときまで、このとき頃にはGDP六百兆円ということを達成していただきたい、そのためにあらゆる手だてを取っていただきたいと考えております。場合によっては財務省を始め関係省庁とともにあらゆる政策を取りまとめていただけたらと、そのように考えております。
 去る二月二十六、二十七日に開催されました上海でのG20の声明では、第二パラグラフで、金融政策のみでは均衡ある成長につながらないだろう、経済成長、雇用創出及び信認を強化するため、我々は機動的に財政政策を実施するという声明が出されております。また、その前、二〇一四年九月三十日に発表されましたIMFの世界経済見通しでは、より質の高い公共インフラ投資の増大が経済活動と雇用創出の押し上げの鍵である、公共インフラ投資は、正しく行われるならば借入れをして行ってでも元が取れるだろうと示唆しております。しかも、これらは開発途上国に対するものではなく、先進諸国をも対象としております。
 まさに今の日本にとって非常に適切なサジェスチョンであると考えておりますが、麻生財務大臣、この点についてどのようにお考えでいらっしゃいますか。
○国務大臣(麻生太郎君) このG20の共同声明の中で金融政策のみでは均衡ある成長につながらないだろうという指摘をされているのは事実でありまして、これは当たり前の話なんだと思いますので、今更IMFも金融政策に偏り過ぎていたという反省の意味で立てているんじゃないのかなと思って、誠に結構な流れなんだと、私自身はそう思っております。
 ただ、この中で、一方、財政政策につきましては、強靱性を高め、債務残高対GDP比を持続可能な道筋に乗せることを確保しつつ実施するとも書かれておりますので、そういった意味では、日本の財政の現状というものを鑑みたときには、この点もよくよく踏まえておかねばならぬところだと思っております。
 いずれにしても、私どもとしては、いわゆるインフラというものは、コンクリートから人へとかいろんなスローガンが長いこと続いていましたので、そういった意味では、トンネルが崩落してみたりいろんな事故が起きる、橋も渡れない橋が幾つか増えてきた。全国いろいろ聞かれているところだと思いますが、そういったような現状を見ましたときに、私どもは、そういった社会的なインフラというものをきちんと補強する、メンテナンスするということは、安心、安全の上においてはもちろんのことですが、物流とかそういった生産性を高めるという意味におきましても、道路等々のつながっていないところ、そういったところをきちんとつなげていくなどなどやるべきことはかなり多くあろうと思っておりますので、きちんとこういったものに対する公共工事等々のものは続けていかなければならぬものだと思っております。
○中山恭子君 インフラの老朽化のメンテナンスなどという老朽化対策というのももちろん極めて重要なものでございますけれども、それだけではなくて、次の世代が快適に生活できるように、また海外の人々が日本に行ってみたいと思うような、そういった美しい日本をつくっていく必要が今あると考えております。そのためには、修繕だけではなく日本全体の新たなインフラ整備というものをお考えいただきたいと考えております。是非よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で中山恭子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(岸宏一君) 次に、松田公太君の質疑を行います。松田公太君。
○松田公太君 日本を元気にする会の松田公太です。
 先日の委員会ではちょっと時間がなくて、麻生大臣に質問する予定だったんですが、最後までできなくて申し訳ございませんでした。その続きから本日はさせていただきたいと思っているんですけれども、軽減税率についてなんですね。
 軽減税率については、私、様々な問題があるというふうに思っておりまして、例えば、最近はコンビニでイートインスペースがあるところが非常に増えてきているわけですけれども、そういった店舗で空揚げとかポテト、そういったものを購入したお客様がそのお店の中で食べる場合、税率はどうなるのかなということも一つの疑問なわけです。
 テークアウトのこれは八%になるのか一〇%になるのか、御見解をお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) この税制改正法案において、これは外食というものをきちんと定義をしてありまして、テーブルや椅子などの飲食設備を設置した場所において飲食させるサービスということにいたしております。
 したがいまして、税法上、いわゆる八%の軽減税率の適用の対象となるか否かということにつきましては、これは、販売する側が販売した時点においてその定義に当てはまるか否かということを判断するということが大前提ということになるんだと思います。
 まずこれが大原則ですが、その上で一般論で申し上げれば、今御指摘のありました、コンビニという例を挙げておられますが、例えば、お持ち帰りのために、何でしょうね、ホットスナックなんといったものを紙袋に入れるとか、よくある話だと思いますが、こういったときに、これは単に飲食料品を販売するということでしょうから、これは軽減税率ということになるんだと思っております。
 ただ、このいわゆるイートインスペースにおいて飲食するということを前提として、例えば、何でしょうね、お盆とかそういったものを、返却に必要な食器で飲食物を提供する場合とか、イートインスペースで飲食するということを自分の意思として買っている方が示した場合、これは、当然のこととして外食に該当するということになります。
 このようなケースにつきましては、イートインスペースというところにテーブルがあるとか椅子があるとかないとか、いろんな話はあろうかと思いますけれども、少なくとも、セルフサービスであったとしても外食ということに当たるんだと思いますので、いずれにしても、こういった当てはめとかいうようなものにつきましては、QアンドAとか通達とかいろんなものを通じて更に分かりやすくお示しをしていく必要があろうかと考えております。
○松田公太君 外食という定義があるということで、サービスを提供すればということなんでしょうが、先ほどおっしゃった、大臣が、例えばお盆、トレーのことだと思うんですが、これを出す出さない、それを受け取る受け取らないという、そこによってイートインかテークアウトかというのに線引きがされるんであれば、私がコンビニのオーナーであれば、やっぱり絶対トレーなんか用意しないと思うんですよ。全て袋に詰めて渡すと思うんですね。でも、そこにイートインコーナーありますよと、まあ口に出しては言いませんけれども。例えば、隣にコーヒーショップがある、ファストフード店がある、我々はそれに対抗するためにこういうイートインスペース作りましたよ、どうぞ使っていってくださいと。口に出しては言いませんよ、でも、袋に入れて全部お渡しすると思うんですね。
 ですから、私は、そういうケースがこれから多々出てきてしまう。それでなくても、例えばコンビニというのは、最近百円コーヒーが非常においしくなりまして、はやってきているわけですね。コーヒー店とか喫茶店とかファストフード店が非常に苦しんでいるわけですよ。苦しんでいるわけですよ。ですから、非常にこれはフェアじゃない戦いになってしまうんだろうなというふうに思っているわけです。
 ちょっと次に行きますけれども、これは、多分大臣も例えばレストランに行って経験されたことがあるかもしれませんが、イートインと言って会計をする、実際、もらったんですけれども、五分ぐらい待っても席が埋まっていてなかなか空かなかった、途中、仕方ないのでもうテークアウトにしちゃおうと、こう考えたときに、やっぱりテークアウトにしたかったと、時間がないから出なくちゃいけない。
 そのときに会計のやり直し、こういったものを求められた場合は、店舗側というのはそれに応じる義務はあるんでしょうか。また、応じてしまっても問題ないのか、教えていただきたいと思います。応じてしまっても問題ないのかということですね、一回会計をしてから。
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほども申し上げましたように、販売する時点でという大前提がありますので、イートインで食べるという前提で一〇%払っておられて、十分待ったけど空かないから外に出て食べるということで二%をということなんであれば、販売した時点では一〇%というのをそのまた後で変えるということになれば、もう一回レジに行ってレジを打ち直していただくと、基本的にはそういうことになろうと存じます。
○松田公太君 非常にその場合はオペレーションが煩雑になるなというふうに思うんですよね。非常に分かりづらいですし、やっぱりお金が絡むことなので、例えばこぼしたとかそういうオペレーションが増えるということじゃなくて、必ずこれクレームになる話なんですよ、お客さんとの間で。ですから、私は、やはり今回の軽減税率というのは非常に分かりづらい部分が多々あるなというふうに思っているわけですが。
 また、海外の事例を見ていますと、テークアウトとイートインで適用税率が異なるにもかかわらず、同じ税込み価格で販売しているという例も実はあるんですよね。例えばハンバーガーセット、これを内税で、テークアウトでもイートインでも千円でどうぞというところが出てきているんですね。テークアウトと言って購入して、その場で食べるというお客様が増えちゃったそうなんです、海外では。税当局とのトラブルを避けたいということで、そういった配慮から価格設定をしていますということなんですけれども。
 このやり方ですと、そもそもの商品の本体価格、要は、税金が変わることによって本体価格が変わっちゃうわけですから、それが変わってくる、お客様によって変わってくるということになりますし、これは消費者にとって不平等じゃないかというふうに思いますし、また、税徴収上これは問題が出てくるんじゃないかなというふうに思いますし、ごまかすというわけではありませんが、テークアウト、イートインの比率を後で決めることができるわけですから、お店が。そしてまた、痛税感の緩和ということをおっしゃっているわけですが、こういうことが横行してしまうと法改正の意味すらなくなってしまうのかなというふうに思うんですね。
 こういうやり方が認められるのかどうかということを河野大臣と麻生大臣にお聞きしたいというふうに思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 少々長くなりますけれども、現時点でテークアウトでもイートインでも同じいわゆる価格が設定されているという前提なのであれば、軽減税率導入後は、当然のこととして、異なる税率が適用されるために税込み価格は異なるということが自然ということになろうと思いますが、しかしながら、基本的にはテークアウトとイートインとではその費用構造とか顧客のニーズとかいうものが異なりますので、全く同じ商品であるとは限らないということですから、合理的ないわゆる経営判断として、御指摘のような価格設定、いわゆる税込み価格を同一になるということ、すなわち税抜き価格は異なることが行われることは、これはあり得ると思いますが、したがって、このことが直ちに法の下の平等に反するかといった類いの問題になると考えているわけではありません。
 それから、税込み価格を同一にするというために例えば仕入れ業者に対して一定率の値引きを要請するなどの、何ですかね、一種の買いたたきですかね、買いたたきをするとか、合理的な理由もなくて税率の上昇というものに見合った幅以上に値上げするという、これはだから一種の便乗値上げ等ということになるんだと思いますが、そういったことが行われるというのであれば、これは消費税の適正転嫁の観点から問題があるとは考えております。
 ただ、今般の軽減税率制度を導入しても、仮にテークアウトの八%とイートインの一〇%の税込み価格が同一になってしまえば痛税感の緩和につながらぬのではないかという御指摘が最後にあっておりましたけれども、これは、日々の食料品の買物全体を通じて見れば、そのところではそういうことが言われるかもしれませんけど、痛税感の緩和を全体としては実感できる仕組みだと思っております。
○国務大臣(河野太郎君) 御指摘のような場合、直ちに消費者の不利益になるとは考えられません。ですから、一律に駄目ということにはならないと思います。
 ただ、今財務大臣のお話にもありましたように、それを利用した便乗値上げというようなことが行われた場合はこれは別な問題で、消費者庁がその場合には出ていかざるを得ないかなというふうに思っております。
○松田公太君 私が申し上げたいのは、転嫁法の問題とかではなくて、やはりこういう形でもう非常にあやふやな部分が多いものですから、飲食店サイドもちょっとでも売上げを伸ばしたいという思いでそういう手を打ってくることが多々出てくるんだろうと。そしてまた、先ほど申し上げましたように、競合他社との戦いの中で、ある意味、言っちゃ悪いですけど、ごまかすような形でこれから販売を伸ばそうとするところが出てくる可能性があると私は思っていまして、非常に危惧しているわけですね。
 ですから、そういう意味においても、やはり軽減税率というのは非常に分かりづらいなと。何回考えても、これ以上幾つでも出てくるんですね、私の頭の中には、これとこれとこれが問題だというのが。ですから、やはりこれは私は見送るべきだなというふうに思っております。
 それでは、ちょっと時間がないんですけれども、次に、教育についてお聞きしたいと思います。
 馳大臣にお聞きしますが、通告をこれちょっとしていなくて恐縮なんですけれども、先ほど、昼の時間帯にニュースを見ていて気になったんですけれども、既にこれは馳大臣も発言されている件なんですが、先日、全校集会の朝礼で校長先生が、女性にとって最も大切なことは子供を二人以上産むことです、これは仕事でキャリアを積むこと以上に価値がありますと発言したこと、これ大きな波紋になっているわけですけれども、女性が子供を産むことの重要性、これはすばらしいと私も心から思っておりますし賛同しますが、公立学校の校長先生が、それを最も大切なこと、キャリアを積むこと以上に価値があることと言ってしまうことは違和感を覚えるんですね。
 馳大臣としてこの発言についてどのように考えているか、また教師が特定の価値観がほかのものに優越するといった指導、発言すること、これが問題じゃないのかと。お答えいただければと思います。
○委員長(岸宏一君) 馳大臣、時間が来ておりますので、簡潔にひとつ。
○国務大臣(馳浩君) 望ましいとは思いません。
○松田公太君 では、ちょっとこれについてはまた引き続きやらせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で松田公太君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(岸宏一君) 次に、又市征治君の質疑を行います。又市征治君。
○又市征治君 社民党の又市です。
 最初に、法人税減税について伺います。
 政府は、来年度の法人実効税率を現行の三二・一一%から二九・九七%に、そして一八年度には二九・七四%に引き下げる、こういう方針ですね。現在でも企業は高収益を上げ続けているわけですが、これが、この減税が企業の設備投資や賃上げ、あるいはGDPの増大につながる政策的な有効性というものを説明いただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) まず、今回の法人税のいわゆる改革というものは、経済の好循環を確実なものにしたいという観点から、これは、ただただ、単に法人税を減税するのではなくて、課税ベースを拡大することによって財源というものをまずしっかり確保しながら税率を引き下げ、法人課税をより広く負担を分かち合うという構造へ改革していくことによって、いわゆる企業というものの収益力というものを高めてもらって、設備投資とか賃上げ等々に積極的に取り組めるように促していこうとするのがその背景であります。
 例えば、これは総務省の所管になると思いますが、大法人につきましては、これ中小は別です、大法人につきましてはいわゆる外形標準課税の拡大というものを行わさせていただきますが、これは、御存じのように稼ぐ力が高い企業の税負担が減ることになりますし、また、赤字の大法人にとりましても、黒字化した場合の税負担の増加度合いというものが一挙に緩和されますので、こういったことから企業に対して収益力を高めるという意欲をもたらすんだと、私どもはそう思いますし、結果として、収益力の拡大に向けた前向きな国内投資とか、また継続的な賃上げというものが可能な体質でないと、生産性が上がらない限りは賃上げなんて長くはもちませんから、そういった意味では、経済成長にもつながっていくことが期待されると思っております。
○又市征治君 私は、税というのは応能負担が原則だと、こんなふうに思いますが、黒字企業に対しては減税で、赤字企業にも外形標準課税拡大という形の中で課税というのは到底理解がされないのではないかと、こう言わざるを得ません。
 ところで、企業の利益剰余金、これが、安倍政権が成立した二〇一二年度の第四・四半期で三百二十三兆円余りでしたけれども、一五年度の第三・四半期では約四百六兆円、指数でいうと二六%近い伸び、こういう格好でして、黒字企業は減税をしないと新たな設備投資であるとか賃上げができないという、こんな状況にはない、そのことは御認識一緒ですね。
○国務大臣(麻生太郎君) 正確には、二十四兆円と二十五兆円、合計四十九兆円が過去二年間、去年の数字はまだ出ていないと思いますので、その前の二年間の数字で、二十四・五の二十五ですから四十九・五兆円伸びたということはもう確かであります。
 そのものが基本的には、いわゆる利益の内部留保金という別の言葉がありますけど、その内部留保金にたまって、その分が、給与等々に支払われている分が幾ら支払われたかといえば五千億です。
 正確に言いますと五千億しか増えていないというのは、これは極めて大きな問題なのであって、その分は本来なら配当とか賃金とかいうものに回ってしかるべき。それが回っていないところに問題があるのではないかということで、私どもは、少なくとも、何でしょうね、日本は社会主義をやっているんじゃありませんから、自由主義経済下で政府が企業に対して、企業に幾らと言うのは、差し込むというのはいかがなものかというのは、基本的に私は今でもそう思っていますけれども、非常事態でもありますのでそういったことを言ってくれといわゆる連合側に頼まれるという、頼む先は民主党に頼まれて、私どもじゃないんじゃないですかと二回も三回も公式の場で申し上げましたけれども、私どもの方から代わって言うのはいかがなものかと思いつつも企業側にそういう話をさせていただき、結果として、過去二年にわたりまして春闘等々において引上げがなされるという事実は起きておりますので、まだまだ足りないと思っておりますが、私どもは、これベースアップとは言いませんが、少なくとも年間給与として、賞与等々の類いでしかるべきものが払われておかしくないと、私ども、その点に関しましては意見は一致しております。
○又市征治君 いろんな理由がありますけれども、ためた金、海外投資、そしてまた長期の株保有、こんなところに回って、今大臣がおっしゃったように、残念ながら設備投資や賃上げに多く回っていない、こういう問題があるわけで、そうすると、財界に口を挟むのがいいかどうかというのはそれはありますけれども、問題は、日本経済をどうするのかという立場からいうならば、当然のこと、政府としてはそこに向かって要請をしていくのは当たり前であると思うので、私は、そういう意味でこの法人税減税というのは納得できない。むしろ、富の適正配分という観点からも、この利益剰余金への課税という問題も本当に真剣に検討すべき時期に来ているんじゃないかと思います。その点いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) いわゆる利益剰余金、内部留保、約三百五十兆ぐらいのところまで積み上がっておりますので、そういったものとしては、私どもとしては、いわゆる内部留保金に対しては、留保金課税とか剰余金課税とかいろんな表現がありますけれども、こういったアイデアは政府として今検討しているわけではありません。
 ただ、政府といたしましては、今、いわゆる投資拡大、賃上げを、取組をいろいろ促しているところなんですけれども、こういったものが、今後とも日本の経済というものに対して先行きというものがきちんと示されないと、企業としても、かつて、ついこの間までデフレで悩んでいた企業側にしてみれば、またデフレに逆戻りということを考えたら、それはとてもじゃない、内部留保をじっとためて、銀行なんというのは金貸してほしいときには貸さぬわけで、貸してほしくないときには借りろ借りろと言うのが銀行だと、経営者なら誰でも知っている話ですから。
 そういったような話を前提に立ちますと、なかなか銀行というものに対して、今、金を借りてまで設備投資をするという気がないからマネーサプライが増えていないという実情が現実問題としてそこにありますので、二十数年間続いたデフレ状況のマインドがなかなか変更してこない、今のものに変わってきていないというのが現状だと思いますので、引き続きこれを積極的に進めていきたいとは思っております。
○又市征治君 企業に社会的責任を求める一方策として、そういう言ってみれば内部留保に課税を検討するということがあって私は当然いいだろうと、こう思います。
 さて、そこで、安倍総理が二〇一四年の十一月に、消費税一〇%への増税の延期について信を問う、こういう形で衆議院を解散をした。その理由は、アベノミクスを確かなものにするんだと、こういうことだったと思うんですね。
 だが、じゃ、増税は延期したけれども景気はどうなったか。残念ながら、実質GDPはずっと低迷、今年度も一体全体プラスになり得るのかどうか、こんな状況になっている。あるいは消費者態度指数を見ましても、四〇ポイント前後で低迷をし続けている。世論調査、いろんなのを見てみても、アベノミクスを評価しない方が五〇%を占めている。
 つまり、消費増税を見送っても景気は一向に上向かなかったんではないのかと。アベノミクスは一部大企業をもうけさせる一方で、むしろ社会的に格差を拡大させた、これが実態じゃないですか。
○国務大臣(石原伸晃君) 経済指標の話でございますので、私の方から御答弁をさせていただきたいと思います。
 今、又市委員が御指摘をされました二〇一四年十一月と足下の状況を比較させていただきますと、失業率でいいますと三・六%から三・二%に低下、有効求人倍率は一・一〇倍から一・二八倍に改善、地域別に見ても全都道府県で改善、名目雇用者報酬は一貫して増加傾向にあり、一昨年の七―九月期に比較して一・九%の伸び。企業関係をお話しさせていただきますと、民間設備投資額は、名目ベースでございますが、六十七・六兆円から七十・九兆円と、およそ三兆円増加しております。中小企業の景況感は三ポイント改善しております。
 委員が、成長についてマイナスではないかというお話がございましたが、二〇一五年の暦年が出ておりますけれども、名目で二・五%、実質で〇・五%、二年ぶりのプラスでございます。GDPデフレーターもプラス二・〇と、名目GDP、実質GDP、物価のいずれも上昇して、デフレ脱却に向けて経済再生が着実に前進していると認識をさせていただいております。
○又市征治君 石原大臣のお話聞いていると、何か日本の社会はバラ色のように聞こえてくるんですが、余り都合のいい話、数値だけを取られても、別の数値もやっぱりしっかりと認識されないと政治にはならないんだろうと思うんです。
 様々な世論調査を見ましても、アベノミクスで景気が回復したと思っているか、こういう人々は残念ながら二割台、そう思っていない人が七割台、こういう状況が今あるんだろうと思うんです。政権に都合のいい数字を並べても国民はやっぱり信頼されないということが如実に表れていると思うんです。
 さて、そこで、最近、総理は一〇%の増税、ためらいを見せておられるように報道されています。一昨年の増税延期の際は、先ほども申し上げましたが、アベノミクスを確かなものにするんだという理屈付けだったということですが、最近では、世界経済の収縮なども再延期の条件に挙げられているようでありますけれども、しかし、私は、それ以前に、日本経済と国民の生活というのが消費税増税を行えるような体力でないんじゃないのか、こんなふうに認識をしますが、その点の見解をお伺いします。
○国務大臣(麻生太郎君) 今ほど石原大臣の方からいろいろな主要な経済指標の数値について述べられましたけど、これはいずれも事実ですから、その事実を認めていただかないと、そちらに都合のいい数字とこちらの都合のいい数字と違うのは当たり前の話ですから……(発言する者あり)しゃべっても、発言したって参議院では駄目ですよ、ここは衆議院とは違うから。
 是非、そういった意味では、海外要因を主として世界的なリスクの回避や動きが金融市場で広がっておりますのは、これはもう間違いない事実だと思っておりますけれども、この点につきましては、この間行われました、上海で行われたG20の中におきましても、世界的な見方として、現在のファンダメンタルズは世界経済の現状を反映したものではないということをはっきり示しておりますので、我々として見ますれば、今の実体経済というものを見ますと、今、石原大臣が言われた数字のとおりでもあろうと思いますので、私どもは、日本のファンダメンタルズ、実体経済のファンダメンタルズはしっかりしたものだと思っておりますので、私どもとしては、今、私どもの元々の消費税というものは、これは社会保障と税の一体改革という、人口の今の構成を考え、高齢化というものを考えたときに、我々はこれをやらねばならぬという前提に立って三党合意をされてスタートしておりますので、私どもとしては、よほどのことがない限りということで、リーマン・ショックとか大震災とか、いろんなことが使われておりますけれども、確実にこれを実施させていただきたいと思っております。
○又市征治君 そうおっしゃるが、首相の経済ブレーンの本田内閣官房参与は、来年四月の消費税率一〇%への再引上げを凍結すべきだ、これこそ最大の景気対策となると語っておられる。今日やられた政府の経済分析会合ですか、そこでも著名な外国の経済学者が延期したらどうだと、こういうふうに言っておられる。このような意見が出てくることそのものをやっぱり真剣に国民生活の立場から見るべきだと、こう申し上げておきたい。
 そこで、この消費税率、消費税導入の一九八九年以来、消費税をどんどん上げてきたけれども、事実上は、法人税が減税をされたために、ほとんど法人税減税の代わりに回っていったというふうな、こういう数値が出てくるわけです。是非、そういう意味では、大企業と富裕層がますます富が集中して、国の予算では軍事費が肥大をしていく、一方で国民は格差と貧困が拡大をする、こういう中で一億総活躍社会というのは空々しく聞こえる、こういう点をやっぱりしっかりと是非見詰めて政策を打ってほしい、このことを申し上げて、私の今日の質問を終わりたいと思います。
○委員長(岸宏一君) 以上で又市征治君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(岸宏一君) 次に、渡辺美知太郎君の質疑を行います。渡辺美知太郎君。
○渡辺美知太郎君 無所属の渡辺美知太郎です。
 まず、繁殖用雌牛の増頭について伺います。
 和牛は世界に発信していける力のあるブランドで、農作物の輸出拡大の一つの旗印を担う品目だと思っております。その一方で、肉用牛を扱う農家数は減少傾向が続き、繁殖用の雌牛、これは子牛を産むためのお母さん牛をここでは指すことにしますが、この繁殖用の雌牛、最近の五年間、減少し続けております。
 今後、和牛ブランドを高めていく中で繁殖用の雌牛の増頭が不可欠だと思いますが、政府の取組と今後の方針を農水大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 渡辺委員にお答えをいたします。
 委員御指摘のとおり、繁殖雌牛の増頭対策というのは大変重要な課題だと考えております。高齢化の進展によりまして、繁殖経営の農家が減少が続いていることはそのとおりでございます。
 農林水産省といたしましては、将来の経営発展を見据えたやる気のある農家が中心となって、地域全体で繁殖雌牛の増頭により肉用牛の生産基盤の強化を図ることが国内外の旺盛な和牛需要に持続的にかつ安定的に応えていくためにも重要であると考えているところでございます。肉用牛の繁殖生産基盤の強化に向けては、一つは、繁殖雌牛の増頭が必要でありますし、また、子牛生産をより効率的に行うことにより増頭を図っていくという政策も同じように大事なことだと考えております。
 このため、授精適期を逃がさずに人工授精を行い、分娩期間を短縮することや分娩時などの事故を低減することが重要であり、平成二十七年度の補正予算におきましても、発情発見装置や分娩監視装置等、情報通信技術を組み合わせて雌牛の授精適期を検知したり、事故率を低下させ生産を効率的に行う取組を支援をしているところでございます。
 このような技術を用いまして、一つの具体的な例をお話しさせていただきたいと思いますが、鹿児島のきもつき大地ファームの事例では一年一産を達成をすることができましたし、分娩の事故率二%であったものを〇・三%まで減少させておりまして、このきもつき大地ファームというのは千頭規模の経営でございますので、事故で二十頭ぐらい失われていた子牛を三頭まで減少させております。
 また、平成二十七年度補正予算におきましては、乳用牛に対しまして性判別精液等の活用によりまして後継牛を効率的に確保した上で、乳用牛に和牛の受精卵を移植し和牛子牛の生産を拡大をする取組も支援をしておりますし、また、畜産クラスターによる収益性の向上により必要な機械リースやキャトルステーション等の施設の整備、新規参入における繁殖雌牛の導入等に対する支援を基金化することによって切れ目なく支援するとしたところでございます。
 また、肉用牛経営安定対策の補完事業といたしまして、ALIC事業においても、繁殖雌牛の増頭対策として、平成二十六年度から奨励金単価の引上げ等の大幅な拡充をしているところでございまして、このような対策を総合的に実施をさせていただきまして、今後とも、肉用牛の繁殖基盤の強化に向けて更に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○渡辺美知太郎君 今、大臣の方から、キャトル・ブリーディング・ステーションやキャトルステーションといった先端の事業などの例もお示しいただきました。
 この繁殖用の雌牛の増頭というのは、その繁殖農家が増頭を決断してもすぐにできるわけではなく、およそ二年の遅れが生じます。種付けをして子牛が生まれて、その牛が子牛をつくることができるまでに大体二年掛かるということであります。
 繁殖農家としてみれば、これは二年後の市況を想定して増頭の投資をしなければならないということでありまして、二年後の市況を想定するのはなかなか難しいと。さらに、まず子牛の価格変動が今もうすさまじくしているというのと、やはり海外相場や為替に影響を受ける配合飼料価格の変動などがありまして、これらも加えますと更に予想が難しいと。
 今後、そういうことから鑑みますと、過度の輸入原料依存から脱却するため、国産飼料の活用への取組に力を入れていただきたいと思うのですが、大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) お答えいたします。
 繁殖経営の生産コストに占めます飼料費の割合は三九%でございます。委員御指摘のとおり、繁殖農家の経営の安定には国産飼料の生産、利用の拡大というのは大変重要な課題であると認識をしております。
 農林水産省では、昨年三月に策定をいたしました食料・農業・農村基本計画におきまして、飼料自給率を平成二十六年度の二七%から平成三十七年度に四〇%に向上させることを目的としておりまして、今、各般の政策を展開をしております。
 具体的には、二十八年度におきましては、草地整備の推進、飼料用作物の優良品種の導入等による草地改良、あるいはコントラクター等の飼料生産組織の育成、確保と機能の高度化等々の支援策を講じているところでございまして、これらの政策を総合的に展開することによりまして国産飼料の生産、利用の拡大に努めてまいりたいと考えております。
○渡辺美知太郎君 国産飼料の配合につきましては前にも質問させていただきました。飼料米の関係や耕作放棄地の活用などを是非上手に使っていただいて割合を増やしていただきたいなと思っております。
 次に、TPPと食の安全について伺います。
 TPPと並行して行われた日米並行協議の防カビ剤に関する条文で、食の安全が脅かされるのではないかと一部報道されています。
 具体的には、防カビ剤について、農薬及び食品添加物の承認のための統一された要請及び審議の過程を活用することにより、合理化された承認過程を実施するというものがあります。この条文案の中で、承認過程を合理化という部分と、農薬と食品添加物の承認のため要請と審議を統一というこの部分は、新しい防カビ剤の登録審査が簡略されるということではないとは思うのですが、厚労省に伺いたいと思います。
○政府参考人(福田祐典君) お答え申し上げます。
 TPP協定第七章、衛生植物検疫措置では、締約国が自国の食品の安全を確保するために科学的根拠に基づいて必要な措置をとる権利を認めております。我が国の防カビ剤の審査方法は従来から科学的根拠に基づいており、我が国の食品の安全確保の規制措置や基準自体の変更は求められておりません。
 ただし、防カビ剤につきましては、米国では収穫前及び収穫後に使用されるもの共に農薬として扱われる一方、我が国では、収穫後に使用される防カビ剤につきましては農薬ではなく食品添加物として扱われるため、日米並行交渉では、合理化された承認過程を実施するとされたところであります。
 これを受けまして、厚生労働省では、収穫前及び収穫後に使用される防カビ剤につきまして、農薬及び食品添加物に係る申請を一つの申請として提出することを可能とするとともに、農薬の承認のための農薬・動物用医薬品部会での審議などと食品添加物の承認のための添加物部会での審議などを合同部会として開催し、承認手続を速やかに行うことができるようにすることとしております。これは、審査手続の効率化のために行うものでございまして、審査内容の簡略化や食品安全に係る基準の変更を伴うものではございません。
 引き続き、我が国の食の安全性が確保されるよう適切な対応を行ってまいりたいと考えております。
○渡辺美知太郎君 食の安全はしっかりと守っていただきたいと思います。
 次は、ちょっと時間がないので、マイナンバーについて伺いたいと思います。
 私は、マイナンバーは行政を効率化して国民の利便性を高めて公平公正な社会を実現する社会基盤だと思っております。
 しかし、最近、マイナンバーカードが発行できないと、そういった内容の報道をよく見かけます。内容は、地方公共団体情報システム機構のシステム障害が原因でマイナンバーカードを交付できず、その原因が解明できていないという問題であります。先日、報道で、平成二十七年度、約九百万人の申請に対して最大で二百万枚しか交付できないとありました。まず、この事実確認をさせていただきたいと思います。現在のマイナンバーカードの申請数と交付枚数。
 そして、もう一つ併せて質問させてください。
 総務省は、地方公共団体情報システム機構のシステム障害を把握されているのか、把握されているのであれば状況を御説明ください。
○政府参考人(稲山博司君) お答えいたします。
 まず、マイナンバーカードの現状でございます。
 三月十三日までの時点で約九百十万件の申請受付処理が完了いたしております。これは、既に住基カードの有効交付枚数の七百十万枚を超えているところでございます。
 また、地方公共団体情報システム機構、J―LISでございますが、本年一月からカードの発行が始まり、中旬頃から毎日十一万枚が発行されております。同じく三月十三日までの状況で、約七百七万枚が各市区町村に発送済みという状況でございます。このうち申請された方に交付済みとなっておりますのは、同じく三月十三日時点で百四十一万枚となっているところでございます。
 それから、御指摘ございましたシステム障害の関係でございます。
 一月の中旬以降、地方公共団体情報システム機構、J―LISのカード管理システムが一時不安定な状況となり、多くの市区町村におきましてカードの交付等の業務が行えなくなった事案が複数回発生をいたしております。
 その原因の詳細につきましてJ―LISにおいて現在なお調査中の状況でございますが、住民の方に御迷惑をお掛けすることのないよう、当面の対応ということで、カード管理システム中継サーバーを増設あるいは障害時の即応体制を構築することで住民サービスへの影響を最小化すると、こういうことをいたしているところでございます。また、これまでのシステムの不具合に関する調査結果を踏まえまして、中継サーバーの一部の機器について改修に着手をしております。J―LISにおきまして障害事象の解消に向けて取り組んでいるところでございます。
 J―LISを始め関係事業者等において、こうしたシステムの不具合が発生しないよう、緊張感を持って適切な運用を行っていただくことが必要であることは、これは言うまでもないところでございまして、総務省といたしましても、既にJ―LIS等に対しまして早急な原因究明と再発防止に取り組むよう累次にわたり要請しているところでございますが、適切に制度を運用できるよう引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
○渡辺美知太郎君 この申請の枚数と発行枚数の差と、今のシステム障害が続けば、マイナンバーカードの交付は大幅に遅れてしまって、実際に交付を行っている自治体に過度な負担を掛けかねません。
 時間がちょっともうないので今日は終わりにしたいと思いますが、また伺っていきたいと思います。今日はどうもありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で渡辺美知太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(岸宏一君) 次に、平野達男君の質疑を行います。平野達男君。
○平野達男君 復興大臣に初めて質問させていただきます。
 復興集中期間が終わりまして、六年目に入りました。津波被災地域ということに限定してまず冒頭質問させていただきたいと思いますが、この六年目以降の復興に当たって特にこういう点に気を付けなくちゃならないということがあれば、是非、復興大臣からちょっと御意見を伺いたいというふうに思います。
○国務大臣(高木毅君) 地震・津波被災地域におきましては、これまで五度にわたって講じてきた加速化措置などの成果もございまして、平成二十八年度にかけて多くの恒久住宅が完成の時期を迎えます。さらに、産業・なりわいの再生も着実に進展しておりまして、十年間の復興期間のいわゆる総仕上げに向けて、復興は新たなステージを迎えつつあるというふうに認識をいたしております。
 一方で、復興の進展に伴いまして、地域、個人からのニーズは一層多様化しつつあると考えますし、それらに対応したきめ細かな支援が必要になってくると認識をいたしております。
 今月十一日に今後五年間の新たな復興の基本方針を決定したところでございますけれども、これに基づき、復興・創生期間においては、復興のステージが進むにつれて生じる新たな課題や多様なニーズにきめ細やかに対応しつつ、十年間の復興期間の総仕上げに向けて、被災地の自立につながり、あるいはまた地方創生のモデルとなるような復興を実現するということを目指したいというふうに考えているところでございます。
○平野達男君 住宅の宅地造成、それからあるいは被災した様々な建物の復興、かなり進んだとは思います。
 その一方で、津波地域の復興の鍵は何といっても水産業であります。水産業に関しては、漁獲高は大体八割から九割ぐらいに戻っているはずです。昨年はサンマがかなり不漁でちょっと残念な結果なんですが、その一方で、加工業、建物はかなりの勢いでこれ復活しました。しかし、稼働率は五割ぐらいのところが多いですね。この原因と対策、どのように考えておられますか。
○国務大臣(高木毅君) 水産業、水産加工業はまさに被災地にとって基幹産業でございまして、大変大切な産業だと思っております。
 そうした中にあって、水産加工業では約八六%が操業を開始できるような状況になりましたけれども、残念ながら、必ずしもそのハードの復興に比していわゆる生産というものが伴っていないという現状かと思います。まず、それは、一つには人手不足ということがあるでありましょうし、あるいはまた一旦失った販路というものがまだ十分に戻ってきていない、そんなような理由かというふうに思っております。
○平野達男君 労働力不足に関しましては、是非、法務大臣ともいろいろ、外国人研修生の問題等々がありますから相談していただきたいというふうに思いますし、それから、販路の拡大ということにつきましては、これは漁獲高が八割、九割に戻っていて水産加工業の全体の生産額がまだ半分ぐらいしか行っていないというのは、やっぱりかなりこれからの復興にとって深刻な問題だと思います。
 復興の鍵は水産業の復活ということで冒頭から、最初から言ってきましたけれども、これは水産庁と是非協力して、この販路の、一回失ったサプライチェーンをつなぐことを、是非これ復興大臣、農水大臣、それからあと経産大臣とも連携して、これからの大きな柱に、取組の大きな柱にちょっと据えていただきたいと思いますが、見解をちょっと伺いたいと思います。
○国務大臣(高木毅君) 先ほども申し上げましたけれども、まさに水産業あるいは水産加工業、この被災地にとっての基幹産業でございますので、何としてでも再生をしていかなきゃならないというふうに思っております。つきましては、関係省庁とも連携しながら、委員の御指摘のような体制を取りながらしっかりと再生をしていきたいというふうに思っております。
○平野達男君 大臣はかなり被災地も歩かれておられるというふうに聞きましたけれども、是非、加工場も見て、更に見て実態を把握して取り組んでいただきたいと思います。
 そして、津波の、全体の地域について大ぐくりの話をちょっと聞きたいと思いますけれども、明治三陸津波、これは今から百二十年前の津波でした。それから、一九三三年、昭和三陸津波ということになります。この二つの津波から三陸地域は、本当に厳しい状況ですけれども、それでもきっちり復活して、人も増えて発展してきましたけれども、今回の東日本大震災の津波によってかなり大きな被害を受けたということですが、明治三陸津波、昭和三陸津波からの復興と東日本大震災の津波からの復興をするに当たっての社会的環境の違いというのは、幾つかあるかと思いますけれども、どの点にあるというふうに認識されておりますか。
○国務大臣(高木毅君) まず、やはり大きいのは、人口が増えている過程にあるか減少時代にあるか、これが非常に大きな問題だと思います。
○平野達男君 そのとおりだと思います。
 明治三陸津波のときは、ある町では人口の八割が亡くなっています。同じその町が、昭和三陸津波のときに五割ぐらい人口が亡くなるんです。それでもきっちり復活して、人が増えて、水産業でもって発展してくるわけです。
 それで、その背景にあるのは、もちろんその地域の努力というのが物すごいあると思います。ただ、明治三陸津波のときは、政府の支援なんかほとんどないです。鉄道もできていない、道路もできていない。大変だったと思います。それでも復活していますね。
 今回は、おっしゃるとおり、今回というか明治、昭和のときは物すごい人口が増えていたんです。人口が急激に増える時代にぶつかっています。今回は人口が減少する、被災地域はもう高齢化が非常に著しく進んでいるという、そういう状況の中での被災でした。ここの違いというのが非常に大きいと思います。
 当初我々が想定したものと今の復興の状況で見ますと、例えば人口見積りとか施設の規模についてもちょっとそごが出てきているという感じがいたします。そこについての現場を見た感想をちょっと大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(高木毅君) 震災直後、とにかく住まいにしてもしっかりと確保するんだという思いで、あるいはまた防潮堤についても同様かと思いますけれども、そうした形でいろいろ計画を立てたわけでありますけれども、やはり十分に、時間がたつにつれて、検証していく上で、少しそごを来している、少し計画が膨大過ぎたのではないかというようなこともこれあります。
 ですから、これまでも常にそうしたことは見直しながら、例えば、高台移転を目指していた方がなかなか自力再建は難しい、ですから災害公営住宅の方に入るというような方がいらっしゃって、ですから、高台移転の方は減らす、あるいは災害公営住宅の方は増やす、そういったようなこともありますし、あるいは防潮堤についても高さを下げる、あるいはセットバックする、そういう形で震災当初に計画したものを少し見直して柔軟に対応しているということもあるというふうに思います。
○平野達男君 第一回目の復興構想会議は、とにかく復活させようということでハード中心の構想をまとめていただきました。当時は、まだ人口減少社会ということについて、その地域だけじゃなくて国会自体もまだその意識が余りなかったときで、とにかく復活させようということで復興構想をまとめて、それに基づいて事業に着手された感があります。
 私は、六年目に入りまして大分状況が変わってきましたから、第二復興構想会議みたいなものを立ち上げたらどうかというような、そういう発想を持っておりますが、このことについては時間を改めてまたやらせていただきたいと思いますし、引き続き、復興大臣、現地を歩きまして、とにかくその変化というものを、当初に想定したものと今何が起こっているかというのを、変化をできるだけ吸収して復興の推進に努めていただきたいと、そのことをお願い申し上げまして、今日は終わらせていただきます。
 あしたももうちょっとやらせていただきますので、よろしくお願いいたします。
○委員長(岸宏一君) 以上で平野達男君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 次回は明十七日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十五分散会