第190回国会 予算委員会 第19号
平成二十八年三月二十八日(月曜日)
   午後零時五十八分開会
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   委員の異動
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     大野 泰正君     中川 雅治君
     金子原二郎君     愛知 治郎君
     石上 俊雄君     安井美沙子君
     室井 邦彦君     藤巻 健史君
     真山 勇一君     柴田  巧君
     和田 政宗君     浜田 和幸君
     山田 太郎君     松田 公太君
     福島みずほ君     吉田 忠智君
    渡辺美知太郎君    薬師寺みちよ君
     平野 達男君     荒井 広幸君
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     中川 雅治君     大野 泰正君
     小川 勝也君     小西 洋之君
     西村まさみ君     大久保 勉君
     安井美沙子君     石上 俊雄君
     荒木 清寛君     竹谷とし子君
    佐々木さやか君     河野 義博君
     仁比 聡平君     井上 哲士君
     柴田  巧君     川田 龍平君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  宏一君
    理 事
                石井 準一君
                宇都 隆史君
                岡田  広君
                高橋 克法君
                二之湯武史君
                堀井  巌君
                長浜 博行君
                野田 国義君
                山本 香苗君
    委 員
                愛知 治郎君
                赤池 誠章君
                井上 義行君
                石田 昌宏君
                猪口 邦子君
                大野 泰正君
                片山さつき君
                古賀友一郎君
                島村  大君
                高野光二郎君
                中川 雅治君
                羽生田 俊君
                三木  亨君
                三宅 伸吾君
                山下 雄平君
                石上 俊雄君
                大久保 勉君
                大塚 耕平君
                風間 直樹君
                小西 洋之君
                田中 直紀君
                藤田 幸久君
                森本 真治君
                安井美沙子君
                河野 義博君
                竹谷とし子君
                新妻 秀規君
                井上 哲士君
                辰巳孝太郎君
                東   徹君
                藤巻 健史君
                川田 龍平君
                柴田  巧君
                浜田 和幸君
                松田 公太君
                吉田 忠智君
               薬師寺みちよ君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣     高市 早苗君
       文部科学大臣
       国務大臣     馳   浩君
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
       農林水産大臣   森山  裕君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  林  幹雄君
       国土交通大臣
       国務大臣     石井 啓一君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策、男女共同
       参画))     加藤 勝信君
   副大臣
       財務副大臣    岡田 直樹君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  横畠 裕介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 亮治君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       谷脇 康彦君
       内閣官房東京オ
       リンピック競技
       大会・東京パラ
       リンピック競技
       大会推進本部事
       務局企画・推進
       統括官      高原  剛君
       文部科学省初等
       中等教育局長   小松親次郎君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  杉野  剛君
       文部科学省研究
       振興局長     小松 弥生君
       厚生労働省医政
       局長       神田 裕二君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局長  中垣 英明君
       厚生労働省職業
       安定局長     生田 正之君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       香取 照幸君
       厚生労働省年金
       局長       鈴木 俊彦君
       経済産業省商務
       情報政策局長   安藤 久佳君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      多田 明弘君
       中小企業庁長官  豊永 厚志君
   参考人
       日本銀行総裁   黒田 東彦君
       独立行政法人都
       市再生機構理事
       長        上西 郁夫君
       日本放送協会会
       長        籾井 勝人君
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  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成二十八年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十八年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十八年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
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○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十八年度総予算三案審査のため、本日の委員会に独立行政法人都市再生機構理事長上西郁夫君及び日本放送協会会長籾井勝人君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(岸宏一君) 平成二十八年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は、内政・外交の諸問題に関する集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割当て時間は二百十分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党二十一分、民主党・新緑風会六十二分、公明党二十一分、日本共産党二十分、おおさか維新の会二十分、維新の党十一分、日本のこころを大切にする党十一分、日本を元気にする会・無所属会十一分、社会民主党・護憲連合十一分、無所属クラブ十一分、新党改革・無所属の会十一分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
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○委員長(岸宏一君) 平成二十八年度一般会計予算、平成二十八年度特別会計予算、平成二十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、内政・外交の諸問題に関する集中審議を行います。
 これより質疑を行います。中川雅治君。
○中川雅治君 自由民主党の中川雅治でございます。
 本日は、待機児童対策、保育の問題につきまして、安倍総理と関係大臣に質問いたします。
 安倍内閣は、発足以来、待機児童対策には大変力を入れておられまして、待機児童解消加速化プランによりまして従来の二倍以上のペースで保育所等の整備を進めるなど、積極的に取り組まれてきたところでございます。一方、子育て世代の女性の就業が進み、新制度が施行される中で、保育の申込者数は今後とも増大していくことが見込まれます。
 まず、総理にお伺いいたします。総理の待機児童問題への姿勢と安倍内閣発足以来の取組状況についてお聞きいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍政権は、政権交代後間もない二〇一三年四月に待機児童解消加速化プランを策定しまして、待機児童対策に重点的に取り組んでまいりました。
 同プランの下での実績として、保育の受皿は二〇一三年度と二〇一四年度の二年間で約二十二万人分と、これは政権交代前の二倍のペースで拡大をしてきたところでありますが、昨年末の緊急対策では、希望出生率一・八の実現に向けて、二〇一七年度末までの保育の受皿整備量を四十万人分から五十万人分に上積みをいたしました。このため、必要となる約九万人の保育人材を確保するため、処遇の改善、就業の促進、離職の防止などに総合的に取り組んでいく考えであります。
 この春に取りまとめるニッポン一億総活躍プランの中で具体的で実効性のある待遇の改善策を示し、不足している人材を確保し、待機児童ゼロに全力で取り組んでまいりたいと考えております。
○中川雅治君 ありがとうございました。
 安倍総理の待機児童対策に取り組む決意のほどをお伺いさせていただきましたので、次の質問に参ります。
 自民党では、待機児童問題を何とかしてほしいという切実な声を受け止めて、待機児童問題等緊急対策特命チームを設置いたしまして、先週の金曜日に待機児童対策緊急提言を取りまとめ安倍総理に提出いたしました。その中で、緊急に講ずべき対策として幾つかの重要な提言をいたしております。
 まず、自治体が単独事業として実施している認証保育園にも国の支援をすることが一つ。また、保育園にきちんと入所できるようになるまでの間、一時預かり事業を継続的に利用可能なようにすること、その場合でも保護者の利用料負担が過大にならないよう配慮することを提言いたしております。それから、国の人員基準を満たしているが定員を超えて児童を受け入れる場合について弾力的な取扱いを求めております。
 さらに、現在、参議院で審議中の子ども・子育て支援法改正案が成立いたしますと、企業主導型保育事業が創設されることになっておりますが、この事業の積極的活用を図ることを提言いたしております。それから、定員十九人以下で二歳児までが入る小規模保育所の受入れ枠を弾力化することも求めております。
 こういった、緊急に講ずべき対策として、自民党が提言した内容につきましては、政府において速やかに具体化し、実行していただきたいと考えますが、総理の決意のほどをお伺いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 待機児童への対策が喫緊の課題となる中で、与党から具体的な緊急提言をいただきました。短い期間の間に現在の課題、状況をしっかりと分析をしていただき、何をすべきか、何ができるかということについて取りまとめていただいたと思っております。
 国の基準を守りつつ、定員を弾力化するなど、自治体に現在ある保育園の最大限の活用、そしてまた、保育園に入れるまで緊急的に預けることができるように一時預かり事業を活用し、保育をつないでいく方策など、すぐには保育園を大幅に新設できない中で、現に保育園等への入園を待っている方々に対し、まさにすぐに役に立つ対応を盛り込んでいただいたと思っております。
 また、中川委員から御紹介をいただきましたように、今般創設をされる企業主導型保育事業でございますが、これは、私たちが進めてきた経済政策の結果、大変失業率が改善をいたしまして、そして有効求人倍率もどんどん毎年毎年良くなっていく中において、雇用保険にこれは余裕ができた、企業側が、その中において、企業側から拠出をしていただきまして、企業主導型の保育事業をこれは始めていくわけでありますが、企業が社員向けに事業所などに保育室を設けることをこれ全面的に支援をしていくものであります。
 基本的には企業が自分のところの会社で働いている方々のお子さんたちを預かるものでございますが、余裕があれば地域の住民の方々の皆さんにも開放して利用していただけるものであります。これは、法律が通ればこの四月からこれはスタートしていくことのできるものでございますが、場所については、働く方の利便性に配慮し、事業所に限らず、会社からの最寄り駅など利便性が高いところや社宅の近辺とするなど、企業の創意工夫を促したいと思っております。
 御提言いただいた緊急に講ずべき対策は、速やかに具体化し、強い実行力を持って実施していく考えであります。この春に取りまとめるニッポン一億総活躍プランにおいては、具体的で実効性のある、処遇改善を含む待遇の改善策を示し、不足している保育人材を確保していく考えであります。
○中川雅治君 ありがとうございました。
 自民党の緊急提言につきまして、政府の方も早速に受け止めていただき、役所の皆さんもこの土日も出勤して、政府としての待機児童解消に向けての緊急対策を取りまとめ、本日中に発表されるとのことであるようでございますが、その内容を期待しております。今総理が言われました企業主導型保育事業の積極的活用、この効果が発揮されることを心より期待をしております。政府の方で更なる御検討をよろしくお願いしたいと思います。
 保育園を拡大するには、そこで働く保育士の確保が当然不可欠になります。保育士の平均賃金は平成二十七年の調査で月二十一万九千二百円でありまして、全職種の三十三万三千三百円と比較してかなり低い水準にあるわけでございます。東京都から聞いたところでは、都内の保育士の平均月収は二十九万四千円と、保育士の全国平均よりは高くなっておりますけれども、全職種の平均との格差はむしろ大きくなっているわけでございます。こういう状況ですと、保育士の確保はなかなか難しいわけであります。ですから、保育士の処遇改善はどうしても必要なことでありまして、政府も既に予算措置をしている部分もございますが、今後、大幅アップに向けて財源の確保をしていかなければならないと思います。
 一方、保育士の皆さんに働き続けていただくためには、処遇改善ももちろん重要でありますが、将来の見通しに希望が持てるように、つまり、キャリアアップすればこういう仕事の内容になる、そして給与も上がっていくと、こういうキャリアアップの仕組みを導入することが必要ではないかと思います。こういう声は現場で働く保育士の方々から上がっております。
 そこで、加藤大臣にお伺いいたします。
 保育園の運営費を賄う子ども・子育て新制度の中で、こうしたキャリアアップに応じた給与体系に対して運営費を支払うというようなやり方はできないものか、お伺いいたします。
○国務大臣(加藤勝信君) 委員御指摘のように、保育士の方々に継続して働いていただくためには、処遇改善は当然のこととして、加えてキャリアアップに応じたそうした評価といったことが大変必要であり、またそのことが継続して働いていただける環境整備につながっていくというのはごもっともだというふうに思います。
 現行の制度においても、公定価格の処遇改善等加算において、職員の平均勤続年数、経験年数、賃金改善等に応じた人件費増について評価は行うということに一応なっております。また、平成二十八年度の当初予算においてはチーム保育推進加算というものを新設をさせていただきまして、平均勤続年数が十五年以上の施設を対象に一名分の人件費を加算することとしており、保育士の負担軽減やキャリアに応じた賃金改善による保育士の定着促進を図っていくということとしているところでございます。
 これから、先ほど総理御答弁されたように、春に向けてニッポン一億総活躍プランを策定してまいります。その中における大きな柱の一つが保育人材の更なる処遇の向上、改善ということでございまして、これに関しましても、加算の算定状況や保育士の方々の賃金の状況を把握し、当然、財源の確保等と併せて、今御指摘がありましたキャリアに応じた賃金改善、この点も含めて具体的な方向性を示していけるように検討していきたいと思っております。
○中川雅治君 ありがとうございました。大変前向きな御答弁をいただきました。
 東京のように地価が高い大都市部におきましては、保育園を設置しようとしても土地代が高いわけでありますし、建物の賃借による場合でも賃借料が高くなります。東京都などからは、保育園整備の補助率かさ上げなどの要望も出ているところでございます。
 しかしながら、そもそも、東京都内、二十三区の中には、区有地について保育園を設置できるようなところはもうない、区有地については出尽くしていると言ってもよい、そういう区もございます。各自治体も大変な努力をしておられるわけでございますが、例えば、小中学校の空き教室を活用するといっても、事故が起きたときに責任が取れないというようなことで校長先生が反対をする、また、住宅街に保育園を整備するためには近隣住民の方の理解を得るために長い時間を要するケースも多いというふうに聞いております。そうなりますと、これからはもっと様々な民有地が保育施設用地として提供されるようにならなければならないというように思います。
 東京都内のある区からは、民有地の地権者が保育施設用地に土地を貸した場合、固定資産税や相続税を軽減し、土地提供を誘導してほしいとの声も出ております。また、公務員住宅の跡地などの国有地につきましては、保育園の用地あるいは特別養護老人ホームの用地として貸出しをするケースが増えてきておりまして、これは大変結構なことだと思うわけでございますが、この国有地を保育園用地として借りる場合の賃借料につきまして、特別養護老人ホームの場合には二分の一に軽減するということが認められているわけですけれども、保育園については認められていないのが現状でございます。保育園についても賃借料の二分の一軽減を認めてほしいという強い要望が出ております。
 さらに、特に都市部におきましては、マンションの中の一室に保育園を設置をする、あるいはマンションを建てるときにあらかじめ一室を保育園のための部屋として確保をする、あるいは今問題になっております空き家を利用していく、これを促進する、そういったような保育園設置がもっと進むように、国としてもいろんな手助けができるんではないかと思うわけであります。そのためのいろいろな施策というものを考えて工夫をしていく必要があると思いますが、総理のお考えをお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府は、市区町村による保育の受皿拡大の取組を支援するため、今年度補正予算及び来年度当初予算において、保育園等の施設整備費の上積み、そしてまた小規模保育の施設整備補助、またさらには賃貸料加算の実勢に合わせた大幅な改善を行うこととしています。
 これに加えて、御指摘をいただきました地域の公共スペースの活用などを含め、自民党の提言も踏まえて保育の受皿拡大に全力を尽くしていく考えであります。
○中川雅治君 ありがとうございました。
 最後に、保育コンシェルジュについてお聞きしたいと思います。
 保育サービスを利用したい人からの相談に応じて利用可能な保育園を探したり、利用手続を支援したりといった役割を担う保育コンシェルジュを設置する自治体が出てきております。東京都からは、この保育コンシェルジュをより充実させたいということで、専任職員の増員ができるよう補助単価をアップしてほしいという要望が出ております。
 先週金曜日に安倍総理に提出いたしました我が党の待機児童対策緊急提言におきましても、待機児童が五十人以上いる市町村に保育コンシェルジュを設置することを促進する、こういうことが入っております。保育を利用したいという人に寄り添い、丁寧に支援していくためには、この保育コンシェルジュ設置の取組を促進していくことが必要であると思いますが、塩崎厚生労働大臣に御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘をいただきました自民党からの提言の中に含まれております保育コンシェルジュの問題でございますけれども、保育サービスを利用したい方々が地域において円滑にこの保育サービスをそれぞれのニーズに合った形で利用していただくということは非常に大事であり、それを一人一人やはり丁寧に対応していくということが大事だと思います。
 そういう意味で、平成二十七年度から施行されました子ども・子育て支援新制度において地域の子育て支援に関する情報提供、そしてまた地域の関係機関との連携調整、これらを行う利用者支援事業を創設をいたしまして、その事業の一つとして主に待機児童の多い自治体において保育等の利用調整に特化をした一人一人に合った形でのいわゆるコンシェルジュを置く取組を始めているわけでございます。
 これを是非推進しようということで、本年四月時点で待機児童となっている方々がおられる市町村において四月以降もこうした取組を継続実施をしていただくことが重要だというふうに考えておりまして、自民党からも御提言をいただいた保育コンシェルジュの設置を一層促進をして、保育を必要とする方々一人一人のニーズに合った、寄り添った支援を行ってまいりたいと考えているところでございます。
○中川雅治君 ありがとうございました。
 安倍総理始め関係閣僚の皆様方から待機児童対策に取り組む極めて前向きの方針や決意を伺いました。私も東京都選出の参議院議員として、待機児童対策、保育の問題には今後とも全力で取り組むことをお誓いいたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で中川雅治君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(岸宏一君) 次に、安井美沙子さんの質疑を行います。安井美沙子さん。
○安井美沙子君 民進党の安井美沙子でございます。
 会派の名前はまだ変わっておりませんけれども、昨日、結党大会がございまして、国民とともに進む民進党が生まれました。必要ならいつでも政権交代ができる勢力が存在して、日本も初めて普通の国になれるのだと思います。
 ゲストでお越しになった脳科学者の茂木健一郎さんのメッセージが印象的だったので、御紹介いたします。今、世界はイノベーションが起こり、次から次へと新しい動きが出てくる中で、政権交代できない社会風土は我々を未来に連れていってくれない、こういうものです。
 先ほど来の保育に関する政府の答弁を聞いておりまして、市民が野党を動かした、そして野党が与党と政府を動かした、この典型的な事例だと思いました。私たち民進党が国民にとってのオルタナティブ、選択肢としてたり得るように、百五十六名一丸となって頑張る所存でございますので、改めてよろしくお願いいたします。
 民進党は、自由、共生、未来への責任を結党理念としております。共生に触れても、茂木さんは、共生の精神がなければ日本の経済成長はない、共生ということが実は最大の経済成長の政策ともおっしゃいました。安倍政権の一億総活躍も方向性は同じだと思うんですけれども、民進党結成及びこの茂木さんのメッセージへの感想、総理、お聞かせいただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 新たに民進党としてスタートされる、祝意を表したいと思います。民主主義においては、政党間が切磋琢磨してお互いに政策を鍛え合い、そしてそのことによって国民の負託に応えていくことが求められているんだろうと思います。我々も、民進党に負けないように、しっかりとこれからも身を引き締めて頑張っていきたいと、こう考えております。
 そしてまた、共生ということにつきましては、共に支え合っていく、そして同じ空間、同じ環境を共に生かしながら、共に支え合い、そして活用していくということが求められているんだろうと、こう思うところでございまして、私たちが進めている経済政策におきましても、全ての方々が力を発揮していく社会をつくるということにつきましては同じ方向性ではないかと、このように考えているところでございます。
○安井美沙子君 総理からのお祝いのお言葉いただきまして、ありがとうございます。そして、共生社会についても建設的な御意見いただきまして、本当にありがとうございます。
 ところで、共生や一億総活躍からはかなり懸け離れた自民党議員の言動が目立ちます。
 まず、みこのくせにという発言。自民は余り好きではないと言われ、みこのくせに何だと思った、私の世話を焼いたみこさんが二十歳ぐらいだった、投票が初めてだということだから、ひとつ口説いてやろうと思った。これ、何でしょうか。政治家の公の場での発言としては看過できません。女性としても聞き捨てならない発言です。神社関係者の方々にも大変失礼だと思いますけれども、総理は御党の議員に対し何か注意や御指導をされたのでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は神道議員連盟議員懇談会の会長をしております。その観点からも、日頃よく神主の方々にも、あるいはみこさんたちともお話をさせていただく機会があるわけでございますが、長らく日本の伝統、そしてまたあるいは自然、様々な事柄に対して常に手を合わせながら考えていく、祈っていくというこの謙虚な姿勢に我々は学ぶところが多いと、こう思っている次第でございますが、常に敬意を表してきたところでございまして、こうした誤解を受けるような発言をしたことは残念であるわけでありますが、本人も訂正をし謝罪をしたというふうに承知をしております。
○安井美沙子君 また、別の御党議員がJA関係者に対し暴力を振るったということが報道されています。食品表示をめぐって口論となった末に、胸部を数回殴り、全治一週間の打撲傷の診断書が出たと聞いています。こちらの議員に対しては、総理は何らかの注意や指導をされたのでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 報道は承知をしておりますが、事実関係は承知をしておりませんので、ちょっとコメントのしようがないということでございます。
○安井美沙子君 こういった事例が増えているような気がいたします。事実関係を確認され次第、必ずや御注意されていただきたいと思います。こういったことは、御党だけの問題にとどまらず、国民の政治不信や政治離れにつながることでありますので、気を引き締めていただきたいと思います。
 そして、今朝、驚く報道が入ってまいりました。消費税一〇%再延期へ安倍首相が方針固めるというかなり断定的な報道でございましたが、これは本当でしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 消費税の引上げにつきましては、リーマン・ショックあるいは大震災級の出来事が起こらない限り、予定どおり消費税を引き上げていく考えでございます。
○安井美沙子君 それでは、これ誤報ということになりますね。
 もし、これ消費税が一〇%再延期ということになりますと、これまで積み重ねてきた社会保障の議論や財政健全化の議論を全てやり直しということになりますので、改めて予算委員会を開いていただきたいと思います。
 さて、私は、一月二十一日の参議院決算委員会で甘利前大臣のあっせん利得疑惑問題について質問をしました。そのときに、甘利氏は、説明責任を果たしていきます、逃げるつもりはありませんと答弁をされました。しかし、質問の一週間後に開かれた記者会見で電撃的に辞任を発表され、それ以来、睡眠障害として国会をお休みになっています。既に二か月になります。逃げているじゃないですか。
 そもそも、甘利氏が必ずやるとおっしゃっていた第三者による調査は進んでいるのでしょうか。URと国交省に伺います。甘利氏の代理人による調査を受けたでしょうか。
○参考人(上西郁夫君) お答え申し上げます。
 週刊誌報道以降本日に至るまで、甘利事務所の関係者及び関係者と思われる方から当機構に対しての接触はございません。
 以上でございます。
○国務大臣(石井啓一君) 甘利議員事務所関係者からは国土交通省に対しては照会はございません。
○安井美沙子君 第三者による調査、すると言ったのにしていないじゃないですか。
 安倍総理はそのとき、私に対してこう答弁されました。速やかに必要な調査を行い、自ら国民に対する説明責任を果たしていく、このようにおっしゃられておられますから、しっかりとその責任を果たしていかれるものと思っております、こう言われましたけれども、二か月たった今の状況をどう説明されますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政治資金の在り方につきましては、内閣、与党、野党にかかわらず、一人一人の政治家が国民の信頼が得られるよう、自ら襟を正し、説明責任を果たすべきものでありまして、甘利大臣においても、さきの記者会見の中で引き続き調査を進め公表すると語っており、今後ともしっかりと説明責任を果たしていかれるものと考えております。
○安井美沙子君 それから二か月たっていると申し上げているわけです。政治家や秘書がその影響力を行使して口利きをし、その見返りとして報酬を得る、これは国民に対する重大な裏切り行為です。本来、この問題をうやむやにして予算を通すべきではないと思いますけれども、予算も大事なので、百歩譲って、国会閉会前に白黒付けなければ国民に対して余りにも不誠実だと思います。
 安倍内閣として、期限を切ってこの問題に決着を付けるべきではないでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国会との関係におきましては、まさにこれは委員会、国会がお決めになることであろうと、このように思いますが、甘利前大臣につきましては、先ほども申し上げましたように、調査を行い、そして新たに事実が明らかになったものも含めて説明責任を果たしていくということをおっしゃっておられますので、そのようにしていかれるというふうに期待をしております。
○安井美沙子君 先ほどの政府参考人の答弁、聞いていらっしゃらなかったんですか。第三者による調査していないんですよ、この二か月。幾ら待っていたって何にも出てきません。このまま国会を閉会して参院選へ突入したら、これは安倍内閣の姿勢が大いに問われると思いますので、そう申し上げておきます。
 しかし、御本人不在の中で幾らやり取りをしていてもむなしいだけですので、甘利前大臣と秘書の方、該当する秘書の方の証人喚問を要求します。
 委員長、お取り計らいをお願いいたします。
○委員長(岸宏一君) 後刻理事会にて協議いたしましょう。
○安井美沙子君 ようやく本題に入ります。
 共生社会ということで、今日は女性の活躍をテーマにしたいと思っております。
 昨年成立した女性活躍推進法が間もなく四月一日から施行されるに当たりまして、安倍内閣の女性政策への本気度をお伺いします。
 安倍政権では、二〇二〇年までに女性の管理職比率を三〇%まで引き上げるという目標を掲げていらっしゃいます。昨年四月の予算委員会で、私は三〇%という目標設定が非現実的だと指摘させていただきました。実際、昨年時点で、課長級以上三〇%という目標に対して、国家公務員では三・五%、地方公務員で七・七%、百人以上の民間企業で八・七%にすぎません。あと四年間でこれが急に三〇%達成するとはやはり考えにくいです。
 資料を御覧ください。(資料提示)
 読売新聞社が先月、国内主要大手企業百二十社に対して行ったアンケートですけれども、二〇二〇年までに女性管理職比率三〇%という目標達成について、六一%の企業が達成は難しいと回答しています。また、最初から達成を考えていない企業が五%、つまり、合わせて七割が無理だと答えています。
 昨年の実績とこういった企業の反応を見てどう思うか、総理にお答えいただきたいんですけれども、昨日の日経新聞でも、社長アンケートというもので、百人アンケートで、女性管理職の一割しか達成できないと答えたのが半数という、そんな記事もありました。あわせまして、管理職比率の実績とこういった企業の反応を見て、どうお考えになるでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 社会のあらゆる分野において、二〇二〇年までに指導的地位に女性が占める割合が少なくとも三〇%程度となるよう期待するというこの目標は、二〇〇三年、これはもう随分前の話でありますが、十三年前に男女共同参画推進本部で決定をされましたが、しかし、三年前に安倍政権、第二次安倍政権において初めて政府の最重要課題に位置付け、強力に推進をしてきたわけであります。これはもう随分前のことではありますが、十年間、第一次安倍政権も含めて、これは言わば政権の柱として強力に推進してきたことでは残念ながらなかった、その点は我々も、その間多くは自民党が政権を担っているわけでありますから、反省しなければならないと、こう考えております。
 そこで、この三年間、最重要課題として推進をしてきた結果、またその中におきまして、上場企業の女性役員数は、経済団体への呼びかけや有価証券報告書に役員の女性比率の記載を義務付けたことを受けまして、三年間で二倍近くには増えました。特に昨年は、前年から四割増えたわけでありまして、女性登用は大きなうねりとなっていると言えます。民間企業の管理職に女性が占める割合は着実に上昇し、二〇〇三年の四%程度から、二〇一五年に九%弱となったわけでありまして、現時点で指導的地位にふさわしい経験を積んだ年次の社員に女性が少ないのは事実でございまして、これは長い間それは、その積み重ねがやはり少なかったのは事実であろうと思います。
 三〇%は、確かにこれは困難な目標ではありますが、産業界はそこに向かっていかなければならないものと受け止めて取り組んでいただきたいと、このように考えております。
○安井美沙子君 総理がおっしゃったとおり、女性の予備軍が少ないんですね。ですから、なかなかこの三割が達成できないというのは無理もないことでありまして、次のパネルを御覧ください。管理職になれる女性というのは、女性社員の中でも限られた一部なんですね。
 総合職を増やすために検討すべきことは幾つかあります。まず、全雇用者のうち女性は四五%で半分に満たないので、まず働く女性自体を増やして分母を大きくすることができるかどうか。次に、女性社員の五六%、半分以上は非正規社員ですので、非正規社員が管理職になるとは考えにくいわけで、非正規から正規への転換を図ることができるかどうか。そして、正規社員でも管理職になれる可能性が高いのは総合職なので、一般職から総合職への転換が図れるかどうか。
 ところが、女性正社員の中の総合職と一般職の比率が私はどうしても入手できませんでした。その代わり、総合職の中に占める男女の割合は分かりました。厚労省が行った調査によれば、平成二十六年度では、男女総合職の中で女性が占める割合は九・一%、一割に満たなかったです。
 となると、管理職を三〇%以上にするには、まずは直接の母数となる女性総合職を三倍に増やさなければならないわけですが、総合職の女性と一般職の女性の割合はどのくらいになっているか、政府は把握していますでしょうか。
○政府参考人(香取照幸君) 御答弁申し上げます。
 先生のパネルに沿って御説明申し上げますと、まず、いわゆる総合職、一般職というコース別の雇用管理を行っている企業の割合は、これは平成二十四年でございますが、約一一%ということで、実は九割の企業はいわゆるコース別を取っておりません。したがいまして、この数字はそのコース別を取っている企業についての調査ということになります。
 時点がちょっと古いんですが、平成二十二年に、これはコース別を取っている企業のサンプル調査ということで調査をいたしましたところ、総合職と一般職の割合は、総合職の女性が約二二%、一般職の女性が七七%、これは申し上げましたように二十二年の数字ということになります。
 以上です。
○安井美沙子君 これ、管理職を増やすための具体的な方策を考える上でまずもって必須なデータなので、すぐに調べていただきたいと思うんです。データが古いということと、それから、コース別の採用をしていなくても実質的に総合職であるという女性はいますから、そこら辺の実態はアンケートを取ればすぐに分かることですので、企業の数もそんなにありませんし、是非調査をしていただきたいので、委員長にお取り計らいをお願いいたします。
○委員長(岸宏一君) 後刻理事会において協議いたします。
○安井美沙子君 女性の活躍は企業などの組織の中で管理職になることだけでは決してないのですけれども、活躍の一つの在り方として、実現に向けてイメージを皆さんと共有したいと思います。
 私は、男女雇用機会均等法第一世代で、総合職のはしりです。その世代が三十年前後を経て、金融機関などの大企業で初めて社長や取締役になって話題を呼んでいます。しかし、そういう人が少ないからこそ目立つのであって、なぜ女性の管理職は思うように増えていかないのかということを考えなければいけません。結局のところ、女性が働き続ける上で、出産適齢期と企業人としてのキャリアの成長期が重なってしまうという厳しい現実があるからなんです。
 平成二十六年度の厚生労働白書によりますと、女性の第一子平均出産年齢は三十・六歳です。大学卒を想定しますと、入社八年目くらいに当たります。ちょうど組織の中での仕事の仕方が分かってきてそれなりの仕事を任されていく中で、いざ管理職になれるかどうか、勝負どころです。同じ時期に、年齢的に多くの女性が、出産、育児とキャリアの両立に悩み、仕事を諦めるか、当分子供を諦めるかという二者択一の選択を迫られます。
 私自身の話を少しさせていただきますが、私の場合はどちらも諦めたくなかったものですから、子育てをしながら夢中で仕事をしていました。しかし、やっぱり物すごく大変でした。仕事中、子供が三十七・五度以上の熱を出せば容赦なく保育園からお迎えに来てくださいという電話が掛かってきます。保育園で子供同士、風邪やいろんな病気をうつし合うものですから、お休みしなければいけないことも度々ありました。早退やお休みを重ねて、職場で肩身の狭い思いをしました。子供とも余裕を持って接することができなくなって、ただ機械的に子供の世話をして保育園に送るだけ、夜は添い寝をしながらこちらが先に眠りに落ちて、夜中に起きて仕事をすると、そういう毎日。子供に対して一緒にたくさん遊んであげられないという罪悪感が募っていきました。
 仕事も育児も両方頑張っているのに、まるで自分のエゴのために仕事をしているかのように見られ、男性からも同性からも余り応援してもらえないのがつらかったです。そういう時代でした。こんな綱渡りの毎日で、仕事も家庭も不本意で自分を責めてしまう、そういうことがよくありました。こんなことでは、均等法第一世代は理想のロールモデルからは懸け離れているんだと思います。
 しかし、今も働く女性の状況は本質的に変わっていないと思いますし、そういう話をよく聞きます。男性の意識は多少変わったかもしれませんが、特段あれから支援の手が差し伸べられているとは思えないからです。こんな思いをするなら、今の若い女性たちが総合職を選びたがらなくても当然だと思います。総合職の女性に、自助努力で子供を産んでくれ、管理職にもなってくれと言う国は余りにも冷たいと思います。少子化は止まらないだろうし、優秀な女子大生が総合職という選択をどんどんしなくなります。
 国として何ができますか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 女性の管理職が少ない要因としては、継続勤務年数が短いことや非正規雇用での就業が多いことにより、将来指導的地位に登用される女性の候補者が育成されていないことが挙げられております。その背景としては、仕事と育児等との両立が困難な場合があることや、ロールモデルとなる女性の管理職が少なくキャリアプランが描きにくいことなどが挙げられるわけであります。
 女性参画が遅れている分野においては、まずは採用される女性の割合を高め、経験を積ませ、将来指導的地位に登用される女性の候補者を増やしていくことが必要であります。
 具体的には、女性活躍推進法に基づく企業等の行動計画の策定、公表や実績等の情報開示の促進、行動計画の策定が努力義務となっている中小企業への支援、そしてまた、待機児童の解消を含め安心して継続就業できるような両立支援体制の整備、そして、いわゆるマタハラ防止措置を盛り込んだ改正法案の早期成立など、女性自身が昇進意欲を持って働くことができる環境整備を行っていきます。そしてまた、非正規雇用の女性の正社員への転換の支援や処遇改善などを政府が一丸となって進めていくことで、上位の職位への着実なステップアップを促進していく考えであります。
○安井美沙子君 私はあえて自分自身のストーリーを恥ずかしいけれどもお話ししましたけれど、総理の心には届かなかったのかなと思いました。
 資料を御覧ください。
 これ、大学三、四年生の女子大生を対象にしたアンケートです。結婚や出産を考えるに当たって仕事において不安に思うことは、上から三つ、トップスリーが、仕事との両立のために育児、家事において会社のサポートを得られるかどうか、二番目が産休、育休が取れるかどうか、三番目が出産後、職場に復帰できるかどうか。こんなことを中央大学、明治大学、早稲田大学の優秀な女子大生が悩んでいるわけですね。こんなことを考えながら就職活動しているんですよ。私のところにもよく相談が来ます。泣けてきますよ、こんな話聞いていると。私の時代から何にも変わっていないんだなと思います。
 このアンケートを見て、一億総活躍担当の加藤大臣、どう思われますか。そして、この三〇%の目標、もし堅持されるのであれば、具体的なロードマップをお話しください。
○国務大臣(加藤勝信君) この中央大学等々の女子の学生の皆さん方がまさにこうした不安を持っておられる、そういう中で、これから就職活動もされていかれ、また結婚等を目指していかれていく、その状況というのはやはり共有していかなきゃいけないというふうに思います。
 そういう中で、また同時に、様々な制約がある場合があります、今御指摘がありました。そういった中でも多様な働き方ができる、そういう状況をしっかりとつくっていけるということが非常に大事だと思っております。
 そういう意味では、今議論いろいろありますけれども、保育サービス、待機児童の解消、そしてそのための保育士の方々の処遇改善、こういったことにもしっかり取り組んでいく必要があるというふうに思います。また、同時に、育児休業等の取得がしっかり取れるようにしていく、あるいは、人事、配置、教育訓練、昇進基準及び人事評価制度、そういった中においてもそうした皆さんの声がしっかり反映をしていくようにしていくこと、また、先ほど総理からありましたけれども、ハラスメント、これは断固として根絶をしていく必要があると思います。
 加えて、テレワークとかフレックスタイムの活用等、多様で柔軟な働き方、また、加えて、これは女子学生というよりは、もう既に子育て等で一回離職された方々、そういった方々ももう一度特に正規で働きたいという希望は大変多いわけでありますから、そういった方々の再就職支援、こういったことをしっかりやっていくと同時に、やはり職場の環境、あるいは特に企業等のリーダーシップ、こういった方々がやっぱり率先してそういったものに取り組んでいただけるよう、我々も、女性の活躍を加速化している男性リーダーの会等々、あるいは総理から経団連に向けていろいろお話をさせていただいております。
 そういうまさに環境をしっかりつくっていきたい、そして、男女共同参画計画でいろいろな施策を出させていただいておりますけれども、そうしたものもしっかりフォローアップをして取組の強化を図っていく、そういったことを通じてこうした女子学生の皆さん方の不安の解消にしっかりと取り組んでいきたいと思います。
○安井美沙子君 ありがとうございました。
 今盛んに与党・政府でも取組を始めていただいた保育園の問題もこの女性活躍の問題と表裏一体だと思います。別々の政策としてではなく、保育園に落ちたと言っていらっしゃる方々が、じゃ、どういう仕事の仕方をしているのか、ここもつぶさに想像力を豊かにした上で政策を打っていただきたいと思いますし、私どもも提案してまいります。
 私は、アメリカの大学に留学していたので、アメリカの女子大生がこういった育児と仕事の両立を考えて仕事を選ぶというのを後にも先にも聞いたことがないんですよ。日本の女子大生も先の心配をしないで、とにかく好きな仕事に就いて、結婚や出産、育児の機会が訪れたらそのとき考えれば何とかなると安心していられる、そんな社会にしたいと思います。
 アベノミクスも、今消費税増税云々と言っているぐらいですからトリクルダウンは起きなかったわけですが、女性活躍社員もトリクルダウンは起きないと思います。十分なキャリアを積んでいない女性を無理やり管理職にすることを企業に強いたり、上場企業に女性役員を一人置くように要請して管理職を増やしても、波及効果が末端の女性社員に下りてくるとは思えません。
 総合職に行き着く女性の層を厚くするためには、女性社員を増やす、非正規から正規社員に転換する、一般職から総合職相当のコースに転換する、そしてそのための支援策を国と企業が強力に推進するというボトムアップしかないんでしょうか。総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今の御指摘で基本的な誤認がございますので訂正させていただきたいと思いますが、安倍政権はいわゆるトリクルダウン理論で政策を進めているわけではないわけであります。
 三本の矢の政策を進めていく中において、まさに政労使の対話を呼びかけ、賃金の上昇をこれは我々からお願いをしているわけでございます。同時に、最低賃金は三年間で五十円以上上げてきたわけでございます。つまり、トリクルダウンを前提としておられるので、トリクルダウンではないということをまず申し上げておきたいと思います。その中で、例えばパートの時給も過去最高になってきた。つまり、そこは、まさに底上げをしっかりと行い、そしてそのとおりに進んでいるということでございます。
 ここが重要なところでありますが、言わば、これが私たちが進めている政策のこれは経済政策の効果と相まっているということも申し上げておきたいと、こう思うわけでありますが、有効求人倍率が二十四年間で最高となっていることによって、ここは重要な点でありますが、つまり、優秀な女性の人材を確保する上においては、女性の方々の人材を確保しなければならないという中において、企業も様々な工夫を始め、そして私たちもそれを促しているということでありまして、そういう中において我々は政策を進めていきたいと、こう思っている次第でございます。
 そして、女性の活躍を進めていくためには多様で柔軟な働き方ができるかどうかが鍵であろうと、こう考えております。第一子の出産を機に約六割の女性が離職する現状などを踏まえれば、働きたい女性が、仕事と子育て、介護等々、二者択一を迫られることなく働き続けられる環境を整備することが必要であります。まずは、保育サービスの充実のため、この春に取りまとめるニッポン一億総活躍プランにおいて具体的に実効性のある対策を盛り込んでまいりたいと思います。
 加えまして、育児休業中の……
○委員長(岸宏一君) 答弁をまとめてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 代替要員を確保しやすくするための取組の支援や、男性社員の育児休業を取得するための事業主への助成など、育児休業等の取得促進、そして育児休業等を取得しても長期的に処遇の差を取り戻すことや職務上の経験を積むことが……(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 答弁をまとめてください、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 可能となるような人事制度の奨励、いわゆるマタハラなどあらゆるハラスメントの根絶、先ほど申し上げましたテレワークやフレックスタイムの活用等の対応で柔軟な働き方の実現等を講じていくわけであります。
 具体的に答えろということでございましたから、今お答えをさせていただいたところでございます。
○安井美沙子君 具体的に答えてくださいと言っていませんよ。ボトムアップ政策じゃなきゃ駄目じゃないですかと聞いたんですよ。お考えを聞いたんですよ。
 意欲と能力のある女性を企業が三顧の礼をもって迎えて、キャリアの途上で出産、育児を選択したら、仕事を何としても続けられるように制度を整えるのがこれからの在り方だと思います。こういう支援体制が用意された企業には優秀な女性がこぞって入社を希望し、結果的に企業にとってのメリットは大きいと思います。これこそ女性活躍だと思います。
 民進党は、頑張る女性をとことん応援していきます。そして、具体的なボトムアップ政策を今後も提案していきます。よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で安井美沙子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、小西洋之君の質疑を行います。小西洋之君。
○小西洋之君 民進党の小西洋之でございます。
 あした、二十九日に安保法制がいよいよ施行をされます。昨日結成した私ども民進党の綱領には、「立憲主義を断固として守る。」と、そういうことを掲げさせていただいております。したがって、民進党の使命、目的というのは、違憲立法を強行する安倍政権を打倒することにあります。
 よって、私は、安保法制の憲法違反の核心というべき集団的自衛権行使の解釈改憲の不正のからくりについて追及をさせていただきます。実は、これは昨年の夏の安保国会で最も多く追及された最大の追及の論点であったものでございます。
 安倍内閣は、一昨年の七月一日の閣議決定により、限定的な集団的自衛権なるものを合憲としました。しかし、憲法制定以来六十年以上、全ての内閣が、あらゆる集団的自衛権の行使は違憲であり解釈変更では実現は不可能、憲法九条の条文そのものを変えない限りできないと国会で答弁をしてきました。代表的な答弁では、鈴木善幸総理あるいは角田法制局長官など複数のものがあります。しかし、これを安倍内閣は突如解釈変更によって可能にしました。
 しかし、実は、憲法九条の条文を変えない限りできないと言われていた集団的自衛権が突如可能になった、その安倍内閣の合憲の根拠はたった一つしかありません。(資料提示)今私が手に持っている昭和四十七年政府見解、今から四十四年前に作られた。これ、作った人たちが判こを押しているわけですけれども、田中角栄内閣の内閣法制局長官、一番上の判こですね、吉國さん、左に行っていただいて、次長の真田さん、そして第一部長の憲法解釈担当の角田部長でございます。このお三人が判こを押して、国会、我が参議院に提出したこの昭和四十七年政府見解、これを改めて、四十、今年は四年で去年は三年ですけれども、読んでみると、この中に集団的自衛権が合憲と書いてあったというふうに安倍内閣は言っているわけでございます。この三人が集団的自衛権を含む論理をこの中に書いてあった、つまり元々合憲だった、だから解釈改憲ではないというふうに言っているわけでございます。そして、そのことが七月一日の閣議決定、一昨年の閣議決定にも明記をされています。
 そのことをまず確認させていただきます。これから少し安保国会のおさらいをさせていただきますので。七月一日の閣議決定の集団的自衛権を合憲と言っている根拠の部分でございます。
 まず一番、政府の解釈には論理的整合性と法的安定性が求められる。法的安定性は関係ないというふうにおっしゃった礒崎総理補佐官がいますけれども、もう罷免しないとおかしいわけです。ただ、この質疑は安倍総理の内閣総辞職を求めるので、先に行かせていただきます。したがって、従来の政府見解における憲法九条の解釈の基本的な論理の枠内で論理的な帰結を導く必要がある。
 この一番で言っていることは、正しいことなんです。政府が憲法の解釈を変更したいと思っても、それは歴代政府の解釈のあくまで基本的な論理の枠内、その中でなければ駄目だということでございます。
 じゃ、安倍内閣が主張する基本的な論理は、下の二番に、この青い文字の固まりが全部それです。二番、「この自衛の措置は、あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置として初めて容認されるものであり、そのための必要最小限度の「武力の行使」は許容される。」。
 これは、安倍内閣が限定的なる集団的自衛権を解禁したいわゆる武力行使の新三要件、その基本的な考え方が書かれている箇所でございます。そして、今読み上げたものが、その次ですけれども、これが基本的な論理であり、そして、昭和四十七年十月十四日に参議院決算委員会に対し政府から提出された資料、私が今掲げさせていただいています昭和四十七年政府見解のことです、「集団的自衛権と憲法との関係について」に明確に示されている。つまり、安倍内閣の解釈変更の閣議決定というのは、昭和四十七年政府見解の中に集団的自衛権を包含する論理、基本的な論理なるものが書かれているというふうに言っているわけでございます。
 これを更に分かりやすく言いますと、先ほど御説明しました四十七年見解の中に集団的自衛権を許容する論理が含まれている。じゃ、いつ入ったのか。それは、まさに作ったときからでないと存在し得ないわけでございます。そのことも安倍内閣ははっきり答弁をしています。昨年の安保国会の中の横畠長官の答弁です。
 七月一日の閣議決定の基本的な論理、集団的自衛権を含むものについて、この四名ですね、さっき申し上げた三名の下には早坂さんという方が、課長クラスの方が判こを押しているんですけれども、こうした作った方々の頭の中に集団的自衛権を合憲だとする論理があって、それが四十七年見解の中に書き込まれたかというと、横畠さんは、「そういう考え方を当時の担当者は皆持っていた」というふうに言っているところでございます。
 では、テレビの前の国民の皆さん、この七月一日の閣議決定の基本的な論理、この中に、どこに集団的自衛権が合憲と書いてあるのか、このことを御説明させていただきます。
 (2)の青い固まりところですね。今から申し上げる一行の中に入っています。「外国の武力攻撃によって」、赤い文字です、「外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される」、実はこの言葉の中に集団的自衛権を可能とする論理が入っているふうに安倍内閣は言っているんです。集団的自衛権とどこにも、一言も書いていませんね。皆さん、頭の中がクエスチョンかもしれませんけれども。この「外国の武力攻撃」、赤い文字をじっと御覧いただけますでしょうか。誰に対すると書いていないんですね、誰に。確かに昭和四十七年見解のこれと全く同じ文言が、当時は鉛筆書きですけど、私の今手元のこの中にも全く同じ文言が書いてあります。
 では、この一行をフリップにまとめましたので、これを御覧いただきたいと思います。今読み上げました「外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される」、その一行を真ん中の箱に持ってきました。生命、自由というのは丸めておりますけど、意味は同じです。
 この「外国の武力攻撃」、確かに誰に対するというふうには書いていないんです。しかし、書いていなくても意味は一つしか絶対にあり得ません。我が国、日本国に対する外国の武力攻撃以外あり得ないんです。なぜならば、我が日本国は、我が議院内閣制の下の国会では、憲法ができたときから、憲法九条の下では専守防衛しかできない、日本国に対する外国の武力攻撃が発生したときにそれをはね返す必要最小限度のこの正当防衛、この個別自衛権の行使しかできないと言っていました。ですから、当然、我が国に対する外国の武力攻撃しかあり得ないわけでございます。
 しかし、安倍内閣は恐るべきことに、違うと言い始めたわけでございます。我が国に対するは、当然含まれますよ、ただ、大事な方を、人を忘れていませんか、同盟国のアメリカさんを忘れていないですかと安倍内閣は言い始めたわけでございます。下のオレンジ色の世界です。同盟国に対する外国の武力攻撃によって国民の生命などが根底から覆される、この同盟国に対するという言葉を「外国の武力攻撃」の前にもし付けることができるのであれば、この文章はどういう意味になるのでしょうか。具体的に当てはめましょう。
 同盟国はアメリカ、外国はイランというふうにさせていただきます。同盟国アメリカに対する外国イランの武力攻撃によって国民の生命などが根底から覆されるという文章になります。アメリカに対するイランの武力攻撃という機雷敷設によってタンカーが通りにくくなって、石油が足りなくなって日本国民の生命などが根底から覆される。安倍内閣が集団的自衛権の根拠として、立法事実として出してきて、そして安保国会で完全に論破されたホルムズ海峡が実はでき上がってしまうわけでございます。
 つまり、外国の武力攻撃という言葉に誰に対すると書いていないことに付け込んで、我が国に対するとしか読めないのに、これに同盟国に対すると読み替えた瞬間に、この文章が集団的自衛権を許容する文章になってしまうわけでございます。こんなばかなことがあるのだろうかということで、実はこの読替えのトリックですけれども、次のフリップをお願いいたします。
 一昨年の七月に解釈改憲をやられてから、我が国会、衆議院、参議院を通じて、この読替えのトリックは分かりませんでした。明らかになっていませんで、私も分かりませんでした。それが初めて明らかにすることができたのが、ちょうど今から一年前の三月二十四日の私の質疑でございます。
 小西洋之君ですけれども、同盟国に対する外国の武力攻撃ということもここに概念的に含まれる、そんなばかな話はあり得ないんだけれども、そんなばかなことを考えた法制局長官は横畠長官、あちらにいらっしゃる方なんですけど、あなたが初めての方ということでよろしいんでしょうかと聞きましたところ、横畠長官は、同様に考えていた人がいるかどうかは分かりませんけれども、この昭和四十七年政府見解そのものの組立てから、そのような解釈、理解ができると。つまり、同盟国に対する外国の武力攻撃というふうに安倍内閣は読み替えているわけでございます。
 これと全く同じ答弁を安倍総理も安保国会の中で五月の二十七日、当時の民主党の長妻先生に対して行っている、全ての安倍内閣の閣僚が行っているところでございます。
 つまり、安倍内閣の解釈改憲とは、この昭和四十七年政府見解の中に、作った当時から集団的自衛権が論理として書かれていたかどうか。これは、七月一日の閣議決定に書かれていると書いていますから、もうそれで決する。更にそれを掘り下げると、先ほどの文章、外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される、この外国の武力攻撃という言葉に同盟国に対するという言葉を読み替えることができるかどうか。
 かつ、これを作った方々がそういう頭でいたというふうに答弁していますから、作った方々がわざと誰に対すると書かない外国の武力攻撃を書いて、同盟国に対するという言葉を読み替えることを許容していたかどうか、これを証明する問題に帰結するわけでございます。安倍内閣を倒すためにはこの一点だけをやればいいんです。この昭和四十七年政府見解の中に本当に集団的自衛権が作られたときから合憲と書いてあったのかどうか、これだけを実は証明すればいいわけでございます。
 実は、今からその証明をさせていただきますけれども、真相を知っていただければ中学生や高校生でも簡単に分かる不正、広辞苑や国語辞典によればペテンでありインチキです。なぜならば、これを作った方々が集団的自衛権の行使を全否定しているからでございます。
 実は、この昭和四十七年政府見解を作るきっかけになった答弁がございます。作られたのは昭和四十七年の十月七日でございます。その僅か三週間前に、この作った吉國内閣法制局長官に対して社会党の水口宏三さんという方が集団的自衛権はできるのかという質問を重ねられました。絶対にできませんという答弁を重ねられて、最後に水口さんが政府の見解を出してくださいと言って、出てきたのがこれなんです。この判こをついている次長の真田さん、その九月の十四日の約四か月前の五月の十二日に、やはり同じく水口先生から質問を受けて、集団的自衛権は絶対にできませんという答弁をしているところでございます。
 ここで安倍総理に伺わせていただきます。
 一昨年の七月一日の閣議決定の前に、この起案文書、昭和四十七年政府見解を作成するきっかけになった昭和四十七年九月十四日の吉國法制局長官の議事録、私の手元に今ありますけど、これを安倍総理は御自身で読んだことがありますでしょうか。また、その約四か月前の真田次長の五月十二日の答弁を安倍総理は読んだことがあるでしょうか。余計なことは、吉國長官と真田次長の国会答弁、これを作る三週間前の吉國長官、その四か月前の真田次長の答弁を七月一日の閣議決定以前にあなた自身が、総理自身がお読みになったことがありますでしょうか。イエスかノーかだけで、時間稼ぎはせずにお答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もうこれは一昨年のことでございますが、一昨年、我々は閣議決定を行う……(発言する者あり)いや、済みません、ちょっと、勝手に決めないでください、これはちゃんとしたやり取りをしましょうよ、小西さん。
 一昨年のことでございまして、七月の一日に閣議決定をするに至るまで、その間も安保法制懇で様々な議論を行い、その中において、これまでの政府のそうした様々な答弁書あるいはまた答弁を我々もよく十分に検討させていただいたわけでございまして、そうした中におきまして、そうした重要なもの等についても、これは要約したもの等も含めまして私は理解をしているつもりでございます。
   〔小西洋之君「はっきり自分で読んだかどうか」と述ぶ〕
○委員長(岸宏一君) 小西洋之君、ちょっと、委員長のあれをしてから。
○小西洋之君 はい、済みません。ありがとうございます。
 はっきり御自分でお読みになったかどうかはおっしゃいませんでしたけれども、恐らく読んでいないんでしょう。
 安倍総理が、そして安倍内閣が十分に検討せずに、同盟国に対するという言葉の、たった一言の言葉への読替えで集団的自衛権を捏造した、その捏造されてしまった四十七年政府見解を作るきっかけになった国会答弁をお示しします。
 作られたのが十月の七日、その僅か三週間前にこれを作った吉國長官の答弁です。憲法第九条の戦争放棄の規定によって、他国の防衛をやるということは、どうしても憲法九条をいかに読んでも読み切れない、他国の防衛というのは集団的自衛権の行使でございます。水口社会党議員が集団的自衛権はできるのかとさんざんにお聞きになったあの答弁でございます。憲法九条をいかに読んでも読み切れないんですから、憲法の条文を変える以外あり得ないわけですよ。憲法ができてから、日本の国会が日本国憲法の下で国民のために奉仕をし始めてから変わらぬ、一ミリたりとも変わらない解釈をただおっしゃっているだけでございます。
 しかも、この内容をより具体的に、安倍政権の解釈改憲を一撃の下に論破する内容をおっしゃっております。我が国が侵略をされて、同盟国に対するではなくて我が国、日本国に対する外国の武力攻撃が発生して、我が国民の生命、自由及び幸福追求の権利が侵される、さっきの言葉ですね、これ憲法十三条の言葉なんですけれども、我が国が侵略をされて、我が国民の生命などの権利が侵される、つまり根底から覆されるというときに、この自国、日本を防衛するために必要な措置をとるというのは、憲法九条で辛うじて認められている自衛のための行動。
 つまり、日本国に対する外国の武力攻撃が発生して、武力攻撃が発生すれば日本国民の生命が根底から覆ります、それを、日本国民が死んでしまう前に相手が、武力攻撃の着手と言うんですけれども、その前に自衛隊がはね返す、この正当防衛だけは辛うじて認められる。よって、日本の同盟国に対して武力攻撃をしているある外国に対して日本の自衛隊が武力行使をする、この集団的自衛権は絶対認められないんですよ。これだけの問題でございます。
 じゃ、次は真田次長でございます。同じく昭和四十七年政府見解を作られた、後に真田次長は法制局長官になられた方です。作られてから僅か四か月前ですね、同じ水口議員に対する答弁です。連帯的関係にあったからといって、つまり同盟関係ですね、我が国自身が侵害を受けたのではないにもかかわらず、我が国が武力をもってこれに参加するということは、これはよもや憲法九条が許しているとは思えない、我が国自身が侵害を受けたのではないにもかかわらずということは、我が国に対する外国の武力攻撃は発生していないということですね。あくまで同盟国に対する外国の武力攻撃、連帯的関係にしか発生していない。なので、そういう状況の下では、我が国は武力をもって、つまり集団的自衛権をもってこれへ参加するということはよもや憲法九条が許しているとは思えないというふうに答弁をされているところでございます。
 安倍総理に伺います。
 昭和四十七年を作成したその当時の内閣法制局長官そして次長、それが作るきっかけになった国会答弁、そして同じ質疑者から受けた答弁で、集団的自衛権の行使はできない、なぜならば、日本国は憲法九条の下で、我が国に対する武力攻撃が発生したときにそれを正当防衛ではね返す、この個別的自衛権しかできないという論理で、集団的自衛権は絶対にできないということをこれ以上精緻に言いようがないほどおっしゃっております。
 憲法九条から集団的自衛権は読んでも読み切れない、よもや集団的自衛権を九条が許しているとは思えないと答弁をされている方々が作ったこれになぜ集団的自衛権が論理として存在するんでしょうか。説明していただけますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府がもうこれは再三答弁をさせていただいていることでございますが、昭和四十七年見解の基本的な論理でありますが、これを分かりやすく説明をさせていただければ、分かりやすく言えば、憲法第九条の下でも、外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態に対処する場合には例外的に自衛のための武力の行使が許される、これがまさに基本論理であります。
 それは、今申し上げましたように、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態に対処する場合には例外的に自衛のための行使が許されるということでありまして、平和安全法制においては、我が国を取り巻く安全保障環境の変化を踏まえれば、この基本的な論理を維持して、この考え方を前提として、これに当てはまる場合として、我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限られるとしてきたこれまでの認識を、ここを改めるわけでありますが──小西さん、よろしいですか。改め、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合もこれに当てはまるとしたものであります。
 つまり、これは、例えば四十七年見解当時は、北朝鮮には言わば日本を狙うミサイルもなかったわけでありますし、同時に、そのミサイルを落とすミサイル防衛というものもなかったわけでありまして、つまり、ここで、これ大切なことなんですからちゃんと議論をしなければいけないわけでありますが、ここで、まさに我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福の追求の権利がまさに脅かされようとしているわけでありますが、これを守るために共同してその防衛に当たっている米国の艦船に対する攻撃から米国の艦船を防備するということは、まさにこれは国民の生命、自由及び幸福追求の権利を守るための行為であるわけでありまして、ここに、まさにこの基本的な論理を守りつつ当てはめができるというふうに考えたわけでありまして、まさにこれは論理的な帰結であろうと、このように思う次第でございます。
○小西洋之君 全く関係のない答弁をずらずらとされましたけれども、私が御説明しているこの昭和四十七年見解の読替えのからくりというのは、もう中高生でも分かることです。後から御説明いたしますけれども、あらゆる法律の専門家が認めていることです。
 じゃ、十番を御覧いただけますか。
 もう一撃で、もっと強烈な答弁をお示ししましょう。この昭和四十七年政府見解をお作りになった角田、当時の第一部長、後に法制局長官になられ、後に最高裁の判事も務められました。この方の答弁です。集団的自衛権につきましては、全然行使できないわけでございますから、ゼロでございます、集団的自衛権は一切行使できない、日本の集団的自衛権の行使は絶対にできないというふうに言っているわけでございます。驚くことでも何でもありません。これは歴代政府の憲法解釈です、ずっと六十年以上一貫していた。これを安倍政権はできるというふうに変えたわけでございます。
 じゃ、先ほどの外国の武力攻撃ということに、同盟国に対するという読替えはこの角田長官の答弁からもできないことは明らかなんですけれども、横畠長官がいらっしゃいますので、この問題だけ、質問だけ答えてください。パネルの資料十というのがありますね。この括弧の中の言葉を読み上げていただけますか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) この週刊誌の記事のことでございますか。
○小西洋之君 はい。読み上げて。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) この週刊誌の記事のことですね。
○小西洋之君 はい、そうです。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) その週刊誌の記事を私がここで読み上げる意味がどこにあるのか、ちょっと分かりかねるのでございますけれども。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。
 小西君に申し上げます。今、委員長も読めというふうには聞こえなかったので、御意見をと言ったかと思ったんだ。
○小西洋之君 じゃ、改めて。
○委員長(岸宏一君) じゃ、小西洋之君。
○小西洋之君 今、横畠長官のことが書かれていましたのでお読みいただこうと思ったんですけれども、私もこういう人が嫌がることをする人間ではないんですけれども、横畠長官は、さっき申し上げましたように、明らかに論理的におかしいことを絶対にこの国会の答弁ではきちんと答弁しないんですね。国会の廊下の外に出ると小西先生のおっしゃるとおりと言うんですけれども、答弁席で絶対言わないので、読み上げていただこうと思いましたが、私が読みます。
 これは、この昭和四十七年政府見解をお作りになった角田第一部長が、実はこの角田第一部長、昨年の安保国会のときに私の質問がきっかけのこの週刊朝日のインタビューを受けられまして、この中に本当に集団的自衛権があるのか、つまり、外国の武力攻撃というのは我が国に対するではなくて同盟国に対するにも読めるのかどうかを御質問されているんですね。この四十七年見解そのものを御覧になっています。
 読み上げさせていただきますけれども、「横畠君がそう言っているの。そういう分析をした記憶はないし、そういう理解はなかったと思いますね。ここに書かれている「外国の武力攻撃」は、日本そのものへの攻撃のことです。日本が侵略されていないときにどうなる、なんて議論は当時なかった。これを根拠に解釈改憲なんて夢にも思っていなかった。いやあ、よく掘り出したものだね」というふうにおっしゃっております。
 安倍総理に伺います。
 この昭和四十七年政府見解を作った当の御本人が、外国の武力攻撃というのは我が国に対する以外にあり得ないというふうにおっしゃっているんですけれども、なぜそれを同盟国に対すると読み替えて、集団的自衛権の論理を捏造することができるんでしょうか。論理的にお答えください、簡潔に。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 委員も少し言葉遣いを冷静に使われたらどうかと、このように思います。
 そこで、そこで、今、この週刊朝日の記事をよく読ませていただきますと、「日本が侵略されていないときにどうなる、なんて議論は当時なかった。」、当時、そういう議論は、だからしていないわけであります。そういう言わば安全保障環境について、当時とはまさに環境が変わったわけでありまして、現在と当時は違うわけでありまして、政治家にとって大切なことは、国民の命を守り抜くために必要な自衛の措置とは何か、まさにこれは砂川判決で言われているところでありますが、必要な自衛のための措置とは何かということを考え抜いていく責任があるわけでありまして、我々はそれを考え抜いていく責任から逃れてはならないわけであります。
 まさに、そこでですね、そこで我々は考え抜いた結果、新三要件の下で我々は限定的に集団的自衛権の行使を容認したところでありますが、まさにこれは考え抜いた末、だから当時は議論をしていないのは当然であります。当時は、北朝鮮には日本を射程に入れるミサイルもありませんしミサイル防衛の技術もありません。言わば、日本を守るためにミサイル防衛の技術を使って日米が協力して撃ち落とすということができなかったわけであります。
 そこで、国民の生命、自由及び幸福追求の権利を根底から覆されるおそれがそこでは生じるという、今、新しいこれは安全保障環境が生まれているわけでありますから、そこで、私たちは国民の命を守り抜くというこの責任の中において必要な自衛のための措置は何か考え抜いた結果、我々は、まさに当てはめを変えたわけでございます。
○小西洋之君 今、安倍総理は、角田当時第一部長がこの昭和四十七年政府見解を作られたときに今のミサイル防衛のような議論がなかったからというふうに言っているんですけれども、そういう話じゃないんですね。戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認、軍事に関することを徹底的に定めた、また憲法前文の平和主義の法理の下にある憲法九条で集団的自衛権の行使が可能かどうかというその論理を当時の法制局長官たちは議論をしているんです。
 後で私のホームページで公表させていただきますけれども、今総理のお手元にも配っているこの週刊誌のさらに別のところ、角田長官のコメントです。「集団的自衛権をいささかでも認めるなどという考え方は、当時は全然なかった。与党、野党、内閣法制局を含めてね」、「集団的自衛権が何らかの形で認められるなんてどう考えてもなかったし、そういう主張をした人もいなかった」、そういう議論の中で作られたものがこれであるわけでございます。
 結局、安倍総理がおっしゃっていることは、安倍内閣がおっしゃっていることは、論理的には絶対に認められようもないもの、日本語が日本語である限り、世の中に理屈や論理がある限り絶対に認められようがない同盟国に対する武力攻撃という言葉の読替えを強行して、この昭和四十七年政府見解の中に集団的自衛権を捏造しているわけです。
 これは法論理ではなくて政治です。政治よりも更にひどい、これはクーデターです。そのことをちゃんと、実は作るきっかけになった吉國長官がおっしゃっています。我が国に対する侵略が発生して初めて自衛のための措置をとり得るのだということからいたしまして、集団的自衛のための行動は取れない。これは、私ども政治論、さっき安倍総理が言ったような政策論のような話です、として申し上げているわけではなくて、憲法第九条の法律的な憲法的な解釈、すなわち、あらゆる行政権の行使は立憲主義の下、また法の支配の下、憲法の論理に服さないといけないんです。その論理を述べているだけなんです。
 では、ちょっと時間が押してまいりましたので、もう一つ。
 実は、私が先ほどから御質問させていただいているこの内容は、さっき冒頭申し上げました安保国会で最大の追及の争点です。安倍内閣の安保の法律が合憲なのか違憲なのか。この四十七年見解の中に集団的自衛権が書いてあるのかどうか、それだけを、事実を、真相を、真実を証明すればいいだけです。今証明させていただいたように、ないんです。じゃ、何でこんな簡単なことを国民の皆さんに伝わっていないかというと、残念ながら、まだ新聞が大きく報道するところまで行っていないんですね。最後の安保国会で新聞の皆さんに報道いただけるかなというところで強行採決が行われてしまいました。
 この安保国会の中での議論を御紹介をさせていただきます。
 今申し上げさせていただいた内容は、私だけが言っているわけではございません。元最高裁の裁判官、元内閣法制局の長官、そうした方々がおっしゃっております。
 九月の十五日、参議院の安保国会、濱田最高裁判事です。四十七年の政府見解の作成経過及びその当時の国会での答弁などを考えますと、政府としては、明らかに外国による武力攻撃というものの対象は我が国であると、これは日本語の読み方として、普通の知的レベルの人ならば問題なく、それを強引に外国の武力攻撃というのが日本のものに限られないんだというふうに読替えをするというのは法匪、法の匪賊だというふうにおっしゃっている、あしき例であると。こうした集団的自衛権が存在するということが言えるんですかというと、裁判所に行って通るかというと、それは通らない、将来の最高裁では通らないというふうにおっしゃっています。
 下の宮崎元内閣法制局長官、黒を白と言いくるめる類いの話であるというふうにおっしゃっているところであります。
 安倍総理に伺います。
 あなたは何かにつけてレッテルを貼る、あるいは御自分の主張を強く主張されていますけれども、安倍総理が行っていることは真っ黒のものを白だと言っていることじゃないんでしょうか。この昭和四十七年政府見解の中に集団的自衛権があるというレッテルを貼っているのではないんでしょうか。まさにそれは、自分の欲する解釈を得るために法文そのものの意図するところとは懸け離れた主張をする、法の匪賊、法匪と言ってもしようがない暴挙ではないんでしょうか。簡潔に答弁をいただきたいと思います。
○委員長(岸宏一君) 時間がありませんので、簡潔に。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) はい。
 それは違いますし、また、先ほどクーデターという言葉を使われたわけでありますが、まさにクーデターというのは軍隊を動かして民主的に選ばれた政府を転覆するものでありまして、我々の政権は、まさに二〇一二年の総選挙において勝利を得て、そして政権を担っているわけでございます。そして、その後も、一三年の参議院選挙そして一四年の総選挙においても圧倒的な議席をいただいているわけでございまして、まさに国民の選挙を通した意思の結果が安倍政権であるわけでありますから、その政権の閣議決定をクーデターと呼ぶということ自体がまず基本的に間違っているんだろうと、このように思います。
 そして、その御質問につきましては、それはまさに見解が全く違うということでありますが、いずれにせよ、我々は、国民の生命を守るために、大きく安全保障環境が変わる中において、基本的論理を守りつつ、そして当てはめを変えたということでございます。
○委員長(岸宏一君) 以上で小西洋之君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、河野義博君の質疑を行います。河野義博君。
○河野義博君 公明党の河野義博でございます。
 まずは、待機児童解消に向けた取組に関して伺います。
 政府は、平成二十五年より、待機児童解消加速化プランを実行して保育の受皿を拡大し、目標を上回る実績を上げてきましたが、依然として待機児童は二万人を超えると言われておりまして、行政としては待ったなしの対応を迫られています。
 公明党としては、これまで自治体による保育所増設を支援する安心こども基金の創設を始め、長年にわたり様々な取組を行ってまいりましたが、この度、待機児童対策推進プロジェクトチームを立ち上げ、地方議員と連携しながら緊急提言を取りまとめました。先週金曜日に安倍総理に申入れを行いました。
 提言では、保育の受皿拡大と保育人材の確保を二本柱として、待機児童の八割を占めるゼロから二歳児までの受入れを拡大していくこと、そしていわゆる新三歳児の壁を解消していくこと、そして保育士の賃金水準をまずは四%引き上げること、そして保育士の労働環境を改善することを盛り込んでおります。また、企業に対しても育児休業を取得しやすくするために様々な環境整備を求めておりますが、この緊急提言を総理はどのように受け止められたのか、また政府として今後どのような対策を取る予定であるか、所見をお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 待機児童への対策が喫緊の課題となっている中において、現状をしっかりとまず分析をしていただきまして、そしてその課題は何か、そしてそれに対する対策は何か、そして今すぐできるものは何かということについて取りまとめていただいたことに対しまして感謝申し上げたいと思います。
 保育園への入園が決まるまでの間、民間の保育施設などで行っている一時的な預かり事業を活用し、必要な期間継続的に預けることができるようにすることや、また、利用可能なサービスを親身になって探してくれるコンシェルジュ、適当な日本語がなかったものでありますからこういうことになっているわけでありますが、ホテルなどでお客さんの相談に乗って、そして様々な要望に対応していく人たちのことをこう呼ぶわけでありますが、そうしたものを市区町村に設けること、いずれも、現に保育園等への入園を待っている方々に効果が期待できる貴重な御提言と受け止めているわけでございます。
 御提言の内容については、実現可能なものから順次速やかに具体化を図り、強い実行力を持って実施していく考えであります。この春に取りまとめるニッポン一億総活躍プランにおいては、具体的で実効性のある処遇改善を含む待遇の改善策を示し、不足している保育人材を確保していく考えであります。
○河野義博君 しっかり十分な財源を投入して計画的に施設と保育士を増やしていく、これが基本でございますし、しっかりとやっていただきたい。総理に御答弁いただきましたとおり、今やれることも全てやっていくという御決意も頂戴しました。
 一方で、目下、喫緊に差し迫った課題としては、四月に保育園に入れられないから仕事辞めなきゃいけません、こういった事態は絶対に避けなければならない。こういう喫緊の課題が必要となるケースでは事業主側に育休延長を求めていく、こういった取組を総理からも是非事業者に対して協力を呼びかけていただきたいと考えますけれども、総理のお考え、聞かせてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに、もう今週四月を迎えるわけでありまして、まさに喫緊の課題だろうと、このように思います。
 待機児童の解消に向けては、必要な保育人材を確保しつつ、特に待機児童の多い二歳児までの保育に焦点を置きながら、速やかに受皿を拡大したいと思います。
 育児休業の取得促進についての御提言をいただきました。政府として子育てと仕事の両立を支援するため、育児休業を取得しやすい職場環境を整備する企業に対する助成金を拡充するなど取組を強化し、そして環境づくりに取り組んでいきたいと思いますし、また企業側にも努力を促していきたいと、このように考えております。
○河野義博君 総理始め政府一体となったリーダーシップを期待しておりますので、是非ともよろしくお願いいたします。
 次に、難病対策に対して伺います。
 パネルの一枚目を御覧ください。(資料提示)
 平成二十六年に成立したいわゆる難病関連二法によりまして、これまで法的根拠を持たなかった難病患者への医療費助成が法定化され、対象疾病は、大人の難病が五十六から三百六に、小児慢性特定疾病、いわゆる子供の難病に関しては五百十四から七百四へといずれも大きく拡大をされました。次なる関心は対象疾病数を更に増やしていくということになりますが、この度、難病指定検討委員会が一年ぶりに開催されました。
 そこで、塩崎大臣に伺います。
 指定難病の次の認定に向けたスケジュール、これはどうなっていますでしょうか。そして、子供の難病に関しても指定の拡大要望がなされておりますが、その検討状況も含めて、併せてお示しください。
○国務大臣(塩崎恭久君) この難病及び小児慢性特定疾病でございますけれども、これに係る医療費助成については、今、パネルも御用意をいただいてお話をいただいたとおり、昨年の七月までに難病について三百六疾病を指定して、小児慢性特定疾病については昨年一月までに七百四疾病を定めたわけでありまして、対象疾病の選定に当たっては、当然のことながら医学などの専門家の意見を聞いて決定をしてきておるわけでありますけれども、小児科学会などから疾病の拡充に向けた御要望があったわけでございまして、これを受けて、三月の二十五日に約二百以上の疾病を対象に指定難病検討委員会を再開をいたしたところでございます。また、小児慢性特定疾病についても、約二十の疾病について検討対象となる見込みでございまして、今後、児童部会の専門委員会で検討をしていただく予定になっております。
 難病及び小児慢性特定疾病については、平成二十八年度中には検討結果をお示しできるように検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○河野義博君 二十八年度中をめどに検討を行うということでございました。
 昨年の予算委員会でも難病問題取り上げをさせていただきまして、難病患者の就労支援ですとか支える家族のサポートをお願いいたしました。これからも是非、患者と家族に寄り添って、しっかりとしたお取組をお願いしたいというふうに思っております。
 続きまして、無保証融資の導入促進に関して伺います。
 一度失敗してもやり直しができる社会の実現に向けて、経営者が個人保証を提供せずに借入れを行う取組が政府の後押しを受けて進められています。海外でも会社の借入れに対して経営者が個人保証を差し出すことは一般的である、こういうことを考えれば、この我が政府の取組は世界最先端の大変重要なものということが言えると思います。その姿勢を高く評価するわけでありますが、経営者保証に関するガイドライン、二年前に導入されましたが、件数ベースで見ると、新規融資全体に占める無保証融資の割合は、政府系金融機関でも二二%、民間金融機関でいえば僅か一一%にとどまっているというのが現状です。
 こういったように活用がなかなか伸び悩んでいる理由、これはどういうふうにあると考えておられるか、麻生大臣の御所見をお聞かせください。
○国務大臣(麻生太郎君) 御存じのように、日本の場合は、長い間土地神話というものがあったせいだと思いますが、特に戦後の場合は、ずっと土地という担保があれば、少々事業内容等々に問題があるのではないかと言われながら、その土地を担保に金を貸すというルールというか暗黙のしきたり、習慣等々がかなり長く行き渡っていたんだと思っております。土地神話が潰れたのは一九九二年か、あのぐらいからだと思いますが、ずっと落ちていくということになって、デフレもこの頃からだと思いますが。
 いわゆる金融機関として、担保というものは個人保証とか個人資産とか土地とかいうものに過度に依存しているという融資姿勢というのを改めて、少なくとも取引先企業の業務内容とか事業内容とか経営者の能力とか事業の可能性とかいうようなものを評価して融資や本業の支援を行うのが極めて重要なんではないかと、やっと当たり前の話になってきたのがこのところなんだと思っております。
 こうした観点から、経営者が保証をするに当たってのガイドラインというものを融資の慣行として浸透させようじゃないかということで金融機関をずっと促してきたんですが、無保証担保というのが間違いなく徐々に広がってきているとは思いますが、実態は今言われたとおりなんで、おかげさまで、民間金融機関において、平成二十七年の四月から九月までの半年間で約二十二万件近く行っておりますので、数としてはまだまだとは思いますけれども、そういった傾向になりつつあるとは思っております。
 また、御指摘の新規融資全体に占める無保証融資の割合につきましても、金融機関につきましては、これは今般初めて集計したものですから推移というものを検証できるわけではありません。しかし、政府系金融機関について見ると、時期が進みますとかなり上がってきておりまして、二二%まで、その前は一九%ですから確実に上がってきているんだと思っております。
 いずれにいたしましても、企業のヒアリングをやらせていただいた結果、融資先企業においてこのガイドラインを余り知らぬと、こういうのを御存じないんですかと言うと知らぬと言われる方がかなりの数に上っておりますので、そういった意味では、今後とも、営業の現場からいわゆる第一線に至るまで、この種の制度があるということをもう少し周知徹底させていく必要があろうかと思っております。
○河野義博君 政府系金融機関は、ガイドラインが出る前と後では明らかに無保証の貸出しが伸びているというのが分かります。課題は、民間の金融機関だと思っております。
 パネルの二枚目を御覧ください。
 金融庁の融資先企業に対するヒアリングの報告では、ガイドラインについて、約半数の企業が説明がなかった又は知らなかったと回答しています。また、個別意見の中には、自ら新聞報道で情報を入手し、メーンバンクに話を持ちかけてみたが、もう少し待ってくれと言われたままで保証はいまだ外してもらっていない、こういった厳しい声も上がっています。
 安倍総理は、昨年の施政方針演説において、一度失敗すると全てを失う個人保証の偏重を断ち切ります、全国の金融機関、中小・小規模事業者の皆さんへの徹底を図りますと述べられておりますが、個人保証に依存しない企業融資の普及促進に向けた総理の決意を改めてお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 個人保証によって、これは一度失敗したら全て失ってしまう、こういうことになってしまっているわけであります。例えば、ウォルト・ディズニーは四回会社を潰しているんですが、五回目に成功した。日本だったら、それは個人保証を求められるから一回でおしまいだったんだろうと思います。しっかりと、本人のためでもあるし、まさにそれを経験した人材を生かしていくことは社会のためにもなっていくと、このように思います。
 そこで、経営者保証ガイドラインを融資慣行として定着をさせ、金融機関が取引先企業の事業内容や成長可能性等を適切に評価し、融資や本業支援等を行うことを促してきたところでありますが、これまで、ガイドラインによって個人保証なしでの融資は着実に広がってきたところでありまして、日本政策金融公庫と商工中金においては平成二十八年一月までの二年間で約十万件、民間金融機関においても平成二十七年四月から九月までの半年間で二十二万件近く個人保証なしの融資が実行されておりますが、こうした取組を更に広げていくため、金融機関に対してガイドラインの事業者への周知や更なる活用を強く促していく考えであります。
 あわせて、改めて中小企業団体に協力を求めるとともに、経験豊富な専門家が中小企業の経営相談に応じるよろず支援拠点等を通じてこのガイドラインを中小企業の方々にしっかりと周知していきたいと、このように思います。
○河野義博君 政府系十万件、民間金融機関の実績二十二万件ということですが、実際に私も金融機関や事業主に聞いてみたんですけれども、ガイドラインが出た後に無保証貸出しが増えたかというと、そういう状況ではないんだろうというふうにまだまだ感じています。
 今回、民間に関しては初めてデータを取ったということですから、これは引き続き状況を注視していただきたいと思いますし、取組を強く促して、そして、企業側にも周知、普及、それを是非ともお願いしたいというふうに思っております。
 次に、フードバンクに関して伺います。パネルの三枚目を御覧ください。
 我が国では、年間六百四十二万トンものまだ食べられる食品が廃棄されています。賞味期限内の食品にもかかわらず印字ミスや規格外で販売できない食品の寄附を受け、生活困窮者や福祉施設などに無償で提供するフードバンクという活動が各地で広がりを見せています。受領者にとっては消費の節約にもつながり、提供者にとっては廃棄コストの削減が可能となり、さらに行政にとっては環境負荷の低減になるという、まさにいいところばかりの活動なわけですが、まだその取組は日本では広がりを見せておりません。
 政府としてフードバンクの意義をどういうふうに認識しておられるのか、安倍総理の見解を伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) フードバンク活動は、食品企業や農家などから包装の印字ミス等により販売が困難になった加工食品や規格外の農産物などの寄附、規格外といっても、これは例えばナスがちょっと大きくてこれは量販店に売れない、そういう意味での規格外でありますから、中身は全然問題ないということだろうと思います。そうした農産物などの寄附を受けて、福祉施設等に無償で提供する取組であります。
 食品の提供活動を通じて、本来の目的である食品ロスの削減や貧困対策のほか、一人親世帯への支援や地域の高齢者の見守りといった地域のつながり強化にも資するなど、大変意義のある取組、いいこと尽くしというふうにおっしゃったんだけれども、私もそのように思います。
 この活動は、元々米国で始まり、既に四十年の歴史があると承知をしておりますが、我が国ではようやく広がり始めたところであります。本格的な展開を図るためには、まずは認知度の向上が必要であると思います。また、NPO法人や社会福祉法人が取り組む例が多いと承知をしておりますが、食品企業等から安定的に食品の寄附を受けるためには、食品の管理方法について信頼を得ることが課題であります。
 このため、政府としては、フードバンク活動の意義や活動団体の概要、フードバンクの立ち上げに当たって留意すべきポイント等に関する情報提供、そして、食品の保管、衛生管理等に関する研修会の開催や倉庫の賃貸料に対する助成といった取組を行っているところであり、引き続き、活動の展開状況に応じた支援に努めてまいりたいと思います。
○河野義博君 認知度向上を始めとした様々な支援、お言葉をいただきました。
 食品ロス六百四十万トンに対して、フードバンクで年間活用されているのは僅か四千五百トン、〇・〇七%でありまして、しっかりと行政サイドの後押しも今後必要だというふうに考えております。
 先日、地元のNPO法人フードバンク北九州ライフアゲインというところに行ってまいりまして、代表の原田さんのお話を伺ってきました。企業からは保存可能な米やレトルト食品、調味料など、こういったものは比較的集まりやすいんだそうです。一方で、ニーズが高い肉や野菜、果物、こういった生鮮食料品はなかなか集まらない。なぜかというと、事業者が万が一の食品事故に備えてなかなか寄附をしてくれないそうです。先日、立派なステーキがラベルミスで出てきたそうですが、人には絶対与えないでくれということで、残念ながら動物園に持っていったそうです。
 海外では、事業者の万が一の食品事故に備えて、食品事故があっても寄附を促されるような制度が広く採用されておりまして、アメリカでは、善意で提供された食品が原因で事故が発生した場合には提供者が免責される食料寄附法、韓国では、損害を補填する保険制度が導入されています。また、フランスでは、昨年末、大型スーパーマーケットに対して賞味期限内の食品の廃棄を禁止をしてフードバンクへの提供を法律で義務付ける、こういった各国ではフードバンクへの支援方針は明確です。
 我が国でもフードバンクを支援する何らかの措置は考えられないでしょうか。森山農水大臣の所見を伺います。
○国務大臣(森山裕君) 河野委員にお答えをいたします。
 お話しのとおり、食品由来の廃棄物というのは大体二千八百一万トンぐらいあるのではないかと言われております。また、そのうち可食部分と考えられる量が、いわゆる食品ロスの分が六百四十二万トンでございまして、今、これを生鮮食品に限らず取り扱っておりますのが四千五百トンぐらいでございますから、先生御指摘のとおり、〇・〇七%ぐらいしか利用していないということでございます。
 おっしゃいますとおり、食品の適切な管理方法の導入というのが余り進んでいないというところにも問題があるように思います。また、食品ロスを提供する食品関連業者から食品管理に関しまして信頼を得られていないということも一つの要因ではないかなというふうに考えております。
 生鮮食料品につきましては、品質が劣化しやすいという特徴があり、食品の中でも管理が困難なものであることから、NPO法人等の実情に鑑みて取り扱っていないというところもあると承知をいたしております。
 農林水産省といたしましては、こうした状況に対処するために、食品の保管、衛生管理等に関する研修会の開催や倉庫の賃借料に対する助成などの支援を行っているところでございますが、外国の法律等の研究もさせていただきまして、関係省庁とよく協議をさせていただいて、食品ロスをできるだけ少なくしていく努力を続けてまいりたいと考えております。
○河野義博君 フードバンクに関しては、消費者庁、農水省、経産省、環境省、様々な省庁を横断する課題でございますので、是非とも善意の食品提供者を保護するような措置を制度として設けていただくよう引き続き検討をお願いしまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で河野義博君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、辰巳孝太郎君の質疑を行います。辰巳孝太郎君。
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
 日本共産党は、法令違反を繰り返すいわゆるブラック企業によって若者が苦しめられていることを国会で何度も告発をし、二〇一三年にはブラック企業規制法案も提出をいたしました。一億総活躍社会といいますけれども、若者が使い捨てられる社会に未来はありません。今日は、このブラックバイトについてお聞きをいたします。
 まず、パネルを御覧いただきたい。(資料提示)
 大学生等が今アルバイトをする理由がこの二十年で変わってきております。日本大学学生生活実態調査によりますと、九四年には、アルバイトをしている学生のうち五二・七%が旅行、交際、レジャーのためにアルバイトを行っていると。しかし、この二十年でそれが半減いたしまして、代わって伸びてきたのが生活費、食費のためにアルバイトをしている、これが倍になっているということであります。学生がアルバイトで学生生活を維持する、そういう姿を示しております。そんな学生がアルバイトをする職場で法令違反を繰り返す、このブラックバイトが社会問題になっております。
 まず、厚労省にお聞きをいたしますけれども、大臣にお聞きしますが、厚労省の意識調査でもこの労働条件のトラブル、顕著だと思いますけれども、どういう調査結果になっていますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 厚生労働省におきましては、的確な対策をこのブラックバイトに関して、学生のバイトの適正な労働条件を確保するために、立案するために、昨年夏に初めて大学生などを対象とした実態調査を行いました。
 この調査結果によりますと、学生が経験をしたアルバイトのうち約半数で何らかのトラブルがあって、準備や片付けの時間に賃金が支払われなかったなどの労働基準法をめぐるトラブルのほかに、アルバイトにより試験や授業などの学業への影響も生じたとの回答が見受けられたわけでありまして、厚労省としては、この労働基準関係法令違反に対しては厳しく是正を指導するとともに、文科省との連携の下で、まず、経済団体や学生アルバイトが多いコンビニエンスストアなどの業界団体に対して、法令の遵守やシフトを設定する際の配慮、それから労働契約を結んだ際に使用者が労働者に必ず交付しなければならない労働条件通知書、これについて、その様式を掲載をしたリーフレットを作成をいたしまして、大学等に対して学生への配布、説明を要請をしました。
 さらには、多くの新入学生がアルバイトを始める四月から夏休み前の七月までの間に、アルバイトを始める前に労働条件の確認を促すよう集中的に働きかけるキャンペーンを実施をして、大学等への出張相談などに取り組む方針でございます。
 今後とも、学生アルバイトの方々の労働条件の確保については、今の実態調査に基づいてまた更に努めてまいりたいと考えております。
○辰巳孝太郎君 約半数がトラブルを抱えていたという調査結果でございました。
 今厚労大臣も少し紹介いただきましたけれども、ブラックバイトの典型例を少し出させていただきました。無理なシフトを組まされ、テスト期間中も休めない。辞めたいと言えば、代わりを見付けてこい、空いた分の損害賠償を請求するぞと脅されたり、また、コンビニなどでバレンタイン、恵方巻き、お中元、お歳暮、クリスマスケーキなど催事のときに過大なノルマを課して、達成できなかったら自腹で買い取らせる。また、お店のお皿を割ってしまったなど、故意ではないのに損害賠償を迫られる等々であります。
 大臣、確認しますけれども、これらは法令に違反しているということでよろしいですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今の御指摘をいただいた諸点は、いずれも厚生労働省が今年の二月に作成をいたしました、またその周知をしております学生アルバイトのトラブルQアンドAというリーフレットに事例として取り上げているわけでございます。
 まず、先ほどありました、会社が一方的にシフトを変更してくるという話がありましたが、シフトを変更するには事前に会社側と働く方との間での合意が必要でございまして、働く方との合意なしにシフトを変更することはできません。それから、あらかじめ契約期間が定められていない場合に、働く方は退職を申し入れて二週間たてば退職をできるわけであります。したがって、代わりの方を見付けるまで勤務を続けなければならないといった義務はないということであります。さらに、働く方に売れ残りを買い取る義務はございませんで、基本的に、その代金を賃金から自動的に天引きするようなこともできないということでございます。また、お店のものや商品を壊したり、あるいは故意でなくとも責任の度合いに応じて賠償しなければならないことも、それは中にはございますけれども、少なくとも本来の値段以上を罰金として支払うような必要はございません。
○辰巳孝太郎君 それを強要してしまうと法律違反になってしまうということですよね。今大臣の答弁を聞いて、そうだったのか、私はそういうふうにやらされていたと、それが法律違反だと初めて知ったという高校生、大学生がたくさんいると思います。
 今日は、先ほど大臣も少し触れていただきましたけれども、アルバイト労働者に正しい賃金が支払われていない問題を取り上げたいと思っております。
 労働基準法第二十四条は、「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」としております。また第三十七条では、時間外、休日及び深夜における割増し賃金について規定をしております。
 大臣、確認しますが、労働者が正確な賃金を受け取るためには使用者が労働者の勤務時間を正確に把握する責務があると思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘のように、労働時間を正確に把握するということは使用者の責務でございます。
 このため、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準というのを定めて、その基準に基づいて使用者が自ら現認すること、それからタイムカード等の客観的な記録を基礎とすることなどによって始業・終業時刻を確認をし、記録するように指導をしているところでございます。
○辰巳孝太郎君 きちんと記録をして、そしてそれをきちんと賃金に反映をさせるということであります。
 厚労省が行った意識調査の中で、最も多くの学生が経験した業種はコンビニエンスストアであります。昨年八月に高校生が立ち上がり、労働組合首都圏高校生ユニオンを結成し、労働条件の改善や法令遵守を求めました。あるコンビニでアルバイトとして働く学生は、労働組合を通じて店と労働協約を結び、アルバイトを含む従業員約七十人に未払賃金約五百万円を支払うという内容を結びました。これは、実際の勤務時間に対する賃金が正しく支払われていなかったというケースでありました。
 このように、勤務時間を十五分とか三十分、ひどいときには一時間近くも切り捨てて、過少に計算して正当に賃金を払わないケースが労働組合ユニオンなどからも指摘をされておりまして、昨年、ノーモア賃金泥棒というキャンペーンも行われてまいりました。
 大臣、改めて確認しますが、勤務時間や残業時間の切捨ては違法ですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) 労働時間は分単位で把握する必要がございます。賃金や割増し賃金の計算に当たって、把握をいたしました労働時間について分単位で切り捨てることは原則として労働基準法違反になるということでございます。
○辰巳孝太郎君 当然違法であります。
 さて、大手コンビニチェーン店がこの違法行為を可能にするシステムで正確な賃金を払っていないということを今日は取り上げたいと思います。パネルを御覧ください。
 全国一万八千五百店舗以上を展開する業界最大手のコンビニチェーン店、セブンイレブンであります。セブンイレブンは、ストアコンピューターと言われる独自の勤務管理システムを用いて、それぞれの店舗で使用をさせております。これ、どういうものか。
 従業員が自分のバーコードをこのコンピューターにかざしますと、出勤スキャン時刻として一分単位の正確な時刻が表示されます。ところが、始業時刻としては十五分未満を切り上げたものが自動的に入力をされます。Aさんの場合だと、二時五十一分にスキャンをしている、ところが、始業時刻は、十五分未満は三時に切り上げられるということになるわけです。また、同様に、退勤スキャン時刻も正確な一分単位の時刻が表示されますけれども、終わりの時刻として、終業時刻としては十五分未満が切り捨てられたものがこれ自動的に記録をされるということになっております。その結果、実労働時間は一分単位ではなくて十五分単位の切りのいい時間となって、実際よりも少なく賃金計算されることになっているんです。
 総理、違法行為を可能にするシステムをこのセブンイレブンが作成していることそのものが問題ではないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど塩崎大臣から答弁をさせていただいたように、一分ごとで管理をしなければならないということでございまして、しっかりと使用者側は、企業側はこの法令にのっとって正しく対応してもらいたいと、このように思うわけでございまして、将来を担う若者は貴重な人材であり、使い捨ては許されないものでありまして、アルバイトで働く学生の方々も、労働者である以上、適正な労働条件が確保されなければならないのは当然であろうと思います。
 しかし、現実には、アルバイトで残業が支払われないあるいは休憩時間が与えられないといった労働関係法令に違反するにもかかわらず、学生の無知や立場の弱さに付け込む違法行為等が発生していることは極めて重大な問題であると、このように考えております。
 今後とも、学生アルバイトの方々の労働条件の確保に努めてまいりたいと思います。
○辰巳孝太郎君 正しく賃金が計算されるべきだという話でありました。
 総理、これ、例えば時給九百円の労働者が月二十日間、つまり年間二百四十日働いた場合ですと、始業と終業で最大、このシステムだとそれぞれ十四分ずつ切り捨てられるということになるんですね。それで計算しますと、切り捨てられた給料というのは年間で十万八百円にもなるんですよ、十万八百円。これ、残業代ですと、一二五%、アップですから、もっと増えるんですね。まさに賃金泥棒だと言わなければならないと私は思います。
 そして、先ほどの基準にも明らかに違反をしているわけでありまして、厚労大臣、これ、明らかに違反しております。この本社に対して指導すべきじゃないですか、どうですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今のお話ですと、十五分単位で事実上時間が管理をされているために今のような問題が起きると、こういう問題かというふうに思います。
 実際に、その指揮命令下に置かれた時間が切り捨てられたり、賃金や割増し賃金の不払が生じている場合には、原則としてこれは労働基準法違反になるということでありますから、そういう事例であれば、それは指導をしなければならないということだと思います。
○辰巳孝太郎君 明確な答弁だと思いますね。
 この会社はそれだけではありません。従業員労務管理の手引というのを私は入手をいたしました。この労働契約書の中にはこう書かれているんですね、「効率的な業務を実現するため、就労は十五分単位を基本とします。」と。元々こういうふうにしなさいということを店舗オーナーに言っているわけでありますね。
 先ほど、正確な賃金が必要だという話もしていただきました。総理、こういうことをやっている企業というのは、恐らくここだけではないと思います。広く産業界に蔓延している可能性があると思います。総理、実態を調べて、全ての業界にこういう賃金泥棒はもうさせないと、再発防止を徹底するべきじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 具体的には大臣からお答えをいたしますが、政府としては、関係省庁の密接な連携の下に、業界団体に対する法令の遵守の要請、企業に対する労働基準監督署の監督指導の徹底や、高校、大学等における労働関係法規等の理解の促進に加えて、この四月から、大学等の新入学の時期を中心に出張相談やリーフレットの配布等を集中的に行う全国キャンペーン等に取り組んでいくこととしております。
 今後とも、学生アルバイトの方々の労働条件の確保に努めてまいりたいと思います。
○辰巳孝太郎君 総理、明確に答えていただきたい。実態を調べて、全ての業界に再発防止を徹底してください。総理。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生、今お配りをいただいておりますけれども、これ、一分単位で賃金計算を行いますということも書いてあるわけでございまして……(発言する者あり)そういう一分単位で計算を行うということでありますから、それはやはり勤務時間を一分単位でちゃんと把握をした上で支払を行わなければならないということだと思いますので、しかるべき対応をしなければならないということだと思います。
○辰巳孝太郎君 これ、問題は、この本社が堂々と違法行為を基本と位置付けていることなんですね。
 フランチャイズの店舗オーナーは家族経営の方も多く、高過ぎるロイヤルティーに苦しんでいる人もたくさんおられます。本社は、圧倒的に強い立場を利用して見切り販売を妨害したとして裁判でも断罪をされて、昨年、ブラック企業大賞にも選ばれました。空前の利益がこの店舗オーナーや高校生、大学生の犠牲の上にあるというのは、私は問題だというふうに思います。
 政府は生産性向上を掲げているわけですよ、生産性向上。しかし、こんな労働時間のごまかしが横行している中で、生産性というものをこれでは正確に把握できないと私は思いますし、こんなごまかしが横行するような社会では、労働者、学生たちがやりがいを持って働けるはずがありません。このような違法行為を許さないためにも、私は、政府が先頭に立って、こういうやり方をやらないと、調査をし、実態を調べて指導すべきだということを申し上げたいと思います。
 こういう法律の知識に乏しい学生たちが被害に遭わないためにも、ワークルール教育などの推進が私は必要だと思っております。昨年、通常国会で成立をした青少年の雇用の促進等に関する法律でも、基づいて、国は高校や大学などに出向いていろんなセミナーとか講師派遣をしているということでありますけれども、私、これ見ますと、予算がたったの二億円しかないんですよ、二億円しかない。これ、もっと広げてやっていただきたい。
 文科大臣、お越しいただきました。労働者の権利、問題解決の手段も含めた実践的なこういうワークルール教育を高校や大学の公教育の中にも位置付けるべきじゃないでしょうかね。大臣。
○国務大臣(馳浩君) 高校生が労働基準法などを理解し、雇用と労働問題について考えるようにすることは極めて重要であると考えています。このため、学習指導要領に基づき、例えば高等学校の公民科で労働保護立法の動向などと関連させながら、労働問題について考えさせるなどの指導が行われております。また、文科省としては、厚生労働省と連携し、働くときのルールなどについて取り上げたハンドブックや都道府県労働局による講師の派遣を周知するなど、実践的な学習を進めるための支援に努めているところであります。さらに、現在、中教審における学習指導要領の改訂に向けた審議の中で、高等学校に新科目を設け、雇用に関することも含め、社会的、職業的な自立に向けて必要な力の育成について検討を行っております。
 また、大学については、具体的な教育内容は各大学が自主的に決定するものではありますが、約四割の大学において労働者としての権利、義務などの労働法制に関する授業科目が開設されているなど、各大学での取組が行われております。
 今後とも、厚労省と連携して取り組みます。
○辰巳孝太郎君 このようなブラックバイトの背景には学生たちの生活苦があるわけです。
 私たち日本共産党は、三つの提案をさせていただいております。国立も私学も十年間で学費を半減する、月額三万円の給付型奨学金を七十万人に支給する、そして、今すぐどこでも時給千円にして、千五百円を目指す。こういう政策を実現して、学生たちが生きがいや気概を持って働けて、勉学にいそしめる、そういう環境をつくるべきだということを申し上げて、私の質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で辰巳孝太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、藤巻健史君の質疑を行います。藤巻健史君。
○藤巻健史君 おおさか維新の会、藤巻です。よろしくお願いいたします。
 二月十一日の日経新聞に、国会での経済論争は低調で、市場動向への国会の感度の低さが際立ったとお叱りの記事が出ていましたので、今日は金融経済、マーケットについてお聞きしたいと思っております。
 我がおおさか維新の会は、何でも反対政党ではなくて、提案政党として第三極の立場を堅持いたします。そういう意味で、今日は、経済に対する御提案、そして懸念材料について少し質問させていただきたいというふうに思っております。
 まず、財務大臣にお聞きしたいんですけれども、マイナス金利政策が導入されてから、長期金利、特に十年国債まで金利がマイナスになってきたわけです。世間ではそれを踏まえて住宅ローンの借換えが起きているわけですね。要するに、高い金利で借りていたものを期前返済して、前もって返済して、低い金利のローンに借り換えているわけです。じゃ、国も同じことをなぜやらないのかと、それをまずはお聞きしたいと思っております。
 平成十一年以降の国債については繰上償還ができるというふうには書いていないんですね、条項に。ただ、平成十年の十二月までの国債には、条項に繰上償還をすることがあると明確に書いてあるんです。ですから、当然する権利は国は持っているんですけれども、なぜしないのかをお聞きしたいと思います。
   〔委員長退席、理事岡田広君着席〕
 平成十年以前の要するに繰上償還ができる国債というのは二月末現在で五・九兆円、平均残高が一年六か月、そして三%の表面利回りがあるわけです。昔から本当はやるべきだったと思うんですけれども、今からでも遅くないですよね。今三%のものを返して新しいゼロかマイナスで借りれば二千億か三千億、歳出が浮くわけです。予算が、赤字が縮まるんです。それをなぜやらないか、お答えいただければと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のありましたように、平成十年の十二月以前に発行された国債につきましては、繰上償還条項というのが附則されておりますのはもう御存じのとおりであります。
 この繰上償還は、いわゆる、御存じのように、持っておられる保有者に対して不測の事態というのが起きますから、そういった意味では、国債保有に対する安定性というのを著しく損なうということはもう間違いないと思いますので、これは以前より原則としては実施しないということで、これをやりました過去の例は戦後にはありませんで、戦前に、日露戦争のときの一九一〇年と大東亜戦争のありました一九三六年に実施をされた例以外ほかに例がございません。
 また、国債を発行させていただきます当局としては、平成十年十二月に繰上償還条項というのを廃止をさせていただいた際に、いわゆる十年以前に発行をした国債につきましても繰上償還は実施しないものとする旨対外発表いたしております。ホームページにおきましても、財務省の、繰上償還を行うことはない旨記載をして、市場参加者に対し我々の考え方を広く周知をしてきたところであります。
 御存じのような経緯を踏まえますと、これは国債を発行いたします当局が一方的に繰上償還を実施するということは、これは国債管理をいたします立場からして、透明性を考えましても、これは信認が低下しますから、そういった意味では国債の安定消化に今後支障ということを起こしかねませんので、繰上償還の実施は適当ではないと今考えておるところであります。
○藤巻健史君 国債の発行は一種の取引なんですけれども、通常民間では取引は契約に基づいてやるわけです。
 この国債発行というのは、発行サイドは国、そして固定金利での買いというのはやはり金融機関ということでプロなんです。プロ同士の取引で、契約に書いてあるとおりにやっていたわけですね。これ、専門用語で言うと、国債にはこれプットオプションが付いていたわけです。プットオプション、どういうことかというと、本来では低い金利でよかったものを、国にとって繰上償還ができるということで発行体として国にとっては有利なんです。有利ですから、通常なら低い値段で売ってあげる、すなわち高い金利を払いますよという約束でスタートしているわけです。当初はそういうスタートをしているわけです。
 それを実行できるときにギブアップするなんて、民間じゃ考えられないですよ、これ。これは当然、そんなことをしたらば、株主総会において何だと、株主訴訟の対象になってしまうかもしれません。国だから、国もプロ中のプロなんですから、そういう取引を契約でやっているのであれば当然実行するべきです。
 株主総会はないんですから、この場合は国会なり、それから政府がきちんと株主総会の役目を果たして、節約できるコストはきちんとセーブする、それが、こんなに赤字財政なんですから、きちんとセーブするべきことをセーブするのが私は本来の国の仕事だと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほども申し上げましたとおり、この平成十年十二月以前に発行された繰上償還条項というのは、廃止をするときの話として、十年以前に発行した国債についても繰上償還は実施しないという旨を正式に発表しております。
 それを、今ここに言われましたように、私どもの方として一方的に政府の都合で償還する、相手がプロであろうとアマチュアであろうと国の信認を損なうことは間違いありません。
○藤巻健史君 本来であれば、そのギブアップしたときに国の権利、国民が税金を少なくて済む権利をギブアップしたこと自身に本来は問題があると私は思っております。
 まあ、これは議論してもしようがないので次に行きますけれども、もう少し、それからやっぱり国というのは、歳出を減らすということとともに、税金以外でもうかるところはきちんともうかるということをするべきだと思うんですが、その観点からちょっとお聞きしたいと思います。
 外貨準備、外貨準備というのは基本的に、介入をして、ドル買い介入したお金がたまっていて、約百二十数兆円今残っていると思いますが、基本的にはドル預金、若しくは大体大部分はアメリカの国債への投資だと思うんですが、見てみますと五年超の国債が三十四兆円あるわけです。この三十四兆円、日本もそうですけれども、アメリカも金利が下がっている、すなわち値段が上がっていると思うので、含み益、未実現利益が大きくたまっているじゃないかと私は想像するわけですよ。これ、このまま放っておいたら、金利が上がってきたら値段が下がって、その含み益が絵に描いた餅になっちゃうわけです。
 普通、民間だったら、こういう段階、金利がかなり低下していて上がるというときになれば、それを一回売って実現益を出す。その実現益は当然のことながら予算で使えるわけです。財源が出てくるわけです。ただ問題は、そのときに長期国債、アメリカの長期国債を売ったきりにしちゃうとドルが安くなる、ドル安円高になりますから、その同額を短期国債買えば、別に為替にはニュートラル、そして実現益が出るということで、私は長く民間でポートフォリオを組んでいましたけれども、私が民間にいるんだったら、当然今だったらば長期国債を売って同額の短期国債を買う、こういうオペレーションをするわけです。
 当然のことながら、金利が上がるというときは、これ短期で運用するというのが当たり前なんですよ。今一%、あした一〇%になるなら、一日間だけ一%で運用して、あした一〇%のものを買えば十年間一〇%を確保できる。今一%のもの十年買ったら一%ずうっとなんですから、金利が上がるときは短期で運用して、上がってから長期を買うというのが、これが道理なんです、民間の。
 そういうことをきちんと政府はやっていらっしゃるのか、きちんと利益が上がることを考えているのかどうか、お聞かせいただければと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 民間に比べて利益を追求するようなタイプの人が役人にいないのは当たり前だと思っております。そういう方は民間に行っていただいた方がよろしいので、国に来られた場合、どうしてもその点に関する、金もうけよりはという意識の強い方の方が役人になられたというのが入社されたときの背景だとは思いますが、当然、配置された場所によっていろいろと立場を考えないかぬことになるのは当然だと思っております。
 今の五年超の外国証券の債券というものを売却して、アメリカ債を売却して短期の米国債を購入した方がよろしいんじゃないかという、まあ簡単に言えばそういった話を言っておられたんだと思いますが。
 これ、外為特会の保有いたします外貨の資産につきましてはデュレーションと、まあ御存じかと思いますけれども、いわゆる一定の利回りの変化に対しまして債券というものが価格変化をするこの程度の問題をこの業界ではデュレーションというんですけれども、そのデュレーションとか運用対象資産というものの占めます市場全体の中のいわゆる満期に関する情報というようなものがみんな持っておられますので、それを参考にしつつ、いわゆる金利の変動によっていろいろリスクが生じますし、その生じるリスクとか、またいわゆる今後の金利の収入などなど、いろんな要素を総合的に勘案して管理をする、当たり前の話なんだと思いますが、そういうことにいたしておるということであります。
 したがいまして、足下の金利水準だけ見て一部に評価をするというのは、これ一概にそれをやるというのはなかなか困難だと思いますけど、いずれにしても、御提案の当否を含めまして、いわゆる外為特会の保有する外貨資産の具体的な運用方法等々につきましては、これは市場に不測の影響を与えるということもありますので、私どもとしては常にその点は頭に入れておかねばなりませんので、一日に何十兆というような事態が起きた例は過去にありますので、そういったことを考えながら、我々としては、不測の事態を与えますので、その運用方法等々についてここでお答えすることは差し控えさせていただきます。
○藤巻健史君 運用方法を答えていただく必要はないんですが、是非運用をもっと考えていただきたいということだけは申し上げておきたいと思います。
 金もうけをする人が国のスタッフにはいないとおっしゃいますけど、これ、国も金もうけしてもらわなくちゃ困るんですよ。当然のことながら、国がお金をもうけるということは我々の税金が減るということなんですからね。これは当然のことながら、とかく官、政府はなるべくリスクを取らない、リスクを取ると自分の責任になるからということで、なるべくリスクを取らないんです。もっと収益を上げることを考えていただいて、そして税金を減らしていただくと、これを是非お願いしたいというふうに思います。
   〔理事岡田広君退席、委員長着席〕
 次に、黒田日銀総裁にお聞きしたいんですけれども、異次元の量的緩和をやりました。異次元の量的緩和は私は間違えた政策だと思っているんですけれども、副作用が多い。もう本当にいろんな、財政金融委員会では、黒田総裁、出口はどうだ出口はどうだ、私含めて聞かれてもう辟易していると思いますけれども、いつも出口をしゃべるのは時期尚早とおっしゃっているんですね。
 でも、それであれば、日本国債を買う代わりにアメリカ国債を買えばいいじゃないかと私は思うわけです、最初から。今からでも遅くないんですよ、アメリカ国債を買えばいいんです。アメリカ国債を買うということは、いろんな効果があります。一つには、ドル・円が上がって、ドルが上がって、非常にいい日本の景気対策になります。財政出動する必要のない景気対策になります。二番目は、出口簡単なんですよ。量的緩和、円だからこそ出口がない。でも、米ドルだったら、米ドルを買っていれば出口簡単ですよ。
 ちょっとだけお話ししますと、円の国債を売ろうと思っても、日銀が金利を上げたいときですから、金利を上げたいときというのは円の国債が下がるときです。下がるのであれば誰も買わないですよ、日本の金融機関、日銀から。だって、日銀が値段を下げたいものを買っていったら毎日毎日損していっちゃうんですから。そういう意味では、円国債というのは売れないんです、出口がないんです。しかしながら、アメリカ国債というのは、日銀が売りたいときというのは別にドル金利を上げたいときじゃないですから、ですから誰かほかの人が買ってくれるんです、中国政府かもしれないし、アメリカの個人かもしれない、買ってくれるんです。出口がですからあるんです。
 なぜ円国債ばっかり買っているか、ドル国債を買えばいいんじゃないでしょうか、お答えいただければと思います。
○参考人(黒田東彦君) 御案内のとおり、日本銀行法上、外国為替相場の安定を目的とする外国為替の売買は国の事務の取扱いをする者として行うというふうにされております。したがいまして、そうした外国為替の売買については、やはり法律上、財務大臣が一元的に所管されているというふうに私どもは理解しております。
○藤巻健史君 法律があるんだったらそれは法律を変えて、これ大変な国益だと思いますよ。要するに、今、為替介入というのは確かに日銀が手足となってやっていますが、これ財務省のアカウントでやっているわけです。私が今申し上げたのは、日銀のアカウントで日銀の頭でやれということを申し上げているんですが、これ物すごく、それこそ財政出動をしなくても景気が回復するウルトラCの一つですよ。
 私は、財政金融委員会で、マル外といってある一定の金額まで外貨預金、ドル預金をするのは非課税にしろという提案を財務大臣にお話ししましたけれども、これも、今マイナス金利になっている、円預金をすればペナルティーは掛かる、利息を取られる、でもドル預金をするならば金利がもらえる、そしてそれが為替益が非課税だということだったらみんなドル買いやりますよ。
 今申し上げた日銀がドルを買うというのも同じ方法で、確かにこの前、G20で、競争的利下げ競争をしないというふうに合意しました。でも、競争的切下げ競争をしないということは、みんなどの国も、通貨が安くなる、日本でいえば円が安くなると景気がいい、だからみんなやりたがるという証拠なんですよ。だから、それをちょっと財政金融委員会のときに大臣にお聞きしましたら、だから介入はできないとおっしゃっていました。介入しなくたって、日銀が買えばいいじゃないですか。それから、マル外、外貨預金非課税にすればいいじゃないですか。幾らでも方法はあるんですよ。
 そういうことをやればいいと思うんですけれども、それ以上聞いても黒田総裁は法律がどうこうとおっしゃるのでしょうからこれは今後として、次に総理大臣にお聞きしたいんですけれども、所信表明で、外国人観光客が三年で過去最高を更新して千九百万人に達して旅行収支が黒字化したとおっしゃいましたし、三年前に、二〇二〇年までに農林水産物の輸出を一兆円に増すという目標を掲げたときは皆が無理だと言った、しかしながら、過去最高を三年連続して更新して、昨年は七千億円台の輸出をしたと、こう成果を表明されたんですけれども、この実績、私が考えると円安のせいだと思うんですよね。八十円から百二十円までになった、日本のこの農産物、外国人にとって三割安くなった、それから日本への旅行、外国人にとって三割安くなった、それは、これだけいいものを生産している日本ですから、みんな日本に来るし、日本の農産物買いますよ。
 この成果というのは円安のせいではないかと思うんですが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 観光は我が国の成長戦略の大きな柱であり、安倍内閣では、ビザの緩和、免税制度の拡充、入国管理体制の充実など精力的に取り組んできました。
 この結果、外国人旅行者数はこの三年間で二倍以上となり、昨年は千九百七十四万人に達しました。また、その消費額もこの三年間で三倍以上、昨年は三兆五千億円となり、旅行収支も一兆一千億円と五十三年ぶりの黒字になったわけでありますが、過去はこれ三兆円ぐらいの赤字であったわけですから、これを初めて黒字にしたことは大きかったのではないかと思いますが、近年の為替動向で訪日旅行の割安感は確かに高まり、プラスに寄与していることはもちろんでありますが、過去の円安局面での旅行者数が八百万人程度であったことを考えれば、為替の水準のみで成し遂げられた成果ではないということは言うまでもないと、このように思います。
 政治主導による政府一丸となった取組が成果につながったものと考えているところでございます。
○藤巻健史君 政府が精力的にやっていただいたということには敬意を表します。ただ、一ドルが八十円のままだったら、決して訪日客数も外国人数も農業の輸出もここまではいかなかったと私は思っております。円安が極めて重要だと思うんですが、だから非常に一番大きい要素だと思うんですよ。
 ただ、私は別にだからといって安倍政権の三年間の努力が無駄だということを申し上げているわけではなくて、この円安にしたのはまさに安倍首相の私はおかげだと思っています。まさに八十円の頃に、安倍首相はまだ野党の総裁のときに、円高が悪い、円高が悪い、円安が必要だとおっしゃってくれたことで、為替が円安方向に振れたんです。
 私はマーケットにいた人間で、それは非常に、初めてリーダーとして円安がいいと明確におっしゃったのが私は安倍当時の総裁だと思っていますので、これは非常に安倍さんはリーダーシップあるし、良かったと思います。
 ただ問題は、今、円安方向が止まってしまったんですよね。それを、要は八十円から百二十円になっているときは非常に景気も株価も上がり、株価によって資産効果があって、景気も良くなって、インフレぎみになってきたんです。ところが、去年の中頃に円安方向が止まっちゃって、したがって、株価も上がらなくなって、資産効果もなくなって、景気は沈滞し、そして消費者物価指数も何かおかしくなってきた。
 ましてや、今年になって円高になったおかげで、株価が下落しちゃったんですよ。総理は外国のせいにしているとよくおっしゃるんですけれども、マスコミもそう書くんですけれども、日本の株が一番下がったんですよ、中国以外。これはほかの、例えばアメリカの株なんかもう昨年末より上へ上がっていますし、これはひとえに円高のせいだと私は思うんですよ。
 だからこそ、今円高を止めて、再度、安倍さんが最初におっしゃってくれたような何か円安方向を考える、それをやれば、別に財政出動する必要もないんですよ。単に、だから、お金を使うよりは頭を使って、さっきいろんな提案をしましたけれども、そういう頭を使って円安方向にすれば景気なんて万々歳ですよ。もうちょっと、お金を使わずに頭を使っていただきたいと、こう思うんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 野党時代は、これ野党の党首ということもあり、行き過ぎた円高を是正すべきだと、努力した汗が報われる、そういう経済をつくっていきたいということを申し上げたところでございます。
 三本の矢の政策、特に金融緩和、異次元の緩和によってこの円高は是正されてきたんだろうと、このように思います。こうした条件の中で、我々はしっかりとデフレから脱却をして経済を成長させていきたいと思っております。
○藤巻健史君 是非、為替を始めとして、頭を使って、お金をなるべく使わないようにして景気を良くしていただきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で藤巻健史君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、柴田巧君の質疑を行います。柴田巧君。
○柴田巧君 柴田巧です。
 十一分しかございませんので、答弁の方も簡潔明瞭でお願いをしたいと思います。
 奨学金の問題を取り上げます。(資料提示)
 お手元にもありますが、今御案内のように、民間の平均賃金というのはずっと減り続けております。一方で、学費の高騰などもあって、この奨学金の利用者は、平成十年度には大学生の二三・九%だったものが、二十四年度には五二・五%まで、約百七十七万、百八十万近くまでの学生が奨学金を何らかに利用しているということでございます。
 言うまでもなく奨学金は返していかなきゃなりませんが、ところが、卒業しても十分な収入を得ることができずに返済に苦しむ若者が増えて、延滞者は今三十三万人とも言われております。このうち、三か月以上の延滞者は四六%が非正規雇用若しくは無職で、安定した収入を得て返済をしていくという奨学金の制度の前提がもはや大きく崩れているわけです。
 延滞者には言うまでもなく延滞金が課せられますので、場合によれば一生涯この奨学金返済に追われることにもなりかねないという今現実が起きているわけですけれども、このままでは、本来は人生を豊かにするはずの奨学金が、経済的に苦しくても意欲と能力があれば高等教育を受けることをサポートしようとする奨学金が人生の選択の幅を狭めて、そして貧困を固定化するようなビジネスモデルになりかねないと思うわけであります。教育は個人が最終的な受益者ではなくて社会全体が最終的な受益者だとすると、やはりこの子供や若者の学びと育ちを社会全体で支えなければならないと思います。
 そういう中で、このように奨学金返済に苦しむ若者が増える、そのサポートが十分にできないというのは、子供や家庭の貧困というよりも日本の政治そのものの貧困さを私は表しているんじゃないかと思っていますが、奨学金を返そうと思っても返せないというこの現状を総理はまずどのように受け止めて認識をされているのか、お聞きをしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国においては、返還金を次の奨学金の原資として活用することによって希望する学生を幅広く支援することが可能となることから、貸与制により奨学金事業を実施をしているところであります。
 年収三百万円以下など経済的な理由で返還が困難な方には、従来から返還月額の減額や返還期限の猶予などの対応をしてきたところでありますが、このような中で、昨年度新たに奨学金の返還を開始した者については、要返還額の九七・二%が延滞することなく返還されています。また、昨年度末時点において三か月以上延滞している者は四・六%でありまして、延滞額は四・一%となっており、この割合は近年低下を続けているわけであります。
 さらに、返還者の経済状況に応じて返せるようにするため、卒業後の所得によって返還月額が変わる所得連動返還型奨学金制度を安倍政権の下で検討を開始し、そして平成二十九年春の大学進学予定者から導入できるよう現在準備を進めているところであります。
 これらによって奨学金を無理なく返還してもらい、次の世代の奨学金に原資として活用できるようにしていきたいと考えております。
○柴田巧君 今るる現在のお取組などを御説明をされましたが、社会全体で子供たち、若者たちを支えていくということからすると、先ほど申し上げましたように、今やらなきゃならないのは、返済困難者の救済、そして柔軟な返済方法の実現であり、そして、後でまた触れますようにこの給付型奨学金の導入だと思いますが、確かに今も救済制度というのはありますよ。ありますが、この学生支援機構も猶予制度のことは、設けているわけですけれども、その機構自らが調査した結果でも、延滞者のこの五三・六%が猶予制度の仕組みについて知らなかったと回答しているわけなんですね。
 せっかくそういう数少ない救済制度がある、返還猶予制度があるにもかかわらず、周知が徹底されていないというのは極めて遺憾なことだと思うわけで、奨学金の採用をする、あるいは返済中においても、やっぱり機構自らが責任を持ってこういう制度もあるんだということを周知を図っていくということが大事でしょうし、そういう可能性のある学生に救済制度へ誘導するなどのやっぱり支援の充実をさせるべきだと思っていますが、大臣はどう考えていらっしゃるか、お尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(馳浩君) 二点申し上げたいと思います。
 現状、まず貸与終了時に、奨学金の貸与を受けた者全員に配付する「返還のてびき」というものがございます。また、返還開始の直前に、貸与終了者全員に郵送する文書がございます。さらに、毎年、返還中の者全員に郵送する奨学金返還の振替案内に、これに記載をして案内をしているということは、これは御理解をいただきたいと思います。
 さらに、先生御指摘のこともありますので、やっぱり多くの方にちゃんと認識をしていただきたいので、平成二十八年度の採用者からは、新たに奨学金を申し込む者がインターネットで行う手続の中で、返還期限猶予制度については確認の上チェックしなければ手続が進まないようにするシステムを導入するなどして、これまでの取組に更に加えて充実を図ることとしております。
○柴田巧君 是非、その返還困難者になる生徒らを、学生を助けられるように、是非そういう支援の充実を図っていただきたいものだと思います。
 時間がないので幾つか飛ばさせていただきまして、所得連動返還型のことも、これはちょっと注文を付けさせていただくということになるかもしれませんが、所得に応じて返済をできるようにしていこうというのは大変結構なことだと思っていますが、されども、この前、二十四日にその新たな仕組みの概要も固まりましたが、見ていると大変首をかしげざるを得ないものがあります。
 その中でも、最低月額、収入がなくても二千円返済が必要だというのが今のところの考え方のようですけれども、これでは、経済的困難を理由として延滞の防止を図るというために作られるわけですけれども、今の仕組みから見ても、大分、逆に後退をしてしまうんじゃないかと危惧をするんですが、本当に子供たちを、学びや成長を支える奨学金となるのか、この新たな所得連動返還型奨学金がですね、大臣にお聞きをして、できれば簡潔にお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(馳浩君) 制度設計上の課題でありますので、所得連動返還型の奨学金におきましても、所得にかかわらず最低返還月額を二千円とする方向で議論しているということをお伝えしたいと思います。
 何度も申し上げておりますが、返還していただいたお金を更に新たな奨学金事業に使っておりますので、そういう観点からも、柴田委員おっしゃるように、できるだけ負担の重くならないような方向性で取りまとめをしたいと思います。
○柴田巧君 是非、本来やろうとした趣旨から懸け離れてしまわないように、無理のない返済ができる仕組みを作るというのが主目的ですから、それに沿って新たな制度を作っていただきたいと思います。
 最後の質問になると思いますが、給付型の奨学金、この国会でもいろいろ議論されてきました。もう実現を図るときに来たというか、あとは総理の決断次第だと私は思っていまして、全面的に難しいならば、一部でも導入することを考えてもいいんではないかと思っています。
 納税者の皆さんの理解を得るためにも、そういう観点がもちろん大事だと思っていますが、例えば児童養護施設や里親など、社会的養護の下にある高校生で卒業後、進学を希望する者に対しては、私はある意味、社会実験的にでも給付型奨学金を導入してもいいんではないか、納税者の理解も得ることができるんではないかと思っております。
 御案内のように、そういうところの子供たちは、全国平均としても大学など専門学校等も入れて七〇%今進学をしますが、彼ら、彼女らは二二・三%でしかないんですね。かなりチャンスを奪われているのは間違いありませんし、親の養育を受けることなく育って、多くの子供らは、一切の自己責任も不正もないわけですから、また、高卒で退所した後は全く独力で生きていかなきゃなりませんから、こういう層に限ってやるといっても私はいいことではないかと思いますし、金額もそんなに多くの、一千六百人、七百人程度ですから、五十万、六十万としても八億、十億前後だと思っております。
 いずれにしても、こういう層に限って例えば一部でも導入するというお考えはないか、総理にお聞きをしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大変いい御質問をいただいたと思っております。
 これはまだ余り知られていないわけでありますが、児童養護施設や里親の下にあった子供への支援については、今般です、平成二十七年度補正予算において、児童養護施設を退所又は里親の下を離れた後に進学する方に対しましては、家賃相当額に加えて生活費の貸与、貸付けを行うこととしております。生活費は月額五万円、また家賃相当額も、これも五万円以上になるところもあるわけでありますから、足せば十万円以上になるわけでありますが、の貸付けを行うこととしておりますが、この貸付金は五年間就業継続をしていただければ返還免除となりますので、事実上のこれは給付型と言ってもいいのではないかと、こう思う次第でございますが、これは今般の補正予算の中に入っているものでございます。
○柴田巧君 これで時間が来ましたから質問を終えますけれども、今のことも一つのきっかけに、是非、給付型、実現していただきますようにお願いを申し上げて、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で柴田巧君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(岸宏一君) 次に、浜田和幸君の質疑を行います。浜田和幸君。
○浜田和幸君 日本のこころを大切にする党の浜田和幸です。
 安倍総理、四年後に迫った東京オリンピック、総理はオリパラ推進本部長でもおられますので、是非、東京オリンピック・パラリンピックが成功するために、幾つか総理のお考えをお聞かせいただきたいと思っています。
 まず第一は、選手村、ここで提供される食材についての質問であります。
 御承知のように、世界二百四の国・地域から一万五千人を超える選手、日本にやってくるわけですよね。やはり、日本が誇る和食、特にオーガニックの食材、そういったものを選手に提供することで、和食のすばらしさということを世界中の選手団に楽しんでいただく、それがいい結果につながればと思うんですね。
 やはり今、日本の農業というのは、これからのことを考えると、GOD、神の力ですね。Gというのはグローバル、そしてOはオーガニック、そしてDがデジタル、そういう観点で、オリンピックの選手村で出す食材の安全基準について国際的な基準というものをこれから東京オリンピックは訴えていく必要があると思うんですけれども、残念ながらフードビジョンというものが、まだ日本政府、オリンピック委員会は打ち出していません。是非早めに、世界にアピールできるようなオーガニック和食というものをオリンピックの選手村で提供できるような、そういうフードビジョンをいち早く宣言していただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックは、和食や我が国の高品質な食材を提供し、世界にアピールをする大変良い機会だと、こう考えています。昨年十一月に閣議決定したオリパラ基本方針においても、地域性豊かな和食、日本酒その他の食文化を始めとした様々な日本の魅力を世界に発信することとしています。
 大会期間中選手村等で提供される食材については、各大会の組織委員会が決定することとなっています。先般のロンドン大会や今年開催されるリオ大会においても、組織委員会が食事の提供方針や食材調達の基準を内容とするフードビジョン等を策定し、一定の基準を満たした食材を使うことなどを定めています。東京大会については、現在、組織委員会において、選手村等で提供される食材も含めた物品、サービス全般に係る調達の基準を検討しています。その際、関係団体の意見等を踏まえながら、幅広い視点から検討されるものと聞いています。
 政府としては、今後、組織委員会が調達の基準を策定するに当たりまして必要な助言を行うとともに、より多くの日本の食材が利用され、世界から我が国を訪れる選手や観客の皆様に楽しんでもらえるよう組織委員会とも連携して取り組んでいきたいと、こう考えています。
○浜田和幸君 最近、オーガニックJAS認証もスタートしました。攻めの農業、TPPとの関連でも、やはり、日本の安全、安心、しかも健康にプラス、そういう食材を是非オーガニックという観点から広めていただくには、オリンピックというのは格好の機会だと思いますので、和の力、和食の力で世界の記録を塗り替えていく、そういう意気込みで、是非、オリンピック・パラリンピックの成功に向けて、和食と連携した、スポーツだけではなくて文化、特に食文化の祭典という位置付けを是非御検討いただきたいと思います。
 二つ目は、オリンピックは七月、八月、パラリンピックは九月まで続きますよね。日本でも一番暑い、熱中症ですとか、あるいは食中毒、そういうもののおそれもあるわけです。そういった観点で、外国の選手団のみならず、応援団ですとか、あるいは関係者が健康をきちんと維持できる、具合が悪くなったときには日本の医療を十分に受けられるような、そういった意味で、言葉の救急車、具合が悪くなった人が日本語で対応できないときでも、様々な多言語で診療やサポートができるような、そういう仕掛けもつくっておく必要があると思います。
 アメリカでは、IMIA、インターナショナル・メディカル・インタープリターズ・アソシエーション、多言語の国際通訳が国家の資格として制度化されています。残念ながら、日本ではボランティアの人たちが語学の力で応援しようという形なんですが、やはり命に関わる、健康に関わるということであれば、国家資格としてこの多言語の国際医療通訳制度といったことも厚労省や外務省、医師会といったところが連携してやるべきだと思うんですけれども、総理、後押ししていただけませんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) オリンピックで来日する外国人の対応については、オリンピックに向けた政府の基本方針に基づき、医療機関における外国人患者の受入れ環境整備を行っています。
 具体的には、平成二十五年度に医療通訳の育成カリキュラム、テキストを作成、平成二十六年度から医療機関が医療通訳を配置する際の支援、来年度予算では院内の案内表示の多言語化などへの支援を行うこととしています。
 国家資格としての医療通訳制度を早急に導入すべきとの指摘でございますが、医療通訳の議論について今後評価する仕組みなどの研究を行うとともに、来日される外国人の方々が安心して医療機関を受診できるよう、外国人患者の受入れ体制の整備に努めてまいりたいと思います。
○浜田和幸君 是非、成長産業としてのメディカルツーリズムということも関連付けて全国の四十の病院が国際医療体制の今仕掛けを進めているわけですから、オリンピックの機会に是非それも推進していただけるような、人の問題なんですよね、医療が優れていても、橋渡し、文化の橋渡しができる現場の医療通訳者がいなければ日本のすばらしいメディカルというものが提供できないわけですから、是非、支えるための国家資格制度、これを推進していただきたいと思います。
 三つ目は、やはりサイバーテロに対する対策ですね。このところ世界的に、物理的あるいはサイバー空間でのテロが巻き起こっています。攻撃する側からすれば、オリンピックのような世界が注目するイベントを何らかの形で混乱に陥れる、大変な見せ場になると思うんですね。そういう観点で、サイバーセキュリティー対策というものはとても今重要な課題になっていると思います。
 今年の二月に、アメリカのオペレーション・ダスト・ストーム、これは今までアメリカの政府機関がテロリストのターゲットになっていたんだけれども、このところアジア、特に日本の政府機関ですとかインフラに対するテロリストの攻撃が極めて憂慮されるという方向性が打ち出されています。また、韓国の国家情報院は、北朝鮮によるゾンビPC、これが昨年だけで六万台世界に配布されていて、世界百二十か国で一万台が管理されていると。そういうところを北朝鮮が外から遠隔で日本のインフラ、特に通信ですとか交通ですとか金融ですとか医療ですとか建設、そういうところに攻撃を仕掛けてくる可能性もゼロではないですよね。
 そういうことに対して、オリパラ推進本部長の安倍総理としてはどのようなサイバーセキュリティー対策を考えておられるのか、十分な予算、あるいは十分な人材育成ができているのか、その辺りについての現状をお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 社会経済システムを始めあらゆるものがネットワーク化されつつある中、個人情報の窃取、そして経済的な犯罪から重要インフラシステムの破壊に至るまで、サイバー攻撃等によるリスクはますます深刻化しています。経済成長やイノベーションを推進するためにも、我が国の安全保障の観点からも、サイバー攻撃からの重要インフラの防御は極めて重要な課題でありまして、とりわけ我が国は、目前に伊勢志摩サミット、また四年後には東京オリンピック・パラリンピックを控えており、サイバーセキュリティー対策に万全を期さなければならないと考えています。
 こうした中、一昨年十一月にサイバーセキュリティ基本法が制定されまして、国や自治体等の責務の明確化、政府の司令塔の体制や権限の強化、サイバーセキュリティ戦略の策定、官民の連携強化など、セキュリティー対策は近年かなり進捗を見ているところであります。
 他方で、関係者間で脅威情報をいかに迅速に共有するか、障害発生時の迅速、的確な対処をいかに可能にするか、各分野に必要とされる専門家をどのように養成するかなど、セキュリティー対策における課題はまだまだ多いわけであります。
 そこで、現在、政府としては、重要インフラの情報セキュリティ対策に関する第三次行動計画に基づき、官民連携による防護策を強化しているところであります。同時に、私自身が本部長を務める東京オリンピック・パラリンピック競技大会推進本部の下に設置されたワーキングチームにおいて、重要インフラ事業者を含む関係者間の脅威情報の共有体制の確立などに向け検討を進めています。
 今後とも、国民生活や社会経済活動を守り、東京オリンピック・パラリンピックを成功させるため、関係組織が互いに緊密に連携して、政府一丸となってサイバーセキュリティー対策に万全を期していきたいと思います。
○浜田和幸君 是非、国内の官民挙げての対策と同時に、国際的な情報の共有という中で不審な行動を未然に防ぐ、そしてオリンピックを成功に、そういう形で是非オリンピック・パラリンピックの推進本部長としての責任を果たしていただきたいと要望して、私の質問を終えたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で浜田和幸君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(岸宏一君) 次に、松田公太君の質疑を行います。松田公太君。
○松田公太君 日本を元気にする会・無所属会の松田公太です。
 総理、本日夕方に安保法制五党協議会がセットされたというふうにお聞きしました。その状況を見て、関連する質問は明日の予算委員会にさせていただくかもしれませんので、よろしくお願い申し上げます。
 さて、前回の予算委員会で核燃料サイクルの話をさせていただきました。時間がなく、途中で終わってしまいましたので、その一部補足をさせていただければと思います。
 何兆円ものお金が湯水のごとく使われている、開始から六年以上たっても全くめどが立っていないこの計画、撤退する場合は一体誰の責任において撤退するのかというお話をさせていただいたわけですけれども、経済産業大臣、そして原子力規制委員会の委員長、そして東電の社長また日本原燃の取締役にそのような質問をさせていただいたわけですけれども、誰も答えられなかったわけですね。そして、非常にあやふやで逃げの答弁に徹したと私は思います。責任をまるでたらい回しにしている状況だなというふうに私は感じてしまいました。これは、まるで無謀な戦争を始め、そして本当に悲惨な状況になるまで止めることができなかった戦時、戦中の日本を私は思い起こしてしまうわけです。
 その中で、核燃料サイクルに関する再処理の拠出金法案なるものが先日の閣議決定で通されたわけですね。これは、震災直後、原発事故直後に出てきました原子力損害賠償支援機構法、これと非常に私は似たようなものだなというふうに感じているわけです。原子力損害賠償支援機構法というのは、どんな状況でも原発を推進できるようにするものだというふうに思っております。当時、私は大反対したわけですね。東京電力は法的整理をするべきだ、そして新エネルギーどんどん開発する、ベンチャー企業どんどん出てきてもらう、そのような対案を私出させていただいたわけですけれども、残念ながら、これは取り合っていただくことができませんでした。
 そして、今回のこの再処理の拠出金法案、これも同じなんです。再処理とMOX燃料加工を前提としまして、そのための拠出金がその支援機構法のときと同じように自動的に電力会社からどんどんと振り込まれるような形になってしまう。ますますこの負のスパイラル、核燃料サイクルから抜け出すことがこれできなくなってしまうんです。
 私は、少なくとも総理には、期限を定めていついつまでに、もし核燃料サイクル難しそうだったら、これは政府の権限によって止めるべきだという提案をさせていただきましたが、残念ながら、今後も取り組んでいきたいというのが総理の答弁だったわけです。
 今日も十一分しかありませんので、この問題は引き続き経済産業委員会でさせていただきたいと思っておりますが、テレビを御覧の皆さんにも、是非、このような重要な法案がまさしくこの国会で審議されようとしているということを御認識いただき、また注視をしていただきたいと、このように思っているわけでございます。
 さて、そこから関連してなんですけれども、前回その議論をしたときに、このパネルを利用させていただきました。(資料提示)
 NHK、このパネルを今回はしっかりと映していただきたいというふうに思うんですけれども、これは、三月三日の報道ステーションで出されたものを松田公太事務所でこれは再現したものだったんですね。ところが、事務所に戻ると、多くの方から全くパネルが見れなかったという、そういうクレームがあったんですよ。録画を確認したところ、確かに見えなかった、全く文字が見えないんですね。普通は、このようなパネルを出したらクローズアップをして映すものなんですよ。
 不思議に思って、当日の、要は委員会の各委員のものを調べたんですけれども、これは明らかですね。これ、最大でクローズアップされたものを私は写させていただいております。私のところだけがなぜかこれが最大ですよ。全く文字が読めない。何だったんだろうなというふうに思ったわけですね。これ以外に一つだけ縦型のものがあったんですけれども、その分に関しても実は文字がはっきりと見えるように映されておりました。これは四十インチのテレビで再現したものなんですけれども、もう全く字が、本当にクリアなものでも見れなかったんです。
 そこで、籾井会長に私聞きたいんですけれども、国会中継におけるパネルの撮影の在り方、この公平性についてNHKではどのようなルールを持っているんでしょうか。
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
 我々は、パネルの問題に限らず、全てのテレビの放送については極力公平公正に放送するように努めております。
 今委員御指摘のこのパネルにつきましては、私もそういうふうにしてくれたものだと思っておりました。それで、実際にいろいろヒアリングをした結果、恣意的に小さくしたということは全くないということでございますけれども、こうして今委員が比較して出されますと、もう私は返す言葉もございません。
 そういう意味におきまして、今後、パネルにおいて、そういうふうなある特定のパネルだけが小さくなる、ある特定の政党のパネルが小さくなるということがないように、我々としてはもう最大の努力をいたします。今日、多分テレビやっていますから、大きくパネルが映されていることを希望いたしております。
 誠に申し訳ございませんでした。
○松田公太君 もう本当に、今、籾井会長がおっしゃった言葉の中で極力という言葉がありましたが、これは私やっぱり引っかかっちゃうんですね。公平公正じゃなきゃやっぱりいけないんですよ、これは。やっぱりこれ十分以上実は私このパネルを出していたんですが、十一分ぐらいですかね、私確認しましたけれども、一度もクローズアップされなかったというのは、これは私、恣意的だったんじゃないかなと思わざるを得ないですよ、これは。
 最近、放送局に対する停波の問題が議論されているわけですね、総理。しかし、私は、そもそも政治的公平性を放送局に求めるのは難しいんじゃないかなと考えているんです、実は。つまり、第四条も含め放送法全体を私は根本から変えなくちゃいけないんじゃないかなというふうに考えております。そして、各放送局には実は余り政治的公平性ということをもう強く意識し過ぎずに私は作ってもいいんじゃないかなと、番組を、というふうに思っているんですね。
 例えば米国では、CBSであったりとかNBC、ここが例えば民主党寄りですよと、そしてFOX、ここは共和党寄りですよということが、これはもう周知の事実で、これ表現をしながらテレビ局もそういった作り方をしているわけですね。つまり、視聴者がそれを理解した上でテレビを見ているんですよ。その方が、例えば、こっちの意見は聞いたけれども、じゃこっちサイドの意見も聞いてみようということで、両サイドの視点を持つことができるようになる。これは元気会の理念であるわけですけれども、そうなると視聴者のリテラシーが私は高まっていくんだろうというふうに考えているわけです。今の日本のように立場を明確にせずに、ある意味、世論を誘導しようと言ったらあれかもしれませんけれども、そのような形というのは私は不健全じゃないかなというふうに実は思っているわけですね。
 しかし、仮に日本がアメリカのようになったとしても、一つだけそれが許されない放送局があって、それは当たり前ですが公共放送局なんですよね、NHKなんですよ。国民の受信料によってNHKは成り立っているわけですから、明確に十五条にも、本当に、公共の福祉のためにということが再三書いてあるわけです。絶対に、私は極力じゃなくて絶対に公平公正じゃなくちゃいけないというふうに思うわけですね。
 ここまで露骨だとやっぱり何か恣意的な考えがあったんじゃないか、もしかしたら政府・自民党からそんな指示があったんじゃないかなんて、そういう疑念を持ってしまう人もいると思いますよ、私は。出てくるかもしれませんよ、これは。
 籾井会長、もう本当にこのようなことが絶対起こらないようにしていただきたいというふうに思います。
 高市大臣、ちょっとお聞きしたいんですけれども、これは明らかに不公平な取扱いだと思いませんか、これ見ていただいて。このような野党に対しての不利な取扱いが続いた場合は、それこそNHKに対しても、議論になっております停波、これが適用されるということはあるんでしょうか。
○国務大臣(高市早苗君) NHKは、国民・視聴者の負担する受信料によって支えられている公共放送でございますので、放送法において最低限の国会や政府の関与が定められています。他方、放送番組の編集につきましては、放送法は放送事業者の自主自律を基本とする枠組みになっておりますから、放送事業者が自らの責任において編集されるものでございます。NHKにおかれましても、他の放送事業者と同様、自主自律的に放送法を遵守していただくべきものだと存じます。
 パネルの問題は、確かにそれは大変悔しかったと思います。私も議員として質問したときに、パネル作るのすごく高いんですね。随分お金が掛かるのでパネルの枚数も最少にしていたぐらいのことでございます。
 なお、私が電波を止めると申し上げたことはございませんので、放送法第百七十四条の放送の業務停止命令や電波法七十六条の無線局の運用停止命令の運用というのは、もう非常に限定的な状況のみに極めて慎重な配慮の下行うということで、これまでも適用例がないことは申し上げておきます。
○松田公太君 ちょっとこれ議論し出したらまた時間がもうないので、最後に総理にお聞きしたいんですけれども、これは私根本的な問題だというふうに思っておりまして、表現の自由、知る権利、報道の自由、これをしっかりと確保するためには、ほかの先進民主主義国家と同じように、少なくとも規制権限、そういったものに対しては政府、総務省から独立した組織、例えば委員会のようなものをつくって、そこが行使できるような形に私は改正するべきじゃないかなというふうに思いますが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど米国の例を挙げられましたが、米国はフェアネスドクトリンというのを廃止しまして、言わば公平というものをやめて、そしてその代わり多チャンネル化したので、どうぞ自由にやってくださいと、まさに競争の原理でやらせたわけでありますから、日本とそれは基本的に違うわけでありまして、地上波は独占的にやっていますので、既得権を持っている中においては、それは当然、公平公正にやっていただこうということになっているわけでありますが、それをもう、では、フェアネスドクトリンを変えてもう一回全部入札をしましょうということになれば、それは新しい考え方としては成り立つのではないかと、このように思います。
 そこで、NHKについては、公共の福祉のためあまねく日本全国において受信できるように豊かでかつ良い放送番組を放送する等、公共放送としての社会的使命を果たしていくことが求められているわけでありまして、このため、NHKの経営については、内閣総理大臣による経営委員の任命や国会による予算承認など、最低限の国の関与が定められているところであります。他方、NHKは、その放送番組について、他の放送事業者と同様、自らの責任において編集するものであり、自主的、自律的に放送法を遵守していただくものと理解をしております。
○委員長(岸宏一君) 時間ですから。
○松田公太君 はい。
 総理が最後におっしゃったそのアメリカの件なんですが、それは独立性がやっぱり担保されているからできることなんですね。私は、やっぱり放送法、電波法に関しても独立性、公平性を見直すべきだというふうに思って、御質問とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で松田公太君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(岸宏一君) 次に、吉田忠智君の質疑を行います。吉田忠智君。
○吉田忠智君 社会民主党の吉田忠智でございます。
 今日は、総理に日本国憲法について質問をいたします。
 総理は、この間、憲法九条改正について、まだまだ国民的な理解と支持が広がっている状況ではないと答弁をされておりますけれども、改めて、憲法九条改正に対する国民の意識をどのように捉えておられるか、伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 憲法九条に対する考え方としては、自由民主党として既に、憲法改正草案の中で九条の改正についても既にお示しをしているところであります。もちろん、現行憲法の平和主義は維持をしていくわけでございます。事実上、二項を書き換えていくということでお示しをしているわけでございます。
 しかし、今私がここに立っておりますのは内閣総理大臣として立っておりますので、我が党の憲法草案については、これは是非憲法審査会で御議論をいただきたいと、このように思う次第でございます。
 いずれにせよ、憲法の場合は、これは普通の法律と違いまして、普通の法律の場合は、まさに衆議院で可決をされ、参議院で可決をされれば成立をするのでありますが、憲法の場合は、衆議院と参議院は三分の二でもって発議するわけでありまして、決めるのは国民が決めると、だからこそこれは国民の理解が広がる必要があると、こういう観点から申し上げているところでございます。
○吉田忠智君 国民の理解と支持が広がっていないと総理は今通常国会の予算委員会でも答弁されておられますが、そのとおりの認識ですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 世論調査等の結果を見ますと、まだこの九条の改正については理解と支持を得られていないと、このように認識をしております。
○吉田忠智君 国民的な理解と支持が広がっていない理由はなぜだとお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 実際、我々、この改正法案について党として運動を言わば大きく展開をしているという段階にはまだ至っていないわけでありまして、もちろん、各議員が説明会等を開始をしておりますし、党の青年局等がそうした我が党の憲法改正草案について説明等をしていると、このように承知をしておりますが、まだ十分な説明がなされていないという状況ではないかと、このように思います。
○吉田忠智君 自民党として国民の皆さんに対する説明が足りないから国民の理解が広がっていないと、そういうことですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、やはりこの説明というものは相当の時間が掛かるのは事実でございます。七十年間近く存在をしている憲法を変えるというのはそう簡単なことではなくて、その中においてどのように変えていくか。
 例えば、我が党の憲法改正草案について、これを御覧になったという方もまだほとんどおられないのが現状ではないかと、このように思います。御覧になったことがなければ、これはまだ、では、そちらの方がいいということには残念ながらなかなか至らないわけでございまして、そういう意味におきましては、言わばまさに国民的な理解を広げていく上においては、そうしたものを丁寧に更に説明を尽くしていくことが求められているのではないかと、このように考えております。
○吉田忠智君 各種世論調査でも、憲法九条を変えるべきではないという国民の皆さんのやっぱり声は六割以上、どの世論調査でも出ております。やっぱり国民の皆さんの、私は、憲法九条をしっかり堅持していくべきだ、そういう意識がしっかり国民の皆さんにまだまだあるのではないかと、このように考えております。
 総理の目標が憲法九条の改正であること、自衛隊を国防軍に変えたい、集団的自衛権もフルスペックでやれるようにしたいと思っているのはもう総理にわざわざ聞かなくても明らかだと思いますけれども、そんな中で、憲法九条はいきなり難しいので、まずは野党間でも理解の得やすい、あるいは国民に理解の得やすいという課題ということで緊急事態条項ということが挙がっております。与党の一部の方の中にも、お試し改憲で、まずは九条は難しいから国民の理解を得やすい課題からやろうと。でも、この緊急事態条項、私はなかなか危険な課題ではないかと、場合によっては憲法九条を変える以上に、国防軍にすると同等、やっぱり危険な条項ではないかと、そのように思っておりますが、その点について総理はどのようにお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的には、先ほど申し上げましたように、自民党の憲法改正案につきましては憲法調査会で行ってもらいたいと、このように思うところでございますが、あえて吉田委員にこれを、吉田委員せっかくの御質問でございますから、ちょっと触れさせていただきますと、大規模な災害が発生したような緊急時において、国民の安全を守るため、国家そして国民自らがどのような役割を果たすべきかを憲法にどのように位置付けるかについては、極めて重く大切な課題と考えています。
 いずれにせよ、憲法改正には国民の理解が必要不可欠であり、憲法審査会においてしっかりと精緻な議論が行われ、国会や国民的な議論と理解が深まる中で、どの条項をどのように改正するかなど議論は収れんしていくものと考えております。
○吉田忠智君 この緊急事態条項につきましても、憲法学者の皆さんや法律の専門家の皆さんから大変に懸念の声が上がっています。なかなか国民の皆さんに御理解いただけていないと思っております。大災害のときに政府に権限を集めてやった方がいいというような、そういう国民の皆さんの、そういう何か世論操作みたいなことが私は行われているのではないか、そのようにも考えております。
 緊急事態の拡大解釈が可能という中で、政権の恣意的な事態の認定によって内閣のみで法律と同等の政令を作ることができる、そして国民の基本的人権を制約することが可能というふうになるわけですね。二〇一三年に、お隣の麻生副総理がナチスの手口に学んだらどうかねという発言もございました。ワイマール憲法下でナチスが全権委任法を制定して独裁を実現した手口だと、そのように思います。
 私は、安倍総理はそう思っていなくても、そう言わなくても、やっぱり政権が替わって、そこまで考えていかなければならない、そういう私は緊急事態条項だと、そのように思います。国民の皆さんも、そうした問題があるということを是非御理解いただきたいと思うんです。
 総理は、憲法改正について自分の在任中に成し遂げたいということも明言をされました。そうしますと、今年七月の参議院選挙、あるいは同日選挙も腹を固めたという何かそういううわさもありますけれども、憲法改正やりたいとはっきり言うべきですよ。私たちとテレビ討論するときも街頭演説のときも隠さないで正面から訴えるべきだと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、我々は隠さず、吉田先生のように正直に真っすぐ行きたいと思っておりますから、自民党のこれ言わば政権公約の中にもずっと入っておりますし、一二年に政権を奪還したときの総選挙も、一三年の参議院選挙も、一四年の総選挙も、ずっとこれ隠してはいません。ちゃんと書いております。
 そして、テレビ等の討論会あるいは記者会の討論会に行っても、話題を設定するのは私たちじゃなくて、テレビ局側あるいは記者会側が設定して我々に対して質問をしてくるわけでございまして、そこで質問されればちゃんとお答えしますが、質問が出なければそれはお答えしようがないということではないかと、こう思っております。
 いずれにせよ、選挙におきましては様々なこと、これはもう社会保障もありますし経済政策もありますし教育政策もあります。そうしたものをずらっと、しっかりとこれをやりますということをお示しをしている。別にこれは私がやりたいとかいうことではなくて、我が党として既に決めていることでありますから、我が党としてお示しをしていることはそもそも私の任期中にやらないということ自体がこれはおかしな、政治家としてむしろ吉田さんからすればそれは不誠実だということになるのではないでしょうか。
 ですから、私は、私の任期中にそれはもちろん目指していきますよと、私がお示しをしている全ての政策を目指していくことと同じであろうと、こう思っている次第でございます。
○吉田忠智君 是非、総理、憲法改正やりたい、三分の二を取ったら自公で憲法改正の国民投票を発議したいと、そのように訴えてくださいよ、正面から。(発言する者あり)一緒にはやりませんよ。
 今年は憲法が公布されて七十年になる節目の年であります。なぜ一字も憲法が変えられなかったか。国民が変えることを望まなかったからだと、憲法が国民に定着している、そのように思います。
 総理、是非私たちは、昨日発足した民進党、そして共産党、生活の党、社民党、一致結束して闘いますよ。社民党も要石になって、接着剤の役割を果たして、正面から憲法改悪を許さない、そして憲法違反の戦争法の廃止、発動阻止、そして何より国民の命や暮らしを守るために全力で闘い抜く、大分弁でどうくるなやという言葉がありますけれども、どうくるなや安倍総理と申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で吉田忠智君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(岸宏一君) 次に、薬師寺みちよさんの質疑を行います。薬師寺みちよさん。
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 三月八日は何の日か御存じでいらっしゃいましょうか。国際女性デーでございます。それにちなみまして、この二日、超党派の乳がん・子宮頸がん検診促進議員連盟では、参議院議員会館に乳がんと子宮頸がんの検診車各一台ずつを準備いたしまして、国会議員、そして秘書の皆様方に検診を受けていただいたところでございます。
 このように、今や日本の将来を考える上では女性の健康への配慮というものが不可欠でございます。キャリア形成、その時期とちょうど妊娠適齢期が重なるんです。そのことによって多くの皆様方、婦人科疾患や不妊に悩む女性、増加しているのを御存じでいらっしゃいますでしょうか。日本で不妊症に悩むカップルは六組に一組とも言われております。何らかの不妊治療を受けているのは五十万人とも推計されているんです。
 また、男女雇用均等法で入社した女性パイオニア、私の世代でございますけれども、今や五十代前半、この管理職世代は高齢期による体調不良に悩み、二五%の皆様方が仕事の量を減らしたり退職をする選択をしているというデータもございます。女性のキャリアや人生の各段階考える上で、女性特有の健康の悩みはもう切っても切れない関係にございます。
 では、フリップを御覧ください。(資料提示)
 この六・三七兆円という数字、これは産婦人科系の病気を抱えて働く女性の年間医療費の支出と生産性の損失を合計したものでございます。医療費と、それから職場を休んでしまう、若しくは体調不良でなかなか効率的に働けない、そういった社会的な損失を合計したのが六・三七兆円です。私は、この金額を見て驚きました。なぜならば、平成二十八年度国土交通省所管の予算は六兆円です。女性の健康を守らなければこれだけ大きな損失を抱えてしまうんだということがまさに証明できた数字ではないでしょうか。
 この日本医療政策機構が行った調査結果の数字につきまして総理はどのようにお感じになられますでしょうか、教えてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 女性特有の健康問題に対応した施策を講じて、そして女性の健康増進を図ることは、御指摘いただいたように、医療費や労働力の損失を削減することに寄与すると、このように思っております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 多分総理もこの数字御覧になって驚かれたことと思いますけれども、まさにこの六・三七兆円という数字は、これから私どもしっかり解決をしていかなければならない数字なんです。
 しかし、今まで、この健康というもの、実は厚労省が管轄しているのではないのかなと皆さん思われていらっしゃったと思いますけれども、経済産業省も積極的に今関わってくださっております。東京証券取引所と共同で、従業員の健康管理を経営的な視点で考える新たな仕組みに挑戦してくださっております。昨年より、健康管理に戦略的に取り組んでいる企業を健康経営銘柄として選定してくださいまして、公表することで企業の健康経営の取組が株式市場において適切に評価される、そんな仕組みづくりが始まっております。
 女性の更なる活躍、これを推進するのであれば、評価指標として女性の健康への取組というものをしっかりとその中でも入れていただくべきだと考えておりますけれども、経産大臣、御意見いただけますでしょうか。
○国務大臣(林幹雄君) 経産省では、経営的な観点から従業員の健康増進に取り組む企業を株式市場で評価するため、東京証券取引所と共同で健康経営銘柄を選定しております。
 選定に当たっては、乳がんや子宮頸がんの検査費用を補助している場合には加点項目とするなど、女性の健康づくりを評価指標として盛り込んでいるところでございます。例えば、本年一月に発表しました健康経営銘柄二〇一六で選定されましたワコールホールディングスでは、定期健診時に乳がんや子宮頸がん検診を同時に受診できる環境を整備するなど、女性の健康づくりに積極的に取り組んでおります。
 薬師寺議員の御指摘の、女性の健康も踏まえながら時代に応じた健康経営を推進するため、健康経営銘柄の評価基準の検討あるいは選定などを行ってまいりたいと考えています。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 改めて、経済界の皆様方も、この六兆円という数字、重く受け止めていただきたいと私は願っております。
 なぜならば、これから持続可能な社会保障制度をつくっていく上においても、しっかりこの予防というものに力点を置かなければなりません。しかし、その予防というものを考えたときに、女性の健康というものは、まさにホルモンのバランスなどの調整は難しゅうございます。ストレスによってそのホルモンのバランスが崩れるということは、やはりいかに就労環境を整えていくのか、整備をしていくのか、それは私大切なこれから政府の仕事になってくるかと思いますので、是非経産省におかれましても、女性に優しく、そして働きやすい職場というのはどういうものなんだという研究を重ねていただきたいとお願いを申し上げておきたいと思います。
 では次に、今も申しましたけれども、働く女性の健康管理というものはなかなか個々の努力だけでは賄えるものではございません。企業にしっかりと担ってもらうためにも、データというものの蓄積は、これは欠かせないものでございます。
 しかし、今までの健康データというのは厚労省が取っていたものでございます。しかし、残念ながら、この厚労省で取ったデータというものは、企業にもたらされる付加価値のようなものというものの調査研究はございません。女性が働きやすい環境の整備、そして健康経営に取り組む企業が参考にできる事例調査などもこれからしっかりタッグを組んで厚労省と経産省と行っていただきたいと思いますけれども、塩崎大臣、御意見いただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) この平成二十七年度から、女性の健康の包括的支援実用化研究事業といたしまして、子宮内膜症や骨粗鬆症などの女性特有の疾患の病態の解明、そしてまた予防、治療法の開発などのための研究を厚生労働省として行っております。
 今後の研究については、御指摘を今いただいているような視点をしっかりと踏まえて、女性の健康支援の観点から、関係省庁との連携を含めてどのような研究が更に可能なのか検討してまいりたいというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 これは大変重要な問題でございます。
 今、日本の婦人科系のがん、いわゆる子宮頸がん、そして乳がんの検診受診率というのは四〇%なんですね。先進国は八〇%に行くから、やっぱりこんなに意識がやはり当事者も薄い、しっかり教育も検診も併せて行っていただきたいと私も思っております。
 これからは少子高齢化社会でございます。しっかり女性も活躍しなければ、その少子高齢化社会というものを担うことはできません。そのためには、女性の健康があってこそだと私は考えております。しかし、まだまだその政策は薄いというのが現状でございますので、これからしっかりこの女性の健康を守る政策を強化すべきということで、総理、是非後押しいただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 女性には、妊娠・出産期、更年期などライフステージによって異なる特有の健康問題があり、それぞれの世代に対応した対策が必要であります。
 政府は、女性の健康支援として、子宮頸がん、乳がん検診に対する財政支援や受診勧奨、そして思春期から更年期に至るまで幅広い女性を対象とした女性健康支援センターでの身体的、精神的な悩みに関する相談指導、女性の健康週間における普及啓発など、きめ細かな対策を講じています。
 今後とも、女性の生涯を通じた健康支援にしっかりと取り組んでまいります。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 女性が活躍するということは、女性が男性化をして働くということは全く違います。女性は女性ならではの感性、視点を生かしながら、体力の無理のないように、ホルモンの調整のバランスを取りながら働く、これが私どもが望んでいることでございます。
 更に申しますと、女性の活躍というものは決して職場だけではございません。地域社会を守ってくださっている専業主婦の皆様方、その方々のお力あってこそ、私どもがこうやって社会で働くことができます。
 ですから、これからは、女性が様々な場で活躍するということを視野に入れながら、政府もしっかりとした政策というものを打っていただきますよう私からお願い申し上げて、質問とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で薬師寺みちよさんの質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(岸宏一君) 次に、荒井広幸君の質疑を行います。荒井広幸君。
○荒井広幸君 新党改革の荒井広幸です。
 待機児童、先ほどもありましたが、民主党政権から替わって二倍の質と量で安倍内閣は対応してきましたが、それでもやっぱりまだまだというところがあるという点においては、これは我々も実態を見て反省をしていかなければならないと考えております。(資料提示)
 今各党が言っていらっしゃるのは、大方まとめますと、緊急対策として、フリップにありますが、保育士の増員。このためには、現在の方が辞めないようにしていただくことも含め、復帰をされるされないは別として八十万人の方が保育士を持っていらっしゃるんですね、資格を。この方々の処遇改善で、まずは給料をアップしていこう。それから保育所の増設をしていく。これも中川先生からも指摘がありましたが、全国で都市部と地方部では状況が違います。市町村でも違います。そういったときに、土地の有効利用なども含めて考えなければなりませんが、例えば、これは公明党さんが言っていらっしゃいますが、特別地域を指定してNPOとか民間の方々に支援をしながら保育所というのを増設できないかと、これも一つだと思いますね。それから、受入れ人数、期間の拡大、これも度々ございました、民主党さんも言っていらっしゃいます。それからマッチング、これは、隣のところの保育所から行くときにバスを出す、隣の町などとのマッチングというのがありますね。それから、企業内保育所を有効活用するというやり方もあるわけです。
 こういったことをやるときに、私たちは、これは総理もメンバーでいらっしゃいましたが、一九九九年に、中山太郎先生と、村山富市さんが最高顧問でした、二百四十名の国会議員団で作りました少子化社会対策基本法、これは解散を挟みまして四年掛かってやっと二〇〇三年にでき上がった法律ですが、これをベースに、今言っていただいている、総理が夢を紡ぐという言葉を使っていただくのは、法律で初めてこの議員立法の少子化社会対策基本法が夢というのを入れたんです。それを引用していただいているわけですが、この中で重視するところは何だったかと、こういうことなんですね。
 これは、厚労大臣、今、我々は子育ての親の側ばかりを言っているんです。この当時、我々が重要視したのは子育ちなんです。子供がどう育っていくかという子供主体で考えようということで、厚生省もよく知っているわけですが、ここを改めて私たちは頭に置いた上で今回の緊急対策もしていかなければならない、こういうことです。
 そうなりますと、最大は何かというと、財源ということになります。財務大臣等々に提案をしていくわけですが、財源は今各党なかなか明言できておりませんが、我々は雇用保険の積立金、その中に国庫負担金は一千五百億円毎年あります。積立てしたものが六兆円あります。この六兆円が多いよというので、安倍内閣、これも皆さんいいことをやったんです、労使折半で雇用保険というのは払うんですが、これを下げたんですよ。保険料を下げたから皆さんの手取りはその分楽になったということで、下げるんですね。正確には、これからやるんですね。こういうことをやっている。
 雇用保険の積立金六兆円を一兆円取り崩す、ないしは毎年の国庫負担金一千五百億円のうち五百億円を活用する、これを当面の緊急対策に充てたらどうか。これを答弁願いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お話がございました、雇用保険の国庫負担を保育士の給料アップにつなげたらいいじゃないかと、こういうことでございますけれども、御指摘のこの労働保険特別会計の雇用勘定の活用につきましては、雇用保険の国庫負担というのは、失業が言わば政府の経済政策、雇用政策と関係が非常に深いということで、政府もその責任の一端を担うべしと、こういうことで国庫負担を行っているわけでありまして、この割合につきましては、平成十九年の雇用保険法の改正によって、本来の割合であります原則二五%から、今暫定的にその五五%であります一三・七五%に引き下げられておるわけであります。
 当面の国庫負担の在り方については、昨年末に経済財政諮問会議において取りまとめられました経済・財政再生計画の改革工程表、これで積立金の、雇用保険料の水準等々様々なことを考え、雇用保険法附則第十五条の規定というのも元に戻すというのがありまして、そんなことも含めて様々検討をして結論を得て、検討の結果に基づいてということになっておりまして、この方針でいくというのが私どものスタンスであります。
 もう一つの、一兆円の積立金を保育につぎ込んだらどうだろうかと、こういうことでありますけれども、これは一言で言えば、保険料を負担いただいている、先ほどの労使折半、この方々の御理解をいただくということが大事だというふうに思っております。
○荒井広幸君 これは、国民の皆さんもよく見ていただきたいんですね。
 雇用保険には一千五百億円入れていますから、今六兆円余っているんです。しかし、急場のときにはそれは取り崩しますが、今のところアベノミクスで考えられません。ですから、まず五百億円程度をいわゆる国庫負担金をしないで保育に充てるというのはどうかと、総理そして財務大臣に申し上げているんです。これは財政審で、二十八年度の予算においては、現在、積立金の規模は失業給付の四年分を上回るものとなっており、当面停止は可能と、財政審、ここでさえ言っている。これがA。Bは、六兆円のうち一兆円を五年程度の年次にして、それでこれを賄っていったらどうだと、こういうことを言っているんです。
 これは、いずれにしても検討をしていただきたいと。財源がなければ、やっぱり国民の皆さん、できないんです、今。こうしたことを提案して、それを受け止めて、総理、対応していただきたいということを申し上げておきます。
 続きまして、寄附です。
 この寄附、もう時間がありませんから、財務大臣、自治体や国に寄附をする場合とNPOや保育園や学校法人などに寄附をする場合、全く待遇違うんです。税金をまけてもらえるところの金額が違う、手続が違うんです。ここに書いております。これを是正していただけませんか。財務大臣、簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(麻生太郎君) これを簡潔に説明するのはほぼ無理です、極めて難しい話ですから。
 ただ、前向きに検討させていただくなんという簡単なことを言えるほど簡単じゃありませんが、この問題につきましては、我々としてはいろいろ対策を考えないと、これは税の公平性を欠きますので、その点だけは御記憶をいただきたいと存じます。
○荒井広幸君 簡単にお叱りをいただいたような感じでした。
 これ皆さん御覧ください。今度は、企業がふるさと納税を始めるときに、企業が自治体にやるときには六割も税金まけてもらえるんです。同じことを保育園やNPOや、そして私たちがいいなと思う活動をしている法人に同じように適用する、そして、同じように企業の場合も個人の場合もそういうふうにしていく、是非検討を望みたいというふうに思います。だんだん選挙戦でそういったことが争点になってまいりますので、考えていただくということを国民の皆さんにもお願いしているわけです。
 最後になりますが、その寄附でも、遺産、遺言をして寄附をする場合も本当に難しいんです。これも何とかしてもらうと、有効に私の財産使ってもらいたいという人もいますから、これも併せて御検討ください。
 では、漢方薬、まあ薬草ですね、この中でお話をさせていただいております医薬用大麻について最後お尋ねします。
 THC、テトラヒドロカンナビノールというのが精神作用があるんです。しかし、CBD、カンナビジオールというのはそれがないんですね。ですから、限定的に研究開発をするべきだと、こういうふうに言って、世界の実情を見てもらいたいとお願いしましたが、厚労大臣、世界の実情、調べてもらっていますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 前回もお取上げをいただきましたこの医療用大麻の世界の実態でございますけれども……
○荒井広幸君 調べていただいたかだけで。
○国務大臣(塩崎恭久君) はい。
 もちろん、世界各国における現状については、現在、各国政府関係者に問い合わせて確認を行っているところでございます。
○荒井広幸君 やっと動いてまいりましたね。こういうふうに研究していただくことで、日本は特許まで取られているんですから、こういうところは非常に重要です。
 そこで、このCBDオイル、ヘンプオイルとも申しますが、それは個人輸入できるんです。これは規制されていません。ところが、この輸入されたもので粗悪品が入っているということで、アメリカは非常に問題になったんです。検査機関が私は必要かと思うんですが、厚労大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) いわゆるCBDオイルにつきましては、大麻草の成熟した茎と種から作られたオイルでございまして、一般には、麻薬成分であるTHCを含んでいないため、食品などへの利用目的で輸入されているというふうに承知をしております。
 こうした一般的な食品の輸入については、個々に含有成分を確認をし、その品質を評価する仕組みは我が国にはございませんで、食品のCBDオイルについてのみその品質評価のための検査等を行うことはなかなか難しいというふうに考えておるところでございます。
○荒井広幸君 インバウンド、オリンピックもあります。どうぞ、これは規制されていませんが、これを、成分をきちんと見ていく、こういった機構の必要性を申し上げたいと思います。
 七日には、衆議院の選挙制度が議長の下で会議となります。安倍総理大臣はアダムズ方式を含めて取り入れると、総理・総裁が言っておられます。どうぞ、自民党衆議院議員各位においては、是非これを積極的に取り入れていただいて早期解決をしていただくように望みまして、終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で荒井広幸君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて内政・外交の諸問題に関する集中審議は終了いたしました。
 次回は明二十九日午前八時五十五分から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十八分散会