第190回国会 決算委員会 第8号
平成二十八年四月二十五日(月曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     大野 泰正君     西田 昌司君
     島田 三郎君     酒井 庸行君
     宮本 周司君     熊谷  大君
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     酒井 庸行君     島田 三郎君
     森本 真治君     大島九州男君
     吉川 沙織君     江崎  孝君
     河野 義博君     荒木 清寛君
     吉田 忠智君     又市 征治君
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     熊谷  大君     豊田 俊郎君
     中西 健治君     田中  茂君
     荒木 清寛君     矢倉 克夫君
     井上 哲士君     大門実紀史君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     田中  茂君     中西 健治君
     滝波 宏文君     宮本 周司君
     豊田 俊郎君     三宅 伸吾君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小泉 昭男君
    理 事
                井原  巧君
                石井 正弘君
                中泉 松司君
                礒崎 哲史君
                難波 奨二君
                平木 大作君
    委 員
                有村 治子君
                島田 三郎君
                田中  茂君
                滝波 宏文君
                塚田 一郎君
                豊田 俊郎君
                中西 健治君
                西田 昌司君
                橋本 聖子君
                古川 俊治君
                三宅 伸吾君
                宮本 周司君
                山田 俊男君
                吉川ゆうみ君
                江崎  孝君
                江田 五月君
                小川 勝也君
                大島九州男君
                寺田 典城君
                安井美沙子君
                矢倉 克夫君
                田村 智子君
                大門実紀史君
                清水 貴之君
                又市 征治君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       国土交通大臣   石井 啓一君
   副大臣
       財務副大臣    岡田 直樹君
   政府特別補佐人
       公正取引委員会
       委員長      杉本 和行君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡  拓君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      浜田 省司君
       警察庁長官官房
       審議官      河合  潔君
       金融庁総務企画
       局長       池田 唯一君
       金融庁公認会計
       士・監査審査会
       事務局長     天谷 知子君
       外務大臣官房参
       事官       牛尾  滋君
       財務省主計局次
       長        茶谷 栄治君
       国税庁次長    星野 次彦君
       厚生労働大臣官
       房年金管理審議
       官        福本 浩樹君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局生
       活衛生・食品安
       全部長      福田 祐典君
       国土交通大臣官
       房長       田端  浩君
       国土交通大臣官
       房物流審議官   羽尾 一郎君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        金尾 健司君
       国土交通省道路
       局長       森  昌文君
       国土交通省住宅
       局長       由木 文彦君
       国土交通省鉄道
       局長       藤田 耕三君
       国土交通省自動
       車局長      藤井 直樹君
       国土交通省航空
       局長       佐藤 善信君
       国土交通省国際
       統括官      奈良平博史君
       観光庁長官    田村明比古君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   村上 英嗣君
       会計検査院事務
       総局第三局長   須藤  晋君
       会計検査院事務
       総局第五局長   斎藤信一郎君
   参考人
       株式会社日本政
       策金融公庫代表
       取締役総裁    細川 興一君
       株式会社国際協
       力銀行代表取締
       役総裁      渡辺 博史君
       独立行政法人都
       市再生機構理事
       長        上西 郁夫君
       独立行政法人都
       市再生機構副理
       事長       花岡 洋文君
       独立行政法人都
       市再生機構理事  伊藤  治君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成二十六年度一般会計歳入歳出決算、平成二
 十六年度特別会計歳入歳出決算、平成二十六年
 度国税収納金整理資金受払計算書、平成二十六
 年度政府関係機関決算書
○平成二十六年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
○平成二十六年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (財務省、国土交通省、金融庁、株式会社日本
 政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行の部)
    ─────────────
○委員長(小泉昭男君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十二日までに、宮本周司君、大野泰正君、河野義博君、吉川沙織君、森本真治君、吉田忠智君、井上哲士君及び中西健治君が委員を辞任され、その補欠として西田昌司君、江崎孝君、大島九州男君、又市征治君、矢倉克夫君、豊田俊郎君、大門実紀史君及び田中茂君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(小泉昭男君) 平成二十六年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、財務省、国土交通省、金融庁、株式会社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行の決算について審査を行います。
    ─────────────
○委員長(小泉昭男君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小泉昭男君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(小泉昭男君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
○委員長(小泉昭男君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○西田昌司君 自民党の西田昌司でございます。
 私は今日は、JAL問題、それから新幹線の問題、そしてアベノミクスの検証ということで質問させていただきたいと思います。
 まずJAL問題なんですけれども、これは、何度も私、野党時代からずっと追及してきた問題であります。この問題は、JAL再生という名前で、今、日本航空はすばらしい会社になっていますけれども、私は、このJAL再生が成功したことは間違いないですけれども、ここには大切な視点が抜けていたと思っています。それは、事業再生という、事業再生屋さんの観点からすると立派な再生であったんだろうけれども、これには公的資金が投入されているわけです。公的な企業再生という観点からすると、私は、公共政策としての観点が完全に欠落をしてしまったと、それが一番大きな問題だと思うんです。
 しかし、問題は、この問題点はずっと言ってきましたけれども、一番肝腎の、じゃ、公共政策としてこの企業再生をどうするのかというルールが当時はなかった、ここが一番大きな問題だと、そのことを今までも訴えてきました。
 そこで、私は、安倍政権がもう一度できてから、当時のこの担当大臣であった稲田大臣に、まずこの法的ルール、これをしっかり作るべきじゃないかということを訴えてまいりまして、稲田大臣からの指示で公取の方でガイドラインを作ると、こういうことがされてきたわけでございますが、さて、今回そのガイドラインができたわけでありますが、そのことを踏まえて、改めて公正取引委員会にお聞きします。
 企業再生支援機構によるこのJAL再生は、今このガイドラインができたということを考えますとやっぱり問題があったと思うわけでございますが、このガイドラインができたことによって、どの辺が問題だったのか、今から振り返って、事後法で遡及することはできないんですけれども、公取としての問題意識をまずお尋ねしたいと思います。
○政府特別補佐人(杉本和行君) お答えさせていただきます。
 先生御指摘のように、公正取引委員会は、本年三月三十一日に公的再生支援に関する競争政策上の考え方というガイドラインを公表させていただきました。当ガイドラインにおきましては、公的再生支援機関が公的再生支援を行うに当たりまして、当該支援が競争に与える影響を最小限にするために、補完性の原則、必要最小限の原則、透明性の原則、この三つの原則を踏まえまして公的支援を実施すべきであるとされております。
 この考え方に基づきますと、企業再生支援機構による日本航空に対する支援については、まず、公的支援と法的整理が併用されたわけでございますが、その併用を含めた支援内容につきまして、当該支援が競争に与える影響を最小化するという観点からの検討が行われたとは考えられないこと、さらには、支援内容を決定するに当たりましては、透明性を確保するという観点から、競争事業者等からの、支援による競争への影響について意見を聴取していなかったこと、こういうことから、競争に与える影響を最小限にするための検討が十分ではなかったと考えております。
○西田昌司君 今おっしゃいましたように、結局、公的支援でありながらバランスを欠くことがされていたと。かいつまんで言えば、要するに競争環境に配慮しなかったと。つまり、JALが、ANAというライバル企業あるわけですけれども、こことの兼ね合いで考えれば過剰支援をやったと、こういうことだと思うんですね。
 ですから、この過剰支援をやったということを今認められたと思うんですけれども、問題があったと。じゃ、当時ガイドラインがあればこの過剰支援というのはされずに済んだんでしょうか、その辺の見解はどうでしょう。
○政府特別補佐人(杉本和行君) 先生御指摘のとおり、本ガイドラインは日本航空の再生当時はなかったわけでございますが、本ガイドラインが日本航空の破綻当時に存在していますとしますと、今申し上げました三つの原則、補完性の原則、必要最小限の原則、透明性の原則について検討がされたと思いますので、そういう検討が行われておりますと競争に与える影響をより小さくできたのではないかと考えているところでございます。
○西田昌司君 あればもう少し競争に与える影響は小さくできたということで、いずれにしましても、今大事なことは、事後法ではあるんだけれども、事後法というかガイドラインではあるんですけれども、今の観点からもう一度振り返ってみるとこれはやり過ぎだったということを公取の立場からも認めているわけなんですね。じゃ、それを、やり過ぎであったのは過去で、ルールがなかったからそのまま放置していいのかという話になってくるわけなんですね。
 そこで、私は再三このJAL、ANA問題について言ってきたときに、そういうふうに問題があったんだったら、じゃJAL側がその過剰支援の分をもう一度国家に戻すべきなんですね。若しくは、戻せないんだったら公共のためにそのお金を使って自らの過剰に受けた分は社会に還元すると、そういう姿勢が大事だと思うんですけれども、現実問題、それが全くされていないわけですね。
 この過剰支援が一体幾らぐらいあったと公取は考えておられますか。
○政府特別補佐人(杉本和行君) 日本航空に対する公的支援は過去の個別事案でございますし、その当時このガイドラインがなかったこともございますので、公正取引委員会の立場として具体的にどれくらいの過剰があったかを定量的に示すことはなかなか困難ではないかと思っております。
○西田昌司君 こういうふうに、今となっては分からないというふうな話になるわけですね。しかし、現実に過剰支援があったことは認めておられるわけですよ。
 私、何でこの問題言うかというと、要するに、今航空産業というのは、どんどん外国人の観光客、日本でも増えて、航空業界、非常に調子がいいんです。しかし、一たびイベントリスク、いわゆるテロとかああいう事故が起きたり、SARS問題のような病気が蔓延したりしたら、一挙にこういうようなのは落ち込んじゃうわけですよ。イベントリスクがあった、その一番大きなイベントリスクの影響を受けたのが実はかつてのJALなんですね。九・一一のテロから始まる、そしてリーマン・ショック、ああいう景気変動で一挙に乗客数が減って、そして倒産の憂き目に遭ったわけですね。こういうものはいつ起こるか分からないんですよ、航空業界。
 そういうことを考えたときに、次にもしイベント、そういう事故が起きたときに一番リスクが多いのは、これはJALではなくてANAなんですね、何度も言っていますけれども。じゃ、そのANAが、もしもですよ、今度は新たに公的救済を受けなきゃならないということになったときに、今のこのルールでいうと、JALのときにはANAの意見を聞かずに過剰支援をして、そしてJALを焼け太りさせたんですけれども、今度はガイドラインができましたね。ガイドラインができると、じゃ、今度はライバル会社のJALさんの話を聞きましょうということになるわけですよね。
 そういうことにこのルールは使われると思うんですけれども、公取の立場はどうなりますか。
○政府特別補佐人(杉本和行君) 申し上げましたガイドラインにおきましては、公的再生支援が競争に与える影響を最小限化するための三原則の一つとして透明性の原則を掲げているところでございます。したがいまして、必要に応じて被支援者の競争事業者から意見を聴取することにより透明性を確保することが適当であると当ガイドラインはしているところであります。このため、競争に与える影響が大きいと考えられる場合には、競争事業者等から市場の状況や公的再生支援が行われることによって競争事業者が受ける影響等について意見を聴取することが適当であると考えられるところでございます。
 したがいまして、先生御指摘のような問題はあるかもしれませんが、公的支援機関は、御指摘のような場合でありましても、事前に被支援事業者の競争事業者からの意見を聴取し、当該意見も踏まえつつ、競争に与える影響を評価することが適当であると考えているところでございます。
○西田昌司君 今おっしゃったように、公取の立場としては、原則としてやっぱり公的再生する場合にはライバル企業の意見を聞くという原理原則論をおっしゃったわけです。
 しかし、先ほど言いましたように、これ、経過があるんですね。片っ方のJALの再生のときにはルールがなかったからといって物すごい再生の過剰支援をしておきながら、新たな公平性のルールができたからといって、今度は、ANAをもし再生することになったらJAL側の意見を聞きますと。ということになると、結局はANAがJALにのみ込まれてしまうということにもなりかねないんですよね。私は、これは非常に不公正、不公平、国民感情的にもおかしいと思うんですね。
 そこで、改めて、これ航空局長に聞きますけれども、こういう経過がこのJAL、ANA問題、あるわけですよね。原則論としては今公取がおっしゃったようなことになるんだろうけれども、航空行政を所管する立場からすると、こうした歴史的な経緯を考えて、やっぱり取扱い、もうちょっときちんと対応しなければならないんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょう。
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 今回のガイドラインは、公的再生支援が競争に与える影響を最小にすべきであるという考え方に立っていると理解をしておりますけれども、これは、国土交通省が平成二十四年に作成、発表いたしました「日本航空の企業再生への対応について」、いわゆる八・一〇ペーパーと共通の考え方に基づいていると認識をしております。
 その上で、このガイドラインにおきましては、これはちょっと引用させていただきますけれども、「公的再生支援機関においては、」「必要に応じ規制当局とも連携しながら、あらかじめ競争への影響を検討・評価した上で公的再生支援の内容を決定する」とされており、また、これからまた引用させていただきますが、「規制当局は、公的再生支援に関連して、被支援事業者やその競争事業者に対し許認可を含む処分等を行うときには、競争条件への影響が必要最小限のものとなるよう留意することが望ましい。」とされているところであります。
 かかる観点から、航空運送事業の規制当局といたしましては、本ガイドラインが将来航空業界に適用される場合には、航空業界における過去の公的再生支援が競争に与えた影響や委員御指摘の課題として残った問題点を十分に踏まえるとともに、競争条件への影響が被支援事業者にとってプラスもマイナスも必要最小限のものとなるよう留意することが望ましいと考えております。仮に本ガイドラインが将来航空業界に適用される場合には、このような考え方に立脚し、必要に応じ公的再生支援機関と連携してまいりたいと考えております。
○西田昌司君 たくさんお話しになったんですけど、要するに、原則は原則としてあるけれども、今までのこの経緯を見て対応する、こういうことだろうと思うんです。ですから、今回のJAL、ANAがもし逆さまのようなことが起きた場合には、しっかりその辺を踏まえて対応していただきたいと思うんです。
 しかし、いずれにしましても、私はそのガイドラインの精神を考えますと、やっぱり圧倒的に財務的な格差が出ているわけですよ。経営の内容的には、八・一〇ペーパーによりまして、羽田の傾斜配分なりで、経営のフローの部分では随分この格差はなくなってきたように思います。しかし、圧倒的に借金の金額が違うわけですよね。有利子負債がJALの場合にはほとんどない、七百億円ぐらいですか、しかし預貯金がありますから、実質ゼロですよね。片っ方のANAの方は八千億弱の有利子負債がありますよね。この差というのはずっとなかなか埋まらないわけですよね。ですから、私は、財務的なその差の分をJALがもう少し公的な分野に使うべきじゃないかと。
 そこで、国交大臣にお聞きしたいんですけれども、今こういう原理原則論、手続の話もありますけれども、やっぱり国交省としまして、JALが、この八・一〇ペーパーの期限が終わる今年度末までおとなしくしていればあとはもう自分たち好きな放題できると思っているのか知りませんけれども、そうじゃなくて、あなた方が過剰にため込んだ分は、もう少し世の中のために使うなり、公的な分野でその過剰支援の分をお返しすると、やっぱりそういう姿勢がなければならないと思うんです。これは法律ではできません。できませんが、やっぱりそうしていかないと、JALの企業価値も私上がらないし、これはやっぱり汚れた翼のままになってしまうと思うんですが、国交大臣の御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 日本航空の再生に当たっては、関係者の理解の下に、公的資金の投入や債権放棄、減資等の協力が行われてきたものと承知をしております。
 日本航空に対する公的支援のうちどの部分が過剰であったかをお答えすることは様々な考え方があるため困難でありますけれども、再生に向けた取組の結果、会社更生手続に従い発生した繰越欠損金制度による法人税の減免や、債権放棄による金利負担の軽減等によるキャッシュフローの改善効果があったものと考えております。
 一方、八・一〇ペーパーにおきましては、航空局は、日本航空に対し、関係者の理解の下に公的資金の投入や債権放棄、減資等の協力が行われてきた経緯を踏まえ、社会に対する貢献方策についての検討を要請するとありまして、これにのっとり日本航空に社会貢献の検討を要請してまいりました。これを受けて日本航空においては、社会貢献方策として、これまでパイロット奨学給付金の設立や地域航空会社への支援等を行ってきております。
 国土交通省としては、今後も引き続き、八・一〇ペーパーに基づき、二〇一六年度末までの間、適切に対応してまいりたいと考えております。また、二〇一六年度でこの八・一〇ペーパー、期限は切れるわけですけれども、その後も引き続いて、安全の確保を第一としつつ航空会社間の健全な競争を通じて利用者利便の向上を図るという航空政策の基本的な考え方に立って、航空業界の情勢の変化を見極めつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。
○西田昌司君 八・一〇ペーパーの期限が切れても、切れたらそれで終わりじゃなくて、引き続き監視をしていくという、そういうことでよろしいですか。
○国務大臣(石井啓一君) 監視と申しますか、航空会社間の健全な競争を通じて利用者利便の向上を図るという基本的な考え方に立って、しっかりと見極めていきたいと思います。
○西田昌司君 今日はちょっと時間が少ないのでもうこの問題はこの程度で終わりますが、引き続きしっかり見ていっていただきたいと思います。
 さてそれで、大臣にまた整備新幹線についてお聞かせいただきたいと思うんです。
 私は、与党整備新幹線検討委員会、特に敦賀以西の北陸新幹線の委員会の委員長をさせていただいておりまして、間もなく中間報告を取りまとめるわけでありますが、しかし、この議論を通じて私は非常に疑問に思うのは、かつて、整備新幹線はもちろんありませんでした、国鉄がやったんですけれども、東海道新幹線そして山陽新幹線というのは、たしかもう工事着工から十年以内、六年か七年ぐらいで工事できちゃっているんですよね、二つとも。ですから、十年以内に全部計画したらできると。
 ところが、北陸新幹線は、昨年ようやく金沢まで来ました。そこからあと大阪までつなぐ、そのルートを今我々は調査する案を検討しますけれども、今のままでは何年たつんでしょうね、たしか建設予算が七百五十億円程度でありますから、このままの調子でいくと三十年、四十年掛かっちゃうと。それも、九州新幹線も北海道新幹線もありますから、もう本当に何年たってもできないんじゃないかと思うんですけれども。
 大臣、ちょっと通告からどんどんはしょって本質論の質問しますが、まず、これ局長に、何年掛かるんですか、大体。そもそも何でこの予算がこんなに少ないのか。予算が少ないのが一番問題だと思うんですけれども、財務大臣おられるけれども、遠慮なくちょっと、何でこんなに予算が少ないのか、その辺のところの説明をしてください、かいつまんで。
○政府参考人(藤田耕三君) 現在、整備新幹線、三線で整備を進めておりまして、このうち最も遅いものとしましては新函館北斗から札幌まで平成四十二年度末開業という予定で進めております。この間、公共事業費は七百五十五億円毎年を予定しております。
 この額の多寡につきましては、これは歴史的な経緯でこうなっているという以上のことはなかなか申し上げにくいというのが実情かと思います。
○西田昌司君 その歴史的経緯を話してもらったらいいんですが、要するに、予算にはシーリングというものが掛かってきて、なかなか、国交省全体で公共事業の枠組みがあれば、その中で道路は幾ら、鉄道は幾らと、こんな話でずっと来ているわけですよね。
 確かにシーリングというのも大事なことだと思うんです。しかし、今一番問題は、このシーリングをやり過ぎた結果、結局日本はどうなったかというと、インフラ不足ですよ。インフラが整備できない。そして、地方が全く疲弊してしまっている。そしてその結果、東京一極集中が起こり、そしてさらには少子化が起こり、結果的にはデフレをつくるという、本当にばかなような悪いことの再生産が次々行われてきているわけです。こういうでたらめを、結果的にでたらめ政策になっちゃったんですよね。
 どこかでこれは直さなきゃならないんですが、その質問は後で財務大臣にさせていただくとしまして、まず、国交大臣に、私はこういうことを考えると、やっぱり予算は、国交大臣の立場としては、これは無駄な公共事業ではなくて必要な公共事業なんですから、そして金沢の開通を見ても分かりますように、これができれば一挙にインバウンドも増えるし地域の再開発も進んでいくと、いいことだらけなんですよね。ですから、今のような計画ではなくて、もっとルートが決まれば前倒しで十年以内でやっていくと、そういうような方向でこれ予算要求すべきじゃないですか、大臣。
○国務大臣(石井啓一君) 社会資本の整備には、生産性の向上や民間投資の誘発、雇用の増加など、地域において中長期にわたり経済を成長させるいわゆるストック効果がございます。
 新幹線につきましては、国土形成計画におきましても、国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展を図るための社会的な基盤として位置付けられておりまして、国土における地域間の移動時間を大幅に短縮し、我が国のビジネス、観光の交流を促進することで地域の産業や社会に大きな効果をもたらします。このような効果を最大限発揮するためには、限られた予算ではありますけど、最も効果的に活用しつつ、時間軸を明確にしながら整備新幹線の整備に取り組んでいく必要があると考えております。
 こういった中で、政府・与党の昨年の申合せにのっとりまして、それぞれ整備新幹線の開業時期を前倒しをしているというところでございます。できるだけ早期に新幹線が開業することによりまして開業の効果をより早く発現をさせていきたい、このように考えております。
○西田昌司君 それと、できるだけ早くなんですけど、これは財務省が改心してくれないとなかなかできないんですけれども。
 そもそも、その整備ルートを決めるときに、例えば今の中央リニアの場合は完全にこれは民間企業になっているJR東海が自分たちのかい性でやる分ですから、なかなか我々が口を挟む余地が実は少ないんですけれども、整備新幹線はあくまで公共事業で、これは国がまた地方と一緒に造っていくわけですよね。
 そうすると、私は、大事なのはやっぱり地域開発、沿線開発がきっちりできるかと。新幹線ができることによって、地域間の速達性が確保されるだけではなくて、やっぱり地域が良くなるというのが大事だと思うんですよね。
 特にその中でも、今、小浜ルート、元々新幹線は小浜を通って大阪につないでいくという話で、小浜というのが一つ決まっていたわけですけれども、なぜ小浜だったのかというと、やっぱり若狭地域というのは、今もそうですけれども、一番交通不便な地でありますね。同じように、山陰・丹後地方も非常に交通の不便な地域なんです。この若狭・丹後地域というのは、逆に言えば、山陰新幹線が通る予定で昔あったんですけれども、今全くこの話は手付かず状態である。
 ですから、私は、この際、北陸新幹線を考えるときには、若狭地域とそして丹後地域、そして将来の山陰地域の、結べるような、そういうルートも考えるべきじゃないかということをいろいろなところで訴えてきたわけでありますけれども、やっぱりこの新幹線を考えるときには、そういう地域開発の視点、これ大事だと思うんですけど、大臣、いかがお考えでしょう。
○国務大臣(石井啓一君) 整備新幹線は地域の産業や社会に大きな効果をもたらすものでありまして、全国新幹線鉄道整備法に基づき、公共事業方式で整備が進められております。
 この法律におきましては、第一条に目的としまして、「高速輸送体系の形成が国土の総合的かつ普遍的開発に果たす役割の重要性にかんがみ、新幹線鉄道による全国的な鉄道網の整備を図り、もつて国民経済の発展及び国民生活領域の拡大並びに地域の振興に資すること」と、このように規定されております。
 したがいまして、整備新幹線につきましては、高速鉄道として地域間を短時間で結ぶ速達性はもとより、国土の開発や地域振興などの視点も含めた総合的な観点から整備を進めていく必要があると考えております。
○西田昌司君 そういうことで考えますと、今までの整備新幹線の中では全く検討されてこなかったんですけれども、私は、関西空港をこの新幹線ネットワークで結ぶということは、今の地域全体の話も含め、これから期待されるインバウンド効果を考えると非常に大事だと思うんですよね。
 我々の北陸新幹線検討委員会の中でも、いろんな意見から、この北陸新幹線を考える際に、関西空港と新幹線の乗り入れができるようなことを考えるべきだという意見も有識者からも地方自治体からもあったわけでございますけれども、大臣は、この新幹線ネットワークで関西空港に結ぶという考え方にはいかがでしょうか。是非、大臣の御所見、頑張ってやろうということを言っていただきたいんですけれども。
○国務大臣(石井啓一君) 北陸新幹線につきましては、整備計画によって、長野市付近、富山市付近、小浜市付近を経由して、東京都から大阪市下に至る路線として定められております。この敦賀―大阪間のルートにつきましては、今委員が委員長を務めておられます与党の北陸新幹線敦賀・大阪間整備検討委員会において、今、大変御熱心な議論をいただいているところでございます。
 国土交通省としては、引き続きこの与党の議論を伺いながら、この議論がまとまった後に事業費等のルート選定に係る検討に必要な項目について調査を行ってまいりたいと考えておりますが、関西国際空港への延伸につきましては、空港接続による利便性が高まるとの意見があることは承知しておりますが、先ほど申し上げました北陸新幹線の整備計画が東京から大阪市下に至る路線というふうに位置付けられていることから、この関西空港への延伸につきましては北陸新幹線とは別の問題であろうと、このように考えているところでございます。
○西田昌司君 またこれは与党でしっかり提言をして、政府として動いていただくように頑張りたいと思います。
 そこで、ちょっと時間がなくなってきたんですが、麻生大臣にお伺いしたいんです。
 ここからが本題でして、こういう新幹線事業、公共事業もそうなんですけれども、なかなか整備が進んでこなかった最大の原因は、私は、要するに公共事業費をどんどん削減してきた、もっと言えば、財政再建ということが先に立って、プライマリーバランス論が余りにもこれは行き過ぎてしまったと思うんですよね。元々麻生大臣は積極財政派であったと思うんですけれども、平成の是清ということで期待をしていたわけでございますが、もう少しやっぱり平成の是清のように思い切って出していただきたいと思っているんですよね。
 特に最近気になりますのは、せんだってノーベル経済学賞を受賞された著名な二人の、クルーグマン博士、そしてスティグリッツ博士、この両教授を官邸に招かれて、世界経済の様子を総理がお聞きになったわけです。そこで発言されているのは、要するに今は公共事業を始め財政出動すべきなんだと、そしてそのためにはいわゆるPB、PBという言葉はあえて使われなかったんですけれども、要は短期間に集中的に投資をしないと駄目だと、特にデフレから脱却するためには脱出速度が要るということもおっしゃっていたわけですね。
 つまり、幾ら公共事業をぽっとやっても、小さい金額ではぽちょんとまた落ちちゃうわけですね。これをどかんと突き抜けなきゃいけないわけですよ。一番分かりやすいのは新幹線のようなものですよね。これを、北陸だけではありません、九州も北海道も含めて十年でやっちゃうと。やっちゃうためには、(発言する者あり)四国、もちろんいいですよ、やるのに、例えば新幹線、今七百五十億円ぐらいですけれども、これを三千億円、四千億円の予算で行っちゃうと、これ全部できちゃいますよ、四国も含めて十年で。できちゃうんですよ。ところが、それを阻むのは何かと。これは財務省のシーリングなんですよ。そして、いわゆる建設国債を出すのを赤字国債と一緒にしてしまってPBの中に入れてしまうから予算が積み増しできないと思うんですね。
 大臣にお聞かせいただきたいのは、そういうことで、これも多分時間がなくなってくるので、これから一番大事なのは、今いわゆる消費税の増税延期を言われる方もおるんですけれども、私は、将来の負担のことを考えていくと、やっぱり、元々赤字国債が増えてきた一番の原因というのは、医療、それから福祉、年金、こうしたものは三十年前から増えるの分かっているのに、それに伴うだけの負担をしてこなかったわけですよ。負担率を小さいものに抑えてきた、そしてその間いろんな経済的危機があって赤字国債膨らんできたわけですけれども、根本的にはその問題ですね。だから、これは負担率を上げる話はしなきゃならない。
 だから、ある意味でいうと、私は、消費税はそのまま取ってでも、しかし、今は経済のことを考えると、大胆に建設国債で地域開発、新幹線に象徴されるような事業をどかんとやるべきだと思うんですよ。要するに、増税延期でやるよりも、増税はしてもそれ以上に使っていけば経済全体ではマイナス線にはならないわけですよ。そういうお考えで財務大臣が総理に進言されると私はアベノミクスはしっかりと成功すると思うんですけれども、その答弁書じゃなくて大臣のお言葉で答えていただく方が分かりやすいと思いますので、どうぞお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) こういうまともな質問をしたいんだったらもう少し早めに言っていただかぬと、短く切られると甚だ中途半端なことになって、その中途半端なところだけ記事に書かれてろくな話になりませんから、こういう話はもう少し西田さんぐらいのベテランだったら時間を取って最初のうちに質問していただくと私どもとしてもまともなお答えがしやすいんだと思いますが。
 基本的に、絵の描き方がちまちまし過ぎているんですよ、西田さんのところの絵の描き方が。まずこれが一番の間違いだと私は思っております。
 昔でいえば、日本で最初に何々道線というのができたのは東海道線と思っている人がいっぱいいらっしゃいますが、間違いです。東北道、いわゆる東北本線が日本で最初にできた鉄道ですよ。はい、知っていた人。知らないでしょう、みんな。(発言する者あり)珍しいね、勉強したのか。いいことです。最初にこれは東北道からできているんですよ、東北本線から。なぜかと。日露戦争に合わせて兵隊さんを動員するには東北からだったからです。これが理由ですよ。次に中央本線をやろうとしたんだ。なぜなら、東海道じゃ、艦砲射撃を食らうと東海道線は潰されるから。だから東北道だと、次は中央線だということになったんだけど、政治力で結果的に東海道線が先にできて、その後、中央線になったね。これ、歴史的事実です。
 今考えているように、東海道新幹線に比べて、北陸の裏の方から回していくというのは、少なくとも東海トラフで何とかかんとかだと大騒ぎしているんだったら、向こうから回していかないとというルートを確保しておかないと駄目じゃないかと、まずそういう絵から描かにゃ。ちまちまちまちまとつなげていくという地元だけの話みたいなことをしているからいつまでたっても絵が描けていないんだと、私はこれは与党として反省されるべきはここだと思っております。
 次に、今回来た質問の中で、一番今の西田さんの質問の中で良かったのは関空までつなげるという案です。これは全くまともな案なのであって、関空で降ろして、関空から京都に上に上げて、湖西線、いわゆる琵琶湖の西側を通して上に上げていくというのが正しいのであって、それも滋賀県の中でもめていたでしょうが。あれ、誰のせいです。滋賀県でもめていたじゃないですか。だからできなかったんでしょう。
 そういうのを考えたら、大きな絵を描いてやることを考えると国全体としても絵は描きやすいんであって、どうせこういったような絵を描かれるんだったら、まずはそういった絵を描かれた上でどうされるかという話をしていただいた方がよろしいんだというところで、ちょうど時間となりました。
○西田昌司君 大臣から力説していただいたので、またの機会、しっかり大きな話でお話しさせていただきたいと思います。
 しかし、関空まで大臣がやれと、これなかなかいい話ですので、マスコミの方しっかり書くように、よろしくお願いします。
 質問を終わります。
    ─────────────
○委員長(小泉昭男君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、田中茂君が委員を辞任され、その補欠として中西健治君が選任されました。
    ─────────────
○古川俊治君 続きまして、自由民主党、古川俊治から御質問させていただきます。
 私は、東芝の問題について御質問をしたいというふうに思っております。
 これはコーポレートガバナンスの問題がもちろん第一ではありますけれども、同時にこの不正を見抜けないできた会計監査の在り方の問題でもあるということで、主に会計監査の視点からもお話を伺いたいと思っております。
 会計監査の充実を目指して累次の取組がずっと行われてきた、これは私も調べて分かっていることなんですけれども、ただ、近年、それでもカネボウの事件あるいはオリンパスの事件、東芝事件、相次いで、ずっと一流企業と本当に信じられてきた上場企業が次々に非常におかしな不正事件が分かってくるという状況でございます。
 こういった事件が起こるたびに会計監査の基準を厳しくしていく、詳細にしていくということでは、監査の現場というのはその見合うだけの監査、形式的なことを数重ねていくだけで、結局十分に品質を保証できないということになりがちであります。
 要は、会計監査の現場でしっかりその不正が見抜けなかったということとともに、監査法人の内部のレビューでそれも指摘できなかったと、これが本質でありまして、そこに対応したような改善をやっぱりしていかなきゃいけないというように思っております。
 三月八日に会計監査の在り方に関する懇談会というのが提言が出しておりまして、職業的懐疑心の十分な発揮ができていないというような点を指摘しているんですね。言ってみると、付き合っていれば、だんだんなじみになってくるとどうしても信頼関係みたいなのがよく言えばできてしまうし、悪く言えば癒着ですよね、こういうものができてくる。これは当然しようがないことなんですけれども、それを見込んだ上でやっぱりこれをどうしていくか、これを考えなきゃいけないわけですね。
 今回の東芝の不正の事件なんですけれども、これ第三者委員会の、調査委員会の報告も出ていますけれども、内容は分かります、不正がどういうものであったかはよく分かるんですけれども、じゃ、その監査が一体どういうふうに対応していたかというのがよく見えてこないんですね。例えば、月次で原価がマイナスになったということがあったわけですよ。そんなの見れば素人だっておかしいと分かりますよね、原価マイナスになるなんて。それでも監査のプロである公認会計士が見落としているんですね。この辺は非常に疑問なんですね。
 こういった会計監査の問題というのは、ありていに考えるとちょっと二つのタイプに分けられると思うんですね。
 一つは、おかしいなとちょっと思ったんだけど何となくそれを指摘するまでに至らなかったということで、見過ごしてしまったというパターンですね、どっちかというと、企業との癒着、あるいは癒着しているために関係の悪化を恐れていて十分に指摘し切れなかった、企業側に押されてしまったというパターン。もう一つが、そんなこともなく、もう信じ込んで全く不正があるということに気が付かなかったパターン。この二つが両方あると思うんですけれども、それぞれやはり対応すべき点が違うと思うんですね。
 この点で金融庁としてどうお考えなのか、この点について教えてください。
○政府参考人(池田唯一君) 今回の東芝事案に関します新日本監査法人の監査につきましては、新日本監査法人に対しまして金融庁が行いました行政処分に関しまして調査を行っております。
 その結果に従いますと、新日本監査法人は長期間にわたり東芝の監査を担当していたといったような事情がある中で、東芝というのはガバナンスがしっかりした会社であるといったことを過信し、そうしたことにより東芝側の説明に対して批判的な観点からの検証を十分に実施できなかった、また、監査チーム内での情報共有や連携がうまく機能しなかった、そうしたことによって結果として東芝の財務書類への虚偽記載を見抜けなかったということが認定されております。本件において監査人が不正を把握していたということは認定されておりません。また一方で、企業の説明がどうであったか以前に、監査人から企業に対して的確な質問を必ずしも行っていなかったものというふうに認定を行っております。
 いずれにしても、監査の質としては極めて低いものであったというふうに判断し、行政処分を行ったということでございます。
○古川俊治君 今のお答えからすると、気が付かなかった、建前上はね、もちろんそれ気が付いていたのに指摘しなかったというのは言えませんから、建前上はそうだったんですけれども、やはり信じ込んでいたというところがあるので、それはなかなか指摘できなかったんだろうという点もあると私は、そういう意見がいろんなところでも言われております。
 そうなってきますと、やっぱりただ職業的懐疑心を働かせろと形式的に言っても、これはなかなか難しいですよね。やっぱり、ずっと前年度から、前々年度からずっと不正が続いているんですよ。それを見ると、その年だけ異常値ってなかなか見付からないと思うんですよね。
 それから、監査はチームでやっていますから、言ってみると、監査人というのはやっぱりある意味サラリーマンですから、同じ、先輩のやった監査というのがこれはおかしいんじゃないかとなかなか言えないし、それと、会社にしたって、去年まではこれでよかったんだと、ところが、今年の担当者は、突然これじゃ駄目だというふうに多分言うと思うんですね、そのときにまともに言い返すことができるかと、こういう問題もあります。
 特に退職金債務の割引率とか、あるいは工事進行基準の適用なんというのは、これは将来に向かって見積もっていくという部分があるので、なかなか事後的に、結果的に、遡って見てみておかしいじゃないかというのは、これはなかなか見方として困難な点があるので、この評価ということも考えてください。
 そうすると、ただ単にこれだからと処分していくというのでは、今回、偶然結果的に見付かったから、尻尾切りみたいに一部の監査法人や会計監査人を処分しても余り意味がないような気がするんですね。ずっと、その提言でも言われていますけれども、多く今までも言われてきたのが、EUでは監査法人を一定期間ごとに強制的に交代させるローテーション制、これをやってより監査法人の独立性を高めていこうと、こういう試みがあり、提言でも有効な、有力な選択肢というふうに言われておりますけれども、今後これについてどのように検討していくのか、金融庁の方から意見を聞きたいと思います。
○政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。
 先ほどお答え申しましたように、東芝の事案では、監査チームのメンバーが長期間にわたり東芝の監査を担当してきたことにより東芝側の説明に対して批判的な観点からの検証を十分実施できなかった、それが問題が生じた原因の一つであるということが認定されているところでございます。
 この関連では、ただいま先生御指摘のとおり、EUでは監査法人の独立性の確保を徹底するという観点から監査法人のローテーション制度が本年の六月から導入するということが決定されているところでございます。このため、先生御指摘の懇談会の報告におきましても、監査法人のローテーション制度は我が国においても有効な選択肢の一つであるとされているところでございます。
 ただ、この懇談会の報告の中でも、例えば監査法人のローテーション制度の導入については、大手監査法人の数が著しく限られている現状がある等の問題があって、そういう中で円滑にローテートできるのかというような指摘があったことも事実でございまして、ただ、こうした事情はEUでも同様なものであると考えられ、それでもなお導入を決定されたということでございます。
 したがいまして、金融庁としましては、我が国において監査法人のローテーション制度を導入した場合のメリット、他方、ただいまの指摘のようなデメリットがどうなのかというのを、EUを含む諸外国の最近の動向を正確に調査をし分析し、それに基づいて責任のある判断をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○古川俊治君 大手監査法人、これ数が限られていると結局ローテーションといってもうまく機能するか、これはたくさん指摘されていることなんですけれども、今やっぱり四つの監査法人しか上場会社の審査ができないというのが結構問題なんですね。やっぱり準大手と言われているところが、これがどんどん引き受けられるようにキャパがなってくればこういった問題もおのずと解決してくるところがあるので、是非そういった取組も金融庁の方で指導していただきたいというふうに思っています。
 今のは今後独立性を高めるにはどうしたらいいかという議論ですが、同時に、能力のある公認会計士、これの問題というのも一つ指摘をされているわけですね。
 やっぱり能力のある、見過ごさないような公認会計士をつくらなきゃいけないということになりますと、近年、特に公認会計士の希望者が極めて減少しているということで、直近はピーク時の大体四割程度に陥ってしまったと、減っているという状況であります。公認会計士の、一時期、平成十八年度、新試験制度にしまして、合格者数を従来の二から三倍に急増させたと。ところが、なかなか就職が、実務経験を積めないということで、途中で企業財務会計士なんという制度をつくろうとしたんですけれども、結局これも廃案になってしまってうまくいかなかったんですね。それでずっとその後も結局志願者は減り続けているということで、これちょっと、志願者が減少というのは、志を持った人がなかなか来ないということで、やっぱり専門家としての質の低下、ちょっとこれは弁護士も今制度がそうなっているんですが、非常に危機的なことが感じられます。
 これ、弁護士の方も同じ状況でありますが、国として、ちょっとその新試験制度を導入した影響で志願者がずっと、混乱の影響が今日まで引き続いているんじゃないかと、私はちょっとそういう気がしているんですが、今志願者が減少している状況のその理由として金融庁としてどうお考えなのか、また、今後、資質や志の高い志願者を増やしていくためには何が必要なのか、今お考えのことをちょっと教えていただきたいと思います。
○政府参考人(天谷知子君) お答えいたします。
 ただいま御指摘ありましたように、公認会計士試験の願書提出者数、平成十七年と比較いたしましても現在三分の二程度の水準となっております。
 この減少につきましても確たる理由ということは申し上げることは困難でございますけれども、ただいまお話にもありましたように、平成二十年以降の一時期、当時の経済情勢の悪化等を背景といたしまして監査業界が採用を絞ったということで試験合格者の就職難が生じていた時期があった、そういった状況を見まして学生の中で公認会計士を目指す学生というものが減少したと、こういった辺りが一つ大きな要因ではないかなというふうに考えております。
 我が国の会計監査を担う優秀な人材を確保するというためには、この公認会計士試験の受験者増を目指すということが極めて重要であると考えております。そのため、金融庁あるいは公認会計士・監査審査会、また日本公認会計士協会では、従来より大学生等を対象といたしまして会計監査の重要性あるいは公認会計士資格についての講演を実施しているほか、金融庁公認会計士・監査審査会といたしましても独自の公認会計士試験に関するパンフレットを配付するなどの広報活動を進めております。
 また、特に受験生を獲得するという意味で、近年におきましては、監査業務を担う公認会計士という職業に関心を持つ層を拡大をするという観点から、将来の受験候補者である高校生等の若年者を対象とした広報活動といったものにも力を入れているところでございます。
 当局といたしましては、引き続き、こうした広報活動を精力的に推進することを通じて、受験者数の拡大に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○古川俊治君 今の御答弁でもその新制度の影響というのはやっぱり否めないところがあるというふうにお答えですけれども、ただ、それは国の指導したことなんで、現場に与えた影響というのは多少私は残っていて、これはしっかりと国でフォローアップしていかなきゃいけない問題だと思うんですね。
 今は、お話ありましたけれども、確かに公認会計士の先生のやられていることというのはやっぱり分からないですよね、高校生から見ていても。弁護士とか医者は結構分かりやすいんですよ、何やっているか。テレビでもよくドラマになりますけれども、公認会計士のドラマって余りないですよね、そういう意味じゃ。だから、なかなか分かりづらい職業だと思うんですね。だから、なかなか志願者が増えないというのもそういうところもあるかもしれませんので、これは十分に社会の正義に非常に貢献している職業だということを是非広めていっていただきたいというふうに思います。
 東芝は、実は審査会の審査会審査も繰り返し受けているところで、実は過去のこの審査会の検査とかあるいは日本公認会計士協会の品質レビューなんかで検査手続の不備を繰り返し指摘されていたということなんですよね。しかしながら、ずっとその指摘に対応した改善ができていなかったと。これは、ずっと問題点、金融庁の方も指摘しているわけなんですね。ところが、こういうことでありますと、審査会の検査をやったりあるいは日本公認会計士協会の品質管理レビューをやっても余り意味がないんじゃないかということを疑いたくなってくるんですけれども。
 今後、検査の、大手法人に関しては今検査、二年に一回というので従来やっているんですけど、これも上げていったり、あるいはフォローアップの強化、あるいは、より適時性、実効性ある検査を行っていくということについてどういうようにお考えなのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
○政府参考人(天谷知子君) お答えいたします。
 ただいま御指摘ありましたように、今般の新日本監査法人に対する検査におきましては、問題点に関する改善策がその法人のガバナンスでありますとかマネジメント上の問題から監査の現場まで徹底されず、結果として過去の検査と同様の不備を繰り返していたということが認められております。
 こうしたような状況を踏まえまして、当審査会におきましては、当審査会のこれまでの検査内容、手法等につきまして、特に大手の監査法人を中心といたしまして検討を行いまして、本年三月、審査会検査の実効性の向上策というものを取りまとめて公表をいたしております。
 その中におきましては、例えば大手監査法人に対する検査につきましては、現在二年ごとに行っております通常検査に加えまして、検査の翌年にフォローアップ検査を行うということ、あるいは検査の手法につきましては、ガバナンス体制等の検証に必要な情報を報告徴収によって継続的に入手する、あるいは業界動向等の情報収集、リスク評価手法を一層充実させると、そういった検査手法の向上を図ることといたしております。
 当審査会におきましては、七月から始まります平成二十八事務年度から現在申し上げましたような施策を実施することによりまして、審査会検査の実効性の一層の向上を図っていきたいと考えているところでございます。
○古川俊治君 よろしくお願いします。
 他方で、この度の提言は、金融庁による監督の在り方にも言及しておりまして、今までは監査証明の適切性を確保するというような監督が主たるものでありましたけれども、今後は、やはりガバナンス体制がしっかりなされているか、そういった観点からもよりしっかり監督をしていただきたいということを言われておりますので、この点は是非金融庁にもお願いしたいと思っております。
 では、次の質問に移りたいというふうに思います。
 私はお酒が好きでありまして、医者なんですけれどもよく飲むんですが、特にワインが好きでずっと飲んでいるんですけれども、日本の最近のワインってとってもおいしくなったんですよね。それで、是非これを和食とともに世界に発信していって世界の人に知ってもらいたいというふうにずっと思っていたんですけれども、日本で造られているワインの今七五%ぐらいは実は外国のブドウを使ったものを日本で造っているんですね。これ海外に行くと、外国産のブドウを使ったようなものは実はワインと呼ばないんですね。ですから、しっかりと日本産のブドウを使った日本産のワインというものを定義付けて、これをしっかり応援していくことが必要であろうというふうに思っております。
 この点について、実は長年、民主党政権の頃も実は取組やられている方は随分いたんですけれども、これは是非やりたいということで自民党内でやられまして、実はこの地理的表示の制度、お酒に関するですね、これ実は国税庁がやっていると、農産物じゃないので、そこもそのときに気が付いたんですが。それで随分お願いをしまして、一応今回、日本ワインの表示ルールというのを作っていただきました。これは一〇〇%日本産の、国産のブドウを使ったものに日本ワインという名称を付けられるようになるというようなことを告示で決めていただいたわけですけれども、これは実は今、酒税法でやっておられます地理的表示のものとは若干違いまして、これはWTOのことでも決まっている制度でありますから、当然、世界的にそのブランドが保護されるわけですけれども、今回の日本ワインの表示というのは、これ地理的表示ではないというふうに出されているわけですね、違う規制になっていますけれども。
 そうすると、この日本ワインというのは、国内ではちゃんとそれが応援できるようになりますが、外国で日本ワインという表示のものが仮に売られたとしても、そこに対して保護が及ばないということになってしまうんじゃないかと思うんですが、今回、地理的表示としなかった、同じ要件で地理的表示って、清酒の方は地理的表示を目指しているようですけれども、何でワインの方はこれをしなかったのか、その点について御答弁お願いします。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、従来、日本では法令に基づくワインの表示ルールがなかったことから、国産ブドウのみを原料に使用したいわゆる日本ワインと輸入果汁を原料に使用したワインの違いが消費者にとって分かりにくいなどの問題が存在しておりました。
 こうした中、日本のワインのブランド価値向上を図るとともに、消費者の商品選択を適切に、また容易にするため、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律に基づきまして、日本ワインの定義、また地名、原料の表記等に関するワインの一般的な表示ルールを昨年の十月に初めて告示により定めたところでございます。
 他方、酒類の地理的表示制度につきましては大きく二つの効果を狙って整備をしておりまして、一つが国内における地域ブランドの価値向上効果、またもう一つが輸出促進を図るため国際的なブランド価値向上を目指して国際交渉などを通じて外国に対してその保護を求めていくことが可能であるといった効果でございます。
 先生おっしゃいました地理的表示、日本酒につきましては、今申し上げました国際的な保護や輸出促進に資するといった観点から指定をしたものでございます。これに対しまして日本ワインにつきましては、まずは国内における消費者の認知度やブランド価値向上を図ることが先決であるというふうに考えておりまして、先ほど申し上げたように日本ワインの表示ルールを定めたところでございます。
 今後、日本ワインを国際的な観点から地理的表示として位置付けるかどうかにつきましては、今申し上げました今回の表示ルールの制定、定着を受けまして、今後の日本ワインの社会的評価や業界の要望などにも留意して検討してまいりたいと考えております。
○古川俊治君 最終的には、地理的表示になれば、やはり十分世界でもブランドになっていくと思いますので、その点、是非前向きに御検討をお願いしたいというふうに思っております。
 今回の、清酒のことでちょっと申し上げます。
 この地理的表示を取得するための要件というのは、酒類の特性があり、その特性が酒類の産地に主として帰せられると、こういう要件になっております。その際に、この特性というのは、官能的な特徴、官能的要素によって整合的に説明できる必要があるというふうにされているんですね。例えば日本酒の場合、一般に無色から黄色、長期間熟成させたものではこはく色を有しているとか、同じ醸造酒であるビールやワインに比べ、うまみ成分であるアミノ酸やペプチドを多く含み、穏やかな酸味と甘みを有していると。香りは、吟醸香と呼ばれる果実様の香り、こうじの香り、カラメル様の香りのほか、木製のおけやたるに入れられたものには木の香りを有していると、こう書いてあるんですけど、これが果たして日本のお米を使った日本の清酒だけにこういう香りがあるかどうか、その因果関係がある、その産地とですね、ということになると、多少私も疑問だなと思わないわけじゃないんですね。
 ただ、フランスが一番こういったワインについては多分地理的表示って確立していると思うんですけれども、そういう意味では、フランスのある産地イメージすると、こういうような味や香りがするというのは大体認識としてあるわけですけれども、ところが、最近、全然違う、健康志向で、もっとアルコール分が薄めなワインというのが、味の濃くないワインというのがすごく受けてきますので、新しい人は大体そういうワインを造るんですね。そうすると、従来のいわゆる固定観念、産地に帰せられるような説明とは大分異なってきていても、それでもしっかり地理的表示は全く問題なく取れているんですね。
 実は、GI、ワインの地理的表示で山梨というのが一つ今もう認定されておりますが、これ、最近若い造り手の人にちょっと聞いたところ、官能要素というので、古い人たちが官能試験をやっているから自分たちのを申請しても実際取れないというふうに言われているんですね。これは、やっぱり官能要素というのは非常に主観的なものですから、そういったところでちょっと、すごく主観的なものについて、客観的に評価できない官能的要素で地理的表示の取得が左右されるというのはすごく問題だと思いますので、この点ちょっと改めていただきたいと思っているんですが。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 先生から地理的表示制度の地域との関連性、また官能評価についての御質問がございました。
 地理的表示制度、先ほど申し上げましたとおり、国レベルの地理的表示制度と、あと地域、個別地域に結び付いた地理的表示制度があるかと考えておりますけれども、この個別地域を地理的表示として指定するには、地域の気候風土等、地域で製造される酒類の特性とのつながりやその確立が重要であると考えておりまして、こうした点について検討していく必要があると思います。また、地域の地理的表示には、その地域で管理し、それを守り育てていくといった観点が重要でございまして、こうした制度の趣旨を説明しながら、各地域から地理的表示に関する相談があった場合には丁寧に対応してまいりたいと考えております。
 また、酒の種類に応じまして、お米等、また特に地域的な特性の強いブドウとの関係、そういった相対的な違いといったようなものも考えていく必要があろうかと思います。
 先生おっしゃいました官能評価、官能検査に関してでございますけれども、酒類における品質の確保につきましては、一つは免許制度に基づく品質審査、また地理的表示制度に基づく地域の自主的な品質管理という二つの局面があろうかと考えております。
 今後、地理的表示の中の官能検査についてどう考えていくかということでございますけれども、今回、地理的表示制度を整備する中で、官能検査につきましては、酒類の特性としてあらかじめ定めた官能的要素に合致していないような明らかな欠点がないことを確認するという規定を置いておりまして、その趣旨に沿って、ワインの特性や地域性を踏まえた客観的、公正な基準を定めてもらう必要があると考えております。
 いずれにいたしましても、今回改正した制度に基づきまして、これまで定めている地理的表示として指定されている地域も含めて見直しを行っていく必要があると考えておりまして、先生の御指摘も踏まえまして、国税庁としてもしっかりと検討してまいりたいと考えております。
○古川俊治君 これから始まる制度でございますけれども、非常にその実施に当たってもいろんな混乱があるかもしれません。その点についてうまく運んでいただきたいというふうに思っております。
 では、続いて麻生大臣に伺いたいと思っております。
 酒税税収というのは、人口高齢化を受けまして、大体そのピーク時が、平成六年度が二・一二兆円、だんだん減ってきているんですけれども、平成二十六年は一・三三兆円と、今、国税に占める割合は二・三%というふうになっております。これ、景気による変動がやっぱりほとんどないというふうに言われているんですね。ただ、一応ずっと減ってきたものですから、まあ安定しているということであります。
 同様に、嗜好品でありますたばこ税の方なんですが、これも酒税に比較しますと多少景気による落ち込み等は変動があるというふうに見ておりますけれども、ただ、酒税よりもずっと多くて二兆円を超える非常に重要な財源になっているということでございます。このたばこ税、常に引上げをどうするかという議論は党内でもいつも起こるんですけれども、何か今後一〇%に消費税を上げる際の軽減税率をやった場合に、まだちょっと財源が不足している、その部分にたばこ税の引上げをあげようかなんという案もあるやに聞いておりまして、そういう意味からも今後また議論が進んでいくと思うんですけれども。
 実は、東京オリンピックを迎えるに当たりまして、オリンピック開催地では受動喫煙、これを防止するための法規制を行うということが一応これまでの国際標準になっておりまして、東京オリンピックに向かっても、現在、政府内でも受動喫煙防止のための議論が進められているというように聞いておりますけれども、実は自民党内でこれにつきましてはいろんな意見が今出ているところであります。
 実は、私は医者でありますけれども、三十になるときまでは結構たばこを吸っていて、たばこがやめにくいという理由はよく分かるんですね。たばこって確かに当時はやっぱりやめるとつらかったので、それはよく分かっているんですけれども。ただ、やっぱり受動喫煙というのは他人の健康を害するということがもう結構明らかになっておりますので、それを、やっぱり迷惑掛けないということは、吸うにしても最低限のマナーじゃないかというふうに思っておりまして、是非、受動喫煙は徹底していただきたいというふうに思っているんですね。
 ただ、受動喫煙の防止を推進するといっても愛煙家の方々が吸えなくなるわけじゃないんですね。ちゃんと吸える場所はあるわけですよ。ただ、反対する意見の中には、吸えることは吸えるにしても吸いにくくなってくる、だんだん少数派になって肩身の狭い思いをするのは嫌だと、もっと公明正大に吸いたいというような思いがあるようなんですけれども。ただ、だからといって、私も医者なので、他人に、健康に迷惑を掛けてまで吸う、勝手に吸わせろというのはちょっとおかしいんじゃないかと思うんですね。
 麻生大臣は葉巻がお好きというふうに伺っておりますけれども、そのたばこ税の引上げ、あるいは東京オリンピックへ向けた受動喫煙防止の強化ということに関して、御私見でもいいんですけれども、御意見をいただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 私、当選した昭和五十四、五年、たしか日本のたばこの消費量約三千億本、成人男子の七〇%が喫煙をしておられたんですが、今それが一千八百億本。成人男子の三〇%ぐらいですから約四割減った、だけど肺がんは三倍に増えたというこの事実だけちょっと頭に入れておいていただかないと。みんな、非喫煙者なら最も嫌がる数字ですけれども、私はこれ最も気に入った数字で、アメリカ人来たら必ずこの話を言うんですけれども、みんなうんと言って、反論するやつは医者でも一人もいませんから、この話は事実ですから、間違いなくそうなんですが。
 いずれにしても、受動喫煙防止策というのは、これは東京オリンピック・パラリンピックに合わせまして、昨年十一月でしたか、これは閣議決定をされた基本方針において、健康増進の観点に加え、近年のオリンピック・パラリンピック競技大会開催地における受動喫煙規制の整備状況を踏まえつつ、競技会場及び公共の場における受動喫煙防止対策を強化するとされております。これはもう閣議決定をされておりますので、したがいまして、これにあわせて、本年一月に設置されました関係省庁で構成しておられます受動喫煙防止対策強化検討チームで、これ財務省としてもメンバーとして入っておるんですけれども、私どもとしては、こういった対策というものはこれきちんと約束しておりますので、こういったチームにおける検討の参画等々を通じていろいろ協力をしていかにゃいかぬところだろうと思っております。
○古川俊治君 ありがとうございます。
 たばこの本数がずっと減ってきているんだけれども肺がんが増えたという点については、しっかり研究してちゃんと反論できるようにしたいというふうに思っております。科学研究費、是非今後も、査定をもうちょっと甘くしていただいて、よろしくお願いをしたいと思っております。
 以上で質問を終わります。
    ─────────────
○委員長(小泉昭男君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、滝波宏文君が委員を辞任され、その補欠として宮本周司君が選任されました。
    ─────────────
○江崎孝君 民進党・新緑風会の江崎でございます。
 私は、国土交通省を中心に質問させていただきますが、まず、昨年からのフォローをずっとしていることを質問をさせていただきたいんですけれども、一つは、昨年の四月二十二日の地方・消費者特別委員会で、宅配便の業者さんの悲鳴のような話を聞きながら、これはと思って質問したんですけれども、一つは、送り付け商法という商法が、詐欺まがいというか詐欺ですけれども、これが相当横行したのは御存じだろうと思います。平成二十五年が、健康食品が三万件、カニなど魚介類が約三千件。
 これ、送り付け商法というのは代金引換ですから、宅配の業者さんが持っていって、そこで、いや、私はこれは買っていませんと言えばそれで持ち帰るわけですけれども、言わないということになるとそのままお金もらってこなきゃいけないと。明らかにこれおかしいよというのを分かっていながら届けなければならないという、詐欺に加担をするような非常に嫌な気持ちをされているんですよね。私が調べた範囲でいくと、同じ方が年間五十万とか六十万とか被害に遭われているんですよ。
 やっぱり、これを何とかして解決しなきゃいけないんじゃないかというときに質問したんですね。警察庁からは、宅配の業者さんに、送り付け商法に利用された疑いのある代金引換サービスや配達取引そのものの解約あるいは代金引換サービスが申し込まれた場合の審査の厳格化等について要請をしているという、こういう答弁がありました。消費者担当大臣からは、関係各省庁と連携をして、警察とも連携をして取り組むという答弁があったんですね。その後、消費者庁とずっと打合せをしながら、消費者庁はそれなりに、送り付け商法を行っている疑いのある事業者に関わるデータを各事業者さん、物流事業者さんから定期的に提供してもらって、消費者庁、国民生活センター、全国の消費生活センターで共有、活用するという、そういう前向きな動きもしてもらっています。
 これ、法律じゃ取り締まれない。だから何が必要かというと、こうやって細かな宅配をやる業者さんって三つか四つぐらいなんですね、大きなところが。そこが情報を持っているわけですから、その情報、この業者はおかしいよというのは全部持っているはずですから、それを警察庁が中心になってデータを集めて、これをつまり業者間でもう契約を締め出していくという、こういうことをやったらどうかという話もしたんですね。今消費者庁がそれを若干やろうとしているんですが、やっぱりこれ警察庁が動かないとなかなか止まらないという状況にあると思います。
 データは持っているはずですから、警察庁の音頭の中で、こういうお年寄りが送り付け商法で困らないような状況を一刻も早くつくるということは行政の任務だと思いますけれども、まず警察庁の検討状況、あるいはその関係省庁との連携など、どう取り組んでおられるのか、それを質問します。
○政府参考人(河合潔君) お答えいたします。
 御指摘の送り付け商法事犯につきましては、警察庁では、被害が急増した平成二十五年に宅配事業者に対しまして、送り付け商法を行っている疑いのある者との解約、あるいは代金引換サービス契約時の審査の厳格化について要請をいたしまして、以降は、事案を認知する都度、宅配事業者に対する契約の解約要請を行っているところであります。
 こうした事業者と連携した取組によりまして、平成二十五年以降に検挙しました送り付け商法事件につきましては、平成二十四年及び二十五年に被害申告のありましたものは二十一事件でありました。これに対しまして、平成二十六年以降に被害申告のあったものは一事件と減少しております。また、送り付け商法の可能性のある消費者相談も減少傾向にあると承知しております。
 今後とも、引き続き、消費者庁とも連絡を取りながら送り付け商法の発生状況を注視し、状況に応じて必要な対策を講じてまいります。
○江崎孝君 これは、宅配の業者さんが間に入るということが一つの大きな特徴なんですね。これって、宅配の業者さんが入る新手の詐欺というのは、私書箱を活用したやつ、私書箱って簡単にできますから、誰かのクレジットカードをスキミングしてその私書箱に送り付けるという、こういうやつもあるとか聞きますし、あるいは同じようなやり方で、クレジットカードをスキミングして、空き家をあらかじめ指定をしておいて空き家に送らせる、詐欺業者があたかもそこの住人のようなことを装って物を引き取るという、こういう宅配の業者を使われる詐欺が増えているわけですから、これ、通販の世界が広がっていけば広がっていくほどこれは新たな詐欺が出てきますから、是非、これは本当、警察庁が動かないと、消費者庁だけの問題ではやっぱりないんですよ、国交省だけの問題でもないんですよ。やっぱりちょっと僕は、その辺の動きが鈍い、改めて指摘をしておきます。
 相談員に寄せられる質問は少ないとおっしゃったんですけれども、二十六年度でもやっぱり五千件以上来ているわけですよね、健康食品だけでも。だから、まだまだ終わっていない。そして、新たな商法が出てきますから、これはフォローしていきますから、是非検討、積極的な動きをしていただきたい、そのことを要請をしておきます。
 続いて、これも同じ消費者特別委員会で指摘をしたことなんですが、我々って意外と送料無料というのを軽んじているわけですが、送料無料という通販業者さんが今相当多い。そのことによって今物流業界で何が起きているかというと、再販に対する自己規制が非常に少なくなってきている。つまり、再販が、簡単に留守で再販してくれるもんだから、送料無料だからまたまたということで、再販が結構多いんですね。──再配達ですね、再配達。再配達が、これはコストも当然掛かるわけですよ。ですから、この送料無料という表現を、本当は送料無料ってあり得ないわけだから、送料込みとか送料当社負担とか、本当はそういう表現に改めるべきなんですね。このことも質問させていただいたんですが、最近、アメリカの中心の大手の通販業者は、送料無料というのを少し変えて、書き方、何か二千円以上だと送料無料みたいな言い方をしているようなんですけれども。
 そこで、そのとき国交省から、これは国交省なんですけれども、総合物流施策大綱に基づく総合物流施策推進プログラムにおいて、物流分野の労働力不足が懸念される中、インターネット通販市場の拡大に伴い、宅配貨物の不在再配達が増加していることから、物流効率化のための再配達削減に向けた方策を検討するという、そういう答弁をいただいているわけですね。
 大臣も御存じだろうと思いますけれども、この施策大綱は二〇一三年から二〇一七年を視野としているということなので、二〇一六年の今年はプログラムに書かれるということになっています。検討が進んでいるというふうに思いますけれども、この送料込みとか送料業者負担という表現の問題は、なかなか経産省も絡んだ大きな問題になってくると思いますけれども、まずは、そういうことも絡めて、この再配達を削減をしていくということに対して、これはさっき言った送料込みとか送料無料とかという表現の問題も絡んできますけれども、そういうことを、検討されている施策の内容についてお尋ねをしたいというふうに思います。国交省、お願いします。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、平成二十六年十二月に改定いたしました総合物流施策推進プログラムにおきまして、物流分野における労働力不足が懸念されている中、宅配貨物の不在再配達が増加していることから、再配達削減に向けた方策を検討するとしておりました。
 これを受けまして、国土交通省では、昨年、宅配事業者や通販事業者、そしてコンビニエンスストア等の幅広い関係者による検討会を開催いたしました。そこで、利用者アンケートの実施、課題の洗い出しを行い、再配達の削減が不可欠であるとの関係者の共通認識をつくり上げ、その認識の下、昨年九月に報告書を取りまとめ行いました。
 この中で、再配達削減に向けた対策の三つの柱としまして、まず一つは、宅配事業者、通販事業者から配達先の消費者への適時適切な配達日時の確認、通知、あるいは、場合によっては、消費者の側から配達日時の変更の申入れといった消費者と宅配事業者、通販事業者との間のコミュニケーションの強化を図ること。
 二つ目に、国民へ再配達によって社会的損失がいかほど生じているかと、こういうことの理解を広めていくことが大事だと。実は、再配達、実際の配達の二割が再配達になっております。この結果、トラックドライバーでいえば年間九万人が余計に掛かっていると。CO2もその分排出が多くなっておりまして、山手線の範囲内の面積の二・五倍の杉林の吸収するCO2が年間余計に排出されていると。こういったことを国民に理解していただいて、いわゆる受取について国民自身も積極的に参画していただく、こういうための環境整備が大事であると。
 三つ目に、コンビニあるいは鉄道駅などを活用して、受取方法を自宅で受け取ること以外の様々な多様化、あるいは利便性向上に努めていくことが大事で、この方向での新たな取組を推進するということを掲げております。
 現実に、この報告書を受けまして、こういった方向性の下に、関係者においては、例えば一部のコンビニエンスストアではこれまで取り扱っていた特定の宅配事業者以外の宅配事業者の荷物の取扱いも開始しております。また、鉄道駅において、複数の事業者の荷物が利用できる、そういうオープン型の宅配ロッカーを設置する実証実験も始めております。
 こういった具体的な連携が広がっておりますし、国土交通省としましても、これらの取組を更に積極的に進めるべく、昨年十二月の総合物流施策推進プログラムを改定いたしまして、報告書を踏まえて再配達の削減に向けた対策を促進するというふうにいたしております。
 以上でございます。
○江崎孝君 是非この再配達、後から質問に関係してきますけれども、今九万人とおっしゃいましたね。だから、トラック運転手さんがもう少なくなって、とてもじゃないけど人手不足になってきているわけですよ。それでもどんどんどんどん物流は、通販は増えていっているわけですから、それをどうやって再配達を削減をしていくかと、非常に重要な問題だと思います。
 先ほど僕言ったように、これは個人的な感覚だと思いますけれども、やっぱり送料無料という表現が適切かどうかというのは、僕はずっと言っているわけですね。本当は送料は掛かっているわけです。送料無料と言われるだけでまるで宅配の業者さんの仕事が無価値のような、まるでないような、こんな感覚さえ与えるわけですから、是非その辺も、国交省中心になりながら、経産省と連携をして、これ消費者庁にも言っていますけれども、是非議論をしていただきたいというふうに思います。是非、再配達削減に向けて御努力を今後もお願いします。
 もう一つ、これは昨年の五月の決算委員会で国交省の方に質問をしたわけですけれども、御存じのとおり、今、東名、特に東京とか名古屋に行けば、そっちの東京か名古屋に近づくサービスエリアとかパーキングエリアというのはすさまじい、やっぱりトラックの駐車場が不足しています。これは、四時間連続したら三十分休憩しなきゃいけないという新しく基準を設けたので、本当は休まなきゃいけないんですけれども、休むためのスペースがないので休めないということで、長時間労働がずっと恒常化してきているわけですね。
 そこで、私はその問題を一つ解決するために指摘をしたのが、これ余り御存じないと思いますけれども、豊橋というところに昔チェックバリアというスペースがあって、これ何をやっていたかというと、ETCが普及する前はみんな、今でもETCじゃない方もおられますけれども、通行券、これを東京と大阪から来たそれぞれの業者が途中で交換をして、高速道路を少し、少しというか、大きく負担をちょろまかしてと言っちゃいけないですね、やっていた時代があったんで、それを防止するために豊橋にチェックバリアという、それを規制をする、チェックをする場所を設けたんですね。これが三万三千平米あるんですよ。これを、たしか平成二十四年度の会計検査もこれ有効利用しなきゃいけないということを指摘しているはずなんです。
 そこで、私はそのときに、この豊橋のチェックバリアというところを、できるならば、そういう東京から名古屋に運んでいくトラックの方と名古屋から東京に来られた方たちがそこで荷物を交換をして、東京の方が名古屋から来た荷物を持って東京に行く、あるいは名古屋の方は東京から来た荷物を引き換えて名古屋に戻るという、こうすると当然走行距離は短くなってくる。これ、考えられていた形跡があったりするわけですね。あるいは、そこのチェックバリア、豊橋のチェックバリアに、できればそこから、一般道からも進入できるような流れをつくっていくと、非常に物流に関してはスムーズに、あるいは長時間労働も削減されるのではないかという提言をしたことがあります。そのとき、私が説明したとき、話したときには、現在提案募集の結果を待っているんだと、こんな報告でした。私が調べた限りでは、ホームページ上でその流れは確認できなかったんですね。
 そこで質問しますけれども、今言った豊橋のチェックバリアを中心とした関係、遊休地というか、そういう施設をどうその後検討されてきたのか、あるいは僕が今話したような中継基地みたいな考え方を持って物流をよりスムーズに動かすような考え方はないのかどうか、これを質問させてください。
○政府参考人(森昌文君) お答えいたします。
 委員の方から、昨年、この旧豊橋チェックバリアの土地の有効利用ということでの御質問をいただいていることも確かでございます。
 私どもの方が、その土地を持っております高速道路機構及び高速道路会社において、特に機構の方のホームページで民間の募集をということでやらせていただいておりますが、結論から申しますと、いまだにその土地は売れておりません。元々、遊休地がある場合には、まずNEXCO、ここであれば中日本の方々が有効利用できるかどうかという問合せをし、そしてそれに加えて今度は周辺の県、市町村の方々に有効利用できますかという問合せをした結果として、正直なところ、誰も有効利用するという方法がなかったものですから、いまだここに残っているという状況で、今ホームページで公開をさせていただき、どなたかいらっしゃいませんかということの募集をさせていただいているということでございます。やはり、なかなか広範囲であるということ、非常に大きな広い面積を持っているということ、そしてまた、高速道路にダイレクトに接しているということもあって、なかなか有効利用をしていただけるという場面がまだないのかなというふうに思っている所存でございます。
 今委員御提案のように、そこで例えば荷物を降ろし換えるというトラックターミナル的な有効利用の仕方というのも、これは国土交通省の方から、もうかなり以前からもこのような有効利用の仕方あるいは高速道路の有効利用の仕方ということの御提案もさせていただいているところではございますが、やはり土地を買い上げてそれをそういう形に仕上げていくというのにはまた非常に大きな予算、資金が必要になってまいりますので、なかなかそれに対する手が挙がってきていないというのが実態でございます。
 ただ、先ほど来出ておりますような、トラックドライバーがどんどん少なくなってきている、あるいは高齢化しているという問題、あるいは先ほど来出ておりますような、例えばETCを使って簡単に外に出ていけるというような仕組みもかなり増えてきておりますので、それを踏まえて、さらにまたこういう土地の有効利用に関しまして、委員御指摘の使い方も含めまして、私どもとしてもいろんな場面を検討していきたいというふうに思う所存でございます。
 以上でございます。
○江崎孝君 遅いんですよね。これ、二十四年度に会計検査院が指摘しているわけですよ。それで三年間、問題いっぱい起きているわけですよね。
 今でもETCの規制が、規制というか割引が改正されたから、午前零時を中心として本当にトラックの運転手さんというのは休めない中でずっとパーキングエリアで待っているわけですよ。待っているからますます後続から来たトラックドライバーの人たちが更に休めない、休めないから四時間を超えて、基準を超えて長時間労働をやっている、それでうとうとして事故を起こしちゃうという、後の八本松の事故も指摘をしますけれども、全部つながっていっているわけですよ。だから、やれることはすぐやらないと、これ、どうします、そんなことがまた大事故につながっていくという危険性だってあるわけですよ。
 これ、大臣、今の、大臣に質問を聞くつもりはなかったんですけれども、今のやり取り聞いて、大臣、どうお考えですか。
○国務大臣(石井啓一君) 今の御指摘も踏まえて、利用の方策を検討してまいりたいと思います。
○江崎孝君 これは、あるんですから、土地は、使っていない土地が。あとはもうやり方次第だけですから。やっぱり東名間というのはすさまじい物流の量ですから、ここをどう改善していくかというのは非常に重要なことなので、もう一刻も早く改善をお願いをしたいし、有効活用を是非検討してください。私の言った意見、さっき言ったトラックターミナルというか、そういうことも是非、一時考えていたことがあったというふうに僕聞いていますから、NEXCOとかは、やれると思うんですよ。是非お願いします。
 これは、それともう一つ同じようなことなんですけれども、今ETCの話をさせていただいたんですけれども、今言ったようにETCの割引が変更になった。そのことによって、零時を待つ、零時以降に出た方が割引が大きいわけですから、今のETCのやつ。そうすると、零時までずっと待つ、パーキングエリアとかSAに待っている車が多い、その分駐車場が足らないということもあって、ますます悪循環にこれ陥っているわけなんですよね。
 そこで、いっときですけれども、そのとき、昨年の七月三十日の国土幹線道路部会において、高速道路を中心とした道路を賢く使う取組の中間答申というのが出されておりまして、その中で、災害・事故発生時における柔軟な料金施策の項目の中で、高速道路の外にある休憩施設等を利用するため、一定時間内に一時退出した場合であっても、利用者の負担が増えないような料金体系を構築するべきだというふうに書かれているんですね。
 これは何を意味しているかというと、サービスエリアとかの外にトラックステーションというのがあるんですよ。そこは休めるわけですね、トラックの運転手さんたち。ところが、一旦ETC出ちゃうと長距離の逓減割引というのを受けられなくなりますから、出れないんですよ、せっかくトラックステーションがあるのに。これを割引通算できるようにしたらどうですか、一時外に出て休んでまた戻っても料金は割引しますよという体系をやったらどうかという質問をしたんだけれども、そのときは前向きな話だったんですよ。
 ところが、今度の四月からの新たな料金システムは、高速道路の外にある休憩施設等利用のための一定時間内に一時退出した場合は実施されなかったんですね。これ見送られたんですよ。理由が分からない、こんな簡単なこと。大臣、どうでしょう、検討状況について聞かせてください。
○国務大臣(石井啓一君) 今御指摘いただいたように、高速道路の料金につきましては対距離に応じた料金設定となりますけれども、長距離利用を促進し高速道路ネットワークの効率的利用を図る観点から、利用距離に応じて料金を逓減する割引、長距離逓減割引を導入しております。
 現在、休憩施設などに立ち寄るため高速道路外へ一時退出し再度流入した場合には長距離逓減割引は継続されないこととなっております。一方、昨年七月の国土幹線道路部会の中間答申では、高速道路外にある休憩施設等を利用するため、一定時間内に一時退出した場合であっても、利用者の負担が増えないような料金体系を構築すべきとされたところでございます。この中間答申を踏まえまして、今年度より、ETC二・〇搭載車を対象に、休憩等で一時退出した場合でも長距離逓減割引が継続されるという実験を開始する予定でございます。
 今後とも、こういった取組を通じて高速道路を賢く使う取組を進めてまいりたいと思っております。
○江崎孝君 実験の段階じゃないんですよね。もうこれも大分前から指摘しているわけですから、大臣、これは本当に緊急性を要します。もうトラックステーションというのは結構あるわけですよ。そこに休む時間だけ一時的にETCを使って外に出してくれればいいわけですから、これはもうずっと前から言っていることなので、これ是非実験と言わず即やっていただきたい。是非お願いをします。早めに、是非是非実験を早く終わらせて実施をしてください。
 いつ頃までにやられるつもりですか、期間的に。これ質問通告していなかったんだけど。
○政府参考人(森昌文君) 今御指摘のございました実験でございますけれども、今年度中から始めたいとは思っておりますが、実際にこのETC二・〇という機械が全体としてはまださほど大きな普及を見せておりませんので、台数的な規模もございます。あと、加えて、ある程度一般的な形で御利用いただいたその成果を見定めるということも必要でございますので、実験についてはやはりある程度、一年、二年といったようなオーダーでその様子を見させていただきたいというふうに思う次第でございます。
 あと、あわせまして、私どもの方としても、時間割引という深夜割引を待つために、深夜、高速道路上の休憩施設が満杯になってしまうというそういう状態を回避するために、できるだけ、都市部が中心ではございますけれども、都市部から離れる部分も含めまして、休憩所の満空情報、そしてまたその施設の拡張といったようなものも継続して行ってきておりますので、その状況、そしてまた今委員から御指摘をいただいておりますような状況を総合的に勘案しながら本格的に導入していくやり方を議論していきたいというふうに思っておる次第でございます。
 以上でございます。
○江崎孝君 本当にスピードが遅いと思うんですね。
 今からお話ししますと、例えば軽井沢のスキーバスの事故が一月十五日起きました、非常に痛ましい事故だったんですけれども。今年に入って重大なバスやトラックの事故が、一月十二日の首都高中央環状線山手トンネルのトラックの追突事故、一月二十日の大田区内の環状八号線での観光バスによる中央分離帯への追突事故、三月十七日は山陽道の八本松トンネルでのトラックによる追突死亡事故。これ、バスもトラックも、バスはお客さんを乗せているから大事故につながっていく、トラックも運転手さんだけの問題ではなくて、でかいものですから追突しちゃったりするとやっぱり巻き添えがあって相当大変な事故になっていく。
 私は、バスの規制というのは結構早めにスピーディーにやられているんですけれども、このトラック業者、トラック関係の物流関係のこういう対応って本当に遅いと思うんですよ。ですから、さっき言った豊橋のチェックバリアのところも含めて、このETCも含めて、もう、すぐできることですから是非やってくださいね。それを検討している間にまた事故が起きたら大変な状況になりますから、大臣、是非よろしくお願いをいたします。
 それで、今言ったバスやトラックのドライバーの勤務状況について質問させていただきたいんですけれども、今言った八本松トンネルの事故を起こしたトラックドライバーは疲れてうとうとしていたと言っているわけですね。軽井沢スキーバス事故の原因は、これはまだ特定されていないんですけれども、監査で始業点呼の未実施だったり健康診断の未実施だったり運賃が相当安かったりと、こういうのはもう判明をしているわけですね。
 そこで、国土交通省は事故防止対策支援推進事業としていろいろ取り組んでいられます。しかし、一番問題は、これだけ重大事故が減らないわけですから、今言った、質問したことも関係してきますけれども、やっぱり健康管理なんですよ、ドライバーの皆さんの。これ、まず何よりもドライバーの健康管理は、バスにおいては乗客がいる、トラックはさっき言った他者の命も巻き添えにする可能性が非常に高いわけですから、国交省としてのトラックドライバー、バスも含めて、この健康管理に対する姿勢、認識についてお伺いします。
○国務大臣(石井啓一君) 運転者の心身の健康管理は、健康起因事故を防止し、輸送の安全を確保するために非常に重要な課題であります。
 国土交通省といたしましては、運転者の健康管理に対する取組といたしまして、運送事業者に対し、運転者の乗務前に点呼を行い安全に運転ができる状態かどうか確認することの義務付け、また定期健康診断の義務付け、さらに、事業用自動車の運転者の健康管理マニュアルの周知等の施策を通じ、監査等の機会を通じてその徹底を図っているところであります。こうした施策を通じて、引き続き運転者の健康管理に万全を期してまいりたいと思っております。
○江崎孝君 大臣、そういうふうに非常に重要性を持ったものだというふうに回答いただいたんですけれども、先ほどのスキーバスの運転手さんって六十五歳だったんですね。六十五歳で、以前はトラックやダンプの運転をしていたベテランの方なんですよ。やっぱり今、トラック業者、運転手さんの人員不足もあって、若者が入ってこない。きつい、あるいは危険、給料が安い、低いという、こういう三つの問題があって入ってこない。だから、六十五歳になってもこの人、三日間運行に束縛されているわけですね、このバスの運転手さんというのは。トラックやバスのドライバーには今言った高齢化の問題があります。若い者が入ってこないから、年寄り、高齢者がどんどん運転手になってきている。
 そこで、聞きたいのは、このバスの会社、これイーエスピーというんですね、ここは会社として年金に加入していたのかどうか、あるいはこの六十五歳のバスの運転手さんは年金に加入していたのかどうか、これを質問します。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。
 株式会社イーエスピーにつきましては、この事故を起こしました一月十五日から四回にわたり特別監査を実施しております。
 事故を起こした運転者につきまして社会保険の加入の有無を調査したところ、健康保険及び厚生年金保険については、同社から加入を証明する書面の提出がございませんでした。なお、会社が加入する労災保険については、同社が加入していたということを確認しているところでございます。また、雇用保険につきましては、当該運転者が雇入れ時六十五歳を超えていたため適用除外ということを確認しているところでございます。
○江崎孝君 このように、非常に社会保険に加入をしていないという実態が大きいわけですね。
 これ、資料一を見ていただきたいんですけど、今、これ、地方貨物自動車運送適正化事業実施機関の指導結果ということなんですけれども、減ってきています。平成二十年度から二十六年度に比較すると、雇用保険とか労災保険に未加入の率は少なくなってきているわけですね。ところが、やっぱり、二十六年度でも未加入者が一千八百六十二業者、七・〇%、これ雇用保険、労災保険。健康保険と厚生年金に至っては、二万六千四百六十八の調査件数のうち四千百三十一、一五・六%が未加入なんですよ。事故が頻繁に起きるというか、大体こういうところを中心として起きているのはこれは間違いないわけなんですね。
 そこで、お聞きしますけれども、この状況を見たときに、国土交通省はトラック運送事業者の社会保険加入率を上げることをどのようにこれから取り組んでいくのか、今までやってきたのか、これ喫緊の課題だと思いますが、お答えください。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。
 社会保険未加入につきましては、事業の健全な発展を阻害する競争行為につながるため、平成二十年にその加入を事業の許可基準に追加するとともに未加入を行政処分の対象とし、その後、順次処分基準を強化してまいってきているところでございます。また、昨年六月からは、許可基準の遵守状況を確認するため、新規参入時のチェック体制を強化し、運輸開始前に社会保険への加入が分かる書類の提出を求め、確認を行っているところでございます。さらに、適正化実施機関の巡回指導においても未加入事業者への改善指導を行っております。
 この結果、先ほど委員御指摘のとおり、未加入率、次第に低下はしておりますけれども、いまだに一五%、二〇%といった未加入の事業者がいること、大変遺憾なことだと思っているところでございます。
 今後とも、厚生労働省、適正化実施機関と連携をして、社会保険未加入対策に強力に取り組んでまいる所存でございます。
○江崎孝君 時間が迫ってきましたので少し間をはしょらせていただきたいんですけれども、今そうやって取組をされているというんですけれども、それでもやっぱりなくならない、こういう状況なんですね。僕は、これはやっぱり行政処分が非常に曖昧だというところを指摘せざるを得ないんですよ。
 その前に、健康診断の実施率の向上云々とか質問したかったんですが、それをちょっと割愛をして、重大な事故につながる可能性のあるドライバーの心身の健康の確保は重要なこと、これ今質問しているから、皆さん御確認のとおり、やっていかなきゃいけない。しかしそれが減らない。
 これ、軽井沢のスキーバスの事故対策検討委員会においては、複数回にわたって法令違反の状況を是正、改善しない事業者に対しては事業許可取消しなどの厳しい処分を行うことができることなど、行政処分の厳格化について検討しているというふうに聞いています。
 ところが、これは、じゃトラック業者、トラックはどうなんでしょう。道路運送事業者には、やっぱりそういう厳しいことをやらないと、市場から退出をしていってもらうぐらいの厳しい姿勢で臨まないと、この健康診断とか社会保険に加入しないとか、非常にこれ後を絶たないような状況になってくると思いますけれども、この検討の方向性、どうでしょう、確認をしたいんですが。
○国務大臣(石井啓一君) バスにつきましては、今御指摘いただいたとおり、行政処分の厳格化につきまして、省内の検討委員会で中間整理に基づきまして今年度中に行っていく予定でございますけれども、トラックにつきましては、様々な意味でトラックドライバーの処遇の改善ということは重要だというふうに認識をしておりまして、昨年から、厚生労働省と共同いたしまして、荷主も構成員に含めましたトラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会、これを中央また全都道府県に設置をして、長時間労働の抑制ですとかあるいは適正な運賃の収受ですとか、そういった対策を進めております。今年度はベストプラクティスの創出とその普及促進を図るということにしておりますので、今後もトラック運転者の処遇改善に向けてしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
○江崎孝君 バスにできてトラックにできないというのは、これ、訳分からないんですけれどもね。やっぱりこれは行政的に厳しい体制を取らなければならないというふうに思うんですね。
 そこで、時間が迫ってきたので労働時間のことにお話をさせていただきたいんですけれども、トラック業というのは非常に特異な世界でありまして、労働基準法適用だけど適用できないような状況があるわけですね。
 例えば、厚生労働省は長時間労働や交通事故の増加あるいはILO条約の採択などの状況を受けて、それまでの局長通達を大臣告示とすることで、労使が合意をしたならば、平成元年に、拘束時間、休息時間云々の自動車運転者の労働時間等の改善のための基準、これいわゆる改善基準告示というふうに言われているやつなんですね、これで、トラック運転者の年間総労働時間が総拘束時間という形で決められたんですが、これ原則一か月二百九十三時間なんですよ、二百九十三時間。年間総拘束時間にすると三千五百十六時間。
 これというのは、過労死の認定基準であります二か月平均の時間外八十時間、これざくっと計算すると月当たり二百五十六時間から二百六十四時間、これが過労死認定基準なんですけれども、トラックの総拘束時間は一月二百九十三時間なんですね。これ何でこんな時間が大きいかというと、一日当たりの八時間プラス時間外、そして、これ手待ち時間といって荷主の皆さんが待たせる時間があるわけですよ。行って、取りに行かなきゃいけないということで、こういうのを入れると今言った二百九十三時間ということになります。
 それで、資料三を見てください。これ見て分かるとおり、自動車運転者を使用する事業場に対する監督指導、送検の状況、トラックが監督実施事業場数二千七百六十五、これ労働基準関係法違反が二千三百十一云々なんですね。その下、改善基準告示違反、さっき言った最大拘束時間、いわゆる拘束時間です。これ二百九十三時間以上やっているところが、トラックだと総拘束時間の一千百九十八が違反をしています。四三・三%が違反をしているわけですね。これをどういうふうに直していくのかということが重要だろうと思うんですけれども、これ労働基準法と非常に密接した関係になってきます。
 そこで、厚生労働省の連携を含めて、このような数字をどう減らそうとしているのかという意味で、国土交通省の考え方、取組の状況をお聞きします。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。
 国交省におきましては、厚労省と共同し、荷主も構成員に含めたトラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会を、平成二十七年度、中央及び全都道府県に設置し、長時間労働の抑制に向けた議論を進めているところでございます。この取組の一環として、昨年九月には労働時間の実態把握のために実態調査を実施をし、本年二月にその結果を公表しているところでございます。その中では、今委員御指摘のような労働基準違反の状況というのがかなり地域差も含めて明確になっているところでございます。
 この調査の結果も踏まえて、平成二十八年度からは、この協議会の枠組みの中で、トラック運送事業者と荷主との共同による待機時間の削減あるいは荷役の効率化など、長時間労働を改善し過労運転を防止するためのパイロット事業を実施し、ベストプラクティスの創出とその普及促進を図ることとしているところでございます。
○江崎孝君 もう時間が来てしまいました。
 最後に規制緩和のお話をして終わりたいと思うんですけれども、資料四を見ていただきたいと思うんですが、現状が、トラックの運転手さんの年収はこんな状況になっているんですね。
 与党が市場原理主義によって規制緩和を始める前が一九八九年ですよ。ここが、営業用貨物自動車、これ男性ですけれども年収が四百八万七千三百円、産業計、これは全産業男性の計が四百七十九万五千三百円、差額が七十万八千円でした。これが、ピーク時が二〇〇五年ですね、赤いところ、四百十一万五千六百円、全産業が五百五十二万三千円、これで百四十万七千四百円差が出ちゃったんですね。これって、縮まるどころというか、若干の差はありますけれども、二〇一四年で百三十三万二千百円なんですね。
 これが何を意味しているかというと、一気に規制緩和でトラック事業に対する業者の参入がどどっと増えた、その結果過当競争になって、確かに荷主さんの方はいいかもしれませんけれども、それを運ぶ方のトラックはこれたまったものじゃない。本当に荷主の負担、送料も伸びないし、そんな中で事業者は増えるばかりだから、これは本当大変な状況になってきているわけですね。
 そこで、最後に大臣にお聞きをしますけれども、このような今の現状、今のような規制緩和の流れというのは非常にもう事故にもつながるし、若者が入ってこない、その業界に入ってこないという現状ももう生みつつある。危険、あるいはきつい、給料は安い、こういう状況なんですね。それが一つは交通事故にも起因をしてきているわけでありますから、最後に大臣、国民の命と生活を支える運送事業のためにも、安全のためのコストを事業者が負担できるよう規制の在り方を見直すべきだろうと思うんですね、今の状況を放置するのではなくて。あるいは、運転手の、ドライバーの賃金のアップも含めてこれは検討していかなきゃいけないと思うんです。そのトータルの考え方、これを大臣にお聞きをして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 規制緩和は、競争促進によりサービスの多様化等をもたらし、市場の活性化という観点から一定の成果があったと考えられます。一方で、事業者が約一・六倍に増加したことにより競争が激化し、事業者の経営環境が悪化したことは事実でございます。
 国土交通省といたしましては、トラック輸送における取引環境・長時間労働改善協議会の枠組みを活用し、また官邸主導で下請等中小企業の取引条件改善に関する関係府省等連絡会議がございますので、そことも連携をしながら、引き続き、安全コストを含んだ適正な運賃の収受や労働時間の削減などトラック運送事業者の経営環境の改善に向けた議論を進めていきたいと思っております。
○江崎孝君 今日私が指摘したり質問したことは、もう、すぐ実行していただければ、やはりこれから防げる事故があるかもしれない。早くやらないと、これは本当にトラック業界だけの問題ではないということを指摘をして、私の質問を終わります。
    ─────────────
○委員長(小泉昭男君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、豊田俊郎君が委員を辞任され、その補欠として三宅伸吾君が選任されました。
    ─────────────
○礒崎哲史君 民進党・新緑風会の礒崎哲史でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 まず、私の方からは、自動車安全特別会計について、その現在の運営の状況ということで一点御質問をさせていただきたいというふうに思うんですが、自動車安全特別会計というと分かりづらいんですが、今日、具体的に私お話をさせていただきたいのは自賠責保険に関する点になります。ここにいる多くの委員の皆様も車に乗られていると思いますが、必ず、任意ではなくて絶対に入らなければいけないということで自賠責保険というものがございます。この特別会計は、昔は自動車損害賠償責任再保険特別会計という名称で運営がされておりまして、まさにこの会計で自賠責保険、様々な保険の支払を含めた事業が運営をされていたというものになります。
 今から二十年前に、平成六年、七年に、この会計から一兆一千二百億円、この金額が一般会計に繰り入れられまして、当時の財政、日本の財政を含めて厳しい折、この会計から一般会計に繰り入れるということを行いました。ただし、後々これは返済するということが前提ということでございます。返済が前提ということでもありましたので、その後、平成八年から十五年まではこれはきちっと年々少しずつ返済をいただいておったというところでございますが、残念ながら平成十五年以降になりますとその返済がストップをしておるというのが実情でございます。
   〔委員長退席、理事石井正弘君着席〕
 当然、自動車の保険に関わることですから国交大臣が責任所管になります。あるいは、一般会計に繰り入れるというところからは財務大臣がこの件については様々な判断をされるということで、財務大臣と国交大臣の合意期間というものが、これまでの平成十五年以降ということでいけば十年間にわたって三度延長されるということで、結果的に今現状では六千億円を超えるお金がまだこの特別会計の方には繰り戻されていないということになっております。一兆一千億円のうちですから、六千億円が返ってきていないということなので、まだ半分が返ってきていないという形になります。
 最後に三度目の延長が行われた際の国交大臣と財務大臣の覚書の記述が平成三十年度までに返還をするという中身になっておりましたので、今年度を含めまして残り三か年度になりますので、現状どういう形になるかということを今日はこの後また御質問をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、この自動車安全特別会計の特に保険の部分に関する積立金の推移について、まずは現状を確認をさせていただきたいというふうに思います。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。
 過去五年間、平成二十二年度から二十六年度における自動車安全特別会計の自動車事故対策勘定の決算ベースの積立金の推移を御報告申し上げます。
 平成二十二年度末に約二千二百九十八億円、二十三年度末、約二千二百二十億円、平成二十四年度末、約二千百九十二億円、平成二十五年度末、約二千百三十二億円、平成二十六年度末、約二千四十九億円となっております。
○礒崎哲史君 今御説明をいただきましたが、推移としては急激に乱高下しているという状況ではありませんが、徐々に徐々に減ってきているというのがこの特別会計の状況になっております。
 では、私、先ほど自賠責のというお話をさせていただきましたけれども、実際にこの特別会計の事業の内容であったり、あるいは毎年事業によってどれぐらいの支出が発生をしているかという点についても、これもまた事実確認をさせていただきたいと思います。
   〔理事石井正弘君退席、委員長着席〕
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。
 自動車安全特別会計の積立金を財源として、国土交通省におきましては、重度後遺障害者に対する介護料の支給等の被害者保護対策、さらには先進安全自動車補助などの自動車事故防止対策を実施をしているところでございます。これらの事業の実施に当たり積立金の取崩しを行っていることから、積立金が先ほど申し上げましたとおり年々減少しているところでございます。
 具体的には、平成二十二年度から二十六年度まで、今申し上げましたこういった被害者保護対策あるいは自動車事故防止対策の支出額は、二十二年度から二十六年度までそれぞれ百三十二億円、百二十九億円、百二十億円、百二十四億円、百二十五億円となっているところでございます。
○礒崎哲史君 今局長からも御説明をいただいたとおり、まずこの特別会計で取り扱っている事業の中身としては、事故に遭われてけがをされてそして特に障害が残っている方、そうした方たちを救済する事業というのがこの特別会計の中からお金が出されている。あるいは、そもそもそうした事故をなくしていくための様々な対策についてこの特別会計からお金が出されているということでございます。毎年およそ百二十億から百三十億円という金額がここから支出をされ、結果的には、今まさに局長の言葉としてありましたけれども、積み立てたお金の中から取り崩してこのお金を捻出をしているというお話でありました。
 本来であれば、保険事業ということですので、収入と支出ということではやはり安定した事業を行っていくということが、これは大変重要だというふうに単純に考えれば思うわけでありますけれども、先ほど申し上げました一般会計の方に六千億強というお金が繰り入れられたものがまだ戻されていないという状況において、今現在この特別会計の中は取り崩して運営をしているということになっているわけでございます。
 では、できれば国交大臣の方にお答えをいただければと思いますが、元々、一兆一千億円という金額が一般会計の方に行っておりましたから、これはこの特別会計の中にあったはずのお金でございます。とすると、本来あるべきこの特別会計の運用計画というものがあろうかというふうに思いますが、元々国交省の方で考えておられたこの特別会計の運用の計画について御説明をいただければと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 自動車安全特別会計における積立金は、自賠責保険の再保険料の累積運用益を原資といたしまして、被害者保護対策や自動車事故防止対策を安定的に実施するための財源として積み立てることとされたものであります。
○礒崎哲史君 今大臣の御説明にもございました。積立金の運用益を活用しながら安定的に事業を運営していくということが当初の目的というお話がございました。
 とすると、やはり積立金で持っていたはずのお金が現在入っていないということは、それだけの運用益が出せていないということでもございますので、結果的には運用益が当初の目的どおりに出せないということから、取り崩さざるを得ないという状況になっているというふうに考えます。
 今ここまでお話をさせていただきましたけれども、やはりこの事業で今救済を受けている皆さん、けがをされていたり、あるいは後遺症で悩まされている方、こうした皆さんを、やはり少しでも安心してもらう、ある意味、社会のセーフティーネット、事故に対するセーフティーネットの役割をしているのがこちらの特別会計だということからすれば、これはやはり平成三十年度という覚書の内容をもって返済がされるということだろうというふうに思うんですけれども、ちょっと自動車局長の方に、通告を出していなかったんですが、国交省としては、やはり覚書の平成三十年度をもって返済がなされて、本来の運用に戻れるという認識で今現在おられるということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(藤井直樹君) この繰戻しにつきましては、法律等におきまして予算の定めるところにより繰り入れることとされており、具体的には財務大臣と国土交通大臣との合意に基づき、協議の上、決定されることと考えております。
○礒崎哲史君 財務大臣と国交大臣との話合いということで今お話がございました。
 ということで、今日はちょうどそのお二人の大臣がいらっしゃる省庁別審査だったものですから、まずは石井国交大臣の方に、この三十年度返済ということをやはり私は求めていくべきというふうに考えておりますけれども、大臣の今のお考えを確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 平成六年度及び七年度に自動車安全特別会計から一般会計に繰り入れられました約一兆一千億円につきましては、利子相当額約一千億円を含め約六千億円が繰り戻されていない状況にございます。
 国土交通省といたしましては、被害者保護対策及び事故防止対策を安定的に実施するためにこれまでも財務省に対して繰戻しを要求してきたところでありまして、今後とも、引き続き財務省と協議してまいりたいと考えております。
○礒崎哲史君 という石井大臣のお話でございましたので、やはり鍵を握るのは麻生財務大臣なのかなというふうにも思いますけれども、今の時点での麻生大臣のお考えを、財務省としてのお考え、確認させてください。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、石井大臣の方から答弁があっておりましたように、自動車安全特会の繰戻しにつきましては、これは平成六年度に財政特例法などにおいて予算の定めるところにより行うこととされておりまして、今、元本、利子合わせて約六千億円というお話、そのとおりであります。
 具体的には、原則として、平成二十四年度から三十年度までの間に分割して繰り戻すこと、毎年度の具体的な繰戻し額については、一般会計の財政事情、自動車安全特会の収支状況等に照らし、財務省及び国土交通省が協議の上、決定することということになっておりまして、平成二十三年度の予算編成過程におきまして財務大臣と国土交通相の間で合意をしておるという経緯であります。
 平成二十八年度の予算編成の過程におきましては、この合意を踏まえまして財務省と国土交通省との間で検討をさせていただいた結果、一般会計の財政事情が依然として極めて厳しい状況にあることから、平成二十八年度には繰戻しは行わないこととさせていただいております。
 二十九年度以降の取扱いにつきましては、引き続き国土交通省と協議をしてまいりたいと考えております。
○礒崎哲史君 二十四年度から三十年度までの分割という計画でありました。ただ、様々な状況を踏まえてということでお話がございました。
 今、二十九年度に向けてということでお話がございましたけれども、三十年度まででいけば、二十九年度、三十年度、二か年ということになりますので、六千億という金額としては大変大きい金額になりますが、先ほども申し上げましたこのお金というのは、やはり被害者の方たち、あるいはこれからけがをされるかもしれない、そういう被害に遭う方たちに対してのセーフティーネットという役割であれば、少しでも事業を安定させることができる環境に戻すのがやはり重要だろうというふうにも思います。
 できれば早くその計画のめど、一括返済ということではなくて、先ほど分割というお話もありました。できるだけ早く計画をお示しをいただきたいというふうに思いますが、いつぐらいまでに検討をいただけますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは先ほども御答弁申し上げましたように、平成二十九年度以降につきましては、引き続き、これは国土交通省と財務省との間にいろいろどういった形の、そのときの財政事情、また経済の状況、またいわゆる歳入歳出等々いろんなものを総合勘案させていただいて、この六千億というのを少しずつ返済させていただくという計画を改めて二十九年度の予算編成のときに、予算の編成過程においていろいろ協議をさせていただくということで、今細目をお答えできる段階にはございません。
○礒崎哲史君 この保険については、もちろんここにいる車をお持ちの皆さんも自賠責保険という形でこの保険についてお金を支払われておられます。自賠責保険については、平成二十三年と二十五年にそれぞれ値上げをしているというような経緯もございます。
 実際に自動車を持たれているユーザーが保険に対して保険料を支払う、これはある意味、自分たちが加害者になったときの、あるいは自分たちが被害者になったときのその保険、あるいは安心感という意味でお金を払っているわけでありまして、その保険料が実際には値上げをしている状況において、この特別会計においては取崩しが発生をし、貸したお金が戻ってこないということは、これは自動車のユーザー、実際に保険料を払っている方々の立場からしてもなかなか納得感が得られるものではないんだろうというふうに思います。今、麻生大臣にもうなずいていただきました。是非、この件についてはできるだけ早期の返還がなされるように前向きな検討をしていただきたいということでお願いを申し上げます。
 それでは、次の質問に移らさせていただきたいと思います。
 空港の整備に関する管理ですとか保全、あるいは修繕の管理体制ということで、これは会計検査院の改善措置要求事項にもなっているものでございます。国土交通省の指示あるいは計画、そうしたものに基づきまして空港の様々な検査をしなければいけない。台帳であったり、あるいはその点検、そして、それを実際に点検で不備があったものについて修繕をしていくという点につきまして問題があったということで、指摘がそれぞれ会計検査院からされております。少し細かくなりますけれども、一点一点確認をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 まず、空港の土木施設台帳、これは管理台帳ですね、台帳における指摘事項への対応状況ということで、現在この指摘をされた内容についてどのような対応状況にあるか、確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、平成二十六年度決算検査報告におきまして、会計検査院から空港施設の維持管理について改善が必要な点があるとして、三点処置要求を受けております。
 その一点目が今御指摘の台帳の関係でございますが、空港施設の点検などの維持管理の前提となる空港土木施設台帳におきまして、一部の施設の配置図や構造図といった図面情報に記載漏れがあったという指摘でございます。この指摘を受けた対応といたしましては、施設の配置図や構造図といった図面情報を十分に確認の上、漏れがないよう適切に台帳に記載するように周知をいたしまして、現在では適切に整備されているところでございます。
○礒崎哲史君 今適切に、現在はもう不備が修正をされているということで確認をいたしましたが、そもそも台帳にきちんと図面等、記録を残しておきなさいという、そうした指示があったにもかかわらず不備が発生してしまった理由というのは一体なぜなのか。もし、その発生した理由に対して既に何らかの対策が打たれているようであれば、その内容についても確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 空港の土木施設台帳への記載漏れにつきましては、空港事務所において台帳に記載すべき施設の配置図や構造図といった図面情報についての確認が十分でなかったこと、すなわちチェックミスが原因であったと認識をしております。
 したがいまして、先ほどその改善策について御答弁申し上げましたが、その改善策の周知を、この空港事務所に加えまして地方航空局にも周知したところでございます。これによりまして、現場の第一線の空港事務所に加え、その後方支援を行う地方航空局においてもチェックする体制を構築して、空港施設の維持管理の適切な実施に万全を期してまいりたいと考えております。
○礒崎哲史君 今の理由と対策の点で、もう一つちょっと確認なんですけれども、確認体制が十分でない、チェックができなかったということで、これはそもそもそれをチェックするためのチェックリストがなかったという意味なんでしょうか。それとも、チェックするための人が、担当者がきちんと責任が明確になっていなかったという意味なんでしょうか。どういう意味のチェックが不足していたということなんでしょうか。
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 本来、台帳に記載されるべきものを単純に記載漏れしたということでございまして、今御指摘の二点でいうと、チェックリストがなかったということに近いかと思います。
○礒崎哲史君 チェックリストがなかった。対策としては、そのチェックリストの不備があった空港に対して水平展開をして、今は全部がそれを持っているというふうに理解をいたしました。
 では、続いて二つ目の会計検査院の指摘なんですが、そうした台帳類がそろっている、ただし、その点検において、点検し損なった、できなかったということが発生したというのがこの指摘事項になりますけれども、実際にこの指摘事項を受けてから現在の対応状況について、これも確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 会計検査院からの二つ目の指摘事項でございますが、空港施設の点検のマニュアルにおきまして、点検対象から漏れている施設があったり、点検項目が具体的に定められていなかったという指摘でございます。
 これに対する対応でございますが、点検マニュアルにおきまして点検対象施設の漏れがないよう、これを改訂するとともに、点検項目や内容を具体的に定めたところでございます。
○礒崎哲史君 点検内容を新たに定めたということでありますが、これもやはり点検の不備が発生したということはその理由があったかというふうに思いますけれども、実際に点検の不備が発生してしまった理由と、その発生した理由に対する対策ということで確認をさせてください。
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 空港施設の点検のマニュアルにおいて点検対象から漏れている施設があったり、点検項目や内容が具体的に定められていなかった点につきましては、マニュアルを策定する際の検討が十分ではなかったことが原因であると認識をしております。
 したがいまして、これは第一点目と共通でございますけれども、これに対する改善策を空港事務所に加えまして地方航空局にも周知をし、現場の第一線の空港事務所に加えまして、その後方支援を行う地方航空局におきましてもチェックする体制を構築したところでございます。
○礒崎哲史君 マニュアル作成の手順そのものに若干の不備があったということでございますけれども、そうすると恐らく、マニュアルそのものの作成というのはこれは国交省の方で行われているということですから、大本の部分で不備があったというふうに理解をしてよろしいんですか。
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 マニュアルは、それぞれの施設を管理しております空港事務所において作成をしていたというものでございます。
○礒崎哲史君 そうしますと、それぞれの事務所の方で、事業所の方で実際にそれぞれの空港のマニュアルに落とし込んでいく際にきちっと落とし込みができなかったということだというふうに理解いたしました。
 ただ、やはり、例えば今回指摘をされた中身でいきますと、無線の点検ですとか灯火ですね、ライト類だと思いますが、こうした点検の不備というのが指摘をされました。こうした無線だとか灯火がセットされているであろう鉄塔ですとか、そういったものが点検対象からそもそも外れているということからすれば、大本の建物、柱の部分が点検対象になっていないわけですから、これはライトが点検されるわけがない、無線が点検されるわけがないということですから、これは空港の様々な安全、飛行機の運航にも関わる点だというふうに思います。
 ここに関して、これの不備で事故が起きたということはないというふうに理解をしておりますけれども、やはり万が一何か起きてはいけないということからすれば、安全性を考えれば、この点についてはしっかりと今後も対応をいただきたいというふうに思います。
 今、対策について様々確認をさせていただいたわけでありますが、今のは比較的、台帳の部分、紙ベースという話で指摘項目確認をさせていただきましたが、三点目、これは、実際に台帳はあった、点検もされた、そして不備が見付かった。ただし、その修繕しなければいけないというふうに自分たちでも考えていた項目に対して、実は修繕の対応がなされていなかったというのが、これが三つ目の会計検査院からの指摘になります。この実際に修繕がなされなかったという指摘事項についての対応状況について確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 三点目の、滑走路等の点検の結果、測定値が修繕を必要とする基準値を超過していたにもかかわらず、速やかに適切な措置を行っていなかったという指摘につきましては、滑走路の点検の結果、測定値が修繕を必要とする基準値を超過するなどの事態が生じた場合には、速やかにまず修繕計画を作成するということにいたしました。この修繕計画に基づき、指摘を受けた施設につきましては既に修繕を実施しているところでございます。
○礒崎哲史君 今御説明をいただいた修繕がなされなかったという事項なんですが、実はこの具体的な中身を私、先ほどお話をするのをちょっと飛ばしてしまったんですけれども、例えば誘導路の、滑走路の勾配が航空法の定めるところから外れている、最大傾斜が基準値から外れているという事例であったり、あるいは路面の摩擦係数が想定したものから外れているというようなものがこの中身になっております。どちらも、やはり実際に飛行機が離着陸をする、あるいは飛行機が実際に滑走路まで行く、空港の中を様々な車両が動くということからすれば、これも飛行機の運航に対して大変大きな影響を与える基準値だというふうに思います。
 その数値が外れていたにもかかわらずそのまま運営がなされたということで、今、対応状況としては、実際に修繕計画がなされていなかった事例だということで、修繕計画を作り実際に対応しているということですが、ただ、実際に対応が必要だということが自分たちのチェック項目の中で挙がっているにもかかわらず、計画がそもそも作られていなかったというのは、これは大変大きな問題だというふうに思いますが、なぜ計画がきちんと作られなかったのか。きちんと計画を今度は作っていくためにどのような今現場では対応としてはなされているのか、確認をさせてください。
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 今御指摘の三点目の、点検の結果を踏まえた適切な措置がとられていなかったという点につきましてでございますが、点検の結果、測定値が修繕を必要とする基準値を超過するなどした場合において、適切に修繕等を実施しなければならないことについての認識が欠けていたこと、すなわち基準を遵守する意識の不足が原因であったと認識してございます。
 実際にどのような判断がなされていたのかということにつきまして更にちょっと申し述べさせていただきますと、点検の結果、測定値が修繕を必要とする基準値を超過するなどの事態が生じていたケースにおきましては、こうした事態が生じていた箇所が施設のごく一部であったことなどから、空港事務所におきまして、航空機の安全運航に直ちに影響を与えるものではないと判断をしてしまっていたものでございます。
 しかしながら、今般会計検査院から処置要求がなされたことを踏まえまして、航空機の安全運航に万全を期す観点から、先ほど改善策を申し上げましたですけれども、今後はこの改善策に従いまして空港施設の維持管理を適切に行ってまいりたいと考えてございます。
○礒崎哲史君 今のお話でいくと、修繕の規模といいましょうか、ここからここまでの部分が基準値を外れているけれども、範囲としては広範囲には当たらないのでもう少し使っても問題ないのではないかということだったというふうに思います。
 そうしますと、ある基準値があって、それに対して点検をしていきましょうというルールも定めているんだけれども、そのルールを適用する段階において、最終的には人の考えといいますか、その人の考えで結果的には結論が真反対に行ってしまう、そういうチェック体制、チェック構造になっていたというふうにも今受け取れました。
 やはり、安全に関する部分というのはきちんと、最終的には悩むところもあろうかと思いますが、ただ、基本的にはこういう条件だったらやる、こういう条件であれば保留をする、通常の倍ぐらい、あるいは通常よりも更に細かい形でチェックを行って日々の運航、安全には細心の注意を払う、そうした対応も必要だというふうに思いますが、こうしたチェックをするということにおいては、やはり人的ミス、人間の考えが入らない、そうしたものも準備しておくべきだというふうに思いますが。
 大臣にお伺いしたいんですが、事やはりこの点については安全に関わる話になってまいります。きちんと人的ミスが入り込めないチェック体制の構築、こうしたものも大変重要だというふうに考えますけれども、大臣、今言った基準値から実際に外れた状態で運航が行われていたこの点も含めて、大臣の認識、お考えについて確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 先ほど航空局長からも答弁させましたように、今後、国土交通省といたしまして、会計検査院から指摘されたような事項が起こらないように、空港土木施設台帳の図面情報等の有無の再確認、対象点検施設の明確化や具体的な点検内容、修繕が必要な基準値を超過した際の速やかな修繕の実施について、空港事務所及び地方航空局に周知し、確実に実施をしていきたいと思っております。
 さらに、今般、空港事務所に加え、地方航空局においてもチェックをする体制を構築をいたしまして、空港施設の維持管理の適切な実施に万全を期してまいりたいと思っております。
○礒崎哲史君 人的なミスが入り込めない体制ということですので、皆さん気を付けてくださいよという周知徹底だけではやはり私は駄目だというふうに思います。最終的には、そこに人の判断というものが入り込むのではなくて、事こういう点については、きちんと機械的にチェックできる体制が私は何よりも必要だというふうに思います。
 あわせて、大臣にまたお伺いしたいんですが、国交省さんで定められた安全基準、勾配であったり路面の摩擦係数であったり、こうしたものは自分たちで定めたものであるはずでありまして、それが自分たちの運用の中で守られていないということ、これはやはり国交省さんの中でいま一度こういった点についてはしっかりと意識を高くしていくことも必要ですし、今私が申し上げたチェック体制見直すということが必要だと思うんですが、やはり自分たちで定めた基準がきちんと守られていなかったという点について、大臣、どのようにお考えになりますでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 先ほども答弁申し上げましたが、今後は空港事務所だけでなく地方航空局もダブルチェックをするという体制を構築しまして、しっかりと空港施設の維持管理の適切な実施を実行してまいりたいと思っております。
○礒崎哲史君 それと、航空局長の方に、先ほど、修繕計画がなされていなかったということで、その後、計画出されて措置がされたということですが、これ予算の措置というのはどういうタイミングでなされるんでしょうか。
 修繕の箇所が出て、計画が出されて、翌年度という形になるのか、それとも、年度内に修繕が必要であるものを、予備費ではないですけれども、お金をある程度確保しておいた上で優先度のようなものを付けて取り組まれていくのか、その辺の予算との関わり合いについて確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 予算との関係があるということがこれは事実でございますので、先ほど申し上げましたように、滑走路等の点検の結果、修繕を必要とするような基準値を超過するなどの事態が生じた場合には、まず速やかに計画を作成すると。まさに自動的に、先ほど委員御指摘のように、自動的にまず計画までは作ると。その上で、これは必要となる予算の多寡にもよりますけれども、要求が必要な場合には速やかに要求いたしますし、当年度の予算の例えば組替えなどによりまして対応できる場合には速やかに組み替えて対応するということだと考えております。
○礒崎哲史君 この点、今日、少し細かく確認をさせていただきましたが、やはり内容が事安全に関するものだというふうに先ほどから何度も申し上げております。
 先般、総理の方からもインバウンドという言葉の中で、観光立国、観光客の日本に入ってきていただくお客様四千万人を目指すというようなお話もございました。当然、海外からの窓口は、メーンは空港になろうかというふうに思います。そして、空港に来ていただいた皆さんに安全に日本に滞在をしていただく、そうした意味からも、やはりこの空港の安全対策というものは今まで以上に重要視をしていかないといけないんだろうというふうに考えます。
 あわせて、特に最近ではテロ対策というものも、これも大変重要視をしていかなければいけないんだというふうに思います。二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックに向けて、訪日の外国人も急激に増加をしてくるんだというふうに思います。安全面、それからテロ対策面、こういう意味でもしっかりと今質問をさせていただきましたが、予算についても確保をしていくということも必要なんだろうというふうに思います。
 こうした空港整備については、これまでも空港整備勘定等の特別会計の中で様々対応してきているわけでありますが、事こうしたテロ活動といったものについては、これはやはり国家レベルでもしっかりと認識を高めて対応をしていくべきだというふうに考えますけれども、こうした財源の確保をしっかりしていくべきというふうに考えますが、この点についても石井大臣の御所見聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 空港施設の維持管理は、空港の安全対策はもとより、テロ対策にも資するものであります。航空輸送の安全確保のために重要であると考えております。
 国土交通省では、まず、空港の安全対策につきましては、航空の安全のために講ずべき対策等を規定する航空安全プログラム、これを策定いたしまして、このプログラムに基づきまして空港設置管理者に対して指導監督を行っております。また、テロ対策につきましては、航空保安に関する基準を策定し不断に見直すとともに、空港設置管理者、航空会社等にこれらの基準に従って空港の保安体制を適切に実施するよう厳しく指導監督をしております。
 本年はG7の伊勢志摩サミットもございますし、また、政府として取り組んでおります二〇二〇年訪日外国人四千万人の目標達成に向けまして空港の受入れ体制が確実に求められる中で、国土交通省といたしましては、今後とも、こういった体制によりまして空港の安全対策やテロ対策を強化して万全を期してまいりたいと思っております。
○礒崎哲史君 是非強力に推し進めていただきたいと思いますが、今、基準を作成しというお話がありました。ただ、今回は、その作っていたはずの基準がきちんと守られずにこういう指摘を受けているということでもありますので、これはもう実動という部分でしっかりとテロ対策あるいは安全対策が進められるように、ここは石井大臣のリーダーシップを発揮をしていただきたいというふうに思います。よろしくお願いをいたします。
 それでは、次の質問に入ってまいりたいというふうに思います。
 道路の全体計画について最後に確認をさせていただきたいというふうに思うんですけれども、特に高規格幹線道路の計画、これまでも、先ほど自民党の西田委員の方からは新幹線ということで鉄道についてのお話がございましたけれども、やはりもう一つ重要な国の国土を守っていく意味、あるいは人、物の輸送ということでは、やはりこの道路の計画というのも大変重要だというふうに認識をしております。
 道路の全体の計画ということで、計画と進捗状況について、まずは現状を確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(森昌文君) お答えいたします。
 今委員御指摘の高規格幹線道路、高速道路全体の計画でございますが、元々この高速道路の計画は、少子化、高齢化等が進展する中で高速交通サービスを全国的に広げていきましょう、そしてまた都市相互に連絡をいたしまして高度な都市サービスが広がるようにという意味での拠点都市相互を連絡するといったような目的としまして一万四千キロの計画を立てさせていただいたところでございます。
 平成二十八年四月の現在での進捗状況でございますが、一万一千三百キロメートルが開通済みということでございまして、一千八百キロメートルが事業中、そして一千キロメートルが未事業化、要は計画中という形になっているところでございます。
 一層、全体としての人、物、情報をいかに効率的に全国に均てん化させるかという意味合いでその事業をしっかりと進めてまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
○礒崎哲史君 現状でおよそ八〇%が計画に対して今進捗ができているということでございました。
 ただ、この道路の計画も、先ほどの新幹線と同じように、すぐに進められるというわけではなく、やはり大きなお金、予算が必要という形になってまいりますので、ある程度の時間を要してここまでやってきたということだというふうに思います。そうした中で、国の状況も様々変わってきて、経済の状況も、ずっと成長していく高度経済成長期からは明らかに変わってきた時代、そして今後、人口減少を始めとして社会の構造も大きく変えていかなければならないという状況に入ってきております。
 既に、国交省としてはグランドデザイン二〇五〇というものも作成をされまして、新たな高速交通のネットワーク、こうしたものも出されているというふうに、考えが既に示されているところでありますけれども、やはり一万四千キロ、従来の計画のとおりにやっていくという考え方もあろうかと思いますし、時間とともに少しずつ中身を変えていかなければならないものもあろうかというふうに思います。
 その中の一つとしては、例えば東日本の震災、あるいは今回の熊本の地震というものを受ければ、いざというときのための交通網といいますか、様々な輸送ルートを確保するという、こういう考え方もあろうかと思いますので、災害時の様々な代替ルート、こうしたものの考え方もあろうかというふうに思いますし、従来からのミッシングリンクの解消、こうした考え方もあろうかと思います。
 様々な要因の中で今後残りの二〇%というものを考えていかなければならないというふうに思うんですが、今後この計画を進めていく上での優先順位といいますか、その考え方について確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 高規格幹線道路につきましては、主要都市間の速達性、大規模災害に対する脆弱性等の道路ネットワークとしての課題、並行する現道の防災、渋滞、走行性等の観点から、課題が特に大きい区間の中で事業実施環境が整ったところから着手をしているところでございます。
 引き続き、適切に評価を実施し、効率化及び重点化を図りながら、残る区間の事業化につきましても計画的に取り組んでまいりたいと思っております。
○礒崎哲史君 新規で造らなきゃいけない部分も当然あろうかと思いますけれども、特に近年では老朽化対策という点、今のストックとして持っているものを活用していくという点、その老朽化対策含めて、ここの点をより重視していくということも考え方あろうかと思いますが、この点について、予算配分も含めて今どのようなお考えをお持ちでしょうか、確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 高度成長期以降に整備した道路が、今後、急速に老朽化していくことを踏まえまして、国民の安全、安心の確保のために計画的に点検、維持管理、更新など老朽化対策を行うことが急務の課題であると考えております。また、道路ネットワークにつきましては、地域の活性化や物流の効率化に役立つとともに、リダンダンシーの確保など、災害面での弱点の克服にも必要なものと認識をしております。
 したがいまして、今後とも本格的な老朽化対策、メンテナンスに万全を期すとともに、コスト縮減を図りつつ、必要な道路のネットワークの整備に努めてまいりたいと考えております。
○礒崎哲史君 コスト縮減含めて対応いただくことは、当然時代の要請なんだろうというふうに思いますが、結果的にこれもあれもそれもという形でやれば、先ほど私がお話をしたミッシングリンクの話であったり、災害時の代替ルートであったり、こういったものが少しずつ整備されていくんですけれども、結局、完成形を見ないということでだらだらと時間が流れていくということ、あっ、ちょっと言葉悪かったですね、また時間が経過をしていってしまうということになってもこれはいけないんだというふうに思います。
 ここはやはり明確に優先順位というものを改めて考える、切り詰められるところは切り詰める、無駄は削減する、でも、ここはしっかり造るところは造るということを進めていくことがやはり重要なのかなというふうに考えております。この点については、また別の機会で大臣の方には詳細また確認をさせていただきたいと思っております。
 本日はこれで終了させていただきます。
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。よろしくお願いいたします。
 私からは、行政的課題解決に向けての民間資金の活用の意義等、また特に、とりわけ交通インフラ、そちらをハード、ソフト一体で開発していくことの意義を主にお伺いしたいと思うんですが、まず初めに、その前に、熊本の地震発災から十日余りとなりまして、今現在でも震度一以上の地震がもう九百回近く起きているという状態でありまして、現地で被災されている方は本当に御心痛等がある状態であると思います。我々公明党も、連日のように現地入り、国会議員、地方議員、させていただいております。
 国土交通省を始め関係省庁の方々の御尽力で交通インフラ等は徐々に徐々には復旧はしているところでありますが、まだ例えば支援物資もなかなか届かないというような状況もある。今既に、車の方でまだお暮らしになっている方もいらっしゃるという状態であります。住まいの確保というのも、今後また現地のニーズも踏まえながらしっかりと検討していかなければいけないところであると思います。
 まず、国土交通大臣より、早期の復旧、そして対応についての御決意をいただければと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 熊本地震によりまして四十八名以上の方が亡くなられ、千三百名以上の方が負傷されました。そのほか、熊本県によりますと、避難生活等における身体的負担による疾病により亡くなったと思われる方が十二名いらっしゃるということでございます。お亡くなりになられた方の御冥福をお祈りするとともに、被災された方に心よりお見舞いを申し上げます。
 被災地では、現在でも約六万人の方が避難をしておられ、避難所での不自由な生活等による影響でお亡くなりになる方も出るなど、二次的避難所と応急的な住まいの確保が急務となっております。
 二次的避難所の確保としまして、九州全域の旅館、ホテルへの被災者の受入れを関係団体に要請をし、二十一日より熊本県内において高齢者、体調の悪い方を中心に順次受入れを開始しているところであります。
 応急的な住まいの確保につきましては、被災建築物の応急危険度判定、御自宅へお戻りになれる可能性があるかどうかということの判定ですが、これは、昨日までに益城町及び菊陽町において当初予定分を完了いたしまして、八市町村全体において一万八千百四十二件が実施済みとなっております。
 公営住宅等につきましては、四月の二十二日時点で、全国で八千六百五十九戸の提供を発表し、九州では百九十二名の方の入居が決定をしております。
 応急仮設住宅の建設につきましては、熊本県においては西原村の建設候補地五か所を確認をし、さらに、県の優良住宅協会において約百戸、プレハブ建築協会において約二千九百戸について工事に着手する準備があることを確認をしております。
 また、交通インフラにつきましては、地震発生直後には高速道路、鉄道、空港の多くが通行止め又は運行休止となっておりました。
 高速道路につきましては、最大七路線五百九十九キロメートルで通行止めでありましたが、復旧工事の進捗を見極めながら順次一般開放の見通しを発表しておりまして、九州自動車道につきましては四月中に全線を一般開放する見込みとなりました。
 九州新幹線につきましては、現在、熊本―新八代間の応急復旧工事が全力で進められておりまして、作業が順調に進めば試験走行を経まして数日中に全線で運転が再開される見込みとなっております。
 熊本空港につきましては、十九日から民間旅客便の運航を再開し、現時点で約七割、一日五十便程度を運航しているところであります。
 このように、交通インフラにつきまして、今後も九州自動車道の全線一般開放や九州新幹線の全線運転再開など、一日も早い復旧に努めてまいります。
 このほか、リエゾン、連絡員五十九名を二県十三市町村等に派遣し、被災自治体において情報収集や支援ニーズの把握を積極的に行っております。また、テックフォース、緊急災害対策派遣隊等を北海道から沖縄まで全ての地方整備局等から四百五名を派遣し、ドローンや無人施工機械等を活用しながら、自治体所管施設の被害状況調査の代行、救援ルートの確保、約一千百か所の土砂災害危険箇所の点検など、全力で被災自治体の支援に取り組んでいるところであります。
 今後も、国土交通省といたしまして、住まいの確保を含め、被災地の復旧に全力で取り組んでまいりたいと存じます。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。引き続き、大臣の力強いリーダーシップをよろしくお願いいたします。
 今日は決算委員会であります。決算委員会はお金の使われ方を審議するところでもある。とりわけ我々は決算の参議院と言われている。任期も長いし解散もないというところで長期的な視点に立ったお金の使われ方というのを議論をする場としても使命も与えられているというふうに理解もしています。
 長期的な課題に即したお金の使われ方ということで今日一つ注目したいのが、ソーシャル・インパクト・ボンドであります。私、先日もこれ予算委員会で取り上げたんですが、ちょっと時間がなくて途中で止まってしまいましたので、こちらをまず先にやらせていただきたいというふうに思います。
 資料一枚目から御覧をいただきたいというふうに思います。
 こちらは幾らか簡略化した、また一部省略したソーシャル・インパクト・ボンドの概念図なんですが、要するに、ボンドと言われているんですけど、これは有価証券の債券ではございませんで、このような、ここに書かれている行政や出資者、NPOとか利用者、これ辺りで結ばれる成果に連動した形の投資契約であります。
 何に投資をするかといえば、ここに書いてあるとおり、再犯率の低下や医療費の削減、養親探しなど、こういった社会的な課題、これに対しての成果が生じた場合についてはそれに応じて行政のコストが一部削減されると。その削減されたコストを一部出資者に償還をするというような、そういうような仕組みになっている、まさに官民連携の資金の出し方の一つだと思います。
 このような革新的な取組なんですが、二枚目見ていただいて、こちらはイギリスで世界で初めてソーシャル・インパクト・ボンド、これを導入したときの概要であります。軽犯罪者再犯防止プログラムということで、再犯防止のために導入されたのが一番最初なんですね。私、党の方でも再犯防止強化プロジェクトチームの事務局長をさせていただいております。日本でも再犯防止は法務省の少ない予算の中で一生懸命やりくりしている、その中でどうすればいいかと悩んでいるときに、世界ではこういう形で民間資金を使ってこのような社会的課題を解決しているんだという、これは目からうろこな事案であったわけであります。
 三枚目見ていただければ、日本の方でもだんだんと取組が拡大をしている。横須賀ではこれは特別養子縁組、福岡では認知症予防、尼崎では就労支援という形であります。このように、可能性を秘めたプロジェクトであります。課題は、どうやって社会的課題解決の成果を数量化、定量化して計算をしていくのかというような基準作りであるというふうに思っております。
 今申し上げた課題の部分も含めて、まずこの点に関しての検討状況含めて、ソーシャル・インパクト・ボンドに対しての現状の取組とともに、この取組についての期待という部分について内閣府の方はどのように御認識をされているのか、答弁いただければと思います。
○政府参考人(浜田省司君) お答え申し上げます。
 現在、国、地方の財政が厳しい制約にある中にございまして、複雑化、多様化いたします社会的課題を解決いたしますためには、行政の対応のみでは限界がございます。民間の資金、人材、ノウハウを活用することが不可欠な状況にあると思っております。
 こうした中で、御指摘ございましたいわゆるソーシャル・インパクト・ボンドにつきましては、既に経済産業省あるいは民間団体がパイロット事業に取り組んでおりますほか、厚生労働省の方でも検討を開始される段階にあるというふうに承知をいたしております。昨年の骨太の方針におきましても、いわゆる公共サービスのイノベーションを進めていくということが非常に重要なテーマとなっておりますので、こうした社会的課題の解決を図っていく新しい手法の一つとして我々としても大変注目をいたしているところでございます。
 このソーシャル・インパクト・ボンドを含めまして、民間の資金を社会的課題解決に呼び込んでまいりますためには、問題解決に向けました活動の成果を定量的、定性的に把握し評価をすることが不可欠でございます。こうした社会的インパクト評価と言われる取組が民間公益活動のインフラとして定着していくことが必要であると考えてございます。
 このため、内閣府におきましては、昨年末に共助社会づくり懇談会の下に社会的インパクト評価のためのワーキンググループを設けまして、この基本概念でございますとか普及に向けた課題、対応策をまとめた報告書を先般取りまとめましたところでございます。
 この報告書におきましては、具体的な対応策といたしまして、例えば評価普及のために民間主体の推進フォーラムを立ち上げるということ、あるいはシンポジウムの開催をするというようなことなどが提言されていまして、現在、民間におきましてその実施に向けた検討が進められておるところでございます。
 内閣府といたしましても、こうした取組に積極的に参画をいたしますとともに、評価事例を蓄積するために、本年度、この評価のためのモデル事業に取り組むことといたしているところでございます。
 以上でございます。
○矢倉克夫君 今、内閣府の方から、このソーシャル・インパクト・ボンド、イノベーションを進めていく上でもというような御説明もあったところであります。評価の在り方についても今着実に進められているというような状況をお伺いもいたしました。
 それで、麻生大臣に、まずこのソーシャル・インパクト・ボンド、ちょっとSIBと略させていただきたいと思うんですけど、SIBを例に、まず私からは、民間資金を行政サービスの提供の原資として活用する意義についてちょっと感じることを述べさせていただいた上で、大臣には後ほど、行政的課題解決に向けて民間資金を活用することの意義、どのようなものとお考えかをちょっとお尋ねしたいというふうに思っております。
 まず、私、ソーシャル・インパクト・ボンドを通じて感じた民間資金を使う意義、一般的に感じることは、国家財政が非常に厳しくなっている中、それを歯止めをするという期待、増え続ける社会保障についての対策費という部分での期待というのはあると思います。ただ、それだけではなくて、先ほど内閣府からも話もありました。私が感じたのは、民間資金活用をするということの本質というのは、社会的課題解決に向けた様々な手法を生み出していくイノベーションの創造力だというふうに理解もしております。
 その内容を二つほどちょっと申し上げたいというふうに思うんですけど、まず、行政がお金の出し手であると、やはりどうしても限界があるんですね。これは、行政というのは平等や公平でなければならないと。あと、税金を扱っている部分で失敗も許されないという雰囲気の中で、お金を掛けるにしても、ここに掛けるべきだというところを必要以上に選別をせざるを得ないようなところがやはり可能性としてはあるんだなというふうに思います。
 それで、資料、また二にちょっと戻っていただきたいと思うんですけど、先ほどの資料を見て、イギリスの再犯防止の事例なんですけど、これ見て思うんですけど、元本償還の条件というところがどういうものかといえば、受刑者を三つのグループに分けて、一つのグループでも再犯率がこのプログラムを受けなかった同種の犯罪者と比較して低下をするかどうかというところがこれは償還になっている。
 これは、あるサービスを受ける人と受けない人というその二つの部類に分かれて比較検証をしていく。逆を言えば、一部の人にしか行政サービスは受けれないというような事態であるわけですけど、これも聞いた話では、当初もイギリスでは、こういった一部の人にだけ受益させるようなプログラムというのは、やはり税金を使うとか、平等、公平を重んじるという立場からなかなか踏み出せなかったようですけど、やはり民間の資金を使うということで踏み出すことができて、結果、下に書いてあるとおり、全国平均に対して再犯率が二三%下回ったというのがあります。
 重要なことは、やはり行政などでは、発想にとらわれない柔軟さで資金を投じることができるという、これが民間資金を使う一つのいい面でもあるかなというふうに思います。あともう一個は、ちょっと長くなって恐縮なんですけど、やっぱり民間から資金を集めるためには、行政成果を先ほど内閣府が言ったように見える化しなければいけないと。その結果、効果が上がらなかった場合なんですけど、原因を検証することができて、その次につなげることができる、失敗から学ぶことができるというところもこれは大きいと思います。
 こちら、ちょっと資料にはなくて恐縮なんですけど、同じような再犯防止の事例で、アメリカの方でライカーズ島という刑務所に収監されている人、それについて施されたプログラムがありました。再犯減少を一〇%達成できれば払い戻すという条件だったんですけど、最終的には八・四%しか、八・四%でもすごいと思うんですけど、できなかったと。投資としては払戻しができないのでこれは失敗だったわけなんですが、ただ、客観的な状況を数値として把握して、ここまでしかできなかったということが見えることで、その後の課題解決にもやっぱりつながっていくという。
 行政がお金を出したプロジェクトだったら、そこまで検証はしないでそのまま続けていくか、それとも知らないうちにやめていくのか、やはりそういうような事態がある。これは民間がやったから、客観化をして、それについての事後のいろいろと検証というのができるようになるというところであります。ちなみに、こういうようなお金を集めるには、当然、ただの経済価値を生むようなことだけを目的としているお金だけではなくて、社会的な課題というものを公益実現をするというお金を集めなければいけないわけですけど、こういった性質のお金を民間から集めることで失敗から学ぶということも可能になると。
 長くなりましたが、ちょっとまとめますと、結局、民間資金の活用というのは、政府負担の肩代わりというだけではなくて、行政的課題解決のために民間からお金を受けるという流れをつくる、加速させていって、それがサービスを提供する側の人々のリスク許容度を広げていくと。言わば人々の行動に働きかけていってイノベーションを生んでいく余地というものをどんどん与えていく、そういうものであると思います。
 組織とか活動に関しての学びや改善というものを生んでいくというふうに、こういうところに民間資金を活用する意味があるというところを私は申し上げたいというふうに思うんですが、そこで麻生大臣にお尋ねいたしますが、行政的な課題解決に向けてこういった民間資金のお金の流れをつくる、活用するということについてどのようにお考えか、御所見をいただければと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) PFI、プライベート・ファイナンス・イニシアティブという似たような、民間の金を集めて公的な施設を造るプライベート・ファイナンス・イニシアティブというものが今あります。このソーシャル・インパクト・ボンド、これソーシャル・インパクト・ローンとも言うんですが、これはイギリスで別名SILとも言っているんですが、これ始まってまだ五、六年しかたっていないんだと記憶しますが、これが定量的な成果をどう計算するかというところが、これは矢倉先生、一番要求されているところで、結果をきちんと検証できるようなものにしか使えないということになってくるんだと思いますので、出している人はこれ大体五百万ポンドですから、あれは五億円か五億四千万円ぐらいの金を集めたんだという話でしたけれども、こういったようなものをきちんとやっていくときに当たっては、少なくともいわゆる客観的な評価を担保できるかとか、いわゆる定量的にきちんとできるかとかいうところが一番継続的にやっていくときに難しいので、今、刑務所の再犯率の話を例に取られましたけれども、何もこれに限らずいろんなものに応用できると思いますので、公設民営とかいろんな形で、税によって行われる歳出に頼らず、若しくは公的な資金、税金に頼らず、こういったものでやった方がより効果的に、効率的に、柔軟にやれる、いろんないい面もあるという面はもう間違いないと思っておりますが、傍ら、今申し上げたような成果の評価というところがどうやって評価するかというのをきちんとするシステムをきちんと確立しないと、これは金を出している方のいわゆる投資なり、若しくは篤志家の方々の立場としては納得できないということになると非常に話が込み入るという点も、お金を預かってこれを運営する立場の方は、役人も入れたりNPOも入れたり、いろんな人が入れてやった場合の責任等々がきちんとやるという制度を確立しておくところが一番肝腎かなと、聞いていてそう思いました。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。民間資金を活用することが一定の意味はあるという前提の上で、今課題というところを御指摘いただいたところであると思います。
 おっしゃるとおり、どのようにこれを定量化していくのかというところは大きな課題でありまして、今、内閣府の方でもいろいろとやってくださっている。それはなぜかといえば、やはり投資をする人が、その投資についての意欲というのを、まずは投資をしようと意欲をさせるためのインフラとして必要だというところであります。
 次に、ちょっと麻生大臣にお伺いしたいのが、まさにそのような環境整備をする上では、やはり国がしっかりと関与もしていかなければいけないところはあるかと思います。最初からモデルケースができてそのままできるというよりは、いろんな事業者が関わる中で国が環境整備をするところはやっぱりしっかり関わっていくという、その辺りの役割分担もこれは一つである。
 今おっしゃってくださった評価のところはそうであると思いますし、他方でまた、投資家がお金をしっかりとこれは出すような形に仕組みをするには諸外国もどういうことをやっているかといえば、やはり投資家の投資意欲を減退するようなものであってはいけないと。それで、例えばアメリカなどでも、ブルームバーグの財団とかがお金も入れて、投資家だけではなくて、そこで一緒にファンドをつくったりであるとか、また宝くじとか、そういうような資金を入れていくとか、いろんなクッションを入れて投資家が入りやすくするというような部分もこれは必要である。当然、評価が定まるというところがまず大前提にあるわけですけど、その上で資金の出し方というところもまた考えなければいけないし。
 そこで、ちょっと一つお尋ねしたいのが、諸外国では、例えば最初の段階で、いろんなパイロット事業をやる中で、成果によらず行政が一定の額を支払うスキームであるとか官民ファンドをつくるとか、そういうような部分もあるわけなんですが、このような事業を自治体の方にも理解もいただく、いろんな方々に理解をいただくには、やっぱりいろんな成功事例をどんどん作っていかなければいけない。成功事例を作るためには案件がどんどんと進まなければいけない。そのためには、行政がある程度の呼び水をもって人にいろいろ来てもらうというような仕組みもやはり必要であるかと思います。
 これから日本も、先ほど資料三の方で話したいろんな事業がある、パイロット化されていく事業がある中で、成功に導くために、そしていろんな方が関与していただくという呼び水のためにも、また、国がいろんな部分での初動の部分では関与というところも必要であるというふうに理解もしておりますが、麻生大臣の御所見をいただければと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 投資をする側なり、ローンなり、まあボンドとかいろんな表現があるんでしょうけど、こういったものをやる方の側に立てば、そこに少なくとも政府がかんで、政府のファンドが一部入っていますというのは一つの安心料みたいなもので、ああ、これ政府もやっているのか、何だ財務省がかんでいるのか、ああ、経産省がかんでいるのかとかいうようなものは、間違いなく一つの安心感を与えるネタにはなりますよ。まだそれくらいの信用はありますから、経産省でも。だから、そこは大事にされておかにゃいかぬところだと思いますので。
 これは法務省で刑務所の再犯の話をしておられましたけれども、日本の場合は、これはアメリカと再犯の勘定はもう全然比率も違いますし、犯罪になって刑務所の中に入っている人の人口比が全く違いますので、アメリカと日本の場合は。なかなかそういった例としては少ない例なのかもしれませんけれども、少なくともこういったようなもので組むときには、間違いなく定量的なものという、先ほど第三者の評価という点については、これはやっぱり民間だけでやるよりは、政府なり公的機関のものを一部入れたものの方がより金も集めやすいし、評価というものに対して納得もしてもらいやすいという両面の効果はあるというのはうまく使ってしかるべきなので、これは法務省でいろいろ考えられるんだと思いますが、何も法務省に限った話じゃなくて、いろんなところで使える話だと思います。
○矢倉克夫君 大臣から、法務省に限らず、私も、これ全省的にいろんな部分で該当するようなサービスもあれば、ないと思います、その辺りの選別も必要だと思うんですが、それをやった上で、しっかりと着実にいい流れのお金の流れができる上でも国の方でもしっかりと関与をしていくべきであるし、そのような御趣旨でお話をいただいたと思っておりますので、引き続き是非御検討をいただければと思います。
 それでは、時間もかなり少なくなってきておりますが、ちょっと次の質問に行きたいと思います。
 資料でいうと、これ四番目を飛ばして五番目に行っていただきたいんですけど、こちらは、私、ODAの委員派遣で主にインドとベトナムに行ってまいりまして、インドでは百年に一度の大雨に遭って、身をもって現地でのインフラ整備を感じていたわけですけど、これ、ベトナムで広まっている写真であります。
 これは何だと思われるかもしれないんですけど、上が日本企業が造られた橋であると。下は、特段国名は言いませんが、ほかの国だと。言わばこういうような写真が、これがどのような比較かという部分はまた詳細は分からないんですけど、このような写真が現地に広まっているというのは非常に意味があるなと。要するに、日本の技術はすばらしいということを私たち日本だけではなくて現地の方もよく理解もしてくださっている、これは誇らしいなというふうに私、思いました。
 とともに、途上国の開発の利益は何か、現地の声は何かという、これ開発の文脈では追求するわけであります。時折、その開発の文脈というところでは日本企業の進出というものを考えてはいけないというような意見もひょっとしたら出てくるかもしれない。だけど、そうではなくて、やっぱりその開発の文脈においても、これはやっぱり優れた日本企業の海外進出を意図的にでも探求していく観点というのは私は重要なのではないかなという理解でおります。とりわけ、今こういった交通インフラとかの部分、人の安全、安心に関わるというようなところは大きいなというふうに思います。
 それで、ちょっと時間もありませんので、国交大臣にお伺いもしたいんですが、今申し上げたような視点の中で、じゃ、どうやって開発の文脈で日本の優れた技術を外に出していくのかということを追求するそのやり方なんですけど、お金を付けるという部分では、国際開発協力の中でアンタイド化とか、いろいろそういう議論もある、なかなか制約がある中ではありますけど、私は、お金だけじゃなく、やはり人の力を、日本の優れた技術、能力を持っている人の力をどうやって現地の開発につなげていくのかという視点が重要であると思います。特に制度構築ですね。例えば、現地の方とお会いしたときには、現地の入札の在り方なんかも総合評価にするためにいろいろと検討されている日本の方もいらっしゃいました。
 あと、やはり技術協力であります。ベトナムに行ったんですけど、ベトナムのハノイの鉄道が、これ日本の企業の方々が技術協力をした、システム等も含めて技術協力をしたことでフランスではなく日本になったという、そういう事実もある。一体として、パッケージとして支援をするということがやはり現地のニーズにも合うし、最終的には日本の優れたものがしっかりと広がっていくというようなことになるかと思っております。
 国交大臣にお伺いもして、できれば麻生大臣にも、じゃ、国交大臣にちょっとお伺いしたいと思うんですが、やはりこういった川上からのソフト面、制度構築とか人材育成という、技術支援というもの、これも含めた総合パッケージを通じての支援というものが非常に重要であるというふうに思っておりますが、大臣の御所見をいただければと思います。
○国務大臣(石井啓一君) インフラの海外展開は、海外の旺盛な需要を取り込み、我が国経済の活性化を図るため、政府を挙げて取り組んでいる課題であります。この課題につきましては、ハード面の整備に併せて、制度構築、人材育成まで含めたソフト面の支援を行うことが我が国の強みとなっております。
 国土交通省といたしましては、建設関連制度や都市計画制度、自動車検査・登録制度等の制度構築や鉄道、道路、港湾など多岐にわたる分野における相手国政府等へのJICA専門家の派遣、相手国政府の研修員の受入れなど、積極的に取り組んでいるところであります。
 今後とも、ハード面と、制度構築、人材育成等のソフト面をパッケージとしてより効果的に組み合わせ、インフラ海外展開をより一層強力に推進してまいりたいと思っております。
○国務大臣(麻生太郎君) ハードだけではなくてソフトというような漠然とした言い方だと分かりにくいところはあろうかと思いますが、オペレーション、運転をやる。
 新幹線というのを例に引かせていただければ、できて五十年間で、何百万本電車が通っているんだか知りませんが、一日の平均の遅れは全交通量足して五十一秒ですから、今に至るも。五十年間で一日の遅れが五十一秒ですよ。こんなものほかにありませんから。ほとんどもう正気の沙汰じゃないと思うぐらい正確に動くんですが、それが今、日本の持っている新幹線の技術。しかし、それは、技術をやるのは電車がすごいとか運転手がすごいとかいうんじゃなくて、それをオペレーションするという、そこがソフトの一番のものだと思うのが一つ。
 今度、タイでODAの鉄道が取れていますけれども、タイがシーメンスを蹴って日本に取った最大の理由は駅中です。駅中、分からぬ人も多いと思いますので、それはちょっと別のときに調べてみてください。駅中、これがタイ政府が飛び付いた最大の理由です。したがって、これで就職ができる、一般の人が就職ができるというのが一番大きな理由。
 だから、そういったものを含めて、日本の持っている技術というのは日本人より外国人の方が評価しているという点が多いと。私どもが今後とも大事にしておかなきゃならぬところはそこかなと思っております。
○矢倉克夫君 力強いお言葉をいただきました。
 技術支援、制度構築等、人の派遣の部分についてもしっかりとまた財政措置も含めて是非御対応いただきたいというところをお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございます。
○大門実紀史君 大門でございます。
 麻生大臣、しばらくぶりでございます。またよろしくお願いしたいというふうに思います。
 今日はタックスヘイブン問題を取り上げたいと思いますけれども、パナマ文書をきっかけに、タックスヘイブンを使った、ペーパーカンパニーを使った税逃れの問題が大問題になってきておりますけれども、まずやっぱり初めに一言大臣から、この間対応されてこられたと思いますので、この問題に対する感想でもいただければというふうに思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは基本的には、大企業とか富裕層とかいろんな表現があるんだと思いますが、課税逃れというものは、これは課税というもののいわゆるフェアネス、公平性を損なうという意味において、これは納税者の信頼というものを揺るがす大きな問題なので、これはパナマの話いろいろ出ていますけど、何でアメリカの企業だけ出ていないの、何でアメリカの企業だけ出ていないんですかと思わない方がおかしいでしょうが。何だか出ませんな、不思議と。公平じゃないんじゃないのというような感想が正直な実感です。
○大門実紀史君 それで、パナマ文書は、タックスヘイブンのペーパーカンパニーの内部告発が新聞社に行って、世界の報道機関が金融の問題を含めて調べて暴露してということで、各国首脳まで及ぶ大変な問題になってきているわけですね。
 ただ、個人の政治家の問題とかがクローズアップされておりますけれど、一番の問題は、私、ずっと予算委員会、財政金融委員会でも取り上げてまいりましたけれども、多国籍企業のペーパーカンパニーを使った税逃れというのが実は一番大問題になっておりまして、各国の税収が減る、そのために社会保障費が確保できないとかそういう問題になってきて、それで国際的に課税強化に取り組もうとなってきているわけであります。
 そういう点で、何回もこの問題を取り上げてきましたけれど、基本的には財務省を含めて課税当局を激励する立場の質問をしてきたわけですけれども、今回のパナマ文書、この問題を受けて、さらに、やっぱりこのままでは済まないのではないか、もっと対策の強化が必要ではないかという立場で質問をさせていただきますけれど、時間が大変短いのでちょっとはしょりますけれど。
 二枚目の資料でありますが、細かい説明は抜きます。要するに、ペーパーカンパニーの実態が分かる資料でありますけれども、特定外国子会社と書いていますが、これは税率が二〇%未満のところに子会社をつくっている、その子会社のことですね。二〇%未満、税率の低いところにあえて子会社をつくると。もちろん全部が課税逃れとは言えませんので、その中の実体のない会社が幾つあるかということで、結論だけ言いますと、この平成二十六事業年度のところでいくと、四段目の四千九十五社がペーパーカンパニーというふうに、実体のない会社ということになるわけであります。これは、この二十年で見ていただくと、約三千、二千九百九十五から四千に、凸凹はありますけれど、増えてきております。
 問題は、ペーパーカンパニーといってもほったらかしにしてきたわけじゃないんですよね。タックスヘイブン税制といって、実体のないペーパーカンパニー、実体のない会社には日本の親会社と同じ所得に合算して税金を掛けるということでやってきたわけですよね、ほったらかしじゃなくて。ペーパーカンパニーにも実体がなければちゃんと税金を取りますよということをやってきたわけですね。やってきたにもかかわらず、ペーパーカンパニーがこれだけ増えてきていると。
 この原因は、参考人で結構ですけれども、どういうふうに捉えておられますか。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 先生ただいま御指摘のとおり、タックスヘイブンへの投資の全体の状況についてはなかなかお答えすることは困難ですけれども、資本金一億円以上の日本の大規模法人等の法人税申告の状況に照らせば、いわゆるタックスヘイブン対策税制の適用を受ける内国法人の数ですとか、これらの法人が有する特定外国子会社等の数がおおむね増加の傾向にあるというところでございます。
 グローバル化が進展する中で、日本の法人がどこの国、地域に進出の拠点を置くかということにつきましては、単に税務上の理由だけではなくて、一般的に、法制度の整備状況ですとか、会社設立の容易さ、金融取引のためのインフラの整備、カントリーリスク等々、様々な要因を総合的に踏まえてビジネス上の選択を行っているものだと考えております。
○大門実紀史君 もちろん、資産隠しとか匿名性とか、あるいは会社を設立しやすいとか、これそのものもうさんくさいんですけれども、一応いろんな要因があるのは事実ですけれども、しかし、やっぱり税金の問題が最大の動機だということは財務省も指摘しているわけであります。
 なぜかというと、先ほど言いましたタックスヘイブン税制で税金を掛ける対象としているペーパーカンパニーとして認定した、その認定の基準そのものが全部を把握できていないという問題ですよね。親会社が五〇%を超える株式を保有しているとか、幾つか基準があるわけです。それに該当しない子会社っていっぱいあるわけですよね。なおかつ、ペーパーカンパニーと該当した場合でも、決して、日本の所得を丸ごとただ移して税金を掛けられる、そんなばかなことやるわけないんですよね。タックスヘイブンの世界で、やっぱり分散をして、課税されるのを分かっていても小さくしておくとか、いろんなことが行われているから、そういううまみがあるからこれだけペーパーカンパニーがずっと増えてきていると見るべきだというふうに、厳しく見るべきだというふうに思います。
 もう一つは、資料の三枚目ですけれど、更に具体的な実態はどうなっているかということを調べてみましたけれども、実は日本の証券投資の金額でいいますと、ケイマン諸島が大変多いわけですね。ケイマン諸島に移されたものが大変多いわけです、投資金額でいきますと。
 そこで、ケイマン諸島のペーパーカンパニーがどうなっているかということを、これ財務省に新たな資料を出していただきました。要するに、これは三枚目の中にありますけれども、結論だけ申し上げますが、ケイマン諸島につくった子会社が五百三十一あります、日本の企業は。そのうち実体のあるのは七つだけで、五百二十四社、九九%がペーパーカンパニーということになると思います。
 これ財務省の資料なんですが、そういうふうに理解してよろしいでしょうか。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 外国子会社合算税制につきましては、いわゆるタックスヘイブン国に所在することに十分な合理性がない場合の判定として四つの要件を定めておりまして、そのいずれかに該当した場合に特定外国子会社等の所得が合算対象となるということでございます。
 この要件によりますと、特定外国子会社等がペーパーカンパニーでなくても、例えばその主たる事業が株式の保有、これは事業持ち株会社を……(発言する者あり)分かりました。こういったことに該当するものであれば所得の合算対象となります。
 御指摘のケイマンの場合であれば、そういったものについては五百二十四社のグループに入るということになります。
○大門実紀史君 ですから、日本の企業はケイマン諸島に膨大な金額を、次の資料にありますけど、六十三兆円も証券投資をやっている、ほとんどペーパーカンパニーだということなんですね。
 さらに、その中身はどうなっているかというのが、これも資料がちょっとややこしいので結論だけ申し上げますと、要するに、ケイマン諸島に、証券投資等の投資残高ですけれども、六十三兆円あるんです。これはヨーロッパを超えてアメリカに次ぐ二番目の投資額なんですね。といっても、別にケイマン諸島で何かやっているわけじゃないんですよ。どこかで、日本でやっていることを、ほかでやっていることをたまたまケイマンのペーパーカンパニーがやっていることに見せかけているだけの話なんですけれども、一応六十三兆円が投資残高ということになるわけであります。
 そのリターン、これは資料五と六ですけど、もうややこしいので見ないで結構ですけど、申し上げますが、要するに、その六十三兆円の投資残高のリターンが、投資収益が二兆七千六百億円あります。国税庁の資料によれば、一番最後ですけど、課税対象の所得になったのは一千七百五十五億円にとどまっております。つまり、投資収益が二兆七千億あって、ところが課税所得は僅か千七百五十五億円、投資収益の僅か六%ということなんですね。これは普通あり得ない、余りにも落差があるわけですね。
 なぜこんな落差が生まれるかということは、先ほど申し上げたとおり、このペーパーカンパニーそのものが全部把握されていないと。中で利益の分散が行われているとか、五〇%の基準を何とかごまかしていろいろ操作をしているとか、そういうこと以外に考えられないわけであります。そういうことが実はこのタックスヘイブン問題の最大の問題だということであります。これは各国も課税強化の方向ですし、相当の額が、本来取れるべき税金が取れないということになっているという問題意識はOECDでもG20でも共有されてきているわけですね。
 新幹線の話がありましたけれど、消費税を増税して新幹線じゃなくて、新幹線を造りたければこういうところから取ればいいんですね。すぐ造れますよね。それぐらい膨大な、何倍もの税収になるようなものがここで課税逃れになっているということでございます。
 日本は各国の中ではこの課税強化、頑張ってこられたのはよく承知しておりますけれど、この事態を受けて更に、その五〇%の基準の問題を含めて踏み込んだ対策が必要じゃないかと思うんですけれど、最後に麻生大臣の御意見を聞きたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは三年前の五月のバッキンガムシャーのG7の財務大臣会合で私の方から、これが世界中を徘回できている最大の理由はここにいる財務大臣の責任やと。中央銀行総裁なんて関係ない、この際、財務大臣だけ残ってこの話で詰めようやないか、この話は中央銀行総裁じゃないんだ、各国がこれ認めているところが問題なんだというので、これをBEPS、ベーシック・エロージョン・プロフィット・シフティングといって、税源浸食、利益移転と、長いのでみんなBEPSと言うんですけど、言った結果、結論、これは日本が委員長になって、OECDの委員長がたまたま日本でありましたので、日本の委員長をこれにして、日本が三年掛けてこのルールを作りました。
 これはもっと高く評価されてしかるべきですけど、日本では全くしっかりやった話は評価されて新聞に出ることは与野党を通じてありませんから、この国では。これは世界中の評価は極めて高いものだったんですが、私どもとしては更に、大門先生言われたように、これを施行させるのが最も大事なので、OECDだけじゃ駄目だ、世界中これを広げなきゃ駄目なんだということでこれはG20の中で合意がされて、その後、G7含めてこれは合意するというところに入っていなかったのがパナマです。
 そのパナマが今回、刺したか刺されたか、誰がしゃべったか知りませんけれども、やられたという話になって、パナマは正式に今度日本とこのことについてはきちんとやりますと、世界最初にパナマが公式文書を日本と取り交わします。そういったところまで、今、日本はこの種の世界では結構頑張っているんですが、これは、先生、一か国が頑張ったって駄目です。全員で頑張らない限りは駄目なんです。だから難しいんです、この話は。
 したがって、これはありとあらゆる圧力が掛かってきますから、もう最後まで口利かなかったのはアメリカですから、アメリカが最後に落ちて、やるということにならざるを得ないところまでアメリカを追い込んでこういうことができたということは大きな成果だと思いますが、これはさらに、現実に実行させていくというのがこれからの日本に与えられている非常に大きな仕事だろうと覚悟しております。
○大門実紀史君 終わります。ありがとうございました。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 まず、URの賃貸住宅事業についてお聞きします。
 この間、私もUR団地を幾つか訪ねまして、自治会の皆さんとの懇談というのをやってまいりました。年金が減らされる下で家賃が高くなっていく、負担が重くなっていく、また、新しい家賃改定ルールに対する怒りということもたくさんお聞きをしてまいりました。居住者の権利のために、これ以上の家賃の値上げはやめて、住宅セーフティーネットの役割を果たすべきだということをまず改めて求めておきたいと思います。
 今日は、質問は、この家賃の問題を賃貸住宅事業の健全性という観点から見てみたいというふうに思うんです。
 まずURにお聞きします。URの賃貸住宅の空き家数と率、これを確認したいと思います。
○参考人(伊藤治君) お答えいたします。
 平成二十七年三月の時点でございますけれども、私どもが管理をしております賃貸住宅、全国で七十四万六千戸のうち、入居いただくお客様を募集中の状況にある空き家、こちらは四万三千戸弱、率にしますと五・八%という状況でございます。なお、建て替え事業ですとかあるいは耐震改修の工事をしますと、そういった事業上の要請からあえて入居されるお客様を募集していない住宅を含めた空き家の総数は、同じく七十四万六千戸に対しまして八万八千戸弱、率で申しますと一一・八%という状況でございます。
○田村智子君 八万八千戸近い空き家があって、募集を掛けているのが半分にも満たない四万三千戸程度ということなんですね。今御説明あったとおり、建て替え時の対応など一定のストックが必要だということは分かりますが、果たして、半分以上募集していないものがある、これが資源の有効活用ができているんだろうかということは大変疑問です。
 公団自治協の皆さんからお話をお聞きしますと、空き家による家賃減収は七百億円に達するのではないかと、こういう試算も出ているわけです。私も、空き家率が二〇%近い都内の団地で自治会の皆さんからお話を伺いました。エレベーターもなくバリアフリーが遅れているとか、近隣の民間住宅と比べても築年数から見た家賃が高い、棟によっては空き家が多過ぎて住んでいる方が不安を感じている、URはもっと経営努力をすべきではないのかという批判の声をたくさんお聞きしてまいりました。
 家賃について言えば、UR団地の家賃は、近傍同種で不動産鑑定によって適切に決めているんだという説明が繰り返されています。しかし、例えば国立市の富士見台団地、ここは、何にもないところにまず公団住宅が建設をされて、それから町がつくられたと。近傍同種と言える住宅は皆無なわけです。しかも、家賃が高いからといって最近転居する人が相次いでいると、こういうふうに自治会の方はお話をされています。
 自治会の調べでは、歩いて調べて回るんですけど、空き家率は年々増えて、昨年は一割を超えている、何年も募集になったままの部屋があるということもお話をお聞きしました。こういう借り手が付かない、家賃が高いからと空き家が増える、これ民間の不動産会社ならば、こういう賃貸物件に対しては家賃値下げということを考えるのが私は市場原理だというふうに思うわけですね。
 これお聞きします。空き家が増えているのは家賃が高いということも一因ではないかと思いますが、いかがですか。
○参考人(伊藤治君) お答えいたします。
 空き家の総数につきまして、これは必ずしも、全体で見ますれば、民間の賃貸住宅に比べて率が高いという状況ではないというふうに思っております。
 先生御案内のとおり、民間の賃貸住宅の事例を収集して、それらとの均衡を図って家賃の設定をしておる、その結果として民間賃貸住宅に比べて決して構造的に高い空き家率ではないというふうに思っております。
 ただ、これも先生御指摘いただきましたとおり、個々の団地を見てまいりますと、郊外のバスを利用しなくてはならない団地、そういった大規模団地、管理開始の年度が古いものでは、エレベーターがないですとか住戸の設備水準が若干劣っておるとか、そういった事情によりまして空き家が増加しやすい傾向にある団地があるということは承知をしております。
 御指摘のとおり、公的な賃貸住宅の供給主体として、よりUR賃貸住宅を有効に活用していただく必要があるというふうに考えておりまして、それら現時点において需要が弱いと思われる団地につきましては、住戸の間取りの改善、設備水準の向上、屋外環境の整備、さらには福祉施設、利便施設の誘致といったことも含めて、まず団地の魅力を向上するといった対策をしてまいっております。
 また、家賃そのものに対する対策という意味で申しますと、より若年層の世帯の方々あるいは子育て世帯の方々、これらの方々に入居していただきやすいように、これは定期借家という制度を使った商品になりますけれども、家賃を最大二割程度減額をして御入居いただきやすくするような、そんな制度の導入も行っておるところでございます。
 以上です。
○田村智子君 だから、入居を進めるために一部では家賃が負担が軽くなるようなことをやっているんですよ。ということは、やっぱり家賃が高くて入らないという、こういうことがあり得ると私は思いますし、最近建て替えた団地のところでお話をお聞きしても、例えば、駐車場スペースはすぐ隣の民間のマンションの方が安いと、部屋も決して比べたときにURの方が安いとはとても言えなくて、やはりそれでなかなか埋まらないんじゃないかという声はいっぱいお聞きをするわけですね。
 私、問題だと思うのは、こういう問題を検証しようと思ってURに団地ごとの空き家率を出してほしいと、こういうふうに要求をしても、営業秘密で出せないという回答しか返ってこないわけです。これでは、空き家によってどれだけ家賃収入が減収になっているのか、どういう団地で空き家が多いのか、UR団地の資産活用が適正に行われているのか、これ検証のしようがないわけです。
 これ大臣にお願いしたいんですが、賃貸住宅事業をチェックする上で、団地ごとの空き家率などの資料、これ示すことが必要だと思うんです。あわせて、空き家の多い団地など家賃の引下げも検討すべきだと思いますが、大臣の見解をお聞きします。
○国務大臣(石井啓一君) UR賃貸住宅の個別団地ごとの空き家戸数や空き家率など、URの業務の内容に関する情報公開の範囲につきましては、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律等に基づき、URにおいて適切に判断されるべき事項であるというふうに考えております。
 また、家賃の引下げというお話でございますが、UR賃貸住宅の家賃は、委員御指摘のとおり、近傍同種の住宅の家賃を基準として定める近傍同種家賃とされておりまして、その算定については、近隣地域等の賃貸住宅の事例を収集し、比較を行った上で鑑定機関が査定を行うなど、省令に定める基準に基づき、URにおいて適切に対応しているものと承知をしております。
 UR賃貸住宅の空き家率につきましては、民間賃貸住宅と比べても決して高い水準にはなく、また、URに生じている空き家については、個々の住宅に対するニーズとミスマッチ、駅から遠いですとかあるいはエレベーターがない、そういった個別の要因によるものと承知をしておるところでございます。
○田村智子君 公団自治協の皆さんが歩いて調べたのを見ると、相当に差があるわけですよ。二〇%を超えているような団地があるわけですよ、空き家率。
 これは委員長にもお願いしたいと思います。是非、団地ごとなど空き家率、住宅賃貸事業がどうなっているかということを調べられるような、こういう資料をURに出していただくよう、この委員会としても求めていただきたいと思います。
○委員長(小泉昭男君) 後刻理事会で協議をいたします。
○田村智子君 では次に、羽田空港の増便に伴う航路の変更についてお聞きします。
 羽田空港を発着する国際線の便数を増やすために、現在、国交省は東京都心上空を飛行する新設ルートを計画しています。
 資料をお配りしました。見てください。
 これ、南風到着便、午後三時から七時、東京二十三区の北西から南東方向にまさに都内を縦断するわけです。そうすると、港区の麻布や、あるいは恵比寿、渋谷の付近などでは、スカイツリーよりも低い約六百十メートル、五反田駅や品川駅周辺で四百五十メートル、大井町付近で三百五メートルと、住宅密集地をかなりの低空で飛行することになり、昨年から、品川区、大田区を始め住民の方々から騒音や安全性への不安が出されています。
 二〇一三年十一月、国交省の資料では、「首都圏空港の機能強化に係る検討について」にこのようにあるんですね。陸域への騒音影響軽減のため、基本的にできるだけ海上方向に飛行ルートを設定する必要がある、防災のため石油コンビナート地区上空を回避する必要がある。これは当然のことだと思いますが、国交省はこの基本的な姿勢を変えたということでしょうか。
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 羽田空港の飛行経路につきましては、これまで、陸域での騒音影響を可能な限り抑制するという観点から、羽田空港が東京湾に面するという地理的条件を生かし、東京湾を最大限に活用するという考え方で設定してまいりました。現在でも、陸域への騒音影響を最小限に抑えたいという考えに変わりはありません。
 一方で、急増する訪日外国人旅行者の受入れ、我が国の国際競争力の強化、地方創生、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会への対応等のため羽田空港の機能強化が不可欠となる中、あらゆる方策を技術的に検討した結果、飛行経路の見直し以外実現方策がないというのが現状であります。また、最新の航空機は、かつての航空機に比べ、大幅に音が静かになっているということも考慮させていただきました。
 こうしたことから、国土交通省としては、できる限り環境影響等を小さくした上で、飛行経路の見直し等により羽田空港を機能強化することを関係自治体、そして住民の皆様に提案させていただいた次第であります。
○田村智子君 これ、一時間の発着回数は今の八十回から九十回に拡大をして、一時間最大四十四機の着陸ということになるわけです。予想される騒音、高度六百メートルの渋谷区で六十八から七十四デシベル、約三百メートルの品川区で約七十六から八十デシベル、大井町は最大八十四デシベルというふうに見込まれるわけです。これどれぐらいかというと、幹線道路周辺の騒音というのが七十デシベル、走行中の地下鉄の車内が八十デシベルということで、かなりの騒音が町を覆うことになります。
 これ、国際競争力のためには住民はこの騒音を我慢して当然ということなんでしょうか。国交大臣にお聞きします。
○国務大臣(石井啓一君) 我が国にとりまして必要不可欠である羽田空港の機能強化を実現するために、できる限り環境影響等を小さくした上で飛行経路を見直させていただきたいと、関係自治体、住民の皆様に提案をさせていただきました。
 国土交通省といたしましては、より多くの住民の方々に幅広い御理解をいただくことが重要と考えまして、二回にわたり、延べ三十四会場、合計九十五日間、住民説明会を開催をさせていただきまして、一万件を超える多様な御意見をいただきました。
 今後は、こうした声も踏まえまして、飛行経路の運用方法の工夫、環境対策、安全対策など多面的に検討した上で、できる限り環境影響等を小さくするよう対策を具体化してまいりたいと考えております。
○田村智子君 今安全対策というふうに言われたんですけど、例えば成田空港の周辺、昨年度は五件、氷の塊や部品の落下があって二十数年来最多となり、千葉県の知事から国交省航空局長宛てに対策を強く求める緊急要請を出されています。
 羽田空港は落下物ゼロという報告なんですが、これは海の上に落ちているので確認のしようがないということなんですね。特に着陸直前というのは、車輪を下げるときに、上空で機体に付いた氷の塊、これが一緒に落下してしまう、こういう事故は珍しくないわけです。
 今までは海に落ちていた。今度は住宅密集地に落ちる危険性がある。一体どのように人や住宅を直撃する危険性を避けるのか、このことはどうですか、大臣。
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 ねじなどの部品や機体に付着した氷など、航空機からの落下物への対策は重大な課題と認識をしております。このため、航空会社に対しまして、出発前の点検や整備を徹底するとともに、部品の落下が発見された場合には報告を求め、原因分析と再発防止策を徹底するよう指導しているところであります。また、国、航空会社、空港会社から成る会議を定期的に開催し、落下物の発生状況等について情報共有を進め、関係者が連携して対策を検討しております。
 引き続き、地域住民の皆さんの不安の払拭に向け様々な対策に取り組むとともに、適切な情報発信に努めてまいりたいと考えております。
○田村智子君 これ、氷の塊とかは整備していても難しいわけですよ、上空で付いちゃうわけですから。これが住宅密集地に落ちたらどうなるかということなんですね。だから陸路は取らないようにしてきたわけですよ。
 国は、飛行ルートを設定するときには様々な制約を関係自治体と取り決めています。例えば大田区との間では、原則として航空機は京浜島上空を飛行しないという約束をしています。また川崎市では、市の防災計画に、東京国際空港に離発着する航空機は原則として川崎石油コンビナート地域上空を避け、適切な飛行コースとするとあるわけですよ。
 ところが、資料を見てください。これ離陸なんですけど、離陸してすぐに川崎のコンビナートを飛ぶわけですよ、Bと書いてあるところですけど。これ、この僅かな距離で、川崎にあるような、三千フィート、九百メートル、なるんですか、石油コンビナートの上。こういう新ルートの設定は自治体との約束をほごにするものだと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(石井啓一君) 京浜島や川崎石油コンビナート地域の上空飛行につきましては、騒音、安全性等への地元からの懸念を受けまして、航空局として自主的に制限を設けてまいりました。
 今般、羽田空港の機能強化が不可欠となる中、あらゆる方策を技術的に検討した結果、飛行経路の見直し以外実現方策がないのが現状でございます。そのため、国土交通省といたしましては、飛行経路の運用方法の工夫、環境対策、安全対策など多面的に検討し、できる限り環境影響等を小さくした上で、飛行経路の見直し等により羽田空港を機能強化させていただきたいと考えております。
 今般の飛行経路の見直しによりまして、南風のときの午後三時から七時に限りまして京浜島や川崎石油コンビナート地域の上空を羽田空港が離発着する航空機の一部が飛行することとなりますが、引き続き、関係自治体等との協議を進めていくとともに、住民の皆様へ幅広い御理解をいただけるよう努めてまいりたいと思います。
○田村智子君 これ、川崎コンビナートでいえば、安全性の問題で防災計画で九百メートル以上と決めているわけですよ。それを時間を制限すればほごにしていいなんということにならないですよ。安全を差しおいた機能強化なんというのはあり得ないですよ。
 住民の皆さんは国交省の説明に全く納得していないですよ。先ほど、九十五日間説明会をやってきたと言いますけれども、十八会場でやられている説明会、オープンハウス型なんですよ。パネルが張ってあるだけで、来場者が来て自分で見る、そして質問があればそこにいる職員に質問する、で、それに答えてもらう、こういうやり方なんですね。
 住民からは、そうではなくて、教室型でまとまった説明をやり、まとまった質問ができて、誰が責任を持って回答したかということが明らかになるような説明会をやってほしい、再三にわたって求められています。これ、大田区議会では、オープンハウス型ではない説明会を求めるという、こういう陳情も採択をされました。ところが一向に行われない。また、この飛行空路のところには、住民だけではありません、保育所、幼稚園、学校、病院、これもひしめいています。そういう利用者の皆さんにも私は説明が必要だと思います。
 大臣、これオープン型しかやらないという対応なんですよ、説明を聞いても。教室型やると国交省約束してくれないんですよ。住民が求めれば、自治体が求めれば教室型の説明会も行うということ、せめてこれはこの場で約束をしていただきたいと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(石井啓一君) 羽田空港の機能強化につきましては、より多くの住民の方々に幅広い御理解をいただくことが重要と考えております。そのために、住民説明会につきましては、できるだけ多くの方に参加していただくこと、参加者一人一人について意見、質問、懸念等を聴取し、きめ細やかな情報提供を行うことが望ましいと考えたところでございます。
 このような観点から、専門家の意見も聞きつつ関係自治体とも調整した結果、オープンハウス型で開催することといたしまして、これまで二回にわたり住民説明会を行ってまいりました。また、空港周辺等の特に影響が大きい地域につきましては、オープンハウス型説明会に加えまして、住民の方々の御意見等をよりきめ細やかにお伺いする機会を設けてまいりました。
 羽田空港機能強化の実現に向けまして、ホームページ、特設電話窓口等を活用し、引き続き住民の皆様の幅広い御理解をいただけるよう努めてまいりたいと存じます。
○田村智子君 これ、住民は全く納得していませんので、重ねて教室型の説明会も求めて、終わります。
○清水貴之君 おおさか維新の会の清水と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 まずは、URの職員が飲食の接待を受けていたとされる問題についてお聞きしたいと思います。
 甘利前大臣をめぐる現金の授受問題で、補償や工事に関わったURの男性職員二人がその企業側から複数回の飲食接待を受けていたという報道もあり、UR側も記者会見をされたというふうに承知をしています。東京地検の方も事情聴取に動いているということですが、これ、実際の事実関係というのはどうなっているんでしょうか。
○参考人(上西郁夫君) 御質問にお答えする前に、URといたしまして最初におわびを一言申し上げたいというふうに存じます。
 千葉ニュータウン北環状線事業に関連いたしまして、当機構職員二名がS社元総務担当者からアルコールを含む飲食の提供を受けていたことが本人からの申出等により明らかとなりました。こうした行動はコンプライアンス上極めて不適切な行為でございまして、誠に遺憾なことと考えております。また、再三にわたって内部調査を行いましたけれども、結果として重大な漏れがあり、組織の責任者として不明を恥じるとともに責任を痛感しており、心よりおわび申し上げる次第でございます。
 当機構としては、このような事態を重く受け止め、改めて第三者による調査を行うことといたしました。国土交通大臣からも、調査等の適切な実施、再発防止措置の策定、報告について御指示をいただいており、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
 それでは、委員の御質問にお答えしたいと思います。
 今回の事実関係につきましては、本人からの申出あるいは週刊誌の報道を受けて、数回該当職員からヒアリングをしたところでございます。飲食の提供を受けた期間は平成二十六年十月から約一年程度の間、場所、回数につきましては神奈川県平塚市内の居酒屋及びいわゆるパブにて八回ということでございます。金額は、ファミレスのコーヒー代等も含めまして、またS社元総務担当者の分を含めまして総額九十万程度ということでございます。なお、平成二十八年一月までに九十万円を元総務担当者に支払っているということでございます。
 今申し上げましたことは該当職員のヒアリングの結果でございまして、現時点では裏付けが取れているわけではございません。当機構といたしましては、先ほど申し上げましたとおり、第三者による調査を実施していくことにしておりまして、既に四名の弁護士の先生方にお願いしております。今週半ば以降、この先生方による職員の面談調査等が順次行われることとなっております。
 以上でございます。
○清水貴之君 今お話しいただいたように、もちろんその職員がそういった接待を受けていた、飲食の提供を受けていたというのはこれは大きな問題なんですが、お話にもあったとおり、その職員から報告があるまで把握ができていなかったということも、これも大変大きな問題ではないかなというふうに思っています。
 事前に職員からも調査を掛けて話を聞いていたわけですよね。その時点でこの事実が分からなかったと。結局は、週刊誌の取材などがあって初めて公になってきているわけですから、これ、報道、週刊誌などがそういった動きをしなければ全く表沙汰にならずに済んでしまっていることにもなるわけですね。
 ということは、これまでどんな調査をしてきて、どんな内容だったのか、その調査が的確だったのかと、この辺りもちゃんと反省していただかなければいけないと思うんですが、これについてはいかがでしょうか。
○参考人(上西郁夫君) 本人の申出によりますと、経営に対して報告するつもりでいたということが先にあって、その間に週刊誌からアプローチがあって出てしまったということのようでございます。
 私どもとしては、この点は非常に重要な問題だというふうに思っておりまして、前後四回、上司による面談だけじゃなくて本社の部長クラスによる面談も含めてやったわけですけれども、誠に遺憾ながら、本人からそういう申告はそれまではなかったということでございます。我々の調査の不行き届きに大変責任を感じているということでございます。
 以上でございます。
○清水貴之君 URの社内の、どこの企業でもそうでしょうけれども、コンプライアンス室とかありまして、そういった社内研修をしたりということを行っていると思うんですけれども、URの内部におけるそういった研修だとか、もちろん何が駄目で何がいいかというのはしっかりとそれは通知しなければいけない、職員に伝えなければいけないと思うんですが、この辺りというのは常日頃の通常の体制というのはどうなっているんでしょうか。
○参考人(上西郁夫君) コンプライアンスの徹底につきましては、これまでも社内体制の整備とか研修の充実にずっと取り組んできたということでございますし、また、私自身、会議の場とかあるいは研修の場で、折に触れ職員に直接コンプライアンスの重視、大事なことを訴えかけてきたわけですけれども、器はつくったけれども魂が浸透していなかったというふうに言わざるを得ないということで、誠に遺憾なことというふうに考えております。
○清水貴之君 もちろん、この二人を始め、これから第三者の調査ということなんですが、これは全ての職員に対してということでよろしいんでしょうか。もちろんこの二人で止まるべきだというふうに思うんですけれども、徹底してこの際調査をして、きちんとオープンにしていただきたいと思います。
 どういった調査をして、いつ頃どういった形でその内容を公表されるつもりでしょうか。
○参考人(上西郁夫君) 対象職員はこの二名だけではなくて、取りあえずはこの千葉の案件に関わった人間全員というふうに考えております。また、千葉だけじゃなくて、補償に携わってきた人間も含めまして、百名以上の人間を取りあえず対象にするということでございます。
 それから、調査をお願いしているわけですけれども、これは相当人数も多いですし、慎重かつ丁寧にやっていかないといけないということで、期間は我々としては切っておりませんけれども、弁護士の先生方からはできるだけ早く結論を出して、結論が出たところで、私どもとして公表したいというふうに考えております。
○清水貴之君 大臣の認識、今のお話を聞いての認識もお聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 四月の十三日にURから職員によるコンプライアンス違反が公表されました。
 本件のコンプライアンス違反は極めて不適切な行為であり、国民の信頼を失うような事態が生じたことは大変遺憾であります。特に、URが本件に関しコンプライアンスの観点からこれまで行ってきた内部調査の限界が明らかになったものであり、結果的に不十分な調査であったと言わざるを得ないと考えております。
 URからは、今後、改めて第三者による調査を行い、その結果を踏まえ、該当する職員については内規に基づき厳正かつ適切に対処すると聞いております。私からは、調査等について適切に行うとともに、二度とこうした事態が起こらないよう、起こさないよう再発を防止するための措置を講じ、その内容を報告するよう指示をしたところでございます。
 URにおきましては、コンプライアンス体制の在り方も含めて徹底した検証を行い、二度とこうした事態が起きないよう再発を防止するための措置を講じていただきたいと、このように考えております。
○清水貴之君 本当に徹底した調査を是非望みたいというふうに思います。
 そしてもう一つ、先週明らかになった、これも大変残念なニュースですが、三菱自動車によるデータの改ざん問題というのも起きました。私、地元で事務所の車として使っているのがこの三菱の車ですので、そういう意味でも大変注目をしているんですけれども、まずはこの問題について、監督官庁、国土交通省の見解、お聞かせください。
○国務大臣(石井啓一君) 先週の四月二十日に三菱自動車工業が、型式指定の取得の際、実際より燃費を良く見せるため、燃費試験に際し提出を求めている走行抵抗値、これを不正に操作して国土交通省に提出していたことを発表いたしました。本件は、自動車の燃費の試験に用いるデータを恣意的に改ざんしたものでありまして、我が国の自動車業界に対する社会的な信頼を失墜させかねないものであり、極めて深刻な問題であります。
 三菱自動車工業におきましては、平成十二年及び十六年にリコール隠しが発覚したほか、平成二十年から二十四年にかけてはリコールの実施が大幅に遅れるなど、度重なる不正行為等が指摘されてきたところであります。このような経緯にもかかわらず今回再び不正行為が行われていたことにつきましては、三菱自動車工業のコンプライアンスに対する基本的な姿勢に疑問を持たざるを得ず、極めて遺憾であります。
 三菱自動車工業には、過去の過ちを生かすことができず、このような不正行為を再び引き起こし、我が国が長年積み上げてきた日本ブランドに対する信頼、信用を失墜させ、ユーザーに対しても多大な迷惑を掛けていることについて猛省を促したいと思っております。
 その上で、今回の不正行為の全容を解明し、責任を明確にした上で、二度とこのような事態が生じないようにするために、あるべき方策について真剣に検討すべきと考えております。
○清水貴之君 この問題の根本は、もちろん問題を起こした三菱自動車にあるわけなんですけれども、自動車会社というのは新車を発売する前に、燃費については、国交省の外郭団体、自動車技術総合機構、これ二つの機構が合流してできたばかりの機構だということで、早速こういう大きなトラブルにということで大変残念な思いをされているでしょうけれども、その検査を受ける必要がある、その審査に基づいて国交省は認定をする、そしてメーカーは初めてそういった燃費を記載したりとか発表したりすることができるということです。
 ということは、もちろん、繰り返しになりますが、三菱自動車側に問題があったわけですが、間には自動車技術総合機構と国交省が入っているわけですね。ということは、その時点でチェックができなかったのかというふうにこれはもう多分皆さん思うんじゃないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) これまで自動車メーカーから提出されるデータを信頼をして、その上で試験を行ってきたわけでありますが、これが信頼が損なわれたという事態でございますので、改めてこういった試験の在り方も含めて見直しを行ってまいりたいと考えております。
○清水貴之君 こちらもしっかりとした調査と見直しを行っていただきたいと思います。
 続いて、麻生大臣にお聞きしたいと思います。
 財政の健全化に向けてということで、以前、予算委員会でも質問させていただいております、二〇二〇年のプライマリーバランス黒字化目標についてです。これについては、今のところは目標を変えるつもりはないというふうなお話でありますが、いろんなデータとか記事を見ていても、相当厳しいだろうという話になってきています。
 今の大臣の認識を是非お聞かせいただきたいんですが、やっぱり厳しいという思いをお持ちでこれから取り組んでいくのか、そしてこの目標を変えるつもりがあるのかないのか、この辺り、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今年この基礎的財政収支のバランスを半分にしますということを申し上げた三年前、同じように厳しいと言っていましたよ。達成できると言った人は、新聞記者含めて国会には一人もいません、財務省でも怪しいなと思っていましたから。全然自信なかったんですけど、やってみたらできた。
 だから、これは厳しいと思ってやらにゃいかぬので、簡単にできますよなんて思ったらできるものじゃありませんから、財政再建とか会社の更生させるというのはみんなそういうものだと思っていますので、これは二〇二〇年、あと五年ありますけれども、きちんとそういったもので、今のところの内閣府のあれでいくとまだまだ足りない、六・五と、かなり甘く見積もっても足りないと言われておりますけれども、歳出削減等々、また景気回復等々による収入増、いろんなものできちんとした形で二〇二〇年度には目的を達成したいと、そういう決意で臨みたいと思っております。
○清水貴之君 やっぱり実現するためには、今おっしゃったとおり、歳出削減をするか収入の増、どちらか、両方やるのが一番いいんですけれども、それを大きくやらなければいけないと思うんですが。
 そういった点で、回収不能になっている公的年金の保険料とか税金というのは、これがかなりの額になっているというふうに聞いています。まず、その回収不能の額、こういったものがしっかりと回収できれば財政の健全化にも寄与するんじゃないかという思いでお聞きしたいと思うんですが、その額というのはどれぐらいになっているんでしょうか。
○政府参考人(福本浩樹君) 年金保険料についてお答えいたします。
 年金保険料で未納のまま回収不能となっておる額でありますけれども、直近の二十六年度末の時点でありますが、国民年金保険料については七千五百三十七億円、厚生年金保険料については三百二十三億円となっております。
○清水貴之君 税金もお願いします。
○政府参考人(星野次彦君) 国税につきましては、二十六年度におきまして、納税義務が消滅した額につきましては千三百三十億円になっております。
○清水貴之君 それはいろいろ理由がもちろんあるとは思いますし、徴収に向けて努力もされていると思うんですが、結果としてそういったことになっていると。全部合わせますと、年金は税金とはまた違いますけれども、将来的にはやっぱり国の財政状況に関わってきますから、一兆円近くになるということです。
 これがしっかり回収できればと思うんですが、やっぱり国民年金、額が大きいなと、七千五百億円以上ですから相当な額になりますね。もちろん、いろいろな経済状況とかで支払うことができない方もいらっしゃると思います。でも、そういった方には免除の仕組みがあったりとか割引の仕組みがあったりとかあるわけですから、そういったことで促していくことによって将来的に受け取る年金の額が減ることもなくなるわけですから、しっかりと対応を取ることによってその御本人たちにもプラスになるんじゃないかというふうに思うんですが、でも現時点ではそれだけの回収不能額が生まれてしまっていると。その理由というのは何でしょうか。
○政府参考人(福本浩樹君) お答えいたします。
 先ほど申し上げました回収不能額ですけれども、国民年金それから厚生年金も、共に未納者に対する納付の督励やあるいは滞納処分ということを行ったにもかかわらず結果として納付に応じていただけない、あるいは滞納処分ということで差押えを行いましたとしても現に財産がないというようなことでその回収額に至らないというようなことで、時効に掛かり回収不能ということになるものでございます。
 収納対策について併せて申し上げますと、議員も御指摘ありましたけれども、従来から、国民年金については口座振替でありますとかコンビニエンスストアでの納付などの納めやすい環境の整備を進めるというようなこと、それから、十分な所得がありながら度重なる納付督励にも応じていただけない方に対しては滞納処分と、強制的な措置を行っておりますけれども、この対象者を拡大するというような対策を講じてきておりまして、先ほど申し上げました回収不能額も直近では年々減少してきておるところではございますけれども、今後とも納付率の向上に、収納率の向上に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○清水貴之君 年々減少しているという、事前にお聞きしてもそういうお答えだったんですが、ただやっぱり額が大きいですよね。その大きいという認識は持っていらっしゃるわけですよね。
○政府参考人(福本浩樹君) 認識ですけれども、日本の年金制度は皆保険、皆年金という制度でございまして、厚生年金あるいは国民年金、全国民が加入し保険料を払わなければならないという意味で、法律の要件に該当して保険料を納めるということでありますと保険料を納めていただかなければならないということでありまして、政府としては、確実にこの決まりました保険料が収納できるようにしなければならないということを肝に銘じて取り組んでおるところでございます。
○清水貴之君 最後に、民泊についてお聞きをしたいと思います。
 民泊、これからという制度で、いろいろと見ていても、新しいことを始めてということだと思うんですけれども、制度が決して、現状見ていて、使いやすいかといったらまだまだそこまでいっていない、プラス、問題もあるんじゃないかなということで質問をさせていただきたいと思うんですけれども。
 特区という制度もありますし、許可制という形でこの四月から解禁も始まったということなんですが、そのまず許可の数と、一方で、許可を得ずに営業している民泊施設というのも大変数が多いというふうに聞いています。この辺りはどのように把握をされていますでしょうか。
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 無許可で営業を行っております違法な民泊サービスの実態把握、こちらにつきましては旅館業法を担当いたします都道府県等の保健所が行っておりまして、その件数は、平成二十五年度で六十二件、平成二十六年度で百三十一件、また平成二十七年四月から平成二十八年一月末まで、これはちょっと調査の関係でそこまでなんですが、九百九十四件となってございます。
 これらの無許可営業施設への指導の結果、営業許可を取得したものは、平成二十五年度は十八件、平成二十六年度は二十五件、また平成二十七年四月から平成二十八年一月末までは三十五件となっております。また、営業を取りやめたもの、こちらは、平成二十五年度は三十六件、平成二十六年度は七十三件、また平成二十七年四月から平成二十八年一月末までは三百五十四件となっております。そのほか、指導継続中のものが平成二十八年一月末現在で三百二十五件となってございます。
 以上でございます。
○清水貴之君 ただ、民泊の仲介サイトを見ますと、何千、何万という数が出てきます。じゃ、この何千、何万という数は、これはどういう扱いになるんでしょう。把握している無許可営業はそこまでの数が行っていないですよね。でも、実際にネットなどで我々が泊まることができる施設がそれだけあるわけです。これはどういうふうに認識をしているんでしょう。
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 今、ネットの方では二万とか三万とか、そういう形で登録件数があるということが知られているわけでございます。今お話し申し上げましたのは保健所に情報が入ったものということでありまして、これは保健所における巡回指導等で把握されたものや、又は近隣住民若しくは宿泊者などから通報があって確認に行ったもの、また警察、消防等の関係機関からの連絡といったような形での連絡があって確認ができたものということでありまして、全体を把握してできているわけではないという状況にあるということでございます。
○清水貴之君 その数がかなり、把握している数と比べて実際に営業している数が相当数あるわけですね。これはもういいんですか、問題ないんですか、このまま営業していて。どういったふうに考えているんでしょう。
○政府参考人(福田祐典君) 民泊サービスにつきましては、現在、観光庁と共同で開催しております民泊サービスのあり方に関する検討会におきましても、地域住民とのトラブル防止や宿泊者等のトラブル防止に留意すべきことというようなことも含めまして、基本的な視点の一つとして検討を進めているところでございます。
 そういった検討会におきまして、今後、六月中を目途に取りまとめられる最終報告書を受けて必要な整備に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
○清水貴之君 最後に、国家戦略特区では規制緩和をしていると思うんですけれども、ただ、これも申請件数が非常に少ないと。要件がやっぱり厳し過ぎるということで、滞在七日以上、これも現実には合っていないんじゃないかというふうな意見も多々出ているところです。この特区についての要件についてお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 国家戦略特別区域法第十三条に基づきます外国人滞在施設経営事業、これはいわゆる特区民泊でございますが、こちらにつきましては、いわゆる、今委員御指摘のように、滞在日数のところで一定の縛りが掛かっておりまして、ここは政令で定めるという形になってございます。あと、宿舎の面積要件と、この二つが基本的な要件というふうになっているところでございます。現在、大田区が本年一月、また大阪府が四月から特定事業を開始をいたしまして、大阪市の方でも本年十月以降、事業開始を予定しているという状況でございます。
 現在の認定状況でございますけれども、四月二十一日現在で、大田区で九件、大阪府で一件が認定されたと承知をしているところでございます。
○清水貴之君 まだ始まったばかりの制度ですし、やろうとしていることは非常によく、ホテルなんか本当に足りなくなっていますので分かるんですけれども。まあ、いろいろと制度がややこしくて、今お話ししたとおり、なかなか法にものっとっていないんじゃないかなというような部分も多々見受けられますので、トラブルのこれ原因になると思いますので、早い整備の方をお願いしたいなというふうに思います。
 以上です。ありがとうございました。
○又市征治君 社民党の又市です。
 初めに、麻生大臣にお伺いをしたいと思います。
 熊本、大分などで大地震が発生をして十日余りが経過をいたしました。被害が甚大でありますから、復旧復興に向けて今国会で補正予算を編成されるというお話でありますけれども、その規模、内容等、現時点ではどのようにお考えか。
 また一方で、日本経済自体がとても好循環に乗っているとは言い難い、こういう状況で、むしろ不透明感が強まっており経済対策が必要だ、こういう声も聞こえてまいりますけれども、補正予算ではその分も含めるお考えなのか、その場合の財源の手当てについてもどのようにお考えなのか、お聞きをしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 昨日、総理の方から、熊本地震に対応するため補正予算の編成についての指示があっております。
 この補正予算によりまして、住居の確保、被災者支援等に要する経費に対応させていただくとともに、熊本地震復旧等予備費を創設させていただいて、今後、被災者の方々の事業再建、道路、施設などのインフラ復旧、瓦れき処理等々を迅速に進めてまいります。総理の方からは速やかに国会に提出するようにと指示を受けておりまして、五月中旬の国会提出というのを目指して作業を進めてまいりたいと思っております。
 当面のいわゆる避難生活に必要となります物資については、まずは二十日に、二十八年度予算に計上されております予備費三千五百億円のうちから二十三億円を使用を決定したところでありますが、この予備費と併せまして補正予算の編成をするということで、被災者の支援、被災地の迅速な復旧に向けて万全を期してまいりたいと思っております。
 今、経済についての経済対策も併せて必要ではないかという御指摘があっておりましたが、日本経済につきましては、企業収益は御存じのとおり過去最高を記録しておりますし、有効求人倍率は二十四年ぶりに高水準等々、これはファンダメンタルズと言われるものは極めて確かなものだと認識をしておりますので、したがいまして、現時点で新たに経済対策を今回の補正予算に併せて作成するということは考えておりません。
 また、熊本地震の影響もこれ注意する必要があることはもうはっきりいたしておりますけれども、私どもとしては、今回、この中でこの予算というものをできるだけ速やかにお届けをされるような状況にいたすためにも、今回の経済対策とかいったものをこの中に含めて提出するつもりはございません。
○又市征治君 後段の部分、経済のファンダメンタルズは健全だと、こうおっしゃっているわけですが、賃上げで個人消費を増大させて経済の好循環を実現をすると、これは社会的な合意に今やなったんだと思うんですが、経営側は必ずしもそうではなくて、内部留保をため込むことばかりで、賃上げにやっぱり消極的であった今年の春闘を見てもそんな格好です。ですから、実質賃金も消費支出も低迷をしたまま、こういうことですし、またいわゆるマイナス金利そのものが金融界に動揺を与えて賃上げにはマイナスに作用したのではないのか、こういう気がいたします。経済の不透明感がちょっと拭えないんではないか、大臣の方はちょっと楽観的過ぎるんじゃないのかという気がしないでもありません。
 そこで、この震災以前から、総理は来年四月からの消費増税を再延期するのでは、こういう見方が出ておりました。また、最近、自民党内から、一%刻みの増税論もあるんじゃないのか、こういう話も出てきた。財務大臣は、今後の経済状況を見通した上でこの四月からの消費増税は可能だ、こういうふうにお考えかどうか、この点をお聞きをいたします。
○国務大臣(麻生太郎君) これは度々申し上げておりますように、このファンダメンタルズは極めてしっかりしておると、間違いなくそう思っておりますので、一〇%に二%引き上げるということに関しましては、これは元々三党合意でなされたときに、我々の持っております社会保険制度やら国民皆保険制度等々の社会保障を今後とも確実に次の世代に送れるというようにする状況をつくり出していくためにも、みんなで、社会保障については全員でこの痛みを分かち合うということで、税と社会保障の一体改革ということでこれはスタートしておりますので、私どもとしては、これをきちんと今後とも引き渡していく責任を果たすと同時に、これは国際的な信用でも、国際社会に対しても発信をいたしておりますので、その信認を確保するためにもきちんとした形で今行おうとしている、予定どおりにさせていただこうと思っております。
 一%刻み等々お話がよくなされておりますけれども、ドン・キホーテなんかで一%毎年やられたらそれだけで経費が上がってたまらぬだろうなと。元商売をやった経験がない人がそんなことを言うので、商売をやった経験者がそんなことは逆立ちしても言いませんなと、私はいつもそういったことを言う人に、自分でやったことないだろう、商売って、僕はいつもからかうんですけれども。一%というような話ができるというのは、これは日本人の場合はきちんと張ってやるという性格ですから、それはそうじゃない性格の人もいらっしゃいます、世の中には、いろんな国の方がいらっしゃいますので、そういう方は簡単にそうおっしゃいますけれども、なかなか日本じゃさようなわけにはいかぬだろうと思っております。
○又市征治君 しかし、総理肝煎りの国際金融経済分析会合ですか、でも消費増税に対しては賛否真っ二つ、こういうふうに指摘をされています。
 私どもは、国民生活と経済の改善、回復の観点からは増税は中止をすべきだ、逆に法人税減税も中止すべきだ、こんなふうに思っております。そのことだけは申し上げておきたいと思います。
 麻生大臣には、私はここまでですので、御退席いただいて結構です。
○委員長(小泉昭男君) 麻生大臣、御退席されて結構でございます。
○又市征治君 さて、甘利前大臣の疑惑に関してお伺いしますが、甘利前大臣は一月末の辞任会見で、しかるべき時期に疑惑に関する調査結果を公表する、こう言われたんですが、その後、全く音沙汰なしであります。ですから、この委員会でも、甘利議員、その関係者の証人喚問が何人かからも求められてきました。
 報道によると、甘利議員の一連の現金授受問題で、国交省が東京地検特捜部の要請を受けて、メール等関係書類を地検に提出をしたとのことであります。それは事実なのか、事実とすれば何を提出をされたのか。また、国交省職員が任意で事情聴取を受けたことは事実なのか。まずこの点はお伺いいたしますが、事実であれば、この甘利議員の金銭授受問題で、任意とはいえ特捜部から資料提出や事情聴取の要請を受けたことについて大臣の御見解はいかがか。以上、お伺いをいたします。
○国務大臣(石井啓一君) 国土交通省に対しましては、先月、三月の中旬に捜査当局からの協力要請がございました。国土交通省としては、捜査に最大限御協力してきております。
 また、資料の提出など協力の内容につきましては、捜査に関わることでございますので、資料の提出の有無も含めてお答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
○又市征治君 四月十日に、ある全国紙が、国交省が地検特捜部の要請を受けてメールのやり取りなど関係する資料を任意で提出したことが関係者への取材で分かった、こう報道しているわけですね。しかし、今大臣は、資料を提出したかどうかも答弁できない、こうおっしゃる。マスコミにここまで報じられているものを、国会では全く何も言わない、これは何ぼ何でも国会軽視も甚だしいと言わざるを得ないんじゃないですか。
 委員長、この点については余り深く突っ込みません。国交省がどのような捜査協力を依頼されて、どう応じたのか。資料の中身まで具体的に私は聞いているんじゃないんです。少なくとも、そういう資料なども提出したのかどうか、このことについて委員会に提出するように求めていただきたいと思います。
○委員長(小泉昭男君) 後刻理事会で協議をいたします。
○又市征治君 先ほど清水議員からも御指摘がございましたURの職員の接待問題でありますけれども、UR職員が道路工事の補償交渉をしていた建設会社の担当者から総額約百万円近くの接待を受けていたということですけれども、これについて国交省はURから、先ほど大臣からは報告を受けたということでありました。
 また、URにこの件に関する調査、具体的にどのように御指示になられたのか、再確認ということになろうかと思いますが、確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 四月の十三日にURから職員によるコンプライアンス違反が公表されました。本件は極めて不適切な行為であり、国民の信頼を失うような事態が生じたことは大変遺憾であります。
 四月の十一日に本件について事務方から報告を受けるとともに、四月の十三日には、今後改めて第三者による調査を行い、その結果を踏まえ、該当する職員については内規に基づき厳正かつ適切に対処するとのURの方針について事務方から報告を受けました。
 これを受けて私からは、調査等、適切に行うとともに、二度とこうした事態が起きないよう再発を防止するための措置を講じ、その内容を報告するよう指示したところであります。この指示につきましては、四月の十三日に住宅局長を通じて伝達をした上で、その翌日、四月の十四日、URの理事長と会いまして、改めて私から直接指示をしております。URにおいては、徹底した調査を行い、国民の信頼を回復していただきたいと考えております。
○又市征治君 先ほどありましたように、国会での審議に余り、非協力的な国交省が、真相究明とか再発防止と言う資格があるのかなと、釈然としないものはありますが、いずれにしても、徹底した調査を求め、明らかにするように求めておきたいと思います。
 次に、今年一月の軽井沢のスキーバス事故の問題ですが、多くの人命が失われて多数の負傷者を出しました。改めて、お亡くなりになった方々の御冥福をお祈りすると同時に、負傷された皆さんにお見舞いを申し上げたいと思います。
 そこで、この貸切りバスによる事故は、二〇〇〇年に事業者の参入が規制緩和されてからどうも増大をしてきている、こういう傾向にあります。二〇〇七年には大阪でのスキーツアーバスがモノレールの橋脚に衝突した大きな事故があり、二〇一二年四月の関越道での高速ツアーバスが道路脇の防音壁に衝突して七人の方が亡くなった事故などというのは記憶に新しいところであります。
 国交省は、この関越道の事故を受けて、同年十月にバス事業のあり方検討会を設置をして、翌年四月に報告書をまとめ、これを基に高速・貸切バスの安全・安心回復プランというものを作成をし、二〇一三年、一四年にこれを実施したということでありますけれども、この安全・安心回復プランというのはどういうものなのか、どのように改善をされたのか、この要点をお尋ねをいたします。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。
 委員御指摘のとおり、平成二十四年に死者七名を出す関越道におけるツアーバスの事故が発生をしております。これを受けまして、国交省は、平成二十五年四月に高速・貸切バスの安全・安心回復プランを策定し、事故防止対策を総括的にまとめて実施に移しているところでございます。
 これの主な中身につきまして、まず、長距離運行バスに係る交代運転者の配置基準、これを見直しを行いました。これにより、一人の運転手が過労によって運転をし事故を起こすといった過労運転の防止を図ろうとしているところでございます。さらに、安全コストを反映した新運賃・料金制度を導入し、事業者の安全投資を促進するとともに、運転者の待遇改善を図るといった取組も進めているところでございます。
 その他、私どもの事業者に対する監査の中に、街頭監査、これは、出発前のバスに直接乗り入れて安全運行がしっかり担保されているかを直接確認するものでございますけれども、こういったものを新設するなど、安全性のチェックを図ってきているところでございます。
○又市征治君 そうした対策にもかかわらず、また事故が起きたわけですよね。
 そこで、軽井沢の事故後、観光庁が旅行業者に対する集中的な立入検査を行ったようですが、この結果、観光庁はどのように評価をされているのか、また、これまでこのような立入検査はどのように行われてきたのかも伺いたいと思います。
 一方で、国交省も、事故を受けて、貸切りバス事業者に対する今あった街頭検査を実施をして、二百四十二台に監査を行って、八十六台に法令違反を確認したとのことですけれども、三割以上の車両が法令違反というのは異常な事態だというふうに思うんですが、国交省の評価はどういうものなのか。
 これらの検査とは別に、国交省は軽井沢スキーバス事故対策検討委員会を立ち上げて、委員会は先月、中間整理をまとめられておりますけれども、その内容も簡単にお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(田村明比古君) お答えいたします。
 観光庁におきましては、本年一月下旬から三月中旬にかけまして八十六事業者に立入検査を実施いたしまして、その結果、運賃が記載された運送引受書等の記載や保存に関わる不備等の違反が三十一事業者、延べ四十二件見付かりまして、直ちに是正を指示して改善させたところでございます。
 今回の違反というのは軽微ではございますけれども、違反事案が少なからず見付かったことは大変残念でございますし、指導を受けた旅行業者各社におかれましては、法令遵守に努め、適切な対応を取っていただきたいというふうに考えているところでございます。
○政府参考人(藤井直樹君) 引き続きまして、街頭監査の概要について申し上げます。
 これにつきましては、軽井沢事故の後、一月二十一日、新宿を皮切りに、三月中旬にかけて全国の貸切りバス乗り場三十八か所で実施をいたしました。その結果、委員御指摘のとおり、二百四十二台中八十六台に運行指示書の記載不備、車内表示の不備等の違反が見付かっているところでございます。重大な事故の後にもかかわらずこのように多くの法令違反が見られたことは、私ども大変遺憾であると考えております。
 これにつきましては、こういった事項のチェックシートを作り、運行前の最終確認を徹底する、さらには、こういった事業者を私ども呼出しをいたしまして、全て改善したことを確認をするといった対応を取っております。ゴールデンウイーク等の多客期を迎えて、街頭監査を引き続き実施し、法令遵守の徹底を図ってまいります。
 それから、スキーバス、軽井沢の事故を受けました私どもの対策検討委員会でございますけれども、これは一月二十九日に会合を初めて開催しまして、二か月間で中間整理を取りまとめ、三月二十九日に発表したところでございます。
 具体的な取組としましては、悪質な事業者への厳格な処分、利用者への貸切りバスの事業者名の提供、新規の雇入れ運転者への実技訓練の義務付け、ドライブレコーダー装着の義務付けなど、実施可能なものから速やかに実行に移していくこと。さらには、事業参入時の要件強化、ランドオペレーターに対する法規制の仕組みの構築、運行管理者の在り方の見直しなど、引き続き検討すべき事項について議論を行い、これにつきましては夏までに再発防止に向けた総合的な対策を取りまとめることとしているところでございます。
○又市征治君 中間整理で安全性の見える化ということがうたわれておりますけれども、そもそも安全性が危うい業者がいること自体が問題なわけで、見える化が行き過ぎるとその業者を選んだ利用者の自己責任ということになりかねませんから、そういうことのないようにしっかりやっていただきたいと思います。
 そこで、国交省は、事故があるたびに委員会を立ち上げて事故を検証し、対策を立ててきたわけですが、しかし事故の再発は防げない、甚大な被害を生み出してしまう、このようなことを繰り返しているわけですが、大臣、ここらのところをどのように御認識なさっていますか。
○国務大臣(石井啓一君) 長距離観光バスの安全に関しましては、平成二十四年四月の関越道高速ツアーバス事故等を踏まえまして、長距離運行バスに係る交代運転者の配置基準の見直し、安全コストを反映した新運賃・料金制度の導入、街頭監査の導入等の対策を講じてきたところであります。それにもかかわらず今回の軽井沢における事故が起きたことについては、大変深刻に受け止めております。
 今回の事故を起こした会社は、新運賃・料金制度における下限運賃を遵守していなかったこと、事故後の特別監査におきましても多数の法令違反が確認をされたこと等を踏まえまして、貸切りバス事業者に対して改めて安全確保に係るルール遵守の徹底を図ってまいります。
 さらに、国土交通省におきましては、今回の事故を受けて、有識者から成る軽井沢スキーバス事故対策検討委員会を設置し、三月二十九日に中間報告を取りまとめました。この報告の中で速やかに講ずべき事項とされた施策について速やかに実施していくとともに、今後具体化を図るべき事項や引き続き検討すべき事項とされた事項につきましても、検討委員会での議論を踏まえまして、今年の夏までには今回の事故を踏まえて総合的な対策を取りまとめ、逐次実施に移してまいります。
 軽井沢のような悲惨な事故を二度と起こさないよう、安全対策を徹底してまいりたいと考えております。
○又市征治君 これは国交省だけに限らないんですが、政府全体が規制緩和で経済が活性化するという神話に取りつかれているのではないのか。規制緩和による企業の競争激化というのは、結局は商品の安売り合戦に行き着いて、その業界で働く労働者を疲弊をさせる、あるいは低賃金を押し付ける、こういう格好になって、政治の基本である国民の安全、安心の確保を損ねていく、こういう事態が多いわけです。そのことをちゃんと理解をして反省することが必要であって、総合対策、何々対策、何々対策といろいろと打っても、結局は根本のところは直らないということを言わなきゃならぬと思うんです。
 国交省について申し上げるならば、監査担当職員というのは約三百六十人だそうで、立入検査を行う事業所は一年に全体の一割程度だそうですよね。対策を立てても、それを監査することができなけりゃ絵に描いた餅ということになるわけで、その点も含めて、改善策、大臣、是非しっかりとやっていただくように要請をしておきたいと思います。
 次に、時間がなくなってまいりましたから飛ばしながらお聞きをいたしますが、土砂災害の問題について、会計検査院は土砂災害対策に係る事業の実施状況について検査を行われました。最近は予想を超える豪雨によって各地で土砂災害が発生をし、大きな被害が出ており、国民からも大きな関心が寄せられているわけですから、この検査は歓迎したいと思いますけれども、検査院がこの検査を行った意図と検査結果、簡潔に御説明いただきたいと思います。
○説明員(須藤晋君) お答えいたします。
 まず、検査を実施した理由、背景でございますが、近年、市街化地域の拡大に伴い土砂災害の危険性の高い箇所において住宅等が立地している場合には、局地的な集中豪雨等により、多大な被害が生ずることが想定されます。このようなことから、土砂災害の危険性の高い箇所については、ソフト対策と連携して限られた予算の中でハード対策を着実に実施していくことが重要であります。会計検査院は、以上のような状況等を踏まえまして、土砂災害対策に係る事業について検査を実施し、その状況を取りまとめ、会計検査院法第三十条の二の規定に基づき、平成二十七年九月に国会及び内閣に報告いたしました。
 次に、検査の結果でございますが、人口集中地区を含む警戒区域で砂防関係施設が未整備である区域が多数見受けられたり、事業の採択後に用地交渉が未了であるなどの理由で工事が五年以上未着手となっている事業が砂防事業等の三十四事業となっていたり、二十六年度における定期点検の点検割合が砂防設備で二七・七%などとなっていたり、除石管理型砂防堰堤について除石を行う際に必要な管理用道路が整備されていないものなどが見受けられたりなどする状況となってございました。
 以上です。
○又市征治君 検査院の所見において、砂防対策整備に当たっての優先順位の検討、対策事業が採択されたら速やかに着手すること、砂防施設の定期点検の実施等を求めているわけですけれども、また、三十一年までに都道府県が基礎調査を終了する予定であることから、今後の対策の進展を注視する、こんなふうに検査院は述べておられますが、この検査院の所見を受けて国交省として今後どのような対策を進めていくおつもりなのか、簡潔にこれについてもお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(金尾健司君) お答え申し上げます。
 今回、会計検査院において、都道府県が実施する土砂災害対策について調査が実施されました。調査の結果、基礎調査が確実に実施されるよう努めるとともに、都道府県が行う砂防関係施設について一層効率的に整備し、施設の維持管理をより適切に行うよう努める必要があるとの国会報告がなされたところでございます。
 国土交通省といたしましては、土砂災害防止法等のソフト対策と砂防堰堤等の整備等によるハード対策を効率的に実施してきたところでございますが、会計検査院の意見を踏まえて取組を一層推進する必要性を認識しているところでございます。
 今後の対応でございますが、ソフト対策といたしましては、基礎調査について全ての都道府県において平成三十一年度末までに調査を完了する予定であり、防災・安全交付金の活用等により都道府県を支援してまいります。また、ハード対策につきましては、会計検査院は四つの事項について御指摘がありましたので、これを踏まえまして、人命を守る効果が高い箇所等の砂防堰堤の整備等を計画的、効率的に進めてまいります。
 今後とも、引き続き都道府県において事業が適切に行われるよう一層努めてまいります。
○又市征治君 国民の安全、安心な生活のために積極的な施策を要請し、時間が参りましたので、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(小泉昭男君) 他に発言もないようでございますので、財務省、国土交通省、金融庁、株式会社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行の決算についての審査はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十八分散会