第190回国会 決算委員会 第10号
平成二十八年五月九日(月曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二日
    辞任         補欠選任
     川田 龍平君     安井美沙子君
     新妻 秀規君     荒木 清寛君
 五月六日
    辞任         補欠選任
     杉  久武君     平木 大作君
     辰巳孝太郎君     田村 智子君
 五月九日
    辞任         補欠選任
     山口 和之君   アントニオ猪木君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         小泉 昭男君
    理 事
                井原  巧君
                石井 正弘君
                中泉 松司君
                礒崎 哲史君
                難波 奨二君
                平木 大作君
    委 員
                島田 三郎君
                滝波 宏文君
                塚田 一郎君
                西田 昌司君
                橋本 聖子君
                古川 俊治君
                山田 俊男君
                吉川ゆうみ君
                江崎  孝君
                江田 五月君
                小川 勝也君
                大島九州男君
                寺田 典城君
                安井美沙子君
                荒木 清寛君
                井上 哲士君
                田村 智子君
                清水 貴之君
              アントニオ猪木君
                山口 和之君
                又市 征治君
   国務大臣
       財務大臣     麻生 太郎君
       総務大臣     高市 早苗君
       外務大臣     岸田 文雄君
       文部科学大臣   馳   浩君
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
       農林水産大臣   森山  裕君
       経済産業大臣   林  幹雄君
       国土交通大臣   石井 啓一君
       環境大臣     丸川 珠代君
       防衛大臣     中谷  元君
       国務大臣
       (復興大臣)   高木  毅君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全)
       )        河野 太郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策))     加藤 勝信君
       国務大臣     遠藤 利明君
   副大臣
       財務副大臣    岡田 直樹君
       文部科学副大臣  義家 弘介君
       経済産業副大臣  高木 陽介君
        ─────
       会計検査院長   河戸 光彦君
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   事務局側
       事務総長     中村  剛君
       常任委員会専門
       員        吉岡  拓君
   政府参考人
       内閣官房まち・
       ひと・しごと創
       生本部事務局次
       長        末宗 徹郎君
       内閣府政策統括
       官付参事官    中村裕一郎君
       内閣府政策統括
       官付参事官    大塚 弘美君
       内閣府子ども・
       子育て本部統括
       官        武川 光夫君
       警察庁生活安全
       局長       種谷 良二君
       総務省自治税務
       局長       青木 信之君
       消防庁次長    西藤 公司君
       法務省民事局長  小川 秀樹君
       法務省入国管理
       局長       井上  宏君
       外務大臣官房審
       議官       垂  秀夫君
       外務大臣官房審
       議官       相木 俊宏君
       外務大臣官房参
       事官       牛尾  滋君
       財務省主計局次
       長        茶谷 栄治君
       国税庁次長    星野 次彦君
       文部科学省初等
       中等教育局長   小松親次郎君
       文部科学省高等
       教育局長     常盤  豊君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局生
       活衛生・食品安
       全部長      福田 祐典君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       香取 照幸君
       厚生労働省保険
       局長       唐澤  剛君
       農林水産省農林
       水産技術会議事
       務局長      西郷 正道君
       水産庁長官    佐藤 一雄君
       経済産業大臣官
       房審議官     中尾 泰久君
       経済産業省製造
       産業局長     糟谷 敏秀君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       藤木 俊光君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        藤井 敏彦君
       中小企業庁長官  豊永 厚志君
       国土交通省国土
       政策局長     本東  信君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        金尾 健司君
       国土交通省道路
       局長       森  昌文君
       国土交通省住宅
       局長       由木 文彦君
       国土交通省鉄道
       局長       藤田 耕三君
       国土交通省自動
       車局長      藤井 直樹君
       国土交通省航空
       局長       佐藤 善信君
       観光庁長官    田村明比古君
       環境省水・大気
       環境局長     高橋 康夫君
       環境省自然環境
       局長       奥主 喜美君
       防衛省整備計画
       局長       真部  朗君
       防衛省人事教育
       局長       深山 延暁君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   村上 英嗣君
       会計検査院事務
       総局第二局長   岡村  肇君
       会計検査院事務
       総局第三局長   須藤  晋君
       会計検査院事務
       総局第四局長   寺沢  剛君
   参考人
       日本銀行副総裁  岩田規久男君
       独立行政法人日
       本スポーツ振興
       センター理事長  大東 和美君
       独立行政法人都
       市再生機構理事  伊藤  治君
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  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○昭和十九年度朝鮮総督府特別会計等歳入歳出決
 算及び昭和二十年度朝鮮総督府特別会計等歳入
 歳出決算
○平成二十六年度一般会計歳入歳出決算、平成二
 十六年度特別会計歳入歳出決算、平成二十六年
 度国税収納金整理資金受払計算書、平成二十六
 年度政府関係機関決算書
○平成二十六年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
○平成二十六年度国有財産無償貸付状況総計算書
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○委員長(小泉昭男君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る六日までに、新妻秀規君、川田龍平君、杉久武君及び辰巳孝太郎君が委員を辞任され、その補欠として荒木清寛君、安井美沙子君、平木大作君及び田村智子君が選任されました。
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○委員長(小泉昭男君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小泉昭男君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に平木大作君を指名いたします。
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○委員長(小泉昭男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 昭和十九年度朝鮮総督府特別会計等歳入歳出決算及び昭和二十年度朝鮮総督府特別会計等歳入歳出決算の審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小泉昭男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(小泉昭男君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 昭和十九年度朝鮮総督府特別会計等歳入歳出決算及び昭和二十年度朝鮮総督府特別会計等歳入歳出決算の審査のため、必要に応じ政府関係機関等の役職員を参考人として出席を求めることとし、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小泉昭男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(小泉昭男君) 昭和十九年度朝鮮総督府特別会計等歳入歳出決算及び昭和二十年度朝鮮総督府特別会計等歳入歳出決算を議題といたします。
 まず、財務大臣から概要説明を聴取いたします。麻生財務大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) 昭和十九年度及び昭和二十年度の朝鮮総督府特別会計等歳入歳出決算を会計検査院の検査報告とともに国会に提出をいたしておりましたので、その概要を御説明申し上げます。
 この朝鮮総督府特別会計外九特別会計につきましては、既に廃止されております。また、昭和十九年度及び昭和二十年度の決算につきましては、会計資料の散逸等で作成困難な状況であったため、昭和二十一年当時の法律により、当分の間延期できることとされていたものであります。
 これらの決算内容につきましては、昭和十九年度朝鮮総督府特別会計等歳入歳出決算及び昭和二十年度朝鮮総督府特別会計等歳入歳出決算のとおりであります。
 何とぞ御審議のほどよろしくお願いを申し上げます。
○委員長(小泉昭男君) 次に、検査報告につきまして、会計検査院長から概要説明を聴取いたします。河戸会計検査院長。
○会計検査院長(河戸光彦君) 昭和十九年度及び昭和二十年度の朝鮮総督府特別会計等決算検査報告につきまして、その概要を御説明いたします。
 会計検査院は、平成二十七年十月六日、内閣から昭和十九年度朝鮮総督府特別会計等歳入歳出決算及び昭和二十年度朝鮮総督府特別会計等歳入歳出決算の送付を受け、その検査を行って、昭和十九年度朝鮮総督府特別会計等決算検査報告及び昭和二十年度朝鮮総督府特別会計等決算検査報告とともに、平成二十七年十一月六日、内閣に回付いたしました。
 昭和十九年度及び昭和二十年度の朝鮮総督府特別会計外九特別会計につきまして、会計検査院はそれぞれの歳入、歳出の決算を確認いたしました。
 以上をもって概要の説明を終わります。
○委員長(小泉昭男君) 以上で概要説明の聴取は終わりました。
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○委員長(小泉昭男君) 平成二十六年度決算外二件並びにただいま説明を聴取いたしました昭和十九年度朝鮮総督府特別会計等歳入歳出決算及び昭和二十年度朝鮮総督府特別会計等歳入歳出決算を一括して議題とし、質疑を行います。
 なお、本日の平成二十六年度決算外二件の質疑は准総括質疑でございます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○石井正弘君 おはようございます。自由民主党、岡山県の石井正弘でございます。
 今、委員長の御報告のとおり、決算委員会、本日、准総括質疑の日を迎えることができました。関係各位の御協力、御理解、感謝を申し上げる次第でございます。
 今日は、私ども自由民主党の理事三人が順次質問に立たさせていただくこととなっておりますが、まず、自由民主党側を代表いたしまして、改めまして、三週間を迎えました熊本のいわゆる本震、過ぎましたこの日でございますけれども、亡くなられた方々、御冥福をお祈り申し上げ、また被災された方々に心からのお見舞いを申し上げ、早期の復旧復興を心より祈念し、国会挙げて応援をしていきたいと、このように考えているところでございます。
 さて、岡山ということを最初申し上げたわけでございますが、地元に帰りますと、今、岡山での一番の皆さん方の共通の話題事項、それは、何と申し上げましても三菱自動車の燃費データ、この改ざん問題にあるわけでございまして、地元そして全国紙の新聞の見出しを見ましても、「生産停止「城下町」悲鳴」といったような見出しであるとか、「下請け、在庫の山・派遣解除」等々、非常に地元経済に大きな影響を及ぼしている、また今後の展開いかんによっては更に大きな影響が懸念される、こういったことが我々の地元の共通の今話題事項になっているわけでございます。今回の問題、これは絶対にあってはならないことでありますので、徹底した原因究明並びに再発防止に向けた厳しい対応が求められると存じます。
 一方で、岡山県では、先ほど申し上げましたとおり、三菱自動車が唯一の自動車組立て工場となっておりまして、データを申し上げれば、県内の自動車関連産業は、従業員数約一万四千人、製造品出荷額が約七千億円、県内の製造業全体の八・五%を占めるという一大産業でございます。
 四月二十日に問題が発覚をいたしましたけれども、これを受けまして、同工場の従業員約三千六百人のうち約千三百人が自宅待機を今強いられている状況にあります。また、下請等、孫請等の工場におきましても自宅待機を命ぜられている従業員も数多くあるわけでございます。
 同製作所におきましては、生産台数の約六割が軽自動車であります。工場の操業あるいは販売の停止期間いかんによっては、協力会社あるいは下請とか孫請、さらには運送業者、昨日は、さらにそれが販売業者並びに利用、理容・美容業に至るまで非常に三菱に依存している、関係のある様々な産業、企業、いろんな販売店等があると、こういう話題でございました。
 県内経済、雇用の問題に計り知れない影響が懸念されるところでありまして、また、ひいては、取引先が中部圏の各県にも関係の企業、工場があると聞き及んでいるわけでありますけれども、全国規模にその影響が拡大する可能性もあると存ずる次第でございます。今後の展開の予測が付かないため、大きな不安に駆られているのが地元の状況でございます。
 そこで、国土交通大臣、石井大臣にお伺いいたしたいわけでございます。
 走行試験を国自ら実施するとの発表があり、その結果につきましては六月との報道にも接しているわけでございますけれども、その期間はどれくらいであるのか。こういったことを含めて、今回の三菱自動車問題につきまして、地元では、燃費試験の再測定とか、あるいはその結果に基づきます型式指定の再申請、これは今後どうなるか分かりませんが、それに関する手続など、生産再開に向けて迅速な対応を望んでいるという状況にあります。
 国交省といたしましての今後の対応方針あるいは見通しというものを具体的にお示しをいただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 今回の三菱自動車工業の不正行為に関しましては、これまで同社から国土交通省に対しまして、燃費試験及び排出ガス試験に使用する走行抵抗値に関しまして、長年にわたり国が定めた方法以外の方法で測定を行っていたこと、また、実測を行わず机上で計算をしていたこと、さらにはデータを改ざんしていたこと等について報告があったところであります。このような不正行為は、国の自動車審査の信頼性を根本から損なうだけでなく、我が国の自動車産業への信頼を傷つけ、ユーザーにも大きな不信感を与えるものであり、断じて許すことはできないと考えております。
 国土交通省といたしましては、まずデータの改ざん等があった軽自動車四車種につきまして、本来の正しい方法により燃費値と排出ガス値を早急に測定、算定する必要があると考えております。このため、五月の二日より独立行政法人自動車技術総合機構におきまして、走行抵抗値及び燃費、排出ガス値の確認試験を開始をいたしました。この確認試験の結果につきましては、六月中に取りまとめ、公表することを予定をしております。
 また、国土交通省といたしましては、今回の事案を踏まえまして、自動車の型式指定審査における不正行為を防止するための方策につきまして、四月の二十八日に省内にタスクフォースを設置したところであり、今後速やかに検討を進めてまいります。
 国土交通省としましては、これらの確認試験の結果や検討の結果、そして今後の三菱自動車工業からの報告等を踏まえ、必要な対応を行ってまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、まずは三菱自動車工業が会社を挙げて今回の不正行為の全容を明らかにするとともに、責任を明確にし、会社側が提出することとされている他のデータを含め、改ざん等の再発防止策を講じることが必要であると考えております。
○石井正弘君 御答弁ありがとうございました。
 地元のそういう大きな問題になっておることを、是非御認識を改めてお願いいたしたいと存じます。
 そこで、経済産業大臣、林大臣にお伺いいたしたいと思います。
 三菱自工と取引関係があります中小企業あるいは小規模事業者を支援をして、各社が最大限の操業、雇用を維持することができるようにするために迅速なるセーフネット保証の適用を行うなど、中小企業の支援策、いろいろ支援策があろうかと思いますが、これに万全を期していただきたいと、このように考えておりますけれども、いかがでしょうか。御答弁をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(林幹雄君) 今回の三菱自動車の不正は、ユーザーの信頼を裏切るとともに、取引先などにも影響を及ぼすものでありまして、誠に遺憾であります。
 経済産業省としては、三菱自動車に対しまして、ユーザーや取引先、販売店などへの対応に万全を期すこと、事実関係、原因などの報告を行うことを指示したところでございますし、職員を三菱自動車の工場があります岡山県に派遣をいたしまして取引先企業から直接ヒアリングを行うなど、影響の把握を進めているところでございます。
 また、地元からは受注の停止などにより影響を受ける中小企業の資金繰りに対する支援への要望をいただいておりまして、このため、現在、石井委員が御指摘でありますセーフティーネット保証に関しまして取引先への影響把握を進めているところでございまして、この結果を踏まえて、必要と認められればできるだけ早く適用することとしたいと思っております。
 いずれにしろ、三菱自動車の取引先中小企業への対応には今後とも万全を期してまいります。
○石井正弘君 前向きな御答弁、ありがとうございました。
 それでは次に、塩崎厚生労働大臣にお伺いいたしたいと存じます。
 雇用調整助成金の適用関係でありますが、これにつきまして支給要件がいろいろございます。最近三か月のデータというようなことが前提になっているようでございますが、この支給要件につきまして、是非ともこれを弾力的に適用につきましてお考えいただきまして対応していただきたい。それから、これは難しいかと思いますが、緊急雇用創出事業、これも地元倉敷市の要望にはあるわけでございますが、こういったものなど関連企業の雇用の維持、安定のための対策、これにつきましての万全なる対応を望みますけれども、御答弁をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) ただいま御指摘をいただきました雇用調整助成金につきましては、経済上の理由によって事業活動の縮小を余儀なくされた場合に、事業主が休業等によって労働者の雇用の維持を図った場合にそれに要した費用を助成するという、これが制度の基本であるわけでありますが、法令違反などを理由として事業活動が縮小した場合、今回それに適用されるんだろうと思いますが、対象にはならないというのが直接的な問題としてはありますが、法令違反をした事業所の取引先企業、これにつきまして事業活動が縮小したという場合は対象となり得るわけでございます。
 また、事業活動の縮小につきましては、今お話がありました直近三か月間の生産量などが対前年同期比で一〇%以上減少していることを要件としているわけでありますけれども、例えば直近一か月間の生産量の減少が極めて大きく、その前の二か月と合わせれば三か月間の平均で一〇%減少しているということになれば、三か月を待つことなく本助成金を受給することが可能でございます。
 厚生労働省といたしましては、関連会社などに対して雇用調整助成金の周知を行っているところでございまして、なお、事業主向けの説明会の開催も予定をしております。
 それから、都道府県等の関係機関との連携による離職を余儀なくされる方々に適した求人開拓とか、あるいは就職面接会の実施を予定をしておりまして、今後とも雇用の維持、安定のために必要な支援を迅速に行ってまいりたいと思いますし、今回の問題が雇用に与える影響をしっかりと見極めて、厚生労働省として必要な支援を行ってまいりたいと思っております。
○石井正弘君 前向きな御答弁、またありがとうございました。
 私からの三菱自動車に関係する質問は以上でございますので、三大臣、よろしければもうこれで結構でございます。ありがとうございました。
○委員長(小泉昭男君) よろしければ御退席、結構でございます。
○石井正弘君 それでは続きまして、旧外地特別会計に係る決算書につきましてお伺いいたしたいと思います。
 今回の准総括から付託されたわけでございますけれども、海外の旧日本領を運営するために政府が戦前に設けた旧外地特別会計のうち、昭和十九年、二十年度は、終戦期の混乱の中での決算資料の散逸等の理由から、決算の作成、国会への提出がこれまで延期されてきました。その旧外地特別会計が、戦後七十年の節目を迎えまして、日本銀行の資料等を基に決算書を作成、会計検査院の検査を経て今国会でようやく提出されることとなりましたが、延期の要因でありました決算資料が依然として散逸しているという状況の中で、正確な数字が検証不能となっている状況にあります。
 我々決算委員会も二月二十三日に外務省を視察をさせていただいたところでありますけれども、政府としてどのように決算書を作成をし、また会計検査院はどのように確認を行ったのか、お伺いいたしたいと思います。
○政府参考人(垂秀夫君) 旧外地特別会計のうち、昭和十九年度及び二十年度の決算については、現地占領軍の命令等により書類の持ち帰りができなかったこと、終戦時の混乱により、通常提出されるものと同様の決算書等を作成するために必要な会計資料が散逸したこと等により作成が困難になっております。
 このため、現存する資料を基に決算を作成しようとした場合であっても、全く資料が存在しないか、あるいは存在しても一部の資料のみの状況であり、当時の会計手続により決算を作成することができる特別会計は全く存在していない状況でございます。また、一部の計数等の記録はございますが、現時点でそれが正当な記録であるかの確認はできない状況でもございます。
 法律により、旧外地特別会計の昭和十九年度又は昭和二十年度の歳入歳出の決算の会計検査院への送付及び帝国議会への提出は「これを当分の間延期することができる。」とされておりましたが、七十年もの長い時間が経てしまい、決算の国会提出を延期し続けている現在の状態に区切りを付けること自体に意味があるとの判断から、今回、当時の予算書、日本銀行の国庫出納金記録等を基に可能な限りの整理、記載を行い、旧外地特別会計昭和十九年度・二十年度決算を国会に提出することといたしました。
○説明員(村上英嗣君) お答え申し上げます。
 会計検査院は、平成二十七年十月六日、昭和十九年度及び昭和二十年度の旧外地特別会計の歳入歳出決算の送付を受け、その検査を行いまして、昭和十九年度朝鮮総督府特別会計等決算検査報告及び昭和二十年度朝鮮総督府特別会計等決算検査報告を作成いたしまして、平成二十七年十一月六日、これを内閣に送付いたしております。
 これらの特別会計の歳入歳出決算は、昭和十九年度決算に関する件等に基づきまして、日本銀行が作成し、保管している帳簿に記載された国庫金の計数等に基づくなどして作成されております。
 このため、会計検査院は、正確性等の観点から、旧外地特別会計の収入支出の決算の計数が日本銀行の帳簿の計数と合致しているかなどに着眼して検査したところでございまして、その結果、両年度の旧外地特別会計の収入支出の決算を確認したところでございます。
○石井正弘君 御答弁ありがとうございました。
 それでは、時間の関係で次の質問に移りたいと思います。
 文部科学省にお伺いいたしたいと思います。
 次世代の学校指導体制の在り方という中間まとめが発表になったわけでございますが、教職員定数についてであります。
 加配教職員定数に関しまして、平成二十六年度、このときの主な加配事項を見ておりますと、小学校英語の教科化への対応とか、あるいはいじめ・道徳教育への対応、さらには特別支援教育の充実ということでありまして、それぞれ数十人からあるいは二百人規模での充実が行われてきたわけでございます。
 翌年度以降を見ておりましても、対応すべき課題が更に加わっていくということでありまして、年々、加配の教職員定数は増加をしておりますけれども、一方で、生徒数の減少によりましての基礎教職員定数の減少を補うには厳しい状況にあると、このように承知しているところでございます。
 そこで、馳文部科学大臣にお伺いいたしたいんですが、平成二十八年度、今年度の教員の定数でございますが、文科省と財政負担を減らしたいという財務省とが予算編成で対立をしたというふうに承知をしておりまして、基礎定数が三千六百八十五人減、加配定数は五百二十五人増ということで、差引き教員定数は三千百六十人減と相なったところでありますが、少子化に伴って子供の数は確かに減少傾向にはありますけれども、特別支援教育を充実させる、あるいは外国人児童生徒が増えてきているという対応、貧困によります教育格差の解消、あるいはいじめ、不登校、暴力行為への対応、アクティブラーニングの視点を生かした学習など、教職員定数充実へのニーズというものは非常に現場で高まってきていると思います。
 私も知事時代、中教審の委員に任命をいただきまして、地方の立場から教職員問題、定数問題にも関わってまいりました。今現在でも、教育現場の声を届けるべく、教員定数の更なる充実に向けて私自身発言を続けているところでございますが、一方で、先ほど申し上げた財政審の動きというものも大変気になるところでございます。
 文部科学省の今後の対応方針を大臣にお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(馳浩君) 二つお答えしたいと思います。
 昨年十一月末に義家副大臣を座長とする次世代の学校指導体制強化のためのタスクフォースを設置して検討し、先般、四月二十一日に中間まとめを発表したところであります。やはり実態を踏まえて適切に対応するという方針を取りたいと思います。
 もう一点ですが、ちょっと細かくなりますが、平成十六年度と平成二十六年度で、通級により指導を受けているいわゆる障害のある児童生徒数の数の推移、比べてみますと、平成十六年度が三万六千人で平成二十六年度が八万四千人であります、二・三倍に増えております。それから、日本語指導が必要な外国人児童生徒数を同様に比べてみますと、平成十六年度が二万一千人で平成二十六年度が三万四千人、一・六倍と増えております。
 したがって、児童生徒数が減る、クラスが減る、教職員の数は減る、これは基礎定数の考え方であります。ところが、今申し上げた数字のように、児童生徒数が減っても、こういった日本語指導が必要とか、発達障害児等障害児への充実した指導が必要、これ増えているんですね。この実態を踏まえて教職員の定数の充実について考えていかなければいけませんし、昨年も予算編成の過程で財務省と対立をしたというよりも、十分にコミュニケーションを取りながら認めていただいたと、こういうことでございます。
○石井正弘君 御答弁ありがとうございました。
 対立ということではなくて、十分議論をして決着を見たということでございます。そのことは理解させていただきたいと思います。
 そこで、担当局長にお伺いいたしたいんですが、今大臣からもサジェスチョンがあったんですが、基礎定数と加配定数の在り方ということでお伺いいたしたいと思います。
 大臣のお話にございました通級指導、こういった特別支援教育とか外国人児童生徒が増えてきている、こういったことの加配定数の枠でありますが、これを基準化して基礎定数の方に振り分けてはどうかと思うんです。そういった方針の方が、全体の教員確保とともに、地方、現場の教員の採用計画も策定しやすくなるということにもつながると思うんですけれども、今後どう取り組むのか、局長のお考えを示していただきたいと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) お答えを申し上げます。
 基礎定数、加配定数の関係でございますが、まず一般論といたしまして、基礎定数を充実することは、地方公共団体による定数の中長期的な見通しが高まり、計画的、安定的な教職員の採用、配置が行いやすくなるものと考えます。その点、御指摘のとおりでございます。
 同時に、一方の加配定数でございますが、これはただいまも御指摘ございましたように、その時代時代の教育課題に対応したきめ細かな定数措置が可能であるという点もございますので、この辺、地方公共団体の御意向もよく把握しながら、複雑困難化する学校の課題に対応するため、教職員定数全体の改善を行っていく必要があるという考え方で臨んでおります。
 このような中で、文部科学省といたしましては、御指摘の次世代の学校指導体制の在り方について副大臣座長による中間まとめが出たところでございまして、基礎定数と加配定数の性質に応じた措置の在り方を検討していく必要があるとされておりますので、地方公共団体の御意見も伺いながら丁寧に対応してまいりたいというふうに考えます。
○石井正弘君 ありがとうございました。
 この項、最後の質問になりますが、先ほど来お話が出ております、義家副大臣が今回、次世代の学校指導体制の在り方について中間取りまとめを発表されました。タスクフォース、このチームリーダーとしての副大臣の思いと、今後、最終まとめに向けましてどのような方針で取り組むのか、お考えを示していただきたいと思います。
○副大臣(義家弘介君) 現在、世界はかつてないスピードで変化しているというふうに認識しております。例えば、二〇〇〇年に入ってからこれほどまでにスマホが子供たちに普及するとは誰も思わなかった。さらに、調査結果によれば、十年から二十年先には、人工知能、AIが現在の職業の四割を代替してしまうという激動の時代の中で、どのような体制で次世代を担っていく子供たちをつくり上げていくのかということを議論してきました。
 御指摘の義務標準法、あれができたときは、大幅に増えている子供たちにどう対応するのか、つまり数への対応の法律としてでき上がりました。具体的には、四十人で切って、その四十人が増えれば先生も増えると。
 しかし、現在、我々は、質に対してどう担保していくかという教育に大幅に転換しなければならないというふうに考えておりまして、例えば小学校において外国語活動の専科指導は六・二%しかいないわけですね。これは言ってみれば免許外教科指導をしていると言っても過言ではないわけでありまして、きちっと質を担保できる先生たちを安定的に輩出するために何を行っていくのか。これは最終取りまとめに向けて、忌憚のない議論を展開した上でしっかりと取りまとめを行ってまいりたいと思っております。
○石井正弘君 御答弁ありがとうございました。最終取りまとめに向けましていい答申を出していただくように御期待をいたしたいと思います。
 それでは、最後の質問ですが、ふるさと納税について質問させていただきたいと思います。
 平成二十六年度のふるさと納税の受入額は、見ておりますと、前年度までの緩やかな推移から一転して、前年対比二・五倍以上となったと、このようにデータが出ているわけでございますが、翌年の制度改正がありまして、更にこの伸び率は広がっているということで現在に至っているわけでありますが、一方で、同時に、いわゆる返礼品の競争というものも問題となってきたと承知しているわけでございます。
 平成二十六年度には全国で十三万人以上が百四十一億円の寄附を行ったということでありますけれども、返礼品につきましてこの間の報道を見ると、そのリストがカニ、高級イチゴ、焼き菓子などとなっておりまして、これを見たマスコミは、これはまるで通信販売のカタログではないかと、このような報道となっておりましたし、また別の報道を見ておりましても、ふるさと納税の寄附額とそれから当該自治体の地方税収を比較したところ、全国の十町村が地方税収を超えておる、しかもその倍率は、最も高かったところは四・九三倍、次は二・四四倍、非常にふるさと納税に依存するといいましょうか、非常にこれが増えてきているという、そういう市町村もあるようでございますが、本来、寄附額というものは住民サービスの向上に充てられるべきものであると思うんですね。
 財源は、寄附額、例えばその具体的なものを見ておりますと、七割が三大都市圏の住民の皆さんから出ているということなんでありますけれども、そういった大都市の自治体から見ますと、その寄附された金額、これが税収から減るわけでございますけれども、待機児童の問題とか高齢者の介護とか、いろいろ大都市特有の様々な財源が、充てられるべき財源が失われているということでありまして、ふるさとの自治体の活性化にそのままつながっているということであればまだしも、その半分以上が返礼品の方に使われているということであれば、そういう都市部の住民の方々からするといろいろ問題意識を持ってくるというのもやむを得ないと思うんですね。総務大臣名で四月一日に通知も出たようでございますが、ますますしかし競争が過熱しているようでございます。
 非常に多くの自治体はこの激化を受けて対応に苦慮しているというのが状況で、昨日の新聞を見ておりましても、これは全国紙でございますけれども愛知県の大村知事さんの方のコメントも出ておりまして、大臣の呼びかけ、これ自体は分かるんですけれども、これだけでは余り効果がないと。例えば返礼品の規模は納税額の一割までにするなど、きちんとした制度を設計して根本的な解決をと、このような意見を述べられているところでございます。
 大都市と地方部との税源の偏在是正、これは今回の地方法人特別税制度などで対応するのが本来の筋ではないかと思うんですが、一方で、今回地震で被災された熊本等自治体にふるさと納税の制度を使った寄附金が感謝されている、もちろんこれは返礼品なしでありますけれども、こういった報道もございました。是非とも過熱化する返礼品競争となっている状況を改めて、本来のふるさと納税の趣旨に合致するような具体的な指導方針、こういったものを打ち出すべきではないかと。
 非常に、私も当時知事として、この制度が始まって苦慮したんですね。どんどん地元の産品を使って、たくさんもらいたい気持ちもあるんですけれども、しかし、そこはまた一定の限度があるんじゃないかという両方の考えの中で、はざまの中でいろいろ議会とも議論してまいりました。非常に各自治体は苦慮されていると思いますので、大臣の御見解を是非お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(高市早苗君) まずは冒頭に、委員もおっしゃっていただきましたとおり、今般の熊本地震の被災地に対しましてこのふるさと納税の仕組みを活用していただき、そしてまた、返礼品辞退という形でも温かい御支援をお寄せいただいている多くの方々に感謝を申し上げ、また昨年は常総市に対しても大変な御支援をいただきまして、それは大変有り難いことだと思っております。
 そもそも、返礼品の送付というものはふるさと納税の仕組みに組み込まれているものではございません。税制上の措置とは別に、各地方団体が自らの判断によって行っておられるものでございます。したがって、その見直しにつきましても、そもそもは地方団体の主体的な御判断によって対応いただくことが重要なんだろうと思っております。
 地方団体に対しましては、これまでも良識ある対応をお願いしております。昨年に引き続きまして先月にも通知を発出いたしましたけれども、昨年より少し詳しく書かせていただきました。金銭類似性の高いもの及び資産性の高いものについて返礼品としないようにという明確な記述をいたしました。この通知を踏まえて、是非とも各地方団体におかれましては制度の趣旨に沿った対応を行っていただくということで、ふるさと納税の一層の活用と健全な発展が図られることを期待しています。
 石井委員がおっしゃった昨日の新聞の記事、私も両論書かれておりましたものを拝読いたしました。いろんな地方の様々な自慢の産品が全国にアピールされるということで、また地場産業の育成や、それから、じゃ地元に行って食べてみよう、体験してみようということで観光客の増加などにもつながる、さらには移住にもつながるような、そういった取組が行われて、また、せっかくの税収でございますので、それを過剰に返礼品の購入に使ってしまうのではなくて、やはり地域の発展のために、また移住してこられる方々の環境整備のためにそういう使い方をしていただければ大変うれしいなと考えております。
○石井正弘君 御答弁ありがとうございました。
 おっしゃるとおり、地元ではいろんな議論が出ているようでございまして、大臣の通達によって、今日の報道では、ゴルフバッグを返礼品というのをもう自粛するように決めたという報道もありました。一定の効果が出ているようでございますが、引き続き総務省としての御指導を是非お願いいたしたいというふうに思うわけでございます。
 それで、これに関連して、企業版のふるさと納税でありますけれども、この制度の趣旨自体は結構だと思うんですけれども、企業は利益追求というものが使命であります。自治体と企業の不正の温床となるということは防がなければいけないと思います。いろんな様々な見返りというものも考えられるわけでありますが、こういった不正を防止するためにどのような対応を取られる予定なのか、内閣府の見解を求めたいと思います。
○政府参考人(末宗徹郎君) お答えいたします。
 寄附の代償としての経済的な利益の供与につきましては、これは地域再生法の一部改正法案の附帯決議におきまして、「寄附を受ける地方公共団体と寄附を行う企業の癒着につながらないよう内閣府令で実効性を担保するなど、その制度設計に当たっては十分留意すること。」と盛り込まれておりまして、適切に対応する必要があると考えております。
 具体的には、法令におきまして、地方公共団体が法人に対し、寄附を行うことの代償として経済的な利益を供与することを禁止することといたしました。これを受けまして、地方公共団体に対しましては、地域再生基本方針等におきまして、禁止される具体的な例、例えば、寄附の代償として補助金を交付すること、他の法人に対する金利よりも低い金利で貸付金を貸し付けること、入札及び許認可において便宜の供与を行うことといった具体例も示しながら制度の周知をしているところでございまして、こういった点も含めて企業版ふるさと納税の適切な運用に努めてまいりたいと考えております。
○石井正弘君 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○井原巧君 お世話になります。愛媛の、参議院の井原でございます。
 今日は決算委員会の准総括ということなので、まず最初は財政についてお伺いをしていきたいというふうに思います。
 経済成長のためには、いつも麻生財務大臣もおっしゃっていますけれども、経済成長には、個人消費が伸びて企業の投資が増えて、雇用とそして所得が増えてまた個人消費に戻っていく、このサイクルが非常に重要だというふうにお伺いしていますけれども、同時に、財政の果たす役割というのはその中で非常に重要な役割を占めているというふうに私は思っておりまして、やっぱり自然に景気というのは上がるときには過熱ぎみになりますから、オーバーヒートを防ぐために冷やすというか、ある程度安定させるという役割も財政は持っていますし、今度は景気が冷え込んだらそれを下支えをする役割もありますから、健全財政というのは経済成長にとっても非常に重要であると、そういう認識の中で質問を進めてまいりたいというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 一つ目は、プライマリーバランスの黒字化についてでありますけれども、二十七年度までに赤字の対GDP比を、プライマリーバランスは半減する、これはほぼ達成できるということでありますけれども、三十二年度までに黒字化するという目標を出しております。
 二十八年一月に内閣府が公表した中長期的な経済財政に関する試算では、二十七年度における半減は達成できるけれども、三十二年度は予定どおり消費税が引き上げられたとしても一・一%、約六・五兆円程度の赤字が見込まれているということでございます。
 プライマリーバランスの均衡が取れるということは、政策的な経費が税収などの収入で補えたということになるわけでありますので、要は、収入と出るものが一緒になると債務はそのままで、金利分は債務が増えていくということになりますが、理屈からいうと、経済成長と利息の利率が同じだったら対GDP比の国の借金は増えないと。それがプライマリーバランスの均衡が取れたという理屈でありますから、私に言わせると、プライマリーバランスの均衡が取れてまず再建のスタートに立ったというか、借金が増えることが止まったということですから、本当の健全化というのは、それから先にプライマリーバランスがもっと前に進んで借金が減らすことができてこそ実は健全化と言えるので、今はまさに再建の過程なので、できたら健全化のスタートラインに立つところまでは歯を食いしばってプライマリーバランスの均衡を取るように努力できたらなというふうに思います。
 全然話はそれますが、私なんかも地方にいたときに、地方は実はかなり厳しい。麻生総務大臣の頃だったかも分かりませんけれども、二十一年に地方もいろいろありました、夕張市の破綻とかですね。あのときは一般会計では余り悪いところが見えなくて、実は隠れ借金とかいろいろあったと。これじゃ地方も良くないじゃないかということで、地方公共団体の財政の健全化に関する法律というのが国の方で施行されまして、いろんなところでチェックされたんですね。
 一つは、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、あるいは将来負担比率、資金不足比率という、そういう健全化の目標を五項目、主には設けられて、一つでも黄色になると再生計画を出しなさい、赤色になるともう自由にお金は借りちゃ駄目ですよと、こういうふうにかなり厳しい目標設定されたんですけれども、振り返って見ると、あれがすごく結果的には良かったのかなと。
 それは、やっぱり歯を食いしばって地方も何とか健全化の道に進めたというのは、自分でなかなか枠は決められなかったけれども、あの政府が決められた健全化目標によって地方の健全化は一層進んだような、そんな気がするわけであります。
 そういう思いを込めながら、借金を減らせとまでは求めていない、プライマリーバランスの均衡でありますから、何とかそれは目標どおり達成してほしいというのが私の思いでありますけれども、そこでお伺いするわけですけれども、三十二年度の黒字化については諸説いろいろあって、別にプライマリーバランスが公約じゃないじゃないかというような声もありますけれども、これだけ論議をされていると半ば内外共に公約化していますから、達成できなかったときの国際信用力にも関わってくるという懸念を私は持っております。
 そこでお伺いいたしますけれども、プライマリーバランス目標達成に対する見通しと、そしてその決意について、大臣からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘ありましたように、毎年の予算は約三分の一以上の約三十兆円以上を借金ということに頼っております。社会保障関係費が全体約九十七兆円のうちの約三分の一を占めておりまして、これは毎年増加しているという状況にありますので、今後、少子高齢化というのが当分の間避け難い流れということになりますと、これは厳しい状況に引き続きあるということでありますので、財政健全化というためには、まずこの歳出の面と歳入の面と両方からやっていかねばならぬということだと思っております。
 おかげさまで、この三年間の間を見ますと、歳出が四十四兆円のものが三十四兆円まで減っておりまして、新規国債発行額を約十兆円減らせるというところまで来ております。したがいまして、平成二十七年度のプライマリーバランスの半減という基礎的財政収支の半減目標はこれによってほぼ達成できますので、残りもう十兆円ぐらいを減らさなければならぬということになるんだと思っておりますので、我々といたしましては、これは引き続き経済を成長させながら経済再生を取り組む。
 いわゆる縮小均衡だけでするということは、これは経済の規模を縮小させることになりますので、経済を成長させながらしていくということで、少なくともこの三年間で企業の経常収支は過去最高を記録しておりますし、税収も大幅に伸びてきておりますので、そういった意味ではその方向にあるんだと思っておりますので、今、社会保障の増加額、年間約一兆円と言われたものを、少なくともこの三年間は、約三年間で一兆五千億、したがって年割りで約五千億ということになりましょうか、そこぐらいまで減少させるということに御協力をいただいてできてきておりますので、この状況を引き続き継続をする。
 かつ、経済の成長は、我々としては、引き続き経済を成長させていくというようなことをきちんとやっていきますと、一応目安に沿って改革工程表というのを作っておりますので、これをもって今その目標を目指してやっておりますが、二〇二〇年度までの間の二〇一八年度までにその中間みたいなものを出すことにしておりますので、それで歳入歳出というものをよく見ました上できちんと対応させていただきますが、二〇二〇年度には、私どもとしてはこういったものをやっていきますと、今六・五兆円と内閣府で出しておる試算を、その赤字のバランスを詰めて、きちんとした、もうチャラのところまで持っていきたいということで、私どもとしては、その目標を立てて目下努力をしておるところでありまして、今年度の予算もそういった方向で編成させていただけていると思っております。
○井原巧君 ありがとうございました。
 その中で、入るを量るということに関してですけれども、来年四月一日に予定している消費税一〇%への引上げによる経済財政に係る懸念や、その対策について伺いたいと思います。
 政府は、経済・財政一体改革に取り組むと、こういうふうに打ち出しているわけでありますけれども、この決算委員会は、今年は平成二十六年度決算の審議をしておりまして、平成二十六年度はちょうど消費税が五パーから八パーに上がった年でもございました。
 その検証を踏まえながらお聞きしたいと思いますが、まず一般論として、消費税率の引上げが経済に与える影響はどのようなものであるのか、岡田副大臣にお伺いします。
○副大臣(岡田直樹君) お答えいたします。
 内閣府が公表しております年次経済財政報告、いわゆる経済財政白書によりますと、一般的に、消費税率の引上げによって、一つには、個人消費及び住宅投資について駆け込みの需要とその反動減があるほかに、また二つ目には、価格上昇がもたらす実質所得の減少によって個人消費が押し下げられる、このような影響があるものとされております。
○井原巧君 一般的にそういうことになるわけですけれども、一点目の駆け込み需要とその反動減というのは、実は波に例えたら、五メーターの波があったら五メーター下がる波があるので、これは長期的に見たらプラス・マイナス・ゼロというふうに言われておりまして、今お話しいただいた二点目の可処分所得、税が上がることによって可処分所得が減りますから、当然消費が落ち込むということになりますが、その分がやはり増税に対する悪影響ということになるというふうに言われております。
 そこでお伺いしたいと思いますけれども、平成二十六年四月の、先ほどお話し申し上げた消費税三%上がったときを振り返って、どれだけの駆け込みと反動減があったというふうに分析されているのか、また、可処分所得の減少によるいわゆる所得効果はいかほどあったのか、岡田副大臣にお伺いいたします。
○副大臣(岡田直樹君) 経済情勢につきましては、消費税の引上げだけではなくて様々な内外の要因が影響を与えているということを留意する必要もあると思いますけれども、先ほど申し上げました内閣府の年次経済財政報告二〇一四年、委員御指摘の平成二十六年四月の消費税率の引上げによりまして、一つには、駆け込み需要によって個人消費が三兆円程度、そして民間住宅投資が一兆円程度押し上げられた後に、反動減によって同規模が押し下げられたと、こういう影響のほかに、価格上昇がもたらす実質所得の減少によりまして個人消費が二兆円台半ば程度減少をしたと、このように試算されております。
○井原巧君 ということは、駆け込み需要で四兆円あって、四メーターの波の高さがあって、今度はぐっと四兆円プラス可処分所得の減少によって二兆円ということなので、四と六、差引き二兆円程度の経済に対する影響があったということであります。
 そこでお伺いしたいと思いますけれども、私は、中長期的な視点に立って現在の景気を考えたら非常に悩むところではあるんですけれども、やはり経済と財政が一体改革ということになれば、予定どおり消費税を引上げすると。そして、財政が傷まない、その体力を使って、あらかじめ予想される実施後の反動減という波の沈んだところですね、その沈んだところを何とか様々な機動的な対応を図って景気の落ち込みを防ぐような対策が必要だというふうに思っております、予定どおり引き上げられればですよ。その実施には、その時期に効果が現れるということを考えると、前年度、つまり今年度中にその施策を講じることを考えていなければ反動減対策はできないので、その辺の対策について、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘ありましたように、平成二十九年度四月の消費税の一〇%というものを引き上げるというのは、もうこれは導入されるときから、社会保障制度というものを次の世代に確実に引き渡していく責任とか、また、国家財政といたしましては極めて大きな借入金を抱えているということを考えますと、これをマーケットからの信頼とか、他国から、外国からの信頼というものを確保するためのものであって、これは必ず私どもとしてはきちんと実行させていただきたいと存じております。
 それに当たって、今、岡田副大臣の方から述べておられましたように、反動減に対する対策というものに関しましては、これは極めて重大な問題であって、やはり来年度のことを考えますと、四月ということになりますと、四月即予算が執行されるというわけにもなかなかいきませんので、前年度から、四月以降を考えますと、今年度、仮に補正を組むということになりますと、今お願いをしようと思っております熊本に関する補正予算は、取り急ぎ、今熊本は急いでおりますので熊本をさせていただいて、今、今年度の予算の前倒し執行を約八割ということにしておりますので、これまで八割実行したというのは、通常六割、多いときで七割ぐらいだと思いますが、八割実行したのは、麻生内閣のときのリーマン・ショックのときには補正予算を三回組んで八割の前倒しをやったと記憶しますが、それ以外にはありませんので、そういった意味では対策になっておりますが、それを八割を倒すということは、今年度後半からいろんな問題をまた十分に考えておかないかぬということになろうと思いますので。
 そういうことを考えますと、そのときにまた補正を組むことになるか、今からよく検討しておかねばなりませんけれども、そのときには、今委員御指摘になったものを、景気動向をよく見ながら、来年度四月分以降の分をある程度補正でも直ちに対応ができるというのであれば、地方議会のことを考えますと十二月等々までに一応のものができておく必要があろうかと思ったりしておりますので、こういったものを考えながら、どのような対応を行うかということにつきまして引き続き細目検討させていかねばならぬことだと思っておりますが、いわゆる反動減というものを、ゼロというわけにいきませんけれども、それに対応するものをしかるべく考えて、何をするかというのがまだ細目決まっているわけではございませんけれども、当然考えておかねばならぬことだと思っております。
○井原巧君 ありがとうございました。
 本当に四月一日からの反動減があり得ますから、私なんかは、やっぱり内部留保もまだみんな結構ありますから、企業の内部留保を誘引することとか、個人消費で、ちょうど麻生大臣が総理の頃にエコポイントとかああいう対策をしたんですけれども、財政出動、公共事業だけではなくて、そういうものを是非来年の四月一日に効果が発揮できるように、御検討をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 この後、財政について、予算編成過程についても質問を用意していたんですけれども、時間がなくなりましたので、実は予算編成過程においても、今回、今年は、二十八年度予算概算要求に当たっての基本的な方針ということで、かなりシーリングの中にも工夫は凝らしていただいております。新しい日本のための優先課題推進枠というのを設けながら実際はシーリングでしっかり財政をコントロールしているということで、非常に評価もしているんですけれども、今後も、財務省だけではなくて、全省庁がやっぱり同じような思いで財政の効率的な運営に取り組んでほしいということを要望して、財政の質問は終わりたいというふうに思います。ありがとうございました。
 次に、文科省について質問に入りたいと思いますが、今日の新聞でも、九日から十一日、熊本の学校も再開するということで、本当に子供たちが喜んでいるというふうに思っておりますし、先ほど石井先生からお話がありましたが、特に学校は教育の拠点でもあるし、そして今は、田舎の方は特に地域コミュニティーの拠点でもあるし、そして何より避難の拠点でもありますから、是非今後も学校施設整備等について、先般公明党の新妻先生が質問されていましたので重複は避けますけれども、大臣には御尽力いただきたいと、このように願っております。
 それでは、私の方からは、子ども・子育て支援と幼児教育の無償化について御質問を申し上げたいと思います。
 私も元々、自分の息子が私立の幼稚園に入園して、PTA会長に参画して以来、幼児教育に携わってきておりまして、その後、おかげで市長になりましたので、逆に、今度は私立じゃなくて公立幼稚園と、官民の保育行政に携わって今ではライフワークとしているのが幼児教育であり、子育て支援になっているということですし、国政に参画してからも幼児教育に関わらせていただきまして、光栄なことに、馳大臣が大臣になりましたから自民党の幼児教育振興法PTの事務局長をその後任で務めさせていただいておりますので、何とか早期にその法案が日の目を見ればというふうに願っております。
 幼児教育、幼稚園をめぐっては、近年、大きく環境が変わってまいりました。皆さん御案内のとおり、昨年の四月から子ども・子育て支援の新制度がスタートいたしました。一人一人の子供の健やかな成長を支援するため、幼稚園、保育所そして認定こども園を通じた給付を創設して、消費税による財源から〇・七兆円を充てることとされたわけでありますけれども、更なる質の向上のためには、消費税とは別にどうしても〇・三兆円超の財源の確保が必要となっているという現状です。
 子供を持つ現役世代が安心して子育てができるように、また、幼児期の教育の質を向上させるためにもこの〇・三兆円の確保は是が非でも必要であろうと思っておりますし、また、自民党では従来より、全ての子供に幼児教育の機会を保障するため、幼児教育無償化の実現を公約に掲げているところであります。
 特に、安倍政権になってからはその取組を精力的に進められておりまして、有り難いことに、幼稚園就園奨励費ベースでも平成二十四年度約二百十六億円の予算が二十七年度では四百億円を超え、今年度は更に増えているという現状であります。全ての子供の無償化の実現には約七千億円余りの財源が必要でありますが、家庭の経済状況にかかわらず、質の高い教育を全ての子供に保障するため、いかに財源を確保しながら推進していくのかが鍵ということであります。
 そこでお伺いいたしますけれども、子ども・子育て支援の質の向上に〇・三兆円超が必要であります。幼児教育の無償化も、これも七千億が必要と。共に大きな財源でありますけれども、これらについて、どのように確保しながら進めていかれようと思っているのか、馳大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(馳浩君) 井原委員におかれましては、幼児教育振興法のプロジェクトチーム事務局長、私の後に引き継いでいただきました。国策として幼児教育を振興していくべきだという高い理想の下に、立法についてまた是非とも御検討をお願いしたいと思います。
 そこで、予算についてですが、平成二十七、二十八年度の当初予算においては、消費税率が据え置かれる中にあっても、保育士などの受皿拡大に対応した〇・七兆円ベースの必要額をしっかりと確保したところであります。御指摘のありました更なる質の向上を実施するための〇・三兆円超の財源確保については、各年度の予算編成過程において引き続き検討していくこととなっております。
 また、幼児教育無償化については、家庭の経済状況に左右されることなく、全ての子供に質の高い幼児教育を受ける機会を保障する観点から重要な取組と考えておりまして、これまで数次にわたり財源を確保しながら段階的に取組を進めてきたところです。
 更なる質の向上のための財源確保と幼児教育の段階的無償化の実現についてはいずれも重要な取組でありまして、それぞれの趣旨、目的にのっとって両者の実現を目指していく必要があります。文科省としても、関係府省と連携しつつ、必要な財源を確保しながら取り組んでまいります。
○井原巧君 ありがとうございました。本当は麻生大臣に質問したかったんですけれども、是非、財源等についても御配慮よろしくお願い申し上げたいと思います。
 次に、これは社会問題になっています待機児童の問題についてでありますけれども、幼稚園も同じく子供を預かっていますから、幼稚園がどうやってこの待機児童問題についてその役割を果たしていくか、積極的に取り組んでいかなければならないというふうに思っておりますが、大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(馳浩君) 実は文科省も、厚労省、内閣府と連名で各都道府県に対しまして通知を発出いたしました。内容を二点申し上げます。
 まず、ゼロ歳児から二歳児については、一時預かり事業の定期利用を可能とするとともに、幼稚園における長時間預かり保育運営費支援事業及び小規模保育事業について実施要件を柔軟化することとしております。もう一点は、就労家庭の三歳児等については、一時預かり事業、これ幼稚園型でありますが、長時間の預かりを行った場合の加算を増額することと示しております。
 引き続き、幼稚園において待機児童の受入れが円滑に行われるように、関係自治体また事業者に、周知また助言などに努めてまいりたいと思います。
○井原巧君 この問題、大変重要な問題でございますので、また幼児教育、幼稚園としても、文科省としても、本当に積極的にお取り組みいただきますように引き続きのお願いを申し上げたいと思います。
 続いて、奨学金の制度についてお伺いいたします。
 今、社会問題となっているのは、我が日本が、子供の相対的貧困率が近年増加傾向にあるということでありますし、また、不景気、デフレの影響もあると思いますけれども、ここ数年、平均給与が減少傾向となって、学生生活費における家庭からの給付も実は減少しているというのが現状であります。お金がないから進学したくてもできない、奨学金を借りても返済に自信がないから結局諦めるというような話もよく聞くわけでありますが、しかし、教育は最も重要な未来への投資でありまして、我が国の発展に欠かすことはできないものであります。
 そこで、奨学金制度の充実についてお伺いいたしますが、日本学生支援機構が行っている奨学金制度はその規模も大きく、学生等の約四割が利用されているそうでありますけれども、海外留学等を除けば無利子、有利子の貸与型、給付型じゃなくて貸与型になっていると。
 現状を受けまして、去る三月三十一日に所得連動返還型奨学金制度有識者会議というのが行われて、「新たな所得連動返還型奨学金制度の創設について」が発表されて、返済についても過度の負担にならないようにという提言もされたところでありますけれども、また同時に、無利子の貸与型の拡充も重要であるというふうには思います。
 総理も三月二十九日の会見で、児童養護施設出身者を対象とした給付型支援を行うことを表明され、また無利子貸与の拡充にも触れておられますけれども、またあわせて、自民党でも一億総活躍プランには給付型奨学金制度の創設を盛り込むべきとの提言を行ったところであります。
 文科省では既に奨学金制度の充実について会議を立ち上げたと聞き及んでおりますけれども、給付型制度の導入、そしてその支援対象の拡大が必要と考えますけれども、大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(馳浩君) 給付型奨学金の制度の導入については、重要性を認識しております。
 やはり、四ポイントはしっかりと議論が必要でありまして、同世代での税の負担と分配の公平性という観点、財源の確保、対象者の選定、給付の在り方。やっぱり制度設計する以上は、そして恒久政策には恒久財源を準備をするという政府としての責任がございますので、こういう観点において、給付型奨学金制度が創設できないものかと検討をしておりますし、今、義家副大臣の下でプロジェクトチームで議論をしていただいているところでもあります。
 また、与党、自由民主党や公明党からも具体的な案をいただいておりますので、これは財務省ともコミュニケーションをしっかり取りながら検討を進めてまいりたいと思います。
○井原巧君 ありがとうございました。
 質問と思ったのですが、要望というか提言をしたいと思いますが、この日本学生支援機構は政府関係の機構でありますけれども、地方にはいっぱい奨学金の会があります。奨学会があります。私も実は三つの奨学会に携わっておりまして、そのうちの一つは給付型の奨学会であります。
 実は、恐らく我が国、全国には民間の奨学会がもう本当に数多くあるというふうに思っておりますし、その基金の総額は莫大な金額になるというふうに思っておりますから、これら民間団体との連携とか、民間団体同士の情報交換とか、あるいは制度支援による民間団体の更なる活性化、育成化等について取り組むことが、実は給付型の奨学金の制度を実質上は拡充することにもつながると思いますので、今後、民間との連携をよろしくお願い申し上げて、これは要望にさせていただきたいというふうに思います。
 続きまして、お待たせいたしました、警察庁にお伺いしたいんですけれども、テロ対策についてどうしてもお聞きしなければなりません。
 いよいよ五月二十六日、二十七日の両日開かれるサミット、伊勢志摩サミットの開催があと半月後に迫ってまいったということでありまして、世界のトップが集まるし、八年ぶりにアジアで開催されるサミットということを踏まえて、G7以外からも、アジアからラオス、ベトナム、インドネシア、バングラデシュ、スリランカ、パプアニューギニアの首脳、また、サミットの成果をTICADにつなげるべくアフリカ連合の議長国であるチャドの首脳、加えて、国際機関からOECDやADB、IMF、そして世界銀行の長を招待してアウトリーチ会合が開かれると。まさに世界のトップが我が日本に集まるということでありますが、懸念されるのは、同時に、世界が注目する会議だけにテロに対する懸念を感じるわけであります。
 また、引き続き、今後もラグビーのワールドカップとか東京オリンピック・パラリンピック等、続いて世界が注目するイベントがありますが、この三月にはベルギー・ブリュッセルにおいて御案内のとおり大変痛ましいテロの事件が発生して、その恐怖はまだまだ我々の記憶に新しいところですが、現在の国際テロの情勢と我が国に対するテロの脅威をどのように認識されているのか、お伺いいたします。
○国務大臣(河野太郎君) いよいよサミットも半月後に迫ってまいりました。
 昨年十一月にはフランスのパリで同時多発的なテロがございましたし、今年の一月にはインドネシアで爆弾テロ、三月にはブリュッセルのテロというふうに立て続けに国際的なテロ事件が起きているところでございます。昨年、シリア、チュニジアで邦人がテロの対象になるという痛ましい事件が起きましたし、ISILあるいはアルカイダは我が国あるいは邦人もテロの標的であるというふうに繰り返し述べているところでございますので、いよいよテロの脅威というのは高まっているというふうに認識をしているところでございます。
 また、このISILはインターネットを極めて巧妙にリクルートあるいは広報に使っておりますが、それだけの技術を持っている組織でございますから、いつこれがサイバーテロに転じないとも限らないわけでございます。物理的なリアルな世界のテロであれば、日本というのは少し距離もあるということかもしれませんが、サイバーテロになれば距離の違いというのは関係なくなり、一番弱いところが狙われるということになりますので、警察としては非常な緊張感を持って、テロの脅威がまさにそこにある、それをどう防いでいくか、サミットに向け、あるいはその後の東京オリンピックに向け、しっかり対応してまいりたいと思っております。
○井原巧君 ありがとうございます。
 大変、本当に重要な、日本の威信を懸けることになりますので、また大臣の方からも御提案いただいて、我々も国会として全力で応援したいというふうに思います。
 次に、法務省にお伺いいたしますが、入国審査の、同時に、水際対策が何より重要で、入ってからではなかなか難しいところがあります。
 そこで、水際対策としてしっかり不審者を入国させない取組をしてほしいというふうに思っておりますし、個人識別情報を活用した入国審査の厳格化を図ったり、昨年の一月一日からは、お聞きすると、航空会社に対してPNR、乗客予約記録というんですか、の報告を求めることができる制度を導入したり、取り組んでいるようでありますけれども、今後、水際対策として更に強化すべきと考えますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(井上宏君) 法務省の水際対策についてお尋ねがございましたので、御説明いたします。
 法務省の入国管理局におきましては、テロリストや犯罪者等、要注意人物の入国を確実に阻止するため、これまでも我が国に入国しようとする外国人に対して指紋及び顔写真の提供を義務付けまして、これらの個人識別情報を活用した入国審査を実施しておるほか、国際刑事警察機構、ICPOでございますが、構築している紛失・盗難旅券データベースを活用するなど、入国審査の強化に向けて様々な施策を講じてきたところでございます。
 最近では、これらの施策における情報の重要性を特に意識いたしまして、昨年十月に出入国管理インテリジェンス・センターを設立いたしまして、テロ関係者等に係る情報収集や分析を推進してございます。
 具体的に一つ申し上げますと、委員からも御指摘ございました乗客予約記録、これは航空券の購入状況など様々な情報を含む情報群でございます。これを本年一月以降、航空会社から電子的に取得できるようにしてございまして、その大量の情報を分析いたしまして、テロ関係者を含みます出入国管理上のハイリスク者の類型化を進めて入国審査に活用しておるところでございます。
 今後のことでございますが、これらの施策の徹底をすることは当然でございますけれども、個人識別情報を活用した入国審査におきまして、顔画像の照合機能の活用を強化していくということを本年中に実施するほか、警察等関係機関との間におきまして要注意人物に関する情報連携を一層強化するなどいたしまして、水際対策に遺漏のないように努めてまいる所存でございます。
○井原巧君 ありがとうございます。
 もうあと時間が一分ということになったので、河野大臣に消費者行政についての意気込みだけお聞きしたいと思いますけれども、実際、消費者庁は平成二十一年九月にできましたから、約七年ですね、それはやっぱり横断的な統一的な消費者目線での省庁ということでできたんですけれども、当然、最初は寄り合い世帯だから、市町村の合併と一緒で結構職員も苦労したというふうに思うんです。
 そこでお伺い、最後にいたしますけれども、振り返ってみて、発足後の活動について、この七年間の活動についてどのように評価されて、その充実改善に向けた取組をどのように行いたいと思っているのか。私は、徳島の移転はそんなにこだわっていなくて、この機能がしっかり司令塔として役割を果たせれば、それはどこででも私はいいと思うんですけれども、まず、大事なことは今後のその体制についてどう考えているかということだろうと思いますが、その決意というか、取り組んでいく方針についてお伺いいたします。
○国務大臣(河野太郎君) 我が国の経済の六割は個人消費でございますから、個人が安心して消費できるという環境をつくり出すというのは日本経済の先行きにも極めて大事だと思っております。
 消費者庁は、省庁の縦割りを排して、こうした消費者行政の司令塔となるべくつくられました。委員おっしゃるように、当初は寄り合い世帯というところもございましたが、今やプロパー職員も四十一名を数えるようになってまいりましたので、高齢化あるいはインターネットの進展、国際化、様々環境が変わる中で、消費者庁というのが常に牙をむいて必要ならそれをいつでも使う、そういう用意のある役所としてしっかり育ててまいりたいというふうに思っております。
 北海道から沖縄まで全ての日本人が消費者でございますので、おっしゃるように消費者庁がどこにあるかというのではなくて、どういう機能を果たしていくのか、それが大事なことだと思っております。日本経済の未来を担う消費者庁と思ってしっかり頑張ってまいります。
○井原巧君 どうもありがとうございました。質問を終わります。
○中泉松司君 自由民主党の秋田県選出、中泉松司でございます。
 決算委員会で質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。連休明け最初の国会ということでありまして、高木大臣そして馳大臣にはお時間をつくっていただきまして、誠にありがとうございます。
 これまでたくさんの質問がありまして、私、総括前の最後の質問ということでありますので、何を聞くかということで悩んだんですけれども、個人的な思い入れの強いものに関して、自分の経験も踏まえながら質問をさせていただければと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 まず初めに、通告上は文科省の方になっているんですけれども、東日本大震災からの復興に関して、先に、順番を変えて質問をさせていただければと思っております。
 その前に、熊本の地震が今なお被害をもたらしております。被災地には本当にお見舞いを申し上げたいと思っておりますけれども、過去の震災を教訓にして様々取組を進めていただければと思っております。東日本大震災は、とりわけ津波被害が大きい震災でありましたので、教訓になる部分、ならない部分あるかと思いますけれども、そういったところを踏まえて是非とも一日も早い復旧復興に向けて頑張っていただきたいと思っております。
 東日本大震災が発災したときに、私はたまたま秋田県議会議員をやっておりましたけれども、本会議、いわゆる会期が終わる本会議をやっている最中でありました。大きい揺れが来て、停電が起こって、状況が分からないというのが隣県秋田県の状況でありましたけれども、本会議を閉じることができないで、ろうそくを持ってきて、知事が本会議を閉じて、それで何とか会期が終わったということで、終わってからも、信号も付いていませんでしたし、もちろんテレビも見ることができませんでしたので、何が起こっているのか分からないというような状況にありました。
 ただ、その後、秋田県を通して様々な物資が被災県に運ばれたり、また県外に避難される方々を受け入れたり、そういったところで隣県として、東北の仲間として関わってきたという経緯があります。
 まず、大震災の復興についてでありますけれども、初めに、本院からの検査要請に基づいて会計検査院が復興事業の実施状況を検査し、その結果が平成二十八年四月六日に報告されています。
 その中で、青森、岩手、宮城、福島、そして茨城、千葉の沿岸六県二十八市町村で実施されている防潮堤等の整備計画五百十二事業のうち二十六年度末で完成したのは五十二事業ということで、一〇・一%の進捗率ということになっております。
 津波防災に係る復旧復興に関しては、被災しても人命が失われないようにすることが大前提だという考え方の下で防潮堤の整備等を着実に実施していくことが必要だという声もありますし、一方で、巨大な建設費を掛けて建設することに異議を唱えたり、また景観が失われるといった声もあります。そういった中で、この一〇・一%の進捗率となっておりますけれども、今後どのようにこれらの整備を進めていかれるおつもりか、伺います。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 防潮堤の整備の進捗率でございますが、平成二十八年一月末時点でございますが、被災六県の海岸六百七十七か所のうち五百十四か所の七六%で着工しておりまして、このうち完成は百二十六か所の一九%となっておるところでございます。
 整備に時間を要しております背景といたしましては、背後の町づくり計画等との調整、あるいは地元住民の方との合意形成を進める上で必要な丁寧な説明を実施するため時間を要していると、このように聞いているところでございます。この整備を着実に進めるためには、関係省庁と連携しまして、海岸管理者からの相談に丁寧に応じ、課題のある箇所については適切な事業管理を行うよう助言しているところでございます。
 被災六県からは平成三十二年度をめどに全ての海岸で防潮堤の完成を目指すというふうに聞いておりまして、引き続き、合意が得られた地域につきましては速やかに復旧復興が進むよう最大限の支援を行ってまいりたいと、このように考えているところでございます。
○中泉松司君 先ほど申し上げたように、様々な意見がある中での事業だと思いますので、是非、丁寧な説明をした上で、地元との合意形成を図りながら着実に、そして迅速に進めていただければというふうに思っております。
 また、先ほど申し上げました沿岸六県三十三市町村のうち平成二十六年度末時点で津波避難計画を策定していなかった市町は十四市町、四二%に上っております。津波による浸水域や避難場所をまとめた津波ハザードマップを策定していない市町も七市町、二〇%程度でありますけれども、あったというふうに言われております。まだ計画やハザードマップを策定されていない市町に対して、今後、どのように支援をされていくおつもりか、お伺いいたします。
○政府参考人(西藤公司君) お答え申し上げます。
 津波に対しましては、地方公共団体の取組と併せて、住民一人一人の主体的、率先的な避難行動が重要でございます。消防庁では、東日本大震災の教訓や知見を踏まえまして、津波避難の取組の参考とするために、平成十四年に策定した津波避難対策推進マニュアル、これを平成二十五年三月に改訂し、地方公共団体に対し緊急避難場所や避難路等の指定、あるいは初動体制や情報収集、伝達体制の整備など、こうした津波避難対策について計画に定めるとともに、その取組の推進を図ってきたところでございます。
 また、適切な避難行動が行えるようにするため、十一月五日の津波防災の日には、全国地方公共団体に呼びかけまして、実際に住民の方々が参加して行う緊急地震速報を活用した避難訓練を気象庁等と連携して実施もしております。
 あわせて、地方公共団体が行います避難階段や津波避難タワーなどの整備、あるいは津波浸水想定区域内からの公共施設等の移転などにつきましては、地方財政措置による財政支援も行っております。
 今後とも、こうした取組によりまして、関係省庁とも連携しながら、地方公共団体における津波避難対策が進むよう支援してまいりたいと考えております。
○政府参考人(金尾健司君) 津波ハザードマップについてお答えを申し上げます。
 津波ハザードマップは、住民の方々に迅速、的確な避難行動を取っていただくために重要な役割を持っております。被災した沿岸六県の自治体は、津波に対する防災意識が高く、東日本大震災以前より津波ハザードマップの作成に取り組まれております。国土交通省がこれら六県の沿岸にある全ての九十六市町村について行った平成二十七年三月末現在の調査結果では、八十二市町村、八五%で津波ハザードマップが作成されております。
 国土交通省では、自治体による津波ハザードマップの作成に対して防災・安全交付金による財政的支援を行うとともに、ハザードマップ作成マニュアルの整備等による技術的支援を実施してきております。引き続き、自治体による津波ハザードマップの作成の支援に努めてまいります。
○中泉松司君 是非頑張っていただきたいというふうに思います。
 こういったいわゆる防災計画であるとかハザードマップを作るという上では、例えば危険箇所の設定等々で調査も必要だということもいろいろあります。そういった手間もあるんですけれども、例えば秋田県でも、平成二十五年夏に、観光地の田沢湖という地域があるんですけれども、そこで土砂災害が起きて六名の方が命を落とされました。局地的、局時的なゲリラ豪雨で命を失われたのでありますけれども、その後、土砂災害の危険箇所を考えるといったときに、やっぱりなかなか進んでいないというのが実情だったということが浮き彫りになりました。
 全国的に見てみますと、大体、どうしてもこういうのは、事前にそういうのが策定できれば一番いいんでしょうけれども、何かが起こった後にやらなければいけないということでやっているところがたくさんあります。そういった意味では、今回は起こってしまったわけでありますので、それを教訓にしながらきちんとした対策を考えていくという上では、是非とも、順調に進んでいるとは思いますけれども、これからもきちんと進めていただければと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 次に、地震に対していわゆる県外に避難をされている方々というのがたくさん今もなおいらっしゃいます。今回の熊本地震でも十万人を優に超える方が一時避難をされていましたけれども、東日本大震災の場合は、いっとき、ピーク時で四十七万人の方々が県内外に避難をされていると。現在でも十七万人ぐらいの方々が県内外に避難をされているという実情があります。
 秋田県でも、ピーク時には二千五百名を超える方が秋田県内に被災三県を中心に避難をされ、現在でも八百二名の方々が秋田県内に暮らしていらっしゃいます。これは、ピークよりは大分減ったということになるんですけれども、減った方々がそのままふるさとに帰れたかというと、そういうわけではないようでありまして、一人一人様々生活に応じていろいろな決断をされているのだと思いますけれども、結婚やそして就職、住宅取得といった、そういったものを契機に避難者としての扱いを解除する、登録を解除するといったことをして、いわゆる一時的だろうが将来的だろうが、秋田県、例えばその避難先に住むという決断をされているという方々もいらっしゃいます。これはくくりが、線引きが難しいものですから、将来的に帰ろうと思っている方々を避難者としてこれからも扱うかどうか、また、住むと言ったけれども、いずれふるさとに戻りたいという方々を避難者と認めないのかどうかといったところは様々あると思いますけれども、少なからずそういった決断をされて、いわゆるふるさとじゃないところに住まれているという方もいらっしゃいます。
 そういった状況に今あるんですけれども、例えば、避難者の方々に対しては、避難者用の民間住宅借り上げ事業等々が被災県の自治体を中心にやっておられると思いますけれども、そういった県外避難者に対する今までの取組の効果と今後の課題といったものがあれば教えていただきたいと思います。
○政府参考人(中村裕一郎君) お答えいたします。
 まず、私の方からは取組状況ということでお答えを申し上げたいと存じます。
 東日本大震災におきまして、今御指摘のありました民間賃貸住宅を活用いたしました応急仮設住宅につきましては、ピーク時、平成二十四年三月三十日の時点で六万八千六百十六戸を提供しております。また、直近のデータといたしまして、二十八年三月一日現在で二万九千七百十五戸提供しておりまして、このうち岩手、宮城、福島の被災三県以外で五千百五十七戸提供していると、こういったような今までの状況でございます。
○中泉松司君 今、取組についてお話をいただきましたけれども、被災者用の民間住宅借り上げ事業というものがありまして、それでいくと、それぞれの県で避難先の県に対して支援をしているということがあります。これが、それぞれの県の判断なんでしょうけれども、大体今年度いっぱいで終わるといったような話もありまして、そうなると、これから先、今まで支援を受けながら住んでいたところに自腹を切ってでも住み続けるのか、それともほかの選択をするのかという、いわゆるターニングポイントになるんだろうというふうに思っています。
 そういった中にあって、やはり避難者の方々の中には、先ほど申し上げたように、避難せざるを得なくてして来たけれども、人生の上で決断をしなければいけなくて、様々な思いを持ちながらそれぞれの避難先に住まれているという状況が今も続いているというふうに思います。
 そういった方々、例えば避難者として登録されている方々には様々な直接的な支援というものが、だんだん薄れてきているとはいえ続いているんだというふうに思いますけれども、これからも、どこに住まれていようが将来的にふるさとに帰りたいという思いを持たれている方々にはしっかりとした支援をする、そのためにはやっぱり把握をしていかなければいけないんだというふうに思っております。
 避難者支援について、五年という年月がたっている中で様々な選択、決断をしながら生きてこられた方々の生活実態の把握とそして今後の支援について、どのようなお考えをしているか、伺いたいと思います。
○国務大臣(高木毅君) 被災地におきましては、長期の避難生活を余儀なくされている方々の心身のケア、あるいはまた被災者の方々のコミュニティー形成、あるいは暮らしの再建を後押ししていくということが重要なステージになってきていると考えております。
 これは県外に避難をされている方々に対しても同様であるというふうに考えておりまして、こうした復興の進展に伴う課題に対応するため、被災者支援総合交付金、平成二十八年度大幅に拡充をさせていただきました。一体的で効果的な支援を行うこととしているところでございます。
 具体的には、見守り、相談支援の実施、被災者の方々の移転に伴うコミュニティー形成や既存のコミュニティーとの融合などへの支援、あるいは住まいや生活再建の見通しが立たない方々への相談支援体制の強化、また被災者の生きがいづくりのための心の復興、また県外避難者への相談支援やあるいは情報提供の取組などを進めていく考えでございます。
 被災から五年を経ることとなる中、被災自治体や避難者の受入れ自治体と協力し、被災者の方々の心のケアあるいは暮らしの再建に対して、それぞれのステージに応じた切れ目ない支援を引き続き行ってまいりたいと考えております。
○中泉松司君 是非、被災県に暮らす方々はもちろんでありますけれども、県外に出られて生活をされている方々に対してもしっかりと配慮をしていただきたいというふうに思います。
 今は五年という年月がたちましたけれども、早い段階では子供たちに対するケアであったりといった様々な取組というものを被災県と連携をしながら間接的に各自治体が行っていたという実績もありますが、なかなかそういった認識が薄れてきているのではないかなというふうに最近感じております。感じておるんですけれども、八百名を超える方が秋田県でも暮らしていると。大体七割方は福島から来ている方々ということになっているんですけれども、そういった方々を決して忘れることなく、是非とも取組を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 次に、いじめ対策に関して文科省にお伺いをいたしたいと思いますが、時間がなくなってきましたので、はしょりながら行きたいというふうに思います。
 平成二十五年の九月にいじめ防止対策推進法が施行され、同法に基づきスクールカウンセラーの配置推進や関係機関との連携強化というものが進められてきております。しかしながら、昨年の七月にも岩手県で中学生が自殺した事案がありましたけれども、被害生徒がアンケートにいじめを受けていると答えたのに対して、学校が認知せず組織的な対応がされていなかったということも報道されております。また、いじめ対策推進法で義務付けられた重大ないじめの首長への報告を怠ったケースや、被害者側への関係機関による調査結果の提供をめぐり訴訟に至るケースもあり、情報提供に課題がある学校側が認めたがらないというような指摘もあります。
 そういった中にあって、いじめというものは今、多様化してきておりますけれども、特に最近、非常に大きい課題となっているというふうに思うのがネットいじめであります。いわゆる学校裏サイトのようなものに書き込みをしてというふうなものであったり、SNSを使って内輪で、グループ内で陰口をたたいたりといった、様々そういうふうに多様化してきているんでありますけれども、このネットを使ったいじめに対する現状認識に関してお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(馳浩君) まず、いじめ対策防止の法律ができた経緯を少し申し上げて、また、局長からも実態を報告させていただきます。
 実は当時、大津市で起こった中学校二年生自殺事件がございました。そのときに、保護者にとって学校側からの報告、また教育委員会による調査の報告が実態と違っていた、何か隠しているのではないかという問題意識を持って市長が第三者の調査委員会を設置されて、その調査委員会の結果を受けて、やはり学校の報告、教育委員会の報告が実態と違っていたと。これがいわゆる社会的にも大問題となって、当時、与党案、野党案それぞれいじめ防止対策の法案が出されましたが、最終的に、当時私、取りまとめの座長をさせていただきましたが、一本化をして委員長提案として法律が成立をしたという経緯があります。
 したがって、このときに一番配慮したことをちょっと申し上げますが、定義のところなんですね。各都道府県の教育委員会や学校の関係者にはこの法律で示している定義を改めて御理解いただきたいと思っています。それまでは、例えば定義というのは、文科省は、自分より弱い者に対して一方的にとか、継続的にとか、また被害者が深刻な苦痛を受けているという要素でいじめの認知をするようにしておりましたが、法律によって四つの定義をいたしまして、いじめをした者もまたいじめられた者も児童生徒であること、二つ目が一定の人的関係が両者に存在すること、三点目が重要でありまして、被害者が心身の苦痛を感じていること、つまり被害者の立場に立った定義となっているということであります。また、いじめの心理的又は物理的な影響を与える行為という定義もいたしました。
 したがって、法律に基づいて国も地方公共団体も既に基本方針、基本計画を作っております。また、ネットパトロールなどの事業も行っておりますし、LINE等への対応もできるような事業も平成二十七年度から起こっております。
 改めて、誰もがいじめの加害者になってはいけないし、被害者になってはいけないし、そして傍観者となってはいけない、この方針で臨んでいただくこと、また、全小中学校にはいじめ対策の防止の委員会をつくっていただいております。これも法律に規定されておりますので、やっぱり教職員の皆さんがきちんと法律読み込んだ上で対策をしっかりと取っていただくこと、このことを望みたいと思っております。
○中泉松司君 済みません、はしょった部分も含めて丁寧に御説明をいただきまして、本当にありがとうございます。
 先ほど大臣の方からも、今様々取組をされているという話がございました。秋田県は、前知事があそこにいらっしゃいますけれども、教育に関してはかなり力を入れている県でありまして、学力、体力トップと言うと福井県に怒られるんですけれども、大体各分野において福井県とトップクラスを争っているというふうに認識をしております。そういった中にあって、様々いじめ等の取組に対してもきっちりと県として進めているところがあります。
 秋田県の事例をちょっと紹介させていただきたいと思うんですけれども、ネットパトロール事業というものをずっと平成二十一年度から継続してやっています。当時、私も教育関係の委員会の委員長をやらせていただいておりますので、すごく記憶に深いんですけれども、麻生政権の時代の国の緊急雇用の基金を活用しまして、平成二十一年から平成二十三年まで、そして二十四年からは一般財源で対応をして、大体一千万ぐらいなのでありますけれども、きっちりとネットパトロール等をしてきております。
 その後、また震災復興関係の雇用基金なんかをうまく活用をして、何とかやりくりをして事業を継続してきているというのが実情でありまして、平成二十六年からは国庫補助事業ということでやっているのでありますけれども、一生懸命やって先進的な事例をつくったら、今度は、何というんですか、三分の一補助を受けれるんだけれども、人気が出過ぎてなかなかその補助の対象、満額受けられないですとか、あと、今まで取組をやっていることをまた内容を変えなければその補助対象にしませんよとか、そういう中にあって、様々やりくりをしてきているというのが実情でありまして、これは本当に来年度からは続けることは難しいなんて話も県からは聞かれます。そういった中にあっても、非常に大事な取組であると思いますので、是非継続をしていただきたいというふうに私は思っています。
 実際、何というんですか、パソコンで例えば学校の名前を検索してとかそういう話ではなくて、専門の検索ソフト等を使って洗い出しをしていって、出ていったものに関してチェックを入れていって、削除依頼等々を出していくというのがこれまでやってきた取組なのでありますけれども、実際に見てみますと、事例を挙げるといろいろあるんですが、例えば直接的な陰口であったり、あとは、かわいい生徒さんが自転車で登校をしている写真を撮って、この子かわいいとか、そうすると、この子はどこを通学路にしていてどういうふうに行っているとか、じゃ、見に行ってみようとか、そういったものや、リベンジポルノ的なものも含めて様々出てきていました。
 こういったものを事前に押さえて広がる前にその芽を摘むというのは、結果が出る前のことでありますので、なかなか成果としては見えづらいのでありますけれども、これはきっちりやっていく必要があるというふうに、私はこの秋田県の取組なんかを見ていても思っております。
 そこで、ネットいじめに対する国のそういったことに対する支援の内容、また取組、今後に関して是非前向きな御答弁をいただければ有り難いというふうに思っております。
○国務大臣(馳浩君) 改めて秋田県の取組、参考にさせていただきます。
 今現在、国の方では、ネットいじめのうち、特にSNS上のメッセージのやり取りなど第三者が閲覧できない態様のものについて、学校ネットパトロールのような従来の取組では対応が困難な面があると認識しておりまして、インターネットを通じたものか否かにかかわらず、いじめの問題の根本的な解決のために、児童生徒にいじめは決して許されないものであることを理解させ、児童生徒一人一人に規範意識や自己肯定感、社会性、思いやりの心などの人間性を育むことが重要であると伝えております。
 また、文科省では、ネットいじめに関する調査研究を行っております。例えば、LINE上のトラブルについて、児童生徒が専門家や教育委員会、警察などの関係機関に対してLINE上で気軽に相談できるシステムの構築を図るなどして、ネットいじめの解決につながる取組を行っております。
 まさしく全国でそれぞれ具体的な事例で取り組んでおられますので、そういったものを参考とし、また好事例は紹介をしたりしながら取組を進めてまいりたいと思います。
○中泉松司君 ありがとうございます。
 先ほどちらっと申し上げましたけれども、国庫補助事業として平成二十六年から秋田県もやっているんですけれども、最初の年だけ三分の一しっかり補助を受けることができたんだけれども、次の年からは一八%、一二%と徐々にその補助を受ける金額として減ってきていると。これ何でですかというふうに県の方に聞いたら、これは全国的に人気があり過ぎるからでしょうみたいな話があったんですけれども、そういった人気があるからといって結局薄まってしまって、それでその薄まってしまったことによって事業が継続できないみたいな話になってしまうと非常によろしくないというふうに思います。
 減額をして減額をして何とか何とかやりくりをしていっているんですけれども、実際に平成二十八年の数字を聞くと、七十五万円しか国からの補助を受けていないと。それは何でかというと、やっぱり全国的に人気だからみたいな話をされるんですけれども、これは、頑張っている県だからこそそういうふうに思うのかもしれませんが、そこは非常にしっかりやっていただくべきところだと思います。財政上厳しいのはよく分かりますけれども、これからしっかりやるということを是非検討をしていただきたいというふうに思います。もう時間がなくなりましたので、お願いだけで結構です。
 また、最近は、先ほど大臣もおっしゃったように、さっき申し上げたような、いわゆる裏掲示板みたいなものを検索をして、それで削除依頼を出していくというような話から、そういうのはどんどん減ってきていて、SNS、いわゆるLINEのグループであったり、フェイスブックのブロックが掛かっていてもそうなんでしょうけれども、そういったものを使ったいじめというものが非常に増えているというふうにも指摘をされています。
 そういったところは、プライバシーの問題もあるので、どこまで踏み込めるかということは非常に難しいんだというふうに思いますけれども、そういった多様化していく、そしてまた、何というか、見えづらくなっていっているものに対してしっかりとした姿勢で臨むべきだと思いますし、それにつながる、やっぱりそういったことをそもそもしてはいけないんだよという教育も含めて、広く取組を進めていただきたいと思いますので、是非ともそういったところを馳大臣には取り組んでいただきますようにお願いを申し上げまして、時間になりましたので質問を終わります。
 ありがとうございました。
○小川勝也君 おはようございます。民進党・新緑風会の小川勝也でございます。三十五分間ではありますが、両大臣にお付き合いを願いたいと存じます。
 まずは、質問通告はないんですけれども、麻生大臣、連休中も御出張お疲れさまでございました。今、原油安を中心に世界同時不況というふうに言われております。そんな中で、海外の首脳といろんな話をされてこられたかと思いますが、現在の世界経済の御認識についてどういった新しい情報を入手してこられましたのか、短い感想で結構でございます、お述べいただければと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、過日のG20からそんなに時間がたった会合ではありませんので、ADBの総会でありますので、G20に出ていたメンバーとADBに出ているメンバーとは少し違いますので、内容は今回のでというわけではありませんが、少なくとも、今、世界全体の中において、景気というものに関しては、石油安というのも一時三十ドルぐらいまで下がりましたが、今四十、四十一ドルぐらいまで少し上がってきていますので、状況としては過日ほどのものでもありませんので、少し変わってきているとは思いますが。
 いずれにしても、ファンダメンタルズでは決してG7の中では悪くないんですが、G20とか新興国と言われているところの中においては、非常に、ブラジルとかロシアとか、かつてBRICsと言われたところの調子がいま一つよく見えぬという、はっきり言って余り良くないということになってきていますので、そこらのところの影響が今後どう出るかというのは、G7で頑張らぬといかぬなという話が主たる流れだと存じます。
○小川勝也君 連休中、大臣もいろいろ御関心があったかと思います。それは為替レートだったというふうに思います。日本は大型連休ということでありますが、世界のマーケットは動いておりますので、日本のいわゆる旗日でも、いわゆる海外のマーケットのいろんな値動きが入ってきます。
 特に、日本の連休中には、今までもいろんな円高に振れた例もあったかと思いますけれども、四月の末からいわゆる五月の頭に関しては大変も大きく報道がなされました。「円高・株安止まらず」、「円高・株安、負の連鎖」、「円急伸百五円台半ば」と、大変大きなニュースになったわけでありますが、このニュースの原因となったのが、いわゆるアメリカ合衆国であります。監視リストというのに指定されたということであります。米財務省のシステムでありますが、これ、なかなか日本国民にとっては分かりにくいことだと思いますので、どういうふうに理解をしたらいいのか、この監視リストに入ったということを御説明をいただければと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、今まで余り例がありませんので、例がないって、多分初めてだと思いますので、少なくともアメリカにとって、対米の貿易が黒、それから経常収支等々、何というのか、対GDP比が黒、それから為替に対して介入をしたのが全GDP比に対して二%だったかな、何か一律のルートを決めて、これに関係している国というので、日本、中国、ドイツ、韓国、台湾と多分五か国指定されたんだと存じます。
 そのうちで、経常収支の黒とそれから貿易収支が黒で挙がったのが四か国。貿易収支は二百億ドル以上としたんですが、引っかかっていなかったんですが、経常収支の黒と為替介入をやったことがあるということで引っかかったのが台湾というので、四対一に分かれたと思いますが。
 そういった中で、私どもとしては、こういったのが初めて出されましたので、分かりにくいというのは、私どもこれ何のことかいなという感じがしないでもありませんでしたので、アメリカの財務省が出した記録でもありますので、今選挙の最中ですからいろいろ大変だろうとは思いますし、財務省としては、当然、これらの国が別にルールに違反しているわけではありませんから、形としてはこうなっていますよという事実をきちんと書いたという以外のものではないんですけれども。
 我々としては、監視リストというのは、あくまでも対米貿易収支の黒字の幅が大きいとか、また、いわゆる対米の経常黒字というものが大きい、貿易収支や経常が大きいとかいうようなもののリストを挙げられた単なる評価結果にすぎぬのですから、何ということはないなと基本的にはそう思っておりますが。
 米国が日本の為替政策を不当に考えているなんということはありませんし、また米国が日本に対して何らかの行動を取るということもとても考えられませんので、為替政策は往々にして制約を受けるというわけでもありませんし、事実、今、小川先生の言われた頃は、これは百五円だったと思いますが、今日は、今、百七円三十銭ぐらいだと思いますので、そういった意味では、特にこれによって我々がどうこうというようなわけではないということだけは申し上げておけると存じます。
○小川勝也君 これ、答弁も苦しいと思いますけど、質問する方も結構苦しいんですよね、微妙な中身が含まれていますので。
 それで、日本が不当な政策を取っていないということも事実だろうというふうに思いますが、アメリカが、大統領選挙もありますのでドル安に誘導したいという思惑があるのも事実だろうというふうに思います。そんな中で、日本が為替介入をしていないから、監視リストの更に上の段階には認められなかったわけでありますけれども、牽制をしているというふうに書いてあります。
 それから、昨今の円相場について、日本側は極めて荒いというふうに認識をしているのに対して、アメリカ側は秩序立っていると、こういうふうに反論しているそうであります。
 この辺のギャップについてはどのように日本政府としては考えたらいいのか、お答えをいただければと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) この種の話はしょっちゅうやっていますので、特に新聞に取り立てて書いていただくほどの必要もない話なんですが。
 しょっちゅう会話をしている、電話でやってみたりいろいろやったりする内容ですが、少なくとも二日間で五円ぐらい、この間、円高に振れたと記憶していますので、二日間で五円といえば四日間で十円というような話になってきますので、それはちょっと行き過ぎなんじゃないのかというので、この流れがずっと継続的に行くのであれば、これは明らかに我々としては急激な為替相場の変動というのは望ましくないという、これはG20の合意でありますので、それに合わせて私どもとしては、ということを申し上げるのは当然。
 それに対して、まだ五円ではないかと、今の段階ではそういった段階ではないんではないかというのが向こうの立場というので、しょっちゅう電話で言い合うことをやって、結果的に今百七円ぐらいになっておりますので、そういった話であります。
 私どもとしては、これによって円高とか円安とかいうことが急激に、いわゆる最近のはやりでボラティリティーという言葉を使いますけど、こういう変動幅が大きいとか、急激に起きるとかいうことは、これは貿易政策上も経済政策上も財政政策上もいろんな意味で影響が出ますので、こういったものは望ましくないという立場でありますので、こういったことをやる場合には、我々としては当然介入する用意はありますということを申し上げるということになろうと存じます。
○小川勝也君 当然、この監視リストに入ったことをいわゆる学者やアナリストもそれぞれ幅を持って受け止めておられますので、今大臣の整理がどの程度役に立ったのか分かりませんけれども、それぞれ、アメリカが監視リストに入れたということは、ドル安に誘導したいということなので、日本もあからさまな対抗措置をとることはできないだろうというふうに踏んでこういうふうに新聞報道がなされるんだろうというふうに思います。
 私は、別に日銀の肩を持つわけじゃありませんけれども、今日、総裁が御出張ということで副総裁にお見えをいただきました。今、麻生大臣の答弁に尽きているわけでありますけれども、日本として、アメリカの意向はさることながら、政策的に何かフリーハンドを失っていることではないという私は認識だと思いますけれども、その辺の御答弁をいただければと思います。
○参考人(岩田規久男君) 現在、日本銀行はマイナス金利付き量的金融緩和政策をやっておりますが、これはあくまでも二%の物価目標の早期実現のために実施しているものでありまして、四月のG20では黒田総裁からこうした説明を行っておりました。参加国の十分な理解を得られているというふうに思います。
 四月二十九日に公表された米国の為替報告書は、日本銀行の金融政策を制約するものではありません。
○小川勝也君 新聞の受け売りですけれども、円高が加速すれば上場企業の利益が消えてなくなる、こう書いてありますので、これは私よりも皆様の方がよく分かっていることだと思います。
 それで、更に答弁しにくい問題だと思いますけれども、もし円高が進めば何らかの経済政策、財政出動が必要であるというふうにもう早い段階から観測アドバルーンを掲げておられる方がおられます。今まさに補正予算を提出の準備をされておられるかと思いますけれども、補正予算の規模と内容がいわゆる為替レートによって動くことはあるでしょうか。財務大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今の補正の話は、熊本の地震に関しての補正というのが基本的なところでありまして、この熊本の補正の額を含めまして、為替によってそれが影響を受けることはございません。
○小川勝也君 併せてお伺いをしたいと思いますけれども、今回の為替の変動あるいは株安がいわゆるマイナス金利政策に対する厳しい評価と受け止める向きもありますけれども、財務省、日銀、どちらかからお答えをいただければと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) このマイナス金利によって、少なくとも私どもから見た場合においては、例えば金利というもののイールドカーブ、いわゆる全体のカーブが、貸出金利等々下がっておりますので、そういった意味では経済全体に対しての影響というのは、我々から見ましていい方向に動いておると思っております。
 また、マイナス金利によって別に預金金利がマイナスになったわけではありませんし、一般に迷惑掛かっているわけでもありませんので、私どもとしては、これによって一般が迷惑するというような形ではないという感じで思っておりますので、どういう影響が出たかといえば、決して悪い影響が出たという感じで思っておりません。
○小川勝也君 ありがとうございました。
 次の質問に移ります。
 お手元に北海道の地図を配らせていただいております。夢のある地図でありますので、妄想を膨らませていただいて、飛行機で行くもよし、新幹線も函館まで開通いたしました、函館を起点としても千歳空港を起点としても、お好きな場所に行っていただいて、おいしいものを食べていただければというふうに思います。
 そんな形で、三月二十六日、北海道新幹線が開通をいたしました。石井国土交通大臣を始め、関係各位の皆様に大変大きな御尽力をいただいて、ここは決算委員会の場でありますけれども、赤字とか、採算とか、いろんなキーワードはありますけれども、まさに新幹線が開通するということは夢が広がる話でありますので、大いにいいことだったと思います。本当に多くの道民とともに祝いたいというふうに思っております。
 しかし、いいことだけではありません。JR北海道、御案内のとおり、国鉄の分割・民営化によってできた会社でありまして、JRも各社に分かれました。東日本、西日本、東海、四国、九州、貨物、それぞれの会社に様々な採算と困難があるわけであります。しかしながら、この北海道においては様々な問題が起きています。この新幹線開通の大変、最もうれしい情報の陰で様々なつらい話があります。
 私の方からちょっと見出しを述べさせていただきますので、鉄道局長から膨らませて御説明をいただければというふうに思います。一つは廃線、一つは不通区間、それから一つは駅の廃止、それから一つはいわゆる特急の減便の計画あるいはローカル線の減便の計画、そして今日少し突っ込んでお話をさせていただきたい新型特急で走る予定であった二八五系の話。併せてどういう話になっているのか、かいつまんで御答弁をいただければと思います。
○政府参考人(藤田耕三君) お答えいたします。
 JR北海道につきましては、現在、路線によっては非常に輸送人員が大きく減少しておりまして、厳しい経営状況にございます。それから、一連の安全問題を受けまして、安全の立て直しにも取り組んでおるところでございます。そうした状況の中で、今お話がございましたように、新型特急車両の開発の中止、あるいは普通列車の減便、駅の廃止、そういった取組を行っているところでございます。
 特急列車につきましては、元々老朽化が著しく進んでおりましたので新型の開発を進めておったところでございますけれども、様々な状況に鑑み、その開発を中止したと、こういった状況でございまして、今後、今ある特急列車の中で運用していくと、こういう計画がなされていると承知しております。
○小川勝也君 廃線というのは、今、地図を見ていただければ有り難いんですが、JRの新しい地図でいいますと、深川から左上に延びております留萌から増毛が廃線になることが決まりました。もう一枚の国鉄時代の線路を見ていただければ分かるとおり、大幅に支線が廃止されました。鉄路に対する思い入れは、それぞれ地域住民にとっては大変強い思い入れがありました。それぞれの地域でたくさん反対運動も起こったり、存続運動が起こったりして今のような形になっています。そして、留萌から増毛の間も、地方自治体も住民の方々も大変JR北海道の思いを真摯に受け止めて、スムーズに廃線を受け入れたのではないかというふうに私は解釈をしています。そのほかにもつらいことがあります。苫小牧から襟裳岬に延びる日高線が、いわゆる土砂災害を経て線路の地盤の土砂が削り取られて、復旧にお金が掛かるのでなかなかこれが復旧できないという状況であります。
 しかし、そのことも踏まえて、北海道の住民はおおむねJR北海道に対しては友好的に解釈をするし、シンパシーを感じています。
 今局長から御説明をいただいた特急については、札幌から旭川を経由して網走に行く特急「オホーツク」と、札幌から旭川を経由して稚内に行く「サロベツ」、この二つの特急のいわゆる減便を今計画をしているということであります。言及がありましたけれども、ディーゼル機関車が足りなくなる、老朽化して安全性が確保できないということであります。老朽化すれば新しいものを造ればいいじゃないかと、こうお考えになろうかと思います。そして、新しいものを造ってみようかと考えていたのが、今御説明のありました二八五系という新型車両であります。
 これは三月二十六日、北海道新幹線が開通いたしました。JRの地図を見ていただければ分かりますとおり、新函館北斗というところに東京発の新幹線が到着をいたします。これが大体このくらいに開通するということが分かっていましたので、JR北海道は、いわゆる函館発新函館北斗経由札幌行きの特急にその新型特急を使えないだろうかというふうに考えていたわけであります。
 局長、この新型特急の車両の特徴、ちょっと御説明いただいてよろしいでしょうか。
○政府参考人(藤田耕三君) お答えいたします。
 JR北海道が開発を計画しておりました新型特急でございますけれども、開発目的としては、複合車体傾斜システム等によりまして、スピードアップと省エネルギー化を両立する次世代の特急気動車の開発と、こういう目的で進められてきたものでございます。
○小川勝也君 少し言及がありましたけれども、そして、なぜこの特急を諦めることになったんでしょうか。
○政府参考人(藤田耕三君) これにつきましては、平成二十六年九月にJR北海道から新型特急車両の開発中止についてという発表がなされております。その中で、会社の説明でございますけれども、速度向上よりも安全対策を優先すること、あるいはコストとメンテナンスの両面から過大な仕様であること、そういったことが理由として述べられております。
○小川勝也君 ぎりぎりの経営の努力をしながら、少ない人員でこの広い国土の長い線路を管理しつつ頑張ってきたのがJR北海道です。
 JR北海道の路線の中で黒字の路線は何線でしょうか。
○政府参考人(藤田耕三君) 路線別収支につきましては、管理費を含めますと全ての路線が赤字であるというふうに承知しております。
○小川勝也君 株式会社です。利益を上げるために存続するのが株式会社。全ての路線が赤字ということでいうと、どうやってビジネスモデルが成り立つんだと。
 結局、JR九州もそうです。JR北海道もそうです。鉄道本業以外で何とかしのいでいるんですよ。九州さんは、不動産開発とかそういうのでうまくいったり、飲食店や系列の農場なんかの経営で頑張っている。北海道も、JR札幌駅近くの不動産管理等で黒字を上げているんです。残念ながら大きな事故が起きてしまった。だから、これから大事なお客さんを運ぶ車両の開発を途中で断念したんです。これが二十五億円掛かったやつであります。
 そして、更につらい話が出ました。本当は特急になるはずの車両を、二十五億円掛かったので、総合検測車、検測車にしたいというふうに考えて運用を考えていたけれども、どうなったんですか。
○政府参考人(藤田耕三君) 転用につきましては、なかなか技術的に難しい問題があるというふうに承知をしております。更なる活用の方法については今検討中であるというふうに承知しております。
○小川勝也君 基本的に、いわゆる鉄道周辺にも解説をされる評論家の方がおられます。実質スクラップになると、こう言っているんです。北海道や国土交通省は更なる使用方法を考えると、こういう状況です。
 JR北海道がなぜこんなに厳しい経営になってきたのかということの一つに、基金問題が挙げられます。先ほどマイナス金利という言葉が出ましたけれども、国鉄から分割、そしてJR北海道がスタートするときに、基金を積んで、その運用益を赤字補填に使うことになりました。そのときのいわゆる基金の額と、いわゆる想定利回りについて御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(藤田耕三君) JR北海道会社発足時に六千八百二十二億円の経営安定基金を設置しております。この額は、当時の金利情勢を基にしまして、七・三%の利回りで運用された場合に収入のおおむね一%の経常利益を出すことができるようにという、そういう趣旨で設定されたものでございます。
○小川勝也君 その後、御案内のとおり、低金利時代になりました。何回か御支援をいただけたと思いますけれども、どういう支援を国はJR北海道にしてくれましたか。
○政府参考人(藤田耕三君) 特に経営安定基金の関連で申しますと、経営安定基金の運用益の下支え措置あるいは経営安定基金の実質的な積み増し等をこれまで行ってきております。また、それ以外にも設備投資等に対する助成あるいは無利子貸付け、こういった支援措置を講じてきております。
○小川勝也君 どう見ても足りないんですよね。これが普通の民間会社であればいいけれども、我々の国のやはり国土の一部の大事な社会資本であります。
 そして、石井大臣は今、国土交通大臣でありますけれども、国土交通省というのは何省と何省が一緒になってできたんですか。
○国務大臣(石井啓一君) 旧建設省、運輸省、国土庁、北海道開発庁と承知しております。
○小川勝也君 大臣は建設省の御出身です。よく存じ上げております。
 国土庁と北海道開発庁は国土交通省になったんです。ですから、その思いは、国土は、離島も北海道も本州も全部我々のかけがえのない国土だと思いますし、北海道開発庁は特に、後から開発した地域でまさに様々なビハインドを負っているから北海道開発庁という役所を、大臣を付けて別建てでずっと北海道を頑張って支えてくれていたのが日本政府でありました。ところが今、JRは分割・民営化によって経営基盤の弱い北海道が北海道の地域交通を守り、そして北海道開発庁の魂を継いだ職員、幹部の方々は国土交通省におられます。
 その北海道の思いを具現される大臣として、この北海道を見捨てないという強い決意と、JR北海道も何らかの形で応援をするんだという思いを私は聞かせていただくために、今日質問に立ちました。石井大臣、よろしくお願いします。
○国務大臣(石井啓一君) 国土交通省には御承知のとおり北海道局がございます。引き続き、北海道開発庁の精神を引き継いで、北海道の振興、発展のために全力で取り組んでいるところでございます。
○小川勝也君 もう一つ、鉄道局長にお答えをいただきたいんですが、これは通告をしていません。
 先ほど御答弁をいただいた、性能は非常に高く評価されている試作車であります。本州各社と違うところは、電化されている部分が少ないので、ディーゼル車両という意味でいうと、北海道はディーゼルに頼らなければいけない路線が多い。これは実は北海道だけではなくて、各社にもいわゆる電化されていない路線があります。ですので、私からの提案は、各社ばらばらにいわゆる車両の開発をする不効率を国土交通省のリーダーシップで何とか、例えばディーゼル車両の開発なんかで音頭を取っていただけないだろうか。そして、そのことと同時に、今新幹線の輸出なんかでいろいろ頑張っておられますけれども、この高速の普通型車両だってすばらしい材料になるというふうに有識者の皆さんに評価をいただいています。
 私は、駄目元で質問させていただきますけれども、この二八五系、何らかの形で日の目を見る形になって、北海道や本州各地のいわゆる非電化路線を走ったり、あるいは海外に輸出されて海外の線路を走ったりすることをまだ夢見ていいんじゃないかと思いますが、鉄道局長、御答弁をお願いしたいと思います。
○政府参考人(藤田耕三君) この二八五系につきましては、これはまずはJR北海道の方の判断ということになりますけれども、一般論として申し上げますと、気動車、それぞれ地域の特性がございますけれども、JR各社で例えば共同で調達する、そういったことは大事な今後の課題だと思いますし、それから、途上国にはディーゼル車に対する需要もございますので、そういった活用の方策というのはいろいろあるんだと思います、そういったことについては、国交省としても、各社といろいろお話合いを進めていきたいと思っております。
○小川勝也君 先ほど、この二枚の線路を見比べていただきました。たくさんの廃線があって、その廃線のところの人口は著しく減少しています。本線の走っているところも人口減少しています。平成になって、北海道では公立高校が六十校廃校になりました。
 今、大変つらいことに、JRの利便性が低くなるということで、都市間バスなんかはその運用が広がっていますので、利便性を支えています。一番つらいのは、通学あるいは通院の過疎路線のいわゆる公共交通機関、バスであります。これは当然のことながら、もう御認識だと思いますけれども、更に厳しい状況が、これから瀕してまいります。地方バス路線をしっかり支えていくという決意をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 特に鉄道が廃止された場合には、地方部においてその代替輸送手段といたしまして通常路線バスが運行されますけれども、人口減少と高齢化が進む中でバス路線の維持を図ること自体も難しくなっているという厳しい状況がございます。
 国といたしましては、地方バス路線に対する財政的支援を行いまして、その維持確保に努めているところであります。また、地域公共交通活性化・再生法に基づきまして、関係者の合意の下に地方公共団体が中心となって、路線バス、コミュニティーバス、乗り合いタクシー、自家用有償運送等を適切に組み合わせて、持続可能な地域公共交通ネットワークを構築するために、各地域における計画作りを支援をしているところでございます。
 今後とも、こういった取組を総合的に推進することによりまして、地域住民の移動の足の確保にしっかりと努めてまいりたいと考えております。
○小川勝也君 それで、皮肉なことに、高校がどんどん廃止されて、公共交通の利便性が低下をするということになると、いわゆる高校通学者の足の確保が困難になっています。私らの時代ではちょっと考えにくかったんですけれども、今、途中までを含め、送り迎えをしてもらっている高校生が北海道は非常に多い。言うなれば生きる権利、これが自動車になっているわけであります。
 ところが、消費税が八%になっても、いわゆる取りたいところから取ると言われている自動車関連諸税の廃止、縮小がなされませんでした。逆に軽自動車の税金まで上がるということで、北海道の人たちは、先ほどのいわゆるJR北海道に対しても非常に好意的でしたし、政策には従順な道民でありますけれども、大変、国に対する怒りを大きくしたところであります。
 消費税が一〇%になるかどうか分かりませんけれども、もしこのときには、地域の人たちのしっかりとした足を守るという観点から、自動車関係諸税の大幅な整理縮小、そして、軽トラ含めた軽自動車は地域のまさに足そのものでありますので、軽自動車に対する特段の配慮、これは国土交通大臣にしっかり御認識をいただいて、今後臨んでいただかなければなりません。
 地域の足を守る観点から、自動車関係諸税、この複雑怪奇な仕組みを簡素にするという決意を大臣からお答えをいただければと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 公共交通が不便な地方部においては、自家用の自動車が地域住民の生活に不可欠な移動手段として重要な役割を果たしております。
 今委員御指摘のとおり、自動車関係諸税については、取得段階、保有段階、走行段階、それぞれに複雑な税が絡み合っておりまして、一般的に申し上げれば、こういった複雑な税につきまして簡素化、負担の軽減を図っていくことは非常に重要なことであると、このように認識をしております。
○小川勝也君 予定した質問ができずに時間を迎えたんですけど、最後に一点だけ。
 猛禽類の鉛中毒、私は環境委員会に所属していたときに、北海道の鹿撃ちに鉛を使い、その鹿の死骸を食べる猛禽類が鉛中毒で死ぬということから、鉛弾の規制に参画をいたしました。しかし近年、また猛禽類に非常に被害が出ているということであります。
 この被害が出ている状況について御説明をいただくと同時に、今後、この被害を少なくするために今ある法律や制度の体系の中で何とかやれるのか、それとも更なる法律や条例の制定が必要なのか、取組をどうしていくのか、併せて御答弁をいただければと思います。
○政府参考人(奥主喜美君) お答えいたします。
 鳥獣保護管理法に基づきまして、鳥獣の保護に重大な支障を及ぼすおそれのある猟法とその禁止区域を定める指定猟法禁止区域を設定することができるわけでございますが、現在、北海道全域が指定猟法禁止区域として指定されておりまして、鉛弾の使用については必要な規制が整備されています。さらに、北海道では、独自条例を制定いたしまして、特定鉛弾の所持が規制されているところでございます。また、北海道以外では、水鳥が飛来する水辺地域を中心に特定の鉛弾の使用を禁止する指定猟法禁止区域が指定されているところでございます。
 環境省によります鉛中毒に関する調査におきましては、北海道では十年以上前からオオワシ等で鉛中毒事例が継続的に確認されており、北海道以外では、平成十八年度以降、年間数例の鉛暴露個体が確認されているものの、明確に鉛中毒と認められる濃度に達していた事例はオオタカの一例のみでございます。
 鉛中毒の発生実態につきましては、現状においてデータ数や科学的知見が十分とは言えないことから、環境省においては、今後、鉛中毒の発生状況のモニタリングを進めることにより実態把握に更に努め、鉛弾規制の在り方について更に検討してまいりたいと考えているところでございます。
○小川勝也君 終わります。
○委員長(小泉昭男君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十分開会
○委員長(小泉昭男君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成二十六年度決算外二件並びに昭和十九年度朝鮮総督府特別会計等歳入歳出決算及び昭和二十年度朝鮮総督府特別会計等歳入歳出決算を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○大島九州男君 午前の小川先輩に引き続きまして、民進党・新緑風会を代表して質問させていただきます。
 まず最初に、先月十四日以降の熊本地震で亡くなられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、現在も避難されている方、被災されている方にお見舞いを申し上げます。
 さて、熊本地震の発生により、我が国では、地震はどこでも起こり得るものであり、被害を少なくするために住宅の耐震化が極めて重要であるということが再認識をされました。まさに今回の地震を踏まえて、UR賃貸住宅の居住者の方からUR賃貸の耐震化の件について御要望をいただきました。UR賃貸住宅にお住まいの方々の安全、安心して暮らしていかれるためには、UR賃貸住宅の耐震性が確保されていることが当然必要であります。特に、高齢者も多い中、住宅が被災して住めなくなるということは避けなければなりません。
 そこで、UR賃貸住宅における耐震診断や耐震改修について、平成二十六年度及び平成二十七年度の実績と平成二十八年度の計画について教えていただければ有り難いと思います。
○参考人(伊藤治君) お答えいたします。
 UR賃貸住宅の耐震化につきましては、国の方針等に基づきまして順次推進してまいりました。耐震診断につきましては、昭和五十六年五月以前に適用されておりましたいわゆる旧耐震基準に基づいて設計された住棟、約一万一千九百棟を対象として行ってまいりました。平成二十六年度におきましては二百三十三棟、二十七年度では百八棟で診断を実施しております。結果、平成二十七年十二月末時点で約一万一千七百棟、九八%の建物について診断を実施済みとしたところでございます。二十八年度につきましては、約三十棟で診断を実施することを計画しております。
 それから、耐震改修につきましては、耐震診断の結果、改修が必要と認められました住棟について順次実施をしてまいるわけでございますけれども、平成二十五年度末時点で対象が約千二百棟ございました。これらにつきまして、平成二十六年度には九十九棟、二十七年度には五十一棟で改修を実施いたしました。また、二十八年度においては、約七十棟で実施することを計画しております。
 以上でございます。
○大島九州男君 熊本地震で公営住宅とともにUR賃貸住宅が被災者の受皿として三百六十七戸提供されているというふうに聞いております。また、過去を振り返っても、阪神・淡路大震災や東日本大震災においても、UR賃貸住宅は被災者の受皿として大きな役割を果たしてきたというふうに認識をしています。今後もこのような役割をきちんと果たしていくためにも、URは耐震化をもっと積極的に推進すべきだというふうに考えておりますので、その件と併せて高齢者の問題であります。
 私も、URの賃貸住宅にお住まいの自治協の皆さん、これは与野党問わず、いろんな要望を受けて皆さん対応していただいていると思うんですけれども、まず、国交省で平成二十八年度予算において、UR賃貸住宅における高齢者向けの住宅として高齢者世帯向け地域優良賃貸住宅の新規供給を計上しておりますけれども、これは大変すばらしいことでありますが、それはちょっと戸数が何軒かというのも併せてお答えいただければと思います。
○参考人(伊藤治君) UR賃貸住宅の耐震化の一層の推進につきましては、住まいの安全、安心の確保をすることはもとより、災害発生時におきまして、被災された方々に一時的な避難場所として御紹介いただきましたとおり引き続き活用していただくということも当然想定されます。一層積極的に推進してまいりたいと考えております。
 以上です。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
 少子高齢化が急速に進展してまいります中で、UR賃貸住宅は、高齢者や子育て世帯など民間市場では制約を受けがちな弱い立場の方々の受皿として、住宅セーフティーネットの役割を果たすことが求められております。これまでもUR賃貸住宅におきましては、低所得者の高齢者世帯等の居住の安定を図る観点から、既存の住宅の改修による高齢者向け優良賃貸住宅の供給や、建て替え時や家賃改定時におきます家賃減額措置などを講じてまいってきているところでございます。
 お尋ねいただきました二十八年度予算におきましては、首都圏等の大都市部の急速な高齢化の進展に対応して、大都市部に多く存在いたしますUR賃貸住宅ストックを最大限活用することによりまして、低所得の高齢者の居住の安定を効果的に図っていくという観点から、一定のバリアフリー改修を行った既存のUR住宅について家賃減額を行う高齢者世帯向けの地域優良賃貸住宅の新規供給を行うということとしているものでございます。あわせて、UR団地の医療福祉拠点化や、お話しいただきました耐震改修あるいはバリアフリー改修等を推進することとしておりまして、高齢者世帯が安心して住み続けられます居住環境の形成に総合的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 お尋ねいただいた戸数でございますけれども、予算といたしましては、公営住宅等も含めました公的な賃貸住宅の家賃対策費補助の内数というふうになっておりまして、明確に今何戸ということでお答え申し上げられる数字を持ち合わせておりませんが、URと十分連携をしながら進めてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○大島九州男君 新規にそういった制度をつくっていただいて穴を空けていただいたというのは大変有り難いことなんですけれども、やはりこれ地方で市町村、東京都であれば区とかそういうところと連携して、今地方も財政難で、それぞれ自分のところで昔は公営住宅持っていましたけれども、そういうものがもう持てない状況になっている、だからこのUR賃貸住宅をしっかり高齢者向けの住宅として、それぞれの地域の市町村が家賃を補助して高齢者に安心して住み続けていただけるという、そういう仕組みをしっかりとやっていただきたいということはこれはずっと要望をしてきたことでありますので、その件については国交省も是非、またいろんな、URと協力しながら関係自治体と協議をしていただいて、しっかりやっていただきたいということ。
 それと、既に供給されている高齢者向けの優良賃貸住宅については、平成三十一年に家賃減額期間の二十年間というのが到来すると。現在お住まいの高齢者が家賃が上がって住み続けられなくなるのではないかという御心配があります。そういう不安がきちんと解消されるように、国土交通省及びURにおいては家賃の減額期間の延長など必要な措置を講じていただくことを要望して、この問題は終わりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、引き続きまして、近年、ドローンですね、私どもも去年そういうドローンの法律を携わらせていただきましたけれども、現在、小型無人機は空撮や農薬散布等に多く利用されて、主に操縦者の目視内において遠隔操縦又は自動飛行によって運用されています。これをレベル一というふうに呼ばれているそうですが、レベル二を目視内とすると、今後は目視外での運用も期待をされ、まず無人地帯での目視外レベル、将来的には運航管理システムや衝突回避技術等を活用した有人地帯での目視外飛行、こういったものの実現に向けて官民の関係者が一丸となって取り組んでいくというようなことを踏まえて官民協議会が設置されて、小型無人機に関する利活用と技術開発のロードマップを取りまとめたというふうにお聞きしておりますが、安全確保に向けた制度設計の論点整理とその検討の方向性、そして特にドローンの操縦者の技量の、技術の確保のためどういう議論をされているかというのを教えていただければと思います。
○政府参考人(糟谷敏秀君) まず、私からロードマップについて御説明させていただきます。
 御質問いただきましたロードマップでございますけれども、先月二十八日に関係府省庁、メーカー、利用者等の団体をメンバーとし、内閣官房を議長といたします官民協議会で取りまとめをいたしました。
 この官民協議会は、昨年十一月に開催されました第二回未来投資に向けた官民対話におきまして、安倍総理から、早ければ三年以内にドローンを使った荷物配送を可能とすることを目指すという御発言を受けて、その実現に向けて、幅広い関係者の知見を結集し継続的に取り組むために設置をされたものでございます。官民協議会では、その実現に向けまして、離島や山間部などでの目視外飛行、さらには都市部等での飛行も可能となるよう技術開発や環境整備として行うべき事柄を検討いたしまして、今回、ロードマップとして整理をいたしたものでございます。
 今後、このロードマップに基づきまして、官民挙げて、小型無人機の航続時間や風雨、雨風ですけれども、などへの耐性の向上、衝突回避機能、運航管理システムの構築などのための技術開発や環境整備に取り組んでいくこととしております。
○政府参考人(佐藤善信君) 続きまして、安全確保に向けた制度設計に関する論点整理と検討の方向性につきまして御答弁申し上げます。
 小型無人機の安全確保に関しましては、四月二十八日に開催された官民協議会において取りまとめられましたこの制度設計に関する論点整理と検討の方向性におきまして、機体、それから委員御指摘の操縦者、さらには運航管理体制の安全の確保のためのルールや有人航空機と無人航空機との衝突回避のルールなど、更なる安全確保に向けた制度設計の方向性につきまして、本年夏の取りまとめに向けて検討を継続するということにしているところでございます。
 特に、小型無人機の操縦者の技量確保のための制度設計に当たりましては、操縦者の技量向上のための講習会を開催している団体など、民間の知見や能力を活用し、より効率的な制度の運用を目指すべきだとされております。
 さらに、制度の検討に当たりましては、昨年十二月から施行されております改正航空法の運用を通じて改善点を抽出していくこととされております。具体的には、改正航空法の下でも機体を見失ってしまうなどの事案が起きていることを踏まえまして、改正航空法の許可、承認の対象とならない操縦者の技量確保や許可、承認を受けた操縦者の技量確認基準の見直しなど、現在行っている改正航空法の運用上の課題も考慮していくことが必要と考えております。
 いずれにいたしましても、これらの論点を踏まえまして、引き続き官民協議会において民間の意見も聞きつつ検討を進めてまいりたいと考えております。
○大島九州男君 ドローンはちょうど官邸の上にもおっこったとかいうのがありましたけれども、それで改正されましたと。今後、いろんな意味で規制が掛かってくるべき問題だろうなというのは、もうこれは周知の事実だと思うんですね。
 このいろんな取りまとめの中にも、小型無人機の飛行の安全は、それを支える機体、操縦者、運航管理体制のそれぞれの要素が相互に連携、補完し、全体として飛行する環境に応じたレベルが達成されると。だから、もう言うなれば本当に飛行機が飛んでいく部分と同じシステムの縮小版だみたいな、そういうイメージなんですよね。当然それを指導する人、またそういう機体の整備だとかそういったことも当然必要になってくるだろう。
 ふと思ったのは、自動車教習所があるじゃないですか。最近、若い人が免許取らないなとかいって、自動車教習所の経営も大変なんだろうなと思ったときに、ああ、何かあのスラロームをドローンが飛んでいったりとかそういった場所としては、目視のできる中の訓練させる場所には、何か非常に都合がいいところがあるなというのをふと考えたんですけど。
 実際そういう趣味の程度でそれを飛ばしたりするぐらいだったらそれでいいでしょうけれども、総理が考えているように、荷物を運んでいくなんというのは、そんな目視で行くようなところじゃなくて、まるっきりそれはもう、はっきり言って、非常に運航管理されたようなところで自動で飛んでいくのか、遠隔操縦しながら飛んでいくのかという話になるでしょうから、相当な技術と運航管理システムが必要になるんじゃないかと。
 そう考えたら、これは自衛隊の皆さんなんかも多分無人のいろんなことの訓練とかもされているんでしょうから、そういうのをパッケージとしてそのまま自衛隊の方が、特に退職自衛官の方とかを活用して、こういうシステムをそのままパッケージとして使っていくというのは非常に有効ではないかというふうに私自身は考えるんですけれども、そういった検討とかそういう考え方があるのかどうか教えてください。
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 先ほども御答弁いたしましたが、官民協議会で取りまとめた論点整理と検討の方向性におきましても、小型無人機の安全確保のためには操縦者の技量確保が大きな論点の一つであり、民間の知見や能力も活用して制度設計を行うこととされております。
 一方、小型無人機につきましては、民生分野ばかりでなく防衛分野も含め今後多様な利活用が見込まれており、将来的には自衛隊における小型無人機運用の知見が民生分野における操縦者の技量確保に活用される可能性もあると考えられます。
 現在、小型無人機の運用ルールの策定や活用の在り方につきまして、関係行政機関相互の緊密な連携協力を確保するため、小型無人機に関する関係府省庁連絡会議が昨年四月に立ち上げられております。この連絡会議の場におきまして防衛省とも情報交換を行っておりますが、委員御指摘の視点も含め、引き続き防衛省と緊密な連携協力を図ってまいりたいと考えております。
○大島九州男君 是非その連携をしていただいて、そういった仕組みを早急につくって、早く運用できるような形に持っていくというのは非常に大切なことだというふうに思うんですね。
 近年、自衛隊の皆さんが本当に震災のときに一生懸命頑張っていただいていることに国民は非常に感謝をしていただいているということでありますし、自衛隊の皆さんが特に退職して後にいろいろ仕事をするのに苦労していらっしゃるお話も聞かせていただきますし、そういった意味で活用できる場所、それを是非広げてもらいたいというのがあります。
 それで、今も現実に、自衛隊のパイロットの皆さんが民間の航空需要に、非常に状況的にパイロット需要が増えて、パイロットが足りないというところに登用されているという事実も知っておりますけれども、どれぐらいの方がそのパイロット、民間になっていったりしているのかとか、中には自衛隊で免許取ってそのまま民間に行っちゃっているのかとかいうふうに思う人もいるでしょうし、そういう仕組みがどうなのか。それから、当然、民間のパイロットになるのに何千万も払ってなっていかなくちゃいけないというような、これ、自衛隊でそんなお金払ってパイロットになる人はいないでしょうから、そういう官民格差もあるでしょうし、資格のその違いもあるんだと思うんですけれども、それがどういう状況になっているのか教えていただきたいと思います。
○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。
 自衛隊操縦士の民間航空会社等からの無秩序な引き抜きを防止するとともに、一定年齢以上の操縦士を民間航空会社等に再就職させることにより操縦士の適正な年齢構成を図ることは、航空部隊の精強性を維持する上でも重要なことだと考えております。また、民間航空会社等においても、操縦士の需要の増大から、自衛隊操縦士に対するニーズは高く、自衛隊の任務遂行に支障が生じない範囲で一定年齢以上の操縦士を活用してもらうことは、我が国航空業界の発展の観点からも有意義であると考えておるところでございます。
 これらを踏まえまして、防衛省においては、自衛隊を中途退職する操縦士を計画的に民間航空会社等に再就職させる、いわゆる割愛と申しておりますけれども、この割愛を平成二十六年三月に再開いたしました。二十六年度においては八名、平成二十七年度においては七名の操縦士を民間航空会社等に割愛したところでございます。
 今後とも、自衛隊の任務遂行に支障が生じない範囲で、関係省庁とも連携しつつ、自衛隊操縦士の民間における活用に努めてまいりたいと考えております。
○政府参考人(佐藤善信君) 資格のところについてお答えを申し上げます。
 自衛隊の操縦士の大部分は、自衛隊在籍時に民間のライセンスである事業用操縦士技能証明を取得しているものの、これに加えまして民間航空会社で必要となります計器飛行証明は保有していないというのが実情でございます。
○大島九州男君 細かい私も制度のことは分かりませんが、自衛隊で訓練をされていらっしゃる方というのは、それはもういろんな飛行をしていくわけですから、技術的には非常に高い技術でしょうし、民間航空というとそんなアクロバット飛行をするわけじゃなくてすっと上がってすっと降りていくという、飛行の形態は違うとは思うんですが、技術的には非常に高い技術を持っているという認識をしますので、計器飛行証明の取得という部分については一般人よりも当然短い時間でも訓練できるんじゃないかと思うし、逆にまた、割愛させるときに、逆に言うと、そういう訓練までして、差し上げるということも一つ必要なのかなと一瞬思ったりもするんですが、そこら辺の見解はどうですか。
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 自衛隊の操縦士は、航空会社における乗員確保の観点からも即戦力として期待されていることから、平成二十六年七月の交通政策審議会乗員政策等検討合同小委員会とりまとめにおきましても、自衛隊の操縦士の民間航空における更なる活用を図っていくべきとされているところであります。
 先ほど申し上げましたように、自衛隊の操縦士の大部分は、自衛隊在籍時に民間のライセンスであります事業用操縦士技能証明は取得しているものの、これに加えまして民間航空会社で必要となる計器飛行証明は保有しておりません。そのため、国土交通省では、自衛隊出身の操縦士の民間航空での活躍が容易となるように、より少ない負担で計器飛行証明の取得を可能とするよう、自衛隊の操縦士の飛行経験等も十分に考慮した標準訓練シラバスを平成二十六年十二月に策定したところであります。この標準訓練シラバスを利用することによりまして、訓練期間の短縮や訓練費用の抑制が可能となるわけでございます。
 国土交通省としては、今後とも、必要に応じ自衛隊の操縦士の民間航空における活用が図られるような環境整備を図ってまいりたいと考えております。
○大島九州男君 今後は民間パイロットの需要の拡大はまだまだ予想されるわけでありますから、日本でパイロットの資格が民間でも取れていくような、ちょっと柔軟な、そういうところの人材に自衛隊の教官とかそういう人を活用していくということで、今それこそアメリカとかに行って取らなくてもいいような、そういう仕組みを構築をしていくということはすごく大事なことだと思いますので、国土交通省さんと自衛隊さんとしっかり連携して、日本で本当にパイロットの養成ができるような仕組みを早期に検討してやっていただきたいということを要望をしておきます。
 それでは次に、今日ちょっと文部科学大臣は呼んでいなかったみたいなんですけど、高大接続の絡みについて御質問をしたいと思うんですが、これからの時代に我が国で学ぶ子供たちは、明治以来の近代教育が支えてきた社会と質的に異なる社会で生活し、仕事をしていくことになるんだと、その先行き不透明な時代を生きていくために、様々な人々と協力しながら主体性を持って人生を切り開くためにも、知識の量だけでなく、混沌とした状況の中に問題を発見し、答えを生み出し、新たな価値を創造していくための資質や能力が必要になると、こうした資質と能力を育むことができるよう抜本的な教育改革を進める必要がある、その背景から生まれた高大接続システム会議だというふうに、こう銘打ってあるわけですね。
 その中の中身は大学入試センターが行っているセンター試験改革が大きなウエートを占めていると私は認識しているんですが、二十六年度の決算、その後の二十七年度、二十八年度予算、そういったちょっと状況についてお答えください。
○政府参考人(常盤豊君) お答え申し上げます。
 大学入試センター試験に代わる大学入学希望者学力評価テスト、これはまだ仮称でございますけれども、これにつきましては、平成二十六年の十二月に中央教育審議会の答申をいただいております。その後、昨年度、高大接続システム改革会議で最終報告等を取りまとめたところでございまして、それを踏まえて、現在、平成三十二年度からの導入に向けた検討を進めているところでございます。
 平成二十六年度の段階では、大学入試センターにおいては、新テストに関する業務はまだ議論の途中でございましたので、実施しておりませんので、二十六年度の決算には計上はされておりません。ただ、二十七年度、二十八年度の予算というお話でございましたが、大学入学希望者学力評価テストの導入に向けまして、実証的な検討を進めるという観点から、大学入試センターに補助金を支出いたしまして、この新しいテストのフィージビリティーを探っていくという事業を行っているところでございます。
○大島九州男君 この高大接続システム改革には、これまで教育再生実行会議がいろんな提言、答申をされているんですよね。それで、高大接続改革答申が掲げた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革の実行計画として高大接続改革実行プランというのが公表されて、多岐にわたる改革内容を論点として中間まとめをし、関係団体からヒアリングして、国民からの意見募集を経て最終報告されたというふうに私も認識しているんですが、この会議の目的は、高等学校教育、大学教育、大学入学選抜の在り方はどれも長い歴史を持ち、我が国の社会に深く根を張っていると、こうした状況の中で、高等学校教育から大学教育、また義務教育や社会との関係まで含めて、多岐にわたる改革内容をシステム的に捉え、これまでの歴史の先に新たな教育の仕組みを創造することは、長期にわたって、答えが一つに定まらない問題に解を見出していく活動であるというふうに位置付けているんですよね。それぐらい難しい問題だと。
 この答えが一つに定まらない問題を解を見出していくということは、長い時間が掛かるんだということ、そこには変わらない理念が必要なんだと。全ての子供の能力を伸ばして可能性を開花させるために必要な教育は何だろうと。ちょっと大臣呼ぶのを忘れたので、それは大臣に聞きたかったんですが、大臣がいないので、多様な人々と協力しながら、主体性を持って人生を切り開いていくためにも、知識の量だけではなく、混沌とした状況の中に問題を発見して答えを生み出していく、そして新たな価値を創造していく、こういう資質や能力を高めていかなきゃならないと、そう最終答申にあるように、いろんなところと協力していくことが必要なんだということなんですね。
 今、学校教育と民間教育は、お互いの長所を生かして、放課後・土曜教室を通じて連携をしているというようなことはもう皆さんよく御存じですよね。そうですよね。じゃ、ここで一つ確認でございますが、文部科学省、文部科学省が連携する関係団体に学習塾は含まれるという認識をしているんですが、それはそれでよろしいかどうか。
○政府参考人(常盤豊君) 今お話ございましたように、現在、高大接続改革を進めてございます。その中で、高等学校教育の改革、それから大学入学者選抜改革、大学教育改革ということで、それぞれのフェーズにおいて改革を進めていくということでございますが、その中で、今御指摘ございましたように、知識、技能という側面だけではなくて、いわゆる学力の三要素というふうに言っておりますけれども、思考力、表現力等を含めて育成をしていくということでございます。
 そういう教育改革を進めていく中で、もちろん学習塾の皆様方との連携協力ということも文部科学省としては視野に入れて取り組んでいるところでございます。
○大島九州男君 大臣答弁で、文部科学省が関係する外部の関係団体に学習塾が含まれるという答弁をいただいているので、それはそういう認識なんですよ。それでどんどん今進めているんですよね。
 ところが、教育再生実行会議の論議の中に民間団体という言葉が度々出てくるので、民間団体等ということで中に入れて話しているのかと思ったら、第九次か何かの提言の中に、いや、学習塾に頼らないでという文言が二回ぐらい出てくるんですよ。これはちょっと、今一緒に連携しながらいろんな進めている部分に対してそういう文言の書き方は私は不適切だという認識をしているので、その文言、表に出てきていないと思うんだけれども、今、もし、そういうのは出てきていないんですから、私の思い過ごしであるならばいいけれど、表に出てきたときに、そういう文言があると整合性が合わないと思っているので、そこら辺確認して是非整合性が合うような話にしてもらわないと、文部科学省は今連携してやっていますよと、教育再生実行会議は学習塾に頼らないでやっていかなきゃいけないとかいうふうなことが出るようではちょっとこれはおかしいと思うので、その件についてしっかり確認をして、そういう文言がもしあるようであれば、そういうのは整理をしていただきたいということで要望しておきます。
 それでは次に行きますが、それでは、柔道整復師の施術に係る療養費の問題でありますが、最近のこの療養費の推移、直近の金額、そしてまた、この療養費制度においていろんな課題があると思うんですけれども、その課題がどういう課題なのか、お願いします。
○政府参考人(唐澤剛君) お答え申し上げます。
 まず、柔道整復療養費の給付費の総額でございますけれども、直近は平成二十五年度でございます。二十三年度まではずっと増えてまいりまして、四千八十五億円ということで過去最高額になりました。二十四年度は三千九百八十五億円、二十五年度は三千八百五十五億円ということで少し減少しておりますが、こうした動向は引き続き注視をしていく必要があると考えております。
 また、現在の療養費制度の課題でございますけれども、主に三点あるというふうに考えております。第一には、保険者における療養費の支給決定、これに当たりまして判断に迷う事案というものがございます。その支給基準を明確化すべきではないかという支給基準に関する課題。第二に、同じ被保険者につきまして施術を行う部位を変えて頻度の高い施術を長期間にわたって行う、いわゆる部位転がしなどというような表現で呼ばれているもの、不適切な請求の防止に関する課題、これは審査の課題でございます。第三は、保険請求の取扱いを行う施術管理者につきまして、一定の講習の受講や実務経験を求めてはどうかという施術管理者に関する課題。こうした課題があるというふうに認識しているところでございます。
 このため、現在、施術者団体、医療保険者、有識者から構成される社会保障審議会医療保険部会柔道整復療養費検討専門委員会におきまして議論を行っているところでございます。
○大島九州男君 局長はよくこの経緯は御存じでしょうからあれですが、今の療養費に係る課題については柔道整復療養費検討専門委員会で議論をされていると、その経過も私も十分理解をしておりますので、まさに今、平成二十四年十月、二十五年三月、二十六年三月にそれぞれ料金改定を中心とした議論をやりましたね。ちょうど今年三月二十九日に開催した同委員会からは、先ほど申し上げたというか、今言った療養費制度をめぐる様々な課題について中期的な視点に立った議論を始めたところであると。
 これ過去も、療養費に係る問題、受領委任払いだとか、そういう保険請求をする主体の人の、言うなれば、普通の医療費はお医者さんが請求権を持って請求するんですけれども、皆さん御存じのように受領委任払いという制度で、世帯主が本来その保険療養費を請求する、それを代わりに柔整の先生にやっていただいている、こういった制度が非常に複雑なものだから、いろんなところで問題が起こったときに厳しい指導ができないという話になっていると。だから、根本的な改革をしなくてはなりませんねという議論をずっとしてきたわけですね。じゃ、その根本的な議論は何かといえば、当然、資格試験の在り方であったり保険制度の請求の仕方であったりという多岐にわたる問題になってくるわけです。
 何が言いたいかというと、国家試験ですから、試験を受ける、当然そのときの試験は専門学校から、今ここでは財団法人の柔道整復研修試験財団というのが実施しているわけでしょう。当然、そういう専門学校や試験財団の意見を聞き、業界団体の皆さんの意見を聞きながら抜本的なものをつくっていかなければならないということなんです。
 だから、療養費は療養費で検討する場所が今あるんですから、それはそれでいいでしょう。しかし、大臣、先ほどちょっと私が大臣にお話ししたように、抜本的な改革をするには、そういった試験制度やいろんな仕組みを幅広く話を聞いて、医師会の話も聞かなきゃならない、そういう試験財団の話も、そして業界団体の話も聞かなきゃならない、幅広い声を聞いた検討委員会等をつくって、そしてそれで議論をしていくことがこれ当然だと思うんです。大臣、その件についてはどのような感想をお持ちになりますか、今のいろんな話を聞いて。お願いいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来、柔道整復師の療養費の問題で昨今いろいろと問題も指摘をされていることがあって、いろいろございました。そういうことで、今先生から抜本的な見直しをすべきじゃないかという御指摘をいただきました。
 確かに、近年、柔道整復師学校養成施設がかなり増加をしておりまして、柔道整復師の皆さん方も平成十年の二万九千人から平成二十六年の六万四千人にかなり増えました。それから、施術所の数も平成十年の二万三千から平成二十六年で四万六千、倍になっているという、急速に増加をしている中で架空請求などが起きているわけで、療養費の不正請求の問題が指摘されて、不適正な請求の防止を含めた柔道整復師の質の向上が求められているんだろうと思います。
 直接的には、この養成課程について、平成二十七年十二月に柔道整復師の養成カリキュラム等の改善に関する検討委員会というのを設置して、新たに保険診療に関する教育などをカリキュラムに追加することについて今検討をしているところでございますし、また、柔道整復師国家試験を実施している公益財団法人柔道整復研修試験財団、ここで昨年度から国家試験の改善に関する検討を行っているわけでありまして、平成二十八年二月、今年の二月に出題範囲に保険診療に関する知識を加えるなどの中間報告が取りまとめられております。
 そういうことを踏まえて、これから、財団において出題基準の検討を行っているというふうに理解をしているわけでございますが、今お話がありましたように、やはり広く柔道整復師のあるべき姿について議論をすべきというのは、やはりこういうところに問題が出てきていること、よくこの点を踏まえた上でやっぱりあるべき姿というものを考え直すためには、先生御指摘のように、少し幅広く考えていくことが重要なのかなというふうに思います。
○大島九州男君 この経緯は唐澤局長が一番よく御存じでございますので、また大臣といろいろ打合せをしていただいて、抜本改革をするための幅広いメンバーを集めて意見を聞いていただいてやると。これは、与党の先生もそういう方がいいぞというふうにおっしゃっていらっしゃる声も聞いておりますので、是非そこは、大臣、皆さんと協議をしていただいて幅広い意見を聞いて、国民のためになる柔道整復師の抜本的な制度改革をやっていただくことを要望して、終わります。
○礒崎哲史君 民進党・新緑風会の礒崎哲史でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 まず冒頭、九州熊本を中心とした地震災害、お亡くなりになられた方、そして今も被害に遭われ避難をされている皆様にお悔やみとお見舞いを申し上げたいというふうに思います。
 今現在でも震度三以上の有感地震という規模のものが一日に何回も起きている状況、五回も六回も七回も起きている状況にございます。なかなか気が休まることがないという被災地の状況だというふうに思いますが、そういう中で、今も懸命に復旧活動に従事をしておられる現場の方たちも多くいらっしゃいます。もしかすると二次災害が起きるかもしれない、その地震によって新たな災害が起きるかもしれない、そういった危険性もありながら現場の方が頑張っておられます。
 石井大臣におかれましては、是非、現場の方たちが今後もしっかりと活動できるように、そしてまた、被災に遭われている皆様が一日も早く復旧が進んできたということが実感できるように、そうしたリーダーシップを是非発揮をいただきたいというふうに思います。
 それでは、事前に通告をさせていただいております内容について質問をしてまいります。
 まず、旧外地特別会計についてということで何点か御質問をさせていただきたいというふうに思いますが、午前中の質疑にもございまして一部かぶるところがございますけれども質問させていただきますが、戦後七十年たって、今回やっと昭和の十九年、二十年の決算を行うという形になりました。七十年にわたってできてこなかったということなんですけれども、これまで決算処理をしてこなかった理由と、今回提出に至った理由について改めて外務省の方に確認をしたいというふうに思います。
○政府参考人(垂秀夫君) お答えいたします。
 旧外地特別会計のうち昭和十九年度及び二十年度の決算につきましては、現地占領軍の命令等により書類の持ち帰りができなかったこと、終戦時の混乱により通常提出されるものと同様の決算書等を作成するために必要な会計資料が散逸したこと等により作成が困難になっておりました。
 法律により、旧外地特別会計の昭和十九年度又は昭和二十年度の歳入歳出の決算の会計検査院への送付及び帝国議会への提出は「これを当分の間延期することができる。」とされていましたが、七十年もの時間がたってしまい、決算の国会提出を延期し続けている現在の状態に区切りを付けること自体に意味があるとの判断から、今般、当時の予算書を日本銀行の国庫出納金記録等を基に可能な限りの整理、記載を行い、旧外地特別会計昭和十九年度・二十年度決算を国会に提出することといたしました。
○礒崎哲史君 必要な会計資料がそろわないということが今お話でも御説明があったわけでありますけれども、そういう意味でいけば、一般的な通常の会計の処理とは異なる形で判断もしなければいけないでしょうし、処理をしなければいけないということだと思います。
 その意味で、やはり会計検査院の方に、まずはどういう形で今回のこの外務省の方から提出をされた資料を検討をしたのか、本内容に対する会計検査院の見解を確認をしたいと思います。
 ただ、そうはいいましても、なかなか通常の見解どおりにはいかないということであれば、一般論として、今回は日銀の国庫金のデータを見た、記録を見てある程度の判断を行っているというふうにも伺っておりますので、その国庫金の記録をもってどの程度の精度とみなすことができるのか、こうした点について御説明をいただきたいと思います。
○説明員(村上英嗣君) お答え申し上げます。
 会計検査院は、平成二十七年十月六日、昭和十九年度及び昭和二十年度の旧外地特別会計の歳入歳出決算の送付を受け、その検査を行い、昭和十九年度朝鮮総督府特別会計等決算検査報告及び昭和二十年度朝鮮総督府特別会計等決算検査報告を作成し、平成二十七年十一月六日、これを内閣に送付いたしております。
 これらの特別会計の歳入歳出決算は、昭和十九年度決算に関する件等に基づきまして、日本銀行が作成し、保管しております帳簿に記載された国庫金の計数等に基づくなどして作成されております。このため、会計検査院は、正確性等の観点から、旧外地特別会計の収入支出の決算の計数が日本銀行の帳簿の計数と合致しているかなどに着眼して検査をしたところでございまして、その結果、両年度の旧外地特別会計の収入支出の決算を確認したところでございます。
 また、日本銀行の国庫金出納記録等の数字がどの程度の精度とみなせるかとのお尋ねでございますが、この国庫金出納記録は、旧外地特別会計に係る国庫金として日本銀行が受け払いを行った金額を集計したものとなっております。そして、旧外地特別会計の歳入歳出決算は、今も御説明申し上げましたように、昭和十九年度決算に関する件等に基づき、日本銀行が作成し、保管している帳簿に記載されました国庫金の計数等に基づくなどして作成されております。また、これ以外に計数を確認するための関係書類は現存しておりません。
 こうしたことから、会計検査院は、正確性等の観点から、旧外地特別会計の決算が昭和十九年度決算に関する件等に基づいて正しく作成され、収入支出の決算の計数が日本銀行の帳簿の計数と合致しているかなどに着眼して検査したところでございまして、検査の結果、両年度の旧外地特別会計の収入支出の決算を確認したというところでございます。
○礒崎哲史君 正確性については日本銀行の記録からある程度の確認は今回行ったということだというふうに思います。
 では、外務省の方に加えてお伺いをいたしますが、今、数字の正確性ということで確認を二点ほどしましたけれども、この精度以外にどのような課題があるということで外務省としては認識をされておりますでしょうか。
○政府参考人(垂秀夫君) お答えいたします。
 旧外地特別会計のうち、昭和十九年度及び二十年度の決算については、資料の散逸等により作成が困難になっておりますが、収入済額等の内訳も不明であります。会計上、約八億円の剰余金等が生じております。
 これにつきましては、今般の決算処理に当たり整備した旧外地特別会計の昭和十九年度及び昭和二十年度の歳入歳出の決算上の剰余金の処理等に関する政令第二条第一項の規定により、旧外地特別会計に所属する権利及び義務は一般会計へ承継されるとともに、各特別会計の剰余金等につきましては、同政令第一条及び第二条第二項の規定に基づき一般会計への繰入れを行っております。また、剰余金等のほかに旧外地特別会計に属する債権債務関係の処理につきましても課題になり得ますが、これにつきましても、同政令の第二条第一項に基づき一般会計に帰属することとなります。
 したがいまして、今後、当該権利義務の承継に伴い生じ得る業務等につきましては、必要に応じて一般会計で対応することになります。
○礒崎哲史君 今一般会計への繰入れの話と債権債務のお話がございました。
 債権の扱いについて、これは確認ですけれども、当然この債権を持っているという方がそれに気付き申請をしないとこれはそういう手続が進まないことになりますが、そうした債権に関して、持たれている方に対する周知の活動としてはどのようなことを行われているでしょうか。
○政府参考人(垂秀夫君) お答えいたします。
 旧外地特別会計に属する債権につきまして、外務省に問合せ窓口を設置するとともに、告示等を通じて案内を行ってきております。今後、個別の問合せにつきましてはこの窓口を通じまして誠実に対応していく考えであります。
○礒崎哲史君 今個別の対応を窓口を通じてというお話もされていましたけれども、一般会計に繰り入れたお金も併せてその債権を持っている方の権利をどのような形で保障していくのか。また、誰の責任の下に今言われました財源それから債権の窓口という業務含めて管理をしていくのか、誰の責任の下になるのかを確認したいと思います。
○政府参考人(垂秀夫君) 先ほど答弁させていただきましたとおり、外務省に問合せ窓口を設置させていただいております。外務省の方で担当させていただいております。
○礒崎哲史君 何点か確認をしてまいりましたけれども、大変難しい会計処理だというふうにも認識をしております。今確認をさせていただきました債権の問題を含めて、この後、当決算委員会の中で慎重に検討、判断をしていくことになろうかというふうに思います。
 事実関係の確認ということでは以上とさせていただきたいと思います。
 それでは、次の質問に移ってまいりますが、前回、私ここで立たせていただいて質問をしたんですが、途中で終わってしまいました。
 高規格幹線道路、いわゆる高速道路全体の計画ということで、前回は確認をいたしまして、全体計画一万四千キロに対しまして、今およそ八〇%が開通をしていると。また、事業中のものも含めれば、およそ九〇%以上のものが稼働済み、稼働見込みになるというようなことで前回回答をいただきました。かなり進んできたなという印象もある中で、あと一千キロ実は計画中のものも残っているということでありましたが、この開通済み若しくは現在事業中というものの中を少し掘り下げて詳しく見てみますと、高速道路の中身には二車線のもの、四車線のもの、あるいはそれ以上のものというものがあります。それぞれ完成二車線とか完成四車線という言い方をいたしますが、この中には暫定二車線というものが道路としては存在をいたします。
 まず、国交省の方に確認をしたいんですけれども、この暫定二車線の道路というものはどういう道路になるのか。建設の基準がもしあれば、あるいはその考え方があれば御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(森昌文君) お答えいたします。
 今御指摘のように、私たちの今、日本の高速道路につきましては、車線数は基本的には四以上を基本に計画をさせていただいているところでございます。しかしながら、御指摘のようにまだネットワークがつながっていないというようなこともございまして、ネットワークを早くつなげていこうという、ネットワークの早期整備の観点から、交通状況そしてまた整備コストといったものを踏まえまして、用地買収は四車線を前提にさせていただくものの当面工事は二車線で実施をさせていただいて開通をさせていただいているという区間、これがいわゆる暫定二車線と言われているものでございます。
 この暫定二車線の整備というものにつきましては、地域の開発、これからどのぐらい開発が進んでいくのか、そして、周辺道路のネットワークの整備状況、どういうようなネットワークがこの高速道路にくっついてくるのか、あるいは整備されていくのかといったような将来も見定めながら、そうしますと、当然その区間の交通需要といったものが出てまいりますので、その交通状況も見定めて、地域の御意見も聞きながら、暫定二車で整備をするかどうかといったようなところの方針を定めさせていただいているところというところでございます。
 以上でございます。
○礒崎哲史君 四車線以上をベースとしますので、その土地を確保しながら、まずは二車線という形で道路を造っていくということでございました。
 事前に提出をいただいた資料の中で、その暫定二車線で使っている総延長ということでは、二千五百キロほどが暫定二車線の道路ということでお伺いをいたしました。今、開通済みのものが一万一千キロをちょっと超えたぐらいということですから、まあ大ざっぱに言って約四分の一が暫定の二車線になっていると、運用されているということが現状だというふうになると思います。
 今回、それで、この暫定二車線の問題点、課題について少しこの後掘り下げをしたいというふうに思うんですけれども。
 これは会計検査院の検査状況の報告書の中にあったものから引用して質問させていただきますが、まず、道路の構造上の違いというものが暫定二車線と通常の四車線なり二車線のものについてはございます。通常、皆さんが高速道路を走られた場合に、大きな幹線道路を走られた場合にあるのが中央帯、中央分離帯とも言うかと思いますが、ああしたものが通常はございますけれども、暫定二車線というものはこの中央帯というものがありません。代わりにラバーポールというような、よくオレンジ色のラバーでできたポール、あれを中央に敷いているというものがあろうかというふうに思います。こうした道路の構造上の違いから、やはり交通事故の件数についてその差異が出てきているというのがこの報告書の中にも記載がございます。
 国交省の方に確認をさせていただきたいんですけれども、この暫定の高速道路と通常の完成車線の交通事故の状況の違いについて御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(森昌文君) お答えさせていただきます。
 今委員御指摘のように、私たち、高速道路を造っていくときの暫定二車線という場合には、将来四車線整備をする際に手戻りといったような工事ができるだけ少なくなるように、中央分離帯を設けずにラバーポールというゴム製のポールを立てて暫定的に二車線を分離させていただいているという、そういうのが暫定二車線の構造ということでございます。その結果、それを押しのけてというんでしょうか、押し倒して当然対向車線に入ってくる、また四車線ではなくて二車線と、一車線の三・五メーターという幅の中での運転でございますので、少しハンドルがぶれたりということで、少し横に寄っていってしまって事故につながるというような実際の事故がございます。
 実際に、この暫定二車線の区間につきまして、四車線以上の区間と比較いたしまして、死傷事故の発生する確率というのはほぼ同水準ということではございますけれども、死亡事故につながっていく確率については約二倍という状況になっております。それは、やはりラバーポールがしっかりと対向から出てくる車を止められないという状態ということもございまして、確率が約二倍という状況になっているところでございます。
 以上でございます。
○礒崎哲史君 今、死亡事故の確率ということでは二倍ということで御説明がありました。
 事前に国交省の方から出していただいた数字でいくと、その数字、私も確認をしておりますが、同時に、会計検査院の方で調べた事故状況ということでいくと、これは絶対数の比較ということなので、少し国交省の方とデータの整理の仕方あるいはまとめ方、元々の母数の状況が違いますので、数字が違ってくるのは当然といえば当然になるんですが、実は会計検査院が調べた数字でいきますと、平成十七年から二十六年までの十年間で調べたものでいきますと、死亡者数がおよそ四十倍違うというような数字も報告書の中には記載をされておりました。数字の大きさの違いは、かなり国交省さんと今会計検査院の中では違いがありますけれども、やはり大きな死亡事故の差はあろうかというふうに思います。
 暫定の二車線であろうとも本来の形の高速道路であろうとも、安全性というもの、これに違いがあるのは私はやはり問題かなというふうに感じておりますけれども、この安全性に対して、特に暫定二車線の方がやはり事故率が高いというこの安全性の違いについて、国交大臣の方で御見解がありましたらお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 高速道路の暫定二車線の区間につきましては、対面交通が基本となっておりますため、四車線以上の中央分離帯が設置されている区間と比較をいたしまして死亡事故の発生する確率が約二倍であります。一度事故が発生すると重大な事故になるなど、安全性に課題があると認識をしております。
○礒崎哲史君 課題があるという認識、今提示をいただきました。やはり安全性の向上策、これ是非優先度を上げて大臣にはお考えをいただきたいというふうに思います。
 片側四車線、片側三車線ですかね、大きい高速道路の中央分離帯のような立派なものは設けることは難しいのかもしれませんが、簡易的な、今のラバーポールよりはもう少し安全性の高い柵というものもあろうかというふうに思います。そうした検討を今後進めていただきたいなと、これは要望ですけれども、是非進めていただければなというふうに思います。
 また、今、私、暫定二車線のお話をさせていただきましたが、今事故というお話をしましたけれども、もう一点問題が会計検査院では指摘されておりまして、この暫定二車線の長期化ということについても指摘がなされております。
 そこで、会計検査院の中で調べた数字を御紹介をいたしますと、暫定二車線という形で五年以上若しくは十年未満という時間が経過をしてしまったものが、およそ暫定二車線の全体の中で半分が既に五年から十年経過をしているということだそうです。また、十年以上経過をしてしまった暫定二車線というものが三四%あるということであります。ちなみに、更に付け加えて申し上げますと、平成十一年以降、この暫定二車線の道路で四車線化された路線がないというのが会計検査院の中で指摘をされたものになっております。
 大臣にお伺いをしたいんですけれども、この暫定二車線が長期化をしてしまっている理由についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 高速道路は、ネットワークとしてつながることによりまして、いわゆるストック効果が発揮をされます。企業立地や観光交流が進むほか、いわゆるリダンダンシーの確保により防災機能が強化されるといった効果が生じ、地域の活性化にも大きく寄与をいたします。しかし、いまだネットワークとしてつながっていないことから十分な効果が発揮されていない地域がございまして、競争条件の確保を求める地域の強い要望を踏まえ、ミッシングリンクの早期解消を図っていくことが重要な政策課題でございます。
 こうしたことから、限られた財源の中でネットワークの早期整備を図る観点に重点を置いて進めてきた結果、暫定二車線となっている状態が長期化している区間もあるというふうに認識をしております。
○礒崎哲史君 今御説明をいただきました。
 では、今大臣言われましたそうした問題点を改善するためにどうしたことが必要だというふうにお考えか、確認をしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 高速道路の暫定二車線の区間につきましては、対面交通の安全性等の課題から、長期間継続することは望ましくないと考えております。運転者の安心や快適性、走行性を高める観点からも、機動的な対応を行っていくことが必要であるというふうに考えております。
 このため、暫定二車線区間の安全性や快適性を向上するなど、高速道路として必要な一定のサービスレベルを確保するため、最近、ETC二・〇、新しいETCを今広げて、普及をさせておりますが、こういったこと、ETC二・〇により得られるデータも活用して交通状況をきめ細やかに把握した上で、例えばスピードが落ちる区間がどういった区間になるかと、そういった状況をきめ細やかに把握した上で必要な対策を行っていきたいと考えております。
 具体的には、暫定二車線区間の交通状況を踏まえつつ有識者や地域の意見も聞きながら四車線化を進める、また追越し車線など機動的な車線の追加、また、今委員がおっしゃったような中央分離帯の設置などを含めた効果的な対策を検討し、機動的に実施していきたいと考えております。
○礒崎哲史君 今大臣お話しをいただいた内容、利便性が上がらなければ交通量が増えないということも当然かというふうに思いますし、ただ、その一方でなかなか数値がはっきりしないので四車線化する判断も付かないということ、鶏と卵の関係なのかなというふうにも思いますが、やはりこれはどこかできちんと判断を、ある程度の判断をしていかないと、これ前回の委員会でも申し上げたことなんですけれども、なかなかこうした計画を先に進めていくことも難しいのかなというふうに思います。
 今お話をさせていただきました安全性、これを高めることもしっかりとやっていかなければならないと思いますし、長期化、こうした観点でもしっかりと進めていかなければならないんだというふうに思います。おまけに、コストという意味でいけば、予算が限られる中で何を進めていくか、その優先度についてもしっかりと判断をしていかなければならないということで、これは国交大臣におかれては本当に大変な判断をしていかなければならないんだというふうに思いますけれども。
 そこでもう一つ、今その暫定二車線の長期化ということでお話をしましたけれども、老朽化、これは暫定二車線だけではありませんが、道路の老朽化対策、これもしなければいけないと思います。特に、暫定二車線がこれだけ長期化してきますと、その暫定二車線の道路をそもそも老朽化対策をしなければいけないというときに、どのように考えてこの道路を対策をしていけばいいのか、そうしたことも問題に、今後課題になってくるんだというふうに思いますが、この暫定二車線の長期化に伴う老朽化対策に対する考え方をお教えいただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 高度経済成長期以降に整備いたしました道路が今後急速に老朽化していく中、大規模な更新のタイミングに合わせて効率的に機能強化を図ることは重要な指摘であると認識をしてございます。ただ、暫定二車線の区間が直ちに老朽化の観点から更新が必要な差し迫った状況にあるというふうには考えてございません。
○礒崎哲史君 事前に国交省の方とお話をしたときには、五十年、場合によっては百年もつ道路を造りたいというようなお話もされておりましたので、早急な対応ということではないのかもしれませんが、既に二十年暫定のままという道路も出てきていることからすれば、そろそろそういうことも気にしなければいけないんだというふうに思います。
 そこで、幾つか問題を確認をさせていただきましたけれども、例えばその安全面ということでいきますと、暫定二車線というものを解決するために、例えば先ほど私申し上げましたラバーポールではなくてもう少ししっかりした、かといって四車線のような大きな中央分離帯ではないですけれども、もう少ししっかりした分離帯というふうなものを設ける、あるいは暫定の二車線ではなくて完成の二車線という位置付けにその道路そのものの規格を変える、こうした考え方も解決策としてはあろうかというふうに思いますが、こうした見直しについて大臣のお考えがございましたら確認させていただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) まず、安全性確保の観点から、委員がおっしゃったような現在のラバーポールの構造を少し見直してはどうかということにつきましては私どもも検討してまいりたいと存じますが、ただこれは、完成二車線にするということにつきましては、そもそも地元から四車線化の要望が非常に強いということもありますし、また将来の需要予測等を踏まえた場合、やはり四車線化が必要であろうという、こういう判断もございますので、その点については、やっぱり有識者や地元の意見等も踏まえながら慎重に検討する必要があろうと、こういうふうに考えております。
○礒崎哲史君 ありがとうございます。
 繰り返しになりますが、限られたコストの中で様々な対策をしていかなければならない、またミッシングリンクの解消もしていかなければならない。あるいは、今回九州で地震が起きた際に、じゃ現地の方たちを、どういうルートで入って物資を届けるのか、あるいは救助を行うのか、そういった意味でも、やはり道路を整えていくということは重要な観点だろうというふうに思います。
 私が、これだという解決策、自分自身でも提示できるわけではありませんけれども、今後も、様々な観点で問題意識を持ちながら、大臣ともこういった議論交わさせていただいて、少しでも道路というものが引き続き地方の皆さんにとって安心できる、まさにライフラインの一つであるというような利便性を感じてもらえるようなものとなるように今後も質疑させていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 それでは、三点目の質疑に入らせていただきたいと思います。
 最後、再生可能エネルギーの推進に向けた政策ということで質問をさせていただきたいというふうに思いますが、前回、林大臣の方にお伺いをいたしました。
 前回は、再生可能エネルギーに入る前に、今政府が思い描いている社会像ということで、水素社会、この点について確認をさせていただきました。その中では、大臣の答弁になりますけれども、水素を日常の生活や産業活動で利活用する社会だと。例えば、運輸部門であったり、あるいは家庭部門であったり、あるいは産業分野であったり、そうした点において、水素を身の回りの様々なエネルギー源として利用するんだというお話。水素を選んだ理由といたしましては、一つは大幅な省エネができるということ、二つ目としてはエネルギーの安定供給につながる、三つ目が環境負荷の低減につながる、そして四つ目は、現在日本において高い技術力を有しているというのが水素を選ばれた理由ということでございました。
 今日はそれを深掘りをしたいんですけれども、深掘りする前に、逆にちょっと大きな視点で、エネルギーの安全保障という観点でまずは確認をさせていただきたいんですけれども、まず、経産省の方に確認をしたいというふうに思います。日本を含めまして主要先進国、それと、アジアからは中国や韓国といった国々のエネルギーの自給率について、まずは現状を確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(藤井敏彦君) お答え申し上げます。
 一次エネルギー自給率でございますが、日本の数字は六%となっております。これは、アメリカの八六%、ドイツの三八%、韓国の一七%と比べても低く、OECD加盟国の中では三十四か国中三十三位という数値でございます。また、一次エネルギーのうち、残る九四%は海外から調達をしている原油やLNGなどの化石燃料となりますが、原油の約八割、LNGの約三割を中東から調達をしているというのが現状でございます。
○礒崎哲史君 今御説明をいただきましたエネルギーの自給率というものが、正確に言えば一次エネルギーという言い方になりますが、エネルギーの自給率が先進国の中でも際立って低い状況にあるということが今数字では説明があったかというふうに思います。
 ちなみに、ドイツ三八%という数字がありましたが、恐らくこれ、EUの中での調達を自国という扱いといいますか、自分たちの経済圏という言い方でもしくくったとすれば、ドイツも自給率はそういう意味でいくと五〇%を超える、EUの中での調達率を含めれば五〇を超えるということですから、日本がやはりその点でいきますとかなり低い状況にあるということが分かろうかというふうに思います。また、特に日本は、その中でも中東の石油に大きく依存をしているということでいけば、自給率の低さ、加えて、その一次エネルギーの調達先についても大きな偏りがあるということでもありますので、この点についてもリスクということではしっかりと認識をしておかなければならないんだというふうに思います。
 その観点で大臣の方にお伺いしたいんですけれども、今数字を確認をさせていただきました。極めて日本の状況、不安定、リスクが高いのかなというふうに思いますけれども、この点に対して大臣のお考え、確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(林幹雄君) 今ほど答弁があったように、我が国のエネルギー自給率は現在約六%でございまして、化石燃料の多くを中東地域から輸入をしております。エネルギーの安定供給の確保は大きな課題だというふうに思います。
 こうした中、昨年七月に策定しましたエネルギーミックスでは、東日本大震災以後大きく低下した自給率を震災前を上回る二五%程度まで改善することを政策目標の一つとしているところでございます。
 このため、自給率の向上に向けまして、再エネの最大限の導入、そして安全性の確認された原子力の活用、三つ目として国内における資源開発を推進していくということでございます。あわせて、原油やLNGの調達先の多角化、そして自主開発権益の獲得を強力に進めます。
 また、約六か月分の石油備蓄を今後も確保して、輸入途絶などの緊急事態への対応にも万全を期してまいりたいと存じます。
○礒崎哲史君 できれば、今の大臣の答弁の中に水素の話が出てきてくれると有り難かったなと思ったんですが、出てきませんでした。
 実は、大臣の前回の答弁の中に、エネルギーの安定供給につながるということで、水素は様々なものから製造することができる、特定の国や地域に依存しないためにエネルギーの安定供給に貢献できるというのが水素を選ばれた理由の四つの中の一つに入っていたものですから、今の安全保障に対する中に私、入ってくるのかなと思ったんですが、大変残念ですけれども。
 私の中の理解では、恐らくこの水素というものはエネルギー安全保障の中の幾つもある中の一つに入っているんだろうというふうに認識をしておりますけれども、前回のこの答弁を少し確認をさせていただきたいんですが、様々なものからつくれる、あるいは特定の国に偏らずにできるんだということでありますが、この水素の製造の地域、できれば私は日本でというふうに思うんですけれども、どういった地域で調達をするということでお考えでしょうか。
○国務大臣(林幹雄君) 先生御存じのように、水素は、原油や天然ガスのみならず、オーストラリアの褐炭など様々な化石燃料から製造ができます。また、再エネからも製造することができるわけでございまして、こうした水素の活用は、エネルギーの調達先の多様化、そして国内の再エネの利用によるエネルギー自給率の向上という二つの観点からエネルギーの安定供給に資するものというふうに考えておりまして、このため、現在、具体的取組として、オーストラリアにおける未利用エネルギーとなっている褐炭から水素を製造し日本に輸送するための技術実証を進めているところでございます。
 また、将来的に国内の再エネから製造された水素を利活用することでエネルギー自給率の向上につながることが期待されておりまして、経産省でも水素製造技術の研究開発や実証に取り組んでいるところでございます。
○礒崎哲史君 オーストラリアという国の名前が出てきまして、あるいは日本国内で将来的にはというお話もいただきました。
 既に政府の方で発表されていますロードマップを拝見いたしますと、実際にそうした水素を国内で供給をしていく、組み合わせていくというのは二〇四〇年頃ということですから、まだ少し時間が掛かるのかもしれませんけれども、エネルギーの安全保障、長い目でしっかりと対応していくことが大切かというふうに思います。
 もう一つ、エネルギーの安全保障の中で調達先、そうした観点でリスク低減ということももちろん重要なんですけれども、そもそもエネルギーを使わないで済ませていくということも大変重要なんだと思います。その意味で、省エネルギーということは大変重要な観点だと思います。前回の大臣の御説明の中で、水素を利用した燃料電池のエネルギー効率が大変高いというお話でありました。
 一点確認をさせてください。水素燃料電池と化石燃料のエネルギー効率、どれぐらい違うのか、確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(林幹雄君) 単純な比較は難しいと思いますけれども、一般的に燃料電池は高効率なエネルギー利用が可能でございまして、まず発電効率について比較をしますと、例えばエネファームは家庭用小型の設備でありますが、四〇から五〇%程度の高い水準の発電効率を発揮します。一方、火力発電では設備規模が大きいほど効率が良くなる傾向にありまして、二〇%から五〇%程度の発電効率となります。
 また、発電に伴って排出される熱を有効活用した場合の総合エネルギー効率を比較すると、エネファームでは、家庭の給湯用に熱を活用するため、エネルギー効率は八〇から九五%程度になります。これに対して、化石燃料を燃焼して発電する場合、最も有効活用するいわゆるコージェネレーションと呼ばれる設備では、一般的にエネルギー効率は六〇から八五%程度となります。ただし、需要場所の状況によって熱をうまく利用できない場合には、今申し上げたような総合エネルギー効率が発揮されない場合もあるというふうに認識しておるところでございます。
○礒崎哲史君 水素の効率については今御説明をいただきました。引き続き、再生可能エネルギーとの組合せでどのようにこれを有効活用していくのか、この観点で質問をまだまだ準備しておりますので、今後また質問をさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○荒木清寛君 公明党はかねてより公務員による不正経理の根絶に取り組んでまいりましたが、しかるに、二十六年決算検査報告でも報告がありました。
 これは、農水省が所管をする独立行政法人十法人につきまして、研究用物品の購入等に当たり、会計規程等で認められていない前払により購入を行っていたり、研究員が販売代理店に虚偽の内容の関係書類を作成させ、所属する独立行政法人に架空の取引に係る購入代金を支払わせたりするなど不適正な会計経理を行っていたということで、平成十八年度から二十五年度までの間で十一億九千五百九万円が不当な経理であった、こういう指摘でありまして、極めて遺憾であります。
 そこで、農水大臣には、こうした不正経理を行った研究員あるいは経理責任者に対する処分はしっかり行われたのか、そして、こうした独立行政法人での不正経理の根絶にどう取り組むのか、決意をお尋ねします。
○国務大臣(森山裕君) 荒木委員にお答え申し上げます。
 農林水産省といたしましては、所管独法に対する不適正な経理処理の指摘を受け、各独法に対しまして、関与した者の処分、再発防止策の徹底等、厳正に対処するよう指導を行ってきたところであります。これを受けまして、各独法では、順次、不適正経理の態様、金額、年数に応じまして、懲戒処分、矯正措置等の処分を厳正に行っております。
   〔委員長退席、理事石井正弘君着席〕
 また、各独法では、研究職員の代理店との直接取引の禁止、納入物品の検収の徹底、職員に対する指導、教育の徹底など、再発防止に取り組んでいるところであります。
 農林水産省としましては、本年四月から、国立研究開発法人の新たな中長期目標においても、不適正事案の根絶に向けた内部統制の仕組みの強化を図るよう指示しております。
 今後とも、各独法に対しまして再発防止策の徹底について厳しく指導してまいりたいと考えております。
○荒木清寛君 こうした不正経理というのは、無用の契約上のトラブルになって独法に損害を及ぼしたり、あるいは着服等のそういう不正につながる温床ともなりかねないわけでありまして、厳しくやっていただきたいと思います。
 そのほかの独法につきましても今回の決算検査報告で指摘をされておりますので、財務大臣にお尋ねをいたします。
 日本スポーツ振興センター、JSCにおきましては、会計規則に定められた手続を経ることなく契約に係る業務を実施したり、そういう正当な手続を経て確定した契約書に基づくことなく支払を行っていた事態ということで四十九億三千九百八十五万円の不正経理を指摘をしております。
 あるいは、国立大学法人東京医科歯科大学においては平成二十一年度から二十六年度において九百五万円、同長岡技術科学大学におきましては二十一年度から二十五年度で三百五十二万円、それぞれ会計規程等で認められていない前払による購入を行っていたり、あるいは納品検査において現物との照合を行わず支払を行っていたという事態が指摘をされております。
 こうした不正経理につきまして、毎年検査院から指摘をされておりますのになかなかこれがやまないということは、そうした不祥事を起こした、不正経理を行った関係省庁あるいは独法の情報、危機意識がほかの独法や省庁で十分に認識をされ防止策が徹底されていないのではないか、こういう危惧を持つわけでございます。
 そこで、財務大臣には、今後こうした不正経理が根絶されますように、各省庁あるいは各独法に対する指導の徹底を政府を挙げてお願いしたいと思いますので、再発防止策につきましての大臣の見解をお尋ねいたします。
○国務大臣(麻生太郎君) 財政を担当いたします我々としては、これまでもいろいろな機会を捉えて、各省庁に対して、不正というか、予算の厳正かつ効率的な執行と会計経理の適正な処理、基本的にはこの二つなんだと思いますが、これを要請してきているところでありますが、昨年十一月の決算報告書を受けまして、私の方からも各大臣に対して改めて要請を行ったところです。
   〔理事石井正弘君退席、委員長着席〕
 また、特に独立行政法人というのは、直接こっちの管轄ではなくて担当しております各省庁がありますので、検査院の指摘事項とか適正な予算執行についての情報というものの周知を行っているところなんですが、いずれにしても、今回の農林省の話に限りませんが、会計検査院からの指摘を我々としては真摯に受け止めて、その上で不正経理というものの再発防止というのは、これはもう人が替わりますので、何回も同じような話を同じような部署に言っても、人が替わっているからまた言わないかぬというところが大事なところで、きちんと引き続き万全を期してまいりたいと思っております。
○荒木清寛君 農水大臣に対する私の質疑は以上ですので、委員長においてお計らいをいただいて結構です。
○委員長(小泉昭男君) 農水大臣、結構でございます。
○荒木清寛君 次に、厚労大臣に、特定就職困難者雇用開発助成金に係る検査院の指摘についてお尋ねいたします。
 厚労省につきましては、障害者等就職が特に困難な求職者を雇用した事業主に対しまして、いわゆる就職困難者助成金を支給をしております。ところで、今回の決算検査報告では、二十三年度に初回の支給決定が行われた事業主を対象に、支給対象となった障害者の就労状況について検査をしましたところ、二十七年三月末時点で、雇入れ後三年未満の早期離職をした障害者が全体の四二・一%になりました。当然、この助成金というのは六十五歳までの継続雇用を前提として支給をしているわけでありますが、実際には三年未満での離職が四二・一%、当該助成金にしますと十億九千百五十一万円ということでしたし、さらに、助成金の支給中又は支給終了後一年以内に離職をした障害者が全体の三八・八%になっていたということでありまして、様々改善を求められているところでございます。
 そうした中には、この助成金の支給対象となった障害者の具体的な離職理由等を十分に調べていない、したがって次回以降のそうした支給決定の審査に役に立てることができないとか、あるいはこれまで雇用された障害者の状況をよく調べた上での当該障害者への職業紹介がなされていないとか、あるいは障害者に対する定着指導が行われていない等々、詳細に指摘をされております。
 一億総活躍社会の実現のためには、障害者の早期離職を防ぎ、継続的かつ安定的に就労できるような環境を整えることが重要でございます。そこで、今回の詳細な指摘を受けた対応策、また今後の改善策について、大臣の方針をお尋ねいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、特定就職困難者雇用開発助成金、これについて、特に障害者につきまして離職者が多いという指摘を受けたことにつきまして御指摘をいただきました。
 昨年十月に会計検査院から、障害のある方などを雇い入れた場合に支払われるこの助成金を受給した企業について、障害のある方の多くが早期に離職している、それから離職の理由等が十分調査されていないといった厳しい指摘を受けたわけでありまして、これを踏まえて、障害のある方の離職が目立ち、職場定着に問題があると思われる事業所あるいは障害のある方を雇用した経験が浅い事業所について、ハローワークの担当者がまず事業所を直接訪問し、そして必要な助言や指導等を行うとともに、障害のある方の離職理由の確認の徹底とそれを考慮した再就職の支援を行うことなどを全国の都道府県労働局に指示をいたしたところでございます。
 また、職業紹介を行うハローワークの職員と、それから就業面だけでなくて生活面を含めた相談支援を行う障害者就業・生活支援センター、これは全国に三百ぐらいございまして、社会福祉法人やNPOにお願いをしているわけでございますけれども、これらの地域の関係機関の職員がチームを組んで職場定着に向けた支援を行うチーム支援などの取組をより一層進めることとしたところでございます。
 さらに、昨年十月に行いました、本助成金を活用して過去に雇い入れた労働者の離職割合が五〇%を超える場合には以後不支給とするとする支給要件の改正について、今回の会計検査院の指摘も踏まえて、その効果を検証し、必要に応じて見直しを行うなど、今後とも本助成金が障害者の雇用の安定に資するように努めてまいらなければならないと考えているところでございます。
○荒木清寛君 この障害者に係る就職困難者助成金は、毎年それなりの金額が計上されておりまして、非常に重要な予算であると思っております。
 今日は財務大臣も同席しているわけですが、こうした検査院の指摘を受けて、財務省の査定が厳しくなってこの予算が減額、助成金が減額されるようなことになっては大変でありますので、しっかり改善をした上で、二十九年度もしっかりとこの特定就職困難者助成金を確保していただきたいと思いますが、その点についても決意をお尋ねいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) この制度は就職がなかなか難しいという方に雇用の機会を提供するためのものでございますので、今お話をいただいたように、離職理由の確認の徹底も十分なされずに今日までこれが運用されて離職者が続出するということになっていました。
 そういうことにならないように、本旨に立ち返って障害者雇用が進むように、そして、それが何よりも定着をしていくということが大事でありますので、その定着にも十分思いを払ってこれからの制度執行に当たってまいりたいというふうに考えております。
○荒木清寛君 厚労大臣への質問は以上です。
○委員長(小泉昭男君) 厚労大臣、御退席結構でございます。
○荒木清寛君 次に、先ほど礒崎委員からもありました高規格道路の暫定二車線問題について、私も一問お尋ねをいたします。
 この高速道路の暫定二車線というのは先進国には例がないと思いますし、先ほどの答弁でも、死亡事故につながる確率が二倍ということはゆゆしき問題であると思います。暫定二車線道路とはいいましても、今後も交通量の大幅な増加が見込めないものも少なくないわけでありまして、しばらく暫定のままである道路もこれはあり得ると、このように思います。
 そこで、今後の需要見通し等を再精査した上で、しばらくこの暫定のままであるというふうなところについては優先的に防護柵を設ける等、そういう安全性向上のための対策は早急に打つべきであると考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 暫定二車線区間の高速道路は、車線数四車線以上を基本に計画されていることもございまして、地域の方々からの四車線化を望む多くの要望がございます。
 また、暫定二車線の構造を完成二車線に見直す場合には、中央分離帯の追加により断面の構成は変化をいたしますけれども、トンネルや橋梁などでは直ちに幅員を広げることが容易でない区間もございまして、完成二車線という形に構造を見直すことについては、地域の意見も聞きながら慎重に検討することが必要でございます。
 いずれにいたしましても、この暫定二車線区間の安全性を確保するために、有識者や地域の意見も聞きながら、四車線化を進める、また追越し車線等の機動的な車線を追加をしていく、また現在のラバーポールに代わる中央分離帯の設置などを含めた効果的な対策を検討して機動的に実施をしていきたいと考えております。
○荒木清寛君 今月四日にも、常磐自動車道で暫定二車線での正面衝突で親子が死亡するという、こうしたニュースも、痛ましい事故もあったばかりでありますので、どうぞ対策をよろしくお願いします。
 次に、熊本地震につきましての仮設住宅の整備について、要請、お尋ねをいたします。
 様々政府は万全の対策を今回の地震で講じているわけでありますが、仮設住宅の早急な整備もその一つでございます。これはもちろん応急仮設住宅でありますから、迅速にまた整備し、公平に提供するということが大事でありますが、残念ながら長期にわたる居住が行われることもあり得べしでありますので、住環境の整備という点も十分に重視をして整備をしていただきたいと思います。
 追いだき機能付給湯器の整備というのはもう当初から行うことは当然でありますし、また、熊本県は有数の木材供給県であります。そうした地元の木材を使って整備をするということは、入居者の安心といいますか、少しでも安らぎにつながるわけでありますので、そうしたことも含めてのこの仮設住宅の整備の方針について内閣府にお尋ねをいたします。
○政府参考人(中村裕一郎君) お答えいたします。
 今般の平成二十八年熊本地震におきます応急仮設住宅の提供につきましては、既に四月二十八日から民間賃貸住宅の借り上げによるものの募集を開始しておりますほか、建設型のものにつきましても、少なくとも必要と見込まれるものは順次各自治体において建設に着手ないしはその準備が進められているところでございます。この中で、住環境の向上という観点から、御指摘のありました追いだき機能のほかにも、コミュニティー形成のための集会施設ですとかバリアフリー化といったものを図っていきたいと考えております。
 また、仮設住宅における被災地の木材の活用につきましては、様々な観点から、どういった仕様がいいかというところは最終的には各自治体の御判断かとは存じますけれども、かねてより内閣府におきましては木材活用の取組事例の紹介などをしておりまして、今回の仮設住宅におきましても、西原村におきましては五十戸を木造で全て県産木材を活用するというふうに伺っております。
 今後、大きな方針といたしましては、個別の被害状況の確認ですとか被災者の意向調査が迅速に進み、被災者のニーズを踏まえた住宅が早期に提供されるように、熊本県を始め関係自治体と一体となって取り組んでまいりたいと考えております。
○荒木清寛君 国交大臣にお尋ねいたします。
 熊本地震においては、今日現在、四十九名の人命が犠牲となっております。その八割近くが建物倒壊によるものとされております。また、一部の地方公共団体の本庁舎が倒壊の危険から使用できなくなるという事態が相次いで、当初、罹災証明もすぐに出ないというようなことでございました。
 消防庁の調査によりますと、全国で平成二十六年度末現在における役所の庁舎の耐震化率は七四・八%にとどまっているわけであります。そうした庁舎の一階というのは、もうふだん日中であれば住民票や印鑑証明を求める住民の方で混雑しているわけでありまして、そうしたところが耐震化されていないということは大きな問題である、私はこのように思います。
 この地方公共団体の庁舎自体の耐震化がまだ進んでいない原因としましては、財源不足によって庁舎の耐震化が後回しにされてきたことが指摘をされております。公立小中学校の耐震化については、公明党もしっかり推進をしてほぼ一〇〇%になってきているわけでありますけれども、役所の庁舎についてはそうでもないということでございます。
 言うまでもなく、そうした庁舎は、万が一の場合の司令塔の機能を担うわけでありますし、また住民の方の避難の場所にもなっていくわけであります。庁舎の耐震化を促進をするために、国としても、技術的にはもちろん、財政的にも一層の支援をしていかなければいけないと考えますが、国交省の方針をお尋ねいたします。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
 今回の熊本地震の状況を見ましても、災害の応急対応を行う防災拠点となります庁舎について耐震化を一層促進することは大変重要であるというふうに考えております。
 耐震化の数値につきましては、今先生からお話しいただいたとおり、七四・八%という数値でございます。これらの庁舎の耐震化を促進するために、都道府県が耐震改修促進計画において防災拠点ということで位置付けを行いますと、その庁舎等の建築物につきましては、平成二十五年の耐震改修促進法の改正におきまして耐震診断が義務付けられているところでございます。
 また、財政的な助成措置につきましては、防災・安全交付金等によりまして庁舎の耐震改修等の費用を助成してまいっております。特に、今申し上げました耐震診断の義務付けの対象となりますものにつきましては、その交付率を引き上げる措置を講じております。
 具体的に申しますと、一般のベースでは国費ベースで一一・五%でございますが、これが、地域防災計画上の防災拠点となっているものについては国費が三分の一に引き上がります。さらに、今申し上げました耐震診断の義務付けが対象となっておりますような都道府県の耐震改修の促進計画に防災拠点として位置付けられます庁舎等については、国の負担率五分の二まで引き上げることができるという制度を持っております。この措置につきましては、二十八年度の予算において更に三年間の延長ということを講じているところでございます。
 また、技術的な支援といたしましても、過去に行われました耐震改修の事例集等の技術的情報の提供、普及に努めているところでございます。
 今後とも、関係省庁とも連携をいたしながら各地方公共団体に対しまして啓発を行いまして、この都道府県の耐震改修促進計画に地方公共団体の庁舎を防災拠点として位置付けていただくように促すとともに、助成措置を活用しながら庁舎等の建築物の耐震化を積極的に支援してまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○荒木清寛君 熊本地震での犠牲者、建物倒壊による犠牲が八割近くであった、その多くが旧いわゆる建築基準法の基準による建物であった、このように承知をしております。
 国土交通省は、住宅等の耐震改修につきましては、費用の二三%を補助する仕組み、国一一・五、地方一一・五でありますけれども、を設けておりますが、その限度額は一戸当たり八十二・二万円であります。経済基盤が脆弱な高齢者世帯にとってはなかなかその自己負担というのは大きい、このように思います。
 デパートやホテルといった耐震診断を義務付けられている構造物の耐震改修につきましては国による補助は三分の一にまで拡充されるわけでありますけれども、私は、この住宅の耐震化を進めていくために、もう一歩の国の耐震助成が必要ではないか、このように強く考えるものでありますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 今回の熊本地震における住宅の被害につきましては、消防庁の調査によりますと、五月九日の十時現在で、全壊二千六百十八棟、半壊三千九百七十棟、一部破損二万六千二百四棟、程度不明約三万六千棟と報告をされております。今回の地震における被害の状況を見ましても、住宅の耐震化を促進することは大変に重要な課題と考えております。
 住宅の耐震化率につきましては、耐震改修促進法に基づく基本方針等におきまして、平成三十二年に九五%とすること、平成三十七年までに耐震性を有しない住宅ストックをおおむね解消することを目標として定めておりますが、平成二十五年度時点では八二%にとどまっております。
 耐震化を進めるためには、住宅の所有者の方々に必要性を御理解いただくこととコスト負担を軽減することが重要であります。このため、地方公共団体と連携をいたしまして、耐震化の必要性についてパンフレット等を通じた周知を積極的に進めるとともに、コスト負担の軽減のための施策を推進しております。具体的には、防災・安全交付金等を活用し、地方公共団体を通じた耐震診断、改修に対する助成を進めております。
 改修に対する補助率につきましては、国と地方を合わせて約一五%であったものを平成二十一年度から二十七年度までの特別措置として二三%に引き上げておりましたが、二十八年度予算で更に五年間の延長を盛り込んだところでございます。
 また、税制につきましても、耐震改修を行った場合に所得税や固定資産税を減税する措置等を講ずることによりまして耐震化を促進しておりまして、例えば耐震改修工事を行った場合、最大で二十五万円所得税が控除、これは二百五十万円の工事費の一〇%となります。さらに、二十八年度税制改正におきましては、耐震改修に係る固定資産税の特例措置の延長を盛り込んでおりまして、こういった税制措置も実質的に補助金による助成と同様の効果が期待されるというふうに考えております。
 この住宅の耐震化に対する財政的な支援は、個人が所有し利用する資産に対する助成でございますので、耐震診断が義務付けられた不特定多数の者が利用する例えばデパートやホテルのように高い補助率等を適用することは困難な面がございますけれども、今後とも、地方公共団体との連携の下、これらの施策を積極的に推進をして住宅の耐震化を促進してまいりたいと、このように考えております。
○荒木清寛君 我々も、政府・与党一体となってこの住宅の耐震化については進めていきたいと、このように決意をしております。
 最後に、国交大臣に、先般四月から施行されました踏切道改良促進法についてお尋ねをいたします。
 私は、十二年前に富山県の旧北陸本線の踏切道の歩道の拡幅について要請を受けました。そこは車の交通量も多いわけでありますし、通学路にもなっているわけですが、これはよくあるんですけれども、踏切のところで歩道が急に狭くなって非常に危険というところでした。そこでいろいろ要請しまして、富山県とJR西日本の協議がスタートしたわけですけれども、しかし、いまだに結論が出ないうちに富山県内のこの北陸本線は第三セクター化されたということでございます。
 そうした中で、今回、改正踏切道改良促進法が施行されましたことに非常に注目をしております。抜本的にはやはり安全確保のためには立体交差事業等が望ましいわけでありますけれども、全ての踏切をそうするわけには現実問題いかないわけでありますから、地域住民の立場に立った上で踏切道の拡幅やカラー舗装等による歩道の分離等を行っていく必要性があるということで、今回の法改正につながったと認識をしております。
 参議院での附帯決議にもありますように、そうした改良についての財政的な支援を国としてしっかり行った上でこのような改良が進むように取り組んでいただきたいと考えます。大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 踏切道の立体交差化は検討段階から事業完了までに十数年を要するような場合もあることから、歩行者等の安全を確保するための暫定的な対策として踏切道の拡幅やカラー舗装等を進めることも重要であるというふうに考えております。
 このため、先般改正をしていただいた踏切道改良促進法におきましては、従前の立体交差化等に加えまして、抜本的な対策が講じられるまでの当面の対策や、あるいは駅周辺の駐輪場整備などの踏切周辺対策も幅広く取り込みながら計画的に対策を講じることができることとされたところでございます。また、今般の改正により創設をされました道路管理者、鉄道事業者、地域の関係者等による協議会におきまして、地域の実情に応じた対策が検討されるものと考えております。
 国といたしましては、国土交通省の機関でございます地方整備局長と地方運輸局長がこの協議会に参加をいたしまして、関係者の合意形成を促進するとともに、対策の実施に当たっては防災・安全交付金等におきまして重点的に支援をしていきたいと、このように考えております。
○荒木清寛君 以上で終わります。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 初めに、熊本の地震に関して緊急に一問お聞きをします。
 被災した方々につきまして、医療費の窓口負担、これは徴収猶予という扱いが今取られています。しかし、その扱いについての周知徹底が遅れていたということもありまして、例えば益城町でも、医療機関で自宅が全半壊したという方からも医療費の徴収が行われたということをお聞きしています。今後、周知が行き渡って、一度支払ったその医療費の自己負担分返還を求められる、この場合に医療機関がどういう対応をするのかということが課題になってくると思います。
 東日本大震災のときには、こういう場合には保険者が本人に一度支払った医療費を返還する、こういう事務連絡が出されていますけれども、やはりこういう対応、早め早めに手を打つことが求められると思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 医療費の一部負担金、窓口負担ですね、これにつきましては、熊本地震で被災をされて対象となる保険者に加入をされている方は、医療機関等の窓口に被災して住宅が全半壊等をしているといった旨を申し出ていただければ一部負担金の支払が当面猶予される、さらに、熊本県内の全ての市町村国保、それから高齢者の医療制度、それから協会けんぽ、これに加入されている方々につきましては猶予された一部負担金は免除をされると、こういう扱いになっております。
 しかし、今お尋ねのとおり、免除の対象となる方が医療機関の窓口で誤って支払ってしまうというケースがあった場合につきましては、東日本大震災の際の取扱いと同様に、後日、保険者に申請いただくことによって還付を受けることができるようにする必要があると考えておりまして、今後、事務連絡等で速やかに示してまいりたいと考えているところでございます。
○田村智子君 あわせて、これは厚労省というより県が対応しなければならないことなんですが、ちょっと厚労省にも関心を持っていただきたい点を要望しておきます。
 熊本市から遠隔避難をした高齢者の方が、避難先の自治体で介護サービスを利用しようとした、ところが、ケアマネから、避難先に住所を変更しない限りショートステイと入所は利用できない、通所サービスの場合は利用できるけれども、その場合も、熊本市の担当ケアマネを呼んできてもらって、家族と御本人とで担当者会議を開いて新たにケアプランを作成した上で署名、契約しなければ駄目だと言われてしまって、事実上、介護サービスが受けられないという事態になってしまっている、こういう案件が直接に私の下に寄せられました。
 これ、私どもも、党の県議が直接に聞き取って、県にまともに対応しなさいということを求めていきますけれども、是非介護保険の通知、これ周知などを行って、避難をした方、ただでも大変なんですから、そういう方が介護を受けられないような事態にならないようにこれは対応をお願いしておきたい。御答弁はいいです。是非、今日にでも、どうなっているんだとお聞きをいただきまして対応していただきたいというふうに要望しておきます。
 それでは、今日は、今国会で焦点となっている保育所の待機児童対策についてお聞きします。
 安倍内閣は、市町村が関与しない企業主導型保育で五万人の受皿をつくるということを待機児童対策の柱にして、これを推進するための法律、これは内閣委員会で私も質問をいたしましたけれども、既に成立をしています。企業主導型保育は認可外の事業で、資格のある保育士さんは保育をする方の二分の一以上置いていればいいとか、施設や設備は認可外施設に準ずるという、こういう基準になってしまっています。これでは保育の質が置き去りにされる、命に関わる事故が起きかねないということを私は内閣委員会でも厳しく指摘をいたしました。
 実は、この法案の審議のさなか、今年三月に、この企業主導型保育が行おうとしている、複数企業が共同で設置をするという事業所内保育所で死亡事故が発生していたということが四月に入って分かりました。キッズスクウェア日本橋室町、育休明けで通い始めた一歳二か月の子供さんがうつ伏せ寝で一人だけ部屋に置かれて、約二時間後に死後硬直が始まったと思われる状態で発見されました。本当に痛ましい事故です。
 まずお聞きします。保育施設における死亡事故の報告、直近の死亡事故の件数、そのうち睡眠中、またうつ伏せ寝が確認されたという件数、これを教えてください。
○政府参考人(武川光夫君) お答えいたします。
 平成二十七年中に報告のあった教育・保育施設等の死亡事故の件数は十四件でございます。その十四件の施設類型別の内訳につきましては、幼保連携型認定こども園が一件、認可保育園二件、小規模保育事業一件、地方単独保育施設一件、その他認可外保育施設九件でございます。また、死亡事故発生時の状況といたしまして、睡眠中は十件でございまして、そのうち、うつ伏せ寝は六件でございました。
○田村智子君 これ、うつ伏せ寝は、報告書にうつ伏せ寝にしていたということが書かれていたもので確認できたものが六件ということなんですよ。死亡事故の圧倒的は睡眠中なんです。この事故に遭われたお母さんは、家ではこの子供さん、一度もうつ伏せ寝にしてこなかったんですよ。寝返りをするようになってからも、隣で寝ている子供が動いたという気配がすると自然に目が覚めてという。これ当然、乳幼児突然死というのがうつ伏せ寝のときに起きやすいんだということをお母さんたちは知っているわけですよ。何で保育園でうつ伏せ寝にして死亡する、こういう事故が後を絶たないのかと。
 うつ伏せ寝の死亡事故は厚生労働省も繰り返し注意喚起を行って、二〇一〇年からは死亡事故報告の際にうつ伏せ寝の件数を集約するようにもなっています。それでもなお、睡眠中が最も多い、うつ伏せ寝が確認される。
 厚労大臣、なぜこんなことが起きているんですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 御指摘のように、保育施設で子供が命を落とすということはあってはならないことでありまして、重大事故が発生しないように全力で取り組まなきゃいけないというふうに思っております。
 保育園における保育の内容等について厚生労働省が定めました保育所保育指針の解説書で、これは平成二十年にこのうつ伏せ寝について書き込んだわけでございますけれども、うつ伏せ寝にして放置することは避けなくてはならないこと、それから、うつ伏せにする際には、子供のそばを離れないようにして、離れる場合には、あおむけにするか、他の保育士等が見守るようにすることとなっております。あわせて、認可外保育施設の指導監督基準、ここにおきましても、乳児を寝かせる場合にはあおむけに寝かせることとするなど、うつ伏せ寝に関しては注意喚起をしてまいっているところでございます。
 さらに、本年三月三十一日には、重大事故の予防や事故発生時の対応に関するガイドラインを作成をいたしました。その中でも、医学的な理由で医師からうつ伏せ寝を勧められている場合以外は、乳児の顔が見えるあおむけに寝かせることが重要だと。そして、何よりも、一人にしないこと、寝かせ方に配慮を行うこと、安全な睡眠環境を整えることは窒息や誤飲などの事故を未然に防ぐことにつながることについて定めて、施設、事業者及び地方自治体に対して周知を行っているところでございます。
 こうした保育中における安全確保に関する情報が現場の保育士や保育施設にしっかり周知することが死亡事故等の重大事故の防止につながると考えておりまして、関係者一丸となって重大事故の再発防止に全力で取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○田村智子君 これ、平成二十年から周知していても毎年起きているんですよ。キッズスクウェアの事故では、保育士資格を取得して四年目の方が施設長で、この施設長が背中をさすって寝かせるようにと無資格の職員に指示をしていました。しかも、顔は壁の側を向かせて寝かせておいたので、発見されるまで誰一人顔を見て様子を確認した者はいないという、これが実態なんです。
 多くの母親は、子供の命を守るためにうつ伏せ寝について当然のように知識を持っています。なぜこの当然の知識が保育士にないのか。保育士はそれを上回る知識を培い、事故などへの対応を身に付ける、これが求められている。じゃ、そういう制度的保障があるのかということを私は検証すべきだと思います。
 例えば、保育士国家試験の受験科目、八科目あります。事故対策というのは子ども保健という科目に入るんですけれども、この子どもの保健という科目の中には大きな項目は七項目あります。ここには出てきません。さらに、二十二ある細目の中の一つという扱いで、調べてみれば、過去の試験問題でもほとんど取り上げられていません。保育士養成の課程において、もっとこの安全教育、徹底することが必要だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 御指摘のように、保育士の養成を行うことでこういった事故が起きないようにするということは大変重要な点でございます。
 この養成を行う施設におきましては、国の定める法令とかあるいは通知に基づいて保育に関する専門的知識や技術を習得させるために必要な教育を行うわけでありますけれども、保育現場における事故防止及び安全対策につきましては、保育対象の理解に関する科目であります今お話のあった子どもの保健、この教授内容に含まれているわけでありますが、この科目は、講義形式で四単位、演習形式で一単位の履修を必要としておりまして、一定の教育は行われているというふうに考えられます。
 なお、おおむね十年に一度の保育所保育指針の改定、この指針の改定につきましては昨年末から検討を始めておりまして、この改定に合わせて養成課程についても見直しを行う予定でございます。重大事故の防止につきましては、新たにガイドラインの作成等を行ったことから、養成課程の見直しに当たっては、ガイドライン等も十分踏まえて議論を行って、しっかりとした指針を作ってまいりたいというふうに考えているところでございます。また、養成課程の見直しについてもそのようにしてまいりたいというふうに思っております。
○田村智子君 これ、最も必要な知識の一つだと思いますので、是非とも検討してください。
 それから、保育士になってからも、これは繰り返し身に付ける研修が必要だと思います。
 加藤大臣にお聞きします。
 公定価格では、保育士一人当たり年二日研修を保障していることになっていますが、現場は大変忙しく、また、公定価格の保育士配置基準というのは実態から乖離しています。こんな公定価格どおりの保育士配置ではとても回せないというような基準になってしまっているんですね。やはり公定価格の水準、大幅に引き上げて、研修が一人一人について保障されるようにするべきではないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今、田村委員も御指摘のように、既に公定価格の中には、制度としては、基本分単価の設定に当たって、保育士の研修機会を確保する観点から、常勤保育士一人当たり年間二日分の研修代替保育士費用を追加的に評価をしているところでございます。また、さらに、質の向上を実施するための〇・三兆円の財源が確保された場合には、現行の年間二日分を年間五日分とする改善を図ることとしております。
 また、研修ではありませんけれども、例えば厚い人員配置の下でキャリアアップの体制を整備した保育所を支援するチーム保育推進加算の創設もさせていただきました。
 いずれにしても、保育士の配置やあるいは処遇の更なる改善、これは財源の確保が必要でありますが、それと併せて今後とも検討していきたいと、こういうふうに思っております。
○田村智子君 この保育の事故は、やっぱり認可外における死亡事故というのが認可施設と比べても発生率が桁違いに高いわけです。先月、内閣委員会、参考人質疑が行われまして、京都華頂大学の藤井教授、子供一人当たりにすると認可外は六十倍だというふうにも指摘をされています。
 二〇〇九年、保育施設における死亡事故報告が初めてまとめられて、その分析を行った長野県立こども病院副院長の田中哲郎氏、次のように指摘しています。認可外保育施設の事例の中には、保育体制の不備や観察不足があったと考えられ、認可保育所よりも事故の発生率が高いと。
 さらに、別の論文。平成十六年四月から二十五年十二月までの百十七か月の保育時における死亡事故について分析した論文があります。ここでは、ゼロ歳、一から二歳などの乳幼児の保育には、職員の子供の疾患についての知識、乳幼児の観察方法、異常発見時の応急手当てなど高い専門性が必要であり、同時に、監視のために十分な職員配置が求められ、子育て経験者ならば誰でも業としての保育ができるというものではない、こう指摘がされています。
 認可外の保育施設では、保育士の資格を持った人は三分の一以上いればいいよとか、企業主導型では二分の一以上でいいよと、こうされてきました。こうした人員配置基準の低さが死亡事故発生と無関係ではないと私は思いますが、厚労大臣の見解を伺います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 平成二十七年に発生をいたしました死亡事故の件数を見ますと、認可保育所で二件、地方自治体が独自に支援をしている保育施設で一件、そしてその他の認可外の保育施設で九件となっておりまして、認可保育園等に比べますと認可外の保育施設における死亡事故は多くなっていると言えるわけであります。
 死亡事故の原因は様々もちろんあるわけでありますので、施設の類型との因果関係を分析することはなかなか難しいわけでありますが、子ども・子育て支援新制度の対象でございます認可保育園などや地方自治体が独自に支援をしている保育施設では、一定の基準を満たすことを条件に公的助成そして公的関与が行われている一方で、その他の認可外の保育施設では公的な助成が行われておらず、基準についても最低限の指導監督基準にとどまっていることも死亡事故の件数の多さの背景にあるというふうにも考えられるわけであります。したがって、待機児童解消加速化プランでは、新制度の対象であります質の確保された認可保育園等の受皿を大きく増やしていくこととしているわけでございます。
 なお、この重大事故の発生防止の取組につきましては、先ほど来申し上げているように、内閣府等とともに設置をした専門家による検討会において、昨年十二月に最終取りまとめをいただきました。先ほど申し上げたガイドラインを本年三月三十一日に作成をし、そして、重大事故の再発防止のために、地方自治体による事後的な検証の実施を求める通知も発出をしたところでございまして、こうした取組に加えて、国においても、事故通告の傾向分析、あるいは再発防止の提言などを行うために四月二十一日に内閣府に有識者会議を設置したところでございまして、今後とも自治体と連携をいたしまして重大事故の防止に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
○田村智子君 聞いたことになかなかお答えいただいていないんですけど、明らかに認可外での死亡事故発生率は高いわけですよ。やはり、当然に知識と専門性を培った保育士の配置を認可外の保育所でもどう進めるかということが求められているんだということを指摘しておきたいと思います。
 ところが、今、厚労省やっていることは全く逆行しているんですよ。児童福祉施設最低基準そのものを、これは認可保育所のものです、四月一日に改正をして、附則として九十四条から九十七条までが追加をされました。これ、まず、詳しくは後ろで言いますけれども、お聞きしたいんですけど、保育士の配置基準を定めたこの最低基準、第三十三条第二項、これ、年齢区分ごとに、例えば乳幼児だったら三人に保育士一人などの配置を決めた条文なんですけれども、これ、保育所の開所時、子供の人数に応じて常に満たすべき基準だと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(香取照幸君) 御指摘の省令の規定でございますが、保育園における年齢別の職員配置基準を示したものでございます。この基準につきましては、保育園における保育時間の間常時満たすべき基準ということで運用してきております。また、この規定は、いわゆる従うべき基準ということになりますので、都道府県等において条例を定める場合におきましても、これを下回る基準を設けることはできないということになってございます。
 なお、本年一月、御指摘のように改正によって規定を設けたわけでございますが、これは当該三十三条第二項の特例規定ということで時限的に適用することとしております。これは、特例的な取扱いに当たりましては、一定の要件を設けることによりまして、質の確保を図りながら、多様な人材の活用を図りつつ保育所の定員の確保を図るということで行ったものでございます。
○田村智子君 これまで厚労省の皆さん、待機児童対策を理由に、例えば、面積基準の緩和とか、園庭はなくていいとか、緊急時の避難設備もいいよとか、様々な設備面での規制緩和はやってきました。これ自体問題なんですが、ただ、三十三条二項に定める保育士配置の基準には手を付けてこなかったんですよ。それは、子供の安全や、やはり保育の質に直結するからです。
 ところが、今回、附則によってここに手を付けたんです。保育士じゃない者を置いていいということにしたんですよ。後で詳しく言いますが、厚労大臣、これは保育の質を引き下げるというものではないんですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 安倍政権では、待機児童の解消に向けて待機児童解消加速化プランというのをやっておりますが、それに基づいて、質の確保された保育の受皿整備を従来の二倍以上のペースで進めてまいっているところでございます。また、女性の就業が今後更に進んでいくことを念頭にいたしまして、保育サービスの整備目標量を四十万人から五十万人に上積みをいたしたところでございまして、今後そのために必要となる保育人材の確保、これを進めなければならないというふうに思っております。
 そうした中で、保育士の有効求人倍率というのは二倍を超えて、東京都は五倍ということでありますが、保育士の確保は大変厳しい状況にあることから、保育士資格の新規取得者の確保、保育士の就業継続の支援、離職者の再就職の支援といった総合的な保育士の確保策を強化をしているわけでありますが、具体的には、保育士として五年間の勤務で返済を免除する奨学金制度の拡充であるとか、予算面の拡充を、保育料の一部の支援等々やっておるわけでありまして、こうした取組に加えて、今御指摘の保育の受皿整備が一段落するまでの緊急的、時限的な対応として、本年四月から朝夕などの時間帯における保育士配置要件の弾力化などを実施することとしたわけでございます。
 ただし、保育園等における保育は生涯にわたる人間形成の言ってみれば基礎を養う、培うものでありますから、専門的知識と技術を持つ保育士が中心となって行うことは大原則であるわけであります。その考え方に変わりは全くないわけで、これらの特例の活用に当たっては、保育の質を担保するために保育士を全体の三分の二以上配置をすること、それから保育士に代替する者に子育て支援員研修等の必要な研修の受講を促すことなどを求めて、専門職である保育士と一定の知識等のある者とがチームを組んで保育をする体制としておるところでございまして、保育の質を担保することとしているわけであります。保育の質をしっかり担保しながら保育の受皿整備を進めてまいらなければならないと思っております。
○田村智子君 長々答弁しなければならないんですよ、やっぱり、そうやって。質が低下するから。言い訳しているんですよ。
 お聞きします。今時限的と言ったんだけれど、それじゃ何年何月と切っているんですか、あるいは待機児童が何人までと、何人以上というふうに限定を掛けているんですか。短く答えてください、限定しているかどうかだけ。
○政府参考人(香取照幸君) 待機児童の解消につきましては、御案内の待機児童解消加速化プランというものに基づきまして、今大臣から御答弁申し上げましたが、保育の受皿の拡大について政府を挙げて取り組んでいるところでございます。
 今回の特例は、待機児童を解消し、保育士確保が困難な状況の背景にある受皿の拡大が一段落するまでの間の緊急的、時限的な対応ということになっております。
 それから、対象地域のお話でございますが、これにつきましても、対象地域の限定はしておりませんけれども、保育対策は基本的に自治事務でございますので、当該特例をどのように活用するかというのは各自治体の判断ということになりますので、一義的には条例等を制定する都道府県の指定都市、中核市において御判断いただくと。これを踏まえて、各保育所において御判断するということだと考えております。
○田村智子君 そうなんですよ、何年間ともなければ、地域の限定もないんですよ。
 じゃ、何を定めたのか。これは、保育士の一部を都道府県知事が保育士と同等の知識及び経験を有すると認めた者、これでいいっていうんですよ、置き換えて。あるいは幼稚園教諭、小学校教諭、養護教諭で代替できるということなんですよ。じゃ、この県知事が資格を有しないという人を充てるというときに研修を要件とするんですか。これも短く端的にお願いします。
○政府参考人(香取照幸君) 御指摘の都道府県知事が保育士と同等の知識、経験を有すると認める者についてでございますが、この特例につきましては、一つは子育て支援員の研修を修了している方、二つ目には保育園において保育業務を従事した期間が十分にある方、そして家庭的保育者等が想定されるという旨を自治体に対して通知をしているわけでございます。
 さらに、十一時間開所等に伴いまして認可基準上の保育士数を上回って必要となる保育士に関する特例につきましては、この特例により配置される方につきましては保育士資格の取得についても促していくということで、これらを通じまして保育の質の確保というものを図ってまいりたいと考えております。
○田村智子君 これで保育経験がどれくらいかというのを質問レクのときに聞きましたら、一年ぐらいあればいいと言うんですよね。常勤として入った経験が一年ぐらいあればいいと言うんですよ。
 これは元々、確かにお話あったとおり、昨年度限りとされて、早番とか遅番のときにどうしても保育士さん一人ともう一人必要だよというときに一年限りの緊急措置としてやられたことを、今度はこれを最低基準に書き込んで恒久化してしまったということなんですよ。これで、保育士一人プラス保育士以外の者、最低限保育士二人配置というのもこれでよくなってしまったわけです。しかも、認可時よりも保育時間が長くなっているような保育所、あるいは定員を超えて子供を受け入れている保育所、ここは保育士さんを更に認可時よりも増やさなきゃいけない、増やす分は保育士資格のない人を充てていいということにしてしまったわけですよ。
 ということは、長ければ長いほど、保育時間が、あるいは定員を上回って受け入れれば受け入れるほどこれは保育士でない者がその保育施設の中に増えていくって、こういうことになるんじゃないんですか。それで、限定されているのは、ただ一つの歯止めは、保育士でない人は三分の一だよと、これしか歯止めがないんじゃないですか。
○政府参考人(香取照幸君) 定員が増えますと今お話しのように三分の一ということですが、保育士以外の方も増えますが、そもそもそれに伴って保育士資格の要る者も同じように増えていくことになりますので、大きくなればなるほど資格外の人が増えるという構造ではないと思います。
 今回の三分の一につきましては、御議論確かにいろいろあろうかと思いますけれども、私どもとしては、保育現場において保育士と保育士以外の人がチームを組んで対応する、言わばそういう形で保育士の業務をサポートするという形でこういった支援員の方々を活用すると。全体として非常に大量の待機児童を抱えている中でどのようにして保育の定員を確保していくかという中で様々御議論させていただき、保育団体あるいは自治体とも御議論させていただいて今回の措置を実施したというものでございます。
○田村智子君 これどうなるかということを私、試算をしてみました。資料を御覧ください。認可定員六十人、十二時間開所、定員一二〇%で子供を受け入れている実際の保育園を基にした試算です。
 保育のコア時間、八時三十分から十六時三十分、人員配置の最低基準は八人、保育士は三分の二でよいとなると六人、非資格者が二人になります。十六時三十分から十八時、保育士四人、非資格者二人、これをモデルにした、実在するA保育所としますけれども、この保育所では実際には最低基準を上回る保育士配置をやっているわけですよ。下にありますけれども、八時三十分から十六時三十分には十一人の保育士がいます。恐らく多くの保育所が同じような人員配置をしていると思います。
 これ、規制緩和を求めてきたのは企業ですよ。そういう企業が利益を目的にして国が言うぎりぎりのところまでの保育士配置でいいよということになってしまうと、真面目にやっている保育所と格段の差が認可保育所でも出てしまうということになるわけですね。有資格者五割程度になっちゃう。
 二枚目は認可定員九十人の例ですけれども、これで見ると、八時三十分から十八時三十分まで全ての時間帯で保育士と非資格者は二対一、こういうことが起き得るという結果になってしまったわけですよ。
 これ実は、こういう基準について検討した保育士等確保対策検討会、厚労省の保育課長は、重大事故がいつ起きているかと質問されて、午睡中、お昼寝ですね、午睡中と食事中とプール遊びの時間の三つの時間帯に多く発生するというのが専門家の間でも言われている、実際に発生しているのもそういう時間帯だ、こういう説明を行っているんです。だから、この検討会の報告書は日中のコアタイムの保育の質確保に最大限配慮することが必要だと、こう書かれたんですよ。ところが、出された最低基準はこのコアタイムでさえも保育士は三分の二でいいと。
 今度の規制緩和は厚労省が踏み越えてはならない一線を越えた、こういう規制緩和だという認識が、厚労大臣、おありですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほどお答え申し上げたとおり、待機児童が解消を求められるほどたくさんおられるという状況、一方で、保育士の人手不足ということでなかなか有効求人倍率も高いと。そういう中で、どのようにして質の確保をしながら保育所の整備を行っていくか、受皿をつくっていくか、こういう問題を同時に解決をしなきゃいけないというふうに考えております。
 この待機児童の解消に向けては、私どもの加速化プランに基づいて保育の受皿拡大を進めてまいっておりますけれども、保育士の確保が難しい状況を踏まえて総合的な保育人材の確保策を強化する中で、時限的な対応として保育士以外の多様な人材の活用を行うということでございます。
 この場合でも、保育園等における保育は、生涯にわたる、先ほど申し上げたように専門的な知識に基づく保育士が中心となって行うことが大原則でありますので、それは変わりなく、専門職である保育士と一定の知識等のある者がチームを組んで保育をする体制とするということで保育の質と受皿を両方確保していくということにしているわけでありまして、保育の受皿拡大は質を確保しながら進めていく必要があるということは何ら変わりがないことでありまして、今後ともこうした方針の下で両方しっかりと進めていかなければならないと考えているところでございます。
○田村智子君 これ、認可外の保育所では、この四月にも大阪でうつ伏せ寝の死亡事故が起きているんですよ。皆さん一体何を学んでいるのかと言わなければなりません。
 これまで必要な人員全て保育士だとされてきた小規模保育Aや保育所型事業所内保育についても同様の規制緩和が行われています。先ほどから保育士の確保が大変だから大変だからと。だから私たちは処遇の改善をやれと求めてきたわけですよ、これこそが求められていることではないのかと。
 これ、お聞きしますけど、総理は、じゃ、この保育士の処遇、来年度は二%引き上げて、更に経験年数による上乗せする、こうやって言っていますけれども、来年度はそもそも消費税一〇%に引き上げて保育士の処遇改善を行うということはずっと説明されてきました。その来年度、消費税一〇%に伴う処遇改善、何%というふうに説明されてきましたか。
○政府参考人(武川光夫君) お答えいたします。
 保育士等の処遇改善につきましては、政府の子ども・子育て会議におきまして取りまとめられたいわゆる一兆円超のメニューの中に位置付けられております。このメニューの中におきましては、消費税財源から確保する〇・七兆円で実施するメニューとそれ以外の〇・三兆円超の財源を確保して実施するメニューに分けております。
 政府といたしましては、平成二十七年度当初予算におきまして、いわゆる〇・七兆円メニューの一つとして、まずは三%分の保育士等の処遇改善は既に行ったところでございます。残りの更なる二%の処遇改善の実施につきましては、御指摘のとおり、残されたいわゆる〇・三兆円超のメニューの中に位置付けられているところでございます。
○田村智子君 元々二%は消費税の増税に伴ってやりますよと言ってきたことを、あたかも何か安倍総理が決断したかのように説明をされると。これじゃ、むしろ処遇改善を本気でやる気があるのかと、こういう疑問さえ湧くわけですよ。そこはやらずに、最低基準引き下げて保育士でなくてもいいよという。
 加藤大臣、私は余りに情けないと思いますよ。公共事業費や軍事費、まあ防衛予算と呼んでもいいですけれども、これは伸ばすんだと。だけど、保育の予算は、こうやって伸ばせと言っているところにけちけちけちけち、ことしかやっていかない、これでいいのかということが問われているんだと思いますよ。やるべきは最低基準の引下げじゃないですよ、保育士の処遇改善だと思いますが、加藤大臣、いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 保育士の処遇改善については、ニッポン一億総活躍プラン、今取りまとめに向けて作業しておりますけれども、処遇の改善、多様な人材の育成、高齢者等の活用、生産性向上を通じた労働負担の軽減、やりがいを持って安心、快適に働ける環境の整備といった総合的な対策を盛り込んでいき、また安定財源を確保しながら二十九年度から実行していくこととしていきたいと考えております。
 保育士の処遇については、今政府委員からも御答弁させていただきましたけれども、三党合意では、一兆円で五%、そのうち消費税を充てる七千億で三%ということで、この消費税を充てる三%分は既に実施をしております。残りの二%は消費税以外の財源でこれを確保してこなきゃならない。その二%分もやろうという意思を示させていただいているわけであります。
 これに加えて、キャリアアップの仕組みを構築し、保育士として技能経験を積んだ職員について、全産業の女性労働者との差も踏まえながら、賃金差がなくなるよう追加的な処遇改善も行ってまいりたい、このように考えております。
○田村智子君 子供の命や育ちに時限的措置だから仕方がないなんということは絶対にあり得ないですよ。引き続き追及したいと思います。
 終わります。
    ─────────────
○委員長(小泉昭男君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、山口和之君が委員を辞任され、その補欠としてアントニオ猪木君が選任されました。
    ─────────────
○清水貴之君 おおさか維新の会の清水と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 先日の省庁別審査で中谷大臣にお聞きをしたかったんですが、ちょっと時間がなくなってしまったもので、また改めて時間をいただきました。ありがとうございます。
 まず初めに、国家安全保障上重要な土地などに係る取引の規制、そのルール作りについてお聞きしたいと思います。
 国境の離島ですとか自衛隊の基地、あとは原子力の施設など、国家の安全保障に関わる重要な施設周辺の土地の取引、こういったものをしっかりと把握をするべきではないか、もし必要があるならば、事前に何らかのルール作りとか規制を掛けていくべきではないかと我々おおさか維新の会は考えておりまして、私も、党の名前が変わる二つ前の名前のときで日本維新の会のときですけれども、長崎県の対馬へと視察に行ってまいりました。大臣も対馬の方に行かれたということなんですが、こういった何らかのルール作りが必要ではないかということに関して同じような認識を持っていただいているのではないかというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 日頃からこの問題につきまして問題提起をいただき、また対馬にあります陸上自衛隊や海上自衛隊の基地、駐屯地、御視察をいただきまして、ありがとうございます。
 やはり国境の離島とか、また防衛施設周辺における外国人また外国資本、これによる土地の取得につきましては、国家の安全保障に関わる重要な問題であると認識をいたしております。
 ただし、現状において、外国人又は外国資本であることのみをもって国家安全保障の観点から土地の取得を規制をするということはできないものと承知をいたしておりまして、このようなことから、平成二十五年の十二月に国家安全保障戦略が策定をされましたけれども、この中で、国家安全保障の観点から国境離島、防衛施設周辺等における土地所有の状況の把握に努め、土地利用等の在り方について検討すると明記をされたところでございます。
 この法整備につきましては、かつて、当時の日本維新の会から国家安全保障上重要な土地等に係る取引等の規制等に関する法律案、これが議員立法として提出をされたということは承知をいたしております。
 いずれにしましても、本件につきまして、与野党が建設的な議論を行っていくということは極めて重要であると考えておりまして、今後ともこの点につきまして検討してまいりたいと考えております。
○清水貴之君 今大臣の方から平成二十五年の国家安全保障戦略のお話をいただきましたが、その後、昨年これは四月、ちょうど一年前の参議院の外交防衛委員会ですけれども、自民党の豊田委員の質問に対しまして、大臣、自衛隊施設に隣接する土地について、まずは現状をしっかりと把握することが国有財産である自衛隊施設の管理上最も大切であると考えることから、所要の調査を進めていると発言をされております。総理も同じような発言で、調査を進めているというような発言、総理もされています。
 一年たちまして、今その調査の状況、どうなっているかというのも教えていただければと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) この調査は平成二十五年度から開始をしておりまして、平成二十五年には離島に所在する施設、司令部機能を有する七十四の施設、平成二十六年度は陸上自衛隊の師団、海上自衛隊の航空群、航空自衛隊の航空団の司令部が所在する九十六施設、また二十七年度には、陸上自衛隊の連隊が所在する駐屯地、未調査の飛行場等百五十七施設の合わせて三百二十七施設を対象に、それぞれに隣接する土地の現況確認を実施したところであります。また、米軍施設につきましても、平成二十七年度に横須賀海軍施設に隣接する土地の現況確認を実施をいたしました。
 そこで、平成二十七年度の自衛隊施設に係る調査分について現在取りまとめを行っているところでございますが、この調査分を除いたこれまでの調査結果によりますと、防衛省に隣接するマンションの区分所有者の中に、住所が外国に所在をし、氏名等から外国の方と類推される方の土地が二筆確認をされたことのみとなっております。
 引き続き、自衛隊施設に関しましては平成二十八年度に二百施設の現状確認を実施したいと考えておりまして、米軍施設につきましても特に司令部機能を有する施設を中心に順次状況確認を進めてまいりたいと考えております。
○清水貴之君 今お話ししていただいたとおり、調査を様々進めているということも非常によく分かりますし、現状で何かしら急に対応しなければいけないような状況でもないのかなとも思うんです。大臣もこの問題に関して、安全保障上懸念されるような状況が把握された場合には、その状況にも応じて適切に対応していきたいというふうに過去にも発言をされております。
 我々も議員立法をするに当たっていろいろと調べまして、先ほどもお話があったとおり、その土地の所有者若しくは買おうとしている人たちが外国人だから、外国籍だからということでこれは規制を掛けていくのは非常に国際ルール上難しいということも分かっておりますし、外国人じゃなくても、私有財産のことですから、ルール上縛りを掛けていくのは難しいというのも非常によく分かっているんですが、とはいえ、何かしら事前にやっぱり、起きてからでは遅い話ではありますので、事前に先手先手で進めなければいけないなというのが我々の問題意識なんですね。
 それについて、大臣、最後に答弁いただけますでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) この点につきましては、委員と同様に、部隊の保全という意味におきまして、離島また防衛施設の土地の取得等につきまして、大いにこれは大事な問題として認識をいたしているわけでございます。
 対応といたしましては、お話をいたしましたとおり、これまでの国家安全保障戦略、これに従いまして、関係省庁とも連携しつつ、防衛施設に隣接する土地の状況につきまして引き続き鋭意調査を進めてまいりたいと考えております。
○清水貴之君 どうもありがとうございました。
 続いて、民泊についてお聞きしたいと思います。
 先日、これも省庁別審査、四月二十五日の決算委員会で質問をさせていただきまして、ちょっと時間がやはり足りなかったもので、引き続き質問をさせていただければと思うんですが、今民泊というのが非常に世界的に、この日本でもそうですけれども、広がっています。
 ただ、この前の質問で私は、無許可で、許可を取らずに営業している民泊サービス、どれぐらい把握していますかという質問をしました。答えとしましては、平成二十五年度六十二件、二十六年度が百三十一件、二十七年度は今年の一月までで一千件弱というような答えをもらいました。これは無許可で営業を行っていて把握している件数ですね。その一方で、ネット上には二万とか三万とかいう、もう簡単に誰もがインターネットをたたいたらそれぐらいの民泊の登録件数が出てくるわけですね。としますと、この二万とか三万、これは、登録されている民泊というのは違法だと把握できている千件ではないわけですけれども、法的にはどういった位置付けになるんでしょうか。
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 一般住宅などを活用いたしました民泊でございましても、宿泊料を受けて人を宿泊させる営業に当たる場合には、これは国家戦略特区制度に基づき行われるものを除きまして、これは旅館業法に基づきます営業許可を受ける必要がございます。
○清水貴之君 ということは、許可を受けずに行っているのがこれだけあるということで、全て違法だということですか。
○政府参考人(福田祐典君) お答え申し上げます。
 インターネット上で紹介されている二万、三万件について、全てが違法であるかどうかということについては確認ができていないわけでございますけれども、いずれにいたしましても、今申し上げましたように、業として宿泊料を受けて人を宿泊させる、こういった場合には、旅館業法に基づく許可を求めることが必要であるということでございます。
○清水貴之君 特区で申請は出ているのはたった、大田区と大阪で十件しかないわけですね。逆に言いますと、じゃ、許可を得ている民泊はどれだけあるんですか。それ以外は、じゃ、許可得ずにインターネットに載せているということになりますね。許可得ている数はどれぐらいになるんですか。
○政府参考人(福田祐典君) お答え申し上げます。
 今委員からお話ございましたように、大田区それから大阪府におきましては特区での民泊という形で今受付が始まっているところでございます。具体的には、大田区での特区の認定施設状況は、五月二日現在でございますけれども、十三件、それから大阪府の認定施設につきましては一件という形になってございます。
○清水貴之君 ということは、残りのものは許可を得ていないということですよね。ということは、法的には違法営業をしているということになるんじゃないでしょうか。
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 全てが違法かどうかというところについては確認できませんけれども、その可能性というものは否定できないというふうに思っております。
○清水貴之君 それは放っておいていいものなんでしょうか。
○政府参考人(福田祐典君) お答え申し上げます。
 旅館業法の許可を受けない違法な民泊への対応は大変重要な問題と認識をしているところでございます。これまでも旅館業法の遵守に関しましては、各自治体に対しまして平成二十六年七月及び平成二十七年十一月に通知を発出いたしまして、一般住宅等を活用した民泊サービスであっても、宿泊料を得て人を宿泊させる業を営む場合には旅館業法等の許可を取得する必要がある、この旨周知徹底と事業者への指導の徹底を要請するとともに、厚生労働省のホームページにおきましても必要な周知啓発を行っているところでございます。
 先ほど委員からお話ございましたように、自治体における無許可営業の実態把握の状況につきましては前回御説明をさせていただいたとおりでございまして、平成二十七年四月から二十八年一月までですと九百九十四件というものが、いわゆる周辺の住民からの通知でございますとか、それからいわゆる保健所の巡回指導などで把握されたということでございます。そういった中で、具体的に営業許可を取得した方、これにつきましては、平成二十七年四月から二十八年一月末では三十五件、それから営業を取りやめたものについては、平成二十七年四月から二十八年一月までで三百五十四件というような形になっております。
 このほか、厚生労働省といたしましては、本年四月、観光庁とともに、インターネットを活用した民泊仲介サイトの運営事業者に対しまして、民泊サービスを反復継続して有償で行う場合には原則として旅館業法の許可が必要であることの周知、また本年四月からの簡易宿所の許可基準緩和に関する情報提供を行い、営業許可の取得を促すこと、さらには警察からの情報提供依頼に協力していただくことなどについて要請をしているところでございます。
 引き続き、違法な民泊サービスが行われることがないよう各自治体とも連携をして対応してまいりたいと考えております。
○清水貴之君 旅館業法違反という話が出ていますが、実際に旅館業法違反で逮捕されたり書類送検されたりもしている民泊オーナーというのももう出てきているわけですね。
 となりますと、何が言いたいかといいますと、ルールがやっぱりはっきりしていないわけですね。民泊を恐らく進めて、外国人に対して、今ホテルが足りないということですから、進めていこうという方針なんだとは思うんですけれども、その一方でルールがはっきりしていないから、やろうと思っても、やった結果、旅館業法違反で逮捕されてしまうという人も出てきていますし、あとは、でも、二万、三万という数は、何にも知らんぷりと言ったらなんですけど、何のおとがめもなく普通に営業しているわけですね。こういった、ある意味不公平感も生まれてきているのが実態だというふうに思うんですね。こういった現状についてはどう思われますでしょうか。
○政府参考人(福田祐典君) お答え申し上げます。
 いわゆる民泊サービスにつきましては、様々なニーズに応えつつ、宿泊者の安全性の確保や近隣住民とのトラブル防止などが適切に図られるように、適切なルール作りが今委員おっしゃられたとおり求められているというふうに思っております。
 一方で、本来必要な旅館業法の許可を得ていない違法な民泊サービスが広がっておりまして、これにつきまして早急な対応が求められているというふうに考えております。
 そういった点見まして、具体的な御説明はここでは今省略させていただきますけれども、当面の対応といたしまして、本年四月に旅館業法の枠の範囲内でいわゆる許可を取得できるような形での要件緩和というものをさせていただいております。
 具体的な内容を申し上げますと、これは旅館業法施行令の改正を行いまして、簡易宿所営業を行う際の許可要件の一つである面積基準を緩和して、これまで三十三平米以上としていた客室延べ床面積を、宿泊者の数が十名未満の場合には一人当たり三・三平方メートルに宿泊者の数を乗じて得た面積以上とするという形で要件の緩和を行い、さらには構造設備や衛生上必要な措置等に関する通知の見直しを行いまして、宿泊者の数が十人未満の場合には、宿泊者の本人確認や緊急時の対応体制など一定の管理体制が確保されていることを条件に、玄関帳場、これはフロントでございますけれども、フロントの設置を要しないというようなこととしたところでございます。
 こういった形で所要の措置を行うとともに、各自治体に対しましては、これらの改正の趣旨を踏まえた対応として、条例等の弾力的な運用や改正等必要な措置が講じられるようにお願いをしております。
 また、民泊サービスの適切な活用を図るルール作りのためには、こうした対応に加えまして、仲介事業者等への規制も含めました規制体系を構築する必要がございまして、本年六月中をめどといたしまして取りまとめられる民泊サービスのあり方に関する検討会の最終報告を受けて、関係省庁とともに必要な法整備に取り組んでまいりたいと考えております。
○清水貴之君 許可を得ていない民泊もそれだけあって、もちろん売上金というのがあるわけですけれども、この売上金は課税はされるんでしょうか。それに対する税金というのはどうなっているんでしょうか。
○政府参考人(星野次彦君) 一般論として申し上げますと、個人が国内において住宅を貸し付けて得た収入につきましては所得税の課税対象となります。また、消費税につきましては、住宅の貸付けは原則として非課税とされておりますけれども、例えば宿泊料を受けて人を宿泊させる営業として行う住宅の貸付けは、ホテルや旅館と同様に消費税の課税対象となります。
 なお、これらの課税関係は旅館業法の許可の有無によって変わるものではございません。
○清水貴之君 ということは、その何万という数はただ許可も取っておらず営業しているわけですね。それに対する、でも売上げは上がっている、所得税が本来ならば掛かって当然と、課税はできるんでしょうか。
○政府参考人(星野次彦君) ただいま申し上げましたとおり、所得税、消費税、どちらも課税対象になるわけでございます。
 したがいまして、国税庁といたしましては、一般論として申し上げれば、あらゆる機会を通じて課税上有効な情報の収集を図るとともに、仮に課税上問題のある取引が認められれば税務調査を行うなど、適正、公平な課税の実現に努める方針としているところでございます。
○清水貴之君 いろいろお聞きしたいんですけれども、あとは最後に、近隣住民とのトラブルというのも、これも非常に大きな問題となっていると聞いています。
 私も正直なところ、自分の住んでいるマンションに、隣に誰か分からない人が常日頃出入りするというのは非常にやっぱり不安を感じます。そういった問題というのがもう様々マンションで起きて、これもルール作りがやっぱり遅れているので、そのマンションの管理組合で独自にもう民泊は禁止しようなんということを決めている管理組合も出てきているわけですね。ということは、やっぱり、全てがこう何か後手後手に回っていていろんなところで不具合が生じているなというのが実態なんですけれども、近隣住民とのこのトラブル、実際どう対応していったらいいんでしょうか、もう起きていると思うんですけれども。いかがでしょうか。
○政府参考人(福田祐典君) お答え申し上げます。
 民泊サービスについては、観光庁と共同で開催しております民泊サービスのあり方に関する検討会におきましても、地域住民とのトラブル防止、宿泊者とのトラブル防止に留意すべきこと、これを検討に当たっての基本的な視点の一つとして今検討を進めているところでございます。
 本年三月十五日に同検討会において取りまとめられました中間整理におきましても、民泊サービスについては、近隣住民とのトラブル発生が特に懸念されることから、現行の旅館業法上は特に課されていない近隣住民とのトラブルを防止するための何らかの措置や、トラブルがあった際の対応措置を検討することが必要であるとされたところでございます。
 今後は、六月中をめどに取りまとめられます最終報告書を受けて、関係省庁とともに必要な法整備に取り組んでまいりたいと考えております。
○清水貴之君 民泊進めることに反対をこれ唱えるつもりも全くないです。様々規制緩和をしていろいろ新しいことをやっていくことはいいことだと思うんですけれども、やっぱりルールが追い付いていないということで、もう本当に早く整備をこれはしないと、せっかく始めたものの、結局問題がいろいろ起きてということになります。現状が追い付いていないというのが実態だと思いますので、もう早急にこれは進めていただきたいなと思います。
 続いて、タクシーの運賃についてお聞きしたいと思います。
 今度、十一の地域でタクシーの下限運賃を引き下げる検討を始めたというふうな報道がありましたが、まずは、これはそのように進めるということで間違いないでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) タクシーの運賃につきましては、平成二十六年一月の議員立法によるタクシー特措法の改正によりまして、タクシーの供給過剰地域において過度な運賃競争を是正することを目的といたしまして新たに公定幅運賃制度が導入をされまして、幅運賃の下限を下回る運賃については変更命令の対象とされたところでございますが、この制度の導入によりまして、下限割れ運賃を設定しているタクシー車両は徐々に減少してきておりまして、過度な運賃競争が是正されてきていると認識をしております。
 こういった状況を踏まえまして、タクシー利用者の利便性向上等の観点から、下限割れ事業者の経営実態等を考慮しつつ下限運賃の引下げを検討しているところでございまして、この見直しは、下限割れ事業者が存在する十一の地域におきまして、本年夏頃までに実施する予定でございます。
○清水貴之君 これも、二〇〇二年規制緩和でタクシーの運賃というのがある程度自由に決められるようになりました。そうなったら今度競争が激しくなったということで、タクシーの運転手の皆さんの給与など大変だということで、今度は規制強化に行ったわけですね。で、またここに来て下限運賃下げる規制緩和の方に動くということで、これも、国交省のこの制度に、利用者もそうですしタクシー会社も、これ裁判などもいろいろ起きていますし、もう翻弄されてしまっているなというふうに感じるんですね。
 この辺り、大臣の見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 平成十四年の規制緩和によりましてタクシーは新規参入や増車が自由化をされまして、サービスの多様化により、利用者利便の観点から一定の成果は見られました。
 一方で、需要が低迷をした、またタクシー車両数の増加などによりまして、地域によっては収益基盤が悪化をする、運転者の労働条件が悪化をする、また安全性やサービスの質の低下などが懸念される状況となりました。このため、供給過剰が進行している地域について、新規参入、増車を抑制するとともに、タクシー事業の適正化、活性化を図るため、平成二十一年十月にタクシー特措法が制定をされたところでございます。
 これに基づく取組によりまして、運転者の賃金の上昇など一定の効果は見られましたが、リーマン・ショック後の需要の落ち込み等により、多くの地域で供給過剰の解消が十分進まない状況となりました。こうした状況を踏まえまして、供給過剰により弊害の生じている地域を対象として、その解消を一層効果的に進めるため、平成二十六年一月に議員立法によりましてタクシー特措法が改正をされたところでございます。
 このタクシー運賃制度につきましては、先ほども申し上げたとおり、一定の幅の中であれば自動的に認可し、幅の下限を下回るものは厳格に審査する自動認可制度となっておりますけど、このタクシー特措法の改正時に、供給過剰地域における過度な運賃競争を是正することを目的として、新たに公定幅運賃制度が導入をされたところでございます。
 国土交通省といたしましては、改正タクシー特措法の適切な運用を通じまして、運転者の労働条件の改善やタクシーサービス水準の向上などを実現をいたしまして、タクシーが利用者にとって更に安全で安心して利用しやすい交通機関となるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○清水貴之君 ありがとうございました。
 最後に、丸川大臣、除染について一点だけお聞きさせてください。
 帰還困難区域も除染をするという報道がありまして、帰還困難区域、除染を行うということは、これ帰還を可能にするというふうにも読んで取れるわけですね。ということは、そこに元々住んでいらっしゃった方との合意も必要だと思いますし、としますと、範囲を決めてやらないと、これは相当な除染費用になると思っているんですが、これについていかがでしょうか。
○国務大臣(丸川珠代君) 除染を含めて帰還困難区域全体の取扱いについては、今後の政府の全体の方針として、放射線量の見通し、また今後の住民の方々の帰還意向、将来の産業ビジョン、そして復興の絵姿を踏まえて、地元とともに検討を深めていくことにしております。
 なお、復旧復興のため特に必要性の高い広域インフラや復興拠点についてはこれまでも個別に必要な除染を行ってきておりますので、引き続きこれは進めてまいりたいと存じます。
○清水貴之君 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○アントニオ猪木君 長い時間お疲れさまでございます。
 私も連休、休みというか海外へ行ってまいりましてエネルギーを十分ためておりますので、今日、例のやつをやると爆発しそうなので、今日は控えさせていただきます。
 例年、オーストリアのバドガシュタインというところへ行っていたんですが、この二年間はちょっと行っておりません。ここはどういう町かというと、町というか山脈なんですが、ヒトラーが金を掘るために坑道を掘らせまして、千八百メートルの坑道、そこで金は大して出なかったんですが、働いている人たちがめちゃめちゃ元気になるということから、戦後、町おこしも兼ねまして、いろんな病気を、病を持っている方が、もう本当に予約がいっぱいなところですが、奇跡を生む岩盤浴と、非常に最近有名になってきています。
 事故やスキーのけがした人たち、本当にいろんな病気を持っている人が来るわけですが、私も三十八歳のときに糖尿病を発病しまして、血糖値が六百五十という、傷も治らなかったり、いろんなあれだったんですが、選手生活は無理ですよと言われたことがあります。
 ある占い師が、見てもらったときに、猪木さん、糖尿病はすぐ治りますよと。どうすりゃいいんですかと、いや、名前を変えてくださいと言うから、どうすりゃいいんですかと。だって、猪木さんはアントウニョウでしょうと言う。ふざけんな、このやろうと。
 そんなわけで、自分なりに水風呂や血糖値を抑える、あるいは散歩をやりまして、血糖値も今正常で、本当に、皆さんがどうしたらコントロールできますかという相談を受けることがあります。これも毎年、糖尿病の患者が増えているわけですから、過去のデータも調べなきゃいけませんが、本当に大変なこれからの医療費になっていきます。
 そのバドガシュタインというところは、ホルミシス効果というんですかね、微量のラジウムというか、それが非常に強くて、有名な日本にある温泉の三千倍ぐらいというような話もあります。三十分ぐらい入って出てくると、へろへろになって出てくる。でも、それを続けていると本当にいろんな難病が治ってしまうということで、皆さんから相談があったらまた御案内をさせていただきますが。
 今日は、一番大事なことは、厚生労働省にお聞きしますが、国の医療費負担ということで、糖尿病が占める割合がどのぐらいなのか、分かる範囲内で結構です。
○政府参考人(唐澤剛君) お答え申し上げます。
 平成二十五年度の国民医療費全体で約四十兆一千億円というふうになっておりますけれども、そのうちの糖尿病の医療費というのは約一兆二千億円という金額でございます。これは、実は透析の医療費などはまた別にございますので、そういうものを入れればかなりもっと大きくなりますけれども、直接の糖尿病の医療費はこうした金額でございます。
 この糖尿病の医療費でございますけれども、非常に医療費掛かるということもございまして、あわせて、患者さんの御本人にとりましても肉体的にも精神的にも経済的な負担が大きいという病気でございますから、やはり予防も含めた対策ということが重要だと考えております。このため、二十五年度から推進をしております第二次健康日本21、ここではこの患者さんの数が九百五十万から千四百十万人に増加をするというふうに推計されておりますので、一・五倍ぐらいになると見通しているわけでございますけれども、この有病者の数を平成三十五年の時点で一千万人に抑制したいと、こういうことを目標と掲げて普及啓発や合併症対策に取り組んでおります。
 また、糖尿病腎症重症化予防の取組ということを、これ呉市などでも一生懸命取り組んでいただいておりますけれども、これを全国的に広げていくために、今年の三月に日本医師会などと連携協定を締結しまして、その取組を実施をするひな形となる糖尿病性腎症重症化予防プログラム、こういうものを四月に策定して、各都道府県、市町村に取組の強化をお願いをしているところでございます。
 今後ともこうした取組を推進してまいりたいと考えております。
○アントニオ猪木君 私もいろんな世界を回るときに、東南アジアは特に最近糖尿病患者が増えて、かつてはまだ労働して歩いたりしていたのが、米、米がいけないのではなくて、米食、米を食べると血糖値が上がりやすいという、その辺で東南アジアの、今、糖尿病の問題が大変な問題になっています。
 次に、国会経費についてお聞きをしたいと思いますが、昨年、通常国会が戦後最長九十五日間と延長になりましたが、安全保障関連法案を成立させるために延長した、そういうことですが、掛かる経費が非常に高過ぎるのではないかと。私も国会運営に掛かる経費について改めて考えさせられました。十分、十五分で散会される本会議が度々開かれ、毎回高額な経費が掛かるなら、どうして一度にまとめてできないのだろうか、少しでも経費を削れないのでしょうかと、そんな思いをしておりました。
 日本は議会制民主主義なので、議論が重要なのは十分承知しております。少しでも経費節減、なかなか進まない東北の復興や先日起きました熊本の復興のための財源に充てるなどできませんか。国会開会の際に一日の経費が幾らぐらい掛かるのか、具体的な数字をお聞かせください。
○事務総長(中村剛君) お答えいたします。
 参議院の一日当たりの経費の捉え方、またその経費を開会中及び閉会中に分けることはなかなか難しく、一概に申し上げることはできないのでありますけれども、参議院の本年度総予算額四百四十九億七千二百七十四万円を三百六十五日で割りますと、一日当たり約一億二千三百二十一万円ということになります。
 以上です。
○アントニオ猪木君 余りはっきりしたお答えはできないでしょうが、本当はその答えにくいところを聞きたいんですけど、事前にこれは駄目ですという、本当に時々ばかやろうと国会をどなりたいときもあるんですが、本当に国会運営が円滑にいくように我々も協力していきたいと思います。
 そこで、決算書を提出するに当たって、前回も質問させてもらったんですが、民間企業であれば、当然、決算を出して翌年の予算を立てるというのが当たり前なんですが、本当に、決算書を提出するまでの時間が掛かる理由と、前にもお聞きしましたが、改めて、ここまで時間が掛かる理由を明確にお答えください。
○国務大臣(麻生太郎君) 会社で、アントニオ先生、大体三月決算、総会が六月ですから、四月、五月、六月、約三か月間。役所でいっても、同じように年次が三月で締まりますので、締まったのを各役所が全部提出するのに、これ九十七兆円ですから、そこらの百億、二百億の会社と訳違いますので、九十六兆七千億からの予算を締めますので、その分に当然四か月ぐらい時間が掛かることになります。ですから、そこから会計検査院がその額を全部締めますので、新たに更に時間が数か月掛かる、三か月掛かるということになるのは、これは当然なんだと思うんですが。
 これが推計ですと、大体毎年これぐらいのものだからと予測でこれぐらいというのを入れても、会社の場合は別に何というほどのことはありませんけれども、税金を使っている以上は一円まできちんと出しますので、会計検査院としては。会計検査院としてきちんと出しますと、それはやっぱり四か月ぐらい掛かりますので、今大体十一月と。
 これは大体平成十四年までぐらいがたしか翌年の一月の通常国会に出していたと記憶するんですけれども、今それが早くなって十一月までに出せるようになったというところだと思います。これはどこの国でもほぼ似たような数字が出てきておりますので、大体こういったものだと思いますので、少々、一円たりとも狂わないようにするところがやっぱり非常に時間を要する。これ随分機械化されたと思いますし、いろいろなものも簡便化されたし簡易化されましたけれども、それでやっと二か月縮まったというのが今のところだと理解しております。
○委員長(小泉昭男君) アントニオ猪木議員、ちょっとお願いがあります。大声は控えてください。
 続いてどうぞ。
○アントニオ猪木君 はい、承知しました。
 そうすると、だんだん私が自分が元気なくなってきちゃう。町に出ると、元気ですかって言ってくださいというんで。だんだん国会にいると元気がなくなってしまうな。
 次に、義援金詐欺についてお伺いをしたいと思いますが、かつてアメリカに住んでいたときがありまして、毎月、日本とアメリカを往復しておりましたが、ちょうどサンタモニカのモールがありまして、学生たちが私を見付けていろいろ挨拶して。その次に行ったときに、義援箱を持って、アフリカのあれを支援しているので寄附をしてください。私も、うん、そうかいといってポケットから、ちょうど百ドル札だったんですね、渡してあげようかなと思ったんですが、ふと思ったときに、アメリカ人なんて大体寄附金なんて五十セントか一ドルやればいいところで、一日彼らが歩いてもどれだけ集まるのかなと思って引っ込めて、出した手前がありますので二十ドル出しましたけど。おまえらそういうことをやっているんだったら、もっと働いて自分の働いたところから寄附したらどうだと話をしたことがあります。
 今回も、やはり熊本地震の復興を装って義援金詐欺が横行しているというニュースも聞いております。本当にいろんな人がいて、いろんな悪いやつがいるんだな、いろんな本当に間を縫って人をだまそうという。でも、本当にこういう巧妙な非常に詐欺行為も、私も随分だまされましたので、だまされるやつがばかだと言われればしようがないなと思いますが、本当にもっともっと進化したのか、ネットを使った今度は詐欺とか、逆に直接訪問をして目の前で義援金をお願いすれば、日本人の気質というのはうんとどうしてもそれに応じてしまう、その気質もあります。本当に純粋な気持ちを踏みにじるようなことのないように、本当に心ない犯罪者、これを言葉で言ってもしようがないことなんですが、何とかそういうものが防げればと思います。
 本物か詐欺かと見極めるのは大変難しいんですが、このようなことが現実に起きております。被害者のためにも、善意の人のためにも早急に対策を取るべきですが、政府としてはどのような方法を取れるのか、具体的にお聞かせください。
○政府参考人(種谷良二君) お答えいたします。
 今般の熊本地震の発生に際し、義援金の募集等を名目に現金をだまし取る詐欺など、これに便乗した悪質な事案の発生が懸念されるところでございます。
 警察庁におきましては、これまでに、鹿児島県内で被災者を装った寸借詐欺事件ですとか、香川県内で寄附金名目に現金をだまし取った事件を把握しているほか、震災に便乗した詐欺に関連すると思われる不審電話を全国で十数件把握しているところでございます。
 警察といたしましては、こうした事案に対処するため、既に四月の十八日付けで全国の都道府県警察に対して事務連絡を発出しているところでございまして、これを受けて各都道府県警察において、関係機関等と連携した被害情報の収集、被害防止のためのホームページや防犯メール、ツイッター等のSNSを活用した注意喚起、被害認知後の迅速かつ積極的な捜査などを推進しているところでございます。
 引き続き、この種の悪質な事案につきましては厳正に対処するとともに、効果的な注意喚起のための情報発信等を積極的に行うなど、被害を防止するための各種対策を徹底してまいる所存でございます。
○アントニオ猪木君 次に、復興予算について、熊本地震で被害を受けたインフラの総合整備や被災者の生活再建に向け復興計画を早急に進めるべきだと思います。そこで、復興計画の裏付けとなる財源についてお伺いいたします。
 本年度は今国会で補正予算の審議が行われると認識しておりますが、来年度以降の財源についてどのように確保をするのか、お聞かせください。東日本大震災のときのように復興特別税を設けるのか、現時点で想定している財源確保があればお聞かせください。
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘がありましたように、まだ余震が続いておりますので、この熊本地震の被害が最終的には決定をいたしておりません。したがいまして、予算を組むといっても、これはなかなか組みようがありませんので、まずは今予備費を使って対応させていただきますけれども、予備費では足りないと思われますので、今補正予算の編成をやらさせていただいておりますので、熊本地震としての復旧というもので立てさせていただいて、どれぐらい出るかというのはちょっと正直まだ、崖が崩れていたり、まだいろいろ余震が続いておりますので、そういった中で最終的に決まるまでの間仕事は進めなきゃいけませんから、そういった意味では国会に補正予算を提出を来週させていただくということになろうかと思いますが、御審議をいただいて、その中から、十三日に出させていただいて、十六、十七で予算をいろいろ御検討いただく、御審議をいただくということにさせていただく、大枠だけ決めさせていただいて、中はまだよく詰め切っておりませんし、現地で上がってくる段階にまで至っておりませんので、それを詰めた上でまずはということで、その額までまだでき上がっているわけではありません。
 それから、来年度以降につきましては、これが最終的にどれくらいの規模になるか、また復旧がどれくらい進むかによって全く違ってまいりますので、来年度以降の予算につきましては別途予算を編成する段階で検討させていただきたいと考えております。
○アントニオ猪木君 地震にも関連しますが、日本周辺は太平洋プレートあるいはユーラシア、フィリピン海など幾つかのプレートが複雑に重なっています。世界でも有数の地震多発地帯となっていますが、日本列島には無数の活断層があり、南は沖縄から北は北海道、北方領土まで及ぶことが確認されております。海溝型と活断層型による地震の脅威に日々さらされているのが現状かと思います。
 先日の外交防衛委員会でも同僚議員が、北朝鮮と中国の国境付近にある白頭山に噴火の兆候が見られると発言されました。千百年前に白頭山の大噴火、日本もかなりの被害を受けたと記録されています。現在、白頭山では火山性地震が群発しており、火山ガスの量が増え、マグマの上昇も確認されています。ここで最近、地震や火山の活動を見る限り、我が国だけではなく近隣諸国にも連動した地殻変動が起きている可能性があります。
 我が国独自の地震予知や火山活動の監視、当然のことながら、今後、近隣国との情報共有や技術交換が必要だと考えますが、現状、我が国が近隣諸国の間で災害対策についてどのような取組をされているのか、具体的にお聞かせください。
○政府参考人(大塚弘美君) お答えいたします。
 議員御指摘のとおり、災害対策に係る近隣諸国との国際協力は非常に重要であると認識しております。内閣府では近隣諸国との間で様々な枠組みで防災協力に取り組んでおります。例えば、日中韓でございますと防災担当閣僚級会合というものを隔年で開催しておりまして、災害対策に関する情報共有や防災協力の在り方についての意見交換などを行っております。
 また、アジア地域の実践的な防災協力につきましては、主にアジア防災センターというところを通じまして実践しております。同センターは、国際協力によるアジア地域の災害被害の削減を目的といたしまして平成十年に我が国主導で神戸に設置されたものでございます。具体的な活動といたしましては、加盟三十か国の災害被害また防災体制に関する情報の収集、提供、また加盟国の行政職員向けの研修の開催、また加盟国内のコミュニティー向けの防災教育資料の頒布などの活動を展開しております。加えまして、加盟国を招聘しましてアジア防災会議を毎年開催しております。ここで加盟各国の災害対策における課題の検討などを行っております。
 このように、今後とも近隣諸国との防災協力を推進してまいりたいと存じます。
○アントニオ猪木君 先月、ウクライナで開かれましたチェルノブイリ原発事故追悼式典でポロシェンコ大統領が、チェルノブイリと福島で起きた二つの事故は人類にとって長きにわたる地球規模の挑戦となるだろうと発言されました。チェルノブイリ原発事故から三十年がたちましたが、原子炉建屋を覆う石棺が老朽化したため、施設全体をアーチ型のシェルターで囲う工事が進められていると新聞に出ていました。チェルノブイリでは今なお放射線量が高く、事故発生時に建屋内で亡くなった作業員の遺体を回収できず、現在も放置されたままになっているそうです。
 福島第一原発も事故からはや五年が経過しましたが、一向に収束の兆しが見えません。福島の場合、原子炉の建屋に流入する地下水の処理が障害となり、廃炉作業が思うように進んでいないというニュースも流れました。今後二度と事故を繰り返さないこと、そして一日も早い解決のためにも、二〇一二年にウクライナ・日本原発事故後協力合同委員会が設立されています。この合同委員会の役割と現在までの具体的な活動及び成果についてお聞かせください。
○政府参考人(相木俊宏君) お答え申し上げます。
 日・ウクライナ原発事故後協力合同委員会でございますけれども、二〇一二年五月に日本とウクライナの間で締結をされました原子力発電所における事故へのその後の対応を推進するための協力に関する日本国政府とウクライナ政府との間の協定に基づいて設置をされたものでございます。この委員会は、両国の関係省庁それから学術機関の代表者が出席をいたしまして、二〇一二年七月の第一回会合以降、これまでに計三回会合を開催をしてきております。
 この委員会は、それぞれの国が有します原発事故後の対応に関する知見や経験を共有するための枠組みとして貴重な意義を有していると考えております。具体的には、除染あるいは環境放射線モニタリング、復興に向けた取組などにつきまして有益な情報交換が行われてきているところでございます。
○アントニオ猪木君 最後に、中国の土壌汚染についてお伺いしたいと思いますが、大気汚染の問題も大変ですが、私もよく北朝鮮に行く折、北京に行き帰り泊まるんですが、大気汚染も大変です。
 今回は、この土壌汚染というのが報道されまして、クロロベンゼンというんですか、非常に猛毒な、元工場の従業員によると、廃液や廃棄物をそのまま敷地に埋めていたと証言しています。九〇年代に中国政府は河川や汚染問題を解消するために規制を掛けましたが、今度は工場が廃棄物を敷地内に投棄するようになり土壌汚染を引き起こしていると、非常に悪い結果が出ております。
 中国の汚染が地下水を通じて海に流れ込めば、日本にとって他人事ではないと思います。日本も水銀や銅による汚染に苦しんだ過去がありますが、公害から学んだ教訓や知識もあります。
 環境大臣にお伺いします。今回の中国の土壌汚染に対してどのように対処すべきか、有効な方法があるか、お聞かせください。
○国務大臣(丸川珠代君) 中国国内において工場跡地等における土壌汚染が問題となっていることについては、報道等を通じて承知をしております。
 四月末に開催されました日中韓三か国環境大臣会合においても、中国の陳吉寧大臣が、将来の環境保護戦略として、大気汚染や水質汚濁のほか土壌汚染についても集中的に対処していく方針であることを表明されていました。
 環境省では、平成二十四年度から二十五年度にかけて、中国の環境保護部に対し、現地セミナーの開催や訪日研修により、土壌汚染対策に関する我が国の法制度や対策技術等を紹介する事業を実施してきたところです。公害問題を克服してきた我が国の経験や技術を生かして中国との環境協力を継続、発展させる中で、土壌汚染問題の解決のための協力についても検討してまいります。
○アントニオ猪木君 終わります。ありがとうございます。
○又市征治君 社民党の又市です。
 最初に、新国立競技場の設計業務等に係る不適正な契約手続について、日本スポーツ振興センター、JSCに質問をしたいと思います。
 会計検査院の報告によりますと、二〇一二年四月から二〇一五年一月までの間にJSCが締結した三百三十八の契約事務等が会計規則等に基づいて行われていたかを検査した結果、先ほど荒木委員からもありましたけれども、四十七契約、約五十億円の契約については、JSCの契約担当者の記名押印が契約締結日から一か月から九か月後に行われていたということが判明をし、その四十七契約のうち三分の一強、十八契約、約四億円については契約履行期間経過後、つまり業務が終わってからようやく担当者による記名押印が行われていたということであります。
 この報告を受けて大東理事長は、業務遂行を優先する意識、風土があったなどと他人事のように述べられておるわけですが、改めてお聞きをしますけれども、こうした不適正な契約手続が行われてきた理由と、再発防止策はどうされているのか、お聞きをいたします。
○参考人(大東和美君) お答えいたします。
 委員御指摘の会計検査院による指摘は、昨年一月に行われた会計実地検査において、新国立競技場整備事業を含めJSCの業務に係る平成二十四年度から平成二十六年度の契約について検査が行われ、契約期間の開始後に契約書を作成していたなど、不適正な契約手続について指摘されましたところであります。
 今回の不適正な契約手続が行われた理由といたしましては、規則等を遵守して適正な会計処理を行うことについての意識の徹底等が欠けていたということ、また、契約事務等の会計手続におけるチェック体制などに不備があったということを認識しております。
 今回の事案が生じたことはJSCとして大変重く受け止めており、役職員に対し文書による注意を行うとともに、契約手続の進捗管理の徹底、出納担当部署や内部監査部署等による内部牽制体制の強化、役職員に対する意識の啓発等の改善を行っております。また、外部有識者で構成する運営点検会議を新たに設置し、法人全体のガバナンスを点検し、必要な助言をいただいているところであります。
 今後このようなことが発生しないよう、経営の改善に向けてスピード感を持って取り組んでまいります。
○又市征治君 要するに、組織として当たり前の事務処理がなされていなかった、コンプライアンスが全く軽視されていたということを今理事長おっしゃったと思うんですが、実はこのJSCは、会計検査院から二〇一一年、一二年度の決算報告においても、スポーツ振興投票、totoの業務に関する契約合計百二件、約三百三十六億円について、会計規則等に基づく契約事務を行うこと、その適正性、透明性を確保するように是正改善の措置を求められていたわけですね。報告では、是正改善を必要とする事態、発生原因、求められる是正改善の措置等が具体的に記されております。
 このような指摘が既に行われていたにもかかわらず、先ほど理事長からあったように、そのようなことが、また同じことが繰り返されている。こうした不適正な手続が繰り返されてきたことについて、所管大臣として文科大臣からの見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(馳浩君) JSCに対しては、平成二十三年度決算検査報告において、スポーツ振興投票等業務に係る契約について是正改善を図る必要がある旨の処置要求があり、翌二十四年度決算検査報告において所要の改善がされた旨が報告されたところであります。また、二十六年度決算検査報告においては、契約に係る業務が会計規則等に違反していて不当と指摘されており、このように繰り返し会計検査院からの指摘を受けたことは誠に遺憾であり、大変重大な問題であると受け止めております。
 こういった指摘を踏まえたJSCの改善策については今ほど大東理事長から答弁があったとおりでありますけれども、文科省としても、会計手続におけるチェック体制が万全であるか、規則を遵守する意識の徹底が図られているかといった観点から再発防止策が徹底されるように、折に触れて指導してまいりたいと思います。
○又市征治君 昨年九月に文科省は、JSCの平成二十六年度における業務の実績に関する評価を公表していますね。
 総合評価はD、一番悪いやつですね。総合評価はDで、全体として、中期計画における所期の目標を下回っており、業務の廃止を含めた抜本的な改善を求める、こういうふうになっているわけです。単なる抜本的改善ではなくて、業務の廃止を含めたという大変厳しい評価をされているわけで、ちなみに、このD評価というのは、十三年度の評価制度開始以降、全省庁が所管する独法の中で初めての低い評価と、こういうことになっているわけです。
 ところが、文科省の評価の中では、責任の所在については、今大臣もおっしゃったとおり、非常に甘い。多くの関係者がそれぞれの立場において真摯にその仕事に取り組んでいる、こんなふうに評価もしているわけですね。評価対象が多少違うのかもしれませんが、検査院の報告を読みますととてもそのようには言えませんし、大変甘い事務方の判断ではないのかと、こう言わざるを得ません。
 そこで伺いますが、文科省、JSC双方にお尋ねしますけれども、どのように業務の廃止を含めた抜本的な改善を図っているのか、その具体的な成果というのはどういうふうになっているのか、お答えください。
○参考人(大東和美君) 今御指摘がありました平成二十六年度の独立行政法人の業務実績評価において総合評価で最低のD評価となったことは、従前の新国立競技場の整備事業について、昨年九月の新国立競技場整備計画検証委員会の報告で、JSCにおける問題点として、国家的プロジェクトを既存の組織で対応してしまったプロジェクト推進体制の問題、また、国民理解の醸成ができなかった情報発信の問題等の指摘を踏まえ、文部科学大臣が抜本的な改善を要すると判断されたことによるものと認識しております。
 これらを受け、JSCとしては、新国立競技場の整備に当たり、事業全体を統括するプロジェクトマネジャーの新設、そして専門的知識を有する広報担当者の設置を行うなど、体制の強化を図っております。また、新国立競技場の整備に向けた体制強化に加え、法人の内部体制を充実強化するため、外部有識者で構成する運営点検会議を新たに設置し、法人全体のガバナンスを点検し、必要な助言をいただいているところであります。
 今後も、経営の改善を進め、文部科学大臣から示された中期目標を達成できるようしっかりと取り組んでまいります。
○国務大臣(馳浩君) これまでのJSCの行ったことに関しては、本当に大変な問題であり、重大なことであるという意識は私も持っております。
 今ほど大東理事長からお示しをしたとおりでありますが、下村前文部科学大臣からもJSCに対して業務の改善を指示しております。私としても、下村前大臣から引き継いだ改善状況を踏まえた上で、今後とも、やはり常に大東理事長とも緊密に連携を取りながら、改革が着実に行われているかどうかを折に触れてチェックをする必要があると思っています。
 先般、四月中でありますが、抜き打ちで視察にも行ってまいりました。職員も、プロパーの職員ばかりではなく出向の職員等もおるものでありますから、やはり組織としてちょっと一体感に欠けるのかなという印象も持ったところでありますが、そういう様々な課題も踏まえながら、やっぱり折に触れてチェックをし、大東理事長やまた役員の諸君に、きちんとやっているかどうかの確認を口頭だけではなく内部のことも含めて報告をさせていきたいと思います。
○又市征治君 昨年九月に文科省が、第三者委員会によって新国立競技場整備計画の検証が行われたわけですけれども、その内容でも、今回の混乱の原因が完全に明らかになったとはどうも言い難いのではないのか、そういう印象を強く持っています。文科省、JSCがそれぞれ責任転嫁することなく、いま一度やっぱり真摯に検討いただくように、是非馳大臣にも御努力をいただきたい、そのことを強く申し上げたいと思います。
 そこで、この新国立競技場の建設計画、経費問題で各組織が右往左往し、その責任の所在もはっきりしていないわけですが、一応建設計画がまとまったということのようですけれども、三月になってまた聖火台の設置場所がなかったという問題が新たに表面化をしてまいりました。具体的にはこの競技場の建設予算は一体どのように節約されたのか、また、その予算の調達計画について、これは少し説明をしていただきたいと思います。
 また、今月になって神宮球場を、オリンピック・パラリンピックの準備や運営に必要との理由で七か月間借り上げる計画を組織委員会が突如発表して、多くの人が奇異に感じ、球場側からは難色も示されたというふうに報道されています。突然問題になった聖火台建設問題や神宮球場の借り上げ問題といい、果たして本当にオリンピック・パラリンピックに向けた工程表はしっかり存在をし計画的に実施されているのか、甚だ疑問に思えてしようがないわけです。
 そこで、遠藤担当大臣にお聞きをいたしますが、大会に向けた開催準備状況はどのように進捗しているのか、現時点での課題や今後課題になるであろう意識されている問題について御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(遠藤利明君) お答えいたします。
 まず、新国立競技場の建築に要する費用がどのように改善されたかという御質問でありますが、新国立競技場の従前計画においては工事費の上限が設けられておりませんでしたので、工事費は二千六百五十一億円に上ることになりました。しかし、昨年、安倍総理の下で白紙撤回の後、昨年八月に策定した整備計画においては、従前計画の反省に鑑み、工事費の上限を千五百五十億円と設定をいたしました。さらに、今年一月にJSCと事業者との間で締結された事業協定においては建設費は約千四百九十億円とされたところでありまして、建設コストは大きく改善されたものと考えております。
 また、整備費用の財源につきましては、昨年十二月の関係閣僚会議において、東京都知事も出席の上で、分担対象経費、およそ千五百八十一億円でありますが、を国の負担、スポーツ振興くじの特定金額、東京都の負担、それぞれ二対一対一の割合で負担する財源スキームを決定しており、財源についても明確化されております。
 また、過日の神宮の話がございました。多分、これからいろんな、交渉事ですから、ここをお貸しくださいとなれば組織委員会としてはできるだけ余裕を見てお願いをする、しかし、実際それを貸していただける方からすればできるだけ自分たちのやりやすい形でと、交渉事はずっと続いていくんだと思います。ですから、これから神宮球場だけではなくていろんな施設をお借りするときに、一つ一つそういうことの詰めをしっかりしていかなきゃならないと思っております。
 そうした点を踏まえて、御指摘のように、大会の成功のためには、事業の進捗と効果を点検することを通じて、各般にわたる準備を効率的、効果的に実行することが重要であると認識をしております。
 大会組織委員会では、大会成功に必要となる業務の洗い出し及び大会開催費の見直しについて、今年の夏頃にはIOCと調整できるよう作業を進めているところであります。国の取組につきましては、今年一月に工程表を公表しておりますし、今後とも不断の見直しに取り組むこととしております。また、今回の組織委員会の業務の洗い出し作業を踏まえて、今委員から御指摘ありましたように、大会組織委員会、東京都などとも問題意識やタイムスケジュールを共有するとともに、国民に対して積極的な情報発信に努めてまいるように努力をいたします。
○又市征治君 オリンピック招致の段階では、掛かる費用を七千億円程度と、こう言っておったものが、昨年、森組織委員長は、二兆円は超すだろうと、こうおっしゃる。舛添都知事は三兆円は必要だというふうにおっしゃる。どんどん膨れ上がっていく場当たり的な、そんな格好。そして競技場の建設費が問題になって、今あったように、節約を幾らか図ったというけれども、そういう状況である。聖火台をどこに造るかも分かっていない。非常に国民から見てみると、お祭りだといってどんどん税金が使われていくんではないのか、こういう心配をされる。
 一方では、今日もいろいろと議論になっていますけれども、社会保障関係がいろんなところで切り詰められている。こういうことに対していろいろな批判が起こるということがあると思う。きちっと計画を出して国民に分かりやすくして、そしてやはり可能な限りの節約をして行っていくというのが当たり前ではないか。国民参加による夢と希望を分かち合う大会なんだ、こういうふうにおっしゃりながら、全く裏腹なことが起こっているのではないのか、このことを指摘をし、警鐘を鳴らしておきたいと思います。
 次に、ODAの問題について質問したいと思います。
 私は、一昨年のODA特別委員会において、二〇一三年度版ODA白書の巻頭言の大臣の発言ですが、「国際環境の変化としてまず挙げられるのは政治・安全保障環境の変化です。平和で豊かな国際社会を実現するため、ODAをより戦略的に展開し、自由や民主主義、人権、法の支配などの普遍的価値や戦略的利益を共有する国を支援する必要があります。」との記述を取り上げて、これをODAの第一の役割にするのはいかがかと異議を唱えました。それで比較すると、今年の白書は比較的ODA本来的な意義を重視するものになっていると思うんですけれども、それでも開発協力の目的では依然として国益の確保ということが挙げられております。
 後でも取り上げますが、百五十を超える各国首脳が参加をした国連持続可能な開発サミットで採択された持続可能な開発のための二〇三〇アジェンダが現在の開発問題における世界的な到達点だろうと思いますけれども、もちろん日本もこの文書に賛成をし、積極的に役割を担おうとしているわけですが、それとは別に国益の確保を主張するというのはどうも私は違和感を感じてならない。この点、大臣はどのように国民に御説明されるのか、改めてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、グローバル化がますます深まっている今日において、国際的な感染症対策であれ、あるいはISILを始めとするテロ対策であれ、国際社会の平和や安定、さらには繁栄、こうしたものは我が国の国益と分かち難いものになっている、これが現実ではないかと思っています。
 よって、御指摘のような持続的な開発のための二〇三〇アジェンダを含めこうした国際的な取組を進めていくということ、これはすなわち我が国の国益にほかならない、こういった現実があると考えます。よって、新たに制定しました開発協力大綱の中においても、開発協力の目的を国際社会の平和と安定及び繁栄の確保により一層積極的に貢献することであるとしつつ、あわせて、こうした協力を通じて国益の確保に貢献する、こういったことを明記した次第であります。
 さらに、これ別の視点からいいますと、ODAあるいは政府による開発協力にしても、やはり貴重な国民の税金を使うものであります。国民の税金を使うものである以上、国民に対して、開発協力大綱等を通じて我が国自身にとってどんな意義があるのか、こういった説明をする、こういった姿勢は大事なのではないか、このように考えます。
 こういった観点からも、開発協力大綱において国際社会の平和や安定や繁栄に貢献する、こういった姿勢を示すのと併せて国益にも資する、こういった考え方も併せて明記する、こうした取組を行った次第であります。
○又市征治君 途上国支援や世界的発展、安定が国益の確保と矛盾しないというなら、あえてわざわざ国益の確保というのは書き込む必要はないんじゃないのかと、私などはそのように思います。
 ところで、大綱の基本方針で非軍事的協力による平和と繁栄への貢献をうたいながら、実施上の原則において、開発協力の実質的意義に注目し、軍又は軍籍を有する者への支援は排除していないわけであります。
 しかし、支援国内における軍事転用について、有効なチェック、歯止めの手段がないのが現状じゃないのかと。その点は一体全体チェックできるのかどうか、改めて大臣にお伺いをいたします。
○国務大臣(岸田文雄君) まず確認しておかなければならないことは、開発協力大綱、これは、ODAを軍事目的に用いないというこれまでの原則、これは全く変えていないということであります。非軍事的協力による平和と繁栄への貢献、これを掲げて、平和国家としての日本にふさわしい開発協力を推進する方針、これは堅持している次第です。
 ただ一方で、近年、感染症対策ですとか紛争後の復旧復興ですとか、さらには災害救援ですとか、こうした課題への取組、こうした非軍事目的の活動においても軍や軍籍を有する者が重要な役割を果たしている、これが現実であると思います。国際社会における重要な開発課題への対応に当たり、こうした軍や軍籍を有する者に対して非軍事目的の協力が必要になる場面、これはますます増えていると考えます。こういったことから、この開発協力大綱においては、これまで十分明確でなかった軍や軍籍を有する者に対する非軍事目的の開発協力に関する方針を明確にしたという次第であります。
 ただ、軍事的用途及び国際紛争助長への使用を回避する原則に照らして、しっかりと協力の趣旨、目的、あるいは対象主体、あるいは内容、効果、こういった観点から具体的に検討を行って、こうした目的を逸脱していないかどうか、これはしっかり確認しなければなりません。
 そのための仕掛けといたしまして、案件を承認する前に開発協力適正会議というものが設けられています。NGOの代表を始めとするこうした会議のメンバーによってしっかり今申し上げたような点を検討する、確認する。さらには、相手国と取り交わす文書の中で、軍事目的に使用しない、これを確認する。さらには、事後の在外公館を通じたモニタリング等を行ってしっかりこの目的とそれから実態を確認する。こういったことを通じて、こうした非軍事目的の協力であるということをしっかりと確保する、こうした取組を進めていきたいと考えています。
○又市征治君 政府として今大臣がおっしゃったようなチェックをする努力は当然必要なんですが、一旦その国に入ってしまったら、どのように転用されているかというのはなかなか掌握は困難になるということは事実でしょう。何か表向きという感じがしてなりません。ましてをや、政府が巡視艇をODAで供与したり、さらには、ODAではないけれども、防衛装備移転三原則に基づいて軍用機をフィリピンに貸与するなどという動きを見ると、その危惧を私は強くせざるを得ないという点で批判を申し上げているわけであります。
 ところで、時間がなくなってまいりましたが、今年度のODA予算は、G7伊勢志摩サミットやケニアで開催される第六回アフリカ開発会議の経費等が含まれて、十七年ぶりの増額となるわけですけれども、しかし、昨年の第三回開発資金会議で採択されたアディスアベバ行動目標や、持続可能な開発のための二〇三〇アジェンダにおいて、ODAの数値目標が国民総所得、GNIの〇・七%と設定をされたわけですが、この目標をクリアしている国は僅かですけれども、実現に向けた工程表の作成などについて、外務大臣のお考えを最後に伺っておきたいと思います。
○委員長(小泉昭男君) 時間が参っておりますので、手短に。
○国務大臣(岸田文雄君) まず結論から申し上げますと、委員おっしゃるように、ODAの対GNI比の〇・七%の目標、我が国はコミットしています。
 ただ、現下の財政状況に鑑みれば、その達成の目途を具体的に示すことは困難であると考えています。主要国でもこの〇・七%の目標を達しているのは英国のみでありまして、ほかの主要国はほとんど達成できていない現状であります。どの国も苦労している中にありまして、我が国として具体的な目途は示すことは難しいですが、是非努力は続けたいと思います。
 外務省のODA予算、これは私、在任中も毎年毎年増やし続けています。引き続き努力したいと考えます。
○又市征治君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(小泉昭男君) 他に発言もないようでございますので、本日の審査はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十分散会