第190回国会 外交防衛委員会 第6号
平成二十八年三月二十二日(火曜日)
   午後一時四十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     藤田 幸久君     西村まさみ君
     柳澤 光美君     北澤 俊美君
 三月十八日
    辞任         補欠選任
     古賀友一郎君     高橋 克法君
     西村まさみ君     藤田 幸久君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 正久君
    理 事
                塚田 一郎君
                三木  亨君
                榛葉賀津也君
                荒木 清寛君
    委 員
                宇都 隆史君
                片山さつき君
                高橋 克法君
                中曽根弘文君
                中原 八一君
                堀井  巌君
                大野 元裕君
                北澤 俊美君
                福山 哲郎君
                藤田 幸久君
                石川 博崇君
                井上 哲士君
                小野 次郎君
                浜田 和幸君
              アントニオ猪木君
                糸数 慶子君
   国務大臣
       外務大臣     岸田 文雄君
       防衛大臣     中谷  元君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宇佐美正行君
   政府参考人
       警察庁長官官房
       審議官      斉藤  実君
       外務大臣官房長  山崎 和之君
       外務大臣官房審
       議官       垂  秀夫君
       外務大臣官房参
       事官       飯島 俊郎君
       外務省中南米局
       長        高瀬  寧君
       国土交通省道路
       局次長      青木 由行君
       防衛省防衛政策
       局長       前田  哲君
       防衛省防衛政策
       局次長      鈴木 敦夫君
       防衛省整備計画
       局長       真部  朗君
       防衛省人事教育
       局長       深山 延暁君
       防衛省地方協力
       局長       中島 明彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務
 する外務公務員の給与に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
○委員長(佐藤正久君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、柳澤光美君及び古賀友一郎君が委員を辞任され、その補欠として北澤俊美君及び高橋克法君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(佐藤正久君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として警察庁長官官房審議官斉藤実君外十名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤正久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(佐藤正久君) 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○榛葉賀津也君 民主党の榛葉賀津也でございます。
 北朝鮮が、昨日午後三時から四時頃の間に、また短距離五発発射をしたという報道がございました。新型多連装ロケット砲かという報道もございましたが、強く北に抗議をしたいと思います。これは三日に六発発射されたものと同等のものと推測されますが、十日にはスカッド二発、十八日にはノドンと見られる中距離弾道が二発と、もう考えられない暴挙でございまして、強く北に注意をしたいと思いますが、これは、キー・リゾルブの演習の、起因するかどうかこれは分かりませんが、私は、大臣、非常に懸念するのが、これだけ続きますと、国会も、そして行政はそのようなことはないと思いますけれども、国民も、少し北からのミサイル、こういう挑発に危機意識が希薄化して緊張感の欠如が生まれると、これが一番心配でございます。しっかりと緊張感を持って対応していただきたいと思いますが、一言お願いいたします。
○国務大臣(中谷元君) 今年に入りまして、北朝鮮、核実験を実施をし、また弾道ミサイルも二月の七日、十日、十八日、それぞれ発射をいたしました。詳細につきましては現在分析中でございますけれども、このようなミサイル発射、またミサイル開発の動向につきましては平素から重大な関心を持って情報収集、分析に努めておりまして、ノドンにつきましては、我が国のほぼ全域を射程に収め、既に数百発配備をしているということでございます。その後、長射程化また高度化に係る技術を進展をさせておりまして、現在、車載の発射など、奇襲的な攻撃能力などの向上が図られていると認識をいたしております。
 このような開発につきまして、我が国の安全に対する最大そして重大な差し迫った脅威と認識をいたしておりまして、引き続き、緊張感を持ちまして情報収集、警戒監視に万全を期してまいりたいと考えております。
○榛葉賀津也君 よろしくお願いしたいと思います。
 そしてもう一点、昨日は防衛大学の卒業式が行われたということで、関係者の皆様方には心からお祝いを申し上げ、是非、若き自衛官には希望と理想を高く持って任務に当たっていただきたいと思います。
 ただ、少し気になりましたのが、四百十九人の卒業生中四十七人、全体の一一%ということですが、任官拒否という報道がございました。安保法案と絡めての報道があったりいろいろありましたが、これは経済の動向も十分に影響するのだろうと思います。
 実は、防大生には月々十一万一千八百円、そして年二回の期末手当が一・五七五月分、つまりは十七万六千八十五円が二回支給されると。一人の自衛官、防大でつくり上げるのにおおむね五百万円、年間掛かると言われています。
 実は、我々が与党の当時、私が防衛副大臣を終わった後でございましたが、民主党政権では、防大に入ってコストを掛けて卒業したにもかかわらず任官を拒否をした者については、何らかの費用負担をという議論が実はありました。閣議決定まで行きましたが、反対もあって、これは廃案になりました。
 国会の中に防衛大学校出身国会議員の会というのがございまして、意見書が出されております。中谷大臣も防大の卒業生でございますし、佐藤委員長も防大の卒業生ということで名を連ねておりますし、ここには宇都さんもいらっしゃいます。よく覚えております。そして、尾辻先生も防大生ということで、この四名で意見書、大変ごもっともな御意見があります。
 他方で、私は、やはりタックスペイヤーの気持ちに立つということも大事ですし、ただ自衛官をつくり上げるということはコストだけではございません。人材をどう確保するのか、そして、どうしても自衛隊に入れない場合、コストを本当に負担をしなければいけないのかという様々な議論があります。ここで私はその意見を議論をするつもりはございませんし、この意見書の提言には十分に私は納得できる点がございます。
 ただ、湾岸戦争のときには、何と九十四名が任官拒否をされています。私は、この自衛隊に入ることを選択されなかった若人たちを非難するつもりは毛頭ございません。是非、それぞれの道で防大で学んだことを生かして頑張っていただきたい。ただ、大臣、是非、この四十七名がなぜ自衛隊ではない道を選んだのか、これはきっちりと精査をする必要があろうかと思います。大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 昨日、防衛大学校の卒業式がございまして、今年、任官辞退者数が四十七名ということでございました。
 学校側といたしまして、進路指導におきましても幹部自衛官の道をということで学生に希望いたしましたけれども、それぞれ学生側の任官辞退者の内容を聴取をした結果、四十七名中、他業種へ行きたい、そういう希望が二十六名、身体的な理由が十一名、進学をしたいというのが六名、その他四名ということで四十七名でございました。平和安全法制につきまして聞き取りを行っておりますけれども、平和安全法制の成立に言及をした者はいなかったわけでございます。
 この四年間につきまして、それぞれ勉学をされたわけでございますけれども、学生舎生活等を通じまして、規律正しさ、また物事を総合的に考えるという素養を身に付けて、我が国の防衛以外の分野でも十分活躍できる人材に育っているわけでございますが、現代のこの社会におきまして各界からの期待も高まっている中で、防大生が自らの適性、進路について真剣に考え抜いて判断をしているものでございまして、このように真剣に考え抜いた結果、最終的に任官の辞退を決断した者につきまして、残念なことではございますが、職業選択の自由が保障されている下にあってはやむを得ないものと考えているわけでございます。
 しかしながら、防衛省といたしましては、今後とも進路指導などを通じまして、教育課程を修了した者が使命感を持って任官するように努めていく所存でございます。
○榛葉賀津也君 ありがとうございます。
 ちなみに、防衛医大は、これはペナルティーがございます。そして、任官拒否率が一〇%を超えたというのは二十五年ぶり、そしてこの数字は過去四番目に多い数字ですから、きちっと検証することは、私は大事なんだろうと思います。
 さて、外務省にお伺いさせていただきたいと思います。
 本題の在外公館の議論に入る前に、少し今日は大臣にお礼を申し上げたいと思います。大臣並びに中南米局の南米課、そして在ブラジルの日本大使館、そして私は在京ブラジル大使館の皆様にも今回一言お礼を言いたくてこの場所に立ちました。
 実は二〇〇五年十月十七日、静岡県の湖西市で当時二歳の山岡理子ちゃんが交通事故で死亡しました。犯人は日系ブラジル人の女性でございました。事故後、地元警察から取調べを受けた容疑者、突如ブラジルに帰国と。事件から六日後のことでした。ちょうど静岡県警、現在の湖西署が調査に入り、業務上過失致死での逮捕状を請求する直前です。逃亡したんですね。ここから山岡理子ちゃんの御両親の壮絶な闘いが始まりました。
 我々の前に立ちはだかったのは、地球の裏側ブラジルという、距離、文化、言葉の違いだけではなくて、国際刑事警察機構、ICPOの壁であるとか、代理処罰要請の壁であるとか、地元県警が調査するんですが、ブラジルに対してこの捜査資料を全部ポルトガル語に静岡県警が翻訳をして相手国に捜査の協力を要請する、この事務手続や言葉や時間、コスト、本当に大きい壁でございました。そして、日本とブラジルの間に犯罪人引渡条約がないということや、自国民保護の原則という基本的なルールの壁もございました。ブラジル国憲法の法体系の違いの壁もございました。しかし、十年という長い年月で人々の心の中からこの事案が薄れていって、その心の壁も大変高うございました。
 私は当時、野党の新米筆頭理事でございまして、こちらの委員長席には現東京都知事の舛添先生が座っておられ、与党の筆頭理事には浅野勝人先生、公明党の理事には中南米のプロフェッショナルでありました高野博師先生、この先輩方が私と一緒に本当に汗をかいてくださいました。
 犯罪人引渡条約が現在あるのは、日本とアメリカ、そして日本と韓国、この二か国だけでございます。一九九〇年に入管法が改正をされて、ブラジル人が非常に多く日本に入れるように法改正されました。ピーク時には三十万人、日系ブラジル人がこの社会におりました。現在、日系ブラジル人は日本国内に十七万三千人、うち永住されている日系ブラジル人が十一万二千人おられます。静岡は断トツ一位の二万六千人でございます。
 実は当時、七十万人の署名が集まったんです。日本とブラジル、こんなに密接な人的交流があり、あちらにもこちらにも日系人やブラジル国籍を持った方がたくさん生活をされているのに犯罪人引渡条約がなぜないんだ、これは全国ニュースでも取り扱われまして国民的な運動になりました。予想もしなかった七十万人の署名で、犯罪人引渡条約を締結してほしいという署名でした。当時の麻生外務大臣にも大変真摯に対応していただき、我々政治家だけではなくて、御遺族の山岡理子ちゃんの御両親にも直接お会いになっていただき、お話を聞いていただきました。しかし現実は、ハードルは極めて高かった。法的にも政治的にもこの引渡条約というのはなかなか難しい、御両親はこれを断念をして代理処罰の申請に移ったわけでございます。
 大変長い時間でございました。四年たちまして、我々が心が本当に折れそうになりましたが、この代理処罰に切り替えたと。とても大きな、重い判断でございました。そして、長い時間がたちまして、我々の心が本当に折れそうになったのが、つい最近の二〇一四年四月でございました。代理処罰の控訴審でサンパウロ州の高裁が時効を認める判決を下しました。まさに青天のへきれき、何でだ、という思いでした。
 理子ちゃんのお父さんとお母さんは、届くか分からない、誰が読んでくれるか分からないけれども、実はブラジル連邦の検察庁に、被害者の父親として、母親としての思いを手紙にしまして、それを送ったそうであります。そして、後日、何とブラジル連邦検察庁の検事総長が、実はこの手紙をしっかり読んでくださっていて、大変重くその手紙を受け止め、心から感動したというお話も賜りました。それには、在京ブラジル大使館のラーゴ大使を始めとする多くの皆さんが、我が事のようにこの問題を真摯に扱っていただきました。
 このように、多くの皆さんの御支援で、二〇一四年四月の時効を認めた最高裁に対して、サンパウロ高等検察庁がブラジル司法高等裁判所に上告をしました。二〇一五年九月にブラジル司法高等裁判所は、時効を認めた二審の判決の破棄を決定した。そして、その後、被告の弁護団が再び異議を申し立てましたけれども、今年の二月の二日、ブラジル司法最高裁判所がこの異議申立てを棄却してくださいまして、今月の十一日、禁錮二年二か月の有罪が十年たってやっと確定をいたしました。
 大臣、私は、山岡さん御夫妻のまな娘を思う気持ちと犯罪を許さないという強い覚悟、その気持ちだけで十年間もったとは思っていません。実は、私は、この御夫妻が本当に立派なのは、罪を憎んで人を憎まずではないですけれども、多くの日系ブラジル人はこの日本社会で真面目に働いているんですよと。そして、雇用の調整弁のように日本の労働力が足りないときはたくさん入ってこい、しかし、景気が悪くなると国へ帰ってくれと。静岡県にはたくさんのブラジル人がおりますし、私の町には、実は十人にお一人がブラジル人だったという時期もございました。本当に厳しい環境下で真面目な人間が生きていると。しかし、このような事件が時として起こるわけでございます。
 こういう御両親のお気持ちに対して、実はブラジルの国の方々も、そして日本社会で生活されている日系ブラジル人の方々も、この犯人の逃げ得を絶対許しちゃいけないと一緒になって闘ってくださいました。外務省の中では作業部会を設置をして、様々な検討をしてくださったと聞いています。
 大臣、この事件が一定の区切りを見せました。是非、大臣、この事案に対するこの十年間の感想、そして、大臣もこの時効の判決が出たときに山岡御夫妻にお会いをいただいて、本当に感謝を申し上げたいと思います。大臣からお言葉を賜れれば幸いですし、あのとき立ち上がった両政府の作業部会が今どういう状況にあるのか、もし分かれば教えていただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘の件につきましては、委員が長きにわたりまして強い熱意を持って取り組んでこられました。その御努力に心から敬意を表し申し上げたいと存じます。
 そして、私も、一昨年になりますが、御遺族、山岡さん御夫妻にお会いし、直接思いを聞かせていただきました。そのときに御夫妻の強い重たい思いをしっかり受け止めさせていただいた次第ですが、政府としては、そうした思いを最大限尊重しつつ、在外公館とも連携し、ブラジル当局への働きかけを行ってきた次第であります。
 そして、その経緯につきましては、ただいま委員の方から丁寧に御紹介がありました。結果としまして、時効を認めた第二審判決が破棄され、禁錮二年二か月及び運転免許証停止六か月、こうした判断が確定した次第でございます。
 私の立場から、ブラジルの司法による判断の内容そのものについて政府としてコメントするのは控えたいと思いますが、適切な処罰を求めて国外犯処罰規定の適用を要請した我が国として、この結果は重視をしております。是非、引き続き、逃げ得は許さないという立場から、この国外逃亡犯犯罪問題に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 日ブラジル司法分野、この作業部会がどうなっているかという御質問がございました。これは、平成十九年八月に実施が決定され、その後、開催が続けられてきたところであります。この作業部会自体は三回開催されたという記録が残っております。引き続き、こうした国外逃亡犯罪人問題等に関しまして、必要に応じてまた議論が行われるものであると承知をしております。
○榛葉賀津也君 ありがとうございます。
 昨日、東京も桜の開花宣言がされて、卒業式、入学式の時期になりました。理子ちゃん、元気なら今年の春、中学生に恐らくなるんだろうと思います。
 逃げ得を絶対許さない、この気持ちを私は強く持ち続けたいと思います。ただ、先ほど大臣おっしゃったように、ブラジルの司法に対して私はどうこう言うつもりはございません。これはお国が違いますから。ただ、事実として忘れてならないのは、禁錮二年二か月が決定しました。しかし、現実は、ブラジルの法体系によって週四時間の社会奉仕作業を一年やれば収監されないということなんです。
 私たちは、このパトリシア容疑者に厳罰を与えるために十年間闘ってきたのではないんです。日本に来てしっかり謝罪をしてほしい、罪を認めて謝罪をしてほしい、それが二度目、三度目の同類の事件を抑止する力になると信じているからであります。
 是非、大臣、これからも御指導を賜ると同時に、私は今でも日本とブラジルの間に犯罪人引渡条約は必要だと思います。日系ブラジル人が現在、この国には十七万三千人、ブラジルには百五十七万人の日系組織がございます。在伯邦人は五万六千人を超えている。是非、今後もこの条約の必要性について議論をさせていただきたい、そのように思います。
 それでは、本題に入りたいと思います。
 現在、日本が国家承認している国の数と、それから大使館の実館数の数の差、これはずっと四十六を維持していると承知をしておりますが、相手国が日本に大使館を置いて、しかし日本が相手国に未設置の国、これが聞いたら十あるというんですね。しかし、今度は中国が大使館を置いて、しかし日本が大使館を置いていない国、中国の大使館はあるけれども日本が大使館を設置していない国、これが二十八か国もあると聞いているんです。
 相手国と相互に大使館を置いていない、つまり、相手国は日本へ置いているけれども日本は置いていない、そして中国は置いているけれども日本が置いていない、この重なる国というのは一体どれぐらいあるのでしょうか。
○政府参考人(山崎和之君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘がございました二つの範疇が重なる国、相手国が日本に大使館を置いているが日本が相手国に大使館を置いていない、さらに中国は大使館をそこに設置しているけれども日本が設置していない国は、現在のところ九か国でございます。国名としましては、サモア、アルバニア、マケドニア、ベラルーシ、エリトリア、コンゴ共和国、トーゴ、リベリア、レソトでございます。このうち、平成二十八年度予算案が認められれば、サモア、アルバニア、マケドニアに大使館が新設をされることになりますので、その場合には六か国ということになります。
○榛葉賀津也君 三か国がもう設置をされることは決まっていますから、この六か国は、私、可及的速やかに大使館を設置する検討に入る必要があると思いますよ。
 しかし、加えて、その他にもやはり大使館がなくてはおかしいなという国も幾つかございます。例えば、つい先日、国王を国賓としてお招きさせていただいたブータン、この国との関係が密接になっていますし、二〇一〇年一月の大地震で我が国がPKOを派遣しましたハイチ。これ、ハイチは在京大使館ありますが、我が国はハイチに大使館ございません。そして、最も長いPKOの歴史、そしていまだに伝統的なPKOを展開されているキプロス。ここにも大使館ないですね。中国はキプロスに置いています。しかし、我々は大使館がないと。そして、昨年サーリーフ大統領が御来日されて、女性が輝く社会に向けた国際シンポジウムにも参加されたリベリア。リベリアは、次のTICADにも欠かせない国ですね。しかし、リベリアは日本に大使館を置いています。日本は置いていません。中国はリベリアに置いています。そして日本は置いていません。
 こういう国には、大臣、きちっと大使館設置するべきじゃないですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 大使館の設置につきましては、外交上の必要性あるいは経済関係など様々な要素を総合的に勘案して判断すると承知をしていますが、今御指摘の国々の状況につきましては、やはり我が国の外交として、これはしっかり取り組まなければならない課題がたくさんある国ではないかと思います。
 是非、御指摘の点も踏まえまして、厳しい財政状況の中ではありますが、できる限りの外交関係充実のための努力はしていかなければならないと考えます。
○榛葉賀津也君 在外公館の議論になると、毎回、新設される大使館や総領事館等々の話題にはなるんですが、幾つかスクラップ・アンド・ビルドをやっているんですね。これはやっぱりできたものばかりきっちり発表するのではなくて、ここの大使館がなくなりました、若しくは、大使館がなくなったものはないかもしれませんが、総領事館がなくなりました、総領事館が領事事務所に格下げになりました、こういうことはしっかりとやはり告知をするべきだろうと思います。
 その中で、実は先日、私、ブラジルまで行ってまいりまして、気が付いたのが、平成二十一年、ブラジルのレシフェ総領事館がなぜか領事事務所に格下げになっているんですね。これ、どうして総領事館が領事事務所に格下げになったんですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のレシフェ総領事館ですが、平成二十二年一月に廃止をされました。当時、在レシフェ総領事館の管轄地域については、日系企業進出数十二社、そして在外邦人数、千百人と記録が残っておりますが、当時大きな増加が見られず、他の在ブラジル公館と比較しても低い水準にとどまっていた、こういったことから、我が国として、グローバルな視点に立って、新たな必要性が生じている地域における在外公館の新設を行うため、在レシフェ総領事館を廃止し領事事務所を設置した、こうした経緯であると承知をしております。
○榛葉賀津也君 大臣、それ、私の認識と少し異なりますよ。むしろ、レシフェはブラジルで極めて成長著しい都市でございます。しかも、ブラジル第三の都市で貴重な港湾都市でもございますサルバドール、この位置するブラジルの北東部、これ極めて重要なんです。
 各国が非常にこのレシフェを今重要視しています。イギリスは二〇一一年に、大臣が今おっしゃったのとは逆に、領事館を総領事館に格上げしています。アメリカは二〇一四年に総領事館の館員数を倍増しています。そして、注目は中国です。中国が二〇一四年に新たな総領事館を設置をして、今、レシフェ始めとする北東部で中国のプレゼンスがどんどん大きくなってきているんです。
 そして、防衛大臣にも是非聞いていただきたいのは、ここは昭和四十年以来、五十年の長きにわたって海上自衛隊の練習艦隊の寄港地になっていますね。これ、経済のみならず外交、防衛のまさに要でございます。
 日本企業のブラジル北東部の進出というのも相当積極的になってきていまして、二〇一三年から、ブラジルの国家戦略の一つに造船プロジェクトというのがあるんですが、実は、IHI、川崎重工が本格的にこれに参加をし始めて、今、日本企業も増えてきていると。現在、二十を超える企業がレシフェにいらっしゃると聞いています。レシフェの在留邦人はもう千三百人超えていますよ。これ、どうしてもやっぱり経済担当官の配置が不可欠だと現地はおっしゃっています。
 大臣、これからオリンピックもあります。そして、このような国家プロジェクトに日本の企業団が参加をする、長期滞在者も増えますので、ここのレシフェというのは極めて重要。そして、レシフェの事務所管内の、七州あるんですが、日系人が十八万人います。在ブラジル公館中、サンパウロ総領事館内に次いで最多なんですね。十七の日系団体もある。こういう、日本とつながりが強い、そして各国とも重要視して、中国もどんどんプレゼンスを大きくしている。これ、総領事館を領事事務所に格下げするというのは、まさに逆行していますよ。是非これを元の形に戻していただきたい。大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) レシフェ総領事館をめぐる状況、先ほど申し上げさせていただきましたが、レシフェ総領事館、平成二十二年一月に廃止されておりますので、先ほど申し上げましたのは平成二十一年当時の状況判断であります。
 そして、レシフェ総領事館をめぐる環境は、ブラジル北東部、その後著しく発展をした、こういった状況もあり、日系企業や在留邦人も増加するなど、御指摘のように状況は大きく変化していると認識をしております。この五年間だけで進出企業数は四割強増加、そして邦人数も二割増加ということであり、環境の変化もあり、状況は大きく変化していると認識をしております。その結果として、外務省としては、再び体制を強化する必要性を感じております。是非、その必要性を認識しながら、体制の強化、検討したいと考えます。
○榛葉賀津也君 大臣、ありがとうございます。来年の立法、楽しみにしております。ありがとうございました。
 さて、防衛省に残りの時間お伺いしたいと思います。
 実は、防衛駐在官、このことについてお伺いしたいんですが、現在、防駐官は四十大使館と二代表部、陸が二十六名、海が十六名、空が十七名、計五十九名ということでございますが、先ほど言いました我が国の大使館の実館数は百四十九ですから、これ相当差がありますね。これ、なぜこんなに少ないんですか、大臣。
○国務大臣(中谷元君) 年々安全保障また我が国の防衛に関する情報収集の重要性が拡大をいたしておりまして、逐次、今、防衛駐在官の要員を増やしております。
 平成二十六年度及び二十七年度の二年間に、アフリカへの新規派遣、オーストラリア、インドにおける陸海空三人体制の整備によりまして、十二名を増員をいたしました。二十八年度予算案におきましては、中東における情報収集体制の重要性等々から、ヨルダン、UAE及びモンゴルに派遣する防衛駐在官、三名増員を計上いたしまして、二十七年度末現在、四十一大使館、二代表部、六十一名となっております。今後とも、要員の増員、増名に努めてまいりたいと考えております。
○榛葉賀津也君 防駐官が不在の国を減らすためによく取られるのが兼轄なんですね。複数の国を担当する。例えば、在ベトナム大使館、私もお会いしましたが、カンボジアとラオスも兼轄しているんです。三か国担当している。在スウェーデン防駐官はノルウェーとフィンランドも、在カザフスタンの防駐官はキルギスとジョージアとタジキスタンを、在ロシアの防駐官は陸海空それぞれ三名いるんですけれども、それでもアゼルバイジャンとアルメニアとベラルーシとウズベキスタンとトルクメニスタンを、そして、今注目されているアフリカ、中東は、エチオピアもスーダンと南スーダン、ケニアはウガンダとソマリアとタンザニアを、クウェートはイラクとカタールをそれぞれ防駐官が兼轄していると。これ、大臣、無理ですよ。これ、まともな仕事できませんし、むしろ本来任務が希薄になってくる。この体制は是非考え直していただきたいと思います。
 そして、大臣、お伺いします。
 今、中国は、何か国に武官を置いていらっしゃって、日本が防駐官を置いていなくて中国が武官を置いている国、これ、どこの国がありますか。
○政府参考人(飯島俊郎君) お答えをいたします。
 中国が武官所を設置している国につきましては、中国政府がその詳細を随時公表はしておらず、現在の状況を網羅的に把握しているわけではございませんが、二〇〇八年の中国国防白書には百九か国に武官所を設置している旨、記されております。
 中国は武官所を設置している一方で我が国が防衛駐在官を派遣していない国につきましては、現時点で確認できる範囲でお答えすれば、少なくとも五十九の国が該当すると考えられております。例えば、カナダ、カンボジア、ブルネイ、モンゴル、スリランカ等がございます。
○榛葉賀津也君 全て答えろとは申し上げません、事の性質上。しかし、中国が武官を置いている国には、我々は最低、今おっしゃった重要な国々にはやっぱり防駐官をしっかり配備をするという考え方が私は極めて大事ではないかと思いますので、引き続き私自身も勉強していきたいと思います。
 実は、一九五五年、防衛庁出身在外公館勤務者の身分等に関する外務事務次官、防衛庁次長覚書というのがありました。これが二〇〇三年に半世紀ぶりに改定されまして現在の防衛駐在官に関する覚書となっているわけでございまして、もう皆さん御承知のとおり、六項目の改善事項がなされました。
 しかし、これはやっぱり防衛庁時代のものなんですね。省に変わって、ちょうど私がこの外交防衛委員会で、平成十九年三月二十九日、当時の麻生大臣に、やはり省になったのできちっとこの覚書も見直すべきではないかと。私がずっとこのことを覚えていたわけではなくて、調査室の横山さんが、先生、やっていますよと言われたんですけれども、なるほどと、さすが参議院の調査室はレベルが高いと思いましたが。
 大臣、この覚書、やっと防衛省も省になったんですから、やっぱり見直す必要があるんじゃないでしょうか、大分世の中もグローバル化して変わっていますから。どうでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 当時は、情報の収集、伝達の関係で情報の滞り等が、遅滞があったということでこの覚書の改正につながったと認識をいたしております。
 その後、非常に情報収集の成果、共有の迅速化、確実化などにおきまして連携や運用がなされるようになりました。また、NSC、国家安全保障局の新設によりまして、内閣官房、外務省、防衛省の関係がこれまでよりも非常に一体化をしてまいりまして、各防衛駐在官の役割に対する政府の中の理解、これも従来よりも深まってきておるということでございます。
 今後は、より効果的な防衛駐在官の運用を図っていくということで、現在の覚書の改定よりも、覚書の下における防衛省、外務省の連携強化、これを引き続き図っていくことが重要だと考えております。名前がいまだに変わっていないという点がございますけれども、内容的には運用を通じて連携強化を図っていくということで対処してまいりたいと考えております。
○榛葉賀津也君 当時の麻生外務大臣は前向きに検討すると、議事録あるんですけれども、せめて、やっぱり防衛省になりましたから、そこのところだけでも最低限直すべきだと思います。
 最後に、大臣、関口雄輝さんという海将補を御存じですか。
○国務大臣(中谷元君) アメリカの防駐官でございます。
○榛葉賀津也君 さすが大臣です。そのとおりです。
 実は、アメリカには、百数十か国の国防武官や日本の防駐官がいるんですが、この関口さんがこの国防武官で形成をされている組織の団長になったそうです。これはアメリカ国防情報局が任命するんですが、アジア人で初めて日本の防駐官、海将補の関口さんがこの団長になった。これはすばらしいことですね。やっぱり海外では相当自衛官頑張っています。そして、防駐官のみならず、連絡官という肩書でもあちこちの組織で頑張っていらっしゃる。是非、こういう海外で頑張っている自衛官、しっかりと外務省と連携をして、いい仕事ができる環境をつくっていただきたいと思います。
 終わります。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 今日は在外公館に関する法案の審議でありますが、在外公館の重要な役割は邦人の安全確保であります。シリアで昨年から行方不明となっているジャーナリストの安田純平さんと見られる男性の映像が十七日の早朝にネット上に公開をされました。このことについてお聞きいたします。
 この映像について、官房長官は十七日の記者会見で、安田さん本人と思われると発言をされました。一方、当日、外務大臣はこの委員会での答弁で、映像を分析し情報収集するという旨の答弁でありました。分析はどこまで進んでいるのか、そして、外務大臣も安田さん本人の映像と、こういう認識でよろしいでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、私自身も映像の人物、これは安田氏本人であると思われると考えております。
 ただ、前回もお答えさせていただきましたように、映像の分析、まだ引き続き行っております。しっかりと分析し、確認した上で、政府としての判断をしなければならないと考えます。
○井上哲士君 人命第一の対応が求められるわけでありますが、官房長官の会見では、これまで行方不明の情報を得た時点で総理から指示を受けてきたと、そして内閣危機管理監の下で対策を取ってきたと、そしてこの映像で、改めて指示を受けて官邸対策室を設けているというような趣旨のことが言われております。
 これはこういう経過でよろしいかということと、それから、政府としての基本的な姿勢、どうあるのか。それから、これ在外公館を含めた対策が必要と考えますが、シリアは今閉鎖をされているという下で、現地での在外公館を含む対策としてはどう取られているのか、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 今日までの経緯、そして対応につきましては、今委員から御紹介がありました官房長官の発言のとおりであると認識をしております。
 政府としましては、改めて総理から今回二つの指示が出ております。政府一丸となって情報の収集、事実関係の確認に全力を尽くすこと、引き続き関係各国とも緊密に協力し、邦人の安全確保を最優先に対応すること、こうした指示を受けておりますので、是非引き続き関係国等とも緊密に連携しながら、様々な情報網を駆使して全力で取り組んでいかなければならないと思っています。
 そして、その際に在外公館もしっかりと責任を果たしていかなければならないわけでありますが、具体的にどの在外公館、あるいは具体的にどういった体制ということを申し上げますと今後の対応にも支障を及ぼすことがありますので、在外公館も含めて政府一体となって取り組んでいるという答弁にとどめさせていただきたいと存じます。
○井上哲士君 人命第一で引き続き取組を求めたいと思います。
 次に、安倍総理の改憲発言をめぐってお聞きいたします。
 昨年強行された安保法制、戦争法について、政府は、日本人の命と平和を守るため、国の存立を全うするための切れ目のない法整備を行ったとしてきました。一方、総理はこの間の国会答弁で、憲法九条二項を改定して国防軍を書き込むという自民党の改憲草案の実現に意欲を示して、国民の命を守り抜いていくために必要な国際法上持っている権利を行使できるとの考え方の下に自民党案を示していると、こう述べております。
 この二つの発言から考えますと、まだ切れ目があると、こういう政府の認識なのか。何をやるためにこの九条改憲が必要だということなんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、平和安全法制につきましては、国民の命や暮らしを守っていくのは政治にとって最も重要な責務であり、そのために、あらゆる事態に対応できる切れ目のない対応を考えていかなければならないということで議論を重ね、そして、一方で、我が国は平和憲法があります。平和憲法との関係でどこまでが対応可能なのか、こうした議論を行い、この二つの大きな議論をしっかり調整した上で法案を作成し、国会に審議をお願いし、御承認をいただいた、こうしたことであると認識をしております。
 そして、自民党の憲法改正草案との関係について御指摘がありました。
 この憲法草案との関係につきましては、将来のあるべき憲法の姿を自民党として示したものだと承知をしておりますが、この草案につきまして、政府の立場として、外務大臣として何か申し上げるということは、これは控えなければならないと考えます。
 いずれにしましても、平和安全法制につきましては、引き続き国民の皆様にしっかりとした御理解をいただくべく、説明努力は続けていかなければならないと考えています。
○井上哲士君 切れ目のない法整備といって作ったはずの法律に切れ目があるのかということをお聞きしたんですが、明確な回答はありませんでした。
 公明党の山口代表も二月二十五日の毎日新聞のインタビューで、自分で作った法を自己否定するような、九条二項を改定したら屋上屋を架すようなもの、一体何のために安保法制を作ったのでしょうかと述べられております。このことを指摘しておきたいと思います。
 衆議院の予算委員会での質疑で、この九条改憲によってフルスペックの集団的自衛権行使が可能になるという旨の答弁がありました。一方、これまで政府は、自衛隊は軍隊でなく自衛のための必要最小限の実力組織だと、よって海外での武力行使は禁じられている、他国の武力行使と一体化するようなことも憲法上許されないとしてきたわけですね。これがどうなるかという問題であります。
 まずお聞きしますけれども、二〇〇四年に外務省内に設置された安全保障法制研究会、この議事録が昨年情報公開請求で明らかになりました。この会議の性格と内容はどういうものでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の外務省安全保障研究会ですが、平成十六年二月から十一月にかけて八回にわたって開催されました外務省が委託契約した有識者による研究会であると承知をしております。
○井上哲士君 この研究会の第二回の会合が二〇〇四年三月に開かれて、武力行使との一体化論がテーマとなっております。
 この会合の議事録を見ますと、集団的自衛権で整理できれば一体化論をめぐる議論は必要ないが、小泉政権ですら集団的自衛権に否定的な立場と、こう分析をしております。その上で、今後、後方支援の一般法を策定する場合に、国際法の観点から武力行使との一体化論をできるだけなきものにしていけるような検討を進めていく必要があると。なきものというのは死んだものという意味ですね、極論すれば、米国が侵略行為をしない限り日本は一体化の議論をしなくてもよいというところまで結論を持っていけばよいのではないかと、こうしておりますが、以来、外務省としてこの報告書の立場で政府内の検討に臨み、各方面に働きかけたと、こういうことでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、先ほども申しましたように、外務省安全法制研究会、これは十年以上前に行われた有識者による意見交換の場であります。よって、当時そこで示された見解は政府の考え方とは一切関係がございません。
 そして、武力行使との一体化の考え方については、二〇一四年七月、閣議決定において政府として考え方を整理いたしました。そしてこれを国会において政府から説明させていただいているということでございます。
○井上哲士君 安保法制の参考人質疑のときに、大森元内閣法制局長官が、周辺事態法制定の際に、発進準備中の他国の戦闘機に対する給油について、法制局は典型的な武力行使との一体事例だとしたのに対して、外務省が強く抵抗したと、その結果、ニーズがないということで収めたという経過をリアルに述べられました。私は、外務省の基本的立場というのは、この報告書の議事録の中身と符合するというふうに思うんですね。
 今回の安保法制の一つに、この研究会で議論されたような後方支援の一般法として、国際平和協力支援法案が制定をされました。一方、この法律では、戦闘現場以外は軍事支援は可能だとして大幅に拡充をしつつ、いわゆる一体化論としては維持をするということになりました。
 そうしますと、外務省は、この議事録で言ったような武力行使一体化論をなきものにするという目標は達成できたと考えていらっしゃるのか、それともまだ未達成とお考えなんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、外務省のこの安全保障研究会、これは先ほども申し上げましたが、有識者による意見交換の場であります。政府の考え方とは一切関係ないと考えております。
 そして、武力行使との一体化論における考え方の整理、二〇一四年七月の閣議決定において整理した中身でありますが、武力行使との一体化論、それ自体は引き続き前提としております。その上で、現に戦闘行為を行っている現場ではない場所で実施する補給、輸送などの支援活動については他国の武力行使と一体化するものではない、このように説明をしているところであります。
 いずれにしましても、この外務省安全保障法制研究会の議論とは関係がないものであると考えます。
○井上哲士君 西日本新聞がこの問題で報道していますけど、これ何も有識者だけじゃないんですね、外務省幹部も参加しているんです。そして、今後、国際平和協力の在り方について、政府内で検討を進めるために検証し、論点整理したと、こう言っているわけでありまして、今のような御答弁は私は違うのではないかと思いますが。
 これに関連して、防衛大臣にお聞きしますが、この武力行使との一体化問題は、軍事情報の提供にも関わってきます。今年度予算で海上自衛隊に共同交戦能力、CECと呼ばれる先端システムが搭載されました。これはどういう能力でしょうか。
○国務大臣(中谷元君) CECとは、コオペレーティブ・エンゲージメント・キャパビリティーと申しますが、これはイージスシステム搭載護衛艦に搭載することとしている情報共有システムでありまして、CECというのは、これまでリンク11またリンク16と比べて共有するデータの更新頻度が高くなり、より精度の高い探知・追尾情報をリアルタイムで情報共有することによりまして、航空機、ミサイルといった経空脅威に対して部隊間で共同対処するためのシステムでありまして、個々の装備品の性能を向上させなくても実質的な能力を増大させるということが可能になるものでございます。
○井上哲士君 昨年の安保特別委員会、衆議院で、今、精度が高いと一般的に言われましたが、大臣はこう答弁されておりまして、射撃指揮に使用可能な精度の高い探知・追尾情報をリアルタイムで共有することができると。これ、間違いないですね。
○国務大臣(中谷元君) そのとおりでございます。
○井上哲士君 そうしますと、射撃指揮に使用可能な精度の高い情報、つまり攻撃に利用できるほど精度の高い情報ということになりますと、これを用いた自衛隊による武器使用の問題だけではなくて、自衛隊からアメリカ側に伝達された情報によってアメリカ側が攻撃をすると、こういうことも出てくるわけですね。
 これは、この間、政府歴代答弁がありますが、例えば野呂田防衛庁長官の答弁によりますと、アメリカ軍へのこうした情報の提供について、憲法上武力の行使と一体化するものとして問題があり得ると、こういう答弁がされてきました。このCECによる米軍への情報伝達は、まさに武力行使の一体化という問題が出てくるんじゃないでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 情報共有に関する憲法の整理でございますが、野呂田元防衛庁長官は、ある方向に方位何度何分、角度何度で撃てというような行為、これは憲法上問題が生ずる可能性があると答弁されておりますけれども、CECというのはあくまでも探知・追尾情報を共有するシステムでありまして、CECを介する米軍への情報提供は方位何度何分、角度何度で撃てというような行為とは全く異なるものでございます。
 つまり、CECというのは、射撃指揮に使用可能な精度の高い探知・追尾情報をリアルタイムで共有するシステムということで、CECに基づいて自動的に攻撃が行われるということではなくて、CECの情報に基づいて攻撃方法の決定、攻撃実施の対応、これは米国独自に行うことになります。
 したがいまして、自衛隊がその所掌事務を遂行するために主体的に収集した情報を米軍に対して提供したといっても、それが一般的な情報交換の一環としての情報提供である限り、米軍による武力行使との関係で問題を生じるおそれはなく、憲法上の問題は生じないものであると考えております。
○井上哲士君 これは、実は過去にも問題になっているんですね。
 二〇〇二年のこれはこちらの外交防衛委員会ですね。公明党議員の質問でありますが、イージス艦の派遣に関わって、ほかの艦船とのリアルタイムな戦略、戦術情報の共有能力を保持している護衛艦が、同様な能力を備えた米軍艦船が展開している海域に送られますと、理論的には日本の個別的自衛権の枠外での共同軍事行動に組み込まれるんではないか、こういう議論があるがどうかと、こういう質問をしております。
 当時、石破防衛庁長官でありますけれども、CECというのはまだ確立をしていないということを答弁した上で、リンク11やリンク16とは、情報の精度に質的な差がもたらされる、CECになりますとそこに質的な差という概念が生ずるだろうと思いますと、こういうことを言っているわけですね。
 つまり、攻撃に使えるほどの精度の高いCECによる情報の交換というのは、これまでのリンク11とか16とは違う質的な差が生じて、今一般的な情報交換の一環と言われましたけれども、その範囲を超えると、これがこれまでの防衛省が行ってきた議論ではないですか。
○国務大臣(中谷元君) CECといいますと、射撃指揮に使用可能な精度の高い探知・追尾情報をリアルタイムで共有をするシステムでありまして、このCECに基づいて自動的に攻撃が行われるというわけではなくて、このCECの情報に基づいて攻撃方法の決定、攻撃実施の対応、これを決定をするということでございます。
 一般的な情報交換の一環として行われる情報提供である限り、米軍による武力行使との関係で問題を生じるところではないと考えております。
○井上哲士君 先ほども申し上げましたけど、リンク11とか16とは全く精度が違うと。射撃の指揮に使えるというものを、幾ら一般的なということで提供しても、実際にそれが使われるということが分かっているような事態、そういう局面も含めて提供が可能なわけですね。これはやはり一体化という問題が出てくる。これが私は、野呂田長官も始めとしたこの間の政府の答弁だと思いますよ。違いますか。
○国務大臣(中谷元君) これまでもリンク11、リンク16によって米軍との一般的な情報の共有というものはなされておりました。基本的には同じ原理でございまして、これは、CECというのは情報をリアルタイムで共有するシステムでございまして、それで独自にその情報に基づいて方法の決定とか射撃実施を行うということで、これまでと同様に一般的な情報交換の一環として行われる情報提供であると認識しております。
○井上哲士君 これまでと質的な違いが生じるということを当時、石破大臣も言っているわけでありますから、結局、やはり一体化論そのものをなきものにする、制約なく海外で武力行使ができるような、こういうことが今の自民党改憲草案に示された狙いがあると、そのことを指摘をいたしまして、時間ですので、質問を終わります。
○委員長(佐藤正久君) 防衛大臣は御退席いただいて結構でございます。
○浜田和幸君 日本のこころの浜田和幸です。
 外務大臣、今度インドで四番目になる総領事館、ベンガルールで開設される動きですよね。インドというのは、人口の面でももう間もなく、二〇二〇年には中国を抜くことが確実視されています。巨大なマーケット、日本の企業にとっても人材の宝庫でもあるし、また日本製の商品やサービスの売り先としてもこれから大きく期待されているところであります。
   〔委員長退席、理事塚田一郎君着席〕
 そういう中で、インド政府は、モディ首相の下で、今まではルックイーストと言っていたのが、アクトイーストという方向を掲げて、特に日本との関係を極めて強化したいということを積極的に打ち出されていますよね。その象徴的な政策がビジョン二〇二五だと思うんですが、そういうインド政府が日本に対して抱いているとても強い期待というものと、この今回の四番目のベンガルール総領事館が果たす役割といったものはどういう形で位置付けられているのか、まずその点から御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、インドは今十二億の人口を擁しており、二〇五〇年には十七億まで人口が大きくなる、こんな予想もあります。
   〔理事塚田一郎君退席、委員長着席〕
 モディ首相は、その中で、アクトイースト、こうした政策を掲げておられます。アジア太平洋地域における具体的な協力、これを積極的な外交として進めていくということだと承知をしておりますが、一方、昨年十二月、安倍総理が訪印したときに日印新時代の道しるべとなる共同声明、日印ビジョン二〇二五を発出いたしました。普遍的価値と戦略的利益を共有する日本とインドがアジアや世界の平和と繁栄を共に牽引していく、こういったことで合意したわけですが、その中にありましてこのベンガルールですが、ベンガルールは成長するインドIT産業の中心地として近年急速に発展をしてきました。自動車産業あるいはメガバンクを始めとした日本企業の進出、顕著でありますし、拡大、深化する日印関係やインドとアジア太平洋との経済的結び付き、これを象徴するような都市であると承知をしております。
 ここに総領事館を開設するということは、邦人あるいは日系企業にとって恒常的に迅速かつきめ細やかな邦人擁護、領事、企業支援サービス、こういったものが受けられる体制を構築するという意味があると考えています。
 このように、日印関係の更なる進展、そして日本企業の更なる進出、こういった点において大きな役割を果たすものであると期待をしております。
○浜田和幸君 そのベンガルール、おっしゃるように、日本のIT、自動車、金融機関がたくさん進出していますよね。実際にはどれくらいの日本企業が進出し、どれくらいの日本人が滞在し、そういう人たちのサポートをするに当たって、この新しい総領事館には何人ぐらいの日本のスタッフが常駐することになるんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) ベンガルール総領事館の管轄する地域における邦人数、そして日系企業拠点数ですが、急速に増えております。二〇一一年時点では邦人数六百六十九名だったものが、二〇一四年には邦人数一千百五十四名。二〇一一年時点で日系企業拠点数は百八十二でありましたのが、二〇一四年、この三年後には三百九十五拠点、このように増えております。
 こうした状況にも対応するべく総領事館の開設をお願いしているわけですが、体制としましては、今想定しておりますのは館長プラス四名、合わせて五名を想定しております。
○浜田和幸君 是非、インドの持っている潜在的な可能性と日印関係というものがもっともっと発展していくように、この総領事館の拡充をお願いしたいと思います。
 そして、今大臣は、インドの人口が十七億に二〇五〇年になるだろうと。インドの予想ではもっと早く中国を抜くということを言っていまして、二〇二〇年にはもう中国を抜くんだということをインド側は言っています。そうなりますと、この膨大な人口を雇用するということが、モディ政権にとっても将来のインドにとっても、とても大きな課題になると思うんですね。これだけ増えてくる人口をどうやって安定的な雇用を確保するのか。
 その一環として、インドは日本に対して、日本が、オリンピックもありますけれども、様々な局面で労働力が常に不足していると、だったらインドが日本の労働力不足を十分補いましょうということを盛んに申出を積み重ねてきているんですが、インドからの日本に対する労働力の派遣、そういうことについて、今、日本政府はどういうような受け止め方をしているんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) このインドの人材活用については様々な可能性があると認識しています。
 現時点では、現地に進出した日本企業から技術労働者や製造工程を管理する等の人材の不足が指摘されており、これに対応することが特に重要となっております。
 関係省庁において、日本企業による従業員の現地派遣、あるいは現地の人材を日本に受け入れる研修を支援するなどによって現地の人材育成に取り組んできているわけですが、こうした外国人材の受入れの在り方については、日本再興戦略改訂二〇一五の中で、中長期的な外国人材受入れの在り方について総合的かつ具体的な検討を進めるとされています。この中で検討が進められていくものだと考えております。
 そして、我が国におけるインド人の総数は二万八千三百五十二名ですが、そのうち専門的、技術的分野に関わっておられる方々、教授ですとか高度専門職等に関わっている方が一万一千五百五十七名とされておりますので、この分野で活躍されている方が圧倒的に割合として多い、このように認識をしております。こういった現状についてどう考えるか、どう取り組むか、こういったことを是非、日本再興戦略改訂二〇一五、この議論の中で議論していかなければならないと考えます。
○浜田和幸君 ゼロの発明で知られるインド人ですから、数学とかITとか物理とか、医学でも大変世界に貢献している。だから、日本に来て働いているインド人も高度人材が多い。しかし、十七億とか二十億になるインド人は必ずしもみんながそういう高度な技術を持っている人たちばかりでありませんから、いわゆる一般の労働力、そういう人たちの資質をどう高くするかということが、インドにとっては中国との競争において、やはりメード・イン・チャイナとメード・イン・インディアを比べると、いかんせん、やはり中国はインドの二十年先を行っているということをインド側も認識しているんです。
 ですから、インドの一般の労働者をどういう形でレベルを上げるかという面で、日本の企業ですとか、あるいはインド人が日本に来て研修をすることによって、そういったレベルアップをすることでインドが安定した社会を構成できるようになるのではないかと、そういう意味でインドから日本に対しては様々な人材育成についての要望が来ていると思うんですが、高度人材以外の一般の製造業ですとか建設業ですとか農業ですとか、いわゆる技能実習生という制度の中でインド人をもっと受け入れていくというような可能性は検討されるんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) インドにおける人材育成、日本としてどう取り組むかということですが、これは、こうした人材育成を進めることによってインド自体の発展にももちろん資するわけでありますが、日印関係を進展していく上においてもこうした人材育成、大変重要な取組であると認識をいたします。是非、人材育成、しっかりと取り組んでいかなければならないと思いますが、どの分野においてそうした人材育成に取り組むことがインドのニーズにかなうのか、また日本にとって人材育成が成果につながるのか、この点につきましては、先ほど申し上げました、現在の偏りの状況も見ながら、しっかりとインドと意思疎通を図りながら考えていくべき課題なのではないかなと考えます。是非、問題意識はしっかり持ちながら、インドとの人材育成の取組、どう進めていくのか、検討を続けていきたいと考えます。
○浜田和幸君 先般、安倍総理がインドを訪問されて、日本の新幹線の輸出も決まりましたよね。大変朗報だと思います。ただ、新幹線だけではなくて、日本とすれば、インドの電力事業、これをサポートするために原発の技術移転、技術輸出ということも検討に挙がっていると聞いております。実際、インドは新たに二十三か所、四十六基の原子炉計画を進めていると。その分野において日本に対する期待も高いと思うんですが、日本とすればインドの、そういった原子力協力はどのような今位置付けをされているんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) インドに対する原子力協力、平和利用の協力を考える際には、まずはインドに原子力の平和利用について国際的な責任をしっかり果たしてもらわなければなりません。そういった観点からインドとの間において原子力協定の議論を続けているわけですが、それについては一応、大きな合意、大枠なり大筋の合意はできつつありますが、引き続きしっかり議論をし、しっかりとした体制をつくっていくべき課題であると考えます。
 そして、インドにおける原子力の平和利用においてインドがしっかりとした責任ある対応を取る、こういったことを確認ができた上で具体的に協力について考えるべきものであると考えます。しっかり段階を踏んで、日本として、原子力の平和利用について、そして核不拡散について、大きな責任を担っている立場からあるべき対応を一つ一つ進めていきたいと考えます。
○浜田和幸君 原子力の平和利用ということに関しては、従来、日本はインドに対してもCTBTの加盟を求めていましたよね。それを今回日本が、原子力発電を売り込みたいということが恐らく背景にあると思われるんですけれども、CTBTについてはインドに対して厳格な適用は求めないというような、方向を転換したということが報道されているんですけれども、その辺りの現状、なぜ、今までは原子力の平和利用ということに集中しているから核拡散につながるような動きを封じ込めようと思ってインドと交渉していたのに、急に、いや、インドはいいですよと、もし日本が売り込もうとしている原発がインドにプラスになるのであればというような、何か取引があったかのような報道が見られるんですが、現状はどうなんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) インドとの原子力協定については、ちょっと先ほど言葉遣いがはっきりしませんが、今、原則合意という段階にあります。
 ただ、引き続きまして正式な合意あるいは手続は進めていかなければならない、こういった状況にあるわけですが、インドに対しては、引き続きNPT体制、それからCTBT体制始めこうした国際的な枠組みに入るべきであるということはしっかり訴え続けていきたいと存じます。
 ただ、その中にあって他国がインドとの原子力協力を進めつつあります。こうした現実の中にあって、実質的にNPT体制にインドを引き込むためにはどうあるべきなのか、そんな観点もしっかりと念頭に置きながらインドとの原子力の平和利用の在り方について考えていかなければならないと思います。
 いずれにしましても、インドに実質的な意味でこうした国際的な責任のある原子力の平和利用の体制に参加をしっかりと確認する、こういった観点から取り組んでいきたいと思います。
○浜田和幸君 インドもパキスタンも核大国の道を歩んでいる、中国の核能力の向上、バランスを取るためにインドとすれば自国の核開発ということもどうしても避けて通れないという、そういう状況に置かれていると思うんですが、従来、日本がインドとの関係においてはそういったことを一応おいて、言ってみれば核の平和利用だけに限定することであれば、経済、様々な分野の協力を進めようという方針だったと思うんですが、今、原則合意とおっしゃいましたけれども、かなりその辺りが曖昧になりつつあるというような雰囲気も伝わってきますので、一方、インドはどんどん今、地対地、言ってみれば核ミサイルの開発を進めていますよね。先般も長距離の核ミサイルの発射実験をやっています。どんどんどんどん核の拡散という、核の脅威ということも起こっているわけですから、どこかで歯止めを掛けるという意味で、日本とインドとの関係においてやはり原子力の平和利用だけに限定できるような枠組みを是非今後も交渉の中で進めていただきたいと思います。
 それで、実は地球温暖化の影響で、インド大陸、大変な、毎年毎年猛暑で、昨年はもう四十七度を超える、二千五百人のインド人が熱波で命を失っているんですね。今のインドのそういう状況に対して日本としてどういう形で、環境問題ですとかあるいは健康問題で協力できる、そういう可能性も多分にあると思うんですが、その辺りについてのインドとの環境面での協力の在り方、最後に大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) インドとの協力の可能性は幅広い分野にわたると考えます。環境、熱波のお話もありましたが、例えば都市開発においても効率性が高く環境の負荷の低い都市開発を進めていく、人口がこれから増大するインドにおいてはどうしても努力しなければいけない大きな目標でありますが、こうした目標に向けてインドは、スマートシティーを全国で二十都市つくろう、こういった計画もあるわけですが、こういった計画に対して我が国の優れた技術、経済性においても優れた技術、こういったものをもって貢献することはできると考えますし、環境に優しい高効率石炭火力発電技術の提供、これにつきましては既に取り組んでいるところであります。
 是非、今後とも、こうした環境に関わる様々な課題についても、インドのニーズ、しっかり酌み取りながら貢献をしていきたいと考えます。
○浜田和幸君 ありがとうございました。
 インドのスマートコミュニティーづくりは日本の経験も十分に役立てる、日本の持っている環境関連技術もインドの国づくりに大いに協力できる分野だと思いますので、是非日本とインドの関係強化にこれからも御尽力いただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば桜も早い、余り関係ないかもしれないですね、温暖化のせいかもしれませんが、何日か、五日ほど早く桜が咲くようですが。
 今日の朝のテレビを見ておりましたら、オバマ大統領がキューバに訪問というニュースが出ておりました。私が八九年に行ったときに、カストロ議長が生きている限りはアメリカは絶対国交を再開しないということが言い伝えられていたんですが、世界の情勢が変わってきたのかなと思います。
 今日質問させていただくのは、外務公務員の給与についてお伺いをいたします。
 国によって金額の差が生じる、その国の物価や外貨レート、そしてその国の情勢等に左右されると思いますが、その認識で資料を確認したんですが、コンゴ共和国の給与が中国と並び世界で一番高い額となっています。
 コンゴといえば、一九九七年以前はザイールと呼ばれていましたが、私がかつて戦ったモハメド・アリは、ベトナム戦争の徴兵を拒否したためWBA・WBCの統一世界ヘビー級チャンピオンのベルトを剥奪され、後にその首都キンシャサでジョージ・フォアマンと対戦、王座奪還をしました。有名なキンシャサの奇跡と言われています。また、二千五百以上の少数部族が確認されていて、ピグミー族と言われる人たちは、内戦のさなか、兵士から動物のように狩りをされ、食料にされたという痛ましい過去もあるようです。
 私なりにコンゴ共和国の背景を調べてみたんですが、給与が高額になる明確な理由がよく分かりません。ほかの地域でも給与に大きく差がある国があるんですが、同じような国と国を比べたとき、かなりの差があるのはなぜでしょうか。
 まずは、コンゴとモロッコにかなりの差があるようなので、この二か国を例にして、具体的な要因を踏まえ御説明をください。
○政府参考人(山崎和之君) お答え申し上げます。
 御指摘の在勤基本手当でございますけれども、基準額につきましては、それぞれの地における生計費の差に加えて、勤務、生活環境の厳しさを緩和するための加算額の差を設けております。
 御指摘のコンゴ民主共和国大使館は比較した上でも高い手当額となっておりますけれども、これは、他公館と比べまして、今申し上げましたような加算額の差により生じているものでございます。
 なお、この在勤基本手当の基準額の算定に当たりましては、為替、物価水準のデータに加えまして、民間調査会社の生計費調査の結果を反映させております。また、当省の調査、民間調査会社の調査結果を参考としながら、先ほど申し上げました勤務、生活環境の厳しさを緩和するための追加的経費を算出して加算しているというものでございます。
○アントニオ猪木君 次に、メンタルケアについて御質問をさせていただきますが、私がこれまで南米やアフリカ、南アジア、ロシアといった様々な国へ訪問しましたが、できるだけ現地の商社の皆さん、また大使館の皆さんと会っていろんな話をさせていただきました。
 全ての国が近代的で暮らしやすいわけではなく、発展途上国の国もあれば宗教上の規律が厳しい国もあり、それぞれ国の事情によって多様な生活様式が存在します。掛かる苦労もそれぞれ違い、例えば、以前訪れたスーダンでは、大使との食事をしたときに、小さな店に茶封筒を大使が持ってこられて、周りをうかがいながら、その中から缶ビールとウイスキーを出してくれました。本当にイスラム世界も大変なところでもあります。ここに、イスラム圏なので基本的に本当に酒は飲んじゃいけないんでしょうけど、それでもまあ私も随分違反をしましてイスラム圏にお酒を持っていったことがあります。
 本当に慣れないところで、少なからずストレスを感じながら過ごしておられる外務公務員も多いと思います。また、大使館という場所は非常に小さなコミュニティーで、窮屈な環境ゆえ人間関係上のトラブルなど発生する可能性が高いんではないでしょうか。毎日顔を会わす者同士が人間関係でうまくいっていない状況下にあれば、精神的にもつらいはずです。海外で逃げ場もなく、思い詰めてしまうケースもある。私だったら、ばかやろうといって立ち向かうんですけど。
 そこで、海外で暮らす外務公務員のメンタルケアについて何か講じているのか、具体的にあれば併せてお聞かせください。
○政府参考人(山崎和之君) 御指摘の在外公館に赴任する外務公務員のメンタルケアでございますけれども、まず、赴任前にメンタルヘルスに関しての研修を実施しております。この研修の中では、異なる生活環境や文化へどういうふうな心構えで適応していくことが望ましいか、また心の健康面でのセルフケア、これは今御指摘がございました同僚との関係等も含めてでございますけれども、研修を受け、理解を深めるようにしております。
 また、外務省の本省、在フランス日本国大使館、ニューヨーク総領事館、在タイ大使館には医務官として精神科医を配置しております。在外公館職員に対する心の健康面での相談に対応するためでございますけれども、これらの拠点公館から必要に応じて現地に出張して、問題を抱える職員について相談対処をすることも行っております。
○アントニオ猪木君 次に、医療問題について質問をさせていただきます。
 外務公務員が駐在している国では、病院など施設が充実しておらず、医療を受けられないケースが多々あると思います。例えば、日本に勤務していれば毎年健康診断を受けられ、病気の早期発見もできます。また、病気になってしまった場合でも大病院で最新の医療を受けることが可能です。途上国で医療の充実を望めない国では、健康リスクが増しています。
 また、就学児を同行し海外に駐在することもあるかと思いますが、学校のない地域も存在するのではないかと思います。日本では当たり前のことですが、世界では通用しないことも認識すべきだと思います。私もできる限り海外に行ったときには、就学している子供たちともいろいろ運動会をやったりとかやってきましたが。
 そこで、日本の在外公館のある国で、医療と学校が充実していない国はどのくらいあるのか、また、実際、そのような地域に駐在している外務公務員がいるのであれば、その人たちのどのようなケアをしているのか、お聞かせください。
○政府参考人(山崎和之君) 御指摘のとおり、在外公館のある国、地において医療施設や学校施設が必ずしも充実していない国は数多くございます。こうした中で、医療事情の厳しい地域を中心に、現在、九十五公館に医務官を配置しております。さらに、医務官が配置されていない在外公館のうち八十九公館については、指定の近隣公館の医務官が年四回、巡回検診を行っております。
 今後とも、医務官制度を活用しつつ、在外公館職員の健康管理には努めていきたいと考えております。
 また、教育面でございますが、任地の中には、例えばイラク、アフガニスタンのように、子女を含む家族を帯同できない国もございます。また、それ以外にも、子女が通学するのに適した学校施設がない任地もございます。子女を同伴する場合も、言語の問題や教育水準の問題などを勘案し、日本の教育と同等のレベルが確保できる学校を基準校として選定し、子女教育手当を支給し、教育が維持できるようにということを行っております。
○アントニオ猪木君 昔、私も選手時代は、世界を回っていたときに、前の委員会でもお話ししたことがありますが、非常に私も涙するような場面というか、ドイツのデュッセルドルフで子供たちが日本の校歌を、日本とドイツを結ぶデュッセルドルフという、そういう歌詞だったと思いますが、本当に子供たちが海外で過ごすこと、実際に海外で生活してみないと、それは体験してみないと分からないことがたくさんありますが、まず、先ほど出たスーダンもそうですが、いろんなアフリカ諸国では日本食の調達というのは本当に大変だろうと思うんですね。
 この前はずっと中南米を回っておりましたし、できるだけおいしいものをと思いながら、生ものを持っていくんですが、やっぱり温度の調整が悪いので、この前は何ですか、めんたいことかいっぱい持っていきましたが、大変喜んでもらって。ただ、本当に生ものもなかなか移動のときにもちませんので、その辺を、いつも私も訪問するときに何がいいのかなと思うときに、一番いいのはやっぱり食べるものがいいのかなということで、いろいろ取りそろえて行くことがあります。
 次に、北朝鮮、今御存じのとおりで、毎日、連日報道されております。御存じのとおり国交はありませんが、そして人的交流も事実上今絶っている状況になっていますね。しかしながら、拉致問題という大きな課題、この間、予算委員会でも質問をさせていただきましたが、この課題を解決することが重要な事項だと皆さん認識しておられると思います。
 先日、ある大学の教授とお会いする機会がありましたが、その際、北朝鮮に連絡事務所を置いて職員を常駐させ、リアルタイムで北朝鮮情報を入手して、日本政府からの要望を発信できれば、拉致問題の解決に向け少しでも前進できるのではないかという話をさせてもらいました。
 本当に向こうの要人に話すことは、違った情報というのが、日本に入ってくる情報を当然良く書くことなんかありませんから、そういう情報を全部集めて、また彼らがそれに対して戦略というか、いろんな策を考える。だから、ちゃんとした正しい情報が伝わるようなことであれば、もっと違った、誤解が解けていくのではないかなと思います。
 一つに、私もスポーツ交流、スポーツ平和交流協会、NPO法人があるのですが、これは北朝鮮だけではなくてパキスタンとかいろんな国との人たちとの交流をやっておりますが、本当に大変難しい問題で、ドアが閉まってしまった状況の中で、この北朝鮮問題、そして拉致の人たちの問題、もう本当に年も、誰もがみんな言っているとおりお年ですし、その辺を考えた上で、一回閉めた扉を開くのはこれまた五、六年掛かるわけですから、その辺のひとつ、この時期であれば何とか知恵を絞って新しい行動を取るようなことを考えられたらいかがかなと思いますが、外務大臣の御意見をお聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国は、北朝鮮との問題において、対話と圧力、行動対行動の原則で臨んできました。御指摘のような取組につきましても、北朝鮮から前向きな具体的な行動を引き出すためには何が最も効果的なのか、こういった観点から考えていくべきであると考えます。
 ただ、現状、ストックホルム合意からもう一年半以上たつわけですが、拉致被害者の帰国に向けた具体的な進展は示されていません。そして、年明けてから核実験が行われ、そして弾道ミサイルが度々発射されています。こういった事態を考えると、現時点で北朝鮮に御指摘のような対応をするというのは難しいのではないかと考えます。
 対話と圧力ということを考えましても、拉致問題を解決するためには全ての拉致被害者の帰国を実現しなければならないわけですから、この対話という要素、これはなくてはならないと思います。しかし一方で、対話のための対話であってはならないと思いますし、一昨年、北朝鮮は拉致問題は解決済みだと言い続けていた中にあってストックホルム合意に基づいて調査を開始することを約束させたわけですが、その対話を開始する前、一年四か月、我が国独自の措置があり、そして安保理決議に基づく制裁があり、こうした圧力がしっかりあったからこそ対話の再開にもつながったということを考えますと、やはり対話と圧力、両方が大事だと思います。要は、この二つの組合せであり、バランスであり、北朝鮮から前向きな行動を引き出すためにはどうあるべきなのかを考えていかなければならないということだと思います。
 今、我が国独自の措置が発表され、そして安保理決議が採択されました。この実効性を確保することがまず大事だと思います。その上で、北朝鮮の反応を見ながら、我が国として北朝鮮から前向きな行動を引き出すためにはどうあるべきなのかをしっかり検討し、対応を考えていく、これがこれから我が国が取るべき方向性ではないかと考えます。
○アントニオ猪木君 二、三日前ですが、ヒストリーチャンネルでしたかね、今回の第一書記の特集をやっていましたが、一つ、訪朝して話をする中で、核開発は大分前から言われていましたが、これは絶対に造るんだという話をしておりました。一つの例として、この間の番組の中でも言っていましたが、サダム・フセインあるいはカダフィさんを見てください、あの人たちはアメリカの言うとおりにやったらすぐに国が潰されてしまいました、だからこそ我々はこの核の開発は絶対やるんだと言い切っていましたが、ちょうど、私も聞いていましたが、テレビでもそれをやっておりましたが。その辺の、要するに何というんでしょうかね、拉致もさることながら、もうちょっと何でしょう、積極的というか具体的な話合いというか、そういうものがなされていかないと、当然もう核はできているという話も聞いておりますし、その辺の脅威というか、本当は私は、もっと国連がしっかりしてもらって、国連が役割を果たしてくれればもうちょっと違った展開になっていくのかなと思います。
 そういうことで、これはまだまだ政府もいろんな策を考えられると思いますし、私も、スポーツ交流というのが基本ですから、人的交流だけは閉ざさないということが前から言い続けてきていることです。その辺を御理解いただいて、質問を終わります。
○糸数慶子君 無所属の糸数慶子です。
 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、この件につきましては賛成の立場を申し上げ、沖縄関連の質問に入らせていただきます。
 十七日のこの委員会でも質問いたしました米兵による女性に対する暴行事件について、引き続き質問させていただきます。
 昨日、辺野古のキャンプ・シュワブゲート前で、米兵による女性暴行事件を糾弾する抗議集会が行われました。二千五百名の市民が結集し、繰り返される女性への暴行事件に県民の憤りがその集会でも表されております。政府におきましては、同様の事件が二度と起こらないように再発防止のために全力を尽くしていただきたいと思っております。
 そこで、御質問いたします。
 まず、今回のこの女性暴行事件を受けて、在沖米軍全四軍の司令官が全ての兵士を対象に那覇市周辺のホテルに宿泊することを全面的に禁止する通達を出したということでありますが、浦添市以南に限定して宿泊を禁止しておりますけど、浦添市以北の市町村には外泊ができるわけです。他の市町村でも同様の事件が起こる可能性があるわけですが、例えば宜野湾市あるいは沖縄市等のホテルに宿泊するという米兵が出てくるわけです。
 リバティー制度や浦添市以北のホテルの宿泊の禁止などでは事件、事故を防止することは難しいと懸念いたしますが、沖縄県内で米兵による犯罪を防ぐために米兵の基地外への外出を全面禁止するのが最も効果的ではないでしょうか。過去には、米軍は沖縄県内で外出禁止令、つまりオフリミッツを行ったことがありました。日本政府としてそれを米軍に求める必要があると思いますが、防衛、外務両大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(中谷元君) 今回の事件を受けまして、米側から第三遠征海兵隊が司令官の権限によりまして、全てのランクの米軍人に対する牧港補給地区以南の地域、那覇市も含むこれの夜間外出禁止、そして追加研修の実施を決定をしたと承知をいたしております。
 リバティー制度によりまして、施設・区域外の公共の場における飲酒制限、外出制限、外出時間の制限、そして同伴者義務付け等を求めていると認識をいたしておりまして、防衛省といたしましては、米側に対して、ワーキングチームなどの機会がございますので、関係機関との協議を重ねることによりまして事件、事故の防止を働きかけをしてまいりたいと思っております。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、こうした米軍人等による事件、事故、これは遺憾であり、あってはならないものだと考えます。
 また、日米同盟を維持していくという観点から考えても、これは日米同盟に対する日米両国民の支持をしっかり得ていくことが必要です。こうした日本国民の米軍に対する信頼が損なわれるような事態、これは生じてはならないことであります。そして、その中で、米軍人等による事件、事故の防止には、まずは米側の努力、これが重要であるということは言うまでもありません。
 米側には御指摘のリバティー制度があるわけですが、加えて、今防衛大臣から答弁がありました沖縄駐在の第三遠征海兵隊、これが、司令官の権限によって、全てのランクの米軍人に対する牧港補給地区以南の地域への夜間外出禁止、そして追加研修の実施、これを決定したという説明を受けているわけですが、日本政府としましては、従来から、米軍、沖縄県そして関係市町村などから成る米軍人・軍属等による事件・事故防止のための協力ワーキング・チーム、これを開催して綱紀粛正、教育強化などについて協議しているわけですが、このワーキングチーム、平成十二年から二十三回開催されています。次回、四月十九日開催で今調整中であります。是非このワーキングチームの会合において、今申しました第三遠征海兵隊の決定、これが実効性を確保するようにしっかりと確認をしていきたいと存じます。こうした確認から一つ一つ地道な努力を積み重ねていかなければならないと考えています。
○糸数慶子君 今、両大臣から、例えば追加研修あるいはワーキングチームでの米側に対する努力義務といいましょうか、いろいろやるというふうにおっしゃいましたけれども、ただ、これ本当に、米軍関係者によりますと、一九七二年以降、つまり沖縄が本土復帰した以降ですね、刑法犯の摘発、これは二〇一五年の調査でありますが、五千八百九十六件あるわけですね。それは関わる人が五千八百十五人にも上っておりますけれども、そのうち女性によるいわゆる事件、女性暴行事件が百三十件、被害者が百四十八人いるわけです。
 今、前回の私が質問したときにもそうですけれども、米兵による事件、事故が起こるたびに米軍はまず謝罪をする、綱紀粛正、再発防止というふうにおっしゃいます。先ほどもお話がありましたリバティー制度、これ、事件や事故が発生をするたびにこういうことを繰り返しているんですよ。パターン化しています。ですから、再発防止策というふうに言われるんですけれども、具体的にはどのような形で、こういうことを繰り返して本当に事件がなくなったのか、なくならない状況なんですね。
 私は十七日の外交防衛委員会で、例えば米軍の県道一〇四号線越えの実弾射撃訓練に伴って、これは本土で今訓練を実施している期間中、防衛省の職員がこの演習場外へ外出する海兵隊員に同行しているということを中島地方協力局長に御答弁をいただきました。この同行の理由も伺いました。地元住民の不安を解消するために案内をしているということなんですが、この米兵が起こす事件や事故、圧倒的に沖縄で起こる頻度が高いわけですから、これこそまさに、沖縄にこそこうした徹底した防衛策が必要ではないかというふうに思うわけです。
 再発防止策がどう運用されて、どのような結果が出てくるのか、政府はまさにこのことを米軍に対して定期的に具体的な数字を報告させ、それを県民に公表すべきだと思いますが、防衛大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) この事故の防止につきましては、米側の方も対応を検討していると思います。現時点におきましても、自主的な取組の一つとして、米軍人による事故の防止のために、米軍人が週末及び休日の夜間に生活指導のために市街地等の巡回を行っております。また、リバティー制度によりますと、外出等の同伴の義務付けを米軍人に求めているということでございます。
 今回、改めて事故の再発防止ということで米国側におきましても検討をされていると伺っておりますが、防衛省といたしましても、米側に対しまして様々な機会で事件、事故の防止を働きかけるとともに、関係機関との協議、これを重ねてまいりたいと考えております。
○糸数慶子君 今回の事件で、被害女性は観光客であった、そのことから考えていきますと、沖縄観光業界も大変大きな衝撃を受けています。沖縄には多くの女性客、そして家族連れ、修学旅行生などが訪れるわけで、まして安全であると思われているホテルの中で起こった事件なんですね。観光業は沖縄の主要産業であるという観点から考えましても、今回の事件で沖縄県民は、基地は沖縄経済の阻害要因だということをはっきり言えるというふうにおっしゃっています。政府には、再発を完全に防止するために、是非、米政府に対して、あるいは米軍に対してオフリミッツを求めて、また更なる基地負担の軽減に尽力をしていただきたいと思います。
 次に、辺野古新基地建設に係る費用についてお伺いをしたいと思います。
 現在、辺野古新基地建設の工事が完了するまでの総事業費は、防衛省の試算では少なくとも三千五百億円以上、一部には一兆円規模という報道もあるわけですが、現時点では契約ベースで八割の予算が費やされているということですが、このように巨額の費用を掛けた基地建設を政府は普天間飛行場の移設と言っておりますが、それ以上の機能が備わるのではないかというふうに懸念をしております。
 普天間飛行場と同じ機能という認識でしょうか、中谷防衛大臣に伺います。
○国務大臣(中谷元君) 普天間飛行場には、空中給油機、そして緊急時の受入れ機能並びにオスプレイなどの運用機能、この三つの機能がございましたが、KC130十五機全て岩国に移駐をし、そして緊急時の受入れも築城、新田原へ移転をするということで、残るオスプレイの運用機能のみを辺野古に移すということでございまして、普天間よりも辺野古の機能は大幅に縮小されるわけでございます。
 辺野古の代替施設につきましては、あくまで普天間飛行場が有しているオスプレイなどの運用に必要な機能を移設をするものでございまして、他の機能をその他の施設・区域から移設をするものではございません。
○糸数慶子君 二〇一三年の五月五日付けの沖縄タイムス紙が、米会計検査院、GAOが一九九八年に、代替施設の年間維持費用、普天間の約七十倍に相当する約二億ドルと試算をしたというふうに報じられていますが、これに関しては承知していらっしゃるでしょうか。
 また、維持費の負担を日本に求めたというふうにも報じられておりますが、維持費について日米で話合いを行っている事実はあるでしょうか、防衛大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(中谷元君) 普天間の代替施設の移設工事につきましては、米側と緊密に協議、連携をしつつ進めているところでございます。
 そもそも米軍施設・区域の維持費、これは米側が負担すべきものでありまして、米側との関係もあることからアメリカ側との議論の詳細についてお答えをすることは差し控えるわけでございますが、GAOの、監査機関のこの維持費七十倍、二億ドルという報道は接しておりますけれども、米側がこれ負担するものでございますので、防衛省としてのコメントは控えさせていただきたいと思います。
○糸数慶子君 維持費は米側が負担するということでよろしいんですね。
 次にお伺いいたします。
 沖縄県民の八割が新基地建設には反対しております。また、国民の生活が苦しくなっているこのような状況で他国の軍隊のために巨額の税金を使うことに対し、国民の納得を得ることはできないというふうに思います。
 戦後七十年、米側による占領、そして過重な基地負担に苦しむ沖縄に更なる米軍基地負担、しかも耐用年数二百年とも言われるような辺野古の新基地建設、この軍事基地の負担を更に課すことがいかに沖縄の県民の人権を無視した暴挙であるか、きちんと認識をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 日本の安全保障の観点で、やはり米軍のプレゼンス、また抑止力の維持、これは必要なものでございます。一方で、沖縄の過度な基地の負担、これは軽減をしなければならないということで、これも大事なことでございまして、そういう関係から、政府といたしましては、普天間の基地の移設、これは辺野古が唯一の手段であると認識をいたしておりまして、その移設においてこの基地負担の軽減も併せて実現できるように努力をしていきたいと考えております。
○糸数慶子君 今の答弁は大変矛盾しております。沖縄の基地負担を軽減するというふうにおっしゃりながら、これだけの予算を使って辺野古に新しい基地を造るということを、県民の八割が反対しているんだということを強く指摘して、次の質問に移りたいと思います。
 辺野古、キャンプ・シュワブゲート前の抗議活動についてでありますが、三月九日の予算委員会において国土交通大臣が、普天間飛行場代替施設建設事業に反対する方々がキャンプ・シュワブのゲート付近の道路区域に設けているテント等は、道路法第三十二条の規定に違反しておりますというふうに答弁されておりますが、このキャンプ・シュワブゲート前のテント等が道路法第三十二条のどの部分に違反しているのか、具体的にお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(青木由行君) お答え申し上げます。
 普天間飛行場代替施設建設事業に反対する方々がキャンプ・シュワブのゲート付近の道路区域にテント等を道路管理者の許可なく設置しています。これは、道路法三十二条第一項にこういう規定がございます、道路に物件等を設け、継続して道路を使用する場合においては、道路管理者の許可を受けなければならない。この規定に違反をしてございます。
○糸数慶子君 このキャンプ・シュワブゲート前に昨年十一月から警視庁の機動隊が配備されています。機動隊員の暴力的な行為が映像でも流れ、沖縄現地だけではなくて本土でも大きな問題になっておりますが、そこで警察庁に伺います。
 機動隊配備後に、政府として把握しているけが人と逮捕者数、それぞれ何名でしょうか。警察庁に伺います。
○政府参考人(斉藤実君) 沖縄県警察におきましては、辺野古における抗議行動に際して安全の確保、違法行為の抑止のため、所要の警備措置を講じているところでございます。
 これまで警察官が参加者にけがを負わせたという事実を把握はしてございませんが、平成二十六年以降、キャンプ・シュワブ付近においてけがや体調不良を訴えた方として沖縄県警察が把握をしたのは四十四人と承知をいたしております。
 また、逮捕者については、平成二十七年以降、沖縄県警察において、公務執行妨害等で抗議活動に参加をしていた延べ二十人を検挙していると承知をいたしております。
○糸数慶子君 警視庁の方から機動隊が配備されて五か月ですが、けが人、逮捕者は増えているのではないでしょうか。増えていればその理由を伺います。
○政府参考人(斉藤実君) キャンプ・シュワブ周辺の抗議行動に参加をして逮捕された方の人数について申し上げますと、昨年夏以降、昨年九月が三名、十月が一名、十一月が一名、十二月四名、本年一月二名、二月がゼロ、三月は現在まで二名となってございまして、昨年十一月に警視庁機動隊員が沖縄に派遣されてから、逮捕者が増加しているとも減少しているとも申し上げられないところでございます。なお、十一月以降の逮捕事案に関して、警視庁警察官に対する公務執行妨害事案は発生をしていないというふうに承知をいたしております。
 また、けが人、けがや体調不良を訴えた方について申し上げますと、例えば昨年七月以降、七月が七人、八月がお二方、九月が一人、十月が三人、十一月八人、十二月七人、本年の一月が三人、二月はゼロでございまして、これも増加しているとも減少しているとも申し上げられないところでございます。
○糸数慶子君 このキャンプ・シュワブゲート前に警視庁の機動隊を配備していますが、平成二十七年度、二十八年度、これに掛かる費用はどの程度でしょうか。また、工事が中断されても機動隊は配備され続けているのですが、それはなぜでしょうか。お伺いいたします。
○政府参考人(斉藤実君) まず、警視庁の機動隊が配備をされている理由でございます。警察といたしましては、抗議行動が適法、適正に行われている限り、それに関与をするものでございません。
 しかしながら、現在も、辺野古での抗議行動では、キャンプ・シュワブに出入りをする車両の前に飛び出したり立ち塞がるなどしてその通行を妨害するといった危険かつ違法な行為を行っている者もいるほか、三月十七日には公務執行妨害で逮捕された者もいたものと承知をいたしております。
 こうしたことを踏まえまして、現場における安全の確保、違法行為の抑止という観点から、警視庁の機動隊の派遣も含めまして、沖縄県警察において適切に警備体制を判断をしていくものと承知をいたしております。
 それから、費用につきましては、人件費等もございまして、たちまちお出しができるものではございませんので、そこは御理解を賜ればと思っております。
○委員長(佐藤正久君) 糸数さん、質疑時間が終了しておりますので、質疑をおまとめください。
○糸数慶子君 いえ、まだ答弁がありませんが。
 工事が中断されても機動隊は配備され続けているのはなぜですかというのを、まだ答えていない。
○委員長(佐藤正久君) 糸数さん、立って質疑をまとめてください。
○糸数慶子君 いや、それは質問しましたよ。答えていないんですよ。
○委員長(佐藤正久君) 警察庁斉藤審議官、時間が過ぎておりますので、簡潔に答弁をまとめてください。
○政府参考人(斉藤実君) はい。
 先ほども申し上げましたが、現在も辺野古での抗議行動では危険かつ違法な行為が一部には行われておるということも踏まえまして、沖縄県警察において警備体制を判断をしているものと承知をいたしております。
○糸数慶子君 時間がないので、また続きは次回させていただきますけれども、費用に関しては通告もしております。是非次回お答えいただきたいと思います。
 それから、辺野古の前には非暴力で座り込んでいる人たちが大半でありますし、こういう機動隊員の暴力的な行為、大変憂慮しております。中には、特に女性、しかも高齢の女性に対して暴力的な排除が行われている、これ映像などでも度々紹介をされております。このことに対して強く抗議を申し入れまして……
○委員長(佐藤正久君) 糸数先生、質疑をまとめてください。
○糸数慶子君 はい。
 明日また質問したいと思います。ありがとうございました。
○委員長(佐藤正久君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(佐藤正久君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤正久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十三分散会