第190回国会 財政金融委員会 第1号
平成二十八年二月十八日(木曜日)
   午後零時三十分開会
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   委員氏名
    委員長         古川 俊治君
    理 事         愛知 治郎君
    理 事         若林 健太君
    理 事         大久保 勉君
    理 事         西田 実仁君
    理 事         藤巻 健史君
                石田 昌宏君
                大家 敏志君
                伊達 忠一君
                塚田 一郎君
                長峯  誠君
                西田 昌司君
                宮沢 洋一君
                森 まさこ君
                山本 一太君
                礒崎 哲史君
                尾立 源幸君
                大塚 耕平君
                風間 直樹君
                前川 清成君
                長沢 広明君
                大門実紀史君
                中山 恭子君
                中西 健治君
                平野 達男君
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   委員長の異動
 一月四日古川俊治君委員長辞任につき、その補
 欠として大家敏志君を議院において委員長に選
 任した。
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   委員の異動
 一月四日
    辞任         補欠選任
     塚田 一郎君     岩城 光英君
     西田 昌司君     岡田 直樹君
     古川 俊治君     山谷えり子君
     森 まさこ君     中川 雅治君
     若林 健太君     中西 祐介君
     風間 直樹君     白  眞勲君
     長沢 広明君     竹谷とし子君
 二月十七日
    辞任         補欠選任
     岩城 光英君     高橋 克法君
     礒崎 哲史君     柳澤 光美君
     大門実紀史君     小池  晃君
 二月十八日
    辞任         補欠選任
     小池  晃君     大門実紀史君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         大家 敏志君
    理 事
                愛知 治郎君
                石田 昌宏君
                長峯  誠君
                大久保 勉君
                西田 実仁君
    委 員
                岡田 直樹君
                伊達 忠一君
                高橋 克法君
                中川 雅治君
                中西 祐介君
                宮沢 洋一君
                山谷えり子君
                山本 一太君
                尾立 源幸君
                大塚 耕平君
                白  眞勲君
                前川 清成君
                柳澤 光美君
                竹谷とし子君
                小池  晃君
                藤巻 健史君
                中山 恭子君
                中西 健治君
                平野 達男君
   副大臣
       内閣府副大臣   福岡 資麿君
       財務副大臣    岡田 直樹君
       厚生労働副大臣とかしきなおみ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 伸一君
   参考人
       日本銀行総裁   黒田 東彦君
       日本銀行理事   雨宮 正佳君
       日本銀行理事   櫛田 誠希君
       日本銀行理事   武田 知久君
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  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○国政調査に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく
 通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件
 )
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○委員長(大家敏志君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 議事に先立ちまして、一言御挨拶を申し上げます。
 去る一月四日の参議院本会議におきまして財政金融委員長に選任をされました大家敏志でございます。
 文字どおり、本委員会は、財政、金融全般にわたる所管事項を取り扱う重要な委員会であります。委員長としての職責の重さを痛感いたしております。
 委員会の運営に当たりましては、先生方、皆様方の御指導、御協力を賜りながら、公正かつ円満に行ってまいりたいと思いますので、何とぞよろしくお願いいたします。(拍手)
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○委員長(大家敏志君) 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、風間直樹君、若林健太君、古川俊治君、西田昌司君、塚田一郎君、森まさこ君、礒崎哲史君及び大門実紀史君が委員を辞任され、その補欠として白眞勲君、中西祐介君、山谷えり子君、岡田直樹君、中川雅治君、柳澤光美君、高橋克法君及び小池晃君が選任されました。
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○委員長(大家敏志君) 理事の辞任についてお諮りいたします。
 藤巻健史君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大家敏志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、理事の補欠選任を行います。
 理事の辞任及び委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大家敏志君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に石田昌宏君及び長峯誠君を指名いたします。
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○委員長(大家敏志君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、財政及び金融等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大家敏志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(大家敏志君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁黒田東彦君、同理事雨宮正佳君、同理事櫛田誠希君及び同理事武田知久君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大家敏志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(大家敏志君) 財政及び金融等に関する調査のうち、日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件を議題といたします。
 日本銀行から説明を聴取いたします。黒田日本銀行総裁。
○参考人(黒田東彦君) 日本銀行は、毎年六月と十二月に通貨及び金融の調節に関する報告書を国会に提出しております。本日、我が国経済の動向と日本銀行の金融政策運営について詳しく御説明申し上げる機会をいただき、厚く御礼申し上げます。
 最初に、我が国の経済金融情勢について御説明申し上げます。
 我が国の景気は、輸出、生産面に新興国経済の減速の影響が見られるものの、企業部門、家計部門共に所得から支出への前向きの循環メカニズムが作用する下で、緩やかな回復を続けています。先行きも、国内需要が増加基調をたどり、輸出も新興国経済が減速した状態から脱していくことなどを背景に緩やかに増加する下で、我が国経済は基調として緩やかに拡大していくと考えられます。
 物価面を見ると、生鮮食品を除く消費者物価の前年比はゼロ%程度となっています。もっとも、生鮮食品、エネルギーを除く消費者物価の前年比は、二十七か月連続でプラスを続け、最近ではプラス一・三%まで上昇するなど、物価の基調は着実に改善しています。先行き、生鮮食品を除く消費者物価の前年比は、エネルギー価格下落の影響から、当面ゼロ%程度で推移すると見られますが、需給ギャップの改善や中長期的な予想物価上昇率の上昇を背景に物価の基調は着実に高まり、物価安定の目標である二%に向けて上昇率を高めていくと考えています。原油価格が現状程度の水準から緩やかに上昇していくとの前提に立てば、二%程度に達する時期は、二〇一七年度前半頃になると予想しています。
 このように、メーンシナリオとしては、我が国経済は基調として緩やかに拡大し、消費者物価の前年比は二%に向けて上昇率を高めていくと考えていますが、年初来、原油価格の一段の下落に加え、中国を始めとする新興国、資源国経済に対する先行き不透明感などから、金融市場は世界的に不安定な動きとなっています。このため、企業コンフィデンスの改善や人々のデフレマインドの転換が遅延し、物価の基調に悪影響が及ぶリスクが増大しています。
 日本銀行は、こうしたリスクの顕在化を未然に防ぎ、二%の物価安定の目標に向けたモメンタムを維持するため、先月、マイナス金利付き量的・質的金融緩和を導入しました。日本銀行当座預金金利をマイナス化することでイールドカーブの起点を引き下げ、大規模な長期国債買入れを継続することと併せて、金利全般により強い下押し圧力を加えていきます。国債のイールドカーブは、マイナス金利付き量的・質的金融緩和の導入以降、低下しており、政策効果は現れています。今後、その効果は、実体経済や物価面にも着実に波及していくものと考えています。
 日本銀行は、二%の物価安定の目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、マイナス金利付き量的・質的金融緩和を継続します。今後とも、経済、物価のリスク要因を点検し、物価安定の目標の実現のために必要な場合には、量、質、金利の三つの次元で追加的な金融緩和措置を講じます。
 また、国際金融市場では、ここに来て、世界的に投資家のリスク回避姿勢が過度に広まっています。日本銀行としては、国際金融市場の動きが我が国の経済、物価にどのような影響を与えるかについて、しっかりと注視していく方針です。
 ありがとうございました。
○委員長(大家敏志君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○石田昌宏君 自由民主党の石田昌宏でございます。
 年始以来、市場は非常に不安定であります。チャイナ・リスクですとか、原油価格の下落ですとか、場合によってはアメリカの経済の先行き懸念ですとか、いろんな要因があると思いますけれども、確かにこの景気とかインフレに関しては下振れのリスクが大きくなっているかなと思います。
 日銀は、一月二十九日、ただいま報告にありましたとおり、二%の物価安定目標の実現を目指し、これを安定的に持続するという従来の目標を維持するためにマイナス金利政策を導入しました。このマイナス金利政策なんですけれども、資料にもありますように、階層構造方式ということが特徴になっていまして、日銀の当座預金を三段階に区分して、プラス金利、ゼロ金利、マイナス金利、それぞれ適用するわけですけれども、この仕組みは、いろいろ配慮しているというふうに意見がある一方で、分かりにくいとか、配慮し過ぎて効果がないんじゃないかとか、いろんな意見が実はあります。
 確かに、日銀当座預金は法律で決められている準備預り金については無利息になっていますが、その法定準備預り金を超えた超過準備につきましては、二〇〇八年度だと思うんですけれども、時限措置として補完当座預金制度というので利息を付けることができるようになっていまして、現在、プラス〇・一%となっています。昨年、この金額は、全体が二百二十兆程度あるんですけれども、法定準備の預り金、利息付かない方が九兆円、そして利息が付く方の超過準備が二百十兆円ぐらいありまして、本来、無利息が原則なはずなんですけれども、この利息が付く部分が非常に圧倒的に大きくなっているという状況にありますが、これは現在の日銀の政策だと思いますが、中央銀行が将来にわたって超過準備を十分に増やし続けるとみんなが思うようになれば、同時に、市中の貨幣のストックですとか、それから物価水準の上昇が予測できるので景気は良くなっていく、インフレになるだろうといった考えからだと思います。
 ただ、その一方で、超過準備が随分大きくなっていっても、これ実際は銀行がこの超過準備を貸出しに回せるとか、そんな仕組みでもありませんし、そもそもこの超過準備が大きくても、家計とか一般企業がそれこそどのくらい理解しているかということもなかなか微妙なところがありまして、余り効果ないんじゃないかという意見もあります。また、その一方で、むしろ超過準備が減ってでも、マイナス金利分をもっと増やしていくことの方がより直接的に市場の流動性を増していくという考え方ですね。
 つまり、言いたいことは、この超過準備の話なんですけれども、どんどん今増やしているという方向と、マイナス金利導入によって増えが止まるんじゃないかとか、そういう懸念とか、一瞬矛盾した感じがするわけなんですけれども、こういった分かりにくさがどうしてもこの政策には起きてしまうと思います。
 そこで、ちょっとまず最初に、今回のマイナス金利のこの政策について、もうちょっと市場が、国民が分かるように説明をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○参考人(黒田東彦君) このマイナス金利付き量的・質的金融緩和というものでは、従来からの量的・質的金融緩和を維持しながらマイナス金利を導入したわけでございます。すなわち、マネタリーベースを年間約八十兆円に相当するペースで増加させる中で、日本銀行当座預金の一部にマイナス〇・一%のマイナス金利を適用するということにしたわけでございます。委員御指摘のとおり、三層構造を取った中でマイナス金利を適用するということでございます。
 今般のマイナス金利の導入によりまして、イールドカーブ、言わば短期から長期までの金利曲線の起点が下がって、それに加えて、日本銀行が従来から量的・質的金融緩和でやっております大量の資金供給を継続するということと併せまして、金利全体、短期から長期まで、金利全体により強い下押し圧力を加えていく、これによって民間の経済活動を促すとともに、銀行が貸出しを増加させやすい緩和的な金融環境をつくり出すということが意図されているわけであります。
 御案内のとおり、量的・質的金融緩和の導入後、我が国の経済は、企業、家計の両部門におきまして、所得から支出への前向きな循環が働く下で緩やかな回復が続いているわけでありまして、また、銀行の貸出残高は、中小企業向けを含めて前年比二%台の増加を続けております。
 このマイナス金利付き量的・質的金融緩和は、こうした量的・質的金融緩和の効果をマイナス金利の導入によりまして一段と強化するということでございますので、今後、経済あるいは物価等に対してポジティブ、プラスの影響が出てくるものというふうに考えております。
○石田昌宏君 基礎残高でプラスで政策金利残高でマイナス、この辺が割と分かりにくいんですね。日銀当座預金残高の構造を変えていくとかそういった話で、市中にお金を回すという話ではなくて、このマイナス金利を入れるインパクトによって全体の国債等のイールドカーブを下げていくと、そういった話だと思います。
 更にもうちょっと聞きたいんですけれども、今回のマイナス金利としたのは、先ほど述べたこの緑色のところの基礎残高の〇・一%が適用される部分と、あと、ゼロ金利が適用されるこのマクロ加算残高とありますけれども、そこの部分と、あと、ピンク色のマイナス〇・一%の部分なんですけれども、これは一月実績でどのくらいになるのかというふうに当てはめた数字がありますので見てみますと、このピンク色のところは約二十三兆円ぐらいな規模になるというふうに聞いています。
 今後、このマネタリーベースは増やしていくんだと思いますけれども、このゼロ金利の部分に関しては、増えていくというよりも、ある程度増えたらば、ゼロ、緑色のマクロ加算残高の方を増やしていくことによって適用部分が過度に増えていかないような設計になっているんですけれども、これは一つの配慮だと思いますが、これは、マイナス金利が導入して銀行の収益が悪化してしまうとか、それによって金融システム全体が不安定になるということを避けるためだと思うんですけれども、逆に、マイナス金利適用部分がこれは将来増えていかないんではないかということによって、逆に、流動性を上げることに対して銀行が消極的になるといったことも懸念されてはいます。
 この辺、まず、なぜマイナス金利適用部分の増加を制限していくような政策を取っているのか、市場に分かるように丁寧に説明していただきたいと思います。
○参考人(雨宮正佳君) お答え申し上げます。
 まず、このマイナス金利政策を採用する場合、この効果浸透という点で考えなければいけない条件は二つありまして、一つは、先生御指摘のとおり、マイナス金利政策によって市場金利にきっちり引下げ圧力を掛けるということと同時に、マイナス金利は金融機関にとってはコストになりますので、これが余りに過大ですと、金融機関がコストを転嫁するという格好でむしろ金融仲介機能を弱めるリスクがありますので、これをできるだけ緩和したいという、きちっと市場金利を誘導する、同時に金融機関のコストが過大にならないようにする、このバランスを取る必要があるわけでございます。このバランスの取り方の工夫として、今回この三段階の階層構造を取ったわけでございます。
 先生の御質問で、流動性の増加が余り増えないということであれば金融市場に対して効果は小さいのではないかという御懸念でございますけれども、私ども、御指摘のとおり、このマイナス金利適用部分が当座預金の一部であるとしても、市場に対しては十分効果を持つと考えております。
 と申しますのも、これ金利だけではなくて、金利も為替も株価も、こうした市場の価格あるいは金利というのは、ある新しい取引を追加的に行うことによってどういう損益が発生するかということで専ら決まってまいります。
 例えば、今回、新しい取引によって金融機関が追加的に日銀当座預金増えますと、その追加的な部分はマイナスが掛かると、こういうことでございますので、追加的な部分の影響ということを考えますれば、金融市場ではこのマイナス〇・一の部分があるということを前提に金利や相場形成が行われるというふうに考えておりますし、実際この政策を決定、発表した後、イールドカーブ全般が低下しておりますので、こうした政策の効果は十分に発揮されているというふうに考えてございます。
○石田昌宏君 ありがとうございます。
 このマイナス金利政策は、単純に考えたら比較的分かりやすいし、逆に制度詳しい方も分かりやすいと思うんですけれども、程々で考え始めるとなかなか難しい仕組みになっていまして、ちゃんとした説明を是非していただくようにこれからも努力していただきたいんですけど。
 確かに、足下を見ると少し効果が出始めているのかなという気もしないわけではないんですが、現実もうちょっと広く考えますと、十六日の日、マイナス金利政策が始まった日に総務省の方から昨年の家計調査が出ています。一世帯当たりの消費支出が、前年度比で物価変動の影響を除いても二・七%減ったということになります。実際は、景気の先行きの不安感などから、ひょっとすると消費を貯蓄に回しているのかもしれません。さらに、ちょっと古いんですけど、平成二十六年度の国民経済計算を見てみますと、家計の金融資産残高が千六百九十五・五兆円で過去最高です。その前の年に比べても三十七兆七千億円も増えています。やっぱり何か貯蓄に回っている感がするわけですけれども。
 確かに、金利が下がることによって、例えば年金生活者ですとか、今多分十万円預けても年一円とか、そのぐらいで、事実上ないに等しいですから、もうむしろ消費をすることを避けていくような、大事な個人消費が滞るというような傾向も出るんじゃないかと思います。確かに、景気、特に個人消費が大事ですけど、これを伸ばしていくためには未来に対して何となく漠然とした不安を解消していくことが大事であって、それは金融政策だけの問題ではなくて、例えば賃上げですとか、そういった政策をしっかりと取っていかなければならないと思いますが、金融政策を所管なさっている総裁の立場からではあるんですけれども、政府とか民間企業とか国民に対して是非期待すること等があれば、所見を伺いたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のように、日本経済が持続的な成長を達成していくというためには、この二%の物価安定の目標の早期実現を図るとともに、何よりも民間の経済主体の前向きな動きを引き出して我が国経済の成長力を強化するということが極めて重要であるというふうに思います。
 この点、政府におかれては、昨年六月に日本再興戦略を改訂して、これは御承知のとおり、かなり包括的で、かつ重要な成長戦略が含まれているわけですけれども、日本経済の成長力底上げに向けた具体的な施策が取りまとめられております。また、TPP交渉の大筋合意を受けて、昨年十一月末にはその効果を我が国の経済再生に結び付けるためのいわゆる総合的なTPP関連政策大綱というものも打ち出されております。
 日本銀行としては、引き続きこうした政府の取組が着実に進んでいく、それに呼応して民間の経済主体の前向きな動きが更に引き出されていくということを期待しております。
 なお、金融政策につきましては、物価安定という日本銀行に与えられた目的のために自らの責任において行っておるものでありまして、日本銀行としてはマイナス金利付き量的・質的金融緩和の下、二%の物価安定の目標の早期実現を図ってまいりたいというふうに考えております。
○石田昌宏君 ありがとうございます。
 我々政治家もこの景気の問題については全力で取り組まなければならないと思っております。
 今回、日銀が導入しましたマイナス金利政策は、確かにインパクトがあればいいなと本当に思います。ただ、若干の分かりにくさがあって、それがむしろかえって市場を混乱させていくようなこともありかねないものですから、是非これを分かりやすく今後も説明を続けていただきたいというふうに思います。
 今かなり、仕組みを聞いて、複雑な仕組みではありますけれども、いろんな方面に配慮をした仕組みになっているのかなと思いました。逆に言えば、かなり抑制しているとも言えると思います。その分、逆にこれからも拡大の余地があるのかなという感想を持ちました。とにかく日銀の方には、どうぞ時を惜しまずに分かりやすい説明を続けていただきたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
○尾立源幸君 民主党・新緑風会の尾立でございます。
 今日は、黒田日銀総裁に、日銀による株式の取得や、またマイナス金利、物価目標、そしてさらには実質賃金などについても少し議論をさせていただきたいと思います。
 先月、一月二十九日に、まさに物価目標の達成時期が先送りされ、また先日発表されたGDP速報値でも十―十二月期がマイナス一・四%になるなど、アベノミクスのまた金融政策がうまくいっていないということが如実に出てきております。
 かつて日銀の政策委員を務められた植田和男東大教授も、日経の「経済教室」で、「金融資産価格が金融政策に強く反応してきたにもかかわらず、実体経済の資産価格に対する反応が鈍いことである。」と指摘しておられております。つまり、金融政策の効果として円安や株高はあったけれども、実体経済には十分に効果が発揮しているとは言えないと、このように明確に述べておられます。
 実は、冒頭、ちょっと私の、自分自身の宣伝になって恐縮なんですけれども、同じような問題意識を持っておりまして、このアベノミクスの問題点をまとめて本を出版をさせていただきました。「アベノミクスの正体」という、崩壊寸前という本であります。
 これを、中に書いてあることも今日は議論をさせていただきたいと思いますが、まず総裁には、この本は読んでいただけていないとは思いますけれども、その前に、最近予算委員会でも議論されました日刊ゲンダイというのは読まれていますか。
○参考人(黒田東彦君) 各種の新聞は読んでおりますけれども、そういったものに出ております日本銀行の金融政策等に関する記事はスタッフが提供してくれますので、読んでおります。
○尾立源幸君 じゃ、日刊ゲンダイが出どころというものを切り抜いたものを読んでいるということですか。それとも、この新聞自体を読んでいらっしゃるんですか。
○参考人(黒田東彦君) 新聞自体は取っておりません。
○尾立源幸君 じゃ、どうやって読んでいらっしゃるんですか。
○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げたように、スタッフが様々な新聞その他のマスコミの媒体で報道されているものは適宜に、こういう報道がありますよということは教えていただいていますが、その全ての記事を私が読んでいるというわけではございません。
○尾立源幸君 安倍総理も読んでおられるみたいなので、読んだ方がいいと思いますよ。そのことを言いたかったんですけれども。
 それでは、早速質問に入りたいと思います。
 まず、株価について取り上げたいと思います。先ほど申し上げましたように、アベノミクス及びこの緩和で株価が上がり、一見いいように見えますけれども、その裏側で日銀が果たしている役割について少し確認をしたいと思います。
 まず、日銀はETFを大量に今購入しておられますね。特に、黒田総裁になってからは、この二〇一六年二月までに残高を七・二兆円にまで積み上げられております。
 そこで、まずお伺いをしたいと思うのですが、ETFについて、日銀の保有残高と市場規模、日銀のシェアを御答弁をいただきたいと思います。ちなみに、ETF以外でも日銀は株を保有しているのか、また、主要な世界の中央銀行で株を保有しているところはあるのかどうかも含めてお答えをいただきたいと思います。
○参考人(雨宮正佳君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、日本銀行は資産価格のプレミアムに働きかけるという観点からETFの買入れを行ってきておりまして、時価ベースで見ました現在の日本銀行のETF保有残高は、これは決算ベースでございますので、二〇一五年九月末現在ということで申し上げますと約七・八兆円でございます。
 市場規模という御質問でございましたけれども、この間ETFの市場規模は、同じく二〇一五年九月末現在で一四・五兆円でございますので、こうやって分子、分母で計算いたしますとシェアは約五四%ということになります。
 ただ、このETFというのは言わば株式買入れの入口の大きさの部分でありまして、このETFの背後には六百兆近くの大きな株式市場が存在するわけでございますので、その意味で、市場規模、シェアを考える場合はその点も念頭に置いていただければというふうに思います。
 その上で、まず、ほかに個別の株を持っているかどうかという御質問でございましたけれども、ETF以外にも個別の株式を保有してございます。これも同じく二〇一五年九月末現在で、簿価ベースで一・三兆円、時価ベースで二・六兆円保有してございます。これは、これらの株式でございますけれども、金融機関による株式保有リスクの削減努力を促すための施策といたしまして、二〇〇二年十一月以降に金融機関から買い入れたものでございます。
 それと、他の中央銀行でございますけれども、主要先進国の中央銀行におきまして、政策目的でもって株式あるいはETFを購入した事例はないというふうに認識してございます。
○尾立源幸君 今、最後の点でありますが、世界の主要な中央銀行でこんなに多額な株を保有している国はどこもないんですよ、まずこれが一点目。そして二つ目は、今お話にありましたように、マーケットのうち五四%ぐらいでしたか、が日銀のシェアであるということ。三つ目は、日銀がETFを買い入れるタイミングなんですよね。
 皆様のお手元の四枚目にありますが、これは、この二月、随分株が下がったときにETFを毎日のように買い入れております。例えば、二月の三日から十二日まで、ほとんど毎日のように限度額いっぱい買い入れておるんです。さらに、その下の図は四月までのものなんですけれども、午前中の相場が前日の終値を下回ったときに後場に買入れを入れた結果、また株が戻るというようなことで、これ、全く日銀によるPKO、株価買い支えをやっているということであります。
 このように、世界のどこの銀行もやっていない、さらにはマーケットシェアを本当に大量に日銀が占めて流動性がなくなってしまう、さらにはこういうような株価底支え政策というようなことを国民の税金を使ってやっておるわけなんですが、日銀総裁、この認識でいいですか。
○参考人(黒田東彦君) 日本銀行は、この二%の物価安定の目標を早期に実現するため、量的にも質的にもこれまでとは次元の異なる金融緩和を行ってきております。マイナス金利付き量的・質的金融緩和では、質の面から資産価格のプレミアムに働きかけるという効果も重要であると考えておりまして、そうした考えの下で、ETFあるいはJ―REITなどのリスク資産の買入れを行っております。
 このように、あくまでも二%の物価安定の目標を早期に実現するということを目的として行っているものでありまして、株価を維持するために実施しているものではございません。
○尾立源幸君 いろいろとお話をされているんですけれども、安倍内閣が株価連動内閣というふうに言われておりますように、株が上がれば何か政策がうまくいっているということをアシスト、手助けするためにやっているんじゃないんですか。
 改めて、ETFをなぜこんなに大量に買うのか。
○参考人(黒田東彦君) 先ほどから申し上げておりますように、二%の物価安定の目標を早期に実現することを目的として、ETFについては、先ほど申し上げたように、資産価格のプレミアムに働きかけるという効果も重要であると考えておりましてやっておりますけれども、全体として、この量的・質的金融緩和自体、二%の物価安定の目標を早期に実現することを目的として行っておるものでありまして、株価を維持するために実施しているわけではございません。
○尾立源幸君 でも、これ見たら、全部株価維持のためじゃないですか。そうでしょう。これどう説明されるんですか、これは。このタイミングは、なぜこれやられたんですか、じゃ。
○参考人(黒田東彦君) 御承知のように、金融政策決定会合におきまして、年間三兆円という範囲で適宜ETFを購入するというマンデートを与えられておりまして、それに沿って市場動向を見ながら適宜購入をし、先ほど申し上げたように資産価格のプレミアムに働きかけるということでございます。
○尾立源幸君 何と言われようが異常なことをやっていらっしゃるんですよね。これ、将来損が出たら誰が責任取るんですか、誰が。
○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げたように、二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するために、量的・質的金融緩和を導入し、今回、マイナス金利付き量的・質的金融緩和ということにしたわけでございます。そうした中で、日本銀行の収益が、国債につきましても、ETFあるいはJ―REITその他につきましても、市場の変動によって収益に一定の影響が出得るということは事実であります。
 現に、量的・質的金融緩和を推進する過程で日本銀行の収益は拡大しているわけですけれども、逆に、これを縮小していく過程で収益が減少するということは予想されるわけでございます。したがいまして、昨年、引当金を制度を改正いたしまして、そういった収益の振れをならすということを目的として改正を行ったということでございます。
○尾立源幸君 今、引当金を積み増したというお話もありましたが、結局は国民が負担になるんですよ、これ、マイナスに出たときは。そうでしょう。まあ、その議論は先にしますが。
 もう一点。官製相場として、GPIFも非常な尽力をしております。GPIFは、御案内のとおりポートフォリオを変更いたしました。リスク資産である株式を三〇パーから基本五〇パー、プラスマイナスがありますので最大六七%まで株式を買えるようにしてしまいました。その結果、我が党の長妻議員も、このリスク、損失についての質問主意書を出しておりますが、以前なら、中期計画の中で、中位ケースでの試算では十・四兆の損失が出ると予想されますが、このポートフォリオ変更で約二十一・五兆ということが政府の答弁としても出てきております。すなわち、二倍に損失の幅が振れているわけであります。
 当然、この件に関しては議論があちこちの委員会でありますし、総理は以前、これは決算行政委員会かどこかだったと思いますが、損をすることをするわけがないと、このようにおっしゃって、GPIFのポートフォリオ拡大を是とされたわけでありますが、しかし、この前、十五日の衆議院の予算委員会では、我が党の同僚の玉木議員が、GPIFで想定される運用益が出ない場合、年金が減額されることは法的に否定されていませんねという質問に対して、想定の利益がないということになってくれば、それは当然支払に影響してくるわけでありますと、このように答弁されております。
 こういう意味で、我々の大変貴重な年金の原資がリスクのある株にこれだけ大量に使われるような運用の仕方は即刻私はやめるべきだと思います。この点について、厚生労働省、お答えください。
○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
 年金制度におきましては、基本的に保険料収入も給付額も、これ両方とも賃金の上昇に応じて増加する仕組みと、このようになっております。重要なことは、名目賃金上昇率を上回る一定の運用収益を確保すること、これがとても大切であります。ということで、物価、賃金が上昇しないデフレ下におきましては国内債券に偏った運用でも必要な利回りを確保することができますけれども、デフレから脱却して、そして物価の上昇、そして賃金の上昇、これが想定される場合は、現時点の金利の低い国債に偏った基本的なポートフォリオでは必要な運用益を確保することが困難なのではないかと、このように考えております。
 現在の基本ポートフォリオは、デフレからの脱却に対応して、分散型投資の考え方に基づきまして専門家等が最もふさわしい資産の組合せを検討した結果、今回、ポートフォリオを決めさせていただきました。ということで、分散を進めたものに変更したことによって、逆に長期的に年金財政必要上な積立金を下回るリスクが少なくなったのではないかと、このように考えております。
 なお、数字を御案内させていただきますと、年金資金の運用を見ますと、平成十三年のGPIFの設立以来、累計の収益、これは四十五・五兆円となっておりまして、これは収益率、年率プラス二・七九ということで上回っております。ポートフォリオ変更前の運用益は、第二・四半期ではマイナス七・九兆円も含めましても、過去一年間ではプラス四・二兆円という形で数字を出させていただいております。ということで、株式に投資するのは問題はないと。
 今後とも、長期的な観点から安全かつ効率的な運用に努めてまいりたいと、このように考えております。
 以上です。
○尾立源幸君 二枚目を、資料を見てもらいたいんですけれども、これ、株価が上がったり下がったりすれば、収益が、GPIFの、上がったり下がったりするのは当たり前なんですよ。私が言っているのは、そのリスクをなぜ二倍まで拡大してまで取らなきゃいけないのかということであります。
 これも、じゃ、とかしきさん、副大臣、誰が責任取るんですか。誰が責任取るんですか、これ、損失が出た場合。前、年金積立金を、天下りや各種保養所を造ったって知っていますよね、何とかピアとかいっぱいありましたね。あれ、誰も責任取っていないんですよ。政治家も役人も誰も責任取らずに、結局国民負担になっているんですよ。とかしき副大臣、どうですか。誰が責任取るんですか。
○副大臣(とかしきなおみ君) 先ほどもお答えさせていただきましたように、基本的ポートフォリオは専門家等が最もふさわしい試算の組合せ等を検討した結果ということで、こちらの方で検討していただいた結果、実際に対応させていただいているというところが現状でございます。
○尾立源幸君 結局、責任の所在が曖昧なままこういう勝手なことをやっているんですよ、政府は、日銀と一緒になって、国民の税金を使って。それをしっかり皆さん国会の中で説明しないまま、専門家に任せているだとかなんとか言っていますけれども、そんなので、本当に皆さん、あれですよ、ほとんど多くの方が、こういう運用をしているということを掛金を払っている方は御存じないですよ。ちゃんと通知していますか、私たちはこういうポートフォリオに変えましたと。リスクがあるかもしれない、でも収益も上がるかもしれない。じゃ、年金宅急便でしたっけ、通知便か何かで、そんなので全部皆さんに知らせているんですか。
○副大臣(とかしきなおみ君) そこまで細かいことは御案内させていただいておりません。
○尾立源幸君 こんな程度でやっているんですよね、結局は。私は強く申し上げたいと思います。そういう意味で、この日銀や年金による株価維持というか株価対策というのは決してやってはならないということを改めて申し上げたいと思いますし、今、それでどのぐらいマーケットをゆがめているかということも申し上げたいと思います。
 東証一部の時価総額一月末五百三十一兆、これはちょっとデータはいろいろばらばらなんですが、そのうち日銀は八・五兆、株、で、GPIFは二十八・八兆、合計三十七・三兆なんですよ。約七%が官による株式保有になってしまっているんですよ。
 ほかも私調べてみましたよ。トヨタなども、一番の方が一〇・三%、トヨタ自動車、次は六・三、四%なんですよ、こういう大会社であっても。その七%というのはどのぐらいの株主としての威力があるかというのを、非常にこれ官が民のマーケットをゆがめている象徴だと私は思います。
 まして、ETFは、これユニクロですが、これの大株主にもうなっちゃっているんですよね。困っていると言いますよ、マーケットの人たちは。そうやって民のところに官が手を突っ込んで、とんでもないことをあなたたちはしているということを指摘をしたいと思います。
 次に申し上げたいと思います。
 次、物価目標の先送りです。これも三ページ目にあります。もう今回で四度目であります。オオカミ少年というのがいましたけれども、オオカミ総裁になってきておるんじゃないかと思っておりますが、今回また先送りされた理由というのは何でしょうか、日銀総裁。
○参考人(黒田東彦君) 日本銀行では、いわゆる展望レポートで年四回、景気、物価の先行き見通しあるいはそのリスク要因を示しておりまして、その中で、消費者物価の前年比が二%程度に達する時期についても言及をいたしております。現時点で最も新しい二〇一六年一月の見通しでは、原油価格がその時点の水準から緩やかに上昇していくという前提に立つと二〇一七年度前半頃ということでしておりまして、それ以前の見通しからは後ずれしております。
 もっとも、こうした後ずれは主として二〇一四年夏以降原油価格が大幅に下落したことによるものでありまして、物価の基調は着実に改善しております。生鮮食品、エネルギーを除く消費者物価の前年比で見ますと、先ほど申し上げたように二十七か月連続でプラスを続けて、最近ではプラス一・三%まで上昇しております。
 日本銀行としては、二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するため、マイナス金利付き量的・質的金融緩和を着実に推進していく方針でございます。
○尾立源幸君 全くよく分かりませんが、これまで三回延期して、今回だけは達成できると言い切れる確信は何ですか。
○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げましたように、経済見通しでございますので、一定の前提を置いて見通しを立てるわけでございます。
 最近の物価の動きについては、日本のみならず全世界で石油価格の動きが大きな影響を与えているということは事実でありまして、各国の中央銀行も、石油価格について一定の前提を置いて、具体的には足下の価格から石油の先物価格の市場の動向を見て、それを踏まえた前提を取って、それによって経済見通しとして物価の見通しを出しているわけでございます。
 したがいまして、現時点でこういった見通しを出しておりますのは、そういった前提の下に、二〇一七年度前半頃に二%に達する可能性が高いというふうに予測しているわけでございます。
○尾立源幸君 じゃ、これまでと同じことをやっていると、しかしその原油次第ではもう分からぬということですよね、おっしゃっていることは。
 それでは、もう一つ、日銀の物価目標についても質問したいと思います。
 日銀はまだ二%の物価目標を下ろしていないということなんですけれども、これによって国民の皆さんが大変な目に遭っているということをまず申し上げたいと思います。
 最初の一ページ目、実質賃金指数であります。これは、安倍政権成立以降、全く上がっていないんですよ。逆に下がっています。これは、賃金が十分に上がらないことに加えて、円安もあり、物価が上がって、国民の皆さんの生活が苦しい苦しい、切り詰めなければいけないということを皆さんはおっしゃっております。その上で更に今まだ二%物価上げようということをおっしゃっているので、私はどうかしているんじゃないかと思っているんです。もっと、じゃ、その苦しみを与えるのかということになるわけです。
 そういう状況では、個人消費、これは六割を占めていますが、上向くはずないじゃないですか、実質賃金が上がらないと。そういう一方で、企業の方はどうかというと、二〇一五年の七月期には三百九十二兆も内部留保を持っております。
 結局、円安にして、我々が恐れていたように、警鐘を鳴らしていたように、悪い物価上昇をさせて国民に負担をさせる。その一方で、大企業、輸出企業にはそれをある意味補助金として回して、実質与えているのと一緒です。そして、皆さんがおっしゃっていたようなトリクルダウンが起きていないというのが現状認識じゃないんですか。総裁、どうでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 最近の労働市場の状況を見ますと、有効求人倍率が一・二倍程度まで上昇して、失業率は三%台前半まで低下する状況でございまして、雇用・所得状況は引き続き改善をしております。
 もとより消費の動向については常に注視しておりますけれども、基本的に消費に対する影響というのは雇用あるいは所得であります。したがいまして、私どもが意図しておりますのは、企業収益あるいは雇用、所得の増加を伴いながら物価上昇率が次第に高まっていくという好循環をつくり出すことが我々の二%の物価安定目標というものに入っているわけでございます。
 したがいまして、平均的に見ますと、当然、物価と賃金というのは基本的に同様に、物価が上がるときは賃金が上がる、賃金が上がるときは物価が上がるということになっておりますけれども、あくまでも、先ほど申し上げたように、私どもが意図しておりますのは、企業収益だけでなく雇用とか所得も増加して物価上昇率が高まっていくということを、そういう好循環をつくり出すということを目的としておりまして、実際問題として企業収益も増加しておりますし、雇用も所得も増加しております。
○尾立源幸君 いや、そんなことは分かっているんですよ。だから、実質賃金が下がっているのをどう考えるんだということを言っているでしょう。あなたはこれから上がるんじゃないかみたいなことをおっしゃっている。結果として三年間全部下がっているじゃないですか。苦しめているんですよ、国民を。そのことをどう考えるんだということです。もういいです、いいです。
 次に、マイナス金利をお話をさせていただきたいと思います。
 これは、最後のページ、マイナス金利の影響ということで、これも日銀がまた大本営のようにいいことしか言っていないんですよ。そうじゃなくて、悪いことも反面あるわけです。それを私の方でできる限り分かりやすく、黒くちょっと塗っておりますけれども。
 例えば、銀行収益が悪化すると、手数料が上がったり、預金金利を引き下げたり、人件費を減らしたり、また金融システムがおかしくなったりというようなことがマイナスの影響としては出てくるわけです。そうなると国民の財布は痛む。また、金融機関が万が一のことがあれば取り返しの付かないリスクがあるというようなことも、これ皆さんがちゃんとこういうことをパラレルに両論で説明しないと、私、説明責任を果たしたとは言えないと思うんですよ。いいことばっかり言うんですよ、皆さんは。株価が上がるとか、住宅ローンが増えて、設備投資が上がって、景気が良くなるとか。こういうマイナス面もあるということをまず理解をしていただきたいと思いますし、正直にそういうことを政策を発表するときは言ってもらいたいと思います。
 そこで、具体的に、このマイナス〇・一にした結果、どの程度の物価上昇目標に対する効果があるのかということをお聞きしたいと思います。なぜ〇・〇〇一じゃなかったのか、なぜマイナス〇・二じゃなかったのか、どういう検討をしたのか。それと、いつこの検討の指示を出したのか。一月二十九日発表前、一週間前の参議院では全然考えていないとおっしゃったでしょう。その後、こんな複雑な仕組みを考えられているじゃないですか。いつ考えたんですか。それについて全部お答えください。
○参考人(黒田東彦君) これは、マイナス金利付き量的・質的金融緩和を導入した後の記者会見でも申し上げましたけれども、金融政策決定会合の一週間程度前だったと思いますけれども、ダボスの世界経済フォーラムに参加するためにスイスに出かける前にスタッフに、仮に金融政策について追加緩和が必要になった場合に考えられるオプションを検討しておいてほしいということを言ったわけでございます。そして、スイスから戻りまして、スタッフの検討したオプションの中にこのマイナス金利付き量的・質的金融緩和というのが入っていたわけでございます。
 それを金融政策決定会合においていろいろ議論いたしまして、マイナス金利が金融機関の収益に影響が出るということは十分認識しておりまして、もちろん、マイナス金利に限らず、一般的に金融緩和を進めて企業や家計にとって金融環境を緩和させようとしますと、どうしても仲介者である金融機関の収益に影響するということは避けられない面があるわけですけれども、その上で、先ほど来御説明しておりますように、当座預金へのマイナス金利化に際しては、金融機関の収益を過度に圧迫しないように……
○委員長(大家敏志君) 時間を過ぎております。
○参考人(黒田東彦君) 三段階の階層構造等を採用してマイナスの影響が出ないようにして、イールドカーブ全体を引き下げて、実質金利を下げて消費や投資を刺激するという効果がフルに出るように工夫をしたわけでございまして、この点については金融政策決定会合の中で様々な議論があって決定がされたということでございます。
○尾立源幸君 国会でもしっかり説明責任を果たしてもらいたいですね。そういうオプションがあるんだったらあるということをちゃんと述べていただきたい。全く考えていないとおっしゃっていたじゃないですか。そうですよね。当日気が変わったのか知りませんけれども、その出張に行く前にもう参議院にちゃんと呼ばれているわけですから、そのオプションがあるということはしっかり言ってもらわないと、本当に我々は質疑、真剣にやっていますので、総裁の言葉もしっかりかみしめながらですね。正直にやっていただきたいと思います。
 最後に、金融副大臣に来ていただいております。銀行のリスクについて、マイナス〇・一、マイナス金利について事前にどのようにお話があったのか、日銀から、なかったのか含めて、これからどうされるのか。私、ここに書いていました金融システムに影響を及ぼすんじゃないかということを言っております。この取り返しの付かないリスクについてはどう皆さんは対応されようとしているのか、お聞かせください。
○副大臣(福岡資麿君) まず、御指摘のところで、事前には把握はいたしておりません。その上で、先ほど御説明ありましたように、金融仲介機能を損ねないように、日銀におかれましても一定の残高までをプラス金利又はゼロ金利を適用していただいています。その上で、その受けた金利の動向が銀行経営に与える影響については、御承知のとおり個々の業務内容や資産構成に関わることでございまして、一概に申し上げることは困難だというふうに感じております。
 金融庁としましては、常日頃より検査監督等を通じまして市場や金融機関の動向についてモニタリングを実施しているところでございまして、個別の対応については申し上げられませんが、そういったことでしっかり注視してまいりたいと考えております。
○尾立源幸君 最後に、この官製相場で本当に資本市場を乱しているということ、さらには悪い物価上昇で国民生活を一億総窮乏化させているということも含めて、日銀総裁、またそれを補佐する岩田副総裁については、目標の先送り、実現できていないということも含めて、即刻辞めていただきたいということを申し上げて、終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○白眞勲君 民主党の白眞勲でございます。
 今回、日銀はマイナス金利政策を導入しましたけれども、その件に関しまして黒田総裁は一月二十九日の記者会見でこうおっしゃっているんですね。市場関係者だけでなく、一般の人にも引き続きよく説明してまいりたい、このようにおっしゃいました。今回の御答弁も、そのような観点からできる限り難しい言葉は使わないように、一般国民にできるだけ分かりやすく御説明いただきたいなというふうに思っております。
 それでは、質問の方に入らせていただきます。
 現在、為替にしても株価にしても、非常に上がったり下がったり乱高下、どっしんばったんしているような状態ですよね。そういう中、私は大混乱だと思うんですけれども、総裁、現在の状況はどのようにお考えでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 確かに、年初来、特に原油価格が一段と下落したと、さらには中国を始めとする新興国、資源国経済に対する先行きの不透明感ということが大きく影響したのか、投資家がややリスク回避姿勢を強めていたわけでございます。そうした下で、御指摘のように、国際的な金融市場、為替とか株とかその他がかなり不安定な動きになっていたということは事実でございます。
○白眞勲君 いや、事実は私も事実として分かっているんですよ。総裁としての御認識はどうだということなんです。それを聞きたいんですね。
 つまり、ブラックマンデーで、あるいは世界大恐慌では株価が二五%下落したと言われています。年明けからの株価の暴落というのは、これはある意味大混乱じゃないのかな、そういうふうに思うんですけれども、総裁の御認識としてはどうなんですかということを聞いているんです。
○参考人(黒田東彦君) そこは、私個人というよりも、世界の中央銀行あるいはIMFなども含めて世界経済の実態はそれほど悪くないと。確かに、中国が緩やかに減速していることも事実ですし、石油価格の下落が資源国や新興国の経済に影響を与えていることも事実ですけれども、世界経済の全体を見ると、米国経済が引き続き、IMFの見通しによれば二%台の半ばの成長を今年、来年と続けると。そうした中で、実は中国は減速するという見通しですけれども、新興国全体としてはやはり緩やかに成長を高めていくという見通しになっておりまして、その見通し自体は今のところIMFも各国の中央銀行も、また私どももそれは変えておりません。
 そういう意味では、年初来の市場の動きというのはやや行き過ぎというか過度な面があったのではないかと思っておりますけれども、いずれにせよ、私どもとしては、こういった市場の動きも十分注視して、それが我が国の経済や物価にどういう影響を与えるかどうかということは引き続き十分注視して、必要に応じて適切な対応をしていくということだと思います。
○白眞勲君 やや行き過ぎということでございましたけれども、今回のマイナス金利政策についてちょっとお聞きしたいんですけれども、これ、よく、私も新聞なんかを見ると、いやいや欧州ではもうマイナスなんだよと、別に日本だけがやっているわけじゃなくて珍しいことじゃないんだというような、こういう論調というのもあるんですけれども、欧州は確かにいち早く導入したようですけれども、ここで黒田総裁にまたお聞きしたいんですけれども、マイナス金利を行った海外の中央銀行で物価目標の達成をした例、当初の目的を達成した例というのは過去にあったんでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 欧州の中央銀行がマイナス金利を導入いたしましたのは最近のことでありまして、長い歴史があるわけではございません。基本的に、石油価格の下落その他の状況で物価上昇率がどんどん落ちてくる、デフレの懸念があると、特に物価上昇期待が下落するということを懸念して、欧州の中央銀行は次々にマイナス金利にしてきたわけでございます。
 したがって、まだマイナス金利にしてから時間もたっておりませんし、石油価格は下落が続いているという下で、物価目標にはどこの国も、具体的に申し上げますと、米国も欧州諸国も我が国も二%には達しておりません。
○白眞勲君 つまり、それは、原油のせいにしているようですけれども、今までのほかの国がどこもできなかったことを今度は日銀はやれるということなんですよね。ですから、私はその理由って一体何なんだろうというふうに思うんですよ。
 今それは、確かにいろいろるる同僚議員にも御説明されたことであるのかなと思うんですけれども、私は何か日本が壮大な実験台に立たされているような気がしてしようがないんですよね。そもそもマイナス金利の明確な効果は通貨安誘導しかないんだというアナリストの意見もあるんですけれども、今の日本経済の現状を見ると、その通貨安にもなっていない。このままだと日本経済はめちゃくちゃになってしまうんじゃないかなという懸念があるんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 欧州の経済規模の小さな、その意味では、輸出入のGDPに対する比率が非常に高い国、典型的には例えばスイスとかデンマークとか、そういう国は為替がどんどん強くなりますとデフレになる、為替が弱くなるとインフレになるということで、物価安定の目標と為替安定の目標とがほとんど表裏一体を成しているわけでございます。
 ただ、それに対して、日本、米国あるいはユーロ圏のようなかなり大きな経済体を見ますと、輸出入というのはGDPの多分二割もないというところでは、為替の安定と物価の安定とは表裏一体を成しておりません。したがいまして、こういう大きな経済体の中央銀行というのは為替を目的として金融政策を動かすということはやっておりません。
 したがって、確かに、欧州の小さな経済においては、明確に為替の安定を目的として大幅なマイナス金利を付けるというようなことが起こっておりますが、先ほど申し上げたように、日本、米国、ユーロ圏のような大きな経済主体の下での中央銀行は、そういったことは目的にしないで、あくまでも物価の安定ということを目的に金融政策を運営しているわけでございます。
○白眞勲君 今のお話ですと、マイナス金利導入している国というのは経済規模小さいけど、うちはでかいからということになったら、何のためにマイナス金利をということになると、これは、いわゆる経済の規模がでかい国としては日本だけということになってしまうわけで、ますます今私言ったような壮大な実験台に立たされているような感じがするんですよ。
 ですから、その辺を、私ちょっと今のお話というのは、黒田さん、私の認識だとちょっと矛盾しているような感じがするんです。じゃ、何か手挙げているので、もう一回。
○参考人(黒田東彦君) 欧州では四か国の中央銀行がマイナス金利を導入していますけれども、デンマーク、スウェーデン、スイスというのは小さな、いわゆるスモール・オープン・エコノミーですけれども、ユーロ圏もマイナス金利を導入しておりまして、ユーロ圏経済は日本よりもかなり大きな経済でございます。そこでマイナス金利を導入しておりますけれども、ユーロ圏の中央銀行であるECBは常に、ユーロ安を目的としてやっているのではなくて、あくまでも二%の物価安定目標を実現するためにやっていますということを言っております。
○白眞勲君 でも、やっぱり矛盾なんですね。ユーロはでかいんです。でも、やっぱり物価安定目標には達していないということですよね。ですから、やっぱり私は壮大な実験台に立たされちゃったなという感じがするんですね。
 そういう中で、今回の日銀のマイナス金利導入の発表において、急速な株式と為替の乱高下が生じたわけですよ。この株価や為替の乱高下というのは、これは日銀の金融緩和、追加緩和に密接に関係しているということでいいですよね。
○参考人(黒田東彦君) マイナス金利の導入を公表した直後に為替が円安に振れ、株が高くなったということは事実でございます。
 その後の動向につきましては、先ほども申し上げたとおり、石油価格の下落、中国等の不透明性に加えて、米国の金利引上げのテンポについていろいろな不安というか不透明感が出てきたということと、欧州の一部の大銀行について懸念が出て、それが欧州の銀行の株を大幅に下げたとか、そういったことで、まだ依然として国際的な金融資本市場の動揺は収まっていないということだと思います。
○白眞勲君 今の話を聞いていますと、何か株が上がるときは私たちの政策の効果でございまして下がったら外的要因だみたいな、非常に都合のいいときだけ俺たちのおかげだよというふうに何か聞こえてくるんですね、私には。
 そういう中で、日銀というのは政府の干渉は受けない独立性の極めて高い機関であるということ、そしてまた通貨の番人だと言われているわけですから、当然、金融市場の安定性についてはしっかりとしてもらわなきゃいけないわけです。ですから、今の話ですと、日銀の追加緩和をしたことによって株が乱高下してしまったというのは、これは日銀の法律にも書いてあるように、この安定という部分においては逆に不安定化させてしまったのではないか、そういうふうに思えなくはないんですが、その辺はいかがでございますか。
○参考人(黒田東彦君) 私どもはそういうふうに考えておりません。もちろん、日本銀行として物価の安定と金融システムの安定というのは二つの大きな目的でありまして、金融システムの安定につきましては常に取引先の金融機関の動向を把握しておりますし、年二回、金融システムレポートという形で金融システムに行き過ぎとかいろいろな問題がないかということは十分検討してその結果を公表しております。今のところ、金融システムに何か大きな問題が生じているということは全くないと思っております。
○白眞勲君 私の言う、金融システムに大きな問題は生じていないと言うんですけれども、それは大きな問題が生じたらそれこそえらいこっちゃなわけでして、私は、今の状況というのは、普通、そもそも企業にとってみますと、為替にしても株にしても安定していてほしいというのが願いだと私は思うんですね。このような乱高下するような不安定な相場では、あるいはそういう為替相場も含めて、まともな企業家ならしばらくは様子見ということになると思うんです。結果として賃上げもしなければ投資もしなくなるのではないでしょうか。
 ですから、これから類推するに、私は、真のデフレからの脱却をするんだったらば、それはもちろん日銀の金融政策は重要かもしらぬけれども、やっぱり政策で、いわゆるアベノミクスでいえば三本の矢がしっかりと機能しないと、私、混乱だけ招くだけで限界があるんじゃないかな、そういうふうに思うんですね。
 その辺について、黒田総裁としてはどうなんですか。これ日銀だけがこういうことをやっていていいんですかということなんですよ、私は。
○参考人(黒田東彦君) 日本銀行は物価の安定を最大の目的としておりまして、二%の物価安定目標をできるだけ早期に実現するということは二〇一三年の一月以来のコミットメントでありまして、これは政府と日本銀行の共同声明でもうたわれているわけでございます。
 したがいまして、御指摘のように、金融政策というのはあくまでも物価の安定ということでございますので、政府の財政政策であるとかあるいは成長戦略に見られるような構造政策というのが非常に重要であると、それはそのとおりでありまして、先ほど来申し上げていますとおり、政府においていろいろな方向が示されておりますので、それを是非着実に実施して、民間主導の経済成長というものが達成されるということを期待したいと思っております。
○白眞勲君 いや、そうなんですよ、黒田総裁。期待したいんですよ、日銀としてもね。つまり、日銀としては、自分たちは一生懸命やっているから、あとは政府ちょっと頼むよということですよね。つまり我々の、つまり日銀の皆さんとしても頑張っているけれども、やっぱり限界があるんだということでよろしいですね。
○参考人(黒田東彦君) 何度も申し上げますけれども、二%の物価安定目標の達成ということは、これは日本銀行の使命であり、政府がきちっとした財政政策をやらない、成長戦略を取らないから日銀は二%の物価安定目標を達成しなくていいとか達成できないということではないと思いますので、引き続き、一方で政府には適切な財政政策あるいは成長戦略の実行を期待する、お願いするというか期待するというか要請するとともに、一方で日本銀行としてはやはりデフレから脱却して、二%の物価安定目標が達成され、それが維持できるような金融政策を推進していくということに尽きると思います。
○白眞勲君 ですから、一生懸命物価安定目標と言っても、自分たちではなくて、やっぱりそれは政府も頑張ってほしいということを、何か私は本当に雄たけびとして聞いていましたけれども、今ね。
 そういう中で、銀行にとってみますと、預金者から預かっても金利は支払わなきゃいけなくなるわけですよね、普通はね。預金者から預かったお金というのは金利を支払うのが当たり前。日銀に預けても金利を支払うわけですよ、今回は。そして、貸したい企業は、今こんな相場で、さらに世界経済の先行き不透明な状況では、ちょっと投資とか待ってくれないかと、借りてくれない。これ、踏んだり蹴ったりですよ、金融機関にとってみたら。収益はますます悪くなる一方であるというふうに、そういう話もある。
 そういう中で、結果として、一般預金者へのATMの引き出し手数料とか、別の項目で銀行が一般預金者への更なる負担を求めてくることは否定できないと思いますけれども、この辺についてはいかがでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 先ほど来申し上げておりますとおり、今回のマイナス金利付き量的・質的金融緩和の狙いはイールドカーブ全体を引き下げるということで、それはそうした効果を持っております。そうした下で金融機関の収益に過度の影響が出ないように工夫しておりますので、マイナス金利自体が何か金融機関の収益に大きな影響を与えるとは考えておりませんが、確かに貸出金利が低下していくということは事実でありますので、その影響というものを十分考慮していく必要があるということはそのとおりであります。
 ただ、実際問題として、量的・質的金融緩和を二年と九か月ぐらい続けてきましたが、その下で貸出金利はずっと毎年下がってきているわけですけれども、銀行の貸出しは先ほど申し上げたように二%程度の伸びを続けておりまして、これは中小企業向けを含めて伸びてきているということであります。
 なお、別のコンテクストですけれども、ECBのドラギ総裁は、このマイナス金利を導入した結果、やはり貸出増加に寄与したということは言っておられます。
○委員長(大家敏志君) 総裁、質疑者の質問の趣旨を踏まえて簡潔な答弁を求めたいと思います。
○白眞勲君 総裁、おしゃべりするのは結構ですけど、私の質問に答えていただきたいんですよ。
 一般預金者へのATMの引き出し手数料とか、別の項目で銀行が一般預金者への更なる負担を求めてくることは否定できないのかどうか、それを聞いているんですから、否定できないならできない、イエスかノーかみたいなものなんですよ。それをちょっとお聞きしているわけですよ。
○参考人(黒田東彦君) 手数料については、金融機関が金融サービスの対価をどのように設定するかという問題であって、預金金利とは別だと思っております。
 預金金利については、マイナスになるという可能性はないと思っております。というのは、日本銀行の場合よりももっと大幅なマイナス金利にしている欧州においても、個人預金についてマイナス金利が付いたという話は聞いておりません。
○白眞勲君 いや、だから、ATMとか何かはどうなんですか。私、三度目ですよ、これ。ちょっと、聞いているんですから、ちゃんと答えてください。分からないなら分からないで結構ですよ。
○参考人(黒田東彦君) 先ほどお答えしたように、手数料については、ATMの引き出しの手数料等ですね、手数料については、金融機関の経営において金融サービスの対価をどのように設定するかという問題であって、預金金利の問題とは別の問題であるというふうに考えております。
○白眞勲君 では、銀行の収益が悪化した場合、中長期的にですよ、中長期的には、銀行の利益を確保するためには、逆に住宅ローンなどの貸出金利を今のままにしたり、あるいは上げたり、逆にね、という可能性もあるのではというふうに指摘する声もありますけれども、この辺についてはどうですか。
○参考人(黒田東彦君) 観念的にはそういう可能性があるのではないかという議論は欧州でもございます。ただ、現在の状況を見ますと、マイナス金利の導入を決定して以降、金融機関は住宅ローンの金利を下げております。
 したがいまして、観念的にはそういう可能性があるという議論はあり得ると思うんですけれども、実際問題として、競争的な金融システムの中で住宅ローン金利を引き上げるというようなことはなかなか起こらないのかなと思っておりますが、これは、この点については、欧州の議論を見ましても、そういう懸念を言う人もおります。
○白眞勲君 私、評論家に聞いているわけじゃありません。日銀の総裁として聞いているわけでして、まあ、でも今はその程度しか自分としては答えられないんだったらそれでもしようがないんですけれども、今銀行のことを聞きましたけれども、生命保険会社も実際にもうこれはマイナス金利というのは様々の影響、販売停止、貯蓄型のやつは販売停止だとか値上げの動きも出てきていますよね。
 それから、これ年金にも影響するんじゃないんでしょうか。今、GPIF、同僚議員、尾立先生もおっしゃいましたけれども、GPIFのこの収益構造にも影響は及ぼすんじゃないんだろうか。そういう部分については、日銀としてはどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○参考人(黒田東彦君) マイナス金利導入後、先ほど申し上げたように、国債の利回りは短期から長期まで含めて低下をいたしております。もっとも、年金は国債以外の金融資産も運用対象としておりまして、各年金において、経済金融情勢を踏まえて、運用利回りや安全性などを考慮しつつ運用方針を決定されているというふうに存じております。
○白眞勲君 いや、もう一回聞きます。
 マイナス金利は生命保険にも今影響していますよね。年金にも私は影響は及ぼすんではないかなというふうに思いますが、この生命保険会社やそして年金ですよね、そういったもの、つまり一般国民に非常に影響の及ぼすようなことがこれから起きるんではないんだろうかという懸念があるんですけれども、それについて日銀総裁としてどのように考えていらっしゃるんでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げたとおりでありまして、保険の場合も年金と同様でありまして、積立てをして、その生命保険会社の方で運用しているわけですけれども、その運用のやり方については、それぞれが経済や金融情勢を踏まえて運用方針を決定されているということだと思います。
 いずれにいたしましても、日本の金利水準が下がってきているということは事実でありまして、それが、一方で消費や投資を刺激するとともに、他方で固定金利の資産の利回りが低下していくということは、これはある意味でいかなる金融緩和でも同様でありまして、マイナス金利に独特の問題ではないと思っております。
○白眞勲君 いや、これは独特だと思いますよ、私。(発言する者あり)
○委員長(大家敏志君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(大家敏志君) 速記を起こしてください。
 簡潔な答弁をお願いします。
 それでは、続けて白眞勲君。
○白眞勲君 いや、本当、是非、黒田総裁、これ本当に国民が一番、当初私申し上げたように、非常に気にしているんですね。マイナスとプラスでは、それは下げているだけだから関係ないよというのは、それは、今のはちょっと、大変問題だと思いますよ。
 マイナスになるということは、今まで、要は何か預ければ利息をもらえたのが今度逆になるわけですから。ですから、当然、生命保険会社とか何かでは、それはマイナスだったらとてもじゃないけれども、うち、商売にならないよといって、これは販売できなくなっちゃうというのが、これ出てきているわけですから、それが影響ないというのはどういうことなんでしょう。おかしくないですか。
○参考人(黒田東彦君) 確かに、マイナスになるかどうかによって、コンピューターシステムの話とか、それから、御指摘のような、仮に元本保証があるものであれば、その運用内容を変えていかなければマイナスの利回りになってそういうものが売れなくなるということはそのとおりでありまして、そういった点も含めて、金融システム、金融市場の動向は十分注視してまいりたいし、各種の金融機関の方々とも常に意見交換をしておりまして、問題が生じないようにしてまいりたいと思っております。
○白眞勲君 つまり、年金とか保険にやっぱり影響があるからで、黒田総裁、コンピューターのせいにしないでほしいんですよ。おかしいですよ、これは。やっぱり、そういったもので、常に意見を交換しながらといったって、今、金融庁、意見聞いていなかったって言っているじゃありませんか。
 じゃ、最後の質問になりますよ。
 黒田総裁、今回のマイナス金利政策について、必要なら更に金利を下げるとお話しされました。このようなお話をされると、更なるマイナスの金利の引下げの期待感も高まってきて、結果的に国債価格の更なる上昇を期待した金融機関が国債を売らなくなる可能性も否定できなくなるんではないでしょうか。そうなったら、日銀による長期国債の買入れが計画どおり進まなくなる懸念が生じる可能性があるんではないでしょうか。この辺についてどうでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) その点については懸念はいたしておりません。と申しますのは、もし仮に国債を売りたくないという、あるいは売るそのインセンティブが低下しますと、むしろ国債の金利が更に下がるということになります。
 したがいまして、当然、私どもの目標は、イールドカーブ全体を下げて消費や投資にプラスの影響を与えようということでございますので、何かマイナス金利の導入によって国債の買入れが進まなくなるということは考えておりませんし、現にマイナス金利を導入後も国債の買入れについて何ら支障は生じておりません。
○白眞勲君 いや、ちょっと黒田総裁、全然これ、あれですよ、要は銀行が高く売るためには今売らなくなる可能性があるんじゃないんですかと、そういうことを聞いている。売り渋る可能性があるんじゃないですかということを聞いているんですけど。
○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げたように、売り渋る、売らなくなるとかいうことは、要するにマーケットに出てくる国債が減るということですので、当然ですけれども、そうなりますと国債の価格が上がって金利が下がるということでありまして……
○委員長(大家敏志君) 時間を過ぎておりますので。
○参考人(黒田東彦君) 買えなくなるということはございません。現にこれまでもそうなったことはありません。
○白眞勲君 売らなくなるかどうかを聞いているだけですよ。いいです。終わります。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 今回のマイナス金利の導入につきまして、一部の市場では円高回避と株価の下支えを期待する向きもありました。これは、再三御指摘ありますように、二〇一四年の六月八日の日にECBが導入しましたマイナス金利によりまして、金利は低下その後しました。ユーロも下落しました。貿易収支は黒字転換し、貸出しは拡大をし、そして景気も、実質GDPで見ますと、二〇一三年がマイナス〇・三だったのが二〇一四年にはプラス一・一と、こういうふうになった。こういうことから類推して、一部ではそうした円高回避や株価の下支えということを期待する向きもありましたが、実際はそうにはならなかったわけであります。
 なぜそうなのかということを私なりに考えますと、やはりこれはECBがマイナス金利を導入したときと現在の日本の今の状況とは異なるということだろうというように思います。
 まず第一に、為替の水準が違います。当時、ECBにおきましては、実際のレートと購買力平価を見ますとユーロは割高になっておりました。今は円は割安にPPPを見ますとなっております。第二番目に、貿易収支を見ますと、当時、EUは二〇一四年六月段階で九十九億ユーロのマイナス、日本はもう二〇一五年十一月に千三十二億円の黒字になっていると、これも向きが違うと。さらに、大事なことはドルのポジションでございまして、ドルは当時、二〇一四年六月十八日にイエレンFED議長が出口戦略開始の予告をしまして、ドルが上昇するという局面でありましたが、今は異常なドル高の弊害が顕在化しているという状況、これも方向が全く異なっておりまして、以上の三つの点から一部の市場が期待したような結果にはならなかったと、このように私は考えております。
 そこで、黒田総裁にお聞きしたいと思いますけれども、ECBがマイナス金利を導入したときとただいま現在の日本の状況とでどういう点が異なると認識されているのか、そしてその効果についてもお聞きしたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) ただいま委員が御指摘になったような状況が世界経済の中にあったということはそのとおりだと思います。
 その上で、特に最近の主要国の株価が軟調に推移しドル安傾向が続いているということの背景には、原油価格の下落、中国経済の先行き不透明感に加えて、欧州の銀行セクターに関する懸念、あるいは米国金融政策の先行きに関する不透明感が高まって、世界的にリスク回避姿勢が過度に広まっているということがあるというふうに認識しております。その背景に御指摘のような状況があったということはそのとおりだと思います。
 そういったことを踏まえて、今後とも、私どもは市場のやや行き過ぎた過剰反応だと思っておりますけれども、しかし、市場は市場でございますので、そういった市場の動向を十分注視して、我が国の経済や物価にどういった影響が出てくるかということは冷静に分析し、必要に応じて対応していくということにしたいと思っております。
○西田実仁君 目を世界に転じますと、今回の日銀によるマイナス金利の導入によりまして、欧米の国債利回りも急落をしてございます。一月二十八日の時点とマイナス金利の導入が決定してからの直近のアメリカの十年債や英国、ドイツの十年債を見ても、いずれも下がってきているということでございます。
 そういう意味では、日銀による今回のマイナス金利の導入は、国内はもちろんですけれども、世界の金利引下げを通じて世界の景気を下支えする効果もあるのではないかと私は見ているわけであります。
 しかし、問題は、このマイナス金利が伝播することによりまして、為替の切下げ競争というか、そういうようなことが誘発しないための国際協議というのをしっかりと行っていかなければならないのではないかと。特に、人民元の売り投機の防止を始めとしました為替市場の安定というものは急務だというように考えております。
 今月二十六、二十七日にはG20財務大臣・中央銀行総裁会議がございます。そこにおきましては、我が国が国際金融市場安定のための国際協調行動の議論をリードしていかなければならないのではないかというふうに思っております。具体的に申し上げますと、アメリカの無理な利上げの回避や為替投機の防止策、通貨スワップの拡大やドル資金の供給などということになろうかと思いますけれども、こうした国際会議におけます総裁の決意、思いを是非お聞かせいただきたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のとおり、今回の上海のG20では、各国の経済金融情勢の議論がかなり大きな議題となってくると思います。そこでは、当然、最近における国際金融市場の不安定な動きの背景とその影響について議論するということになると思います。私からは、先般導入を決定したマイナス金利付き量的・質的金融緩和の内容、あるいはその決定の背景としての本年入り後の国際金融市場の不安定化についても言及することになると思います。
 その上で、何と申し上げましても、世界最大の経済である米国、二番目の経済である中国、さらにはユーロ圏、日本といった主要な経済主体が必要に応じて協調的な行動をするということは非常に重要だと思いますので、具体的にどのようなことになるかというのはまだこれは会議をしてみないと分からないと思いますが、できるだけ国際金融市場の安定のためのG20になるのが望ましいと思っております。
○西田実仁君 先ほど、今回のマイナス金利の導入において、雨宮理事からの御答弁で、バランスという話があったかと思います。一つは、イールドカーブ全体を下げるという目的とともに、銀行経営の、銀行の収益圧迫をいかに和らげていくのかという、そのバランスというお話だったと思います。
 しかし、ここで是非議論しなければならないのは、そもそも何でマイナス金利を導入しなければならなかったのかという背景というか目的ですね。それは、普通に日銀が国債を買い入れても、金融機関の方はいわゆる日銀当座預金に豚積みしてお金が回っていかないという問題がもし本当になければ、こういうマイナス金利を導入しなくても順調に量的・質的緩和で進んできたわけでしょうから、私は、このバランスはもちろん大事なんですけれども、大事なんですけれども、なぜマイナス金利を導入しなければならなかったのかということを考えたときには、このマイナス金利を導入した効果が最大限発揮されるようにしなければならないと、端的に言えばそういうふうに思います。
 銀行の収益圧迫を和らげるような制度設計ということを中曽さんもニューヨークの講演で言われておられますけれども、もちろんそういう面は理解しますけれども、しかし、そもそもなぜ必要だったのかということに鑑みたときには、その効果の発現を妨げるとまで言えば言い過ぎかもしれませんけれども、きちんとその効果が発揮できるようなことをしていかないと、何のために導入したのかということに結果的にはなってしまうんじゃないかと私は思っております。
 その意味で、特に、先ほど石田先生の図を使って恐縮ですけれども、この日銀のホームページにありますマクロ加算残高のところですね、これが徐々に広がっていくということなんですけれども、問題は、このマクロ加算なるものがどの程度のマクロ加算になるのかというのがマーケットは分からないんですね。ですから、非常に市場が懐疑的になっていると。
 ですから、本来のマイナス金利の導入をしなければならなかったことを考えたとき、その効果を最大限発揮しようと思ったときには、このマクロ加算のところを、ある意味では歯止め策かもしれませんけれども、制限をして、そしてマイナス金利の効果が最大限発揮されるような仕組みにしていかないと、私は所期の目的を達成できないのではないかというふうに思っております。
 もちろん銀行経営の収益圧迫を考えなきゃいけないのはそのとおりなんですけれども、そもそもなぜ導入しなければいけなかったのかというところの原点に戻っていくには、余り中途半端なことをするとかえって効果は、というかマイナスの方が大きくなってしまうんじゃないかということを気にしておりますが、この点はいかがでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 委員御指摘のとおり、マイナス金利が適用される部分が常に適切な額だけ存在するということが、先ほど来申し上げているように、金利や相場に対する影響からいって非常に重要であります。
 他方で、マネタリーベースが年間約八十兆円増加していくということになりますので、こうした下で、マイナス金利が適用される部分が適切な規模になるように適宜のタイミングでゼロ金利が適用される部分を調整していくと。あくまでも、委員御指摘のとおり、マイナス金利が適用される部分を適切な額確保していく、それによってイールドカーブ全体の引下げ効果を確保していくということが極めて重要だと思っております。
○西田実仁君 この今回の階層構造方式を導入をされたのは、まさにそういう金融機関の経営を圧迫しないということと、また年間八十兆円の国債買入れができるようにマクロ加算によってゼロ金利対象分を適宜追加的に拡大するという、こういう方式なわけでありますけれども、金融機関への配慮をすればするほどマイナス金利の効果が削減されて、逆にこの豚積みが拡大するんではないかというふうに考えませんでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) そこは先ほど来御説明しておりますように、マイナス金利が適用される部分が適切に確保されておりますとその当預残高がどんどん膨らんでいく必要は別にないわけでして、今の、二十数兆と言われていますけれども、マイナス金利がちょうど適用されている部分であっても既に非常に大きな効果を持っておりますので、その部分をどんどん拡大していかなくても、年間八十兆、その量的・質的金融緩和の下でマネタリーベースが増えていく分に対応して適宜のタイミングでこのゼロの部分を上げていっても、十分このマイナス金利が適用される部分が常に適切な額だけ確保されていってマイナス金利の効果は確保されるというふうに見ておりますが、いずれにいたしましても、そういった市場の状況等も十分注視して、適切にそういった調整をしていきたいと思っております。
○西田実仁君 終わります。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 ちょっと私、当委員会初めてなんですけれども、大門さん戻ってくるまで時々立たせていただきたいと。
 マイナス金利問題に絞ってお聞きしますが、週刊東洋経済の表紙にも「マイナス金利発動! リーマンショック以来の黄信号点灯 世界経済危機」、これやっぱり典型的な受け止めなんではないかなというふうに思うんですが、ヨーロッパとは違って、日本の場合はもう量的緩和、異次元緩和積み重ねた上で今回のマイナス金利で、朝日新聞も苦肉の奇策って書いてあるんですけど、本当にこれ国民の実感ではないかなというふうに思うんですね。やっぱり、いよいよ万策尽きたということを国民は受け止めたんではないかというふうに思うんですよ。
 私、率直に総裁にお聞きしたいのは、国民の受け止めなんですね。今回のマイナス金利政策というのは、やっぱり尋常ならざる手段でなければ日本経済は立ち直らないと、そういうメッセージを送ったことになりませんか。国民はそう受け止めているというふうにお考えになりませんか。
○参考人(黒田東彦君) マイナス金利政策は我が国で初めての経験ですので、御指摘のような声も含めて、企業や家計の方々からいろいろな意見が聞かれている、いろいろな声が聞かれているということはよく認識しております。
 ただ、先ほど来申し上げているように、今回の措置は量的・質的金融緩和を一段と強化することによって経済活動をサポートして二%の物価安定の目標を早期に実現するということを目的にしたものでございます。その効果として、金利が長短金利併せて低下しておりますし、今後その効果が実体経済や物価面にも波及していくものというふうに考えております。
○小池晃君 今、はしなくも国民はそういう声が上がっている、そう受け止めていると。私はやっぱり国民の受け止めはそうだと思うんですよ、これは。結局、デフレから脱却しつつあるというけど違ったんじゃないかと、やっぱりアベノミクス危ないというふうに日銀が、黒田さんがそう判断したからこれやったんだというふうに私は国民は見ていると。そういう意味では、国民に対して日本経済ちょっとこれ大変だぞというメッセージを送ってしまった、このことの責任は極めて大きいんじゃないですか。
 私は、このマイナス金利政策というのは、まさにアベノミクスの破綻を日銀が認め、それを国民に対してそういうメッセージを送るということになったことは間違いないですよ。間違いないです、これは。これはみんなそう受け止めているというふうに申し上げておきたいというふうに思います。しかも、これ何の意味があるんだと。
 先ほど与党の方からも指摘あったけれども、私、資料でお配りしているのは、これは非金融部門の企業の手持ち、手元資金の流動性の推移ですけれども、これ見ると日本は手元資金が対GDP比で積み上がる一方なわけですね、他国に比べても。これ需要がないからですよ。投資先がないからですよ。だからこういうことになっているわけで、世界的にも中央銀行が大量に供給した資金が実体経済に向かわずに投機マネーになっているということは指摘されているけれども、それが世界経済を攪乱していると言われているけど、特に日本の場合、これやっぱり資金だぶついてきているということは間違いないわけですね。
 マイナス金利政策というのは、結局、市中に資金が回ることを期待してやったんだろうと思うけれども、こういう手元流動性の積み上がっていっている状況の中で一体どのような意味が、効果が期待できるというのか。私は、問題は、市中に資金がないことが問題なのではなくて、市中に需要がないことが問題なんだと。そこを変えない限りこの政策は何の意味も発揮しない、逆に副作用が増えるだけだというふうに私は思うんですけど、どうですか。
○参考人(黒田東彦君) 二〇一三年の四月に量的・質的金融緩和を導入したわけですが、この表にある二〇一三年の四月に導入したわけですが、その後、貸出金利が既往最低水準まで低下する下で、銀行貸出しは前年比で二%台の伸びを続けております。それまで前年比マイナスで推移していた中小企業向け貸出しも、二〇一三年半ば以降はプラスに転じております。
 このマイナス金利付き量的・質的金融緩和というものは、これまで効果を発揮してきた量的・質的金融緩和を一段と強化するものであるということでございます。
○小池晃君 いや、私の言ったことにはお答えになっていないんではないかなというふうに思うんですが、私は、やっぱりこの間の異次元緩和、バブル依存の経済政策、私言っていることお分かりになると思うんですが、やっぱり需要がなければ幾ら資金が回ったって、今の状況というのは内部留保が積み上がる、あるいは手元の現金預金が積み上がる、そういう状況だけでは経済は改善しないでしょうと、そういう認識はお持ちじゃないんですかというふうに聞いているんですけど、いかがですか。
○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げたように、二〇一三年の四月に量的・質的金融緩和を導入した後、貸出金利が既往最低水準まで低下して、貸出しも増加しております。
 そうした下で、企業収益は史上最高の水準になり、労働市場も完全雇用状態になり、雇用や所得も改善をしているということでありまして、金融政策がその効果を果たしているということは一般的に言ってよいのではないかと思っております。
○小池晃君 そういう認識ではやっぱり困ると思うんですね。GDPの数字を見たって、個人消費は落ち込んだままなんですよ。で、実質賃金は低下を続けているわけですよ。雇用は良くなったと言うけれども、結局アベノミクス、三年間で正社員減ったということが明らかになったじゃありませんか。だから、今まで言っていた数字、全部でたらめなんですよ。粉飾決算なんですよ。
 結局、こんな形で私は日本経済は絶対立ち直らないということをはっきり申し上げておきたいというふうに思うんですが、やはり政府の経済政策も含めて、バブル依存じゃなくてやっぱり実体経済を立て直すということに重点を置くべきだし、それをやってこそ、その政策の根本的転換をやってこそ、私は、金融の安定も回復するし、金利の正常化にも向かうし、日銀の本来の役割を果たせるようになるんだというふうに思うわけであります。
 その上で、ちょっと先ほど若干議論になった国民生活への影響について聞きたいんですけど、金融機関の経営への影響はちょっと心配されるんですが、国民の生活への影響なんですが、これまでも低金利政策で、これは家計から企業部門に資金移動が起こっています。マイナス金利が加わればどうなるか。
 今日の新聞でも預貯金金利の引下げが報道されているわけですよね。今日も、それから衆議院の議論でも、総裁は金融機関の個人向け預金の金利がマイナスになるとは考えていないとおっしゃるんですが、これ確認ですが、貸出金利、預金金利にマイナスを禁じる法制度というのはないですよね。これはもう単純な質問です。端的に答えてください。
○参考人(黒田東彦君) 個人向けの預金金利がマイナスになるとは欧州の例を見ましても考えておりません。法律的にどういう制約があるかというのはよく承知しておりませんが、もとより契約に基づくものですので、もちろん契約を変えればどのような契約でもできると思いますけれども、基本的に個人預金の金利がマイナスになるということはまず考えられないと思います。
○小池晃君 法制度上禁じているのかと言っているんです。
○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げたように、これは契約ですので、銀行と預金者の間の預金契約ですので、その契約で決まることですので、マイナス金利が法的に禁止されているということはないと思いますが。
 ただ、先ほど申し上げたように、預金金利が個人についてマイナスになるということは考えられません。
○委員長(大家敏志君) 簡潔にお願いします。
○小池晃君 いや、スイスではそれをやっている銀行あるわけですから、まあ独自性の強い銀行だとは聞いているけれどもね。
 それと、先ほど、手数料の問題、手数料を含めたら、これは家計負担が増える可能性ありますよね。だって、財務大臣は手数料の問題について調査させているというふうに答弁したんだから。手数料は金利の問題とは関係ありませんじゃないんですよ、聞いているのは。手数料が、やっぱり負担増える可能性ありますよねというふうに聞いているんです。
○参考人(黒田東彦君) 従来から申し上げておりますように、金融サービスの手数料はそのコストを踏まえて金融機関が経営判断として決めておられることですので、それがどうなるということは私どもから申し上げる立場にありませんが、観念的な可能性としてそういうことが銀行の経営判断であり得るのではないかということでいえば、それはあり得ると思いますが、それはマイナス金利との関連でではございません。
○委員長(大家敏志君) 時間を過ぎておりますので、答弁は簡潔に願います。
○小池晃君 もう、ちょっとこの答弁ひどいですよ、この時間稼ぎ。ちょっと、次からこれ、十分注意してくださいよ。
 私は、マイナス金利政策が国民生活にやっぱり重大な影響を与えるんだということは率直に認めなければいけないと、それでなければまともな議論はできないということを申し上げて、終わります。
    ─────────────
○委員長(大家敏志君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、小池晃君が委員を辞任され、その補欠として大門実紀史君が選任されました。
    ─────────────
○藤巻健史君 おおさか維新の会、藤巻です。
 私は二十年前ぐらいからマイナス金利政策を主張しておりまして、当時は正気の沙汰ではないというふうに言われておりましたけれども、雨宮さんは御存じかと思いますけれども、ヨーロッパ中央銀行が採用して日本銀行が採用したということで感慨深いものがあることはあるんですが、その意味で、マイナス金利政策をやっとやっていただけたというふうに評価、私はしております。もしマイナス〇・一%で利かなければマイナス一%にすればいいんだし、それでも利かなかったらマイナス五%にすればいいと私は思っております。
 ただ、問題は量的緩和をなぜやってしまったかということなんですけれども、マイナス金利政策というのはそもそも伝統的金融政策です。要するに、景気が悪かったら金利を下げる、景気が良かったらば上げるということで、景気が悪いんだから下げた、その結果がマイナスだということで、伝統的金融政策だと思っております。ただ、量的緩和政策の方はいろいろ非伝統的金融政策と言われて、実質的にも理論的にも成果が検証されていないわけですね。それをなぜやってしまったかという私は疑問を今でも持っております。量的緩和政策というのはその目的自身が当座預金を極大化するし、それからマイナス金利政策というのは当座預金をペナルティー与えるわけですから極小化するということで、百八十度違う、まさに相性の悪い政策で、それを一緒にしようとする、すなわち量的緩和政策をやってしまったからこんな複雑な方式になってしまったのかなというふうに思っております。
 もう一つ問題は、私、何度も量的緩和に関しては黒田総裁に出口はどうかというふうに聞いていましたけれども、いつも出口尚早というお答えしかいただいていません。ただ、マイナス金利政策、今例えば、今日質問通告していませんからお答えは必要ないんですが、マイナス金利政策、出口どうですか。これ、総裁が答えられなくても、すぐ答えられますよ。金利上げればいいだけです。マイナス三%だったらマイナス二%にするし、それが、まだ景気が過熱すればプラス・マイナス・ゼロにし、まだ景気が過熱すればプラスにするということで、まさに出口もある政策がマイナス政策。それに比べて、総裁が今までお答えになっていないように、量的緩和というのは出口がない。だから、そこの問題がある。要するに、量的緩和をやってしまったのがこれから大きい問題になるのかなというふうに思っております。
 そこで、質問に入りますが、まずはそのマイナス金利政策を導入したことについて、ちょっと今日、資料を持ってくるのを忘れちゃったんですけれども、十二日か何かのウォール・ストリート・ジャーナルが、これは日経新聞に書いてあったんですけれども、マイナス金利政策の導入を決めたのは量的緩和に限界が生じたからではないかと書いてあったんですが、それについてのコメントをお聞きしたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) 量的緩和が限界に達したからということではございません。あくまでもマイナス金利付き量的・質的金融緩和は、従来の量的・質的金融緩和に金利面での緩和オプションを追加して、量、質、金利の三つの次元で緩和手段を駆使することによって金融緩和を進めるというものでございます。
○藤巻健史君 ウォール・ストリート・ジャーナルの方は、少なくとも対外的には限界が来たのではないかという臆測を持ってしまわれたわけなんですが、量的緩和というのはやはりその限界を誰かが考えてしまう。
 マイナス金利政策というのは、先ほども申し上げましたけれども、マイナス一が駄目だったらマイナス二、マイナス三と無限にあるわけです、マイナス一〇〇%なのかもしれない。ということで、無限にあるマイナス政策をまずやらないで、ゼロになったときにマイナス金利政策をやらないで量的緩和という余計な政策を、私は余計だと思うんですけれども、余計な政策を持ち込んだのが問題かなというふうに思っております。
 二番目にちょっとお聞きしたいんですが、先ほど来、総裁は、ヨーロッパにしても個人預金がマイナスになっていないとおっしゃいましたが、なぜそう言い切ってしまうのか。私は個人預金マイナスでもいいと思っているんですね。
 要するに、今デフレなわけですから、デフレというのは、お金の価値があるので、お金は貴重品なんです。貴重品であれば、例えばピカソの絵を倉庫に預ければ当然保管料を払うわけで、貴重品を預ければ保管料を払うのは当たり前の話であって、そういうことを考えれば当然預金は、こういう預金金利だってマイナスへ行っておかしくないだろうと私は思っております。
 なぜ、それにもかかわらず、総裁は預金金利はマイナスにならないだろうとおっしゃるのか。そういうことをおっしゃっちゃうと、先ほど、幾らでもマイナス金利は先がある政策なのに、自分で首を、やめてしまう、その限界を示しちゃうことになると思うんですが、その辺についてどうお考えでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 委員御承知のとおり、確かに欧州の中央銀行は既にマイナス一%前後のマイナス金利を付けております。そうした下でも個人向け預金の金利はマイナスになっておりませんので、そういったことからいって、私は金融機関の個人向け預金の金利が日本でマイナスになるとは考えておりません。
 なお、個人向け預金の金利がマイナスにならない背景としては、各金融機関が顧客との長期的な取引関係を考えると、仮にマイナス金利を適用した場合には現金を保有する方が有利であると、そういった事情もあろうと思っております。
○藤巻健史君 私は、個人預金がマイナス金利になるならば、たんす預金をする代わりにドル預金しますけどね。ドルだったら金利もらえるし、円だったらペナルティーを払わなくちゃいけないんだったらドル預金と。そうすると、ドル高円安で日本経済は万々歳じゃないかなと私は思っております。
 次に、先ほどイールドカーブを全体的に下げるというふうにおっしゃっていたんですが、今回マイナス金利を導入したおかげで株価が大きく下がりました。これはやっぱり銀行の経営について不安視されたんだと思うんですが、これ、なぜそういう状況になったかというと、既にイールドカーブがフラットだったからだと思うんですね。これ、イールドカーブが、銀行というのは当然利益の大半がイールドカーブの長短金利差で出しているわけですけれども、元々、フラットになる、これ、フラットになった理由というのは、異次元の量的緩和をやって大量に日銀が長期国債を買っちゃったせいだと私は思っているんですけれども、そういう、イールドカーブがフラットな状況になっていて預金金利が下がらない、で、一時長期金利がマイナスになったと、これリバースイールドカーブになっちゃうわけです。
 当然のことながら、銀行経営不安が出てくるわけですけれども、なぜ長期金利を、量的緩和をやってそのイールドカーブをフラットにしちゃったのか。これは一九七〇年代のSアンドL危機、アメリカにあったときは、FRBはイールドカーブを立てて銀行経営を立て直したわけですけど、今、日銀がやっていることは逆なことをやっているわけですね。そうすると、銀行経営がやばい。
 もう一つ言っちゃうと、これディスクロージャー誌から見たんですけれども、七年超の貸出金見てみますと、三井住友銀行は変動金利が二七・七%、固定金利一・七%。みずほも同じです。変動金利が一二・六、固定金利が三・三。要するに、変動金利というのは六か月か何かの金利で、これ、短期金利の集合体であって長期金利じゃないわけです。ということは、貸出しというのは、別に長期金利下げたって関係ないんですよね。ほとんど関係ない。
 要は、国だけが、固定金利で借りている最大の借主というのは国で、まさに長期金利を下げるというのは国の財政を助けるためだけに長期金利を下げているように思える。経済は、決して長期金利を下げたところで余りいいことない。要するに、イールドカーブを立てていた方が銀行は健全だし、物事はうまくいくと思うんですが、量的緩和をやっちゃってイールドカーブをフラットにしちゃった。これはやはり間違いだったんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 先ほど来申し上げておりますとおり、やはり長期金利も短期金利も、金利全般に下押し圧力を加えることによって、実質金利の低下を通じてやはり企業や家計の経済行動に好影響をもたらすということが期待されるということが非常に大きいと思います。
 なお、このイールドカーブを立てれば金融機関の収益が良くなるということは、そういう要素があることは事実でありまして、御指摘のようなことが一時米国において行われたことも事実ですけれども、それは、金融機関の資本をそういう形で増強させるためにある期間行ったと言われているわけでして、そのFRBも、御承知のように、量的緩和の中でイールドカーブ全体を下げるという形で経済へのプラスの影響をもたらしてきたということだと思います。
○藤巻健史君 今の御回答の中に、やっぱり家計に長期金利を下げることによって好影響があるというふうにおっしゃいましたけれども、先ほど申しましたように、今、家計にしろ企業にしろ、長期固定で借りている借金というのはほとんどないわけですね。要するに、国だけがメリットを受けているということで、長期金利を下げるメリットとデメリットを考えると、これはやっぱりデメリットの方が大きいんじゃないかなと私は思っております。
 時間がないようなので、これで終わりにしたいと思います。もし回答があれば。
○参考人(黒田東彦君) 確かに、フローティングでの貸出しもかなりあることは事実ですけれども、他方で、御承知のように、住宅ローンとかあるいは社債とか、固定金利で長期のものも相当たくさんございます。
 したがいまして、やはり、金利全般にわたって引き下げていくということが消費や投資にプラスの影響を与えるゆえんであろうというふうに考えております。
○藤巻健史君 ありがとうございました。
○中山恭子君 ありがとうございます。日本のこころを大切にする党、中山でございます。
 今日、マイナス金利導入に当たって各委員の方々からいろんな御意見がありました。黒田総裁は二月三日の講演の中で、一月二十九日の金融政策決定会合において決定したマイナス金利付き量的・質的金融緩和は、中央銀行の歴史の中で最も強力な枠組みであるとの認識を示されています。今日、いろいろな御議論を伺いながら、また、今日の会合の当初で黒田総裁から、通貨及び金融の調節に関する報告書概要説明というのもございました。
 ただ、今回の金融緩和導入につきましていろんな話が混入しておりますので、この際、もう一度改めて黒田総裁から今回のマイナス金利等、金融緩和政策の導入に当たっての考え方ですとか背景ですとか、そこに至った道筋について、改めて思われていることをそのままもう一回ここでお話しいただくことが必要かと思われます。全体についてお話しいただけたら有り難いと思います。
○参考人(黒田東彦君) このマイナス金利付き量的・質的金融緩和というものは、日本銀行の当座預金金利をマイナスにするということでイールドカーブの起点を下げると、他方で大規模な長期国債の買入れを継続することと併せて、金利全般により強い下押し圧力を加えていくということを主たる波及経路として想定しております。その結果、実質金利の低下を通じて企業や家計の経済活動に好影響をもたらすことが期待されております。
 一方、マイナス金利のデメリットとしては、この政策を先行的に導入した欧州では、金融機関の収益を過度に圧迫し、かえって金融仲介機能を弱めるおそれがあるなどということが指摘をされております。
 そうした中で、欧州でも階層構造を入れておりますけれども、特に今回の日銀当座預金金利のマイナス化に当たりましては、当座預金を三つの階層に区分いたしまして、その一部にのみマイナス金利を適用するということといたしました。金融機関の経営環境を好転させるためにも、一日も早くデフレから脱却して、二十年間も続いている低金利環境から脱却できるようにすることが重要ではないかと思っておりまして今回の政策を導入したわけでございます。
 なお、御案内のとおり、欧州のECBなどの中央銀行も、量的な緩和とマイナス金利というのを両方活用して金融緩和を進め、物価安定目標の達成に努力しているということが実情でございます。
○中山恭子君 ありがとうございます。
 日銀としてしっかりとした政策を立てていただいて二%の物価上昇まで持っていっていただきたいと考えておりまして、この目標達成のためにあの段階でちゅうちょなく追加緩和に踏み切った日銀の姿勢については、私自身は非常に高く評価しているものでございます。
 ただ、先ほどの委員の質疑にもありましたが、やはり、今足りていないのは、黒田総裁からも雇用の増加、所得の増加が必要であるというお話もありました。いろいろ考える中で、足りていないのはやはり財政の積極的な財政政策であろうと考えているところでございます。
 内閣府が十五日に発表した二〇一五年十月から十二月期の国内総生産速報値は、物価変動の影響を除く実質の季節調整で前期比マイナス一・四%となっております。金融政策については今のように頑張っているわけでございますが、財政政策についてはまだまだ足りていないと考えております。現時点での景気の落ち込みは、今後の経済の幾つもの面で大きな負担を課すことになると心配しております。財政再建を目的化するのではなく、積極的な経済成長戦略を取り、結果として財政再建が成るという発想に切り替える必要があると思っております。
 異次元の財政出動政策を取ることを立案していただきたいと考えますが、副大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(岡田直樹君) ただいま、公共事業というか財政の大胆な出動を行うべしという中山先生の御提案でございました。ただ、日本の財政が極めて厳しいことなどを踏まえますと、こうした財政出動、端的に言えば公共事業と申してもよいかと思いますが、その公共事業の重点化、効率化を図ってまいらねばならないという、この点は御理解いただきたいと存じます。
 もちろん、財政健全化のみではなくて、経済再生と併せて進めていくことが重要であると考えておりまして、このため、中山先生が御指摘になったような経済の再生に資するいわゆるストック効果の高い公共事業を実施していくことは重要であり、これまでも、日本の産業、経済の基盤となる物流・交通ネットワークなど、日本の成長力を高める事業に重点を置いてきたところであります。
 今後とも、民需主導の好循環の確立に向けて、公共事業を含めて平成二十七年度補正予算を迅速かつ着実に実施していくなど、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。
○中山恭子君 補正予算につきましても、私どもは十兆円規模の、この財源というのはもう確実に取れる財源がございますので、十兆円規模の補正予算を組むということを主張しましたけれども、今回三兆円程度ということで、補正予算についても足りていないと考えております。
 今回の日銀のマイナス金利とどのような関係が出てくるか、ちょっとすぐには、計算してすぐには数字を出せるわけではないんですけれども、日銀が保有するような、外に出さない無利子の建設国債を発行するなり、基金を設定して国内の特にインフラ、老朽化したインフラの整備、さらには共同溝の設置など、長期にわたる計画を作って必要な公共事業の全国展開をしていただきたいと考えております。
 その点について、もしお考えがあればお願いいたします。
○副大臣(岡田直樹君) ただいまお話がございました、これまでに整備を進めてきた社会資本整備の老朽化、これに対する対策等、それを重点的に行ってまいりたいと思いますし、防災や減災の観点からもしっかりとした取組を行ってまいりたいと、このように存じます。
○中山恭子君 ありがとうございます。
 雇用の増大、所得の倍増というようなことを目標にして動いていただきたいと思っております。ありがとうございます。
○中西健治君 中西健治です。
 今回のマイナス金利政策の導入につきましては、金融政策のゼロ金利制約を大幅に後退させて柔軟性を高めたという点で、私、大いに評価しております。
 ただ、一言恨み節を申し上げるとすれば、一月二十九日の政策決定会合に先立つ一月十八日の予算委員会、黒田総裁にお出ましいただいて、私は超過準備への付利引下げのカードを切ったらどうかということを申し上げました。しかし、黒田総裁は、いわゆる付利金利の引下げについては検討しておりませんと、こういうそっけないお答えをいただいたわけであります。決定会合の前だったということもあって何もおっしゃれないという部分もあるんだろうというふうに思いますが、こうした国会質疑の意義について少し黒田総裁のお考えを伺いたいと思います。私自身は危機意識は共有できたのではないかというふうに思っているということでありますが、そこら辺の意義についてまずお答えいただきたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) 付利金利の問題につきましては、御案内のとおり、包括緩和のときにも既に〇・一%の付利が付いておりまして、それについて、私が総裁になる前でございますけれども、政策委員会で議論になりまして、付利を廃止すべきだと、超過準備についてもゼロ金利にすべきだという議論があって、それは良くないということで、結局その提案は否決されたわけでございます。その後、具体的に、この〇・一%の付利について、これをやめたらどうかとか、あるいは引下げ、さらにはマイナス化したらどうかという議論は政策委員会で全くございませんでした。
 したがいまして、あくまでもそれ以前の政策委員会における決定、その特に公表文ですね、それを踏まえて発言するということでございますので、先ほど申し上げたように申し上げたわけであります。また、私も、個人的にも実際考えておりませんでした。
 その中で、先ほど申し上げたように、ダボスに行く前に、仮に追加緩和が必要だという状況になったときのオプションとしてどういうものがあるのか検討してほしいということをスタッフに伝えまして、ダボスから帰ってきた後、スタッフから幾つかのオプションについての話を聞いたということでございます。
 なお、できるだけ誤解のないように適切に答弁をしてまいりたいと思っております。
○中西健治君 どうもありがとうございます。
 この度、マイナス金利を採用した、私は危機意識という言葉を使いましたけれども、これについてちょっとお伺いしたいんですけれども、先日のFRBのイエレン議長の議会証言、こちらは非常に注目すべきものでありました。
 この中で何をイエレン議長は言ったかというと、ファイナンシャルコンディションが経済成長に対してレスサポーティブとなったということをおっしゃいました。これ、非常にエコノミストや市場の間で話題になりました。特に、ドル高ということ、そしてあとは高リスクの借入人に対する借入金利が上がっているということと、あと株安という、この三つについて具体的に言及をされた、議会証言で言及をされたということであります。
 今回の日銀の決定についてでありますけれども、金融市場の状況の変化、我が国の金融市場の状況の変化、これが大きな考慮のポイントになったのかどうかについてお伺いしたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) 確かに、年初来、原油価格の一段の下落に加えて、中国を始めとする新興国経済に対する先行き不透明感などから金融市場は世界的に不安定な動きとなっておりまして、それを反映して我が国でも為替レートや株価が変動しておりました。
 為替や株価に対して、直接的にそれをターゲットにして金融政策を行うわけではございませんけれども、やはりこういった状況で企業のコンフィデンスの改善や人々のデフレマインドの転換が遅延して物価の基調に悪影響が及ぶリスクが増大しているのではないかということが感じられまして、これは政策委員会の多数もそういう意見でございまして、そうした下でこういったリスクの顕在化を未然に防ぐということ、そして二%の物価安定の目標に向けたモメンタムを維持するということのためにマイナス金利付きの量的・質的金融緩和を導入したわけでございます。
○中西健治君 今朝方発表されたFOMCの議事録というのを見てみますと、金融市場の動向についてかなり議論がされているということが確認できたわけですけれども、日銀内でもやはり我が国の金融市場の動きについて大きな議論がされたということでよろしいでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 金融政策決定会合における議論の流れは、御承知のように、次回の金融政策決定会合において承認をして議事要旨として発表されますけれども、それ以前に、既に主な意見として各委員が述べられた意見をそのまままとめて公表をいたしております。
 それを御覧になっていただきますと分かりますように、こういった市場の動きが企業のコンフィデンスとか人々のデフレマインドの転換などに影響する懸念があるということは意見として出ておりまして、その意見が、いろいろ議論があって、最終的にこのマイナス金利付き量的・質的金融緩和が決定されるわけですけれども、その議論の流れはやはり議事要旨で御覧になっていただきたいと思います。
○中西健治君 主な意見を発表される、これは非常にいいと思います。主な意見しっかりと出ている、各自の意見が出て予想以上だったというふうに私も思っておりますので、これはこれで、別な話ですけれども、評価したいというふうに思います。
 この数年間、金融政策の効果というのがすぐ出てくるんじゃないかと。これまでサプライズの緩和のたびに市場が随分大きく動いたので、我々も効果はすぐ出てくるものだという錯覚に陥っているようなところもあるんじゃないかと思いますが、本来、金融政策の効果というのはタイムラグを伴って発現されてくるということなんじゃないかと思います。
 今回のマイナス金利の採用、これの効果、実体経済に対する効果の発現というのはどれぐらい時間を見ておいたらいいというふうにお考えでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) マイナス金利付き量的・質的金融緩和の導入を公表して、直ちに市場は、短期から長期までイールドカーブ全体が下がりました。もちろん、市場が完全に消化するためにはある程度の期間が必要ですけれども、かなり速いスピードでそれが起こっております。それを反映いたしまして、貸出しの基準になる金利とか住宅ローンの金利もはっきりと低下し始めております。
 このように、金利に関する限りは政策効果は既に現れているわけですが、御指摘のように、これが設備投資とか住宅投資にプラスの影響を及ぼして実体経済や物価面にも着実に反映していくとは思いますが、やはり一定のタイムラグはあろうというふうに思っております。
○中西健治君 どれぐらい掛かるのかということ、物価については二〇一七年前半ということなんじゃないかと思いますが、そこら辺をお聞きしたかったと思います。
 一点だけ、あと。もう、ちょっと忘れられている感もありますが、その前の決定会合で、設備・人的投資に積極的な企業のETFを三千億円買うことになったということが発表されたと思います。こうしたETFというのは現在存在しておりませんので、組成されれば購入対象に加えるという発表だったと思いますが、これは今どういう状況になっているのか、お伺いしたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) これにつきましては、具体的な買入れ対象基準の策定に向けて市場関係者から意見を頂戴したところでございます。それを踏まえて様々な議論を行っておりまして、今後、金融政策決定会合において基本要領の改正などを行った上で、実務上の準備が整い次第、速やかに実施する予定でございます。
 これはあくまでも市場でそういうETFができるということが前提でございますので、市場関係者とは様々な対話を重ねておりまして、こういった趣旨に合致したものができることを期待をしております。
○中西健治君 質問を終わります。どうもありがとうございました。
○平野達男君 平野達男でございます。
 改めてお聞きしたいと思いますけれども、改めてというか、総裁に確認したいと思いますが、量的緩和、異次元ということで、これは大変な措置だということでずっと議論されてきました。
 国債を八十兆買い続ける、それからETFも買うという中で、これはもう本当にすごい措置だということで、最後の切り札のごとく言われてきて、ここでそれだけの効果が出てこなかった、だからマイナス金利ということになるんでしょうが、量的緩和という措置によってかなり長期金利も下がってきました。さらに、今回、イールドカーブを更にフラットにするんだということでマイナス金利ということなんですが、その前に、なぜ量的緩和でその効果が出なかった、所期の二%の物価安定目標というのを、安定的なというまでの達成ができなかったということについての総括はされていますか。
○参考人(黒田東彦君) この点は展望レポートの中でもかなり詳しく触れられておりますけれども、二〇一四年夏以降の原油価格の大幅下落の影響が非常に大きいというふうに考えております。足下、確かに生鮮食品を除く消費者物価の前年比はゼロ%程度で推移しております。ただ、これも先ほど申し上げたとおり、生鮮食品とエネルギーを除く消費者物価の前年比で見ますと二十七か月連続でプラスを続けて、最近ではプラス一・三%まで上昇しておりまして、物価の基調は着実に改善しているというふうに考えております。
 今後の見通しとしては、これまた展望レポートでお示ししたとおり、原油価格が現状程度の水準から緩やかに上昇していくとの前提に立てば、生鮮食品を除く消費者物価の前年比が物価安定の目標である二%程度に達する時期は二〇一七年度前半頃になるというふうに予想をしております。
○平野達男君 原油のことがかなり今話になりましたけれども、もしそれであれば、どうやって原油価格を上げるかということを世界的に話をすればいい話で、マイナス金利の話と今回の日本の二%の物価目標というのは、今の話の中では必ずしも一致しないのではないかというようなちょっと印象は強く持ちます。
 その一方で、原油につきましては、もう御案内のとおり、アメリカは天然ガスの輸出先にも困るぐらいもう余ってきていると。それから、今回、イランが今度は市場に参入しました。御案内のとおり、イランはかつて日本の最大の原油の輸入国でありましたけれども、これからイランがどんどんこれ原油輸出するのかどうか分かりませんが、供給側としては非常に緩んできているという面も言えるかもしれません。
 ここからはちょっと話が変わりますけれども、最近、アメリカのいろんな雑誌とか名のあるエコノミスト誌で言われているのは、世界経済の要するに七年、八年周期説というのが言われております。
 今から約八年前、二〇〇八年から二〇一〇年、これは何といってもリーマン・ショックがありまして、これはもう日本ではリーマン・ショック、リーマン・ショックと言っていますけれども、アメリカではグレートリセッションと言っています。リセッションじゃなくてグレートリセッションというふうに言って、これはもう大変に世界的にも非常に影響が与えたということでありますが、これは今からちょうど八年前なんですね。
 さらに、二〇〇一年から二〇〇三年、これはバブル崩壊、ITバブルです。ITバブルで、このときも日本はかなり景気、その影響を受けたということになっています。
 さらに、もうちょっと下がりますと、一九九〇年代前半はこれ原油の価格の高騰だったということで、これいろいろと、手元に資料があるんですが、大体これで見ると、チャートを見ると、これは本当かどうか確認しようがないんですが、これ今私はタイム誌の紙を持っていますが、大体七年から八年ぐらいにそういう底が来るんです。
 ちなみに、二〇〇八年―二〇一〇年はリーマン・ショックですから、そのときに民主党政権ができたんですね。だから、民主党政権のときは本当、奈落の底だったんですよ。そこからどんどんどんどん景気が上がってきて、ひょっとしたら今ピークを過ぎているかもしれない、これからもう一回下がるかもしれないということが今世界的にというか、特にアメリカの雑誌なんかでは懸念されているということだと思います。
 ちなみに、安倍総理が、民主党政権のときはどうで今はこうですよというふうにいろいろ批判されて、比較されてアベノミクスの効果を強調されますけれども、それはそれでいいかもしれませんが、あのときにいたボトムと、いた状況と今のそれが、世界経済がどんどんどんどん右肩上がりに上がってきてその流れの中で日本経済も上向いてきたかもしれないということは、多分今年の、二〇一六年のこれからの世界経済とこのマイナス金利を入れたことによる日本経済の、これがどっちに向くかによって多分答えが出てくるかもしれません。そういう意味で、この二〇一六年というのは非常に大事な年ではないかなというふうに思います。
 そして、こういう周期説でありますが、自然災害のときは、大体地震なんかでよく周期説なんというふうに言うんですけれども、こういう経済の全体の、マクロの中でのこういう七年とか八年説というのは、これ総裁、どのように印象、感じを持っておられるでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) この景気循環論の中で、短期の在庫循環、あるいは中期の設備投資循環、あるいはもうちょっと長い建設循環とか、さらには超長期の技術革新の波で何十年という循環があるという議論は従来からございます。
 それは経済、景気に対する一つの見方だとは思うんですけれども、ただ、今足下でどういう状況かというのを見ますと、先ほど申し上げたように、IMFの見通しでも、今年は去年よりも、来年は今年よりも成長率は高まっていくと。その中で、それを一番引っ張っているのはもちろん米国経済でございますが、それが今年、来年と二%台半ばの堅調な成長を続けるという見通しになっており、そうした下で新興国の成長率も、まあ中国は減速していきますけれども、全体としては緩やかに上昇していくという見通しになっておりまして、私自身は、正確なその循環論というのは必ずしも当たってはいないんじゃないかと、むしろそれよりも、足下の経済、あるいはもっと長い目で見た長期的な経済の動向を見ていくのが適切ではないかというふうに思っております。
○平野達男君 このリーマン・ショック後の経済を引っ張ったのは、あちこちで言われているのは、皆さんが言ったように中国経済であって、その中国経済がもう非常に勢いでGDP伸びて、いつの間にか日本を追い越しちゃったという、そんな状況です。
 その一方で、中国は物すごい借金をしたようですね。これ、国の借金、それからプライベートな借金、シャドーバンキングなんていうのもあるらしいんですけれども、それの全体のGDPに対する比率というのは二八〇%を超えているんじゃないかという、そういうことを言っている方もいるようです。まあ正確なところは分かりません。
 もっとも、日本も公的債務だけで二〇〇%超えていますから余り立派なことは言えないんですが、いずれ、債務の積み上げるスピードがむちゃくちゃ速かったということで、中国はかなり無理をしてやってきたツケが今回ってきていて、不動産バブルがもうはじけちゃっているというような状況にあるというふうに言われていますし、アメリカも、先ほど中西委員からお話がありましたけれども、イエレン総裁は、ちょっといい状況ではなくなってきているという、成長にとってですね、そういう発言をされたことがかなり大きく取り上げられてきていますし、今、長期停滞のスローグロースというんでしょうか、そういう言葉をささやき始めている方もいまして、私は、特に人口減少社会に入ってきている、世界も高齢化が入ってきている中で、そんな長期にわたる成長なんかなかなか見込めるのは難しいんじゃないかということを時あるごとにずっと言ってきたんですが、そういう状況にちょっと近づきつつあるのかなということで、ちょっとかなり懸念しています。
 ただ、いずれにせよ二〇一六年というこの年が本当に世界の経済がどっち向きに向くのかということについては物すごい重要な年でありますし、私もその状況をしっかり見ながら、このマイナス金利政策、量的緩和政策もなんですが、私もこれいつも、また今日も言いますけれども、これは成功してもらわな困るんですよね、これ失敗したらこれは大変なことになりますから。だから、これはとにかく是非成功してもらいたいということをお願い申し上げまして、私の質問をちょうど終わらせていただきます。
○委員長(大家敏志君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十八分散会