第190回国会 財政金融委員会 第4号
平成二十八年三月十七日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 三月十日
    辞任         補欠選任
     礒崎 哲史君     森本 真治君
 三月十一日
    辞任         補欠選任
     中原 八一君     山谷えり子君
     森本 真治君     礒崎 哲史君
 三月十四日
    辞任         補欠選任
     小池  晃君     大門実紀史君
 三月十六日
    辞任         補欠選任
     中川 雅治君     吉川ゆうみ君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         大家 敏志君
    理 事
                愛知 治郎君
                石田 昌宏君
                長峯  誠君
                大久保 勉君
                西田 実仁君
    委 員
                岡田 直樹君
                伊達 忠一君
                中西 健治君
                中西 祐介君
                宮沢 洋一君
                山谷えり子君
                山本 一太君
                吉川ゆうみ君
                礒崎 哲史君
                尾立 源幸君
                大塚 耕平君
                白  眞勲君
                前川 清成君
                竹谷とし子君
                藤巻 健史君
                中山 恭子君
                平野 達男君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
   副大臣
       財務副大臣    岡田 直樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 伸一君
   政府参考人
       金融庁総務企画
       局長       池田 唯一君
       金融庁総務企画
       局総括審議官   小野  尚君
       金融庁監督局長  遠藤 俊英君
       財務省主税局長  佐藤 慎一君
       国税庁次長    星野 次彦君
       厚生労働大臣官
       房審議官     飯田 圭哉君
       中小企業庁長官  豊永 厚志君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
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○委員長(大家敏志君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、中原八一君、小池晃君及び中川雅治君が委員を辞任され、その補欠として山谷えり子君、大門実紀史君及び吉川ゆうみ君が選任されました。
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○委員長(大家敏志君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として財務省主税局長佐藤慎一君外六名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大家敏志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(大家敏志君) 所得税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。麻生財務大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げさせていただきます。
 政府は、経済の好循環の確立、消費税率引上げに伴う低所得者への配慮、少子化対策・教育再生、地方創生の推進、国際課税の枠組みの再構築、震災からの復興支援などの観点から、国税に関し、所要の施策を一体として講ずるため、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明を申し上げます。
 第一に、経済の好循環を確実なものとするため、法人税につきましては税率の引下げ及び欠損金繰越控除制度の見直しなどを行うことといたしております。
 第二に、消費税率の引上げに伴う低所得者への配慮のため、消費税の軽減税率制度の創設などを行うことといたしております。
 第三に、少子化対策及び教育再生のため、三世代同居に対応した住宅のリフォームを支援するための住宅ローンの控除の特例の創設、公益社団法人などに寄附をした場合の所得税額の特別控除制度の見直しなどを行うことといたしております。
 第四に、地方創生の推進のため、認定地方公共団体の寄附活用事業に関する寄附をした場合の法人税額の特別控除制度の創設、外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充などを行うこととしております。
 第五に、国際課税の枠組みを再構築するため、多国籍企業情報の報告制度の創設などを行うことといたしております。
 第六に、震災からの復興を支援するため、被災関連市町村から特定の交換により土地を取得した場合の登録免許税の特例の創設などを行うことといたしております。
 このほか、クレジットカードによる国税の納付制度の創設などを行うとともに、特定認定長期優良住宅の所有権の保存登記等に対する登録免許税の特例などについて、その適用期限の延長や整理合理化を行うことといたしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願いを申し上げます。
○委員長(大家敏志君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○西田実仁君 おはようございます。公明党の西田実仁でございます。本日は最初に質問させていただきたいと思います。
 大きくまず、軽減税率制度の詳細につきましてお聞きしたいと思います。
 先日の予算委員会で、私、質問をさせていただきましたけれども、この軽減税率制度が成立をした暁には、これを円滑に導入をしていくということが何よりも大事になってまいります。そのために、中小・小規模事業者向けに、軽減税率対応のレジの導入とか、受発注の電算システムの改修や入替え等に対する補助と支援ということを行うということになっているわけであります。
 まず、財務大臣にお聞きしたいと思いますが、この軽減税率対応の補助金の目的ですね。補正予算は既に成立をしました。また、今年度の予備費においても手当てされるということのようでありますけれども、この目的をまず確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 軽減税率制度の導入、運用に当たって混乱が生じないように万全の準備を進めるために、政府部内に必要な体制を整備をさせていただくとともに、軽減税率制度の導入に向けた事業者の準備の状況等々を検証しつつ必要な対応を行うことといたしております。
 こうした一環として、軽減税率制度導入まで一年余りという中で、中小の小売事業者が複数税率に対応するために必要な一台当たり約数万円から数十万円程度のレジの導入や、より高額となりますPOSとか、POSとまではいきませんけれども、システムの改修などを緊急に支援をさせていただくために、二十七年度の予備費において九百九十六億円を手当てをしたところであります。
 こうした支援策を着実に実施することによりまして、平成二十九年四月の軽減税率制度導入に向け、事業者への対応というものをしっかり行ってまいりたいと考えております。
○西田実仁君 まさにその根本目的は軽減税率の円滑な導入に向けての支援ということに今確認させていただきました。
 そこで、中小企業庁、今日、長官にお見えいただいておりますけれども、この軽減税率対策の補助金の概要が先般公表されております。もちろん、この補助金は税法が成立をしなければ適用されませんけれども、しかし、早めの補助詳細の周知によりまして実質的に募集開始と同様の効果ももたらすのではないかということが期待されております。
 そこで、長官に、この補助金の概要につきまして概略を説明いただきたいと思います。
○政府参考人(豊永厚志君) 大臣の御説明と少し重複するところがあるかと思いますが、お尋ねの補助金の概要といたしましては、中小の小売事業者等に対して複数税率に対応したレジの導入を補助するとともに、複数税率への対応ができない電子的な受発注システムを用いている中小の小売事業者、卸売事業者に対してシステム改修の補助を行うものでございます。補助率につきましては、レジ、受発注システム共に原則として三分の二といたしております。ただし、三万円未満のレジの購入に関しましては、規模の小さな事業者への特段の配慮の観点から、補助率を四分の三といたしております。
 また、中小企業・小規模事業者が補助金申請を円滑に行えますよう、手続負担にも配慮した制度設計を進めてございます。例えば、募集期間を限定せずに随時申請を受け付ける、また申請書類の枚数を最小限にする、さらにレジメーカーに補助金申請事務のサポートやレジ操作の指導を行わせるといったことを検討してございます。
○西田実仁君 この円滑な導入ということにつきましては、効果的なタイミングかつ効果的な経路で情報提供を行うことが重要であろうと思います。
 効果的な経路ということにつきましては、今回の軽減税率の導入はとりわけ中小・小規模事業者への周知徹底が円滑な制度の実現の鍵になるということから、いわゆる中小企業団体はもちろんでありますけれども、ベンダー等の経路も活用していくべきではないかというふうに私は思っております。この辺、どのようにお考えでありましょうか。
○政府参考人(豊永厚志君) お答え申し上げます。
 中小事業者によるレジの導入や電子的受発注システムの改修を進めるに当たりましては、古いレジやシステムの存在状況を知るレジメーカーやITベンダーを通じて中小企業者に制度を周知し、必要な対応を促すことが極めて有効と考えてございます。
 このため、経済産業省といたしましては、軽減税率制度の詳細や必要となる対応作業、またその支援策の内容とともに、事業者への周知の重要性につきましてITベンダーの主要団体等に周知を図るなど、連携を密にしているところでございます。既に、今月の初めには九つのITベンダーの関係団体を招きまして連絡会を開催したところでもございます。
 こうした供給サイドからのアプローチを含め、あらゆる経路からの周知に努めることで、中小企業者に対応の必要性について理解を得るとともに、実際の対応を促し、準備作業が円滑に進むよう取り計らいたいと考えてございます。
○西田実仁君 支援対象のレジの範囲についてですけれども、軽減税率に対応して売上げの区分経理や区分記載請求書等の発行を行う必要がある中小小売事業者等としておられると思います。
 しかし、この場合、免税事業者であったとしても、事業者から区分記載請求書等の発行を求められる可能性のある者については支援の対象とすべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(豊永厚志君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、自らは免税事業者であっても、事業者間取引において課税事業者などから税率を区分して記載した請求書等の発行を求められる可能性があると認識してございます。このため、軽減税率制度の導入に当たり、現場での混乱が生じないよう、消費税納税の有無にかかわらず、すなわち免税事業者であっても軽減税率制度の対応が必要となる中小企業・小規模事業者については補助対象とする考えでございます。
○西田実仁君 免税事業者も対象になるというお話でございました。
 そこで、次はこの受発注システムの改修並びに入替え支援についてお聞きしたいと思います。
 さきの予算委員会でも同様の質問をさせていただきまして、どこまでその支援対象にするのかという範囲については、余り狭過ぎても意味がないし、広過ぎると際限がなくなってしまうと。じゃ、どの辺まで支援対象にするのかということであります。その際の答弁は、取引先との受発注に必要な部分については支援の対象にするということであります。
 具体的にお聞きしたいと思いますけれども、電子受発注システム、すなわちEDIでありますけれども、発注、そして出荷、受領、請求、そして支払と、こういう流れがあるわけでありますけれども、この支払のところはいわゆる財務会計でございますけれども、それ以外のところ、すなわち発注、出荷、受領、請求、ここまでのところは実は一体でパッケージソフトになっているケースが大変に多いわけでありまして、これを割合等で無理やり切り分けていくということは現実的では、余り実務的ではないんではないかというふうに思います。
 具体的に、受注側の卸等については受注管理や出荷管理、あるいは在庫管理、売上管理、請求管理まではほぼ一体でこのソフトというのは組まれているわけでありますので、これを余り狭く受発注というところに切り分けて、そこのみが支援というふうな対象にいたしますと、かえって混乱が起きるんではないかというふうに思います。
 同時に、今回、この目的はもちろん円滑な導入の支援ということでありますけれども、今回、この補助金の仕組みを活用しながら、中小企業のクラウドパッケージ化への移行促進ということも期待できるんではないかというふうに思っております。このクラウドパッケージ化の促進ということは、すなわち中小・小規模事業者の、特にサービス業等の生産性向上という今政府挙げて取り組んでいる政策目的にもなり得るということでありまして、軽減税率対応の補助、補助金というものがそうした呼び水になり得るんではないかというふうに思っております。
 そこで、特に受発注システムへの支援ということでありますけれども、余り受発注システムというところを狭義に捉え過ぎずに、一体としてパッケージ化されているものについてはそれも支援をしていくというふうにしていかないと使い勝手が悪くなってしまうと、このような声も現場から上がってきておりまして、ここを長官に確認をしておきたいと思います。
○政府参考人(豊永厚志君) お答え申し上げます。
 使い勝手の良い制度としたいという気持ちは私どもも共通でございます。こうした観点から、複数税率に対応するために必要となりますEDIにつきましては、経理や在庫管理などと一体的に改修、入替えがなされることが実際にも想定されております。こうした場合でも、極力取引先との受発注に必要な部分についてはそこの部分を切り出し、そこの部分については支援の対象とするという方針でございます。
 また、御言及のございました複数の機能が一緒になったパッケージソフトでございますけれども、これを利用する場合につきましても、EDIの機能を含むものであれば、その範囲で支援対象としたいと考えてございます。また、さらに、クラウド型のサービスについての御言及がございましたけれども、これを利用する場合につきましても、何らかの形で支援の対象とできないかということで考えてございますが、例えばサービスを導入するために必要となる初期費用を対象にするといったようなことを考えているところでございます。
 いずれにしましても、委員御指摘の使い勝手の良い補助金にすべきとの観点に立って、今後とも制度の詳細設計を行ってまいりたいと考えてございます。
○西田実仁君 是非、無理繰り切り分けて、パッケージになっているものを割合等で支援の対象にするというややこしいことにしないようにしていただきたいというように思います。当然、支援の上限はありますので、できる限り柔軟な運用で中小・小規模事業者の方々の支援を積極的に行うと。何のためにそもそもこの支援をするのかという根本目的を忘れることなくお願いしたいというように思います。
 次に、この軽減税率制度への対応として大事な点でありますけれども、一昨年、私どもは韓国に参りまして、複数税率がもう既に四十年近く前に導入されている韓国の実態調査を行いました。
 その際、当時一九七〇年代でありまして、パソコン等は当然まだなかったわけでありますけれども、手書きの請求書等において、それを複数税率に対応していくには大変な苦労があったという話も聞きました。その中で、特に、様々な対消費者、あるいはBツーBもそうですけれども、問合せ等にいかに対応を迅速にしていくのかという徴税当局の体制整備ということについても現地で随分言及がございました。日本におきましても、いよいよ来年四月からこの税法が成立をいたしますと導入ということになりますので、課税の適正化を図るためにも税務執行体制の整備というものが何よりも重要になってくると思います。
 そこで、国税庁の機構措置並びに定員やあるいは職務の困難性、特殊性を適正に評価した給与水準の確保を始めといたしまして、その職場環境の整備をどう整えていくのか、また事前照会に対する文書回答手続では機動的な対応が困難な場合、消費者あるいは納税者からの問合せにどのように対応していくのかをお聞きしたいと思います。
 財務大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 税務行政というものを取り巻く環境というものを考えてみますと、昨今、経済取引というものが国際化してみたりIT化してみたり、いろいろな意味で厳しさが増しておりますので、その中で軽減税率制度という新たな制度というものを入れてみましたり、また国際でいきますと、例のBEPSというもののいわゆる国際課題というものに対しても的確に対応することが我々にとりましては大きな課題であります。
 こうした状況の下で、今後とも適正、公平な課税というものをきちんと徴収を実現していくためには、効率化を図りつつも、これは、必要な定員、機構というものを確保して税執行体制の整備を図ることは極めて重要と考えております。また、税務の困難性、特殊性というものを踏まえました場合は、適正な処遇の確保とか、また活力を持って働ける風通しのいい職場環境の整備も重要であろうと考えております。
 なお、この消費税率導入に関するお問い合わせ等々も新たな事業として、仕事として増えてまいろうと思いますので、国税庁におきましては、御質問があったような文書回答を求められた場合に適切に対応するほか、関係省庁とも連絡をさせていただいて、税務署におけます消費税専用窓口の相談体制の拡充とか、また電話相談を集中的に処理をするコールセンターを設置するなどなど、いろんな取組を通じた対応をしっかり対応してまいりたいと考えております。
○西田実仁君 消費税の価格表示についてお聞きしたいと思います。
 食品スーパーなどから総額表示の義務化をやめるべきとの声は多数上がっていることは、私も現場を回っていてよくお聞きします。現在、平成三十年九月三十日まで消費税の本体価格表示が認められ、本体価格表示又は本体価格と税込み価格の併記となっておりまして、特段今お客様との間でトラブルが生じるとは聞いておりません。しかし、この消費税転嫁対策特別措置法の期限が切れますと、自動的に総額表示が再び義務付けられることになります。
 既に衆議院等でもこうした議論はなされておりますが、この総額表示に関する特例ですね、税抜き表示も認められるこの特例あるいは端数計算に関する特例、これは積み上げ計算特例を採用している企業も多いわけでありますけれども、いずれもこの二つ、両者は時限ないしは当面の間というふうに経過措置になっております。この経過措置が終わりますと、その時点でまたシステム改修とかあるいは事務変更が必要になってくると。
 こういうことから、消費税関連の各種経過措置につきましては、軽減税率導入のスケジュールと少なくとも平仄を合わせていただけないかという御要望も来ております。具体的には、インボイスが導入されます平成三十三年の四月からというふうになって現在はおりますけれども、その前までこれを、経過措置を延長して同時にという形にしてもらえないかという要望もありますけれども、この点どうお考えか、副大臣にお聞きしたいと思います。
○副大臣(岡田直樹君) 西田先生御指摘の総額表示義務の特例から申し上げますと、事業者と消費者の間の取引において、消費税法においては、消費者が支払うべき金額、総額が分かりますように、棚札などに商品の価格を表示する場合には税込み価格で表示しなければならないということになっているわけでありますが、一方では、消費税率が引き上げられる中で、値札の貼り替え等によって事業者の負担が過大なものとならないように、御指摘の消費税転嫁対策特別措置法において、特例として、平成三十年九月までの間、税込み価格であると誤認されないための措置、つまり、税抜き価格である、あるいは税別と書いてみたり、あるいは本体価格と書くような措置をしている場合に限っては、税込み価格を表示しなくてもよいということを特例としております。
 消費税の総額表示義務というものは、消費者の利便性にも配慮をして、また消費税額を含めた支払総額が一目で分かるようにするための制度でございまして、こうした総額表示義務の趣旨を踏まえれば、時限立法であります転嫁対策特別措置法の期限到来後は、基本的には事業者に総額の表示を求めることが適当であると考えてございますが、転嫁対策特別措置法の趣旨にも鑑み、また、ただいまの西田先生の御指摘も踏まえて、事業者の価格転嫁の状況等も踏まえて検討を行っていく必要があると、このように考えております。
 それから、端数とか積み上げ計算の御質問でございますけれども、課税標準額に対する消費税額の計算に関する経過措置ということでございまして、原則、売上税額の計算は一年間の税込みの売上総額を税率で割り戻して計算することとなっておりますけれども、この経過措置によりまして、小売事業者等の実務を勘案し、レシート等に記載をされた消費税額を積み上げて計算することも例外的に認められておるということでございます。
 省令で当分の間というふうに書かれてございますけれども、今後の取扱いについては、インボイス制度が導入されましたら、これは売上総額からの割戻し計算と、ただいまの税額の積み上げ計算のいずれかの方式で税額計算を行うこととなりますので、言わば先生が御指摘になっている経過措置が原則的な取扱いということになるわけでございまして、そして、その間、インボイス導入までの間はこの経過措置を存置、存続させていく方針でございます。
○西田実仁君 時間の都合でちょっと飛ばしますけれども、税務行政につきまして、特にICT化への対応ということでお聞きしたいと思います。
 法人が行う電子申告については、国税、地方税、同時に行っております。ところが、地方税は電子申告を受付しているのに、国税の電子申告の受付がなされないという場合があります。これは、やはり財務省と総務省が調整をして、国税のe―Taxと地方税のeLTAXの受付時間、この共通化を図ってほしいという実務家からの声もございます。
 この点についてどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 e―TaxとeLTAXの受付時間に関してでございますが、e―Taxの受付時間、これは、所得税の確定申告書の提出時期につきましては、土日も含めて二十四時間受け付けるということで大変手厚い措置をとっているわけでございますけれども、他方、先生御指摘のとおり、eLTAXに比べまして、例えば五月、八月、十一月の最後の土日、これはeLTAXは受け付けておりますけれどもe―Taxは受け付けていないといったような違いがございます。
 こういった違いにつきまして、納税者利便を図るためになるべく統一的な取扱いをしていく必要があるのではないかという御趣旨の御質問かと思いますけれども、こういった納税者の利便性向上策につきましては、御指摘のe―Taxの受付時間も含めまして、今後の予算措置等々も含めて、引き続き検討を続けていきたいと考えております。
○西田実仁君 地方税の納付書におきましては、PCを使ってプリンターで印刷した納付書が使えます。また、ネットにアップしてある納付書を利用して自分で作成することも可能です。しかし、一方、国税の方は複写の納付書しか利用できない、各税務署で配付をしている納付書しか利用できないという違いがございます。国税でも地方税と同様に納付書をPCで印刷できるようにしていくべきではないかと思いますけれども、いかがでありましょうか。
○政府参考人(星野次彦君) お答えいたします。
 国税の納付書につきましては、金融機関の窓口納付で使用された場合に、国税当局と日本銀行の双方における収納事務を効率的に行うために、日本銀行において納付書の内容を読み取り、データ化をしております。このため、国税の納付書につきましては、機械による読み取り処理が正確に行われるよう、日本銀行の規格に合った色、用紙の厚さ、紙質のものを使用することとしておりまして、パソコンで作成した納付書を使用することは困難であるということを御理解いただきたいと思います。
 他方で、国税庁としましては、納税者の利便性向上を図る観点から、紙の納付書を必要としない納付手続であります電子納税を導入しておりまして、その普及拡大に努めているところでございます。
○西田実仁君 現在、法人税の電子申告時には決算書などの財務諸表をPDF方式で電子送信することはできませんが、この四月一日以降は、電子申告時にPDF形式で送信することのできる添付書面が拡充をされるというふうに聞いております。しかし、この電子データによる提出が可能な添付書類には、財務諸表というか決算書は含まれていないということでございます。
 この四月一日以降、いわゆるCSV形式であれば電子添付することは可能ですけれども、財務諸表をPDF添付することができないのは大変不便であるという声もございます。納税者の利便性の向上という点でも、法人税の電子申告の際、決算書をPDF形式で電子送信できるようにした方がよろしいのではないかと思いますけれども、この点、どうでしょうか。
○政府参考人(星野次彦君) 税務行政のICT化の推進につきましては、納税者利便の向上、また行政事務の効率化の観点から、国税庁としても積極的に取り組むべき事項と考えております。
 こうした観点から、今般、平成二十八年四月一日以降、財務諸表データにつきまして、CSV形式のものにつきまして、e―Taxで送信可能なデータ形式に変換するプログラムを提供することによりまして電子送信を可能とするということにいたしております。あわせて、申告書等の一定の添付書類につきまして、PDF形式による電子送信を可能とする予定でございます。
 財務諸表もPDF形式で電子送信できるようにすべきという御指摘でございますけれども、納税者におきましては、財務諸表データを電子データで作成をしておりまして、電子送信する方が納税者にとっても便利であるということ、それから、財務諸表をPDF形式に直して送るということになりますと、PDFデータの容量が非常に大きくなりまして、国税庁での保管コストも含めまして、それに伴う予算措置が必要となることなどの点も勘案する必要があると考えております。
 いずれにいたしましても、御指摘の点につきましては、納税者のニーズや予算措置の問題、さらには情報技術の進展など、様々な観点から検討してまいりたいと考えております。
○西田実仁君 御検討をよろしくお願いしたいと思います。
 最後にもう一度、時間が二、三分ありますので、軽減税率の問題ですが、レシートや領収書等が適格請求書として認められるためには、取引内容や年月日、税率区分等、九項目の記載事項を全て満たす必要があると。しかし、実務の観点からして、一般の商取引で発行されるレシート等全てにこの要件を課すことは厳し過ぎるのではないかという声があります。
 本来のインボイス、適格請求書に代わって、取引年月日や金額、内容等を記した簡易インボイスのような書類でも仕入れ税額控除を受けることができるよう規定を設けてはどうかという御提案ございますが、この点、いかがでございましょうか。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 原則といたしまして、インボイスを適格請求書ということでそれが発行され、それを保存することが仕入れ税額控除の控除要件ということでございますけれども、業態によりまして、例えば小売業などについて、不特定かつ多数の者に商品の販売を行うというような事業者の場合には、取引の都度相手方の氏名を書くとかというのはなかなか容易ではないという実態もございますので、今先生のお話にありましたような簡易インボイスということで、適格簡易請求書というものを認めまして、その保存によりまして仕入れ税額控除ができるというふうにする制度と考えてございます。
 内容といたしまして、適格請求書の記載事項は幾つかございますけれども、その中で特に相手の、交付を受ける事業者の氏名、名称、それを省略することができる。それから、消費税額を書くことになってございますけれども、それに関連しまして、適用税率又は消費税額のいずれかの記載で足りるというふうな形で簡易なインボイスというものを念頭に置いているところでございます。
○西田実仁君 終わります。
○大久保勉君 民主党の大久保勉です。
 今回の税法に関しては、やはり消費税引上げ並びに軽減税率が最大の議論を呼ぶテーマだと思います。
 そこで、まず消費税に関して質問したいんですが、今日の新聞等を読みますと、昨日、国際金融経済分析会議があったということです。ここは質問通告しておりませんから、ただ、麻生大臣は分かると思いますので質問したいと思います。
 麻生大臣はこの会議には出席されたのでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 昨日、予算委員会がございましたので、出席しておりません。
○大久保勉君 そうですよね。財務大臣が出席しない会議ということも重要かなと思っていますが、その場において、今日の報道でしたら、ノーベル経済学受賞者のジョセフ・スティグリッツ教授、コロンビア大教授ですが、が増税延期を総理大臣に進言し、また、安倍総理も良い示唆であったということなんです。
 麻生大臣、消費税延期の示唆があったということなんですが、いい示唆だと思いますか。消費税を引き延ばすということはいいアドバイスだと思いますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 私どもとは見解が違うと存じます。
○大久保勉君 いや、安心しました。さすが財務大臣として、しっかりと財務省の立場として論陣を張ってもらうことも重要だと思います。私自身は、消費税引上げ、賛成、反対というのは、大臣の言葉を聞きながら、本当に賛成していいかどうか、若しくは反対した方がいいのか、軽減税率との関係でもしっかりと今後議論したいと思います。
 どうも今回の国際金融経済分析会議、財務省に対する、若しくはさきの麻生大臣に対する包囲網がしかれているような気がするんですが、そういった感じはございませんか。どうして麻生財務大臣がいないところで、消費税を延期しようと、こういった議論がなされているのか。このことに対して不快感はありませんか。
○国務大臣(麻生太郎君) 自由民主党並びに御党の国会対策委員会との関係があろうかと存じますので、外すためにわざわざこの時期を選んだというように考えたことはありません。
○大久保勉君 よく分からないんですが、じゃ、今日、具体的な質疑を通じまして、消費税を引上げ延期すべきかどうかに関して質問したいと思います。
 一月十九日に補正予算の総括質疑がありました。私も安倍総理に対して質問したんですが、そのときに安倍総理は、リーマン・ショックや東日本大震災のような場合には新しく税制改正法を出すと、その結果、来年四月に予定されております一〇%消費税の引上げを延期すると、こういったことをおっしゃいました。
 そこで、これまでの議論を整理したいと思います。そもそも、三党合意の中で消費税抜本改革法というのが成立しました。その附則十八条、景気弾力条項というのがありました。リーマン・ショックや東日本大震災のような場合には消費税引上げを延期するというのが景気弾力条項の解釈であったということと私は理解しておりました。
 そこで、質問したいのは、安倍総理とかほかの大臣がこういったことを委員会の場でおっしゃったことはありますか。さきの消費税法の改正の前です。つまり、附則十八条があった段階で、十八条の解釈としてこういったことを言及されたことがあるかに関して質問したいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、遡りますけれども、平成二十五年の十月に安倍総理が消費税八%に引上げを判断された後、同月の十七日でしたけれども、衆議院の本会議において、いわゆる経済の非常事態が発生しても増税は予定どおり行うのかという御質問に対して総理が、例えばリーマン・ショックのような予見しがたい事態が発生し、著しく経済状況が悪化するようなことがあれば、その時点で、税制抜本改革法附則第十八条に基づき、改めて必要な対応を検討することとなる旨を答弁されたことがあるものと承知をいたしております。
 それで、これは、景気判断条項、いわゆる附則の第十八条ですけれども、これに基づいて一度消費税引上げに関する判断をした場合におきましても、その後新たな重大な事態が発生したと、例えばリーマン・ショックみたいな話ですけれども、そういった場合には、その事態の重大性を踏まえた上で引上げについて改めて判断をすることがあり得る旨を述べたんだというように承知をいたしております。
○大久保勉君 附則十八条に関して、景気弾力条項なんですが、これがあったら、自動的にリーマン・ショック若しくは東日本大震災のようなことがあったら消費税引上げを延期できたわけなんです。
 ところが、さきの税法改正でこの景気弾力条項がなくなりました。どうしてなくしたんでしょうか。財務大臣、答弁をお願いします。
○国務大臣(麻生太郎君) これは一昨年の十一月頃の話だったと思いますが、リーマン・ショックのような重大な事態が発生した場合に限定をしますと、そのときの政治判断において消費税率の引上げを延期することがあり得るという政府の考え方というのは、いわゆる景気判断条項の削除の前後で別に変わっているわけではないと思っております。
 一方で、削除前の税制抜本改革法の第十八条においては、これは名目及び実質の経済成長率とか物価動向など様々な指標を確認し、経済状況等を踏まえて総合的に勘案して消費税率引上げを判断するということにされておりますので、その対象がリーマン・ショックのような重大な事態が発生した場合に限られているわけではないということであろうと思っております。実際、一昨年の十一月は、この景気判断条項に基づいて種々の経済指標を確認して引上げ時期を延長するという判断を行っておられます。
 一方で、このときに、平成二十九年四月には、消費税率一〇%への引上げに耐え得る経済状況をしっかりつくっておくということが大事なんだという考えで、景気判断条項を付すことなく確実に実施するという決意のほども併せて決定をされたんだと記憶をいたします。
 したがって、来年四月の消費税率一〇%への引上げにつきましては、景気判断条項というものを削除をいたしております以上、いわゆるリーマン・ショックとか大震災のような重大な事態が発生しない限りは確実に実施するということといたしておりますので、その点で政府の考え方は景気判断条項を削除する前とは異なるということなんだと存じます。
○大久保勉君 よく分からないんですが、景気判断条項がない状況において、今の法律ではありませんが、リーマン・ショック若しくは東日本大震災等の厳しい経済後退があった場合は、この法律において消費税引上げを延期はできますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、削除いたしておりますので、今のような状況というのは、そのときの政治判断で延期をされるということを仮に決定をいたしました場合は新たに法案が必要になるということだと存じます。
○大久保勉君 新しく法律を作らない限りは延期はできないということですね。
 景気判断条項を二年前の十一月に落としたというのは、景気を良くする、アベノミクスをしっかりと実施して景気を良くするということで落として、で、消費税を引き上げようとしたわけなんですね。ところが、もし新たな法律を出してまで消費税を延期しようということでしたら、アベノミクスは失敗だったということですか。
○国務大臣(麻生太郎君) そのときに、いわゆる国際状況としてリーマン・ショックというような、私ども日本がどうのこうのとかいうのではなくて、世界的に何か大きな重大なことが起きたということをもってアベノミクスは失敗だったと直接に関係付けるというのはいかがなものかと存じます。
○大久保勉君 日本の方がしっかりと、日本の経済がしっかりしていたら、たとえ国際的にかなり厳しい状況であっても、自国経済がプラス成長、二%のインフレ達成でしたら全く延期する必要ないと思いますが、どうなんでしょう。
○国務大臣(麻生太郎君) 度々申し上げますけれども、そのときの政治状況で判断させていただくということになろうかと存じますが、日本の経済が世界経済の影響を、これだけ大きくグローバル化された世界経済の中に大きく組み込まれている現状の中において、そういうような影響が、直ちに日本に影響が与えられないとか、全くそういったものに巻き込まれないというのはなかなか難しい状況なのであって、私どもとして、今そういったような大きな経済の中におります日本の立場からして、その影響を全く受けないというようなことはなかなか考えにくいと思っております。
○大久保勉君 日本経済が世界経済の中にあるということでしたら、二年前も三年前も十年前も一緒ですから、最初から景気条項を外す必要なかったと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(麻生太郎君) 景気条項を外す必要はなかったということかと思うんでありますが、決意としては、景気条項をきちんとなくして、我々は確実に二十九年四月に消費税率というものを上げさせていただくという決意をきちんと示されたんだと思っております。
○大久保勉君 決意を示されたというよりも、あなたでしょう。つまり、法案を出す人は財務大臣ですから、麻生大臣がしっかりと決意を表明し、ただし法律は、世界経済の動向もありますから、景気判断条項をしっかりと残した方がよかったんじゃないですか。単なる選挙目当ての言葉、それを法律まで作ってしまったから、もしかしたら新たに法律を出すという大混乱が生じる可能性がありますが、いかがでしょう。
○国務大臣(麻生太郎君) その時々のそれまた政治判断だろうと存じますけれども、少なくともこの種の税金を上げる上げないという話は、いつも私どもとして、与野党に限らず大問題起きることはもう間違いないとは存じますけれども、これを残しておいた方がいいか、我々としては、そのときにおいて私どもとしてはきちっと決意を示しておくというのは大事なことだったと今でも思っております。
○大久保勉君 そのロジックでしたら、恐らく法律を出す、そのために国民に信を問うと。つまり、景気判断条項があったら選挙もしなくてよかったのに、要らない選挙費用も掛かるし国政を一旦停滞させると、こういった問題が起こり得たんじゃないですか。
 私は、景気判断条項をしっかりと残した方がよかったと思いますが、やはり財務大臣として、是非そのことに関して決意をいただきたいと思います。つまり、残すべきであったと。景気判断条項が外れているから、もしかしたら新たな法律を出すと。場合によっては衆議院解散になる可能性がありますから、政治的な混乱をつくり出しますよね。こういったことに関して御認識はありますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 新たに政治判断に基づいてそういうような法律を出すというような事態というものは、これはよほどの大きな事態であろうと存じますので、与野党の方々にも十分に御理解をいただけるような事態が起きているんだと理解しますが。
○大久保勉君 私はまだ分かりませんが、少なくとも景気判断条項を外しているから新たに法律を出して消費税の引上げを延期しないといけないと、こういう状況に来ているとは私は思っていませんが、大臣はそういった状況にあるという理解ですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今現在に関して申し上げれば、従来からお答えいたしておりますとおり、予定どおり二十九年四月に消費税一〇%というものを引き上げさせていただきたいと考えております。
○大久保勉君 分かりました。じゃ、是非そのことを総理大臣の方にも進言してください。
 どうもスティグリッツ教授の意見を聞いて、消費税再延期の方がいいと、いい示唆であったということをおっしゃっていますから、財務大臣としては延期する必要がない、今の経済状況では来年の四月に法律どおりに一〇%へ引き上げるべきであると、このことをおっしゃることはできますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 従来からも申し上げておりますように、私どもも、安倍総理自体もスティグリッツの話を聞いて変わったと新聞には書いてありますけれども、御本人がそう言われたという話を聞いたことがありませんので、まあ昨日から今日までですから、時間は、ただまだ半日もたっていない状況ですからどういうような影響を受けられたかどうかは存じませんけれども、少なくともその種の話を総理から直接伺ったことがありませんし、総理のお気持ちは今までどおり二十九年四月ということを度々国会でも証言をしておられるとおりだと思いますので、私どもとしては、今の私どもの考え、財務省の考え方なり私の考え方と総理との間に大きな乖離があると考えたことはありません。
○大久保勉君 是非、総理を説得してもらえましたら、さすが麻生副総理、総理大臣経験のある大物政治家ということで私は尊敬したいと思います。財務大臣として財務大臣の立場を閣内でしっかりと浸透させてほしいなと思います。
 何かありますか、御意見。
○国務大臣(麻生太郎君) 今まで尊敬されていなかったことが分かったというだけの話です。
○大久保勉君 はい、分かりました。じゃ、しっかりと尊敬されるように是非頑張っていただけたら有り難いと思います。非常に、実は同郷ということで尊敬はしておりますが、もっと尊敬できるように頑張ってもらいたいと思います。
 では、次に、軽減税率に関して質問したいと思います。
 資料がございますが、どうも軽減税率といいますのは、増税しやすいのかなといった新聞記事があります。これは資料の一です。こちらは福井新聞の記事なんですが、読み上げますと、消費税一二%が議論になっても軽減税率で国民理解ということで、趣旨としましては、軽減税率が入ったら一〇%だけではなくて一二%と消費税を引き上げやすくなると、こういったことを財務省大臣官房審議官主税局担当者がインタビューで答えられています。
 役所として、財務省としてこのことには間違いないということでよろしいでしょうか。財務大臣、お願いします。
○国務大臣(麻生太郎君) 軽減税率制度の導入によるということに関して、いわゆる財務省幹部の発言は不適切だったのではないかという御趣旨の御質問なんですね、今の話は。(発言する者あり)ちょっと済みません。
○大久保勉君 私としては、財務官僚らしい骨のある発言だと思いますから、大臣としては、よく言ってくれたと励ましの言葉をいただきたいと思っています。
○国務大臣(麻生太郎君) 消費税率がまだ一〇%に上がるということが確実になっていない段階でその先の話を考えているわけではございませんので、その種の話がどのような経緯で出たか、直接その場の状況とか、新聞で出た言葉というのは大体切取りが多いというのは自分の経験としてよく分かっておりますので、その前後の話から何からよく聞いた上でないとなかなか判断できぬと思いますが、考えておりますことは、将来の考えとしていろんなことを思っての発言がどういう発言で、どこの部分がどう切り取られたかというのはよく分かりませんけれども、私どもとしては、今の段階で一〇%の先のことを私どもとして検討しているわけではございません。
○大久保勉君 新聞記事で、本人の発言によりますと、日本は増税一〇%で終わるはずがない国だということで、その先を考えて、軽減税率が入ったら増税しやすいと。私は本当に骨がある発言であると思います。
 といいますのは、資料は準備しておりませんが、財政健全化に向けた基本的な考え方ということで、平成二十六年五月三十日、財政制度審議会の報告書があります。これを見ましても、この発言と一貫性がありまして、今から十年後、二〇二六年度でGDP比一一・九四%の恒久的な収支改善が必要である、そのためには増税をしないといけないと。
 例えば、この注記で、この水準は機械的な消費税換算で二四%程度の収支改善相当に値すると、つまり、十年後に税収が黒字化するためには、収支改善するためには消費税を二四%にする必要があるということを財政審は言っています。ということですから、財務省としてこの考えは参考になるということで、この審議官が、一〇%では足りなくて将来増税する場合に軽減税率が入ったら増税しやすくなるんじゃないかと、こういった趣旨に私は聞こえます。
 そこで、質問なんですが、これは技術的な話ですから財務省の参考人に質問しますが、この試算で消費税二四%に上げる必要がある、ではもし軽減税率八%を導入していたら二四%ではなくて何%まで消費税を引き上げる必要がありますか。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 軽減税率制度につきまして現在提案申し上げている内容、対象品目、税率水準ということを前提にいたしまして計算を機械的に申し上げますと、消費税率の軽減幅一%当たりの減収額がGDP比で三角の〇・一%程度ですので、その軽減税率制度導入後の消費税率一%当たりの収支改善幅は対GDP比で〇・四%程度というふうになりますので、先ほど先生からお話ございました一一・九四%の恒久的な収支改善ということとの関連で申し上げれば、消費税率で三〇%程度の引上げというふうな計算になるところでございます。
○大久保勉君 確認のためにもう一度質問しますが、十年後、日本の税収が均衡するためには消費税換算で二四%にしないといけないと。ところが、軽減税率制度を導入していたらそれが三〇%になると。つまり、六%も消費税を上げないといけないと。こういう理解でよろしいですか。
○政府参考人(佐藤慎一君) そのとおりでございます。
○大久保勉君 ということは、これは軽減税率じゃなくて、税の収入が一定でしたら決して軽減税率じゃないと。つまり、食品にとっては軽減かもしれませんが、それ以外にとっては増税税率ということですね。このことは軽減税率の本質的な問題です。
 私ども、軽減税率が入るからいわゆる痛税感がないといいますが、ほかのものを買った場合にはもっとひどい痛税感になる、三〇%も税金を払わないといけないと、こういうことが十年後に発生するんだったらそれは慎重にやるべきじゃないかと。軽減税率の本質的、最も重大な問題です。
 この辺り、是非財務省はしっかりと主張してほしいと思います。特に、自民党の議員であります麻生大臣、軽減税率を導入したら、二四%で済むものが三〇%まで引き上げないといけないと、この点に関してどう思われますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 政府の審議会が一定の仮定というか仮説というか、一定の仮定を置いた上での計算というのを機械的に出しただけの話で、私どもとしてはそういった中からいろいろなものを分析することになっていくんだと思いますので、直間比率の見直しとか我々全体的に考えねばならぬことがいっぱいありますし、少子高齢化の中にあって生産人口が減っていくという今の日本の人口構造の中にあって今後の税制全体の在り方をどう考えていくかというような問題等々、大きな点から考えぬといかぬところだと思っております。
○大久保勉君 繰り返しますが、財政審議会といいますのは所管の大臣はどなたですか。また、佐藤局長の上司の大臣は誰ですか。
○国務大臣(麻生太郎君) たしか麻生太郎という人だと思います。
○大久保勉君 ですから、麻生さん自らが自分の部下若しくは自分が動かしている審議会の正当な意見として、十年後、二四%消費税を引き上げる必要があると、それを、軽減税率を導入したら三〇%になってしまうと。この事実に関して、是非自分の問題としてあなたの意見を聞きたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 繰り返しになりますけれども、財政制度審議会というのは数ある審議会の一審議会の一つの中の意見として、一定の仮説の上に基づいて述べられた機械的な計算というものをもって、これが全ての意見というわけには考えません。一つの意見なんだとは思いますけれども、それは単なる参考意見にしかすぎないものだと思って検討するということだと存じます。
○大久保勉君 もう少し細かい議論ですが、十年後に二四%必要だと、こういったことも分かりました。軽減税率を導入したら、二四%から三〇%まで引き上がると。つまり、その仮説によると六%も軽減税率の導入効果があると。この点、つまり、軽減税率を導入した場合に、ほかの税金が、軽減対象外の消費税が、上げないと税収的には影響すると。ここに関してはどう思われますか。
○国務大臣(麻生太郎君) そのときの経済状況、そのときの人口構成等々いろんなことを考えて、私どもとして、今の段階で、いわゆる仮定というか、そういった説に基づいてそういった計算というものも一つの意見としてあるという程度の話なんであって、私どもとして、世界中で今、私どもの知っている範囲で二二%が、ヨーロッパでも一番高いのは二二ぐらいだと思いますので、それを上回って、今でいきますと八%の三倍、三、八、二四%になるということはなかなか想像できないなと思って伺っておりました。
○大久保勉君 いや、議論がかみ合っていないと思うんです。絶対水準として二四とか三〇%という話をしていなくて、軽減税率を導入しない場合と導入した場合において六%の違いがこの場合出たと。それだけ軽減税率というのはほかの税率を引き上げる効果があるということに関しては認めてもらえますね。
○国務大臣(麻生太郎君) 間違いなく、片っ方を下げればその税収に必要な分だけ片っ方を上げざるを得ぬ。それを消費税でやるのかその他の税でやるのかは別の話です。
○大久保勉君 分かりました。
 続きまして、インボイス制度に関して質問したいと思います。
 消費税引上げがもし延期された場合に、今この法案で議論されておりますインボイス制度、適格請求書等保存方式を適用するということでありますが、たしか平成二十九年、で、三十三年に完成すると。この制度自身はそのまま動かさないということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、御存じのように、二十九年の四月の消費税率の引上げというものは、これはもう御存じのように、何のために我々はこれをやるのかといえば、少なくとも日本という国のことを考えて、少なくとも社会保障と税の一体改革というものはこの国の将来にとって必ず必要という大前提がありますので、その下にここまでいろいろやらせていただきましたので、私どもとしては、今後とも社会保障方式とかいうものにおいてきちんとした、次の世代に引き渡していくこの社会保障制度を確実なものにするとか、また国際的な責任においてやるとかいうものを考えた場合においては、私どもは確実にこれを実施していかねばならぬものだと、そのように考えている、これまず大前提です。
 したがいまして、一〇%の引上げを延期することを前提として、今のお話ですと、前提としてインボイス制度を延期するのかとかいったような御質問については、現時点で検討しているわけではございません。
○大久保勉君 別の観点で質問しますが、どういう状況があっても適格請求書等保存方式は平成二十九年の四月から実施するという理解でよろしいですか。いかなる状況があったとしても、たとえリーマン・ショック若しくは東日本大震災等の未曽有の経済状況があったとしてもしっかりと実施するということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、複数税率に対応するために考えられた必要なものだというのが、もう御存じのとおりだと思って聞いておられるのかと思いますけれども。
 じゃ、重ねて申し上げますけれども、一〇%への引上げをいたします場合に、これは複数税率というような下においては、適正な課税を確保するためにはこの制度が必要だということでいわゆるインボイス制度というのは導入することにいたしております。
 したがいまして、これを切り離してインボイス制度の導入を決定するべきとの御趣旨のお尋ねであるならば、それは適用税率と税額を明記したインボイスは適正課税のためにはこれは必要ないということになろうかと思いますので、このインボイス制度の導入に当たっては、事業者の方々に様々な準備を行っていただく必要もあろうかと思いますので、そういうことを考えますと、これは慎重に考えるべきものなんだと思いますが。
○大久保勉君 二つのことを整理したいと思いますが、インボイス制度自身は、場合によっては消費税に係る益税というのがありますが、そこをしっかりとなくしていくといった制度としても使えます。
 そのことを整理するために参考人の方に質問しますが、適格請求書等保存方式導入は消費税の税収にどの程度増収要因になりますかと。例えば、全く軽減税率導入しません、ただしインボイスを導入した場合に増収効果になると思いますが、幾ら程度ありますか。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 お答えする前に、全体の概念の整理だけさせていただきますと、まずインボイス制度を導入いたしますと、免税事業者がインボイスを発行できないという仕組みでございます。したがいまして、納入先の事業者が、免税事業者からの仕入れについては納入先事業者は仕入れ税額控除ができないという、そういうのが制度の基本でございます。
 そこで、インボイス制度を導入いたした場合に事業者が課税転換をするという場合には、恐らくそこに増収というものが生じてくるであろうというふうに概念的には考えられます。ただし、免税事業者が課税転換するかどうかというのは、その事業者の置かれている取引状況、あるいはその方自身がBツーC取引なのかBツーB取引なのかによって相当変わってくるんだろうというふうに思います。
 例えば、BツーC取引では、恐らく課税転換を迫られるという可能性は非常に低いというふうになりますので、いずれにしましても増収になる可能性は十分あると思いますけれども、どれぐらいかということについては、そうした課税転換などが将来的にどう生じてくるか、それから、法案にも提案申し上げておりますけれども、インボイス制度そのものは、制度発足、二十九年四月に導入されてから、三十三年四月以降、四年後にインボイス導入というようなこと等、若干時間が先だという面もございますので、そうした辺りでどのような形で免税事業者が自分の課税転換を考えるかという辺り、見極める必要があるんだろうというふうに思っております。
○大久保勉君 実は、ここは事務方と相当議論した部分です。
 ここで、皆さん、是非提案したいんですけど、つまり、インボイス制度を導入すると言っているのに、どの程度の効果があるのか。税収にとってプラスかマイナスなのか。税収にとってプラスということは、逆に事業者にとってはマイナスもありますから、国民の生活にも極めて大きいものです。そういった分析をせずにこの法律を出すというのは、私はけしからぬと思います。
 ですから、財務省の方に対して資料請求をしたいと思いますが、早急に、このインボイス制度を導入した場合と導入しない場合の税収の差というのを分析してほしいと思います。やってくれますか。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 起こり得る状況は先ほど御説明した状況でございますので、実態的に免税事業者が課税転換どうするかということについては、恐らくほとんど将来の話で、今、推計のしようがないという状態でございますので、その点については明確な答えを出すことは困難だと思います。
 ただ、参考に近い数字で申し上げると、観点は違いますけれども、例えば事業者免税点制度を仮に廃止をするという場合、これについては、一定の仮定を置いて計算をいたしますと国税ベースでは三千五百億円程度の増収になります。ただ、これは、免税点制度を廃止するということは、かみ砕いて申し上げますと、BツーC取引もBツーBの取引も、いずれにおいても免税事業者が全て課税転換をするということとほぼ同値でございまして、そうした極端なケースを考えると三千五百という数字も一つあり得るべき数字だと思いますが、現実に起こることは、課税転換というのは将来の各事業者がいろいろ判断されるということの非常に不確定なものが多うございますので、なかなか容易ではないということは御理解を賜りたいと思います。
○大久保勉君 三千五百億、恐らく最大なんでしょうね、増収するということは、いわゆる事業者の方が、免税事業者等を含めて三千五百増税するということですから、この三千五百というのは決して少ない数字じゃないと思います。ですから、こういったインボイス制度を導入するためには、是非こういったことは資料を出して、そして国民に説明すべきだと思います。
 ですから、こういったこともせずに、どこの党か知りませんが、軽減税率が是非必要だと、それも、先ほど言いましたように、軽減かどうか分かりませんよね、軽減されない部分に関してはいわゆる増額税率ですから。こういった問題も議論せずにこういった法案が来ることに関しては、私は極めてこれまでの財務省らしくない仕事だなと思います。これはもう指摘だけしたいと思います。
 委員長にお願いしたいのは、先ほど佐藤局長の方が説明したものを、もう少し精緻な分析を出すように委員長に御提案したいと思います。
○委員長(大家敏志君) 推計が難しいということでありましたが、後刻理事会において協議をいたします。
○大久保勉君 続きまして、軽減税率に関して質問したいと思います。
 現段階では一定の品目というのが決まっておりますが、今後、将来的なこととしまして、生活必需品、例えば衣料品等に軽減税率が拡充するという議論が起こり得ると思います。将来に関しては分からないかもしれませんが、海外においては食料品のみならず衣料品も対象となっております。こういったことに関して、現段階の財務省の意見に関して質問します。これは、大臣か若しくは参考人、誰でも構いません。
○国務大臣(麻生太郎君) 軽減税率八%の適用品目ということについてですけれども、一〇%の引上げに伴いますいわゆる低所得者への配慮というものを、この趣旨をよく踏まえて、よく私どもは、日々の生活の中での消費、利活用の状況とか、消費税の逆進性の緩和とか、また合理的かつ明確な線引きがあるとか、また社会保障の財源であります消費税収への影響ということなどのいろいろなもろもろの点を総合勘案させていただいて、この度、いわゆる酒類及び外食を除く飲食料品等々、一定の新聞の定期購読料などとさせていただきました。
 今御指摘のありました、例えば、そうですね、衣料品とか自動車とか不動産とかいろいろ、衣料とかいろいろあるんだと思いますけれども、軽減税率の適用範囲の拡大の可能性はあるのかという御質問だったと記憶をいたしますけれども、基本的に申し上げれば、特定の物品とかサービスのみを対象とするというのは、いわゆる代替品との間でゆがみが生じ得る可能性が出てきます。こうしたゆがみを解消しようとすれば、これは際限なく対象が広がり得るということなんだと思いますので、社会保障の財源となっております消費税収そのものを減少させるということになるおそれがあろうと思います。
 また、衣料品、自動車や不動産については、そもそも消費税率、税負担が逆進的であるかと言われれば、いろいろ問題があるんだと思っておりまして、例えば、いわゆるよく出てきます酒類等々、例に出ましたけれども、いわゆる第一分位から第五分位までの間のいわゆる税負担の支出額の割合というものでいった場合、新聞等は四%とか、また外食品等々は三%とか、失礼しました、三倍とか、率でいきますとそういうことになりますけど、他方、衣料の場合は一・三倍とか、自動車の場合はほとんど変わらないとか、そういったような形になってきておりますので、私どもといたしましては、今言われたような衣料品とか不動産とかそういったもの、不動産、失礼しました、衣料品とか自動車とかいうものについては、そもそも税負担が逆進的であるかと言われれば、いかがなものかと、この数字からいきますとそういうことになるのではないかと思っております。
 ただ、そもそも、不動産の話をよく聞かれることがありますけれども、不動産の所得につきましてはそもそも消費税は非課税となっておりますのは御存じのとおりであります。
○大久保勉君 次の質問まで答えてもらいましたが、一応、生活必需品に関して今後拡充されていく可能性があるかということを聞きました。
 その次の質問として、自動車、不動産の話があったんですが、いわゆる消費税で二重課税があるじゃないかと。つまり、自動車取得税、自動車を買って消費税を払って、更に取得税を払うと。ガソリンに関しても、揮発油税があって、それに消費税が掛かって、タックス・オン・タックスという問題があります。こういったものをどういう形で解決するか、これも大きな課題だと思います。
 ここに関する質問、細かいことでしたら参考人でも構いませんが、どういう方向に進むのかということです。二重課税、例えば自動車取得税も払いつつ消費税も払わないといけない、それも一〇%払わないといけないということだったら、二つの方向があると思います。消費税をその分は軽減する、つまり八%軽減税率の対象にするという方向か、それとも自動車取得税を廃止するかと。
 よく、シンプルなのは取得税を廃止すればいいんだけど、どうもここは国税じゃなくて地方税だということで、様々な反対もあります。この整理をどうしますか。ガソリン税も同じ問題があります。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 今先生、自動車取得税の例を出されましたけれども、そのような自動車に関係する税について見ますと、特定のものの取得の事実に担税力を認めて課される税という整理でございまして、広く消費一般に課される消費税とはそもそも課税根拠が違うという整理であろうかと思っております。
 欧州諸国におきましても、個別品目への課税というものと付加価値税というものを併課することは一般的に行われているということでございますので、御指摘のような二重課税論を根拠として軽減税率の適用対象とする云々という議論は適当ではないというふうに考えております。
○大久保勉君 課税根拠が違うということで軽減税率には適用しないということは分かりましたが、でも、同じものを買うのに、だったら、いろんな課税根拠を作って、消費税も必要だと、自動車みたいな高級品を買うんだったら取得税も課そうと。また、自動車というのは更に今後、公害を仮にまき散らすとしたら、それに対する税金を掛けようと。いろんな根拠を作って、事実上は自動車を取得した場合に一回に税金が二〇%、三〇%となる可能性もありますよね。だから、そこは整理してもらわないといけないと思います。
 そこに対しては言及がなかったので、もう一度言及してください。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 私の説明で極めてクリアに整理できていると思います。個別間接税的な世界において、そこに一定の担税力を認めてそれに対して課税をするという課税根拠があるという場合には税としては成り立つと思いますけれども、付加価値税のような形で広く消費に課税をするというものとは十分並び立つものだということで、それは一般的に、こういう欧州を含めまして一般的に考えられている概念整理だと思っております。
○大久保勉君 質問する相手が悪かったですね。つまり、理論的には整理されていますが、でも国民の立場を全く考えていないじゃないですか。
 つまり、同じものを買うのに、課税根拠があるといって消費税も取得税も、若しくは公害対策税とか、いろんな課税根拠でもって税金を払わないといけなかったら、国民の立場に全く立っていないんじゃないんですか。そういうことで、私はそこは傲慢だと思います。
 何かありますか。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 概念整理として申し上げました。
 それで、例えば消費税を一〇%へ引き上げるというときの例で申し上げますと、これ地方税の話でございますけれども、二十九年四月に自動車取得税を廃止するとともに、自動車税において新たな環境性能割を導入するということもございます。そのような面においても、その時々において見直すということも十分あるわけでございます。
 ただ、大事なことは、概念整理としてそもそも二重課税という議論ではないということははっきり申し上げておきたいと思います。
○大久保勉君 少しだけ明確になってきたんですが。
 概念整理をされました。しかし、概念以外にどのぐらいの重圧感、痛税感があるかということに関しても財務省は考えて、全体のその品目に対する様々な税の合算した負担に関しては考え得るということですか。
○政府参考人(佐藤慎一君) 概念としては十分並び立ち得るということでございます。
 あと、御指摘ありますように、今の例で申し上げましたが、消費税率一〇%引上げ時の対応というものも恐らく全体的な中での負担の状況も考えながらの一つの御判断だったんだろうと思います。その辺は、そのときそのときのそれぞれの置かれている状況、それから経済状況、財政状況、全体をよく俯瞰しながら考えていくべきことだというふうに思います。
○大久保勉君 いや、あえてこういった議論をしましたのは、恐らくは、揮発油税とか様々な税目がありまして、その税金に対して更に消費税が掛かっていると。二重課税、ここに対してどういうことを考えるかということで議論しました。少なくとも佐藤局長の意見としては二重課税の問題はないということですね。
 では、念のために言いますが、ガソリン税には二重課税は存在しないということですよね。
○政府参考人(佐藤慎一君) そのとおりでございます。
○大久保勉君 ここに関しては、政治的な、私の意見とは全く違いますから、そこは今後しっかりと議論していきたいと思います。こういった二重課税が増えましたら、痛税感がありますから、こっちの軽減税率というのは痛税感という言葉しか理由になっていませんが、二重課税の痛税感というのは相当大きいですから、そこもしっかりと考えてほしいということを申し述べて、次に行きたいと思います。
 次には、先ほど国際金融経済分析会議の話をしましたが、それに関連しまして、政府の方は二〇二〇年に基礎的財政収支を黒字化するという国際公約を掲げています。そこで、質問したいのは、この国際公約というのはどの程度堅持しないといけないかということです。一方で、先ほどスティグリッツ教授との議論の中で出てきましたが、やはりG7国として日本がやるべきことはあるじゃないかと。つまり、世界経済がかなり厳しい状況にある、日本が消費税を引き上げることによって更に日本の経済も悪くなって、世界的な場合によっては大恐慌までつながっていく、こういったことに関しては避けないといけないと。ですから、ただ、その結果、財政拡充をしまして財政収支は、基礎的財政収支黒字化は達成できなかったと。じゃ、どっちの方が重要なんだと、こういった観点から質問したいんです。
 そこで質問します。これは大臣に対して質問しますが、世界経済への日本の貢献のために消費税引上げを断念して、その結果、二〇二〇年度基礎的財政収支黒字化ができないことが確定した場合に、国際公約違反と言えますか。このことに対して質問します。
○国務大臣(麻生太郎君) この平成二十九年の消費税の一〇%への引上げというのは、もう度々申し上げますけれども、我々としては、次世代への責任、また、少なくとも我々としては二〇二〇年にはきちんとこういったものを対応していく、いわゆる財政収支というものに関しましてきちんと対応していくということで、国家の信頼とか国際社会からの信頼を確保するために必要なものだと、我々はきちっと、財政再建をきちんとおなかに収めて対応しているんだということをきちっと態度として示していく上にも必要なものだと思っておりますので、私どもとしては、リーマン・ショックとか大震災というような表現は使わせていただいておりますけれども、確実に実施するということを申し上げてきております。
 したがって、二〇二〇年度のプライマリーバランスの黒字化というのは、経済・財政再生計画に不退転の決意で取り組んでいくんだという、そういう決意でおりますけれども、私どもとしては国際公約として極めて重要なものなんだと思っておりますし、国際公約という国の信用として大きなものだと思っております。
○大久保勉君 すばらしい答弁だと思います。是非そこは筋を通してほしいなと思うんです。
 その中で更に質問したかったのがあのさっきの質問ですが、さはさりながら、G7国として、中国経済がかなり厳しくなっている、世界的に金融若しくは経済の混乱がある、そういう状況において、日本の貢献は何だと、もっと財政拡充をしろと、場合によっては消費税引上げを延期しろと。じゃ、消費税に関してはもう必ず上げるということですから、別の観点で、補正予算を組んでも景気を良くしろと、その結果、二〇二〇年の基礎的財政収支黒字化ができなかったと。こういった状況においてはどう判断されますか。どちらを選ばれますか。
 つまり、基礎的財政収支の黒字化を選ぶのか、それとも短期的な拡張的な財政を組んでいくと。補正予算であったり、来年度、再来年度もっと大型予算を組んで財政収支が黒字化できないと。どちらを選びますか、世界貢献なのか、財政収支の黒字化か。
○国務大臣(麻生太郎君) まだ予算が御存じのように参議院で通過をしていない今の段階で、補正予算の話をするなんという話は全くありません。それがまず第一に申し上げておかないかぬところだと思っております。
 その上で、私どもとしては、景気判断というものの話で、スティグリッツの話とかいろいろ、巷間、いわゆるかしましくいろいろ言われておりますけれども、私どもとして一番大事だと思っておりますのは、大きな流れとして、昔はよく、そうですね、二十一世紀に入ってすぐの頃は、マネタリストと称される銀行関係の人とか金融関係の人がマネーサプライが全てみたいな話をわんわんわんわん言う、まかり通っていた時代が、日本に限らず世界中そういう傾向があったんだと思いますが、最近、それだけでは駄目だと、やっと当たり前の話になってきて、金だけではない、需要が必要なんだと。金は余っておる、需要がないんだというやっと当たり前の話になってきて、私どもの言っております第二の矢とか第三の矢の話がいわゆる堂々と言われるようになったという傾向は、やっと世の中の経済に関する話が少しまともになってきたかなという感じが正直なところです。
 しかし、いずれにしても、日本として今の状況で直ちに補正予算をというようなことを今の段階で考えているわけではございません。
○大久保勉君 補正予算の件に関しては分かりましたが、これは将来の、景気が極めて悪くなった、世界的にも景気が後退しているから財政を拡大して景気を良くしないといけないと、これが日本国としての世界に対する貢献だと、こういう判断もあります。ただ、その結果、基礎的財政収支、プライマリーバランスが黒字化できないと、こういう事態になった場合に、国際貢献を取るのか、それともプライマリーバランス黒字化を取るのか、どちらですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 日本のプライマリーバランスを確実にしていくという方向をきちんと世界に示すという方向は、間違いなく国際貢献になると思っております。これがやる気がないということになった途端に、それは世界に与える影響は極めて大きなものだろうと思いますので、きちんとそこらのところは、まず私どもとしてはやるという姿勢はきちんと保った上での話だと存じます。
○大久保勉君 非常に力強いお言葉で、是非やってほしいと思います。
 先ほど、アベノミクスの一本目の矢だけでは不十分で、二本目、三本目の話がありましたが、だったら、二本目の矢といいますのはいわゆる機動的な財政出動だと思います。ですから、プライマリーバランスを黒字化するということは、二本目の矢というのは実はほとんど飛ばない矢、財政出動はしないという理解でよろしいですか。
○国務大臣(麻生太郎君) そこは機動的な財政出動と申し上げているところでありまして、財政出動した結果、税収が伸びる可能性は十分にあります。また、景気が良くなってくる可能性もあります。財政出動した結果、景気の気の部分に与える部分が多く出て消費というものが増える可能性もありますので、その他のところは極めて機動的に考えておかねばならぬところだと思っております。
○大久保勉君 ここは大賛成で、是非賢い予算を作ってほしいと思います。
 あと時間が四、五分ですから、ちょっと次のところに触りだけ行きたいと思います。
 次の大きい項目としましては、今回の税制で個別の税の課題に関して議論していきたいと思います。
 まずは、法人税、これは極めて注目度が高いと思いますので、そちらに関する質問をします。
 最初に、大臣に対する質問をしたいと思います。
 今回、法人税を、たしか税率、国と地方合わせて三二%から二九・何%、つまりもう四捨五入したら三〇%になるというような状況ですが、二九%台に下げました。これが一つ、恐らく税金を使って成長戦略に資すると、こういったことかなと理解しております。
 このことに関して、まず、法人税を下げたというのはどういう理由があって、またどういう効果がありますか。若しくは、法人税引下げの意義に関して質問したい。法人税引下げの意義。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、今回の法人税の改革というものは、これはもう前々から大久保先生の御指摘がありますように、日本の法人税の課税ベースが狭いというお話は前から伺っておりますので、我々はそれを頭にも入れまして、課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げるということにさせていただいておりまして、法人課税をより広く負担を分かち合う構造に変えていくための改革を行うものだと、まず一番の立ち位置はここであります。
 具体的には、平成二十七年、二十八年度の課税ベースの拡大といたしまして、大法人というものの繰越欠損金控除制度というものの見直し、それからいわゆる租特と言われる租税特別措置の見直しなどを行い、また地方税におきましても大法人のいわゆる法人事業税の外形標準課税の拡大等々を行うことなどによって、財源をしっかりと確保させていただきつつ全体の税率を引き下げるということにいたしております。
 この改革を通じまして、日本の中に企業というのは何百万社もありますけれども、こういった中にあって、我々から見まして稼ぐ力のある企業というものが、税負担を軽減させてやることによってより収益力が拡大する。よって、それによって前向きな国内投資をやれる、賃金を引き上げられる、設備投資ができる、そういったものに対する余力というものも生まれることになりますし、それを、かつ継続的、積極的にそういったものが出てくる体質へ転換をさせていくということを考えませんと、少なくとも今の場合、二〇〇八年のリーマン・ショックのときを一〇〇といたしまして、あの頃と比べていわゆる企業の中におきます従業員に対する賃金の額というのは、先進国の中でマイナスになっているのは日本ぐらいなものだと思います。ほかの国は大体伸びておりますし、それから労働分配率という特殊用語がありますけれども、企業用語ですけれども、労働分配率というものも昔に比べて、七八、九あったと思いますけれども、今は七〇切ったと思いますが、六十幾つになっているんじゃないでしょうか。
 そういった意味から考えますと、私どもとしては、いわゆる企業というものがその余力を持ってそういったところに、経済というものをそちらの方に、景気の意味からもそちらの方に目を向けさせていってもらうということをしていただかぬと、賃金が伸びない、いわゆる何もベースアップには限りませんけれども、そういったものが伸びない限りはなかなか消費というのにつながってこない、そういうふうに、いわゆる可処分所得が伸びない限りはという感じがいたしております。
○大久保勉君 今大臣の説明でよく分かりました。
 ここは参考人に質問したいんですが、先ほどの話で、税率は下がったと、ところが課税ベースは拡大したということなんですが、これは税収中立ということでいいんですか。つまり、国税ベースではもう法人税収入はほとんど同じになるという理解でいいのですか。もし分析があったら教えてください。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 国税、地方税を通じました法人税改革、今回提案させていただいておりますけれども、度々大臣から申し上げていますように、課税ベースを拡大することによりまして財源が出てまいります。その財源でもって税率を引き下げるということでございますから、マクロで見ますと全体としては税収中立という形になってございます。
○大久保勉君 そろそろ時間になりましたので、税収中立というのは非常にいいことで、あとは、地方税と国税の調整もしっかりとやっていると思いますが、今後に関しては次回の質問にしたいと思います。
 ありがとうございました。
○石田昌宏君 自由民主党の石田昌宏でございます。
 今回の所得税法等の改正では、やはり、再三出ていますけれども、消費税の引上げに当たって軽減税率を導入するというところが一番の課題になっています。私も全国いろいろと回っているんですけれども、いろんな話を聞いていると、一〇%に上がるんでしょう、そして食料品などは八%のままですぐらいの話までは普通にするんですけれども、そこで外食と内食は違うんだよとか、そういう話になってくると、もう既に、そうですかというような反応になったりですとか、新聞とかは何でというような反応になったりとか、まだまだ理解が進んでいない感じが随分します。
 今日も詳細な、また丁寧な議論がこの点について進んでいますし、衆議院の方でも、また予算委員会の方でもたくさんの議論がありましたけど、課題をちゃんと追求していくことも重要だと思うんですけれども、この議論を通じて分かりやすくちゃんと国民に伝えるということも大事だと思いますので、その点、基礎的な質問になりますけれども、できれば丁寧に分かりやすく幾つかについてお答えいただいたら有り難いというふうに思っています。
 まずは経緯なんですけれども、この導入を政府が決定する経緯につきましては、二〇一二年のいわゆる三党合意に基づく税制抜本改革法で、低所得者対策として三つ、総合合算制度と給付付き税額控除、そして複数税率の導入を総合的に検討するとあって、その検討のプロセスの結果、今回、複数税率の一部であると思うんですけれども軽減税率に絞られていったということになると思いますが、まずこの経緯について御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これ今、石田先生が御指摘になりましたとおり、軽減税率制度というのは、これはいわゆる三党合意に基づきまして税制抜本改革法において、消費税率の引上げに伴って低所得者層への配慮というものを考えて、消費税の逆進性の緩和の観点から検討すべき三つ出されました施策のうちの一つということに位置付けております。
 この低所得者対策につきましては、与党税制調査会、指摘しておられましたけど、そういう場において検討が進められてきたんですが、その結果、この軽減税率制度というのは、日々の生活の中において幅広い消費者がいわゆる消費、また利用しておられる商品の消費税負担を直接に軽減すること、まとめてとかいうんじゃなくて、たんびごとに直接軽減することによって消費税の逆進性の緩和を図ると同時に、日々の生活の中でいわゆる度々安いというので痛税感の緩和は実感できるという利点がありますので、この点が特に重要ではないかということを判断させて、この制度を選ばさせていただきました。
 昨年末の税制大綱においてこれを、二十九年四月に軽減税率を導入するということを決めておりますので今般の税制改正案を提出させていただいているところですが、同時に、その他にも給付付き税額控除と総合合算制度というのが二つ、その他出ておりましたが、この実際の買物、ふだんコンビニでもデパートでもどこでもされていくときのタイミングとか購入額というものとは全く関係なく、いわゆる所得水準に応じて決まった額を給付ということにされるものになりますと、これは給付付き税額控除とか、そういったものなんですが、そういうことになりますと消費税の負担というものが直接軽減されるわけではありませんので、したがって、消費者にとりまして痛税感の緩和の実感にはつながらないということになろうという点が問題だと思っております。
 また同時に、資産というものについての捕捉とか、所得の方はまた捕捉できても、持っておられる資産、既に引退しておられる方々が持っておられる資産というものはなかなか捕捉というのは難しいところがありますので、その点に対して所得とか資産の把握というのは極めて難しく、そういった意味では、幾らだから安くすると言われても、その資産、フローはなくてもストックはあるという方になりますと、なかなかそこのところが難しい。
 また、行政の執行可能性とかそのコストというものももちろんあるんですが、この制度を導入した国におきまして、いわゆる過払いとかまた不正受給といった点もいろいろ出てきておって、毎年、一割あるとか二割あるとか、まあいろいろ年によって違うんですが、そういった話も出てきておりますので、こういったものの確保というものも確実にしておかねばならぬということも考えて、結果として、いろいろこれは本当に御意見がありましたけれども、軽減税率という制度を採用させていただいたという経緯であります。
○石田昌宏君 分かりやすく、ありがとうございます。
 とすると、痛税感というのがベースにあって、それをできるだけ緩和するようにより幅広い日常的なものに対して直接軽減その場でするという、こういった手法になってくるんだと思うんですけれども、こうなってくると、その納税者一人一人が実際にレジで物を買うとか、そういった現場というか、まさしくそういった消費行動の場面で、その場ですぐ、これは八パーだな、これは一〇パーだなということが判断できなければなりませんし、それは消費者だけじゃなくて当然売る方も判断しなければならないわけなんですけれども、実際、食料品がある程度外食とそうじゃないとか分かれてきますのでなかなか難しいですし、これまでの議論の中でもイートインですとかテークアウトだとか非常に複雑な微妙な判断があって、この判断はなかなか難しいと思います。ここは実際にやってみなければ分からない部分もあるはあるんですけれども、それだとやっぱり制度としてはいかがなものかなと思います。
 是非、食料品に関して八パー、一〇パー、この辺の目安というか、仕分の目安、一言で、ああ、なるほど、こういう理屈か、これがもう分かりやすいといったような内容をやっぱり丁寧に、丁寧にというか分かりやすくお話ししてほしいんです。できればこれそのままブログに書いて、ああ、そうだなってみんなが分かるようになるぐらいなものにしたいと思うんですね。是非よろしくお願いします。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 まず、全体の頭の整理を申し上げたいと思います。
 まず、今回の軽減税率制度、基本的には飲食料品を幅広く取り扱うと、対象とするということで、八%の税率を適用するということでございます。ただし、その例外といたしまして、酒類と外食につきましてはその適用対象外ということで一〇%の税率を適用すると、こういう整理でございます。
 それで、飲食料品とは何かということでございますけれども、これは食品表示法という法律がございます。この食品表示法に規定いたします食品ということで、法律上はそのように明記をしてございます。その心は、人の飲用、食用に供するものとして食品に表示されているということをもって販売されているものでございまして、それが八%になるということでございます。
 それから、例外で申し上げました、二つございます酒類と外食でございますが、これも法律上は酒税法に規定をする酒類というふうにしてございます。それから、外食につきましては、現実に行われるその取引の場所、どういう場でそういうものが行われるのか、それからそれがどういう形の態様、サービス提供という形でどういうふうになされるのかと、その二つに着目をいたしまして、一応法案では二つの類型を想定してございます。
 一つは、いわゆる通常の外食というものでございまして、テーブル、椅子、カウンターといった類いの飲食に用いられる通常の設備といいますか、そういうものがある場所で飲食料品を飲食してもらうようなサービスということになります。それから、違う形態ですが、ケータリングのようなものがございます。これは、顧客の方がこの場所でと指定をした場所において加熱、調理又は給仕等のサービスを伴って飲食料品が提供されるケースというのもございます。これらを広い意味での外食と定義をいたしまして、適用対象外というふうにしておるわけでございます。
 ちょっと典型的な例を申し上げますと、例えば定食屋さんとかレストランというようなところで食べることを頭に思い描いていただきますと、通常そこにはテーブルとか椅子とかそういうものがございますし、そこで配膳等、給仕されるということが通常でございますから、そこは今申し上げた飲食させるサービスがその場所で行われるということでございますのでこれは外食になるわけでございますが、例えばスーパーマーケット等でお弁当を買うという場合には、まさにそれは飲食物を買うということですし、売る側から見るとそれを単純に販売をするということでございますので、これは外食に当たらずに八%の適用というふうになります。
 実際のこの適用関係は、税法上は飲食料品の譲渡という書き方になっておりますので、実際、販売事業者が販売する時点で、それが今申し上げた定義のどちらに当てはまるかをその都度判断をしていくというふうになります。お弁当をそこで売って単にお持ち帰りということであればそれは八%ということになりますし、それを店内で食べるということであればその販売時点で一〇%というふうに決まると、こういうふうなことが典型例でございます。
 ただ、先生お話ございましたようにいろんなケースが世の中ございますので、それができるだけ消費者にとっても事業者にとっても分かりやすくなる必要があるというふうに考えておりまして、この具体的な当てはめにつきましては、法案等々がお認めいただいた後、できるだけ速やかに通達とかQアンドA等々で事業者にも周知をし、またいろんな形でお問合せについては丁寧に対応していきたいというふうに思っております。
○石田昌宏君 ありがとうございます。
 じゃ、今のをそのまま使わせていただいて、またいろんな人に話を聞いて、分かるか分からないか、また聞いた上で再び御質問したいと思います。
 もう一つ、消費税の逆進性の問題もよく言われるんですけれども、確かに消費税というのは逆進性が課題であるというふうに言います。場合によっては、今回、軽減税率の導入も一つのきっかけになるんでしょうけど、金持ち優遇じゃないかといった声も聞こえるわけなんですけれども、ちょっと調べてみました。
 表を見てほしいんですけれども、表一、表二とある表一の方なんですけど、これらの表は、総務省が行った二〇一三年の家計調査から、勤労者の世帯の年間収入階層ごとに税額を類推したものなんですけれども、これは一から十までの年間収入階層に分けて、Cに、大体消費税額このぐらい払うだろうという数字になっています。確かに、収入が多いほど、消費税は、払う額は当然上がっていくわけですね。
 ただ、Eのところを見ますと、これは実収入に対しての消費税の、どのぐらい払ったかの率なんですけれども、これは二・七、一番少ないところは二・七ですが、一番高いところだと二・一%、〇・六%の差があって、これは割合としては、収入に対しての消費税の支出の割合は減っていくので、これは逆進性じゃないかという話になるんだと思います。
 ただ、税金というのは所得税その他いろんな税金がありまして、税の合計、Dの欄見ると、だんだんだんだん当然上がっていくんですけれども、それを割り込んだFの欄を見ていただくと、一番少ない階層で一五・八%、多いところは二五・二%で、消費税で逆進が掛かったとしても、所得税その他全体の税金を考えると当然逆進じゃないということになるわけです。
 次のページちょっと見ていただきたいんです、裏側なんですけれども。これは、今度は表二は、さっきのは二〇一三年なのでまだ五%のときのデータなんですけど、これを仮に一〇%にした場合と、それから八%、つまり、食料品だけしかちょっとデータはないんですけど、食料品を八%にした場合の比較なんですけれども。
 まず、真ん中辺にある単一の一〇%のところを見ると、一番少ない階層では消費税が今度一万八百四十円になります。一番高いところでは三万八千百二十四円ですね。この差が二万七千二百八十四円、実はあります。消費税を八%にした場合は、同じように言うと、一番少ないところが、Jのところになるんですけど、一万三百三十三円、一番高いところが三万六千八百九十八円で、この差が二万六千五百六十五円です。
 つまり、一〇%単一のままと食料品を八%にした場合は、一番高い収入と低い収入のところの差が二万七千二百八十四円と二万六千五百六十五円で、ちょっと差が縮まるんですね。差が縮まるということは、逆に言ったら、微妙に逆進が働くことに、強くなるということになるんですけど、その金額は六百十九円分だけちょっと逆進が強くなるという感じです。
 ですから、これ見ると確かに逆進性がよりこの軽減税率によって高まるとは言えないわけではないんだと思うんですけど、でも、これをもって金持ち優遇かとか、そんな水準かと言われると、そうでもないなというふうな気がするわけです。これについてコメントがあれば是非お願いしたいと思います。
○副大臣(岡田直樹君) 消費税の負担については、所得の水準によって感じ方が変わると考えられます。いわゆる消費税の逆進性というものは、今、石田先生は六百十九円というような具体的な試算もお示しになりましたけれども、消費税負担の絶対額ではなくて、収入に占める消費税負担の割合によって測るべきものというふうに考えております。
 こうした観点から、家計調査に基づく、いわゆる酒類、外食を除く飲食料品の消費支出全体に占める割合を見れば、年収一千五百万円以上の世帯では一五%程度にとどまる一方で、年収二百万円未満の世帯では三〇%程度と高くなっております。エンゲル係数が高いということであると思いますが、この結果、酒類、外食を除く飲食料品等に係る消費税負担の収入に対する割合というものも家計調査に基づけば低所得世帯の方が高くなっているわけでありまして、これは、今般の軽減税率制度の導入によって低所得世帯の方が消費税負担の軽減割合が大きくなることを意味しておりまして、消費税の逆進性の緩和につながるということを示しているものと考えております。
○石田昌宏君 ありがとうございます。この辺も丁寧に説明していくことが大事だと思いますので、私の方もできるだけ丁寧に分かりやすく説明を続けたいというふうに思います。
 委員長、大臣が衆議院の本会議があるということを聞いているんですけれども、その点、お計らい願えたらと思いますが。
○委員長(大家敏志君) 麻生国務大臣は御退席いただいて結構でございます。
○石田昌宏君 ありがとうございます。
 続きまして、もう一つの税制、幾つかあるんですけれども、いわゆるセルフメディケーション控除に関連いたしまして質問をさせていただきたいと思います。
 今回の所得税法等の改正の一つにセルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度というのが創設されますが、まずこれの仕組みについて、そしてもう一つ、なぜこのような仕組みを導入することになったのか、その導入の目的についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 私の方から、まず仕組みをお答えさせていただきます。
 スイッチOTC薬の控除でございますが、これは医療費控除の特例という形で組み立てているものでございます。納税者本人がこの控除の適用を受けようというその年におきまして、その方が医師の関与の下で健康診断とか予防接種を受けているというような自己管理をしっかりしている、そういう方について、その年におきまして、スイッチOTC薬という、これは医療用と同じ有効成分が含まれている市販薬ということでございますが、その購入費用のうち一万二千円を超える部分について所得控除ができると、ただ、上限が十万円というのを限度としてございます。医療費控除との関係は選択適用というふうになっているところでございます。
 それから、制度創設の理由でございますけれども、骨太の二〇一五におきまして、軽度な身体、体の不調は自分で手当てをするというセルフメディケーションというものの推進が必要だということがうたわれてございまして、その中で、医療用と同じ有効成分が含まれている市販薬、今申し上げたスイッチOTC薬でございますが、その使用を促進をすることによりまして医療費の適正化を図るということが考えられます。それにおきまして今回の制度を設けたということでございます。
 この特例の導入によりまして、軽い病気にかかった人が医療機関へ行くのではなくて、薬局でスイッチOTC薬を購入することが促されるということを通じまして医療費の適正化の効果が期待するというところでございます。
○石田昌宏君 分かりました。ありがとうございます。
 医療費控除というのは従来からありまして、病院とかにかかりまして医療費が多額に掛かった場合に一定額以上を税金の控除の対象にしていくという、こういった仕組みで、どちらかというと、病院にたくさん行った場合に負担が強いでしょうからその分の負担を軽減しますといった趣旨になってくると思います。
 一方、今のセルフメディケーション控除は、むしろ病院に行って負担があるとか薬をたくさん買って負担があるという感覚じゃなくて、今のお話によりますと、むしろ医療費の適正化、もっと言っちゃうと、病院にできるだけ行かないようにするために努力してくださいと、その努力の分に関して、薬買いますから控除しますといった感じを感じるんですね。それが同じような医療費控除の仕組みを使って両方控除されるんだと思います。ある今薬局でOTCスイッチ薬を買って領収書をためておいて、年末になってこの領収書どうしようかなと思ったときに、セルフメディケーションの方で控除を受けてもいいし、場合によっては、今でもできると思うんですけど、要は普通の医療費控除の方で受けてもいいし、どっち対象にしようかなと計算しながらやるんだと思うんですね。
 ただ、この領収書は同じなんですけど目的が全然違って、片方は病院にかかったときの負担、病院にかかることを前提としていて、もう片方は病院にかからないようにしましょうといって頑張っていることだと思うんです。同じ領収書でどっちからも落とせるんでしょうけれども、片方はかかった負担、もう片方はかからない。どっち主体でしょうか、これは。よく分からないんですね。これ、すっきりさせてほしいんですが。
○副大臣(岡田直樹君) ただいま石田委員から分かりにくいではないかという御指摘がございました。
 医療費控除というものは、ある意味では偶発的に病気になって多額の医療費を支出することを余儀なくされた場合に納税者の税負担能力というものが減退をしてしまう、そのことに配慮するための制度でもあると思っておりまして、それがゆえに十万円又は年間所得の五%を超えるような多額の医療費を支出しない限りこの適用は受けられないという制度になっております。
 それに対して今回のスイッチOTC薬控除は、一万二千円を超えるスイッチOTC薬の購入費用に対して適用されることとなっておりまして、医療費控除を適用するほど多額の医療費の支出を余儀なくされているわけではない人を念頭に置いて、こうした人が医療用医薬品の処方を受けるのではなくて、薬局でスイッチOTC薬を購入するということを促す、こういう医療費の適正化を目指す、そういう意味合いがあると思っております。したがって、医療費の支出額が医療費控除の適用対象となるほど大きくない人にとっては、この両方の控除が対象となることはございません。
 仮にスイッチOTC薬を医療費控除の対象から除外してしまえば、御指摘の意味での分かりにくさというものはなくなるものと考えておりますけれども、しかし、医療費控除の適用対象となる人は多額の医療費支出を余儀なくされるわけでありまして、そうした人たちもスイッチOTC薬を治療、療養に用いているケースもあることを踏まえれば、スイッチOTC薬の購入費用を医療費控除の対象から除外するというのはなかなか難しいものと考えております。
 こういう整理をいたしておりますが、いずれにせよ、税制改正法案が成立いたしましたら、平成二十九年一月の本特例の円滑な施行に向けて、石田委員の御指摘も踏まえながら、関係者と協議して広報、周知を行ってまいりたいと思います。
○石田昌宏君 もしそうであれば、単純に医療費控除の枠を十万円から九万円に下げるだとか、それから医薬品だけ別枠な控除にするだとか、多分もっと分かりやすい仕組みはあると思うんですけど、多分健康だとか医療費の適正化だとか、そういったものを絡めてくるからちょっと分かりにくくなったんだと思います。結論は、より税金引かれるので別に問題ないんだと思うんですけども、この辺のちょっと分かりにくさはどうしても残っていると思います。
 逆に、医療費適正化の話をきちんとするのであれば、今回、このセルフメディケーションの控除の導入によって自発的に国民が健康に取り組みましょう、自分で薬局に行って薬買いましょうということになるわけですから、ある意味、税収は控除が増えますから減るんだと思うんですけど、それ以上に医療費全体が削減されて初めて成果が評価されるというものだと思うんですけども、これについては今どのぐらいのものを見積もっていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(飯田圭哉君) お答えいたします。
 先生の御指摘のように、本税制の導入により、軽度の際に医療機関に行くのではなく、スイッチOTC薬を活用することにより医療費適正化というものが図られるというふうに認識をしております。
 具体的には、医療機関で医療用医薬品を処方され、これを調剤薬局で受け取りますと、薬価に加えまして初診料でありますとか再診料、処方箋料、調剤料等の費用が掛かることになりますので、スイッチOTC薬の購入が進めば、こうした医療費の適正化が進むというふうに認識はしております。
 しかし、本税制の導入による適正化の金額ということのお尋ねでございますけれども、これは患者の態様とか医薬品の種類によって異なるという、個々のケースによってかなり異なるということと、それから本税制のほかにも医療費の適正化に向けた取組はいろいろ行っておりますので、なかなかこの切り分けが、切り出すことが難しいといった課題がございまして、定量的試算はなかなか難しいというふうに考えているところでございます。
 なお、本税収減の見積りでございますが、これはスイッチOTC薬の購入実績に基づきまして推計をいたしまして、約二百六十万人程度の適用を見込んでおりますけれども、その税収減の見積りについては、平年度ベースで三十億円ということで財務省からは示させていただいているところでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、本制度の趣旨からして、導入の効果ということは非常に重要な事項というふうに認識しておりますので、その活用状況、利用状況を含めまして、十分各省連携して注視をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○石田昌宏君 三十億円ぐらいだと、今医療費が四十兆ぐらいですから、何%か分かりませんけれども、〇・〇何%ぐらいでしょうから、それ以上の効果を出すことは最終的に評価して、ちゃんと調べていってほしいなというふうに思います。これがないと、余りこの目的、税金の目的がよく分からなくなってしまいますので、しっかりと把握をして進めていっていただきたいというふうに思います。
 ただ、それをやるには、各ドラッグチェーンだとか薬局側もかなり負担が掛かっていて、この薬がそもそも控除の対象か対象じゃないかというのはちゃんと買う側に示していかなければなりませんし、そういった事務的な手数もかなり掛かるんだと思うんですけど、それについての対応をお聞きして、質問を終わりにしたいと思います。いかがでしょうか。
○政府参考人(飯田圭哉君) 多分、購入時にどれが該当するか分からないとかいう意味で、いろんな意味での工夫が必要だというふうに思っておりまして、ドラッグストアでいろんな購入をする際に、対象製品がどれか分かりにくいとかいろんな問題がございます。それは、ホームページで、厚生労働省として、具体的な商品名を周知をしたり、それから対象製品にロゴマークを入れるよう医薬品メーカーに指導したり、陳列の仕方等を関係者に検討を依頼しているところでございます。レシートについても、一目でスイッチOTCが分かるようにするような工夫を今対応を求めているところでございます。
 以上、こういうことでございますけれども、いずれにしても、これはスイッチOTC薬の推進ということになりますので、業者もそれに関して前向きに取り組んでいるということを認識しておりまして、いずれにしても丁寧に説明するということが基本でございますので、関係者と協力をしながら十分周知を図ってまいりたいというふうに思っているところでございます。
○石田昌宏君 軽減税率もこのセルフメディケーションもそうですけれども、かなり複雑な仕組みになるので、消費者にとって本当に丁寧に説明していくことが大事だと思いますので、是非その辺にはエネルギー掛けて進めていただきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
○委員長(大家敏志君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時三分散会