第190回国会 財政金融委員会 第7号
平成二十八年三月二十四日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     中川 雅治君     高橋 克法君
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     高橋 克法君     中泉 松司君
     水岡 俊一君     白  眞勲君
     倉林 明子君     井上 哲士君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         大家 敏志君
    理 事
                愛知 治郎君
                石田 昌宏君
                大久保 勉君
                西田 実仁君
    委 員
                岡田 直樹君
                伊達 忠一君
                高橋 克法君
                中泉 松司君
                中西 健治君
                中西 祐介君
                宮沢 洋一君
                山谷えり子君
                山本 一太君
                礒崎 哲史君
                尾立 源幸君
                大塚 耕平君
                白  眞勲君
                前川 清成君
                竹谷とし子君
                井上 哲士君
                藤巻 健史君
                中山 恭子君
                平野 達男君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
   副大臣
       財務副大臣    岡田 直樹君
       厚生労働副大臣  竹内  譲君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 伸一君
   政府参考人
       金融庁総務企画
       局長       池田 唯一君
       金融庁総務企画
       局総括審議官   小野  尚君
       金融庁監督局長  遠藤 俊英君
       総務大臣官房審
       議官       内藤 尚志君
       総務大臣官房審
       議官       時澤  忠君
       外務大臣官房審
       議官       垂  秀夫君
       財務省主計局次
       長        茶谷 栄治君
       財務省主税局長  佐藤 慎一君
       財務省理財局長  迫田 英典君
       国税庁次長    星野 次彦君
       厚生労働大臣官
       房審議官     伊原 和人君
   参考人
       日本銀行総裁   黒田 東彦君
       日本銀行理事   武田 知久君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
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○委員長(大家敏志君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、中川雅治君が委員を辞任され、その補欠として高橋克法君が選任されました。
 また、本日、倉林明子君及び水岡俊一君が委員を辞任され、その補欠として井上哲士君及び白眞勲君が選任されました。
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○委員長(大家敏志君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として財務省主税局長佐藤慎一君外十名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大家敏志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(大家敏志君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁黒田東彦君及び同理事武田知久君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大家敏志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(大家敏志君) 所得税法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。
 来年四月からの消費税一〇%への税率引上げに伴い、軽減税率制度の導入ということがこの法案の中にうたわれております。現場を歩いておりますと、消費税税率の引上げに対して抵抗感というものはありますが、消費税というものが何に使われているのかということをきちんと御説明をすると理解をしていただける方も多い。非常に重要な制度であるということの理解というのは説明によって深まるものであると感じております。でも、一方で、やはり毎日買うような食品などに低い税率を設定してもらいたいという思いは生活者から強く出てきております。
 一方で、消費税というものは、負担は消費者が行いますけれども、納税事務手続は事業者の方々が行ってくださっております。特に、小規模事業者の方々の負担軽減ということはしっかりと考えていかなければなりません。
 そこで、現在、納税義務免除制度、いわゆる免税事業者の方への配慮というものがされておりますけれども、この制度の目的について財務省に伺いたいと思います。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 事業者免税点制度でございますが、まず、制度そのものは、個人でありますと前々年、法人でありますと前々事業年度の課税売上高が一千万円以下の小規模事業者につきまして消費税の納税義務を免除するという制度でございます。これは、制度の公平性や透明性を著しく損なうということのない範囲内で中小事業者の事務負担に配慮して実務の簡素化のために設けるという趣旨で設けられた特例でございます。
○竹谷とし子君 この納税義務免除制度、非常に利用者が多いものであると承知をしております。
 お手元の資料で、この免税事業者の方からの発行された請求書等が仕入れ控除可能であるということが今制度として大きく小規模事業者を守ることにつながっていると認識をしております。
 一枚目の資料にありますのが、上から三段目のところに仕入れ控除の要件ということで、消費税の仕入れ控除の要件は、免税事業者からの請求書であっても控除可能となっているのが現行制度でございます。これが来年の四月以降は区分記載請求書等保存方式というものに変わりますが、その時点でも免税事業者からの控除は可能であるという経過措置がとられております。
 この免税事業者の制度につきまして、今、佐藤局長から御説明がありましたとおり、前々年度の課税売上額に応じて決まるということで、この判断時期がずれていることによって、設立当初二年間は課税売上げに係る納税義務が生じない場合がある、つまり益税が生じる、また、当該事業年度の課税売上げが多額になっても納税義務が生じない場合があると。お手元の資料の二枚目のところに事業者免税点制度の概要ということで資料をお配りしていますが、この下段のところにある事例にその意味が載っております。
 また、課税売上げが少額であっても納税義務が免除とならない場合もあるという、そういった問題点も専門家から指摘をされているところでございますが、とはいえ、小規模事業者にとってはメリットが大きいということで、多くの利用者がいるということでございます。
 また一方で、負担する消費者からの批判としては、益税、きちっと払っていただきたいという、そういう声もいただきます。さらに、課税売上げ一千万円のところでもう仕事をやめてしまおうという調整が図られているという、そういった御指摘もありまして、メリットもありますが、デメリットもあるという制度であるということを認識をしております。
 来年の四月、またそれ以降のインボイス制度への移行につきまして、三枚目の資料、財務省の資料でございますけれども、現行の請求書等保存方式、そして来年四月以降の区分記載請求書等保存方式、さらにその後のいわゆるインボイス制度における請求書の表示方式についての違いが説明されたものがございます。
 現行の請求書等保存方式、これ免税であるかどうかにかかわらず、現在は請求書等の交付義務がありません。また、不正発行の罰則もない、また事業者番号の記載もないということで、この制度が収入の未申告、また経費の証憑の偽造、経費を上増しするというんでしょうか、そういった偽造の発生可能性というのを生じさせているという指摘もございます。
 インボイス制度になりますと事業者番号というものが登録制になって、きちっとそこに載っているということが仕入れ税額控除の原則となりますけれども、これは消費税の問題だけではなくて、所得税あるいは法人税の計算においても不正を排除するということで大きな牽制効果があるというふうに理解をしております。
 このことについて、財務省副大臣に、岡田副大臣にお話を伺いたいと思います。
○副大臣(岡田直樹君) ただいま御指摘のとおり、今般の軽減税率制度の導入に当たりましては、複数税率の下で適正な課税を確保する観点からインボイス制度を導入することとしたわけであります。
 今委員もお述べになった部分と重なる部分もございますけれども、具体的には、現行制度と異なって、税額計算を適格請求書の記載どおりに行う、それから、売手に適格請求書の発行を義務付ける、また、偽りの請求書を発行した場合には罰則を適用する、課税事業者登録制度を設けて、課税事業者のみがインボイスを発行できる仕組みとする、先ほどおっしゃったように、免税事業者からの仕入れは税額控除ができないということになります。また、適格請求書、インボイスに消費税額とともに登録番号の記載を義務付けるものでございまして、こうしたインボイス制度は複数税率の下で、例えば、売手が軽減税率で申告をし、その一方で、買手は標準税率で仕入れ税額控除をするといったような事態が発生しないように、また、事業者間の相互牽制によって適正な税額計算を確保するという意義を有しておりまして、これは適正な課税につながるものと考えております。
 また、インボイスにおいては税額が明確になりますことから、これはずっとこの場でも議論されてきたと思いますが、価格転嫁がしやすくなるという指摘もされているところでございます。
○竹谷とし子君 いきなりインボイス制度を導入すると負担が非常に大きいということで、区分記載請求書等保存方式という、資料三番目にあります、真ん中の欄にあります請求書で発行をしたものについて仕入れ税額控除を認めるということになっておりますけれども、移行期間において、免税事業者を取引から排除しないように配慮がなされております。一枚目の資料のところにも書いておりますけれども、この配慮措置について財務省に伺いたいと思います。
○政府参考人(佐藤慎一君) お尋ねは、この一枚目の表にあります区分記載請求書保存方式のこの時点における取扱いということかと思いますが、今お話ございましたように、インボイス制度には、本格的には、一番右にございますような適格請求書という保存方式でもって、平成三十三年四月に移行いたしますが、それまでの四年間につきましては、こういう経過措置的な請求書でもって仕入れ税額控除ができると、こういうことでございます。その記載の内容も、今ございましたように、この三ページに、資料にございますような、この青い色で書いた部分、この部分が特に必要であるということで、ある程度の便宜、その実務に対応した簡素な方法を工夫をし、それについて免税事業者からの税額控除は認めていくと、こういうことでございます。
 一方、この間、軽減税率制度が入りますれば、免税事業者に限らずということでございますが、中小事業者におきましては、様々な区分経理への移行等々必要になってくるんだろうと思います。そういうこともございますので、税額計算上のみなし計算ということもできるような特例も設けさせていただいているところでございます。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 消費税額の計算だけではなくて、毎年、事業年度末になると小規模事業者の方々は、税の申告のために大変な事務作業を負っておられます。
 この区分記載請求書等保存方式というのは、BツーBの取引を行っている場合に発行が求められるものでございますので、食料品を扱っている事業者のみ、また食料品を仕入れている事業者がそれを受けて帳簿に保存するという変更点がございますけれども、全ての事業者ではないということでございます。全ての事業者ではないかというふうに誤解をされている方々もいるので、周知をこれからしっかりと図っていかなければならないと思っております。
 補正予算で、その点は、専門家派遣、また周知のための予算を確保しております。さらには、レジ等を替えなければいけないときのその補助、さらには、電子商取引を行っている場合のEDI等のシステム改修への補助も今年度の予備費で確保しているところでございますので、法律成立後、しっかりとその取組を図っていっていただきたいと思いますし、私自身も現場を回りながらどういったことが必要であるかということを、微修正も必要になってくる場合があると思いますので、意見を伺ってまいりたいと思っております。
 時間がなくなってきましたので、最後の質問を先にさせていただきたいと思います。
 請求書等に表示をする方法でございますけれども、三番目の資料のところに、請求書の、区分記載請求書等保存方式の事例が書かれております。この中で軽減税率の対象を明示することということになっておりまして、ここの例では米印を付けて、簡易な方法でこれは軽減税率対象ですよということが分かればいいという事例でございますが、これに限らず、既に請求書等の方式を課税、非課税で税の種類を分けられるようにしてあったり、あるいは税率を入れられるようにしてある等、様々な方式があると思います。
 ここで、この法律の中で言っているのは、しっかり分かるようになっていればいいという趣旨であると思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 基本的にはそういうことでございます。
 ここに軽減税率対象品目である旨を記載すると言っている元々の考え方は、売手と買手の双方が、売り買いをいたしました商品について何が軽減税率対象であるかということをしっかりと共通認識を持てるようにという趣旨でございますので、典型的にはここにありますように米印のようなものということでございますが、今先生御指摘ありましたように、例えば八%と税率が明記されるということも目的にはかなうものだろうと思っております。いろんな方法もあり得ると思います。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 この消費税の制度につきましては、元々小規模事業者の負担があったところに更に軽減税率制度導入で、負担がなるべく増さないようにという配慮が必要であると思っております。将来的にインボイス制度を導入をすることになるわけでありますが、そのときにBツーBの取引を行っている事業者が取引から排除されないようにするために課税事業者に転換していくということが考えられると思います。
 お手元の資料の四番目にありますのが消費税の免税事業者の数でありますが、推計で今五百十三万者ぐらいあるのではないか、そのうち個人事業者数というのが四百三十五万ということで、ここからBツーBの事業を行っているという事業者、例えば農林水産業、また小売というものが考えられると思いますけれども、そのときに、課税事業者になると、急に免税事業者から課税事業者になると事務手続の負荷が高まってくる、また、消費税を預かり消費税から仕入れ税額控除をした分を納めなければいけないということで、その分所得が少なくなるといった、そういう御指摘、懸念の声もあります。
 専門家からは、小規模事業者を守るという視点から、新たに一定規模については申告納税の免除など配慮してほしいといった要望も聞かれ始めているところでございます。これは、しかしながら、透明性、公平性といった観点もございますので、大きく小規模企業等に係る税制の在り方を踏まえてこれから中長期的に検討していくべきことであるというふうに思っております。
 小規模事業者をしっかりと事務負担を複雑化させないようにする、また、商売を守っていくというために寄り添っていく姿勢が非常に重要であるというふうに思っております。与党の一員としてこれからも現場を歩いてそのお声を伺っていきたいと思いますが、政府にもそうした姿勢を一緒に持っていただきたいと思います。岡田副大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(岡田直樹君) 委員御指摘のとおり、軽減税率制度の円滑な導入、運用に向けて、事業者、しかも規模の小さい事業者への配慮が重要であるということは当方としてもしっかり認識をいたしております。
 そのために、今般の税制改正法案の附則において、政府に、必要な体制を整備すべきこと、また制度の周知徹底、相談への対応を丁寧に行うとともに、事業者の準備状況を検証しながら軽減税率制度の円滑な導入及び運用に向けて必要な対応を行うことといたしております。
 また、インボイス制度を円滑に導入するためには、事業者の実情に応じた対応を行っていくことが重要でございまして、附則において、インボイス制度の導入に係る事業者の準備状況及び委員が御指摘になりました課税転換あるいは免税事業者の方々の実情といいますか事業者取引への影響の可能性なども検証をしながら、必要な対応を行ってまいりたいと思います。しっかりと事業者への対応を行ってまいります。
○竹谷とし子君 終わります。
○白眞勲君 おはようございます。今度、民進党になります白眞勲でございます。
 本日、本来、岩田副総裁に来ていただこうかと思ったんですけれども、療養されているということでございまして、心よりお見舞い申し上げます。一刻も早い回復をお祈り申し上げます。そういう中で、本日はお忙しい中、黒田総裁にも来ていただいたことを感謝申し上げます。
 まず、日本銀行にお伺いいたしますけれども、岩田副総裁、今年に入ってからお元気でお仕事をされていたんでしょうか。
○参考人(武田知久君) 本年、昨日までの実績について申し上げますと、私ども日本銀行の営業日は全部で五十五日間ございます。岩田副総裁につきましては、病気治療のために入院、療養した日、これが六日間でございまして、その残りであります日については全ての営業日について出勤しております。
○白眞勲君 非常に激務だなという感じがするんですよね。本当に大変な、お体の調子が悪い中お仕事をされていたということだと思うんですけれども、黒田総裁にお聞きしたいんですけど、日銀の副総裁、もちろん総裁もお忙しいんですけれども、副総裁も激務であると。それにも増して、昨今の世界経済の情勢や国民経済のことを考えますと、相当なストレスがあるのではないかとも推察しております。まず、健康第一、しっかりと御静養されてから職務に復帰されることがよろしいかと存じますが、その辺り、いかがでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のように、世界経済は非常に動いておりまして、日本銀行としても、総裁、副総裁以下全ての職員が政策目的に従って仕事をいたしております。
 私自身も、御指摘のように、十分健康には気を付けながら職務に邁進してまいりたいと思っております。
○白眞勲君 今回の日銀のマイナス金利導入から既に約二か月ぐらいがたっております。昨日の麻生大臣の御答弁でも、効果が出るまでは三か月じゃちょっと足りないんではないかのようなお話がありました。
 今の時点でこのマイナス金利の効果というのはどの程度出ているというふうに総裁はお持ちでいらっしゃいますか。というのは、今朝の新聞でも、この月例経済報告で、景気判断はこのところ弱さも見られるとして、五か月ぶりに引き下げている。そういう中で、個人消費が振るわず、好調だった企業の収益も中国経済の減速や円高株安で減っているという中で、何か好循環が実現しないまま行き詰まりが目立ってきたみたいなことも言われているんですけれども、その辺り、総裁としては今の段階でマイナス金利の効果をどのように判断されているんでしょうか、効果あるんでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) まず、このマイナス金利付き量的・質的金融緩和というのは、従来の量的・質的金融緩和の基本的な枠組みを維持しつつ、それを一段と強化するものでございます。
 量的・質的金融緩和というものは、二%の物価安定の目標の早期実現に向けた強いコミットメントによって予想物価上昇率を引き上げるとともに、大規模な国債買入れを行うことによって金利全般に強い下押し圧力を加えることで実質金利を引き下げることを主たる波及経路として想定しております。実質金利が低下すれば、企業向けの貸出しあるいは住宅ローンの金利の低下などを通じまして、設備投資、住宅投資など経済活動が刺激されて、国民所得が増加するということになるわけでございます。
 このマイナス金利付き量的・質的金融緩和は、日本銀行当座預金の一部にマイナス金利を適用することで短期金利を一段と引き下げ、大規模な長期国債買入れを継続することと併せて、金利全般により強い下押し圧力を加えていくことを主たる経路としております。
 この政策の導入以降、短期、長期の国債利回りは大幅に低下しておりまして、これを受けて、貸出しの基準となる金利や住宅ローンの金利ははっきりと低下しております。このように金利面では政策効果が既に現れておりまして、今後、その効果は実体経済や物価面に着実に波及していくものというふうに考えております。もちろん一定のタイムラグがあるということは御指摘のとおりでございますけれども、必ず実体経済に波及していくというふうに考えております。
○白眞勲君 この政策決定会合、今度は四月に行われるんだと思うんですが、先ほど、岩田さんは四月にはその政策決定会合にお出になられるんだということなんですが、私は余り無理する必要ないんじゃないのかなと思うんですよね。大変なのは大変なんですけれども、そうやって御無理されることは余り私は、健康第一だということだと思いますので。
 そういう場合に、票数は八票になるわけですよね、もしお一人いらっしゃらなければ。四対四になっちゃう。そういった場合はこれどうなるんでしょうかね、その辺、ちょっとお知らせいただきたい、お聞かせいただきたいと思うんですけれども。
○参考人(黒田東彦君) まず、岩田副総裁のことに関しましては、四月中旬まで自宅療養されるとは聞いておりますけれども、四月の末の金融政策決定会合には御出席されるというふうに伺っております。
 いずれにせよ、仮定の話でございますけれども、仮に政策決定会合に出席されなくて、八人の委員で議論がなされるということになった場合でございますが、一月の二十九日の政策決定会合の最終日にマイナス金利付き量的・質的金融緩和を導入いたしましたが、その際は五対四ということでありましたけれども、前回の金融政策決定会合では、一月の政策決定会合でマイナス金利に反対された方も何人かはマイナス金利付き量的・質的金融緩和を継続することに賛成されておられますので、御指摘のような、議論しないとどういうふうになるか分かりませんけれども、その継続の上で言えば、現在のマイナス金利というものに反対される方がより多くなるということは可能性は少ないと思いますけれども、これはあくまでも仮定の話でございまして、そもそも私は岩田副総裁は御出席されるというふうに思っております。
○白眞勲君 いや、黒田総裁、四月も何かそのまま、今の話というのは、要は四対四にならないよ、きっとこのまま続くんだよと。でも、それってちょっと言い過ぎなような私は気がするんですよね、やっぱりそれだったら政策決定会合やらなくていいわけだから。
 だから、私が言っているのは、制度的に四対四になっちゃった場合どうするんですかということを私はお聞きしているわけなんですけれども。
○参考人(黒田東彦君) 可否同数の場合は議長が決定するということになっております。
○白眞勲君 それだけ答えてくれりゃよかったんですよ。何かその前に、余り何かあれじゃないですか、マスコミの皆さんびっくりするような話をされているような感じがするんでちょっと気を付けた方がいい、なんて私が言うこともないんですけれども。
 そういう中で、今回、私は思うんですね。確かに今、岩田副総裁は金利が下がり始めて、それがこれから波及効果が出てくるということもお話はされましたけれども、今回の日銀のマイナス金利導入の発表というのが、急速な株式と為替の乱高下が起きたわけで、私も今地方をずっと回って感じるのは、一般の国民の皆さんにはこのマイナスという名称自体が何かマイナスのイメージを与えているような感じするんですよ。そもそも金利についてプラスなんと言ったことないわけだから、何かこう、マイナス思考とか、日本経済はマイナスなんだみたいな漠然とした不安心理を何か与えてしまっているような、そういうふうにも思えるんですけれども。
 これはどうでしょう、麻生大臣どうでしょうか、その辺の認識というのはどうでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) まあ人によって違いますから、何とも申し上げられませんね、これは。
○白眞勲君 確かに人によって違うんです。だから怖いんです。みんながみんなある程度そういうことかというのを分かればいいんだけれども。
 それで私、英語でマイナス金利のことを何と言うか調べてみたら、ネガティブと言うんだよね。だから、これも何かうまくないなというふうに思いまして、そもそもこのマイナス金利というのは銀行が日銀に預けるときにもらう手数料のようなものであるわけで、そういうふうに総裁もおっしゃっているのであるならば、一般の預金者から金利を取っていて預かるわけじゃありませんよね。このマイナス、要するに、一般の預金者から金利を預かっているわけじゃないわけですから、だったら、マイナス金利なんと言わないで別の言葉にした方がよかったんじゃないか、例えば日本銀行一般銀行向け口座預かり手数料とか、それを何か訳して英語にして何とかかんとかとやればよかったんじゃないのかなと。
 何かそういうふうに思うんですけど、名前変えるおつもりありますか。
○参考人(黒田東彦君) 御意見の趣旨はよく分かりますけれども、やはり欧州におきましてもネガティブ・インタレスト・レートという言い方をしております。それから、最近アメリカでもこの議論が行われておりますけれども、やはりネガティブ・インタレスト・レートと言っておりまして、やはり特別に違う言葉を使うというのはなかなか難しいとは思います。
 いずれにいたしましても、このマイナス金利付き量的・質的金融緩和というものは我が国で初めてのことでございますので、国民各層にいろいろな御意見があるということはよく承知しておりまして、今後ともこの趣旨あるいはこの効果について十分に説明し、理解を得るよう努力してまいりたいと思っております。
○白眞勲君 いや、確かに、欧州がそうだから、欧州はネガティブだからうちはマイナスだなんと言う別に必要は私はないと思うんですね。やはり、うまくその辺りは、そういうところから工夫をするというのは、これは安倍政権は非常にうまいんですよ。ですから、私はそういう部分ではいいんではないのかなというふうに思うんですけれども。
 今、欧州の話がありました。やっぱり幾ら金利が下がっても投資する意欲のない企業からすれば全く意味がないわけで、実体経済が良くならないで金利だけ下げたとしても企業が投資を増やすとは言い切れません。そういう中で、現状から見ると、私は、投資先が実際ないので金融機関は結局国債を買って資金を運用するという行動を取っている。
 ここでお聞きするんですけれども、欧州のマイナス金利政策というのは、実は欧州の国債の暴落を防ぐためだという意見もあるわけで、日本の場合、もしかして国債の暴落を防ぐためだということではないでしょうね。
○参考人(黒田東彦君) そういうことはございません。
○白眞勲君 そもそも、企業にとってみますと、為替にしても株にしても安定してほしいと願っているのではないのかな、そういうふうにも思うんですけれども、やはり今みたいな不安定だと、企業家だとやっぱり様子を見てしまうというふうに思うんですね。ですから、結果として賃上げもしなければ投資もしなくなる。
 つまり、これから類推すると、真のデフレから脱却をするためには、やはり政策で三本目の矢がしっかり機能しないといけない。それは日銀だけ金利政策をしたところで、混乱だけ招くだけではないかという話もある。この辺、限界があるんじゃないんでしょうか。黒田総裁、どうでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 金融政策だけで現在の日本経済あるいは世界経済が直面している課題が解決されるということはないということはそのとおりだと思います。
 二月にございました上海でのG20の会合でも、G20諸国は全ての政策手段、金融政策、財政政策、構造政策を活用して、経済の回復をより確実にするべきであるというふうに言われております。
○白眞勲君 総裁、超低金利政策ですよね、現在。まあこれマイナスはどうであれ、ともかく低金利。これ約二十年以上続いているわけですよね。これ一体どれぐらいこのような金利政策をしたらいいのかなと考えると、私、じゃ、二十年以上ということは、おぎゃあと生まれた赤ちゃんが成人式を迎える。
 ここまでして駄目なら、私はこの金融に対しては全く素人で、逆にだから妙な、おまえ妙な発想だと思われるかもしれないけど、一度この金利政策、考え改めた方がいいんじゃないのかな、下げて駄目なら上げてみなみたいな、そういうことも一回考えてもいいんじゃないかなと思うんですけれども、総裁はどう思われますか、その辺りは。
○参考人(黒田東彦君) 金融政策運営に当たりまして、景気や物価を好転させるために金利を引き下げ経済活動を刺激するという考え方は、これは世界的に広く受け入れられているものであるというふうに考えております。
 実際、二〇一三年四月に導入した量的・質的金融緩和の下で実質金利は低下し、経済物価情勢は大きく改善してきております。すなわち、企業収益は過去最高水準で推移しておりますし、また労働市場でも、失業率が三%台前半まで低下するなど完全雇用と言えるような状態になっておりまして、雇用・所得環境は着実に改善しております。
 このマイナス金利付き量的・質的金融緩和は、このような景気の改善の効果を発揮してきた量的・質的金融緩和を更に強化するものでありまして、国民各層にとって幅広くプラスの影響をもたらすものであるというふうに考えております。
○白眞勲君 でも、黒田総裁、今さっきは金利政策だけじゃないんですよと御自身が認めているのに、今度は、いや、金利政策やってうまくいっているはずなんですということを言うのは、何となく私はその辺がよく分からないというか。
 ここでちょっと韓国の例を挙げますと、まあ私がこれ総裁に言わなくたってもう当然お分かりの話ですけど、ここにいらっしゃる委員の皆様にも聞いていただきたいんですけど、例の九七年頃、IMF経済危機の際、韓国の金利というのはそれまで一二%ぐらいだったんですけど、それが一気に二〇%まで上がっちゃったわけですね。で、もう駄目みたいな状況の中、結局、韓国はこの通貨危機を見事に克服した、これ歴史的な事実です。
 このとき、金利が思わぬ副次的な効果を生んだとも言われているわけなんですね。つまり、どういうことかというと、預金している人の利子が上がっちゃっているわけですから、つまり銀行をリストラ退職されちゃった人が二千万ウォン、ウォンですけれども、二千万ウォンを受け取ったとして、一年間預けていたら金利だけで四百万ウォン付いちゃうと。つまり年収ベースになっちゃったと。つまり、このような利子所得というのかな、これは比較的消費に結び付いてしまう、それが逆に国内の消費を押し上げ、結果的に経済が急速に回復したのではというふうに言う人もいた。まあもちろんそれだけじゃないですよ。
 片や日本の場合、今どうですか皆さん、利子がまたまた下がって、百万円一年間預けても十円、これ白けちゃうんですよ。預けに行く方が、預けに行くとお金使って預けに行くような感じなんです。週末に預金を下ろしたらそれで利子の何倍もの手数料を取られちゃう、もうあほらしくて、わくわく感が全くない。恐らくここの委員の皆様もそうだと思うんだけど、預金通帳を見て一円とか書いてあって一体何だこれと思ったら、お利息と書いてある。俺ね、「お」なんか付けるなよと思ったの、インク代がもったいないよみたいな。最近、「お」が取れていましたけれども。
 だから、そういった面で、これは麻生大臣にちょっとお聞きしたいんですけれども、金利政策はもちろんこれは日銀がやることだと思うけれども、こういう超低金利というのは麻生大臣としてどうなんだろうか、逆に利子を高齢者がやっぱりもらって、このわくわく感を持たせた方がいいような気もするんですけれども、その辺りは大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) まず、基本的には金利を引き上げる、引き下げるとは逆に引き上げるという話なんですけど、基本的には、金利の引下げを含みます金融緩和ということを行うべきというのは、これは一般的な経済理論として広く行き渡っているのはもう御存じのとおりです。仮に金利を引き上げたとしますよ。そうすると、今ローンの話とか受取利息の話とか、また支払利息も増えますからね。受取利息というだけじゃなくて支払金利も上がりますから、当然のこととして家計と金融機関の損益のみに限らず雇用とか所得とかそういった一般のものに全て響いてきますので、マクロ経済を通じた経路って、いろんな経路がいろいろ考えられるんであって、さらに、金利の引上げというのは、現時点の消費よりも将来の消費、今は貯蓄して金を使わないでためておけば置いておけるというんじゃますます消費が減りますから、当たり前のことなんであって、したがって、消費を後退させるという点に関してはどう考えるかというのが最大の問題と思いますけれども。
○白眞勲君 以前、財務大臣だったか大蔵大臣が、景気は気からというふうに言った方がいらっしゃいました。つまり、やっぱり気持ちの、一般大衆の、特に高齢者の、預金を持っている人たちの気持ちをやっぱり高ぶらせることというのは非常に私は重要だと思うんですね。ですから、もちろん今の大臣の話というのはもちろんそのとおりだと私も素人ながら分かるわけですけれども、それだけではないんじゃないんだろうかというふうに私は要素としてあるんだと思うんです。
 ここで金融庁にお聞きいたします。
 今まで下げていても一向に良くならないなら、いっそのこと銀行の預金金利や貸出金利だけを上げてみるということは、これは物理的には可能なのかどうか。例えば、銀行の金利が三%になったら、退職金で一千万円預けている人だと年間三十万円、これ孫にでも何か買ってあげようかなという気持ちになるわけで、これ消費の拡大になると思うんですけれども、その辺り、金融庁としてはいかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 当たり前の話ですけれども、それは銀行はまず倒産することは覚悟しておかなきゃいかぬでしょうね。だって、もうからないから。(発言する者あり)貸出金利、いやいや、貸出金利は上がるんでしょう。支払金利も上がるわけでしょう。(発言する者あり)だって、借りてくれなきゃ意味ないじゃない。いや、こういういいかげんな、座ったまま答弁したり質問しちゃいかぬというルールになっているんだと、参議院はそういう上品なところだと聞いていたんですけど最近はルールが変わったのかなと思って、今まで伺っていましたけれども。
 一定水準の義務付けるというのは、これは規制を行うべきということなんですけど、これ、一般論として言えば、当たり前の話ですが、預金金利とか貸出金利の設定というのは、これは、個別の金融機関というもののこれは経営判断というのが全てなんであって、それを幾らにしろと強制するという話でしょう、いや、言っておられる話じゃ。それは、当然のこととして、それなりの金利のリスクというものを考えられるのは、これは自由主義経済、我々は自由主義経済やっていますので、自由主義経済の下で御指摘のような判断というものを我々が仮にしてやれと言うのは、これはちょっと自由主義経済国家では考えられぬと思いますけれども。
○白眞勲君 私は別にやれと言っているわけではなくて、そういう考え方もあるのですがということで大臣の御認識を聞いただけなんですけれども。
 もちろん、銀行が潰れちゃうよといえばそうかもしれませんけれども、いわゆる銀行だって、貸出しと借りている方の金利の差で、元々銀行というのはそういうものだと私は思いますから、そういう中でのやっぱり利ざやというものをどういうふうに稼ぐかというのをまた工夫してもらうということは必要なんではないんだろうかと思うんですね。
 今、確かに、限界がある、いろいろな問題がある、そのとおりでしょう。ですから、私、ちょっと御提案申し上げたのは、この前、十八日の日に参議院の予算委員会でやりました、いわゆる韓国でやっている親孝行制度というのがあるんで、これをやってみたらどうなんだというのはそこに結び付くわけでして、これだったら別にお金何も掛からないわけでございます。
 というのは何かというと、じいちゃん、ばあちゃんと孫が旅行に行くときには学校を休み扱いにしないという制度です。これはどういうことかというと、孫がじいちゃん、ばあちゃんのところに会いに行くんだったら学校はもう休み扱いにしないから行っておいでという制度です。これは、やっぱり土日というのは子供たちというのは非常に忙しい。これ、韓国では非常に評判がいいんですね。やっぱり、じいちゃん、ばあちゃんと会うということが、非常に親子のつながり、じいちゃん、ばあちゃん、そういう三世代のそのつながりにもつながっていくんではないんだろうかというふうにも思うんですね。
 麻生大臣御存じのように、身体髪膚という言葉、御存じかと思います。要は、人間の体、人体のこと、全身と体は、髪の毛、皮膚、こういった体全体、これは父母から受けた大切なものの意味が込められていると。身体髪膚これを父母に受く、あえて毀傷せざるは孝の始めなり。そういう言葉があるわけで、やはり東洋の思想というのはこの辺りを原点にしているんではないんだろうかというふうに思うんですね。
 麻生大臣もそのときに大磯のおじいちゃんの話も予算委員会でしてくれたわけですけれども、私はそういう面でこういったやり方というのも非常にいいと思うんですけれども、麻生大臣、どうでしょうか。もう内容は聞いていらっしゃると思いますので、答えられるかと思いますが。
○国務大臣(麻生太郎君) 前回、あれはどこの委員会だか忘れましたけれども、御質問があっておられましたので、孫がじいさんの元を訪れるということで、祖父母から孫への贈物という話は、子供、孫への支出というのは、大体、高齢者の支出の三三・七%になっていますから、そういった意味では、祖父母から孫への贈物が起きたり、孫が祖父母の元へ移動するために掛かる経費、いわゆる旅費とかそういったものの消費というのは一定の経済を生じる可能性というのはあることはこれは確かなんだと思いますが。
 親孝行という価値は、これは日本においてもう極めて尊ぶべき価値で、最近えらく軽んじられる傾向があるような気がしないでもありませんけれども、尊ぶべき理念であると、私はそう思って育ってきましたので、様々な要素を、いろんなことを考えてもこの案は、手段や効果についていろんなことが考えるべきものと思いますけれども、当然のこととして、親孝行というのを全く否定するつもりはありませんが。
 仮に生徒が学校を休んで祖父母の元に行った場合、出席扱いにする、大体そんな御趣旨だったと記憶するんですけれども、そういったことについて、これは文部省に聞かれて、たしか馳が答えたんだと記憶しますけれども、予算委員会でしたかね、文科大臣から答弁があったんだと思いますけれども、個々の生徒は、それは学校休みだというもので喜ぶ人もいるし、金が手に入る、小遣いが手に入ると喜ぶ孫もおるかもしらぬしという気はしますけれども、これはじいさんやばあさんのいない子どうするとの公平性とか、これはなかなか結構難しいと思っておりますので、先ほどの身体髪膚の話じゃありませんけれども、これを父母に受くことも間違いありませんし、何というの、あえて毀傷せざるは孝の始めなりでしたっけ、最後の終わりは何とかとちゃんと最後まで文章があったと思いますけれども、そういったような話というのは基本的に価値観としてすごく大事なところだと思いますけれども、このやり方としてこれが今の時代に適切かと言われれば、ちょっとなかなか文部省としてはとてものめるところじゃないんじゃないかなという感じがします。
○白眞勲君 ありがとうございます。そのとおりなんです。文科省としては、当然、えっ、学校休むんですかという話になっちゃうわけですよ。それと、今おっしゃったように、じゃ、おじいちゃん、おばあちゃんのいない家庭はどうするんだ、そういった公平性の問題、それは当然出てくるでしょう。
 それをやっぱり韓国というのはうまくそれを切り抜けて、やり抜けてやっているというところもあるわけなんで、やっぱりそういったものの制度というものを一度きちっと効果とか何かとか検証する必要性は私はあると思うんです。最初から、はなから学校休むなんてということではなくて、学校を休む、二、三日休んだところで、私も二、三日休んでもそんなに、まあ元々そんな成績も良くなかったせいかもしらないけれども、余り影響はなかったような気がするんですね、私は、授業に。ですから、私はそれよりも逆に二、三日休むことによる教育的な効果も検証する必要性があるんではないんだろうかというふうに思っております。
 ただ、この辺りになると、ずっとこれ、延々とこの財政金融委員会でこういう話が続いているというのはどうも、ここでインターネット放送を見ている人は違和感を感じる方もいらっしゃいますかもしれないんで、この辺りでちょっと先に進めさせていただきますが。
 私は、ちょっとここでもう一回大臣にお聞きしたいんですけれども、金利を下げるというのは結局通貨安になっていく、金利を下げるというのは通貨安になるわけですね。ですから、これは輸出企業、とりわけ大企業においては輸出が上向くので収益性は良くなる。しかし、その下請企業というのは、これは原材料を海外から仕入れたりする場合も多いので収益性は悪くなる。つまり、簡単に言えば、大企業はもうかるけれども、日本の九九・七%を占める中小零細企業は大企業からの注文は多くなるかもしれない、しかし、忙しい割にはもうからない。結局、中小零細企業で働いている社員は忙しい割には給料は上がらない。ただ、将来、もう忙しいか分からないから、中小企業の経営者は非正規や派遣、アルバイトみたいな人を、非正規ですね、つまり派遣やアルバイトみたいな人を雇わざるを得なくなる、こういった現象が起きているんではないんだろうかと私は思えるんですよ。であるならば、正社員は増えません。実はこれは、韓国が通貨を安くしたときに起きていた現象です。結局、貧富の差がどんどん生まれるのではないんだろうか。
 つまり、通貨が、これはもう一度申し上げますと、通貨が安くなるということは、結果的に貧富の差が大きくなることにつながらないのかというふうに思えなくはないんですけれども、大臣の御認識はいかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 一般論ですけれども、これは、円安の方向に動けば輸出企業とか海外展開している事業者というものは、これはプラスの影響があると言われておるのは当たり前の話なのでありまして、一ドルが二百四十円から百二十円に変わって円高不況になると書いたあほな新聞もいっぱいありましたのは御記憶ありますでしょう、一九八五年のことです。自国の通貨が高くなってどこが損するんだと、ちょっと物を知った人はみんなそう思ったんですが、あのときは円高不況という言葉がえらく新聞をにぎわせたんですよ。結果的にはどうなったかといったら、えらい勢いであのときはバブルになったんだ。だから全然違っていたという話ですよ、あのときの話も。だから、新聞は読んで信用しちゃ駄目よという最たる例があれだったと思って、僕はいつもからかうんですけれども。
 他方で、円安の方向に動いた場合、これは輸入物価の上昇ということになるんですけれども、当然のことで原材料コストが上昇しますので、中小企業者に影響が出ると。こうした面については、これは十分に注意をしておかないかぬということは確かです。
 しかし、同時に、企業にとりましては、これはいろんな意味で、円安によって得られる利益というのはこれまた大きなものがありますので、そういったものを考えて、中小との間、下請、孫請、ひ孫請との関係はどうなるかと。これは別に円高、円安には関係なく、力関係でそういった話は常に起きる話ですから、必要以上にたたけばその企業は潰れますし、そういった意味では、今度は大企業の方は発注する先がなくなりますので、そういった意味での常に緊張関係を持って下請、孫請との関係というのはどの程度にやるかというのは、これは企業の経営にとっては常に考えておかねば、大事なところだと思いますので、円安だから、円高だからということに関係なく、常に経営者としては配慮しておかなければならぬ大事なところだと思っております。
○白眞勲君 いや、おっしゃるとおりで、やっぱり経営者として、あるいは政府としてもその辺は配慮していかなきゃいけないだろうというふうに思うんですけれども、ポイントになるのは税制です、そういう中で。
 つまり、通貨が安くなって、大企業がもうかり始めていますねと。でも、法人税は下げている。逆に、中小零細企業は外形標準課税も出てきたということでは、原材料の値上げで苦しんでいるときに外形標準では、中小零細企業は二重の苦しみではないのか。つまり、この政策、ちょっとあべこべになっているんじゃないか、そういう意見もありますけれども、その辺はいかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 大前提として、外形標準課税は中小企業には掛からないというところをお忘れになっているんだと存じますが。
○白眞勲君 では、もう一つお聞きしますけれども、最近、大企業の内部留保が非常に大きくなっている。
 これ、韓国の例でもう一回言いますと、今年に入って外形標準課税に思いっ切り税金掛け始めたんですね。そういうこと、特に外形標準、あっ、外形標準じゃない、内部留保に対して思いっ切り税金を掛け始めました。今年に入ってです。そういうことによって、やっぱり内部留保をこれもうある意味強制的に吐き出させようというようなことを始めているんですけれども、その辺については、麻生大臣、どういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) かなり問題が起きるだろうと思います、明らかに二重課税ですから。税金を払った後にまた金を取るという、持っているだけで金取るという話ですから、それは明らかに二重課税という問題を引き起こすということは覚悟せないかぬと思っておりますので。
○白眞勲君 この辺りは、僕も、二重課税かどうか、ちょっとよくその辺りはもう少ししっかりと研究しなきゃいけないんですけれども、吐き出させなければいけないという考え方は私はあると思うんですね。今のまま集めておいていいんですかという部分はあると思うので、その辺については大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう前々からずうっと同じことを申し上げていることで、この委員会等々でも申し上げてきておりますので、企業が少なくとも、一番最近の、去年の資料はありませんけれども、さきおととしで二十四兆五千億、一昨年が二十五兆、合計四十九兆五千億という内部留保がたまっておりますが、傍ら、その間に払われたいわゆる給与という面でいきますと約五千億円ぐらいしかトータルで払われていない、マイナスが最初の年に出ましたから。最初の年は前年度比に比べて減っておりますので、したがって、いわゆる労働者、勤労者、いわゆる働いている人たちに対する払われる賃金は逆に、五十兆増えた割には五千億円しか増えていないという状態は明らかに内部留保がたまり過ぎと言われるのは間違いない事実だと思っておりますし。
 いわゆる労働分配率という特殊用語ですけれども、こういった労働分配率が、少なくとも大企業、なかんずく製造業等々においては大きく下回ってきて、最近は五〇%台までというような話まで聞かれるようになりましたので、そういった意味では、明らかに偏っているというのは、やっぱり企業としてはそういったものを、内部留保の分を吐き出してというか、賃金に、配当に、設備投資と、そういった形のもので経済をということが、我々も経団連やいろんな形で、少々行き過ぎかとは思いますけれども、労働組合との団体交渉において、賃金を上げてしかるべきではないかなどということを政府が言うのもいかがなものかとは思いましたけれども、そういうことを申し上げてきているのがこの数年間の実績であります。
○白眞勲君 先ほど、二重課税があるからなかなか難しいんですけれども、まあないということだったんですけれども、礒崎議員のときにも自動車についても二重課税についてもいろいろな話があったわけですから、その辺はやっぱり少し韓国のことも見て工夫してみてもいいのではないのかなというふうに私は思うんですけれども。
 ここで、日銀の皆さんにETFについてお聞きしたいと思います。
 先月二月十八日の同僚の尾立議員の質問を聞いて私は驚いたんですね。二〇一五年九月末現在七・八兆円、ETFに入れているということで、あれから半年過ぎていますが、現在どのぐらいETFに入れているんでしょうか、事務方で結構でございますので、お答えください。
○参考人(黒田東彦君) 二月末現在で七・五兆円で、日本銀行が保有しているETFの残高でございます。(発言する者あり)七・五兆円です。二月末で七・五兆円でございます。
 御承知のように、現在のマイナス金利付き量的・質的金融緩和の下で年間約三兆円のETFを買い入れていくという方針を決定しておりまして、それに沿って行っております。さらに、この四月から、年間約三千億円で設備・人材投資に積極的に取り組んでいる企業を含んだETFについて、そういうものが市場に出てくればこれを買い入れると、これは年間三千億円ということで、新しくETFの買入れを行うことにしております。
○白眞勲君 ちょっと今確認なんですけど、七・八とか七・五とかおっしゃって、大変恐縮なんですがもう一回ちょっと整理していただきたいんですけれども、九月末現在は七・八兆円という御答弁がありました。今度は今二月末現在では七・五兆円に減ったということでよろしゅうございますか。
○参考人(黒田東彦君) 昨年の九月は六・二兆円でありまして、今年の二月末が七・五兆円ということでございます。
○白眞勲君 七・八兆円と前回私聞いていたんですけれども、ちょっと待ってください。私も何かそれ驚いた、そうなんですか。
 二〇一五年九月末、もう一回言いますよ、これ参考人、雨宮さんが言っているんですけれども、こう言っています、議事録では。「御指摘のとおり、日本銀行は資産価格のプレミアムに働きかけるという観点からETFの買入れを行ってきておりまして、時価ベースで見ました現在の日本銀行のETF保有残高は、これは決算ベースでございますので、二〇一五年九月末現在ということで申し上げますと約七・八兆円でございます。」というふうに書いてあるんですよ。
 これ、委員長、申し訳ないんですけど、ここ非常に重要な部分だと思いますので、一回ちょっと確認して御答弁を願えるようにお願いできますでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 突然のお尋ねでございますので、今……(発言する者あり)
○委員長(大家敏志君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(大家敏志君) 速記を起こしてください。
○参考人(黒田東彦君) 先ほどお答えした昨年の九月末の数字は簿価でありまして、雨宮理事が答えた七・八兆円というのはその当時の時価でございます。
○白眞勲君 いや、ちょっと驚いて、これちゃんとお答えいただかないと非常に重要な部分だと私は思っておるんで、これは後で理事会でしっかりとちょっとこれ取り上げていただきたいと思うんです。
○委員長(大家敏志君) 後刻理事会で協議いたします。
○白眞勲君 まあどうであれ、私、これ、ETFの、九月末でさえ五四%というお答えだったんですけれども、ということは、ちょっと一回これ聞きたいんですけれども、今、簿価と時価という話がありましたよね。ということは、当時のお金が実際に投資したけれども結局今は目減りをしたということでよろしゅうございますか。
○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げたように、昨年九月の段階の簿価が六兆円強であって、時価が七兆八千億円ということでございます。
 ですから、先ほどお答えした二月の数字は簿価でございます。
○白眞勲君 もう一回、じゃ確認ですけれども、要は簿価が一・五兆円増えたということでよろしゅうございますね。
○参考人(黒田東彦君) そうです。一年間に三兆円程度ETFを買い入れるということでございますので、半年間でそのぐらい増えているということでございます。
○白眞勲君 時価としてはどのぐらい、今上がっているんですか、下がっているんですか、どうなんでしょうか。一・五兆円、つまり七・五兆円、六兆円から七・五兆円に増えたけれども、言わばお金を入れたわけですよね。でも、実際問題の時価は幾らになっているんですか。
○参考人(黒田東彦君) 時価は、九月末と三月末しか出しておりませんので、まだ分かりません。先ほど申し上げた数字は二月の簿価でございます。三月はまだ買入れ途中でございます。
○白眞勲君 ちょっとよく分からないんですけど、私が仮に株の投資していたら本当に現在価というのはすぐ分かるんですよ。別にそんな、何というんですかね、何で三月にならないと分からないんでしょうか。その辺はどうなんですか。
○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げたとおり、保有資産、これはETFも含めてですが、その時価というのは九月末と三月末に公表する形になっております。
○白眞勲君 つまり、公表は三月末だけど今は分かっているということでよろしいんですね。
○参考人(黒田東彦君) 企業の場合と同じで決算経理でございますので、決算のときでないと分かりません。
○白眞勲君 いや、私これ本当に、この前、尾立議員からこの話を聞いたとき、へえと思ったわけですね。というのは、日銀というのはお札刷っている会社ですよね。そのお札を刷っている会社が自分のお札、刷ったお金で株買っていると。何かすごい理解できないんですね。ほかの中央銀行もやっていないということをこの前の御答弁でもありました。これ、何でやるんですか。
○参考人(黒田東彦君) これは繰り返し申し上げておりますけれども、二%の物価安定目標の早期実現ということのために、量的にも質的にもこれまでとは次元の異なる金融緩和を行っております。
 量だけでなく質も重視しておりまして、市場から国債その他の資産を買い上げる際には、量に加えて長期金利低下を促したり資産価格のプレミアムに働きかけるという質的な効果も重要であると考えておりまして、そういった考えの下でETFを含めたリスク資産の買入れを行っているわけでございます。
○白眞勲君 私は本当に金融の素人だから、皆さんはよく御存じで、ほう、なるほどねと今までの御答弁で分かったのかもしれない、私さっぱり分からないんですよ。
 この資産価格のプレミアムって何ですか。私にも分かるようにちょっと御説明いただきたいと思うんですけれども。
○参考人(黒田東彦君) 資産価格はいろんな形で決まってまいりますけれども、一定の、株式にしてもいろんなものにしても、リスクというものがありますので、そのリスクの勘案の仕方によって、リスクフリーの国債などの金利などに比べて、利回りというか収益率というか、そういうものが高めに出るということは当然なんですけれども、それをプレミアムと言うんですが、そのプレミアムはいろんな状況で変動いたします。経済についてやや不透明感が高いとか、そういったときにはプレミアムが大幅になってしまうと、それが大幅になり過ぎますと好ましくないということで、十分な投資が行われなくなるということでございます。
 したがいまして、そういうものに働きかけることによって投資が促進されるということを狙ったものでございます。
○白眞勲君 つまり、簡単に言えば買い支えますみたいな感じに聞こえるんですよ、今、私。株価の買い支えに使っているんですというふうにも聞こえなくはないんですけれども、まあそれ、そうですかと言ってもそうじゃありませんと答えるに決まっているんだから、それは聞きませんけれども。でも、何かそういうふうに感じるし、実際に私みたいな素人的な投資家にしてみれば、日本銀行がそろそろ何かやるんじゃないかなみたいになると、今のうちに買っておけば、今、日本銀行がお金を入れてから、これで、つまり、国が株を買い入れるタイミングを見計らって売るなんて、上がったところで売るなんてことになったら、これは要するに金持ちのために何か日銀が働いているような感じがしてしようがないんですが、そういうことじゃないんでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げたように、資産価格のプレミアムに働きかけるという意味でありまして、そういった観点から、ETFとかJ―REITとか、いわゆるリスク資産というものも買い入れております。それから、かつてCPや社債も買い入れておりまして、現在は新たに日本銀行の保有残高を増やしておりませんけれども、従来の保有残高を維持するように、CPや社債についても、償還期が来た場合には、償還された額だけ新たにCPや社債を取得して残高を維持しております。そういった形で、様々な形でリスク資産の買入れを行って資産価格のプレミアムに働きかけるということをしておるわけでございます。
○白眞勲君 いや、ですから、このリスク資産を買い入れるということ自体が、国民のいわゆるお金というんでしょうか、それをリスクに入れているということにならないのかということを私は申し上げているわけなんです。
 これもう一回、これからちょっとまた深くやりたいなと思っているので、また御指導お願い申し上げたいと思いますが。
 ここで、GPIFについて、今日は厚生労働の副大臣の方もいらっしゃっていますので、これ、大分株に入れていますよね。大丈夫ですか、これ。
○副大臣(竹内譲君) 整理して申し上げたいと思いますが、GPIFのまず運用状況につきましては、三月一日に公表された平成二十七年度第三・四半期では、運用資産額は約百三十九・八兆円でございます。運用収益はプラス四・七兆円でございます。個別の資産構成割合は、国内債券が約三七・八%、国内株式は約二三・四%、外国債券が一三・五%、外国株式は二二・八%、その他短期資産が約二・六%でございます。
 年金積立金の運用は長期的な観点から評価すべきものと考えております。自主運用を開始した平成十三年度から平成二十七年度第三・四半期までの収益額の累積は、平成二十七年度第二・四半期のマイナス七・九兆円を含めてもプラスの約五十・二兆円のプラス、年率二・九九%となっております。
○白眞勲君 いや、過去一年間でプラス四・二兆円じゃないんでしょうか。五十兆円というのはどこから出てきた数字ですか。
○副大臣(竹内譲君) 今申し上げましたのは、平成十三年度から平成二十七年度第三・四半期までの収益額の累積額でございまして、年金積立金は長期的な観点から評価すべきものであると、短期的なぶれで評価すべきものではないというふうに考えておりますので、その意味で、今、この長期にわたる十三年度から二十七年度第三・四半期までの収益額の累積額として五十・二兆円のプラスとなっているということを申し上げました。
○白眞勲君 いや、ですから、私が申し上げているのは、株式を去年になって思いっ切り入れ始めたわけですよ。その前の収益のことはいいんですよ。
 要は、去年に入りましてから株式に投資を、もっと比率を高めたことによって大丈夫なんですかということを聞いているんですよ。そういうことについて、過去の長い、それは当たり前なんですよ、そんなこと、GPIFは。ただ、今の時点でそんなこと始めちゃっていいんですかということを私は聞いているんですが、どうなんですか、その辺は。
○副大臣(竹内譲君) 申し上げます。
 年金積立金の運用は、安全かつ効率的に行うことが重要であることは論をまちません。これはあくまでも年金でございますので、長期的に物事は考えなければいけないということでございます。しかも、賦課方式でございますので。
 そこで、物価、賃金が上昇しないデフレ下から今脱却しつつあります。こういう中で、今後の物価、賃金の上昇が想定される中では、現時点の金利が低い国債に偏った基本ポートフォリオでは必要な運用収益を確保することが困難であるということでございます。
 現在の基本ポートフォリオは、デフレからの脱却に対応しまして、分散投資の考え方に基づき専門家が最もふさわしい資産の組合せを検討した結果、平成二十六年十月に、御指摘のとおり、国内債券に偏っていた基本ポートフォリオから他の資産への分散を進めたものでございます。
 このように、現行の基本ポートフォリオは長期的な経済・運用環境の変化等を考慮して検討したものでございまして、長期的に見て年金財政上必要な積立金を確保できるというふうに考えております。
○白眞勲君 いや、何かちょっとどきどきとするような言葉をいっぱいおっしゃっているんですよ。確保できますと何で断言できるんですか、最後に。大変ですよ、これ、今おっしゃったことって。今、確保できると考えておりますと、大変なことを言っていらっしゃいますよ、今、副大臣。
 まず、必要な運用益を確保することは困難であると、今までどおりやっていると。だといったって、損することないでしょう。リスクが高いということは大損する可能性もあるんじゃないんですかということを私は聞いているんです。どうなんですか、その辺は。
○副大臣(竹内譲君) これは、確かに短期的なぶれは生じる可能性はあるということでございます。
 ただ、これは、あくまでも二十五年の長期にわたる運用を専門家がいろいろ検討していただきましてポートフォリオの見直しをされたわけであります。その基本的な考え方に基づいて申し上げたわけでございます。
○白眞勲君 いや、ですから、短期と長期を都合よく分けないでもらいたい、失礼な言い方ですけど。短期になったら大損する可能性があったら、これがそのままいっちゃったら、大損ずっとしたら、もっとするということですよ、これ長期になったら。そういうふうになりませんかということを言っているんですよ。
 今専門家という話もありました。この専門家って誰が決めたんですか。専門家がミスした場合、その最終的な責任は厚生労働省にあるということでよろしゅうございますね。
○副大臣(竹内譲君) 厚生労働大臣です。
○白眞勲君 厚生労働大臣がどういう責任を取るんですか。
○副大臣(竹内譲君) 厚生労働大臣の責任の取り方につきまして、私の立場からここで云々することはできないと思います。
○白眞勲君 いや、今、あなたが厚生労働大臣が責任を取るんだと言ったんだから、その責任の取り方についてお聞きしているんですよ。それ、厚生労働大臣が決めることだというわけにはいきませんよ、それは。あなた、厚生労働大臣の副大臣として今いらっしゃっているんですから。その辺、どうなっているんですか。
○副大臣(竹内譲君) ここで私が申し上げておりますのは、あくまでも年金の運用は長期的に考えるべきものでございまして、今、年金が破綻したとか積立金が枯渇したとかということではございませんし、これは長期的に二十五年の将来に向けて様々なことを検討してこれまでもやってきたし、これからも考えていると。そして、経済の変動をいろいろ考慮しながら、専門家の方々が一つのポートフォリオの見直しを提言されて、それを受け入れたということでございます。
 したがいまして、それ以上のことをちょっと申し上げるわけにはいかないと思っております。
○白眞勲君 いや、副大臣が責任は厚生労働大臣にあると断言されたじゃありませんか。当然その責任の、どういう責任のことを取るんですかというのを私聞いているだけですよ。それはどういうことなんですかということなんですよ。
 これ、大変なことなんですよ。これ、総理まで言っちゃっているわけですよ。万々々が一の場合には年金の支払額も少し減らさなきゃいかぬということを総理もおっしゃったわけですから。我々は、どういうそういったときに責任の取り方が厚生労働大臣としてあるのかということを私は今聞いているんですよ。
○副大臣(竹内譲君) 直ちに今破綻をしているわけでもございませんし、この仮定の、破綻した場合の仮定の問題につきまして私がこれ以上申し上げる立場にはないということでございます。
○白眞勲君 副大臣、私、破綻なんて言葉は一回も言ったことないですよ。そんな恐ろしいこと言わないでくださいよ、副大臣。自分で破綻なんて言っちゃ駄目ですよ、副大臣が。
 いや、ちょっとこれ、何かいじめ過ぎだということありますけれども、これ。いじめるとかいじめないじゃないんですよ、これ、国民の本当に老後の大変な貴重な年金のことを聞いているんですよ。これをきちっと真面目に僕は考えてもらいたいんですよ。
 この辺り、ちょっともう時間がなくなっちゃったから、何か厚労省でつまずかれちゃうと、もうちょっと先行きたかったのに行けないじゃない、これ。
 じゃ、財務省さんにちょっと軽減税率についてお聞きしたいんですけど、これ、例えばハンバーガーショップでよく私聞かれるんですよ、お持ち帰りですかって。そのときに、持ち帰りますと答えたら今回は消費税は八%、そうですね。ここで食べますと答えたら一〇%。何か今までの答弁を聞くと、あくまでも注文したときのことだということであるならば、気が変わったとしても、みんな気が変わります、そうしたら。そうでしょう。
 要は、みんなで一緒に持ち帰りますと言ってここで食べちゃえばいい話になっちゃうんですよ。そのうち絶対ネットで書き込みがありますよ。いや、あそこのハンバーガーショップでは必ず持ち帰りますと言いなさいと、そうすれば八%で食べられますよということになりませんか。これ、必ず持ち帰りますと答えましょうということになったら、二%安くなりますなんて書き込みあったら、こういう口コミが広がったら、これ税制として非常に問題だと思うんですけれども、その辺りいかがでしょうか。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 まず、基本的な考え方を申し上げます。
 今回の税法は、飲食料品を譲渡した、譲渡でもって軽減税率かどうかを決めるということでございますので、販売時点で明確に判断をするという構造になっています。しかも、事業者は納税義務者でございますので、納税義務を適正に果たすという観点から相手の意思を確認した上でその八か一〇かというのを決める、まずこれが出発点でございます。
 それで、したがいまして、そこで決めた後どこかへ行ってどうされようとも、それはもうその時点で確定しているという考え方でございますので、仮にそれでテークアウトしたか否かを問わず、基本的には八%のままというのが基本的な考え方でございます。
 先生の恐らく疑念は、そういうことだと、販売時点だけで判断していくというのは本当にそれで大丈夫なのか、税に対する信頼性の問題は大丈夫なのか、こういうふうなお尋ねだと思いますけれども、実際問題として、仮にそれを事後確認までするということになると、これはまた一つの現実的な問題としていかがなものかという感じもいたします。
 ただ、例えば事業者が多くの顧客がテークアウトと偽って店内飲食をするという事態を言わば見て見ぬふりをするというふうな状況があるとするならば、それは先ほど申し上げた事業者が適正判断をする義務を負っておりますので、それについてはいかがかなというふうに思うわけでございますので、そうならないように、まずは税法上の義務者としてしっかりと顧客の意思を確認をして適正判断をしていただくということになりますし、その点についての御理解をいただくということになります。
 それで、インターネットのお話ございましたが、仮にそういうふうなインターネットでもってこうこうこうすればいいことがあるよというふうなことについて、それは好ましいとは思いませんけれども、税法上は別に罰則を設けているわけではございません。
 いずれにしても、消費者、事業者においてしっかりとした適正な課税関係に御協力いただくよう周知徹底を図るということも政府としては努めてまいりたいと思っております。
○白眞勲君 もう時間がないから余りこれ、でも、大臣、これどうですか。例えば、そのうち聞くだけやぼみたいになっちゃいますよ、みんなそう言うに決まっているんだから。ひたすら紙袋に一生懸命ハンバーガーとポテトを入れて、コーヒーを別の紙で、段ボールで固定して別の紙袋に入れているわけですよ、今、アルバイトの女性が。これで店内で食べるかな、それで店内で食べてごみでぽい、そういうことをやっていて、これ結局お金もったいないなという話にもなりますよ。そういうことをやっていいんでしょうか。やっぱり、私、これ混乱起きると思うんですよ。大臣、これどうですか、こういうの、どう思われますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的に、日本人の場合、そういったのがどうやって起きるのかという話で、これは倫理観、モラルの話に関わってくると思いますので、安きゃ安いってやりますかね、みんな。私はそれほど日本人を信用しないわけじゃありませんので、基本的には、明らかにということをみんなでやり始めたら、何だ何だと、今度はほかの客が、何だ、あの人払ってないじゃないか、おかしいじゃないかという周りの声も出てくるということも期待しますので、しばらく見てみぬと分からぬですけれどもね。
○白眞勲君 いや、これは日本人の倫理観という話ではなくて、一般的にやっぱりそういった問題というのは当然これは出てくると私は思うんですね。ですから、その懸念があるのではないかということを聞いているんです。だから、今おっしゃったように、そういうのを見てみないと分からないというのは、私はその辺はちょっと、何というんだろうな、それでいいのかなという私は感じがいたします。
 そういう中で、もう一つ私聞きたいんだけれども、軽減税率、何で八%なんですかということなんですね。これ、ゼロ%にした方がよっぽど分かりやすいじゃないですか。でも、それは財源論の話が出てくるでしょうねということになりますよね。だけど、この財源がないというわけでしょう、今。今から見付けるったって、そんな簡単に見付かるものなのかなと私は思うんですよね、別に穴掘ったら出てくるようなわけじゃないわけだから。そうしたら、今から見付かるんですかという話もあるんですよ。それについては見付けるんだということでどうせ答えられると思うので、私、いいですけれども。
 でも、例えば韓国の場合だと、軽減税率ゼロですよ。ただし、米とか生鮮食品ですよ。私は、例えば米だけゼロ%とか、そういうふうにした方がよっぽどいいのではないだろうか。米も加工したら駄目よなんですよ、韓国は。ですから、そういうのも一つの手としてありますよと私は思うんですけれども……(発言する者あり)キムチはあれなんですね、キムチはちっちゃな市場で作っている、おばちゃんが作っているやつは無料なんですよ、無税なんです。ところが、缶入りにしたりすると一〇%の税金なんですよ。そういうふうになっているんですね。
 これ、どうでしょう、麻生副総理、この辺りもう少し、毎日キャビア食うわけにもいかぬわけですから、ただ、米は毎日食うわけですよ。ですから、その辺の毎日食べるものを中心にゼロ%というふうにやった方がよっぽど分かりやすいと思いますが、その辺いかがでしょうか。
○副大臣(岡田直樹君) 軽減税率を今回導入したそもそもの食品、これについては、ほとんど全ての人が毎日何らかの飲食料品を購入している、すなわち日常の消費支出において相当大きな割合を占めている、それから、食品表示法によって線引きを合理的かつ明確に示すことが可能であって、消費者及び事業者にとって分かりやすいという観点があると思っております。
 そういうことを総合的に勘案して幅広く飲食料品全体を適用対象としたところでございまして、韓国においては、穀物、野菜、キムチ、あとは豆腐、みそ、しょうゆなんかもあるんですか、そういうふうな未加工食料品に絞って非課税ということでございますけれども、我々はそういう線引きの難しさというようなことも含めて総合的にこのように絞って八%と判断をいたしました。
○白眞勲君 全然線引き難しくないですよ。米というのは線引きのしようがないんだから。何で米が線引きが難しいのかよく分かりません。つまり、私は、そういう感じでやっていった方がいいのではないのかなと私は思っています。
 それと、インボイス制度、先ほども竹谷先生からその話がありましたけれども、非常に複雑でよく分からない、今話聞いていたけど、さっぱり分からなかった、私は。
 そういう、やっぱり最初にインボイス制度から始めて、国民にある程度定着してからこういった軽減も考えていった方がいいんじゃないかな、そういう段階的な方が私はよっぽどいいというふうに思いますよ。何か財務省さんは、答えているときには嫌だな、嫌だなという感じが私は印象としてあったんですよ、軽減税率嫌だなとかインボイス嫌だなという感じがしなくはなかったんですけれども。
 いずれにしましても、これ次の私の質問にまたこれから繰り越させていただきたいと思います。
 今日はありがとうございました。
○大久保勉君 民主党の大久保勉です。
   〔委員長退席、理事愛知治郎君着席〕
 実は、質問通告、二日前にしておりまして、日銀に関しては副総裁でありましたが、突然、岩田副総裁が入院ということで、黒田総裁に代わって来てもらいました。岩田副総裁に関しては、治療に専念されたいということで、しっかりと治療に専念していただきたいと思っております。
 黒田総裁はお忙しいということで、質問の順番を大幅に変えまして、日銀から先に質問します。終わりましたら、委員長のお許しをいただいて退席されて結構です。
 それで、マイナス金利政策に関して最初に質問したいんですが、ちょうど今日の日経等の朝刊を読みましたところ、日銀のエコノミストとしては非常に権威若しくは実績があります翁邦雄元日本銀行金融研究所所長、今は京都大学の教授をされておりますが、コメントをされています。実は、量的金融緩和に関しては限界である、そしてマイナス金利政策に関しては説明不十分と。まさに私が思っていることをそのまま言ってもらいました。最近でしたら、さらには岩田一政元日銀副総裁に関しても、量的金融緩和の限界が言われています。
 そこで、総裁に質問したいのは、ちょっとこれまで、いわゆる日銀の出身のエコノミストを含めて、身内ですら、ちょっと黒田さんは行き過ぎじゃないの、若しくは何か変だねというふうに言ってきたような気がします。ですから、マイナス金利政策に関してはまずしっかりと説明をすべきだと思いますが、説明が不十分だと、こういう見解に対して何か御所見はありますか。
○参考人(黒田東彦君) マイナス金利というのは我が国で初めてのことでございますので、国民各層にいろいろな御意見があるということはよく承知しております。
 その上で、マイナス金利付き量的・質的金融緩和を導入いたしましたのは一月末の金融政策決定会合でございまして、具体的に金融機関の日本銀行への準備預金の一部にマイナス〇・一%というものを付けたのは二月十六日からでございます。その過程の中で金融機関の方々とも様々な対話をいたしまして、スムーズに、できるだけスムーズにこれを運んでいただくように理解を求めてきているところであります。
   〔理事愛知治郎君退席、委員長着席〕
 ただ、まだ一部の金融機関でこのマイナス金利に対する対応が十分できていないところがあることも事実でございますので、今後とも金融機関とは十分な対話をしていきたいと思っておりますし、委員御指摘のように、国民各層に対する説明、そして理解を求めていくという努力は今後とも引き続き十分にやってまいりたいというふうに思っております。
○大久保勉君 この翁教授のコメントには、マイナス金利といいますのは為替にしか影響がないと、つまり為替を円安にすることしか影響がないといったことをおっしゃっていますが、そのことに関してはどう反論されます。
○参考人(黒田東彦君) 個々のエコノミストの方に対する反論ということは差し控えさせていただきますけれども、御案内のとおり、欧州で四つの中央銀行がマイナス金利を導入しております、最近、もう一つ、五つ目の中央銀行もマイナス金利を導入したようですけれども。
 いずれにいたしましても、ECB、つまりユーロ圏全体を対象にしておりますECB以外は全ていわゆるスモール・オープン・エコノミー、輸出入のGDPに対する割合が極めて高いところでありまして、為替の安定というものが即物価の安定、物価の安定のために為替の安定が必要という、こういうところでございまして、そういうところはかなりマイナス金利を深掘りして、それによって大口の預金等が、あるいは短期市場への資金の流入を防ぐという形で、ユーロに対して通貨が上昇しないようにするということを主たる目的にしておられるようでございます。
 それに対して、ユーロ圏あるいは米国、日本のようなかなり大きな経済にとっては、輸出入のGDPに対する割合というのは比較的限られておりますし、為替の安定と物価の安定とはかなり違っております。そうした中では、ECBはマイナス金利を導入して、さらに三回にわたってそれを引き下げておりますけれども、一貫して物価の安定ということのためにやっているということで、為替の安定、為替をターゲットにしたものでないということをはっきり言っておりますし、実際にも、マイナス金利の導入、それを三回にわたって引き下げたときに必ずしもユーロが安くなっているということではありません。
 したがいまして、マイナス金利は即為替安のため、あるいはそれがそういうものとして機能しているということは、欧州の小さなスモール・オープン・エコノミーにとってはある程度当たっていると思いますけれども、ECBについては全く当たっておりませんし、FRBや日銀のようなかなり大きな経済に対して中央銀行として金融政策を行っている当局としては、その為替安を狙って、あるいはそれが最大の目標ということは全くございません。
○大久保勉君 欧州のケースに関しましては、まだイールドカーブ自身が下げ余地があるということでマイナス金利が十分効く部分がありますが、日本の金利体系に関しては、もう短期も長期もほとんどゼロに近いということですから、今更マイナスの金利を更に深くしたとしましても、若しくはマイナス金利を採用したとしても、金利が下がって、長期金利が下がってイールドカーブが下がって貸出しが増えるというパスはなかなか難しいと思います。ここは、時間がありませんので次に行きたいと思いますが。
 今日議論したいのは、いわゆる日本銀行自身としてのリスク管理、出口戦略といったらまだ早過ぎるということですから、あえてリスク管理ということで言います。つまり、日本銀行大丈夫かと。つまり、これだけ国債を買う、さらにETFを買う、この場合に、今の政策と逆の方向に行った場合に影響は大丈夫かと、こういったことで質問したいと思います。
 これは予算委員会で一部質問して、時間がなかったのでその続きになりますが、そこで、いつも総裁としては大丈夫だと、そういう言葉、文学的な言葉しかありません。そこで、今日はちゃんと数学、数理を使って議論したいと思います。是非協力してもらいたいと思います。
 まず、日本銀行の狭義の自己資本、さらに積立金、含み益、それぞれ教えてください。これを合計した金額として、広義の自己資本はどのくらいか。
○参考人(黒田東彦君) 平成二十七年度上半期末の決算では、資本勘定は三・一兆円、引当金勘定は四・〇兆円、保有有価証券の含み益は八・三兆円ということでございますので、それらを合計した広義の自己資本相当額は十五・五兆円となります。
○大久保勉君 広義の自己資本が十五・五兆円ですね。
 そこで、次の質問は、前回いただきましたんですが、国債がもし、国債を所有されています、金利が二%並行的に上がった場合には二十七・七兆円の損失ということです。でしたら、何%金利が今より上がった場合に日銀の広義の自己資本はゼロになりますか。
○参考人(黒田東彦君) 平成二十七年九月末時点の保有国債について御指摘のような機械的な計算を行いますと、長期金利が約〇・八%上昇した場合、同時点における広義の自己資本相当額の時価が減少するという計算になります。
 もっとも、御案内のとおり、日本銀行は国債の評価方法について、償却原価法を採用しておりますので、長期金利が上昇したとしても、決算上の期間損益において評価損失が計上されることはございません。
○大久保勉君 ここまでは想定の範囲なんですが、つまり、金利が〇・八%以上上がった場合には大幅な含み損が出ると、ただし会計上は損失が実現しないと。
 済みません、質問通告していないんですが、遠藤局長のお顔が見えましたから、もし金融機関で金利が二%程度上がりまして、二十七・七兆円の損失が計上、自己資本は十五・五兆と。ですから、残り十二兆程度含み損があると、こういった民間銀行があった場合に、検査上どうします。
○政府参考人(遠藤俊英君) 突然の御質問でございますので。
 我々検査監督は、予防的に、財務の状況が悪くならないように常にリアルタイムで金融機関の状況を観察しながら、彼らとの対話を通じてリスク管理というのをしっかりさせていくということでございますので、今のような、こういった事態が生じた場合に検査監督上どうなるかという、ちょっと仮定の御質問にはお答えかねます。
○大久保勉君 いや、まさに予想の回答ですが、予防的にいろんなチェックをしていくと。ですから、私ども日銀の政策を議論をする場合に、出口が肝腎であると。藤巻委員もよく言われていますが、出口のことを想定しないと、今の政策がどうなるかというのはできないと。じゃ、どこでその議論をするかと。まさに国会です。ところが、国会で出口の議論に関しては一切言われないというのは非常に心配です。
 僅か〇・八%の金利上昇で、事実上、広義の自己資本はゼロと。もちろん日銀は倒産はしません。これは国の信用力がありますから。しかし、様々な問題点が発生します。仮に金利が二%上がった場合に、少しずつ損失が実現していきますから、国庫納付金が減るんじゃないかと。この質問は、実はこの委員会で小池委員が議論し、そして麻生さんに対しても質問しています。ですから、こういったことをしっかり積み上げておかないと、本当の意味で日銀がおかしくなって、日本の経済がおかしくなると、こういった問題がありますから、是非そこに関しては誠実に答弁してもらいたいし、数字を開示してほしいと思います。
 ただし、今、景気を良くするために、マイナスの金利というのも一つのやり方ですが、そこには大きなリスクが伴っていると。そこに対して、これまで三年間、最初の方はアベノミクス、特に黒田バズーカに対して賛成の人が多かったんですが、だんだん日銀の関係者たちもちょっと危ないねと、こういった意見が、翁教授であったり岩田一政元副総裁が出てきていると。ここに対して予算委員会でも同じような質問があって、藤田委員が、本当に黒田さんは暴走しているんじゃないかというようなことで、五対四で無理やり一月二十九日にマイナス金利政策を導入したと。そこで、日銀職員に無記名で賛否を取ったらどうですかと、こういったところまで言いました。これは、そういったことが委員会で質問されるぐらいに、しっかりとリスクを考えておかないと大変なことになると思っています。
 ただ、御苦労は分かりますから、私どもはしっかりと応援したいと思いますが、これだけのリスクを取らざるを得ないという状況に対して、黒田総裁、何か、御苦労は大きいと思いますが、非常に、側近の岩田副総裁も入院されています、ですからそういう意味でずっしり責任が掛かっていると思いますが、感想がありましたらお願いしたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) 御指摘の御議論はもちろん私どもとしてもよく理解をしております。
 その上で申し上げますと、御案内のとおり、現在の日銀法の下で、九人の政策委員がそれぞれ独立の立場で経済金融情勢について十分な点検を行って金融政策を決定するということになっておりますので、そういう意味では、政策委員会の金融政策決定会合というのは極めて重要であるというふうに思っております。
 その上で、もちろん、日本銀行総裁として日本銀行全体のスタッフを掌握して、政策委員会で決まった政策を実施、実行していくということでありますので、その役割、意義というのは非常に大きいというふうに思っておりまして、今後とも、政策委員会で十分な議論を行った上でその政策をしっかりと実施して、できるだけ早期に物価安定の目標を達成したいというふうに考えております。
○大久保勉君 先ほど日本銀行の独立性という話がありました。私は極めて重要だと思います。ですから、こういった質問をあえてしているわけです。
 もし、先ほどの質問でしたら、二%金利が上がった場合に、日銀は債務超過です。最終的に資本が足りないということで財務省に対して若しくは政府に対して出資を求めるとなりましたら、日銀の独立性にとっては、財務省若しくは政府に対して頭が上がらないと、こういう状況が発生しましたら本当に独立性を守ることができますか。若しくは、日銀自身、出口政策でむちゃくちゃになった、なったら日銀けしからぬということで、日銀法改正といった場合には、本当の意味で、先人たちがつくった日銀の独立性が守られないと。こういうことに対して黒田総裁はどのようにお考えになりますか。
○参考人(黒田東彦君) 従来から申し上げておりますとおり、当然、出口がどのようになるかということ、それから、それが日本銀行のバランスシートにどのような影響を及ぼすかということは当然十分考えておかなければならないわけでございます。
 その上で、御案内のとおり、マイナス金利付き量的・質的金融緩和に伴う収益の振れを平準化する観点から、収益が上振れる局面で積み立て、将来下振れる局面で取り崩すことができるように引当金制度を拡充するなど、財務の健全性の確保には努めております。
 その上で申し上げますが、当然財務の健全性ということは十分考えております。その上で、やはり二%の物価安定の目標というものを実現するということは非常に重要でございますので、財務の健全性を考えつつ、あくまでも二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するという大目標に向けてしっかりと政策を実施してまいりたいというふうに思っております。
○大久保勉君 財務の健全性は極めて重要です。今日は、ですから数字を使って議論しようという話をしました。つまり、積立金というのは幾らあります、僅か四兆円ですよ。金利二%上がったら二十七兆です。桁が全然違いますよね。この四兆円の積立金も財務省と話をしながら、いろんな利益のうちの、利益の積立金を増すとか、でも、せいぜい年間で恐らく数千億円という話ですから、桁が全然違います。
 そういう意味では、日銀は相当大変な領域に入ったから、そこに対しては、これは日銀の問題だけではなくて国の問題ですから、全員がしっかりとサポートしたいと思いますから、その中心にいらっしゃる黒田総裁もしっかりとそのことを考えて、是非、日銀の職員がしっかりとサポートできるような体制をつくってほしいと思います。もうこれ以上申し上げません。
 続きまして、今日の議論の中で消費税軽減税率の話もありますから、それにつなげるために、最後に黒田総裁に質問したいと思います。
 質問通告は直接しておりませんが、ここでよく議論がありますのは、リーマン・ショックみたいな危機の場合には消費税を延期しないといけないねというような話がありました。そこで、リーマン・ショック級の経済危機というのは、私は、マイナス成長で、かつ金融収縮というのは必要条件かなと思いますが、いかが思われますか。
○参考人(黒田東彦君) 確かに、リーマン・ショックの際には、米国を震源地として世界中に金融危機と言われるものが広がりまして、信用収縮が起こり、かつ、米国のみならず全世界の経済がマイナス成長をしたと。新興国は、成長率は下がりましたけれども、多くの新興国はプラスの成長を続けておりましたけれども、それにしてもかなり大幅に成長率が下がった、先進国はほとんど全てマイナス成長になったということは事実でございます。
 そういう意味で、リーマン・ショック並みというときに何を意味しておられるのかは私どももはっきり存じているわけではありませんが、リーマン・ショックそのものの特色を申し上げれば、委員御指摘のようなことであろうというふうに思います。
○大久保勉君 じゃ、総裁に関しては、本当にお疲れさまでした、退席されて結構でございます。
 委員長、よろしいでしょうか。
○委員長(大家敏志君) 黒田日本銀行総裁は御退席いただいて結構でございます。
○大久保勉君 この議論を今度は今回の税法との関連で質問したいと思います。
 今回の税法の中で、軽減税率はいつ入るのかと。つまり、来年の四月に入る予定なんですが、もしかしたらそれが延期される可能性が、いわゆる総理大臣の答弁若しくは麻生大臣の答弁にあります。
 そこで、事務方に聞きたいと思いますが、質問通告しておりますが、佐藤主税局長、もし、リーマン・ショック級の経済状況ということはマイナス成長かつ金融収縮と思いますが、そこで、質問というのは、もしマイナス成長でもない、金融収縮もない、こういう状況でリーマン・ショック級という言葉が使われることはありますか。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 同様の御議論、昨日以来あったかと思います。大臣の答弁に尽きると思ってございます。
○大久保勉君 ということは、政治的な判断に頼るということで、事務方としてはもうこれ以上答弁できないと。ここはもう議論はしません。
 ということで軽々に、リーマン・ショック級、東日本大震災というのは天災ですからこれは予想し得ませんが、リーマン・ショック級ということでしたら、少なくとも経済界の人間にとりましては相当大きな経済的な恐慌であります。ですから、現段階では全くあり得ないとは思いませんが、こういう状況で、もし万々が一消費税引上げを安倍政権が延期しようとするんだったら、今議論しております法律自身は何のためにこれだけ時間を掛けてやっているか分からないと、このことだけ申し上げたいと思います。
 次に行きたいと思いますが、次に、二重課税の話が麻生大臣の方からありました。要は、内部留保課税に関して二重課税だからおかしいと。私もそう思いますが。そこで、佐藤局長に、三月十七日の議論で、税務理論的には、課税根拠がしっかりあったら二重課税はないということを言い切っていましたから、もし、内部留保課税に関して、課税目的は投資促進のための内部留保課税というのをつくった場合、これは二重課税ですか。
○政府参考人(佐藤慎一君) 二重課税というときにどういうことを念頭に置くかによると思います。先日来の自動車の場合においては、それぞれの税率とそれから消費税との関係のお尋ねでございましたので、それぞれの課税根拠等々があるという前提であれば、いわゆる概念上の整理としては二重課税的な世界はないという前提で、ただし、自動車に対する負担を考えるときには、経済状況、財政状況、あるいはその事態の負担の状況などを全体的に総合的に考えると、こういうお話でございました。
 今日の恐らく内部留保課税の御議論でございますけれども、これについては、巷間、二重課税ではないかという議論があるということを御紹介になったんだろうと思います。現実に同族会社に対する内部留保金課税というのは制度としてはあるわけでございますので、それなりの租税、ちゃんとした、しっかりとした課税根拠があるということになれば、その時点においては、税制上の整理として課税根拠が認められれば、それは二重課税論には当たらないということになろうと思います。
 ただ、いずれにしても、その内部留保についてどういうふうに考えるか、内部留保に課税をするまでそういう必要性があるのかというふうな根本的な御議論があった上で、いろんな判断がされていくことだろうと思ってございます。
○大久保勉君 分かりました。
 内部留保課税に関してはいろんなことをしっかりと考えてもらいたいと思います。ただ、私としては、そこまでやるかと思います。ここは麻生大臣と一緒です。
 ただ、やり方としてもう少しあるんじゃないかということで、この間議論していましたのは、内部留保の一部は現金で預金されていますから、大企業向けの預金に関してマイナスの金利を導入するということで、マイナスになるくらいだったら投資した方がいいと、こういった議論もありますから、ここに関して、予算委員会の議論では、金融機関が勝手にマイナス金利を付けることに関して金融担当大臣として反対はしないというふうな私の受け止めだったと思います。つまり、強制はできないと、こういった考え方でよろしいでしょうか、麻生大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) 度々申し上げておりますように、民間の銀行がどのような金利を付けるかということに関して、損することを覚悟でマイナスにするのか、損することを覚悟で高額の金利を付けるのか等々の経営判断というものは、かかって銀行という経営主体がなさってしかるべきものだと思っておりますので、私どもとしては、一般論として申し上げれば、いわゆる金融機関の判断、経営判断事項ということになるんだと思いますので、適切なリスクは御自分で取られながらやられるべきだと思っております。
○大久保勉君 マイナスの金利預金というのは、リスクはないんですよね。むしろ、こういう状況において高い金利を付けることが銀行にとってリスクがあると思います、マイナスの金利にしたら利ざやが広がりますから。もちろん、マイナスの金利を付けることによって、この銀行はけしからぬと、そういったレピュテーションリスクはあるかもしれませんが、大企業ですからそれは余り考える必要がないと思います。
 実は日銀が、先ほどの議論で、相当の覚悟でマイナス金利を導入しました。結局は、銀行サイドがマイナス金利を付けない限りは、経済に対するインパクトは極めて弱いと思います。さらには、貸出金利が下がる、若しくは住宅ローンでしたら借換えということで運用利回りが下がるということで、かなり銀行にとって厳しくなって、その結果、かえって意図とは違う貸し渋りが出てくると、こういったこともあって、最初の議論ですが、翁京大教授が、マイナス金利というのは効果がないと、こういうふうに言っていると思います。
 そこで、今日、金融庁が来ていますから、マイナス金利が導入しましたら、銀行の総資金利ざやがかなり縮小する、一部総資金利ざやマイナスの銀行が増えてくると思います。そのときに銀行監督はどのようにされるかということです。ですから、利ざやをもっと上げないとその銀行は長期的には破綻する可能性があると、そういったことで、どういうふうな管理監督をされているのか、遠藤局長ですか、お願いします。
○政府参考人(遠藤俊英君) まず、金融機関の総資金利ざやでございますけれども、総資金利ざやという概念は、貸出金利息とか有価証券の利息配当金などに係る資金運用利回りから預金利息とか経費等に係る資金調達原価を差し引いたものでございまして、この総資金利ざやには、銀行の収益のうち、その役務取引等利益とか有価証券関係損益などの損益は入っておらない概念でございます。銀行全体の利益を示したものではございません。
 最近の地域銀行の決算の状況などを見ると、当期純利益は全体として堅調に推移しているということでございます。これが前提でございますけれども、ただ、このマイナス金利政策の導入が地域銀行等に中長期的にどのような影響を与えるのか、健全性にどのような影響を与えるのかということに関しては注視して見ていく必要があると思います。
 金融庁といたしましては、この検査監督の在り方、大久保委員から御指摘がございましたので、この検査監督の在り方に関しては、ここ数年で我々は新たな金融モニタリングの体制というものを構築してきております。具体的には、検査監督が一体となってモニタリングを実施する体制を構築してきているところでございます。
 地域銀行について具体的に申し上げれば、ビジネスモデルの持続可能性あるいは健全性の確保の観点から、地域銀行ごとにビジネスモデルやリスク特性、リスク管理体制の状況等について、主にオフサイトのモニタリングによって状況を把握し分析します。そういった分析状況を基にして抽出された課題について、その課題の内容に応じてオンサイト、オフサイトのモニタリングを効果的に組み合わせるといった形で、かなり深度あるモニタリングを通じて検証、対応を行っているところでございます。
 これまでこういった形のモニタリング体制を構築してきましたので、これからもこれを継続していくというところでございます。
○大久保勉君 金利が下がることによって総資金利ざやは縮小すると。ただ、手数料とかが、若しくはほかのキャピタルゲインがあればいいんじゃないかといったこともおっしゃったと思いますが、でも、結局、手数料といいましても、マネー・マーケット・ファンドとかそういったものが販売できないと。含み益があるというのは、結局はこれまで国債を持っていたものを売却して、いわゆる決算のために利益をつくっているようなところが中心です。
 ですから、その結果、体力がどんどん弱っていきますから、先ほど日銀に対して言いましたけど、先を見据えていろんな検査をしているということでしたら、やはり三年後、五年後、地銀がどういうふうな状況になるかというのはしっかりと考えて検査されていると思いますし、場合によっては、オーバーバンキングという指摘もありますが、地域金融機関の統廃合も考えているのかなと思いますが、もし御意見があったらお願いします。
○政府参考人(遠藤俊英君) 大久保委員御指摘のように、先ほど私申しましたように、フォワードルッキングに、先を見据えた検査監督をしなければいけないというふうに思っております。
 過去からのトレンドで、マイナス金利導入前からかなり金融機関のその利ざやの部分に関しては確かに狭くなってきている、小さくなってきているというトレンドがございますので、このトレンドがこのマイナス金利導入によってどのように推移していくのかということをきちっと踏まえながら検査監督、先ほど申しましたように、新しい検査監督の体制でございますけれども、それを推進していきたいなというふうに思っております。
 オーバーバンキングの話に関しては、オーバーバンキングとは何ぞやというその定義がはっきりしませんので、今、日本の金融機関の状況がオーバーバンキングかどうかということに関しては、これ確たることは申し上げられません。
 何にしても、経営統合のお話がございましたけれども、経営統合というのは、各金融機関が自分のビジネスモデルというものをきちっと確立する上でどうしても必要だという形であれば、それは経営判断として行われるということで、一つのその選択肢として行われるということだと思っております。
 何にしても、その地域において、地域銀行の場合は、その地域においてきちっとした金融仲介機能が行われ、かつ財務の健全性を確保するということが重要ではないかというふうに思いますし、金融機関がそういった運営が行われているかどうかということに関しては、我々、対話を通じて検査監督できちっと検証していきたいなというふうに思っております。
○大久保勉君 是非、金融環境も相当変わっていますから、それに適応するためには相当優秀な人材が必要ですし、また任用も増やさないといけないということで、その辺りはしっかりと考慮して、適切な検査監督並びに金融行政を図ってもらいたいと思います。
 時間的に、最後、一問だけ質問したいと思います。
 大臣に質問したいんですが、こちらは石田委員の方も過去にフィンテックの質問されましたが、自民党の方でもかなり議論されていると思いますが、いわゆるビットコインとか、いわゆる電子通貨に対する課税の在り方です。ビットコインというのは事実上の通貨と見られておりますが、それに対して消費税は掛かるか掛からないかということです。
 もし消費税を掛けるとしましたら、八%の消費税掛かるということですから、事実上通貨としての機能がないと。こういったことで、消費税は掛けるべきじゃないといった議論も金融界若しくはこの業界から言われていますが、ここに対する整理が、現状の判断があったら教えてもらいたいと思います。私は、免税する……(発言する者あり)現状です。
○国務大臣(麻生太郎君) 現在、この消費税法において物品の購入などの支払手段となるものとしては、御存じのように通貨とか小切手とか、外国為替・外国貿易法上の支払手段、商品券、プリペイド式電子マネーなどの物品の給付請求権というものを示しております物品切手などなどについては非課税ということにされておりますのは御存じのとおりなんですが。
 これまでも大久保先生から、法律上の定義がなく課税とされてきた仮想通貨というものについては、いわゆる今般法制化されることを踏まえて非課税とされるべきという意見もあるがどうかという御指摘が前にもあっていましたけれども、今も同様の御質問だと思いますが、三月四日に国会に提出をさせていただきました資金決済法改正案で定義付けております仮想通貨につきましては、いわゆる現行の消費税法に照らせば、この法律が非課税の対象として限定して列挙しておりますので、限定列挙している支払手段や物品切手には当てはまりませんので、したがって、税法上当てはまらないということでありますので、消費税課税の対象になるというのが現在の考え方であります。
 その上で、今般法制化されます仮想通貨を将来的に、これから将来的に消費税法上どのように取り扱うかについては、これは他の非課税品目とのいわゆる比較とか仮想通貨の取引の実態とか、これ、こっちは日本で渋谷で潰れたりなんかしたのもありますので、実際的な話とか国際的な課税上の取扱いの状況等々を踏まえながら検討されていかなきゃならぬと思っておりますので、今この種のものは、ニューヨークでは非課税になっておりますけれども豪州とかシンガポール等々では課税と、いろいろ国によっても違っているのが現状であります。
○大久保勉君 終わります。
○委員長(大家敏志君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(大家敏志君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、高橋克法君が委員を辞任され、その補欠として中泉松司君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(大家敏志君) 休憩前に引き続き、所得税法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○石田昌宏君 自由民主党の石田昌宏です。
 数回前の委員会で私はブロックチェーンの話を取り上げまして、これは、恐らく今というよりも未来、この分野でも重要になってくるのではないかという課題なんですけれども、同じような趣旨の課題として、今ももちろんそうなんですけど、未来により大きな影響を与える可能性があるのがBEPSの問題だと思っていますので、今日はまずその問題について先に質問させていただきたいと思います。
 昨年の九月、OECDの租税委員会で税源浸食と利益移転の行動計画、BEPSの行動計画が取りまとめられまして、十一月のG20の財務大臣・中央銀行総裁会議に報告をされました。これまでは、税に関する国際的な課題というのはどちらかというと二重課税の問題が多かったと思うんですけれども、企業の活動が世界的に広がり、多国籍企業の一部が国際的な税制の隙間とか抜け穴というのを利用して租税回避を随分やっているといったことが政治問題になりまして、いわゆる二重非課税というんですかね、そういった問題に対して取組が必要だということになりました。
 OECDの試算によると、毎年一千億から二千四百億ドル、ですから、日本円にするともう十兆単位だと思うんですけど、その法人税が失われているということのようですので、BEPSプロジェクトはこういった問題を解決に導くための行動計画として立てられました。
 概要が結構、全体を言うと難しいのですが、この最終報告に当たって麻生財務大臣のコメントが非常に分かりやすいので、ちょっと一応ここで紹介をさせていただきたいと思いますが。
 このプロジェクトというのは、グローバルな経済活動の構造変化に各国の税制や既存の国際課税ルールが追い付かず、多国籍企業の活動実態とルールの間にずれが生じている。こうした中、多国籍企業がこのようなずれを利用することで課税所得を人為的に操作し、課税逃れを行うことがないよう、各国の税制の調和を図るとともに、国際課税ルールを経済実態に即したものとする必要がある。その実現のため、実体面及び企業の透明性の向上や不確実性の排除といった手続面も含めた十五の行動計画の下、包括的にBEPSに対する諸措置を勧告している。日本は、本プロジェクトにこのような問題意識を強く共感し、また、取りまとめられた対応策を高く評価している。これら対応策により、企業間において公正な競争条件が整い、納税者の公平感や税制に対する信頼が確固たるものとなるであろうというコメントでした。
 このとおりであって、本当にこのことは進めていっていただきたいし、いかなければならないと思っています。さらに、これにつきましては、日本がかなり主導的な役割を果たしたということを聞いておりまして、国際社会の中で非常に高い評価が得られています。これは是非とも実行に移していただきたいですし、日本もそれを更に主導していっていただきたいと思います。
 ただ、この概念全体は分かりやすい話ではあるんですけれども、実際はかなり複雑なプロジェクトになっています。十五のプロジェクトが、行動計画があるという話ですけれども、今回の所得税法等の改正の中では、そのうちの行動十三という多国籍企業の情報の報告制度を法改正で取り上げているんですけれども、これだけ見てもかなり複雑です。
 例えば、報告の中で国別報告事項というのがありまして、確かに、対象は連結のグループの収入が一千億円以上、大企業、かなり大きな企業が対象になっているだけに見えますけれども、実際、こういった会社はMアンドAとかを繰り返しながらたくさんの子会社を持っていたりとか、いろんな国にいろんな小さな事業所も持っていて、そういったところにまで影響が及びます。そういった意味で、関係者みんながこの行動計画を詳細に理解するというのはかなり難しいと思いますが、これを何とかクリアしなければなりません。
 行政としても、当事者に分かりやすく説明を続けるということが大事だと思いますので、ちょっと一つやってほしいことがありまして、資料一を御覧いただきたいんですけど、この資料一は財務省がよくプレゼンテーションに使っているいわゆるポンチ絵というやつなんですけど、確かにこれに、全てではないんですけど、大体このBEPSの行動計画全体が網羅されている事例になっていると思いますが、これをぱっと見て理解できる人がどのくらいいるかというと、かなり難しいんだと思います。
 キャッシュボックスという会社がタックスヘイブンの国に置かれていて、そこでいろんなやり取りをしているという話なんですが、これをまず分かりやすく説明できないとそもそも関係者にちゃんと伝えられないと思いますので、これは政府委員にお伺いしたいんですけど、これを誰でも分かるように、できれば三分間でお話をいただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 全体の位置付けといいますか、BEPSの位置付けにつきましては先生から解説ございましたので、それはちょっと省きまして、専らこの図を御説明することに代えさせていただきたいと思います。
 まず、ここにアルファベットのA国というのが左側に書いてありますが、これを例えば日本と考えていただいて、それからX国というのが軽課税国ということで、日本よりも税負担が低い地域、国であるということでございます。それで、このX国に存在する関連企業X社というのがございますけれども、これがいわゆるキャッシュボックスと俗に言うものでございまして、言わば課税逃れの装置であるということでございます。一般に、生産や研究開発などの実体的な活動を行っておらないで、基本的に資金提供だけを行っているということで、言わば箱になっているというものでございます。
 こういう図を見ますと、まず、親会社A、これは日本にありますけれども、これは何を考えるかというと、自社全体のグループ企業の税引き後利益を最大化するということから、グループ企業の利益をできるだけこのX社に集めるようにしていくということになると思います。この図でいいますと、関連B社とかC社とかY社とかがございますが、ここから太い線が出て、ドルのマークが付いておりますけれども、こちらに利益を移転をさせていくという形になるわけでございます。
 そういたしますと、今度はそれをどうやって防止をするかということに相なりますので、BEPSプロジェクトによりまして各種対抗措置、いろんな形の手法に対して十五というアプローチでもってその利益移転をできるだけ防止をしましょうというのが今回の大きな流れでございますので、典型的な図がこれでございます。
 一、二例示的に申し上げますが、行動四と書いてあります、過大支払利子税制と書いてございますけれども、例えば、B社がX社から必要以上の借入れを行いまして、その対価としてB社が多額の利子を支払うということになりますと日本の方で大きな費用が計上されるということで、日本の高い税制のところの方が課税が逃れることができるという形になりますので、そういうことに対応するということで、余りにも大きな利子支払については、過大計上ということでそれを制限するということでもってここを退路を断つということが一つあるわけでございます。
 もう一つは、C社を御覧いただきますと、C社は、ここのイメージでは、本来自社で開発をいたしました特許等の無形資産というものを利用してビジネスを行いまして利益を上げて、日本で納税をする企業ということをイメージしていますが、このC社が特許の開発費用をX社に提供させて、それで、開発費用の負担割合に応じて収益の配分を受けるということになりますと、X社の利益が移転をいたしまして日本の課税が逃れることができると、こういうことになるわけでございます。
 これに対して、BEPS行動計画、九という行動計画では、資金のみを提供し、無形資産の開発等に全く関与しないX社には資金提供した対価としての金利以上の利益を求めないというふうな形でここもある種遮断をすると、こういうふうなことでございます。
 あと、時間ありますので最後に申し上げますが、行動三、外国子会社合算制度というところを御覧いただきたいと思います。
 今申し上げたこの過大支払利子税制だとか移転価格税制とかいろんなものがあるわけでございますけれども、それだけでは、そういう手段を尽くしてもなおX社に一定程度利益がたまるということもございます。それが課税逃れということで認定されるということであれば、これは日本にある親会社の所得に合算するということで、ここも最終的なツールとして封じるというふうな形になっているわけでございます。
 BEPSプロジェクト自体は様々なまだ項目ございますが、包括的な、それぞれの項目が単独ではなくて、それが言わばミックスした形で全体としての非課税、国際的な非課税というものを探るという動きに対しまして対抗措置を講ずるということを行っているということでございまして、これが典型的な例ということで御紹介させていただきました。
○石田昌宏君 ありがとうございます。五分掛かりましたけど、ありがとうございます。
 今のは個別的な例であって、更にそれを防止なり抑制するために、上の方のピンク色の方にありますけれども、報告の義務ですとか、今回の法改正にありますけれども、文書化によって情報を共有するということをベースでやる、若しくは紛争の手続を、青色にありますけれども、するということも含めて全体がBEPSになっています。
 こういったことは、各会社の別にスタッフはする必要がないかもしれませんけれども、実際実務は会計士とかがやるかもしれませんけれども、実は社長さんとか役員の皆様方はある程度理解しておく必要がありまして、是非これをより分かりやすく伝えていっていただきたいと思います。
 このBEPSなんですけれども、OECDの報告書ではあるんですけれども、議論のプロセスの中で、OECDに加盟していない八か国、中国とインドとロシア、アルゼンチン、ブラジル、インドネシア、サウジアラビア、南アフリカも参加が見込まれていて、かなり世界的な動きになって、いいと思っております。さらに、このプロジェクトをベースにしながら、OECDだけでなくて、国連とかIMF、世界銀行なども一体的となって更に統一的な世界ルールを定めていこうという動きもありまして、これは是非日本も主導してほしいわけです。
 つきましては、是非このプロジェクトをベースにしながら、日本で開かれる今度の伊勢志摩サミットの方でも是非議論をしていただいて、なお日本が更に主導していっていただきたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的にはこれは、石田先生、他国の納税者が払ったことによってでき上がったインフラを、全然関係ない人がそれをさんざん利用して、かつ利益を出して、その利益は一銭もインフラを利用した国には払わず、自国に持って帰るならまだ分かるんですが、自国で税金払うのが嫌だから例えばケイマン諸島に経由してやると、ここでは税金はほとんど掛からぬ。自国の得た利益は全てここに対するいわゆる授業料、指導料なんて適当な理由でここに全部払う。結局、ここには膨大な利益がたまる。そこには一銭もタックスを払わない、一円でも、とにかく極めて、一%ぐらいの税金しか払わないで結果的にはそこにいられるというのがまかり通っておる中に、アマゾン・ドット・コムとかグーグルとか、ありとあらゆるものというのがいっぱいそれ名指しが出た。
 おととしの五月でこの話を日本が持ち出してこれは討議になる端緒を築いて、たまたまOECDの租税委員長が浅川今の財務官がやっておりましたので、これ、選挙で選ばれた人ですから、この人を使ってこれをやり始めたんですけれども、最初はもうはなから問題にならなかったんですが、一番影響を受けるのはアメリカと思われます。今有名な会社幾つか申し上げましたが、皆アメリカには本社があることになっていますから。実際はどこにあるんだかというと、このケイマン諸島なんかにあったりするんですが。これはどう考えてもおかしいでしょうがという話で、アメリカだってこれやったらアメリカの法人税だって入るんじゃないのという話から少しずつやったんで、これはもうすさまじい政治力でしたけれども、とにかく、結果として、昨年の十一月、これがOECDを含めてB20でこれ全部合意しましたので、OECDの委員長もこれB、いや、G20で通してくれというんで、G20で去年十一月に通りましたので、でき上がったのが今から、インプリメント、どうやって履行するか、それが今からの最大の問題です。
 これ、本当にちゃんとやるためには、各国情報を独占しないで、おまえのところの会社でこんなことやっているのあるぜという話をぼんぼんぼんぼん、情報がスルーしない限りはどこかで逃げられますからという話をやっていくのには少々な時間が掛かるだろうと思いますので、私どもはこれ結構詰めていろいろやっていかなきゃいかぬと思って、各国の財務大臣に、これは中央銀行の総裁の責任じゃないと、俺たち財務大臣の責任なんだから、これは財務大臣だけで別に会議やって、別にということをやってやっと去年落としておりますので。これからやっていくのに当たっては、今言われたようなBRICSと言われた国々がこれに入るか入らないかというのは問題ではあるんですけれども、それより前に、まずきちっと入ったところだけでもきちんと実効を上げていかなきゃいかぬところだと思いますので、そこが今から大事なところで、これはもう英語であってみたりコンピューターであったり、ありとあらゆるものが今から全然別に入ってきますので。
 ただ、これがきちんとしますと、各国における法人税というのは、日本が入ってくる、日本ではこれをやっている会社はほとんどありませんから、そうすると、日本はこれでやられている分こっちに、もうけたところで税金を払うことになっていますから、日本でもうけている人たちの税金というのはこっちに入ることになるので、法人税というのが入り得るんだと思っております。ちょっとこれ、どれぐらい入るか全然検討付きませんけれども、そういったことが起こり得る端緒を開いていることは間違いないし、今法人税下げ競争を各国がやっているのは意味がないと、こういうのは、きちんとした形をやらないとという話も一応納得を得られたというところまでは来ておりますので、きちんと更にこれ、各国できちんとこれを詰めていくところを今からのところだと思っております。
○石田昌宏君 ありがとうございました。一番分かりやすい説明だったと思います。ありがとうございます。
 是非日本が主導して、これは本当に大変な作業だと重々思ってはいるんですけれども、ある意味、税制を公平性にするという観点では極めて重要なプロジェクトだと思いますので、是非何とか踏ん張ってでもやり通していただきたいと思いますし、我々もそれを支援していきたいと思います。
 今やっぱり課題が幾つか挙がっていましたけれども、最後の方にちょっと触れられたんですけれども、じゃ、このプロジェクトの対象になっているのは現実的にどこかというと、全くないとはもちろん言い切れないんですけれども、日本は比較的こういったいわゆる租税回避などをやっていない企業が多いと思います。ただ、それをやっている国、やっていない国というか、やっている企業、やっていない企業を含めて世界的にかなりの書類を出す等の情報共有のための手間を強いることになると思います。今回の法改正にある行動十三の方も、ローカルファイルとそれからマスターファイルと国別報告事項の三種類で、かなり膨大な情報量の資料だと思います。こういった手間を掛けて、それを提出するという義務が生じます。
 ある意味、日本企業からしたら、自分たちがやっていないのに手間だけ増やすという、こういった感覚にもなると思うんですけれども、こういった点に対してもやはり丁寧に日本の政府として支援なり対応をしていかなければならないと思うんですけれども、これについて御所見を伺いたいと思います。
○政府参考人(星野次彦君) 企業が円滑に多国籍企業情報の報告制度の導入に対応できるようにすることが重要であると考えておりまして、こうした観点から、国税庁といたしましては、法案が成立し公布されれば、速やかに法令解釈通達や移転価格事務運営指針を改正するとともに、報告制度における文書の例示集、QアンドA、これをホームページに掲載したり、パンフレットの作成、配付、各種説明会の開催等を通じまして積極的な制度の周知、広報を行ってまいりたいと考えております。
 また、これに加えまして、各国税局に相談窓口を設置いたしまして、文書作成上の留意点などに関して個別企業の相談に丁寧に応じるほか、e―Tax上で開設される移転価格文書化コーナーの充実を図るなど、必要な対応に努めてまいりたいと考えております。
○石田昌宏君 情報開示や丁寧な説明はもちろん大事なんですけれども、さらに、現実的にはその負担を負うのは企業だと思いますので、そこに対する直接的にできるかどうかを是非検討してほしいんですけれども、そういった支援も併せて行うことが必要だとは思いますので、もう一歩踏み込んで是非これからも対応していっていただきたいと思います。
 あと幾つか質問あるんですけれども、ちょっと時間の関係で、これはまた引き続き委員会等で取り上げさせていただくとして、もう一つ目のテーマに移りたいと思います。今度は大きな総論の話になるんですけれども。
 最近の税制改正、今回もそうなんですけれども、ちょっとざっくり言い過ぎかもしれませんけれども、消費税の引上げのようなものは、ある意味社会保障の充実、未来の安心感とか今の安心感といったものに対しての税制改正になっていると思います。もう一方で、例えば法人税の話などは、どちらかというと競争力の強化とかそういった観点が強くなっているとは思うんですけれども、進みつつあるにしても、国民の感覚からしたら残念ながらまだまだ、それがうまくいっているとか、むしろ生活感が変わってきたとか、そういったところまでは行けていないような気がします。
 実際に、社会保障の充実のために消費税をと言っていても、将来本当に年金もらえるんだろうかとか、医療とか福祉大丈夫かなという声は相変わらず聞こえるわけで、もっともっと積極的に取り組む必要があるんですけれども、やはり今後の経済全体を考えてみると、もっと国民一人一人が未来にも安心をして、もっと活動的に経済活動も行っていいんだよという感覚を、安心感を持たなければならないと思います。その裏腹がGDPにおける家計消費の問題だと思っています。
 三月八日に内閣府が発表したGDPなどの二次速報値ですと、ちょっと前ですけれども、二〇一四年のGDPは一・五%伸びたんですが、家計の最終消費はマイナスになっています。直近でいうと、二〇一五年の十月から十二月期は、GDPはプラス〇・五伸びているんですけれども、家計の最終消費支出はマイナス一・三%で、やっぱりマイナスです。
 GDP伸ばそうと思ったら、もちろん輸出とか設備投資、公的な支出、いろいろとありますけど、やはり最大の家計の消費を伸ばさなければならないんですが、ここが伸びていないことがやっぱり一番大きな問題だと思っています。
 家計の消費を活発化していくためには、もちろん税制、財政、金融、様々な政策が必要で、今それをまさに取り組んでいるのがアベノミクスだと思うんですけれども、これにつきまして、特に今日は税制の議論ですから、税制上、家計消費を伸ばすためにどういう政策を進めるべきだというふうに考えていらっしゃるか、まずこれについてお伺いしたいと思います。
○副大臣(岡田直樹君) デフレ不況から脱却をして、家計消費を伸ばすために政策を総動員すべきであるという問題意識については、石田先生御指摘のとおりであろうと思います。特に、家計消費を持続的に伸ばしていくためには、企業の収益力を向上させて、その企業収益を賃金引上げに回していくことが何よりも重要と考えておりまして、先ほどから再三申し上げておりますように、政府としては、官民対話などの場において経済界に賃金引上げに向けた働きかけを行うなど、様々な取組を行ってまいりましたし、今後も粘り強い取組を行いたいと存じます。
 税制ということでございますけれども、今般の法人税改革を通じて、いわゆる稼ぐ力のある企業等の税負担を軽減することによって、企業に対して継続的、積極的な賃金引上げが可能な体制への転換などを促しているところでございまして、これがまた家計消費につながっていくという仕組みを考えてございます。
○石田昌宏君 税制もやっぱりかなり家計にとっては重要だと思います。消費支出を促すという観点で是非税制も今後も考えていっていただきたいと思いますが、ちょっと時間が余りないので、次に行きたいと思うんですけど。
 この今の問題に関しまして、家計の消費、伸びがなかなか見られないのは、一つは人口減少社会というのがやっぱりあるとは思います。もちろん反論もあるんでしょうけど、やはり将来の需要が減少していくというのが人口減少社会の一般的な見方だと思います。そうすると、将来需要が減少するんであれば、今将来に対して投資をするというのはやはり控える方向になっていくものだと思います。したがって、人口の減少というのは慢性的な需要不足をもたらしやすいものだと思っています。
 じゃ、それをどうするかということを考えなければならないんですけど、つまり需要不足をどう考えるかということだと思うんですけど、よくこの委員会でも取り上げられていました三月十六日の国際金融経済分析会合のスティグリッツ教授の話、これは、この委員会等では、消費税の引上げを延ばした方がいいんじゃないかとか、そういったトーンの話が取り上げられていますが、あの中の資料を全部読ませてもらったんですけれども、そういったことも発言があったのかもしれませんけど、実は、スティグリッツ教授が言いたいことはそこではなくて、やっぱり需要不足の問題だったと思います。
 ちょっと簡単にまとめてみたら、景気の低迷の原因は需要の不足にある、そのためには経済格差を縮める政策が需要増加に効果的であろうという指摘であって、そのためには適切に設計された税制が格差の問題に取り組む手段となるという、こういった趣旨が説明されていました。確かに、アベノミクスも日銀の異次元緩和ですとか様々な政策によって進められようとしているんですけれども、じゃ、今教授が言っているような経済格差を縮める所得再配分機能の強化という点でまだ不十分なのかもしれません。
 このことをちょっと資料で確認したいんですけど、資料二というのを見ていただきたいんですが、資料二は、所得税、法人税、消費税、それに関連する内容です。それから、実は社会保険の被保険者拠出の部分をGDPと比較してどう変化したかというのを見てみました。
 法人税など赤いところは少しずつ減り、そして所得税も九〇年頃をピークにしながら減ってきていて、逆に消費税は何度か引上げしていますので、最近はこの三つの税金がほぼ収れんしてきた感じになって、今後どうなるかはまだ分かりませんが、こういう形ではあるんです。ある意味、税制中立という言葉がどこまで正しくてどこまで範囲を考えるかは分かりませんが、全体的に中立性が保たれているんじゃないかな、税金だけ見たらですね。
 ただ、思うんですが、片方で、社会保険料の支出は非常に伸びています。社会保険料は、もちろん所得の再配分という機能でいったらば余り強いものではないとは思います、上限もキャップされているなどの状況ですね。そういった点では、社会保険料も含めて考えると、やっぱり所得の再配分は必ずしもうまくいっていない。教授の話からすると、この辺にやはり需要不足になっていくような遠因があるんじゃないかということが読み取れるわけなんですけれども、お伺いしたいのは、この所得再配分機能を強化するために、今回社会保障も入れていますけれども、税制の在り方、さらに社会保険料と税を併せて考えることについて御見解を伺って、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、石田先生、昨年の六月だったか、骨太の方針におきまして、低所得の若年層や子育て世代というものの活力を維持する、また格差の固定化を防止する必要がある等々の観点から、個人所得課税については総合的かつ一体的に税負担構造の見直しを行うということにされております。
 こうした方針を受けまして、昨年の十一月に、政府税制調査会の中間的な論点整理というところにおいて、個人所得課税及び資産課税において税負担の累進性を高めるということで低所得層の負担軽減を図り、再分配機能を果たす重要性というものが増している、一。また、社会保険料負担の増加を踏まえて、税負担と社会保険料負担を一体のものとして考える必要があるのではないかという指摘が二番目としてされているんだと理解をしております。
 したがいまして、政府税制調査会におきましては、この中間的な論点整理というものを踏まえまして、引き続き議論が今行われているところでありますので、私どもとしては、その議論の方向性を踏まえて引き続き考えさせていただかねばならぬところだと思っております。
○石田昌宏君 是非そういう議論を深めていっていただきたいと思います。政府としても、是非積極的に、税制だけじゃなくて、社会保険も含めて総合的に検討を進めていただきたいと思います。
 時間ですので、これで終わります。どうもありがとうございました。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 法人税改革を中心に質問をいたします。
 安倍政権の法人税改革は、前回、二〇一五年税制改革から始まりましたけれども、最大の目玉は法人実効税率の引下げで、二年目の今回の税制改正で目標としていた二〇%台となる二九・七四%を前倒しで実行することとなります。
 経団連は、二〇一一年の税制改革からアジア近隣諸国並みの引下げを要求し、現在二五%を要求をしております。安倍政権の法人税改革もこの要求に沿ったものとなっております。
 政府は、この実効税率の引下げとともに、その財源の確保策として、課税ベースの拡大を進めるとしてきました。この課税ベースの拡大をよしとしないのが経団連でありますが、この点で大変興味深いインタビューがお手元に配付をしております税務弘報という雑誌に掲載をされました。
 これは、経団連の税務の担当者である阿部泰久常務が昨年三月のこの雑誌に二〇一五年度の税制改正の政策決定のプロセスを赤裸々に語ったものであります。この税務弘報をお手元に配付しておりますが、こう言っております。
 昨年の夏頃から、税率引下げのために課税ベースの部分をどこまでできるかということを詰めていて、欠損金、受取配当、減価償却、政策減税の見直しと案を全部出していきました。課税ベースでどこまでできるかということを主要企業データによるシミュレーションに掛けて、ここを直したら増税幾ら、減税幾らと、税率と課税ベースの範囲を見極めながら、できるだけ凸凹ができないように考えました。特定のところに負担が集中してしまうと、税率は下がったけれども課税ベース拡大で結局増税だというところも出てきてしまいます。できるだけそれは避け、減税までにはならなくても、少なくとも増税でないというふうにしたいのですと、こういうふうに述べております。
 これが事実とすると、私は大変重大だと思うんですが、経団連の主要企業については個々の企業データで試算を行って、税率の引下げと課税ベースの拡大の差引きで増税は駄目という方針で税制改正をしたということでありまして、経団連の主要企業には減税だけ及ぶように制度設計をしたと。
 ここで述べられていることは事実なんでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘の今この記事というのは、これは経団連の事務方だと、この阿部さんという人は知らぬので、事務方の人だと思いますが、法人税改革の検討過程において、主要企業への影響について試算を行い、各企業への影響ができる限りなだらかになるように、というように検討したと述べているんだとは理解しますけれども、これは、経団連としては、傘下におられる様々な企業の検討を行うのは、これは当たり前の話であって、私どもから特にコメントすることはありません。
 それから、法人税改革の具体案を検討していく際には、経済界にも課税ベースを拡大させていただく、例えば、何でしょうか、例えば外形標準課税等々ありましたけれども、私どもとしては、課税ベースの拡大によって法人税の表面税率を下げるという話プラス、それを減らした分だけ他方では課税を増やすという、課税の対象を広げるということを基本的にしておりましたので、そういった意味では財源確保ということで理解を得るために私どもとしては経団連に対して様々なレベルで議論を重ねたことは事実でありますけれども、政府において個別企業ごとに影響を勘案して検討を行ったという事実はありません。
○井上哲士君 これ、単なる事務方という話ではありませんで、経団連のこうした税務を担当してきた常務理事の方なわけですね。経団連は、政府の経済政策の司令塔である経済財政諮問会議に役員を出しておりまして、法人実効税率を二〇%台とする昨年の骨太方針の決定にも参加をしているわけですね。
 ですから、この発言というのは、単なる事務方とかいうことではなくて、政策決定に参加した当事者の発言であり、外部の人間が推測で物を言っているのとは違う重みが私はあると思うんですね。全体として引下げと、そして課税ベースの拡大ということの枠の中で、やはり個々の、とりわけ大企業について、そこが増税にならないようにということで様々な調整をしたということが公然と語られているわけですね。
 そうしますと、国民から見えないところでこういう税制の重要問題が決められるということになりますと、民主主義の根幹にも関わる問題でありますし、税制に対する国民の不信を更に大きくすると思うんですね。
 今、一部大企業が大きなもうけを上げながら大変な減税がされているということなどなど様々な声がある中で、やはり税制に対する国民の信頼をしっかり勝ち取るということが必要と考えるのであれば、実際にこういう発言がどういうことだったのかということは、私はもう少し踏み込んで事実関係等を調べて明らかにするべきだと思いますが、改めていかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 重ねて申し上げるようで恐縮ですけれども、今般の法人税の改革というものは、これは我々としては必要な改革を行ったものであって、経団連の話をいかにも丸のみしたかのごとく話は全く指摘が当たらぬと思っております。
 例えば、内容を見ましても、この九月ですか、発表された御提言では、外形標準課税の更なる拡大は行うべきではないとされておりましたし、また減価償却の見直しについても慎重に検討することが必要とされておりましたけれども、二十八年度の税制改正におきましてはそれらの改革についても盛り込んでおりますのは御存じのとおりであります。
 更に言わせていただくと、委員の御指摘の記事におきましても、これは二十七年度の税制改正に関してだと思いますが、経団連として意見を出したが、だからといって経団連の諸要求が全て満足になったというとそうでもないと書かれておりますので、これらのことから経団連の要望を丸のみしたことはないということははっきりしておると思いますし、私どもは、経団連に限らずいろんな企業の方々から、これは商工会議所を含めていろんな方々の団体というものと私どもはいろいろ話をさせていただいて情報収集に努めておるところでありますので、企業の個別にというのは、とてもそんな手間も掛けられませんし、大体まとめられたところからのお話以上を細目にわたって聞くというのは、ちょっと物理的にもなかなか難しいと存じます。
○井上哲士君 後ほど議論しますが、やはり研究開発減税などを見ましても特定の大企業に非常に固まっているという姿を見たときに、私はこういう発言が一方でされているということは国民のやはり今の税制への不信を一層広げることになるということは指摘をしておきたいと思うんですね。
 この経団連がこうやって制度設計に関わってきた課税ベースの拡大について具体的に見てみたいと思いますが、マスコミで大きく取り上げられて関心を呼んでいるのが政策減税、特に研究開発減税です。
 一昨年の六月の政府税調のディスカッショングループの報告では、この研究開発税制については、大胆に縮減すべきと、こういうことだと提言をしております。ところが、政府は、二〇一五年改正では若干アリバイ的な改正を、見直しをしただけで、結局、今回の改正では全く手を付けておりません。経団連は税制改正要望で、前回も今回も研究開発税制には手を出すなと、こう要望しているわけで、それに応えたものになっていると思うんです。結局、トヨタ一社に一千億円を超える大減税で、減税総額全体の六分の一を占めるという非常に偏った状況がこのままになっているわけですね。
 その一方で、この課税ベースの拡大として進められたのが地方税の法人事業税における外形標準課税の拡大であります。
 総務省にお聞きいたしますが、今回と前回の二年にわたって、法人事業税においては実効税率引下げのための所得割の引下げと財源確保のための外形標準課税の拡大が行われました。中小企業についてはこの外形標準課税拡大の対象にしなかったと言われますが、しかし、資本金一億円以上というような中堅クラスでありましても、赤字企業は所得割引下げの恩恵を受けずに増税だけがのしかかってくることになります。
 そこで、この二年間で、いわゆる中堅企業のうちの赤字企業、それから利益一億円以下の企業についてどれぐらいの負担増になったのか、それからそれぞれの企業数、その結果負担増の総額はどうなったか、お答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(時澤忠君) お答え申し上げます。
 お尋ねのありました影響額等でございますが、資本金階級別及び所得階級別の課税標準で平成二十五年度の課税実績を基に機械的に試算をいたしますと、資本金一億円超十億円以下のいわゆる中堅企業につきまして、欠損法人は約四千八百社で、平均四百万円の負担増、総額で二百十億円の負担増、それから所得一億円以下の法人数は約六千社で、平均四百万円の負担増、総額で二百四十億円の負担増となるところでございます。
○井上哲士君 つまり、合計一万社以上、負担増の総額では合わせますと約四百五十億円ということになるわけですね。赤字の中堅企業の中には、円安による急激な原材料高で苦しみながら、雇用を何とかして守って地域経済を支えている企業もたくさんありますが、こういう企業は外形標準課税でダブルパンチを受けることになります。
 それぞれ従業員がどのぐらいいるかということもお聞きしたんですが、そういう統計はないということでありました。ただ、一億円以上十億円未満資本金の会社が約五百八十万人で、赤字そして利益一億円以下という企業は大体六割でありますから、単純に計算しますと三百万人を超える労働者がここで働いている、そこに影響があるということになるわけですね。
 そこで、大臣に認識をお聞きしたいんですが、政府の中からもこの有効性に疑問があるから縮減すべきと、こういう声が出ているような研究開発減税はそのまま残す一方で、こういう赤字の中堅企業、地域経済を支え、雇用を支えているところにこの増税を押し付けるということをどうお考えなのかと。
 最高水準の利益を上げている巨大企業一社に一千億円もの研究開発減税をしながら、低迷する中小・中堅企業一万社以上に四百五十億円の増税を課すというのは、私は国民目線から見ても、そして日本経済の発展ということから見ても、また雇用と賃金の確保で経済を底上げしていくという点から見ても、どうも逆行していると私は思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 重ねて申し上げますけれども、今回の法人税改革というのは、いわゆる今の研究開発税制含めまして大企業に恩恵を与えるといったものではなくて、課税ベースのまず拡大によって財源をしっかりと確保しながら税率を引き下げると。外形標準課税はその中の一つです。それで、法人課税をより広く負担を分かち合うという構造へ改革するというものでありまして、経済の好循環を確立していくにはこれは必要なものだと、まず基本的にそう思っております。
 研究開発税制ですが、企業に恩恵を与えるためということよりは、まずは将来の経済成長の礎となりますのは、何といっても企業における研究開発投資というのを後押しするための租税特別措置であります。
 同時に、これは金額ベースではおっしゃるように大企業の利用が多くなっているんですが、これは御存じのように、その研究開発をしている会社をこっちが指名するのではなくて、その研究開発をやっておられる企業が申告をしてこられるわけでありますから、我々から見ますと、件数ベースで見ますと、中小企業も含めて現実問題としてこれを利用しておられる件数から見ますと八千三百八十三件で約六七%、大法人では三三%というのが実態でありますので、そういったことを含めまして、法人税改革では課税ベースの拡大の一環としてやらせていただいておりますが、同時に、租特の見直しというものもやらなければならぬのではないかということも併せて検討させていただいておるところです。
 いずれにしても、これは、政策の効果なんというのはよく見ませんといかぬところだとは思っておりますが、適切に見直しをやっていかなければならぬというのは、これは租特全てに言えることだと思っております。
 またさらに、外形標準課税、これ今総務省の時澤審議官の話が出ていましたけれども、外形標準課税の拡大を行いつつ税率を引き下げるということによって、何回も申し上げておりますように、稼ぐ力の高い企業というものの税負担が減り、同時に赤字の大法人にとりましても黒字化した場合の税負担の増加度合いが緩和されるというものでありますので、こうした改革などによって企業に対して収益力を高めようというインセンティブをもたらすということもあろうと思いますので、収益力拡大に向けた前向きな国内投資とか、持続的なかつ積極的な賃上げの可能性があるという、そういった体質に企業が変わっていくという意味においても、私どもとしては大いに期待をいたしておるところであります。
 なお、外形標準課税の拡大に当たりましては、もう御存じのように、資本金一億円以下の中小零細企業は対象といたしておりませんが、今、中堅企業というのは多分、一億から十億の話をしているのが、今一から十億の規模のものにおいては、負担増が生じる場合においてはその一部を軽減するということもさせていただいておりますので、必要な配慮も行われているものと考えております。
○井上哲士君 いろいろ言われましたが、それこそ収益力を上げたいと思ってもがいているけれども現在赤字の中堅企業にとっては、その努力に対してのむしろ逆行に私はやっぱり今回のものはなっているということを思うんですね。
 それで、研究開発減税、中小企業などにも全部開かれているというようなお話がございました。じゃ、実態がどうなっているのかということですけど、政府税調も特に総額型について問題にしております。これは、研究開発費を増やさなくても、続けているというだけでも減税になりますから、増加のインセンティブにはならないということも指摘をされているんですね。大臣は既に、この総額型も含めて研究開発税制の全般にわたり様々な観点から検討を行うということをこの間答弁をされております。それ必要だと思うんです。問題は中身なんですね。
 繰り返しになりますが、やはり巨大企業に集中している状況を是正する必要があります。配付資料の二枚目を見ていただきたいんですが、これは企業規模別の研究開発費をOECD諸国の国際比較をしたものであります。色の濃い部分が従業員数五十人未満の企業、それから薄い部分が従業員数五十人から二百五十人未満の企業なんですね。
 国別に見ますと、例えば、そういう企業がビジネス部門の研究開発費の中でどういう割合を示しているのかという資料なんです。トップのニュージーランドの場合は、全体の研究開発費のうち、今の従業員二百五十人未満までの企業で実に六七・四四%になるんですね。ところが、フランスで二三・四七%、アメリカが一四・九一%、それからドイツが一〇・九九%、日本は極端に低くて四・七六%ということになっております。もちろん、各国でいろんな経済構造の違いということはあると思うんですが、日本の研究開発費が他国と比べて非常にやはり中小企業が少ないと、これはやっぱり様々な支援が少ないことの私は一つの反映だと思うんですね。
 ですから、やはり将来のことも考えて、こういう中小企業などがせめて外国並みにきちっと研究開発ができるように、こういう中小企業向けの支援を拡大をして大企業向けを縮減をしていくと、こういう見直しが必要かと考えますけれども、大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 井上先生のこの配付資料で、日本の企業部門の研究開発費のうちで中小企業の割合が低いという話でありますけれども、これはもう間違いなく中小とか中堅、ベンチャー含めまして、イノベーションの担い手としての期待というのはこれはもう様々なもので、これは大企業の研究室だけで頼っていたってとてもできる話じゃありませんので、そういったのは、今新しい開発、随分いろいろ出てきていますけれども、びっくりするような開発も地方で、何も東大に偏っているわけじゃありませんので、今度のノーベル賞の梶田先生も、あれは東大の大学院だけでほかの大学ですし、その他の方もあれは埼玉大学ですし、最近、東大は最後だけ名前出ていますが、その前の大学は全部違う、地方大学ですからね、あれ。この間、東大の人にはっきり、おたくらじゃないですよと、大学は全部地方の大学だったでしょうと言ったら、皆認めておられましたけれども、そういった意味で、地方でそういったものが出てきているのは確かなんだと思うんですね。
 私ども、この研究開発税制について申し上げさせていただければ、中小企業向けにつきましては、これは税額控除の上乗せということをさせていただいておりまして、通常ですと八から一〇%の税額控除ですけれども、中小企業向けはこれを一二%に上乗せ。それから、実際に件数ベースで見れば、中小企業には幅広く利用されておりますのは先ほど申し上げたとおりですが、さらに、大企業と中小企業とで共同で開発する、共同開発という場合には、これは重点的に支援をさせていただきますということをさせていただいて、二十七年度の税制改正でこれは一二%のものを二〇%まで引き上げていると思いますので、そういった意味では、中小企業の研究開発というのを促す仕組みとしていろいろやらさせていただいているというので、御指摘のとおり、これは非常に大事なところなものですから、これは日本にとって、これで飯を食っていくという、何というのかな、基本がないと、基本的に、何となく、いろんな特許やら何やらおかげさまで日本からの出願数というのは物すごく増えてきているのは物すごくいい傾向なんだと思いますし、そういったものを物にしていく、ただ机の上で考えたんじゃなくて、それを実物のものにしていくというところに関しましても、日本の場合はこれは中小企業の方が圧倒的に優れていると私どもそう思っておりますので、これは今後とも後押ししてまいりたいと思っております。
○井上哲士君 今後とも後押ししていきたいと、こういう答弁でありました。
 ただ、これは先日の朝日の報道ですが、結局、研究開発減税の減税額で見ますと、二〇一二年度と一四年度を比べますと、額は一・七倍でありますけれども、大企業向けが七四パーから八〇パーにむしろ拡大をしているということがあるわけですね。
 いろいろ御答弁ありましたけど、結果として、中小企業の研究開発がこれによって大きく広がっていないという現状があるわけですから、更に後押ししていきたいということは、更にいろんな制度的なことも含めた改善は必要だと、こういう認識でよろしいでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、今いろいろ政策効果というのがよく言われるところではありますので、私どもは、二十八年度末にこの期限が到来いたします、例えば増加型とか高水準型のほか、総額型も含めました研究開発の全般にわたりまして、例えば新しい需要の創出につながるといったような研究開発投資などは、いわゆる研究開発の質を高めるというものとなっているといった観点から、単なる額の話じゃなくて、質としてどうかというような観点から検討を行ってまいりたいというので、私どもの表現としては全般にわたりという表現を使わせていただいておりますけれども、きちんとしたそういった方向で、私どもにとって一番将来の飯の種になるところはこれだと思っておりますので、私どもとしてはきちんと応援をしてまいりたいと考えております。
○井上哲士君 しっかり中小企業を応援する方向への改定をお願いしたいと思います。
 最後に、研究開発減税を見直して増税に踏み込むとなりますと、経団連は実効税率の引下げを更に要求していくと、こういうことになろうかと思われるんですね。経団連の方針は、大企業への増税はもってのほかで、減税と差引きで少なくとも増税はさせないというものであります。
 この点で、財務省の立場を確認しておきたいんですが、こういう法人税の政策減税、租税特別措置などの見直しによる増税は実効税率の引下げによる減税とセットでないと認められないというような、こういう経団連の立場でありますけれども、財務省としてはこういうセット論というのはどうお考えなんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、井上先生御指摘のありましたとおりなんですが、この研究開発税制を含めまして、租税特別措置、いわゆる租特ですけれども、これは特定の政策目的を実現するために有効な政策手段となり得るということは間違いないんですが、一方で、税負担にゆがみが生じるという面があることから、これは本当に必要なものにかなり限定をしてやっていくということが一番大事なのであって、私どもは期限が到来してくるものを中心にゼロベースでの見直しを行っていく、例えば先ほど申し上げた、二十八年度末に来ますので、ああいった三つを申し上げましたけど、その方向で考えております。
 御指摘の経団連の事務方の意見について私が特にコメントすることはありませんけど、いずれにしても、税率引下げとセットで見直しは行わないと考えているわけでは全くありません。
 それから、関係省庁の間でもこれいろいろ政策を詰めさせていただいておりますので、いずれにしても、先ほど申し上げましたように、増加型とか高水準型とか、いわゆる総額型のものが二十八年度末に参りますので、そういったものにつきましては、私どもとしては、先ほど、繰り返すようですけど、質が一番問題なのであって、妙にゆがんだものになってきているのであれば、それはそれでもう打ち切るという形にさせていただければと思っております。
○井上哲士君 終わります。
○藤巻健史君 おおさか維新の会の藤巻です。
 まず、佐藤局長にお聞きしたいんですけれども、欧米で給料の源泉徴収をしている国はあるのかどうか、お聞かせください。
   〔委員長退席、理事愛知治郎君着席〕
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 例えば、アメリカ、イギリス、ドイツなどでは給与の源泉徴収を行っているということでございます。
○藤巻健史君 それでは、日本で給料の源泉徴収を始めるようになった経緯を教えていただきたいんですが。
○政府参考人(佐藤慎一君) 日本におきまして、まず昭和十五年でございますが、このときには、給与所得に対します源泉徴収制度ということで、月々の給与の支払のときに給与の支払者が一定の税額を徴収して納付をするという制度が入りました。その後、昭和二十二年でございますけれども、その年の最後の給与を支払う際に、給与の総額に対する最終的な税額と年間を通じて納付をされました源泉徴収税額、この間に差が生じるということであればその過不足を調整するという年末調整制度というものが入りましたのが昭和二十二年ということでございまして、源泉徴収制度という意味におきましては昭和十五年、それを更に精算をするという形までなりましたのが昭和二十二年ということでございます。
○藤巻健史君 最初の質問にちょっと戻らせていただきたいんですが、アメリカ、イギリス、ドイツ等が給料の源泉徴収をやっているというふうにおっしゃいましたけれども、日本並みに例えばサラリーマンは全く、じゃ税金に関与しない、関与しないというか書類を出したりする必要がないのか、若しくは源泉徴収はしているけれども最終的に確定申告をしているのか、その辺をちょっと教えていただけますか。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 今お答えいたしましたアメリカ、イギリス、ドイツ三国に関しましては、日本と同様に源泉徴収及び年末調整というその二つの制度を持っておりますのがイギリス、ドイツでございます。先生のお尋ねは、サラリーマンが納税に関わらないという意味において、恐らく年末調整のことに御関心があるんだろうと思ってそのようにお答えをいたしました。
 アメリカにおきましては、源泉徴収は行いますけれども、基本的には確定申告義務というのがございますので、年末調整ということには制度的にはなっていないということでございます。
○藤巻健史君 アメリカは確定申告をしなくちゃいけないということですけれども。
 今回の財政、おととい、昨日、今日、その前、先週もそうでしたけれども、この財政金融委員会を聞いていましても、その他、前々から、消費税を上げるときというのは日本は物すごい苦労しているわけですよね。これ、なぜかと考えると、その一方、消費税を上げるのは物すごい苦労していますけど、所得税を上げるときというのは意外とぽんぽんといっちゃいますよね。つい最近も、給与所得の上限を、キャップをくっつけたり、税率をぽんぽんと変えて、そんな抵抗なくぽんと増税できちゃうわけですよ。
   〔理事愛知治郎君退席、委員長着席〕
 この差は何かと考えると、やっぱり諸悪の根源というかは源泉徴収制度じゃないかと思ってしまうわけですね。要するに、サラリーマンというのは、手取りでもらっていますから余り税金を納めている気がないと。ですから、税率上げが話題になっても、ああ、そうかで通しちゃうわけですよね。
 やっぱりそれを、確定申告を、アメリカも含めて、確定申告をしなくちゃいけないということになると、これだけ所得税も税率が上がってこれだけ負担が増えたんだとか、じゃ、消費税が上がるのとどっちがいいのかなと、そういうことを考えるし、また税の支払も結構考えるわけですよ。我々サラリーマン、こんなに税金払っているのにこんなふうに使われていいのかとか。
 今の日本のサラリーマンというのは、確定申告をしていない源泉徴収だけのサラリーマンの方って、税金を払っている意識も割と少ない、希薄でしょうし、どこに払おうと、払っているつもりがないから余り考えていないと、こういう印象を私は極めて強く持ってしまうんですが。かつ、源泉徴収だとすると、自分は難しいことをしなくて済むから、会社のプロフェッショナルが全部やってくれるからということで税制もどんどんどんどん込み入ったものになっていっちゃう、確定申告をしなくちゃいけないということになると極めて単純な税率とか方式にしなくちゃいけなくなると思うんですけれども。
 そういうことを考えると、給料の源泉徴収というのは一度見直してみるべき時期に来ているのではないかと、要するに、会社もコスト掛かるわけですし。国民の税の意識を変えるためにも、昔みたいに、昭和十五年か若しくは二十二年以前のように全員確定申告に戻すべきではないかと思うんですが、いかがでしょう。これは財務大臣にお聞きしたいと思います。大臣にお願いします。
○国務大臣(麻生太郎君) まず、膨大な手間が掛かりますわな。そのコストはどなたが払われるんですか。物すごい手間が掛かりますよ、これ。
 これはもうよくある話ですけれども、例えば、組合にいらしたのでお分かりでしょうけれども、組合費を組合員一人一人個別に徴収するといったらできますか、今。俺のところは何千人もいたからとてもできませんよ、あれ。会社と一緒になって給料から天引きで組合に渡るようになっていますものね。その制度と同じことをやられようとするのを個別でやられるということになったらどういうことになるかといえば、これは納税者御自身に所得及び税額を申告してもらうことを通じてということになるんだと思いますけれども、税の意識や意義というものを正しく理解していただくということにすごく効果があるというのは、私もこの意見に対しては賛成ですよ。
 ただ、それに掛かりますコストというものは、これはちょっとどういうことになりますかね、これ。それに掛かるだけでも、税務署員の数なんというものじゃなしに、手間暇も掛かりますし、個人個人もえらい手間暇掛かることになられた方がよしとされるだろうかという点については、ちょっとこれは私らとしては、納税者の手続の簡素化とか簡便化とかいったようなことにもなるんでしょうけれども、そういった費用をできるだけ小さくするということの方も併せて考えておかなきゃいけませんでしょうし、これはもう昭和十五年からかなり長く定着しているものだと思っておりますので、仕組み自体はいろいろ今後とも考えないかぬところが幾つもあるんだと思いますけれども、基本的な仕組み自体は継続していくことが適当ではないかと考えております。
 先ほど組合のチェックオフの話もしましたけれども、これは、実際集められた方々というのは、うちもそういうことをやっていましたので、自動車総連と違ってうちは炭労相手にやっていましたので、そちらみたいに品が良くないので、ちょっとそういったところから全部集めるというのは大変だったんですよ、これは。それで、私どももそれはすごく記憶がありますので、これは組合と話をしてチェックオフにしたんですけれども、あれがやっぱり組合にとって最大の、我々として一番もめたところでしたけれども、私どもとしては、今これはそれなりに作動しているものだと思っております。
○藤巻健史君 コストも確かに膨大に掛かるかもしれませんけれども、そういうのはある程度、税制を極めて単純にしていけば、簡潔にしていけばかなりコストカットはできるかと思うんですよね。
 それで、かつ、そのリターンも、要するに、国民の税金に対する認識が高まるとか、それから、例えば分析の結果、所得税よりも消費税の方がいいんだったら消費税を簡単に上げられるとか、ひとえに、消費税が上げられないというのは、やっぱり自分たちで確定申告をしないせいで、何となく消費税が上がるのは増税だと、所得税上がるのは増税でないような印象があるからじゃないかと私は思っているので、そのメリットというのも極めて大きいと思うので、是非一度研究していただきたいと思うんですよね。
 特に、マイナンバー制度が導入されるわけで、佐藤局長のお話にはなかったんですけれども、給料の源泉徴収が始められたというのは、国が極めて簡単に税金を集められるからと、コストが低いということなのかもしれませんけれども、ということで始まったということも読んだことがありまして、マイナンバー制度が始まるならちょうどいい機会で、そのコストというのは急激に下がるわけだと思うんですよね。かなり捕捉率も高まって、給料の源泉徴収じゃないと捕捉率が低いなんという状況から、これからがらりと世の中が変わってくるわけですから、是非一回、源泉徴収がいいのか、それとも全員確定申告がいいのかというのは研究していただきたいと私は思います。そうすれば、別に私だけじゃなくて、やっぱり消費税を上げたい国も、少なくとも税収、均衡財政をしなくちゃいけない国も割と楽に消費税という選択もできるのではないかというふうに私は思いますので、是非一度研究していただきたいというふうに思います。
 次の質問に入りますけれども、よく消費税を上げると景気が悪くなるという人がいらっしゃいます。また一方、駆け込み需要があるからちょっと長く通して見れば消費税上げはニュートラルであるという方もいらっしゃるのですが、一般論ですけれども、財務大臣、どういうふうに思われるか、お聞かせください。
○国務大臣(麻生太郎君) 内閣府の試算だと記憶しますけれども、前回の消費税の引上げで、二〇一四年度の個人消費は駆け込み需要の反動減によって約三兆円程度減少、また消費税引上げによる物価上昇により約二兆円半ば程度減少、物価上昇によってですね、と試算されているものと承知をいたしております。
 いずれにしても、経済情勢の話ですから、駆け込み需要の反動減のほかにも物価の上昇というものが消費に与えるという影響も考える必要があるんだと、私どもはそう思っておりますので、消費税の引上げだけではなくて様々な要素が影響を与えるんだと思っておりますので、消費税率を引き上げた際の景気動向についてこれは一概にちょっと申し上げることはなかなか難しいと思っております。
○藤巻健史君 済みません、ちょっと聞き損なったんですが、三兆円駆け込みでプラスになったというのは、これは最初の数字というのは、税収じゃなくて景気の、消費者物価、何がその三兆円増と。
○国務大臣(麻生太郎君) 需要の反動と申し上げたんだと思いますが。
○藤巻健史君 過去の実績からするとそうだということなんですけれども。
 もう一つ、もうちょっと消費税を上げると景気が悪くなる、それ以上に税収まで減るとおっしゃる方がいるんですが、それは全否定いたしますか。要するに、消費税を上げれば景気が悪くなる、景気が悪くなってもまあ税収はプラスだろうという方もいれば、税収もおっこっちゃうという方もいらっしゃるんですが、そんなことはあり得ないと思いますか、どうでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 例えばの話ですけれども、平成二十六年四月の消費税率の引上げでこれは五から八ということになったんですが、このときのあれは、平成二十六年度の税収というのを前年度の税収に比べますと、消費税が五兆二千億円増加、法人税が〇・五兆円増加、所得税は一兆三千億増加、税全体では七兆円増えております。
 消費税を引き上げた場合であっても、消費税以外の税収も着実に増加したというのが平成二十六年の内閣府の資料です。
○藤巻健史君 もうちょっとそれに関連してお聞きしますけれども、逆に消費税を下げると景気が良くなって税収が上がるという人もいらっしゃるんですが、その可能性はどう思われますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 消費税を引き下げた場合の話ですけれども、これは一定の景気浮揚効果はあるんだと、当然のことかと思いますが、その影響というのは、これ今一%当たり二兆七千億ということになりますので、消費税収の減収分に見合う税収増が発生するかということなんだと思いますが、日本の税収規模にかんがえて、それはなかなか簡単じゃないんじゃないでしょうかね。私どもはそう思いますので、今少子高齢化も進んでもおりますので、私どもとしてはそういった点はなかなか今の状況としては考えにくいのではないかと思っております。
○藤巻健史君 それは私も同感でございまして、レーガン政権第一期に減税をして、増収になるだろうということで減税をいたしましたけれども、結局税収は大赤字ということで、これラッファー・カーブの理論でやったんでしょうけれども、最終的にはブードゥー経済学、要するに新興宗教学みたいなものだというふうにやゆされた理論でございますので、私も消費税を下げると景気が良くなるというような、景気が良くなって税収が上がるなどという議論は、レーガンのときにも試して駄目だったし、やっぱり経済学としてはいかがなものかというふうに明確に否定されるのがよろしいかなと思っております。
 ついでながら、九七年のときの消費税を三から五に上げたときの経済とか景気動向についてはどう分析されているのか、お教えいただければと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは九七年の、このときの経済動向というのは、これは二十三年の五月に内閣府によって分析がなされておりますので。
 具体的には、七月にアジア通貨危機が起きました、御記憶のとおりです。このとき同じく、十一月に金融システムの不安定化ということで、北海道拓殖銀行が倒産、山一倒産、三洋証券倒産、翌年には長銀が倒産、不動産銀行倒産、債券信用銀行か、あれ全部倒産しておりますので、経営破綻を起こしたというような、こういった大きなショックに日本経済は見舞われておりますので、消費税の影響そのものだけで分析するというのは、ちょっとこれは容易ではないんだという前提をちょっと置いておかないかぬところだと思いますので、日本経済にマイナスの影響を与えたという見方もあるんだと存じますが、消費税のいわゆる増税が景気後退の主因であったかと言われると、これはなかなかそうも言えないんだというように分析されておりますので。
 私どもとしても、この九七年から九八年にかけましては、これはあのときはたしか社会保険料も四兆円ぐらい上がったんですかね、何か全体で。そういったことも記憶しますので。消費税プラスそれが付きましたので、リャンハン付いたなんて、ちょっと品がないね、二つ重なりましたものですから、そういった意味では消費税プラス社会保険、そういったものが付きましたものですから九兆円ぐらいになったという感じがしますので、これだけで計算するの、プラス今金融危機等々もありましたので、いろんなものが重なったので、ちょっとこのときの比較はなかなか難しいと思っております。
○藤巻健史君 基本的には私の認識も大臣と同じでございまして、私は当時、マーケットにいたのでよく覚えていますけれども、九七年に景気があれだけ下がったのは、やっぱりおっしゃったように通貨危機でありロシア危機だったと思います。まさに、マーケットで見ていたときに、経済動向を見る上で消費税上げなんか微々たるものでして、やっぱり景気の動向というのは二つの大事件で、通貨危機、ロシア危機だったろうと私は感じておりました。
 それはそれとして、ちょっと時間がないので質問を飛ばしますけれども、佐藤局長にお聞きしたいんですが、所得税がたしか日本は累進課税で、それから、かつ相続税も相当な累進課税なんですが、両方累進課税というような国はほかにあるんでしょうかね。というのは、やっぱり例えば多くの国が今相続税を無税化していますし、アメリカも今度上げたといっても、九億円までは非課税なわけですね、親子二人で。
 ということで、累進課税、どちらかを累進課税というのは分かるんですが、双方を二重に累進課税にして、結果、平等主義にしているような国はほかにあるのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 相続税と所得税、共に累進税率を持っている国はということでございますが、日本のほかに、アメリカ、ドイツ、フランスなどが主要国としてございます。
○藤巻健史君 そう言われちゃうと、ああそうかと皆さん思っちゃうかもしれませんけれども、先ほど言いましたようにアメリカも累進課税で、あと、今日ちょっと時間がないので言いませんけれども、累進課税の税率は低いと思います。アメリカの例えば野球選手が、日本の税制とアメリカの税制を比べた場合、よっぽど多額の給料をもらっているアメリカの選手は低い税金しか払っていませんからね。
 それと、もう一つ言うならば、アメリカも累進課税といいながら、先ほど言いましたけれども、相続税は九億円まで非課税ですから。九億円から課税になったって、そんなの累進課税ですごいなんて、それは累進課税はすごいかもしれませんけれども、九億円まで無税ですからね。全然日本に比べれば、日本の方がよっぽど二重の累進課税が強いのではないかなと私は思います。
 次に、それに関連してなんですけれども、今、日本ってやっぱり二重の累進課税、ちなみに言いますと、我が党、我がおおさか維新の会は、広く浅い相続税ですからね、累進なんかにしないで広く浅い、これは我が党の相続税に対する見解なんですけれども、二重累進課税じゃないということなんですけれどもね。
 それはともかくとして、私、今、日本経済をもし何か成長戦略で何かするとすると、やっぱり贈与税をなくすのが一番効果があると。この前も税金の問題で、税制によって世の中が変わるという話、ちょっと外貨預金の話をさせていただきましたけれども、贈与税がなくなれば、親は子供にどんどんどんどん家を建てたり自動車をやったりしますし、それから、特に所得の多い経営者層、もう一生懸命そんな節税とか脱税、脱税じゃないですね、節税とか、子供にたくさん残せるような仕組みをいろいろ考えて、貴重なエネルギーをそっちに使っているわけですよ。極めて大きいマイナスになると思うんで、贈与税をなくせばどうか。贈与税をなくすためには、当然のことながら、その補完税である相続税もまとめてなくさなくちゃいけないんですが。
 現状、二〇一六年度で相続税収というのは一兆七千億円計上しているわけです。この一兆七千億円をなくして、これなくすだけじゃ大変でしょうから、これ、たばこ税、たばこ一本三円上げると三千億円の増収だということで、一本当たり十八円、二十本入りで四百円、幾らか私、今、私たばこのまないので知りませんけど、四百円を八百円か何かにすれば、相続税も贈与税もなくせるわけですよ。たばこが四百円が八百円に上がって、かつ相続税、贈与税がなくなると、これ日本にとって経済、雲泥の差が出てくると私は思うんですけどね。
 それはやっぱり、ちょっと、あいつ、たくさん相続して生意気だとかこのやろうと思う人はいるかもしれないけど、このやろうと思ったって、日本の景気がわっと上がって自分の収入がぽっと上がる方がいいんじゃないかと私は思うんですけど。
 ということで、たばこ税上げて、相続税、贈与税をなくすというアイデアはいかがでしょうか。大臣、お答えください。
○国務大臣(麻生太郎君) たばこは余り吸わないので。
 これは、前にたばこ税を上げるときに、公明党の北側さん、たばこ吸う人、私もというんで、あの当時、たばこ吸うやつはみんな上げるのに反対、たばこ吸わないやつはみんな賛成というような話になって、ちょっと極端なことになった記憶が、政調会長をやらせていただいたときにそういう記憶があるんですけれども。
 いずれにしても、今の話で、その種の話を藤巻先生されるんだったら、相続税こそ、一回税金を払ったものをまた死んだらまた取るとかって、二重課税じゃないかと言った方がよっぽど説得力がありますよ。だから、言い方ちょっと研究された方がよろしいんじゃないかと思いますね。
○藤巻健史君 勉強させていただきたいと思います。
 あと三分なんで、もう一つだけお聞きしたいんですが、そもそも格差是正というのは国の仕事かということをちょっとお聞きしたいんですけど。
 日本は今、格差是正、何でも格差是正で金科玉条のようにやっておりますけれども、実は私、一九八二年から八五年にロンドンにいて、サッチャーが出てきたおかげで、あの老大国、どうしようもない国が日ごとに良くなっていくのを見たわけです。その後ブレアが出てきて、イギリスはもう当時とんでもない、もう行けば臭くて、もうストライキばかりで、空気は汚い、公衆電話の八割は壊れているというふうな国から回復した。そのときの本を渡部先生という方が書いているんですね。
 渡部先生というのは今法政大学の教授で元野村総研のヨーロッパ社長だった方なんですけど、この先生が一九九八年、約二十年前に書かれた本で、ブレア首相、これは労働党だったわけですけれども、党首、ブレア首相は、人、労働市場、商品市場、金融市場など市場一般において競争原理を容認する一方、政府による所得再配分を否定する姿勢を明らかにしている。労働党なのにですよ。政府の役割は所得保障(再配分)や市場介入規制にあるのではなく、競争的な自由市場において市場参加者のルールを作り、ルール違反者を取り締まる一方、不幸にして競争に敗れた人々を再教育、再訓練したり、そもそも敗者とならないよう適正な教育を施すこととしている。
 労働党でありながら、これは結果平等じゃなくて機会平等に持っていったわけです。だから、あんなにイギリスというのは大回復したんだと私は思いますが、この渡部先生の記述について、もう最後なんで、大臣、何かお言葉あるでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 渡部先生の話は読んだことがないのでよく分かりませんけれども、少なくとも、さっき言われた、レーガンの話がちょっと出ていましたけれども、今レーガンが出てきたときの御記憶があるんだったら、今のトランプと似ているでしょうが。ぼろかす言っていましたよ、みんな、レーガンなんか出てくるときに。あんな役者上がり、あんな三流の役者がってみんな言っていたじゃないですか。全然忘れていますか。そんな若い顔して、若くもないでしょう。一九八〇年代ですよ。我々はもう物すごい記憶ありますよ、この人は。それで、結果的になりました。なったら、この人になったら、今は名大統領になったわけですよ。だから、分からぬて。というのは、僕は今のトランプを見ていてもそう思いますよ。
 しかし、先ほど言われたように、この人とサッチャーのやったことは極めて似ていましてね、ぼんと税金下げて競争ということをさせて、花開いたのがクリントンのときですから。クリントンはいいところだけ持っていったわけです。開くまでの一番きつかったところは共和党がやって、レーガンがやったんですよ、あれは。間違いなくアメリカ人ならみんな知っている話です。私はそう思います。
 したがって、このサッチャーのときも、一番苦労したときは、サッチャーが眠れるイギリスというのを、紳士の国を淑女が治したと言われたあの騒ぎだったんですけれども、私、その頃いましたから、よく記憶はありますけれども、日に日に変わっていくのがよく分かりましたし、全くイギリス人の労働意欲が変わったというのは、もう間違いない事実だと思いますけれども。
 いずれにしても、あの頃そういったものがはやって、こちらは中曽根さんがなられたんだと思いますけれども、あの九〇年代にかけまして、やっぱり規制緩和とか累進課税とかいろんな形が起きて、まあ国鉄が民営化されたり、いろんなものも起きましたし、たばこは専売公社がとかいって、いろんなものも、こっちもやらせていただくことになったきっかけになったということだと思いますので……
○委員長(大家敏志君) そろそろおまとめください。
○国務大臣(麻生太郎君) 決して悪いことだとは思いませんけれども、結果として格差が付いたということが今一番問題になっているんじゃないんですか、と思います。
○藤巻健史君 最後の部分はちょっと反論があるんですけれども、時間がないので、またこのくらいにいたします。
 ありがとうございました。
○中山恭子君 日本のこころを大切にする党、中山恭子でございます。
 今の藤巻先生のお話伺いながら、消費税増税について、やはりそのときの経済情勢、環境というのが非常に大きく影響するだろうということを改めて感じたところでございます。やはり前回の消費税五%から八%へアップしましたときには、デフレ状態の中で品物の価格というのはほとんど上がっていない状況の中で、税が課されて品物の価格が上がったという、そういったことに対して非常に強い抵抗感があったのであろうと考えております。もちろん、税だけではなくて、買うものがもうほとんどないとか、それぞれの家で十分足りているといったような状況というのももちろんあろうかと思いますけれども、消費税を増税する場合、引き上げる場合には、やはり経済状況というものをしっかりとつかんでおく必要があるだろうと考えております。
 私どもは、昨年十一月四日に、経済の現状を踏まえた緊急提言という形で、今、増税に耐えられるほど日本経済は回復していないのは明らかである。しかし、消費税増税が既定路線とされ、それが国民の消費マインドに不安を与え、消費を抑え付けている。したがって、二〇一七年四月の消費税増税延期を早々に宣言し、国民に安心感を与え、消費マインドの冷え込みから脱却すべきであると。そういった提言を行いました。
 今回の法案の中にこの消費税増税の法案が入っておりますが、私どもは二〇一七年四月の消費税増税については延期をすべきである、しかも延期するに当たっては早い段階で宣言すべきであると考えておりまして、また、このところ行われております国際金融経済分析会合などの様子を見ましても、消費税増税の時期ではないというような意見が強く出されておりますので、その辺り、もう一度財務省として考え直していただけないものかと考えておりますが、いかがでございましょうか。大臣でよろしいですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今おっしゃる話というのは、ずっとこのところ中山先生が主張しておられるところだと存じますので、今、私どもとしても、世界的ないわゆるリスク回避というのが起きておりますので、金融市場でそういった雰囲気が広がっているので日本もその例外ではないということは私ども十分に理解をしておりますけれども。
 この間、上海で行われましたG20の中におきましても、少なくとも、今の中の世界情勢を見たときには、いわゆる各国の、主要国の景気は緩やかであるけど確実に回復しているとか、また新興国においても成長は引き続き顕著とか、いろいろな話が出ておりますので、世界経済の現状を見た場合は、いわゆる市場の変動の規模というものは今の世界経済のファンダメンタルズというものを確実に反映したものではないというのが示されたところだと認識しておりますし、事実、日本におきましても、企業収益は過去最高というのははっきりしておりますし、有効求人倍率も二十四年ぶりの高水準ということにもなっておりますので、そういった意味では、私どもとしても、ファンダメンタルズは確かというように認識をいたしております。
 したがいまして、この消費税の話ですけれども、これは社会保障と税の一体改革ということで与野党で合意したというのが元々のいきさつですから、それで、人口減少、少子高齢化というような状況の中にあっては、我々としては、少なくとも今の社会保障といったものを確実に後世というものに残していく等々のことを考えた場合に、私どもはこれは非常に大事なものであろうと思いますし、したがって、この消費税の増額になった部分を社会保障とか、基本的に介護とか医療とか保険とか、そういったものに回すということをきちんとしたところだと思っておりますので、私どもとしては、今の段階で、リーマン・ショックとかいろいろな表現が使われていますけれども、私どもとしては、今の状況で上げるというのは、国際的なところを見ましても、今後の税の流れ、財政の流れ等々、いろんなことを勘案して、私どもとしては予定どおりやらせていただくべきと思っております。
○中山恭子君 今回、税法は一括法になっておりまして、日切れ法案と、それからこういった消費税の引上げ法案が一緒に提出されております。
 日切れ法案につきましては、もちろん国民生活、経済活動に影響を与えるものでございますから、迅速に処理する必要がある法案でございます。消費税法改正につきましては、これだけは別個の法律として審議すべきものであると考えております。現段階で引上げを確定してしまう必要もないはずでございまして、別個の取扱いをしていただけていたらなとつくづくと考えているところでございますが、もちろん三党合意はあるのでしょうけれども、それ以上にもっと重要な理屈でこの消費税法案は別個で扱うべきであったと、あると、過去形で言っていいのかどうか分かりませんけれども、考えております。
 私どもとしましては、消費税引上げ、増税反対でございますので、この段階で決めることについては非常に苦しい立場に今あるということでございます。その辺について、何かお考えがありましたら。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、御存じのように、平成二十四年度の税制抜本改革法というのが成立して以降、毎年度の税制改正におきまして、税制抜本改革法の第七条というのに示されております各税目の改革の方向性というのを踏まえて総合的に検討して取りまとめたというもので、一括法案として国会で御審議をお願いさせていただいているところです。
 平成二十八年度の税制改正でも、今の税制抜本改革法の規定を踏まえまして、低所得者対策としての消費税の軽減税率制度の導入として、それに伴います中小企業、零細企業者への支援措置とか、デフレ脱却とか経済再生を確実なものにするための法人税改革の推進を始めとする各種の対応などを総合的に一体として講じることとさせていただいておるのは御存じのとおりです。
 したがって、この二十八年度の税制改正におきましても、いわゆる全体を一体のものとして御議論をいただく必要があるんだと考えておりまして、一括法案として御審議をお願いさせていただければと思っておる次第です。
○中山恭子君 公共事業についてお伺いいたします。
 二十八年度予算の特徴の中で、公共事業について、公共事業関係費は前年度同水準、五兆九千七百三十七億円としつつ、局地的豪雨等を踏まえた防災・減災対策を充実するとともに、インフラの老朽化対策を計画的に推進、また民間投資を誘発し経済活性化につながる物流ネットワークの整備等を推進するとあります。
 公共事業は、そもそも国が責任を持って進めるべき事業でございます。この増加率は〇・〇%でございまして、この額では日本を、私たちの子孫に美しい国土、公共施設を残すということがまず不可能であろうと考えておりまして、もっと積極的に公共事業を拡大すべきであると考えております。これまで、そうですね、二〇〇〇年代に入ってからと言っていいでしょうか、公共事業費は減少し続けておりまして、国が責任を持って進めなければならない事業について非常におろそかに扱われてきたと言ってよいかと考えております。ある意味では、将来この時期を振り返って、国の怠慢であると評されても致し方ない状態まで来ているのではないかと考えております。
 大臣はもう十分御承知のとおりでございますけれども、橋、トンネル、港、道路、ダム、上下水道など、あらゆるインフラが老朽化してしまっております。全国のこのようなインフラを系統立てて整備計画を立てて、安全な国づくりを早急に進めることが大きな課題であると考えますが、大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(麻生太郎君) 確かに、小渕内閣のときが、公共事業が十六兆五千億ぐらいだったと記憶しますので、それから十兆以上これまでに減少しているという状況で、そういった公共事業は悪というようなイメージがずっと定着しておったというのが日本のこの永田町周辺若しくは新聞における実態だったと、私どもはそう思っておりますが。
 いずれにいたしましても、公共事業というものにつきましては、今おっしゃるとおりに、これは防災とか減災とか子供の命を守るとか子孫に美しい国土をとか、いろいろなことは極めて重要なんだと思っております。と同時に、これはやっぱり、日本の産業というもののことを考えますと、ミッシングリンクとかいろいろな言葉がありますけれども、いろんな意味で、生産性が向上するためには物流がきちんと流れるようにしておかねばならぬとかいうような当たり前の話で、こういったものが日本の成長力というのを高める意味で大事なものなので、こういったものを重点化して効率化してというのは、これはもう先生おっしゃるとおりに重要なことだと思っております。
 二十八年度の予算においても、三大都市圏の環状道路等々、これは効率的な物流ネットワークの強化とか、パナマ運河が水深十八メーターになるというような時代にあって、今、日本でじかに着岸できるところで十八メーターの水深を持っている港というのは一級港湾といえども数えるほどしかありませんから、そういった意味では、機能を強化する等々、質の高いインフラというものは、これはもう間違いなくしっかり実行していかなければならぬところだと思っております。
 加えて、やっぱり荒れるアメリカと言われた一九八〇年代というのは、一九三〇年代にニューディールのときにやったいわゆるインフラが五十年間放置しておったらどんなことになったかというあれが最も分かりやすい例で、荒れるアメリカになった八〇年代だと思いますので、そういった意味では、日本も高度経済成長期からちょうど数えてかれこれ五十年ということになろうかと思いますので、老朽化というものは、同様に、アメリカに比べて日本はメンテナンスをよくしているところだと思っていますので、そういった意味ではそれなりに維持しているとは思いますが、アメリカに比べて地震やら台風やら、そういったものは明らかにこちらの方が自然状況が厳しいものがありますので、そういったものを含めて考えますときちんとやっておかねばなりませんし、メンテナンスとか、そういうものプラス今申し上げたような将来の成長につながっていくようなもの、効率化、生産性が上がる物流、そういったものに配慮して私どもきちんとしたものを考えていくということをしないと、やっぱり国としては長く経済力を、また繁栄を維持することは難しいと、そう思っております。
○中山恭子君 まさに大臣おっしゃるとおり、また大臣がそのようにお考えいただいているということは大変心強いところでございます。
 災害が起きてから対応するというのでは、これはとんでもない形が出てまいります。死亡事故などが起きないように、災害が起きる前に公共施設、インフラをしっかりと整備しておくことが大切だろうと思っております。次世代の人々が快適に生活できるようにしておくこと、これは私どもに課せられた一つの使命であろうと考えております。
 そういった意味で、今大臣もおっしゃられましたけれども、修理だけではなくて、老朽化対策だけではなくて、今私どもができる質の高いインフラ整備を図るべきであると考えております。これも昨日、大臣おっしゃっていましたが、資産になるわけでございますから、惜しむことなく対応していく必要があるだろうと考えております。
 昨日、不落が起きないよう、また歩切りがあるというようなことをこの委員会でお伝えいたしました。歩切りなどはもうもってのほかでございますけれども、地方の業者が仕事を請け負える、そして、その仕事を中小企業の人々が受け止められる、そういった環境をつくっておく必要があると考えておりますが、まずは、公共事業の単価が低過ぎるのではないだろうかと考えております。その関係で歩切りが起きたり不落が起きたりしているように考えておりまして、その中の主要な部分というのは賃金コストであろうかと思います。
 今、所得を増やそう、賃金アップをせよというふうに、せよとは言わないんでしょうか、してほしいと政府から民間の方に頼んでいる状態を見ますと、まずは国、地方公共団体が提示するコスト、単価の考え方を変える必要があると思っておりますが、この点についてはいかがでございましょうか。お願いします。
○政府参考人(茶谷栄治君) お答えを申し上げます。
 公共事業の円滑な施工確保に向けて、国交省におきましては、まさに実態を踏まえまして、労務単価の見直しやあるいは資材価格の上昇を反映した単価の設定など、種々の対策をこれまで講じてきたところでございまして、こうした取組もありまして、足下の入札不調などは被災三県も含めて総じて落ち着いてきているところと認識しておりますが、今後とも、引き続きこういった入札の状況などをよく注視しつつ、必要に応じて国交省において適切な対応が取られていくものと考えております。
○中山恭子君 公共事業は国交省だけに関わるものではありませんし、防衛省を除く全省庁に関わるものでございます。
 そういった中で、やはり財務省が自ら単価についても研究をし、現場を見て、国交省がやっている単価は少し小さ過ぎるのではないかといったようなことについても財務省としてはリードしていただきたい。この公共事業、大企業に賃金アップをお願いする前に国として当然賃金を上昇させる、自ら上昇させるという形を取っていくくらいのことをやってもよろしいのではなかろうかと考えております。
 それともう一つは、やはり単発の事業ではなくて、全国にインフラ、先ほど申し上げましたような橋、トンネル、港、道路、ダム、上下水道、全国に広がっている事業でございますので、これを面としてどれだけ日本全体を把握して順番を付けていくかとか一斉にやれるのかとか、又は、それを進めるに当たっては、今、昔ありました五年計画というのがないと聞いておりますけれども、五年計画、十年計画、場合によっては二十年計画といったものをどこかの政府の中が作って考えておかないといけないことであろうと考えております。
 そういったことについては、やはり全省庁の予算をつかさどっている財務省が、それぞれの省に公共事業があるわけでございますから、全ての省庁と連絡を取りながら、財務省が、ほかの省のお仕事ですではなくて、一緒になって公共事業の費用について又は計画について全国ベースで期間も考えて動いていただきたいと思っておりますが、その点についていかがでしょうか。副大臣、お願いしてよろしいですか。
○副大臣(岡田直樹君) 公共事業につきましては、先ほど大臣からも答弁申し上げましたが、日本の成長力を高めるといった観点から、重点化、効率化をしていくということが基本的な姿勢でございます。
 各省庁にまたがる公共事業について、何が優先的でどういう順番に、あるいは効率的にということについては日々主計局の方で各省庁と協議をさせていただいているところでございまして、これは適切に対応してまいりたいと、このように思っております。
○中山恭子君 まずは早速にそのコストですね、賃金コストなどの費用について考え直すとか調整する形を取っていただけたらと思っております。
 公共事業について、安全確保のために公共事業投資を惜しむなというような標語を作ってもいいかと考えておりますが、その財源についてはいろいろな御議論が必要なのであろうと考えております。
 昨年、私どもからは、十一兆円の補正予算を組むという形で、十一兆円についての財源はそれほど苦労しなくても確保できるというようなことを御提案しております。外為特会等の剰余金や積立金、金利低下による国債の利払い費の減少額、政府保有株式の現時点での、これは今売却するということではなかろうと思いますけれども、いろいろなことをお考えいただきたいと思っておりますが、いかがでございますか。
○副大臣(岡田直樹君) 公共事業の財源として、御指摘の外為特会それから労働特会あるいは年金特会という問題意識も先生お持ちというふうに聞いております。
 外為特会、内部留保二十二・七兆円ということでございますけれども、これはやはり外国為替相場の変動等に備えるために特会法の規定に基づいて必要な金額を積み立てているものでありまして、これは流動的な要素もございますので、なかなか他の財源として使うことは難しいと思っておりまして、労働特会については、雇用保険の積立金の水準、今六・三兆円、これ二十七年の三月でありますけれども、国庫負担の当面の在り方を含めて厚労省の下にある労働政策審議会でこれを検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるとしております。また、年金特会も、運用資産額百四十六兆円ということでございますけれども、これは被保険者から徴収された保険料を原資として将来の年金給付の財源となるものでございますので、これを活用して公共事業を行うということはなかなかに我々としてはお答えを申し上げることの難しい課題であろうかと思います。
○中山恭子君 確かに、いろんな事情があって難しいであろうということは予測できるわけでございます。
 この公共事業については、IMFからも、またG20からも、投資であって、公共事業は借入れをしてその事業費を賄っても元が取れるということを例えばIMFサーベイにははっきりと書かれております。そういった中で、公共事業用に政府紙幣の発行ですとか無利子公債の発行、また建設国債でもよろしいかと思いますが、場合によっては日銀の中に基金をつくって、これから十年、二十年、公共事業用にそれを引き出してその都度使うといったようなことも考えていってもよろしい事業費であると考えておりますが、この点に関してはいかがでございましょうか。
○委員長(大家敏志君) そろそろおまとめください。
 簡潔に願います。
○副大臣(岡田直樹君) はい。
 ただいま、政府紙幣あるいは無利子非課税国債や、日銀の中にそうした特会、口座のようなものを設けるという様々なアイデアいただきましたけれども、これは確かに前のリーマン・ショックの当時いろんなアイデアが出されたところでございます。現在の状況の中でこれを検討して、要すればなかなかそれぞれに事情があって困難であろうということでございますので、またお時間のあるときに中山先生と御議論させていただきたいと思います。
○中山恭子君 ありがとうございました。
○平野達男君 平野達男でございます。
 昨日は、消費税率の引上げに伴いますいわゆる不交付団体への税源偏在、そしてその是正ということについて質問させていただきましたけれども、今日は、冒頭ちょっと時間を借りまして、昨日の質問でやり残した部分、地方交付税の配分について若干の質問をちょっとさせていただきたいというふうに思います。
 先般、国勢調査結果、簡易の国勢調査結果というのが出されまして、被災地では、例えば三陸では女川町が前回の調査に比べてマイナス三六%という人口減少、あと、福島の原発事故のサイトの周辺では多分実質ゼロということになるんだろうと思います。それがこれから五年間の地方交付税の配分のいわゆる人口の基礎になるということになるわけですけれども、今回どのような配慮をなされて地方交付税の配分をされるのかということについての確認をちょっとしておきたいと思います。
○政府参考人(内藤尚志君) お答え申し上げます。
 東日本大震災によりまして平成二十七年国勢調査人口がゼロ又は激減する団体にございましては、交付税の算定額が大幅に減少することから、特例を講じることといたしております。具体的には、被災三県内の原発被災団体及び津波被災団体並びに福島県につきまして、火山噴火により全島避難した際に国勢調査が行われました三宅村に対しまして講じました特例と同様の特例を講じることといたしております。すなわち、帰還の意思をお持ちの方は元の市町村に住民票を残していらっしゃいますので、平成二十七年国勢調査人口に代わりまして平成二十二年の国勢調査人口に住民基本台帳人口の減少率を乗じた人口を用いるということといたしております。
 さらに、その特例を講じても減少率の大きな団体がございます。そのため、段階的に減少させる激変緩和措置を講じ、かつ人口減少率をマイナス一〇%以上引き下げないといった特例を設けるという措置を講じる予定でございます。それに加えまして、農家数、水産業者数につきましても、新たな農林業センサス及び漁業センサスの公表によりまして、平成二十八年度の交付税算定に用いる数値が東日本大震災の影響によりましてゼロ又は減少する一定の被災団体に対しましては別途特例措置を講ずることといたしております。
 これらの措置によりまして、被災団体においても安定的な財政運営が可能となるよう対応してまいりたいと考えております。
○平野達男君 本当に大きな災害でしたから、災害に対応しての措置だというふうに理解しますし、是非そのようにやっていただきたいというふうに思います。
   〔委員長退席、理事愛知治郎君着席〕
 しかし、その一方で、昨日、税源の偏在の問題をちょっと議論させていただきましたけれども、これから五年、十年あるいは二十年というタームで考えた場合に、人口減少の発生の度合いというのは地域によって随分変わってくる可能性もあります。特に、市町村単位で見た場合にはかなりの差が出てくる場合もあるんだろうと思います。
 そういうことを考えたときに、地方交付税の配分という今の単位費用を乗じて積み上げてくるんですけれども、人口という要素だけではなくて別な要素も加えるというようなこともそろそろ検討を始めておく必要があるのではないかというふうに思いますけれども、今総務省の中ではどういうふうな議論になっておるでしょうか。
○政府参考人(内藤尚志君) お答え申し上げます。
 今回公表されました国勢調査人口の速報値では、全国の人口が前回の平成二十二年国勢調査から〇・七%減少いたしまして、八二・四%の市町村、千四百十六団体におきまして人口が減少したということでございます。地方交付税は、そうした人口が減少している団体を含めまして、それぞれの地方団体がきちんと標準的な水準の行政を行うことができるよう必要な財源を保障するものでございます。
 このような地方交付税の財源保障機能を適切に発揮いたしますために、人口減少や高齢化の更なる進展と人口構造の変化を踏まえた地方団体の財政需要の変化あるいは地域の実情を的確に把握いたしまして、交付税の算定に反映することが必要と考えております。例えば、平成二十八年度におきましては、その地方財政計画に重点課題対応分といたしまして、人口減少や高齢化が著しい地域の高齢者の生活支援等の地域の暮らしを支える仕組みづくりの推進に要する経費を五百億円計上いたしまして、これを普通交付税の基準財政需要額にも盛り込むこととしているところでございます。
 今後とも、地方団体の御意見も伺いながら、社会経済情勢の変化等に対応した交付税の算定に努めてまいりたいと考えております。
○平野達男君 分かりました。
 いずれ、先ほど言ったとおりでありますけれども、市町村によって、私が現場歩いている感覚からしても、人口減少は急激に進むなという地域とそうでない地域というのはやっぱりはっきり言ってあると思います。そういう構図の中で、地方交付税は減っていく、人も減っていくという負のスパイラルにできるだけ陥らないような構図を是非つくっていただくことを重ねてちょっと要望しておきたいというふうに思います。
 そして、今回の所得税法の改正でございますけれども、メーンは軽減税率の導入でありました。私も、どちらかというとというか、考え方としては、今回の複数税率、軽減税率よりは、やっぱり給付付き税額控除の方が当初の税と社会保障制度の一体改革を入れたというときの発想からしてもまだいいというふうに思っています。
 ただ、今回、軽減税率に基づいて財源問題については年内に結論を出すということでございますから、それについてはしっかりとした結論を出していただきたいと思いますし、やはり軽減税率を入れるということ以上に、私は、今の日本の社会保障財源を安定化させるということ、それから財政再建にしっかりとした基礎を築くことという観点からすれば、やはり今回の所得税法の改正ということについては賛成をさせていただいて、予定どおり地方消費税の八%から一〇%の実施をやっていただくということをお願い、切に希望するというよりは、私が希望するのもおかしいんですけれども、もう政府自体はそれをやるという前提で今回法律を出しておりますから、それに賛成をする以上は、それも含みで今回の法律が成立するんだろうと。もし多数で可決ということになれば、予定どおり実施するということを含みで成立するんだろうというふうに理解をしたいというふうに思います。
 そして、以上が所得税法で、じゃ、あとはもう、所得税法で細かいこと何点かお聞きしたいことがあるんですけれども、もう特に質問することもございませんのでここでやめようかと思うんですが、若干時間がございますので、麻生大臣とあと五分ほど、これからの税制の在り方ということについて、若干の議論を雑談風にちょっとやらせていただきたいというふうに思います。雑談と言って失礼でございますけれども。
   〔理事愛知治郎君退席、委員長着席〕
 先般、人工知能が囲碁に勝ちまして、四戦やって三勝一敗だったようですね。そして、その前はもう既に将棋でも勝っていますし、チェスではもうとっくの昔に勝っているということです。一方で、日本のシンクタンクかどこかが何か出していましたけど、これから人間の労働がロボットに置き換え得る職種ということでそのリストを出していまして、かなりの製造業の部分が、何でしょうか、ロボットに置き換え得るというような話も出ています。
 それに、人工知能がこれからどのように発展するかは分かりません。カーツワイルさんみたいに、もうあと何十年後かすれば世界は人工知能で動くようになるという人もいれば、そんなばかなことは許されない、そういうことは起こらないという人もいまして、どっちになるか分かりませんが、ただ、先回のダボスの会議の中でも、第四次産業革命の中でこれから起こる様々なテクノロジーの進化が我々の社会にどういう影響が出てくるかということも大きなテーマになってくるほど大きなテーマになってきているということだと思います。
 今回、今日は税の議論でありますから、その労働がロボットに置き換わるということについては、もう既に自動車のメーカーとかなんかではかなりもう、工場に行ってしまいますと人が見えないぐらいもう全部機械でやっているという、ロボットでやっているということになっているわけですが、それが更にどんどんどんどん進んでいくというのはどういうことかというと、例えば、今資本と労働というのは完全に分かれているわけでありますけれども、その極論の世界というのは資本イコール労働という世界なのかなというふうにも見えてくるわけです。
 トーマス・ピケティさんのあの例の「キャピトル」という本は、あんな分厚い本ですけれども、長いあれだけの分量を掛けていわゆる資本収益率が成長率を上回るということを証明したということなんですけど、まさにその究極の姿は、資本即労働ということがまさにピケティさんの言っていることの究極の姿にもなるのかなということなんですが。
 そうなるかどうか別として、流れとしてはそういう方向に向かっているということで、格差の問題言い過ぎるという議論もありますけれども、この所得の再分配という問題は相当やっぱりしっかり議論しておかないと、これからの税制の中ではこの流れの中で大きなファクターを占めるようになってくるのではないかという感じが強くしているんですけれども、麻生大臣はどのように考えられるのでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) AIって、アーティフィシャルインテリジェンスですかね。このAIが、人工知能が進んでいくという話ですけれども、下手したら多分日本が一番進む可能性があろうかと存じます。ほかの国は、やっぱり一神教の国というところにおいてはなかなか神を超えるみたいな話にはとても行かないというので、みんなブレーキがどこかで掛かるんですが、こちらはその点が大分感覚が違うこともありまして、人工知能に関しては、最も研究で最前線に出てきているのは、今、日本ということになってきておりますので。
 現実問題として、アイデアはいいけれども物理的にそれをつくれるかというと、今の例えば広島県呉にあります会社で、人間の髪の毛を縦に三十五等分できる、ダイシングという技術ですけれども、その技術を用いますと、サランラップ一枚にシリコンウエハーが五枚入ると。とても正気の沙汰では考えられないんですけれども、もう事実できていますから、そういったものを積み重ねたものができる。加えて、それを巨大な電力消費量が必要になるということになっているんですが、これはしない。なぜ出さないか。世界中はみんな空冷なんですが、この機械だけは液冷でやっております、水冷でやっている。
 そういったようなものが今現実にもう日本にありますから、そういった時代というのは恐ろしい時代になってきているというのは私でも分かるんですが、それが行き着く先がちょっとどうなるかというのは、私の七十五過ぎた想像力ではちょっと超えておるようなところがありますので付いていかないところはありますけれども、間違いなく、今言われたようなことを含めて、人間の労働というところの部分が、かなりの部分、機械化される、ロボット化されていく流れというのはもう間違いないんで、行き着くところが資本イコール労働というところの究極はそこに行き着くんだと思いますけれども。
 ただ、いろんな意味で、人間じゃなきゃできないという部分も、感性の問題とかいろんなところが残りますので、人間、機械とだけで生活できるかというと、ロボットだけで全てできる、人工知能のロボットの女中さんと二人だけでセックス含めて全部できるかと、よく科学者の中では話題になる、その種の話はよく聞かされますけれども。
 是非、そういったものを含めて、すごい時代が変わってきているということは分かりますけれども、それから先どこまで行くのかと言われると、平野先生、私のちょっと想像力を超えているところもありますので、ちょっと。現実問題として一番多分進むのは日本、これだけは間違いないような気がしますけれども、その行き着く先がどの程度でというのをつくり上げるのも最初に日本がつくり上げないと、下手なところでやらせますと極端なことになりかねぬと思っていますので、その点、日本はなあなあまあまあなところでそこそこ収まるという知恵が我々の長い歴史の中で培われたDNAだとも思っていますので、そこらのところが、一番安心もしてはいるんですけれども、その点についての答えがまだ私の頭の中で見えているわけではありません。
○平野達男君 終わります。
○委員長(大家敏志君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(大家敏志君) 速記を起こしてください。
 これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○前川清成君 民主党の前川清成でございます。
 総理、お疲れさまでございます。今日は、総理と税制の議論をさせていただくことを大変光栄に思っております。
 私も、お隣にいらっしゃる尾立さん同様に、税理士の資格は持っておるんですけれども、あるいは、民主党政権では政府税調の委員は副大臣が務めました。大久保座長の下で、金融を担当する政府税調の委員もさせていただきました。ただ、専門的に税法を学んだこともありませんし、もとより浅学非才でありますので、オールラウンドプレーヤーでいらっしゃる総理にいろいろと忌憚なくお教えいただけたらと思っております。
 その前に、総理、今民主党の前川と、こう申し上げたんですが、この民主党という政党がもうすぐなくなります。総理の御発言を承っておりますと、民主党に厳しいといいましょうか、僣越ながら、大変対抗心をあらわにしておられるような気もしております。民主党政権に対して総理のお立場からすると様々な御批判があろうことは当然かと思いますが、ただ、私は、いつでも自民党だけが政権という政治ではなくて、かつ批判するだけの野党でもなくて、いつでも自民党に取って代わることができるもう一つの大きな固まり、これは日本の政治には必ず必要だと、こういうふうに考えております。
 この点、通告もさせていただいていないんですが、ちょっと御感想をお聞かせいただけたらと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今般、民主党が二十年の歴史に幕を閉じて、新たな政党として生まれ変わることに対しましては祝意を表明したいと思いますし、何となく民主党という名前がなくなるのは名残惜しい気持ちもするところでございますが、今、前川委員がおっしゃったように、政党間でお互いに切磋琢磨していくことこそが民主主義の発展にもつながるわけでございますし、これは日本の国益にもつながっていくんだろうと、このように思いますので、新たに生まれ変わる民進党と、恐らく参議院選挙においては全ての選挙区、ほとんど全ての選挙区で戦うことになるわけでございまして、戦うことになりますので、多少、私の意に反して厳しい言葉を使うこともあるわけでございますが、お互いに切磋琢磨していくことによって自らを鍛えて、そして、もって国民の負託に応えていきたいと、このように考えております。
○前川清成君 総理、私も今日、意に反して失礼な言葉を使うかもしれませんが、そのことはお許しをいただきたいと思います。
 それで、第二次安倍政権三年間の税制改正を見てまいりますと、貧乏人のひがみに聞こえてしまうかもしれませんが、格差が拡大している中で、貧困が広がっている中で、どうも安倍政権の税制というのは金持ち目線ではないのかと、こういうふうに感じてしまうことがあります。今日は、ちょっとそういう視点で質問をまとめさせていただきたいと思います。
 まず最初に、第二次安倍政権で法人税、およそ四割から二割台、二〇%台まで引き下げられました。これで減税額どのぐらいになるのか、お聞かせをいただけたらと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 減収額、財務省の試算と、これは朝日新聞の報道と少しずれているとは思いますけれども、財務省の試算では一兆円から二兆一千億ということになろうかと存じます。
○前川清成君 私どもの計算では、減税のみではおよそ三兆八千九百九十一億円、ただし課税ベースの拡大がありますので、今大臣がおっしゃったように、一兆六千二百七十三億円になろうかなというふうに思います。
 それで、これは麻生大臣で結構ですけれども、恒久減税、毎年この額の減税ということでよろしいですね。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的にそうです。
○前川清成君 この法人税減税、とりわけ日本の企業が国際競争力というのを付けていくために、回復させていくために必要だろうと、こういう視点でお進めになっておられるんだろうと思います。
 日本を代表するグローバル企業でありますトヨタ、このトヨタの販売台数のうち八割は海外です。二割だけが国内です。各企業がグローバル競争を続けていく中で、日本の法人税だけ突出して高かったら確かに産業が空洞化してしまう、こういう危険、危惧というのは、私もある程度納得できるところがあります。
 ただ、私が経済産業委員長をさせていただいた際に、アジア拠点化法という法律ができました。平成二十四年の八月です。この法律の中で、グローバル企業がアジア本社を日本につくってくれた場合、上海とかシンガポールに逃げていくのではなくて日本国内にアジア本社を置いてくれた場合、あるいは研究開発拠点を日本国内に置いてくれた場合には、租税特別措置、やはり法人税を二割台まで引き下げるというふうな租税特別措置を講じたんですが、民主党政権下でできました租税特別措置透明化法に基づいて、昨年、適用件数が公示されましたところ、何とゼロ件でした。つまり、法人税が安いという理由で日本に進出した企業というのはありませんでした。
 他方で、JICA等がそれぞれ調査をしているんですけれども、日本の企業がなぜ海外に進出するのかという問いに対して、ほとんどの会社は、その国の法人税が安いとかではなくて、その国のマーケットが成長する、市場が成長する、こういう理由で海外への進出を決めているようであります。そうであれば、法人税、もちろん税金ですから安ければ安い方が誰もがうれしいんですけれども、国の財政が極めて厳しいときに、少子高齢化で社会保障に膨大なお金が掛かるときに、あるいは東日本大震災からの復旧復興を成し遂げなければならないときに、それでもやっぱり法人税の減税かというのを私は疑問に思うんですが、この点について総理のお考えをお聞かせいただけたらと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは前川先生、基本的に今回の法人税の話をさせていただいて、二〇%台後半というところで、とにかく二〇%台になるということで、少なくとも、いわゆるヨーロッパの国々に比べて、ほぼ肩を並べるほどの表面税率ということになります。しかし、これはアジアに比べてはまだ高いというのはもう御存じのとおりで、アジアは一〇%台、一七%というのがよくあるところですので、直接これが国際的にどれぐらいかと言われると、アジアとヨーロッパでかなり違いますのでなかなか比較は難しいところだと存じますが。
 基本的に今回の税金で言わせていただければ、私どもは国際競争等々のことを考えて表面税率を下げると同時に、他方、いわゆるレベニュー・ニュートラル、増減税一体というものでありまして、これまでの課税をする対象の幅を広げて、例えば外形標準課税等々のものを、中小企業を除きまして、大企業にはいわゆる外形標準課税等々を使わせていただいて税収を上げるということをさせていただいておりますので、トータルではきちんとした税収が落ちているというわけではございません。
○前川清成君 その課税ベースの拡大に関して、ですから冒頭申し上げたんですが、確かに今回の改正では減税額が七千七百六十二億円、しかし課税ベースの拡大がありますのでトータルでは百二十五億円の減税にとどまっておりますけれども、二十五年では三千五百五十四億円の減税、二十六年は一兆二千二百九十一億円の減税になっておりますので、今、麻生大臣が言われたように増減税同額ということではなくて、トータルでは大幅な減税になっているかと思います。
 その上で、日本の法人税の税率が本当に高いのかという点で、お手元に配らせていただいた資料の二枚目を御覧をいただけたらと思います。これは、文芸春秋から、文春新書から出ております富岡幸雄先生の「税金を払わない巨大企業」という著書の一番冒頭部分を少し紹介させていただきました。
 二〇一三年三月期で、三井住友フィナンシャルグループが千四百七十九億八千五百万円の税引き前利益があるけれども、法人税は三百万円、税率は〇・〇〇二%、ソフトバンクについては七百八十八億八千五百万円の利益に対して、税額が五百万円で〇・〇〇六%と。
 日本は様々な租税特別措置がありますので、この実効税率という点でいえば、日本の法人税、そんなに高くないのではないのかと私は考えますが、総理、この点いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 法人税においては、二十六年度の政策税制の利用額がこれは増えていることについては、二十五年度及び二十六年度の税制改正において企業の賃上げや投資拡大を支援するために所得拡大促進税制などの政策税制を充実した結果だとこれは受け止めておりますが、これにより減収が生じているのは事実でありますが、政労使会議の開催といった取組のほか、こうした政策税制も一つのきっかけとして、例えば政権交代前はほとんど行われなかったベアが三年連続多くの企業で実現する見込みとなるなど、経済の好循環が確実に生まれているわけであります。
 また、この法人税をめぐっては、先ほど財務大臣から既に答弁をさせていただいておりますが、表面税率が高いと言われてまいりましたが、他方で課税ベースが狭いとも指摘されてきているわけでございまして、今回の法人税改革においても、そうした点も頭に入れながら、政策税制や欠損金の繰越控除制度の見直しなど課税ベースを拡大し、これによってしっかりと財源を確保しつつ、表面税率を引き下げることによって法人課税をより広く負担を分かち合う構造へと改革することにしており、議員の問題意識にも沿った改革とはなっているんだろうと、このように思っておりますが。
 経済の好循環を確実なものとしていくためには、企業に対して、設備、技術、人材といった未来への投資を促していくことが重要であり、私からも未来投資に向けた官民対話などの場で企業の積極的な取組を要請し、経済界からも、昨年、政府による政策対応を前提として、二〇一八年度に設備投資を八十兆円まで拡大といった意欲的な見通しが示されてきたところでございます。
 これと併せて、政府としても、事業環境の整備の一環として法人税の政策税制や法人実効税率二〇%台の実現といった対応を行っているところでありまして、こうした政府の対応を踏まえて、実際に企業のマインドが変わり、賃金や投資拡大など積極的に取り組むことを期待をしております。
 また、今ここでお示しをいただいたこの三井住友フィナンシャルグループですか、これ実効税率〇・〇〇二%ではないかということも示しておられますが、これ言わば持ち株会社でございまして、例えばこの下にある三井住友銀行自体は、失礼しました、ちょっと数字は言えないということなので、ということは、これよりは相当多い実効税率になっているものと、このように思います。
○前川清成君 総理、まず冒頭申し上げた点で、対抗意識をあらわにされるというんですけれども、ベアは、これは民主党政権どうこうじゃなくて、総理が常々口にされる二十年続いたデフレの結果ですので、ここもよろしくお願い申し上げたいと思います。
 それと、今、次にお聞きするつもりの経済の好循環の点をおっしゃっていただいたんですが、去年、トヨタの営業利益が二兆七千五百億円でした。しかし、ベアは、この春のベアは千五百円でした。今見ていただいたとおり、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJ、みずほコーポレート銀行、それぞれメガバンクがこれほど好業績なんですけれども、そもそもこの春、ベア自体を要求しませんでした。
 一枚目の資料を見ていただいたらと思いますけれども、これ私の方で表を作らせていただきました。経済の好循環が本当に起こればいいんですが、企業が業績を伸ばしても、麻生大臣がよくおっしゃるとおりで、内部留保だけが積み上がっていくと、設備投資もほとんど増えない、従業員に対する給料の支払も増えない。法人税を下げれば好循環が起こるというのはちょっと単純にはいかないのではないかと私は考えておりますが、総理、いかがでしょう。
○国務大臣(麻生太郎君) これは度々御指摘のあっておりますし、前川先生と前にもお話を申し上げたとおりですが、基本的にこの三年間で見ますと、去年までのはまだ出ていませんけれども、これまでのを見ますと、最初の年で二十四兆五千億の内部留保、翌年、一昨年ですけど、これは二十五兆円の内部留保、合計四十九兆五千億の内部留保が出ていたと思いますが、それに比べて給与は幾ら上がったかといえば、初年度は下がっております。二年度がちょっと上がってということになっているんですが、それでもまだマイナスだったんですが、去年の分でやっと上がって、トータルで約五千億のプラス、だから、五十兆入って五千億円だけ給与が増えたというのが実態。これが今私どもが申し上げておる企業の内部留保がたまり過ぎておるというので、内部留保に税金掛けろ等々、大久保先生等々が言っておられる話の背景はそれだと思っております。
 事実、給与が上がっていないというのは事実、したがって、私どもとしては、これは是非ベースアップをという話を企業側に申し込みましたけれども、これは元々は企業と組合との話であって、政府が介入するというのは、明らかにこれは、統制経済やっているんじゃありませんから、我々は、自由主義経済をやっている中でおかしいじゃないかと、私どもは基本的にそう思っておりますが、今、非常事態だからというお話も経済界の方からいただきましたので、その話は私は引き下げて、自由にしていただくことになって、去年が三千円、トヨタの場合ですよ、今年は千五百円ということになっておりますけれども、これは基本的に、前川さん、前川さんたちを指導しておられるか前川さんたちが指導されているか存じませんけれども、やっぱり連合というところの、自動車総連等々に対しての指導もしっかりやられた方がいいんじゃないですかね。どうですか、自動車総連そこにいらっしゃいますけれども。そういったところがしないで私どものところで何とかしろと言われても、それは介入になりますのでいかがなものかと思うのが一点。
 もう一点言わせていただくと、やっぱり一時金は結構出ていますよ、間違いなく。だから、そういった意味では、組合の中の話を私どもと言われてもいかがなものかとは思いますけれども、しかし、基本的には、長いこと続いたデフレの思想というのはなかなかまだ抜け切っておられないというところが大きなところじゃないかなと私自身は、前川さん、基本的にはそう思っております。
○前川清成君 私も、別に統制経済をしいているわけでも何でもありませんので、麻生大臣と同じように思っています。給料というのは労使間の話合いで決まるものであって、政府が云々かんぬんではありません。
 ただ、私が今お尋ねしたコンテクストは、法人税を下げたところで給料には回らないんじゃないですかと。そもそも法人税は何に対して掛かるかというと、売上げから原価を差し引いて、給料を差し引いて、残ったもうけに対して法人税が掛かるわけですから、法人税を引き下げるのと経済の好循環というのはそもそも因果関係に立たないのではないかということを今申し上げたわけです。
 それで、次に、お配りしている資料の三枚目を御覧いただきたいんです。これは先日、小池委員も取り上げられたかと思います。金融所得課税に関しての財務省がお作りになった資料であります。
 軽減税率が廃止されました。その結果、税率が少し上がりましたが、しかし、この表を見ていただいたらお分かりのように、百億円の所得があって実効税率は一七%なんです。学校を出てすぐ僅かな給料をもらっても一五%天引きされる。百億円以上の収入があっても一七%。私は、これは公平を失しているのではないのかなと、こういうふうに思います。
 この金融所得課税について少し強化する必要があるのではないかと考えますが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 年間所得が一億円を超えると所得税の負担率が下がるという実態については、高所得者ほど合計所得に占める株式等の譲渡益の割合が高い中、株式等の譲渡益は二〇%の税率が適用されていることから生じたものと考えておりますが、金融所得課税の見直しについては、平成二十六年から上場株式等の配当及び譲渡益について軽減税率を廃止したところでありますが、これによって、高所得者ほど所得税の負担率が上昇する傾向が見られ、所得再分配機能の回復に一定の効果があったのではないかと考えています。
 今後の税率の水準については、引き続き今般の改正の効果を見極めることが必要でありますが、見極めるとともに、経済社会の情勢の変化や税制全体の在り方の中で、位置付け等も踏まえつつ検討する必要があると考えております。
○前川清成君 総理おっしゃっていただいたとおり、またこのグラフにもありますとおり、百億円以上の収入のある方のうち七八・七%は株による収入です。例えばこの一年前、平成二十五年度でいいますと、百億円以上もうけている人の収入、九三・七%が株です。それについて二割の分離課税がされているので、こういう、実効税率が一七に下がってしまうというのは今総理がおっしゃったとおりなんですけれども、私が今是非総理に考えていただきたいのは、働いて得る勤労所得に比べてはるかに担税力は高いはずなんです。学校を出た若い皆さんが一生懸命働いても一五%、働かなかったと言ったら失礼な言い方ですけれども、汗水垂らして働くわけでもないけれども、しかしこの一七%、少しアンフェアではないのかなと。この点、よく国境を利用して租税回避を図ろうとする、だから税率を高くしたら逃げてしまうんだ、だから世界の国々と同様に日本も低い税率に納めなければならないんだと、この種の議論があります。
 しかし、先刻も麻生大臣おっしゃっていたように、ケイマン云々かんぬんとおっしゃっていたように、今の二割の税金であっても皆さん喜んで税金払っているのかといえば、そうじゃなくて、何とか税金を少しでも軽くなろうというふうに皆工夫するわけです。この点で、昨年の税制改正で出国時の譲渡所得課税の特例というのもできました。
 私は、この金融所得については足が速いから高い税率は駄目なんだというのは、何というんでしょうか、ちょっと学者の皆さん方の理屈であって、実態を考えていけば、去年の税制改正で工夫されたように、様々に工夫することによってもう少し、百億円もうけたから全部取れとは言いません。でも、一七%というのは余りにも低いんじゃないのかという問題意識で申し上げております。
 余り技術的なこととかは結構ですけれども、もしこの点で、総理の御感想あるいはお考えを聞かせていただけたら幸いです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに今委員がおっしゃったように、これ百億円もあって、その多くが株式等の譲渡益だということであれば、勤労所得と違うんだからという気持ちは私もよく理解できるわけでございます。であるからこそ、一一・一から一七に、これ一年で引き上げたわけでございまして、まさにこれは引き上げたばかりということもあり、これは今後過度の税負担を求めることによって、今、前川委員も御指摘になったわけでありますが、キャピタルフライトが生じる可能性というものもございますので、これは先ほど申し上げましたように、今後そうしたことも踏まえながらこれを見ていく必要はあるんだろうと、このように思っておりますが、取りあえず我々は一年間で一一・一から一七までは引き上げたということについては御理解をいただきたいと思います。
○前川清成君 ちなみに、一〇パーの軽減税率を廃止したのは、大久保座長当時の、民主党政権当時の政府税調であったように私は記憶しております。
 それで、いろいろと総理とは議論をさせていただきたいんですが、金持ち目線という点で、三世代同居の推進の税制であります。
 先日の予算委員会でも議論されたと思いますけれども、三世代同居を推進するための補助金であり、あるいは減税であるというふうな説明でありますけれども、しかしながら、実際におじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、お孫さん、この三世代が同居しているかどうかは確認しないんだ、なぜならばプライバシーに関わるからだと、こういうふうな説明がございました。
 しかし、税制というのは、例えば所得税でいうと、誰がどれだけ所得があるのか、誰がどれだけ亡くなって、どれだけ遺産を残されたのか、もうプライバシーの塊みたいなものだろうと思います。あるいは今回スイッチOTCの減税も入りました。これは、誰がどんな病気でどういう薬を飲んでいるかということも明らかになります。あるいは教育資金贈与信託という制度、これも第二次安倍政権が始まってすぐつくられましたけれども、誰々さんのお孫さんはどこの学校に行って、授業料どれだけ払っているかというのも信託銀行に対しては明らかになってくるわけで、私は、この三世代同居を確認しない理由としてプライバシーの侵害になるというのは少し納得ができないわけです。
 実際、家の中まで行って、おじいちゃん、おばあちゃんと住んでいますかと、そこまで確認しなくても、例えば、届出の際に建築士さんの確認の書面を出させるような扱いになっているそうです。その建築士さんの証明書に三世代同居を確認するという欄を作れば、容易に解消できるのではないか。豪邸に対する補助だという批判もありますので、この点について総理のお考えをお聞かせいただけたらと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま三世代同居に対する措置はこれは金持ち優遇ではないかという御指摘がございましたが、しかし、この三世代同居を前提にフラット35を利用した方のうち半数以上は年収五百万円未満でありまして、三世代同居は高所得者への優遇策といった批判は、これは当たらないのではないかというふうに考えています。
 そしてまた、このプライバシーの問題について、ほかでも生じるではないかという御議論もございましたが、この三世代同居の確認を厳格にすると、例えば妊娠中の世帯、おじ、おばとの同居など様々なケースについて、家族の構成や間柄、そしてまた出産の予定や意思などを確認をすることがこれ必要となってくるわけでございまして、その点で極めてこれはプライベートの中に立ち入っていかなければならないということを考慮いたしまして、子育てしやすい環境づくりという観点から住宅のハード面に着目して支援を行うというものでございまして、また、元々この事業は、これ、もう前川委員はよく御承知のとおり、省エネや耐震性能等の住宅の性能の向上に対して一戸当たり百万円又は二百万円等の費用を助成するものでございまして、三世代同居への支援は加算メニューとして、リフォームについて五十万円、新築について三十万円を補助するものでありまして、百五十億円のうちおおむね十から三十億円程度が三世代同居への支援に相当すると考えております。
○前川清成君 プライバシーということを理由にされることに関しては、是非もう一度お考えいただけたらと思います。税制というのは、私はもうプライバシーの塊だと、だから税務署員には厳格な守秘義務も認められているわけで、その点いかがかなと思っております。
 それで、お配りした資料の四枚目を御覧いただきたいと思います。日本の財政状況についてであります。
 ちょっとカラーではありませんので御覧にくいかもしれませんが、バブル崩壊後、自民党政権が景気対策ということで大量の公債を発行してまいりました、ごめんなさい、自公政権ですね、が大量の赤字国債、建設国債を発行してきました。国の借金がトータルで一千兆円とも言われております。
 この一千兆の借金について、総理はどう感じておられるのか、次の世代への負担の先送りという点でどう感じておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この国の債務につきましては、言わば累積債務が、今、前川委員の御指摘のように、もう一千兆円を超えて積み重なってきたのは事実でございます。
 そのため、我々は、しっかりと財政規律を取り戻す上においても財政の健全化を進めているところでございまして、二〇一五年度にはプライマリーバランスの対GDP比を半減するとお約束し、それを実行しているところでございます。二〇二〇年度までに我々は黒字化を目指していきたいと、こう思っておりますし、今回も新規発行の公債発行額を十兆円減額することができたわけでございます。
 大切なことは、しっかりと経済を再生をしていく、経済を再生していく中においてデフレから脱却をし、税収を増やし、同時にまた無駄遣いを減らしていくことが大切ではないかと、このように考えております。
○前川清成君 先刻申し上げたとおり、私も意に反して少し厳しいことを申し上げれば、この膨大な借金をつくってしまったという自覚、責任、この辺を是非今の与党の皆さん方にはお持ちをいただきたいというふうに思っています。
 お配りした資料の六枚目にも書かせていただきましたけれども、総理が御出席になったサンクトペテルブルクのサミットにおいてもこのようなお約束をしてこられましたし、あるいは今年の一月二十二日の施政方針演説でも、「二〇二〇年度の財政健全化目標を堅持します。」というふうに述べておられます。
 ただ、この二〇二〇年の基礎的財政収支黒字化、これが本当に実現できるのかという点でお尋ねをしたいんですが、一枚戻っていただいて、お配りした資料の五枚目の上の図です。
 これもやはり財務省の資料でありますけれども、二〇一七年に消費税を一〇%に引き上げて、かつ経済が好調だとしても、二〇二〇年の時点で六兆二千億円足らない。経済が停滞した場合には十一兆九千億円足らない。六兆二千億というと、消費税にして約三%分になります。十一兆二千億というと、消費税にして約六%足らないということになります。
 どのように基礎的財政収支の黒字化を達成しようとされているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどの御指摘についてでありますが、自民党政権あるいは自公政権が今まで大きな累積の赤字を積み重ねてきたではないかと。確かに我々反省すべき点は多々あると、このように思いますが、同時に、これまで様々な危機に直面をしてきたわけでございまして、バブルの崩壊もございましたし、アジアの経済危機もございました、またITバブルの崩壊等々もあったわけでございますが、そうした際に、欧米のように例えば失業率を一〇%以上に上がっていくという状況はつくらずに、財政の出動等を適切に行いながら、失業率をある程度、欧米に比べればそういう危機の中にあっても比較的低い状況に収めることができたということも言えるのではないかと思います。それと、大きな点は、やはりこの二十年間デフレ経済が続いた中においては、どうしても税収が増えなかった、そういう反省からも、我々、デフレ脱却を第一に掲げているところでございます。
 そこで、今の御質問でございますが、二〇二〇年度の基礎的財政収支の黒字化に向けては、成長戦略を着実に実施することで名目三%以上の経済成長を目指すとともに、歳出歳入両面での改革を着実に推進をしていきます。その際、社会保障についても聖域化させることなく、効率化や無駄の排除を徹底して行っていきたいと考えています。また、二〇一八年度時点で目標達成に向けた歳出改革等の進捗状況を評価し、必要な場合には、デフレ脱却、経済再生を堅持する中で、歳出、歳入の追加措置等を検討することとしているところでございます。
○前川清成君 少し時間の方も残り少なくなってまいりましたので、質問を急ぎたいんですけれども。
 今、この永田町かいわいが消費税の先送りに関して大変やかましい状況にあります。総理も何度も何度も同じことを聞かれて辟易としておられるかもしれませんが、ノーベル賞の学者まで呼んで勉強しておられて、彼らは全部やめておけと、こういうふうにおっしゃると。本田さんや浜田さん、総理のブレーンの方々も消費税は先送りするべきだと、こういうふうにおっしゃっています。私が報道等で接する限り、総理の発言も変化しているように思っています。
 しかし、他方で、二〇一四年の衆議院の解散の際に、総理は、次回は消費税の引上げは先送りしないんだと。例えばですが、二〇一四年の十一月十八日の記者会見ですけれども、再び延期することはありません、ここで皆さんにはっきりそう断言します、景気条項も廃止をします、三年間、三本の矢を更に前に進めることで、必ずやそういう経済状況、つまりは消費税を一〇%に引き上げることができる経済状況をつくり上げますと、こういうふうに総理はおっしゃっておられます。
 私も決して総理を疑うわけじゃないんですが、周りが余りやかましいですし、私も今年選挙なんですけれども、ダブル選挙だとか言う人もありますし、さらには、いやいや、ダブル選挙もやめておいて、この夏の参議院選挙は消費税の引上げについて国民の皆さんに信を問う選挙になるんじゃないかと、こういうふうに言う人もあります。
 しかし、これも誤解のないように申し上げれば、我が党の岡田代表も枝野幹事長もおっしゃっているように、私たちも、定数削減もできていない、軽減税率も入っている、実質賃金も下がり続けている、この状況で消費税を引き上げるべきだとは考えておりませんし、主要政党の皆さん方で消費税をやっぱりどうしても引き上げるべきだと言っている方はいらっしゃらないと思います。
 その点で、何で消費税の引上げが争点になるのかなということも疑問に思っているわけですけれども、もう最近の報道はこれ一色ですので、ちょっと、いつまでもいつまでも総理も引っ張られるのもお嫌かと思いますので、是非この辺りではっきりとお答えをいただけたらと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは再三答弁をさせていただいているところでございますが、リーマン・ショックあるいは大震災級の事態が発生しない限り、消費税は法律のとおり来年四月に引き上げていく方針でございまして、現在、そのことについて変更はないということでございます。
 今開いております国際金融経済分析会合は、伊勢志摩サミットにおいて、不透明さを増す世界経済に対してどのようなメッセージを、明確なメッセージを出していくべきか、どのように協調していくかということについて、様々な内外の経済の専門家にお越しをいただきお話を伺っているということでございます。
○前川清成君 何度も何度も総理も尋ねられて辟易としておられるかと思いますけれども、御容赦をいただきたいと思います。
 その上で、軽減税率に関してです。
 これも、一月の七日でしたか八日でしたか、総理と本会議の代表質問で少し議論をさせていただきました。この軽減税率についての一番の問題は、私は線引きが難しいということではないかと思います。その際に例を挙げさせていただいたのは、確かに食品、私たち毎日口にしますが、一匹百円のサンマも軽減税率で、百グラムで何十万円かするキャビアも軽減税率。これが低所得者対策と本当に言えるのかと。
 あるいは、今回外食については軽減税率を適用しないと、こういうふうになっていますけれども、外食が必ずしもぜいたくなのかと。総理のお嫌いなデフレですけれども、デフレの頃は牛丼が一杯二百五十円でした。本当に生活の厳しい方は、自分で御飯炊いたりおかず作ったりするのも大変だから二百五十円の牛丼を食べて帰ったということもきっとあると思います。それにもかかわらず、そっちは一〇%で、家の中で豪華な食事をしても八%、その線引きが大変難しいと。それにもかかわらずこの軽減税率を導入すると。
 さらには、与党の中で、これは初めの一歩で、さらには、書籍についてどうするんだとか、あるいは更なる分野についても広げていくんだとかいう議論があります。
 そうなると、結局、明確に線が引けない、合理的に線が引けないにもかかわらず軽減税率というのを導入してしまうと、密室の中で決められてしまって、軽減税率自体が利権の温床というか、腐敗の温床になってしまうのではないかという危惧を私たちは持っております。軽減税率、一番難しいのはこの線引きの問題だと思います。
 かつて物品税というのがあって、テレビはぜいたく品だ、自動車はぜいたく品だ、だから高い税金を掛けてもいいんだと、こういうことだったと思いますけど、今の時代でいえばそうじゃなくて、地方に行けば車は生活の足でありますし、あるいは、本当に生活に厳しい方の唯一の楽しみがテレビであったりすると。何か商品の、あるいは製品の種類によって、ぜいたくだとかそうでないとか、あるいは生活に支えるとかそうでないとかいうことを区別できない時代になっているというふうに私は感じております。この点でどうしてもどうしても軽減税率というのは得心ができないんですが、改めて総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この軽減税率につきましては、年収の低い方の飲食料品等の消費支出に占める割合は高収入の方よりも高くなっておりまして、消費税が有しているいわゆる逆進性の緩和の観点からも有効であると考えております。また、買物の都度に痛税感の緩和を行うことができるわけでございまして、千円のものが、これは千百円ではなくて千八十円だということ、八十円に軽減されているということを実感として持つことができれば痛税感の緩和にもつながるのではないかと、こう思う次第でございます。
 そこで、今、前川委員がいろいろと御指摘になられましたが、基本的には我々は、もう既に線引きとして外食と飲食料品と分けたわけで、既に線引きを明確にしているわけでございまして、個々の物品についての陳情合戦ということにはもう既になっていないわけでございます。
 この線引きが明確になっている中で御納得をいただきながら、そして痛税感の緩和を行い、そしてまた同時に、これは逆進性を緩和することにもつながっていくのではないかと、こう考えているところでございます。
○前川清成君 今の御発言は、将来にわたってその軽減税率の対象品目は広げないんだという意味ですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々、来年の導入に当たってこうした形で軽減税率を導入したわけでございます。今後、与党の税調においてどのような議論が行われているか、宮沢会長もおられますが、ということはございますが、基本的には、我々、今回、一兆円の規模で軽減税率を導入したところでございますが、さらに、今後、今の段階でこれをまた軽減税率の対象として議論するということについては考えていないということでございます。
○前川清成君 それは、総理、当然だろうと思います。今年の税制改正について議論が終わっているわけですから。だから、来年の税制改正に当たって各業界団体がこれから陳情合戦を繰り広げると。再来年も、三年後も四年後も、毎年毎年年末になると、うちの業界も、これも入れてくれ、あれも入れてくれというふうにきっとなって、そこで悪いことをしようかと思う人が出ないのかという心配を私は申し上げているわけでございます。
 今おっしゃるような痛税感、痛税感ですけれども、これも本会議の際に申し上げたんですが、自分の支払った税金が自分の暮らしのために必ず返ってくる、年金として戻ってくる、医療として返ってくる、あるいは子育て支援に充てられるということが国民の皆さん方に実感していただけたら、痛税感も緩和されると思います。
 そういう意味で、もっと税金の使い道についてガラス張りの仕組みというのを我々考えていかなければならないと思いますし、軽減税率よりも、本当に困っておられる方々に限って消費税を払い戻す、給付付き税額控除というふうに呼んでおりますけれども、こちらの方がより少ないお金で、かつ本当に困っている人たちに対して手を差し伸べることができるのではないかと。しかも、税源の浸食が少ないので、この消費税の引上げというのは社会保障のためです、税源が浸食されれば、その分、社会保障がカットされることになってしまいます。その意味において、私は、軽減税率よりも給付付き税額控除、こちらの方が適当だし好ましいのではないかというふうに考えております。
 この点を最後にお聞きして、私の質問を終わらせていただきます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどの、更にこの軽減税率の対象を拡大するのではないかということについては既に答弁をさせていただいておりますが、補足的に答弁をさせていただきますと、基本論として、特定の物品やサービスのみを対象とすると代替品との間でゆがみが生じ得ること、こうしたゆがみを回避しようとすれば、際限なく対象が広がり、社会保障財源となっている消費税収を減少させるおそれがあることから、安易な陳情合戦をまた生じさせることも懸念されまして、慎重に考えるべきものと、こういうふうに考えております。
 そして、軽減税率よりも給付付き税額控除の方がいいではないかという御議論でございますが、これは、日々の生活において幅広い消費者が消費、利活用している商品の消費税の負担を直接軽減することによって、買物の都度、痛税感の緩和を実感できるとの利点があります。この点が特に重要であると、こう判断し、導入を決定したところでございます。
 また、この給付付き税額控除につきましては、従来から我々申し上げておりますように、所得等の把握に様々な課題もあるのも事実であろうと、このように考えているところでございます。
○前川清成君 この続きは是非来週お願いしたいと思います。
 ありがとうございました。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 法人税の引下げについて総理にお聞きいたします。
 二年度連続で法人実効税率の引下げが行われて、二九・七四%まで引き下げられることになります。この実効税率の引下げは、安倍総理が一昨年の初頭のダボス会議で法人実効税率を国際的に遜色のない水準まで引き下げると宣言したことから始まるわけであります。
 今回、一昨年末の与党税調で掲げた二〇%台が実現をするわけですが、この二九・七四%という数字は、総理としては国際的に遜色のない水準になったと、こういう御認識でしょうか。それとも、まだそこまでなっていないので今後更に引き下げる可能性があるということでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国際的に遜色のない水準であるかどうかということでありますが、国際的に遜色のない水準に移行できたと、このように考えております。
○井上哲士君 今後については注視をしていきたいと思っております。経団連などは更に下げろと、こういうことを言っているわけでありますから、今の答弁はしっかりテークノートしておきたいと思います。
 それで、経団連はアジア近隣諸国並みの二五%までの引下げを求めておりまして、今後も政府への働きかけ、強めることが予想されるわけですね。この点、先日の本会議で我が党議員の質問に対して、今回の法人実効税率の引下げが他国に対しての法人実効税率の引下げの圧力にはならないという趣旨の答弁をされましたけれども、なぜそういうことが言えるのか、この根拠はどういうことでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今般の法人税改革は、日本の法人実効税率が国際的に見て高いと指摘されてきたことを踏まえまして、これを国際的に遜色のない水準まで引き下げることを目指して取り組んできたものでありまして、諸外国よりも殊更に税率を低くしようとするものではありません。
 また、単に税率引下げだけを行うものではなくて、課税ベースの拡大等により財源をしっかりと確保しながら税率を引き下げることとしておりまして、このことから諸外国との税率引下げ競争あるいは減税競争の引き金となるような改革ではないということは明らかであると、このように思っております。
○井上哲士君 引き金になるかどうかはありますが、圧力としてどうなるかということはしっかり他国の動向を私は見る必要があると思うんですね。
 例えば、お隣の韓国では、今法人税は国税で二二%でありますけれども、引き上げるかどうかで今議論が行われております。特に野党や市民団体が、福祉財源の確保のために、また急速に進む少子高齢化社会への備えとして法人税の引上げを求めているわけですが、政府・与党は国際的な法人税引下げ競争を理由として引上げに反対しているんですね。
 具体的に、例えば昨年の二月の四日、日本の財務大臣に当たり副総理も務めておられます企画財政部長官の崔ギョン煥氏は国会審議の中で、法人税の引上げを求める野党に対して、法人税の問題は国際間の競争であるとして、日本は財政状況が我々よりはるかに悪いにもかかわらず法人税を更に引き下げる計画を持っていると、こういうことを言って、日本を取り上げてこういう引上げに反対をしているという答弁をされているわけですね。
 日本よりも法人実効税率がはるかに低い韓国でもこういう議論をしているわけで、明らかに私は日本の法人税引下げがこういう競争の圧力として働いていると、こう思いますけれども、総理の認識とは違うんではないでしょうか。いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば、議論する際、諸外国で様々な議論が行われたとは思います。特定の国の議論についてコメントは差し控えたいと思いますが、平成三十年度には二九・七四%ともなるわけでありますが、ただ、今おっしゃった、例として挙げられた韓国とはこれは大きな差があるわけでございますから、そうした点をよく冷静に分析をしていただければ、決して日本が法人税を下げていく競争に参入をする、あるいは、日本よりもはるかに低い国を意識して下げているのではないということは御理解いただけるのではないかと、こう考えております。
 日本といたしましては、国際競争力を維持していく、あるいは獲得していく上においては、これは法人税だけではなくて様々な面から競争力をこれは高めていく努力をしなければならないと、こう考えているところでございます。
○井上哲士君 先ほどの、前の質疑のときも財務大臣から、BEPSなどを挙げて、法人税引下げ競争をやっても意味ないという議論が行われているというお話もありました。
 OECDにおいても、際限のない税収の減少や福祉切捨て、庶民増税につながるという懸念が指摘をされて、BEPSなど多国籍大企業への課税逃れを防ぐための先進国や新興国が協調して対応する機運が高まっているということでありますから、私は、これから急速な少子高齢化を迎えるアジアの近隣諸国に対して減税競争のターゲットとなるような圧力を加えるようなことではなくて、引下げ競争を防ぐための国際的な協調とか持続可能なアジアをつくっていくための協力関係の強化が求められているということは指摘をしておきたいと思います。
 次に、研究開発減税についての総理の認識についてお聞きいたします。
 麻生大臣は研究開発税制について、今後も総額型を含め様々な観点から検討すると、こういうことを答弁をされました。課税ベースの拡大の議論の中で、結局、トヨタ一社に一千億を超える大減税で、この研究開発減税の総額の全体の六分の一を占めるという極めて偏った状況はそのままにされたまま、一方、中小・中堅企業一万社以上に総額四百五十億円の増税を課すことになりました。
 国民目線から見ても、地域経済の再生や賃上げから見ても政府の方向とも逆行すると考えるんですが、この研究開発減税の総額型に対して、総理の認識、今後どのようにするとお考えなのか、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政策税制については、特定の政策目的を実現するために有効な政策手法となり得る一方で、税負担のゆがみを生じさせる面があります。そのことから、必要性や政策効果を見極めて、真に必要なものに限定していくことが重要と考えています。
 二十七年度及び二十八年度税制改正においては、こうした観点から見直しに取り組んだところであり、今後ともしっかりと対応してまいりたいと思います。
 御指摘の研究開発税制についても、二十七年度税制改正において、課税ベースの拡大に取り組む中で、質の高い研究開発投資を促進する観点も盛り込んで、共同研究などに支援の重点をシフトするといった見直しを行ったところであり、今後については、現時点で具体的なアイデアがあるわけではありませんが、引き続き様々な観点からその取扱いについて検討してまいりたいと思います。
○井上哲士君 確認しますが、総額型も含めて見直しを検討していくと、こういうことでよろしいですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今後とも、この必要性や政策効果を見極めて、真に必要なものに限定していくことが重要と、こう考えていると、こういうふうに先ほど申し上げた、政策税制については申し上げたところでございますが、研究開発税制についても、今後については、現時点で具体的なアイデアがあるわけではありませんが、様々な観点から検討してまいりたいと思っております。
○井上哲士君 是非しっかりとした見直しをお願いしたいと思います。
 最後に、先ほど来、スティグリッツ氏などを含めた、様々な学者も入れた国際金融経済分析会合が行われたことについてお話がありました。この席上、スティグリッツ氏は、消費税を増税するタイミングではないと、こういうことを言われました。
 私たちはそもそも増税に反対でありますが、特に今の状況でこれはやるべきでないということは申し上げてきたわけですね。
 総理は、大変良い示唆をもらったと、こういう発言をされたということでありますが、ただ、スティグリッツ氏はこれだけを言ったわけじゃないんですね。例えば、成長の果実は一部のトップ層に偏って格差が一段と拡大しているという指摘もされておりますし、景気低迷の原因は需要不足にあって、平等性を高める政策は需要を増やして効果的だと、こういう強調もされておりますし、具体的には、賃金上昇や労働者保護を強める政策、財政出動ならば教育や若者の健康への政府支出と、こういうことも言われております。
 総理、大変良い示唆をもらったということでありますが、こういうことも含めて考える必要があると考えますけれども、総理の御認識はいかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) スティグリッツ教授は、日本の現状に対してというよりも、これは世界経済、あるいは米国を中心とした傾向等に対して様々な警鐘を鳴らされたんだろうと思いますが、日本におきましてもスティグリッツ氏の指摘した点は大変重要なものであると、傾聴に値すると、このように考えたところでございます。
○井上哲士君 我々は、消費税の増税は中止をすべきだと申し上げてまいりましたが、それに加えて、まさにスティグリッツ氏の指摘は、私はアベノミクスそのものへの転換の必要性を示していると思います。そのことも併せて強く求めまして、質問を終わります。
○藤巻健史君 おおさか維新の会、藤巻です。よろしくお願いいたします。
 ちょっと質問する前に一つ、今日の今までの質疑を聞いていて、財務省にちょっとクレームを付けておきたいと思うんですが、前川委員が使われていた申告納税者の所得税負担率というのは、これ、今国会でも何度も使われて、私が聞いただけでも何度もこの表を参照されて発言があったんですけれども、年収百億円を超える人たちは一七%しか所得税を払っていないという話なんですね。これ、百億円って物すごい年収なんですけど、そんな人いるのかと思って聞いたら、過去十一人だけいたというんですよね。その十一人をもって、一七%しか払っていないから、金融課税の二〇%は低いなんという議論は、これおかしいと私は思うんですよね。確かに、前川委員が、これを見たら確かに一七%、低過ぎるじゃないかとクレームを付けるのは十分分かるんですけど、昔、一一から一七に増えたわけですよね。これは、やっぱり一〇%から二〇%に上げたときにその説得材料として使った図表じゃないかと思うんですよ。
 やっぱり証券税制が二〇%であるか三〇%であるか四〇%であるかと決めるのは、たった過去十一人の人たちがもうかったからずるいとかそういう話じゃなくて、不平等だとかそういう話じゃなくて、二重課税であるとか、それから、若しくはリスクマネーが取れないと産業の新陳代謝が進まないとか、要するに銀行じゃお金は集まらないんだから株式投資が必要なんだとか、そういうことを考えて税率は決まるべきであって、たった十一人のためにその税率を考えるということじゃないと思うんですね。ですから、こういうミスリーディングな資料をウエブにずうっと載っけておくというのはちょっとおかしいんじゃないのかなと私は思いました。以上なんですけど。
 次に質疑に入りたいんですが、総理は、消費者物価指数二%を全力を挙げて達成するとおっしゃっていますし、それから昨日の大久保委員からも質問がありましたけれども、異次元の量的緩和二%を達成するためにということをやっていますが、出口が問題だという話もありました。そういう副作用が心配されるような量的緩和をやってまで二%を達成されているように見受けられますが、配付資料の、これバブルのときの動きを見ていただきたいんですが、一九八五年から一九八九年、バブルだったわけですが、狂乱経済と言われたあのバブルのときでも消費者物価指数、これ見ていただきたいんです。八六年、八七年、八八年、〇・五%あるんですよ。〇・五%でもあれだけの狂乱経済が生まれたんですけど、それをもってしても、やはり二%の消費者物価指数は絶対必要なんでしょうか。総理、お願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このバブル時代の特徴は、物価の上昇、確かに物価は上昇しているんですが、これは主に、言わば土地あるいは株等に集中的に、またゴルフの会員権に集中的に資金が流れたわけでございまして、一般的にこれが物価が、言わばCPIが上がったということではないということだろうと、こう思うわけでございます。
 そこで、ただしかし、地価がこれどんどんどんどん高騰する中において、一般庶民が土地を取得あるいは住む家を取得する上において様々な困難があることから、これは、それを冷やしていくという政策がなされたんだろうと、こう思うところでございますが。
 言わば、我々が行おうとしているのは、そうした不均衡なものではなくて、言わば、まずはデフレ経済、非正常なデフレ経済から、デフレ不況から脱却をしていくことが大切でありまして、正常な形で二%の物価安定目標をターゲットといたしましてそれを実現させていきたいと、こう考えている次第でございます。
○藤巻健史君 株、不動産、ゴルフ会員権等は消費者物価指数には入っていなくて、これが上がる場合は資産インフレというわけですね。
 インフレ、デフレという言葉を使うときは、やはり消費者物価指数とか、それからGDPデフレーターのことをいうわけですが、先ほど申しましたように、消費者物価指数、バブル期は決してインフレではない、少なくとも二%には行っていない、はるかに行っていないということで、今、総理のお答えがあったように、中にあったように、このときは土地と株が急騰したからこういうような状況になったわけですね。これ、行き過ぎだったと確かに思うんですけれども、少なくとも言えることは、土地と株の値段が上がれば経済は好転するんだということだろうと思います。
 質問をちょっと順番を変えて、次、日銀総裁にお聞きしたいんですが、これ、次の添付資料にちょっとありますけれども、昨日、大塚耕平委員からもちょっと質問があった関係、名目金利と実質金利の関係なんですけど、当時、名目金利、これ八%、ちょっと例でぽんと入れただけなので、もっと、長期金利六%ぐらいだったかなという気がするんですが、インフレ率は少なくとも〇・五%、名目金利が六%だとすると、実質金利はめちゃくちゃに高いんですよね。それなのに経済は狂乱したんです。
 ということは、私は、これは経済学者に言うと笑われちゃいますけれども、日本においては景気というのは資産価格、土地とか株の値段が極めて重要じゃないか。またこれを言うと金持ち目線だとかといって怒られるんですけれども、でも、経済を良くするためには土地と株の値段を上げることが重要じゃないかと。土地と株の値段をインフレ率に入れれば、下にちょっとありますけれども、あの頃土地の値段って二〇%ぐらい上がっていましたよ。実質金利はむちゃくちゃに低かった。だからあんなに経済が狂乱したというふうに理解もできるんですけれども。
 それから、もう一つ言っちゃいますと、三ページ目に、当時のグリーンスパン議長、九月二十五日、ちょっと私、自分の本から取ってきたんですけど、これ、いつの九月二十五日か覚えていないんですが、彼が、過去十年の個人消費の伸びは、所得の増加よりむしろ住宅資産の上昇が大きく影響している可能性があると書いてある。資産価格の上昇、すなわち資産効果で景気が良かった可能性があると書いてあるんですね。同じようなことを日本金融学会の会長の清水先生もおっしゃっていたんですけれども。
 そういうことを考えて、黒田総裁も消費者物価指数二%、二%とおっしゃっていますが、より重要なのは土地と株の値段ではないんでしょうか。どういうふうにお考えか、黒田総裁にお聞きしたいんですが。
○参考人(黒田東彦君) まず、金融緩和の度合いにつきましては、経済に中立的だと考えられるいわゆる自然利子率と比較して実質金利がどの程度低いかということによって規定されると考えられます。御指摘のバブル期は、潜在成長率あるいは期待成長率が極めて高くて自然利子率も非常に高水準にありましたので、実質金利もある程度というかかなり高かったんですけど、自然利子率と比べると実質金利はかなり低かったということで、やはりバブル期は金融政策は非常に大幅に緩和的であったというふうに思っております。
 御指摘のように、資産価格の上昇に伴ういわゆる資産効果が経済活動を刺激する一つの波及経路となるものであるということはそのとおりだと思いますけれども、まさにバブル期の経験が示すように、あのような経済の実態から乖離した資産価格の高騰とか、あるいは金融機関の行動の過度な期待の強気化というのは、やはり長い目で見ると経済に大きな調整コストをもたらし得るというふうに考えております。
 日本銀行としては、あくまでも二%の物価安定の目標の実現を目指してマイナス金利付き量的・質的金融緩和を着実に推進してまいりたいというふうに思っております。
○藤巻健史君 いや、私も別にあのときの土地と株が上がったことが良かったと申し上げているわけではなくて、要するに土地と株の上昇は経済の状況に非常に影響するんだよということは申し上げたかったというふうに思います。
 次に、大臣にお聞きしたいんですが、このときに、最初の表を見ていただくと分かるんですが、この消費者物価指数が極めて安定していたわけなんですが、これなぜかといえば、これ一番右の為替見ていただければ分かるんですけれども、これプラザ合意のせいで一年に五十円とか四十円ずつ円高になっていっているわけですよ。これは輸入デフレもいいところで、それは当然消費者物価指数は上がらないわけですよね。
 この財政金融委員会でも私はドル安が極めて重要だということを申し上げたんですが、どういうふうに思われるか。ちょっと見ていただくと分かるんですが、一九八九年に円高方向から円安方向に変わった途端に、消費者物価指数、ぽんと上がっているわけですよ。極めて為替と消費者物価指数というのは連動していると思うので、もし二%にしたいのであるならば、これは円安方向に何とかして持っていかざるを得ないんじゃないかと。そうすれば、消費者物価指数、政権が希望している消費者物価指数なんてぽんと上がると思うんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々は、為替に働きかけることを目的として政策を今進めていく考えはないわけでございまして、まさに黒田総裁の下で行われている質的・量的緩和、そして今回マイナス金利の導入ということになったのでございますが、これはまさに二%の物価安定目標を達成するために行っている金融政策でございまして、これは円安を誘導するための政策ではなくて、結果として円安になっているということはあるかもしれませんが、これは円安を目的としている政策ではないということでございました。
 今後も、円安を目的とする政策を打っていくということは、これは黒田総裁も考えてはおられないんだろうと、このように思います。
○藤巻健史君 円安を目的とするというと国際社会からたたかれるので、そうおっしゃらざるを得ないんだと私は理解しておりますけれども、ただ、アベノミクスが最初の頃に非常に成功していたのは、総理がまだ野党自民党の総裁のときに、八十円のときに、これは円高がいかぬと、円安にしなくちゃいかぬということを野党総裁としておっしゃってくださって百二十円まで行ったから、最初アベノミクスは成功したと私は思っています。
 ですから、私、今もう時間がないので議論いたしませんけれども、別に介入とかそういうことをしなくても、幾らでも円安ドル高を誘導する方法というのはありますので、まさにただで、財政出動する必要もなくて国力が良くなるんだったら、是非そういうただの、税制を含めてですね、この前ちょっとマル外という、外貨預金非課税にしたらどうだというのをこの委員会でも御提唱いたしましたけれども、いろんな方法があるので、そういう無税で財政も出動しない方法を是非考えていただきたいと思います。
 二分ほどあるので最後に質問いたしますけれども、私は、今後また円安になると、かなり消費者物価指数って二%またすぐ行っちゃうと思うんですよね。特に、おととい、国土交通省が公示価格を発表して、三大都市圏、商業地二・九%上がってきているということで、まさにバブルの初期の頃と同じように株のレベルも、ちょっと為替と全然違いますけれども、同じようなレベルに来ていまして、ひょっとすると消費者物価指数、CPIが二%になるんじゃないかと思うんですが、そのとき一番問題は、日銀黒田総裁が消費者物価指数二%に達成したからということで出口を模索しなくちゃいけない。要するに、異次元の量的緩和をやめなくちゃいけないということになる。これが一番の日本の今抱えている最大の問題かなと私は思っているんですが、最後に確認したいんですが、黒田日銀総裁は、目的を達成されたらば異次元の量的緩和はやめるのでしょうか。ここで明確にお答えいただきたいんですが。
○委員長(大家敏志君) 黒田総裁、簡潔に答弁願います。
○参考人(黒田東彦君) はい。
 量的・質的金融緩和導入以来、またマイナス金利付き量的・質的金融緩和を導入したときも申し上げておりますけれども、日本銀行の金融政策は二%の物価安定目標の実現を目指し、これを安定的に持続できるようになるまで現在の政策を続けるということでございますので、物価安定目標が達成され、二%の物価上昇率が続いている、あるいはそれを更に上回っていくというときに更に金融緩和を続けるということはないというふうに思います。
○委員長(大家敏志君) 藤巻健史君、おまとめください。
○藤巻健史君 はい。
 そうなると、国のお財布が心配になりますが、もう時間が来ましたので、これで終わりにしたいと思います。
○中山恭子君 日本のこころを大切にする党、中山恭子でございます。
 今日、総理がいらしてくださいましたので、ありがとうございます、やはり拉致問題についてお伺いしたいと思っております。
 北朝鮮は、ミサイルを発射するなど、金正恩第一書記が大層張り切ってといいましょうか、焦っていらっしゃるように見て取れます。また、北朝鮮の内部では不安定な状況があるとの見方もありまして、十分注意深く対応する必要があると考えております。
 総理が拉致被害者を何としても取り戻したいと強く思っていらっしゃることはよく分かっております。ただ、今地方を回りますと、拉致被害者の家族の方々や関係者、それから町の方々が非常に拉致問題に関心を持つといいましょうか、心配しながらいるという様子を見て取ることができます。もっと強く言えば、この拉致被害者救出に対して失望と虚無感が広がっていると言ってもいいような状況になっております。現内閣になって大いに期待したけれども、全く遠い存在で、政府が拉致被害者を救出するつもりがあるのかどうかすら分からないと心配する声が各地から聞こえてきております。
 総理から何らかのメッセージを出していただけたらと思いますが、いかがでございましょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般成立をした制裁強化の安保理決議は、国際社会の北朝鮮に対する明確なメッセージでありました。決議には我が国の考え方が相当盛り込まれました。人道上の懸念にも言及があります。
 決議に先立ちまして、我が国は、北朝鮮が核実験及び弾道ミサイルの発射を行い、ストックホルム合意に基づく調査が開始されてから一年以上たっても拉致問題に何ら進展がなかった状況を踏まえ、断固たる独自の措置を決定をいたしました。
 北朝鮮は挑発的な言動を繰り返していますが、我が国は国際社会と協力をし、安保理決議及び我が国独自の措置を厳格に実施をしてまいります。
 さらに、本日でありますが、本日、国連人権理事会において、我が国がEUと共同提案し、北朝鮮の人権侵害の責任追及に向け専門家グループを設置することを盛り込んだ決議が採択されました。
 拉致問題の解決には対話のための対話では意味がないわけでありまして、同時に対話をしなければ拉致問題は解決をいたしません。我が国としては、ストックホルム合意を破棄する考えはございません。拉致問題の解決は安倍政権の最重要課題であります。対話と圧力、行動対行動の原則の下、北朝鮮に対して厳しい圧力を掛けながら、同時に対話の窓口を我が国から閉ざすことなく、拉致問題の解決に向けて全力を尽くしていく決意でございます。
○中山恭子君 北朝鮮から拉致被害者を救出するということは日本政府しかできない事柄でございます。というより、拉致関係者は皆、安倍総理しかできないことであると考えておりまして、安倍総理に対し、すがるような思いで総理の動きをじっと見詰めています。
 二〇〇六年第一次安倍内閣におきまして、総理から補佐官を命じられました。その拝命いたしました日に、内閣の中に、政府の中に拉致対策本部をつくろうと総理から御指示がありました。その以前、小泉内閣のときには、拉致問題を専担で扱う組織を内閣の中につくってほしいと何度もお願いしましたけれども、かないませんでした。安倍総理になった段階で拉致対策本部を設置することができました。
 やはり、この拉致被害者の救出は、そのことを専担で扱う者、拉致対策本部はありますけれども、総理直轄の下に、総理の下に総理と一体となって動く拉致救出者という者が必要であろうかと思っております。加藤大臣が一生懸命なさっていることはよく分かっておりますけれども、いろんなものを兼務している中では非常に難しいだろうと思っておりまして、もう一人、総理の下に拉致被害者救出担当の者を置いていただきたいと思っておりますが、いかがでございましょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 加藤大臣がこの拉致問題を担当している大臣でございます。確かに他にも一億総活躍等の課題も担当しておりますが、加藤大臣は私の下で三年近く官房副長官を務めていたわけでございまして、拉致問題にも私の下で精通をしておりますので、これは加藤大臣と私、一体となってこの問題に取り組んでいきたいと、こう考えております。
○中山恭子君 拉致担当大臣という方が一人いるというのは、置くというのは、これは政府として難しいであろうと考えております、専担の大臣を置くということは。
 ただ、やはり専担で拉致被害者救出をどうやってやっていったらいいのか、また北朝鮮との関係で、外務省の交渉ではなくて、この被害者救出というのは、表の机の上の交渉とかというだけでは難しいということはもうよく分かっていることでございまして、直接、金正恩第一書記に非常に近い人と接触するというところが決め手になると考えております。そのためには、大臣にプラスして、その救出だけに当たる人物、人材が必要であろうと考えておりますので、その点について是非御一考いただけたら有り難いことでございます。
 今すぐお答えをというのは難しいかもしれませんけれども、ある意味ではもう今がチャンスといいましょうか、私自身は二〇一四年がチャンスだと考えておりましたが、ストックホルム合意というものが打ち出されまして、一瞬、もう冷水を浴びたような感触でございました。ストックホルム合意によっては拉致被害者救出ということは全くできないということ、あの合意を読めば一瞬で分かるような合意でございました。北朝鮮との関係をつないでいくということは必要でございますが、やはり救出について言えば、ああいった合意では救出できない、そういうテーマであるということをしっかりと認識した上で違った対応を取る必要があるだろうと考えております。
 北朝鮮は、拉致被害者は人質に取っているというのではなくて、法を犯してでも取ってきたものは北朝鮮の、自分のものと考えております。人質というような意識はないわけでございまして、もう北朝鮮のものを日本が返せと言っても全くかみ合わないというのがこの拉致被害者救出の今の状況であろうと考えております。
 取り戻す又は解放させるという形で接触する必要があると思いますので、是非、それを専担で行う人物を、総理の、もう拉致問題だけを考えて動くという人物が必要であると考えております。もう一度その点について御感想なりお考えをいただけたら有り難いことでございます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この拉致問題については、担当の大臣、そのことだけを担当する大臣を置けということでございますが、もちろんそういう考え方もございますが、基本的には、この問題については問題意識を政府全体として共有しつつ対策本部で対応しているところでございますし、また私自身もこの問題にずっと、中山委員とともに一時は一緒にやってきたところでございますが、ずっと取り組んできたわけでございまして、その点においては、我々、彼らの対応の仕方について相当の今までの経験を積んでいるところでございますので、先ほど答弁させていただきましたように、加藤大臣と一体となって我々対応していきたいと考えております。
 もちろん、そう簡単なことではないわけでありますが、だからこそ大切なことは、この問題を解決をしなければ北朝鮮は未来を描いていくことができないと認識してもらうことが大切であり、そのための制裁を科しているわけでありますし、我が国独自の制裁も科しているわけでございます。
 この我が国独自の制裁におきましては、国連の決議による制裁についても人道上の観点というものが盛り込まれたところでございますが、我が国の掛けている制裁については拉致問題について明示的に言及をしているところでありまして、こうしたものを言わば解除を求めるのであれば、まさに北朝鮮がこの問題に対して誠意ある対応をしなければならないと、こうした形で、対話と圧力、そして行動対行動の原則にのっとってしっかりとこの問題を解決をしていきたいと思っております。
○中山恭子君 まだ間に合うと思っております。是非、安倍総理の下でこの拉致被害者救出されるという映像が出てくることを心から願っておりますので、担当大臣を単独で置いてくれと申し上げているわけではございませんで、担当大臣にプラスしてどなたかそれだけをやる方を置いていただけたらと願っております。
 ありがとうございました。時間でございますので、終わらせていただきます。
○平野達男君 平野達男でございます。
 所得税法に関しての最後の質疑者ということになります。
 今日、総理に、日銀政策とそれに対する政府の対応ということで、まず何点か質問させていただきたいというふうに思います。
 まず、異次元と言われた量的緩和、これを何回かにわたって量的緩和の量を拡大をしたり、そして最近はマイナス金利の導入ということまでやりました。これ、かなりのいい結果も出ているということは、これは私もそのとおりだと思いますが、と同時に、これ、いつ終わるんだろうな、いつ二%の物価目標を達成するんだろうなということについての先行きがなかなか見えづらくなってきているのではないかというふうに思います。ましてや、出口戦略については全く議論もされていないということです。
 見えづらいという背景につきましては、なっているということにつきましては幾つかの理由があったと思いますけれども、一つは、当初は即効薬のごとく言われたんですけれどもなかなかそういう効果が出なくて、最終的には累次にわたって政策を導入し、口が悪く言えば、戦力の逐次投入じゃないかというような説も出たりするんですが、そういうことがあったということがあると思います。
 それから二つ目は、マイナス金利についてはそもそも日銀政策の委員の中でもかなり議論があるところであって、本当に効果があるかどうか分からないということのメッセージも結果的には出ていると思います。
 それから三つ目は、これは財政金融委員会の中でも議論したんですけれども、世界の景気の状況がここに来て若干雲行きが怪しくなってきているということで、平均して世界のGDPの成長率が二%になった時期というのは、直近ではリーマン・ショックでありまして、その前の八年前にITバブルというのがありまして、さらにその八年から九年ぐらい前にクウェートの侵攻があったりするということで、アメリカなんかで言われているのは世界景気八年説というのがあって、ちょうどこの年が、二〇一六年がその年に当たるって、それが本当かどうかというのはこの年の状況、これからの景気の状況を見れば分かるということになるわけですが、そういうことが重なっているのもあるのではないかと思います。
 それが今回の日銀政策にどういう影響をもたらしているかというと、日銀政策が効くか効かないかの一つのキータームというのは、やっぱり期待感だと思います。この政策によってこれから成長する、あるいはインフレが起こるという期待感に微妙にやっぱりマイナスの影響が出かかっているのではないかということを私は懸念します。
 今回の量的緩和にせよ、マイナス金利にしても、冒頭に申しましたように、かなりの効果は出ていますけれども、同時に大変なコストも伴っているわけです。コストが伴っているだけではなくて、そのしわ寄せがいろんなところで出てきていまして、そのしわ寄せは下手をすれば長期にわたって続くようなしわ寄せになるということも懸念されます。
 そういう中で、ちょっと長々と私、話をしてしまいましたけれども、総理の今の日銀政策の評価と、今後、これから政府がこれうまくいくためにどういう役割を果たしていかなくちゃならないのかということについての御見解をちょっとお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍政権は、第二次安倍政権が発足をして、デフレ脱却、これを大きな目標として掲げました。しかし、二十年間続いたデフレから脱却をするのはこれはそう簡単なことではないというのは、我々の認識の中において、言わば三本の矢の政策、金融政策におきましては今委員が御説明になった異次元の政策、この二十年間続いたデフレから脱却するのはそう簡単なことではないし、世界を見回しても、先進国で二十年間デフレに陥った国というのは戦後はないわけでございますから、そこから脱却するということもこれ初めてのことになるわけでありまして、今までの政策ではずっとうまくいかなかったからこそ異次元の緩和を行ったということだろうと思います。
 そこで、まだ二%の物価安定目標にたどり着いていないではないかという御批判があります。この中で、既に黒田総裁が私どもにも説明をしていただいたところでございますし、委員会においても説明をしてこられたところでございますが、原油が、これは相当原油価格が落ち込んだわけでございまして、これはなかなか想定し得なかったことであり、この原油価格の下落に対して性急な対応をするというよりも、これはまさにしっかりと目標を見定めながら取るべき政策を取っていくことが大切であろうというふうに私も考えているところでございますが。
 その中で、我々も今の時点で二%に到達をしていないということ、二%目標を達成していないということについては、これは理解をしているところでございます。そして、その中にありまして、世界経済が不透明さを増している中において、言わばリスクを回避する動きが世界的に広がっている中において、世界の市場がこれは大きく変動し、日本の市場も大きく変動をしている中において、日本においてもある種の不安が広がる中において、日本銀行がマイナス金利という政策を取られたわけでございます。
 私は正しい政策を取られたというふうに思いますが、一方、マイナス金利というのは、これは我々経験をしたことがないわけでございますし、国民的な理解がすぐに広がるというものでもなくて、ある種の不安が、このマイナスという言葉が持つイメージもあるんだろうと思いますが、ある種の不安が広がったことも事実だろうと思います。自分の預金がマイナスになるんではないかという誤解も広がる中において、そういうこともあったのも事実だろうと。
 そういう不安も広がったのも事実であろうと思いますが、だんだん理解も広がりつつありますし、例えば住宅ローンについて、十年間固定で〇・五%というものも出ました。一千万円借りて五万円利子を払えばということにもなってきます。こうした商品がしっかりと出てくる、このマイナス金利に対応した、世の中がこれに対応したものが動いていく中において効果を発揮をしていくのではないかというふうに期待をしているところでございます。
○平野達男君 私は、一面ではやっぱり日銀だけに随分仕事を集中させているというか、かぶせているのではないかという感じも正直言ってちょっとします。私は、日銀総裁がこんなに財政金融委員会とか予算委員会に呼ばれていろんな形で議論するというのは、それはもう私らは議員ですから議論するのはいいんですが、余り議論すること自体、実は期待感に対して陰りが及ぶのではないかということも一時懸念したりしてはいます。
 ただ、同時に、私、お聞きしたかったのは、日銀政策にプラスして政府はこれから何をされるんだろうかということなんでありますが、その中で、今金利が本当にイールドカーブはもうフラットになってしまいまして、一時、国債を発行するにも、マイナスで国債を買ってもらえるということで、その分だけ財務省にお金が入るというようなことがちょっと記事には出ていましたけれども。
 これだけ金利が下がってもなかなか需要が出てこないというのは、やっぱりこれは一つの将来に対する期待ということに対しての不安があるのかなとも思いますし、経常利益があれだけ蓄積して何で賃金が上がらないかということになると、それもやっぱり今はいいけど後が分からないという、そういうことなのかもしれないんです。
 そういう中で、日銀と政府が一体となったという政策がやっぱりもうちょっと見えるような形にすることが必要ではないかなと思いますし、私は元々財政出動については物すごい慎重な方なんですけれども、これだけ金利が下がってもなおかつ需要が出ないということであれば、スティグリッツさんも言われたみたいですけれども、財政出動というのはあり得るのかなという感じもしていますけれども、総理、どのようにお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般開催をいたしました国際金融経済分析会合においては、スティグリッツ教授も、またクルーグマン教授も、これは世界的に需要が必要である、需要をつくっていくべきであろうと、このような話をされました。その中において、それが可能な国においては財政出動をするべきではないかというお話をしておられたわけでございまして、そういう意味におきましては、今後、伊勢志摩サミットにおいて、今の現下の国際状況、世界経済に対してどのように協調して働きかけをしていくか、あるいはどういうメッセージを出していくかということについては大変参考になったのではないかと、こう思うところでございます。
 もちろん、日本には先ほど来も議論がございました大きな累積債務があるわけでございます。しかし、同時に、経済を成長させていくことも大切だろうと思いますし、また委員から、デフレ脱却について日銀ばっかしに背負わせ過ぎているのではないかというお話もございました。また、二人とも、金融政策だけでは駄目であって、財政政策も、これを併せて今は行うことが有効ではないかという御議論もあったというふうに承知をしております。
○平野達男君 今回の政策は、様々な議論がありますけれども、繰り返しになりますけれども、大変なコストが掛かっています。
 私も様々な疑問があるんですけれども、財政金融委員会でも何回も申し上げましたけれども、これは成功してもらわなくちゃ困るんですね。これを成功しなかったら、もう政府がどうのこうのの問題じゃなくて、本当に国民全体の話になってくると思いますので、このことについては政府、日銀一体となって取り組むということで、期待成長率それから期待インフレ率にもっともっと働きかけるというような方向性を是非出してくださることを御期待申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
○委員長(大家敏志君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(大家敏志君) 速記を起こしてください。
 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
○委員長(大家敏志君) 関税定率法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。麻生太郎財務大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりました関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明させていただきます。
 政府は、最近における内外の経済情勢等に対応するため、関税率等について所要の改正を行うほか、税関における水際取締りの強化、貿易円滑化に係る税関手続の改善等のための規定の整備を図ることとし、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、平成二十八年三月三十一日に適用期限が到来いたします暫定税率等について、その適用期限の延長を行うことといたしております。
 第二に、不正競争防止法に規定する営業秘密侵害品を関税法上の輸出入してはならない貨物に追加することといたしております。
 第三に、認定事業者のうち輸出入者及び通関業者等については、いずれの税関官署に対しても輸出入申告を行えるようにするほか、通関業者の業務を各税関の管轄区域内に制限する規定を廃止する等、通関業制度について所要の見直しを行うことといたしております。
 その他、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願いを申し上げます。
○委員長(大家敏志君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十分散会