第190回国会 文教科学委員会 第4号
平成二十八年四月十四日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     斎藤 嘉隆君     大野 元裕君
     水岡 俊一君     白  眞勲君
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     大野 元裕君     斎藤 嘉隆君
     白  眞勲君     牧山ひろえ君
     山下 芳生君     大門実紀史君
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     牧山ひろえ君     水岡 俊一君
     大門実紀史君     田村 智子君
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     田村 智子君     山下 芳生君
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     堀内 恒夫君     熊谷  大君
     斎藤 嘉隆君     西村まさみ君
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     熊谷  大君     堀内 恒夫君
     西村まさみ君     斎藤 嘉隆君
     若松 謙維君     横山 信一君
     山下 芳生君     田村 智子君
 四月一日
    辞任         補欠選任
     横山 信一君     若松 謙維君
     田村 智子君     小池  晃君
 四月五日
    辞任         補欠選任
     新妻 秀規君     山口那津男君
     小池  晃君     田村 智子君
 四月六日
    辞任         補欠選任
     山口那津男君     新妻 秀規君
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     若松 謙維君     平木 大作君
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     田村 智子君     辰巳孝太郎君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         石井 浩郎君
    理 事
                赤池 誠章君
                上野 通子君
                大島九州男君
                那谷屋正義君
    委 員
                衛藤 晟一君
                堂故  茂君
                野上浩太郎君
                橋本 聖子君
                堀内 恒夫君
                水落 敏栄君
                吉田 博美君
                斎藤 嘉隆君
                柴田  巧君
                水岡 俊一君
                蓮   舫君
                新妻 秀規君
                平木 大作君
                田村 智子君
                辰巳孝太郎君
                松沢 成文君
   国務大臣
       文部科学大臣   馳   浩君
   副大臣
       内閣府副大臣   冨岡  勉君
       文部科学副大臣  義家 弘介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
   政府参考人
       内閣官房東京オ
       リンピック競技
       大会・東京パラ
       リンピック競技
       大会推進本部事
       務局総括調整統
       括官       芦立  訓君
       内閣官房東京オ
       リンピック競技
       大会・東京パラ
       リンピック競技
       大会推進本部事
       務局セキュリテ
       ィ推進統括官   石田 高久君
       文部科学大臣官
       房文教施設企画
       部長       山下  治君
       文部科学省初等
       中等教育局長   小松親次郎君
       文部科学省高等
       教育局長     常盤  豊君
       スポーツ庁次長  高橋 道和君
       厚生労働大臣官
       房審議官     樽見 英樹君
       厚生労働大臣官
       房審議官     大西 康之君
       観光庁観光地域
       振興部長     加藤 庸之君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関
 する調査
 (特別支援学級の学級編制基準に関する件)
 (給付型奨学金の検討状況に関する件)
 (教職員の多忙化解消に向けた対策に関する件
 )
 (福島県への教育旅行の推進に関する件)
 (新国立競技場の聖火台設置に係る責任の所在
 に関する件)
○国立大学法人法の一部を改正する法律案(内閣
 提出)
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○委員長(石井浩郎君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、山下芳生君及び若松謙維君が委員を辞任され、その補欠として田村智子君及び平木大作君が選任されました。
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○委員長(石井浩郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局総括調整統括官芦立訓君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井浩郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(石井浩郎君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 本日は、質問の順番に御配慮をいただきまして、本当にありがとうございます。
 今年の四月から障害者の差別解消法が施行され、障害のある子供たちへの教育環境整備等、合理的配慮が国にも求められることになります。このことにも照らして、特別支援教育について質問いたします。
 岡山県倉敷市で、配付資料の一枚目です、我が党市議団が学校ごとに特別支援学級の在籍児童について資料をまとめました。これは倉敷市が提出した資料に基づいてのものですけれども、このうち、学校名をA、B、C、Dに直したものを今日はお配りをしています。
 この小学校のEというところを見ていただきたいんですけれども、特に一番下の情緒という区分で、クラスがこばとの5というところなんですけれども、ここは一年生から六年生まで全ての子供が一つの学級にいるわけですね、在籍をしているわけです。同じように、ほとんどの学校で、ほぼ四学年にわたるクラスというのが当たり前になっていることがよく分かります。こういうクラスであっても、配置されている教員は一人です。資格を持っていない補助員の方という方はいますけれども、有資格者の教員は一人しかそれぞれのクラスに配置をしていないわけです。これは、個々人への対応がよりきめ細かく求められる特別支援教育としていかがだろうかと。
 まず、大臣に、この表を見ての御感想をお聞かせください。
○国務大臣(馳浩君) おはようございます。
 小中学校における特別支援学級については、一学級を八人で編制することを標準としております。二以上の学年の児童生徒数の合計が八人以下である場合、複数の学年の児童生徒を同一学級に編制することとしております。
 全国の実態の詳細を網羅的に把握しているわけではありませんが、三学年以上の複数の学年にわたる学級編制が行われている例があることは承知しておりますし、今ほど委員御指摘の、複数のというよりも四、五の学年にわたるクラスを抱えている教師の負担は当然重いだろうなということは想像できます。
○田村智子君 倉敷の障害児親の会の皆さんが保護者アンケートを行っているんですね。そうすると、小学校では、学年も多く、何をしたか子供自身が分かっていないような状況だと、あるいは、手の掛かる子がいると担任はその子を見るのに手いっぱいでほかの子はほっておかれてしまう、その場しのぎにならないか不安に感じるなどの声があります。中学校のアンケートを見ますと、知的クラスでは、それぞれの子供の状態が違う上、三学年同じクラスなので教科書ももちろん使用できず、参観に行ってみるとビデオを見て授業が終わりということもあると、こういう声も紹介がされていました。
 これは、学級定数の標準法では、複式学級を置く場合、その基準を二学年を一まとまりにというふうにしているんですけれども、特別支援学級についてはこういう何学年のまとまりというものがありません。先ほど御答弁にあったとおり、特別支援学級は編制上、上限は八人だという基準しかないわけですね。こうなると、一年生から六年生、同じクラスということは、これは起こり得るというふうに思うんです。
 それで、二つ要望したいと思います。
 一つは、特別支援学級の学級編制について、これ是非実態調査を行ってほしいということです。この資料のように、障害種別ごとに、どういうふうにクラスに分かれているのかとか、あるいは一クラスの中に各学年で何人が在籍をしているのかと、こういう、全部は難しいかもしれないけど、何らかの実態がつかめるような調査を是非早急にやっていただきたいと思います。
 二つ目です。その上で、特別支援学級の編制について、これやっぱり障害種別が必要だとか、あるいは複式学級の場合にはこういう学年のまとまりが必要だとか、こういう基準を是非検討してほしいんです。その際、現状の上限八人ということが果たしてきめ細やかな指導にふさわしいものなのかどうか、このことについても是非検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(馳浩君) 二つの御指摘がありましたので、分けてお答えいたします。
 現在、特別支援学校や特別支援学級、通級による指導等に係る調査により毎年度全国の実態について把握を行っておりますが、特別支援学級の複式学級数についての詳細な実態についての調査は行っておりません。障害のある児童生徒の実態に応じて、例えば交流及び共同学習など様々な方法により教育が行われているほか、加配教員の配置、特別支援教育支援員の配置、介助員の配置など様々な形態があることから、一律の調査を行うことは考えておりません。
 文科省としては、教育委員会からのヒアリングなどを通じて対応しているところであります。こうした方策によって、今後とも実態の把握に努めてまいりたいと思います。
 二点目、編制基準についてであります。
 小中学校における特別支援学級については、障害のある児童生徒に対して必要な教育を提供できるよう、これまでも数次にわたる改善を図ってきております。現在は、一学級を八人で編制することを標準としております。
 近年、特別支援教育の対象児童生徒数が増加している状況を踏まえ、障害のある児童生徒一人一人の教育的ニーズに応えるため、通級による指導のための加配の充実等の対応を行ってきたところでありまして、引き続き必要な特別支援教育の充実に努めてまいりたいと思います。
○田村智子君 これは是非、例えば複式学級をやっているところの調査など、全体じゃなくても何らかの実態把握を急いでほしいと思いますし、複式でやっていても八人なのかということを含めてなんですよ。多学年にわたっても八人なのか、そういう標準でいいのかと、こういう柔軟なちょっと検討を重ねてお願いをしておきたいというふうに思います。
 次に、特別支援学校の大規模化、過密化、これは何度も我が党、衆参にわたって質問をしているんですけれども、茨城県の勝田特別支援学校、これは大規模化、過密化が問題となっていて、今も特別教室、技術室、音楽室、美術室等々、図書室とかですね、八つの特別支援教室が普通教室に転用をされています。あるいは、教材室は更衣室と兼用とか医療的ケアルームが印刷室と兼用とか、労働安全衛生法に定める教員の休養室もないなどの現状があります。
 来年度、これを解消するということもあって常陸太田特別支援学校が開校することとなって、これで教室不足が解消されるかなという期待があったんですけれども、これに伴って現在設置されているプレハブ校舎が解体されるという方針なんです。これでは結局、教室不足は解決しない。それどころか、示された案では新たに特別教室である木工室もなくなってしまうと、こういうことで、同校の教員が県の人事委員会に措置要求も行っています。
 もちろん、私もプレハブ校舎でいいというふうには思わないんですけれども、しかし、県教委の対応の中でちょっと問題だというふうに感じるのは、特別教室は法令上設置の規定はないとして、事実上、県教委は特別教室は必要ないんだという立場を取っているということなんです。特別支援学校以外の学校も、法令上、特別教室の設置の義務付けの規定はありません。それでも、図書室とか音楽室、美術室、こういうのはあって当たり前なんです。じゃ、特別支援学校はこれがなくて当たり前でいいのかということなんですね。
 そこで、文科省は特別支援学校に特別教室は必要ないという立場をお取りになるのかどうか、これまずお聞きします。
○国務大臣(馳浩君) 特別支援学校は、対象とする障害種に応じた多様な施設設備の整備が必要とされることなどから、設置者の責任において児童生徒の状況や地域の実情等を考慮した上で適切に判断すべきものであるため、設置に当たっての基準は設けていないところであります。
 教室不足については、文科省において毎年度調査を実施し、各自治体における教室不足の解消のための計画的な取組を促す通知を発出しております。また、平成二十六年度からは、新たに廃校施設や余裕教室等の既存施設を活用した特別支援学校の建物の整備に係る補助制度を創設したところであります。
 特別支援教育に係る環境の改善は極めて重要であり、文科省としても引き続き教室不足の解消に取り組んでまいりたいと思います。
○田村智子君 これは大臣のお言葉でちょっと聞きたいんですけどね。これも転用の調査やっているんですよ、文科省はずっと。特別教室を普通教室に転用しているのがどれぐらいあるか。これは、やっぱりそれがよくないという認識でやっているというふうに思うんですね。これやっぱり特別支援学校も特別教室という役割はあるというふうに思うのですが、大臣、見解、是非。
○国務大臣(馳浩君) 大変私が心苦しい思いで答弁していることを御理解いただいているとは思いますが、やはり障害の種別に応じてより適切な施設の設置が望ましいと思っておりますが、御理解いただけると思いますが、毎年のように子供たちの状況というのが変わっていくものでありますから、すぐに臨機応変に対応することがなかなか難しい中で各設置者である教育委員会において判断をいただいているところであります。
 通っているお子さんや、また御両親、保護者の皆さんがやはりより良いと思っていただけるような環境を提供する、そういった必要はもちろんあると考えております。
○田村智子君 設置基準はないのはほかの学校も一緒なんです。ほかの学校にあって当たり前の特別教室が特別支援学校にないとなれば、これは私、差別解消法の立場とも違うんじゃないかということは指摘せざるを得ないんですね。
 今日、もう一点確認をしたいのは、設置基準はないと、施設の設置基準はない。しかし、公立学校の校舎は、建設する際の国庫補助の上限である必要面積というのは定められています。この必要面積の積算根拠、これを教えてください。
○政府参考人(山下治君) お答え申し上げます。
 義務教育諸学校等の施設費の国庫負担等に関する法律に基づきまして、国は公立学校施設の整備に要する経費の一部を負担若しくは補助することとされております。その経費を算定する際の補助の上限として必要面積が定められております。
 特別支援学校の必要面積については、同法施行令第七条第二項に基づきまして、障害区分ごとに学級数に応じて面積を算出することとなっております。
○田村智子君 学級数に応じて面積を算定をして、これぐらいの面積が必要、まあ上限ということですけど、一応必要面積として国庫補助の制度があるわけですね。
 資料の二枚目を見ていただきたいんです。
 その必要面積がどれだけあって、それでは特別支援学校の実際の校舎、学級数で見たときにその保有面積がどれだけかというものを、文科省の資料を基にこれは労働組合が作った資料ですね。これ、小中学校のところの茨城を見ていただきたいんですけど、茨城、小中学部は、必要面積、国庫補助の上限である必要面積は十四万七千七百三十平米と。ところが、実際に校舎の保有面積を見ると、全県全体ですけど、七万七千平米余りしかないわけなんです。
 そうすると、例えばこの勝田特別支援学校も、これやっぱりその学級数見てもっと校舎増築するんだというふうになると、この必要面積までの国庫補助は受けられるということになるはずなんですね。財政的に国は措置ができるということなんです。
 これは非常に、実は三枚目の資料を見ていただきたいんですけれども、学校種別ごとに見ると、小学校や中学校というのはもう今、二〇一四年を見ると一〇〇%超えているんですよ、必要面積に対して保有面積は。学級数が少子化の下で減っているという傾向があるかもしれません。高校も、二〇〇二年、七八%だったのが、これは今日八六%を超えているんですね。ところが、特別支援学校だけはいつまでたっても六割台なんですよ。
 これは、本当にこれでいいのかと。これもまた、差別解消法との関係からいっても、言わば狭いところに押し込められている、国庫補助との関係で見ても、というのが現状だと思うんですが、大臣、この実態をいかがお考えになるか、お答えいただいて、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(馳浩君) このままでいいとは思いません。
 以上です。
○田村智子君 じゃ、済みません、一言だけ。
 是非、このままでいいのか、じゃ、どうしていくのかということで、やはり私は、特別支援学校についても、施設の基準というのを児童生徒数に基づいてこれは持つべきだと。繰り返しこれは求められていることですので、その検討を強くお願いをいたしまして、質問を終わります。
○水岡俊一君 おはようございます。民進党・新緑風会の水岡でございます。本日は五十四分の時間をいただいて質疑をさせていただきたいと存じます。
 まず最初に、大臣、質問に入る前に、三月二十五日の参議院予算委員会で、私は奨学金制度について、安倍総理また馳文科大臣に御質問いたしました。そのときに、全国から三百万人を超える方々の署名が集まっていて、この多くの国民の声を是非聞いてほしいと、直接ね、そういうお話をしましたが、安倍総理からは残念ながらいいお答えが得られませんでしたが、馳大臣は、聞きましょうと、こういうふうにお答えをいただいた、そういった大臣の姿勢に本当に感謝を申し上げたいし、多くの国民の皆さんが胸をなで下ろしたのではないかなと、こんなふうに思ったところであります。
 そこで、その後、関係団体あるいは当事者のお声を、大臣、直接にお聞きをいただいたと思うんですけれども、大臣の率直な感想等、是非お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(馳浩君) この奨学金の質問をいただくときには是非財務省の政務も呼んでいただければ、私も大いに論争したいところであり、水岡委員と考えているところはほぼ私は同じだと私自身は思っております。
 あのときも申し上げたと思いますが、やはり税金というか公的資金の使われ方として、同年代で働いておられる方、そして納税をされている方との税の分配の在り方、この公平性についての考え方が一つ、対象者をどのようにやっぱり考えるかというのが一つ、それから財源をそれによってどのように捻出をするのかというのも一つ、そして給付の在り方についてということで、全体を俯瞰しながらの制度設計について考える必要があると思っています。
 実は文科省においても、何としても、一億総活躍という文脈からも、この給付型奨学金、あるいは現在でも返還免除というふうな措置はありますから、これは給付的な奨学金ということで言えると思いますけれども、このやっぱり拡充に向けて、また創設に向けて、より制度設計をやっぱりきちんと理論武装して詰めていく必要があると思って、今、義家副大臣の下で議論も始めたところであります。もとより、給付型については、従前より、民主党のときもそうですが、もちろん自由民主党からも公明党からも共産党からも社民党からも、それぞれの政党からも必要性についていただいているところであります。
 改めて、やっぱりこの四つの要件については十分に詰めて議論をしていきたい。と同時に、現行の有利子から無利子へと拡充をしていくというのが一つ。それから、所得連動返還型、これを導入するに当たっての検討項目まだ残っておりますから、ここを詰めること。さらに、授業料の減免制度もあるわけでありますから、そこの拡充も含めて、あらゆる対策で経済的要因によって進学を諦めたりすることのないような、そういう体制を取っていきたいと、こういうふうに考えております。
○水岡俊一君 大臣、ありがとうございます。
 今大臣、様々な観点で、高等教育をどのように支援をしていくか、そういった次代を、次の時代を担っていく若者にどのような支援の方法があるのか検討をいただいているという、そういったお答えだったというふうに思っております。
 そういう中で、私は、やはりそのような問題は、アドバルーンではなくて、何ができるのか、それをいつまでにやるのかというような具体的なプランをやはりできるだけ早く示していただく必要があると思うんですね。
 お答えの最初の方に、税の配分であるとか同年代の人たちにどういう手当てをするのかという公平性の問題があるとおっしゃったけれども、実は、これは国際人権規約でも高等教育を無償化に向けていくんだという約束をしている。それは、それぞれ個人に対する施しではなくて、社会としてそれが必要なんだという、その考え方がそこにあるということを大臣御自身ももうお認めになっているわけですから、そこをどれぐらいのスパンで、ある意味では大臣が在任中にどこまでやりたいのかというようなことをもう少し踏み込んで大臣の気持ちをお聞かせをいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(馳浩君) 私、先ほどちょっと申し上げたように、一億総活躍プランという文脈で考えるべきではないかと発言をしたのは、今ほど水岡委員が御指摘していただいた趣旨で発言したつもりであります。
 したがって、いわゆる誰もが排除されない、同時に、高等教育に当たっては、確かに義務教育ではありませんが、意欲と能力のある者がやはり進学を可能となるような体制を整える、そのための経済的な支援といったものは、個人もそうですが、その卒業した後に社会全体に還元されるというふうな趣旨、これはもう、文科省の政策研究所だったかな、やっぱり高等教育を経た人とそうでない方の社会的便益について二・四倍の差があるということも、これは調査の結果、報告もされているところでありますから、社会全体の文脈の中で、奨学金の拡充の必要性といったものは私も承知をしておりますし、そのような思いで発言をしているところであります。
 あとは、まさしく制度設計そして財源論といったことは、私も政府の一員としてやっぱり詰めていかなければいけないのではないかということで、そのためのプロジェクトチームを立ち上げて積極的にやっているところであります。
 改めて申し上げますが、やっぱり一億総活躍という一つの文脈の下でこの問題は考えられていくべきだと思っています。同時に、奨学金制度全体でいえば、まさしく一人でも多くの方が、有利子であれ無利子であれ、無利子の方が望ましいのですが、奨学金を得て進学をすることができるような環境づくりといったことは必要だと考えています。
○水岡俊一君 なかなか言いにくいことだとは思うんですね。しかしながら、検討を始められたと。
 それが本当であるならば、検討を始めて、検討の様子、あるいは検討の結果をどこかで我々にも示していただかないと、それが本当に進んでいるのかどうか分からないというふうに思うんですね。私は、疑っているとかそういう意味じゃなくて、やはり時間が迫っているので、例えば大学生であっても、時間が刻々と過ぎる中で卒業していくわけですから、そういった意味では、今の日本にとって、奨学金制度をしっかりと構築をしていくんだ、改善をしていくんだとすればどういう方法があるのか、今次国会中に中間報告でもいいですからそういった検討の様子をちゃんと聞かせていただくと、そういうことは大臣としてお考えないですか。
○国務大臣(馳浩君) 重ねて申し上げますが、私は、五月に発表する一億総活躍プランには、この奨学金の問題については一つのやっぱり方針を示すべきだと思って私は具体的なチームをつくって検討させております。したがって、その場で発表できればいいと思いますが、しかし、政府全体のことでありますし、当然やっぱり財務省とも調整をしなければいけません。そして、制度とする以上は安定的な財源を確保するという責任が生じますので、そのことについても詰めて、また関係者の意見も伺いながら、専門的な見地での制度設計が必要だと思っています。
 したがって、私は、最終的には、五月までには一定の政治的な判断も必要なのではないかなと。幾つかのやっぱり選択肢を持つということは私の立場でも必要だと思っておりますが、それをただ政府として決定する以上は、文科大臣だけが先走っていいものではありませんので、やっぱり関係省庁とも調整しながら進める必要があると思っています。そういうふうな思いで取り組んでいるということを報告いたします。
○水岡俊一君 是非、馳大臣には、関係大臣、関係省庁を説得をしていただいて、是非とも馳大臣のときに奨学金制度、大きな改善の方向性が示されたと、こういったことで、五月の発表を期待をしたいというふうに思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、質問に入ってまいりたいと思います。
 今次国会、当委員会でも教職員の超過勤務の問題、各党からお話があったところでありますけれども、改めて私からも大臣に、教職員の超過勤務、多忙化、こういったことについて大臣はどういうふうにお考えなのか、率直なところを短く聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(馳浩君) よく数値として引き合いに出させていただきますが、OECDの国際教員指導環境調査、この結果によりますと、参加国平均が三十八・三時間、日本は最長ですよ、五十三・九時間、これは平均ですよね。こういったことからも、やはり教員のある部分責任感の強さもあるかとは思いますが、そもそも業務量の多さ、また対応すべき事案、様々な事案が学校で起きますので、それに丁寧に対応している結果がこういう数値になっていて、私はこれは看過できない数字なのではないかと、そういう認識は持っております。
○水岡俊一君 前回の委員会だったと思いますが、那谷屋委員の質問に対して大臣は、教職員が「せっかく子供たちに向き合って元気よく授業したり校務分掌しなければいけないのに、それができないと。その繰り返し繰り返しが更に疲労の蓄積となって、過労が慢性化してきて、それこそ子供たちにとって良い環境ではなくなっていくわけであります」と、こういうふうにおっしゃって、教職員が心身共に疲れているという状況、それはひいては子供たちに大きな影響を与える、子供たちとの間にいい関係を築くことは難しいと、こういうふうに大臣はお考えだということを示されました。
 そこで、文科省は、教職員のメンタルヘルスという観点においてこの対策を進めてきていただいていると思うんですね。もう既に、私が聞くまでもなく、もう通知等を発出をし、そして各教育委員会を指導してきたというのが文科省の態度だというふうに思います。
 そこで、私は思うのは、体制はそれなりにつくられたかもしれません。しかし、そうであっても、実効性が伴っているのかどうかという問題については、これまた大臣の率直な見解があろうというふうに思いますが、私、ここでお聞きしたいと思うのは、教職員のメンタルヘルス対策ということについて、文科省は今現在、どんな課題があるのか、あるいはその背景にはどういう問題が潜んでいるのかということについてどんなふうに感じておられるのか、大臣のお考えをお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(馳浩君) 率直な意見をというふうにおっしゃっていただきましたので、まず、先般、那谷屋委員にもお答えしたところでありますし、また局長通知も数次にわたり現場には出しておるところであります。
 やはり安衛法、ちょっと簡略化して言いますが、安衛法の改正によりまして、学校現場においても教職員がストレスをどのように持っているのかということを実態についてまずやっぱり確認をした上で、それがどこからどういう要因でストレスとなっているのか、それをどうすれば解消していくことができるのか、相談する人がいるのかどうか。昨今、やっぱり子供たちのためのスクールカウンセラーという重要性は認識をし、配置も進めておりますが、私は、教職員にとってのスクールカウンセラーといいますか、教職員でなければ分からない、そして守秘義務もありますから、なかなか外部の人には言えないような悩みというのはやっぱりあるんですよ。
 そういったことにむしろやはり対応することのできる、本来はそれが管理職でなければならないんですが、残念ながら、管理職から評価されるものでありますから、こんなことを言うと管理職からマイナス評価をされるのではないかとおびえて言えない。そうすると、教員同士で愚痴を言い合えばそれで済むのかという話になりますが、そういうものでもありません。
 情報共有は情報共有でしっかりしながらも、やっぱり個々の教職員にとっての悩みはあるものでありまして、当然その中には生活の悩みや人間関係の悩みもありますから、そういったところにやはり応えることのできる相談体制といったものも私は重要だと思っています。私学では教員のためのカウンセラーをきちんと配置している学校もございます。
 私は、そういったことも見習いながら、どういったことができるのか、学校教育ということを考えれば、教育委員会側とも十分にコミュニケーションを取りながら、いわゆる精神疾患で休職をされている教職員も多うございますので丁寧な対応をしなければいけない、そういう認識は持っております。
○水岡俊一君 大臣は、学校における教職員のそういったメンタルヘルス、特殊的な要素をしっかりと捉えていただいているんだなと、そういう感想を持ったところであります。そういった特殊性の問題もありますが、文科省としてどういう課題があるのか、これはいろいろと捉えられていると思うんですね。
 ちょっと、委員の皆さん方にも是非見てほしいんですが、今日お配りした資料の二枚目をちょっと見てください。
 これは文科省からの文書であります。「公立学校等における労働安全衛生管理体制の整備に関する調査について(結果)」と、こう書いてあります。これを見ていただきますと、この本文の六行目の終わりから七行目に、「また、体制の整備が進まない理由として関係法令等の認識不足が最も多く挙げられております。」と、こう書いてある。
 これ、誰の認識不足なんでしょうか。これは文科省が出した文書ですので知らないというわけではないと思いますので、その辺りのことについて少し説明をしてくれませんか。
○政府参考人(小松親次郎君) お答え申し上げます。
 この認識不足というのは、御指摘の趣旨、例えば学校の現場の直接の担当者だけではなくて、それをきちっと進めるための体制、環境を整える設置者あるいは行政関係者、そういった者が入っているという考え方で私どもこれを通知に入れて注意を喚起をしたという趣旨でございます。
○水岡俊一君 いや、ちょっともう少し具体的に、誰の認識不足だと、こう言っているんですか、それをお答えください。
○政府参考人(小松親次郎君) 労働安全衛生体制の整備状況につきましては、学校の組織運営を行う責任者が基本でございますので、例えば校長先生やその管理職等が中心となってこの認識不足の問題が起きているというのが私どもの認識でございます。
○水岡俊一君 誰がという意味では、学校においては管理職、そして教育現場に関わる教育委員会、そういったところが関係法令等の認識不足、これって、大臣、許されることですかね。どうでしょう。
○国務大臣(馳浩君) 私も改めて今この文書全体そしてこの部分を読みながら、こういう指摘をせざるを得ないということはあってはならないことですよね。せっかく、国会において労働安全衛生法について深い議論がなされ、改正がなされ、施行されているわけでありますから、当然、教育委員会の担当である教育長はもちろん、教職員課長とか、また現場における学校長、教頭などの管理職は、その趣旨を踏まえた上で、教職員の勤務環境、そして教員というある意味での特殊性を踏まえた対応が、この労働安全衛生法に基づいて環境整備がなされるようにしていくのが私は必要だと思いますし、その認識をやっぱりきちんと持ってもらわなければいけないと思っています。
 こういうふうな通知の文書をやっぱり書かざるを得ないというところが非常に私も残念に思いますし、改めてその趣旨をやっぱり理解してもらえるような取組を我々もしなければいけないと、私はそう思います。
○水岡俊一君 確かに、当局としてこのような文書を出さなきゃいけないというそのつらい気持ち、それはそれとして私も理解をするところですが、しかし、それで許されるのかという問題ですよね。関係法令の認識不足だなんて、よくも恥ずかしくもなくそんなことを文書に書いて出せるなという批判の声も大きいわけですよ。そういったところを是非共有をしながら対応をしていかなきゃいけないんだろうというふうに思います。
 そこで、改めてですが聞きますが、関係法令とはどんな法令ですか。
○政府参考人(小松親次郎君) ここで挙げておりますものにつきましては、いわゆる安衛法の体系のものを基本として考えて通知をしているところでございます。
○水岡俊一君 いやいや、それだけですか。もっと明確にこれってあるんじゃないですか。
○政府参考人(小松親次郎君) 二つの系列がございます。一つは、教育関係の観点からは学校保健安全の法令がございます。それからもう一つは、労働関係の観点からのものがございます。これは労働基準法から始まりまして、労働法の体系がございます。その中の一番中心になっているのがこの安衛法ということでありまして、実際の労働環境を守る労働法令、これは全体としては関係法令、この二つが合わさったものをしっかり見ていく必要があるというふうに私ども考えております。
○水岡俊一君 教職員も労働者ですから、労働者に関わる法律として基本中の基本は労働基準法ですよね。とりわけ、こういうメンタルヘルスだとかそういったことに関わっては労働安全衛生法ということはもう言うまでもないことだと思います。そういった、また学校特殊的な法律も含めて管理職もちゃんと認識をしてもらわないかぬと、こういうことはもう言うまでもないことだと思います。
 そこで、私の方から少しお聞きをしたいなと思うのは、厚生労働省にお聞きをします。
 労働基準法第百九条というものがあるんですが、ここにある、「労働関係に関する重要な書類」という言葉が出てきます。労働基準法百九条について、厚労省から若干の説明をいただけますか。
○政府参考人(大西康之君) 労働基準法第百九条でございますが、これは書類の保存に関する規定でございます。同条では、「労働者名簿、賃金台帳及び雇入、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を三年間保存しなければならない。」とされております。
 委員御指摘のその他労働関係に関する重要な書類といたしましては、例えば始業・終業時刻など労働時間の記録に関する書類がこれに含まれることとされております。
○水岡俊一君 ありがとうございます。
 じゃ、それらの書類を保存していない、百九条に違反した場合、これは罰則規定というのはあるんでしょうか。
○政府参考人(大西康之君) 労働基準法第百九条に違反した場合でございますが、同条に違反したときは、使用者は三十万円以下の罰金に処せられるという罰則規定が労働基準法第百二十条にございます。
○水岡俊一君 ありがとうございました。
 馳大臣、このように、労働基準法第百九条の中には「労働関係に関する重要な書類」という記述があって、その中には、今厚労省からも御説明あったとおり、勤務時間に関する記録、そういったものが入るということのお話だったと思うんですね。ですから、それをちゃんと管理しなきゃいけない、知ることはもちろんですが、それを管理して保存しておかなきゃいけないということが明確なんですが、これは大臣、どういうふうにお考えですか。
○国務大臣(馳浩君) 必要なことだと思います。
 私も教員時代、大体いつも朝一番に学校に行っておりました。私が学校に行くのはいつもは大体六時四十分ぐらいでした。帰りは大体十時前後でありまして、タイムカードを押しておりましたので、当然それは学校側が保管していると思っておりました。
 ただ、私が勤務しておりましたのは私立の私学でありますので、公立の小中学校が実際にどのようになっているのか、私自身が全てを十分に把握しているわけではありませんが、基本的には勤務に入った時間、勤務を終えた時間、こういった記録といったものは勤務状況を把握する上で重要な書類だと思います。
○水岡俊一君 それで、やはり今のお話からいくと、実はもう前回の委員会あるいは前々回のときもその教職員の問題について、勤務時間の問題についても言及があって、那谷屋さんからも参考資料を出していただいた、それと同じものですが、ちょっとリニューアルされていますので、今年の二月の速報の数値を資料を用意しました。皆さんのお手元にある資料の一枚目であります。
 これは、教員の働き方、生活の実態を調査をしたもので、連合総合生活開発研究所の調査を抜粋したものであります。ここで、ざっと見てほしいのは、左側の小学校の方は、赤の枠でくくってあるのは一六・八%、管理職が出退勤時刻の把握をしていないということでありますが、ちょっとこのグラフをよく見てみると、タイムカード等の機器でちゃんと行っているというのは僅か一〇・六%という数字が下の方にあります。それから、把握しているかどうか分からない、あるいは出勤簿への捺印により行っている。これ、出勤簿の捺印だと時間なんて分かりませんよね。私もずっと押してきましたけど、ただ出勤したかあるいは半休取ったかぐらいのことが出勤簿に出るぐらいで、出勤時間なんて分かりません。ということは、これ、もうタイムカードで、今大臣がおっしゃったタイムカードで認識ができる方法のほかは、ほとんど把握できていないというふうに見て僕は間違いないと思うんですね。
 これ、中学校の方もそうです。一三%ほどしかタイムカードで把握をしていない。そのほかのケースは、管理職が把握しようと思ってもできないか、把握していないか、把握する気はなかったかというような状況にあるんですが、これが今言う関係法令の認識不足という意味なんでしょうか。そうだとすると、文科省としてはこれを改めてどういうふうに考えて、これからどういうふうにこれ対処する必要があると思いますか。
○国務大臣(馳浩君) この資料を提出いただいて、改めて私も、これ基本中の基本なんですよね、社会人として。勤務に入った、勤務を終えた、タイムカードで確認をすると。そのことによって、いわゆる超過勤務の問題であったり、また昨今、法律にもなりましたが過労死の問題等もありますが、長時間労働の問題等、これがいかに働き方と生活の在り方について大きく関わっているか。したがって、学校の教職員の問題に関して言えば、こういう現状であるということは私はあしき伝統と言わざるを得ませんというのがまず私の認識です。
 同時に、きちんと、やっぱり一社会人として働いているわけでありますから、こういったことはまず管理職が管理をしておくのが当然だと、私はそう思っていますので、そういうひとつ現実的な状況を見た、その上での認識を私はみんなで共有すべきだと、そういうふうに思います。
○水岡俊一君 タイムカードがベストかどうか、それは私も分かりません。しかし、管理職が職員の出退勤をちゃんと目視するというか、ちゃんと見て認識をするということは非常に基本的な話ですよね。大臣のように朝早く出て夜遅く帰られたら、その管理職がその場にいないということもあるかもしれません。しかし、公立学校で、職員はいろんな仕事があるから残っている、帰れない。でも、管理職はお先にと言って帰ってしまうということがあったとすれば、これ、大臣、どういうふうに指導されますか。
 今の学校現場というのは、そういうケースがあるかどうかは別にして、管理職が教職員の出退勤をしっかりと見ていないということがそもそもの問題じゃないですか。それは、見ていないということは記録がないということだし、記録があったとしてもそれは偽りの可能性が高いし、ちゃんとしたものが保存されていないとすれば関係法令の違反で三十万円以下の罰金が課せられる。誰かが告発したらどうします、これ。大臣、どうでしょう。
○国務大臣(馳浩君) 誰かが告発したらと言われると、あいくちを突き付けられたような思いに私はなります。
 基本的に、働いているわけでありますから、何時に仕事に入って何時に仕事を終えたのかという基本的なデータを基に、同時に、管理職たる者はやっぱり様子を見ながら、教員として何か疲れ切っているのではないかとか、あるいは逆に、元気なら元気で褒めてあげればよろしいですし、こういう基本的なデータを記録を確認をしながら職場全体を把握していくのが管理職の責任であります。そのための基本的なデータといったものはやっぱりきちんと把握しておく必要があるというのが私の認識です。
○水岡俊一君 大臣の率直な感想としてそういうふうに捉えられているということを私自身も受け止めたいというふうに思っています。
 その上で申し上げると、労働基準法も労働安全衛生法も、本当に基本中の基本を言っているんですよね。だから、その基本中の基本ができていないのをいつまでほったらかしにするんだということは、非常にこれは大きな問題だと思います。
 例えば、これは出退勤の時間だけの話じゃないんですよ。労働基準法には、六時間を超えて労働するときは必ず休憩を置かなきゃいけませんね。これは四十五分です。八時間を超える場合は一時間です。休憩というのは、食事をしたり休んだり横になったり勤務地を離れたりすることができるわけですよね。学校の先生、教職員の皆さん、できますか。できないとしたら、それをなぜほっておくんですか。関係法令、これ違反しているじゃないですか。私はそう思いますが、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(馳浩君) いわゆる児童生徒が校舎にいる中で、そこから目を離すわけにはいかないという一つの責任感と同時に、抱えている業務が多過ぎて、つまり授業の準備であったり提出物の多さであったり部活動であったり、いわゆる校務分掌の中で寸暇を惜しんでそういった事務処理もせざるを得ないという現実が、休み時間があってもやはりのんびりと一人でお茶を飲んで休んでいるという空間もその時間もなかなか取ることができないという実態があるのだと私は想定されます。
 こういうことをやっぱり踏まえた上で勤務の環境の整備については考えていかなければいけない問題だと、そう思っています。
○水岡俊一君 もうこれは今日に始まったわけではなくて、この長い歴史の中でずっと言われてきた問題だと思うので、今更ということにもなりますけれども、どこかで誰かが、どの大臣かが、きっちりとこれはやっぱり考え直そう、法律を遵守するんだという考え方に立とうというふうにしないと、これはもうどうにもこうにもなりませんよ。
 今大臣がおっしゃったことは、やはり教員がこれはやらなければいけない、しなければいけない、私がしないとほかの人ができないから、子供たちのために頑張るんだ、学校の仲間のために頑張るんだ、地域のために一生懸命私が努力する、そういう好意に基づいた話であって、命令はしていないんだというような話にもしなるとしたら、これこそ労働安全衛生法のメンタルヘルス対策としては全く手が打てていないということにつながるように私は思うんですよ。
 教員、教職員の好意に甘えてそういった勤務実態がおかしくなっている。だけど、それは、管理職は命令していない、管理職は知らない、仕方がない、それで済むんか。それが今言うこの通知文の中にある関係法令の認識不足だ。大臣も認識不足だと言われて、どうします、これ。私はそう思いますよ。どうでしょう、お考えは。
○国務大臣(馳浩君) 改めてこれは基本中の基本ですね。労働基準法、労働安全衛生法等、また教育に関して言えば教育公務員特例法等ありますが、労働者として、あるいは教育の現場に、毎日目の前に児童生徒がいる中でどのように労働環境を整えるかということは、管理職と教職員が一定の合意の下で進められていく必要があると思いますし、お互いにやっぱり配慮も必要だと思っています。そのための時間の融通であったり、同時に、そういった校舎の中において教職員がいろんなことがあったときにちょっとでも休める環境があるということ、そのことをやはり、一番いいのは、四月一日から新年度が始まるときに、新しい人事で決まってそれをスタートするときに、管理職と教職員皆で合意をして進めていく。多分日によってはなかなかできないこともあるかもしれないけれども、できる限り法令に従った教育者としての、また労働者としての環境を整えていくという、そういうばねを常に働かせていく必要があると私は思います。
 改めて、私はもちろんこういった法令について知らないわけではありませんし、知っていても、現場に行くとまさしく、まあこんなものだからと、ずっとこうだからということで見過ごされてきた課題だと、こういうふうに認識をしております。
 改めて、教職員の業務の改善、そのためにはどういう環境がよいのか。もちろん今、中教審の答申をいただいた教職員の体制の在り方について、これも議論をし、法律の準備もしているところでありますが、そういった環境とともに、実際にふだん働いている環境において、法令に従ったというよりも人としてふさわしい労働の環境、十分に休むことのできる環境づくり、それに対してやっぱりお互いに配慮を持って、ちょっと少しここで一休みした方がいいんじゃないかと一声掛けてあげることのできるような職場の雰囲気づくり、こういったことが私は必要だと思いますし、そういう意識付けを常に持っていかなければいけないと思います。
○水岡俊一君 ここで議論をしていてもそれが即座に解決できるわけではないので、是非文科省としても御努力をいただきたいと思いますが、やはりここは大きく発想の転換をしながら、法律を守るんだということが大原則ならば、法律を守れるような仕組みを考えるという方法があるでしょう。しかし、このことについてはどう考えても法律を守ることができないのであれば、法律の特例を考えたり、あるいはそれの補填の対策を考えるなり、いろいろあると思うんですよ。
 だから、昼休みのことなんか、恐らくどの小学校を取っても、昼休み四十五分なり一時間の休憩をしている教職員は誰一人いないと思いますよ。それをそのままにするんじゃなくて、やはり誠に、労基法の中では勤務時間の間に置かなきゃいけないとなっているけれども、これを終わりの方に移動させるということで労使で合意するとか、何かそういう方法も可能であるとか、何かの対策を練らないと、ほったらかしのままでは余りにもこれはずさんな省庁だということに私はなると思う。
 ですから、そこのところを是非今後考えていただきたいと思いますが、その上で、これから超過勤務、多忙化、そういった問題解決をするために文科省としてはどういう手だてがあるのか、そういったことについて少し何かお考えがあるのであればお聞かせをいただきたいんですが。
○国務大臣(馳浩君) まず、今の体制として、先ほど申し上げました昨年末の中教審の答申三つを受けて、教職員の体制再整備、その在り方について義家副大臣の下で検討しております。早急にやっぱりこれは取りまとめをして、必要な法改正等に取り組んでまいります。
 それからもう一つは、実は今、堂故政務官の下で教職員の日常の業務改善の在り方についての検討チームを立ち上げて、これも六月までには是非中間取りまとめをして少しでも来年度の予算に反映させるべく、例えばモデル事業をやっている地域もあるとすれば、それを教職員の業務改善の在り方について具体的にこういう好事例がありますといったことを全国に報告をしたり、そういうことでもできるのではないかと。民間企業では当然やっているような実は業務改善の在り方でありまして、何で学校ではできないのかと。学校は特殊だからできないというふうなことに甘えていてはいけないと思っています。
 できることからやるべきであるということで、今、堂故政務官の下でも学校現場における業務改善の在り方、もう一方は義家副大臣の下で全体的な教職員の体制の在り方、いわゆる、特に部活動などの指導員もそうであります、外部の指導員を活用できるとしたらどういうふうにやっていけるのか。これはやっぱり文科省としても、昨年の予算編成の一つの反省を踏まえながら、体制づくり、環境整備に取り組んでいく必要があると思いますし、法律や予算でできること、同時に業務改善によって可能なこと、少しちょっとお互いにリンクする部分もありますが、こういう方針に従って検討を加えておりますので、それに従ったまた報告もさせていただきたいと思います。
○水岡俊一君 先ほど私が申し上げた、やむを得ず例えば昼休みのシフトをするとかいうことは、別にそれがベストだと言っているわけじゃないんで、誤解があったらまずいのでそれは御理解をいただきたいと思いますが、やはり昼休み等は誰か職員の交代要員をつくるなり方法はあると思うんですよ。そういったことの考えを改めてしていただきたいということを申し上げた上で、大臣は、今いろんな他の職種における先行事例だとか、そういったものをちゃんと取り入れるべきだというふうに思うとおっしゃった。私、まさにそのとおりだと思うんですよ。やはり文部科学省管内あるいは学校現場、特殊だからなかなか難しいと言いながら、ほかのところで難しいこともいっぱい頑張っておられるわけですね。そういったところも私は取り入れていくべきだと思うんですよ。
 その上で、私思うのは、実は二〇一四年六月に医療法の改正というのが行われましたね。その医療法の改正が行われて何が変わったかというと、医療勤務環境改善支援センターを都道府県ごとに設置をする、あるいは医療労働企画官というのを厚生労働省内に置く、あるいは厚生労働省、都道府県、医療機関の支援のために予算付けを行っていくというようなことが厚生労働省では行われているわけですよ。
 だから、そういったことを是非文科省も認識をいただいて、文部科学省内に、例えばですよ、私が考えた名前ですけど、例えば学校勤務環境改善支援室とかいうような室を置く、あるいはそういうチームをつくるというようなことは、これはもう大臣の肝煎りでできるんじゃないですか。これやってくれませんかね、こういうことを。どうでしょう。
○国務大臣(馳浩君) 昨年でしたか、業務改善についてのガイドラインを示したところではもちろんありますが、改めて水岡委員のこういう御指摘は重要だと思っています。今ほど堂故政務官も委員としてそこで聞いておりましたので、やはり具体的に、理念ばかりでは駄目ですよね、具体的に進めていく中で、水岡委員のこういった御指摘、また、厚労省で取り組んでいる医療環境の改善のこういった具体案を担当する部署、検討したいと思います。堂故政務官のチームでも検討させたいと思います。
○水岡俊一君 大臣、ありがとうございます。
 外部の人が客観的に今の問題を捉えたときに例えばどういうことを指摘するかと考えたら、例えば文部科学省内に今の労働安全衛生体制について専門的に関わっている職員がいますか、全国から調査をしてそれを今集約できていますか、そういうことを聞くのはもう当然ですよね。今それを聞かれたら、文部科学省内でそういうチームがいます、そういう担当官がしっかりいます、全部把握していますと、なかなかこれ言えないでしょう。
 だから、やっぱりそれは、今大臣がおっしゃったように、これは必要だなというふうに考えられた時点でそういう対応を練るチーム、部屋を検討する、是非お願いをしたいなというふうに思うんです。そして、先ほど、その前の御答弁でいただきましたように、ほかの事例、こういうことで成功しているよ、これはいわゆる今の言葉で言えばグッドプラクティスですよね、そのグッドプラクティスを文科省内にも入れていくということを私はどんどんとやらにゃいかぬというふうに思うんですね。
 私、今日資料を三枚用意しましたが、その三枚目をちょっと見ていただきたいと思うんですが、これも日本労働組合総連合会の資料から私は引っ張ってきたんですが、連合がこういうふうな資料で「時短レシピ」というのを作られて、この冊子の中で、教職員の教育現場における勤務時間の適正化に向けた取組をやっているところがあるというふうにこれ紹介をしているんですね。
 詳しくはまた見ていただいたらと思いますが、例えば部活の問題、部活が大変勤務時間を長くしているというような問題があるので、それをどう対処するのかというようなことについて、これ兵庫県の取組なんですよ。兵庫県の養父市で取り組まれているその取組をちょっと紹介をしたいと思うんですが、例えば左の列の@に、私、下線を引っ張っております。そこをちょっと見てください。養父支部でのノー部活デーの設定率、実施率は共に一〇〇%。市内全体で統一してやり切ることにより、他の中学校は部活をやっているが、なぜうちの中学校だけ部活がないのかといった疑問が生じにくく、保護者や地域の理解が得られやすくなっている。
 部活のノー部活デー、どこの地域でも考えてやろうとするんですよ。でも、これ大体潰れるんです。ほかのところがやっているから、うちだけもうやらないなんて、ほかのところは五日やっているのにうち四日しかやらないとか三日しかやらないなんて、そんなの負けるに決まっているじゃないかといって部活動の先生方がもうもう一生懸命になってしまう、そういうようなこともある。だけど、市全体が、うちの市ではどの学校も今日は部活は休みですよというようなこと、あるいは、今日は定時に勤務を終わってみんな帰りますよということを市全体で取り組むというようなことが大事だと、そういう取組をやって成功しているという事例だと思うんですよ。こういうこともやっぱりしっかりと見てほしいなというふうに思うんです。
 右側を見てください。A、管理職のマネジメントについて書いてあります。管理職の意識によって労働時間の短縮が進まない職場は多い。今言われた話ですね。しかし、養父支部では管理職から教職員に、実行力の高い形で計画的に休むよう声掛けを行っている。管理職が声掛けをするんですよ。
 それはなぜかと、これBを見てください。管理職の意識改革は、教育委員会と協力して行っている。校長の人事評価項目に教職員の勤務時間の適正化に関連する内容を盛り込み、教育長面談で校長から進捗状況の報告を受けている等々書いてあるわけです。
 つまり、教育委員会も管理職も一体となってノー部活の問題もあるいは勤務時間の適正化もやっぱり取り組もうよと、一遍に全部なくなるとは思えないけど一緒に取り組んでいかないかというようなグッドプラクティスがあるとすればそれを取り入れたり、文科省の施策の中に、通知指導ということにとどまらず、そういったものの事例を御紹介をしながら、一緒に取り組みませんかと、こういうふうな方向性というのは私は大事だと思うんですが、大臣、いかがでしょうね。
○国務大臣(馳浩君) とても良い取組だと思います。
 同時に、特に運動部もそうですし文化系もそうですけれども、休養を取る、それから、体は休養するけれども戦術的なミーティングをする、いろんなやり方によってやっぱり子供たちの体、心身共に休養を取ってあげる。同時に、教職員も週に一日、二日は間違いなく体を休める時間があるということがまさしく次の週に向けての活力にもなるわけでありますから、こういう良い取組は、なかなか教育現場ではびっくりして捉えられるかもしれませんが、一般から見たらこれは当たり前のことであります。
 私も、ある意味でトレーニングの専門家のつもりではありますが、大体三日やって一日休むことは、筋肉の疲労回復にとっても精神的にも良い効果をもたらすことはよく承知しておりますし、改めて、年間何日も休まなかったということを誇りにしているような部活動の先生がおられますが、私は全く間違っていると、これはもう断言できます。十分にやっぱり休養を取ることも、むしろ子供たちにとっても、その子供たちを取り巻く御家庭にとっても大変重要である、同時に指導する教職員にとっても大変重要である、その方が教育的効果を高めることができると、そういうふうに私はなるようにしていく必要があると思っています。
○水岡俊一君 ありがとうございました。
 教職員、生徒のために頑張りたい、そして自分たちの一緒に共通した目標のために頑張りたい、そういう思いが仕事に物すごく活力を与えていると思うんですよね。しかし、そのことによって残業時間が長くなる。残業時間がずっと長くなってたまっていくと、やはり精神的にも肉体的にも疲労がたまって大変な状況になっていくということがメンタルヘルス対策としては大変問題なところですよね。それはもうみんな分かっている、分かっていることを何とかしようということで、是非とも皆さん方のお取組をお願いをしたいと思いますし、私たちも現場からの声を上げていきたいと、こういうふうに思っております。
 ありがとうございました。
    ─────────────
○委員長(石井浩郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、田村智子君が委員を辞任され、その補欠として辰巳孝太郎君が選任されました。
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○新妻秀規君 本日は、がん教育と、あと福島への教育旅行についてお伺いをしたいと思います。
 まず、がん教育のための医師確保を含む現在の検討状況について文科大臣に伺いたいと思います。
 昨年の二月の二十三日、衆議院の予算委員会での質疑にて、このがん教育のための医師の確保、また、がん教育の推進協議会についての質疑では、当時の下村文科大臣からこのような答弁がありました。今後、モデル事業の成果を踏まえ、厚労省と連携を図り、医師確保の方策を含め適切にがん教育が実施されるように検討していく、そして、がん教育の全国展開に当たっては、厚労省と連携して各都道府県教育委員会、保健福祉部局に働きかけていく、こういう答弁だったんです。
 また、同じく昨年の五月十二日、参議院の厚生労働委員会での質疑では、文科省からの答弁で、今年度は検討会の下に教育関係者、医師、がん患者等で構成するワーキングを設けて、教材の作成を行い、モデル事業を展開するなど、より効果的にがん教育が実施されるように検討を進めていく、こういう御答弁でした。
 ここで大臣にお伺いするんですけれども、その後、医師の確保を含めて具体的にどのような検討を進めてきたのでしょうか。特に、この活動の主体となる自治体の教育委員会の取組が重要と考えます。教育委員会自身が健康福祉部局の助けを借りながら、自ら医師会、またがん診療連携拠点病院などに協力を呼びかけるよう働きかける必要があると思いますが、どうでしょうか、御答弁お願いします。
○国務大臣(馳浩君) がんは生涯のうち二人に一人がかかると推計され、国民の生命と健康にとって重大な課題となっており、学校における健康教育においてがん教育を推進することは重要であると認識しております。
 文科省においては、平成二十六年度から全国でモデル事業を展開するとともに、がん教育の指導内容、教材の開発、医師の確保を含めた外部講師の活用方法等について検討を進めてきたところであります。平成二十七年度には文科省においてがん教育の意義や外部講師の活用についてまとめたガイドラインを作成しており、今後、四月中に発出する予定であります。
 このガイドラインでは、各自治体において、それぞれの実情に沿った形で教育委員会と衛生主管部局等との連携が図れるよう、がん教育を進めるための協議会の形式例を複数示すなど、外部講師を確保するための方策について記載しております。
 今後は、厚労省とも連携をして、教育委員会や衛生主管部局の理解と協力が得られるよう、両者から文書を発出するとともに、各種講習会や協議会等の場において各都道府県等の担当者に向けて趣旨の徹底を図ってまいりたいと思います。
○新妻秀規君 今、四月中にこのガイドラインが発出されるというお話がありまして、またそれに伴って様々な取組が展開されるという、そういうお話でありました。各自治体におきましては様々な調整作業もあるので、そうした今おっしゃった取組を迅速に展開をしていただきたいと思います。
 同じ件について厚労省に聞こうと思います。今、文科省さんからガイドラインが発出されるということでありました。本年の二月二十五日の衆議院の予算委員会の第五分科会におきまして、がん教育実施のための医師確保についての質疑では厚労省さんからこのような御答弁がありました。文科省と連携し、外部講師の確保に対する支援を行ってまいりたい。その後どのように具体的に支援を進めてきたのか、またどのように進めていくのか、お示しをいただきたいと思います。
 また、先ほどの、昨年二月二十三日の衆議院の予算委員会での質疑で、健康福祉部局にがん教育推進協議会をリードするように適切に指示をしてほしいという要望に対して、塩崎厚労大臣から、都道府県の健康福祉部局等に必要な助言を行っていかなければいけないとの御認識が示されています。その後、具体的な動きはどのようなものだったのか、併せて答弁をお願いします。
○政府参考人(樽見英樹君) がん教育についてのお尋ねでございます。
 子供の頃からがんに対する正しい知識あるいはがん患者の方に対する正しい認識を持つということは大変重要なことであるというふうに考えておりまして、平成二十四年六月に策定をいたしました第二期のがん対策推進基本計画というものの中では、がん教育というのを施策の一つの分野というふうに位置付けて盛り込んでいるところでございます。
 また、二十六年一月にがん診療連携拠点病院等の整備に関する指針というものを作ったわけでございますけれども、ここでがん診療連携拠点病院について、地域を対象として、緩和ケアやがん教育を始めとするがんに関する普及啓発に努めることというのを要件にしているというところでございます。
 そうした中で、昨年でございますけれども、十二月にがん対策加速化プランというものを作りました。ここにおきましても、がん教育を推進するため学校医やがん専門医等の外部講師を確保していくということにしているところでございまして、これまで各自治体の衛生主管部局に対してその旨の周知というものも行ってきたところでございます。
 それから、文部科学省さんの方での今後発出予定のガイドラインに関しては、私ども厚生労働省としても文部科学省の検討会にも参画させていただくなど、一緒になって策定に向けて御協力をさせていただいているというところでございます。
 今、四月中というふうに御答弁ありましたけれども、このガイドライン、近くまとまるということでございますので、その際には、都道府県の衛生主管部局を通じて約四百か所指定しておりますがん診療連携拠点病院に改めて協力を呼びかけるといったようなことについて、厚生労働省としても外部講師の確保に関する支援を、これを迅速に行ってまいりたいというふうに考えております。
○新妻秀規君 今の御答弁にあった加速化プランの趣旨に沿ってこの四月に発出される文書、これをスタートラインとして、各自治体の福祉部局、また、がん診療連携拠点病院が迅速に動けるように十分な支援を迅速に展開をしていただきたいと思います。
 次に、がんプロフェッショナル養成基盤推進事業についてお伺いをしたいと思います。
 平成二十四年の六月の閣議決定にてがん対策推進基本計画が決定されましたけれども、その中でがん対策の推進についての課題が掲げられております。すなわち、大学でがん診療に関する教育を専門とか臓器にとらわれない教育体制を整備すること、また、緩和ケアの実践的な教育プログラムの策定、こういった課題です。
 こうした課題の解決のために、文科省では平成二十四年度から、大学と大学病院が連携をして優れたがん専門家を育てるこの事業、すなわちがんプロフェッショナル養成基盤推進事業が実施されてきた、このように承知をしています。今、大学の全ての医学部、七十九校あると伺っていますけれども、放射線療法とか化学療法だとか緩和ケアに関する教育を実施していますけれども、ただ、がんに特化した講座を置く大学は増加しているものの、まだまだ十分ではなくて、この事業の意義は大きいんじゃないかなというふうに考えています。
 確かにこの事業については、昨年の五月に行われました中間評価において、この事業を行っている大学の中には評価が低いものが存在するなど課題も指摘されているとは承知をしています。
 ここで文科省にお伺いをしたいんですけれども、この事業ががん医療に関わる人材育成に果たしている役割についてどう認識されているのか、御答弁をお願いします。
○政府参考人(常盤豊君) ただいま御指摘をいただきました平成二十四年度より実施をしておりますがんプロフェッショナル養成基盤推進プランについてでございます。
 平成二十七年度までにこの事業によりまして、これは専門分野は様々でございますけれども、専門医師の養成という観点から、専門とする医師については千三百六十六名、そしてがん治療を専門とする薬剤師について百六名、看護師等のメディカルスタッフ八百四十七名ということで、合計二千三百十九名を受け入れております。事業を開始いたしました平成二十四年度は四百七名でございましたので、その後の三年間で千九百十二名受け入れているという状況でございます。がんに特化した四十三講座が設けられているというような進展もございます。そういう点で一定の成果が上がっているというふうに考えてございます。
 一方で、御指摘のとおり、昨年五月の中間評価におきまして課題とされました更なる大学間連携の推進であるとか、あるいは成果を地域社会に還元をしていく、そういう方向に向けた取組を推進するようにということでございますので、その点について文部科学省といたしましては引き続き各大学での取組を支援してまいりたいというふうに考えております。
○新妻秀規君 今、やはり文科省さんとしてもこの事業は意義があるということを御認識されていると確認ができました。この件については引き続き取り上げていきたいと思います。
 次に、福島の教育旅行の推進について伺いたいと思います。
 本年三月、福島県のいわき市で行われました党の復興加速化会議で福島県から要望をいただきました。どういう要望かというと、教育旅行が震災前の半分以下の水準にとどまっており、その復興が喫緊の課題だ、こういう御要望でした。
 資料の一を御覧ください。この資料の一の折れ線グラフのオレンジ色が教育旅行なんです。震災の年からどんともう一気に減りまして、今ちょっとずつ戻しているものの、震災前に比べると四九・四%、半分に行っていないという状況です。
 何でこんなふうになっているのかというと、次のページ、資料の二を御覧ください。この資料の二の右側、これ福島県の教育旅行パンフから取ってきたんですけれども、保護者の放射線被曝への不安、これがやはり教育の現場として考慮せざるを得なくて、福島県外に教育旅行の先を移してそれっきり戻ってきていない、こんなようなことが原因なんじゃないかなというふうに予想をしております。
 ここで文科省さんに伺います。何で震災後、福島への教育旅行が減ってしまったのか、分析をお示しください。
○政府参考人(小松親次郎君) お答え申し上げます。
 東日本大震災及びこれに関連して起こった様々な出来事等の影響によりまして、震災から五年が経過した現在でも、ただいま資料等で御指摘のありましたような状況が起こっているというふうに承知をいたしております。
 それで、私ども、教育旅行の関係と申しますと、例えば公益財団法人日本修学旅行協会というものがございますけれども、こういうところへいろいろ聞き取りをしておりますところによりますと、東日本大震災直後の平成二十三年度に実施された修学旅行については、震災そのものの影響によって当初の予定を変更したというような学校での主な理由は、余震への不安とか計画停電、交通機関の利便性といったものが挙げられておりましたけれども、現在では放射線に関する理解の不足等が主な要因と考えられるというようなお考えでございました。こうした点がいろいろ影響しているものと見ております。
○新妻秀規君 やはり放射線ということが大きいのかな、不安が大きいのかなということが分かりました。
 次に、福島への教育旅行を増やす取組についてお伺いをしたいと思います。観光庁さん、そして文科省さん、震災後、福島への教育旅行を増やすためにどんな取組をしていたのか、まず観光庁さんから御答弁をお願いします。
○政府参考人(加藤庸之君) お答え申し上げます。
 観光庁では、福島県における観光関連支援事業ということで、同県が実施をいたします観光関連事業に対して支援を行ってきております。教育旅行関連では、具体的には、同県が実施をしますモニターツアー、これは教員あるいは生徒の方に実際に福島の被災地に来ていただいて視察をしていただくという、こういうツアーでございますが、こういうものの実施、あるいは震災学習プログラムの造成、県外への情報発信、こういった取組に対して支援を行ってきております。また、先月三十日に安倍総理の下で取りまとめられました明日の日本を支える観光ビジョン、この中におきましても、PTA等に対する現地視察ツアーを通じた防災学習も含めて、教育旅行を再び促進するというふうになってございます。
 これも踏まえまして、観光庁としては、引き続き、文部科学省あるいは復興庁とも連携をして福島への教育旅行の推進に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○新妻秀規君 じゃ、続いて文科省さん、お願いします。
○政府参考人(小松親次郎君) 文部科学省といたしましては、まず観光庁との連携によるものでございますけれども、平成二十三年八月に、各都道府県教育委員会等に対して、風評に惑わされることなく、現地の正確な情報に基づいて、福島県を含みます東日本への修学旅行の実施をしていただきたいという通知、観光庁の意向を周知いたしました。これは、三年たちました平成二十六年九月にも、先ほど御指摘のありました、震災前を修学旅行の件数が大きく下回る状況が依然として続いていることから、同旨の周知を行っております。
 それからまた、文部科学省自身といたしまして、教育委員会、それから校長会、PTAといったような関係団体ございます、こうしたところにそうした旨を働きかけております。当該団体の主催する会議において、復興庁とそれから福島県の担当者による通知の内容や福島県のバス代補助事業といった様々な取組の説明の機会を設ける、あるいは文部科学省自身がその説明をするというようなことを行っております。平成二十六年度以降で申し上げますと、五十七回、延べでございますけれども、それぞれ多くの参加者を得て周知を図っているところでございます。
 引き続き努めてまいりたいと考えます。
○新妻秀規君 観光庁さん、文科省さんには、今の事業を是非とも推進をしていただきたいと思います。
 次に、先ほどの文科省さんの御答弁で、やはり放射線への不安というのが福島の教育旅行が少なくなっている原因だということが示されました。資料の三を御覧ください。確かに、福島第一発電所の近くでは線量が高いところもございます。
 ここで文科省さんにお伺いをしたいんですが、福島県で教育旅行をする場合、放射線の影響をどのように考えたらいいのか、御答弁をお願いします。
○政府参考人(小松親次郎君) 教育旅行先、特に学校で行うものにつきまして、その選定に当たりましては、その教育目的やそれから場所の安全性といった様々な要素を考慮して学校や教育委員会において判断をすることになります。それぞれの見聞を広める、あるいはまさしく震災や防災に関する知識を深める、そういった様々なものがあり得ると思います。それぞれを総合的に勘案して学校において判断をするということが必要だと思います。
 それから、その中で福島県の教育旅行を考えるに当たりましては、文部科学省としては、当該地域の教育旅行については、もとより特段の制限を定めているわけではございません。そして、先ほどのお話のように、いわゆる風評等でそういった点に問題が生じないように努力をしているわけでございますけれども、これを踏まえまして、政府の定める避難指示区域、あるいは旅行先の放射線モニタリング情報等を踏まえて、学校等において適切に判断するものと考えます。
 先ほど、観光庁さんと連携して情報を累次教育委員会等に周知したということを申し上げましたけれども、このような中では、例えば福島県で教育旅行ワンストップ窓口といったようなものを行っております。こういったものの紹介、あるいは体験的な学習プログラムの紹介、これは教育目的の面でございます。そして、放射線に関する情報は福島県ではどのように出しているか、こういったものを併せてお出しするようにしております。こうした点を教育的な観点から学校なり教育委員会で考えていただくということが必要だと思います。
○新妻秀規君 最後に大臣に、今、風化と闘わなくちゃいけないという観点あると思うんですけれども、大臣から、福島への教育旅行の意義、価値、また、先ほど参考人から御紹介があった福島の教育旅行を是非とも推進をしていただきたいというふうに思うんですけれども、それについての御所見をお願いをいたします。
○国務大臣(馳浩君) 文科省としての詳しい取組は小松局長から申し上げたとおりでありますが、やはり震災を風化させないということ、また原子力発電、これは我が国にとってどういう意味を持っているか、そして事故が起きたときにどういう事態になったのか、こういうことについて学ぶある意味での一つの現実的な教材だと思います。また、そういった中で、福島県の自然や、またおいしい果物とかそういったものに触れてもらいながら、福島にはふるさとがある、このふるさとをやっぱり奪ってはいけないし奪われてはいけないんだと、そういうことを学ぶ意味でも福島へ教育旅行に行っていただくことは極めて価値が高いと、こういうふうに考えております。
○新妻秀規君 ありがとうございます。
 終わります。
○松沢成文君 今日、私はオリンピック・パラリンピック東京大会の準備について幾つか質問したいと思います。
 まず、オリンピックといえば、その象徴は聖火であります。古代オリンピックの発祥の地、ギリシャのオリンピアから採取して、その聖火が運ばれてきて、聖火の開会式での点火というのはハイライトになるわけですね。ただ、東京大会においては、この聖火台というのをどこに置くか、どこに造るのかというのが全くこれまで議論忘れてきちゃったという大失態を犯したと私は認識しています。
 聖火台というのは普通、国立競技場の中にあるというふうになりますから、それを造るのはJSCであり、その責任は文科省にあるわけですね。ところが、聖火台というのはオリンピックのための聖火台ですから、そういう意味では組織委員会が責任を持つべきだという意見もあると、こういう責任のなすりつけみたいな報道も出ていました。
 そこで、組織委員会の会長の森喜朗先生は、この問題の悪いのは馳浩だと、こう呼び捨てで指摘されています。ということは、組織委員会の会長が、悪いのは馳浩だと言ことは、責任は文科省、JSCを所管している文科省にあるんだというふうに言っているようにも見えるんですが、この聖火台の設置問題についてはどこが責任を負うんでしょうか。JSCと文科省なのか、あるいは組織委員会なのか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(馳浩君) 二〇二〇年東京大会の聖火台に関しては、新国立競技場の整備計画については遠藤オリンピック・パラリンピック担当大臣です。実際の整備事業は、JSC及びこれを所管する私、文部科学大臣にあります。聖火台の活用を含む二〇二〇年東京大会のセレモニー等の企画運営は組織委員会であります。それぞれの立場で責任を有しておりまして、今後ともお互いに連携を図ってまいりたいと思います。
 森会長が私のことを呼び捨てにした問題については、これは委員も御存じのように、森会長と私の長い長い人間関係の中での叱咤激励と受け取っておりますし、同時に、あの馳浩呼び捨て事件の裏にあるのは、重要な問題は連携を取りながら進めていかなければいけない、連携を取るのは、オリンピックを開催するのは東京都、新国立競技場の今現状の責任者は遠藤オリパラ担当大臣、しかし所有者というか、JSCが所有者ですが、それを所管しているのは文部科学大臣、そして運営するのは組織委員会、このそれぞれが、この聖火台設置の問題についてのみならず、あらゆる問題について常に連携、情報共有をしながら進めていかなければいけないということの示唆を与えたものだと、そういうふうに認識をいたしております。
○松沢成文君 連携を取るには、どこかが認識をしていて、ほかの関係の場所とも連携を取ってやっていきましょうというのが普通だと思うんですが、全てが忘れていたというのは、もうこれ指摘されない限り連携取れないわけですから、ここはちょっと反省をしていただきたいと思います。
 そこで、IOCはこの聖火台については、まずできればメーンスタジアムの中が望ましい、そしてスタジアム内の全ての観客から見える場所に設置することが望ましいというふうに規定されているというふうに聞いています。
 さあ、これ、たしか新国立の基本設計が公になるのが四月の下旬と聞いておりますけれども、じゃ、現時点でスタジアムはこのIOCの条件を全うできる形になっているんでしょうか。消防法の関係で、屋根に木材を使うからそこが難しいんじゃないかとか、いろいろ出ていましたけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(馳浩君) 聖火台の設置場所については、現在、御指摘のIOCガイドラインやこれまでの事例も参考にしつつ、遠藤大臣の下に設置されているワーキングチームにおいて検討されているものと承知しております。
 また、聖火台の設置主体及び費用負担者については、聖火台の後利用などの観点も踏まえながら今後関係者間で検討されることとなっておりますが、ワーキングチームにおいては、新国立競技場の工費も工期も変更しないことが基本方針として確認をされております。
○松沢成文君 しっかりと検討して早めに国民に知らせていただきたいと思います。
 次に、東京オリパラ大会の総経費、費用ですね、これについても様々な報道が乱れ飛んでおります。報道というよりも関係者がいろんな発言をされているんですね。昨年の七月、森会長は二兆円超すんじゃないかと。
 これ、招致段階では、大会の運営費と、あと、設備をちゃんと造っていかなきゃいけない、この設備費みたいなもの全てで七千三百億だったわけですね。それが、もう組織委員会の会長は、二兆円超すんじゃないかと、そして、舛添東京都知事は、豪華な外遊で乗りもいいですから、三兆円ぐらい必要じゃないかと、こういう発言もされています。
 それで、昨年の十二月は一部報道機関から、運営費だけでも、運営費というのは七千三百分の三千ですよ、招致段階では三千億円と言われていた運営費だけでも、その六倍の一兆八千億円になるんじゃないかと、こんな数字が乱れ飛んでいるんですね。それを受けて事務総長の武藤さんが、今精査中ですと、これからしっかり精査をして夏頃までにはIOCに報告できるようにしたいと思いますとかコメントを出していましたが、現時点でおよそどれくらいと見込まれているのか、オリパラ担当副大臣、冨岡副大臣に来ていただきましたが、冨岡副大臣は組織委員会の副会長でもありますからこうした議論をしっかりやられていると思うんですが、いかがなんでしょうか。
○副大臣(冨岡勉君) 松沢委員に質問にお答えいたします。
 今おっしゃいましたように、それらの報道については承知しておりますが、大会経費については、現在、組織委員会において、東京大会成功に必要な業務の全ての洗い出しを行っております。組織委員会では、業務の洗い出しを踏まえ、大会開催経費の見直しについて、今年の夏頃にIOCと調整できるよう作業を進めているところであります。
 このため、現時点において東京大会全体に係る経費についてお示しすることはできませんが、大会に関して様々な要望がある中、組織委員会において、必要性の有無や更に効率的、効果的なものがないかなどについてしっかり精査し、大会に対する国民の信頼を損なうことがないように取り組む必要が考えており、政府としてもこうした作業が確実に進むように促してまいりたいと考えております。
○松沢成文君 ちょっと細かい項目も聞きたかったんですが、時間がないんでちょっと飛びますが、三月三十一日、このオリパラ大会の費用負担とか役割分担をめぐって森組織委員会会長、遠藤オリパラ担当大臣、舛添東京都知事が三者会談を行って、費用分担の見直しもこれ協議したんですね。
 でも、これ率直に、もう本当に国民の疑問として、全体の費用が分からないのになぜ費用分担の見直しの議論ができるんですかという話なんです。
 例えば、全体、今まで七千億だったのが二兆円ぐらいになりそうだと。組織委員会が担当する大会運営費はこれぐらい集められるけれども、これぐらい増えちゃって、これはもう税金投入してもらわないとやれないんだと、だから、東京都さん、この部分はやっていただけますか。初めてそこで話ができるのに、全体は幾ら大きくなるか全く分からないのに、費用負担の見直しとか役割分担、できるはずないでしょう。こういうところがまず全くおかしいんですよ。
 ですから、副会長、会長に言ってください。やり方おかしいですよと。ですから、まず、このなぜ見直しが、まず全体の予算が示されてないのに見直しができるのか。どうですか、おかしいと思わないですか。おかしいと思ったら会長にしっかり言ってください。
○副大臣(冨岡勉君) 確かに三月三十一日の三者の会談は、衆議院本会議において遠藤大臣より答弁申し上げたとおり、三者が定期的に直接会談し、情報を共有するなどの取組を通じ、大会の成功に向けて関係者が一体となって取り組むためのものとして行われたものであります。
 また、その御指摘のように、この会談において東京都知事、組織委員会の委員長、オリパラ大臣が適宜三者で直接協議し、連携協力を促進していくことに合意したのは私も知っているところであります。
 今後は、役割分担、業務分担の明確化等について、リオ大会の状況を踏まえながら、我々も横串を通すような会議を設けておりますので、このように先般の会談において具体的な費用負担、委員御指摘のように、きちんと詳細なものが出るような取組を行っていきたいと思っております。
○松沢成文君 副大臣、ロンドン大会では、大会の五年前に公的資金が幾らぐらい掛かるかというのを、たしか一兆六千億だったですけど、ちゃんと国民に公表して、それ以降、議会の委員会と監査局みたいなのがあるんですね、そこで、果たしてこれでいいのかというのを全部国民の前で議論をしてきているんですよ。
 東京大会は、もう四年前なのに、全体像全く分からない。公的資金、だって、組織委員会のお金で足りなければ東京都が補填する、それでも足りなければ国が補填する、全部これ税金ですよ。こういう形になっているのに、全くそれが明らかにされてないんですね。
 森さんも、舛添さんも、もう二兆、三兆という、もう事前のアナウンス、うまく出しているわけですよ。膨大に掛かってしまうんだと、国民、覚悟してくれよとアナウンスしているわけですから、IOCに予算案を出す前に国民に対して、だって、これは税の投入を当初の予想よりももっともっと増やしてやっていかなきゃいけないんだから、きちっと国民にまず公表する必要があると思うんですが、そこはいかがでしょうか。
○副大臣(冨岡勉君) 委員のおっしゃるとおりだと思います。
 我々は、今、東京オリンピック競技大会、東京オリンピックに向けた政府の取組として、本年一月二十九日に定期的にそういった取組を発表するような機会を設けております。
 その中で御指摘のあったような点について協議をしていきたいと思っておりますが、いろいろな費用面での見積り等が、現在資材の高騰等で、的確に、決まったところから七年、刻々とそういう見積りが変わってくるわけでありまして、組織委員会等でもそれらを毎年毎年見直すということではなく、一応ざっくりとした値というのは把握するようにしておりますけれど、個々の項目については今現在議論をしているところだと御理解いただければと思っております。
○松沢成文君 時間がないので最後の質問にします。
 これは馳文科大臣に伺いたいんですが、五輪の組織委員会なんですけれども、新国立の建設問題、あるいはエンブレムの問題、聖火台の設置問題、そしてまた今回の費用負担の問題でも、非常に不透明で、ある意味で放漫財政で、私は国民の不信感を買っていると思うんですね。私は決して個人攻撃するわけじゃないんですが、やはり大会組織委員会の私は人心一新すべきだと思います。
 というのは、トヨタ自動車の豊田副会長が辞任されましたね。その理由はちゃんとお聞きになっていますか。私は、豊田副会長は、組織委員会の不透明性、放漫財政、こんなままでやっていて副会長として責任を負わされたらたまらない、そう思って辞めたんですよ、私はそう考えています。
 今、森会長、これまで頑張られてきたと思います。しかし、もう年齢の問題もある、健康の問題もある。森会長自身も自分はオリンピックまでやるつもりはないと言っているんですね。それ一番困るんですよ、もうずるずるずるずるやっていて、やっぱりオリンピックの直前に辞められたりしたら。これはオリンピック成功させるための危機管理の問題なんです。ですから、大臣は会長と師弟関係にあると言っているから、子分である大臣の方からきちっと親分に進言してあげないと。やはりオリンピックを成功させるためには組織委員会の人心一新が必要だ、森会長、本当にこれまでありがとうございました、あとは我々がきちっとやって、すばらしいオリンピック成功させますからと。
 私は、会長も含めた人心一新をしていかない限りこの組織委員会の体質は続いていくと思いますが、大臣としての見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(馳浩君) 新国立競技場の建設問題、エンブレム問題等、また今回の聖火台の課題にしても、それぞれ国民から御批判があるということについてはこれは真摯に受け止めて、いわゆる関係者、連携取りながらしっかり進めていきたいと思っています。
 森会長の問題については、このオリンピック招致が決まったのが二〇一三年。七年前ですね、この七年間の間に、あらゆるやっぱり状況は、我が国の経済状況もあれば国際的な動向も含めていろんな状況が変わり得ることがあります。そんな中で、招致委員会で約束したことがなかなか全て実現できるとは限らない状況になっていることは、もう皆さんこれは御承知のとおりであります。そんなときに、IOCと、また東京都と、また我々政府と連携を取りながら、一つ一つの課題に直面するたんびに調整をして決断を下していく、そして、特にIOCとの関係性においても森会長の果たすべき役割、発言力は絶大なるものがあります。
 私の立場でいえば、命ある限り最後までしっかりやれと、こういうふうに私は督励しているつもりでありますし、同時に、もちろん心配しておるのは健康問題であります。健康に配慮しながらも、海外とのやり取り、出張、国内における各競技団体や各経済団体とのやり取りを非常に精力的にこなしておられますので、また今行っている業務をしっかりとやっていただきたいと、そういうふうに思っています。
○松沢成文君 時間ですので、ありがとうございました。
○委員長(石井浩郎君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
○委員長(石井浩郎君) 次に、国立大学法人法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。馳文部科学大臣。
○国務大臣(馳浩君) この度、政府から提出いたしました国立大学法人法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 我が国の知的基盤として全国に配置される国立大学は、新たな価値を生み出す知の創出と、それを担う人材の育成を通じ、複雑かつ高度化する社会の課題の解決やイノベーションの創出に貢献し、我が国社会の豊かさや国際競争力の向上に大きく寄与するものであります。
 一方で、今日、大学間の国際的な競争が熾烈さを極める中、諸外国との人材獲得競争に後れを取ることなく、我が国におけるイノベーションの創出や社会的課題への対応を主導する人材を育成できるよう、世界最高水準の教育研究拠点の形成などを含め、我が国の国立大学の教育研究水準の一層の向上を図ることが求められております。
 この法律案は、大学運営に関する国際的な水準を踏まえた高い次元の目標設定を行い、卓越した教育研究活動を展開することで我が国の学術研究と人材育成を牽引する国立大学法人の形成を図るとともに、全ての国立大学法人等が、地域や社会からの期待に応え、高い付加価値を生み出す教育研究活動を実施することができるよう、所有する資産の有効活用を通じ、経営力の強化を図るための措置を講ずるものであります。
 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
 第一に、文部科学大臣は、申請のあった国立大学法人のうち、世界最高水準の教育研究活動の展開が相当程度見込まれるものを、国立大学法人評価委員会の意見を聴いて、指定国立大学法人として指定することができるものとし、指定国立大学法人の中期目標を定め、又はこれを変更するに当たっては、世界最高水準の教育研究活動を行う外国の大学の業務運営の状況を踏まえなければならないものとしております。また、指定国立大学法人について、研究成果の活用促進のための出資対象範囲の拡大、役職員の報酬、給与等の基準の設定における国際的に卓越した人材確保の必要性の考慮等の特例を適用することとしております。あわせて、文部科学大臣は、大学の運営に関して高い識見を有する外国人を国立大学法人評価委員会の委員に任命することができるものとしております。
 第二に、国立大学法人等は、業務の遂行に支障のない範囲内で、その対価を教育研究水準の一層の向上を図るために必要な費用に充てるため、文部科学大臣の認可を受けて、所有する土地等であって、業務のために現に使用されておらず、かつ、当面使用されることが予定されていないものを貸し付けることができるものとしております。また、国立大学法人等のうち文部科学大臣の認定を受けたものについては、当該国立大学法人等が受けた寄附金を原資とする部分であること等の要件に該当する余裕金の運用方法を拡大するものとしております。
 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○委員長(石井浩郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十三分散会