第190回国会 厚生労働委員会 第7号
平成二十八年三月二十二日(火曜日)
   午後三時一分開会
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   委員の異動
 三月十八日
    辞任         補欠選任
     井原  巧君     高階恵美子君
     石橋 通宏君     長浜 博行君
     藤田 幸久君     西村まさみ君
     小池  晃君     辰巳孝太郎君
 三月二十二日
    辞任         補欠選任
     長浜 博行君     石橋 通宏君
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  出席者は左のとおり。
    委員長        三原じゅん子君
    理 事
                島村  大君
                高階恵美子君
                羽生田 俊君
                津田弥太郎君
               佐々木さやか君
    委 員
                赤石 清美君
                有村 治子君
                石井みどり君
                太田 房江君
                木村 義雄君
                武見 敬三君
                藤井 基之君
                古川 俊治君
                足立 信也君
                小西 洋之君
                長浜 博行君
                西村まさみ君
                森本 真治君
                長沢 広明君
                辰巳孝太郎君
                東   徹君
                川田 龍平君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  竹内  譲君
       厚生労働副大臣とかしきなおみ君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       三ッ林裕巳君
       厚生労働大臣政
       務官       太田 房江君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林  仁君
   政府参考人
       総務省情報通信
       国際戦略局長   山田真貴子君
       法務大臣官房審
       議官       金子  修君
       法務大臣官房審
       議官       富山  聡君
       法務省保護局長  片岡  弘君
       文部科学大臣官
       房審議官     徳田 正一君
       厚生労働大臣官
       房審議官     堀江  裕君
       厚生労働省健康
       局長       福島 靖正君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局長  中垣 英明君
       厚生労働省職業
       安定局派遣・有
       期労働対策部長  坂口  卓君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       香取 照幸君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    石井 淳子君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    藤井 康弘君
       厚生労働省老健
       局長       三浦 公嗣君
       厚生労働省保険
       局長       唐澤  剛君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       北島 智子君
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  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (社会的養護が必要な子どもに対する支援の在
 り方に関する件)
 (生活保護受給者に対する資産調査の在り方に
 関する件)
 (独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機
 構による求職者支援訓練に関する件)
 (沖縄県における戦没者の遺骨収集に関する件
 )
 (インターネット依存の対策強化の必要性に関
 する件)
 (障害を持つ女性の差別解消に向けた方策に関
 する件)
○雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
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○委員長(三原じゅん子君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十八日、井原巧君、藤田幸久君、小池晃君及び石橋通宏君が委員を辞任され、その補欠として高階恵美子君、西村まさみ君、辰巳孝太郎君及び長浜博行君が選任されました。
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○委員長(三原じゅん子君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三原じゅん子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に高階恵美子君を指名します。
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○委員長(三原じゅん子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長香取照幸君外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三原じゅん子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(三原じゅん子君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○西村まさみ君 民主党、西村まさみでございます。
 今日は、準備した質問の前に、朝日のデジタル新聞という中で、今朝ちょっと見たことがありました。それについて最初に、質問通告はしておりませんが、大事なことなものですからお尋ねをしたいと思います。
 今日、私がぱっと見たときに一番最初に目に付いたのは、虐待死の可能性、国の集計の三倍から五倍、小児科学会が初推計という見出しでした。年間で約三百五十人もの子供が虐待で亡くなった可能性があるとの推計を日本小児科学会がまとめているんです。
 国では、大体年間六十九から九十九名と、随分その差があるんですけれども、これ非常に問題だと私は思います。やっぱり防げる可能性がある子供の死というものはきちっと分析をしなければなりませんし、小児科の先生方が任意で四つの市町村、県とでやっているんですけれども、その数字と余りにも乖離しているということはこれはあってはならないことだと思いますが、大臣、こういうことの数字、こういうことの調査というのは厚生労働省がまず先にするべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) いわゆる死因究明に関しては、全般的に、まず第一に、いろいろな御議論があって、議員立法もできたりしておりますが、とりわけこの子供の虐待の問題につきましては様々なケースがあり得るわけでありますから、今回新聞報道で私も拝見をしておりますけれども、中身についてまだ詳細に話があったわけではないので何とも言い難いところでございますけれども、正確な数字をつかんだ上で、私たちはそのことの深刻度というものを深く心に刻んで行政対応していかなきゃいけないんだというふうに思いますので、いずれにしても、ゼロ歳で亡くなる方が今分かっているだけでも四割以上、それも多くは生まれたその日にということであれば、統計上、いろいろ全部カバーできているかどうかということを考えたくなるようなこともあり得るかなとは私もかねてから思っておりましたが、改めてどういうことが起きているのか、真実、真相を解明をしていく努力は不断に続けていかなきゃいけないというふうに思います。
○西村まさみ君 大臣、ありがとうございました。
 なぜこれを最初に聞いたかと申しますと、今日は私は社会的養護が必要な子供たちについて大臣にお尋ねしたいと思いましたので、先に聞かせていただきました。やはり虐待死が見逃されるというようなことがないように、しっかりと国での取組も、大臣、先頭になってやっていただきたいと思います。
 それでは、いわゆる今日は里親制度、養子縁組制度につながるような話をちょっとさせていただきたいと思いますが、平成二十六年度の人口動態統計によると、御承知のように、出生数は百万三千五百三十九、合計特殊出生率は一・四二、これを一・八に目指すということを今政府は取り組んでやっていらっしゃると思いますが、私は毎回この厚生労働委員会でも質問をしてまいりました。社会の宝である子供への投資、これは大事なことなんだと、これは未来につながるんだということを度々申し上げてまいりました。
 今現在、いわゆる社会的養護が必要な子供たち、実に四万六千人存在すると言われています。国として公的な責任の下で社会的に養護を行うということ、これは当然のことであり、過去も私も質問をしてまいりました。
 まず、今の現状、子供たちはどのようなところで生活しているか、厚生労働省にお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(香取照幸君) 御答弁申し上げます。
 保護者のいないお子さん、それから様々な理由で家庭で養育が困難なお子さん、あるいはDVですとかあるいは児童虐待を受けたお子さんにつきましては、今先生お話ありましたように、児童福祉法に基づいて、社会的養護と我々呼んでおりますが、里親あるいは児童養護施設等でお預かりをしております。その合計数は今お話ありましたように、今四万六千人でございます。
 このうち、私ども家庭養護と呼んでおりますが、里親あるいはファミリーホームでお預かりしているお子さんが、里親につきましては四千七百三十一名、登録里親数でいいますと九千九百四十四世帯ございます。ファミリーホームにつきましては、同様に二百五十七か所、委託されている児童数は千百七十二名ということでございます。これは二十六年度末の数字でございます。
 他方、施設に関しましては、施設養護と我々呼んでおりますが、時点がちょっと違いますが、二十六年十月一日現在、児童養護施設が六百一か所で、入所されております児童数が二万八千百八十三名。乳児院につきましては百三十三か所、入所児童数が三千二十二名。情緒障害児短期治療施設といったその他の施設が全体で四百六十一か所、入所児童数が九千百二十一名でございます。このうち、母子でお預かりしている母子生活支援施設がございますが、こちらが二百四十七か所で五千八百四十三名、これは内数ということでございます。
 なお、養子縁組もございますが、養子縁組につきましては、これは司法の方、法務省さんの統計ですが、二十六年度で普通養子縁組のうちで家庭裁判所の許可で成立した養子縁組の件数が七百十件、それから特別養子縁組というのがございますが、こちらの成立件数が五百十三名ということになってございます。
○西村まさみ君 ありがとうございました。
 今、局長に教えていただきました数字を見てみても、明らかに施設で生活をしている子供たちが多いということが分かると思います。何より子供が育つ環境というのは、私は恒久的な家庭の中での養育というものがこれは大変望ましく、全ての子供は、たとえどんな環境で生まれてきたとしても、家庭の中で家族の一員として親から、家族から愛されて、そして育てられる権利はあると思うんです。今の日本の制度を例えば変えるなら、子の利益のために、どうやって子供の権利を守っていってあげられるかという制度にしていかなければならないと思います。
 そこで、よく言われている第一原則は、当然ですが生みの親、実親です。そしてその次が、生みの親への復帰が困難だったりした場合は養子縁組、普通養子縁組や特別養子縁組であったり、そしてそれも難しい場合は里親制度、そして最後がやはり施設で生活するのが、これ、いいとは言いませんが、この順番は大原則だと私は思っています。
 大臣は、衆議院の方の委員会でもお答えになっていらっしゃいましたが、党内でお勉強会をずっとしていらしたり、愛知方式を実際に見に行かれたりしています。
 大臣、私が言っている、また今世の中で言われている施設の中で育った子はかわいそうとかいうのではなくて、どの子も家庭的な中で愛情を持って育てられる仕組みというものが大事だと思うんですが、大臣、何か思うところがあったら是非お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お話しのとおり、世界からもいろいろ指摘をされているのは、やはり日本は少し施設に偏重していないかということであります。
 施設に私ども全国でいろんなところに行ってまいりましたけれども、それぞれもういっぱいいっぱいで皆さん子供さんのお世話をしていただいていることはもう間違いのないことだと思っておりますし、また、地域での里親への支援とか、いろんな形で親御さんの支援まで含めてやっていますが、やはり子供から見た親というものをいろいろ考えてみれば、私はあるべき姿の順番は、先生おっしゃったとおり、実の生みの親であり、次に養子、それも特別養子縁組を含めて、そして、それがかなわなければ里親、ファミリーホームということで、その後、施設の中でもやっぱりできれば家庭的な小規模なところで接してもらうということが大事だと思いますが、やはり子供から見ると、家から親が出勤していくというのが当たり前ですが、施設である限りは、職員の皆さんが外から出勤、朝してくるというので、全く逆の関係で育っていくというのは、やはり愛着形成が必要な特に小さい頃を含めて、やはり本当の親に近い、親子の関係に近い形をやっぱり優先的に我々は配慮をしていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思っております。
○西村まさみ君 そうなんです、大臣。やっぱり逆なんですね、生活形態というか。
 そして、多分、施設で働いている全ての方が我が子のようにかわいがって育ててくださっているとは思います。しかし、実の親とか里親とか、いわゆる養親と違うところは、時間が来たら交代する、そして配置転換があったら何年かでどこか違う場所に行くと、子供の目線から見たときに自分をかわいがってくれる人がいつも替わるということ、これはやはり家庭ではあり得ない、あり得にくいことなんだと思うんです。
 だから、何しろここのところに視点を付けてこれから考えていかなければならない時期に来ていることは御理解いただけていると思うんですが、ただ、養護施設、実は社会的養護が必要な子供たちと一言で言ってもゼロ歳から十八歳までいるわけですから、どの年代に、いろんな問題を抱えていたとしても、私はまずやはり一番最初、誕生しておぎゃあおぎゃあと生まれたあそこから考えるべきだと思っています。一遍に全員をいきなり施設から家庭的な雰囲気というわけにいきません。まず先に乳幼児からやるべきだと思うんですが、それまでに、今十八歳、要は施設を出なければならない年齢のときに困っていることもあります。
 御承知だと思いますが、十八歳まで施設の中で過ごしている子がほとんどです。その子たちが社会へ巣立っていったときに、要は、社会で生活していく日常的なことが身に付いていなくて、例えば人とのコミュニケーション、施設の中でいつも育っていますが、今度は他人、他人というか、例えば会社の仲間であったり近所にお住まいの方であったり、その方たちとのコミュニケーションがうまく取れずに孤立化してしまうとか、例えば公共料金の支払い方とか、お金を一度に手にすることがありませんから、せっかく得たお給料もそのときわっと使ってしまって、実は後半数週間は大変苦しい思いをして施設にまた戻ってくると。まだ施設に戻ってくれば職員の皆さんがもう一度日常生活の様々なことを教えてあげてまた出ていくことができますが、そこから先どこへ行ってしまったか分からない子供たちに対するフォローがやはり足りていないんだと思います。
 ただ、こうやって一つ一つを言っていくと本当に切りがありませんので、今日は、最初言いましたように、乳幼児についての視点で質問をしたいと思います。
 この世に生まれて、その子の置かれた環境がその瞬間から決められる。先ほど大臣の御答弁の中にありました、虐待の一番多い年齢、ゼロ歳、生まれたその瞬間というのが一番多い。虐待死ですね。大変残念だと思っています。
 昔から日本では三つ子の魂百までとか、最近では反応性の愛着障害と言葉で表されるように、乳幼児の頃から施設での集団養育が長くて、特定の養育者との信頼関係がうまく築けない。先ほど私が言いましたように、いつも同じ人が自分の周り、わっと泣いたらぱっと見に来てくれる顔がいつも同じではなくて必ず違う、そういった環境の中で育った子供は、その後、養子や里子として迎えられてもうまく家庭の中になじめず、愛着形成がうまくいかないと言われています。そういったこともだんだん分かってきまして、国連のガイドラインでは、幼い児童、特に三歳未満の児童の代替養護は家庭を基本とした環境で提供されるべきであると言っており、兄弟姉妹の分離、若しくは緊急の場合、また家庭的な養育までの短期間のみを除外しています。
 日本での各自治体の取組も調べてみました。そうすると、乳幼児の、家庭で育ち健全に発達する権利がなかなか主張できていないというか、うまくいっていないということが明らかになりました。乳幼児は施設ではなくて里親委託、とりわけ特別養子縁組制度、特別養子縁組になることを前提とした里親委託というものを基本原則にするべきだと思うんですが、いま一度、ここで、里親委託そして養子縁組制度の違いを簡潔に、そして、あわせて、厚生労働省の見解を教えていただきたいと思います。
○政府参考人(香取照幸君) 私どもの里親委託、社会的養護についての基本的な物の考え方でございますが、今先生お話ありましたように、私どもも基本的には家庭的養護、もちろん御自宅といいますか、親との家庭が第一ですけれども、できるだけ家庭に近い養育環境でということで、里親あるいはファミリーホームを基本に考えるという考え方に立ってございます。
 先ほど数字を申し上げましたが、現在の里親、それからファミリーホームで足した数字が、先ほどの数字は一六・五%ということで、全体の二割弱しか里親あるいはファミリーホームではカバーされていないという状態でございます。私どもは、これを三十一年度までに取りあえず二二%まで持ってこようというふうな目標でございますし、平成二十三年に社会的養護の課題と将来像ということで将来の方向性について将来像を取りまとめてございますが、この中では、三分の一までこれを持ってこようと。同時に、児童養護施設、特に本体施設につきましてはこれは全て小規模の形、小規模グループケアに変えようということで進めてございます。
 これ以外に、お話ありましたように養子縁組というのがございますが、養子縁組が二つございまして、普通の里親から養子になっていく養子の里親と、もう一つは、今お話ありました特別養子縁組というのがございます。この二つの大きな違いは、普通の養子縁組ですと、親御さん、元々の実親とそれから養親と、お子さんは両方に関係を持った形で養育されるわけなんですが、特別養子縁組の場合には様々な理由で問題があるお子さんということですので、実は実親との関係を切りまして、実親とは関係ない形で養子縁組、養子を組むという形になります。
 これは民法の制度でございますので民法の中に規定がございますが、現在それは六歳より下のお子さん、言わば、まあちょっとどういう言い方をするか難しいんですが、実親との関係が記憶にないような、そういう小さい段階で行くという形で規定されてございます。この辺の取扱いにつきましては、私ども、大臣の御指示もありまして、この間ずっと専門委員会で今後の社会的養護の在り方について議論してまいりましたけれども、その中でも、よりいま一層この原則を貫徹する、あるいは特別養子縁組につきましてもより社会的養護の方で活用できるような形で制度の見直し、これはもう法務省さんにお願いすることになりますが、そういったことも含めて議論するべきではないかという御議論をいただいております。
 その辺も含めまして、今、今国会に提出するということで準備をしております児童福祉法の改正の中で対応いたしたいと思っております。
○西村まさみ君 そうなんです。特別養子縁組制度、大変いい制度なんですが、なかなかこれ周知されていないという現実、ここを解決しないと広まっていかないんだろうなと私も思っています。
 細かいことにつきましては法案審議のときにしっかりと質疑をしたいと思っていますが、今、例えば、経済的な理由で妊娠はしたけれども子供を育てられないとか、病気だとか、例えば暴力や虐待とかいわゆる性暴力によって妊娠をしてしまったとか、望まない妊娠であったりと、そういう様々な要因の中で子供を出産する人がいる中、また一方では、いろいろな生活習慣とか例えば晩婚化などの影響とともに生殖医療の技術の進歩ということで不妊治療を行っている方もいる。しかし、なかなか始めるときとの期待とは大きく懸け離れて、うまく成功するということも少ないと。
 そういった方々、いろいろな社会的な環境の中で、生まれてきた子供、赤ちゃんには何の罪もない。その子供たちが、できるだけやはり家庭的な雰囲気で、生まれたその日から養親、実親になっていく養親と過ごすということは非常に重要だと思うし、そこをつなげる制度というものをしっかりと構築していくことが今回の法改正であり、新法を作ることにつながるんだろうなと思っています。
 要は、長期に入所児童をつくらない仕組みというものがすごく大事なんですけれども、例えば、実の親の権利は非常に重要というか固い、でも、施設に預けていても一回も面会に来ないとか一度も手紙も来ないとか、そういった親に対して、それでも実親の権利の方が、いわゆる親権というものが大事なのか、子供がこれから生きていく権利が上なのか。これは優劣を付けることはできないと思いますけれども、やはり私は、これからはその辺のところをこの改正の中でしっかりと入れていくことが重要ではないかなと思うんですが、今、施設に入所している子供たちに親が一体一年に何回ぐらい面会するのかとか手紙のやり取りのあるのかとか、そういったことの調査は厚生労働省としては施設にするようにと言ったことはありますか、ないですか。
○政府参考人(香取照幸君) 今手元にちょっと資料ございませんが、施設に入っている、親御さん、里親もそうなんですが、預けられた後、当然、何といいますか、親子再統合ということがありますので、必要があればというか、可能であれば親御さんの元に戻すという努力をこれは児童相談所は行います。その過程で様々な形で親御さんとのコンタクトを取ることになります。これは児相もやりますし、施設側もやりますので、そういう意味では、事情によります。虐待のような場合と、例えば親御さんが経済的な理由でどうしても育てられないのでしばらくの間預けるといったケースもございますので、そういう意味では、子供の状態、子供を預けたときの事情とか状態に応じて、児相なり施設側は親御さんとのコンタクトを取るということをいたしております。
 お話しのように、全く無反応の親御さんももちろんいらっしゃいますし、他方で、例えば自分が病気であったり、そういう事情でお預けしておりますけれども、できれば終わったら自分で手元に戻したいということで、その間もずっと連絡を取ったり面会に来たりする親御さんもいらっしゃいますので、これはかなりケース・バイ・ケースになります。なりますが、私どもとしては、できるだけ再統合というのを念頭に置きながら親御さんとのコンタクトを取るようにしておりますので、ちょっと今手元に数字はございませんが、そういったことはやっていただけるようにということでお願いしております。
○西村まさみ君 とても大事なことだと思いますから、せっかく児童福祉法改正をするのであれば、少しその辺の期限というものを区切るというか、子供の視点で物事を考えていってほしいと思います。
 御承知のように、児童相談所というのは、児童福祉法の施行に伴って昭和二十二年のいわゆる戦災孤児からずっと始まって、時の流れを経て今は虐待の対応にすごく追われています。細かいことになりますから、先ほど言ったみたいに法案の審議のときに説明をして質疑をしたいと思いますが、私はその前にどうしてもお願いしたいことは、やっぱり専門の職員がいないんです。いわゆる虐待も扱うし、不登校や非行の子供たちを扱うこともあるでしょうし、様々なことをする。ただ、先ほど言ったみたいに、特別養子縁組制度とか里親というのは、その育てていただく家庭とその子が本当に幸せになれるかということを見極める専門性が絶対必要だと思いますので、是非とも専任の部署を置くということをお考えいただきたいと思うんですが、その辺はどうでしょうか。
○政府参考人(香取照幸君) これは法案の御審議のときにまた御議論になろうかと思いますが、今回児童福祉法の改正を議論していく中では、里親委託を強化をするということをちょっと考えてございまして、児童相談所側に里親の、何といいますか、開拓といいますか、里親になっていただく方を増やす、あるいは、そういった里親の支援、それは預けるまでもそうですし、預けた後もそうなんですが、そういった支援をきちんとやっていただくということで、そういった里親支援の業務をきちんと法律で位置付けて、児相なり、あるいは場合によっては市町村にお願いをするということも考えてございます。
 あるいは、里親委託につきましては、委託した後のフォローにつきましては様々な民間団体の方も様々に活動していらっしゃいます。今でもそういった方々に委託をする、お願いするということができるようになっておりますので、そういったものも使いながら、また、それで実際、里親委託を増やしてうまくいっている自治体の事例もございますので、そういったものも参考にしながら先生の御指摘を踏まえて進めてまいりたいと思っております。
○西村まさみ君 ありがとうございます。
 私は、この一月から二月にかけてイギリスに視察に行ってきました。いわゆる里親制度というもの、ほかの国と元々その国の文化とか伝統が違うわけですから一律に比べることはできないと思いますが、完全に脱施設化ということで、どんなに大きな施設であっても四、五人の中で育てる、もうとりわけ乳幼児なんかは家庭的な雰囲気というのが大前提になっていました。
 日本がそこに近づく、近づけるという意味では、多分気持ちは変わらないんだろうと思いますし、大臣は衆議院の委員会の中で大変いい御答弁をされていまして、私はまさにそのとおりだと思う言葉だけをちょっと御紹介をして、細かいことは法案審議の中で言わせていただきたいと思いますが、大臣は、親権が強い日本であって、このままじゃいいはずがない、やはり子供の権利を主張するのは、自らできないわけでありますから、これは社会全体で、もっと端的に言えば、法律でもって救える命は救っていかなければならないんじゃないか、そんな中で、その子供の人生を救うという意味においては、特別養子縁組というのは、非常に大事な時期から人間として必要なものをつくり得る制度として、大いに活用していかなければならないんじゃないかということを感じた次第でございますと、全く同感です。
 もうまさに、やはり大臣は、長いこと勉強会通じて、こういう子供の育ちは家庭的な雰囲気でということで愛知方式を実際に見に行って、その特別養子縁組ですばらしいすてきな人生を送られている親子にも会われたと聞いています。その感想を是非一言教えていただきたいと思うんですが、記憶にございますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 去年の夏、六月ぐらいだったと思いますが、愛知に行ってまいりまして、実際に特別養子縁組でできた親子、三組にお会いをさせていただきました。もう誰が見ても本当の親子、子供もそういう感じでありますし、親もそういう感じで全く違和感のない親子であって、もう本当に愛情を注ぎながら育てていって、子供もそれを受け止めながら育ちつつあるなということを感じましたし、この間、私の大臣室にも、全然違う、関東の方々でやはり特別養子縁組の親子の、これも三組か四組おいでをいただきましたが、本当にすばらしい親子関係の中で愛着形成がなされているんだなというふうに思いました。
 先ほどイギリスのお話が出ましたが、今回、先ほど申し上げたように日本では五百十三件、二十六年度の五百件余りでありますけど、イギリスは五千件ぐらいあるというふうに聞きました。人口を考えてみれば、日本の半分ぐらいの人口、半分強ぐらいでしょうかね、ということを考えてみれば、いかに多いか。
 それから、今先生がおっしゃったように、施設の中で子供の数より職員の数の方が多いと。専門性のある方が、専門的にやはり施設でないと無理な人たちだけが施設に来ているということで、まあ六対一が何十年と続いて五対一になって、今四対一まで来ましたが、向こうはむしろ一対二とかそういう世界でありますので、私たちはやっぱり子供というものを未来を担う存在としてもっともっと大事にせないかぬのじゃないかなというふうに思っております。
○西村まさみ君 大臣と同じ視点でよかったなと思います。今度の法改正がきっと大人の視点ではなくて子供の視点で変わっていくこと、これを期待して、次の質問に移りたいと思います。
 次に、平成二十八年度の社会保険診療報酬改定についてお尋ねします。
 二十六年改定で、歯科の分野で、いわゆるCAD・CAM冠といって、白い歯が保険で収載されるようになりました。今回、大臼歯まで拡大される、大臼歯、奥歯、一番奥の大きい歯まで拡大されるということになりました。大変有り難いと思いますし、私もおととしの六月十九日、いわゆる小臼歯まで入ったときに、なぜ小臼歯だけなんですかと尋ねたときには、当時の局長より、大臼歯に対する適用拡大、大事だけれども、かむ力に耐えられるかデータがないんですとおっしゃいました。昨年四月二十一日に、同じようにデータは集まりましたかと聞きましたら、いえ、まだ集まっていません。そこで、もう一問ということで、同じ四月二十一日に、金属アレルギーで生活保護を受給していらっしゃる方はどのように対応しますかと言いましたら、社会・援護局長は、保険適用ではないので家計をやりくりしていただき治療していただきたいと、そんな御答弁だったんです。
 もう大変残念だというふうにあのときも言いましたが、今回、大臼歯まで、奥歯まで、しっかりかめる歯まで白い歯を導入させていただいたこと、これは関係者の皆様に心から感謝を申し上げるんですが、ですがなかなか、今回には要件が付きました。いわゆる大臼歯については、歯科用金属を原因とする金属アレルギーを有する患者に限り算定できる。ただし、医科の保険診療機関又は医科歯科併設の医療機関の医師との連携の上で診療情報提供に基づく場合に限ると。こう限るということで、金属アレルギーという診断を医科との連携の中で持ってこなければいけないと、それを示さなければいけないということになったと思います。私も実は、土曜日、四月からの改定勉強するので講習会を受けてきましたけれども、何となくその辺のところが曖昧な感じを受けました。
 そこでお尋ねしたいんですが、医師との連携とありますが、具体的には、当然ですがアレルギー、金属アレルギーって皮膚とか口腔粘膜に出ますから、皮膚科とということを想定しているのか、そうではなくて医科全体と連携すればいいのか、その辺のところはどういうことを想定していらっしゃるのか、教えてください。
○政府参考人(唐澤剛君) 先生から御指摘いただきましたように、歯科金属アレルギー問題というのは大変関心が高まってきております。その点で、御指摘のようにCAD・CAM冠、これはコンピューターを用いて設計をしたハイブリッドレジンのかぶせものということですが、これと硬質レジンジャケット冠につきまして、今回の改定で大臼歯まで拡大をしたわけでございます。
 その際に、先生御指摘のように、例えばその大臼歯のかぶせものの治療を行う必要があるということで問診を歯科の先生にしていただいたときに金属アレルギーの疑いが認められると、このような場合には、歯科の先生から医科の先生に診療情報提供ということをしていただきまして、そして金属アレルギーの検査と診断を受けていただくということを想定をしております。これは、診療情報につきましては診療情報提供料という診療報酬の点数が付いておりますので、二百五十点という点数が付いておりますので二千五百円でございますけれども、これを活用していく。そして、その結果につきまして、今度は医科の先生から歯科の先生に対して検査結果などにつきまして診療情報の提供を、これは、今度は医科の方から歯科の方にしていただきまして、そして歯科医療機関におきましてCAD・CAM冠でございますとか硬質レジンジャケット冠を使用するかが決定することになっております。
 これは、特定のもちろん診療所ではございませんけれども、私どもが想定しておりますのは、例えば金属アレルギーの検査をするということになりますと、例えば皮膚科でございますとか、あるいはアレルギー外来というようなところが多いと思いますけれども、もちろんアレルギーをちゃんと診ていただいている内科の先生でも構わないわけでございまして、想定をしているのは全体でございます。
 以上でございます。
○西村まさみ君 想定しているのは全体医科、医科との連携ということですね。例えば、私の診療室は上が皮膚科の先生なので非常に連携が取りやすいんですが、必ずしもそういう状況がない中でとても遠くのところまで行っていただかなければならないなんということが、今の局長の御答弁で医科との連携がしっかり取れればいいということで理解をさせていただきました。
 いろいろ財源の問題とかあるとは思いますが、是非とも、どなたでも奥歯までしっかりと白い歯で、更なる大臼歯全体の拡大をお願いをいたしまして、次の質問に入りたいと思います。
 ライフワークになりました医療機関への指導についてです。
 過去二十六回、この六年弱の間で二十六回、昨年は通常国会で実に七回質問させていただきまして、現状の説明をし、提案をしてくださいというので提案もしました。そして、先々週の予算委員会では、大臣より、来年度の実施に向けてと大変前向きな御答弁をいただきましたことにまず率直に感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
 その中で、来年度の実施に向けてということであるならば、是非とも診療側を始めとする関係者との密な連携をしっかり取っていただかなければならないと思っていますし、先般、日本歯科医師会からも保険局長宛てに要望を出したと聞いています。
 例えば、今までの、私も度々質問しました歯科外来診療環境体制加算とか、今回からある、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所としての施設基準なんというものを新設されました。それを算定すると、当然点数は高くなるわけです。そういうような配置になっているわけです。
 しかし、当然、点数が高いと、今の指導大綱の在り方でいえば、当然高点数となることで集団個別指導の対象となるということ。ですから、見直しに当たっては、私は、集団、個別の対象医療機関に、何度も申し上げるんですが、レセプト一件当たりの平均点数が高いことということではなくて、もう二十年近く触っていないわけですから、今の現状にきちっと鑑みたやり方をしていかないと、国でこうやって、かかりつけ主治医機能を強化してくださいと、点数配分しましたと言っているのに、実際はそれが算定できない、萎縮診療につながってしまうんでは元も子もないと思うんですが、局長、どうでしょうか。
○政府参考人(唐澤剛君) 指導監査の問題につきましては、先生からも度々御指摘をいただいておりますし、それから、関係団体、歯科関係団体からも御意見をいただいております。
 これにつきましては、私どもは三つ大きな問題があると思っておりまして、一つは運用上の問題でございます。例えば、指導実施をいつ実施をするのかというのはいつ頃通知をしてくれるのかとか、あるいはレセプトの提出日の枚数の問題とか、こういうような運用の問題、ただし、これも運用上ではございますけれども、大変大きな影響がございます。
 それから二つ目は、先生御指摘いただきましたような指導大綱の問題として、特に高点数の個別指導の問題につきましては様々御指摘をいただいておりまして、もちろん医科の問題もございますが、歯科の場合は一つの科の診療科の中でということで、ちょっとそこが医科とは違うものがございますので、こうした点も含めて検討する必要があると思っております。
 さらに、もっと大きく言えば、法律と制度の問題ということで、大きなものは三つございますけれども、今御指摘いただきましたような事柄、私が申しました運用上の、実施の通知日の前倒しでありますとか指導の持参物の見直しなどにつきましては、医療、歯科医療等の関係の団体と十分御議論させていただきまして、来年度から、二十八年度ということでございますけれども、見直しができるように現在調整を進めているところでございます。
 それから、適切な指導の問題ということで、大綱の問題あるいは高点数の問題等につきましても、もちろん関係団体と密にお話合いをさせていただいているところでございますけれども、今後更に協議を重ね、そして理解をいただきながら、この見直しを進めてまいりたいと考えております。
○西村まさみ君 ありがとうございます。
 見直しに当たってまたちょっと提案をさせていただきますと、毎回言っていますが、高点数であることと誤った請求をしているということは全く次元が違います。だから、保険ルールに鑑み問題を抱える医療機関の改善を目的として実施されているのであれば、これは何かを言う必要もありませんし、当然しなければいけないことだと思っています。ここは多分同じ認識なんだと思うんですね。
 もう一方で、集団的個別指導を実施した後、対象医療機関に対しては、どこが悪くてどうだったかという改善通知書等による改善項目の指摘がないんです。ただ、翌年には改善していなければ翌々年には個別指導になりますよと。何を改善したらいいのかということは非常に、ただただ保険点数の平均を下げるということであれば、国民に良質な歯科医療の提供なんかこれはできません。
 ですから、そこのところは、もし指導大綱見直しに当たってはこういう細かいところにまでしっかりと、どこが悪いんだからどこを直さなきゃいけないんですよ、これは誤った請求なんだからルール上正しくないんですよということを是非とも指摘をしていただきたいということと、また医療を提供しているわけですから、その医療を提供するに当たって支障のない日にち、今だと、一日この時間に、この日にというだけですけれども、幾つかやはり候補を挙げて、その中で指導を受けてくださいというような柔軟な対応も必要だと思っています。
 この辺の認識は多分一緒でしょうし、ただ、いろいろな問題があることも十分承知をしています。だからこそ、これだけ二十数年間様々なことがあって、いろいろ要求をしたり改善要求をさせていただいてもなかなか先に進まなかったことが一歩ずつ一歩ずつ前進していること、これは本当に心から感謝しますが、何よりも私たち医療機関の使命というのは、国民の健康の保持増進に、やはり、これを自分の使命と思ってやっているわけです。しかも、決められた保険のルールにのっとって患者さんに合った最良の医療というものを選択して提供しているわけです。是非とも医療の質の低下を招くような、萎縮診療につながるようなことだけにはならないように、指導大綱の見直しに向けては十分な連携と各方面からの話を聞いていただくことを最後にお願いを申し上げまして、時間となりましたので、質問を終えたいと思います。
 ありがとうございました。
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎です。
 まず、本題に入る前に、大臣、今子供の貧困ということがいろいろ取り上げられていますが、子供の医療費助成を行っている自治体に対する国からの補助金の減額、これを廃止するということでよろしいでしょうか、決断されましたでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 前申し上げたように、これ、検討会を立ち上げて鋭意御議論をいただいておりまして、今日も会合を開いていただくことになっています。したがいまして、そこでの御議論を踏まえた上で、最終的にどうするかということは決めてまいりたいと思いますけれども、地方公共団体からたくさん御要望が来ていること、そしてまた、国会の中での御議論でも先生と同じように御心配されている方々がたくさんいるということはしかと受け止めて考えてまいりたいというふうに思います。
○辰巳孝太郎君 是非そういう期待の声に応えるように、言われているような就学前だけではなくて、全体に広げていくということを是非決断いただきたいというふうに思います。
 それでは、今日は生活保護利用者に対する資産調査問題について質問をいたします。
 厚生労働省は、昨年の三月三十一日に実施要領の取扱変更の通知を出しました。その内容は、被保護者の現金、預金、動産、不動産等の資産に関する申告の時期及び回数については少なくとも十二か月ごとに行わせることとするものであります。これまで保護の申請時のみとしていた資産申告を毎年一回求めるとしたわけでありますが、これが現場に大きな困惑をもたらしております。この運用変更が生活保護法に違反をしているのではないかということと同時に、人権侵害を引き起こしているではないかという声が上がっております。この観点から今日は質問をします。
 まず、厚生労働省にお聞きしますが、この預貯金の使途が争点となった学資保険裁判、いわゆる、福岡高裁は、保護のやりくりによって生じた預金をどのように判示していますでしょうか。
○政府参考人(石井淳子君) いわゆる学資保険訴訟の控訴審における平成十年十月九日、福岡高等裁判所判決の判決書によりますと、憲法二十五条の生存権保障を具体化するものとしての生活保護制度は、被保護者に人間の尊厳にふさわしい生活を保障することを目的としているものであるところ、人間の尊厳にふさわしい生活の根本は、人が自らの生き方ないし生活を自ら決するところにあるのであるから、被保護者は収入認定された収入はもとより、支給された保護費についても、最低限度の生活保障及び自立助長といった生活保護法の目的から逸脱しない限り、これを自由に使用することができるものというべきである。そうである以上、しかも、実際の生活にも幅があり、支出の節約を図り最低限度の生活を維持しながら保護費等の一部を貯蓄に回すことが可能である(法六十条は、被保護者は、常に、能力に応じて勤労に励み、支出の節約を図り、その他生活の維持向上に努めなければならないとする。)ことをも考慮すると、被保護者において、支給された保護費等を直ちに費消せず、将来の使用に備えてその一部を貯蓄に回すことも、それが国ないし保護実施機関によって最低限度の生活維持のために使用すべきものとして支給ないし保有が認められたものであるとの一事をもって、許されないものと速断することはできないと判示されている。
 なお、学資保険訴訟でありますが、これは平成十六年三月十六日、最高裁判決により被告行政庁敗訴で確定をしまして、同判決を受けて、保護費のやりくりによって生じた預貯金等については、その使用目的が生活保護の趣旨、目的に反しないと認められる場合については保有を容認する運用をしているところでございます。
○辰巳孝太郎君 そうなんですね。生活保護の方は預貯金してはならないと誤解をされている方もおられるんですけれども、それは預貯金が認められる。これは当然だし、そしてその使い方についてもこれは自由であると。なぜ自由でなければならないかというと、これは人が自らの生き方ないし生活を自ら決するところにあると、これは憲法二十五条に根差しているところなんだということなんですね。
 むしろ、貯蓄をしないとやっていけないというのが私は生活保護世帯の実態だというふうに思います。なぜやりくりで貯金をするのかといいますと、例えば冷蔵庫とかクーラーとかそういうものが壊れたときには、生活保護費で支給がされませんので、そのために少しずつでも預貯金しておかなければならない、突然の出費に備えなければならないというのが生活保護の実態であります。
 大臣、確認しますけれども、今回の通知は、この判決で示された自己の決定権、この趣旨をゆがめるものではないということでよろしいですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今おっしゃったように、ゆがめるものではないということでございます。
○辰巳孝太郎君 それでは、一体何のための運用変更なんでしょうか。
○政府参考人(石井淳子君) お尋ねの少なくとも十二か月に一回の資産申告を求める運用に変更した理由でございますけれども、元々収入につきましては十二か月に一回申告を求める形にしていたところでございますが、まず一点目としまして、会計検査院の指摘等におきまして、入院患者などが多額の所持金を保有している事案あるいは死亡後に多額の遺留金品が発見される事案が見受けられました。そのことを受けまして、それが一つの契機でございます。特に、この入院患者等における手持ち金の額を的確に把握すること、あるいは死亡した単身世帯の遺留品の原因を可能な範囲で確認することが必要と、こういったような指摘を受けたわけでございます。
 そして、二つ目でございますが、平成二十五年の生活保護法の改正で第六十条を改正いたしまして、適切な家計管理を促す観点から、生活保護受給者が生計の状況を適切に把握する責務を法律上規定をしたことも踏まえたものでございます。しかしながら、この資産申告自体は従前から生活保護法第二十八条に基づきまして収入認定など保護の決定、実施のために必要なものとして実施をしてきたものでございます。
○辰巳孝太郎君 まず一つ目言われました会計検査の件ですけれども、これ読みますと、会計検査は、金銭の管理を委ねている救護施設やグループホームの入所者の預貯金の話なんですね。一般的な生活保護利用者の話ではないわけですよ。そういう管理を委ねている人について預貯金がたまっていった、そういう例があったと、こう記しているわけですから、これは理由にならないと思います。
 それと、二十八条一項ということを最後におっしゃられましたけれども、これも理由になりません。二十八条は、調査、報告は、臨時収入があると思われるなど具体的な必要性があると、これが法の趣旨ですから、今回は一律に全ての世帯に対して資産調査をするということですから、これも当たらないと思うんですね。
 それと、六十条を踏まえてというふうにおっしゃいました。これも、適切な家計管理はあくまで生活保護利用者が主体的に取り組んでいくことが重要であるというふうに政府はこの間答弁をされておられますし、様々な課長会議などの場でも、健康管理や金銭管理はあくまで受給者が主体的に取り組んでいくことが重要であるため、本規定に定める生活上の義務を果たさないことだけをもって保護の停廃止を行うことは想定しないということに十分御留意いただくようお願いすると、こういうことを政府はこれまで説明をしてきたわけであります。
 これ、主体的に取り組むことに、一律に十二か月一遍やれば、ならないんじゃないですか。どうですか。
○政府参考人(石井淳子君) まず、会計検査院の指摘でございますが、これは二回ございまして、通知の中では確かにグループホームのことについて指摘をされておられています。
 ただ、三月の報告の中におきましては、やはり死亡した単身世帯の被保護者の遺留金品の多額なものについて指摘をされていまして、もとよりこの保護費というのが被保護者の生前の最低限度の生計費の維持のために活用されることの重要性を考慮すると、やはりこの保護費の累積によって遺留金額が多額となる事態は回避する必要があると、こういう指摘があるわけでございます。適切な家計管理についての必要性ということはやはり指摘をされていたわけでございます。
 また、これは一つの契機であったわけでございますけれども、資産活用というのはこの保護受給の要件とされている制度でございます。やはりそこで、このケースでは四百万もの多額な遺留金品が残っていたということも指摘をされておりまして、これは最後に、お亡くなりになったときにその実態がどうであったか把握がなかなか難しいということがございます。そうなりますと、適時に把握をしていくということが勢い論理的な帰結として求められてくるものというふうに考えております。
 そういうことから、やはり国民の信頼を失うことがあってはならない、また被保護者につきましても、最低限度の生計費の維持、そのために使っていただくという、この二つの観点からこうした運用の変更が必要と考えた次第でございます。
○辰巳孝太郎君 では、この通知が発出されて以降、どういうことが現場で起きているのかということを是非知っていただきたいと思うんですね。預貯金、資産の確認だといってケースワーカーが生活保護利用者に対して財布の中まで見せろということを迫っている事例が全国で確認をされております。こういう事例があるということを、厚労省、認識されていますか。これ人権侵害じゃないですか。
○政府参考人(石井淳子君) 事前に辰巳先生から御指摘を受けたところでございますが、それはやはりプライバシーに十分配慮しながら、きちっと説明をしながら丁寧に対応することが必要と考えておりまして、またこの三月の課長会議ではその旨指示を徹底をしたところでございます。
○辰巳孝太郎君 明確に答弁をいただいておりません。生活保護利用者の方に財布の中まで見せろというのは人権侵害ではありませんか。
○政府参考人(石井淳子君) 財布の中身というよりも、預貯金の通帳につきましてはこれを把握する必要があると思いますが、財布が大変広がって大きく膨らんでいて、かなりたくさん入っていそうだという、仮にそういう場合があったときには、実際のところ、見せてくださいということもケースとしては出てき得るのではないかなと思います。ただ、その際に、やはり人権については十分配慮しながら、丁寧に説明をして理解を求めていくと、これは当然必要なことだと思います。
○辰巳孝太郎君 ちょっと大臣、財布の中まで見せろとケースワーカーに生活保護利用者が言われたら、これ本当に驚きますよ、傷つきますよ。こんなことまで許していいんですか。やる必要ないでしょう。
○国務大臣(塩崎恭久君) 原則は今局長から申し上げたとおり、プライバシーを守るということは大事なことでありますから、それはそれとして、それぞれケースワーカーも配慮をしていかなければいけないというふうに思います。
 しかし、法律にのっとって、この資産管理も十二か月に一遍ということになったわけでありますから、税金を使って最低限度の暮らしを守るというこの生活保護の基本を守る範囲内でここは考えていかなきゃいけないので、最大限プライバシーの保護は守っていかなければいけないというふうに思います。
○辰巳孝太郎君 財布の中身を見せろと強要するのが、プライバシーを保護する、プライバシー、それは配慮しながらと、こう言うわけですけど、物すごいプライバシーですよ、財布の中身なんて。
 それだけじゃないですよ。銀行預貯金、通帳ですね、これのコピー提出を迫られるというところも出ております。
 大臣、ちょっとお聞きしますけれども、御自身の通帳を第三者に見られたことありますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 基本的にはないと思います。
○辰巳孝太郎君 生活保護利用者の方は自分の通帳のコピー一年分、これを持ってこいということを言われているわけですけれども、これも私はもう人権侵害だというふうに思います。
 大体、財布の中身を見るとか見ないとか、あと通帳の中身がどうだとか、これ物すごいプライバシーの塊なんですよ。通帳の履歴もそうですよ。どこでお金を幾ら下ろしたのかということが全部分かるんですよ。資産が幾らあるのかということを調べるのであれば、通帳の最後のところで幾ら預貯金があるのかということを見れば済むんじゃないんですか。これ一年分取る必要はないんじゃないですか。生活保護利用者の方から、こんなことやめてほしいという声が出ていますよ。これ、どうですか。
○政府参考人(石井淳子君) まず、金額が少ない場合にはこれは簡素化は必要だというふうに考えているところでございますが、やはり資金の流れというものについてどうしても把握をする必要があるということで、最終的に残った残額だけではなかなかこれは把握し切れないということではないかと考えております。
○辰巳孝太郎君 まあちょっと話にならぬのですけれどもね。
 では、やりくりによって生じた預貯金がある場合は、その運用はどうするんでしょうか。
○政府参考人(石井淳子君) 生活保護受給者の預貯金が確認をされた場合でありますが、これは冒頭、議員が引用もされましたその判決もあるわけでございまして、これはその使用目的というのをまず聴取をいたします。その上で、この使用目的が生活保護の趣旨、目的に反しないことが確認された場合は保有はどうぞということになります。
 逆に、この使用目的が直ちに明らかでないとか、あるいは使用目的が保有の認められない物品とか、高額なものですね、その購入目的であった場合には、まず、その世帯の生活状況などに応じまして預貯金の計画的な支出について助言、指導を行います。その上で、助言、指導との兼ね合いもなかなかうまくいかない、状況に応じましては収入認定や保護の停廃止ということに至る場合もこれはあると考えております。
○辰巳孝太郎君 今、預貯金がある場合は助言、指導という話がありましたけれども、これは、活用すべきと思われる預貯金であったとしても、生活保護利用者とのやり取りの中で計画的な支出について助言、指導することで停廃止という措置をとらないようにするということでよろしいですね。
○政府参考人(石井淳子君) 乱暴にすぐ停廃止ということはしないということでございます。まずは、計画的な支出ということでございます。
○辰巳孝太郎君 もう一つ確認しますが、預貯金があると、しかし、その使途の目的というものではなくて何となくためていたと、何となくためていたんだと、備えていたんだという方もたくさんおられます。その場合でも、一律に停廃止ということではなくて、これまでためてきたということは、最低基準の生活以下の生活をされてきたわけですから、それの活用についてきちんと助言、指導をして停廃止にならないようにするという、そういうことでよろしいですね。
○政府参考人(石井淳子君) 御指摘のとおりでございます。
○辰巳孝太郎君 この間、生活保護利用者の方は、生活保護の基準の引下げであるとか住宅扶助の引下げ、あと冬季加算の削減などで更に困窮をすることになっております。
 人権侵害を伴う今回の資産調査は、保護利用者の方に、私は、時々山登りをしたいんだと、また年に一回は墓参りをしたいんだと、そういうことを堂々と言えないような環境をつくっていくことになっていると思うんですね。ですから、今厚生労働省としてやるべきは、こういう生活保護利用者の方の不安を取り除くということを同時にやらなければ、それこそ生活保護の方は預貯金をしてはいけないんだと、こういう誤ったメッセージを送ることに私はなると思うんです。
 そこで、大臣、お聞きしますけれども、やっぱり憲法二十五条の趣旨に照らして、生活保護の方は自らの生き方を自分で決することができる、決めることができる、そして人権侵害のようなプライバシーを侵害することはなく生きていける、それを保障するのが今厚労省として大事だと思いますけれども、確認したいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは憲法第二十五条で、全ての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有すると、こう明記をされているわけでありますが、生活保護法の第一条には、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とすると、こういうふうになっているわけで、全額、納税者の税金でこういう最低限の生活は保障するという、こういう仕組みでございますので、財源が皆さん方のお支払いになっている税金であることを考えてみれば、やっぱり公正な制度として運営をされていかなければならないということだと思いますし、その困窮の程度に応じという場合に、何をもってその困窮の程度を測るかというと、やはりそれは一つは所得であり、もう一つは資産であるがゆえに、今日のような、先生御指摘のようなことが起こり得るわけでありますが、それはやはりバランスをよく考えた上でやっていく、公正な運営に厚生労働省としても市町村にお願いをしていかなければならないと、心して運営していただくようにしていただかねばなりませんが、重ねて申し上げますけれども、やはりこれは税金で皆さん方が助け合いをする、その仕組みだということをやっぱり基本に置いて運営をしていくべきだというふうに思います。
○辰巳孝太郎君 最後。
 大臣、人権侵害はバランス問題じゃないですから。これは、どんなことがあっても人権侵害をやってはあきませんから。
 私は、人権を侵害するこの資産調査は中止すべきだというふうに申し上げて、質問を終わります。
○東徹君 おおさか維新の会の東徹でございます。
 今日は、特定求職者を対象とした求職者支援制度についてお伺いをしたいと思います。先日は短期集中特別訓練事業のことについて詳しくお聞かせをいただきましたけれども、今日は別の事業についてお聞きしたいと思います。
 私は、いろいろとちょっと細かい話を聞くようでありますが、これは本当に、来年から消費税が、一応、安倍総理は上げるというふうに言っておられますけれども、消費税が八%から一〇%に上がると、それはなぜかというと、冠たる社会保障制度を次世代につないでいくためだというふうな答弁をいつもされますので、そうであるならば、やはり国民からいただいた貴重な税金を無駄のないようにきちっと使っていかなきゃならないと、そういう思いで、ちょっと細かいことを聞くようですが、是非お答えをいただきたいと思います。
 特定求職者を対象とした求職者支援制度でありますけれども、これは無料の職業訓練の実施、職業訓練を受けることを簡単にするために給付金の支給、月額十万円でありますけれども、支給していくと。状況に応じて生活資金の融資、単身者であれば五万円、扶養家族であれば十万円と、こういうような内容となっております。訓練の実施機関に対しては訓練コースに応じて訓練奨励金の支給が行われており、基礎コースとして月額六万円、実践コースで月額五万円ということになっております。
 この事業でありますけれども、雇用保険の失業給付を受給できない求職者に対して給付金の支給や無料の職業訓練を実施するものでありますけれども、平成二十五年度補正予算で行われて、先日の厚生労働委員会でもちょっと質問させていただいた短期集中特別訓練事業と似たようなものであります。この求職者支援制度では、JEED、また出てくるんですが、JEED、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構でありますけれども、職業訓練の認定や訓練機関の指導を行うものとして、平成二十六年度におきましては人件費が三十二億一千九百万円、業務費が十八億六千八百万円、一般管理費、本部運営費、二億七千三百万円ということで、合わせて五十三億六千万円がJEEDに支払われるということになっております。
 平成二十六年度の執行額が事業全体で三百五十億一千九百万円ですから、その七分の一がJEEDに支払われているということになるわけですけれども、このような高額の業務費が訓練の認定や訓練機関の指導に掛かってしまうのか、具体的には一体何をやっているのか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
 今御指摘がありました高齢・障害・求職者雇用支援機構が行う求職者支援訓練の認定業務を行う人件費のお話がございましたけれども、これは、平成二十六年度の予算では三十二億二千万円であります。同年度の決算の報告によりますと、決算額は、二十五億九千万円から法定福利費等を除いた十八億四千万円が職員の給料として支払われております。ということで、こちらの給料二百六十人分が対象ということにならせていただいております。
 独立行政法人としては人件費の抑制が厳しく求められておりますので、効率的、効果的な業務運営を心掛けてこれからも予算執行が行われるようにしていきたいと、このように考えております。
○東徹君 済みません。全然質問したことに対して答えていただいていないんですよ。この間も、ちょっと違いますということを何度も指摘させていただきました。
 別に副大臣とか政務官でなくて私はいつもいいんですというふうなこと、どなたでも結構ですというふうなことをいつも言わせていただいていますので、通告のときはどなたでも結構ですと言っていますので、違う方で結構ですから、無理して別に答弁していただかなくて結構なので、聞かれたことを的確に答えていただきたいんですけれども、よろしくお願いします。
○副大臣(とかしきなおみ君) 失礼いたしました。御答弁させていただきます。
 御指摘の五十三・六億円の件でございますけれども、平成二十六年度の予算では、効率的な業務運営に努めた結果、決算額は、おっしゃるように三十八億五千万円となっております。
 御指摘の業務の内容につきましては、全ての訓練コースにおいて、おおむね月一回訓練の実施状況を把握し、確認し、定期的に行われていない場合には訓練機関に必要な指導、助言を行うとして、平成二十六年度では一万九千九百八十四件の状況確認を行わせていただいております。
 また、平成二十六年度には、訓練機関から八千百五コースの訓練認定申請を受理させていただきまして、五千八百十五コースが認定させていただいております。あわせて、認定申請に際しては、モデルカリキュラムの説明や提供、求人支援訓練の実施方法に関わる専門的な助言を行わせていただいておりまして、平成二十六年は一万一千百五十件の相談援助を行わせていただいております。
 このほかには、講習会の制度の周知広報など様々な業務を行わさせていただきまして、このような金額となっております。
○東徹君 訓練の認定件数ですけれども、申請は八千件のうち約六千件というふうに聞いておるんですが、間違いないでしょうか。
○副大臣(とかしきなおみ君) ということで、申請の方は、平成二十六年、訓練機関から八千百五コースの認定を受理して、結果的に五千八百十五コースが認定させていただいております。
○東徹君 ということは、これ一件当たり、コストでいうと、六千件、仮に申請件数が約八千件あったとして、八千件の多い方の数字で計算したら、この事業費全体で、運営費全体で割ると約六十七万円になるんですよ。これ、一つの認定するために六十七万円って、これむちゃくちゃ高コストじゃないですか。
○副大臣(とかしきなおみ君) 済みません。
 先ほどお答えをさせていただきましたけれども、しっかりこれは適正な価格で運営されるように説明の提供や指導実施の方法については専門的な助言を行わせていただいておりまして、先ほどもお答えさせていただきましたが、一万一千百五十件の相談援助を行わさせていただいております。
○東徹君 一万一千百五十件の相談の内容がどうなのか、私も細かく見ておりませんけれども、相談事業というのはどんな機関でも、役所でもこれやっているわけでありまして、件数にしたらすごい数です。でも、これはすごく非常に高コストな事業となっておるのは間違いありません。
 JEEDの本事業の人件費、これ三十二億円必要というふうになっておるんですけれども、何人が対象となっているのか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(とかしきなおみ君) これも先ほどお答えさせていただきましたけれども……
○東徹君 先ほどは聞いていなかったんですよ。
○副大臣(とかしきなおみ君) 職員二百六十人を対象として支払っております。
○東徹君 これは、対象が二百六十人ということですけれども、人件費、三十二億一千九百万を二百六十人で割ると一人当たりの人件費が一千二百三十八万円になるんですよ。一千二百三十八万円ですよ、一人当たり。そんな高い人件費ってないですよ。おかしいと思いませんか、これ。
○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
 説明させていただきますと、今、三十二億二千万円、これ全部が人件費ということではなくて、当然この中で、決算によりますと、決算額が、二十五億九千万円から法定の福利厚生費を除いて職員の人件費は十八億四千万円となります。職員が二百六十人が対象ということでありますので、一人当たりの人件費の平均は七百七万五千九百五十七円と、このようになります。
 これは、機構職員の給与は国の年俸と合わせておりますので、これが特に特異的な数字というふうには思っておりませんで、国家公務員と同等の給与水準となっているというふうに判断しております。
○東徹君 社会保険も含むのはまあ分かるんですけれども、退職手当というのもこれ含むんですか。
○副大臣(とかしきなおみ君) 退職手当は、これは含まれておりません。
○東徹君 じゃ、退職手当も含んでいなくて、これ単純に計算したら一千二百三十八万円ということなんですよ。でも、まあ七百七万円がというふうな話が先ほどありましたけれども、どう計算してもなかなか合わないんですね。やっぱりこれはきちんと、一回どういう内訳なのか、しっかりと説明をしていただきたいと思います。
 次の質問に移らせていただいてもよろしいでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 事務方がいた方がスムーズに質疑が進むような感じがいたしますが、今、数字をもう少しまとめて丁寧に整理をして出してこいと、こういうことでありますので、そういうふうにさせていただきたいというふうに思います。
○東徹君 短期集中特別訓練事業では、元々、全国で一律に事業を行う必要があるなどの理由でJEEDにその訓練の認定業務を委託しようとしていたわけですけれども、不正入札の問題があって、全国六つのブロックに分けて入札を行った結果、JEEDではない企業、東京リーガルマインドなんかですけれども、委託を受けて、コスト問題があるというふうに私はこの間も指摘させていただいたわけですけれども。
 この求職者支援制度ですけれども、短期集中特別訓練事業と仕組みがほぼ同じであることからすれば、ただ、これJEEDにだけ任せるのではなくて、先日も都道府県とかいうふうなお話もさせていただきましたけれども、的確なところにもっと、そういう事業費のことも含めて検討すべきだというふうに思っていまして、そのために職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律というのがあるんですけれども、この法律を改正すべきというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) この求職者支援制度で委託業者をどう決めるかという問題で、適切な入札を行うべしと、こういう今御質問をいただいているわけでございますけれども、求職者支援訓練は雇用のセーフティーネットでございまして、雇用保険でカバーされない方々についての制度ということで、全国一律のユニバーサルなサービスとして国が責任を持って運営すべきという考え方に基づいて組み立てられているというふうに思います。
 このため、対象となる訓練の認定につきましては、職業訓練に関する専門的な知見とかノウハウを持っているJEEDに行わせているものでございまして、これは労政審の中でこういう形でやるべしという御意見に従ってこういう形でやっているわけでありまして、訓練を現場のニーズに合ったものとしていくことが当然のことながら重要であるわけでありまして、こういうことから、この二十八年度から、来年度からは、求職者支援訓練としてどういう訓練をどれだけ行うかという訓練計画の策定に当たっては都道府県などとよく協議をしてもらうということで、そういう場を設けて、そのJEEDと都道府県などがしっかり連携していくようにという方向性を既に決めさせていただいているわけでありまして、大事なことは、やはりそれぞれの地域経済が抱えている問題を踏まえた上で、その地域の訓練ニーズをしっかり反映した形の訓練が行われなければならないと思いますので、そういう形での都道府県との協議を踏まえて改善方に励んでいきたいというふうに思います。
○東徹君 大臣、ありがとうございます。是非そういった方向で検討していただきたいと思います。
 もう一点、平成二十三年十月以降なんですけれども、この訓練の奨励金の不正受給というのがありまして、訓練偽装とか受講者の出席状況の偽装とか七件の不正受給がありました。このうち三件は支払前に発覚したんですけれども、残りの四件は奨励金を支払った後に発覚しておりまして、総額で何と一億六千万円あるんですね、一億六千万円、不正受給が。
 この返還命令を出しているんですけれども、実際に返還されたのは七百万円にとどまっておるわけですね。この不正受給、残り一億五千三百万円、どうやって返還してもらうのか、お聞きしたいと思います。
○委員長(三原じゅん子君) どなたがお答えになられますか。
○東徹君 ああ、ごめんなさい。じゃ、通告していないかもしれません、これは。
○委員長(三原じゅん子君) では、再度、東徹君。
○東徹君 これ、済みません、通告していなかったかもしれませんので、これだけは。なので、これ、きちっと返還してくれますよね。
○副大臣(とかしきなおみ君) 引き続き返還に向けて努力していきたいと、このように考えております。
○東徹君 もう一つ、これも最後に、この問題で終わっちゃうかもしれませんが、このJEEDというところですけれども、有村委員なんか前大臣やっておられたからよく御存じかもしれませんが、今年の三月八日時点で厚生労働省から六十三人も出向しているんですね。物すごい多いと思うんですよね、厚生労働省から六十三人出向しているというの。
 よく公務員の数は減ってきているとか何かあるんですけれども、いろいろなところに多分出向していて減ってきているのかなというふうに思ったりするんですが、そのうち二名は役員で出向となっています。他省庁からの出向も二名おりまして、加えて七名が嘱託社員として再就職しておるわけですけれども、このような状況から考えると、これJEEDに対して、言ってみればJEEDのための補助金を支給しているというふうにしか見えないんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど御説明いたしましたけれども、この求職者支援訓練というのは雇用のセーフティーネットだということで、さっき申し上げたように、雇用保険で守られている人とそうじゃない人がいますので、我々は政府としては両方守っていかなきゃいけないということでありまして、国が責任を持って運営をすべしということで、労政審の中でもそういうことを御指摘を受けているわけでございます。
 先生の御指摘については、随分人数、出向が多いねということでありますけれども、この訓練の認定につきましては、さっき申し上げたように、一定程度のやっぱり専門性というのが必要だったり、ノウハウを持ったままでやっぱり判断をして、どういう訓練がいいのかということが必要だというのに、それがJEEDにやらせていることの理由なんだろうというふうに思います。
 この現役出向の中の役員二名、職員六十一名でありますけれども、障害者部門というのが圧倒的に多くて、これだけで四十三名います。つまり、障害者雇用の専門の職員が当たっているということで、それが一番多いわけで、あとは高齢者雇用業務あるいは住宅譲渡業務などで五名とか、それから職業能力開発業務で二名とか、一定程度のやはり、管理業務もありますけれども、一定程度この訓練や再就職の可能性についての専門家ということで、特に障害者の問題については詳しくないと、障害もそれぞれですから、そういうことになっているということで、先生が今御指摘になるような思いを、疑いを持たせるような運営がないようにしていくことが大事なのではないかというふうに思いますので、なお、先ほどの不正受給等々ございますし、また財務面でもきっちりとアカウンタビリティーを高めるということをやっていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思っているところでございます。
○東徹君 大臣、ありがとうございます。是非しっかりと前へ進めていただきたいというふうに思います。
 もう、ちょっと時間になってしまいましたので、五問中一問しか質問できませんでしたが、これで終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
    ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、長浜博行君が委員を辞任され、その補欠として石橋通宏君が選任されました。
    ─────────────
○川田龍平君 まだ維新の党の川田龍平です。あと何日で仕事がなくなるんでしょうか。私も、会派がどうなるかちょっと分からないんですけれども、これから質問をしっかりさせていただきたいと思います。
 それでは、まず一番最初の質問の前に、ちょっとここ連休がありまして、土曜日の新聞に、朝日新聞なんですけれども、「臨床研究 甘い規制」ということで、新聞記事に大きく出ていました。これは、ノバルティスの高血圧治療薬のディオバンの論文不正事件で刑事裁判が十七、十八日と行われております。それについて記事が載っておりまして、ここでは、一三年の当時、厚生労働省の方で検討委員会を設けてこの調査をしておりましたけれども、真相解明ができなかったと。委員を務めていて、この裁判を傍聴していた循環器内科の桑島巌先生が、臨床研究適正評価教育機構理事長が、こう新聞のインタビューで答えています。今回の医師の研究不正は想像を絶していたと、臨床研究に対する規制や違反した医師へのペナルティーが必要だということで、これは厚労省も検討会を設けて、一四年に法規制が必要との報告書をまとめて、今国会の法案の提出を検討していると記事になっております。
 何度も私もこれ聞いてきましたけれども、大臣、是非これ一日も早く法案提出していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 患者の安全ということも、それから産業としても、新しい薬とか、そして医療においても新しい医療の方法を、治療方法を開発する意味においても、臨床研究は非常に重要であります。したがって、そこに一点の曇りもないようにしていくということが我々としても達成しなきゃいけないことだろうと思うので、私ども今法案を準備中でございますので、是非とも、今罰則付きという話がありましたけれども、きちっとした法律が出せるように努力をしてまいりたいというふうに思います。
○川田龍平君 是非、これ、繰り返し聞いていきますので、よろしくお願いいたします。しっかり出していただきたいと思います。
 じゃ、通告の質問に入ります。
 沖縄における戦没者遺骨のDNA鑑定について伺います。これ、二〇〇三年から実施している戦没者遺骨のDNA鑑定について、二月十八日に引き続きこの質問をさせていただきます。
 政府は、このDNA鑑定の拡大について、来年度の早い時期からまず沖縄で実施するとされています。沖縄ではこの事業の成功が全体の成功につながっていくという観点から、以下、集中的に質問させていただきます。
 二月十八日に、私がこの委員会で質疑し、全会一致で可決したこの遺骨収集の推進法案は、今週にも衆議院で可決、成立する見込みです。遺骨収集推進法案は、収集だけではなく、御遺族への引渡しまでが国の責任だということをしていることを前回の大臣の御答弁でも明らかにしていただきました。
 沖縄戦の場合、一般県民がこの戦闘に巻き込まれ、多くの多大な犠牲が出ています。この法案は、激戦地の沖縄においては民間人の戦没者も対象としていると理解してよろしいでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) お答え申し上げます。
 厚生労働省としては、これまで戦地で戦闘に巻き込まれて亡くなった方を対象として遺骨収集に取り組んできておりまして、国内で一般人を巻き込みました戦闘が行われ、御遺骨が長年収容されずにいた唯一の場所であります沖縄につきましても、軍人、民間人の分け隔てなく遺骨収集を実施してきているところでございまして、今回、遺骨収集を推進するための遺骨収集推進法案が成立いたしました場合にも、沖縄で戦闘に巻き込まれた方につきましては対象となると、こういうことでございます。
○川田龍平君 これは沖縄県民の民間人の方も、この犠牲者の遺骨も国の責任で、遺族へ責任持って引き渡されるということですね。これは本当に沖縄県民にとっては大変喜ばしい答弁だったと思います。堀江審議官、ありがとうございます。
 是非これ、民間人の戦没者の遺族である沖縄県民にもDNA鑑定を呼びかけるべきではないかと考えますが、民間人戦没者にDNA鑑定を呼びかける場合、どのように行うつもりでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) DNA鑑定の対象拡大につきましては、御遺族が高齢化していること等を踏まえまして、国会での御議論や関係団体等からの要望も踏まえまして、戦後七十年を契機に議論を加速し、まずは部隊記録等が残っている、ある程度戦没者の特定ができる沖縄について実施する方向で検討してございます。沖縄において戦闘に巻き込まれました民間人も遺骨収容し、DNA鑑定により身元が特定できれば御遺族にお返しする対象となるものと考えてございます。
 DNA鑑定の呼びかけに当たりましては、遺留品や戦没者の名簿等が必要となるわけでございますが、沖縄県において民間人の戦没者に関する資料を作成、保管していることから、今後、県とも協力も得ながら、DNA鑑定を御遺族に呼びかけることについて検討してまいりたいと考えてございます。
○川田龍平君 来年度の早い時期に開始するということですが、大臣、これ通告していませんが、遅くとも今年度中には具体的な方針を示していただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 方針作成に向けてしっかりやっていきたいというふうに思います。
○川田龍平君 是非できるだけ早く取り組んでいただきたいと思います。ありがとうございます。
 配付資料の一ページを御覧ください。これは現在国が保管している遺骨検体の一覧表です。このうち沖縄県で収集したものは八十七件あります。この遺骨検体とは具体的に何でしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 遺骨検体につきましては歯でございます。
○川田龍平君 これは、つまり骨ではなく、頭蓋骨に付いていた歯のみなんですね。歯です。この八十七件の歯に付いている頭蓋骨は沖縄県内のどこの市町村で収集されたのか明らかにしていただけますでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 先ほど来お答えしておりますDNA鑑定の対象拡大につきまして、二十八年度のできるだけ早い時期に、部隊記録が残っており、ある程度戦没者の特定ができる沖縄につきまして実施する方向で検討しております。
 実施に当たりましては、実施市町村名を明らかにした上で御遺族を呼びかけることとしておりまして、今後、準備が整い次第、公表させていただきたいと考えてございます。
○川田龍平君 これ、是非情報を明らかにしていただきたいと思います。
 沖縄戦遺族へのDNA鑑定参加の呼びかけを行うに当たり、この歯の検体八十七件がどこのガマ、村で出たものかという情報をまず明らかにする必要があります。これは、一覧表は既に存在するはずですが、なぜまだ公表できないのでしょうか。もう一度その理由を明確に答弁ください。
○政府参考人(堀江裕君) 先ほど大臣からもお答えございましたように、実施方法を決める検討会を早々に実施する方向でございまして、その際に市町村名も含めまして整理して、実施市町村についてまず公表して、実施して、呼びかけをしてまいりたいと思っております。
○川田龍平君 是非、一日も早く検討会を開いて、公表していただきたいと思います。沖縄県民の皆さんは一日も早い公表を待ち望んでいます。遅くとも今月中には是非公表していただけますように準備を進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。
 沖縄県では腕や足などの四肢骨を始めとする遺骨を焼却せずに独自に保管をしています。これは、DNA鑑定の実施により、一人でも多くの遺族に遺骨をお返ししたいという県民の思いの結果であることは厚労省もこれ御存じのはずです。
 しかし、厚労省は歯のある頭蓋骨のみを個体性があるとしているようですが、身元が分かる遺留品がなく、かつ歯が付いている頭蓋骨を伴わない御遺骨はどのように取り扱うべきと考えているのでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 厚労省といたしましては、戦禍により尊い命を犠牲にされました戦没者の御遺骨に礼意を持って向き合うことが大切と考えてございまして、極力御遺族の特定に努めるためDNA鑑定を実施し、戦没者の歯が比較的容易にDNA情報を抽出でき、安定的な結果が得られる旨の専門家の御意見を参考に実施してございます。
 その一方で、長年収容されず戦地に置かれた御遺骨につきましては、御遺骨の尊厳や御遺族の心情に鑑み、国として慰霊を行うため、必ずしもDNA鑑定につながらない部位で遺留品もない場合には、そのまま保管するのでなく、早期かつ丁重に火葬し、千鳥ケ淵戦没者墓苑等に納めることが最善というふうに考えてございます。
○川田龍平君 そうであっても、しかし、遺族の目線から考えれば、たとえ一本の腕の骨であっても、足の骨であっても、遺族にとってはそれが父であり、兄であるのです。母であるかもしれません。
 宮城県の女川湾で本年の一月二十日に見付かった大腿骨一本が、DNA鑑定の結果、大震災の犠牲者の遺骨と判明して御遺族に返還されています。ここにその新聞の記事もありますけれども、この遺族の方は、本当に骨、大腿骨一本が漁師さんの網に引っかかって漁師さんに発見されて、これが返ってきたときに、やっと帰ってきた、本当によかった、本当に骨一本返ってきたことが、帰ってきたねということにやはり遺族の方にはなるわけです。これを七十年間待ち望んでいる人たちがいるということなんです。本当にそのことをやはり是非厚労省の方には分かっていただきたいと思います。本当に小さな骨片、それ全てというのは無理かもしれませんけれども、でも、そういった骨をしっかりとやっぱり遺族に返していくということはすごく大事なことだと思います。とても大事なことだと思います。
 韓国では、朝鮮戦争の犠牲者のDNA鑑定を大腿骨などから行っていると聞いています。これ、二〇一三年以降、沖縄県が焼かずに保管している遺骨について、腕や足などの四肢の骨からDNAが採取できるかどうかの試験的な事業を沖縄において実施すべきではないでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、韓国の話が出ました。結論からいえば、やはりさっき審議官から説明を申し上げたように、今のところDNA鑑定は歯を用いて行うということが一番安定的だという理解で、理解というのは、それは科学者の考え方がそういうお考えで、我々はそれに従っているわけでありますから、今のような扱いになって、千鳥ケ淵に火葬の後に納めるということを今まではやってきているわけですね、分からない場合には。
 そういうことでありますけれども、今先生御指摘のように、御遺族から見れば、それはどこの部位であろうとも、一かけらでもやはり回収したいという思いは、全くこれはもう世界中同じだと思いますけれども、そのことはやっぱり深く理解をした上で、あとは科学としてそれが立証可能なのかどうかということを考え、そして、なおかつ御遺族の皆さん方のお心をおもんぱかりながらどうすべきかということを考えていくのかなというふうに思っておりまして、今すぐ歯以外でもDNA鑑定をやりますというほど今科学的な知見が集積は日本でされていないということなので、なお、韓国を含め、どのようなことが科学的に証明可能なのかということをよく考えてまいりたいというふうに思います。
○川田龍平君 そういったお気持ちを是非大事にしていただきたいと思います。県民の方たちもやっぱり本当に、先日もDNA鑑定の専門家による勉強会が院内集会で、議員会館で開かれました。そこでは、遺伝子情報の解析センターの山田代表という方がおっしゃっていましたけれども、七十年前の遺骨でも保存状態によってはDNA鑑定は可能だと明確におっしゃっておりました。
 今回のこのDNAの拡大方針というところで、いきなりは無理としても、有識者の結論を金科玉条とせずに、科学の進歩というものもありますので、同じく半世紀以上前の遺骨からDNAを抽出している韓国のやり方も参考にしつつ、是非とも今後の技術の進展を踏まえて試験的に実施していただけないか、御検討をお願いいたします。
 それから、民間人の戦没者の遺骨を遺族への返還前にだびに付すことについて、沖縄県民の考え方について、厚労省としてはどのような見解をお持ちでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 遺骨収集は、法案の中にも記載がございますように、いまだ収容されていない御遺骨を収容し、本邦に送還し、及び当該戦没者の御遺族に引き渡すことなどをいうというふうになっているということからいたしますと、先ほど来委員お話しのように、御遺族への返還前に焼骨を望まないような御希望もあるのだろうということは理解してございます。
 一方、これは先回の委員会でもお答え申し上げましたけれども、長年収容されず戦地に置かれ、ようやく収容された御遺骨について、早期かつ丁重に火葬して遺族にお返しする、それがかなわない場合には千鳥ケ淵戦没者墓苑等に納めることが戦没者の尊厳につながるとの考え方もあり、厚生労働省では、現時点でこれを基本に戦没者の特定に必ずしもつながらない部位について取り扱っているということでございまして、海外の戦地に遺骨収集帰還事業の派遣団を送っておりますけれども、現地の方で火葬の式典を行い、そこでもって遺族や戦友としての焼骨を行ってだびに付すということで一つの心の区切りを付けていただいているというのも現実でございまして、そうした御遺骨を千鳥ケ淵の引渡式の方で議員も含めましてお迎えいただいていると、こういう実情にございます。
○川田龍平君 私は、沖縄というのはまた特殊な地域だと思います。やはり、焼骨することだけがそういった遺族の方の思いに応えることではなくて、焼骨するということは旧陸軍の慣習に従って今も焼骨をして返すということをしているんだそうです。これはやっぱり、民間人の方の遺骨もそういっただびに付してから遺族に引き渡すということではなくて、これは本当に沖縄県民の気持ち、考えを、やっぱり理解を得られるのかということを、基本方針というものを決定する前に是非もう一度慎重に検討していただきたいと思います。
 この問題というのはまた引き続き行ってまいりますが、そういった沖縄県民の気持ちにやっぱり即してこういったことを是非やっていただきたいと思います。本当に、今のところはまだ八十七件しか保管していないわけですので、そんなにたくさんのことをやれということではないですので、是非これ慎重に、この方針を出す前に検討していただきたいと思います。
 次に、福島県外での甲状腺検査の必要性について伺います。これは次のページの配付資料の二ページ目と三ページ目を御覧ください。
 環境省では、福島県外でのリスクコミュニケーションの取組として、栃木県、群馬県、千葉県、茨城県などで甲状腺の超音波検査について、自治体職員等を対象とした人材研修を行っています。県外にも放射線被害を心配する多くのお母さんたちや子供たちがいます。リスクコミュニケーションの取組として、これで果たして十分とお考えでしょうか。
○政府参考人(北島智子君) 環境省では、放射線に関する科学的知見や関係府省庁の取組などを集約した資料を作成いたしまして毎年度更新するとともに、こうした資料を活用して保健医療福祉関係者や教育関係者等を対象とした人材研修や地域のニーズを踏まえた住民参加の意見交換会などの取組を進めております。
 議員御指摘の甲状腺の超音波検査に関する人材研修のほかに、放射線に係るリスクコミュニケーションとして、放射線の人体影響、食品の安全性など様々な研修を行っているところでございます。
 こうした健康不安に係る人材研修に関しましては、福島県内で延べ二千二百二十九名、福島県外で延べ千七百四十四名に研修を行い、また、住民の方を対象としたセミナーや意見交換会には福島県内外で延べ二千三百九十九名に御参加をいただいているところでございます。
 引き続き健康不安対策に努めるとともに、正確な情報の発信にもしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○川田龍平君 これ、自治体職員向けの講演会というのでは一方通行の情報伝達にすぎず、双方向で相互に意思疎通を図るというリスクコミュニケーションの取組としては余りにもお粗末です。
 独自の取組として甲状腺検査を行っている自治体がありますが、それぞれどれくらいの実施人数でしょうか。
○政府参考人(北島智子君) 福島県外の市町村が実施している甲状腺超音波検査の詳細につきましてはつまびらかに承知はしておりませんが、自治体のウエブサイト上の情報ではございますけれども、例えば宮城県の丸森町、茨城県の東海村、高萩市、北茨城市、大子町、常総市、牛久市、龍ケ崎市、つくば市、かすみがうら市、栃木県の那須町、日光市、千葉県の柏市、松戸市が独自に小児に対する甲状腺超音波検査を行っていると承知をしております。
 実施機関や実施方法が各自治体で異なることもあり、一概に比較することは困難でございますけれども、ウエブサイト上で公開されている情報によりますと、その実施人数は、例えば宮城県の丸森町では平成二十三年度から二十五年度の三か年で千九百八十二人、茨城県の東海村では平成二十四年度から二十五年度の二か年で三千八百二十一人、北茨城市では平成二十五年度に千百八十四人、平成二十六年度に三千五百九十三人、大子町では平成二十六年度に千二百三十九人、常総市では平成二十五年度に六十一人、二十六年度に五十人、二十七年度に二十七人、牛久市では平成二十五年度から二十七年度の三か年で百五十五人、龍ケ崎市では平成二十四年度から二十七年度の四か年で六十人、つくば市では平成二十五年度に百五十二人など……
○委員長(三原じゅん子君) 時間が来ておりますので、答弁を短めにおまとめください。
○政府参考人(北島智子君) 詳細な情報がウエブサイトに掲載されているところでございます。
○川田龍平君 済みません、時間ですので終わりますが、これ福島県外の自治体でもこれだけの人が検査を受けていて、これ自治体がやっているわけです。是非、こういったことを国としてしっかり取り組んでいただきますようによろしくお願いいたします。また引き続き質問します。
 ありがとうございました。
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 今皆様方の手元に資料をお配りをさせていただいておりますが、今日はSBIRTSというものの紹介から入ってまいりたいと思います。
 アルコール健康障害の対策基本法というものが成立をしまして、アルコール健康障害対策推進基本計画というものがまさに閣議決定を待つばかりとなっております。この中でも重要になってまいりますのが、アルコール健康障害に関する予防、相談、治療、回復支援に至る切れ目のない支援体制の整備でございます。
 アルコール問題を持つ方々というのは、自ら助けを求めないという特徴があります。否定をします。ですけれども、周囲から介入していかに飲酒行動の変容を促すか、その一連の流れがこのSBIRTSというこの絵に描いているとおりでございます。スクリーニングを行って、簡易介入を行い、そして必要な方は専門医につなげる、そしてさらに、しっかりと自助グループにまでつないで支援を行っていく。
 元々、このSBIRTSのSBIRTのところまでは世界的に主流になりつつありますけれども、このS、最後のSを加えられたのは三重の猪野医師でございます。三重では飲酒運転ゼロを目指す条例というものがございまして、それに伴いましてしっかりとこのSBIRTSというものをシステム化しているということです。
 ここで肝腎なのは、その下を見ていただけましたら分かりますように、様々な省庁がここ、関与していかなければ解決しないんですね。
 今回、内閣府のスリム化が行われまして、自殺対策基本法も厚労省に参りました。というように、様々、今内閣府が担当しているものがこの厚労省にも更に移管されてくることになるでしょう。そうしましたならば、縦割り行政の弊害というものの中で、今までうまくいっていたものがうまくいかない、若しくは内閣府に移管されないからこそ最初からうまくいかないというような、依存症も増えてくる、まさに依存症というものはしっかり省庁横断的に取り組んでいかなければ問題解決ができない疾患だということです。
 そこで、私は、今日は様々な依存症について、本当に省庁横断的な取組というものが行われているかどうかという確認をさせていただきたいと思います。
 まず、インターネット依存、スマホ依存についてでございます。
 私も最近、地下鉄に乗って、本当にぎょっとしたことがございます。地下鉄に乗って周り見ましたら、ほぼ九九%、もう一〇〇%の方々がスマホで一生懸命ゲームをしているんですね。異様な光景ですよね。本当にこのままで日本はいいのかと思うような光景、皆様方も遭ったことがあると思うんですけれども、一体厚労省は調査を行っているのか、そしてその依存症対策というものを行っているのか、簡潔に藤井部長、教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(藤井康弘君) 御指摘のインターネット依存、スマホ依存につきましては、私どもの平成二十五年度から二十七年度の厚生労働科学研究におきまして実態把握などの調査研究を実施をしてございます。
 この研究におきましては、例えば一つの調査といたしまして、ネット依存専門外来を受診をされた百八名の方につきまして、まず若年者が多くて中高生が半数弱を占めているようなこと、また男性が多いというようなこと、また依存する機器としてはパソコンが多くて、次いでスマホ、携帯電話が多いということ、また昼夜逆転ですとかあるいは引きこもり、暴言、暴力などの症状が多いといったようなことが分析結果として出てございます。
 一方で、このインターネット依存と申しますのは、現在も国際的な診断ガイドラインにおきましてもまだ病気としては位置付けられておりませんで、その診断基準もなお確立していないというふうに承知をしてございます。
 したがいまして、私ども厚生労働省の取組もまだ調査研究を主体としたものでございますけれども、やはりインターネットの過剰な利用が社会的な注目を集めております中で、インターネット依存への対策、これはやはり必要だというふうに認識をしておりまして、現在実施をしております調査研究の結果等を踏まえまして、インターネット等の依存につきまして、どのような対応が具体的にできるか、検討してまいりたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 総務省は、平成二十六年度情報通信白書で、ICTの進化がもたらす社会へのインパクトに関する調査研究も行っていらっしゃいます。インターネット依存に対してどのような結果が得られたのか、そしてしっかりそれを厚労省と共有しているのかどうかということを、山田局長、そして藤井部長、お答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(山田真貴子君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の調査でございますけれども、国民のICT利活用状況の実態あるいは課題等の把握を目的に調査を行っております。
 御指摘のインターネット依存でございますけれども、六か国の国際アンケートの結果を基に分析を行っております。いずれの国でも十代から二十代について依存度が最も高くなっております。ただ、我が国につきましてはフランスに次いで低い割合でございました。また、ネット利用によります現実生活への影響につきましては、我が国ではネットのし過ぎで運動不足になっているとか、あるいは仕事や勉強、趣味、運動の時間を削ってネットをしていることがあるなどの順で回答割合が高くなっております。他国においても同様の結果でございました。
 この調査でございますけれども、白書でございますので、各府省と調整の上、閣議報告をしているものでございます。厚生労働省さんとも調査結果を共有させていただいているところでございます。
 総務省につきましては、この調査結果を踏まえまして、文部科学省さん、それから民間企業とも協力をいたしまして、児童などを対象といたしましたインターネットの安全、安心な利用に係る啓発講座などによりまして、ネット依存の問題につきましても対処しております。今後とも必要に応じて各府省と連携して対応していきたいと考えております。
 以上でございます。
○政府参考人(藤井康弘君) 今も総務省からも答弁ございましたように、私どもも調査結果につきましては把握をしてございまして、先ほど申し上げましたような、私どもも自らの調査研究結果を基に検討してまいりますが、総務省のこうした調査研究の成果等も踏まえながら、若年層のネット依存についてどのような対応ができるか検討してまいりたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 総務省の今おっしゃっていただきましたデータの解析と、そして厚労省が行った久里浜センターの研究チームとは、随分またその研究のデータの乖離があるというふうにも私受け止めております。全国の中高生のうちネット依存が疑われる者は五十一万八千人。欧州よりも日本の方が依存傾向にある青少年の割合が高いということは、厚労省、やっぱりこのギャップはどこから生まれてきたのかということもしっかりと調査研究を行っていただきたいと思います。
 ところで、文科省でも様々な取組をしてくださっております。韓国のレスキュースクールを参考にいたしまして、日本版のレスキュースクール、セルフチャレンジキャンプも試行事業として今進捗しているというふうに私伺っておりますけれども、そこともしっかり連携をされているのかどうか、文科省徳田審議官、そして藤井部長、お答えいただけますか、なるべく簡潔にお願いできますでしょうか。
○政府参考人(徳田正一君) 先生御指摘の事業につきましては、文科省では平成二十六年度から、ネット依存の青少年を対象とした自然体験、宿泊体験プログラムの効果を検証するため、青少年施設を活用したネット依存対策推進事業として実施しているところです。
 本事業の報告書における参加者に対するアンケートでは、キャンプ後、寝る時間が早くなったり、必然的にゲームやネットに触れる時間が減った、どうすればネットの使用時間を減らせるかということを考えるようになったなど、ネット依存状態からの脱却のきっかけとなったという成果が得られております。
 本事業の実施に当たりましては、厚生労働省所管の独立行政法人国立病院機構久里浜医療センターと連携し、事業の対象となるネット依存の状況にある青少年の募集や事業プログラムの企画、成果の検証を行ってきたところであります。
 文部科学省といたしましては、今後、本事業の成果等も活用しながら、厚生労働省とも連携し、ネット依存対策を含む青少年の健全な育成に関する取組を進めてまいりたいと考えております。
○政府参考人(藤井康弘君) 私ども厚生労働省といたしましても、文部科学省の事業の成果等も踏まえながら、ネット依存につきましてどのような対応ができるのか検討してまいりたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 隣、韓国は、ネット依存に対して先進的な取組を行っております。しっかり法律もございますし、今説明いただきましたようにレスキュースクールというものも公的扶助で行われまして、十一泊十二日の日程でも参加費は八千円程度、低所得者の皆様方については無料で参加できるというようなこともございます。
 いち早くやっぱりこういうものを確立していかなければ、本当にこれから日本におきましても大きな問題となってくるかと思います。ですから、先ほど説明しましたSBIRTS、これも、日本でSBIRTSというものが有効であるかないかという研究から今入っている段階、これは厚生労働省の管轄だと思いますけれども、しかし、これを見ていただきましたら、どの依存症にもしっかり横の展開ができる、そういう仕組みですよね。ですから、まずアルコール依存でしっかりこのスキームを確立した上で、その次の依存症、その次の依存症、いろいろな依存症にこれを活用していただけるように、私は、その入口、しっかりと厚労省にも御協力をいただきながら、このアルコール依存という問題、これが入口なんだよという認識を持っていただきたいと思います。
 ところで、韓国では、インターネット中毒対策センター、インターネット中毒予防相談センターというものが確立されまして、カウンセリング、キャンペーン、実態調査、対策に関わる人材育成というものも行っております。厚労省としても更に体制を強化すべきではないかと思っておりますし、特に日本の特徴としまして、このインターネット依存、きずな依存というものが挙がってきております。
 ですから、各国やっぱりその依存の体系が違っているということも分かっております。さらに、それに当たりまして、特徴的であるきずな依存に対する治療法、そして調査研究というものを行う必要があるかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。大臣はゆっくり御答弁いただいても結構でございます。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 様々な依存症があるわけで、最近はインターネット、さっきお話がありましたが、電車の中でほとんどの人がスマホをいじっているという光景は、海外でもそうですけれども、それからまた、いろんなところでスマホで写真を撮っているということは結局みんなもやっているんだなというふうに思いますが、さあ、これが一体、人間生活にどういう影響を与えて、個人にどういうマイナスの効果があるのかというのは確かに考えていかなきゃいけないなということを私自身も肌で感じております。
 今、韓国の話がありましたが、韓国は元々ブロードバンドの導入も早かった。それと呼応してか、こういうことについての依存症の対応についても、国あるいは自治体の機関としてのインターネット依存に対応するセンターが設けられて、相談体制とか予防教育とかいろんな形でもう既に対応しているという話であります。
 国際的には、先ほどお話があったように、病気という医療の上での、医学の上での定義はなされていないようでありますけれども、しかし、厚労省としてもインターネット依存の実態把握あるいは医学的な介入の必要性などなど調査研究を実施しているわけでありますから、引き続き医学的な観点から実態把握を行うということが必要だと思いますし、また、調査研究と同時に、インターネット依存の方に対する支援の在り方、海外の取組やこれまでの調査研究の結果や、あるいは今お話がありましたアルコールの場合のアディクションからの脱却のシステムなどもよく考えて、私どもとしても関係省庁と連携して対応していかなきゃいけないというふうに思いました。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 まだまだ依存症はございます。資料二にお配りをさせていただきました。欲しくもない物を衝動的に盗む行動を繰り返す病的窃盗と呼ばれる精神疾患、これはギャンブル依存と同じ分類にWHOではなっているということでございます。これに対しまして注意喚起を示したドクターが、やっぱり自主的に様々な取組を行ってくださったり、ようやくこれに気付き始めた各省庁の皆様方も取組を開始したというところで、まだまだ入口の段階でございます。
 この長野保護観察所では、自己診断シートなどを利用した病的窃盗に対する取組を行い始めているという報告を私も読ませていただきましたけれども、片岡局長、簡潔に、申し訳ございません、その取組について教えていただけますでしょうか。
 また、それから、しっかり厚労省とそれを共有しながら病気として治療していただいているのかも教えてください。
○政府参考人(片岡弘君) ただいま長野保護観察所の取組について御指摘がございました。
 保護観察所は、病気を治すというよりも再犯防止を主たる目的として業務をしておりますので、本人に自覚をさせる、そして本人自身が行動を留意するということで、長野観察所では、本人に自己診断シートというものを作成させまして自覚を促すなどしてアドバイスをしているところでございます。
 ただ、先ほど言いました依存症部分、病的な部分につきましては病院等の医療的な支援が必要でございますので、地元の病院等と提携しまして、本人の再犯防止のみならず依存症の治癒のためにこの先努力していかないといけないと思っているところでございまして、法務省としましても厚生労働省とこの先連携を強化していきたいと思っているところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 まだまだ手付かずの状況です。今御説明いただきましたのは、まさにスクリーニング、簡易介入、そして専門医への紹介というところですよね。その次に、やはり自助努力にもつなげるスキームというものをしっかり厚労省とタッグを組んでつくっていただきたいと思います。
 今も御説明いただきましたように、そうしたスクリーニングを行い、簡易介入を行っていくのが矯正医官の役割ではないかと思います。矯正医官の不足という問題につきまして、我々は矯正医官の兼業及び勤務時間の特例に関する法律というものを成立したはずでございます。
 どの程度改善が見られているか、富山審議官、教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(富山聡君) お答えいたします。
 矯正施設に勤務いたします常勤の医師については、本年三月一日現在、三百二十八人の定員に対し現員が二百五十五名、欠員が七十三名となっております。まだ欠員が多い状況ですが、特例法が施行されました昨年十二月一日以降、医師は六人が退職、八人が新たに採用されており、その意味では二名の増加となっております。また、四月以降も更なる採用が見込まれているところです。採用に関する問合せも増加しておりまして、減少傾向には歯止めが掛かりつつあると考えております。
 今後とも、医師会を始め関係団体、医療機関等に法律の内容を周知するなど広報活動にも積極的に取り組み、医師の確保に努めたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 これ、とても大切なんです。ギャンブル依存もようやく中に入って分かったという方もいらっしゃいますし、アルコールの問題も大変これは大きゅうございます。ですから、依存症をしっかりと分かるような矯正医官の皆様方、そして簡易介入をしていただいて専門医につなげていただく、そういう役割を担っていただかなければならないんですが、まだまだ七十三名不足をいたしております。医療提供体制の中でも大変これは重要な穴だと私は考えております。
 さらに、新たな専門医制度などが行われましたら、やっぱりこういうところに行く方々というものは手を挙げにくい状況になってまいります。ですから、厚労省もしっかりと協力していただきまして、この七十三名の枠を埋めるべきだと思いますけれども、大臣、お考えございますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 私は、衆参の法務委員会の筆頭理事というのをやって、衆議院の法務委員長もやりまして、矯正施設、特に刑務所には何度も行って、この医官の大変さと少なさ、不十分さということをよく聞いておりました。
 厚労省としては、法務省において矯正医療の在り方に関する有識者検討会、これが開催をされて、平成二十六年の一月に、矯正施設に対する医師の待遇改善あるいは執務環境の充実を求める報告書が取りまとめられて、二十六年九月に都道府県に対して、地域の医療機関の勤務医に対して矯正医官の募集を周知すると、矯正施設近隣の医療機関に対して、非常勤医師、嘱託医師の派遣依頼に協力することを要請するということを行ってきましたが、引き続き、これ定員三百二十八人に対して現員二百五十五、不足七十三と、こういう現状でありますので、なかなか大変だなと。
 昨年の八月二十七日に成立をした矯正医官の兼業及び勤務時間の特例等に関する法律では、国家公務員法の特例等を設けて矯正医官の兼業を柔軟に運用する、それからフレックスタイム制の導入によって働きやすい執務環境を整備するということになっておりますけれども、この内容について都道府県等の関係者に周知を図って、矯正医療の確保について協力をしてまいりたいというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 時間が参りましたので終わりますけれども、ひとつしっかりとしたモデルをつくり、依存症に対する理解を一日も早く国民に周知していただきますようお願いを申し上げまして、私の質問を終わりにします。
 ありがとうございました。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 女性差別撤廃委員会の最終見解において、女性障害者に対する強制不妊手術に関する勧告がまた改めて出ました。
 委員会は、優生保護法の下で、締約国が都道府県優生保護審査会を通じて疾病や障害のある子供の出生を防止しようとし、その結果障害者に強制不妊手術を施したことに留意する。委員会は、同意のない不妊手術約一万六千五百件のうち七〇%が女性に対するものであり、締約国によって、賠償、公式な謝罪及びリハビリテーションなどの救済を提供しようとする努力が何ら行われていないことにも留意する。
 そして、パラグラフ二十五。委員会は、締約国が優生保護法の下での女性の強制不妊手術という形態での過去の侵害の程度に関する調査を行い、加害者を起訴し、有罪となった場合には適切に処罰するよう勧告する。委員会はさらに、締約国が強制不妊手術の全ての被害者に対し、法的救済措置へのアクセスの支援を提供する具体的措置をとり、賠償及びリハビリテーションのサービスを提供するよう勧告する。
 というので、これ繰り返し割と勧告を受けているんですが、この点についてどう受け止めていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今月の七日の国連の女子差別撤廃委員会から、日本に対する女子差別撤廃条約の実施状況について最終見解が公表されました。
 内容については、雇用の分野において男女賃金格差を減少させるために更に努力をせいと、それから職場のセクハラ防止のために、行為の禁止あるいは適切な懲罰を行うことを定めることなどが指摘をされておりまして、また、この旧優生保護法に基づいて女性の同意なく行われた優生手術について調査をすること、それから同意なく優生手術が行われた者に対する補償などを行うように指摘があったというふうに理解をしているところでございます。
 それで、旧優生保護法に基づく優生手術につきましては、本人の同意を得て実施されるものと、医師が疾患の遺伝を防止するための公益上の必要性があると認めたとき、都道府県優生保護審査会に申請して実施されるものの二つがあったわけでありますけれども、この後者のケースの場合、法律上、審査会において優生手術を行うことの適否を審査、決定をして、決定に対する異議がある場合、国の公衆衛生審議会への再審査請求あるいは取消し訴訟の提起が認められていたわけであります。当時の法律、この優生保護法に基づく手続に反して違法に優生手術が行われていたとの具体的な情報は承知はしておりませんけれども、旧優生保護法において実施をされた個別の優生手術の詳細な内容について国などに報告を行うこととされていなかったために、過去に遡って個別の事案についてつぶさに確認をすることはなかなか難しいということかと思います。
○福島みずほ君 ジュネーブでの日本政府は、強制不妊手術への質問に対して、優生保護法に基づく本人の同意のない不妊手術は、公益上必要と認められる場合、手術の前に何段階にもわたって慎重な審査を行った旨の回答をしました。
 昨年、日本弁護士連合会に人権救済申立てをした七十歳の女性の場合のケースを把握していらっしゃるでしょうか。本当に慎重な審査が行われたのかどうか、まずは事実を調査すべきではないでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 御指摘のケースにつきましては、その女性から人権救済の申立てを受けた日弁連が、旧優生保護法の制度の変遷等について、昨年、平成二十七年の十一月に厚労省に文書による照会が参りました。日弁連からの照会文書において、その女性の主張として、優生手術だと知らされずに手術を受けさせられたという旨の記載があることは事務方から報告を受けているところでございます。
○福島みずほ君 やはり、障害があったと。その事案は、私が聞くところでは、例えば手術が行われた当時は十六歳で、本人は何も説明を受けず、父親は生活保護を受けていて、同意の判こを押すことは断れなかったと後に言っているというようなことを聞いております。
 ですから、やはり、この優生保護法の下で、実際は本人が何も分からなくて、不妊手術を本人が同意なく受けていたという事実はそうで、このことに関して、例えばもう高齢ですし、ケースがほかになかなか調べることができないということもあると思います。そうすると、是非、この例えば人権救済の申立てが出ているケースなどについて事実を把握し、何が問題だったか厚労省として一歩踏み込んで対応してほしい。いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げました日弁連からの照会でありますけれども、そこには御指摘の精神障害者施設への入所あるいは女性の父親が女性に優生手術に同意したことなどについて記載はされておりませんで、詳細は今のお話については聞いておらないわけであります。また、当時の法律、優生保護法に基づく手続に反して違法に優生手術が行われていたという具体的な情報にも接していないわけでございます。
 ただ、御本人から、今お話があったように御高齢だということもあって、御本人から厚労省に御要望があれば、職員が本人から御事情を聞くということで、厚労省としても適切にしっかりと対応したいというふうに思います。
○福島みずほ君 非常に前向きに言っていただいて、本当にありがとうございます。
 旧優生保護法の下で、障害のある女性は本人の同意なく不妊手術をたくさんの人たちが受けさせられたというか、本人は子供だったりして余りよく分かっていなくて、結局子供が一生産めないというか、一生と言うとあれですが、不妊手術を受けさせられたということがあり、七十歳ですが、人権救済の申立てをしているので、今大臣がおっしゃったように、是非事情聴取なり意見を聞いていただきたい。大臣がそう言っていただいたので、本当に有り難いというふうに思います。
 今回の女性差別撤廃委員会の一つの特色は、フォローアップで二つありますが、民法改正と複合差別です。やはり障害があって女性、部落で女性、アイヌで女性、外国人で女性、二重の差別を受けるということで、とりわけ障害のある女性たちは、障害を持っている女性ということでやっぱりいろんな差別や言えないことが山ほどあったということで、実際自分たちで実態調査を調べたりアンケート調査をしています。
 その意味で、今大臣が前向きに言っていただいたので、まずこのケースから対応していただけるように、今の回答は本当にありがとうございます。対応をよろしくお願いします。
 実は、旧優生保護法の改正後にも、例えば障害を理由として中絶を勧められる事例とか、そういうものは実はたくさんあります。旧優生保護法に基づく被害についても日本政府はその人権侵害を認め、強制不妊手術、子宮摘出の被害実態の調査を行い、法的措置をもって被害者に対する謝罪や補償を行うべきではないか、それについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(香取照幸君) この件に関しましては、過去にも御答弁申し上げておりますが、旧優生保護法に基づいて行われた措置、これはその後、法律改正がされておりますので、同意のない手術については現在行われておらないわけでございますが、当時に行われたことに関しましては適法に行われたという前提で制度が動いておりますので、当時のものに関して遡って損害賠償するということはなかなか困難ではないかと思っております。
○福島みずほ君 だが、しかし、こういう実態があり、問題がこれだけ指摘されておりますので、またの機会にも質問しますが、今日、大臣の答弁で一歩進んで、事情聴取していただけるということなので、是非それは、本人が御高齢ということもあり、対応してくださるということで、ありがとうございます。
 次に、同一価値労働同一賃金について御質問をいたします。
 この総理大臣、首相の言う同一労働同一賃金が同一価値労働同一賃金を含むものという理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 今委員御指摘のように、安倍総理からは、女性や若者などの多様で柔軟な働き方の選択を広げるために非正規の方の待遇の改善を更に徹底していくということが必要であるのでということで、この同一労働同一賃金の実現に踏み込むということとされたところであります。
 私どもとしましては、総理の方からも御指示がありましたので、今後、早期にどのような賃金差が正当でないと認められるかなどについての事例を示すためのガイドラインというようなものの検討に移っていきたいということで、今後、有識者の方の検討をお願いするということでございますけれども、御指摘の同一価値という部分につきましては、そもそも同一労働というのをどのような形で捉まえるかというような点も含めまして、諸外国の実例も参考にしながら、その点も含めてしっかり検討を行いたいと思っております。
○福島みずほ君 日本政府の見解は、労働基準法四条の規定にはILO百号条約の同一価値の労働に対する男女労働者の同一報酬に関する条約が含まれるという見解を再三されておりますが、この理解の上に立つのでよろしいですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今ILOの百号条約と、それから労働基準法の第四条の話をお触れをいただきましたが、ILO条約勧告適用専門委員会見解について、これまで政府は、先生今御指摘になったように、労働基準法第四条は、使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金として男性と差別的取扱いをしてはならないと規定をしているので、我が国の法制は本条約の要請を満たしていると同委員会に対して説明をしておりまして、この姿勢は変わりません。
○福島みずほ君 それならば、同一価値労働同一賃金のILO百号条約は労働基準法四条の規定に含まれるとすれば、同一価値労働同一賃金を労働基準法四条は規定しているということ、規定というか含まれるということですから、総理の言う同一労働同一賃金というのは同一価値労働同一賃金ということでよろしいですね。論理的にそうなりますよね。
○政府参考人(坂口卓君) 今大臣からも御答弁申し上げましたとおり、ILOの百号条約に関してということで、私どもとしまして、日本政府としては、労働基準法の第四条というところで、使用者が、「労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。」ということを規定しているということで、ILO百号条約ということについての批准をしているということで、その見解としてはそういう姿勢で臨んでいるんだということで、先ほども大臣から御答弁を申し上げたとおりでございます。
 一方、今回、雇用形態に関わる非正規の処遇改善ということで、先ほど申し上げましたような観点から、この同一労働同一賃金の実現に踏み込むということで、私どもこれから検討をまさにしていくわけでございますけれども、そういった雇用形態の違いに応じての同一労働同一賃金の問題について、先ほど委員の方からもおっしゃいましたこの同一価値という部分について、同一労働という部分をどのような形で捉まえるかということをしっかり有識者の方も含めて検討させていただきたいということでございます。
○福島みずほ君 いや、それでは駄目ですよ。だって、今まで同一価値労働同一賃金、ILO百号条約は労基法の四条の中に入っているというふうに言っているわけですから、総理の言う同一労働同一賃金が同一価値労働同一賃金にならなかったら駄目なんですよ。論理矛盾じゃないですか。
 もう一つお聞きをします。
 この同一価値労働、まあ同一労働同一賃金ということに関して、男女間、正規、非正規間の格差の解消、職務に応じた待遇確保法、これは昨年成立、の具体化には職務評価が絶対に必要です。職務評価をきちっとやるんだということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生御指摘になられた職務評価でありますけれども、非正規雇用労働者と正規雇用労働者の間の賃金格差などを把握をして、公正な待遇の確保を実現する上で、この評価は大変大事だというふうに思っています。
 厚労省としては、これまでパートタイム労働者と正規雇用労働者の仕事を点数化をして比較をいたします要素別点数法による職務評価の実施ガイドラインというのを既に平成二十四年の十一月に作っておりますが、その普及啓発に努めているところでございまして、いずれにしても、職務の評価あるいは職務の定義付けということが大変大事だということは、そのとおりだと思います。
○福島みずほ君 この同一価値労働同一賃金が、まさにILOと女性差別撤廃委員会における国際水準でちゃんとやるんですねという確認を取りたいわけです。
 職務評価なんですが、今大臣がおっしゃった得点要素法ですが、これに関してILO基準の職務評価システム、評価要素の四大ファクター、知識と技能、責任、負担、労働環境という評価要素の四大ファクターなど国際水準で行うべきと考えますが、それでよろしいでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) ILOが平成二十年に発行した平等な賃金実現のためのジェンダー中立的な職務評価、ここでは、職務を評価するに当たって、今御指摘の四項目、知識・技能、責任、負担、そして労働環境、こういう四項目について考慮をされることになっていると承知をしておりまして、この職務評価については、非正規雇用労働者と正規雇用労働者の間の賃金格差などを把握をして公正な待遇の確保を実現する上で重要なものだというふうに考えていまして、総理の指示に基づいて明日から開始をいたします同一労働同一賃金の実現に向けた検討会、ここで非正規雇用で働く方の待遇改善の更なる徹底に向けて実効性のある方策について、多角的、精力的に議論をしていただきたいというふうに考えているところでございます。
○福島みずほ君 もう一回、駄目押し的確認ですが、ILO基準でやるという、四大ファクターでやるということでよろしいんですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) それを含めて議論を始めていただくということでございます。
○福島みずほ君 いや、それ、ちゃんとやってくださいよ。
 つまり、ILO基準を満たさない、国際水準でないような偽物の、何というのかな、偽物の、まがいものの同一労働同一賃金では駄目なんですよ。もう厚労省は責任持って、自分の命を懸けてでもILO水準でやるんだと言ってもらわなかったら、でたらめの同一価値労働同一賃金になりますよ。いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 総理からは、日本のこれまでの雇用慣行も留意をしながら、同一労働同一賃金の実現に向けてこれを踏み出すということでありますので、これから議論が始まるので、ヨーロッパはヨーロッパでも国によってまたそれぞれ文化が違っていて、イギリスとそれからドイツあるいはフランスなどとも大分違うわけで、その評価の在り方も違うというふうに私は理解をしておりますが、これから本格的に各国でどういうふうにやって、どういうところで苦労して、どういうところでこの実質的な同一労働同一賃金を実現をしているのかということをよく精査をして、なおかつそれが日本で根付くようにしていくために何をすべきか、これをしっかりと議論をしていただきたいということで、お集まりをあしたからいただくわけでございます。
○福島みずほ君 いや、これはもうちゃんとしたILO基準でやってもらわなかったら偽物ですよ。偽物と言いますし、厚労省はそれ責任持ってやってくださいよ。
 最後に、釜ケ崎の職安の職業紹介について一言聞きます。
 四十年間、釜ケ崎の職安のみ、日本の中で職業紹介をやってきませんでした。しかし、今度、通達を変えてやってくださるということで、交渉した結果だと思っております。釜ケ崎で、四月一日から初めて、四十年ぶりに職業紹介をハローワークがやるということが起きるわけですが、これに向けての進捗状況を一言教えてください。
○委員長(三原じゅん子君) 時間が参っておりますので、答弁をおまとめください。
○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方から御指摘ございましたけど、このあいりん労働公共職業安定所の関係につきましては、昨年の四月の大阪地裁の判決あるいは議員からの御指摘等々も踏まえまして、一旦は省令改正もしたんですけれども、今後、御指摘等も踏まえての検討の上で、今ありましたように、今年の四月からあいりん所において日雇の職業紹介を開始するということで現在準備を進めているところでございます。
 具体的には、今申し上げましたような省令改正を一旦行いましたので、このあいりん公共職業安定所において日雇の職業紹介の業務を開始することができるように、厚生労働省組織規則の改正を行うということで準備を進めておるというところでございます。
○福島みずほ君 どうかよろしくお願いします。
 終わります。
○委員長(三原じゅん子君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) 雇用保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。塩崎厚生労働大臣。
○国務大臣(塩崎恭久君) ただいま議題となりました雇用保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 少子高齢化の進展に伴い労働力人口が減少する中で、高齢者、女性等の就業促進や雇用継続等を図り、国民一人一人が活躍できる社会づくりを進めることが我が国の重要な課題となっています。
 こうした状況を踏まえ、高齢者が安心して働き続けられる環境の整備及び高齢者の希望に応じた多様な就業機会の確保を行うとともに、子育てや介護と仕事が両立しやすい就業環境の整備等を行うため、この法律案を提出いたしました。
 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
 第一に、高齢者の雇用が進展している状況を踏まえ、失業中のセーフティーネットを確保するため、六十五歳以降に新たに雇用される者を雇用保険の適用対象とするとともに、就業促進手当の引上げその他の就職促進給付の拡充を行うこととしております。
 第二に、着実に改善が進んでいる現下の雇用情勢、雇用保険財政の状況を踏まえ、失業等給付に係る保険料率を引き下げることとしています。
 第三に、高齢者の希望に応じた多様な就業機会を確保するため、都道府県知事が指定する業種等について、シルバー人材センター等が行う有料の職業紹介事業及び労働者派遣事業に関し、業務の範囲を拡張することとするとともに、地方公共団体は、高年齢者の就業機会確保に係る計画を、地域の関係者から成る協議会の協議を経て策定することができることとしています。
 第四に、妊娠、出産、育児休業・介護休業の取得等を理由とする上司、同僚による就業環境を害する行為を防止するため、事業主に雇用管理上の措置を義務付けることとしています。
 第五に、男女共に働きながら子育てができる環境を整備するため、有期契約労働者に係る育児休業の取得要件の緩和や、育児休業の対象となる子の範囲を拡大することとしています。
 第六に、介護を理由とする離転職を防止するため、介護休業を三回を上限として分割して取得できるようにするほか、介護休暇の一日未満の単位での取得を可能とし、労働者が請求した場合は、事業主は所定労働時間を超えて労働させてはならないこととするなど、介護のための柔軟な働き方を支援する制度を強化するとともに、介護休業給付の給付率を引き上げることとしています。
 最後に、この法律案は、平成二十九年一月一日から施行することとしていますが、失業等給付に係る保険料率の引下げ等については平成二十八年四月一日、介護休業給付の給付率の引上げについては平成二十八年八月一日から施行すること等としています。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。
 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
○委員長(三原じゅん子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十七分散会