第190回国会 経済産業委員会 第10号
平成二十八年五月十九日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 五月十一日
    辞任         補欠選任
     島田 三郎君     丸川 珠代君
     吉川ゆうみ君     石井みどり君
     渡邉 美樹君     宇都 隆史君
     河野 義博君     秋野 公造君
     新妻 秀規君     浜田 昌良君
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     石井みどり君     吉川ゆうみ君
     宇都 隆史君     渡邉 美樹君
     長浜 博行君     小西 洋之君
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     小西 洋之君     長浜 博行君
 五月十六日
    辞任         補欠選任
     渡邉 美樹君     松山 政司君
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     松山 政司君     渡邉 美樹君
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     秋野 公造君     河野 義博君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         小見山幸治君
    理 事
                滝波 宏文君
                宮本 周司君
                山下 雄平君
                安井美沙子君
                倉林 明子君
    委 員
                岩井 茂樹君
                北村 経夫君
                松村 祥史君
                吉川ゆうみ君
                渡邉 美樹君
                小林 正夫君
                長浜 博行君
                柳澤 光美君
                河野 義博君
                浜田 昌良君
                清水 貴之君
                松田 公太君
                和田 政宗君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       経済産業大臣   林  幹雄君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       北村 経夫君
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        廣原 孝一君
   政府参考人
       経済産業大臣官
       房商務流通保安
       審議官      住田 孝之君
       資源エネルギー
       庁長官      日下部 聡君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       藤木 俊光君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        藤井 敏彦君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      多田 明弘君
       環境省総合環境
       政策局長     三好 信俊君
   参考人
       公益財団法人地
       球環境産業技術
       研究機構理事・
       研究所長     山地 憲治君
       NPO法人社会
       保障経済研究所
       代表       石川 和男君
       和歌山大学客員
       教授
       自然エネルギー
       市民の会代表
       元日本環境学会
       会長       和田  武君
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  本日の会議に付した案件
○電気事業者による再生可能エネルギー電気の調
 達に関する特別措置法等の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
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○委員長(小見山幸治君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十一日、新妻秀規君及び島田三郎君が委員を辞任され、その補欠として浜田昌良君及び丸川珠代君が選任されました。
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○委員長(小見山幸治君) 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。林経済産業大臣。
○国務大臣(林幹雄君) 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 再生可能エネルギーは、温室効果ガスを排出せず、国内で生産できるエネルギーであることから、その最大限の導入を進めていくことが必要です。
 平成二十四年七月に開始された固定価格買取り制度の下で、再生可能エネルギーの導入は着実に進展しておりますが、昨年七月に策定した長期エネルギー需給見通しの実現に向けて、今後ともその適切な運用を図っていくことが必要です。
 固定価格買取り制度については、太陽光発電の急速な導入が進む中、国民負担増大の懸念や電力系統への受入れ制約の発生といった課題が顕在化しております。また、固定価格買取り制度の認定を受けながら稼働していない未稼働案件が大量に発生するといった問題も生じております。
 本法律案は、再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立に向け、これら現行制度の課題に対応するために必要な措置を講ずるものであります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 まず、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法の改正に関するものであります。
 第一に、未稼働案件の防止や適切な事業運営を確保するために、再生可能エネルギー発電事業者が固定価格買取り制度の適用を受けるに当たり、経済産業大臣がその事業の実施の確実性や適切性を確認し、事業計画を認定する新たな制度を創設します。加えて、この制度を実効的なものとするため、経済産業大臣が改善命令等を行えるようにいたします。
 また、現行制度の下で既に発電を開始している案件や系統への接続について一般送配電事業者の同意を得ている案件について、新たな制度による認定を受けたものとみなす等の経過措置を講じます。
 第二に、新たな調達価格の決定方法を導入します。具体的には、現行制度においては経済産業大臣が算定する調達価格について、固定価格買取り制度の賦課金の負担を軽減する上で有効である場合には、入札を実施し、その結果により定めることを可能とします。また、開発期間に長期を要する電源などについては、事業の予見可能性の確保の観点から、あらかじめ複数年にわたる調達価格を定めることを可能とします。
 第三に、再生可能エネルギーの更なる導入を可能とするため、再生可能エネルギー電気の調達義務者を小売電気事業者から一般送配電事業者に変更する等の措置を講じます。また、これに併せて、一般送配電事業者が調達した再生可能エネルギー電気について、卸電力取引市場において売買取引を行うことや、あらかじめ経済産業大臣に届け出た約款に基づき小売電気事業者に対して供給すること等を義務付けます。
 第四に、電気を大量に消費する事業者に係る再生可能エネルギー電気の賦課金を減免する制度について、我が国の国際競争力を強化するという制度趣旨を明確化するとともに、この制度の対象となる事業者の省エネルギーに向けた取組を確認することができるように制度を見直します。
 加えて、再生可能エネルギー電気の調達義務者を一般送配電事業者等に変更することに伴い、電気事業法などの関係法律について所要の改正を行います。
 以上が本法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願いを申し上げます。
○委員長(小見山幸治君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
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○委員長(小見山幸治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に公益財団法人地球環境産業技術研究機構理事・研究所長山地憲治君、NPO法人社会保障経済研究所代表石川和男君及び和歌山大学客員教授・自然エネルギー市民の会代表・元日本環境学会会長和田武君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小見山幸治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(小見山幸治君) 速記を起こしてください。
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○委員長(小見山幸治君) 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法等の一部を改正する法律案を議題とし、参考人の方々から御意見を伺います。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、議事の進め方について申し上げます。
 まず、山地参考人、石川参考人、和田参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 御発言の際は、挙手していただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、参考人、質疑者共に御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず山地参考人にお願いいたします。山地参考人。
○参考人(山地憲治君) 山地でございます。
 お手元に一枚紙の資料ですけど、再エネ特措法改正案についてというタイトルで私の名前の資料が配られていると思いますので、それを使いながら説明させていただきます。
 まず、固定価格買取り制度、フィードインタリフでFITと呼ばれていますが、FITの政策的位置付けについて確認したいと思います。
 FITとは、生産する電気の価値よりも高い価格で買い取って、再エネ電源への投資を促進するというものであります。
 これは非常に有効な政策手段でありますが、劇薬とも言われます。ということは、導入促進効果は非常に高いのですが、副作用、ここに書きましたように、後でちょっと申し上げますが、賦課金を通した国民負担、それから系統安定化対策等でありますが、これらも非常に大きいと。
 一方、表現はどうかと思いながら書いたんですが、負担は賦課金として薄く、まあ一部減免がありますが、広く電力消費者にキロワットアワーの消費量当たり均等に配分されます。これ、大きな抵抗勢力がないという私の表現にしました。つまり、皆さんが薄く分担する。ということは、補助金と異なり税金を使わない。これは私、記憶にあるんですが、この特措法ができたときの当時、菅首相が税金を一円も使わずに再エネ促進ができるという表現を取られましたが、そうなんですけど、実は税金とほぼ同じような課徴金が掛かっているということなんです。
 もう一つ重要なこと、この以前にRPSという再エネの調達量を義務付ける制度があったんです。それが導入されていた、それはRPSなんですが。そのRPSと異なって、電力会社の直接負担は回避可能費用、これも後で少し申し上げようと思いますが、その電気の価値分である。買取り価格は高く設定されているんですが、電気の価値である回避可能費用を上回る分は賦課金として消費者が均等に分担する、こういう仕組みなものですから、電力会社にも過大な負担は掛からない。RPSは電力会社に負担が掛かっていたわけです。そういう意味では、ある意味政治的に通りやすかったかなと思います。
 ただ、問題は、先ほどの劇薬というところでも言いましたが、もう一つ非常に大事なことで、導入量の制御が利かないわけです。これは、利かないわけでもないんですけど、我が国の今の制度では利かない。これは、我が国のFIT法では、再生可能エネルギーを種類別、規模別に区分して、それぞれに原価、効率的に供給を行った場合、通常要する費用と書かれていますが、その原価に利潤を加えて買取り価格を決める。つまり、どの電源も要するに採算が合うわけです。そうすると、結局、リードタイムの短い太陽光が先行していくということになってなかなか止められない。
 最後ですけど、これはちょっとやや理論的なんですが、再生可能エネルギーの種類を問わず均一の価格で買い取るという制度であれば、FITも理論的には実はRPSと同じになります。ここはこういう場ですから説明しませんが、これは数理計画法でいう双対理論というものにベースがある。
 実は、これをわざわざここで書きましたのは、私、ちょうど二〇一一年の三月十一日、震災当日の午前中にFIT法案の閣議決定が行われて、それは審議会案に基づくものだったんですが、その審議会の審議に関与させていただきました。そのときには、先行している余剰買取り以外のものについては基本的には均一価格で買い取るという制度提案をしました、審議会として。私はその背景には、私の頭の中には少なくともこの理論があったということです。ところが、実際には国会での審議によって種類別、規模別に原価プラス利潤ということになって、コントロールが非常に利きにくくなった。ある意味、私は、買取り価格は政策的な変数であって、入り過ぎれば下げてやる、なかなか入らなかったら高く買ってやる、しかも、同じにしておけば再生可能エネルギーの中で安いものから順番に入っていくだろう、そういう考えだったということでございます。これは背景でございますが。
 今、じゃ、どういう課題に直面しているか、それで今度のFIT法改正でどう対応しているか、それから今度の改正が行われてもまだ残る課題は何か、そういうことを申し上げたいと思います。
 まず、直面する問題。いろいろあるんですけど、非常に簡潔に書かせていただきました。
 先ほども少し申し上げましたが、FITによって非常に再生可能エネルギーの電源導入増えましたが、専ら太陽光、しかも十キロワット以上ということなのでメガと言いにくいんですが、いわゆる俗に言うメガソーラーであります。これの買取り、幾らで買い取りますよ、メガソーラーの場合は二十年間ですが、その買取り価格は設備認定によって買い取られる権利を取得できるんですが、その認定された設備量が非常に過大になっている。八千万キロワット近くになっている。
 それから、これは二年前の二〇一四年の秋に九州電力で顕在化したわけですが、自然変動電源ということもありますが、それ以外でも電源を系統に接続するには接続可能な容量があります。つまり、系統接続容量があるわけですが、これほどの設備認定があって、それぞれが電力会社に接続申込みをしてくると容量不足が起こってくる、あるいは九州電力管内の中でのピークの需要よりも更に上回るような電源の系統接続申込みがあるということが顕在化したということですね。
 それと、やっぱり国民負担。先ほどの賦課金の方でいいますと、当初はたしか、私は、二〇一一年の国会審議のときの議論では賦課金のところにもある程度の上限の目安という議論があって、年間五千億円程度という議論をしたと伺っておるんですけれども、昨年度、二〇一五年度で賦課金レベルで一兆三千億円とかそういうオーダーで、買取り総額でいうと一兆八千億円ぐらい。これは見込みで賦課金のレートを決めますので、取りこぼしがあったりすると翌年度に取り返すというような形で調整していくわけですけれども、いずれも賦課金は年々倍増するような勢いで、今や一兆円を超える。一兆円を超える政策、対策というのは物すごく高い費用だと思うんですけれども、それが広く薄く国民が負担している。これは、しかもこのままでは急速に拡大する。今の八千万キロワット程度の設備認定を受けたものが全部普及すると、これが二兆七千億とかという試算ももう一年以上前にございました。やっぱりこれにどう対応するかということが根本問題。
 それで、二番目に、FIT法改正前の対応ということがあります。現在の法律の下でも打てる対応はだんだん打ってきました。私は新エネルギー小委員会の委員長というのも務めておりまして、そこでいろいろ審議して対応してきたわけですが。
 一つは、設備認定済みの設備でもなかなか運転開始しないものがある。太陽電池のようにパネルコストが急速に下がる段階においては、初期の原価でもって認定されたものが後から運開すると、安いものを調達できますから利益が増えてしまうわけですね。それはやはりちょっと問題だろうということで、いろいろなぜ遅れているのかという聴聞等を経済産業省の方でかけていただいて、非常に悪質なものについては認定取消しとか、あるいは、設備を変更するとなると変更時点で再認定して、その時点の買取り価格を適用するというような対応を打ちました。
 それから、先ほど申し上げた九州電力の系統接続容量不足の問題に対しては、自然変動電源、太陽光と風力ですが、出力制御ということをあらかじめ組み込んではいたわけですけど、それは五百キロワット以上の事業者に対して年間三十日以内ということだったんですが、これを、なかなか接続容量不足のところに関しては五百キロワット以下、それから三十日というのを時間帯ごとに調整できる、それから、特に逼迫しているところは指定電気事業者ということで、三十日ルールを時間対応したものについてもそれを超えて無償で出力制御ができるようにした。
 それから、回避可能費用を卸市場価格に連動というのは、先ほど言ったように、今小売事業者が買い取っているわけですけれども、小売事業者自体は高く買い取りますけれども、実は賦課金からの交付金によって自らが負担するのは回避可能費用だけということになります。回避可能費用の仕組みは一般電気事業者の変動費がベースになっていたわけですが。それと、一方、現在、卸市場が活性化している、卸市場があるんですが、卸市場の方が回避可能費用より、つまり買い取った電気事業者の負担よりも高いケースがあると、そちらに、卸市場に転売するともうかるわけですよね。実際そういうことが行われていたということでありまして、これは非常に問題がある。これを不当な裁定取引と言うと。したがって、回避可能費用を卸市場に連動させるということの対応を取りましたが、いずれも経過措置付きでやっておるものですから、なかなかすっきりした対応にはなっていない。
 それから、効率的な供給コストということに今でも原価はなっているわけですが、特に今年度の太陽光発電、メガソーラーは二十四円キロワットアワー当たりにしましたが、要するに、コストデータは取っているんですが、中でも安い方、トップランナーに近い方を使うということをやってきた。しかし、やはり今直面している問題に対する対応としては不十分なので今回FIT法改正ということでございます。
 これについては、既に十分説明があると思いますので繰り返しになるかと思いますが、よく五項目。
 一つは、今申し上げたことに関係ある未稼働案件、太陽光が多いですが、それの新認定制度。つまり、今までは設備認定というのは系統接続を申込みをした段階に大体やっていたわけですけれども、今度は系統接続契約ということを設備認定の要件化することができるようにする。そういうことで不良の案件を差し替えていく。つまり、初期のまだ運転していないのは四十円とか高い価格ですから、これを差し替えるだけでも、現在の二十四円に差し替えると、国民負担は減るわけですし、なかなか運開しないものは認定取消しにすることができる。
 それから、今までは投資促進だったんですが、今後は適切な事業実施ということで、点検とか保守を法制化していくとか、あるいは景観とか、この前の洪水のときもそうでしたが、安全上の問題がいろいろ浮かんできたので、そういうことに対する配慮も促す仕組みを入れる。
 それから、並んで重要なことは、よりコスト効率的な導入促進を図って賦課金を少なくしていく。これは、中長期的な買取り価格目標を提示するということもありますが、大きいものについては入札制という制度を取り入れることができるようにする。また、減免についても、今八割減免というようなことで、ある意味一律のルールなんですけど、やっぱり省エネとか国際競争力というのを念頭にそういう減免が行われているので、その運用を厳正化していく。
 あと、リードタイムの長い電源ですね。今までは太陽電池に問題があったんですけど、一方、地熱とか中小水力とか、あるいはバイオマスとか時間が掛かるもの、風力もそうですけれども、そういうものについては、今は翌年度の買取り価格を調達価格等算定委員会で決めるわけですが、三―五年とは法律には書いてありません、数年先かもしれませんが、三―五年程度先の認定案件の買取り価格も提示するようにする。
 それからもう一つは、電力システム改革の活用で、先ほどの不当な裁定取引の防止ということもありますが、買取り義務者を小売事業者から一般送配電事業者に変更する。広域調整もやりやすいし、インバランス精算についてもより易しくなる。
 ただ、まだ私は少し、これでは十分ではないと考えております。
 幾つかあるんですが、ちょっと順不同で思い付いたまま書いたんですが、法改正後も残る課題としては、一つは、自然変動電源対策はやっぱりこのままではまだ難しかろうと。キロワット調整力ってありましたけれども、今、一般送配電事業者が買い取った電気は基本的には卸市場に出すという仕組みを考えているんですが、ヨーロッパのケース考えると、卸市場がすごく実は価格が下がっていってマイナスプライスになったりする。そうすると、今、火力が自然変動電源の調整をやっているんですけれども、動かない火力を、設備を持っておくインセンティブがないんですね。そうすると、容量メカニズムとか、こういうものを入れないといけない。
 それから、余り知られていないですけど、高調波対策というのは、太陽光とか風力というのは、風力の一部は回転機の場合もあるんですけれども、大体インバーターを介して整形して交流に変えるわけですけど、インバーターで交流に整形すると高調波成分が出るんですよ。普通、回転機の発電機であればきれいなサインカーブになるんですが、高調波成分が出てそれが電力の品質を落とすということが今ちょっと出始めている。いろいろありますので、ここのところの対応。
 それから、系統接続枠。これ九州電力のときに非常によく分かったんですけれども、ピークキロワットより余計系統接続が大変だというのは直感にも分かるんですけど、それ以外にも、実はいろいろ連系線容量の運用とかいろいろなものがあります。これについては、今度、システム改革第一弾の広域機関が発足したので、そこで調整ルールをやっているところですが、公平性も考えて今後やっていく必要がある。
 それから、買取り費用総額の上限の下でエネルギーミックス目標を決めたんですが、本当にあのミックス目標を達成できるのか。ちょっとこれはアバウトな課題ですが。
 それと、分散電源とかディマンドリスポンスとか蓄エネとか、需要側の資源をうまく活用して自然変動電源の調整を図っていくのが大事。
 それから、一番大事なのは実はここで、FITはいつか卒業しなきゃいけないわけです。自立電源化する道筋がまだできていない。このためには、太陽光の電気の価値というのが本当にどれぐらいあるのか。これ、今もう九州電力ぐらい入ってきますと、実は太陽光が供給する以外の電気の需要というのは夕方がピークになって、もう太陽光が幾ら入ってもそのピーク削れません。そうすると、設備を代替する効果はなくなるし、卸市場の中で昼間のいっぱい安い電気が出てくると卸市場自体が下がるので、太陽光の電気の価値自体を下げる。やっぱりその部分がどうやっていくかが問題。
 あとは、やっぱり電力需給。私、これ、今回のことを考えていろんな一般の人とも話していると、よく分かっていただいていないんですね。地産地消というのはいい場合もあるんだけど、電気の場合に問題もある。FIT電気という電源表示するんだけど、実はFIT電気の環境価値はみんなが既に負担している。皆さん既に環境にいい行動をしているんだけど、FIT電気を買うことで何かいい貢献ができているようなちょっと誤解を与えている。この辺りのところも問題。
 最後に、技術革新というのが大事であって、それへのインセンティブというのも考えなきゃいけない。
 限られた時間で少し早口になりましたが、以上でございます。
○委員長(小見山幸治君) ありがとうございました。
 次に、石川参考人にお願いいたします。石川参考人。
○参考人(石川和男君) おはようございます。石川と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 私の名前で資料A4縦の形で配付をさせていただいておりまして、この表紙に書いてございますように、本法案について私は、これは衆議院の方でも参考人として出させていただきまして、その旨を表明いたしましたけれども、この法案は、いろいろそれは不満もありましょうけれども、まず一歩また踏み出すということにおいて早く成立をし、そして来年四月に全面施行ということになると思うんですけれども、私としてはもうちょっと早く施行してもいいんじゃないかなと。そのぐらいこの改正法案は早く施行するということではあるんですけれども、それに向けてちょっと細かな点がかなりあるということの提案、今後のこの国会における審議において活用していただきたいような視点。
 それと、この法案の附則の二十条というのがありまして、ここでは、規制法の場合には大概今はどの法律案でもそうなのですが、三年後に見直すといういわゆるサンセット条項というのがございまして、それに向けてどう考えていくかと。今回踏み出してまた三年後に恐らく踏み出すとどんどんどんどん進化していくということになると思いますけれども、その視座というものについても今日提案をさせていただきたいなと思っております。
 めくっていただきまして、大きく四点ほど提案をしたいんですが、まず一つ目は、やはり今、山地先生もおっしゃっていましたけれども、再生エネルギー自体は、これは推進はするわけです。もうこれは国是です。ですからこの法律ができているわけなんですけれども、やはり全部が全部百点満点ではなくて、どうしても再生エネルギーというと最初に、私もそうですけれども、今ようやく落ち着いて再生エネルギーを見る、マスコミ論調なんかもそうですが、そういうものを見ますと、やはりコストの面で結構心配しなきゃいけないものがあると。これは、コストが高いというものを推進するという方法もあるんですけれども、やはりなるべくこれは電気の需要家、言わば電気の需要家というのは国民ほぼ全員ですので、その負担をいかに抑え、時には削減をしながら進めていくかという発想が大事かなというふうに思います。
 この課題ということで、上に二つ、二行書いておりますけれども、まず賦課金の全体額をいかに抑えていくかということと、それからその次に、減免措置があります。これは、特に産業界ですね、産業界という別に業界のことを思うわけではなくて、そこには多くの人が働いていて、日本の競争力というものの源泉でもありますので、そういった分野への配慮というものが引き続き必要であろうということであります。
 それで、この法律、FIT法は二〇一二年七月に実施されて、そこから固定価格買取りが始まったわけでございますね。二〇一二年七月というと、東日本大震災の一年半の後。東日本大震災は三月十一日午後二時四十六分です。その六時間ぐらい前に閣議決定されたのがこのFIT法であります。つまり、FIT法というのは原子力事故を踏まえたものではないということなんですね。
 この下に私はフランスのことも書きました。ドイツを例に取ってこの法律は進められてきたわけですけれども、私、ドイツへ去年行ってまいりまして、やはり現地に行くべきだなと思いましたのは、ドイツだけを見ていると、いわゆる両目があって片目しか見ていないことになります。両目を開くと、ドイツの左が、地図で見ると左というか、こっち側にはフランスという国がありまして、これがまたちょうどいいあんばいなんですね。ドイツだけだと人口八千万人、フランスは六千万人、日本は一億三千万弱と。フランスとドイツを合わせると一億四千万で、これちょうどよくなるわけですね。ついでに言いますと、電気はEUはつながれておりますので。
 どうもドイツだけ見ていると調子が悪いというのが、今の日本のFIT法の、まさに今日こういう法律改正案を審議しなければいけないような状況、つまり高いということなんですね。高いということです。ドイツは高いです。私が去年試算いたしましたら、ドイツの平均家庭、一ユーロ百三十円ぐらいで計算しますと二千四百五十円から二千六百円の賦課金です、ドイツの一般家庭。日本は、私は一番最後のページに書きましたけれども、我が家は自営業もやっておりますので少々高いんですが、千円弱です。恐らく今年は千円超えると思いますが、それも仕方がない。仕方がないんですけれども負担は負担と。
 これをいかに抑えるかという発想でこの一番を提示させていただいておりますけれども、やはり、元々は再エネを進めるのは原子力ありきだったんです。石炭もありきだったんです。ところが、原子力事故が起きて、その後に本格的な審議になって再生エネルギーをやろうかというような論調になって、恐らく日本人はほとんどは原子力事故があったからFITを設けたんだろうというふうに思っているんじゃないかと思うんですね。ところが違うんです。違います。つまり、原子力がいいとか再エネがいいとかいろいろ好き嫌いはあるにしても、そんなわがままを言っている場合じゃないですね、我が国は。とにかく国産エネルギーはないと。エネルギー安全保障ということを考えれば、国産エネルギーを増やすんですけれども、本当は再生エネルギーと原子力、原子力は純国産なわけですけれども、この二つでいくはずだったのが、片っ方だけどかんとなくなっちゃったわけですね。これが問題なんです。
 したがって、ここを、原点に立ち返るというのは、この下に書いてあるフランスとドイツの両方を見ましょうというのがこの数字でありまして、これ見ていただきますと、ちょっと青い字なんですけれども、ドイツは再エネ先進国、高いですね。ドイツの比率は高いです、再エネ。フランスは逆に、再エネ比率はそんなに大したことはありませんが、原子力比率が高い。フランスだけを見るわけにもいかないです、そこまで日本は原子力できませんので。じゃ、ドイツだけを見ればいいかというと、それは今まさにこの法案を審議しなければならないような国情になっておるわけですが。これはブレンドするとどうなるかというと、大体再エネが二割ぐらい、原子力が四割ぐらいと。恐らく震災前の日本のエネルギー政策というのはこのぐらいの路線でいくだろうというふうに見越しておったわけですけれども、震災が起きて事故が起きてしまいましたので、どうしても原子力については冷や水が掛けられたというのが今の状況だと思います。あれから五年たっておりますが、なかなか正常化への道というのはもうちょっと時間掛かるかなというのが私の率直な感想であります。
 次のページをめくっていただきまして、要するに抱き合わせですね、セット販売じゃないですけれども、抱き合わせで考えていくという原点に立ち返ると私はいいんじゃないかと。ここに書いておりますけれども、再エネは推進するんです。後で出てまいりますけれども、再エネ一〇〇%にいずれ必ずすべきだと思います。まあひ孫の世代ぐらいだと思いますが。すべきだと思いますが、それまでの間、再エネをどうやって振興していって、国民負担を上げずに、ということを考えれば、再エネが高いという悪評だけはどうしても払拭しておきたいというのが私の思いであります。
 本法案では太陽光の入札制度、これは非常にいいことだと思いますけれども、いかんせんこれだけでは到底賄えない。年間数兆円にも及ぶ追加燃料費を到底競争だけで削減することは、これはできません、できないです。
 したがって、やはり原子力というものをきちんとブレンドして、原子力の、既設の原発ですね、既設の原子力発電所です、これをきちんと正常化させることによって安い電気と、再エネはまだ高いのでありますけれども、それを相殺しながら全体として安い国産エネルギーでいくというのが、私は、このまさに国会の場で議員の先生方からそういう大所高所からの議論も是非とも進めていただきたいという思いでございます。
 ただし、その場合には、本委員会とはちょっと関係ないかもしれませんが、原子力規制委員会の規制基準の運用というものが、これがややちょっと世界の非常識的なものがまだまだありますので、ここをきちんと改善するということが必要だと思います。ちょっと話は広がりますけれども、トータルパッケージで、政治ですので、官庁のように縦割りではないので、是非政治の世界で縦割りを排した形で、そういう視点で、三年後の見直しじゃないですけれども、考えていただければなというふうに思います。
 二つ目でございまして、次のページです。2.とありますが、さっき山地先生もおっしゃいましたが、FITは卒業すると思います、いずれ必ず。そのときに大量の設備が残ります。太陽光が多いと思います。これは個人あるいは中小事業者でも設置しやすいからだと思いますが、たくさん残る。それが、設備を引き続き有用に活用して再生エネルギーの発電量も維持していくということを考えると本当に一般家庭ないしは中小事業者がその体力を維持し続けることができるだろうかというふうに考えると、私は、絶対できないとは言いませんけれども、今までの我が国の歴史を見ると、やはり中小よりも大手の方が体力もある、人もいるということで、そちらの方に集約していくということを私はそろそろ考えてもいいんじゃないかなというふうに思っております。
 FITが始まって四年目ですので、何となく日本の個人も法人も、再生エネルギー。特に太陽光、風力に対するスタンスというものが見えてきたわけでありますけれども、もはやおととしぐらいに起きた太陽光バブルのようなことは起きないと思いますけれども、しかし設備自体はもう認定されていますので、それをどうやって安定的にずっとやっていくかと。何か放置されて捨てられるというのは余りにももったいない。そういう事態がなくなるように、きちんと大手、例えば電力会社とかガス会社とか、大きなエネルギー資本に集約していくような、そういうことも三年後の見直しに向けて是非ともこの国会の場で議論をしていただきながら、そういう長期的な目標も据えていただければなというふうに思っております。
 次のページをめくっていただきまして、三つ目でありますが、再生エネルギー。水力、地熱、バイオマスというのは安定電源でありますので、これはもう独り立ちできるわけでありますけれども、恐らくFIT法の意図というのは、主に太陽光、風力、何というか我々の身近にある自然エネルギーだと思います。ですから、メディアでもよく再生エネルギーで登場するのは太陽光、風力だと思います。
 しかし、残念ながら今の人類の持つ技術では不安定ですね。本当はバッテリー、蓄電池のようなものが安く普及してくればいいんでしょうけれども、なかなか、今日本でも一生懸命やっていますけれども、世界でもやっていますけれども、そう簡単にはいかないということで、当面は太陽、風力というのは不安定電源として考えざるを得ないと。
 そのときに、当然、しわ取りですね、この図にもありますけれども、これは火力、日本の場合には主に石油火力あるいはガス火力でバックアップをするということになりますけれども、ここの火力電源の安定的な投資回収策。火力が駄目になっちゃったら再エネも駄目になりますから。水力、地熱は別です、バイオマスも別です。バイオマスはもう火力発電ですが。太陽、風力については、これはどうしてもぶれちゃうので、このぶれをなくすというその仕組みは、現在は大手電力会社の火力発電所が担っていると。現場も何遍か見学させてもらいましたけれども、石油火力の現場の方は大分しわ取りのスキルができてきたようで、そこは日本はやっぱりすごいなと私は思いましたけれども。
 いずれにしても、ただ、採算性という問題があるので、そこについては是非、再エネを進めるための火力の安定化策という視点で御議論をいただければなというふうに思います。私はここで、下に制度化と書きましたけれども、これは業界に向けたガイドラインとかそういう類いの話ではありません。これはもう規制的、制度的にやるしかないと。規制というと聞こえは悪いですけれども、いずれにしても、FIT法あるいは電気事業法の中できちんとこれを措置するような視点で議論をしていただければなというふうに思います。
 それから、次のページ、四番目ですが、これは少々細かいものも含めて幾つか。
 まず一番目ですけれども、価格算定委員会で毎年毎年決まっているんですけれども、私は、これは言わば料金認可のようなものと非常に近いなと思っております。役所の行政の実務的な話をしますと、この価格算定委員会のプロセスそのものは極めて公明正大なものでありまして、何ら文句の付けどころは私は手続上はないと思っておりますが、問題は、幾らにするんだというところなんですね。この幾らにするんだというところというのは査定というふうに言いますけれども、この査定の基となる数字がこの表にもありますけれども、日本はかなり高いですね、太陽、風力は高いと。これは輸入燃料ではないんですね。天然ガスを輸入するとか石油を輸入するとかという輸入燃料ではないので、どうしても国際的な相場に何で合わないのかというところをぐじゅぐじゅぐじゅぐじゅ考えてみますと、ちょっとこれは査定のところの手法が違うんじゃないかなと、私は、かなり実務的ですけど思っております。
 ここについては、今、価格算定委員会の方で政府の方に委ねる形になっていますけれども、是非、国会の場でも、これ消費者が払うお金ですから、ここについては外国はこんなだぞと。特にやっぱり欧米、ヨーロッパですね、ヨーロッパ諸国と比べてこれは幾ら何でも調子が悪過ぎるというふうに、これは一目見れば分かると思うので、そこは是非、国会の場で審議いただきまして、政府の方に対して大きな宿題を課すということを私は求めたいというふうに思っております。
 それから、二つ目、三つ目でありますけれども、入札、こういったものについてもそれぞれ書いておりますけれども、割愛いたします。
 次のページでまとめということで、やはり国会のメッセージ、国会から政府に対するメッセージとしては、震災以降原子力が止まってしまいました。いろいろ問題がありますけれども、しかし、国民の金はなるたけ国内で使うという観点じゃないかなと私は思います。外に出ていっている金を日本の国内に戻してそれで再生エネルギーを振興するという、そういう、言ってみれば、よくよく考えたらそうだなというようなことをそうだなというふうにやっていただきたいというのが一つ目の丸であります。
 二つ目は、これはまさに既認定未稼働というものが何十万件もあるかのごとき今の太陽光の状況なわけですけれども、すぐ逃げる再エネの関係筋は要らないと。ちゃんとやる人だけ残っていただくというようなことで、この制度の運用について万全を期してもらいたいということであります。
 そして、下に書いていますけれども、私は将来再エネ一〇〇%というのはあると思います。当然あると思います。運輸燃料も含めてあると思います。遠い先だと思いますけれども。しかし、今FIT法ができているこの国では端緒にいると思います。まだ黎明期です。恐らく幼稚園ぐらいのレベルじゃないでしょうか。これが大人になっていって一〇〇%になるまできちんと見るために、その補完としての原子力と火力というものを過渡的なものとして捉えてやっていく、いずれ必ず再エネ一〇〇%にするという目標を持って、それまでの過渡的なものとしてどういうふうに有効に使い切るかということをいま一度認識をしていただければなと思います。
 そして、ちょっと飛びます。最後のページ。石川家ということでちょっと僣越でございますけれども、我が家の再エネ賦課金の推移でございます。これは生のデータをそのまま私のホームページからコピペしましたけれども、千円弱です。これが我が家の四人家族の負担であります。
 ありがとうございました。
○委員長(小見山幸治君) ありがとうございました。
 次に、和田参考人にお願いいたします。和田参考人。
○参考人(和田武君) 和田でございます。よろしくお願い申し上げます。
 私の方からは、再エネに関わる主要な問題についての捉え方と対応について最初にお話し申し上げて、それに基づいて今回の改正法案についての意見を申し上げたいと思っております。
 私の資料の二ページ目に、地球温暖化・気候変動問題ですけれども、この問題は、このまま進行しますと大変な重大影響、場合によっては不可逆的な環境変化までもたらしかねない、人間の生存基盤まで揺るがしかねない、そういう問題ですので、その回避に努めるということは、これは国際的な責務です。
 昨年、パリ協定が採択されましたけれども、気温上昇を一・五度から二度未満にする、そのためには二十一世紀中に温室効果ガス排出を実質ゼロにするということが目標として定められているわけですけれども、これに沿って考えますと、日本の地球温暖化対策計画で出されている目標、二〇五〇年の八〇%削減はいいんですけれども、二〇三〇年の一三年比二六%減、一九九〇年比ですと一八%減になりますけれども、これはいかにも低過ぎます。今後、これはパリ協定の下で見直していく必要があると思っております。二〇三〇年には一九九〇年比で四〇%以上の削減という目標を掲げるべきだろうと思います。
 次に、三ページ、原子力発電ですけれども、御承知のように、日本は地球のプレートのまさに境界の上にある国です。非常に珍しい、まさにそういう地理的な特徴を持っている国です。したがって、巨大地震が常に発生する、そういう国での原発稼働は、これはコストとか損得の問題ではなくて生命に関わる、そういう問題です。過酷事故が、起こりようによっては日本の存立基盤そのものを破壊しかねない、そういうものですので、原発の再稼働はやめて全ての原発を廃炉にすべきです。
 といいますのは、新規制基準が世界一厳しい規制基準だと言われていますけれども、逆に、自然の条件は、世界一厳しい自然条件です。そういう下では、いかなる対策を取っても過酷事故を回避するということはできない。このことは原子力規制委員会でも、この規制基準を満たしても絶対的な安全性が確保できるわけではありませんと、これはホームページにちゃんと書かれているわけです。そういうことですから、今言ったような意味で原発は廃止すべきだと、これは国民の意見とも合致するものです。
 それから、四ページ、三番目に、化石資源の利用、とりわけ、今、石炭火力発電所を非常に増設する計画がどんどん出ていまして、これが容認される方向に進んでいます。この発電所を造りますとかなり長期に運転することになります。そうしますと、現在のエネルギー需給見通しで出されている二〇三〇年の石炭比率の見通しを上回る勢いでさえあります。しかも、CO2の削減の目標を今後見直しを迫られるとしますと、この点についても非常に支障を来します。
 したがって、石炭火発の新設を禁止する、既設発電所は順次撤廃するという方向性をきちんと打ち出すべきです。これはもう欧米諸国の動きはそういう動きが大勢であります。
 その次、今申し上げたようなことを踏まえれば、現在の時点では、日本は再エネ中心の持続可能な社会構築という、それの実現に向かった目標と計画を明確に掲げる、方向性をきちんとした政治をやる、これが今極めて重要になっています。世界の趨勢はまさにその方向を向き始めています。この間のCOP21での再生可能エネルギーに関する議論を見ていても、そういう動きが物すごく強まってきています。
 具体的に申し上げますと、世界の発電所の新設、年間の新設量の六割以上が再生可能エネルギーです。これが三年連続してもう続いています、しかも増えていっています。EUに至っては八割が再生可能エネルギー発電です。そういう動きがどんどんどんどん進んでいるわけですから、世界の大勢はまさにこの方向に向かっていると。
 そういう視点で二〇三〇年の見通しを見たときに、再生可能エネルギー比率二二から二四%、原発二〇から二二というのが出ているわけですけれども、この再生可能エネルギー比率は低過ぎます。原発比率をゼロにして、再生可能エネルギー比率を少なくとも四五%、望ましくは五〇%以上に高めるべきです。
 こういう数字を言いますと、日本ではそんなことは不可能だという、そういう意見をよく聞きます。しかし、これは実際にほかの国では十分やれるようなことが実績でも出ているわけです。十三ページに図の参考資料を付けておきましたけれども、日本、ドイツ、デンマークの再生可能エネルギー発電量の推移を示してあります。一九九〇年比で、日本は一・五倍に対してドイツは九・三倍、デンマークは二十二・五倍になっています。
 これを、ドイツの場合について、ドイツがEEG、固定価格買取り制度ですね、このEEGを導入したのが二〇〇〇年、そこから十五年の間に再エネ比率を五倍に増やしているんですね。水力を入れて全ての再エネ比率を五倍に増やしています。水力を除いた再エネの比率は、二〇〇〇年の二・四%から二九・四%へ十二・四倍に増やしています。つまり、過去十五年間でこういうことができているんです。これからの十五年間でこれ以上のことができないはずはありません。といいますのは、以前に比べたらずっと条件は良くなっています。例えば、ドイツが固定価格買取り制度を始めたときの太陽光発電の買取りコストは電気料金の四、五倍でした。円にして恐らく百円ぐらいだったでしょう。そういう非常に厳しい条件の下でスタートして、それでなおかつこれだけのことがやれているわけです。
 ですから、この比率を仮に日本で、今言ったようなドイツで過去に十五年間にやった比率を、今後十五年間でやったとしたら、まさに六〇%とか五〇%とか、そういう数字にすることは可能なんです。ですから、その政策手段としてFITというのが最も重要な政策手段としてあるわけです。
 私自身は、もうRPS法が採用されるずっと以前からFITを採用すべきだということをずっと主張してきました。そういうことですので、FITそのものは維持しながら、もっとより良いFITにしていくべき、今申し上げた視点から、積極的に、飛躍的に普及を推進するために、改正を求めたいというふうに思っています。
 そのFITの改正案に対してですけれども、六ページから。
 まず、接続方式や認定条件について、従来法の第二章第五条、第六条を削除して、そして新たに条件付の認定方式等を導入する。こういう当面の措置、その中には地域でのトラブルを回避するための情報公開等、評価できるような項目が入っています。ですから、そういう当面の問題を解決するという点では理解できますけれども、再エネ普及を今申し上げたような意味で飛躍的に普及するという立場からすると、まだまだ不十分です。
 これを更に促進できるように、送電線設置費は送配電事業者の負担として、優先接続が可能になる改正を目指していただきたい。これはドイツを始めとして多くの国でやっていることです。
 さらに、広域連系を強化する。これに対しては国ももっともっと積極的に関与して、周波数の変換や地域間の連系、こういう設備を強化して、社会インフラ整備として位置付けて、今考えられているような期間ではなくてもっと短期間にこれをやると。数年以内ぐらいにやれば、全国で今問題になっている需給調整とかそういう体制が全国的にできるようになるわけですから。地域別でそういうことをやろうとすると大変な、九州のようなそういうことが起こるわけですけれども、もっとそういうことをきちんと全国的にやれるようにすれば、出力抑制とか接続可能量の設定等も不要あるいは減らす状況づくりをやれるわけです。それを目指す必要があると考えております。
 さらに、再エネの優先給電。これを採用することで普及を加速することができます。この点については、経産省の省令では再エネは火発より優先するということになっているわけですけれども、エネルギー基本計画においてはベースロード電源というふうに石炭火力と原発を位置付けるということをやっている。これは明らかに再エネよりもそういうものを優先するということですね。ここはやっぱり石炭火力よりも再エネを優先するということを明確にすべきだろうと思います。そして、優先接続、優先給電が確立されれば、もっともっと普及が進みますし、CO2の削減にも貢献することになると思います。
 次、七ページ、入札制度ですけれども、この改正案の条文だけで判断しますと、その対象範囲が無限定ですので、非常に広い範囲で導入することができるという可能性があります。そうなりますと再エネの普及の抑制につながりかねません。
 それから、私は、再エネの普及は、市民とか地域主体、こういうものがその担い手として中核になる。これは実はデンマークやドイツが非常に普及が進んだというのは、こういう政策が進んでいるということだけではなくて、普及の方式、普及の中心、担い手が市民なんですね、地域なんです。市民、地域が主体になりますと、再エネの普及をする際に反対運動とか批判が起きないんです。賦課金の上昇が起きても、それに対して非常に容認する姿勢が強いのは、まさに市民やそういう地域が関わって、それを通じて地域が発展していく、そういうプラスの面がいっぱい出てくるわけです。そういうふうなものがありますからそういう形になっているわけで、そういう地域主体の普及を促進するという意味でも入札というのは非常に抵抗があります。
 ただし、対象を大規模な太陽光発電に限定する、そういうふうなことであれば、これは一定容認できると考えております。
 それから八ページ、いわゆる電力多消費事業所における賦課金の減免制度ですけれども、これは、今回の改正では原単位改善というものと関係付けて申請対象とか減額をやるということについては評価できるんですけれども、本改正の趣旨である国民負担の抑制ということを考えた場合には、もう一工夫必要だろうと思います。例えば軽減率を低くするというふうなのも一法ですし、また、これは私が講演をしているときにある方から質問を受けたんですけれども、こういう対象事業所を管轄する事業者がFITを使ってメガソーラーなんかを造って非常に利益を上げている、つまり減額を受けながら一方で利益を上げていると。これは国民的には納得できないというふうなことを二回ぐらい質問で受けました。それはそうだろうと思います。ですから、この点についても何らかの対応を求めていきたいと思います。
 それから九ページ、これは改正案にはないんですけれども、FITをより効果的に普及を推進するために、どんな条件でも一定のIRRを保証できるようにしていく。
 つまり、今はかなり大ざっぱにIRRを設定して、どういう種類のものをやっても一定の適正な利益が得られるようにしているということなんですけれども、ところが細かく見ていきますと、例えばバイオマスなんかは規模別の買取り価格になっていません。太陽光発電も、十キロワット以上の非住宅用に関しては、これは規模別になっていません。規模別、つまり、大規模な発電所を造れば、これは発電コストを低く抑えられます。小規模なのは逆に高くなります。したがって、IRRは当然そういう差が出てきます。それを、やはりどの場合にもIRRは同等になるような規模別の買取り価格を設定する方式、これをきちっと確立すべきだろうと思っています。
 具体的には、国産の森林資源、日本は非常に国産の森林資源が多くて、多くの国は国産の森林資源、木質のバイオマスを発電あるいは熱利用に積極的に利用しているんですね。にもかかわらず、日本の豊富な森林資源は十分活用できていない。そこでこのFITがその手段になり得るわけですけれども、現在のFITといいますか、二〇一四年度まではこの買取り価格は三十四円一キロワット時という一律の買取り価格でした。その結果どういうことが生まれているかというと、五メガワット以上の大規模な発電所ばかりがどんどんどんどんできました。これは私自身が調達価格等の算定委員をやっていましたので、この点については初年度から、いずれそうなるだろうということを指摘していました。そのとおりになりました。そのことによって大変な不都合がいっぱい出ています。
 そもそも、大規模な発電というのは蒸気タービン方式の発電しかできません。コジェネができません。蒸気タービンとコジェネでは、エネルギー効率は全く違います。二倍ぐらい違います。つまり、日本の森林資源をエネルギー利用する際に無駄遣いしないようにするためには、小規模なものでコジェネをやる、そういうことを促進するような仕組みが必要です。二〇一五年度に一応二メガワット未満に対して……
○委員長(小見山幸治君) 陳述時間が過ぎておりますので、簡潔におまとめをお願いいたします。
○参考人(和田武君) はい、分かりました。
 そういうことになりましたけれども、もっとそういう規模別のものを設定する必要があるだろうと思います。
 もう時間が参りましたので、十ページ、最後ですけれども、あと二点、追加的な施策として、先ほど申し上げましたような市民・地域主導の再生可能エネルギー普及推進政策、これを強化することが第一点です。それから二番目として、電力だけではなくて、再エネの熱利用、それから輸送用の燃料利用、これはもうどこの国でもやり始めていることですけれども、この新しい政策を確立すべきだろうと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。
○委員長(小見山幸治君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○山下雄平君 自由民主党の山下雄平です。
 各先生には、今日は貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。時間も押しておりますので、各先生に一問ずつまとめて質問をさせていただきたいと思っております。
 まず、和田先生についてですけれども、再生可能エネルギーについて野心的な目標を掲げるべきだという話がありましたけれども、その場合、国民負担のことも考えて、コスト面についても野心的な引下げ目標が必要になるんじゃなかろうかと思います。その水準についてはどのようにお考えでしょうか。
 そして次に、石川先生については、優先接続についてお聞かせいただきたいと思っております。ドイツばかりを見ていては駄目だという話もありましたが、ドイツのように再エネを他の電源に優先して接続をするというルールをもし日本で導入する場合、系統の整備が義務付けが必要になってくると思いますけれども、そうすると電気料金に上乗せされることにもなりますし、また、整備費用を抑えるためには、山奥だったりとかそういうところには立地を制限する必要が出てくるんじゃなかろうかと思いますけれども、優先接続についてどのようにお考えか、お聞かせください。
 最後に、山地先生についてですけれども、仮にこの法案が可決した場合、今後更なる未稼働案件の抑制策についてお伺いしたいと思いますけれども、更に将来の未稼働案件を抑制するためには認定後の運転開始期限を設けるべきじゃないかというふうにも考えます。仮に運転期限を設ける場合は、新規の認定案件だけではなくて、経過措置によって新たな認定とみなされる過去の案件についても対象にすべきではなかろうかと考えますが、お考えをお聞かせください。
○参考人(和田武君) 国民負担の問題ですけれども、確かに、これが増えていきますと国民負担、いわゆる電気料金のアップが起こります。ドイツではもっと高くなっています。
 しかし、ドイツではこの国民負担が世論では容認されています。なぜ容認されるか。それは、先ほど申し上げた、これの担い手が市民であり地域主体であり、そういうところが取り組むことによって自らに利益が還元されているわけです。よく考えていただいたら分かります。国民負担をして、大企業ばかりがそういう発電所を造って利益を取れば、国民負担のお金が企業に流れるだけです。だけども、市民や地域主体が取り組めば、国民負担したものが市民や地域に還元されるわけです、利益が。そういうふうなやり方が、今言いましたようなドイツやデンマークでは起きているわけです。そこが非常に感覚的に違ってくるということがまず第一点。
 それから、先ほど申し上げたような幾つかの、例えば九州で起こっているようなものをできるだけ全国に広げて調整できるようになれば、例えば電力を調整するための機器を付けるとか、そんな負担もなくなるわけですね。こういう機器負担なんかも当然この賦課金に上乗せされているわけですけれども、それも軽減される。そういうふうな負担を軽減できる方向もいっぱい出てくるわけです。
 更に言えば、こういう負担をすることで再生可能エネルギーが増えてきますと、そのことによって社会的に様々なメリットが出てきます。先ほど申し上げる時間がなかったので言いませんでしたけれども、十一ページにそういうことを書いてあります。
 十二ページにその関連の図を描いてあるんですけれども、IRENA、国際再生可能エネルギー機関が最近レポートを出しました。日本で再生可能エネルギーを倍増したときに、日本でというか、各国が再生可能エネルギーを倍増したときにどこの国が最も大きなGDPのアップが起きるか。実は日本が一番大きなGDPのアップが起きると言っているんです。そういうプラスアルファがいっぱい出てくるんです。
 ですから、場合によっては国家財政をそういう形でつぎ込んだっていいわけです。この負担を電気料金で負担するだけではなくて、幾つかの国では国家財政からつぎ込んでいるところもあります。例えば電源開発促進税をこっちに転用するということだってあり得ると私は思っています。そういうふうな形で負担を軽減するということも一法だと思っております。
 以上です。
○参考人(石川和男君) お答え申し上げます。
 優先接続なんですけれども、結局、簡単に言うと電線をつなげるということでありますので、当然誰かがコストを負担するということになりますが、これをすべからく全てやるということになりますと当然託送料金に跳ね返ってきますので、実は、我が国におきましては発電市場の自由化は九五年の電気事業法改正から始まっておりまして、当時から託送料金の高さ、これが非常に問題視されておりまして、それでずっと来ているわけですので、今般、小売自由化ということで全面自由化にかじを切ったわけですけれども、発電市場の自由化で、再エネも含めて、FIT事業者も含めて、電線に電気を乗っけるという趣旨からしますと、これは、託送料金というのはなるべく上げない、むしろ下げる方がいいという観点からしますと、この優先接続をやり過ぎますと非常に懸念されると私は考えておりますので、是非そこは抑制的な観点で制度を運用していただければと思います。
 以上です。
○参考人(山地憲治君) 未稼働案件への対処ですけれども、原則として、今回の改正法が通りますと来年四月施行と言われていますので、そのときまでに、経過措置はありますけれども、それ以外のものはそれまでに接続契約が成立していなければ失効して、新たに接続契約を取ったときに認定されると。
 ただ、やっぱりそれでも運転開始までに時間が掛かるというケースが考えられるので、やっぱり運転開始時期に一定程度の制約を課す必要があるのではないかということは審議会でも今議論を始めたところであります。
○山下雄平君 ありがとうございました。
○安井美沙子君 民進党の安井美沙子でございます。
 各参考人の先生方におかれましては、本日は貴重なお話をありがとうございました。
 石川参考人にお伺いをいたします。
 シンクタンクで御一緒していた頃からその現実的な政策提言にはいつも感心をしていたわけですけれども、この再エネ分野においても大変現実的な御提言をしてくださっていると思います。特に、既設原発の稼働率を高めることで生じる収益増分の一部を再エネ賦課金として充当し再エネ導入を促進する、あるいは廃炉費用に充当するというようなことを御提言されております。
 経済的な側面だけを見ますと、これは大変合理的で現実的で受け入れやすいというふうに思うわけですけれども、政治的にはそう簡単ではないというふうに思っております。再エネ推進派と原発推進派というのは対立しがちでございまして、一方が他方についての肯定的な解釈をするというのはほとんど聞いたことがございません。ですから、この二つを両方認めて組み合わせるという発想を許容する人はなかなか少ないのだと思います。
 そこで、せっかくなので、この理解を深めるために幾つか伺いたいわけですけれども、原発を再稼働し、再稼働したものをまた更に稼働率を高めるという御提言ですよね。福島の事故以来、原発の安全性についての懸念が収まりません。再稼働が進んでいないわけですけれども、地震や津波に襲われた場合、稼働している原発と未稼働の原発ではリスクはどの程度違うのかという部分です。
 稼働していれば危ない、稼働していなければ安心という一般の感覚は正しいのでしょうか。稼働していればもちろん緊急停止して冷却するのに時間が掛かるのだろうというのは素人からも想像できるわけですけれども、冷却装置がちゃんと機能すれば両者のリスクは変わらないと考えてよろしいのでしょうか。
○参考人(石川和男君) 厳密な確率論のところまでの数字についてはここでは持ち合わせておりませんので一〇〇%の回答ではないかもしれませんが、例えば福島第一原子力発電所の事故の教訓ということで考えますと、あれは地震では止まったんですね。止まった後に津波が襲ってきて、全電源喪失でもって云々と、こういう流れだったわけです。
 こういう事故の教訓を踏まえれば、私は、全部停止をしているから安全というのは決してなくて、停止中でもきちんとやらなきゃいかぬというふうなことで思っております。逆に言えば、福島第一原子力発電所事故から、ほかの原子力発電所については保安検査まで、定期検査まで動いておりましたので、その点については許容しておったわけです。
 ただし、安井先生おっしゃるように、政治的に非常に難しいことは私もよく、まさに現実主義者ですので分かっておりますので、そこについては、再エネを促進するという国是、これはもう私は国民合意あると思うので、その再エネを促進するための送電投資だとか賦課金の低減だとかということについて、ここは政治と行政が一体となって、私は、地道に地元の住民の方も含めて説得の行脚をし、そしていつか必ず原子力はやめるのであるということも同時に宣言をしながら説得、気持ちに訴えるということなんじゃないかなと思うんです。
 ちょっと回答も一〇〇%ではないかもしれませんが、私の考えは以上でございます。
○安井美沙子君 引き続き、石川参考人にお伺いします。
 系統への接続容量というのには限度がありますので、御提案のように原発の稼働率を高めると結果的に再エネの接続枠が減ってしまうのではないかというふうに懸念しております。既設の電源は安いですから、麻薬のようにこれを使い続け、四十年廃炉の延長をして結局は原発を使うのがよいのだというようなことになりかねないのではないかというふうに思ってしまいます。そして、調整電源である火力の枠を、じゃ減らしましょうということになりますと、これは火力の方の稼働率が下がって設備の維持がコスト面から難しくなるというふうに考えられます。
 ですから、原発の稼働率を高めるという手段としての御提言は分かるのですが、これ、ベースロードとしての原発が固定化して、調整電源としての火力があって、最後に申し訳程度に再エネがあるというこれまでの構図に回帰してしまう、そして再エネの拡大を抑制してしまうのではないかという懸念があるのですが、そこについてはいかがでしょうか。
○参考人(石川和男君) まず、送電網については、三枚目の紙に書きましたように、原子力の稼働率を高める、欧米並み、アメリカ並みですね、高めるということによって出てくる原資を送電投資に逆に還元をするということでもって、原子力の財源でもって再エネのために送電網を盤石化していくという発想が私はあるというふうに思っております。
 それから、先生がおっしゃったように、原子力がベースロード、それから火力がその上、上の方に再エネという仕組み、確かに今まではそうなんですけれども、それは、私は、国のまさにエネルギー基本計画においてどのぐらいの枠を設定するか、それに向けてどういう例えば規制とか予算措置とか、まさにFITのような賦課金措置とか、そういうものを組み合わせていくかだと思いますので、そこの電源構成については、やはりエネルギー安全保障の観点から、政府の方で国産エネルギーである再生エネルギーを増やすということのその制度設計でもって対応していくべきというふうに思います。
 ただし、前提としては、おっしゃるように送電網は必要ですので、これについては必要な投資をきちんと今の送電事業者、言わばニアリーイコール原子力事業者ですけれども、そこにきちんと義務を課すというような施策が十分あり得るというふうに思います。
○安井美沙子君 山地参考人に一問お伺いします。
 電力システム改革により広域連系が順調に進みますと、こういった今申し上げたような再エネの抑制の心配がなくなるとお考えでしょうか。
○参考人(山地憲治君) 広域連系線の容量を拡大していかなければ今以上の広域調整はできないということになりますので、そのためには送電線、あるいは周波数変換所もありますけれども、そこのキャパシティーを増やしていくということが必要になってくると。したがって、その方向で、私も広域機関の評議員を務めておりますが、幾つかの連系線あるいは周波数変換所の容量拡大を図っていますけれども、時間は掛かると思います。
 それと、再生可能エネルギーの導入テンポとの関係があると思うんですけれども、今のところ、連系線容量制約でもって再エネの導入が実際に制約されるということは、先ほど申し上げた出力制御と組み合わせて使えばそれほど大きな影響にはまだならないんではないか。ただ、時間軸をもっと長く、二〇三〇年とかその先とか考えると、まだ十分ではないと思います。そういうことは、先ほどの私の発言の中でも、広域での調整のルールを決めなきゃいけない、つまり、連系線容量を、有限のものをどう利用するかというルールをやっぱり今作っているところでございますので、その負担も含めて、それは今後の課題であるという認識です。
○安井美沙子君 では、再び石川参考人にお伺いします。
 原発を稼働させる、高稼働率で回すということになりますと、使用済核燃料がたまっていきます。先日、再処理等拠出金法を審議、可決、成立を見たわけですけれども、これは使用済燃料の再処理を前提としております。附帯決議の中で直接処分も含めた他の選択肢を残したつもりなんですけれども。
 原発は過渡期の電源だというお考えと理解しておりますが、私もそのように捉えておりますけれども、そうなりますと、核燃料サイクルというのは原発を使い続けることを念頭に置いたものですので、これについてもやめるべきだとお考えでしょうか。
○参考人(石川和男君) これは、まず使用済燃料のところについては、今六ケ所村の竣工を待っているわけですけれども、なかなか規制基準をクリアするのが難しいので、それまではやはり中間貯蔵ということで、乾式貯蔵も含めた新しい貯蔵方法も含めて中間貯蔵でしのいでいくということになると思います。
 まさに二つ目の御質問で、核燃サイクルというのは未来永劫ずっとやるべきものなのかということなんですが、私はそれについては、核燃料サイクルを幾らやったって、まあ高速増殖炉のようなものができれば別ですけれども、今のところその見込みがない時点においては、それに対してずっとしがみつくというよりは、やはりどこかで自然エネルギー、脱化石燃料、脱原子力というものを長期的ビジョンで掲げるということの方がよほど国民的に受け入れられやすいだろうと思っておりますので、核燃料サイクルはいつかやめるべきかどうかという御質問に対しては、やめるべきというふうに思います。
○安井美沙子君 ありがとうございました。
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。
 本日は、参考人の皆様の貴重な御意見をいただきまして、御礼申し上げたいと思います。
 今回の法改正は、既認定未稼働案件を減らしていくと、その趣旨は賛成でございまして、ただ、具体的な法運用していく上では幾つか注意しなきゃいけない点もありますので、その点について皆様にお聞きしたいと思います。
 最初に質問させていただきたいと思いますが、今回、再生可能エネルギーは環境に優しいという発想でありますけれども、一部行き過ぎた案件もあったりして、環境破壊をされたりするという面があります。実は、三重県でラムサール条約の候補地に、ため池にフロート型の太陽光なんかが一斉に置かれて、いわゆる水鳥が餌を食べられないという状況なども発生しました。
 こういう状況について、まず石川参考人、和田参考人にお聞きしたいんですが、今回設備認定から事業計画認定になりましたので、石川委員の資料でも、六ページ目ですか、安全・環境対策の追加、景観や周辺環境の環境アセスメントを制度化と入っておりますので、ここら辺の運用、法律的には法第九条三項の各号に該当しなきゃならないとなっていますので、それをどういうふうに運用していけばいいのかという点。特にまた、和田参考人は日本環境学会会長もされておりますので、ここら辺の法運用についてお二方にはお聞きしたいと思っています。
 山地参考人には別の質問でございまして、実はこの法案というのは、当時は民主党政権で作っていただいた法律なんですが、修正させていただいたと。特に、私この修正にも関わらせていただいたんですが、私提案したのがこの減免制度だったんですね、当初法案にはなかったです。ドイツを参考にして作らせていただいたんですけれども、一部今回修正も必要だと思っています。
 今回、法律的には、いわゆる現行の十七条に国際競争力の強化を図る観点というのが入ったのと、あといわゆる事業者の省エネ取組というものをしっかり見ると。この運用の仕方なんですけど、まず、この国際競争力の強化を図る観点と入れたがゆえに、今までは一律八割減免だったものをやっぱりその競争の状況によって差をうまく付けていくということが重要じゃないかというのが一点と、この省エネ努力って非常に見方が難しくて、原単位で見ることになっているんですが、原単位を金額ベースで見ると、市況で、特に金属関係であると変動してうまくいかないという面もありますし、また、トン数ベースで見たりすると、これは付加価値化すると省エネ努力がしていないようにも見えたりすると。その辺どういうふうにやっていけばいいかについて、それぞれ、関係でございますが、石川参考人、和田参考人、山地参考人、それぞれお答えいただきたいと思います。
○参考人(石川和男君) 浜田先生、私の資料の4.のところのアセスメントのところでございますけれども、実際に今景観とか風力の低周波の問題とかいろいろ、自治体ベースではアセスメントが言わば制度化されている自治体もあるのですが、それはそれ私はまさに地域密着型でそういう制度は引き続き運用されていくべきと思いますが、ないところもあるということだと思うんですね。
 したがって、再生エネルギーを安全かつ環境配慮型で進めるときに、アセスというのは駄目というための制度ではなくて進めるための制度なんですね、アセスメントというのはそういう意味なんです。したがいまして、それについては、自治体のアセスがあるところはそれにお任せをして、ないところについてはやはり、例えばこの委員会でもそうなんですけれども、国の方できちんと自治体の方に、あるいは政府に対してアセスメント制度を、前向きなアセスメント制度を検討すべきということでハッパを掛けていただければなというふうに、こんなふうに思います。
○参考人(和田武君) いろんなトラブルが地域でたくさん起きているわけですね。私もいろんなところに講演に行くたびにそういうことを聞かされます。
 この問題は、先ほど申し上げた地域それから市民が取り組むということを主体にしたときにはほとんど起きていません。つまり、大規模なそういう計画を利益優先でやろうとする、その際にアセスも不十分なままやろうとする、そういうことがその問題を引き起こしている最も根底にあると思うんですね。
 例えば、デンマークやドイツは風力発電の国土面積当たりの密度は日本よりはるかに高いです。そういう問題はほとんど起きていません。なぜ起きていないか。デンマークは、風力発電を設置する際に、どこが設置する場合であっても、つまり企業が設置する場合であっても、その設備容量全体の二割以上はその地域住民の所有にするんですね。つまり、地域住民が常に発電所プロジェクトに参加する。こういう仕組みがあるために、初期の段階から、計画段階から地域住民の意思が入っているわけです。だから、住宅のこんなに近くに造るのはやめようよというふうなことがちゃんと伝わるわけですね、最初から。ですから、そういうトラブルは起きないんです。おまけに、利益がそういう形で還元されますから、むしろ歓迎されるんですね。
 そういう再生可能エネルギー普及は未来づくりのいいことなんですから、いいことであるにもかかわらず反対されるようなやり方を強行すれば、逆ですよね。そうではなくて、受け入れられるようなやり方、それはまさに市民・地域参加型のものであればそういうことができますので、是非そういうものを重視するような仕組みというのをつくっていく必要があるだろうというふうに思っています。ドイツでも同じです。
○参考人(山地憲治君) 賦課金の減免についてのお尋ねで、先生御指摘のとおり、三月十一日午前の閣議決定の案では減免制度はなかったんですけれども、国会審議で追加されたものと了解しております。
 減免の条件が、電力多消費産業、つまり原単位で八倍以上とか、それから国際競争力にさらされるということなんですけど、やっぱり減免になると利益を得るわけですけれども、電力多消費である、つまり省エネのインセンティブを失わせている可能性があるので、そこのところを是正して、省エネ努力もちゃんとやっているということを担保しましょう、それから、国内産業で余り国際競争にさらされていないようなところに関しても自動的に減免というのはどうかという問題があったので今回の調整になったと理解しております。
 私は今回のは、だからその方向で改善がなされると思っておりますけれども、個人的な考え方からいえば、私は減免はない方が制度としてはすっきりする、その分、国際競争力に問題があるような場合には別途手を打つというのが、いろんな政策目標を一つの制度に盛り込むといろいろゆがみが出てきたり運用が難しくなるので、私はこのFITの制度の中では減免じゃなくて、FITによって悪影響を受けるところをむしろ助けるような制度の方が私は望ましいと思っていますが、今回の改正案は、しかし前進であるというふうには理解をしております。
○浜田昌良君 終わります。
○倉林明子君 日本共産党の倉林です。
 今日は、三人の参考人の皆さんに貴重な御意見をいただきましてありがとうございます。
 時間も押しているということで、絞って一点だけ和田先生にお伺いしたいと思います。
 先ほど来、市民・地域主導型で再生可能エネルギーを普及推進していくことが大事だということを強調されておりましたが、お配りいただきました資料でも、FIT制度、前からも取り組んできたとおっしゃっていた具体的な事例なども付けていただいておりますので、その御紹介なども含めて補足的に御説明をいただければと思います。よろしくお願いします。
○参考人(和田武君) 先ほども申し上げましたように、デンマークやドイツは担い手が市民主導なんですね。ドイツのことについて、十四ページを見ていただきますとお分かりいただけますように、実は全再生可能エネルギー発電設備の四六%は市民が関わるエネルギーなんです。さらに、地域主体、例えば自治体とかこういう地域主体を入れれば、電力エネルギー事業者とかあるいは企業の中にそういうものが入ってきますので、もっと高い割合、つまり市民、地域という枠組みでいいますと六割ぐらいがそういう枠組みで実施されているということなんですね。それがドイツが飛躍的に普及が進んでいる理由なんですよ。
 ドイツは決して、先ほどからドイツは比率が高いと言われますけど、ドイツは高くありませんよね。高さでいうとはるかに北欧とかあるいはオーストリアとか、そういうところの方が高いんです。低かったから一生懸命今高めようとしているんです。そういう中で、その方式として、デンマークの風力は八〇%は市民所有、その風力で四〇%の電力を賄っているわけです。それは先ほど申し上げたように、そういうことで地域から非常に歓迎されながら普及が進んでいくわけですね。
 そういうことで、十五ページには、ドイツの地域・自治体レベルでの一〇〇%再生可能エネルギーを目指す地域、こういうふうな再生可能エネルギーの利用を促進している地域が実に国土の半分以上を占めている、こういう実態があります。
 日本に関して申し上げますと、十六ページに書きましたけれども、現在、恐らく市民・地域共同発電所というものが千基ぐらいはあると思います。これは、実はFITがない前からどんどん造られてきたんです。FITがない前ですから、ほとんど市民が自らお金を出しながら、寄附だとか協力金だとかお金を出しながら造ってきたんです。
 一九九七年のCOP3の直前に私たちはそういうものを造りました。それ以来、こんなものが増えるとは思っていなかったのに、みんなお金を出しながら市民共同発電所を造り始めたんです。FITが入る以前にもう三百ぐらいになっていました。FITが入ってから更にそれが加速されるようになりました。それは当然です。市民の発電所を設置する理由は、利益ではありません。自分たちで地球温暖化防止のために貢献をしたいとか、原発のエネルギーを使いたくないとか、そういう意味合いで取り組むんですね。ですから、そういう主体に過度な利益は要らないんです。適正な利益さえ得られるようにすれば、非常に積極的にこういうところが動くわけです。そういうふうな普及の仕組みというのをつくっていく必要があると思います。
 例えば、最後に、十七ページに私が代表をしている市民共同発電所の事例を出しましたけれども、この場合、五か所ぐらいにもう発電所を造っていますけれども、そのうちの二か所は、福島の農民の方々が、もう農業をやっても食っていけない、その農地を発電所にしたいと、そういう経験がないから私たちの団体に協力してほしいという申出があって造ったんですね。そうしましたら、全国多数の市民がそれに共同出資で出資をしてくれて、もう必要経費をはるかにオーバーするぐらいの出資金が集まって、トータル二百五十キロぐらいの発電所を造りました。同時に、その経験を得て、その農民の人たちが自ら発電所を造り出して、農民連という団体の会員の家庭の全ての電力を賄えるぐらいの六メガワットの発電所をもう造っているんですね。こういうふうな、やっぱり市民、地域に依拠したやり方をやれば歓迎されるわけです。
 あるいは、もう一つ事例を申し上げますと、徳島地域エネルギーという市民会社があります。これは株式会社ですけれども、市民がつくっている会社です。この会社は、徳島のいろんな自治体と話し合って発電所を造る、その際に、その地域外の人も含めて市民から出資を募って出資をしていただく、そしてその出資をしていただいた方々にはその建設地域の特産物を、お金ではなくて特産物をお返しする、こういう仕組みをつくったんですね。それで、あちこちにそういう発電所を造っているんです。その結果、その地域はその特産物を販売できるようになってメリットが出てくるわけですね。こういう地域の発展と関わったようなやり方ができるわけです。
 私たちも、福島に造った発電所の売電収益の二%は復興基金に充てています。そういうふうな、地域に一定の利益を還元するというふうなこともこういう市民の取組の中ではやられていくわけですね。そういうふうな配慮、こういうふうなやり方が普及を非常に滑らかに、スムーズに、反対運動なくやれるやり方だと思うんですね。
 私は、ドイツやデンマーク、こういう具体的な現場を歩き回ってきました。北海に面した小さな埋立地のフリードリッヒ・ヴィルへルム・リュプケ・コークという小さな村です。この村は過疎化をしていた。そういう過疎化していた村で、この過疎化を食い止めたい、風が強いんだから風車を建てようということで建て始めた。そのことによって、その村は完全に過疎化から脱却して、今人口が増え始めている。農業の後継者難が解消されて、多くの若者がその後継者になっていっている。
 こういう事例はその村だけではありません。ローデネ村という小さな村で草原太陽光発電所を造った。その太陽光発電所のパネルは全部シャープ製ですよ、二・六メガワット。世界中の太陽電池を一年間検査して一番いいやつを選ぶということで、十ぐらいのメーカーのあれを比べた。一番がシャープ、二番が京セラですよ。そういう日本の条件を持ちながら、日本では政策が取られなかったために遅れてしまったんですね。
 様々なそういう地域の発展が再生可能エネルギーの普及によってなされるという事例を数多く見ています。今申し上げた、シュレスヴィヒホルシュタイン州というんですけれども、そこなんかはもう電力の七〇%を再生可能エネルギーで供給しています。そのうち、先ほど申し上げた事例のところの郡なんかは全電力の三・五倍以上電力を供給しています。そういうふうなやり方というのがこの再生可能エネルギー普及の基礎になるというふうに申し上げたいと思います。そういう点での仕組み上の工夫を是非取り入れていただければと思っております。
 ありがとうございました。
○倉林明子君 本当にそういう意味では再エネの普及の在り方ということが、地域主導でやっていくという、本当にキーポイントになるんだということだと思います。
 同時に、提起された中身というのは、過疎化や、現実、今地方で直面している問題の解決にもつながることだということで、大変示唆を受けました。
 ありがとうございました。
○清水貴之君 おおさか維新の会の清水と申します。
 今日は、お忙しい中、貴重な御意見ありがとうございました。
 まず、山地参考人に教えていただきたいんですけれども、太陽光の未稼働案件ですけれども、その権利を買い取る業者もあるというふうに聞いております、売買が行われているということで。これは未稼働案件が稼働するということではいいことなのかもしれませんけれども、一方で、権利だけ取って、それを売って、そこでもし利益が上がれば、もちろん国民の、利用者の負担なわけですから、そういったところにお金が流れていくのはいかがなものかなというふうにも思ってしまうんですが、その売買の実態と、そういったことについての御意見をまずお聞かせいただけますでしょうか。
○参考人(山地憲治君) 設備認定された案件を、その権利を売買するといいますか、ということは伺ってはおりますが、私はその方面、つぶさによく知っているというものではありません、話を聞く程度でございます。
 おっしゃっているように国民負担で成り立っている制度を使ってもうけを得るということは、どう申しましょうか、先ほど言ったのは、不当なもうけに関しては私は排除する方向でいくべきだけれども、FITという制度そのものが、この事業を行うことで利益が出るということで導入促進をしようとしているもので、だから適切な利益に抑えていく、そのために買取り価格を毎年見直しているんだけど、どうもそれで抑え切れていない、コストを削減する努力が促進されていない、そこに問題点を感じているわけです。したがって、権利の売買自体が悪いという感じは私自身は余り持っていません。
 それによって効率的に事業が行われて迅速に行われるのであればいいですけれども、そうじゃなくて、権利関係が分からなくなって、この分譲案件みたいなものが一体誰が今持っていて、それで停滞しているのか分からないということは困る。だから情報を公開していくという対応がこの場合には必要で、今回の法改正の中にもその部分は意識して入っているというふうに思います。ただ、実態をよく調べて、問題があればより強く対応していく必要があろうと思っております。
 以上です。
○清水貴之君 続いて石川参考人にお伺いしたいと思います。
 今、山地参考人からもお話しいただきました買取り価格の部分、利益の部分なんですけれども、国際的に見て日本はやはり高いというお話が石川参考人からありました。じゃ、どこの部分にその高過ぎてしまっているところの理由があるのかというところで、ちゃんとその利益は、もちろん企業が参入するには利益がないと参入しませんから必要だと思うんですけれども、それが本当に適正かどうかというのは見ていかなければいけないと思うんですね。手続は問題ないというふうにおっしゃっていましたが、手続ではなくて、本当に利益の部分を適切に見ているのかというところは私も疑問なんですが、それについてはいかがでしょうか。
○参考人(石川和男君) 清水先生、私の資料の4.のところでございまして、ここにも表を載せさせていただきましたけど、日本だけを見ると高いか低いかって分からないんですよね。もうそれは絶対的なものになってしまうんですが、ところが、やっぱり比較対象があればあるほど日本は高いのか安いのかということが分かって、たまたま今日ここで用意したのが、これはエネ庁での審議の際に用いた数字をここで出していますけれども、どこと比べるかだと思うんですね。
 私、プレゼンの中で申しましたとおり、これ、燃料を輸入する話とはちょっと違うので、日本だけガラパゴス化して独特だというのはおかしな話でありまして、やっぱり今、先進国だと思います。G7に入っているので、先進国レベルに、例えば設備利用率、まあ設備利用率は若干天候の状態がありますが、維持費だとか発電コストとか資本費とか、そういうものについてはある程度共通基盤を、欧米、ヨーロッパだと思いますが、イギリス、フランス、ドイツ辺りだと思いますが、そういうところと共通なものにしていくということを価格算定委員会で私はもう一度洗い直した方がいいのかなと。
 料金認可の査定と一緒でして、申請が来るんですよ。そうすると、そこに金額が書いてあるんですね。それについていいとか悪いとかとたたくのが査定作業というんですけれども、価格算定委員会も恐らく同じような作業でありまして、その持ってくる価格がいいかどうかというのは実は誰にも分からないんですが、FITの場合にはヨーロッパの例があるので、これを見ながらやっぱり見ていくという、そういう査定をすべきだということをできれば国会からのメッセージとして発していただければなという、そんな思いでございます。
○清水貴之君 その国民負担を減らすという意味で、ちょっとFITとは離れてしまうかもしれないんですけど、この四月から電力の小売の自由化というのが始まりました。ただ、それほど盛り上がっているかと言えば、申し込んだ方が数%しかまだいないということで、私は、これは電力の流れの中でいったら非常に大きな動きなわけですから、もっと盛り上がってしかるべきではないかと思うんですが、ただ、そうなっていないということに関して、石川参考人はどのような御意見をお持ちでしょうか。
○参考人(石川和男君) 自由化というと、通信の自由化と非常に比較されることがありますが、私は、自分も電力自由化を政府で何回か参画をして、大口自由化とか卸自由化のチームに入りましていろんな政策をやらせていただきましたけれども、通信自由化のようなものと比べると、余り電力やガスの自由化というのは、何といいますか、一般庶民の心をそんなに、本能を刺激する何か刺激的なものがない。多分、インターネットとか携帯電話というのは非常に刺激的なコンテンツがありますよね、ちょっと不適切な言葉なのでここでは言いませんが。そういう本能を刺激するものが多分にあるわけです。
 ところが、電気やガスの場合には、基本的にはお金の問題、そこだけなんですね。そうすると、切り替えることによって何%下がるのかとか、あるいは一旦セット販売で入ってしまったら変更できないとかいろいろあって、そこでまだ盛り上がりに欠けるのかなというのが私の個人的な感触と。
 あとは、やっぱりセット販売が先行し過ぎちゃって、全部欲しいという人がそんなにいないのかもしれない。
 それともう一つ、これは低所得者に対して非常に配慮しなければいけませんので、それは必ずやってきますので、それは是非ともその視点をお持ちいただければなというふうに思います。
 ありがとうございました。
○清水貴之君 最後に、山地参考人に、地産地消については、最後はお話し、時間がなかったので、余りいただけなくて、ただ、積極的な御意見は余りお持ちでないようなニュアンスを感じたんですが、その辺りについてはいかがでしょうか。
○参考人(山地憲治君) 地産地消というのが、特に先ほどの電力の自由化で、地方自治体が多いですけれども割と地産地消をうたって電気事業小売に参入というケースがあって、その電源もローカルな電源ということで再生可能エネルギー発電が多いんですけれども、ただ、私、例えば熱であるとかバイオマスであるとか、移動にコストが掛かるというものは産地で消費というのは合理的なんですけれども、電気の場合は、特に自然変動する太陽光とか風力のような電気の場合には、需給マッチングするためには、小さいところで需給バランスさせるよりも、さっきもお話がありました、より広域で調整する方がずっと合理的なわけですね。
 したがって、地産地消といって小売事業をやっているのがいけないというんじゃないんだけれども、電気も、狭い範囲で生産と消費を、しかも時間ごとに一致させようとまで思っていないようなんですけれども、ただ、そう考えるのはちょっと自縄自縛である、むしろ電気になったら広いネットワークで調整していくのが合理的だと、そういうことを申し上げようと思っていたわけです。
○清水貴之君 どうもありがとうございました。
 以上です。
○松田公太君 お三方、大変貴重な御意見をありがとうございました。
 拝聴していまして、三つほど大きく分けて質問させていただきたいなというふうに思いましたので、まず質問させていただいて、最後にお答えを順次いただければというふうに思います。
 まず、和田参考人なんですけれども、熱く語っていただきました市民を巻き込んだ共同開発発電所、すばらしい御活躍だというふうに思っておりますけれども、私もドイツやデンマークは数年前になりますが視察に行かせていただきまして、そのような動きを拝見してきました。
 ドイツの場合は、例えば地元の大学とかと共同でやっているようなケースも見受けられたわけですけれども、そのようなケースが、まず一つ、日本にあるのかどうかということを後で教えていただければと思いますのと、あともう一つは、これを拝見していますと、太陽光発電が多いですね。
 例えばデンマークの方ではたしか風力発電なんかも市民参加の下にあったと思いますし、また、バイオマスなんかはドイツで盛んでしたね。電力だけではなくて、熱の供給ということにおきましても非常に盛んにやっていらっしゃったなというふうに思うんですが、そのようなケースが日本ではあるのかどうか、また、和田参考人が携われたケースとしてあるのかどうかということが一つ。
 そしてまた、このような動きをしていますと、やはり地元をまとめたりとか、絶対いろんな不協和音とか出てくるわけでしょうが、そういった、問題となったケースが日本であったかどうか、プラスの面だけじゃなくてマイナスの面も是非教えていただければというふうに思います。
 次、石川参考人にお聞きしたいんですけれども、非常に分かりやすい資料をまとめていただきまして、ありがとうございます。
 最後のこのまとめの部分なんですが、すぐ逃げる再エネ関係筋は不要、おっしゃるとおりだと思います。おっしゃる中には、やはり大手なんだろうと、そういう意味合いが含まれているというふうに思いますが、電力自由化を長期的に見て、私は、電気代を下げる、国民、消費者にとってプラスになるということももちろんありますし、また同時に、今の送電網がまだ大手に押さえられているという状況ではなかなか難しいんだと思っているんですが、一方で、ベンチャーを育てるという側面も私は絶対あるべきだというふうに思うんですね。そのベンチャーを育てるに当たって、将来的に大手となるようなベンチャーを育てるに当たって何かこういったものが必要で、何かその施策を御経験上考えることができるのであれば、それを是非教えていただければというふうに思います。
 そして、もう一つなんですけれども、先ほど力強く核燃料サイクルはやめるべきだという発言をしていただきましたが、これは数か月前の、私、石川参考人の資料を読む中で、いろいろ見ていた中で、ハフポストに寄稿されていた記事を見付けましてそれを読ませていただいたんですけれども、それに「もんじゅ」について書かれていたんですね。
 ちょっと一部だけ読ませていただきますと、JAEAが反省点が多いのは周知のことであり、それを改善するのはもちろんJAEAの責務に決まっている、しかし同時に、これは我が国が長年にわたって、振興する側としても規制する側としても、直接関与してきた国家事業なのだ、この点も、一番問われるべきは国の行政責任であると私は思うというふうに書かれているわけです。
 私も全く同意見なんですけれども、どのような責任の取り方が適切なのかなということと、現状では、やはり国も電力会社も押し付け合って、またその責任を取りたくないということもあって、なかなか核燃料サイクルに見切りを付けることが難しい状況だというふうに思うんですけれども、どうすればやめることができるのか、教えていただければと思います。
○参考人(和田武君) こういう再生可能エネルギー発電プロジェクトに大学としてどういうふうな関わりのあった例があるかということなんですけど、具体的な個々のプロジェクトに大学を挙げて参加しているという事例は私はちょっとまだ知りません。ただ、大学人が、大学の研究者がこういうものに関わっているというのは結構たくさんあると思います。私自身が元々大学に所属しながらこういう市民共同発電所の一番最初の取組から関わってきましたし、そういう私のような取組をしているような大学人、結構たくさんおられます。だから、そういう意味での大学との関係というのは、そういうことになるかと思います。
 それから、太陽光以外のバイオマスとか風力とかそういうものにそういう市民参加型のものがどのぐらいあるかということですけど、風力に関してはもう多分十五基でしたか、市民共同で風力発電所が建設されています。最初に北海道に造って、その後は青森、秋田、東北を中心にして広がって、今では千葉にもありますし、石川にもあります。そういうふうな事例は先ほど申し上げた共同の出資でやるようなやり方で、風力の場合は、FITがない以前は電力会社との個別の契約で買取りコストを決めましたので、RPS法がない時代は一定の利益が出るぐらいの条件あったんですね。ですから、割と太陽光よりもやりやすかっただろうと思います。私自身もそういうものに参加しています。
 バイオマスに関しては、そういう参加といいますか、むしろバイオマスの中のバイオガス、これは畜産農家なんかが取り組むような取組ですね、これは、北海道を中心にして、今このFITを使っていっぱい出てきています。ドイツなんかでもバイオガス発電は農民が七割ぐらい所有しているような状況ですので、こういう小さな小規模なものについてはそういうふうな取組を増やしていけばいい。
 木質の発電の場合も、私は、そういうふうな地域の企業、例えば木材会社とか森林組合とか、こういう地域の主体が取り組めばいいというふうに思っています。
 そういうところに都市の住民がある意味では共同出資に参加するとか、そういうことができればなおいいだろうというふうに思っております。バイオマスのそういう取組事例というのは幾つかございます。
 以上です。
○松田公太君 マイナス点、今までやってこられて、こういう問題が発生したとか。
○参考人(和田武君) 問題が発生したというよりも、こういうことをやっていく上で非常に障害になっているのは資金の問題ですね。要するに、融資を受けにくいということですね。
 ドイツなんかですと初期投資分の八割、九割、銀行が貸してくれるんです、市民参加型のものであっても。ところが、私も幾つかの金融機関と話合いなんかもしましたけれども、なかなかそういうのは大企業のように信頼がないというふうなことで、前例もないということで、なかなかそれが出ないんです。だから、そういうものを制度的に担保していただければ、かなり市民の取組が物すごく大きく広がる可能性を持っています。そこがかなり大きな障害になっている。
 それから、自治体が屋根貸し制度なんかをやっている場合も、これほとんど入札的に決めるんですね。そうすると、大体市民は排除されやすいというふうなことが起こります。その辺がちょっと問題かなと思っております。
 以上です。
○参考人(石川和男君) 松田先生、二点。
 まず、ベンチャーの方なんですけれども、これは再エネのベンチャーという、そういう、もう将来大きくなるという意味におきましては、私はやっぱり人というものをどう育てるかとなりますと、やはり今ノウハウを持っているのは大手のエネルギー企業、電力会社であるとかガス会社であるとか、そういうところの人、人材の能力をどう活用するか。ベンチャーというといかにも年齢が若いという印象なんですが、私はそうは思いません。やはり年齢を問わずそのスキルを持った人、極端なことを言ったらOBでもいいと思いますが、そういう人たちを活用しながら、発電設備の維持はこうあるべきと。
 ただし、問題はファンドなんですよね。お金のところについては、これは私が松田先生に言うのはちょっとまさに僣越なんですけれども、そっちの方の資金集めの方については、これはどうしてもやっぱり若い力が必要、リスクの取り方も含めてですね。それは、やはりそういうベンチャー企業の人たちに一定の今あるベンチャー支援策をもうちょっと拡大しながら付けていくというやり方がある。
 だから、人はベテランの人をまず、で、後進を育てる役割、ファンドについては私は若い力と、こういうふうに思っております。
 それから、「もんじゅ」についてなんですが、まず、核燃料サイクルやめるべきと申し上げましたのは、先ほどの安井先生の御質問ですけれども、核燃料サイクルはまだ始まっておりません。しかし、申しましたとおり、いずれ必ず、脱化石燃料と脱原子力の時代が必ずやってくると思っております。私は脱化石燃料の方が早いと思っておりますが、それまでの間にどうしのぐかということについて、核燃料という少々危なっかしいものをいかに安全に使っていくかという発想の中で、核燃料サイクルについては始めてそしていつかはやめるということをきちんと持ちながら、あくまでも過渡的なものとして核燃料サイクルを扱う。
 「もんじゅ」については、ややちょっと高速炉ですので違うんですけれども、これも、これについては行政責任と書きましたのは私は元々その世界にいたからなんですけれども、やはり押し付け合いの構図が相当あったと思うんですね。ですから、そこはなかなか中央官庁だけでやり切るというのは難しいのでありますけれども、政治と行政が一体となってこれについて、「もんじゅ」については、私は、今文科省で検討が進んでおると思いますけれども、実施主体を変えて、そしてラストチャンスで、ただし、そこのハフィントンポストの提言でも書きましたとおり、予算にたがをはめて成果主義で、その成果が出なければ今度はバツというぐらいの、強く出る、この姿勢を是非とも政治の方から打ち出していただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○松田公太君 ありがとうございました。
○和田政宗君 日本の和田政宗です。
 今日は、お忙しい中、お三方、本当にありがとうございます。
 私は、日本の発電は将来全て再生可能エネルギーになればよいというふうに思っておりますけれども、これはまだ時間の掛かるものでありまして、電力の安定供給やそのコストを考えた場合に、原発再稼働はやむを得ないというふうに思っております。
 しかしながら、その再稼働におきましては、福島第一原発事故で被害に遭われた方の生活再建や賠償の問題がしっかりと見通しが立たない中であちらも再稼働こちらも再稼働となれば、被災地の感情としてはちょっと待てよというふうになるわけでありますし、私もそのように思います。
 そこで、山地参考人と石川参考人にお聞きをしたいのですけれども、お二方は原発再稼働については進めるべきとの立場だと理解をしておりますけれども、原発事故被害者の生活再建等の見通しがまだしっかり立たない中で原発の再稼働を進めることについてどう考えるか、御意見がございましたらお願いをしたいというふうに思います。
○参考人(山地憲治君) 原子力発電所の再稼働について私は賛成でありまして、昨年まとめられた二〇三〇年のエネルギーミックスの数値、二〇から二二%ぐらいというところまで稼働を持っていきたいと思っております。
 そのときに、被災者の方の不安、あるいは原状回復といいますか、やっぱりそれは非常に重要な条件であろうと思っております。それだけではなくて、あの原子力災害を日本中が見て経験したわけで、それによって原子力に対する不安感というのはまだ広く根強く心理の中に入っていると思いますから、不安に対する対応というのは非常に重要なことと考えております。
 したがって、リスクはしかしゼロにはならないわけですね、今の例えば汚染された低線量の被曝も含めてですけれども。その原子力のリスクをちゃんと真っ正面から見据えて、そのリスクはしかし受け入れられるものかどうか、そういう議論を進めていくべきだと思います。まだまだ、しかし、これには時間が掛かると思いますので、並行して進めていくべきことかと思っております。
○参考人(石川和男君) 和田先生、御質問ありがとうございます。
 原子力については、これはもう感情的には受け入れ難いというのは私もよく分かります。しかし、人類が今まで経験した原子力事故、福島を含めて三回、アメリカのスリーマイルズアイランド、それから旧ソ連ウクライナのチェルノブイリ、実はアメリカと旧ソ連は、事故炉以外は全て普通に正常に稼働させ続けているんですね。
 外国がそうだから日本でそうしろというふうに、絶対そうしろというわけではありませんが、そこはやはり、これは、この事故処理はきちんとやる、地元対策もきちんとやる。しかし、ほかのところについては、やはりそこは経済、社会をそのまま維持し続けるという、何といいますか、ある意味でのめり張り、縦割り的な発想、こっちはこっち、あっちはあっちということ、この発想がやはり僕は国政のレベルでは求められるんだろうと思います。
 そして、ただし、おっしゃいましたように、福島第一原子力発電所の事故による避難民の方々の生活ということですが、これはもう当分心配は続くと思いますが、やはりそれにはお金が要ると思います。じゃ、それを税金でずっとやるのかと。消費税をやるのか法人税をやるのかと言われたって、なかなか財源がない。
 私は、別途資料をお配りしておりますけれども、福島第二原発についてはいろんな議論がありますけれども、これは私の試算によりますと、欧米、アメリカ並みにフル稼働させると、もちろん安全が第一ですが、フル稼働させますと年間五千億ぐらいの利益増効果が出てくるんですね。これをきちんと、全額とはいいませんが、ある程度配分しながら、先ほどの御質問で出ておりますけれども、例えば再エネの投資にやって、再エネという未来に対して投資をするとか、そういうビジョンを描きながら、うまく日本の国内だけで、ここにも書きましたけれども、国民のお金は国内で回すと。で、復興もする、再生エネルギーもやると。この道筋を、まだ出ていないですので、是非ともここの委員会で新たなテーゼとして出していただきたいなと、そういう思いであります。
 以上です。
○和田政宗君 そして、和田参考人にお聞きをいたしますけれども、原発再稼働ですけれども、これはどんなことがあっても、どんな条件でも和田参考人は駄目だというお考えでしょうか。いかがでしょうか。
○参考人(和田武君) 今、熊本のような、ああいう地震が頻発しているわけですね。あそこなんかは予測ですと物すごい低い確率でしか予測されていない。そういうところでもああいうことが起きるんです。そういうのが日本の地理的な条件だと思います。
 私は、実はチェルノブイリ原発事故があった後、それ以前は原子力の平和利用はいいことだと思っていました。私の大学の専攻は放射線化学です。つまり、放射線を活用して化学反応で新しい化学反応を見出す、そういうことをやってきた人間です。当時の日本原子力研究所とも共同の研究をやったりしていました。しかし、そういう専門的な知識を持っている上でチェルノブイリを見たときに、これはもう日本の条件ではやってはいけない。
 というのは、その頃、私は日本で起きたそういう地震や津波の状況を歴史的に調べました。とてもその当時の日本が、日本で言っている、いわゆる安全神話と言っているようなそんな状態ではない。その当時の地震の耐震基準も、起こっている地震の揺れのガルからすると、はるかにそれが上回っている。この間もそうでしょう。もう耐震基準を大幅に上回るような地震が幾つも起こっていますよ。それがどこで起こるかも分からないんです。そんな条件の下で原発を動かすというのは極めて危険です。
 もう一つ申し上げると、福島原発の事故は、まだむしろあれだけで済んだというのは不幸中の幸いだと私は見ています。といいますのは、放射能の八割以上が海側に流れています。三月というのは北西の風が中心ですので、大部分がそういう方向に流れたんです。二割ぐらいが流れたことで今の状況が起こっているんです。あれがもし日本海側で起こっていたら、あんな状態では済みません。恐らく日本壊滅の大変な状況になっていたでしょう。
 そういうことを予測しますと、これはやはり動かすべきではない。一旦起きてしまったら日本は壊滅です。そういうことを考えておかなければいけない。想定外と言いますけど、想定外というのは想定しなかった方が責任があるんです。想定すべきです。そういうことを含めて、私は動かすべきではないというふうに思っております。
○和田政宗君 ありがとうございます。
 最後に、石川参考人にお聞きをしたいというふうに思います。
 再生エネルギー一〇〇%というのは、これは達成には量的にも技術的にもまだ更なる飛躍が必要なわけですけれども、日本近海で採集が可能なものとしてメタンハイドレートというものがございます。これは化石燃料であるわけですけれども、排出する二酸化炭素というのは他の化石燃料に比べると低いというようなところがございますけれども、このメタンハイドレートを活用した発電についてはどういうふうにお考えでしょうか。
○参考人(石川和男君) メタンハイドレート、大分採掘が、研究段階も進んでいると聞いておりますけれども、やっぱり化石燃料についてもし自国の中で取れるものがあるならばこれは大歓迎の話なんですが、私はややそこはちょっと見通せないなと。なかなかお金がまだ掛かるなというのがありまして、それを余り組み入れて期待してしまいますと、後でがくんとはしごを外すのもちょっと良くないので、あくまでもやはり自然界に存在する太陽とか風力とかが蓄電システムが安く普及できるようになるまでは、ほかの化石燃料と原子力でもって財源を集めて安定供給を維持しながら、それまでの間、恐らく何十年か、あるいは来世紀初頭かもしれませんが、その頃まではそこでしのいでという、こういうビジョンを掲げる方がよほど現実的かなと、こんなふうに思っております。
 以上です。
○和田政宗君 ありがとうございました。
 終わります。
○荒井広幸君 荒井でございます。出入りしまして、失礼をいたしました。
 私は、福島という、家族で住んでいるということだけで言っているわけではないということをまず前提でお話しさせていただきたいんですが、エネルギーは人類史そのものだろうというふうに思います。人や社会あるいは地球環境というものを常に考慮に入れながら、次の世代というところも視野に入れた考え方というのが必要なんだと思うんです。
 そのときに、原子力発電というのは使いたいが使ってはならない技術ではないかというのが、私のこの教訓を踏まえての結果なんですね。使いたいがというのは、つまりは誘惑ですね。これは政府の答弁とかにはもう如実に表れる表現ぶりですが、現実的に、それから現実的なエネルギーのベストミックスのためにはと、こういうようなことを常に言うわけです。しかし、人類史は常に現在は過渡期であろうというふうに思うんです。その過渡期である中で、我々は誘惑に負けない挑戦をしていくべきであろうというふうに深く思います。今、我々、政治含めて、誘惑に負けているんです。逆に言えば、現実というのをある程度受け入れて、改革しようという勇気を捨てていると言ってもいいかもしれません。
 そういう意味において、よくよく言われる話ですが、私のときもそうでしたけれども、出稼ぎや集団就職が非常に多くて、私の田村市というところからも山を越えて、原発に働きに行けるというのはいいねという方だったんですね。しかし、かわいい子供たちが集団就職に行く、そして、お父さんは農閑期には出稼ぎに行く、こういうことというのはどんなものかなというようなものも、政治を志す頃の私の頭の中にはありました。何でかわいい子供らと一緒に生活できないのかなと。生まれ育ったところで学校にも行き、あるいは戻ってきて、そして働ければなというふうに思った。それが最大公約数的に原発を誘致する最大の力だったですね。
 ところが、今、無残にも家族は分断なんです。地域も分断なんです。花見さえできないんですよ。あんたのところは自主避難しているから風評被害まき散らしているようなものだと、俺の方はちゃんと家族が帰ってきてやっているんだぞと。これは人それぞれの受け止め方もありますから、どちらがどうとも言えないわけですね。もちろん、一ミリシーベルトという基準も含めての様々な受け止め方はあります。
 そういう中で、働く場を提供できない自らにこそ恥を私は感じます。新しい社会経済の在り方をつくれないでいるがために、その誘惑に駆られて原発というものに走っているならば、これは政治、行政のみならず、我々人類全体がもう一回反省し、考えなくてはならないところではないかなというふうに思っているわけなんです。
 そこで、私自身は、この機会をみんなが参加する機会というふうに捉えています。産業革命以来、持てる者と持たざる者の区別がはっきりしてきました。そして、今、再生可能エネルギーも含めまして、自ら生産し消費するという可能性がつくられているわけです。つまり、自らが参加できるという、産業革命以来大きな転換点におります。人はプロシューマと言う方もいますが、私もこのプロシューマを日本に比較的早く紹介した者であります。
 こうしたことを考えてまいりますと、例えば、過渡期には化石燃料はやむを得ない、こう私も思います。そのときに、水素燃料電池で日本が先駆けて実用化しているエネファームというものに私は出会ったわけですね。水素燃料電池で、まだまだ開発途上でもあります。ですから高いということもあります。少なくともこのコジェネレーションは、コジェネレーションの観点から見ても、発電をしながら給湯するという優れ物でありますから、ここに、お風呂に入らない国民は誰もいないわけで、日本人こそ浴槽が好きですから、これを置き換えていく。私は家電のエコポイントの発案者で、七千億で五兆円、これを麻生内閣のときに実現していただいたものですから、同じような考え方を持って、買換えをしていくときに、約四割方光熱費が下がっていきます、そのものを返済に充てながら買換えをしていく、こういうようなスキームでどうだろうかというようなことでこのエネファームをかなり推奨しております。
 四人家族で四キロワットで〇・八キロぐらい。一番状況のいい中で発電をいたしますと、百万キロワットの原発一基なら百三十三万世帯でこれは完結するんです。十七、八基動かすか動かさないと言うのだったらば、たかだかその十七倍です。日本には四千八百万戸あります。耐震強化しなくちゃいけません、地震に対して。そういったことも含めて、様々な工夫を凝らせば、原発というのは少なくとも使わなくていい結果に導き出せるはずなんです。ということに私は挑戦をしているということを冒頭申し上げまして、その中でお尋ねをさせていただきたいんです。
 お金がある人がソーラー発電をして、そしてそれを売電して、お金がない人が、ソーラーパネルも付けられません、もちろん参加するという意欲も必要ですが、割高なものを、電力を買ってきたという仕組みですから、私は、三月十一日の後にこれ大々的に入れるときにも実は私は大反対の組だったんです。そういう資金力がない人に負担をさせるというやり方自体がおかしい。資金力がない人の方が分別ごみをやってみたり、いろいろな参加している人の方が多いんです。その人たちに高いものを買わせる。
 そこで、百歩譲って私が当初この委員会で賛成したのは何であったかと、三月十一日前。余力の売電ならいいと言っているんです。自分が使った後のものならば売電するのは結構。結果、こういうことになってきました。一時期私は、原発の問題もあったから、ある程度加速させるというためにはやむを得ないというふうに思いましたが、そもそもこのやり方というのは、先生方も御指摘のとおりで、長短あるやり方なんです。最大は、参加する意欲があってもお金がない人は参加できないというスキームなんです。この辺を我々は大きく変えていかなくちゃならないなということを常に自問し、矛盾を感じ、自分の力のなさ、提案力のなさを常に痛感をしているということなんです。
 そこで、お三方に手短に私の方で聞かさせていただきたいと思いますが、コジェネレーションを、果たして、再生可能エネルギーということばかりじゃなくて、コジェネレーションのもののエネルギーというものを、これで電力をつくるといった場合にはどういうふうに扱っていったらいいかなというふうに考えているんです。今はただ単に発電というだけで考えているんです。発電プラスコジェネをしなければその発電も買わないとか、あるいは価値を持たせないというんですか、そういう考え方があろうかと思いますが、この辺はいかがでしょうか。山地参考人、石川参考人、和田参考人にお尋ねしたいと思います。
○参考人(山地憲治君) まず、コジェネですけれども、今回のFIT法改正案との関係でいいますと、コジェネ型になるのはバイオマスの発電、これは実際にコジェネで電気も熱も供給しているというケースがあって、その電気の部分はFIT制度によって買い取られていると。それが高く買い取られますから、コジェネとしての推進、つまり熱も商売できますので、推進、導入促進に寄与しているというふうに私は考えております。太陽もそれから風力も熱供給できない、原理的にできないわけではないんですけれども、現実的なのはバイオマスかというふうに思っています。
 あと、お尋ねとちょっと違うんですが、FIT制度に関して、太陽光を設置できる人とできない人の話がありました。これは、審議会の議論のときには実は、FITの賦課金、電気の消費キロワットアワー当たり一律に賦課金を課すということのいわゆる逆進性について随分議論がありました。これは、消費税以上に、電気は必需財ですので、逆進性非常に高いもの、それを是正すべきだという議論はあったんですが、結局その議論が今立ち消えになっています。是非、これはある意味政治の役割だと私は思っていまして、政治家の先生方、荒井先生始め、是非取り上げていただきたいポイントです。
 以上です。
○参考人(石川和男君) コジェネレーション、熱と電気の併給ということで考えますと、実はドイツに行きましたときに面白い話を聞きまして、太陽光はFITで固定価格買取りなんだけど、太陽熱も需要があるんですね。ところがそっちには何もないなんといって、ドイツの消費者団体の方が今度は太陽熱じゃないかなんとおっしゃっていましたけれども。
 私は、このFIT法の今回の本法案については太陽熱は対象になっておりませんけれども、今後、やっぱりエネルギー基本計画、また改定されると私は思っておりますし、ちょうどその頃このFITの三年後がまたやってきますので、そこまでの間に、太陽光発電だけじゃなくて太陽熱というものに焦点を当てて、どういう負担の在り方、あるいはお金の徴収の仕方とか補助制度等々があり得るのかというのは、まさに次の三年後の見直しまでに宿題を課すということで検討を深めていければ非常に前向きなのではないかというふうに考えております。
○参考人(和田武君) コジェネは大いに増やすべきで、先ほど私、最後に申し上げた追加的な項目の中に、熱利用、再生可能エネルギー熱利用の新たな制度を設けてほしいと。その熱利用の中心になるのがコジェネ等の在り方です。
 もうデンマークなんかでは普通の火力発電ほとんど造っていません。コジェネばかりです。そして、その熱を地域暖房で、人口の六割が地域暖房に加入して、安い安全な暖房が使われているんですね。日本の方は暖房だけでは済みませんので、当然冷暖房。熱さえあれば冷房もできるんですよね。そういう仕組みもいろいろ入れながら、いろんな熱利用の需要も起こしながら、是非コジェネを立ち上げていく、増やしていく。ドイツでは増やすための言ってみればコジェネ税のようなものが電気料金の中にちゃんと入っています。
 そういうふうな形で、やっぱり効率がいいわけですね。普通の発電所は最大四五%ぐらいですけれども、コジェネだったら少なくとも六割以上、場合によっては七割、八割の効率になりますから、資源はその分だけ節約できるわけですね。ですから、是非これは大いに増やしていく方向性を明確に打ち出してほしいと。とりわけバイオマスについてはコジェネを中心にやるような、それを含めたFITの仕組み、さらにそれに熱の仕組みも加えて、トータルにそういうものが促進できるようにしていただきたいというふうに思っています。
○荒井広幸君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(小見山幸治君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(小見山幸治君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、資源エネルギー庁長官日下部聡君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小見山幸治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(小見山幸治君) 休憩前に引き続き、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○滝波宏文君 自由民主党、福井県選出の滝波宏文でございます。
 本会議に続き、再エネ、FIT法の改正案につきまして質疑をさせていただきたいと思います。
 一昨年四月にエネルギー基本計画が閣議決定されました。このエネルギー基本計画を踏まえ、昨年七月にエネルギーミックスが策定され、これからこのエネルギーミックス実現に向けて着実に取組を進めていくことが必要であります。
 一方で、電力システム改革、これは本年四月から施行されましたが、自由化が進み、市場に任せたままでは低コストだがCO2排出の多い石炭火力が増加することですとか、地域独占総括原価主義が撤廃されることで原子力事業者の経営状況が悪化することなども想定されます。
 自由化により競争が進む中でもエネルギーミックスを実現させていくためには、市場に任せるだけでなく、政府としても様々な政策措置を講じていくことが大事だと考えられますが、エネルギーミックスの実現に向けた決意と、そしてこのFIT法改正案がエネルギーミックス実現にどう役立つのかという点を経産大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(林幹雄君) 自由化により競争が進む中、二〇三〇年度におけるエネルギーミックスを実現するためには、単に市場に任せるのではなく、国として総合的な政策措置を講じていく必要があるというふうに認識をしているところでございます。
 まず、再生可能エネルギーにつきましては、国民負担の抑制と最大限の導入、この両立に向けて、本法案によってFIT制度の見直しに取り組んでまいります。具体的には、新たな認定制度を創設しまして未稼働案件を防止する、コストの引下げに向けた入札制を導入する、中長期的な買取り価格の目標を設定するといった措置を本法案に盛り込んでいるところであります。
 例えば省エネについては、産業トップランナー制度の拡充や中小企業等の省エネ投資への支援等によりまして徹底した省エネを進めるとともに、火力発電の高効率化を図ります。
 また、原発については、安全性を最優先いたしまして、原子力規制委員会によって新規制基準への適合を認められた場合には地元の理解を得ながら再起動を進めてまいります。これに加えて、自由化が進む中でも原子力事業を円滑に進めていくことを可能とするために、先般成立させていただきました再処理等拠出金法を含め、様々な課題に対する政策措置を進めてまいりたいと存じます。
 これらの政策措置を総合的にバランスよく講じていくことによりまして、自由化の下でもエネルギーミックスをしっかり実現していきたいと思っております。
○滝波宏文君 どうぞ着実に進めていただきたいと思います。
 さて、今回のFIT法改正案につきましてですけれども、再生可能エネルギーの重大な課題、やはり国民負担とのバランスということがあるかと思います。
 エネルギーミックスの中でこのFIT制度による買取り総額、二〇三〇年において三・七兆から四兆円というふうに置いてあるわけでありますが、制度開始から四年の今年度において既に二・三兆円と半分以上まで、これは再エネ全体で達しております。
 とりわけオーバーシュートしているのが太陽光発電であります。太陽光発電の二〇三〇年における買取り費用、これは、この四兆円のうち二・三兆円と見込まれているわけでありますが、今年度で既に一・八兆円、約八割を使っているという、迫っているという状態であります。
 初期のキロワット当たり四十円という高い買取り価格で認定を受けいまだに稼働しないいわゆる未稼働案件、これは本当に問題でありますし、取消しすべきだと思いますが、よりコストの安く多様な再生エネルギーの導入を進めていくこと、これが、先ほどもお話ございましたが、エネルギーミックスの実現の中でも非常に重要だと思ってございますけれども、未稼働案件について、今回の改正についてどのように対応するのか、北村政務官にお伺いをいたします。
○大臣政務官(北村経夫君) お答えいたします。
 今、滝波委員が触れられました未稼働案件でございますけれども、平成二十四年、二十五年度におきまして認定を受けた案件の中で運転に至っていない件数、これは三十四万件に上っております。
 このようにたくさんの案件が発生しておりますけれども、この未稼働案件、何を今引き起こしているかでありますけれども、一つは、再生可能エネルギーの導入拡大につながっていない、二つ目は、系統接続の枠を空押さえをしており、より低コストで発電可能な後発の事業者の参入を阻害する要因となっております。このことは、再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制のどちらにも反しておりまして、早急な対策を講ずることが必要と認識しております。
 このため、本法律案におきましては、新たな認定制度を創設いたしまして、接続契約の締結といった事業の実施可能性を確認した上で認定を行うこととしております。また、既存の認定案件につきましても改めて新制度の認定の取得を求め、こうしたことによりまして未稼働案件の排除、防止を図ってまいります。
○滝波宏文君 国民負担の関係について少し続けていきたいと思いますが、こうした太陽光の未稼働案件への対応など、今回の改正によって国民負担をできる限り抑制していく、これ大切なことであります。
 特に我が国経済ということを考えたときに、電力多消費産業において、賦課金も含めた電力料金の上昇というのは、これらの事業に、そして我が国経済社会に大きな影響を与えるわけであります。
 震災以降、電力料金が上がっている中で、原子力の再稼働など、全体として電気料金を引き下げていく、こういう努力が重要なわけでありますけれども、国際競争力維持強化のために、電力多消費産業の賦課金の負担を軽減する減免制度、午前にもちょっと議論がございましたが、これやはり引き続き重要だと思っております。我が国の活力維持のために、真に必要な事業が現行と同様の措置が受けられるようにすべきだと考えます。また、省エネの要求、これも大事なことでありますが、コントロールの及ばないような外生的な要素はちゃんと踏まえて考慮した上で、省エネへのインセンティブがちゃんと働くような建設的な仕組みにすることが大事ではないでしょうか。
 ついては、今回の改正を踏まえ、政府として具体的にどのように対応するつもりか、伺います。
○政府参考人(日下部聡君) 今お尋ねのありました賦課金の減免制度でございます。
 これは、元々、制度発足当時から、電力多消費事業者の国際競争力を維持強化をしたいと、そのために賦課金の負担を八割軽減する措置として導入をされました。制度を運用して年月たっているんですけれども、一方で、現在、賦課金の水準が上昇している中で、この制度に対して、いわゆる公平性の観点から幾つかの意見が出始めております。
 賦課金が一律八割軽減されている制度対象事業者と、制度の対象にならない一般家庭の方々、あるいは制度の対象とならない事業者の方々の間で不公平が拡大しているのではないかという御意見、あるいは、制度の適用を受けている方々の間の中でも、省エネ努力をしないで電気をたくさん使っている者がいるのではないかとか、あるいは国際競争力と余り関係のない方々まで含まれているのではないかという御意見が出ております。
 したがいまして、今回の法改正におきましては、経産省としては、まず電力多消費事業者の国際競争力の維持強化、この趣旨の重要性は変わりませんので、この制度は基本的に維持していこうと考えてございます。一方で、制度とならない方々に対する理解を求めていくことも重要でございますので、例えば省エネの取組をきちっと行っているかどうか、あるいは、国際競争力の観点から賦課金を軽減する、必要かどうかといったような新たな確認をする、そうした見直しを行いながらこの制度を維持していく考えであります。
 以上です。
○滝波宏文君 やはりエネルギーは我が国の経済社会の本当に基盤でありますので、そのハンドリングうまくやっていただきたいと思いますし、関係者とよく相談しながら進めていただきたいと思います。
 そして、先ほど議論いたしました未稼働案件の話にちょっと戻りますけれども、新認定制度を創設し系統接続を要件とするということで、太陽光の未稼働案件の対応、一歩前進するんだと思います。
 ただ、太陽光発電のコストが年々下がってきている中、新認定を取得し買取り価格が決定されているにもかかわらず、設備の値下がりを待ち、長期間にわたり発電に至らない事業者、これがまた再び出てくることはないのかというふうな疑念があります。それがまた三年、五年、十年と運転開始しない場合でも買取り価格を維持していくことが果たしていいのかというふうに思います。
 そういう新たな未稼働案件の発生を防止するためにも、やはり認定の取得後から運転開始まで期限を切っていくべきではないかと考えております。またあわせて、今回、現行法で認定を受けた未稼働案件についても、新制度での認定とみなす場合はこうした期限が必要だと考えますが、経産省のお考えをお伺いいたします。
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。
 今回の法改正におきまして、電力系統への接続契約締結を条件とするなど事業実施可能性の高い案件に対して認定を行うというのが新しい認定制度でございまして、これによりまして、未稼働案件の発生をこれまでよりは格段に防止するという効果があるというふうに思っております。
 しかしながら、御指摘のように、新しい認定制度で認定を受けた案件であっても、例えば系統の問題もありますし、いろんな事情で運転開始が大幅に遅れてしまうという案件が発生するおそれというのはあるわけでございます。そうした場合には、これまでの未稼働案件と同じように、結果として太陽光パネルがその間にぐっと値段が下がって予定していたような価格とは釣り合わないというような問題が生ずる、そういう懸念があるということは事実だというふうに思ってございます。
 こういうことでございますので、私どもとしても、御指摘ございましたみなし認定という案件も含めまして、新しい制度の認定を受けた案件については、認定の効力あるいは買取り価格の設定というところで早期の運転開始を促す、そういうような仕組みをこれから詳細の制度設計の中で入れ込んでいくべきではないかということで、そういった検討を是非していきたいというふうに考えております。
○滝波宏文君 今回、法改正をして制度の見直しやったわけですから、イタチごっこになっちゃうようなことがないようにしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 さて、ここで、五月十日にもバックエンド法の関係でエネルギーの政府質疑をやらせていただきましたが、そのときちょっと時間がなくて話ができなかった志賀原発の話、今日もまた配付資料を配らせていただいてございます、改めて、同じものですが。これを踏まえながら、規制委員会委員長においでいただいておりますので、質問をさせていただきたいと思います。
 原子力規制委員会、発足して約三年半が経過しましたわけですが、審査はまさに遅々としております。新規制基準適合性審査の申請があった二十六基のうち、審査を終えて設置変更許可されたのは川内一、二号機、高浜三、四号機、伊方三号機の五基のみであります。田中委員長は当初、審査に半年とか言っていたのにもかかわらず、川内、高浜の実績で見ると、この申請から設置変更許可までに約一年二か月から一年七か月掛かっておりまして、その後、工事計画等の認可や使用前検査で再稼働するまでには更に十か月から一年掛かっている、こういった状況であります。
 設置変更許可の審査中のプラントの中には、平成二十五年七月の新規制基準の施行日に申請してから既に二年十か月が経過、すなわち、この後二か月たつとちょうど三年経過というふうなことになるような、そういったプラントもあるわけであります。審査が停滞しているのは明らかでありまして、この状況をどうすべきかというのが大きな我が国の問題なんだと思ってございます。
 原子力は日本のエネルギー政策上重要なベースロード電源、こう位置付けられているわけでありますが、これがそういった規制委員会の審査の停滞によってスタックしているということであれば、これはもう規制委員会及び規制庁の力量不足というふうに言わざるを得ないんじゃないかというふうに思います。審査体制も早急に強化し、効率的に審査を進めることが、これは規制機関としての責務であるはずです。
 そもそも、規制委員会自身が二十五年十一月二十七日に決定した、いわゆる原子炉規制法等に基づく原子力規制委員会の処分に係る審査基準等、これによりますと、炉規法第四十三条三の八第一項に基づく設置変更許可に係る標準処理期間、これは二年となっているわけでありますが、先ほど申したように、もう既に三年近くなっているという状態でありまして、しかも今、大体、もうしばらく、このぐらいたったら審査が終わるということが見えているならまだしも、まさにいつ変更許可が出るか分からない、そんな状態が続いているわけであります。これでは、まさに予見可能性、これがないというふうな状態であります。
 委員長に御認識いただかねばならないのは、規制委員会がやっているのは行政手続であること、そして特にその行政手続の中でも規制というのは非常に厳しい手続なわけでありますね。それを所管している規制委員会において、この予見可能性、そしてこれはデュープロセス、適正手続の重要な要素であると思いますけれども、これを欠いている、非常にゆゆしき事態だと思っております。
 この問題について具体的にどのように責任を果たすおつもりか、田中委員長の見解を伺います。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 審査の遅れの御指摘でございますけれども、審査を全体として効率的に進めるため、適合性審査の結果のみならず、主な論点等をまとめた審査書の作成、適合性審査で確認すべき事項の整理、審査をより効率的に進めるための集中審査など、様々な工夫を行ってきております。原子力規制委員会としては、引き続きこうした取組を継続していく所存であります。
 一方、事業者においても、先行審査における論点を踏まえて準備を行うなど、いい対応をしていただかないと効率的な審査にはつながりません。私が見ております限りにおいては、事業者の当事者能力、技術的対応能力に若干問題がありと、遅いというような感じも思うところもあります。事業者に対しては、審査書のみならず、先行審査の状況などもよくフォローしていくよう指導してまいりたいと思います。もちろん、私どもとしても、限られた人的リソースでありますけれども、これをできるだけ効率的に活用しながら進めていく所存であります。
 なお、二十六基という非常にたくさんのプラントの審査が一気に出てきておりますので、一基当たり、通常であれば、これまでの適合性審査、従来ですと大体多いときで三基ぐらいでしたというふうに歴史的にはありますけれども、今二十六基というものを抱えながらこの二年半ぐらいの間に五基審査を済ませておりますし、そのほか、かなり先が見えてきているプラントもございますので、その辺もよく御理解いただければ幸いでございます。
○滝波宏文君 事業者の責任というふうなこともおっしゃいましたけれども、やはり私思うのは、規制機関というのは非常に大きな権限を持っているということをしっかり御認識いただく必要があるんだと思います。やはり強い立場の行政権について濫用と言われないようなことを、私は行政の仕事もしておりましたので、常々そういうことは考えながら行政官というのは仕事するわけでありますけれども、ちょっとその辺りについて、ずっと規制委員会の審査等々動きも見てございますが、認識が甘いんじゃないかなというふうに思ってございます。
 ここで、私、昔からデュープロセス、デュープロセス、適正手続という話を申し上げておって、予見可能性もその一要素だと申し上げたんですけれども、田中委員長にとって適正手続というのは一体何をしたら適正な手続だというふうに考えられるのか、そして、それをどういうふうに今規制委員会は果たされているか、その点についてお伺いしたいと思います。
○政府特別補佐人(田中俊一君) これは、これまでも再三申し上げておりますけれども、福島第一原子力発電所の事故、その教訓を踏まえて、二度とああいった事故を起こさない指針を作成しまして、それの適合性をきちっと確認していくということが最も求められていることでありますし、それをきちっと果たすことが適正な審査である、我々の行政任務であるというふうに判断しています。
○滝波宏文君 ちょっと、きちんと適正手続ということをお分かりになっていないなというふうな今反応を私は受けたと思います。
 今おっしゃっているのは、審査の責務の話であり、その目的の部分なんだと思うんですけれども、適正手続というのは、先ほどもちらっと申し上げましたが、強い立場の規制機関、特に行政庁ですね、いろんな処分をしたりする場合に、被規制の事業者と国民に対して、きちんとそれがいろんな適正な手続を踏んで、ある意味納得を持って公正に物事が進んでいるというふうなことを担保するというのが適正手続です。
 デュープロセスという言葉は元々英米法で多く出てきていると思いますけれども、日本でも行政手続法等の形で適用されております。実際に行政手続法にもいろんな処分の標準審査期間、これちゃんと定めよというふうな話があって、だから私先ほど申し上げたような、規制委員会の方でもちゃんと標準審査期間、これ二年というのを出しているわけであります。
 もう一度お伺いしますけれども、そういった弱い立場の被規制事業者等がより力を持っている規制機関に対して当たったときに、きちんと自分たちのいろんな申請が、より強い立場の規制機関に、まさに規制委員会に審査される中で、適正にやられているというふうなことを担保するために、規制委員会そして委員長としては何を努めてやっていらっしゃるんでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) まず、適正手続ということの考え方はいろいろあろうかと思いますけど、私どもとしては、審査は全て公開にしているし、資料も公開していますし、その公開の中で事業者の意見も十分に聴き取っております。そういったプロセスを行うことによって、それを拝見していただくことによって国民にも納得していただくということが、今我々ができる最も適切なプロセスだというふうに考えています。
○滝波宏文君 その答えをさっき待っていて、話がずれたのでやり直させていただいたんですが。
 田中委員長は、前からいつも透明性なんですね、おっしゃっているのは、公開して、透明ですと。これは、まさにこういうデュープロセスの議論をするときには、透明性の部分を担保しているからこれでいいんですということを常におっしゃっているんです。
 ところが、こういう行政法の世界でいったら、それじゃ足りないんです。そこに公正性とかそういったほかの要素、その中の一つとして予見可能性というものがあるわけです。その部分が十分にできていないから、関係者もみんなある意味いらいらをしていて、事業者もなかなか納得もしないし、メディアからもいろんな議論が出てしまう。そこのところをやっぱり御認識いただかなきゃいけないし、一度、委員長はもちろん科学者、理系の方だと思いますけれども、本当に規制委員会というのはこの原子力の規制の世界においてまさに天皇みたいな存在です。三条委員会で、所管の大臣からも物が言えない、逆に言えば総理からでも物が言えない。そういうふうな立場であるわけですから、その規制委員会がまさに予見可能性であるとか公正さであるとか、単なる透明性だけじゃないものをきちんと担保していく努力をしていただきたいと思うんですが、どう思われますか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 当然、透明性だけではなくて公正性、中立性、そういったことも大事なことだと思いますし、そういった観点で審査を進めています。
 予見可能性ということもありますけれども、これをどういうふうにするかということについては、お互いに、事業者、私ども協力して、例えば先行審査をするというようなことについても、事業者間の合意を得てそれで先行審査をして、どういった審査になるのかということも含めて一種のモデルケースみたいなものをつくって、その後の審査においてはそういったことを踏まえて効率性を図っているということであります。
 ですから、予見可能性というのは、二年なら二年でやるということが予見可能性であるとは判断しておりませんし、必要によってはそれより長く掛かることもあるだろうし、うまく進めば短く終わることもあるだろうということかと思います。
○滝波宏文君 少しいい言葉をいただいたのは、互いに事業者と協力してという話もございました。
 予見可能性というのは、先ほど標準審査期間の話をしましたけれども、ほかにも、どれぐらいの要するに努力をすれば規制機関に認めてもらえるかと、そういう時間の概念だけじゃない様々な概念を含んでおりますので、しっかりその辺り踏まえてください。そういったことがきちんと適正になされない場合にはこれは法的には行政権の濫用というわけですから、そういうふうにならないようにしていただきたいということでありますし、それができないと未熟な規制機関だというふうになると思いますので、早く成熟した規制機関となって、いろんな審査体制等々も私はサポートしたいとは思っていますけれども、今の未熟な審査機関の状況では私はなかなかサポートしにくいなと、いまだ思っているところであります。
 それで、志賀原発のシームの話をちょっと進めたいと思います。お手元に紙が二枚、志賀原発の敷地内の破砕帯、シームの話を置いてございますけれども、これまでも大飯、美浜、東通、敦賀と四つの発電所について、長い曲折であったかと思いますが、有識者会合による破砕帯評価は経てきたわけで、今このゴールデンウイーク直前に志賀原発についての有識者会合の評価書を規制委員会が受理したわけであります。
 それで、議論は、この図の中の一枚目のS―1というのが左上から右下にかけて流れているかと思いますけれども、これについての活動性評価、これが今焦点になっているかと思ってございます。有識者会議の結論というのは、この左上のS―1の北西部については、これは活動性があるというふうにしたわけでありますけれども、僅か七百八十メーターの中の南東のところは、これは活動性がないというふうに判断をしている。
 こういうふうに一部だけなっているというのがどういうことかということを考えるのがなかなか非常に理解がし難くて、実際この話は、旧トレンチというのが緑色、真ん中に矢印で書いてありますけれども、ここに、約三十年前の志賀原発一号機建設前に行われたそのときの残っている壁面のスケッチですとかを根拠に、ここ活動性あるというふうに評価、有識者会議はしたわけでありますけれども、そこ、もう今、建設して、削ってしまったわけで、ないわけであります。
 それで、何をしたかといいますと、右下のS―1駐車場南東方トレンチですとかS―1堰堤左岸トレンチとか、こういった延長のところを北陸電力、北電は掘って、見てみると、これは活動性がないですねというふうなことは、これは有識者会合も認めているわけです。僅かこの間の中に、その七百八十メーターの間に、一部は活動性があって一部は活動性がないという、これを説明しようとして有識者が何を持ち出したかというと、次のページなんですけれども、解析モデルというのを作り出したわけであります。
 それは何かというと、左上ですけれども、伏在断層と書いてありますが、先ほどの図でもう一つ、S―2・S―6というのが縦に並んでいますけれども、これが深さ百メートルまでで動いて、そこで止まっていると。それによって、このS―1の北西部が動いたんだというふうな説明をしているんですけれども、これ現地調査で実態をボーリングしてみると、いや、そんなところで伏在断層というのは見当たりませんという状況になっているわけです。
 だから、何が起きたかというと、その有識者会合に対して、ほかのまた専門家の方がピアレビューというのでチェックするわけですけれども、そのピアレビューでどういうふうに言われたかというと、これは二ページ右下に書いてありますけど、地下百メートルでS―2・S―6のずれが止まることのモデルは物理的にあり得ず、仮定としても不適当であり、S―2・S―6の活動に関連付けてS―1北西部が動くという説明は破綻していると専門家が言っているわけであります。
 要するに、たまたま選ばれた数名の有識者会合に、この志賀原発の担当者になった人が無理無理言おうとしている話をモデルでトライしたんですけれども、結局、ほかの人がもしそこの担当者になっていたら、それはそういう結論にならなかった。非常にあやふやな、正直無理がある話を私はしていると思うんですけれども、この問題について、田中委員長、今どういうふうに考えていらっしゃるんでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) まず、るる御説明いただきましたけれども、御指摘のモデル計算については、ピアレビュー会合での指摘を踏まえて修正されて、最終的な評価書では、計算に用いた条件は必ずしも妥当ではない可能性があるという記載になっております。したがって、その位置付けも結論を導く根拠とはなっておりません。
 つまり、今のS―1というシームですけれども、北西部の活動性に関する評価書の結論は、今御指摘のモデル計算を根拠としているわけではなくて、かつての旧保安院時代に指摘された、いわゆる、もう既に実物を確認することができない原子炉建屋の下のスケッチ、ここで、旧保安院時代にはこれは間違いなく活断層だというような御指摘を受けてきたものです。それを今回の調査、いろいろやってみましたけれども、それを否定するに至っていない、それを否定できるというところまでは行っていないというような結論になっています。
 指針では、安全上重要な施設、例えば原子炉建屋の下にそういった活動性のあるような地層がある場合には、そもそもがその設置許可を認めておりません。したがいまして、そこをきちっとクリアしなきゃいけないということです。そのクリアするためには、今回は十分なデータが得られて判断したわけではないという有識者会合の結論で、そこで、今後どういったデータを補充すべきかということで六つの点について御指摘いただいています。
 ですから、今後、この有識者会合の報告を踏まえて、私どもの審査では、事業者にこういった六つの点についてのデータを御提出いただいて、それに基づいて最終的に評価を、適合性審査を進めていくということになろうかと思います。
○滝波宏文君 そういうふうに根拠になかなかなりそうにないモデルを、これ私も経緯知っていますけど、数字がうまく合わないので定量的なことを書けなかったんだけれども、定性的なことだけ書きましょうといって書き残したこと自体が、私、科学者のちゃんと論文書くのだったら、そんなこと普通しないだろうと思うわけであります。
 本当にその有識者会合って科学的なことをやってきているのかということが、私は、敦賀の破砕帯のときも話がいつの間にか変わってきたのを見て疑念を抱いておりまして、今回も同じような思いでおりますけれども、そのモデルに依拠できないなというのは委員長はもう御認識はあるんですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) それは私の認識というよりも、有識者会合、ピアレビュー、ピアレビュー会合が大事だということでありますけれども、これは是非ピアレビュー会合をやってくださいということは私かつて申し上げましたし、そういった中での御指摘を踏まえて科学的にもう一度検討し直して、有識者会合自身の中でもこのモデル計算には依拠できないということは、そういうふうなまとめになっているということで、これはまさに科学的な判断だと私は思っております。
○滝波宏文君 委員長も依拠できないと分かっているなら、それはそれで一歩前進というかあれなんですけれども。
 でも、何でそんな有識者会合をこれまでやってきて、それで結論も科学者らしくないものを出してきて、そういうふうな有識者会合のプロセスをやっているのかということについて私はすごく疑問を持っているわけであります。
 すなわち、どういうことかというと、先ほど予見可能性、その中でも時間の点での審査期間の話をしましたけれども、この有識者会合というのは、いつも議論してございますけど、法的根拠がない組織なんですね。法的根拠のない有識者会合というのを規制委員会がいつの間にか前置主義をしたわけです、前に置く。要するに、有識者会合を経由しないと規制委員会は審査始めませんよというそういう前置を、前に置くことをしたわけですね。それによって何が起きているかというと、ますます審査期間が延びているわけであります。これは、先ほどから申し上げている適正手続という観点からすると、かなりの行政庁のやり方としてのまずいやり方なんじゃないかというふうに私は思ってこの問題をずっと取り上げております。
 また、以前に決算委員会で宮本先生もおっしゃっていましたけれども、この有識者会議の各それぞれの担当を決めるときも、別の人が選ばれていたら、まあそういった人が例えばピアレビューアーに後でなるわけですけれども、違う結論になるわけですね。
 そういうふうな不安定さというときに、じゃ何が根拠かというと、これがもし法的なちゃんと組織であれば、任命行為等がなされて、この人へのちゃんとチェックして、みんなでしかるべきプロセスを踏んでこの人に責任を負わせるんだとなるわけですけれども、有識者会合という、その選ぶ、責任を負う人の過程も不安定なわけですね。
 非常に、私が申し上げたいのは、委員長、すごいまずいことをやっていらっしゃいますよ。すごい力を持っている行政機関が、適正手続の予見可能性という意味でも、こういう有識者会議の前置主義というのを持ち込んで、なおかつその時間を徒過させていると。出てきた結論が、じゃ、恐らくそういうふうな有識者、ないしは規制委員会のメンバーもそうですけど、依拠するところは何かといったら科学的な知見というところに最後行き着くわけですけれども、ちょっと正直、こんなの論文とかで書けないだろうという結論を、それこそ日本経済や日本の国民生活みんなに関わるような結論に関わる過程の評価書というのを出してきている。
 これはちょっと行政手続的にも問題なんだと思うんですが、やっぱり有識者会合というのは正しいと思うんですか。手続として。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 一言で申し上げますと、私どもに限らず行政庁が様々な判断をする場合には、専門家の意見を参考にして決めるということは通常行われています。有識者会合の位置付けも私どもから見ると同じです。
 要するに、破砕帯とか、火山の場合もそうですけれども、そういった極めて専門的、特殊な分野に関しては、できるだけ専門家の知見をお借りして、その判断を参考にしながら最終的に原子力規制委員会の責任においてそれを最終判断をするというのが私どもの考えだし、それは、私としては何ら問題ないというふうに考えています。
 法的位置付けのない前置主義という言葉ですけれども、通常の、普通のそういった専門家会合、各行政庁で行われている、たくさんありますけれども、枚挙にいとまがないと思いますが、そういった専門家会合が全部法的位置付けのあるという意味でおっしゃっているかどうかはよく分かりませんけれども、少なくとも前置主義というのは、それを通さなきゃ審査は行わないということは一度も言ったことはありません。
 結局、破砕帯、先ほど申し上げましたけど、重要施設、原子炉建屋の下に破砕帯があるというような、活動性のある破砕帯があるという場合にはこれは許可を出せませんので、そういった意味で、そういったことをまずきちっと評価をした上で始めた方が、いろんな、全体としての審査の効率性とか無駄がないという私どもの判断です。
 ですから、必ずしも有識者会合の結論が全て白か黒か明確になっているものではなくて、幾つかの問題が残されたままになっています。今回の志賀の有識者会合の結論も、そういう意味で、こういった点をもっと明らかにすべきという、極めて私どもの判断にとっては、今後の審査にとっては有意義な御指摘をいただいたものと思っています。
○滝波宏文君 今の話は二点違っていると思います。
 まず一点、前置主義を決めた覚えがないとおっしゃっていますけれども、平成二十五年三月十九日、原子力規制委員会資料八の二において、規制委員会のその新規制基準適合性に係る審査の開始の前提として、有識者会議の評価書がまとまることをしなければ、それが規制委員会に報告されるまでは新規制基準の適合審査に移ることができないというふうに決めていらっしゃいます。これ間違いなく前置主義やっているし、それから実態としてそうされています。
 それから、もう一つおっしゃった有識者会合をあちこちでやっていますよねと。それは認識が甘いんです。これは申請に対する処分の決定をなさっているんですから。申請を始めてから、どういうふうに処分をするかというところについてのきちんとした適正手続をもって処分をしなきゃいけないんです。その間に有識者会合入れる話というのと、多分委員長がおっしゃっているような、いろんな何々局が新しく、例えば金融の世界でもフィンテックという新しいそういうふうな技術革新が出てきましたと、この問題についてどういうふうに政策をつくったらいいですか、法制度どうしましょうか、じゃ、有識者を集めて議論をしましょうと。これとは話が違うんです。事業者は申請をしてその処分を待っているわけです。そのために標準期間というのがあるんです。
 委員長、多分、ちょっとやっぱり行政を進めるに当たっての議論というのを、もちろん科学者のバックグラウンドあるんで、いろいろどうしても得手不得手あると思いますけれど、すごい権限をお持ちなんで、もう一度ちゃんと適正手続とか予見可能性とか公正さとか、ちゃんと勉強し直していただきたいと思います。そうしないと、これだけの権限をきちんと預けることに不安を感じてしまう、それが私の今お話をしていた限りでの思ったことであります。
 規制委員会の活動原則にあります、透明で開かれた組織、国内外の多様な意見に耳を傾け、孤立と独善を戒める、このことをちゃんとやっていただきたいと言っているんです。そういうことをきちんと考えながら、法的根拠のない有識者会議、これを設置して、まあ事業者も、私が聞いている限り、この志賀原発なんかでは評価書の取りまとめの際に第六回から第八回、またピアレビュー会合、事業者は入ることができなかった、出席は許されなかったというふうに聞いておりますし、評価書案について意見を述べる機会も与えられなかったというふうに聞いております。ちゃんと事業者との健全なコミュニケーションを取った上でいかないといけないんだと思います。
 私は、昨秋にヨーロッパ、エネルギー関係中心に訪問しましたけれども、そのときに、フィンランドの方と、行政の関係者とお話ししました。
 そしたら、向こうは、いわゆるエネ庁に当たる方と、規制委員会に当たる、担当する事務局の方とが二人同席していらっしゃったんです。私びっくりして、いや、日本ではこんなことあり得ないですよというふうに言ったら、何でですかと。そんなの当然、いろんな立場があるけれども、互いにコミュニケーションを取って、その規制委員会、規制庁に当たる方がおっしゃったのは、そのコミュニケーションの中でどうやって現実的に安全性を高めていくかというのが自分たちの仕事だから、コミュニケーション取るの当たり前なんだ、こういうふうなお話をされました。
 私、これがあるべき成熟した規制機関の姿だと思いますし、もちろん三・一一があって、いろんな形で審査をどういうふうにするか、試行錯誤あるのも分かります。だけれども、最終的な形というのは決してノー、ノー、ノーと言い続けて仕事ができるような組織じゃないんですよ。きちんと今までの積み上げてきたこれまでの審査の経過を見ながら、事業者が、ああ、そうだ、これぐらいやらなきゃ、これぐらいの何か棟を建てなきゃいけない、これぐらいの安全対策をしなきゃいけない、でも、それをしたら通るだろうなという予見可能性を持っていくことによって規制がしっかりと進んでいくわけです。そういうふうに持っていかなきゃいけないと私は思います。
 それを規制委員会に是非やってほしいというふうに私は思ってございますし、この志賀原発についても、単に有識者会議の評価書だけに、もうそれこそさっきのモデルは破綻しているというのを御存じなんですから、だけに依拠するのではなくて、ちゃんとピアレビューアーが何を言ったのか、それから事業者が何を言っているのか、そういったことにまさに耳を傾けて、多様な意見に耳を傾けて、規制委員会としてしっかりと責任を取ってほしいと思うんです。
 すなわち、もう既に委員長、前からおっしゃっていますけれども、こういった有識者会合の評価書というのは参考なんだとおっしゃっているわけですから、一からしっかりと、まさに権限のある、法的根拠のある規制委員会において、一から責任を持って、さあ、この破砕帯の話ですね、本当にこんな僅か七百八十メーターのところで一方が活動性があって一方が活動性がないってどうやって説明するんですか。そのことについても説明責任を今度負うわけですから、しっかりと委員会で審査をしていただきたいと思います。
 時間も大分迫ってまいりましたけど、最後に、以前に、十一月十二日、一昨年ですけれども、私が原子力問題特別委員会、参議院のですね、で議論した際に委員長はこうおっしゃいました。炉安審とか燃安審とか使ったらどうかということがありましたけれども、これはまさに、以前、原子力安全委員会とかそういったところでこういったところにほぼ丸投げのような状況で、そこにいろんなワーキンググループとか何かができて、その結論を踏まえた規制行政をやっていたことが今回の一Fの大きな事故につながったという反省もありますと。
 これ、私、調べてみました。そしたら、国会事故調の報告におきまして、そのように、福島事故を招いた全交流電源喪失、SBO対策規制化の先送りの舞台として指摘されているのが、これ、旧原子力安全委員会の原子力施設事故・故障分析評価検討会と、その下の全交流電源喪失事象検討ワーキング・グループなんですけれども、実はこれらが法的根拠のない旧原子力安全委員会の私的諮問機関だったわけです。
 だから、学ぶべきだったのは、法的根拠のない私的諮問機関、有識者会議、そういったものの丸投げ、このことをやっちゃいけないということだったはずなのに、何で破砕帯でこのまさに法的根拠のない私的諮問機関である有識者会議に丸投げしたんですか。御見解を問います。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 国会事故調査書で指摘されている点は、いわゆる旧原子力安全委員会において全交流電源喪失事象に係る基準の見直しに関する報告書を原則非公表としたこと、その原案作りの多くを電気事業者に分担させていたというようなことが指摘されています。こういった指摘を踏まえて、原子力規制委員会においては、規制基準の検討に係る会合は原則全て公開とし、また原案も自ら作成しています。
 他方、破砕帯、火山のような、そういった言わば専門的な評価の必要な検討課題については、必要に応じて関係する分野の有識者の意見も活用していただく場合もあると。これは、これを否定することはできません。こうした場合においても最終的には原子力規制委員会の責任において判断することとしており、有識者会合に判断を丸投げしたものではありません。
 法的位置付けがあるかないかという議論でございますけれども、そういうことだけで行政が進むとは考えられません。
○滝波宏文君 時間もございますので、今丸投げをするわけではないということでありましたから、規制委員会の委員長、委員会の責任において、きちんとこの問題もやっていただきたいし、ただし、それでも失われた時間は取り戻せないわけですから、そのことについてしっかりと責任を感じながら、機能する規制機関に早く規制委員会がなることをお祈り申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○河野義博君 公明党の河野義博です。
 再生可能エネルギー電力を普及促進していくということはもう国是でございまして、これは異論がない、論をまたないところでございます。一方で、国民負担がどこまでも増加していいかというと、それはそうでもないという中で、再エネの推進というのは非常にかじ取りが難しい、バランスの取れた政策が求められているわけであります。
 二〇一二年の七月に現行のFIT制度が開始をされて以来四年がたとうとしております。その中で一定の役割を果たしてきたこの法律でありますけれども、様々な課題がありましたので、これを丁寧に議論をしていただいた、そして各所に相当な配慮を行った上でのこの改正案をまとめていただいたものであるということ、私承知をしておりますし、非常に難しいかじ取りだったと思うんですけど、そのバランスの取れた改正案に仕上がっているということ、私、このバランスの取れた改正案にまとめていただいたことをまずは冒頭感謝を申し上げまして、賛成の立場で質問をさせていただきたいというふうに考えております。
 まずは林大臣に、再エネの導入拡大に向けたこれまでの取組と今後の方針を伺います。
 先日、福岡県の北九州市でG7エネルギー大臣会合が開催をされまして、その中でクリーンエネルギー技術開発投資を促進していく取組を主導していくということで一致がなされたというふうに聞き及んでおります。
 エネルギー自給率の向上と低炭素化社会から、また今はもう脱炭素化社会、この実現が望まれるわけですけれども、この実現に向けて再エネ推進は非常に重要な課題でありますけれども、経産省としてのこれまでの取組、そしてその成果をお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(林幹雄君) 河野議員御指摘のとおり、再生可能エネルギーの導入は、エネルギー安全保障の強化や低炭素社会の創出等の観点から大変重要でございます。経産省では、石油危機以降、長年にわたりまして様々な推進策を講じてきたところでございます。
 具体的には、一九七四年のサンシャイン計画の策定以来、官民一体となりまして太陽光発電等の低コスト化、実用化に向けた技術開発を進めてきました。また、開発された太陽光発電技術等の実際の導入を促進するために、一九九〇年代後半から補助金による導入支援を措置いたしました。さらに、二〇〇三年に電気事業者に一定量の再エネ電気の調達を義務付けるRPS制度を創設をいたしました。その後、二〇一二年に電気事業者が固定価格で再エネ電気を長期間買い取るFIT制度を創設したわけでございます。
 このように、コスト低減の進捗状況を踏まえて、各種の導入支援制度を順次措置してまいりました。特に、二〇一二年のFIT制度の開始以来三年で再生可能エネルギーの導入量が倍増するなど、大きな成果を上げているものと認識をしております。
 他方、太陽光の急速な導入が進みまして、国民負担増大の懸念や電力系統の受入れ制約の発生などの課題も生じてきております。こうした課題を克服するための措置を盛り込んだ法律案を今回提出したところでございます。
 引き続き、FIT制度の適切な運用を行うとともに、研究開発あるいはまた規制改革などの施策を総動員しまして、関係省庁と連携しつつ取り組んでまいりたいと、このように思っております。
○河野義博君 FIT制度開始以来三年で倍増、年間三三%の割合で増やしてきた、その一定の役割というのは確かにこの法律によって果たせているんじゃないかなというふうに考えております。
 一方で、経産省がリーダーシップを発揮していただいて中核となって推進をしていただいているんですけれども、再エネ導入に向けては各省連携して取り組むべき課題が非常に多いです。再エネ閣僚級会議というのを開催をしていただいておりますし、また、実務レベルでも緊密な連携が必要なのではないかなというふうに考えております。
 再エネ推進に当たっては、各電源ごとにいろんな省庁が連携をして、期限を設けていつまでに何をするんだ、それによってこういうふうな電源構成、いつまでにこうしていくんだということを明確に決めて、一覧を、工程を作ってアクションプランを立てていくべき、省庁連携をしてアクションプランを立てていくべきだと思いますけれども、経産大臣の所見をお聞かせください。
○国務大臣(林幹雄君) 例えば風力発電の推進には環境省の担当する環境アセスメントの迅速化が求められるなど、再生可能エネルギーの導入拡大に当たっては関係省庁の規制見直しあるいは行政施策との連携が鍵であるというふうに認識をしておりまして、このため、再生可能エネルギー等関係閣僚会議におきまして、官房長官の下、政府全体として施策を進める体制を構築しております。
 三月八日に開催しました第三回会合では、公明党の申入れを踏まえまして、許認可手続の迅速化、そして関係府省庁の連携によるプロジェクトなどを進めていくことを確認したところでございます。連携プロジェクトとしては、例えば風力、地熱発電につきましては環境アセスメントの迅速化、バイオマス発電については林業の施策や廃棄物処理そして下水処理の施策と連携した導入促進の取組を加速することとしております。
 今後、電源ごとに推進する上での課題と取り組むべき内容を河野議員御指摘のアクションプランのような形で整理した上で、関係府省庁と共有したいと考えております。また、さきに述べた関係閣僚会議等を活用しながら、三月に確認した連携プロジェクトなどを中心に、その迅速な実施に取り組んでまいりたいと、このように考えております。
○河野義博君 非常に前向きな御答弁をいただきまして、感謝を申し上げます。
 各省の実務者レベルでいつまでに何をやらなきゃいけないんだということが共有できているということが大切だと思いますので、引き続きのリーダーシップをお願いしたいと思います。
 次に、続いては、個別の内容に入っていきたいと思っております。
 まずは、系統制約の克服に向けた取組を伺います。再生可能エネルギーは、言わずもがな、自然状況に大きく左右されるため、系統への受入れに制約が従来多かったということが指摘をされておりまして、一方で、経産省として様々な配慮を行っていただいております。実際に系統それ自体のハードの整備をますます行ってハード面を強化して設備増強を行う、また運用を弾力化することによってソフト面での対策、これ、ソフト、ハード両面での対策を経産省既に手を打っていただいているわけでありますが、その周知の意味合いも込めまして、改めてこの系統制約の克服に向けた取組をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、送電網、この系統の部分の受入れの制約が再生可能エネルギーの推進というものの障害となるということは好ましいものとは思っておりません。我々、電力システム改革という観点からもこの取組は大変重要だと考えておりまして、御指摘のハード面、ソフト面、両方から取り組んでいるところでございます。
 大きく地域間連系線の問題、さらには地域内の基幹系統、さらにはローカル系統と様々な局面があるわけでございますが、その中の主なものだけ御紹介したいと思います。
 まず、地域間連系線でございますが、ハード面、これにつきましては、昨年四月に設立されました電力広域的運営推進機関、ここが主体的な役割を担っておりまして、個別具体的なものとして、事業者からの要請を受ける形で東北東京間の連系線の増強、この具体的な計画、さらには、これは国からの要請を受ける形で東京中部間の周波数変換設備、いわゆるFCと申しておりますが、これの増強計画、それぞれについて検討を行って、具体的なルートも含めまして案を取りまとめているところでございます。さらに、全国レベルのマクロの送電網のあるべき姿、これにつきましても、今後の十年を超える期間を見通して広域系統長期方針というものを現在策定中でございます。
 これらはハード面の増強ということになりますが、他方で、今ある設備をどうやってうまく使うかということで、ソフト面の対応についても既に取り組んでございまして、昨年四月には、これまで原則として年度を通じて固定してきておりました連系線の運用容量、これを三十分単位できめ細かく算定できるようにするということで使いやすくするといったような取組をしてきております。
 さらに加えて、地域間連系線につきましては、やや細かいことになりますけれども、従前より一般送配電事業者が確保しておりますマージンと呼ばれる緊急用の枠というものがございますが、これも、需給の予測精度が高まることを反映する、そうした可能な範囲で縮小していくといったような取組もしているところでございます。
 それから、域内の基幹系統及びローカル系統につきましても、これも障害となるという側面がございまして、これについては主な障害は費用負担の面でございますので、一つは、この十一月に一般負担、特定負担の割合を算定するための考え方を整理いたしましたガイドラインを作ったところでございます。
 そのほか、様々な共同負担のプロセスであるとか取組をやっているところでございますが、一番原点といたしましては系統の混雑状況に関する情報の公開、こうしたことも取り組んでいるところでございます。
○河野義博君 地域間連系線を含む基幹系統のハード面、ソフト面での整備が充実をいたしました。従来、北本連系線、北海道、東北を結ぶ線というのは計画をされておったわけですが、新たに東京と東北を結ぶ線、また東京、中部を結ぶ線も増強していただけるということになった。また、透明性を確保して三十分単位で使えるような制度もつくっていただいた。また、基幹系統、コスト負担ですけれども、原則として一般負担、いわゆる需要家が、これから原則として需要家が負担をするということになったことで、今まで、従来、発電側が多額の系統増強負担をするということが求められていたわけでありますけれども、この負担が少しでも減っていくんじゃないか、一般負担も入っていくようになったということを聞き及んでおりますので、これもしっかりと制度として整っていきつつあるというふうに承知をしております。
 制度はつくっていただいて、設備も造っていただくんですが、これがしっかりと使われるようになって再エネが十分に入っていくということが大事かと思いますので、これは不断の検証をしていただきたいというふうに思います。
 出力制限に関して次に伺います。
 先頃、出力制限のルールが見直しをされました。指定電気事業者に指定をされたエリア内の風力発電そして太陽光発電のプロジェクトに関しては、従来の出力制限を超えて無制限に出力制限が掛かる可能性があるということになりました。その結果、大規模な案件は従来からプロジェクトファイナンスが組成をされてきたわけですけれども、このプロジェクトファイナンス、組成の前段階として検討自体も進んでいないという状況が見て取れるわけですけれども、本件に関して当局として今後どのように取り組んでいかれるのか、教えてください。
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。
 今御指摘のように、電気の供給が需要を上回る、電気が余るという事態に至った場合は、停電の発生を回避するために発電所の出力制御が必要となるということでございます。
 再エネに関しましては、先にまず火力を最小限に絞った、それから隣の地域への送電ということをやった上で、それでもなお余るという場合に関して再エネの抑制ということになるわけでありますが、これまで我が国は、再エネに関しては特別に年間三十日以内、出力制御は三十日以内だと、こういうルールでやってきたわけでございますが、一方で、再生可能エネルギーが導入拡大、導入量が増加してきたということで、地域によってはこの三十日という制限では再エネの導入はこれ以上無理だということになってきたわけでございまして、したがって、指定電気事業者制度というのを設けまして、この三十日というルールの外で、これを適用しない形で再エネを更に受け入れていこうと、これが指定電気事業者制度のポイントでございます。
 ただ、この指定電気事業者制度について、これをやった結果、今御指摘ありましたけれども、無制限で出力制御が掛かる、それがあたかも恣意的に物すごい期間掛かってしまうんじゃないかというような御懸念あるいは一部誤解に基づく不安といったようなところもあるわけでありまして、我々、そういったことが事業運営あるいはファイナンスに対して一種予見可能性をしっかり確保していくということが必要だろうというふうに思っておりまして、このために幾つかの措置を行っております。
 一つは、FIT法の省令に基づきまして、各電力事業者に、電力会社の方に出力制御が見込みがどれくらいになりそうかということを公表していただいております。これを義務的に公表していただいております。
 それから、この三十日の制限の根っこになりますどのくらいまでなら三十日で受け入れられるか、三十日等出力制御枠と申し上げますが、この算定の根拠となるデータを全部公開するということもやっております。
 それから、実際に各電力会社が地域ごとに三百六十五日二十四時間どういう需給実績になっているか、こういったようなデータを公表していただく、こういったようなことをやっているわけでございます。
 特に、この二番目、三番目のようなデータを見ることによって、実際に、じゃ、出力制御というのは本当にどれぐらい起こり得るのか、あるいはどれくらいリスクがあるのかということが発電事業者側の方である程度シミュレーションできるといったようなデータを提供するということを始めているところでございます。
 こういった制度趣旨でございますとかあるいはデータの利活用ということに関しまして、私ども、もちろん再エネ関係の事業者の方はもちろん、金融関係の各種団体も含めまして、様々説明会を行って情報提供をやってきているわけでございますが、今後とも引き続き正確かつ丁寧な説明を行ってまいりたいというふうに思っております。
○河野義博君 無制限の出力制限という言葉が独り歩きをして、想定していた以上の急ブレーキになってしまったという状況かなと認識をしております。出力制御ルールも、今御答弁いただいたように、まず火力で、その次は全国大で融通をする、地域を越えて融通をして、それでも駄目だったら再エネ止めますよということなんですけれども、なかなかこの理解も進んでおりませんし、事業者含めて金融機関にも丁寧に御説明をいただいた上で、やっぱりこれは大きなブレーキがちょっと緩和されるようにしっかりと配慮をお願いしたいと思います。
 一つの選択肢としては、止めた場合には何らかの補償があるという制度も海外にはありますので、FIT電源、FIT価格丸々ではなくても何割かは補填されるですとか、いろんなことが考えられると思いますので、これは是非、この急ブレーキちょっと解除できるようなことを考えていただきたいなというふうに考えております。
 続きまして、今回の制度によりまして、FIT電源の買取り義務者が変更になりました。従来、小売事業者が電源を買い取っていたわけですけれども、今回からは、この法律が通って新制度になりますと、送配電事業者が買取りをすることになります。送配電事業者が買い取った再エネ電源というのは、原則として卸売取引市場に出されることになりまして、卸売取引市場から小売業者が買い取るという立て付けになっておりますが、例外的に小売業者が個別の契約をあらかじめFIT電源と結んでいた場合、送配電事業者から直接買い取ることができます。卸売市場を通さずに引き取ることができる。この場合に、市場を通さずに小売業者が買い取るという場合、適正に、平等に割り当てられるという必要があるかと思います。この制度によって、直接、電源と小売が契約ができるという例外措置を残したおかげで再エネの地産地消ができるようになりますし、小売業者がこの電力は再エネ電源ですというふうに明示をして小売をすることもできるようになる。
 一方で、ちゃんと公正に小売業者に割り付けがなされるということが大事かと思いますが、その辺り、お取組に関して伺います。
○政府参考人(藤木俊光君) ただいま河野委員から御紹介ございましたように、送配電事業者が買い取ったFIT電気に関しまして、これをどう効率的に小売電気事業者に引き渡していくかというのが一つ制度のポイントでございます。
 その引渡し方法としては、一つは卸電力取引市場を経由して引き渡すという方法と、今御紹介いただきましたように、小売電気事業者等に相対で供給していくと、こういう二つを法律上規定しているところでございます。前者の卸市場を使った場合は市場取引ということになるわけでありますけれども、後者の相対での供給の場合、買い取った送配電事業者から引き渡すに当たって公平かつ適切な取引ということを確保することが必要であるというふうに考えております。
 したがって、この法律の中でございますけれども、送配電事業者は再生可能エネルギー電気卸供給約款という約款を定めまして、これに基づいて供給を行うということにしております。この約款に関しましては、経済産業大臣への届出を義務付けまして、法律に規定する要件を満たさない場合、例えば公平でないとかいったような場合には、経済産業大臣による変更命令の対象となるということになっているわけでございます。
 したがいまして、こういったFIT電気の相対供給といったような場合にも平等な取扱いが確保されるような制度的枠組みとしているところでございまして、法律成立の暁にはそれを運用していくわけでございますが、当然のことながらそうした趣旨に沿って適切に運用してまいりたいというふうに考えております。
○河野義博君 既存の電力会社と新規参入者の間で不公平のないように、しっかりとイコールフッティングがなされているようにチェックをお願いしたいと思っております。
 続きまして、FIT期間が終わった後の話で伺いたいと思っております。
 住宅用の太陽光発電、これは余剰買取り制度が適用が、固定買取り制度が十年間となっておりまして、二〇一九年の十一月以降、買取り期間が早くも終わる案件というのがどんどん出てくるわけであります。高い買取り期間が終わりまして、ようやく安い再エネが出るということで、国民にとっては先行投資がようやく終わるという時期が到来するわけでありますが。安価な再エネがようやく出てくる、これは有効活用する必要があると思っておりまして、何らかの制度が必要なのではないかなと思いますけれども、お取組状況を教えてください。
○政府参考人(藤木俊光君) FITの買取り期間が終了した後ということでございますが、制度上の立て付けを申し上げますと、FIT法上の買取り義務というのはなくなるわけでございますので、発電事業者は、通常の電源と同様に、相対契約やあるいは卸電力取引市場を通じた取引を通じまして売り渡す小売電気事業者を決めてその方に売電すると、これが基本になるということでございます。
 ただ、今御指摘ございましたように、家庭用の太陽光発電の場合、設置者の方は各家庭ということになるわけでございますので、この方々が自ら例えば卸電力市場に売電するとか、あるいは売渡先の小売電気事業者を自分で探すというのはなかなか難しい場合が多いということでございまして、継続的な発電をしていただく、このための対応策が必要ではないかという御指摘があり、また我々としてもそういった対応が必要ではないかと考えているところでございます。
 例えばということでございますが、電気を買い取る小売電気事業者に対しまして、家庭から電気を買うその契約の手続を円滑にやっていただくというための様々な工夫があると思いますけれども、そういったようなメニューを作っていただく、あるいは一般送配電事業者の方も買取りが可能となりますので、一般送配電事業者に関しても各家庭から買い取る場合のメニューを整備していただくといったようなことを進めていただく必要があると思っておりまして、私ども資源エネルギー庁、それから各事業者とよく御相談しながら、こういった対応をしっかり取っていきたいというふうに思っております。
○河野義博君 御対応いただけるということで安心をいたしました。
 住宅用以外にも、FIT法施行前にあった再エネ電源、これ既設案件もFIT制度に移行している案件もありまして、そろそろ大型の案件も、事業者がやっているような案件もFIT期間が終わっていく時代が参りますので、その後どうするかという議論、これ丁寧に行っていく必要があるんだろうと思っておりますので、そちらも引き続きフォローしていただきたいというふうに思っております。
 続いて、入札制度に関して伺います。
 現時点で、入札制度、これ適用が想定されているのは、私、大規模な太陽光発電のみであると承知をしておりまして、ほかの電源に入札制度が適用されるというのは、十分に全国大にほかの電源も普及をされて、また競争が進んで設置価格も下がっていったときに初めてほかの電源にも適用され得るものではないかというふうに承知をしておりますけれども、見解をお聞かせください。
○政府参考人(藤木俊光君) 今般導入いたします入札制度は、再エネの早期の自立化に向けて買取り価格の設定をまさに競争を通じて低減させるということを促すための制度でございます。
 法律上、入札対象電源どうするかということにつきましては、入札制度の導入が電気の使用者の負担の軽減を図る上で有効と認められるときその電源を入札対象とするということになっているわけでございまして、具体的な当てはめについては、調達価格等算定委員会の意見を聴いた上で決定するということになっているわけでございます。
 当然、その判断をするに当たりましては、これまでの導入量でございますとか、あるいは事業の実態とか、こういったようなものを勘案いたしまして、実際に競争を通じて買取り価格の低減が見込まれるかどうかということを見ながら判断していくということでございまして、その前提としては、一定程度導入が進んでいる、あるいは導入が拡大していくことが見込まれるといったような段階に至っているものというのが想定されるわけでございます。
 今、私ども、現状を見ますに、具体的には大規模な事業用の太陽光発電というものが対象となるというふうに想定しているところでございます。ただ、最終的には調達価格等算定委員会の意見を聴いた上で決定ということでございますが、そういった基本的な考え方でございます。
○河野義博君 よく分かりました。ありがとうございます。
 続いて、複数年のFIT価格提示に関して伺います。
 開発期間が長期にわたる発電では、やっぱり予見性を高めておくということが導入促進する一番の鍵なんだろうと思います。巨額の開発費を投じます一方でFIT価格は毎年変わるということでは事業者はそのリスクを軽減させることができませんので、今回の改正におきまして、リードタイムの長い電源は複数年提示をするということになりましたので、これ、歓迎をいたします。
 一方で、これは複数年提示されても毎年どんどんどんと下がっていくのでは困るなというふうに思っておりますが、先ほどの入札制度同様、ある程度電源が普及される、若しくはそれが確実に見込まれるという段階までは現在の価格が維持されるものというふうに認識しておりますけれども、御所見をお聞かせください。
○政府参考人(藤木俊光君) ただいま御紹介ございましたように、風力、地熱などリードタイムの長い電源については導入がまだ十分に進んでいないという現状にあるわけでございます。
 このため、今般のFIT法改正法案におきまして、数年先の認定案件の買取り価格を決定できる仕組みということで事業者の予見可能性を高めるということを行っておりますほか、規制の見直しでございますとか様々な支援策ということを総合的に進めて導入拡大を図ってまいりたいと思っております。
 その中で、FIT制度、そもそもどういう制度かということに関しましては、これは委員御案内のとおりでございますけれども、再生可能エネルギーの導入の拡大を図りながら、同時にコストも引き下げて、これを両方同時に達成していく、そしてやがては自立化に至っていくと、こういうことを目指した制度でございまして、まさにこうした趣旨で今回の改正法案におきましても中長期的な価格目標、こういうのを示しまして、事業者の方にコスト低減努力を促していくということをしていきたいというふうに思っております。
 実際に、じゃ、買取り価格どう決めるのかということに関しましては、電源ごとの導入コストの実態というのをよく見ながら、また、今申し上げました価格目標というものも勘案しながら、調達価格等算定委員会の意見を聴いた上で決定するということになるわけでございますが、今ほど申し上げましたように、FIT制度、導入量を拡大していく、同時にコストを下げて国民負担を抑制していく、これを同時に達成していくと、こういった法律の趣旨が全うされるように適切に対応していきたいと、このように考えております。
○河野義博君 再エネ増やす、一方で価格を下げるという大変重要なかじ取りを担われますので、よく事業者側の意見も聴いていただきながら決めていただきたいなというふうに思います。
 続きまして、ちょっとペースアップをします。洋上風力発電用の建設設置船の導入に向けた取組を伺います。
 洋上風力発電、せんだって国交委員会の方で港湾法改正が審議をされ、本会議でも可決をされましたので、もう早ければ来年、再来年にも国内で洋上風力発電の設置工事が始まります。
 一方で、設置用の専用船が国内にはないという状況があります。技術的な課題はほぼクリアをされているという結論が政府内でも出されておりまして、造ろうと思えば造れますという状況ではあるんですけれども、船造るのにも三年、四年掛かりますので、到底間に合わないだろうということが予想されております。
 私も従来お願いをしてまいりました。国が持つか誰が持つかという議論は別として、やはり洋上風力の設置船が国内にあるということは、鶏、卵ですが、非常に大事なんじゃないかなと。なければやっぱり造れない。一方で、船を持ちたいと考えているマリコンさんですとか船会社というのは、やはり需要が見えないと造れない。そういう大きなジレンマを抱えている中で、第一号案件ももうそろそろスタートしようとしていると。
 誰かが背中を押してあげる必要があるんだろうというふうに思うんですけれども、なりわいを所管をしておられる経産省としてどういうふうにお考えいただいているのか、教えてください。
○政府参考人(藤木俊光君) 先ほど大臣から御答弁申し上げましたが、再生可能エネルギー等関係閣僚会議でも、洋上風力発電の導入促進というのは今後連携して推進すべき重要プロジェクトの一つとなっているわけでございます。
 今御指摘いただきましたように、洋上風力発電を推進していく上で、建設、保守、こういうのに必要な専用の作業船、あるいはその作業環境の整備というのは重要な問題であるというふうに認識しております。
 これまで、正直申し上げまして、まだ計画段階のプロジェクトが多々あったということもございますが、だんだんとそういったプロジェクトについて進捗が見られてきている、こういう状況にございます。また、発電事業者の方にもだんだんと具体的な計画でございますとか具体的なニーズあるいは課題というのも明らかになってきている段階でございますので、よく密に意見交換をしながら、どのような形で御支援することが適当なのか、これは関係省庁等も含めてよくお話を伺いながら、現実的な形でこの問題について取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○河野義博君 これは喫緊の課題でありますので、早急に是非とも手を打っていただきたいなというふうに思います。
 続きまして、賦課金減免制度であります。
 電力多消費産業にとって賦課金減免制度というのは非常に重要な制度でありまして、我が国の産業力の国際競争力をしっかりと維持していくというためにも、何らかの措置というのは、減免措置というのは継続する必要があるんだろうなというふうに考えております。それに対しまして当局の御認識を教えてください。
○政府参考人(日下部聡君) 賦課金減免制度、その制度の重要性は変わらないと思っておりますので、制度は基本的に維持させていただこうと思います。
 ただし、公平性の問題、あるいは受けている方々の省エネ努力の違いの度合いといった議論が論点になりますので、今後、運用に当たりましては、省エネの取組の状況だとかあるいは国際競争力の観点からどの程度の軽減が必要なのかといった点を確認させていただくよう、運用の改善を図っていきたいと思っております。
○河野義博君 電炉メーカーからお話を伺わせていただきましたけれども、原単位としては既に世界最先端の取組を行っているところが多い。一方で、御案内のように、中国で生産が非常に増えておりまして、競争力が下がっている、電炉メーカーはみんな傷んでいるという中で、新たに炉を変えるような取組が果たして可能なのかというのは率直に思うところでありますので、よく意見を聴いていただきながら次の措置を検討していただきたいなというふうに思います。
 続いて、環境省に来ていただいております。環境アセスに関して伺います。
 FIT制度が始まって以来三年間で再エネ自体は倍になったんですが、そのうち、導入された再エネのうち九七%は太陽光です。なぜかと申しますと、私はその原因は環境アセスメントの対象要件なんだろうというふうに思っております。
 太陽光は法律で定められたアセスの対象外です。太陽光発電は環境アセスをやらなくても設置できます。規模要件も関係ない。一方で、水力発電ですと三万キロワット以上、地熱と風力は一万キロワット以上であれば法アセスが義務付けられる。アセスが四、五年掛かっておりますので、当然、法施行以来三年たっても進まないのは、これは当たり前でございます。
 私は法アセスが要らないと言っているわけではありません。必要です。アセスメントは必要ですけれども、そもそもの対象がおかしいのではないかなというふうに考えております。例えば火力発電所でいいますと、十五万キロワットまではアセスが要らないんですね。一方で、風力発電は一万キロです。地熱も一万キロです。これ、アセスの対象規模そのものを見直した方がいいんじゃないかという御提言を今まで本会議、決算委員会、予算委員会含めて何度もお願いをしておるわけでございますけれども、法アセス対象の規模要件見直し、これどのようにお考えいただいておりますでしょうか。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。
 環境影響評価法の対象事業でございますけれども、そもそも環境影響評価法は規模が大きくて環境影響の程度が著しいおそれがある事業を対象といたしておりまして、規模要件の設定に当たりましては、先生御指摘の発電所の関係で申し上げますと、その種類ごとに環境影響を勘案して設定をさせていただいているところでございます。
 環境アセスメント制度の適切な運用を図る観点から、環境への配慮を確保するために、環境アセスメントの実績を蓄積するとともに、地方公共団体の取組や技術開発の動向などの知見を収集をしているところでございます。例えば風力発電につきましては、以前から騒音やバードストライク等の環境影響が報告されていたことを踏まえまして、事業者や環境保全に関する専門家等の関係者の意見をお聴きをいたしまして、中央環境審議会で御議論いただいた上で、平成二十四年十月より対象規模要件を先生御指摘の一万キロワットと定めまして、法の対象とさせていただいているところでございます。
 この規模要件の設定に当たりましては、先ほども申し上げましたけれども、供用中の騒音の影響でございますとか脆弱な環境の動植物に対する影響に加えまして、土地改変面積の観点から火力発電所の対象規模要件のものと同等になるというようなことも踏まえているところでございます。
 見直しという御指摘でございますけれども、風力発電につきましては平成二十四年十月から手続の対象といたしておりますけれども、現時点で法に基づく全ての環境アセスメント手続を完了して供用を開始した風力発電所の事例がない状況でございます。このような状況でございますので、風力発電に関する環境影響についてよく実態を見定めながら引き続き勉強していく必要があるというふうに考えているところでございます。
 これらの点も踏まえまして、環境や地元に配慮しつつ、風力発電の立地が円滑に進められるよう、環境アセスメントの迅速化の取組も含めまして必要な対策について引き続き推進してまいりたいと考えているところでございます。
○河野義博君 東日本大震災以降、法アセス逃れとも取られかねない小規模な火力発電所の建設が進んでおりまして、今この十五万キロ未満の火力発電というのは二百四十万キロワットのこれは開発が進んでいるんですね。これ、非常に大きな規模です。また、土地の改変面積と申しますが、火力十五万キロ造ろうとすると五ヘクタールの土地が要るんですね。東京ドーム一個分の土地が要るんです。これは環境アセス要らないんです。また、太陽光は何キロワット発電しようが法アセスの対象外ですね。乱開発が進んでいろんな問題を引き起こしている。やっぱりこれ、理に合わない要件だと思うんです。
 また、三年しかたっていないから完了した案件がないんだというのはそのとおりでありまして、全く進んでいない要因であります。低周波に関しては問題ないというふうに位置付けていただいておりますし、影響というのは、火力発電、CO2排出係数が高い、しかも一度造ってしまうと四十年間固定されるものですので、それと同じ要件がさように対照させられるというのはおよそ理に合わない話だと思うのですが、林大臣、規模要件、これ是非とも見直していただくように環境省にお願いをしていただきたいと思うんですが、一言、時間がありますので、いただけませんでしょうか。
○国務大臣(林幹雄君) 河野議員の考え方、よく理解できるわけでありますから、私も環境省といろいろと交渉してみたいと思っております。
○河野義博君 ありがとうございました。
○委員長(小見山幸治君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時三十一分散会