第190回国会 国土交通委員会 第9号
平成二十八年四月二十八日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     二之湯武史君     阿達 雅志君
     堀井  巌君     青木 一彦君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         金子 洋一君
    理 事
                豊田 俊郎君
                渡辺 猛之君
                広田  一君
                増子 輝彦君
                河野 義博君
    委 員
                阿達 雅志君
                青木 一彦君
                江島  潔君
                大野 泰正君
                金子原二郎君
               北川イッセイ君
                小泉 昭男君
                末松 信介君
                山本 順三君
                田城  郁君
                野田 国義君
                前田 武志君
                谷合 正明君
                辰巳孝太郎君
                室井 邦彦君
                中野 正志君
                吉田 忠智君
                行田 邦子君
                脇  雅史君
   国務大臣
       国土交通大臣   石井 啓一君
   副大臣
       国土交通副大臣  山本 順三君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       宮内 秀樹君
       国土交通大臣政
       務官       江島  潔君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 利幸君
   政府参考人
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局取引部長   原  敏弘君
       警察庁長官官房
       審議官      河合  潔君
       厚生労働大臣官
       房審議官     大西 康之君
       厚生労働大臣官
       房審議官     土屋 喜久君
       国土交通大臣官
       房物流審議官   羽尾 一郎君
       国土交通省国土
       政策局長     本東  信君
       国土交通省道路
       局長       森  昌文君
       国土交通省鉄道
       局長       藤田 耕三君
       国土交通省自動
       車局長      藤井 直樹君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法
 律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
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○委員長(金子洋一君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十六日、二之湯武史君及び堀井巌君が委員を辞任され、その補欠として阿達雅志君及び青木一彦君が選任されました。
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○委員長(金子洋一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通大臣官房物流審議官羽尾一郎君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金子洋一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(金子洋一君) 流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○阿達雅志君 自由民主党の阿達雅志です。皆様、おはようございます。
 この度の熊本地震で亡くなられた方に哀悼の意をささげるとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。
 それに当たって、また、今回の熊本地震で私も改めてこの物流の重要性というものを認識をいたしました。この地震発生直後から数日間、避難所に物資がなかなかうまく行き渡らない、あるいは民間宅配事業者もいっとき熊本向けの配達の受付を中止するということで、非常に物流ネットワーク、一時的に大混乱を起こしたわけですけれども、それを数日間で立て直しを図っていった。本当に物流事業者の不断の努力によって必要なものが必要なだけ必要なときに届く、こういうネットワークが今まで当たり前のようにつくられてきたんだなということを改めて実感をいたしました。
 今後、被災地の復興に向けて、被災者の日常を取り戻す上でもやはり物流が非常に重要になってくると思いますし、また、今物流事業者の皆様方が緊急支援物資の輸送や保管など被災地支援のために全力で取り組まれていることについて敬意を表する次第です。
 ただ、こうした物流も全国的に見た場合には大きな課題を抱えているというふうに思います。その一番大きな問題というのは、やはり担い手不足ではないでしょうか。このままでは将来的に慢性的な人手不足に陥り、物流の機能そのものが機能していかなくなるのではないかという危惧も抱かざるを得ません。
 特に、物流分野の労働力を見ると、国の資料によると、中高年への依存が非常に高い。トラックの場合は平均年齢が四十六歳を超えていますし、内航船員の場合であっても五割以上がもう五十歳以上ということになっております。そういう中で有効求人倍率も一・五以上ということで高止まりをしているところでございます。こうした状況に鑑みて、今回の改正は労働力不足への対応を図る旨を目的に追加し、流通業務の総合化や効率化を通じて省力化を進める新たな枠組みを構築するものだというふうに聞いております。
 しかし、もう一つこれ考えてみると、本来、人手不足であれば、逆に引く手あまたで賃金水準が上がっていき、当然運賃水準も上がっていかないといけないわけですけれども、どうも現実にはそういうことが起きていないように思われます。やはりこの労働環境の問題、特にトラックドライバーの賃金が全産業と比較した場合に年間所得の平均が百万円ぐらい低い、あるいは実際の作業ということでも、長時間の待機、荷降ろし業務など非常に厳しい労働環境にあるんじゃないかというふうに思います。
 確かに、この人手不足というのはほかの産業でも共通しているわけで、保育士や看護師なんかも典型的な人手不足ということでマスコミでも取り上げられていますけれども、やはりこの労働力不足が顕在化している中で、それぞれの分野で就労をいかに促していくか、これが非常に大事なんではないかというふうに思います。
 こうした中で、やはりトラックドライバーや内航船員、これを就職先として選択してもらうためには、就業先としての魅力を向上させる、労働環境をしっかり見直していくということが不可欠ではないかというふうに思います。
 そこで、トラックドライバーや内航船員の労働環境が一向に改善されない要因と、今後どのように取り組んでいくかということについて伺わせていただきたいと思います。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答え申し上げます。
 トラック運送業は他産業と比較して長時間労働、低賃金の傾向にあり、これがトラック運転者の円滑な確保を難しくしている大きな要因であると認識しております。賃金や労働時間などトラック運転者の労働条件改善に向けてはトラック事業者の労働環境を改善することが不可欠であります。
 このことを踏まえまして、国土交通省においては、平成二十七年度、トラック事業者、荷主、労働組合などから成るトラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会を厚生労働省と共同で設置し、トラック運転者の労働時間の削減やトラック事業者の適正運賃収受の実現に向けた議論を進めているところです。
 一方で、内航海運業は三か月勤務と一か月休暇という特殊な勤務形態が一般的であり、若手船員の確保のためには若者のライフスタイルに合わせた工夫が必要であります。このため、陸上との通信環境の改善に協力するなどして長時間生活をする船内の環境改善を図るとともに、官民連携でインターンシップや出前講座を実施し、船員という職業について若者の理解を深めるよう取り組んでいるところです。
 今後もトラックドライバーや内航船員の労働環境の改善に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
○阿達雅志君 ありがとうございます。
 やはりこの担い手の確保というのは物流にとっても非常に大事なところですので、引き続きよろしくお願いをいたします。
 今回の改正では二つ以上の者の連携ということがはっきりうたわれております。これは昨年の十二月の国交省の審議会が出した答申の中で、物流事業者同士が連携協力する、あるいは荷主や自治体、インフラ管理者等の物流に関係する多様な主体との連携協力ということがうたわれている、これを受けてのものだと思うんですけれども、実際にこういう輸配送の共同化というのは、同一方向に向けて共同化をする場合、双方向での共同化、いろんなパターンもあると思いますし、また、こういう同種事業者同士の連携とともに、やはり様々な関係者、荷主から倉庫、そして運輸事業者、こういう垂直的な連携というのもあると思うんですけれども、こういう中で、生産性革命元年ということで、石井大臣が今年三月にいろんなプロジェクトを進めるということを打ち出されておられますし、実際に今回の法律というのもそういうものを企図したものではないかというふうに思うんですけれども、こういう中で、特にトラックの積載率の向上あるいは海運の活用、あるいは鉄道輸送の活用、こういった中でしっかり共同化の取組、これを本法案の仕組みとして活用していくということが大事だと思うんですけれども、ただ、実際にはこれ事業者さんの立場からすると、具体的にどのようなインセンティブがあるかということも大事になってくると思うのですが、具体的にどのようなインセンティブを与えることでこの促進を図ろうとされているのか、教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。
 トラック輸送の共同化は、必要となるトラックの台数や、あるいはトラックドライバーの数を削減するものであり、効率化の手法として非常に有用であると考えています。このため、共同輸送の取組は、今回の改正でも新たな支援の枠組みの活用が想定される典型的な取組の一つとして位置付けているところでございます。また、物流生産性革命の実現にとっても重要な取組事項の一つと考えております。
 この共同化に当たりましては、従来のサービス水準をどのように維持するか、あるいは責任関係をどうするかなどで事業者同士での調整が進みにくく、この点にしっかりと対応することがその取組の促進につながると考えております。
 そこで、事業者間での共同化に向けた円滑な合意形成に資するよう、平成二十八年度予算において創設いたしました計画の策定のための経費の補助、これによる支援を行うとともに、グリーン物流パートナーシップ会議の表彰制度などを活用しまして、成功事例の情報提供による普及啓発を行い、取組意欲の喚起を図っていくこととしております。
 また、エネルギー対策特別会計予算では、物流枠として平成二十八年度約三十七億円を計上し、一定の要件に合致する共同化の取組に関し、輸送機材、集約センター、情報機器などの設備の導入のための経費の補助を行うこととしており、ハード面からも共同化の取組を後押ししてまいりたいと考えております。
○阿達雅志君 どうもありがとうございます。
 やはり、しっかりとこの法案を生かしていけるように引き続き取組をお願いをしたいと思います。
 今回、この改正では、二つ以上の者の連携ということが支援の要件というふうになっております。この二つ以上の者の連携というのが今までなかなか産業界で進んでこなかったその一つに、やはり独占禁止法との関係についての懸念があったと思うんです。
 そういう中で、今回、しっかりと二つ以上の者の連携というのを法律的に位置付け、また認定を受けた取組を支援するということで事業者も安心して連携を進めることができるようになると思うんですけれども、その場合に、事業者同士が共同で料金を決めたり運送条件を一律に変更するということは、やはり元々の独禁法の問題が出てくるのではないかということで、非常にここは注意をして取り進める必要があると思います。
 こういう連携を進める上でどのような点に注意しなければならないか、制度を活用する方々にしっかり周知徹底していかれることだとは思いますけれども、やはり独占禁止法にも留意しつつ本法案の的確な運用を図るため、どのような措置を講じていくことにしているのでしょうか。この点について伺います。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。
 今回の改正では、二以上の者の連携を支援の要件としていますが、複数の者が連携した配送の共同化等により業務の効率化が図られる一方、実質的に競争が制約され利用者の利便が損なわれるようなことはあってはならないことと考えております。そのため、例えば配送を共同化する場合、荷主から収受する運賃の設定や契約はそれぞれの事業者が個別に行うこととし、共同で同一の運賃を設定するようなことは想定しておりません。
 こうしたことを明確化し、関係者への周知徹底を図るため、運用のガイドラインとしまして、この法律に基づき主務大臣が定めることとなっております基本方針におきまして、共同化が不当な取引制限を伴わないものとするよう留意することなどを明記することとしております。その上で、地方運輸局等を通じ、関係事業者等に対してこうした基本方針の内容の周知徹底を図っていくこととしております。
 このように、新たな制度の運用に当たりましては、独占禁止法との関係にも留意しつつ適切に対応してまいりたいと考えております。
○阿達雅志君 ありがとうございます。
 是非、しっかりしたガイドラインを事業者の皆さんにも提示をしていただきたいと思います。
 次の質問に行かせていただきます。
 今回の法案というのは、基本的にはこれ国内の物流を対象にしているとは思うんですけれども、これからの日本の経済発展を考えた場合に、やはり物流自体が今非常にグローバル化、ボーダーレス化してきている中で、国際物流にしっかりとつながった、そういう国内の生産サイドから諸外国までの一貫した物流を高度化し効率化していくということは、日本の競争力のためにも非常に大事な点であるかと思います。
 そういう中で、特にこれから我が国の物流事業者の海外展開や農水産物の輸出促進など、国際物流面での課題にどのように取り組まれるのか、この点について伺います。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。
 我が国産業を下支えするとともに、成長著しいアジアの物流需要を取り込み物流事業者自身が成長を続けるためには、物流事業者の海外展開を促進し国際競争力強化を図ることが重要であります。
 具体的には、先駆け的な取組を支援する物流パイロット事業や相手国の制度的課題の改善を求める物流政策対話、さらに我が国物流事業者が有する世界最高水準のサービスやノウハウなどの国際標準化の推進といった取組を進めてまいります。
 また、農水産品の輸出促進については、平成三十二年の輸出額一兆円目標の早期達成に向け政府として全力で取り組んでおりますが、農水産品は、鮮度を保持しながら、より多く、高品質で、より安く運ぶことが重要であります。具体的には、最新の鮮度保持輸送技術を用いた海上輸送の普及、港湾や空港の貨物エリアや冷蔵倉庫などの充実、本法律案の仕組みを活用した共同輸送の促進、それを通じました荷物の集約・大口化、こういったことによります適正な物流コストの実現、さらには海外のコールドチェーンの整備促進などの取組を進めてまいります。
 このように、様々な取組を進めまして農水産品の輸出促進に貢献するとともに、我が国の優れた物流システムの海外展開に向けた事業環境の改善を図り、我が国物流事業者の国際物流におけるトップランナーとしての位置付けの獲得を目指してまいりたいと考えております。
○阿達雅志君 ありがとうございます。
 これから日本の産品の国際展開あるいはこういう日本の産品の国際競争力の向上というのを考えたときに、やはり物流コスト、ロジスティックの競争力がなければそもそもこの日本産品の競争力というのも維持できないわけですから、是非今回の本法案をきっかけに、さらに国際物流の効率化にも取り組んでいっていただきたいというふうに思います。
 最後の質問に移らせていただきます。
 今日、いろいろな物流についてのお話を伺い、またこれからの取組ということでお伺いをさせていただきました。今、国土交通省では、今日お答えをいただいた羽尾審議官が物流審議官ということで物流政策全体を統括しておられるわけですけれども、やはりこういう物流審議官が中心となって、国交省の中での各所管部局、あるいはインフラ所管部局まで省全体で一体的な取組をされている、これが非常に国交政策全体にとってもいい影響を与えているんではないか、非常に良い結果をもたらしているんではないかというふうには思います。
 ただ、一方で、今後の物流分野の施策をもう一歩進めていくということでいった場合には、これ国土交通省の枠にとらわれていてはいけないのではないかと。実際に、例えばこういう国内の物流を総合的に推進していく上では、製造メーカーや農林水産事業者などの生産事業者を所管する経済産業省や農林水産省、あるいはCO2対策などを所管する環境省、通関を所管する財務省、道路交通を所管する警察庁など、本当にあらゆる省庁が関与しているわけですから、この関与する省庁全ての連携を図っていくということも不可欠であろうと思います。
 また同時に、関係業界というのも非常に多岐にわたるわけですから、こういう関係者との緊密な連携の中で、具体的なニーズを適時適切に吸い上げてそれに沿った政策を進めていくということが大事だと思います。今回の法案は連携の重要性を象徴的に示すものですが、国土交通省としても、関係各省庁や関係業界などと連携を深めながら今後の施策を推進していくべきと考えます。
 最後に、この点について大臣の意気込みをお聞かせください。
○国務大臣(石井啓一君) 物流は、物資が製造・生産者から輸送、保管を担う物流事業者を通じて荷主や消費者へと渡る一連の流れでございますので、様々な関係者が存在をしております。今後深刻化する労働力不足の中で、これらの関係者の連携による省力化の取組が必要となっていることから、今般、法律案を提出をしたところであります。
 この法律案は農林水産省及び経済産業省と共管関係にございまして、今回の法改正内容を踏まえて、今後連携していく基本方針を改定をし、実際の運用を行っていく予定であります。また、物流政策に関しては多くの省庁が関わっておりまして、これまでも関係省庁が一体となって総合物流施策大綱を作成、推進をしております。
 国土交通省におきましても、今委員から御紹介をいただきましたように、平成二十五年に物流審議官部門を設けまして、関連する様々な輸送モードの取組を物流という観点で横断的に取りまとめを行っているところでございます。現在、国土交通省で進めております物流生産性革命につきましてもオールジャパンで取り組むと、こういうふうに冠しておりまして、業界のみならず行政においても多様な関係者が連携して取り組むことを示しております。
 今後とも、関係省庁や関係業界と連携を深め、この法律案の枠組みを活用して物流生産性革命の実現を図ってまいりたいと考えております。
○阿達雅志君 ありがとうございます。終わります。
○田城郁君 こんにちは。民進党・新緑風会の田城郁です。
 質問に先立ちまして、私からも、改めて、熊本そして大分をまさにアイ・エヌ・ジーで襲っております大地震、お亡くなりになりました方々への心よりの哀悼の意を表しますとともに、全ての被災している皆様にお見舞いを申し上げるところでございます。
 さて、流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。
 思えば、二〇一〇年七月に初当選をさせていただきまして、当時は民主党交通基本法ワーキングチームというのがありまして、初めて私は一年生議員としてその会議に臨ませていただき、今は交通政策基本法ですが、そのベースとなっております会議の中で、当時は移動権という議論もしておりましたが、移動権と同時に、輸送権、物流の観点もしっかりと基本政策に入れ込むべきだと、そのようなことを発言したことを記憶をしております。国会議員としての諸会議での発言としては初めての発言が、まさに物流という観点をしっかりと確立すべきだということだったということであります。
 モーダルシフトということも唱えられて久しいわけですけれども、具体的に予算も付けられて推進をしていくという法案については、本当にやっとここまで来たかという思いもするわけです。法案の趣旨や方向性については私も大賛成ということであります。その上で、やはり規模も含めて本気度が試されているということであると思います。
 そういう意味で、今回いわゆる物流総合効率化法の改正案を提出されておりますが、本改正案の意義を確認するとともに、本改正案においてモーダルシフトの推進はどのように位置付けられているのか、まず石井国土交通大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(石井啓一君) 物流分野の労働力は中高年層への依存度が高く、少子高齢化、人口減少などにより今後深刻な人手不足に陥るおそれがございます。本法は、こうした状況を踏まえまして、二つ以上の者の連携を前提に、省力化にも資する物流の効率化に向けた多様な取組を支援することとするものであります。具体的には、トラックでの輸送量そのものを削減するモーダルシフトや、より少ない労働力で効率的に輸送する共同配送等、省力化につながる効率化の取組を促進することとしております。
 とりわけ、モーダルシフトにつきましては、貨物鉄道を用いた場合、一編成の輸送で十トントラック約六十五台分、内航船舶を用いた場合、一隻の輸送で十トントラック約百六十台分の貨物を輸送することになり、大幅な省力化が期待ができます。このため、法律上、モーダルシフトを意図する効率性の高い輸送手段の選択を流通業務総合効率化事業の定義に明記をいたしまして、支援の対象となる典型な取組の一つと位置付けております。
 こうした新たな枠組みの下で、関連する予算等の支援策も最大限に活用しながら、モーダルシフトを強力に推進していきたいと思っております。
○田城郁君 一編成で十トントラック六十五台分、まさに一気に大量に物資を運べるというのが鉄道貨物であり、船舶はそれ以上の効率性があるということでありますが、モーダルシフトの考え方は、平成十三年七月に閣議決定された新総合物流施策大綱においては、地球温暖化問題への対応の施策の一つとして初めて明確に示され、長距離輸送における鉄道・内航海運分担率であるモーダルシフト化率を向上させ、二〇一〇年までに五〇%を超える水準とするとされていました。しかし、モーダルシフト化率五〇%の目標は二〇一〇年に達成をされてはいません。
 モーダルシフトについて、これまで目標を達成できなかった原因をまず確認をさせていただきます。国交省、よろしくお願いします。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。
 平成十三年閣議決定の総合物流施策大綱において、長距離雑貨輸送における鉄道・内航海運分担率であるモーダルシフト化率を目標の指標として用いておりました。しかしながら、このモーダルシフト化率は、自動車による貨物輸送量に大きく影響されやすく、荷主企業、物流事業者等の取組努力が十分に反映されないものでございました。このため、平成二十年度から、貨物鉄道と内航海運のそれぞれの輸送トンキロ数をモーダルシフトの指標として用いておりますが、この新たな指標に基づく目標につきましても十分に達成したとは言えない状況にございます。
 御質問のその原因につきましては、厳密に特定することは難しいところではありますが、例えば、平成二十七年の貨物鉄道に関わる荷主などからのアンケート調査によりますと、リードタイム、輸送コスト、輸送量の変動への対応、輸送障害時の対応、背高海上コンテナへの対応などがモーダルシフトを進める上での課題として考えられます。
○田城郁君 要するに、いろいろな設備関係も含めて総合的に対策を打っていかなければモーダルシフトというのは進まないという状況が証明されていると思うんですね。この推進に向けた政府の本気度、これが試されているんだと思います。
 交通政策基本計画における鉄道輸送、海上輸送の向上など、モーダルシフトの目標達成に向けた大臣の決意をお伺いしたいと思います。石井大臣、よろしくお願いします。
○国務大臣(石井啓一君) 近年、モーダルシフトにつきましては、荷主企業の環境意識の高まりやトラックドライバー不足を背景といたしまして、その取組を強化していく機運が高まっている状況にございます。
 このような中で、平成二十七年に閣議決定をされました交通政策基本計画におきましても、平成三十二年度のモーダルシフトに関する指標といたしまして、鉄道、内航海運それぞれの輸送トンキロとして、二百二十一億トンキロ、三百六十七億トンキロという目標値を定めたところでございます。
 今回の法案におきましては、予算・税制支援措置の前提となる総合効率化計画の対象といたしまして、効率性の高い輸送手段を選択するモーダルシフトの取組を新たに位置付けることといたしました。
 国土交通省といたしましては、この法案の枠組みを活用いたしまして、交通政策基本計画の目標の達成を目指してこれまで以上に力強くモーダルシフトの推進を図ってまいりたいと存じます。
○田城郁君 力強くモーダルシフトを進めていくという大臣の言葉は非常に前向きな意見として評価したいと思いますが、冒頭にも指摘しましたけれども、余りにも予算規模が少ないのではないかと思うわけです。
 本法案は予算関連法案ということですけれども、直接の予算としては、モーダルシフト等推進事業費として三千八百万円、環境省との連携予算としてエネルギー対策特別会計に三十七億円がありますけれども、内数表示で実際の額は分かりません。モーダルシフトの目標達成がままならない原因としては、予算の少なさが決定的にあると思います。
 例えば、今申し上げました環境省との連携予算の物流分野におけるCO2削減対策促進事業ですけれども、その中で、鉄道・海上輸送への転換促進に係る設備の導入経費補助があります。この設備導入とは、トラクターヘッド、シャーシ、大型荷役機器などの機械類の導入経費に対する補助でしかありません。実際に最も費用が掛かるのは、荷さばき等に対応できるような駅の施設の改装や重量貨物に対応した駅構内の路盤、あるいは港と隣接するそういうところの路盤の改良など、そういう施設の整備に対する補助、ここをしっかり行わなければ実際にはなかなかモーダルシフトというのは進まないのではないかとも思います。
 また、本法の改正で新たに旅客輸送を行っていくということですが、都市鉄道に貨物を運ばせるという考えも御披露されておりますけれども、同様に、駅施設の整備を十分補助していかなければ事業化は難しいのではないかと、あるいはモーダルシフト関連予算について内数表示でない額をしっかり確保して、駅施設の整備に補助対象を拡大するようなそういう方向性も是非打ち出してほしいなと思いますけれども、いかがお考えでしょうか。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。
 従前から、モーダルシフトの推進のため、幹線鉄道等活性化補助や船舶共有建造制度によりまして、駅施設を含む鉄道施設の改良や船舶の大型化などを促進するとともに、税制措置として、高性能な機関車、コンテナ貨車への代替促進や、輸送力増強のための鉄道施設の改良に係る固定資産税などの特例措置といった支援措置を講じてきておるところでございます。
 また、委員御指摘のとおり、平成二十八年度のモーダルシフト関連予算としては、モーダルシフト等推進事業の三千八百万円に加えまして、環境省連携事業の三十七億円の内数となってございます。
 この環境省連携事業につきましては、実は今年度から新たに物流関係だけを対象とするものとして、物流分野におけるCO2削減対策促進事業という名の下に創設が認められたものでございます。これについては、関係省庁とも連携いたしまして、モーダルシフトを含めた物流効率化のための予算の拡充を引き続き図ってまいりたいと考えております。
 さらに、新たな旅客鉄道等を活用しました貨物輸送につきましての必要となります車両あるいは荷物用のリフトなどの駅等の設備につきましても、これも新たに環境省と連携しまして補助の対象としますとともに、固定資産税の税制特例措置も新たに講じることとしております。
 このように、モーダルシフト推進のための支援措置について、駅施設等も対象にした従前からの支援措置も前提にしつつ拡充に努めてまいりたいと考えております。
○田城郁君 是非総合的な視点に立って、更に予算規模の拡大ということで、まあ財務省の方々の意見もあるとは思うんですけれども、私は経済のやはり血管、潤滑油、そういうものが物流であると思いますから、日本の経済をしっかりと発展させていくためにも、予算規模そのものをやはり大きくして、更に対象拡大というところに努めていただければと、そのように思います。
 今、新型ディーゼル機関車などへの補助などということもお話がありましたけれども、JR貨物でいいますとDE10という機関車がありまして、これがもう四十年以上が経過し、部品もなくなり、違った部品をだましだまし付けたり、そうやっていろいろと努力をしながら使い続けているわけですが、しかし、それでももう使えなくなって、引退、退役をしていくという車両がどんどん増えているという現状にあります。
 その後継機の開発を今JR貨物が進めているというようなお話も聞いておりますが、まさに冒頭でもお話ありましたとおり、東日本大震災、あるいはまさに今熊本や大分で震災が進んでいるわけですけれども、一気に大量に物資を運ぶという、そのまさに電化されていないところにでもしっかりとローカル線に入っていける、貨物を引っ張って。ローカル線というのは余りレールが良くありませんから、軽い車重の機関車でないと入っていけない、引っ張っていけないわけです。そういうところの機関車がこのDE10なんですが、あるいはほかの機関車も多種ありますけどね。
 どんどん退役しているということは、首都直下やあるいは南海・東南海トラフの大地震が起きると言われている中で、起こってほしくないけれども自然災害ですから避けようがない、そういうときに東日本大震災で活躍した、鉄道貨物による一気に大量に東北地方に燃料や物資を運び得たあの活躍が今は望めない状況にあるわけなんです。
 そういう中で、是非、この開発なども含めて、状況などを把握しながら適切な状況をつくるために努力をいただきたいと思うんですけれども、どのような状況になっているのか、国交省としてはどのぐらい把握をしているでしょうか。
○政府参考人(藤田耕三君) 御指摘のとおり、JR貨物におきましては、老朽化をしておりますDE10型機関車を置き換えていくために、新形式のディーゼル機関車の開発を進めていく方針であるというふうに聞いております。
 現在の状況につきましては、現在、試作車の設計を行っている段階でありまして、今後の具体的なスケジュールはまだ固まっていないというふうに聞いておりますけれども、今後、この試作車を製作して必要な試験を行った上で量産車を製作していくことになる見通しであるというふうに承知をしております。
○田城郁君 繰り返しますけれども、やはり日本列島のどこでどんな自然災害が大規模に起こるかも分からない、そういう中において、やはりこの鉄道貨物の果たす役割というものは大変大きなものがあると思います。
 ですから、単に一企業への支援という観点以上に、この日本の国土をどう守っていくのか、あるいは被災した場合にはどう復旧復興させていくのか、そういう観点から、国の責任でいろいろな対策の一つとして、震災対策の一つとして、あるいは大規模な自然災害の対策の一つとして位置付けて、こういうどこへでも入っていけるような、そういう機動性のあるディーゼル機関車への支援も求められるのではないか、そのように思いますが、答弁は求めませんので、是非受け止めていただければと、そのように思います。
 次に、特定流通業務施設の倉庫税制の特例対象の変更ということで、今回の法改正に伴って特定流通業務施設における倉庫税制の特例措置から倉庫を貸し付ける事業者が対象外となるが、その理由をお伺いをいたします。また、そのようにした場合、ディベロッパーが大型の特定流通業務施設を開発するインセンティブをそいで、かえって物流効率化が図れなくなることも想定をされるわけですが、そうならないような対応はお考えでしょうか。なお、施設の一部を他社に貸し付け、残りは自社で使用する場合、どのような方向で整理されるのかをお考えお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。
 これまで、特定流通業務施設に係ります国税の特例については、地方税の特例とは異なり、倉庫を貸し付ける者も全て特例の対象となっておりましたが、改正物流総合効率化法の施行の日以降に総合効率化計画の認定を受けた倉庫を貸し付ける者は国税の特例対象からは除外されることになります。
 特定流通業務施設に対する税制特例が設けられている背景としましては、この特定流通業務施設は十分な荷さばきスペースを設けることなどを求める施設でございまして、倉庫業の経営上の重要な要素でございます保管効率が下がるためでございます。しかし、特定流通業務施設を貸し出して賃料で収入を得ている者は、保管効率の減少というデメリットがないため、特例対象から除外することとしたものです。
 また、大型物流施設を供給する不動産事業者は、一般的に不動産証券化の手法を用いて投資資金を調達していると聞いており、これまでの国税の特例の適用実績もございませんことから、税制特例がなくとも物流施設整備に支障が生じることはないと考えております。
 なお、特定流通業務施設の一部を他者に貸し付け、残りの部分は自ら使用する場合は、他者に貸し付けた部分については税制特例は適用されず、自ら使用する部分についてのみ税制特例が適用されます。
○田城郁君 いずれにしても、モーダルシフトを進める上で同じ機能を果たしていく、そういうところへの手当てというものは、私は総合的に進めるためには幅広く考えて進めていくべきだと、でなければモーダルシフトはなかなか進まないと思いますから、是非いろいろな知恵を出しながら全体としてモーダルシフトを進めていただければと、そのように思います。
 次に、なぜモーダルシフトを進めていかなければいけないのかという、もちろん大きな意味では地球環境とCO2の関係とかそういうこともありますが、やはりどうしても長距離トラックドライバーの確保が難しい、長距離に限らず中短距離もそうですけれども、そういう現状があるということであります。阿達委員からも御指摘ありました。
 私も、ここを何とかしなければ、鉄道貨物あるいは船舶がお客様の玄関の前まで物を届けられるわけはありませんから、これはしっかり競争ではなく連携ということをつくり出していかなければいけないし、その一方の担い手であるトラックドライバーが低賃金あるいは労働環境、労働条件の劣悪、劣化によってなかなか仕事に就かない、就きたくないという状況が生まれているわけですから、是非ここは克服をしていかなければならないと思います。
 平成二十年の九月の輸送の安全向上のための優良な労働力(トラックドライバー)確保対策の検討報告書というのがありますが、二〇一五年で十四・一万人のドライバー不足が予測されていたと。現在は何万人のトラックドライバーが不足しているのでしょうか。そして、トラックドライバー不足について、その原因はどこにあるのか、本改正案が成立することで実施される施策によってどのぐらいトラックドライバー不足の解消ができるものなのか、どう想定しているでしょうか、お伺いをいたします。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。
 現在のトラックの運転者の不足の具体的な人数、これにつきましては現在把握はできておりません。ただ、昨年九月に私ども実施をしましたトラック輸送状況の実態調査の結果によりますと、約七割の事業者がトラック運転者が不足していると回答しております。車両保有台数が多い事業者ほどドライバー不足を訴える割合が多い傾向にございます。また、トラック運転者が不足している場合の対応としては、約八割の事業者が下請、傭車で対応、約五割の事業者が事務職、管理職で対応としたほか、約五割の事業者は対応できずに輸送を断る場合があると回答しており、こういったところにもトラック運転手の不足が見て取れると考えておるところでございます。
 それに引き続きまして、その要因についての私どもの認識について御答弁申し上げます。
 トラック運転手不足の要因につきましては、トラック運送業が他産業と比較して長時間労働、低賃金の傾向にあり、これがトラック運転者の円滑な確保を難しくしている要因であると認識をしております。また、トラックの運転者の年齢構成においても、二十九歳以下の若年層の割合が一〇%を切っているなど、若年層がトラック業界に入りにくい傾向があり、これも長時間労働、低運賃が影響しているものと考えております。
○田城郁君 認識は私もそのとおりです。長時間労働、低賃金、魅力のある職業にはないと、そういうことだろうと思います。
 同時に、これはなかなかニュースにはなり得ないことですけれども、貨物鉄道、JR貨物、ここも若年退職が物すごく増えているということなんです。これは、トラック業界がこのような状況であり、当然全体の、トラック業界の賃金や労働条件のところに競争を強いられるわけですから、鉄道貨物もそこに規定されて、今年でいけば春闘、十四年連続ベアが実施されていないと、十数年くらいですね。そのほかにも労働条件が年々切り下げられていくとか、あるいは人員もどんどん削減されていくとか、企業努力も求められている中で必死に労使で頑張っているわけですが、それでも将来展望が見出せないということで、鉄道貨物も大量に若年退職が増えていると。
 このまま放置していたら日本の物流どうなるんですかと、そういうことですよね。真剣に考えていかないと、幾らIT産業が発展をして、ネットを使って物を買いたい、そういう需要があったとしても、最終的にはネットで物は運べませんから、物はやはり人と、車なり船、鉄道を使って運ばなければいけないわけですから、そういうものも考えたときに、人材確保が困難で日本の物流が滞るなどということがあってはならないと思います。そういう意味で、私は本当に真剣にこの問題を解決していかなければいけないと思っているんです。
 この改正案は流通業務の省力化が期待されているものであり、直接トラックドライバーの労働条件の改善につながるものではないとは思いますけれども、トラックドライバーの労働条件の改善については今後どのように取り組んでいかれるのか、自動車局長、よろしくお願いします。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。
 労働時間や賃金など、トラック運転者の労働条件改善に向けては、トラック運送事業者の経営環境を改善することが不可欠であると考えております。
 労働時間の削減に向けては、平成二十八年度より、トラック運送事業者と荷主の協働による待機時間の削減や荷役の効率化など、長時間労働を削減し過労運転を防止するためのパイロット事業を実施し、ベストプラクティスの創出とその普及促進を図ることとしております。
 また、適正運賃の収受の実現につきましては、官邸が主導するサービス産業の生産性向上及び下請等中小企業の取引条件の改善に向けた議論とも連携しつつ、その実現に向けた具体的な方策について検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○田城郁君 それはそれとしてしっかり進めていただければよいと思いますが、私は、トラックドライバーの労働条件が悪化した理由の一番大きな要因は規制緩和、行き過ぎた規制緩和にほかならないと思っております。
 平成二年の規制緩和によって、全国約四万者だったトラック事業者が六万三千者まで増えました。その九九%が中小事業者だと言われております。結局、トラック事業それぞれの荷主に対する交渉力が弱まったため、マクロでは物流経費の値下げにつながったかもしれませんが、ミクロでは中小事業者や労働者にしわ寄せが来ていると、そして様々な悲劇が起きているということであろうと思います。
 典型的なのが、三月十七日に広島県の山陽道で発生したトラック多重衝突事故であります。この事故では、運転者は居眠り運転であったことが指摘をされておりますが、トラック事業者への特別監査では様々な違反事項が指摘をされました。
 トラックドライバー不足によって、過労や過積載など、トラック輸送における安全性はどんどん損なわれております。長時間労働と低賃金という労働条件の悪さを実質的に改善できなければ、少しぐらいイメージアップを図ったところでは人材確保はかなり厳しいという状況にあります。
 運輸分野における規制緩和は、競争原理という観点からしか見ておらず、スケールメリット、いわゆる規模の経済という観点を全く見落としているとしか思えません。
 規制緩和では一般的に多様な料金体系やサービスが生み出されると言われていますが、結局、それで生まれたジャスト・イン・タイムや小口輸送といった新サービスの行き過ぎに苦しんでいる背景があるからこそ、今回の法案が提出されているのだと思います。
 しかし、このような省力化を目指す法案は、物流の問題を解決する一側面でしかありません。違反なく運送事業を遂行し、労働者の福利厚生を実現するにはスケールメリットも必要です。規制緩和の見直しという根本的な原因を見直すことをしない限り、トラックドライバー不足を解決し、持続可能で安全、安心な物流を提供することは困難であると考えます。
 物流に働く労働者の労働の価値というものをもっと高めていくことを具体的にやらなければ、トラックドライバーのみならず、鉄道貨物も含めて、あるいは船舶で従事する労働者も含めて、本当にその職に就く者がいなくなる中で物流は滞るという、この根本的な原因を解決すべきだと思いますが、大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 平成二年の規制緩和は、市場の活性化という観点からは一定の成果があったと考えられますが、その一方で、事業者数が約一・六倍に増加したこと等によりまして競争が激化し、事業者の経営環境が悪化したことも事実であります。
 トラック運転者の確保に向けましては、賃金や労働時間など、その処遇の改善が重要であり、そのためには、荷主等関係者の協力を得てトラック運送事業者の経営環境を改善することが不可欠であります。
 このことを踏まえまして、国土交通省といたしましては、平成二十七年度に、トラック事業者、荷主、労働組合等から成るトラック輸送における取引環境・長時間労働改善協議会を厚生労働省と共同で設置をいたしまして、長時間労働の削減や適正運賃収受に向けた議論を開始をしたところでございます。
 また、平成二十七年六月から、事業の開始前に許可条件の遵守状況のチェックを厳格化するとともに、事業の開始後は早期に適正化実施機関が現地確認を行うなど、新規参入時のチェック体制の強化を行ったところであります。
 このような方策によりまして、トラック運転者不足を緩和し、持続可能で安全、安心な物流の確保に努めていきたいと考えております。
○田城郁君 やはり総合的に対策を打つという意味では、予算規模、そしていろいろな幅広に対象を広げていくということ、そして労働者の労働条件、賃金の向上、こういうものがなければモーダルシフトは進まない、そのようなことははっきりしていると思いますから、是非よろしくお願いいたします。
 規制緩和という流れで少し、そういう意味ではトラックとバス、バス業界とタクシー業界共通をしているわけですから、軽井沢バス事故のことについて質問させていただきますけれども、四月五日の私は委員会で、自動車局長に、勤務終了後の休息時間を八時間から十一時間にすること、一日の拘束時間を最長十六時間以内から十三時間以内にすること、少なくとも七日に一日の休日を付与するべきであり、改善基準告示の改正に向けた検討会の設置というものも、トラック業界と同様、具体的に検討しなければいけないのではないかというふうに指摘をしたところ、局長は、改善基準告示につきましては所管が厚生労働省であり、厚生労働省の検討がまず先に立つものと考えておりますということで、ぶつっと、国交省としての立場を語らずに答弁を打ち切ったというか、やめてしまったと。
 私は、厚生労働省が所管なのは十分知っていますよ、私も。でも、だから私たちは関係ありませんよというふうに聞こえたんですよね。ほかの、あとの質問もあったのでその質問へ移りましたけれども、私はここでもう一度、こういう状況の中で、国交省、そこで止まっちゃっていいのかと、自動車局が。もう一度どうですか、答弁。トラック業界と同じような状況にある中で、これを国交省としてもしっかり進めるという立場、立てませんか。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。
 改善基準告示のいわゆる所管ということにつきましては、これは厚生労働省であるということは前回御答弁を申し上げたとおりでございます。ただ、バス運転者の労働条件の改善ということにつきまして、厚生労働省と更なる連携の強化を図り、労働関係の法令の遵守を徹底するということ、これは非常に重要なことであるというふうに認識をしているところでございます。
○田城郁君 厚生労働省が所管だということですから、厚生労働省の方も今日来ていらっしゃいますかね、どのような方向でお考えでしょうか。トラック業界と同じような検討会を設置するということについては、いかがお考えですか。
○政府参考人(大西康之君) 今、バス運転者の改善基準告示等について御質問いただいたところでございます。
 厚生労働省といたしましても、国土交通省と更に緊密に連携して、こういった自動車運転者の労働条件確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 今御指摘いただきましたスキーバスの事故に関連してでございますが、労働基準監督署といたしましても、ツアーバスを運行する貸切り事業者への集中監督指導をこの一月から三月にかけて実施したところでございます。その中では、当然、地方運輸機関と合同の監査、監督等も実施いたしました。今般実施した集中監督指導の中では、委員御指摘の自動車運転者の改善基準告示の違反も見られたところでございますので、私どもとしては、個々の事業者に対しまして個別に指導するとともに、この改善基準告示の遵守につきまして業界団体への要請も行ったところでございます。
 引き続き、的確な監督指導を実施するとともに、国土交通省と緊密に連携してまいりたいと考えているところでございます。
○田城郁君 軽井沢バスの悲惨な事故、その前は関越道のバス事故が四年前にありましたけれども、まさにあしたがその日でしたね、たしか。間にどういう事故があったのか、思い出してみてください。北陸道でも、乗務中の運転手がやはり急激な何らかの疾病によってアクセルを踏んで、突っ込んでしまうと。あるいは最近でも、運転中のバスの運転手さんが気を失って、乗客がサイドブレーキを引いて、ハンドル操作をしながら徐々にスピードを落として路肩に止まって事なきを得たというようなことも含めて、運転中の突然の疾病による事故、事象が数多く発生しているわけです。
 これは、やはり今の労働条件、労働環境、そういうものに起因して体が衰弱していく中で起こっていることではないかというのは当然想定されるわけですから、そういうことも含めてしっかりと対応をしていただければよいと思いますし、トラックのような協議会の設置ということも是非目指すべきだと思います。
 次に、四月五日の質問で、これも、当面の間、貸切りバス業界を正常化するためにも、新規参入を一旦止めて、二〇〇〇年の規制緩和以降に参入した保有台数十台以下の事業者に対しての徹底監査を実施するべきであると質問をし、大臣からは、貸切りバスの新規参入については、適正な競争による事業の活性化、サービスの多様化といった観点から、参入を一旦止めるということではなく、事業参入前後の安全性に関するチェックの強化をしっかり講じていくべきものだと、方向だということを答弁をいただきました。
 残念ながら、そのチェック体制が限界に来ているから今の状況が生み出されているのではないかと考えるわけです。イーエスピーについても関越事故以後の参入であったわけですし、強化をされたという監査体制についても、三百六十五人でしょうか、そういう人数を擁しても十一か月処分に掛かった、あるいはトラック業界でいけば広島の業者には二十七か月ですか、そのような時間を要している中で、どのような体制ならあるいはやり方ならそういうことが達成できるのかということが問われているわけです。
 完全ストップということにならないまでも、極めて抑制的かつ慎重に参入を行う中で、きっちり三百六十五人なら三百六十五人の監査員が、二〇〇〇年以降参入してきた大体は中小のバス会社でしょうが、しっかりと監査をし終わると。そういうことの後に、また新たに厳しい監視体制の下で参入を受け入れていくというような、そういうきっちりとした、めり張りのある、そういうものが今求められているのではないかと思いますが、石井大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 国土交通省といたしましては、軽井沢スキーバス事故を受けまして、委員が今御指摘いただいたように、監査から処分までの期間を短縮化する等、監査の実効性を向上させることが重要であると認識をしております。
 このため、事業者に対して監査で確認する書類を営業所内の一定の場所に備え付けるように義務付けをさせるとともに、行政内部におきましても、決裁手続の合理化や関係機関への照会の迅速化等、監査から処分までの期間の短縮のための方策をできる限り速やかに実行に移していきたいと思っております。
 貸切りバスの新規参入につきましては、適正な競争による事業の活性化、サービスの多様化といった観点から、参入の一旦停止や抑制を行うのではなく、事業参入前後の安全性に関するチェックの強化をしっかり講じていくべきものと考えております。
 その際、監査体制の充実は重要であるというふうに考えておりまして、監査における民間団体の活用等、三月二十九日に軽井沢スキーバス事故対策検討委員会から出されました中間整理を踏まえて引き続き検討を進めまして、本年夏までには総合的な対策を取りまとめ、具体的な対策を実施に移してまいりたいと存じます。
○田城郁君 ずっと止めろ、あるいは抑制しろという話ではありませんから、是非考え方の一つに、一時的にでも徹底して監査をする、そのときだけでも抑制的に参入を抑えていくというようなことも検討材料の一つに是非入れていただければと思います。
 貸切りバスの規制緩和についても、トラックと同様、スケールメリット、ここが欠落しているというふうに思います。教育機関あるいは労働条件、労働環境、賃金、そういうものも充実させなければいけません。対策を夏以降に取りまとめるとされておりますけれども、最低車両数の引上げや既存業者の取扱いについての検討は、業界内におけるコンセンサス形成を図る必要があるので別途早めに開始されなければならないと考えますが、大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(石井啓一君) 三月二十九日に発表されました軽井沢スキーバス事故対策検討委員会の中間整理におきまして、最低保有車両数の引上げにつきましては、安全性との因果関係に関するデータや、安全確保のために必要な運行規模を踏まえつつ検討すべきであると、また、新たな要件に合致しなくなる既存事業者の扱いについて検討すべきであるといたしまして、引き続き検討すべき事項とされております。この件につきましては、五月の二十日に開催予定の検討委員会において審議することを予定をしております。
 バス業界における合意が重要であることは御指摘のとおりでありまして、できる限り速やかに検討を進めまして、本年夏までに総合的な対策として取りまとめたいと考えております。
○田城郁君 是非、前向きでよろしくお願いいたします。
 次に、鉄道員への暴力の根絶ということに関して質問いたします。
 三年前でしたか、国土交通省は鉄道員への暴力の根絶、この数字を把握をしておりますかという質問から始まりまして、当時はしていないということで、その後、しっかり調査をするというところからスタートをし三年がたったわけでありますが、年間、現在どの程度発生しているのか、発生件数、そしてそのうち警察に被害届を提出した件数は何件あるのか、あるいは暴力行為の抑止に向けて政府はどのような取組をしているのか、この三点についてお伺いをいたします。
○政府参考人(藤田耕三君) 国土交通省におきましては、平成二十五年度から毎年、全国の鉄道事業者を対象として、鉄道係員に対する暴力行為の実態調査を実施しております。それによりますと、平成二十六年度における鉄道係員に対する暴力行為の発生件数は八百八十七件でございました。そのうち、警察に被害届を提出した件数は五百四十八件でございます。
 国土交通省としましては、こうした実態調査の結果も踏まえまして、警察、鉄道事業者等、関係者と連携をし、暴力行為の撲滅に向けて、例えばポスターの掲出による広報活動あるいは主要駅構内の警戒活動等の対策を行っているところでございます。
○田城郁君 八百八十七件の暴力行為のうち警察に届けられたのが五百四十八件、被害届が出されなかったのが三百三十九件ということですが、この二点について、国土交通省は、被害が出されなかった三百三十九件、どのような事案であったのか、どの程度把握しているのでしょうか。
 そして、鉄道営業法三十八条、暴力、脅迫をもって鉄道係員の職務の執行を妨害した者は一年以下の懲役に処すというこの規定にどのぐらい適用実績があるのか、お答えください。
○政府参考人(藤田耕三君) 警察に被害届を提出するかどうか、これは最終的には被害を受けた鉄道係員個人の判断になりますので、どういったケースで、あるいはどういった理由で被害届が出されなかったのか、これなかなか正確に把握することは難しい面もございますけれども、鉄道事業者によりますと、例えば被害の程度が軽いとか、あるいは加害者から被害者に対してきちんと謝罪がなされたといったような場合には被害届が出されないケースが多いというふうに聞いております。
 それから、鉄道営業法第三十八条の適用実績につきましては把握をしておりません。
○田城郁君 ずっと高止まりをしている状況、改善されないという中では、何でも法律を強化すればよいという考えは私は持ち合わせておりませんけれども、まずは厳正な法律の運用が求められるということ、その前提で、改善が見られない場合は、明治四十三年以来長年にわたって見直されていない鉄道営業法三十八条を始めとした関係法を、現在の状況に反映させた抑止効果が期待できる実効性ある改正の検討も必要ではないかという私の考え方を述べて、質問を終わります。
 ありがとうございます。
○河野義博君 公明党の河野義博です。
 冒頭、熊本県、大分県を中心に大きな被害を出しました大地震の犠牲者の御冥福をお祈りいたしますとともに、被害に遭われた全ての方々、そして御家族の皆様にお見舞いを申し上げます。
 発災直後、大分県に入らせていただきました。今週は熊本県に入らせていただきました。救援物資の搬送や避難所の慰問、それから行政に赴きまして要望収集活動などを行ってまいりましたけれども、多くの関係者から国土交通省に対しまして感謝の意が表されておりましたことをこの場を借りて御報告を申し上げたいと思っております。
 特に、緊急災害対策派遣隊、テックフォースですね、各地方整備局のメンバーを中心に八百人規模で常時緊急災害対策に対して組織をされております技術部隊ですが、すぐに本当に来てくれた、技術的な知識が乏しい地方自治体にとって本当に大きな戦力となって活躍を昼夜を分かたずされておられましたし、また、リエゾンとして派遣された皆様も本当に献身的な活動をされておられましたので、改めてこの場をお借りして感謝の意を表したいと思っております。
 被災地では、緊急対応のフェーズから復旧復興のフェーズへと移りつつあります。今後は、二次避難所の確保ですとか応急的な住まいの確保、そして何より交通インフラの早期の正常化に向けて、国交省の役割というのがますます大きくなっていくと思います。国民の期待も高まっておりますので、是非とも引き続きの御尽力をお願いしたいというふうに考えております。
 今回の災害でも、発災直後からライフラインを支えたのはトラック物流でありました。鉄道網が遮断されまして、高速道路も通行止めが相次ぐ中、大渋滞の中、一般道をトラック貨物車が擦り抜けて命を支える食料や物資を運んでくれました。トラック輸送の役割の大きさというのを改めて広く認識することができました。
 一方で、トラックドライバーの担い手の不足というのは深刻な状況でございまして、昨年度の調査によれば、全国の事業者約六割が人材が足りていないというふうな回答をしているわけであります。今回の物流効率化法の一部改正法案では、労働力不足に対応するため、また地球温暖化対策に資するため、物流に関わる多様な関係者の連携を進めることで生産性を向上させ、そして物流ネットワーク全体の省力化、効率化を進めるもので、その内容に私は賛成です。
 その上で、平成十七年度から取り組んできたこの物流効率化法に基づいて認定された総合効率化の計画件数、並びに、市街化調整区域でも認定がされやすくなるといった点が大きなメリットであるわけですが、この調整区域において開発が許可された件数を併せてお示しください。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。
 物流総合効率化法に基づきまして総合効率化計画の認定をいたしました件数は、平成二十八年三月三十一日現在で二百八十九件、そのうち開発許可を受けた件数は百十二件となっております。
○河野義博君 平成十七年当初の見込みからすれば、それぞれ件数、二百八十九件、百十二件というのはやや実績は控えめなものになっているんではないかなというふうに承知をしております。
 特に、中小企業での活用が思ったほど進まなかったという指摘もなされておりますけれども、今回の改正によりまして、従来施設要件として必須とされていました荷さばきのための機械設備、これは多額の投資が必要ということでなかなか中小企業には難しい面があったんですけれども、この要件が緩和をされましたし、また支援措置の中にも、中小企業信用保証協会による債務保証の上限引上げ、こういったことが盛り込まれるなど、中小企業に対してもしっかりと新たな配慮がなされておりまして、この点も評価ができるものだと承知をしております。
 そこで、担い手確保に関する取組について改めて伺いたいと思っております。
 物流部門の労働力、これは高齢化もしておりまして、今後深刻な人手不足に陥る可能性が非常に高い。新たな担い手の確保は喫緊の課題でありまして、これまで国交省は様々な施策打ち出していただきました。貨物運送業の担い手確保に向けて様々な施策を打ち出してきましたが、これまでの取組、そしてその成果を併せてお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。
 トラックの運転手の就業状況を見ますと、二十九歳以下の若年層の割合が一〇%を切っているなど高齢化の傾向があるほか、女性の割合も二・四%と低くなっております。この背景には、トラック運送事業が他産業と比べて長時間労働ということがあるというのが一つの要因であると考えております。これを踏まえて、国土交通省においては、複数のドライバーや事業者が長い輸送行程を分担し、例えば女性や若者が地元近くで短時間だけ勤務することを可能にする中継輸送の普及促進に向けた取組を進めているところでございます。
 さらに、宅配やコンビニ等の集配に多く用いられる総重量七・五トンまでの車、これを十八歳、すなわち高校の卒業の直後から運転することができる準中型自動車免許、これが昨年六月に成立した道路交通法の一部改正法により創設をされております。私どもとしましては、これを人手不足の解消に向けた大きなチャンスと捉えて、その円滑な施行に向けて、あるいはこれを活用した人材の発掘に向けて業界や関係機関と調整を進めているところでございます。
 今後とも、これら申し述べた施策を総動員をいたしましてトラック運転者の確保に向けた取組を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○河野義博君 長時間労働に対応するために中継輸送を増やしていく、長距離で何日も家を空けるよりは、その日に家に帰って過ごせるような働き方に変えていくという大変重要な取組だと思っております。
 また、準中型免許、これは大変大事な取組で、十八歳から取得できるようになる。昨年六月に法律は成立しましたが、施行が二年以内ということでございます。所管は国交省じゃないというのは承知をしておりますけれども、早期に施行されるように、国交省側のサポート、働きかけも是非ともお願いしたいというふうに思っております。
 引き続き法案の内容なんですけれども、今般の物流効率化法の改正によって、担い手不足、これ対応策様々織り込まれていると思うんですけれども、担い手不足、この法律と直接関連する内容としてはどのような効果を期待しておられるのか、見解を教えてください。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。
 トラックドライバー不足が深刻化しつつある中、物流の停滞などの事態を招かないようにすることは喫緊の課題となっております。
 そこで、今回の法律改正におきましては、まず、法目的に、流通業務に必要な労働力の確保に支障が生じつつある旨を明確に追加いたしました。その上で、物流分野全体での省力化を進めるよう、支援の要件から、これまでございました特定流通業務施設を中核とするという要件を除外いたしまして、二以上の者の連携を前提に多様な関係者による様々な取組を支援できるようにいたしました。
 これによりまして、例えばトラックでの輸送量そのものを削減するモーダルシフトの取組や、より少ない労働力で効率的に輸送する共同配送等の取組を支援し、トラックドライバー不足の解消を図ってまいりたいと考えております。また、輸送の効率化、省力化を進めた結果、労働時間縮減等により職場環境が改善され、トラックドライバーへの新規就業者の増加などの人手の確保にも寄与することを期待しております。
○河野義博君 従来は倉庫を造るときの支援だったわけですが、それを超えて、二以上の者が連携して効率化をする場合には様々な支援ができるようになりますという、大きな法改正だと思っております。効率化がやっぱりキーワードになるんだろうなというふうに、法律のタイトルそのものでありますけれども。
 国交省は本年、生産性革命元年と位置付けて、総力を挙げて生産性革命に取り組むというふうに申されております。生産性革命プロジェクトの第一弾は、まさに渋滞緩和の取組だったというふうに承知をしております。効率化して生産性を上げて、そして現場で働く人の給料を実際に増やしていくということが大切ですので、これしっかりと隅々にまでこの効果が行き渡るようなサポートが必要なんだろうというふうに思っております。
 続いて、トラックドライバーの長時間労働、低賃金対策として、トラック輸送における生産性向上、労働条件改善に向けて、先般、取引環境・労働時間改善協議会が創設をされました。この協議会における検討状況及び今後の見通しをお示しください。特に、適正な運賃の受取、実現に向けた取組、そして手待ち時間の削減に向けた取組、こういった詳細も併せてお示しください。
○国務大臣(石井啓一君) 平成二十七年度に厚生労働省と共同で設置をいたしましたトラック輸送における取引環境・長時間労働改善協議会におきましては、昨年九月にトラック運転者の労働時間等の実態把握のための調査を実施し、その結果を公表したところであります。
 この調査結果も踏まえまして、平成二十八年度からは、トラック運送事業者と荷主との協働による待機時間の削減や荷役の効率化など、長時間労働を削減し過労運転を防止するためのパイロット事業を実施をいたしまして、ベストプラクティスの創出とその普及促進を図ることとしております。また、二月の十九日に開催をいたしました第三回中央協議会におきまして、トラック事業者の適正運賃収受に向けた議論を開始したところであります。
 今後、官邸が主導いたしますサービス産業の生産性向上及び下請等中小企業の取引条件の改善に向けた議論とも連携しつつ、労働時間の削減や適正運賃収受の実現に向けた具体的な方策について検討を進めてまいりたいと考えております。
○河野義博君 この協議会の中に厚労省に入っていただいたというのがやはり画期的な取組なんだろうというふうに思います。労働法制を所管する、荷主に対して強制力のある厚労省が中に入っていただいたという点、感謝を申し上げますし、まだまだ議論始まったばかりではありますが、第三回でようやく適正運賃に関する議論も始まっておりますので、しっかりとこの議論の推移見守っていきたいと思います。
 そもそも、じゃ、何で手待ち時間が長いのか、適正な運賃がもらえないのかといったときに、やはり多重的な契約形態が一つ問題視をされているわけであります。なかなか、運賃上げてくれ、燃料サーチャージ付けてくれといっても、圧倒的に荷主の立場が強いこの契約形態ではなかなかそれが進んでいない。国交省では、この多重的な契約形態、実態把握をやっていただいておりますけれども、この把握状況を教えてください。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。
 国土交通省におきましては、官邸主導の下請等中小企業の取引条件の改善に関する関係府省等連絡会議、こちらにおける取組の一環として、本年二月にトラック運送事業者間の取引関係の実態調査を実施したところです。
 当該調査の結果によれば、回答事業者の約八割は何らかの業務を下請に下ろしていること、全体的な傾向としては、元請、一次下請又は二次下請の立場での受注が多い一方で、四次、五次といった下請も存在すること、さらには元請事業者による仲介手数料が数次にわたり取られていること、これが適正な運賃料金収受の妨げの一因となっていること、こういったことが明らかになっているところでございます。
○河野義博君 回答した事業者の約八割は何らかの業務を下請に下ろしているということでした。下請に下ろすことが必ずしも悪いとは私思いません。一方で、四次、五次にまで至るケースが見られるというのは、これはやっぱり何らかの改善策が必要なのではないかなと思います。まずは、実態把握ができたという点では評価されるべきであろうと思いますので、しっかりと荷主に対して物が言える環境整備というのが大事なんだろうと思います。原価割れ運賃でやむなく仕事を受けるといったことは避けなければなりませんし、事業者側にも、うちの原価は幾らなんですかというのはやっぱりしっかり分かった上で交渉していただく必要がある、取り組むべき課題はたくさんあるというふうに承知をしております。
 続いて、アルコール対策や過労対策、そして、いわゆる安全対策のコストというのは事業者側にとって年々増加をしております。また、労働基準法が改正されまして、今後残業代の支払は五〇%割増しになる、こういった環境を踏まえると、事業者の負担というのはますます増大をしております。こういった経費が適切に運賃に転嫁されるような取組も必要になると思いますけれども、国交省としての対応方針を教えてください。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。
 トラック運送事業者が安全コストや人件費などを含む必要なコストを適切に負担できる環境をつくる、このことは、トラックの安全な運行を確保する、そういった観点からも非常に重要なことであると考えているところでございます。
 このため、国土交通省におきましては、トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会の枠組みを活用し、官邸主導の下請等中小企業の取引条件改善に関する関係府省等連絡会議とも連携をしながら、今申し上げました安全コスト等を含んだ適正な運賃の収受、さらには労働時間の削減に向けた議論を進めているところでございます。
 今後、これらの枠組みを活用しながら、トラック運送事業者の経営環境の改善に向けて、具体的な成果が出せるようにしっかりと取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○河野義博君 建設業で言うところの公共事業に対する法定福利費、これは別建てで見積りを出すようになっていますけれども、こういった取組がトラック運送の世界でも必要になっていくんではないかなというふうに思います。いわゆる義務的な経費というのは別建てで勘定してくださいと言える環境整備も必要ではないかなというふうに思います。
 最後に、ルールを守らない会社への対策というのも一方で必要なんだろうと思っております。
 過当競争是正のために、いわゆる五両割れ、参入時には五台以上保有しておらなければなりませんので参入時には五台持っているんですが、すぐ、事業を始めたら五両を切るようなケースが散見をされておりまして、一方ではそれを取り消す手段がないというふうな指摘もなされているわけですが、国交省としてどういうふうに御対応されるのか、教えてください。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。
 トラック運送事業を経営するための最低車両数につきましては、原則五両と定められているところでございます。ただし、需要の減少等の状況の変化により五両の車両の保有が困難となる場合も想定されることから、需要が回復した際には五両以上に増車することを確約させた上で、一時的に五両を下回る台数に減車するということを認めてきているところでございます。こういった五両未満といった事業者、小規模でございます。安全運行の確保ということが事業者一般よりも更に重要なことになるというふうに考えているところでございます。
 平成二十七年五月から、安全チェックの強化の一環としまして、運行管理者の未選任事業者については三十日間の事業停止という厳しい処分を科すことにいたしました。こういった厳罰化といった方策によりまして、この五両未満の事業者の数は減少傾向にはあるところではございます。
 ただ、いずれにしましても、こういった事業者に対しては、安全指導、一般の事業者以上に非常に重要なところであると思っておりまして、今後とも、適正化の実施機関による巡回指導等を活用して、五両未満事業者への適切な指導というものに努めてまいりたいと考えているところでございます。
○河野義博君 五両未満の小規模法人に対して安全基準をしっかり確保してもらうというのは大事な取組だと思いますし、引き続きの安全指導を求めていくわけですが、実態として、そこに人員が十分に割けるのかといった現実的な課題もあろうかと思います。事業者が増え過ぎた結果の一つではないかなというふうに考えておりますので、今後、事業者数の適正化ということもひとつ考えていく時期に来ているんではないかなと承知をしております。
 こういった点申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
 本改正案は、物流業務の効率化、省力化を図り、労働力不足に対応するというものであります。二〇一五年十二月二十五日、国交大臣の諮問を受けた審議会、この答申では、労働者の確保が極めて厳しい、我が国の物流は危機的な状況に直面という認識を示しております。
 まず大臣に聞きますが、なぜトラックドライバーが不足をしているんでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) トラック運転手不足の要因につきましては、トラック運送業が他産業と比較して長時間労働、低賃金の傾向にありまして、これがトラック運転手の円滑な確保を難しくしている要因であると認識をしております。
○辰巳孝太郎君 国交省は、二〇〇八年の時点で、二〇一五年には業界全体で約十四万人の、一事業者につき二、三人のトラックドライバーが不足をするという試算をしておりました。一体何の手を打ってきたのかということで、政府の対策が私は問われていると思います。
 では、先ほど大臣が長時間、低賃金と言っていただきましたが、なぜこの業界では長時間労働と低賃金、こうなっているんでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) トラック運送事業者の九九%は中小零細企業でありまして、荷主、元請に比べて立場が弱いことから、荷主都合の長時間の荷待ち時間を押し付けられる、適正運賃の収受が難しいといった実態があり、これが低賃金、長時間労働の一因となっていると認識をしております。
○辰巳孝太郎君 道路貨物運送業、トラックに係る労働基準関連法令の違反というのも見ておきたいと思うんですが、二〇一四年で監督実施事業場数二千七百六十五のうち労働基準関係法令違反が二千三百十一、これ全体の八三・六%であります。また、改善基準告示違反、この事業場が千八百四十五で六六・七%というふうになっておりまして、まさにブラックな職場となっているのが実態であります。
 私は、こういう事態を招いている主な要因がこの間の規制緩和であったということも指摘をしておかなければならないと思います。規制緩和前後の事業者数は、一九九〇年度、これでは四万七十二でありましたが、二〇一四年度は六万二千六百三十七、つまり一・六倍に増加をしておりまして、この同じ期間、大型トラック運転者の所得も三百八十三万円から三百四十四万円と減少をしております。また、規制緩和に伴って、いわゆる認可運賃から届出制に改悪をされて運賃規制は撤廃をされました。それに加えて、二〇〇三年の貨物自動車運送事業法の改悪によって営業区域というのも撤廃をされました。
 全日本建設交運一般労働組合によりますと、トラックドライバーが、例えば六日間百四十四時間出っ放し運行を余儀なくされるケースも出てきている、大都市近辺のトラックステーションでは、早朝から満車状態で地方の大型トラックがひしめき、運転者は車の中で就寝することを余儀なくされている、金曜日の夕方に入ってきたトラックは、いつ取れるとも知れない帰り荷を待って、月曜の夕方、三日、四日過ごすこともざらだと。ここまで労働環境が悪化をしているわけでございます。
 大臣、改めて聞きますが、やはりこの規制緩和、反省すべきだと思うんです。反省ありませんか。
○国務大臣(石井啓一君) 平成二年の規制緩和は、競争促進によりサービスの多様化等をもたらし、市場の活性化という観点からは一定の成果があったと考えられます。その一方で、事業者数が約一・六倍に増加したこと等により競争が激化し、事業者の経営環境が悪化していると、こういう面もあるかと存じます。
○辰巳孝太郎君 今大臣おっしゃっていただきました、経営環境が悪化をした、それに伴って労働環境も悪化したと。そして、これだけ皆さんが審議会も開いてトラック運転手の不足をどうしようかと議論をせざるを得なくなっているわけですから、今の大臣の答弁は事実上、規制緩和の失敗を認めたというふうに捉えたいと思います。
 このやはり規制緩和がドライバーの健康に深刻な影響も及ぼしているということも取り上げなければなりません。二〇一四年度の脳・心臓疾患の労災認定の全体の件数と、そしてその中でトラック運転手が占める数と割合を示していただけますか。
○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。
 お尋ねの平成二十六年度におきます脳・心臓疾患の労災認定件数は全体で二百七十七件でございまして、そのうちトラック運転手に係るものが七十四件でございますので、率にいたしまして二六・七%となってございます。
○辰巳孝太郎君 驚きの数字なんですね。つまり、実際のドライバーは八十三万人であります。労働者数四千七百万人のうち八十三万人ということですから、一・八%に満たないトラックドライバーが、この脳・心臓疾患の労災認定でいいますと二六%を占めるまでになっているということであります。
 これ、大臣、どう受け止めますか。やはり、劣悪な労働条件は、労働者の命と健康に関わるとともに安全運行にも直結する大問題だという認識はございますでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 脳・心臓疾患の労災認定におきましてトラック運転者の占める割合が高いことから、トラックの安全輸送を徹底するため、適切な労働環境を確保すべく、運転者の過労運転の防止や健康管理が重要と認識をしております。
 このため、国土交通省といたしましては、貨物自動車運送事業法に基づきまして、運転者の勤務時間及び乗務時間に係る基準の遵守や、健康診断による運転者の健康状態の把握をトラック事業者に義務付けております。監査等を通じまして、トラック事業者に対し、過労運転防止のために必要な運行管理の徹底や的確な指導監督に努め、トラック事業の労働環境の改善に努めてまいりたいと存じます。
○辰巳孝太郎君 大臣、もう一度、改めて、やはり問題は低賃金、長時間労働、過密労働をどう改善するかだというふうに私は思うんですが、低賃金、長時間労働、どう具体的に改善をしていくのかをお示しいただきたい。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。
 賃金や労働時間など、トラック運転者の労働条件改善に向けては、トラック運送事業者の経営環境を改善することが不可欠であると考えております。
 このことを踏まえ、国土交通省においては、平成二十七年度、トラック事業者、荷主、労働組合等から成るトラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会、これを厚生労働省と共同で設置をし、トラック運転者の労働時間の削減、トラック事業者の適正運賃の収受の実現に向けた議論を開始したところでございます。平成二十八年度からは、トラック運送事業者と荷主の協働による待機時間の削減あるいは荷役の効率化など、長時間労働を削減し過労運転を防止するためのパイロット事業を実施し、ベストプラクティスを創出し、その普及促進を図ることとしているところでございます。
○辰巳孝太郎君 恐らく、パイロット事業の後にはガイドラインということだと思うんですが、私、ガイドライン作るだけでは不十分だと思うんですね。今、適正運賃の収受がされないという話もありましたが、この実態が本当に深刻であります。
 二〇一一年の全日本トラック協会の調査によりますと、運送原価を無視した受注の有無、これが全体の五割弱となっております。また、政府は、官邸主導で、トラック輸送における適正な取引や輸送の安全確保を図るため、貨物利用運送事業者とトラック運送事業者の取引関係や輸送の安全確保に関する実態調査を二月にも実施をしております。
 この調査では、適正運賃・料金の収受ができていない、七〇%、荷主都合による荷待ち待機をさせられたが費用の支払がない、七一%、燃料高騰分の費用を収受できていない、七九%、高速道路利用を前提とした時間指定がされているのに高速道路料金の支払がない、四三%等々、主に荷主に問題がある取引の実態が生々しく示されております。明らかに法令違反だと判断されるものばかりだと思うんですね。
 公取に確認をしますが、こうした実態が広くあることについてこれまでどういうふうに改善に取り組んで指導してきたのか、実績をお答えいただきたい。
○政府参考人(原敏弘君) お答えいたします。
 平成十五年の下請法の改正により、新たに自動車貨物運送等の役務取引も下請法の対象に追加するとともに、平成十六年に、特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合の特定の不公正な取引方法を指定するなど、道路貨物運送事業における取引の適正化を努めているところでございます。平成二十六年度におきましては、道路貨物運送業について二百六十五件の指導を行ったところです。
 今後とも、このような取組を通じ、道路貨物運送業における取引の適正化に努めてまいる所存でございます。
○辰巳孝太郎君 二百六十五件ということなんですね。
 私は、下請事業者が置かれている実態に比して、勧告や指導の件数が余りにも少な過ぎると思います。しかし、公取はまだ頑張っている方で、私はもっとひどいのは国交省だというふうに思っております。
 トラック運送事業者が行った違反行為について、荷主の関与があった場合に国交省が荷主に対して是正措置を勧告する荷主勧告制度というのがあります。今日、資料にもお配りしておりますが、貨物自動車運送事業法第六十四条に基づく勧告制度であります。
 国交省、発出実績をお答えいただきたい。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。
 貨物自動車運送事業法には、トラック運送事業者の違反行為について荷主や元請の主体的な関与が認められる場合に当該荷主等に対して是正措置を勧告し、違反行為の再発を防止する荷主勧告制度が定められているところでございます。
 これまで、荷主等の主体的な関与が認められたケースというのはないために荷主勧告を発動した実績はございません。一方で、荷主の関与が認められるなどの場合として平成二十六年度には警告書を二件、さらには、荷主の明確な関与は認められないが再発防止のために荷主の協力が必要なものとして協力要請書を平成二十六年度においては四十八件発出しているところでございます。
○辰巳孝太郎君 そうなんですね。協力要請書が四十八件、警告書、これが二件、荷主勧告はゼロだということであります。やはり実態とこの取締りを含めた取組に余りにも乖離があるというのが実態であります。先ほど国交省は、大分前から、二〇〇八年の時点で業界全体でトラックドライバーが不足すると、こう言っていたにもかかわらず、この発出件数が余りにも少な過ぎるということであります。
 結局、私は、労働者の賃金を確保すること、労働環境を改善することが人手不足、これの解消のために何よりも必要だと考えております。
 高知県では、全国唯一、一般貨物自動車運送業において特定最低賃金、これ九百十円を設定して努力をしております。国としても、建設労働者であれば例えば設計労務単価があるわけです。また、貸切りバスであれば上限・下限運賃があるわけでありまして、契約において下請事業者が不利な立場であることを前提に、事業者及び労働者を保護する制度が不十分ながらここには存在をしているわけであります。
 大臣、トラックドライバーの賃金を保障する標準運賃制度のような仕組みがやはり必要ではないですか、お答えください。
○国務大臣(石井啓一君) トラック運送事業者が、安全コストや人件費を含む必要なコストを適切に負担できる環境をつくることは重要であると認識をしております。
 このため、二月十九日に開催をいたしました第三回トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会におきまして、適正運賃収受の実現に向けた議論を開始したところであります。
 運賃につきましては、例えば目安となる運賃を定めるべきだと、また原価計算に基づく運賃設定を徹底すべきだと、さらには待機料金、附帯作業費などの運送以外のコストを適切に収受すべきだと、様々な意見がございます。
 今後、官邸が主導するサービス産業の生産性向上及び下請等中小企業の取引条件の改善に向けた議論とも連携しつつ、適正運賃収受の実現に向けた具体的な方策について検討を進めてまいりたいと考えております。
○辰巳孝太郎君 最後に、やはり実効性のある措置をお願いしたいと思うんですね。ドライバーの安全、健康、そして賃金、ここに本格的にメスを入れない限り、日本の産業を支える物流の人材不足は解消されないということを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○室井邦彦君 おおさか維新の会の室井邦彦です。
 所轄のことではないんですが、また同じことを一点繰り返させていただきたいと思いますけれども、今朝、報道によりますと、熊本の地震に対して、今朝の六時の発表でありましたけれども、九百五十五回地震が発生しておると。全く前回とは、いろいろと過去経験いたしましたけれども、本当にこれ異常な状態じゃないのかな。気象庁に尋ねてもはっきり答えはされないということで、地域住民の方々の安心、安全のためにも、安心を与えるためにもしばらく川内原発は様子を見ながら休止、停止をすべきじゃないのかな、こんなことを思っております。特に大臣がお答えする必要も何もございませんので、一言この場をお借りして申し上げたいなと。おおむね自民党の、自民党というか政府の方針に対して、フェードアウト、そういう方向で進めておるということは私も納得もできますし、考え方としては大きな違いは全くありません。一言申し上げておきたいなというふうに思います。
 今回の法改正に関しましては、私も、国交省の皆さん方が非常にいろいろと努力をしながら進めていっていただいていることは非常に有り難いことだな、このように思っておりますが。
 私も、多少この運送業界に身を投じた者として、今、団塊の世代でありまして、随分、半世紀前というか、五十年、四十年前、状況とそんなに変わりがないなというふうに実は感じておりまして、例えば荷主、今も話が出ましたけれども、トラック業者は荷主側にとっては完全にもう弱い立場でありまして、形はいろいろありますよ、例えば大手の会社に専属で百台、二百台入れているトラック業者はもう全くこれは荷主さんに逆らうことができないというか、運命共同体のような運送の形態を、荷物を確保して運送業として経営が成り立っている会社とか、そのまた下請を受けている運送会社とかいうパターンがあったり、またその荷主さんが輸出をしている部門の輸出を、いわゆる神戸港とか名古屋港に運ぶトラック業者が、何時までに物を届けよという指示があり、例えば朝八時に港湾関係の荷主に荷物を、もう既に到着しているにもかかわらずパレットがないので、リフトの運転手がなかなか来ないということで、その運送業者は二時間、三時間待たされると、それは運賃に加算されるのかというと全くされないと、こういうところが全く三十年、二十年前、四十年前と今の現状とは前に進んでいないということがあるんですよね。
 その辺は、私は国交省の努力は敬意を表しておりますし、認めておりますけれども、何とかそういう部分的に、総括的にじゃなくて、部分的に分割しながらそういうところを見ていかないと、適正な価格の二割、三割安で走らなくちゃいけないとか、これはもうこの業界の常識でありますので、その辺をもう少し切り込んで対応していただきたいなということを一言申し上げておきたいと思います。
 質問に入りますけれども、もちろん少子高齢化の中で労働力はどんどんどんどんこれから先も増えることなく減少していくという環境の中で、十分な人手の確保も困難だというところでこういう効率を上げるための努力を、法改正をしていただいておるわけでありますが、国交省がこれを改正する前にこれまで取り組んできた内容、また、それに対する効果があったのかどうか、その点をお聞きしたい、このように思います。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。
 昨今、物流分野におきましては、トラックドライバーを始めとした人手不足が深刻化しつつあり、このままでは物流の停滞などの事態を招くおそれがございます。委員も御指摘のとおり、今後も物流機能が安定的に維持され、持続的な経済成長と豊かな国民生活を支えていくためには、物流の効率化、省力化を推進していくことが必要だと考えております。
 このため、これまでも国土交通省におきましては様々な取組を行ってきており、例えば、平成十七年度に成立いたしましたこの物流総合効率化法に基づきまして、荷さばき、保管、流通加工をばらばらの施設で行うのではなく総合化することによりまして、錯綜した輸送網の集約、再編を図り効率化を進めてまいりました。平成二十八年三月までに、こうした流通業務効率化のための取組に係る計画を二百八十九件認定したところでございます。これを通じた物流コストやリードタイムの縮減、CO2の削減に一定の効果があったものと認識しております。
 また、モーダルシフトにつきましても、その促進を図るため、モーダルシフトの運行経費及びその取組に必要な設備の導入経費の補助、優良事業に対する表彰制度を通じた普及活動などを行ってきたところでございます。
 今後も、今回の法改正による新たなスキームの活用により、このような効率化、省力化の取組を更に加速してまいりたいと考えております。
○室井邦彦君 是非、羽尾さんですか、私、冒頭に申し上げましたけれども、やはり国交省の仕事は現場力と、このように言われております。是非、そういうくまなく現場の状況をしっかりと確認をまたしていただきながら、時間をなくてもつくって、各現場、輸出関係とか、そういう現場にまた足を運んでいただきたいなというふうに思って、一言お願いをしておきます。
 続いての質問でありますけれども、確かに、物流を制する者世界を制するという、こんな言葉があります。国の発展に対しましても国民生活に対しても非常に重要な部分であります。
 そこで、今回の新しい制度の創設について、人手不足を解消するとか、また物流産業の生産性向上に寄与するんだと、こういうことでありますけれども、その効果というか、法改正をして具体的に、今までこういう数値だったのがこのようになっていくんだとか、ひとつ、その数値の目標を示すことができる、そういう目標を立てているんだということでありましたら、それをお聞かせをいただければ、お願いしたいと思います。
○政府参考人(羽尾一郎君) 先ほど申しましたとおり、トラックドライバー不足が深刻化しつつある中で、物流の停滞等の事態を招かないようにするために、この課題を克服するべく、今回の改正では、まず流通業務に必要な労働力の確保に支障が生じつつあるという旨を法目的に追加した上で、二以上の者の連携を前提に多様な関係者による取組を支援してまいりたいと思っております。これによりまして、トラックでの輸送量そのものを削減するモーダルシフトの取組、あるいは、より少ない労働力で効率的に輸送する共同配送等の省力化に資する取組を支援し、トラックドライバー不足の解消を図ってまいります。
 その効果としまして、モーダルシフトの場合、貨物鉄道を用いた場合で一編成の輸送で十トントラック約六十五台分、内航船舶を用いた場合、一隻の輸送で十トントラック約百六十台分の貨物を輸送することになり、大幅な省力化が期待できると思っております。
 また、共同輸送につきましても、現在、平均で約四割に落ち込んでおります積載率を共同輸送することによりまして向上させ、無駄なトラック輸送を削減すると、こういう省力化効果が期待できると思っております。
 このような個々の取組についての省力化効果を踏まえて、適切に目標の設定を行って運営をしてまいりたいと考えております。
○室井邦彦君 ありがとうございます。
 田城議員の御質問に大臣がそのような数値を出して答えられたということをしっかりと聞いておりますので、二度あなたから聞くということも有り難いことでありますけれども、ひとつその点はよろしく、数値だけじゃなく頑張っていただきたいと思いますし、今モーダルシフトの件が出ましたけれども、このことも、日本が率先してCO2の削減にリーダー的な立場を取っておりますので、そういうところは日本のリーダーシップを示すまた絶好の機会と思いますので、是非頑張っていただきたい、このように願うところであります。
 もう時間ございませんので、次の質問を三つ続けてさせていただきますので、お願いいたします。
 この物流効率化計画を実施してこられた中で、その結果、どう成果を上げることができたのか、平成十七年に実施して以来のことでありますけれども、お聞きすることが一点と、今回の法改正、この流通業務総合効率化事業という内容の中で、二以上の業者が連携して行うというふうに定義されておりますが、この連携を重視することの意義についてお聞きをしたいということ、もう一点、最後の質問は、今回のこの法改正で単独での総合効率化計画は認定されないということでありますが、共同のみを認定基準とすることは制度の利用率を逆に下げるのではないかという私心配をしております。ひいては、物流業務の総合化及び効率化を逆に抑制することにならないかという心配をしております。以上、この三つ、お答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。
 この物流総合効率化法では、平成十七年の制定以降、大規模で高機能な物流施設である特定業務施設を中核とした輸送網集約などの取組を流通業務総合効率化事業として支援の対象としてまいりました。昨年度までに二百八十九件の取組を認定し、約八億五千五百万トンキロのトラック輸送量、約十四万八千トンのCO2排出量の削減を実現しております。
 今回の改正では、これまでのような施設整備を伴う画一的な取組だけでなく、モーダルシフトや共同配送を始めとした多種多様な取組に対応できるように支援対象を拡大しております。
 その際、単独での取組には実施できる範囲に制約があり、かつ、効果も限定的となる嫌いがあるため、より効果的な取組を集中的、重点的に支援する観点から、支援対象事業については二以上の者の連携を新たに求めることとしております。
 一方、連携の主体や組合せに特段の制約は設けないこととし、個々の取組内容に応じて、事業者同士はもとより、荷主、地方公共団体等様々な関係者の間でパートナーシップを構築することを想定して、柔軟な運用により幅広い範囲で連携を認めていくことと考えております。
○室井邦彦君 最後、大臣にお答えをしていただけるということなので、お願いをしたいと思います。
 この法改正では、総合効率化計画の目標を定めるとありますけれども、その実効性を高めるためにその達成状況をフォローアップしていく必要があるというふうに思っております。そこで、どのように目標の実効性を確保していこうとされるのか、その認定を受けた総合効率化計画の取組により、物流の省力化、ドライバー不足の解消、CO2排出量の削減等の成果を上げていこうとしているのか、大臣、最後にお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 物流総合効率化を着実に進めていくためには、全体の目標を定めるとともに、認定に際して定量的な評価を行いながら進めていくことが重要であります。
 そのため、今回の改正案では、主務大臣が定める基本方針の記載事項といたしまして、流通業務の総合化及び効率化に関する目標を定める旨を追加をしております。基本方針に定める目標といたしましては、例えばモーダルシフトについては、交通政策基本計画のモーダルシフトの達成目標の内容を踏まえて定めることを想定をしております。次に、評価につきましては、流通業務総合効率化事業の認定に際しまして、申請者に事業の効果を算出させて定量的な評価を行ってまいります。
 このような形で本法案の取組を進めることによりまして、モーダルシフトにつきましては貨物鉄道と内航海運で合計三十四億トンキロを転換すること、地域内配送共同化につきましては二〇二〇年度までにモデル的な取組を百事例創出すること、輸送網の集約事業については二〇二〇年度までに百五十事例を創出することを目指してまいります。
 これによりましてトラックドライバー不足の解消を図るとともに、労働時間削減等により職場環境が改善され、トラックドライバーへの新規就業者の増加等の人手の確保につなげてまいりたいと存じます。
○室井邦彦君 ありがとうございます。終わります。
○中野正志君 日本のこころの中野正志でございます。
 今回の改正法案は、第一条で、流通業務に必要な労働力の確保に支障が生じつつあることに鑑み、関係者の連携による物流ネットワーク全体の効率化を進めるものとすると、大変結構であります。この労働力不足について、全日本トラック協会の公表しているトラック運送業界の景況感という資料によれば、人手が不足している又はやや不足していると答えた事業者は全体の六七%にも達しております。
 そこで、まず事実の確認として、物流業界における労働力、どのぐらい不足しているか、具体的な数字をお示しをいただきたいと思います。同時に、労働力不足解消のために早急な対策が必要であることは明白であります。その点で、今回の改正案の趣旨には私たちは賛成でありますけれども、問題はこの労働力不足を解消するための具体的な手段であります。
 今回の法改正によって、例えばモーダルシフト等推進事業に三千八百万円の予算措置が講じられたり、あるいはエネルギー対策特別会計三十七億円の中で、物流分野におけるCO2削減促進事業の枠が設けられたりする支援措置は講じられております。具体的に、この法改正によってトラック業界を始めとする物流業界の人手不足にどのような改善がなされる見通しなのか、お伺いをいたしたいと思います。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。
 まず、トラックドライバーの労働力不足につきましては、次のようなデータから評価を行っているところでございます。
 まず、トラック業界団体において四半期ごとに実施しておりますトラック運送業界の景況感によりますと、トラックドライバーが不足していると感じている企業の割合は、平成二十三年には二割以下だったものが、委員御指摘のとおり、最新の調査では約七割となっております。また、トラックドライバーの有効求人倍率を見ましても近年上昇傾向にございまして、平成二十三年度には〇・七二倍だったものが、二十六年度で一・五五倍と人材不足が顕著になっております。トラック業界では、五十歳以上の就業者が全体の約四割を占める一方で、二十歳代の就業者は一割未満となっております。
 このように、物流分野における労働力不足は近年深刻化しており、特に中高年層への依存度が高いトラックドライバーは、中長期的に見れば、これら中高年層の退職に伴い、更に深刻な人手不足に陥るおそれがあると思っております。なお、数値的に具体的な不足人数をお示しすることにつきましては、何をもって不足と定義するのかというのが一概に申し上げられない事情もございまして、なかなか困難であるということは御理解賜ればと思います。
 その次に、業界を始めとする人手不足がどう改善されていくのかという御質問についてでございます。
 委員御指摘のとおり、法目的にそういう状況を追加いたした上に、省力化を進めるよう、支援の要件から特定流通業務施設を中核とすることを外しまして、二以上の者の連携を前提に様々な関係者の取組を支援するようにいたしております。
 これによって、トラックでの輸送量そのものを削減するモーダルシフトの取組、この数値については先ほど一台当たり申し上げました。また、より少ない労働力で効率的に輸送する共同配送、こういったものを支援してドライバー不足の解消を図ってまいりたいと、このように考えております。
○中野正志君 物流網の末端、いわゆる物を最終的に消費者に届ける局面では、今回の法改正に加えて更なる工夫が必要なのではないかなと思います。
 例えば、宅配便を届けるという場面、二〇〇六年六月の道路交通法の改正で路上駐車取締りが実は強化されました。その後、宅配事業者は、有料駐車場に一旦トラックなどを駐車させて、その後は台車や大型カーゴを使って戸別の届け先を回って宅配している姿をたまたま見かけるわけでありますけれども、本当いかにも大変だよな、そんな感じであります。
 今後の道路の整備に当たって業者用の駐車レーンを設けることを積極的に推進する施策も大事ではないのかなと思っておりますが、いかがでございましょう。
○政府参考人(森昌文君) お答えいたします。
 都市内における物流業者の荷さばき駐車スペースの確保につきましては、円滑な物流を確保する上で重要な課題であるというふうに認識をしております。
 これまでも、荷さばき駐車スペースの確保につきましては、物流事業者による確保に加えまして、国交省といたしましても、地方自治体、あるいは荷主、物流事業者、警察などとも連携しながら、路外駐車場の空き容量を有効に活用するというようなことをまず先決に取り組んできたところでございます。
 加えまして、例えば委員のお膝元でございます仙台におきましても、仙台二番丁通りから西側のエリア、まさに商店街あるいは大規模な店舗がたくさんあるところでございますが、こういったエリアで、例えば路上にそもそも荷さばきスペースを確保するというような取組を実験的に今までも取り組んできておりますし、仙台二番丁通り自身にも、歩道を切り込んで少し荷さばきをするスペースを今までも造ってきたという経緯もあるところでございます。
 ただ、いかんせん、この路外駐車場の整備が十分でない場合には当然そういうような御指摘の路上活用というものもあるわけでございますが、限られた都市空間でございます。この中に歩行者、自転車、そして自動車の通行帯、荷さばきのためのスペースといったものをどのように配分していくのかというところ、それぞれ各地域の実情も踏まえながらしっかりと検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 以上でございます。
○中野正志君 そういう御努力は高く評価しながらも、更に是非よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 今回の熊本地震で明らかになった問題点をちょっと指摘しておきたいと思います。
 震災直後から民間のNPOやボランティアによって、道路が渋滞している箇所や救援物資を求めているエリア等の情報がインターネット上で様々に提供されておりましたが、そうした有為な情報を集約して、誰しもがアクセスできる情報集約サイト、いわゆるポータルサイトが見当たらなかったという声を聞いております。
 例えば、大阪大学の稲場圭信教授らが立ち上げた未来共生災害救援マップ、略称災救マップ、これでは、全国の避難所等約三十万件のデータを集積した日本最大級の災害救援・防災マップでありますが、この熊本地震でも大変役に立ったと言われているサイトでありますけれども、このマップを知らなかった、知っていればどれだけ助かったかという声も現地から聞いております。
 物流網の情報とこうした防災マップが組み合わさって、被災者に即座に情報をリアルタイムで提供できるような仕組みがあれば今後の地震被害の救済に大いに役立つのではないかと、この点について国交省の御所見をお伺いをいたします。
○国務大臣(石井啓一君) 地震等の災害が発生した場合に、被災者や被災者を支援しようとする者にとりましては、避難場所の位置やそこに至る道路が通行可能かどうかといった情報は非常に重要であります。
 今回の熊本地震におきましては、渋滞情報のほかに、複数の民間企業がカーナビから収集した情報を活用した通行実績マップ、これを発災直後から公開する取組がなされました。今後は、このような民間企業の情報と国土交通省が収集するETC二・〇の情報とを連携させることによりまして、更に災害時に有効な道路の情報提供が可能となるよう検討してまいりたいと思っております。
 災害時の情報提供の在り方につきましては、今回の熊本地震での経験も踏まえ、防災マップを提供する民間や自治体とも連携し、政府全体において検討すべき重要な課題であるというふうに考えております。
○中野正志君 前回の委員会で申し上げましたように、初動対応を含めて、国交省、大変、過去に学び、しっかりと対応されているなということは評価をいたしてはおります。是非、そういう良さは全て取り入れられながら、更にグレード高い形を発信していただければ、対応していただければと、こう思います。
 時間がありませんので、ちょっと最後に申し上げますが、物流システムの将来像についてお伺いをいたします。
 この間、国家戦略特区ということで、千葉市、ドローンの実験をされて、取りあえずは成功されたと。もちろん物流ということであります。大変いいことだなと思います。
 東日本大震災の被害や熊本地震についてもそうでありましたが、地震や津波被害で物流網を寸断され、孤立地域が何ぼも発生をいたしました。緊急時にいかに物流インフラを復旧させるか、そして、その復旧以前の段階として、災害が起こったそのとき、緊急対応にどのような手段で支援物資を運ぶのかという課題に対して、本法改正よりも更に一歩も二歩も進んだ物流システムの青写真を示して、そこに向かって制度構築をするのでなければならないと思います。
 現在注目されるのが、今申し上げました無人航空機、いわゆるドローンの物流活用であります。私は、GPSに従って定められたコースを自動で飛行することが可能なドローンのビジネス活用に期待を寄せております一人であります。昨年、頻発した事故やトラブルもあって、ドローン運用制限などを盛り込んだ改正航空法、昨年末に施行されております。
 しかし、ドローン技術への投資、開発はこれによりブレーキを掛けられることはないのか、心配もあります。政府のGDP目標六百兆円の達成に向けて、AIやロボットといった成長分野を三十兆円規模の市場へ育てる方針を政府は固められております。積極的な規制緩和と開発資金支援などを組み合わせて中小企業の業界参入、技術導入を推進していかなくてはなりません。
 今回の改正案の次の一歩として、業界全体の人手不足や特に過疎地域の人材不足を補うため、また緊急時の物流網の早期復活など多くの可能性を秘めたドローンについて、政府として活用を進めていく覚悟がおありかどうか、大臣の御所見をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 小型無人航空機は、過疎地や都市部での貨物輸送、災害等の非常時への活用等が見込まれておりまして、物流の担い手不足対策の面からも活用が期待される輸送手段と考えております。
 昨年十一月には、早ければ三年以内にドローンを使った荷物配送を可能とするという総理指示も出されまして、安全確保を前提としつつ、物流への活用に向けて検討を進めているところであります。
 昨年十二月には、無人航空機の飛行に許可を必要とする区域や飛行の方法等基本的なルールを定めた改正航空法が施行されましたが、安全を確保した事業者等には飛行の許可を出す等、柔軟な規制となっております。
 本年二月には、事業化に向けた課題の抽出を行うため、徳島県那賀町において小型無人航空機による貨物輸送実験及び地区住民への意識調査を実施したところであります。
 国土交通省といたしましては、物流分野での早期事業化の実現を図るため、小型無人航空機の官民協議会の場で関係者とともに事業化に向けた環境整備を進めてまいりたいと考えております。
○中野正志君 是非御努力ください。
 終わります。
○吉田忠智君 社会民主党の吉田忠智でございます。
 まず、熊本・大分大地震によって災害関連死の方も増えております。改めて、亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、今なお困難な生活をされておられる方々に心からお見舞いを申し上げます。
 国交省が所管をする道路などのインフラについては改めて言うまでもありませんが、とりわけ住宅の確保、これは前例のない取組を是非していただきたい、そのことを強く要請をまずさせていただきたいと思います。
 法案についてであります。
 本法案は、二〇〇五年の現行法制定以来の法改正でございまして、総合効率化計画や支援措置により、二者以上の連携による物流ネットワークの省力化、効率化を更に進めるものであり、趣旨に賛同いたします。
 一方で、トラック産業は九九・九%が中小企業でありまして、大規模な共同化を支援する改正法のメリットが中小企業にもたらされるのか、疑問もあるわけでございます。
 そこで、この改正案は、中小のトラック事業者にどのような配慮を行っておられるのか、そしてどのようなメリットがあり、どのようなメリットに配慮されておられるのか、まずお伺いをいたします。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。
 これまでの物流総合効率化法では、大規模で高機能な物流施設である特定流通業務施設を中核とした輸送網の集約などの取組を支援対象としてまいりましたが、今回の改正では、特定流通業務施設を中核としない地域内共同配送等の取組を支援の対象といたしております。このことから、中小事業者も認定を受けやすい枠組みとなります。また、従来からの中小企業を対象とした支援策である信用保証協会による債務保証の拡充、中小企業投資育成株式会社による増資の引受けの充実の措置につきましては今後も継続することといたしております。
 さらに、今回の改正では、例えば、小規模な共同配送に対応できるよう、新たに貨物軽自動車運送事業に係る手続を行政手続のワンストップ化の対象といたしております。財政的な支援としても、今回の改正に併せて、今年度予算において計画策定経費の補助を創設いたしております。これらによりまして、本法案による新たな支援スキームについて、中小事業者にも積極的に活用いただくことを期待しております。
 また、新たな支援スキームの運用におきましては、中小事業者は経営基盤が脆弱で専門人材も不足しがちであるということから、地方運輸局などが中小事業者に寄り添い、支援などの紹介や成功事例の情報提供などをきめ細やかに行うことでその取組を応援してまいりたいと考えております。
○吉田忠智君 中小事業者に対する様々な支援措置が講じられるということは分かりました。
 問題は、やっぱりそこで働く労働者の問題ですよね。先ほど来御議論がありましたように、トラックの担い手の確保というのが至上命題という中で、低賃金、長時間労働、この実態をどのように改善をしていくのかということが課題。
 先ほど、国交省が今後どのように取り組んでいかれるのかというのは何回も質問がございましたので、それはもう省略をいたします。その代わり、一点、後で、申し訳ありませんが、質問を追加させていただきますが。
 トラック産業では、労働時間規制に配慮しない取引が業界一般の慣行となっているわけであります。労働時間削減のためのパイロット事業の実施ということがされるということでありますけれども、このことにおいては、是非、優良な事業者を対象とするのではなく、優良な事業者というのは問題ないわけですよ。問題はブラックですよ。優良でない事業者をどういうふうにしていくかというのが問題でありますから、そういうブラックな企業、長時間労働が蔓延しているような問題のある企業を是非対象としていただきたいと思うんです、もうパイロットで。
 事業者の選定に当たっては、中小の厳しい実態をよく知る労働者や労働組合の意見を是非反映していただきたいと考えますが、いかがですか、その点について。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。
 御指摘のパイロット事業でございますけれども、これはトラック事業者、ドライバー、発着の荷主、これらが連携をして長時間労働の原因分析、改善策の検討、実践、検証を行う取組でございます。この事業は平成二十八年度、二十九年度の二年間で各県協議会で二つずつの事例に取り組むことを想定をしております。全国の事例を集積して効果を検証し、ベストプラクティスの創出とその普及促進を図ってまいりたいと考えております。
 現在、各地方協議会におきましてパイロット事業の対象事業者あるいは荷主を選定中でございます。委員の御指摘も踏まえまして、幅広い事業者の協力を得ながらパイロット事業を進めてまいりたいと考えているところでございます。なお、パイロット事業は各地方協議会における議論を踏まえ実施してまいりますが、各地方協議会のメンバーには労働組合にも御参画をいただいているところでございます。
○吉田忠智君 是非、労働者の実態をよく知る労働組合の意見もしっかり聞いていただきたいと思います。
 そこで、先ほども御議論がありました規制緩和の問題ですね。このトラックにおいても、バス事業においても、タクシーにおいても、この間の規制緩和によって、現場で働く労働者の皆さんが大変厳しい長時間労働、低賃金の実態にあるわけです。トラック業界も、そしてバス業界も、そしてタクシー業界も、若者が参入を希望する夢のある業界にはなっておりません。
 確かに、規制緩和によってビジネスチャンスが生まれて、そしてがんじがらめの規制の中で競争が阻害をされてきた、そのことは事実だと思います。そうした様々な社会経済情勢に合わせて制度を変えていくというのは、これは避けて通れない。しかし、この間の規制緩和によって現にもう大きな問題が出ているわけですから、小手先の対応ではもう解決できない。法律を私は元に戻せとは言いませんけれども、やっぱり法改正まで踏み込んだことをやらないと実態は改善できないのではないかと思っております。
 タクシーについては、これは超党派で議員立法でタクシー三法を作りました。しかし、まだ実効が上がっていません、率直に申し上げて。実効が上がらなければ、また法律を見直さなければならない。
 大臣、トラック、バス、これやっぱり踏み込んだ法改正をすべきだと、そのように考えますが、いかがですか。
○国務大臣(石井啓一君) トラックに関しましては、先ほどから答弁させていただいているように、厚生労働省と共同でつくりました協議会におきまして、労働環境の改善や適正な運賃の収受、こういった議論を開始をしたところでございますので、しっかりと取り組んでいきたいと思っております。
 また、バスにつきましては、軽井沢のバス事故を受けました対策検討委員会におきまして、様々な安全運行のための取組を今検討させていただいているところでございます。
○吉田忠智君 私はこれまでバス事業の規制緩和もタクシーも質問をさせていただきましたが、今日ずっと質問を聞いておりまして、今国交省が取り組んでいる、今後取り組むことが実効が上がらなければ、これはもう議員立法で、超党派で、自民党、公明党の皆さん、それから野党の皆さんも含めて議論して、やっぱり議員立法で法改正まで踏み込んでいかなければならないのではないか、そのことを改めて感じたという思いを申し上げたいと思いますし、そうした取組も、私たちもただ手をこまねいて見ているだけではなくて、しっかりそういう努力をしていきたいと考えております。そのときには是非御協力をいただきたいと思います。
 次に、本改正案ではモーダルシフトに対する支援措置も盛り込まれております。
 トラックによる貨物輸送を大量輸送が可能な海運や鉄道貨物輸送に転換するモーダルシフトは政府、与野党のコンセンサスでありまして、CO2排出量も鉄道貨物はトラック輸送の約六分の一でありますが、率直に言って大きく進展しておりません。
 特に鉄道貨物輸送については、現在国交省としてJR貨物にどのような支援を行っておられるのか、またその政策効果をどう見ておられるのか、まずお伺いしておきます。
○政府参考人(藤田耕三君) お答えいたします。
 JR貨物に対しましては、国鉄改革の基本的な枠組みといたしまして、JR旅客会社に対して支払います線路使用料、これを貨物輸送がなければその発生が回避されるよう、いわゆるアボイダブルコストとする措置を講じております。並行在来線の線路使用料につきましても、これと同程度の負担とするために貨物調整金の制度を設けているところでございます。
 また、JR貨物の経営自立を支援するために、平成二十三年度から七年間で合計七百億円の設備投資支援を行うとともに、環境省と連携いたしまして、モーダルシフトに資するコンテナの導入に対する補助や各種の税制措置を講じているところでございます。
 JR貨物はこうした支援措置を活用しながら経営に取り組んでおります。輸送量の増加、収支改善などの効果も現れてきているものと認識をしております。今後さらに、平成二十八年度に鉄道事業を黒字化するという目標に向けてしっかりと経営に取り組んでいただきたいと考えております。
○吉田忠智君 アボイダブルコストルールと貨物調整金制度については、当面JR貨物の経営安定には不可欠であり、存続を強く求めます。
 国交省として、長距離トラック便の鉄道貨物輸送への振替、トラック事業者とJR貨物の連携により踏み込んだイニシアチブを発揮すべきだと考えますが、いかがですか。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。
 貨物鉄道は、地球環境に優しく、少ない労働力で大量の貨物輸送をできる大量輸送機関として重要でありまして、この場合、鉄道輸送の両端はトラックで輸送することが不可欠でありますから、鉄道事業者とトラック運送事業者の十分な連携が必要であります。
 最近では、長距離のトラック運送事業者が専用列車の増発も含めまして鉄道輸送を積極的に活用すると、こういう動きも見られます。また、今回の法案におきましても、モーダルシフトによって効率性の高い輸送手段を選択する取組というのを新たに位置付けた上で、関係者の連携の取組を促してトラック事業者と貨物鉄道事業者が一緒に組んで様々な取組を行い、モーダルシフトが進んでいくように、このように進めてまいりたいと考えております。
○吉田忠智君 ダイヤの設定についてでありますが、このダイヤ設定は物流サービス事業者にとって最大の商品でありますけれども、現状、旅客会社が優先されており、トラックとの競争上不利であると言われております。国土交通省が関与するなど第三者機関によるダイヤ設定、調整が必要ではないかと考えますが、いかがですか。
○政府参考人(藤田耕三君) JRにおきましては、基本的には線路を保有している旅客会社、それからその上を運行する貨物会社、それぞれの協定に基づいて、調整に基づいてダイヤ設定がされております。特に輸送障害が発生したような場合、臨機の対応が求められるわけでありますけれども、その場合にも旅客会社と貨物会社があらかじめ締結している協定に基づいて一定の優先順位に従って運行を再開するということになっております。
 ダイヤ調整に関しましては、基本的には、線路容量の物理的な制約の状況、あるいはその解決策を熟知している当事者間の自主的な調整に委ねることが適当であると考えております。
○吉田忠智君 当事者間の調整で合理的な解決が図られるという可能性は否定しませんけれども、いずれにしても、私は、国交省として双方から聞き取るなど調整の実態把握をする必要があると思いますが、いかがですか。
○政府参考人(藤田耕三君) 基本的には、先ほどもお答え申し上げたとおり、ダイヤ調整に関しては当事者間の自主的な調整に委ねることが適当というふうに考えております。このため、ダイヤ調整につきましては、JR会社間の自主的な調整に委ねつつ、このような調整が円滑に進むよう、国土交通省としても見守ってまいりたいと考えております。
○吉田忠智君 見守るだけじゃ駄目だと思います。大臣、是非、モーダルシフトの前進のために、JR貨物と旅客会社のダイヤ調整に国交省としても一歩踏み込んだ関与を行うべきだと考えますが、いかがですか。
○国務大臣(石井啓一君) ダイヤ調整につきましては、JR会社間の自主的な調整に委ねることが適当であると考えております。
○吉田忠智君 聞き取るぐらいは是非やっていただきたい。検討をお願いして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○行田邦子君 無所属の行田邦子です。よろしくお願いいたします。最後の質問者となりましたが、よろしくお願いいたします。
 この度の物流総合効率化法の一部改正は、物流ネットワーク全体の省力化、効率化を更に進めて労働力不足に対応していくと、そのために総合効率化計画を事業者が作成をして、そして大臣が認定するといったことでありますけれども、総合効率化計画のその一つの例といたしまして、地域内配送共同化を行うことによって過疎地域内の無駄のない配送を実現するといったものが示されております。
 そこで、まず大臣に伺いたいと思います。二番の質問です。
 地域内配送の共同化なんですけれども、これは私は、地域の自治会や、また商店街やコミュニティー、そしてまた自治体、そしてまたさらには輸送機関といった地域の意思が大切であって、そして地域が主体となって進めていくことが肝要というふうに考えています。
 トラック事業者、宅配業者にも伺いますと、この地域内配送の共同化、これはいいけれども、なかなか我々が音頭を取ってやるというのは、複数の業者が入ってきます話ですので、利害が絡んだりまた思惑があったりでなかなか進まないといった声も聞こえてきます。単に、地域内配送の共同化につきましては、物流の効率化という視点だけではなくて、地域再生、地域社会の維持という枠組みで国としても推進すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 過疎地域等におきましては、宅配便の集配の共同化、買物支援サービス等の物流機能を複合化した地域内配送の共同化をすることによりまして、物流の効率化のみならず、生活支援サービスの維持等が図られ、地域住民や消費者の利便が向上いたします。また、都市部との物流ネットワークも維持をされまして、安価な利用料で地域特産品を都市部へ出荷でき、生産者等の荷主の便益につながるとともに、地域経済の活性化にも貢献をいたします。
 このようなことから、昨年十二月に取りまとめられました審議会の答申におきまして、地域の関係者がまとまった上で一体となって実行に移すことや、市町村を始めとする自治体の積極的な関与が極めて重要とされております。このため、輸送事業者のみならず、関係住民、自治体等も参画した協議会における円滑な合意形成に向けて、国土交通省といたしましても、地方運輸局等が全国の先進事例の紹介、輸送事業者との橋渡し等により関与していくことといたします。
 これらを通じて物流の効率化を図り、地域再生、地域社会が維持されるよう努力をしてまいりたいと考えております。
○行田邦子君 是非、モデル的な成功事例というのをつくっていただきたいと思っております。
 それでは、次の質問なんですが、再配達の削減について伺いたいと思っております。
 昨年の九月に国交省の中に設置された宅配の再配達の削減に向けた受取方法の多様化の促進等に関する検討会が報告書を出していますけれども、これを見て、私も様々なことを考えさせられました。
 まず、この宅配便の取扱個数なんですけれども、五年間で一五%も増えているということ、そしてまた宅配便の約二割が再配達となっているということでございます。そして、そのことによってトラックドライバーの労働時間がどのぐらい増えているかといいますと、年間九万人分に相当する労働力が再配達で消費されていると。つまり、トラックドライバーの約一割に当たるということでありました。これは私は、この産業の将来を考えると深刻な問題ではないかなというふうに思っております。
 そして、先ほど申し上げました報告書の中で示されているんですが、消費者対象にアンケートを行っています。その結果で、一回目の配達で荷物を受け取れなかった理由は何かといったことに対しまして、配達が来るのを知っていたが、用事ができて留守にしていたが二六%、元々不在になる予定だったため、再配達してもらう予定だったが約一四%と、約四割の方が、言ってみれば再配達してくれるからいいやということで一回目に受け取らなかったということです。
 私はこれを見て考えましたけれども、宅配の利便性をどんどんどんどん追求するというのは、消費者にとってはこれは便利だということはいいことでありますけれども、一方で、再配達を抑制する方策というのを何か講じられないのかということを考えました。いかがでしょうか。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、昨年九月に、宅配事業者、通販業者、コンビニエンスストアなどの関係者に集まっていただいて、私ども検討会を開催していろいろなこの件についての議論を行いました。そして、関係者で、再配達の削減というのが不可欠であると、こういう共通認識を持ちました。
 今委員御指摘のとおり、再配達となった理由に、再配達の依頼を予定していたけど不在にしていたと、こういうケースが四割ございますが、加えまして、配達が来るのを知らなかったというのも四割ございます。その意味で、消費者と物流事業者、宅配事業者との間のコミュニケーション、これをもう少し良くしていくというのが削減をするための大事なポイントであると、こういうふうに認識したところでございます。
 この報告書におきましても、三つの柱、つまり今申した消費者と宅配業者あるいは通販業者との間のコミュニケーションを良くしていくと。そのために、例えばいつ届けますよという配達日時の確認、通知、あるいは、消費者の側から逆に配達日時を変更してくださいと、こういうものを容易にしていく、こういったことが一つあります。
 それから二つ目は、この再配達がいかに社会的な損失を生じているか、先ほど委員御指摘のとおりでありますが、これを国民の方にも理解いただいて御協力をいただいていく、こういう取組が大事であろうと。
 三つ目には、受取方法を、家で受け取ることにこだわらないで、コンビニとか鉄道駅とかを活用して、様々な方法で受取方法を多様化してその再配達を削減していこうということでございます。
 現に、この報告書以降、一部の通販業者は配達通知を行うだとか、コンビニで今まではこの宅配業者しか扱えなかったのを別の宅配業者も扱うようになったり、駅でも宅配ボックスができたりと、こういった動きが広がってきております。私ども、引き続き関係者と連携してこのような取組を進めてまいりたいと考えております。
○行田邦子君 過度な再配達につきましては、私はディスインセンティブといいますか、ペナルティーを科してもいいのではないかぐらいに思っているんですけれども、それはなかなか難しいとは思いますけれども、そういったことも含めてまた御検討していただきたいと思いますし、やはりこれだけ再配達でトラックドライバーの労働力が消費されているという実態を踏まえますと、やはり消費者の皆さん、私も含めてですけれども、にもこの状況を国交省としてもしっかりと理解をしてもらうことも必要だというふうに思っております。
 次に、トラック予約受付システムについて伺いたいと思っております。
 私の知り合いに、たまたまですけれども、トラック事業者大変多いんですけれども、彼らにこの法案の中身を見せますと、一番これは期待できると言ったのがトラック予約受付システムでした。しかしながら、この中身を見ますと、トラック予約受付システムを導入した場合の税制上の特例というのが設けられているんですけれども、この場合は、新規に整備される物流保管施設のみが対象となっています。
 私は、既存施設でトラック予約受付システムを導入する場合も税制上の特例の対象とすべきではないかなと思っております。そしてまた、更に申し上げますと、こういったトラック予約受付システムが導入して成功しますと、ドライバーの長時間労働は解消されるわけでありますけれども、ただ、そのときにメリットを享受できるのはドライバーであり、またトラック事業者であって、必ずしも物流保管施設の側ではないということですので、こうした物流保管施設の側へのアプローチのみでは私は限界があるのではないかというふうに思っております。
 そこで、この予約システムが本当に効果的に機能するのであれば、これはトラック輸送業界の統一規格基準として導入を後押しすべきと考えていますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(羽尾一郎君) お答えいたします。
 今回の予約受付システムの対象となります施設につきましては、保管、荷さばき、流通加工といった各機能を総合的に有する十分な荷さばきスペースを確保した効率化された倉庫を対象にし、そこにシステムの導入を図りまして、輸送網の集約とともに輸送フローの効率化を図ろうとしております。その意味で、様々な目的に適合する倉庫の整備を促進する必要が出てまいりますので、新増設された倉庫への税制特例という形にしております。実は、倉庫業界は施設が大変老朽化いたしております。そういう老朽化した倉庫が多い業界におきましては既存施設の建て替えを促すと、こういう効果もあると考えております。
 委員御指摘の二点目の方のトラック運送事業者への対応ということでございますが、このシステム導入によりまして、倉庫業者自身もトラックの到着時間に合わせました庫内作業を行うという効率的な作業ができるということでございます。したがって、倉庫業者自身にきちっとした対応を図っていくということにすべき性格のものだと考えております。加えまして、トラックの到着時間に合わせました庫内作業ができますから、こういったメリットを勘案しますと、倉庫業者に対してインセンティブを付与してシステムの普及をしていくことがまず大事ではないかと、このように考えてございます。
○行田邦子君 倉庫業者にもメリットはあるということでありますけれども、是非とも業界全体としてのこうしたシステムの導入ということを国交省としても促すことを今後検討していただきたいと思っております。
 それでは、一問飛ばしまして、大臣に伺いたいと思っております。
 やはり、物流の効率化ということにおきましては道路の整備といったことも必要だと思っております。昨年の十月三十一日に圏央道が私が住んでおります埼玉県内全線開通いたしました。まだ全部つながってはいないですけれども埼玉県内は全線開通して、東名、中央、それから関越、東北といった高速道路が首都高を利用しなくても移動できるようになったということであります。
 そこで、大臣に伺いたいと思いますけれども、物流の効率化、省力化において圏央道の果たす役割と効果についてお聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 圏央道は、都心から半径四十キロから六十キロ圏内にある環状道路といたしまして、首都圏の慢性的な渋滞の緩和による移動時間の短縮など、物流の効率化、省力化において大きな役割を果たす重要な路線であります。
 昨年十月の桶川北本インターチェンジから白岡菖蒲インターチェンジの開通によりまして湘南から東北道までつながりまして、例えば埼玉県白岡市から入間市までの所要時間が約三十分短縮されるなどの効果が現れております。周辺の一般道におきましても、開通区間に並行する県道の交通が圏央道に転換することによりまして渋滞発生時間が半減し、移動時間が短縮されるなどの効果も現れております。また、圏央道により都心部を通過せずに地方間を結ぶことが可能になることから、圏央道沿線における物流施設の立地が進んでおり、年間立地件数は二十年前と比較して二・六倍に増加をしております。
 引き続き、我が国の経済活動及び国民生活を支える物流についてその生産性が更に向上するよう、圏央道の早期全線開通に向けて着実に整備を進めてまいりたいと思っております。
○行田邦子君 私も圏央道を利用させていただいていますけど、大変に便利ではありますが、ただ、高いなということも同時に感じております。
 そこで、最後の質問なんですけれども、四月一日より新たな高速道路料金体系が導入されました。圏央道や外環の料金についての改正内容と期待される効果についてお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(森昌文君) お答えさせていただきます。
 首都圏の高速道路料金につきましては、本年四月一日から新しい料金制度を開始させていただいたところでございます。
 具体的には、委員御指摘のように、圏央道などの整備の進展に合わせまして、これまでばらばらでございました料金水準を統一していくということ、そして、これはできれば圏央道を利用していただくということを促すためではございますが、起終点が同じであれば圏央道を経由してもあるいは首都高を経由しても同じ料金にするというような、高速道路を賢く使っていただくような利用重視の料金体系に改めさせていただいたということでございます。
 これによりまして、環状道路でございます圏央道等々の利用の促進が進み、そしてまたそれによりまして首都高速の都心部の渋滞が緩和するなど、現在進めております三環状道路のネットワークの効果を更に高めてまいりたいということで、首都圏全体の交通流動の最適化を目指しているところでございます。
 若干、まだ施行後一月がたったばかりでございますので、まだ具体的なデータが、いろんな変動等もございますので、落ち着いたデータがまだ十分取り得ていないということもございますので、細かな数字で御紹介することはできませんが、できるだけ私どもとしても環状道路を利活用していただいて都心の渋滞を緩和できるような方向に持っていければというふうに思っております。できるだけ具体的な交通状況をこれから解析をさせていただきまして、できるだけ早くその効果を公表させていただければというふうに思う次第でございます。
 以上でございます。
○行田邦子君 終わります。ありがとうございます。
○委員長(金子洋一君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○辰巳孝太郎君 私は、日本共産党を代表して、流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律の一部を改正する法律案に反対する討論を行います。
 我が党は、二〇〇五年制定の物流総合効率化法について、中小企業の支援に限定されていた流通業務効率化促進法を廃止し大手物流業にも支援対象を拡大する大企業優遇策だとして反対をいたしました。
 実際に、この十年間で総合効率化計画認定に係る減税額は、大企業では四十二億七千百万円にも上ります。一方で、七〇%以上を占める小規模事業者に至っては僅か二億二千九十万円しか減税をされていません。
 改正案は、支援の対象となる流通業務総合効率化事業について、二以上の者が連携して行うことを前提に、多様な取組へと対象を拡大し効率化を図るとしています。しかし、トラック輸送の七〇%以上を占める小規模事業者は帰り荷の確保も独力では限界があり、元請や二次、三次下請利用運送事業者に頼らざるを得ないのが現状です。小規模事業者が主体的に二以上の者の連携を行うことは現実的に困難です。
 今行うべきは、重層下請構造を解消し、荷主や元請、大手企業による買いたたきなど、物流業界にはびこる不公正取引を是正することであります。
 また、改正案は、労働力不足に対応するとしていますが、労働者を確保し育成するようなものではありません。労働者がいなくても済むように効率化し省力化するものであります。これでは人員削減や長時間過密労働など労働条件の悪化を助長するケースも生じかねません。労働力不足の背景には、低賃金、長時間過密労働の劣悪な労働条件があります。そして、その大本には物流事業の規制緩和があります。この規制緩和政策を是正し、運送の担い手である労働者の安全、安心運行を保障する賃上げ、労働条件の改善こそ急務です。
 以上申し述べ、反対討論とします。
○委員長(金子洋一君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(金子洋一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金子洋一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十分散会