第190回国会 環境委員会 第2号
平成二十八年三月十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         磯崎 仁彦君
    理 事
                高野光二郎君
                滝沢  求君
                水野 賢一君
                市田 忠義君
    委 員
                尾辻 秀久君
                小坂 憲次君
                鴻池 祥肇君
                佐藤 信秋君
                林  芳正君
                松山 政司君
                森 まさこ君
                櫻井  充君
                直嶋 正行君
                浜野 喜史君
                杉  久武君
                山口 和之君
               渡辺美知太郎君
   国務大臣
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     丸川 珠代君
   副大臣
       環境副大臣    平口  洋君
       環境副大臣    井上 信治君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  鬼木  誠君
       環境大臣政務官  白石  徹君
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫻井 敏雄君
   政府参考人
       消費者庁審議官  吉井  巧君
       消費者庁審議官  福岡  徹君
       農林水産大臣官
       房審議官     川島 俊郎君
       農林水産大臣官
       房審議官     岩瀬 忠篤君
       農林水産大臣官
       房審議官     大角  亨君
       経済産業大臣官
       房審議官     中山 隆志君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    鎌形 浩史君
       環境省総合環境
       政策局長     三好 信俊君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       北島 智子君
       環境省地球環境
       局長       梶原 成元君
       環境省水・大気
       環境局長     高橋 康夫君
       環境省自然環境
       局長       奥主 喜美君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       次長       荻野  徹君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房緊急事
       態対策監     大村 哲臣君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       原子力規制部長  櫻田 道夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○環境及び公害問題に関する調査
 (環境行政等の基本施策に関する件)
 (公害等調整委員会の業務等に関する件)
 (原子力規制委員会の業務に関する件)
    ─────────────
○委員長(磯崎仁彦君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 環境及び公害問題に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、消費者庁審議官吉井巧君外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(磯崎仁彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(磯崎仁彦君) 環境及び公害問題に関する調査を議題とし、環境行政等の基本施策に関する件、公害等調整委員会の業務等に関する件及び原子力規制委員会の業務に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○滝沢求君 自由民主党の滝沢求でございます。会派を代表いたしまして、大臣所信に対する質疑を行います。
 明日、三月十一日で東日本大震災、五年が経過いたします。この節目のときに、これまでの復旧復興の取組について改めて振り返ってみますと、瓦れきの処理や除染などについては一定の進捗も見られておりますが、今なお避難生活を余儀なくされている方がおり、復興は道半ばであります。
 どうか、環境省の皆様方におかれましては、今まで以上に、除染そしてまた中間貯蔵施設の整備、そしてさらには指定廃棄物の処理などの諸課題について全力で取り組んでいただくことをお願いし、質問させていただきます。
 まず、大臣も所信で述べられておりましたが、改めて、復興の状況についての大臣の認識、そしてまた被災地の皆さんに向けた思い、そして決意を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(丸川珠代君) 明日、三月十一日で東日本大震災の発災から丸五年が経過をいたします。引き続き被災地の復興は私たちの最優先の課題と認識をし、取り組んでいかなければならないと考えております。
 まず、除染についてですが、国直轄除染はおよそ七割が完了するなど一定に進捗をしてきておりまして、平成二十八年度末の除染の完了の目標、これを目指して、更に加速化されるように適切に実施をしてまいります。
 また、福島県内の除染土壌等の中間貯蔵施設については、先日公表いたしました平成二十八年度を中心とした中間貯蔵施設事業の方針に基づきまして、引き続き地権者の皆様への丁寧な説明を尽くすとともに、用地の取得状況に応じて段階的に施設の整備を進めてまいります。
 また、指定廃棄物については、福島県では、御地元に容認をいただいた既存の管理型処分場を活用した埋立処分事業を安全、安心の確保に万全を期しつつ進めていく必要があります。また、福島県外については、長期にわたる管理を確実なものとするため、地元の御理解が得られるよう、引き続き誠意を尽くしつつ、丁寧な説明に努めてまいります。
 原発事故による放射線に係る住民の健康管理については、甲状腺検査等の福島県の県民健康調査への支援、疾病の発生動向の把握、地域ニーズに合ったリスクコミュニケーション事業の推進等の取組を進めているところです。
 平成二十八年度からの復興・創生期間においても、引き続き福島県を始めとする被災地の皆様の思いに寄り添いながら、環境省として誠心誠意取り組んでまいります。
○滝沢求君 ただいま、大臣の決意、被災地の皆様方に寄り添いながら誠心誠意取り組むということでございます。是非とも、全力を挙げてよろしくお願いいたしたいと思います。
 次に、東日本大震災の経験をばねとした今後の取組についてお伺いをいたしたいと思います。
 東日本大震災の教訓として、災害廃棄物の迅速な処理体制の確保が重要であります。特に、今後予想されます南海トラフ地震では最大約三億トン、首都直下地震では最大約一億トンと、東日本大震災をはるかに上回る量の災害廃棄物が発生することが懸念されております。いざというときの被害を最小限にとどめ、復旧復興への速やかな道筋を付けるためにも、災害廃棄物の処理体制についてオールジャパンで備えていかなければならないと、私はそう考えているところであります。
 こうした経緯から、昨年の通常国会において廃棄物処理法と災害対策基本法の改正法が成立いたしました。改正法を踏まえた対策を今後しっかりと進めていくための取組と現状の方向性についてお伺いをいたしたいと思います。
○政府参考人(鎌形浩史君) 災害廃棄物対策についてのお尋ねでございます。
 議員御指摘のとおり、東日本大震災の教訓を踏まえまして、災害廃棄物の処理体制を更に充実させていく必要があると考えてございます。
 御指摘の廃棄物処理法及び災害対策基本法の改正法でございますが、昨年八月に施行をされました。環境省では、これを受けまして災害廃棄物対策の強化充実に向けて取り組んできております。具体的には、まず有識者や関係団体から構成される災害廃棄物処理支援ネットワーク、D・Waste―Netの発足をいたしました。次に、大規模災害発生時における災害廃棄物対策行動指針を策定いたしました。また、廃棄物処理法に基づく基本方針を変更いたしまして、災害廃棄物対策に係る項目を追加いたしました。さらに、災害対策基本法に基づく防災基本計画における廃棄物対策の充実なども行ってまいりました。
 以上のような取組を進めてきたわけでございますが、昨年九月には関東・東北豪雨災害が発生いたしました。この際も、まず地方環境事務所に災害対策本部を速やかに設置いたしまして、特に被害の大きい自治体に対しまして職員を常駐させる、あるいはD・Waste―Netを活用した専門家の派遣を行うという取組を行いました。また、改正されました廃棄物処理法に基づく特例措置を初めてこれに適用いたしまして、産業廃棄物処理施設活用の手続を簡素化するなどの支援を行ってきたところでございます。
 さらに、現在環境省では、地方環境事務所が中心となって全国八つの地域ブロック協議会を設置いたしまして、広域連携を促進するための大規模災害に備えた行動計画の策定や地方自治体における災害廃棄物対策の充実強化のための技術的な支援などを行っているところであります。
 今後とも、環境省といたしましては、本省と地方環境事務所の体制強化とともに、関係機関とも連携しながらこれらの取組や活動を更に進めていくということにより、オールジャパンでの災害廃棄物対策の充実を図ってまいりたいと考えております。
○滝沢求君 ありがとうございます。
 私たちはやはり悲惨な震災を乗り越え、まさに未来に向かって復興を成し遂げていかなければなりません。
 その一環として、青森から福島までの沿岸部に整備されるみちのく潮風トレイルは、東日本大震災からの復興のシンボルであると同時に、東北の豊かな自然を体験できる重要な私は観光資源になり得るものだと考えております。とりわけ、二〇二〇年には東京オリンピック・パラリンピックを控えまして、我が国を訪れる海外からの観光客は今後ますます増加することが予測されているわけであります。こうした海外旅行を始めとする国内外の観光客に対して、東北の魅力を、そして魅力あふれる豊かな自然をしっかりとアピールし、トレイルの利用者を呼び込むことが地域のにぎわいにつながっていくきっかけにはなると、そして復興の後押しにもつながると、私はそう考えております。
 そこで伺いますが、環境省として、みちのく潮風トレイルの利用者を増やすためにどのような取組を進めていくのか伺います。
○政府参考人(奥主喜美君) お答えいたします。
 みちのく潮風トレイルは、被災地を南北につなぎ、交流を深める道として、青森県八戸市から福島県相馬市を結ぶ総延長約七百キロメートルの長距離自然歩道です。これまでに約三百七十キロメートルが開通し、今後、早期の全線開通を目指しています。
 トレイルの利用を促進するための取組といたしましては、トレイルマップの配布、踏破認定制度の導入、メディアを通じたPR、イベントやホームページによる情報発信などを実施しています。今後、情報発信拠点となるトレイルセンターや多言語に対応した標識の整備、ホームページの全面リニューアル、英語マップの作成などを行い、地域と連携しながら国内外の利用者の増加を目指してまいります。
○滝沢求君 ありがとうございます。
 次に、地球温暖化問題を取り上げたいと思います。
 今年の冬は、暖冬だったかと思えば、年明けには記録的な寒波が全国的に到来し、国民生活にも大きな影響を与えました。私の地元青森でも昔に比べて非常に気温が上がってきており、カエデの紅葉が遅くなり、そしてまた台風の上陸する回数が増えたりと、県民生活にも影響が出ているのであります。こうした現象全てが地球温暖化によるものとは言えませんが、今後、地球温暖化が進行すれば、地球全体ではなく地域の気候も変化し、私たちの経済、暮らしに様々な影響が出てくるものと懸念されているのであります。
 そこで伺いますが、こうした地球温暖化による影響については政府全体でしっかりと対応するとともに、幅広く広報を行っていくことで事業者や国民一人一人の意識啓発と地球温暖化防止活動につなげていく努力が必要であると、そう考えますが、政府の見解を伺います。
○副大臣(平口洋君) お答えをいたします。
 二〇三〇年度二六%の削減の達成に向けまして、特に家庭・業務部門においては四割という大幅削減が必要でございます。そのためには、規制、税制、補助金といった施策に加え、国民一人一人の意識変革やライフスタイルの転換を図るための普及啓発を抜本的に強化する必要があります。
 このため、地球温暖化が既に我が国の社会に影響を及ぼしており、このまま手をこまねいていると世界全体で危機的状況になることについて分かりやすい形で国民に発信することにより、危機意識の浸透を図り、国民一人一人の意識と行動への機運を醸成してまいります。さらに、クールチョイスを旗印に政府が一丸となって経済界や自治体等とも連携し、低炭素型の製品、サービス、ライフスタイルの選択を促す普及啓発を展開してまいります。
○滝沢求君 ありがとうございます。
 昨年の末のCOP21、これにおいてパリ協定が合意されました。これは歴史上初めて気候変動について全ての国が参加する公平な国際枠組みとして合意されたものであり、私は高く評価したいと思うのであります。
 今後は各国において批准の手続が進められることとなりますが、パリ協定の着実な実施に向けて今後はその詳細ルールを設計するための交渉段階に移ってまいります。我が国としてそうした国際交渉を積極的にリードすべきであり、あらゆる機会を活用して各国に働きかけを行うことが必要だと思うのであります。
 折しも、今年は日本がG7の議長国であり、五月にはG7富山環境大臣会合も控えております。こうした機会を捉えて最大限生かしながら、気候変動を中心とする環境問題について今後の国際連携をどのように進めていくのか、お伺いいたします。
○国務大臣(丸川珠代君) パリ協定という歴史的な合意を見るに至った、先進国、途上国の分け隔てなく、皆が地球全体で気候変動に取り組もうというこの機運を、しっかりとこれからもお互いに励まし合いながらあるいは連携しながら持ち続けていくことは非常に重要なことだと認識をしております。我が国としても、パリ協定の署名及び締結に向けて必要な準備を進めながら、パリ協定の実施に向けて、今、委員御指摘の国際的な詳細ルールの構築に向けては、我が国も積極的に貢献をしてまいります。
 また、今年のG7は我が国が議長国でございまして、五月十五日と十六日に富山県富山市においてG7富山環境大臣会合を開催いたします。また、四月末には静岡県静岡市において日中韓三か国環境大臣会合を開催するほか、OECD環境大臣会合や関係各国との二国間の環境政策対話も予定をされています。こうした機会を活用し、また私自らも積極的に各国の大臣等に対話をしながら、気候変動のみならず、環境分野における国際連携をしっかりと推進してまいります。
○滝沢求君 ありがとうございます。
 この温暖化問題についてもう一点質問させていただきます。木材バイオマスの利活用の推進についてであります。
 国際社会をリードする上で、我が国自身も着実に対策を実施していくことが求められております。二六%削減約束の達成はもとより、パリ協定に盛り込められた今世紀後半に温室効果ガスの排出と吸収のバランスの達成に向けて、中長期的な観点からあらゆる対策を総動員していかなければなりません。
 その中でも、我が国の特徴を考えた場合に、国土の三分の二を占める豊かな森林資源を最大限生かすことが必要であると私は考えるのであります。私の地元である青森県でも、世界自然遺産である白神山地のブナの原生林を有するだけではなくて、杉やヒバ、アカマツなどの多様な樹種が分布し、おかげさまで今全国九位の森林面積を誇っております。持続可能な経営により健全に管理された森林は、二酸化炭素の吸収源として大きな役割を果たします。木材バイオマスの利活用拡大は、海外から輸入される化石燃料への依存度を減らし、二酸化炭素の排出抑制だけではなくて、エネルギーの安全保障にもつながっていくのであります。
 そこで伺いますが、地域経済の活性化という観点からも、豊かな森林資源にしっかりと目を向けて木材バイオマスの利活用を最大限推進していくことが重要であると考えますが、今後の取組、そしてまた方向性をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(梶原成元君) お答え申し上げます。
 今、委員がおっしゃられるように、我が国の豊かな森林資源を木材あるいはエネルギーとして活用していくということは、化石燃料代替によるCO2の削減、そして森林整備の促進等による吸収量の増大につながるということで、地球温暖化対策として重要だというふうに認識をしております。さらには、こういった森林バイオマスの利用を通じてエネルギーの地産地消を実現するということは、温室効果ガスの削減と地域経済の好循環、そして災害時のレジリエンスの強化といったような観点から地方創生にもつなげることができるものと考えております。
 環境省におきましては、先導的な技術を活用しつつ、原木の加工、チップ等の燃料の運搬、そして発電、熱利用等を地域で一体的に行う実証事業を実施する、そしてまたバイオマスを含む再生可能エネルギーの電気そして熱について地方公共団体等が進める費用対効果の高い設備導入事業に対する支援、植物由来の次世代素材でありますセルロースナノファイバーの用途開発等の推進に努めておるところでございます。
 このような取組を通じまして、低炭素社会の実現等に向け森林資源の利活用を促進してまいりたいと、かように考えておるところでございます。
○滝沢求君 ありがとうございます。
 ここで今度は、次に原子力規制委員会の方に伺いたいと思います。
 東日本大震災の教訓を踏まえ、原子力の規制等を一元的に担う組織として二〇一二年九月に原子力規制委員会が発足いたしました。この高い独立性を有する原子力規制委員会が科学的、技術的に審査し、世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認められた原発のみ、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら再稼働を進める、これが安倍内閣の方針であります。
 私の地元青森県でも、日本原燃株式会社、再処理施設等が立地しております。私としても、こうした原子力施設がしっかりと安全を確保することが何よりも重要であると考えております。その安全確保のため、原子力規制委員会はしっかりとした審査の実施を求めたいと思います。
 そこで、原子力規制委員会が行っている新規制基準への適合性審査について今の現状、改めて現状を説明願いたいと思います。
○政府参考人(櫻田道夫君) 新規制基準適合性審査の現状についてのお尋ねをいただきました。
 まず、原子力発電所の状況について御説明いたします。
 これまでに十一の事業者から十六の発電所、二十六のプラントについて申請を受けて審査を進めてきているところでございます。そのうち、九州電力の川内発電所一号機、二号機、関西電力の高浜発電所三号機、四号機、それから四国電力の伊方発電所三号機、この五つのプラントにつきましては、安全確保の基本方針が基準に適合しているということを確認し、設置変更許可を行ったところでございます。
 次に、再処理施設を含む核燃料施設等につきましても、二十の施設について申請を受けて、現在審査を行っているところでございます。
 お尋ねにもございました日本原燃株式会社の再処理施設につきましては、平成二十六年一月に事業変更許可申請をいただきまして、これまで審査会合を五十三回実施してきております。現在のところ、審査において最も大きな割合を占めると考えられます重大事故等対策について、その有効性評価等についての審査を行っているところでございます。
 このような審査の進捗の状況につきましては時間が掛かり過ぎているという御批判もございますけれども、新規制基準は、重大事故対策を新たに要求するなど非常に幅広く高いレベルの安全性を要求してございますので、そういった観点の審査をしております。そうしますと、申請者側においても、審査の指摘を受けて、追加の地質調査を行ったり設備や機器の実証試験を行ったりプラントの挙動や構造強度解析を行ったり、また、こういった申請の内容を整理し直して補正書を作ると、こういった準備に時間を要するという側面もございます。
 原子力規制庁といたしましては、審査全体を効率的に進めるということをするために、適合性審査の審査書を作成するに当たりましては、主な論点等を併せてまとめるといったことを行ったり、審査で確認すべき事項を改めて整理して公表するといったようなことでありますとか、あるいは審査をより効率的に進めるための集中審査などの工夫を進めてきているところでございます。
 引き続き、厳正にかつ迅速に審査を進めてまいりたいと考えてございます。
○滝沢求君 次に、原子力規制委員会の人材確保について伺いたいと思います。
 原子力規制委員会では、約九百七十人の定員に対し九百十人ほどしか人は集まっておらず、慢性的な人材不足で審査の遅れの原因になっているとの指摘も耳にしております。
 そこで伺いたいのですが、人材確保に向けた規制委員会の取組や現状、そして今後の対応策を伺いたいと思います。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 専門性を有する人材の不足は原子力規制委員会にとって大変大きな課題だと認識しております。
 これまで累次にわたり実務経験者の中途採用を行っておりますが、私どもが求める人材は誰でもよいというわけにはいかないため、必ずしも十分な人材確保が進んでいないというのが実情でございます。引き続き努力を行うことが必要だというふうに認識しております。
 具体的な取組としては、これまでに、原子力規制委員会の専門性を向上するため、独立行政法人であった原子力安全基盤機構を統合するとともに、原子力発電所の審査、検査等に係る組織の強化を図っております。また、委員会発足時から現在までに、新卒の職員六十名、実務経験者百三十名を採用するなど人材確保に注力をしております。現在も中途採用を継続して実施しておるところでありまして、本日時点では定員九百六十八名に対して実員が九百二十四名になっております。更にこの年度末にかけて職員を募集し、充実していくこととしております。
 科学的、技術的観点から原子力規制を厳格に行うため、質の高い職員の確保が極めて重要であります。意欲と能力のある人材の確保、育成に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 なお、先日の予算委員会でも申し上げましたけれども、一般的に、原子力規制人材だけではなくて、原子力の様々な課題に対応できる優れた人材が日本全体として非常に払底している状況であります。こういうことについては、少し長期的な観点から、政府全体として、先生の御尽力も是非いただきたいと思いますが、人材の底上げというか、幅広い人材の育成にも是非取り組んでいただけるようお願いしたいと思います。そうすれば私どもに来ていただける人材も確保できるものというふうに考えておりますので、よろしくお願いします。
○滝沢求君 今、田中委員長から、人材育成、人材確保のお話ございました。
 田中委員長は八日の委員会でこのように述べられておりました。我が国の原子力規制に対する信頼の回復はいまだ道半ばでありますと。まさに、今答弁も聞いていまして、そのとおりだと思うんです。だからこそ、真の安全文化をしっかりと構築しなければなりません。そのために、先ほどの人材育成も含めて、しっかりとした体制で全力で取り組んでいただきたいと、そのことを要望しておきたいと思います。
 次に、先日、原子力規制委員会に対して国際原子力機関によるレビューが行われましたが、その結果、職員の力量向上に取り組むべきという指摘があったと、そう伺っております。その結果を踏まえ、職員の力量と意識向上に向けてどのように取り組んでいくのか伺います。
○政府参考人(荻野徹君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、IAEAによるレビューが行われました。これは、総合規制評価サービス、IRRSと呼ばれるものでございまして、原子力規制に関する法制度や組織を含む幅広い課題について総合的に評価が行われるものでございまして、日本につきましては、本年の一月の十一日から二十二日にかけてミッションが来日をしたところでございます。
 このIRRSの最終報告は本年四月頃に提示される予定ということでまだ受け取っておりませんけれども、ミッションチームがミッションを終了するときに行いました記者会見等におきまして、日本の原子力及び放射線の安全に係る規制機関が、二〇一二年の設置以来、独立性及び透明性を体現しつつ規制活動に取り組んできたと言及する一方で、原子力施設が再稼働していく中で、規制機関の技術的能力を更に強化する必要があるとの指摘がなされたところでございます。
 より具体的には、ミッションチームと我々とのやり取り、議論の中で、有能で経験豊富な職員の獲得や、教育訓練、研究、国際協力を通じた原子力及び放射線安全に関する職員の力量向上に取り組むべきであるという見解が先方から示されたところでありまして、そういった内容の最終報告をいただくことになろうかと思いますが、規制委員会といたしましては、そういった最終報告の提示を待たずに、できるところから問題解決に向けた取組を開始しているところでございます。
 こういった事柄につきましては、何といいますか、伝統的なといいますか、旧来の経験則や徒弟制的な育成策のみに依存するのではなくて、職員に必要な力量を明確化する、リストアップする、それぞれの力量項目を研修などの能力向上策に結び付けるといった形で力量向上を図る取組が必要でございます。
 既に、規制委員会といたしましても、一昨年六月には原子力規制委員会職員の人材育成の基本方針といったものを定めまして、体系的に職員の力量を管理し、その向上を図る仕組みの構築に着手をしております。
 また、職員が能力向上への意識を高めるということに資するといった観点から、将来の姿の指針となるモデルキャリアパスといったものを複数提示するとか、研修受講とか自己研さんに対する表彰制度といったものを運用するなどの取組も始めているところでございます。
 今後、IAEAから提示される最終報告書の指摘を踏まえつつ、また、諸外国の取組なども参考としながら、ただいま申し上げましたような施策などの一層の充実、本格化に努めることにより、職員の力量と意識向上に一層の努力をしてまいりたいと考えております。
○滝沢求君 指摘を受けたわけでございますから、どうぞ力量の向上、そして意識の向上にもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 そして、もう一点伺いたいんですが、国内の教育機関で近畿大学、京都大学が保有する実験研究用の原子炉については規制委員会の審査が続いており、停止したままとなっております。人材育成を進めるためにも、大学の原子炉についての審査を早急に進めるべきではないかと考えますが、見解を伺います。
○政府参考人(大村哲臣君) 試験研究用原子炉の審査状況についてお答え申し上げます。
 大学が保有する試験研究用原子炉につきましては、京都大学の研究用原子炉及び臨界実験装置並びに近畿大学の原子炉に関しまして新規制基準への適合性審査の申請がなされているという状況でございます。
 平成二十五年十二月に施行されました試験研究用原子炉施設に対する新規制基準では、試験炉の構造等が多種多様であること、それから異常時の影響も様々であることなどから、型式や出力レベルに応じた措置を求めているということで、現在厳正に審査を行っているというところでございます。
 これら施設の審査に当たりましては、審査を円滑に進めるため、審査会合や審査のためのヒアリングのほか、基準の解釈等につきまして事業者の質問に回答する行政相談の場を設ける、それから規制委員会委員や規制庁の管理職職員が現場に赴きまして現場確認を行うということで丁寧に指導を行っているという状況でございます。
 今後の審査の見通しにつきましては、審査に対する大学側の対応状況等によるところが非常に大きいということで、一概に確定的に申し上げることというのは難しいわけでございますが、現在、原子炉設置の変更許可に係る審査につきまして、それぞれの原子炉について確認すべき事項を一部のみ残すというところまで進捗をしているということでございます。今後、それぞれの原子炉につきまして、これまでの指摘を踏まえて事業者の方で申請書の補正を行うという見込みでございますが、原子力規制庁としましては、補正が提出されれば速やかに内容の確認を行うこととしたいと考えてございます。
 原子力規制庁としましては、今後とも大学と意思疎通を図りながら、厳正かつ着実に審査を進めてまいりたいと考えてございます。
○滝沢求君 最後に、自然環境保全という観点から、我が国が向かうべき持続可能な社会の在り方について質問したいと思います。
 我が国は、今後本格的な人口減少、超高齢化社会を迎えることと予測されております。その中で、現状のような人口流出が進めば、地方を中心に多くの自治体が存続できなくなるおそれがあるとの民間団体によるレポートも出されているところであります。
 しかし、私たちの経済活動や暮らしは、豊かな良好な自然環境によって支えられているということを私たちは忘れてはいけないのであります。大臣が所信で述べられた、森、里、川、海、これらは全てつながっているものであり、里地、里山、里海などの地方における自然環境が健全に維持されているからこそ都市部における活力ある経済の活動、暮らしが成り立っているのであります。
 したがって、地方の過疎化や衰退を他人事として捉えるのではなく、国民全体として捉えて、地域の豊かな自然環境を維持していくための取組やその担い手、コミュニティーといったものを国民全体としてしっかりと支えていくことが持続可能な社会を実現する上で私は必要ではないかと、そう考えているのですが、政府の見解を伺います。
○国務大臣(丸川珠代君) 委員御指摘のとおり、私たちの経済活動や暮らしは、森、里、川、海からの恵みに支えられています。これらの恵みを将来にわたって享受をしていくために、国民がその価値を認識し、社会経済の仕組みの中に組み込むことにより、国民全体で支えていくことが重要であると考えています。
 このような考え方を実現するため、環境省では、一昨年から「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクトを実施しています。本年度は全国およそ五十か所でリレーフォーラムを開催し、地域における森、里、川、海の保全に向けた取組について今後進めるべき方向性として、各地域における取組の相互の連携、取組を担う人材の育成、経済的に持続可能な仕組みづくりの重要性を指摘する意見が出されました。
 環境省としては、フォーラムでの御意見等を踏まえ、地方と都市が一体となり、森、里、川、海の恵みを将来世代に引き継げる持続可能な社会を実現できるよう取り組んでまいります。
○滝沢求君 大臣、答弁ありがとうございます。
 先ほど私も冒頭申し上げましたように、被災地の復興は道半ばであります。福島の復興なくして、東北の復興なくして日本の再生はありません。どうか、大臣先頭に環境省、皆様方一丸となって、誠心誠意、全力で取り組んでいただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございます。
○水野賢一君 民主党・新緑風会の水野賢一でございます。
 五年前の福島第一原発事故で発生した指定廃棄物の問題から伺いたいと思うんですが、事故の後に各地で放射能汚染の廃棄物というのが出てきた。稲わらだったり、若しくは焼却灰だったり下水道汚泥だったりするわけですけれども、そのうち八千ベクレルを超えるものについては指定廃棄物として国が処分するという方針で来たわけですよね。
 とりわけそういうようなものが多く発生した宮城県とか栃木県とか茨城県とか千葉県とか五県においては、国がちゃんと処分場も新たに造りましょうと、まあ処分場という言い方、国の言い方で言えば長期管理施設を造りましょうというような方針で進んできたわけですけれども。しかし、これ年月がたってもなかなか進まないから、進まないと、放射能というのは自然減衰するわけですよね、半減期が来れば半分になるわけですから。そのときに、そうすると、当初は八千ベクレルを超えていたんだけれども、だんだんだんだん八千ベクレルを割り込んだというものも出てきて、指定廃棄物という八千ベクレルの基準よりも下回ったものも出てきているわけですけれども。
 そういう中で、報じられているところによると、大臣にお伺いしたいんですが、茨城県では長期管理施設を造るという方針は、これは、国としてはこの方針は茨城に関しては取り下げたという、そういう理解でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(丸川珠代君) 茨城県では、熱心な御議論をいただいた結果、八千ベクレル以下、キログラム当たりですね、については、長期間を要さない指定廃棄物については、現地での保管を継続して、減衰後に段階的に処理するということにいたしました。
 それでもなお、八千ベクレル・パー・キログラム以下となるのに長期間を要する比較的濃度の高いものが、ごく僅かですが、残ります。これらについては、災害リスクの観点から、やはり県内一か所に集約して安全に管理することが望ましいと考えております。しかし、その量は僅かでありますので、他県と同程度の規模の施設を建設する必要性は薄くなったと考えておりまして、今後具体的にこれらを安全に管理する手法について検討をしてまいります。
○水野賢一君 要は、僅かだけれども残るけど、それはそれでしっかり管理しなきゃいけないけれども、そのために特別な施設を造るというほどの必要性はなくなってきたんじゃないかというような御認識なんじゃないかというふうに思いますけど。
 じゃ、茨城はそうで、他の四県についてはその辺は、方針は何か、長期管理施設を造るという方針だったわけですね、従来。これは何か変更は他の四県についてはあるわけでしょうか。
○国務大臣(丸川珠代君) ほかの四県につきましては、茨城県と比べますと、比較的濃度が高く、また八千ベクレル・パー・キログラム以下となるのに長期間を要するものが多くあります。このため、災害リスクの観点からは、堅固な長期管理施設を新たに整備する必要性が高いと考えております。
 特に、宮城県、栃木県、千葉県においては、市町村長会議での議論を経て、長期管理施設を整備するという方針を決定をしております。その詳細調査候補地を既に選定させていただいておりますので、これらの地元の御理解を得るべくこれからも引き続き努力をしてまいります。
○水野賢一君 お伺いしたいのは、今まで八千ベクレルを超えたものについては環境大臣が指定をして、だから指定廃棄物というふうに言われていたわけですけれども、これは、自然減衰をして八千を割り込んだというようなものがだんだんだんだん増えてくるわけですよね。これは幸か不幸か時間がたってなかなか長期管理施設の建設も進まないから自然にそうなっていっちゃったわけですけれども。そうすると、八千を割り込んだものは、今はもう指定をしたわけですけど、指定を解除するという形になるのかどうか、ちょっとその辺を教えていただければというふうに思います。
○国務大臣(丸川珠代君) 指定の解除のルールにつきましても協議をさせていただいた結果、まず、地元の自治体あるいは一時保管者の方たちと協議をした上で、その合意が得られたことが前提に解除をするというルールを作らせていただく方向で今協議をさせていただいております。
 なお、解除をいたしますと、焼却灰であれば、これは廃棄物処理法が適用されて、一般廃棄物として扱われることになります。上水道、下水道の汚泥につきましては、これは産業廃棄物ということになります。
○水野賢一君 今のお話だと、解除する仕組みをつくっていきたいと。ただ、一方的に解除するんじゃなくて、ちゃんと地元と協議した上で、解除するときにはそうしますよというお話だと思うんですが。
 これ、事務方で結構なんですが、指定解除というのは最初は余り想定していなかったわけですよね。だけど、こうやって自然減衰していくものがどんどんどんどん出てくるから、そういう指定解除の仕組みをつくるという話なんでしょうけど。これ指定解除するには、指定することは法律が、根拠法があるわけですけど、解除については何か法改正が必要になったりとか、若しくは政省令レベルか何かで、解除の仕組みつくるには、何かそういう法改正や政省令の改正が必要になるわけですか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 放射性物質汚染対処特別措置法では、その十七条におきまして廃棄物の指定という条文がございます。その指定の解除については法律上の明定はございませんけれども、一定のレベルで指定をするという規定がある以上、一定の手続を明らかにすれば解除ということは可能と考えてございまして、その手続につきましては省令で明確にするということを考えております。
○水野賢一君 先ほど大臣もおっしゃられていましたように、指定が解除されると指定廃棄物からただの廃棄物になるわけですよね。ただの廃棄物といっても、廃棄物には一般廃棄物と産業廃棄物があるわけですから、大臣のお話でも、一般廃棄物になるものもあれば産業廃棄物になるものもあるということだと思いまして、焼却灰なんかの場合は市町村が普通やるわけだから、一般廃棄物になるということですよね。
 そうすると、指定廃棄物だったときは国が処分に責任を負うわけだけれども、指定が解除されれば、一般廃棄物になれば、これは市町村の責任なわけですから、これ八千を割り込んで、じゃ六千ベクレルになったとかというものは、焼却灰とかの場合はですよ、その市町村が処分場とかどこに捨てるかということは全責任を持ってやっていくと、そういう理解でよろしいですか、一般廃棄物として。
○国務大臣(丸川珠代君) 一般廃棄物、つまり指定解除後のことについてでございますが、指定解除後についても、処理の安全性に関する地元住民への説明等の技術的支援を行うほか、指定解除後の処理費用の財政支援についてもこれを国が行いまして、最大限対応を図ってまいる方針でございます。
○水野賢一君 というと、本来は、普通であれば一般廃棄物というのは市町村が予算も含めてやるわけだけれども、これはそういう経緯があるから、一般廃棄物にはなるけれども、財政面でも国としてちゃんと関与して責任は持っていきたいということだと思いますけれども、それは、何か法律上に根拠があるわけじゃなくて、予算措置か何かとして対応するということでしょうか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 予算措置で対応してまいる方針でございます。
○水野賢一君 解除後の、元指定廃棄物と言うべきなんですかね、それの行き先なんですけれども、これは指定廃棄物だったら各県で一か所に集中的に行くというはずだったわけですよね、本来は。だけど、一般廃棄物になると、これは市町村ごとに、例えば何々市の焼却灰はその市の処分場、こっちの市のものはという感じでばらばらに行く形にもなるというふうに、埋められるところとかはですね、なると思うんですけれども、この行き先とかというのは、そういう意味では、どこに行ったかというのは分かりにくくなるという面はあると思うんですけれども、これはフォローはできる、指定解除後もフォローはできるというふうに理解してよろしいですか。
○国務大臣(丸川珠代君) 指定が解除された後は廃棄物処理法が適用されますので、例えば産業廃棄物として市町村の区域を越えていく場合には、排出事業者としての、例えば汚泥ですと自治体になりますが、最終的には。広域的に処理される場合でもマニフェストを使ってフォローをしていくことができるということになります。
 また、一般廃棄物に該当する場合には市町村が処理責任を負うことになりますが、これは当該市町村が最終的にどう処分されたかというところまでフォローする責任を有することになります。
○水野賢一君 さて、先ほどのお話では、茨城県に関しては、八千を超えるものはごく僅かだから新たな施設は造らなくてもいいんじゃないかという考え方を大体示唆されて、あとの四県は、自然減衰によって八千ベクレルを超えるものは減りはするけれども、減るといってもかなりはあるわけだから、だから長期管理施設は造っていきたいというお話でしたよね。
 ちょっと確認したいんですが、今まで各県で長期管理施設のどういうものを造りたいという提案はされてこられたわけですよね。
 例えば、私、千葉県ですけれども、千葉県だと三千何トン指定廃棄物が出ているからそれに見合うものを造るという提案をしたわけですよね。千葉市に造るという提案を環境省はしたんですけれども。これも、茨城のようにゼロに近づくわけではないにしても、でも自然減衰して減ることは減るわけですよね。減ることは減るわけだから、三千トンのものが、ゼロには近づかないかもしれないけれども、例えば、例えばですよ、千トンにまで減ったというときには、そうすると、長期管理施設の規模というのも、今提示しているのは三千トンのものが入るということを提示していらっしゃるわけだから、これの提示も変わってくるわけですか、長期管理施設の規模とかに関しては。
○国務大臣(丸川珠代君) 詳細調査候補地の再選定を行うことは考えておりません。
 理由の一つといたしましては、まずこの選定手法については、各県において全ての市町村長及び県知事が参加する市町村長会議での議論を経て確定したものであり、これを尊重すべきものと考えております。仮に量が修正されるたびに選定作業をやり直すということになりますと、いつまでも設置場所を選定することができず、早期処理を図るという喫緊の課題を解決することができません。ですので、選定に際しては、選定手法が確定した時点における指定廃棄物の保管量を用いて選定作業を行うこととしております。
 もう一つの理由として、この必要面積については、指定廃棄物を搬入して管理する処理区画のほかに、管理棟、構内道路、また防災調整池なども含まれております。ですので、必要な面積に対する指定廃棄物の保管量の寄与度は必ずしも高くありません。ですので、実際に長期管理施設を建設する段階においては、改めてその時点の指定廃棄物の保管量に応じた精緻な設計をいたしますけれども、少なくとも、この選定ということについて詳細調査の候補地の再選定は行う予定はございません。
○水野賢一君 今おっしゃられたのは、場所についてはもう一回提示したところを変えるつもりはないという、そういうお話なんでしょうけれども、じゃ、その長期管理施設という、埋立候補地ですよね、その何トン埋められるかという、容量そのものはこれは小さくなる可能性というのはあるわけですか。つまり、三千トンに見合うものを今まで埋めますよと言っていたときよりは、千トン分のものに小さくするという、これはあり得るわけですか。
 もちろん、だからといって候補地の選び方とかは変えないということなんでしょうけど、この容量についてはどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(丸川珠代君) 御指摘のとおり、その時点の指定廃棄物の保管量に応じた施設を設計してまいりたいと思っておりますので、その間にどのように指定の解除が進むか、あるいはほかの形での処理が進むか等にも依存しようかと思います。
○水野賢一君 要は、この問題というのはなかなかデリケートな話で、今まで環境省が説明していたのは、これはどうしても、はっきり言って迷惑施設なわけですから、他県のものまで来るんじゃないかとかというそういう危惧、懸念というのは常にあるわけですよね。
 だから、そのときに環境省はどう言っていたかというと、三千トンある県に対しては、いや、三千トン分のものしか造らないんですと言っていたわけですよね。一万トン分を造ると、一万トン入るものを造れば、あと、造ったら、その県の三千トン以外に七千トン分余剰分があるんだから他県のものを受け入れられるじゃないという話になるから、だから言わばサイズとしてはぎりぎりのものを造ると言っていたわけだけど、ところが、三千トンが減衰して指定廃棄物が千トンになれば、同じ規模を造ると、二千トン余剰があるんだから持ってくればいいじゃないという話にもなりかねないから、ちょっとデリケートな話なんで伺ったということですが。
 ちょっと話飛ぶんですが、数年前にJESCO法を改正して、中間貯蔵に関して、福島に取りあえず中間貯蔵をするけれども、三十年以内に、最終処分を福島県外で完了するというような方針を打ち出したのがありますよね。あれはだから、こっちの中間貯蔵される物質については、福島県のものは、福島県で発生したけれども福島県以外に最後は持っていくという、そういうふうに法律上なっているという理解でいいのか、これは事務方でも結構ですけれども、確認だけしたいと思います。
○政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘のJESCO法を改正しての規定でございますけれども、中間貯蔵施設に貯蔵する除去土壌については、中間貯蔵開始後三十年以内に、福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を講ずるという規定がされてございますので、そのような対応になろうかと思います。
○水野賢一君 そうすると、この指定廃棄物の話とちょっと相矛盾するような気がしないでもないんですけれども。
 指定廃棄物の場合は発生県で必ず処理しろということになっているわけですよね。つまり、福島県のものは福島県で、茨城県のものは茨城県で、千葉県のものは焼却灰とか多いんだけれども千葉県で、栃木県とかは稲わらとかが多いけれども、それは栃木県でと。で、県内一か所に造れといっているわけですよね。
 一方で、このJESCO法の規定というのは、福島県内では中間貯蔵はするかもしれないけれども、最後は県外に必ず持っていくということを法律に明記しているんですけれども、何か相矛盾するような気がしないでもないですけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(丸川珠代君) 福島県で発生した除去土壌等については、濃度の高いものを含めてその量が膨大であり、直ちに最終処分の方法を明らかにし難いということ。それから、福島第一原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染が最も深刻な福島においては、既に住民が過重な負担を負っているということなどを踏まえて総合的に判断をした結果、御指摘のJESCO法において、あるいは福島復興再生基本方針にもありますけれども、中間貯蔵施設に貯蔵する除去土壌等について、中間貯蔵開始後三十年以内に、福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を講ずるとしたものです。
○水野賢一君 そうなっていることは知っているんですけれども、だから、それは指定廃棄物の処分に対する政府の基本方針と相矛盾するんじゃないかというふうに私はそういう感じもするんだけれども、これは今後議論をしましょう。
 ちょっと話題を浄化槽の話に変えたいというふうに思うんですけれども、これは、この委員会でも従来、小見山幸治議員が何回も質問してきた話なんですが、ちょっとそれに関連して質疑しますが、浄化槽は保守点検が必要になるわけですよね。保守点検が必要で、これは具体的にはいろいろ消毒剤をきちっと見たりとか、若しくはブロワーという送風機がちゃんと作動しているかどうか、いろいろチェックしたりするんですけれども、これ法令上は年三回やればいいことになっているんですよね、法令上は。三回やればいいというか、それがミニマムであって、ただ三回以上という書き方を法令上しているから、かなり多くのところでは毎月やったりして、年十二回やったりして、それはちょっと過剰なんじゃないかという指摘をこの委員会でも小見山さんが何回もして、それを基に、石原環境大臣のときにこういうことを議論する懇談会をつくったわけなんですよね。
 ちょっと、これ事務方で結構なんですが、この懇談会の、今後の浄化槽の在り方に関する懇談会というあれですが、これは何ですか、大臣の私的諮問機関という理解でいいんですか。どういう位置付けなんですか、法的には。
○政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘の懇談会につきましては、環境省の委託調査事業の一環として実施しているものでございます。
○水野賢一君 委託調査事業の一環で、これはあれですか、提言案というものを何かそろそろ出すやに聞いていますけれども、提言案というのがそろそろ出てくるという形になるんですか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 現在まで議論を進めてきてございまして、近々提言をおまとめいただけるというふうな状態になってございます。
○水野賢一君 これは、提言をまとめるというと、会合はもう終わったという理解でいいんですか、会議は。
○政府参考人(鎌形浩史君) 最終の会合を終わりまして、今現在、座長預かりで最終の調整を行っているというところでございます。
○水野賢一君 普通はこういうもの、何か提言を出すときというのは、最後に会合を開いて、そこで座長が案とかを出して、その案が取れてみんなで了承、多数決か分からないけど、そういう形になるんでしょうけど、会合はやらないけど、座長預かりになって、今から座長がその案を、提言を出すと、そういう形なんでしょうか、どうなんでしょうか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 御説明が不足して申し訳ございません。
 三月一日に最終の会合を開いたわけでございますけれども、ここでは取組すべき方向について提言案のおおむねの合意を得たところでございますが、それで最終的な調整が座長預かりになっているということを申し上げたところです。おおむね合意を得ているというところでございます。
○水野賢一君 そうすると、その三月一日の会合の次の会合というのが開かれるわけではないわけですか。三月一日が最後で、今後はもうないという、そういう理解でいいですか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 三月一日で最後ということでございまして、今後予定はしてございません。
○水野賢一君 結局、それで、内容の話でいうと、法令上年三回で、ミニマムとしては三回保守点検すればいいというのが、それが十二回とか行われているのが横行しているという話については、提言ではどういう方向になりそうなんですか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘の保守点検回数の問題につきましては、実は昨年八月の段階で、それまで七回会合を開いてございましたが、中間取りまとめを行ってございます。この内容が今回の提言にも盛り込まれるということでございますが、議論の過程では、今御指摘ございましたが、環境省令で保守点検回数が最小回数以上と規定されていることについて、最小回数のみを規定することで十分であってそれ以上の回数も認められるということは問題ではないかという指摘があって、議論がなされました。
 中間取りまとめにおきましては、浄化槽法が浄化槽によるし尿及び雑排水の適正な処理を図ることにより生活環境の保全及び公衆衛生の向上への寄与を目的とすると、こういう目的に照らせば、保守点検回数について水環境保全等の観点から最小回数以上行うべきとする規定は環境法令として一般的であるという結論が示されたところでございます。
 また、他方で、必要以上の保守点検を行うことによりまして、使用者等への不信感や負担感を与えているのではないかという懸念がございました。保守点検回数の増加に応じて費用負担が増大するという事実は認められなかったものの、実態把握の必要性が指摘されたところでございます。このため、環境省において、自治体等を通じ使用者等の意見を把握することの必要についても指摘がなされているというところでございます。
○水野賢一君 これは自治体とかで条例とかその他によって、言わば法令よりも上乗せして保守点検の回数をやらなきゃいけないということを何か定めているところというのはあるわけですか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘のとおり、自治体によっては、法令の例えば三回以上という場合にその三という数字を使わないで決めているところもございます。例えば、岡山県では、保守点検に関する実施要綱という形でございますが、毎月一回以上と定められていると把握してございます。そのほか、例えば三月に一回でありますとか年六回といった保守点検回数を要綱で定めている自治体も存在していると承知してございます。
○水野賢一君 先ほど鎌形さんも環境法令としては何回以上という規定は一般的だという話があって、確かにそれは法令で三回以上と定めて三回が最低限になっていても、じゃ年に四回点検したら違法だということをなかなか言うのは難しいと思うんですけど、つまり、多く検査することを絶対悪いというふうにはなかなか法令上定めにくいとは思うんですが。
 ただ一方で、これ契約するときに、普通の人というのは浄化槽法の専門家でも何でもないわけですから、浄化槽業者とかと保守点検の契約するときに、じゃ毎月保守点検するようにしますみたいな感じの契約書になっていても、何でそんなことを毎月やらなきゃいかぬのだと、法令で三回でいいことになっているじゃないかなどというふうに言える人というのは普通いないわけですよね。なぜなら、そんなことを細かく知っているわけじゃないわけですから。
 だから、少なくとも法令で定められているもの以上に検査をするとかというときは、きちっとユーザーに対して説明する責任というのは当然あるというふうに思うんですね、大臣。これ、やっぱり説明をした上でじゃないと、つまりこの問題に対する情報量はユーザーと業界では全然違うわけですから、大臣、その辺はどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(丸川珠代君) 今御指摘の点についても、この懇談会において、各地域の保守点検回数及びその内容の妥当性について使用者への丁寧な説明が重要であり、基本的に保守点検業者等が説明に努めるべきであること、自治体においても使用者等の理解を得られるように各地域の保守点検回数の位置付けについて整理をしておく必要があること、維持管理の信頼性向上、使用者等の負担軽減の観点から、関係者が連携して効果的、効率的な維持管理体制の構築を目指すことが重要であることなど、具体的に御指摘をいただいております。
 浄化槽法施行規則において最低回数以上と規定されているので、これらの自治体の点検回数の条例が規則の規定に違反しているというわけではありませんが、この情報の非対称を念頭に置いてきちんと説明に努めるということは重要なことかと思いますので、環境省としてもこの指摘の内容をしっかり受け止めて、信頼性の向上、また浄化槽の普及に取り組んでまいります。
○水野賢一君 同じことを消費者庁にもちょっとお伺いしたいんですが、つまり今大臣の表現を使えば、情報の非対称があるわけですから、きちんとした説明は少なくともした上で同意を求めないと、ちょっと契約としては問題が出てくるんじゃないかというふうに思いますけど、消費者庁の方はいかがですか。
○政府参考人(福岡徹君) 消費者庁でございます。
 事業者から消費者への情報提供に関する御質問でございますけれども、消費者政策の基本理念を定めている法律に消費者基本法というものがございます。この法律におきましては、先生おっしゃったとおり、消費者と事業者との間で情報の質及び量に格差があるということを指摘しておりまして、それに鑑みまして、消費者に対し必要な情報が提供されることが消費者の権利であると位置付けられているところでございます。
 この観点によりますと、事業者と消費者の取引に当たりましては、消費者が契約内容に関する適切な判断を行えるよう必要な情報について事業者から正確な説明がなされるべきであると、そういうふうに認識しているところでございます。
○水野賢一君 最後の質問にいたしますけれども、浄化槽というのは、これは鎌形さんで結構ですけれども、普通は一般の個人個人の所有物なわけですよね。ただ、例外的に市町村設置型の浄化槽というのもありますよね、百何十かの自治体でそういうやり方をしているというふうに思いますけれども。市町村が設置している浄化槽の場合は、これは今の保守点検に関しての回数でいうと、市町村がつまり関与しているこういう設置型の場合はどうなっているのかという、何か調査結果とかそういうのというのはございますか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 市町村設置型の浄化槽につきましての保守点検回数でございますが、網羅的に調査を行っているわけではございませんが、年六回実施している事例あるいは年四回実施している事例などについての把握、確認はいたしてございます。
 ただ、この市町村設置型浄化槽事業などの公共サービスとしての浄化槽事業を推進するに当たっての必要な情報収集というのは必要であると思ってございますので、御指摘の点についても調査してまいりたいと思います。
○水野賢一君 時間ですので終わります。
○直嶋正行君 おはようございます。
 環境委員会は新参者でして、今日初めて当委員会で質問に立たせていただきます。よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それで、まず最初に、地球温暖化対策というんですか、パリ協定が昨年暮れにまとまりました。まとまりましたといいますか、合意ができたということであります。大臣も所信の中で、我が国がかねてより求めてきた、全ての国が参加する公平で実効的な国際枠組みであるパリ協定が採択されたということで評価をされているわけでありますが、これも元々、私ども民主党政権時代に、やはり京都議定書、京都議定書についてはアメリカがいなくなって、ロシアがいなくなって、さらにカナダも抜けるということで、我々も、世界の排出量のごく一部しか排出していないEUと日本だけが責任を負うと、こういうものはやはり本質的に地球環境の改善のために大きな役割を果たせないので、より幅広い、全ての国が参加できる、当時、我々言ったのは、やはり主要排出国が少なくともきちっと参加をする、それで、公平で実効性の上がる国際枠組みをつくるべきであるということで話合いを始めてきた経緯がございます。今度、安倍政権においてそれを引き継いでいただいて、このパリ協定の形で採択されたということでありまして、これは大きな前進であるというふうに申し上げたいと思います。
 ただ、大臣も所信の中でおっしゃっていますように、そのスタートに着いたと、こういう表現をされておられます。私も同様で、今回は余り各国にぎちぎち目標値を割り当てるんではなくて、自主的に出させた上で、みんなが参加する中で温暖化ガスの削減を図っていくと、こういう考え方で、入口は余りやかましく言わないで、後しっかりフォローしようと、こういう発想なんですが、これは私は一つのやり方ではないかと思うんですが、ただ、入口が緩い分、後々のフォローがなかなか大変じゃないかなというふうに思っています。
 詳しい内容についてはまた改めて議論する機会もあろうかと思いますので、今日は主な点について幾つか確認をさせていただきたいと思うんです。
 やはり公平で実効性のあるものにしていくためには、主要排出国、特に、世界の四割を排出しているアメリカと中国がきちっと役割を果たさなきゃいけないというのはもう論をまたないと思うんです。例えばアメリカの今度の目標数字を見ますと、まず日本と違うのは、二〇二五年の目標になっているということであります。本当にアメリカ、これ、じゃ、二〇三〇年も含めてその先しっかりやれるのかなと。例えば三〇年はどうなるのかなと。今大統領選挙やっていますけど、トランプ大統領なんてことになれば一体、この枠組み自体がひっくり返るんじゃないかという、ややそういう心配も、今の話は議論してもしようがないんで横へ置いておきたいと思うんですが、いずれにしても三〇年目標もはっきりしていない中で、アメリカをしっかりやってもらうためにどういうことが必要だというふうにお考えでしょうか、まずお伺いしたいと思うんですが。
○国務大臣(丸川珠代君) アメリカ、中国を始めとする主要な排出国が今回の合意に積極的に参加をしたということは、委員御指摘のとおり大変意義のあることでございまして、我が国もこの交渉の過程で、発効要件について、当初、国数と排出量と二つのものを満たしたときに発効するとなっていたんですが、交渉の途中で排出量が落ちたときがありまして、これは絶対にどちらも入っていなければいけないというのを主張しまして、無事それが元に戻って、排出量と排出国数と、この二つを満たしたときに発効するという形にいたしました。
 いずれにしても、主要排出国が参加をするためには、今ございますレビューであるとか、あるいはサイクル、またグローバルストックテーキングといった透明性を高める仕組み、また、お互いにその進捗状況が見える形の中で、レビューといって専門家の評価を受けるような仕組み、こうしたものをきちんと機能するような詳細ルールの設定に我が国も積極的に関わっていく中で、そうした主要排出国がきちんと参加して、そして効果を上げるための努力をしてまいりたいと思います。
○直嶋正行君 参加はしているんですけれども、要は拘束力をこれからのレビューを含めてどう高めていくかということなんですが、もう一つは、やはりアメリカのということでいいますと、非常に大きな政治力、それから国内政治の圧力というのも常にありますから、そういうことを含めて、やはり逃がさないようにしっかりやっていただきたいというふうに思います。
 それから、もう一つは中国なんですけど、中国は今世界一の排出国ですよね。大体三割弱、二七、八%ですかね、温暖化ガスの排出しています。この国が今世界第二位の経済大国です。今度の目標を見ますと、GDP原単位当たりでマイナス六六とか、これは大きな数字かもしれませんが、ということは、これからまだしばらく、二〇三〇年ぐらいがピークだという説もありますが、排出量自体は増え続けるということでありますよね。これで果たしていいのかなと。
 確かに、中国は今までは途上国の扱いになっていましたから、なっていたと思うんですが、しかし、今申し上げたように非常に、ナンバーワンの排出量でありますし、経済力も大きいということで考えると、中国の目標というのは、やはり中国がどれだけやれるかによって世界全体に影響してくるということを考えますと、今後もっとしょってもらうような方向にしていかないと実効性上がってこないんじゃないかというふうに思っています。この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(丸川珠代君) 委員御指摘のとおり、中国は非常に大きな排出量の世界全体でいうと割合を占め、そしてこれからも経済成長をある程度続けていかれるんだろうというふうに推測をいたしますが、一方で、このパリ協定の中にも、一応このパリ協定の中ですとまだ中国は途上国グループの中に入るわけでございますが、その中にもこの目標の設定について、途上国も努力を更に、エコノミーワイドといって、GDP単位当たりではなくて、我々のように経済全体をカバーするような削減目標のやり方をつくるように努力することを強調し、さらにこれを、時間は掛かるかもしれないけれども、エコノミーワイドを目標に持っていくようにエンカレッジするというのが入っておりますので、これはまさにもう国際的に連携をしながら、その大きな排出国である中国に対してより努力をしていただけるような環境をつくっていくということも非常に重要だと思っております。
○直嶋正行君 少なくとも二〇三〇年までは目標が出ていますから、実際にはなかなか、一応これで合意できたわけですから、難しいのかなと思うんですが、しかし、やはりできれば、今、大臣がおっしゃったように、我々と同じような土俵に中国にも立ってもらうと、それもできるだけ早く同じ土俵に立ってもらうことが全体のことを考えると大きな要素になると思いますので、是非そういう方向で御尽力いただきたいと思うんですが。
 もう一つは、各国の目標と実際にいわゆる二度C目標とを計算をすると、いわゆる国連事務局の計算でいきますと、二〇三〇年だと百五十一億トン、二度Cシナリオから見るとそれよりも全体でまだ大きい、超えていると、二〇二五年でも八十七億トン超えていると、こういう分析があります。それを、じゃ二〇三〇年以降二〇五〇年に向けて削減していこうとすると、年率で三・三%ですか、大変大きな数字をやらなければいけないと、こういう計算もあるんですが。
 やはりそういう状況を考えると、なおさら、この二〇三〇年以降のことも含めて、今のような分析も含めて考えると、これで本当に実効性が上がるということにはなかなかなっていかないんで、どこかでやはりもっと思い切ったことが求められてくるというふうに思っています。
 その中で、政府は先日、二〇五〇年までに、これは長期目標ですかね、二〇五〇年までに排出量を八〇%削減するという閣議決定を行うとされました。これも我々政権時代に決定した内容と今同じ形で決定していただいたということで、これも一歩前進だというふうに思っています。
 それでお伺いしたいのは、今ある二〇三〇年の二六%目標、二〇一三年比二六%目標と二〇五〇年目標との関係についてどのように考えていけばいいのか、お伺いいたします。
○国務大臣(丸川珠代君) 二〇五〇年に八〇%削減を目指していくというプロセスにおいては、当然のことながら、相当な技術革新とそして社会構造のイノベーション、つまり技術的なイノベーションのみならず、我々のライフスタイルや価値観も含めたイノベーションが必要であろうということを長期戦略懇談会からも御提言いただいておるところでございまして、これがまず大きな前提であろうかと思いますが、それを目指していくに当たって、それでは二〇三〇年二六%削減目標がどうかというと、決してその二〇五〇年八〇%目標を妨げるような水準のものではない。ここをクリアしていけばその先には二〇五〇年八〇%目標を目指していく道が開けるものであると考えております。
○直嶋正行君 今のお話は後ほどもうちょっと議論したいと思うんですが、その前に、二〇二〇年目標というのがありますね。日本政府が出していますのは、これはマイナス三・八なんですが、五年比でしたかね、二〇〇五年比マイナス三・八ですが、原子力発電所が稼働しないという原発除きでマイナス三・八という数字を出していると思うんですが、先日、規制委員長からもお話がありましたように、今二十六か所再稼働申請されていて、既にオーケーの出ているものもあるということを考えますと、二〇二〇年までに原子力発電所が幾つか稼働するということになると思うんですが、そうすると、この数字は改めて別枠で原子力発電所も織り込んだものに変えていくと、目標としてそういう目標になるということで理解させていただいてよろしいでしょうか。
○国務大臣(丸川珠代君) 今般、地球温暖化対策計画において具体的な対策、施策を決定するに当たって、二〇二〇年度の目標についても確定させることが必要だということを判断しまして、先日審議会にお示ししたこの地球温暖化対策計画の案においては、二〇二〇年度の温室効果ガス削減目標について二〇〇五年度比三・八%減以上の水準ということにしております。この三・八%減目標というのは二〇一三年十一月に国連に登録をしておりまして、この三・八%減については引き続き原子力による削減効果を見込んでおりませんが、以上というのはまさに原子力発電による削減効果を見込んだ部分でございます。
○直嶋正行君 ということは、原子力発電の削減効果を見込んだものにしていくと、こういう理解でよろしいんですね。
○国務大臣(丸川珠代君) 稼働するかどうかについては、まず規制委員会で適合性審査をしていただいて、その上で政府が判断するわけですので、予断を持つわけにはいきませんが、少なくとも三・八%以上という定め方をすることによって、今後様々な努力を喚起することにも目指していきたいと思っております。
○直嶋正行君 ありがとうございます。
 続きまして、先ほどの削減目標の話なんですが、いずれにしても、さっきちょっとやり取りさせていただいたように、二〇三〇年目標で二度Cが達成されるわけじゃなくて、かなり大きな開きがあるということになると、当然、さっき大臣がお話があったように、いわゆる技術開発も含めて、それを取り入れることによって目標を更に高めていくということになると思うんですが、そういう意味でいうと、今の目標はやはり将来もっと高いものに当然上乗せが求められてくると、こういうふうに考えざるを得ないと思うんです。
 それで、そういうことも併せて考えますと、今の政府の地球温暖化対策計画というものを私も拝見いたしました。またこれ改めてしっかり議論をさせていただきたいと思うんですが、その中で申し上げますと、例えば業務部門とか家庭部門は、さっきお話あったように、削減率マイナス四〇ですかね、四割削減という高い目標を立ててやっているんですが、私、拝見してちょっと驚いたのは、いわゆる産業部門なんですが、六・五%という数字になっています。幾ら何でもこれは低過ぎるんじゃないかなというふうに私どもは思っています。
 私どもも、例えば政府のいわゆるエネルギーミックスに対応する形で、民主党としてのエネルギーミックスも議論をしてつくらせていただきました。それから、CO2を始めとする温暖化ガスの削減目標もつくらせていただきました。
 簡単に言うと、政府と民主党で温暖化ガスに関して電源の例えば違いがあるかというと、ないんですね。というのは、非化石燃料でいうと、政府の方は大体四四、五%、我々もそうなんです。問題はこの四五の中の原発と再生エネの比率が違うということで、ですから、CO2の削減でいいますと、エネルギーミックスの発想でいうと差はないわけです。だけど、実際数字はかなり差があるんです。何が違うかというと、省エネの見込み量が違うということなんです。
 それで、我々の議論の中で幾つかちょっと具体的に申し上げたいと思うんですが、例えば、これは経産省の調査にあるんですが、平成二十五年の調査なんですが、日本の工場の生産設備って物すごく老朽化しているんです。大体十年以上が六割、それから二十年以上でも三割近くあります。むしろ、五年未満の新しい設備というのは実は二〇%を切っています。十数%だったと思います。
 つまり、日本の特に製造部門を中心にした産業部門は省エネが進んでいると、こういう評価されています。確かに、数字で見ると世界でもトップレベルにあるかと思います。しかし、実際は省エネが進んだのは一九七〇年代、八〇年代で、九〇年の中頃以降はほとんど、以降ですね、ほとんど進んでいないというのが実態なんです。
 これは数字にも出ているんですけど、例えば経産省の省エネ法に基づいて報告を受けている指定工場を見ると、この十四年間でエネルギーの改善率というのは〇・九七。ですからほとんど横ばいということです。逆に、業務部門を見ると、この六、七年で十数%進んでいますから、むしろ業務部門の方が進んでいると。
 申し上げたいのは、古い設備のゆえにいろいろ問題が出ている。例えば、工場の配管なんかの保温材がありますが、これ劣化しています。もうこれだけで大体、あるシンクタンクの計算でいうと三%エネルギーをロスしている。電力に換算しますと六百億キロワットアワーぐらいのボリュームになると。ですから、こういうところをしっかり押さえていけばもっともっとできるはずなんです。
 典型的な例が小松製作所の粟津工場ですけど、築四十年の工場を全部建て替えたときに、省エネと併せてバイオを導入して、電力消費量を九〇%削減したと。これはすばらしい例で、これが幾つもあるわけじゃないんですけど、こういうケースもあるということで、大臣にお願いしたいのは、もっともっと産業部門は本当はできるはずだと、こういうことを御提言申し上げたいので、今申し上げたようなことを含めて是非御検討いただきたい。
 それから、民生部門でも、例えば日本のやはり建物というのは断熱性がすごく悪いんです。その悪い最大の理由はアルミサッシなんです。ですから、アルミサッシを例えば全数樹脂のサッシに入れ替えると、大体CO2排出量一億トン減ると言われているんですよ。これも裏付けデータあるんです。
 ですから、建物全体の断熱も含めて、例えばこういうところをもっと推進できるような後押しを政府の政策の中でしっかりやっていただけると、もっと進むんじゃないかと。かなり格段に進むと思うんですね。
 我々今もう一つ考えていますのは、日本の建物の断熱が非常に劣っていて、やはり熱効率が悪いということで、特にこれをこれから推進していくというのは政府も同じお考えなんですが、我々はやはり先鞭着ける意味で、いわゆる公共施設、公共施設についてもっと厳しく、あるいは新しいものを取り入れるとか、あるいは場合によっては再生エネルギーもそこである程度補う、エネルギー量の何%かを決めるとか、そういう取組をしていくべきじゃないかというふうに思っていまして、これは法律もちょっと今作ろうということで考えていますが、是非こういう点を御検討いただければ更に上乗せができるということを申し上げたいと思うんですが、是非よろしく御検討をお願いしたいと思いますが。
○国務大臣(丸川珠代君) 委員御指摘のとおりでございまして、設備を更新していただく際に、これは業務部門においてもあるいは産業部門においてもでございますが、いかに長い目で見て環境への負荷が少なく、そして経営上も、恐らくはコスト負担が軽減、最終的には回収することができるようなものを提案し、あるいはそのことを頭に置いて設備更新、投資を行っていただけるかということは非常に重要な点だと思っております。
 私どもも、経済産業省あるいは国土交通省と連携しながら、これから様々な支援メニューということをこれからも拡充していきたいと思いますけれども、一方で、国民運動としても、特に御家庭においての、今アルミサッシの御指摘ありましたけれども、断熱を上げていただくような改修については、国民お一人お一人が意識を持っていただくことが非常に重要だと思っておりますので、その基盤を分厚くするというか、意識を高く持っていただくという意味においての国民運動はしっかりこれからも取り組んでまいります。よろしくお願いいたします。
○直嶋正行君 ありがとうございました。
 もう一つ申し上げますと、断熱に関しては、やはり工務店なんです。工務店が積極的にやはりやろうというマインドを持つともっと進むというふうに思っていまして、是非国民運動の際にはそういうことも併せて展開をしていただくようにお願い申し上げたいと思います。
 それで、残り時間が少なくなったんですが、ちょっと最後に、規制委員長と大臣に原子力の話を少しお伺いしたいと思うんです。
 昨日、大津地裁の判決が出ました。これは今日は、この場で余りやり取りする性格ではないと思いますので、後で規制委員長に、この判決を受けた上での、いわゆる技術的な指摘なんかも判決文の中にあったようでございますから、それらについてちょっと見解をお伺いできればと思っております。
 むしろ、私が申し上げたいのは、まだいまだに世論調査してもやはり再稼働反対という方が国民の六割いらっしゃるんですよね。特に女性が駄目なんです。大臣も女性ですので、ちょっとまずこういう国民の意識について、特に女性の皆さんの御心配ということについて何か御所見がありましたらお伺いをしたいと思うんですが。
○国務大臣(丸川珠代君) 女性といっても様々な方がいらっしゃるので、どのように考えるかというのはそれぞれお一人お一人違うかと思いますが、家族にお子さんがいらっしゃって、お子さんと接する時間が長い方にとっては、やはりお子さんの成長の中で未来の社会に対してどのように責任を負っていくかという観点から御懸念をお持ちになる方もいらっしゃると思いますし、また放射線への感受性という観点から気に掛けられる方もいらっしゃるかもしれないと思います。
 いずれにしても、私は、規制委員会が三条委員会としてきちんと独立して運営をされていることが非常に重要だと思っておりまして、そのためにきちんと環境省が支援をする、人材の育成の面あるいは財政面で支援をするということが重要だと思っております。
○直嶋正行君 どうもありがとうございました。
 それで、今のようなお話なんですが、結局、世論はそういう、まだマジョリティーは反対、再稼働すら反対とおっしゃっている中で、政府は、エネルギーミックスによりますと二〇から二二%原子力で電源を賄うと。これ、今規制委員会に二十六か所、川内原発含めて二十六か所再稼働申請が出ているというお話がございましたが、二二%ぐらいを想定すると、大体三十基台の半ばというふうに宮沢大臣もお答えされていました。
 我々実は、三〇年代ゼロにしたいと、こう思っていまして、例えば四十年でずっと廃炉にしていく、四十年使った原発を廃炉にしていくと、二〇三〇年に残った原発でカウントをすると、大体原子力発電比率は一五%ぐらいです。だから、これがさっき申し上げた民主党と政権との違いということになるんですけれども、そのときは大体二十基ぐらい、動いているのは。これは大間とか仕掛品も入れてです、大間とか島根の原発入れてそうですが、これでもなかなか私は大変だと思っているんです、実はこれぐらいの数を動かすというのは。しかし、三十基台ということになると、さっき申し上げた国民世論との関係でいうと、物すごくどんどんどんどん国民世論と政府の政策との間のギャップが大きくなって、どんどんどんどんギャップが大きくなっているというのが今の状況だと思うんです。
 そうすると、これから何をやらなきゃいけないかというと、例えば高レベル放射性廃棄物の処分場、これ三十年間棒に振りましたから、時間があるようで余りないんです。それから、事故原発だけじゃなくて通常の廃炉もやらなきゃいけない。こういうことを考えると、このギャップが大きくなっていると。まさに今環境省は、中間貯蔵施設だとか、苦労されていますよね、なかなか国民の理解を得られないと苦労されている。これがますます大きくなっていくと、私は、だんだんだんだん原子力が国民からどんどん見放されて立ち行かなくなるんじゃないかという、そういう危惧を持っています。
 ですから、規制委員会は三条委員会ですから、その安全性をきちっとチェックして、まさに大臣がおっしゃったようにそれをしっかり環境大臣がフォローしていくと、これが非常に大事なんですが、むしろこんなに開いていくということ、国民世論との間の距離が開いていくということは非常に深刻な問題なので、私はどこかで見直さざるを得ないと思うんです。こういう政策について、やはり環境大臣として是非政府の中でも御発言いただきたい、このことは要望しておきたいと思います。
 私は三十基台半ばなんてとてもできないんじゃないかと個人的には思っておりますが、もし御所感がありましたら、お伺いしたいと思います。規制委員長と環境大臣、それぞれ一言ずつお願いできればと思います。
○委員長(磯崎仁彦君) まず、じゃ、田中原子力規制委員会委員長、簡潔に御答弁をお願いをいたします。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 政府のエネルギー政策について私の方からコメントする立場にないので、お答えは控えさせていただきたいと思います。
 その上で、なおかつ私どものミッションとしては、申請のあった原子力発電所については厳正な審査をして安全の確保に努めてまいりたいと思います。
○国務大臣(丸川珠代君) 私の立場からは、再生可能エネルギーの導入に最大限努力をしてまいります。
○直嶋正行君 済みません。ちょっと時間を過ぎてしまいました。
 終わります。
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。
 本日は、大臣所信に対する質疑でございますので、通告に従いまして順次質問をしてまいりたいと思います。
 さて、先ほど来お話がありましたとおり、明日は東日本大震災の発災から五年という節目を迎えます。私ども公明党は、発災以来今日まで、全議員が徹底して被災地を回り、被災地の皆様方のお話を真摯にお聞きし、寄り添いながら復興の加速に向けて全力を尽くしてまいりました。
 明日の三・一一を受けまして、今週末、我が公明党では、党の復興加速化会議を岩手、宮城、福島で開催をいたします。次の五年に向けた復興への決意を新たにしてまいりたいと考えているところでございます。
 私自身もこの週末は宮城県に入りまして、災害公営住宅にお住まいの皆様から直接御要望を伺ってまいりますが、この現場の声をしっかりとこの環境委員会の質疑の中でも反映をさせ、被災地復興の一助となれるよう全力を尽くしてまいりたいと決意をしております。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 まず、大臣に伺います。
 復興から五年という節目を迎える今、閣僚全員が復興大臣であるとの安倍内閣の基本方針の下、丸川大臣には、閣僚の一員として被災地復興への不退転の決意を改めてお聞かせ願いたいと思いますし、被災地の皆様に寄り添うような施策の実行、今後も全力で行っていただきたい、このように期待をしているところでございます。
 大臣に就任されてからこれまで被災地復興にどのように取り組まれてきたかも含めまして、大臣の御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(丸川珠代君) 明日、三月十一日で東日本大震災から五年を経過することになります。大臣就任しましてから、この間、八回福島にお邪魔をいたしまして、除染の現場、また中間貯蔵施設の予定地、それから焼却炉、仮設のものですが、こうしたものを視察をしながらそれぞれの首長さんにお目にかかってお話を伺ってまいりました。
 また、指定廃棄物については、宮城県の管理をされているところへお伺いをして現状を見させていただき、またお話を伺いました。事福島県において私どもが取り組んでいる除染の作業、これをきちんとお約束をした来年度末の期限までに完了させるべく、最大限の努力をしていく所存でございます。
 加えて、森林除染についても昨日取りまとめをさせて、また公表させていただきましたが、中間貯蔵施設の事業においても、それぞれ復興においては環境省だけではなくて各省庁としっかり連携を図っていくことが極めて重要であることを改めて認識をしておりますので、我々がしっかりと気概を持ってほかの省庁とタッグを組んで被災地復興のために全力を尽くしてまいります。
○杉久武君 今、大臣の御決意を伺いましたが、一口に復興と言いましても、復興のニーズはそれぞれの地域で異なっておりますし、また一番大きな根本と言える課題は、やはり人間の復興にほかなりません。この人間の復興というキーワードは、私ども公明党が発災以来一貫して訴えてきた言葉でございます。言うまでもなく東日本大震災は、津波という特殊な災害によって地域のコミュニティーが破壊をされるという物質的被害のみならず、そこで生活を営んでいらっしゃったお一人お一人の、人間のアイデンティティーまでもが津波によって根こそぎ持っていかれてしまった。これを一体どう回復していくのかという問いへの回答として、公明党としては人間の復興を掲げてきたわけでございます。
 そして、この人間の復興をどう進めていくのかといえば、被災者の苦しみを我が苦しみとする同苦の精神を私たち一人一人が根底に据えた上で、被災者の方々にきちんと寄り添って一緒になって復興していかなければならない。この心、この前提に立たない限りは真の復興はあり得ないのだと考えております。その上で、いまだに十七万四千人の方々が避難生活を強いられている現実を重く受け止めながら、いまだに続く原発事故の風評被害と震災の記憶の風化という、この二つの風と闘いながら復興への取組を着実に進めていかなければならない、このように確信をしております。
 特に、これからは復興・創生期間に入ります。今後の復興には、女性ならではのきめ細やかな配慮と鋭い視点が何より大切であると確信しております。安倍総理も、昨年の内閣改造時に、丸川大臣の入閣について、女性ならではの目線を生かし、新風を巻き起こしてほしいと思いますと発言もされておられますので、どうか引き続き被災地復興への強力な取組を強くお願いしたいと思います。
 続いて、復興に向けた取組につきまして、具体的に何点かお伺いをしていきたいと思います。
 まず、中間貯蔵施設、先ほど大臣にも御覧になっていただいたというお話がありましたけれども、これについて何点か質問をしてまいりたいと思います。
 まず、中間貯蔵施設事業のスキームについてですが、まず、施設への輸送につきましては、昨年の三月から開始されましたパイロット輸送、この期間が間もなく終わりまして、新年度、来年度からは段階的な本格輸送というステージに移ると理解をしております。
 そこで、環境省にまず確認をしたいのですが、これらパイロット輸送につきまして、その検証結果はどのようになっているのか、またパイロット輸送終了後の工程についてどのように考えているのか、見解を求めたいと思います。
○政府参考人(高橋康夫君) 中間貯蔵施設へのパイロット輸送についてでございますけれども、有識者から成る検討会の議論も踏まえまして、先月、検証の取りまとめを行ったところでございます。
 その中では、パイロット輸送の開始前に準備した様々な安全対策につきましてはおおむね想定どおり機能しておりまして、安全かつ確実な輸送が実施できているという評価でございました。また、更なる道路交通対策の適切な実施や輸送管理等を行うための総合管理システムの改善、拡張等の具体的な改善策を、今後、段階的な輸送量の増加に応じまして継続的に講じていくことが必要であるという総括をいただいてございます。
 また、来年度以降の輸送につきましては、先般、二月十九日でございますけれども、段階的に本格輸送を開始する方針をお示ししたところでございまして、パイロット輸送の検証を踏まえつつ必要な対策等を実施しまして、より安全かつ確実に輸送を実施してまいりたいと考えております。
○杉久武君 除去土壌等の輸送につきましては、何よりもまず、今お話もありましたように、安全かつ確実な輸送が担保されますよう、引き続き鋭意取組をお願いしたいと思います。また、今後の見通しにつきましても地域の皆様にきちっとお示しをしていただけるよう、努力を継続してお願いをしたいと思っております。
 ただ一方で、この中間貯蔵施設、建設の見通しが思わしくない、特に用地取得が進んでいないという問題、これ、他の委員会等でも質問があるかとは思いますけれども、この点について確認をしておきたいと思います。
 現在までの用地交渉はどの程度進んでいるのか。一部報道では、本年の一月末時点では取得予定面積の一%にも満たないという報道もございます。用地取得の最新の状況につきまして、環境省に伺います。
○政府参考人(高橋康夫君) 中間貯蔵施設予定地の中には、登記記録上では約二千四百名の地権者の方がおられます。そのうち、連絡先を把握している約千三百九十名の地権者の皆様方の所有面積は、公有地を合わせますと施設予定地全体の約九割に相当いたします。
 これまでに、そのうち約千二百四十名の地権者の方々に個別訪問等によりまして説明を実施しているところでございます。これらの方々のうち約九百六十件についての物件調査の御了解をいただきまして、二月末までに約八百七十件の現地調査を実施をしております。
 物件調査の結果に基づきます補償額の算定作業と提示をスピードアップすべく、昨年十一月に地権者説明の加速化プランを公表してございます。これに基づきまして取組を進めております。昨年九月までに物件調査を終了した約五百名の方々につきましては、これまでに約九割の約四百五十名の方々に御説明をさせていただいているところでございます。これらの取組に基づきまして、二月末までに契約に至ったのは六十九件となってございます。
 引き続き、地権者の皆様との信頼関係を築きながら用地取得に全力を尽くしてまいりたいと考えております。
○杉久武君 今御説明いただきましたように、環境省としても取組を進めていただいているところでありますが、二月末で六十九件ということでありました。
 報道等では、地権者との用地交渉が進まずに中間貯蔵施設の建設が遅れている、こういった表現がなされたり、昨年末の一部報道では、ある地権者の言葉として、自宅や畑が中間貯蔵施設になるという話を聞き、インターネットで確かめたと、環境省は何も言ってこない、こういった記事も出てございました。
 言うまでもなく、用地取得には大変な時間と何よりも多大な労力が掛かると思うわけでありますけれども、これら記事を見ていますと、交渉の難航の原因の一つに、現場で大変な御苦労をいただいております職員の皆様の数、マンパワーが圧倒的に足りないんではないかと、そういったことも考えられるのではないかと心配をしているところであります。
 そこで伺います。まず、用地買収が進まない理由をどのように分析をしているのか。また、そもそも担当される職員の数は足りているのか。また、マンパワーが足りないのであれば、井上副大臣が一月のインタビューでおっしゃっておられたような、また先ほどの答弁にもございましたように、地権者説明の加速化プランや職員への叱咤激励をしてもなかなか追い付かないのではないかと考えてもおります。
 この際、環境省のみならず、政府全体として、国、地方の職員だけでなく、民間からも人員を確保して担当職員として派遣、増強をしっかり行って、文字どおり人海戦術を行うべきではないか、このように考えるわけでありますが、これらについて答弁をお願いしたいと思います。
○副大臣(井上信治君) 用地取得に時間を要している要因につきましては、先生御指摘のとおり、いろんな要因があると思っております。
 例えば、帰還困難区域内という特殊な事情によりまして特別な算定方法が必要であることも補償額の算定に時間を要していたことがあると考えております。このため、補償内容を早期に御説明できるよう、帰還困難区域という特殊性を反映した算定システムを作成し、実際に補償額の算定作業を行う補償コンサルタントの作業を後押ししているところでございます。
 それから、人員の増強ということについても本当に重要なことだと我々も認識しております。関係省庁などに改めて働きかけるとともに、公募による選考も行いまして、民間企業での用地業務経験者を含めて、地権者の皆様としっかりコミュニケーションを取ることができる職員を確保して、来年度からは百人体制で用地業務を進めていくこととしております。重ねて、福島県からも県内の状況を熟知した職員の方々十名を用地担当職員として派遣していただけることになって、大変有り難いと考えております。
 いずれにせよ、この要因というものをしっかり分析もした上でその対策を取って、これからなお一層加速化に努めてまいりたいと思います。
○杉久武君 この中間貯蔵施設の整備につきましては、地元の皆様の苦渋の決断をいただいた上で取り組んでいることでございますので、この思いを無にすることのないよう、環境省といたしましては不退転の決意を持って取り組んでいただきたいというように思います。
 ただ、現実的な課題として、中間貯蔵施設の整備が遅れ、他方で仮置場の問題、これがございます。この使用期限の問題にも影を落としているわけでございまして、御承知のとおり、仮置場につきましては、その多くが三年間という期限が設けられているわけであります。契約延長に難色を示されるケースが増えているとの報道や、契約延長に関して賃料の値上げが求められるケース、そういったものがあるやにも聞いております。
 そこで、環境省に伺います。当然この中間貯蔵施設の用地取得は全力で取り組むにしても、この仮置場の使用期限の問題について現在までどのように対処を講じているのか、確認をいたします。
○政府参考人(高橋康夫君) 仮置場での保管につきましては、当初三年を目途ということで進めてまいりましたけれども、保管を延長せざるを得ない状況になってきておりますため、それに合わせて借地契約の延長をしなければならない仮置場も出てきているという状況でございます。
 このため、現在、関係市町村及び仮置場の地権者の皆様方、それら関係者の皆様に対しまして、借地の延長と保管の継続をお願いをしているところでございます。これまでのところ、おおむね応じていただいているという状況でございます。
 今後とも、定期点検や適切な保守管理によりまして、何よりもこの仮置場の安全確保に万全を期すことによりまして、地元の皆様の御理解を得てまいりたいというふうに考えております。
○杉久武君 これは今後の復興事業の全てにおいて言えることでありますけれども、被災地の皆様の不安感、不信感をどのように解決をしていくか、これが全ての根本であると思います。被災地の皆様の不安を安心に、そして不満を納得に変えることができるよう、被災者の皆様に寄り添った対応を是非よろしくお願いを、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、続いて、除染作業について何点か質問をしたいと思います。
 まずは、集中復興期間がいよいよ終了しようとしているわけでありますが、大震災の発災以降、この除染との闘いというものは本当に熾烈を極めたわけでございます。集中復興期間の終了を踏まえ、この五年間の成果というものはどのようになっているのか、除染計画どおりに行われたのか、国直轄のこの除染の成果、進捗状況につきまして、環境省に伺います。
○政府参考人(高橋康夫君) 国直轄の除染の進捗状況でございますけれども、環境省では、除染実施計画に基づきまして、福島県内の十一の市町村において国直轄の除染を進めてございます。
 このうち、六つの市町村では除染が終了いたしまして、また一村でも宅地部分の除染が終了したという状況でございます。十一市町村全体で見ますと、約七割が、面積ベースでございますけれども、終了したという状況でございます。除染が終了した六市町村のうち、田村市、川内村の一部、それから楢葉町につきましては、除染による空間線量率の低減効果も踏まえまして、避難指示が解除されているという状況でございます。
 残りの地域の除染につきましても、被災地の一日も早い復興に向けて、計画どおり平成二十九年三月までに除染を終了することができるよう、今後とも最大限の努力を行ってまいります。
○杉久武君 次に、集中復興期間の終了に伴いまして、平成二十八年度以降の復興につきましては復興・創生期間と名付けられているわけでございます。昨年、安倍総理は、この名称につきまして、新たなステージにおいて被災地の自立につながり、地方創生のモデルとなるとの思いを込めた、こう発言がされております。
 しかしながら、決して忘れてならないのは、この新たなステージに立つということがいまだに困難な地域が厳然と存在をしているということであります。それを具体的に申し上げれば、いわゆる帰還困難区域でございまして、この帰還困難区域の復興というものが今後の大きな課題になっていくことになろうかと思います。
 福島県からは、政府に対しまして、帰還困難区域の復旧復興に欠かせないインフラ整備や、住宅あるいは商業施設などを集める復興拠点を整備する上での大前提となります除染を、これを優先的に実施するよう求めておられるわけでありますが、この点について環境省はどのようにお考えになっているのか。
 私は、この帰還困難区域に対する除染につきましては、政府はこの復興・創生期間の中で除染方針を明確に立てるべきであると考えますし、この除染方針が明確にならない限りそれこそ復興も創生もないと、この場で強く申し上げたいと思います。
 今後の復興・創生期間における政府の除染の方針につきまして環境省の見解を伺いたいと思います。
○副大臣(井上信治君) 除染につきましては、帰還困難区域以外の除染については来年度末までに終えるという計画で進めております。となりますと、それ以降は、じゃ帰還困難区域の除染をどういうふうにするのかということになりますので、委員御指摘のとおり、復興・創生期間の中でそれをしっかりやっていかなければいけないと思っております。
 ただ、除染を含めた帰還困難区域取扱い全体について具体的な政府方針の早急な提示を求める地元の声も強くなっておりますので、今後、まずは政府全体としてできるだけ早く対処すべき、そんな大きな課題であると認識しております。
 今月四日には自民党、公明党の与党から提言をいただいたことも踏まえまして、今年の夏頃までには政府全体として帰還困難区域の取扱いを示すべく、環境省としてもその中でしっかり検討してまいりたいと思います。
○杉久武君 今御紹介いただきましたように、与党としても申入れをさせていただきました。
 この除染方針の策定には、まずこの帰還困難区域をどう考えるのか、また放射線量の見通しであるとか地域の皆様の御意見あるいは復興のグランドデザインなどと総合的に勘案をしていただく必要があるかと思います。これらの点も含めて、今お話もありましたけれども、政府一丸となってしっかり取り組んでいただきまして、方針を示していただきたいというように考えております。
 さて、除染につきまして最後にもう一つお伺いをさせていただきたいと思います。
 環境省は、昨年末に、住宅など生活圏から二十メートルの範囲や日常的に人が出入りをする場所を除く大半の森林の除染を原則行わない方針が示されました。これについては、地域住民の皆様から不安の声が上がっております。既に大臣を始め環境省の皆様にもこの声は十分御認識をいただいていると思いますが、広い森林を面的に除染をすることは物理的に困難で、また落ち葉などの堆積物を取り除くことによる土壌流出の悪影響もあると結論付け、除染は適当でない、このように判断をされたとも伺っております。
 しかしながら、原発事故による避難市町村では、除染が森林の大半で行われない場合、住民の帰還意識が損なわれるといった指摘や、あるいは避難区域ではそもそも周辺を森林に囲まれた集落が多いわけでございまして、帰還後の生活の再建、特に林業の再生にも影響するのではないか、こういった危惧する声もございます。
 そこで、最後に大臣に御質問をしますが、まず、生活圏から離れた森林の除染は絶対に行わないという方針なのか、あるいは何らかの検討の余地があるのかどうか、確認をしたいと思います。
 私としては、森林除染につきましてはやはり地域の実情に応じた形で柔軟な対応が行われてしかるべきではないかと考えますので、この点について見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(丸川珠代君) 森林・林業の再生のプロジェクトチームの会合を昨日開かせていただきまして、その中では、各省庁がこれまで取り組んできた政策、奥山に関しては林野庁がお取り組みでしたし、住居の周辺、人がよく立ち入るところについては我々が除染をするということでやってまいったわけですが、こうした施策の徹底や拡充、また新たに実施する施策も盛り込みまして、総合的な取組として包括的に取りまとめをさせていただきました。
 具体的に申し上げますと、住居周辺の里山等の森林について、御地元の要望を踏まえて、日常的に人が入る場所の適切な除染や、広葉樹林の整備等を行うこと、また、里山再生のための取組を総合的に推進するモデル事業を実施すること、そして、奥山等の林業の再生に向けた取組を進めることなど、環境省による除染のほか、林野庁による林業の再生や、復興庁による復興加速化のための省庁横断的な取組などを盛り込んでおります。地元の皆様の御要望を踏まえて、里山の中などの森林内の憩いの場、あるいは人が立ち入る機会の多い場所について適切に除染をし、よりきめ細やかで丁寧な対応を行うなどの取組をいたします。
 今回の森林除染の件、改めて御意見をお伺いして、福島がすばらしい森林とともに暮らす皆様の暮らしの場であったということを私たちも思いを致し、被災者の皆様に寄り添ってこの事業を進めさせていただきたいと思います。
○杉久武君 ありがとうございます。
 除染作業につきましては、先ほど来申し上げていますように、被災地の復興に向けた取組の大前提となる作業でございますので、除染は復興の土台そのものでございます。改めて、除染なくして福島の復興なしとの決意で、引き続き除染作業の加速を心からお願い申し上げますとともに、先ほど大臣にも触れていただきましたけれども、地元の皆様の御要望に対しましては引き続き鋭意御検討いただきますことを要望といたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(磯崎仁彦君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時七分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(磯崎仁彦君) ただいまから環境委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、環境及び公害問題に関する調査を議題とし、環境行政等の基本施策に関する件、公害等調整委員会の業務等に関する件及び原子力規制委員会の業務に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○市田忠義君 日本共産党の市田忠義です。
 今日は、食品廃棄物の不正転売問題についてお聞きをいたします。
 中間処理業者の許可を受けていた愛知県稲沢市のダイコーが、大きな社会問題にもなりましたが、壱番屋などから冷凍カツなどの食品廃棄物の処理委託を受けながら、その大部分を岐阜羽島のみのりフーズに横流しをしていました。そして、それが小売店等に転売をされました。私、先日、愛知と岐阜、ダイコーにも行ってまいりました。こうした悪質な行為を把握できなかった行政の監視、監督の責任も重大と言わざるを得ないと思うんです。今全国的に食品の安売り競争が激しい中、今回の事件の全容を解明して、教訓を明らかにして、いかにして再発を防止するかということは極めて重要な課題だと思います。
 そこで、農水省にまず事実を確認します。食品関連事業者から排出される年間の事業系食品廃棄物の発生量、これが幾らか、そのうちの事業系廃棄物量、いわゆるごみと有価物の量はどれだけか、また、再生利用実施量はどのぐらいか、お答えください。
○政府参考人(大角亨君) お答え申し上げます。
 現時点での最新のデータでございます平成二十四年度のデータで見ますと、食品関連事業者から排出された食品廃棄物等の発生量は千九百十六万トンでございまして、このうち廃棄物が八百十九万トン、有価物が八百七十六万トンとなっているところでございます。また、同じく平成二十四年度の再生利用等実施率でございますが、こちらは八五%となっているところでございます。
○市田忠義君 今言われたように、食品廃棄物といっても大量の有価物が含まれているわけですから、食品の流通処理は大変に複雑で不透明なものとなっています。
 今回、これは環境省にお聞きしますが、登録再生利用事業者であるダイコーに処分を委託して、ダイコーの施設内に保管をされていたり、みのりフーズの倉庫内に保管されているものは何種類で何トン程度か、また、そこに委託した食品関連事業者は何社か、どういう会社か、お答えください。
○政府参考人(鎌形浩史君) まず、みのりフーズの施設から発見された廃棄食品でございますが、岐阜県によりますと、現時点で百八品目ということでございます。そのうちダイコーに廃棄物として処理を委託されたことが判明したものについては三十五品目ということでございます。また、愛知県によりますと、ダイコーの施設、六か所ございますけれども、そこには約一万二千九百立米の食品廃棄物が保管されているということでございます。
 なお、ダイコーに処理委託をしていた食品関連事業者の数や処理委託されていた廃棄食品の種類及び量につきましては、現在、警察による捜査中であるところ、現時点では私どもで把握できてございません。
○市田忠義君 警察に書類を押収されても、コピーぐらい、県、取っているでしょう。どうですか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 私ども、立入検査など環境事務所が行ってございますけれども、書類が存在しないために、私どもとしては数の把握まで至っていないというところでございます。
○市田忠義君 確かに、地元に行きましても事業者名は明らかにされませんでしたが、マルコメ株式会社など大手事業者が確認されていることは事実であります。
 ダイコーは、食品廃棄物を堆肥にすると、堆肥化するとの処分委託契約をしながら、それをやらないで、受託した廃棄物を食品として転売をいたしました。そして、電子マニフェストには全量堆肥化したと虚偽の報告を行っていた。
 食品リサイクル法では、食品関連事業者が取り組むべき措置の判断基準が定められています。その判断の基準となるべき事項の中には、再生利用等の実施状況の把握及び管理体制の整備という事項があります。
 そもそも、壱番屋は、ビーフカツに合成樹脂の異物が混入していたおそれがあるということでダイコーに処分を委託したと。万が一にも消費者の口に入っていたら、これは健康被害のおそれが大であったと。なおさらのこと、壱番屋には委託した食品廃棄物であるビーフカツが確実にしかも安全に最終処分されるまでダイコー株式会社の処分を確認する責任があったはずであります。にもかかわらず、堆肥化されたのはごく一部で、大部分は不正に転売されていたと。これは食品関連事業者として責任を放棄したと言われても仕方がないと思うんですが、環境省はこの点についてはどう認識されておられますか。認識だけで結構です。
○政府参考人(鎌形浩史君) 廃棄物処理法上、いわゆる排出事業者は自らの排出する廃棄物について処理をすべきであると、こういう規定がございます。いわゆる排出事業者責任という規定でございます。それに基づきまして、先ほど御指摘のありましたマニフェストのような制度もありまして、そのマニフェストによりまして、どこでどう処分されたかというのが排出事業者に戻ってきて確認するような、そういう仕組みも設けているわけでございます。そういう意味で、排出事業者としての責任はあるというふうに考えてございます。
○市田忠義君 壱番屋は二〇一四年以降、六十万枚近いカツ類の廃棄をダイコーに処理依頼して、その大半が異物混入や汚れ付着のおそれが理由だとされています。多量発生食品関連事業者の責任というのは極めて重大で、岐阜の県の当局者は、不正転売防止するためにはマニフェストに食品を照合、確認するためのロット番号を記載させるなどの改善が必要だということを提案をしておられました。これは当然の提起だと思います。
 農水省に聞きますが、食品リサイクル法では、もし判断の基準となるべき事項に定められた取組が不十分な場合は指導、助言を行うと、多量発生事業者、これは百トン以上ですね、の場合には、命令に違反した場合、罰則規定があります。これまで食品関連事業者に対してこの食品リサイクル法上の勧告、命令を出したり、罰金を科したりはありますか。
○政府参考人(大角亨君) お答え申し上げます。
 これまでのところ、食品リサイクル法第十条に基づきます勧告、公表、命令等の実績はございません。また、同法第二十七条に基づきます罰金につきましても実績はないものと承知しております。
○市田忠義君 なぜ勧告、命令や罰則を科した例がないかと。私、東海農政局と中部地方環境事務所に行って事情を聞いてきました。管内に三百八十社の多量発生事業者があると。これは年によってちょっと、廃業されたところもあるから若干の異動はあるけれども、現在、三百八十社の百トン以上の多量発生事業者があるが、今度の事件が起きるまで立入検査一度もやっていないと、そうおっしゃっていました。一度も立入検査やっていないんだから、勧告、命令、処罰された事例が一社もないというのは当たり前で、事実上の野放し状態だったというのがこの事実からも明らかだというふうに思うんです。
 そこで、大臣にお伺いしますが、食品リサイクル法も、判断基準がありながら食品廃棄物を商品として転売していた事実、これ国は把握することは今度できなかったわけですね。なぜかという問題なんですが、そこには、この法律が食品関連事業者の再生利用の実施率を上げるための制度、促進のための法律だと。それから、多量発生事業者の再生利用の委託や再生利用の実施状況の確認などが全く不十分であったということが原因として挙げられると思うんです。
 環境省は、今省令の判断基準の見直しを検討されているということをお聞きしていますが、私は、この際、食品廃棄物の発生から最終処分が終了するまでの一連の再生利用の工程が適正に行われるように、食品関連事業者の責任を法律上明確にこの際すべきではないかと思いますが、大臣、認識いかがでしょう。
○国務大臣(丸川珠代君) この事案は大変悪質で重大な事件であるという認識を持って、我々も自治体と緊密に連携をして対応しているところでございますが、御指摘のとおり、ダイコーが食品リサイクル法に基づき国の登録を受けた事業者であるにもかかわらず、食品関連事業者からのリサイクルに向けた食品廃棄物をダイコーが適正にリサイクルしていなかった事実を国として把握できていませんでした。この点については、国としての指導監督が不十分で、十分ではなかったという認識をしております。
 一方、そうした食品関連事業者の対応が食品リサイクル法に照らして適切であったか否かについても環境省として順次確認をしていく必要があると考えておりまして、農林水産省との調整を含め対応をしてまいります。
○市田忠義君 尋ねていることにお答えになっていないんです。法律上、責任を明確にする必要があるんじゃないかと。省令だけになっているわけでしょう、食リ法では。そういうことは検討するつもりはないのかと聞いたんです。
○国務大臣(丸川珠代君) 現在、警察の捜査中ということもありまして、その捜査等を通じての全容の解明を踏まえて、廃棄物処理法など現行の関係法令についてどのような問題があるかということを運用も含めて改めて検証をしてまいります。そして、必要に応じて今後の対応を検討してまいります。
○市田忠義君 岐阜県の担当者は、食品廃棄物を排出する食品関連事業者の責任が極めて希薄だということをおっしゃっていました。食品リサイクル法でも食品の安全性確保のため国としてしっかりした制度を確立してほしいと、これも県の担当者が要望しておられました。
 省令のままの努力義務規定では十分な効果はやっぱり上げられないわけで、全容解明、今途中だとおっしゃいましたが、全容が解明された段階で、やっぱり法律で食品関連事業者の確認義務という責任を明確にする方向で検討していただきたいということで要望しておきたいと思います。
 もう一つ大臣にお聞きしたいんですが、愛知県は、二月二十九日、廃掃法の規定によって、ダイコーに対して、ダイコーの施設内に保管されている産廃三千六百立方メートルの撤去を求める、そういう改善命令を出されました。
 ところが、ダイコーは、保管中の食品の処分を自分のところでやるのは経営上困難だというので、排出元の事業者に回収を要請しました。また、みのりフーズの施設内で保管されているダイコーからの不正転売食品についても、岐阜県の要請に応じて七つの企業が自主撤去を始めていると。
 ダイコーやみのりフーズの施設内で保管されている食品廃棄物は、飛び散って悪臭を発散する、周辺生活環境にも影響を与えるおそれが、まだ今寒い時期ですからあれですけど、夏場になれば、私もダイコーは中には入れませんでしたが、周辺もう悪臭が漂っていました。
 こういう改善をやろうと思うと、愛知や岐阜の両県の努力だけでは不可能だと思うんですね。委託、譲渡の基準や再生利用等の実施状況の把握などが十分でなかった食品関連事業者、これに対しては食品リサイクル法を所管する国が撤去を要請すべきだというふうに思うんですが、この点は大臣、いかがでしょう。
○政府参考人(鎌形浩史君) 廃棄物の処理の過程で生活環境保全上の支障が生ずるというおそれがあるという場合につきましては、やはり産業廃棄物の指導権限や監督権限を持ちます都道府県におきまして必要に応じ措置命令などが掛けられる、こういう仕組みでございますので、まずこの仕組みを運用していくことが肝要かと思います。
○市田忠義君 それはよく分かっているんですよ。廃棄物処理法に基づけば都道府県に責任があるというのは分かるんです。そこ任せにしておっては駄目じゃないかと、そこの力量では超えるものがあるから国としてもきちんと対応しないと生活環境に非常に影響を与えるよということを私指摘しているんです。
 では、次に進みます。
 動物性残渣を取り扱う全国の産業廃棄物処理業者を対象とした都道府県等の立入検査の結果、ダイコー以外に廃棄物食品の転売を行っていた事例の報告はなかったというふうにされています。要するに、本事案はごく一部の悪質な事業者によるものだというのが環境省の理解なんだと思うんです。
 しかし、販売元や製造元がダイコー株式会社に廃棄物処理を依頼したのは三十五品目、それ以外に、ダイコー株式会社に廃棄依頼していないものがみのりフーズに多数保管されていると。これは要するにどういうことかといえば、ダイコー以外の登録再生利用事業者や中間処理業者から不正な転売がされていることを示しているんじゃないか、単にダイコーだけではないんじゃないかということをこの事実は示していると思うんですが、環境省はこの点はどう認識しておられますか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 御質問の中で御指摘がございましたとおり、私ども環境省といたしましては、動物性残渣を取り扱う産業廃棄物処分業者、全国で千八百程度の施設への立入りを都道府県に要請して実施していただきました。その結果、転売されたことが確認された件数は報告としては上がってこなかったということでございます。
 そういう意味で、一部の業者による、悪質な業者によることというふうにも考えられますが、こういった事態を未然に防止できなかったということを受け止めて再発防止策をしっかり検討していくと、こういうような立場で取り組んでおるところでございます。
○市田忠義君 ごく限られた一部の悪徳業者というふうにあらかじめ見ないで、やっぱりそういうことがほかに起こっていないかというのは目を光らせる必要があると思うんですよ。
 例えば、株式会社ニチレイフーズは今回の不正転売に関して、弊社がダイコーに廃棄依頼したものもありますが、それ以外のところに依頼したものもあるということを報告しているんですよ。これはダイコー以外の再生利用事業者に廃棄依頼した可能性を示しているわけですから、やっぱり一社だけの問題にしないで、しっかり目を光らせることが大事だということを指摘しておきたいと思います。
 お配りしている資料を御覧いただいたら分かるんですが、みのりフーズの倉庫内にはダイコーが処理委託を受けた食品廃棄物の廃棄日と廃棄量が明らかになっています。一方で、賞味期限が廃棄依頼日以降の食品廃棄物が多数保管されていた。要するに、まだ賞味期限が切れていないものがいっぱいあったと。
 例えば、みのりフーズの倉庫に保管されているマルコメ株式会社の十三品目の食品廃棄物は、ダイコーに二〇一四年三月二十日から二〇一五年七月十四日の期間に十四万四千七百九十キログラムが廃棄依頼されていますが、一方で、賞味期限が廃棄依頼日以降の食品廃棄物、要するにまだ賞味期限が切れていないものが多数保管されていたと。
 これも環境省にちょっと認識問いたいんですが、このことは、マルコメは、賞味期限がまだあるにもかかわらず、規格外品や返品などの可食部分、食べることが可能な可食部分の食品廃棄物をダイコーに廃棄処理を委託してみのりフーズに転売されたということになると、これはそういう流れになる。その辺の認識はどう見ておられますか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 具体的に、個々の発見されたもので賞味期限切れでなかったかどうかということについてはちょっと今資料を持ち合わせておりませんが、この事案につきましては、やはりその食品ロスというものが大量に発生しているということが背景にあると、こういう認識がございます。
 先ほど農水省からお話ございましたが、食品廃棄物年間約二千八百万トンということでございますが、このうち、本来食べられるにもかかわらず捨てられているいわゆる食品ロスというのは六百四十万トンと推計されてございます。こういうものが大量に発生しているということがこの問題の背景にあるという認識はございます。
○市田忠義君 いや、よく分からないとおっしゃったけど、これ岐阜県の資料で、お配りしたものを見てもらったら分かるように、賞味期限が切れていないものをいっぱい委託しているというのははっきりしているわけじゃないですか。だから不正転売が可能になったわけで、食品流通の世界には、もうこれは釈迦に説法でよく環境省御存じのように、三分の一ルールというのがありますよね。要するに、賞味期限の三分の二を超えれば食べることが可能であっても店頭から撤去するという、そういうルールがありますけれども、このことによって食品廃棄物の可食部分が再生利用事業者によって悪用されて不正転売の土壌になっているというのは、私、今度の事件で明らかだというふうに思うんです。
 私は驚いたんですが、マルコメ株式会社は、今年一月二十日付けの産業廃棄物処理業者による不正流通についてというお知らせの中でこう言っているんですよ。みのりフーズの倉庫内で発見された当社の商品は、賞味期限切れでない一商品を除き、賞味期限が既に経過している商品でした、問題はございませんと。要するに、一つの商品だけがまだ賞味期限があるやつだったけれども、ほかは全部賞味期限が切れている商品ばっかりだったから問題はないという報告。これは私、全く無責任だと思うんです。なぜかというと、これ一月二十日時点の話であって、その食品はもっと前に持ち込まれていたんですよ。問題は、マルコメの食品廃棄物の賞味期限をやっぱり悪用してダイコーがみのりフーズに不正転売したと。
 そこで、大臣に私基本的な考え方を聞きたいんですけれども、賞味期限が過ぎた可食できない食品廃棄物しか処理委託ができないようにすると、この隙間の対策を取らないと再発防止にはならないんじゃないかと。要するに、賞味期限が切れたものしか駄目だよというルールにしないと結局こういうことは続くんではないかと。その点について大臣はどういうふうに、今度の事件の教訓からどうお考えか。
○国務大臣(丸川珠代君) まずもって、食品ロスを減らしていくために我が省のみならず省庁連携して取り組まなければいけないのではないかという指摘は度々いただいておりまして、これについては今後きちんとまた議論をさせていただかなければいけないと思っております。
 一方で、今御指摘いただいたような賞味期限が過ぎたものしか出せないということにするかどうかという点については、先ほどまさに委員が御指摘いただいたとおり、賞味期限内ではあるけれども何か問題があって処理をしなければいけなくなったということであったり、あるいは、物によってはその賞味期限と消費期限というものについての考え方が非常に難しい食品もあろうかと思いますので議論が必要かと思いますが、委員の御指摘のような考え方もあろうかと思います。
○市田忠義君 賞味期限内であっても異物が混入していたり、そういうのを処理する、それは当たり前の話。大丈夫なやつでまだ賞味期限があるのにそういうところへ委託すれば不正転売する、やっぱりそれが温床というか土壌になるじゃないかと、そこにはちょっとメス入れる必要があるよということを言っているわけで、これは、例えば岐阜県の担当者なんかも、再発を防止するために、流通のいわゆる三分の一ルールという商習慣の見直しを図るように国に強く要望しておいてほしいと、こういうことを現に担当者の方はおっしゃっていました。それしっかり受け止めていただきたいというふうに思います。
 それから、大臣にもう一つお聞きしますが、今回、不正転売を起こしたダイコー、ここは再生利用事業者の登録を受ける二か月前に、三重県内の施設で県の許可を得ずに堆肥を製造しているということが発覚をして、県は廃棄物処理法違反に当たるということで許可の取消しか撤去を求められた。そういう企業ですね、ダイコーは。こういう事業者に優良事業者として環境省は登録をしてしまったんですね。新規登録や更新時に、関係自治体の指導状況もつかまずに、申請書類、書類を見ただけで審査を行っていたからこういうことになった。ダイコーというのは多くの大手企業から食品廃棄物の処理を受注しているわけですが、それは、国から認められた優良業者だと、リサイクル率も処理能力共に高いというお墨付きを受けている企業だからということでそこに依頼したと思うんですね。
 このように、再生利用の促進法であっても、食品廃棄物の適正な処理と食品の安全衛生を担保するためには、制度上の見直しをしないままの再発防止策では解決しないんではないかというふうに思うんですが、この点についての大臣の認識はいかがですか。
○大臣政務官(白石徹君) 委員の御質問にお答えさせていただきます。
 今おっしゃったように、食品リサイクル法の登録再生利用事業者制度は、施設の処理能力や該当施設についての廃棄物処理法に基づく必要な許可を有することなどを審査して、施設単位で登録を行うものでありまして、今回、このダイコーについては、登録申請のあった施設と、また今おっしゃったような行政の指導を受けた施設が別の施設であったために、当時登録を行ったことが不適当であったというのは直ちに言えないような状況であったのは間違いないと思います。
 しかしながら、委員おっしゃるように、今から振り返ってみれば、こうした地方公共団体による行政指導といった情報も踏まえて、より慎重に判断すべきではなかったかというふうに考えております。そのために、今後は、廃棄物処理法に基づく地方公共団体での行政指導等の状況についても照会をして、そして登録審査及び登録を受けた事業者への指導監督においては参照していく旨を再発防止策の案に盛り込んでいってまいります。どうぞよろしくお願いします。
○市田忠義君 もう時間が来たからやめますが、前に登録をしたことは問題なかったけれども、今後は気を付けますよというのでは駄目だと思うんですよ。今のだとそういう話ですからね。やっぱり審査時に、単なる書類上じゃなくて、そういう悪徳業者だということを認定を受けていたわけだから、それを環境省が優良業者だというので登録をしたというのはやっぱりまずかったという認識の上に立たなかったら再発防止できないと思うんですよ。
 前のときには分からなかったと、それは書類を見ていただけだからなんですよ。やっぱりそういうことが起こらないためにも、前のやつのようなことを繰り返さないということを明言されないと、幾らでも起こりますよ。それだけ最後答えてもらって、終わります。まずかったという認識かどうかです。
○大臣政務官(白石徹君) 先ほども申しましたように、照会をせずに、その施設についての審査を行ったというのは環境省も手落ちがあったかもしれません。ただし、多県に及ぶ施設の場合は、なかなかそれも難しい状況でありましたけれども、今後はそれを見直して、しっかりと参照して、申請について審査をしていくと、こういうふうに考えておりますので、どうぞよろしくお願いします。
○市田忠義君 もう時間オーバーだからいいですけど、食リ法というのは、環境省と農水省の所管でしょう。だから、その登録をしたのは環境省の責任じゃないですか。それを多県にわたっているから分からなかったと、そんな言い逃れをしていたらまた再発するよということだけ指摘して、終わります。
○山口和之君 日本を元気にする会・無所属会の山口和之と申します。今回、環境委員会では初めて質問させていただきます。
 福島在住の議員として、本日は、福島関連の質問を中心に行わせていただきたいと思いますが、明日で五年ということなので、質問の前に、ちょっと、三月四日の朝日新聞ですけれども、朝日新聞社は福島放送と共同で福島県民を対象に世論調査を実施したと、電話ですけれども。
 復興への道筋については、余り付いていないという方が五三%、全く付いていないという方は九%、合わせて六二%の方々が付いていないと答えております。また、ある程度付いた三五%、大いに付いた一%、合わせて三六%を大きく上回っているということでございます。
 また、県全体で元のような暮らしができるのはどれぐらい先かという問いに対して、二十年より先が五一%で最多で、十年ぐらいが二〇%、そして二十年ぐらいが一八%というふうに続いております。
 再稼働についてですけれども、高浜原発で今問題になっておりますけれども、各地の原発再稼働の動きを踏まえ、再稼働の賛否を問うと、賛成は一〇%、反対は七七%。二月の全国定例調査で同じ質問をしたところ、賛成三一%、反対五四%。当事者の県としてはやはりそういう感情は非常に強いということを思っております。
 福島のイメージの回復については、回復していないは、余りと答えた方が五八%、全くは一〇%、合わせて六八%ということになっております。回復したは、大いには一%、ある程度は二九%、合わせて三〇%。福島の実情はこのような状況になっております。
 原発事故への政府の対応を評価するは一七%、評価しないは六六%。国としては全力を挙げて福島県を応援していっていただきたいと思いますし、自分も頑張りたいと思っております。
 さて、そこで質問ですけれども、福島県の甲状腺検査について質問したいと思います。
 大臣は、所信の中で福島県の県民調査に対する支援について述べておりましたけれども、その甲状腺検査、東京電力福島第一原発事故を受けて福島県が行っている事故当時十八歳以下の子供の甲状腺検査で、昨年末までに百六十六人が甲状腺がん又はがんの疑いとされております。県の検討委員会によると、県民健康調査における中間の取りまとめ最終案によりますと、この結果は我が国の地域がん登録で把握されている甲状腺がんの罹患統計などから推定される有病者数に比べて約数十倍のオーダーで多いということになるとしております。
 このことについての受け止め、何度も質問されているとは思いますけれども、お願いしたいと思います。
○国務大臣(丸川珠代君) 私どもも、震災五年の節目に当たり、また心新たにして被災者の皆様に寄り添って復興に取り組んでまいりたいと思います。
 福島県が開催した「県民健康調査」検討委員会の第四回甲状腺検査評価部会の資料によりますと、御指摘の数字について、過剰発生と解釈することは困難であり、過剰診断であることについて十分な蓋然性があるという旨が示されております。また、その中間取りまとめでは、甲状腺検査の結果、甲状腺がんの悪性ないし悪性疑いと判定されたものが甲状腺がんの罹患統計などから推定される有病率に比べて数十倍のオーダーで多いことが指摘をされており、この評価としては過剰診断の可能性が高いとの意見があった旨が記載されています。
 いずれにしても、甲状腺検査は検査が進行中であります。ですので、環境省としては、引き続き福島県の甲状腺検査の動向を注視していくとともに、お子さんや保護者の方の不安に十分思いを致しながら、福島県の県民健康調査への支援を含め必要な施策の推進に努めてまいります。
○山口和之君 つまり過剰診断によるものだと、過剰診断という言葉が出るとちょっと何か過剰なようなイメージあるかもしれませんけれども、罹患率はもしかしたら、じゃ、それぐらいの発生頻度で疾患が発症するんだということになるかもしれませんね、全国でいえば。これ、全国統計してみればそういうことになる。全国で甲状腺検査をすれば、過剰診断ということであれば、全国の罹患率というのは、現在の罹患率はちょっと違うんじゃないかと。例えば海外においても、その罹患率については検査が進んで昔とは違って発症率が非常に高いというところのデータも出ているわけですから、そう考えればたくさんのデータを集めるということはかなり大事なこと、福島だけの問題ではないというふうには思います。
 そして、そんな中なんですけれども、毎日新聞の報道によると、このような結果を受けて、約六十か国の研究者が参加する国際環境疫学会が日本政府と県に対して書簡を送り、詳しい調査や事故とがんの関係についての解明を求めたということが書いてありました。
 大臣は、これについて報告を受けているのか、また書簡はどのように受け止めるのか、また今後の方針について、どのような返答をするつもりなのかを教えていただきたいと思います。
○国務大臣(丸川珠代君) 国際環境疫学会の会長から書簡が届いているということは承知をしております。今回の書簡も含めて学術団体から寄せられる意見や提案などについては、適宜担当者において業務の参考とさせていただいているところです。
 なお、今回の書簡にあります、福島県民の健康を科学的に記録、追跡し、そのリスクをよりよく理解、評価する取組については、福島県の県民健康調査や健康不安対策などを通して既に行われておりますので、環境省としては福島県での県民健康調査が引き続き継続して行われるように必要な施策を行ってまいります。
○山口和之君 今から五年前の原発事故のときなんですけれども、もう福島、福島だけじゃないと思いますけれども、住んでいらっしゃる方々は物すごい不安に駆られたわけです。そのときに、世界中から科学者が集まって討議してほしいと自分は思いました。
 例えば、母乳を心配されるお母さんがいらっしゃいました。子供に母乳を与えていいのかどうなのか、サンプル調査ではいいというふうなデータがあったんですけれども、それを押し切っていいのかどうかを含めて考えていくと、やはりこの事故はほかのものとはちょっと違って、国際的にいろんな学会、ある程度のレベルの学会と協力していろんなことをやっていくことが大事なんじゃないかと自分は思います。
 この学会のレベルはどれぐらいのレベルなのか知らないですけれども、複数の学者が集まるところと、世界中の問題として、突っぱねないで一緒にやるということも検討してもいいんじゃないかなというふうに思うんです。ある程度のレベルの学会の協力を得るということは良いことじゃないのかなと思うんですけれども、もう一度この点について。
○国務大臣(丸川珠代君) 様々な学会があって、それぞれ参加しているメンバーも含めて、いろいろな調査研究あるいはエビデンスへの取組というものがあろうかと思いますので、そうしたものも十分に参考にさせていただきながら、我々として、今まさに県民健康調査をやっているということは、継続的に続けていくことの重要性というのを私非常に強く認識をしておりますので、これをしっかりやらせていただきたいと思っております。
○山口和之君 できればデータを共有したり、あるいは調査の方法を検討したり、そういう意味でも他の学会、ほかの学会、集学的な見地から、世界中の問題だと思いますので、場合によっては罹患率も非常に変わってくることでしょうし、治療にも影響してくる問題だと思いますので、門を閉ざさず、この件については広げて、ほかのことも全てですけれども、広げていただきたいと思います。
 もう一つ質問なんですけれども、甲状腺がんが通常の発症率よりも多かった原因については、学者内でも今のお話で過剰診断と、あるいは被曝説、被曝影響説が対立はしています。ほとんどが過剰診断というところに落ち着いているんだとは思いますが。その中で長期にわたる集積が必要なのはこれ当然なことだと思います。安易な決め付けを排して、冷静にいろんな情報を入れながらエビデンスの蓄積をしていく必要があるとは思うんですけれども、福島県だけではなくて、検査を希望する関東など近隣の県でのデータも実は必要なんではないかなと思います。同じように放射線が高いところもあったり、そこで壁をつくることによって、科学的にはそうなのかもしれませんけれども、不安である人たちに対してどう対応するかというふうに考えていくと、福島県外においても希望者だけでも国主導で調査すべきではないのかなというふうに思います。
 例えば野田市のホームページに、国に提出した野田市長による意見全文というのが載っておりまして、そのうち抜粋させていただきますけれども、健康調査については、発災当時に被曝したことにより将来の健康について懸念しているために求めているものであり、その後に空間放射線量が低減したとしても不安は解消しないことから、法の目的である被災者の不安の解消及び安定した生活の実施に寄与することに対する国の取組の姿勢が欠けていると考え、前回の基本的な方針策定の際に提出した意見と同様に、福島県の県民健康調査、甲状腺検査の充実に福島近隣県並びに汚染状況重点調査地域の住民を対象に加えるべきであるということが野田市でも言われております。
 したがって、自分もそう思うんですけれども、大体のデータとしてそれだけあれば十分かもしれませんけれども、不安ということと、それからやはりn数増えることは精度を増していくことにもつながってきますし、そういう意味で、必要と思っている方々、不安になっている方々、検査を受けたいと思っている方々に対して国は支援していってほしいと思うんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(丸川珠代君) 福島県外の近隣県が開催した有識者会議等では特別な健康調査等が必要ないとの見解が取りまとめられており、また国際機関であるWHOやUNSCEARの報告書においても福島県外における健康調査の必要性は指摘されていない状況です。
 環境省が開催した住民の健康管理に係る専門家会議の中間取りまとめでは、福島県外で被災された方に対する甲状腺検査について、症状のない小児に一律に検査を実施することにより生ずる問題等を踏まえ、施策として一律に実施することについては慎重になるべきとの意見が多かった旨が示されております。
 先生も医療の現場におられたのでよく御承知かと思いますが、検査も含めて医療というのはそのプラスとマイナスをよくその患者さんなりその対象に対して十分検討した上で、よりプラスの方が多いということになれば採用するということであろうかと思いますので、それを踏まえて、環境省としては福島県外で甲状腺検査を行うことは考えておりません。
 いずれにしても、引き続き県民健康調査が円滑に行われるような必要な支援を継続するとともに、福島県外においては、環境省が開催した専門家会議の中間取りまとめを踏まえ、疾病罹患動向の把握を進めていくこととしております。加えて、不安をお持ちの皆様方には正確で分かりやすい情報提供をしっかり進めていくことが重要ですので、例えば保健医療福祉関係者や教育関係者等を対象とした研修会、また地域のニーズを踏まえた住民参加の意見交換会などの取組を進めております。
○山口和之君 一律にではなくて希望者に対してどうでしょうかということなんです。
 それから、罹患率が変わってくるということであれば、そういう病気を、病気なのか、まあ病気だと思いますけれども、それを持っているということを知るということはその人にとってマイナスなのか、本当にということです。知らなければよかったのにというのは無駄な手術があるからであって、無駄な手術をしないようにしていくことがこれからのことに対しても非常に重要になってくるわけだと思います。無駄なのか、必要な手術なのか、あるいはどれぐらいの発症率なのか、その人たちがどれだけ不安が解消されるのかと考えていくと、一律にとまでは言わなくても、不安な方々に対して支援することは、もっと広範囲で測定してn数を増やすことについても、データとしての信頼性も高まってくるんだとも思いますし、国民の不安も解消されていくんだと思います。再度検討していただきたいということを述べて、この質問は終わりたいと思います。
 次に、中間貯蔵施設、午前中も杉委員の方から出ておりましたけれども、中間貯蔵施設について用地獲得が難航しているという話、午前中もありました。具体的にどう加速的に進めていくのか、加速化プラン、また、先ほどもマンパワー不足の話が出ておりましたけれども、大臣の決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(丸川珠代君) 中間貯蔵施設の整備については地元の御理解をいただくということがまず極めて重要であります。
 これまでのプロセスで課題となっていたのは、一つは地権者の皆様方とのコミュニケーションであったと思います。プロセスの途中でもきちんと地権者の皆様とコミュニケーションを取るということの重要性を鑑みまして、昨年の十一月に地権者説明の加速化プランを公表させていただきまして、これに基づいて取組を進めております。
 物件調査をいたしますけれども、それまでは、物件調査が終わって、なおかつ算定が終わった後で御説明に上がっておったわけですが、まず物件調査が終わった段階で御説明にお伺いをする、そして内容を確認していただくというプロセスを一つ挟ませていただくことにしました。昨年九月までに物件調査が終了している方のうち、これ五百人いらっしゃいますけど、今九割の四百五十人の方々に御説明をさせていただいておりまして、今年度中、全ての方々に説明をさせていただくこととしております。
 そして、もう一点、課題として非常に大きいのが算定に係る問題であります。これまでも帰還困難区域という特殊性のためにそれに見合った算定が必要であったということ、それから実際に物件の調査に入る上でも、時間的な制約があるということで時間が掛かっておりましたけれども、この算定方式が決まったものをシステムに反映しまして、よりスピードアップが図れるような後押しをしてまいりました。
 ですので、今後、この作業をしっかりと更に加速化させて、地権者の皆様方に御理解を得ながら、特に信頼関係を築くということが非常に重要だと思っておりますので、段階的に用地が取得ができたところから施設の整備を進めてまいります。
○山口和之君 いずれにしても、所有者が納得できるように誠意を持って是非対応していただきたいと思います。また、地域の方でもやはりずっと置いておけない状況が続いておりますので、是非加速的に進めていただきたいなと思います。
 今後三十年間の中間貯蔵施設ですけれども、時計の針は既に動いていて、実のところ福島県外への最終処分まであと二十九年というふうに考えた方がいいのではないかなと思うんですが、県外への最終処分へ向けた準備を同時並行で進めていかなければならないんだと思います。結構大変な作業だとは思うんですけれども、その現状についてどのような作業をしているのかを伺いたいと思います。
○国務大臣(丸川珠代君) 福島県外における最終処分の検討に当たって、一昨年の七月に最終処分に向けた八つのステップを示させていただきました。この中に、除染で生じた土壌等の減容、再生利用ということの技術開発、またそれを実際に当てはめていくということが書かれておりますが、今その最終処分の対象となる物量、その放射能濃度、処分場の必要面積がどのようになるかということについては、まさに減容、再生利用がいかに進むかということによるわけでございます。ですので、昨年の七月に有識者から成る検討会を設けまして、減容、再生利用に関する技術開発戦略を今年度中に取りまとめるべく検討を進めているところです。
 そうした技術的な検討をして、ある程度の見通しが立てられる状況にするということに加えて、国民の皆様の御理解をいただくということが非常に重要でございますので、この点についても並行して取り組んでいく考えでございます。いずれにしても、県外最終処分の実現に向けて着実に前に進んでいきたいと思います。
○山口和之君 国民の理解がされないままこれが進んでいくと大変なことになってしまいます。安全を確保しながらどのように展開していくのか、しっかりと検討していただきたいなと思います。
 最後に、ちょっと福島から離れるんですけれども、オリンピック・パラリンピックが行われますけれども、その中で日本ブランドということを考えていくと、ちょっと少し自分のあれですけれども、ペットの殺処分について少し現状を伺いたいと思います。それと、あと日本のあるべき姿について後ほど大臣に伺いたいと思います。
○政府参考人(奥主喜美君) 犬猫の殺処分数の現状につきまして御説明させていただきます。
 犬猫の殺処分数を減少させるためには、自治体に引き取られる犬猫の数を減らすことや、引き取られた犬猫を新たな飼い主に譲渡することが重要であると考えております。
 環境省では、動物愛護管理基本指針におきまして、平成三十五年度の犬猫の引取り数を平成十六年度比の七五%減となる約十万頭とする目標を設定しています。この目標を達成するため、環境省において、終生飼養などの飼い主責務の徹底について広く普及啓発を行うとともに、自治体や関係団体による引き取られた犬猫の返還、譲渡の促進等を行ってきたところです。
 こうした取組の結果、平成二十六年度の全国の犬猫の引取り数は約十五万頭までに減少し、それに伴いまして全国の犬猫殺処分数は、平成十六年度からの十年間で、犬がおおむね八六%減の二・二万頭、猫が六七%減の八万頭まで減少しております。
 また、環境省では、不必要な殺処分をできる限り減らし、最終的にゼロを目指すため、平成二十六年度に人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクトのアクションプランを発表し、自治体や関係団体等と連携したモデル事業や適正飼養の普及啓発等に取り組んでいるところでございます。
○国務大臣(丸川珠代君) 殺処分ゼロということに向かって今まさに取組をしているところですが、何よりも飼い主の方に意識を持って最後までかわいがっていただくこと、引取り数を減らしていくということがまず重要かと思います。平成三十五年度に平成十六年度比七五%減というこの基本指針に示す引取り数の削減等の目標をできる限り前倒しで実現するように努力してまいります。
○山口和之君 うちのおふくろというか母はペットが好きだったんですけれども、自分が飼うと、自分の方が先に死ぬと、ペットよりも、だから飼えないと。
 でも、今独り暮らしの高齢者が多かったり、ペットは、高齢者がもし身近に飼えることができたら、それも一つの大きな文化になっていくのかなというふうにも思いますので、優しい国日本に是非していただきたいなと思います。どうぞよろしくお願いします。
 ありがとうございました。
○渡辺美知太郎君 無所属の渡辺美知太郎です。
 昨年末質問をさせていただきました缶詰とグリーン購入法の問題について伺います。
 まずは、経済産業省に伺います。
 商品の品質を実際のものよりも優れたものとして宣伝する表示のように、事業者が自らの商品やサービスに関する表示を偽って不正に利益を得ようとする偽装表示は、経済産業省が所管している不正競争防止法に違反する行為に当たる可能性があります。
 配付資料を御覧ください。この図は、昨年もお話をさせていただきました、三年保証の空き缶に食料品を詰めるとなぜか賞味期限が五年になるという話をちょっと図式化したものでありまして、これを作っている会社を仮にA社といたしますと、三年保証の空き缶容器を使ってパンの缶詰を生産し、賞味期限五年として販売した場合、商品の品質も実際のものより優れたものとして宣伝する表示のようにも思えます。これですと、事業者間の公平な競争を確保できないように思います。
 A社の事象について、経済産業省の御見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(中山隆志君) お答え申し上げます。
 不正競争防止法におきましては、ある商品の原産地あるいは品質、内容などにつきまして誤認させるような表示をする行為につきましては不正競争の一つとして位置付けているところでございます。
 ある行為がこの不正競争に該当するか否かにつきましては、最終的には個別の案件ごとに事案の事情に即しまして裁判所で御判断いただくということになりますけれども、例えば品質保持期限あるいは品質保証期限が実態と懸け離れた形で、まさに誤認させるような形で表示をされている場合は不正競争防止法の不正競争に該当する可能性は否定できないと、かように考えております。
○渡辺美知太郎君 ありがとうございます。
 経済産業省の偽装表示の防止と不正競争防止法の資料には、表示をする際に留意すべきこととありまして、具体的な場面で困った場合、そのようなときは、経済産業省知的財産政策室にお問合せいただくか、弁護士などの専門家に相談してくださいとあります。
 配付資料のように、三年保証の空き缶容器で缶詰を生産し、賞味期限五年表示をしたいとA社から経済産業省知的財産政策室に相談があった場合、どのように対応をするのか、経済産業省に伺いたいと思います。
○政府参考人(中山隆志君) お答え申し上げます。
 御相談がありましたときには、個別具体の事情に即しまして判断、判断といいますか、まずお話をお伺いすることになりますけれども、仮に、内容あるいは品質などにつきまして誤認させるような表示ではないかというふうに考えられます場合には、不正競争法の不正競争に該当する可能性があるのではないかということできちんと注意を喚起してまいりたいと考えております。
○渡辺美知太郎君 経済産業省から具体的な御答弁いただきまして、ありがとうございます。
 続いて、消費者庁に伺います。
 賞味期限や消費期限については食品表示法や食品表示基準で定められていると思います。配付資料のように、A社が三年保証の空き缶容器を使ってパンの缶詰を生産し、賞味期限五年として販売した場合、科学的、合理的な根拠に基づいて期限を設定していると言えるのか、消費者庁に伺いたいと思います。
○政府参考人(吉井巧君) お答えいたします。
 食品の賞味期限等の期限表示につきましては、食品表示基準における義務表示事項となっております。食品の特性等を踏まえまして、食品関連事業者が設定をいたしまして表示することとなります。
 消費者庁といたしましては、適正な期限表示設定の参考となるよう、食品期限表示の設定のためのガイドラインにおいて、食品関連事業者自らが理化学試験、微生物試験などの結果に基づき判断する必要があることを定めております。これらの試験は容器包装された食品を用いて行うものでございます。つまり、缶詰は缶詰のままで試験をするということでございます。したがいまして、一般論として申し上げれば、容器包装の形態等が設定をされている期限に影響を与え得るものと認識をしているところでございます。
 なお、個別の缶詰に使用する缶の保証期間と食品表示法における期限表示の関係につきましては、具体的な内容を把握していないことから、コメントは差し控えさせていただきたいというふうに考えております。
○渡辺美知太郎君 今お話がありました食品期限表示の設定のガイドラインの中に情報提供という項目があります。この項目には、製造業者等は、期限設定の設定根拠に関する資料等を整備、保管し、消費者等から求められたときは情報提供するように努めるべきであるとされています。
 三年保証の空き缶容器を使ってパンの缶詰を生産し、賞味期限五年として販売しているA社に消費者が空き缶容器の保証期間の証明を求めたといたします。その場合、三年の保証書しか提示できません。賞味期限五年のパンの缶詰の賞味期限の設定根拠として消費者から理解を得られると思うか、消費者庁に伺いたいと思います。
○政府参考人(吉井巧君) お答えいたします。
 先ほどの繰り返しになりますけれども、あくまでも一般論ということでございます。仮に科学的根拠に基づかない期限が設定している場合につきましては、食品表示基準の違反ということになります。必要な情報は積極的に出すという前提で、そういったことを考慮しながら対応するということが必要かと思います。その結果、行政指導や食品表示法に基づく行政処分、こういったものが必要になる場合につきましては、個別の問題として対応させていただくということになろうかというふうに思います。
○渡辺美知太郎君 つまり、一般的に流通している三年の缶詰を使って食品を詰めて賞味期限五年とした場合に、もしかしたら違反になる可能性があるということですね。
 続きまして、農林水産省に伺いたいと思います。
 食品の安全を確保するためには、生産から消費に至る食料供給の各段階において科学的な原則に基づき必要な措置を講じなければならないという考え方が国際的な共通認識になっています。国内においては、食品安全基本法により、食品の安全の確保について、国民の健康の保護が最も重要であるという基本認識があります。配付資料のような、三年保証の空き缶容器を使用して缶詰を生産し、賞味期限五年として販売することはリスクがあるとも考えられます。リスクとは、食品中に危害要因が存在する結果として生じる健康への悪影響が起こる可能性です。以前お話をさせていただきました二〇〇九年の記事で、無料配布された災害備蓄用缶詰の一部にカビのような黒っぽい変色をしている製品が見付かったのも賞味期限五年の缶詰でした。
 食品安全確保の観点から、三年保証の空き缶容器を使用して賞味期限五年の缶詰を生産することにリスクはあるのか、農林水産省の御見解を伺います。
○政府参考人(岩瀬忠篤君) お答え申し上げます。
 缶詰の製造業者が賞味期限を設定するに当たっては、先ほど消費者庁からも説明がありましたように、消費者庁の食品期限表示の設定のためのガイドラインなどを踏まえまして、自らの責任によって行うこととされているところであります。
 農林水産省として個別の缶詰の賞味期限の是非を一概に申し上げることはできませんけれども、缶詰の製造業者においては、その食品を一番よく知っているという立場から、科学的、合理的な根拠に基づき適切に賞味期限を設定しているものと考えております。
○渡辺美知太郎君 以上の議論を踏まえまして、環境省に伺いたいと思います。
 グリーン購入法の対象品目と判断の基準で、災害備蓄用品の缶詰が賞味期限五年以上になっている点について伺います。
 市場に一般的に流通している缶詰の空き缶容器の保証期間は三年のものが主流であります。一部の企業が三年保証の空き缶容器を使い、グリーン購入法の判断基準に適合する賞味期限五年以上のものを設定しているのではないかと私は思っております。実際に、グリーン購入法に基づき備蓄されている缶詰の賞味期限五年以上の妥当性を実際に調査をされているのか、環境省に伺いたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) お答えを申し上げます。
 グリーン購入法は、現に市場に流通しております物品の中から環境負荷の低減に資する物品の調達を行いまして環境物品へ需要の転換を促進していくものでございまして、環境物品の指定に当たりましては、最終的には閣議決定はさせていただいておりますけれども、業所管省庁でございますとか、それぞれの規制省庁を含みます各省各庁と協議をさせていただいているところでございまして、一般的に環境物品の調達対象となるものの品質や表示につきましては、関係法令において適切に対処されていることが前提となってございます。
 御指摘の災害備蓄用の缶詰につきましても、物品自体は特殊な用途のものではございますけれども、同様の考え方に基づいて環境物品としての指定及び調達がなされてきているところでございます。そういうことでございますので、環境省といたしまして、市場全般について、期限五年以上が確保されているかどうかについての独自調査は行っていないところでございます。
 なお、環境省も災害備蓄用として缶詰を調達しておりますけれども、五年のものを調達をさせていただいているところでございます。
○渡辺美知太郎君 実際に調査はされていないということでありますが、やはり、グリーン購入法では賞味期限五年以上としているので、しっかり調査をしていただきたいなと思っています。
 では、賞味期限五年以上を設定するに当たり、缶詰業界の実情や業界からの聞き取り等を行って設定をしているのか、環境省に伺いたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。
 グリーン購入法の基本方針におきます災害用品としての缶詰の判断基準の設定に当たりまして、平成二十四年度に特定調達品目検討会災害備蓄用品専門委員会を開催いたしまして、オブザーバーとして日本缶詰協会研究所に御参加をいただいたところでございます。
 また、賞味期限を五年以上とすることに関しまして、日本缶詰協会から、会員が販売している缶詰の賞味期限は全て三年以下となっていること、災害備蓄用品としてはごく一部のメーカーが賞味期限五年の製品を製造販売しているが、コスト増となることから開発普及に限界があること等の情報提供をいただいております。また、加えまして、判断基準について五年以上から三年以上にすることが適当であると考えられる旨の御意見や、賞味期限がより長い商品を環境負荷が低いとしている点についてその科学的根拠を明示すべきとの御意見をいただいたところでございます。
 これらも踏まえまして、専門委員会におきましては、委員から、廃棄物の排出抑制等の観点で、判断基準においては賞味期限を五年以上で設定することは、この目標に向けて企業の取組を促すこととなる旨の御意見や、大量に作ればコストダウンになり環境負荷が増大することはない旨の御意見をいただいたところでございます。
○渡辺美知太郎君 以上の議論を踏まえまして丸川大臣に伺いたいと思っています。
 昨年も申し上げました。缶詰がほとんど三年、特に災害備蓄用のものは三年で、五年のものは一部であるということ、そして三年の容器を使った食料品で五年と賞味期限にした場合、今までの経産省や消費者庁、農水省からの御答弁いただきましたが、法令等に違反する可能性があるということ、そして本則にどうしても五年と書いているのでなかなか三年のは使いづらいというお声があります。
 こういった議論に加えまして、災害時に災害備蓄用品の缶詰を開封、災害が起きて開封して、記事にもありましたように、変色しておりましたりして食べることができなかったリスクを考えますと、賞味期限五年以上という部分を見直す必要があるのではないかと思っていますが、大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(丸川珠代君) 議員御指摘のとおり、いざ災害の場面で備蓄用品が食べられないという状況の缶詰ではいけないと思います。
 前回御答弁申し上げましたとおり、グリーン購入法における缶詰の判断基準は賞味期限五年以上とすることで廃棄物の発生抑制を狙ったものと承知をしております。もちろん、五年で入れ替えるのと三年で入れ替えるのでは廃棄物の量は異なるわけです。賞味期限が五年以上の缶詰について、一方では技術的な面で市場への供給に制約があることは承知をしておりまして、これを勘案して経過措置を設けているところですが、今後、他省庁の御意見もよく伺って、見直しの検討を進めてまいりたいと思います。
○渡辺美知太郎君 大変前向きな御答弁、本当にありがとうございます。
 では、予防原則とちょっと農薬の使用について、まだ時間がありますので伺いたいと思っております。
 環境省は、第四次環境計画や環境白書において、環境影響が懸念される問題については、科学的証拠が欠如していることを理由に対策を遅らせず、知見の充実に努めながら予防的な対策を講じるとあり、これはいわゆる予防原則と呼ばれるものです。
 農薬に関する環境行政についてもこの予防原則によって行うものと考えていいのか、環境省に伺いたいと思います。
○国務大臣(丸川珠代君) 私からお答えさせていただきます。
 平成二十四年四月に閣議決定された第四次環境基本計画においては、長期間にわたる極めて深刻な、あるいは不可逆的な影響をもたらす場合、このような環境影響が懸念される問題については、科学的知見の充実に努めながら予防的な対策を講じるという予防的な取組方法の考え方に基づいて対策を講じていくべきであるとされています。
 農薬に関する環境行政においても、これを踏まえ、農薬による水産動植物や生態系への影響調査等により科学的知見の充実に努めつつ、リスク評価を踏まえ、水産動植物の被害防止のための農薬登録保留基準の設定など環境保全のための予防的な対策を講じているところです。
○渡辺美知太郎君 大臣から御答弁をいただきました。
 では次に、EUでの農薬規制について伺います。
 EUでは、予防原則の観点から、ネオニコチノイド系の農薬について家庭での使用や農家でも一部方法での使用を禁じました。この件について環境省としてはどのように評価をされておるのでしょうか、大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(丸川珠代君) 御指摘のとおり、EUにおいては、蜜蜂への被害が懸念されることから、平成二十五年十二月より、一部のネオニコチノイド系の農薬について使用の制限をしつつ、更なる知見の充実に努め、平成二十九年の一月までに蜜蜂へのリスク評価を更新する予定であると承知をしております。
 EU、ヨーロッパでのこの農薬の使用方法と環境の状況が我が国とは異なっておりますために、農薬の使用に伴う環境への影響を低減する措置についても各国の状況に応じたリスク評価、管理が必要と考えます。
○渡辺美知太郎君 EUとは確かに環境は違うという面もありますので、その点については今後も観察を続けていただきたいと思っております。
 続きまして、農水省にお尋ねします。農薬の規制について伺います。
 農薬の使用について、予防原則による規制という考え方はあるのでしょうか。つまり、環境省の言う科学的証拠が欠如していることを理由に対策を遅らせず、知見の充実に努めながら予防的な対策を講じるという意味での規制になりますが、農水省としてはいかがお考えでしょうか。
○政府参考人(川島俊郎君) お答え申し上げます。
 我が国の農薬に関する規制措置等につきましては、人の健康や環境の保護を図るため、リスクアナリシスの考え方に基づきまして、科学的な知見の下に多様なリスク管理手法の選択肢から最も適切なものを選択して実施しているところでございます。
 我が国におきまして平成二十五年度から実施しております蜜蜂の被害事例に関する調査の結果からは、欧米で報告されておりますような蜂群崩壊症候群はこれまで報告されておりません。このような状況ではございますけれども、我が国におきましては、農薬の蜜蜂に対する危害を未然に防止する観点から、農家と養蜂家との間の情報共有の指導などの対策を実施しているところでございます。これらの対策につきましては、蜂群崩壊症候群の発生に対して我が国の現状に応じた予防的な意味合いを持ったものであるというふうに考えているところでございます。
○渡辺美知太郎君 今おっしゃったように、農薬の登録や検査に当たっては農薬の使用基準を遵守するというこれ大前提があります。しかし、文献などを読んでいますと、しばしば指摘される問題として、現場における高濃度での使用や基準回数を超えて使用することが挙げられています。また一方で、農薬代を節約するためにあえて薄く使う農家もいるとも聞いておりまして、今後健全な議論をする上で農薬の使用実態を把握する必要性もあると思うんですが、農水省の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(川島俊郎君) お答え申し上げます。
 農林水産省は、農薬による危害の防止や農作物の安全確保のため、農薬使用者に対しまして、適用作物、使用量、使用時期、使用回数などを遵守するよう都道府県を通じて指導を行うとともに、使用実態の調査を行っているところでございます。平成二十五年度に実施しました使用実態調査におきましては、ほとんどの農家、具体的に申し上げますと三千九百二十八戸のうち三千九百二十二戸というふうになっておりますけれども、ほとんどの農家で、農薬の使用基準より高い濃度で、あるいは使用回数を超えて使用されているようなことがないことなどを確認しております。
 また、このほかにも、毎年六月から八月にかけて実施しております農薬危害防止運動におきまして農薬の適正使用の徹底を図るとともに、都道府県が農薬使用者を対象として開催する講習会などの取組に対しまして消費・安全対策交付金により支援をしているところでございます。
○渡辺美知太郎君 都道府県にしっかり指導しているということでありますが、農薬の使用実態、これをやはりしっかり守っていただくのが大前提だと思っておりますので、引き続き農水省さんの方でも確認をしていただければなと思っております。
 私の質問は以上で終えたいと思います。ありがとうございました。
○委員長(磯崎仁彦君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時十五分散会