第190回国会 地方・消費者問題に関する特別委員会 第10号
平成二十八年五月十八日(水曜日)
   午後一時開会
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   委員の異動
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     古賀友一郎君     太田 房江君
     長峯  誠君     森 まさこ君
     徳永 エリ君     斎藤 嘉隆君
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     野村 哲郎君     山下 雄平君
     若林 健太君     宮本 周司君
     河野 義博君     新妻 秀規君
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     宮本 周司君     島村  大君
     山下 雄平君     野村 哲郎君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         熊谷  大君
    理 事
                島田 三郎君
                滝沢  求君
                三木  亨君
                森本 真治君
                安井美沙子君
               佐々木さやか君
    委 員
                青木 一彦君
                尾辻 秀久君
                太田 房江君
                島村  大君
                中川 雅治君
                野村 哲郎君
                藤川 政人君
                宮本 周司君
                森 まさこ君
                森屋  宏君
                山下 雄平君
                山田 修路君
                金子 洋一君
                小西 洋之君
                斎藤 嘉隆君
                寺田 典城君
                難波 奨二君
                林 久美子君
                新妻 秀規君
                横山 信一君
                大門実紀史君
                和田 政宗君
                吉田 忠智君
                平野 達男君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全)
       )        河野 太郎君
   大臣政務官
       財務大臣政務官  中西 祐介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
       常任委員会専門
       員        小野  哲君
   政府参考人
       内閣官房まち・
       ひと・しごと創
       生本部事務局次
       長        中尾 泰久君
       内閣府消費者委
       員会事務局長   黒木 理恵君
       警察庁長官官房
       審議官      露木 康浩君
       金融庁総務企画
       局審議官     長谷川 靖君
       消費者庁次長   川口 康裕君
       消費者庁審議官  井内 正敏君
       総務大臣官房審
       議官       池永 敏康君
       総務省総合通信
       基盤局長     福岡  徹君
       経済産業大臣官
       房商務流通保安
       審議官      住田 孝之君
       中小企業庁長官  豊永 厚志君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○特定商取引に関する法律の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○消費者契約法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
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○委員長(熊谷大君) ただいまから地方・消費者問題に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、徳永エリ君、古賀友一郎君、長峯誠君、河野義博君、若林健太君及び野村哲郎君が委員を辞任され、その補欠として斎藤嘉隆君、太田房江君、森まさこ君、新妻秀規君、宮本周司君及び山下雄平君が選任されました。
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○委員長(熊谷大君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案及び消費者契約法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、消費者庁次長川口康裕君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(熊谷大君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(熊谷大君) 特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案及び消費者契約法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○寺田典城君 民進党・新緑風会所属の寺田典城でございます。よろしくお願いします。
 熊本地震でお亡くなりになられた方々に対して改めて哀悼の意を表させていただきますし、また、できるだけ早く安全、安心な生活が元どおりにできるように心から祈るものでございます。
 それと、現地では消費に関わる方々、国民生活センターの方々も非常に難儀していると思いますが、ひとつこの方々にも健闘を祈っております。
 それでは、質問に入らせていただきますが、今回の特定商取引法と消費者契約法に対しては、悪質業者に対しての規制強化でございますので、消費者側にとっては有利に改正するものでありますから賛成でございます。
 その中で、一つ、特定商取引法の方の行政調査に関してなんですが、現行法では、消費者庁長官は事務の一部を経済産業局長に委任することになっていますし、また都道府県知事が調査を行うことにもなっております。
 それで、消費者庁では徳島県に移転するということを今計画しているようなんですが、地方行政に対してどのような影響が出る可能性があるのか、河野大臣に改めてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) 三月二十二日に決定されました政府関係機関移転基本方針では、ICTの活用等による試行等を行い、移転に向けて八月末までに結論を得ることを目指すというふうにされております。
 地方行政に移転が及ぼす影響等を含め、こうしたテストを踏まえてしっかり検討して結論を出してまいりたいというふうに思っております。
○寺田典城君 私は東北なんです。例えば、盛岡からまず徳島まで用事があって、この消費者問題で、何時間掛かるかというと、盛岡から六、七時間は確実に掛かります。秋田県からでも四、五時間は掛かります。また、鳥取市からどのくらい時間掛かるのかなと調べてみましたら、特急、高速バスで四時間ぐらいですね。私は無理があるんじゃないかなと思うんです。
 長官、ひとつ、無理が通れば道理が引っ込むという慣用句がありますね、この言葉、どう思いますか。
○国務大臣(河野太郎君) 現在、我が国の例えば航空路線一つ取っても、羽田と伊丹を中心にハブ形に路線がつくられているという現実がございます。それによって、東京にどんどんいろんなものが集積をしていくというのが今の様々な地方と東京の格差を生んできたんだろうと思います。
 今、幾つかのLCCが、東京とそれ以外をハブ形で結ぶのではなくて、地域の空港同士をしっかり相当安い価格で結んでいこう、そういう検討もなされているというふうに思っております。やはり地方創生というためには、東京あるいは大阪と地域が結ばれるのではなくて、日本の様々な地域同士が結ばれていくということが大切なんだろうなというふうに思っております。
 そういうことを考えると、今は何となく無理がというお話でございますが、そのうちそれが無理ではなくなる日が来るだろうし、そうでなければ地方創生というのにつながっていかないのではないかと思っておりますので、そこは慎重に見極めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○寺田典城君 かなり無理してお話ししているような形に聞こえます。
 本当にこれは、無理を通すということは、理にかなったことが行われなくなるんですね。人の時間もたくさん取るし、合理的じゃないし、サービスも落ちるしですね。だから、もっと徹底して、徳島に移転するんだったら、もっと自己完成型の省庁を移転をさせた方がいいんですよ。これ、消費というと、国民を相手に仕事しているんですから。国民相手ですよ、全部。だから、何かこの頃、大臣になったら、河野大臣、なぜこんなにかたくなになるんだろうなと思うんですがね。ちょっと残念です。
 とにかく、こうなってくると前泊か後泊かしなきゃならぬようになっていきますし、羽田と伊丹とこうだとか、LCCがこうだなんという、そういうことのないようにひとつ考えていただきたいなと。内心の意思はどうなんですか。
○国務大臣(河野太郎君) 別に無理を通そうと思っているわけではなくて、試験をやって、試行をやった上でいろいろ検討して決めようということで、私は、当初から申し上げておりますように、極めてフラットに、ニュートラルにやっていこうというふうに思っております。
○寺田典城君 まあニュートラルという言葉がありましたけれども、第三者から見ると、今の手法というのはニュートラルじゃないというようなことを一つ申し述べさせていただきたいと思います。
 それから、変わりますけれども、経済産業省は、今までは、私がずっと地方政治をして見てきている形、それから国民に対する政策の形というのは、成長戦略が主なんですね。それが経済産業省の主な仕事みたいな形に見えるんです。
 そういうことで、行政調査がこのとおり経済産業省も関わるわけなんですが、消費者目線で経済産業省は行動することができるか、ひとつその辺を産業省の方にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(住田孝之君) 私どもと消費者の皆様との関係でございますけれども、実は我が国の消費者というのは、これは良いものを見分ける力もございますし、新しい技術をどんどん使ってみようという、こういう好奇心も旺盛でありますし、また新しいことをいろいろ提案をしていくと、非常に世界でも類を見ないレベルの高い消費者なのではないかと思います。
 それが結局、そのことを、事業者や企業がこうした優れた消費者との良好な関係を築きながら、いろんな気付きを得て、製品やサービスの質を高めて世界でも活躍していくと。翻って、今度は消費者の側もそうした満足度の高い商品、サービスを享受することができるということでウイン・ウインの関係を築いてきたんだろうと考えておりますし、これは諸外国にも例を見ない我が国のある意味強みの一つだというふうに考えております。
 そういう意味で、非常に消費者が大事だというふうに考えてございまして、消費者の保護に関する政策につきましても、事業者と消費者が手を携えて悪質な者を市場から退出をさせると、そして消費者の利益を保護していくことが重要だというふうに認識をしておりまして、我が省といたしましても、消費者目線での事業活動が促進されるように促してまいりたいというふうに考えてございます。
○寺田典城君 いや、きついことを言いますけれども、消費者が大事だと、消費者が大事に思っておったら原発事故なんか起こさなかったですよ。あの一九九〇年の頃の東電の隠蔽事件とか何かあったとき、たまたま福島県の知事なんかと私ら一緒に、これはどうなっているんだと、ああ二〇〇一年ですか、代表から何からみんな替わったこともあったんです。
 それと、私が知事時代、環境関係の担当をやっておったんですね。環境税を小池環境大臣と一緒になって、地球温暖化もあるし、森林を守ってもいかなきゃならないから、ある程度の環境税、僅かでもいただこうかなということで、そういう地方からの働きもあって、もちろん中央省庁も動いたんですが、やっぱり経産省の方が力は強いから環境税も潰された経験もあります。
 そういう点では、今、これから経産省の考えるというのは、何を考えればいいかというと、経産省は考えを変えるべきだと思うんですよ、成長戦略の考えを。そうなると、日本にとっての新しいイノベーションができてくると思いますよ。全て成長戦略、物を足す戦略じゃなくて、私はそういう考えも経産省の中にはあってもいいんじゃないかなと率直に思います。今のアベノミクスも含めて、あなた方が出している政策は全部プラス志向の政策であるということ。今、もうはっきり言って、ある面では縮んでいっている社会なんですよ。だから、そういう点で、一つそういう大きな意味でのことを経産省の方に申し上げたいと。考えを変える、そういうことです。
 それと、問い二に行きますけれども、今回、重要事項の定義に関しての改正案が出されました。それには、生命とか身体、財産その他重要な利益について損害又は危険を回避するために通常必要であると判断される事項ということになっています。とは、具体的にどのようなことを指しているのか。
 例えば、日本の国というのは、昭和四十数年頃、拡大造林というので一生懸命みんな全国に杉を植えさせました。昔は山持ちは金持ちのある面では代名詞だったんですけれども、今は山持ちというとお金のない人の代名詞みたいになっちゃっているんですよ。それだけ厳しいんです。
 例えば、山林所有者に、測量会社から電話勧誘を受けた際、その山林売却することができるという趣旨が発言され、そうしたら調べてください、広告も出してくださいということで、実際には市場に流通性のない山林であった場合、それこそ重要事項の不実告知があったとして消費者は契約を取り消すことができるのか、その辺を明確に教えていただきたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) 現在の消費者契約法におきましては、消費者契約の目的となるものに関しない事項について不実告知があったとしても取消しをすることができません。このような不実告知による消費者被害というのが生じております。これは、よく言われるように、床下にシロアリがいるからというようなことで、実はシロアリがいないのに床下の換気扇を付けた、そういうことでございます。
 このような消費者被害において不実告知による取消しができるようにする観点から、重要事項の範囲を今回拡大をさせていただきたいと思っております。それが、この「当該消費者契約の目的となるものが当該消費者の生命、身体、財産その他の重要な利益についての損害又は危険を回避するために通常必要であると判断される事情」を規定したものでございます。
 御指摘の今の山林の場合でございますが、山林の売却による利益を得られないことが財産についての損害又は危険に該当するというふうに考えられますので、山林を売却するためには当然測量や広告が必要であることから、測量契約又は広告掲載契約は損害又は危険を回避するために通常必要であると判断されるものだと考えられます。したがって、御指摘のような場合には、測量契約及び広告掲載契約の意思表示を取り消すことが当然にできるというふうに考えております。
○寺田典城君 こういう山林の場合なんかはちょっと難しいなという、でも、今明確な答え出てきました。すり減ったタイヤなんか一番分かりやすくて、ガソリンスタンドがこれ危ないよといってすぐそれは、そういう形のものはできるんですけれども、シロアリはよく例えられることが多いんですけれども、まあシロアリも迷惑が掛かっているんだろうなと。確かに、本当に家の中にシロアリがすめば家は潰れるんですけれども、各省庁の天下りもシロアリじゃないかなとか、そういうことを言われたりしていますので、余りシロアリというのはいい感覚じゃないなと思っています。
 それでは次に、事業承継ですね、相続税、現金で払えずに店じまいしなければならない中小零細企業というのはたくさんあるんですね。全国一律の制度では、地方は特にどんどんしぼんでいくような状況なんですね。
 だから、まず、地方で事業継承した場合、二十七年の一月一日に施行された非上場株式に係る事業承継の税制は新しい制度が考えられていますけれども、一般的にはこれでは不十分だと思うんですよ。そういう点について、もう少し知恵を絞った使える法律が必要じゃないのかなと。この法律は、後継ぎ一人だとか、大体、八〇%の人を使いなさいとかいろいろな条件があって、もめ事法律みたいな感じになっているんですな、あつれきをつくる法律というかね。
 その辺、法律も作る限界というのもあると思うんですけれども、もう少し知恵を絞られないのか、ちょっとその辺聞きたいと思うんですが。
○政府参考人(豊永厚志君) お答えさせていただきます。
 中小企業の経営者の高齢化が急速に進展してございまして、喫緊の課題だと思っております。
 今委員のお話にございました制度改正でございますけれども、昨年一月から施行されてございますけれども、前年に比べますと二・六倍になってございますので、それなりの改正の効果はあったと思っています。ただ、地方における利用率が大都市における利用率よりも低いのも確かでございます。
 この要因につきまして考えてみましたけれども、そもそも税制の知名度が、周知が私どもの努力不足で低いということに加えて、株式の評価が大都市、大企業連動になっていること、また、要件、今八割とございましたけれども、そういった要件が人手不足の中でハードルが高いものになっているのではないかという声もあります。また、そもそも後継者難であるという指摘もございます。
 こうした中で、私どもといたしましては、取引相場のない株式の評価方法につきましては、地域の中小企業の実力をしっかり表せる、しっかり反映した評価となるような検討を進めていきたいと思っております。これが一番でございます。
 二つ目には、人材確保の観点からは、特に地方、地域における中小企業の方々の従業員確保、これについて尽力したいと思っております。先年度、三千回のマッチング事業を行いましたけれども、同様な形で今年も尽力したいと思っております。
 三つ目に、後継者難でございますけれども、今、各県ごとに事業引継ぎ支援センターなるものを設けておりまして、後継者とかMアンドAの推進も行っております。
 こうしたことを総合的に行うことによりまして、中小企業の方々の事業承継に支障のないよう尽力したいと考えてございます。
○寺田典城君 いや、例えば、ほとんど現金がなく、純資産は事業用資産だと。後継ぎがこれはいるかいないか、なかなか、それよりも、例えば純資産が五億だとします。そうすると、税金がどのくらい取られるのかというと、簡単に言うと、三人の相続がいれば、配偶者とそれから二人の子供がいる、そういうことになれば、子供たちは税金取られて二千八百二十万と、試算してみればそうなんですね。六千万近く取られて、それから奥さんが後から、何年か後には亡くなっちゃったといって、もうやっていけないと。地方に行ったら、ほとんどがこれによって、少しリストラもしなきゃならぬな、規模ももっと小さくしなきゃならぬなと。
 それから、地方は、毎年二%とか三%ぐらいずつ売上げが落ちていっているんですよ。そうすると、十年すると二割とか三割落ち込んじゃうんですよ、十年たつとですね。そうなると、損益分岐点が来ちゃったら、あと経営できないでしょう。それを、例えば雇用八割維持、これも少し緩和して五年間で平均でならといってやっているんですけれども、どうも役所は日本は今の状態が続くという前提で進んでいるような感じするんですよ。そして、これには特別こうだから、これ少し見ますよというやり方じゃないのかなと思うんです。
 もっと抜本的に、地方が生きていけるとか、そういう中小零細企業が生き残っていけるような制度をもっと考えていただきたいと思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(豊永厚志君) 税制のような法制度につきましては、現在住んでいらっしゃるところでいろんな、所得税、法人税等々で変化を付けるのはなかなか難しいのではないかと考えます。
 したがいまして、先ほど申し上げたような形で補助制度の中でできる限りの地域の配分、地域における施策の重点配置を努めてございますし、また、現在この国会でも御審議いただいてございますけれども、地域の、とりわけ製造業よりも更に生産性の低い小売やサービス業の方々の生産性の向上にお力添えができないかという法案も提出させていただいて、今度は国税のみならず地方税であります固定資産税の減免も手当てさせていただいてございます。場所によっては固定資産税まで軽減の対象にするのかという御議論もあることは承知してございますけれども、地域における効果を発揮する観点からは、そういった工夫もしながら進めているところでございます。
○寺田典城君 今地方に行ったら、ショッピングモールと全国ネットの専門店とコンビニと、あとはほとんどもうやっていけなくなっている状況ですよ。だから、固定資産税がどうだったって、それは売れればお金になるんでしょうけれども、売れないんです。物を持っている人が一番困っているんですよ、お金がないんですよ。だから、その辺を、もう少し実態論を勉強していただきたいと思うんです。
 それと、ますます沈んでいくというと、例えば四十七、八ある中核市ですね、日本海サイド、幾らあると思いますか。秋田、富山、金沢、あとないんですよ。三つ、四つしかないんですよ、中核市は。政令市は新潟だけですよ。ずっとしぼんでいくんです。それを地方創生で何とかかんとかまとめようとかそっちでやろうといったって、それは無理なものは無理なんですよ。だけど、法律の幅は広く持って現実に合ったものを作っていただかなければ地方はやっていけないと、そのように思います。
 次に移ります。
 消費者行政の中でPIO―NETを通じて多数の消費者問題に対するデータが蓄積しております。消費者被害を事前に食い止めるために、これらのデータをビッグデータとして活用することを考えられないかということ。それは、みんな今PIO―NETで見られるようになっていますが、それで、今ビッグデータ活用ということで総務省も非常に力を入れているんですよ。
 それで、民間というのはやっぱりどちらかといえば、事業するというのは利益追求型だから、それはそれでこういう経済の社会だから認めることなんですが、行政の役割は適正な経済活動できるかというチェックをするのが仕事だと思うんですね。
 この中で高齢者が安心して生活できる、消費生活できるように、もっと消費者庁と総務省が連携した方がいいんじゃないのかなと思うんですよ、健康な人づくりのためにも。例えば、六十五歳以上の平均値が、介護認定を受ける人が一七%が一五%になったりする可能性だってあると思うし、八〇二〇運動なんというので、八十歳になっても歯が二十本あって物すごく元気に生きているという人がたくさん増えてくる可能性だってあり得ると思うし、そういうことのデータをもっと活用することを連携して、河野大臣と総務省、手結んでもらえませんか。
○国務大臣(河野太郎君) これまでもPIO―NETを通じて様々な件数や傾向を分析をして、消費者被害の未然防止あるいは急増している事案についての注意喚起の情報を提供するというのがPIO―NETを通じてできるようになっておりますが、寺田委員おっしゃるように、かなりの数のデータが入っておりますので、これをほかのデータと組み合わせて様々な分析をするというのは非常に役に立つことだと思います。
 内閣府が今、RESASという形で様々な情報提供をするようなことになっておりますので、このPIO―NETも各役所の壁を乗り越えてしっかり分析に使ってまいりたいというふうに思っております。
○寺田典城君 分かりました。ひとつその役割を大いに果たしていただければ、これからの高齢者も更に安心して暮らしていける時代が来るんじゃないかなと、そのように思っていますし、皆さん御存じのとおり、二〇二五年になりますと、それこそ後期高齢者が約二割、二〇%近くなる、私はもう後期高齢者なんですけれども、になるんですが、ひとつその辺もしっかりと取り組んでいただきたいなと思います。
 それでは、ちょっと、これは新聞記事から拾ってきたことなんですが、最近、詐欺事件の中で、本人が確認されない、義務化されていないIP電話ですか、使う事件が増加しているということなんです。今後どのような手を打っていくのか、関係者にお聞きしたいんですね。
 ちなみに、携帯電話は二〇〇六年ですか、それは住所が、本人が確認できなきゃという法律になっておりますが、IP電話もそのような方法も必要じゃないのかなと思うので、付け足してお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
○政府参考人(福岡徹君) まず、総務省の取組をお話し申し上げます。
 御指摘のIP電話と申しましても、幾つかの形態がございます。典型的なものは、光ファイバーなどの固定のインターネット回線を用いた電話サービスでございます。ただ、このようなサービスにつきましては、従来の固定電話と同様に物理回線とひも付けられておりますので、発信元の住所の特定が簡単で容易でございます。ある意味ではそういうことでございますが、一般的には特殊詐欺等への利用はされにくいものがあると考えてございます。
 恐らく新聞等で取り上げておられます、今御指摘の昨今の特殊詐欺事件におきまして増えてきております形態は、これは主にレンタルの携帯電話やPHSから発信した通話を〇三や〇六といった異なる発信番号に変換をして表示させる仕組み、これを利用したものであろうというふうに考えられます。このような仕組みを利用したケースにつきましては、携帯電話不正利用防止法の適用対象となっております。したがいまして、同法に基づき、適切に本人確認が行われるような必要な指導などを行ってきております。つい先月の二十二日にも、携帯電話事業者に対しまして、レンタル利用者による本人確認をより徹底するよう、やや踏み込んだ文書による要請を行ったところでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、IP化の進展に伴いまして通信の形態等は非常に複雑化してきておりますので、今後もいろんな新たな手法を用いた特殊詐欺に対しても総務省としてどのような対応が考えられるのか、関係省庁とも連携しながら引き続き検討し、必要な場合は対応を取ってまいりたいと考えております。
○寺田典城君 あと時間が僅かです。
 私、国に来てびっくりしたのは、やっぱり省益がしっかり守られているということと、省益の既得権がしっかりしているということと、これは、何というんですか、やはりお互いに協力、自分たちが気が付かなくてもこれは連携していかなきゃならぬという前向きな姿勢でひとつ総務省も取り組んでいただきたいし、警察もそういうこともしていただきたいと思うし、消費者庁もそれで連携していただきたいと、そのように思います。
 それで、あと時間が一分しかないんで、最後、要望みたいな形になるんですが、消費者庁では、消費者行政を強化ということで、消費生活センターを五万人以上の全ての市町村、それと五万人以下には半分以上を設置したいということで目標を立てているようなんですね。それから、資格者もですね。もちろん、都道府県には設置義務があるし、市町村には設置努力義務が課せられていますが、もう少し総務省と協力して、もう少し具体的にスピードアップできないですか、消費生活センターとかの設置ですね。そこを一つお聞きしたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) 地方消費者行政の強化というのは重要でございまして、地方消費者行政推進交付金を通じまして相談体制を充実しようという取組を支援をしてまいりました。
 平成二十六年度には全地方公共団体で相談窓口の設置は果たすことができましたし、消費生活センターや消費生活相談員の増加でも、それなりに着実に成果を上げてきたとは思ってきておりますが、どこに住んでいても質の高い相談、救済を受けられ、安全、安心が確保される体制をやはり全国的に整備するというのは大事なことでございますので、この地方消費者行政推進交付金の確保に向けてしっかり努力をしてまいりたいと思いますし、やはりそれぞれの地方公共団体の自主財源の確保もお願いをしていかなければいけないことだというふうに思っておりますので、そこのところにつきましては、先生おっしゃるように、やはり総務省と消費者庁、しっかり足並みをそろえて自治体に働きかけをしていかなければならぬというふうに思っておりますので、そこに向けてしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
○委員長(熊谷大君) 寺田君、時間が来ております。
○寺田典城君 どうもありがとうございました。時間でございますので、これでやめます。
 消費生活センターは、大臣、ひとつ無理してでもいいから予算通すように頑張ってみてください。
 以上でございます。
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。
 今回の特定商取引法、そして消費者契約法の改正は、消費者保護の観点から重要な改正が様々織り込まれております。そのうち、まず、特商法の指定権利制の見直しが行われますので、この点について質問をしたいと思います。
 特商法というのは、訪問販売ですとか、そういった特定の取引について、通常の民法などのルールよりもより消費者の保護を厚くしているものであります。そして、以前はその特定の取引の対象となる商品ですとか役務、権利についても、指定商品、指定役務というような形で対象を限定列挙しておりました。しかしながら、こういった形で限定列挙をすると、そこに当たらない、じゃ、これはどうだ、これはどうだといったことで、悪質業者がそこに目を付けて新しい消費者被害が生じてしまうと。こういった規制の後追い、また法の網の目をくぐるような取引の被害が生じる、これに何とか対応していかなければならないと、こういう問題がありました。そういったことから、商品、役務については、指定制度は取らずに全般が対象になるという改正がこれまで行われてきたところでございます。
 権利につきましては、これまで指定権利制が維持をされてきました。しかしながら、今回これを見直すということになったわけであります。ところが、商品や役務のように、じゃ、権利全般というような形にするわけではなくて、今回は特定権利という形で名前も変えまして、従前の指定権利制度に加えて社債その他の金銭債権、株式といったものを追加するという内容になっております。
 そこで、まず、今回のこの指定権利制の見直しの趣旨というのは、先ほど申し上げたような規制の後追いといった問題を解決するというところにあるのだという理解でいいのかどうか、これを確認したい。そして、今回の改正によって、従来の制度の下で指摘されてきた脱法的な隙間事案のようなもの、規制の後追いということの弊害を払拭できるということでいいのかどうか、ここを確認したいと思います。
○政府参考人(井内正敏君) お答え申し上げます。
 これまでに権利が指定制になっていることで隙間が生じていると言われていました消費者トラブルは、既に指定制が廃止されている役務の提供と位置付けることが可能な取引、また社債や未公開株等に関する取引であるというふうに認識しております。
 今回、役務の解釈を見直すとともに、社債や未公開株等を特定権利として新たに特定商取引法の規制対象に追加することによりまして、規制の隙間とされているものも含めまして、現在生じている消費者トラブルについては十分な対応ができるものと考えておりまして、規制の後追いという問題は生じないというふうに考えております。
○佐々木さやか君 今、役務の解釈を見直すというふうに言っていただきました。
 そこに関係して更に聞いていきたいんですけれども、実際の事業者と消費者の取引、またいろいろな消費者被害のトラブルというものを見ると、商品とか役務とか権利という区別がなかなか付きにくいという実態があると思います。消費者委員会の答申でも、そうした実態に鑑みて概念の整理をしっかりと行うべきだという指摘もありました。
 しかしながら、今回、この改正案の条文を見ますと、法文上にそれぞれの例えば定義を明確にするとか、こういったことはされてはおりません。なので、その点の整理をどのようにしたのかということを確認したいと思っています。
 まず、前提として、これまでの、従来の商品、役務、権利の解釈について確認をしたいと思います。商品というのは物品であって有体物であると、こういう解釈を取っていると理解しておりますけれども、特に先ほど言った役務と権利が分かりにくいので、この関係性について、まず従来の見解を説明していただけますでしょうか。
○政府参考人(井内正敏君) お答え申し上げます。
 現行の特定商取引法において役務については特段の定義規定は置かれていないと、御指摘のとおりでございますが、各種の労務又は便益を意味することというふうに解しているところでございます。
 一方、現行法の訪問販売等におきまして指定権利が規制対象とされておりますが、指定権利は、消費者と役務提供事業者との二者間の取引を役務の提供として捉えるとともに、役務提供事業者以外の第三者が行う役務提供事業者から役務の提供を受ける地位の取引を施設を利用し又は役務の提供を受ける権利の販売として規制対象としているということでございます。
○佐々木さやか君 今説明していただいたのがこれまでの、従来の解釈ということです。二者間であるか三者間であるかというところがポイントだったのかと思いますけれども、じゃ、この役務と権利について、今回どのように整理をして、どのように解釈を変更するんでしょうか。
○政府参考人(井内正敏君) 今お答えしましたとおり、現行法の役務は各種の労務又は便益を意味するものと解されているところでございますけれども、これは幅広い概念であり、今般の見直しにおきましては、仮に事業者が権利の取引と主張するような場合でありましても、その取引の実態において労務又は便益の提供を内容としていると考えられるものにつきましては役務の提供として特定商取引法の規制の対象とすることとしております。
 他方、社債や未公開株等につきましては特定商取引法上の役務として位置付けることは困難であるというふうに考えておりまして、今回の改正におきましては、これらを特定権利として新たに特定商取引法の規制対象として位置付けたということでございます。
○佐々木さやか君 その役務の解釈を変更して、より幅広いものに整理をしたというふうに理解をしております。ですので、先ほども御説明がありましたけれども、これによって今回、特定権利という形に制度を見直しますけれども、それに伴って役務の解釈も変更すると。これによって規制の後追いという問題は生じない、これまで懸念されてきたような問題はこれによって解決をするというふうに考えていると、こういう説明であると理解をいたしました。
 具体的な事例についてもお聞きをしておきたいんですが、従来から問題が指摘されていた事案になりますけれども、外国通貨の両替が訪問販売で行われると、こういった取引被害が多く発生した時期がございました。こうした被害については、従来の解釈の下では商品とも言いにくい、また役務と言うのは、有償ということもありますので、手数料の問題もありますけれども、なかなか言いにくいと。じゃ、指定権利に当たるかといったらそうでもないということで、いずれにも当てはまらないのではないかと、こういった場合について改善すべきではないかという議論がありましたけれども、今回の改正法の下ではこれについてはどのように対処することになるんでしょうか。
○政府参考人(井内正敏君) 外国通貨の両替につきましては、民法上は必ずしも売買には該当しないということとされております。特定商取引法上も、従来、商品の売買に該当しないものと解されてきたところでございます。
 これにつきまして、消費者委員会特定商取引法専門調査会報告書におきまして、外国通貨の両替が訪問販売等によって行われた場合には、解釈を見直し、商品の販売と同様に扱うことを基本としまして、特定商取引法の規制対象とするべきであるということでございました。
 今後、同専門調査会の議論を踏まえまして、特定商取引法上の規制の具体的な在り方について検討を行っていくこととしております。
○佐々木さやか君 もう一点、例えば、例えばといいますか、仮想通貨についてはどのように考えたらいいでしょうか。有体物ではありませんので商品ではない、有償のサービスとも言い難い、特定権利に当たるのかということもちょっと疑問の余地があるかと思いますけれども、これはどうでしょうか。
○政府参考人(井内正敏君) いわゆる仮想通貨には様々なものが含まれるというふうに考えられますけれども、一般には、物品の購入やサービスの提供における対価の支払等において使用可能なものであって電子的に移転することができる点、こういう点について共通する性質があるというふうに考えております。
 仮想通貨の取引におきまして、事業者は消費者から対価を受け取った上で消費者に仮想通貨を取得させることを内容とする取引を行っているものというふうに考えることができますので、これは特定商取引上、役務の提供というふうに位置付けられるというふうに考えております。
○佐々木さやか君 では次に、消費者契約法について質問をします。
 消費者契約法というのは、特商法よりもより広い事業者と消費者間の取引について、消費者保護の観点からルールを定めております。その中に、契約の内容や条件などについて事実と異なることを言ってはいけないと、言った場合には取消しができますよと、こういう規定があります。
 これについて、これまでは、例えば売買の商品そのものだったり、価格ですとか、その取引に直接関係することについて事実と異なることを言ってはいけませんよと、こういう規制でありました。しかしながら、例えば車のタイヤの溝がすり減っていて、すぐに替えなければ事故になりますよと言われて買ったけれども、それはうそだったとか、タイヤの品質そのものには問題ないんだけれども、その契約を締結するに当たって言われたことについて事実と異なることがあったと、こういうような場合にも消費者契約法の取消しの規定を適用されるようにすべきではないかと、こういう議論がされてきたわけであります。
 そこで、今回、消費者委員会の消費者契約法専門調査会の報告書は、こういった取消しのことを不実告知というわけですが、不実告知による取消しについて、消費者が当該消費者契約の締結を必要とする事情に関する事項、これを法四条四項所定の事由に追加して列挙すると提案していました。要するに、今申し上げた、消費者が当該消費者契約の締結を必要とする事情に関して不実告知があった場合には取消しということで改正をすべきではないかと、こういう提案があったわけであります。
 実際、今回の改正案がどのようになっているかといいますと、この消費者契約法専門調査会の報告書に書かれている文言とは少し違いまして、次のようになっております。「契約の目的となるものが当該消費者の生命、身体、財産その他の重要な利益についての損害又は危険を回避するために通常必要であると判断される事情」ということで、ちょっと長いのですけれども、こういった形で改正案が提出をされております。
 そこで、こういった形で文言が変わっているわけですけれども、同調査会で救済すべきとして挙げられていたような事例についてちゃんと救済ができるのかどうかということを確認したいと思います。
 具体的には、先ほど寺田委員からも御指摘があったんですけれども、山林の所有者の事案ですね。山林の所有者が測量会社から電話勧誘を受けた、その際に、当該山林に売却可能性があるという説明を受けて測量契約と広告掲載契約を締結したが、実際には市場流通性が認められない山林であったと。こういう事案について不実告知による取消しというものが認められるのかどうか、また、どの点をもって損害又は危険を回避するためという条件に当たるのか、ここについて説明をお願いします。
○政府参考人(井内正敏君) お答え申し上げます。
 改正により追加される重要事項では、損害又は危険を回避するためであることが要件とされておりまして、ここで言う損害には、利益を得られなかったという消極的な損害も含まれます。
 御指摘の事例におきましては、山林の売却による利益を得られないことが財産についての損害又は危険に該当いたします。そして、山林を売却するためには測量や広告が必要でありますので、損害又は危険を回避するために測量契約及び広告掲載契約は通常必要であると判断されるものでございます。したがいまして、御指摘の事例におきましては、不実告知による取消しが認められるというふうに考えております。
○佐々木さやか君 もう一つ、事案について確認したいと思います。
 電話回線がアナログからデジタルに変わり、今までの電話が使えなくなりますよ、この機械を取り付けると今までの電話を使うことができますよと、こういうふうに事実と反することを言われて通信機器のリース契約を締結した。このような事案では、損害又は危険を回避するためという条件を満たして今回の改正案による不実告知による取消しが認められるのかどうか、また、どういった点をもって損害又は危険を回避するためと言えるのかについて説明をお願いします。
○政府参考人(井内正敏君) お答え申し上げます。
 電話を使用して通話をするという生活上の利益は日常生活において欠かせないものでございまして、重要な利益に該当すると考えております。
 御指摘の事例におきまして、今までの電話が使えなくなるということは、電話を使用して通話をするという生活上の利益につきまして損害又は危険に該当するものであり、これを回避するために通信機器は通常必要であるというふうに判断されると考えられます。したがいまして、御指摘の事例につきましては、当該リース契約が消費者契約に該当する場合には不実告知による取消しが認められるというふうに考えております。
○佐々木さやか君 ありがとうございました。
 これが当たるのかどうかということがちょっと疑問に思うような事案について確認の意味で質問をさせていただきました。
 ですので、要するに今回の改正というのは、改正によって消費者の保護を図っていく、そのために改正をするわけですけれども、先ほども申し上げたように、法律の条文を見ると、ちょっと長くて分かりにくいというのもありますけれども、「損害又は危険を回避するために」というような条件が書いてあることによって少し狭い範囲にのみ適用されるのかなというふうに一見すると思われがちかと思います。ですので、それはそういうわけではないのだということ、今回の法改正の趣旨と、先ほど申し上げたような事案についてもしっかりと、解釈の指針といいますか、解釈について明らかにしていくということが重要かと思いますので、今後逐条解説などで、今申し上げたような事例を含む適用対象となる具体例、またその理由について明らかにして、解釈に疑義が生じないようにしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(井内正敏君) お答え申し上げます。
 改正法における重要事項の規定が実際に裁判や消費生活相談等の場合において適切に解釈、適用されるためには、重要事項の考え方を消費者、事業者、消費生活相談員の方々等に周知することが重要だと考えております。逐条解説等におきまして、御指摘の事例も含めまして、具体的な事例を交えつつ、丁寧に解説をすることとしております。また、逐条解説のほか、事例集やパンフレットも作りまして、さらには説明会を開催すること等も通じまして、委員御指摘のような問題が生じないように改正法の周知を徹底していきたいというふうに考えております。
○佐々木さやか君 是非よろしくお願いいたします。
 今回の改正は、冒頭にも申し上げたように非常に重要なものですし、消費者保護の観点から、今質問したようなこと以外にも、取消し権を六か月から一年に延ばすということですとか、過量販売といいまして、例えば認知症のような方に対して着物を何着も売り付けるとか、化粧品をとても使えないような過量な量を買わせるなどというような悪質な被害が生じた場合にも対応ができるようにするとか、そういったことも盛り込まれておりますので、そうしたことも含めて、是非今後、改正が成立した際には、改正の内容を分かりやすく周知に取り組んでいただきたいと思っております。
 それで、そうした改正を行うわけではありますけれども、悪質な事業者の場合は、そうした取消しですとか解除を行ってもなかなか返金をしてこなかったりとか、また、消費者にとってはそうした返金の請求の手続をするということ自体大きな負担にもなります。ですので、悪質な事業者についてはしっかりと取り締まっていただくということも重要になるかと思います。
 そこで、お聞きしたいと思いますが、今回の改正では、こうした悪質事業者への対策ということはどのように強化をしているんでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 現在の特商法の執行におきましては、一部の悪質業者が会社名などを変えながら繰り返し同じような手口で消費者被害が発生する事案が問題になっております。今回の法案では、業務停止を命ぜられた法人の役員などが新たに別の法人を立ち上げることを禁止する業務禁止命令制度を創設をしたいと思っております。また、処分事業者をより長期間市場から排除するための業務停止期間の上限を一年から二年に延ばす、さらに違反行為に対する刑事罰を抜本的に強化をするなどの措置を盛り込んでおります。
 一方で、こうした措置をしっかりと執行するためには執行体制を強化することが非常に大切でございますので、執行体制の強化を図りながら、警察など関係機関ときっちり連携をして、悪質事業者に対しては今後厳正にしっかりと対処してまいりたいと思っております。
○佐々木さやか君 是非よろしくお願いいたします。
 所在不明の違反事業者への対応についても改正がなされるというふうに理解をしております。所在が不明ということで、返金請求なんかもそういう場合には困難になるわけでありますけれども、実効性のある対策が必要になると思いますが、今回の改正では、こうした所在不明の違反事業者への対応をどのように強化するものになっているんでしょうか。
○政府参考人(井内正敏君) お答え申し上げます。
 現在、特定商取引法の行政処分は、実務上、処分書を処分の名宛て人に交付することにより行っております。近年、特にインターネット通販におきまして、違反事業者の所在が不明であること等によって処分書を交付することができず、行政処分の実施に支障を来す事態が生じてきております。このため、本法案におきましては、特定商取引法に事業者の所在が不明な場合等に公示送達によって行政処分を行うことができることとする規定を設けてございます。これによりまして、所在不明の違反事業者に対する行政処分を迅速かつ適切に行うことができるというふうに考えております。
 また、これまでも消費者庁におきましては、所在不明な事業者による消費者被害の拡大を防止するため、インターネット検索サービス事業者等に対しまして、対象となる事業者のサイトの閲覧を防止するために適切な措置をとるよう依頼すること、あるいは、プロバイダーに対しまして、対象となる事業者のウエブサイトを削除するというような要請を行うこと、また、クレジットカード事業者に対しまして、対象となる事業者との取引を停止するようにというような要請等の取組を行ってきたところでございまして、今後、公示送達によって迅速に行政処分を行うことができるようになることによりまして、これらの関係機関等からの協力をより迅速かつ円滑に得ることができるようになるというふうに考えております。
 引き続き、消費者に対する情報提供について積極的に取り組むとともに、関係機関等との緊密な連携の下で、公示送達等の今回の法改正によって新たに認められました権限も駆使しまして、所在不明の者を含む違反事業者に対して厳正に対処してまいるという所存でございます。
○佐々木さやか君 罰金について強化をする点については、事業者の得た利益というものを吐き出させることになりますから、抑止効果が一定程度期待できますし、所在不明の違反事業者への対応ができることによって、今説明をしていただいたように、更なる被害が生じないように、取引ができないような状態にするということもできるようになっていくかと思います。
 引き続き、様々な問題が生じることも予想されますけれども、その都度、速やかな対応をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上で終わります。
○大門実紀史君 大門です。
 今や悪徳商法の最大のターゲットが高齢者ということであります。したがって、今回の法改正でいえば、特商法、高齢者に対する訪問販売、電話勧誘販売などをどう規制していくか、被害を防止するかが課題だったはずだと思うんです。ところが、専門調査会でいろんな議論があったみたいですが、お年寄りに対する訪問販売、事前に訪問販売を拒否できる仕組みなどが議論されたみたいですけれども、結局、訪問販売業界の反対があって見送りになったということを聞いております。
 お年寄りの場合は、振り込め詐欺も、いろいろなことがそうなんですけれども、まず家に入れて話を聞いてしまうと巧妙な手口でうんと言わされるというようなことがあるから、いろいろな対策が必要なわけですね。したがって、こういう訪問販売の事前拒否、事前に拒否できるということは大変必要な仕組みだと思うんですね。お年寄りにとって大事なバリアになると思うんですけれども、それが見送りになったと。
 例えば、訪問販売お断りというステッカーを貼ってあるお年寄りの家に、それでも訪問勧誘をした場合、いわゆる特商法の三条の二ですか、再勧誘の禁止に触れる扱いにしたらどうかという議論があったけれども、訪問販売業界が反対したので見送りになったということを聞いております。私はこれ、専門調査会って何なのかなと、どういう立場でやっているのかなと大変疑問なんですけれども、それと、特商法三条の二の解釈ですね、再勧誘の禁止の解釈も、解釈そのものを間違ってそういう判断をしたんじゃないかと。
 つまり、訪問販売お断りというのは、どの家でも貼ってあるわけではありません。やはりいろんなことがあって、もう訪問販売嫌だと、別に物は幾らでも買えるんだから、訪問販売では買う気がありませんということを強い意思表示で貼ったりするわけですね。それを意思表示とまず認めていないということになるわけです、最初の意思表示として。認めていないから、一回訪問販売、そんなの、ステッカー無視して訪問販売して断られた、二回目は行かない、再勧誘になっちゃうので行かないと。
 そうじゃなくて、お年寄りの場合の話ですよ、これは、お年寄りだから必要だという意味で言っているんですけれども。最初から、訪問販売はもう怖いから、とにかく物はほかでも買えますから来ないでほしいという意思表示をしたにもかかわらず、それを意思表示と認めないと、一回の意思表示と認めないから、入っちゃって勧誘してもいいというふうな判断を専門調査会は、いろいろあったと思うんですけれども、結果的に見送っちゃったというふうに思うんですよね。これは再勧誘禁止の三条の二の解釈からいっても間違っていると私は思うんですね。
 特商法の第三条の二の再勧誘の禁止は、契約を締結しない旨の意思表示をした者に対する勧誘の禁止と。この契約を締結しない旨の意思表示というのは、実際に勧誘を受けて、対面で口頭で契約しません、帰ってくださいと言うことだけじゃなくて、書面で意思表示することだって当然、むしろその方が強いことだってあるわけですね。ステッカーというと、何かちっちゃい、どこにでもあるのを貼っているような印象がありますけれど、例えばその御本人が、おじいちゃん、おばあちゃんが、訪問販売お断りです、来ないでくださいと紙で貼ったというのは、これもっと強い書面での意思表示ですよね。
 それさえ意思表示と認めないということにつながってしまうような議論をして、まとまらなかったから見送ったということになると思うと、大変重要な瑕疵があるんじゃないか、専門調査会での議論が、と私は思うんですよね。いかがですか、川口さん。審議官でもいいですよ。
○政府参考人(井内正敏君) 内閣府の消費者委員会の特定商取引法専門調査会における議論で、その中で、事前拒否制度とかそういうことについてどうするかということにつきましては、まず一つありましたのは、現在、いろいろな苦情相談とかそういう数字を見たときに、消費者側の意見と事業者側の意見、そもそも現状認識で異なっていたというようなことがありまして、議論がそういう現状の認識のところで違っていたということが大きいというふうに考えるとともに、あともう一つは、再勧誘の禁止というその中身でございますけれども、従来の、今の消費者庁の解釈ですと、先ほどお話ありましたようなステッカー制度とかそういうものにつきましては、一度勧誘があって、その後、しかも誰に対して意思を表示したかとかそういうことが明らかでないということから、ステッカー等の効果につきまして、それを断っていると、もし訪問をしたというときにこの再勧誘禁止に当たるかというとそうではないという解釈をしていたということでございます。
○大門実紀史君 こういうことなんですね、ある訪問販売業者が、その人にとっては特定の人に二回行くか行かないかと、ところが、受け取る方は、誰が来ても誰でもお断りだということなんですよね、という意思表示になるわけですね。分かりますか。その人についてだけ二回言われて、もう一回断って二度と来ないじゃなくて、そういうことなんです。これは、分かりませんけど、こういうことでもし裁判受けた場合どうなるのか、どう解釈するのかでありますけれども、どちらの立場でやるのか。
 ですから、そこまで発展するようなというか、そこまでの深い中身のことを、ただ業界が反対したから、折り合いが付かなかったから見送るというのは、私はかつての特商法の改正のときも、あのときはまだ消費者庁ありませんでしたけれども、いろいろな議論を、経産委員会とか、経産省と議論しましたけれども、何も変わっていないと。消費者庁がせっかくできて、消費者委員会があって専門調査会があるわけだから、もっと消費者の立場になって、特にお年寄りの立場に立って一歩踏み込んだやっぱり対応をすべきだったと思うんですよね。
 高齢者の被害がこのまま減らなかったら、当然、海外でもいろんな事例で、特にお年寄りを守るために論理構成もして、ステッカーだって、その辺に売っているステッカーをぽっと貼るんじゃなくて、自治体が発行するステッカーとか、いろんなやり方いっぱいあると思うんですね。
 そういうことも含めて、やっぱりもう一歩進んだ対応をしなきゃいけないというふうに思うわけですが、今回この法案にはそういうことは入っておりませんけれども、少なくともそういう高齢者の被害を、本当にもうほとんど高齢者と言っていいぐらいの被害ですから、防ぐために、今回の法改正は大変その点では不十分だと思っておりますので、必要な措置を、現場の起きている事例も聞きながら、引き続き、この法改正で終わりで五年後ということじゃなくて、検討していっていただきたいということを思いますけれども、いかがですか、大臣。
○国務大臣(河野太郎君) 今回は、取りあえずまずできることからやっていこうということでございますので、先ほどありましたように、法執行の強化ですとか自主規制の強化ですとか相談体制の強化充実といったことをまずしっかりやってまいりたいと思いますが、おっしゃるように、これだけでとても被害が減っていない、不十分だということであるならば、そこは消費者委員会からの答申を十分に踏まえて更なることをやっていかなければいかぬと思いますし、それは五年後の見直しといっても五年間何もやらないということではなくて、必要ならば五年たたないうちに当然見直しはするということだろうと思っておりますので、まず今できること、意見が一致したことはしっかりやらせていただきますが、当然にこの被害状況の推移はしっかり見てまいりたいというふうに思っております。
○大門実紀史君 もう一つ、私もこの委員会で何回も取り上げてきている問題で、特商法の関係でいきますと、マルチ商法に関することなんですけれども、今どんな手口が広がっているかというと、学生、大学生なんか相手に、いろいろあるんですけど、消費者庁で業務停止命令を出した例でいきますと、投資用の先物取引のDVDの教材を、これを買って広げればもうかると。ところが、大学生ですからお金がありません。そうすると、どうさせるかというと、消費者金融、サラ金に、それからあるいはクレジットを使って現金を下ろさせてそれで買わせるという手口が非常に広がっているわけですね、消費者庁も業務停止命令を出されておりますけれども、日弁連からもそれについてきちっと対応するようにという声明が出ておりますけれども。
 これは、まずこのマルチ商法をお金のない学生さんとかを相手にやる場合に、借金を同時にさせる、借金をする方法までアドバイスすると。一緒にくっついていって、いろいろな買い方までアドバイスして借金させて物を買わせて、その本人は、今度は借金返さなきゃいけませんよね、高い金利の。そうすると、更に誰かにそれを広げるしかない。
 マルチ商法の連鎖販売の動機にさせるというふうな非常に巧妙な手口なんですけれども、こういう手口が広がっているということについては消費者庁として把握されておりますか。
○政府参考人(井内正敏君) お答え申し上げます。
 マルチ商法等の特定商取引五類型、この数字自体は、訪問販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引、特定継続的役務提供、業務提供誘引販売取引の五類型でございますけれども、これにつきまして、サラ金等の貸金業者から借金をさせたりクレジット契約を組ませたりする行為に関する相談件数というのは、平成二十一年度に七百八十九件であったところ、平成二十七年度には九百九十九件と、近年増加傾向で推移しております。
 具体的な相談としましては、例えば二十歳代の消費者が、入会して人を紹介するともうかると友人に言われて、会員になるための商品、これは商品というのは手帳やペンなどでございますけれども、購入したところ、追加の購入を勧められ、お金がないと言って断ったが、年収や用途を偽ってお金を借りるように言われた上、サラ金に連れていかれ、五十万円を借り入れて追加購入をしたという事例がございます。このような行為に関する悪質な事例については厳正に処分を行うことが必要というふうに考えております。
○大門実紀史君 今回の特商法の改正の中には、これに対する対策というのは特に入っていませんですよね。
 それで、これはどうすればいいかというと、特商法の第三十四条の、やってはいけない禁止行為に新たに加えるということ等が考えられるわけでありますけれども、それだけ被害が間近で広がっているわけですから、今回の法改正に入っておりませんけれど、いろいろ阻止の仕方といいますか、対処の仕方はあると思うんですよね。この禁止行為のいろんなことも、どの部分で規定するかというのもあるんですけれど、取りあえず対応措置はとれると思うんですけれど、いかがですか。
○政府参考人(井内正敏君) お答え申し上げます。
 マルチ商法等において、サラ金等の貸金業者から借金をさせたりクレジット契約を組ませたりする行為への対応につきましては、消費者委員会特定商取引法専門調査会でも議論が行われました。その結果、まず、事業者が消費者に支払のため金融機関等に対して虚偽の申告を行うよう唆す行為につきましては行政庁による指示の対象として、また、事業者が消費者に支払のため金融機関等に連れていく行為につきましては、消費者の求めに応じて同行する行為等の不適切と言えない行為を除外した上で行政庁による指示の対象とすること等につきまして、内閣府消費者委員会の専門調査会の委員の間で一致したということを承知してございます。
 こういう事情でございますので、このような消費者委員会での議論の結果を踏まえまして、今後、主務省令改正の検討を行ってまいりたいというふうに考えております。
○大門実紀史君 そうですね、是非その検討を進めていただいて、すぐ、できるだけ早く措置できるようにお願いいたしたいと思います。
 この場合は、マルチ商法、連鎖販売取引の契約そのものを無効にするということもしなきゃいけないんですけど、借金だけ残っちゃうんですよね、御本人は。だから、大変深刻な問題を招きますので、早く措置をとっていただきたいというふうに思います。
 もう一度大臣に、最後に、五年をめどにということを、五年を待たずにいろんなことを、問題点ありますので、とれるべき措置は早くとっていただきたいということを申し上げようと思いましたけど、先ほどもう御答弁いただきましたので、これで質問を終わります。
○和田政宗君 日本の和田政宗です。
 まず、消費者契約法の過量な内容の契約の取消しについてお聞きをしたいというふうに思います。
 今回の法改正は、高齢者などの判断能力の低下などに付け込んで大量に商品を購入させるような事案を防止するためというところでは評価をしたいというふうに思います。
 ただ、この過量、これは通常の分量を著しく超えるものであるわけですけれども、過量の基準というのが不明確ではないかというふうに思っております。これ、逆に事例として過量の基準を示してしまうと、それにより、それより少しだけ少ない量で売り付けるという事業者が出てくるというようなところもありまして、この基準をどうするのかというようなこと、明示するのかということも含めて、これ、堂々巡りになるおそれがあるわけでございますけれども、これはどのように対処するんでしょうか。
○政府参考人(井内正敏君) お答え申し上げます。
 消費者契約法第四条第四項においては、なるべく具体的かつ明確な規律となるよう、過量性の判断に当たっての考慮要素を条文に挙げているところでございます。その考慮要素の中には当該消費者の生活の状況等も含まれているため、過量か否かの判断は個別の事例によって異なることになると考えております。そのため、過量か否かを判断する定量的な基準を設定することにはなじまないというふうに考えております。
 また、委員御指摘のとおり、定量的な基準を示しますと、それを少し下回る分量等の契約を締結するなど、潜脱的に用いられるおそれというのもございます。そこで、過量性の判断における考慮要素につきまして、具体的かつ丁寧な解説書等を作成しまして、解説を行えるようにしまして、周知を図ってまいりたいというふうに考えております。
 また、改正法案を御審議いただいて施行された場合には、裁判例等が蓄積されていけば、類似の事例における裁判の判断等も参照することができるようになって、より安定的に適用されることになるというふうに考えております。
○和田政宗君 では、次にお聞きをしますのは、新聞勧誘についてです。
 勧誘を断っても何回も勧誘に来たり、数人で訪問するなど、非常に迷惑な勧誘行為があるというふうに聞いております。このような勧誘行為につきましては、平成二十年の法改正におきまして、「販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約を締結しない旨の意思を表示した者に対し、当該売買契約又は当該役務提供契約の締結について勧誘をしてはならない。」というふうに明記をされておりまして、これに違反した場合には、主務大臣は、「その販売業者又は役務提供事業者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。」とされております。
 今回の法改正でも大きな議論になったというふうに聞いておりますけれども、規制の導入につきましては、特商法専門調査会では見送られまして、消契法の専門調査会の報告書では、極めて弱い書きぶりで、必要に応じて検討というふうにされております。
 違法な勧誘行為がいまだに横行している現状で、今回このようなことが盛り込まれていないわけでございますけれども、国としてどのように認識しているんでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 消費者委員会特定商取引法専門調査会におきまして、御指摘のように、訪問販売に係る勧誘規制の見直しについて議論が行われております。しかし、法改正による勧誘規制の強化及び現行法解釈の見直しの必要性について、委員間で共通認識が形成されるには至らなかったと承知をしております。
 しかし一方で、この委員会におきましては、現時点において対策を行うべき点として、法執行の強化、再勧誘の禁止等の法令遵守の徹底あるいは自主規制の強化、そのほか各種の取組を推進していく必要があるということにつきましては意見が一致したと承知をしております。
 まずはこれらの取組をしっかりと進めていくことが重要だと思っておりますが、消費者委員会からの答申を十分踏まえながら、消費者被害というものが減らない、明らかに頻発しているというような状況が見られるときには、やはり更に踏み込んだ対応をせざるを得ないということになるだろうというふうに思っておりますので、状況を踏まえながらしっかり対応してまいりたいと思っております。
○和田政宗君 この新聞勧誘もそうですし、先ほどの過量というものがどういうものかということも含めて、やはり消費者がしっかり守られるということが重要であろうというふうに思いますので、大臣が更にというようなこともございましたので、しっかりと消費者が守られる形を取っていただければというふうに思います。
 そして、通信販売についてお聞きをしたいんですけれども、本来の価格であるにもかかわらず今だけ半額というふうに表示をしたり、長期間にわたり今なら限定百個というような、消費者にとって著しく有利であるというように誤認させたり、今買わないとなくなるよというふうに誤認をさせて買わせるというような事例が見受けられます。
 一般的に、物品の販売、サービスの提供については景品表示法で規制され、通信販売においては、特定商取引法十二条によって、著しく事実に相違する表示や、実際のものより著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示というものが禁止をされておりますけれども、このようなものに引っかかってしまった場合の被害者の救済についてはどのように措置されているんでしょうか。
○政府参考人(井内正敏君) お答え申し上げます。
 景品表示法におきましては、不当な表示を行った事業者に課徴金という経済的不利益を賦課するとともに、被害回復による救済を促進する観点から、事業者が所定の手続に沿って消費者に対して自主返金を行った場合は課徴金を減額又は納付を命じないこととしているところでございます。
 特定商取引法につきましては、通信販売における被害救済の一つとして位置付けられる虚偽・誇大広告に関する取消し権の付与につきましては、消費者委員会特定商取引法専門調査会における議論の結果、全体として意見の一致を見なかったものというふうに承知しております。消費者庁としましては、こうした専門調査会の結論も踏まえまして今回の改正法案としているところでございます。
 今後につきましてですが、特定商取引法に基づく表示義務の徹底、虚偽・誇大広告に対する厳格な執行、今回導入することとしている公示送達による処分等により悪質なインターネット通販事業者へ厳格に対応していくとともに、景品表示法の執行、運用状況等も踏まえつつ、必要に応じて対応を検討してまいりたいというふうに考えております。
○和田政宗君 そこでお聞きをしますのは、悪質事業者への罰則強化についてです。
 今回、悪質事業者への罰則を全般的に引き上げたことは消費者保護の観点から評価できるわけでありますけれども、作った条文を適切に活用しなければ消費者を守ることはできません。消費者被害が多発する一方、違反事業者への行政処分の件数は余り増えておらず、都道府県によってはほとんど行政処分を行っていないところも存在します。
 今後、どのように法を実効的に活用していくのか、大臣、お願いいたします。
○国務大臣(河野太郎君) 御指摘いただきましたが、例えば平成十一年度から平成二十七年度を見てみますと、最も指示あるいは業務停止命令をたくさん出している東京から、この期間一つもなかった宮崎まで、かなり都道府県によってばらつきがあるというのも事実でございます。
 本法案では、悪質事業者に対する対策をやはり強化するために罰則を抜本的にまず強化をしております。業務禁止命令を創設をするなど執行権限の強化を図って改正法を適切に執行するためには、国のみならず都道府県における執行体制の強化も重要であるというふうに考えております。
 消費者庁におきましては、これまでも地方消費者行政推進交付金などによって都道府県における消費者行政の体制整備の支援を行ってまいりました。これが一つでございます。それからもう一つは、消費者庁による全都道府県向けの研修の実施、あるいは都道府県が行う立入検査への経済産業局の立会いなどによりまして執行担当者へノウハウを伝授をしてくるということをやってまいったところでございます。
 引き続き、都道府県の執行体制の強化及び改正法の実効性の確保を図るためにも、地方消費者行政推進交付金による支援を通じた体制整備、それと、都道府県職員を研修に参加をしていただきましてしっかりとしたトレーニングができるよう努めてまいりたいと思っております。
○和田政宗君 あわせて、悪質事業者の処分の公表についてお聞きをします。
 処分の公表は、消費者庁のホームページの「特定商取引法ガイド」から国及び各都道府県の処分について見ることができるほか、記者会見でも公表しているというふうに認識をしております。
 処分情報に国民がアクセスしようと思えば比較的容易にできる状況でありますけれども、一般の消費者が取引の時点でこのサイトを調べてから取引をするというのは余り考えられず、取引時点でぴんとくるためには処分情報が広く知られている必要があるわけです。
 これは、記者会見などで公表して報道してもらうというような努力をしているということは認識はしておりますけれども、より国民一人一人にしっかり届くようなことを私はやるべきだというふうに思いますけれども、細かく周知するためにどのように考えているか、どういったことを取りたいと考えているか、お願いいたします。
○政府参考人(井内正敏君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、消費者庁におきましては、特定商取引法の処分を行った際には、消費者庁のホームページにおいて処分の内容や処分の対象となる事業者名を公表するとともに、積極的に報道発表を行うことにより、広く国民に情報が行き渡るよう丁寧な周知に努めているところでございます。
 また、消費者庁のホームページ上に「特定商取引法ガイド」のサイトを設けまして、これまでに行った処分情報をまとめて掲載することにより、消費者に悪質事業者をはっきりと認識してもらった上で、今後同様の被害が生じることのないよう、消費者トラブルの拡大・未然防止に努めているところでございます。
 それに加えまして、消費者庁におきましては、消費生活センターなどの最寄りの消費生活相談窓口につながる三桁の電話番号一八八を周知するとともに、ホームページにアクセスしにくいお年寄りに対する地域における見守りの仕組みの活用を推進することにより、国民の一人一人に対しまして、よりきめ細かく丁寧な周知に努めてまいりたいというふうに考えております。
○和田政宗君 では、その相談窓口についてお聞きをしたいというふうに思うんですけれども、その一八八も含めまして、消費者トラブルで国民が第一義的に相談する窓口というのは消費生活センターであるということは、国民の間の、我々の中にも認知というものは広がってきているのかなというふうに思うんですが、通常の窓口に加えまして、消費者ホットラインの開設ですとか平日バックアップ相談、土日対応窓口など、消費者が相談しやすいよう努力されているという認識はしております。
 ただ、基本的な相談時間というのは平日の九時から十七時である場合が多くて、これは、外から帰ってきて家族で食卓を囲みながら話しているときに、例えば日中こんなことがあったんだけど大丈夫なのだろうかと、これ、不安に思うわけですよね。不安に思ったら、やはり解決のためにはすぐ相談をしたいというわけですけれども、もう十七時ですと相談窓口は終わっているというような形でございまして、これ、大変だとは思うんですけれども、消費者がより相談しやすくするためにも、例えば十九時や二十時、土日祝日もせめて九時から十七時まで、基本的な相談時間帯、広げることができないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(井内正敏君) お答え申し上げます。
 各都道府県が設置した消費生活センターにおける相談の対応状況を見ますと、平日は日中のみの対応となっているところがほとんどでありまして、夜間、十九時でございますが、まで相談対応を行っているものは三都道府県にとどまっております。また、土日祝日のいずれかに開所しているものは二十八都道府県というふうになっております。
 御指摘のとおり、消費者が相談しやすい体制を整備することは極めて重要な課題というふうに認識しております。消費者庁としましては、各地方公共団体に対し、ブロック会議等の機会を捉えまして、消費生活センター等の平日夜間及び土日祝日の相談対応について働きかけを行ってきたところでございます。
 また、平日夜間及び土日祝日の相談対応に必要となる消費生活相談員の時間外手当や増員等の措置を含めまして、地方消費者行政の充実強化に向けた取組について地方消費者行政推進交付金等による支援を行ってきたところでございます。
 今後とも、どこに住んでいても質の高い相談、救済を受けられる地域体制の整備に向けまして、各地の取組を支援してまいりたいというふうに考えております。
○和田政宗君 今回の法改正も含めまして、日本は消費者が保護されているな、世界にも誇るべき消費者保護行政だな、そういったようなことになっていけばというふうに私は思っておりますので、より工夫をしていただいて、足らないところは、我々立法府でございますので、しっかりとその辺り提案もしながら、より消費者が保護されるような形を取っていければというふうに思っております。行政においても努力をお願いしたいというふうに思います。
 そして、最後に大臣にお聞きをしたいというふうに思いますけれども、悪質事業者による消費者被害、これはやはり高齢者が拡大しているというふうに認識をしております。総理も、施政方針演説におきまして、「高齢者を狙った悪質商法には、規制を強化し、消費者の迅速な救済を図ります。」と述べておりまして、今回の法改正にもつながっているというふうに認識をしております。
 特に高齢者でございますけれども、高齢者に対する消費者保護行政について、大臣の見解と決意、最後にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) 高齢者の消費生活相談件数は過去五年間で五五%以上増えているという状況で、大変高水準で推移をしております。やはり、この高齢者の消費者被害をいかに防止するかというのは、消費者庁のある面最も重要な課題だというふうに認識をしております。今お尋ねをいただきました、例えば夜間あるいは週末、本当に、高齢者の方が御家族と相談をして、あれっということはやっぱりあるんだろうと思いますので、そこは一つ大きな課題として我々受け止めなければならないというふうに思っております。
 また、今回、この特商法及び消費者契約法の改正も、高齢者を狙った悪質商法への対応を盛り込んだ改正案でございますので、これをしっかりやらせていただきたいと思っております。
 また、警察庁、金融庁と連携をして、政府広報を活用して注意喚起をしっかりやっていくという取組を平成二十五年九月からこれは続けているところでございます。
 また、先ほどから繰り返しになりますが、地方消費者行政推進交付金などを活用して、地方自治体の体制をしっかり組んでいただきたい。
 また、消費者問題が地方議会あるいは地方政治の中でやっぱり一つの大きなトピックとして語られるようにならなければならないというふうに思っております。ちょっと言ってしまえば、一つの地方選挙の争点に、どこまでこの対策に市は、行政はお金を使うんだというのが選挙の争点になるぐらいやはり盛り上げて、これは重要な課題だと認識をしていただくということは大変重要だというふうに思っておりますので、我々もこの交付金を活用して支援をいたしますが、地方団体の自主財源の活用ということもやはり呼びかけてまいりたいと思っております。
 それから、ホットライン「いやや」、一八八、まだ認知度が大変低くて、これは何とか一一〇番並みにしてまいりたいというふうに思っているところでございますし、四月一日からは地域の見守りネットワークというのもスタートしたところでございますので、こうしたことをしっかりやりながら、高齢者の被害状況を見て、まだ足らないということであるならば、これはやっぱり更に踏み込んだ対応をしなければならぬと思っておりますので、消費者庁としては今ある武器をしっかり使っていく、それで駄目なときには更にまたお願いをしなければいかぬかなというふうに思っているところでございます。
○和田政宗君 非常に前向きな答弁を全般的にいただいたというふうに思いますので、是非実行をお願いしたいというふうに思います。
 以上で終わります。
○委員長(熊谷大君) 午後四時に再開することとし、休憩いたします。
   午後二時三十四分休憩
     ─────・─────
   午後四時一分開会
○委員長(熊谷大君) ただいまから地方・消費者問題に関する特別委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、宮本周司君及び山下雄平君が委員を辞任され、その補欠として島村大君及び野村哲郎君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(熊谷大君) 休憩前に引き続き、特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案及び消費者契約法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉田忠智君 社会民主党の吉田忠智でございます。
 河野大臣には、大震災の昼夜分かたぬ対応、心から敬意を表し、感謝申し上げます。
 まず、関連して、消費生活相談員の処遇改善について質問します。
 現在、消費生活相談員は全国で三千三百六十七人、うち非常勤は二千六百六人、七七・四%、外部の民間委託の方は六百六十九人、一九・九%であります。
 相談員の平均報酬額は、時給換算で千五百二十円です。非常勤、外部委託の方は不安定な雇用で、時間外手当や退職手当などの手当もほとんどなく、低賃金で相談業務に従事をされています。これを改善しなければなりません。この問題は、消費者庁設置以前から今に至るまで延々と議論されてきたところであり、政府が本気を出して取り組まなければならない問題でもあります。
 大臣に伺いますが、消費生活相談員の処遇改善にどのように取り組んでいかれるのか、伺います。
○国務大臣(河野太郎君) 平成二十八年四月一日から施行されました消費者安全法の改正により、消費生活相談員の職及び任用要件等が法律に位置付けられることになりました。こうしたことから、地方公共団体の中で消費生活相談員がその職務と能力にふさわしい言わば専門職として適切な評価を得られ、雇い止めの見直しを含む消費生活相談員の処遇改善に資するものと考えております。
 いわゆる雇い止めの見直しにつきましては、地方消費者行政推進交付金などを活用した支援を行ってきているところでございますが、各地方公共団体に相談員の専門性に配慮した任用を行うよう積極的にこれからも働きかけを行ってまいりたいと思っております。
 おっしゃるように、この消費生活相談員が言わば専門家としてきちっと位置付けられるというのが大切なことでございますし、優秀な相談員の方がきちんとしたキャリアパスを見通しながらその職を務めることができるというのが大事だと思っておりますので、この問題につきましては、私もきちんと目配りをしながら今後当たってまいりたいと思っております。
○吉田忠智君 確認しますが、大臣が今、専門性に配慮した任用ということでありますけれども、それでは、非常勤ではなくて常勤の職員として位置付けられるようなものにするという意味で理解していいんですか。
○国務大臣(河野太郎君) 是非、常勤として雇っていただいて、キャリアパスが形成されるように努めてまいりたいというふうに思っております。
○吉田忠智君 それでは、手当など、常勤の場合で支給されるものも今後対応できるということでいいんですか。
○国務大臣(河野太郎君) 全ての地方公共団体が最初からなかなかそのようにいくかどうかというのは難しいところだと思っておりますが、非常勤から常勤に、そして専門家としてキャリアパスが形成されていくようにしっかりと、これは消費者庁としても大事なことだと考えておりますので、公共団体に働きかけを続けてまいりたいと思っておりますし、先ほどの審議でも申し上げましたように、消費者問題というのが地方政治の中で大きなテーマとして取り上げられるようになれば、当然にこの処遇の問題というのが地方議会でも取り上げられ、財源の中で重要なものだというふうに位置付けられるようになれば常勤の職員として雇われていくことになるだろうと思いますので、地方の政治の中で消費者被害をいかに防いでいくかというのが大事なテーマであるということを私は訴えてまいりたいというふうに思っております。
○吉田忠智君 消費生活相談員の処遇の改善は、地方消費者機関の最重要課題と言ってもいいと思いますので、是非消費者庁として、大臣が言われたように、ずっと進むように、財源の手当ても含めて御尽力をいただきたいと思っております。
 法案について質問いたします。
 法案は、本年一月の消費者委員会の答申を踏まえて立案され、必要なものでありますけれども、今回の改正で残念ながら見送られた課題も少なくありません。特に、消契法本体の改正としては実に十六年ぶりのものでありますが、この間、インターネット通販やネットオークションの普及など、状況は大きく変わっております。先ほども御議論がありましたけれども、あえて確認の意味で聞きますけれども、今後は、やっぱり三年ないし五年程度で、情勢は目まぐるしく変わるわけでありますから、特に消費者をめぐる情勢は、消契法と特商法の改正でしっかり反映させていくべきであると考えております。その点についての大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) かつて、ラジオやテレビが世の中に普及をするのには相当長い時間が掛かったわけでございますが、最近のスマホの普及なんというのは、それと比べると、もうあっという間に大勢の皆さんが持つようになる。それだけいろんなものの時間が短くなっているということを考えますと、消費者契約法につきましては、まず今後の検討課題として残されたものにつきましては、これは引き続き検討が行われ、消費者委員会において答申がなされる、それをきちんと受けてやってまいりたいと思っておりますし、特商法につきましては、五年後の見直しという規定はございますが、これにこだわらず、必要とあらば改正をするということを考えていかなければいかぬと思っております。
 衆議院の消費者問題に関する特別委員会の附帯決議では、消費者契約法については、改正法の「成立後三年以内に必要な措置を講ずる」、あるいは特商法については、「施行後五年を待たず、適時適切に見直しを行うこと。」というふうにされておりますので、時代の流れに沿ったタイムリーな対応をやってまいりたいというふうに思っております。
○吉田忠智君 是非、情勢の変化を踏まえて、また今回先送りにされた課題もしっかり適宜改正をしていただきたいと思います。
 それから、消契法の不実告知の問題、重要事項の定義などに関わって、山林のことについては私も通告の三番目で出しておりましたけれども、先ほど答弁いただきましたので、これはもう省略をさせていただきます。
 次の質問ですが、特商法に関して、国民の健康志向の高まり、インターネット取引やテレホンショッピング等の普及によって、健康保持増進の効果が必ずしも実証されていない健康食品の通信販売に関する虚偽・誇大広告をめぐるトラブルも増えております。こうしたトラブルは、特に高齢者で深刻な被害が生じておりまして、インターネット通販の虚偽・誇大広告による被害救済措置の検討が急務ではないかと考えますが、御所見を伺います。
○国務大臣(河野太郎君) 消費者委員会の特定商取引法専門調査会では、IT社会の進展を背景に、インターネット通販を含む通信販売に関する事項についても議論が行われたと承知をしておりますが、通信販売における被害救済の一つとして位置付けられる虚偽・誇大広告に関する取消し権の付与については、議論の結果、残念ながら意見の一致を見なかったものと承知をしております。
 こうした専門調査会の結論も踏まえて今回の改正法案とさせていただいておりますが、特商法に基づく表示義務の徹底あるいは虚偽・誇大広告に対する厳格な執行、指示、業務停止命令等の執行、あるいは今回導入することとしていただく、お願いをしております公示送達による処分、こうしたことを厳格にやっていくことで悪質なインターネット通販事業者に対応できると思っておりますので、まずこうしたことをしっかりやりながら、状況を見てまた判断をしてまいりたいというふうに思っております。
○吉田忠智君 大臣が今言われたこともしっかりやっていただきながら、不十分とあらばまた改正をしていただきたいと思います。
 それから、新聞勧誘など求められていない訪問販売や勧誘など、いわゆる不招請勧誘については、主に特商法の専門調査会で大きな議論になったものの、これも答申に入りませんでした。訪問販売禁止ステッカーなどの事前規制について、自治体によっては独自に条例を制定して取り組んでいるようであります。
 訪問販売禁止ステッカーなどの事前規制を法的に整備する必要があるのではないかと考えますが、いかがですか。
○国務大臣(河野太郎君) これも、消費者委員会の専門調査委員会におきまして、訪問販売に係る勧誘規制の見直しについての議論が行われましたが、法改正による勧誘規制の強化及び現行法の解釈の見直しの必要性について、やはり委員間で共通認識が形成されるには至らなかったと承知をしております。そのため、今お話がありました訪問販売お断りステッカーの導入について議論されるには至らなかったわけでございます。
 ということでございますので、まず、現時点において、この委員会では、法執行の強化、再勧誘禁止等の法令遵守の徹底あるいは勧誘受諾意思の確認の励行の自主規制の強化、その他の取組をまず推進するということについて委員会で意見が一致をしたと承知をしておりますので、まずこれらの取組をしっかりと進めてまいりたいと思っております。
 そして、消費者委員会からの答申を十分踏まえながら、消費者トラブルの状況を見ながら、必要とあらば適切な対応を取ってまいりたいというふうに思っております。
○吉田忠智君 大臣が言われる適切な対応というのは、法改正も含めてというふうに受け止めていいわけですね。はい、そのように確認をいたします。
 これは質問ではありませんけれども、不招請勧誘議論に関連して、消費者委員会で事業者側が抵抗し、政治に圧力を掛けて答申に至らなかった、また、この問題に関して、審議官、担当課長などの消費者庁の人事、消費者委員会委員に経産省OBが新任されたことなど、報復人事があったのではないかと昨年七月前後に報道されました。事実とすれば、消費者保護の根本に関わる問題で、極めて深刻な状況だと考えています。
 そもそも、消費者保護を目的とする消費者委員会で、事業者側、消費者側と目される委員間で共通認識に至らない限り、法改正の必要性、規制立法が検討できないという現状は、消費者保護政策として不十分ではないか、そのように考えるわけです。
 審議官ですかね、これは。消費者委員会の在り方も再検討すべきではないかと考えますが、消費者庁にお伺いします。
○政府参考人(黒木理恵君) お答え申し上げます。
 消費者委員会におきましては、法律の見直し等を検討させていただく場合におきましては、専門調査会というものを設置して調査審議を行ってきております。この専門調査会を構成していただいております専門委員につきましては、設置法の規定に基づき、当該テーマに沿った専門的事項について優れた識見を有する者という方が任命をされていると承知をしております。
 この専門調査会の場でございますけれども、それぞれの識見を有する方々が、その識見に基づき活発な御議論をいただいており、その議論の結果が報告書として取りまとめられるところでございます。その際、委員の間で共通認識が成立しなければ報告書が取りまとまらないということはございません。
 その上で、さらに、消費者委員会におきましては、専門調査会で報告が取りまとまった後に、議決の機能を有します消費者委員会のいわゆる本会議に専門調査会から報告がありまして、その報告を受けて本委員会で議論が行われ、消費者委員会としての答申等を発出するということとしております。その際、専門調査会による報告が必ずしも本委員会を追認するということになるものではないということになっております。したがいまして、委員の御懸念というものは当たらないのではないかと考えております。
○吉田忠智君 大臣に伺いますが、やはり、今事務局長から答弁がありましたけれども、事実上、消費者保護立法について事業者側に拒否権がある状況だと私は言わざるを得ないと思うんですね。消費者委員会の在り方の再検討、これが必要だと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(河野太郎君) 今御答弁ありましたように、消費者委員会として様々な議論をして答申をまとめていただいておりますので、そこは専門性のあるメンバーの皆さんがしっかりと御議論いただいた答申であると思いますし、それを踏まえた立法を消費者庁としてはやってまいりたいと思っております。
 ただ、事業者側に拒否権があるのではないかという御指摘でございますが、そうしたことがないように委員会では運営をされていると思っておりますし、もし仮に、万が一実態としてそのようなことがあるようならばそれは様々なことをやらなければならないんだろうとは思いますが、現状ではそのようなことはないと思っておりますし、しっかりとこの問題について、この消費者契約法の改正につきましては積み残された議論もございますから、しっかり議論をしていただいて答申を出していただいて、それを踏まえて次の立法につなげていきたいというふうに思っているところでございます。
 御懸念のようなことが万が一にも顕在化した場合には、そこは適切に対応していくことを政府として考えていかなければならないというふうに思っておりますので、そのようなことがないよう委員会として万全な運営をしていただいているというふうに今のところ思っております。
○吉田忠智君 私は、懸念のことが顕在化しているという認識であります。
 例えば、消費者委員会特商法専門調査会では、あろうことか、PIO―NETは立法の根拠たり得ない、信頼性に欠けるというような議論を事業者側が堂々と展開しました。こうした議論を受け、結論として勧誘規制の強化が見送られたことが調査会の報告書に明記されています。全く、あきれるというんですかね、やっぱり顕在化していますよ。
 二〇〇九年の消費者庁設置以前から、PIO―NETの情報を基に様々な消費者保護政策を行政府、立法府が、それこそ自民党、公明党の皆さんを含めて超党派で推進して、消費者庁、消費者委員会、国民生活センターが運営されてきたわけですよね。
 この発言についての大臣の見解を伺いたいと思うんですよ。
○国務大臣(河野太郎君) PIO―NETの情報は、相談者からの申出情報でございますが、専門性を有する相談員が事実関係を聴取、チェックしてシステムへ入力した後、地方公共団体の職員が精査、決裁した上で登録をされておりまして、これは相応の信頼性を有するものと考えております。各省庁は、ここに登録をされてきた情報を分析して様々な法改正をこれまでも行ってきておりますので、この情報が信頼性がないということは全くございません。
 しかも、同じような相談情報が多数このPIO―NETに登録された場合には真実性がより高いものだというふうに思っておりますので、このPIO―NETの情報に信頼性がないという議論にはならないだろうと思いますし、それは間違った前提での議論であるというふうに思っております。
 さはさりながら、今後もPIO―NETの情報が法改正あるいは消費者行政に役立つように、我々としても更なる精度向上を地方公共団体と一緒になって努めてまいりたいというふうに思っております。
○吉田忠智君 やっぱり、PIO―NETの情報が、それはテーマ、課題によりますけれども、事業者にとって不都合な情報であった場合には、そういう批判しているということはあるわけですよ。顕在化していないと言いますけれども、私はやっぱり、積み残された課題、先ほど来ずっと議論されておりましたけれども、今回法改正に盛り込まれなかった、それはまさに消費者庁の在り方、消費者委員会の在り方の根本に関わる課題だと思っております。
 是非、そのことを最後に申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○平野達男君 平野達男でございます。
 まず冒頭、河野大臣、熊本震災等々の対応、本当にお疲れさまでございます。まだしばらく、復興が順調に軌道に乗るまでは河野大臣中心に、軸に支援が進むと思いますので、引き続きよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 そして、まず冒頭、河野大臣に、今回の法改正に絡んで考え方をちょっとお聞きしたいと思いますが、今回の法改正の一つのテーマというのは、高齢者の保護、消費者としての高齢者、高齢者の消費者の保護をどのようにやっていくかということだろうと思います。そこで、高齢者がこの法律を改正するときにどういう状況にあるかということを想定されたのか。
 例えば、私も岩手県の出身ですから地方を歩きますけれども、大体、消費生活センターなんかあるということも知らないですね。相談員もいるかどうかも分からないし、そんなに相談も要るわけでもない。それから、結構、高齢者だけの自宅、それから独居老人の方もおられます。最近、何でこんなに振り込め詐欺が出てくるのか。熊本の震災が起こってからは寄附金詐欺まで今度は電話で出てくるというぐらい、それがもう多発化しているわけですね。これは、一にも二にも、高齢者の方々が多分多いと思うんですけれども、どういう状況にあるかということを念頭に置いた上での法改正がやっぱり必要なんだろうと思います。
 今回の法改正は、どういう状況にあるということでされたのかという基本的な認識をちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) 高齢者の相談件数は非常に高水準で推移をしておりまして、被害金額も他の世代より高額でございます。平成二十一年から二十六年の五年間で一四%高齢者の人口が増えているんですが、高齢者の相談件数は六割近く増えているという現実がございます。また、独居老人、六十五歳以上の世帯の状況で見ると、一人で住んでいらっしゃる世帯が四分の一、二五%、御夫婦のみの世帯というのが三〇%、つまり五五%はお一人か二人で住んでいらっしゃる。
 そうしますと、高齢の方の不安として、一つは、年金とそれまでの蓄えた貯蓄が主要な生活資金であるということと、やはりだんだんお年を召してきますと健康への不安が大きくなってくる。それから、一人住まいの方は一人で過ごしていらっしゃる時間が非常に長い。お金、健康、孤独という三つの不安を抱えているところに悪質事業者が付け込んでくる。必ずもうかるから手元のお金を殖やせるとか、痛みが収まるといった、お金ですとか健康面に、心配に付け込んだセールストークであったり、あるいは話し相手として近づいてきてというようなことが事例として発生をしております。
 ですから、やはりこの高齢者の被害ということをいかに防ぐか、また、あるいは事後に救済できるかということは、更に一層の取組が必要になっているという状況の中での今回法改正をお願いをしているという状況だというふうに思っております。
○平野達男君 やっぱり、キーワードは理解度だと思いますよね。いろんなことを言ってきたときに、電話が来たときとかあるいは訪問販売が来たときに相手の言っていることが理解できるかどうか。
 それから、大体、先ほど大門委員がおっしゃいましたけど、田舎では、大体の高齢者は、入ってきたら、もう話聞く人が多いですよ。聞いて何となく、もう人がいいものですから、お茶出したり漬物出したりとか、その中でやっぱり何となくだまされるというのはあるのかなというのは皮膚感覚として物すごいやっぱりこれ心配します。
 それからあと、高齢者の相談が増えていると言いましたけれども、それは多分部分ですよね。実際にはもっともっと、相談も、要するにどこに相談すればいいかも分からないという、そういう方がたくさんいるんだろうということを頭にやっぱり置いておく必要もあるんだろうと思います。
 そこで、ちょっと個々具体の話に入りますけれども、今回、過量販売の話が入りました。これは、法律でいきますと、今まで訪問販売では過量販売の事実があった場合には、これは無効だと。今度は電話までそれを広げるということでした。今日、先ほど同僚委員の中で、過量の定義についてお聞きしましたら、これはなかなか難しいと。そのとおりだと思います。そこはもう答弁はいいです。
 私がお聞きしたいのは、先ほど理解度と言いましたけれども、そもそもその商品が必要かどうかという判断ができるのかどうかという話なんです。ここではあくまでも量だけ基準にしています。量が多ければそれで、多量の場合については契約を解消するといいます。だけど、過量販売、過量については、要するに、規制が設けられるんだったら売る方だって考えますから、そもそもある程度その量についての、そんな大量に売らなければいいんだろうなということで、これは必要です、これは必要です、これは必要ですということで高齢者に売っていった場合に、それは有効か無効かという判断なんです。
 ここは、過量については高齢者の理解不足だから、過量と判断した場合は無効にするといっているんです。だけど、その商品そのものに対して高齢者が本当に自分が必要だと思っているのかどうかという判断力が果たしてどこまであるのかどうかという話ですね。七十とか何か過ぎて、だんだん、認知症までは行かないですよ、行かなくても、やっぱりたまたま人が来て親しげに話をされるとそれで買ってしまうという。それで、そのもの自体が大した実は日常の役に立たないということだってやっぱりあり得るのではないかと思うんです。
 このことについてどのように今思われますか。
○政府参考人(井内正敏君) お答え申し上げます。
 今御指摘のように、今回過量性に着目した規制ということで、特定商取引法においては電話勧誘販売、消費者契約法におきましても規律を入れるということにいたしましたけれども、この大本は合理的な判断をすることができない状況に着目した規律という点で入れておりますけれども、消費者委員会の方で御議論いただいた中では、この合理的な判断をすることができない状況に着目して、現時点でどういう形で規律を入れたらいいかというのが過量販売と、ここについては合意が得て、明確な規律になっていくだろうということで、その答申を踏まえまして現在やっておりますけれども、消費者委員会の方でも、全く委員の御認識どおり、過量性だけではなくて、ほかの形で明確に、この合理的な判断ができないという状況のときに、ほかの、過量性だけではなくてあるんではないかというのは引き続き検討していただくということになっております。
○平野達男君 私も役所出身だから、いろんな委員会つくって、審議会つくって、大体、国会に出すときは審議会の意見でございますと言って答弁してきた役人の一人なんですよ。だけど、それは分かりますけど、今回の場合は、消費者庁ですから、現場を歩くこともやっぱり大事ですよね。それで、自分で要するに地方の町に出かけていって、そして独居老人がどういう生活を、独居老人という言葉は使いたくないんですけど、高齢者の方がどういう生活をやっておるか、そういうこともまず実見してみることがやっぱり大事だと思います。
 先ほど大門委員の質問の中に、拒否のステッカーについて質問したときに、委員会の方では、何かこれ誰を拒否しているか分からないという答弁をされましたね。そんなの簡単なんですよ。要するに、ステッカー貼っているところにどんどんどんどん皆さんが行って、このステッカーは誰を対象として拒否していますかと。間違いなく全部と言いますよ、それは。そういうものを全部情報を集めて提供すれば、それだけでもう済むような話なんだろうと思うんです、今ちょっと話がそれましたけれども。いずれ、そういうことで、こういう問題があるということは、現場感覚で消費者庁はやっぱり取り組んでいくべきだと思いますよ。
 私は、この話の延長上にやっぱり不招請勧誘を設けるべきだという考え方がありますので、ここから不招請勧誘の話にちょっと入っていきます。
 今の現行の法規上で、金融商品について不招請勧誘の禁止、どのような規制になっておるでしょうか。その考え方と法律の中身を教えてください。
○政府参考人(井内正敏君) お答え申し上げます。
 特定商取引法につきましてですが、訪問販売や電話勧誘販売といった取引類型に着目して規制を行う法律でありまして、規制対象範囲も広範囲に及ぶことから──不招請勧誘ということでよろしいですね。
○平野達男君 不招請勧誘については特商法はないでしょう。
○政府参考人(井内正敏君) 不招請勧誘の規制の導入に当たりましては、特定の事業所に規制を及ぼす金融商品取引法や商品先物取引法に比べますと慎重な検討が必要なものというふうに認識しております。
 訪問販売や電話勧誘販売に係る勧誘規制に関する法規制や解釈見直しの必要性につきましては、消費者委員会において委員間で共通認識が形成されるには至らず、報告書にも盛り込まれなかったというふうに承知しております。
○政府参考人(長谷川靖君) お答えいたします。
 金融商品取引法におけます不招請勧誘の禁止についてでございますけれども、まず、金商法上、一般に投資者の知識、経験などを勘案して金融商品の販売、勧誘を行うことを求めるいわゆる適合性の原則というものが規定されておりますが、商品の特性や業務の態様などからこの適合性の原則を遵守することがおよそ期待されないような場合について、更なる規制として不招請勧誘を禁止する規定を設けているところでございます。具体的には、金商法上、いわゆる店頭FXなど個人向けの店頭デリバティブ取引などを対象に不招請勧誘、すなわち勧誘の要請をしていない顧客に対して訪問し又は電話を掛けて勧誘することが禁止されているところでございます。
○平野達男君 その考え方も、なぜ禁止……
○委員長(熊谷大君) 平野委員、手を挙げて発言してください。
○平野達男君 先ほど質問の中で言ったつもりなんですけれども、内容と考え方というふうに言いましたので、考え方も言ってください。
○政府参考人(長谷川靖君) 失礼いたしました。
 今申し上げましたように、金商法、まず一般的には適合性の原則が規定されておるわけでございます。この適合性の原則ではなお期待されないような場合、例えばレバレッジが高いといった非常にリスクの高い商品性ですとか、あるいは執拗な勧誘や利用者の被害が発生しているといった被害実態があるような商品、あるいは業務の態様を勘案しまして、現行の金商法におきましては、個人向けの店頭デリバティブ取引などを対象に不招請勧誘の禁止を規定しているところでございます。
○平野達男君 あと、商品先物についてはどうでしょうか。
○政府参考人(住田孝之君) 商品先物取引におけます不招請勧誘規制でございますが、これは不意打ち性を帯びたような勧誘あるいは執拗な勧誘といったことで、顧客が本来の意図に反してリスクの高い取引を行う、それで被害が発生する、さらにそれが投資額との関係でも非常に多額に上ると、こういったケースがかつて多く報告をされました。
 これを受けまして、平成二十一年の商品先物取引法の改正におきまして、商品先物取引契約の締結の勧誘の要請をしていない顧客に対して訪問をし又は電話を掛けて商品取引契約の締結の勧誘をするということを原則として禁止をしております。ただ、省令でその適用除外となる勧誘を規定をしております。その後、商品先物に関する苦情や相談件数は相当程度減少いたしました。一方で、商品先物市場がかなり縮小をしたという状況になりました。
 こうした状況の中で、平成二十七年に、不招請勧誘規制の例外となる類型を追加をいたしております。その結果といたしまして、現在におきましては、商品先物取引の未経験者につきましては、六十五歳以上の高齢者や年金等で生活をしておられる方、それから一定の年収やあるいは金融資産を有しない方、あるいは商品先物取引のリスクを理解していない方に対する不招請勧誘を禁止をしているという状況でございます。
○平野達男君 何を言いたいかといいますと、金融商品取引法の中では、これは適合性原則というのがありまして、これは法律四十条で、これは非常に重要な規定になっておるんですが、この適合性原則に沿えない可能性があるものについて不招請勧誘というものの禁止を導入しているわけです。
 それから、商品先物につきましては、先ほど言いましたけれども、大事なのは、余り長々と説明したから、余り説明要らなかったんですけれども、六十五歳以上、年金生活者、それから一定の資産の額がない者については不招請勧誘、禁止しているんです。
 そして、他方、特商法では、今回、投資目的で様々な商品があります。この商品を販売する会社に、特商法自体は適合性原則が法律で入っているかどうかもちょっと見てみないとよく分からないところがあって、施行規則か何かで入っているようですが、この適合性原則、遵守できないような企業が、やっぱりこの投資目的の商品見ると、結構訳の分からないものがあるから、恐らく金融商品よりももっとそういう可能性のある会社がいるのではないかというのが一つ。
 それからもう一つは、先ほど言いました先物取引、商品先物というのは、高齢者に対しての不招請勧誘の禁止をもう導入しているんです。これも繰り返しますけれども、投資目的の商品自体はまがいものみたいなのがあるから、その並びからいったら、高齢者に対して不招請勧誘は当然入ってもおかしくないんじゃないかと。むしろ消費者庁だという立場からすれば、高齢者の保護だということからすれば、他の法令の並びからいっても、これはやっぱり当然じゃないかなと思うんですけれども、そこはまた、先ほど、委員会ではそういうふうな合意に至りませんでしたという答弁になるから、答弁はもういいですよ。いいんだけれども、この法律の中身を、他の法律がどうなっているかというのをちゃんと見るというのは消費者庁の職員の仕事だよ、これは。これ、私から見たって、まだ、要するに、いろんな商品先物取引というのは制度もしっかりしているし、枠組みもしっかりしていましたよ。それからあと、店頭デリバティブとか金融商品についてもまだしっかりしているような感じがする。私も財金にずっと在籍していて、まだ分からないことはたくさんありますけどね、それでも不招請勧誘の規定が入っているんですよ、物によっては。
 だけど、特商法の扱うこの商品というのは、もっとこれ、訳の分からないと言ったら言葉は悪いですけど、ちょっとまがいものに近いものが多い。もっともっとこれは慎重にやるべきだという発想は当然出てくるべきだし、それは委員会が何と言おうと、こういうものになっていますよと、ほかの法律ではこれだけの規定がありますよと、消費者庁の考え方として、あるいは大臣の考え方として、是非これは訴えていっていただきたいというふうに思います。大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 今回は消費者委員会を言い訳にして何となく逃げているような答弁で、やや申し訳なく思っておりますが、できることはやれということでございますので、まずできることをしっかりやった上で、状況を判断しながら、五年の見直しにこだわらず、やらなければいけないものは、それが分かった時点でしっかり対応できるようにしてまいりたいと思っておりますので、そこは頑張ってまいります。
○平野達男君 いずれ、法律の専門家もたくさんいるから、それはもう皆さんが一番分かっているはずだ、これは。これは強く要望、要望というか検討をお願いしておきますよ。要望しておきます。
 それから次に、先ほどのステッカーの話とか電話で、ドント・コールですね、要するに消費者側の様々な勧誘に対しての拒否権のことについてお伺いしたいと思います。
 これは、消費者の立場に立ったときに、例えば電話なんかでも、私なんかは、何かばたばたしているときに自宅にいて電話来て、何々投資ですけれども、あるいはマンション販売ですけれどもというと、むかっとくるときなんかちょっとあるんですけどね。物によってはいい電話もあるかもしれませんけど、大体もう電話自体は余り嫌だなというふうにも思うし、そういう消費者の権利というのは、そういうものを来ないでくださいと言う権利というのは、これはどこまで認められるのかということ、そして、まだ今の現段階ではなぜ認められないのかということについて見解をちょっと伺いたいと思います。
○政府参考人(井内正敏君) 先ほどからお話ししていて大変恐縮なんですけれども、やはり事業者の方の実際の健全な事業運営とかそういうことにも配慮しながら、一方、今委員御指摘のように消費者側の意思ということも、両方考えていく必要があると思います。
 それで、私どもとしても、健全な事業者の方と守られるべき消費者の方の意見を聞きながら、両者、健全な事業者の方にとってもいいものは消費者にとってもいいということであると思いますので、それを今、何度も繰り返していろいろ、大変申し訳ないんですけれども、消費者委員会の場で御議論いただきまして、それを踏まえて現時点では入れていないと、規制はですね、入れていないということでございます。
○平野達男君 消費者側の判断として、先ほど言ったように、今の法律の枠組みの中では、ちょっと話が変わりますけれども、再勧誘は禁止されているわけです。要するに、考え方として、電話も嫌だというのは、そういうものに対しては一切お断り、それからステッカーを張って意思表示をするというのは、可能性としては、そういうものに、例えば訪問販売したとか電話でやったとしても、まず断られる可能性は高いはずなんですよ。特に電話なんかは、そういう意識を持っている人ははっきり断ると思います、高齢者なんかはまず別としてですよ。
 だから、それは再勧誘を禁止しているという観点からいえば、本当にドント・コールを希望する人に対しては例えば電話を掛けないというルールを作れば、それは業者側だって電話を掛けて空振る確率というのは少なくなるというメリットだってあるじゃないですか。そういう観点で考えるということもやっぱり大事じゃないかなと思いますけれども、どうでしょうかね。
○政府参考人(井内正敏君) お答え申し上げます。
 消費者庁としましても、消費者委員会に諮問を諮る前に、海外のドゥー・ノット・コール制とかドゥー・ノット・ノック制、ドント・ノック制というようなものについても、もちろんどういう制度があるかということで調べております。
 ただ、現時点でその評価というので確たるものが、メリット、デメリットについてはっきりしたものがないという状況で、消費者委員会の方にそういうものも提示しながら御議論いただいたということで、どういう制度があるか、あるいはどういうメリット、デメリットがあるかということについては常に研究をしてまいりたいというふうに思っております。
○平野達男君 できれば、だから今日委員会では、じゃ消費者にそういう制度が導入されたときにどういうメリットがあってデメリットがあるか、それから業者側にとってどういうメリットがあってデメリットがあるか、そういうのをちょっとお聞きしたいんですけれども、多分整理されていないでしょうから、今日はもう時間もないですから何か別な機会があったらお聞きしたいと思いますけれども、そういう整理をした上でこの問題はやっぱり考える必要があるということだと思いますよ。
 特に消費者側にとっては、いろんなことを消費者に聞いてみればいいんですよ、個々人に。先ほどのステッカーの話もそうですよ。それから、ドント・コールの方で希望する方はどういうことを思っていますかというふうに、そういうものをデータとしてどんどんどんどん積み上げていって、それで消費者委員会なんかに提示すればいいじゃないですか。当然、これ業者側といろいろぶつかると思います。でも、少なくとも消費者側としては、これは元々消費者庁は、業振興の各省とは別に消費者保護という立場でつくられた省庁ですから、そういうことをやっぱり積み上げて提示していくことが皆さんの仕事じゃないかと思いますよ。
 そういうことを多分やっていないでしょう。だったら、そういうのもやってください。そして、次の消費者委員会か何かでも、そういうデータでもって議論をして、さあどうしましょうかということをやったらいいと思いますけれども、そこの見解を、河野大臣、その部分だけちょっとお願いします。
○国務大臣(河野太郎君) 消費者庁は常に牙をむいていなきゃいかぬというふうに常々言っておりますので、そこは受け身ではなくてやはり自分から、自らきちんと情報を取って、こういうことが求められているはずだ、こういうことが必要なんだということをきちんと主張する消費者庁であらねばならぬと思いますので、そこのところは御指導を踏まえてしっかりやれるように努力してまいりたいと思います。
○平野達男君 消費者庁の設置というのは、この間、石破大臣もちょっとお話しされていましたけれども、直接のというか、大きなきっかけの一つが汚染米事故でした。あのときの農林水産大臣は石破大臣で、私は古巣の農水省でしたけれども、汚染米の問題についてはかなり辛辣に追及した一人です。
 その中で、農水省関連では、農畜産物に関しては、その前にBSE問題が出まして、様々なこれも大きな国会でも議論になったんですが、あの中で出てきたのが、やっぱり農水省とか経産省とか各省というのは業振興で、各種の法律というのは業の振興という観点から法律を作っているし、その中に消費者保護というのがあるわけですよね。だから、業振興をやっているということと消費者保護というのは本当はセット、セットというか、セットといいながらやっぱり業に軸足を置いてやるから、どうしても消費者は業の振興にとってマイナスにならない程度という観点でやるからこんな事故が起こるんじゃないかという議論も当時盛んにあって、それで消費者庁ができたということだと思うんです。だから、消費者庁は、各省とやっぱりそういった意味でまさに対峙、消費者保護という観点で、牙をむくとおっしゃいましたけれども、そういうスタンスでやるということを常にやっぱり持ってやっていただきたいと思います。牙をむくとおっしゃっていましたから、そのとおりだと思いますし。
 ただ、今の状況の中では、正直言って、経産省相手とか農水省相手とか、省庁がでかいし、また組織もでかいし、結構多勢に無勢的なところもあるのかもしれないです、金融庁とか経産省がいたところで申し訳ないけれども。だからこそ消費者庁は本当に意識を高く持ってやってもらいたいというのが、当時の汚染米の事故の辺りのところに、消費者庁の議論が出てきたときにあった議論だということはちょっと紹介をしておきたいというふうに思います。
 時間ちょっと残っていますから、あと河野大臣に、これから技術、様々な進歩をしていく中で、情報伝達方式も様々変わっていきます。金融の世界ではフィンテックとかいいまして新しい言葉も出てきて、何が何だかちょっとよく分からないところがありますが、様々な意味で、いろんな商品を作ると同時に、それを宣伝する方式も、売り込みをする方式も随分変わってくると思います。だから、ビッグデータ等々を活用して、消費者が何を望んでいるかみたいなことも把握しながら売り込みをやっていくんじゃないかということも言われていますし、それらが本当に消費者にとっていいのかどうかというのが私はよく分かりません。ただ、本当にそういった世の中が変化していく中で、消費者行政はこれからどういうことを考えていかなければならないのかということは非常に大事なやっぱりテーマだと思います。
 河野大臣にこの点に関しての見解をちょっと伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) 情報通信技術を始め、あるいはビッグデータのようなものを始め、変わるスピードというのがどんどん速くなっておりますし、フィンテックというのを、じゃどれだけの人が全部理解しているかというと、多分ほとんどいないんだろうと思うんですね。そうすると、それだけ世の中が速く変わり、複雑化している中で、提供する側と受ける消費者の側の情報格差というのはますます広がってくるようになるんだろうと思います。
 そうすると、やはりそれぞれについて丁寧な説明をしていくということが事業者側には当然求められると思いますし、その説明が、事実に即して正しい説明が分かりやすくされているかどうかというのをやはり誰かがきちんと見ていかなければいけないんだろうと思います。フィンテックなんというのも、使い方によってはこれは非常に消費者にとって便利なものでございますし、先ほどから業の振興という話がありましたが、金融業にしてみれば多分恐ろしく脅威に感じているようなものなんだろうと思います。
 逆に、そういう新たな競争が生まれることによって、手数料のような消費者のコストが下がるということも事実ですし、二十四時間いつでもサービスが受けられるという便利さが増すというのも事実だと思いますが、そこはやはり情報格差と裏表のところがございますので、いいサービスがやはり正しい形で提供され、それをしっかり認識をした消費者がその認識の上に立って消費をするならば、これは全く問題がないことでございますので、しかし、そこをやはり誰かが、高齢者の問題もございましたが、誰かがやはりきちんと、正しく的確な情報が説明されながら提供されているかどうかというのは常に見ていかなければいけない。これからまた情報量が非常に増えていくということを考えると、かなり大変なことだと思いますが、大変なことだと言って終わるわけにはいきませんので、それができるように、しっかりした消費者行政をつくり上げてまいりたいというふうに思っております。
○平野達男君 終わります。
○委員長(熊谷大君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時五十二分散会