第190回国会 東日本大震災復興及び原子力問題特別委員会 第5号
平成二十八年四月十三日(水曜日)
   午後一時開会
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   委員の異動
 三月二十二日
    辞任         補欠選任
     大野 泰正君     愛知 治郎君
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     宮本 周司君     山下 雄平君
 四月一日
    辞任         補欠選任
     山下 雄平君     宮本 周司君
 四月十二日
    辞任         補欠選任
     阿達 雅志君     二之湯武史君
     熊谷  大君     滝沢  求君
     高階恵美子君     大野 泰正君
     塚田 一郎君     三木  亨君
     櫻井  充君     野田 国義君
     徳永 エリ君     長浜 博行君
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     上野 通子君     石田 昌宏君
     二之湯武史君     長峯  誠君
     長浜 博行君     徳永 エリ君
     田村 智子君     倉林 明子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         田中 直紀君
    理 事
                上月 良祐君
                滝波 宏文君
                堀井  巌君
                森 まさこ君
                石上 俊雄君
                大島九州男君
                風間 直樹君
                浜田 昌良君
    委 員
                愛知 治郎君
                有村 治子君
                石田 昌宏君
                上野 通子君
                大野 泰正君
                岡田  広君
                片山さつき君
                佐藤 正久君
                酒井 庸行君
                滝沢  求君
                中原 八一君
                長峯  誠君
                二之湯武史君
                林  芳正君
                堀内 恒夫君
                三木  亨君
                宮本 周司君
                神本美恵子君
                長浜 博行君
                野田 国義君
                浜野 喜史君
                福山 哲郎君
                真山 勇一君
                増子 輝彦君
                新妻 秀規君
                若松 謙維君
                紙  智子君
                倉林 明子君
                東   徹君
                中野 正志君
                山口 和之君
                山本 太郎君
               渡辺美知太郎君
   国務大臣
       経済産業大臣   林  幹雄君
       環境大臣     丸川 珠代君
       国務大臣
       (復興大臣)   高木  毅君
   副大臣
       復興副大臣    長島 忠美君
       復興副大臣    若松 謙維君
       内閣府副大臣   松本 文明君
       外務副大臣    木原 誠二君
       文部科学副大臣  義家 弘介君
       経済産業副大臣  高木 陽介君
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 利幸君
       常任委員会専門
       員        櫻井 敏雄君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      緒方 俊則君
       内閣府地方創生
       推進事務局審議
       官        末宗 徹郎君
       復興庁統括官   吉田 光市君
       復興庁統括官   内海 英一君
       総務大臣官房審
       議官       内藤 尚志君
       文部科学省初等
       中等教育局長   小松親次郎君
       文化庁文化財部
       長        村田 善則君
       厚生労働省職業
       安定局次長    苧谷 秀信君
       農林水産大臣官
       房審議官     丸山 雅章君
       経済産業大臣官
       房原子力事故災
       害対処審議官   平井 裕秀君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      多田 明弘君
       中小企業庁経営
       支援部長     土井 良治君
       国土交通大臣官
       房審議官     長谷川 新君
       国土交通大臣官
       房技術審議官   清水喜代志君
       観光庁長官    田村明比古君
       観光庁審議官   古澤 ゆり君
       観光庁観光地域
       振興部長     加藤 庸之君
       気象庁地震火山
       部長       上垣内 修君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       北島 智子君
       環境省水・大気
       環境局長     高橋 康夫君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       次長       荻野  徹君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房審議官  青木 昌浩君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       原子力規制部長  櫻田 道夫君
   参考人
       原子力損害賠償
       ・廃炉等支援機
       構理事長     山名  元君
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  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○東日本大震災復興の総合的対策及び原子力問題
 に関する調査
 (東日本大震災復興の基本施策に関する件)
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○委員長(田中直紀君) ただいまから東日本大震災復興及び原子力問題特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、徳永エリ君、櫻井充君、阿達雅志君、熊谷大君、塚田一郎君及び高階恵美子君が委員を辞任され、その補欠として愛知治郎君、長浜博行君、野田国義君、二之湯武史君、滝沢求君及び三木亨君が選任されました。
 また、本日、田村智子君が委員を辞任され、その補欠として倉林明子君が選任されました。
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○委員長(田中直紀君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田中直紀君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に石上俊雄君を指名いたします。
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○委員長(田中直紀君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 東日本大震災復興の総合的対策及び原子力問題に関する調査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田中直紀君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
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○委員長(田中直紀君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 東日本大震災復興の総合的対策及び原子力問題に関する調査のため、本日の委員会に原子力損害賠償・廃炉等支援機構理事長山名元君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田中直紀君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(田中直紀君) 東日本大震災復興の総合的対策及び原子力問題に関する調査を議題とし、東日本大震災復興の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○愛知治郎君 自民党の愛知治郎でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 時間も限られておりますので、早速質問に移らさせていただきたいと存じます。
 あの震災からもはや五年と一か月が経過しました。あっという間なようでもありますし、非常に長い期間たったなという感じもいたします。
 今日は、改めて、現状について、また世の中の皆さんの見方について等々、基本的なことについて質問させていただきたいと思います。
 最初なんですが、現状について。今現在仮設住宅にお住まいの皆様方、どれぐらいいるのか、改めて伺いたいと思います。
○政府参考人(緒方俊則君) お答えいたします。
 東日本大震災に係ります応急仮設住宅の入居戸数、入居者の数につきましては、本年三月一日現在、全国で建設仮設住宅二万八千百三戸に五万七千六百七十七人、建設仮設住宅以外のいわゆるみなし仮設住宅三万四千八百八十三戸に八万一千三十二人が入居されておりまして、その合計では、応急仮設住宅六万二千九百八十六戸に十三万八千七百九人が入居されております。
○愛知治郎君 ありがとうございます。五年たって十三万八千七百九人もの方々がいまだに仮設住宅、これはプレハブ、みなし合わせてですけれども、にお住まいであると。すごい数字だと思います。
 ちなみになんですけれども、阪神・淡路大震災のときなんですが、発災後五年経過時点でこのように仮設住宅にお住まいの方々、どれぐらいいたのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(緒方俊則君) お答えいたします。
 兵庫県の公表資料によりますと、阪神・淡路大震災に係ります建設型応急仮設住宅は四万八千三百戸建設されまして、最大で四万六千六百十七戸に入居がございました。その後減少いたしまして、発災五年直前の平成十二年一月十四日までには災害公営住宅等への転居が完了いたしまして、発災後五年経過時点では入居者の数はゼロとなっております。
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 阪神・淡路大震災のとき、私も学生時代だったんですけれども、大変な災害だと思っていたんですが、それでも五年たった時点で仮設の入居者数はもうゼロ人になっていた。東日本では十三万八千七百九人、本当に大きな数字だと思います。
 その仮設の入居者の皆さんについて、ちょっと中身について聞きたいんですが、就業されている世帯、これはどれぐらいの割合でいらっしゃるのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(緒方俊則君) お答えいたします。
 災害救助法によります応急仮設住宅の提供につきましては、恒久的な住宅に移るまでの間の仮の住居を提供する制度でございます。その居住者につきましては、御質問の就業している世帯の割合、年齢構成等につきましては内閣府の方では把握していないところでございます。
○愛知治郎君 残念ですね、把握していないということなんですけれども。
 一点、私最初に聞いたのは就業、働いている方、それと年齢構成は別建てで聞こうと思っていたんですが、年齢構成も分かっておられないということだったんですが、私が仮設に行って見たり聞いたりしている上ではやはり高齢の方が非常に多いなというのが印象なんですけれども、その点について是非しっかりとした状況を把握をしていただきたいと思います。
 この点について、私の考えもあるんですけれども、私は、住宅の再建、これをやはり最優先にしていかなくてはいけない。阪神と比べてもまだ十三万人以上の方、十四万人近い方がいまだに仮設住宅という現状もありますし、高齢者の方が多いというのもやはり問題だと思います。
 これ、一般的に言われていることなんですが、高齢者の方、高齢になってから引っ越しをする、住居とか環境の変化を起こすというのは余りよくないことで、例えば認知症が進んでしまったり過度なストレスが掛かったり、非常に悪影響が出るという話を聞いております。その点からしても早くついの住みかを見付けなければいけない、そう考えておるんですけれども、基本的な認識、そして施策の進め方について、この住宅の復興を最優先にするべきだと私は考えておったのですが、大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(高木毅君) 今委員から御指摘をいただきました震災からの復興に当たっては、住宅の再建というものが最優先の課題だというふうに認識をいたしております。まだ残念ながら先ほど質疑のとおりの状況でございまして、再建が遅れているということは謙虚に受け止めなければならないというふうにも思っております。
 ただ、先ほど委員は阪神・淡路のときのことも引き合いに出していただいたわけでありますけれども、御案内のとおり、この東日本大震災、津波という阪神・淡路と違う状況がございます。ですから、元の場所にお住まいいただくことができない、すなわち高台移転だとかあるいはかさ上げだとか大変手間の掛かる状況があって残念ながら少し再建が遅れているということでありますので、御理解もいただきたいところではございますけれども、いずれにしても、この住宅の再建というものは最優先課題だというふうに思っておりますので、これからもしっかりと対応していきたいと思っております。
 これはもう既に委員御存じかと思いますけれども、この住宅の再建を加速化するために用地取得や資材あるいは人材の円滑な確保などの累次の加速化策を講じておりまして、住宅の再建は今ピークを迎えております。来年の春までには、計画の八五%に当たる、災害公営住宅でありますけれども、二万五千戸できる見込みでございますし、高台移転も七割で工事が完了する見込みでございます。
 いずれにしても、一日も早く一戸でも多く被災地の方々に安心できる恒久的な住まいに移っていただくことが重要であるというふうに考えておりまして、引き続き、復興庁の職員、関係省庁と連携して、現場に入って県、市町村を支援するなど、きめ細やかにこれからも支援してまいりたいと考えているところでございます。
○愛知治郎君 力強い御答弁をいただきました。是非頑張っていただきたいと思います。
 もちろん、私自身も地元ですから阪神のときと事情が違うというのは十分分かっておりますし、でも、だからこそ、住宅なかなか再建するのは難しいだろうなと思ったからこそ最優先で取り組むべきだというふうに主張してきたんですが、幾らそう取り組んでいたところで、また主張したところで、現場で実際に仮設に住まわれている方々、この方々を前にすると全て言い訳にしかすぎないんですね。やはり結果をもって、復興を進めて被災者の皆さんのために結果を出していかなければいけないと、そう考えております。
 今日はもう一点、違う視点で質問をしたかったんですが、風化についてであります。
 その前になんですけれども、このように仮設住宅にお住まいの方々、先ほど数字が出たときに委員の方々からも少し声が出たんですが、十三万八千七百九人もの方々がいまだに仮設住宅に住んでいるというこの現状というのを国民の皆さんがどれぐらい知っているか。多分、正確に把握されている方はほとんどいないと思うんですが、聞いてみると、まだそんなにいたのという声だとは思うんですけれども、いずれにいたしましても、この数字すら分かっていない。
 内閣府に伺いたかったんですが、国民の皆さんがどれぐらい認知しているのか、認知度というか、その状況について内閣府、把握しておりますか。
○政府参考人(緒方俊則君) お答えいたします。
 十三万八千人余というふうな数字でございますけれども、この応急仮設住宅につきましては、テレビまたラジオ、新聞等によりまして報道されていることは承知しておりますけれども、御質問のこの入居の数についての国民の認知度につきましては、内閣府といたしましては把握していないところでございます。
○愛知治郎君 そうなんですね。私、ちゃんと把握している、調査をしているとは思わなかったんですけれども、こういうことにしっかりと光を当てて問題意識を持つということは大事なことだと思いますので、是非これからも関心を持って、国民の皆さん、どれぐらいこの点について分かっているのか、それを意識した上でまた広報もしていかなければいけないと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 ちなみに、この発災から五年経過して、今申し上げましたけれども、震災の風化が残念ながら進んできてしまっていると思うんですが、復興庁としてこの風化対策、どのような対策をしているのか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(長島忠美君) お答えをさせていただきます。
 震災から五年が経過をし、風化と風評という二つの風との闘いがあります。震災五年の節目として内外の注目が集まるこの機会を捉えて情報発信を強化していくことは必要だと考えております。
 風化への対策として、具体的には、本年六月を東北復興月間とし、この期間を中心に被災地内外で復興関連イベントを実施させていただきます。また、伊勢志摩サミット及び関連会合を活用して国際的な情報発信を強化してまいります。また、これまでの復興の進捗や復興関連イベントなどの情報を集約して発信するウエブサイトも立ち上げさせていただいたところであります。また、これまでも、国営追悼・祈念施設の設置、震災遺構の保存への支援などの取組も行っております。
 さらに、私を含めた副大臣、政務官も頻繁に被災地を訪れさせていただき、総理や高木大臣においても度々被災地を訪れさせていただいているところです。被災地への訪問がある意味伝わることによって、被災地の姿が、風化対策につながっていくんではないかということも受け止めながら、今後も被災地の訪問を続けてまいりたいというふうに考えます。
 復興・創生期間は、これまでのハード中心からソフト面を含めた多様なきめ細やかな取組が必要となり、これには国民の皆様の幅広い御理解と、ボランティア、NPO、企業など多様な主体による支援が欠かせません。震災から五年となる本年を機にいま一度被災地に思いを寄せていただくとともに、是非とも被災地に足を運んでいただきたいということを様々な機会を捉えてお願いをしてまいりたいと思っております。
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 大臣、副大臣、また政務官以下、皆さん頑張っておられると思いますし、国民の皆さんの理解がないとこの復興というのは成し遂げられないと思っておりますので、是非継続的に積極的に広報等々努めていっていただきたいと思います。
 内閣府にも改めて申し上げますけれども、取り組んでいるのは分かるんですが、現状として、国民の皆さん、まだまだこの現状を分かっていないというのは事実でありますので、その点の把握も是非していただきたいと思います。
 ちなみに、地方自治体も一生懸命そのことを分かって、震災のことを忘れないでほしいと現状を伝えるために努力をしている、取り組んでいるところでありますけれども、この地方自治体が行っている震災の広報について国から予算等での何か支援があるのかどうか、その現状についてお伺いしたいと思います。
○副大臣(長島忠美君) お答えをさせていただきたいと思います。
 被災自治体が復興事業の一環として今様々に広報活動を行っております。例えば、被災地の姿、あるいは支援をしてくれた人に感謝の姿、そして、産業そしてなりわいの姿を伝えることによって被災地のことを知っていただくという広報を行っている場合について、復興庁として支援を今も行っているところでございます。
 例えば、福島発農産物等戦略的情報発信事業により福島県産農林水産物等のブランド力を回復するために福島県が行う広報活動を支援しており、平成二十八年度予算において約十六億円を確保したところであります。また、本年三月に復興庁に開設した復興五年ポータルサイトでは、被災地が開催される復興関連イベント等についても集約し、分かりやすく紹介をさせていただいているところであります。
 今後とも、被災自治体と連携をしながら適切な支援を行ってまいりたいと考えております。
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 私、先日、地下鉄に乗ったときに、多分大江戸線だったと思うんですけれども、中づりに宮城県というマークが付いた広告が載っていて、被災地からありがとうと、国民の皆さんに多くの支援いただいていることに感謝しますという広告が載っていたんですが、すごくいい試みというか取組だと思っております。こういった努力をしっかり国としても応援していただきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
 風化についてしっかり取り組まなくてはいけないんですが、先ほど副大臣から風評についても一言ありましたが、実はまだまだいろいろ誤解がある点も少しずつその誤解を解いていかなければいけないと思いますけれども、現状なんですが、観光、これについてダメージがまだまだ残っていると思います。特に、これは被災地を大きく考えて東北全体について伺いたかったんですが、外国人観光客が大変増えておる、ところが東北にはなかなか来ていないじゃないかと言われておりますが、その現状認識をまず伺いたいと思います。
○政府参考人(加藤庸之君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、今、日本に対して訪日外国人旅行者数、昨年は過去最高の千九百七十四万人に達するなど急増しておりますけれども、東北地方では、延べ宿泊者数について見ますと、昨年ようやく震災前の水準を回復したにすぎないという状況にございます。これは、御指摘のとおり、風評被害等が影響しているものと考えております。
 以上です。
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 改めて、今後どのような対応をしていく予定なのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(加藤庸之君) お答え申し上げます。
 こうした状況を踏まえまして、今年を東北観光復興元年として東北の観光復興に更に力を入れて取り組み、二〇二〇年には東北六県の外国人宿泊者数を昨年の三倍の百五十万人泊にしてまいりたいというふうに考えてございます。
 このため、具体的な取組といたしまして、今後五年間で海外の旅行会社、メディアなどを二千人規模で東北に招く、そして日本初の全世界を対象としたデスティネーションキャンペーンとして東北プロモーションを実施する、加えまして、今年度の予算につきまして、東北の観光復興に関しまして地域からの発案に基づいて実施をする新たな交付金制度を設けたところでございます。
 こうしたものを通じまして、観光庁として、復興庁など関係省庁と、あるいは自治体との連携を強化して東北の観光復興に取り組んでまいりたいと考えてございます。
○愛知治郎君 ありがとうございます。是非頑張って結果を出していただきたいと思います。
 今日、質問時間をいただいて一番質問をしたかった、お話をしたかった点について触れさせていただきたいと思います。
 このような風化対策、また、被災地のことを知ってもらうことにもつながりますし、旅行者という点もありましたが、全てに資する政策があると思うんですが、修学旅行についてお伺いをしたいと思います。
 私は、この被災地に学生の皆さんをどんどん招いてというか誘致をして、そして震災の現状を知っていただきたい、また、日本というのは災害大国ですから、未来の国をつくっていく、担っていく若い人たちに教訓としてこの震災を学んでほしい、そういう思いがあります。また、先ほど言った風化対策にもなりますし、華々しい宣伝効果はないかもしれないですけれども、じわじわとというか、非常に効果は高いんではないか。継続的にやることがこの風化対策にもつながると思います。
 この点で、修学旅行生が被災地に足を運んで、そして被災について、防災についても含めて学ぶ機会を提供することは大事だと思うんですが、大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(高木毅君) 被災地への修学旅行についてでございます。
 今委員もおっしゃっていただきましたけれども、まさに未曽有の大災害でございました。そういったような状況というものをつぶさに見ていただくこと、そして東北の方が頑張って復興をしている姿というものも見ていただく、これも子供たち、生徒、学生にとって大変有意義な体験だというふうに思います。
 また、日本はまさに災害大国でありますので、いつどこでどんな災害が起こるか分からないと、そういったようなことも認識していただくと同時に、子供たちに防災・減災についての知識を得ていただくということも大変意義深いことだというふうに考えておりまして、私も委員同様に、是非多くの児童生徒の皆さん方が被災地を修学旅行で訪れることを望みたいと思っております。復興庁としても、関係省庁と連携しながら、東北への修学旅行をしっかりと多くなっていくように取り組んでいきたいというふうに思います。
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 大変力強い御答弁いただきましたし、この点について認識を共有をすることができました。是非、積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 では、具体的に何をしたらいいのか。なかなか、私も修学旅行生来てほしいと思うんですけれども、現実的な問題、どういった応援ができるのか悩んでおりましたが、参考までに伺いたいと思います。ふるさと旅行券という施策がありましたけれども、これを実施したところ、あっという間に人気があって売り切れてしまったということであるんですけれども、ふるさと旅行券について、この施策の概要についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(末宗徹郎君) お答えいたします。
 ふるさと旅行券でございますが、平成二十六年度補正予算における地域消費喚起・生活支援型交付金を活用いたしまして各地方公共団体において発行したものでございます。この交付金は、地域における消費喚起を目的として、プレミアム付き商品券あるいはふるさと名物商品・旅行券といった形で、直接助成した金額以上の高い消費喚起効果が期待できる施策として推奨したものでございまして、その一環として、ふるさと旅行券は地域の観光資源に対して域外の消費を呼び込むための施策として実施していただいたものでございます。具体的には、個人客向けの宿泊割引クーポンの発行が主流でございましたけれども、中には航空券とセットとして遠方の方、観光客を呼び込んだ事例など、いろいろ工夫を凝らした取組が見られたところでございます。
○愛知治郎君 大変面白い取組だと思いますし、結果も出ているということなので、是非これを参考に、限定するべきではないですけれども、あらゆる手段を講じて修学旅行生が被災地に訪れるために支援をしていただきたい、インセンティブを与えていただきたいと思います。
 ここで、私は非常に参考になる制度だなと思ったんですが、具体的に国としてこのような修学旅行生を被災地に誘致するためにどのような支援ができるか、考えがあったらお伺いしたいと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) お答え申し上げます。
 防災に関する関心や東日本大震災の風化への懸念が高まる中で、先ほど御指摘がありましたように、被災地の現状や様々な取組を見たり、あるいは自ら参加をするというような体験は非常に有意義なものだと思っております。
 そして、今参考にということで御指摘のございましたふるさと旅行券につきましては、これは地域消費を喚起する取組ということでございますけれども、被災地への旅行についても支援されたものと承知しております。
 修学旅行そのものにつきましては、行き先、内容について、地域や学校の実態あるいは児童生徒の発達段階等を踏まえてお決めになりますので、様々な参考情報も必要になります。私どもといたしましては、ただいま参考にとおっしゃられました点なども踏まえまして、財政支援も、それから参考情報の提供の強化も様々な方法が考えられようかと考えますので、関係省庁ともよく連携しながら、どういうふうにしていったら一番いい結果になるか、よく検討してまいりたいというふうに考えます。
○愛知治郎君 ありがとうございます。是非検討して何らかいい措置をとっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 最後になりますが、この震災復興に関しては、発災当初から、与党も野党もないということで一致団結をして被災者のそして被災地のために取り組んでいこうと今まで来ましたけれども、これからも、その姿勢は変わってはいないですし、前向きなアイデア、被災地、被災者の皆さんのために資する政策であればどんどん積極的に取り入れていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 いまだに十三万八千七百九人もの方々が仮設にお住まいになっているこの現状をしっかり胸に刻み頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
○上月良祐君 自由民主党、茨城県の上月でございます。
 それでは、お時間もありませんので、一つ一つ御質問させていただきたいと思います。
 大臣には三月十九日に茨城県においでいただきまして、大変ありがとうございました。いろんなところを見ていただけたということで、意見交換もいただけたということで大変感謝をいたしております。先ほど、大臣の御答弁それから副大臣の御答弁で御決意も聞きましたので、あえてここでもう一度御質問することはやめようと思います。
 ただ、とにかく九九%災害復旧が終わったとしても、残り一%の人にとっては復旧が全く進んでいないのと同じなので、その一%の思いをやっぱり受け止めて復旧を進めていくのは政治家の仕事だと思っております。行政の目線だと、九九%終われば何となく大体終わったかなというふうに思いがちなんだと思いますが、その残りが本当に僅かになってからこそが私は本当の復旧復興だと思っておりまして、自分自身もそういう姿勢でこれまで仕事をしてきたつもりでございます。
 ちょうど発災時には茨城県で副知事をしておりましたので、もう発災時からずっといろんな形で関わってきておりますので、最後の最後まで是非とも大臣には御尽力をいただいて、リーダーシップを持って復興庁を引っ張っていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、早速中身の方の質問をさせていただきたいと思います。
 まず、文化財のことにつきましてお聞きをいたしたいと思います。
 実は三・一一では文化財も大変大きな被害を受けました。例えば、常陸太田市というところにあります瑞龍山という国指定の史跡であります。水戸徳川家の墓所でありますけれども、これは復旧整備に十五億ぐらい掛かるということなんですね。それで、一般整備を入れれば十八億余りも掛かるということで、これはとても所有者の負担では無理だということで、これは制度があります。震災のときの復旧ということで七割補助があるんです。しかし、残り三割だってとても持てませんからということで、残り三割の四分の三は県が補助をしましょうと、それでもまだ残る、それを市が残りの半分を見ましょうと、個人負担は三・七五%にしましょうということで補助を入れるスキームをつくりました。自分がちょうどいましたので、これは何とかしなきゃいけないと思ってやったんです。
 しかし、それがなぜできたかというと、この三・一一のときは百四十億、茨城でいうと復興基金という特別な制度があったんですね。要するに財源があったんです。なので、そういう仕組みができたんです。半分は市町村にお渡ししましたので、市町村にも財源があったんです。これは県にとっても市町村にとっても大変大きな財政需要ですから、その後を特交で見てもらえるかもしれないということでそのときは判断できなかったと思います。その基金があったからこそだと思うんですね。
 ということは、例えば去年の秋起こった常総の水害のような洪水あるいは大雨でもしこの手の文化財が壊れてしまったらば、ひょっとしたら、もう考えるのも怖いですけれども、大変重要な文化財が復旧すらできないということがあり得るんじゃないかと思って大変心配しております。
 激甚災害というのは公共負担を減らすという意味です。だから、激甚災害にこの文化財の復旧復興というのは入っていないんですね。それはしようがないです。しようがないと思うけれども、激甚になったらば、何というんでしょうか、補助が通常ないものでも二分の一とか三分の二とかの補助ができたりするんですよ。しかし、これは五割と。激甚でない普通の災害のスキームしかなくて、通常五割のものが七割にしか上がらないんですね。
 なので、これでは、もし大きな、何というんでしょうか、災害があったときには、激甚な災害があったときには、三・一一だったから何とかなったという、変な話なんですけどそういうことがあって、私は文化財というのは大いに活用して、今日、二之湯議員もいらっしゃいますけれども、大いに活用して、日本の何というか稼ぎの中でも使っていかなきゃいけないという考え方、これは大切だと思っています。
 しかし、文化財なくなっちゃったらどうしよう、元も子もないわけでありまして、そういった意味で、真剣にそこは文化財を守るスキームを、ふだんのときじゃないですよ、災害が起こった、その中でも特に重大な災害が起こったときのところが欠缺しているんだと私は思っております。そこについて、副大臣、お考えをお聞きしたいと思います。
○副大臣(義家弘介君) お答えいたします。
 委員の問題意識については共有するものでありますけれども、まず、原則的な立て付けとしまして、文化財保護法三十四条の二、「重要文化財の修理は、所有者が行うものとする。但し、管理団体がある場合は、管理団体が行うものとする。」という条文、これに基づいて考えると大変なかなか難しいところであるというふうに思っております。
 現在も国指定の文化財の修理事業につきましては、所有者の財政状況に応じて五〇%から八五%の補助が行われております。また、災害復旧については、通常の修理事業の補修率も加えて八五%を上限に二〇%のかさ上げ措置をしておりまして、所有者が修理を行うという法の趣旨を踏まえると、これ以上のかさ上げ措置は困難であるということを是非御理解いただきたいと思っております。
○上月良祐君 御理解できていたら質問はしません。
 私は、だから、すぐ変えてくれということを言ってはいないというふうに質疑者に、レクのときに言ったからそういう答弁になっているんだと思います。だから、すぐに検討しますとかというと具体案が出てくるんじゃないかというところまで、まあそこまで期待はしていませんけれども、頭の体操をよくやっておいていただきたいと思うんですよ。本当にそこは八五まで上がっても、個人のものだったら八五までなることはあります。しかし、規模が考慮されていないんです。国宝なんかにはあるんですよ、そういうのが。しかし、国指定の重要なものにはそういう、被害額とその人の財政的な規模というんでしょうか、そういうかさ上げの仕組みがないので、そこのところをよく検討していただきたいということを、これはもうくれぐれもお願いをいたしておきたいと思います。
 それで、今の仕組みは国の補助があるんです。しかし、県、市の上乗せは義務付けじゃないんです。これ、任意なんですね。大体、大きな災害起こったときは、もう市役所とか県庁というのは大変なことになっているわけですよ。落ち着いて、まず人命が先ですから、そういったところをやると、文化財が後というわけではないんですけれども、どうしてもやっぱりすぐにその場で判断というのが難しくなってしまいます。
 そういう意味で、国、県の補助は、今日総務省からも来ていただいておりますが、義務付けるというのはこれは基本的に反対という立場なんだと思います。それは、基本的な立場は分かりますけれども、義務がなければ、そのときの首長さんのセンスだけで例えば守られたり守られなかったりする可能性が出てくるというのは、大変重要な史跡については問題じゃないかなと思っておりまして、この点は、また機会がありましたら、ちょっと今日は時間がありませんので、議論を深めさせていただきたいと思います。くれぐれも、検討するとまで言っていただかなくて結構ですけれども、頭の体操はしておいていただきたいということをお願いを申し上げたいと思います。
 それから、液状化対策についてお聞きをしたいと思います。
 茨城はハード物は相当進んできております。これはもう本当に感謝をいたしております。液状化につきましても、この間、大臣も御視察をいただきました。土地に対する公共の支援というのは意外にないものですから、そういう意味では、この液状化対策について助成をしていただけているということについては大変感謝をいたしております。
 その上で、住宅を残したままで公共施設と民有地の復旧をやるというのは、恐らく、日本では最初で、世界で初めてなんだと思うんですね。実証実験を詳しくやりながら、やってはいるんですよ、しかし、一旦噴砂とかしているところですから、液状化をしているところなので、どういう影響が出る、出ないかもしれないという難しい状況の中でやっておるわけであります。
 そういう意味で、もし万が一のことがあったときにどういうふうに国に支えてもらえるだろうかというのは、大変我々関心を持って注視しているところなんです。そういう意味で、今そこのお考えを、これは若松副大臣にお願いしたいと思います。
○副大臣(若松謙維君) 上月委員にお答えいたします。
 本工法でございますが、地下水位を低下させることによって宅地地盤の液状化強度を増加させるというものでございまして、家屋に支障を及ぼすような沈下が生じないように施工することが前提と考えております。
 万が一建物損害が生じた場合の損失補償につきましては、一義的には事業主体が負担すべきものと考えております。さらに、その損失補償について補助できるかについてでございますが、国交省とも検討してまいりましたが、損失の発生が確実に予見されるものではない状況のために、現段階では補助することは難しいと考えております。
 いずれにいたしましても、私も現地も見てまいりましたし、建物損害が生じないよう、まず適切に施工していただくことが第一でありまして、国交省と連携して、丁寧に自治体からの相談に乗り、助言を行ってまいりたいと考えております。
○上月良祐君 大臣もおいでいただいたときに、事務方にも確認された上でそうお答えされたということをお聞きいたしております。
 一義的には事業主体が持つというのは、これは当然だと思います。それがなければ助けてくれと言うことももちろんできませんので、それはできませんけれども、先ほど私が申し上げたように、実際に今事業をやってはおりますけれども、それをやった後、実際にそこに住んでいらっしゃる方がいるわけです。今既にやっぱり少しクラックが入ったりするようなこともないわけじゃないようなんですね。もちろん丁寧にはやっていただけますけれども、その後のことについて、これは丁寧に本当に相談に乗っていただきたい。
 そして、財政規模が何千倍も違いますから、自治体と国であればですね。例えば、一億掛かるものというのは、国のレベルでいうと数千億掛かるということになるんですね。自治体にとっての一億とかというのは、もうとんでもない大きな額なわけです。なので、これだけで自治体の財政が倒れてしまうかもしれないような話になりかねない問題なので私はお聞きをいたしております。そういう意味で、是非自治体の声を丁寧に聞いていただきたいと思っております。
 その上で、いろんなやり方があるんだと思います、細かいことは申し上げませんけれども。そういうことで丁寧に相談に乗っていただいて、何とか、それそのものを助けてくれというわけにいかなかったとしても、いろんなやり方があると思いますので、これは、一緒に内閣委員会で働いておりました若松副大臣に、被災地の御出身でもありますので、くれぐれもお願いをいたしたいと思います。
 それから、続きまして、東京電力の賠償のことについてちょっとお聞きしたいと思います。
 自治体の賠償について、かなり賠償の率が今低いんですね。民間の方はそれなりにきちんとやっていただけているようなんです。大体、相調った上で出しているからあれなのかもしれませんが、自治体の方はまだ、茨城県でいうと半分強だということで、時期の遅れもあるやに聞いてはおるんですけれども、これが何でこんなに低いのかなというところについて教えていただきたいと思います。
○政府参考人(平井裕秀君) お答え申し上げます。
 県に対する支払率が低いということについての理由についての御質問をいただきました。
 地方公共団体に対する賠償につきましては、原子力損害賠償紛争審査会、こちらの中間指針に示されました損害の範囲や考え方等を踏まえまして、上下水道事業に係る営業損害や政府指示等に基づく検査費用など、東京電力は地方公共団体に対して賠償金の支払対象となる項目を策定、提示しておりまして、原子力事故と相当因果関係が認められる損害に対して、必要かつ合理的な範囲で賠償をしているという状況でございます。
 しかしながら、地方公共団体からの賠償請求におきまして、証憑の確認など、事故との相当因果関係の確認に時間を要したり、正規職員の勤務時間内の人件費ですとか、風評被害経費のうちに事故との相当因果関係が認められないとされたものなど、中間指針に示された考え方に照らして、相当因果関係のある損害と認めることが困難なものと、含まれるようなものもあるというふうに承知しているところでございます。
 いずれにいたしましても、賠償の実施に当たりましては、まずは東京電力が個々の地方公共団体の状況をよくよく伺いまして丁寧な対応を行うことが重要であると我々も思っておりまして、経済産業省といたしましては、東京電力を適切に行うよう指導してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○上月良祐君 ありがとうございます。
 今、正規職員の時間内の経費とかというような話があったんですけど、相当因果関係というのは私どもはもう嫌というほど見ましたのであります。確かに相当因果関係がないものを賠償してくれ、補償してくれというのは、そんなことはあり得ないんだと思うんですね。
 時間外に放射線の検査などをやれば、その人件費は対象になる、時間内にやったらならない。例えば相手との都合で時間内でないと検査ができない場合もあるんだと思うんですね。時間内にやると、その分、仕事が押し出されて時間外が発生しますね。押し出し時間外などと言うらしいですけれども、それが対象にならないとか、放射線の検査機器、買うのはいいけど、年一回のメンテナンスで検査機器の、何というんですか、点検をする経費は対象にならないとか、僕は相当因果関係という言葉を聞いてもちょっと理解できないんですけれども、その辺りはどんなふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(平井裕秀君) 個別の具体例についての御質問、まず時間外の手当に関する御質問をいただきました。
 繰り返しになりますけれども、中間指針におきましては、事故との相当因果関係が認められる限りということが賠償対象になることの基本になるわけでございます。御指摘いただきましたケース、いわゆる押し出し時間外手当というふうに我々呼んでおりますけれども、その時間外手当につきまして、東京電力はこれは賠償の対象としておるところでございます。ただ、それをお支払するというところにつきましては、証憑を確認の上、事故との因果関係、またその実際の中身も拝見した上で適切にお支払をするという方針で臨んでいるというところでございます。
 さらにもう一つ、測定機器関連についての御質問もいただきました。これが具体的にどのような費用の詳細になるのかということがにわかにはつまびらかではないわけでございますけれども、これも、賠償の実施に当たりましては、個々の状況、これがいかなる状況でそうした状況になっているのか、アプリオリにそれが外れる、外れないということではございませんで、引き続き、事故との関係ということをよくよく承りまして、適切な賠償をするよう、これまた東京電力を指導してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○上月良祐君 押し出し時間外は対象になるとおっしゃったので、これは大変有り難い御答弁です。確認をさせていただきます。
 それから、下水道事務所や上水道の事務所というのは、放射線を測るというのは今回の事故がなければそんなことは全く必要がなかった事業なわけです、仕事なわけですね。なので、その機器を買うのはもちろんですけれども、それを運用するための点検も、これがなければ全くやる必要がないわけですから、それが相当因果関係がないと。機器を買うのは相当因果関係がある、それを運用するのは相当因果関係がないというのはどう考えても合理的じゃないと思われませんか。
○政府参考人(平井裕秀君) 御指摘の機器の購入自体について相当因果関係を認めるか認めないかというところで、おおむねその相当因果関係というところは左右されるものだというふうに思っております。ただ、基本的には、新規の資産形成となるようなもののところにつきましては慎重に判断するというところで当たっておりますところでございますけれども、購入した後の検査というところにつきましても、もちろん、今御指摘をいただいたようなところの経緯、関係というところをよくよく承って東京電力に判断させるというところを改めて御答弁させていただきたいと思います。
○上月良祐君 余り答弁していないので、しかし、ちゃんと判断してくれているということですから、どう考えても、それが分かれる、泣き別れるというのはもう合理的でないということはお分かりいただけると思うので、そこはちゃんとやってください。僕は、必要以上のものをいっぱいやってくれなんて言うつもりは毛頭ありませんので、しかし、これはどう考えたってそうだろうというものはしっかりやっていただきたいというふうに思っております。
 徐々に減っていくんだと思いますので、最初の発災時から関わってきたので、ちゃんと最後に着地するところまできちんと見届けたいと、立場は変わりましたけれども、そう思っておりまして、そこのところを是非、単に丁寧じゃなくて中身を的確にやっていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。また、市町村分につきましても同じような状況があるやに聞いておりますので、そこについてはしっかり同じように御指導いただきたいと思います。
 あと、民間の方々についてのところをちょっと一言申し上げさせてください。
 全体的には、例えば観光客も戻ってはきています。しかし、ほかの地区に比べると、やはりどうしても臨海部、汚染水問題の影響もやはりありますし、どうしてもまだ特に県北の臨海部というのは大きく問題が残っております。そういったところについては、これも回復していれば、それを補償してくれ、賠償してくれと言うつもりはありませんけれども、ちゃんと一件一件の中身を見て的確にそこは対応していただきたいと。まだ、原発の問題というんでしょうか、風評も含めて終わっておりませんので、そのことを丁寧に、的確に、丁寧なだけじゃなくて、言葉遣いは丁寧なんですけれども、中身の方を的確に是非お願いをいたしたいと思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○神本美恵子君 民進党・新緑風会の神本美恵子でございます。
 今日は、林経産大臣にもおいでをいただいております。この特別委員会は復興・原子力問題特別委員会のはずでございます。私は、中長期ロードマップ、廃炉のための、それについて今日はお伺いしたいと思って林大臣に御答弁をというふうに言いましたら、経産省はなかなか、大臣はほかの委員会があるとか何かいろんなことを言われて、両筆頭の御尽力で今日おいでをいただいておりますが、経産省、経産大臣含め、この原子力問題については主務大臣でございますので、是非この特別委員会には要求があればきちんと、もちろんほかの委員会との調整はあるにしても、出ていただきたいということを冒頭申し上げておきたいと思います。
 私がこの問題を今日取り上げたいと思ったのは、実は三月三十一日から一日にかけて安倍総理がワシントンで行われた核セキュリティ・サミットに出席し、そのオープニングセッションで次のように発言したというふうに報じられておりました。それがきっかけです。
 福島事故の経験を踏まえ、世界で最も厳しいレベルの新規制基準を作成、事故の教訓を世界と共有し、原発の安全性、事故対策の知見を世界に広げていくことが日本の使命、そのために必要となる人材育成、各国への支援、安全基準に関する国際協力等を積極的に行っていくというふうに発言されたと報じられておりました。
 私は耳を疑ったんです。実は私、原発事故から半年後に文科省の大臣政務官をやらせていただいて、担当しておりました廃炉措置に向けてのロードマップを作って、当時、東電の本社の会議室で、大きな会議室でしたけれども、まだ一Fにはもちろん入れませんから、テレビ会議で現地と結びながらというようなことをやっておりまして、その後このロードマップはどのように進捗しているのかとずっと気になっていたんですけれども、なかなか、そのことが余り報道もされないし、専門的な、非常に中身が難しいので分からないんですけれども、やはり福島の復興と、今なお避難を余儀なくされている方たちが本当に復興したと思えるのは、事故を起こしたあの福一の、あの原子力発電所のメルトダウンしたあそこが収束しない限り本当の復興は遂げられたとは言えないという思いがしておりましたので、総理が外に向けて、事故の教訓を世界と共有し、原発の安全性、事故対策の知見を世界に広げていくと、今それが言えるのかという非常に私は強い違和感を感じました。
 私なりに事故の教訓といえば様々にありますけれども、まずその第一は、安全だと言われていたあの発電所が、一旦事故が起きれば途方もない被害が周辺に及び、もちろん住民にもそうですけれども、その回復にはまた途方もない時間と経費が掛かるということを、私もその中で、ちょっと会議に参加した経験だけでもそのことを思いました。
 対外的なメッセージとはいえ、人材育成だの各国への支援だの国際協力だの、そんな言葉を今、この日本のあの一Fの今の廃炉の進捗状況で言えるのかというふうなことを思っておりました。廃炉まで今のロードマップでも三十年から四十年、これは当初もそう見込まれておりましたけれども、それもどうなるかというのはまだ見通しは必ずしもないという状況ではないかと思います。
 そこで、今、あの中で毎日、平均一日当たり四千五百人から七千五百人もの人が廃炉や汚染水対策に取り組んでいらっしゃると聞いております。この福島第一の廃炉こそが避難した方々の帰還、復興の鍵を握っていると考えれば、これは最重要課題というふうに位置付ける必要があると思っております。
 しかし、この前の復興大臣の所信の中では、このことについて、改めて読み直してみたんですけれども、触れられていないんです。どこかで読み込もうと思えば、さらに、安全・安心対策や産業振興という、安全・安心対策というこの文言の中で読み込むのかなというふうに思えるように、なかなか国民の中でも福一のあそこが、あの一Fがどうなっているかというようなことについては、それこそ先ほどの質疑にもありましたように、国民的な関心がどれだけ持たれているかということは非常に、福島の実際避難している方やあそこの人たちにとってみれば、忘れてほしくない、風化させたくないという思いにつながるのではないかというふうに思います。
 そこで、具体的に廃炉に向けた中長期ロードマップの進捗について、まず、私はこの福島事故の教訓ということについて、これ通告していないんですけれども、率直に、私は途方もないと思っているんですが、復興大臣と経産大臣、もしよければ、福島事故の教訓を大臣それぞれなりにどのように受け止めていらっしゃるか、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(高木毅君) 私も発災直後、一F、入れるようになってすぐぐらいだったと思います、訪問させていただいて、視察もさせていただきました。また、昨年の暮れ、復興大臣に就任して間もなくでありますけれども、一Fの中へ入らせていただきました。また、大熊、双葉を含めて周りの状況もよく見ておりますけれども、大変な事故が起きたと、もうその一言に尽きるかというふうに思います。
 これからロードマップに基づいて廃炉していくわけでありますけれども、まさに東北の復興なくして日本の再生なし、そして福島の復興はやはり一Fの収束というものがしっかり成らなければならないんだという認識を持っております。
 あわせて、これから廃炉をしていくわけでありますけれども、イノベーション・コースト構想という言葉もございますけれども、廃炉の技術等もあの地域でしっかりと醸成していって、それがまた、早晩、日本の原子力発電所も、あるいは世界の原子力発電所もいつかは廃炉という時代が来るわけでもございますので、そうしたものが、福島で培った技術というものがそうしたところで生かされていくという、これはある種前向きな考えだというふうに思っていただいて結構でございますけれども、そういったことにも資する福島の地域になっていかなきゃならないと思いますし、また、新エネ構想という言葉、この間総理が出したわけでございますけれども、そうした、福島というものが新エネあるいは再エネの基地になっていくというそういうような発想、考え方、それに取り組んでいくというようなことも大事だというふうに思っておるところでございます。
○国務大臣(林幹雄君) 福島第一原発事故のような悲惨な事態を防ぐことができなかったことへの深い反省をいっときたりとも忘れてはならないというふうに思っておりますし、事故から得られる教訓は様々なものがありますけれども、原子力利用に当たって、決して安全神話に陥ってはならないということが最大の教訓だというふうに感じます。
 また、福島第一原発の廃炉・汚染水対策と福島の復興は経産省が担う最も重要な課題であるというふうに認識しておりますし、私も原子力災害対策本部副本部長の一人として、また廃炉・汚染水対策チーム長として事故収束に取り組んでいるところでございます。真剣に取り組みたいと思っております。
○神本美恵子君 安全神話に陥ってはいけないというふうに今おっしゃいましたけれども、まさに総理の発言は原発の安全性を世界に広げていくと。これこそ、収束もできない今の現状の中でこういうことを国際社会に向けて言われるということがもう安全神話に陥っているのではないかということ、大臣お二人に申し上げてもしようがないんですけれども、言っておきたいと思います。
 そこで、具体的に廃炉・汚染水対策等についての経費についてお伺いしたいんですが、廃炉・汚染水対策として国がこれまで措置した額、それから今後見込まれる額、また東電が廃炉・汚染水対策として予定している額及びこれまで費やした額、また除染、賠償、中間貯蔵施設で予定している額及びこれまで費やした額、それぞれと合計について教えていただければと思います。
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 私の方からは、廃炉・汚染水対策につきましてお答えしたいと思います。
 まず、福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策といたしまして国の方でやりましたこと、これは技術的難易度が高く国が前面に立って取り組む必要がある研究開発、これに対しまして財政措置を講じているところでございまして、これまでに約二千四十九億円の予算額を計上してきたところでございます。
 今後の見通しにつきましてもお尋ねがございましたけれども、これにつきましては、廃炉作業、現在継続中でございます。これを進める中で新たに判明してきます事象などもございますことから、現時点でこれだけだというふうに見通すということは極めて困難でございますけれども、必要な財政措置を含めまして、今御指摘がございましたように、廃炉・汚染水対策しっかりとやっていくことが大事だと思っておりまして、引き続き国も前面に立って取り組んでまいりたいと思っております。
 それから、東京電力についてもお尋ねがございました。
 東京電力でございますが、平成二十六年度末の時点で合理的な見積りが可能な金額として約一兆円、これを引き当てておりまして、このうち〇・五兆円を支出済みでございます。また、今後、コストダウン等を通じまして、平成二十五年度からの十年間というタームでございますが、更に一兆円の資金を捻出することとしているところでございます。
○政府参考人(高橋康夫君) 除染、中間貯蔵についてお答え申し上げます。
 まず、除染に要する費用といたしましては、政府全体で平成二十八年度までに計上した予算の総額は約二兆五千九十四億円でございます。このうち平成二十六年度末までに約一兆三千六十四億円が執行済みとなってございます。このほか、汚染廃棄物等の処理費、費用の総額として約〇・五兆円を計上してございます。
 中間貯蔵施設につきましては、平成二十八年度までに計上した予算の総額は約二千七百二十三億円でございまして、このうち平成二十六年度末までに約九十三億円が執行済みとなってございます。
○神本美恵子君 賠償は。
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 賠償でございます。これは東京電力の方で賠償をしておりますけれども、新・総合特別事業計画におきまして、現時点で合理性を持って見込まれる額といたしまして約六・四兆円を見積もっているところでございます。現時点でこのうち五・五兆円を支出済みでございます。
○神本美恵子君 金額全部メモはできなかったんですけれども、何・何兆円という桁なんですよね。
 これも新聞報道によりますと、これまでに支出した額、それから引き当てられている額というようなものを全部合わせると、廃炉・汚染水対策、除染、賠償、中間貯蔵施設、こういうものを全部合わせると約十二兆円になるというふうな報道もございました。今の答弁された額をざっと見積もっても十三兆円ぐらいになるなという私は今受け止めをしたんですけれども、それだけの額がこれには掛かるということを今お答えいただいたと思います。
 そこで、具体的に汚染水対策についてですけれども、総理がオリンピック招致のときにアンダーコントロールだと言われたこの汚染水については、中長期ロードマップの進捗状況を確認したいんですけれども、汚染水問題がクローズアップされた当初、一号機から四号機の建屋内へは山側から一日当たり四百立方メートル、四百トン程度の地下水が流入しているとされておりましたけれども、現在はどの程度の地下水が流れ込んでいるんでしょうか。
○政府参考人(平井裕秀君) 地下水の流入量についてのお尋ねでございました。
 御説明、御指摘のとおりでございまして、福島第一原発については、かつて日量約四百トンの地下水が建屋に流入していたところでございます。その後、地下水バイパスの稼働等によりまして日量約三百トンというところに減少しているところでございまして、さらにサブドレンという建屋周りのポンプを稼働させることによりまして、現在は日量二百トンまで減少をしているところでございます。
○神本美恵子君 今年三月三十一日から凍土方式による陸側遮水壁というのが始まっておりますけれども、これはどの程度の効果を上げるというふうに見込んでいらっしゃいますか。
○国務大臣(林幹雄君) 凍土壁につきましては、御指摘のように、三月三十一日からまず海側の全面的な凍結、そして山側総延長の約九五%の凍結を順次開始したところでございまして、今後は地下水位の状況などを評価いたしまして、原子力規制委員会の認可を得た上で凍土壁を完全に併合する予定でございます。降雨量等にもよりますけれども、最終的な建屋への地下水流入量は日量百トン未満にまで低減できるものと考えております。
 凍土壁につきましては、これまで技術的な実証を繰り返してまいりまして、念には念を入れての対応をしてまいりました。先週、私も現地の状況を視察してきましたけれども、プラントは順調に稼働しておりまして、凍結を開始した箇所の地中温度も低下し始めていることが確認できたところでございます。
 凍結開始後も日々のデータをしっかりと収集、分析いたしまして、安全を最優先に着実に凍結作業を進め、凍土壁の効果が早期に発揮できるよう引き続き東京電力を指導してまいりたいと考えております。
○神本美恵子君 この凍土壁については、専門家からも疑問が呈されておりまして、私が調べたところでは、日本陸水学会というところから、日本のように温暖で降水量の多い地域では、凍土を長期間にわたり安定した状態に維持するのは困難であるというような意見書が提出されたりもしておりますが、実際に短期間、トンネル工事等でこの手法を使ったという実用的な手法はあるんですけれども、長期間にわたって遮水壁として使うとすれば、この凍土壁の耐用年数はどのくらいあるのか。それから、現状、設置したのにどれぐらいの費用が掛かっているのか。
 それから、もう時間がないので一遍に聞きますけれども、まず耐用年数ですね、どのぐらいを見込んでいらっしゃるのか。それから、もし、耐用年数を過ぎて長期間であれば、その管理、維持、メンテナンス費も掛かると思います、どのぐらい見込んでいらっしゃるのか。それから、設置にまずどのくらい掛かったのか。その費用は誰が払うのか。その四つについてお答えをお願いします。
○政府参考人(平井裕秀君) お答え申し上げます。
 まず、凍土壁が設置までに幾ら掛かったかというところからお答え申し上げます。
 凍土方式陸側遮水壁につきましては、平成二十五年九月三日の原子力災害対策本部で決定したところにおきまして、技術的難易度が高く、国が前面に立って取り組む必要があるものについて、財政措置を進めていくとしたところでございます。これを踏まえまして、凍土方式遮水壁大規模整備実証事業といたしまして、平成二十五年度予備費で約百三十六億円、同補正予算で約百八十三億円、平成二十六年度補正予算で二十六億円をそれぞれ計上し、合計で三百四十五億円を措置しているところでございます。
 それから、今後、維持管理費というところにつきましては、冷媒の冷却に必要な電気代、機器の保守点検といったような維持管理に必要な費用、これにつきましては、東京電力によりますと年間約十数億円と試算されておるところでございまして、これらの維持管理費用については東京電力が負担するということになっているところでございます。
 それから、凍土方式のこの陸側遮水壁に用いられているものについての耐久性といったところについての御質問がございました。
 この凍土方式の陸側遮水壁に用いられている凍結管というものにつきましては、部分的な凍結管の交換というメンテナンスを考慮して三重の構造になっておりまして、こうした方式を使っているわけでございます。これを使うことによりまして、冷媒と接触することで劣化が生じる可能性のある内側の凍結管だけを、凍土壁を解凍することなく交換することが可能となっております。
 このため、凍土方式の陸側遮水壁については、必要に応じて凍結管を交換しながら長期間使うことが可能であるということでございまして、建屋の止水などの凍土壁以外の対策により建屋への地下水の流入が防止され、凍土壁が不要であると認められるまでの間、地中の凍結管に冷媒を循環させることによって凍土壁を維持するということを考えているところでございます。
○神本美恵子君 耐用年数は何年くらいと見込んでいらっしゃるんですか。
○政府参考人(平井裕秀君) 耐用年数のところにつきましての御答弁、失礼いたしました。
 凍土壁自体の耐用年数というのは、これはあくまで凍土壁という凍った壁でございまして、これ自体の耐用年数は、何年といって決められたものがあるわけではございません。
○神本美恵子君 決められたものがないということは、どんなふうにそれによって地下水流入を防ぐのかというのが、本当にこれが効果的なのか。先ほど日本陸水学会のを紹介しましたけれども、日本のように温暖で降水量の多い地域では、凍土を長期間にわたって安定した状態に維持するのは困難であるというような意見もあるんですけれども、それに対してはどのように見込んでいらっしゃるんですか。
○政府参考人(平井裕秀君) お答え申し上げます。
 凍土壁の設置につきましては、先ほど大臣からも御答弁申し上げたところでございますが、一つ一つその技術の検証を進めてきたところでございます。具体的に申し上げますと、凍土壁の技術的な実証ということにつきましては、二〇一四年度に遡りまして、福島第一原発の実際の敷地の中に十メートル四方の小規模遮水壁を設置いたしまして実際にこれが凍結するということを確認いたしますとともに、建屋周辺と同程度の地下水流速、まさにここがその学会で言われているところのポイントになろうかと思いますけれども、その地下水流速でも十分に凍結可能であるということを確認して進めているところでございます。
 さらに、昨年四月からは、実際の今敷設してあるところのうちの十八か所で試験的な凍結を実施しておりまして、全体システムが問題なく稼働すること、実際の施工箇所において距離に応じて適切に温度低下することを確認しているところでございます。
 その上で、先ほど申し上げましたように、必要な凍結管というところについてのメンテナンスに当たっては、定期的にこれを入れ替えることでその凍土性というところを確保していくというふうに考えているところでございます。
○委員長(田中直紀君) 林経済産業大臣、耐用年数分かりますか、耐用年数。大臣、耐用年数分かりますか、今。──平井審議官。
○政府参考人(平井裕秀君) お答え申し上げます。
 耐用年数につきましては、繰り返しになってしまうかもしれませんけれども、これが定められたものはございません。更に申し上げますと、凍結管自体についての耐久性というところについては、これも一つ一つ確認してまいるところでございますけれども、具体的にこれを決めたものというのが特段あるわけではないというところでございます。
○神本美恵子君 耐用年数は分からないんですよね。凍結はしたと、しかしずっと凍結し続けることが、しかも管が一メートルか一メートル半置きに置いてあるわけですから、専門家によると、日本のように温暖なところでは土壌の凍結とか温度が変わる、それから、降水量が多い、その水の影響も受けるというようなことで、ずっとこの凍土壁が長期間にわたり凍り続けることができるのかどうかということは、今分からないと正直におっしゃいましたけれども、そういうことから考えると、凍土壁の耐用年数ということについては非常にやっぱり疑問を持たざるを得ません。
 ちょっと時間がありませんので、次に行きたいと思いますけれども。
 このようにして汚染水については対策を取っていらっしゃるんですけれども、建屋の流入こそ抑制しようとしているけれども、それが止まったわけではなくて、トリチウムを含んだ水のタンクが増加し続けるという基本的な問題は何も変わっていないというところで、このたまり続ける汚染水を最終的にどうするのか。田中規制委員長は、希釈して、薄めて海に流すしかないというようなことをおっしゃっているようですけれども、トリチウムを含んだ水の扱いについていつまでに結論を出されるおつもりなのか。中長期ロードマップでは二〇二〇年内に建屋内滞留水の処理の完了を目指しているというふうに書かれておりますけれども、これはどのようにして達成しようと考えていらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(平井裕秀君) お答え申し上げます。
 多核種除去設備による浄化後にタンクに貯蔵しておりますトリチウムの、これを含みます水につきまして、まず、これが中長期ロードマップにおきましては、「トリチウム分離技術の検証など、国内外の叡智を結集し、二〇一六年度上半期までに、その長期的取扱いの決定に向けた準備を開始する。」ということが明記されているところでございます。
 トリチウム水の取扱い方法につきましては、現在、政府の汚染水処理対策委員会、こうした委員会の下に設置しましたトリチウム水タスクフォースにおきまして、様々な選択肢の技術的成立性、処理期間、施設規模といったようなことにつきましての整理を進めているところでございます。今後、こうした様々な選択肢の検討結果等を踏まえ、関係者の御理解をいただきながら、方針決定に向けた取組を進めてまいる所存でございます。
 なお、先ほど言及のありました原子力規制委員会の田中委員長からも御発言のあったトリチウム水の取扱いをめぐっては、風評被害も懸念されるため、時限を定めることなく、関係者の御理解を得ながら方針決定に向けた取組を慎重に進めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○神本美恵子君 時間がもう迫ってまいりましたので、林大臣にお伺いしたいと思いますけれども、この中長期ロードマップが当初の計画から二〇一五年六月に改訂されております。この中長期ロードマップでは、使用済燃料プールからの燃料取り出しにおける工程が見直されて、最大三年遅れるというふうになっております。現在このロードマップ全体は、使用済燃料の取り出しが三年遅れて、その後お尻はどうなっているのかという全体のロードマップについて、現在の計画について、概要で結構ですので御説明お願いしたいと思います。
○国務大臣(林幹雄君) 福島第一原発の廃炉・汚染水対策については、三十年から四十年後の廃止措置終了を目指して、昨年六月に改訂した中長期ロードマップに基づきまして優先順位を付けて実施をしてきているところでございます。
 廃炉対策につきまして、一部課題や遅れはあるものの、着実に進展しているわけでございまして、具体的には、四号機の使用済燃料の取り出しが中長期ロードマップの目標工程どおり開始されまして、二〇一四年十二月に完了いたしました。二号機につきましては、中長期ロードマップの目標工程どおり、建屋上部の解体・改造範囲を昨年十一月に決定をいたしました。一号機から三号機につきましては、二〇一七年以降の燃料取り出しに向け、瓦れきの撤去作業が進展しているところでございます。また、溶けて固まった燃料であります燃料デブリの取り出しに向けて、原子炉格納容器内部の調査等の取組を実施中でございます。
 引き続き、国も前面に立ちまして、安全確保を最優先に廃炉・汚染水対策に全力で取り組んでまいります。
○神本美恵子君 五年たったところで三年遅れている、しかし、最後の完了は三十年から四十年後というふうにそこは変わらないという計画になっているようですけれども、本当にそういうふうにいくのかということは、本当に一つ一つの取組を綿密にやっていく必要があるのではないかと思います。
 大臣、今お答えになった燃料デブリの問題ですけれども、これもテレビ等で私も何度か見ましたが、無線が通じないということで有線でやらなければいけない、遠隔操作あるいはロボットというようなことが、技術開発は当初から言われていたんですけれども、この技術開発がどうなっているかということもお聞きしたかったんですけれども、今日は山名支援機構の理事長にもおいでいただいておりますのでちょっと飛ばしまして、山名理事長にお伺いしたいと思います。情報公開についてです。
 原子力損害賠償・廃炉等支援機構には廃炉等技術委員会が置かれておりますけれども、そこのホームページを見ますと議事次第と議事要旨のみが公開されているだけで、そのときに配付された資料とか議事録、どんな議論が行われたかということは本当に議事要旨だけしか出ていないんですね。
 山名理事長が、この支援機構の法案審議のとき、参考人として出られたときに、やっぱり廃炉支援で大事なのは、最新状態で福島がどうなっているのか、今何が起きているのかという情報をリアルタイムにお伝えすることが物すごく大事というふうに参考人としてお述べになっております。私はこのことは非常に重要なことだと思いますし、法律の中にもそのように書かれていると思うんですけれども、今以上に情報開示を努めるべきではないかということを、理事長としての御見解をお伺いしたいと思います。
○参考人(山名元君) 山名でございます。
 先生が御指摘になりました私の二年前の発言でございますが、これ、私、福島の第一の状況が世界や日本や関係者にリアルタイムに正直に伝わることが大事だという趣旨で申し上げたんです。その意思に基づいて、東京電力に対してはきちんと情報開示するということを指導してまいりました。その結果、東京電力は、放射線データをリアルタイムに出すとか、あるいは廃炉の進捗もホームページに出すという、かなり大きな情報開示の改善をしているということでございます。
 先生御指摘の廃炉等技術委員会の件でございますが、まず私どもは、この技術委員会で決定していく技術戦略プランというドキュメントがございます。これ、廃炉に対する技術的な考え方を世に問うていくための資料でございますが、これを毎年公開しておりまして、福島評議会においてもこれを適宜説明しているところでございます。委員会については議事要旨を公開することで議論の過程について紹介しているところであります。
 なお、議事録につきましては、この議論自身が非常に不確定な技術的な情報の中で、非常に戦略的な仮説と検証を繰り返すような作業を繰り返しております。そういう意味で、この情報が全てリアルタイムに出せるものではないというふうに考えております。また、民間企業の持っている技術あるいは海外の技術、そういった守秘義務を負うものも扱っておりますので、議事録や配付資料を直接公開することは率直な意見交換が損なわれる、また、地元を中心に、その仮説と検証を繰り返している最中の情報というのは混乱を生じるというようなこと、あるいは特定の民間事業者に不利益を及ぼすおそれがあるというふうに考えておりまして、これについては非公開とさせていただいております。
 こういう考え方でございますが、引き続き積極的な情報公開に取り組みたいと思います。
○神本美恵子君 ちょっと納得できないところもあったのですが、時間が来ましたので、林大臣に最後お伺いしたいと思いましたけれども、またの機会に譲りたいと思います。
 納得できないというのは、今様々な民間の情報とかも入ってという御説明があったんですけれども、やはりどのように進捗しているのか、あるいは検討されているのかということは、国民の目に明らかにすることによって関心を持ち続けていただくと。国費がこれだけ、十二兆円の中には東電が払ったのもあるんですけれども、国費が投じられている廃炉措置について、あるいはそれが安全性の上で今どこまで進捗しているのかということを知らせるのに必要な情報として、私はできる限り開示すべきだという意見を持っておりますので、それについてはまた後日質疑をさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
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○委員長(田中直紀君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、上野通子君が委員を辞任され、その補欠として石田昌宏君が選任されました。
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○風間直樹君 今日は川内原発について質問をいたします。
 九州電力は、三月二十五日、川内原発の重大事故時の拠点施設について、免震構造ではなく耐震構造にすると正式発表しました。そして同日、規制委宛てに改めて原子炉設置変更の許可申請をしたわけであります。
 そこで、規制委員会に伺います。この三月二十五日九電提出の申請について、審査の現況を教えてください。
○政府参考人(櫻田道夫君) お答え申し上げます。
 今委員の御質問は、三月に申請されたものということについての審査の現況という御質問だと思いますが、この申請につきましては、先生も御案内かもしれませんけれども、昨年の十二月に申請があったものを補正するといいますか、変更したものになってございます。そして、三月に改めて申請されたものにつきましては、今現在、審査官が審査中という状況でございまして、もう少し審査が進んでまいりましたところで改めて審査会合で審査をするという運びになるかと思いますが、現在はまだそこまで進んでいない、事務的に審査内容を確認中という、そういう状況でございます。
○風間直樹君 この問題は、先般のこの委員会で共産党の田村智子委員からも非常に深い質疑がありました。その後の報道ですとか経緯を追ってみますと、どうもこの規制委員会の内部、規制庁の内部、そして経産省、これら関係機関で、果たして国民の安全を守るという観点からこの川内原発の申請についてきちんと審査をするという体制が取られているかどうか、非常に疑問な点があります。
 そこで、今日は質問をいたします。
 規制委の委員長に伺いますが、今の規制庁の答弁ですと審査渦中だということでありますが、この三月二十五日の九電の申請について、恐らく規制委のお立場で評価できる点もあれば慎重な審査を要する点もあるかと思います。今日現在、その両方について何かコメントいただけることがあればお願いします。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 申請の経緯は今、櫻田部長の方から御説明したとおりでございますけれども、当初許可を出すときに、緊急時対策所として免震構造にするというようなお話がありました。ただ、今回いろいろ検討してみたら、遮蔽の重量とかいろんなことで耐震性にした方がいいというようなことで、事業者サイドで検討して、改めて新たな緊急時対策所の設置変更を出してきております。
 私どもとしては、耐震化、それから免震化ということよりは、緊急時対策所として十分な機能を持っているのかどうか、というか、許可は出ていますから今でも最低限の要件は満たしていますが、さらに、許可時に更により立派なというか、より安全を目指した緊急時対策所を整備するというお話がありましたので、それに沿って申請が出てきておりますので、当初出てきたときには少し、私は正直申しますと若干物足りないという感じがしましたけれども、今回出てきたのを拝見していますと、それなりに相当検討されてきたなということですので、今事務ベースで審査を進めているところでございます。
○風間直樹君 この当初計画があって、それを九電が変更してきたと。その際に、計画変更の根拠を提示するよう規制委から九電に求めているわけですが、この変更の根拠は提出されたんでしょうか。
○政府参考人(櫻田道夫君) お答え申し上げます。
 ちょっと正確に申し上げますと、設置変更許可を行った後に、昨年の十二月十七日に一度緊急時対策所の計画を変更するという申請がありました。その際に、内容を一応伺いまして、審査会合でも議論をしましたが、その時点においては、その十二月の申請の内容を見ると、その前に許可をした段階で九州電力が計画していたものに比べて安全性が向上するのかどうかというところがよく分からないという状況でありましたので、それを指摘をして、改めて検討し直すようにという指摘をしたところでございます。
 その指摘を受けて、今年の三月に再度改めて九州電力から申請がありました。その内容を今現在審査中ということでございますが、今、田中委員長からもお話ありましたように、十二月の申請に比べると今回の申請においては、その安全性の向上を行うものであるということについていろいろと工夫した状況はうかがえるものではございますが、いずれにしましても、これはよく書類を確認し、またこちらも質問をするということをこれからやっていかなければ分からないということでございますので、まさにそれを、今現在書類を確認しながら、どういうところを詰めていくかということについて検討しているという状況でございます。
○風間直樹君 今年一月二十六日の新聞各紙を見ますと、原子力規制委員会は二十六日、計画変更の具体的な根拠を示すよう九電に指示したと、こういう報道があるんです。
 今御答弁いただいた経緯はそのとおりなんでしょうが、この計画変更の具体的な根拠を示すよう指示したというのは事実ですか。
○政府参考人(櫻田道夫君) お答え申し上げます。
 今委員の御指摘のございました計画変更の具体的内容というところについて指示をしたというのは、恐らく、審査会合を開いて、その場において九州電力の説明では、その当時に、免震の建物を造るよりも耐震の建物を造る方が短期間でできるのであると、短期間でできることによって安全性が向上するんだと、こういう定性的な説明があったところに対して、どのくらいその期間が短縮できるのだということを指摘をしたということがございました。
○風間直樹君 そうすると、それに対する答えというのが、今回新たに三月二十五日に許可申請をされた耐震の施設、それを二年間で建てると、こういう回答だったという理解でいいでしょうか。
○政府参考人(櫻田道夫君) お答え申し上げます。
 申請書、提出されたものそのものにはそこまで詳しいことはたしか書いていなかったと思いますが、その点についてはこれから公開の会合において書類を提出させた上で確認するということになろうかと思いますが、準備をしているという話は聞いてございます。
○風間直樹君 済みません、よく分からないんですが、三月二十六日の報道では今私が質問でお尋ねした内容が詳しく書かれていると。ところが、実際、じゃ、規制庁、規制委員会が受け取っている九電からの申請にはこの報道内容ほど詳しくは書かれていないと、こういうことですか。
○政府参考人(櫻田道夫君) お答え申し上げます。
 分かりにくい説明になってしまって申し訳ございませんでしたが、私どもが受け取っている資料というのは申請書ということで、法律に基づいて提出を義務付けているものでございますが、その申請をする際に、九州電力は九州電力の責任において対外的な説明を行ってございます。プレス説明とかというのも行ってございまして、その中には今先生の御指摘のございましたような、免震構造に比べて耐震構造の方が二年程度早く完成できる見込みであるというような記述があることは私どもも確認をしてございます。
○風間直樹君 時間がないので次に行きますが、免震構造か耐震構造かという相違です。新しい原発の規制基準ではこの相違については審査で考慮されないと、こういう理解でよろしいでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先ほども申し上げましたけれども、必要なことは、緊急時に十分な対策が取れる場所であるかどうか、その施設が十分対応できるかどうかということで、その構造が免震がいいのか耐震がいいのかということについては、いろんな、場所にもよるだろうし、いろんなことがありますので、そこまでは規定しておりません。
○風間直樹君 実は、この点をめぐっては非常に世論の関心が高いんですね。この間の新聞報道を見ましても、各紙、この点を特集記事で紹介しているものもございます。ですので、田中委員長、ちょっとこの点分かりやすく説明をしていただければ有り難いんですが、この新基準には、免震などによって通信、指揮、収束要員を守る施設を整備することという趣旨のことが記載されていると報道されています。では、なぜ免震構造であることを基準で求めないんでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 緊急時対策所が免震構造というように世間で、社会で理解されているのは、受け止められているのは、一F事故のときに東京電力の福島第一原子力発電所で免震重要棟という建物、まさに緊急時対策所的なものですけれども、それが一定程度機能したということであります。逆に言うと、新潟の地震のときに東京電力の柏崎刈羽の事務棟がドアが壊れて緊急時に入れなかったという経験を踏まえてそういうものが造られましたので、そういうことで免震というのが言葉として行き渡っているわけですけれども、今回、緊急時対策所というのは、そういったきちっとしたことと同時に、放射能が出ても放射線遮蔽がきちっとされていて、中で安心して過剰な被曝をしないで働けるかとか、それからプルームのような、ヨウ素とか、そういった放射能が空気中に漂った場合でも、それをきちっと建物自体が、加圧というか、そういうものが入り込まないようにできるようなフィルターを付けるとか、そういったことを含めてこの緊急時対策所の機能を求めていますので、そういう意味で、免震棟という一つの造り方を例示したにすぎないということで御理解いただければと思います。
○風間直樹君 なかなか御理解は難しいんですよね、これ。今の委員長の御答弁で世論が納得するかどうか、甚だ私には確信が持てません。
 これも、報道を見ますと、この福島の第一原発の事故現場、既存の免震重要棟では性能も広さも足りず改良と増築を迫られたと、このように言われているところであります。
 確かに、今委員長がおっしゃるように、放射線の防護に関する設備ですとか、あるいは人員を収容できる広さですとか、こういったことそのものは免震化、耐震化とは直接関係ないんだろうと思います。
 ただ、免震と耐震ということを字義どおりに考えてみると、耐震というのはまさに地震の震動に耐え得る建物である、免震というのは震動そのものからそもそも逃れる建物であると、揺れないということですね。ですから、事故後の対応に当たる施設としては、当然余震等も考えられるわけですから、耐震の建物より免震の建物の方が事故後の対応に当たりやすいことは確かなんだろうと思います。
 であるのに、なぜ規制委員会はこの新基準で、免震を基準で求めないのでしょうか。先ほど、委員長、その原発が立地している土地の地殻、地盤の強さのようなことにも言及されましたが、その辺もう少し詳しく教えていただけますでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 私もそっちの分野は専門ではありませんけれども、免震構造と耐震構造それぞれ特徴がありまして、耐震は御存じのように揺れを防ぐというか岩盤に岩着させて強度的にそれもたせると。免震は揺れを下の方で揺らして上部構造に影響を与えないという考え方なんですが、私の勉強した限りですけれども、免震構造は縦揺れには意外と弱いということもあります。それから、免震構造というのは下に揺れを防ぐためのいろんな構造物が入りまして、いわゆる非常に重いものに対してどこまでそういった縦揺れとか何かに耐えられるかということでいろいろ事業者の方も検討した結果、耐震の方がきちっとできるという判断をされたというふうに私は理解しているんですが、今後それについては、なおかつ事務レベルでよく審査をしていきたいと思います。
○風間直樹君 そうしますと、この新基準を作成した当時、わざわざ免震等というふうに記載をされた理由は何ですか。
○政府参考人(櫻田道夫君) この基準を作った当時のこの表現をこのようにしたということについてのお尋ねでございますが、ちょっと今手元にそこまで確認できるような材料は持ち合わせてございません。
 ただ、先ほど委員長からもお話ございましたように、緊急時対策所といいますと、やはり新潟県の中越沖地震のときに、柏崎刈羽原子力発電所で対応ができなくなったことによって免震棟を建てたと、そういうことがあり、かつ福島第一原子力発電所の事故においても免震棟というもので何とか収束作業の指揮を執ることができた、こういう経験が当時あったということが念頭に多分あるんだろうというふうに考えます。
 免震機能を持ったものが既に、基準に適合するかどうかは別にして、緊急時対策所として、少なくとも現実のものとしてそこに存在していたということがあったのは事実でございます。
○風間直樹君 これは余りにもお粗末な答弁ですね。そもそも新規制基準を作ったときに免震等というその文字をわざわざ入れたその理由、根拠が、通告をしているのに国会で答弁することがかなわないと。これは、今院内放送を通してこの質疑、国民そしてメディアに流れていますけれども、今回の一連の新基準に基づく原発の再稼働の申請に際して、国民が規制委員会、規制庁に向けるまなざしというのは非常に厳しくなって当然だろうと思います。
 要求いたしますが、この新規制基準作成時になぜ免震等という基準を入れたのか、その根拠、理由につきまして、当委員会宛てに、理事会宛てに提出いただきますようお願いをいたします。
○委員長(田中直紀君) 理事会で協議いたします。
○風間直樹君 次の質問に移ります。
 代替対策所なんですが、今回の九電の三月二十五日の申請を踏まえますと、今後二年間、川内原発ではこの代替対策所で万が一の事故に対応すると、こういった考えでよろしいでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) そのとおりでございます。
○風間直樹君 それでは、この代替の対策所を、田中委員長御自身、あるいは規制委員会の委員の皆さん、あるいは規制庁の方々、これまで現場を視察されたことはありますでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 私自身も、平成二十六年十二月二十日に審査が一応許可が出た段階で視察しております。また、それ以前、それ以後についても、更田委員とか島崎委員が伺って視察しておりますし、当然、規制庁の職員も一緒に付いて視察しております。
○風間直樹君 視察をされた委員長の感想を伺いたいんですが、今後二年間この代替対策所で万が一の事故のときの対応を取ると、それに十分ふさわしい機能を持った施設だというふうに認識されましたでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 少し狭いという感じはしましたけれども、建物自体は非常に立派で、非常に堅固な遮蔽もされているし、空調施設もできているという意味では、中枢機能としては十分そこで果たせるというふうには思います。ただ、長期にそこに相当数の作業に当たる人間が寝泊まりをしていくということになると少し手狭だろうというふうな感じは持ちました。
○風間直樹君 そうしますと、今後二年間の間に万が一川内原発で事故が起きた場合、今の田中委員長の御認識だと、長期にわたって九電の社員等が事故対策に当たるには少々手狭であるということは、機能的には足りないということですね。委員長、そういった理解でよろしいですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 従業員が寝泊まりしたり食事をしたりいろんなことをするという意味では十分ではないとは思いますけれども、そういったことについてはいろいろ工夫ができるもの、ハードとしてきちっとしていないと機能しないものと、そういった、人間ですから、そういう意味での機能性はあると、何とかできるだろうというふうに思っていますけれども、先生御指摘のように十分だというふうには、それでもなおかつ十分だということではなくて、安心してきちっと一週間なら一週間の対処できるように、できるだけ速やかに整備をしていただくことが大事だということは申し上げるまでもありません。
○風間直樹君 先般の田村委員の質疑では、実際その視察をされたという経験を踏まえて、非常に手狭であると、こういう代替施設では、万が一の事故の場合、とてもではないけど長期にわたった対応は難しいと、こういう強い指摘が田村委員からありました。今、田中委員長も、その指摘の一部を事実上お認めになる形で、長期にわたる事故対応には適さないと、それはちょっと難しいという御答弁をされたわけであります。
 そこで、委員長に提案をしますが、当委員会として、実際のところ、この川内原発の代替対策所が万が一の事故対応にふさわしい機能を持った、広さを持った施設であるのかどうか、その視察を行うことを提案いたします。
○委員長(田中直紀君) 理事会で協議いたします。
○風間直樹君 そうしますと、田中委員長、これ、どうも国民としては今の委員長の御答弁、納得できかねる部分あるんですが、なぜこの川内原発が、九電が全ての対策を整える前に再稼働を規制委として許したのか。これ、当然国民が持つ疑問だと思うんです。なぜですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) まず最初に、基本的な考え方ですけれども、新しい規制基準を作ったときに、既存の施設に対してバックフィットをしなきゃいけないと、どういったところまで求めるかというところが一つの大きな判断の分かれ道になりました。いわゆる重大事故対処施設とか、そういったものについては即バックフィット、それから、一部、今五年の猶予ということでも、またこれも議論はありますけれども、航空機落下とか、そういったものに対しての、衝突なんかに対するいわゆる対策施設、それは少し余裕を見て造ってもらおうというふうなことで判断しております。
 川内原発の代替の緊急時対策所も、狭いという意味では確かに狭いかもしれませんが、その機能を果たせないのかということで審査をさせていただきました。その結果、一応機能は果たせるという判断をしております。だから許可をしております。ただし、その中で、事業者とのいろんな意見のやり取りの中で、より充実した緊急時対策所にしていくという約束をしていただいたということで、それを今回新しくするということで、耐震構造でやりたいという提案があって、今、設置変更の申請が出てきたということで、それを今審査しているということです。
○風間直樹君 その施設を安全性にかなうように整備するという約束の下で規制委が再稼働の許可をされたということですが、その後、九電が当初の計画、申請したものを覆すという事態になっているわけであります。その後に三月二十五日の申請の再提出に至ったと。
 それで、私、今日この質疑をしてきまして、どうも疑念を拭えないのは、まず、肝腎の原子力発電からの国民の安全を守る規制委員会の中で新基準を定めたときに、なぜ免震などという言葉をその構造物の条件として入れたかどうか、そこが非常に規制委内部で曖昧であるということ。そして、もう一点ですが、現在、新しい規制基準の下で原発の再稼働申請が十六出ています。そのうち十一の原発において、免震機能を予定していたものの、それを省いて耐震棟に変えて申請をしていると、こういう報道が出ています。
 これらを見ますと、規制委員会が川内原発の審査において代替対策所を許可したという認識は、その後の申請に与えた影響を考えると極めて甘かったというふうに言わざるを得ない、こう思います。
 これから規制委員会としてこの提出されている十六原発の再稼働の審査に当たる際に、規制委員会が行った川内原発の対策所に関する判断がこの十六に関する申請の内容を事実上変えたというのが報道されているところでありますけれども、田中委員長、この規制委員会の認識、甘かったんじゃないですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) どうも免震と耐震で免震の方がはるかに優れているというような理解があるようですけれども、そういうことではなくて、繰り返しですけれども、緊急時対策所としての機能を求めているということで、その点でどちらが優れているかということは、これからそれぞれについてきちっと見ていかなきゃいけないというふうに思っています。
 免震で申請してくるところもありますし、耐震で申請してくるところもあろうかと思いますが、いずれにしても、その機能がきちっと担保できているかどうかということが私どもの判断のベースになります。
 そういう意味で、別に、規制委員会の規制基準が甘かったとか、そういうことではないというふうに思います。
○風間直樹君 今の委員長の御答弁が正しいかどうかは、理事会宛てに提出される規制庁からの、先ほど私要求の資料を見た上で判断しなければならないと思います。
 最後に、経産大臣、そして原子力規制庁に伺います。
 原子力規制委員長の命を受けて庁務を管理すると規定されている規制庁長官が、職務遂行において委員長と見解を異にすることはできないと考えますが、いかがでしょうか。また、独立してその職権を行うと規定されている原子力規制委員長が環境大臣や経産大臣と見解を異にする場合、長官は委員長の見解に従う法的義務があると考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(林幹雄君) 規制委員長と規制庁長官の関係については、経産大臣としてはお答えする立場にはございません。
 いずれにしても、原発の安全性につきましては、原子力規制委員会の専門的な判断に委ねるというのが政府の基本方針でございます。
○風間直樹君 規制庁、お願いします。
○政府参考人(荻野徹君) 原子力規制庁から御答弁申し上げます。
 原子力規制庁は、原子力規制委員会の事務を処理するため原子力規制委員会の事務局として置かれているものでございます。そうしまして、原子力規制委員会の事務局長たる原子力規制庁長官は、原子力規制委員会設置法第二十七条第五項におきまして、委員長の命を受けて庁務を掌理するとされておりまして、委員長の命令に基づき業務を行うものでございます。
 また、これと裏腹の関係でございますけれども、国家公務員法第九十八条第一項には、国家公務員の義務としまして、国家公務員は、職務を遂行するに当たり、法令に従い、かつ上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない旨規定されているところでございます。
○委員長(田中直紀君) 時間が参りましたので、おまとめください。
○風間直樹君 終わりますが、経産大臣、今の御答弁は問題答弁であります。後日また行わせていただきます。
 ありがとうございました。
    ─────────────
○委員長(田中直紀君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、長浜博行君が委員を辞任され、その補欠として徳永エリ君が選任されました。
    ─────────────
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。
 昨年十月まで二年九か月間復興副大臣として福島に常駐しておりましたので、復興特で質問をさせていただくのは三年ぶりでございます。
 前回のこの復興特、三月二十二日でございますが、森委員から、いわゆる十八歳以下の医療費無償化の件、健康管理基金の使い方についてやり取りがあったわけですが、ちょっと議論が少しかみ合っていなかったなという感じがいたしましたので、まずこの問題から取り上げさせていただきたいと思います。
 前回の速記録を見させていただきました。森委員がこういう質問をされたんですね。この子供たちの医療費の無料化について、高木大臣のお考えを伺いますと。これに対しまして、大臣はこうお答えになりました。福島の子供の十八歳以下の医療費無償化についてでございますけれども、これは政府として熟慮を随分重ねたというふうに聞いております。ただ、特定の県の住民のみ医療費を無償化することは、我が国の医療制度の根幹に影響を与えるなどの課題もあって、なかなか難しいのではないかというふうに考えているところでございますと、こういう答弁ございました。
 実はこの医療費無償化、当時、福島特措法ができたときは民主党政権だったんですね。確かに、民主党政権ではこの医療費無償化は非常に難しいという見解が強かったです。ところが、お手元に資料を配らせていただいているんですが、当時野党でありました公明党や自民党はこの福島特措法を修正をしたんです。修正したお手元の条文が、現在は九十三条、当時は六十八条と呼んでいました。
 何かというと、九十三条の第一項は、この健康管理基金というのが当時は予算措置だけだったんですよ。予算措置だけじゃなくて法定をしようと。法定をすることによって、もしこれ、環境省が中心で運用されていますけれども、事業をやっていく上で、それが必要になればちゃんと財源措置をする、国の意思をはっきりさせておくというのが一項だったんですね。もう一項、二項めは何かというと、「福島県は、子どもをはじめとする住民が安心して暮らすことのできる生活環境の実現のための事業を行うときは、前項の福島県が設置する基金を活用することができる。」というのを加えたんです。
 この趣旨はどういう条文の趣旨かというと、次のページめくっていただくと、当時の法案審議のときの議事録が付けてございます。我が党の、これ衆議院の復興特で、石田委員が、最後に六十八条に関してお伺いしたいと思いますということに対して、当時の民主党の平野復興大臣がこう答えているんですね。今般の修正案が成立した際には、まずこれに基づきまして、この基金の状況についてフォローアップをするとともに、その状況を踏まえまして、必要となる資金の拠出を行うこととなると考えておりますということで、実はこの健康管理基金は、最初、平成二十三年に経済産業省が七百八十億の政府予算を要求し、東京電力から二百五十億の拠出があって一千三十億、これを三十年間使っていくという話だったんですが、それについても、今後の動向に応じては必要なフォローアップをして、財源措置もしていきますよということが、このときになっているんですね。
 環境大臣はここを御認識是非していただきたいんですよ。というのは、割と私も復興副大臣として環境省とやり取りしましたが、もうびた一文予算要求しないんだみたいな、もう三十年間ぎっちり使うだけなんだみたいなニュアンスでまだいるところもあるんですよ。この段階で変わっているというところはまず認識いただきたい。
 もう一つが、この下の石田委員の質問でありまして、続きまして、第二項についてお伺いをしたいと思いますと。第二項は、これは元々なかった項目でございまして、新たに挿入をした。これは、修正協議の中で、どうしてもこれは必要である、こういうことで入れることになりました。「福島県は、子どもをはじめとする住民が安心して暮らすことのできる生活環境の実現のための事業を行うときは、前項の福島県が設置する基金を活用することができる。」ということでありますと。これ、平野大臣に聞かれているんですが、これは、福島県が自分で判断をして健康に関して行う事業、これについて、政府がこういう事業はだめだよと言うことはないということでよろしいんですかと、よろしいんですねと言った方がいいねという質問に対して、裏のページに行きますけれども、当時の平野大臣は、基本的には、福島県の意思、地域の意思ということを尊重するのが基本だというふうに思いますという答弁があって、さらに、この修正の提案者であります高木美智代衆議院議員の答弁がその下にあります。六十八条第二項の趣旨は、福島県が設ける基金について、その対象を拡大して、子供を初めとする住民が安心して暮らすことができる生活環境の実現のための事業にも活用できることを明記したものでございます。例えば、住民が将来にわたって安心して暮らすためには、充実した医療を受ける機会を確保することが重要でございます。多くの子供たちが放射能被害の不安から県外流出しているという現状を踏まえれば、十八歳以下ですね、十八歳以下の子供たちについての医療費の助成なども含まれると考えておりますというのが法案提出者の答弁だったわけでございます。
 そういう意味では、実は、今回、県がやっている、健康管理基金を使ってやっているこの医療費の無償化というのは、医療制度の根幹を変えるためにやっているのでは全くなくて、生活環境を良くしていこう、子育て環境を良くしようということでいわゆる県の自治事務として医療費無償化をしているという考えで、それは今回の条文の二項で基金が使えるという考えなものなんですよ。
 よって、この資料の一枚目にもう一度戻っていただきたいんですが、一枚目の下の段に書いてあるのが、被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針とは何かというと、いわゆる子ども・被災者支援法の基本方針なんですね。これ、策定を私が担当させていただいて作らせていただきました。この中に、被災者生活支援等施策に関する基本的な事項の中の十三番目に「放射線による健康への影響調査、医療の提供等」という項目がありまして、その中に、主な具体的な取組にこう書いてあるわけですよ。「福島県民健康管理調査や」とあって、その次ですが、「子育て支援の観点からの医療費の助成等のために活用されている福島県民健康管理基金」と。つまり、単なる医療制度の根幹じゃなくて、あくまでも子育て支援の観点からの施策であると。これについては各基金の事業をちゃんとフォローアップを国としてやっていくんだということを位置付けたわけです。
 実はこれ、裏話をしますが、これを書くのに相当環境省は反対をしました。それを押し切ってこれ書いたということで、ちゃんとこれはやっていくというのが当時の野党である公明党や自民党の意思であったわけでございますので、そこをまず両大臣に御認識していただいた上で御質問を。
 ただ、実は、法律とか基本方針はこういうふうにしたんですけれども、福島県に聞いてみましたところ、この健康管理基金の交付要綱が改定されていなかったと、よって、会計検査院の指摘を受けまして、県からの一般財源化されてしまったとお聞きしました。私の在任期間では、いわゆる交付要綱を変えなくてもこの支出はできると聞いておりましたので、この結果は非常に残念なんですけれども。
 こういう、ちょっと長くなりましたが、経緯を聞いていただきまして、まず復興大臣にお聞きしたいと思います。この福島特措法、当時の第六十八条二項、現行の九十三条二項が修正規定された趣旨を踏まえまして、現在、子育て支援の観点から行っている県の事業に対しても、福島県民健康管理基金から明確に支出できますよう基金の交付要綱を改正すべきと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(高木毅君) 今委員から当時の議論をるるお聞かせいただきました。また、先般の森委員との議論の後、私も勉強もさせていただきまして、当時の議論については私も承知をしているところでございます。
 言うまでもなく、子供の健康というのは非常に大事なものであると認識をいたしておりまして、そうした当時の議論も踏まえて、国としてもこれまで、子供の心身のケア、あるいは食の安全の確保、リスクコミュニケーション活動などにも取り組んできたところでございますが、今後、これまでの議論を踏まえまして、関係省庁とも連携して、どういったことができるかよく考えてまいりたいというふうに存じます。
○浜田昌良君 関係省庁と連携をして、どういったことができるかと。是非私は交付要綱を改定してほしいと思います。それが隘路になっておりますので、検査院の。
 その交付要綱を改定するとなりますと、この県民健康管理基金の主要省庁というのは環境省なわけでございますので、その関係省庁に一番関係するのは環境省と思いますので、環境大臣の方でも、復興大臣の方でこういう方向を見直していくという作業をされる上では是非協力もお願いしたいと思いまして、是非、丸川大臣からも御答弁お願いしたいと思います。
○国務大臣(丸川珠代君) 私どもも、政府全体として、まず子供の健康は非常に大切なものであるという認識を持っておりまして、環境省としても、発災当時、おおむね十八歳以下であった子供に対する甲状腺検査など、原発事故に係る放射線による健康管理や健康不安対策、取り組んできたところでございます。
 環境省管理分というのがこの福島県民健康管理基金の中にございまして、この管理分というのは、福島県からの御要望も踏まえて、福島県民の放射線による健康影響の調査を実施することを目的として、平成二十三年度の第二次補正予算として措置をしていただいたものでございます。
 この措置をしていただいたときの目的というのが、この環境省の管理分においては目的は決められておりますので、その管理分を用いることによって子育て支援をするというのは困難だとは思いますが、今復興大臣からお話がありましたとおり、関係省庁連携してということで、私どもも連携する省庁の一つでございますので、環境省としてもできる協力をしてまいりたいと思います。
○浜田昌良君 是非、両省庁連携していただきまして、健康管理基金からいわゆる十八歳以下に医療費無償化が支出できないという状況、いろいろ大きな問題になっておりますので、福島の子供たちが安心できますよう、またその親御さんたちも安心できますように協力をお願いしたいと思います。
 続きまして、自主避難の方々への支援について質問を移りたいと思います。
 今回、被災者支援総合交付金というのが、昨年度五十九億円だったものが二百二十億円に大幅に拡大していただきました。これによりまして、福島のいわゆる自主避難者の方々、いわゆる県外避難の方々への支援が大幅に拡充されていくと、福島県の方も、また県外の方も期待をされています。
 県から聞きますと、今復興庁の方に要望されているようでありますけれども、平成二十七年度時点では四千万程度だったらしいんです、県外避難者への支援が。それを七倍の二億八千五百万ぐらいを申請したいとおっしゃっています。
 査定はまだされていないかもしれませんけれども、そういう、大幅に拡充されているといいますが、福島での自主避難支援、どのように拡充させていくのか、まず復興大臣にお聞きしたいと思います。
   〔委員長退席、理事大島九州男君着席〕
○国務大臣(高木毅君) お答え申し上げます。
 避難生活が長期化する中で、県外避難者への相談支援、コミュニティー形成、あるいはまた帰還、生活再建に向けた支援が重要となってきているところでございます。
 復興庁といたしましては、先ほど御指摘いただきましたけれども、今年度、被災者支援総合交付金、大幅に拡充をさせていただきまして、新たに県外避難者支援を支援メニューに追加をいたしました。例えば、県外避難者に対する相談支援、情報提供、また避難先や避難元でのコミュニティー形成などを支援していくこととしているところでございます。
 これに対応して、福島県では、自主避難者への仮設住宅提供を二十九年三月で終了する方針を公表し、帰還・生活再建に向けた総合的な支援策に取り組むこととしておりまして、例えば、支援策の一つとして、避難者支援を行う全国の民間団体への支援の拡充等を検討しているところでございます。
 復興庁といたしましては、福島県が検討している取組内容を確認した上で、被災者支援総合交付金の活用を通じて、県外避難者の帰還や、あるいは生活再建の取組が円滑に進むよう支援を検討してまいりたいと考えているところでございます。
○浜田昌良君 自主避難者の方々の支援の一つとして高速道路無料化というのがございまして、これは、私担当させていただいて実現させていただきまして、更に来年三月までまた今回延長していただきました。
 山形とか新潟の方々はこれ多く使っていただいていまして好評ではあるんですが、京都とか行ったりしますと、なかなか高速道路だけでは大変なんですよねという声もありましたし、北海道とか沖縄も自主避難者の方に会いに行きました。そうしますと、これは意味ないですよ、北海道、沖縄ではという声もありまして、当時から一つの課題としてありましたのが、自主避難者の方で飛行機とか鉄道で戻られると。戻られるというのは、つまり福島が、帰還されるかどうかというのは、自分の目で見ていただく、またママ友さんたちと一緒に話をしていただくというのが帰還判断の大きな条件、いい情報になるわけでございますね。
 そういうことへの支援についても考えるという話がありましたが、この辺について、今回の被災者支援総合交付金で含まれてくるのかどうなのか、若松副大臣にお聞きしたいと思います。
○副大臣(若松謙維君) 浜田委員にお答えいたします。
 避難生活が長期化する中で、特に福島県では自主避難者への仮設住宅提供を二十九年三月で終了する方針を発表しておりまして、円滑な帰還、生活再建に向けた支援が重要な局面になっております。
 復興庁といたしましては、今年度大幅に拡充した被災者支援総合交付金におきまして、新たに県外避難者支援を支援メニューに追加しまして、こうした福島県の取組を支援していくこととしております。
 福島県では、福島県内での県外避難者と県内支援団体や県民の方々との交流会の開催、各避難先での交流会において県外から福島に帰還された方々から福島の現状等を聞く機会の提供を通じて、県外避難者の帰還後の人的ネットワークの形成や福島県の現状の把握について支援を検討されておりまして、当然、そこで掛かってくるいわゆる経費等についての支援も検討しているところでございます。
 復興庁といたしましては、福島県の取組内容を確認の上、被災者支援総合交付金の活用を通じて、県外避難者の帰還や生活再建の取組が円滑に進むよう支援を検討してまいりたいと考えております。
○浜田昌良君 今の御答弁で、飛行機代とか鉄道代というのは経費の中に含まれるという理解でよろしいんですね。
○副大臣(若松謙維君) 具体的なメニューは今県が検討しているところでありまして、当然、そういう高速道路が使えないところもしっかり検討していると理解しているところでございます。
○浜田昌良君 ありがとうございました。
 県によりますと、延べ千世帯ぐらいの方々にそういう福島に情報のネットワークをつくっていただくということも計画していると聞いておりますので、是非、復興庁も前向きにその提案を受け止めていただきたいと思います。
 続きまして、今もございました住宅の問題でございます。
 県外避難者の方々が、いわゆる自主避難者の方を中心として来年三月で住宅の提供が終わっていく中にありまして、いろんな県からの補助金メニューもありますけれども、昨年末に公表されました住宅確保の取組には、県外の公営住宅とか雇用促進住宅とかUR賃貸住宅などを活用した住宅支援という、そういうメニューも盛り込まれておりましたが、新年度にいよいよなりました。その具体的支援内容はどうなったのでしょうか。
○副大臣(若松謙維君) お答えいたします。
 福島県では、昨年十二月に公表いたしました避難指示区域外から避難されている方への帰還・生活再建に向けた総合的な支援策におきまして、今申し上げました三つ、一つは県外の公営住宅について、子ども・被災者支援法による優先入居の実施の支援を各自治体に要請する。二つ目が、雇用促進住宅については、東日本の一部の空き住戸について新たな入居先として募集し平成三十一年まで入居可能とすると。三つ目が、UR賃貸住宅につきましては、入居申込時の申込資格を緩和して、資格確認時における基準月収額の算定方法の特例を設定するということとしております。
 復興庁におきましても、県外の公営住宅につきましては、国交省と連携して、入居に際して要件の緩和などの配慮を行うよう既に全国に依頼しているほか、仮設住宅終了後の住宅確保に関して雇用促進住宅の受入れを関係団体に協力要請をしておりまして、住宅の一部提供が行えることとなったところでございます。
○浜田昌良君 マクロとしては、URだとか雇用促進住宅だとか公営住宅でこういうことをやっていますよという情報は発表になっているんですが、自主避難者のお住まいの地域でそれぞれどういう住宅があるんだというミクロの情報は余り届いていない感じがするんです。
 そういうミクロの視点で、もう一度いろんなNPOと連携していただいて、情報提供を更に拡充していただきたいんですが、これについてはいかがでしょうか。
○副大臣(若松謙維君) 今、私どもとしても福島県の職員の皆様と情報交換をしておりまして、これから福島県、受入れ自治体の職員等を含めて全国を訪問すると、大変有り難い計画をしておりますので、私どもこれを支援してまいりたいと考えております。
○浜田昌良君 ありがとうございます。
 そのミクロの話の一つなんですが、今、雇用促進住宅に自主避難されている方々は全国で八百九十七世帯、これ平成二十八年二月末のデータでございます。一番多く住まわれているのが北海道札幌市の桜台住宅で、ここでは九十九世帯の方がお住まいになっています。私も訪問させていただきました。
 その一方、雇用促進住宅というのが今年度から売却が始まっているんですね。売却されてしまうと一体どうなってしまうんだろうという御不安の声もいただきました。これにつきましては、いわゆる売却されても、少なくとも自主避難の方は来年三月まで無料化措置がありますし、それからまた、実際家賃を払っていただければ十年間は売却後も賃借権というのは残っていて、その変わらない料金で住まい続けるんだと聞いていたんですが、そういう方向に決まったのかどうなのか、御不安なお声を聞きましたので、明確な答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(苧谷秀信君) お答え申し上げます。
 自主避難の方を含めます被災者の方のうち、無償提供期間終了後の平成二十九年三月以降、雇用促進住宅に継続して入居を希望する方につきましては、有償での入居が可能としているところでございます。この場合も含めまして、雇用促進住宅の平成二十八年度以降の売却につきましては、買受けの条件として、入居者保護のため、家賃等の条件を十年間維持することを条件として売却を行うこととしております。したがいまして、議員御指摘のとおりでございます。
○浜田昌良君 今の答弁聞いて、桜台住宅の方は少し安心されたと思います。
 次に、双葉町から要望されている一つとしまして、東日本大震災のアーカイブ拠点施設というのがあるわけです。これは、東日本大震災のいろんな記憶というものを風化させていかないためにも重要でありますし、また、双葉町自身は帰還困難区域が多くを占めておりまして、何かやっぱり町の中に復興のシンボルをつくっていきたいと強い御要望も持っておられます。
 これについては、いわゆるイノベーション・コースト構想に位置付けられておりますが、復興庁としても積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、これにつきまして御答弁いただきたいと思います。
○副大臣(若松謙維君) お答えいたします。
 委員の御指摘のとおり、アーカイブ拠点施設はイノベーション・コースト構想に位置付けられておりまして、福島県が有識者検討会において議論するなど主導的に検討していると承知しております。また、福島県におきましては、経済産業省のイノベーション・コースト関連の調査予算を活用して基本構想を策定する方向で検討していると聞いております。
 復興庁といたしましても、福島県が策定する基本構想なども踏まえながら、経済産業省など関係省庁、福島県等と十分協議、連携してまいりたいと考えております。
○浜田昌良君 今日は、福島県の子供たちの医療費の無償化の問題、これにつきましては復興大臣の方から関係大臣としっかりと検討してまいりたいという前向きな答弁もいただきましたので、是非、これについて少し新聞報道もあって不安も広がっております。早急に方向をはっきりさせていただきたいと要請させていただくとともに、自主避難者の方々についても、いろいろと生活のステージが変わってきておりますので、そのステージにおいてより良い対応を拡充していただきたいことをお願いしまして、私の質問を終えさせていただきます。
   〔理事大島九州男君退席、委員長着席〕
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 東日本大震災原発事故から五年が経過しました。東京電力福島第一原発の事故で避難を余儀なくされた方は、五年たった今も多くの悩みを抱えながら生活をされています。
 今日、原発事故に伴う自主避難者の住まいの問題について質問します。
 福島原発事故に伴う自主避難者は、例えば母親と子供を遠方に避難をさせて夫は福島に残るというような二重生活をされている世帯の方が多くいらっしゃいます。自主避難者の人数や現在の生活実態について把握されているでしょうか。
○国務大臣(高木毅君) 自主避難者の人数、生活実態ということでございます。
 福島県の推計によりますと、避難指示区域外から自主的に避難されている方は約一万八千人と承知をいたしております。
 また、避難されている方々の置かれている状況はそれぞれの方によって様々だと認識をいたしておりまして、これまで、県外自主避難者等への情報支援事業における説明会、交流会、あるいは支援団体が実施する意見交換会などに復興庁として計百六十回以上にわたって出席をいたしまして、現在の生活の状況や御意見、御要望を直接お聞きしてきたところでございますが、そのような機会を通じて、例えば家族全員で避難されている方、また、先ほど委員が御指摘いただきましたけれども、母子のみで避難されている方、あるいは避難先での定住を考えている方やいまだ今後の住まいについて決められていない方、あるいは避難先で仕事を見付けている方や就職先に悩まれている方、そうした様々な状況にあるという声をお聞きをいたしております。
 このような個別の事情をお聞きしながら丁寧に対応していくことが重要であると考えておりまして、今後とも様々な機会を捉えてお話をお伺いしてまいりたいと考えております。
○紙智子君 自主避難者、今一万八千人というふうにおっしゃられたんですけど、私どもの自治体で活動している議員などが、含めて三万人という話もあります。
 それで、子ども・被災者支援議員連盟で、この聞き取りですとか、あるいは札幌などで自主避難者からお話を聞いてきましたけれども、この避難世帯の支出、これが避難前に比べると月に約十万円増加したという話もあります。それからまた、仮設住宅の提供は一年単位で延長されてきたんだけれども、学校にしても今働いている職場にしても、一年単位というふうに言われても、生活は一年単位で考えることではないという声も出されるわけです。
 それで、子ども・被災者支援法では、「国の責務」として、「被災者生活支援等施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。」というふうにしているわけです。実態を把握しなければ、やはり総合的な対策が打ち出せないんじゃないかというふうに思うわけですね。
 福島県は、仮設住宅の入居について、避難指示区域及び津波被災地の特定延長を除き二〇一七年の三月末で提供を打ち切るというふうに言っているわけです。自主避難者は仮設住宅の提供の打切りをどのように受け止めているでしょうか。自主避難している方がこの仮設住宅提供の打切りをどのように受け止めておられるかということですが。
○国務大臣(高木毅君) 平成二十九年三月で仮設住宅の供与を終えて新たな支援策に移っていくという福島県の方針に対して、避難者それぞれの状況によって様々なお考えをお持ちの方がいらっしゃるというふうに認識をいたしております。
 例えば経済的負担に対して不安をお持ちの方もいらっしゃると思いますし、あるいはまた子供に転校を強いることになるのではないかとの不安をお持ちの方もいらっしゃる、あるいはまたこれを機に福島県への帰還や避難先での定住を決断される方などがいらっしゃるのではないかというふうに考えております。
○紙智子君 自主避難者で仮設住宅の無償提供の継続を求めている方というのはどれぐらいいらっしゃいますでしょうか。
○副大臣(若松謙維君) 済みません、質問通告をしていただいたでしょうか。
 ちょっと今手元に具体的な情報ございませんので、また後日御報告させていただきたいと思います。
○紙智子君 自主避難者に関わってのことは通告をしております。
 それで、具体的にやっぱりつかむべきだと。母子で避難している方は、子供は小学生だから義務教育が終わるまでは避難先で生活したい、住宅の無償提供を続けてほしい、こういうふうにおっしゃっているわけですし、ある方は、避難先のアパート代は約六万円だと、無償提供が打ち切られたらダブルワークをしなければいけなくなるというふうに言っていますし、子ども・被災者支援議連の会議のときに招いた被災者の方も、家計調査を行ったが、福島で暮らしていた当時よりも七万円から十万円も出費がかさむと、住宅の無償提供を打ち切られたら生活できなくなりますというふうに言われているわけです。それから、激変緩和策なども説明されているんだけれども、一番必要とされる低所得の母子世帯に届かないんじゃないかという不安も出されています。
 住宅の無償提供というのは最大の支援になるんじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(高木毅君) まず、先ほど若松副大臣の答弁に関して通告がないと、委員からは自主避難者については通告をしているということでございますけれども、先ほどのことのお答えに関しましては、その避難指示区域以外の地域からの避難者につきましては、それが地震又は津波による避難なのか、あるいは原発事故を契機とした避難か、個人の意思を網羅的に確認することが困難でありまして、全てを把握することは困難であるというふうに認識をいたしております。他方、これまでも様々な形で避難者の状況、御意見、要望をお聞きしているところでございまして、今後とも個別の事情をお聞きしながら丁寧に対応していくことが大事だというふうに思っております。
 また、先ほど、後の質問でございますけれども、経済的な負担等についてのお話でございますが、個々人の不安やあるいは困っていることは様々でございまして、具体的にお聞きしながら個別に対応していくことが重要だというふうに考えております。福島県において、住まいに関する意向調査やその後の個別訪問を通じて、避難者の個別具体の状況に応じて支援を行うものと考えております。
 復興庁といたしましても、福島県の総合的な支援策が円滑に進むよう、被災者総合交付金を活用して、県内外の避難者への相談支援や情報提供、あるいはコミュニティー形成支援などを後押ししていきたいと考えております。こうした取組を通じて、避難者の方々が安心して生活を営むことができるよう支援してまいりたいと考えております。
○紙智子君 今、最後に質問したのは、住宅の無償提供が最大の支援だと、やっぱりそれを切られたら困るという、こういうことになるんじゃないか、最大の支援じゃないかというふうに聞いたんです。その御認識についてお願いします。
○国務大臣(高木毅君) 福島県が総合的な支援策をもって避難者の方々が安心して生活を営むようなことができるように支援してまいりたいと考えているところでございます。
○紙智子君 私は、福島県がやるのはもちろんやっていますけれども、国としてということを言いたいわけですよ。東京災害支援ネットが全国の広域避難者を対象にして二〇一四年の夏に実施した実態調査なんですけれども、それによりますと、避難世帯の七三%が生活費用にあえいでいる、負担が増えていることにあえいでいると、その平均増加額が月に七万九千四百七十円だというんですから約八万ぐらいだと。多くの支援団体はこういう調査をしているのに、政府としては全く把握しない、県がという話になるわけで、これでは本当に責任を果たしていると言えないんじゃないかと思うわけです。
 それで、もう一つなんですけれども、災害救助法で応急仮設住宅の供与は最長で二年三か月と。二年三か月もたてば一般的な恒久住宅の建設が可能だという理由からです。それからまた、特定災害特別措置法で一年を超えない期間ごとに延長が可能だということです。延長期間の定めは、しかしないと。このことを私はもっと自主避難者に情報として発信すべきではないかと思うわけですね。
 それから、みなし仮設住宅は建築基準法の基準を満たす通常の建物ですから、供与期間の二年三か月以上これは住み続けられる。仮設は無理ですけれども、みなし仮設について言えば二年三か月以上住み続けることは可能なわけです。
 自主避難者の要望に応えて、やっぱりこれ国がリーダーシップを発揮して特定災害特別措置法で応急仮設住宅の期限を延長すべきではありませんか。
○副大臣(松本文明君) 先生御指摘のとおり、災害救助法における応急仮設住宅の提供については原則二年となっております。そして、一年を超えない範囲で延長が可能となっているところであります。
 この延長協議というのは、救助の実施主体であります都道府県知事から国が協議を受けて、国が同意を行うという制度となっておりまして、これまでの延長協議におきましても、福島県において避難者の意向調査、市町村を訪問しての意見聴取等が行われ、その上で検討されたものと承知をしているところであります。
○紙智子君 福島の判断なんだということだと思うんですけどね。
 そこで、ちょっと防災副大臣と復興大臣にもお聞きしたいんですけれども、福島原発事故による放射性物質による被害というのは二年三か月で収まるというふうにお考えでしょうか。
○副大臣(松本文明君) 二年三か月で収まるかどうかということでありますが、到底収まることは難しい。したがって、五年間、今日まで延長を重ねてきた、そういうふうに承知をしているところでありますが、東日本大震災においては災害救助法に基づく応急仮設住宅の提供をしてきておりまして、福島県においては昨年六月に既に平成二十九年三月までの一律延長を決定をしているところであります。
 平成二十九年四月以降の応急仮設住宅の延長の可否につきましては、福島県において復興復旧状況等を見据えながら今後判断をされるものと、こう考えておりまして、国は、これまで同様、災害救助法に基づく救助の一環として福島県の意見をしっかりいただきながら適切に対応してまいります。
○国務大臣(高木毅君) 先ほど来申し上げておりますけれども、避難指示区域外からの避難者に対する平成二十九年四月以降の支援策につきまして、昨年十二月末、福島県が帰還・生活再建に向けた総合的な支援策を公表して、住宅の確保も含めて帰還や生活再建に向けた支援に移行するものと承知をいたしております。それを受けて、国としては、このような県の判断を踏まえて県の総合的な支援策が円滑に進むように、被災者支援総合交付金を活用いたしまして県内外の避難者への相談支援や情報提供、コミュニティー形成支援などを後押ししていきたいと考えております。
 また、住宅確保に関してでございますけれども、雇用促進住宅での受入れを関係団体に協力要請し、住宅の一部提供が行われることとなっているほか、国土交通省とも連携しながら公営住宅への入居円滑化の支援を行っておりまして、選択肢の一つとして本措置も御活用いただきたいと考えております。
 こうした取組を通じて避難者の方々が安心して生活を営むことができるように支援してまいりたいと考えております。
○紙智子君 防災副大臣は、今私が聞いた二年三か月で放射性物質の影響というのは収まると思いますかといったら、収まると思っていなかった、だから五年延長したという話があったんですけど、今、高木大臣はお答えになっていなかったんですけど、二年三か月でこれは収まるというふうに思っていたわけですか。
○国務大臣(高木毅君) ですから、いろんな形で自主避難者に対しても住宅等、あるいはほかの政策に関してもいろいろと対策を県も講じるし、あるいはまた、それに対しても国としても支援をしていくというふうにお答えをいたしております。
○紙智子君 ですからということは、収まらないんじゃないかという認識があったということですかね、そう捉えてよろしいんでしょうか。
○国務大臣(高木毅君) 繰り返しになりますが、しっかりとこれからも自主避難者、様々な形で生活をなさっていくわけでありますけれども、そうした方に県としてもあるいは国としても支援をしていくということでございます。
○紙智子君 聞いていることに直接答えられないんですけど。
 要するに、福島原発事故の直後、セシウム134の半減期は二年だと、137の半減期は三十年という、これは常識だったわけですよ。みんなそのことを分かっていたわけですよ。二年三か月で放射性物質による被害が収まるというふうに考えていたのかどうかということの、こういうことでいえば、大体みんなそういうことを分かっているわけですよ。
 災害救助法で仮設住宅を提供するのは必要なわけですよね、これはもちろん、延長も大事なわけだけれども。しかし、放射性物質による被害というのは二年三か月で収まらないというのが常識だったわけで、それなのに住宅の問題をこの災害救助法で対応し続けてきたというところに私、無理があったんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。──防災担当にしてください。
○副大臣(松本文明君) 先生、無理があったかどうかということでありますけれども、一年間延長できるという制度を使いまして今日まで延長を続けてきている。そういう意味では、住宅を提供するという一義的な使命は果たされている。そこに暮らす人たちの生活支援をいかにしていくかということについてはまた別の課題と、こう受け止めております。
○紙智子君 災害救助法で仮設住宅提供していくというのは、これは必要なことですよ。
 この応急仮設住宅の提供期限がなぜ二年三か月なのかと。これ、平成二十六年版の災害救助の運用と実務というところに、大規模な災害を除けば二年三か月の間に一般的な恒久住宅の建設が可能であることが、考慮の上で定めたというふうに解説しているわけですね。福島原発事故に伴う放射性物質による被害はまさに大規模な災害ですから、そこを除けばというところに入るわけですよ。
 こういう状況が分かっていたのに、集中復興期間の総括をまともに行わなかったんじゃないですか。子ども・被災者支援議連の要望もまともに聞かず、福島県に対応を任せてしまっていると。そういう意味では国の責任は大きいんじゃありませんか、復興大臣。
○国務大臣(高木毅君) 先ほど来放射能の話が出ておりますけれども、影響のあるところはいわゆる避難指示が出ている、そして、そうでないところは解除をしていくということでもありますし、自主避難という考え方もそれぞれあるわけで尊重しなきゃならないと思いますけれども、国としては避難指示区域等で区分けをしているというふうに考えているところでございます。
○紙智子君 私は、政府の責任は大きいと思うんですよね。
 政府の原子力災害対策本部は、昨年六月十二日に、避難指示解除準備区域、居住制限区域については、二〇一七年の三月までに避難指示を解除する方針を、方向を出したわけです。これに合わせるかのように、福島県は六月十五日に、二〇一七年四月以降、災害救助法に基づく応急救助から新たな支援策に移行するというふうに発表したわけですね。避難指示が解除されれば、これ災害救助法の対象にならないのは明らかなわけですよ。自主避難者を置き去りにした決定だと思います。
 放射能による被害というのは応急仮設住宅の供与期間内に収まらないことが分かっていながら、まともに総括も対策も打ち出さなかった国の責任は私は重大だと思います。復興を加速することは被災者を置き去りにすることでは決してないと。今からでも遅くはないと思いますので、直ちに自主避難者の意見を聞いて、よく聞き取って、引き続いて安心して住宅が確保できるように対策を打つべきではありませんか。
○国務大臣(高木毅君) 私ども、先ほど来、自主避難者に対してもいろいろな意向調査などをお聞きする、あるいは個別訪問などもさせていただいて丁寧に対応させていただく予定であるということは申し上げているところでございます。
○紙智子君 時間になりました。
 福島原発事故の責任は国と東電に、これは責任は国と東電にあるわけです。避難指示を解除するというのであれば、国は自主避難者と災害救助法の後の対策についても協議すべきだし、それもやらずに一方的な仮設住宅の無償提供の打切り方針は撤回することを求めて、質問を終わります。
○東徹君 おおさか維新の会の東徹でございます。
 東日本大震災から五年が経過したということで、なかなか復興がまだまだ道半ばという状況ということであります。多額の復興にはお金が掛かっておるわけでありまして、今回は除染の費用についてお聞きさせていただきたいというふうに思います。
 まず、除染費用の費用負担でありますけれども、福島第一原発における事故によって生じました除染費用、被害者への賠償金、中間貯蔵費用などについて、閣議決定によってその資金の回収スキームというものが定められておりますけれども、このスキームでは、除染費用二・五兆円、中間貯蔵費用一・一兆円、被害者賠償費用五・四兆円の合計九兆円が回収方法が定められておりますけれども、まず回収方法についてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。いわゆる九兆円の支援枠の回収方法についてのお尋ねでございます。
 平成二十五年十二月に、原子力災害からの福島復興の加速に向けてという閣議決定をさせていただいております。その中で、いわゆるまず賠償につきましては、これは全ての原子力事業者の一般負担金、それから事故を起こした原子力事業者、これは東京電力でございますが、これの特別負担金、これらによって回収をするということ、そして、お尋ねの除染費用相当分につきましては、いわゆる原子力賠償・廃炉機構、いわゆる機構が現在保有いたします東京電力の株式の将来的な売却益により回収を図ること、そして、中間貯蔵施設費用相当分につきましてはエネルギー対策特別会計からの支出により回収を図ること、こういった方針を定めさせていただいているところでございます。
○東徹君 この除染費用ですけれども、二・五兆円ということで、平成二十八年度予算でも〇・五兆円が組まれており、既にこれは二・五兆円を超えているのではないのかなというふうに思います。
 現時点で除染費用として今後どの程度掛かるというふうに見込んでおられるのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(高橋康夫君) お答え申し上げます。
 除染に要する費用でございますけれども、政府全体で平成二十八年度までに計上した予算の総額は約二兆五千九十四億円でございます。このうち、平成二十六年度末までに約一兆三千六十四億円が執行済みとなってございます。このほか、汚染廃棄物処理費用の予算の総額として約〇・五兆円を計上してございます。
 今後の費用の見込みでございますけれども、今後の労務費や資材費の動向、帰還困難区域の取扱い、あるいは中間貯蔵施設への搬入の見通し等に応じまして経費が変動いたしますことから、現時点で確たる数字をお示しすることは困難でございますけれども、平成二十九年度以降も、例えばモニタリングでございますとか仮置場の維持及び原状回復、あるいは除染廃棄物の減容化などに掛かる費用は必要となるという見込みでございます。
○東徹君 じゃ、二十八年度まででトータルで幾らなのか、それから今後見通される可能な限りの金額というのは幾らなのか、もう一度お願いします。
○政府参考人(高橋康夫君) 繰り返しになりますけれども、二十八年度までで申しますと、除染費用としては二十八年度計上分まで含めますと約二兆五千九十四億円、加えて、汚染廃棄物の処理費として約〇・五兆円でございます。
 今後の見込みについては、先ほど申しましたように、現時点で具体的な数字を申し上げることは困難でございます。
○東徹君 だから、要するに三兆円ということで、現時点で掛かるということだと思うんですけれども、元々二・五兆円と見込まれていたこの除染費用ですけれども、原子力損害賠償・廃炉等支援機構が保有する東電、東京電力の株を二〇三〇年代をめどに売却してその売却益を充てるというふうに想定されておりますけれども、この想定において国が想定している株価、幾らになるのか、確認させていただきたいと思います。
○政府参考人(多田明弘君) 株価についてのお尋ねでございます。
 東京電力株式の売却に当たりましては、新・総合特別事業計画におきまして、機構が二〇二〇年代半ばには一定の株価を前提に保有株式の売却を開始するということ、それから、二〇三〇年前半を目途に保有する全株式を売却するということとしております。
 市場への影響に鑑みまして、株価の水準に係るお答えは政府から申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○東徹君 株価を、市場に関わることを聞いておるわけではなくて、三兆円掛かって、この金はどうやって支払うかというと、東電の株を売却してこれに充てるということですから、ある程度、東電の株価が幾ら以上でないと費用が充てられないわけですよね。違いますかね。だから私はそこをお聞きしておるわけですけれども。
 現在の機構が保有する優先株式を普通株式に転換した場合、三十三・三億株、こうなるわけですけれども、機械的にこれ計算しますと、費用を仮に三・五兆円ということにした場合、三十三・三億株ですから、想定株価は一千五十円、一千五十円以上ないと支払が困難になってくるわけですね。
 今の東京電力の株価、四月十二日現在で五百八十九円ですよ、五百八十九円。ということは、仮に三・五兆円掛かったときには、今の株価では到底これ支払うことができないということになるわけですね。
 二〇三〇年代ということでありますから、そのときどうなっているかというのはこれ分からないわけですけれども、当然、そのときの株価が一千五十円よりも低いという可能性もこれあるわけですから、じゃ、そういった場合どうするんですかということを今から考えておかないといけないというふうに思うわけですが、そこはどのように考えておられるんですか。
○副大臣(高木陽介君) 今委員御指摘されたとおり、その千五十円で売らないと駄目だという場合に、今現在六百円を割っているという状況でございますが、逆に言いますと、その一千五十円を上回る可能性もあるわけでございまして、二〇三〇年代は。そういった中で、現在、これ御存じのとおり、福島復興の加速のための賠償、除染・中間貯蔵施設事業費用の回収に関する国と東電の役割分担、これについては平成二十五年十二月の閣議決定で整理がされました。
 この費用回収の方法は先ほど多田部長の方からも答弁がありましたけれども、この枠組みを進めるに当たって最も重要なのは、東電自らがしっかりとした改革をやっていくということであると思います。この二・五兆円の売却益出すことに関して、簡単なことではございませんけれども、現段階では、この二・五兆円の想定を下げるなどして東電の改革の速度を緩めるようなことがあってはならないと。
 このため、東電は、閣議決定を踏まえまして、新・総合特別事業計画に基づきまして、賠償、廃炉・汚染水対策など、福島への責任を果たしつつ、同時に、競争環境に対応していくために、これまでに例の見ない抜本的な経営改革に取り組んでいるところでございます。具体的には、電力システム改革を先取りした分社化、また、他社との包括的アライアンス等を通じて徹底的な経営改革を進めているところでございます。
 このような取組は、安定的な収益、収支の状況の実現及び企業価値の大幅な向上に資するものでありまして、しっかりと取り組んでいく、このように考えております。
○東徹君 いや、だから、これ一千五十円を超えた場合は問題ないと思うんです。そんなことは何にも心配ないわけですから聞く必要もないわけなんですけれども、下回ったときにどうするんですかということですし、これ今既に三兆円掛かっているわけですよ。当初二・五兆円だったでしょう。今これ三兆円で、またここから更に掛かっていくことが想定されているわけですよね、先ほどの答弁からいっても。
 じゃ、その場合、経営を改革してとか言いますけれども、それができない可能性もあるわけで、株がもし下がったときのために、じゃ、今から例えば利益を基金としてどこかに積んでおくとか、そういう備えをしっかりしておかないといけないんじゃないんですかということを確認させていただきたいんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○副大臣(高木陽介君) 今回の東電の支払の枠組みというのは、九兆円という枠がまずございます。除染に関しては二・五兆円という、こういう前提でやっておりますけれども、先ほど環境省の方からもお話がございましたように、今回の予算、二十八年度までということでお話がございましたけれども、それは現在、今進行形で行われておりまして、そういった中で、この除染だけではなくて、そのほかの中間貯蔵施設、さらには賠償の問題、これらを総合的に打ってその九兆円の枠組みをしっかり見ていくと、これがまず大前提でございます。
 その上で、委員御指摘のように、それを上回った場合、今後どうするかということは、そういった状況、まだ今現在はそこまでいっておりませんけれども、例えば帰還困難区域の見直しについて総理から指示がございました。この夏をめどにひとつ検討してまいりますので、そこの除染の在り方、またその費用負担の在り方等もこれからは考えていかなければいけないという問題でございますので、そういった部分では総合的に勘案して考えていきたい、このように考えております。
○東徹君 いや、ということは、二・五兆円を上回った場合、これは東電の株の売却益だけではなくて、じゃ、一般の負担金とか国からの支出とか、そっちから賄うということですか。
○副大臣(高木陽介君) 今の段階ではそういった検討はしておりませんけれども、将来的には、そういった問題ということが出てきた場合には検討していくということだと思います。
○東徹君 じゃ、次に質問させていただきますけれども、各省から東京電力へ汚染土壌の除染についての求償をしておるわけですけれども、各省の求償状況、これはばらばらでありまして、特に国土交通省、平成二十六年度に実施済みの約五兆円の事業費について、いまだこれは東京電力へ求償しておりません。
 国土交通省はこれ早急に求償していくべきと考えますが、この点についてはどうなっているのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(長谷川新君) 平成二十六年度以降に国土交通省が実施いたしました汚染事業に関しては、先生御指摘のとおり、特措法に基づき東京電力に対して求償を行うこととされております。
 現在、国土交通省内におきまして求償に向けた準備を進めているところでございまして、準備が整い次第、速やかに東京電力に対し求償を行う予定でございます。
○東徹君 いや、非常に遅いんですよ。これ、二十六年度の分ですよ。もう一年以上たっているんです。一年以上たっているのにかかわらず求償していないというのは、何かこれ、職務怠慢ですよ。これ、もう早急に、いつやるのか、ちょっとはっきり答えてください。
○政府参考人(長谷川新君) 現在、国土交通省内において適切に求償を遂行するための、私ども、二十六年度から始めたわけでございますけれども、私ども、省内の組織、いろいろ他省庁と異なって地方の所掌等もございまして、円滑かつ的確に進めるための事務処理要領を今急いで作っております。間もなくでき上がる予定でございますので、それができ上がり次第、速やかに求償させていただきます。
○東徹君 内閣府による緊急実施除染事業というのがありますけれども、これ平成二十三年度から二十六年度までの四年間で二千九十五億円の費用を掛けて実施して、もうこれ既に終わっています。しかしながら、今年三月末時点で東京電力への求償額五百三十七億円、求償率が二五・六%で止まっています。
 この事業終わってから一年以上これ経過しますけれども、これもなぜ求償が進んでいないのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(平井裕秀君) お答え申し上げます。
 緊急実施除染事業につきましては、平成二十三年八月二十六日の閣議決定に基づきまして、福島県及び市町村が行う除染特措法施行前の除染等の費用に充当するためこの事業が措置されたものでございます。まさに委員御指摘のとおりでございまして、実施済額が二千九十五億円であるのに対して、三月まで求償額が五百三十六億九千八百万円という状況でございます。
 この理由につきましては、これまで求償に際して関係自治体が行う書類の準備に時間を要していたところでございます。これに対しまして、昨年六月から東京電力において求償に必要な手続の簡素化を行ったために、これまでこの約一年間で相当程度進捗が高まってきておるところでございまして、今後この求償のペースを維持して進んでいくものというふうに考えているところでございます。
 いずれにしましても、引き続き速やかに必要な手続を行い、しっかりと求償を行ってまいりたいと存じます。
○東徹君 もう一年以上経過しているわけですから、早急にやっていただきたいと思います。
 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○中野正志君 日本のこころの中野正志でございます。
 現在、我が国は全国的に外国人旅行者が急増いたしております。特に中国人旅行者による爆買いなどの経済効果は計り知れないものはあります。平成二十七年、全国の外国人宿泊者数は六千百十八万人、震災前の平成二十二年の二千六百二万人と比較して二三五%に増加をいたしております。しかしながら、東北六県の外国人宿泊者数を見れば、震災前の平成二十二年の五十・五万人から比べて平成二十七年には五十一万人と、震災前の水準にようやく回復してきましたけれども、伸び率は全国最低であります。
 安倍総理は、ラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックを起爆剤に、二〇二〇年に東北地方の外国人延べ宿泊者数を現在の三倍となる百五十万人に押し上げることを目指して、平成二十八年を東北観光復興元年として位置付けました。
 そこで、東北の産業、正業の柱でもあります観光産業の復興を加速化させるためにどのように取り組んでいかれるのか。特に、七月の仙台空港民営化を契機にLCC等航空路線の拡充や受入れ環境の整備など、東北観光復興対策交付金などを活用し、国や東北各県と連携した取組を強化する必要が当然あります。観光庁長官の御決意を伺っておきます。
○政府参考人(田村明比古君) お答え申し上げます。
 今先生御指摘のように、訪日外国人が全国的に急増する中で、東北地方では昨年ようやく震災前の水準を回復したにすぎません。このため、今年を東北観光復興元年として、これまで以上に東北の観光復興に力を入れて取り組むこととしております。
 具体的には、今後五年間で海外の旅行会社やメディアなどを二千人規模で東北に招いて東北の魅力を大々的に海外に発信するとともに、日本初となる全世界を対象としたデスティネーションキャンペーンというのを東北をフィーチャーして行うこととしております。また、訪日外国人旅行者を地方へ誘客するための施策であります広域観光周遊ルートにつきまして、歴史文化や食など、テーマやストーリーに基づいて周遊できる具体的なモデルコースを策定して、コース上の魅力的な観光資源の磨き上げなどの地域の取組を重点的に支援してまいります。
 さらに、東北の観光復興を加速させるためには、県相互あるいは近隣市町村相互の連携を一層図っていくことが必要であるというふうに考えております。
 このため、今年度の予算において創設をいたしました地域からの発案に基づき実施する東北地方の観光復興の取組を支援する新たな交付金制度、東北観光復興対策交付金でございますけれども、これでは、その地域個別に行う取組のみならず、今例えば仙台空港のことをおっしゃいましたけれども、仙台市、それから名取市、あるいは岩沼市、それから松島だとか蔵王だとか、いろんなところを連携していく必要があるわけでございまして、そういう意味で、広域の観光案内所の設置、あるいは地域の路線バスや鉄道の共通フリーパスの造成など、県相互や近隣市町村が広域的に連携して行う取組に対しましても支援を行ってまいります。
 観光庁といたしましては、復興庁などの関係省庁、それから自治体との連携を強化いたしまして、この交付金を活用するなど施策を総動員することで東北の観光復興の加速化に全力で取り組んでまいります。
○中野正志君 是非そうしていただきたいと思います。
 東北観光復興対策交付金に関する要望書、東北観光復興対策交付金の創設及び東北復興観光プロモーション事業等に対する予算として五十億円を措置していただいたことは感謝申し上げます。東北各県です。しかしながら、現時点において、具体的なスケジュールや計画の策定方針、対象となる事業等の情報が明確でなく、このままでは事業予算案の県議会への提案が遅れ、事業の実施時期が年度後半にずれ込むおそれがありますと。計画の策定と交付金の交付を並行して行うこと、また、各県の実情に応じた柔軟な活用方法や東北観光推進機構との事業連携が可能となるなど、自由度の高い交付金となるよう制度設計について特段の御配慮をいただきますよう要望いたしますと、田村長官、ありますけれども、この要望どおりに進めるということで理解してよろしいですね。
○政府参考人(田村明比古君) 交付金の要綱はもう今週中にお出しをしますし、今御要望あったことをできるだけ沿ってやりたいと思っております。
○中野正志君 大変すばらしい御答弁をいただきまして、ありがとうございます。是非よろしくお願いを申し上げます。
 東北沿岸部被災地の基幹産業である漁業と水産加工業、大変な状況であります。津波で船が流され、漁港が沈下し、工場や機械が流されるなどして一定期間休業した事業者が当然多いわけであります。震災直後はハード面、船、漁港、市場、加工場の復興が目下の課題でありました。震災から五年という月日がたって、徐々にハード面の復旧が進んでいきます。その間失われていた販路を取り戻すのはハード面の回復よりも難しい現実もあります。
 水産庁が今年二月に公表した水産加工業者へのアンケート調査によれば、売上げが震災前の八割以下に回復したと答えた事業者は、あっ、八割以上ですね、失礼しました。岩手県六一%、宮城県六〇%、福島県二一%にとどまり、売上げが震災前の五割にも満たない事業者は、岩手県一六、宮城県一〇パー、福島県四三%でありました。販路の回復と開拓はいまだ大きな課題であります。
 水産加工における有効求人倍率は三倍台と高くなっておりますが、幾ら工場、ハードが復旧したとしても、そこで働く人を確保することは困難であるということにも目を向けなければなりません。
 水産加工業者が震災前の売上げを回復するためには、単に震災前の販路を回復するだけではなく、新商品の開発や新規の販路開拓が必要であります。これには、被災地の事業者のニーズを踏まえて積極的に関係省庁が民間と連携して取り組む必要があると考えますが、大臣の御決意はいかがですか。
 また、水産加工業者が生産を向上させていくためには、経営基盤の強化とともに、人材不足解消に向けての取組を更に強化していかなくてはなりませんが、大臣の御所見をお伺いしておきます。
○国務大臣(高木毅君) お答え申し上げます。
 水産加工業におきましては、八六%の施設で業務を再開しておりますけれども、売上金額はまだ震災前の七七%にとどまっておりまして、委員も御指摘いただきましたけれども、販路回復などのそういった支援が重要と考えております。
 このため、販路の回復等に向けまして、平成二十七年度に復興水産加工業等販路回復促進事業を創設して、平成二十八年度予算では大幅に増額計上いたしました。それで、個別指導、あるいはまた新商品の開発などを支援しているところでございます。また、安定的な雇用の場を確保するため、事業復興型雇用創出事業によりまして、被災県が指定するミスマッチ分野等に対して産業政策と一体となって生産の回復しない初期段階における雇入れ費用を助成していくところでございます。
 引き続き、関係省庁と連携しながら、被災地の事業者のニーズを踏まえつつ、水産加工業の再生に向けて支援してまいりたいと考えております。
○中野正志君 次に、福島第一原発の事故に伴う放射能物質の影響を懸念して、中国や韓国等、諸外国は日本の食品に対する検査、規制を残念ながら強化しております。特に近隣国、中国、韓国、台湾の規制は、宮城県の水産物輸出に大きな影響を与えております。
 こういった誤解や風評被害には、政府が先頭に立って、日本の食品、水産物の安全性について科学的な根拠と事実を示し、正確な情報発信による信頼性の回復と諸外国の輸入規制撤廃を求める働きかけが求められますが、大臣の御所見、いかがですか。
○副大臣(木原誠二君) お答え申し上げます。
 震災から五年が経過をしたわけでありますけれども、政府といたしましては、各国政府等に対しまして、今まさに委員から御指摘いただいたとおり、日本の農林水産物や食品の安全性について正確な情報を迅速に提供するということとともに、これまた委員に御指摘をいただきましたが、科学的根拠に基づき日本産食品等に対する輸入規制を可及的速やかに緩和、撤廃するよう働きかけてきているところであります。
 そして、こうした取組の結果、これまで計十七か国が規制を撤廃、また、平成二十六年四月以降、九か国・一地域、EUでありますが、が規制を緩和をしてございます。他方で、今まさに委員から御指摘いただいたように、中国、韓国、台湾を含む九か国・地域において輸入停止を含む規制が維持されております。
 したがいまして、私どもといたしましては、こうした輸入規制を維持している国・地域に対しまして、可及的速やかな緩和、撤廃に向けた働きかけをまさに政府が先頭に立って、そしてありとあらゆる機会、またレベルで粘り強く働きかけてまいりたいと考えております。
○中野正志君 なおさらの御努力をお願いをいたします。
 最後に、地震対策に関してお伺いします。
 東日本大震災では、東北地方の地盤、最大で約一メートル余り沈んだと言われております。ところが、宮城県石巻市の鮎川漁港では、一旦沈んだ港の岸壁が再び隆起し続けておって、この五年間で約五十センチも上昇したといいます。このことは、先日放映されたNHKスペシャルでも取り上げられておりました。
 GPS情報による地盤の移動データを大量解析するという現在の最先端の地震研究によると、プレートの下にあるマントルの動きがこのような地表の現象に影響を与えている可能性があること、そしてまた、これまでは一枚の塊と思われていたプレートが実は複数のブロックに分かれており、そのブロックの境目で大地震が発生している蓋然性が高いことが明らかになっております。
 巨大地震に備えるために、最新の研究技術では、GPSによる地盤情報を大量に収集し、スーパーコンピューターでビッグデータを解析するという手法があります。そのような最先端の知見なども活用した研究成果を基に、政府としてどのように国民の安心、安全対策を講じられていくのか、防災担当副大臣の御所見をお伺いします。
○副大臣(松本文明君) 先生の雄姿に触れて、勇気をいただくような気分でここに立たせていただきました。
 巨大地震から国民の命と財産を守るために、最新の科学的知見を活用し、防災対策を不断に見直していくことは大変重要であります。このため、学術的な観点から地震調査研究の収集、整理、分析を行う文部科学省の地震調査研究推進本部などの関係機関と連携しつつ、地震防災対策を推進しているところであります。国土地理院や大学研究機関などで行っているGPS衛星などを用いたGNSS観測は、地震や火山活動などに伴う地殻変動を検知することが可能であります。地震発生のメカニズムを解明する研究等に活用されていると承知をいたしております。
 科学技術イノベーションを標榜する安倍内閣といたしましては、今後とも、最新の科学的知見について関係機関ともしっかりと連携をしつつ、随時情報を収集して必要に応じて防災対策への活用を進めてまいりたいと、こう考えております。
○中野正志君 ありがとうございました。以上で終わります。
    ─────────────
○委員長(田中直紀君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、二之湯武史君が委員を辞任され、その補欠として長峯誠君が選任されました。
    ─────────────
○山口和之君 日本を元気にする会・無所属会の山口和之でございます。
 自分は、これまで本委員会で、いわゆる自主避難者への住宅の無償提供を来年三月で切るのではなくて、国の責任で支援を当面継続すべきと訴えてきました。意見を聞けば聞くほど、とても解決できるのかなというところがやはり自分の中で考えるところでございます。したがって、今までの回答ではちょっと不安が残るところであります。期限も迫っている中で、本日は別な角度から質問をしたいと思います。
 災害救助法による福島県の応急仮設住宅の入居戸数は、今年三月二十五日の時点で、福島県内外合わせて一万二千五百三十九戸、三万二千三百十二人。このうち県内の避難指示区域外で建設型の仮設に入居しているのは千八百八十五戸、四千八百二十人。この方々は来年三月末で応急仮設住宅の供与期間が終了します。にもかかわらず、様々な事情により入居を続けざるを得ない避難者が数多くいらっしゃいます。県は、災害救助法の対応から新たな支援策に切り替えて、帰還や生活再建に向けきめ細かく個別の相談に応じていくとしており、国はそれを財政面から支援するということになっております。しかし、それで本当に十分なんだろうかというふうに思います。
 福島県川内村は大部分が避難指示区域外だったんですけれども、郡山市内の仮設住宅に今も多くの避難者が暮らしております。高齢者の方が多く、インフラ整備がまだまだの川内村に帰るより病院や施設が近くにある郡山にいる方がよい、川内村の復興住宅に帰還して人間関係を一からつくり直すより仮設コミュニティーの方が居心地がよいといった方も多く見受けられます。先日、この川内村の方々が七十世帯、仮設住宅の終了に反対し、来年三月以降も仮設での生活ができるようにしてほしいと県に要望書を出したところです。
 仮設住宅は、本来、時限的、暫定的なもので、いつまでも仮設暮らしということはできないということを承知しつつも、なぜ避難者の皆さんが今の仮設暮らしがいいのかということをおっしゃっているのか、大臣はこの方々の気持ちについて御理解していらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(高木毅君) 福島県におきましては、既に避難指示が解除された方々、現に避難指示が出ている方々、あるいは避難指示区域以外からの避難者の方々など、置かれている状況は様々でございますけれども、いずれにしても、ふるさとを離れて避難生活を余儀なくされている、また避難生活を送る中で築いたコミュニティーも再び崩れるのかもしれないとの不安な気持ちを抱えていることは理解はいたします。そうした不安を抱えている方々や御自身では再建の計画が立てられない方々に対しては、住宅・生活再建の計画を御検討いただくに当たってきめ細かく支援していくことが重要であると考えております。
 復興庁としても、平成二十八年度に被災者支援総合交付金を大幅に拡充いたしまして、生活再建のための個別相談や住宅に関する情報提供など、円滑な住宅・生活再建のためのメニューを追加しているところでございます。また、福島県が先般取りまとめた帰還・生活再建に向けた総合的な支援策に対しましても、その支援策が円滑に進むよう、相談支援や情報提供、コミュニティー形成支援などを後押ししていきたいと考えております。
 避難者の方々が置かれている状況は様々でございますけれども、自治体と協力しつつ、それぞれの方が暮らしの見通しを立てられるように取り組んでまいりたいと考えております。
○山口和之君 ありがとうございます。もちろんそうだと思います。ただ、それが来年の三月で打ち切られる、様々な問題が解決できるのかというところにやはり不安が残るところなんです。
 郡山にいる仮設の方々の自治会のアンケートがございまして、そのアンケートの内容には、賛成、反対の理由は複数でも構いませんので挙げてくださいというところがありまして、そのところはもう数が多くて、これ言えないぐらいの数なんですけれども、かいつまんで少し抜粋して申し上げると、例えば、妹が施設に通っていて、体の具合も落ち着いているので今のまま過ごせたらいいです、六十歳の女性。車を運転しないので、バスは通ってほしい、バス停まで十五キロあるので何をするにも不便です、六十代男性。子供の病院と自分の仕事が不安です、三十代男性。二十八年の三月時点、帰ったとしても場所によって線量の高い場所もあるし、独り住まいも帰ったとしても不安です、七十歳男性。自宅は予算的に完全修復ができません、八十歳男性。農地は毎日のごとくイノシシに荒らされ、対策が全くありません、八十歳男性。川内村に戻っても、今の状況では生活が苦しい、六十歳の女性。病院に通うのが大変なので反対です、八十歳女性。川内村に戻ると友達に会えなくなる、八十歳の女性。子供たちと離れてしまう、六十歳の女性。独り暮らしでは不安、隣が遠いなど。収入が余りないのでアパートに引っ越しするのが難しい、五十歳男性。障害を抱えて村内で暮らせない。
 要望、希望がありますかという欄には、これにもたくさん書いてあるんですけれども、一人一人の状況が違うので猶予期間を設けていただきたいということが書かれております。
 だから、期間終了後も、仮設に入居する避難者の皆さんをくれぐれも追い出すようなことがあってはならないと思います。今後、生活のニーズが満たされないのに、出ていけということがあってはならないと思います。個人の事情に応じて柔軟に対応していただきたい。そして、ここが大事なところですが、県による個別の相談においても決して選択を無理強いするようなことがあってはならないと思います。
 このように考えるが、大臣の所見はどうでしょうか。
○国務大臣(高木毅君) 先ほどの御質問に答弁させていただいたところに一部重なるところもございますけれども、先ほど来申し上げているとおり、福島県では住宅の確保も含めて帰還・生活再建に向けた総合的な支援策を進めていくということをしておりまして、二十九年三月で仮設住宅の提供が終了される避難者の方々に対する住まいの意向調査を行っているところでございます。意向調査の結果、平成二十九年四月以降の住宅が決まっていない世帯等に対しては、今後さらに個別訪問も行いまして、恒久的な住宅への移行や生活再建について避難者のまさに個別具体の状況に応じて支援していくものと考えておりまして、復興庁といたしましても、福島県のそうした支援策が円滑に進むように、先ほど来申し上げているとおり、被災者支援総合交付金を活用して、県内外の避難者への相談支援、情報提供、あるいはコミュニティー形成支援などを後押ししていきたいと考えておるところでございます。
 また、避難指示が出された市町村を対象に福島県や各市町村と共同で民意意向調査を実施いたしまして、避難住民の帰還意向や公営住宅への入居意向等に関する情報を収集しているところでございます。
 避難者の方それぞれがまさに暮らしの見通しが立てられるように、自治体と協力しつつ、これからも丁寧に取り組んでまいりたいと考えております。
○山口和之君 期間のスパンが非常に来年まで短いと、その体制の中で様々なニーズに応えられるのかというところが非常にやっぱり不安なところです。いつまでも仮設住宅に残ってほしいなんということは全く思っていないわけで、その方々の不安が全てちゃんと解消できるのか、将来に、未来に自分たちの生活が明るいものがあるのかどうかということがやっぱり大事なことだと思います。是非そこの支援をお願いしたいと思います。
 例えば、仮設にいる人たちの次の生活に関するニーズに早く応えてほしいということを言っているんですが、移転先をあっせんしたり、転居をする、移転を支援する際に、例えばグループで復興住宅の移転など、これまでのコミュニティーをそのまま継続できるような体制とか、様々な考え方ができると思うんです。阪神・淡路大震災のときは孤独死というような言葉が生んでしまいました。くれぐれも個別の事情やコミュニティーの維持を大切にしながらじっくりと丁寧に進めていくよう、県、村、そして国、復興庁でのコミュニケーションを密に図って取り組んでいただくよう強く要望したいと思います。
 昔、病院は、治療が終わると出ていってくださいというのが当たり前だったんです。自分、病院に勤めていましたから、それが当たり前だと思っていたんですけれども、でも帰ったら生活ができない、どうしたらいいんだろうというところで、でもそれは治療が終わったんだからどうぞというふうになってしまいます。今は日本はそうではなくて、地域の中で安心して住めるように体制を一生懸命整備しようとしているところでございます。是非、この方々が幸せな暮らしをできるように、大臣を先頭に走っていただきたいなと思います。
 次に、観光についてお伺いしたいと思います。
 観光復興の予算を十倍に増やしていただいたことにとても感謝をしています。全国的なインバウンド急増の流れから東北は大きく取り残されている中で、総理の言う東北観光復興元年の内実をどうつくっていくのか、増えた予算を効果的に使うのか。復興庁の東北観光アドバイザー会議が近く報告書を出すと聞いておりますけれども、これまでの議論からおおよそどのような方向が打ち出されているのか、概要を伺いたいと思います。
○国務大臣(高木毅君) 先ほど来、東北の観光について御質問いただき、お答えもしているところでございますけれども、東北六県の外国人延べ宿泊数は風評被害の影響等によりまして全国的なインバウンド急増の流れから大きく遅れている、これは先ほど来答弁させていただいているとおりでございます。
 そこで、今年を東北観光復興元年として大幅に増額した平成二十八年度の観光復興予算では、一つには、インバウンドを呼び込む地域の取組の支援、東北観光復興対策交付金でございます。また、東北の魅力を海外へ発信していく訪日プロモーションなどを実施することとしております。三月十日には、総理から、東北の外国人宿泊者数を二〇二〇年には現在の三倍の百五十万人泊とすることを目指すという目標が示されたところでございます。根強い風評被害が残る東北にとりまして、外国人宿泊者数百五十万人泊は意欲的な目標となりますけれども、これまでの遅れを取り戻すためには高い目標を掲げて挑戦していくことも必要と考えております。
 観光復興予算をより効果的に活用するため、一月には東北観光アドバイザー会議を立ち上げて、東北の観光復興の課題と対応策について御議論いただいているところでございます。
 これまで四回の会議を行いまして、例えば、雪あるいは温泉などの東北観光のブランドイメージの創出、また広域的に連携したプロモーションの強化、あるいは仙台空港のゲートウエー化、また学びの場としての魅力の向上、こういったことについて活発な議論が交わされておりました。間もなく提言が取りまとめられることになっておりまして、東北観光復興の実現に向けて充実した提言をいただけることを期待しております。
 復興庁といたしましては、アドバイザー会議の提言も踏まえて、国土交通省等の関係省庁とも連携しながら、東北の観光復興を力強く進めてまいりたいと考えております。
○山口和之君 今いただきました、総理が二〇二〇年の現在の三倍である百五十万人のインバウンドを東北に呼び込むということです。東北六県の県知事はインバウンド百万人の目標ということで、この五十万人、もう景気がいい、威勢のいい話ですけれども、これ掛け声倒れにならないことを、目標に向かってそれ以上の進捗状況を得られるように、是非全力で闘っていただきたいと思います。
 時間が残っておりますけど、以上で終わらさせていただきます。ありがとうございました。
○山本太郎君 ありがとうございます。生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎です。
 世界に類を見ない原発事故を起こし、現在それを止める手だてはありません。東電原発事故の影響で高濃度に汚染された大量の廃棄物はどう管理されるべきか、この国の最高議会で議員を務められる皆さん、このことに関してどう考えていらっしゃるでしょうか。
 時間がございません、本日の質疑、端的な答弁をお願いいたします。
 福島県内における除染等により生じた除去土壌等及び事故由来放射性セシウムにより汚染された廃棄物の総発生見込み量を教えていただけますか、お願いします。
○政府参考人(高橋康夫君) お答え申し上げます。
 福島県内の除染等の措置により生じた除去土壌等及び放射性セシウム濃度が一キログラム当たり十万ベクレルを超える廃棄物の発生量は、約一千六百ないし二千二百万立方メートルと推計してございます。これらの除去土壌等を中間貯蔵施設に搬入することとしてございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 立方メートルと言われても、ちょっとぴんときませんよね。二千二百万立方メートル、東京ドーム約十八個分、東京ドーム十八個分の超高濃度の汚染物質が存在すると。これら除染により発生した除去土壌の汚染度を下げていこうじゃないか、そして再生利用、リサイクルするというような計画が現在進んでおります。
 平成二十七年十二月二十一日、中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略検討会第二回目、井上副大臣の御発言です。除去土壌等を再生資源化して再生利用量を増やし、最終処分量を減らすことが非常に重要だと考えております、この御発言なんですけれども、丸川大臣、この再生利用の目的というのは、最終処分のときを考えて廃棄物の総量を減らすことが一番の目的、それが必要だということでよろしいでしょうか。そうであるか、そうでないか、短い回答いただけると助かります。
○国務大臣(丸川珠代君) 中間貯蔵開始後三十年以内の福島県外での最終処分に向けて最終処分量を減らすことが重要だと考えております。
○山本太郎君 これ、もう廃棄物が余りにも多かったからという話ですよね。この廃棄物量が元々少なければこの再生利用というのは必要なかったという認識でよろしいですか、丸川大臣。これは通告していませんけれども、今思い付きました。
○国務大臣(丸川珠代君) 廃棄物の量は今後も変動し得るものでございますので、そのこととは別として、最終処分量を減らすための減容化技術の開発、またその処理を進めることが重要であると考えております。
○山本太郎君 済みません、再生利用についてお聞きしているんです、減容化ということじゃなくて。
 量が余りにも多過ぎるばかりに、最終処分のときを考えたらこの元の量を減らさなくちゃいけなくなったというお話ですよね。ということは、であれば、元々の数がもっと量が少なければこれ再生利用する必要はなかったんだというお話ですよね。いかがですか。
○国務大臣(丸川珠代君) 最大二千二百万立方メートルと推計されておりまして、この件については、済みません、減容処理というのは分級、再利用を指しておりますので御理解をいただければと思いますけれど。
 いずれにいたしましても、最初にどのような量であったかということは別として、最終処分に向かって量を減らすことは重要であると考えております。
○山本太郎君 全く答えていただいていなかったですね、今のは。
 原子力施設内といいますか原発施設内では、原子炉等規制法に基づく再生利用、つまりリサイクルする場合ですよね、基準が存在しているんだよ。いわゆるクリアランス基準というやつですよね。
 原子力規制庁、セシウムだけでいうと一キロ当たり何ベクレルですか。
○政府参考人(青木昌浩君) お答えします。
 原子力発電所等で使用しました資材等につきまして、放射性物質の放射能濃度が原子力規制委員会規則で定める基準を超えない場合には、核燃料物質によって汚染されたものでないものとしまして、再利用又は一般の廃棄物と同じ扱いにより処分することを可能としております。
 御質問のありました放射性セシウムにつきましては、原子力規制委員会規則におきまして、仮にセシウム137が単独で存在する場合、一グラム当たり〇・一ベクレル、すなわち、一キログラム当たりに換算しますと百ベクレルということになってございます。
 この値の考え方ですけれども、国際原子力機関の安全指針の考え方にのっとりまして、再生利用を行う場合も含めて被曝経路を評価し、人体への影響が一年間当たり十マイクロシーベルトを超えないような値として算出しているところでございます。
○山本太郎君 たっぷりと説明していただきました。
 原子炉等規制法では、一キロ当たり百ベクレル以下だと。そうしたら再生利用できる。コンクリートを建築資材、金属を公園のベンチなど、再生利用できるよというお話でした。
 環境省、時間がないので、長い説明御遠慮ください。数字の確認のみです。
 先ほどの検討会で、一キロ当たり何ベクレル以下であればリサイクル、再生利用可能になりましたか。どういうふうに決まりましたか。その数字だけ教えてください。
○政府参考人(高橋康夫君) 先日、三十日の検討会ではまだ具体的なレベルを決めたわけではございません。
 ただ、この再生利用の対象とする除去土壌の濃度レベルを一キログラム当たり八千ベクレル以下とする原則をお示しをしたということでございまして、この原則の下で、今後、具体的な用途ごとに追加被曝線量の評価を行いまして、最終的に再生できる資材の濃度レベルを設定するということで結論をいただいてございます。
 この方向に沿って今後検討を進めてまいりますので、現在検討中ということでございます。
○山本太郎君 検討中も何も、原則決めたとおっしゃったじゃないですか。一キロ当たり八千ベクレル以下はリサイクルする方向。まあほかにも事細かにあるだろうけれども、その数値は後で決めていく。だから、最高値は決まっているんですよ、八千ベクレル以下だということはね。
 東電原発事故後、一キロ当たり八千ベクレル以下は、環境省が言うところの廃棄物を安全に処理するための基準、そうなりましたよね。一般廃棄物にされちゃったんですよ。そのルールでは、これらは一般廃棄物として最終処分場に埋められるはずなんですよね。掘った穴に直接捨てるような最終処分方法にももちろん問題はありますけれども、今回の環境省の変更はそれらがかすんでしまうほどの大問題。一キロ当たり八千ベクレル以下を再生利用できる基準に変えてしまう、しかも省令でという驚きの話。
 現在、環境省で話が進められている再生利用、リサイクルの話は、たとえ十万ベクレルを超える高濃度に汚染されたものであっても、一キロ当たり八千ベクレル以下まで汚染を下げれば再生利用できるよう、リサイクルできるようかじを切ったよという話なんです。
 再生利用の基準は、原子炉等規制法では一キロ当たり百ベクレル以下、そして今回の再生利用の基準は一キロ当たり八千ベクレル以下。再生利用、リサイクルの基準、八十倍も緩くなっているじゃないですか。原発敷地内の再生利用の基準よりも原発の敷地外に放出された放射性物質により汚染された廃棄物の再生利用の基準が八十倍も緩くなるなんて、これ悪い冗談ですよね。
 これは人間に対する安全基準も同じく、理不尽に緩められた過去があります。事故前は年間一ミリシーベルト以内に被曝を抑えるだったはずが、事故後、二十ミリシーベルトでもオーケーになった。今は事故直後じゃないんですよ、緊急時ではないんです。なのに、住民に二十ミリシーベルト、放射性廃棄物の再生利用は八千ベクレルというのは正気じゃないですよ、これ。不条理の極みというんですよ。この国に生きる人、原発事故以降、被曝に二十倍強くなりましたか。再生利用の基準が八十倍緩くなっても問題ありませんという進化遂げたんですか。
 環境省、東電が原発事故を起こした福島県内での再生利用の基準、事故後、三千ベクレル以下でした。これは、復興の資材などで使いたいという福島県からのリクエストが緊急時としてあったからですよね。では、今回の再生利用基準、一キロ当たり八千ベクレル以下、どの自治体からのリクエストがあったんですか。なかったらないと簡潔にお答えください。
○政府参考人(高橋康夫君) 自治体から、除去土壌の再生利用に当たりましての基準として一キログラム当たり八千ベクレル以下という御要望はいただいてございません。ただし、除去土壌の再生利用についてその考え方を明らかにすべきという御意見はいただいております。
○山本太郎君 現在は事故直後、緊急時でもないのに、全国で八千ベクレルで再生利用を進める異常さを是非皆さんに考えていただきたい話なんです。リサイクルしても大丈夫なものですよという話からスタートしていないんですよ、これ。最終処分の全体量を減らすために再生利用の安全基準を自分たちの御都合で緩めようとしている。原則は決めたっておっしゃいましたよ。好き勝手やり過ぎじゃないですか、これ。
 資料一の四ページ目。この際、再生利用先の創出や社会的受容性向上のために利用者に対するインセンティブが不可欠であるって書いてあるんですよね。インセンティブって、これもうそのまま辞書で引くと、やる気を起こさせる動機付け、見返り、奨励金、報奨金などとありました。つまり、汚染土壌を受け入れる見返りが必要だという話ですよね。汚染を下げても、汚染土壌は汚染土壌なんですよ。幾ら全国で使ってくださいと言ったとしても、自治体は受け入れるメリットないんです。だから、全国に補助金というニンジンをぶら下げて、手を挙げた自治体に入れてもらうと、事実上、全国を最終処分場にするようなばらまき方で物事を進めようとしている。
 資料の一の一ページ目、下の方。世界的にも前例のないプロジェクトを成功に導くためにとあります。当たり前じゃないですか。ここまでの非人道的国家プロジェクト、やってのける先進国なんて存在しませんよ。これが許されるような国であるならば、それはもう国ですらない。国のふりをした悪質な産業廃棄物業者ですよ。これが実行されれば、当然世界的にも前例のないプロジェクトになることは間違いありません、悪い意味で。
 放射性物質は安全ではない、だからこそ閾値はない、だからこそ原発は五重の壁で守っている、電力会社はこのように安全の根拠を説明してきた。しかし、そこから漏れ出し、ばらまかれた毒物によって汚染されたものを、緊急時に福島県にのみ緩和された基準をはるかに超える新基準で再生利用。
 上から何かかぶせて遮蔽すればいいんだ、空間線量が下がるから問題ないという話がこれどんどん進んでいったら、将来どうなります。どんな高濃度に汚染されたものでも空間線量が低くなるように遮蔽の幅を広げていけば再生利用できるという可能性生まれてくるんですよ、広がっていくんですよ。これ、だって、国会審議要らないんでしょう。省令だけで変えられるんですもんね。
 汚染土壌に土をかぶせる、覆土をして遮蔽すれば放射線量が下がって問題ないって。これ、津波来たらどうなります。防災林とか言っていますけど、海岸線の。それだけじゃないです、雨もありますよね。そのほかにもある。浸食されたらどうなる、汚染土壌が水と融合して地下水に結び付く、農地や生活圏に流れ出る可能性、考えていないんですか。考えているんですよ。
 第一回目の検討会では、資料の中で、検討、評価の部分で、地下水溶出経路による内部被曝について安全評価を実施と触れられています。こういう安全評価をするワーキンググループ、存在するんですか、しないんですか。その二択でお答えください。
○国務大臣(丸川珠代君) 御指摘の検討会、これは中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略検討会でございますが、この検討会の下に、除去土壌等の再生利用における追加被曝線量の基準等の素案について検討することを目的といたしまして、放射線防護、放射線管理などの専門家から成る除去土壌等の再生利用に係る放射線影響に関する安全性評価検討ワーキンググループを設けております。
○山本太郎君 ワーキンググループがあるということですよね。ありがとうございます。
 じゃ、今日までに何度このワーキンググループで話合いが行われたか、教えてください。回数だけで結構ですよ。
○政府参考人(高橋康夫君) 御指摘のワーキンググループにつきましては、これまでに四回開催をしてございます。
○山本太郎君 議事録、メモ、残っていますか。簡潔に教えてください。
○政府参考人(高橋康夫君) 議事メモは作成をしてございます。
○山本太郎君 うちの事務所から公開するように要求したんですけど、非公開のワーキンググループなので公開しないと言われたんですよ。真っ当な議論をしているんだったら黒塗りなしで出してくださいよって。これ、何考えているんですか。ひょっとして特定秘密にするおつもりでしょうか、丸川大臣、この件に関して。丸川大臣ですよ。あなた、答えられないでしょう、だって。
○国務大臣(丸川珠代君) 議事メモを含む資料を非公開扱いとしていることについては、委員による率直な意見交換や確保を促進するため、また、検討段階の未成熟な情報や内容を含んだ資料を公にすることによって誤解や混乱を生む可能性もあるということで非公開扱いとしておりますが、このワーキングループにおいて検討がなされた結果については、公開で開催をしております親検討会で更に議論をしていただくことになっております。
○山本太郎君 親検討会に行く頃には随分煮詰まった話になりますよね。それだけじゃなく、今言われた言い訳、それは全ての事柄につながっているんですよ。結局、全部結果が出てから話合い、もうそこを変えられない状態になっているじゃないですか。
 幅広い国民の理解の下、そういうふうにずっと言い続けているけど、表向きには言いながらも、その中身は見せない。幅広い国民の理解、どうやって得るつもりなんですか。無理ですよ、これ、理解しようがないもん。
 委員長、是非この安全性評価ワーキンググループでの議事録、メモを公開するように、お取り計らい、よろしくお願いいたします。
○委員長(田中直紀君) 後刻理事会において協議いたします。
○山本太郎君 全国へのばらまき、基準の緩和を大々的に決めるのが先ですよ。安全性評価のワーキンググループの議論は非公開、一番大切な安全性については公開できないってどういうことですか。しかも、この国に生きる人々の暮らしに関わる重要案件ですよ、これ。国会審議の必要ないんですって。ガス抜き程度のネットのパブコメでお茶濁して、省令で変更できてしまうというこの法律の作り方、何なんでしょう。これ、環境省を中心とする計画的犯行であることがうかがえますよ。何年スパンで考えてやっているんですか、これ。結構長い期間にわたって考えられていますよね。誰が絵を描いているのかという話ですよ。
 このような横暴を、一応、民主国家という体で運営されています。この国で行うことって許されていいんですかね。人々の理解を得る気が本当にあるんだったら、最大限の情報開示、よろしくお願いいたします。
 質問を終わります。
○渡辺美知太郎君 無所属の渡辺美知太郎です。
 まず、東北の観光復興について質問をさせていただきます。
 先月の十一日で東日本大震災から五年を迎え、十年の復興期間の折り返しを迎える本年を東北観光復興元年とし、全国的な外国人観光客急増の流れから遅れております東北の観光復興に向けた取組を強化し、観光復興関連事業の予算を、平成二十七年度の当初予算五億から平成二十八年度の予算を五十億に増額したという点については評価をしております。
 復興に対する一番の支援は被災地に人が訪れることだと考えております。東北に人が訪れ、現地でお金を使うことが産業やなりわいの再生に最も有効的であり、観光復興は風評被害を払拭することにもつながります。
 そこで、まず高木大臣に伺います。
 東北観光復興元年を掲げた復興庁の今後の取組について、大臣から御説明いただけますでしょうか。
○国務大臣(高木毅君) 東北六県の外国人延べ宿泊数は、風評被害の影響等によりまして、全国的なインバウンド急増の流れから大きく遅れているのが現状でございます。そこで、今年を東北観光復興元年として、大幅に増額をした平成二十八年度観光復興予算では、インバウンドを呼び込む地域の取組の支援、東北観光復興対策交付金、また東北の魅力の海外への発信、訪日プロモーションなどを実施することといたしております。これらの予算をより効果的に活用するため、一月には東北観光アドバイザー会議を立ち上げて、東北の観光復興の課題と対応策について御議論をいただいておりまして、間もなく提言を取りまとめていただく見込みでございます。
 また、三月十日には総理から、東北の外国人宿泊者数を二〇二〇年には現在の三倍の百五十万人泊とすることを目指すという目標が示されました。根強い風評被害が残る東北にとって外国人宿泊者数百五十万人泊は意欲的な目標ではございますけれども、これまでの遅れを取り戻すためには高い目標を掲げて挑戦していくことも必要だと考えております。この目標の実現に向けて、復興庁としては、アドバイザー会議の提言も踏まえまして、国交省等関係省庁と連携しながら東北の観光復興を力強く進めてまいりたいと考えているところでございます。
○渡辺美知太郎君 大臣から御答弁いただきました。
 私の地元は、福島県のすぐ隣の栃木県であります。栃木県もいまだにやはり風評被害というものが残っております。是非、被災地におけるこの風評被害の払拭、大臣には御尽力いただきたいとお願いを申し上げます。
 それでは、個別の事業について伺ってまいります。
 まず、大臣の委任に基づき設置されました東北観光アドバイザー会議について伺います。
 有識者を集め、観光復興についてこれまで何度か会議が行われたと思っておりますが、この会議の設置の趣旨と、これまでどのようなことが議論をされて、どのような意見が出ているのか、まず伺いたいと思います。
○国務大臣(高木毅君) 先ほど申し上げましたけれども、東北の外国人宿泊者数は全国のインバウンド急増の流れから大きく遅れております。被災地の復興はまだ道半ばではございますけれども、観光の復興は早期に手を打つ必要があると考えまして、今年を東北観光復興元年として大幅に予算も増額したと、先ほど申し上げたところでございます。
 この観光復興予算を効果的に活用するため、この東北観光アドバイザー会議メンバーには、前の観光庁の長官あるいは東北の広域観光の振興を担う東北観光推進機構、海外の市場を熟知する旅行会社あるいは被災地の声を伝える地元の旅館のおかみさん、そういった方々で東北の観光に造詣の深い専門家の皆様にお集まりいただいて、東北観光アドバイザー会議を今年の一月に立ち上げていただいたところでございます。
 東北の観光復興の課題と対応策の方向性について、東北六県の観光部局やあるいは観光関連の民間事業者、被災地の皆様からの御意見を伺いながら検討が進められているところでございまして、これまで四回の会議を行っていただきました。
 例えば、雪、温泉などの東北観光のブランドイメージの創出、また広域的に連携したプロモーションの強化、仙台空港のゲートウエー化、学びの場としての魅力向上などについて活発な議論が交わされてきました。間もなく提言が取りまとめられることになっておりまして、東北の観光復興の実現に向けて充実した提言をいただけるものと期待をいたしておりまして、復興庁といたしまして、アドバイザー会議の提言も踏まえて、国交省等の関係省庁と連携しながら東北の観光復興を力強く進めてまいりたいと考えております。
○渡辺美知太郎君 是非、議論を経て出てきた提言に基づいて、大臣自らが先頭に立っていただいて、東北の観光復興を成し遂げていただきたいと思います。
 次に、福島の観光復興について伺います。
 観光復興といいますと、インバウンドへの支援ばかりが注目をされていますが、風評被害の影響が大きい福島県については、国内観光振興や教育旅行、これにつきましても支援が必要な状況だと考えております。
 今回は教育旅行について伺います。
 福島県の教育旅行は、震災前の約六十七万人に対して平成二十六年は三十五万人と少しずつ回復はしていますが、震災前の半分程度にとどまっております。これについて、復興庁がまず先頭に立っていただいて、積極的に関係省庁に働きかけていただき、福島の教育旅行を増やしていく必要があると思っておりますが、復興庁としてはどのように取り組んでいくのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(吉田光市君) お答え申し上げます。
 福島の観光の現状でございますが、インバウンド、教育旅行共に震災前のまだ五割の水準ということで、委員御指摘のとおり厳しい状況が引き続き続いていると、私どももそのように認識してございます。
 このため、福島につきましては、早期の観光復興を最大限に促進するため、福島県が実施する風評被害対策や観光関連事業に対しましてこれまでも支援を行ってきたところでございます。教育旅行につきましても、文科省や観光庁と連携いたしまして教育旅行誘致の働きかけに取り組んできているほか、復興庁の交付金で造成した基金を修学旅行のバス代補助などで御活用いただいているところでございます。
 さらに、来年度は東北の観光復興のための予算を大幅に増額したところでございます。特に福島県につきましては、インバウンドに加えまして教育旅行や国内観光振興についても引き続き支援するということとしているところでございます。
 東北観光アドバイザー会議の提言も踏まえまして、国交省等の関係省庁とも緊密に連携をいたしまして、福島の観光復興にしっかりと取り組んでいきたいと考えてございます。
○渡辺美知太郎君 関係省庁との連携、これは復興庁がしっかりと中心になっていただいて、教育旅行についても御支援をお願いしたいと思っております。
 次に、東北観光復興対策交付金について伺います。
 東日本大震災の風評被害が残る東北地方に外国人観光客を呼び込むため、イメージ改善に取り組む自治体を支援する東北観光復興対策交付金を創立し、観光復興のプロモーション費用と合わせ約四十億円の予算を計上しています。そのうち、独立行政法人国際観光振興機構への交付金が十億円ありますが、機構に任せる東北ブランド強化の事業が行政ニーズと乖離しないよう、復興庁としてはどのようにマネジメントを行うのか、また効果の検証をどのように行うのか、復興庁に伺いたいと思います。
○政府参考人(吉田光市君) お答え申し上げます。
 平成二十八年度に大幅に増額いたしました観光復興関連予算につきましては、執行官庁である国交省やJNTOに効果的に御活用いただくため、先ほど申し上げましたとおり、東北観光アドバイザー会議を設置いたしまして、現在、その観光復興の方向性について御議論いただいているところでございます。また、今後、東北の観光の振興を考えていく上で広域に連携したプロモーション、これが非常に重要だというふうに考えてございます。そのような中にありまして、JNTOの果たす役割も大変重要なものがあるというふうに考えてございます。
 間もなく提言が取りまとめられる予定でございます。提言の内容に沿って戦略的かつ効果的に観光復興予算を執行してもらえるよう、復興庁といたしましても国交省やJNTOに働きかけを行っていきたいというふうに考えてございます。また、執行官庁である国交省とも緊密な連携を取りながら、事業の実施機関を通じまして予算の有効な活用が担保されるよう、そういった取組も併せて進めていきたいというふうに考えてございます。
○渡辺美知太郎君 今御答弁の中に広域とおっしゃいましたが、まさに広く本当に国内、国外の風評被害、この対策をしっかり行っていただきたいと思っております。
 今日は観光庁にもお越しをいただいておりまして、観光庁の立場から、今回のこの東北ブランド強化の事業、このマネジメントや効果の検証についても観光庁としてどのように連携を取っていくのか、今日はちょっと伺いたいと思います。
○政府参考人(古澤ゆり君) お答え申し上げます。
 JNTOが行います東北観光復興プロモーションにつきましては、先月策定されました明日の日本を支える観光ビジョンや、間もなく取りまとめられる予定であります東北観光アドバイザー会議の提言などを踏まえ、観光庁において外部のマーケティング専門家の知見を活用しつつ方針を定めることとしております。こうした方針に沿ってJNTOが事業を実施し、そして実施された事業につきましては観光庁及び外部のマーケティング専門家によって効果の確認を行うこととしております。
 観光庁としては、東北観光復興プロモーションが効果的に実施されますよう、PDCAを確実に管理してまいりたいと考えております。
○渡辺美知太郎君 復興庁、観光庁におかれましても、しっかりとマネジメントをしていただいて、そして効果の検証もしっかりとお願いをしたいと思っております。
 次に、新しい東北について伺います。
 ハード面での復旧は進みつつありますが、ソフト面での復興というのもまだまだ改善の余地があると思っております。復興にはソフト面での充実がこれから重要になってくると私は思っております。
 そこで、高木大臣が掲げます産業、なりわいの再生には民間が積極的に関わる必要があり、民間の人材やノウハウを積極的に活用してこそ新しい東北をつくり上げることになると考えております。
 そこで、新しい東北の基本的な考え方を伺いますとともに、あわせて、民間のノウハウの活用と民間の連携をどのように行っていくのか、高木大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(高木毅君) 新しい東北の考え方、また民間ノウハウの活用の進め方というような話でございますけれども、まず新しい東北とは、復興に当たりまして、原状復帰にとどまらずに、人口減少だとかあるいは高齢化、産業空洞化など、全国にも共通する地域課題を抱えている被災地、これを課題解決先進地にしていくというのを目指すということだというふうに思っております。
 そのためには、委員御指摘でございますけれども、民間のノウハウというものを最大限に活用することが必要でありまして、これまで、大学だとか企業、NPOなどの民間による新たな挑戦に対して立ち上げ支援やあるいは情報発信などを行ってきたところでございます。
 東北における交流人口の拡大等を進める上でも民間のノウハウの活用はもう大変重要であると認識をいたしておりまして、今後とも、先進的な取組を行っております関係者による交流会の実施、あるいはまた支援活動のウエブサイトへの掲載などを通じて、交流、連携の促進に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○渡辺美知太郎君 日々、高木大臣におかれましては現場主義を貫いておられると伺っております。これからも現場主義を貫いていただいて、被災者の方々の目線で一日も早い産業、なりわいの再生を実現していただけるようお願い申し上げまして、私からの質問を終えたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(田中直紀君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時五十七分散会