第192回国会 内閣委員会 第10号
平成二十八年十二月十二日(月曜日)
   午後一時一分開会
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   委員の異動
 十二月九日
    辞任         補欠選任
     朝日健太郎君     足立 敏之君
     山東 昭子君     進藤金日子君
     徳茂 雅之君     青山 繁晴君
 十二月十二日
    辞任         補欠選任
     岡田 直樹君     小野田紀美君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         難波 奨二君
    理 事
                上月 良祐君
                高野光二郎君
                相原久美子君
                西田 実仁君
    委 員
                足立 敏之君
                青山 繁晴君
                有村 治子君
                江島  潔君
                小野田紀美君
                岡田 直樹君
                岡田  広君
                進藤金日子君
                豊田 俊郎君
                和田 政宗君
                神本美恵子君
                矢田わか子君
                里見 隆治君
                田村 智子君
                浅田  均君
                山本 太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
   参考人
       大阪商業大学総
       合経営学部教授  美原  融君
       弁護士      渡邉 雅之君
       日本弁護士連合
       会多重債務問題
       検討ワーキング
       グループ座長
       弁護士      新里 宏二君
       静岡大学人文社
       会科学部教授   鳥畑 与一君
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  本日の会議に付した案件
○特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法
 律案(衆議院提出)
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○委員長(難波奨二君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、朝日健太郎君、徳茂雅之君及び山東昭子さんが委員を辞任され、その補欠として足立敏之君、青山繁晴君及び進藤金日子君が選任されました。
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○委員長(難波奨二君) 特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、四名の参考人から御意見を伺います。
 本日御出席いただいております参考人の方々を御紹介いたします。
 大阪商業大学総合経営学部教授美原融君でございます。
 弁護士渡邉雅之君でございます。
 日本弁護士連合会多重債務問題検討ワーキンググループ座長・弁護士新里宏二君でございます。
 静岡大学人文社会科学部教授鳥畑与一君でございます。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様には忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 議事の進め方でございますが、美原参考人、渡邉参考人、新里参考人、鳥畑参考人の順にお一人十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手していただき、その都度委員長の許可を得ることになっておりますので、御承知おきください。
 なお、参考人及び質疑者共に御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず美原参考人にお願いいたします。美原参考人。
○参考人(美原融君) 大阪商業大学の美原でございます。
 本日は、IR並びにIR法案に関しまして私の思うところを意見を述べさせていただく機会をいただきまして、ありがとうございます。
 まず、IR法案でございます。
 マスコミではカジノ法案と言っていますが、これはIR推進法案、IRとカジノ、カジノを含むIRというのは実は全く別の考え方でございます。これをちょっとまず最初に御説明しようかと思います。
 IRとは、既にこの審議の中において様々御議論されたことでございますが、会議場、展示場などMICE施設、あるいは宿泊施設、劇場などのレクリエーション施設、飲食施設、あるいはショッピングモール、カジノなどを一体として整備して運営する施設をいいます。一体として整備するということが極めて重要でございます。
 大都市の場合、数千億円あるいはそれ以上にわたる民間の投資を要求することになると思います。もちろんこれは、税を使わない地域振興あるいは地域再開発の一つの方法でもあるわけです。大都市の場合、巨額な投資を必要とするとともに、恐らく数十万平米以上の展示場、あるいは一万人以上を収容できる会議室、こういったものが恐らく自治体の意向によって必置施設になるのではないかというふうに想定されているわけでございます。これのみで直接雇用は数万人を下らないかもしれませんです。あるいは、我が国にはいまだに存在しない施設という形で注目を集めるアイコニックな施設整備になるのではないかというふうに考えられているわけでございます。
 ビジネス客、観光客あるいは地元客、こういった様々な機能を集約しながら多くの顧客を集約して消費のシナジーを獲得する、こういったものが一つの大きなポイントでもあるわけです。カジノはその一つの要素で、かつ収益のエンジンとなり得る施設でございますが、IRはカジノに来る顧客のみで成立しているわけではございません。考えてみてください。一万人の会議室あるいは数万人のコンベンション、こういったものを都度開催して、たくさんの内外の観光客あるいはビジネス客を招致しない限り、この施設そのものの採算が合わないわけでございます。そういった意味においては、ビジネス、観光、エンターテインメントという機能の集約化は内外の多様な来訪客を集めることを可能にするわけでございます。にぎわいの創出というものは消費のシナジーをもたらすことができる。
 この経済効果というのは、まず第一に巨額な民間資金による建設資金需要でございます。また、単一施設でも、間接雇用を含めますと数万人の雇用を確保することができるとともに、これがもたらす財・サービスの消費あるいは税収、こういったものが観光振興、地域振興、地域経済活性化に貢献する施設群になるということが想定できるわけです。また、施設がもたらす効果とは、それとともに、スピルオーバー効果と申しますが、その施設以外にも様々な効果をもたらすことが想定できるわけでございます。
 さて、一国で新しいカジノ施設、新しい賭博種であるカジノをその中に包含するIRを実現する場合、恐らく、従来充足されなかった需要を満たすことになりますので、カジノだけでも本来一定期間成功を収めることが想定できるわけでございます。ただし、カジノ単体施設ないしはカジノ単体若しくはホテルの組合せというのは、中長期的にはやはり魅力を失い顧客を喪失する、あるいは競争市場において劣後することが最近の事例で分かってきております。
 例えば、米国ニュージャージー州のアトランティックシティーなどは、競争の結果劣後してしまった。それは、不断の継続投資と顧客を魅力する様々な設備投資、こういったものに欠けていたためにサービスが不足して顧客を喪失したと、こういうことになるんではないかと思います。魅力ある施設群あるいは競争力の高い集客施設というのは、高い多様な顧客のニーズを満たすアメニティーとか施設群を兼ね備えた施設になり、継続的な設備投資を行って常に顧客に対するサービスを改善して初めてこういった施設が価値をもたらすことになるわけでございます。
 こういったカジノ施設でございますが、一九八〇年代に萌芽的に生まれて、その成功と実績に基づいて、様々な国の為政者がこの枠組みを税を使わずに観光振興、地域振興あるいは地域再開発を実現する効果的な手法として採用されてきたというのが実態でございます。現在に至るまで、米国の様々な州、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポールなどで採用され、実践されているというのが実態ではないかと思います。
 カジノは既に斜陽産業ではないかと、こういう御見解が国会でも審議されました。資料に若干データを付けましたので、これを後ほど見ていただきたいと思いますが、現在に至るまで、米国を始め先進諸国においてカジノ自身が衰退している、あるいは斜陽産業であるという、こういう兆しはほとんどどこにも見られないわけでございます。
 また、このカジノの業としての特色でございますが、やはり金銭の所有権とも言えるチップを胴元と顧客との間で頻繁にやり取りすることから、ここから様々な問題が生じてくるのではないかというのが実は歴史的な過去の経緯でございます。一九六〇年代までは、カジノというのは組織悪と悪、不正との戦いでございました。一九七〇年代、八〇年代を通じて、米国を始めとして完璧かつ厳格な規制のシステムができ上がるによって初めて上場企業がこの産業に参入してくることになり、悪、組織悪は現在では完璧に根絶されているというのが実態ではないかと思います。
 カジノの業としての規制というのは、カジノの運営事業者及びその構成員全てにライセンスの申請、清廉潔癖性に関わる背面調査、ライセンス交付を義務付けることになるとともに、使用する機材、ツール、システムを全て認証の対象にして、かつ、ゲームが行われるカジノ施設の主要区域を制限区域といたしまして、その中における全ての行為を規制し監視する、かつ監視テレビで常時モニターする、こういう厳格なシステムの下において初めて公正さ、透明さが貫徹されるカジノ施設となってくるわけでございます。
 現代社会においては、カジノというのは、健全、安全かつ公平公正な空間として、いわゆる犯罪とかというのは無縁の世界になっているというのが現実ではないかと、こういうふうに思います。
 もちろん、これは社会規制でございますので、国の、一国の歴史、背景、風土、制度次第で様々な国がございます。この制度が不十分な国があります。それは、まずカジノありきで、精緻とした制度とか規制の仕組みをつくらなかった国でもございます。こういった国の事例もある。
 ですけれども、我が国においては、恐らく、期待いたしますのは、参議院、衆議院、国会におきまして十分なる審議を尽くしていただいて、精緻な規制と制度の枠組みをつくることによって初めてカジノというものは安全、健全な空間となる施設というふうにすることができるんではないかと思います。
 一般的に、カジノというのは様々な社会的な否定的なインパクトを与えるのではないかと、こういうことが喧伝されているわけでございます。
 賭博行為がもたらし得る否定的要素の認識というのは、実は一九六〇年代まではほとんどございませんでした。一九八〇年頃、やはり市民の意識、国民の意識、消費者の意識、こういったものが起こってくるにつれて、やはり肯定的な側面は否定できない、大きな経済効果、雇用効果、税収効果があるにもかかわらず、やはり一部の社会的否定的な側面に関しては国が責任を持って何らかの形で対処すべきであって、かつ、事業者も責任ある施行という形でその影響力の低減に貢献すべきである、こういう考え方が出てきたのが一九八〇年代から九〇年代でございます。
 現代先進諸国において賭博種を新たに制定する場合、こういう経済的好機を求めるとともに、同時並行的に社会的な否定的な要素を封じ込める政策を取ることが先進国での立法行為としての通例になりつつあるというのが現在の世界の在り方ではないかと思います。
 我が国においても、既にこの参議院、あるいは衆議院でも御議論になったところでございますが、やはり賭博依存症あるいは国民の懸念に思うところに関しましては、十分過ぎるほどの手当てと規制並びに制度の在り方が求められると、こういうことが実態ではないかと思います。
 社会的弱者、特に若年層、あるいは環境の悪化、そういったものは恐らく完璧に処理することができます。これらの施設は年齢付写真IDがなければ入れない施設となります。子供たちは一切入れません。この施設は単純な町中にできるカジノホールではございません。全国に数か所、しかも高規格の施設になりますから、ドレスコードを設定することにより、例えば変な人は入れない、変な環境は周りに起こらない、こういったことが想定できるわけでございます。経済的好機というものはそれに見合うバランスを取った社会政策というものが同時に施行されて初めて機能するということが様々な先進諸国において実践されている考え方でもあるわけです。
 カジノがもたらす社会的否定的な側面を何ならば定量的に測定して、定性的、定量的な評価でもって比較してその是非を論ずるべきではないか、こういう御議論もあることも承知しております。
 ですけれども、残念ながら、社会的に否定的な行為というものは定量化がかなり難しい。現代経済学において、しっかりとした精緻のある経済モデルとしてはまだなっていないというのが現状ではないでしょうか。もちろん、我が国においてどういうインパクトがあり得るのかに関しては、是非とも今後、実施法を検討する過程におきまして、国会におきましても十分なる御審議をお願いしたいと、こういうふうに思ってくるわけでございます。
 カジノを含むIRというものは変な話ではございません。地域社会に大きな経済効果をもたらし、雇用効果をもたらし、これを民間主体の力で実行するという考え方になります。
 この考え方は手挙げ方式でもございますので、地方公共団体と民間事業者が精緻な枠組みで取引を取り決めることになると思います。当然のことながら、投資のコミットメント並びに社会に対する治安対策の問題あるいは周辺インフラの問題、こういったものも地方公共団体と民間事業者が共同して問題を解決しながらこのIRを実現する、そういう枠組みを提供するものでもあるわけでございますね。
 このIR推進法案ができたところで、カジノはできません。あくまでも皆さんの御判断によって、今後IR実施法と呼ばれる違法性を阻却する制度的な枠組みができて初めてこの国にカジノを含むIRが実現できると、こういうふうに判断しております。
 是非とも、この推進法案、肯定的な面、否定的な面、両方ございますが、こういったものを今後の御審議、十分御審議を尽くされて、また実施法の過程でも十分御審議されて御判断を仰ぎたいと、こういうふうに思うわけでございます。
 ちょうど時間になりましたので、私の説明は以下で終わらせていただきます。
 どうも御清聴ありがとうございました。
○委員長(難波奨二君) 美原参考人、ありがとうございました。
 次に、渡邉参考人にお願いいたします。渡邉参考人。
○参考人(渡邉雅之君) 弁護士渡邉雅之から、法律家の立場、それからマネーローンダリング、反社会的勢力対策の専門家として、それからカジノに関するシステムに関しての研究者としての立場からお話を申し上げたいと思います。
 御説明、意見の陳述に当たりましては、お手元の資料を使わせていただきながらさせていただきたいと思います。パワーポイントの資料ともう一つ、A4縦書きのネバダ州において無制限免許のゲーミング従業員が申請時に開示すべき情報と書かれている資料を御覧ください。
 今回、私、衆参の内閣委員会における審議、インターネットを通じて配信をつぶさに見てまいりました。その中でかなり実質的な審議が行われたなというふうに実感しているところでございますが、その中でも、主に突っ込まれて御検討された点を中心に今からお話をしたいと思います。
 それは、まず最初に特定複合観光施設、IRについて、それから賭博罪と違法性阻却について、それからマネーローンダリング対策について、そして最後にギャンブル依存症対策についてでございます。
 まず、三ページ以降、IRについてでございますが、こちらは、美原先生の方から先ほど御説明がありまして重複するところがございますが、御説明したいと思います。
 四ページにありますとおり、まず、IRとは何かというと、カジノ施設だけではなく、会議場施設、レクリエーション施設、展示場施設、宿泊施設その他の観光の振興に寄与する施設が一体となっているということは皆さん御存じのとおりでございます。その中で、高規格で質の高い多様なサービスが提供されるIRの整備によって国際競争力のある魅力の高い滞在型観光が実現されて、地域経済の振興に寄与するとともに、健全なカジノ施設の収益が社会に還元されることが期待されるということになります。
 次に、五ページ、なぜ今IRが必要なのかということでございますけれども、シンガポールの例で見ますと、二か所のIRを設置することによって観光を飛躍的に伸ばしております。そのシンガポールのIRの施設の中には、ごく一部にカジノという非常に大きな収益力の高い施設が設けられています。それが加わることによって、他の施設、国際会議場や展示場、単体であれば不採算となるような施設も含めた施設全体での円滑な運営ができ、更に集客も伸ばしているところでございます。日本版のMICEの機能を強化していくためにも、こういった施設の一部にカジノ施設を含むIRというものを検討していく必要があると考えております。
 また、政府においては、平成二十五年に日本再興戦略において、二〇三〇年までに訪日外国人観光客三千万人を目標に、新たなツーリズムの創出や国際会議、MICEの誘致、投資の促進を掲げております。このIRの整備はまさに税負担のない経済政策、都市政策として、また、ここが重要でございます、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックがありますが、その後の経済政策をどうするか。そこで、これはまさに、アフターオリンピック・パラリンピックの国際観光戦略の一つとしてこのIRがあるわけでございます。
 さて、このIRについては、衆参の内閣委員会でも議論がありましたとおり、今更IR、アジア市場ではもう既に飽和しているんじゃないかという、そういった批判もあるところです。
 そのIRの導入に批判的な御意見といたしましては、米国のニュージャージー州アトランティックシティーやマカオにおいてカジノ収益が落ちていることがよく理由として挙げられておりますけれども、それから、アジア各国にカジノの設置が今進められているじゃないか、そういった中でアジアのカジノ市場、もう飽和じゃないのと、そういったことが言われるわけでございますが、まずもって、米国のニュージャージー州アトランティックシティーについては、このカジノ収益が落ちている一番の大きな理由というのは、米国北東部の各州でIR、カジノの導入ラッシュがあるということが一因でございます。ニューヨーク州、マサチューセッツ州などにより競争が激化しているということによるものです。米国北東部全体でのカジノ収益は伸びていますし、また、米国全体のカジノ収益も伸びています。ネバダ州のラスベガスでのカジノ収益も伸びている。
 他方、マカオでございます。マカオは、中国の本国の反腐敗政策や資金移動の制限、そういったところでVIP顧客の勘定が今現在かなり減少していますけれども、マカオ政府は、今、いわゆる一般観光客の方に相当政策をシフトしていらっしゃいまして、観光客は相当増えております。二年連続観光客三千万人を達成しているということです。すなわち、一般大衆の観光客は今増えているわけで、極めて健全なレベルに移行しつつあると。カジノ収益に関しても、これは、二〇一六年の八月以降は三か月間連続プラスというふうになってきております。そもそも、ラスベガスやマカオにおきましては、IR施設がないときに比べてはるかに地域経済が活況になっているということも留意しなければいけません。
 次に、IRの成功の鍵でございますが、これはいろいろあると思います。シンガポールの例を見ますと、リゾート・ワールド・セントーサというところには水族館やUSJ、ユニバーサル・スタジオのような観光施設、それから、皆さんよく御存じのマリーナ・ベイ・サンズ、ホテル棟が三つある上に巨大な船が乗っている、まあプールになっているわけでございますけれども、そういったファミリーでも楽しめる、そして巨大なアイコンのようなものがあることが非常に重要となってくると思います。
 それから、ニュージャージー州アトランティックシティーでの失敗を踏まえて、やはり過当競争は避けるべきであると。最初は数を限定した上でスタートしていき、慎重に段階的に増やすことを検討していく必要があると思います。
 また、我が国ならではの、日本ならではのクールジャパンの発信や日本の伝統文化の発信も重要です。皆さんよく御存じだと思いますが、昨年、二〇一五年の八月に、ラスベガスのベラージオの噴水、皆さん、オーシャンズ11という映画御存じですか、あの映画で出てくる噴水ですけれども、その前で歌舞伎役者の市川染五郎さんが演舞をなさった、これは非常に高い評価を得ているところでございます。ですので、我が国において導入する場合もこういったものを意識する必要があるんではないかと思います。
 次に、刑法の賭博罪とIR法制、非常に重要な問題でございます。九ページを御覧ください。
 なぜこのIR推進法案、そしてこれに引き続く実施法案において民設民営のカジノを目指すのかと。これは、カジノの運営者は賭博行為の直接の当事者となるとともに、当事者としてのリスクを負担することになり、公的主体が運営者となることは適切でないとまず考えられることによります。そして、ゲーミングのノウハウを有する事業者が運営することで質の高いサービスが提供され、IR全体の魅力が高まるとともに、収益の公益還元の最大化ができると、そういった点にあると思います。
 宝くじや競馬、競輪などでは総賭け金の一定率をまず主催者が取っていきますけれども、民営のカジノではそうではないと。主催者がリスクを負いながらやっていくところにこの民設民営のカジノを目指す理由というところがあるところです。
 十ページを御覧ください。
 では、刑法の賭博罪というのはどういうふうに規制されているか。これ、刑法百八十五条の賭博罪、刑法百八十六条の常習賭博及び賭博場開張等図利罪、賭博場開張罪と言った方が分かりやすいと思いますが、こういったものが定められているところでございます。
 賭博罪の保護法益につきましては、これは内閣委員会でも何度も御説明があったとおり、賭博行為は、国民をして怠惰浪費の弊風を生ぜしめ、健康で文化的な社会の基礎を成す勤労の美風を害するばかりでなく、甚だしきは暴行、脅迫、殺傷、強盗罪その他の副次的犯罪を誘発し、国民経済の機能に重大な障害を与えるからと、そういうふうに言われているところでございます。
 次の十一ページから少し重要なポイントでございます。
 今回、衆参の内閣委員会で、特に衆議院の中では緒方林太郎先生、民進の先生、それから参議院では大門実紀史先生、共産党の先生方から、この賭博罪の違法性阻却の論拠についてかなり詳しい質問、それに対する政府の回答がありました。ここを私つぶさに拝聴しまして、整理させていただきました。
 まず、公営競技に関しては、特別な法律により正当行為、刑法三十五条として違法性阻却がされている。違法性阻却する要件として考慮すべきという点では八つの点があると。この八つの項目を、各項目について具体的な案件において総合的な判断がなされるという政府、法務省の回答がありました。
 では、その八つの項目というのは何かというと、目的の公益性、そしてこの公益性に関しては、収益の使途の公益性はこれは一例であって、これに限定はされないということ。それから運営主体の性格、これも、官、これに準ずる団体であることはこれは一例にすぎないということ。それから、三として収益の扱い、四として射幸性の程度、そして運営主体の廉潔性、運営主体の公的管理監督、運営主体の財政的健全性、そして最後に副次的弊害の防止でございます。
 次のページを御覧ください。
 違法性阻却の各項目は、それではIR推進法には書かれているか。実際には、違法性阻却は次の実施法案で考えていくところですけれども、推進法案の中でもちゃんとこの各項目というのは書かれていますよということです。
 まず、目的の公益性でございますが、カジノ単体ではなく会議場施設、レクリエーション施設などの他の施設を加えて、IR全体としての公益性が認められること。そして、法案の一条では、観光、地域振興に寄与するということを財政の使途としております。そして納付金、それから入場料等を取ることによって、それを、附帯決議でも挙げられておりますが、依存症対策にも使う、そういったところで十分公益性が認められるんだと。
 それから、運営主体の公益性については、カジノ管理委員会によって公営競技以上の厳格な規制に服することになるということでございます。
 収益の扱いについては、納付金、入場料を徴収することができると法案に書かれております。法案提出者の意思としてはこれを必ず取るということで、それは尊重されることになると存じます。
 そして射幸性の程度ですが、こちらは、基本的にはパチンコとの対比で設けられた、パチンコ等風適法の遊技との関係で設けられた要件ではないかと考えております。必ずしも公営競技においてもこの射幸性をどう抑えるかということは検討されてはいないのではないかと。要は、公序良俗に反しない限りは認められていると存じます。
 運営主体の廉潔性、これもカジノ管理委員会による公営競技以上の厳格な規制に服していると。
 運営主体の公的管理監督についても、同じようにカジノ管理委員会により公営競技以上の厳格な規制に服する。
 運営主体の財政的健全性、これはカジノ管理委員会による厳格な背面調査により見られていく。実際にアメリカでは、この背面調査によって、要は財務的健全性がないということで申請が認められなかった事例も多数あります。
 副次的影響の防止でございますけれども、これは、法案の十条各号にカジノ施設の設置及び運営に関する規制ということで項目が挙げられておりまして、マネーローンダリング対策、ギャンブル依存症対策を始めとする対策が取られているところです。
 次のページの図は、ちょっと私が工夫して作った、IR、カジノを含む統合リゾートと公営競技、宝くじとの違法性阻却の比較をしております。それぞれどういう状況なのかなということで比較をしてみました。
 その検討の結果が次の十四ページに書かせていただいておりますが、結論から申し上げて、IR、カジノを含む統合型リゾートは十分違法性阻却の要件を満たし得るのではないかと。当然ながら、これは実施法案で検討していくところですけれども、まず、私が分析しているところによりますと、公営競技の違法性阻却というのは、かなり公的主体であること、すなわち目的の公益性、運営主体の性格、収益の扱い、運営主体の廉潔性によるものと考えられます。運営主体の公的管理監督、運営主体の財政的健全性、副次的弊害の防止については、十分であると言えるかは少し疑問が残る、とりわけ副次的影響の防止については疑問が残るわけです。
 要は、今、パチンコ、パチスロ、広義のそういうところでお話ししますが、公営競技においてもギャンブル依存症対策ということも問題となっておりますし、宝くじにおいてはかなり射幸心をあおるような広告がなされていると。そういったことで、今後、副次的弊害の防止については今以上の対策を講ずる必要があるんじゃないかと個人的には思っているところです。
 それから、IR、カジノを含む統合型リゾートについては、カジノ管理委員会の厳格な監督を通じて、運営主体の廉潔性、運営主体の公的管理監督、運営主体の財政的健全性は公営競技よりも優れたものになることが想定されております。また、副次的弊害の防止に関しましても、ギャンブル依存症や入場料規制等の公営競技で全く取り組まれていないことを新たに取り組もうとしている。
 以上を踏まえますと、IR、カジノを含む統合型リゾートは刑法の賭博罪の違法性阻却の要件を十分に満たすものではないかと私個人は現在思料している次第でございます。今回の国会の審議を聞きまして、こう確信した次第でございます。
 次に、マネーローンダリング対策について申し上げます。
 実は、マネーローンダリングでちょっと注意していただきたいのは、よくマネロン、マネーロンダリングと言いますけれども、政府における正式な用語はマネーローンダリングでございます。ちょっとそこを御注意していただきたいんですけれども。
 その意味合いというのは、十六ページに出ているように、犯罪で得た収益を、それを身元を分からなくするというのがこれマネーローンダリングというもの。
 十七ページを見ていただきますとおり、これについては、FATF、要は金融活動作業部会という政府間会合で厳重に規制をしておりまして、勧告を出しております。これが各国の法律のスタンダードになっております。カジノについても、このマネーローンダリングの防止のため、免許制、犯罪者、その関係者の所有、経営、運営の防止、マネロンテロ資金の供与対策の義務の遵守措置を設けることといったことを求めておりまして、そのために、一定の基準以上賭けをする顧客の本人確認義務、記録の作成保存義務などを課しております。
 我が国においては、犯罪による収益の移転の防止に関する法律、いわゆる犯罪収益移転防止法においてこれが規制されているところでございます。こちらについては、日本のマネロン規制、非常に弱いねということを言われておりますが、今日お配りしている、皆さんにお配りしたこちらの本、私が書いた本でございますが、日本の法律の規制もこの十月に国際基準に到達しました。ですので、カジノが日本にやってきたときも十分にこれに対応できるというふうに私は考えております。
 そして、カジノにおけるマネーローンダリングについてどう防止するかということもありますけれども、二十一ページを御覧ください。このカジノの導入に当たっては厳格な背面調査ということを導入することが考えられております。それは、民間主体の五%超以上の有効議決権を有する主要株主、経営者、主要な管理職、直接、間接にゲームの運営に関与する職員、それについては国際基準と同じ書式の手続によって背面調査をする。
 今日お配りをしているこちらのネバダ州の背面調査の、私、ちょっと申請書の一覧を日本語訳したものですけれども、非常に膨大なものです。これはまさに平成の黒船と呼ばれるようなものでございまして、今まで日本にはないような免許申請を求めていると。主体となるIR事業者には反社会的勢力やマネーローンダラーが関与することはまず考えられません。
 米国においては、ここについて、家族に関する情報、それから個人の全ての資産を五年以上のものを出したり家族の情報も出す。それから、離婚した相手についても、その離婚した配偶者のところに行って、どうして離婚したかとか、そういったことも聞くということで、非常に厳格なことをやっている。
 二十三ページを御覧ください。
 では……
○委員長(難波奨二君) 渡邉参考人、時間が参っておりますので、申し訳ございませんが、おまとめください。
○参考人(渡邉雅之君) はい。
 最後にまとめたいと思いますけれども、取引時確認については、これは日本の犯収法で行われていることをまた実施していくということとともに、高額取引については、アメリカやそれからシンガポールでも行われているように、報告義務を課すようなことも考えられます。それから、入場規制は厳格に、シンガポールでやっているように顔写真のあるものを提示して入場させるというようなことが必要だと思います。
 簡単に、あと二分、ギャンブル依存症についてお話をさせていただきたいと思いますけれども……
○委員長(難波奨二君) 渡邉参考人、後ほども御発言の機会があるかと思いますので、そのときにまた参考の御意見をいただければと思いますので。
○参考人(渡邉雅之君) そうですね。
 ありがとうございます。
○委員長(難波奨二君) 渡邉参考人、ありがとうございました。
 それでは、続きまして新里参考人にお願いいたします。新里参考人。
○参考人(新里宏二君) 弁護士の新里でございます。
 本日、参考人としてお呼びいただいて発言の機会をいただいて、本当に感謝申し上げるところでございます。
 私は、このいわゆるIR法案、又はカジノ解禁推進法案と言いますけれども、反対の立場から御意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、カジノの経済効果ということでございます。統合型リゾート、IRは、投資、雇用が期待でき、経済を活性化させる切り札になるだろうとも言われております。アメリカの投資銀行は、日本のカジノの経済効果を四兆円などとも試算しております。その中で、その狙いが日本人の金融資産であることも明らかにしております。
 日本ゲーミング学会の谷岡一郎氏は、カジノの推進について、海外からの投資が盛んになり、高齢者のたんす預金など世の中に出てきにくい金が回り始めると紙上で明言されております。
 平成二十六年五月、アメリカのカジノ運営会社であるサンズ社の会長は、日本のカジノに五千億ないし一兆円を投資するとも述べております。それだけ短期的に巨利を上げることができるということでしょうか。
 日本にはカジノ産業についての蓄積はなく、海外からの資金及びノウハウに頼らざるを得ません。日本人の金融資産がカジノを通じて海外に散逸することの危惧の念を抱くのは私だけでしょうか。
 カジノ賭博は業者がもうかり、事業者のもうけはカジノでの負けの総体でございます。私自身、多重債務問題に取り組み、ギャンブルで借金をつくり、仕事、家族を失い、自分の命まで失う悲劇をつぶさに見てまいりました。カジノ賭博は、多くの者が財産を失い、依存症へと追い込まれる。カジノは不幸をまき散らすビジネスではないのでしょうか。人の不幸を前提とした成長戦略に大きな疑問を感じざるを得ません。
 次に、日弁連の意見書についてでございます。
 平成二十六年五月九日、日弁連は、カジノ解禁推進法案に反対し、その廃案を求める意見書を採択しております。今日の資料一、二で付けておきました。カジノ解禁推進法案の問題点について、カジノ経済効果への疑問、暴力団対策上の問題、マネーロンダリング対策上の問題、ギャンブル依存症の拡大、多重債務問題再燃の危険性、青少年の健全育成への悪影響、民間企業の設置、運営によることの問題を指摘しております。
 本日は、その中でギャンブル依存症の問題及び民間企業の設置、運営によることの問題について触れたいと思っております。
 まず、ギャンブル依存症でございます。ギャンブル依存症の問題は極めて深刻です。ギャンブル依存症は、慢性、進行性、難治性で、放置すると自殺にも至ることもある極めて重篤な疾患でございます。
 我が国において、平成二十六年三月の厚生労働省研究班による調査結果、資料三で付けておりますけれども、成人男性八・七%、成人女性一・八%、全体四・八%で、推計数は五百三十六万人に達すると言われております。他方、アメリカでは、ルイジアナでは一・五八%、オーストラリア、男性二・四%、女性一・七%、フランス一・二四%などと比べると極めて高い数値となっております。
 日本には、公営ギャンブルがあるほかにパチンコが地方の隅々にも存在しています。世界のスロットなどの遊技機械の六割以上が日本にあることがギャンブル依存症問題を深刻化させております。
 カジノは、利益を上げるために多数の賭博客を得ようとするのは当然であり、カジノの設置によってギャンブル依存症の患者が増加することは明白でございます。カジノの売上げによってギャンブル依存症対策を推進するとの見解もありますが、ギャンブル依存症問題の深刻さからすれば、ギャンブル依存症対策はカジノ解禁の問題とは別個にその対策を強力に推進すべきものと考えます。
 本年九月、九州の弁護士と弁護士会の集まりであります九州弁護士会連合会で、ギャンブル依存症のない社会をめざしてと題するシンポジウムを開催しました。弁護士会側から、ギャンブル依存症問題の解決のために必要な基本法の制定を提案をしております。資料四でございます。
 次に、民間企業の設置、運営によるところの問題でございます。
 日本では、賭博は太古の昔から厳罰をもって禁止され、記録上確認できるのが持統天皇によるすごろく禁止令であることは、国会の議論でもなされているところでございます。現行刑法は、賭博及び富くじに関する規定、刑法百八十五条以下を設けております。他方、特別法、競馬法、自転車競技法等により賭博罪、富くじ罪に該当する行為を正当化する規定が置かれており、実際上は、これらの公認された賭博、富くじの枠外で行われ、違法行為を惹起し、暴力団等の資金源となるような賭博、富くじが処罰の対象とされております。
 カジノについて違法性阻却を求めるかどうかについては、本年十二月七日、法務省のペーパー、資料五を付けておりますけれども、八項目が示されております。
 それによりますと、「これまで刑法を所管する法務省の立場からは、例えば、目的の公益性(収益の使途を公益性のあるものに限ることも含む。)、運営主体等の性格(官又はそれに準じる団体に限るなど)、収益の扱い(業務委託を受けた民間団体が不当に利潤を得ないようにするなど)、射幸性の程度、運営主体の廉潔性(前科者の排除等)、運営主体への公的監督、運営主体の財政的健全性、副次的弊害(青少年への不当な影響等)の防止等に着目し、意見を申し述べてきたところであり、カジノ規制の在り方についても、同様である。」とされております。
 この括弧書きにつきましては、これまで明らかにされていないことが今般明らかになってきております。この八項目につきましては、日弁連の意見書でも指摘したところでございます。括弧内の指摘を前提といたしますと、民営カジノでは、従来の法務省の見解からすると合法の余地はないのではないかと考えているところでございます。
 次に、韓国の江原ランドの問題について指摘したいと思います。
 韓国では、二〇〇〇年、国内十七番目のカジノとして、自国民が入れる江原ランドがオープンします。ソウルから二百キロほど離れた旌善郡に位置します。かつては炭鉱でしたが、二〇〇〇年、カジノリゾートとして、江原ランドとしてオープンし、当初はカジノの単体でしたが、二〇〇三年に、四百七十七の客室を有するホテルカジノとして全面リニューアルし、周囲にはスキー場やゴルフ場も併設した複合型観光施設となっております。
 中毒管理センターも併設され、十三年間で利用者は五万人、ランド内で自殺した人は四十八人を数えているということでした。ランド側も、当初は二十四時間営業だったものを二十時間に短縮、客は入場記録が管理され、一か月の利用は十五回に制限されているとも言われています。
 私は、平成二十六年八月に江原ランドにも訪問しております。二〇一二年の入場者数は約三百万人、国へ納める税金は年間四百七十五億円、三千人いる従業員の六割は地元採用と聞いております。それでも、カジノが開業した年から人口が減少し、子育て世代が出てしまい、人口減少に歯止めが掛からないと言われています。
 実は、江原ランド最寄り駅であります舎北駅のバス停、電話ボックスには名刺大のおびただしいサチェ、日本の闇金の広告が出されております。これについては資料六を見ていただければと思います。昔の日本の風俗産業が電話機に名刺大の広告を出したものと同様でございます。明らかに闇金がばっこしていることが予想されます。
 駅へ上がる、駅に小型バスが止まっておりました。カジノホームレス宣教会の相談所のようでした。担当者は不在でしたけれども、バスの後ろには少女がポスターを掲げている写真が貼ってありました。これがその写真でございます。お父さん、お母さん、自殺しないでくださいと書かれています。江原ランドの自殺者が急増し、このポスターになったのではないかと思っているところでございます。江原ランド周辺の質屋街については、その異様な雰囲気がNHKのニュースでも取り上げられております。
 他方、韓国でも、依存症対策としてカジノへの入場規制がなされております。家族要請、本人要請、一般入場規制もなされていると言われております。韓国では、カジノに関わる賭博中毒などが大きな社会問題となっております。
 韓国では、ギャンブル産業の売上高が二〇〇九年に十六・五兆ウォンとなっております。他方、国家ゲーミング産業統合監視委員会のホームページの賭博問題の社会・経済的費用研究によると、経済と財政、雇用、犯罪及び法律、及び健康及び福祉、それぞれについての金額を推計し、賭博中毒者らの年間総社会・経済的費用として七十八兆ウォンと指摘しております。資料七で付けているところでございます。
 負の影響が経済効果を大きく上回ることは、日本においてカジノを解禁するかの議論をする上では極めて実証的なデータだと考えるところでございます。
 さらに、江原ランド依存症管理センターからいただいた資料の最後の記載が示唆に富むものでしたから御紹介させていただきます。資料八でございます。
 どれだけ徹底した依存症管理システムを備えても、ギャンブル産業の副作用、家産の蕩尽、自殺、地域共同体の崩壊などを根本的に防ぐことはできないので、地域再生戦略としてカジノなどのギャンブル産業を誘致することは非常に慎重を期すべきであり、誘致の前には徹底した準備が必要であると記載されておるところでございます。
 次に、日弁連の平成二十六年八月のシンガポール調査についても少し触れたいと思います。
 シンガポール調査の目的は、日本のカジノが観光目的で解禁したシンガポールを参考に企画されていること、シンガポールではカジノの利用は自国民に許されていますが、百シンガポール・ドル、約八千円でしょうかの入場料を課し、家族、本人、政府からの入場規制を掛ける仕組みがあること、これについても日本で参考にするとされていること、シンガポールはカジノの負の影響を抑えることができているのだろうかということを依存症支援の現場から確認しようとしたものでございます。
 シンガポールは、御承知のとおり、カジノを解禁したのは二〇一〇年であり、カジノは二か所、MICEを充実させたマリーナ・ベイ・サンズ、家族向けアミューズメントを充実させたワールド・リゾート・セントーサでございます。人口は約五百万人、都市国家でございます。
 依存症の支援組織であるワンホープセンターではギャンブル依存の相談が急増し、五年前には二百から三百件であったものが五百件台に急増しているということでございました。まさしくカジノが影響しているということでございます。自国民に入場料を取ることについては、入場料分を取り戻そうとすること、時間いっぱいゲームをすることから依存症対策として機能していないとのこと、さらに、入場制限についても、ここへの相談者は制限者であり、それも機能していないとの認識でございました。
 平成二十五年秋から新しいガイドライン、ビジット・リミット・ガイドラインによって、賭博依存国家評議会、NCPGから月六回以上の利用者には通知を出し、銀行口座などを自己申告させること、カウンセリングを受けることを通知するというような仕組みとなっていることでございました。協力的でない者に対しては、標準的な基準を基に個別ケースで調整をして、一か月のカジノへの入場回数の制限ができることになっているということも報告を受けました。
 調査結果からすると、自国民への入場料、入場制限は、依存症対策としては機能していないのではないかと言わざるを得ません。
 また、支援団体二か所での聞き取りで、ローンシャークがばっこしていることも確認されました。依存症と借金、ローンシャーク問題はほぼ重なっているとの認識でございました。
 最後になります。
 新聞各紙の世論調査では反対が賛成を大幅に上回り、各社説も拙速な審議に疑問を呈しております。特に、本日述べた賭博の違法性阻却が民間カジノで可能かどうか、十分御審議お願いし、意見陳述を終わります。
 御清聴ありがとうございました。
○委員長(難波奨二君) 新里参考人、ありがとうございました。
 それでは、次に鳥畑参考人にお願いいたします。鳥畑参考人。
○参考人(鳥畑与一君) 静岡大学の鳥畑です。よろしくお願いいたします。
 お手元の資料、全部で三枚ありますが、文書を読ませていただきます。中の資料等については一つ一つ説明をいたしませんので、御容赦をお願いいたします。
 この度は、参考人として本法案に対する意見発言の機会をいただき、ありがとうございます。
 衆議院内閣委員会等での質疑では、刑法百八十五条等で禁じられた賭博の違法性の阻却要件として八要件が議論されました。そこでは、国際観光や地域振興、そして財政に資することが統合型リゾート、IRの公共性を担保するものとして答弁されていました。
 私は、IRの収益エンジンとして組み込まれたカジノをIR型カジノと呼んでおりますが、このIR型カジノの経済的効果なるものが刑法の違法性を阻却するものであるかという観点から、甚だ浅学ではありますが意見を述べさせていただきます。
 現在、IR型カジノについて、投資額や収益からの経済効果のみが一面的に強調されています。しかし、米国議会国家ギャンブル影響度調査以降、ギャンブル収益は代替効果、共食いを伴うものであり、かつ、多くの社会的コストを発生させることが共通認識として確立されています。
 ギャンブルの経済的特質については、ノーベル経済学賞受賞者であるポール・サミュエルソンは「経済学」で、新しい価値を生み出さない所得の移転でしかなく、所得格差を拡大すると指摘しています。フィラデルフィア連銀のアラン・マラハは「カジノ・ギャンブル導入の経済的・社会的影響」で、カジノの経済的効果としては、地域外からギャンブル収益をもたらす目的地効果、それから州外に流れているギャンブル収益を取り戻す奪還効果、そして地域内での消費を奪う、単なる置き換えであるという代替効果、それから地域外の資本によることによって利益が地域外に流出する効果を指摘しつつ、純粋な経済的効果や財政に与える影響は、これらを総合的に評価するほか、社会的コストを加味する必要があるとしています。
   〔委員長退席、理事相原久美子君着席〕
 現在、米国各州では、新たにカジノを合法化する際にはカジノ設置に伴う経済的効果と社会的コストの総合的評価を行うことが一般化していますが、そこでは、カジノは経済的効果のみをもたらすものではないことが明らかになっています。
 例えば、カジノ推進派のダグラス・ウォーカーですら、「カジノ産業の本質」で、住民がギャンブルにより多く支出するようになれば他の財やサービスの支出が減る可能性もあるとして全米各州の調査を行ったところ、カジノが州の税収にプラスの影響を及ぼすことは確認できなかった、どうやらカジノは州の税収に対して何の影響も与えないか、ややマイナスの影響を与えるようだ、ギャンブル産業を合法化したり拡大したりすれば州政府収入にプラスの効果があるという言い分は成り立たないと述べています。
 カジノの純粋な経済効果はその立地や規模に左右されるため、一般論として結論できませんが、ニューハンプシャー州では、カジノ合法化するか否かの議論に当たって、超党派の調査委員会で地域別の経済効果と社会的コストの計量的評価を試みた結果、地域によっては経済的効果を社会的コストが上回ると結論しました。この結果、ニューハンプシャー州ではカジノ合法化の議会での否決が続いています。
 IR型カジノでは、一兆円規模の投資と巨大なIR施設運営を支える数千億規模の収益が実現するとされています。例えば、関西経済同友会の構想では、毎年約五千数百億円、約五十億ドルの収益が想定されています。かつてカジノ単体の構想が基本であったお台場カジノの収益予想は約三百億円、これと比較して、IR型カジノに衣替えすることで桁違いのカジノ収益が実現するとされるわけですが、それは現実的な推計なのでしょうか。
   〔理事相原久美子君退席、委員長着席〕
 IR型カジノのモデルでもあるラスベガス・ストリップ地区の大型二十三カジノのカジノ収益合計は約五十三億ドルで、平均二・三億ドルでしかありません。アメリカ大手カジノ企業MGMのラスベガスを中心とする米国内十二カジノの収益合計は約二十七億ドル、平均二・二億ドルです。
 ところが、マカオのMGMチャイナだけで最盛期三十三億ドルの収益となります。なぜ一桁多いカジノ収益が実現するのか。その秘密は、二十一億ドルを占める中国富裕層、VIPからの収益です。スロットマシンを中心にミドルクラスや高齢者をマーケットとする限り、数百億円のカジノ収益というのが米国の現実です。そして、ラスベガスですら赤字なのです。
 ところが、日本では中国富裕層を相手に荒稼ぎをしているマカオやシンガポールよりも高収益を上げることができるというその根拠は何なのでしょうか。普通の外国人観光客にちょっとカジノに寄ってもらうだけでマカオ、シンガポールよりも更に大きなカジノ収益を実現できると想定するのは極めて困難ではないでしょうか。
 提案者は、日本国内ではIR型カジノ数を制限するので過当競争にはならないとしますが、肝腎のアジアのVIP市場におけるIR型カジノ数を日本はコントロールできません。マカオのカジノ収益がVIP収益減少によって最盛期から四割減少したように、アジアのVIP市場が縮小局面に突入している中、韓国のリゾートワールド済州を始め複数のIR型カジノの参入が予定されています。そこに周回遅れの日本が日本にしかないIRの魅力を強調しても、肝腎のカジノは世界中どこでも同じカジノです。米国アトランティックシティーのカジノ産業は、周辺州のカジノ合法化によって最盛期の収益六十五億ドルから一五年には三十五億ドルにほぼ半減し、十二カジノ中五軒が経営破綻に追い込まれていますが、日本も同じ運命をたどる危険性が高いと考えます。
 提案者は、シンガポールにおけるギャンブル依存症対策の成功を大前提にして、日本でIR型カジノをオープンさせてもギャンブル依存症の発生を最小限に抑制できるとしています。カジノ収益を基にパチンコ等の既存ギャンブル依存症対策を講じることでギャンブル依存者の総数も減少できるとしています。
 確かに、シンガポールのNCPGの二〇一四年調査によれば、ギャンブル依存症率は、一一年調査時の二・六%から〇・七%に大きく低下しています。しかし、データを子細に見れば、カジノ参加率が七%から二%に大きく減少しています。住民数に置き換えると、二十六・五万人から七・七万人への減少となります。一方で、自己排除制度でカジノ入場禁止措置を講じた人数は三十二万人へと大きく増大しています。入場回数を基準にした規制を行っているとも仄聞しております。実際、カジノの入場料収入も大きく減少しています。
 NCPGは、ギャンブルは決して豊かにしてくれない、莫大な借金だけが残るだけだといった啓蒙ビデオの制作など、ギャンブルの危険性を徹底的に教育する活動も行っています。シンガポールのギャンブル依存症対策は市民にカジノをさせない政策であり、市民がカジノに行かなくなったから依存症率が低下しているのではないでしょうか。
 さらに、上記調査の回答率が大きく減少しており、隠す病気と言われるギャンブル依存者が回答していない可能性も考えられます。ギャンブル依存症は時間を掛けて顕在化してくるとされており、二〇一〇年オープンのカジノの負の影響を現時点で評価するのは早過ぎます。
 それでも、自己破産数が二〇一一年の五千二百三十二件から一四年には七千八百九十一件へ、そして犯罪件数も二〇一三年以降増加傾向に転じ、とりわけ詐欺、横領、コマーシャルクライムが二〇一二年の三千五百七件から一五年には八千三百二十九件に異常な増大を示しています。現に、NCPG自身が現時点で成功したと結論できないこと、カジノに通う十名のうち四名が依存症になる可能性があると言われていると、常習者における依存症の危険性を述べていることは重要です。
 米国の一九九九年と二〇一三年のギャンブル依存症率の比較を行ったウェルテ等による研究によれば、責任あるギャンブルに基づく様々な取組にもかかわらず依存症率は減少していません。カジノに通いやすい環境にある住民の依存症率が高いことも改めて確認されています。カジノのギャンブルが他の既存のギャンブルよりも依存症率を誘発する危険性が高いことが明らかにされており、カジノ収益でギャンブル依存症対策を取れば問題ないという姿勢は、日本のギャンブル依存症問題を一層深刻化させると考えます。
 提案者は、IRの中でカジノの占める面積はほんの一部でしかなく、あくまで家族みんなが楽しめる統合型リゾートであると言います。しかし、それは家族ぐるみでギャンブルに誘引する仕組みとも言えます。例えばラスベガスでは、ギャンブル目的の初訪問客は一%ですが、リピーターでは一二%に増大します。平均三泊四日の滞在中に七三%がギャンブルを経験することで、より多くの客がギャンブル常習者への道をたどることになります。IR型カジノは、家族ぐるみで来訪させ、お父さんもお母さんもギャンブルを経験させることで、ギャンブル依存症になる可能性を国民全体に広げる施設だと考えます。
 しかも、シンガポールのIRで収益の八割をカジノ収益が占めるように、巨額投資の回収と他部門の赤字の補填を行いつつ二〇%以上とも言われる高い投資収益率を実現するために、毎年数千億円のカジノ収益実現が求められる収益エンジンとしてのカジノなのです。シンガポール政府は市民のカジノ参加率を二%に減少させましたが、大阪の夢洲構想では八二%が国内客とされるように、国内収益中心のIR型カジノではシンガポール型規制は不可能であり、逆に国民全体をギャンブル漬けにしていく極めて強い経済的衝動を持つカジノというのがIR型カジノの本質だと考えます。
 外国観光客、とりわけ中国富裕層が獲得できず、国内客比率が高まるほど、国内における購買力の移転でしかなくなり、日本経済におけるマクロ的プラスは期待できません。ましてや、二〇一二年以来百四十八億ドルを株主に利益還元したと誇るラスベガス・サンズ等の外資がIR型カジノの運営を担った場合は、漏出効果、利益流出でマクロ経済的にもマイナスとなります。その上、ギャンブルで所得や貯蓄を失うことによる経済的困難者の増大等を通じた貧困格差を一層促進することになります。また、周辺地域のマネーがIRに吸い込まれることで、地域間の経済的格差や地域経済社会の破壊が進んでいくことになります。
 IR型カジノの本質は、ギャンブル収益による他部門の赤字補填に見るように、コンプと呼ばれる価格サービスを行う点にあります。ギャンブル収益のない既存の商店街やレストラン、ホテルなどは、不平等な競争を強いられ、淘汰されていく危険性が高まります。犯罪誘発などの社会的被害が地域社会に負わされていく危険性も高まっていきます。
 さらに、高齢者がギャンブルを通じて老後の生活資金を失う危険性が高まります。米国では、カジノ収益の六割前後がギャンブル依存症者によると言われるように、客を依存症状態に誘導することで高収益を上げるカジノビジネスにおいて、賭けに負けたあなたが悪いという自己責任論で片付けることは許されません。IR型カジノは、通常のカジノよりも地域経済を破壊する危険性の高い施設と考えます。
 かつてチュニカの奇跡と呼ばれたミシシッピ州のチュニカも、地元カジノの破綻でチュニカの奇跡は終わったとされています。アトランティックシティーも衰退が進んでいます。米国アトランティック誌、二〇一四年八月七日付けですが、地域経済を破綻させるいい方法、それはカジノを造ることと表現したような事例が顕在化しています。巨額投資のみが先行し、期待される収益が実現しないことで経営破綻に追い込まれたリゾート開発の繰り返しになる危険性が高いと考えます。国際観光数等も、IRなしでもシンガポール以上に増大しています。IR型カジノに刑法の賭博罪の罪を阻却する公益性があるとは思えません。
 本法案では、シンガポールのNCPGのようなギャンブル依存症対策の専門機関設置を義務付ける条文がありません。また、カジノ設置の経済的効果のみならず社会的コストの調査や、最終的には住民投票などで受入れ地域の意思を尊重させる条文もありません。基本法と実施法を分離することで重要な欠陥を先送りすることは、国会の国民の未来に対する責任放棄であると訴えて、私の意見を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(難波奨二君) 鳥畑参考人、ありがとうございました。
 以上で参考人の方々からの意見の聴取は終了いたしました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○和田政宗君 自由民主党の和田政宗です。
 まず、参考人のお四方、本当にお忙しい中お越しくださいましてありがとうございました。意見、大変勉強になりました。そして、勉強になったということでは、前回の委員会で野党の委員の方の方からビッグイシュー基金のギャンブル依存症問題の冊子、提出されましたけれども、こちらも非常に勉強になりました。
 「ビッグイシュー」といいますと、昼とか夕方に街頭演説などをやっておりますと、ホームレスの方が販売をされていて、東京でも近郊の駅を降りますと売っていらっしゃるというような形で、買わせていただくこともありますけれども、非常にホームレスの方々の自立支援というところではいい取組であろうというふうに思っております。
 そのビッグイシュー基金がギャンブル依存症問題の冊子を出しているということは実は知らなくて、今回つぶさに読ませていただきましたけれども、そこで感じましたのは、現在のパチンコ、パチスロというのは極めて依存度が高いというふうな点でした。
 これは、大当たりに至る過程での光の点滅ですとかフラッシュですとか音楽、ストーリー性、期待を高めた上で、外れたときというのは悔しさですとか、当たったときのうれしさ、こういったものを増長させる効果があるというわけですけれども、前回の委員会で、私、かなり昔、パチスロをやったということを告白をさせていただきましたけれども、私の場合は、三十過ぎですぱっとやめて以後十二年ぐらい全くやっていないわけですけれども、ギャンブル依存症の方々との違いといいますか、何で私がギャンブル依存症にならなかったのかというところをちょっと考えてみたときに、私、パチスロをかなり確率論的に捉えていたんだなというようなところがありました。
 パチスロ、当時は設定一から設定六というのがありまして、今もそうなっているかは、ちょっともうやっていないので分からないんですけれども、設定五とか設定六になりますと、出玉率といいますかリターン率が一〇〇%を超えるということで、こういった台を見付けて長く打つと勝つ確率が極めて、極めてではないですけれども高いというような確率論で捉えていたので、そういったところで、すぱっとやめる決断をしたときにやめられたのかなというふうに思うんですけれども。
 やはりパチンコ、パチスロ、現在のものを考えてみた場合には、私もやっていたときというのは、そういったフラッシュですとか点滅で期待感が高まって、当たるとうれしいというような要素もあったのは確かでありまして、こういったものの依存、これが多重債務の問題にもつながっていくということを考えた場合に、パチンコやパチスロを遊技とするならば、遊技としての在り方というものは私はもっとしっかり考えていかなくてはならないんじゃないかなというふうに思っています。
 一方、カジノのスロットマシン、これ、海外で私はスロットマシン実際にやっております。点滅とかそういったものはほとんどない状況でありまして、当たるとじゃらじゃらじゃらじゃらコインは出てくるわけでありますけれども、宝くじ的要素というものが高いものであります。
 ということを考えてみた場合に、私は、カジノにおけるこういったものと既存のパチンコやパチスロというものは分けて考える必要があるんじゃないかなというふうに思っています。だからこそ、カジノにつきましてはしっかりと依存症対策、予防策ですね、こういった枠組み、仕組みをつくっていけば、私はギャンブル依存の増加というものは抑えられるというふうに思っております。
 そこで、美原参考人にお聞きをしたいというふうに思います。
 日本でのカジノを含むIRの開業によりまして日本に更にギャンブル依存症を増やすのかという厳しい意見、これがあるわけですけれども、専門家として、このような意見についてはどのように考えますでしょうか。
○参考人(美原融君) お答え申し上げます。
 確かに、今、我が国はギャンブル依存症大国だと、こういうふうに言われておるわけでございますが、その起因率の過半は、やはり現在ございますパチンコ、パチスロ、あるいは公営競技、あるいは公営賭博、こういったものではないかと、こういうふうに思うわけでございます。
 依存症対策で今必要なのは、衆議院の附帯決議にもございましたように、今現在ある問題としてこれを縮小し、その対策をいかに図るべきかということでもあります。もちろん、将来起こり得る制度としてのカジノに対しては、当然のことながら、その影響を抑止する手段が最初から取られていることが必要ではないかと思います。
 まず、総合対策としての賭博依存症をどういうふうに捉えるべきなのか。これは、やはり立法府の御意思にもよると思いますが、そういう総合対策の中において、教育から始まり、調査研究、抑止、そういったものを総合的に考えていく。また、新しくカジノ賭博を認める場合には、そのリスク等々を考慮した上で判断すべきではないかと思います。
 ちなみに、リスクの在り方は違います、賭博種によって違います。パチンコがなぜ問題なんでしょう。それは、アクセシビリティーが高いと、こういうふうに言われております。
 御参考までに、ニュージーランドでは賭博依存症賦課金というのを課してございますが、三年ごとに実際ある賭博依存症患者をチェックして、その絶対数から割り出して、三年ごとに賦課率を変えております。どこが一番リスクが高いでしょう。町じゅうにあるカジノホールみたいなところ、その次がいわゆるカジノでございます。いわゆる競馬等々は低いというのがニュージーランドの実態でもございました。
 我が国においても、何が問題の起因になっているのかを正確に精査した上で将来の対策を考えることが必要ではないかと、こういうふうに思っております。
○和田政宗君 では、美原参考人に、ちょっと具体的に導入としてお聞きをいたしますけれども、日本でIRを開業する場合に、必要なギャンブル依存症対策としてどのような方策が有効と考えるか、教えてください。お願いいたします。
○参考人(美原融君) やはり、通常の顧客というのはレクリエーションギャンブラーといいまして、周知、教育徹底、リスクに対する問題周知、こういったものが効果的であることが知られています。
 問題があり得る人たちの対処でございますが、三つございます。入れさせない、やらせない、資金を一切貸し出さない。カジノから明確に遮断することができ得れば進行をある程度抑止することができるというのが様々な国の検証で分かってきています。
 では、これをどうやって実現するのか。結構難しい問題がございまして、医師、家族、社会、あるいはそういう人たちの明確な進言によりまして、本人の同意を得た上で、顔写真等々の生体認証を入口でチェックして、入口で完璧に排除することは技術的に可能でございます。もちろん、これが個人情報等々に値するか否かというのは大きな問題でございますし、今後とも、是非とも立法府で御議論願いたいことでございます。
 問題を封じ込めるという施策が効果的。絶対に問題ある人はやらせないという態度をカジノ事業者、家庭、コミュニティー、地方自治体、政府が一緒になりながら、役割を分担してこの国の在り方を考えるべきではないか、こういうふうに思っております。
○和田政宗君 その点でもう少しお聞きを美原参考人にしていきたいというふうに思いますけれども、前回の委員会で、私、過去に競馬もかなりやったというようなことを申し上げまして、これもすぱっと三十過ぎのときにやめられたわけでありますけれども、いろいろ、地方競馬ですとか帯広のばんえい競馬も行きました。
 何というんでしょう、鉄火場的というんでしょうか。少ないお金を握り締めて、勝つんじゃないかというふうな思いで、そこに期待を掛けて行くような方もいるわけでございまして、私は、カジノにおいてのギャンブル依存症を防ぐ場合には、そういったことを防止をしていくということが重要なのではないかなということを美原参考人を始めとする参考人の方々の意見を聞きまして思ったわけでございますけれども、入場料でありますとか、一定の金額を持ち込まないと入場できないですとか、そういったような抑止の考え方については、美原参考人、いかがでしょうか。
○参考人(美原融君) 確かに、入場料を賦課するということは、消費を抑制する効果はあります。ですけれども、これが本当に賭博依存症対策になるかについては様々な議論がございます。欧米においても、結局その損を取り返すために何でもないと、こういうふうに思う人が増えた場合、全く意味のない政策になってしまうかもしれませんです。
 もう一つの施策は、やはり消費抑止政策と絡んでいきます。例えば、先ほど委員の方々への御説明もございましたように、入場時間を制限する、賭け金上限規制を設ける、あるいは一日上限賭け金総額規制を設ける、あるいは地元住民に対して回数制限という形で、コンピューターで管理しながら賭博に行く回数を減じせしめる、こういった方策があることは事実でございますが、果たしてこれが本来のIR、カジノを含むIRの政策目的にかなっているか否か、消費を抑制するということは果たして本当に適切か否かということに関しましては慎重な利害関係者との御議論が必要ではないかと、こういうふうに考えております。
○和田政宗君 ありがとうございます。
 依存症対策については、この後、渡邉参考人にもお聞きをしていきたいというふうに思いますけれども、美原参考人に、ちょっと時間もあれなんですが、あと三問お聞きしたいというふうに思っております。
 アジアのカジノマーケットが既に飽和状態にあって、日本で後発的にIRを開始しても期待するような経済効果は得られないという論調もあります。先ほど一部御解説をいただきましたけれども、専門家としてこのような論調についてどのように考えるか、もう少し詳しく御教示ください。
○参考人(美原融君) お答えいたします。
 アジア市場のパイが一定でこれを競い合っているという、こういう構図だと思いますが、現実には考慮しなきゃいけないのは、マカオというのは非常に特殊な国でございます。九五%が中国、台湾並びに香港の人たちだけでございます。全く中国国内の問題で、いわゆるVIP、富裕層が政策によって来なくなったという、こういうことがマカオの一部の収入の減少を招いている。ただ、私の資料に添付いたしましたが、マカオでは普通の観光客が増えています。それとともに、全体の企業収益における富裕層収入が落ちて、逆に一般顧客の賭博収入が増えているわけでございます。より健全化している、こういうことが言えるのではないかと思います。
 アジア全域に目を投じますと、いわゆるアジアの成長の要因というのは、中国のみならずアジアを含めた中間富裕層の発生にあります。新しい需要がアジアには起こってきている。だからこそ、これらの人たちは日本に観光に来る、エンターテインメントも楽しむ。そういう形で、実態面としてはアジアのマーケットというのは更に成長する要因があるのではないかと、こういうふうに思っております。
○和田政宗君 次に、カジノの運営の仕組みについてお聞きをしていきたいというふうに思いますけれども、外国企業がカジノの運営企業となった場合に、収益がこれは海外に流れることになるわけですけれども、その場合に、これ納付金をどれだけ課すかなどの在り方についてはどのように、美原参考人、お考えでしょうか。
○参考人(美原融君) 二つ問題があると思います。
 一つは、外資に収奪されるというのはいかがなものでございましょうか。投資家というのは、この市場に六千億円、一兆円投資した場合、当然その投資リターン、合理的な投資リターンを求めるのは、これは投資家が日本であろうが外国であろうが同じではないかと、こういうふうに考えます。やはり負担と受益というものがバランスされていること。
 当然のことながら、その負担には委員御指摘の納付金徴収というのがあるわけでございます。どのくらいの納付金を徴収すべきなのか。それは恐らく、今後、政府の中において詳細な制度設計、経済計算をした上で、キャッシュフロー中どのくらいの納付金が適切かを実施法策定の過程で慎重に御判断願うべき項目と、こういうふうに考えてございます。
○和田政宗君 仕組みについてもう一問、美原参考人にお聞きをいたします。
 ディーラーの養成ですね。これは民間人を養成するというような形で、公営ギャンブルの場合は、競輪でありますとか競馬のジョッキーなども含めてプロが担うわけでありまして、ですので、様々ないわゆる不正防止策というものができるわけでありますけれども、ディーラーは、これ民間の方々を養成してというようになる可能性が高いのではないかというふうなことが言われておりますけれども、その養成ですとか資格、公的なものを付与するのか、そういったものを含めて、美原参考人のお考えはいかがでしょうか。
○参考人(美原融君) 先ほど渡邉参考人が申し上げましたように、ディーラーは、厳格な背面調査の対象として、ライセンスが付与されない限りこの業に参加することはできません。そういった意味では、ディーラーは完璧な清廉潔癖性が要求されるという、こういう形になると思います。
 もちろんこれらは民間事業者でございますが、ディーラーの教育自体は、恐らく民間レベルで専門教育という形で、日本人の能力、手先の器用さから考えますと六か月から八か月あれば優秀なディーラーが教育できるんではないかと、こういうふうに考えております。
○和田政宗君 ありがとうございます。
 では、次に渡邉参考人にお聞きをしていきます。
 依存症対策の部分で、先ほど渡邉参考人の御説明が途中になっていた部分もございました。この依存症対策について具体的にどのようにお考えか、お聞かせください。
○参考人(渡邉雅之君) 資料の方に沿って御説明をしたいと思います。
 御存じのとおり、二十八ページで御説明しているとおり、シンガポール、このカジノ導入、二〇一〇年に導入されましたけれども、導入以降、依存症患者は大幅に減っている、二・六%から〇・七%に減っていると。その中でどういった対策が取られたかというのが二十九ページに、我が国に当てはめた場合の対策ということで書かせていただいております。
 まず、入場料規制、自国民及び永住者のカジノ入場に際して、一人一日当たり八千円の入場料を賦課する。それから、カジノ場内へのATMの設置の禁止。そして、任意の申告による損失上限の設定。カジノ事業者による自国民、永住者への与信の禁止、あるいは貸金業法をそのまま適用して総量規制をはめる、給与の三分の一という総量規制をはめる。そして、各先生方のお話にあったいわゆる排除システム、自己排除、家族排除、第三者排除による入場の禁止ということ。そして、青少年に対するカジノのリスク、ギャンブルのリスクの教育といったこともあると思いますが、特に排除システムについては、先ほど、排除システム導入している者が三十万人もいるというお話がありますが、ここはちょっと大幅に誤解されているところがあるなというところを付け加えたいと思います。
 排除システムはある程度、一定程度機能しているのではないかということで、この次の英語のページを見てください。こちらのNCPGが出している、統計に基づくものでございますけれども、実は、特に自己排除の申告者が二十六万七千四百二十六人おりますが、そのうち大半が、二十四万六千五百六十人、これが外国人なんですね、実は。要は、外国人労働者、これ、労働ビザを得るために、事実上この申請をすると得やすいというところで申請していると。
 それから、ここに英語でちょっと脚注で書いているんですけれども、シンガポール市民、それから永住者につきましても、この中にはいわゆる破産や生活保護を受けている者は自動的にこの排除システムに登録されるということになっておりますので、実際に自分の意思で排除システムへ登録しているという方はもっと少ないと。そこがちょっと誤解されて伝わっているのかなということをちょっと補足させていただきたいと思います。
 そのほかにも、カジノ事業者によるいわゆる責任あるゲーミングの概念の導入、それから依存症、もちろん今回、日本においては、パチンコ、パチスロにおける依存症や、それから公営競技における依存症についてもこれは総合的に検討すべきです。この点については、今回政府の方の、附帯決議の中でも、関係省庁が十分に連携して包括的な取組を構築するというお話が出ておりますので、そういった中で実現していただきたいと思います。
 最後に、依存症が講じられてからIRを導入すればいいじゃないかというお話もよくありますが、私はIRファーストだと思います。要は、依存症対策をするためにも、これを実現するためには多額な資金が要ります。幾ら一定の基本法だけを作っても、十分なこれに裏打ちする予算というのはなかなか取れない。そういった中で、今回、附帯決議の中でも納付金については依存症対策に充てるというようなことも言われておりますから、そういった中で、このIRを実現する中で依存症に取り組んでいくというのがやはり一番適切なのではないかと考えております。
 以上です。
○和田政宗君 マネーロンダリングのことについて、渡邉参考人に引き続きお聞きをしていきたいというふうに思います。
 カジノはマネーロンダリングの温床であるといった指摘でありますとか、日本はマネーロンダリング対策が不十分であって、カジノを始めればますますマネーロンダリング犯罪が増えるというような指摘というものもございますけれども、これについてはどういったお考えでしょうか。
○参考人(渡邉雅之君) マネーローンダリングについては、先生御存じのとおり、FATFという国際的な政府間会合がございまして、そこで勧告を定めまして、各国がこれに沿った顧客管理措置を実現していると。我が国では、犯罪収益移転防止法という中で、顧客の取引時確認、それから確認記録や取引記録の作成、保存、そして疑わしい取引がある場合はその報告ということをしておるところでございます。
 カジノにつきましても、これも各国において一定の金額基準、アメリカですと一万ドルという基準で、そこに、それ以上の取引をした場合には必ず顧客について報告をさせるということを取っています。それについては、それを避ける行為というのがあるんですね。要は、一万ドルになりそうな場合には、それを下回る取引額で取引をするというようなことでそういう顧客管理を避けるというところがありますが、これをいわゆるストラクチャリングといいます。
 そこについては、今の、今回の日本の法改正でも入ったんですけれども、そういった意図的に分割したことが明らかな場合は、そこを合算してちゃんと顧客管理をしましょうということが入っております。ですので、日本の今回の犯収法の改正、犯罪収益移転防止法の改正に基づく措置でマネーローンダリング対策というのは十分コントロールできるんではないかと。それから、場合によっては、ほかの国でやっているように更に報告義務も課すということも考えられる。
 それから他方、もう一つマネーローンダリングの温床ということで問題となるのは、よく挙げられているジャンケット、マカオでよく悪名高く言われておりますけれども、要はどういうことをしているかというと、お客さんとの間の取引を、ほとんどカジノでプレーをしないのにしたかのように見せかける、そのお手伝いをしたり違法な地下銀行的な送金を中国本土との間でやっているとか、そういったことがFATFの報告でなされているところです。
 そういった意味からしましても、やはりこのIR、日本におけるIRの導入に当たっては、まずもって、このジャンケット制度ということについては慎重になるべきではないかと考えております。
 以上です。
○和田政宗君 ちょっとその点、もう少し、ジャンケットではなくてマネーロンダリング対策の前段でお話しになったところをちょっとお聞きしたいんですけれども、日本でIRを開業する場合のマネーロンダリング対策の肝となる部分、これはしっかりやるべきだというような、重要な、最重要と言うべきかもしれないですけれども、これは、渡邉参考人、どういったところであると考えていますでしょうか。
○参考人(渡邉雅之君) 繰り返しになりますけれども、やはりこの国際的な基準、要は、アメリカでもシンガポールでもマカオでもどこでもやっている基準でございますが、一定の閾値、金額基準がありますけれども、それになった場合には必ず顧客の取引時確認をする、その記録を作成、保存し、疑わしい取引の場合はその報告をすると、それが当局を通じてマネーローンダラーからの犯罪収益の剥奪につながっていくわけでございますから、そこをしっかりやっていく必要があると。
 アメリカでは、二〇一六年のFATFの相互審査で、アメリカのカジノに関するマネーローンダリング対策、非常に十分やられているというお話が出ております。そういった意味からでも、諸外国における取組を積極的に、当然ながら実施法案の中で検討していくことでございますが、これを実現していく必要があるんではないかというふうに考えている次第です。
○和田政宗君 ありがとうございます。
 その取引時の確認義務ですけれども、何というか、いわゆるアングラの組織はもうあらゆる手を使って逃れようというようなことをするわけでありますけれども、これは、ぴしっと取引確認というものができればそういった防止策というものは可能だということでよろしいんでしょうか。
○参考人(渡邉雅之君) マネーローンダリングの規制については、確かに、マネーローンダラーというのはいろいろ、取引時確認というか、要は、資金の身元を分からないようにするということを日夜考えているやからでございます。そこについては、マネーローンダリングのやり方ということについてもいろいろ調査がなされているところです。その手口というのが、このカジノについても一定程度類型的にまとめられているところです。
 先ほどお話ししたとおり、一定の金額以下で取引をするとか全くプレーをしていないとか、あるいはポーカーなどで双方示し合って取引を、要はその勝ち負けを決めているとか、いろいろあるわけでございます。そういったところをちゃんと事業者として、疑わしい者はちゃんと届出をするということで対処をしていくということかなというふうに存じます。
○和田政宗君 ありがとうございます。
 それで、渡邉参考人にお聞きをいたしますけれども、違法性阻却のための制度設計の部分ですね。
 これまでの公営競技関連法制は、全て違法性阻却のための制度設計を含めた議員立法で制定をしてきております。一方、今回のIR推進法案は、賭博罪の違法性阻却のための制度設計を、もし今回の法案が可決、成立した場合に、今後に立案される政府法案に、実施法に委ねる形になっております。
 このような立法の仕方はおかしいというような意見がありますけれども、渡邉参考人は専門家としてどのようにお考えでしょうか。
○参考人(渡邉雅之君) 今回、IR推進法案という基本法と、それから、いわゆるIR実施法案という具体的な中身を決める法律という二段階の形で制定をしようということなんですけれども、海外のカジノの管理委員会のホームページをいろいろつぶさに見ますと、非常に細かな、要はつぶさな精緻な規制がなされているわけでございます。そこについては、政府において多様な検討をなされた後にやはり実現されなければいけない。
 そういった意味で、まず大幅な、今後の実施法案の制定の道筋を付けるというIR推進法案をまず作った後でIR実施法案を一年以内に策定するという形はとても正しい形なんじゃないかと私は考えています。
○和田政宗君 ありがとうございます。
 ちょっともう時間もあれですので、最後にちょっと美原参考人にも今の点お聞きできればというふうに思いますが。
○参考人(美原融君) 渡邉参考人のとおりでございますが、更に付け加えて申し上げるならば、企業としてのコンプライアンス精神、これも重要でございます。
 ディーラーに対して不断の教育を行い、教育というものが事業者の義務として構成され、マネーロンダリング対策に対して政府の規制機関と一緒になりながら問題を正確に捕捉して報告し、犯罪防止につなげる、こういったことも事業者には求められている、こういうふうに追加的に私は考えてございます。
○和田政宗君 ありがとうございます。
 時間が参りましたので、新里参考人、鳥畑参考人、お聞きちょっとできませんでした。お二方の御意見、しっかりと次回以降の質疑に生かしていきたいというふうに思っております。
 今、渡邉参考人、美原参考人のお話を聞いていまして思いましたのは、やはり私は、このギャンブル依存症対策というものをしっかり打つ必要もありますし、こういったことを打っていけば、そういったギャンブル依存の増大、これは私は防がなくてはならないという信念でやっておりますけれども、そういったことが可能なのではないかというふうに思いました。
 ありがとうございました。
○神本美恵子君 民進党・新緑風会の神本美恵子でございます。
 本日は、四人の参考人の皆様、大変貴重な御意見をありがとうございました。
 今、和田委員からの最後の質問で言われましたけれども、いわゆるこのIR推進法案はプログラム法と言われ、実施する具体的な中身については実施法を一年以内にというような姿を取っておりますけれども、それについて、美原参考人、渡邉参考人はこれでよし、これがいいのだというような結論のような今お話がありましたが、私も、本当に国民がこの間このIR推進法案に対して抱いている不安とかここはどうなるのとか、それこそギャンブル依存症に対しては、今でもこれだけ多い中でカジノを解禁したらどうなるんだというような様々な不安、懸念がある中でこういう法案の形で提出されたのは、つい国会の、しかも延長された国会の最終盤になって、衆議院では六時間足らずの質疑で参議院に送られてきて、今日が二回目なんですね。質疑は一日行っただけで、今日参考人の皆さんの御意見を聞いて、何やら、もう今国会中に成立させたいというような意向も漏れ聞こえてきたりしているような今の国会の審議状況であります。
 そこで、新里参考人と鳥畑参考人には、こういう法案の在り方と、それから国会の審議の在り方ですね。私の党は、こういった形で今採決をされて成立をさせようとするということに対しては立法府として大変大きな責任を国民に果たせないままになっていくのではないかという懸念を強く持っているのですけれども、お二人のこの法案に対する立ち位置は先ほど聞かせていただきましたが、改めて、補足があればそれも含めて、それと国会での今の審議のありようについてお二人の参考人に御意見をお伺いしたいと思います。
○参考人(新里宏二君) じゃ、お答えいたします。
 やはりプログラム法といえども基本的な方針というのが決まっていないといけないのではないだろうか。例えば、何かといいますと、誰のお金をいわゆる目的にするかと言ったら変ですけれども、やっぱり海外からの観光客を目的にするのか、又は先ほど私が話したように、やっぱり日本国内の資産が相手にするのかによって、まさしくそれによって、例えばカジノの入場規制をどうするのかにも関わります、やっぱり日本人を余りターゲットにしませんというのであれば非常に厳しい規制を掛ければいいわけで。ただ、それをターゲットにするのであれば入場規制をなかなか掛けられない。シンガポール並みの規制、いわゆる本人、第三者、政府から、又は入場料を取るという仕組みしか規制できないのではないか。
 やっぱりそこのスタンスのところ、それがまた今度は依存症対策としてどういうことになるのか、いわゆる基本的なスタンスによってどういう規制を掛けていくかというのが決まってきて、それが全く定まらないというところにこのプログラム法の問題があるのではないかなというふうに思います。
 それから、やはり違法阻却の問題。日本で初めて民間賭博を認めるということでございます。だとすると、それが今までの刑法の議論の中で違法阻却の議論、それとの整合性があるのかないかということを基本的に論じないことには、通しました、じゃ後で議論したらやはり違法阻却、民間賭博は違法阻却できませんでしたということであれば全く無駄になってしまいます。
 それからまた、一回プログラム法を成立させてしまいますと、どんどんどんどん解禁の圧力が高まっていきます。そうなってくると、一年以内に理性的な議論というのはなかなかしにくい。ですから、まさしく初めて行うことについては、それについてはきちっとプログラム法の中でも議論しなきゃならないのではないか。それがちょっとなされていないということに非常に不安を感じます。
 そして、やっぱり新聞各紙でも拙速な議論ということで、これだけこのカジノ法案というのが、いわゆるIR法案といいましょうか、社会的に注目されているのに、それが非常に基本的な議論がない、それに対して各メディアが社説で問題を指摘している。それは非常に大きなことであって、それを踏まえて、じゃ、この参議院の中でどれほど充実した審議がなされるのかどうか、まさしくこの参議院の議論が国民注視の中で問われているのではないかなというふうに思います。
 慎重にやっていただきたいと思います。
○参考人(鳥畑与一君) 今回、私も衆院の内閣委員会の議論をちょっと拝見をさせていただきまして、こんな形で進んでいっていいのかということで、非常に驚いております。
 プログラム法は、政府に対して一年以内に必要な実施法、対策を取るということです。それは義務付けるものです。であれば、プログラム法の中で政府に対して何を義務付けるのかということが非常に重要であろうというふうに考えているわけです。
 やり取りの中で、シンガポールの依存症対策がうまくいった、うまくいった、これを前提にするわけですけれども、じゃ、なぜうまくいったのかといった場合に、シンガポールの場合はNCPGという対策機関がカジノ合法化を認めたその同じ年に設置されて、二〇〇五年から活動を始めているわけです。カジノのオープンが二〇一〇年ですから、それぐらいシンガポールは準備期間を取って行ったと。それでも対策が後手に回るところがたくさんありました。
 それから、例えばマサチューセッツ州であれば、州レベルでカジノの合法化認めましたと。じゃ、その後地域を分けるんですけれども、地域によって例えば一つか二つのカジノ、じゃ、カジノ企業に具体的な提案出してもらいます、地元の自治体がそこで合意をします、その合意した中身についてどういう社会的経済的効果、コストがあるのかというのを調査した上で、最終的には、受入れ住民のいわゆるレファレンダムといいますか住民投票をかけて承認を取る手続をするわけですね。
 今回のプログラム法では、まあ実施をしないと分からないということもありますけれども、でもしかし、経済的効果はこれだけあるんだ、これだけあるんだということで盛んに宣伝をされるわけですね。税収効果もこれだけあるんだ、これだけあるんだと、これを基にして様々な分野にお金が使えるんだということを宣伝するわけですね。ところが、それが本当に正確なものなのかどうかさっぱり分からないままにプログラム法をとにかく認めなければならない、カジノ設置を認めるという大転換をしなければならないと。
 例えば、先ほど私、ウォーカーがアメリカの州では税収増えなかったという話をしました。例えば、在日米国商工会議所はカジノの中での消費税を掛けるなという要求をしています。じゃ、例えばカジノのギャンブル支出に消費税を掛けないと、しかし、ギャンブルに使わずにほかの商品を買えば消費税掛かるわけですね。そうすると、これ、差引きすると税収が減る可能性だってあるわけです。
 そういった意味で、経済的効果、社会的効果をしっかり国が責任を持って調査をして、最終的には国民に信を問う仕組みというものをプログラム法に入れるべきであると考えております。
 以上です。
○神本美恵子君 ありがとうございます。
 確かに、衆議院の短い議論でも参議院の先般の質疑でも、今お二人の参考人に言っていただいたように、誰を対象にするのかとか、それから違法性阻却についてはこれまでの法務省の見解、今日も御紹介ありましたけれども、それに照らしてどうなのかというようなことは、これは議員立法ですので、答弁者は議員と、まあ政府参考人も、厚労省や法務省も呼ばれましたけれども、確かにこの法案では、そこはこれから政府がそういった問題については決めていくんだというところまでの答弁しかいただけないままに今日に至っているわけですね。
 でも、今御指摘いただいた内容だけでもとても重要なことであって、そこにこそ国民が疑問を抱いているという意味で、お二人の御意見は私も全く同じように思っております。また、新聞各紙や社説、記事などでも、人の不幸を踏み台にするのかと、本当に的を射た見出しだなと思って読んだんですが、それから先日も、経済効果に対しては大きな疑問があるということで出されましたけれども。
 これは少し、ちょっと変な聞き方かもしれませんが、四人の参考人の皆さんに、美原参考人、渡邉参考人は、これは推進すべしと、是非というような御意見ですけれども、これが成立した場合に、逆に推進すべしなんだけれども懸念されるところはこういうところが懸念されるんだということがあればそれを言っていただきたいのと、いや、これはもっと慎重にやるべしというお二人の新里参考人、鳥畑参考人には、カジノを含むIR、これを導入した場合に何かメリットは全くないのかということについて、それでも、メリットはあるけれどもそれでも反対だということがあれば、四人の参考人に短くお願いします。
○参考人(美原融君) 成立した場合に懸念はあるか否かと、どういうふうに考えるか、こういう御質問でございました。
 もちろん、潜在的にカジノがもたらし得る社会的インパクトというのは存在します。ですけれども、それを除去するために、あるいは防止するために様々な規制、制度、法というものがあるはずでございます。是非とも、これからの実施法に向けての御議論の中で、国民にとって分かりやすい御議論を国会の皆様にお願いしたいと思います。
 当然のことながら、慎重に期すべし、慎重に議論すべきというのは、推進法が成立しても、実施法の過程でできれば慎重な御審議をお願いしたい、継続的にこの問題を検討していただきたいというのが私の見解でございます。
○参考人(渡邉雅之君) 今回のIR推進法案、基本法案でございますけれども、国会の審議の中で重要な論点というのがかなり顕在化したと思います。賭博罪の違法性阻却の問題、それからマネーローンダリング対策、あるいはギャンブル依存症対策、これらはもちろん、要は懸念点というか、当然、今後一年以内に策定することになっているIR実施法案の中でどのようにこれを入れ込んでいくか、どのように検討していくかということを真剣に議論していく必要がある。その点については、衆議院で付いた十五項目の附帯決議という中に、政府に対するマンデート、義務、義務付けとして当然求められてきているわけでございます。
 特に、その十五項目めの中では、以上を含め、法五条に必要となる法制上の措置について十分に国民的な議論を尽くすことということが、これがまた一つの附帯決議になっていくわけでございます。
 要は、政府、そして国民の中で、今後この実施法案の中で当然このことについて真剣にまた議論をしていくと、このIR推進法案だけで終わりではなく、ここがまず入口なんだということなんだと私は思っております。
 以上でございます。
○参考人(新里宏二君) 今日、私の資料の七のところで、韓国の賭博中毒者の年間社会・経済的費用というところを少しお話しさせていただきました。七十八兆ウォン、日本円でいうと七兆八千億のマイナスの経費が掛かりますよということがもう調査結果で出ているわけです。
 じゃ、日本は今そのような調査結果、しているのでしょうか。きちっとそういうことをすることが少なくともこのプログラム法を作る前提ではないのかなと。それすらなくて、全て政府へ政府へといって、じゃ、本当に一年以内に政府でできるんでしょうか。もう全部丸投げして、議論を先送りして、それは全部政府で一年でやりなさいといって不可能を強いられていることではないのでしょうか。
 基本的なところはやはりプログラム法の今議論の中で、先ほど言いましたけど、違法性阻却のことも含めて、依存症対策も含めて、きちっとした議論をした上で更に一年検討してくださいということではないのでしょうか。余りにもそこの議論がなされていない。
 皆さんも御承知だと思いますけれども、びっくりしましたけれども、衆議院で審議時間を十分に使わずにされたということが報道されていたりして、本当に短い中でも本当に充実した審議がなされているんだろうかということからすると、きっと国民は見ているのではないかなと。まさしく今の中でもできることをきちっとやっていただきたいなというふうに思います。
○参考人(鳥畑与一君) 私は、イギリスも二〇〇五年にカジノの規制緩和を行いました。それは、アメリカ流の、そこではリージョナルカジノと言われているんですけれども、大型のIR型カジノを造ろうということなんですね。最終的には、マンチェスター市で受入れが決まっていたんですけれども、具体的に地域に対する経済的効果、コストを考えた場合にはっきりとした効果が確定しないということで、最終的には受入れを拒否をしました。
 私は、ギャンブルよりもカジノの依存症発生の危険性は高い、その中の、カジノに比べてもIR型カジノというのはより危険性が高いというふうに考えております。とにかく国際観光業の推進ということで、世界中から観光客が集まるということで自信がおありならば、外国人専用のカジノということでおやりになればいいんじゃないかと。IR型カジノということで、日本人全体、家族を巻き込んでギャンブル漬けにするような危険性のある施設をなぜ日本が今わざわざ造らないといけないのかということを訴えたいなというふうに思っております。
○神本美恵子君 ありがとうございます。
 改めて、この法案の実施法に委ねられてしまって明確になっていないことを、まずはプログラム法を通してということではなくて、この審議の中でそのことも含めてきちっと議論すべきだというふうに皆さん方の御意見で私は受け止めさせていただきました。
 次に、これ、私、基本的なことが分かっていないのかもしれませんけれども、美原参考人は、御説明の中でも、それから書かれた論文の中でも、これは巨大なカジノ施設を造るのではなくて、賭博場を造るのでなくて、あくまで日本が東アジアのハブとして復活していくためにカジノを含むIR施設を造る、そのことで滞在型観光を税の投入なしに実現し、地域経済を振興しようとするというふうに最初の陳述でもお話しになりましたけれども、これ、カジノがないIR施設ってあり得るんですか。
○参考人(美原融君) 理論的にはあり得ますけれども、実際にそれを投資する民間主体はないのではないかと思います。
○神本美恵子君 分かりました。
 一方、鳥畑参考人は、アジアのカジノは中国人富裕層をターゲットにしているけれども、もうその勢いは衰えている、陰りを見せてきていると、なので、アジアのハブとしてというふうな美原参考人のお考えもあるようですけれども、経済効果への期待はできないのではないかというようなことも、私は新聞でコメントされているのを読んだんですけれども、果たしてこのカジノ市場に後発国として今参入することによって本当に経済効果が見込めるのかということについて、そしてそれが地域経済を潤すことができるのかと。
 先ほどの御説明では、むしろ場所によっては、韓国の江原道などは様々な課題の方が出てきているというようなお話もございましたけれども、それについて、鳥畑参考人、お願いしたいと思います。
○参考人(鳥畑与一君) 済みません、最初の方をもう一度お願いします。
○神本美恵子君 アジアのカジノは中国人富裕層の勢いに陰りが見えているのでもうちょっと頭打ちになってきているというようなことと、そこに後発国として日本が参入することで本当に経済効果が見られるのかということを。
○参考人(鳥畑与一君) 申し訳ありませんでした。
 先ほども言いましたが、日本におけるカジノ構想は、シンガポールのIR型カジノをモデルにしてから、経済的規模といいますか投資規模が一桁増えたわけですね。とにかく一兆円の投資をしてもらうと。投資する側は、それを五年間ぐらいで回収をして、更に高い収益率を上げると。ラスベガス・サンズは、投資家向けに二〇%の収益率を上げるんだと、最低で、ということなんですね。
 じゃ、それだけの投資をしてもらう、それだけもうけてもらいますよというんですが、そういうマーケット、つまり、マカオにしろシンガポールにしろ、あれだけ稼げるのはあの中国の富裕層が来てくれるだけですよ、だからですよと。そこが非常に展望が乏しい。
 じゃ、何で外国資本にとって日本が魅力的かといえば、それは日本が未開拓の市場だからです。
 私、一昨年、アトランティックシティーに調査に行きまして、現地の人に言われました。元カジノ経営に関わっていた人ですけれども、客がいるところにカジノを造るんだということなんですね。そういった意味では、日本は未開拓地であり、ここで十分にもうかるということで投資をするわけです。
 そうしますと、日本人のポケットだけでその一兆円の投資であるとか、先ほどのサンズのように、二〇一二年以降例えば百五十億ドルぐらいのもうけをいただきますよということは、これは日本経済にとってプラスなんでしょうかということが言いたいわけですね。
 それから、私、一昨年、アトランティックシティーに行きました。年間三千万人を超えます、客が。十二の当時カジノホテル、IR型カジノがありました。でも、町を歩くと、五万人の町が本当に空き地だらけなんですよ。ここは昔ホテルがありました、レストランがありました、空き地だらけです。全部カジノがお客さんを吸い込んでコンプと言われるサービスをするので外に食べに行ったりしない。全部周りのマネーを吸い込んで、周りの地域経済が廃れていくと。
 私、地元の人に言われました。要するに、元々あったアトランティックシティーのコミュニティーが壊されてしまったと。昔はここにイタリア人のコミュニティーがあった、アイリッシュ系のコミュニティーがあった、アイリッシュパブがたくさんあった。でも、私連れていってもらったところはもう一軒ぽつんと、あと全部空き地ですね。
 そういった形で本当にカジノ依存の町の経済がつくられて、しかし、そのカジノ産業というのは長期的な発展性がない、カジノがこけたら全部こける、そういういびつな経済構造ができてしまうんじゃないかと考えているわけです。
○神本美恵子君 ありがとうございます。
 次に、新里参考人にお聞きします。ギャンブル依存症についてです。
 先生は、先ほどの陳述でも、多重債務問題に長く取り組んでこられて、ギャンブルで借金をつくり、仕事を失い、家族を失い、果ては自分の命まで失うという、そういう人の悲劇を前提とした経済対策など、基本的人権が保障され、幸福追求する権利を認められている日本の憲法の下では背理であるとまで述べられております。
 このIR法案を機にギャンブル依存症の対策を打つべきという議論は、この間、発議者もそういうことをおっしゃっておりましたし、先ほどの参考人の中でもそういうお話がございましたけれども、それについてどのようにお考えか。また、依存症の人が増える可能性を拡大しておいて、カジノでですね、依存症対策を取るというのは本末転倒ではないかというふうに私も思います。そのことについてのお考えと、それでは、このIR法案が成立するしないにかかわらず、今ギャンブル依存症対策として真っ先にやるべきことは何なのか。また、先生のお考えの依存症対策についてお伺いしたいと思います。
○参考人(新里宏二君) じゃ、お答えいたします。
 私自身は、今出ましたように、ずっと多重債務問題を、弁護士三十四年やっておりますけれども、現場で取り組んできました。本当に当初から、何でまた借金つくっちゃうのということで、債務整理をして三年でまた三百万つくっちゃう、それでどんどんどんどん周りがいなくなっていってしまう、それなのに何でまたやっちゃうのと僕らも叱り付けました、残念ながら。だけど、病気なんだよねということを分かって、きちっとした対策を取らなきゃ駄目だということでございます。
 今、先ほど五百三十六万人の推定値と言いましたけれども、実は、アルコール依存症の調査に併せて調査をしているんです。アルコール依存症については百万をちょっと超えて、百八万か九万だと思いますけれども、ギャンブル依存はその五倍なんです。アルコール依存については、もうアルコールに関する健康増進の基本法ができておって、もう対策は取られているんですね。数が多いこのギャンブル依存症について、極めて対策が取られていない。
 更に言うと、特効薬がないというのが一番の難物なんですね。家族が困ってしまう。本当に、一人の依存症の人に四人ないし五人巻き込んだ悲劇が生まれてしまうということからすると、まずは、この上がりで対策を取るのではなくて、別途にきちっと国が位置付けてやらなきゃならない。少しずつ例えば拠点病院をつくって、それを増やしていこうかということは少し始まっておりますけれども、まずやらなきゃならないのは、本当に、このカジノ法案とは全く離れて、ギャンブル依存症対策、最終的には基本法を目指して対策を取らなきゃならない。その意味では、まだまだ実態調査が進んでおりません。そして、何が一番の原因でこのようになっているのかという調査を公表していかなきゃならない。
 数の方は出ているんですけれども、何でこうなっているかについて公表されていないんです。そこが一番の問題です。何が原因でこれだけ増えているのかということをきちっと実証的に確認して、それを公表して対策を取っていかなきゃならない。対策というのは、教育の問題もあります。それから、今依存症になっている人に対してどう国が予算を付けて支援をしていくかという問題、それから、例えば広告の規制をしなきゃならない部分があるかもしれません。
 そのようなギャンブルに常々アクセスがしやすいような社会を少しずつ変えていかなきゃならない、それの第一歩をしなきゃならない、それができていない、今それがまさしく求められているのではないのかなというふうには思います。
○神本美恵子君 ありがとうございます。
 あと時間がもう少しになりましたので、二つの点について、これは、どなたかお答えいただける方にお答えいただきたいと思います。
 一つは、これまでほとんど語られてこられませんでしたけれども、私が仄聞するところによると、こういうカジノ施設ができると、そこで性産業が付随して行われているということを聞きました。性産業、風俗といいますか、いわゆる売春のようなことが行われているということを聞きましたので、その点についての実態やお考えが皆さん方にあればお聞きしたいと思います。
 もう一点は、青少年への影響ということで、これもなかなか、よく項目としてはマネーロンダリング、青少年への影響と挙がるんですけれども、じゃ、具体的にどのような青少年に対して対策をしたらいいのか、あるいは予防のための教育があり得るのかということについてほとんど具体的に語られていないので、それについてお伺いしたいんですけれども。
 私も元教員でありましたので、学校では、薬物依存とか暴力を未然に防ぐとか様々な教育がされています、カリキュラム以外の教育ですね。しかし、このギャンブル依存について予防教育あるいは対策教育をするにしても、一方でギャンブルができる場所をこの国にこれまで以上に増やしておいて、そして子供にやっちゃいけませんよとか気を付けなさいよと言うのは、何だか教育する立場から見るとどう教えたらいいのという気がするんですけれども、この予防教育について、青少年への影響と教育についてですね。
 もう一つ、ディーラーの話がさっきありましたが、何か、この頃ディーラー学校がはやっているというふうなことも聞きました。雇用を拡大するということでなのかなと思いますが、そういう青少年への影響については、教育と雇用についても、お考えのある方にお答えをいただきたいと思います。
○参考人(美原融君) カジノができて環境が悪化し得るか否かに関しては、残念ながら、私はそうは思っておりませんでして、高規格の質の高い施設でございますので、果たしてそういうものがあるかどうかは、一国の社会、風土、その在り方、こういったものに影響していくんではないかと思います。
 二番目の教育でございますが、実は私、オーストラリアへ行って小学校の教科書を見てまいりました。教師のためのマニュアルで、こんなに厚いんです。それは、賭博、アルコール、様々な社会的な悪、言っていますのは、子供たちに小さい頃から組織的にこれを教える。悪ではありません、ですけれども、成人になったときにあなたの判断でやりなさい、でも、やった場合にはこういったデメリットもあります、それを自分で判断できる能力をあなた方が身に付けなさいということを教師が教えるようなマニュアルテキストが教師に配られて、いわゆる日本でいう公民教育みたいな課程の中で組織的に子供たちに教えています。
 先生おっしゃっているように、我々日本も、当然のことながら、今でも公民教育の中において、きちんと自分で、成人になった場合、是非を判断して自分の責任で行動できるような子供たちに教育をする、そういったことが必要ではないかと、こういうふうに思っていますが、残念ながら、悪いことは蓋を閉める、教えない、やらせないではなくして、成人になったときにどうあるべきなのかを正確に子供たちに教えることがあるべき教育の姿だと私は思っております。
○委員長(難波奨二君) 新里参考人、時間が参っておりますので、簡潔に、コンパクトにお願いいたします。
○参考人(新里宏二君) はい。
 青少年の教育の関係からしますと、やっぱり、いろんな調査がありますけれども、大学生の辺りからパチンコ等にのめり込んでいく可能性がある、その前の段階での教育が極めて大事だという指摘を受けております。その意味では、小学校のときからやっぱり教育の中に入れ込んでいくことが大事なんだろうなというふうに思っています。まだまだそれはできておりません。
○委員長(難波奨二君) じゃ、簡単に。渡邉参考人。
○参考人(渡邉雅之君) 教育についてのお話がありましたが、そのほかにも、世界のカジノでは学校や医療機関の近くには絶対にカジノを造らないと、そういったことが規制の中で定められておりますから、そういったところも当然やっていくと。
 それから、未成年者のカジノ場への入場については、シンガポールのように厳しく厳格に禁じるといったところじゃないかと思います。
○神本美恵子君 性産業についてはほとんど御存じないようですけれども、私ももう少し調べて、また今日の皆さん方の御意見も参考にしながら、今後も慎重な審議を求めていきたいと思っております。
 ありがとうございました。
○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。
 本日は、この分野に御専門の参考人の先生方から貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございます。
 今回の議題、議案となっておりますこの法案につきましては、その基本理念にございます地域の創意工夫及び民間の活力を生かした国際競争力の高い魅力ある滞在観光を実現するという点において、我が国の観光立国を目指す上で大変重要なものであるというふうに考えておりますけれども、一方で、この法律案の特定複合観光施設に含まれるカジノ施設については、刑法百八十五条が賭博を厳格に禁止しているということから慎重な検討が必要という双方の観点がございます。本日は、両方の面から参考人の先生方に御質問を順次してまいりたいと考えております。
 まず、美原参考人にお伺いをいたします。
 美原参考人の冒頭の御説明では、カジノ法案というのはカジノのみならずカジノを含む統合型リゾートとして見るべきであると、さらに、その統合型リゾートが存在するその地域経済への貢献、これは、例えば財・サービスの調達とか消費とか、あるいは税収、また観光振興、地域振興と、そういった地域経済への波及効果というものも視野に入れて論じるべきであるという御意見をいただきました。
 一方で、ほかの参考人の皆様からお伺いしたところでは、実はこの経済効果というのは、なかなかこの統合型リゾートの中に閉じ込められてしまうような効果も他国において見られるということもお話として出ておりました。そうした中で、例えばコンプによって、域内での割引あるいは優待制度で域内だけでそれが消費されてしまうのではないかと。そうしたことであると、これは非常に難しい。
 そうした点で、この点についてそういった一方での御意見がある中でなおこの経済的な効果が地域的にも及ぶんだと、そういった観点での御意見を再度お伺いしたいと思います。
○参考人(美原融君) 御質問ありがとうございます。
 この施設はカジノだけではございません。IR施設、例えばコンベンション施設とか会議施設に万単位のお客が来ることを考えてください。この人たちが毎日カジノへ行くとは私到底思えません。私、行きません。まあコンベンションへ行ってもコンベンションに出ないかもしれません。観光に行きますね。あるいは家族のためのお土産を買わなきゃいけないとか、結構義務があるものでございます。
 いわゆるコンベンショニストとか、様々な組織的に集客を誘引する仕組みというものは、交流とにぎわいによって消費のシナジーを生み出すということでもございます。その中のうち一部はカジノに行くかもしれませんと、こういうことではないかと思いますし、地域経済が疲弊するといっても、本当のお客さんは、例えばそこから外に出て、様々な日本にある観光資源とか食事とか楽しむのではないでしょうか。
 例えば、考えてみてください。東京とか大阪にこういった施設が来ても、その施設に三日間いて、そこで飯を食って、そこにずっといる人なんて考えられませんですよ。当然外に出て、お金を使い、観光をして楽しい食事をする、逆に地域経済は豊かになる。そういうスピルオーバー効果というものがこういう施設には存在するはずであって、カジノだけに目を止めることは必ずしも正しい見解ではないんではないか、こういうふうに思います。
○里見隆治君 今のお話は、IR、この統合型リゾートの中でのお話が主だったと思いますけれども、もう一点の論点でございます地域経済への波及という点についてももう一つ詳しくお伺いをしたいと思います。
○参考人(美原融君) この仕組みは手挙げ方式という形で、地方公共団体があるべきIRの姿を国に申請して指定を受けて、その地方公共団体が民間事業者の投資を募る、こういう仕組みでございます。
 この過程で地方公共団体は何を考えるべきでしょうか。地域のためにこの施設がどうあるべきなのか、本当に地域の振興効果があるのか、地域内の雇用はどうあるべきなのか、あるいは地域の財・サービスをどのように消費してくれるのか、交付金の在り方、入場料金の在り方は地方にあってどうあるべきなのか、それを地域社会で考えて、事業者と交渉しながらその誘致条件というものを定めていくことになると思います。全くのゼロではない、いわゆるいかに地域の経済効果をもたらすのか、そういう仕組みがこの法案には将来的には内在されているのではないかと思います。
 もちろん、詳細な手続等々は、今後皆様の御審議を待って、実施法の中で取り決めることになるのではないかというふうに考えています。
○里見隆治君 今おっしゃったような経済効果といいますのは、先ほども皆様方の御意見をお伺いしておりますと、ターゲットが、日本人の比率が相当程度、依存症等の配慮で低く見るのか、あるいはある程度の規制をもって日本人もまあまあ、ある程度の割合まで認めるのかということによっても大きく違うと思いますし、また外国人を、いずれにしても国際観光立国ということで進めるといっても、富裕層が少なくなって、ある程度中間層をターゲットにするべきではないかという、そういったお話もある中で、日本人もある程度制限する、あるいは富裕層も少なくなってくるとなると、相当経済的にどうなんだろうかというような御意見も出てきていたように思いますけれども、その点いかがでございましょうか。
○参考人(美原融君) カジノ単体に限っての御質問と、こういうふうにお受けいたしました。
 確かに、中国の富裕層は、習近平政権の腐敗汚職撲滅作戦によりまして海外に出にくくなっていることは間違いございません。その消費が少なくなってくるのも事実です。ですけれども、確かにマカオは中国人富裕層をベースにしてあれほどまで発展してきたわけですが、現実には、富裕層はいなくなっても一般顧客がどんどん増えて、その収入でもって採算をはじいている、こういう状況ではないかと思います。
 日本はどうあるべきなのか、こういう御質問でございました。恐らく、日本ではどういう戦略を取るかというのは、当然、将来設置されるカジノ事業者のマーケティング戦略とか、あるいは御指摘の国の詳細な制度の在り方、規制の在り方によっても大きな影響を受けるのではないかと、こういうふうに思います。
 ですけれども、一般論、あくまでも一般論としてでございますが、私的に考えますのは、やはり我が国においてできるカジノ場、もちろんIRというのは別にしてですよ、カジノ場というものはやはり一つの交流の場でもございますし、一定程度、相当の日本人のお客が占めることが想定されると思います。ただし、それに加えて相当数の外国人も存在し得るのではないかと、こういうふうに考えております。どのぐらいの比率なのかと、こういうふうに御質問が来るかも分かりませんですが、過半は日本人ですけれども、相当数の外国人も想定できるのではないかと、こういうふうに思います。
 ターゲットとしては、恐らく、中国人のVIPではありません。広くアジア、中国も含めたプレミアマスと呼ばれる、通常の顧客よりは若干、ゲーミングプロペンシティーと言っていますが、可処分所得のうちゲーム消費支出に一定程度割き得る消費者層というものがアジア全域に増えていることは間違いございませんので、こういう健全な、安全かつ健全、優良な顧客層をターゲットに日本は狙うべきだと思います。それがビジネスマンであり、あるいは様々なアジアの中間富裕層ではないかと、こういうふうに思います。
○里見隆治君 どうもありがとうございます。
 いずれにしましても、この影響がまずプラス面において、カジノかあるいはIR内か、そして地域か日本国全体にとってなのかというその点については、これは確かにマクロでは見にくいと思いますので、先ほどもお話が出たように、地域ごとに自治体が実際にこの申請をしてくるということであれば、この自治体ごとにしっかりとシミュレーションをしていくということが非常に重要だというふうに考えます。
 その上で、これはもちろんなかなか経済性だけで物事を判断するわけにはいかない。様々な倫理性あるいは犯罪等ということも、これはなかなか数字にはならないわけですけれども、先ほど美原参考人からお話のあった否定的要素の認識、これに関連して、先ほどの御説明では、なかなかこうした否定的要因というのを定量化はしづらいというお話がございました。
 しかし一方で、その後の他の参考人の皆様から、確かに一定の条件を置いた上でということではあろうかと思いますけれども、こうした否定的要因についてもある程度指数化をして、そしてメリット、デメリットを判断をしていくという、こういった努力、こういった試みというものはやはり今後自治体で、これはこの法案が前提となりますけれども、自治体で具体的にこうした検討をしていくという際には、プラスの効果あるいはマイナスの効果、両面をある程度数値的にも捉えていくという必要がございます。
 そういった意味で、先ほど定量化は難しいというコメントをいただいておりますけれども、それについてしっかりと定量化に向けた動きを持っていくべきだというふうに私自身は考えておりますけれども、その点いかがお考えでございましょうか。
○参考人(美原融君) 一つのお考えであると思います。
 定性評価、定量評価を否定するものではございませんですが、否定的な側面になる場合、例えば現在のいわゆる依存症患者の実数、内容、在り方、先ほど委員の先生方がおっしゃいましたけれども、それすら分からない状態で架空条件に仮想条件を付けても余り意味がなくなってしまう。
 そういった意味においては、地道に今の実態を正確に把握した上でそういう定量的な試みをするというのは私は結構な考え方だと思いますが、果たしてできるかどうかは別、あるいは合理的か否かは別の問題となると思います。ただし、先生のおっしゃっているように、努力をすべきだというのは私も賛成でございます。
○里見隆治君 どうもありがとうございます。
 是非とも有識者の先生方には、これが実際に動いた場合という前提ですけれども、そうした手法を是非とも、皆さんが議論するに足るだけの手法というものを是非御提起いただいて、是非、感情的な議論にならないように、非常に冷静な議論に結び付くような、そうした手法を御提供いただけるように私もお願いしますし、私どもも実際議論をしていかなければならないというふうに考えております。
 それでは次に、渡邉参考人にお伺いをしたいと思います。
 渡邉参考人からは、資料の九ページで、IR推進法案が民設民営のカジノを目指す理由という点で御説明を頂戴いたしました。その中には、公的主体が運営者となることは適切でないと考えられるということでございました。
 一方で、これは以前、渡邉参考人も多少お触れになったことあったように承知しておりますけれども、これまでの競走事業、公営賭博に関しては、こうしたものは公営でやってきたという歴史的な経緯の中で、この公営賭博との整合性を維持するためには施行権を公にしておくべきではないかと、そして、公営カジノとしても、現に公営賭博で行われているように、開発、運営については民間委託することは可能である、またカジノ施設以外の施設については完全民営化することが可能であるといった考え方もあろうかと思いますけれども、この官民の関わり方についてもう一度整理をしてお伺いしたいと思います。
○参考人(渡邉雅之君) 公設民営型という形、これも一つの考え方ではあると思いますけれども、これを公設民営の形にすると、比較的違法性阻却というのは確かにしやすいのは事実です。
 ただ、今回、国会の審議、要は委員会の審議の中で明らかになったこととしまして、この八つの要素、目的の公益性から始まって副次的弊害の防止までの観点、特に目的の公益性の中で、これまで、収益使途の公益性を含むという表現が、これ限定的に解されているんじゃないかという、そういう誤解があったわけですが、今回の国会審議の中で、収益の使途の公益性は、これは一例であるということが明らかになった。それから、運営主体の性格についても、官又はこれに準ずる団体であるということは、これは一例であるということが明らかになったということが法務省の答弁の中で明らかになりました。
 そういった中で、私、今回の審議を踏まえて八つの要件をやはり慎重に検討した結果、確かに、この公営競技について、どうしてこれまで違法性阻却されてきたかということがこちらの十三ページ、十四ページの図の方に出ておりますけれども、やはりこの運営主体の性格、公設、公が、要は地方公共団体なりJRAのような公的な存在であること、それから収益の使途の方が公的な目的であることということにかなり依存しているところがあったのではないかというふうに考えております。
 それに対して、今回の民設民営のカジノにつきましては、カジノ管理委員会が厳格な管理監督をしていくこと。それから、先ほども私お話ししましたけれども、ギャンブル依存症対策を始めとするカジノの負の影響につきましては、これまで全く、まあ言い方は悪いかもしれませんけれども、公営ギャンブル、それから宝くじにつきましては、三億円当たるとかこの売場で当たりましたとか、そういったことで、かなり射幸心をあおるような広告などがなされていて、ほとんど広告規制などがなされていないと。そういったところを比較考量して総合考量するということが考えられるというふうに法務省の担当者の方、それから政府参考人の方もおっしゃっている中では、そこを総合考量すると、この民設民営というこのIR推進法案の目指すもの、こちらの方を実現することは十分可能ではないかと現時点では私は考えている次第でございます。
○里見隆治君 今の論点は非常に大事な点だと思います。
 先ほど他の参考人からあった運営主体等の性格については、法務省見解で官又はそれに準ずる団体に限るなど。などとある、そこをどう読むかという、そこ非常に難しい点で、これは、本当に引き続き私どもの間でも議論をしていく必要があろうかと思います。
 そしてもう一点、渡邉参考人にお伺いをいたします。
 先ほどの御説明で、若干後ろの方時間切れでございまして、後の質問で若干補足はされておりましたけれども、御提示いただいております資料でいいますと、三十三ページでいただいております依存症対策委員会の設置、これは非常に重要な対策でありますし、先ほど渡邉参考人からはカジノファーストというようなお言葉も出ておりましたけれども、私はむしろ、これはカジノがあってその上で依存症対策というよりも、これは、このカジノがどうなろうが、もう何百万と言われている依存症関係がいらっしゃる中で、もう即刻手を打つべきであるというふうに考えております。
 その上で、いずれにしても、この順番は別にして、渡邉参考人からもこの依存症対策委員会についての意義ということは先ほども触れておられますけれども、先ほどちょっと時間がなくて余りおっしゃっていただけていないと思いますので、その意義について補足をいただければと思います。
○参考人(渡邉雅之君) ありがとうございます。
 三十三ページには、確かに、依存症対策委員会ということで、シンガポールにはいわゆるカジノを管理する規制当局と依存症対策の当局であるNCPGが分かれているという御紹介をしておりますけれども、ここは、基本的には立法府の方で今後議論をしていくところではないかと思います。
 今回、附帯決議の中では、ギャンブル等の依存症に関する教育上の取組を整備するという中で、また、カジノにとどまらず、他のギャンブル等に起因する依存症を含めて、関係省庁が十分連携して包括的な取組を構築し、強化することとあって、ここについては、どういう形になるかは今後政府において国民的な議論も踏まえた上で検討していくべきではないかと。
 そういった中で、先ほど、カジノファーストというか、私、IRファーストというふうに申し上げたんですが、そのやはりIRファーストという、要は、やはりカジノを含む統合型リゾートということにこの法律には意義がありますので、そこのエンジンで得た収益を生かさないとやはり難しいんじゃないかと。
 十二月八日に山本太郎議員の方が、いろいろお調べになった中で、現在その依存症対策の予算措置というのが非常に低いと。要は、地域整備振興事業予算が一千百万円、そして研修制度予算が一千三百万円、非常に低過ぎる、その対策もつい最近始まったばかりだということをお話しになったかと思います。
 やはり、この中で幾ら今後まずこういう依存症だけの対策をしていこうとしても、なかなかその予算措置というのは、決められた予算の中でこの割当てというのが幾らできるのかと。それを考えると、やはり今回の附帯決議にも入っておりますが、納付金の使途をギャンブル依存症対策に充てるというところから始めていくのがやはり一番現実的な考え方なのではないかというふうに私自身は、これは私の考えでございますが、思う次第でございます。
○里見隆治君 確かに、そういった財源論ということも一方で、国会ですから考えなければなりませんけれども、これは本当に一刻も早く手を打つべきだということを改めて申し上げておきたいと思います。
 それから次に、新里参考人にお伺いをしたいと思います。
 違法性の阻却という、今回の法案の中で一番の核心の部分でございますが、先ほど新里参考人の御説明ではやや柔らかくおっしゃっていたのかなというふうに捉えておりましたけれども、新里参考人の他の文献拝見をしておりますと、プログラム法としてカジノ解禁だけを一たび決めてしまえば実効的な規制は実現しない可能性が高いというようなことをおっしゃっていた文献を拝読しております。これは非常に、この国会の議決、あるいは法律の制定という国会の権能と、そして行政、政府との関わりを考える上で非常に重要な御発言だというふうに考えております。
 もう何度か御発言もいただき、また質問に対する答弁もいただいておりますけれども、この今私が引用した点について再度御発言をいただければと思います。
○参考人(新里宏二君) じゃ、お答えいたします。
 まず一つは、やっぱり違法性阻却のところをどう考えるのかという意味では、例えば民営賭博についてどう考えるのかというのが一番大きなところだと思います。それからもう一つは、依存症対策をどうするのかというのは、いわゆる解禁を先に決めてしまえば、なかなか厳しい規制というのは掛けられない。
 実は、僕、韓国の調査に行った際に相談窓口、ソウルの相談窓口のところに行ったんですけれども、例えば江原ランドの場合は、地域住民以外は月十五回まで入ることができるんですね。それって全く機能しないんじゃないですか、もう少し制限すべきじゃないですかという話をしたんです。特に、あれは公的なお金が入っているんでしょうと。いわゆる半官半民の仕組みなんですね、あの江原ランドというのは。だったら、公的な圧力で例えば回数制限をきちっとやることできるんじゃないですかと言われたときに、一旦解禁してつくってしまうと、営業の自由とかあって、なかなかそういう規制って掛けられないんですよと言うんです。
 ですから、まさしく先にどういう骨組みをつくるかということをしない限りは、後で困ったからって、直しましょうかといったときに、いや、それって私たちの営業の自由奪うでしょうという話になりかねない。ですから、まさしく一番先のところに基本構想というのが大事。そこがないと、だんだん開発する側に押されてしまって、規制がどんどんどんどん後退してしまうのではないかということを先ほどそのような形で、私の発言をそのように言っていただいたのかなというふうに思います。
○里見隆治君 どうもありがとうございます。
 また、今日、新里参考人の肩書をもう一度拝見しますと、多重債務問題検討ワーキンググループ座長と、日弁連でそういったお立場で御活動されているということですけれども、この多重債務問題、これはもう必ずしもギャンブル依存症だけには限らない、もっと広い話であろうかと思いますけれども、おおよそこの多重債務問題の中でどれぐらいギャンブル依存症の占める割合が、位置付けがあるのかという点と、それから、多重債務問題との関わりの中でギャンブル依存症についてどのように対応していくべきとお考えなのか、もう一度お伺いをしたいと思います。
○参考人(新里宏二君) じゃ、お答えいたします。
 日弁連では破産の調査をしたりしております。そうすると、ギャンブル依存が疑われるケースは五%程度だと出ているんですけれども、どうも必ずしも、それは暗数であって、なかなか正確な数字ではないのではないかとも言われておって、二割を超えるのではないかというふうな調査結果もございます。そういう意味では、相当数の多重債務の原因になり得るということが依存症の問題ではないかなというふうに思っています。
 じゃ、どういう対策をするのかということからすると、今は依存症の方、僕らがあるとすると、例えば精神科のところにつないで、そこに、自助グループがあるところにつないで、きちっと不断に仲間同士でカウンセリング、いわゆる話合いをしながら、そこに通っているうちは依存症に、ギャンブルに進まなくて済むと。そこを離れてしまうと、何年たっても、ぽっと離れてしまって、そして少しやってしまうとまた戻ってしまうというところがあるので、そういう相談窓口だけじゃなくて自助グループのところをどう国が支援をしていくかというところが大きな課題になってきて、これが非常に大変な作業、それをやっていかなきゃならないところじゃないかなというふうに思います。
 それからもう一点だけ。
 やはり正規の借入れだけではなくて、韓国でサチェという、日本では闇金でございます。それから、シンガポールではローンシャークという、これも闇金でございます。それがどうも非常に暗躍をしていて、それが人の命に関わる。いわゆる取立てが非常に厳しいものですから、追われてしまって自殺をしてしまう。
 実は、シンガポールの牧師さんのグループが自助グループ、相談窓口をつくっていったんですけれども、その原因は何かというと、ギャンブルで借金をして、一回はみんなが、牧師さんたちが助けたそうです。ところが、もう一回同じように借りてしまって、やっぱりギャンブルで、それで、もう駄目だよと言ったところで自殺をされたという苦い経験の下に、じゃ、自分たちでやっぱり相談窓口をつくっていこうよということになったと。
 すごくギャンブル依存のところとローンシャーク、闇金のところが非常に密接につながっていて、もし日本でも、今闇金もいて、抑え付けることはできているわけですけど、その問題というのは非常に重要な観点ではないかなというふうに思います。
○里見隆治君 ありがとうございます。
 もう少し聞きたい点があるんですけれども、もう時間ございませんので、次に鳥畑参考人にお伺いをしたいと思います。
 鳥畑参考人、地域という観点で御説明をいただきまして、非常に参考にさせていただきました。本法案においては、一つの申請主義、地方公共団体の申請に基づき、国の認定を受ければ特定複合観光施設区域となるとされているわけですけれども、そうした意味で、この法案を前提とすれば、まさに地方における申請前の十分なコンセンサス形成をどのようにしていくべきかと、これは、この法案が前提ですけれども、非常に重要なテーマになろうかと思います。
 そうした意味で、衆議院の内閣委員会での附帯決議では、公営競技の法制に倣い、地方議会の同意を要件とすることといった点、決議されておりますし、あるいは先ほどの鳥畑参考人の御説明の中では住民投票といったお話もございました。
 仮にこの法案が地方で動くということを前提とした場合に、こうした地方でのコンセンサス形成の在り方について、住民投票あるいは地方議会の同意といった様々な選択肢がある中でどれを選ぶか、あるいはどのようなプロセスを経るべきかという点について、もう少し詳しく教えていただければと思います。
○参考人(鳥畑与一君) これまでの議論の中で、経済的効果をまず強調するわけですね、経済的効果がなければ違法性を阻却できないということで。そうすると、それなりの規模がないと駄目だという議論になっているわけですね。
 そうしますと、今、例えば横浜でありますとか大阪でありますとか見ると、非常に根拠が曖昧なままに経済的規模が誇張されているんじゃないかと。横浜の場合は、オーストラリアのメルボルンのカジノが年間これぐらい来ているからこっちもこれぐらい来るというのを前提にして、シンガポールでは建設費が二千五百億円ぐらいで済んだからこっちも二千五百億円でやるというような、かなり雑な構想になっていると思うんですよ。ともかくもうそこで経済的効果をちょっとかさ上げをして申請をしてということなんですね。
 私が言いたいのは、そういう形で経済的効果を強調します、統合型リゾートですよと。確かに、カジノ以外のお客さんが来て、それ以外の方は地域でお金使ってくれること、それはあると思います。でも、その収益エンジンとしてのカジノ、ここでは例えば数千億円、例えば六千億円としますと、ラスベガスで平均の消費額、ギャンブル投資額が五百七十ドルぐらいなんですね、三泊四日で。じゃ、六万円としますと、六千億円、一千万人の人が来て、要するに負けて帰ってくれなければ成り立たないということになるわけですね。だから、そういった意味で、それだけの地域からお金を吸い上げるということが果たして地域振興になるのかということが一点です。
 それから、審議の中で、確かに附帯決議で議会の合意というのが入りました。それから、やり取りの中で住民の合意という言葉も出てきました。ただ、そこのところが非常に不透明でして、要するに、議会といった場合に、県レベル、府レベルの合意と、やはり実際にカジノが建設される受入れ地域、そこのコミュニティーの意思をどう問うのかと。
 例えば、直近、アメリカ・ニュージャージー州でアトランティックシティーが駄目になりました。そうすると、ニュージャージー州が何しようとしたかというと、ニューヨーク州に近いところにカジノを造ろうとしたんです。じゃ、住民投票をかけると、もう圧倒的に否決されちゃったわけです。
 だから、最終的にそういう本当に影響を受ける地域の意思をどう尊重するのかということがやっぱりプログラム法で明確にしないとまずいんじゃないかなというふうに思っております。
○里見隆治君 ありがとうございます。
 時間になりましたので以上で終わりますけれども、最後、一点、鳥畑参考人からいただいた資料の表の十二でオンラインというギャンブルの類型があって、これはまた別な意味で、このカジノの今回の法案とは別な意味で、非常にアクセスがともするとしやすいという意味で別な課題としてあろうかなと思いますので、これはまた別な場で議論していきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 今日は、突然に決まった参考人質疑に御協力いただきまして、本当にありがとうございます。
 私、この法案の核心は、やはり刑法で禁じている賭博を民間企業がカジノとして行っても違法性を問われないと、そういう措置をとりなさいということを政府に求めるということがこの法案の核心だというふうに理解をしています。
 それで、ここが核心だと思いますので新里参考人にまずお聞きをしたいんですけれども、この民間カジノの解禁というのは今に始まった話ではなくて、二〇一三年当時に、特区という形で地域に限定をすれば民間カジノの解禁ができるのではないかということがかなり議論になったというふうに記憶をしているんですね。そのときに、それが駄目だというふうなことの根拠として出てきたのが、先ほどからいろいろ御指摘のある八項目ということが一つまとまって出てきたというふうに思うんですね。
 それで、私、やっぱりIRというのは、IRがくっつくとはいえ、ほかの施設がくっつくとはいえ、形としては地域限定の賭博の解禁という形では違いがないというふうに思うんです。そうすると、刑法で禁じている犯罪行為との関係ということを考えたときに、これは、相当にこの八項目は厳密に議論が必要ではないかというふうに思いますが、まず、総論的に新里参考人にお願いします。
○参考人(新里宏二君) じゃ、お答えいたします。
 やはり特に今回は、これまで公営でやられてきた形が民営の、まさしく民間の賭博施設を認めるかどうかということからすると、相当にハードルが高いのではないのだろうか。ですから、やっぱり刑罰の、禁止ということの一部解除を一地方だけでやっていいのかということが特区のところで問題があったのではないかと思います。日本の社会全体のことだということから、特区ではなくて法律全体として、どこで設置されるかどうかにかかわらず、きちっとした国の基本的な仕組みの中でやらなきゃ駄目、特区は駄目ですよねということだったと思います。
 そして、やはりこの八項目というのが常々議論されてきて、どうも八項目の頭のところ、いわゆる、例えば今日お示ししております資料五であれば、これは法務省が十二月七日付けに出されたペーパーということでお聞きしておりますけれども、例えば目的の公益性、前々から、目的の公益性、運営主体等の性格、収益の扱いという格好で並列的に八項目が言われていて、それというのはいろんな解釈の余地があるのかなと思っていたんですけれども、今回、このペーパーによると、どうもそれ以上に法務省は厳格にこの八項目を考えているんだなということが出てきました。
 それで、この目的の公益性のところも、収益の使途を公益性のものに限ることも含むということで、これは必ず入るということですよね、これからすると。それ以外にも要件はありますけれども、これは、ずらしていいんですよということはこの解釈では言えないのではないかなと。その意味では、この十二月七日付けのペーパーということが、違法性阻却というのをやっぱり日本の社会の中できちっと議論しよう、厳格にしようよという流れの中でこういう法務省が出されたんだ、これは多として、これを踏まえて議論していかなきゃ駄目なんではないかなというふうに思います。
○田村智子君 そうなんです。私も十二月八日の日の法務省の答弁を聞いていてちょっと驚いたのは、その今の目的の公益性が収益の使途を公益性のあるものに限ることを含むというのが、確かに、これは一例を示したものだというふうに一夜にして答弁が何か変わったというふうにしか言いようのない答弁が行われたんですね。これは、公益性のあるものに限るか限らないかというのはどっちかしかないわけで、限ることを含むというのは必要条件としかこの文章では読み取れないというふうに私も思います。
 それで、事実、様々な今の認められている賭博行為というのは公設公営であると。私自身は文教科学委員会を担当してきましたから、例えば、サッカーくじでいえば文部科学省が所管をし、そして独立行政法人である日本スポーツ振興センターが運営を直接に行うと、そして、そこで得た収益は全て、人件費とか事業費、広告費を含む事業費ですね、これを除いたものの利益は全てスポーツ競技に使われたり、あるいは地方のスポーツ施設を造るために使われると。今年の国会では、このことに加えて新国立競技場の建設費にも使えるようにするんだということを法律によって議論をし、定めなければならないほど厳密にその収益金の使い方というのは限られてきたわけですよね。
 それじゃ、それがIRで民間になったときに同じようなことができるんだろうかということが非常に疑問です。例えば、サッカーくじの問題を私たちが議論しようとすればJSCを呼ぶことができます。日本スポーツ振興センターに直接私たちは事務所で説明を聞き、そして国会の場で質問することも、もちろん理事会の確認を得てではありますけれども、これが拒否されたということは過去にないと思いますよ、呼んで来なかったということは。それだけ公益性のある、直接に文部科学省が所管する団体だからだというふうに考えます。
 これが民間カジノになったときに果たして同じような扱いができるのかどうか、法律に照らして、新里参考人にもう一度お願いしたいと思います。
○参考人(新里宏二君) じゃ、お答えいたします。
 国会で誰を呼んでお話をするかということからすると、やはり一般の私企業を呼ぶということについてはハードルが高いのではないかなというふうに思います。
 特に、やっぱり一番問題になるのは、例えば五千億だ一兆円だ投資をするということになると、リターンを求めるということになりますよね。投資をした者は、結局、自分が営利行為をして利得に入るから投資をするという格好になります。そうすると、今までのもの、いわゆる賭博を収益の対象としていいんだということを認めてしまうということではないでしょうか。
 今まではそうではなかったんだと。公益で、例えば七五%の部分は配当に回します、それをあとは公益に回しますとかと決めてやっていた。だけど、基本的には、今回は自分たちの収益として取ってくださいよ、それが賭博での、まあ賭博だけではありません、例えばIRというのは三%で、八割が賭博の部分で、あと二割は一般のかもしれませんけれども、多くは賭博の収益を自分の利得としてもいいんですよねということですから、明らかに今までの考え方、この刑法の考え方と随分変わってきているのではないかな、そこについての議論がまだまだ足りてはいないのではないのかな。
 そこは基本的に本質的な問題であって、だからこそ、そこのところがあるから、例えば依存症の問題にどう対策を立てるかどうかということのところにもつながってくる。基本の一番のところが、民間の賭博を収益の対象にしていいのかどうかというところが問われているのではないかなというふうに思います。
○田村智子君 もう一点、新里参考人になんですけれども、そうやって民間賭博を解禁するという法律が一度作られたときのその影響です。今後、その他の法律やその他のものに与える影響ということをどのようにお考えになりますか。
○参考人(新里宏二君) じゃ、お答えいたします。
 それはもう非常に、もうそこで一回大きな壁が突き崩してしまえば、なし崩し的にいろんな形でどんどんどんどん広がっていくということが火を見るより明らかではないでしょうか。
○田村智子君 ありがとうございました。
 では、次に鳥畑参考人にお聞きしたいと思います。
 私、カジノというものを、もちろん映画とかテレビとかで見ただけで、その地域に行ったこともないんですけれども、今このカジノの法案がいろいろに議論される中で、様々にマスコミの方もお書きになっているんですね。
 その中の一つが、ダイヤモンド・オンラインで元朝日新聞の編集委員の山田厚史さんという方がお書きになっていることで、先進国のカジノというのは、生活都市から切り離すか都市の中なら目立たぬ場所でというのが世間の知恵だったということを指摘されているんですよ。マカオだったら、何というんでしょうね、そういう地域だよと、いわゆる一般の人がなかなか近づけないようなというような地域に限定するとか、あるいは先進国のイギリスのロンドンだったら、一般的にはどこにあるか分からないようなところで、ごくごく一部のいわゆる富裕層の方になるのかな、そういう方が行って大人の楽しみをするのかもしれませんけれども、そういうカジノだと。
 ところが、この山田厚史さんが言われているのは、ところが、日本で候補地として挙がっているのは東京や横浜やあるいは大阪の、しかも大変繁華街に近い、言わば人口密集地のところにぼんと造るというようなことが指摘されていて、家に例えれば玄関やリビングルームに賭博機を置くようなものだとまで指摘をしているんですね。
 私もなるほどというふうに思ったんですが、このような御指摘についてどのような御見解をお持ちでしょうか。
○参考人(鳥畑与一君) 発言させていただきます。
 ギャンブラーが何で依存症になるのかということについては、一つは、エクスポージャー理論といいますか、言わば被曝みたいなものですね。つまり、ギャンブルの頻度であるとか継続時間であるとか、あと賭ける金額、要するに脳に対する刺激ですね、これが大きくなればなるほど依存症になる危険性が高まるということを言われているわけです。
 そういう観点に立ちますと、どうしても、やはり自分が住んでいる近いところにカジノがある、毎週のように毎日のように通えるということになりますと、いわゆる常習性が高まって依存症になる確率が高くなる。これは、一九九九年に出されたアメリカの議会の国家ギャンブル影響度調査でも、五十マイル以内に住んでいる人は二倍依存症になると。
 今日お配りした資料は直近のもので、去年出された論文なんですけれども、表の十一の一と二ですね。例えばカジノからの距離、近ければ近いほどやっぱり常連、これは週二回です、ここの言う常連というのは。週二回通う方の割合が増えていって、問題ギャンブラーになる割合が増えていくということになるわけです。
 そうしますと、やはりラスベガスでできたのも砂漠の真ん中ですね。ニュージャージー州のアトランティックも、昔は海水浴でにぎわっていましたが、やはりある意味離れた場所にあって、あそこに限ってニュージャージー州の中でもカジノを認めるということでやってきたと思うんですね。ヨーロッパでは、いわゆる会員制という形で遮断をするということが取られてきたと思うんです。
 だから、そういった意味では、日本で東京、大阪のような大都市部、本当に人口密集地にばんと大きな、しかもIR型という形で家族みんなが足を運べるようなカジノを造ってしまう。例えばシンガポールのセントーサ行きますと、玄関のところにまずカジノの看板があって、入って左すぐがもうカジノの入口ですね。ヒアリングしたときは、もう家族で、地元では宣伝されない、でも、家族でみんなと遊びに行けば子供だってここにカジノがあると分かって興味を感じるという話なんですね。
 そういった意味では、本当、大都市部にカジノを造ることの危険性についてもっと議論しないといけないと思っています。
○田村智子君 ありがとうございます。
 もう一つ、いただいた資料の同じページの表の八と九のところでシンガポール・カジノのことが書かれているんですけれども、つまり、自国民のカジノ依存症を生まないためには、日本で造るカジノは、推進派の方のものを読んでみると、一万円ぐらいの入場料を取れば、何というんですか、そんなにたくさん頻度通うことができないじゃないか、先ほど、それを取り返そうとしてむしろ通うんだという議論もありましたけれども、そういうふうに入場料も課していけば一定の対策が取られるんじゃないかということが言われているんですけど。
 この表の九を見てあれっと思ったのは、シンガポールで家族申告や自己申告で立入り、入場の制限がされる人がどんどん膨れ上がっていくと。ところが、一方で、カジノの入場料の推移を見てみると、これどんどん現実に下がってきているということの表でよろしいんですよね。
○参考人(鳥畑与一君) 例えば、二〇一五年は一億四千七百万シンガポール・ドルです。これは、一日券が百ドルですので、延べでいえば百四十七万人に相当するわけです。ストレーツ・タイムという地元紙によると、九九%が百ドル入場券だという報道をされていますので、ほぼ一〇〇%これ百ドルの一日券と考えてもいいと思うんです。延べで百四十七万人で、これをどう評価するかと。
 先ほど、立入り制限で三十二万人といっても、本当の地元の市民は二万人ちょっとだよという御発言がありましたけれども、つまり常習者ですね、シンガポール市民でどれぐらいの人が行っているんだといったときに、先ほどの二%というと、市民でいえば八万人ぐらいなんですよ。
 これで、延べで百四十七万人で、毎月行っているといったときに、やっぱり十数万ですよね。多分、数万人の中で二万人ぐらいが自分でコントロールできなくなったから自己排除を申告しているんだよというのは小さな数字だと言えるのかということで、極めて深刻であって、その証拠に、シンガポール政府が回数制限を始めたのはかなり後なんですね。
 様々な対策が効き目がなくて深刻化したために、先ほど御発言がありましたように、月六回ぐらいですか、回数チェックをして警告を出すという取組、それから、地元の公務員に対しては回数を申告させるとかいう形の強化を、後から後から強化をしていくわけなんです。
○田村智子君 ありがとうございます。
 その今の、入場料自体は、やっぱり値下げしてきているということ自体は、この理由は分かりますか。
○参考人(鳥畑与一君) いや、値下げということじゃなくて、入場者数が減っていると。──表の九ですね。あっ、入場料総額です。あっ、入場料収入です。失礼いたしました。
○委員長(難波奨二君) 冷静にお願いいたします。
○田村智子君 済みません、入場料収入の推移ということですね。だから、全体の入場料としての収益は減っているけれども、人としては減っていないよということでいいということでしょうか。ごめんなさい。
○参考人(鳥畑与一君) いいえ、つまり、シンガポール市民のカジノ参加率が、参加数が相当減っているんじゃないかということです。
○田村智子君 分かりました。総数は減っているけれども、自己申告で入れないようにしている人の数は全然減っていないよというのが実態という数字、でもない。ごめんなさいね。済みません。
○参考人(鳥畑与一君) いや、シンガポール政府が自己排除制度を活用しながらシンガポール市民をカジノに行かせない政策を徹底してやる中で、現実に、例えば入場料総収入で見た場合に相当減ってきていると。ただ、減り方が滑らかなのは、やはり常習性が高まっているんじゃないかと推測しております。
○田村智子君 済みません、ちょっと数字の見方を混乱して申し訳なかったです。
 美原参考人にもお聞きしたいと思います。
 先ほど、やっぱり外国人を対象にして観光立国としてのカジノ、IRということでのお話だったと思います。確かに、大阪商業大学のアミューズメント研究所の研究者の方が行った試算がよく出てくるんですけれども、カジノの施設で消費額が四百十五億六千万円、関西経済同友会の資料でも、カジノの施設で五千五百四十五億円、これだけの消費が見込まれるだろうということが言われているんですけれども、それでは、シンガポールのように、自国民の人はできるだけ制限を掛けながら外国人観光客を呼び寄せるんだと。それでは、その外国人観光客というのがこれによってどれぐらい増えて、国内の入場者はどれぐらいを見込んでこういう試算が出てきているということになるんでしょうか。お分かりになれば。
○参考人(美原融君) 御指摘の資料は、かなり前の資料と最近の資料が入っておりまして、多分前提の取り方が大きく違うのではないかと思います。
 そういった意味においては若干誤解を招くような側面もあったのではないかと、こういうふうに私は感じておりますが、非常に、その予測につきましては、どういう前提条件を取るのか、税率あるいはマーケティングの予測、分析、そういったものによって変わってきますので、どういうふうな前提を取ったのか、ちょっと私、今、出元に、データとかそのデータの出元が分かりませんので、それが分からないとちょっとコメントを控えさせていただきたいと思います。
○田村智子君 しかし、主に外国人観光客が何割ぐらいとかいうことは試算をされているんでしょうか。
○参考人(美原融君) 多分していると思います。
 例えば、その八割方日本人、二割方外国人、そういった場合、一回の消費行動、すなわち、何日滞在してどのくらい一日当たり支出するのかというのは基本的な経済計算のベースになるものですから、当然そういう前提があるべきはずだと思います。
○田村智子君 是非、今後見ていきたいなと、そういう数字も見ながらの審議が必要だということは申し上げておきたいと思うんですけれども。
 大阪商業大学は谷岡学長がかなり積極的に推進をされていて、いろんな場でいろいろにお話をされていまして、最近も、毎日新聞ですかに登場されて、高齢者のたんす預金など世の中に出てきにくい金が回り始めることが期待されるということもお話をされています。
 先ほど紹介したダイヤモンド・オンラインのところで、二年ぐらい前に聞いた話ですがということで山田厚史さんが書かれているのは、海外の投資家がなぜ日本を魅力的と考えるかと。カジノについて、それは、ハイローラーと呼ばれるギャンブル愛好家はカジノのお得意様ですが、この種のギャンブラーだけを相手にしていては経営が安定しない、一般の方々が参加できる広い裾野が必要です、一定の所得と貯蓄を持つ分厚い中間層がいる日本の大都市圏は大変魅力ある市場ですというふうにお答えになっているんですけれども、やはりこれは、国際カジノ資本にとって日本が魅力的と言われるのはこういう理由なんでしょうか。
○参考人(美原融君) 私は谷岡学長ではございませんので、ちょっと谷岡の意見につきましてはコメントを控えさせていただきたいと思いますが、貯蓄ではなく消費を活性化するのもその一つの有効な経済対策、こういう御意向ではないかと、こういうふうに思います。
 もう一つの御質問でございますが、果たして外国のカジノ資本が日本市場をどういうふうに見るか、こういう形でございますが、確かに、歴史上こういうカジノ種類の賭博行為を初めてやった国で失敗した国はございません。それは、やはり日本国内にはこういうことを欲する新しい需要層があるのではないかと、こういう考え方からきているわけですね。例えば、パチンコに行く人はパチンコにしか行かないでしょうし、カジノはカジノなりの遊び方あるいはスキル、能力、面白さというのはちょっとまた他の賭博種とは違った頭脳的な要素があることも事実だと思います。
 そういった意味においては、恐らく外国事業者のお考え方というのは、やはり今まで認められていない市場においては可能性が高いと、こういうふうなお考えじゃないんでしょうか。
○田村智子君 眠っている貯蓄がカジノという消費に回ることが経済効果という考え方があるんだということだなというふうに理解をしたいというふうに思います。
 渡邉参考人にもお聞きします。
 現在のカジノは相当にこの違法性、あるいは違法性というか犯罪の絡みを排除してきているんだということがお話をされていました。とても単純な質問で申し訳ないんですけど、大王製紙の当時の会長が百六億八千万円をシンガポール・カジノで失ったというのは、あれは日本人にとっては衝撃的なカジノに対するニュースだったわけですよね。合法的に行われ、犯罪者集団も絡んでいないカジノでもこういうことが当然に起こるというふうな理解でいいんでしょうか。
○参考人(渡邉雅之君) 大王製紙の井川元社長のことですよね。私も、彼の書いた「熔ける」という本を読みました。
 ギャンブル依存症になる方の考え方というのがいろいろ出ているなということで、非常にこれは真摯に受け止めなければいけないなと思っておりましたけれども、彼がやはり変わっていった中で、読んでいくと、かなり先ほどお話ししたジャンケットという方にいろいろ誘客されていろんなカジノでプレーしていたという様子が出ております、実際に。やはりそういったことも踏まえて、いわゆる、要は、ハイローラーといいますかVIP相手のジャンケット制度の導入については非常に慎重に考えなければいけないのではないかと。
 シンガポールにおいても、今現在、インターナショナル・マーケット・エージェントという仲介業者が認められておりますが、そこは、要は、基本的にはコミッションの分割とかそういった、マカオで認められているエージェントとはちょっと違うんですね。要は、誘客しか認められていないようなエージェントとして認められているんですけれども、我が国において、そのインターナショナル・マーケット・エージェントのようなものも含めて、いわゆる仲介業者を主体として正式に認めるということについてはかなり慎重に検討する必要がある。
 要は、やはりカジノ事業者から離れて、仲介業者になるわけですから、当局の監督というのはどうしても遠くなるわけです。また、その仲介業者が更に下請をしているというのが、これ下請の連鎖が続いている、ネズミ講のように続いているのがマカオの実態です。
 シンガポールは、そこの一次請け以下の二次請け以下は禁止しているんですね。ただし、一次請けについては直接当局の目が及ぶといっても、やはりカジノ事業者本体よりは監督というのは弱くなると。そういうことからすると、ジャンケット制度導入については、私は非常に慎重に考えるべきと。
 実際に、シンガポールでも、このエージェントの導入、認められておりますけれども、たしか、最近はどうか分かりませんけれども、マリーナ・ベイ・サンズ、ラスベガス・サンズの方は、これ、そのエージェントを導入しておりません。要は自らのスタッフによって誘客をしているということで、やはり直接の主体の方が、先ほどもお話をしましたけれども、厳格な背面調査を経て採用した人材であるわけですから、そこでマネーローンダリングというのが生ずる可能性は低いということなので、やはりエージェント、ジャンケットの導入については慎重に考えるべきではないかと考えております。
○田村智子君 様々な規制を掛けなければということだと思いますが、規制を掛ければ掛けるほど他のカジノとの競争はどうなるのかという、そういう問題も出てくるんじゃないかという疑問もまた生じてくるなと思います。
 最後になるんですけど、ギャンブル依存症について取組されてきた新里先生にちょっとお聞きをしたいんですけれども、私は、このカジノで、言わば親子連れも参加するようなそのIRという施設の中でカジノが解禁になると、恐らくスロットマシンのようなものもカジノというのはあるというふうにもお聞きをします。そういうのが言わば当たり前の娯楽施設として認められるんだということになると、これまで自分の地元に帰ったときにパチンコにはハードルが高くてなかなか行っていなかったというような方が、よりカジノで経験したことによって、自分の地域に戻って、パチンコへのハードルも下がって、新たに通っちゃうような方が出てくる危険性もあるんじゃなかろうかと。
 カジノは一見さんで楽しむところでいいんだよというような主張をされても、そこで経験した一度の経験がその後のギャンブル依存症にもつながるということはあり得るんじゃないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○参考人(新里宏二君) じゃ、お答えいたします。
 直接的な答えになるか分かりませんが、実は、江原ランドに行ったときに、非常に、カジノといって紳士淑女の社交場というんですけど、僕が見た印象からすると、ジャージで入られている高齢者から若年もいるような中で、非常に身なり的には、もしかすると、今、日本の風情からするとパチンコ屋さんの風情ではないのかなというふうに思っていて、地元ではパチンコ、あっちに行ったらカジノということはあり得るのかもしれないなと思います。
 ただ、それも、きっと提案者からすると、そんなのでは駄目だよ、ドレスコードを作ってきちっとしたものをやるよと言うはずなんです。ただ、それをやってしまうと集客が落ちるわけですよね。そこもまさしく極めて微妙なところであって、ドレスコードを非常に下げていけば、どっちでも同じように入るようなことはあり得るだろうなと。
 これも、韓国の江原ランドのプロモーションビデオをホテルで見たことがあるんですけれども、カジノのことをどんなふうにやっているかというと、やっぱりタキシードを着て、女性は赤と白のドレスを着てワインを飲むというようなプロモーションビデオがありました。ただ、実際中に入ったら全く違いました。
 だから、日本はもしやるといった場合どのぐらいの規制を掛けるか。その場合には、掛ければ掛けるほど日本人が入れないような仕組みになって、そうすると収益が上がらないという問題につながっていく。それをどう、やっぱり基本的なところを初めの段階で議論しなきゃいけないというところにつながるかなというふうに思います。
○田村智子君 どうもありがとうございました。
 違法性の阻却の問題や大都市部にカジノを造るということの問題点など、まだまだ審議しなければならない問題があるなということ、よく分かりました。
 ありがとうございました。
○浅田均君 日本維新の会、浅田均です。どうぞよろしくお願いします。
 今日は、お忙しいところを御出席いただきまして、本当にありがとうございます。
 今まで経済的な効果から今の依存症に至る問題まで、この委員会でこれまで議論してきたことを専門家の先生方を交えてかなり突っ込んだ議論ができて非常に有り難い機会だなと、感謝を申し上げたいと思います。
 今の御質問の続きからちょっと始めさせていただきたいと思うんですが、皆さん方、依存症対策については御見解をそれぞれお持ちでして、提出していただいた資料の中にも様々お書きになっているんですが、若干ニュアンスが違いますところがありますので、まず新里先生と鳥畑先生にお伺いしたいんですが、新里参考人はこの資料の中に「ギャンブルは、多くの者の財産を失わせ、依存症へと追い込んでいく。」とお書きになっておりますが、このギャンブルという先生の頭の中に競馬、競輪、競艇、オートレースという公営競技のほかにパチンコ、スロットとかも含まれて、パチンコ、スロットに通って依存症になる方もたくさんおられるというふうにお考えでしょうか。お尋ねいたします。
○参考人(新里宏二君) お答えいたします。
 やはり統計的と言ったら変ですけど、一番依存症になるのは、今日本の中ではパチンコ、スロットだと言われていて、その問題を抜きにギャンブル依存症の議論はできないというふうに理解しております。
○浅田均君 ありがとうございます。
 だから、私は、これ今カジノを解禁するかどうかということと同時並行的に依存症対策ということが話題になっていますけれども、カジノの解禁とは別に、先生おっしゃっているように対策を強力に進めていくべきというお考え方はそのとおりだと思っております。
 何が原因かが公表されていないと先ほど御発言になりましたけれども、何が原因か公表されていないというところに、新里参考人、何かお心当たりはございますでしょうか。
○参考人(新里宏二君) 今回指摘させていただきました五百三十六万人の推計値、これが厚労省の研究班での研究でございます。データは出ていて、きっとその中に何がやっていますかという調査項目もあるやに聞いております。
 ですから、厚労省の方が今のデータをきちっと分析させて出しなさいと言うと、意外に早く分析結果が出るのではないかなと。それがだけど第一歩で、それすらやっていないところに僕は非常に問題があるような気がします。
 すごく短い、短時間のいわゆる調査でできるのではないかなというふうに思っています。
○浅田均君 分かりました。ありがとうございます。
 それでは、鳥畑参考人にお尋ねいたします。
 御提出いただいた資料の中に、カジノがギャンブル依存症を増大させ、そのギャンブル依存症者の犯罪率が高いことから、カジノ開設は周辺地域の犯罪を増大させ、治安を悪化させることは広く認識されているというふうにお書きになっているんです。このうち、まず、ギャンブル依存症者の犯罪率が高いという御主張ですが、これはどのようなエビデンス、データに基づくものかということ、どういう資料を参照されてこういう発言をされているのかをお教えいただきたいと思います。
○参考人(鳥畑与一君) お答えします。
 これは、ギャンブルの被害者の会ですかの田中紀子さん、今回、衆院のやり取りでも警察庁の方から、犯罪、そしてその原因としてギャンブルに関連するものということで答弁があったと思います。田中さん自身が、いわゆるいろんな事件の中でギャンブルが原因とするものということで一生懸命整理をされているわけですね。
 それで、一つは、アメリカの依存症の調査の中で、いわゆる依存者の犯罪率、これはちょっと今日資料としてお渡ししていないんですが、以前書きましたこの本の中で紹介をさせていただいておりますが、米国議会の国家ギャンブル影響度調査委員会最終報告書の中で、問題ギャンブラー、病的ギャンブラー、そのランク別に例えば逮捕歴があるのかという調査をした場合に、問題ギャンブラー、病的ギャンブラーのそういう逮捕歴、率が高いというのは出ております。
○浅田均君 ありがとうございます。
 日本のデータでそういうのはあるんでしょうか。
○参考人(鳥畑与一君) ですから、今回の参院の議論の中で警察庁の方から、これはたしか山本太郎先生が質問をされたと思うんですけれども、いわゆる窃盗等を含めた犯罪の中でギャンブルを原因とするものということで統計が出てきました。いつその統計を始めたかというと、今年度からであるということで、我々研究者としては初めて聞く話で、こういう統計があったんだということでちょっとびっくりをしました。
 ちなみに、アメリカのFBIの場合は、カジノの中の犯罪についてはカジノ関連の犯罪という形で確認はできますが、その他の犯罪については原因というのが示されていませんので、我々としては、アメリカの中でギャンブルが原因としてどういう犯罪が起きているかというのは、FBIが発表しているものではちょっと確認ができない状況です。
○浅田均君 それで、犯罪率のことと、鳥畑参考人は犯罪率が高いから周辺地域の治安を悪化させることが広く認識されているという御主張をされておりますけれども、これに関しても、これどういう資料を参照されてこういう発言をされているのか、お教えいただきたいと思います。
○参考人(鳥畑与一君) それはどの部分でしょう。
○浅田均君 昨日いただいた資料です。これ、参考人関係資料、昨日いただいたやつです。今朝来たら机の上に置かれていたんですけど。ちょっとお待ちください。
○委員長(難波奨二君) 速記止めましょうか。
○浅田均君 はい、お願いします。
○委員長(難波奨二君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(難波奨二君) 速記を起こしてください。
○浅田均君 「都市問題」という、特集二、公営競技と自治体、三十一ページの右の欄の下の方に、四番、カジノによる治安悪化という項目があります。この中に、「カジノがギャンブル依存症者を増大させ、そのギャンブル依存症者の犯罪率が高いことから、カジノ開設は周辺地域の犯罪を増大させ治安を悪化させることが広く認識されている。」というふうにお書きになっておるので、これはどういうエビデンス、どういうデータ、どういう資料によるものかお尋ねしたいと思って、今聞かせていただいております。
○参考人(鳥畑与一君) 発言させていただきます。
 一九九九年に出されたアメリカ議会の国家ギャンブル影響度調査、その調査に関連してアトランティックシティーが、委員会にアトランティックシティーにおける犯罪数の増大についてデータを出しております。それを見ますと、アトランティック市内における犯罪数が増えているということです。これに対しては、推進派の方は、いや、訪問客数、それを母数とすれば犯罪率は減っているんだという主張をされるわけですけれども、とはいえ、そのエリア内でどれぐらい犯罪数が増えているかというのがその地域のコミュニティーの人たちにとっての治安が安定したか悪化したかという問題でして、実際、私がおととしアトランティックシティーに行きました。
 事前の知識としては、アトランティックシティーは全米有数の犯罪率の高い地域ということでした。実際、案内してもらったタクシーの運転手さんなんかは、この地域には絶対に行かない、電話で呼ばれても絶対家の中には入っていかないとかいう形で、いろんな治安の悪さは聞かされております。
○浅田均君 ありがとうございます。
 アメリカのアトランティックシティーというところに調査に行かれて、そのアトランティックシティー報告だったら分かるんですが、カジノができたらギャンブル依存症が増えて、犯罪が増えて、地域が危なくなるというのは、これは何か、このまま読むと何か一般化されているようで、これは地域の、アトランティックシティーのことでしたというふうにもうちょっと、まあ前に書かれておりますけれども、詳しく書いていただきたいと思いました。
 それで、今、依存症についてお尋ねさせていただいておりますが、ギャンブル依存症の中に、先ほども新里先生のお話にありましたけれども、中に多くいると思われますパチンコ・スロット依存症の方、こういう方々を何か規制するということは可能だとお考えになられているのか、ちょっと聞かせていただきたいと思います。
○参考人(新里宏二君) お答えいたします。
 例えばたばこ等であれば、例えば有害表示から始まったり、それから広告の規制を掛けていくとか、やっぱり人が教育を受けたりそういう環境を整えるという格好で規制を掛けていくということは今までいろんなことでやってきたことであり、それがこのギャンブル依存のところでも始められることではないのかなと、規制という意味ではそこらから始まっていくべきではないかなというふうには思います。
○浅田均君 ありがとうございます。
 それで、先ほど来お話しになっておりますが、ギャンブル依存症、ここにはパチスロも含まれるということで、厚労省の調査ですが、推計五百三十六万人、そのかなりの部分がパチンコ・スロット依存症と。しかも、今おっしゃったような教育的なというか規制はできますけれども、実際にやるなという規制は非常に難しいということであります。それで、他方、今、日本にはカジノというのはありませんから、依存症はゼロなんですね、まだ。
 パチンコ、スロットとカジノの一番の違いは、私は思うんですが、パチンコ、スロットというのは町じゅうにあふれていると。これに対して、大都市の真ん中とかおっしゃる方もありましたけれども、カジノは統合型リゾートの一角に言わば閉じ込められていること、それで立地条件が全然違うと思うんです。
 それでカジノを解禁したら、果たして新たに五百三十六万人のギャンブル依存症患者が発生するとお思いになられますでしょうか。
○参考人(新里宏二君) お答えいたします。
 一か所、まあ二か所かもしれませんけど、それで五百三十六万人の依存症患者が生まれるということはあり得ないだろうなというふうに思っています。
○浅田均君 そうしたら、何ぼかの依存症患者は当然出てきてもやむを得ないというお考えでしょうか。
○参考人(新里宏二君) 私の立場からすると、それを何とかゼロに近いような格好で進めていきたいという思いで実務家をやってきたつもりでございますので、少しだったらいいよねという気は毛頭ございません。
○浅田均君 私どもはちょっと立場が違いまして、規制がいっぱい掛けられるというところでパチスロなんかとは違うし、統合型リゾートの一角に閉じ込められると、そういうところで立地条件もかなり違う、だから解禁して駄目という理由は僕はないと思うんですが、そこで美原参考人にお伺いしたいと思います。
 皆さんおっしゃっているように、今の依存症を始め、副作用があります。これは確かです。認めざるを得ないと思います。しかし、カジノを含む統合型リゾート、IRには、申し上げておりますように、ホテルとかショッピングモールとか遊戯施設とか会議場とかいっぱい建ちますので雇用効果がすごくあると。それから、それから派生して経済効果もあります、国際会議なんかも開かれる、都市魅力が向上すると。
 これらを経営可能にするための収益源としてのカジノは必要不可欠であって、またカジノは、何人かおっしゃいましたように、新里先生が求めておられますように弊害を最小限に抑え込まれると思うんですけれども、この点につきまして美原参考人の御意見をお伺いしたいと思います。
○参考人(美原融君) お答えいたします。
 経済効果があることは明らかでございますが、確かに、同時並行的に、私も、将来カジノがあるから依存症ということではなくして、委員おっしゃっておられるように、今現在取るべき総合的な対策が必要であると、こういうふうに思っております。それはパチンコ、パチスロも含め、もちろんパチンコ、パチスロは賭博行為ではございません。ですけれども、類似的な依存症状態を呈するゲームであることは間違いない。
 それとともに、なぜ皆さん御議論されないのか。例えばスマホあるいはインターネット、これらは全くコントロールされずに子供たちもアクセスできるツールです。こういったもので賭博をすることも現実には可能なわけですね。当然これは禁止せざるを得ません。ですけれども、その禁止の在り方、様々な依存症の効果というのは実は大変な御議論があるわけでございまして、こういったものも含めて今現在とるべき措置をとる。そして、将来あるカジノに関しては、御指摘のように、適切な予防施策を最初から取ることによってその否定的要素を限りなく、限りなく封じ込めることは可能であると、こういうふうに思っております。
○浅田均君 それで、失敗したカジノについて先生ここにお書きになっているんですが、カジノ単体施設のみである場合、中長期的に成長は限定的と、一方、この統合型リゾートというのは統合型リゾートでないと駄目なんだ、単体カジノはこれから駄目ですよと、ところが、統合型リゾートには大きな持続性と成長可能性があるというふうにお書きになって、先ほどもちょっとだけお触れになったんですけれども、ここのところをもうちょっと詳しく御説明いただきたいと思います。
○参考人(美原融君) 例を申し上げましょう。
 先月、アトランティックシティーに行ってきました。いろいろと問題がある町でございます。先月以降、ニュージャージー州政府の管理下に置かれました。自治権を喪失されて、やはり州政府の管理下にある、まあ小さい町でございますんですが。ただし、その町で何を見たか。
 実は、ボードウォークと呼ばれる古いカジノがございます、これがカジノホテルです。何のコンベンションも何もありません。レストランは古い、施設が古い、そこの四つが閉鎖されたという形になります。面白くないんですね。
 ところが、そのボードウォーク以外に、マリーナ地区というところに新しいカジノができました。これはIR型です。すばらしいプール、コンベンション施設が横にある、高規格のレストラン、プールとか様々な施設も入っていて、実は若い人は、そちらの方は満杯です。現在のアトランティックシティーは、ここ数か月、毎月毎月成長率は伸びていますけれども、その四〇%はこのマリーナ地区にある新しいIR型カジノが成功しているわけです。
 実は、同じ地区でも、古いカジノ型ホテル、新しい統合型リゾート、統合型リゾートというのは、毎年毎年投資しながらサービスを心掛け、いかにお客に来てもらうか、ビジネス客、ファミリー客、そういうカジノ外の楽しみにいかに投資して顧客を楽しませるかということが永続性、継続性、あるいは企業としての成長性につながってくる、こういうふうに思います。
○浅田均君 海岸に新しいやつ、海岸沿いにあってその古いやつ、古いカジノホテルですか、それはまだ、ぼろでも潰れぬとあるんですか。
○参考人(美原融君) ありますよ。でも、むしろ潰れたのも非常に面白い、経営が集約していますから。一つの新しいホテルをそのままにして古いのを閉鎖している。
 どういうことをやっているんでしょう。市場の縮小化に伴って意識的に潰しているわけです。ですけれども、潰した従業員はどうなったでしょう。周辺のカジノ施設にプロは全部雇われましたね。競争市場において、結局、一つの市における破綻というものはほかの市における継続的な成長のために吸収されているという効果が起こったのではないかと思います。
○浅田均君 それで、その発展形ですが、提出されている資料の中に、しっかりした制度が存在しない国の、参考にすべきでない規制モデルとなるという、これ資料の三ページですが、そういうところがあるんですが、参考にすべきでない規制モデルというところをもうちょっと具体的に御説明いただきたいと思います。
○参考人(美原融君) まずカジノありきから始まった国は参考にすべきでないと思います。他国のことは失礼に当たるかもしれません。ですけれども、研究者として一言言わせてください。
 韓国のカジノがなぜ駄目なのか。それは、戦後間もなくして観光振興法という外国人専用カジノを造ったからです。韓国人が入らない、依存症問題は関係ない、治安も関係ない、ただ単に外貨だけを取ればいいという制度の枠組みでございました。これで五十年間やってきました。問題は起こらないですね、外国人だけですから。その後、廃鉱振興地域特別措置法という法律に基づいて、韓国民が入れる一つだけのカジノを造ったわけですが、観光振興法に基づく規制の在り方は何も変更せずに、ただ単に警察のコントロールのみで、ライセンスもなければ制度もなし、依存症の手当てもなし、なしなしなしでカジノありきから始まったからです。
 私、二、三年前、韓国の国会のシンポジウムに呼ばれて、いろいろと議論したことがございます。日本を羨ましがっていました。国会で精緻な議論で、議論を詰めてゼロから始める、そういう制度が韓国にも欲しかった、でも、それはないということを明確に韓国の国会議員はおっしゃっておられました。
 例えばこういう例です。マカオがなぜ問題なんでしょう。まずカジノありきからで、今ある現代の制度というものは、ポルトガルがいなくなってから、中華人民共和国になってから新しくつくった制度であるからです。でも、その前にカジノというのはございましたですね。昔の遺制がそっくりそのまま残ってしまっている。
 まずカジノありきなどは到底参考になりません。新しくゼロからしっかりとした制度を議論を尽くしてつくるべきこと、これが求められるカジノ規制の在り方であります。
○浅田均君 それで、マカオが出てきて、これ鳥畑参考人の、先ほどはお読みいただいたわけですけれども、その中にも、日本では、中国富裕層、VIP相手に荒稼ぎしているマカオやシンガポールよりも高収益を上げることができるという根拠は何なんでしょうかというふうに疑問符を投げかけられているんですけれども、この鳥畑参考人が投げかけられておる疑問に対して美原参考人はどういうふうにお答えになりますか。
○参考人(美原融君) いろいろとお考えがあると思います、どういう形でマーケット、市場構造を捉えるのか。
 例えば、日本人あるいは外国人、東南アジアの人たちの現在の富裕層あるいは中間層の支出の在り方。毎年毎年来ていますけど、東南アジアの人々の結構支出が多くなっているとともに、多くの東南アジアの人々も増えてきましたですね。現実に、日本を楽しみ、観光を楽しみ、そうした人たちも増えている。そういう富裕層の中には一定の可処分所得のうちの金額をこういうエンターテインメントに使う層も確実に増えているわけです。
 日本の目指すべきところは、健全、安全な富裕層あるいは中間所得層のアジアの人たち、東南アジアの人たちをできる限り日本に来ていただいて、日本を楽しんでいただくとともに、当然日本でも消費していただきたいし、エンターテインメントもその一つになり得るかもしれないと、こういうふうに考えてございます。
○浅田均君 それともう一つ、鳥畑先生、またさっきの質問にもつながるわけですけれども、違法性の阻却事由のところに関して、今日お出しいただいた資料の四ページのところに、「IR型カジノに刑法の賭博罪の罪を阻却する公益性があるとは思えません。」というふうに明確にお書きになっております。他方、渡邉参考人は阻却する立派な理由があると。このパワポの十一ページですか、違法性阻却の根拠という全く違う見解をお示しになっているんですけれども、もう一度、これ、賭博罪の違法性阻却の根拠というところを渡邉参考人に御説明いただきたいと思います。
○参考人(渡邉雅之君) それでは、説明いたします。
 今回の件につきましては、十二月二日の衆議院の内閣委員会における緒方林太郎議員の質問、それから、皆様もいらっしゃいました十二月八日の大門実紀史議員からの質問でこの要件がかなり明確化されたと、要は、法務省の考え方が明確に示されたのかなと考えております。
 ここに書いているとおり、公営競技に関する違法性阻却の基準がこれまであった、八つの要件があったと。ここについては、各項目について具体的案件において総合的に判断をするというふうなことでございます。
 さらに、十二月八日の法務省回答によりますと、この八つの要件、目的の公益性、運営主体の性格、収益の扱い、射幸性の程度、運営主体の廉潔性、運営主体の公的管理監督、運営主体の財政的健全性、副次的影響の防止という八つの要件がある、そのうちの目的の公益性、ここにつきましては、収益の使途の公益性は一例で、これには限定されないという回答がございました。それから、運営主体の性格については、官又はこれに準ずる団体であることは一例にすぎないという回答がございました。
 この要件を総合的に考えますと、例えば、これまでも射幸性の程度という要件、これ、公営ギャンブルにおいてこの射幸性の規制が特にあるかというと、要は、風適法上の遊技であるパチンコ、パチスロについては射幸性の制限ということがありますけれども、基本的には公序良俗に反しない限りそういった規制はないわけで、全て公営競技においてどうなのかと。要は、一〇〇%満たしているかというと、公営競技においてもそういうわけではないですし、公営競技においては、さらに今問題となっている依存症対策、あるいは私が先ほども御指摘しました宝くじなどについての、要は射幸心をあおるような広告ということで、こちらの方も対策にもっと十全な対策を取らなければいけない部分もあるんじゃないかと。そういった中で、今、公営競技というのは違法性阻却が認められている。
 他方、今回のIRにつきましては、目的の公益性については、観光、地域振興に寄与するという、財政の改善に資すると。さらに、カジノだけじゃなくて、ほかのエンターテインメント施設やレクリエーション施設、IR施設を加えることによって公益性を持たせると。さらに、附帯決議にありますとおり、依存症対策にもこの納付金などを充てる、ここで非常に公益性を持たせると。
 さらに、運営主体の性格のところにつきましても、要は、民間団体ではありますけれども、非常にカジノ管理委員会による厳格な規律、要は背面調査も行って厳格な免許制になっていると。
 収益の扱いにつきましても、納付金、そして入場料につきましてはこれを取ることができる、徴収できるとありますが、ここについては、法案提出者の意思ということでは、国会答弁でもありましたとおり、これは必ず取るとおっしゃっておりましたところでございますので、これがまた一つの収益になっていくと。これがまた公益の高いギャンブル依存症対策や観光、それから文化芸術振興などに充てられていくということです。
 射幸性の程度につきましては、先ほど公営競技についても、お話と同じでございます。
 運営主体の廉潔性につきましては、ここは、IRというのは国際基準の、先ほど私がA4の紙でお示ししましたとおり、非常に詳細な背面調査、私、これ平成の黒船というふうに言っておりますが、それを導入すると。とても日本における現在の銀行の免許制の比ではありません。銀行の免許というのは主体の免許ですけれども、こちらの免許というのは個々人、主たる役員とか主たる株主に対しても免許制を持たせるということで、非常に厳格なものでございます。
 そして、運営主体の公的管理監督、こちらも、間違いなくIRの方が今の各省庁による監督よりも強くなる、カジノ管理委員会による監督というのは強くなると。
 財政的健全性につきましても、非常に財政的健全性が認められるところでなければそもそも申請自体を受け付けてもらえない、カジノ管理委員会の免許申請は受け付けられないと。
 副次的弊害の防止、これは、いわんやもうIRでは今後一生懸命実施法の中でやっていく予定です。しかしながら、今の公営ギャンブル、これを見るとどうでしょうか。ここを一生懸命やっているとまでは言えるかというところはあると。
 そういうところを、これを全ての項目を総合評価するというふうにおっしゃっています。この総合評価した中でどうかと。これは、もちろんその総合評価、どういうふうに実現していくかは……
○委員長(難波奨二君) 時間が来ておりますので、おまとめをお願いいたします。
○参考人(渡邉雅之君) 実施法でやっていくわけでございます。ですので、違法性阻却の要件は十分満たしているんではないかというのが現時点の私の意見でございます。
○浅田均君 終わります。ありがとうございました。
    ─────────────
○委員長(難波奨二君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、岡田直樹君が委員を辞任され、その補欠として小野田紀美さんが選任されました。
    ─────────────
○山本太郎君 自由党の共同代表、山本太郎です。
 先生方、本当に貴重な御意見をありがとうございます。本当に勉強になりました。
 五つの会派の先生方がそれぞれ質問をいたしました。最後、私からの質問になるんですけれども、恐らく今までのお話とダブる可能性があると思います。是非、新しいお気持ちで答えていただけると助かります。そして、この参考人質疑の動画を見れば中学生でも分かるというぐらいの内容を目指したいと思います。是非、山本太郎にも分かるようなお言葉でよろしくお願いいたします。
 先生方の資料を事前に読まさせていただきました。根本的な部分、基本的な部分で共感いたしましたのが美原先生の月刊レジャー産業での次の御発言です。私が以前から主張していることですが、可能な限りオープンな議論を進めることが国民の合意形成にも直結しますので、議員の皆さんの努力を求めたいと思います、このようにおっしゃっていたんですね。美原先生の御意見、これは本当に民主主義の根幹に関わる非常に大切で基本的な御指摘だと、そのように感じました。
 一方で、このIR法案、衆議院でたった一回、六時間に満たない質疑が行われたと。参議院では、先日六時間の質疑をさせていただきました。そして本日の参考人で、明日また六時間の質疑が行われると。これはまだ分からないんですけれども、明日の委員会での採決、これ合意が得られなかったらそのまま採決は本会議までスキップするという報道も流れている状態なんですよね。このような状況が果たして審議が尽くされたと言えるのか。
 先ほど美原先生が、韓国の国会議員から、日本のように精緻な議論ができていればよかったと。現在の韓国のカジノ問題、たくさん、何でしょうね、依存症であったりとか犯罪につながったりとかいうような問題が数々報告されている。そのように、今の韓国から見れば、今議論ずっとされてきた日本のような精緻な議論がされていればよかったと振り返られるのは分かるんです。もちろん、議連でもいろんなお話があったと思う。でも、その議連でいろいろされてきた話というのは世の中にはほとんど出ていない状況です。つまり審議が余りにも薄いと、私はそのように思うんです。
 このような状況が果たして審議が尽くされたと言えるか、このような短い審議時間が国民の合意形成を得るのに十分と言えるか。順番にそれぞれの先生のお話を、本当に短めで、足りているのか足りていないのかということをはっきりと言っていただけると助かります。ありがとうございます。順番にお願いします。
○参考人(美原融君) 確かに、このプログラム法案、分かりにくいですね。国民の目線からしてみた場合、極めて分かりにくい。方針、理念、手続を決めて、これから一定期間を置いて実施法を定めると、こういう内容でございます。
 ただ、審議を究めるというのは、あくまでも一定の方針の下にこれから詳細検討してということでございますし、私は、継続的な努力を、国民に分かりやすいお話を継続的に国会議員先生が推進法、実施法をまたがってこれから一年どんどんやっていただきたいと、こういう思いでございます。
 そういった意味においては、物事の考え方、やっぱり国民的には分かりにくいところが、唐突感があったのかなというふうな気はしないでもないですが、十分論点をわきまえた御審議がなされているんではないかというふうに感じております。
○参考人(渡邉雅之君) 実は私、山本太郎議員と今日御議論できるのを非常に楽しみにしておりました。十二月八日の先生の答弁、非常に胸を打たれて聞いておりました。
 今回の審議がどうかというお話ですけれども、私自身は、主要な論点、いわゆる違法性阻却の問題、それから一番議論されているギャンブル依存症の問題、そして今日もお話のあったマネーローンダリングの問題、それからIRとは何かといった問題ということについては、非常に深く各論点が明確になる形で議論がなされたというふうに考えております。
 もちろん、このIRにつきましては、推進法はあくまでも基本法でございまして、今後一年以内に導入する次のIR実施法案、これについては、附帯決議にもありますとおり、十分に国民的な議論を尽くすと。そこの中で、より詳細な要件が決まった中で、それが果たして是々非々なのかがまた議論されていくということなのではないかと考えております。
○参考人(新里宏二君) じゃ、お答えいたします。
 私はまだ尽くされていないというふうに思っています。特に、民間賭博を認めるかどうか、違法性阻却のところが非常に大きな論点ではないのかなと。法務省から出てきた文章の読み方ですら、隣にいる弁護士同士で違っているというふうな状況からすると、全くまだ詰まっていないのではないかなということを思いました。
 以上でございます。
○参考人(鳥畑与一君) 発言させていただきます。
 私は三年前まで地元の町内会長とかPTA会長をやりまして、テレビ出ていたね、でも今回の審議ちょっとひどいねということは皆さんから言われます。
 実際に、首相は、私は提案者じゃないから答える義務はないと。提案者は、具体的にこれは政府がやってくれるから今お答えはできないと。じゃ、そのプログラム法で政府に実施法という形で何を義務付けたのかという部分では、今日発言したように、大きな穴がたくさんあります。それが実際には、附帯決議というのが十一項目ですか、たくさん出てきたわけです。これをやっぱり法案そのものの中に盛り込まないと駄目だろうということで、今回での採決というのは、これは問題外じゃないかなというふうに思っております。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 非常に、プログラム法案で、その後に実施法を作るよ、二段階でこのことを話していくんだと、まずは、まずこのプログラム法案で議論が尽くされていなかったとしても、その先の実施法案で話を詰めていけばいいんじゃないかというようなお話だと思うんですけど、私、まだこの永田町に来て日が浅いものですから、素直にこれをどう感じるかといったら、ああ、結構ずるいやり方するんだなというふうな印象を素直に受けてしまう。
 要は、事前の問題点というものが余りあぶり出されないまま既成事実がつくられ、次の実施法を作るというところまで持ってくるというのはちょっと不誠実なんじゃないかなと思うんですね。
 例えば、この内容が本当に国民生活に欠くことのできないものであるならば、環境、健康に関することなのであればそのような急ぐやり方もありなのかと思いますけれども、これは、今まで違法であった賭博というものをいかにオーケーにしていくかということが先々待っているわけですよね。それを考えると、非常にやり方として誠実に欠けるんじゃないかなというのを素直に思います。
 この法案を提出された議員さんたち、本法案の説明では、海外からの観光客が増え国内の観光は活性化、カジノから上がる収益は地域にも還元される、IRは日本の経済成長に欠かせない、こういったバラ色の経済効果が中心だな、それを宣伝しているように聞こえるんですね。
 今日の参考人の先生方の中にも、非常にプラスになるよというようなことをいろいろ教えていただきました。本当に勉強になりました。でも、一方で、この提出議員たちからによるマイナス要因の客観的な検証、これ十分に行えているとは思えないような答弁が続いております。
 IRのバラ色のお話さんざん聞かせていただいたので、その提出議員たちなどからですね、是非、専門家の先生方から見たカジノ導入による負の側面、これを順番に、ごめんなさい、恐らく中の方まで話していくと結構お時間掛かると思うので、例えば依存症問題であるならば依存症問題というような、そのタイトルとなり得るようなことを挙げていただけると助かります。順番にお答えいただけますか。負の側面をお願いします。
○参考人(美原融君) 負の側面で、制度、規制によりコントロールできる側面がございます。例えば、犯罪の増加、地域環境の悪化、青少年への、教育への悪影響、こういったものはコントロールできます。
 一方、コントロールがやっぱり難しい、結構配慮が必要なものもございます。例えば依存症問題、これは慎重かつ広範囲な包括的なアプローチが必要と、こういうふうに考えます。二つの問題がある。
○参考人(渡邉雅之君) 私も美原先生と同趣旨でございまして、マネーローンダリングの問題、そういった犯罪による問題というのはかなり最小限にコントロールできるものと考えております。これは、実際にアメリカなどでもそういったことがいろいろな措置によって実現されていると。
 ギャンブル依存症については非常に難しい問題というのは確かな点でございますけれども、ここについては、まさに日本で今現在放置されている依存症問題も、今回附帯決議にありますとおり、包括的に今後政府において考えていこうという先駆けになるところでございます。そういった意味で、非常に是非推し進めてほしいなと先生方には希望するところでございます。
○参考人(新里宏二君) やはり一番懸念されるのは依存症のところでありまして、結局、シンガポール型の制度を持ってくるんだというふうに説明されていますけれども、シンガポールではそれがうまくいかなかったから新しい、非常に厳しい入場規制を掛けているわけですよね。
 そこらのところをどうするのかということが全く提案者側から説明されていない。きっと、その入場制限についてここまで議論がされてこなかったのではないかなというふうに思います。そこが一番この法律を作っていく基本の基本のところなんじゃないかなと、そこが全く欠落しているんじゃないかなというふうに思います。
○参考人(鳥畑与一君) 発言させていただきます。
 オーストラリア政府の生産性委員会というのが二〇一〇年にギャンブリングという報告書を出しています。そこで、ギャンブルというのは、偶然性に対してお金を賭けてもうけようと思って、最後は期待を裏切られて、要するに負けて終わるゲームであるというふうに言っているわけですね。
 そうしますと、こういうデフレで、我々、貧困格差社会をどうするんだというときに、国民からいろんな幻想を与えて負けさせると。サミュエルソンが言うように、所得格差を拡大していく、ますます貧困な人を増やしていく、こういった政策が何で成長戦略なのかということは全く私はもう理解できないわけです。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 続いてお聞かせ願いたいのが二点あります。御存じなければお答えいただかなくて結構です。ありがとうございます。
 東京都が平成二十六年に作成いたしましたIRに関する調査業務委託報告書を見てみると、日本の御近所にはカジノの設置国、幾つも存在します。先ほどもこのような議論があったと思います。韓国十八か所、フィリピン三十二か所、香港十八、マカオ四十六、ベトナム五、カンボジア二十九、マレーシア一、シンガポール二、ミャンマー四、ラオス三などです。既に飽和状態と言っていいと思うんですけれども、近隣諸国で観光客、利用客、奪い合うことにつながらないかなと。先ほど、IR施設というものがあるんだから、カジノだけで引っ張るものじゃないというお話があったと思うんですけれども、これ共倒れということもあり得るんでしょうか。それが一点。
 そしてもう一点、周辺国にカジノ設置国が存在している状況で、ほかと差を付けなければいけない。それはIRの話ではなく、カジノに限定してお話を聞きたいんですね。ほかと差を付ける、ほかと差を付けるようなことがなければわざわざ日本を選ばないかと思うんですね。IRとしてではなくカジノに限定してお聞きしたいんですけれども、そのときに考えられるカジノについて、ほかと差を付けるためのサービスにはどんなものがあるでしょうか。IRではなく、やっぱり日本にカジノしに行きたいんだと、そう思わせるようなものって、ほかとサービスを付けるためにどんなことが考えられるでしょうか。
○委員長(難波奨二君) どなたに。
○山本太郎君 済みません、順番に。御存じない方はそのまま流していただいて、次の方に行っていただいて結構です。お願いします。
○参考人(美原融君) 確かに、数の上ではアジアにたくさんのカジノが出てきますが、全部同じじゃございません。ほとんど小さなものも今の勘定の中に入っています。全く外国人が行かないようなのも入っています。極めて地域閉鎖的に、外国人なども来ないのもございます。
 そういった意味においては、日本がアジア域内においてどういう競争力を保てることができるのかというのは、残念ながら、カジノ以外のを含めた様々な日本にとっての魅力というものをどういうふうに発信できるのか。会議場としての魅力あるいは観光地としての魅力、そういったものをIRとともに発信できるかに懸かっているのではないかと思います。
 二つ目の御質問は、カジノに限っていかがかと、こういうふうな非常に難しい、かつ微妙な御質問でございました。
 ただ、カジノに来ても、例えばサービスとして観光旅行がセットになる、あるいはVIP待遇という形で、サービスを良くしてカジノ外の魅力を付加することによって逆にカジノに行きたくなる、こういうこともあるのではないかと思います。お金の問題じゃございません。日本が醸し出す様々な魅力をどういうふうにVIPとか富裕層に提供できるかというのは、カジノもあってしかり、でも、ほかのものも一緒だったらもっといいよね、こういう差別化ができるのではないでしょうか。
○参考人(渡邉雅之君) 一点目のアジア市場が飽和ではないかという点でございますけれども、ここは、やはり先ほど申し上げたとおり、マカオなどでなかなか収益が落ちているよと。とはいいながらも、マカオ自体もそのカジノがなかった時代に比べれば、IR施設がなかった時代に比べれば当然伸びている、要は、全体の収益が伸びているわけでございます。
 そういったところで、新たにそういった日本において全くないIR施設というアイコンをつくることによって、そこに引かれて来る国際的な観光客、それから国内の観光客というものも増えると当然期待できるわけでございます。
 二点目のカジノ自体の魅力というところ、非常に美原先生のおっしゃったように難しい問題なんですけれども、一つ考えられるのは、例えばシンガポールのマリーナ・ベイ・サンズのカジノって非常に面白いんですね。タコつぼ型というか、もう何層にもわたって、壮大な建物にカジノ場もなっているんです、闘牛場のような形。そういった、やはりカジノ施設内についても非常にアトラクティブな形にするということも一つの魅力を持たせる要素なのではないかと考えております。
○参考人(新里宏二君) 私自身は、共倒れ理論は取らないと言ったら変ですけど、何かというと、今回、日本のカジノ解禁というのは日本人の金融資産が当てにされているんだと。ですから、もう飽和でもここに、日本に来るというのはまさしく日本の個人の金融資産、一千六百兆以上と言われている、そこが狙われているんだというふうに思っています。だからこそ規制がなかなか掛からない、いわゆる入場規制等が掛からない、だからこそ依存症の問題になったり、日本の資産が海外に流出するという問題又は高齢者の問題につながっていく、そのような理解をしています。
 もう一つの点は、よく分かりません。カジノの魅力は少し分かりません。
○参考人(鳥畑与一君) 発言させていただきます。
 まず、全くないときよりはましだと、先ほども議論がありましたけれども、やっぱり江原ランドにしろラスベガスにしろ、それ以外のやっぱり選択肢がなかった、カジノしかもう地域振興の策がなかったというところでやったところが多いわけですね。だから、そういったところは確かにゼロよりはましでしょうという議論は成り立つと思うんですけれども、果たして日本はカジノしか選択肢がないんですかということかなというふうに思います。
 私は、マカオとかシンガポールの高収益を支えているアジアの富裕層マーケットはもう飽和状態であると。したがって、新しいマスマーケットも含めて一生懸命開拓をしようとしているんでしょうけれども、とはいえ、やっぱりメーンは日本のマーケット。CLSAという香港の投資銀行が、何で日本で四百億ドルのマーケットが成り立つかといえば、日本の経済力の大きさ、可処分所得の大きさ、そこの使い道が中国人と同じぐらいの割合で使えばこれぐらいのマーケットになるだろうということなわけですね。
 一方で、巨大な投資をしてくださいということで競争させますので、例えば、在日米国商工会議所は、日本ではゲーミングタックスは一〇%以下にしろと、余り高くすると投資する魅力がなくなりますよということでやっているわけですね。それがあってかどうか、納付税というような形でそこが非常に曖昧にされているということかなというふうに思っております。
 差別化については、私もよく分かりません。私も三か所ぐらい行きましたけれども、結局やるときは同じゲーミングじゃないか、ギャンブルじゃないかと思っております。
○山本太郎君 ありがとうございました。
 結局、観光客がどうだ、海外から来る人たちがどうだという話になったとしても、結局この国に生きる人々が草刈り場として提供されるおそれがあるという、最後に御発言いただいた二人の参考人の方々にちょっと同意いたします。非常に問題があるなと。
 二点お聞かせいただきたいんですけれども、日本にカジノが設置される場合、恐らく関東、関西の大都市に一か所ずつ、後に地方にも設置されていくようなイメージかと思うんですけれども、大都市以外にカジノが設置された自治体の経済活動は今まで以上に活発になり、地元で飲食店などを営む中小零細規模の事業活動にも効果が広がるんでしょうか。
 そしてもう一点、カジノ設置自治体だけではなく、その周辺自治体にも経済的な波及効果は期待できるんでしょうか。これに関しては、美原先生と鳥畑先生、よろしくお願いいたします。
○参考人(美原融君) 大都市以外に設置された場合いかがな効果があるかと、こういう御質問でございました。
 幾つどういう場所に設置するかというのは、恐らく実施法の中で詳しい設置判断基準みたいなものが設けられるというふうに了解しておりますので、果たして本当に地方にできるのか。
 一応地方にできるという仮定での御質問ということでお受けさせていただきたいと思いますが、もちろん、何もないところにこれができて、夢のような、ラスベガスができるなんということを考えちゃいけません。恐らく理論的に、一般的に言えることは、一定の観光都市で観光需要があって、これをもう少し伸ばしたい、例えば三百万人年間お客が来て、あとこれを百万人伸ばしたい、もう少しこういうコンベンション施設があればお客をもっと増やすことができるとか、恐らく一定の観光資源がある地域で、それをもっと強化できるような都市群は非常に潜在性が高いと思います。
 何もないところにこんなものをつくっては、私は効果は薄いと思いますね。やはり潜在的に観光都市、観光資源があるところで、その観光資源とフィットするようなIRを考えてみた場合大きな効果が想定されるのではないかと、こういうふうに考える次第でございます。
 二つ目の質問でございますが、何でございましょうか。ごめんなさい。
○山本太郎君 済みません、カジノ設置自治体ではなく、その周辺自治体にまで経済的な効果というのは及ぶんでしょうか。
○参考人(美原融君) いわゆる経済効果というのは、スピルオーバー効果というのがあると思います。
 一定地区、例えば地方の観光都市に行っても、そこにずっといるわけではございません。やはり回遊効果、一定のところへ行くと、例えば北海道なら北海道、あるいは沖縄、九州でも結構でございますが、観光客というものは、あるいはエンターテインメント客というものは、必ず一つのところにおらずに様々に回遊しながら遊ぶという、こういう性向がございますので、地元の観光資源が複数ある場合、大いにスピルオーバーエフェクトというものが期待できるのではないかと、こういうふうに思っております。
○参考人(鳥畑与一君) 東京、大阪の大都市部に関しては、アトランティックシティーで元経営者の方に聞いたときは、東京は絶対にもうかると、これは本当にもう確信を持って言っておりました。ここは本当においしいマーケットなんだろうなというふうに思っております。
 では、地方型IR型カジノが魅力があるのかと。CLSAは二十四億ドルぐらいのマーケットが生まれるというようなことを言っているわけですけれども、じゃ、具体的に北海道であるとか秋田であるとかハウステンボスであるとか、あの辺りの少し検討をさせていただきましたが、やはり北海道にしろ秋田にしろ、例えば北海道、東北六県でこれぐらいの人口がいて、周りからこれぐらい来て、これぐらいのお金を落としてくれればこれぐらいのマーケットになるという計算ですね。国際空港等のアクセスがなければ外国観光客は来ないわけで、結局、地元客中心になると。
 そうしますと、アメリカでなぜカジノを合法化する州が増えたか。マサチューセッツ州が直近では一番、二十四州目なんですけれども、ここは、隣の州のカジノに客を奪われている、税金を取られていると、それを取り返せということで合法化に踏み切ったわけなんですね。私はカニバリゼーションと言っているんですけれども、まあ共食いですね。
 ですから、地方で造ります、食う側に回るところは何かしらのメリットがあるかもしれませんが、食われる側の地方自治体になった場合は、これはもうたまったものじゃないだろうなということで、これが本当の意味での地域振興になるのかということは大きな疑問と思っております。
○山本太郎君 済みません、鳥畑先生の資料の中にもこのカニバリゼーション、そしてコンプなどについても書かれていたと思うんですけど、ここら辺をもう少し詳しくお聞かせ願っていいですか。
○参考人(鳥畑与一君) いわゆるコンプと言われるサービスについて、どれぐらいカジノがやっているかという資料がなかなか見付からないんですが、アトランティックシティー、ニュージャージー州の場合はかなりきっちり情報を公開をしておりまして、今日は、例えば表十六という形で、ボルガタという場合ですね。カジノ収益が六億二千万ドルぐらいある中で、そこに販促控除とありますけれども、いわゆる部屋代、食事代、飲み代、ゲーム代、現金贈与、娯楽、小売、その他、お客さんに対するサービスで二億一千七百八十一万ドルぐらい使っているわけです。
 これぐらいギャンブルのもうけでいろんなサービスを安くしてお客さんを引っ張ってくるということをやるわけですね。その結果、そういうふうに地元でこういうギャンブル収益を当てにできないレストランであるとか宿泊施設はどんどん潰れていくわけで、私がアトランティックシティーで聞いたのは、地元のあるホテルが、とてもやっていけないのでカジノのライセンスを取ろうとしたけれども拒否されて、結局潰れちゃったというようなことなんです。やっぱりカジノのビジネス上、このコンプというのは非常に怖いなというふうに思っております。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 話を少し変えようと思うんですけれども、国会審議で依存症の話になると、今日もそのような議論があったんですけれども、治療とか相談体制の必要性というものは認めながらも、今存在する依存症はカジノによってつくられたものではないというような空気が流れるんですね。
 パチンコや公営ギャンブルなどと比べて、このカジノでは依存症がそこまで増えないというふうにお考えになるでしょうか。これは鳥畑先生と新里先生にお願いできますか。
○参考人(鳥畑与一君) 発言させていただきます。
 今日お配りした資料の表の十二のところで、これはシンガポールのNCPGが出した結果なんですね。オーストラリアの生産性委員会も、やはりカジノは既存のギャンブル、例えば宝くじであるとか競馬等に比べれば依存症を誘発する危険性が高いというふうに言っているわけですね。
 したがいまして、先ほど、美原先生からもパチンコとスロットはかなり質が違うと、その側面はあるわけですけれども、ただ、ギャンブラーというのは、お金を賭けてより高い勝ち金といいますか、ある意味刺激を求めて行くわけですので、要するに、今、スロットにしろカジノの場合に、射幸性といいますか、賭け金の制限がされるのかないのかといったときに、パチンコ以上の、要するに無制限の射幸性がそこに与えられた場合にはやっぱり相当そこに行くんじゃないか、その場合に既存のギャンブル依存症プラスアルファ新しいギャンブル依存症者が生まれてくるんだろうというふうに思っております。
○参考人(新里宏二君) パチンコの依存症患者の多さというのは、身近にあるということだと思います。じゃ、カジノだと遠くにあるからどうなのかということですけれども、やっぱりゲームの仕組みからすると、非常に遊技性が高いという意味では、いわゆるそばにはないんだけれども、依存症についてはきちっとした対策を取らないと、入場規制とかしない限りは非常に大きな問題になってくるのではないかなと。そばにないからいいよということではない。
 実は、僕もシンガポールに行ったときに、セントーサの方に行ったときに、中国系の高齢者がバスでどんどんどんどん来るんです。そして、地下のカジノ場に行くわけですが、非常に高齢者が多いんです。だから、高齢者になってから被害を受けてしまったら大変なことになるのではないかという危惧は持っております。
○山本太郎君 ありがとうございます。
 本当にたまったものじゃないですね、今のお話を聞いていたら。要は、外資系が参入してきた場合に、ただ草刈り場にされて、それで得た収益というものは日本に再投資される可能性というのは非常に低いと、そういう話だと思うんですね。
 とにかく、依存症に関しましては、もう既にそういう状態があるわけだから、もちろん税金でという話もありますけれども、それぞれのギャンブルから生まれた収益からされるべきだと。もちろん公営ギャンブルとかもありますけれども、パチンコ、スロットの年商、年商だけでもおよそ二十兆にも上ると。だとするならば、そこからしっかりとさせるべきだと思うんですね。
 最後にお聞きしたいのが、新里先生に、当事者にもいろいろ関わりがある方だと思うんですよね。何かエピソードみたいなものがございましたら、依存症の方のエピソードを是非聞かせてください。
○参考人(新里宏二君) いろんなのがおりまして、意外に、最近受けたのであれば、学校の先生が依存症になって、やっぱり何度も借金をつくるんです。家族の危機を迎えて私のところに来て、何とか自助グループのところにつないで、何とか債務整理ができたり家族が守られたというのがあって、いろんな人、いわゆる特殊な人が依存症になるんじゃないかと言っているんだけど、そうではないんです。身近にいる人たちがみんな依存症の危険性を持っているんだということを踏まえた対策ということを考えていかなきゃならないのかなと思いました。
 以上です。
○山本太郎君 時間が来たので終わります。ありがとうございました。
○委員長(難波奨二君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々に一言御礼の御挨拶を申し上げます。
 本日は、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただきましたこと、誠にありがとうございました。委員会を代表して御礼申し上げます。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時九分散会