第192回国会 外交防衛委員会 第6号
平成二十八年十一月二十四日(木曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 十一月二十二日
    辞任         補欠選任
     足立 敏之君     山本 一太君
     藤田 幸久君     浜野 喜史君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         宇都 隆史君
    理 事
                阿達 雅志君
                堀井  巌君
                山田  宏君
                大野 元裕君
                浜田 昌良君
    委 員
                佐藤  啓君
                佐藤 正久君
                滝沢  求君
                武見 敬三君
                中曽根弘文君
                中西  哲君
                山本 一太君
                小西 洋之君
                浜野 喜史君
                福山 哲郎君
                山口那津男君
                井上 哲士君
                浅田  均君
              アントニオ猪木君
                伊波 洋一君
   国務大臣
       外務大臣     岸田 文雄君
       防衛大臣     稲田 朋美君
   副大臣
       防衛副大臣    若宮 健嗣君
   大臣政務官
       防衛大臣政務官  小林 鷹之君
       防衛大臣政務官  宮澤 博行君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宇佐美正行君
   政府参考人
       内閣府国際平和
       協力本部事務局
       長        宮島 昭夫君
       外務大臣官房審
       議官       水嶋 光一君
       外務大臣官房審
       議官       相木 俊宏君
       外務大臣官房審
       議官       飯田 圭哉君
       外務大臣官房審
       議官       森 美樹夫君
       外務省中東アフ
       リカ局アフリカ
       部長       丸山 則夫君
       外務省領事局長  能化 正樹君
       文化庁文化財部
       長        藤江 陽子君
       防衛大臣官房衛
       生監       塚原 太郎君
       防衛省防衛政策
       局長       前田  哲君
       防衛省人事教育
       局長       鈴木 良之君
       防衛省統合幕僚
       監部総括官    辰己 昌良君
       防衛装備庁装備
       政策部長     中村 吉利君
       防衛装備庁プロ
       ジェクト管理部
       長        田中  聡君
       防衛装備庁技術
       戦略部長     野間 俊人君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(宇都隆史君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、藤田幸久君及び足立敏之君が委員を辞任され、その補欠として浜野喜史君及び山本一太君が選任されました。
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○委員長(宇都隆史君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府国際平和協力本部事務局長宮島昭夫君外十四名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宇都隆史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(宇都隆史君) 防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐藤啓君 おはようございます。自由民主党の佐藤啓でございます。初めての質問となりますけれども、よろしくお願いを申し上げます。
 まず、給与法の改正案についてでございます。
 先日、私、航空自衛隊の奈良基地開設六十周年の記念式典に出席をさせていただきました。我が地元の奈良県には国内で唯一の航空自衛隊の幹部候補生学校がございまして、航空自衛隊の中核を担う人材の育成を行っております。大変有り難いことでございます。この式典におきまして自衛官の方々と親しく話をさせていただくと同時に、高い士気と誇りを持って仕事をされているということを改めてこの式典の雰囲気からも感じることができました。
 私も総務省の職員として十三年間国家公務員の一般行政職員として勤めてまいりましたけれども、改めて自衛官の方々の業務の特殊性というものを感じた次第であります。日頃、この日本の平和と安全を守っていただいていることに感謝を申し上げ、質問に入りたいと思います。
 特別職の国家公務員である自衛官の方々の給与は一般職の国家公務員に準じて改定が行われておりますけれども、そもそもどうしてこのような考え方に基づいて自衛官の給与水準が定まっているのでしょうか。自衛官の給与の在り方について基本的な考え方をお伺いをいたします。自衛官の職務の特殊性に鑑みて独自の給与体系が必要とも考えられますが、政府の認識をお伺いをいたします。
○国務大臣(稲田朋美君) 佐藤委員におかれましては、御地元においても自衛隊の活動に御理解、また御尽力いただいていることに感謝申し上げます。
 さて、自衛官の俸給についてですが、職務の類似する一般職の国家公務員の公安職俸給表(一)等の俸給を基準としておりまして、給与改定につきましても、人事院勧告に基づき民間準拠を基本とする一般職の国家公務員の給与改定の例に準じて行うことで、給与制度の信頼性、公正性を担保してきたところでございます。
 また、これに加えまして、特殊な任務に従事する自衛官につきましては、その特殊性を考慮して特別な手当、例えば、落下傘隊員手当、乗組手当、航空手当、特別警備隊員手当、特殊作戦隊員手当等を設けているところでございます。
 今後とも、自衛官の給与体系につきましては、引き続き、一般職の国家公務員の給与改定に準じることを基本としつつ、その任務の特殊性等を踏まえて適切な処遇となるよう努力してまいりたいと考えております。
○佐藤啓君 ありがとうございます。
 現在の自衛官の方々の給与の決定の仕組みについては理解ができました。
 一方で、今後、防衛政策上様々な国との連携も増えてくるというふうに予想がされるわけでございますけれども、他国との比較において我が国の自衛官の給与水準が遜色ないものであるということも私は重要であると考えております。
 他国も同様に国家公務員の給与に準じた決定及び改定をしているのかどうか、また、その給与水準が我が国の自衛官と比較してどうか、防衛政策の観点から、連携協力を行う可能性がある我が国の同盟国、また友好国との比較においてお伺いをいたします。
○政府参考人(鈴木良之君) 米国、英国などの諸外国の軍隊について、承知している範囲で申し上げます。
 これらの国につきましては、全く独自の給与決定方式を取っているというところはございませんで、他の国家公務員や民間企業労働者との均衡が取れるよう給与改定が行われているものと承知しております。諸外国の受ける軍人の給与は、それぞれの国の国柄に応じまして、それぞれの国の給与体系や年金、公務災害補償等を含めた全体の中で位置付けられているものでございまして、給与改定の方式や給与水準について単純に比較することは困難であると考えております。
 自衛官の給与につきましては、基本的には一般職公務員の給与制度に準じつつ、職務の特殊性があるものにつきましては防衛省独自の制度を設けることで信頼性、公正性を確保してきたところでございますが、諸外国軍人の給与制度も参考にしながら、今後とも不断に勉強してまいりたいと考えております。
○佐藤啓君 ありがとうございました。
 確かに給与水準を単純に比較するというのは難しいというのは私も理解をしておりますけれども、自衛官の方々がしっかりと誇りを持って働けるような給与水準の維持をお願いをしたいというふうに思います。その時点時点における給与水準が適切であることも重要ですけれども、自衛官というキャリアを選んだ方々のキャリアを通じて、しっかりと生涯の所得が保障されるということも私は重要であると思っています。
 自衛官には若年定年制がございますけれども、その目的及び現状についてお伺いをいたします。
 定年後も希望すれば六十五歳までは再任用又は再就職という形でしっかりと職が担保される必要があると思いますけれども、政府の取組状況をお伺いをいたします。
○政府参考人(鈴木良之君) 自衛官は、自衛隊の任務の特性上、組織を常に精強な状態に維持する必要がございます。この点で、階級ごとに職務に必要とされる知識、経験、体力等を考慮した若年定年制を取っておりまして、大半の自衛官が五十代半ばで定年退職を迎えているのが事実でございます。このような点で、一般の公務員より若年で退職を余儀なくされる自衛官の生活基盤を確保することは国の責務でございまして、民間企業においてニーズの高い資格の取得に資する職業訓練や、民間企業に対する退職自衛官の雇用についての広報活動など、退職自衛官の再就職を支援するための各種施策の推進を図っているところでございます。
 また、御指摘の自衛官の再任用につきましては、自衛隊の精強性を損なうことのないよう、再任用に係る業務は現時点においては比較的体力の要しないものに限定しているところでございますが、より人的資源を有効に活用する観点から、一層積極的に再任用を実施してまいりたいと考えております。
 今後とも引き続き、自衛官が退職後の生活を憂うことなく安んじて職務に精励できるよう、これらの施策の充実を図ってまいる所存でございます。
○佐藤啓君 ありがとうございました。
 自衛官の方々が高い士気と誇りを持って任務に当たることができるよう様々な面で十分な待遇が保障されるようお願いを申し上げ、この給与法また人事制度に関連する質問を終わります。
 残りの時間、我が国の防衛政策に関して質問をさせていただきたいと思います。
 我が国の防衛政策の柱の一つである日米同盟についてですけれども、安全保障環境が厳しくなる中、ますますその重要性が高まっており、その強化を図っていかなければいけないと思います。安倍総理とトランプ次期大統領との会談が行われました。大統領が替わっても日米同盟の重要性は変わらない、むしろ私としては強化をしていかなければいけないと考えますけれども、改めて日米同盟の意義についてお伺いをいたします。
○国務大臣(岸田文雄君) 委員おっしゃるように、日米同盟の重要性、安全保障環境ますます厳しくなる中にあって、その重要性はますます高まっていると認識をしています。日本と米国、戦後七十一年間にわたりまして、自由、民主主義、法の支配、人権、こういった基本的な価値に基づいてこの関係を構築し、そして今、揺るぎない同盟を築くことができたと考えています。今後も日本の外交にとって日米同盟は基軸であるというふうに思いますし、この安全保障環境の厳しさを考えますと、ますます重要性は高まっているということを感じています。
 是非、この日米同盟の重要性について、今後も、新しい政権が発足したとしても、しっかり共有できるよう努力を続けていきたいと考えます。
○佐藤啓君 ありがとうございました。力強い御答弁をいただきました。日米同盟についてはしっかりとその重要性を次期トランプ大統領にも理解をいただくよう努力をお願いを申し上げます。
 既に、日米同盟の重要性については岸田外務大臣から御答弁をいただきました。ありがとうございます。しかしながら、この防衛政策という観点では、何よりも我が国の安全保障を最終的に担保するのは自国の防衛力であるというふうに考えております。自国の防衛力を高めていく観点では、起こり得る事態にシームレスかつ機動的に対応できるように自衛隊の統合運用の徹底を図るということはもちろん重要ではございますけれども、一方、中長期的な視点では、私は、この防衛生産そして技術基盤の維持強化、そして防衛産業の育成といいますか保護を図ることが私は重要であるというふうに考えております。
 我が国の歴史的な経緯から、この防衛生産また技術基盤の維持強化、そしてこの防衛産業の在り方については、表立った議論がしにくい状況が続いてきたのではないかなと思っております。しかしながら、今こそ、我が国の平和を維持していく上でこの防衛産業がどのような役割を果たしていくべきか建設的な議論が必要ではないか、このような認識に立って何点か質問をさせていただきます。
 まず、防衛生産・技術基盤に対する基本的な認識についてお伺いをいたします。また、その中において我が国の防衛産業の果たすべき役割について政府の認識をお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。
 国内の防衛生産・技術基盤につきましては、防衛装備品の研究開発から生産、運用、維持整備、こうした一連の活動を通じまして、我が国の防衛力を支える重要かつ不可欠な基盤であるというように認識をしております。
 また、防衛生産・技術基盤の中でも、我が国の防衛産業につきましては、生産と技術の基盤であることに加えまして、防衛装備品の維持整備も含めた多くの部分を担っているところであります。さらには、防衛技術からのスピンオフなどを通じまして産業全般への波及も期待できるなど、我が国の産業力、技術力を牽引する潜在力を有しているものであると認識しております。
 このような認識の下、防衛省としましては、平成二十六年六月に防衛生産・技術基盤戦略というものを策定をしております。今後とも、この戦略に基づきまして、防衛産業を含む国内基盤の強化に関係省庁と連携をして取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○佐藤啓君 ありがとうございます。この防衛生産・技術基盤の重要性、そして、その中において我が国の防衛産業の果たすべき役割の重要性について御答弁をいただいたというふうに思います。
 一方で、今私の認識としては、我が国の防衛産業に関しては非常に厳しい状況に陥っているのではないかなというふうに思っております。いろんな側面がございますけれども、政府として今この我が国の防衛産業が置かれている現状をどのように認識をされているのか、お伺いをいたします。
○政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。
 近年、防衛装備品の高度化ですとか複雑化などに伴いまして、調達単価の上昇あるいは維持整備費の増大に加えまして、外国製の装備品の輸入の増加、こういったことによりまして国内の調達数量は減少傾向にございます。まさに委員御指摘のとおり、防衛産業は厳しい状況にあるものであるというように認識をしております。また、さらに、欧米の企業、こういった企業の再編ですとか、国際共同開発の進展といった国際的な環境変化も一方で生じてきているものと認識をしております。
 防衛省としましては、こういった状況を踏まえながら、企業の予見可能性を高める長期契約の導入ですとか防衛装備庁の設置による体制強化など、防衛生産・技術基盤戦略において示された施策を着実に実施をしてきているところでございます。
 今後とも、防衛生産・技術基盤の強化、なかんずく防衛産業の強化に取り組んでまいりたいというように考えてございます。
○佐藤啓君 ありがとうございます。我が国の防衛産業が置かれている状況について、またその厳しい状況について御答弁をいただきました。ありがとうございます。
 その一つ一つについてしっかりと対応していく必要があると思っておりますけれども、まず、私が一つ非常に重要な課題だというふうに思っているのはFMS、対外有償軍事援助でございます。今の我が国の防衛産業にとってはマーケットが非常に小さい、顧客が防衛省しかないということが一つの課題でありますけれども、このFMS、対外有償軍事援助が私は国内のマーケットを非常に奪っている、国内防衛産業を圧迫していると思いますけれども、そもそもこのFMSが一体どのような仕組みになっており、なぜその額が急増をしているのか、このFMSの増加が国内防衛産業に与える影響について、政府の見解をお伺いをいたします。
○政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。
 FMS、有償援助調達でございますけれども、アメリカ政府が我が国を含む同盟諸国及び友好諸国などに対しまして、アメリカ政府が定める条件の下でアメリカの装備品などを有償で提供するという枠組みになっております。近年、防衛大綱及び中期防衛力整備計画に基づきまして、イージスシステム搭載護衛艦、V22オスプレイですとかF35A戦闘機といった新たな米国製の装備品の取得によりましてFMSが増加をしております。一例で申し上げますと、平成二十五年度予算では千百七十九億円でございましたけれども、本年度予算では四千八百五十八億円、来年度の概算要求では三千九百三十九億円ということになってございます。
 防衛省としましては、防衛生産・技術基盤が我が国の防衛力を支える重要かつ不可欠な基盤であるという認識の下、官民一体となりまして、例えば国際的なF35プログラムへの国内企業の参画への取組などの防衛装備・技術協力、あるいは防衛産業のサプライチェーンを可視化すること、さらにはそこに存在をするリスクへ対応すること、さらには中小企業などの優れた技術力の発掘、活用、こういった施策によりまして、防衛生産・技術基盤の維持強化に今後とも取り組んでまいりたいと考えております。
○佐藤啓君 ありがとうございます。
 FMSというのは、例えばアメリカから必要な防衛装備を購入することで増加がしているということで、もちろん必要性があってその上昇があるというわけですけれども、このFMSの利点というものを生かして防衛装備をしっかりとそろえていくという観点と、一方で、そのマイナス面をプラスに変えていくような、そういう努力をしっかりとしていただきたいというふうに思っております。引き続き、様々な方法により、このFMSの増加に対して御対応をお願いをしたいというふうに思います。
 次に、これまでの我が国の防衛産業の顧客は先ほども申しましたように防衛省のみであったわけでございますけれども、この防衛装備移転三原則によって海外への移転ということも可能になっているわけでございます。適切な形でこの防衛移転を進めることができれば、我が国の防衛産業にとってもメリットがございますし、防衛生産また技術基盤にとってもメリットが私は非常に大きいというふうに考えているわけですけれども、政府としてこの防衛装備の海外移転を適切かつ積極的に私は行う必要があると考えているんですが、まず防衛省また外務省のそれぞれの役割はどのようなものでしょうか。
 また、これまで、例えばオーストラリアへの潜水艦を販売をしようというような取組があったり、またインドに対してUS2をというような取組があるわけですけれども、これまでの海外移転の取組において一般論としてどういう教訓があったのか、併せてお伺いをいたします。
○政府参考人(中村吉利君) お答えを申し上げます。
 防衛装備の海外移転を行うに当たりましては、防衛装備移転三原則を踏まえまして、国家安全保障局、外務省、経済産業省、そして防衛省が緊密に連携して対応することが必要であると認識をしてございます。
 防衛省の役割について御質問がございましたが、防衛省としましては、各国国防省等との協議などを通じまして協力の具体化を図るとともに、自衛隊の装備品等の運用、維持整備あるいは研究開発等を行っていることから、個別の防衛装備の海外移転の安全保障上の意義ですとか懸念の程度の評価、こういったことを行っているところでございます。
 防衛省といたしましては、オーストラリアなどの例を引用されましたが、こうした例も含めまして、各国と防衛装備・技術移転に関する協議を行ってきているところでございますが、これまでのやり取りも踏まえますと、例えば相手国ニーズ、さらには相手国の調達制度ですとか生産・技術基盤、どういったものがあるのかといった情報収集、さらには装備品等の維持整備への支援も含めた協力、さらに官民一体の連携体制の強化といったことに取り組む必要があると考えております。
 これらの必要な施策を引き続き実施をし、効果的な協力の実現に取り組んでまいりたいと考えております。
○政府参考人(水嶋光一君) 防衛装備の海外移転に係ります検討、またその可否の判断につきましては総合的な判断が必要だというふうに考えてございまして、一昨年の閣議決定を行いました防衛装備移転三原則に従いまして、外務省を含みます、先ほど答弁にもございました関係省庁が緊密に連携をして対応してきてございます。
 外務省といたしましては、具体的には、外交上及び国際法上の観点などから、防衛装備の移転先国との適正管理に関する国際約束の締結、また相手国との外交ルートによります調整、それから相手国のニーズの的確な把握などのための在外公館等を活用した情報収集等に取り組んできてございます。
 外務省といたしましても、防衛装備の適切な海外移転、これの実現のために、引き続き官民を含みますオールジャパンとしての取組を推進していく所存でございます。
○佐藤啓君 ありがとうございました。しっかりと適切かつ積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 ただ、一方で、この海外移転を積極的に進めることには慎重な意見もございます。やはり国民的な理解が必要だと思いますけれども、どのように国民的な理解を深める取組を進めていくのか、防衛省にお伺いをいたします。
○政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。
 我が国の防衛装備・技術協力につきましては、一層厳しさを増す安全保障環境の中で、平和貢献ですとか国際協力の積極的な推進、さらには我が国の安全保障に資するといった観点から、防衛装備移転三原則に基づき進めてきているものでございます。
 移転の可否につきましては、防衛装備移転三原則に基づきまして国家安全保障会議で審議をするなど、個別具体的に厳格な審査を実施することとしております。国家安全保障会議で審議をされた海外移転案件につきましては、情報の公開を図るほか、海外移転の許可状況に関する年次報告書を作成、公表し、透明性の確保に努めてきているところでございます。
 また、防衛装備・技術協力の意義などにつきましては、例えば装備品展示会といったような場、さらに様々な場を活用して国内外への説明に努めてきているところでございます。
 今後とも、こうした取組を通じまして、防衛装備の海外移転について国民の皆様の御理解を得られるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。
○佐藤啓君 ありがとうございました。
 防衛省、外務省、そして関係省庁が連携をして、国民的な理解をしっかりと得ながら、慎重に、一方で大胆に海外移転を進めていただきたいというふうに思います。
 防衛装備移転三原則によって防衛装備の国際共同開発にもしっかりと参加ができるようになっているわけでございますけれども、防衛装備の開発は国際共同開発が主流になってきておりますけれども、我が国の防衛産業が国際共同開発により積極的に関わることができるようにはどのようにすればよいのか、政府のお考えをお伺いをいたします。
○政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。
 防衛装備品の高性能化を実現しながら費用の高騰に対応するためには、委員御指摘のとおり、国際共同開発、国際共同生産といったものが国際的な潮流となってきているところであります。この国際共同開発を実施することによりまして、開発ですとか生産に伴うリスクやコストを参加国間で分担をできるほか、各参加国間での協力関係の強化あるいは国内の技術力の向上といったメリットが期待をできるものと考えております。
 防衛省といたしましては、国際的な装備品の展示会への出展といった官民が一体となった情報発信あるいは相手国ニーズ等の情報収集、さらには各国との協議などを通じた共同開発の可能性のある案件の発掘を通じまして、防衛装備移転三原則の下で我が国の防衛産業が国際共同開発に適切に対応することができるよう、更に取り組んでまいりたいと考えております。
○佐藤啓君 ありがとうございます。
 様々な御示唆をいただいたわけですけれども、しっかりとした防衛技術が我が国になければ国際共同開発にも参加することができないと思います。
 先日、航空宇宙展に私も参加をしたんですけれども、そこで、国際航空宇宙展なんですけれども、様々な防衛産業に関わる企業等又は防衛装備庁、そして航空自衛隊の方々も展示会に積極的に参加をされておりました。私も激励をさせていただきましたけれども、このPRももちろん大事なんですけれども、やはり防衛技術をしっかりと高めていくということが私は重要であるというふうに思っています。
 国の安全を最終的に担保する防衛力と、やはり国の技術力に大きく依存をするわけでございますし、また技術力自体が抑止力としての効果を果たすわけでございます。官民一体となって防衛技術の向上を図っていく必要があるというふうに考えますけれども、これまでの防衛技術については、民間企業の技術基盤を活用して維持してきたというのが我が国の特徴であると思いますけれども、政府の防衛研究開発費を見ますと、主要国と比べても非常に低い状況がございます。果たしてこのままでよいのかということについてお聞かせいただきたいのと、また、海外の例では米国におけるDARPAが積極的に取り組んでおりますけれども、このDARPAの例も参考にしながら、政府の防衛研究の在り方について今後の方向性をお伺いをいたします。
○政府参考人(野間俊人君) お答えいたします。
 国家安全保障戦略にもございますように、我が国の高い技術力は防衛力の基盤でございますので、限られた資源の下でもその維持強化、こういうものは非常に重要な課題でございます。特に近年の技術革新の急速な進展は、防衛技術と民生技術のボーダーレス化をもたらしまして、また、グローバルな安全保障環境に大きな影響を与えております。その一方、今年の一月に閣議決定されました第五期科学技術基本計画などに見られるように、科学技術政策という観点からも国家安全保障上の諸課題への対応、この重要性が認識されるに至ってございます。
 そのような状況を踏まえまして、防衛省といたしましては、今年の八月に自らの技術政策の方向性を防衛技術戦略という形で明確化し、技術的優越の確保と優れた防衛装備品の効果的、効率的な創製に向けまして、研究開発に重点的に取り組んでいくべき分野を特定いたしました。また、外部の研究機関あるいは企業による先進的、独創的な基礎研究を推進する安全保障技術研究推進制度、これの充実などを取り組んでございます。
 こうした防衛技術戦略を策定、公表することによりまして、防衛省自らの取組の強化を図ることはもとより、防衛省の技術政策の方向性について広く御理解をいただき、関係省庁や関係国との連携の強化につなげていくとともに、民間においても関連技術の育成などが進展するということを期待しております。
○佐藤啓君 ありがとうございました。防衛技術の向上に関して様々な取組をされているということが理解をできました。八月にこの防衛技術戦略を策定をされたわけですけれども、しっかりとこの戦略に沿って、今後、防衛技術の向上に官民一体となって努めていただきたいというふうに思います。
 以上で、私としては、この防衛生産・技術基盤の重要性、そして防衛産業の在り方について政府のお考え方が理解をできました。冒頭に、自衛官の方々が懸命に我が国を守っていただいていて、それに報いるためのしっかりとした待遇が必要であるということを申し上げましたけれども、一方で、命懸けでこの我が国を守っていただいている自衛官の方々の安全を守るという観点でも、私は、この優れた防衛装備、そして防衛技術が必要であるというふうに考えております。
 改めて、この防衛生産・技術基盤の重要性、そして防衛産業をしっかりと保護していくということの重要性を申し上げまして、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
○大野元裕君 おはようございます。民進党・新緑風会の大野元裕でございます。
 外はまだ雪が降っていますけれども、こんな中でも自衛隊員、自衛官は懸命にその任務をこなされており、制服、あるいはシビル、ユニホーム関係なく正当な評価を受けていくということは極めて重要であり、防衛省給与法につきましては、その趣旨、中身共に賛成をさせていただきたいと思っております。
 さて、今国会では、新任となりました稲田防衛大臣、そして岸田大臣の所信的挨拶に対する質疑を時間を掛けて行うべきであったと我々は考えていましたが、しかし、政府の大失態となりました、しかしながら破格の協力をさせていただいたパリ協定の審議、それを優先させ、あるいは時間的な制約のある中でこの給与法について野党としては御協力をさせていただき、審議をしてきました。
 ただ、一つ申し上げますが、政府は本来、国会の日程に配慮して法案等を提出していく責任があり、野党の協力ありきで甘えるのはやはり筋違いであるということは、本委員会の理事として最初に申し上げさせていただきたいと思っております。
 その上で、岸田大臣に対しお伺いしますが、訪米お疲れさまでございました。訪米をされて、トランプ次期大統領に近いとされる方々と会談をされたとも伺っております。
 それを踏まえ、次期アメリカ政権若しくはその近い方々からの、印象で結構なんですが、東アジアにおける安全保障と政治情勢に対する優先度の高さ、あるいは米軍の前方照射戦略における東アジアの重要性についてどのような反応を得たというふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 私は、十八日ですが、ニューヨークにおきまして、トランプ次期大統領にもブリーフをしている著名な国家安全保障の専門家でありますハース外交問題評議会会長と意見交換をする機会がありました。
 委員も御案内のとおり、この外交問題評議会、CFRは、外交雑誌フォーリン・アフェアーズを発行するなど、米国の有力なシンクタンクとされているわけですが、その会長でありますハース氏とは昨年の二月以来の再会となりましたが、今回、一時間半以上にわたりまして意見交換をさせていただきました。トランプ新政権発足を念頭に、有意義な議論ができたと感じています。
 そして、その中において、私の方からは、経済において大変大きな活力を持ち、世界経済の原動力でありますアジア太平洋地域が安定するということについては日米双方にとって大きな利益であるということ、そして、厳しい安全保障環境を考えますときに、日米の協力、日米同盟、ますます重要になっているということ、こういったことについて申し上げさせていただきました。それに対しましてハース会長からは、まずは、十七日の安倍総理とトランプ次期大統領との会談は時宜を得たものであり非常に良かったという評価が述べられ、あわせて、この東アジア情勢、大変厳しい環境の中にあるということ、さらには日米同盟が重要であるということ、こういったことについては考えを共有できているということを感じてきた次第であります。
 トランプ新政権発足、来年一月に向けて様々な動きがあるわけですが、今の段階においては、トランプ次期大統領周辺の人脈としっかり意思疎通を図っていくこと、こういった努力は引き続き続けていかなければならない、このように考えます。
○大野元裕君 引き続き、トランプ次期政権に対する注目というものは多いと思いますので、累次質問させていただきたいと思っています。
 その上で、稲田大臣にお伺いいたします。
 私は、一般公務員の給与法と防衛省給与法が分けてある背景としては、自衛官の特殊な任務あるいは勤務の在り方があるのではないかというふうに理解をしております。この意味で、自衛官の特殊性に鑑みた様々な措置は必要であり、これを手当てしていくのは政治家の責任であろうと強く感じております。
 既に防衛大臣も、衆参における我が党同僚の質疑を通じて、前線における負傷者の九割以上が三十分以内に死に至るということ、あるいは、我が国の自衛隊の装備、あるいは検定に至るまでに至る自衛官に対する教育が十分とは考えられないようなことについての質疑があったことはよく御存じであろうと思います。また、前線からCCPと言われる収容施設までの間にメディックが配備されていないことについても御理解をいただいたと私は思っていますが、このような中、我が党は十五日に第一線救急救命に関わる法律案を衆議院で提出をさせていただきました。
 そこで、政治家の責任として、まずは与党に対して、是非ともこの自衛官に対する、生命、救える命に対する責任を全うするためにもこの本法律案を御審議をいただけるようお願いをするとともに、大臣に対しては、早急に実効的な自衛官に対する救急救命の処置を行うことについての御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(稲田朋美君) 先日、十一月十五日の衆議院安全保障委員会においても申し上げましたとおり、隊員の生命を最大限に守るため任務遂行上必要な衛生支援体制の強化については与党も野党もない、しっかりと検討していくべきものであるということについて、今も同じ考えでございます。更に申し上げますれば、予算委員会における委員の御質問も、質疑も踏まえまして、南スーダンに派遣する部隊に対し、携行品を充実させ、また、医官も一名増やしたということもあるところでございます。
 他方、民進党などが提出された法案につきましては、その取扱いも含めて国会でお決めになることであり、防衛大臣としてのコメントは差し控えさせていただきますが、衆議院での質疑の中でも、法律でできないこと、法律を決めなくてもできることもたくさんあるのではないかという、そういうお話もございました。現在の法制下においても、政府として自衛隊の任務遂行に必要な衛生支援体制の整備を着実に進めてまいりたいと考えております。
○大野元裕君 大変力強い御答弁ありがとうございます。与党、野党関係なく、自衛官の命、一人も失わせてはいけない、その思いはきっと一緒だと思います。そこは御協力をしっかりさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 さて、この法律を出させていただいた十五日なんですが、政府は、任務遂行型の武器使用権限を付与する駆け付け警護任務を含む、いわゆる、閣議決定を行いました。国民の皆様は覚えていらっしゃると思いますが、例の安全保障法制に関連するものであります。
 この安全保障法制、法律があるからといって実は措置をしなければならないというようなものではありません。その意味で恐らく、大臣は六時間ジュバを訪問され、そこでジュバ市内は落ち着いているという報告をされたんではないか、また、総理もジュバ市内は比較的安定していると述べられたのではないかと思います。このままでいけば確かに安心なんですよ。
 ところが、国連が報告書を提出をいたしました、十日ですね。ここでは、実はそのジュバの状況について、総理はあるいは大臣は比較的安定しているとおっしゃいましたが、この資料に出させていただきましたが、国連の報告書では、ジュバ及びその近郊ではボラタイル、不安定とか流動的とかもろいとかそういう意味ですね、不安定な治安状況が継続をしている、あるいは全体的な治安状況も、ジュバが位置している中央エクアトリア州を始めとして継続的に悪化していると。安定しているとは全く逆のことを言っているんです。このような状況の中で、任務遂行型武器使用権限を伴う駆け付け警護を命じることは果たして適切なんでしょうか。
 法律ができたからその任務を付与する必要はないわけであります。もちろん、総理も、事務総長が評価、この国連の報告書の最後の十七ページだったと思いますが、評価の部分でカオス云々というところについては答弁されていますから、そこについては全く必要ありません。その前段の事実関係のところですが、日本政府の評価、これ情報収集能力にも関わりますが、と全く違うことを言っているにもかかわらず、なぜ任務を付与するのか、大臣、お答えください。
○国務大臣(稲田朋美君) 南スーダン、現在も地方を中心に、北部や南部の国境付近等を中心に武力衝突、さらには一般市民の殺傷行為が度々生じていて、我が国としても南スーダンの治安情勢は極めて厳しいというふうに認識をいたしております。自衛隊が展開をしている首都ジュバについても、七月に大規模な武力衝突が発生をしており、今後の状況は楽観することはできない、委員もおっしゃるように楽観することはできず、引き続き緊張感を持って注視する必要があるというふうに思っておりますが、現在は比較的落ち着いている状況だと認識をいたしております。
 このような情勢認識につき、私や柴山総理補佐官はUNMISSのロイ特別代表と会談をして、同代表の認識が我が国の情勢認識と基本的に異なることはないことを確認をいたしております。私もロイ代表の方から、七月のようなああいった大規模な武力衝突がジュバで起きる可能性は極めて低いという言葉を聞いております。
 先般、国連が公表した報告書の治安情勢の部分の内容も、同様に我が国と基本的に異なるものではないというふうに認識をいたしております。もちろん、委員が御指摘になったように、ボラタイルという言葉があって、そこで述べられていることは、今後の治安情勢については楽観できない状況があり、引き続き緊張感を持って注視をする必要があるという我が国の認識と基本的には異なるものではないと考えております。先ほど委員からも、総理も答弁されているので省いていいとおっしゃっていただいたんですが、そのときも、真意を確認をしたところ、やはりジュバは比較的安定をしている、引き続き情勢を注視する必要がある旨の回答を国連側から得ているところでございます。
 駆け付け警護の任務の付与についてですけれども、これはこうした情勢、また訓練の進捗状況などを慎重に見極めながら、受入れ同意が安定的に維持されているという法的要件も満たしていると考え、総合的に検討した結果、決定をしたものでございます。しかしながら、現地情勢については緊張感を持って注視する必要があり、この南スーダンにおいて自衛隊の安全を確保し、意義ある活動が困難であると判断する場合には撤収をちゅうちょすることはありません。これについては、この今般の実施計画についても初めて明らかにしているところでございます。
○大野元裕君 ほとんど聞いていない話、ありがとうございます。
 先ほどお話しいたしましたけれども、治安状況のところ、ジュバについて書いてあるのは二か所だけです。いわゆるボラタイルと先ほど申し上げたところ、不安定が継続しているというところ、それからジュバを含む中央エクアトリア州を始めとし継続的に悪化している、ファクトの部分というのはこの二点しかないんです。大臣のおっしゃるように、認識が同じだ、若しくは治安が維持されているというところとは全く逆にしか読めないんですよ、大臣。
 これ、水掛け論をやるつもりはありませんが、だったら、我々、自衛隊が、あるいは警護活動を行われる人も含めて、どのような状況にあるのか、とても関心がある不安定な地域です。だとすると、このようなひどい国連の報告書が出されているんであれば、この国連の報告書、訂正を求める、抗議したらいかがなんでしょうか。
 これは外務大臣でしょうか、抗議するつもりがありますか。
○国務大臣(岸田文雄君) 先ほど防衛大臣の答弁の中にもありましたが、この報告書につきましては、我が国から改めて国連に照会を行っています。その照会を行った中で、ジュバに関しましては比較的安定している、こういった回答を得ている次第であります。こういった確認を行った次第であります。
○大野元裕君 この国連報告書は、じゃ、うそ八百を言っていると、そういうことですよね。これはやはり我々は、これは御覧になっている自衛官の御家族の方もおられますよ。これはやはり私は、これがうそ八百だというんだったら、抗議するべきだと思いますよ。改めてお答えください。
○国務大臣(岸田文雄君) 報告書については、委員が御指摘のように、どう読むのか、これは考えなければならない部分もありますので、我が国としましては、先ほど、この報告書については改めて確認をいたしました。そしてさらには、このUNMISSのロイ特別代表、これ国連を代表して現地に出向いているこの代表に直接会い、この認識を確認をしているわけです。
 こうした国連とのやり取り全体の中でこの国連の考え方を我々は確認しているわけですし、また、我が国政府も独自にこの現地の情報をしっかり収集し、稲田防衛大臣も現地に足を運び、様々な情報を収集した上で総合的に判断し、政府のこの判断を決定したということであります。
 こうした双方においてしっかり対処をした上で現地の状況を判断したというのが政府の立場であります。
○大野元裕君 大臣が行かれた後に出された報告書で、なおも継続をしているというふうに書かれているからこそ、だったらこんな無責任な報告書はおかしいというふうに我々は声を上げて当然じゃないんですか、何がおかしいんですか、それは。そうでしょう。
 だから、私が聞いたのは、なぜ抗議しない、抗議した方がいいんじゃないんですかと聞いただけですけれども、それについてはお答えがありませんでしたので、もう一度お願いします。
○国務大臣(岸田文雄君) 抗議をするかどうかですが、何よりも内容を確認することが大事だと思います。政府としましては、内容を確認し、そして国連から回答を得ています。それをもって我が国はこの報告書に対する評価をしっかりと確定したということであります。
○大野元裕君 そうは思いません。書かれているものが出されている以上、自衛官、自衛官の御家族は非常に不安ですから、やはりそこは、我々は明確にその立場を、あるいは情報の正確さというものを引き続き私は努力していかなければならないと思っています。
 時間がないので少し進めますけれども、このお配りをしている紙の中に、南スーダンの治安情勢の一番下の方ですね、この間のTPP特で、多数の武器が国内に出回っているというふうに総理が答弁をされておられます。
 そこで、私も少し調べてみました。二〇一四年のものですけれども、フォローイング・ザ・スレッドという、ページ数にして百三十六ページにわたるスーダンと南スーダンの武器がどれだけ出回っているかという報告書があります。
 これを見てみて、実は二枚目の方になりますけれども、様々な武器が実はそこにはあり、それはライフル、小銃、RPG等の小火器が拡散しています。それが誰に出回っているかというと、軍隊あるいは反政府勢力、それだけではないんです、部族勢力や一般の民間人にも拡散されている。この地図で示させていただいたのは、小銃のいわゆる銃弾ですね、これが大規模な形で発見された場所を書いてあって、ジョングレイとかユニティとかそういったところもありますが、実はエクアトリアもその中には含まれています。
 その中でも最も拡散しているのは、これ中国製だそうですけれども、七・六二ミリ掛ける三十九、七・六二ミリ掛ける五十四R、あるいは十二・七ミリ掛ける百八と言われています。自衛隊が持っていっているMINIMIは五・五六ミリですよね。
 これ、大臣に伺いますけど、まともにこれ撃ち合ったら自衛隊制圧されちゃうんじゃないんですか。
○政府参考人(辰己昌良君) おっしゃるとおり、自衛隊の保有している機関銃は五・五六ミリのMINIMIでございます。
 それから、南スーダンの中では、委員が御指摘されたように、こういった火器が見付かっているという報告もございます。一方で、ジュバ市内におきましては、UNMISSが国内避難民保護サイト周辺において定期的に武器の捜索をしております。その発表においては、AK47自動小銃等の火器、それから弾薬が発見されているということでございます。
 今御指摘の質問でございますが、当然、そういう我々を上回る武器を相手方が持っているということであれば、それは我々としてはそういうのと対峙しないというか、そういう場面は避けるということになると考えています。
○大野元裕君 避けるということであれば、例えば武装している集団が日本人を囲んでいる、そこでSOSが来て、駆け付け警護を行う。こういった集団や暴徒に囲まれている、これは別に相手が軍隊であるとかそういう意味じゃないですよ、そういった意味で、囲まれている邦人等に駆け付け警護を行うときに自衛隊は相手の装備を把握できるんですか、そんな状況で。
 そこで、これは警察権限ですけれども、もちろん、威嚇等を行うべきかどうかは相手の装備によって自衛官がその場で判断をするということになるんですか。大臣、お答えください。
○国務大臣(稲田朋美君) 最初の情報の点ですけれども、実際に駆け付け警護を行うか否かは、緊急の要請を踏まえ、現地治安当局や他の国連PKO部隊からの情報を得て、現場や活動関係者の情報、派遣施設隊の対応能力等を勘案しつつ、部隊長により個別的、具体的に判断されることとなります。その際、相手方の人数や装備など必要な情報の把握に努めることも当然だと思います。
 UNMISSは、ジュバの国内避難民保護サイト周辺において武器等の捜索を定期的に実施し、小銃等の小火器や弾薬が発見されたと公表されており、一般論として、これらの装備を、委員が御指摘のように、暴徒等が保有していることも想定をされております。
 御指摘の警告射撃等を行うか否かについては、自衛隊が駆け付け警護を行うこととなる場合の状況は多様であって、個々の状況に応じた対応を要することとなるため、その性格上、武器の使用に係る考え方について具体的かつ一律に示すことは困難でございますが、基本的にはまずは相手方と粘り強く交渉することが第一であり、直ちに武器の使用を行うというものではありません。
 さらに、相手方が説得に応じない場合など、個々の事態の急迫性の度合い等に応じて、相手方の視覚や聴覚に訴えるなど実際に武器を使用しない形で警告し、状況によっては警告射撃等の相手に危害を与えない形で武器の使用を行うことも考えられますが、その具体的な要領及び手順については、我が方の手のうちを明らかにすることとなるため、明らかにすることは差し控えたいと思います。
○大野元裕君 大臣、胸を張って、治安当局に聞くのは当然ですって、何ですか、それ。治安当局が違法に武器を持っている者が分からないから、彼ら持っているんですよ。治安当局に聞いて、いや、あそこで違法に武器持っていますけど何もしませんでしたって言うんですか。治安当局は分からないから、持っているんですよ、彼らは。
 それに聞いて情報収集をする、それから保有していることは想定している。しかしながら、先ほど申し上げたように、自衛隊よりも口径からいえばより攻撃的な、強力な武器を持っている、そういった暴徒の真ん中に行って、仮にそれ、警告射撃をしたときにどんなことが起きるか想像してみてください。逆に、自衛官のみならず警護をされる対象の邦人やNGOの方、NPOの方まで逆に危険になってしまうことはあり得るんじゃないんでしょうか。そこは、やはり私は、だからこそ、駆け付け警護そのものではなくて、南スーダンでこういった命令を出すことには大いに疑問を感じているんです。
 時間がないのでちょっと進めますが、例えば、今、装甲の話ちょっとしたいんですが、軽装甲車を自衛官、自衛隊は持っていっていますよね。軽装甲車以上の装甲は現時点では現地にないと思いますけれども、軽装甲車についての装甲能力はNATOのSTANAG四五六九という規格でいうとレベル一以下、つまり七・六二掛ける五十四Rや十二・七ミリでは撃ち抜かれる可能性があるんじゃないんですか。大臣、お答えください。
○国務大臣(稲田朋美君) 軽装甲機動車については、隊員の安全を確保できるように防衛省の要求性能を満たした一定の防護性能を確保しておりますが、その具体的な内容については我が国の防衛能力を推察させるおそれがありますので、お答えは差し控えさせていただきます。
○大野元裕君 大臣、よくお分かりだと思いますが、部隊知っていますよ、どういう能力を持っているか。その中で、自分たちを上回る規格の武器を持っている中に行かなければいけない。そして、装甲についても、彼ら能力知っていると私は思いますよ。そういった人たちに命令を出すというのは、私は政治家の責任からいえばおかしいと思います。
 やはり駆け付け警護よりも先にやるべきことというものはあると思うし、南スーダンで駆け付け警護の任務を付与するということについては疑問を感じざるを得ないと思っています。
 大臣、ゴラン高原のPKOの撤収のとき、実は私、防衛政務官でした。守秘義務があるので細かい話はできませんが、自衛隊は、法に従い、そして政治家の命令に従って行動します。我々が大きな責任を持っているんです。一般論として、現地の隊長は、大丈夫だ、この装備で頑張ってこいと言われれば必ずやります。でも、その結果は、負うべきは、警察権限ですから、帰ってきてから法で裁かれるようなことはあってもいけないし、逆に十分な装備ではない中でいたずらに武器を振り回してはいけないし、これは我々が、我々が担うべき任務です。
 そして、当時、ゴラン高原撤退したときに、私は、官房長官や外務大臣、それから上司の防衛大臣もそうでした、説得するのに物すごい力が要りました。三つの省庁が共管しているところで撤退をするというのは大変な決断ですが、万が一のことがあればこの部隊、撤退させられますよ。PKO終わっちゃいますよ。大臣、本当にこれ慎重に考えてほしいんです。
 南スーダンでの任務付与のリスクというものを過小評価するべきではない。六時間、大臣が御覧になったことを私は無駄だったとは言いません。大変大事だったと思います。でも、だからといって、今隠されているもの、民間に出回っていること、七月のときにあのマシュアルの勢力がなぜあれだけ早くジュバまで達したかと、武器があったからですよ、そこに。考えてほしいんです。
 大臣、もう一度真剣に考えていただけませんか。南スーダンにおける部隊に対する駆け付け警護の任務の付与について、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(稲田朋美君) 東ティモールの撤収の場合、今委員が……(発言する者あり)ゴラン高原。ゴラン高原の撤収において、PKOの五原則は維持をしていた、しかしながら、自衛隊がゴラン高原において安全を確保しつつ有意義な活動ができないと判断をされて、撤収という判断をされたわけであります。今回、そういった経験も踏まえて、実施計画の中に、自衛隊が自らの安全を確保しつつ有意義な活動ができない場合にはちゅうちょなく撤収をするということも書き込ませていただいたところでございます。
 委員がおっしゃるように、今、南スーダンの情勢は流動的な部分があり、ジュバは落ち着いているというものの、その点については緊張感を持って見ていかなければならないというふうに思います。駆け付け警護につきましては、施設部隊が自らの対応できる範囲内において、緊急的な要請を受けて人道的見地から一時的に行うものであって、助けられる人たちを見捨てない、これもまた今までの日本のPKO活動の中での教訓の中で生まれたものであります。
 今回、安定的な合意が維持されるという要件、さらには、しっかりと訓練もできるという状況の中で任務を付与したわけでありますけれども、今委員がおっしゃいましたように、ジュバ及びその周辺の状況についてはしっかりと緊張感を持って見てまいりたいと思っております。
○大野元裕君 理解できません。大臣、本当に両肩に載せられている責任はとても重いということをこれは是非認識してほしいんですよ。だからこそ、慎重に慎重を重ねて、法律があるのは分かりました、我々は反対だけど法律があるのは分かりました、でも付与するということは違いますから、是非そこは考えていただきたい。
 これ、もう少しやりたいんですが、ちょっと一つ聞かなければいけないことがあるので、別に話をさせていただきます。
 防衛大臣、一昨日、ロシアが北方領土にバル及びバスチオンというミサイル、あっ、済みません、その前に、先ほど東ティモールと言った部分はシリアのゴラン高原の誤りでありますので、ちょっとそこは御訂正ください。北方領土にミサイルを配備したという報道がありました。そして、ロシア側からも発表がありました。
 これについて、防衛省は事実関係どのように確認をされていて、どのような意図を持ってロシアはあの地域に今の段階で配備を行ったかについて、最後、確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(前田哲君) お答えいたします。
 先生の御指摘の報道は承知をいたしてございます。極東におけるロシア軍の動向につきまして、その意図、目的、確定的なことを申し上げるのは、先生御存じのとおり難しゅうございます。差し控えさせていただきたいと思いますけれども、その上で申し上げますと、北方領土には防御的な任務を主体とする一個師団、これが現在も駐留をしております。今回の地対艦ミサイルの配備につきましては、二点、極東海域等におけるロシア太平洋艦隊の部隊展開ルート、これを援護をする、それからもう一つは、オホーツク海における戦略原潜の活動領域、これを確保する、こういった目的が考えられるというふうに思います。
 いずれにいたしましても、防衛省としては、北方領土を含む極東におけるロシア軍の動向、これについては引き続き注視をしてまいりたいと、このように思います。
○大野元裕君 ありがとうございました。
 ただ、前田さん、三月にショイグ国防大臣が配備の計画発表しているんです。だとすれば、確認できないではなくて、もう少しやはり突っ込んだ、国民に対して分かりやすい御説明をいただきたいと思っています。
 そして、最後に申し上げておきますが、稲田大臣、先ほどのやり取り踏まえて是非慎重にしていただきたい。我々も、このように情報が全く違う中で放置しておく、装備についても大変不安が残る、そして、大臣の決断についても、御責任についても、私はいまだに疑いがあります。その意味では、野党としては厳しくこの話は継続して追及をさせていただくことを改めて申し上げて、私の質問にさせていただきます。
 ありがとうございました。
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。
 本日審議されます防衛省給与法につきましては、私は賛成でございます。その前提で、今ほども御議論ございました南スーダンPKOについて質問させていただきたいと思っています。
 十月二十日の本委員会で、異例かもしれませんが、我が党の山口代表が質問させていただきました。そのときに、防衛大臣に対しまして、このPKOを派遣を継続する、また撤退するメルクマールということを質問させていただきました。その際に、大臣から、いわゆるPKO五原則、これを守ることは当然として、それ以外にも、自衛隊の安全を確保しつつ有意義な活動ができるかできないか、これも要件なんだという明確な答弁がございました。
 その答弁を受けまして、今回、南スーダンPKOの実施計画にこのことが明確に位置付けられたわけでございまして、私は、これは初めてではないかと思うんですけれども、このことが位置付けられた意義、特に今後もPKO、幾つかの部隊であるかもしれません。そういうときには必ずこのことを引き続き明記していただきたいと思いますが、大臣から御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(稲田朋美君) 今委員御指摘のとおり、山口代表から御質問を受けて、その際、PKOの派遣については大きく二つ判断要素があるということを申し上げさせていただきました。一つは、参加五原則を満たしているかどうか、これは法的な判断、すなわち憲法上の要請があるということでございます。そして、それだけではなくて、要員の安全を確保した上で意義ある活動を行えるかどうか、これは実態面の判断であり、この二つを分けて考える必要があると思っております。
 南スーダンの治安状況は極めて悪く、多くの市民が殺傷される事態など度々生じておりますが、いまだ紛争当事者となり得る国家に準ずる組織は存在しておらず、PKO法上の武力紛争が発生したとは考えておりません。
 他方、もう一つの判断要素である実態面については、自衛隊は現在も厳しい状況下ではありますが、専門的な教育訓練を受けたプロとして、安全を確保しながら、道路整備や避難民向けの施設構築を行うなど意義ある活動を行うことができております。危険の伴う活動ではありますが、自衛隊にしかできない責務をしっかりと果たすことができていると思います。
 参加五原則が満たされなければ、当然自衛隊を撤収させることとなる一方、参加五原則が満たされる場合でも、先ほど委員が御指摘になりましたように、安全を確保しつつ有意義な活動を実施することが困難と判断する場合には撤収をちゅうちょすることはありません。この点は、今般初めての業務となるいわゆる駆け付け警護の任務付与に当たり、改めて従来の政府としての考えを明示的に記したものであり、これは今後も続けていくつもりでございます。
○浜田昌良君 そういう意味では実施計画に明確に書いていただくことは意義が大きいと思いますが、じゃ、これをどう実施するかと、判断をしていくかという問題ですね、今ほどもジュバを始め治安状況は良くないということが言われておるわけでございますので。
 それで、日本が南スーダンに派遣しているのは施設部隊なんですね。施設部隊としての任務、施設を造ったり道路を敷いたりと、この任務が安全確保できなければもう撤退ということなのか。しかし、今回駆け付け警護という任務が加わったと、邦人が少し残っていれば、施設の任務はできなくても、もしかすると駆け付け警護の任務があるかもしれない、後段の理由で残るということもあるのかと、この点について明確に答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(宮島昭夫君) お答えいたします。
 今委員御指摘のとおり、駆け付け警護はあくまでも施設活動を前提としたものでございます。施設部隊に対し、その能力の範囲で対応できるよう任務等必要な権限を付与しているものでございまして、有意義な活動か否かというのを判断するに当たって、駆け付け警護のニーズに基づいて判断するということはございません。
○浜田昌良君 今の答弁で、あくまで安全を確保しつつ有意義な活動を実施するということは、施設部隊としての任務であるということが明確になったと思います。
 続きまして、今回は、今ほども御審議がありましたように、任務遂行の武器使用ができるわけでございます。そういう意味では、いわゆる自己保存型ではないということで、これについては明確に議論しておく必要があると思っていますが、これについては、危害射撃を実際行う場合においては、基準はやっぱり警察官職務執行法七条だと思うんですが、これについてはいろんな法制があるんですね。例えば、海上警備行動だったり海賊対策の場合はどういう規定であり、また今回の駆け付け警護の場合はどういうふうに規定されているのか、その規定ぶりについて、またその差異を設けた考え方について、この場で少し明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(辰己昌良君) まず、駆け付け警護について申し上げます。
 駆け付け警護については、適正な実施を確保するため、訓令など内部の規則類を整備して、また、隊員に周知徹底し、武器の使用を含む様々な訓練を実施しておりますが、そもそもこの武器使用は厳格な警察比例の原則に従って行われるものでございまして、相手に危害を与える射撃、いわゆる危害射撃が許されるのは、正当防衛又は緊急避難に該当する場合に限られます。
 一方で、委員今おっしゃった警察官職務執行法第七条、それからそれを準用しております海上警備行動、海賊対処行動につきまして申し上げますと、まず警職法七条でございますが、これは危害許容要件として、正当防衛又は緊急避難に該当する場合のほか、職務執行に対する抵抗の抑止のため、これを防ぐために他に手段がないと信ずるに足りる相当な理由がある場合に危害を与えるということが許されております。
 さらに、これに加えまして、海賊対処行動では海賊行為を行っている船舶を止める必要がある場合、停止させるため、また、海上警備行動では不審な船舶の進行を停止させるため、それぞれ厳格な要件の下で危害を与える射撃が許されることになっております。
 今申し上げた警察官職務執行法、海賊対処行動、海上警備行動は、警察活動としての武器使用であるということでございます。それに比して、今回の駆け付け警護は、NGO等の活動関係者の生命及び身体を防護するため、やむを得ない場合にその状況に応じて合理的に必要な範囲内で行うものでありまして、そういう観点から、まさに警察活動、相手国の警察権の補完や代行という意味での事実行為ということでございますので、危害を与えられる射撃は正当防衛、緊急避難に限っているということでございます。
○浜田昌良君 今御答弁ありましたように、任務遂行の武器使用でありますが、今回の駆け付け警護の場合は非常に抑制的になっているということでございます。警察官職務執行法よりもより一段厳格になっておりますし、逆に言うと、海上警備行動、海賊対策は警察官職務執行法よりも一段、少し付け加わっているというわけでございますので、そういう意味ではより抑制的になっていることが分かったと思います。
 次に、外務省にお聞きしたいと思うんですが、いわゆる南スーダンの治安状況を判断する上で、現在はいわゆる退避勧告、レベル四の状況だと思うんですけれども、これが渡航自粛、渡航中止勧告ですね、レベル三になる見通し。具体的にどういう要因が改善するとこのレベル三となってくるのか、これについて御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(能化正樹君) お答え申し上げます。
 南スーダンにおきましては、まず見通しということでございますけれども、武力衝突や一般市民の殺傷行為が度々生じていると、それから、首都ジュバにつきましても七月に大規模な武力衝突が発生し、楽観できない状況であり、現時点において治安情勢の見通しを述べることは困難であるというのが最初の点でございます。
 そして、今後、危険情報引下げの可否ということでございますけれども、これにつきましては、中長期的に政情の安定度、衝突の発生頻度また規模、こういった状況を踏まえまして、邦人に重大かつ切迫した危険が及ぶことがないと判断できるか否か、こういった点を総合的に判断して検討していくことになります。
○浜田昌良君 なぜこれを聞いたかといいますと、今、南スーダン、まあジュバ中心ですが、邦人は約二十名と聞いております。その方の多くは大使館員であったりとか国連職員であったり、そういう方でありますので、いわゆる大使館の内であったりとか、また国連のコンパウンド内におられることが多いと思いますが、とはいっても、外出られると駆け付け警護のニーズがありますが、これはレベル三になりますと、JICAの方々が行かれたりして、もうこれは膨れ上がるわけですね。そうすると、まさに駆け付け警護のニーズが広がっていくということになると思いますので、その関係で聞かせていただきました。
 もしお手元に資料があればなんですが、PKO、今まで日本が派遣した地域、その地域は大体レベル四とかレベル三がどうであったのかという、お手元にあればちょっとお答えいただきたいんですけれども。
○政府参考人(能化正樹君) 網羅的な資料はございませんけれども、南スーダンにつきましては、二〇一一年七月から全土をレベルの二又は三という状況がございまして、二〇一一年から一三年十二月までそういう状況でございました。その後、一三年十二月になりまして、状況が悪化したということで一度全土を四に引き上げまして、さらに、一四年の十月の時点でジュバについてレベルを三に引き下げた、こういったことが実例としてございます。
○浜田昌良君 そういう意味では、レベルの変更に応じまして駆け付けのニーズも変わっていくと思いますので、適切に対応をお願いしたいと思います。
 続きまして、新任務の駆け付け警護の対象なんですけど、マスコミの報道にも少し混乱があるような感じがするんですよね。実際は、本来任務をしている施設部隊の近傍で何かがあった場合、ほかの部隊も歩兵部隊もいないというそういう場合なんですが、駆け付けという言葉があるものですから遠くまで行ってくれるんじゃないかというイメージがあるんですね。また、邦人が中心であって、又は国連職員とかいう言葉もあるんですが、外国軍隊は含まれていないという話もあるんですけど、もう少し明確にならないかと。
 あわせて、今ほどもございました、相手の武装集団の武器が我が国のいわゆる施設部隊よりもより高度なものを持っている場合もあると。そういうことも踏まえて、どういうことが、どういう方々が駆け付け警護の対象になるのか、もう少し御答弁いただいた方がいいと思うんですが、これは政府委員で結構ですのでお願いしたいと思います。
○政府参考人(宮島昭夫君) お答えいたします。
 まず、御指摘の近傍についてでございますけれども、実際に駆け付け警護の要請を受けた際の個別具体的な状況により判断されるものでございますので、その範囲をあらかじめ具体的にお示しすることは困難でございますが、当該要請の緊急性、他の国連部隊等の対応可能性及び自衛隊施設部隊の対応能力等を総合的に勘案して判断いたします。
 いずれにしろ、自衛隊の施設部隊はジュバ及びその周辺で活動を実施することとしております。その意味で、駆け付け警護を行う地域もおのずから限定されるというふうに考えております。
 また、邦人、邦人以外の方も含めてのその対象でございますけれども、PKO法の中には、いわゆる駆け付け警護の基本的性格を踏まえれば、活動関係者でございますけれども、その活動関係者が邦人かそれ以外かということについては差が設けてございません。PKO法の中では、国連のPKO等の活動に従事する者又はそれらの活動を支援する者というふうになっております。
 もう少し具体的に申し上げますと、国連PKO等の活動に従事する者としては、国連PKOに従事する国連や国際機関の職員、これらの活動を支援する者として、国連PKOを支援する国際機関やNGO等の職員や、現地の情報提供等により平時から自衛隊の活動を支援する者等をいいます。
 また、他国の軍人につきましては、法律的にはこれもカバーしておりますが、文民である国連やNGO関係者とは異なり、自分の身は自分で守る能力を有しているということで、自国部隊の安全確保を他国部隊に要請することは基本的にないと、こういうふうなことを考えておりまして、説明として、他国の軍人を対象として駆け付け警護を行うことは想定されないというふうに御説明をしている次第でございます。
 また、他の武装集団の武器の程度等、烈度との関係でございますけれども、駆け付け警護の基本的な性格を踏まえますと、対応できる事態にもおのずから限界がございます。本年七月のジュバにおける武力衝突のような戦車や重火器等による激しい銃撃を伴う状況では、現在派遣中の施設部隊が対応することはその能力からして困難でございます。実際、そのときにはUNMISSの歩兵部隊さえ対応できなかったと承知しております。
 いずれにいたしましても、実際に緊急の要請のあった場合に駆け付け警護を行うかどうか、また、どのような活動関係者が駆け付け警護の対象となるかということにつきましては、個別具体的な状況により判断されるものでございます。そのため、あらかじめ具体的かつ一律に申し上げることは困難でございますけれども、現場の状況や国連等からの情報を踏まえ、相手方の人数、装備に関する情報や派遣施設部隊の対応能力等を勘案しつつ、部隊長が適切に判断することになると考えております。
○浜田昌良君 もう時間がないので質問しませんが、個別具体的に申し上げられないという答弁自体が逆に過大な期待を呼ぶかもしれません。
 これは防衛大臣にお願いしておきたいんですが、そんなにこれが何でもできるわけじゃないんだということは、オールマイティーではない、駆け付け警護は、できないこともありますよ、守れないかもしれませんよということをはっきり言っておかないと過大な期待になって過大なことを招くんじゃないかと思いますので、是非その辺の周知をお願いして、答弁は結構です、終わりましたので。
 以上でございます。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 防衛省職員の給与法の改定は、本年八月の人事院勧告に沿って一般職と同様の引上げを行うものであります。国家公務員全体の給与引上げの一環であり、賛成であります。
 その上で、前回に続いて南スーダンPKOについてお聞きします。
 先ほどの防衛大臣の答弁でも、また政府の基本的考え方でも、活動継続の判断として、PKO参加五原則と、そして要員の安全を確保した上で意義のある活動が行えるかどうかだと言われております。
 そこで、この安全確保に関して今日はお聞きしますが、政府はジュバは平穏だと強調して、安倍総理は予算委員会で、治安情勢について国連と認識は同じだと答弁をされました。しかし、南スーダン情勢に関する十一月十日の国連事務総長報告を読む限り、私にはジュバは平穏などという記述は見当たらないんですね。どこに書いてあるのか。
 時間ありませんから、ないならないで結構ですので、はっきり答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(稲田朋美君) 政府のジュバに対する認識は、比較的落ち着いている、しかしながら緊張感を持って注視をしていかなければならないということでございます。
 御指摘の報告書の治安情勢の部分については、本年七月の衝突事案以降、ジュバ地域の治安状況は引き続き流動性がある、変動しやすいという記述でございます。これは、現地の治安情勢についての政府の認識と基本的に異なることはないというふうに認識をいたしております。
 さらに、先ほど私からも、外務大臣からも御答弁いただきましたように、国連側に問合せ、照会をした結果、治安情勢の悪化が起きているのはジュバ以外、特に西部及び北部であり、ジュバは比較的安定している、ただし引き続き情勢を注視する必要がある旨の回答を得ております。
 そういったことから、基本的に異なるものではないというふうに認識をいたしております。
○井上哲士君 ジュバは平穏だと書いてあるところは挙げることはできませんでした。書いていないんですね。
 先ほども紹介されましたけれども、今も言われました、ジュバ及びその周辺の治安状況は引き続き不安定であると。これは将来の話じゃないんですよ、ずっと不安定だと言っているわけですから、これは平穏とは全く逆の話であります。
 そして、この所見にあるカオスという表現について国連に照会をしたら、安保理が行動を取らなければ状況が深刻になるという趣旨であって、現在の南スーダンがカオスであるという趣旨ではない旨の答弁、回答があったという答弁もありました。
 これ、都合よく解釈されているんではないかと思われるんですが、国連事務総長の所見は、カオスと述べた後で、敵対行為の即時停止及び無条件の停戦実施への回帰が惨劇を回避する唯一の方法だとしております。確かにこれができればカオスにはならないでしょう。しかし、その見通しがないというのが今の現実だと思うんですね。
 その下で、この報告の所見では、治安状況は日を追うごとに悪化していると、民族間の緊張と十一月の雨季の終了のために暴力は更に悪化するだろう、南スーダンは崖っ縁に立たされているのが厳しい現実である、現実であると、こう言っているんですよ。こういう崖っ縁という現実こそ政府は直視すべきじゃありませんか。
○国務大臣(稲田朋美君) 今のカオス、それから崖っ縁の点は国連の事務総長の所見の部分で書かれているところでありまして、繰り返しになりますけれども、その点について照会をいたしましたところ、国連側からは、治安情勢の悪化が起きているのはジュバ以外、特に西部及び北部であり、ジュバは比較的安定している、ただ、引き続き情勢を注視する必要がある旨の回答を得ております。
 また、国連のPKO局のラドスース局長も、治安が悪化しているのは主に地方都市で、首都ジュバは比較的安定しているという認識を示しているというふうに承知をいたしております。
 これに加えまして、他の安保理理事国や要員派遣国にも直接確認をしたところ、いずれも我が国とおおむね同様の認識をしていると承知をしております。しかしながら、我が国としても緊張感を持って注視をしていく必要がある、これは同様の認識でございます。
○井上哲士君 先ほど言いましたけど、ジュバ及びその周辺の治安状況は引き続き不安定ですと言っているんですね。今のお話とは私全然違うと思うんですが。
 国連からの回答があったと言われますが、じゃ、その回答を当委員会に提出していただきたいと思います。理事会でお計らいください。
○委員長(宇都隆史君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。
○井上哲士君 こういう崖っ縁の情勢の下で要員の安全確保ができるのかという問題であります。
 改めて、前回と同じように、第十次要員と第十一次要員の家族説明資料を配付をいたしました。これ、各地で大統領派と副大統領派が交戦した地域、黄色いこの星のようなマークで付けてありますが、十次要員用資料では戦闘箇所となっています。それが、十一次要員資料では衝突箇所に書き換えられているんですね。何で戦闘を衝突に書き換えたんですか。
○政府参考人(辰己昌良君) 現在の南スーダンにおいては、法的に定義されている戦闘行為、国際……(発言する者あり)戦闘行為が行われていないことから、それと混同されかねない戦闘という文言を使うのは適当ではないと考え、衝突という文言を使っております。
 十次隊のこのページでございますが、三月に作成しておりまして、当時、現地の報道等各種情報を引用して戦闘発生箇所という表現を用いたものでございますが、これはやはり誤解を生じかねない不正確な記述であったと認識しておりまして、そのため第十一次隊の要員の家族説明会のときからは修正させていただいているところでございます。
○井上哲士君 この問題は、予算委員会でも大野委員が問題にされました。当時、総理は、戦闘行為には法律の定義があるけれども、戦闘には定義があるかどうか分からないと、そして、武器を使って人を殺傷したりあるいは物を壊す行為を一般的な意味で衝突という表現を使っていると、こういう答弁でした。つまり、通常、衝突という言葉を使っているような話だったんですね。これ、実際は戦闘と言っているんですよ。
 これだけじゃないんですね。先日も指摘しましたけれども、大臣がジュバで視察をして、難民施設を見下ろしながら現地の自衛隊員から説明受けている、その映像がニュースで全国に流れました。そのときに自衛隊員は、反政府軍の兵士もPKOサイトの方に逃げ込んでSPLAが反撃をする、その中で若干この辺で戦闘が起きたとはっきり言っていたじゃないですか。大臣、それをうなずいて聞いていたじゃないですか。
 つまり、現地の部隊も大臣も、政府軍との間で戦闘だったと、これこそが実態を表す言葉だからずっと使ってきたんじゃないんですか。いかがですか。
○国務大臣(稲田朋美君) 何度も繰り返しになりますが、法的な意味として戦闘行為ということが定義付けられております。そして、その戦闘行為とは、国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為でございます。
 その戦闘行為と混同しかねない戦闘という表現を使うのは適当ではないということで、戦闘という言葉ではなく、衝突ないしは武力衝突という言葉を使っているということでございます。
○井上哲士君 じゃ、なぜジュバで、大臣、訂正もせずに聞いていたんですか。
○国務大臣(稲田朋美君) それは、説明される方が法的な意味ではなく一般的な用語として使われていることを私は認識をしていたからでございます。
○井上哲士君 つまり、一般的に使っているんですよ、自衛隊の中では。家族の説明でも、現地にいる自衛隊員もこれは戦闘だと言っているんですよ。それをわざわざ平穏だと印象付けるために衝突に言い換えたということじゃないですか。
 ですから、言葉だけ使って、崖っ縁に立たされる情勢も、五原則が崩壊しているようなそういう事態も、そして実際に戦闘が起きている、これを覆い隠して安全かのように強調する説明をして、この新任務付与をして派遣を継続すると、これ絶対やめるべきであります。
 直ちに撤退することを求めまして、質問を終わります。
○浅田均君 日本維新の会、浅田均です。
 まず、防衛省職員給与法に関しましては反対でありますが、理由につきましては後ほどの討論で意見開陳をさせていただきます。
 それで、質問に入りますが、二十八年十一月十五日に閣議決定されました南スーダン国際平和協力業務の変更についてお伺いいたします。
 十一月十五日の政府見解、パラグラフ二十四ですが、マシャール派は系統立った組織性を有していると言えないとのことでありますが、系統立った組織性とはどのような状態を意味するのか、まず防衛大臣にお尋ねいたします。
○国務大臣(稲田朋美君) 系統立った組織性があるか否かについては、例えば、支配地域の住民を束ねる組織の有無や機能、組織の構成員の階層の明確性、統一的な意思による行動が規律を持って取られている程度等の要素を総合的に勘案して判断していきます。
○浅田均君 そういう御見解ですが、私は、これ十一月十七日付けのニューヨーク・タイムズと、それから十月三日のエコノミストに掲載された二つの記事を御紹介したいと思うんです。
 十一月十七日付けのニューヨーク・タイムズ、「U.S., in Shift,Backs Arms Embargo for South Sudan as Genocide Risk Rises」という記事の中で、国連からアダマ・ディエンというアドバイザーが派遣されておりまして、この方がザ・ポテンシャル・フォー・ジェノサイド、つまり組織的大量虐殺のおそれがある、だから武器を禁輸せよと言ったと伝えられております。
 組織的な大量虐殺が可能なのだということは、その前副大統領マシャール派がすなわちマシャール軍であり、系統立った組織性を有していることというふうに私は理解せざるを得ないんです。
 それから、十月三日のこのエコノミスト誌で書かれてある記事なんですが、なぜ南スーダンではまだ戦争が起きているのかという記事の中で、争いの原因は部族対立が根にあると。ということで、今もお話に出ましたこのSPLAと、それからSPLA・イン・オポジション、対立派ですよね。ここから言えるのは、すなわち大統領派、それから前副大統領派、キール派、マシャール派というよりは、キールを支えるディンカ族とマシャールを支えるヌエル族、この二つの対立であると、根が深いと、長いということを言っているわけであります。
 キール派、マシャール派、キールを支えるディンカ族とマシャールを支えるヌエル族は一九九一年以来抗争を続けております。相互に虐殺し合っているということで、いずれも事案の平和的解決を求めている、このパラグラフ二十四のポツの三番目ですね、に書かれてある、いずれも事案の平和的解決を求めているというのは事実ではないということになります。
 この新たな任務付与に関する基本的な考え方のパラグラフ二十四で三つ挙げておられます。系統立った組織性を有しているとは言えないこと、それから支配が確立されるに至った領域があるとは言えないこと、それから事案の平和的解決を求める意思を有していること、三つ挙げられております。
 今の、新聞の記事ですから二次資料になってしまうんですが、そこで国連から派遣されたアドバイザーがそういう意見を述べておるということから、系統立った組織性、まさしく組織的な集団大虐殺が起きる可能性があるから武器を禁輸せよというふうな提案をしているわけですね。だから、そういう発言から見ますと、一番目の系統立った組織性を有しているということは、明らかにこの国連のアドバイザーの意見とは違う。
 それから、支配が確立されるに至った領域があるとは言えないということですが、これについては分かりません。不明です。
 しかし、三つ目の、南スーダン政府と反主流派双方とも事案の平和的解決を求める意思を有していることというこの認定、これに関しても、もう一九九一年、独立するはるか前から二つの部族が厳しく対立している、お互いがお互いを殺りくし合っていると。昔ルワンダであったフツ族とツチ族の対立、大虐殺のし合いというものをほうふつさせるようなことがこの南スーダン地域でも起きているということです。だから、ここで前提条件とされておる三番目も、これも明らかに違うと私は言わざるを得ないんです。
 こういう国連のアドバイザーさん、あるいはエコノミスト誌の記事、二次資料ではありますけれども、明らかに国連のアドバイザーが現地へ行って、それで見てそういう発言をされているわけですね。組織的な集団殺りくの、虐殺のおそれがある、そういう発言をされているわけです。こういう事実があってもこの政府見解の二十四、これを改めるおつもりはありませんか。
○政府参考人(宮島昭夫君) 今委員御指摘のジェノサイドの担当の特別補佐官の御報告があったのは事実でございますが、まさにエコノミストの記事もそうでございますが、根深い部族対立がその背景にあるというふうなことで、そういうふうな懸念を表明しているという理解でございまして、必ずしもマシャール派がそういうふうなものを行う危険があるというふうなことの文脈で述べられた報告ではないというふうに承知しております。
 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、このマシャール派につきましては、系統立った組織性、支配が確立されるに至った領域、それからあと昨年の八月の紛争解決合意を守る意思があると、これはマシャールさん自身もそういうふうなことを言っておりますので、そういうふうなことを総合的に勘案いたしますと、UNMISSの活動地域でPKO法における紛争当事者に当たるというようなものではないというふうに考えている次第でございます。
○浅田均君 これ、もう明らかに軍隊を持っているんですよね。軍隊を持っている、それが組織性を有していない。
 もう一度お尋ねします。軍隊を持っている、これが組織性を有していないんですか。
○政府参考人(宮島昭夫君) 確かにマシャール派の中に軍隊がいるのは事実でございますけれども、その軍隊のことだけのことを申し上げているわけではなくて、マシャール派全体として統治主体としても組織性があるかどうかというふうなことを総合的に勘案して組織性という言葉を使わせていただいております。
○浅田均君 そして、大統領派はその組織性を持っているんですか。
○政府参考人(宮島昭夫君) 私どもといたしましては、受入れ国としてキール大統領を中心とする南スーダン政府はそういうふうな統治主体だと考えております。
○浅田均君 まあ、そう言わざるを得ないですよね、お立場上。
 しかし、明らかにこれ三つの前提は崩れているということをもう一回私としては主張させていただきたいです。だから、三つの前提が崩れている以上、このPKO五原則は守られているかもしれないけれども、新たな任務を付与したということについては御再考を促したいというところで質問を終えさせていただきます。
○アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば何でもできる、元気があればこの寒さにも耐えられるということで、昔こんな歌がはやりましたが、アダモという歌手が、雪は降る、あなたは来ないという。でも、今日は俺は行くよということで、この委員会に出席しました。
 ところで、今質問がありましたとおり、南スーダンにおいての元々の原因というのは、なかなかこれは一生懸命勉強しないと分からない部分もありますが、分かりやすくというか、改めて質問をさせて、御説明をお願いします。
○委員長(宇都隆史君) よろしいですか。質問の内容、御理解できましたか。
○国務大臣(稲田朋美君) 済みません、分かりやすく説明する、内容は南……
○委員長(宇都隆史君) 南スーダンの件です。(発言する者あり)
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(宇都隆史君) 速記を起こしてください。
 では、答弁をお願いします。岸田外務大臣。
○国務大臣(岸田文雄君) 南スーダンのこの紛争の原因について分かりやすく説明をという御質問でございましたが、南スーダン、御案内のとおり、これスーダンから独立をしたわけですが、この独立に至るまでに数度にわたる内戦を経験してきました。そして、独立後の国づくりは、国際社会からの支援はあったものの、反政府勢力の存在、そして部族間の対立を背景とした複雑かつ脆弱な政治状況の中でこうした国づくりが行われてきた、こういった状況もありました。さらには、独立までの間に使用されたものも含めて多数の武器が国内に出回っている、こういった環境もありました。こういった状況の中で政治的な緊張が起こりますと、この政治的な緊張が治安情勢の悪化につながりやすい、こういった状況があった、これが今日の紛争の一つの要因なのではないか、このように考えております。
○アントニオ猪木君 私も昔、スーダン大使と非常に仲よしで、二度ほどスーダンにも行ったことがあります。本当に貧しいというか、羊が一つの収入源の糧というか、そんな中でいまだに印象に残っているのがグレープフルーツが物すごくおいしかったということ、あと、ホテルで出してくれた卵焼きが、なかなか食が合わないんですが、そんな思い出があります。
 私も何遍かここでも質問させてもらいましたが、バイオ、サトウキビの搾りかすを利用して牛の餌という、これも非常に今大変な状況の中で、やっぱり一番の根本は、生活ができるかできないかという問題だと思うんですね。
 そういう中で、日本政府として今駆け付け警護に行くということで、と同時に、その国民が自立していけるような、どんなことができるのか、その辺の日本政府としての考え方をお聞かせください。
○政府参考人(森美樹夫君) お答えいたします。
 我が国はこれまで南スーダンにおきまして、基礎的な経済社会インフラの整備、代替産業の育成、基礎生活及び生計向上の支援並びにガバナンス及び治安能力強化向上支援という四つの分野を重点支援分野といたしまして支援を行ってまいりました。
 具体的には、無償資金協力によりますナイル川の橋梁建設、給水施設の整備などのインフラ、基礎生活分野支援、さらには、技術協力によりまして若者に対する技能、職業訓練、包括的な農業マスタープランの策定支援等を実施してきております。さらに、南スーダンにおきましては、御案内のとおり、約百六十七万人の国内避難民が発生しておりますので、平成二十七年度補正予算により、国際機関を通じた約三千百万ドルの人道支援、復興支援を行ってきているところでございます。
 しかしながら、本年七月の治安情勢の悪化により、現在、我が国の国際協力事業関係者は南スーダンから退避をしております。これら関係者の復帰につきましては、南スーダンの政治、治安情勢の安定や関係者の安全対策の強化が前提となりますところ、これらの点を踏まえて、退避の復帰については慎重に検討しておるところでございます。
○アントニオ猪木君 先日、ペルーでAPEC、アジア太平洋経済協力会議が、安倍総理も参加されましたが、自由貿易の重要性、保護主義に対抗するなど、今後のアメリカの出方を意識して会議が行われたと報道されています。
 以前、トランプ氏もヒラリー氏もTPPに反対という、オバマ政権のうちにTPPは決着が付くのでは、日本はその辺の思惑もあったのではないかと思います。ところが、実際にはオバマ政権下での議会承認は事実上断念という報道が流れています。さらに、トランプ氏、次期大統領は、就任後TPPを離脱するという通知を発令するとして、アメリカに雇用と産業を取り戻す公平な二国間貿易協定を進めていくという声明を出しています。
 外務大臣にお聞きいたします。アメリカが本当に二国間貿易の協定を進めていくという姿勢であれば自由貿易は成り立たないのではないか、その辺を、御見解をお聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) 先日のAPECでの会議の際に、私は、米国ケリー国務長官と日米外相会談も行わさせていただきました。その際に、ケリー国務長官からは、TPPにつき、我々はまだ諦めていない、米国の経済界はTPPを強く支持、期待している、こういった発言がありました。
 また、TPP首脳会合もAPECの際に開催されましたが、オバマ大統領から、TPPの重要性について今後も国内での理解を求めるべく尽力を続ける旨の発言があった、こうした報告を受けておりますし、TPPの首脳会談自体、TPPの戦略性、経済的な意義、これを再確認し、参加各国、各国とも国内手続を進めていくことを確認した、こういった会議であったと承知をしています。
 こういったことから、我が国としましては、今現在、我が国が率先して国内手続を進めることによって各国のTPPの国内手続を後押しする、こうした機運をつくっていくべく努力をしているわけです。
 そして、自由貿易との関係で申し上げるならば、自由貿易、さらにはTPPの重要性、こういったものについては、新政権になったとしてもこれは引き続きしっかりと議論をしていかなければならない、こういった課題だと認識をしています。
○アントニオ猪木君 最後に、ロシア外交について質問をさせていただきますが、時間も余りありません。
 今日の、昨日ですかね、やっぱり択捉、国後に新型ミサイル、地対艦ミサイルシステムをそれぞれ配備したということで、非常に今平和交渉を進めていく中で逆行するようなニュースが流れてきましたが、この点について、どなたでも結構です、話を聞かせてください。
○政府参考人(相木俊宏君) お答えいたします。
 ロシアの地対艦ミサイルの配備についての報道は承知をしておりますし、政府といたしまして北方領土におけるロシア軍の動向につきましては注視をしているところでございます。
 こうした問題の根本的な解決のためには、北方領土問題それ自体の解決が必要であるというふうに考えておりまして、双方受入れ可能な解決策を作成する交渉に引き続き粘り強く取り組んでまいりたいと考えております。
○アントニオ猪木君 TPPもそうですが、ロシア外交も本当に大変な状況に入っていると思いますので、是非、やはり誰が中心なのか、その辺の人脈を早めに捉えておく必要があると思います。
 終わります。ありがとうございました。
○伊波洋一君 沖縄の風の伊波洋一です。
 沖縄の風は、防衛省の職員の給与等に関する改正法案につきましては賛成の立場でございます。
 前回に引き続き、沖縄米軍北部訓練場、オスプレイパッド建設工事について伺います。
 天然記念物を含む希少な生物種の保護について、藤江文化財部長は防衛省のモニタリングを踏まえると繰り返していますが、〇七年アセスの水準と比較対照すると理解してよいのですね。その上で、〇七年アセスより天然記念物等の確認数が減っている場合には、文化庁は天然記念物保護の観点から北部訓練場の米軍への提供を断るなど改善を求める、そういう意思を持っていると理解してよいのですね。
 防衛省、防衛大臣はいかがですか。
○国務大臣(稲田朋美君) 北部訓練場のヘリパッドの移設工事、これは法的に環境影響評価を義務付けられているものではありませんが、防衛省として、自然環境の保全に最大限配慮する観点から自主的な判断で環境影響評価を実施しております。その環境影響評価で実施する事後調査においてオスプレイ等の運用を踏まえた騒音、植物、動物等の調査を実施することとしており、これにより適切に対応できるものと考えております。
 実際に、この事後調査において、平成二十六年度のN4地区では、無障害物帯の縁から外側五十メートルの範囲内の調査を行いました。二つのヘリパッドが提供された後の時点において、森林内の植物種については、一つ目のヘリパッドの周辺では環境影響評価時の十九種から二十六種に、二つ目のヘリパッドの周辺では二十四種から二十七種にそれぞれ増加しております。森林内の気温、湿度についても異常な数値は示されておらず、オスプレイが運用された後も環境悪化の傾向は認められておりません。
 また、沖縄防衛局はヘリパッドの工事中及び提供後の調査の結果について沖縄県教育委員会に報告することとしており、これまでに平成二十六年十二月と平成二十七年八月の二回、事後調査の報告書を用いて説明を行っていますが、特段の問題は指摘されていないところでございます。
 いずれにいたしましても、防衛省としては引き続き事後調査を実施していきます。また、これにより環境影響の程度が著しいことが明らかになった場合には、その原因について専門家等の指導、助言を踏まえ検討し、関係機関と協議するとともに、今委員御指摘になったように米側に改善を申し入れるなど、適切な処置を講じていきたいと思っております。
○政府参考人(藤江陽子君) 文化庁への御質問でございますが、文化庁といたしましては、必ずしも平成十九年の環境影響評価の結果との比較ということにこだわるものではございませんが、天然記念物に指定された動物の個体数の顕著な減少傾向が見られる場合には、沖縄県教育委員会及び関係省庁とも連携いたしまして、その減少原因ですとかあるいは保存対策のための調査を行うことなど、必要な対応を検討してまいります。
○伊波洋一君 提供されているオスプレイパッド、完成したものは七年間のブランクがあります。二〇〇七年に調査をした後、その間工事が行われる段階で、いろんな形でずっと使われてこなかった経過もありますので、必ずしも今のことで問題が解決しているというふうには理解しておりません。
 二〇一二年四月の「MV―22の普天間飛行場配備及び日本での運用に関する環境レビュー最終版」の生物資源に関する環境への影響の項目には、既存のヘリパッド周辺ではヤンバルクイナとカラスバトだけがオスプレイの影響を受ける可能性がある鳥として論じられています。
 ノグチゲラに関しては、「この種は、最低でも林齢三十年以上で、直径が八インチ以上の木々がある広葉常緑樹林を好む。基本的に、既に枯れた、あるいは枯れかけの大きなシイの木に空洞を作り、巣を作る。餌をとったり巣を作ったりするのに古い森を好むので、着陸地点の近くに生息する可能性は低い。」と述べています。既存の着陸地点、ヘリパッド近くにはノグチゲラが既に生息していないので、ほとんど考慮しなくてもよいという扱いになっています。
 一方、下降気流の生物資源への影響については、「森林の縁から五十フィート以内、あるいは、着陸地点から三百フィート以内の何もない区域で繁殖しているかねぐらにいる個体又は巣のみが下降気流の影響を受ける可能性がある」と結論付けています。このように、既存については既にノグチゲラが周辺にいないということを前提にしております。
 森林の縁から五十フィート以内、すなわちヘリパッドの中心から半径百七十五フィート、約五十三メートルの範囲内に希少生物や天然記念物が存在しているかどうか確認をしていますか、防衛大臣。
○国務大臣(稲田朋美君) 防衛省が自主的に実施している環境影響評価においては、ヘリパッド、無障害物帯とその周辺を含む地区ごとに動植物種の確認を行っており、貴重な動植物種も確認していたところですが、ヘリパッドの移設工事により影響があり得る貴重な動植物につきましては、工事を進めるに当たり、事前に移動、移植をしているところであります。
 また、繰り返しになりますけれども、平成二十六年度のN4地区の事後調査においては、森林内の動物種については増加し、森林内気温や湿度についても異常な数値は示されておらず、オスプレイが運用された後も環境悪化の傾向は認められていないところでございます。
 自主的に行っている環境影響評価で実施する事後評価において、オスプレイ等の運用を踏まえた騒音、植物、動物等の調査を実施し、これにより適切に対応できるものと考えております。
○伊波洋一君 環境レビューを読んでみますと、防衛のアセスと米軍のオスプレイ運用のアセスは違うということが分かります。
 今お配りしているアセスの資料ですけれども、一ページ目に普天間飛行場のアセスの資料がありますが、ここにあるのはクリアゾーンの指定です。普天間飛行場のクリアゾーン自体が住民地区に大きく張り出していますけれども、併せて、ヘリにもオスプレイにもクリアゾーンがあるということが示されています。そういう中で、次の次のページを見ますと、これが北部訓練場におけるオスプレイ、ヘリパッドの様子ですけれども、クリアゾーンらしき形で横に長くなっています。今は丸くしか造っていません、七十五メートルのですね。
 米軍自身の安全基準によりますと、それぞれのところでクリアゾーンの確保が必要とされる可能性があります。そういうときに、北部訓練場のオスプレイパッドについても、皆さんが供用後にこのクリアゾーンや事故可能性ゾーンが設定される可能性があると考えますが、そのことについて防衛大臣としてはどのように考えているんでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) オスプレイの普天間飛行場への配備に当たっては、平成二十四年四月に米軍が作成した環境レビューにおいて、委員が今御指摘のクリアゾーンに係る記述があることは承知をいたしております。普天間飛行場の一日も早い返還に向けて安全に留意しながら移設を進めていく次第であります。
 他方、防衛省としては、その詳細までは把握していないことから、普天間飛行場以外に設置されている既存のヘリパッドにクリアゾーンが設定されているかについては承知はしておりません。また、北部訓練場については、米軍が作成した環境レビューにおいて、建設予定の着陸帯は着陸地点に直径百五十フィートの舗装表面があるもので、その周りには五十フィートのクリアゾーンがあると記述されており、現在行っているヘリパッドの移設工事において附帯施設として整備している無障害物帯を示しているものと思われますが、いずれにいたしましても、住宅地から十分な距離が取られていると承知しております。
○伊波洋一君 これらのゾーンは今既存の北部訓練場の主要なヘリ着陸帯にあります。そうしますと、今私たちが議論している七十五メートルの範囲でその影響の問題について議論していますけれども、しかし、渡してしまえば、それは米軍がいかようにも広げていく可能性があります。このことについて我が国政府の対応は、やはり私たちの主権であると思うんですね、生物の保護はですね、それが十分に担保されていない。
 そのことを指摘して、終わりたいと思います。
○委員長(宇都隆史君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○浅田均君 日本維新の会、浅田均です。
 私は、我が党を代表して、防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案に反対の立場から討論いたします。
 日本周辺の安全保障環境が急激に厳しさを増している中、日米のチームワークで防衛力を強化する等、現実的な安全保障政策が求められております。昨年成立した平和安全法制の施行による新たな任務の増加や活動領域の増大で、自衛隊の負担はこれまで以上に増えることになります。こうした中、自衛隊員の削減を主張することはできません。
 我が党は、身を切る改革と公務員人件費削減を一丁目一番地に掲げております。このため、参議院には国家公務員人件費二割削減法案を提出いたしましたが、この法案では、国の出先機関を中心に行政機関職員の人員削減のみを想定しております。ただし、給与については、防衛省職員も含めて全公務員を対象とする削減を提案しております。民間給与が伸び悩む中、国民の理解を得るためであります。
 平成二十六年に消費税率が五%から八%へ引き上げられ、復興所得税は平成四十九年まで続きます。これに対し、公務員給与は今国会提出の諸法案により三年連続の引上げとなります。
 自らの命を危険にさらして国を守り、国民を守っている自衛隊員にしかるべき待遇は保障されて当然です。その一方で、政府は、国民には消費増税や復興増税という負担を求めながら、公務員給与が上がり続ける現状にも思いを致す必要があります。このため、三年連続で給与引上げを求める本法案には反対せざるを得ません。
 我が党の主張する国と地方の公務員人件費の削減は、公務員を含む国民全体に教育完全無償化を実現するために行うものです。自衛隊員を含む防衛省職員の給与が削減されても、子育て家計にはメリットは非常に大きいはずです。
 また、我が党は、公務員に給与削減を求めるならば、国会議員自身が身を切る改革を断行することが当然必要と考えております。安易で無責任な公務員バッシングにくみするつもりはありません。議員が率先して襟を正した上で、公務員に一定の理解を求めるものであります。
 以上をもって、我が党の本法案についての反対討論とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。
○委員長(宇都隆史君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(宇都隆史君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宇都隆史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二分散会