第193回国会 本会議 第33号
平成二十九年六月十五日(木曜日)
   午前二時三十一分開議
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○議事日程 第三十四号
  平成二十九年六月十五日
   午前零時十分開議
 第一 法務委員会において審査中の組織的な犯
  罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律
  等の一部を改正する法律案について、速やか
  に法務委員長の中間報告を求めることの動議
  (牧野たかお君提出)(前会の続)
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○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等
  に関する法律等の一部を改正する法律案の中
  間報告
 一、中間報告があった組織的な犯罪の処罰及び
  犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改
  正する法律案は、議院の会議において直ちに
  審議することの動議(牧野たかお君提出)
 一、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等
  に関する法律等の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 一、本案に対する質疑、討論その他の発言時間
  は一人十分に制限することの動議(牧野たか
  お君外一名提出)
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○議長(伊達忠一君) これより会議を開きます。
 日程第一 法務委員会において審査中の組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案について、速やかに法務委員長の中間報告を求めることの動議(牧野たかお君提出)を前会に引き続き議題といたします。
 牧野たかお君外一名から、賛成者を得て、
 本動議に対する討論その他の発言時間は一人十分に制限することの動議が提出されました。
 これより本動議の採決をいたします。
 足立信也君外四十九名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
○議長(伊達忠一君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
○議長(伊達忠一君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百三十八票  
  白色票          百六十二票  
  青色票           七十六票  
 よって、本動議は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(伊達忠一君) 中間報告を求めることの動議に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。藤末健三君。
   〔藤末健三君登壇、拍手〕
○藤末健三君 私は、ただいま議題となりました組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案について、法務委員会での審議を打ち切り、委員会採決を封殺し中間報告を求めるという暴挙とも言える動議に対して、民進党・新緑風会を代表して、怒りを込めて反対の討論をします。
 今、私は、議会制民主主義の形骸化の岐路に立たされていると、大きな危機感を持ってこの演壇に立っております。今国会においては、森友学園問題、加計学園問題、天下り問題、そしてこの共謀罪法案と数多くの議論すべき課題がありましたが、この参議院では十分な議論が全く行われておりません。良識の府、再考の府、そして熟議の府としての参議院が役割を十分に果たしていないと危惧します。
 まず、森友学園問題では、大阪の学校法人森友学園が評価額九億五千六百万円の国有地を一億三千四百万円で購入したことについて、差額である八億円の値引きが適正であったかどうかが問われています。この八億円の値引きをめぐっては、何らかのそんたくがあったのではないかと国民から疑惑の目が注がれています。また、財務省が特例で森友学園と定期借地契約を結び、定期借地契約後に購入するまでの詳細な手順書を学園側に渡すなど、財務省の積極的な関与を疑わせる事実が浮上しました。
 政府・与党は、当初、野党が求めていた籠池氏の参考人招致に対し、民間人の招致には慎重であるべきとの姿勢を示していましたが、籠池氏の総理に対する批判的な発言を受けるや否や、総理に対する侮辱として籠池氏の証人喚問を決めました。総理に対する侮辱などという理由で民間人を証人喚問するというのは前代未聞であります。
 しかしながら、政府は、交渉の経緯や八億円の値引きの積算根拠などを我々参議院に対して一切提示をしておりません。かたくなに事実を明らかにしようとしなかった安倍政権は、参議院を軽視しているとしか言いようがありません。また、このような政府の対応を容認している与党の皆様は、自ら参議院の地位をおとしめていると言わざるを得ません。
 また、国家戦略特区を利用した加計学園の獣医学部新設についての疑惑が全く解明されていません。国家戦略特区の制度上、総理が指導力を発揮するのは当然のことでありますが、その手続は公平公正でなくてはなりません。しかしながら、調べれば調べるほど、初めから加計学園ありきだったことが明らかになってきています。岩盤規制に穴を開けると勇ましいフレーズを掲げながら、実際には身内向けに恣意的に制度を利用しているのではないか、このような疑いがますます濃厚になってきています。
 文部科学省の前川前事務次官は、総理の御意向や官邸の最高レベルが言っていると記された文書の存在を明らかにしました。これが事実であれば、公正であるべき行政をゆがませる政治的圧力が存在した証左にほかなりません。そのゆがみは厳正に正されなくてはなりません。
 しかし、信じられないことに、報復あるいは脅しのように前川前次官個人についての記事が新聞に掲載されました。時の政権が意に沿わない人間の私生活を調べ上げ、新聞を用いてスキャンダルのように仕立てて人格攻撃を行ったのであれば、これは絶対に許される行為ではありません。
 加計学園獣医学部新設問題で総理の意向と書かれた文書の存在などを告発した文部科学省職員についても、義家文部科学副大臣は、国家公務員法違反になり得ると、告発者の処分の可能性を示唆しました。報復をちらつかせ、告発したければしてみろと言わんばかりのこの姿勢を見るにつけ、この政権下で共謀罪という国民の人権に深く関わる法律が抑制的に運用されるとは全く思えません。
 さて、中間報告については、国会法第五十六条の三には、委員会の審査中の案件について特に必要があるときは中間報告を求めることができると記されています。この特に必要があるときという意味は、どのように理解したらいいんでしょうか。特に必要があるときは、与党の御都合があるときと解釈すべきなのでしょうか。特に必要があるときとは、官邸からの強い要請があったときと解釈すべきなのでしょうか。特に必要があるときとは、選挙対策上どうしても必要があるときと解釈すべきなのでしょうか。
 昭和三十八年七月五日、第四十三回国会において、当時、与野党五会派が次のような申合せ事項を確認しました。
 参議院の各会派は、議院の正常な運営を図るため、少数意見の尊重と議員の審議権確保に留意するとともに、議院の品位と秩序の保持に互いに協力することとし、次のとおり申し合わせる。一つ、議案の中間報告は、審査につき委員会中心主義を採用している今国会法の趣旨に鑑み、みだりに行わないものとすること。二つ、中間報告に関連し、本会議の運営が混乱した実情に鑑み、このような中間報告は行わないように努力するとされています。
 果たして、今議会におけるこの中間報告を求める動議は私が読み上げた申合せに照らしてかなったものでしょうか。答えは明らかに否であります。
 今まさに政府・与党が強引に推し進めようとしている組織犯罪処罰法案の審議は、中間報告を行うべき状況にあるとは全く言えません。事実、我々民進党を始めとする野党は、紳士的に委員会運営の協議を行い、委員会審議を通じてこの共謀罪法案の問題点を明らかにすべく、極めて論理的な質問を重ねてまいりました。中間報告という手法を取らざるを得ないような著しい遅延は全くなく、粛々と法案の瑕疵を追及してきたのであります。にもかかわらず、中間報告によって委員会での審議そして採決を飛ばし、この本会議場で議決することは、良識の府、再考の府である参議院を軽んじる暴挙にほかなりません。
 そもそも、法務委員会での共謀罪法案の審議時間は十七時間五十分と、全く足りません。共謀罪は内心の自由を侵す可能性が指摘されており、国民に根強い不安があります。法案に対する不安の解消は政府が担い、主として大臣が分かりやすく丁寧に説明しなければなりません。
 しかし、政府・与党は、詭弁を弄し、政府参考人の委員会出席を強引に決めて説明させ、自らに都合の良い事実のみを述べさせ、いたずらに時間を浪費しています。相手をおとしめ、的外れな答弁で議論を骨抜きにしていたずらに時間が過ぎるのを待つ姿は、憲政史上例を見ないほど不誠実な答弁姿勢だと言わざるを得ません。
 こうした安倍政権の傲慢な態度は、議論の焦点をずらすための常套手段であることが国民の皆様にも浸透し始めています。イギリスのマーガレット・サッチャーは、民主主義の眼目は率直で力を込めた議論であるとしています。安倍政権の姿勢は、国会での論戦を重ねることの意味や価値を軽んじるものであります。民主主義の根幹を揺るがす危険な態度にほかなりません。
 私はあなたの意見には反対だ、だが、あなたがそれを主張する権利は命を懸けても守るという……
○議長(伊達忠一君) 藤末君、時間が超過いたしました。簡単に願います。
○藤末健三君(続) 啓蒙主義を代表する哲学者ボルテールの名言を思い起こしていただきたい。
 良識の府である参議院は、激しい議論の中にも一定の秩序を保ちながら議会運営を果たしてきました。しかし、現在、委員会での質疑を打ち切り、そして委員会採決を封殺し、そして本会議においても数の力で押し切ろうとしています。
○議長(伊達忠一君) 藤末君、時間が過ぎておりますので、簡単に願います。
○藤末健三君(続) 数こそが全てという政府・与党の姿勢は、良識の府、再考の府としての参議院を否定するものだけではなく、議会制民主主義さえも否定するものであります。
 与党の皆様には良識ある判断をお願いしまして、私の反対討論を終わらさせていただきます。(拍手)
○議長(伊達忠一君) 辰巳孝太郎君。
   〔辰巳孝太郎君登壇、拍手〕
○辰巳孝太郎君 私は、日本共産党を代表して、共謀罪法案について中間報告を求めることの動議に対して、断固反対の討論を行います。
 そもそも、国会法五十六条は、国会に提出された議案は、これを委員会に付託し、委員会において審査すると規定し、法案審議における委員会中心主義を明記しています。法案は付託委員会において審査し、結論を出した上で本会議に報告し採決に付すというのが国会の当然のルールであります。
 ところが、今与党がやろうとしているのは、法務委員会に付託され現に審議中の法案について、委員会が結論を出していないにもかかわらず、本会議に報告を求め、委員会の質疑を打ち切り、委員会の採決も許さず、強引に本会議で結論を出そうとしているのであります。これは、委員会の審査権を奪い、議会のルールを踏みにじるものにほかなりません。
 与党は国会法五十六条の三を根拠としていますが、この規定は特に必要があるときに限って中間報告を認めたものであります。ところが、ここにいる与党の誰一人として、なぜ特に必要があるのかまともに説明できず、当動議に対する賛成討論すらできないではありませんか。
 一昨日午後の法務委員会において、与党は、採決を強行しないことを確約せず、参考人質疑を含めて二十二時間五十分の審議を行ったとして採決の構えを取りました。しかし、この二十二時間余りの審議でも、審議すればするほど法案の欠陥や問題点が噴出しているのが実態です。問題点を放置したまま採決することは、法案審査を付託された委員会の責任放棄にほかなりません。
 中間報告という異例中の異例の禁じ手を使って、委員会の審査権、採決権を奪って本会議での採決を強行することは、議会制民主主義をじゅうりんするものであり、断じて認められません。
 今、日弁連を始めとする、法律家七団体、全国全ての単位弁護士会、百六十名を超える刑事法学者、日本ペンクラブ、国際ペン、全国の地方議会など多数の団体、個人から、本法案に対する深刻な懸念と厳しい批判が寄せられています。本院がやるべきことは、こうした不安と懸念の声に応えて、法案について徹底した審議を行うことです。
 本法案は、国民の自由と人権の重大な制限につながる刑罰法規であるにもかかわらず、何をしたら罪に問われるのかという犯罪の構成要件が余りにも曖昧、不明確です。
 金田大臣は、衆議院の審議では、共謀罪の主体は組織的犯罪集団に限定されると繰り返し、一般人は犯罪捜査の対象にも嫌疑の対象にも告発の対象にもならない、一〇〇%ならないと強弁してきました。ところが、参議院の審議では、環境保護団体や人権団体が隠れみのであれば対象になる、組織的犯罪集団の構成員だけでなく周辺者も対象になると答弁を変えています。誰が対象になるのかという中心問題で、大臣の答弁が一層不明確になっているのです。
 隠れみのかどうか、周辺者かどうか判断するのは捜査機関です。住民運動が隠れみのではないかと疑って警察が情報収集し、共謀罪の嫌疑が出てくれば犯罪捜査に移行していくのではないかとの質問に対して、国家公安委員長は、一般論としてはあり得ると述べました。
 実際、岐阜県警大垣署の市民監視事件や堀越事件などで明らかになったように、警察はふだんからひそかに市民の情報を収集し、それが明らかになっても通常業務の一環だと開き直り、正当化しています。大垣市で風力発電の勉強会を開いただけで警察の調査の対象となった四人について、この人たちは通常の社会生活を送っている人ではないのかとの委員会での質問に対し、大臣は、答弁を控えるとしか言いませんでした。大分県、野党統一候補の事務所に監視カメラが設置されていた問題では、カメラの設置場所は私有地で不適切だが、隠し撮りは捜査上必要と言っているではありませんか。
 こんな警察に共謀罪を与えれば、政権に声を上げる、政権にとって都合の悪い市民への監視がより一層強まることは明らかではありませんか。
 一昨日の参考人質疑でも、山下幸夫弁護士から、刑事法の自由保障機能が失われ、刑罰は必要最低限に執行されるべきとする謙抑主義が否定され、市民運動団体や労働組合を権力が日常的に監視し、自由や人権を侵害することになる、私たち市民は、何が許され何が許されないかの区別が判然とせず、政府に反対する運動自体が萎縮させられると強い懸念が示されました。
 また、刑法学会元理事長の村井敏邦一橋大学名誉教授は、戦前の日本やナチスが、行為がなくても行為者の危険性を処罰する刑法体系をつくり、それが市民の自由を侵害したことへの反省から、戦後の刑法は行為がなければ処罰しない行為主義を基本原則としてきた、その基本が大きく変わることを大変心配していると述べました。
 一たび行為主義を放棄すればどうなるか。外形上は犯罪行為でも何でもない日常的な行為が捜査機関によって捜査や処罰の対象となってきます。捜査機関が、計画、準備行為、組織的犯罪集団に当たるかどうか判断することにフリーハンドが与えられます。誰が捜査や処罰の対象になるのかが法律の規定ではなく法律の運用者によって決定される、これは近代法の求める法の支配ではなく、人による支配にほかなりません。
 国際社会からも同様の懸念が寄せられています。国連のプライバシー権に関する特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏は、プライバシーや表現の自由が侵害される危険と同時に、日本の警察の捜査、公安活動を事前にチェックする独立の第三者機関がないことを指摘しています。安倍政権は、これらの指摘に耳を傾け、抗議ではなく真摯に検討し、直ちに明確な回答を行うべきです。それすらやらずに採決を行うなど、絶対に許されません。
 そして、憲法が保障する内心の自由を侵害するのではないか、これが本法案に対する最大の懸念です。戦前の治安維持法は、まさにその内心の自由を侵害した治安立法でした。その反省に立って、戦後の日本国憲法は、他国の憲法にはない思想、良心の自由を特に規定しているのです。金田大臣自身、共謀罪と憲法上の自由との関係を聞かれて、内心の自由との関係が問題になると答弁していました。
 ところが、金田大臣は、治安維持法について、適法に制定され、適法に執行されたと言い放ちました。こんな認識を持っている政権が幾ら内心の自由を侵害しないと繰り返しても、誰も納得することはできません。憲法が保障する内心の自由を侵害し、刑法の行為主義の大原則を覆す本法案は、まさに戦後最悪の治安立法であり、現代版治安維持法そのものと言わなければなりません。
 森友にしろ加計にしろ、資料は出さず、質問にも答えず、疑惑には蓋をする、そして反対の広がる共謀罪は問答無用で審議を打ち切る。国会の権威をおとしめ、国民軽視を続ける安倍政権には、必ずや国民からの厳しい審判が下されるでしょう。
 我が党は、国会周辺始め、廃案を求める全国の市民の皆さんと固く連帯し、立憲野党の皆さんとしっかり共同して必ず本法案を廃案に追い込む、その決意を表明して、反対討論を終わります。(拍手)
○議長(伊達忠一君) 浅田均君。
   〔浅田均君登壇、拍手〕
○浅田均君 日本維新の会、浅田均です。
 会派を代表しまして、中間報告を求めることについて、反対の立場から討論を行います。
 討論に先立ち、働き方改革について一言申し上げます。
 この間、与野党を問わず、自殺者まで出した長時間労働の改善に様々な意見を出し合ってきました。その国会の働き方や何ですか。今、午前三時十分です。インターバル規制を八時間だとしても、今日の委員会は十一時から始めるのでしょうか。自らが提案をしておきながら自ら守らない、これで国民の信頼が得られるわけがありません。まず隗から始めよであります。
 本論に入ります。
 テロ等準備罪を含む組織的犯罪処罰法改正案の参議院における審議時間は十八時間弱であり、衆議院の審議時間三十時間の約六割にとどまっています。審議時間が少ないという発言は民進党からもありました。審議時間が短いと言いながら、我が党東徹議員の委員会発言は意図的に封じる、世間ではこういうことをダブルスタンダードと言います。日本語では二枚舌と言います。民進党は二枚舌です。
 参議院は衆議院のカーボンコピーとよくやゆされますが、法案に対して議論すべきことが残っている中、中間報告によって参議院における審議を打ち切ることは、国会審議を軽視していることはもとより、参議院が自ら存在価値を失わせるもので、憲法に定められた二院制の意義を否定するものであります。
 昨日、まさに参議院の憲法審査会で二院制が議論されることになっておりましたが、民進党の暴挙に起因する日程変更で取りやめになりました。延期ではありません。取りやめです。憲法を守ると言っている人々も憲法を変えると言っている人々も、憲法に対してどのような思いを持っているのかかいま見たような気がします。どうでもよいと思っているのかと思わざるを得ません。
 一昨日の民進党、共産党による法務大臣問責決議案の提出により、我が会派並びに東徹議員は、委員会における質疑を冒頭で打ち切られることになり、憲法によって保障された質問権を侵害されました。
 民進党の心ある方々に申し上げたい。皆さんがテロ等準備罪に反対する理由に、かかる罪が新設されたら言論弾圧が起きるとか内心の自由が侵害されるとか繰り返し述べられています。しかし、一昨日の法務委員会での民進党のやり方は、我が党東徹議員の質問権を侵害しただけでなく、内心の自由の侵害であり、言論封殺以外の何物でもありません。テロ等準備罪がなくても内心の自由の侵害、言論封殺があり得ることを良識の府というこの参議院で身をもって示したのが民進党ではありませんか。
 民進党の心ある方々に申し上げたい。民進党の二枚舌、暴挙に心を痛められている方々におかれましては、我が方、日本維新の会はどなたにも門戸を開いております。悩まれることなく門をおたたきいただきたいと思います。
 次いで、自民党の心ある方々にも申し上げておきます。自民党には、民進党より心ある方々が若干多いかと思います。今、与党のやろうとしていることは、まさに民進党、共産党と同じく質問権を侵害するもので、認めることはできません。国民の負託に応えるためにも、必要な法案審議は継続していく必要があります。
 我が会派は、本法案の必要性を認めつつ、国民の不安を払拭するため、衆議院で与党と法案修正を行いました。特に、取調べの可視化、録音、録画が進んでいくことは、世界標準から見て非常に遅れていると言われている我が国の司法警察制度にとって、また国民の権利保障にとって非常に意義のあることであると考えております。
 我が党は、議論すべきは議論し、議論の後は多数決で決めることにしていますが、修正部分以外の法案内容そのものに対する政府の説明は、不正確であったり曖昧なものもあり、国民に対する説明責任を完全に説明しているか疑問です。
 良識ある与党議員におかれましては、本動議に反対し、早々に審議を再開すべきであることを申し上げ、中間報告を求めることに対する反対討論とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
○議長(伊達忠一君) これにて討論は終局いたしました。
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○議長(伊達忠一君) これより中間報告を求めることの動議の採決をいたします。
 足立信也君外四十九名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
○議長(伊達忠一君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
○議長(伊達忠一君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百三十八票  
  白色票          百四十八票  
  青色票            九十票  
 よって、本動議は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
○議長(伊達忠一君) これより、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案について、法務委員長の中間報告を求めます。法務委員長秋野公造君。
   〔秋野公造君登壇、拍手〕
○秋野公造君 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案について、中間報告を求められましたので、現在までの委員会の審査の経過を御報告申し上げます。
 本法律案は、近年における犯罪の国際化及び組織化の状況に鑑み、並びに国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約の締結に伴い、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団による実行準備行為を伴う重大犯罪遂行の計画等の行為についての処罰規定、犯罪収益規制に関する規定その他所要の規定を整備しようとするものであり、第一に、死刑又は無期若しくは長期四年以上の懲役若しくは禁錮の刑が定められている一定の罪に当たる行為で、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団の団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるもの、又はテロリズム集団その他の組織的犯罪集団の不正権益の獲得等の目的で行われるものの遂行を二人以上で計画する行為であって、その計画に基づき当該犯罪を実行するための準備行為が行われたものを処罰する規定を新設するものであります。
 第二に、死刑又は無期若しくは長期四年以上の懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪等に係る刑事事件に関し、虚偽の証言、証拠の隠滅、偽変造等をすることの報酬として利益を供与する行為を処罰する規定を新設するものであります。
 このほか、いわゆる前提犯罪の拡大など犯罪収益規制に関する規定、一定の犯罪に係る国外犯処罰規定等、所要の規定の整備を行うこととしております。
 なお、本法律案は、衆議院において、親告罪である犯罪に係るテロリズム集団その他の組織的犯罪集団による実行準備行為を伴う重大犯罪遂行の計画の罪が親告罪である旨を明記すること、同罪に係る事件についての被疑者の取調べその他の捜査の適正の確保に関する配慮義務を追加すること、附則の検討条項として、同罪に係る事件に関する取調べの録音・録画等に関する制度の在り方及び全地球測位システムに係る方法を用いた捜査を行うための制度の在り方について定めること等の修正が行われております。
 本法律案は、五月二十九日、本会議において趣旨説明の聴取と質疑が行われ、同日、法務委員会に付託されました。
 五月三十日の委員会におきまして、金田法務大臣から趣旨説明を聴取した後、衆議院における修正部分について修正案提出者である衆議院議員松浪健太君から説明を聴取しました。
 続いて、安倍内閣総理大臣に対する質疑の後、各会派が一回目の政府に対する質疑として、金田法務大臣、盛山法務副大臣、薗浦外務副大臣、武井外務大臣政務官、井野法務大臣政務官、政府参考人及び最高裁判所当局に対し、それぞれ質疑を行いました。
 六月一日の委員会におきましては、午前中は、第一回目の参考人質疑として、弁護士西村幸三君、青山学院大学名誉教授新倉修君及び立命館大学大学院法務研究科教授松宮孝明君の三名の方々に出席をお願いし、本法律案についての貴重な意見を聴取し、様々な角度から各会派が質疑を行いました。午後からは、各会派二回目の質疑として、修正案提出者衆議院議員松浪健太君、松本国家公安委員会委員長、金田法務大臣、岸田外務大臣、盛山法務副大臣、井野法務大臣政務官及び政府参考人に対し、それぞれ質疑を行いました。
 六月六日におきましては、委員会を開会して審査を行う予定でしたが、残念ながら、私に対する解任決議案が民進党・新緑風会から提出されたため、取りやめざるを得ませんでした。翌七日の本会議で同決議案が否決された後、理事懇談会を開き、今後の委員会の進め方について協議を行い、八日から審査を行うことになりました。
 六月八日の委員会におきましては、各会派三回目の質疑に加えて、希望の会の福島みずほ議員の委員外議員の発言を認め、金田法務大臣、野上内閣官房副長官、岸外務副大臣、盛山法務副大臣、井野法務大臣政務官、政府参考人及び最高裁判所当局に対し、それぞれ質疑を行いました。
 六月十三日の委員会におきましては、午前中は、第二回目の参考人質疑として、日本大学危機管理学部教授福田充君、弁護士山下幸夫君及び一橋大学名誉教授・弁護士村井敏邦君の三名の方々に出席をお願いし、本法律案についての貴重な意見を聴取し、様々な角度から各会派が質疑を行いました。午後からは、四回目の質疑として、民進党・新緑風会の三名、日本共産党の一人目、日本維新の会、日本共産党の二人目、沖縄の風、各派に属しない議員山口和之君の順に質疑を行う予定でしたが、民進党・新緑風会、日本共産党の一人目が質疑を行った後、日本維新の会の質疑に入ったところで、法務大臣金田勝年君問責決議案が民進党・新緑風会及び日本共産党から提出されたため、委員会を休憩せざるを得なくなり、同日の委員会の再開ができませんでした。
 これまでの委員会における質疑は、テロ等準備罪による処罰対象の範囲に関する件、組織的犯罪処罰法における団体の定義とテロ等準備罪における組織的犯罪集団の定義の関係、組織的犯罪集団と認定する判断基準と捜査手法の関係、国連人権理事会の特別報告者に対する日本政府の対応、本法律案第六条の二第二項における不正権益の定義、テロ等準備罪の対象犯罪を更に絞り込む必要性など、各般にわたって熱心な論議が行われてまいりました。
 以上の経過でお分かりのとおり、委員長といたしましては、十分に審査を尽くすべく努力を続けてまいりましたが、遺憾ながら、全会派の協力が得られる状況にはならず、今日に及んでいるのでございます。
 以上、法務委員会における審査の経過を御報告申し上げます。(拍手)
     ─────・─────
○議長(伊達忠一君) 牧野たかお君から、賛成者を得て、
 中間報告があった組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案は、議院の会議において直ちに審議することの動議が提出されました。
 よって、本動議を議題といたします。
 牧野たかお君から、賛成者を得て、
 本動議に対する討論その他の発言時間は一人十分に制限することの動議が提出されました。
 これより、本動議の採決をいたします。
 足立信也君外四十九名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
○議長(伊達忠一君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
○議長(伊達忠一君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百三十九票  
  白色票          百六十三票  
  青色票           七十六票  
 よって、本動議は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(伊達忠一君) 本案を直ちに審議することの動議に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。田名部匡代君。
   〔田名部匡代君登壇、拍手〕
○田名部匡代君 民進党・新緑風会の田名部匡代です。
 会派を代表して、中間報告があった組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案は、議院の会議において直ちに審議することの動議に対し、反対の討論をさせていただきたいと思います。
 先ほどの法務委員長の中間報告は一体何だったのでしょうか。全くどんな議論がなされたのかも報告がされておりません。
 国会法第五十六条の三では、「各議院は、委員会の審査中の案件について特に必要があるときは、中間報告を求めることができる。」、「中間報告があつた案件について、議院が特に緊急を要すると認めたときは、委員会の審査に期限を附け又は議院の会議において審議することができる。」と規定されています。
 今回の中間報告について、急を要する理由は一体何でしょうか。何ら具体的な説明もなされていません。また、与党は賛成の討論もありませんでした。数の力を振りかざし、今この状況をつくり出しているわけですが、いかに数の力をもってしても、法律を無視して、単なる状況の変化という与党の身勝手な理由で中間報告をするなどということは、許されるはずがありません。中間報告そのものが違法であり、国会法上の根拠を欠いた、まさに法律違反と言えるのではないでしょうか。
 参議院は、良識の府、熟議の府として、国民の負託に応えるため、慎重かつ丁寧な議論を心掛けてきたのではないでしょうか。今回議題となる組織的犯罪処罰法改正案、いわゆる共謀罪は、衆議院では三十時間二十五分、参議院ではまだ十七時間五十分しか議論しておらず、いまだ議論は尽くされておりません。にもかかわらず、委員会の議論を封じ込め、こうした異常な国会の在り方であります。このことに、与党の議員の中で誰一人異を唱える議員がいないということ、それこそが異常だと感じます。
 誰を、何を守るために政治をやっているのでしょうか。守るべきは、安倍総理や総理のお友達ではなく、国民生活であります。国民のための政治を取り戻すために、満身の怒りを込めて討論をさせていただきたいと思います。
 一昨日、官房長官は記者会見で金田大臣について、国会で誠実に質疑対応してきている、丁寧な説明に努めるという政府の姿勢に立って、誠実に職務に当たっていただいているなどと述べていました。誠実、丁寧とおっしゃいますが、細目的でも技術的でもない質問にすら金田大臣が御答弁できずにいることは、これまでの審議の光景で明らかであります。隠しようのない事実なのです。質疑者が要求もしない政府参考人を職権で招致をしたことや、答弁しようとした金田大臣を両脇で制止した総理や副大臣のあの慌てぶりは、残念ながら、大臣には資質がないことを自ら認めていることのあかしではないでしょうか。気の毒だとさえ感じました。
 共謀罪法案については、国民の人権、内心の自由を侵す可能性があるもので、誠実に質疑に対応することや丁寧な説明以上に、一つ一つの疑念に納得のいく説明をし、国民の皆様の不信を払拭することが最も重要なのであります。しかし、議論すればするほど懸念は深まり、国民の多くがいまだに不安を抱いています。
 それは、金田大臣の支離滅裂な説明が招いている結果ですが、それでも我々は根気強く委員会で徹底審議を求めてきました。それも、熟議の府、この参議院の責務だからであります。にもかかわらず、この本会議で審議、採決するなどということは、将来に大きな禍根を残すことは火を見るよりも明らかであり、絶対に認めるわけにはいきません。
 国際組織犯罪防止条約、TOC条約に加入するために新たな立法が必要になるという論法には無理があることが、これまでの委員会における審議で明らかになっています。国連の立法ガイドを執筆した刑事法学者のニコス・パッサス氏は、条約はテロ防止を目的としたものではないと明言し、条約を締結するだけではテロ防止にはならないと語っています。さらに、新たな法案などの導入を正当化するために条約を利用してはならないと警鐘さえ鳴らしています。そして、TOC条約については、組織的犯罪集団による金銭的な利益を目的とした国際犯罪が対象で、テロは対象から除外されていると指摘しています。
 我が国には既に重大な組織犯罪を実行前に処罰する規定があります。また、テロ防止のための国連の主要十三条約も全て締結し、国内法を整備してきました。これ以上に不備な点については、民進党が衆議院に提出をした航空保安法案など、個別立法で対応可能です。三百近い犯罪に共謀罪を設ける乱暴な立法など必要ないのであります。
 安倍総理が、東京オリンピック・パラリンピックのテロ対策を理由に、法整備ができなければ開催できないと言っても過言ではないと発言をしていますが、これこそまさに総理が批判する印象操作にほかなりません。
 犯罪が行われなくても、計画し、準備に乗り出した段階で処罰するのが共謀罪法案です。捜査当局が法を恣意的に運用したり、計画、準備を察知するために、行き過ぎた監視や情報収集に走ったりするのではないかとの懸念は拭えません。安倍総理や金田大臣は、一般人は捜査の対象になることはないと繰り返し言い張っていますけれども、その答弁も二転三転、食い違い、とても信用できるものではありません。
 そもそも組織的犯罪集団には、事前の指定や認定が必要ありません。ある組織が組織的犯罪集団に一変したとする判断は捜査当局に委ねられていて、捜査当局が怪しいと見込みさえすれば、逮捕や勾留など強制捜査の対象となるのです。組織的犯罪集団であるかどうかや、計画に基づき犯罪の準備に入ったかを見極めるには、組織やメンバーに対する日常的な監視が不可欠です。つまり、対象は全ての国民であり、一般人の監視を可能とするのがこの法案の本質であります。そこに捜査機関の恣意が働けば、誤認捜査や冤罪を生む可能性が高くなります。このような危険な法案が国民の理解と納得なしに成立してよいはずはありません。
 安倍総理を始め政府には、共謀罪の成立を急ぐ前にやることがあるはずであります。権力は腐敗する、絶対権力は絶対腐敗する、まさにこの言葉が問われたのが今国会ではないでしょうか。
 総理周辺に起きた森友学園、加計学園に関する疑惑は、いまだ真実が明らかにされていません。加計学園問題に隠れてしまっていますが、森友学園問題に関しても新しい事実は次々に明らかになってきています。
 財務省は、森友学園への土地の貸付契約は特例であることを認めました。最終的には断念しましたが、八億円の減額の前に、五億円値引きできないか不動産鑑定士に依頼していたことも明らかになりました。そもそも、財務局側は、森友学園が提出すべき申請書類の案文を用意し、学園側の計画に沿った特例の求め方や、定期借地契約から売買契約締結までの詳細な手順書を渡していたことも分かりました。なぜここまでして森友学園の便宜を図らなければならなかったのでしょうか。納得できる説明はいただいておりません。
 更に重大なのは、八億円の値引きの理由である地下埋設物がなかった可能性があることです。
○議長(伊達忠一君) 田名部君、時間でございます。
○田名部匡代君(続) 籠池氏は、学園側の弁護士と設計業者のやり取りするメールに三メートル以深にごみはないとの記載があったことも明らかにしました。もしこれらが本当であれば、これまでの政府答弁が全て覆る重大な問題であります。真実を知られたくないという財務省、政府の思惑がここに働いているとしか思えません。そうでないとするならば、誠心誠意、この疑問に答えていただきたいと思います。
 次に、加計学園の問題です。安倍総理の肝煎りで導入された……
○議長(伊達忠一君) 田名部君、時間が超過しております。簡単に願います。
○田名部匡代君(続) 国家戦略特区の制度の下、加計学園が特別扱いされたのではないかとの疑念は、晴れるどころか、ますます深まっています。
 ここで重要なのは、お友達だったかどうかではなく、決定までの過程が透明であるかどうか、決定が公正であるかどうか、そして石破四条件に合致しているかどうかであります。しかし、本日、山本幸三大臣は、問責決議否決の受け止めについて聞かれる中で、獣医学部新設について、価格が高止まりしているペットの診療とかそういうことを獣医師を増やすことで価格を下げるという……
○議長(伊達忠一君) 田名部君、時間が超過しております。簡単にまとめてください。
○田名部匡代君(続) 消費者のためにやるわけですからと訳の分からない御発言をされました。
 これは驚くべき発言であり、これまで私たちが農水委員会で内閣府松本副大臣から説明を受けてきたことと全く違うものであります。と同時に、石破四条件にも全く合致しておらず、大問題であります。竹中平蔵氏を始め有識者と言われる諮問会議のメンバーは一点の曇りもない議論とおっしゃっておられるようですが、曇りどころか、真実が霧に包まれて何も見えてこないじゃないですか。曇りがないということであれば、全ての情報を公開し、その議論の内容を明らかにすべきであります。
 総理におかれては、見苦しい言い訳、根拠のない正当化に終始し、必死に印象操作だと野党に責任転嫁していますが、言い訳をすればするほど疑念は深まるばかりであります。本当に何も問題がないなら、堂々と予算委員会を開き、関係資料の全てを提示し、証人喚問を行い、事実関係を丁寧に説明すればよいだけの話ではないでしょうか。都合が悪いときには長々と関係ない答弁で時間を稼ぎ、挙げ句の果てに、優秀な官僚の皆さんまでもが記録も記憶もなくしておられる。余りにも不誠実で、このような隠蔽が許されるはずはありません。
 五月十七日、文科省に、官邸の最高レベル、総理の御意向などと記された内部文書が存在していることが明らかになりました。菅官房長官は怪文書と断じ、文書を本物と証言した前文部科学事務次官である前川喜平氏への個人攻撃に躍起になっていました。
○議長(伊達忠一君) 田名部君、時間が超過しておりますので、簡単にお願いいたします。
○田名部匡代君(続) 何を恐れて公式の会見で個人攻撃をしているのでしょうか。官房長官には猛省を促したいと思います。
 その内部文書について、文科省は、文書の存在は確認できなかったと調査の報告を発表しました。しかし、今回、再調査を余儀なくされました。前向きな前回の調査は半日で終わりましたけれども、今回の再調査は前回より対象範囲を広げようとしていますが、文書があるかないかぐらいすぐに分かるじゃないですか。共謀罪の中間報告を行う前に、文科省の調査の中間報告をするのが先決ではありませんか。こうした言い逃れ、逃げようとする態度は国会と国民を愚弄するものであり、断じて許されません。
 しかも、調査を行うに当たり……
○議長(伊達忠一君) 田名部君、時間が超過しておりますから、まとめてください。
○田名部匡代君(続) 義家文部科学副大臣は、参議院農林水産委員会の場で、森ゆうこ議員の、告発者は公益通報者に当たると思うが権利を守る意識はあるのかとの質問に対し、告発者は国家公務員法違反の可能性があると答弁し、処分をちらつかせました。脅しとも取れる発言ですが、現政権に刃向かう者には報復が待ち受けているのでしょうか。正義はどこにあるのでしょうか。心底恐怖を感じます。このような人がいじめ問題の対応に当たり、子供の命を守れるとは到底思えません。
 内部文書については、前川前次官が証言し、複数の現職の職員も存在を認めています。問題は、手続が公平公正で透明であったかどうかです。総理の側近や官僚にそんたくがあって行政手続がゆがめられたのだとしたら、これは問題であります。
 自らに降りかかった問題について、総理は責任を持って説明責任を果たすのが当たり前の姿勢であります。説明したくない、逃げたいと思うのであれば、これ以上言いません。潔くその職を辞するべきであります。
 数の力に物を言わせ、内容はお構いなし、内心の自由をないがしろにして国民総監視社会をつくることに加担する姿勢は、良識の府である参議院の自殺行為にほかなりません。
 森友学園、加計問題も終わっていません。今急ぐべきは、安倍総理周辺に起きた疑念を晴らし、政治への国民の信頼を回復することであって……
○議長(伊達忠一君) 田名部君、時間が相当超過しております。まとめてください。
○田名部匡代君(続) 憲法違反の疑いの強い共謀罪法案の採決ではないということを強く訴え、私の反対討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
○議長(伊達忠一君) 井上哲士君。
   〔井上哲士君登壇、拍手〕
○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、中間報告を直ちに審議することの動議に対し、断固反対の討論を行います。
 参議院での共謀罪法案の審議はまだ十八時間足らずです。にもかかわらず、衆議院の審議時間の三十時間に対し三分の二程度になったからとして、委員会の審議権を奪い、ただいま中間報告を行った上に、この本会議での採決を行うために本動議が提出をされております。
 冗談じゃありません。衆議院では、議論するほど疑問が広がっているにもかかわらず、与党が乱暴に審議を打ち切って採決を強行しました。そんな衆議院の審議時間がおよそ基準になるはずがありません。
 実際、衆議院での強行直後の五月二十五日付けの朝日の世論調査では、この法案の衆議院での審議は十分だったは一六%、十分ではなかったは六〇%であります。さらに、法案についての国民の理解は深まっていないは七三%です。そればかりか、三月の調査から賛成は減り、反対は増えて、反対が賛成を上回りました。審議すればするほど疑問が生まれ、反対が多数になっているではありませんか。
 参議院は、衆議院の追認機関ではありません。ましてや、官邸の下請でもありません。再考の府、再び考える府であります。その参議院がやるべきことは、全く不十分なまま乱暴に打ち切られた衆議院の審議時間にかかわらず、国民が理解できる徹底した議論を行うことであります。にもかかわらず、審議を打ち切り採決を強行しようという本動議は、参議院の存在意義を自ら否定し、衆議院の追認機関、官邸の下請にしてしまうものにほかなりません。恥を知れと言いたい。
 中間報告は、国会法第五十六条の三により、特に必要があるときに限り求めることができるものです。さらに、国会法は、特に緊急を要すると認めるときに限り報告を本会議で審議できるとしています。本動議は、これに基づき、直ちに討論、採決を行おうとするものであります。
 しかし、そもそも動議提出の理由の説明もなく、賛成討論もありません。何が特に必要があるときなのか、何ら合理的説明ができないということではありませんか。ただただ質疑を打ち切り、強行した上で会期延長なしに閉じて、加計学園問題での追及から逃れたい。国民無視、党利党略以外の何物でもありません。
 実際、今、法務委員長が行った中間報告に、本会議に報告することが特に必要があるような内容が果たしてあったでしょうか。ましてや、特に緊急を要すると認めるような内容は何一つありません。報告で述べられたことは、法案の趣旨説明の繰り返しと審議の経過の事務的報告だけ、審議の中身はさっぱり分かりません。参考人の質疑は、貴重な意見の一言でありました。子供の絵日記でももう少しましです。こんな無内容な報告を聞くために、こんな夜中まで何をやらせているんですか。
 法務委員会での質疑はまだ緒に就いたばかりであり、短い質疑時間であるにもかかわらず、様々な新たな疑問点、論点が浮き彫りになっています。法務委員会で徹底審議するべき内容は山ほどあるんです。
 昨日来の討論の中でも、共謀罪法案が何をしたら罪に問われるかという犯罪の構成要件が余りにも曖昧で不明確で、捜査機関の一存で幾らでも広げることができること、一般人が捜査の対象になり得ること、民主主義の根幹に重大な萎縮をもたらす監視社会になることなど、無内容な中間報告とは違い、質疑での具体的なやり取りや参考人質疑での専門家の発言を紹介しながら明らかにされました。与党の皆さん、ちゃんと聞いていましたか。
 政府が出した法案だからと、その説明を丸のみにし、中身もよく理解しないままに賛成してきた皆さん、いかに問題が多いのかよく分かったんじゃないですか。だったら、このまま採決するのではなくて、改めて法務委員会で審議を深めようじゃありませんか。それこそが国権の最高機関に身を置く者の責任ではありませんか。
 大体、法務委員会では、一昨日の理事会でも、委員長も与野党の理事も更に質疑が必要だという点で一致をしており、法務大臣問責決議案の処理が終われば、今後の審議について協議することを確認していました。にもかかわらず、与党の方針が変わったとして、法務委員会での理事会協議も行わない下で、委員会の審議権、採決権を奪い取るという暴挙が行われようとしています。
 法務委員長や与党の理事もそれでいいんですか。議会人としての誇りはないのですか。今からでも遅くありません。再度言いたい。採決することはやめ、法務委員会で徹底審議しようではありませんか。
 今、特に緊急を要することは共謀罪法案の強行ではありません。政権の進退に関わる加計学園問題、行政の私物化とも言える問題の徹底究明こそ緊急を要することであります。国民はそれを強く求めています。
 総理の腹心の友が理事長を務める加計学園だけに獣医学部の新設を認めるために、公正公平であるべき行政が加計ありきでねじ曲げられていたのではないか。岩盤規制に穴を開けると称して、加計学園に合わせて穴が開けられたのではないか。それが総理の御意向として求められたことを前川前文科事務次官が明らかにし、その後、それを示す文書が文科省の職員の中で共有されていたことも明らかになりました。
 怪文書だ、確認できなかったという政府の説明に国民は全く納得せず、ついに文科大臣は再調査を表明せざるを得なくなりました。ところが、先週金曜日の表明以降、いまだに調査結果の報告はなされておりません。よもや国会を閉じてからおざなりの報告を行って逃げようとしているのではありませんか。そんなことをすれば、国民から厳しい審判を受けることになるでしょう。
 さらに、今治市への情報開示請求によって、七千八百ページもの新たな資料が明らかになりました。その中には、今治市と内閣府との協議が十回を超え、平成三十年四月開学というスケジュールも内閣府に示していたこと、国家戦略特区諮問会議で配付する資料を事前に今治市に渡していたことなどが明らかにされています。こうした資料に基づく内閣委員会での追及に、山本担当大臣は、答弁不能どころか答弁崩壊ともいうべき状態になっています。
 文科省の再調査資料の即時報告、疑惑の本丸である内閣府や首相官邸についての調査、前川前文科事務次官を始めとした関係者の証人喚問は不可欠です。にもかかわらず、加計問題での追及から逃れるために、国会を早く閉じてしまいたい。そのために何が何でも共謀罪法案を会期中に強行したい。行政をゆがめた上、その追及から逃れるために国会審議すらゆがめる。国家の私物化極まれりではありませんか。
 こんなことを許す言語道断の本動議には断固反対であることを申し上げ、討論を終わります。(拍手)
○議長(伊達忠一君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
○議長(伊達忠一君) これより本案を直ちに審議することの動議の採決をいたします。
 足立信也君外四十九名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
○議長(伊達忠一君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
○議長(伊達忠一君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百三十九票  
  白色票          百四十九票  
  青色票            九十票  
 よって、本動議は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(伊達忠一君) これにて休憩いたします。
   午前四時三十三分休憩
     ─────・─────
   午前五時四十一分開議
○議長(伊達忠一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
    ─────────────
   〔議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(伊達忠一君) 牧野たかお君外一名から、賛成者を得て、
 本案に対する質疑、討論その他の発言時間は一人十分に制限することの動議が提出されました。
 これより本動議の採決をいたします。
 足立信也君外四十九名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
○議長(伊達忠一君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
○議長(伊達忠一君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十票  
  白色票          百六十一票  
  青色票           六十九票  
 よって、本動議は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○議長(伊達忠一君) 本案に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。小川敏夫君。
   〔小川敏夫君登壇、拍手〕
○小川敏夫君 民進党・新緑風会の小川敏夫でございます。
 会派を代表して、質問させていただきます。
 私は、最近、集会に出まして、集まった方にお尋ねします。テロ準備罪とか共謀罪という名前の法案が今審議されていますが、皆さん、どういうことをやったら捕まるか分かりますか。みんな一様に答えます。分かりません。分からないのが当たり前ですよ、分からなくてもいいんです、皆さん。法案を提出した法務大臣が分からないんですから、国民の皆さんに分かるわけがないんです。ただ、皆さん、これ刑罰法規ですから、何をやったら捕まるのか、これが分からなくていいんでしょうか。何をやったらば捕まるか分からないまま法律が適用される、これは大変に危険なことでございます。
 まあ、安倍総理、そこをうまくごまかそうとしています。一般の方は対象じゃありませんから、だから、一般の方は対象じゃないから分からなくたっていいんだよと、こういうふうに言いたいんでしょうか。何か江戸時代の将軍様のお触れのようなことを思い出します。民百姓は分からなくてもいいんだ、自分たちの言うことさえ聞いていればいいんだ、聞かなかったら捕まえるぞ、こんな発想が裏にはあるんじゃないでしょうか。しかし、安倍総理のその一般人は対象ではないという発言がうそであることが明らかになりました。一般人も対象になるのです。
 私は、法務大臣に質問しました。私はあなたが言うところの一般人ですか。私は一般人だそうです。じゃ、私が犯罪集団の人と共謀して、あるいは指示を受けて、そして犯罪を計画したら当たるんですね。当たるに決まっているじゃないですか、法律の構成要件がそうなっているんですから。まあ法務大臣の答弁は法律家らしからぬ答弁で、いや、そういうことはないはずですと。それは法律に対する答弁ではありません。
 何が罪になるか、これは、憲法が定めた罪刑法定主義でございます。すなわち、国家の刑罰権、恣意的に行使してはならないのでありまして、何が罪になるのか、そして罪にならない行為は何なのかをはっきり示さなければならない。これがはっきり示されなければ、結局は権力によって恣意的な刑罰権が行使されてしまう。あるいは国民の側は、何をやったら捕まるのか分からないから、当然萎縮してしまって、発言や行動が自由にできなくなる。だからこそ、憲法は罪刑法定主義、刑罰を適用する場合には何が刑罰に適用されるのかということをはっきり示さなくてはいけないと定めておるわけでございます。まさにこの法律の危険性がここにあるわけでございます。
 一般の方が、法務大臣も含めてこの法律は分からないそうでありますけれども、私は法律家の端くれでございますが、私が読んでも、書いてあることは分かりますが、書いてあることが具体的にどういう範囲がこの犯罪を構成する要件なのか、実は分かりません。これがこの法律の欠点でございます。こういう危ない法律、社会を悪くする、社会が悪くなる。一日で悪くなるものではありません。この法律が通ったからといって、突然あしたから治安維持法の世界に戻るわけではないでしょう。突然安倍政権がヒトラーに変わると、あした変わるとは私は思っておりません。
 しかし、過去の歴史を見てみましょう。大正デモクラシーがありました。それから、治安維持法で創価学会の第二代会長の戸田城聖氏が投獄されるというような大変に不幸な、民主主義が抑圧された時代がございました。一日で変わったのではありません。次第次第に社会が悪い方向に進んだのでございます。今、そうした、社会が危険な方向に一歩一歩進んでいる。まさに、この法律がそうした悪い方向へと進む大きな原因となるんではないでしょうか。
 そうした観点から、具体的に、この法律の曖昧さ、あるいはこれまでの政府の指摘について具体的に質問させていただきます。
 その前に、委員長の中間報告を先ほどお伺いしました。貴重な参考人の御意見を二回も伺ったそうでございますが、質問に関しては何の評価もございませんし、何の具体的内容もありませんでした。報告する質問の内容がないんだから、更に一層委員会で質問するのが筋ではないでしょうか。委員会で質疑するべきを重ねるのが本来の委員長の職責であり、それが議会人としての良心ではないでしょうか。しかしながら、報告の中で具体的な質疑の内容を披瀝できないほど不十分であるのなら、当然、それはなおのこと委員会での質疑がまだ不十分であるということを報告しなければならないのに、全く形式的な報告に終わったということは大変残念でございます。
 また、何か大きな勘違いがされている報告がございました。法務大臣に対する問責が出たから、だから審議ができなかった。この法務大臣が法務大臣に値しないから、自らが提案した法律について説明できないから、法務大臣の答弁は、私には分かりませんから刑事局長から答弁させます。安倍総理大臣が自ら示しました、法務大臣が答弁してはならないといって、法務大臣が手を挙げたその手を下ろしてしまいました。任命した総理大臣そのものが法務大臣の任にあらないという人を、当然、私たちは、任にあらないんだから問責するのは当たり前じゃないですか。その結果として委員会が止まるのは、当たり前であります。
 また、なぜか、その問責によって質問をする機会を奪われた奪われたといって大変に民進党のことを批判した維新の会が、今この本会議で質問の機会が与えられたのに質問しないじゃないですか。なぜ質問しないんでしょうか。
 そこで、法務大臣にお尋ねします。
 テロリズム集団は全て本法案第六条の二記載の組織的犯罪集団なのか、そして組織的犯罪集団は全てテロリズム集団なのか。テロリズム集団と組織的犯罪集団の関係について説明を求めます。
 イギリス、フランスなど、主要TOC条約加盟国において重大なテロが発生していることについてどう考えていますか。一方で、条約未加盟の我が国において同種重大テロが発生していないということについてどうでしょうか。条約に加盟している国においてテロが発生している、加盟していない我が国においてテロは発生しておりません。そのことについて法務大臣の所感をお伺いいたします。
 重大犯罪が対象である、テロと言っておりますが、しかし、重大犯罪の中に、万引き、児童買春、道交法違反、所得税法違反等、テロリズムとは関係性の薄い犯罪が対象となっておりますが、こうした犯罪を重大犯罪の中に含まれる、あるいはテロリズムと結び付けるということについて法務大臣はどのようにお考えでしょうか。
 特に、この法案は、組織的犯罪集団という大変に激しい言葉を使っておりますが、しかし、その組織的犯罪集団が何をもって組織的犯罪集団と言うのかということについての定義がございません。質問の中で明らかになりました組織的、何人集まれば組織でございますか、二人、三人、数人でいい。そして、犯罪集団、どういう犯罪をすればいいんですか、万引き、児童買春、道交法違反、そして、それを継続的に行えばいいという……
○議長(伊達忠一君) 小川君、時間でございますので、まとめてください。
○小川敏夫君(続) そうしたことでございます。
 これで、例えば高校生の万引きグループが該当する場合があるのではないでしょうか。あるいは、脱税指南のようなそうした犯罪についても当たるんではないでしょうか。
 そしてまた、私は委員会で質問しなければならない、質問したいことが多々ございました。大変専門的なことをお尋ねしますが……
○議長(伊達忠一君) 小川君、時間が超過しております。簡単にまとめてください。
○小川敏夫君(続) 計画した犯罪が不能犯の場合に計画罪は成立するのでしょうか。法務大臣にお尋ねします。
 そして、最後に通信傍受法のことについてお尋ねいたします。
 この計画罪は通信傍受の対象になるのかどうか、法務大臣にお尋ねいたしました。これに対する法務大臣の答弁は、刑事局長に聞いてくださいということでありましたが、刑事局長は、修正案の提案者が適用されないと言っているから適用されないという答弁でございましたが、法文上は適用される範囲に入るように読めます。
 そこで、法務大臣と国家公安委員長にお尋ねいたします。
 この法案、この計画罪は、通信傍受の対象になるのでしょうか、ならないでしょうか。法律上のその解釈を教えてください。そして、実際に捜査機関を所管する法務省そして警察庁は、この計画罪については……
○議長(伊達忠一君) 小川君、簡単にまとめてください。
○小川敏夫君(続) 通信傍受を行わないと国民に約束するのでしょうか。その点をお答えください。
 以上で私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣金田勝年君登壇、拍手〕
○国務大臣(金田勝年君) 小川敏夫議員にお答えを申し上げます。
 まず、テロリズム集団と組織的犯罪集団との関係についてお尋ねがありました。
 改正後の組織的犯罪処罰法第六条の二のテロリズム集団は、いかなる団体が組織的犯罪集団に該当するのかを分かりやすく例示をしたものであり、組織的犯罪集団はテロリズム集団に限定されるものではありません。テロリズム集団を含め、組織的犯罪処罰法上の団体のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が一定の重大な犯罪等を実行することにあるものが組織的犯罪集団に当たります。
 次に、我が国内外におけるテロ情勢についてお尋ねがありました。
 既にTOC条約を締結している英国等においてもテロが発生していることは、残念ながら事実であります。これは、テロ対策にゴールがないことを示すものであり、条約締結の必要性を否定するものではありません。条約未締結という点で各国に後れを取っている我が国としては、政府の総力を挙げて、できることは全てやるという姿勢でテロ対策を強力に推進することが重要であると、このように考えております。
 次に、テロ等準備罪の対象犯罪についてお尋ねがありました。
 TOC条約第五条1が定める犯罪化義務を履行するためには、組織的な犯罪集団が関与することが現実的に想定される重大な犯罪の全てを重大な犯罪の合意罪の対象とする必要があるものと承知をいたしております。そこで、組織的犯罪集団が実行を計画することが現実的に想定されるか否かの基準により二百七十七個の対象犯罪を選択したものであり、その一部を除外するならば本条約上の義務を履行できないものと承知をいたしております。
 御指摘の窃盗罪、児童買春周旋罪、道路交通法の不正な信号機の操作、損壊等の罪、所得税法違反の罪は、いずれも、このような観点から対象犯罪として選択をしたものであります。
 次に、組織的犯罪集団の該当性についてお尋ねがありました。
 高校生の万引きグループは、一般に、個々人の集まりとは別個の社会的実体を有するものではなく、組織的犯罪処罰法上の団体に該当しないため、組織的犯罪集団には当たらない、このように考えられます。また、継続的に脱税指導するグループについても、組織的犯罪処罰法上の団体に該当するとともに、その結合関係の基礎としての共同の目的が一定の重大な犯罪等を実行することにあるものと認められない限り、組織的犯罪集団には当たりません。
 次に、計画した犯罪が不能犯の場合にテロ等準備罪が成立するのかとのお尋ねがありました。
 テロ等準備罪の計画とは、組織的犯罪集団の構成員らが組織的犯罪集団が関与する特定の犯罪を実行することについて具体的かつ現実的な合意をすることをいいます。不能犯の意味するところが必ずしも明らかではありませんが、計画した犯罪の実行可能性が認められなければ現実的な合意とは言えず、テロ等準備罪は成立しないものと考えております。
 最後に、テロ等準備罪は通信傍受の対象犯罪かとのお尋ねがありました。
 テロ等準備罪は通信傍受の対象犯罪ではなく、その捜査として通信傍受を実施することはできません。また、テロ等準備罪を通信傍受の対象犯罪に追加する法改正を行うことも予定をしておりません。(拍手)
   〔国務大臣松本純君登壇、拍手〕
○国務大臣(松本純君) テロ等準備罪が通信傍受の対象犯罪に入るのかについてのお尋ねがありました。
 テロ等準備罪については、現行の通信傍受法における通信傍受の対象犯罪ではなく、また、通信傍受法を所管している法務省からは、テロ等準備罪を通信傍受の対象犯罪に追加する法改正は予定していないと説明されているものと承知しております。したがって、テロ等準備罪を対象犯罪として通信傍受を行うことはありません。(拍手)
    ─────────────
○議長(伊達忠一君) 仁比聡平君。
   〔仁比聡平君登壇、拍手〕
○仁比聡平君 私は、日本共産党を代表して、憲法違反の共謀罪法案について関係大臣に質問いたします。
 法案が付託された法務委員会において、審議は全く尽くされていませんでした。逆に、僅かな対政府質疑でも、法案の持つ重大な危険性、それをごまかそうとする政府答弁の矛盾や詭弁が更にあらわになっていました。
 その法務委員会の審査権を踏みにじり、議案を本会議が取り上げておきながら、その国会を国会でなくす暴挙を行った自民党が、質疑時間を数を頼んで制限する、私は断固抗議をするものです。
 まず、法務大臣に伺いたい。昨日から続くこの本会議で同僚議員が明らかにしてきたとおり、審議すればするほど、国民が内容を知れば知るほど、反対、説明不十分の声が大きく広がっていく。それは、大臣、なぜですか。法務大臣は、この国民の声をどう受け止めているのですか。刑法学会、日弁連、特別報告者など専門家が、その正体が、何を考え、合意、計画したか、内心に限りなく踏み込んで捜査、処罰しようとする、紛れもない憲法違反の共謀罪だからである、こう指摘している声をどう受け止めているのですか。
 法案は、人々がどんなことをしたら処罰の対象にされるのか全く不明確、曖昧で、それは人の生命や身体、財産などの法益を侵害する危険が、客観的にはない合意を限りなく内心に踏み込んで処罰しようとするものだからです。
 政府は、主体を組織的犯罪集団に限定した、計画とそれに基づく実行準備行為という三つの構成要件で限定したと言います。そこで伺いたい。
 実行準備行為の意味について、政府は、客観的に相当の危険が認められる予備ではないとする一方、意思の発現として行われる明らかな外的行為、すなわち英米法に言うオーバートアクトとも違うと言い始め、結局、その意味するところは全く不明確、曖昧です。金田大臣が、双眼鏡を持っていれば下見、弁当を持っていれば花見という荒唐無稽な答弁を繰り返してきたのは、法案が刑罰法規として致命的に不明確だからなのです。大臣、改めて伺いたい。実行準備行為とは何ですか。その定義を明確にしてください。
 組織的犯罪集団はどうか。政府が繰り返すテロ組織、暴力団、薬物密売組織は例示にすぎません。政府は、組織的犯罪集団なるものの構成員でなくとも共謀罪の主体となることを認めました。それをまだ言い繕おうと、法務大臣は、今度は組織的犯罪集団と関わり合いがある周辺者と言い始め、一層支離滅裂を深める中でこの本会議審議に至っているのです。大臣、周辺者とは何ですか。どの条文のどの文言によって定義され、限定されているのか、明確に御答弁いただきたい。
 政府は、一般人が対象になることはあり得ないと言いますが、条文上全く限定されず、結局、警察に捜査対象と目されれば誰もが一般人ではなくなると言っているに等しい暴論にほかならないのであります。
 政府は、こうした組織的犯罪集団による計画と実行準備行為が総体として危険だから処罰すると言います。それは、刑法の原則である行為主義、すなわち客観的に危険な行為、危険な結果があって初めて罪に問うとの原則に相入れないとの村井参考人の指摘をどう受け止めますか。それは、戦前、日本やナチスが行為者の危険性を処罰したことがいかに人々の自由を侵害し恐怖に陥れたか、その反省に立った歴史の到達点です。その認識は、大臣、ありますか。
 警察が、戦後も、犯罪の未然防止や任意捜査の名目で、犯罪とは無縁の市民の人権、プライバシーを深く侵害する公安警察活動、司法警察活動を行い続けながら、通常業務の一環などと正当化していることが法案審査を通じて大問題になってきました。既に同僚議員が今日も指摘をした岐阜県警大垣署事件で監視された四人の方々は、なぜ情報収集の対象にされたのか。国家公安委員長は、今後の警察活動に支障を及ぼすおそれがあることから答弁は差し控えると答弁をしております。極めて重大です。
 監視されたことが分かり、人の目を気にする自分がいる、人を信頼して本音を打ち明けられなくなる監視の怖さ、共謀罪の怖さがあると述べた被害者。勉強会から約一年後、新聞の取材を受けて初めて自分と友人が県警から調べられていたことを知った、県警からは謝罪がない、学歴や病歴まで県警に教えたのは誰か、尾行されていないか、盗聴は、ふとしたときに集落の人を疑心暗鬼の目で見るようになったとうつむいて語った被害者。
 警察によってプライバシーをひそかに侵害され、なぜ調査対象になったかも分からない。深い傷を負った被害者に、国家公安委員長、謝罪すべきではありませんか。総理は答弁を避けられましたが、改めて伺いたいと思います。
 犯罪と無縁の国民が、警察のさじ加減一つで深く傷つけられるこの重大な危険があります。法務大臣、法案のどこにそうはならないという明確な保証がありますか。どこにもないんです。
 国際組織犯罪防止条約の締結に不可欠だという政府が説明する法案の立法事実は、国際社会の指摘によってもはやぼろぼろになっています。
 外務大臣に伺います。
 TOC条約はマフィア等の国際的な経済組織犯罪の取締りを目的としたものであり、日本政府を含むG7各国こそテロリズムを本条約の対象とすべきでないと主張していました。国連立法ガイドを作成したパッサス教授は、条約はイデオロギーに由来する犯罪のためではない、犯罪の目的について、金銭的利益その他の物質的利益を得ることとあえて入れているのはその表れだと指摘をしていますが、大臣はどのような認識ですか。総理は本会議において、二〇〇四年に立法ガイドが作成されたその後、条約の意義が変わったかのような答弁をされましたが、条約の文言は変わらないのに、意味が変わったとでもいうのですか。
 そもそも、この条約の交渉に当たって、日本政府は、日本の国内法の原則では、犯罪は既遂か未遂段階に至って初めて処罰されるのであり、共謀や参加については特に重大な犯罪に限定して処罰される、したがって、全ての重大犯罪について共謀罪や参加罪を導入することは日本の法原則になじまないと、当然の立場から第三のオプションを提案をしました。この提案は、犯罪化の対象を組織的犯罪集団の行為に参加すること、行為への参加にしようとするものであり、これは我が国の共謀共同正犯を含む現行の共犯処罰の範囲とほぼ一致するのではありませんか。
 この立場が受け入れられるよう条約交渉に臨み、受け入れられれば共謀罪の新設なくして条約参加ができるようになるとの対処方針ではなかったのか。そうではなく、条約交渉当初から共謀罪新設が必要だという立場だったというのか。そうであるなら、刑法の大原則を転換するそのような対処方針を一体いつ誰が決定したというのか、明らかにしていただきたいと思います。
 法案の不明確性が法執行機関の前近代的な秘密体質と結び付いて深刻なプライバシー侵害が引き起こされる、そのことをケナタッチ国連特別報告者の公開書簡は指摘をしています。
 外務大臣、結局、法案の英訳を作って提供することもしないまま、この異常な国会の強行採決という事態が恐らくこのまま人権理事会に報告されるだろうことをどう受け止めますか。国際社会の信頼を失墜させる、人権理事国としてまさに恥ずべきことだとは考えないのですか。
 以上、質問をいたします。(拍手)
   〔国務大臣金田勝年君登壇、拍手〕
○国務大臣(金田勝年君) 仁比聡平議員にお答えを申し上げます。
 まず、国民の声や専門家の批判に対する受け止めについてお尋ねがありました。
 テロ等準備罪につきましては、その構成要件を明確に限定をしており、懸念、不安を払拭するものとなっている上に、これまでその内容について誠実に説明をしてきたものと考えております。法案成立後も必要があれば丁寧に説明をしてまいりたいと、このように考えております。
 次に、実行準備行為の定義についてお尋ねがありました。
 実行するための準備行為とは、計画行為とは別の行為であって、計画に基づいて行われ、かつ計画が実行に向けて前進を始めたことを具体的に顕在化させるものであり、その意義は明確になっております。
 次に、組織的犯罪集団の周辺者との意味についてお尋ねがありました。
 テロ等準備罪は、組織的犯罪集団の構成員又は組織的犯罪集団と関わりのある周辺者でなければ成立しないという文脈における組織的犯罪集団の周辺者とは、組織的犯罪集団の構成員と日頃から行動を共にしており、その活動を認識し、これに同調しているような者が当たるものと考えておる次第であります。テロ等準備罪は、条文上、対象となる団体を組織的犯罪集団に限定をしたことにより、組織的犯罪集団の構成員又は組織的犯罪集団と関わりのある周辺者でなければ成立しないことが明確になりました。
 次に、テロ等準備罪が行為主義と相入れないとのお尋ねがありました。
 テロ等準備罪は、組織的犯罪集団が関与する一定の重大な犯罪の計画をすることに加えて、実行準備行為が行われた場合に限って処罰の対象とするものであって、いわゆる行為主義に反するものではありません。
 最後に、テロ等準備罪に関する懸念に関するお尋ねがありました。
 テロ等準備罪については、団体を明文で組織的犯罪集団に限定をし、対象犯罪をリスト化し明確化した上、実行準備行為が行われて初めて犯罪が成立するものとしました。これにより、犯罪成立要件が明確かつ厳格なものとされ、恣意的な運用がなされないようなものになっておりますので、御指摘のような懸念は当たらないものとなっております。(拍手)
   〔国務大臣松本純君登壇、拍手〕
○国務大臣(松本純君) 岐阜県大垣警察署の活動についてのお尋ねがありました。
 大垣警察署の警察官が、公共の安全と秩序の維持に当たるという責務を果たすため、関係会社の担当者と会っていたものと警察庁から報告を受けております。
 個別具体的な内容につきましては、今後の警察活動に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えを差し控えさせていただきます。
 一般論として申し上げますと、警察としては、テロ対策や犯罪、トラブルの未然防止など、公共の安全と秩序の維持という警察の責務を果たすため、必要な情報収集については行っていますが、もとより法令に基づき適切に職務を遂行していくものであり、法案が成立した場合にも法令に従って適切に行ってまいります。(拍手)
   〔国務大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
○国務大臣(岸田文雄君) 国際組織犯罪防止条約の意義についてお尋ねがありました。
 まず、一般論として、国際的な組織犯罪とテロ活動との間には強い関連性があるということが指摘されていますし、本条約に向けた交渉過程においても、対象犯罪を具体的に列挙すべきではないかという議論の中で、テロ活動がその対象となっていました。また、本条約を採択した二〇〇〇年十一月の国連総会決議においても、国際的な組織犯罪とテロ犯罪との関連が増大しており、本条約がこのような犯罪行為と闘うための有効な手段であることが指摘をされておりました。
 このように、本条約については、起草段階から現在に至るまでテロ活動を対象に議論が行われてきたのであり、テロを含む幅広い国際的な組織犯罪を一層効果的に防止するための枠組みであるということが言えます。
 そして、国際組織犯罪防止条約の重大な犯罪の合意罪に係る交渉経緯と我が国の立場についてお尋ねがありました。
 委員からは本条約の交渉の経緯について御主張がありましたが、実際は、交渉の初期における案文では、重大な犯罪の合意罪について、組織的な犯罪集団が関与するものという要件を付すことが認められていなかった上、重大な犯罪の範囲も定まっておらず、単に重大な犯罪を行うことの合意を処罰するものとされていました。
 そこで、我が国は、その当時の案文のままでは受け入れられない旨の意見を述べた上で、重大な犯罪の合意罪について、組織的な犯罪集団が関与するものという要件を加えることを提案いたしました。我が国の提案に基づいて、組織的な犯罪集団が関与するものという要件を付すことができるものとされ、また、累次の議論の結果、重大な犯罪の範囲につき、長期四年以上の自由を剥奪する刑又はこれより重い刑を科することができる犯罪とされたものであります。
 このように、我が国の提案が一定程度受け入れられたことから、我が国は本条約のコンセンサスでの採択に参加したものであり、刑法の大原則の転換との御指摘は当たりません。
 そして、カンナタチ氏の公開書簡の受け止めについてお尋ねがありました。
 政府としては、一般に、これまでも特別報告者との有意義かつ建設的な対話を実現し、こうした報告が客観的で正確な情報に基づき正しい理解の下になされるよう、特別報告者制度に全面的に協力してきたところであり、このような姿勢は一貫しております。
 カンナタチ特別報告者からの日本政府に対して示された懸念や指摘事項に対しては、我が国の取組を国際社会に対して正確に説明する観点から、内容を精査し、追ってしっかりと我が国の立場を回答する予定です。したがって、国際社会の信頼を失墜させるとの指摘は当たらないと考えます。(拍手)
○議長(伊達忠一君) これにて質疑は終局いたしました。
    ─────────────
○議長(伊達忠一君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。蓮舫君。
   〔蓮舫君登壇、拍手〕
○蓮舫君 民進党の蓮舫です。
 まず冒頭、参議院で自民党、公明党が究極の強行採決、中間報告に踏み切ったことに強く抗議をします。七十年もの参議院の歴史、各議長の下で進められてきた参議院の独自性を発揮するための改革の歩みを踏みにじる暴挙で、到底容認することはできません。
 しかも、本会議は、日付が変わり今日は木曜日で委員会の定例日です。なぜ法務委員会の審議ではなく、それを省き、本会議で審議なのでしょうか。法務委員会は要らない、公明党の秋野委員長には期待できない、丁寧な審議よりただ採決だけあればいい。まるで下請機関のように、官邸に言われるがままに議会運営を進める与党のこの暴挙は、立法府に身を置く議員としてその無自覚さを強く恥じるべきだと指摘しておきます。
 ただいま議題となりました共謀罪法案は、自民党政権が過去三回提出したものと同じものです。過去三回とも、国民の強い反対意見を尊重し、成立は断念されました。過去の自民党政権には国民の声を聞く姿勢がまだ残っていました。しかし、今回は中間報告という奇策で強引に成立を図ろうとしています。法案の内容はもとより、こうした民主主義を破壊する与党の議会運営に、民進党・新緑風会を代表して、断固たる反対の立場から討論を行います。
 正義なき力は圧制である、これは、人間は考えるアシであるとの名言を残した十七世紀の哲学者パスカルの言葉です。安倍総理は、国民から負託された力を悪用し、国民を押さえ付け萎縮させる圧制の道をまさに突き進んでいます。民主主義に必要なプロセスを数の力でねじ曲げ、これによって成立させた法律で国民を監視する、まさに圧制への道です。こうした安倍政治に多くの国民が大きな不安を抱いています。
 昨夜から日をまたぎ、多くの若者が、多くの女性が、男性が、国民が国会の周りで民主主義って何だ、共謀罪反対と訴えている声になぜ耳を傾けないのでしょうか。
 二年前の九月十九日は、この参議院の議場で、自民、公明の皆さんは安保法強行採決で憲法を踏みにじりました。今回は究極の強行採決で共謀罪法案を通そうとし、参議院の存在そのものを踏みにじろうとしています。断じて許せません。
 共謀罪法案に関連し、全国各地で国会の会議録を音読し実際の国会審議を一般の方々が再現する取組がありました。再現することで安倍総理や金田法務大臣の答弁がいかに中身のないものか、国民の不安に全く応えていないものかを確認しているのです。政府・与党が行うべきは強行採決ではなく、こうまでして共謀罪を問題視している国民の不安、疑念に応えることだと断言をします。しかし、安倍政権は、ただただ我が国の憲政史上に大きな汚点を残そうとしています。何をそんなに急いでいるんですか。
 第一次安倍内閣はお友達内閣とやゆされました。第二次安倍内閣はお友達優先内閣との疑惑が深まっています。そのお友達優先の典型例、加計学園をこれ以上触れられたくないということでしょうか。だから、究極の強行採決である中間報告に踏み切ったんでしょうか。
 参議院の自民党、公明党の議員の皆さんが行うべきは、安倍総理、官邸への最大のそんたくである強行採決ではなく、良識の府として横暴な政権に率直に意見することだとはっきり申し上げます。安倍総理のイエスマンでしかない与党が、良識の府、熟議の府であるべき参議院で民主主義を踏み潰し、行政監視を担う役割を放棄することを私たちは看過することができません。
 国会法において、中間報告案件は議院が特に緊急を要すると認めたときに本会議で審議できるとありますが、共謀罪法案の何が特に緊急を要するのですか。委員会審議は僅か十七時間五十分、一日にも満たない審議時間で、まだまだ確認しなければいけない問題点だらけの法案のどこが特に緊急を要するのか、状況が変わったでは全く納得できません。
 しかも、中間報告を審議する今は法務委員会の定例日になり、会期はまだ四日もあります。何のために深夜国会を強行したのか、さっぱり訳が分かりません。本来であれば、この法案で創設される二百七十七もの新たな刑罰について一つ一つ丁寧に検証する必要がありますが、衆参の国会審議は全くそこまで至っていない、いや、至れない。それはひとえに、安倍内閣、金田大臣に責任があります。
 金田大臣の答弁は、今や安定した不安定さを誇り、二転三転が当たり前、今この場になっても、誰が、どういった行為が処罰の対象なのかという最も基本的なことさえ明確になっていないばかりか、一般人が対象なのかどうかについても、法務大臣の説明が、先ほど聞いても意味不明、法案をよく知る質問者をいら立たせることにはたけていて、とても答弁とは言えない代物です。この法案は、まだ犯罪に着手していない国民を刑務所に入れることができる法案であり、使い方を誤れば、国民にとって残忍で乱暴という意味での凶暴な法律になりかねません。不安定が当たり前という金田大臣の答弁では、およそ法治国家の前提が壊れていると言わざるを得ません。審議は不十分です。
 私の頭ではちょっと対応できないと名答弁をされた金田法務大臣。参議院の法務委員会審議では、安倍総理大臣と部下の副大臣が左右両方からその手を挙げさせるのを止め、刑事局長に答弁させた姿は、まさに金田大臣ではこの法案に対応できないと総理が自ら行動で示しました。その上、手を挙げ答弁に立ったかと思えば、詳細は刑事局長から答弁させると、恥じることなく開き直る金田大臣にこの共謀罪を託す信頼感が一体どこにあるというのでしょうか。
 そもそも、共謀罪に対する国民の最大の不安は、権力が恣意的に捜査を行うのではないか、権力に国民個々人の内心の自由が侵されるのではないかという点にありますが、横暴な、まさに数の力で、異例な本会議採決で法を成立させようとする安倍内閣にこの共謀罪の執行を委ねたら、一体どんな運営をされるのかという不安は際限なく膨らんでいます。安倍凶暴内閣に共謀罪を与えず、これを、国民を代弁する本院の最低限の矜持であり、守るべき最後の一線だと信じて疑いません。
 安倍総理は、今国会に入り、野党の指摘に対して印象操作という言葉を繰り返すようになりました。しかし、はっきり申し上げて、最も印象操作にたけているのは安倍総理自身です。総理は、共謀罪法案をテロ対策などと言い張り、東京オリンピック・パラリンピックが開けないと繰り返してきましたが、法案審議を通じてそれは事実と全く違うことが明らかになりました。いずれも安倍総理自らが意図した印象操作であり、共謀罪法案の真実を歪曲して国民に説明しているとしか思えません。
 この多弁さとは真逆に、記憶にない、記録もない、予算集中審議は開かない、前川前事務次官の証人喚問は行わない、加計学園、森友問題、総理と総理夫人のお友達優先疑惑は一切話さない有様です。
 自身に都合の悪い指摘は全て印象操作あるいは無視、自身に都合のいいことは数の力で強行採決で進める。この参議院における議会軽視の強行採決は、早く国会を閉じたいとの官邸の思いを代弁しているとしか見えませんが、早めるのは、いまだに出てきていない加計学園の再調査の結果ではないでしょうか。優先順位を全く履き違えています。
 安倍内閣は、デフレ脱却、待機児童ゼロ、地方創生、輝く女性、一億総活躍などとキャッチフレーズを次々と打ち上げてきましたが、今、どれも結果が出ていません。結果が出ているのは、安倍総理が表立って語ってこなかった二〇一三年の特定秘密保護法、二〇一五年の安保法制、そして今回の共謀罪法案ではないでしょうか。この道しかないと言われたアベノミクスはすっかり鳴りを潜め、いつか来た道をただ真っすぐに進む、これこそが安倍内閣の本来の姿であり、その実現のために参議院が協力するというのはあってはならないと申し上げます。
○議長(伊達忠一君) 蓮舫君、時間でございます。
○蓮舫君(続) テロとは名ばかりの、一億総監視社会へと真っすぐに突き進む道を歩むのではなく、立ち止まり、正しい姿勢を指し示すことこそ、良識の府参議院に身を置く議員に求められる姿であると強く訴え、私たちは共謀罪法案の成立に断固として反対であるということを明確に申し上げ、討論を終わります。(拍手)
○議長(伊達忠一君) 西田昌司君。
   〔西田昌司君登壇、拍手〕
○西田昌司君 自由民主党の西田昌司です。
 自民・公明を代表し、ただいま議題となりました組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案、いわゆるテロ等準備罪を新設するための組織的犯罪処罰法改正案について、賛成の立場から討論を行います。
 本法案は、昨今世界各地でテロ行為が頻発する情勢の中、テロを含む重大な国際的組織犯罪を未然に防ぐため、国際協力体制の強化を図る国際組織犯罪防止条約、いわゆるTOC条約を締結することを目的とし、そのための国内担保法の制定を目指しています。
 テロリストが国境を越え、活動し、貴重な命をも奪う事件は頻発しております。英国、フランス、ドイツ、ベルギーなど欧州各地で続いた悲惨なテロ事件は記憶に新しいところであります。統計的に見れば、これまで日本は国際テロの件数が非常に少ない北東アジアに位置していることもあり、テロについて身近な脅威として緊張感を抱くことが多くなかったのかもしれませんが、今やテロ組織はグローバル化しており、世界中どこでもターゲットとなり得ます。
 我が国では、二〇一九年のラグビーワールドカップ、二〇二〇年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。海外からの大勢の選手、観客などが集まるビッグイベントです。無関係の市民を標的とする事件が多発している現実を前にして、我が国は、世界各国の方々が集まる国際的競技大会の開催国として、テロを現実に差し迫った脅威として認識し、安全な大会の開催に向けて万全の対策を講じていかねばなりません。
 TOC条約を締結することは、テロなど組織犯罪の発生を未然に防止し、かつ闘っていくための国際協力の枠組みを形成し、緊密な協力連携関係の促進を図っていくための前提です。TOC条約は、既に世界百八十七の国・地域で締結されており、日本を除くG7加盟国も締結済みです。市民の生命を脅かし、命を人質に自由を奪うテロ等に立ち向かう国際的な連携に入れない、ひいては卑劣なテロ行為を防ぐ国際的ネットワークの抜け穴になるおそれがあるという我が国の現状は一日も早く解消されるべきであります。
 TOC条約の締結には、重大な犯罪を行うことの合意又は組織的な犯罪集団の活動への参加の少なくとも一方を犯罪化することを求めています。組織的犯罪処罰法改正案なしに現行法のままで条約に加盟ができるという一部野党の主張がありましたが、これまでの丁寧な審議の過程で、その主張は正しくないということが明らかになったと言わざるを得ません。本条約を所管する国連薬物犯罪事務所、UNODCの口上書では、重大な犯罪の合意罪、すなわちテロ等準備罪の創設が不可欠であることが確認をされています。
 また、野党は、この法律を共謀罪と呼び、治安維持法の復活だとか一億総監視社会が始まるなど、国民を欺くかのような主張を何度も何度も繰り返してきました。しかし、本法案は、以前政府が提出をした共謀罪新設の際に国会審議過程の中で挙げられた懸念等を踏まえ立案されており、国民の不安や疑念を十分に払拭するものとなっています。野党の本法案への非難、レッテル貼りは全く根拠がありません。
 まず、共謀罪とは大きく異なり、構成要件が厳格化されており、犯罪対象となる主体は重大な犯罪の実行を結合の目的とする組織的犯罪集団と明文化しています。さらに、行為については、具体的かつ現実的な計画とそれに基づく準備行為を要しております。これら三重もの厳格な構成要件に限定することで、懸念されているような組織的犯罪集団とは関わりのない一般の人々は捜査対象とはなり得ないことは明らかです。また、組織的犯罪集団に限定した処罰を科す刑法であり、我が国の憲法において尊重される内心の自由を侵すものでないことも明白です。対象犯罪も、組織的犯罪集団が関与することが現実的に想定される二百七十七の罪状に限定されており、抑制的な内容となっております。
 にもかかわらず、ただただ質問のための質問に時間を費やした挙げ句、審議時間が足りないと言いながら、法務委員長解任決議案や法務大臣問責決議案を提案する野党の姿勢は、国民の生命と自由、テロに立ち向かう国際的な協力をないがしろにしており、参議院議員としての責任のある態度とは言えないのではないでしょうか。
 以上、我が国において断じてテロを起こさせない、卑劣な行為から国民の命を守り抜く、そして、テロに立ち向かい、自由と国民の生命、平穏な生活を守るという各国との連携に加わるという強い決意の下、本法案への賛成を強く訴えて、私の賛成討論といたします。(拍手)
○議長(伊達忠一君) 仁比聡平君。
   〔仁比聡平君登壇、拍手〕
○仁比聡平君 私は、日本共産党を代表して、憲法違反の共謀罪法案、組織的犯罪処罰法改正案に断固反対の討論を行います。
 法務委員会における審議は全く尽くされていなかった。逆に、僅か十七時間五十分の対政府質疑でも、法案の持つ重大な危険性、それをごまかそうとする政府答弁の矛盾や詭弁は更にあらわになっていました。
 その国会審議について、安倍総理は、六月四日のラジオ番組で、不安を広げるための議論を延々としているんだろうと思いますねなどと、口を極めて議員の質問も国会審議の意味も否定する重大発言を行いました。不安を広げるばかりの答弁を繰り返してきたのは政府の方ではありませんか。中間報告を強行し、国会が国会であることを自ら否定せんとするばかりの自民、公明諸君の暴挙は、この安倍発言とうり二つであります。
 審議すればするほど、国民が内容を知れば知るほど、反対、説明不十分の声が大きく広がっていく。それは、共謀罪法案の正体が、何を考え、合意、計画したか、内心に限りなく踏み込んで捜査、処罰しようとする、紛れもない憲法違反の治安立法だからであります。
 法案に反対する理由の第一は、法案が、人々がどんなことをしたら処罰の対象にされるのか全く不明確で、人の生命や身体、財産などの法益を侵害する危険が客観的にはない合意を処罰するものだからであります。
 政府は、主体を組織的犯罪集団に限定した、計画とそれに基づく実行準備行為という三つの構成要件で限定したと言います。しかし、刑法学の専門家が指摘するとおり、条文の規定ぶりを見れば、実行準備行為は処罰条件でしかありません。その意味について、政府は、客観的に相当の危険が認められる予備ではないとする一方、意思の発現として行われる明らかな外的行為、すなわち英米法のオーバートアクトとも違うと言い始め、結局、その意味するところは、先ほどの大臣答弁でもいよいよ全く不明確、曖昧ではありませんか。法案は刑罰法規として致命的に不明確なのであります。
 組織的犯罪集団はどうか。政府が繰り返すテロ組織、暴力団、薬物密売組織は例示にすぎません。その団体の結合関係の基礎としての共同の目的が別表第三に掲げられた二百七十七もの罪、すなわち、その絞り込みの基準自体が極めて恣意的で、刑法犯の八割を超える広範な二百七十七の罪を実行することにあると警察に判断されれば、捜査と処罰の対象になり得るのです。
 さらに、政府は、組織的犯罪集団なるものの構成員でなくとも共謀罪の主体になることを認めました。それをまだ言い繕おうと、法務大臣は、組織的犯罪集団と関わり合いがある周辺者と言い始め、一層支離滅裂を深めたままですが、先ほどの答弁でも全く明確なお答えはなかったではありませんか。
 政府は一般人が対象となることはあり得ないと言いますが、条文上全く限定されず、結局、警察に捜査対象と目されれば誰もが一般人ではなくなると言っているに等しい暴論にほかならないのであります。
 政府は、こうした組織的犯罪集団による計画と実行準備行為が総体として危険だから処罰すると言います。しかし、実行準備行為は、外から見れば日常生活と区別は付きません。刑法の原則である行為主義、すなわち客観的に危険な行為、危険な結果があって初めて罪に問うとの原則と相入れないのです。これは、日本やナチスが行為者の危険性を処罰したことがいかに人々の自由を侵害し恐怖に陥れたか、その反省に立った歴史の到達であり、この行為原則を踏みにじる共謀罪は断固として許すわけにはいきません。
 内心の捜査と処罰の恣意的な濫用に歯止めは掛けられません。それは、治安維持法と戦前の我が国社会の痛苦の教訓です。だからこそ定められた憲法十九条、二十一条、三十一条に法案は明らかに反し、近代刑法の大原則を根底から覆すものであります。
 反対する第二の理由は、本法案が、戦後も犯罪の未然防止や任意捜査の名目で、犯罪とは無縁の市民の人権、プライバシーを深く侵害する活動を行い続けながら、それを通常の業務の一環などと正当化し全く反省のない警察、検察の活動に法的根拠を与え、深刻な人権侵害の危険があるからです。
 その危険は、通常の団体が一変したら共謀罪、さらには、環境保護や人権保護が隠れみのなら共謀罪とする政府答弁によっていよいよ浮き彫りになっています。警察組織が住民運動は隠れみのではないかと情報収集を行い、その中で共謀罪の嫌疑を抱けば捜査に移行する、公安情報収集活動と犯罪捜査を連続して行うことがはっきりしました。一変にせよ隠れみのにせよ、労働組合や市民団体も処罰対象にされ得るのです。ここに密告を奨励する自首減免規定が盛り込まれていることは極めて重大です。
 大垣事件で監視された四人の方々はなぜ情報収集の対象にされたのか。国家公安委員長は、とうとう、今後の警察活動に支障を及ぼすおそれがあることから答弁は差し控えるという立場を変えようとしませんでした。極めて重大です。深い傷を負った被害者たちに政府は謝罪すべきであります。
 犯罪と無縁の国民が、警察のさじ加減一つでプライバシーをひそかに侵害され、なぜ調査対象になったかも分からないまま深く傷つけられる重大な危険があります。法案のどこに、そうはならないという明確な保証がありますか。どこにもありません。皆さん、そんな立法を私たちは断じて行ってはならないのです。指摘される危険が現実になったとき、同僚議員の皆さんはどうやって責任を取るというのですか。
 反対する第三の理由は、国際組織犯罪防止条約の締結に不可欠と、政府が法案の立法事実だと言うことは、国際社会の指摘によっていよいよぼろぼろになっていることです。
 TOC条約はマフィアなどの国際的な経済組織犯罪の取締りを目的としたものであり、日本政府を含むG7各国がテロリズムを本条約の対象とすべきでないと主張していました。条約の国連立法ガイドを起草したニコス・パッサス教授は、条約はイデオロギーに由来する犯罪のためではない、犯罪の目的について、金銭的利益その他の物質的利益を得ることとあえて入れているのはその表れだと指摘をしています。テロ対策を口実にして法案を押し通そうとするなど断じて許されません。
 さらに、パッサス教授は、東京オリンピックのようなイベントの開催を脅かすようなテロなどの犯罪に対して現在の法体系で対応できないものは見当たらないとし、条約を批准することは可能と忠告しているのです。TOC条約は、国内法原則、すなわち日本国憲法に従って国際組織犯罪対処の措置を求めているのです。既に国会承認はなされており、現行法で条約を締結をすべきであります。
 法案の不明確性が法執行機関の前近代的な秘密体質と結び付いて深刻なプライバシー侵害が引き起こされる、そのことをケナタッチ国連特別報告者の公開書簡は指摘をしています。国連TOC条約の締結のためと言いながら、国際社会から批判されたら、独立した専門家としての特別報告者の権限も、日本が国連人権理事会理事国になるに当たっての、特別報告者との建設的な対話の実現のために今後もしっかり協力していくという誓約も投げ捨てて、感情的に非難する安倍政権の姿は国際社会の信頼を失墜させるものです。
 自分の意に沿わない真実の証言や道理に立った批判は、国内においても、そして国際社会に対しても、敵視し、けなし、封殺しようとする、そのような態度が通用するはずもありません。
 森友学園、加計学園、政治を私物化し、安倍総理の進退に関わる重大疑惑には問答無用で蓋をし、一方で、捜査権力の濫用という重大な危険をはらむ共謀罪だけは何が何でも押し通す。言語道断であります。そのような態度がいつまでも通用すると思ったら大間違いであります。
 国民には何が秘密かも秘密にして、政府の秘密保全体制をしいた特定秘密保護法。
○議長(伊達忠一君) 仁比君、時間ですのでまとめてください。
○仁比聡平君(続) 憲法九条と戦後日本の歩みを百八十度覆し、日米一体で戦争をする国に変えようとする安保法制、戦争法。そして、物を言う国民を監視し萎縮させようとするこの共謀罪法案。次には、憲法九条の明文改憲に踏み出そうとする。暴走する安倍政権の戦争する国づくりを私たちは断じて許しません。
 市民と野党の共闘の力を一層強く大きくし、安倍政権を必ず打倒する。その決意を強く表明し、反対討論を終わります。(拍手)
○議長(伊達忠一君) 東徹君。
   〔東徹君登壇、拍手〕
○東徹君 日本維新の会の東徹です。
 会派を代表して、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案について、賛成の立場から討論を行います。
 イギリス・マンチェスターを始め世界各地でテロが頻発する中、何よりも大切なことは、国民の生命や安全を守るためテロ対策を進めることは必要不可欠であり、これこそ国の責務であります。
 また、振り込め詐欺や還付金詐欺など組織的犯罪集団によって引き起こされる被害が年間四百億円を超えており、その被害者の八割は高齢者です。これを未然に防ぐための対策も急務であります。
 今回の法案は、我が国が既に百八十七の国と地域が締結しているTOC条約を締結するために必要なものであり、TOC条約による捜査共助の効率化などは、テロ対策に一定の効果を発揮することは明らかであります。
 我が会派は、テロ組織や暴力団、振り込め詐欺集団などへの対策のため、テロ等準備罪の必要性を認める一方、冤罪が増えるのではないかといった国民の不安を払拭するため、衆議院で与党と協議し、法案修正を行いました。
 そこで追加されたテロ等準備罪に関する取調べの可視化制度の検討、適正捜査の確保に向けた配慮義務などは、重大な組織犯罪を抑止しつつ、人権の保護に資するものであります。このことは国民の権利を守ることにつながり、一方で、テロ等準備罪の創設とTOC条約の締結でテロや組織犯罪から国民の生命や安全を守るという、自由と安全のバランスを確保していくことが必要であります。
 最後に、本法案が国民にとって必要であるからこそ、法案には賛成いたします。いたしますが、今回、採決に当たって本会議で質疑となりました。本来、質疑は委員会でなければ審議は深まりません。私は、委員会で質疑をしたかったわけです。国民に対する国会議員としての責任を果たすためには、今の与野党共にそれぞれの国会審議に対する在り方は間違っており、改めるべきだということを申し上げて、法案への賛成討論といたします。(拍手)
○議長(伊達忠一君) これにて討論は終局いたしました。
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○議長(伊達忠一君) これより本案の採決をいたします。
 足立信也君外四十九名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。本案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
○議長(伊達忠一君) 速やかに投票願います。──どうぞ速やかに投票願います。──このままでは投票時間を制限せざるを得ません。速やかに投票願います。──投票時間を制限いたします。ただいま行われております投票につきましては、自後二分間に制限いたします。時間が参りましたら投票箱を閉鎖いたしますので、速やかに投票をお願いいたします。──一分が経過いたしました。──間もなく制限時間となります。──時間です。投票箱を締め切ります。
 制限、制限……
   〔投票箱閉鎖〕
○議長(伊達忠一君) お待たせをいたしました。
 これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百三十五票  
  白色票          百六十五票  
  青色票            七十票  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
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   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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○議長(伊達忠一君) これにて休憩いたします。
   午前七時四十六分休憩
   〔休憩後開議に至らなかった〕