第193回国会 総務委員会 第7号
平成二十九年三月三十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         横山 信一君
    理 事
                大沼みずほ君
                柘植 芳文君
                森屋  宏君
                江崎  孝君
                山本 博司君
    委 員
                片山さつき君
                こやり隆史君
                古賀友一郎君
                島田 三郎君
                関口 昌一君
                塚田 一郎君
                二之湯 智君
                松下 新平君
                溝手 顕正君
                山崎 正昭君
                伊藤 孝恵君
                杉尾 秀哉君
                那谷屋正義君
                森本 真治君
                吉川 沙織君
                宮崎  勝君
                山下 芳生君
                片山虎之助君
                又市 征治君
   衆議院議員
       総務委員長    竹内  譲君
       総務委員長代理  谷  公一君
       総務委員長代理  山口 俊一君
       総務委員長代理  黄川田 徹君
   国務大臣
       総務大臣     高市 早苗君
   副大臣
       総務副大臣    あかま二郎君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  金子めぐみ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野  哲君
   政府参考人
       総務省情報流通
       行政局長     南  俊行君
       総務省総合通信
       基盤局長     富永 昌彦君
       文化庁文化部長  内丸 幸喜君
   参考人
       日本放送協会経
       営委員会委員長  石原  進君
       日本放送協会会
       長        上田 良一君
       日本放送協会専
       務理事      木田 幸紀君
       日本放送協会専
       務理事・技師長  森永 公紀君
       日本放送協会専
       務理事      今井  純君
       日本放送協会理
       事        坂本 忠宣君
       日本放送協会理
       事        根本 佳則君
       日本放送協会理
       事        松原 洋一君
       日本放送協会理
       事        大橋 一三君
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  本日の会議に付した案件
○過疎地域自立促進特別措置法の一部を改正する
 法律案(衆議院提出)
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を
 求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(横山信一君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 過疎地域自立促進特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提出者衆議院総務委員長竹内譲君から趣旨説明を聴取いたします。竹内譲君。
○衆議院議員(竹内譲君) ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の理由及び内容を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、過疎対策につきましては、昭和四十五年の過疎地域対策緊急措置法制定以来、これまで四度の立法が行われてまいりました。現行の過疎地域自立促進特別措置法に関しましては、住民生活に関わる様々な課題に直面する過疎地域の現状に鑑み、所要の措置を講ずるため、超党派の議員立法として三度にわたる改正が行われております。
 今般、平成二十七年の国勢調査の結果が公表されたことを契機として、過疎対策の実施状況を踏まえつつ、現行法の見直しに向け、会派間で協議が進められてきました。その結論として、平成二十七年の国勢調査の結果を用いた過疎地域の要件を追加するとともに、過疎対策事業債の対象施設の拡充、減価償却の特例及び地方税の課税免除等に伴う措置の拡充を行うこととし、本案を提出した次第であります。
 次に、本案の内容について御説明申し上げます。
 第一に、現行法による過疎地域に加え、人口及び財政力に関する一定の要件を満たす地域を過疎地域として追加することとしております。
 まず、人口要件に関しましては、国勢調査の結果によって、平成二十七年人口の昭和四十五年人口に対する減少率が三二%以上であること、この人口減少率が二七%以上であり、かつ、平成二十七年人口における高齢者比率が三六%以上若しくは若年者比率が一一%以下であること、又は平成二十七年人口の平成二年人口に対する減少率が二一%以上であることのいずれかに該当することとしております。
 なお、平成二十七年と昭和四十五年の間の人口減少率による場合には、平成二十七年人口の平成二年人口に対する増加率が一〇%未満であることとしております。
 次に、財政力要件に関しましては、平成二十五年度から平成二十七年度までの財政力指数の平均が〇・五以下であること等としております。
 第二に、過疎対策事業債の対象施設として、市町村立の中等教育学校、特別支援学校、専修学校及び各種学校を追加するとともに、現在政令で規定されている市町村立の幼稚園を法律に規定することとしております。
 第三に、減価償却の特例及び地方税の課税免除又は不均一課税に伴う措置の対象業種について、情報通信技術利用事業を廃止し、新たに農林水産物等販売業を追加することとしております。
 第四に、この法律は、平成二十九年四月一日から施行することとしております。
 以上が、本案の提案の理由及び内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(横山信一君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉川沙織君 民進党の吉川沙織です。
 今回の過疎法の改正に携わられた、特に今日衆議院からお越しいただいている衆議院総務委員長代理の三人の先生方は、これまでもずっと過疎法に取り組んでこられたことと承知しております。心から敬意を表します。
 今、衆議院総務委員長から御説明ございましたとおり、今回の改正は、法の期限が到来しての改正ではなく、平成二十七年国勢調査の結果を反映した改正となっております。次期改正時におきましては法の期限が到来することによる抜本的な改正になるものと考えられますが、残された課題等に関して黄川田総務委員長代理の御見解をお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(黄川田徹君) お答えいたします。
 吉川委員御案内のとおり、昭和四十五年に過疎法が成立いたしました。その後、度々改正がありました。この間、道路あるいはまた上下水道など社会資本等の整備には一定の寄与をしてきたと、こう思っております。
 そしてまた、平成二十二年の年は、ちょうど期限が切れるということで、抜本改正の年でありました。ハード面だけではなくて、自然再生エネルギーの利活用、あるいはまた保健、医療、福祉の充実、そしてまた公共交通の整備といいますか、地域の足の確保ですね、そういうソフトの面にも対象の門戸が開かれたということであります。そしてまた、平成二十三年三月十一日、東日本大震災が発生いたしまして、被災地の影響をこれまた踏まえて、法案、五年延長したところであります。さらには、平成二十六年には、平成二十二年国勢調査の結果を反映させようということで改正がございました。で、今般は平成二十七年の国勢調査の結果をこれ生かそうということであります。
 そういう中で、今お話しのとおり、この法案も平成三十三年三月には期限切れとなるわけであります。様々な課題が私はあると、こう思っております。
 一つには、今回卒業する市町村はないのでありますけれども、これらをどう捉えていくか。あるいはまた、過疎指定にはなっていないんだけれども、過疎に準ずるといいますか、準過疎の方々をどう対応していったらいいのか。あるいはまた、条件不利地域に関して、離島振興であるとか半島振興であるとか、あるいはまた山村振興とか様々な議員立法あるわけでありますけれども、過疎法との整合性といいますか、そういうことを様々検討していかなきゃならないのではないかと、こう思っております。
○吉川沙織君 前回、法の期限が到来しての改正時、平成二十二年、この参議院総務委員会では平成二十二年三月九日に審議をして、そのときも黄川田総務委員長代理、山口俊一総務委員長代理、谷公一総務委員長代理にお越しいただいて、全会一致で可決しております。
 今いろいろお話しいただきましたけれども、平成の大合併以降、それまで過疎と非過疎地域だったのが、一部過疎地域が、市町村合併することによって一部は過疎だけどあとはそうではないというような地域も増えました。そしてまた、前回の改正時は卒業するところがなかったというお話、今回も、結果、過疎団体から卒業するところはなかったわけですけれども、前回改正時は二十二団体、今回は二十団体。その二十団体の中に黄川田総務委員長代理御出身の陸前高田市も入っております。このことに関する御見解があれば、一言お願いしたいと思います。
○衆議院議員(黄川田徹君) 東日本大震災の発災ということで、本当に全国から多大な支援を受けました。衆参の国会議員の皆さん、与党も野党もなく本当に関わっていただきました。発災から丸六年、七年目を迎えたということ、津波と地震の被害の岩手、宮城は最後の仕上げに向かって頑張るということ、しかしながら、原発事故と風評被害があった福島はまだまだ道半ばということであります。
 そういう中にあって、私は三陸の出身でありますので、三陸の地域、十年で復興が終わった後、それでなくても中山間地、辺地、過疎地という大変な状況の中で持続的な自治体運営ができるのかということでありました。そういう中にあって、岩手のことを言えば我が陸前高田市、それから野田村、隣町の宮城県に行きますと山元町ですか。ですから、十年の復興が終わった後の支援の制度設計がなくなるという後に、この持続的に町づくり、村づくりができる過疎の指定になったということは、私というよりも首長さんは大いに喜ぶだろうなと、こう思っております。
○吉川沙織君 今回、岩手でいえば陸前高田、黄川田総務委員長代理の御地元であり、それから野田村は総務省の交付税課長の地元でもあります。逆に、今御答弁いただきましたけれども、今まで指定を受けずに頑張ってこられたということの証左ではないかと思います。
 それでは次に、山口総務委員長代理に伺います。
 引き続きずっと人口減少社会に突入している我が国社会の中で、過疎地域においては、日本全体よりも更に一段と人口減少が著しいという状態が続いています。今後、過疎地域が減ることが見通せない中で、過疎対策と今後の過疎法の在り方に対する御見解をお伺いいたします。
○衆議院議員(山口俊一君) 御指摘のとおりでございまして、平成二十七年の国勢調査では、調査開始後初めて日本の人口は減少に入ったというふうなことでありますが、しかし、そういった中でも、全体的にはこの五年間の人口増減というのはマイナス〇・八%。ところが過疎地域にあってはマイナスたしか七・六、九倍以上のスピードで人口減少というふうなことになってきております。
 同時に、もう一つが、合併をして、おっしゃるとおり、みなし過疎だとか一部過疎だとかいろいろ出てきております。そういうのを踏まえて、やはり抜本的にこの過疎法の在り方、過疎対策の在り方というのはしっかり議論をしていく必要があるんだろうと思っておりますが。
 法律が切れる三十三年、今回は、これも御指摘のとおりで、中途の一部改正ということで、いわゆる卒業する市町村はなかったわけでありますが、まあしかし、いろんな数字の置き方にもよるんでしょうが、三十三年以降、新たに法律を作るなり抜本改正をする中で相当数卒業をする市町村も出てくるんだろうというふうな予測はしておりますが、しかし、一方において、今申し上げましたように様々な形での矛盾、あるいはより過疎化、高齢化が進んでまさに集落としての機能を果たし得ない、もうお祭りもできない、お葬式も出せないというところがかなり数多く出てきております。やはり住んでおる皆さん方のことを第一に考えてしっかりやっていくというふうなことが必要かと思いますが、次期改正に向けて、今後我々としても超党派で中長期的な視野に立ってしっかり議論をしていく必要があるんだろうと思っております。
○吉川沙織君 次回の改正は抜本的な改正になる、お二方から御答弁をいただきました。
 実際、平成二十二年改正時は、過疎債の対象にこれまでハードだけだったのがソフト事業が追加されて年々活用率は高まっているような状況にあります。ただ、次期改正時には抜本的な取組が必要である。ただ、その中で本当に卒業できる団体があるのかどうか。過疎地域は、我が国の国土でいえばもう過半を占める状態であり、一方で、人口は占める割合はどんどん減っている。ただ、この日本は過疎地域に住む方々によって国土の保全が図られ、それから地球の温暖化防止など、過疎地域が果たす多面的、公益的役割は多いと思っています。
 総務省には、この法案が全会一致で可決をされている法律であること、それから、今お二方から答弁をいただきましたが、立法者の意思を踏まえて行政府としてもしっかり取組をしていただくことをお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 法案を取りまとめられた衆議院の提案者の皆さんに敬意を表したいと思います。
 私は、過疎地域の役場職員、そして住民の皆さんの取組について、私自身がいろいろ歩いて感じていることについて紹介して、提案者の皆さんの御認識を伺いたいと思います。
 もう十年ほど前になるんですが、奈良県南部の山深いところにある下北山村というところを訪ねました。人口は当時で千二百人の村で、ここでどうやって村を維持していくのか、いろいろ政策をつくっておられました。一番の政策の柱は毎年赤ちゃんが十人生まれることを目標にするということでありまして、そのときはほぼ毎年十人赤ちゃんが生まれるということを達成しておられました。雇用の場づくりの研究、村営住宅の建設、それから、都会の小学生を下北山村に招いて山村留学していただいて、その体験を通じて親子で移り住んでくるというような方もいらっしゃるということを聞きました。
 そういうことを一生懸命考えておられるのが村の役場にいらっしゃった、まあ十人ぐらいでしたけれども、職員の皆さんでありました。どうやって地域を守るのか、いかに地域の暮らしを、文化を維持するのか、一生懸命考えている役場の皆さんがいらっしゃるということがいかに大事なのかということを痛感したんですが、提案者の皆さんに、過疎地域における生活、文化等を維持する上での地域の役場職員の果たしている役割について御認識伺いたいと思います。
○衆議院議員(黄川田徹君) お答えいたします。
 過疎地域の役場職員というだけではなくて、地方公務員、日々汗をかいて頑張っておると、こう思っております。特にもう過疎地域の役場職員につきましては、ほとんどが、生まれ、育ち、骨をうずめる、そういう人たちだと、こう思っております。
 大変、限界集落とか集落の維持とか厳しい状況にあるわけでありまして、それでも公務員としての部分と集落の構成員の一人として活動するということ、そこが目に見えていると、こう思っております。例えば防犯協会の一員になるとか、あるいはまた消防団員に加入するとか、それから、そういう集落は歴史と文化が連綿と続いているところが多いわけでありますので、地域行事に参加するだけではなくて、それをどうやって伝承していくとか、そういう思いも強いかと思っております。
 実は、私も二万人の市の職員でありました、ここに来るまでは。例えばお正月行事、お正月というと一月一日を思いますけれども、我々にとっては小正月の行事、一月十五日。様々ございます。そういう中で裏方として頑張っていく、そういう部分がありますし、私自身も、敬老会、こういう中で余興、出し物がありますけれども、その出し物に出演したという経験もございます。
 地域を支えるのは役場だけじゃないので、仕組みとして集落支援員あるいはまた町おこし協力隊とか出ておりますので、それらをうまく連携させる要の人間もこれ役場職員だと、こう思っております。ますます大きな役割、役場職員にあると、こう思っております。
○山下芳生君 ありがとうございます。
 それぞれお一人お一人皆さん思いをお持ちだと思いますが、今、黄川田議員からお答えあったとおり、地域に住みながら地方公務員として住民と一緒になってその地域をどう守るのかということを一生懸命知恵を出されている、そういう方がいてこそ地域がずっと維持されるということだと思います。
 それから同時に、この間、平成の大合併などでもう合併されてしまった地域もたくさんあります。しかし、そういうところでもやはりふるさとを守りたいという営みは随分やられていると感じます。
 兵庫県の但馬地域というところがあります。谷議員のちょうど御地元ですけれども、ここも十年ほど前に医師不足が問題になりまして、但馬にある九つの公立病院のうち三つをもうベッドのない診療所にしようかという動きが県主導で起こったんですが、そのときに、もう瞬く間に地域ぐるみで自分たちの病院を守ろうという運動が起こりました。梁瀬病院という旧山東町、今は朝来市に合併されておりますけれども、その梁瀬病院がベッド数なしになっちゃったら困るということで、当時の区長会の会長は、命を何と心得ておるんやと憤って、昭和三十一年に住民が一等地を提供して資金も出して造ったのが梁瀬病院で、そこを潰すわけにはいかないと自ら区長会の会長が大阪に医師の確保に走るとか、あるいは、経営がピンチだと聞けば、町内に号令を掛けて、地元のおらが病院で健康診断を受けるようにとくまなく声掛けるとか、あるいは、もう医師がなかなか国や県に頼んでも来ないんだったら、住民の皆さんが自分の孫を医学部に進学させて医師として戻ってきてもらうようにしようじゃないかというところまで真剣に話合いがされておりました。
 やはりベッド数のある病院がなくなったら、ふるさとに住み続けることができない、子育てができないということでそういう必死の努力がされていると思ったんですが、こういう合併、ここは残念ながらされたところですけれども、されようがされまいが、住民の皆さんが自分たちの暮らしを守り維持したいという思いから様々な取組をされていることについて、提出者の皆さんの御認識、いかがでしょうか。
○衆議院議員(谷公一君) 今御指摘の朝来市の山東地域は私の選挙区で、医療の確保ということはそれぞれの地域にとって大変大事なことであります。ですから、そういう思いをしっかり受け止めて行政は対応しなければならないというふうに思っています。御指摘の山東町は、四町が合併して朝来市という、天空の城で有名になりましたが、市になったわけでありますけれども、それぞれ市役所機能、市役所の本庁がない地域においてもしっかり目配りをして様々な支援ということを継続的にしていくことが必要かと思います。
 私も少し前まで政府で復興副大臣あるいは復興大臣補佐官をさせていただきましたが、例えば宮城の石巻、あそこも平成の合併をやりました。石巻の中心街だけを見ては石巻の復興はうまくいかない。雄勝がどうか、牡鹿半島はどうか、そういった旧町のところもしっかり目配りをしながら復興を進め、また地方創生を進めなければならないというふうに思っております。
 現行の過疎法は平成の合併前の単位で指定しておりますけれども、先ほど来御質問の今後の過疎対策を、どういうエリアを、今の市町村のエリアのままでいいんかどうかということも含めながら、今後検討をしていくべき課題だと思っております。
○山下芳生君 今御答弁あったとおり、生まれ育ったふるさと、長く暮らしてきた地域を守りたい、これは私は自治の原点、源泉だというふうに思います。ですから、効率化という一つの物差しだけで地方の政策を考えることは正しくないということを痛感しております。
 最後、いろいろな努力あるんですけれども、やはり多くの過疎地域では人口減少に歯止めを掛けることができておりません。その根底に共通して一次産業の衰退があると私は感じております。
 これも何年か前に訪ねた和歌山県田辺市、これは田辺市に旧二町二村が合併してつくられたところですが、残念ながら周辺部は人口が減っております。ここの真砂市長さんは周辺部出身の町長さんでもあってそういうこともよく御存じなんですが、市長は、地方が元気になろうと思ったら農林水産業です、一次産業が元気になれば雇用も生まれIターンも生まれるとおっしゃっておりました。
 やはり小手先の対策ではない、林業も含めた一次産業の再生、これに本腰を入れて政策を進めることが本当の意味での過疎対策になっていくんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(谷公一君) 委員のおっしゃるとおりだと思います。過疎地域の多くは農林水産業の振興と深く結び付いている地域でありますので、農業なり林業、畜産業あるいは水産業を活性化する、それで食べていける、そういう地域を目指さなければならないと思っています。あわせて、それだけではなくて、今、半農半Xというような言葉がございますけれども、農業をしながらほかの仕事もやり生活の糧を得る、そういったことが進むような様々なきめ細かな施策も必要かと思います。
 大きな流れとしては、地域おこし協力隊に典型的に見られるごとく、田園回帰の流れというのは今少しずつですけれども起こっていると思いますので、そういった方向が今後もより根付いて大きく広がるように頑張らなければならないというふうに思っております。
○山下芳生君 終わります。
○委員長(横山信一君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 過疎地域自立促進特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(横山信一君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(横山信一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省情報流通行政局長南俊行君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(横山信一君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、日本放送協会経営委員会委員長石原進君外八名を参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(横山信一君) 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。高市総務大臣。
○国務大臣(高市早苗君) 日本放送協会の平成二十九年度の収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第七十条第二項の規定に基づき、総務大臣の意見を付して国会に提出するものであります。
 まず、収支予算について、その概要を御説明申し上げます。
 一般勘定事業収支につきましては、事業収入が七千百十八億円、事業支出が七千二十億円となっております。
 一般勘定資本収支につきましては、資本収入、資本支出が共に八百九十八億円となっております。
 次に、事業計画につきましては、国民・視聴者の信頼と多様な要望に応える質の高い番組の提供、国際放送の充実などによる海外情報発信の強化、我が国の経済成長の牽引力として期待される4K、8Kなどの先導的なサービスの推進に重点を置き取り組むこととなっております。
 総務大臣といたしましては、この収支予算等について、おおむね妥当なものと認められるとした上で、協会の在り方について、業務、受信料、ガバナンスの三位一体で改革を進める検討を早急に実施することを求めるとともに、この収支予算等の実施に当たっては、協会の経営が国民・視聴者の負担する受信料によって支えられていることを十分に自覚し、業務の合理化、効率化に向けたたゆまぬ改善の努力を行うとともに、国民・視聴者に対する説明責任を果たしていくことが必要であるとする意見を付しております。
 また、特に配意すべき事項として、例えば、協会の職員による受信料の着服事案などについて、業務の実施体制、チェック体制を改めて見直し、早急に適切な再発防止策を講ずることと指摘しております。協会の一連の不祥事については、委託会社による受信契約の不正事案も含め、コンプライアンスの徹底に取り組んでいただきたいと考えております。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(横山信一君) 次に、日本放送協会から説明を聴取いたします。上田日本放送協会会長。
○参考人(上田良一君) ただいま議題となっております日本放送協会の平成二十九年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして御説明申し上げます。
 平成二十九年度の事業運営に当たりましては、公共放送の原点を堅持し、自主自律を貫き、事実に基づく公平公正で正確な報道、命と暮らしを守る報道に全力を挙げるとともに、豊かで多彩なコンテンツの充実を図ります。また、日本を世界に積極的に発信し、国際社会での日本の理解を促進してまいります。
 さらに、三十年度に予定されている実用放送の開始に向けたスーパーハイビジョンのコンテンツ制作力の強化を図るとともにインターネット活用業務を推進するなど、新たな放送サービスの創造に積極的に取り組むほか、東京オリンピック・パラリンピックに向けて、視聴者の関心に最大限応える幅広い番組をお届けします。
 受信料については、公平負担の徹底に向け、受信料制度の理解促進と営業改革を一層推進し、支払率八〇%の達成に努めてまいります。
 NHKグループの経営改革を断行し、コンプライアンスの徹底と効率的な経営を推進します。また、東京渋谷の放送センターの建て替えについては、放送センター建替基本計画に基づき着実に進めてまいります。
 次に、建設計画においては、緊急報道設備やスーパーハイビジョン設備を整備するとともに、いかなる災害時等にも安定的に放送サービスを継続するための設備整備等を実施いたします。
 以上の事業計画に対応する収支予算は、一般勘定の事業収支におきまして、受信料などの収入七千百十八億円、国内放送費などの支出七千二十億円を計上しております。事業収支差金は九十八億円となり、全額を、平成三十年度以降の新サービスの充実に備え、財政安定のための繰越金に繰り入れることとしております。
 また、資本収支は、収入として、減価償却資金など総額八百九十八億円を計上し、支出には建設費八百九十八億円を計上しております。
 最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に基づいて、資金の需要及び調達を見込んだものであります。
 以上、平成二十九年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、その概要を申し述べました。事業計画の一つ一つの施策を着実に実行し、公共放送として視聴者の皆様の期待に応えてまいりたいと存じます。
 委員各位の御理解と御支援をお願いいたします。あわせて、何とぞよろしく御審議の上、御承認賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(横山信一君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○大沼みずほ君 自由民主党の大沼みずほでございます。
 本日はNHK予算の審議ということで、上田良一新会長始め役員の皆様に参議院にお越しいただき、ありがとうございます。
 上田会長におかれましては、会長就任、誠におめでとうございます。
 さて、新しく会長に就任されました上田会長は、経営委員、監査委員を三年半務められ、NHKの組織を熟知された上で会長になられたということで、現場の皆様からの期待も大変大きいものと認識しております。
 NHKはとても大きな組織でありますから、記者、アナウンサー、ディレクター、営業と、それぞれの部署においてどうしても縦割りになりがちであります。しかし、これからの時代はやはりグローバリゼーション、また、地方創生の時代において、特に国際放送や地方局において新たな創造、イノベーションというものが求められると思います。
 縦割りを打破し、横断的かつ柔軟的に知を結集し新たな組織づくりが求められると思いますが、上田会長のお考えを伺いたいと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、多種多様な情報が国境を越えて激しく行き交う時代に入り、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて日本への世界の関心が高まっている今こそ、NHKの国際放送や地域放送局の役割はますます重要であると認識いたしております。
 限られた経営資源の中でそうした役割を果たすためには、職員一人一人のやる気を極大化しながら、部局ごとの縦割り意識を排し一丸となって取り組む組織づくりが必要であり、しっかりリーダーシップを発揮してまいりたいと考えております。
○大沼みずほ君 ありがとうございます。
 今回、予算を組むに当たり、そうした東京オリンピックに向けてもそうでありますけれども、この予算編成でどんなところに工夫されたのか、担当理事にお伺いいたしたいと思います。
○参考人(大橋一三君) お答え申し上げます。
 平成二十九年度予算、事業計画におきましては、組織一体となって知恵や情報を共有し、様々な取組を進めていくこととしてございます。
 御指摘のとおり、例えば4K、8Kなどの新サービスにおきましては、研究部門の成果を踏まえまして、放送部門それから技術部門など関係する組織が連携して取り組むことが求められる課題でございますので、まさに組織横断で検討を重ねまして二十九年度の事業計画を策定しております。
 また、受信料の公平負担に向けた取組、我々はターゲット80という活動を続けておりますけれども、これも、番組やイベントと連動して受信料制度の理解促進を図る取組を本部、地域全局を挙げて取り組んでおりまして、一定の成果が出ているものと考えてございます。
 更にもう一つ付け加えますと、国際放送におきまして二十九年度は日本各地の暮らしや文化、自然などを世界に発信する番組を強化しようと考えておりますけれども、これもまさに本部と地域が一体となって世界に情報発信を、地域の情報を発信していこうという取組でございますので、これらにつきましても一体となって取組を強化してまいりたいと考えております。
○大沼みずほ君 ありがとうございます。
 今、受信料の問題についても御回答いただきましたけれども、NHKはやはり国民の皆様からの受信料によって成り立っているわけであります。受信料の公平で公正な徴収というのは非常に重要でありまして、上田会長におかれましては就任早々にNHK受信料制度等検討委員会を立ち上げられ、新たな時代に即した受信料の在り方などを検討し始めた旨伺っております。
 今後の受信料制度についてどのようなお考えをお持ちか、お聞かせいただければと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 公共放送であるNHKは、その存在意義を視聴者・国民の皆様に御理解いただいて、特殊な負担金とされる受信料を納得してお支払いいただくことで成り立っていると考えております。
 その上で、NHKとしては、メディアや社会の環境変化などを踏まえた受信料制度とその運用の在り方について検討することが必要だと考え、私の諮問機関として外部の有識者によるNHK受信料制度等検討会を二月に設置いたしました。その中で、公平負担徹底の在り方や常時同時配信の負担の在り方などについて検討を始めたところであります。
 今後、その結果を踏まえながら、NHKとしても視聴者・国民の皆様に御納得いただける受信料制度の在り方について検討していきたいと考えております。
○大沼みずほ君 ありがとうございます。
 私も、NHK記者時代、営業の方と一緒に受信料の徴収をいたしました。やはり、納得してこの受信料を払っていただくって非常に大事なことだと思います。若い方でも、NHK、最近夜に結構お笑い番組面白いんだよね、あっ、僕、じゃ、やっぱりNHK支持するよということで払っていただく、この納得感というのが非常に大事であると思います。この外部の有識者の検討委員会、是非とも活発な議論がなされますことを御期待申し上げたいと思います。
 あわせまして、やはりコンテンツを重視してまいりたいというさっきの御説明がございました。コンテンツ会社としてのNHKという視点から、やはりインターネットの活用というものが今後なお一層重要になってくると思いますが、このインターネット活用業務の在り方についても重ねて上田会長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 インターネットが広く社会的な情報基盤となっていますことから、NHKはインターネット実施基準を自主的に策定いたしまして、総務大臣の認可を得てサービスを実施いたしております。そこでは、放送番組の周知、広報及び番組の理解をより深めていただく情報を提供することといたしております。
 また、災害時の緊急報道や、国民生活や社会全体に大きな影響を及ぼすもので特に迅速に提供すべきと判断した番組は、放送と同時に提供することがあります。同時配信に関しましては、検証実験として試験的提供を実施いたしておりまして、配信基盤や権利処理などに関する課題について検証を行っているところであります。
 今後も、インターネットサービスにつきましては、市場競争への影響などを勘案いたしながら、公共放送としての責任を果たせるよう業務を実施してまいりたいと考えております。
○大沼みずほ君 ありがとうございます。
 この度、予算において、国内放送の同時配信の試験的提供、今会長からも御紹介ありました、二・九億円という額を計上しておりますが、もう少しその内容、また意図について担当理事の方に御説明いただければと思います。
○参考人(坂本忠宣君) お答え申し上げます。
 テレビ放送の同時配信の試験的提供につきましては、配信の基盤や認証の基盤、さらに字幕の設備といったシステム的な経費、それから調査、検証のための費用を見込んでおります。平成二十八年度予算において三・六億円を計上しておりましたけれども、二十八年度に開発しました基盤を引き続き活用することによりまして、〇・七億円減となります二・九億円を二十九年度に計上しているところであります。
 試験的提供の目的につきましては、NHKのインターネット実施基準で、放送を補完する観点から、国内テレビジョン放送の放送番組を放送と同時に提供するサービスの改善、向上の検討に資することというふうに定められておりまして、引き続き、この目的を達成できますように努力してまいりたいというふうに考えているところです。
○大沼みずほ君 ありがとうございます。
 やはり、情報を得るという手段が、テレビだけではなくてインターネットを活用する、特に若い世代はそうなってきていると思います。会長からもありましたように、やはり災害情報というのは特にNHKさんが重要視している点でもありますし、国民からの期待も大きいところであると思いますので、今後なお一層の活用というものをしっかり進めていただければというふうに思います。
 次に、受信料の免除についてお伺いいたします。
 放送法第六十四条二項によりますと、受信料の免除の対象施設は平成十二年六月六日以前の社会福祉事業法第二条に規定された施設となっております。しかし、その後の法改正により、例えば私の地元の山形県からも御要望をいただいているんですけれども、小規模多機能型居宅介護事業であるとか小規模保育事業といったものも社会福祉事業と規定されました。
 公明党さんからもこうした問題提起があったように伺っておりますけれども、受信料の公平公正な負担という原則からも、日本放送協会放送受信料免除基準の改定にこれらの福祉事業を実施している施設も含めるべきと考えますが、NHKのお考えを伺いたいと思います。
○参考人(松原洋一君) お答え申し上げます。
 社会福祉施設に対する免除の拡大については、NHKとしても、社会的、経済的環境の変化や公平な受信料体系を構築する観点から検討を進めているところでございます。
 具体的には、社会福祉施設に対する免除を拡大することについて、先ほど話がありましたけれども、二月に設置した外部有識者によるNHK受信料制度等検討委員会に諮問をし、その答申を踏まえてしっかりと対応していきたいというふうに思います。
○大沼みずほ君 ありがとうございます。
 やはり今、社会福祉事業を力を入れてくださっている各地域の事業主の方々にとっては、やはりこの小規模多機能型居宅介護事業といったものもセットでやっております。一方はお金が、受信料が掛からない、一方では掛かるということでありますので、やはりこれをしっかりとならしていっていただきたいというふうに思います。引き続きの前向きな御検討をよろしくお願いいたします。
 次に、地方局について伺います。
 先ほども大橋担当理事より、予算編成の段階で、地方の暮らしや文化というものを積極的に発信してまいりたいということで、その点も予算を工夫された点だという御回答をいただきました。
 NHKは、全国津々浦々地方局を通じて全国のニュースを国民に伝えております。山形にも山形放送局があります。大変皆さん、県内ニュース、また様々な県内の事象を取り上げて、企画ドキュメンタリーなどにも力を入れていただいておりますが、なかなか地方発の企画も全国放送でお目にかかれなくなっているように私自身は感じております。地方発の企画などに人員、予算というものはやっぱりもうちょっと必要なのではないかなと、この地方創生というのはNHKからまさに始めていただきたいというふうに思っております。
 国内放送費は全ての部分で支出で増額しておりますが、実は唯一増額していないのが地域放送番組費用の百五十四億円というふうになっております。これは全国放送番組費のおよそ十分の一です。私がNHKにいる間も、海外とのグローバリゼーションの中で、海外に取材に行きたくても予算がなくてなかなか行けないとか、非常に短期間で取材を済ませなければならないといったことで、大変いい企画を作って、かつそれが海外との連携がある場合には海外に視察に行って、そしてそれを番組の中で取り入れるということをもっともっとやりたいけれども、それができない歯がゆさというものを記者の方だったりディレクターの方だったり感じておりました。
 一方で、全国放送のドキュメンタリーとか、やはり長期間時間を掛けて、かつ海外でもしっかりと取材をされていい番組を作っている、そういった意味では、やはりこの予算というのは非常に大事だなということを私自身非常に感じております。
 ここを倍増というのは難しいかもしれませんけれども、やはり地方で記者、ディレクターの皆さんがこの魅力を発見して、しかもこれを全国放送そして国際放送にしっかり乗せていくためには、しっかりとした取材、企画が作れるようにしていくことが非常に重要であると思いますが、お考えを伺いたいと思います。
○参考人(木田幸紀君) お答えいたします。
 地域放送番組費は、地域放送局がローカル番組を制作する費用であります。全国に向けて地域の魅力を届ける番組、例えば「鶴瓶の家族に乾杯」ですとか「ブラタモリ」などは地域放送番組費とは別の全国放送番組費で制作しております。全国放送で地域の活性化につながる番組としては、「地域魅力化ドキュメントふるさとグングン!」という番組を去年の十月、総合テレビで放送しました。
 また、山形に関して申しますと、山形発全国向け番組として、先月の五日、山形発地域ドラマ「私の青おに」を放送したほか、今月二十日、BS1スペシャル「異人がやってきた町〜りんごの里・幸せの行方〜」を放送しました。これらも全国放送番組費で制作しました。
 平成二十九年度も、放送を通じて地域を元気にしていけるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○大沼みずほ君 ありがとうございます。
 地方の様々な魅力を発見して、そしてそれを全国に届ける、そして世界各国に届けるという意味でいろいろな工夫をしていただいていること、また、特に山形放送局の番組についても言及いただいたことを大変有り難く思います。
 各地域にそれぞれ例えば活躍いただいている、まさにこの偉人という視点から申し上げますと、山形県では例えば安達峰一郎博士、初代の司法裁判所所長がいらっしゃいますけれども、例えばベルギーで公使をされていたとか、やっぱりこういったところに取材行く場合には大変お金が掛かります。
 また、私自身の中で、農作物を輸出、これを政府は一兆円計画ということで進めておりまして、今、農作物輸出先ナンバーワンである香港に山形のものを宣伝しに行ったりしているわけですが、記者さんに同行をお願いしてもなかなかそれは難しいということもあります。
 また、ロシアとの経済交流というものもますます盛んになってくるといったときに、是非、全国のこの予算もそうですが、ローカル発といったときにも、こういった企画を組んだときに皆さんが伸び伸びと取材ができるように、なお一層ここの予算の増額というものも考えていただきたいと思いますし、ここがやはり魅力として発信されればこの地方創生の大きな原動力にもなると思いますので、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。
 次に、NHKは女性の積極登用を進めるということが大きな方針となっておりますが、性別構成は男性が八三・八%、女性は一六・二%というふうになっております。今後、女性の割合を増やすために、制度面また予算面での措置についてどのような工夫をなされているのか、お考えをお聞かせください。
○参考人(根本佳則君) お答え申し上げます。
 NHKでは、男女共同参画社会を推進するために、女性の積極的な採用、登用に努めているところでございます。
 女性の採用割合は、この十年以上およそ三割を確保しておりまして、二十八年度の定期採用では三三%になっております。また、二〇二〇年、平成三十二年に女性管理職の割合を一〇%以上にするという目標を掲げておりまして、女性の管理職登用も進めているところでございます。
 制度面では、法定の休暇・休職制度に加えまして、在宅勤務制度、積立休暇制度、配偶者同行休職制度を相次いで導入しておりまして、また渋谷の放送センター近隣に保育施設を確保するなど、多様な施策で仕事と家庭の両立支援を図っているところです。
 これらの取組を通じまして、引き続き女性が働きやすい環境の整備を推進してまいりたいというふうに考えております。
○大沼みずほ君 ありがとうございます。
 男女雇用均等法が施行されて大分たつわけでありますが、今、安倍内閣が強力に女性活躍推進ということで進めておりまして、女性活躍推進法案も私も関わらせていただきましたけれども、この三割目標というところ、また役員の、管理職の一〇%目標というものを早期に達成いただくように私からもお願いをしたいと思いますし、これは経験を積む中で、女性の方も自分が将来そういった職に就くんだという意識をやはり付けていくことも大事なように思います。そういった意味で、少し時間が掛かることかと思いますけれども、是非NHKさんがほかをリードするような企業として、公共放送としてそれを進めていっていただきたいというふうに思います。
 また、この女性の登用のみならず、やはり公共放送ならではの多様性を重視するという上で、ダイバーシティ経営ということについても非常に重要な観点かというふうに考えております。今後の取組についてお伺いしたいと思います。
○参考人(根本佳則君) お答え申し上げます。
 公共放送として、様々な視聴者のニーズに応えていく上で、女性の登用を含めて多様な人材の確保、育成が重要だと考えております。
 今の経営計画の中でも、女性の積極登用を進め、仕事と生活の調和を実現し、多様な働き方ができる組織に改革すると掲げております。そのために、ただいま御説明しました様々な制度、施策の拡充に加えまして、今後は幹部クラスを対象としたダイバーシティ経営研修、また育児短時間勤務等の部下を持つ上司に向けた研修など、女性活躍や多様性推進のマインドを醸成する研修を一層充実させてまいります。
 さらに、働き方改革に積極的に取り組みまして、長時間労働を抑制し、ワーク・ライフ・バランスを確保することによりまして、個々の職員が自らの能力を最大限発揮できる環境の整備に努めてまいります。
○大沼みずほ君 ありがとうございます。
 まあ私のそのダイバーシティ経営というのは、ちょっと女性の活躍推進のみならず、もう少し幅広い意味もあったんですが、つまりは、NHKのいろんな海外における支店において現地の方を雇用されたり、またその方々がもう少しコミットメントを、NHKの本部でもいろんな意見がその現地採用の方からも上がってくるといいんじゃないかなというふうな視点も含まれたんですが、もし御準備なければ結構ですが、その点についても御説明いただける範囲でお願いいたします。
○参考人(根本佳則君) 先生御指摘のとおり、多様な人材を確保していくということがやはり公共放送の使命達成のためにも非常に重要な施策だというふうに考えておりますので、今後も更に検討を続けてまいりたいと思っております。
○大沼みずほ君 ありがとうございます。
 私も必ず、海外に行くとNHKワールドを見させていただきますし、そこのNHKの支局に来られている日本人の記者の方のみならず、現地の方との交流もなるべくさせていただけるようにというふうに思っております。
 そうした中で、全世界にそういった人材を抱えているという意味では、そういったところでの議論が非常にこのダイバーシティ経営という中でも今後はますますこのグローバリゼーションの中で大事になってくると思いますし、その中から、逆に記者であるとかディレクターであるとか営業の方とかが外国人の中でも育ってきて、そしていろんな視点が盛り込まれることが世界に先駆けるNHKになっていくと思いますので、そういったことにも今後力を入れていっていただければなというふうに思います。
 最後に、なかなか要員が増やせないという制約がある中、インターネットや4K、8K、また国際放送などの新規事業に取り組みながらも、そして地域サービスも充実する、いろんなことをやらなきゃいけない、大変であります。
 まずは、しかしながら、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック、これをしっかりと目標にいろんなことを進めていくと。それまでに何をまずは整備し、そして二〇二〇年以降はそれをどうつなげていくのかというところを最後端的にお聞かせいただければと思います。
○参考人(木田幸紀君) お答えいたします。
 今の経営計画は、世界から注目が集まる二〇二〇年に最高水準の放送サービス、これを視聴者にお届けするという目標を掲げております。それには、これまでの放送に加え、スーパーハイビジョンやインターネットなどの新サービスを充実させていくことが重要です。4K、8Kの高精細映像による見応えあるコンテンツ提供やインターネット活用を通して、地域、全国、世界へ向けて利用者のニーズにきめ細かく対応した情報の発信を充実させていく考えです。
 今後のサービス充実に向けては、要員の再配置を進めるなど業務の効率化を進めていく考えでおります。
 視聴者の皆様に納得感をいただける、より身近で信頼される公共メディアとして、二〇二〇年以降も更なる進化を遂げてまいりたいと考えております。
○大沼みずほ君 ありがとうございます。これからもNHK応援団として私も活動してまいりたいと思います。
 本日はありがとうございました。
○片山さつき君 NHK予算で質問をするのは四年ぶりだと思うんですけれども。
 この総務委員会は地域活性化ということだと全党の決議が成り立つような地域応援委員会でございますが、日本のNHKの場合はその委員会で放送の予算をやるわけですね。これはまれな例だと思うんですよ。
 放送法八十一条には、NHKの放送番組の編集、放送に当たっては、全国向けのほか、地方向けの放送番組を有しろと、そして、我が国の優れた文化の保存や新たな文化の育成等に役立つようにしろとされておりまして、また、今年度の国内放送番組の編集の基本計画にもはっきりと放送サービスを通して地域活性化しろと、放送番組を通して地域活性化に積極的に貢献するとNHKさん書いてあって、これは政権がどっちであってもそれ関係なく脈々とやっているんですよ。
 それは確かに番組編集に表れていて、「のど自慢」を全国でやっているということだけを言うわけじゃないですが、大河ドラマは今年で五十六作目になりますが、ほとんど地域を、日本中巡回しております。それから、朝の連続テレビ放送もそうで、これははっきり言ってNHKでしかできないドラマですよね。どうやったって一年間、この歴史ドラマだけでもたすと、しかも、今制作費の話が出ましたが、一千億単位の制作費を掛けてやると。
 これを昭和三十何年からずっとやっていらっしゃるんですが、まずこの一番の看板番組、このテーマの選択、つまり歴史的な時代や主な舞台となる場所をどうしよう、テーマをどうしようということをどのようなビジョンを持ってやっているのかについて会長にお聞きしたいんでございますが。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 テーマを選択する際には、一年にわたり視聴者の興味を引き付けることができる主人公と、それからストーリー展開で現代に通じるメッセージがあることを条件に選んでおります。特定の時代ばかりを続けて取り上げないこと、舞台となる場所が特定の地域に偏らないようにすることも考慮の要素の一つとしております。
 戦国時代や幕末を取り上げる場合は関西などが舞台の中心になることも多いのですけれども、地域の偏りが生じないように注意を払ってきた結果、四十七の都道府県のうち大半の場所をドラマで取り上げることができたというふうに認識いたしております。
○片山さつき君 それは本当で、私は今年それを実感しております。井伊直虎のバッジを、商工会議所と浜松市が作っているものを付けさせていただいていますが、県庁所在地でもなく観光地として大きく取り上げられたことが一度もない井伊家の発祥の地の遠州を取り上げていただいて、三遠南信地域は二百万人ぐらいの人が住んでいますから、非常に喜んでいますよ。ある意味で、日本人のメンタリティーとして、戦国時代から安土桃山にたくさんの家が潰れたり、本当に命を懸けた生き残り、サバイバルで、とにかくお家存続のために頑張ってきたと。これは日本の企業マインドにも通じるところがあって、日本は世界一企業の寿命が長いんですよね。存続させることを目的に我々も事業承継税制とかを推していると。そういう余り有名でない家を取り上げていただいたということは非常に有り難いんですよ。
 私、その浜松だけではなくて、最近の何本かのドラマでいろいろなタイアップをやっていらっしゃるところを見せていただいたんです。ですから、「ヒストリア」で取り上げられたり「Rの法則」で取り上げたり、つまり、番組によって全部スポンサーが違う民放では絶対できない、半年ぐらい掛けたタイアップをNHKはやっているんですよ。それが去年は信州であり、おととしは山口と群馬ですか、毎年やって。
 これだけのことをやっているんであれば、もう少し地方におけるインバウンドの活性化みたいなことにつながればいいんで、そういうことも実はやってはいただいているんですけれども、結局これだけの受信料を使ってやっている以上は、何がKPIなのかということがいまいちはっきりしないと思うんですね。
 視聴率ということに関して取らせていただくと、一番視聴率が高かった大河ドラマっていつだかお分かりになりますか。これはクイズじゃないんで言いますと、「武田信玄」と「独眼竜正宗」で、八〇年代の後半のバブルのピークのときです。視聴率は三九%ですよ。あり得ないでしょう。民放でもどこでもあり得ない数字ですよ。今でもいいときは、近年二〇%、龍馬とかはね。残念ながら、今回、前回の「おんな城主直虎」は一三%まで下がっていまして、私も質問したことがある平家物語はやはり年間通じて一二%で、画面が暗いとか天皇家のことを王家と言っておかしいとかいろんな議論に巻き起こされたんですが。
 おっしゃったように、伝えたいメッセージがきちんとあり、それが日本という非常に歴史が古く、津々浦々で歴史的な史実が残っていて、それを今の政府が何のこだわりもなく公平に伝えて番組が作れる国は世界では非常に少ないです。あと、国際放送のところでこれからBBCとCCTVの話をしますが、BBCで語れるユナイテッドキングダムとしての歴史が短いことは皆さん御存じですよね、ユナイトしてから短いんですから。CCTVの場合は語れない歴史の部分が大分ありますから、ないわけで、日本だけなんですよ。
 そこをうまく生かして、これだけ古いものが庶民の間に残っているという、メッセージとして何かもう少しきちっとしたものがないとやはり視聴率が取れないんじゃないのかなという非常な危機を持っておりまして、これについて実際にどのような対策を取ろうとしておられるのか。つまり、幾ら民間的なマーケットのクリアランスを経ないからといって、これだけの人、物、金を投じて、ほかの番組でもタイアップして、地域の市町村や経済界とも相当、まあある程度、向こうから見ても持ち出しもありますよね。それで年間一二%で終わったというのは、やっぱりこの予算を審議する場としても余り満足度の高い結果とはならないと思うんですけれども、その辺の基準をどのように置かれるか、今年だけではなくてこれからのことも踏まえてお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(木田幸紀君) 番組の細かいところですので私の方から説明させていただきます。
 今、「直虎」は視聴率が低いんじゃないかというお話でしたけれども、放送後一週間以内に録画、今、最近もう録画が非常に多いんですけれども、録画で視聴した方までカウントする指標が昨年から取れるようになったんですが、総合視聴率というふうに呼んでおりますけれども、これで見た場合には一定の視聴者層、結構たくさんの方に御覧いただいているなというふうに認識しておりまして、そんなに視聴率が低いというふうには実は私たちは思っておりません。
 それと同時に、大河ドラマに限らないんですけれども、NHKの場合は、視聴率も確かに大事な指標として、たくさんの方に御覧いただくということは非常に大切なことなんですが、それとともに、やはり質がどうなのか、本当に、まあドラマの場合はそうじゃないかもしれませんけれども、大きな感動をちゃんと与えているか、正確、迅速で公平な番組になっているかどうか等々、質的な判断ということもNHKの番組にとっては大変重要なことであります。
 どういうような数値目標を立てればいいかということは、また質の判断の場合なかなか難しいんですけれども、大河ドラマだけに限って見ましても、私たちは、例えば歴史教育にどういうような視点を新たに投げかけられるであろうかとか、あるいはその地域の経済的な発展にどういうふうな寄与ができるであろうかとか、いろいろな視点から大河ドラマというものを考えております。
 そういう意味では、より多くの人に御覧いただくにこしたことはないんですけれども、そのような多様な視点でもって今後も大河ドラマを作ってまいりたいというふうに考えております。
○片山さつき君 今、大変いい御意見が出て、初めてそういう御意見NHKの方から伺ったと思いますが、歴史教育にどのような役割を果たせるかとか地域経済活性化にどのぐらいの効果があったかというのをNHKの番組で言っていただけるというのは非常に前向きなお話でございまして。
 今、国を挙げて訪日外国人を増やそうとしていると。日本版のDMOというのももう当たり前に町おこしでできていて、そのDMOのプレーヤーとしてその地域で番組を放送したり制作したりするもの、地域の放送局のみならずNHKもその中に入っていく形で連携をしていくとこれは非常に効果があると思うんですよ。韓国なんかはむしろそういう形で、さらにその先映画も作っちゃったりして、海外に売っちゃったりして、それでもってきているんでしょうね。一年もやっていればそのキャンペーン期間としては十分なんですが、そこまでのことがまだ、これだけの、何回も言いますが、これだけの受信料を入れてそこまでの展開がないのは非常に残念。つまり、スポンサーを取っている局ではできないですから、これは。ということを含めて、より日本版DMOの一員として、あるいは地域の積極的な自治体の戦略のステークホルダーの一員としてタイアップを進めていただきたいと思います。
 それから、これは提言なんですけれども、大河ドラマの最後の二分に、もう何十年か、地域を放送しているんですね。この地域ではこの現場はどうなっていまして、最寄りの駅は何分でどうやって行けますといって、きっかり二分で。その制作権限は全部NHKが持っておられるので、新たに観光ビデオを撮る必要がないんですね。それから、大河ドラマの場合も朝の連続ドラマの場合も、どういう番組であるかという番宣をもう作っていますから、それを一緒にして幾つかパッケージすれば、それだけで新たに作らなくても十分地域に来ていただけるための魅力の番組というのができるなというのを、このNHKワールドの大変すてきな立派な番組表をいただいて思ったわけでございます。
 今日は、もう一つの点としては、NHKワールドをいかにしてCCTVワールド、BBCワールドに負けないようにするかと。そういうふうな話をすると放送界の方には笑われるんですよ。数年前も笑われ、笑っていますね、笑われたんですが、少なくともCCTVに負けるというのはどういうことなのと。まあBBCは長いですよ、歴史が。ある程度、イギリスの経済力が落ちたって、BBCによってどれだけイギリスのレピュテーションが上がっているか分からないですよね。それができるだけのものがあるけど、じゃ、CCTVはそれが長いのといったら、長くないですよ。予算は恐らく膨大だと思います。
 私も海外に行くたびにNHKワールドも見ながらその両方を見るんですが、大変残念ですが、その国でアクティブに生きている人間がチャンネルを付け続けるとしたら、やっぱりNHKワールドはとてもそれに勝てないと思うんですよ。
 本当に二、三年前に比べて物すごく番組が多様化し、人気のある相撲も入るようになったんですよ。この間総理が、稀勢の里の最後のやつはもっと国際的に流すべきだと言っていましたが、相撲であればそれはNHKを見るでしょうからこれは明らかにプラスですが、国際番組を見る人が、例えばアジアやアフリカでどういう人かっていう視点が余りないんじゃないかと思うんですよ。つまり、クライアントファーストの視点。書いてあることは、要は、この目的のところにもNHKは国際放送で何を伝えると、それはいいんですけど、見てもらわないと、その番組を見て日本に来ようとは絶対思わないんですよ。
 どういう人が見るかというと、やはりビジネス的に瞬間瞬間の情報が欲しい人が家でもオフィスでもテレビを付けっ放しにしています。BBCのワールドとCCTVの番組表もいただいて比べましたところ、ニュースが多いというところはこの三つは一緒なんですが、ニュースの後が違うんですよ。CCTVの場合は、ニュースの後に必ず「ニューマネー」という番組を入れていて、まあ要するにもうけたい人に見てもらうんですね。BBCワールドでも、その後に「ワールド・ビジネス・レポート」とか、あるいは地域ごとに「アジア・ビジネス・レポート」、「アフリカ・ビジネス・レポート」、「アメリカ・ビジネス・レポート」と、これは人口の多い見てもらえそうなエリア三つを入れているわけですよ。CCTVも実は似たようなことをしていて、「アフリカ・ライブ」と「アメリカ・ナウ」、それにちゃっかりと「マイ・チャイナ」というのを入れているんですね。
 そこで、結局、日本に投資する人がなかなか増えない、で、中国の方はたくさん食い付くというのは、日本の経営者のインタビューが国際番組で少ないんですよ。それやってくれる人がいるとしたらNHKなんですが、そういうビジネス的なところとかマーケットのところに出ちゃいけないという何となく自己抑制があるんですか。というのは、放送法からは、ぎりぎりそれは多分大丈夫なんですよ。要するに、特定のメーカーとか特定の会社だけをやり続けるわけじゃないからです。
 その辺も含めて、国際商社で御活躍だった会長の目から御覧になって、どうすればもうちょっとNHKワールドはより注目が上がるかについてのお考えをお聞かせください。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 NHKといたしましても、NHKワールドTVを世界で御覧いただけるように一層努めてまいりたいと考えております。
 NHKワールドTVは、昨年二十八年十一月末には、およそ百六十の国と地域の二億九千百万余りの御家庭で視聴できる環境が整いました。また、インターネットの環境があれば、国内外を問わずパソコンやスマートフォンで視聴できるようになっております。
 NHKワールドTVは、現在、二十四時間英語ニュース情報チャンネルとしてスタートしてからちょうど八年たっておりますが、英語を母国語とし三十年前後の歴史があるCNNやBBCワールドニュースに比べても遜色はないと考えております。
 NHKとしては、今後も、内容の充実強化を図るとともに、アメリカや東南アジアなど重点地域を対象に積極的にプロモーションを実施するなど、アジアを代表する公共放送としての存在感を高め、より多くの視聴者の獲得に傾注してまいりたいと考えております。
○片山さつき君 遜色ないという、まあ遜色なくあろうという方針を持っていただくのは非常にいいんですけれども、多分、三菱商事で御出張の間に、じゃ、国際番組をテレビでひねって会長がNHKワールドだけを見ておられたのかなと、もう恐らくそうはなっていなかったんじゃないかなと思います。
 つまり、日本のビジネスについて一番正確で一番洞察力が深く一番早く伝わるのが日本の放送局じゃなかったら、余りにももったいないんですよ。だけど、現実はそうなっていないんですね。だけど、日本は今でも世界の三大マーケットの一角を占めておりまして、二十四時間取引で、向こうが開いていないときに開いているわけですよ。
 だから、そこに更に深めなきゃいけないのは、アジアやアメリカのビジネスやアジアやアメリカの社会問題について日本人の視点で英語でコメントできるキャスターが非常に少ないということですよ。ただ、それはもういないんだったら育てるしかないので、CCTVにその人がそんなにたくさんいるとも思えないので、仕方がないんですけれども、そうであれば、あるいは日本において国際的知名度があるようないろんな分野の方々を、たとえ英語がしゃべれなくても全部字幕付きでも定期的にコメンテーターとして出していただくとか、これだけの予算、三百億円近い予算を取っていますからできないことはなくて、あっ、この人が今この瞬間日本で、例えば震災後のいわゆるライフラインの問題とか、企業のビジネス・コンティニュイティー・プランをこう変えたんだというようなことについてトップがこう言っているということになれば、はっきり言って、それを見て、BBCでそれをやらなくてもまた投資しますよ。その意味の機能がほとんどないんですよ。
 でも、担うとしたら、だからNHKワールドには日経新聞的になっていただかないと、それはBBCやCCTVに追い付くことは、というか、視聴できる家が増えても、視聴率が高いというのとは全然違いますので駄目なんじゃないかなと思うんです。
 あと一つ、簡単にできることとしては、画面を比べていると、BBCは、英語のキャスターでも、あるいは英語のキャスターが街頭に出て様々なインタビューをイギリス人やあるいは英語をしゃべる方から撮っているときにも、必ず全部英語の字幕流しているんですよ。それは、やはり英語というのがしゃべられる人によって全く発音が違い、お互いに分からないことがあるということをよく分かっている国だからできるんですけど、NHKワールドはそうなっていないんですね。つまり、英語を聞いていても英語ネーティブの人でも分からないことがあるので、NHKワールドも見ていても分からない部分が恐らくあると思いますよ、相当うまい英語ですけれども。
 ですから、それは恥ずかしがらずに、アメリカの放送局でも、政治家が早口で言っていることとか街頭インタビュー、全部せりふを、英語で流れていても英語を流していますから、それからだけでも簡単にできると思うんですけれども、いかがでございましょうか。
○参考人(上田良一君) NHKワールドTVのニュース番組では、政治、経済、文化、科学など内容に合わせて専門家をゲストとして招き、解説などをお願いいたしております。こうした専門家による解説や的確なコメントはニュース番組において重要であり、今後更に効果的な方法を考えていきたいと考えております。
 また、NHKは今の経営計画で「日本を世界に、積極的に発信」を重点に掲げておりまして、英語を母国語としチャネルの目的や性格などが異なるBBCワールドニュースとの比較は困難ではありますけれども、二十五年以上の歴史があるBBCワールドニュースには、今先生が御指摘なさったような点も踏まえまして、公共放送が実施する国際放送の先駆者として学ぶべき点が多々あると考えております。今後、さらに、NHKの強みであります日本やアジアでの取材力を生かして、アジアを代表する公共放送として存在感を高めてまいりたいと考えております。
 世界各地から寄せられる意見や評価なども参考に、今後も更なる充実に努めてまいりたいと考えております。
○片山さつき君 来年には、少なくとも字幕は直っていることを期待したいと思います。
 ありがとうございました。
○古賀友一郎君 自由民主党、長崎県選出の古賀友一郎でございます。
 上田良一会長となって初めてのNHK予算の審議でございます。
 上田会長、まずもって御就任、誠におめでとうございます。特に会長は長崎県の御出身ということでございまして、私と同郷でいらっしゃいます。一層NHKが身近に感じるわけでございますが、今日は親近感を持って質問させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。
 まず、基本的に私はNHKは非常に良い番組を作っておられると思っております。特に近年、Eテレの充実ぶりは非常に著しいなというふうに、非常に楽しく拝見させてもらっております。それから、政治的中立性についても、いろんな意見はございますけれども、私の見るところ、他のマスコミに比べますと非常に気を付けてやっておられるなというふうには感じております。
 そういうことで、番組内容に特に不満はないわけでありますが、一つ、せっかくの機会ですので提案させていただきたいと思います。
 それは、今、片山先生から国際放送の戦略をるるお話ありましたけれども、是非私も、この国際放送を使いまして被爆の実相というものを世界に向けて発信するような、そういう番組って作れないのかなというふうに思っております。世界百六十か国、約三億世帯に発信しているという発信力を生かして、そういう番組、特に感覚で分かるような映像、やっぱり映像の力ってすごいと思うんです、そういった番組が作れないかなというふうに思うわけです。
 折しも今週から国連で核兵器禁止条約の交渉会合が行われておりますけれども、核保有国は参加していませんで、どうも実効性ある条約にはなりそうにはございません。唯一の戦争被爆国である我が国も参加しなかったというのは、また個人としては大変残念に思っているわけでございますけれども、しかし、この条約がどうなるにしても、この先この核兵器廃絶の取組は長く続いていくというわけであります。そのときに、やっぱり一番の推進力になるのは国際世論の力、特に核保有国内の世論の高まりではないかなと、こういうふうに思うわけであります。
 米国では、広島、長崎への原爆投下を正当化する世論が依然根強いわけでありますけれども、それでも若者を中心に徐々にそう思わない人も増えてきているということで、昨年のオバマ大統領の広島訪問が実現したのもそういった世論の変化が背景にあるものというふうに思います。
 昨年四月には、米国の現職閣僚で初めて広島の平和記念公園を訪問されましたケリー国務長官は、原爆資料館を見学した直後の記者会見で、展示を見て、胸をかきむしられ、感情を揺さぶられたとコメントされました。米国の閣僚ですら写真や映像を見れば心を動かされるというわけでございます。いわんや一般の人々をやというわけでございますが、是非そのような番組を放送していただきたいなというふうに思うわけですが、上田会長の御見解をいただければと思います。
○参考人(上田良一君) NHKの国際放送、すなわちNHKワールドでは、毎年八月の広島、長崎の原爆の日を中心にいたしまして、被爆の実態や核兵器の廃絶に向けた取組をニュースや番組で積極的に発信いたしております。
 アメリカのオバマ大統領の広島訪問で世界的に注目を集めた昨年は、NHKワールドTVで広島、長崎の平和式典を中継で伝えたのを始め、分厚く放送いたしました。とりわけ長崎原爆の日は、午前十一時台を中心に特別ニュース番組を編成したほか、夜の大型ニュース番組でもキャスターが現地に出向いて核兵器廃絶を願う被爆地の思いを伝えました。ニュース以外にも、広島の惨禍を世界に伝えることに尽力した人物を描いたドキュメンタリーや原爆の実態に迫った記念映画など、連日多くの番組を発信いたしました。
 唯一の被爆国である日本から被爆の実態や核廃絶の願いを伝えていくことは日本発の国際放送の重要な役割であると認識いたしておりまして、今後も継続的に発信してまいりたいと考えております。
 このように、毎年世界に向けて核兵器や平和について考えるニュース、番組を放送いたしておりますが、長崎を最後の被爆地という思いは私も変わりません。具体的な番組の扱いは現場に任せておりますけれども、唯一の被爆国の公共放送として今後も世界に向けて平和の尊さを伝えてまいりたいと考えております。
○古賀友一郎君 大変前向きな力強い御答弁をいただいたと思っております。まさに公共放送の重要な役割という、本当に確かな御答弁をいただきました。
 私申し上げたいのは、感覚的に分かるというところが重要だと思うんですね。映像を見て背筋がぞっとするというような、こういう感覚ってやっぱり重要だと思うんです。そういった意味で、このテレビの果たす役割は非常に大きいなと思っております。まさに百聞は一見にしかずというわけですが。私も長崎市役所のOBでありますけれども、広島、長崎ではこの被爆の実相を伝える地道な努力やっているんですけれども、やっぱりここはNHKさんのお力をお借りすることができれば、大変これは心強いと思います。もちろん政治的な中立性には十分気を付けながらということだと思いますが、是非今後ともよろしくお願い申し上げたいと、このように思います。
 続いて、NHK最大の課題ともいうべき受信料の問題についてお伺いをしていきたいと思います。
 NHK受信料は、テレビを設置したら、NHKを見ようが見まいが契約締結義務が発生をして受信料を払うということになるわけでありますが、昨年度末の時点では、契約対象となる世帯や事業所のうち、実際の契約率は七九%、実際の支払率は七七%という状況でございます。
 そこで、まず伺いたいのは、契約はしているけれども支払が滞っている滞納件数と滞納金額について、昨年度末の段階でどれほどあるのか、また件数と金額のピークについても併せてお教えいただきたいと思います。
○参考人(松原洋一君) お答え申し上げます。
 平成二十七年度末において受信料の支払が滞り未収となっている件数は百十万件、金額は一千四百五十三億円となっています。
 これまで未収となっている件数が最も多かったのは平成十七年度末の三百五十九万件、金額については、平成二十四年度末から集計をしており、最も多かったのは平成二十四年度末の一千七百六十四億円でございます。
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 ピーク時からするとかなり減らしてこられているという努力は、大変これは評価に値するとは思います。ただ、ちょっと一件当たりの金額は増えているようでもございますし、やはりこの一千四百億円を超える滞納金額というのは巨額でありますから、この縮減には引き続きしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 そして、それ以上にやっぱり問題なのは、そもそも契約を結んでいない世帯が二一%もあるという部分でございます。NHK自身の世論調査でも、十四項目の経営指標の中で最も評価が低いのがこの受信料の公平負担の項目であるということでございまして、実現度は三三%というわけで、NHKに対する最大の不満がここにあるというわけであります。
 NHKも、これまで毎年一ポイントずつ支払率を上げてきておられまして、大変努力はされておられます。来年度は八〇%まで引き上げるということを目指しておられるということですが、そのための取組として外部法人への委託を進めていらっしゃるというわけですが、どういった法人にどういうような業務を委託されているのか、お伺いしたいと思います。
○参考人(松原洋一君) お答え申し上げます。
 法人委託には、地域を担当し戸別訪問により契約収納業務を行う法人と、CATV事業者や引っ越し会社、不動産会社など、各事業者の業務に合わせて契約収納業務を行う法人があります。
 地域を担当して訪問活動を行う法人には公開競争入札によるものなどがあり、その地域における契約収納業務全般をお願いをしています。また、CATV事業者には、加入者への衛星契約の勧奨、受信料収納の取りまとめ業務を委託しています。引っ越し業者や不動産業者には、転居や入居時の住所変更等の取次ぎをお願いしているということでございます。
○古賀友一郎君 いろいろ手を尽くして支払率を高めようというふうに努力をされているというわけで、その御努力には本当に敬意を表したいと思いますけれども、その一方で、まあ行き過ぎの事例も見られるというわけでございます。
 先月ですね、長崎放送局が受信料徴収業務を委託していた佐世保市の業者が不正な契約を取っていたという事実がございまして、これは高市大臣が記者会見で明らかにされたわけであります。私のこれ地元でもございますし、本当に大変残念に思いました。
 これを受けましてNHKは、不正徴収の実態を把握するための全国調査を実施するとのことでありますけれども、いつまでにどういう調査をしようとされておられるのか、またその被害を受けられた方々に対してどのように対応されるのか、お伺いしたいと思います。
○参考人(松原洋一君) お答えいたします。
 長崎の委託先事業者が訪問先のお客様に対し不正な契約取次ぎを行ったことについて、お客様に御迷惑と御心配をお掛けしたことを心よりおわび申し上げます。
 訪問要員の不正事案に関する全国調査は、今月下旬からもう開始をしています。内容としては、放送等を通じて視聴者に、契約内容に不明な点があれば御連絡いただくよう呼びかけています。それと同時に、衛星契約者に対して改めて契約内容を確認するはがきをお送りし、不明な点があれば御連絡をいただくようお願いをしているところでございます。その上で、その連絡等に基づいて、全国の全事業者及びその社員と地域スタッフに対して個別に同様の不正がないか調査を行う予定にしております。結果については五月末までに取りまとめる予定であります。まとまり次第、速やかに公表をしたいというふうに考えております。
 なお、長崎において既に不正な取次ぎが判明した八件のお客様に対しては、おわびを申し上げるとともに、いただき過ぎの受信料については返金の処理をさせていただいております。また、今後の調査の結果新たな不正取次ぎが判明した場合は、速やかにおわびをするとともに、返金等の手続を適切に行いたいというふうに思っています。
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 幾ら支払率を引き上げるためとはいえ、国民との信頼関係を損ねてしまってはもうこれは元も子もございませんので、この調査結果を踏まえまして、関係者の厳正な処分、それから被害者への適切なフォローを強くお願いしたいと思います。
 それから、あわせまして、現場が無理な徴収を強いられていないのかどうかという点も併せてちょっと分析をしていただきたいなというふうに思うわけであります。
 といいますのも、もちろんこれは再発防止の意味合いもございますけれども、私は、今回の事件の中に、よりその根本的な課題が潜んでいるように感じるわけであります。それは、まさに先ほど大沼理事の御指摘がありましたし、上田会長からも御答弁はあったんですけれども、納得して支払っていただくというこの納得性の問題、これがやっぱり大変基本だというふうに思うわけです。納得していない方に契約をしてもらおうと思えば、まあ勢い強引な手段も辞さないというようなことになりがちですし、今回のような不祥事につながりやすくなる、そういう背景になるんじゃないかなと思うわけであります。
 そしてまた、これから、今八〇パー目指しておられますけれども、この支払率をですね、その次の八五パーとか九〇パーとか九五パーとか、こう引き上げていこうということを考えた場合に、やっぱりこの納得性のレベル自体を引き上げていくというのは大変重要なことだというふうに思うわけであります。
 例えば、水道料金だと徴収率はほぼ一〇〇%の水準ですね。あと、国民健康保険は、これは健康なときにはちょっと有り難みが感じられないのか分かりませんが、少し下がって九割程度ということですが、高い水準は誇っています。他方、国民年金については、特に若い人にはぴんとこないのかもしれませんし、あるいは払った分もらえるのかという不安もあるのかもしれませんが、徴収率は現年分で六割程度、過年度納付分を合わせましても七割弱と、かなり苦戦をしております。こうした徴収率の水準というのは、いずれも料金に対する納得性が反映されている結果ではないのかなというふうに私は思っているわけです。
 では、NHK受信料がどうして八割弱の水準に甘んじているのかといえば、もちろん原因は一つじゃないと思いますけれども、主な要因というのはその分かりにくさに潜んでいるんじゃないかなというふうに思うわけです。
 つまり、一見受信料というのはNHKを視聴するサービスの対価のようではありますけれども、実際NHKを見ない方々からもいただくわけですから、そうではないわけです。しかし、かといって、国民みんなからいただくかといえばそうでもなくて、受信設備を設置した人だけが対象になるというわけで、どうしてテレビを設置しただけでNHKを見ない人まで受信料を払わないといけないのかという疑問をどうしても突き付けられてしまうといった背景があると思います。
 この受信料の法的性格については、NHKの維持運営のための特殊な負担金と、先ほど会長も特殊な負担金という表現を使われましたけれども、そういうふうにされておりますけれども、これは徴収される側からいたしますと、特にNHKを見ない人にとってはどうもよく分からない料金となってしまっているのではないのかなというふうに思うわけであります。
 受信料の徴収の現場でやっておられる方は日々御苦労されていると思うんですけれども、この受信料を徴収する理由について、NHKのホームページを拝見しました。「よくある質問集」というコーナーですが、そこに書いてあるのは、いつでもどこでも誰にでも確かな情報や豊かな文化を分け隔てなく伝えるのが公共放送NHKの役割であって、特定の勢力、団体の意向に左右されず、視聴率競争にも巻き込まれずに公正で質の高い番組を提供するためだといった趣旨の説明がなされております。
 確かにそのとおりだと思います。そのとおりだと思うんですけれども、どうも徴収する側の事情を説明しているだけのように聞こえるというのは否めないと思うんです。結局、やや説明するときに舌をかんでしまいそうなそういった事情というものが、やはり徴収の現場でトラブルが起こりやすい背景にあるんじゃないかなというふうに私は感じております。
 念のために申し上げておきますと、私は、NHKを見る人だけが受信料を払う仕組みには反対であります。確かに納得性は満たされますけれども、視聴率を取れる番組作りに迎合してしまって、成熟した判断力を有する社会の構築に貢献するというNHKそのもののそもそもの存在意義が薄れてしまうんじゃないかなということを危惧するからであるわけです。したがって、NHKを見る見ないにかかわらず負担金をいただくという考え方を維持しながらも、どうやってこの納得性を高めていくのかということで、かなり根本的な課題だと思います。
 折しも、NHK、それから総務省、それぞれで受信料の在り方について検討中ということで、考えておられるようでございますが、こうした非常に根本的なテーマなんですが、是非そういった場でもお考えいただく方がよいのではないかと私は思っておりますけれども、これは会長と高市大臣と、それぞれ御見解をいただければと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 公共放送であるNHKは、その存在意義を視聴者・国民の皆様に御理解いただいて、特殊な負担金とされる受信料を、先生何度も御指摘のように、納得してお支払いいただくことで成り立っていると考えております。
 その上で、NHKといたしましては、メディアや社会の環境変化などを踏まえ、受信料制度とその運用の在り方について検討することが必要だと考えまして、私の諮問機関といたしまして外部の有識者によるNHK受信料制度等検討会というのを二月に設置いたしました。その中で、公平負担徹底の在り方や常時同時配信の負担の在り方などについて検討をまさに始めたところであります。
 今後、その結果を踏まえながら、NHKとしても視聴者・国民の皆様に御納得いただける受信料制度の在り方を引き続き検討してまいりたいと考えております。
○国務大臣(高市早苗君) 受信料の公平負担の徹底につきましては、まずはNHKにおいて現状の分析、そして課題を整理していただいた上で具体的な方策を検討していただきたいと考えておりまして、その旨は、平成二十九年度NHK予算に付させていただいた総務大臣意見でも申し上げております。また、総務省でも、放送を巡る諸課題に関する検討会において、現在、業務、受信料、ガバナンスの三位一体でのNHK改革について御議論をいただいております。
 この受信料の公平負担を徹底するための方策につきましても、NHKでの検討結果も踏まえながら議論をしっかり進めていくことが必要だと考えております。今の古賀委員の御指摘を踏まえまして、やはり常に国民・視聴者の皆様の納得感、ここを大切なものとして念頭に置きながら、丁寧にしっかりと議論を進めさせていただきます。
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 いずれにしても、なかなか、非常に根本的過ぎるが余りに、やっぱりすぐ結論が出るような問題ではないとは思うんです。ないとは思いますけれども、やはりNHKが発足してからもう六十年以上たつという中で、また、放送・通信環境も大きく、インターネットに代表されるように変わってきていると。折しも、インターネットの常時同時配信ですね、この問題が浮上してくる中で、本当に受信料の在り方、そもそも受信料と呼ぶことがふさわしいのかどうかということも含めて、どうやったら納得してもらってきちんと納めてもらえるような納得性の高い負担金になるのかどうかということは、これはまさにこれからの新時代のNHKのまさにベースになる課題だと、このように思うわけでございまして、そういった観点から、是非、良い機会だと私は思っておりますので、そういった検討をしっかりと行っていただきたいと、このようにお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(横山信一君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時四十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(横山信一君) ただいまから総務委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○江崎孝君 午前中の自民党の皆さんの質問を聞いていて思うんですけれども、やはり昨年とは全く打って変わった、ある面では緊張感がないとは言ったら表現悪いんですけれども、ぴりぴりした感覚がないというのを正直聞いていて思いました。それは決して悪いことではないんですけれども、いいことでもないような気がいたします。これから野党の質問になりますけれども、やはり我々としても相当期待感は大きいわけであります。その意味で、私は今から公共放送の理念というのを中心にお話をさせていただきたいと思うんですが、やはり是非、上田会長、石原委員長、それぞれ新しく頑張っていただいているわけでありますから、これまでのNHKの前会長の三年間、それから新しく始まるということで、是非緊張感を持って経営、運営に当たっていただきたいということを冒頭お願いを申し上げておきます。
 さて、午前中の質問の中で、受信料の関係で特殊な負担金という表現を会長は使われました。そして、納得して納めていただかねばならないということでありますけれども、私が知っている限りでは、NHKのこの受信料の徴収の仕方あるいは契約のやり方というのは非常に国際的にもまれな制度ではないかというふうに理解をしております。
 よく比較されるBBCは、御存じのとおり、罰則規定、極めて厳しい罰則規定でございます。フランスの公共放送は、サルコジ大統領時代に、これ税金というか、国が徴収するというこういうシステムになって、一旦国庫に納まって公営放送の方に支出をされるという、こういう状況であります。お隣の韓国は、これ電気料に上乗せして徴収をするということですから、まあ大なり小なりこういう状況が世界の公共放送の受信料の徴収の仕方、極めて国が関与をするという姿勢が強いだろうと思います。
 その中で、今日も、訴訟が起きて朝日新聞にもニュースが出ていたようですけれども、日本のNHKの受信料の契約というのは、法的には義務化、なっていますが、まあ払わなければならない、罰則規定はありません。ですから、そこに何が存在をするかというと、むしろNHKの努力義務を課せている国民・視聴者の皆さんに信頼をどうつくって、その信頼に応えることでNHKの存在を認めていただいて契約をしていただくという、ある面では、世界の公共放送から比べればこのNHKの受信料の契約、徴収の仕方というのは非常に面倒なシステムと言っていいと思います。
 これをあえて何十年も維持し、さらに、この面倒なシステムの中で受信率を上げようとされているのはどういう思いなのでしょうか。そのことを、会長のお考えをお聞きしたいと存じます。
○参考人(上田良一君) NHKのよって立つところは、視聴者の皆様の信頼ということであると思います。その信頼を得るためには、放送法やNHKの放送ガイドラインにもありますとおり、報道機関として不偏不党の立場を守り、番組編集の自由を確保し、何人からも干渉されないという大原則を役職員が一体となって貫いていくことが必要だと考えております。放送の自主自律を堅持することが信頼される公共放送の生命線だと考えておりまして、今先生が御指摘がありましたNHKの受信料制度は、この自主自律を堅持し、信頼される公共放送を守るための最も大事な部分ではないかというふうに考えております。
○江崎孝君 おっしゃるとおり、やはり非常に世界から見たら面倒過ぎるようなこのシステムがあるからこそ、NHKと国民の信頼というか、そこが大きなきずなにならなければならないと。
 BBCだったり、これはBBCは、これは結構国から関与されるシステムになっている。これ、免許制度です。今回の免許制度の更新のときに、実に七十五歳以上の方が、お年寄りがいらっしゃる世帯からはBBCの放送受信料は政府が肩代わりしていたんですね。これを次回から、次の免許更新のときからもう政府は肩代わりしないということになって、これ二割以上の減収になるわけです。やはりBBCというのは、経営の方には結構国は関与してきます。しかし、報道に関してはこれはしっかりと政治と対決をする、対峙をするという、そういう思想性が貫徹されているわけですけれども、そういう意味からいって、日本のこの受信料の特殊性というところは、何回も申しますけれども、国民とNHKの信頼関係なしには成り立たないものでありますから、そこは是非堅持をして追求をしていただきたい。
 石原経営委員長にもお話をお聞きしたいと思うんですけれども、この経営委員というシステムも余り世界にはないように私は存じます。NHKの経営委員の在り方、経営委員会が会長を選任をしてNHKの経営、運営を委ねて、それを管理監督をするという、こういう立場、そこを規制をするという、管理をするという状況になっていますけれども、経営委員会の委員長として、この経営委員会の監督責任、経営委員会がある理由は何だとお考えでしょうか。
○参考人(石原進君) お答えいたします。
 経営委員会の役割ということでございますが、NHKは、先ほど委員がお話ありましたように、受信料で支えられている公共放送でございます。そういったNHKにとって何よりも重要なのは視聴者・国民の皆様に信頼されることだと考えております。
 経営委員一人一人が国民の代表である国会の同意を得て任命されたという重い責任を深く自覚して、放送法に従い、公共放送NHKが視聴者・国民の皆様の信頼によって成り立つ経営ができるよう監督していくことが経営委員会の役割だと認識しております。
○江崎孝君 是非、石原委員長、その思いで、これは籾井会長の経営の在り方、そこに国民との信頼を醸成をする、あるいはそれを少々疑わせるようなもし経営があれば、それは経営委員会としてしっかりと管理をしていただきたい、指導していただきたいと思いますし、決してそこはなれ合いの立場ではなくて、お互いが牽制をし合うというそういう側面で是非、両方の御尽力に懸かっていると思いますから、御努力をお願いをしたいと思うんですね。
 前会長が、非常に政治的にいろんな意味で厳しいときに前会長は会長に就任されたというふうに思います。当時、私が記憶するのは、経営委員会の委員の皆さんにも、同意人事が全会一致でなかったという状況の中で経営委員のメンバーが選ばれて、どちらかというと、これはどちらかというとということで言わせていただくと、官邸寄りではないのかというようなそういう人選があった後、そして籾井会長が会長になられたわけであります。
 そのとき、会長は何を思われたのか、記者会見で、政府が右だと言うことを左とは言えないというお話をされました。これが混乱の発端だったというふうに私は認識しているんですが、本来、前会長、この辺の御認識が少し甘かったと、私はそう思います。右と言うことを左と言うわけにはいかない、これは当たり前の話でありまして、政府が右と言っていることをNHKが左と言うことはこれは事実を伝えないということでありますから、これは正直に伝えなきゃいけない。問題は、政府が右と言っている事柄があれば、それとは違う反対の考え方がある人たちがあればそれも事実と一緒に報道するという、この事実を報道するという姿勢を貫くことだろうというふうに思うんですね。
 そこで、前回の、ちょうど一年前のこの席でも僕は例に出したんですが、先ほどBBCの話をしました。今日午前中、片山委員もBBCの例を出されたんですけれども、やはり世界に冠たるBBC、学ぶべきものは相当あるというふうに思います。BBCといえども、やはり政治に左右される場合は幾度もありました。特にサッチャー政権というのは、特に政権と対峙をしていくという非常に重要な局面を迎えています。いろいろあるので、北アイルランド紛争のときもそうでした。その中で僕が例を出したのは、いわゆるフォークランド紛争、アルゼンチンではマルビナス諸島と言われているフォークランド諸島、アルゼンチンとイギリスとの戦争のことであります。
 当時、サッチャー政権は、厳しい戦地の現状を国民に見せることは国民の戦意を低下させ、軍事行動への支持を喪失させると懸念をしたわけであります。これは当たり前だと思います、国の最高責任者であれば。国が戦争をやっているわけですから、それを生々しい状況を見せるということは国民の感情をやはり反対の方に向かわせる、これは当たり前だと思いますけれども。これはベトナム戦争等のときにアメリカの国内の報道で、事例で明らかになったので、サッチャーさんは当時、テレビ番組がイギリスとアルゼンチンを平等に取り扱っており、イギリスの政策が十分反映されていないと非難をするわけであります。
 そのときに、当時の代表であったイアン・トレサワンという会長、ちょうどそのときの会長ですね、この方が保守党の議員に何と言ったか。これは水野道子さんという、「イギリスにおける放送の公平性」という論文からの引用ですけれども、BBCは中立ではないが、イギリスのような民主主義とアルゼンチンのような独裁体制の違いの一つとして、我々は国民が真実を聞くことを希望するならば、たとえどのような不愉快な事実であろうと聞くことができることである、つまり、不愉快な現実でも、国民が。フォークランド紛争に対して、当時はイギリス国内でも賛否両論ありました。ですから、国の要望だけじゃなくて戦争に反対する国民の声もきちっと反映をした報道をすべきだということで、戦争という極めて厳しい中でそういう姿勢を貫くわけです。やっぱりこれ、いろいろな意味で政治に押されていくわけでありますけれども。
 その中で、BBCの日本の研究で結構有名な「公共放送BBCの研究」という本の中で、柴山さんという当時の桃山学院大学の教授の方が、BBCの在り方についてこういうふうに言われています。一旦戦争が始まると交戦国の数だけ国益が生まれる。国益は民衆の利益でもあり、権力者の利益でもある。民衆の利益と権力者の利益が反するときには民衆の利益を優先させるというのが公共放送としてのBBCの変わらない姿勢であり、戦争報道もその基本的姿勢に沿ったものであり、BBCの戦争報道が国際的に高い評価を得てきたのは、BBCの経営幹部と報道に携わる者たちの一人一人がどのような局面にあっても事実を伝えるという基本を貫くことによって歴史と実績を積み重ねてきたからにほかならないと、こういうふうに言われています。私も賛同いたします。非常に戦争という極めて危機的な状況にあっても中立性あるいは事実の報道を貫き通すというこの姿勢が、世界的にBBCが今評価をされているということに尽きるだろうというふうに思います。
 私は、もう一つの公共性というのは、不偏不党を貫くだけじゃなく、公正中立を貫くだけじゃなく、時の権力、まあある面では政治だと思いますけれども、そことどれだけ対峙あるいは距離を置くかに、いうことだろうと思います。
 BBCのこの姿勢に対して、上田会長、どういうふうに思われますか、率直な御感想を。そして、もしその感想から先にNHKのこれからの運営に役立つものがあれば、それもお聞かせください。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 今先生の方からBBCのお話が出ましたが、同じ公共放送として学ぶべきことが多々あると思いますので、私の方でもしっかりそういうことも学んでいきたいと思いますが、NHKは、公共放送として憲法で保障された表現の自由の下、正確で公平公正な情報や豊かで良質な番組を幅広く提供し、健全な民主主義の発展と文化の向上に貢献する役割があるというふうに認識いたしております。
 この役割を果たすためにも、報道機関として不偏不党の立場を守り、番組編集の自由を確保し、何人からも干渉されない立場を堅持する必要があると考えております。ニュースや番組が外からの圧力や働きかけによって左右されてはならず、放送の自主自律を堅持していくということが極めて大切だと認識いたしております。
 政治上の諸問題の扱いは、あくまでも公平公正、自主自律を貫き、何人からの圧力や働きかけにも左右されることなく、視聴者の判断のよりどころとなる情報を多角的に伝えていくということが役割だと認識いたしておりまして、その認識を基に今後の執行の任に当たっていきたいというふうに考えております。
○江崎孝君 すばらしいお話をいただいたというふうに思います。
 これは、会長がそういうふうに思われていても、現場現場がどう判断をするのかということもあると思うんですね。
 そこで、昨年の、ちょうど一年前、三十一日になりますが、当時の会長と放送局長にお話を聞いたことがございます。お手元に、私、というか前回出させていただいた「NHK「ニュースウオッチ9」が報道しなかった事項」という一枚物の資料があると思います。今日テレビ入りで、深夜にもかかわらず見ていらっしゃる方が少なからずいらっしゃるということで、ここにもパネルを用意してきました。(資料提示)
 これは、そこに書いてありますとおり、放送を語る会という会が、もちろんボランティアですけれども、「安保法案テレビニュースはどう伝えたか」という小冊子、ブックレットを出しています。そこからの引用ですけれども、コピーですけれども、本当に皆さんたちが五月から、一昨年の五月ですね、五月から安保法制が参議院で採決されるまでの間、九月の二十七日まで約五か月間、緻密に報道の内容を見てリポートされて、それをまとめられたこれ冊子なんですね。
 当時、御承知のとおり、安保法制というのは国民を二分する大論議の、もちろん国会でも、自民党の皆さん方も御存じのとおり、大論議がありました。国会も大幅延長になった、戦後極めてまれに見る大論争の政治イシューだったというふうに私は考えています。そこに、別に自民党さん云々、民進党どうの、それぞれの野党どうのということじゃなくて、客観的に事実を見られた方たちのこれは表なんですね。
 例えば、五月二十日、ポツダム宣言について当時の、当時というか今も総理ですけれども、安倍総理は党首討論で、つまびらかに読んでいないという、こういう発言をされました。これは「報道ステーション」。NHKの「ニュースウオッチ9」と比較する民放の報道番組というのは「報道ステーション」若しくは「NEWS23」ぐらい、この三つの状況ですけれども、これは御存じのようにNHKは報道していないんですね。
 その次、六月一日、これも非常に当時ではニュースになりました、中谷当時防衛大臣が、日本に対して攻撃の意思のない国に対しても攻撃する可能性を排除しない、つまり集団的自衛権の一端を述べられたわけでありますけれども、これも報道されておりません。
 同じ日に同じ中谷防衛大臣、イスラム国に対し有志連合など行動する場合、後方支援は法律的に可能との中谷防衛大臣の答弁、これも「NEWS23」、「報道ステーション」はちゃんと事実を報道しているんだけれども、残念ながらNHKは報道をしなかったというのがずっとあるわけです。
 もちろん、ここに言う衆議院特別委員会の採決について強行という表現を使うか使わなかったか、これはそれぞれ局によってどういう表現を使うかというふうなことはあると思います。
 私はこれを質問をしたとき、当時の放送局長でいらっしゃる板野専務理事は非常に、私からすると非常に、余り質問の趣旨を捉えていらっしゃらない表現を、回答をしていただきました。そこには、こう言われたんですね。「ニュースや番組で使う言葉や表現につきましては、視聴者の分かりやすさなどを考慮して現場が適切に判断して決めているところだと思っております。」と、こういう回答だったんですね。もちろん、ほかにもありますよ。これはどう見ても、私は表現のことを言っているわけじゃないんです、言葉のことを言っているわけじゃないんです、放送の内容のことを言っているわけです。そして、これは私の恣意的な意見ではなくて、客観的に国民の皆さんの一部の方が調査をした内容なわけであります。
 先ほど会長がおっしゃった公共放送としての在り方からすると、この表の在り方、あるいはその当時の、二年前のあの激動の政治情勢の中でのNHKの報道の在り方について、正直、国民の皆さんは少々不信感を抱いている方が相当いらっしゃったことはこれ事実であります。そのことに関して、当時の報道の在り方も含めて、そのときのこの表も含めて、これどうでしょうか。これは率直な会長の感想をお聞きいたします。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 NHKのよって立つところは、視聴者・国民の皆様の信頼であるということであると思います。これが何よりも重要だと考えております。この信頼を得るためには、報道機関として自主自律、不偏不党の立場を守り、公平公正を貫く、この姿勢を堅持していくと私は決意いたしております。
 NHKは、国際番組基準におきまして、政治上の諸問題は公正に取り扱う、意見が対立している公共の問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにし公平に取り扱うと定めております。こうした番組基準の考え方にのっとってニュース、番組の制作と報道に当たっていくということを徹底させたいというふうに考えております。
○江崎孝君 ありがとうございます。
 是非そのことを貫いていただきたいと思いますし、ゆめゆめ、また同じように国民の皆さんがこういう報道に対して対応を取らなくてもいいような状況、取らなくていいように御努力をお願いしたい。これは、一年後必ず検証できますので、是非努力をお願いしたい。
 もう一つ、公共放送の使命には、地域の活性化という意味が僕はあるように思います。会長は、余り、初めてと聞きますけれども、五十三ある地方局を全て回られたというふうに聞いております。時間がありませんので、ちょっと幾つか質問割愛をさせていただきたいと思うんですけれども、その中で、今、政府、自民政権は地方創生ということを強く、我々も賛成をいたします。ネーミングはどうあれ、地方が活気を持つということは非常に重要なことだろうと思うんです。
 その地方創生の在り方の中には、雇用を増やす、あるいは新しく起業する、あるいは地域で消費を喚起する、人口を増やすということが言われていますけれども、やはり僕はその中に地域、地方の文化の発信、これが非常に重要だろうと思うんです。トータルすると圧倒的に東京中心の情報が流され続けている、その中でNHKは、公共放送の役割と、一つとして、地域でどういう放送あるいはネットワークを講じるかというのが大事だろうと思うんですが。
 そこで、これは政府にお聞きしますけれども、今現在、地方にはコミュニティーFMとかあるいはケーブルテレビとか、様々なコンテンツが地方では今頑張っているやに聞いていますし、私も地元でそういうものに接しております。そこを今後どう生かしていくのか。もっと言えば、NHKの地域での放送の役割として、そういうコミュニティーFMあるいはケーブルテレビ等々とどういう連携をして地域の情報を掘り起こしていくのか。あるいは、それをむしろ地方から世界に、全国に発信をしていくような、そういう新しい試みがやられていますけど、もっともっとやるべきだろうと思いますけれども、これは政府参考人にお伺いします。どのような今状況で、どう考えていらっしゃいますか。
○政府参考人(南俊行君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、ケーブルテレビでありますとかコミュニティーFMといった地域に密着した放送事業者とNHKの地域の放送局との間では、今でも災害情報等のニュースの素材を共有したり、あるいは地域イベントを一緒に開催してその模様をお互いに放送するといった連携事例がたくさん生まれてきているというふうに考えております。
 個々の放送事業者の自主的な取組というのが前提ではございますけれども、こうした取組というのは地域のニュースや文化の発信力を高めまして、災害対応ですとか地域活性の観点からも大変望ましいというふうに考えてございます。
 予算に付します総務大臣意見の中でも、地域の関係者と連携することによって、地方の魅力の紹介及び地域経済の活性化に寄与するコンテンツの一層の充実及び国内外に向けた積極的発信に努めることというふうに指摘をさせていただいているところでございますので、NHKにおかれましては更に地域の放送会社の皆さんと連携を深めていただきたいというふうに期待をしております。
○江崎孝君 今おっしゃったとおり、放送を巡る諸課題検討会でもそういう話になっていますし、是非そこは、こういう放送の分野での地方創生という視点の中でNHKとの協力をどう図っていくのかというのをしっかりお願いしたいと思うんですが。
 そこで、これ、松本前々会長の時代からの全体最適という言葉で、どちらかというと私は地方の放送局の人数を、地方の放送局から人を東京に集めるみたいな方向に今なりつつあるのではないかなという思いがしている一人でございます。
 事実、これは古いんですけれども、一九七九年、全員が一万六千九百二十人だったのが、職員が一万二百四十二人まで減っています。しかし、この間に何が起きているかというと、衛星放送が開始されました。番組編集内容も物すごく拡大しました、もちろん安全の面も含めて。インターネットの業務も拡大をしています。業務はすごく拡大をしているんですけれども、その分確かに中央に集められたかもしれませんが、地方におけるNHKのそういう力が落ちているのではないのかというのを危惧するわけですね。
 そこで、五十三地方局を回られた会長のやっぱり見識を、あるいは現実を聞きたいと思うんですけれども、やはり私は、今番組を出しているのが八対二で東京だというふうに言われています。技術職場も関連団体を中心に大分外に出されている。特に現場が厳しいのが営業職場。これ、不祥事以降、二五%の職員削減だと言われています。気になった報道に関してNHKにお願いをして、地方の放送局が縮小していないのか、あるいは記者の皆さんが減っていないのか、これをちょっと調べてもらったんですけれども、やっぱり記者の皆さんについてはこれ減っていないんですね。これは非常に重要なことだと思うんです。僕はこれ安心したんですけれども。
 これ、正直言って、もう全体最適が五年です。そろそろ切れます。全体最適後、ポスト全体最適というふうに言って僕はいいと思うんですが、それに関して、五十三地方局を歩かれた、訪問された会長、そして今、政府・自民党も含めて地方創生という枠組みでの地方の活性化を目指しているわけでありますから、そこに公共放送としてどう役割を見出してその責任を果たそうというおつもりなのか、それを最後にお聞きして、私の質問を終わります。
○参考人(上田良一君) 今の御質問にお答えいたします前に、申し訳ありませんが、先ほどの私の答弁の中で、本来国内番組基準と申すべきところを国際番組基準と間違って申し上げましたことを、おわびして訂正させていただきたいと思います。
 今の御質問ですが、全体最適の改革は、取材・制作力を強化し、スーパーハイビジョンやインターネットを活用した新しいサービスに対応する要員を確保するために、本部と地域の業務の在り方を見直し、経営資源の再配分を行ったものであります。縦割りと言われる組織に全体最適の考え方が浸透し、限られた経営資源を有効に活用する、いわゆる選択と集中の意識が醸成されたことは大きな意味があったと考えております。
 経営委員、監査委員として地方局を訪ねる中で私が率直に感じましたのは、地域の視聴者の皆様の目線に立った放送サービスをより充実させるための手だてがないか改めて点検する必要があるということでありました。地域に寄り添った放送サービスをより効果的かつ効率的に実現するために、地域の実情を踏まえた業務体制を関連団体の在り方も含めまして考えてまいりたいと考えております。
○江崎孝君 是非、やっぱり人が大事だと思います。数を減らすことが決していいことじゃない。現在の受信料の中で、NHKがやらなければいけない公共放送の枠組みの中で、その中で受信料をどう考えるかということであります。先に縮小とかそういう問題ではなくて、やはり公共放送の役割というのをしっかり明確に計画をした上で受信料の在り方も含めて検討いただきたい、そのことを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○杉尾秀哉君 民進党・新緑風会の杉尾秀哉でございます。江崎委員に引き続いて質問させていただきます。
 まず、上田会長、御就任おめでとうございます。
 私事ではございますけれども、私、民放出身なんですが、元々放送界を志したのは、子供の頃にNHKのドキュメンタリー、社会の不正を暴く、そういう番組だったんですけれども、これを見て感動したのがきっかけです。高校時代はNHKの全国高校放送コンクール全国大会にも出場させていただきました。そして、就職試験もNHKを受けたんですが、先に民放が決まったので民放の方に就職したという経緯がございますけれども、そういう意味でも、私はNHKにはいろんな思い入れがあるんですが、また言いたいこともたくさんございますので、今日は会長の率直なお気持ちも含めて伺わせていただきたいと思っております。
 まず、その前に、ちょっと通告をしていないんですが、今日の新聞朝刊各紙に出ております検査院の記事なんですけれども、NHKの子会社、剰余金九百四十八億円。子会社十三社ですね、NHKの、利益剰余金が二〇一五年度末で九百四十八億円だったことが会計検査院の調べで分かった、検査院はNHKに対して、剰余金額の適切な規模を検証し、積極的に配当要請をすることの検討を求めた、こういう記事でございます。
 まず、この記事についての見解をお願いします。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 会計検査院の報告書では、関連団体との取引の透明性、適正性の確保、それから利益剰余金、コンプライアンス、不正防止の徹底等の御指摘をいただいております。
 今回の検査結果を真摯に受け止めまして、会長として、今後もNHKグループ、経営改革を積極的に推進してまいりたいと考えております。
○杉尾秀哉君 この記事にも出ておりますけれども、一部が配当されていればNHKの収入増になって、それが視聴者のサービス向上につながる、是非お願いします。
 それから、もう一つありまして、痛ましい栃木の山岳遭難事故、亡くなられたうちの一人の犠牲者の方の顔写真の取り違えがあった。これは時々あることなんですけれども、絶対にあってはならないことなので、これはよろしくお願いします。
 それでは、通告に従って質問させていただきます。
 まず、石原委員長に伺います。
 前任の籾井前会長、最後まで、この委員会で私も質問させていただきましたが、続投に意欲を示されていました。なぜ籾井会長の続投ではなかったのか。そして、そもそも籾井会長時代の三年間というのをどういうふうに委員長として総括されていらっしゃいますでしょうか。
○参考人(石原進君) お答えいたします。
 会長を任命するのは経営委員会の最も重要な仕事だと認識しております。
 まず、任命するに際して指名部会というのをこしらえまして、籾井前会長の業績評価をその場でも行ったわけでございます。籾井前会長が会長を務めた三年間、受信料収入の確保や支払率の向上、あるいは国際放送の充実、4K、8Kの技術開発、放送センター建て替え、放送と通信の融合など、NHKのたくさんある諸課題、懸案事項につきまして積極的に取り組み、実績を出していただいたと考えております。
 一方で、籾井前会長には誤解を招くような発言があったことも事実であります。国会や視聴者・国民の皆様から様々な御指摘をいただきました。経営委員会からも注意や申入れを行う事態になったこと、そしてまた、NHK予算が三年連続で国会での全会一致をいただけなかったことは大変残念なことであったと考えております。
 以上でございます。
○杉尾秀哉君 恐らく籾井会長の続投がないという前提でいろんな方に当たられたんだと思いますけれども、例えば増田寛也元総務大臣、東京都知事選挙立候補されましたけれども、菅官房長官が増田さんを推していたという話も仄聞しておりました。そういった一連の経過も含めて、結果的に上田会長になられた。四代続けての財界出身、しかも、執行部を監督する立場からの経営委員会からの登用ということで、伺いましたところ、過去一回しかない、しかも、会長が病気になって、急遽経営委員の方からの登用だったというふうに聞いております。
 これ実は、経営委員というのは執行部を監督する立場だと思うんですけれども、そういう立場の人が今度は執行部の方に移る、これ、ガバナンス上問題じゃないかという指摘があります。また、なれ合い人事にもつながりかねません。この辺についてはどういうふうにお考えでしょうか。
○参考人(石原進君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、経営委員が会長を務めた例は過去にもまれだということは認識しております。経営委員から会長に選任されることについて懸念を表明した委員も選任の過程ではおりました。
 しかしながら、上田さんの人柄、リーダーシップ、業務に向かう真剣な姿勢、業務知識は資格要件にまさに該当するという意見がありました。慎重に十二名の経営委員で議論いたしました結果、全会一致で上田さんを会長に選出したわけでございます。最もふさわしい方を選ぶというスタンスで推進した結果だと理解しているところでございます。
 上田氏は、自分の与えられた職務を全力で全うするために努力する方であり、立場が変わればその立場の仕事をきちんとする方でありますので問題はないと考えております。また、経営委員会ももちろん、執行部の側に立場が変わった上田氏に対して厳しくチェックする心構えで臨む考えでおります。
○杉尾秀哉君 これから全ては上田会長がどういう手腕を発揮するかということだと思いますけれども、上田会長にも同じ質問を伺います。
 籾井会長時代の三年間、経営委員として御覧になっていてどういうふうに総括されますか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 先ほど委員長からも指摘がありましたけれども、前会長の三年間は、受信料収入が過去最高を更新し続けたほか、英語によるテレビ国際放送、NHKワールドTVが大幅に刷新され、東京渋谷の放送センターも現有地での建て替えに道筋を付けられました。
 ただ、前会長は、例えばハイヤーの利用をめぐる経理処理の問題等を含めまして、自らの置かれた立場に対する理解が不十分だなどとして経営委員会から注意を受けられました。こうしたことからNHK予算が三年連続で全会一致の承認を得られなかったことは、当時経営委員会委員だった私といたしましても大変残念に感じております。
 受信料で成り立つNHKにとりまして、とりわけトップである会長には高い倫理観と説明責任が求められていることを痛感いたしております。このことを胸に刻み、公私混同を決して疑われることがないよう、自ら厳しく律してまいる所存であります。
○杉尾秀哉君 今、会長はハイヤー問題についてお話しされました。そのときの調査を担当されていたと思うんですけれども、一部には、調査が甘かったのではないかと、こういう見方をされる人がいます。反論ございますか。
○参考人(上田良一君) 報告書の中にハイヤー問題は記載させていただきましたけれども、あそこの報告書の中のとおりでして、会長にももっと注意すべき点があったのではないかという指摘もさせていただいた報告書を提出させていただきました。
○杉尾秀哉君 籾井会長時代、恣意的な人事で組織が混乱したというふうな話も聞いております。また、数々の不適切な発言もありました。それはお認めになられたとおり、先ほど江崎委員の方の話もございました。
 今、江崎委員が示されたこの「ニュースウオッチ」、それから「報道ステーション」、「NEWS23」、この比較の表なんですけれども、もう一度伺いますが、これ、民放では扱っている項目をNHKでは非常に扱っていないものが多いんですね。
 私は、これだけではなくて、例えば私自身が実際に見たNHKのニュース、NC9もそうです、それから七時のニュースもそうですけれども、例えば、ある日の予算委員会で憲法改正問題が大きなテーマになった、ところが、その夜のニュースを見たら、憲法のケの字も扱っていない、全然関係ない国会のやり取りでお茶を濁している、こんなようなことがあります。
 こういうふうなNHKのこれまでの報道で、先ほど会長がおっしゃったような、できるだけ多くの角度から、観点からニュースを取り扱うという原則にこれまでNHKは忠実だったと思われますか。いかがでしょうか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 過去に対する評価は私の今の立場では差し控えさせていただきますけれども、先ほど申し上げましたように、私が、会長の立場としては、先ほどの御説明のとおり、とにかく視聴者・国民の皆様の信頼というのを一番重要だと考えておりまして、この信頼を得るためには、報道機関として自主自律、不偏不党の立場を守り、公平公正を貫く、この姿勢を堅持していくことが極めて大切であり、NHKといたしましては、先ほど言い間違えましたけれども、国内番組基準において、「政治上の諸問題は、公正に取り扱う。」、それから、「意見が対立している公共の問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにし、公平に取り扱う。」と定めていると。こうした番組基準の考え方にのっとってニュース、番組の制作と放送に当たっていくように全力を尽くしたいと考えております。
○杉尾秀哉君 最近よく報道現場で、はやり言葉で言うとそんたく、それから萎縮、事なかれ主義とか、政権に盾突くのはやめておこうみたいな、そういうふうな話もないわけではないんですけれども、そもそも伺いたいんですけれども、これ衆議院の委員会でも我が方の高井委員の方から質問があったと思います。会長、率直にお聞かせください。ジャーナリズムというのは何なんでしょうか。
○参考人(上田良一君) 一言で私、説明難しいんですが、私は、そのジャーナリズムの中でのNHKという公共放送を担当する立場としては、先ほどから何度も申し上げていますけれども、自主自律というのを堅持して、公平公正、不偏不党という立場を貫いて放送事業に当たるということが最も大事だと、こういうふうに考えております。
○杉尾秀哉君 それも分かるんですけれども、それはただ立ち位置の問題だと思うんですね。
 私は前職時代に実は、NHKの名プロデューサーと言われて、後にネクサスというプロダクションをつくられた藤井潔さんの講演を聞いて感動したことがあるんです。藤井さんはこういうふうにおっしゃっていました。ジャーナリズムというのは、ジャーナル、日誌ですよね、その日々の記録、これから派生した言葉である、だけど、日々の記録だけじゃない、ジャーナルなものを伝えるだけがジャーナリズムじゃない、ジャーナリズムというのは、エッセンシャル、本質的なものを伝える、だから、ジャーナルとエッセンシャルというこの二つの要素が非常に重要なんだということを、NHKの「NHKスペシャル」、「NHK特集」と当時言っていたかも分かりませんけれども、作られていた藤井潔さんからそういうお話を伺いました。
 私はジャーナリズムというのは、日々いろんなことが起きます。これは日々のファクトです。さっきの江崎委員の話にもありました。ただ、日々そのファクトを記録しファクトを伝えていく中で、それだけでは足りなくて、その中からエッセンシャルなものを、事実の中の真実ですね、いろんな事実があって、その中の真実を探り出してくる、これは大変な作業です。物すごい労力掛かります。それだけお金も掛かります。手間暇掛かります。マンパワー要ります。そういう作業が私はジャーナリズムだと思っているんですけど、このジャーナリズムが貫徹されて初めて国民の知る権利に応えることができると思っているんですね。
 その意味で伺いたいんですが、NHKのニュースの、先ほどから何度も繰り返しております、これは編集権の問題あると思いますけれども、私は表面的にファクトをなぞっているとしか見えないんですけれども、会長はどういうふうに御覧になっていますでしょうか。
○参考人(上田良一君) 今先生がおっしゃいましたように、ジャーナリズムというのは国民の知る権利に応えることだという私も認識いたしておりまして、この役割を果たすためには、不偏不党や放送の自主自律の立場を守り、番組編集の自由を確保することが何よりも大切だと思っていまして、意見が対立している内容等を扱う場合には多角的に双方のやり取りを極力伝えるようにして、真実に、国民の皆様が正しい判断ができるような、民主主義に資するような、そういう報道活動を続けていきたいと、こういうふうに考えております。
○杉尾秀哉君 これもこの国会で何回か取り上げられました、去年の十二月だったと思いますけれども、「NHKスペシャル スクープドキュメント北方領土交渉」、これ、スクープドキュメントと書いてありますけれども、私に言わせればこれはスクープでも何でもないというふうに思っております。非常によくできた政府広報番組ではないかというふうに思っております。ジャーナリズムの視点、今何度かお話しさせていただきましたけれども、このジャーナリズムの視点から見て、私は問題が多いと思っております。
 特に、安倍総理と外務省の幹部が打合せをする場面、ホテルの一室みたいなところですね。外交上の機密が含まれているので音声は流せないと、こういうナレーションがあったと思います。これについて政府の答弁書では、国家公務員法違反ではないという、こういう政府答弁書が決定されておりますけれども、これ、私が聞いておりますのは、政府の関係者がこの場面を撮影したビデオを、それをNHKで放送したというふうに私は聞いております。
 もしその撮影したビデオが放映したものであるとするならば、これ、やらせと、言い切れるんでしょうか、言い切れないんでしょうか。
○参考人(木田幸紀君) 番組やニュースについては、報道機関として自主的な編集判断に基づいて放送しております。個別の編集判断や取材の過程などの詳細についてはお答えを差し控えさせていただきます。
○杉尾秀哉君 前も恐らくそういう同じ回答をされたと思うんですけれども、そういう出所不明な映像を、NHKという言論報道機関、やっぱり日本では一目も二目も置かれていますよ、私は民放にいてNHK尊敬していましたから。NHKの番組はすごいと思った番組たくさんあります、つまらない番組もいっぱいあると思いましたけれども。そういう意味では、出所不明な映像が流れることについては私は余り適切ではない、余りどころか適切ではないというふうに思っております。つまり、説明できない映像だということですよね。
 この日ロ交渉については、二階幹事長がいみじくも、がっかりした、国民の多くはがっかりしたと、こういうふうにおっしゃっています。成果がなかったという見方もあります。成果があったという見方もありますけれども、なかったという見方も多かったと思います。外国のメディア、非常に厳しい見方をしております。例えばイギリスのフィナンシャル・タイムズ、日本外交の敗北と、こういうふうに言い切っております。
 先ほど来お話しされていたように、いろんな多角的な角度からお伝えするという意味では、この番組はそういう多角的な角度で伝えていないんですよ。政府の代弁者なんですよ。そのまま政府、安倍政権の言い分を垂れ流しているんです。いわゆるこういうのを大本営発表というんです。批判精神のかけらも私は見られないと思います。
 そういう意味で、上田会長、もう一度、映像の出所はいいですから、こういう番組が果たしてNHKが放送するにふさわしい番組なのかどうなのか、お考えをお聞かせください。
○参考人(上田良一君) 先ほど木田総局長の方から答弁させていただきましたけれども、NHKは番組やニュースについて報道機関として自主的な編集権に基づいて放送いたしております。そういうことで、NHKとしては今後とも、公平公正、自主自律を貫き、何人からの圧力や働きかけにも左右されることなく、視聴者の判断のよりどころとなる情報を多角的に伝えていくということを心掛けていきたいと考えております。
○杉尾秀哉君 この話はこれぐらいにしておきます。本当におっしゃったことは必ず守るように、よろしくお願いします。
 もう一つ言いますと、総理は、外遊から帰られたり政治的な節目には必ずNHKの番組に出演をされまして、自らの外交成果とか宣伝されていらっしゃいます。だから、NHKは一部の人に言わせれば政権の宣伝機関だと、こういうふうに言われるんですね。こういうふうに言われないように、是非よろしくお願いします。
 私は、ただ、NHKのニュース今取り上げましたけれども、先ほども申し上げましたが、本当にすばらしい番組いっぱい放送していると思います。今、隣の森本委員とも話していたんですけれども、私も先日たまたま、自分でチャンネルひねったわけじゃないんですが、うちの妻がNHKをつけて、何げなく見た「NHKスペシャル」、あのシリアのアレッポ陥落をテーマにした「シリア 絶望の空の下で」、こういう番組、これ本当にすごい感動的な番組でした。私、圧倒されました、よくぞここまで取材したなと。シリアのアサド政権、今非常に難しいシリア情勢でございますけれども、無差別空爆が行われているのはこれは紛れもない事実で、そこに、アレッポに最後に残った病院、その病院に奮闘する一人の医師と看護師の姿を追ったんですね。最後にアレッポ陥落してトルコに逃げて、トルコまで取材に行っていました、NHKのクルー、NHKと書いた機材が見えていましたから。
 私は、こういう番組は本当にNHKでしかできないと思うんですよ。私がいたTBSでもこれに類するような番組ないわけじゃないですけれども、やっぱりあの番組を見たときに、あっ、これぞNHKだと、これだったら自分でお金を払っても全然惜しくない、むしろお釣りあげたいぐらい、そんな番組ですね。
 そこで、私は、先ほどから何回も答弁書を読まれているので、率直に伺いたいんです。上田会長がこれまで経営委員として、そして経営委員になる前からも、三菱商事時代からも含めてそうです、NHKの番組を見て、ああ、この番組はすごい番組だ、やっぱりNHKはすごいと思われたことございますか。
○参考人(上田良一君) 今先生が引用されましたシリアの「NHKスペシャル」、私も見ました。私も、極めてすばらしいドキュメンタリーといいますか番組だったというふうに認識いたしております。
 そういった心に刺さるドキュメンタリー、これは「NHKスペシャル」というような形で時々放送いたしておりますが、それに加えて、私が三年半経営委員ないしは監査委員として勤務していた間に、全然別の角度からではありますけれども、実は日曜日の「のど自慢」、これの予選会から一回見たことがありまして、地域の方々に非常に喜んで参画していただいて、NHKの「のど自慢」に出た方の同窓会みたいなのもあって、その後も寄り合ったりしてやっていらっしゃると。
 やはり、先ほどほかの先生からも御質問がありましたけれども、私は五十三局回って、やはり地域に寄り添ったこういった番組というのは非常に大事だということで、私は会長に就任した当日の就任会見でもこういったことを申し上げましたけれども、そういったシリアとか世界の話題を、生の話題を映像を通じてお伝えするということと同時に、そういったこのNHKの持っているネットワーク、こういうのをうまく活用した国民に対する、視聴者の皆様に対する語りかけというのもちゃんとしっかりとやっていきたいと、こういうふうに考えております。
○杉尾秀哉君 去年のこれもやっぱり「NHKスペシャル」で戦後七十一年のシリーズで、私、長野県の選出でございますけれども、長野県の南信の村の村長さん、満蒙開拓に村民を送り出して、最後その満蒙開拓の方が、かなり多くの方が亡くなられて悲惨な結末だったわけですけれども、その責任を取られて自殺をしたその御遺族なんかを当たった番組、こういった戦後シリーズみたいなのもすばらしい番組だったというふうに思います。
 私、民放出身だからよく分かるんですけれども、とにかくNHKはお金たくさんあるんですね。取材費が本当にたくさん使えるんですね。人の数も多いんですね。ある氾濫した河川の取材に行きましたら、我々は同じようなプレスセンターでその片隅で一つぐらい机借りてやっているんですけど、NHKのクルーだけいなくて、どこにいるのかと思ったら別の会議室に人がうわあっといっぱいいまして、あっ、これだけの要するに多くの人員、マンパワーを投入できるんだと思って、ある意味羨ましいなというふうに思ったことがあります。
 それから、セクションによって違うと思いますけれども、部署によっては一つのテーマに物すごく時間を掛けて、本当に延々と議論をして、例えば「マネー」というシリーズがあったんですが、この「マネー」も、本当に長い時間を掛けて討議をし、会議を開き、そして取材をし、そうやって作った番組。ある意味非常に羨ましいんですね。それだけの資金があるということなんでしょう。それをやっぱり、視聴者の人は料金払っているわけですから、八割近い方がですね、その重みというのは是非感じていただきたい。
 それと、やっぱりNHKでしかできないなと思ったのは、これは大分前になりますけど、東日本大震災の後に、復興資金、使い道を丹念に丹念にNHKのクルーが追っていったんですね。これは東北の被災三県です。やっぱり現地の怒りというのが根底にあったと思います。怒りというか、本当に何でこの貴重な復興資金がこんな沖縄であったり全国各地のいろんなところに使われている、そういうのを丹念に追った、こういう調査報道もNHKでしかできないと思います。
 もう一度最後に伺います。NHKでしかできないニュースとか番組といったものはどういったものだとお考えでしょうか。いかがでしょう。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 NHKとしては、公共放送として、いわゆる民間の放送事業会社がやっていますように、いわゆるどこかのコマーシャルとかそういう形での何か利害があるということが全くありませんので、そういう面ではまさに、必ずしも市場のことを心配することなくじっくりと番組に取り組んで、例えば災害発生時には番組編成を大きく変えて生命や財産を守る情報をいち早く伝えてみたり、それから、教育番組、福祉番組、古典芸能番組など、視聴率としては必ずしも高い視聴率を獲得することはできませんけれども、文化に貢献するという意味で公共放送として役割を果たさなくちゃいけない、こういったこともしっかりとやっていきたいというふうに考えております。
○杉尾秀哉君 ちょっと話を変えます。コンプライアンスの問題です。
 ここに来てNHKの職員による不祥事が止まらないと。例えば、去年、横浜放送局で受信料の着服で、元職員の方は自殺されたみたいですけれども、去年の十月、問題を把握しながら公表しなかったということで、総務省に注意を受けていると思います。それから、タクシーのチケットの不正使用事件ですね、福岡放送局とかさいたま放送局。こういった不祥事が続いているわけですけれども、どうしてこうした不祥事がなくならないのか、背景にどういう問題があるとお考えなのか、組織にひずみとかゆがみがないかということを伺いたいんですが、いかがでしょう。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 不祥事が後を絶たないことに関しましては大変遺憾であると私も考えております。
 一つ一つの不祥事の原因を究明し、再発防止のルールを作って対処してまいっております。しかしながら、ルールはあってもしっかり守られていないのではないか、危機意識が薄れ、仕事の進め方やチェックが甘くなっているのではないかということを感じておりまして、不祥事の根絶を目指して、ルールやチェック体制の在り方や職業倫理の教育、こういったことを含めまして抜本的にチェック体制の見直しを行い、不祥事を起こさせない業務の仕組みを根本に立ち返って考えるなど、現在、総合的な対応策の検討を進めてまいっているところであります。
 改めて組織の隅々にまでコンプライアンスの意識を根付かせ、公共放送の使命と役割をしっかり果たしてまいりたいと考えております。
○杉尾秀哉君 ところが、皆さんも御承知だと思いますけれども、元山形放送局の記者による連続強姦事件、これ今は山梨の事件で再逮捕されてそろそろ勾留期限だというふうに思うんですが、これはちょっと不祥事では済まない極めて深刻な事件だというふうに思っております。
 内部調査がどこまで進んでいるかということも含めて、どうもこの容疑者は一人暮らしの女性ばっかりピンポイントで狙って犯行に及んでいる節があります。何かしら情報を事前に入手していた可能性も指摘されています。記者ということでしたから、そういう立場を悪用していたということがないのか。
 それから、やはりNHKで一番気になりますのが、我々が払っている受信料契約、この契約者の情報が、個人情報があると思います。これが漏れた可能性も含めて、どこまで内部調査が進んでいて、再発防止策、そして記者研修、社員研修、どういうふうになっていますでしょうか。
○参考人(今井純君) お答えいたします。
 山形局の元記者の事件につきましては、報道に携わる者の重大な事案ということで、大変深刻に受け止めております。NHKといたしましては、今現在はこの事件の全体像を承知をしているわけではございませんので、警察の捜査に協力をしつつ、その推移を見守っているという段階でございます。
 御指摘ございました、業務と何らかの関連があったのかなかったのかという点につきましては、事件の全体像を十分に見極めた段階で判断をしてまいりたいというふうに考えております。
○杉尾秀哉君 そこのところは、まだ捜査中ということもあって言えないことはたくさんあると思いますけれども、これは本当にしっかりとお願いします。
 NHKのコンプライアンス関係でBPOの報告が最近相次いで、これNHKに直接的なものでいいますと、例えばSTAP細胞報道ですね、小保方さんの。あの申立てについてBPOが、名誉毀損の人権侵害が認められると、こういうふうに勧告をしております。これ、人権侵害を認めた勧告というのは一番重い判断で、御承知のように、これに対してNHKが、人権を侵害したものではないというふうに断定的な反論コメントを出しています。
 これ、こういった断定的な反論コメントを出すというのはこれはちょっと異例だと思うんですけれども、検討するとか、そういうふうにとどめるというのが普通の対応だと思うんですが、どうしてこういうふうなことになったのか、この判断は今でも正しいとお考えか、いかがでしょう。
○参考人(木田幸紀君) お答えいたします。
 BPOの決定につきましては真摯に受け止めております。ただ一方、この番組は関係者への取材を尽くし、客観的な事実を積み上げて制作したものです。放送した事実関係に誤りはなく、番組は人権を侵害したものではないと考えております。
 BPOは、NHKと民放連が、独立した第三者の立場から放送倫理上の問題に対応してもらうため設立した組織であります。決定をどのように生かしていくかは各放送局の自主的な判断に任されております。NHKとしては、今後BPOとも意見交換し、より良い放送につなげていきたいというふうに考えております。
○杉尾秀哉君 今、BPOの話が出たので、その流れでもう一つ聞きます。
 おととい、放送法の遵守を求める会という会がございまして、これまで、すぎやまこういちさんという方が、作曲家の方ですね、会長だったのが、百田尚樹さん、作家の百田尚樹さんに替わりました。記者会見を開きまして、このBPOについて非常に否定的なことをおっしゃっている。BPOを解体、潰してしまえというふうな、こういうようなことを言っています。
 そこで、上田委員長に伺いたいんですけれども、今、自民党の中でもそういう意見があると、一部にあるというふうには聞いているんですけれども、このBPOの独立性をどういうふうに考えていらっしゃるのか、それから、そのBPOの人選を含めて、介入を強めようというこういう一部の動きに対してどういうふうに思われているのか、率直にお聞かせください。
○参考人(上田良一君) BPOは、NHKと民放連が、独立した第三者の立場から放送倫理上の問題などに迅速、的確に対応してもらうため設立した組織であります。放送界全体として放送倫理の更なる向上に努め、視聴者により信頼される存在になるため、大きな貢献をしてきたと考えております。NHKはその活動に全面的に協力し、尊重しており、BPOの活動が更に充実し、それによって放送に対する視聴者の信頼がより一層確かなものになることを期待いたしております。
○杉尾秀哉君 これは私たちもしっかりと監視していかなければいけないというふうに思っております。まかり間違っても、こういう権力からの介入、独立機関を侵すことがあってはならないというふうに思っておりますので、このBPOの独立性の問題というのはこの総務委員会でもまた取り上げたいと思います。
 ちょっと話変えまして、NHKの予算について伺います。
 先ほど古賀委員の方からもお話がありましたけれども、受信契約率八〇%、平成二十九年度予算の中身なんですけれども、五十万件の増加、受信料の収入増百二十九億円の増加を見込まれているわけですけれども、その一方で、ネットなんかを見ますと、強引な勧誘に困ったというふうなことが書かれている。苦情ですね。私も、長野の方に居を構えるに当たって、私が夜中にいましたら、うまい具合にいいタイミングで地域スタッフの方が来られるんですよね。随分熱心だなと思われましたけれども、中には行き過ぎもあるでしょう。先ほど長崎の事件のお話もありました。
 これ、収入と支払率に無理な目標設定というのはないんでしょうか。八〇%という数字ありき、百二十九億円の増加、これ数字ありきになっていないでしょうか。現場にその分がしわ寄せが来ていないでしょうか。
○参考人(松原洋一君) お答えします。
 平成二十九年度末の支払率は八〇%を今計画しており、これに向けて契約収納体制の見直し、あるいは民事手続の着実な実施、公益企業との連携等、営業改革を進めるとともに、受信料制度の、委員おっしゃるように、理解促進活動に取り組むこととしております。
 営業目標の達成に向けては、数字ありきということではなく、受信料制度の趣旨をよく説明し、御理解をいただいた上で御契約をいただくということが一番大切だというふうに考えております。営業目標については、基本的には地域状況を十分勘案し、適正な目標となるようこれまでも設定をしてきておりますが、こうした考え方に基づいて、営業現場の訪問要員に過度な負担とならないように引き続き努めていきたいというふうに思います。
○杉尾秀哉君 それはお願いします。
 それと、もう一つ、この収支予算と事業計画の説明資料の中にも書かれていますけれども、放送センターの建て替え計画なんですが、これによりますと、二〇二〇年の秋に着工、オリンピックの年ですね、そして二〇三六年に竣工予定、想定の建設費千七百億円で既に積立て済みだと、千七百億円、こういうふうに聞いております。
 ちなみに、当初、NHKの放送センターの建て替え、三千四百億という数字が出まして、これは幾ら何でも、新国立競技場より高いじゃないかとかいろんな話がありまして、練り直した計画が千七百億ということで、当初言われていた三千四百億円の、これは偶然かどうか分かりませんけど、ちょうど半分になっているんですよね。ちなみに、一三年度時点の計画では、試算では、建物だけで千九百億円ということで、これ千九百億円が更に安くなっているんですけれども。
 そこで伺いたいんですが、ちらっとこういう話を関係者からも聞いたんですけど、何か三千四百億円の半分ありきで進んでいないか。それから、そもそも完成がまだ二十年近く先なんですよね、順次建て替えていって。そんな先まで見通しができるのか、幾ら何でも期間が長過ぎないかという声があるんですけれども、いかがでしょう。
○参考人(大橋一三君) お答えいたします。
 冒頭に、三千四百の半分で千七百という決め方は決してしておりません。
 この二つの御指摘の金額でございますけれども、まず建てる場所が前提が違いますし、それから工事の期間が、今回十六年ということで工期が全く違います。それから、建物の積算の仕方も、詳しくは申し上げませんけれども、違っておりますので、我々としましては、その三千四百と今回の千七百億というのは全く別のものだというふうに切り分けて考えてございます。それから、三千四百と申し上げたときには放送設備も含む金額だったんですけれども、今回は放送設備が入っていないということで、我々としては、繰り返しになりますけど、三千四百と千七百というのは全く前提が違うので、別物と考えてございます。
 それで、御指摘の千七百億という金額でございますけれども、これ、我々、受信料を原資として建て替えを行うわけでございますので、やはり視聴者の皆様に想定の建設費というのはお示しする必要があるだろうということで積算をいたしました。積算の仕方といたしましては、直近の地方の放送会館を実際に建てたときの契約実績で建物の単価平米というのを出して、スタジオだとどのくらいとか、事務スペースでは幾らぐらいと、その平均値を出して渋谷の放送センターにそれを当てはめて、積み上げた結果として千七百億という数字を算出いたしました。
 これは、我々にとりましては今後のNHKの財政運営を行っていく上での一つの千七百という数字が前提となってございますので、そういう意味でも、この千七百という数字にこだわりを持って、その範囲でできるように今後努力をしていきたいということでございます。
○杉尾秀哉君 今お話がありましたが、放送設備については私も十分理解をしております。現在、設備費の更新の形で進めるということで、従来の設備投資の範囲内でということなんですけれども、本当に従来の設備投資の範囲の中で収まるのか。
 4K、8Kですね、スーパーハイビジョンに向けた投資なんですが、平成三十年に放送が開始される予定、来年度の予算にも番組費七十八億円、設備費百四億円が計上されていると思います。その前の年の予算に比べてほぼ二倍ということですね。4Kの方は、今市販されているもの、結構安くなっておりますけど、ただ、あれだけでは見られない。専用のコンバーターみたいなものとかアンテナも必要だというふうに聞いております。さらに、8K放送に至っては、まだ市販がいつになるのか、どれぐらいの金額になるのか分からない。
 先般、私どもNHKに視察に行かせていただきまして、4K、8K、見させていただきました。確かに、見比べてみるとすばらしい映像だと思います。ただ、見比べてみないと違いがよく分からないというのも事実でございまして、きれいな画像はこしたことはないんですけれども、やっぱり情報・報道系の番組にこんなきれいな画面は少なくとも要らないだろうなというふうには私は思います。オーバースペックぎみではないかという、用途は限られるかなと。恐らくオリンピック二〇二〇年の段階でも、8Kテレビ、一般家庭にほとんど普及していないと思うんですね、パブリックビューイングみたいなところでは見られるとは思うんですけれども。
 そこで、総務省に伺いたいんですけれども、この4K、とりわけ8K放送、これ放送事業者にとっては将来投資として非常に重いので、将来戦略というのをきちんと描き切れているんだろうかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(高市早苗君) この日本発の8K技術でございますが、4Kとともに次世代の放送規格として国際電気通信連合において二〇一二年から順次国際標準化されて実用化が進められてきています。
 NHKにおかれましても、委員がおっしゃいましたようなパブリックビューイングも念頭に、8Kについてオリンピック・パラリンピックの競技映像、それからルーブル美術館との協力による美術品映像など、様々な映像作品作りに取り組んでいただいています。
 私どもは、8Kのグローバルな市場というものを創出しながら、日本が国際競争力を持ってこの8Kを推進することが必要であり、そのためにもNHKには先導的な役割を果たしていただくことを期待しておりまして、大臣意見でも述べさせていただきました。8Kは、放送だけじゃなくて内視鏡システムなど医療分野での活用も検討されておりますので、まずは放送を中心としながら、様々な分野での活用が期待されます。
 これから御家庭への普及ということになりますと、4Kの普及状況、それから8K受信機の価格、サイズの動向、こういったものを踏まえる必要があります。それから、何といっても大切なのは視聴者の方々のニーズでございますので、これに応じて無理のない形で円滑な普及を図っていくということが大切だと思います。
○杉尾秀哉君 今、無理のない形でというお話がありました。せっかく石原委員長が来ていただいておりますので、この4K、8K放送というのは、やっぱりこれからの、例えばポスト二〇二〇、東京オリンピック・パラリンピック以降、これのNHKのあるべき姿みたいなものにも非常に関わってくると思います。余りにもその負担が過重であれば、それによって番組制作の方がしわ寄せを受けるのであれば、これは本末転倒だと思いますので。とにかく今の時点では8Kの機器はもう極めて高額だと。聞いたところによると、カメラが数千万円、下手したら一億円みたいなこういう世界らしいので、その辺の4K、8Kを含めた、それからネット同時送配信を含めたこれからのNHKの経営の在り方についてどういうふうに思っていられるのか、見解を伺いたいと思います。
○参考人(石原進君) お答えいたします。
 4K、8Kの放送につきましては、現在、実用放送の開始に向けて執行部において着々と準備が進められているものと認識しております。
 4K、8K放送は、NHK単独だけではなく、様々な関係者が連携して推進されることが重要だと考えております。NHKとしても積極的に取り組んで、放送及びその受信の進歩発達に貢献することも大事なことだと考えております。
 いずれにしても、視聴者の皆様に喜んでいただけるようにするということが最も重要なことだと考えております。
○杉尾秀哉君 もう一つ、ネットとテレビの融合がこれ深く関わってくる問題ですので、一問だけ聞かせていただきます。
 先ほども話ありました、NHKが設置した専門家の検討委員会の検討が二月から始まったということなんですけれども、ポイントが四つぐらいあろうかというふうに思っております。
 まず、現行の受信料制度、これを基本的に維持するという立場なのか、それから、ネットで視聴する手続を取った人に対する課金をどうするのか、課金の方法も含めてですね、それから、パソコン、スマホ利用だけをする人、この人に対する課金はどうなるのか、それから、既にテレビの受像機を持っていて受信料を払っている人で、パソコンそれからスマホなんかでも見る人のその追加負担をどうするのか、ここについて手短に教えていただきたいんですが、現在での見解、お聞かせください。
○参考人(坂本忠宣君) お答え申し上げます。
 会長の諮問機関としまして外部の有識者によるNHK受信料制度等検討委員会を二月に設置し、当面の諮問事項としまして常時同時配信の負担の在り方などについて答申をいただくことになっております。答申を踏まえましてNHKとしての考え方をまとめることになりますけれども、いずれにしましても、受信料制度を毀損しない仕組みとなることが極めて重要であるということで、視聴者・国民の皆様に御納得いただけるような仕組みを考えたいというふうに考えております。
 常時同時配信の制度整備が実現した場合ですけれども、適切な負担の仕組みが併せて整備される必要があるというふうに考えております。適切な負担といいますのは、NHKのテレビ放送の常時同時配信を実際に視聴し得る環境をつくった、つまり何らかのアクションを取った方に御負担をお願いするのが適当だというふうに考えております。単にパソコン、スマホ等のネット接続機器を持っているだけで負担をお願いするということは考えておりません。
 それから、既にテレビをお持ちになって受信契約を結んでいただいている世帯の構成員の方々には、二台目、三台目のテレビというような受け止め方になると考えておりまして、現時点では追加負担なしで常時同時配信を御利用いただくのが妥当ではないかというふうに考えております。
○杉尾秀哉君 ここでは聞きませんけれども、あとはやっぱり民放にとってはこれは負担がすごく大きいので、将来放送法の改正というのがこの委員会にも出てくると思いますので、ここについてはしっかり注視していきたいと思います。
 時間が残り少なくなりましたので、最後、これだけ聞かせてください。
 二〇一五年、おととし、自民党の検討チームが、受信料の支払義務化、それから強制徴収と罰則の導入、こういう提言、考え方をまとめています。今のNHKの立場として、この自民党の提言をどういうふうに受け止めているのか、受信料の支払義務化についてどういうふうに考えているのか。強制徴収ということになりますと、さっきから幾つか話出ておりますけれども、国の関与が強まるおそれがあるということも含めて、現時点での考え方についてお聞かせください。
○参考人(上田良一君) 自民党の検討チーム、自民党情報通信戦略調査会の放送法の改正に関する小委員会、これの二〇一五年の提言は、将来のメディア環境にふさわしい受信料制度の検討を促したものと認識いたしております。
 NHKとしては、メディアや社会の環境変化などを踏まえた受信料制度とその運用の在り方につきまして検討することが必要だと考えまして、私の諮問機関といたしまして外部の有識者によるNHK受信料制度等検討会を二月に設置いたしました。その中で、公平負担徹底の在り方や常時同時配信の負担の在り方などについて検討を始めたところであります。
 今後、その結果も踏まえながら、NHKとしても視聴者・国民の皆様に御納得いただける受信料制度の在り方について検討を進めてまいりたいと考えております。
○杉尾秀哉君 時間になりました。
 多岐にわたってお伺いしました。率直にお話しいただいて非常に有り難かったと思います。
 とどのつまりは、お金を払っても見たいという、そういうふうに視聴者が思ってくれる番組をどれだけ放送できるのか、そして国民の生命、財産を本当にNHKが守ってくれている、こういう実感が国民の側にあるのか、何よりもやっぱり社会にとってなくてはならないインフラなんだ、先ほどから水道とかいう話がありましたけれども、そういうふうに視聴者・国民が思ってくれるかどうか、ここの一点に懸かっておると思いますので、引き続き、また時間がありましたらお話を聞かせていただきたいと思います。
 本日はありがとうございました。
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 本日はNHKの予算案審議ということで、上田会長を始め関係の方々にお伺いをしたいと思います。
 まず、上田会長に伺いたいと思います。
 本年一月に会長に御就任され、約二か月が経過をいたしました。大変に御苦労さまでございます。
 NHKの経営状況を見ますと、受信料収入が堅調に推移をしておりまして、平成二十九年度の予算でも事業収支はいわゆる黒字の見込みをされているということでございます。こうした中で、四月からは三か年の経営計画が最終年度を迎えることになり、平成三十年度から、次の経営計画についてこれから議論が始まると思います。
 インターネットの同時配信であるとか受信料制度の見直し、また放送センターの建て替え計画、また相次ぐ不祥事への対応など様々な課題が山積をしておりますけれども、このメディア環境の変化に柔軟に対応していただきたいと思います。
 そこで、まず上田会長に、この平成二十九年度予算への基本的な考え方、また次期経営計画に向けた認識をお伺いをしたいと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 まず、御質問の二十九年度予算の基本的な考え方でありますけれども、二十九年度は、三か年経営計画の最終年度として、公共メディアへの進化を見据え、経営計画の達成に向けた事業運営を着実に実施していくということであります。受信料の公平負担に向けた取組を徹底して増収に努めるとともに、国内放送や国際放送を充実し、4K、8Kの番組制作の強化や平昌オリンピック・パラリンピック放送を実施する、あわせて、コンプライアンスの徹底を図り、事業運営の一層の効率化を推進するということを考えております。
 続きまして、次期経営計画への認識でありますけれども、三十年度からの次の経営計画では、現在の経営計画で掲げておりますNHKビジョンを基本的には踏襲し、放送と通信の融合時代にふさわしい公共メディアへの進化を見据えて、世界から注目が集まる二〇二〇年に最高水準の放送サービスを実現することを目標に、挑戦と改革を続けていくことになります。
 従来からの放送サービスに加えまして、4K、8K実用放送やインターネットサービスなど、視聴者の皆様の期待に応えられるように経営資源の配分を検討していく所存であります。
○山本博司君 是非、会長の力強いリーダーシップで推進をお願いをしたいと思います。
 次に、放送会館の建設に関しまして伺いたいと思います。
 現在、放送センターの建て替え計画も進められておりますけれども、災害に強い放送維持の機能強化を目指すとともに、地域から信頼され親しまれる放送局サービスを展開するために、各地の地方放送局でも建て替えが順次行われていると思います。この放送局を中心にしまして地域の再開発が進められて、中には放送会館の中にホールが併設されているという例もあると伺っております。
 現在、地方創生が叫ばれておりますけれども、こうした地域の特色のある文化芸術活動を推進して、この文化芸術活動を起爆剤にするということが地方創生の面からも大きく貢献するものと考える次第でございます。その際に、放送を通じて公開番組であるとかイベントなどを積極的に展開をして、NHKの放送会館が地域の文化拠点として活用するということが各地域におきましての活性化に大変重要であると考える次第でございます。
 そこで、この地方の放送会館、地域の文化、情報の発信拠点として積極的に活用すべきと考えますけれども、見解をお聞きしたいと思います。
○参考人(森永公紀君) お答え申し上げます。
 地方の放送会館は、築後五十年以上たったものが多く、老朽化、狭隘化が進んでおります。このため、放送会館の建て替えを進めておりまして、現在既に着工しているものを含めて八つの放送会館の建て替えを予定しております。
 建て替えに当たりましては、公共放送の使命を果たすため、命と暮らしを守る防災・減災報道の拠点として大規模地震発生後も放送を継続できる強靱な設計とすることで、地域から信頼され、安心、安全を守る放送局を目指しております。
 また、豊かな地域文化や情報を全国また海外へ向けて積極的に発信するとともに、視聴者に開かれた放送会館として、今おっしゃいましたように、様々な公開イベントにも対応し、地域活性化に貢献していきたいと考えております。
 人々が気軽に集っていただけます地域のランドマークとして、また、親しみが持てる放送会館の建設に今後も努めてまいりたいというふうに思っております。
○山本博司君 是非とも推進をお願いしたいと思います。
 次に、受信料免除に関してお聞きをしたいと思います。
 この件に関しましては、地元四国の保育施設の要望に基づきまして、昨年十一月の当総務委員会でも質問をさせていただきました。保育所や介護、障害福祉の施設を含む社会福祉施設でございますけれども、平成十三年以前に規定された施設に関しましては受信料の免除の対象となっておりますけれども、平成十三年以降に規定されました小規模の保育施設などは対象とならないということで、この免除基準を見直してほしいという質問をした次第でございます。これに対してNHKからは、御指摘も踏まえてその適用範囲について検討するという答弁をいただいておりました。
 是非ともこの受信料の免除基準を見直していただいて、公益性の高い幅広い社会福祉施設に対しましての受信料を免除としていただきたいと思いますけれども、その見直しの検討状況を御報告いただきたいと思います。
○参考人(松原洋一君) お答え申し上げます。
 受信料の免除基準の見直しについては、先生がおっしゃったように、昨年十一月の総務委員会における御指摘を踏まえて、NHKとしても、社会的、経済的環境の変化や公平で合理的な受信料体系を構築する観点から検討を進めているところでございます。
 具体的には、今申されたとおり、社会福祉施設に対する免除の拡大を、二月に設置した外部有識者によるNHK受信料制度等検討委員会に諮問をし、その答申を踏まえ、しっかりと対応していきたいというふうに思います。
○山本博司君 是非とも速やかに検討を進めていただきたいと思いますけれども、この受信料免除の対象の事業、事業者数はどのぐらいになるのか、また、免除の金額はどれくらいの規模になるのか、また、この受信料検討委員会ではいつ頃をめどにその方向性を示すつもりなのか、今後のスケジュールを教えていただきたいと思います。
○参考人(松原洋一君) お答え申し上げます。
 社会福祉施設に対する免除を拡大した場合の影響額について、NHKに登録をされているデータに基づき、現時点では、件数で約二万件、金額は年間約二億円と推計をしております。
 また、NHK受信料制度等検討委員会の最初の答申については、今年の七月をめどにいただくことをお願いをしているというところでございます。
○山本博司君 今ありましたけれども、二万事業所ということでございますけれども、可能であれば早い段階で決定をしていただいて、この推進ができるように実現をお願いを申し上げたいと思います。
 さらに、研究開発に関して伺いたいと思います。
 これも昨年の総務委員会で質問をさせていただきましたけれども、障害のある方にとって、字幕放送、解説放送、手話番組などは大事な情報を入手することができるための大変重要な仕組みでございます。
 障害者の権利条約が二〇一四年に批准されまして、また、障害者差別解消法も昨年二〇一六年の四月に施行をされております。また、現在、手話を言語として普及を進める手話言語法、若しくは多様なコミュニケーションの手段を選択する権利のための情報・コミュニケーション法の制定が、今障害者団体を中心に要望されている次第でございます。障害のある方たちの生活において欠かすことのできないこういう放送の分野におきまして、この情報のアクセシビリティーというのは大変大事でございます。改めてこういった面を見直しが求められていると思います。
 NHKでは今、経営計画の中で「人にやさしい放送・サービスの推進」を重点項目に掲げて、障害のある方だけでなく、幼児からお年寄りまで着実に情報を届けるということを目指しておりまして、それを、多様な研究をNHKの放送技術研究所において実施しているということも伺っております。
 今後も、こうした公共放送として質の高い「人にやさしい放送・サービス」を実現できる研究開発にしっかり取り組んでいただきたいと思いますけれども、この点に関しまして予算案ではどのようになっているのか、報告いただきたいと思います。
○参考人(森永公紀君) お答え申し上げます。
 NHKでは、高齢者や障害者、外国人を含めて、誰もが放送サービスを楽しめるよう、人に優しい放送技術の研究開発を進めているところでございます。
 聴覚障害者に向けましては、音声認識を用いた字幕制作技術やCGアニメーションによる手話で気象情報を伝える技術を一部で実用化しておりまして、一層のサービス拡充を目指した研究に取り組んでおります。さらに、視覚障害者に向けては、スポーツ中継などの生放送番組に合成音声による解説を自動で付与する音声ガイドの研究開発などに取り組んでおります。さらに、外国人に向けては、ニュースを易しい表現に変換する技術がNHKのホームページで活用されております。
 これらの研究開発に充当する人に優しい予算の額は、二十九年度はおよそ三億円でございます。
○山本博司君 昨年よりも増えていると思いますけれども、しっかりとその推進をお願いをしたいと思います。
 私は、現在、二〇二〇年東京オリパラに向けた障害者の芸術文化振興議員連盟の今事務局長をしておりまして、今国会におきまして障害者による文化芸術活動の推進に関する法律の成立に向けて、これ議員立法でございますけれども、取り組んでいるところでございます。
 この法律案では文化芸術の鑑賞機会の拡大ということを目指しておりまして、字幕や音声ガイド、手話等での説明の提供促進を規定しております。これは、映画やテレビ映像のアクセシビリティーの拡充を念頭に置いているわけでございます。この放送分野でのアクセシビリティーの向上も是非推進をしていただきたいと思います。
 また、この法律案は、障害者の文化芸術作品の創造や、また発表の機会の拡大を求めて環境の整備も推進をしております。二〇二〇年の東京オリパラは、スポーツの祭典であるとともに、我が国の文化の水準を高める絶好の機会でもございます。
 そこで文化庁にお伺いしますけれども、二〇二〇年に向けて文化庁では文化プログラム実施をしておりますけれども、この中で障害者の文化芸術活動、どのように取り組まれているんでしょうか。
○政府参考人(内丸幸喜君) お答えさせていただきます。
 障害のあるなしにかかわらず、全ての方々が文化芸術に親しみ、優れた才能を生かして活躍することのできる社会を築いていくことは極めて重要なことだと認識しております。これまでも、障害者の優れた文化芸術活動の国内のみならず海外での公演や展示の実施、さらには助成採択した映画作品のバリアフリー字幕、また音声ガイド制作への支援、特別支援学校の子供たちに対します文化芸術の鑑賞、体験機会の提供など、障害者の文化芸術活動の充実に向けた支援にこの間取り組んでまいりました。
 さらにまた、平成二十七年六月からは厚生労働省と共同で、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた障害者の芸術文化振興に関する懇談会を開催しまして、関係機関との情報共有や意見交換を行いつつ、今後更に一層取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
 文化庁としましては、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機としまして、心豊かな生活の実現につながる文化プログラムにおいて、今後こうした取組を一層充実させ、障害のあるなしにかかわらず、あらゆる人々が文化芸術を鑑賞し、これに参加し、又はこれを創造することができるよう、障害者による文化芸術活動にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○山本博司君 やはり、芸術文化活動は障害のあるなしにかかわらず楽しむことができますし、また生きがいを与え、生活を豊かにすることができるわけでございます。
 アールブリュットという障害者の芸術がございますけれども、こうした障害のある方々が個性や才能を生かして生み出した表現の魅力を広く知ることは、様々な価値観を受け入れる共生社会の実現に大きく寄与すると考える次第でございます。
 今、平成二十九年度の事業計画では、二〇二〇年の東京へ向けて視聴者の関心に最大限に応える幅広い番組を編成していくと記述されておりますけれども、NHKがこの障害者による芸術文化活動を放送で積極的に取り上げていただくだけでなく、収集や記録なども通じて地域に埋もれている作品の掘り起こしにも是非協力をしていただきたいと思いますけれども、最後にこの点を確認して、質疑を終わりたいと思います。
○参考人(木田幸紀君) お答えします。
 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに合わせて行われる文化プログラムにつきましては、現在検討中で詳細はまだ決まっておりませんが、現在、障害者の文化芸術活動についてはいろいろな番組やイベントで取り上げております。更にこのような番組にも力を入れていくとともに、アーカイブスも更に充実させて活用して、委員のおっしゃるような趣旨が少しでも実現できるように努めていきたいと思います。
○山本博司君 以上で質問を終わります。
○宮崎勝君 公明党の宮崎勝です。山本委員に続きまして質問をさせていただきます。
 最初に、スーパーハイビジョン、4K、8Kの推進について伺います。
 4K、8Kの推進につきましては、東京オリンピック・パラリンピックが開催される二〇二〇年に、4K、8K放送が普及し多くの視聴者が市販のテレビで4K、8K放送に楽しんでいる、これを目標にして取り組んでいると承知しております。
 平成二十九年度NHK予算では、スーパーハイビジョン設備の整備に二十八年度の二倍以上に当たる百四億円を計上するなど、力を入れています。二十九年度の事業計画では、重点項目として来年十二月予定の実用放送開始に向けたコンテンツ制作力の強化を掲げていますが、スーパーハイビジョン設備の整備状況、またコンテンツの制作状況について最初にNHKに伺いたいと思います。
○参考人(森永公紀君) お答え申し上げます。
 4K、8K、スーパーハイビジョン設備につきましては、これまでスタジオや編集機、中継車などの番組制作設備や送出設備の整備を実施しております。平成二十九年度はスタジオや中継車、カメラ、編集機などの番組制作設備、4K及び8Kの実用放送のための送出設備を整備する予定であります。引き続き、来年の実用放送開始や三年後の東京オリンピック・パラリンピックに向けて計画的かつ効率的に整備を進めてまいります。
 それから、番組のことでございますけれども、4Kは、地上波と衛星波で放送しております現在の2Kの番組との一体制作により、自然、気候、美術、科学、ドラマなど幅広いジャンルでコンテンツを蓄積してまいります。8Kにつきましては、昨年、フランスのルーブル美術館と番組を共同制作いたしましてモナリザなど九点を超高精細の画像で映し出し、好評をいただきました。今後も第一級の芸術作品や世界遺産の撮影、さらに、開幕まで一年を切りました平昌オリンピックなどの中継を通じてコンテンツの開発に努めてまいります。
○宮崎勝君 よろしくお願いします。
 続きまして、超高精細映像が特徴の8K技術は、遠隔の病理診断や手術などにも応用可能な技術として期待がありますが、この技術を広く国民生活の向上に役立てていくことも重要だと考えております。NHKとしては、テレビ放送だけでなく様々な場面で活用できる8K技術をどのような形で社会に還元していく方針か、伺いたいと思います。
○参考人(坂本忠宣君) お答え申し上げます。
 8Kは、放送分野だけでなく、医療、教育、防災、芸術、サイネージなど様々な分野での活用が期待されているところであります。
 医療分野では、二十八年度、内閣官房健康・医療戦略室と総務省が共管します8K技術の応用による医療のインテリジェント化に関する検討会において8K内視鏡に関する映像を上映し、専門家から高い評価を受けたところであります。NHKの関連団体におきましても、医療関係者、メーカーなどと連携して総務省の8K技術を活用した遠隔医療モデルに関する実証実験に参加するなど、技術の普及に向けた取組を行っております。
 また、大学院の授業におきまして美術番組を上映し教育に利用する試み、また、縦長に設置しました8Kテレビに表示しますデジタルサイネージコンテンツを制作、展示する試みなども行っているところです。
 様々な分野で活用していただけるよう、専門家、関係業界と連携し、ノウハウの提供等に積極的に取り組んでいきたいと考えているところです。
○宮崎勝君 ありがとうございます。
 特に8K技術の医療応用について関心を持っております。総務省は、NHKと協力して、今ありましたけれども、8K内視鏡の開発や8K画像を用いた遠隔診療を実用化するための実証試験を行っております。公明党といたしましても、先月党内に設置しました医療現場におけるICT利活用推進委員会におきまして、8K技術を活用した内視鏡の開発状況や遠隔診療、遠隔病理診断の実証試験についてNHKの担当者からいろいろ説明を伺いました。8Kの非常に鮮明な映像によりまして内視鏡手術の精度が格段に向上することや、患者と離れた場所あるいは離れた病院の間からでも正確な病理診断や診療を行えることということがよく分かりました。
 一方で、8K技術を医療現場で利活用するにはまだ課題もあると伺っております。総務省が昨年行った8K技術の応用による医療のインテリジェント化に関する検討会、この報告書によりますと、8K技術を医療応用する際の課題として、高精細さと明るさを両立させる技術の開発やカメラやモニターの小型化、軽量化、高精細映像データを圧縮、伝送、復元する際の技術的な制約などが挙げられております。こうした課題の解決に向けた現在の取組状況について御説明をいただきたいと思います。
○参考人(森永公紀君) お答え申し上げます。
 今御指摘いただきました課題の解決に向けまして、NHKでは、8Kイメージセンサーの高感度化やカメラモニターなど8K番組制作機器の一層の小型化、軽量化、映像圧縮技術の高性能化等の研究開発に取り組んでおりまして、研究成果が出てきております。こういった8K技術の研究成果は、放送分野だけではなく医療分野へも応用できるものであります。
 NHKでは引き続き、8K機器の更なる小型化、それから高性能化を図るとともに、NHKの技術開発成果の社会還元を担う一般財団法人NHKエンジニアリングシステムとともに、NHKグループが連携して8K医療応用に取り組んでまいります。
○宮崎勝君 ありがとうございます。
 関連して高市大臣にお伺いしたいと思います。
 私は、昨年の本委員会におきましても質問させていただきましたが、遠隔診療や遠隔病理診断などの遠隔医療が実用化することによりまして、難病などの専門医の数が限られる場合の診断、診療や医師の地域的偏在などの課題の克服にも有効ではないかというふうに考えております。
 総務省におかれましても、8K技術の医療分野への利活用についてこれまで以上に積極的に取り組んでいただきたいと考えておりますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(高市早苗君) 8K技術の医療分野への活用ということにつきましては、総務省において、医療関係者、それから研究者、厚生労働省などの関係省庁による検討会を開催しまして、昨年の七月に、遠隔医療や内視鏡手術などの具体的な推進方策に関する御提言をいただきました。
 これを踏まえまして、遠隔医療につきましては、皮膚科分野で大学病院の専門医が専門医のいない離島から伝送される8K映像による患者を診断するモデル、そして、遠隔地の病理医が病変のある組織や細胞を8K画像によって病理診断するモデルについて実証を行いました。8K内視鏡については、実用に向けた研究開発を二十八年度から三年計画で進めています。内容につきましては、先ほどNHKから答弁があったとおりでございます。課題の解決に取り組んでいるということでございます。二十九年度は、これらの取組に加えまして、8Kデータを流通させるためのネットワークの在り方の検討や高精細映像データを活用したAI診断支援システムの開発というものにも取り組んでまいる予定になっております。
 この8K技術の医療への活用というのが実現しましたら、地域における医師の不足、偏在に係る課題の解決や、また医療の充実に資するものでございますので、厚生労働省や医療関係者とも十分連携を図りながらしっかりこの8K技術の医療現場への展開というものに積極的に取り組んでまいります。
○宮崎勝君 ありがとうございます。引き続き積極的な取組をお願いいたします。
 続きまして、受信料の公平負担に向けた取組についてお伺いしたいと思います。
 NHKは、受信料支払率について、平成二十九年度は過去最高の八〇%を目指すとしております。目標の達成には、受信料支払率の低い大都市圏に重点を置いた対策が鍵を握ると考えておりますが、例えば大都市で独り暮らしをする若者の場合は、日中そもそも家にいないとか、会うことすらできないといった事情もあるかと思います。
 このため、NHKでは、大都市圏に重点を置いた対策として、法人委託の拡大と併せてオートロックマンションへの対策の強化を掲げておりますけれども、これらの対策の詳細やこれまでの効果について伺いたいと思います。また、今後の受信料の公平負担の在り方について見解を伺いたいと思います。
○参考人(松原洋一君) お答え申し上げます。
 大都市圏で課題となっているオートロックマンションについては、不動産会社や都市ガス事業者との連携や専用資材を用いた入居者への契約対策などを今取り組んでいるところでございます。
 不動産会社へは入居手続の機会などを利用して受信契約の勧奨をお願いする業務を委託しており、二十八年度の取次ぎは約十一万件となる見込みです。また、一部の都市ガス事業者に対してはガスの閉栓連絡時に受信契約の住所変更手続についても勧奨する業務を委託しており、二十八年度の取次ぎは約一万件になる見込みです。さらに、オートロックマンションの入居者は面接が困難だということが一番ですので、訪問によらず文書での対策が有効となるため、契約手続を御案内する専用資材を作成の上投函し、受信契約を勧奨する試行を開始をしているところです。二十八年度の取次ぎは約二万件となる見込みです。
 委員御指摘のように、公共放送NHKとして公平負担を徹底していくことは何よりも重要であるというふうに認識をしております。このため、会長の諮問機関として外部の有識者によるNHK受信料制度等検討委員会を二月に設置し、その中で公平負担の徹底の在り方についても諮問をするということでございます。
○宮崎勝君 ありがとうございます。
 続きまして、放送センターの建て替えについて伺いたいと思います。
 放送センターの建て替えにつきましては、その経費が受信料によって賄われるということから、コストの抑制を徹底し、国民・視聴者の理解を得ることが重要であると考えております。
 昨年公表された建替基本計画によりますと、想定建設費は千七百億円とされております。工期が二〇二〇年から二〇三六年までの十六年間と長期にわたるため、今後想定外の事態が起こる可能性もありますけれども、この千七百億円という金額を超過しないためにどのような点に留意して計画を遂行していくおつもりか、NHKの見解を伺いたいと思います。
○参考人(大橋一三君) 放送センターの建替基本計画でお示しをいたしました千七百億円は、直近の地方放送会館の建設の実績額から平米単価を把握をいたしまして算出いたしました想定の建設費でございます。
 御指摘のように、今後、社会経済情勢の変化などによりましてコストが変動することもあるかもしれません。そのために、一つは、建設の工期が非常に長いので、工期を分けて発注をすることによりまして、その時々の最も効率的、効果的な技術の活用や設備の導入を可能とし、コストの抑制につなげていきます。また、業者の選定に当たりましては、しっかり競争原理を働かせてコストの削減に努め、お示しした経費の中で実施できるよう、しっかり努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○宮崎勝君 済みません、時間が参りましたので、済みません、一問残してしまいましたけれども、終わりにしたいと思います。
 ありがとうございました。
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 退任した籾井前NHK会長は、就任会見で政府が右と言うことを左と言うわけにはいかないと発言したり、原発報道については政府の公式発表をベースに伝えることを続けてほしいと指示したりするなど、公共放送であるNHKの在り方を理解していない言動を繰り返され、国民の間で公共放送と政府の関係はどうあるべきかが大きな議論となりました。
 そこで、まず高市総務大臣に聞きます。
 公共放送と政府の関係はどうあるべきか。私は、放送法第一条、パネルにしましたけれども、(資料提示)とりわけ第二号、「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。」、第三号、「放送に携わる者の職責を明らかにすることによつて、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること。」、これが公共放送と政府の関係の大切な基準になると考えますが、大臣は放送法第一条の意義についてどのように認識されているでしょうか。
○国務大臣(高市早苗君) 放送法第一条は、放送を公共の福祉に適合するよう規律し、その健全な発達を図ることを目的として規定するとともに、同条第二号として「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。」、第三号として「放送に携わる者の職責を明らかにすることによつて、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること。」などの原則というものを定めております。
 この第二号でございますが、放送法に定める規律の確保はできる限り放送事業者の自主的な規律に委ねられるべきものであるという趣旨で設けられています。また、第三号は、放送に携わる者の職責を明らかにすることによって放送が健全な民主主義の発達に資するようにすることを規定しています。
 これは、戦後、新憲法の下で放送法第一条がこのように制定されました背景としてでございますが、戦前、放送分野を規律していた無線電信法の規定は広範な裁量権を主務大臣に与えており、言論の自由を保障する新憲法の精神にそぐわないことから、民主主義的な考え方に立脚したものとする必要があったということ、さらに、放送の社会的影響力の大きさから、無線電信法に規定する電波の管理の面からの規律のみでは不十分であり、放送の自由、不偏不党、放送の普及などについて規律をする必要があったということなどによると承知をいたしております。
○山下芳生君 憲法まで触れていただきました。
 上田NHK新会長にも同じ質問をしたいと思います。
 公共放送と政府の関係はどうあるべきか。私は、この放送法一条、これが大切な基準になると考えますが、会長、いかがでしょうか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 私も全く同意見でありまして、放送法一条は、放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって放送による表現の自由を確保することや、放送が健全な民主主義の発達に資することなど放送法の目的を定めたもので、放送法の根幹ともいうべき重要な規定であると認識いたしております。
○山下芳生君 籾井前会長の言動が話題となったときに、問題となったときに、イギリスの公共放送であるBBCの元会長、グレッグ・ダイク氏のインタビューが毎日新聞に掲載されました。パネルにいたしましたけれども、ダイク元会長はこう述べております。公共放送にとって重要なのは政治家を監視することだ。党派に関係なく公正公平に全ての政治家を監視すべきだが、特に権力の大きい政府の監視はより大切だ。そのために公共放送は政府から独立していなければならない。政府と公共放送では目的が違う。政治家や政府の目的は権力の維持だ。権力を握った政治家は、自分たちが権力に居座ることが国益に合致すると考える。それを踏まえた上で公共放送は、政治家の言うことが真の国益なのかチェックすべきだ。民主主義社会において公共放送の役割は、権力への協力ではなく監視だ。民主主義社会において公共放送の役割は、権力への協力ではなく監視、そのために公共放送は政府から独立しなければならないと。
 上田会長に伺いますが、イギリスの公共放送BBCの元会長はこういう認識を示しておりますが、日本の公共放送NHKの会長としてこういう認識おありでしょうか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 NHKは、自ら定めた番組基準や放送ガイドラインにのっとり、報道機関として不偏不党の立場を守り、何人からも干渉されない、私は就任に際し、役職員一体でこの原則を貫こうと呼びかけたところであります。
 公平公正を守り、放送の自主自律を堅持する、これが信頼される公共放送の生命線と考えております。そのためには、職員は不断に自らを律していかなければなりません。さらに、放送法に基づく審議機関や視聴者の反響に耳を傾け、放送現場と一線を画した考査システムをしっかりと機能させる、こうした取組を続けることで常に自らを律してまいりたいというふうに考えております。
○山下芳生君 自律というのはいいんですけれども、私がこのBBCのダイク元会長で問いたいのは、公共放送の役割は権力の監視とはっきりうたっていることであります。この権力の監視が役割だという認識、会長おありですか。
○参考人(上田良一君) NHKのよって立つところは、視聴者・国民の皆様の信頼であります。これが何よりも重要と考えております。この信頼を得るためには、報道機関として自主自律、不偏不党の立場を守り、公平公正を貫くことが公共放送の生命線であることを認識しておりまして、会長の職責をしっかりと果たしてまいりたいと思います。
 今委員御指摘の公権力の監視もジャーナリズムの機能の一つだというふうに認識いたしております。
○山下芳生君 まあ役割の一つだということでありましたけれども。
 この放送法一条にある健全な民主主義の発達に資する、健全な民主主義の発達というのは、権力の監視なくしてはあり得ません。権力の監視がなくなったらこれはもう独裁政治になりますから、放送が権力を監視してこそ民主主義の発達に資することができるようになると思います。
 実際、NHKはこれまで権力を監視する、あるいは政府をチェックする番組を幾つも作ってまいりました。私が印象深く記憶しているのは、二〇一一年五月に放送された「ネットワークでつくる放射能汚染地図」という番組であります。東京電力福島第一原発事故の影響でどれだけの放射能が漏れてどのように地域が汚染されたのか、科学者たちが被害の実態を科学者個人のネットワークを使って計測、分析することにされました。番組を私も何回か見ましたけれども、乗用車に放射線測定とGPSの両機能を併せ持つ装置を積み込んで、福島第一原発の周辺の道路を網の目のように走り回って、一点一点つなぐように計測をしたわけであります。走った距離は三千キロであります。
 NHKは、震災三日後からこの科学者の活動に同行し、取材をされました。そして、放送された番組では計測で浮かび上がった放射能汚染地図が紹介されたわけですが、それは、政府による二十キロ、三十キロの同心円による線引きではない、放射能の汚染の正確な分布が目に見えるものとして紹介をされました。また、周囲に比べて放射線量が極めて高いホットスポットで避難生活する被災者の実態も明らかにされました。
 私、当時番組を見てまず感じたのは、こういう研究者がいたのかということと、それからもう一つは、よくぞNHKは同行取材して報道してくれたなということでありました。この番組は、福島で何が起こっているのか事実を伝えることで、国民がこれから原子力発電とどう向き合うべきか考え議論する上で貴重な貢献になるだろうし、これは全人類的にも意義のある仕事ではないかと感じた次第です。現に、この番組は視聴者から大きな反響があって、文化庁芸術祭賞大賞、日本ジャーナリスト会議大賞など数々の賞を受賞されました。
 上田会長に伺いますが、NHKがこういう番組を作り、視聴者から歓迎され、社会的にも評価されていることをどう思われますか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 憲法で保障された表現の自由や放送法の規定をしっかりと踏まえて視聴者・国民の期待に応えるのが公共放送NHKの役割だと考えております。また、ジャーナリズムは国民の知る権利に応えることだと認識いたしております。この役割を果たすためには、不偏不党や自主自律の立場を守り、番組編集の自由を確保することが何よりも大事だと認識いたしております。
○山下芳生君 設問とちょっと違うお答えだったんですけれども。
 角度を変えて聞きますけれども、私は、こういう番組は、政府が右と言うことを左と言うわけにはいかないとか、原発報道は公式発表をベースに伝えてほしいという方針の下ではこんな番組はできないと思うんです。いかがですか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 今委員が評価していただきましたように、そういった真実に基づく報道をしっかり守ることが公共放送の役割だと私も認識しておりまして、そういった報道に心掛けるように私も執行を担っていきたいというふうに考えております。
○山下芳生君 前会長のことにはなかなか言及されないんですけれども、要するにそういうことだと思いますよ。
 憲法との関係については先ほども高市大臣から答えがありましたので、石原経営委員会委員長に聞きます。
 戦後、郵政省電波監理局長として放送法の制定に関わった荘宏さんという方があります。その荘宏さんの著作、「放送制度論のために」という本の中に、国は経営委員会委員の任命のみを行い、その他の人事構成、NHK業務方針の決定、人事権に基づく執行機関に対する監督を全て経営委員会に信託している、NHKはその組織及び人事について非常に強固な自主性、独立性を与えられていることになると、こう述べております。
 石原委員長に伺いますが、私は、NHKに国からの強固な自主性、独立性を保障するために経営委員会がつくられた、この歴史を踏まえて、委員長としての決意を伺いたいと思います。
○参考人(石原進君) お答えいたします。
 NHKは受信料で支えられている公共放送であります。したがいまして、視聴者の期待に応える健全な経営が行われるよう、公共の福祉に関して公正な判断をすることができ広い知識と経験を有する者のうちから、国民の代表である国会の同意を得て、内閣総理大臣に任命された委員による合議体として経営委員会が設けられたものであります。
 経営委員一人一人が国民の代表である国会の同意を得て任命されたという重い責任を深く自覚して、放送法に従い、公共放送NHKが視聴者・国民の皆様の信頼によって成り立つ経営ができるように監督していくことが経営委員会の役割だと認識しております。
○山下芳生君 要するに、先ほど高市大臣がおっしゃったように、戦前は政府が直接いろいろ指示していたんですね。それじゃ駄目だと、今から言いますけれども。その戦前の反省の上に立って、国が直接介入できないように、国民を代表する経営委員会がNHKを管理監督すると、そのために経営委員会はあるんだということを自覚していただいて任に当たっていただきたいと思います。
 昭和女子大の竹山昭子先生が一九九四年に書かれた「戦争と放送」という本があります。私もこの委員会で何回か紹介してまいりましたけれども、竹山先生は、太平洋戦争さなかの放送を直接聞いた経験をお持ちです。後書きにこうあります。
 女学校に入った年の十二月であった。朝七時のニュース、本八日未明、西太平洋において、アメリカ、イギリス軍と戦闘状態に入れりの大本営発表が響いてきた。このときの驚きはいまだに忘れられない。こんなことをして大丈夫だろうかが、そのときの感慨であった。
 また、先生は終戦の日の玉音放送も聞かれています。私は玉音放送を聞き終わると、一人で靖国神社に向かった。そのときの情景は今もまぶたに焼き付いている。社殿の玉砂利にぬかずいていたのは、ほとんどが私と同年齢の勤労動員の生徒たちであった。
 こういう体験をされた竹山先生が、戦後、東京放送、TBSに勤めた後、教職に就き、書かれたのが「戦争と放送」という著作であります。戦前の放送の実態を示す原典の史料に当たられながら、それから戦前の放送、ラジオ放送に直接携わった方々の声を聞きながら書いた本であります。
 この本の中に次の一節があります。一九二五年、大正十四年にラジオ放送を開始して以来、戦前、戦中の我が国のラジオはジャーナリズムではなかった。ジャーナリズムたり得なかったと言えよう。戦前、戦中のラジオには報道はあっても論評はなかったからである。さらにその報道も、放送局独自の取材による報道ではなく、太平洋戦争下では国策通信社である同盟通信からの配信であり、放送は政府、軍部の意思を伝える通路にすぎなかった。大変重い史実であり、指摘だと思います。
 上田会長に伺いますが、戦前の放送が戦争遂行という政府、軍部の意思を伝える通路にすぎなかったという痛苦の歴史を踏まえて、一九五〇年、放送法の第一条に先ほど述べたようなことが明記された。そういう認識はおありでしょうか。自分の言葉でできれば御回答いただきたい。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 放送事業者は、放送を通じて表現の自由や民主主義といった憲法上の価値の実現に資することが求められているものと認識いたしております。その実現のために、健全な民主主義の発達に資すること等の目的が放送法一条に掲げられているものと考えております。
○山下芳生君 戦前の反省、教訓を踏まえてということを聞いたんですが、まあ、もういいでしょう。
 さらに、NHKはそこを深刻に受け止めなければならないということを紹介したいと思います。このパネルは、一九四二年、昭和十七年一月一日、日本放送協会会長小森七郎が、聴取者の皆様へと題する放送を行ったその内容であります。ちょっと紹介します。
 昨年十二月八日、我が国がついに多年の宿敵、米英に対し矛を取って立つに及びまするや、我が放送事業もこれに対応する新たなる体制を取るに至ったのであります。番組内容はことごとく戦争目的の達成に資するがごときもののみといたしました。私ども全国五千の職員はこの重大なる使命に感激しつつ、もって職域奉公の誓いを固くし、全職員一丸となって懸命の努力をいたしておるのであります。
 上田会長、ここのところの認識を問いたいんです。要するに、戦争推進の一翼を担わされたにとどまらずに、戦争推進の一翼をまさに自ら担う宣言まで、NHKの前身、戦前の日本放送協会は宣言してしまったということなんですね。この事実、どう受け止めますか。
○参考人(上田良一君) 前身の社団法人日本放送協会の時代には、放送内容に対する政府からの指示や検閲などが行われており、こうした歴史的な経緯を踏まえ、戦後民主主義の下で、自由な放送を保障するために放送法が制定され、現在のNHKの形になったものというふうに認識いたしております。
○山下芳生君 言葉はシンプルでしたけど、私は、その歴史を踏まえという言葉の中に新会長の思いが込められていたというふうに受け止めました。
 私は、NHKで働く人はこの歴史の教訓を忘れることなく、放送の自主自律、政府からの独立を他の放送事業者以上に揺るがず貫くことが必要だと思っております。
 最後になりますが、戦後、新生NHKの初代会長に選ばれた経済学者の高野岩三郎氏は、一九四六年四月三十日に行われた会長就任の挨拶で、太平洋戦争中のように専ら国家権力に駆使され、いわゆる国家目的のために利用されることは厳にこれを慎み、権力に屈せず、ひたすら大衆のために奉仕することを確守すべきであると宣言されました。戦争推進のための権力の道具であったことと決別し、自主自律の公共放送としてのスタートを高らかにうたい上げたものだと思います。上田会長にはこの高野会長の言葉をかみしめていただきながらNHKの経営に当たってもらいたいと、そのことを申し上げて、時間が参りましたので終わります。
○片山虎之助君 片山虎之助でございます。
 それでは、順次質問をさせていただきます。
 まず、上田会長にお喜びを申し上げなきゃいけません。会長、おめでとうございました。一つはNHK会長御就任、もう一つは、四年ぶりに衆議院でNHK予算が全会一致だったんですよ、四年ぶりですよね。こっちはどうなるか分かりませんよ、まあ大体上がるんですが。おめでとうございます。
 それから、今回の会長就任、もう今日も大分話に出ましたが、本当に異例ですよ。会長は、三年半、常勤の経営委員兼監査委員でしょう。その三年半の間に全国の支局を全部回られたという。それから、海外の支局も全部回った。海外に総局が四つと支局が八つあるのかな。全国は五十三か所かありますよね。それで、現場の人とよくいろいろ話されているんですよ。満を持しての会長就任なんですよ。前任の人とは違うわね、そういう意味では。前任の人はぱっとなったんだからね。そういう意味では専門家なんですよ。
 そこで、三年半いろいろ準備されたことで、どういうことを学ばれたというのか、どういう感想をお持ちですか、現場の皆さんとずうっと話をされて。そういうことの中で、NHKはどうあるかということのお考えがあれば、まずお聞かせください。
 今日は初めてですから、長い付き合いですからね、今日はやっぱり基本的なこと、時間もありますので基本的なことを中心にします。どうぞ。
○参考人(上田良一君) お答えします。
 今先生から御指摘ありましたように、私は会長に就任する前に三年半、NHKの経営委員会委員、それから監査委員を務めてまいりまして、その間、東京を除きまして五十三放送局がありますが、地方の放送局と、海外の総局が四つあるんですが、その四つの総局と四つの支局、支局事務所は全てを回ることはできませんでしたけれども、自らの目で現場を視察いたしました。
 そこで感じましたのは、業務は実に幅広く、それぞれの職場で一人一人がやりがいを持って業務に当たっているということでした。また、放送の裏側では、技術的、経済的、組織的な基盤を支える実に様々な役割を担う人がいて放送が成り立っているということも理解いたしました。特に技術の部分、それから何度も今日話題になっていますが営業、経済的基盤を支える営業の活動等、地方を回ると非常に実感いたします。
 こうした人知の結集がNHKならではの放送やサービスにつながっているものだということを胸にとどめて、役職員としっかり意思疎通を図りながら会長の業務を執行してまいりたいという認識を新たにした次第です。
○片山虎之助君 私は日本だから身びいきかもしれませんが、日本のNHKは世界の公共放送の中のモデルだと私は思っているんです、その実力や実績からいって。妙なことにならぬでください、これからが勝負なんだから。そういう意味では、重大な時期の会長になられたという御認識を是非持ってもらいたい。
 そこで、今日も出ましたが、不祥事が多いわね。昔から多いんですよ、ずうっと、私が大臣のときからも。ずうっと、なくなるなくなる、ちゃんとやっていますと言い、なくなりませんわね。ちゃんとやっていないんじゃないんですか。だから、あんな妙な山形県の人なんか何で採るんですか。採用でチェックできないんだろうか。それがまずNHK全体のイメージに影響しますよ。会長、どうですか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 私どもも全く同じような認識を持っていまして、不祥事が後を絶たないことに対しましては本当に遺憾に思っています。
 一つ一つの不祥事の原因を究明して再発防止のルールを作って対処してきてはいるんですが、ルールだけが複雑になりまして、ルールがあってもしっかり守れないというような現状になっているのではないかという、そういった危機感も持っていまして、こういったルールに対する危機意識が薄れて仕事の進め方やチェックが甘くなっているということではないかと感じておりまして、もう一度、全体としてどういうふうにリスク管理をやっていくかということは、しっかりした総合的な対応を考えていきたいというふうに考えております。
○片山虎之助君 まあNHKのような官でもない民でもない、昔、特殊法人と言ったんですけれどもね、今はいろんな名前に分かれていますけれども、そういうところは、官と民のいいところを取ろうと思ってそういう形態にしたんですよ。ところが、実際は官と民との悪いところばっかり行くんですよ。是非、そういう意味でもNHKはモデルになって、官と民のいいところだけ取ったような組織じゃないかと、こうしないとねと思いますよ。
 そこで、石原委員長、済みません、突然行きますが、二か月ですよね、会長就任、上田さんはまだ。あなたが御覧になっていかがですか。前、一緒だったんだから。どうぞ。
○参考人(石原進君) 先ほど来、片山委員からお話ございましたけれども、私は非常に、お話をお伺いしていて、上田会長に対しての受け止め方、大変有り難いなと思っているところでございます。
 経営委員会が十二名の委員の中で上田会長を選んだわけでございますけれども、はっきり申し上げて、数人ほかの候補もおりました。そういった中で上田会長を選任した理由をちょっと申し上げますと、やはり次期会長の資格要件、これ五項目決めたわけでございますけれども、それに一番やっぱり上田会長が合っていたと。それから、経営委員、監査委員、先ほどお話ございましたけれども、両方を三年以上やりまして、非常にNHKの内部、社員ですね、職員に対しても仕事の中身についても非常によく御存じでいらっしゃる。それから、お人柄が大変すばらしいと私は思っております。それから、民間、三菱商事でございますけれども、大きな会社の副社長でございますかね、をされているという経験も、これも非常に貴重であろうと思いますし、同時に、商事会社ですから国際的なセンスもあると。こういったことの中で、いろんな御意見、十二名の中でありましたけれども、結果的に全会一致で上田会長を新会長に選んだわけでございます。
 二か月たちました。そういった中で、まだ具体的にどうだという結果、まあ今回の予算が一つ最大の仕事でございますけれども、が出たわけではございませんが、やはりリーダーシップを発揮していただいていると思っています。
 それから、NHKの執行部におけるコンセンサス、NHKは、私見ていて、やっぱりどうしても縦割りで、横のつなぎが悪いところがあります。その辺を非常に上田会長のリーダーシップで横のつなぎもよくやっていただいているなということで、NHKが非常によくまとまってきているんではないかと思っておりまして、これが、今NHKが抱えているいろいろな、放送、通信の融合とか、あるいは国際放送を更に充実するとか、4K、8Kとか、そういったいろいろな諸課題に対して、これを進める上において非常に大事なことであり、これからNHKの仕事をしっかりと進めていただけるんではないかなと期待しているところでございます。
○片山虎之助君 石原、上田、あいうえおラインですな。ひとついいコンビでやっていただきたいと思います。
 そこで、これは石原委員長がいいのか上田会長がいいのか、今、経営委員が監査委員でしょう。経営委員というのは十二人おるんですよ。そのうちの三人が監査委員ですよね、常勤は一人らしいけれども。この仕組みというのが、私、分かるようで分からないんですよ。
 経営委員というのは、なるほど執行部、会長を監督するんだけれども、しかし同時に、経営の片棒以上を担ぐんですよ。そこに監査委員会がくっついて、これ一緒になっているということがうまくいくのかどうかという気も一つあるし、分けるのがいいのか、くっつけるのがいいのか、これは恐らく大変な議論があって今の形態になったんですよ。しかも、政府が干渉できないようにしたんですね、経営委員会、監査委員会つくって。
 この辺について、なおどういうのが一番いいのか、これだけ不祥事が起こるということを含めて、やっぱりそのチェックの在り方、監査の在り方、コンプライアンスの在り方、ガバナンスの在り方、そういうことの御検討をする気はありませんか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 ガバナンスの在り方というのはいろんな形があると思います。NHKの今の放送法に基づくガバナンスというのは、現在の会社法の監査等委員会設置会社に非常に近い形の形態になっているんじゃないか、委員会設置会社に近い形になっているんじゃないかと思います。
 監査委員は常勤であることということで、一名、私が常勤でいたわけですが、やはり経営委員会の中でいろんな実際の執行の状況を議論する上で、常勤以外は全て、一名の監査委員を兼ねている常勤以外は非常勤なので、やはり執行の実態がなかなか把握しづらいと。要するに執行部からの報告だけに基づいてということで、そういう面では監査委員を兼任している常勤の経営委員の役割は極めて大きかったと思っています。そういう経営委員会に正しい情報を伝えるということが一つと。
 それから、監査委員の場合はいわゆる役員の執行を監査するわけですが、私が五十三局の放送局を訪ねたのと同じように、いろんな形で監査権を行使することによっていろんな事実関係を更に深く知ることができます。したがいまして、今の仕組みはそれなりのガバナンスの仕組みになっていると思います。
 ただ、ガバナンスの在り方というのはいろんな議論がありまして、それがベストかどうか、もっとほかの在り方があるのかどうなのか。これ、諸課題検討会で指摘されていますけれども、ガバナンスと、それから受信料と、それからインターネットに対する業務、これを三位一体でやるかということになっていますので、そういった議論の中でしっかり議論がされると思いますけれども、私は実際に自分がやってみてそういう感じを持っております。
○参考人(石原進君) 常勤の監査委員が必要だと放送法で決められているわけでございまして、経営委員の中から選ぶということも法律事項でございます。
 したがって、法律にのっとって私ども運用しているということで、それ以上のことを申し上げる立場にはございません。
 以上でございます。
○片山虎之助君 引き続き御検討ください。これは総務省でも検討してもらうべきことだと思っています、今の全体の監査の在り方、ガバナンス、コンプライアンスについて。
 それで、NHKが一昨年から、公共メディアとしての役割を果たすとか拡大するとかということを言い出したんですよね、経営計画の中なんかに入っていますよ。公共メディアですよ。この公共の中には、放送そのものの公共性もあるし、放送の中では公共放送ですから、民間放送と別の、そういう二重の意味があるのかなと思うんですけど、公共メディアとしての役割を果たすということは何か新しいことやるということですか。これが一つと。
 もう一つは、私はインターネットがあると思うんですよね、同時配信の。インターネットを取り込むというのか、融合するというのか、利用するというのか、この関係がその中にあるんじゃないかと思うけど、間違いですか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 三か年経営計画では公共メディアという言葉を今御指摘のように使っておりまして、公共放送NHKが環境変化に適切に対応して、より身近で信頼できるメディアに進化するということを目標として掲げております。その上で、経営計画では、放送と通信の融合の時代に、新しい技術を積極的に取り入れ、放送を太い幹として、放送だけでなくインターネットも積極的に活用して、より多くの人々に多様な伝送路で公共性の高い情報や番組などのコンテンツを届けるとしておりまして、放送、通信の融合時代にふさわしい公共メディアへの進化を見据えて挑戦と改革を続けていく覚悟を示したものということで御理解いただければと思います。
○片山虎之助君 今NHKがお考えになっているインターネットの番組配信、同時配信みたいなことは、私はやらざるを得ないと思いますよ。で、どううまくやるかなんです。
 そこで、これは制度の問題があるから、総務省で有識者会議か何かで検討してきたはずなんですよ、結論が出ておるかどうか知りませんがね。どこまで検討進んでいますか、簡潔にどなたか答えてください。
○国務大臣(高市早苗君) まだ現在検討中でございます。これはもう受信料、ガバナンス、業務、三位一体で御検討いただいております。特にやっぱり受信料との関係がなかなか大きな課題でございますので、その財源をどうするかということですね。既に受信料を支払っておられる世帯との負担の公平性をどのように確保するのかといったような点も明確にしていかなければなりません。現在まだ検討中ですし、NHKの方でも今検討進めていただいておりまして、民放などとの連携によるコスト低減の在り方ですとか、あとインターネット配信における地域性の在り方などについて、まずNHKの方で考え方を明確にしていただきたいと思っています。
 総務省の検討会にはNHKにも参加をしていただいています。民放連にも参加をしていただいておりますので、その中でしっかりと議論を進めてまいりたいと思っております。
○片山虎之助君 受信料の徴収率が八割近くになりましたよね。来年度中に八割になるのかもしれませんが。しかし、二割は岩盤で払わないやつですよ。やつって言っちゃいかぬか、払わない人ですよ。もうこれは固定的に払わない層があるんですよ。これは本当に不公平ですよ、ずっと払っていないんだから。主義主張含めて払わないという。これをこのままにしておいて、例えばネットに番組を流して料金をどうするのか、それも受信料でやるのかどうか、これは大変な議論ですよ。そういうことをやると不公平がもっと深まりますよ。
 だから、受信料については昔から大議論がある。私は前から、行政処分をしろ、罰則を掛けろと、無理やりでも取れということをずっと言ってきましたけど、NHKさんの方はまあ余りお好きではないわね。民事の手続でいきますとか努力しますとか、いろいろなことをおやりになっているけど、一遍、このネットに入るのなら、ネットを利用するなら、この負担をどうするか、ドイツみたいに、もうみんな見ようが見まいが払うようなことにするのか、そういうことを含めてきちっと私は受信料の結論を出さないかぬと思いますよ。
 会長、いかがですか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 今御指摘のように、受信料制度というのが極めて重要で、かつ、このインターネットの世界に入っていって常時同時配信ということになりますと、その中でどういうふうに受信料体系を決めていったらいいかということが大きな課題になりますので、そういったことも踏まえまして、何度か答弁させていただきましたけれども、今年の二月に受信料制度等検討会というのを設けて、有識者の御意見も伺いながら検討を更に深めていきたいというふうに考えております。
○片山虎之助君 それで、この同時配信をやるのなら、ちょっと会長が言われましたように、民放との、全体でどう受け持ってどういう役割分担をするかというのが要ると思いますよね。また、ケーブルテレビや衛星放送をどう扱っていくか。これはちゃんとネットの同時配信に対応できるような仕組みの中に入れて、きちっと体制を整えるかどうかという。お金掛かりますよ。そういうことのために、私は場合によっては電波利用料なんかを使ったらいいと思うんですよ。電波利用料も、地デジが終わったから使い道が余りないと言ったらいけません、ありますけれどもね、大きいのはないんですよ。
 だから、そういうことをもっと広く国民的な合意を取る必要が私は本当にこれからあると思うんですが、どうですか、受信料だって国民の負担、電波料だって国民の負担ですよ。どうですか、会長。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 今御質問の中で、民放との関係ということに対してお答えいたしますと、民放の皆さんとは、放送の二元体制の中で切磋琢磨しながら共に日本の放送文化の向上に努めてまいりました。テレビ放送のインターネット同時配信につきましては、著作権の処理の問題、それから技術的な検討など様々な課題がありますが、民放の皆さんとの意見交換をしながら、できるだけ丁寧に対応し、情報の共有を図っていきたいということで、私は就任以来、早速民放との連絡を取り合っているわけです。
 いずれにいたしましても、民放の皆さんとの連携は重要であるという認識はしっかり持っておりますので、引き続き様々な検討を行ってまいりたいというふうに考えております。
○政府参考人(富永昌彦君) ただいま委員の方から電波利用料はというお話がございました。
 御承知のとおり、電波利用料は、無線局全体の受益を直接の目的として行う事務の費用につきまして、無線局で免許人に負担していただいているところでございます。今後の電波利用料の使途につきましては、昨年有識者による会議を設置いたしまして、一般への意見募集の結果をも踏まえて検討を行っておりまして、平成二十九年度予算におきましては、放送関係の使途として、既存の研究開発等の事務に加えまして、例えば4K、8K放送に関する技術試験事務ですとか、衛星放送受信環境整備支援、これを新たにお認めいただいております。
 委員御指摘のような使途につきましては、免許人に負担していただく電波利用料によって何ができるかということがございますから、今後様々な議論の中で私どもとしても検討を行っていきたいと思っております。
○片山虎之助君 大臣、ありますか。あれば何か。
○国務大臣(高市早苗君) 貴重な質疑のお時間でございますので。
 今日、片山委員から様々重要な御指摘を賜りました。特に、これまで公共放送と民放の二元体制ということで、日本で質のいい放送番組を作ってきていただきましたから、これからしっかり二元体制というものを維持しながら、今回のインターネット同時配信の問題についても十分なコンセンサスが得られる、そういう環境をつくってまいりたいと思っております。
○片山虎之助君 終わります。
○又市征治君 希望の会(自由・社民)の又市です。
 まずは、上田新会長、会長への御就任、お祝いを申し上げたいと思います。
 今日は、上田体制は初めてでありますから、NHKの基本的な姿勢中心に伺ってまいりたいと思います。ずっと午前中からやってきましたけれども、前会長さんの不適切な言動がいろいろとあったものだから随分と慎重に原稿をお読みになっているわけですが、もう少し自分の言葉でお話しいただきたいと思いますけれども。
 先ほどから出ていますように、過去三年間、前会長の不適切な言動によって公共放送NHKの在り方に多くの懸念が表明されて、三年間、結果的には一回、去年でしたかね、可否同数になって委員長が採決で何とか可決したなんという、こんなことが三年間続いてきたということがありました。
 そこで改めて、上田会長、この公共放送NHKの在り方についてのあなたの見解をお伺いしたいと思います。
○参考人(上田良一君) 何回も繰り返しの答弁になりますけれども、NHKのよって立つところは、視聴者・国民の皆様の信頼であり、これが何よりも大事だと考えております。この信頼を得るためには、報道機関として自主自律、公平公正、不偏不党を堅持することが公共放送の生命線であると認識いたしておりまして、会長の職責をしっかりとこの認識を踏まえて果たしてまいりたいというふうに考えております。
○又市征治君 言うはやすく行うは難しという言葉がありますけれども、是非、有言実行、よろしくお願いをしておきたいと思います。
 最近、国会周辺ではそんたくという言葉が多用されておるわけでありますが、その意味するところは、他人の心を推し量るということだと思うんですね。政権がNHKの番組編成であるとか内容に介入するということはこれはもう当然許されない問題でありますが、問題は、NHK自身が政権の意向をそんたくをし自主規制をして番組や報道がゆがめられることになるとすれば、これはまさにNHK自身の、公共放送NHKとしての自殺行為ということだろうと思いますね。
 権力によるNHKの監視は、国民の批判や、私たちももちろんのこと抵抗し、許さない、そういう決意ですけれども、内部からの自主規制というやつは、これはNHKの、そういう格好で報道内容がゆがむということになると、これは止めるというのはなかなか難しい、そういうことになると思う。そのような行為は、もう公共放送というばかりではなくて放送人としての自殺行為だと私は思いますけれども、この点の会長の御認識、いかがですか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 NHKとしては、放送法にのっとり、番組編集の自由を確保して、公平公正、不偏不党、自主自律を貫くことが公共放送として信頼されるかどうかの生命線であると考えております。こうした姿勢は機会あるごとに私の方からも職員に伝えてきておりまして、職員も実践してくれるというふうに考えております。
○又市征治君 官邸、あるいは電波法や放送法を所管する総務省の顔色をうかがうようなことばかりではこれはもう大変な話になるわけで、国民の信頼を失うことになる、まさにおっしゃっている不偏不党、公平公正、自主自律、しっかりと貫いていただくように要請をしておきたいと思います。
 会長は、NHKの番組編成、その内容等について最終的には責任を負う立場ということでありますけれども、前会長は、今日もお二方からも話が出ましたけれども、政府が右と言うことをNHKが左とは言えないなど、いろんな問題発言で物議を醸したわけですが、一方でいいことも言っているわけですね。制作現場の自律性、自主性を尊重する、これは再三再四にわたってそういう発言をされていました。これは私は評価できる数少ない見解表明の中の一つだと、こういうふうに思うんですが、上田会長もこの点は同様の姿勢、当然維持されますね。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 今委員の方から御指摘ありましたように、放送法の五十一条の規定によりまして、NHKの最終的な編集権は会長にあるということは理解しておりますが、実際の業務運営におきましては放送部門の最高責任者であります放送総局長に分掌され、その下でそれぞれの番組制作責任者が作成に当たっているということであります。
 個々の番組の内容につきましては現場に任せており、現場がその都度、自主的、自律的に判断して放送に当たっていると承知いたしておりまして、今後もこの姿勢に変わりはありません。
○又市征治君 この現場の思いが、上に上がっていくに従って伝わらなくなるというか、通っていかなくなるようなことにならないように、トップダウンではなくてボトムアップで番組が編成されるように、是非努力をお願いしたいと思います。
 さて、総務省は、先ほどからもありましたけれども、二〇一五年十一月から放送を巡る諸課題に関する検討会を設置をし、様々な課題の現在検討中ということでございますね。これにはNHKも参加をして意見表明も行っておられるようですけれども、他方で上田会長は、就任早々、先ほどありましたNHK受信料制度等検討委員会を設置をされた。この設置の理由、目的、もう一度御説明願いたいと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 メディアや社会の環境変化などを踏まえた受信料制度とその運用の在り方について検討することがまず必要だと私は考えまして、私の諮問機関として外部の有識者によるNHK受信料制度等検討会というのを二月に設置して検討を始めたところであります。
 当面の諮問事項といたしましては三点ありまして、一つ、常時同時配信の負担の在り方について、一つ、公平負担徹底の在り方について、一つ、受信料体系の在り方について、この三項目について七月をめどに最初の答申をいただくことをお願いしております。その後、答申された内容を具体化するための議論をお願いし、年末までには次の答申をいただくことになるのではと考えております。
○又市征治君 答弁のように、放送を取り巻く環境はもう大きく変化をしていることは事実です。そういう意味からも、総務省も前述しました検討会を設置をされたんだと思います。両方の検討委員会、これは部分的には当然重複する、こういうテーマ、御議論になるんだろうと思います。
 今ありましたように、NHKの検討委員会は今年七月をめどに答申を希望されているようですけれども、この答申が出た後の扱い、これどのように扱っていくのかということを聞くんですが、通信と放送の融合時代を迎えて、受信料の取扱いは大変大きな問題だと。今日も様々議論が出ておりますけれども、最終的には、NHKは自らの考えをまとめて国民の理解を得る努力をして、その延長線上に放送法の改正を求めていくということなのか。そこら辺のところ、いずれにしても、私は、NHKの報道や番組に対する国民の信頼なくして受信料を気持ちよく支払うという、こういうことには国民の側はなってこないということだろうと思うんですが、その点も含めてお伺いをしておきたいと思います。
○参考人(坂本忠宣君) お答え申し上げます。
 受信料制度等検討委員会の答申を踏まえましてNHKとしての考え方をまとめることになります。常時同時配信の実施や、仮にその受信者に新たな御負担をお願いする場合には、国による法制度の整備が必要であり、NHKだけで検討できることではないということであります。NHKとしては、法制度の在り方に関わる課題を検討されています総務省の放送を巡る諸課題に関する検討会に参画しまして、自分たちの立場をはっきりと伝えながら将来の方向をしっかり共有していかなければいけないというふうに考えております。
 いずれにしましても、公共放送であるNHKは、その存在意義を視聴者・国民の皆様の御理解いただいて、特殊な負担金とされる受信料を納得してお支払いいただくことで成り立っているというふうに考えております。今後、受信料制度等検討委員会の答申を踏まえて、視聴者・国民の皆様に御納得いただける受信料制度の在り方について検討してまいりたいというふうに考えております。
○又市征治君 いずれにいたしましても、今出された三つの課題というものも大変、国民の広い合意なくしては実現なかなかできないわけですが、拙速を避けて両委員会とも慎重な御議論を願いたいものだということは申し上げておきたいと思います。
 ところで、二〇一七年度の収支予算案を見ますと、給与が九億円、前年比〇・八%減少しています。これは労使で合意されたことでしょうから、これをとやかく言うつもりは全くありません。ただ、放送というのは、一面では極めて高度な性能を備えた放送機材を必要としますけれども、他面では極めて労働集約的な側面もあるわけでありまして、さらには人間の高度な創造性、感性というのが求められるということだと思いますね。制作現場以外でも有能な人材が不可欠であります。
 私は以前から、給与はコストではなくて投資という視点が大事ではないかということを何度か申し上げてまいりました。この点について、私のこうした申し上げたことについての会長の御認識はいかがでしょうか。
○参考人(上田良一君) それじゃ、私の方からお答えさせていただきます、ちょっとそれぞれの担当を決めていたんですが。
 NHKの職員には公共放送の使命を達成していく強い責任感が求められており、職員のモチベーションの維持向上、また人材を確保する際の競争力という観点からも一定の給与水準の維持は必要と考えております。一方、受信料で成り立つ公共放送として視聴者の理解が得られることが大切であり、今後とも公務員や民間企業の状況も注視しつつ適正な水準となるよう努めてまいります。
 いずれにいたしましても、公共放送NHKにとって、人が宝であります。そういうふうに考えておりますので、努力や成果を的確に評価して処遇に反映し、結果としてNHK全体のパフォーマンス向上につながっていくように取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○又市征治君 ありがとうございました。
 賃金をコストと考えたら、つまり少ない方がいいという理屈になるわけですよ。とすると、今度は減らすことが自己目的化していってしまうわけで、それではいい番組作りはできないよということを申し上げたかったわけです。
 言うまでもなく、NHKは一つの大きなブランドですよね。それはNHKのコンテンツ、また人材についても言えることでありまして、しかし、そのブランドは、今日も出ましたけど、僅かな心ない職員の、あるいは関連会社の行為によってあっけなく崩れかねない、こういうことがあります。だから、不祥事の再発防止策取るというのはこれは極めて重要なんです。
 しかし、タクシーチケットの不正使用とか受信料に関する不正な契約手続といった内容の不祥事というのは、コンプライアンスの徹底と同時に、働く者を安く使おう、金を掛けないで受信料の収納率を上げよう、こういう姿勢にも私は問題があるのではないのか、これも前から申し上げてきたことでもあります。
 例えば、今年一月の受信料関係に関する意見、要望は約五千件ありますけれども、その半分がスタッフの応対、説明不足などということになっていますね。スタッフの教育も当然重要ですけれども、仕事に対するプライドが持てるような処遇も、今もありましたけれども、大変大事だ。その点も考慮しないと私は不祥事はなくならないと思うんで、教育という面と、もう一方で、しっかりと職員がプライド、NHKを私はしょって立っているんだというプライドが持てるように努力をする、この両面が必要だと思いますが、その点の会長の認識を伺います。
○参考人(上田良一君) 私も全く同じような認識をいたしておりまして、不祥事の根絶を目指して、ルールやチェック体制の在り方だけじゃなくて、倫理教育も抜本的に見直したり、不祥事を起こさせない、今おっしゃいましたようなことも含めました業務の仕組みを根本に立ち返って考えるなど、総合的な対応策の検討に着手し、今検討しているところであります。
 改めて組織の隅々にまでコンプライアンス意識を根付かせ、公共放送の使命と役割をしっかりと果たしてまいりたいというふうに考えております。
○又市征治君 今、繰り返しになりますけれども、教育したから不祥事が簡単になくなるというわけではない。やっぱり一万人、関連会社を含めると一万六千ぐらいですか、ぐらいの方々がおられると、一面ではやっぱりこれは、そういう不祥事などというのは社会的な背景もそれなりにやっぱり影響するんですよね。だから、何かNHKだけ悪いことを次々職員がやっているみたいな格好で言われるけれども、それは残念ながら公共放送だからそういう批判は謙虚に受け止めるべきでしょうけれども、今も申し上げたように、やはり、私は天下のNHKをしょって立っているんだと、こういうプライドが持てるように、そういう努力というものを是非この二〇一八年度からの経営計画作成に当たっても考慮もいただきたいということを申し上げたいと思います。
 さて、先ほども杉尾さんからも出ましたが、NHKと民放連がBPO、放送倫理・番組向上機構を設立をされているわけですが、これは言うまでもないことですけれども、今日はテレビ中継でもありますから説明をすると、BPOは、放送における言論、表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的人権を擁護するため、放送への苦情や放送倫理の問題に対する第三者の機関ということであって、主に、視聴者などから問題があると指摘された番組、放送を検証して、放送界全体あるいは特定の局に意見や見解を伝え、一般にも公表し、放送界の自律と放送の質の向上を促す組織、こういうことにもなっているわけですね。
 したがって、BPOの意見はNHKにも民放にとっても大変重要だと思うんですが、NHKはこの間、このBPO放送人権委員会から、出家詐欺報道や、先ほど出ましたSTAP細胞報道に関して勧告を受けた。また、放送倫理検証委員会からは、同じく出家詐欺報道と二〇一六年の選挙をめぐる放送について意見が出された。それぞれについてNHK自身も検討をし、改善に努力をされていると思いますけれども、ただ、このSTAP細胞報道に対する勧告については納得できないとして、人権侵害を行っていないとBPOの勧告を否定されたわけですね。
 勧告が出される前に、当然BPOとNHKも意見交換されているわけでしょう。にもかかわらず、第三者機関たるこのBPOの見解に対して反論、否定するということになると、これ一体BPOなんというのは存在意義というのはどうなるのか。これは全くおかしなことになってしまうということなのであって、もっとBPOの意見に真摯に対応する必要があるということを言いたいんだが、その前に、事前の意見調整までやられておって、なおかつこういうことになっておる。これはどういうことなのか理解ができない。是非説明してください。
○参考人(木田幸紀君) BPOの決定に至るまでには、双方から意見をヒアリングされる機会がございます。その場でNHKの立場、考えについては説明をさせていただいております。その上でBPOは自主的に決定をされるわけでして、我々としましてはBPOの決定につきましては真摯に受け止めたいと思っております。
 ただ、この決定をどうやって生かしていくかにつきましては各放送局の自主的な判断に任されておりますので、今後もBPOと丁寧に意見交換をしながらより良い放送につなげていきたいというふうに考えております。
○又市征治君 BPOの存在というのはNHKと民放にとっても大きな防波堤の意義もあるわけですよね。番組制作者には制作者のポリシーがあるだろうとは思います。しかし、第三者機関として放送倫理、番組向上に努める組織なわけですから、今もありましたけれども、是非事前の意見調整も含めて真摯にこれは対応をしていただきたい。仮にこのような組織がないならば、私は、NHKにとってみても民放にとっても更に大きな波を自分自身がかぶるということになりかねない、もろにそれは国民から大きな批判を受けるということだって起こり得るわけでありまして、それを事前にこうした機構によってチェックをしていくということになっているわけですから、その点を是非しっかりと検討いただくように申し上げたいと思います。
 昨年、私は決算委員会でNHKの関連会社に関して会計検査院の検査を要請をいたしました。先ほどもちょっと出ましたけれども、検査報告が出てきたということでもあります。所管はこの委員会ということに相なりますから、これは次回には、今日時間がなくなりましたのでその点について聞く機会がありませんが、次回にその点は是非聞きたいと思います。その点を申し上げて、今日の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(横山信一君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○吉川沙織君 民進党の吉川沙織です。
 私は、会派を代表して、平成二十九年度NHK予算案に賛成の立場から討論を行います。
 三年前の三月三十一日、参議院本会議で私はじくじたる思いで平成二十六年度NHK予算案の反対討論に立ちました。NHK前会長の就任会見に端を発し、国民の知る権利、表現の自由、報道の自由、そして独立かつ自律であるべき公共放送としてのNHKが危殆に瀕している中、前会長の下で執行されることになる予算案は承認することができなかったからです。
 以後三年間、前会長の不穏当な言動のみならず、不祥事等が頻発したことも重なり、NHK予算案の全会一致承認は前会長の下、崩れ続けました。
 戦後、権力に対して異論を唱える場を確保し、社会が安易に一丸となることを防ぐため、放送が不偏不党、真実、そして自律を保障されることによって表現の自由を確保し、公共的に重要な様々な意見が放送されることによって国民の理解が一層深まり、民主主義の発達に資する、これが放送法制定の眼目です。政府権力を批判的に検証し抑制することがNHKを含む報道機関が担う公共性の根幹であり、公共性の本質は言論の自由と不可分です。その中でも重要な役割を果たすのが公共放送としてのNHKなのです。だからこそ、不祥事が多発し、国民の信頼が揺らぐことはあっても、これまでNHKに対する国民の信頼は続いてきたのです。
 ただ、前会長体制の三年間でその信頼は著しく毀損してしまいました。今年一月に就任された上田新会長の下、公共放送に対する信頼回復に全力を挙げていただかねばならないことは言うまでもありません。
 ただ、上田新会長は、前会長体制で経営委員かつ監査委員を務めておられました。放送法は執行部を監督するのが経営委員会であることを規定しており、法の趣旨からすれば、経営委員から会長を選ぶことは至極異例であったと言わざるを得ません。経営委員から会長を選ぶような例が、昭和三十年代を最後に存在しないことが何よりの証左です。更に言えば、会長交代の際、副会長が再任されたという例も、昭和三十年代を最後に今回まで一度もありません。副会長は、放送法上、会長と任期を一にし、職員の代表として会長を補佐するとともに職務を執行し、会長とともに責任を負うと解されているからこそ、NHK内外に少なからず存在する疑念等の払拭は、信頼回復に不可欠であると考えます。
 「公共放送は視聴者のものであり、視聴者のためにあり、視聴者のみに責任を負うという信念である。」。新会長の下、公共放送に対し、国民・視聴者からの信頼回復に努めていただくことを期待するとともに、その取組に対し、国民の代表たる立法府の立場から厳しく視線を注いでいくことを申し上げて、私の賛成討論といたします。
○委員長(横山信一君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(横山信一君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 この際、江崎君から発言を求められておりますので、これを許します。江崎孝君。
○江崎孝君 私は、ただいま承認されました放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対し、自由民主党・こころ、民進党・新緑風会、公明党、日本共産党、日本維新の会及び希望の会(自由・社民)の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議(案)
  政府及び日本放送協会は、公共放送の使命を全うし、国民・視聴者の信頼に応えることができるよう次の事項についてその実現に努めるべきである。
 一、政府は、日本国憲法で保障された表現の自由、放送法に定める放送の自律性を尊重し、放送事業者の番組編集における自主・自律性に係る規定を引き続き遵守すること。また、経営委員の任命に当たっては、社会に対する職務の公共性を認識し、公正な判断をすることができる経験と見識を有する者を、全国、各分野を考慮して幅広く選任するよう努めること。
 二、政府は、インターネット常時同時配信を含む協会の業務範囲の在り方については、民間放送事業者等の見解に留意しつつ、受信料制度及びガバナンスの在り方とともに丁寧に検討を進めること。また、協会においては、当該検討に資するよう、視聴者の動向を的確に把握し、関係者間での情報共有及び連携を図るとともに、広く国民の理解を得られるよう、情報提供に努めること。
 三、経営委員会は、協会の経営に関する最高意思決定機関として重い職責を担っていることを再確認し、役員の職務執行に対して一層実効ある監督を行うことなどにより、国民・視聴者の負託に応えること。
   また、監査委員会は、放送法に基づく調査権限を適切に行使し、役員に不適切な行為がある場合、又は、公共放送の倫理観にもとる行為がある場合には、経営委員会と十分に連携しながら、時宜を失することなく厳格に対処すること。
 四、協会は、関連団体を含め不祥事が頻発していることに対し、国民・視聴者から厳しい批判が寄せられていることを踏まえ、本年任命された会長以下執行部の下で、公共放送を担う者としての役職員の倫理観を高め、綱紀の粛正、再発防止策及びコンプライアンスの徹底により、組織一体となって信頼回復に全力を尽くすこと。
 五、協会は、意見が分かれている問題については、できる限り多くの角度から論点を明らかにし、公正を保持し、事実を客観的かつ正確、公平に伝え、真実に迫るための最善の努力を不断に行うことで、公共放送の使命を全うし、国民・視聴者の信頼の確立に努めること。
   また、寄せられる様々な意見に対し、必要に応じ自律的に調査し、その結果を速やかに公表し、国民・視聴者からの信頼の維持に努めること。
 六、協会は、国際放送については、我が国に関する理解を促進する観点から、我が国の経済・社会・文化等に係る情報発信の充実・拡大を図り、国内外における国際放送の認知度の向上等に努めること。
 七、協会は、その運営が受信料を財源としていることを踏まえ、協会運営に当たっては国民・視聴者の信頼に応えるよう、情報の十分な開示、説明を行うべきである。そのため、協会は、経営委員会及び理事会等における意思決定に至る過程や財政運営上の規律、不祥事に伴う処分、子会社等の運営の状況、調達に係る取引等について、これらを合理的に跡付け、又は検証することができるよう議事録の適切な作成・管理等に努めること。
   放送センターの建替基本計画の遂行に当たっては、透明性を確保するとともに、建設費の大幅な増大が生じないよう万全を期すこと。
 八、協会は、受信契約の締結は視聴者の理解を得た適正なものでなければならないことを認識し、そのために受信料制度に対する国民の理解が一層促進され、信頼感がより高まるよう努力するとともに、受信料支払率の向上に努めること。
 九、協会は、障がい者、高齢者に対し、十分な情報を伝達し、デジタル・ディバイドを解消するため、字幕放送、解説放送、手話放送の一層の充実等を図ること。
 十、協会は、首都直下地震や南海トラフ地震等に備え、本部等の機能や運用・実施体制の強化を図るとともに、自然災害からの復興に資する報道を充実し、併せて、災害の記録の保存・活用に努めること。
 十一、協会は、東京オリンピック・パラリンピックが開催される平成三十二年を見据えた4K・8K放送の実用化に向けた研究開発、普及促進に当たっては、過剰投資、多重投資とならないよう十分な計画性を持って行うこと。
 十二、協会は、サイバーセキュリティ基本法に定める重要社会基盤事業者であることに鑑み、率先してサイバーセキュリティの確保に取り組むこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(横山信一君) ただいま江崎君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(横山信一君) 全会一致と認めます。よって、江崎君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、高市総務大臣及び上田日本放送協会会長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。高市総務大臣。
○国務大臣(高市早苗君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
○委員長(横山信一君) 上田日本放送協会会長。
○参考人(上田良一君) 日本放送協会の平成二十九年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして御承認を賜り、厚くお礼申し上げます。
 本予算を執行するに当たりまして、御審議の過程でいただきました御意見並びに総務大臣意見の御趣旨を十分生かしてまいります。
 また、ただいまの附帯決議は、協会運営の根幹を成すものでございますので、十分踏まえて業務執行に万全を期したいと考えております。
 本日はありがとうございました。
○委員長(横山信一君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四分散会