第193回国会 予算委員会 第4号
平成二十九年三月一日(水曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月二十八日
    辞任         補欠選任
     上野 通子君     西田 昌司君
     中山 恭子君     中野 正志君
     渡邉 美樹君     小野田紀美君
     小川 勝也君     風間 直樹君
     浜田 昌良君     魚住裕一郎君
     若松 謙維君     伊藤 孝江君
     岩渕  友君     武田 良介君
 三月一日
    辞任         補欠選任
     小野田紀美君    渡辺美知太郎君
     西田 昌司君     上野 通子君
     古賀 之士君     小西 洋之君
     杉尾 秀哉君     浜口  誠君
     武田 良介君     小池  晃君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 一太君
    理 事
                石井 準一君
                中泉 松司君
                二之湯 智君
                長谷川 岳君
               三原じゅん子君
                福山 哲郎君
                舟山 康江君
                竹谷とし子君
                辰巳孝太郎君
    委 員
                青山 繁晴君
                朝日健太郎君
                有村 治子君
                上野 通子君
                小野田紀美君
                太田 房江君
                こやり隆史君
                古賀友一郎君
                酒井 庸行君
                高橋 克法君
                中西 健治君
                中野 正志君
                長峯  誠君
                西田 昌司君
                三宅 伸吾君
                元榮太一郎君
                山田 修路君
                山田  宏君
                吉川ゆうみ君
               渡辺美知太郎君
                風間 直樹君
                小西 洋之君
                古賀 之士君
                杉尾 秀哉君
                白  眞勲君
                浜口  誠君
                藤末 健三君
                宮沢 由佳君
                矢田わか子君
                伊藤 孝江君
                魚住裕一郎君
                平木 大作君
                宮崎  勝君
                小池  晃君
                大門実紀史君
                武田 良介君
                浅田  均君
                石井  章君
                山本 太郎君
                松沢 成文君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(マイナ
       ンバー制度))  高市 早苗君
       法務大臣     金田 勝年君
       外務大臣     岸田 文雄君
       文部科学大臣
       国務大臣     松野 博一君
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
       農林水産大臣   山本 有二君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  世耕 弘成君
       国土交通大臣
       国務大臣     石井 啓一君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     山本 公一君
       防衛大臣     稲田 朋美君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (復興大臣)   今村 雅弘君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       防災))     松本  純君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策、男女共同
       参画))     加藤 勝信君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    石原 伸晃君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、ク
       ールジャパン戦
       略、知的財産戦
       略、科学技術政
       策、宇宙政策)
       )        鶴保 庸介君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革、地方創生)
       )        山本 幸三君
       国務大臣     丸川 珠代君
   副大臣
       財務副大臣    大塚  拓君
       厚生労働副大臣  古屋 範子君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  横畠 裕介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 亮治君
   政府参考人
       内閣官房日本経
       済再生総合事務
       局次長      宇野 雅夫君
       内閣官房内閣人
       事局人事政策統
       括官       三輪 和夫君
       内閣府政策統括
       官        加藤 久喜君
       警察庁生活安全
       局長       山下 史雄君
       総務省行政管理
       局長       山下 哲夫君
       法務大臣官房司
       法法制部長    小山 太士君
       法務省人権擁護
       局長       萩本  修君
       法務省入国管理
       局長       和田 雅樹君
       外務大臣官房参
       事官       四方 敬之君
       外務省総合外交
       政策局軍縮不拡
       散・科学部長   相川 一俊君
       財務省主計局長  福田 淳一君
       財務省理財局長  佐川 宣寿君
       財務省国際局長  武内 良樹君
       文部科学大臣官
       房サイバーセキ
       ュリティ・政策
       評価審議官    中川 健朗君
       文部科学大臣官
       房文教施設企画
       部長       山下  治君
       文部科学省高等
       教育局長     常盤  豊君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  村田 善則君
       文部科学省研究
       振興局長     関  靖直君
       文化庁次長    中岡  司君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局生
       活衛生・食品安
       全部長      北島 智子君
       農林水産大臣官
       房長       荒川  隆君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   山口 英彰君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   水田 正和君
       農林水産大臣官
       房統計部長    佐々木康雄君
       農林水産省生産
       局長       枝元 真徹君
       農林水産省経営
       局長       大澤  誠君
       農林水産省農村
       振興局長     佐藤 速水君
       国土交通大臣官
       房長       吉田 光市君
       国土交通大臣官
       房技術審議官   五道 仁実君
       国土交通省土地
       ・建設産業局長  谷脇  暁君
       国土交通省都市
       局長       栗田 卓也君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        山田 邦博君
       国土交通省住宅
       局長       由木 文彦君
       国土交通省港湾
       局長       菊地身智雄君
       国土交通省航空
       局長       佐藤 善信君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    中井徳太郎君
   参考人
       日本銀行総裁   黒田 東彦君
       前文部科学事務
       次官       前川 喜平君
       文部科学省元大
       臣官房人事課企
       画官       嶋貫 和男君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成二十九年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十九年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十九年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ─────────────
○委員長(山本一太君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十九年度総予算三案審査のため、本日の委員会に前文部科学事務次官前川喜平君及び文部科学省元大臣官房人事課企画官嶋貫和男君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本一太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(山本一太君) 平成二十九年度一般会計予算、平成二十九年度特別会計予算、平成二十九年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、昨日に引き続き質疑を行います。藤末健三君。
○藤末健三君 おはようございます。昨晩に引き続きまして、質問をさせていただきます。
 まず冒頭に、共謀罪について御質問申し上げます。
 今朝の朝日新聞、東京新聞に共謀罪の全文が掲載されましたが、まず、これは本物でしょうか。もし本物だとすると、閣議決定前に報道に全文が出るのはどういうことかということをお答えください。
○国務大臣(金田勝年君) お答えをいたします。
 今朝、新聞の報道があったということは承知をいたしておりますが、全く、現在検討中の内容でございますので、私どもとしては、分かって、承知をしており、新聞に出たことは承知をしておりますが、それ以上のことは分かりません。
○藤末健三君 金田法務大臣は、今まで国会において共謀罪について問われますと、検討中である、詳細は決まっていないと答えておられますが、報道に出たということは全文がもう決まっているんではないですか。もう一度見解をお聞かせください。
○国務大臣(金田勝年君) 私どもは、この委員会の場で常に申し上げてまいりました。成案を得るために鋭意努力をしておりますし、できるだけ早い段階でそれをまとめることができるように努力をしたい、そして、その際にはしっかりと説明を申し上げたいと、このように申し上げてまいりましたが、検討中の段階でそうした案について、どのような理由でそれが新聞等に出ているのかということに対しましては、私も承知していない次第であります。
○藤末健三君 それは国会に対する冒涜ですよ。法律を閣議決定する前に政府から流れたかもしれない。必ずきちんと調査することをここで約束してください。金田大臣、お願いいたします。
○国務大臣(金田勝年君) もちろん、提出する法案につきましては、私どもは政府として閣議決定をし、そしてお出しするものでありますので、その段階でしっかりとその法案の内容については御説明をしていくつもりでございますし、同時に、今回のこういうことについてのことについては、私どもとしては、どうしてそのようになったのか分かりませんので、検討中の話として記述されたのか、その辺も全く分かりません。したがいまして、そこのところは私どもも調べてはまいります。
○藤末健三君 この記事に出ている中身は検討中のものと同じですか。お教えください。
○国務大臣(金田勝年君) お答えいたします。
 私は、比較もするつもりは現在ありません。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 金田法務大臣。
○国務大臣(金田勝年君) お答えをいたします。
 その内容については、法務省から出たものではないと考えております。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) ちょっと戻って、戻ってください。
○藤末健三君 調べてもいないのに、法務省から出たものではないとなぜ言い切れるんですか、大臣。
○国務大臣(金田勝年君) 私ども法務省の方から出たものではないと、このように考えております。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 戻ってください。
○藤末健三君 なぜ言い切れるんですか、大臣。根拠を教えてください。お願いします。根拠を、根拠をお教えください。
○国務大臣(金田勝年君) 根拠は承知をしておりませんが、法務省から出したものではありません。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 金田法務大臣。
○国務大臣(金田勝年君) その報道の内容という御指摘でございますので、その報道の内容につきましては確認をさせていただきたいと思います。
○藤末健三君 大臣は、法務省から出たものでないと断言いただきましたけど、もし法務省から出たものだと分かったときは責任取られますか、大臣。
○国務大臣(金田勝年君) 法務省としては、現在検討しているさなかでございます。したがいまして、その段階で出るはずはないというふうに私は思っておりますが、確認をさせていただきたいと、このように申し上げたいと思います。
○藤末健三君 先ほど、法務大臣、金田大臣は断言されましたよね、法務省から出たものではないと。その根拠をもう一度確認させてください。
○国務大臣(金田勝年君) 法務省から直接マスコミに提出したものではないということを申し上げたつもりであります。(発言する者あり)いや、はい。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 金田法務大臣。
○国務大臣(金田勝年君) 法務省から出たものではないというふうに思っておりますが、確認の上調査をさせていただきたい、このように思っております。
○藤末健三君 じゃ、それでは、先ほど冒頭におっしゃっていた法務省から出たものではないという断言は変わったということですか。確認させてください。
○国務大臣(金田勝年君) 法務省から出したものではないということを申し上げたつもりでございますが、マスコミが把握した根拠といったようなものには、確認をまだいたしておりませんので、確認をし、調査をしたいというふうに考えています。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 金田法務大臣。
○国務大臣(金田勝年君) 改めて明確に申し上げたいと思いますが、法務省から出したものではありません。そして、その記事になりました根拠につきましては承知しておりませんが、その確認と調査をしたいと、このように考えております。
○藤末健三君 金田大臣、もう最後に、前言を全部撤回していただいて、確定した言葉を最後残していただいてよろしいですか。
○国務大臣(金田勝年君) 法務省からじかにマスコミに出したものではないというふうに申し上げます。そして、なお今後の対応といたしまして確認と調査をしたいと、このように考えております。
○藤末健三君 法務省から出したものではないという根拠をお願いいたします。
○国務大臣(金田勝年君) 法務省としてマスコミにその情報を提供したようなものではないという意味において申し上げております。出したものではないということを申し上げているわけでありますから、そのことを改めて申し上げます。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) ちょっと速記止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(金田勝年君) 申し上げます。
 法務省から出したものではありません。しかし、どういう経緯かは確認の努力をしたいと、このように考えております。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(金田勝年君) 法務省から検討中の法案につきましてマスコミに出すことはありません。根拠につきましては把握しておりませんので、報道の根拠につきましては把握しておりませんので、できる限りの確認をしたいと、このように申し上げております。
○藤末健三君 証拠がないのに法務省ではないと言い切れるというのは、いかがですか、それは。大臣、お願いします。
○国務大臣(金田勝年君) 法務省から検討中の法案についてマスコミに出すことはありません。そして、把握をしていないその根拠、報道の根拠につきましては、できる限り確認をしたいと、このように考えております。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 金田法務大臣。
○国務大臣(金田勝年君) 法務省として検討中の法案についてマスコミに情報提供することはありませんので、そのような意味で法務省から出たものではないとお話をいたしました。報道の根拠については把握をしておりませんので、きちんと確認、調査をしていきたいと、このように思います。
○藤末健三君 このような報道に流れたことについてはどうお考えですか、大臣。
○国務大臣(金田勝年君) 検討中の法案について報道が出たことに対しましては遺憾であると、このように思っております。
○藤末健三君 法務大臣は、二つのことを申し上げますが、法務大臣、これもし法務省から流れたということであれば責任を取るかどうかをお答えください。そして、この中身が今検討中のものであるかどうかも、もし同じだった場合は是非責任取っていただきたいと思いますが、法務大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(金田勝年君) 先ほども申し上げましたが、法務省として検討中の法案についてマスコミに情報を提供することはありませんので、そのような意味で法務省から出たものではないとお話をいたしました。報道の根拠につきましては把握をしておりませんので、きちんと確認と調査をしていきたいと、このように考えております。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) ちょっともう一度速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(金田勝年君) 先ほど申し上げましたとおり、法務省として検討中の法案について、それに関して報道が今朝あったということに対しては、その根拠については把握をしておりませんから確認の努力をしたいと、このように考えております。
 また、非常にそういう報道が出たことに対しましては遺憾であると、このように受け止めておる次第であります。
○藤末健三君 また戻っていますけれど、私が最後にお聞きしていたのは、大臣が責任を取られるかどうか、一つは法務省から漏れたものかどうか、そして内容が今議論のものと同じかどうか。大臣の責任をお聞かせください、どう取るかを。
○委員長(山本一太君) じゃ、もう一回。金田法務大臣。
○国務大臣(金田勝年君) お答えをいたします。
 しっかり調査をしていきたいと、このように考えております。
○委員長(山本一太君) 総理、いいですか。安倍内閣総理大臣。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大臣の責任についての御質問ですから私からお答えをさせていただきたいと思いますが、大臣から答弁をさせていただきましたのは、法務省として出したものではない、つまりそれは、法務省として出すということは、法務省として出すということは大臣まで決裁が上がっていなければならないわけでありますが、当然それはまず与党、与党における議論を経た上で、そして政府として閣議決定したものでなければこれ成案ではないわけでありますから、法務省として出すことはあり得ないということで大臣はお答えをさせていただいたということでございます。
 他方、報道につきましては、報道内容についてまだ確認をしていないわけでありますから、その報道内容を確認し、かつ、この報道は何を根拠にしているかということを調べた上で、実際、そして、さらに、現在法務省において検討しているものかどうかということを、と同じものかどうかということは確認しなければ分かりませんから、そういうことをしっかりと確認した上で適切に対処していくことが法務大臣としての責任であろうと、このように考えております。
○藤末健三君 私は金田大臣にまたお聞きしたいんですけど、これは法務省の職員からもし流れたものだとしたら、恐ろしくガバナンスの問題だと思います。そのときに、大臣は先ほど言い切りましたけれど、本当にそのとき、法務省から流れたもの、そして内容についても法務省から流れたものだったときにどう責任を取るか、大臣としての見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(金田勝年君) 仮定の御質問にはお答えはできませんが、しっかりと調査をさせていただくつもりでおります。
○藤末健三君 金田大臣、やはりこれはもう非常に私は国会に対する冒涜だと思います。必ず調査をして責任を取ってください、明確に。
 昨晩の続きに移らさせていただきまして、天下り問題と予算の問題を質問させていただきます。
 昨日の質問の回答からお願いいたしたいと思います。文科省、お願いします。
○政府参考人(中川健朗君) 昨日いただいた御質問について、改めて答弁させていただきます。
 今回の中間まとめにおいて、再就職等規制等に違反するとされた二十六事案に関連する法人への支出実績に関する御質問でございました。
 これにつきましては、過去二年間の文部科学省からの支出実績を確認し、二月二十四日に資料を提出いたしました。二十六事案に関連する法人のうち、十八法人に対して支出実績がございまして、その支出総額は平成二十七年度実績で三百九億三千四百万円でございます。
 なお、一部の報道では四百五十六億円という数字が出ておりましたが、これは平成二十七年度の実績と平成二十八年度予算額のうち、これまでに補助金等の交付が確定したものを合計した数字だと思われます。
 次に、支出先の主な法人でございますが、例えば、平成二十七年度に二十億円以上の支出実績のある法人を挙げますと、岐阜大学に百二十二億五千万円、早稲田大学に百八億円、学校法人獨協学園の運営する大学に三十億五千二百万円、上智大学に二十三億一千二百万円となってございます。
 これら法人のうち、二十九年度予算案であらかじめ交付が確定していますもの、これは国立大学法人岐阜大学の運営費交付金及び施設整備費補助金であり、その他の法人につきましては、あらかじめ補助金等の交付が確定しているものではございません。
 なお、二十九年度予算の配分及び執行につきましては、学生数、教員数等の客観的な指標等に基づいた機械的な算定、第三者で構成する審査会など、厳正な審査を実施することにより、公平性を確保し、適正な配分、執行を確保してまいります。
 いずれにいたしましても、今回の再就職あっせん問題はこれらの法人に違法行為が認められたわけではないことから、これらの法人に対して二十九年度予算を配分、執行することに問題はないと考えているところでございます。
○藤末健三君 文部科学大臣にお聞きします。
 三百億円以上のお金が十八機関に行ったわけでございますけれど、血税が流れたところで役人の天下りを受けていると。これはもう本当に納税者が納得すると私は思えませんが、この関係する予算は減らすべきだと思いますが、いかがでしょうか。大臣、お願いいたします。
○国務大臣(松野博一君) ただいま政府参考人から説明をさせていただきましたとおり、再就職等規制に違反するとされた二十六事案のうち、私立大学や国立大学法人等十八法人に対して過去二年間に文部科学省から支出がありました。
 二十九年度予算においてこれらの法人に対してあらかじめ交付が確定しているものは、国立大学法人運営費交付金及び国立大学法人施設整備費補助金についてでございますが、学生定員や教員定員の規模等に基づき算定されていた法人化前の国費投入額に相当する経費を基にした機械的な算定や、第三者による審査や大学の活動実績等の客観的指標に基づく算定により決定をされているため、再就職者の有無によって予算額に影響をすることはございません。
 その他の予算につきましては、二十九年度予算においてあらかじめ交付が決定しているものはありませんけれども、二十九年度の予算配分及び執行に当たっては、学生数や教員数等、客観的な指標に基づいた機械的な算定や、公募の場合は第三者で構成する審査会など、厳正な審査を実施の上採択することにより、公平性を確保し、適正な配分、執行を確保しております。
 今回の再就職あっせん問題は、あくまでも国家公務員法に抵触した文部科学省側の問題であり、これらの法人に違法行為が認められたわけではないことから、これらの法人に対し、二十九年度予算を配分、執行することに問題はないと考えているところでありますが、今後とも、全容解明に全力を尽くし、国民の疑念に答え、国会における議論にも真摯に対応をしてまいります。
○藤末健三君 文部大臣にお聞きしたいんですけれど、十八の機関に法律を犯した人が受け入れられ、そして三百億円以上のお金が流れている。納税者は許すと思いますか、その状態を。お答えください。
○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。
 先ほど答弁をさせていただきましたとおり、今回の法律違反に関しましては文部科学省の違反でございまして、そのことに関しましては、文部科学省として国民の皆様の信頼を著しく損ないましたことに関して、猛省をし、全容解明に今努めているところでございますが、この再就職先の団体に関しては法律違反行為に当たるわけではございませんし、配分方法に関しましても、先ほど答弁をさせていただきましたとおりの客観的指標により配分をさせていただいておりますので、この二十九年度予算は、それぞれの法人、団体に関しましては、それぞれの法人、団体の社会的な責任、使命において活動されている団体であります。そこに向けての予算が執行されることは問題がないと承知をしております。
○藤末健三君 次の質問に移らさせていただきますが、文部科学省から、研究者である文化庁の長官を除いた、再就職先で大学に行かれた方は何人いるでしょうか。
○政府参考人(中川健朗君) お答え申し上げます。
 平成二十五年四月一日から二十八年九月三十日の間に大学に教授として再就職をした届けのあった者、文化庁長官お二人を除きますと十五人でございます。
○藤末健三君 皆様のお手元に資料をお配りさせていただいておりますけれど、これを見ますと、十五人中何人博士号を取った人がいるか教えてください。
○政府参考人(中川健朗君) お答え申し上げます。
 ただいまの十五名の中では、博士号を取った、文部科学省在職時の博士号の有無を確認しましたところ、それはゼロ名、割合はゼロ%でございます。
○藤末健三君 国土交通省の状況を教えてください。同じ質問です。
○国務大臣(石井啓一君) 平成二十五年度以降の再就職の地位が教授として届けられている者が二十六名でございますが、博士号を取得している者は少なくとも二十三名でございます。ちなみに、事務系三名、技術系二十名でございます。
○藤末健三君 文科省から大学に再就職された方は、十五人中博士号を持っている人はゼロ名、国土交通省は二十六名中二十三名が博士号を持っていると。
 法律上、教授の基準はどうなっているか、文科省、教えてください。
○国務大臣(松野博一君) 大学の教授の資格については、大学設置基準第十四条において規定をされております。
 具体的には、六つの項目がございますけれども、一つ目が博士の学位を有し研究上の業績を有する者、研究上の業績が博士学位を有し研究上の業績を有する者に準ずると認められる者、専門職学位を有し当該専門職学位の専攻分野に関する実務上の業績を有する者、大学において教授、准教授又は専任の講師の経歴のある者、芸術、体育等については特殊な技能に秀でていると認められる者、専攻分野について特に優れた知識及び経験を有すると認められる者、これら六つの項目のいずれかに該当し、かつ、大学における教育を担当するにふさわしい教育上の能力を有するものと認められる者と規定をされており、必ずしも博士の学位を有する者に限られているものではございません。
○藤末健三君 早稲田大学に行かれました吉田さんはどれに該当しますか、教えてください。大臣、お願いします。
○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。
 早稲田大学としては、吉田元教授は高等教育に関する高い識見及び著作権制度についての優れた研究業績を有していることから、本学教授にふさわしいと判断をし、採用を決定したと聞いております。
 また、早稲田大学としては、大学設置基準第十四条に照らして考えると、第二号、第四号、第六号、先ほど申し上げたものでございますけれども、これらを総合的に勘案して採用したものと考えていると早稲田大学から聞いております。
○藤末健三君 皆様の手元に、二ページ目に資料を付けていますので御覧になっていただきたいと思います。この二と四と六を該当するということでございますが、吉田氏の学術的な実績をお願いいたします。
○政府参考人(常盤豊君) お答え申し上げます。
 吉田元局長の業績ということでお尋ねがございましたので、公開されている情報といたしまして、国立情報学研究所の学術情報ナビゲーターというもので検索をいたしまして、吉田氏が執筆をした著作物としては、例えば学会誌での著作権制度に関する著作物が四本、雑誌での知的財産権に係る判例の解説が十一本などを含めまして、その他著作権制度に関する著作物が多数あったところでございます。
○藤末健三君 最新の著作物は何年に書かれましたか。
○政府参考人(常盤豊君) お答え申し上げます。
 今手元に、全てを手元に持っているわけではございませんけれども、判例の解説というものについては、直近でいいますと二〇一五年の七月のものがあるというふうに把握をしてございます。
○藤末健三君 申し訳ございませんが、それは論文ではありません。その前のやつはいかがですか、じゃ、そうしますと。
○政府参考人(常盤豊君) 私どもで確認をしておりますのは、先ほど申しましたように、国立情報学研究所の学術情報ナビゲーターというもので確認をしてございます。その中で、その検索で私どもが把握しているものはそれぞれの文章でございますので、具体的にそれがどういう論文としての内実を備えているかというところが確認できないのですが、私どもなりに把握した中で申しますと、一番新しいものでいいますと、学会誌での著作権制度に関する著作物としては一九九八年の九月のものがございます。
○藤末健三君 論文は一九九八年に書かれたものなんですよね。
 次の質問でございますが、磯田氏の案件、事案を説明してください。
○政府参考人(中川健朗君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の件は、この度の中間取りまとめで公表されております文部科学省OBである磯田文雄氏に関する事案、これについてかと思います。文部科学省から先日公表した中間取りまとめにおきまして、磯田文雄氏の個人連絡先の情報提供事案として記載されております。
 本事案は、本中間取りまとめにおきまして国家公務員法の再就職等規制違反と考えられている事案の一つでございますが、当該部分について概要を申し上げますと、文科省の室長級職員Aと補佐級職員Cが、当時早稲田大学の非常勤講師を務めていた磯田氏を常勤講師に就任させるよう早稲田大学に依頼し、早稲田大学と磯田氏の面談が行われたというものでございます。
 結果としては磯田氏は早稲田大学の常勤講師に就任しておりませんが、この行為は国家公務員法第百六十条の二第一項に反して、地位に就かせることを目的として、役職員であった者を、地位に就かせることを要求し、若しくは依頼したものと考えられるとされておるところでございます。
○藤末健三君 文科省の人が早稲田大学で昇進をするように圧力を掛けたということではないですか。
 文科大臣にお聞きしたいんですけど、李下に冠を正さずという言葉を説明いただけますでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。
 李下に冠を正さずの意味を御質問でございますけれども、人から疑いを掛けられるような行いは避けるべきであるということの例えであると承知をしております。
○藤末健三君 安倍総理にお聞きしたいと思いますが、李下に冠を正さず、我々民進党は、もうこの天下り、徹底的になくすという法案を今準備しています、出させていただきます。これからの消費税増税など国民の負担を求める中で、例えば我々政治家、そして国家公務員の無駄遣いがないということを徹底しなければ、私はもう国民に負担をお願いすることはできないと思います。
 是非、この事件を徹底的に解明し、その李下に冠を正さず、文部科学省が予算を流している大学に行くこと、きちんと説明できればいいですけれど、説明できない人たちが行っていること、これをもう完全になくしてもらいたいと思いますが、総理大臣、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 第一次安倍政権において、言わばあっせんを全面的に禁止をしたわけでございます。しかし、そのあっせん事案が今度再就職等監視委員会の調査によって明らかになったわけでございます。これを受けまして、現在文部科学省においては徹底的な調査を行い、かつ他の省庁でもないか、山本行革担当大臣の下で徹底的な調査を行っているわけでございます。この調査結果を踏まえた上において、しっかりと処分すべきものは処分し、更なる対応が必要であるかどうかもしっかりと検討していきたいと、このように考えております。
○藤末健三君 足りないと思いますね。
 文科大臣、私ちょっと提案があるんですけれど、こういう大学に行かれた方々の採用基準、どういう理由で大学に採用されたかということを全て大学に公開するように要求してください。お願いします。
○国務大臣(松野博一君) 文部科学省としては、大学の教員の採用は、大学の自治の下、各大学の責任において実施されるべきものと考えております。このため、各大学の教員審査においてどういった基準で採用したのかを公開するか否かについては、各大学自らの判断によるべきものと考えております。
 文部科学省としては、各大学において法令の趣旨にのっとった適切な人事がなされるよう、教員の有する学位や研究業績について情報公開を義務付けるとともに、教員選考基準に基づく採用選考の仕組みが適切に機能しているかを文部科学大臣が認証した機関による評価の対象とするなどされております。これらの仕組みを通じて、各大学において適切な教員の採用選考がなされるよう促してまいりたいと考えております。
○藤末健三君 それでは恐らくもう無理ですよ、大学に丸投げでは。
 やはり、李下に冠を正さず、予算を投げているところに本当にふさわしいと思われる人しか私は大学に行くべきじゃないことを申し上げて、これの質問を終わらさせていただきます。
 次に、熊本の復興に関する予算について質問させていただきます。
 まず、熊本震災について、概要及び現状について御説明ください。
○政府参考人(加藤久喜君) お答えをいたします。
 昨年四月の熊本地震では、十四日のマグニチュード六・五の地震に続き十六日に阪神・淡路大震災と同じマグニチュード七・三の地震が発生し、被災地は二度にわたり最大震度七の地震に見舞われました。
 この地震により、死者は二百七名、重傷者は一千百二十四名、軽傷者は一千六百四名、家屋の全壊八千四百二十五棟、半壊三万三千二百八十七棟等の甚大な被害が生じましたほか、水道、電力、ガス等のライフラインや道路、鉄道等のインフラ施設にも多くの被害が生じたところでございます。
 また、家屋の倒壊や度重なる余震活動により多数の避難所が開設され、最大で十八万人を超える方々が避難を余儀なくされたところです。被災者の住まいの確保については、四千三百三戸の応急仮設住宅の全戸が完成し、民間賃貸住宅を活用したいわゆるみなし仮設住宅についても約一万三千戸について入居が決定しています。被災地では、避難所が全て解消し、生活の再建に向けた支援が進められているところでございます。
○藤末健三君 順調に進んでいるような御説明ありましたけれど、被災地における砂防、河川、下水道、学校などの公共施設の工事が十分に進んでいない状況でございます。その状況を御説明ください。
○政府参考人(山田邦博君) お答えいたします。
 平成二十八年熊本地震に関わる熊本県における災害復旧事業等の進捗状況についてお尋ねがございました。
 熊本地震に関する災害復旧事業につきましては、被災直後から調査に着手をいたしまして、昨年十二月二十二日に災害査定を全て終了させたところでございます。
 一月末時点の河川及び下水道の災害復旧事業の進捗状況につきまして、まず河川事業についてでございますが、千四百二十か所中三百三十二か所、二三%が契約済みとなってございます。下水道事業につきまして、下水道処理場につきましては十か所中全てで契約済みとなっております。また、下水の管路施設、ポンプ場につきましては百三か所中七十か所、六八%が契約済みとなっております。
 一方、災害関連緊急砂防事業等には、新たな砂防堰堤などの整備を行うために設計や用地の確保等が必要でございまして、採択済みの四十六か所については契約済みの箇所はございません。これらの箇所については、地権者が多数存在し用地交渉に時間を要しているものもありますが、了解を得られ次第、本工事に順次着手するというふうに熊本県から聞いておるところでございます。
 熊本県からは、災害復旧事業について早期の着手に向け取り組んでいるところである旨を聞いております。国土交通省といたしましても、熊本県や関係市町村と連携しながら、一日も早い復旧復興に向けて取組を支援してまいりたいと考えてございます。
○政府参考人(北島智子君) お答えいたします。
 熊本地震における水道施設の被災につきましては、十七市町村三十二水道事業者が被害を受けておりますけれども、基本的には応急復旧は済んでおりまして、住民の皆様に水道は行き届いております。ただし、応急復旧はあくまでも仮の復旧工事であり、現在本格的な復旧工事を実施可能な水道事業者から順次実施していると承知しております。
 現時点におきましては、今年度実施を予定している事業は全体の本格復旧工事の五六・一%であり、厚生労働省といたしましては、熊本地震からの本格復旧に向けて、今後とも速やかに事業が実施されるよう、水道事業者からの相談に応じて真摯に対応してまいります。
○政府参考人(山下治君) お答え申し上げます。
 熊本県内の公立小中学校の復旧工事の進捗状況でございますが、平成二十九年一月末現在、熊本地震で被災し、公立学校施設災害復旧事業を申請した学校は二百十一校ございます。そのうち、復旧工事に着手している学校は約七八%の百六十四校となってございます。
 なお、復旧工事に着手できない主な原因としては、入札を実施したところ不調が発生し契約できないことや、大きな被害を受け設計等に時間を要するために入札に至らないことなどが挙げられております。
 今後の対応につきましては、関係省庁と連携しながら必要な支援に真摯に取り組んでまいりたいと考えてございます。
○藤末健三君 総理、聞いていただきましたように、砂防は〇%、学校も二二%が残っているという状況でございます、まだ復旧が。
 私が思いますのは、これ国交大臣にお聞きしたいんですけど、この熊本県庁の調査を見ますと、建設業技能労働者が足りないというのが一番大きな原因であると書いてございますが、この建設業技能労働者の確保、処遇改善、職場の安全の確立などにどう国交省は取り組んでいるか、教えてください。
○国務大臣(石井啓一君) 建設業では、近い将来、高齢者の大量離職が見込まれることから、中長期的な人材の確保、育成が急務でございます。このため、関係業界と連携を図りつつ、技能労働者の入職を促進するための取組を進めております。
 具体的には、技能労働者の賃金水準を向上するという観点から、公共工事設計労務単価、五度にわたる引上げを行いまして、全国平均ですと、平成二十四年度比、平成二十九年度ではプラス三九・三%となってございます。また、社会保険への加入の促進、働きやすい職場づくり、効率的な技能の習得、施工時期の平準化などに取り組んでおります。
 建設業への若年者の入職者数は近年回復傾向にございますが、今後とも、技能労働者の確保、育成にしっかりと取り組んでまいります。
 また、建設技能労働者の処遇の改善等に資する法律としまして、昨年十二月に建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律が全会一致で成立をしてございますので、同法において政府が定めることとされております基本計画の策定にもしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。
○藤末健三君 是非、国交大臣におかれましては、建設職人基本法、これもう実は今日から施行でございますので、強力に進めていただきたいと思います。
 ちょっとパネルを御覧いただきたいんですが、私は先週末にまた熊本に戻ってきました。(資料提示)このように、まだこの被災地には被災建物が解体されないでいるような状況でございます。
 是非、これは自衛隊の最高指揮官である安倍総理にお聞きしたいんですけれど、被災住宅解体や道路整備、敷地の造成など、復興に是非自衛隊の方々の力をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府としては、熊本地震による災害の復旧復興は極めて重要な課題だと認識をしております。
 議員が昨年質問主意書で取り上げられた、熊本地震により損壊した家屋の公費による解体、撤去に関しては、現在、熊本県が策定した災害廃棄物処理実行計画に基づき、市町村が主体となってその処理が進められているというふうに承知をしておりますが、自衛隊の関与につきましてでございますが、自衛隊は熊本地震に際しては人命救助や被災者支援のため二万人を超える規模の災害派遣を行ったところでありますが、私も現地を視察した際、その様子を拝見もさせていただきましたが、災害派遣の終了後において自衛隊が土木工事など実施できるのは、自衛隊法第百条第一項に基づき地方公共団体等から委託を受けられた場合に限られるというのは御承知のとおりだと思います。
 具体的には、訓練目的に合致し、民業を圧迫しない、これは現地にもそういう業者の方がおられますから、などの要件を満たす場合に限り、委託者による一定の費用負担の下で自衛隊は土木工事などを実施することが可能でありますが、いずれにせよ、自衛隊による被災住宅の解体や道路整備、敷地造成などの実施については、被災自治体から具体的な申出をいただければ、自衛隊法に基づいて実施の可否を検討してまいりたいと思います。
○藤末健三君 総理に申し上げたいんですけど、自治体もなかなかもう忙しくて、もう調整できないような状況なんですよ。私は、やはり国からある程度人を派遣してそういう調整をやるようにするべきだということを申し上げたいと思います。
 そしてまた、被災地の復興のために必要な事業の財政措置について、これからこういう解体、そして復興がございますけれど、地方自治体の負担を軽減し、できるだけ使いやすい財政措置を講じていただきたいんですが、国交大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 熊本地震の被災地の復興については、昨年夏の予備費により、国が費用を全額負担をいたしまして、各市町村における被災者の意向調査、住まいの復興に向けた整備方針の検討などが進められております。その中では、小規模住宅地区改良事業、都市防災総合推進事業など、これまでの災害復興において活用されてきた事業を中心に検討が進められておりますが、今後、事業化に向けて、地域住民の御意見を伺いながら、更に具体的な計画の検討を進めることとなります。
 その際には、例えば災害公営住宅を活用すること、また道路等の公共施設の整備に関する事業など様々な事業を組み合わせることによって市町村の負担を少なくできる可能性はあると考えております。
 引き続き、各市町村の意向を丁寧にお伺いをしながら、費用の負担の軽減も含め、復興のために最も適切な組合せで事業が実施できるよう協議を進めていきたいと考えております。
○藤末健三君 ありがとうございます。国交省は非常に現地の声を吸い上げていただいていると思います。
 一方で、総理大臣、安倍総理は、今まで熊本の被災地に何回行っていただいているでしょうか。その時期も教えてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 熊本の地震につきましては、熊本県に三回、大分県に二回行っておりますが、時期につきましては、昨年の四月二十三日と四月二十九日と六月四日でございました。
 私は、被災地の被災状況を自らの目で確かめ、そして復興計画を進めていく上においてそれを参考にさせていただいておりますが、また東北の復興には三十一回視察をしておりますし、また茨城県における集中豪雨、そしてまた北海道、岩手県における台風被害等、また新潟県における大火等の視察も行っているところでございます。
○藤末健三君 総理は、昨年七月の参議院選挙以降、熊本に来ていただいていないんですよ。我が民進党の蓮舫代表は、九月に就任して、十月にあの阿蘇の噴火の後にすぐ熊本に行ってもらいました。
 是非、四月十四日が慰霊の式典があります、熊本に。それまでに熊本を訪問していただき、被災者の声を聞いていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今後とも、熊本を含めまして、被災地に常に思いを寄せ、機会を捉えてできるだけ訪問するなど、復旧復興の後押しをしてまいりたいと思っております。
○藤末健三君 次に、熊本城の復興の議論をさせていただきたいと思いますが、これはもう今の熊本城の状況でございます。
 熊本城の早期復興をもっと政府は主導すべきだと思いますが、担当官庁、是非今後の予定と計画をお教えください。
○政府参考人(栗田卓也君) 熊本城についてでございます。熊本城は熊本市が管理する都市公園でありまして、その中には特別史跡を構成する石垣、重要文化財であるやぐらなどの文化財のほかに、天守閣などの公園施設が整備されております。
 天守閣などの公園施設の復旧は、国土交通省が担当省庁として支援してきております。被災の直後から市、県、文化庁の実務レベルの連絡調整の会議であります熊本城公園復旧推進調整会議を設置、開催し、一体となって天守閣等の早期復旧を進めてまいりました。
 天守閣は、昭和三十五年に鉄筋コンクリート造りで復元された建築物でございます。その復旧目途につきましては、昨年十二月に熊本市が定めた熊本城復旧基本方針の中で、二〇一九年には天守閣の復旧した姿を御覧いただけるよう取り組むとされておるところでございます。現在は、熊本市が実施しました公募型プロポーザルにより選定された建設会社が復旧工事に向けた設計、資材調達に着手し、できるだけ早期の工事着手を目指しておるという段階でございます。
 引き続き努力してまいります。
○政府参考人(中岡司君) お答えいたします。
 熊本地震により被災いたしました特別史跡熊本城跡の石垣や国指定重要文化財でありますやぐらや長塀など、復旧につきましては熊本市が実施しているところでございます。文化庁におきましては、その取組を支援しておるわけでございます。
 熊本城の石垣につきましては、全体の三〇%に当たります二万三千六百平米に被害が生じまして、そのうち崩落があった箇所は全体の約一〇%に当たります八千二百平米となってございます。
 熊本市が昨年十二月に策定いたしました熊本城復旧基本方針におきましては、熊本城の石垣や重要文化財建造物等の多くの貴重な文化財につきまして、文化財的な価値を損なわない丁寧な復旧を進めるとされてございます。また、当該熊本城復旧基本方針におきましては、熊本城復旧基本計画を平成二十九年度中に策定をし、石垣や建造物等を始めとする熊本城全体の復旧についておおむね二十年を計画期間として取り組んでいくものとされておりまして、石垣につきましてもおおむね二十年で震災前の姿に復旧することを目指しているというふうに我々承知してございます。
 文化財の修理につきましては、文化財としての価値の維持をしながら修理しなければならない技術的な難しさがございます。文化庁では、石積みに関します専門的な技術を持つ技術者の確保に向けた支援も含めまして、技術的な支援をしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○藤末健三君 今の回答にありますように、この写真の上の天守閣、国土交通省が担当し、二〇一九年までに復興できる。この下の石垣、二十年掛かるそうです、文化庁が担当して。
 総理、いかがですか、これ、役所ばらばら。総理のイニシアティブで、もう肥後の、熊本のシンボルですよ、これが復興できなければ僕は熊本の震災の復興はないと思っていますが、政府が主導でやっていただくことをここで約束していただけませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 熊本を訪問した際も熊本県の皆様から、自分たちのまさに精神のよりどころであると、熊本城がですね、この復興が自分たちに一番勇気を与えるというお言葉を、お話を伺いましたので、我々としても、熊本県のシンボルであり観光の面でも重要な役割を果たしてきた熊本城が大きく傷つき、熊本県の方々はさぞ落胆されたという認識の下に、できることは全てやるとの考え方の下、早期に復旧、そして修理、復旧できるよう、関係自治体の方々のお話等も伺いながら、国としてもしっかりと支援してまいります。
○藤末健三君 是非総理、お願いします。
 私は、この熊本の復旧復興につきまして、二つ申し上げたいと思います。一つは、今、この熊本の復旧復興、復興庁みたいに政府を一つにまとめて見るところがないんですよ。それがまず一つ。ですから、やはり政府で一元的に見るところをつくってほしいということと、もう一つは、やはり自治体に余りにも負荷を掛け過ぎている。この熊本城の復興も、熊本市が計画作りなさいというふうになっているんですね。
 是非国が主導して、やはりこの復興の計画を、被災された方々が希望を持てるようにしていただきたいと思いますが、いかがですか、この二点。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、この体制、災害が発生したときには、被災した自治体というのも被害を受けている中においてどのような体制をつくっていくかということでありますが、災害の状況は様々であり一概に申し上げることはできませんが、熊本地震では、内閣官房に各省庁の総合調整の会議体である復旧・復興支援連絡調整会議を設置をしまして、節目節目に会議を開催し、復旧復興事業等、施策の進捗状況の確認及び整合性の確保等の調整機能を発揮するなど、政府一丸となって熊本地震からの復旧復興を迅速かつ強力に進めているところでありまして、それにより、インフラの復旧、住民の暮らしの確保、産業の復旧復興などに各省庁が一体となって取り組んでいるところであります。
 また、人的支援に関しましては、国と自治体の双方において、平素から関係業務に精通した職員を養成し、一たび災害が発生した場合には直ちにこれらの職員を被災地に派遣して、国と自治体の適切な役割分担の下、被災自治体が早期に復興に取り組める体制を整えることが重要と認識をしておりまして、政府としては、熊本地震の経験を踏まえて、ワーキンググループを設けて災害対応の在り方について検討を行い、地方公共団体への支援の充実を柱とする報告書を取りまとめたところであります。
 その成果を生かして、国、都道府県等の連絡、連携による応援職員派遣の仕組みなど、被災自治体への人的、物的支援の充実に取り組んでまいりたいと思いますし、また、今後の復旧復興の支援につきましては、もちろん、先ほど申し上げましたように、国としてもできることは全てやるとの考え方の下に、縦割りを排してしっかりと取り組んでいきたいと思います。
○藤末健三君 是非お願いしたいと思います。
 先ほど御質問しましたように、砂防、あと学校とかいろいろ公共施設もばらばら、各省が担当しているような状況でございますし、あと、お城でさえも担当役所が違う。やっぱり一元的にやるところが私は必要だと思いますので、是非お願いしたいと思います。
 続きまして、農業政策につきまして、まずJAの問題について御質問申し上げたいと思います。ちょっとパネルを御覧ください。
 まず、昨年十一月に政府が定めましたJA改革のポイント、そして来年度予算にJA改革に資する予算があるかどうかを、農水大臣、お願いいたします。
○国務大臣(山本有二君) まず、JA改革でございます。
 農業競争力強化プログラムにおける全農改革のまずポイントを申し上げますと、生産資材価格の引下げや農産物の流通加工構造の改革を図る一環として、全農が肥料や農薬を安く購入したり農産物を安定的かつ有利に販売する観点から事業の在り方を見直すこと、この改革を全農とも合意の上で自己改革として行うことでございます。
 農業生産関連事業の事業再編につきましては、日本政策金融公庫の融資による支援を行うこととしておりまして、全農が行う事業再編につきましてもその対象とはなり得るものと考えておりますが、自己改革を前提としていることでございますから、全農だけを対象とした予算は措置されていないということでございます。
○藤末健三君 このパネルを御覧いただきますように、政府によるJA改革のポイントをまとめています。その中に、例えば外部の有為な人材を登用するとか、あと、流通関係企業に出資を戦略的にやる、輸出先ごとの商社などと連携するということで、一民間企業であるJAにこのようなことを求める法的根拠は何でしょうか。お教えください。
○国務大臣(山本有二君) 先ほど申し上げました改革でございますが、これは全農と合意の上で定められております。また、政府が一方的に改革を要求するものではありませんで、全農と合意した内容が記されているこの様々な合意事項、プログラムについて、御理解を相互にいただいているというように思っております。
 あえて政府が法的根拠を申し上げれば、行政指導によりまして、全農が農業競争力強化プログラムに従って自己改革を行うことを促す立場であると考えておりまして、農林水産省設置法四条、農業協同組合その他の農林水産業者の協同組織の発達に関することという条文に従って行っております。この定期的フォローアップも含めまして行政指導の一環であるというように考えております。
○藤末健三君 行政指導ということでございますけれど、これ、法制局長官にお聞きしたいんですが、行政手続法二条六項、そして三十二条二項、行政指導の定義と行政指導の一般原理をお教えください。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 行政指導につきましては、御指摘のとおり、行政手続法に規定がございます。ポイントといたしましては、行政指導につきましては、行政手続法第三十二条第一項におきまして、あくまでも相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであるということ、また同条第二項におきまして、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として不利益な取扱いをしてはならないということが規定されております。
○藤末健三君 農水大臣にお聞きしますけれど、今回の改革案、JAの方々は、政府がもう過剰に介入しているんではないかと非常に懸念されています。そういうことはこの行政手続法に基づき、ないということをここで約束していただきたいんですが、いかがですか。
○国務大臣(山本有二君) 強制にわたるようなこともありませんし、政府が、農林省が何かを強く求めるということでもありません。あくまで自主的、自発的に改革を進めていただいておりまして、今日の報道にもありますとおり、米の販路につながる回転ずしの大型チェーン店に出資をするというような新しい試みも率先してやっていただきまして、これも報道のはるか前に農林省と打合せしながらやっていただいたというところでございます。
○藤末健三君 これで、JAの問題、農業の問題もっとやりたいんですが、終わらさせていただきまして、次に森友学園の問題について御質問申し上げたいと思います。
 ごみ撤去の費用八億千九百万円の算定を専門の第三者機関ではなく大阪航空局が実施しておりますけれど、この大阪航空局が実施した、この知見があったのかどうか、経験があったのかどうか、また大阪航空局が算定を行う法的根拠は何でしょうか、お教えください。
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 本件土地については、伊丹空港周辺の騒音対策の一環として、法律に基づき騒音対策区域内の住民からの求めに応じて大阪航空局が昭和五十年より順次買入れを行い、大阪航空局において管理をしておりました。その後、航空機の低騒音化の進展により、当該土地が属する騒音対策区域が解除されましたことから、財務局に依頼して土地を売り払うこととしましたが、これに先立ち、大阪航空局が地下埋設物に関する状況調査を行っております。
 こうしたことから、国有財産法に基づき本件土地を管理する大阪航空局が本件土地について地下埋設物の状況を含めよく知る立場にあることから、小学校建設に伴い新たに発生した地下埋設物の撤去処分費用の見積りを行ったものでございます。
○藤末健三君 排出物があるかどうかという話はもうなくて、算定する経験や知見があったのかと、その算定の根拠は何かということを聞いています。
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 今もお答え申し上げましたが、土地を売り払うに先立ちまして地下埋設物に関する状況調査を大阪航空局が行ったところでございます。
 それから、法的根拠につきましては、国有財産法に基づき本件土地を管理しております大阪航空局が今申し上げました本件土地について地下埋設物の状況をよく知る立場にあることから見積りを行ったものでございます。
○藤末健三君 ごみ撤去の算定の知見とか経験があるんですか。
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 ごみ撤去のこの撤去費について、撤去費について算定をしたことはございませんが、大阪航空局は先ほど申しましたように地下埋設物に関する状況調査を平成二十二年に行っております。
○藤末健三君 繰り返しますけれども、そのごみの状況を調査しているのは分かりましたけど、なぜそのごみ撤去料の算定ができるかどうか、経験があるか知見があるか、もう一回答えてください。あと、法的根拠も答えてください。
○政府参考人(佐藤善信君) 大阪航空局は、さきに答弁をいたしましたですが、まずこの国有財産法に基づき本件土地をずっと管理してございます。また、本件土地についても地下埋設物の状況を含めよく知る立場にあると、さらにはこのような見積りを行う能力を有する技術職の職員も有しているということから本件見積りを行ったものでございます。
○藤末健三君 常識的に専門家に委託すべきじゃないですか。過去にそういう委託して調査したことありますか。
○政府参考人(佐藤善信君) 済みません、ちょっと今よく聞き取れなかったので、申し訳ございません、もう一度お願いできませんでしょうか。(発言する者あり)はい。
 お答え申し上げます。
 本件地下埋設物の撤去処分費用の算定につきましては、小学校開校の予定時期が迫っている中、第三者に依頼をしておりますと入札手続等時間を要するということから、財務局からの依頼があったというふうに承知してございます。
○藤末健三君 過去ずっと委託していたわけですよね、外部に。これが初めてじゃないですか。答えてください。
○政府参考人(佐藤善信君) 過去におきましては、工事積算基準に基づき国交省の知見に基づいて算定を行ったということでございます。
○藤末健三君 答えが変わっていますけど、知見と経験はなかったんですよね、今まで。
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 知見はあったものと考えてございます。
○藤末健三君 過去やった事例あるんですか。
○政府参考人(佐川宣寿君) 御答弁申し上げます。
 今、国土交通省航空局から御説明したとおりでございまして、航空局そのものには、国土交通省全体といたしましてそういう技術的知見は十分にございます。
 ただ、本件につきましては、第三者に委託するという方法も当然あったかと思いますが、前から申し上げてございますように、この時点で、新しい埋設物が出たのが二十八年の三月でございまして、もう一年後には開校せねばならぬという状況の中におきまして、これは早めにこれを算定すると。その算定するに当たりまして国土交通省の知見を用いてこれをきちんと算定して撤去費用を計算したということでございます。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 静粛に願います。
○藤末健三君 大阪航空局に、国交省にお聞きしたいんですけど、過去に経験あるかどうかだけ答えてください、この局が。
○政府参考人(佐藤善信君) お答えを申し上げます。
 国有地につきましては時価で売却する必要があり、本件については、新たな地下埋設物を踏まえ、不動産鑑定士が評価した更地の価格から大阪航空局が工事算定基準等に基づき算定した地下埋設物の撤去費用等を差し引き、時価で売却したものと承知してございます。
 土地に地下埋設物や建物が存在している場合には、行政機関、国、地方公共団体が地下埋設物の撤去費用等を見積もり、売却価格に反映した例はあるというふうに承知をしてございます。
○藤末健三君 答弁が変わっていますけれど、そのやったことある経験の中身を教えてください。
○政府参考人(佐藤善信君) お答えを申し上げます。
 今手元に事例を持ち合わせておりませんが、国交省全体としては様々な公共事業のこういったことを実施してきてございます。
○藤末健三君 国交省全体とかいったら、もう政府全体まで広がると思いますけれど、大阪航空局に経験、知見があるかということをお答えください。
○政府参考人(佐藤善信君) 大阪航空局といたしましても、様々な公共事業の主体となってございますので、国土交通省が空港土木工事の統一基準として定めております空港土木請負工事積算基準に基づきこういった積算をしているところでございます。
○藤末健三君 大阪航空局には、産廃とか一般廃棄物の違いとか簡単に分かる方はおられるんですか、ちゃんと。
○政府参考人(佐藤善信君) 国土交通省全体の知見を活用して対応したいと考えてございます。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) ちょっと速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(佐藤善信君) 国土交通省大阪航空局といたしましては、国土交通省が空港土木工事の統一基準として定めた空港土木請負工事積算基準に基づき、本件土地を始め様々な事案におきましてこういった積算をしてきたところでございます。
○藤末健三君 ごみ撤去費の積算をしたことはあるんですか。もう一回確認です。あったら、事案もちゃんと教えてください。
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 事案は手元にございませんが、国土交通省としてはたくさんの事案を処理しているところでございます。
○藤末健三君 大阪航空局として、ごみ撤去なんかの算定をした経験はあるんですか。お願いします。
○国務大臣(石井啓一君) 今回の見積りの中身を私も見ましたけれども、ごみを掘り返して、それを運搬して処分するという中身なんですね。ですから、掘り返して運搬するのはまさにこれは公共工事そのものでございますから、土砂の運搬と同じです。
 処分は、これは産廃として処分費用をきちんと調査をして見積もったということでございますから、これは、ごみの処分そのものの事例はちょっとあるかどうかは分かりませんけれども、中身としては公共工事のいろんなパーツの組合せで今回の見積りはできるということでございます。
○藤末健三君 これ、今焦点が当たっているのはごみの処理の算定でございまして、やっぱり一般廃棄物と産廃だと単価が違うわけですよ。
 ですから、もう一回確認すると、大阪航空局としてごみの撤去費用の算出の経験はあるかどうか、お答えください。
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 後で確認をして御報告させていただきますが、積算につきましては、例えば今回行いました積算につきましても、撤去処分費用の見積りは、工事積算基準に基づきましてごみ処理すべきものの数量に単価を掛けて算定をしてございます。このうち、廃棄物を含む処理費用につきましては、今回の場合は、工事関係者から聞き取りを行いまして、他事業者からの価格情報と比較検討した上で設定をしたところでございます。
○国務大臣(石井啓一君) 大阪航空局の職員に産廃かどうかを見分ける経験があったかどうかというお問合せかと思いますけれども、一般的に、建設工事の過程において排出される廃材等は産業廃棄物に分類をされるものと認識をしております。これらの廃材等が、これ、現場を確認したところ、廃プラスチックですとか廃材ですとか土砂等が混在をしているというものでありまして、こういったものを、これを、一般の工事においてもこういったものを一般の廃棄物として処理することは通常想定されません。そういったことから、今回、見積りに当たっては産業廃棄物としたところでございます。
○藤末健三君 国の貴重な財産ではないですか。それをもう産廃と決め付けて算定すると、それはもうおかしくないですか。(発言する者あり)一回ですか。いや、それは実際に専門家がいて、きちんとこのごみの処理の問題分かる人がいれば別ですけれど、この大阪航空局にそういうごみ撤去なんかの知見を持った人はいるんですか。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 大臣、手挙げていないんです、手挙げていないんです。
 石井国交大臣。
○国務大臣(石井啓一君) 今申し上げたように……(発言する者あり)今、私、手挙げて……(発言する者あり)委員長から指名されましたので答弁をさせていただきますけれども、一般の公共工事においてやっぱり建設工事の途上に出てきたものを分類するというのは、判断するというのは、それはよくあることです。通常の廃プラスチックとか木材とか土砂が一般に混在したというものは、これは通常、一般廃棄物として処分されることはないということから、産業廃棄物として見積もったものであります。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) ちょっと速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
 委員長として公平中立な取扱いをしっかりとやっていきたいと思います。
○藤末健三君 それでは、環境大臣にお聞きしたいんですけれど、先ほどの国交大臣の答弁というのはもう本当に正しいんでしょうか、お教えください。
○政府参考人(中井徳太郎君) お答えさせていただきます。
 廃棄物処理法を所管している環境省として、その法解釈ということでのお答えになります。
 産業廃棄物か一般廃棄物であるかは、排出元や性状等の客観的状況などを勘案して判断するということになります。一概にお答えできない状況でございますが、一義的には、事業者が当該廃棄物の排出元や性状等に応じて産廃であるか一廃であるかということは適切に判断すると、こういうふうなことであります。
○藤末健三君 事業者が判断するわけですよね。そうすると、当然のことながら、なるべく安く済ませようとするのが普通じゃないでしょうか。
 そこら辺、どうなんですか、石井大臣。
○国務大臣(石井啓一君) 私は廃棄物の専門家ではないのですが、一般廃棄物はいわゆる生活ごみの類いですから、この土地は元々、沼、池だった土地なんですね。それを埋め立てた、で、宅地ができたんですが、恐らくその埋め立てたときにこういった木材とか廃プラスチックなんかが入ったのであろうと。だから、いろんな深さに入り得るんですね、埋め立てましたから。だから、浅いところに入っているのもあるし、相当深いところに入っているのもあると。こういうことで、九・九メーターで算定したり三・八メーターで算定したりしたと思いますが。
 そういった経緯を考えると、そこにあったごみというのは相当長い間あったものですね。木材なんかは特にそのままですともう腐って非常に悪い影響を及ぼすと。そういったものが普通は一般廃棄物としては常識的には考えられないんじゃないかというふうに思っています。
○藤末健三君 私は現場を見ていませんし、また現場の写真を見ても判断できないところがございますが、これ、今まで大阪航空局はこういう事案のときには外部の第三者を使っておられたんじゃないですか。いかがですか、そこの点については。
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 大阪航空局がそういったことをする場合には、空港土木工事の統一基準として定められた空港土木請負工事積算基準に基づいて行っております。
○藤末健三君 外部の知見、自分たちの知見では届かないところは外部の第三者を使ったりしているんじゃないですか、今まで。
○国務大臣(石井啓一君) ごみを処分する費用、産廃として処分する費用なんかは、やっぱりそういう外部にヒアリングして聞いたりしていますよ。
 ただ、先ほど言いましたように、ごみを掘り起こして運搬して処分するということですから、そのパーツ、パーツは従来の一般土木公共工事でのいわゆる工程ですから、そういったことを組み合わせてやっていますので、その部分については自ら積算は当然できるわけです。公共工事として積算している知見も経験もたくさんありますから、そういったものを活用してやっていると。処分の費用については、確かに外部にヒアリングをして確認をしたと思います。
○藤末健三君 私、大阪航空局にお聞きしていますのは何かと申しますと、過去の事例なんですよ。今まではずっと外部の方々にお願いしていたものを、突然これは自分で算定やりましたというのでは筋が通らないじゃないですか。よろしいですか、そういうことをお聞きしていますので、お答えください。大阪航空局にお聞きしています。(発言する者あり)
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。委員長の御指名でございますので、お答え申し上げます。
 工事の算定基準につきましては石井大臣の方から答弁したとおりでございまして、国土交通省全体の中での工事算定基準でやったというふうに思います。
 いずれにしましても、この撤去費用をどう見積もるかというのは、委員御承知のとおりで、確かに第三者に委託するということも過去ございましたと思いますが、本件は、先ほど申しましたように、一年後に学校開校という中で新たに埋設物が見付かったという中で、国土交通省全体の知見を使いまして適切に処理費用を見積もったということでございます。
○藤末健三君 私は、大阪航空局が過去に外部の方、ごみなどの算定のときに外部の方々の知見を使ったことがあるかどうかを聞いているんですよ。答えてください。
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 手元に事例を持ち合わせておりませんので、確認をいたさせていただきたいと存じます。
○藤末健三君 申し訳ないですけど、過去のそういう経験はどうか、あったかどうかというのも、事前通告させていただいているのになぜ答えていただけないんですかね。非常に問題が大きいと思います。
 では、お聞きしたいんですけど、そもそもその埋設物が産業廃棄物だと現認した根拠は何なんですか、大阪航空局にお聞きします。
○政府参考人(佐藤善信君) 地下埋設物につきましては、平成二十八年の三月十四日と四月五日に現地確認を行っております。平成二十八年三月十四日の現地確認の際には地下埋設物は本件土地の広範囲にわたり高く積み上げられ、四月五日の現地確認の際には試掘場所周辺に積まれていたことを確認したところでありますけれども、それぞれ廃材やプラスチックなどのごみが入っていたことを確認してございます。
 建設工事の過程において排出されるこれらの廃材等は産業廃棄物に分類されるものであり、これらの廃材等が大量に入った土砂全般を一般廃棄物として処理することは通常想定されないことから、今回の撤去処分費用の見積りにおいては産業廃棄物として見積もっております。
○藤末健三君 ちょっとパネルを準備したので、見ていただいてよろしいでしょうか。
 これ、廃棄物を所管している環境大臣にお聞きしたいんですけど、お手元にも写真が届いていると思いますけれど、このパネルに写っている埋設物、これは三月十四日の写真でございますが、これを見て産業廃棄物だと今認識できるのでしょうか、お教えください。
○政府参考人(中井徳太郎君) お答えさせていただきます。
 パネルの写真に写っている埋設物が産業廃棄物であるか否かは、排出元や性状等の客観的状況などを勘案して判断する必要がありまして、一概にはお答えできないということでございます。
○藤末健三君 やはり担当である環境省がこれは産廃だと言い張っておられるわけでございますけれど、私は、やはり国有地の売却、なるべく高く売らなきゃいけないということでございますので、一般廃棄物、産廃という区別、その処理についてはきちんとした専門家がやるべきだと思っております。
 実際にこの産廃廃棄物と言われている埋設物を職員の方が、大阪航空局の職員が確認したということでございますが、具体的にどういう人が行ってどうやって確認したかをちょっと教えていただけませんでしょうか。
○政府参考人(佐藤善信君) お答えを申し上げます。
 本件土地につきましては、小学校の建設に当たり九・九メートルに及ぶくい打ち工事を実施する過程におきまして、森友学園から地下埋設物が発見されたとの連絡を受け、大阪航空局では平成二十八年三月十四日、近畿財務局とともに現地に職員二名を派遣して現場確認を行ったところであります。
 そうしたところ、その前年の平成二十七年十一月末現在で廃材や廃プラスチック等のごみも確認されなかった本件土地におきまして、九・九メートルのくいを打つ過程で出てきた廃材等のごみを大量に含む地下埋設物が本件土地の広範囲にわたり積み上がっていたことを確認しております。
 現地確認に当たりましては、工事関係者からのヒアリングにおいて、くい打ち工事九・九メートルの相当に深い層から廃材等が出てきたとの報告があったほか、工事写真におきましても、九・九メートルまでの深い部分での作業中を含め、くい打ち部の様々な地点で廃材等を含む土が積み上がっている状況が確認されています。
 また、本件土地につきましては、昭和三十六年当時、田んぼや池、沼であった土地であるため、その後の宅地化の過程において廃材、廃プラスチック等のごみが混入し、そうした深い層にごみが存在することも十分に見込まれると考えております。
○藤末健三君 どのような状況かということで二人の職員の方が行かれたということでございますが、その二人の職員の方はどういう経験の方なんですか。そういう産廃とかいろいろな処理のことも経験なされているんでしょうか。ちょっと教えてください。
○政府参考人(佐藤善信君) お答えを申し上げます。
 当時向かいましたのは大阪航空局補償課の職員でございますけれども、こうした職員は日々の公共事業の仕事の中で見積りを行う能力を有しておりますし、また、かつ、技術系の職員が含まれているということでございます。
○藤末健三君 過去にこういうごみ撤去を自分でやったことがないという、算定を自分でやっていないということをお聞かせいただきましたし、あと、なぜ突然、過去には外部の方々に、算定の専門家に任せたものを独自でやったかというのは非常に分からないところがあるんですけど、もう一度、繰り返しなんですけれど、過去にやっぱりずっと専門家の方々にお願いしていたものを突然これは局でなされたわけじゃないでしょうか。確認ですが、お願いします。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
 繰り返しの答弁で大変恐縮でございますが、この積算費用そのものは、石井大臣が御答弁されましたように、国土交通省全体の知見を使いまして、掘削あるいは積込み、運搬等の基準は元々あるわけでございますので、そういうものを使いまして大阪航空局が国土交通省全体の知見でやったわけでございます。
 ただ、この時点で第三者を使わなかった理由につきましては、先ほどから申し上げておりますように、新たに埋設物が見付かって、一年後の開校ということでございましたので、これは国土交通省全体の知見を使って適正に正確に見積もったということでございます。
○藤末健三君 国土交通省全体という話をちょっとおっしゃいますけれど、これはもう大阪航空局の方しか行かれていないんじゃないですか。いかがですか、局長。
○政府参考人(佐藤善信君) 当日現場に向かったのは大阪航空局の職員でございますが、大阪航空局の職員は公共事業の仕事を通して国土交通省全体の知見を蓄積しているものと考えております。
○藤末健三君 私は、これを非常に、先ほど時間、開校が迫っているから慌ててやりましたよということで、自分でやりましたということで、それが私はちょっと理解できないところがございます。
 私は是非これはお願いしたいんですけれど、近畿財務局にその公共用の取得要望受付……
○委員長(山本一太君) 時間ですので、短くまとめてください。
○藤末健三君 それから、売買契約の締結日までの間の近畿財務局そして大阪航空局のこの会議の記録を提示をお願いしたいと思います。恐らく、会議の受付の日、あと職員の方に、手帳にいろいろ書いてあると思うんですよ。その記録を是非理事会に提出を協議していただきたいと思います。
 これで終わらさせていただきます。
○委員長(山本一太君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
 以上で藤末健三君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、二之湯智君の質疑を行います。二之湯智君。
○二之湯智君 自由民主党の二之湯智でございます。
 私も初めての予算委員会での質問でございますけれども、今日は、外交、予算、そして年金、公務員制度改革、さらに文化庁の京都移転の問題、さらにまたテロ対策、そして働き方改革、こういう各般にわたって質問をしたいと思いますけれども、なかなか予定どおりいかないものでございまして、かなり時間が押しておりますから、全部質問できるかどうか分かりません。
 まず、外交・安全保障問題について質問をしたいと思います。
 まず、安倍総理にお伺いいたします。
 二〇一二年十二月の第二次安倍政権発足以来、先般の米国訪問を始め、安倍総理は就任以来、地球儀を俯瞰する外交に尽力されてまいりました。国会の合間を縫って非常にハードなスケジュールで、歴代総理と比べても多くの外国訪問をこなされまして、本当に多くの成果を積み重ねてこられたと思うわけでございます。改めて敬意を表したいと思います。
 国民も安倍総理のこの精力的な外遊をよく見ておりまして、現在の内閣や政党支持率にこれがよく反映されておりまして、今高い支持率をキープしているのは、やはり安倍総理のそういう活躍ぶりが、国民はよく見ておるんじゃないかと、このように思うわけでございます。
 総理のこれまでの外国訪問回数及び先般の訪米を始めとする主な外国訪問の目的やその成果について、総理の見解を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 就任以来、私は五十一回の外国訪問を行い、延べ、海外からも来られますから、百十一か国・地域を訪問し、そして五百回以上の首脳会談を重ねてきたところでございます。
 なぜこれだけ多くの外遊を重ねているかといえば、今や日本の企業や、これ観光客も含めて、世界中に日本人は訪れ、そしてそこに住み、あるいはビジネスをしているわけであります。彼らの安全を確保し、そしてまた日本の企業が、まあ中小企業も含めて、しっかりと企業活動を行うことができるようにそれをサポートするということも大変大きな意義があるわけでございますし、そして、日本の求めている様々な国益あるいは目的について海外の首脳あるいは海外の人々に理解をしてもらうためには、私が直接海外の首脳と話す必要があるわけであります。
 例えば、拉致問題につきましても、例えば二十年前においては拉致問題の存在自体を認識している国はほとんどなかった、首脳はいなかったわけでございますが、私は全ての首脳会談において、つまり五百回以上の首脳会談において必ず拉致問題についてお話をさせていただいておりますから、私が会った首脳でこの問題を理解をしていない人は一人もいないという状況になる中において様々な人権決議等がなされているわけでございます。
 また、我々、これビジネス外交も進めておりまして、トップセールスを行ってきた結果、インフラ受注額は現在九兆円を増加、安倍政権ができて九兆円、インフラの受注も増えたところでございます。
 また、日本の国連外交を進めていく上において常任理事国入りは悲願であったわけでございますが、このような国々にも日本の常任理事国入りの必要性について説いてきたところでございます。
 そして、先般の訪米につきましては、最大の眼目は、日米同盟関係は決して揺らいでいないということを示すためのものでございました。
 昨年、真珠湾におきましてスピーチをしたところでございますが、オバマ大統領とともに、日米同盟はまさに世界の様々な課題に挑戦をしていく、取り組んでいく希望の同盟となった、普遍的価値を共有する我々の同盟は希望の同盟になったということを宣言をしたわけでございますが、今回もトランプ大統領との間で、日米同盟関係は全く揺るがないということを示すことができた。
 現在、北朝鮮の動向を含めてアジア太平洋地域の安全保障環境は厳しくなっているわけでございまして、万が一、日本に侵害を加える国があれば、米国は日本とともに日本をしっかりと守っていくというメッセージを発することができたのではないかと、このように考えております。
○二之湯智君 ありがとうございます。
 一月二十日のトランプ・アメリカ大統領の就任以降、僅か一か月の間に、アメリカからマティス国防長官の訪日、あるいは総理の訪米を通じまして、日米関係に非常に重要な進展があったことは私もよく理解するわけでございます。
 選挙期間中、トランプ大統領からは、在日米軍の駐留経費の負担の増加だとか、あるいは我が国の核武装を容認するような発言などがありまして、安全保障分野における新政権の対日政策について非常に不透明な部分があったわけでございますけれども、日米の首脳及び閣僚の緊密な意思疎通を通じまして、これらについてかなり懸念が払拭されたのではないかと思うわけでございます。
 総理の訪米では、アジア太平洋地域の安全保障環境が厳しさを増す中、日米同盟は、今おっしゃいましたように、揺るがないことを内外にはっきりと示すとともに、総理とトランプ大統領との間で揺るぎない日米同盟のきずなを更に強化していくことで一致したと承知しており、私はこれは非常に高く評価をするものであります。
 また、両首脳間で発出された共同声明は日米同盟の取組を一層強化する強い決意を確認するものであり、特に、尖閣諸島に対して日米安全保障条約の第五条が適用される範囲であるということを明記されたことは画期的なことだと、このように思うわけでございます。
 そのほかにも、この共同声明の安全保障に関連する事項には様々な重要な結果が含まれていますが、それらについて総理から改めて御説明いただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたが、今回の訪米の目的は、日米同盟は決して揺るがない、きずなは強固なものだということを、まさに北朝鮮を始めアジア太平洋地域の安全保障状況が厳しくある中において内外に示すことでありました。
 今回、共同声明自体に第五条を明示的に言及した上で、尖閣諸島への適用を文書で、まさに共同声明によって確認したのは今回が初めてでありまして、これは画期的なことだった。つまり、それは文書で、共同声明で書かれたわけでありますから、もうこれ毎回毎回、次の政権になったとしても、これは確かめる必要はもうなくなったわけであります。共同声明というのはもう日米の約束ですから、国と国との約束、私とトランプ大統領との約束を超えて国と国との約束でございますから、これは明確になったということではないかと、そういう意味では画期的であったと、このように思います。
 そしてまた、北朝鮮の核・ミサイル開発が新たな段階の脅威となったことを踏まえ、現在の北朝鮮というのは何をするか分からないという、そういう状況になっているという、そういう議論もある中において、共同声明では、米国が核及び通常兵力を含むあらゆる種類の軍事力により日本の防衛にコミットしており、かつ、それを裏付ける十分な能力を有していることを従来より一層明確な形で表現をしたわけでございます。ここまで具体的な表現を使ってコミットメントを明らかにしたことは今回が初めてでございます。
 そして、北朝鮮がミサイルを発射した後、私がぶら下がりの取材を受ける予定でありましたが、トランプ大統領から、私も是非そこに同席をして日本を一〇〇%支持することを明らかにしたいという形になりまして、非常に異例ではありますが、私が最初にコメントを述べ、その後、米国でありながら米国の大統領がその後、日本を一〇〇%支持するということを明確に示したということは、これは異例なことではありましたが、日米のきずなが強くなった、これは、平和安全法制を通し、助け合うことのできる同盟はいかに強靱であるかということを示したのではないかと、このように思うわけでございます。
 また、拉致問題につきましても、拉致問題の早期解決の重要性を初めて両首脳の共同声明に書き込むことができたわけでありまして、これはこの拉致問題を解決していく上において有意義であったのではないかと、このように思う次第でございます。
 今後とも、この首脳会談の成功を生かして、この緊密な連携、日本を守る、国益を守るためにも緊密な連携を更に深めていきたいと、このように思いますし、また、経済問題につきましては、副総理とそしてペンス副大統領との間でまさに建設的な議論をしていくことが決まったということではないかと思います。
○二之湯智君 第二次安倍内閣が発足してから四年余りが経過したわけでございますけれども、安倍総理の経済政策であるいわゆる三本の矢の効果によって日本経済は大きく好転したわけでございます。三年連続で大きく賃上げが行われ、また有効求人倍率も都道府県で一を超えると、こういうことになってまいりました。国民の皆様の暮らしに直結する雇用や所得が全国的に改善を見られているということは事実であるわけでございます。
 他方、我が国は多くの行政需要を抱えているわけでございます。例えば、少子高齢化が進む中、医療や介護などの社会保障制度をどう維持していくのかという問題、さらにまた、介護離職や待機児童の問題など、働く世代のお母さん、お父さんの声にどう対応していくかというこの問題、さらにまた、緊迫を続ける東アジア情勢においてどのような外交・防衛戦略を進めていくのか、さらにまた、地震、豪雨、台風災害を踏まえて、どのように防災・減災を進めていくべきなのか、いろんな課題があるわけでございます。
 今我々が審議している平成二十九年度予算を含め毎年の予算編成に当たっては、このような各般の行政需要に応えていかなければなりません。他方、やらなければならないことが増えているからといって財布のひもを緩め過ぎますと、責任ある政権運営とはまた言えないわけであります。一年半前に作った五か年の経済・財政再生計画では、経済を成長させるための政策を進めつつ、財政の健全化にしっかりと取り組んでいくということが方針として示されているわけでございます。
 そこで、財務大臣にお伺いをします。
 今回の平成二十九年度予算では、経済再生とそして財政健全化を両立すべく、どのような方針で編成されたのでしょうか。特に、財政健全化のためにどのような手だてを取られたのでしょうか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 二之湯先生御指摘のとおり、平成二十九年度の予算は、いわゆる経済再生と財政健全化の両立を実現する予算としたところだと思っております。
 まず、経済再生につきましては、一億総活躍社会の実現ということに向けまして、保育士、介護士の人材等々の処遇改善、給付型奨学金の創設など、主要な取組というものを確実に行うことで成長と分配の好循環というものを強化してまいります。また、科学技術振興費を伸ばすとともに、公共事業関係費の成長分野への重点化を行うなど、経済再生に直結する取組を推進をしております。
 委員同時に御指摘をされておりますように、財政健全化の手だてにつきましては、これは、負担能力に応じた公平な負担や給付の適正化などの観点から社会保障制度の改革を進めてまいりました。これらの取組によって、一般歳出の伸びを二年連続で当初の目標でありました五千三百億円程度に抑えて経済再生計画の目安を達成を二年連続できておりますし、新規国債発行額も引き続き新規の分については縮減となったということになっております。
 最大の経済政策というものは、これは来年度の予算の早期成立だと私ども考えておりますので、速やかな御審議をいただき、この予算を成立させ、経済成長、財政健全化の達成を一日も早く達成してまいりたいと考えております。
○二之湯智君 予算編成においてめり張りを付けていくことは非常に私は重要なことだと思います。とりわけ、国民が安心して暮らせるためには安全保障に万全を期すことが私は非常に重要であり、そのような観点から防衛予算についてお伺いをいたします。
 よく言われておりますように、我が国を取り巻く安全保障環境は刻々と変化し、厳しくなる一方です。例えば、中国は軍事力を広範かつ急速に強化しておりますし、我が国との関係でも、中国に対する航空自衛隊のスクランブルの回数が急増しておりますし、尖閣諸島における度重なる中国公船の領海侵入を始め、中国海軍による南西方面海域での活動も非常に活発となってきております。
 北朝鮮は、国連安全保障理事会の決議を無視し、違反して弾道ミサイル実験や核実験を繰り返して、先般二月十二日も弾道ミサイル実験を行ったわけでございます。我が国も二十八年度補正予算においてイージス艦やPAC3の前倒しを行って防衛力の整備を急いでいるところでございますけれども、引き続き北朝鮮の弾道ミサイル防衛について万全を期していくことが非常に重要であると考えます。
 我が国の防衛予算は、安倍政権になってプラスに転じてはおりますけれども、そして五年連続で増額されておりますが、経済規模との比較を示すGDP比では依然として一%を切っておりまして、例えばアメリカの三・三%、ドイツの一・二%に比べて、必ずしも大きいものではないと言えます。
 先日も、トランプ大統領は国防費を六兆円増額するという方針を示されました。したがって、今まで述べましたような周辺国の脅威を始め、刻々と変化する厳しい安全保障環境に対して十分に対処できるような防衛力を確保することは、我が国も独立国家として当然のことであり、国民の理解が得られると私は確信をしております。必要な予算はこれからも着実に確保していくべきだと考えますが、防衛大臣の見解をお伺いいたします。
○国務大臣(稲田朋美君) 今委員が御指摘になりましたように、我が国を取り巻く安全保障環境は大変厳しいものがあります。北朝鮮の核、ミサイルの脅威は新たな段階に入っておりますし、中国の東シナ海における活動、活発になっております。
 そんな中でどうやって我が国を守っていくのか。一つは我が国自身の防衛力を質も量も強化する、そして二つ目には日米同盟を強化、深化させる、さらには関係諸国との関係を強化することによって我が国を守る、さらには東アジア、アジア太平洋地域の平和と安定を力ではなくて法の支配により、秩序により確保していくということが重要であると思っております。
 安倍政権になるまで十年間、我が国自身の防衛力ですけれども、十年間、防衛費は連続でマイナスだったわけですけれども、第二次安倍政権になりましてから五年連続でプラスに転じ、安倍政権で策定をした防衛大綱、さらには中期防に基づいて実質平均〇・八%ずつ伸ばしているわけでありますけれども、委員御指摘のように、我が国自身の防衛力、質も量も強化するため、そして我が国の領土、領海、領空、断固として守り抜き、国民の生命、身体、財産、平和な暮らしを守るため、万全を期してまいりたいと考えております。
○二之湯智君 ありがとうございます。
 しっかりと防衛力充実のために頑張っていただきたいと思います。
 今、厳しい安全保障環境について申し上げましたが、我が国に対する脅威が現実化したときに財政が破綻していては、迅速で十分な対応は取れません。つまり、財政の健全性を確保していくことが安全保障の一つの基盤としても私は不可欠であると思うんであります。また、少子高齢化が進む中、社会保障費は伸び続ける一方、財政や社会保障に対する信頼が揺らいではならないと、このように思うわけでございまして、経済成長もおぼつかない、そんなことを思うわけでございます。
 財政健全化は待ったなしの状況と言えるんではないかと思います。この点、政府は二〇二〇年度にプライマリーバランスを黒字化するという目標を掲げています。すなわち、毎年の政策的経費をきちんとその年の税収で賄うということでありますけれども、我が国の財政の健全な姿に持っていくということが一つの大きな目標であるわけでございますね。
 二〇二〇年度は東京オリンピックが開催される重要な年であります。この目標を確実に達成していかなければならないと私は考えておるわけでございます。そのために、歳出については、受益と負担のバランスを取りながら、真に必要な分野に重点的に配分していくべきだと考えます。また、しっかり税収を伸ばしていくことが重要でありますから、安倍政権になってから国、地方を合わせた税収は二十二兆円増加しました。大変僕はこれは非常に大きな成果だと思います。この結果、国、地方を合わせたプライマリーバランスもようやく赤字半減目標も達成することができるようになったわけでございます。財政健全化は道半ばでございますけれども、安倍政権は着実にその成果を上げてきているのではないかと、このように考えるわけでございます。
 そこで、総理にお伺いしたいと思います。
 二〇二〇年度プライマリーバランス黒字化目標の実現に向けてどのように取り組んでいかれるのか、改めて決意をお聞かせをいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 強い経済なしに財政健全化はなし得ることはできません。名目GDPが伸びていけば税収も基本的には伸びていくわけであります。一方、名目GDPがどんどん下がっていく状況であれば、幾ら税率を上げたってこれ税収は増えていきません。
 だからこそ、私たちは、デフレ脱却、これを大きな目標として掲げたわけでございますが、その成果として、人口が減少すると成長しないんではないかと言われてきたんですが、この四年間で我々は、名目で九・五%、四十七兆円増加をしたわけであります。当然、名目で九・五%も伸びたんですから、税収も増えました。税収も国、地方合わせて二十二兆円も増えた。増えたからこそ国債の発行額を十兆円も我々はカットすることができたんです。そして、それによって、そうした努力をしてきたことによってプライマリーバランスの十四兆円、これを改善をしたわけでございまして、二〇一五年度のプライマリーバランス赤字半減目標を達成したわけでございます。
 そして、もちろん無駄は排除していかなければなりません。大体、社会保障費、毎年一兆円増えてきた。なかなか難しかったんです。我々は、質は落としません、しかし無駄は排除し効率化していく。そのことによって一兆円増えていたものを今年度予算でも五千億円にとどめた。そして、来年度予算でもそれを五千億円以下に、五千億円、とどめることができたわけでございます。
 かつて小泉政権時代、五年間連続で二千二百億円ずつ減らしていくという目標を立てましたが、残念ながらそれ目標できなかったんですね、二年間ぐらい。二千二百億円でできなかったものを、我々はこの五千億円以下。これ倍ですからね。本年度においては倍、そして来年度においてもこの五千億円に抑えることができた、伸びをですね、伸びを抑えることができたわけでございまして、そういう意味におきましては、しっかりとやるべきことはやっていると思います。
 今後とも、しっかりと経済再生を図りながら、歳出を削減し、二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化、債務残高対GDP比の着実な引下げを達成していきたいと、このように考えております。
○二之湯智君 次に、年金問題に移りたいと思います。
 昨年は参議院選挙がございました。私は、参議院選挙で、年金、医療、そして介護の社会保障制度の現在の制度をいわゆる持続的可能性なものに、あることにしなければいけないということで、お互いに考えていかなければなりませんと、このように皆さん方に訴えたわけでございます。特に個人演説会では、自民党の支持者は年配の年金受給者の多い方がいらっしゃいますから、余り厳しい話をいたしますと票に関係するかなと思いましたけれども、ここはひとつ、やはり私たちは今の世代の政治家として健全な形で現在の社会保障制度を次の世代につないでいかなければならないという大きな責任があるわけでございまして、恐らく多くの方がお互いに世代を超えて考えていこうと、このようなことで理解をされたのではないかと、このように思うわけでございます。
 今回は、年金、医療、介護のうち、特に約十二兆円余りを国費として投入しております年金制度についてお伺いをしたいと思うわけでございます。
 年金は今、税のほか、保険料や運用収入を充てることで約五十五兆円の給付を行っているわけでございまして、受給者は約四千万人、国民の三分の一近くに及んでおります。また、年金は高齢者世帯の収入の約七割を占めておりまして、高齢者の生活を支える大きな柱となっているわけでございまして、そしてまた地域経済にとっても重要な役割を果たしているわけでございます。私の地元の京都府で見ても、年金が家計消費の約一五・八%を占めておりまして、まさに高齢期の生活を支える柱となっているわけであります。
 このように高齢者にとっても地域にとっても重要な年金制度を、未曽有の高齢化社会にあっても将来にわたってこれを維持し次世代に引き継いでいくことは我々の責任であるわけでございます。
 年金制度ができてから今まで、給付を支えるべく、年金に充てる国庫負担を三分の一から二分の一に引き上げたり、そしてまた将来世代の不安に対応して保険料の上限を決めたりと、様々な努力を積み重ねてこられたわけでございます。その努力の上に今の盤石な年金制度があるわけでございます。昨年の年金改革もその一環でありましたけれども、報道等を通じて年金に対して非常に強い不安を持たれた方も多いと思います。年金の問題に対する国民の皆様の関心は極めて高く、受給者世代と現役世代を通じて制度に対する信頼を得ていくことが最も重要なことだと思います。
 そこで、改めて、我が国の年金制度が安心であり、将来にわたりしっかりと継承していくことについて、説明と決意を厚生労働大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 二之湯委員御指摘のとおり、年金というのは、高齢者にとってはもとよりでありますが、やはり将来年金をもらわれる若い世代の方々にとっても極めて大事だというふうに思います。
 我が国の年金は、将来年金を受給する現役世代の人たちが現在年金を受給しておられる高齢世代への言ってみれば仕送りを行う助け合いの仕組み、いわゆる賦課方式と呼ばれているものでありますが、であると同時に、保険料や税、積立金などの限られた財源を長年にわたって適切に配分をするという言わば世代間の分かち合いの仕組みでもあるわけであります。
 この年金制度につきましては、将来世代への責任を果たして持続可能な制度としていくために、昨年成立をいたしました年金改革法の着実な実施を始め、今後とも不断の改革に取り組んでいかなければならないというふうに思います。これによって、将来にわたって所得代替率の五〇%という目標をしっかりと確保して、高齢世代も若い世代も安心できる年金制度をしっかり構築しなければならないと思います。
 これは年金制度、それだけで成り立っているわけではなくて、同時に大事なのは実は経済成長そのものでありまして、去年、臨時国会で御議論いただいたスライド制度についても、物価そして賃金が着実に上がっていくということであれば御心配をいただくことはないわけでありますので、経済成長が重要であります。
 安倍政権では、制度の支え手である現役世代の賃金や物価の上昇など、経済の再生にも今後とも全力で取り組んで年金をしっかりしたものにしてまいりたいと思っております。
○二之湯智君 政府では一億総活躍社会を進めておりますけれども、高齢者も働きたい方は働けるようにすべきであり、自分でしっかりと将来に備えて、あるいは豊かな老後に備えて頑張ってもらいたいと、このように思うわけでございます。
 年金は現在、所得代替率約六二%、二〇四四年にはこれは五〇%ほどに下がってくるわけですね。そうすると、退職時に自分の生活の水準を維持したいと、こうなりますと、その五〇%プラスあとの五〇%の生活費をやっぱり貯蓄しておくとか、ほかの形で蓄えておくとか、あるいは私的年金に入って、そして自分の将来の生活の保障というものを考えていかなければならないわけですね。
 ちょうどこの一月から、個人型確定拠出年金ですか、これはiDeCoといって厚生労働省と金融庁が今一生懸命進めておりますけれども、こういうものを利用したり、これは家庭の主婦、専業主婦も入れますし、企業年金加入者も入れますし、公務員等の共済加入者も加入が可能となりますし、政府はこの私的年金を大いに普及をして将来国民の不安を和らげていただきたいと、このように思ったりするわけです。
 他方で、現役時代に様々な事情で年金制度に常に加入できなかった、つまり加入期間が足らない方とか低年金になっている方がいるのもまた事実であります。そういう方たちに温かい手を差し伸べるのもまた政治の大きな役割ではないかと、このように思うわけでございます。
 そこで、私的年金や低年金・無年金対策を含めた年金制度の在り方についてどのように考えておられるか、厚生大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 将来の低年金・無年金対策ということで、去年の法律もその要素を含んで御議論いただいた上で成立をさせていただいたわけでありますが、昨年の法改正で年金の受給資格期間を二十五年から十年にするという短縮を行ったところでございまして、今年の十月の支払から対象の方が確実に年金を受給できるように事前の準備あるいは周知をしっかりとやっていきたいというふうに考えておるのがまず第一点。
 加えて、低所得、低年金の高齢者の対策について、消費税の引上げ時に、次のですね、月最大五千円の年金生活者支援給付金、これを始め、それから生活困窮者自立支援制度によります包括的な支援など、社会保障全体で総合的に対策を打つことで生活を支えていくということをやっていきたいと思っております。
 そして、将来高齢者となる方に対しまして、老後の所得保障を厚くするために、今御指摘をいただいたいわゆる個人型の確定拠出年金、これは私的年金でございますが、いわゆるiDeCoと我々は呼んでおりますけれども、これ、それから高齢期の就労機会の確保というものもその大前提となりますし、また厚生年金の更なる適用拡大、つまりパートの、あるいは非正規の方の年金についても適用拡大していくということでありまして、今申し上げたこのiDeCoにつきましては、専業主婦、公務員、そして企業の年金に入っていらっしゃる方も個人型の新たな確定拠出年金に入れるということがこの一月から施行になっておりますので、この一月の加入者数は、この個人型の確定拠出年金、iDeCoは約五・五倍ということで非常に飛躍的に増えているわけで、こういうものに是非お入りをいただいて将来の生活の厚みを増していただければ有り難いなと、そんなふうに思っております。
○二之湯智君 どうもありがとうございます。
 次に、公務員制度改革に移りたいと思います。
 非常に厳しい地方財政の中、地方公共団体は教育や子育てなどの人的サービスを担っており、近年その業務内容も非常に多様化し、そして増大しているわけであります。このように複雑化する行政ニーズに対応するために、地方公務員の臨時・非常勤職員の数は非常に増えております。その数は、平成二十八年で全国で約六十四万人、平成十七年と比較して約十万人も増えているわけであります。このような臨時・非常勤職員の活用の広がりは、地方公共団体が効果的そして効率的な行政を行うことを目指しており、非常に多様な勤務形態の職員を活用していることを示しているわけであります。
 地方公共団体において臨時・非常勤職員が増えている背景、理由はどのようなものであり、そして総務省としては臨時・非常勤職員の状況についてどのように認識されているのか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(高市早苗君) 地方公共団体の側から見ますと、やはり早朝保育ですとか延長保育など多様化する行政ニーズに対応するということ、それから働く側からも多様な働き方を求められているということもありまして、任期の定めのない常勤職員のほかに、事務の種類や性質に応じて臨時・非常勤職員など多様な任用・勤務形態が活用されてきたと認識しています。行政のどの業務にどのような任用・勤務形態の職員を充てるのかということにつきましては、これは基本的に各地方公共団体において御判断いただくものでございます。
 総務省として、臨時・非常勤職員の方々につきましては、先ほど二之湯委員が言ってくださいましたとおりに総数も増加していますし、それから行政の様々な分野で御活躍いただいておりますことから、現状において行政の重要な担い手となっていただいているという認識でございます。
○二之湯智君 現在、地方公共団体には特別職非常勤職員として任用されている方がいらっしゃいます。これらの人には地方公務員法が適用されずに、例えば守秘義務などが課せられておらないわけですね。一方で、地方公共団体の窓口業務を行って個人情報を扱うような業務をする臨時・非常勤職員も存在するわけでございます。そのような人に守秘義務が課せられないと、個人情報の保護に関し重大な問題が生じるおそれがあるわけですね。
 職員と同じような働き方をしている非常勤職員について特別職非常勤として任用するのは、守秘義務を始めとした地方公務員法の服務規律が適用されず、問題ではないでしょうか。地方公務員法が適用される一般職として採用するべきではないかと思いますけれども、この点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(高市早苗君) 二之湯委員のおっしゃるとおりだと思います。現状では、通常業務を行っておられる事務職員などが、本来は専門性の高い者を対象とする特別職非常勤職員として任用されていますから、一般職であれば課される守秘義務などの服務規律が課されない者が存在しているという課題がございます。
 総務省からは平成二十六年に通知を出しておりまして、地方公共団体に対して、特別職から一般職への任用根拠の適正化を要請してきました。本年度、実態調査をしてみたんですが、改善の動きが徐々に拡大していますけれども限定的だということが明らかになりました。そこで、昨年、総務省の研究会で報告をいただいたんですけれども、特別職非常勤職員について専門性の高い者などに任用の対象を厳格化するということ、一般職非常勤職員については任用方法や服務規律など新たな仕組みを設けるといった制度改正が提言されました。
 総務省としては、この報告と、それからその後聴取しました地方公共団体の御意見も踏まえまして、今国会に地方公務員法及び地方自治法の改正法案を提出できるように現在準備を進めております。
○二之湯智君 今大臣おっしゃいましたように、現在検討されております地方公務員法及び地方自治法の改正法案の趣旨は、大臣今おっしゃったとおりであるわけでございます。これから地方公務員の臨時・非常勤職員の役割の重要性が高まっていることを考えると、一般職として明確な法制度を設けて適正な対応を図ることが必要であると思います。具体的には、臨時・非常勤職員の採用等の際の能力の実証も適正に行う必要があるということですね。また、先ほど申し上げました服務の面でも規律することが求められます。
 そして、その上で、期末手当の支給などの給与面での適正化も必要であると思うわけであります。一般職非常勤職員に係る能力実証の方法など任用の在り方、現実には試験採用などではなく、現実的にはほとんど面接若しくは縁故で採用されているというのが多いんですね。法律改正によって非常勤職員に期末手当の支給ができ待遇が良くなれば、そしてその一般非常勤職員の役割がますます大きくなれば、任用の方法とかあるいは期末手当の支給の方法について総務省として統一的な考え方を示す必要が出てくるのではないかと、このように思うわけでございます。
 さらに、総務省は、昨年の税制改正のときでもゴルフ利用税は大変な財源だと言って、僅か四百五十億円の財源が大変だ大変だとおっしゃっておった総務省でございますので、もし期末手当を数十万人の人に出すとすれば相当な財源の確保というものが必要になってくると思いますけれども、その点についても大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(高市早苗君) 一般職非常勤職員の任用については、採用に当たって競争試験や選考といった能力実証を的確に行いまして、人事評価の対象とすることが重要だと思っております。こうして任用の適正化ということを前提にして、期末手当の支給など給与面での適正化も必要だと考えております。
 そのため、これらの改正を可能とする地方公務員法等の改正法案を今国会に提出することを予定しているんですけれども、この制度改正に当たりましては、二之湯委員の御指摘のとおり、任用の適正化ですとか期末手当の支給に係る統一的な考え方を示して、地方団体において混乱が生じないような配慮も必要でございます。しっかりとそこは取り組んでまいります。
 また、その財源でございますが、今後、地方団体の実態なども踏まえながらしっかりと検討してまいります。
○二之湯智君 どうもありがとうございます。
 続いて、文化庁京都移転について幾つか質問をさせていただきます。
 東京一極集中を是正するために、政府は昨年三月、文化庁の京都への全面的な移転を決定したわけであります。今年四月からは、文化庁の組織である地域文化創生本部を京都に設置し、文化庁の本格移転の準備が始まるわけであります。
 文化で世界から評価され、世界に貢献する文化立国を目指した取組が極めて重要であり、そのことが日本の国力を向上させるものであると思うわけであります。そして、衣食住の生活文化、そして地域とのきずな、今なお全国津々浦々とつながりがある日本文化が脈々と息づく京都への文化庁の移転は、文化を基軸とする国づくりを内外に強く印象付けるとともに、地方を元気にするものだと感じているわけであります。
 京都選出の議員として大変うれしく思う一方で、この移転は、京都だけでなくて日本全体の地方創生や文化立国の実現に寄与するものでなければならないと思うわけであります。文化庁の京都への移転は、新たな文化行政や、そして新しい新文化庁のスタートとなるわけであります。
 このことが我が国の地方創生や文化立国の実現に向けてどのような意義や効果があると考えておられるのか、そして、どうして京都に文化庁の移転を決断したのか、政府の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) 文化庁の移転については、現在と同等以上の機能が発揮できることを前提とした上で、地方創生や文化財の活用など新たな政策ニーズへの対応を含め、文化庁の機能強化を図りつつ、全面的に移転することとされております。
 文化財が豊かで伝統的な文化が蓄積した京都に移転することで、委員から御指摘がありましたとおり、京都における先進的な取組手法を全国に波及させることにより地方の多様な文化の掘り起こしと磨き上げにつなげ、ひいては我が国の地方創生や文化立国の実現に向けた推進力となることが期待をされています。
 こうした意義が認められることから京都への移転が決定されたものであり、今後とも我が国の文化行政の更なる強化につながるよう取組を進めてまいります。
○二之湯智君 昨年の十二月の文化庁移転協議会の取りまとめにおいて、文化庁の移転に当たっては、全面的な移転という方針を踏まえつつ、文化庁の機能強化及び抜本的な組織改編を検討するとされました。そして、これに係る文部科学省設置法の改正法案を平成三十年一月からの通常国会を目途に提出することとされておるわけであります。
 全面的な移転という方針の下、抜本的な組織改編を検討すると決定している以上、京都に移転する文化庁の組織は全面的な名にふさわしいものにしなければならないと、このように思うわけであります。
 また、情報通信技術の飛躍的な進歩によりまして、社会全体の働き方も大きな変革期を迎えておりまして、昨年七月には京都で、ICT実証実験で大型パネルを使ってテレビ会議システムを文化庁でやられたわけでございまして、最新の情報通信技術を導入することを前提に、従来型の東京にいないと仕事ができない、こういう固定観念を取り払って検討していくということも私は必要ではないかと思うんですね。
 東京に残る機能は国会対応の業務など必要最小限度のものとすべきであり、文化庁の全面的な移転の実現に向けた文部科学大臣の決意を伺いたいと思うのであります。
○国務大臣(松野博一君) 文化庁の移転については、外交関係や委員から御指摘がありました国会対応の業務、関係府省との調整など政策の企画立案業務について現在と同等以上の機能が発揮できることを前提とした上で、文化庁の機能強化を図りつつ、全面的に移転することとされています。
 全面的な移転の際には、東京に残す機能については、昨年七月に実施した、委員から御紹介をいただきましたICTの実証実験や本年四月からの京都への先行移転における取組を通して遠隔地の部局との連携方法や課題について検証を行い、東京への適切な機能配置の在り方を検討していくことが重要と考えます。
 今後、これらの検証等を踏まえて、国会対応業務を含め、京都と東京における文化庁の業務の分離により必要となる組織体制の大枠を明らかにし、その整備と併せて円滑な移転を遅滞なく実施することによって具体的な検討を図ってまいりたいと考えております。
○二之湯智君 現在の機能以上という言葉は、恐らく文化庁を全面的に京都へ移転させたくないという文科省の役人の非常に思惑があるんじゃないかと思うんですね。
 まあ、正直なところ、東京以上機能がある都市というのは全国どこもないわけですね。それを全面的に出しますと京都に何も来ない、地方に何も中央省庁、役所が移転しないということでございますので、文部科学大臣に是非とも蛮勇を振るって全面的な京都移転のために頑張っていただきたいと、このように思うわけであります。
 文化庁の京都の移転と併せて、この文化庁そのものの機能強化を図るということも非常に重要なことだと思います。日本の地方創生に向けて、文化の力で社会に活力を与える取組が求められておりまして、そのためには、観光、産業、教育、福祉、町づくり等の様々な関連分野と文化との連携を強化し、総合的に施策を推進することが必要ではないかと思うのであります。
 一方で、文化庁の予算は平成二十八年度予算で約一千四十億円であり、日本文化が国家予算に占める割合は僅か〇・一%にすぎません。誠に寂しい限りであります。世界の文化立国としての地位を確立しているフランスは約〇・九%です。また、韓国や中国はこの十年で文化予算額を二倍以上に増額をしているわけであります。日本は文化予算が一桁足りないと言っても過言ではないと思います。
 ついては、文化立国を目指し、文化GDPを拡大していくためには、京都移転と併せた文化庁の機能強化と文化予算の大幅な拡充が不可欠であると思いますが、大臣の見解を伺います。
○国務大臣(松野博一君) 二之湯委員から大変力強い応援をいただきまして、ありがとうございます。
 我が国において、地域における文化財、メディア芸術や各地の芸術祭を始めとする文化芸術活動など、魅力ある文化が満ちあふれております。このような文化芸術資源を一層活用し、観光地の魅力や産業の付加価値の創出につなげることにより、GDPの拡大に貢献する経済波及効果を生み出すことが重要と考えております。また、国の文化GDPの拡大はもとより、地方創生にも資するよう、観光、産業、町づくりを含む様々な関連分野との連携強化や総合的な文化政策の推進など、文化庁の機能強化や文化予算の充実など、文化芸術活動を支える環境の整備に努めてまいります。
○二之湯智君 文化庁は京都に移転するということが決まったわけでございますけれども、いつそれでは京都に行くのかという時期が明確でないわけですね。数年のうちにと言っていますけれども、数年は一、二年なのか五、六年なのか、その辺がはっきりとしていないわけでございまして、地元としては、移転時期の目標を持って計画的、段階的にいろんな事業を進めていく必要があるわけでございます。
 オリンピック・パラリンピックはスポーツの祭典でもあり、同時にまた文化の祭典でもあるわけでございまして、オリンピックを目指して、今、全国津々浦々で様々な文化プログラムが官民挙げてこれから行われようとしているわけであります。東京オリンピック・パラリンピックの前に文化庁が京都に移転することは、世界に向けて日本は文化を大切にする国であるというアピールをする絶好の機会ではないかと思うわけであります。
 そこで……(発言する者あり)ありがとうございます。二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックまでの早期の移転に向けて、是非とも政府挙げて積極的に取り組んでいただくことを安倍総理に強く求めたいと思いますが、総理の考えをお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 東京オリンピック二〇二〇年、これは一つの確かに様々な目標になっていくんだろうと思います。東京大会に向けて、日本全体の地方創生や文化立国の実現を目指した取組を進めることが重要だろうと思います。
 移転につきましては、先ほど、文科省の考え方、既に松野大臣から述べておりますので私は繰り返しませんが、まずは、来年度から先行移転として京都市内に地域文化創生本部を設置をし、地元の知見、ノウハウ等を生かしながら新たな政策ニーズに対応した事務事業を実施することとしております。
 文化庁が京都に行けば、文化庁に行ったついでに金閣寺を見たりとか、もちろん東京にも文化はありますし、山口県にも文化はありますが、京都というのはやはり特別な存在ではないのかなと、私は、総理大臣ではありますが、政治家としてそういう認識を持っているところでございまして、今後、関係大臣の間でよく調整を図りながら具体的な移転のスケジュール等について検討を進めてまいります。
○二之湯智君 どうもありがとうございます。是非とも政府挙げての応援をお願いしたいと思うわけでございます。
 さて、次にテロ対策についてお伺いいたしたいと思いますけれども、今日は私の時間はこれ四十分に終われということでございますので、あと一問か二問しかないわけでございます。
 せんだってマレーシアのクアラルンプールで起きた金正男氏の白昼のこのテロ、殺害というものは、多くの世界の国民に衝撃を与えましたし、また、日本も対岸の火事視してはいけない、日本もいつ起こるかも分からない、そういうようなことを思うわけでございます。したがいまして、このテロ対策は、我が国としても急いでいわゆる法律を制定させ、そして世界各国との強力な情報交換をしていかなければならないわけであります。
 そこで、ちょっとはしょって申し訳ないわけでございますけれども、現在、国際組織犯罪防止条約は既に百八十七か国が締結済みということでございますけれども、このことから鑑みますと、テロ組織等についての国際間の情報共有や我が国に逃げてきたテロ組織犯などの引渡しの必要性のために、我が国も早急に国際組織犯罪防止条約を締結する必要があるのではないかと、このように思うわけでございます。
 国際組織犯罪防止条約を締結するための国内法の整備を急ぐべきだと考えますけれども、これも外務大臣にも答弁をお願いしていますけれども、法務大臣と外務大臣に、両方にお願いしたいと思います。まず、法務大臣からお願いします。
○国務大臣(金田勝年君) ただいま二之湯委員の御指摘がございました。お答えをいたします。
 近年、世界各地で大規模なテロが続発する一方、我が国におきましても暴力団による組織的な殺傷事犯、違法薬物事犯といったような各種の組織犯罪が多発しているわけでありますし、安全、安心な市民生活を脅かす状況にあるわけであります。
 ただいまの御指摘にもありましたように、世界百八十七の国と地域が既に締結をしておりまして、テロ組織による犯罪を含む国内外の組織犯罪と闘うための協力を促進するためには、国際組織犯罪防止条約、TOC条約、この締結は急務であると、このように考えているわけであります。国内担保法を整備いたしましてTOC条約を締結することによって、我が国がこうした犯罪の抜け穴となることを防いで、国際的な逃亡犯罪人引渡しや捜査共助が可能になる、あるいは更に充実するように図る必要があると、このように考えているわけであります。
 TOC条約は、重大な犯罪を行うことの合意又は組織的な犯罪集団への参加の少なくとも一方の犯罪化を義務付けておりまして、現行法上、参加罪は存在しない上に、共謀罪、陰謀罪が設けられているのはごく一部の犯罪にすぎないわけであります。これに加えまして、予備罪は予備行為を処罰するものであって合意を処罰するものではない上に、相当の危険性がなければ処罰の対象とはならない。
 したがいまして、TOC条約上の義務を果たすためにテロ等準備罪の整備が必要である、このように考えているわけでありまして、国内担保法を整備いたしましてTOC条約を締結をし、国際社会と協調をしてテロ等を含む組織犯罪と闘うことは非常に重要な課題である、このように申し上げたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のTOC条約ですが、一層効果的にテロを含む国際的な組織犯罪を防止し、これと闘うための協力を促進することを目的とした条約ですが、御指摘のように、既に百八十七の国・地域がこの条約締結しています。そうしますと、国連加盟国の中でまだこの条約を締結していない国、例えば南スーダンですとかソマリア、そして我が国を含めても十一か国のみと今現状なっております。国連総会の決議においても、国連安保理決議においても、あるいはG7、G8の共同声明においても、この関係国に対して繰り返し、本条約を締結すること、これが要請されています。
 そして、今法務大臣からありましたように、現状においては、この条約の義務を我が国においては履行できていないというふうに考えておりますし、そのため、是非我が国として本条約の締結に必要な国内法の整備を行っていかなければならない、このように考えます。
 是非、締結することによって、テロを含む国際的な組織犯罪防止のための国際協力を我が国としても促進していきたいと考えます。
○二之湯智君 終わります。
○委員長(山本一太君) 以上で二之湯智君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、西田昌司君の質疑を行います。西田昌司君。
○西田昌司君 自民党の西田昌司でございます。
 久々の予算委員会、総理、よろしくお願いいたします。
 それで、先日の帰朝報告、それに対する代表質問、私は総理にさせていただきましたけれども、それに関連するんですけれども、アメリカでトランプ大統領が生まれたと。これは、実は私はそういうこともあり得るのではないかなと予想していたんですけれども、大方の予想に反してトランプ大統領が生まれた。その背景には何があるのかということを我々認識しておかなければならないと思うんです。
 元々、アメリカの大統領選挙では、いわゆるサンダース候補、この方もクリントン氏と並ぶ民主党の有力候補でした。この方が訴えてきたのが、要はアメリカで貧富の差とかそういう格差が出てきた、それに対して弱者を救済せよと、それがサンダースさんの主張だったんですよね。そして、トランプ氏はアメリカが第一だということなんですけれども、要するにこの方もアメリカの雇用を増やしていけと。そのことが、大統領選挙では、サンダースさんがクリントンさんに負けて、クリントンさんは今までのオバマ政権の延長線上のような既成の政治家の主張をされてきたわけだけれども、要は、サンダースさんが出なかったことによって、社会の格差を直せとかという主張も含めてアメリカ第一主義のトランプさんに流れて、その結果トランプさんが勝ったのではないかと、そういうようなことも言われているわけです。
 元々、アメリカは自由とか民主主義とか公平とか平等とか、こういうアメリカが世界に価値を発信してきましたし、そのこと自身は非常に正しいものだと思いますが、しかし、その裏として、実際にはアメリカ人が不利益を受けているのではないかと、そういう思いがトランプさんの中にはあったのではないかと思うわけでございます。
 それで、そういうことが私は背景にあると思うんですけれども、要するに、アメリカ自身が今まで自分たちが掲げてきた価値とかに対して疑問を持ってきた、その価値が自分たちを、本当に利益をもたらしているのかと。その本音の部分でトランプさんがそういうことを言い出してきたところに大いなる期待というものがあって、ああいう政権、トランプさんが選ばれたと思うんですけれども、総理はこのトランプ大統領が選ばれた背景はどういうものがあるとお考えでしょう。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府の答弁としては、第三国の候補者の政策について論評を述べる立場ではないということが公式な答弁でございますが、一政治家として申し上げれば、言わば米国という国は常に変化を求めるということの中において今回求めた変化は何かといえば、米国の経済は好調であるわけでございますが、好調な経済の中においてやはり自分たちは取り残されているのではないかと、こういう思いを持たれる方がたくさんおられ、その人々の琴線に触れるような、そういう主張があったのではないかという論評があります。そういう論評があるということも御紹介をさせていただきたいと、このように思います。
○西田昌司君 総理という立場ではなかなか答えにくいところだと思うんですけれども、トランプさんはその一方で、TPP反対も含めてある種保護主義じゃないかと、保護主義は利益をもたらさないという形で総理はおっしゃるんですけれども、ここもちょっと考えておかなきゃならないんじゃないかと思うんですね。
 元々、自由主義というのはアメリカの一番の最大の価値であるわけですけれども、一九八〇年にレーガン大統領が誕生されましたね。そのときにレーガノミクスというのが盛んに喧伝されたんです。そのレーガノミクスというのは一体何かというと、要するに、一九七〇年代、ドイツや日本が経済的にはどんどん台頭してきてしまった、結果的に自分たちの国は損をしているんじゃないかと、そういう話なんですね。
 そして、レーガンさんがやり出したのは、もうこれからはアメリカ第一だと、そのためにはどうするのかと、強いアメリカをつくると、軍事費をどんどん増やしていったわけですね。その一方で福祉はどんどん減らすと。そしてまた、民間の企業に減税をして、民間の企業に減税したら財政悪くなるんじゃないかと思ったんですけれども、とにかくどんどん民間には減税をして民間活力をもたらすんだと。どこかで聞いたことあるような政策ですよね。これがされたんですね。
 結果どうなったかというと、実は、結果、双子の赤字を生んでアメリカの財政は大失敗したんですよ、このレーガンは、レーガノミクスは。ところが、レーガノミクスのおかげで、軍事拡大をしたおかげで東西冷戦を終結させたと。ソビエトがその軍拡に付いていけなかったと。だから、レーガノミクスが、本当は失敗していたんですけれども、いわゆるレーガノミクスがもとになって新自由主義が世界中を席巻してしまったわけですよ。
 その結果、実はこの日本においても様々な影響を受けたわけですけれども、そういうことを考えると、皮肉なことであるんですけれども、アメリカから発したこの新自由主義、それはアメリカの国内においても、総理がちょっと触れられたけれども、経済は全体としては好調のように見えているけれども、要するに光の当たる人と当たらない人、格差が出てくる、それに対する不満がこのアメリカの分断を生んで、トランプ大統領を誕生させる力にもなっている。そういうことを我々考えておかないといけないと思うんですね。
 そもそも総理は、アベノミクスは立派なものだと思いますが、レーガノミクスはどのように評価されているんでしょう。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 西田委員の従来からの御主張はよく私も存じ上げているところでございますが、レーガノミクスについては、高インフレを鎮静化させ、息の長い景気拡大をもたらすなどのプラス面の成果をもたらしたものの、財政赤字の拡大、あるいは実質金利高やドル高の結果、貿易や経常収支赤字の大幅拡大をもたらすなどのマイナス面も大きかったといった評価があるということは承知をしております。
 西田委員の今御主張の論点は、レーガノミクス、言わば規制改革やあるいは自由化、そして一部の歳出削減が効果をもたらしたのではなく、実は、軍事費を拡大する、これは公共支出ですから、この公共支出が結構効いたという、言わばこれはまさに西田委員の財政を重視するという姿勢だろうと、私も西田さんのそうした議論の一貫性にはいつも敬意を表したいと、こう思っているわけでございますが。
 我々といたしましては、現在も経済再生に取り組んでおりますが、同時に、やはり世界に冠たる社会保障制度をしっかりと守り、格差がどうなっているかということに目を配りながら、誰もが夢をかなえられる、そういう社会をつくっていきたいと、こう思っております。
○西田昌司君 総理に随分私もそういうことを進言してきましたので、これから行く方向を随分予想と警戒をしながら答弁していただいているんですけれども。
 私自身は、何遍も言っていますけれども、この八〇年代から始まった新自由主義というのは、アメリカから始まって、そしてこのトランプ政権でくしくも皮肉なことに終わろうとしていると、そういう認識が実はあるんです。それは、日本にとっても非常に経験としてしっかり見ておかなければならないことだと思っております。
 特に、これからアベノミクス、これは原点に戻らなければならないと思っているんですけれども、ちょっと時間が中途半端な時間になっちゃいますので、もう一度ちょっとアベノミクスのことだけ言いますと、要するにアベノミクスというのは元々大胆な次元を超えた金融緩和ですよね。そして、そこから、そのことによってみんながお金、貸出しがどんどん増えるはずですし、経済が成長してくれると。それから、当然、財政の方も機動的な財政出動ということで、今まで財政出動を否定してきた、それを安倍内閣の下で財政出動もありなんだという形に変えられた、これは非常に大きかったんですよ。
 ところが、現実には、これ変えられたのは、総理就任されて間なしの補正予算でどかんと付けていただいたけれども、その後が出ていないんですよね。その結果として、今日、デフレ脱却、どかんとロケットで飛び出したかと思ったら出ていないと、この問題なんですね。この問題が何かということで、我々、党の中でも、いわゆるデフレ脱却のための、財政再建のための特命委員会というのがありまして、総理の後ろでおられる山本幸三大臣も私と一緒にそこへ出ていまして、もっと出さなきゃ駄目なんだと、こういう話を何度も言ってきたわけなんです。ところが、それがなかなかそういう話に方向まとまらず、いまだうまく機能していないんです。
 その原因は何かというと、プライマリーバランス。プライマリーバランスというものに縛られて、財政出動しようという気はあるんだけれども出させてもらえないと。このプライマリーバランスこそが一番の問題なんですが、この話は、やっていきますとちょっと中途半端になりますのでこの程度で終わって、昼から、これからが本番になりますので、是非テレビを御覧の方もチャンネルを変えずにそのまま見ていただきますようにお願い申し上げまして、取りあえず私の質問、午後に移したいと思います。
○委員長(山本一太君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(山本一太君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成二十九年度総予算三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。西田昌司君。
○西田昌司君 午前中に引き続き質問させていただきます。
 午前中言っていましたように、アベノミクス、この原点に戻るべきだということなんですけれども、そのアベノミクスで一番機能しているというのが財政拡大だと言われているんですね。しかし、この財政拡大は何のためにやっているのかというと、本来、日銀がたくさん国債を買い取ることによって日銀当座預金残高が増える、そうすると銀行が貸出しをしやすくなる、そのことによって信用創造が増えてくる、そうすると当然のことながら経済良くなってくると、好循環生まれるわけですね。
 ところが、ちょっとこのパネルを見てください。(資料提示)皆さん方に、一番のこの表なんですけれども、ここに日銀当座預金の、貸出金とマネーストックとあるんですけれども、要は、この安倍内閣ができまして、二〇一四年から、百二十八兆、それから今三百三十兆という形で当座預金残高増えています。ところが、貸出金が四百七十六兆円から五百九兆円ですから、まあ減ってはいませんけれどもね、こちらの、二百兆以上増えているのに、三百兆、増えているのに、要するにたかだか数十兆しか貸出しが増えていない。ところが、もう一つ驚くのはマネーストックなんですね。マネーストックは何かというと、要するに現金通貨プラス国内の銀行等に預けられた預金残高のことなんですが、これが八百六十兆から九百五十八兆で、百兆近く増えているんですよね。
 これは一体どういうことなのかということなんですが、黒田日銀総裁、このマネーストックが増えているのはどういうことを意味するんでしょう。
○参考人(黒田東彦君) マネーストックの増加はいろいろな要因がございますけれども、一つはもちろん銀行の貸出しの増ということであります。銀行貸出しの増は、最近のところを申し上げますと、大体二%台の後半程度で伸びておりまして、これは二〇一三年までのマイナスとかほとんどフラットというところから見ると、銀行の貸出しもかなりの伸びにはなっております。ただ、マネーストックの伸びは、そのほかにも、他の金融資産からのシフトとかあるいは経常黒字などもマネーストックの増加に寄与しておりまして、そういうこともあってマネーストックの伸びの方が銀行の貸出しの伸びよりもかなり高くなっているということでございます。
○西田昌司君 今、黒田総裁もおっしゃったように、重要なことをおっしゃったんですね。要するに、経常収支が黒字になってどんどん増えているわけなんです。ということはどういうことか。
 本来、アベノミクスの金融緩和政策は為替を意識しているものじゃなかったんですけれども、結果的に、今言いましたように、信用創造自体が余り伸びていません。伸びない一方で、長期金利が限りなくゼロに近いように今国債を買っているわけですね。そうすると、他の通貨と比べると当然通貨安に必然的に結果的になっちゃうわけですね。そのことを受けて、経常収支も輸出がどんどん増えるから増えちゃったと、だからマネーストックが増えているわけなんです。
 ということは、これは元々のアベノミクスの本意とするところではないんだけれども、結局、輸出がどんどん増えて経済良くなっているようになっているじゃないかというトランプ大統領の指摘はそのまま受けることになっちゃうわけなんですね。ところが、先ほど言いましたように、本来はアベノミクスはそういう思いでやられたことではないと思うんですね。
 だから、結局何が問題なのかというと、信用創造をもっと増やさなきゃならないわけです。ところが、先ほど言っていますように、元々これだけ金利を下げても、これだけ金融拡大しても、要するに民間企業は今借りようという気にならないわけですね。だからこそ財政政策が必要なんだということなんです。今こそ、ですから、せっかく日銀がこれだけやってもらっているんですから、政府の方が財政出動すべきだと思うんですよね。
 黒田総裁にお伺いしますが、黒田総裁、元々財務省におられた方ですよね。かつては政府におられた、今は日銀総裁という立場であります。ですから、その辺微妙なところがありますが、実際のこのデータを見ていると、日銀が財政拡大一生懸命やられているのは分かるわけですけれども、本当のこのアベノミクスの効果を出そうと思えば、やはり政府の方に財政出動してもらわないと、せっかく日銀が国債を買っている意味がないんじゃないかと思うんですが、黒田総裁の御意見、お伺いしたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) 御案内のとおり、二〇一三年の一月に政府と日本銀行で共同声明を出しておりまして、デフレ脱却と持続的な経済成長のためにはそれぞれが果たすべき役割を明確に定めております。
 日本銀行は、金融緩和を推進して、二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現すると。他方、政府は、成長力の強化に向けた構造改革を進めるとともに、機動的な財政運営を行いつつ、中長期的に持続可能な財政構造を確立するための取組を着実に進めるということになっているわけでございます。日本銀行は、引き続き強力な金融緩和をしっかりと推進していく方針であります。
 また、財政運営につきましては、政府及び国会において判断されるものではありますけれども、日本銀行のこうした強力な金融緩和の下で緩和的な金融環境が続いておりますので、その下で政府の財政政策で取り組まれるということは相乗的な効果を発揮するものというふうに考えております。
○西田昌司君 今最後に言われましたように、日銀と政府との役割分担で、日銀はやっているんだから、あと政府がやっていただくと、より相乗的な効果があるということなんですが、総理、いかがですか。
 今日、アメリカの大統領が議会で施政方針演説されたと。そこで百十兆円ですよ、百十兆のインフラ投資をするという大きな政策を提言されたんですね。
 ここの、この場で安倍総理もどうですか。百十兆円とは言わないけれども、ちょっともう少し、せっかくの、マネタリーベースが増えてこないんだから、マネーサプライができないんですから、要はもう少し財政出動をするという方針転換、今ここで宣言されたらいいんじゃないでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 百十兆円は我々の予算よりも大きな額でございますが、基本的には、我々、三本の矢の政策でありますから、金融緩和と同時に機動的な財政政策と構造改革となっているわけでございまして、デフレから脱却をする上において金融政策も非常に重要でございますが、そうしたそのスピードを速めていく上においても機動的な財政政策が大切であろうと、我々こう考えているわけでございまして、この中で、財政政策については、経済再生と財政健全化を両立する観点から、その時々の経済状況等を見極めて財政出動をするなどの機動的な財政運営を行っておりますが、例えば平成二十八年度第二次補正予算においては、未来への投資を実現するために低金利環境を生かし、低金利環境を生かすというのは私はそのとおりだろうと思いますし、西田委員の強力な御提言もいただきまして、この低金利環境を生かして財政投融資を活用することで、例えばリニア中央新幹線の全線開業を前倒しする、あるいは外国人観光客四千万人時代に向けて大型クルーズ船の受入れ環境を改善するなど、機動的に対応しております。
 西田委員としては、もうこれ来年度予算でやれということだろうと思いますが、科学技術振興費を伸ばすとともに、公共事業関係費の成長分野への重点化を行うなど、予算の中身を大胆に重点化し効果的な財政出動を行っていると、このように思うところでございます。
 いずれにいたしましても、この低金利環境をしっかりと生かして、財政の言わば力によってデフレ脱却にも寄与するようにしっかりと重点を絞っていきたいと思っております。
○西田昌司君 今総理からお答えいただいたんですが、実はちょっと疑問があるんですね。機動的財政出動なんですね。
 私、機動的という意味ってどういう意味なのかなとずっと考えていたんですが、最近ようやくその謎が解けました。要するに、長期的に計画を示さない。それはなぜかというと、当初予算でいわゆる建設国債を計上してやることになるんですよね。しかし、そうすることによって、例えば新幹線の整備、これはまた後で言いますが、新幹線の整備から道路網のミッシングリンクの解消を始め、それからもっと言えば、はっきり言いまして、教育の国債も含め、様々な長期的な、一時的なものじゃなくて長期的なものができるんです。ところが、それを国債でやろうとすると、PBに入っちゃって、PB悪くなるわけですね。
 そこで財務省は考えたんですね、どうしたらいいかと。この機動的というのは補正予算のことを言っているわけですよ。補正予算なら当初予算に入らないからPB対象にならないと、こういうことになっちゃうわけね。これはちょっと私はまずいと思うんですね。
 そうではなくて、政府が、短期じゃなくて長期的にこれから日本は良くしますからこういう投資しますよと、十年、二十年でこういう国にやっていきますんですと、そう言うからこそ、はっきり言いまして民間が付いてくるんですよ。ところが、政府の方が、先行き人口先細り、地方は消滅、それだからもう小さく小さくしていきますよというような話をして、どうやって民間が金出しますか。出しませんよ。
 こういう話にしちゃったのは、まさにプライマリーバランス。このプライマリーバランス論というのが一番もう諸悪の根源なんですよ、これ、はっきり言いまして。
 なぜ諸悪の根源かということをちょっとこれから皆さん方とお話ししたいと思うんですが、まず事務方に聞きますね、事務方にね。これはもう事務方に聞いて、あと総理や麻生大臣に御感想いただきたいんですけれども、財政健全化目標としてプライマリーバランス、これを日本は採用しているんですよ。ほかの国はそういうことじゃないと思うんですね。ほかの国、どういうやり方でやっているのか、ちょっと説明してください。
 それから、黒田日銀総裁はもうこれで結構です。どうぞ退席してください。
○委員長(山本一太君) どうぞ。
○政府参考人(福田淳一君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、G7の各国におきましては、財政健全化目標の指標といたしまして、日本が採用しておりますプライマリーバランスではなくて、利払い費を含めた財政収支を用いているものと承知しております。
○西田昌司君 もう少しそれ丁寧に説明してください。どういう意味、だから。
○政府参考人(福田淳一君) 財政収支というのは、前の期に比べて借金の残高が今期増えればその間は赤字であった、借金の残高が減ればその間は黒字であったという概念でございます。
 それに対してプライマリーバランスというのは、今年のサービスを今年の税収で埋めれたかということでありますので、逆に言うと、過去の借金の利払いの分までは借金を増やしていいという基準であります。
 したがいまして、去年より今年借金が仮に増えていても、今年した利払いの範囲に増えていればまあ黒字と見るというような基準でございます。
○西田昌司君 今のを聞いて皆分かりましたか。分からないですよね。もう少しちゃんと分かるように説明しなくちゃ駄目なんだけれども、要するに、プライマリーバランスというのは利払い費を入れていないんですよ、財政収支の場合には利払い費も入れていますと、だから、借金の返済金額まで入れていますから、利息の、だから厳しいんですと、こういう意味でしょう。
○政府参考人(福田淳一君) 尺度としてはそういうことだろうと思います。
○西田昌司君 そういうふうに分かりやすい答弁してくれればいいんですがね。
 それで、その話を聞いて、皆、ああそうか、プライマリーバランスは各国のあれよりも緩いんか、それじゃしゃあないなと、これ守らなしゃあない、こういう論法に引きずり込まれるんです。ところが、違うんですね。何で違うかというと、ちょっとグラフ見てください。(発言する者あり)いやいや、本当にそうなんですよ。
 これ、このグラフ見ていただくと分かりますけれども、これ、要するに、主要国の財政支出額の推移とGDPの比率と書いてありますが、日本は、上のグラフ、これ九九年を基準としますけれども、要するにGDPは全然増えないんですね。GDPというか予算額は増えていない。それから、このGDP自身もずっと下へ下がっている、というか、なっていると。よその国はどんどん財政出動も増えて予算額が大きくなってGDPも増えているんですよ。
 なぜ、そういう厳しい基準を、よその国は、G7やっているのに、日本より財政拡大できているの、これ説明してください。
○政府参考人(福田淳一君) このお示しの数字は名目の数字でありますので、よく御存じのとおり、予算の対象となるものにつきましても、物価が上昇しなければそれだけ安い価格で済んでいるということがございます。
 ちなみに、この二つの表、下で上を割ると、各国ともリーマン・ショックの後に非常に政府支出が増えているんですけれども、日本はまあ横ばいぐらい、その後。フランスはむしろ増えている、ほかの国は若干減っているというようなことであろうと思います。
 それから、御指摘のとおり、各国とも財政収支をどう取り扱うかなかなか悩んでおられるところでありまして、それぞれ目標の中でいろいろ工夫をされたりしているところだろうと承知しております。
○西田昌司君 またこれも訳の分からない答弁するんですよ。
 要するに、各国は実質だったら同じようなことだと言うんですけれども、名目が大事なんじゃないか、我々が今言っているのは。
 名目、つまり物価が上がってGDPも増えてそして予算支出額も増えているんですよ。なぜそうなっているのに日本はなっていないのか。まさに財務省のPBがデフレをつくっているんですよ。財政出動を制限した結果、デフレつくっているんじゃないか。そうでしょう。
○政府参考人(福田淳一君) 財政収支が物価状況にどういう影響を及ぼすか、なかなか難しい問題でございますが、御存じのとおり、政府の支出も、言わばその単価は世の中の物価上昇に応じて出すわけでありますし、例えば典型的な公務員の人件費でありますと、それは民間の給与水準に応じて上下が決められるということになっておりますので、むしろデフレ状況を反映して歳出もその分は抑えられてきたというのがまあ実感に近いんじゃないかと私どもとしては思っております。
○西田昌司君 あのね、本当に私、財務省の職員というのは日本の職員の中でも極めて優秀な方だと思っています。その方々が全くそういうでたらめな説明しているということ自体に、私はもういら立ちと腹立たしさを抑えることができないんです。
 実は、これ、昨日私手に入れたんですが、麻生財務大臣が「財政健全化目標について」ということで平成二十七年二月十二日に出された資料なんですね。これ、諮問会議か何かで出されたやつなんです。そこで麻生大臣が、要するに、各国とも財政規律のためにやっているけれども、日本のPBというのはよその国よりも厳しいんだと、こういう説明されたんですよ。ところが、ところが、大事なのは、ここに下に書いてあるこの注なんですね。これ、ちょっと資料が間に合わなかったので配っていないんですが、あなた方これ持っているでしょう、財政健全化目標のこれを。これの二ページ目、下の注、これちょっと読んでくださいよ、どう書いてあるのか。
○政府参考人(福田淳一君) 済みません、ちょっとどのページを御指摘か分からないものですから。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 福田主計局長。
○政府参考人(福田淳一君) これ、各国の健全化目標の下の注でございますか。
 各国は、今御説明申し上げました財政健全化目標は財政収支を基準にしているわけですけれども、特に欧州の諸国においては、一時的な要因を取り除いて構造的な財政収支に着目するというような考えを最近取り入れておられます。
 一時的なものというのは、例えば景気の状況で税収が落ちたり失業保険が出たり、そういうものを除いたところのベースとなる構造的な財政収支を考えるというような考えを取っているということが注に書いてあるかと存じます。
○西田昌司君 そうなんですよね。つまり、構造的と書いてあるんです、財政収支と書いてあるんだけれども、全部各国は構造的財政収支なんですよ。その意味は何かというと、景気変動要因を除くと。もっとはっきり言って、公共事業の資本支出は除くとか、そういうルールなんですよ。つまり、日本のようながちがちのことをやっている国なんかどこにもないんですよ。そうでしょう。
○政府参考人(福田淳一君) どう申し上げますか、財政収支とプライマリーバランスの関係というのは、言わば縦軸でその金利の分だけ緩い基準になっています。御指摘のその構造的財政収支というのは、その対象となる財政収支のうち一時的なものを除いたものを、何といいますか、この物差しに当てて比較するという考え方なので、確かに財政収支の当てはめを少し緩めていることは事実ですけれども、言わば縦の緩め方と横の緩め方といいますか、そういう違いがあるということだろうと思います。
○西田昌司君 つまり、今まであなた方が麻生大臣や総理に説明してきたのは何かといえば、日本のPBよりもほかの各国の、G7がやっている方が厳しいんですと言ってきたわけよ。ところが、あなたが今言っているのは逆さま言っているわけでしょう。そうでしょう。
 要するに、日本のPBよりももっと緩やかに弾力的に財政収支の目標は設定しているんですよ、がんじがらめにしていない。税収が減ったらその分の予算は当然要るね、それから公共事業に出すのは当然財政収支から外しておくねと、こういう仕組みでやっているんですよ。そうでしょう。
○政府参考人(福田淳一君) 御指摘のとおり、元の財政収支よりは緩い基準を、緩い基準といいますか、当面緩い基準をつくっているということかと思いますが、尺度としては日本の取っているプライマリーバランスの方が緩いものになっているということは言えようかと思います。
 それから、一時的な赤字を除いてということは、逆に言うと、実際にはそういうことはないわけですけれども、一時的な黒字も除くということになるでしょうから、言わば、何といいますか、長い期間で見たというものに着目しているというのが構造的収支ということではないかと存じます。
○西田昌司君 自ら今言いましたね、長い期間。つまり、単年度単年度の帳尻合わせなんかしていないんですよ。このPBやっていると、総理、単年度単年度でどんどん、これ二〇二〇年に黒字化なんかすると言っちゃうと、本当にがんじがらめになっちゃう。
 何で日本はこれだけまずいことになっているかというと、要するにこのわなにはまってしまって、しかも財務省が、自分がはめているのに自分がはめたということも分からない、はまっていることも分からない、自縄自縛になっているんですよ。これに政治が引きずられた結果、先ほどの、もう一遍、グラフにあるように、よその国は財政拡大している、それから、名目も上がっているからGDPも上がると、ところが、日本だけが財政拡大できずに、もうこの税収も伸びずになっているんですよ。
 この今までの説明聞かれて、総理、いかがですか。このPBの弾力的運用というのは考えるべきだと思うんですが。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このPBをどのように捉えていくかということなんだろうと、このように思います。
 私は、もう西田委員のように、これPB全然考えるべきではないという考え方は取らないわけでございますが、他方、他方、まずはしっかりとデフレから脱却をして、デフレからの脱却を確かなものとして力強く経済を成長させていくことであります。と同時に、それなくして財政健全化はないわけでございますが、それを行うことによって税収を増やし、そして歳出を、改革をしていく中において、財政健全化を図っていく通過点としてはそのプライマリーバランスの黒字化は必要でありますし、同時に、大切なことは、累積債務のGDP比を低減していくことが大切。
 プライマリーバランスの、GDP比を低減していく中においてもPBの黒字化は当然必要なわけでございますが、しかしそれは、そもそも大切なことは、大切なことは、まず、そういうしっかりとした累積債務のPB比が減っていくという、そういう経済の状況をつくっていくことでありまして、例えばPBというのは、思いっ切り、例えば来年度予算を、じゃ半額にしますよと言ったら、これはPBというのは黒字化するんですよ。黒字化した瞬間、日本経済は死んだような状況になって、その翌年から悲惨なことが起こっていくわけであります。
 ですから、それは、大切なことは、しっかりと税収を増やしていく、そのために、まさに名目GDPが、デフレから脱却をして名目GDPが上昇していくという状況をつくることが大切であって、我々はその中で二〇二〇年PBの黒字化を目指しているわけでありますが、まさにそれはしっかりとした将来的な目標としての、累積債務のGDP比を減らしていくという中においての通過点として必要であろうということであり、しかし、根本で大切なことは、しっかりとデフレから脱却して経済を成長させていくということだろうと思います。
○西田昌司君 もう少しこれから話しますね。
 要するに、今総理もおっしゃったように、PB目的にして国が潰れたら意味がないと、そのとおり。だからそこは大事なポイントであるわけですけれども、そもそも、財政再建、財政再建と言っているんですけれども、今、日本、財政再建を、もちろん国債残高多いといえばそうですよ、しかし、財政の危機のような状況になっているのかと、根本的にこの認識が大事だと思うんですよね。
 そろそろ麻生大臣に質問しましょうか。
 本来、麻生大臣は、元々、平成の是清になると、こう宣言してこの財務大臣引き受けられた、財政拡大派のはずなんですよ。ところが、財務省に行くと、そういう、財務省の親分ですから、子分思いの親分というのは、子分が言っていたら、そうか、聞いたろ、こういう話になっちゃって、PBも守ってやらないかぬな、そう頭から叱り付けるといかぬなと、こういう優しいお気持ちがおありだとは思うんですけれども、しかし、本質的に、今言ったように弾力的に運用すればいい。PBでも今言ったように各国ごとに弾力的運用というのがあるんですよ。そうすると、総理が気にせずいろんな投資、トランプさんに合わせることもできるんですよね。
 そもそも今財政が危機的な状況かということも含めて、麻生大臣の御見解をお伺いしたい。
○国務大臣(麻生太郎君) まず基本的に、今言われたこの種の一連の数字というのの中で、いわゆるマネタリーベースが増えている割にはマネーサプライが増えない、これ一番の問題です。じゃ、それをどうしてそうなったかと、そのまたもとがあって、デフレです。デフレは別に悪いわけじゃないんであって、デフレで不況もあればデフレで好況もありますから、デフレ不況が問題なんです。
 デフレ不況が長く続いたんですが、これは多分、歴史的には一九九〇年以降始まったと多分言うんだと、歴史家はそう書くんだと思いますが、それからかれこれ二十数年間、我々はデフレというものを、戦後の世界では、少なくとも大東亜戦争、さきの第二次世界大戦が終わってから後、デフレーションによる不況というのを経験した国は世界中にありません。したがって、日本は初めて経験しましたので、経験した人が我々の先人にはいない。高橋是清が最後ですから。
 したがって、対策を間違えた。日本銀行も間違えた、金融収縮をやったんですから。もちろん財政も同様にインフレ対策をやったわけですから、不況だと思って。いつもの不況だと思ってインフレでやったんですが、インフレ対策をもってデフレに充てたんですから、更に悪いことになった。結果として銀行はばたばた潰れて一九九七年の騒ぎになった。取付け騒ぎが起きるようになった。
 まあ北海道拓殖銀行なんという都市銀行が潰れ、長銀が潰れ、日本債券信用銀行が潰れ、三洋証券が潰れ、山一が潰れて、もう軒並み潰れましたから、一九九七年、八年。えらい騒ぎになって、いわゆる取付け騒ぎが起きなかったのは、まだまだ、取付け騒ぎに似たようなものは起きましたけど、そういう騒ぎになっていった一連の状況の中から、我々はさらに、こういった状況は、間違いなく景気を良くするためにはGDPを増やさないかぬ。GDPを増やすとなったら、個人消費を増やすか設備投資を増やすか政府支出を増やすか、この三つが大きなポイントですから、その三つのうち二つが止まっていますから。
 したがって、三番目の財政というところで出動する以外、政府支出を増やす以外手がないんではないかと。これ、西田説の裏を私が説明する必要はないんですけれども、あなたが説明手を抜いているから、それを説明をしないでそこだけ行くから話がみんな何かえらいおかしなことに聞こえますけれども、そこは正しいですよ、間違いなく。問題は、そこらのところに行くための手口として、我々としてはいろいろなことを考えて、少なくとも、やり方はいろいろありますけれども、まずは日本銀行さん、済みません、金融政策間違えられたんですから金融は緩和していただきますというので、当時、白川さんとの間に協定を作らせていただいたのが五年前の一月だったと記憶しています。
 それで、続きまして、財政の方で、これは財政は機動的に出動するのであって、財政均衡よりはまず財政を機動的に出動させない限りは一、二、三番目の政府支出が伸びませんからというので、何せその前はコンクリートから人へとかいう説を唱えられて、その前の前任者がセメント屋だったことに対する当て付けかと思わないでもありませんでしたけれども、そういった時代が続いたんですよ。
 結果としてどうなったかといえば、よく言われる公共工事でいえば、公共工事が一番多かったのは小渕内閣の十四兆五千億だったと記憶するんですね、あのとき、十六兆五千億か、十六兆五千億だったと思います、補正も入れて。それが最後の野田内閣のときは五兆切っていましたから、そこまでずうっと下がっていったんですよ、間違いなく公共工事は。政府支出が出ないということですからね、それだけ。それは間違いなく。
 というので、我々の代になりまして、この五年間、公共工事は少しずつ少しずつ、少なくとも底を打たしていただいて、やっと今五兆台まで乗っかってきつつある、五兆台を超えてきて今六兆近くまで上がってくるところまでやらせてきていただいたんだと思いますが、そういったことをやりながらも、我々はそれを財投だけでやったんじゃないんです、我々は。財政投融資でやれば、どんどんどんどん国債更に発行してということをやるのではなくて、新規の国債は十兆円仮にもう減らして、そしてその他のものでいろいろ補ってやらせてきていただいたのがこれまでの経緯なんだと思っております。
 したがって、両方やらないかぬ。財政のバランスもやらないかぬ、かつ経済成長もやらないかぬ。じゃ、どっちが大事かといえば経済成長です、経済成長の方が大事、これはもうはっきりしています。
 したがって、経済成長を大事にしながらそこそこバランスよくやらないと、ばんばんばんばん刷りますと今度は国の信用がなくなりますから。日本は別に、国債を海外で買ってもらっている比率は一二%ぐらいだと思いますが、これは海外の人たちも全部円で買ってもらっていますから、自国通貨だけで発行している国債ですから、それはほかの国の国債とは全然意味が違いますから。アメリカとそれからイギリスとスイスと日本ぐらいだと思いますが、国債を自国通貨だけでやっている国というのはほかに、あっ、スウェーデンがあったかな、それぐらいのものだと記憶しますので、そういった意味ではほかの国とは事情が全然違いますが。
 それにしても、日本という国はそういった状況をきちんとやって、プライベートブランドじゃなくてポケベル、ポケベルだとかプライベートブランドだとか言われていましたよ、最初の頃は。違います、これはプライマリーバランスなんですとやっと最近説明しなくてもいいような時代になるほど、プライベートブランドじゃないという、定着するところまで来たんですって、やっと。私どもはそこまで来て、これを少なくとも、今少しずつその目標に向かって走っているところなんであって、やっとできっこないと言われた半分のところまで来たんですよ。(発言する者あり)ね、来たんですよ、半分のところまで、これ、来っこないと言われた半分まで来ましたから。残り半分をやらないと、さっき言われた金利の部分が残っていますから、まだ増える。それを達成するまだ手前の段階ですから、そこの段階でここまで行かせていただくというんで、何らかの目標を持っておかないと、これはざざ漏れになるような、放漫になるのはちょっと問題だと思います。
○西田昌司君 たくさんしゃべっていただいたんですけれども、だから、麻生大臣がおっしゃっているのは、これ見せてもらえますかね、この表なんですね。国債を誰が持っているんですかという話ですね。要は、日本はほとんど国内、海外は一〇%程度と。
 だから、このことを考えても、要するに、プライマリーバランスとかいうことも含めて、財政再建、放漫財政をしていると何が困るかというと、要するに、ある日突然いわゆるハイパーインフレになっちゃう、デフォルトになっちゃうと、そういう話を財務省は今まで言ってきたわけですよ。しかし、日本が果たしてそんな状況なのかということなんですよ。
 だから、これ、もう事務方の方が話が早いのでちょっと事務方に聞きますが、今、財政は、日本は財政危機なんですか。どうなの。
○政府参考人(福田淳一君) お尋ねのような意味、つまり日本政府、日本財政は市場からの信認を得て、国債は順調に消化されているというふうに理解しております。
○西田昌司君 そうですよね。ですから、これもそうだし、ついでにもう一つの次の指標を出してください。次の指標にありますように、経常収支もずっと日本はずば抜けていいわけですよ、各国と比べてもずば抜けていい。つまり、だから金利も安くて国債が調達できるわけですね。
 つまり、これ、何を意味しているのかと。これだけ財政いいんですから、財政いい上に、そしてそれを日銀がばんばん買ってお金を資金供給するというのに出ない。何で出ないのかといえば、要するに民間の方で投資先がなかなかないわけなんですよ。それと同時に、もっと言えば、長期的な投資を国家が示さないから民間がそれに一緒になっていこうというそういう気持ちにならないんですよ。
 ここで私は、財政出動ということも大事だけど、もう一つ大事なことをちょっと言いたいんですが、要するに日本が何でこんな状況になってきたかという根本原因は、私は、平成元年、あのときの消費税導入選挙がありましたですね。このときに要するに超高齢化が出てくると、そのときに年金、医療、介護、こういう社会保障費の給付が百兆円超えるのは見えているわけですから、そのための財源として長期的に安定する消費税でやっていこうと。
 その意味は、今までは団塊の世代がどんどんいて、それが働く、消費する、経済成長のエンジンですよ。ところが、その後少子化というのが見えていますから、そうするとその成長のエンジンの団塊の世代に頼ってはできない、だから違う財源でやっていこうと、こういうことをやったわけですね。ところが、それやったときも増減税ゼロですから増税していません、そもそもが。そして、その後も減税減税が先行しているんですよ。結果的に何が起こったかというと、要するに税収ないままに予算だけはどんどん膨らんでくる、これが財政赤字の一番の問題なんですよ。だから、財政再建というんだったら、まさにこの国民負担率、ここを考えなきゃいけないんですね。
 次の指標を出してください。
 要は、国民負担率を考えていくと、これありますように、日本はこういうG7各国と比べましても圧倒的に低い。アメリカは低いですが、アメリカはいわゆる国民皆年金、皆保険というのが制度としてありませんから、ここにカウントされないわけですよね、私でやっているやつは。だから、日本は、中福祉やっているほかの西ヨーロッパ国と比べても全く負担が少ないんですよ。だから、これさえ上げれば、これさえ上げれば全く何の問題もないわけです。そうじゃないですか。
 総理、ですから、PBの話じゃなくて、PBに縛られると財政出動ができなくなっちゃうんですよ。それよりも、まずPBは弾力的に、ヨーロッパ諸国のように構造的条件というのを付けて、様々に弾力運用でPB目標をやっていったらいいじゃないですか。しかし、長期目標として、何年までに例えばこの国民負担率をもう少し上げていく形で議論しましょうと、これを付けておけば、これはもう国民も、国家の財政は全く大丈夫だし、そしてさらには、そのことによって長期的な支出ができるようになりますよ。総理がこれから、例えば年金、奨学金のもこれを給付式でやっていこうじゃないかということも含めて、それから新幹線ももちろん含めてですが、そういう長期的投資ができるようになる。
 そうすると、みんなはどうしますか。当然のことながら、給料からいろんな物を買ったり、新たな投資をしたりすることになるんですが、そういう視点が、総理、これから私は必要だと思うんですが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的には西田委員の御指摘のとおりであり、国民の負担率については他の先進諸国と比べて比較的低い方なんだろうと、まだ担税能力があるんだろうという御指摘だと思います。その意味におきましては、伸びていく社会保障費に対応するためにはこうした恒久的な財源を確保していく必要は当然あると、こう思っております。だからこそ税と社会保障の一体改革を行い、我々も消費税を五%から八%、これは三%ですが、今までの消費税の引上げと違ってこれは純粋増にしたわけでございます。だからこそ、これはやはり経済に与えたインパクトは大きかったわけでございまして、GDPはマイナス七%ということになり、次の四半期もマイナスになったわけでございます。
 そこで大切なことは、経済の成長の観点から国民の活力を損なわせないことも極めて重要だろうと思います。国民の負担を急激に上げることは現実的ではないわけでありますが、要は、必要な施策を講じつつ、国民の負担を適正で負担可能な範囲にとどめることが必要ではないかと思います。
○西田昌司君 適正な負担をしていただくということが大事なんですが、ただ、今はやっぱり残念ながらデフレ状況がまだあるわけですね、抜けつつあるという状況ですよね。だから、今増税ぼんとやっていくと、これまた経済に響いてくるんですよ。ということは、結局、今は政府の方が主導的に財政の拡大をやっていくと、もうこれ以外にないわけなんですね。ここの整理を今日はしたいわけなんですよ。
 ところが、もう片っ方、今私が言っているようなこういう国民負担率をやらなきゃならないという議論の一方、もう一つ困った議論がいわゆる身を切る改革ですね、もっと言うと増税なき財政再建、これが実は自民党の足下をすくわれた、自民党自身が下野するきっかけになった、私、一番間違いの経済政策だと思いますがね。
 要するに、先ほど言いましたように、平成元年の消費税選挙で負けちゃったと。負けちゃったために、これは増税することがなかなかできぬねと。その結果何が起こったかというと、増税できないんだったら、じゃ、減らしますよと。財務省の仕事というのは税金取って予算付けることですからね。税金取る方を政治が拒否しちゃったわけですよ。それなら、この増税なき財政再建で支出を減らしましょう、支出減らしましょうという方向に行っちゃったと。そのとき一番目を付けた大きなのは何かと。これは地方交付税ですよ。地方交付税を減らすと。
 しかし、地方交付税減らすと言ったら、それは首長さんが、知事たちが怒りますよ。そこで、またわなにはめた。どうやってやったかというと、地方分権論ですよ。地方分権、財源欲しい、あげましょうと、国から地方に財源を移譲したわけですよ。ところが、その移譲したのが三兆円程度あげただけで、交付税全体では十兆円ほど減らしてしまっているわけですよ。後から考えたらとんでもない、これは詐欺的なことをやっているんですね。
 これをやられるとどうなるかと。これはもうたまったもんじゃないから、地方の方は従業員をどんどんどんどん減らさないけない。減らそうと思っても簡単に減らせないからどうやったかと。合併しなさいよと、合併をどんどん推進するようなそういう手を打ってきたわけですよ。今となってはもう地方自治体みんな怒っていますよ、これ、だまされちゃったと。そして、その結果、地方はどうなったかというと、どんどんどんどん衰退してきているんです。
 それで、今日、高市総務大臣おられますが、そもそも今回の地方公務員法改正で非正規の方々の手当をあげようという話になっているんですけれども、これはこれでいいんですが、要は、元々こういう改革する前は三百二十万人いたんですよ、全国で地方公務員。今二百七十万人、五十万人減っちゃった。ところが、仕事はあるんですよ。あるから、この二百七十万体制でできないから、非正規で六十万人雇っているんですよ。漫画じゃないですか、これ。
 これ、どういうことかというと、要するに、無駄なくしたという話にしているんだけれども、無駄なんかどこにもなかったんですよ。だから、人が要るから非正規に変えちゃったと。非正規に変えた分だけ給料下がっていますよ。もっと言うと、東京や京都の大学で学んで、普通でしたら自分の生まれたふるさとで就職できるんですよ。その就職できる数六十万人も取ってしまったんですよ、これ。これが地方衰退の原因つくっているんですよ。
 だから、今回のこの法案、もちろん私は賛成ですけれども、総理、そもそもこの三位一体の改革という形でやってきたこと自体をもう一度見直すべきじゃないですか。そうしないと地方創生というのができないと思うんですよね。
○国務大臣(高市早苗君) 三位一体改革についてのお尋ねでございますけれども、あれは国から地方へという大きな流れの中で、地方への税源移譲といったことや補助金改革で地方の自由度を上げるということがあったわけですが、御指摘のとおり、地方交付税が大幅に急激に減らされました。そのことによって相当いろいろ地方も御苦労されたことは確かです。
 だけれども、じゃ、どうしていけばいいかといったら、一つはやっぱり地方税収増やすこと。この地方税収については、アベノミクス効果もありまして、安倍内閣になってからの四年間で見て四・六兆円増えています。ただ、その地方税収が増えたとしても、やはり税源の偏在性というのはどうしても残っちゃいますので、それを考えますと、日本全国どこに住んでいても一定の行政サービスを受けられる、その環境をつくるためにちゃんと地方交付税による財源調整というものがあるわけです。
 地方交付税に関しましては、これから、今回も事項要求したんですが駄目でしたけれども、麻生財務大臣の顔を見ちゃいましたが、是非法定率の引上げに向けてしっかりとした地方交付税、必要な額が確保できるようにしてまいりたいと思います。
 地方公務員についてですけれども、これは先ほど二之湯委員の御質問に対して、働く側にも多様なニーズがある、そしてまた地方の行政の側にも多様な行政サービスに短時間の対応をしなきゃいけないこともあるということで、どのように地方公務員を、どういう任用の人をどういう仕事に就けるかというのは、これは地方自治体の判断でございますので、しっかりと一般財源である地方交付税の中で対応をお願いしたいと思っております。
○西田昌司君 今大臣もおっしゃったように、一番大事なのは地方交付税を増やすということです。しかし、地方交付税を増やそうと思うと、要するに地方と国の国税の割合を、国税割合を増やさなきゃ駄目なんですよ。国が取るからこそ、つまりもっと言えば、国税で一番たくさん払っているのは首都圏ですから、首都圏で払ってもらった国税をもう一度交付税化して戻していくと。
 それを地方財源にしてしまったら何が起こるかと。東京ばかりがどんどんたまるわけですよ。オリンピックをやって、それから豊洲に移転する、これからどういう話になるかは知りませんが、私は東京のニュースを毎日見ていましてあきれ返ることがある。よっぽど東京は金あるんだなと、地方の人はみんなそう思っていますよ。しかも、おまけにですよ、おまけにですよ、東京では今度、何か知らないけど、私学全部ただにする、無料化するなんということを何か言い出していますよね。それだけお金あるんですよ。そんなことをよその都道府県でできるかと、できるはずがないんですよ。何でかと。要するに、地方分権だという名前の下に国税を地方税化しちゃった、そうすると地方という名の東京にお金がどんどん集まっちゃったと、これが一番の原因。そして、その中で今様々ないろんな問題が起きているということですよ。
 だから、総理、やっぱり、先ほど言いましたように、この地方分権というのは言葉としては正しい。しかし、やり方にいろいろ問題があって、地方には国税、国の方からもう一度配分する、そういう交付税を増やしていったり、元々の三位一体改革も含め、もう一度、影の部分もあるわけですから、見直すべきではないんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員が御指摘になったように、地方交付税の急激な削減があった、行われたこともあって、財政力の弱い地方団体には厳しいとの声もあったということは認識をしています。
 その上で、この委員の御指摘に対して申し上げれば、地方の自立を促進していくためには、やはり自らの財源である地方税によって財政運営を行うことが理想であります。地方税の充実を図ることが地方財政の目指すべき姿と考えているところでございますが、同時に、偏在性の小さい地方税体系を構築してもなお税源の偏在は残るわけでございまして、特に、やはり東京には相当多くの本社が集中をし、工場等は地方にあるんですが、本社でまとめて利益が上がっていけば東京の税収になっていくという、こういう問題点もあるのは事実であろうと思います。
 どのような地域に住む国民にも一定のサービスを提供できるように、地方交付税の財政調整の、先ほど総務大臣が答弁をさせていただきましたが、適切に働かせることも必要でありまして、いずれにせよ、地方団体が必要な行政サービスを提供しつつ安定な財政運営を行えるよう、地方税や地方交付税などの地方が自由に使える財源をしっかりと確保することが重要と考えております。
○西田昌司君 ですから、それをしようと思うと、私が今言ってきましたように、この二十年、三十年間のいわゆる新自由主義的政策なんですね、これは。それは何かというと、要するに小さな政府にしていく、民間に主導してやってもらいましょう、政府はできるだけ少なくやっていく、その中で減税が行われて、減税の結果、一番財政出動が大きいこの地方の交付税を減らしていったと、これが一番の問題なんです。
 だから、やっぱりそこを、是非総理、これはしっかり見直していただかないといけないと思うんですよ。そして、その結果、先ほどから言っていますように、自ら今度は、税収がどんどん減っちゃいましたから、そうすると、これを立て直すのにどうするんだといって、慌てて今度はPBというとんでもない、プライベートブランドだったらよかったんですけれどね、プライマリーバランスということで自縄自縛になっている。ここを是非もう一度閣内で本当に議論していただきたいんですよ。
 というのは、私、こういう話をどこでもやっているわけですね。役人呼んで、いろいろレクもしたり聞いたりやるんですね。そうすると、みんなどう言うかと。みんな、西田さん、そのとおりですよ、誰とは言いませんがね、本音ではみんなそう言っているわけですよ、これね。ところが、ただ一つ言わないところがある。これ、総理、彼らは言わないんですよ、財務省は絶対こう言わないんです。財務省だけは、いや、絶対にプライマリーバランスが大事なんです、こう言うんですね。
 これ、どういう状況か。はっきり言いまして帝国陸軍です。これ、玉砕して死ぬまでやるのかという話ですよ。つまり、世の中全体が、要するに構造改革から始まって、この小さな政府路線行っていたと、PBまでやったけれども、これはちょっと違うねとみんな思っているんですよ。ところが、笛を吹いている自分が張本人ですからやめられない。
 これを止めるのが御聖断なんですよ。総理、どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたように、私はプライマリーバランス至上主義ではもちろんありません。PBを達成した翌年にデフォルトになった国があるんですから。つまり、無理やり経済を犠牲にしてプライマリーバランスを実現すればその後いいことがあるかといったら、それは違うんですよ。それは、まさにその翌年にデフォルトしているんですね、これはアメリカ大陸の国でありますが。
 ということは、大切なことは何かと。これ、本末転倒になってはいけないわけでありまして、大切なことは、しっかりと経済を成長させていくということは、これは国民を豊かにし、働く場をつくっていくことでありますから、これがまず実体経済を良くしていくということが大切であって、同時に財政健全化を図らなければいけませんが、しかし実体経済を良くして税収を増やしていかなければいけませんよと。自動的にプライマリーバランスを、言わば無理やり人工的にこれをバランスをさせたって、これはまさに意味がないと。先ほど申し上げましたように、支出を半減すれば一気に大不況になりますから、これはもう税収もどんと減ってきますから、その翌年から経済は最悪になるわけでございます。
 ですから、しっかりと、しっかりと強い経済をつくり、デフレから脱却をし、税収を増やしていく中において、その道筋において、しかしもちろん無駄は削っていくという努力をする中において、しかし通過点としてちゃんとPBを黒字化させていくことも当然これは大切であります。
 一応、将来、長期金利が上がっていく中においては、このデフレから脱却をしていくということはそれは見越しているわけでありまして、金利はPBには関係がないわけでありますが、しかしこれを黒字化していくことによってこの金利分もこれはマイナスとしては減っていくわけでありますから、そういう中においては、言わばPBを黒字化していくことによって支出を、この収入の中において、金利を入れても収入の方が増えていけば、この金利分も足し引きで減っていくということでございますから、PBを黒字化していくということは、将来的に累積債務の対GDP比を減らしていくということには当然必要でありますが、大切なことは、大切なことは、しっかりとデフレから脱却して強い経済、そして経済を成長させていくことだろうと思っております。
○西田昌司君 一つだけ確認したいんですけれども、だから、プライマリーバランス、これずっと言われてこられているんで、いきなりこうというのはあれですけど、弾力的に要するにヨーロッパのやっている国は、先ほど言いましたように構造的要素を外すということも含め弾力運用をしているわけですよ。だから、これからプライマリーバランスというのをされていくにしても弾力的にやっていきましょうと。
 それから、もっと言えば、債務対GDP比とか、国際的なそういう指標もあるわけですよね。これ一番分かりやすいんですよね。GDP増えれば債務が減ってくるわけですからね、割合が。そういう弾力的な財政の健全化目標にやっていこうというお考えだということでよろしいでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 税収と支出、利払いを除いた支出ですね、それだけを見たものがPBなんですが、ここに入っていないのは経済の規模であります。ですから、幾ら借金があるかということにおいて、例えばトヨタが幾ら借金しているかということと、売上げがずっと小さい中小企業が借金している額と同じ額あるいはトヨタの方が多いからトヨタが悪いかということにはならないわけでありまして、まさにGDPが大きくなっていけば、この累積債務が、GDPがどっと大きくなっていけば、累積債務は変わらなくても、例えばGDP比が、GDPが倍になれば、当然これ一人当たりの負担は、実は債務はぐっと減っていくわけでございます。そういう意味に、このGDP比は当然減っていく、GDPが増えれば、失礼しました、GDPが増えていけば、累積債務が同じであっても比率はぐっと減っていくわけでございまして、そこが一番大切な点であり、諸外国はまさにこの点を、累積債務のGDP比であることは間違いないんだろうと、このように思います。
 しかし、財務省としては、しっかりと財政規律を維持をしていくという本来的な役割の中においてこのプライマリーバランスというのを重視をしているわけでございますし、我々もやはりこれを通過点として、このプライマリーバランスを黒字化していくということは財政健全化の通過点としては絶対的に必要だとは思っているわけでございますが、その中で我々もしっかりと経済を成長させていただきたいと、西田委員の言わんとするところはもう私も重々承知の上で答弁をさせていただいておりますが、ということでございまして、御了知いただきたいと、このように思います。
○西田昌司君 ちょっと視点を変えましょう、それでは。ちょっと新幹線について聞きます、唐突ですが。
 新幹線、これは前回もちょっとお話ししましたけれども、要するに、整備新幹線というのが昭和四十八年に決まって、しかしその整備というのはほとんどされないまま整備新幹線の名前だけ残っているんですね。それで、今ようやく北陸新幹線もルートが、もう最後、京都―大阪間が今月中に決められるというところまで来ているんですけれども、要は問題はその後なんですね。この後の財源が全く実は手当てされていないんですよ。ですから、コースは決めた、地元は万歳といっても、いつできるのかといえばさあ分かりませんという話になっちゃうわけですね。
 それで、ちょっと調べてみると、新幹線の整備の予算、これは去年のベースでしたら、鉄道予算一千億で七百五十五億円しかないんですよね、これ。こんなものじゃ全然、いつまでたってもできませんよ。もっと鉄道予算を上げるべきなんですが、そこでちょっと気になるのはJRなんですよ。
 JR、昨年は九州も上場しましたけれども、いわゆる本州三社だけでも去年の税金は幾ら払っているかというと、三千億払っているんですよ。三千億JRが払っているのに、鉄道予算が一千億。はあじゃないですか、これ。民営化した果実ぐらい、総理、使わせてもらわないと、これはね。だから、せめてこの三千億ぐらいは使っても罰当たらないと思うんですけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(石井啓一君) 委員御紹介いただいたとおり、鉄道に関する予算は近年約一千億で推移をしておりまして、そのうち約七百五十五億円は整備新幹線の既着工三区間の整備に充て、その他の予算を活用し都市鉄道の整備やホームドアを始めとするバリアフリー化、地方鉄道の安全投資などへの支援を実施をしております。
 鉄道ネットワークは我が国の国民生活や経済成長を支える重要なインフラでございまして、真に必要なものに重点化しながら予算を確保し、未来への投資を進めてまいりたいと考えております。
 JRにつきましては、国鉄の分割・民営化によりまして効率的で責任のある経営ができる体制が整えられた結果、全体としてサービスの信頼性や快適性が格段に向上し、国民の皆様からも高い評価をいただいております。そういった面がある意味でこの国鉄民営化の大きな成果であるというふうに考えております。経営面でも、JR本州三社に続いてJR九州も完全民営化されるなど、国鉄改革の所期の目的を果たしつつあるものと考えております。
 引き続き、国鉄改革の趣旨を踏まえて、JR各社がサービス水準の向上を競うことによりまして、各地域のニーズを踏まえた質の高い鉄道サービスが提供されるとともに……(発言する者あり)ええ、三千億というお話、確かにJR各社は年間三千億規模の法人税支払っておりますけれども、一方で、これ、国鉄民営化したときに、当時の国鉄債務を全部JR各社は承継しませんでした。最終的には二十四兆円の国鉄長期債務が国民負担として処理された結果、今JRが年間三千億規模の法人税を支払うことができるようになったという状況もございますので、それを全部というのは、私どもとしてはうれしいのですが、なかなかそうは難しいかなと考えております。
○西田昌司君 まあこういう、財務省が後ろで手を引いている、要するに財務省との約束事ですから、これはね。そういう形でやっちゃうんですよ。
 しかし、私が言いたいのは、要するにもっと本当の原点に戻るべきなんですね、本当の原点。それは何かというと、JR民営化していって、今大臣おっしゃったようにサービス良くなったこともあります。しかし、もっと大変なことは、要するに民営化というのはいい部分もあるけども、光と影の部分があるんですよ、影の部分……(発言する者あり)そう、今これから言うからね、北海道を始め、それから四国だって大変ですよ。
 要するに、何でこういうことになっているかというと、当時民営化したとき、六十二年当時は要するにホールディングカンパニーなんというものがなかったんですよ。なかったから七社にしてこれ上場するしかなかった。ところが今、皆さん、日曜日の朝、「遠くへ行きたい」やっていますね、テレビが。その中で、JRグループ各社が提供しているんですね。ところが、JRグループと言っているけれども、株の持ち合いなんかしていないわけですよ。かつてJRであっただけで、もう三社は完全に民営化されていますし、あとは機構に持たれている株であるわけで、要するに横のつながりないわけです。そうすると何が起こるかというと、これ、経営統合されていない、それから、そういう株の持ち合いもないですから、もうかるところはもうかる、もうからぬところはずっとほったらかしと、こういう形ですよ。これでは駄目なんですね。
 私は、ですから、そういうことを考えると、JRの、前は例えば国が全部買えばいいじゃないか、八兆五千億で全部買いますよという話もしましたけれども、それもいいけれども、まず、商法改正になっているんですからホールディングカンパニー制を彼らが取って、それぞれ持ち株会社の下にやっていくと、その東日本や東海の余っている余力が各地域に出せるわけですよ。北海道だって救えるんですよ。
 そして、これをやるのは今しかないですよ。なぜか。昭和六十二年からもう今何年たっていますか。要するに、今ならまだ国鉄マンが残っているんですよ。横のつながりで国鉄マンがいるんですよ。だから助け合おうという気分になるけれども、もうあと十年もたてば全く別の人になっちゃいますよ。そうなったときにはこんな話できません。だから、今こそこれ考えるべきなんです。これは総理、是非総理に答えていただきたいんですね。
 昨日、私、質問を見ていると、これは民進党の小川先生の方からJR北海道についてあって、そのとき、合併もいいじゃないかということを麻生大臣がおっしゃって、それは個人的な意見ですという形で言われていますけれども。要は、合併もそうだけれども、今言ったようにホールディング制というのは非常に理にかなった在り方だと思うし、国鉄の中でもそういうことを望んでいる人が私はいるやに聞いていますよ。ですから、もう一度そういうことを考えるべきじゃないでしょうか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) JRについては、国鉄の分割・民営化によって効率的で責任のある経営ができる体制が整えられた結果、全体としてサービスの信頼性や快適性が格段に向上し、経営面でも、JR本州三社に続いてJR九州も完全民営化されるなど、国鉄改革の所期の目的を果たしつつあるものと考えております。
 引き続き、国鉄改革の趣旨を踏まえ、JR各社がサービスの向上を競うことにより、各地域のニーズを踏まえた質の高い鉄道サービスが提供されるとともに、かつて一つの組織だった会社間の連携及び協力が確保されるように取り組んでいく考えでございます。
○西田昌司君 なかなかもう一歩が出てこないのであれなんですがね。
 それじゃ、最後にこれだけ聞きます。
 今日、先ほど言いましたように、トランプ大統領が百十兆円出す言いましたね。これからまた日米経済対話とかされたときに、日本も一緒にやってくれよと、内需拡大一緒にやってくれないと、アメリカだけやっちゃうと、これこそまた円安方向に行っちゃうとなりますから、必ず言われると思うんですよ。そのときに総理、どう答えられます。これだけちょっとお答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日米の首脳会談の結果を受けた共同声明の中においても、我々がやっている金融、そして財政、構造改革というこの三本の矢について、共同声明の中に入れ込むことができたんですね。つまり、我々、金融政策をしっかりと使っていくと同時に財政政策もちゃんとやっていく。これはお互いにやっていくということでありますから、その中において、日米ともまさに、これは伊勢志摩サミットにおいて、私も中進国の下方リスクが、経済の下方リスクがある中においてあらゆる手段を取っていく、その中には財政政策もありますねということで合意をしたところでございますが、基本的にはそのラインにのっとって米国もやっているわけでございますから、日本もこの財政政策もしっかりと、先ほど申し上げさせていただいたように、この低金利状態を使いながら、リニア中央新幹線も、整備新幹線も、等々を、しっかりとやるべきインフラ整備もやっていきたいと、このように考えております。
○西田昌司君 もう時間が来たのでこれで終わりますが、引き続き、私は本当に、安倍内閣が、景気が拡大することによって財政も健全化させていくと、この二兎を追うという政策、それやるためにもPBの弾力的運用、やっぱりこれはしっかりもう一度閣内で議論していただいて、麻生大臣は全く賛成だと思っておられると思いますんで、是非その辺は相談してやっていただきたいと思います。
 終わります。
○委員長(山本一太君) 以上で西田昌司君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、長峯誠君の質疑を行います。長峯誠君。
○長峯誠君 自由民主党、宮崎県選出の長峯誠でございます。
 本日、質問の機会を与えていただきました理事始め委員各位に衷心より御礼を申し上げます。
 冒頭、今朝の新聞報道について世耕大臣にお伺いしたいと存じます。
 経産省は、通商交渉や企業の機微な情報を扱うことが多いということで、情報セキュリティーのため執務室に鍵をするという方針を今般立てられましたが、これに対し、取材の自由を阻害するのではないかとの指摘がございますが、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 御指摘のように、経済産業省は、対アメリカ、ロシアといったような二国間、あるいはRCEPのような多国間の、まさに国益を懸けた厳しい経済交渉の最前線に立っている役所であります。また、国内に目を転じても、例えば産業界の事業再編ですとか、あるいは所管しております官民ファンドを通じた各企業への投資案件ですとか、あるいは最近では中小企業の下請取引の状況に関する情報ですとか通報、そういったものも扱っているわけであります。それぞれの情報が外へ漏れたら、これはもう企業の生き死にに関わるような情報であります。
 そんな中で、経産省には一日当たり、企業の方中心に二千人から三千人の方が省内に出入りをしています。この方々が、下の受付さえ通れば、あとはどの部屋にも出入り自由という状況になっていたわけです。悪いことをする人はいないと信じたいですけれども、一方で、職場で開いている書類を見ることもできる、スマホで写真も撮れる、あるいは作業中のパソコンの画面も見れる、あるいは職員同士の会話が耳に入ってくる、こういうこともあるわけであります。悪意があればいろんな情報が取れるわけであります。
 これはよろしくないということで、省内で情報セキュリティーについて検討させていただいた結果、やはり執務室にはロックを掛けて、そしてICカードを持った職員がそれで解錠して入るという状況にしようという判断をさせていただきました。
 ただ一方で、マスコミを含む外部の方との交流も極めて重要であります。それに支障があってはいけないので、各フロアに内線電話を設置しまして、そこから電話を内線で呼び出していただければちゃんとした人が出てきて応対をさせていただく、そのための面談スペースも省内に二十か所ほどつくらせていただきました。
 特に、報道対応、非常に重要であります。私の方から官房長や広報室長に対しては、このセキュリティー強化したことによって報道対応が後退したということにはならないように、今まで以上に丁寧で迅速で誠実な報道対応をするようにという指示も下ろしているところであります。
 昨日、こういった考え方を私、ニュースピックスとかフェイスブックというソーシャルネットワークにこういう考え方を投稿しました。いろんなコメントが来ましたけれども、ほぼ一〇〇%私の考え方に賛成でありました。逆に、まだやっていなかったのかとか、もう民間では二十年前からやっているとか、そういう指摘もあったぐらいであります。
 情報セキュリティー強化には是非御理解をいただきながら、しかし一方で、マスコミを含む対外的な対応に支障のないようにしっかりと努めていきたいというふうに思っております。
○長峯誠君 大変納得のいく内容でございました。自信を持って進めていただきたいと思います。
 宮崎県の新富町に航空自衛隊新田原基地がございます。第五航空団が配備されており、訓練やスクランブルで日常的にF15戦闘機が離着陸をしております。ジェット戦闘機のエンジン音をお聞きになったことのない方も多いと思うんですけれども、もうヘリコプターや旅客機とは比べ物にならないほどの爆音で、目の前にいる人と話している声も聞こえないくらいです。周辺住民の日常生活への負担は甚大でございまして、例えば、テレビの音声が聞こえない、電話で話ができない、学校で授業が中断される、赤ん坊が目を覚ますなどなど、地元の大変な大きな負担の上にこれらの基地は運用されています。
 そこで、防衛省はこれらの地域の住宅の防音工事に補助を行っています。一遍に全ての住宅を工事できるわけではないので、年次ごとに計画的に工事を進めてきました。防音工事の順番を待っている住民の方々は、一日でも早く実施してほしいと首を長くして待っているわけでございます。
 また、対象区域というのが設定されておりますけれども、この区域の外でも騒音に悩まされている方というのはたくさんいらっしゃいます。
 そこで、地元自治体は長年にわたってこの区域を拡大してほしいということを要望してまいりました。騒音の負担は耐え難いものであるにもかかわらず、国防の重要性、そして新田原基地の果たす役割を御理解いただき、防音工事を施すことで何とか日々の苦痛をしのいでいこうと寛大な心で基地を支えていただいています。予算に限りがあることもよく分かっていただいておりまして、順番も待っていただく。さらに対象区域の拡大もいずれの日にか実現してくれるだろうと信じて、地元の自治体と住民は我慢強く心待ちにしておりました。
 ところが、そんな中、昨年の十一月、突如対象区域を大幅に縮小するという防衛省の案が示されました。パネルを御覧ください。(資料提示)面積は一万二千ヘクタールから六千ヘクタールに半減され、対象世帯も一万四千世帯から九千世帯へと大幅に減少させられます。信頼を大きく裏切られた思いで、地元の怒りは頂点に達しています。今まで、一度として住民訴訟や基地反対運動も起こらず紳士的に振る舞ってきたから、あるいはおとなしくしてきたから、それが裏目に出てこのような仕打ちを受けたのではないか、もっと大々的に反対運動をしていればこんなことにはならなかったのではないか、そんな声さえ聞かれます。
 地方創生の中で定住人口を増やしたいともがいているが、騒音に悩まされる町には若者もなかなか帰ってきてくれない。そんな逆境を訴える地元自治体にとっては防音工事は命綱と言っても過言ではありません。
 私たち県選出国会議員は、地元関係者とともに何度も防衛省に足を運び、この度の縮小案を見直しするように強く要請いたしました。自民党の防衛関係議員の先生方にも大変な御尽力を賜り、一月に予定されていたこの解除告示が三月に延期され、さらに、三月に延期されていた解除告示も強制することはしませんというところまでは譲歩をしていただきました。
 さらに、地元からの強い要望でありました防衛省の職員が直接現地に赴いて騒音を体感してほしいとの声を受け、先週金曜日、二月二十四日までに体感調査も実施していただきました。これは、防衛省のデータと地元住民の実感に相当なギャップがある、ついては、防衛省の職員が地元に泊まり込んで滞在して騒音を経験してもらって、住民の立場に立って判断をしてほしいという地元要望に応えていただいたものであります。
 これらの防衛省の真摯な対応につきましては多としたいと存じます。ただし、これらの調査をどのように結果に生かしていくかが一番肝要でございます。これらの調査を踏まえ、今後どのように検討されていくか、稲田防衛大臣にお伺いします。
○国務大臣(稲田朋美君) 新田原飛行場周辺における航空機騒音の体感測定調査につきましては、関係自治体の皆様方からの御意見等を踏まえ、二月中旬から下旬にかけて実施をしたところでございます。防衛省といたしましては、新田原飛行場の航空機騒音については大変重要な問題であると改めて認識をいたしました。
 また、関係自治体の皆様方からは、ふだんの実情をより正確に反映するため、再度の調査を求める御意見等をいただいたところです。これを受け、防衛省といたしましては、三月に改めて航空機騒音の体感測定調査を実施したいと考えております。
 当該区域の見直しにつきましては地元の御理解を得ることが大切であると考えておりまして、地元の皆様の声によく耳を傾けつつ丁寧に対応してまいりたいと考えております。
○長峯誠君 ありがとうございます。
 私が懇意にしていました制服組幹部の方がこのようにおっしゃっていました。基地を支える三種の神器は人員、装備、地元の理解であると。地元の理解がなければ、人員や装備がないのと同じぐらい基地は機能しなくなると。大臣には、基地と住民の関係を良好に保つべく、誠実に対応していただきますようお願い申し上げます。
 続きまして、地方創生についてお伺いいたします。
 先日、本委員会の委員派遣で山形県の東北芸術工科大学を視察いたしました。この大学は日本初の公設民営型大学であり、芸術学部とデザイン工学部を擁する芸術系の大学であります。山形市ののどかな郊外に立地しておりますが、何と全国の芸術系大学で唯一志願者を増加させている大学であります。
 その要因は徹底した実学志向にありまして、デザインを通じて企業や産業の課題を解決する大変実践的な取組をされております。例えば、農産加工品のパッケージを学生がデザインしてPRビジネスを実践したり、旅館をシェアハウスにリノベーションするプランを資金計画から立てまして中心市街地対策として実施したりしております。学生も将来の仕事に直結する実践的な学びを得ることができ、また、地元企業にとっても具体的な課題解決になるということで高い評価を受け、それが志願者数の増加につながっています。まさに地方創生のトップランナーたる大学と言えると思います。
 しかし、地方の大学でこのように志願者数を増やしている大学は例外的でございます。私大、短大、大学院の学生数は一都三県に四七%が集中をいたしておりまして、三大都市圏で見ますと七五%に達します。いわゆる地方大学には学生の四分の一しか行っていないということなんですね。しかも、この偏在傾向は年々大きくなっております。地方大学は経営的にも困難な状況を抱えておりますし、地方に若者が定着しない大きな要因ともなっております。
 そこで、まち・ひと・しごと創生総合戦略におきまして大都市圏への学生集中の是正がうたわれ、三つの具体策が取られました。一つは、定員オーバーしている大学は新学部などの設置がしにくくなる。二つ目に、定員オーバーしている国立大学は教育費相当額を国庫返納させる。三つ目は、定員オーバーしている私大は私学助成が減額されるというものです。
 しかし、これによって何が起こったかといいますと、定員自体を大幅に増やしてしまおうということで、駆け込み申請が多発したんですね。したがって、この三つの施策による効果は極めて限定的になってしまいました。具体的な学生数の推移については本年の六月頃にまとまるということでございますが、国勢調査や人口移動報告においても東京圏への人口集中は全くとどまるところを知りませんので、更なる対策が求められることは言をまちません。
 この議論になると必ず、では地方大学の魅力を向上させるいろんな取組をやっていきましょうという答えが返ってくるんですが、そもそも大学の魅力の一つが立地でございます。東京圏の大学が更に都心に回帰しているというのもそれが現れております。
 そこで、更に踏み込んだ対策として、東京圏の大学や学部の新増設を制限するとか、あるいは定員を削減するとか、あるいは東京圏の大学が地方に移転する促進策を実施するといった施策を進めるお考えはないか、山本幸三地方創生担当大臣にお伺いします。
○国務大臣(山本幸三君) 地方から東京圏への人口流出に歯止めを掛けて東京一極集中を是正するためには、地方に仕事を呼び、人が仕事を呼び込む好循環を確立して、地方の平均所得の向上を実現することが重要だと考えております。
 このため、多岐にわたる施策を推進してまいりましたが、特に東京圏在住の地方出身学生等の地方還流や地元在学生の地方定着を促進するため、産学官で推進する地元企業でのインターンシップ実施の取組への支援、地方自治体と産業界が連携して行う奨学金返還免除等の仕組みへの支援などの措置を講ずるとともに、地方創生推進交付金等により、意欲と熱意のある地方公共団体の取組を積極的に支援してきたところであります。
 さらに、全国知事会から地方大学の振興や東京二十三区から地方への大学の移転促進等の要望があることなどを踏まえて、昨年十二月に閣議決定されたまち・ひと・しごと創生総合戦略二〇一六改訂版において、地方大学の振興や地方における雇用創出と若者の就業支援とともに、東京における大学の新増設の抑制や地方移転の促進等について総合的に検討することとされたところであります。
 本総合戦略を踏まえまして、私の下に有識者会議、座長は坂根コマツ相談役でありますが、を立ち上げたところであり、現在、地方自治体、産業界、大学関係者などの意見を伺いつつ検討を進めているところであります。
 これらの対策について、文部科学省を始め関係省庁とも連携し、本年夏めどに方向性を取りまとめることとしております。その結論を踏まえて、東京一極集中是正に資する地方創生の深化に向けた取組をより一層強化してまいりたいと思います。
○長峯誠君 諸外国では、もう皆さん御承知と思いますが、地方都市に立派な大学がございまして、広々としたキャンパスと自然豊かな生活環境で勉学や研究に取り組んでいます。なぜ日本だけが狭い敷地にオフィスビルのような大学ができるのか、とても不思議に思います。
 予算委員会の視察では、同じく山形県鶴岡市の慶應義塾大学先端生命科学研究所を視察をいたしました。見渡す限りの水田地帯の中で、最先端のバイオ研究が進められ、そこから大学発ベンチャーが生まれています。
 鉄よりも強く、ゴムよりも柔らかいクモの糸を人工的に合成するスパイバー株式会社は、三百兆円のマーケットを目指し、百五十億円の投資を集めています。弱冠三十五歳の関山和秀社長は、平日仕事が終わってからスキーに行ける、こんなすばらしい環境はないというふうにおっしゃっておりました。
 地方創生というテーマは日本人が真に豊かに生きるための取組であると、こういう理念でもって大臣の御尽力をお願いしたいと存じます。
 次に、同じく地方創生の施策ですが、生涯活躍のまちについて伺います。
 この生涯活躍のまちは、当初、日本版CCRCと呼ばれていたものですが、主にリタイア後の中高年齢層の地方移住を進めるための受皿づくりを目指したものでございます。様々キャリアを持った人材が地域住民と交流をしながらアクティブな生活を送るというととても理想的なんですが、一つ大きな課題があります。
 それは、元気なうちに移住して、移住した後に健康を壊してしまって医療や介護のお世話になるというふうになると、医療保険や介護保険の給付と負担のバランスが崩れてしまうという点なんですね。国民健康保険、後期高齢者医療保険、介護保険は地域保険になっていますから、この保険料を納める自治体と保険給付を受ける自治体とが違うということになってしまうわけであります。かつて宮崎県でもニューシルバー構想という高齢者移住の政策を進めようとしたんですけれども、この保険財政の問題で頓挫をいたしました。恐らく同じようなケースはもう全国にあると思います。
 そこで、今回、生涯活躍のまちを推進するに当たっても一番の肝になるのがこの問題だということをあらゆる場で指摘させていただきました。保険料を納めた自治体から保険給付を行う自治体へ財源を調整する機能を構築できるかどうかが成否を左右するということで、検討会の座長だった増田寛也元総務大臣にも直訴をいたしました。その結果、介護保険調整交付金を見直すという結論になりました。
 介護保険財政は保険料と公費で半分ずつ賄われています。公費分の方は、市町村が一二・五%、都道府県が一二・五%、国費が二〇%、そして調整交付金というのが五%あるんですね。この調整交付金を自治体の高齢化率や所得階層でちょっと増減をさせるということで保険料負担に跳ね返らないように調整するという仕組みであります。
 今回の見直しでは後期高齢者の割合で更に重みを付けましょうということになりました。確かに、年齢が上がるほど要介護度率は当然上がりますので、合理的な改正ではあります。しかし、生涯活躍のまちで定住した移住者の人数によって金額が増減するわけではありませんので、本質的な問題の解決になっているとは思えません。地方移住をもっとスムーズに進めるためにも踏み込んだ対策が必要と考えます。
 地域保険には住所地特例というのがあります。これは、施設介護を受けている利用者の住所が変わる場合には元々住んでいた自治体が保険給付を負担するという仕組みです。これによって高齢者施設が少ない都市部の高齢者が地方の高齢者施設にスムーズに移動することができるという仕組みになっております。この住所地特例を拡大するなどすれば、地方も安心して中高齢移住者を受け入れることができるようになるのではないでしょうか。塩崎厚生労働大臣に御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 都城市長を三期御経験の長峯委員から御質問をいただきました。
 今のお話でございますが、介護保険あるいは国民健康保険は住民票のある市町村が保険者になるということで、これが原則であります。ただ、この原則のみでいきますと介護保険の施設が所在をする市町村に負担が偏るということから、施設に入所する場合には住民票を移す前の市町村、これが引き続き保険者になるという特例、いわゆる住所地特例、この仕組みを設けているわけであります。今御説明のとおりです。
 この住所地特例を施設のみならず一般住宅などに移住するケースにまで拡大をするという御提案でございますけれども、移住前の遠距離の市町村が保険者となるために、保険者が自立支援や重度化防止に取り組むことがなかなか難しいということから慎重な検討が求められるのではないかということ、それはやはり負担が必ずしもフェアにいかないかも分からない。
 移住先となる市町村の保険財政の安定につきましては、住所地特例のみならず、保険料負担の保険者間の格差を是正するための、先ほどお話が出ました調整交付金、この財政調整の仕組みがございますので、これを活用することで、厚労省としても、冒頭おっしゃいました生涯活躍のまち、かつて日本版CCRCと言っていましたが、この構想の推進に省としても貢献をしてまいりたいと考えているところでございます。
○長峯誠君 続いて、防災士について、これは今のところ多分所管省庁がないということですので、総理にお伺いしたいと存じます。
 防災士はNPO法人日本防災士機構による民間資格でございまして、経団連の提言に基づいて二〇〇三年にスタートして、本年一月現在で十二万四千三十四人が登録されております。認証研修機関での研修や救急救命講座を受講して試験に合格すると取得できます。
 私は、自治体首長として災害対策本部の指揮をしていました。風水害、火山災害、口蹄疫などを経験しまして、網羅的な知識の必要性を感じ、防災士を受講いたしました。自助、共助、科学、情報、予防・復興、救急など、幅広い研修は非常に有益なものでございました。
 各地域の防災士は自主的にネットワークをつくり、研修を重ねたり、災害ボランティアとして活動したりしております。自治体を挙げて取得に取り組んでいるところがあったり、また、全国郵便局長会が全会員の取得を目指していたりします。また、消防職員、消防団員、警察官といった防災の最前線で活躍される方々も積極的にこの防災士を取得されております。
 しかしながら、防災士が十分活用されているとは言い難いと私は考えております。例えば学校の教職員にどのぐらいの防災士がいるかということを文科省は把握をいたしておりません。学校における防災は校務分掌上は安全担当ということになって、交通安全とか不審者対策とまとめて一人の担当教員を置いているという状態です。また、自治体職員でどのくらい防災士がいるかということですが、これも総務省は把握をいたしておりません。自治体を挙げて取り組んでいるところとそうでないところでは相当の開きがあるだろうなというふうに思われます。
 多くの方々の御尽力によりまして十二万人を擁する資格となってきましたので、そろそろ国としてどのように活用していくのかを検討する段階になったのではないかなというふうに考えます。
 例えば、自治体や学校には必ず一定数を置かなければならない必置義務にするとか、病院や大規模集客施設なら防災士を配置する努力義務を課すとか、あるいは自主防災組織には、防災士を配置した場合、加算支援をするとか、様々な方法が考えられると思います。
 確かに、防災士は一度取得すると終身資格となるので、質の担保が懸念されます。そこで、日本防災士協会と協議の上、例えば特認防災士とか名前を付けて、ワンランク上の資格をつくって質の確保を図ることも考えられるかと思います。
 いずれにしても、防災士を今のまま放置しておくのは大変もったいないと思います。担当大臣の下に有識者会議を設置して、防災士の活用の在り方について検討すべきと考えますけれども、総理にお伺いをいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も、防災士は防災における共助の取組において模範となるものであると認識をしておりまして、昨年三月に防災士資格認証者が十万人を超えたことをお祝いし、記念行事にメッセージを送らさせていただいたところでございます。
 地域の防災力を高めるためには、行政による公助のみならず、地域の住民などによる自助、共助の精神に基づく防災活動が極めて大切であります。様々な我々も災害を経験してきたわけでございますが、今言った点も大変減災・防災の上において重要だというふうに認識をしております。
 その観点から、市長としてこの防災士の資格を取られた長峯議員に改めて敬意を表したいと思いますが、防災士が地域における防災のリーダーとして、平素から子供たちに向けて出前講座を行うことによる防災啓発活動や発災時の避難所の運営支援などに取り組んでおられることは、自助、共助の取組として重要であると考えております。
 政府としても、防災に関する地域のリーダーが地区防災計画の策定や防災意識の普及啓発活動などに積極的に参画し、活躍できるよう、環境整備を図ってまいりたいと考えております。
○長峯誠君 御答弁、ありがとうございました。
 この件については今後、議員有志で検討をちょっと深めていきたいと存じますので、政府におかれましては、全体的ですけれども、前向きな対応をお願いしたいというふうに思います。
 次に、災害時要支援者についてお伺いします。
 災害対策基本法四十九条の十で、市町村は災害のときに支援が必要な住民の名簿を作成し、関係者に提供することが規定されました。災害のときに自力で逃げることが困難な方々をあらかじめ把握しておき、消防、警察、自治体、民生委員、自主防災組織などへ連絡をし、逃げ遅れのないように支援体制を構築しようとするものであります。
 例えば、私が市長をしていました都城市では、夜中に台風が来るということが分かっているときには、まだ雨も全然降っていない昼のうちから避難準備情報を出します。そして、ハザードマップで浸水想定地域が分かっておりますので、その浸水想定地域に住んでいる要支援者、高齢者でありますとか障害者の方でございますけれども、この方々に全部電話をします。そして、大概の方は親戚のところに身を寄せるという方が多いんですけれども、中にはどこも行き場所がない、避難所に行きたいという方がいらっしゃいます。そうすると、移動手段はありますかという確認をするんですね。いや、移動手段もないということになれば、避難所担当の市役所の職員が公用車で迎えに行って、送迎までいたします。ですから、いざ夜中に台風が来たときは、もう置き去りになっている要支援者は一人もいないという状況になるわけであります。
 ところが、実際にはここまでやっている自治体は恐らく少数だと思います。それは、実は法律の仕組みに原因があるんですね。災害対策基本法では名簿を作るところまでは義務となっていますが、この名簿を民生委員の方とかに情報を提供するというところは、できる規定になっています。つまり、してもしなくてもいいということになっているんです。
 さらに、要支援者をどのように避難させるか、先ほど言った具体的な計画というのは個別計画という名前で策定をしますが、この個別計画の策定に至っては、更に避難行動支援のために取り組むべき事項というところにまとめられておりまして、言わばファーザークエスチョンみたいな、物すごく進んだ先進自治体はやってみてもいいかもしれませんねというような法律上は位置付けになっているんですね。
 しかし、これではなかなか機能いたしません。名簿は作ってあったけれども、そこから先どうするかは考えていなかったんですよねということでは、もう何のためにそもそも名簿を作ったのかということすら訳が分からないということになってしまいます。
 昨年、台風十号で岩手県の岩泉町の高齢者施設が水没をしました。多くの利用者が亡くなられましたので、避難勧告ガイドラインの見直しをやったんですね。この中で、施設の設置者は施設の中にいる方の避難計画を策定して、その実効性の担保をしっかり取りなさいということを厳格に求められることになりました。
 これはこれですばらしいことだと思いますが、これ実は施設利用者、施設入所者の話でありまして、在宅の要支援者という方々については、先ほどからお話ししているとおり、全くその実効性というのは確保されていないんです。先ほどのガイドラインの見直しをする際も、実は施設だけではなくて在宅も問題だよねというのは有識者会議でもう指摘されています。やはりそれぞれに作った名簿に基づいた避難の個別計画というのをやはり義務化すべきではないかなというふうに考えます。
 もちろん、自治体で計画を作る際に負担が掛かりますので、この負担への支援というのはセットになりますけれども、この点につきまして松本防災担当大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(松本純君) 平成二十五年六月の災害対策基本法の改正によりまして、災害時に自ら避難することが困難な高齢者、障害者等の円滑かつ迅速な避難を確保するため、避難行動要支援者名簿の作成が市町村に義務付けられ、平成二十六年四月に施行されたところでございます。また、この法改正を踏まえまして内閣府では、平成二十五年八月に市町村向けに取組指針を示し、この名簿に基づく避難支援の実効性を高めるため、要支援者ごとに個別の避難計画の策定を促しているところでございます。
 一方で、この個別計画については、多様な関係者との協力、調整が必要となり市町村の努力のみで作成可能なものではないこと、また計画によらずとも支援の枠組みが整う場合も考えられることなどから、法律により一律に作成を義務付けることはなじまないものと考えているところでございます。
 しかしながら、個別計画の策定は避難行動支援の実効性を高める観点から重要であると考えておりまして、国としても、その具体的な作成方法等を盛り込んだ取組指針の周知等を通じ、引き続き取組の促進を図ってまいります。
○長峯誠君 実は、内閣府は各自治体が個別計画を作っているかいないかすら把握しておりません。それにもかかわらず、しっかりと取り組んでいただきたいと言っているだけでは、やっぱり何年たってもこれ進まないんじゃないかなという気がいたします。たくさんの犠牲者が出てマスコミで大きく問題視されてから対策を講じても手遅れであります。危機管理の要諦である最悪事態を想定して行動せよというのを旨として取り組んでいただくようにお願いしたいと存じます。
 次に、大規模災害時の公共事業の自治体発注についてお伺いいたします。
 東日本大震災や熊本震災のような大規模災害において大量の公共工事をスムーズに実施していくためには、域内だけの建設業者では足りません。地域外の建設業者を積極的に活用すればそれだけ復興も早く進むことになります。公共事業の発注は建前上は一般競争入札が原則で、地域要件、すなわち県内業者に限るとか市内業者に限るとか、そういう地域要件を掛けるのはあくまで例外ということになっています。
 しかし、もう皆さん御承知のとおり、現実にはその逆で、特殊な技術が必要な場合以外はほとんど地方自治体の発注は地域要件が掛かっております。なぜなら、建設産業は特に地方都市においては非常に重要な産業であり、発注者としても地元経済を活性化させるためなるべく自治体の中でお金を回したい、バイ・アメリカンではありませんけれども、そういう思いがあって、現実にはそうなっているわけであります。
 平常時であればそれでもほとんど支障はないんですけれども、大規模災害となると、全てを域内業者に発注すれば業者数や人員が不足して工期が遅れたり落札価格が高止まりしたり、あるいは落札不調が生じたりということになりかねません。復興のスピードを上げるには地域要件を外す方がよいということになるわけであります。しかし、発注者の立場からいたしますと、隣の町長は全て地元業者でやっているのにうちの市長はよその業者を入れたということになりますと、なかなか厳しいものがあるわけであります。
 そこで、大規模災害の場合には、もう一定規模以上の公共事業は地域要件を課さない、課してはいけないというルールをあらかじめ作っておけば、これは今後大規模災害がどこで発生しても同じルールでいきますので、発注者も受注者もどちらも納得できるのではないかなというふうに思います。
 こういったきちんとしたルール作りをしておくべきと考えますが、高市総務大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(高市早苗君) 地方公共団体が定める、設定する地域要件でございますけれども、これは地方自治法施行令に基づくものでございます。
 被災地域の入札における地域要件の設定に当たりましては、被災者の雇用の促進に配慮するという一方で、増大が見込まれる工事量とそれから当該地域の建設業者数、そして技術者数などを踏まえて、必要な対策が機動的に講じられるよう状況に応じて適切に行うことということで、先月も実は局長通知を発出したところなんですけれども、この適切な地域要件を被災地域において設定するということについては、これからも国土交通省と連携しながらしっかりと地方団体にお伝えをしてまいります。
○長峯誠君 続いて、子ども・子育て支援について伺います。
 保育園落ちた日本死ねが流行語大賞トップテンに入りました。この言葉であたかも安倍政権が子ども・子育て支援に消極的であるかのような印象操作をされていることは全くもって承服し難いと考えております。
 私は、自民党の子ども・子育て支援新制度の公定価格プロジェクトチームの一員として、かなり細かいところまで新制度の公定価格作りに参画させていただきました。その中で、これは民進党さん、公明党さんにも感謝申し上げたいんですけれども、三党合意に基づきまして、消費税が五%から八%にアップされた際、その一部財源を充てさせていただきました。さらに、八%から一〇%へアップ、これは延期されたんですが、それにもかかわらず、安倍総理のトップダウンの決断で多額の財源を確保していただきました。安倍政権は、歴代政権の中でも子ども・子育て支援に最も力を入れている政権であるとはっきり断言をさせていただきたいと思います。それは数字でもしっかり表れています。パネルをお願いします。
 まず、定員ですけれども、これは待機児童が多い多いと言いながら、定員も、そして入所している実人員も着実に増えてきているんですね。それから、次のパネルをすぐお願いします。当然ですけれども、予算額でいっても子ども・子育て支援の予算額というのはずっと増え続けてきております。大変厳しい財政状況の中で大変な増額を獲得していただいているなというふうに思っております。
 では、なぜ待機児童問題が生じるのかというと、その最大の要因は、何といっても保育士さんが足りないということなんですね。これ見てみますと、全ての都道府県で保育士の有効求人倍率は一を超していますし、東京に至っては五・九二ですから、一人の保育士さんに六人の求人が殺到するというような状況になっているわけです。
 ですから、何をしているかというと、これ、保育士の処遇改善を一生懸命やっているわけですね。毎年毎年努力を重ねてまいりました。五年間で何と一〇%のベースアップでございます。この五年で一〇%もベースアップされた職業がほかにあるでしょうか。こういった事実は余り報道されていないので、なかなか一般の方は御存じないんですが、是非多くの方に御認識いただきたいなというふうに思っております。
 さらに、こうした量の拡大もさることながら、質の確保でも安倍政権では顕著な成果を上げております。例えば三歳児の職員配置、これ従来は二十人の子供に一人の先生という配置だったんですが、この新制度になりまして十五人の生徒に一人の先生ということで、より保育士の目が隅々まで届くようになりました。また、来年度予算、今審議中の来年度予算では病児保育の施設整備費を新たに盛り込んでいただきました。また、病児保育センターの人件費補助、これも拡充していただきました。こういった量、質の両面から子ども・子育て支援というのは大変充実してきているんですね。
 そして、これから大変大きな課題となってくるのはアレルギー児童への対応でございます。
 文科省の調査では、食物アレルギーのある児童生徒は、二〇〇四年の二・六%から二〇一三年には四・五%に急増いたしております。また、こども未来財団の調査では、一年間に保育園で誤食事故が、何と保育園の二九%で起こっているというんですね。誤食を回避するためには、調理室の調理器材を全て分別管理する必要がありますし、また、重度のアレルギーの場合はもうテーブルから全部別にしなければいけません。担任の先生だけじゃなくて全職員が、エピペンというんですけれども、そういったものの使い方とか、そういった知識を共有する必要がありまして、アレルギー児童を預かる保育園の負担というのは相当大きいものがございます。
 ところが、今アレルギー児童を受け入れている保育園にあるのは栄養管理加算というやつで、これは年額十二万円でございます。これでは余りに心もとないんではないかなというふうに思います。
 そこで、アレルギー児童を受け入れている保育園、幼稚園、認定こども園に対しまして支援策の拡充をする必要があると思いますが、加藤少子化担当大臣にお伺いをいたします。
○国務大臣(加藤勝信君) 今、長峯委員から、安倍政権における少子化対策、特に子ども・子育て支援についてるる御説明をいただきました。しかしながら、現状においてまだ保育園を探すことに対して大変御苦労されている多くの方もいらっしゃいます。
 そういったことも踏まえながら、まず二十九年度予算によって保育士の方々の処遇改善等様々な予算を盛り込んでいるところでございます。この予算の成立を図っていただいて、そうした執行も通じながら、待機児童の解消に向けてまずは全力で取り組んでいきたいと思っております。
 その上で、今お話がありました、保育所を利用する子供の食物アレルギー、アトピー等に対する対応でありますけれども、そうしたことへの助言、食育等に関する指導はこれ大変重要であるということで、今お話がありましたが、新制度が施行された平成二十七年度から、質の向上の観点から、食事の提供に当たり栄養士から献立やアレルギー、アトピーへの助言、食育等に関する継続的な指導を受ける施設に対する栄養管理加算を創設をしたところでございます。金額については御指摘がございましたけれども、平成二十八年三月時点で約七割の私立の保育所においてこの加算を取得していただいている、まさに利用いただいているということでございます。
 また、先ほども申し上げましたけれども、昨年六月に閣議決定されたニッポン一億総活躍プランに基づき、技能、経験を積んだ職員に対して四万円又は五千円の追加的な処遇改善を行うための費用が盛り込まれておりますけれども、これについても、栄養士の方について施設の判断によって処遇改善の対象にしていただくことにしております。また、処遇改善に併せて創設する保育士等に関するキャリアアップ研修というのを考えておりまして、そこにおいても食育、アレルギー分野の研修をしっかりと位置付けさせていただきたいと思います。
 引き続き、保育所を利用する児童のアレルギー対策の支援については、保育の現場などの声をしっかりと承りながら、適切に対応していきたいと考えております。
○長峯誠君 アレルギーもかなり程度の差も激しいようでございますので、どういう線引きをしてどういう位置付けにしていくかというところも含めて、是非今後の検討をお願いしたいと思います。
 次に、農業問題について山本農林水産大臣にお伺いいたします。
 まず、中山間地対策についてであります。
 農業を成長産業化させるという方向性は正しいと思います。一方で、農地の四〇%を占める中山間地域においては、大規模化、法人化、六次産業化などを進める上で平地に対して大きなディスアドバンテージを負っています。しかし、中山間地農業対策は、単なる産業政策にとどまらず、地方創生、国土保全、地球環境対策など、多くの政策目的にかなう大変重要な課題だと考えます。
 そこで、自民党では、中山間地農業を元気にする委員会という組織を発足させ、議論を重ね、提言をまとめて大臣に提出をさせていただきました。それを受けて、早速、中山間地ルネッサンス事業として来年度予算におまとめいただいたことに、副委員長として衷心より感謝を申し上げたいと存じます。
 内容としましては、自治体が振興計画を策定した上で取り組むソフト事業への支援、強農やNN事業、直接支払交付金など、既存の主力事業の中山間地優先枠の設定、また、予算と別に事業採択基準の要件緩和にもお取り組みいただきました。人口減少に苦しむ中山間地の皆さんからも大変高い評価をいただいております。
 今回、二十九年度予算で四百億円を計上いただいたわけでございますけれども、予算審議の真っ最中に気の早い話で大変恐縮なんですけれども、今後この中山間地ルネッサンス事業を更に拡大していくお考えはないか、中山間地の皆さんに勇気と希望を与えるような大臣の御決意をお聞かせいただきたいと存じます。
○国務大臣(山本有二君) 長峯委員からの御提言、誠にありがとうございました。
 条件不利地域でありますけれども、逆にこの中山間地域にありましては、豊かな自然、優れた景観、冷涼な気候、こうした特色を持っております。多様な農業生産や都市との交流等に積極的に取り組んでおられる地域も多々見られます。そういう中で、二十九年度当初予算におきまして、このような地域ぐるみでの様々な取組を総合的、優先的に支援する中山間地農業ルネッサンス事業、これを計上いたしましたところでございます。
 本国会におきまして御審議いただいている最中でございますが、この当初予算を認めていただいて、本事業について地域の意見を伺いつつ着実に推進してまいり、更に中山間地域の取組を後押ししつつ、拡大につきましてはその後しっかりと考えていきたいというように思っております。
○長峯誠君 我々党の側では、今年四百億円、来年は五百億円を目指そうというふうに言っておりますので、また是非今おっしゃられたとおりの御検討を進めていただければと思っております。
 次に、ジェトロについてお伺いいたします。
 農林水産物の輸出額は昨年度七千五百三億円に達し、四年連続で過去最高となり、安倍政権発足時から一・六七倍に大幅に増加したところでございます。
 私の地元の宮崎牛もアメリカへの輸出を試みておりまして、現在、和牛の対米輸出の五割を占めるまでなってきております。二〇一九年の輸出額一兆円を目指しまして、来年度予算にも様々な施策が盛り込まれているところでございます。
 そのような中、ジェトロは農林水産物輸出の無料相談窓口として大変大きな役割を負っています。地方の事業者は情報も少なく、海外のバイヤーと接する機会にも恵まれていません。海外輸出にチャレンジしてみたいと思っても、何から手を着けていいかすら分からないというのが実態です。そこで、全国四十五か所のジェトロ窓口が大変身近で敷居の低い相談相手として頼りにされております。
 しかし、先日、奄美大島に視察に行った際、こんな事例をお聞きしました。ある焼酎メーカーがジェトロの商談会に参加し、中国のバイヤーさんと取引をすることになりました。ところが、契約書を交わす段階で、中国語、日本語、英語の三言語で契約書を作成したい、さらには相手国の法律について詳しいアドバイスをもらいたいということでジェトロに相談をしたところ、鹿児島県弁護士会の連絡先を教えていただいたそうでございます。残念ながら、鹿児島県に中国のエキスパートがいるとは思えず、結局その取引はお蔵入りしてしまったそうでございます。全世界にネットワークを張り巡らせているジェトロですから、中国でのビジネスに通じた弁護士など幾らでも連携、提携されているんじゃないかなというふうに思っていましたので、非常に驚きました。
 この点、ジェトロの国際取引の法律相談体制はどうなっているのか、世耕経産大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(世耕弘成君) 今御指摘いただいた奄美大島の焼酎メーカーのケースについてでありますけれども、これ、もう一度、議員の御指摘もいただきましたので、ジェトロの方から連絡を取って、今後もサポートしていきたいという旨を連絡をさせていただいております。
 あと、先ほど御指摘いただいたように、全国四十五か所のジェトロの事務所に無料の輸出相談窓口を置かせていただいていまして、そこで手続ですとか法規制、契約書の作成方法、こういったものに関して個別相談対応をさせていただいております。また、英文契約書の実務講座ですとか海外ビジネス法務に関するセミナーなども実施をさせていただいております。また、今のケースのように、外国における法律ですとか税制度、契約など、より専門的な知識が求められる場合は、ジェトロが契約をしている弁護士や公認会計士による相談対応や各地域の弁護士などの紹介を実施をしているといったところであります。
 あと、今後私が非常に着目しているのは、ジェトロも頑張らせますけれども、やはり総合商社ですね。販路開拓とかそういう経験に富んでいるのはやはり商社だと思います。
 昨年、私も日本貿易会に出かけまして、総合商社にとっては、日本の農産品の輸出というのはまだロットが少なくてなかなか扱う熱意がちょっと足りないところがあるんですが、それぞれ、今、総合商社は抜本的に農産物輸出をビジネスとして扱っていただくように、こういう商社なんかが入ってきたらこういう契約なんというのも中小企業にとっても非常にやりやすい環境が整うんじゃないか。このジェトロと総合商社を活用するという二本立てで、日本の農産品輸出一兆円を目指して経産省としてもしっかり貢献をしていきたいと思っております。
○長峯誠君 昨年、宮崎にも事務所ができまして、私も地元の中小企業の皆さんに、とにかくジェトロをどんどん利用してください、待っていても何も来ませんよ、どんどん遊びに行ってくださいということを言っております。これからも是非頑張っていただきたいなと思います。
 最後でございますが、クロピラリドについてお伺いいたします。
 クロピラリドというのは除草剤です。これは、日本国内では実は使用が認められていないんですが、海外では使われておりまして、牛の餌となる粗飼料、これはアメリカ、カナダ、オーストラリアから入ってくるんですけれども、そこでは広くクロピラリドが使われております。パネルを御覧ください。
 このクロピラリドの除草剤を使ってできた粗飼料を日本に輸入して、そして牛がそれを食べます。そして、牛がふんをして、それを堆肥にします。そして、その堆肥をトマト農家とかスイートピー農家が使うと、ここに生育障害が出てくるんですね。
 昨年秋でございますが、都城市のスイートピー農家で生育障害が発生したものですから緊急調査をしたところ、ほかの農家でも確認をされました。実は宮崎県は全国のスイートピー生産の五割以上を占める主力産地でございます。また、トマトでも生育障害が出るというようなことですが、トマトは四十七都道府県全てで生産されておりまして、この問題は宮崎県だけの問題ではないということでございます。
 農水省としてはこれについてどのような対策を取られるのか、農林水産大臣にお伺いをいたします。
○国務大臣(山本有二君) 我が国に登録のない除草剤でございまして、低濃度でも、御指摘のように、スイートピー、大豆、ナス、トマト、マメ科の牧草等にこれが非常に障害を起こしやすいという特徴がございます。その意味で注意をしなければなりません。当省におきましては、昨年の十二月に通知を発出しまして、関係者に情報をくまなく提供できるように努めております。
 まず、堆肥にクロピラリドが含まれる可能性に関する情報、川上の畜産農家等から園芸農家まで確実に伝達する仕組みを導入いたしました。また、生育障害が発生した場合には、園芸農家から当該堆肥に係る粗飼料の輸入販売業者までその旨を伝達し、クロピラリドの残留量の低減に向けた取組の徹底を要請しているところでございます。また、このほかに、関係者に対する注意喚起用のリーフレットを作成し、都道府県を通じて現在、生産現場への配付を着実に行っているところでございます。
 さらに、被害の防止に向けた知見の蓄積を図るために、輸入飼料と堆肥の中にどの程度クロピラリドが残留しているか等、実態調査を行うとともに、農作物の生育障害が生じる堆肥中クロピラリド濃度を明らかにするための緊急研究を実施しております。
 いずれにしましても、これらの取組を総合的に実施させていただきまして、現場の皆さんが安心して営農できるように万全を期してまいりたいというように思っております。
○長峯誠君 大臣、地元の関係者によると、今回農林水産省が大変御熱心にこの対策に取り組んでいただいているということで、改めて感謝を申し上げたいと存じます。
 ただ、この問題、非常に厄介でございまして、クロピラリドが入っている堆肥は生育障害が出るときもあれば出ないときもあると。また、生育障害の原因というのはもう種々雑多でございますので、本当にクロピラリドだけが原因なのかというのを判定するのも非常に難しいと。さらに、粗飼料の輸入は、アメリカ、カナダ、オーストラリアで九九%でございますので、ほかの国に替えるということも、これはなかなかできないんですね。
 さらに、じゃ、この牛の堆肥を使わずに、化学肥料とか豚や鶏の堆肥に替えればいいかといいますと、これもう牛ふん堆肥というのは土壌改良材として大変優れているという特性がございまして、簡単に代替が利かないということでございます。
 ですから、今は注意喚起というところにとどまっておりますが、いずれにせよ、きちんとした科学的アプローチが必要でございますので、是非農水省挙げて試験研究重ねて、スイートピー農家が安心できるよう、強く要望を申し上げたいと存じます。
 ちなみに、「赤いスイートピー」という歌がございますけれども、あの曲が発表されたときはきれいな赤色のスイートピーはまだ存在していなかったそうでございます。歌のとおりの赤いスイートピーを作りたいなというこの熱い思いでもって品種改良を重ねて、今ではきれいな赤いスイートピーが見られるそうになったそうであります。これが本当の念ずれば花開くというやつでございます。
 安倍総理始め内閣の皆様方には、国民の幸せを実現するとの熱い思いを持って、花開きますように御精励賜りますことをお祈り申し上げ、私の質問を終わります。
○委員長(山本一太君) 以上で長峯誠君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、魚住裕一郎君の質疑を行います。魚住裕一郎君。
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
 二月二十七日に、衆議院から予算案また税制関連法案を送っていただきました。二〇〇九年以来ということでございまして、戦後二番目の早さということでございます。日を空けずに翌二十八日からこの審議に入っておりまして、年度内成立はもとより、一日も早い早期成立を目指して審議を尽くしていきたいと思っております。早期成立こそ最大の景気対策であると、このように考えているところでございます。
 また、早いといっても衆議院では七十七時間審議しておいでになりまして、ここ数年では最も長い間、長い時間掛けて審議しておりまして、与野党共に日程闘争というよりも充実した審議で国民の理解を得る本来の議会の在り方ではないか、参議院として心から敬意を表するものでございます。
 さて、来年度予算でございますが、総額九十七兆四千五百四十七億円という膨大な金額になってきているわけでございますが、未来への投資を前進させる、先ほどもございましたけれども、保育士の賃金の引上げでありますとか、あるいは給付型の奨学金の創設、あるいは低所得者世帯の学生に対する無利子奨学金の成績基準を実質的に撤廃をする、あるいは介護士の賃金を引き上げていく、あるいは年金の受給資格も加入期間を二十五年から十年に短縮していくというふうに、本当に国民の希望が行き渡るような、そういうような取組であるというふうに評価をしているところでございまして、しっかりと審議をし、一日も早い成立を図ってまいりたいと思っているところでございます。
 さて、教育関係が大きくクローズアップをされているところでございますが、本年一月十七日付けの新聞に東京都の話が出ておりました。都内の私立高校の授業料が、世帯収入七百六十万未満が、国の就学支援金もありますけれども、都がそれを上乗せして特別奨学金、都内の私立高校の平均授業料が四十四万二千円でございますので、そのような要件でいくと大体五万一千人の方々の実質的な授業料が免除になるという形になるわけでございまして、一月十六日の小池知事の会見では、公明党は前から要請していたものですから、公明党と話が調った、一致できてよかったというような、そういう記者会見になっているところでございます。
 よく考えてみたら、東京都は私立に通う生徒の割合が五六%なんですね。それで、全国平均は三二%ですから、ほかを見てまいりますと、大阪府では大体世帯年収が五百九十万未満、また埼玉では世帯年収が五百万未満の方には実質無償化というふうになっているところでございます。
 自治体、特に大都会の私立高校の実質無償化、こういう取組に対して文科省としてどういう評価をされているのか、文科大臣の御意見を賜りたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) 東京都や大阪府、埼玉県などにおいては、国の高等学校等就学支援金に併せて、一定の所得以下の世帯を対象に、それぞれの都府県における私立学校等の授業料平均相当額まで授業料を独自に支援する取組について対象世帯の拡充を図っていると承知をしております。
 高校生等への就学支援については、国の支援に加え、私立高校に通う生徒数や割合などそれぞれの地域の実情を踏まえた都道府県の支援とが一体となり教育費負担を軽減することが重要であり、その観点からも東京都などの取組は他の都道府県の参考にもなる意欲的な取組と承知をしております。
○魚住裕一郎君 冒頭御紹介をさせていただきましたけれども、奨学金でありますとか、そういうふうにいろんな工夫をされているところでございまして、教育への投資ということで大きくクローズアップしているところでございます。
 ただ、それをつかさどる文科省、今国会が召集された一月二十日、この文科省における天下り問題が発表になり、また二月六日、そして二月二十一日に中間報告というふうになってきたわけでございまして、そこで見える実態というのは、本当に天下り規制に対して何でこんな抜け道的なものをつくり上げたのかなというような、口裏合わせまで含めて築き上げてきたという実態が浮かび上がってまいりました。
 また、その調査の中で、例えば滋慶大学の設置をめぐる不明瞭な関係といいますか、大学審議と人事と関係ないにもかかわらず、そこで国家公務員法の信用失墜行為のようなことが指摘されたり、また外交官のあっせんということもございました。文科事務次官から外交官になった人もいるわけでございますが、そういうような何かバーターしているのかなみたいなものも見えてくるところでございまして、この一連の、まだまだ三月末に向けて徹底調査をする、そしてまた幹部職員の責任や処分をするということでございますけれども、三月末に向けてこの天下り問題についての文科大臣の御所見を、決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) 教育をつかさどり、法を遵守すべき立場にある文部科学省の職員が国家公務員法に違反する行為を行ったことは、国民の文部科学行政に対する信頼を著しく損ねるものであり、省を挙げて猛省するとともに、文部科学省の責任者として心よりおわびを申し上げる次第であります。
 本事案については、二月二十一日に中間取りまとめを公表させていただきましたが、まずは中間取りまとめで十分に確認できなかった事案を含め、三月末までに行う最終報告に向けて、全職員や退職者を含む徹底的な調査を進め、全容を解明し厳正な処分を行うとともに、実効的な研修の実施など再発防止策をしっかりと検討し、着実に実行してまいります。
 このような取組を徹底し、一刻も早く文部科学行政への国民の信頼を取り戻すことができるよう、省を挙げて全力で取り組んでまいります。
○魚住裕一郎君 この天下り規制、今までは営利企業への天下りは駄目よみたいな、そうじゃなくて今回は非営利。そうすると、文科省関係というのは非営利の、大学も含めてです、多いからそういう枠組みをつくったのかなみたいなですね、思ったわけでございますが、全省庁しっかり取り組むということでございますが、いつ頃までに全省庁のこの調査というのは上がるんでしょうか。
○国務大臣(山本幸三君) 今般の文部科学省事案で生じました国民の疑念を払拭するために、安倍内閣総理大臣から私に対して、同様の事案がないかどうか全省庁について徹底的な調査を行うよう指示がございました。調査は各省任せではなく内閣人事局が直接実施するものであり、外部の弁護士を含む再就職徹底調査チームを立ち上げ、現在鋭意調査を進めているところであります。
 大事なことはしっかりとした調査を厳正に行うことでありまして、最初からスケジュールありきというわけにはなかなかいきません。ちょっとまだスケジュール感もできていないところでありますけれども、徹底的に調査を行って国民の信頼を回復したいと思っております。
 一方で、調査結果が出次第、速やかに結果を明らかにすることは大変大事でありますので、私の指揮の下、スピード感を持って進めてまいりたいと思います。
○魚住裕一郎君 大臣の決意は分かりましたけれども、その文科省の調査の班についても外部の弁護士入れる、また調査班の中にその弁護士入れてやる、そういうような取組をされていたわけでありますが、本当に人事局の陣容で膨大な公務員のことを調べ上げることができるのかという疑問なしとしないわけでございまして、そんなところも含めて御検討をいただきたいと思っております。
 それで、総理、今回の文科省の事案については、特定のOBが関わってそういうルートができているというのが明らかになったわけでございまして、そこの、OBとのそういうものをつくったこと自体への規制が必要ではないのか。また、今回、再就職等監視委員会、機能したとも言えるわけでございますが、しかし、委員長と、それから職員も少ないわけでございまして、もっと体制強化すべきではないのか。さらに、そもそも人材群ですよ、日本の貴重な人材群が、やはり役所を退職した後、官民人材交流センターというのがあるんですが、これ実際には交流になっていないといいますか、活用されてももっといいんではないのかなという、抜本的な取組をしていく必要があるんじゃないかなと思っているわけでございますが、総理の御判断をお示しをしていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いわゆるこの天下りとは何かといえば、まさに予算や権限を背景とした民間に押し付ける人事でありまして、これがいわゆる、これは公務員OBによる口利きなど官民癒着の温床となってきたわけでありまして、そこで、第一次安倍政権のときに、それ以前は各府省において組織の新陳代謝のために人事当局による勧奨退職、いわゆる肩たたきを行い、その一方、あっせんをするという人事がこれは行われていたことは事実でございます。そこで、今申し上げましたように公務員制度改革を行い、このような官民癒着の温床を根源から排除するために、営利企業はもとより、非営利法人への再就職についても、これは大変な実は、事実大きな抵抗があったんですが、官庁によるあっせんを一律に禁止することとしたわけでございます。しかし同時に、それをしっかりと見ていかなければいけませんから、今委員が御紹介いただいたような再就職等監視委員会を設置をして厳しく監視をした、その結果、今回の発覚につながったわけでございます。
 そこで、この体制が十分か、あるいは、そもそも役所の人事がかつては行っていたけれども、そうではなくてOBが人事とつながりながらやっているということについてはどうなのかという御指摘もございました。それはまさに今回の文科省における調査、そして山本大臣の下に行われている調査の結果を十分に踏まえながら、何が必要かということも山本大臣の下で検討していくことになるだろうと、このように思います。
○魚住裕一郎君 しっかり取り組んでいきたいと思っておりますし、また、与党の一角として引き続き一緒になって調査をして推進をしていきたいと思っております。
 次に、経済の好循環への決意ということをお聞きをしたいと思います。(資料提示)
 お手元に資料が行っていると思いますけれども、実はこれは、簡単に図式しておりますが、これ二月十二日付けの我が党の公明新聞の一面のまとめ記事でございます。二月十二日でございますものですからちょっとずれがありまして、この左下の四十四兆円増というのが実は翌日発表で四十七兆円になっているんですね。更に良くなっているということを更にメモしていただきたいと思いますが、二〇一六年十―十二月期、五百三十九・四兆円になって四十七兆円になっているということでございます。安倍内閣になって就業者数は百七十万人増ということがこの右上、そして、賃上げ二%、三年連続で二%を超えている、また中小企業の収益も五兆円増という、本当に、先ほど来からございますが、アベノミクスしっかり推進をしてきてこういうところまで来たという、その結果をこの新聞として一般者に理解をしていただこうという形で示させていただいたところでございます。
 好循環、やはりこれを分配をしていくというその循環が一番、成長と分配の循環が一番大事だと思っておりまして、更なる確固たるものとするためにアベノミクスの推進に対する決意を一言述べていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自公政権ができる以前は、長引く経済の低迷の中にあって、人口が減少していけばもう経済は成長していかないんではないかという、こういう悲観論が蔓延していたわけでありますが、私たちが進めてきた経済政策の結果、まさに四年間で名目GDP四十七兆円でありまして、そして、まさに九・五%、九・五%も成長することができたわけでございます。
 そして、まさに大切なことは働く場所がちゃんとあるということでございますが、百七十万人増加をいたしました。確かにその間、今まで正規が増えていないではないかと、こういう批判を受けておりました。確かに正規の壁はあったんですが、しかし正規雇用についても一昨年これ八年ぶりにプラスに転じました。八年ぶりにプラスに転じた。プラスというのは、まさにこれは人口が減少する中で絶対数をプラスにするというのはなかなか大変なんですが、そしてそれは昨年と合わせて七十七万人、雇用全体で百七十万人、そして正規も七十七万人増加をいたしました。
 この間、実は正規雇用と非正規雇用を比べてみますと、正規が七十七万人、非正規が五十四万人で、逆転することができたということにもなるわけであります。また、賃上げにおきましても、中小企業を含めて今世紀に入って最も高い水準の賃上げが続いておりますが、そこで今、魚住委員が指摘されたように、経済の好循環回していくということは、まさに経済を良くしていく。そして、税収も増えました。国、地方合わせて二十二兆円になった。
 この果実、私たちが進めてきた経済政策の果実によって、まさに私たちが進めようとしている希望出生率一・八や介護離職ゼロのためにちゃんと投資をしていく、その中で社会基盤の安心がこれ生まれてくるわけでございます。この安心の上に、更に成長分野に投資をしていくことによってまた成長し、果実を生み、その果実をまたそうした分野にちゃんと投資をしていくという、この成長と分配の好循環を、経済の好循環を回していくことによって成長と分配の好循環を回していく。国民みんなが生きがいのある、安心して暮らせる日本をつくっていきたいと、このように思っております。
○魚住裕一郎君 そこで、昨年秋の臨時国会でございますけれども、いろんな条約といいますか、TPP承認されました。そのとき私たちは、世界のGDPの四割、人口八億だと、巨大なマーケットを創出するわけで、TPPというのは成長戦略の柱の一つなんだという、そういうようなことを言ったわけでございますが、政府においても、TPPの発効によって実質GDPが十四兆増加して、また労働供給は八十万人増加するという、そういう試算もされていたわけでございます。
 残念ながら、一月二十三日ですか、トランプ大統領、離脱の大統領令に署名をいたしました。発効が見通せないような状況になったわけでございますが、しかし、我が国の経済成長へとつなげていくために経済連携協定どのように進めていくのか。EUもある、またRCEPもあるということで、今議論も進めているようでございますけれども、しかし、やはりRCEPは、TPPから見れば全然、まあレベルと言っちゃおかしいんですけれども、やはりその自由度、高い自由度、あるいは透明性の高い投資ルールになっていないわけでございまして、日米共同声明の日米経済関係の中で、離脱した点に留意し、これらの共有された目的を達成するために最善の方法を探求することを誓約したという、そういう表現があるわけでございますが、この成長の糧としての経済連携協定をどのように進めていくのか、お示しをしていただければ有り難いと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私もトランプ大統領にはもう何回もTPPの重要性についてお話を、もしかしたら向こう側も大変しつこいと思われたかもしれませんが、お話をさせていただいたところでございますが、結果は御承知のとおりでございます。
 我が国は、自由貿易の旗手として、自由で公正な市場をアジア太平洋地域を始め世界に広げていくことを目指しているわけでございます。先般も首脳会談の際には、この重要性、意義について、これはやっぱりルールが大切なんですよ、自由で公正なこういうルールを作っていくということではないでしょうかというお話をさせていただいたんですが。
 そこで、これは共同声明にも入っているんですが、米国は日本が既存のイニシアティブを基礎として地域レベルの進展を引き続き推進することについても了解をしております。米国の離脱表明後も、日本がTPPにおいて持っている求心力を生かしながら、今後どのようなことができるかを米国以外の各国とも議論をしていきたいと思います。
 数年間の交渉を経てTPP協定に結実した新たなルールは、今後の通商交渉におけるモデルとなるものであります。まさに今委員がおっしゃったように、高い水準とは、例えば知財の重要性、そしてまた労働条件ですね、労働条件や環境、そういうものも入っていますし、国有企業に対する制限、ちゃんとこれ入っているんですね。これが果たして本当にRCEP等々に入っていくかということがあるわけでありますから、まずこのスタンダードの、いかにこれが大切か、多くの人たちにこれ裨益していくんだということをしっかりと、これからもアジアの国々あるいはRCEPの関係の、FTAAPの国々にも説いていきたいと思うわけでありますが、この通商交渉のモデルを二十一世紀のスタンダードにしていきたいと、こう考えているわけでありまして、この成果を基礎として、日EU・EPA、RCEPなどの交渉において質の高い協定を目指し、自由貿易の推進に全力を尽くしていきたいと考えております。
○魚住裕一郎君 是非、その意気込みでお願いをしたいと思います。二十一世紀のスタンダード、非常に大事な視点だなと思っておりまして、これだけで諦めるわけじゃないということがよく分かりました。
 去年の臨時国会、もう一つ大事な協定がありまして、気候変動対策の枠組みでございますパリ協定が発効になったわけでございます。CO2実質排出ゼロを目指していかなきゃいけないわけでございますが、これは一月二十五日の我が党の山口那津男代表の代表質問の中でも取り上げさせていただいたわけでございますが、やはり今まで我が国は二国間、JCMで、そのクレジットを通じてこの優れた技術を活用して世界の排出削減に貢献してきたわけでございますし、これからもやっていかなきゃいけないなというふうに思うわけでございます。
 そしてまた、一方で、我が国は五番目の温室効果ガス排出国でございまして、日本は三%を占めているということでございます。環境先進国としてしっかり我が国国内の排出を大幅に削減をしていくということが大事かというふうに思っているところでございます。
 一方で、トランプ大統領がこの間、クリーン・パワー・プランを撤回するかどうか、要するに火力発電所のCO2排出を規制する政策を撤回するかどうかということが、アメリカのEPAの影響も、これをどうするかということもあるようでございますが、排出規制のこの核になる部分がどうも撤回されそうになっているという状況の中で、我が国もやはり環境先進国としてしっかりアメリカも含めて取り組んでいただくということを働きかけていく必要があろうかと思っております。
 まず、そういう状況を踏まえて、山本環境大臣に、我が国の二〇三〇年二六%削減、二〇五〇年八〇%削減という、そういう中期目標も掲げてございますけれども、国内での大幅削減を実現しつつ世界全体の削減にも貢献していく、そういう決意を伺います。また、総理にも同じように、世界の貢献とともに、我が国の中における大幅な削減というものを、決意をお伺いをしていきたいと思っております。
○委員長(山本一太君) それでは、まず山本環境大臣。
○国務大臣(山本公一君) 先生御承知のとおり、パリ協定の目指す脱炭素社会に向けての動きはもうこれ後戻りすることはないと、かように思っております。
 平成二十八年五月に閣議決定した地球温暖化対策計画に基づきまして、二〇三〇年度に二六%削減目標の着実な達成を図るべく、徹底した省エネルギーの推進や最大限の再生可能エネルギーの導入等に取り組んでまいります。また、二〇五〇年八〇%排出削減に向けまして、環境省では、気候変動対策を契機としたイノベーションの創出により経済社会的諸課題の同時解決につなげる等の視点を盛り込んだ長期低炭素ビジョンを今月取りまとめます。これを環境省としての長期大幅削減に向けた基本的な方針とするとともに、長期戦略の策定に取り組んでまいります。
 さらに、我が国が有する優れた技術やノウハウ等を生かして国内での大幅な排出削減を目指すとともに、また、世界全体の排出削減に最大限貢献し、我が国の更なる経済成長につなげてまいりたいと思っております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国内における排出量削減については、これは省エネルギーの徹底、そして再生可能エネルギーの最大限の導入などを通じてしっかりと取り組んでいきます。
 そこで、例えばいろいろなところで、このCO2の排出削減に対して慎重な人々は、これは経済成長についてマイナスなんではないかという人々がいるわけでございます。そこで大切なことは、地球温暖化対策と経済成長を両立させることだろうと思います。その鍵はイノベーションであると思います。国際的な水素サプライチェーンを構築するなど世界に先駆けて取り組み、イノベーションによる解決を進めていく、こうすれば世界に成長とまさにこの地球温暖化対策を共存というか、これ並立させることができるということをしっかりと日本が示していきたいと思っています。
 引き続き、内閣の最重要課題として地球温暖化対策に全力で取り組み、国内での大幅な排出削減を目指すとともに、世界全体の排出削減に最大限貢献し、これらの取組を我が国の更なる経済成長につなげていく考えであります。
○魚住裕一郎君 ある意味では、本当に大きなチャンスと言ったら表現は悪いんですけれども、イノベーションのいい機会だなというふうに思っておりまして、私どももしっかりと推し進めていきたいと思っております。
 次に、金融政策の方向性につきまして日銀総裁にお聞きをしたいと思います。
 新聞記事見ますと、アベノミクスに手詰まり感という表現が出てくるんですね。金融政策に対する手詰まり感という指摘でございます。浜田宏一先生も、シムズ・プリンストン大学教授の物価水準の財政理論というのを踏まえて、量的緩和、マイナス金利政策の限界というものを示しながら財政拡大の必要性について言及をされているところでございます。
 ただ、この理論、詰まるところ、増税というよりもインフレで返済するのかなというふうになっていくわけでございますが、一方で財政規律がないがしろにされるのではないかという懸念が指摘されているところでございます。先ほどPBの話がございましたけれども、やはりこの財政規律ということも大事なのかなとは思っております。
 先般、黒田総裁は、物価水準の決定に当たって金融政策が引き続き非常に重要なファクターであるというふうに答弁されておりますけれども、二%の物価安定目標を達成するための今後の金融政策の方向性を示していただきたいと思っております。
○参考人(黒田東彦君) 御案内のとおり、二〇一三年一月に政府との共同声明におきまして、政府と日本銀行の言わばデフレ脱却と持続的な成長達成のために果たすべき役割を明確にしております。そこで、日本銀行は、金融緩和を推進して二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現することを目指すということとされております。
 こうした下で、日本銀行は、二〇一三年の四月に量的・質的金融緩和を導入いたしましたし、さらに、経済状況を踏まえまして二〇一四年十月に量的・質的金融緩和の拡大を行いまして、さらに、二〇一六年、昨年の一月にはマイナス金利付き量的・質的金融緩和を導入いたしました。
 それによる効果、それから副作用も含めて総括的な検証を行いまして、昨年の九月には新たにこの枠組みを強化して、いわゆる長短金利操作付き量的・質的金融緩和というものを導入いたしました。これは、これまでの言わば国債買入れによるマネタリーベースの拡大目標、それを金融調節方針としていたのを変えまして、長短金利というイールドカーブを経済、物価、金融情勢に合わせて適切なものにしていくという形にいたしまして、より柔軟で持続可能性のある金融緩和にしたわけでございます。
 日本銀行としては、もちろん今後とも、二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するため、この長短金利操作付き量的・質的金融緩和の下で強力な金融緩和を粘り強く推進していく所存であります。
 財政政策が経済あるいは物価に影響があることは当然でございますが、やはり国際的にもまた理論的にも物価に最も大きな影響を与えるのはやはり金融政策であろうということ、これは国際的な言わば常識というか、中央銀行のみならず多くの経済学者もそういうふうに考えておられますし、私どもとしても、政府との共同声明に従って、しっかりと二%の物価安定目標を実現すべく強力な金融緩和を続けてまいります。
○魚住裕一郎君 ありがとうございました。
 日銀総裁、御退席されて結構でございます。
○委員長(山本一太君) どうぞ御退席ください。
○魚住裕一郎君 それで、今、働き方改革ということが大きく、春闘も含めて、どういう方向性でまとまるのか固唾をのんで見ているところでございますけれども、我々よりもちょっと若い世代、就職氷河期時代というのがございまして、バブル崩壊、あるいは超氷河期、それからリーマン・ショックの後とかですね、本当にきちっと大学卒業したけれども正規に就けなかったと。バイトでつながってきて、それでいまだにそういう状況になってきていると。結婚もできない、子もつくれないという、そういうような就職氷河期世代という問題があります。親もだんだん七十、八十になってくると。親の年金で、そうなってくると無業状態になっていくという、もう諦めてしまうというそういうようなことも出てきているようでございまして、将来的には生活保護かという、そんなふうに見えるわけでございます。
 本年度予算も就職氷河期に対する就職の支援について予算化されていると思っておりますけれども、是非しっかりと取り組んでいただきたいと思っておりますが、どういうような取組なのか、御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お話のございました就職氷河期、ちょうど今、三十五から四十五、六歳、こういう方々でございますけれども、就職時期にこの時期を迎えてしまって、現在、不本意ながら非正規雇用で働いている方々がおられるわけであります。
 平成二十九年度の予算案についてのお尋ねでございますけれども、ここでは支援対象者の意欲喚起などを行う短期集中的なセミナーの実施、あるいは職業訓練への誘導強化、あるいは人材不足分野での就職面接会などの開催、そして正社員として雇い入れた事業主に対する助成措置の新設などを盛り込んでおりまして、これらの取組によって、ちょうど今、雇用失業情勢改善をして、アベノミクスで改善をしているわけでありますので、この時機をまさに捉えて正社員就職のための支援を強化しなければならない。
 今、千載一遇のチャンスというか、ラストチャンスともいうべきときだろうと思いますので、しっかりやってまいりたいというふうに思います。
○魚住裕一郎君 ソーシャルインクルージョンという、そういう趣旨も含めてしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 次に、続きまして、核兵器禁止条約交渉会議に関する日本の対応という観点でお聞きしたいと思います。
 昨年はオバマ大統領が核なき世界ということで広島に訪問をしていただきました。また、十二月に真珠湾に安倍総理がお行きになったわけでございます。国連総会で核兵器の廃絶決議が採択になっているわけでございますが、この核兵器禁止条約交渉会議の決議についてはこれは賛成しなかったわけでございます。その当時、私どもの理解では、核保有国と非保有国との溝を深めてはならないと、しかし交渉会議には参加するんだというような、そんなふうな説明を受けたというような理解でございます。
 先月、二月の十六日、この準備会合があったわけでございますが、日本は不参加でございました。三月二十七から三十一、交渉会議があるようでございます。
 一方で、トランプ米大統領、先般の新聞では核戦力の増強への言及がなされました。どの国も核を持たないのが理想だけれども、核保有国があるなら我々は先頭にいたいという、そういう表明をされたわけでございます。
 禁止条約交渉会議に向けて日本の在り方が問われているんではないのかなというふうに私は思っておりまして、唯一の戦争被爆国でございます。着実な核兵器の削減、軍縮、廃棄に向けた具体的な行為を積み重ねていくことが重要ではないのか、保有国と非保有国の間に入って触媒として合意をつくり上げていくということではないのかなと。
 言うべきことは言うというふうにおっしゃったわけでございますが、基本的にどういうような姿勢で臨まれるのか、外務大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 核兵器禁止条約交渉への対応について御質問いただきましたが、まず我が国の核軍縮・不拡散に対する基本的な立場、核兵器の非人道性に対する正確な認識と厳しい安全保障に関する冷静な認識、この二つの認識の下に、核兵器国と非核兵器国の協力を得て現実的、実践的な取組を進めていく、これが基本的な立場であり、この立場は一貫しております。
 そして、我が国は、例えば包括的核実験禁止条約、CTBTにおきましては、発効促進調整国、カザフスタンとともに共同議長を務めて議論をリードしています。また、核兵器用核分裂性物質生産禁止条約、FMCTにおいては、先日、ハイレベル専門家会合、二十五か国が選定されましたが、我が国はこの二十五か国の一つに選定をされました。議論をリードしています。
 我が国は引き続き、現実に核兵器を持っているのは核兵器国ですので、核兵器国の協力を得なければ結果を出すことができない、さらには核兵器国の参画を得て現実的、実践的な取組を進めていくべきである、これをしっかり主張していかなければならないと思います。
 そして、是非この主張をしっかり行いたいと思っていますが、核兵器禁止条約交渉につきましては、これから政府全体としてこの対応を決定しなければなりません。御指摘の組織会合、要するに準備会合等も行われましたが、今情報を収集して、どんな方式で議論が行われるのか、そしてどんな環境でこれが議論が行われるのか、こうしたものをしっかり確認した上で政府全体として対応を決定したいと考えます。
○魚住裕一郎君 その準備会合には中国が参加したという、そういう情報もありますし、三月の末の交渉会議は、もう本当に、前文から始まって中身がだんだん詰まっていくという、そんなこともあるようでございますが、しっかり対応方お願いをしたいと思っております。
 次に、経産大臣に、ミャンマーに対するプログラムといいますか、協力体制についてお聞きをしたいと思います。
 先月にミャンマーのタン・ミン商業大臣が日本においでになりました。私も二回お会いさせていただいたわけでございますが、アウン・サン・スー・チーさんの本当に信任の厚い方であるようでございまして、日本の協力、また雇用の面あるいはティラワ経済特区の開発について大変感謝をしておいでになりました。もちろん親日国でございますし、総理も二〇一三年お行きになって、スー・チーさんも去年おいでになったわけでございますけれども、二月に経産大臣お会いになったと思いますけれども、そのティラワで一生懸命開発して、日本の企業が出ていっていると思いますが、日本は、ODAといえばインフラと人材の育成ということが大きなポイントになるわけでございますが、この第二の建国期ともいうべきミャンマーの現状に対して、本当に日本が、経産省として何を手を差し伸べられるのか。
 例えば、中小企業もどんどん出ていけるようにした方がもっともっと雇用もいっぱいできるんではないのか、そういうようなことなのかなと思っておりますが、ミャンマーの支援に対する経産大臣の御所見をいただきたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 今、ミャンマーは、非常に豊富な人口と、そして天然資源に恵まれている国であるわけですけれども、やはり二つ今御指摘のような大きな問題がありまして、なかなか順調にまだ発展の軌道に乗っていないと思っています。
 まず一つは、やはり水とか電力とか交通といったインフラが整備されていないためになかなか企業誘致が進まないという点。二つ目が、それとも関連しますけれども、産業人材が十分に育っていない。この二点だというふうに思っています。
 先日、このタン・ミン商業大臣と私、二回目の会談を二月十六日に行いました。その際もこの二点を中心に、インフラによる企業誘致とそして産業人材育成についてこの大臣としっかり議論をさせていただきました。
 一番目のインフラ整備による企業誘致については、今御指摘のティラワという経済特区、ここをもう集中的に日本が応援をしていくということで進めていくという形になっております。円借款で電力とか水とか交通といったインフラをしっかり整備をして、山手線の内側の四〇%の面積に当たる工業団地を造っていくということであります。
 ここにいかに日本が熱意を持っているかということを示す意味でも、二〇一三年五月に安倍総理自らが現地に入られて、協力覚書に署名をされて協力がスタートをしております。
 このとき私、官房副長官として同行していまして、経済特区と言われている入口のところで水牛がのんびり草を食べていたりとか、ここに本当に工業団地できるのかなと思っていましたが、その後極めて順調にプロジェクトは進んでおりまして、まず早期開発区域というのを開発を進めていまして、既に日本企業三十九社を含む合計七十八社が予約契約を締結して、そしてこの地域ではもう既に三千人の雇用が生み出されております。この早期開発区域だけで将来的には五万人から六万人の雇用創出ができると言われています。
 また、二月二十四日には次期開発区域の起工式が行われました。こちらの開発もこれから順調に進んでいくと思います。ただ、この早期と次期を合わせてもまだ全体の二割でありまして、今後また努力をしていかなければいけないと思います。
 このタン・ミン大臣は経済特区中央委員会事務局長という立場でもありますので、このティラワをどういうふうに進めていくかということについても会談のときにかなり踏み込んで話をさせていただきました。
 なお、このティラワに今進出を計画している会社は決して大企業だけではなくて、例えば縫いぐるみを作っている会社とかカメラの三脚を作っている会社、こういうところも進出を考えていまして、日本の中小企業が進出をしていくというふうに思っています。
 二つ目の産業人材の育成については、一昨年十一月、ASEANで安倍総理が産業人材育成協力イニシアティブというのを打ち出されております。それに基づいてミャンマーに対してもいろんな協力をやっています。
 昨年十月からはヤンゴン大学で5S、整理、整頓、清潔、清掃、しつけとかですね、カイゼンといった、これ、日本の物づくりのノウハウを通じて課題解決能力を養う、こういう寄附講座を開講しておりますし、また、ヤンゴン情報技術大学においては、IoTなど高度IT技術に関する講座を今月下旬から開講する予定であります。また、ミャンマー工業省の職員のキャパシティーを上げようということで、こちら側から長期、短期の専門家を派遣したり、向こう側の研修員を受け入れるというようなこともやらせていただいております。
 経済産業省として、ミャンマーは非常に重要な国としてその発展にしっかり貢献する必要があると考えております。
○魚住裕一郎君 どうぞよろしくお願いをいたします。
 続いて、次に、法務大臣にお尋ねをさせていただきます。
 平成二十九年度予算で、裁判所所管でございますが、修習給付金十一・五億円が計上されております。これは、平成二十三年度に廃止された給費制の事実上の復活というふうに捉まえるべきだろうというふうに思っておりまして、修習生に一律月額十三万五千円が給付されるという形になるわけでございます。
 司法制度改革ずっとやってきて、それで法科大学院つくって法曹養成という制度を変えてきたわけでございますけれども、平成十六年に七万人を超えていた法科大学院の志願者が二十八年度には八千三百人まで激減しているという、そういうことになるわけでございまして、借金背負って大学行って、大学院行って、さらに修習も借金だらけみたいになるようなのは、本当に法曹としてきっちり社会に貢献できるのか。
 そういう意味で、今回の、給付金という形になるわけでございますが、実質的な復活、大変評価するところでございますが、法務省の見解をお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(金田勝年君) 魚住委員の御質問にお答えをいたします。
 私ども法務省は、平成二十九年度以降に採用予定の司法修習生に対しまして修習給付金を支給する制度を創設すること等を内容といたします裁判所法の一部改正法案を今国会に提出をいたしたところであります。
 制度の概要なんですけれども、修習給付金の具体的な支給金額につきましては、最終的には最高裁判所規則において定められることになるのでございますが、基本給付金としては、ただいまの委員の御指摘のとおり、全ての司法修習生に対して一律に月額十三万五千円を支給するほか、司法修習生が住宅を借り受けたり家賃を支払っている場合には、住居給付金といたしまして月額三万五千円、司法修習に伴いまして住所や居所を移転することが必要と認められます場合には、その移転につき移転給付金として国家公務員の旅費法の移転料に準拠した金額を併せて支給することを予定をいたしております。
 また、現在実施されております貸与制につきましては、貸与額を見直しをいたしました上で新たな給付制度と併存するということにいたしております。これは、ただいま御指摘のありましたように、法曹志望者が大幅に減少しておるという状況、新たな時代に対応した質の高い法曹を多数輩出をしていくためにも、法曹志望者の確保というものは喫緊の課題であるという考え方に基づくものであります。
 平成二十七年六月の法曹養成制度改革推進会議決定におきまして、司法修習生に対します経済的支援の在り方について検討するとされましたほか、魚住先生を始め与党の先生方のお力により、昨年六月の骨太の方針においても法曹人材確保の充実強化を推進することがうたわれたものと承知をいたしております。
 これを受けまして、法曹人材確保の充実強化の推進等を図るために修習給付金制度を創設することとしたものでありまして、法務省としては裁判所法の一部改正法案の早期成立に向けまして引き続き努力をしてまいりたい、このように考えておる次第であります。
○魚住裕一郎君 三権という、その一角を占める司法、やはり人材確保が大事でございますので、この給付金の制度、非常に高く評価をするものでございます。
 続いて、法務大臣に御答弁いただきたいんでございますが、昨年五月にこの参議院法務委員会、百九十国会、私、法務委員長をやらせていただいて、超党派で、全会派が賛成いただきまして立案したのが、ヘイトスピーチ解消法というのが成立をいたしました。具体的な罰則の定めなくて、国やあるいは自治体、相談体制の整備などを求めることを定めた理念法であるわけでございますが、しかし、横浜地裁の川崎支部あるいは大阪地裁においてこの法律を根拠にデモを禁止する仮処分決定が出される、具体的なその実効性が上がってきているというふうにも思うところでございます。
 ただ、理念法なので、自治体がどう判断するか、取組に迷うところがあるわけでございますが、先月の四日ですか、法務省は、参考情報として各自治体にこの解消法の定める理念をどのように普及させていくかという、そういう参考情報というものを発出したというふうに承知をしておりますが、もちろん、このヘイト、これがヘイトスピーチなんだよと言うと、じゃ、それじゃなければヘイトスピーチじゃないんだねみたいなことになるもので、非常に機微を要するところでございますが、この参考情報につきまして若干御説明をしていただきたいと思います。
○国務大臣(金田勝年君) 魚住委員にお答えをいたします。
 法務省は、ヘイトスピーチの解消に向けた法律の施行を踏まえまして、いわゆるヘイトスピーチが許されない旨の啓発活動、それから被害相談への対応体制の整備といったものを実施してきているところであります。
 また、ただいま御指摘ございました関係地方公共団体あるいは関係省庁の出席のヘイトスピーチ対策専門部会を開催をいたしておりますほか、地方公共団体がヘイトスピーチの解消に向けた施策を行うに当たりまして参考となる情報を希望する地方公共団体に対して提供をするなど、この地方公共団体と連携した取組、そしてまた関係省庁と連携した取組を重視して実施をいたしております。
 今後予定している取組といたしましては、職員に対する研修の充実強化、あるいは国民の理解を深めることを目的といたしました一般向けのパンフレットの作成、配布、あるいはインターネット上で行われるヘイトスピーチへの対処等を予定をいたしておるところであります。
 私、法務大臣として、特定の民族や国籍の人々を排斥する差別的言動はあってはならないと、そして、施行された法律の趣旨を踏まえて、今後も相談体制の整備あるいは啓発活動といったヘイトスピーチの解消に向けた取組をより一層推進をしていきたいと、このように考えております。
○魚住裕一郎君 どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
 続いて、与党におきましては、性犯罪・性暴力被害者の支援体制に関するPTというのがございまして、我が会派の山本香苗政審会長も参画しておったわけでございますが、昨年の十二月二日、性犯罪・性暴力被害根絶のための十の提言というものを政府の方に出させていただいたところでございます。
 その中で、一点目の中では、性犯罪等被害者等の支援体制を整備、運営、強化するための国庫補助金制度の創設ということを、特に各県でワンストップの支援センターを設置して、その研修費を含めた運営の交付金等もお願いしたいという形でその創設をお願いをしたところでございますけれども、これについての内閣府のお取組について御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 魚住委員御指摘の性犯罪、性暴力被害者の支援について、公明党と自民党において熱心に御議論いただきまして、昨年の十二月、性犯罪等被害者等の支援体制を整備、運営、強化するための国庫補助制度の創設など十項目にわたる提言をいただいたところでございます。
 この性犯罪、性暴力に対しては、加害者に対する厳正な対処とともに、性犯罪、性暴力罪の被害者への支援が大変重要でございます。被害者に対して心身の負担を軽減するため、被害直後から相談を受け、医療的な支援、心理的な支援など可能な限りの支援を、かつ一か所で提供していくということが非常に重要であると思っております。
 政府でも、第四次男女共同参画基本計画で、平成三十二年までに性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの設置数を各都道府県最低一か所とするとの成果目標を設定して取組を進めておりましたが、現在は三十六都道府県にとどまっているところでございます。
 そうした中で、与党からいただいた提言を踏まえまして、ワンストップ支援体制の早期設置とその安定的な運営を図るために都道府県の取組に対する支援が必要であるということで、今御審議をいただいております平成二十九年度予算にこれは初めて性犯罪・性暴力被害者支援交付金を盛り込ませていただきました。具体的には、相談員の人件費等の相談センターの運営に要する経費、相談員等の研修費及びワンストップ支援センターの広報啓発費、また、やむを得ない事情により警察に相談できない被害者の医療費及びカウンセリング費用などに関して都道府県を財政的に支援する内容となっております。
 この交付金の活用により都道府県の取組を支援をし、性犯罪・性暴力被害者支援の充実にしっかりと努めていきたいと考えております。
○魚住裕一郎君 今、三十六都道府県というふうにおっしゃいましたけれども、確かにそのとおりでございますが、近々残された十一県のうち山梨県が設置をするという方向性のようでございます。
 そこで、今提言の中で、もう一つ提言ございまして、十があるわけですから、特に注目をしているのは、各都道府県の警察に設置されているその性犯罪被害の相談窓口の番号でございますが、全国利用型の分かりやすい短縮ダイヤルの導入をしたらどうかということでございますが、この点はどうなっているんでしょうか。
○政府参考人(山下史雄君) 警察におきましては、全国の警察本部及び警察署に先生御指摘の性犯罪やストーカーを含めた各種相談を受理するための総合窓口を設置をして、国民からの相談に対して迅速、確実な対応を行っているところでございます。また、発信地を管轄する警察本部の総合窓口につながる全国統一番号の警察相談専用電話、シャープ九一一〇番を設置するなど、相談者の利便を図っております。
 さらに、このような総合的な相談窓口に加え、犯罪被害者や相談者の方々のニーズに応じて性犯罪相談、少年相談等の個別の相談窓口をも設けまして、相談対応の充実を図っているところでございます。
○魚住裕一郎君 昨年の十二月、性犯罪というかストーカー規制法の改正がなされたところでございます。
 昨日もニュースでありましたけれども、小金井の音楽活動をやっている女子大学生の刺傷事件の判決がありました。懲役十六年六か月ということでございますけれども、判決理由の中で、一方的に被害者に恋愛感情を抱き、その思いが受け入れられず、プレゼントを返送されたことなど、落ち度のない被害者を逆恨みして事件を起こしていて、動機に酌むべきところが一切ないという、そういう判決理由になっているわけでございますけれども、昨年のこのストーカー規制法の改正によって、あるいはSNSによる付きまといが新たな規制対象になった、あるいは警告なしでこの禁止命令が出せるようになった、また非親告罪という形にさせてもらったところでございますが、警察の現場で一生懸命この被害者の人身安全対策、極めて警察の現場が大事だと思っておりますけれども、このストーカーの改正の運用も含めて警察はどのような取組を行っているのか、本当に初動が一番大事だと思っておりますけれども、警察の取組について御報告をいただきたいと思います。
○国務大臣(松本純君) ストーカー事案については、国民の安全で安心な生活を脅かす事案であり、警察への相談件数が高い水準で推移をしているところでございまして、警察においては事案を認知した段階から組織的に対応することが重要と認識をしております。そのため、全国の都道府県警察の本部においてストーカー事案等に一元的に対処するための体制を確立し、警察本部が全ての事案に確実に関与するとともに、複数の都道府県にまたがる事案では関係都道府県警察が連携して対応するなどの取組を行っているところでございます。
 今後も被害者の安全確保を図るため、ストーカー事案等への的確な対応に努めてまいりたいと存じます。
○魚住裕一郎君 ストーカーに遭っている女性、まあ女性とは限りませんと思いますけれども、そういう被害者の立場からしてみたら本当に恐怖の中でいるわけでございまして、警察のしっかりした対応をよろしくお願いをしたいと思っております。
 関連の質問に譲りたいと思っておりますが、最後に一問だけ。
 国土交通大臣、平成七年の阪神・淡路大震災、それから六年前の東日本大震災、去年は熊本地震でございますが、日本は島国でございますものですから、そこでいろいろな形で、支援船とか、要するに混雑する、救援物資持ってきたりですね。そういうようなことで、港の管理というのは非常に大事になってくるんだろうなというふうに思っておりますが、その辺の交通整理をしっかりやっていく必要があろうかと思っておりまして、この点についてだけ質問をさせていただいて、関連のバッターに交代をしたいと思っております。
○国務大臣(石井啓一君) 熊本地震の際に、熊本港や八代港におきましては、貨物船等の通常利用に加えまして、自衛隊の輸送船、海上保安庁の巡視船、国土交通省港湾局の船舶といった支援船舶の利用が集中をいたしまして、港湾が過度に混雑する状況が発生をいたしました。このような状況に鑑みて、国土交通省は、当時、熊本県からの要請を受けて、直接自衛隊や海上保安庁等と岸壁の利用調整等を実施をいたしました。これにより、緊急物資や救援部隊の輸送などを通じた被災地支援を円滑に行うことができたところでございます。
 今後想定される南海トラフ地震等の大規模災害におきましては、自衛隊や海上保安庁といった政府関係機関との緊密な調整や複数の港湾管理者が関係する広域的な支援をより一層的確に行うことが必要となります。さらに、昨年十一月、中央防災会議のワーキンググループにおきまして、熊本県知事から、大規模災害時に港湾管理者の要請により国が港湾の利用調整等の管理業務を実施できる仕組みの構築について御提案をいただいたところでございます。
 こういったことを受けまして、今般、非常災害時において、港湾管理者からの要請に基づき国が港湾施設の管理を行う新しい制度を創設するため、今国会に港湾法の改正法案を提出する予定でございます。
○魚住裕一郎君 終わります。
○委員長(山本一太君) 関連質疑を許します。伊藤孝江君。
○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。
 予算委員会で本日初めて質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 間もなく東日本大震災からは六年がたち、熊本地震から一年を迎えようとしております。私自身も阪神・淡路大震災で被災をし、それが人生の転機ともなりました。二十二年が経過した今でもまだ震災の影響が強く残っているという現状があります。
 昨日も、阪神・淡路大震災によって障害者となった方々とともに厚生労働省に要望に行かせていただきました。発災から十五年間も掌握すらされなかったこの震災障害者の方々が今までどんなつらい思いをされてこられたか、そのような経験や思いを語ってくださいました。そして、私たちの経験をこれからに生かしてほしいと、そのような発言をしていただき、その思いをしっかりと受け止めていかなければならないと改めて決意をいたしました。これからも被災者の方に寄り添い、全力を尽くしてまいる決意です。総理を始め大臣の皆様にもどうかよろしくお願いいたします。
 世界では、自然災害で亡くなる方が毎年二億人、そのうち約九割が開発途上国に集中をしております。神戸には、阪神・淡路大震災の教訓を生かしてほしい、その思いで兵庫県とJICAが共同して設置をした国際防災研修センターがあります。ここでは、主に開発途上国の防災・減災に携わる人材を育成するため、これまで世界百か国の開発途上国の行政官らに研修を行っております。開発途上国では防災という意識が全くないところも多く、実際に地域の防災訓練に参加した行政官らは日本の自主防災組織への取組や意識の高さに驚き、感銘を受けるそうです。
 防災の分野では、神戸市の防災福祉コミュニティーを略した防コミという言葉が世界共通語になっていると聞きました。帰国後、地域で防災訓練をしたりハザードマップを作成したり、そのような効果で実際にハリケーンなどの災害から被害を免れた地域もあると聞いております。
 阪神・淡路大震災を始め多くの災害で日本は世界中から支援を受けてきました。その恩返しとしても、また誰も取り残さないとのSDGsの理念に基づく取組としても、今後更に防災分野での国際貢献が進められることを期待します。この点について総理のお考えをお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国は、伊藤委員も経験をされた阪神・淡路大震災、あるいは東日本大震災を始め幾多の自然災害を経験してまいりました。こうした災害によって多くの貴重な命が失われたわけでございますが、同時に、そうした経験を通じまして、これらの災害から得られた知見や教訓、防災技術や防災体制等を有するのが我が国であります。我が国はこれらを世界と共有し、防災分野において国際社会に貢献していくことは、ある意味では我が国の責務であると言ってもいいと思います。大切な命を失った人々に対する思いとしても、そうした知見を生かしていく責任があるのではないかと思います。
 二〇一五年三月に仙台市で開催されました第三回国連防災世界会議において採択された仙台防災枠組には、より良い復興や様々な防災の視点を施策に導入する防災の主流化、確かにあの会議に参加した途上国の多くの国々はこの防災という視点が欠けていたり、防災のための啓発活動等をなかなかできていない国もあるわけでございまして、そうした中におきまして我が国が提唱した施策が盛り込まれたわけであります。この会議で発表した仙台防災協力イニシアティブに基づき、今後とも我が国は防災分野における技術協力や人材育成等、国際貢献に積極的に取り組んでいく所存でございます。
○伊藤孝江君 地域防災力を更に高めることは日本にとっても喫緊の課題です。被災現場からの救出は消防団や近隣住民によるものが多い、また地域住民の声掛けが早期の避難につながる、これも地域防災力の重要性を改めて認識するものです。
 先日、淡路市で行われました全国被災地語り部シンポジウムに参加をさせていただきました。被災地ではふだんから、被災した方々が語り部として、被災を風化させず防災意識を高めてもらうために自らの経験を語る活動を続けておられます。このシンポジウムでも、被災当日の生々しい状況や命が助かったことへの感謝、支給物資をもらうのに必死だった余りボランティアの人に乱暴な言葉をぶつけてしまった、そのような実際に経験したからこそのお話をたくさん聞かせていただきました。
 地域防災力を高めていくために生の経験を聞かせていただくことは非常に効果的であり、このような取組を国としても支援していくことが重要であると考えております。地域の防災の中心を担ってきた消防団の縮小や高齢化といった課題への対応、また地域コミュニティーづくりなど、地域防災力を高めるための取組について総務大臣並びに防災担当大臣の答弁をお願いいたします。
○国務大臣(高市早苗君) 伊藤委員おっしゃっていただきましたとおり、消防団は地域の防災力の中核を担う存在でございます。ここ数年間多発しました自然災害の現場などにおきましても、自らも被災しながらも懸命に地域住民の命を守るために消防団の方々活躍をしてくださいました。
 ところが、消防団の団員の総数が減少をしております。そこで、まず、一昨年の二月に私から経済団体と地方公共団体に対して大臣書簡を発出いたしました。その中で、特に被用者の方々、それから地方公務員の方々の消防団への入団、加入促進をお願いしますとともに、消防団活動を正当に評価してくださいという依頼が内容でございました。その後も講演やスピーチなど様々な場で働きかけを続けておりますし、今年に入りましてからも消防庁長官がずっと各経済団体を回って、改めて依頼を続けてくれています。
 特に今力を入れておりますのが女性と若者の消防団への加入促進でございます。まずは女性活躍の観点から、女性分団の創設も含めて市町村に女性の消防団加入促進を依頼しています。とともに、学生消防団活動認証制度というものを創設しまして、これは大学生などの就職活動支援にもなるんですけれども、証明書を発行して若い方々に消防団として活躍していただくものです。
 また、事業所も最近は随分御協力をいただいておりまして、社員の方々に対して社内通達を出して消防団への加入促進を呼びかけるとともに、勤務時間中の例えば出動ですとか、それから訓練などを有給休暇として扱っていただいている事業所も増えてまいりました。
 それから、地方公共団体でも、法人事業税を減免したり、これはそういう消防団協力事業所に対して軽減をしたり、それから入札のときに加点をしていただいているところもあります。
 こういった取組の結果、現在消防団員数の減少幅は縮小してきています。それから、女性消防団員、学生消防団員の数は増加傾向にありますので、これからも引き続き取組を強めてまいります。
○国務大臣(松本純君) 災害による被害を軽減するためには、政府によるハード、ソフト両面の公助のみならず、国民一人一人や地域における自助、共助による防災の取組が重要でございます。
 内閣府では、国民の防災意識向上を図るため、パンフレット、啓発動画の作成やホームページによる防災情報の発信、防災週間や津波防災の日などの時期を中心に各種訓練や啓発活動の推進、ボランティア、NPO等との交流、情報交換の場の設置、地域の特性に応じたコミュニティーレベルでの防災活動などを内容とする地区防災計画を推進するなど取り組んでいるところでございます。
 今後も、地域住民の皆様が防災について考え、具体的に取り組んでいただくための機会の提供を通じまして、防災意識の向上に取り組んでまいりたいと存じます。
○伊藤孝江君 ありがとうございます。どうかよろしくお願いいたします。
 続きまして、心臓突然死を減らすためのAEDの使用方法についてお聞きをいたします。
 AEDが使われた場合に、使われなかった場合と比べて約二倍救命率が高くなるというふうに、有効性は高く認められております。倒れた人を見た場合に、救急車の到着を待つよりも、その心停止の人を目撃した人がいかに素早くAEDを使うことができるか、それが課題です。
 昨年、私はある女子高生たちと出会いました。心臓突然死の問題を解決するために、アイデアを高校生や大学生が企画し、プランを考え、実際に取り組む、それを発表するというフォーラムに挑戦する高校生たちです。彼女たちは、心停止の人を目撃した人のうち実際にAEDを使ったのがたった三・七%という調査結果を知り、みんなに知ってもらう方法としてスケジュール帳を利用しようと考えました。スケジュール帳に毎日少しずつAEDの使い方を書いていく、スケジュール帳を毎日見れば自然にその流れが頭に入る、それを考えて、飛び込みで会社に交渉して、実際に手帳を作っております。また、ほかにもAEDの使い方をラジオ体操のような体操にして体育の授業などを使って小学生に覚えてもらう、このようなプランもあり、本当に若い人たちの熱意と行動力、また発想力に感動しました。
 この取組に対しての感想や、まずは国としてもしっかりと使い方を広めるために取り組んでいく、その決意を厚生労働大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 御指摘のように、このAED、自動体外式除細動器と日本語では言いますが、これを使うというのは突然の心停止の際に救命率の向上につながるということで、救命のためには一分でも早い使用が望ましいということでありますが、緊急の場合に居合わせた国民の皆様方に使用方法の普及を図るということは、そういう意味で大変重要だというふうに我々も思っています。
 一方で、使用経験がない一般の方々はなかなか、AEDの音声指示が出てきますけれども、それだけで使用をするということにちゅうちょをされるという方がやっぱりあるんだろうと思います。
 委員に今御紹介いただきました学生あるいは生徒、こういった方々のような、AEDの使用方法を分かりやすく伝えるというそういう取組は我々も大変重要だと思っております。
○伊藤孝江君 ありがとうございます。
 これまでと同じやり方を同じようにしていくだけでは本当に何も変わらない、使える人が増えない、そう思います。政治家には命を守る責任があると、それを考えたときに、使うことができる人の目標数値を定めるなど、具体的に取組を進めていただきたいと思います。厚生労働大臣の見解をもう一度求めます。
○国務大臣(塩崎恭久君) 厚生労働省としては、多くの方々がこのAEDの講習会を受講をしやすくしようということで、都道府県が行いますAED講習会の費用に対して財政支援を行うとともに、一般市民の方々向けの講習も行うに当たりまして、AEDの使用と胸骨への圧迫を組み合わせた効率的な救急蘇生法をまとめたガイドラインを関係機関に周知をするというような取組を今行いつつございます。現在、一般市民の方々によるAEDの活用を推進するために、講習内容の改善とかAEDの適正な配置場所などについての研究もお願いをして、補助金を出しているところでございます。
 厚労省としては、こうした取組を通じて、より多くの方々がAEDの使用を理解をされ、緊急時にしっかりと対応を惑わずできるようにするために、AEDの有効活用について普及啓発を引き続いてやってまいりたいというふうに思います。
○伊藤孝江君 ありがとうございます。
 続きまして、訪問看護師等の暴力被害対策についてお聞きします。
 国は今、地域包括ケアシステムの構築を目指しております。その実現のためには、訪問看護師等を始め在宅医療に携わる方々はなくてはならない存在です。その中で、訪問看護師が利用者やその家族から受ける暴力や暴言、その被害が深刻になっているという現実があります。
 昨年、兵庫県でのアンケートの中で、訪問看護ステーションを対象に調査を行ったところ、三百五十八名中百八十名、約半数が暴力等を受けた経験があるということでした。身体的暴力、また性的な被害もあります。被害に遭わないためには複数名での訪問が最も効果的だと考えられます。しかし、ほとんどの訪問看護ステーションでは人手不足でそれだけの人材がおりません。安全対策まで手が回らない。また、現行の複数名訪問看護加算では二人分がきちんと出されるということがなく、なかなか経営が難しい状況の中、ステーションでは負担ができない。
 そのような中で、訪問看護師の方々は、決して利用者を切り捨てたいということではなく、家で暮らしたい、最期を家で迎えたいと希望し訪問看護を必要とする方への訪問を何としても続けたいという強い思いを持ち続けております。先ほどのアンケートを取った訪問看護師が、利用者、家族から受ける暴力対策検討委員会の代表の藤田さんからもそのようにお聞きしております。
 まずは、在宅での生活を支えるために、訪問看護師が安心で安全に働くことができる環境づくり、何よりも大切な課題です。これは、訪問介護、薬剤師など、同じ課題があると思います。
 まず、この現状について厚生労働大臣の見解を求めます。
○国務大臣(塩崎恭久君) おっしゃるとおり、これ、地域でやはり住み慣れた状態のままで暮らし続けるということが大事で、そういう意味では訪問看護あるいは訪問介護といったものが大事でありますけれども、その際に今のようなリスクが伴っているという中で頑張っていただいている現場の方々を守るべきだ、こういうことだと思います。
 現在、介護報酬や診療報酬におきまして、利用者からの暴力行為等が認められる場合などにおいては、複数の職員が訪問することに対して加算を設け、評価をしているということになっています。そして、加えて、今後、厚労省としてサービス提供者が受ける暴力等の実態を調査をし、どのような対応が更に必要かということを考えて検討してまいりたいと考えているところでございます。
○伊藤孝江君 今の複数名訪問加算については、家族や利用者の同意が必要ということで、なかなか得られない事情もあるということを御理解いただきたいと思っております。
 兵庫県では、利用者による暴力などからスタッフを守るために複数派遣の人件費の補助、また相談窓口の設置、マニュアル整備を進めるための費用が予算案に盛り込まれました。国はこれから実態調査を、把握するというのが今の御回答だと思いますけれども、現場任せにせず、また地方任せにもせず、国としての取組が急務だと考えております。
 まずは早急に実態調査をして具体的な取組をなされるよう、改めて厚生労働大臣、もう一度、具体的な取組ありましたらお願いいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) おっしゃるように、介護報酬が付くということは、逆に見れば、利用者側から見れば負担をするということでもあって、そういうようなこともあって家族の同意が要るという今御指摘をいただいたというふうに思います。
 したがって、それだけでは十分ではないということなので、我々としてもこういった暴力等の実態をしっかり調査をして、そして、どういう対応がじゃあり得るのかということについても考えてまいりたいというふうに思います。
○伊藤孝江君 よろしくお願いいたします。
 では、続きまして、民泊、住宅等を宿泊施設として活用する民泊の制度化のための新法の住宅宿泊事業法案についてお聞きいたします。
 私の地元の兵庫県では、有馬や城崎など、旅館、ホテルが地域経済及び雇用を支えている温泉地が数多く存在します。こうした旅館、ホテル業の方々は、旅館業法によって定める厳しい安全基準を守りながら営業活動をされております。今回の民泊新法が既存の旅館、ホテル業の方々とウイン・ウインの結果となるように、その観点から質問をさせていただきます。
 営業の上限については、人を宿泊させる日数として一年間で百八十日を超えないという法案となっております。先日、新聞には、この百八十日を、一日置きに一泊二日の客を泊めると年間三百六十日の営業が可能と解釈されるという報道もありました。
 まずは、この三百六十日間営業ができるというのは正しいのでしょうか。その日数制限が守られることをどのように管理し担保をするのか、この点について石井国交大臣の見解をお願いいたします。
○国務大臣(石井啓一君) 現在、民泊サービスの健全な普及を図るためのルールを定めた法律案を検討中でありまして、今国会に提出予定でございます。
 検討中の法案の中で、旅館業が一年間で三百六十五回の宿泊料金収入を得る機会があるのに対して、民泊は最大でもその半分以下、百八十回を超えない宿泊回数とすることとしてございます。したがって、一年の半分以上は宿泊営業が実施されていない住宅として扱われるものでありまして、通年営業とはならないと考えております。
 基本的には、チェックインからチェックアウトまでの一泊を一日としてカウントする方向でございます。例えば、午後三時にチェックインをして翌朝十時にチェックアウトするということになりますと、二日間にわたっていますから何か二日カウントしているようですけれども、三時から十時というのは十九時間であります、この事例でいえばですね。それを一日としてカウントして合計百八十日、百八十泊を超えないということでございますので、旅館と比べて半分の料金収入を得る機会になると、半分以下ということでございます。
 それから、年間提供日数につきましては、住宅宿泊事業者に対して定期的に、宿泊をさせた日数を監督主体となる地方自治体に報告させることとしておりまして、地方自治体を始め関係行政機関で情報共有をし、管理することが可能な仕組みとする方向で検討しております。
 なお、こういった民泊の場合、住宅宿泊仲介業者、ネット等でやるそういった仲介業者及び住宅宿泊管理業者、オーナーじゃなくて管理させる場合もあります。それに対する報告徴収で得られる情報も参考にして報告内容の真偽を確認することも検討しているところでございます。
○伊藤孝江君 民泊で経済や雇用等への深刻な影響が予想される地域については規制強化ができるという仕組みとも伺っております。古くから地域産業の中心となっている温泉地、数多くあります。これらのところで独自に地域の事情に合う形で営業日数の制限を決めることができないとすれば経営が圧迫される、そのような不安の声も聞いております。
 このような市町村に対して地域事情に寄り添った配慮をすべきと考えますが、石井国土交通大臣の前向きの答弁を是非お願いいたします。
○国務大臣(石井啓一君) 現在検討中の法案では、都道府県が住宅宿泊事業の監督主体となることを基本としつつ、監督体制を有している保健所設置市や特別区なども条例の制定を行うことができるよう検討しております。それ以外の市町村のエリアにおいては、地域事情に寄り添った配慮ができるようにするため、都道府県が条例を制定する際にこうした市町村の意向も十分に反映させるよう省令の制定等を検討してまいりたいと存じます。
○伊藤孝江君 以上です。ありがとうございました。
○委員長(山本一太君) 以上で魚住裕一郎君及び伊藤孝江君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、小池晃君の質疑を行います。小池晃君。
○小池晃君 学校法人森友学園への国有地売却問題について聞きます。
 総理は、二月十七日の衆議院予算委員会で、私も妻も、この認可にもあるいは国有地払下げにも関係ない、私や妻が関係していたとすれば、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員も辞めると述べました。総理がそこまで言われたことにこの問題の深刻さが表れているんだと思います。
 そこで、事実を確認したい。
 森友学園の籠池泰典理事長はNHKのインタビューで、土地取引について便宜を図ってもらったということは全くない、政治家による関与、便宜は一切なかったと述べました。そして、総理も衆議院で、今回の国有地処分について与党議員から働きかけはなかったのかという質問に対して、一切なかったと答えています。本当になかったんですか。なぜ断言できるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、私自身のことについては断言させていただいたとおりであります。このことがそれだからこそ深刻だということではなくて、まるで私が関わっていたような質問をするから、そういうイメージ操作にしてですね、全くそれは違うんだということをはっきりと申し上げたわけでございます。
 あと、ほかの議員につきましては私はそう聞いていると、このように申し上げたわけでありまして、それは理財局から聞いていると、こういうことでございます。
○小池晃君 理財局から聞いたんでしょう。面談記録は破棄しているんでしょう。何が根拠なんですか、じゃ。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
 本件のその土地処分につきまして、そういう不当な働きかけというものは一切ございませんでした。
 その理由ということでございますれば、平成二十四年の閣僚懇談会で申し合わせました政・官の在り方においては、国会議員との接触のうち、個別の行政執行に関する要請、働きかけであって、政府の方針と著しく異なる等のため、施策の推進における公平、中立性が確保されないおそれがあり、対応が極めて困難なものにつきましては、大臣等に報告をした上で記録を保存することになってございます。
 ただ、本件につきましては、そういう不当な働きかけは一切なかったことでございまして、そうした記録は保存されていないということでございます。
○小池晃君 不当かどうか聞いていません。働きかけは、じゃ、あったんですね。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
 一般的に申し上げますと、国有財産の管理、処分ということにつきましては、個々の国有財産の管理状況あるいは購入する場合の手続あるいは入札時期、その方法など、様々な外部からの問合せがございます。そういう意味では、こうした問合せがあった場合には現場において丁寧にそうしたルールについて御説明をさせていただいているということでございます。
○小池晃君 今のは、あったということですよ。様々な働きかけがあったということですよ。総理はなかったと言うけど、あったということじゃないですか、今の答弁だったら。総理の答弁は間違っていますよ。何の根拠もなく、なかったと言うのはおかしいじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そんなどんどん指ささないでください。
 今、私は誠実に答えているわけでありまして、私と家内については私が一番よく知っていますから……(発言する者あり)あっ、そんなことではないんですね。ほかの政治家ということであれば、これは私は確かめるのは理財局長に聞くしかないじゃないですか。理財局長に聞いたら、理財局長は言わば不当な働きかけはなかったというふうに答えているわけでありますから、これは理財局長がそして答えたとおりであります。
○小池晃君 理財局長は破棄しちゃったんですから、何の根拠もないんですよ。
 私どもは、ある自民党国会議員事務所の面談記録を入手いたしました。そこでは、森友学園側と近畿財務局や大阪航空局とのやり取りが克明に記録をされております。記録は二〇一三年八月五日から始まります。その一部、紹介します。
 八月五日、籠池泰典氏が来訪。塚本幼稚園が小学校設立希望の件。豊中市の国有地借地を希望。近畿財務局より、学校の場合は購入のみと回答あり。ついては、八年間は借地にてその後購入とできないか。これが籠池側の要望であります。
 その後、八月二十一日、二十七日、三十日、九月九日と籠池氏からの報告が続いて、九月十三日、籠池氏から相談あり。九月十二日、大阪府庁に近畿財務局の国有財産管理官が来て、小学校設立認可のお墨付きが必要と。大阪府は、土地貸借の決定が必要と。鶏と卵の話、何とかしてや。どこが教育者かという書き込みがされています。そして、その日の午後、近畿財務局からの回答。ある意味、鶏、卵の話ですが、前向きにやっていきますからと。これ、かなり生々しい話ですよ。
 十月十二日には籠池理事長夫妻が来訪しています。小学校用地の件。近畿財務局と大阪航空局職員数名とともに現地視察。その際、事務方の判断できることではないというニュアンスを感じたので、上から政治力で早く結論が得られるようにお願いしたい、土地価格の評価額を低くしてもらいたい。
 十月二十四日には籠池理事長が、大阪府への小学校設立申請書類に月額賃料を月百万円とする、これは希望額で、低く見積もっておけばそこをベースに賃料交渉ができると思っていると書いてあります。
 その後、何度も籠池氏や近畿財務局、国交省大阪航空局からの報告が続いて、二〇一四年一月三十一日には籠池氏が来訪してこう言います。小学校用地の件。近畿財務局と前向きに交渉中。賃料及び購入額で予算オーバー。賃料年間三千五百万円を二千五百万円に、売却予定額十五億を七から八億円にが希望。
 二〇一五年の一月九日の記録では、籠池理事長からの報告で、国有財産貸借の件。本日、財務省担当者より、土地評価額十億、十年間の定期借地として賃料年四%、約四千万円の提示あり。高過ぎる、二から二・三%を想定。何とか働きかけしてほしい。
 財務省に聞きます。二〇一五年一月九日、近畿財務局管財課の統括官が籠池理事長に会って、土地評価額十億円、十年間の定期借地で賃料年四%、籠池氏に提示したのは事実ですか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
 今委員がお読みになった資料については承知してございません。ただ、森友学園と近畿財務局との関係について、どういう接触状況があったかというお問合せが委員からございましたので、そこはお答えさせていただきます。
 本件財産につきましては、平成二十五年の六月三日に我々、公用、公共用の取得要望の受付を開始してございます。それ以降、二十七年には国有財産地方審議会での議論、二十七年五月、有償貸付契約の締結、その後に森友学園による埋設物撤去工事等の実施、新たな埋設物の発見、売買契約というふうにずっと経緯がございますので、そういう意味ではその間、近畿財務局と森友学園との間では、これはもう様々なその時々でのやり取りはあったものというふうに考えてございます。
 ただ、いずれにしましても、先日から申し上げてございますが、二十八年六月の売買契約の締結をもちまして事案は終了しているところでございますので、そうしたその詳細な面会の記録等につきましては残っていないということでございます。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 佐川理財局長。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
 今御答弁申し上げましたとおりでございまして、取得要望の受付から売買契約の締結まで様々な場面で森友学園と近畿財務局においては様々な打合せをしているということでございまして、その意味では様々なその場面場面でのやり取りはあったと思います。
 ただ、今委員が御紹介になりましたようなものにつきましては記録も残っておりませんし、ここで私どもがそれについて何か言うということはできないことでございます。
○小池晃君 これ、結果じゃないんですよ、プロセスが大事なんですよ。このプロセスの中で……(発言する者あり)笑い事じゃないでしょう、菅官房長官、笑い事じゃありませんよ、これ。国民の財産ですよ。それがどう処理されたのかは重大な問題じゃありませんか。
 しかも、この時期は一般的には重要な時期なんです、これは。これは、森友学園が小学校開設申請したのはその直前の十月なんです。十二月十八日の大阪府私立学校審議会で疑問の声が出されたわけですよ。で、継続審議になったわけですよ。保留になったんですよ。ところが、翌年一月二十七日の臨時私学審で条件付の認可適当になったわけですよ。その一月九日に財務省が森友学園側と会って条件提示して交渉していたとすれば、これはこの認可にも重大な影響を与えた可能性もあるわけですよ。決定的な話なんですよ。だから、様々あったというようなことじゃ駄目なんですよ。一月九日のこの面談、あったのかということをちゃんと調べてください、じゃ。調べてください。
○政府参考人(佐川宣寿君) 先ほどから御答弁申し上げておりますが、二十五年の九月に先方、公的取得要望が出ております。したがいまして、私ども、そういう公的取得要望が学校法人から出ていることを近畿財務局のホームページに公開して、そういう上で先方と様々な場面で、貸付契約等も含めて、工事の場面も含めていろんな協議をしているわけでございまして、今委員がおっしゃいましたその一点についてあるかないかと言われましても、そうした面会の記録については残っておらないというところでございます。
○小池晃君 残っていないのがおかしいんですけど。
 担当者の名前、後で私言いますから。あした私質問しますので、あした回答してください、じゃ、それがあったのかどうか。担当者に聞けば分かるはずですから。
 一月九日に二千万円から二千三百万円という賃貸料を籠池氏は要望しているわけですよ。実際に五月二十九日の契約では貸付料年額二千七百三十万円になったんですよ。結果として籠池さんの要望に沿う金額になっているわけですね。非常に重要な経過だと私は思いますよ、これ。
 更に事態はその後進展します。
 翌年、二〇一六年の三月にくい打ちの工事で地下埋設物が発見されるわけです。で、森友側から近畿財務局に連絡が入って、現地調査を近畿財務局と大阪航空局やっている。その日に籠池理事長がこの事務所に相談に来ています。記録ではこう書いてある。小学校用地の件、近畿財務局の対応に不満、三月十五日に本省に行くアポをお願いしたい。そして、この議員事務所はお断りしますと答えています。
 昨日のこの委員会で、理財局長は、昨年三月の半ばに財務省の担当者が森友学園の理事長と面会したことは事実だと答弁されましたね。三月十五日に審理室長に会ったということですね。
○政府参考人(佐川宣寿君) その三月半ばの話は昨日御答弁いたしましたが、近畿財務局、財務省と先方の間では今言ったようにずっと様々な場面で協議をしておりまして、先方から面会の要望がありまして、理財局のその担当の室長が籠池さんに、三月の半ば頃だったと思いますが、お会いしたということでございます。
○小池晃君 三月十五日ですね。
○政府参考人(佐川宣寿君) 三月の十一日に新たな埋設物が発見されておりまして、そういう意味ではそれを踏まえてお見えになったということでございましたので、昨日から昨年三月の半ば頃という記憶だと申し上げております。
○小池晃君 この理財局の担当官、室長が会ったというのは大事だと思うんですね。これ、一体どういうことを籠池氏はそのとき依頼したんですか。財務省としてはそのときどう対応したんですか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
 今申しましたように、三月の十一日に建設工事中に新たな埋設物が発見されたということで、先方、一年後の学校開校で大変急いでいる状況でございましたので、先方からは新たな地下埋設物が発見されたのでなるべく早く対応していただきたいというような要望が出されて、当方からは、そうした新たな埋設物が発見されたことを踏まえまして、それは法令等に従って対応しますので、引き続き現地で近畿財務局あるいは大阪航空局と連携して対応したいというふうに応じたというふうに聞いております。
○小池晃君 本省も関わって議論しているわけですよ。今の中身で私、納得できないです。
 この結果、何がどうなったか。不動産鑑定士が九億五千六百万円と評価した土地が、これ賃貸から売却に突然切り替わって、ごみの撤去費用として八億一千九百万円が値引きされて一億三千四百万円で売却される。異例の十年分割となったわけですね。籠池さんが三月十五日に、地下埋設物が見付かった直後に直接財務省を訪問しているわけです。それで、結果としては籠池氏の要望どおりになっているわけですよ。
 だから、これ、そのことをめぐってどういうやり取りがあったのか、麻生大臣、財務省としてこれ明らかにする責任があるんじゃないですか。いかがですか。財務大臣、答えてくださいよ。
○政府参考人(佐川宣寿君) 先ほどから御答弁しているとおりでございまして、決まりました売買契約書等は全て保存してございますが、途中経過の面会のやり取り等についてはそこは残っていないということでございます。
○小池晃君 大臣、これ適正な処理なんですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、佐川の方から申し上げたとおりでして、適正に執行されていると思っております。
○小池晃君 これがどこが適正なんですか。
 財政法九条、読んでください。通告してありますよ。
○政府参考人(佐川宣寿君) 財政法の九条でございます。
 国の財産は、法律に基づく場合を除くほか、これを交換しその他の支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し若しくは貸し付けてはならないというのが九条でございます。
○小池晃君 今出たとおりですよ。
 麻生大臣、これは適正な対価なんですか。そういう適正な対価なんですか、このやり方が。
 あなたの財産じゃないんですよ。国民の財産なんですよ。みんな汗水流して税金払っているんですよ。笑っている場合じゃないでしょう、笑っている場合じゃないですよ。どれだけの思いをしてみんな税金払っていると思っているんですか。社会保障がどんどん切り捨てられてどれだけの人が苦しんでいると思っているんですか。億単位でこんなでたらめな、国民の財産を扱うようなことをやって許されると思っているんですか。これが適正だと、大臣、言うんですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほども申し上げましたように、国有財産についてはいずれの場合においても適正な価格により処分を行うことが定められており、適正な価格とは時価ということだと思っております。
 この土地につきましても、学校の建設が進んで開校予定時期も近づいている中発見された地下埋設物に対応するため、近畿財務局と大阪航空局とが協力して、法令に基づき、適正な手続、価格によって処分されたものと、私どもはそう考えております。
○小池晃君 もう今の答弁は国民は絶対納得しないと私は思いますよ。
 だって、当初、貸借の契約の段階でも最初の言い値の半分になっているわけですよ。そして、売却に切り替わった途端に八億円の値引き、異例の十年の分割払。月百万円を下回る負担だというのが当初の森友側の希望としてさっき私述べました。そのとおりになっているんですよ、結果として。森友側のシナリオどおりじゃないですか。しかも、いずれもこの記録に出てきました。事務方が判断できる問題じゃないんですよ、これは、こんな超法規的なやり方は。必ず何らかの大きな力が働いているんですよ、これは。そうでなきゃこんなことできない。
 私が入手した議員事務所の記録では、途中で籠池氏側との接触は終わっているようであります。(発言する者あり)誰だというなら調べたらいいじゃないですか。役所が調べれば分かりますよ。役所が調べればすぐ分かりますよ。土地から地下埋設物が見付かって、八億円ダンピングする過程、これは、誰かほかの政治家にこれは関与を依頼したと私は思いますよ、この経過からすれば。知っているんだから言った方がいいですよ、本当に。
 総理、総理、総理、売却に至る前の段階から不可解な交渉が続いているわけです。これは私は、賃貸の契約を結ぶ交渉の段階から全経過、そして政治家の関与について全容を明らかにしてください。自民党の、私、議員の事務所の資料を入手して言ったんです。自民党は調べたら分かるじゃないですか。そのために責任を果たしてくださいよ。総理として責任を果たしていただきたい。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、今読まれた文書はどういう文書かということも分からないですよね。本当のことかどうかと分からないものを、それを立証をする責任はそちらにあるんですよ。
 そこでですね、そこで、そこでですね、そこで、事務所の、国会議員の事務所、国会議員の事務所って、何かまるで私の事務所であるかのごときの印象を与えていますよ。印象を与えていますが、印象を与えていますがね……(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 静粛に願います。答弁中です。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 印象を与えていますが、この事務所が、そういう事務所が、そういう事務所がどこの事務所かということについては、言われたのは小池さんが言われたんですよね、我々はそれは知らないんですから。今、小池さんが、その事務所はどこだということを言われたらいいじゃないですか。
 言われて初めて、初めてですね、ないものはですね、ないものをですね、ないものを証明するのは言わば悪魔の証明と言われているわけですよ。つまり、それがあるんだと言われて、あるんだということを主張しているんですから、あるんだという主張をしていてですね、その事務所の名前も出さずにですよ、これは、この、調べようがないじゃないですか。
 それと、それと、私が答弁しているのはですね、不当な、不当な働きかけはなかったと局長から聞いているわけでありますから、そう答えているわけであります。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) ちょっと速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
 先ほどから委員がお読みになっている文章は、どういう文章で、誰が書いて、何が書いてあるのか、私ども全く承知してございません。その文章をお読みになって、その先方の要望どおりとかなんとかおっしゃっておりますが、私どもは貸付けのときの賃料を決めるときも売却のときの不動産価格を決めるときも、全て不動産価格、鑑定士にお願いをして、そこできちんとした価格を決めているわけでございますので、そういう意味では、きちんとした正式な価格、時価で売却なり貸付けなりの契約をしているということでございます。
○小池晃君 資料を破棄しているのはそっちでしょうが。我々は独自に入手したわけですよ。何でその出どころを言わなきゃいけないんですか。そんなのを明らかにすると言われたら、国会での質問なんかできませんよ。
 それが違うというのであれば、違うということを証明するのは役所の責任ですよ、あなた方の責任ですよ。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
 先ほどから申しておりますように、我々きちんと文書管理規則に基づきまして、保存するものは保存する、一年未満のもので必要のないものについては事案終了とともに廃棄しているということでルールに基づいてやっておりますが、いずれにしましても、委員がおっしゃられている資料、それ何のことか全く承知しておりませんので、それについて私どもがコメントするというのはなかなか困難であろうというふうに思います。
○小池晃君 あのね、財務省は知っているはずなんです、これ全部ね、経過を。だから、それを、資料を破棄したといってこれ答えないわけです。これ、許し難いことですよ、この資料を破棄というのは。
 だったら、もう当事者の話聞くほかないですよ、これは。これ、当事者呼ぶしかないですよ。学校法人森友学園の籠池泰典理事長、それから当時の理財局長だった迫田英典国税庁長官、証人として当委員会に招致すると、こうすべきですよ。これね、当たり前じゃないですか。検討してください。
○委員長(山本一太君) 後刻理事会で協議いたします。
○小池晃君 総理、あれだけおっしゃったんだったら、真相を明らかにしようじゃないですか。私はこういう事実を示した。それが違うというのであれば、それが違うというのであれば、この証人喚問あるいは参考人招致、国会招致に賛成してください、自民党総裁として。真実を明らかにするために自民党総裁として国会招致に賛成してください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まあ、いきなり事実を明らかにしろと、いろいろ読まれましたが、それどういう文書かも分かりませんよ。それを真実だとして我々に言えと言われても、それが真実だということは小池さん側がそれを証明することが必要なんですね。
 かつて、かつて偽メール、かつて偽メール事件がありましたね。かつて偽メール事件というのがあった。それは結局証明できなかったわけですよ。
 ということもあるわけでありますから、それを、しかしちゃんと説明していただかなければいけませんし、ある事務所と、確かに小池さんはある事務所と言われたんですが、何か雰囲気としてまるで私の事務所が関わっているかのごときのイメージを与えているのは……(発言する者あり)別にそう言ったとは言っていませんよ。そう言ったとは言いませんけど、そういうイメージを与えているのは事実でありますから、そういう、そういう印象操作の、印象操作の質問はやめていただきたいと思いますし、そもそもどういう、どういうものを出しているのか、何をですね、何を、何を出しているのか、何を出しているのか、どういうものを、どういう資料を出しているかということをちゃんと示していただかなければ、これは理財局長としては答えようがないのであります。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) もう一回質問してください。ちょっともう一回、いや、ちょっともう一回。ちょっと待ってください。
 安倍内閣総理大臣。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 証人喚問等々については、これ議会運営のことでありますから、これまさに国会で決めていただくことであって、私がそれに口を出すのがおかしいという御主張をしているのは皆さんだろうと、こう思うわけでございますから、まさに委員会で御判断をいただきたいと思います。
○小池晃君 いや、自民党総裁でしょう。自民党の理事の皆さんに、じゃ、指示出してください。これ、やるべきだということで理事に指示出してください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、まさに総理大臣として、行政府の長として立っていて、答弁責任を持っているわけであります。
○小池晃君 印象操作印象操作と先ほどからおっしゃるけど、印象操作は安倍総理の方じゃないですか。私は安倍事務所なんて一言も言っていないんですよ。一言も言っていないですよ。そういうねじ曲げで議論をするのはやめていただきたいということを申し上げたいというふうに思います。
 これは、この国会招致に自民党がどういう態度を取るのか、国民は注目すると思いますよ。これに反対するようであれば、私は重大な問題になってくるということも改めて強調したいと思う。
 更に総理に伺いたい。総理は衆議院で、私が総理を辞めたときに、うちの妻が知っておりまして、その中で私の考え方に非常に共鳴している方で、その方から小学校をつくりたいので安倍晋三小学校にしたいという話がございましたと答弁しています。その方とは籠池泰典さんですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そうであります。
○小池晃君 安倍晋三小学校をつくりたいという話があったのは総理を辞めたときとおっしゃっていますが、これいつですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 何回かお答えをさせていただいておりますが、いつかというのは辞めた後でございまして、いつかということは、これ記憶には定かではないわけであります。これ夫婦の会話でありますから、それは、いつそういう会話をしたかということについては明らかではないのはこれは当たり前なのではないかと思います。
○小池晃君 私が総理を辞めたときに、うちの妻が知っておりましてということは、それ以前から総理夫人は籠池氏を知っていたということですか。総理夫人は籠池氏といつからのお知り合いなんでしょうか。これまで何度会われているんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これはですね、これはですね、これは総理を辞めた後ですから、これはいつか分かりませんよ。
 それと、私は、妻はですね、妻は、私は公人でありますが、妻は私人なんですよ。それで、一々、今、その妻の、妻をまるで犯罪者扱いにですね、そんなことをやるのは極めて私は不愉快ですけれどもね。極めて不愉快ですよ。本当に私は不愉快ですよ、そういう犯罪者扱いするのは。それは、いつ、いつ知ったかということについては、これは私は承知をしておりません。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
○小池晃君 犯罪者扱い、私していません。犯罪者扱いしたという言葉を撤回してください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはそういう印象を受けたわけですよ。いつどこでですね、いつどこで、いつどこで籠池理事長を知ったんだとか、それはまさにそうじゃないですか。まるで尋問調に小池委員がおっしゃるから、私はそういう印象を受けるのはこれ当然ではないかと思いますよ。
○委員長(山本一太君) ちょっと速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
 今の与野党のお話でございますが、これはちょっと後刻理事会でもう一度改めて協議をさせていただくということで、小池晃委員に御質問続けていただきたいと思います。
○小池晃君 犯罪者扱いというのは、これね、厳しく抗議したいと思います。私はそんなことは一言も言ってないですよ。
 それで、先ほどから私人です私人ですとおっしゃいますが、私人ですか。(資料提示)これね、安倍晋三内閣総理大臣夫人でパンフレットにも出ているわけですよ。講演会でも内閣総理大臣夫人という肩書、紹介されているわけですよ。明らかに公人じゃないですか。
 これ、塚本幼稚園を訪問されているのは、明らかになっているだけでも三回あります。最初は二〇一四年四月。翌一五年一月八日付けの産経新聞ウエブ版で報じられています。昭恵夫人は、二〇一四年四月、同園の視察と教職員研修のため訪れた。籠池園長から安倍首相ってどんな人ですかと問いかけられた園児らが日本を守ってくれる人と答える姿を見て、涙を浮かべ、言葉を詰まらせながらこう話した。ありがとう、ちゃんと伝えますと。
 その年の十二月六日には塚本幼稚園で昭恵夫人の講演会が開かれています。テーマは「ファーストレディとして思うこと」ですよ。公人じゃないですか。幼稚園の「おかあさん新聞」の一面に紹介されています。そして、二〇一五年九月五日にも安倍昭恵氏の講演会が行われていると。
 だから、少なくとも二〇一四年四月、十二月、そして二〇一五年九月と三回訪問している。これ以外にも訪問されているんじゃないですか。その事実を聞いているんです。私は犯罪者扱いしているんじゃない、事実を聞いているんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そういうふうに丁寧に聞いていただければいいわけですよ。
 妻は、私の言わば総理大臣夫人として外遊等に同行する上においては公人的な色彩を持つわけでありますが、妻は妻、別途人生があるわけでございますし、例えば原発政策において私と相入れないところの集会に行くこともあるわけでありますが、それは全く公人ではないわけですよね。
 そういうものもあるわけでありますし、先方がどういう肩書を書いているかということまではそれは責任を持てないわけでございますが、そこで、今にわかに聞かれても、にわかに、私の妻がいつどのようにということについては、これは恐らく、いつどのようにということについてはこれは記憶にないと思いますが、いつということについては記憶に恐らくないと思いますが、どのようにということにおいては、言わば一般の主婦の方で私の妻の知人から、一般の主婦の方でありますが、その方から、大阪の方だそうでありますが、私はその方は存じ上げませんが、その方から紹介されたと、こういうことでございます。
○小池晃君 すぐにお分かりにならないのであれば、あしたまた質問をしますので、今日おうちに帰ってよくお話合いをされてあした答えていただければと、丁寧に申し上げたいと。
 これ、明らかに公人としての活動ですよ。それで、もし内閣総理大臣夫人という肩書困るんだったら、これやめてくださいと言うべきじゃないですか。そのまま講演しているわけですよ。パンフレットに載っているんですよ。それが学校案内になっているんですよ。明らかにこれは公人としての活動だと私は申し上げる。
 で、総理御本人のことです。総理は、総理自身が講演をする予定でしたね、二〇一二年の九月。これ、二十四日の予算委員会、衆議院予算委員会で、私が講演をすると決まっていたときにお断りした、お断りする際に電話に替わってお話ししたのがほとんど唯一に近いと。これは、この幼稚園で講演することになっていたんですね。この講演というのは、誰から依頼がどなたにあったんでしょうか。総理自身が依頼を受けたんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどの妻の日程等々でありますが、言わば妻の、知り合って、日時等がこの土地の売買に関わりがあるんだったら私はそれをお答えをする義務がありますが、そうではない場合は、その妻の一々の、どこでどう会ったかということについて私はお答えをする義務はないと、こう思いますよ。
 つまり、その売買に関わっていたということにおいて、私の妻が関わっていたということで、それに関わることで御質問があるんであればお答えをさせていただかなければいけないと思いますが、それ以外について一々私が答えなければいけないという義務はないんだろうと、こう思うわけでございます。
 その上で、今の、今の質問は何でしたっけ、今の質問は。(発言する者あり)あっ、講演ですね。私に対する講演は、これは妻からそういう依頼があったということを聞いたところでございます。
○小池晃君 これはどこでやったんですか。どこでやる予定だったんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはもう、私は受けていないんですから、覚えていませんよ。たくさんの私、講演を断っていますから、その講演が何の講演、講演を受けて行ったやつでも全部覚えていないわけでありますから、これ、断った講演は、これはもう覚えていませんよ。
○小池晃君 じゃ、断ったことだけ覚えているんですか。都合がいいんじゃないですか。
 これは、だから、これは、これはね、だからこの塚本幼稚園での講演会ですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) どこでやるかという、どこでやるかということでありましたが、どこでやるかということについては、言わば講演と言われれば、普通どこか、ホテルとかそういうところもありますし、いきなり、どこでやることになっていたかということについて、断った講演会で覚えているわけないじゃないですか。
○小池晃君 塚本幼稚園の講演をキャンセルしたことは認めたんだから、要するに塚本幼稚園の講演だったということを、当たり前のことを聞いただけなんですけどね。
 それで……(発言する者あり)違うんですか、塚本幼稚園からの、森友学園からの要請をキャンセルしたんでしょう。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、だから、先ほど場所はどこだと言われたんで、場所は分からないということで、それはもう当然のことだと思いますよ、断った場所ですから。
 で、主体ですか。主体はちょっと、その主体は籠池さんからということしか覚えておりません。
○小池晃君 瑞穂の国記念小学院がまだ影も形もない段階で、二〇一二年に籠池氏から総理に対して講演の依頼があって、講演会を行う予定だったんだけど、結果としてキャンセルをした。そして、安倍昭恵氏は少なくとも三回塚本幼稚園を訪れて講演会を行って、そして瑞穂の国小学院の名誉校長に就任するわけであります。
 総理は森友学園のパンフレットは御覧になっていますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) パンフレットは見たことはないんですが、何か、通信、塚本幼稚園通信か何か、父兄がですね、父兄が何か印象を書かれたものは見たことがあるような記憶がございます。
○小池晃君 また答弁変わりましたね。衆議院ではパンフレットのようなものを見たと答えていますよ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それを、やや取調べ調だと思いますが、これは事の本質ではございませんから、この全然取引に関わりがないことですよね、私がパンフレットを見たかどうかって、記憶が薄いわけでありますから、それは。それ、私もいろんなところに講演へ行きますし、いろんな学校からも講演頼まれますよ。いろんな会社にも行きます。そのときに資料を見せられますが、その資料がどういうものであったか一々覚えていませんが、その中で、これは、通っている園児の何か両親が書かれていたものを読んだ記憶があるということでございます。そして、その中に、子供たちのしつけを大切にする、また伝統を大切にするということが書かれていたようなことがありまして、そこに共感をしたということでございます。
○小池晃君 このパンフレットを今日パネルにしましたけれども、この最初のページには、写真入りで、「名誉校長安倍昭恵先生 安倍晋三内閣総理大臣夫人」、「籠池先生の教育に対する熱き想いに感銘を受け、このたび名誉校長に就任させていただきました。」というふうに書いてあるんですね。私は、二月二十四日に、総理の、突如として籠池氏に対する評価が、そう簡単に引き下がらない、非常にしつこい方というふうに急変するまでは、私の考え方に非常に共鳴している方だというふうに言ってきた。名誉校長としてパンフレットにもこうやって紹介され、学校案内の巻頭に載せられてきた。これが国有地の払下げなどに全く影響がなかったと言えるでしょうか。
 総理は、二月二十四日の衆議院の予算委員会で、民進党の今井雅人衆議院議員から、総理大臣の夫人が校長になりましたということで、名前を使って何とかこっちにしてくれないかということ、可能性があるんじゃないかと質問されて、こう言っています。理財局、航空局に対して、安倍昭恵名誉会長ということを前面に出したのかどうかということもあるんだろう。実態として妻が名誉校長であったこと、これは事実でもありますから、それを示しながらということは一概にはないとは言えないと。認めているわけですね。
 これは、だとすればですよ、この国有地の払下げがもしも不当なものだったとすればですよ、これは、もしそうだとすればですよ、総理夫妻の政治的、道義的責任というのは免れないのではないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もう一度、私、その今井さんとのやり取りを調べさせていただきたいと思いますが、私が申し上げたのは、言わばそれは、名誉校長ということで使ったかもしれないとちょっと言ったかどうかって私は覚えていませんけれども、その上において、それは前もって示していただかなければ、私はちゃんと正確にはお答えをしようがないわけでありますが、いずれにせよですね、いずれにせよ、これは、例えば小池さん、安倍昭恵幼稚園と書いてあれば、理財局が恐れ入りましたといって安くするんですか。そんなことあり得ないですよね、あり得ないですよ。じゃ、事実、じゃ、事実ですね、事実、安倍昭恵とか私本人が頼んでいれば、頼んでいたってそんなことにはならないんですから、それが関係があるんであれば、例えば理財局からどういう御関係なんでしょうかということを言ってきますよ。そんなこと全く、全くないわけでありますから、ですから、それを、まさにそれかなり私は印象操作だと思いますよ、まるで私の妻がその値引きに関わっていたかのごとくの言動は是非やめていただきたいと、このように思います。
○小池晃君 だから、もしもこの取引が不当であれば、不当なものであれば道義的責任は問われるでしょうと言っているんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) その仮定の質問にはお答えできません。かつですね、かつ、その今井氏とのやり取りについては、私はどういうやり取りだったかもう一回ちゃんと見てみなければお答えできませんよ。小池さんを私は信用しないわけではありませんが、しかしそこは慎重なんですよ。今井さんがどういう質問をして、私がどう答えたかということを見なければいけないわけでありますが。
 いずれにせよですね、いずれにせよ、それは、籠池さんがどういう行動を取っていたのかはこれは分からないわけでありますが、分からないわけでありますが、しかし、いずれにせよ、家内が、また私がこの取引に関わっていないことについては申し上げたとおりでありますから、関わっていたというのであれば、それはちゃんと証拠を示していただきたいと思います。
○小池晃君 それは、解明しようと言っているので、私は関わったとは一言も言っていないでしょう。それが解明されるべき課題でしょうと。もしそれが解明されれば、それは責任を問われるでしょうと私は言っている。
 道義的責任はそこにとどまらないと私は思うんです。先ほど総理は、一幼稚園の、どう関わってもそれは関係ないじゃないかとおっしゃったけれども、この幼稚園の教育方針、これ大問題になっているわけですよ。だから、そこに総理なり総理夫人がどう関わってきたかというのは、これは重大な問題だから私は言っているわけですよ。
 安倍昭恵さんは二〇一五年九月五日の塚本幼稚園の講演でこう言っているんです。籠池園長、副園長の熱い熱い思いを聞いて、この瑞穂の国記念小学院で何か私も役に立てればいいなと思っていた、こちらの教育方針は大変主人もすばらしいと思っていたと言っているわけですね。一体この学校の教育方針のどこがすばらしいとこのとき総理は思っていらっしゃったのか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) だから、先ほど申し上げたとおり、私は見せられたものを見て、しつけをしっかりする、あるいは伝統や文化を大切にする、日本の歴史等についてもしっかりと大切にしていきたいということを言っていたということでありまして、妻も大変教育に非常に情熱を持った人だという話をしておりましたから、私は、会ってはいないけれども、そういうことを申し上げた。
 と同時に、今、私が関わっていたかどうかと、私が言わば取引に関わっていたかどうかということをこれを調べなければ、調べなければいけないということもおっしゃったわけでありますが、それはもう、これは私はないと、ないというふうに言っているわけでございます。政治家がどうこうということについては、不当な働きかけはなかったということを私は局長から聞いているということは申し上げたとおりであります。
○小池晃君 私は、だから総理が関わったって断言なんか一切していないじゃないですか。慎重に私、物を申し上げているつもりですよ。印象操作をしているのは総理の方だと申し上げておきたいと思います。
 その上で、その上で、じゃ、お聞きしますけれども、じゃ、今ではこのすばらしいというふうにおっしゃっていたことは間違っていたというふうにおっしゃいますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、私学の方針について、私は間違っていたかどうかということを総理大臣として言う立場にはないわけでありまして、これはまさに、これはこの法人を認める権限を持っているこれは大阪府が判断することであると、また最終的には文科省も判断することであると、このように思います。
○小池晃君 私、これで終わりにします。
 驚くべきことだと思いますよ。ああいう教育、あれ教育ですか。トイレに決まった時間しか行かせない。漏らしてしまったうんちをそのまま持ち帰らせる。これ、しつけでも何でもないですよ。虐待行為で人権侵害ですよ。
 それから、二年前の運動会で園児にこんな宣誓をさせた。日本がほかの国々に負けぬよう、尖閣列島、竹島、北方領土を守り、日本を悪者として扱っている中国、韓国が心を改め、歴史教科書でうそを教えないようお願いいたします、安倍首相頑張れ、安倍首相頑張れ、安保法案国会通過よかったですと。(発言する者あり)今自民党席からすばらしいという声が上がった、正しいという声が上がった。ヘイトスピーチに属するような話じゃないですか、これは。これが正しいというのが今の自民党なんですよ。全くふざけた話だ。さすがにこれ、総理だってこれは適切でないというふうに認めたじゃないですか。こういうふうに園児に宣誓させることは適切でないというふうに総理だって認めたでしょう。
 まさに、しかも、このパンフレットにも書いてある教育方針の冒頭にあるのは、教育勅語を素読すると。教育勅語は……(発言する者あり)今閣僚席からいいじゃないかという声が上がったけど、一九四八年に、衆議院では排除に関する決議、参議院では失効確認に関する決議が上げられている。それを賛美する教育のどこがすばらしいのかと。安倍昭恵氏が言っているように、この教育方針を総理はすばらしいというふうに評価をしてきた、これは事実としてあるわけですよ。
 昭恵夫人の講演を聞いた保護者の感想が「おかあさん新聞」で紹介されています。日本一の幼稚園とおっしゃってくださり心より感謝、この幼稚園のすごさを実感しました。誰がどう見ても広告塔ではありませんか。
 まさに総理夫人の、夫妻の、夫妻のですよ、この問題、こういう、今ではあれだけ批判を浴びている教育内容を賛美してきた。少なくとも保護者の皆さんは、総理夫人がここまで来て講演までしてくれるすばらしい幼稚園なんだというふうに受け止めている。このことの道義的な責任は免れないんじゃないですか。これも責任が全くないとおっしゃいますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 教育方針については今私は申し上げる立場にはないわけでありますから、認可をされているわけでありますから、言わば認可の責任は、これは言わば認可した大阪府があるということではないかと思いますし、教育内容について、私が私学の教育内容について云々する、また意見を申し上げる立場にはないわけであります。
○小池晃君 私の質問に答えていないですよ。私はそんなこと言っていないですよ。
 総理が、これだけの問題を抱えた、総理自身も適切でないというふうにおっしゃったじゃないですか、そういったところをすばらしいと一度は言い、そして夫人は何度も講演に訪れた。保護者は皆さん、それでこれはいい幼稚園なんだというふうになっている。そして今、小学校も、これが宣伝材料にされて、学校案内に出されているわけでしょう。そのことの道義的な責任というのは免れないんじゃないですかと。これぐらいは認めていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私が申し上げたのは、安倍晋三頑張れ、頑張れということについては、別に私はそんなことを言ってもらいたいとは更々思わないと、こういうふうに申し上げたわけでございます。
 そして、教育方針自体については、これはまさに教育の、これは私学の方針についてでありますから私は答える立場にはないわけでありまして、方針についてもし御質問があるのであれば文科大臣からお答えをさせていただきたいと思います。
○小池晃君 全く答えていないですよ。私はそんなこと言っていない。この学校の教育方針がどうだこうだと言っているんじゃない。これを持ち上げてきたというのは事実でしょうと、そのことに対して道義的な責任はないんですかと、こう聞いているんですよ。もう一回答えてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 持ち上げたとか駄目だとかいうことをおっしゃっていますが、ですから、私は今総理大臣として答弁をする立場であって、言わば私がここで申し上げることができるのは、まさにこれはこの教育方針がどういう方針であったかということの評価を言っているわけでありまして、その評価の上に道義的責任があるかないかということになるわけでございますから、お答えのしようがないわけでございます。
○小池晃君 私は本当に苦しい答弁だと思いますよ、これ。これ、やっぱりどう考えたって道義的な責任ありますよ。これが宣伝、広告塔になって、子供たち、あるいはお母さんたち、お父さんたち。その責任ぐらい認めるべきだと。
 もうこれ、あした続き、明日の九時から続きをやらせていただきますので、よろしくお願いします。
 終わります。(拍手)
○委員長(山本一太君) 残余の質疑は明日に譲ることといたします。
 次回は明二日午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十九分散会