第193回国会 予算委員会 第13号
平成二十九年三月十五日(水曜日)
   午前十時三分開会
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   委員の異動
 三月十四日
    辞任         補欠選任
     渡邉 美樹君     島村  大君
     浜田 昌良君     三浦 信祐君
 三月十五日
    辞任         補欠選任
     島村  大君     渡邉 美樹君
     中野 正志君     中山 恭子君
     紙  智子君     山添  拓君
     大門実紀史君     吉良よし子君
     浅田  均君     室井 邦彦君
     石井  章君     石井 苗子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 一太君
    理 事
                石井 準一君
                中泉 松司君
                二之湯 智君
                長谷川 岳君
               三原じゅん子君
                福山 哲郎君
                舟山 康江君
                竹谷とし子君
                辰巳孝太郎君
    委 員
                青山 繁晴君
                朝日健太郎君
                有村 治子君
                上野 通子君
                太田 房江君
                こやり隆史君
                古賀友一郎君
                酒井 庸行君
                島村  大君
                高橋 克法君
                中西 健治君
                中野 正志君
                中山 恭子君
                長峯  誠君
                三宅 伸吾君
                元榮太一郎君
                山田 修路君
                山田  宏君
                吉川ゆうみ君
                渡邉 美樹君
                風間 直樹君
                小西 洋之君
                杉尾 秀哉君
                白  眞勲君
                藤末 健三君
                宮沢 由佳君
                矢田わか子君
                平木 大作君
                三浦 信祐君
                宮崎  勝君
                若松 謙維君
                吉良よし子君
                山添  拓君
                石井 苗子君
                室井 邦彦君
                山本 太郎君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       法務大臣     金田 勝年君
       外務大臣     岸田 文雄君
       文部科学大臣
       国務大臣     松野 博一君
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  世耕 弘成君
       国土交通大臣
       国務大臣     石井 啓一君
       防衛大臣     稲田 朋美君
       国務大臣
       (復興大臣)   今村 雅弘君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       防災))     松本  純君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策、男女共同
       参画))     加藤 勝信君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    石原 伸晃君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革、地方創生)
       )        山本 幸三君
   副大臣
       財務副大臣    大塚  拓君
       厚生労働副大臣  古屋 範子君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  武井 俊輔君
       厚生労働大臣政
       務官       馬場 成志君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 亮治君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       永井 達也君
       内閣官房内閣審
       議官       大島 一博君
       内閣府大臣官房
       審議官      木下  茂君
       内閣府地方創生
       推進事務局長   佐々木 基君
       内閣府国際平和
       協力本部事務局
       長        宮島 昭夫君
       警察庁刑事局長  吉田 尚正君
       個人情報保護委
       員会事務局長   其田 真理君
       金融庁監督局長  遠藤 俊英君
       復興庁統括官   関  博之君
       総務省統計局長  會田 雅人君
       法務大臣官房審
       議官       加藤 俊治君
       外務大臣官房国
       際文化交流審議
       官        下川眞樹太君
       外務大臣官房審
       議官       水嶋 光一君
       財務省理財局長  佐川 宣寿君
       文部科学省生涯
       学習政策局長   有松 育子君
       文部科学省初等
       中等教育局長   藤原  誠君
       文部科学省高等
       教育局長     常盤  豊君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  村田 善則君
       スポーツ庁次長  高橋 道和君
       厚生労働大臣官
       房技術・国際保
       健総括審議官   福田 祐典君
       厚生労働大臣官
       房総合政策・政
       策評価審議官   酒光 一章君
       厚生労働省医政
       局長       神田 裕二君
       厚生労働省健康
       局長       福島 靖正君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局長  武田 俊彦君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局生
       活衛生・食品安
       全部長      北島 智子君
       厚生労働省労働
       基準局長     山越 敬一君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   宮野 甚一君
       厚生労働省保険
       局長       鈴木 康裕君
       農林水産省消費
       ・安全局長    今城 健晴君
       経済産業大臣官
       房審議官     田中 茂明君
       国土交通省住宅
       局長       由木 文彦君
       国土交通省港湾
       局長       菊地身智雄君
       国土交通省航空
       局長       佐藤 善信君
       国土交通省航空
       局安全部長    高野  滋君
       海上保安庁長官  中島  敏君
       防衛省統合幕僚
       監部総括官    辰己 昌良君
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  本日の会議に付した案件
○委嘱審査に関する件
○平成二十九年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十九年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十九年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ─────────────
○委員長(山本一太君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 この際、平成二十九年度総予算三案の審査の委嘱についてお諮りいたします。
 本件につきましては、理事会において協議の結果、次のとおり決定いたしました。
 一、審査を委嘱する委員会及び各委員会の所管は、お手元に配付のとおりとする。
 一、審査を委嘱する期間は、特別委員会については三月二十一日の一日間、常任委員会については三月二十二日の一日間とする。
 以上でございます。
 ただいま御報告いたしましたとおりとすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本一太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(山本一太君) 平成二十九年度一般会計予算、平成二十九年度特別会計予算、平成二十九年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、昨日に引き続き、質疑を行います。
 宮沢由佳君の関連質疑を許します。矢田わか子君。
○矢田わか子君 おはようございます。昨日に引き続き質問を行います。
 今朝は、森友学園の問題、少し触れさせていただきたいと思います。
 今回の疑惑は、元をただせば、国有地払下げに伴い八億の値引きに妥当性があったかということと、そして、通常の実費精算型ではなく土地の価格そのものを引き下げたということが適切であったのか、この二つから始まりました。理財局、大阪航空局の皆さん、分かりやすい説明をしていただけないがために、疑問が要らぬ臆測を呼び、疑惑になり、大きな疑惑として今広がっているという認識にまず立っていただきたいと思っております。
 是非とも政府としても、内部調査を始め資料の公開と分かりやすい説明をしてください。ここの予算委員会の皆さんのみならず国民の皆さんがそれを求めております。まずもって御要望申し上げます。
 その上で、一点に絞り質問させていただきます。
 小学校の設置認可の申請の取消しによって、近畿財務局、森友学園に買戻しの通知をされました。完成間近な建物の扱いに関し、一方では、これから学園側から何らかの訴訟が起こされるのではないかという臆測も出ております。財務省としてこうした訴訟リスクというものに対してその準備をされているものと思いますが、今の準備状況をお聞かせいただけませんでしょうか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
 三月十日に森友学園が小学校設置の認可の申請を取り下げました。これを受けまして、私ども、今月末までに小学校の用地に供するという契約上の学園側の義務が果たせない見込みとなったことから、今後、国として土地の返還を求める契約上の権利を行使することになる旨、既に近畿財務局から森友学園側にお伝えをしたところでございます。
 また、売買契約におきましては、買戻しあるいは契約の解除の権利を行使した後に土地の原状回復を求めることができるとされてございますので、森友学園に対しましては建物等の撤去を求めることになると考えてございます。
 今委員がおっしゃいました様々なリスクでございますが、いずれにしましても、今後状況の変化があった場合には、その時々の状況に応じまして、私ども、法令と契約に基づきまして適切に対応してまいりたいというふうに考えてございます。
○矢田わか子君 是非とも、最大限のリスクを想定し、今回は透明を高めた対応をお願いしたいというふうに思います。
 続いて、少し質問の内容をがらっと変えまして、第四次産業革命への対応について質問させていただきたいと思います。
 第四次産業革命、お手元の資料三をお配りしておりますが、その概要図を示しているものでございます。
 物にセンサーを取り付けてインターネットとつなぐIoT、人工知能AIの進化、ビッグデータの活用、ロボット技術の進捗など、情報通信技術の発展の上にこれらの技術が付加され、今後想像が付かない世界が広がると言われております。私自身、電機産業で長年働いてきましたが、まさに電機産業はこれら第四次産業革命に深く関わっている産業であります。最近の技術の進歩、それによって生み出される様々な製品は、間近で見ていても目覚ましいものがありました。
 政府として、特に我が国の製造業の国際競争の強化に関し、これまでの研究開発に対する様々な補助金や税制の実行、あるいは研究インフラの整備など、相当の対策を講じてこられたと思います。では、この第四次産業革命についてはどのような御認識の下でどのような戦略を立てられようとしているのか、経産大臣の見解を求めます。
○国務大臣(世耕弘成君) 今、世界的に第四次産業革命に関する競争がスタートしようとしている状況の中であります。これは注意深くうまく政策誘導をやっていかなければいけないと思っていますが、日本には結構チャンスがあると思っています。
 例えばAIなんといっても、これ、人工知能といっても勝手に考えるわけではなくて、やっぱりデータをたくさん放り込んであげてそれで学習するディープラーニングといいますが、学習をして初めてAIとして機能していく、そのデータの量が多ければ多いほどいいんですが、実は日本は結構隠れたデータを持っているんですね。
 例えば車のシェアは世界で三〇%です。これ、年間走行距離に直すともう何兆キロメートル走っているわけです、日本車というのは。グーグルが幾ら偉そうなことを言っても、今まで走ったのが大体三百万キロから四百万キロですから、実はデータを取る気になったら取れる。あるいは、産業用ロボットのシェアは五七%、あるいはCMOSセンサーのシェアは四六%ですから、こういうデータもきちっとうまく集めていけば、日本が一番データを持っているということになる。あるいは、国民皆保険の下でレセプトも電子化をされていますから、健康医療のデータも我々は持っている、こういう強みがあると思っています。
 もう一つはニーズです。これは、例えば、少子高齢化が進む中で労働力人口が減っていきますから、ロボットに対するニーズが一番強いのは日本ということになります。あるいは、過疎化、高齢化の中で、公共交通からも見捨てられていわゆる交通弱者になっているような過疎地の高齢者に対しては、自動運転のニーズというのが非常に大きくなっていく。そういう意味で、可能性もニーズも非常に日本は持っていると思っています。
 ただ、問題点は、日本はこれまで、お勤めの会社もそうだったと思いますが、垂直統合で成功してきました。系列という名の下で垂直統合できちっとすり合わせをしたものをねじ一本から作っていく、それで完成度の高い製品で成功してきました。ただ、もう既に情報革命でもそうですし、第四次産業革命は更にそれが加速されると言われていますが、垂直統合モデルの方が有利なんじゃないかと言われている、これがなかなか、あっ、水平統合、水平統合モデルの方が有利なんじゃないかと言われている。これが垂直統合モデルで経営に慣れてきた日本の企業がこの水平統合のモデルに乗り移れるかどうかというところが大きなポイントだというふうに思っています。
 総理は、来週、CeBITというドイツのIT関係のイベントに参加をされますけれども、そういう場でもそういう問題意識を持って臨んでいただいて、日本企業が強みを生かしながら連携をして水平にグループを組んでいくというような政策を打ち出していく必要があるんではないかというふうに考えております。
○矢田わか子君 ありがとうございました。
 大臣もおっしゃられたとおり、昔から言われておりますとおり、この日本の製造業における強みは、人、組織、技術のすり合わせによって新たな製品を開発したり生産性を上げるという、そういう強みを持ってきたと思います。
 今回の第四次産業革命においても、このIoT、ビッグデータの解析、そしてAIなどを今ある既存のサービスや既存のものとどうすり合わせて新しい付加価値やサービスを生み出していくか、ここの必要性があるのだと思います。
 政府における支援策、おっしゃったとおり、垂直統合型から水平統合型に変わる、変えていく上での必要性について企業も十分認識をし、進めていくものと思われますが、政府としての何か支援策があればもう一度教えていただけますか。
○国務大臣(世耕弘成君) これはなかなか補助金とかそういったもので誘導はしにくい話かも分からないです。
 物すごく長期的な話でいうと、例えばアメリカやドイツの企業というのは積極的に今買収攻勢をやっているんですね。この分野が有望だということになれば水平に買収を掛けていく。
 ところが、日本企業は残念ながら非常に意思決定が遅い。内部留保を積み上げて、何とか自分が社長の間は大過なく過ごそうという方が多いと言われているわけでありますけれども、そういう中で、例えばコーポレートガバナンスをやっぱりしっかり強化することで、こういった第四次産業革命に対応した水平連携に積極的ということは、積極的に投資をして必要な企業を買収するような経営者じゃないと評価をされないというような仕掛け、これは政府としていろんな形で仕組みをつくっていくこともできると思います。あるいは、実証実験も余りもうやり過ぎで駄目だと言われていますが、実証実験のような形で企業が水平的に連携をするような場を政府が提供するというようなこともあるのではないかというふうに思います。
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 やっぱり、企業に対しても、是非政府から水平統合に向けての御示唆をいただければと思います。
 とはいえ、この第四次産業革命がもたらす様々な変化、相当に早く異次元の世界で大規模なものになることが想定をされます。まさに言葉のとおり革命が起こる、パラダイムが転換するというその前提で、国として引き続き過渡期に対してどう対応するのか、ここに焦点を当てた御対応をお願いしたいというふうに思います。
 引き続き、次の質問に入らせていただきます。
 一方で、私たちは、こうした第四次産業革命の中、技術の進歩を客観的に傍観ばかりしてはいられないというふうに思います。私たちにとって多くの便益があるということは、その反面、個人情報保護の在り方、ほかの負の側面があることも忘れてはならないと思っております。第四次産業革命が社会に与える影響あるいは個々人の生活に与える影響についても、先を見通して手を打っていく必要性があると考えます。とりわけ、各企業、今後ますます事業の選択と集中、そして非常に厳しい事業構造改革などを余儀なくされており、外資の参入を含め、企業間の統合など様々な変化が想定される中におります。
 こうした場合に、労働力の転換、すなわち働く人たちの次なるステージをも含めた雇用の確保を図ることが、失業者を増やさない、雇用率を維持していくためにも必要なことではないかと考えます。そのためには、個別企業による取組はもちろんのことですが、労働市場の流動化の促進やそれに伴う社会人の再教育など、政府における政策的な支援が必須になってくると思われますが、大臣の御見解をお願いします。
○政府参考人(宮野甚一君) お答えをいたします。
 第四次産業革命により産業構造が転換する中では、人材の流動化の問題を含めまして、働く方々の能力開発が非常に重要であるというふうに考えております。このため、成長戦略に基づきまして第四次産業革命人材育成推進会議が昨年十二月に設置をされております。この会議では、総務省、文科省、経産省に加えまして私ども厚生労働省も参画をいたしまして、産業界や教育訓練機関等のニーズ、御意見を伺いながら、今後到来すると考えられる産業構造、就業構造の変化と、その中で想定される新しい産業に即した人材像やスキルについて議論をしております。
 厚生労働省といたしましては、社会人の学び直しを支援する専門実践教育訓練給付についてIT分野の講座の拡大等を図るとともに、その給付率の引上げ等を内容とする雇用保険法の改正案を今国会に提出をするなど取組を進めているところでございますけれども、今申し上げました人材育成推進会議の御議論も踏まえまして、関係省庁と連携しながら、必要とされる人材の育成に向けて支援策を講じてまいりたいというふうに考えております。
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 これまで、そして今日も、労働者に対する能力開発は企業に頼っているところが大きいというふうに思っています。しかしながら、今回の革命の前提を捉えれば、恐らくやこうした技術を追いかけていくこと、一つの企業の中だけでは難しいというふうに思います。中小企業はましてやです。
 こうしたスキルチェンジについては、それに付いていけない労働者も含め、どのようにフォローしていくのかという社会政策も必要となります。政府としてもこうしたことを見据えて、職業転換の対応を含めた能力開発、公的な職業訓練の高度化など、より実効性の上がる社会人の能力開発支援を展開していただきたいと思います。
 最後の質問に参ります。ICTの人材の育成についてということであります。
 この技術革新の進展を踏まえて、我が国にとってICT人材やセキュリティー人材の育成の確保は一つの国家戦略となります。そのためにも、教育分野におけるICTの利活用や、ICTモラルやリテラシーの教育を推進する必要があります。
 具体的には、資料三にも記載しましたが、先ほどの社会人のスキル転換を促す学び直しのみならず、更に早い段階からの取組が必須となります。例えば、初等中等教育の段階から、基本的なIT技術、知識の習得はもとより、簡単なプログラムが組めるレベルの技術教育などを推進する、また、高等教育、大学においては、システム開発ができるレベルなどのより実践的な教育を行うことが必要となってきます。そのためには、指導する教員についても人材交流を含めた産官学の連携を強化することが必要です。
 この学校教育におけるICT人材の育成に関して、文部科学省としてのお考えをお聞かせください。
○国務大臣(松野博一君) 第四次産業革命に向け、ICTを活用できる創造性に富んだ人材の育成は重要な課題と認識をしております。
 このため、文部科学省において、初等中等教育において、情報や情報技術を活用して新たな価値を創造していく力を教育課程全体で確実に育むとともに、情報の科学的な理解に関する教育を一層充実するため、学習指導要領の改訂を予定をしております。また、高等教育段階における専門人材の育成については、産学でネットワークを構築し、実践的な教育プログラムを実施しており、平成二十九年度には新たに社会人の学び直しプログラムの開発、実施を予定するなど、社会人に対する教育も含め、初等中等教育から高等教育の全ての段階においてICT人材の育成に取り組んでいるところであります。
 文部科学省として、産学官連携の下、初等中等教育、高等教育、社会人教育を通じてICT人材の育成に努めてまいります。
○矢田わか子君 他国に後れを取らない持続可能な産業成長に向けて……
○委員長(山本一太君) 矢田君、時間が終わっておりますので、まとめてください。
○矢田わか子君 はい。
 第四次産業革命を前提とした教育の在り方について、大幅な予算執行を含めたお取組を御要請申し上げ、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(山本一太君) 以上で宮沢由佳君及び矢田わか子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、杉尾秀哉君の質疑を行います。杉尾秀哉君。
○杉尾秀哉君 おはようございます。民進党・新緑風会の杉尾秀哉でございます。
 私は、森友学園に関連した諸問題を伺います。
 まず、稲田大臣に伺います。
 大臣は昨日、森友学園の訴訟代理人として出廷したことを認めて、これまでの答弁を訂正、謝罪されました。そこで、まず伺います。これまで大臣は、森友の顧問だったことはないし、何らかの法律相談を受けたこともなければ事件を扱ったこともないなどと、何度も何度も繰り返し答弁されています。これらは全て虚偽答弁だったということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 私の記憶に基づいてこれまで答弁をしてまいりました。しかしながら、報道で昨日、十三年前の抵当権抹消訴訟の裁判所の出廷記録が掲載されたことを受けて確認をいたしましたところ、平成十六年十二月九日に夫の代わりに出廷したことを確認をできました。この点は訂正し、おわびを申し上げたいということも申し上げたところです。
 本件について、今委員は虚偽の答弁であったというふうに御指摘をいただいているわけですけれども、私としては、自らの記憶に基づいて答弁をいたしたものであって、虚偽の答弁をしたとの認識はございません。
 いずれにいたしましても、私といたしましては、今後とも誠実な答弁に努め、誠心誠意職務に当たってまいりたいと考えております。
○杉尾秀哉君 その記憶になかったというのは到底承服できないんですけれども、そもそも、伺います、森友学園の籠池理事長とは何年前くらいからのお付き合いなんでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 何年前から、少し記憶にありませんけれども、この二〇〇四年の裁判所の提起よりも前なんだろうと。そして、籠池氏は保守的な活動もされておりましたし、私自身も大阪で裁判を提起をしたり、保守的な活動をしていたので、そういった際に面識を得たのではないかなというふうに思います。
○杉尾秀哉君 その出廷記録のある裁判の提訴が二〇〇三年でございますので、恐らくもうその頃にはお付き合いがあったんだろう、つまり十三年ぐらい前ということになりますけれども。
 昨日も風間議員、同じような質問をして、曖昧な答えだったわけですけれども、では伺いますが、籠池理事長とは言わば家族ぐるみのお付き合いだったんではないでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 家族ぐるみのお付き合いであったというふうには認識はいたしておりませんけれども、御主人もそれから奥様も面識がございます。
○杉尾秀哉君 稲田大臣のお父様、椿原泰夫さん、去年十月お亡くなりになられた。大臣も非常におつらかったと思います。
 その椿原さん、お父様、民族派団体、頑張れ日本!全国行動委員会京都本部の元代表でいらっしゃった。関西の保守運動では有名な方で立派な教育者だったというふうに伺っております。お父様と籠池理事長は、同じ教育者でどちらも関西で保守運動をされている。お父様を通じて籠池理事長と知り合いになられたのではないでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 今委員がおっしゃいましたように、昨年父を亡くしておりますので確かめようがありません。ただ、今おっしゃっていただいたように、父は保守的な活動をする教育者でありました。
○杉尾秀哉君 籠池理事長は今年二月の週刊誌のインタビューで、椿原先生とは親しくさせていただいていたと、こういうふうに答えています。お二人が親しかったことは大臣は御存じだったでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 父とはいろいろなお話は生前しましたけれども、もちろん籠池氏のことについて父が語っていることは聞いたことはございますが、それ以上ここで申し上げる立場ではありませんし、父が今おっしゃったような形での親しかったというふうには私は認識はいたしておりません。
○杉尾秀哉君 個人的なことに立ち入るつもりでは私はないんですけれども、まずどの辺から接点があったのかということで伺ったんですが、昨日の答弁の訂正もそうなんですけれども、答弁の信用性そのものが私は大きく揺らいでいると思っております。
 例えば、今月の八日、我が党の小西議員、参議院の予算委員会です。稲田大臣が塚本学園の顧問だったのではないか、弁護士法人光明会の代表だったのではないかという質問に対して、大臣はこのようにお答えになっています。お尋ねの、私が弁護士法人光明会の代表となっていたことがあるかということでございますが、これまで私は、光明会の代表となったことはございません、今委員が御指摘の政官要覧、さらには時事通信ホームページにある弁護士法人光明会代表ないし弁護士法人代表との記載は誤りでありますので、訂正を申し入れたいと考えております、こういうふうに答弁されています。この答弁のとおりで間違いございませんでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 今委員長がおっしゃったのは、私の答弁を読み上げていただいたんだと思います。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 静粛に願います。
○国務大臣(稲田朋美君) なので、そのように答弁したことは間違いがございません。
○杉尾秀哉君 実は、稲田大臣が初出馬したときの平成十七年の衆議院選挙の選挙公報を取り寄せてみたんですが、ここに、稲田朋美の歩みという経歴の欄に、平成十六年十二月、弁護士法人光明会代表に就任、こういうふうに書かれています。この答弁の内容とこの選挙公報とどちらが正しいんでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 先ほどの答弁のとおり、私は答弁をいたしました。
 そして、弁護士法人光明会設立は平成十六年十二月でございますが、当初の弁護士法人光明会は、代表社員を置かない、社員二名、稲田龍示と稲田朋美ですけれども、その体制であって、代表社員を置かない場合は、それぞれの社員、すなわち、業務執行上弁護士各自が同会を代表していることから、その一人である稲田朋美について、私ですね、私について、光明会代表と記述したものであって、その選挙公報は誤りではございませんけれども、今般の議論、すなわち平成二十年に定款を変更し、社員二名体制の際に代表社員を置くこととしており、稲田龍示を代表者としたこともあり、訂正を申し入れることとしたものでございます。
○杉尾秀哉君 今の説明、全然分からないんですけれども、答弁では、光明会の代表となったことはございませんと、政官要覧、それから時事通信のホームページも訂正を申し入れます、ここまではっきり答えていて、ここに、選挙公報に代表に就任って書いてあるじゃないですか。全然今の説明、理屈通っていないですよ。どういうことなんですか。
○国務大臣(稲田朋美君) 設立当初の弁護士法人光明会、これは、代表社員を置かない、社員二名体制でした。代表社員を置かない場合には、それぞれが、それぞれが業務執行上代表をしていることから、その一人である稲田朋美について光明会代表と記載したものであり、誤りではありませんけれども、代表社員に稲田龍示が就任をしていること、また、正確な記述とするため訂正を申し入れるということにしたものでございます。
○杉尾秀哉君 今の説明は一般の人には全く通じません。この選挙公報は公職選挙法違反になりますよ。
○国務大臣(稲田朋美君) 今のその経歴詐称ということについてでございますけれども、弁護士法人光明会設立当初は、代表社員を置かない、社員二名で、それぞれが、それぞれが代表権を持つという意味において、それは経歴詐称ではないということであります。しかしながら、代表社員を稲田龍示と決めておりますことから、訂正を、正確な記述とするため訂正を申し入れているということでございます。
○杉尾秀哉君 どうしてここまで森友との関係を否定しよう否定しようとするのか私にはさっぱり分からないんですが、こういう話もあります。昨日の夜放送されましたTBS系のニュース23、昨日昼頃なんですけれども、森友学園が運営する大阪市の幼稚園、塚本幼稚園で修了式が行われました。その音声を入手したということで放送しております。
 ここに登場したのが籠池理事長の妻です。籠池理事長の奥様はこういうふうに言っています。稲田朋美さんが国会で籠池さんを知らんと言ったのはちょっと頭にきたんですね。国会議員が国会でうそをついて、どうやって防衛大臣が国を守れるんですか。十年前から付き合って、二年前に会議が自民党であったときにいましたよ。これは稲田さんですね。私はあの人嫌いだから話していないけど、園長は話していましたよって、こういうふうに言っているんですよ。籠池理事長はほかのインタビューでも二年前に会ったって言っているんですよ。会った事実認めないんですか。
○国務大臣(稲田朋美君) 今、奥様の発言を読み上げていただきました。奥様らしいなと思いますが……(発言する者あり)申し訳ありません。
○委員長(山本一太君) 答弁中ですから静粛にお願いします。
○国務大臣(稲田朋美君) 籠池氏とはここ十年来疎遠にいたしております。今御指摘の件については、多数の方々が参加する業界の会合や政策会合や後援会などの場で、今自民党の会館でというふうにおっしゃっておられますけれども、そこに籠池さんがお見えになったのかも分かりませんが、私の記憶に基づきますと、お会いしたという認識はございません。
○杉尾秀哉君 大体その十年前に、十年前に大変失礼なことがあったと、以来関係を絶っていると言いながら、ではどうして去年の十月に防衛大臣表彰したんでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 防衛大臣感謝状については、自衛隊に対していただいた協力、援助の功労が著しい個人又は団体に対して贈呈するもので、毎年、自衛隊記念日行事の一環として行われる防衛大臣感謝状贈呈式において約百三十名に対し贈呈するほか、外国軍人等にも適宜贈呈しております。
 籠池氏に対する防衛大臣感謝状については、海上幕僚監部の推薦に基づき、同氏が長年にわたり自衛隊の部隊の交流等を通じて防衛基盤の育成と自衛隊員の士気高揚に貢献されたことに対し、平成二十八年十月二十二日の防衛大臣感謝状贈呈式において感謝状を贈呈したものでございます。
 なお、この感謝状を贈呈するかどうかを決める決裁権者は事務次官でございまして、その選考過程に政務は関わってはいないということでございます。
○杉尾秀哉君 非常に苦しい答弁なんですけれども、稲田大臣の答弁が信用性がない。大臣としての信用にも関わる。これは籠池さんの、理事長の奥様の言をそのまま引用するわけではないですけれども、私は防衛大臣として極めて不適格であると思います。
 自ら身を引くべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 誠実な答弁に今後は心掛け、そして防衛大臣として誠心誠意職務に邁進してまいりたいと考えております。
○杉尾秀哉君 南スーダンのPKOの突然の撤退もそうですけれども、自衛隊の中には、大臣、それから、いろんな不満がある、防衛省の中で稲田大臣は四面楚歌の状態であると、こういうふうに聞いています。もう続けるの無理なんではないでしょうか、どうでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 南スーダンでも、この炎天下で今自衛隊の諸君は本当に日本らしい貢献をしてくれております。そして、自衛隊、防衛省、一体となって、この厳しい我が国を取り巻く安全保障環境の中で、私も防衛大臣として、国会においては誠実に答弁をし、また誠心誠意職務に邁進し、我が国の防衛に万全を尽くしてまいりたいと考えております。
○杉尾秀哉君 先ほど御紹介したニュース23で、籠池理事長はこういうふうに言っているんですね。当初、事件が起きてからしばらく身を隠していた、隠してくれと言われて、財務省の方から身を隠しておいてくださいと言うから、ああ、そうなんかと、こういうふうに昨日、幼稚園の修了式で言っています。
 これ、財務省は、身を隠しておいてください、籠池理事長にこういうことを言ったんでしょうか、どうなんでしょうか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
 そういうことは言ってございません。
○杉尾秀哉君 フリージャーナリスト、作家の菅野完さんが籠池理事長に行ったインタビュー、日曜日だったと思います。稲田大臣の名前、当然出てまいります。それから、鴻池参議院議員、出てまいります。もう一人、鴻池さんのパーティーに来ていたという麻生財務大臣の名前が出ています。麻生大臣とは二回ほどお目にかかり、写真撮影に入らせてもらった、最初はまだ総理大臣になる前、帝国ホテルかどこかのパーティーで、その後は鴻池先生のパーティーのゲストとして来られた。
 そこで、麻生大臣に伺います。籠池理事長を御存じでしょうか。パーティーか何かで会った記憶はございますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 普通、その種の珍しい名前だったら、覚えはいい方ですから結構覚えるんですけれども、全く記憶はありません。
○杉尾秀哉君 今回の一連の経緯は非常に不可解な部分が多くて、御党ですね、自民党の衆議院議員、作新学院の学院長をされています船田元先生、船田元衆議院議員、特別な力が働いたと思わざるを得ないとインタビューに答えています。特別な力というのが何を指しているか分からないんですけれども、引き続き解明したいと思いますが、今日は本来予定していた質問がありますので、ちょっと短く伺います。
 資料をお配りしました。この森友学園をめぐっては法令違反が幾つか指摘されているんですけれども、三つばかり挙げさせていただきました。校舎の建築請負契約が三つあった。それから、補助金の不正受給でないかと見られる事案が、二番目ですけれども、あります。それから、これ、市民ですけれども、刑事告発されています。
 そこで、石井大臣に伺いますけれども、この三種類の契約、これ、籠池理事長はこういうふうなことを言っているんですが、上振れ分を見込んだ額で多めに申請して余ったら返そうと思った、こういう趣旨の話をしています。こういう、実際の額よりも多めに見積もって余ったら返すという、こういう申請のやり方というのは許されているんでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 通常そういう方法はやらないというふうに思っています。
○杉尾秀哉君 そうしますと、これ実際に二十三億で、そのうちの事業対象が二十一億八千万円だったと思うんですけれども、この二十一億八千万円、それから元々のその請負契約の二十三億八千四百万円、この契約の内容と金額というのは精査したんでしょうか。こんなに三つも離れた契約が出ているんですけれども、どうでしょう。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
 国交省のサステナブル建築物等整備事業の先導事業に対します契約書は、約二十一億に該当するものでございます。この工事請負契約書など国交省に対して提出されました申請の内容につきましては、事実関係の詳細をやはり明らかにする必要があるというふうに考えております。大臣からも、本件に対して補助事業の事実関係の調査を進めるようにと御指示をいただきました。
 これに基づきまして、先週の金曜日、三月の十日でございますけれども、補助金の申請代理人を呼びましてヒアリングを行いました。この場で申請代理人からは、二十七年十二月三日付けの工事請負契約を一旦十五億、約十五億六千万円の工事費で締結をした。その後、着工後に計上漏れ等が判明したことなどから、工事費を約二十三億八千万円に増額をし、新たに十二月三日付けで締結し直した。この締結し直した契約書を補助金の支払の手続に当たっての資料として国交省に提出したというふうに主張がございました。
 このヒアリングの結果、現段階で不正な申請があったとの事実を確認するには至っておりませんが、まだ不明な点が多く残っておりますので、引き続きこういった不明の点等について事実関係の確認を進めてまいりたいと考えております。
○杉尾秀哉君 今日は国家公安委員会とそれから法務省に来てもらっていますので、例えばこの補助金適正化法に触れるんじゃないか、それから、むしろ逆に意図的に低い金額で出していたとしたら、これは文書偽造の可能性があります。こうした数々の刑事事件になるかもしれない疑惑に対して、当局は厳正に対処するおつもりおありでしょうか、聞かせてください。
○国務大臣(松本純君) 特定の行為が特定の犯罪に該当するか否かにつきましては、具体的な事実関係に即して法と証拠に基づき判断されるべきものであり、お答えは差し控えさせていただきます。
○国務大臣(金田勝年君) 杉尾委員にお答えをいたします。
 お尋ねは捜査機関の活動内容に関わる事柄でございますので、お答えは差し控えさせていただきますが、なお、あくまで一般論として申し上げれば、法と証拠に基づいて刑事事件として取り上げるべきものがあれば適切に対処するものと思います。
○杉尾秀哉君 適切に対処してほしいんですけれども、もう一点、こんな問題だらけの学園に認可適当という、その判断が出されたこと自体に問題があると考えます。
 文部省、この点についてどういうふうに考えますでしょうか、文科省ですね。
○政府参考人(村田善則君) お答え申し上げます。
 私立の小学校につきましては、これは都道府県が認可権者になっておりまして、本件につきましては大阪府がその手続、ルールにのっとって審査を進められたものと承知いたしております。
○杉尾秀哉君 一義的にはその自治体だと思いますけれども、これ、文科省の指導というのが大きいと思います。
○委員長(山本一太君) 杉尾君、時間が終わっておりますので、まとめてください。
○杉尾秀哉君 はい。
 最後に、世論調査の数字、出しました。参考人招致すべきという声が大体七割から八割あります。これ、実際に事件になる可能性もございます。
○委員長(山本一太君) 杉尾君、質問を終わってください。
○杉尾秀哉君 これ、是非、私どもが求めております籠池理事長始め関係者の参考人招致をお願いしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(山本一太君) 以上で杉尾秀哉君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、竹谷とし子君の質疑を行います。竹谷とし子君。
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。
 一昨年、調布市で発生した小型自家用飛行機墜落事故について伺います。
 平成二十七年七月二十六日、小型自家用飛行機が東京都調布飛行場を離陸した直後に近隣の住宅地に墜落し、住宅内におられた女性と搭乗していた二人、合わせて三名が亡くなり、五名の方が負傷し、さらに、住宅九棟が火災により全焼したり損壊するなどの大きな被害を受けました。
 事故直後に私も現地に入り、住民の方から話を伺うとともに、調布飛行場の管理者である東京都からも状況を聞き、一日も早い原因究明と再発防止を強く要望いたしました。
 国交省に確認したところ、事故原因は今なお調査中で、最終報告には至っていないとのことです。本年一月下旬、私は改めて現地を訪問し、住民の方から話を伺いましたが、事故原因が分からないから被害者の方への補償も謝罪も全くなされていないそうです。被害者の方は置き去りにされていると言っても過言ではない状況です。
 事故から一年八か月、国として再発防止にどのように取り組んでいるか、また、亡くなられた方や自宅を焼失、破損された方々への補償等の状況について、国交省に伺います。
○政府参考人(高野滋君) お答え申し上げます。
 先生御質問の調布市での自家用航空機の墜落事故、平成二十七年七月に発生をいたしました。御指摘のとおり、現在まだ運輸安全委員会の調査中でございまして、最終報告書が出されていない状況にございます。その中で、被害者の補償、賠償についてはまだ行われていない状況にあるというふうに承知をしております。
 その中で、調布飛行場を管理いたします東京都におきましては、被害者への相談窓口を設けたり、相談の内容に応じて弁護士等の専門家の方々の意見も踏まえた助言を行うとともに、住宅に被害があった方への仮住まいの確保であるとか被害家屋の撤去など個々の状況に配慮した被害者救済も行っていると、そういうふうに聞いております。
 以上でございます。
○竹谷とし子君 航空機事故というのは、車と違い原因の究明には時間が掛かるということも理解をしております。しかし、原因が分かるまで補償も賠償も何もないというのでは、飛行場近隣に住まれている被害者の皆様にとっては余りにも過酷でございます。
 国が定めている航空法等に基づいて運航されている小型自家用飛行機の事故の防止策、再発防止策の強化、また、万が一事故が起きたとき、第三者が被害を受けた場合、今回の調布事故の被害者の方も含めて迅速な補償がなされるように、地方自治体に任せるのではなくて、国としても取組が必要であると思います。石井大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 従来より、国土交通省におきましては、自家用機を含む小型航空機の安全対策といたしまして、安全講習会の開催や操縦士に対する定期的な技能審査制度の導入等の取組を行ってまいりました。
 一方で、平成二十七年から調布の事故を含む小型航空機の事故が目立って発生してきていることから、安全講習会の強化等の方策を進めてきております。
 また、昨年十二月に小型航空機等に係る安全推進委員会を立ち上げまして、有識者や関係団体等の意見も踏まえながら、今後の更なる安全対策及び安全啓発の方法等について検討を進めているところでございます。
 加えて、被害者救済という観点から、万が一事故を起こした場合に確実な補償が行われるよう、適切な保険の加入を奨励、指導しております。平成二十九年一月からは、自家用機が国管理空港を利用する際に保険加入を確認することといたしまして、無保険の状態で飛行することがないよう徹底しているところであります。国管理空港以外についても同様の措置が講じられるよう、各空港管理者に対し指導を行っております。
 今後も、自家用航空機事故の被害に遭われた方々の声を受け止めまして、被害者救済のために何ができるか、自家用航空機の運航者や空港の管理者等の関係者と検討してまいりたいと存じます。
○竹谷とし子君 今回の被害者の方々の声を受けてこれから協議をしていくという御答弁であると理解をいたしました。
 また、今後、小型無人機ドローンについても活用されていくということが予測されていますが、活用促進とともに、同様に事故防止策の強化、また事故が起きたときの被害者への迅速な補償制度の整備なども検討をしっかりとしていただきたいと思います。
 続きまして、住宅政策について国土交通省に伺います。
 国民の皆様の大事な命と財産を守るため、国土交通省は、様々なタイプの住宅、例えば戸建て住宅、共同住宅、また長屋について、その特性を考慮して防火、避難上の安全確保のための規定を定めていますが、それぞれの規定の違い、またその理由について伺います。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
 建築基準法におきまして、地震や火災等に対する安全性を確保する観点から、最低限の基準といたしまして、戸建てやあるいは長屋、共同住宅等について規制を掛けて、基準を設けているのは、今委員御指摘のとおりでございます。
 まず、共同住宅につきましては、火災時に多数の住民が共用の廊下や階段を利用して避難をするという特性がございます。これを踏まえまして、避難時間を確保するために、主要構造部の防耐火性能を確保することで建築物の倒壊を防止するということが一つ、それから、より円滑かつ安全に避難できるようにいたしますために、住民が共同で利用します階段の適切な配置や共用廊下における非常用の照明装置の設置を求める、こういった基準を設けて安全性の確保に努めているところでございます。
 一方で、御指摘をいただきました戸建ての住宅や長屋につきましては、各戸から直接地上に避難できるという構造になっておりますので、今御説明をいたしましたような共同住宅とは異なり、先ほども御説明したような安全性に関する規定の適用を求めてはおりません。
 したがいまして、全体としては共同住宅に対する規制とそれからそれ以外の戸建て住宅、長屋に対する規制と、大きく二タイプに分かれているということでございます。
 なお、長屋については、壁を共有しております関係で、隣接する住戸からの延焼によって避難に支障を来すことがないようにするために、住戸間の界壁を準耐火構造とするということだけ通常の戸建て住宅とは異なる更なる安全規制を設けているところでございます。
○竹谷とし子君 共同住宅とは異なり階段や廊下などの共有部分がない長屋は、防火、避難上の安全性を確保するための規定としては戸建て住宅とほぼ同じであるということでございますが、最近、都内の住宅の密集地域で、街区の道路に直接は接していない奥まった土地、いわゆる旗ざお地と呼ばれるような土地に大規模な長屋形式の建物、多数の方が住む住戸として建設をされています。共同住宅を建築するのが難しいような土地にいわゆる重層長屋というものが建設され、多くの人が住むような状況が生じているわけですが、周辺住民から、火事や地震が起きたら大変だ、逃げようがないと心配する声が上がっています。
 町づくりは地方自治体がそれぞれの地域特性を生かして取り組んでいますが、危険性が大きいと考えられるいわゆる重層長屋について、安全性を確保するための取組を地方自治体任せにするのではなく、国交省が主導的に取り組む必要があると考えます。国土交通大臣に伺います。
○国務大臣(石井啓一君) 近年、住宅密集地などにおきまして、一端が行き止まりの狭隘な道路につながる奥まった土地などにおいて、多数の住戸から成るいわゆる重層長屋が建築される事例が出てきております。
 こういった重層長屋は、狭小な住戸が高密度で構成されているという観点から従来の長屋とは異なるタイプのものであり、その立地場所や形態によっては地震や火災発生時に円滑な避難が可能なのかどうかなど、その安全性が危惧されるところであります。
 去る三月十日にも公明党の東京都本部から重層長屋の現状についてお聞きし、その対策について御要望をいただきました。
 建築基準法では、第四十条に基づき、地方公共団体は、地方の気候や風土の特殊性を踏まえ、条例で安全性の確保に必要な制限を付加することが可能となっておりまして、既に一部の地方公共団体においてはこうした条例を活用し、重層長屋に関する問題に対処しているところでございます。
 今後、同様の重層長屋が一層広がることが懸念されるため、国といたしましても、関係する地方公共団体と連携をいたしまして対策を講ずる必要があるものと考えておりまして、多数の狭小住戸から成る大規模重層長屋に関する検討会を立ち上げて早急に対策を検討することといたしました。
 この検討会におきましては、大規模な重層長屋について現状の把握や課題の整理を行うとともに、一部の地方公共団体が既に講じている対応策を整理した上で、実効性のある対策について検討を行い、夏頃をめどに取りまとめを行いたいと考えております。
 こうした取組を通じまして、住宅密集地における安全性の確保に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○竹谷とし子君 しっかりと御検討いただきますようよろしくお願い申し上げます。
 続いて、住宅セーフティーネット制度を推進するための空き家等の活用について伺います。
 今国土交通省は、全国にある空き家を活用して新たな住宅セーフティーネット制度を進めることとしています。公明党も力を入れて取り組んでまいりました。
 例えば、戸建て住宅を数人で住めるようなシェアハウスに改修する建築基準法上の規制に合うようにする工事や、二戸の単身向け住宅を一戸のファミリー向け住宅に改修するというような工事が、東京都におきましては、各自治体でニーズが高いものと承知をしております。そのような設計費用、これらも含めて補助の対象となるのか確認したいと思います。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
 空き家や空き室を活用して住宅確保要配慮者に対する住宅セーフティーネット機能の強化を図るために、今国会に住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律案を提出させていただいたところでございます。
 また、これに関連する予算上の支援措置といたしまして、平成二十九年度予算案において、住宅確保要配慮者の入居を拒まないものとして登録される賃貸住宅について、その改修費に対する助成制度の創設を盛り込んでいるところでございます。
 この制度におきましては、委員から御指摘をいただきましたように、例えば間仕切り壁を新たに設置するなどシェアハウスに用途変更するために必要となる改修工事でございますとか、二戸の単身向けの住宅を一戸のファミリー向け住宅にするための間取り変更に係る改修工事、こうしたような改修工事につきまして、その設計費も含めて助成の対象とすることといたしております。
 こうした措置によりまして、空き家を活用した住宅確保要配慮者向けの賃貸住宅の供給を促進してまいりたいと考えております。
○竹谷とし子君 新たな住宅セーフティーネット制度を自治体において具体的に進めていくためには、全国一律の基準ではなく、住む人の安全性を確保しつつ、地域の実情に応じて登録基準等の柔軟な運用が必要だと考えております。これについて国土交通大臣の見解を伺います。
○国務大臣(石井啓一君) 住宅確保要配慮者に対する住宅セーフティーネット機能の強化を図るために、今国会に提出させていただきました住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律案におきましては、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅について登録を行う仕組みなどを創設することとしております。
 また、この仕組みは地方公共団体による主体的な取組が重要でありますことから、地域の実情に応じて地方公共団体自らが積極的に取り組むことができるよう、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する計画を定めることができることとしております。
 賃貸住宅の登録基準につきましては、国土交通省におきまして、例えば耐震性能や一定の居住面積を有することなどを原則的な全国共通の基準として定める予定でありますが、地方公共団体が今申し上げました供給促進計画を定める場合には、地域の実情においてこの基準の強化あるいは緩和ができるよう措置をしたいと考えております。
○竹谷とし子君 続きまして、国民の健康寿命を延ばすための歯科医療の推進について伺います。
 口腔、お口の健康と全身の健康には深い関係があることが指摘されています。例えば、口腔ケアによって高齢者の誤嚥性肺炎が減少することが分かっていますが、口腔と全身の健康の関連性について厚労省がどのように捉えているか、見解を伺います。
○大臣政務官(馬場成志君) お答えします。
 近年、口腔ケアが誤嚥性肺炎の発症予防になることや歯周病患者に糖尿病の発症リスクが高いことなど、口腔の健康は全身の健康と深い関係を有するという知見の高まりを受け、厚生労働省においては総合的な歯科口腔保健施策を推進しておるところであります。
 平成二十九年度予算案においては、施設に入所する要介護者等を対象とした誤嚥性肺炎予防のための口腔ケア等の実施、歯周病が重症化しやすい糖尿病患者に対して歯科受診を勧奨するなどの医科歯科連携の仕組みの構築など、取組の支援を行う予定であります。
 今後も関係者の御意見もよく伺いながら、総合的な歯科口腔保健施策の一層の推進に取り組んでまいりたいと存じます。
○竹谷とし子君 虫歯や歯周病などを予防する、重症化を予防するためには、正しい知識と日常のケア、そして早期発見と早期治療が不可欠であると思います。そのためには、何といっても大事なのは定期的な歯科検診の受診だと思います。
 国は、年一回歯科検診を受ける人の割合を二二年までに六五%という目標を立てて取り組んでいると理解していますが、歯科検診受診者数を増やすための具体的な取組について厚生労働省に伺います。
○大臣政務官(馬場成志君) お答えします。
 歯科検診等を実施することによって、歯、口腔の健康の保持増進を図り、健康で質の高い生活を営むために、歯科口腔保健の推進に関する法律に基づいて定めております歯科口腔保健の推進に関する基本的事項において、定期的な歯科検診を受診した者の割合の増加など歯科検診を推進していくための目標を定めております。先ほど委員御紹介いただいたとおりでございます。この目標については、平成二十九年度に中間評価を行う予定としております。
 現在、成人に対する歯科検診の実施等について、八〇二〇運動・口腔保健推進事業を通じて必要となる経費の支援を行うことにより、受診者数の増加に向けた取組を進めております。
 引き続き、基本的事項に定める目標達成に向け、総合的な歯科口腔保健施策の一層の推進に取り組んでまいりたいと存じます。
○竹谷とし子君 是非よろしくお願いいたします。
 最後に、海外へ留学する学生への支援について伺います。
 海外の大学で学びたいという熱い思いと能力のある全ての若者が世界各地の大学で学ぶことができるように国がしっかり後押しし、支援することがグローバルな人材育成に直結すると思います。
 国は若者の留学支援を進めていますが、海外留学の状況、目標について文部科学省に伺います。
○国務大臣(松野博一君) 社会や経済がグローバル化をし、日本企業等が世界に展開している中、個々の能力を高め、グローバル化した社会で活躍できる人材を育成することは喫緊の課題であると考えております。
 OECDの統計において、主に学位取得を目的に海外留学する日本人学生は平成二十五年時点で五万五千三百五十人となっています。また、平成二十五年六月に閣議決定をされた日本再興戦略においては、平成三十二年までに日本人の海外留学を十二万人へと倍増させることとしています。
 文部科学省では、海外留学の経済的負担を軽減し、また社会全体で若者の海外留学の機運を醸成するため、国費による海外留学支援制度の充実を図るとともに、平成二十六年度より、民間の協力を得た新たな海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」を推進しています。
 引き続き、日本人の海外留学の倍増を実現するため着実な支援を実施するとともに、社会総掛かりでグローバル人材を育成していくべく努力をしてまいります。
○竹谷とし子君 政府、そして社会全体で留学を支援するということでございます。
 先日、お子さんが海外に留学されている方から御要望をいただきました。それは、海外留学をすると年金の学生納付特例制度の対象外になってしまう、是非海外留学をする場合にも特例制度を使えるようにしてほしいという御要望です。
 日本で学ぶ学生さんが二十歳になると国民年金に加入することとなりますが、この特例制度を使えば、保険料納付が猶予され、特例納付期間も受給資格の期間に算入され、また学生納付期間中に障害を負うような場合には障害基礎年金を受けることができるなどのメリットがあります。
 厚生労働省は、こういうメリットがありますから学生納付の制度を活用してください、手続をしてくださいと推進をされていると理解をしておりますが、このメリットを海外留学の学生も受けられるよう、課題はたくさんあると思いますが、御検討いただきたいと思います。厚生労働省、いかがでしょうか。
○大臣政務官(馬場成志君) 海外の大学に在籍する学生でも学生納付特例制度を利用できるようにするべきではないかというお尋ねでございますが、国民年金制度は原則として日本国内に住所を有する二十歳以上六十歳未満の方を強制加入の被保険者としておりまして、学生納付特例はこうした強制加入により生じる保険料の納付義務を猶予するものであります。
 一方で、海外留学中の学生のように、日本国籍を有する者で日本国内に住所を有しない方については強制加入になりません。ですから、納付義務もないわけでありますが、本人からの申出により任意で被保険者になることができるとなっております。
 このような納付義務のない方につきましては、本人の意思に基づいて任意で被保険者となり保険料を納付することから、保険料の納付義務を猶予する仕組みである学生納付特例はなじまないと現在考えております。
 一方で、海外留学中に任意で被保険者となったとしても保険料の納付ができない場合も考えられますが、このような場合でも、将来の老齢基礎年金の受給権につながるよう、平成二十四年に成立した年金機能強化法によって、任意加入している方が仮に未納であったとしても、その期間については、年金額には反映されないものの、受給資格期間には含まれるいわゆる空期間として扱うよう配慮しているところであります。
○竹谷とし子君 この年金制度は厚生労働省が所管でございますが、海外への留学をする方への支援というのは文科省、これ、政府の間で隙間が生じている、学生に対する支援で隙間が生じているところであると思います。これをしっかり、海外留学を安心して親御さんがさせられるように、連携をしながらこの問題について取り組んでいただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。
○委員長(山本一太君) 以上で竹谷とし子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、若松謙維君の質疑を行います。若松謙維君。
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。
 東日本大震災発災から七年目に入りました。今週日曜、公明党といたしまして、東日本大震災復興加速化本部を福島県と岩手県で開催いたしました。福島県では山口代表を含む十二名の国会議員が参加いたしまして、今月末避難指示解除の飯舘村を訪問いたしました。その際、菅野村長が、解除はゼロに向かっての復興と、この言葉が大変強く印象を受けた次第でございます。いわゆるマイナスからゼロにすると、そういう非常に厳しいスタートということであります。
 そこで、今村復興大臣にお尋ねいたしますが、村長は、いわゆる飯舘は風化とは言わないと、自らどうするかが大事であって、いわゆる賠償、これは東電交渉でありますから、それよりも通常の生活に戻るための国の生活支援制度が必要だと、これを強く強調されておりました。
 例えば、ちょうど来年四月ですが、この飯舘村の中に幼稚園、小学校、中学校の一貫学校が再開する予定でありまして、しかし、なかなか、お子さん含む、保護者も含めて村内には実は戻らない方が多いわけであります。その際の村外避難先から村内学校への通学ルートですか、これは現在でも十台ぐらいスクールバス使っているわけでありますが、更に距離が長くなりますので、当然、保護者等の協力もいただきながら集めていただいて、そこからやはりスクールバスと。
 こういう支援というのは、大体いわゆる自己財源になりますけど、そういったところにこそ是非国の生活支援制度が必要という訴えがありましたので、それを是非応えていただきたいことと併せて、これからも、特に今回の富岡等も含めて、三月末帰還、いわゆる避難指示が解除されますので、そうすると、更に様々な帰還に向けた生活関連のいわゆる支援制度が必要になりますが、それは是非国でやっていただきたいというそういう強い要望もありますので、その具体例、さらに全体的な話を大臣から答弁をお願いいたします。
○国務大臣(今村雅弘君) ただいま若松委員からお話がございましたが、私も飯舘村の菅野村長、大変尊敬している人であります。なぜかというと、本当に厳しい中でどんなことをしてでもふるさとを守っていくんだという意欲が節々に感じられます。そのために、もちろん賠償だ何だも必要でしょうが、それ以上に、将来に向かって、やっぱり村に人が戻ってちゃんと生活できるという仕組みをハード、ソフト面でどういうふうにつくっていくかということでいろんなお話をされまして、私も大変参考にしております。
 その中でも特に私がじいんとくるのは、子供たちが帰ってこないと村の将来はないんだということを言われまして、もうそのとおりだというふうに思っております。そういう意味で、いろんな施策は講じてまいります、もちろん地元の方ともよく相談をしながらですね。
 特に、今言われた学校の関係でありますが、せっかく校舎を造ったりいろんなことをやって、大事だと思うんですが、やはりソフトの面でしっかりやれるように、特に遠くから、それぞれ分かれて住んでおりますから、そういったことでお金も掛かります。そういったことについては是非、例えば、具体的に言いますと、被災児童生徒就学支援事業等がございます。そういったものも柔軟に活用してしっかりサポートしていきたいと思いますし、そして、子供だけじゃなくて、これからいろいろ戻ってこられる方含めて、お年寄りの方も多いわけですから、そういった方を、できるだけ交通手段を確保できるような仕組みも柔軟に考えてやっていきたいと思いますし、これは飯舘村だけじゃなくてほかのところにも共通する課題であるということでありまして、とにかくふるさとに戻っていただくような施策を我々も一緒になって全力で取り組んでいきたいというふうに思います。
○若松謙維君 大臣、現場もしっかり行っていただいておりますので、そこら辺、御理解だと思いますが、是非、買物の足とか高齢者のお話もありましたので、また引き続き御尽力をよろしくお願い申し上げます。
 次に、前回は失礼いたしました、山本大臣。また改めて天下り問題と内部統制について質問させていただきます。
 ちょうど皆様、お手持ちの資料でしょうか、がございます。まず、これはこの通常国会に出された自治法改正でありまして、いわゆる地方公共団体にもガバナンス強化を図ろうということで、資料の一の一でありますけれども、そういう法案が出ております。あわせて、この法案ですけれども、次の一の二を見ていただきますと、いわゆるガバナンスのためには内部統制が必要であると、そういうことが書かれております。この内部統制でありますけれども、なかなか見えない、目に見えないものでありますが、非常に組織体としていわゆる不正防止にはなくてはならない機能であります。
 そこで、じゃ民間企業はこの内部統制、具体的にどうやっているかというと、資料二を見ていただきますと、これは大変な実は作業が必要になるわけであります。いわゆる、三角形の図がありますが、内部統制規程があって、さらに企業行動理念、国でいうと国家公務員倫理法とかそういうものがあるわけでありますが、それを遵守するためのコンプライアンス規程とか、それをしっかり実行するためのマニュアルと、こういうことで、幾重にもこの内部統制を実は発揮するためには様々な記述、そしてそれを実行して、それをチェックするPDCAのシステムが必要だということであるんですが。
 文科省の一連の天下りですけれども、今後の防止策として、現在の省庁内の通報制度ではなくて再就職等監視委員会への通報制度、いわゆる外部に対してのしっかりと通報制度の受皿として確保されて、さらにその通報者をしっかり保護する保護制度もこれ同時に導入すべきではないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(山本幸三君) 御指摘のように、政府においても内部統制強化が必要であるということはそのとおりだというふうに思います。
 再就職規制への対応策という観点からでございますが、現実には既にそういう取組も行われております。再就職等監視委員会では違反情報受付窓口が設置されておりまして、省庁の職員を含めて、広く一般国民から再就職等規制違反行為に関する情報の提供を受け付けていると承知しているところであります。また、情報提供者から提供された情報については、調査を行う際にも細心の注意を払い、情報提供者が所属組織や調査先などに特定されることのないよう取り扱っていると聞いております。
 いずれにしても、現在、全省庁について徹底的な調査を行っているところでありまして、その結果も踏まえて、再就職等監視委員会の在り方も含めて、どのような対策を取れば実効が上がるか、しっかりと検討してまいりたいと思っております。
○若松謙維君 是非、内部の調査は必要なんですけれども、防止策も併せてしっかりしていただきたいし、実際に、この内部統制ですけど、時代は、例えばエンロン、倒産いたしました。この結果、アメリカではいわゆるUS―SOXと言われる内部統制の法規化がされました。それが今度日本に来てJ―SOX。今回、先ほどの地方自治体改正はLG―SOX、ローカルガバメントSOXですね。今度はG―SOX、ガバメントSOX、中央省庁がやっぱりやるべきだと思うんです。
 そういう意味で、特に中央政府の内部統制機能制度ですか、これを良くするために、結局、内部牽制機能と内部通報制度をしっかりと国家行政組織法に明記すると、私、それは必要だと思うんですけど、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(山本幸三君) 委員御指摘のとおり、政府における内部統制機能の確保は極めて重要であります。例えば会計監査や公益通報については、政府共通のガイドラインに基づいて各府省が実施要領等を定めて取り組むなど、各分野において内部統制機能を確保するための取組が行われております。また、各府省の特性等に応じて監察官や会計監査室を設けるなど様々な取組も行われているところであります。さらに、各府省内部の統制機能のほか、会計検査院による会計検査、総務省行政評価局による行政評価・監視等、府省横断的に外から各府省の監視等を行う体制も設けられているところであり、こうした仕組みがしっかり機能することが重要であると考えております。
 現在、今般の文部科学省事案で生じた国民の疑念を払拭するため全省庁について徹底的な調査を行っているところでありまして、その結果も踏まえて、再就職に関する監視の仕組みをしっかり機能させる観点からも、再就職等監視委員会の在り方も含め、どのような対策を取れば政府全体としても実効が上がるか、しっかりと検討してまいりたいと思います。
○若松謙維君 是非検討していただきたいと思いますが、あと、もう時間がありませんので、この次の質問、フルコスト情報、これは次回の機会に取り上げさせていただきますが、是非財務大臣にお礼を申し上げたいのが、前回の質問で予算編成のPDCAサイクル、早速ホームページの改善をいただきまして、更なる情報公開を要求いたしまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(山本一太君) 以上で若松謙維君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、三浦信祐君の質疑を行います。三浦信祐君。
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
 本年二月、公明党議員団として川崎港を船で視察する機会を持ちました。現在日本にある様々な課題、例えば国内産業競争力の強化、雇用の創出、地域の活性化、税収確保などがあると思いますが、港の活動がそれらの課題解決に一つの役割を果たすことができるのではと考え、質問をさせていただきます。
 日本の貿易の九割は海運によって支えられています。港湾施設や貨物、それは、そこで働く人、企業、貨物を生み出す荷主企業に思いをはせることができます。すなわち、港湾は、産業活動を支え、雇用を生み出すものであり、国民生活に直結する重要な社会資本です。その中でもコンテナ物流は、コンテナ船の大型化、船会社間の連携による航路再編など、激変が生じているものと承知をしております。
 そこで、現在の我が国のコンテナ取扱量、北米・欧州航路の寄港便数と近年の増減傾向について、国土交通省港湾局長にお伺いします。
○政府参考人(菊地身智雄君) お答えいたします。
 直近十年間の我が国港湾における全国のコンテナ取扱個数は、平成十八年の二千五万TEUから平成二十七年の二千百十七万TEUと、緩やかな増加傾向にございます。また、東京港、横浜港、川崎港の三港を合わせました京浜港におきましても、平成十八年の七百二十二万TEUから平成二十七年の七百五十二万TEUと、これも緩やかな増加傾向にございます。
 一方で、近年の世界的なコンテナ船の大型化の進展や船社間のアライアンスの再編に伴いまして国際基幹航路の寄港地の絞り込みが進展しており、京浜港発着の基幹航路の便数は、北米航路、欧州航路、それぞれにおきまして、平成十八年の三十九便及び五便から平成二十七年の北米航路二十二便、欧州航路二便と減少傾向にございます。
○三浦信祐君 日本発着の貨物が第三国を経由をして米国やヨーロッパに輸出入されることになりますと、積替えによる貨物のダメージ、時間的ロスのみならず、他国の港に日本の貨物を委ねることになってしまいます。我が国の産業全体の競争力強化のためにも、国策として国際コンテナ戦略港湾政策が進められていると承知をしております。
 これらの現在の取組について、港湾局長、お伺いします。
○政府参考人(菊地身智雄君) お答えいたします。
 国土交通省におきましては、我が国港湾への基幹航路の維持拡大を図るため、国内の貨物を集約する集貨、そして港湾背後への産業集積により貨物を創出する創貨、大水深コンテナターミナルの整備等による競争力強化、この三本柱から成る国際コンテナ戦略港湾政策に取り組んでいるところでございます。
 こうした政策の結果といたしまして、集貨につきましては、東日本諸港と京浜港を結ぶ国際フィーダー航路の寄港便数が、昨年、平成二十八年三月時点の三十三便から平成二十九年二月時点では三十八便へと約二割増加しております。
 創貨につきましては、横浜港南本牧地区におきまして、国の支援制度を活用した合計延べ床面積約三万二千平米の流通加工機能を備えた倉庫が整備中でございまして、本年十月下旬の竣工を予定しております。
 また、競争力強化につきましては、横浜港南本牧地区MC3ターミナルにおきまして、平成二十七年の四月に我が国初となる水深十八メートルの大水深コンテナターミナルが供用を開始したほか、隣接するMC4ターミナルにおきましても同規格の大水深コンテナターミナルを整備中であるなど、大型コンテナ船に対応したインフラ整備に取り組んでございます。
 これらの取組によりまして、横浜港におきましては、本年四月から北米基幹航路が新規に開設されるなど、具体的な成果が現れ始めております。
○三浦信祐君 ありがとうございます。
 私の地元、神奈川の川崎では東扇島への橋梁であったり、また首都圏を見ますと東京湾地域での国道三百五十七号の整備が行われておりますが、これが一日も早く開通することが望まれております。物流の効率化のためにも、岸壁のみならず周辺環境整備も併せて一体的に取り組むべきであると考えますが、国土交通省の認識を伺います。
○政府参考人(菊地身智雄君) お答えいたします。
 コンテナ船の大型化や取扱貨物量の増大に対応するため、委員御指摘のとおり、大水深岸壁の整備にあわせまして、物流をさばくためのアクセス道路の整備を進めているところでございます。
 具体的には、横浜港におきましては、南本牧埠頭の大水深コンテナターミナルの整備にあわせまして、南本牧埠頭と高速道路を直結する南本牧はま道路が本年三月四日に開通したところでございます。また、背後の道路ネットワークも、昨年三月に国道三百五十七号が横浜ベイブリッジから本牧埠頭まで開通をしております。川崎港につきましても、コンテナターミナルなど港湾機能の集中する東扇島と内陸部を接続する臨港道路、東扇島水江町線について、現在取付け部や橋脚部の整備を鋭意推進しているところでございます。
 国土交通省といたしましては、引き続き、大水深コンテナターミナルの整備にあわせまして、接続する臨港道路等の整備についてもしっかりとこれを進めることにより、物流効率化に向けた取組を一層推進してまいります。
○三浦信祐君 是非よろしくお願いいたします。
 昨年、国出資の横浜川崎国際港湾株式会社が設立をされました。元々、港湾法により、港湾管理者は県や市など地方自治体であり、これまで貨物や船会社の誘致活動も港湾管理者が中心でありました。これを国策として行っていくわけです。私は、この国際コンテナ戦略港湾政策、更に進めていくべきだと思っております。
 そこで、国が直接的に関与する重要性と今後の政策展開について、ハードのみならずソフト面も含め明示をしていただき、取組への御決意を石井大臣に伺います。
○国務大臣(石井啓一君) 我が国の経済を支える製造業の競争力を高めるためには、効率的な貨物の輸出入を支える物流拠点、特に輸出入の大半を占める海上輸送の拠点である港湾の競争力強化は大変重要であります。近年、我が国港湾への基幹航路の寄港が減少しておりまして、これを放置しておきますと我が国産業の国際競争力の低下につながるおそれがございます。国土交通省といたしましては、特に北米、欧州に直行する基幹航路の維持拡大を図るため、国際コンテナ戦略港湾政策を国策として強力に推進をしているところでございます。
 具体的には、国際コンテナ戦略港湾でございます阪神港及び京浜港の港湾運営会社に対しましてそれぞれ国から出資を行うとともに、港湾運営会社に対する集貨事業、荷物を集めてくる事業の支援制度の創設、全国からの貨物の集約、海外の船会社の誘致のための国際的なセールス活動等に取り組んできたところでございます。
 今後は、国内のみならず、高い経済成長等を背景に増大する東南アジア地域等の貨物を取り込むべくアジアからの広域集貨を図ること等によりまして、国際コンテナ戦略港湾政策を国が前面に立って強力に推進をいたしまして、我が国産業の国際競争力強化を図ってまいりたいと存じます。
○三浦信祐君 是非強力に進めていただきたいと思います。
 さて、港湾インフラ、定期航路拡充ができても運ぶ荷物がなくては成長に寄与できません。神奈川においては、内陸部の綾瀬市周辺には物づくり企業が集積をしております。また、西部で県主導のロボット産業特区もあります。インフラ整備が整わず輸出に影響がある、また一方で、インフラができたときには商機を逃して経営体力が失っている状態になる、このようなことがあっては絶対にいけないと思います。こういうのは全国の港においても同じ構造にあると私は思います。
 経済発展の加速には、経済産業省と国土交通省の連携が不可欠だと思います。是非、この今後の取組と御決意を世耕経済産業大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(世耕弘成君) 今御指摘のとおり、港湾インフラの整備と産業の集積を進めるというのは、これは車の両輪で進めていかなければいけないと思います。
 経済産業省もいろいろと産業集積を進める法制度など持っているんですけれども、例えば企業立地促進法、これが一番産業集積進める法律なんですが、この法律の中に明確に、産業集積の形成と物資の流通を通じた地域の活性化、これをちゃんと有機的に連携させる、あるいはそれを連携させた上で効果的に施策として講じていくということが明記をされていますし、この法律の更に下に基本方針というのがあるんですが、この基本方針では、産業集積の形成に関しては道路、港湾、空港等のインフラ整備との連携が重要と明確に位置付けております。
 この法律に基づく企業集積地づくりが、例えば最近では愛知県でこの法律に基づいて西尾張地域基本計画というのを作っています。これは愛知県の西部の方に、尾張の西部ですね、の方に、繊維ですとか電気・電子機器関連企業ですとか、あるいは航空機、自動車関連の産業を集積させるというプロジェクトなんですが、この中には、やっぱり計画の中に、高速道路や名古屋港などの広域交通ネットワークの利便性を生かし、物づくりと一体になった物流関連産業の集積を図るということを明記をさせていただいています。ですから、議員御指摘の点というのは我々は非常に意識をしているわけであります。
 またさらに、今国会に地域未来投資促進法案という、地方における産業の集積を目指していこうという、この法律の中でもインフラとの連携の重要さというのはきっちり書き込ませていただいております。議員の御指摘の点は全く同じ思いでございます。
○三浦信祐君 ありがとうございます。是非積極的に取り組んでいただければと思います。
 続いて、港湾の国際競争力強化の一連で新たな取組についても伺いたいと思います。
 国際的な船舶の排ガス規制の強化が進展をしております。今後、硫黄酸化物規制強化が二〇二〇年より開始をされます。世界的に船舶燃料が重油からLNGへ転換されることが見込まれております。
 そこで、船舶へのLNGの燃料供給拠点、すなわちLNGバンカリング拠点の整備を積極的に取り組み、投資をすることが世界の中で我が国港湾の位置付けを確たるものとすると思います。特に京浜港は北米航路の輸送拠点となり、LNGバンカリングのインフラ増強を強力に進めるべきだと考えます。LNGバンカリング拠点整備について現時点での認識と今後の取組、そして石井大臣の御決意を伺います。
○国務大臣(石井啓一君) 国際海事機関による二〇二〇年からの船舶の排出ガス規制の強化を背景といたしまして、LNGを燃料とする船の増加が見込まれている中、世界に先駆けてLNGの燃料供給拠点、すなわちバンカリング拠点を形成することは、我が国の港湾の国際競争力の強化につながるものと認識をしております。
 一方、拠点を形成するに当たりましては、現状で世界最大の重油のバンカリング港でございますシンガポール港と連携をしてイニシアチブを取ることが重要でございますことから、昨年の七月に私がシンガポールを訪問した際に、国際コンテナ戦略港湾である横浜港をモデルケースといたしました横浜港LNGバンカリングミニセミナー・イン・シンガポールを開催をしたところでございます。
 また、昨年の九月にシンガポールのリー・シェンロン首相が来日した際に、安倍総理との首脳会談におきまして、LNGバンカリングに関する両国間の連携強化について確認をいたしまして、十月には世界初となるLNGバンカリング推進に関する覚書を七か国の港湾当局と署名をしたところでございます。
 国土交通省といたしましては、シンガポール港と連携をしつつ、我が国がアジアで先駆けてLNGバンカリング拠点を形成をし、国際競争力の強化を図ってまいりたいと存じます。
○三浦信祐君 是非今後、ヨーロッパが特にこの部分は進んでおりますので、極東地域においてのリーダーシップを図るということが大事だと思います。是非よろしくお願いいたしたいと思います。
 川崎港東扇島にある国の基幹的広域防災拠点も見てまいりました。熊本地震の際には熊本港や八代港が地震直後の緊急物資等の受入れ拠点など災害時に重要な役割を果たしたと聞いております。
 三・一一から七年目、いつ起こるか分からない災害への備えは不可欠です。東京湾では、首都圏臨海防災センターとして東京都江東区と東扇島が拠点となっております。基幹的広域防災拠点の果たす役割、またその機能が十分に発揮できるよう、日頃どのような訓練を行っているのか、説明をいただきたいと思います。
 さらに、災害時における海からの支援受入れについて全国的にどのような取組を行っているか、石井大臣、御答弁をいただければと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 川崎港の東扇島地区にある防災拠点は、人口や経済機能等が高度に集積する首都圏におきまして首都直下地震等の災害が発生した場合に、東京都江東区の有明の丘地区における防災拠点と一体となり、基幹的広域防災拠点として機能するものであります。
 具体的には、災害時における海上からの輸送拠点といたしまして、緊急物資や救援部隊等の受入れを行う耐震強化岸壁、緊急物資の集積、荷さばきを行うとともに、救援部隊等のベースキャンプやヘリポートとしても機能する緑地等を備えているところであります。国土交通省といたしましては、災害時にこの拠点を円滑に運用できるよう、海上保安庁はもとより自衛隊等の関係機関と連携をしまして、緊急物資輸送や航路啓開等の訓練を毎年実施をしております。
 また、昨年の熊本地震でも見られましたように、港湾は非常災害時の海からの支援の受入れ拠点となりますので、耐震強化岸壁の整備、港湾BCPの策定、訓練の実施等の取組を全国的に行っているところであります。
 引き続きハード、ソフト両面から取り組んでまいりたいと存じます。
○三浦信祐君 ありがとうございました。備えをしっかりやるということを、是非リーダーシップを取っていただいて行っていただければと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。
○委員長(山本一太君) 以上で三浦信祐君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、吉良よし子君の質疑を行います。吉良よし子君。
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 大阪の学校法人森友学園に異常な安値で国有地が払い下げられた問題、また国の補助金の不正申請疑惑はいまだに解明されておらず、徹底究明が求められております。政府・与党は全面的にこれに協力すべきです。
 何より、そうした疑惑まみれの小学校設立をもくろんでいた森友学園が運営している塚本幼稚園では軍国主義教育の中心だった教育勅語を読ませていたこと、また体罰、虐待と思われる行為が行われていたことに驚きと怒りが国民の中に広がっております。私も、自分の子が同じような目に遭わされたらと思うと怒りに震える思いです。
 そこで、今日は、その塚本幼稚園で行われている教育内容に関して質問をいたします。
 まず、防衛省が森友学園の籠池泰典氏へ感謝状を出した問題について伺います。この間、大臣はその感謝状について、取り消すことも含め適切に対応していくと答弁されていますが、その後対応はどうなったのか、取り消すことにするのか、防衛大臣、お答えください。
○国務大臣(稲田朋美君) 籠池氏については現在国会における議論がなされ、また様々な報道等がなされているところであると承知をいたしております。
 本件につきましては、籠池氏に関する事実関係を踏まえて、感謝状を取り消すことも含め適切に対応したいと考えております。
○吉良よし子君 まだ全然取り消すという検討状況から変わっていないと。二月二十三日の質問から一か月ほどたっているにもかかわらず変わらないと。大体何で感謝状が出されているのか。資料の一のBを見ていただきたいわけですけど、防衛大臣、この感謝状の推薦理由について説明をお願いします。
○国務大臣(稲田朋美君) 籠池氏の推薦理由については、防衛省としては、艦艇の入港に際して園児による鼓笛隊を編成し隊員を歓迎するとともに、海賊対処に従事する隊員に対して園児の手作りの品を贈るなどによる隊員の士気の高揚、また保育士の自衛隊への体験入隊等による防衛思想の普及に寄与したことを海上幕僚監部の主たる推薦理由として説明をしてきております。
○吉良よし子君 この資料によりますと、「園児による隊員の激励及び将来の青少年への防衛思想の普及に寄与」とありますが、この「将来の青少年」とは塚本幼稚園の園児ということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 御指摘の籠池氏に関する感謝状について、「将来の青少年への防衛思想の普及に寄与」との記述があります。この具体的な内容については、海上自衛隊によりますと、籠池氏が、艦艇の入港に際して園児の鼓笛隊による隊員の歓迎を実施することにより園児に自衛隊を知る機会を設けるなど、防衛思想の普及に貢献したということでございます。
○吉良よし子君 園児のことかと伺っているんですが。
○国務大臣(稲田朋美君) そういうことでございます。
○吉良よし子君 園児に対する防衛思想の普及だと。じゃ、その防衛思想とは何なのか、お答えください。
○国務大臣(稲田朋美君) この具体的な内容の中に書かれているように、園児が自衛隊に触れる機会などを指しているものというふうに理解をいたします。
○吉良よし子君 機会ということは思想ということではないと思うんですが、その思想の普及には、例えば塚本幼稚園で教育勅語を園児たちが暗唱させられていた、そういうことも含まれるということでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) そういうことではなくて、園児に対して自衛隊を知る機会を設けることなどを指しているというふうに承知をいたしております。
○吉良よし子君 自衛隊を知ったら防衛思想だということなんですか。
○国務大臣(稲田朋美君) これは海上幕僚長からお聞きしたお話ですけれども、園児たちが隊員を励ますそういう大きな紙を作って、それを隊員にプレゼントをして、その海上自衛隊の隊員たちが海で活動するときの船の中の食堂に飾って、隊員たちがすごく喜んでいたということなどを聞かせていただいておりますが、そういったことで園児に対して自衛隊を知る機会を設けるなどを指しているというふうに考えます。
○吉良よし子君 お答えになっていないと思うんですけれども。でも、思想というのはやはりそういう考えを普及するということになるわけですよね。
 大体、自衛隊自衛隊とおっしゃいますけど、平和憲法を持つ日本において国を守る防衛というのは、自衛隊、軍事力ということなのかと。だって、平和外交も国を守ることではないのかと。なのに一方的に幼い子供に例えば教育勅語をたたき込み、又は軍艦や戦闘機を見せて軍事力を防衛と認識させるのが防衛思想の普及なんというのはとんでもない話だと私は言いたいと思うわけです。
 なおかつ、そういう防衛思想を普及している籠池氏の下で行われているおよそ教育とは呼べない、園児たちの人権を侵害し心を傷つける行為というのは、私は大問題だと思っているわけです。
 そこで、文科大臣に伺いますが、塚本幼稚園に関して様々な状況について大阪府に確認をしていると答弁がありましたが、府から回答はあったのでしょうか。内容を御紹介ください。
○国務大臣(松野博一君) 文部科学省として、国会で指摘を受けた塚本幼稚園における不適切な指導等に関する事実関係について大阪府に確認を行い、大阪府が森友学園に対して文書で照会を行った上で、大阪からの回答を得たところであります。
 森友学園からは、差別的表現や教育の中立性の確保については疑われる事例があることについては不適切であったと認識しており、指摘を真摯に受け止めて、今後同様の事例が生じないようにしたい旨の回答があったものの、国会で指摘をされた園児への指導に関わる事項については事実でないと回答している項目も多く、大阪府は引き続き事実関係を確認するとのことであります。
 文部科学省としても、引き続き大阪府の対応を注視してまいりたいと考えております。
○吉良よし子君 森友学園側からの回答があって、その虐待が疑われるような事例については事実でないとあったと。
 私、資料をいただいたんで配付したんですけれども、資料二です。全く事実じゃないと書かれているわけですけれども、私、実は大阪へ行って塚本幼稚園の元保護者の皆さんから実際に話を伺ってまいりました。その話を聞く限り、学園が府に話したことはでたらめと言わざるを得ないんです。
 例えば、資料二の冒頭、おむつについて、禁止ではないというのが学園側の回答ですが、資料四を御覧ください。平成二十七年度の入園説明会の資料を見ると、二歳までおむつをするのはおかしい、必ず取ってくださるようと書いていると。禁止しているではありませんか。これ、虚偽だと思いませんか。文科大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 大阪府の方にも塚本幼稚園の保護者の方々から様々な御指摘があったことを受けて、塚本幼稚園に聞き取りをしたということでございます。
 これは何回か答弁させていただいておりますけれども、この塚本幼稚園に対する所轄庁は大阪府でございまして、大阪府が今幼稚園に関して聞き取り調査を行っているという中のことでございまして、私がその内容に関して、それが虚偽であるとかないとかというふうに判断する立場にはございません。
○吉良よし子君 判断する立場にないと言いますが、保護者の皆さんの声があるわけですよ。
 資料三にもありますけど、子供の顔が腫れ上がって帰ってきたけど、その理由の説明もなく、こらえてくださいと言われたという話も私、聞いたわけですよ。保護者に子供のけがの説明もしないような学園の主張だけをうのみにするというのは絶対に私、許してはならないと思うわけです。
 まだあるわけです。排せつ物、そのままパンツにくるんでリュックに入れられる、そういう話、複数のお母さんから聞きました。また、トイレについては、時間が決められているだけではなくて、並んでいても時間が来れば行けなかったと子供が親に訴えているそうなんですよ。
 ここで文科大臣に改めて伺いますが、トイレに行きたいと訴えているにもかかわらず行かせないというのは体罰に当たる、そういうことでよろしいですね。
○国務大臣(松野博一君) 文部科学省では、御指摘を踏まえ、森友学園、塚本幼稚園における園児に対する指導状況について、所轄庁である大阪府に事実関係の確認を行ったところであります。大阪府による森友学園に対する調査に対し、同学園からは、体罰が疑われる事案についてはその事実を否定する回答がなされたと聞いております。大阪府としては引き続き事実関係を確認すると聞いております。
 文部科学省としては、今後、大阪府において、確認した状況を踏まえ適切な対応がなされるものと考えており、その対応状況を注視をしてまいります。
 なお、一般論として言えば、幼児がトイレに行きたいと訴えたが一切室外に出ることを許さず肉体的苦痛を与えるような行為については体罰に当たるものと考えております。
○吉良よし子君 トイレに行きたいけど行かせないことは体罰だということだと。
 問題はトイレだけじゃないわけです。聞き取った中身の中では、縄跳びができないと罰として電気消されて給食食べさせられるとか、何か失敗をすると一つ下のクラスに連れていかれて泣いても放置されていたとか、医師からの指示を無視して大声を出すことを強要したとか、そういうことがあるわけですけれども、これら全部体罰に当たるんじゃないでしょうか。大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(松野博一君) 個別の事案に関しては、これはもう先ほどもお話をさせていただいたとおり、今大阪府が塚本幼稚園に聞き取り等調査を行っております。その上において、所轄庁である大阪府が適切に対応をされていくと考えております。
○吉良よし子君 適切にと言いますが、一般的にどうなんですか。
○国務大臣(松野博一君) 一般論としてというお答えでありますけれども、先ほどのトイレの例等で、それが一切出さないような、部屋から出さずにトイレに行かせずに苦痛を与えるといった行為は体罰に当たるというお話をさせていただきました。
 先ほど委員の方から幾つか例示をされた内容に関して、それぞれ個々、どういった状況下においてなされているものか、どういった程度のものであったか、それを検証をしない上でそれが体罰に当たるかどうかというのを今私の方から判断することができないということでございます。
○吉良よし子君 状況次第と言いますけど、子供たちに恐怖心を与えて、羞恥心を与えて、プライドを傷つけて肉体的な苦痛まで与えると。これはもう体罰としか言いようがないと私は言いたい。
 申し訳ありませんが、続きは午後に譲って、私ここで一旦終わらせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○委員長(山本一太君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(山本一太君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成二十九年度総予算三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。吉良よし子君。
○吉良よし子君 午前に引き続きます。
 塚本幼稚園で行われていることですが、私、何よりも心配なのは、その幼稚園で行われている行為による子供たちの心への影響です。
 資料三の後半を御覧ください。在園中、園のことはしゃべらないとか無表情だったとか頻尿になったとか、全て心的外傷、トラウマと言えるわけです。とりわけ、熱を出して嘔吐したとき、ごめんなさい、ごめんなさいと繰り返すという症状、これはトラウマによるフラッシュバックであろうと専門家の方に私、伺いました。
 こうして小さな子の心を傷つけるような行為、絶対に許してはならないと思いますが、文科大臣、どうお考えでしょうか。一般論でいいのでお答えください。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 委員お尋ねの点につきまして、具体的にその子供たちの心が深く傷つけられたことがうかがわれる事象についてでございますが、その点につきましては現在大阪府として事実関係を確認中と聞いておりまして、文部科学省といたしましてもその対応を注視してまいりたいと考えております。
○吉良よし子君 一般論でもお答えになれないということなんですが、私、こうした心的外傷を負わせるというのは問題だと思います。
 ここで厚労副大臣に確認いたしますが、児童虐待防止法の児童虐待の定義には何とあるか、条文第二条をお願いします。
○副大臣(古屋範子君) お答えいたします。
 児童虐待の定義につきましては、児童虐待の防止法等に関する法律第二条に規定をされておりまして、保護者がその監護する児童について行う四つの行為をいうこととされております。
 第一に、児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。
 第二に、児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。
 第三に、児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による身体的虐待、性的虐待又は心理的虐待と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること。
 第四に、児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこととされております。
○吉良よし子君 最後にありました児童に著しい心理的外傷を与える言動、まさに今回のケースそのものだと思うわけです。
 第三条には、何人も児童に対し虐待をしてはならないとも書いてあるわけで、対象は保護者以外にも掛かっていることを見れば、塚本幼稚園の実態は児童虐待であり、やってはならないことだと私、思うんです。大体、そもそもこれらは教育と呼べるのかとも思うんです。
 そこで、文科省に確認しますが、幼稚園教育要領の第一章第一には何と書いてあるか御紹介ください。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 幼稚園教育要領の第一、幼稚園教育の基本について読み上げさせていただきます。
 第一、幼稚園教育の基本。
 幼児期における教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり、幼稚園教育は、学校教育法第二十二条に規定する目的を達成するため、幼児期の特性を踏まえ、環境を通して行うものであることを基本とする。
 このため、教師は幼児との信頼関係を十分に築き、幼児とともにより良い教育環境を創造するように努めるものとする。これらを踏まえ、次に示す事項を重視して教育を行わなければならない。
 一、幼児は安定した情緒の下で自己を十分に発揮することにより発達に必要な体験を得ていくものであることを考慮して、幼児の主体的な活動を促し、幼児期にふさわしい生活が展開されるようにすること。
 二、幼児の自発的な活動としての遊びは、心身の調和の取れた発達の基礎を培う重要な学習であることを考慮して、遊びを通しての指導を中心として第二章に示す狙いが総合的に達成されるようにすること。
 三、幼児の発達は、心身の諸側面が相互に関連し合い、多様な経過をたどって成し遂げられていくものであること、また、幼児の生活経験がそれぞれ異なることなどを考慮して、幼児一人一人の特性に応じ、発達の課題に即した指導を行うようにすること。
 その際、教師は、幼児の主体的な活動が確保されるよう幼児一人一人の行動の理解と予想に基づき、計画的に環境を構成しなければならない。この場合において、教師は、幼児と人や物との関わりが重要であることを踏まえ、物的・空間的環境を構成しなければならない。また、教師は、幼児一人一人の活動の場面において、様々な役割を果たし、その活動を豊かにしなければならない。
 以上でございます。
○吉良よし子君 これ、重要なことが書かれていると思うわけです。
 幼児教育というのは生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものだと、だから教師は、幼児との信頼関係、これを重視することが必要だし、幼児が安定した情緒を保てるように努力しなければならないと、そして、一人一人の特性、発達に即した指導をしなきゃいけないし、遊び、環境を通じてその教育は行われるべきものだと言っていると。
 それに照らせば、私が聞いてきた塚本幼稚園で行われていること、トイレの時間を制限して、行きたくても行かせないとか、若しくは、小さい子に対して、あんた園に来なくていいみたいなことまで圧力掛けているという話も聞きましたけど、それは、そうした幼稚園教育の基本から外れていると、不適切としか言いようがないと私は思うんですけれども、文科大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。
 幼稚園教育要領における、第一、幼稚園教育の基本にあるとおり、教師が幼児との信頼関係を十分に築き、幼児が安定した情緒の下で幼児期にふさわしい生活が送れるよう配慮していくことは重要であると考えております。
 仮にそこで行われる教育活動がこの幼稚園教育要領等に照らして不適切なものであるとすれば、所轄庁である都道府県において適切に対応すべきものと考えております。
○吉良よし子君 やはり重要だから、不適切なことがあればちゃんと対応すべきだというお話でした。
 私は、塚本幼稚園で行われていることは、やはり幼児期にその人格形成の基礎を培う重要な時期にやってはならないことをしていると、教育として認めては駄目だと言いたいと思うんです。大阪府で判断されるということですけれども、やはり先ほど確認したとおり、学園側からのでたらめの回答を受けただけで私、終わりにしてはならないと思うわけです。元保護者の皆さんは大阪府や市に対して窮状を訴えておられるわけです。そういう必死に声を上げている皆さんの声、ちゃんと聞き取るべきなのではないかと。だから、それを大阪府に要請して真実を明らかにすべきと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 大阪府に対して従前より保護者の方から当該幼稚園の指導に関してお話があったということも承知をしておりますし、答弁もさせていただきました。今日午前中にまた新たに保護者の方が、塚本幼稚園の指導方法、内容に関して所轄庁である大阪府に対して申し入れたということも承知をしております。
 大阪府が、まあこんなことはあり得ませんが、例えばその保護者の方々の申入れを受けないであるとか、申入れを受けたにもかかわらず放置をしているといった状況であれば、それは文部科学省として地教行法や地方自治法に照らしてしっかりと対応をしていくということは当然でございますけれども、現在、大阪府は前回の申入れにも対応して、塚本幼稚園に関して、内容に関して聞き取りをしているわけでございますし、引き続き大阪府として指導の内容であるとか園児に対する対応である等に対して聞き取りを続けていくということでございますので、私は大阪府が適切にこの問題に対して対応されるものと考えております。
○吉良よし子君 府が対応と言いますけど、例えば大阪市に窮状を訴えたあるお母さんは、私学の自由だからと取り合ってもらえなくて、さらに鼻で笑われたというような事例もあったと伺っていますし、そういう意味では、府任せにするんじゃなくて、しっかり保護者の声、文科省としても大阪府に聞き取れということを言っていただきたいと私は思うわけです。
 と同時に、やっぱり幼児教育、本当に重要なんですよ。そういう意味では、一方的に思想を押し付けるようなことは絶対にあってはならないし、慎重にすべきことだと思うわけですし、ましてや、日本国憲法の下で、そこで否定されている教育勅語などをたたき込むというのは許してはならないと思いますし、また、一人の母親として、幼児に対して繰り返し毎日心も体も傷つけるような虐待、体罰、行うことは許してはいけないと思うわけです。
 稲田大臣、伺いますけど、そういうことを行っているとされている幼稚園のトップに感謝状を贈ってその教育を評価して持ち上げた責任、これは私、重いと思うんですが、それでも評価し続けるというのでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 本件に関しては、籠池氏に関する事実関係を踏まえて、感謝状を取り消すことも含め適切に対応してまいりたいと考えております。
○吉良よし子君 答弁変わっていないわけですよ。
 お母さんたち、子供たちをちゃんと見られない人に教育をしてほしくないとおっしゃっていた。教育者としてふさわしくない人物に感謝状まで出して持ち上げることの責任は重いわけですよ。この声に真摯に向き合うべきではないですか。
○国務大臣(稲田朋美君) 籠池氏については、現在国会における議論がなされ、また様々な報道等がなされているところであるというふうに承知をしております。
 本件については、籠池氏に関する事実関係を踏まえて、感謝状を取り消すことも含め適切に対応してまいりたいと考えております。
○吉良よし子君 子供たちが傷つけられているんですよ。それを目の前にお母さんたち苦しんでいるんですよ。それを持ち上げたその責任は重大だと思いませんか。
○国務大臣(稲田朋美君) 現在国会で様々な議論がなされているわけでありますが、その籠池氏に関する事実関係を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。
○吉良よし子君 国会だけじゃないんですよ。保護者の皆さんが訴えているんですよ。そういう事実があるということにしっかり目を向けて、それを持ち上げた責任、しっかりと感じていただきたいと思いますし、大臣、あなたは、籠池氏との関係の中でも事実と違う虚偽の答弁をこの間繰り返してきているわけです。さらに、南スーダンの問題でも日報を組織的に隠蔽してきた疑惑もあり、大臣は戦闘を衝突と言い換えて危険な実態を国民に隠してきたと。
 もうあなたの言葉は信用されない、大臣の資格ないと。辞任されることを私、強く求めて、質問を終わります。
○委員長(山本一太君) 関連質疑を許します。山添拓君。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 働き方改革の焦点である残業時間の上限規制に関わってお伺いします。
 労働時間の原則は、一日八時間、一週四十時間です。三六協定による時間外労働はあくまでも例外です。例外的に認められる残業時間の上限は、一週十五時間、一か月四十五時間、一年三百六十時間とされている。
 これに対して、二月十四日の働き方改革実現会議で示された事務局案はどのような内容でしたか。
○国務大臣(加藤勝信君) 二月十四日に言わばたたき台として示させていただいた事務局案においては、三六協定により週四十時間を超えて労働可能となる時間外労働時間の限度を月四十五時間かつ年三百六十時間と法律に明記をする、そして、これを上回る時間外労働をさせた場合には特例の場合を除いて罰則を課することにしております。臨時的な特別の事情がある場合に該当すると労使が合意をしなければ、月四十五時間、年三百六十時間を上回ることはできないわけであります。かつ、労使が合意をして労使協定を結ぶ場合においても、上回ることができない年間の時間外労働時間を一年七百二十時間としております。
 一年七百二十時間以内において、一時的に事務量が増加する場合について労使が合意するとしても、最低限上回ることのできない上限を設ける、これが事務局案の内容でございます。
○山添拓君 大臣告示の倍にも上る残業時間を許容しようとするものです。
 さらに、三月十三日には経団連と連合とが上限規制の合意をしたと報じられています。どのような内容での合意でしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 三月十三日に労使が合意をされたということの中身でございますけれども、時間外労働の上限規制の原則は月四十五時間かつ年三百六十時間とした上で、一時的な業務量の増加がやむを得ない特定の場合の上限については、年間の時間外労働は月平均六十時間、年七百二十時間以内とする、休日労働を含んで二か月ないし六か月平均は八十時間以内とする、休日労働を含んで単月は百時間を基準値とする、月四十五時間を超える時間外労働は年半分を超えないこととすることを労働基準法に明記し、罰則付きで実効性を担保するとしております。また、一時的な業務量の増加がやむを得ない場合であっても、労働時間の延長を可能な限り短くすることで合意したものと理解をしております。
 それ以外に、三六協定の必須記載事項として、月四十時間を超えて時間外労働した者に対する健康・福祉確保措置内容を追加。特別条項付三六協定を締結する際の様式等を定める指針に時間外労働の削減に向けた労使の自主的な努力義務を盛り込むこと。なお、加えて、勤務間インターバル制度を労働時間等設定改善法等に盛り込むことや、過労死等を防止するための対策などについても盛り込むことが内容とされております。
○山添拓君 二か月から六か月の平均月八十時間、あるいは一か月百時間というのはいわゆる過労死ラインです。これで過労死をなくすことができるんだ、健康を確保し、人間らしい働き方となるんだ、こう考えているんでしょうか。加藤大臣、いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君) これまでも、いわゆる過労死認定基準をクリアする、健康確保を図りつつ、ワーク・ライフ・バランス、あるいは女性や高齢者が働き得る環境、こういったことを基本原則として議論をさせていただいているところでございまして、そういった流れの中で、先般、三月十三日に労使としての合意内容が示された。これを踏まえて、この働き方実現会議において、今月末を目途に取りまとめます実行計画に向けて議論をしていただくと、こういうことでございます。
○山添拓君 お答えになっていないです。これで過労死をなくせるとあなたは考えているのか、こう伺っています。
○国務大臣(加藤勝信君) 過労死の認定基準ということがございます。それをクリアする健康確保という観点から含めて議論をさせていただいている、こういうことでございます。
○山添拓君 全くお答えになっていないと思うんですね。
 電通の過労自死事件で亡くなった高橋まつりさんのお母さんは、全く納得できません、人間の命、健康を守るルールにこのような特例が認められていいはずがありませんと、繁忙期であれば命を落としてもよいのでしょうか、こう述べています。
 塩崎大臣、このお母さんのコメントに対してどう思いますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、労使が、時間外労働の上限規制についての合意がなされたわけでございますが、まず第一に、時間外労働の上限規制につきましてはこれまで様々な議論が特に労政審で行われてまいりました。結論的には合意点が見付けられないで法律にはできなかったと、こういう歴史があって、その中で今回は、この月四十五時間、年三百六十時間という時間外労働の上限を法律に明記をするという初めてのことを行うわけで、歴史的な改革であるというふうに私どもは思っています。大きな前進だというふうに思っております。
 今回、過労死をなくしていくという強い決意は、まさにこの労使合意がなされて、法律に罰則付きで入れ込んでいくということが合意をされたことが大変大きな意味だというふうに思っておりますので、過労死をなくしていくという私どもの、政府としての目標でもありますから、これは当然のことながらやっていくということで、また、これは実行計画、働き方改革実行計画をこの三月末に向けてまとめ上げていくわけでありますので、実現会議でしっかりとこの労使合意も含めて議論をしていきたいというふうに思っております。
○山添拓君 答えていないですね。
 過労死の御遺族の思いにどう応えるのか。安倍総理も、まつりさんのお母さんに面会して涙したと報じられていました。実効性のある対策をと求められて、何としてもやりますよと応じていたんです。その結果がこれなんですか。大臣、もう一度。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、先ほど加藤大臣から御説明申し上げたように、この労使の合意でも、単に時間の問題だけではなく、例えば勤務間インターバルについても努力目標で、努力義務で決めて法律に書き込んでいこうということも決め、またメンタルヘルス対策についても、そしてまたパワーハラスメント防止についても、労使間で、労使を交えた、政府と一緒に多分行われることになるのだろうというふうに思いますが、検討の場を設けて、高橋まつりさんのような事件がまた起きてしまうようなことが絶対ないようにしていこうという決意を、労使、そしてまた私ども今、政府としても更に力を入れていこうということでございます。
○山添拓君 塩崎大臣は、まつりさんのお母さんに面会されたんですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 私自身はお目にかかったことはございません。同じイベントに参加をしたことはございます。
○山添拓君 まず大臣自身が御遺族の気持ちに率直に向き合うことが不可欠だと思います。
 過労死防止法では、過労死の防止のための対策を効果的に推進することが国の責務とされています。にもかかわらず、過労死ラインを許容し合法化するなど、とんでもないことだと言わなければなりません。なぜ今の大臣告示にある一週十五時間、一か月四十五時間、一年三百六十時間、これを上限規制の基準としないのか。加藤大臣、塩崎大臣、それぞれ御答弁いただきたい。
○国務大臣(加藤勝信君) 委員おっしゃっておる大臣告示、もう御承知のことでおっしゃっているんだと思いますけれども、今おっしゃった数字自体は一つの告示として出されておりますが、特別条項を入れればそれを超える労使協定ができると、これが今の現状なわけでありまして、それをいかに抑制をして時間外労働を規制していくのか。そして、その中で、先ほど申し上げました健康確保、さらにはワーク・ライフ・バランス等をどうやって実現をしていくのか。
 そういうことで議論をしてきたわけでありますし、そして、やはりこの問題、先ほど塩崎大臣からもありましたけれども、労政審等でも議論されながら答えが出なかった、これに対して答えを出していかなければいけないということで、労使にはまたその合意の形成をお願いをして、先ほど申し上げた労使合意が出てきたところでございまして、我々としては、先ほど申し上げましたけど、それをベースにこれからしっかり引き続き議論をさせていただいて、三月末に実行計画の形で出していきたいと、こう思っています。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の労使合意では、時間外労働の上限規制は月四十五時間かつ年三百六十時間、これを原則としておりまして、一時的な業務量の増加がやむを得ない場合に限って一年七百二十時間などの特例を認めるということになっています。このように、一か月当たりの時間外労働時間の限度は原則あくまでも月四十五時間であって、臨時的な特別の事情がある場合に該当すると労使が合意をしなければこれを上回ることはできないということになっています。さらに、労使合意では、特別の事情により特別条項を適用する場合でも、上限時間水準までの協定を安易に締結するのではなく、月四十五時間、年三百六十時間の原則的上限に近づける努力が重要であるということも確認をされております。
 私ども厚生労働省としても、この合意を踏まえて、三月末までに実効性のある計画を取りまとめていきたいと思っております。
○山添拓君 今、七百二十時間という数字が出ました。年平均で月六十時間。六十時間ですよ。臨時的でも特別な事情でも何でもないじゃありませんか。本来の原則というのは一日八時間、週四十時間、残業は禁止なんです。その例外が月四十五時間であり、年三百六十時間だと。例外の例外を認める必要はありません。例外は大臣告示に一本化すべきであり、これを法規制化すべきではないか。加藤大臣、いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君) いや、繰り返しになりますけれども、大臣告示は先ほど申し上げたような仕組みになっているわけであります。それをベースに、やはり現場、労働の現場に精通をしている労使の方々にしっかり議論をしていただいて、そして実態を踏まえながら実効性のある中身として今回、労使合意の中身を我々に提示をいただいたということでございますので、これを踏まえて、先ほど申し上げた三月末の実行計画に向けて更に議論を重ねていきたいと思っております。
○山添拓君 そもそも現行の大臣告示で月四十五時間、年三百六十時間、こう規定されているのはなぜなのか、塩崎大臣、お願いします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 月四十五時間、年三百六十時間の根拠だというふうに思いますが、この御指摘の時間数につきましては、昭和五十七年に制定をされました、現行の大臣告示の前身に当たります適正化指針というのがございました。この中で、当時の時間外労働の実態などを踏まえて週十五時間、一か月五十時間などの目安が定められたところであります。
 その後、三六協定の一層の適正化を図って、労働時間短縮を進める労使の自主的努力を促進する観点から、審議会における議論を経て、平成元年の改正によって年四百五十時間の時間数が追加をされまして、さらに、平成四年の改正で現行と同じ時間数である一か月四十五時間、一年間三百六十時間に時間数が引き下げられたものと承知をしております。
○山添拓君 なぜその時間なのか、これ御答弁ください。
○国務大臣(塩崎恭久君) さっき申し上げたように、その当時の働き方の実態などを踏まえて、なおかつ健康確保の在り方を考えてこのような時間に定められたというふうに理解をしております。
○山添拓君 残業時間が四十五時間を超えると健康に対してはどのような悪影響があるのか。二〇〇一年の脳・心臓疾患の認定基準に関する専門検討会の報告書ではどのように結論付けていますか。
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。
 御指摘の報告書でございますけれども、この中では、一日七から八時間程度の睡眠ないしそれに相当する休息を確保できる状態が最も健康的であるなどに着目をいたしまして、疲労の蓄積と脳・心臓疾患の関係について医学的知見に基づいて検討した結果が取りまとめられたものでございますけれども、ここでは、その一日七から八時間程度の睡眠時間が確保できる状態は一か月おおむね四十五時間の時間外労働に相当し、このおおむね四十五時間を超える時間外労働が認められない状態では業務と脳・心臓疾患発症との関連性が弱いと報告されております。
 加えて、このおおむね四十五時間を超えて時間外労働が長くなるほどその関連性が徐々に強まるとされておりますけれども、この段階で業務と発症の関連性が強いとされているものではございません。
○山添拓君 改めて伺いますが、一日七から八時間の睡眠が必要だということの根拠としてこの報告書では何と言っていますか。
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。
 この報告書では、一日七から八時間程度の睡眠時間が確保できる状態が最も健康的であるということに着目して出されているものでございます。
○山添拓君 もう一度お答えください。
 一日七から八時間の睡眠を取れなければどうなるんだと言っているんですか。
○政府参考人(山越敬一君) この報告書では、一日七から八時間程度の睡眠が確保できる状態が最も健康的であるというふうにしているわけでございます。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 山越労働基準局長。
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。
 この報告書では、長時間労働や睡眠不足による疲労の蓄積が血圧の上昇などを生じさせまして、その結果として血管病変等をその自然経過を超えて著しく増悪させることを踏まえて報告されているものと承知をしております。
○山添拓君 そうなんですよ。最も健康的で疲労の蓄積を解消させるためには一日七から八時間の睡眠時間が必要だと、その睡眠時間を確保するには残業はせいぜい月四十五時間だと、こう言っているわけです。
 大臣告示が一か月四十五時間だとしているのも労働者の健康確保のためだ、このとおりですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) この時間外労働に係る大臣告示、今御指摘をいただきましたけれども、当時の時間外労働の実態や働く方の健康確保の観点を踏まえて、審議会での御議論を経て定められたということを私は申し上げましたけれども、その際の議論の根底には今御指摘のような健康への配慮というものがあったというふうに理解をしております。
○山添拓君 厚生労働省の、二〇〇六年、過重労働による健康障害を防止するため事業者が講ずべき措置、この中では、今の二つの関係、どう説明していますか。
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。
 御指摘をいただきましたこの事業者が講ずべき措置でございますけれども、この中では、時間外・休日労働時間が月四十五時間を超えて長くなるほど業務と脳・心臓疾患の発症の関連性が強まるとの医学的知見が得られている、このようなことを踏まえて、事業者は、三六協定の締結に当たっては、限度時間やその例外である特別条項について定めるものであります限度基準告示に適合したものとなるようにすることを定めているものでございます。
○山添拓君 月四十五時間を超える残業は労働者の疲労を蓄積させるんだと、健康に悪いんだ、この医学的な知見を踏まえて、だから大臣告示に適合するように、明確に書いているわけです。
 同じ文書で事業者に対してはどのように要請していますか。
○政府参考人(山越敬一君) お答えを申し上げます。
 この委員が御指摘になられました講ずべき措置の中では、三六協定に関しまして事業者に対しまして、月四十五時間を超えて時間外労働を行わせることが可能である場合であっても、事業者は、実際の労働時間を月四十五時間以下とするように努めるものと定められているところでございます。
○山添拓君 改めて伺いますが、労働者の健康確保のための四十五時間という規制だと厚労省が前提としている。塩崎大臣、よろしいですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今局長が答弁したとおりでございます。
○山添拓君 お答えになっていないと思いますが、もう明らかだと思います。
 大臣、じゃ、もう一度お答えください。大臣自身そのことをお認めになりますね。
○国務大臣(塩崎恭久君) さっき申し上げたように、健康を考慮してこのような大臣告示がなされたというふうに理解をしております。
○山添拓君 一方で、今度の七百二十時間というものの根拠は何なのか。加藤大臣。
○国務大臣(加藤勝信君) 二月十四日の働き方改革実現会議に示させていただいた一年七百二十時間としているその考え方でありますけれども、平成二十年の労働基準法改正において、子育て世代の男性を中心とした長時間労働を抑制し、仕事と生活の調和が取れた社会を実現する観点から、月六十時間以上の時間外労働を五割以上の割増し賃金の対象としたところでございまして、この事務局案では、このときの考え方を基にこうした一年七百二十時間ということを提出したところでございます。
○山添拓君 事務局案は月六十時間とは書いていないんですよ。年七百二十時間とあるんですよ。逆じゃないですか。
○国務大臣(加藤勝信君) したがって、それをベースに、年間でいうと七百二十時間、月平均で六十時間ということで事務局案を出させていただいたところであります。
○山添拓君 では、なぜ月の上限六十時間としないんですか。
○国務大臣(加藤勝信君) それは、先ほど申し上げた、単月ないし二か月から六か月平均については別途労使において御議論いただくということで、この段階ではトータル一年七百二十時間という数字を提出をさせていただいたと、こういうことでございます。
○山添拓君 六十時間が一定の数字だと言いながら、しかしそれ以上の数字を許容すると。
 先ほどもう明らかになったように、月四十五時間というのは医学的知見に基づくものです。一方で、七百二十時間という総量はまともな根拠がないということだと思います。
 脳・心臓疾患の労災認定基準では、労働時間の評価についてどのように定めていますか。
○政府参考人(山越敬一君) 脳・心臓疾患の労災認定基準でございますけれども、この中では、時間外労働時間と脳・心臓疾患の発症の関連性につきまして、まず、一か月当たりおおむね四十五時間を超える時間外労働が認められない場合は業務と発症の関連性が弱いこと、それから、一か月当たりおおむね四十五時間を超えて時間外労働が長くなるほど業務と発症との関連性が徐々に強まると評価できる、ただ、それだけでは業務と発症の相当因果関係があるとは判断していないところです。それが、発症前一か月間におおむね百時間、又は発症前二か月ないし六か月にわたって一か月当たりおおむね八十時間を超える時間外労働が認められる場合になりますとこの関連性が強いと評価しているところでございます。
○山添拓君 八十時間や百時間は、おおむねこれを超える残業があれば原則として労災と認めるという基準です。八十時間以下なら労災とは認められないというものではありません。
 トヨタ自動車の二次下請で働き、三十七歳で亡くなった三輪敏博さんの労災認定を求めた裁判で、名古屋高裁が今年二月二十三日に判決を下しました。どのような内容でしたか。
○政府参考人(山越敬一君) 御指摘の判決でございますけれども、発症前一か月間の時間外労働が、労働基準監督署が認定した約八十六時間に加えまして、一つは休憩時間が確保できていなかったこと、それから休日労働があることなど、ほかにも労働している時間があることなどの要因を考慮されて、百時間を超える時間外労働に相当する過重な労働負荷を受けたものと評価できるとして、相当因果関係が認められるという判断がされたものと承知をしております。
○山添拓君 国が不支給だと決定したものを取り消す判決だったわけです。これは、いわゆる過労死ラインに時間数としては達していないとされた事案です。判決は、直前一か月の約八十六時間の残業について、それだけでも脳や心臓の疾患に影響が出る程度の過重な労働負荷であるとし、心停止の主要な要因は過重な時間外労働だとしています。
 塩崎大臣、国はこの判決に対して上告をしたんでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘をいただいたこのトヨタの判決につきましては、判決結果を受け止めまして上告しないことにいたしまして、事務方には速やかに労災保険給付を御遺族に行うように指示をしたところでございます。
○山添拓君 救済が認められたということは、御遺族のその後の生活にとっても極めて重要なことだと思います。
 一か月百時間を下回る時間外労働でも過労死は起こるのだと国も認めているではありませんか。なぜこれから百時間もの時間外労働を許容しようというんですか。塩崎大臣。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の労使の合意は、あくまでも時間外労働の上限時間は月四十五時間、そして年三百六十時間、これが原則であって、それに対して、例外的に一時的な業務量の増加がやむを得ないという場合の時間として、トータルとして、今まではいわゆるこの三六協定の特例が青天井だという御批判を受けてきた。そういう中で、七百二十時間という年間の上限を設けて、なおかつ、年、月で六回だけということで、今度この七百二十時間の中で、百時間、八十時間のことについては先ほど加藤大臣から御答弁申し上げたとおりでありまして、こういうようなことで設けたわけでございますので、私どもとしては、この労使合意にもございますように、月四十五時間、そして年三百六十時間にできる限り近づけるような形で、特例であってもやるようにということが合意を見られたものだというふうに理解をしているところでございます。
○山添拓君 過労死の現実から完全に目を背けるものだと思います。
 資料でお配りしていますが、実際に過労死や過労自死で労災認定された方の残業時間がどのぐらいだったのか、厚労省の資料を基にグラフにしたものが五ページ、六ページのグラフです。
 残業時間別の労災認定の件数、五年間の平均で示しています。脳・心臓疾患による過労死事案では、残業時間八十時間から百時間で認定された方が四十八・四人と突出をしています。全体の約半数が百時間以下で認定されています。間違いありませんね。
○政府参考人(山越敬一君) 委員がお示しなされました資料でございますけれども、これは、発症前一か月間を評価期間として労災認定した件数と、発症前二か月から六か月間を評価期間として労災認定した件数を合わせて計算されているものだと思います。
 その上で、一か月から六か月間の評価期間中の時間外労働時間数を評価期間の月数、これは一か月から六か月がございますけれども、それで割った一か月当たりの時間数ごとの労災認定件数ということであれば、おおむね数値のとおりになるというふうに考えております。
○山添拓君 労災認定されているのは、現実にある過労死の氷山の一角にすぎません。辛うじて認定に至ったうちの半数にも及ぶ働き方、これを合法化していく、到底容認できないことだと思います。
 この間、経団連の榊原会長は、月百時間は妥当な水準だと言い、労使の合意形成ができなければ無制限に残業できる状況が続くと連合に対して譲歩を迫ってきた。政府は、労使の合意、現実には経団連が納得する内容でなければ残業時間の上限規制を導入しないということなんでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 基本的に労働に関する議論というのは労働政策審議会で合意をもってつくられてきている、そしてそこでは労使同数で議論をしていただいている、そしてそういう状況の中で、先ほど申し上げた、これまでもこの時間外、いろいろ議論があったけど結論が出てこなかった。こういう背景がある中で、今回、総理を議長として経済界、労働界のトップ、有識者が入っていただいた、そこでしっかり議論をして答えを出していこうと、こういうことであります。
○山添拓君 月百時間を受け入れるか、それとも青天井の残業をそのままにするか、二者択一を迫った結果でしかないじゃありませんか。
○国務大臣(加藤勝信君) いや、したがって、今、先ほど申し上げた状況の中で、現場をよく知っておられる労使の皆さん方に、実効性があり実態を踏まえた、こうした答えが出るように御議論をお願いをして今般労使で合意をいただいたと、こういうことであります。
○山添拓君 経団連と連合が合意したからといって、過労死ラインの合意を政府が容認するなど、過労死をなくすべき政府の責任を放棄するものじゃありませんか。
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、先ほど申し上げているように、現状がどうであるのかと。それに対して、今、青天井と先ほどお話もありましたけれども、それをどういう形で規制をし、その中で健康確保などの目的をどう実現するかということでこれまで議論をし、そして最終的には労使の合意ということがなければ具体的に前に進んでこない、これはもう我が国の仕組みがそうなっているわけでありますから、それを踏まえた上でしっかりとした議論を総理からもお願いをして、そして労使間でかんかんがくがく議論していただいた形でつくり上げてきていただいたのが先ほど御説明した労使合意ということであります。
○山添拓君 現状とおっしゃいました。経団連の役員企業にはどういう実態があるかと。
 しんぶん赤旗の調査では、会長、副会長企業十七社のうち十六社で月八十時間を超える時間外労働を認める三六協定があり、最長はNTT東日本の百五十時間、月百時間以上が八社、一日に延長できる残業時間は、八時間以上十三社、十時間以上十社、十五時間という企業もありました。所定労働時間と合わせれば、一日に二十二時間以上も働かせることが可能になっている。榊原会長が最高顧問を務める東レは、月百時間、年間九百時間の三六協定を結んでいます。その榊原氏が百時間妥当だと述べているわけです。八十時間、百時間といった残業を許容することは、これらの企業の多くで過労死ラインの特別条項を温存することになるではありませんか。
 塩崎大臣、どうですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来申し上げているように、今回の合意では、あくまでも原則は月四十五時間、年三百六十時間であり、特例的な扱いをするとしても、この月四十五時間、年三百六十時間、これに近づけるということが原則だということを明確に合意でも言われているわけであります。
 これを法律で初めて上限を設けていこうということを今やろうとしているわけでありまして、法律でやはり定めることが実効性を持つので、我々としては、やはり今まで青天井と言われるようなことで批判をされてきたような形ではない新しい法律でもって罰則付きの上限規制をしようと、こういうことでやっと労政審の中で今まで合意できなかったものを、合意を今度できそうなところまで来ているわけでありますから、これをしっかりと法律で定めていくことがやはり実効性のある長時間労働対策になるんではないかというふうに思いますし、過労死ゼロにしていく、このことが実現する一歩になるんだろうと私は思っております。
○山添拓君 特別条項あっても努力するというんですが、今でも四十五時間以下になるように努めるとなっているんですよ。厚労省もそう指導するとさっきおっしゃいました。それでも過労死は減っていないわけです。だから問題となっているのに、現状を追認するのでは何ら前進でないと言わなければなりません。
 過労死の認定基準における八十時間や百時間というのはどういう時間をいうんですか。
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。
 脳・心臓疾患の労災認定基準における時間外労働数は、業務と発症の関連性を評価するために算出しているものでございます。具体的には、発症日を起点とする三十日間を一か月といたしまして、発症日から遡りまして七日ごとに実労働時間を集計いたします。その中で、一週間当たり四十時間を超えて労働した時間を通算するという算定方式を取っているところでございます。
○山添拓君 法定休日に働いた分も含みますか。
○政府参考人(山越敬一君) 法定休日に労働した時間もこの算定に算入するものでございます。
○山添拓君 大臣告示の四十五時間、三百六十時間には休日労働は含まれますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) この限度基準告示というのは、三六協定、これによって労働時間を延長する際の限度時間を定めたものであります。法定休日労働に係る時間につきましては、限度時間には含めていないというところでございます。
○山添拓君 今度の事務局案における四十五時間、三百六十時間には休日労働を含みますか。
○国務大臣(加藤勝信君) これまでの、今も塩崎大臣からお話があった点も踏まえて、年間七百二十時間の上限については休日は含まないものとして整理をされておりますし、三月十三日の労使合意においても同様の考えになっておりますが、ただ、労使合意の中で出されております八十時間、百時間に関しては、明示的に休日労働を含むということになっているところであります。
○山添拓君 加藤大臣、今後、休日労働を含む上限規制を検討していきますか。
○国務大臣(加藤勝信君) したがって、今回の労使合意においては、一月において百時間、二か月から六か月についての八十時間については休日労働を含むと、こういうふうに明示的に書いているわけでありますから、それを踏まえて議論をしていくことになります。
○山添拓君 当然のことだと思います。そうでなければ、過労死認定基準を元々の出発点にしたこととの整合性は取れないと思います。
 労働基準法の一条では、「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。」としています。過労死を認めるような基準はこの精神とは程遠いです。
 私は弁護士として過労死事件に関わってきました。御遺族は、大事な家族を失った悲しみだけでなく、自分がもっとしっかりしていればよかった、なぜあのとき休んでいいよと言えなかったかと……
○委員長(山本一太君) 山添君、時間ですのでまとめてください。
○山添拓君 自らのことを責めて苦しんでおられます。
 こんな思いを二度と繰り返さないということが政治に求められています。にもかかわらず、過労死ラインの働き方にお墨付きを与えようとする。
○委員長(山本一太君) 山添君。
○山添拓君 多くの過労死遺族や働く者の声から懸け離れています。
○委員長(山本一太君) 時間です。
○山添拓君 名ばかりの働き方改革ではなく、働く者の立場に立つルールを作ることを強く求めて、終わります。
○委員長(山本一太君) 以上で吉良よし子君及び山添拓君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、室井邦彦君の質疑を行います。室井邦彦君。
○室井邦彦君 日本維新の会の室井です。
 今日は国連の関係で少し御質問をしたいと思いますが、随分腹立たしいことが幾つかありまして、それがきっかけになりました。それは、中立という立場であるべき事務総長、前の潘基文事務総長でありますけれども、彼が日本の歴史認識に触れたときの表現でありますが、歴史をどう認識すれば善隣友好関係を維持できるのか、日本の政府や政治指導者は深い省察が必要だという、そういう中立的な立場である者がこのようなことを発言しているということ。
 それともう一つは、東シナ海の領有権問題で、もう皆さん方も御記憶にあろうかと思いますが、オランダのハーグ仲裁裁判所の裁定で、中国の戴秉国、副首相級らしいんでありますけれども、彼が、この裁定は紙くずだと。
 こういうことを放置しておっていいのかどうか、非常に私は腹立たしい思いがありまして、それではちょっと幾つかの国連の問題で私が思っていることを取り上げたいなということで、国連の質問をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、これも唐突という表現がいいんでしょうね、政府は南スーダンPKOの部隊を五月に撤収させると決められたわけでありますが、現地でどのような活動をしておられたのか、またどのような任務を完了させて撤退しようとしているのか、お聞かせをください。
○国務大臣(稲田朋美君) 南スーダンPKOにおいて、UNMISSは、文民保護を始めとし、人権状況の監視、人道支援の実施の環境づくり、衝突解決合意の履行支援をその活動の柱として、南スーダンの平和と安定のための様々な活動を行っております。
 日本の南スーダンPKOはちょうど五年の節目を迎えたわけですけれども、この自衛隊の施設部隊、派遣している施設部隊は、道路補修や国内避難民向け施設の整備といった業務を実施してきており、これまでに約二百十キロの道路補修、約五十万平方メートルの用地造成、九十四か所の施設の構築など、過去のPKO活動の実績を上回る実績を積み重ね、南スーダンの平和と安定に貢献してきたものです。
 道路補修としては、首都ジュバを起点とする南西方向、北東方向、西方向、全ての主要幹線道路の補修を実施しており、特に北東方向の道路補修、今現在やっておりますジュバ―マンガラ間、これは終わりました。西方向の道路補修、ジュバ―コダ間は、南スーダン北部への物資輸送のために最も重要なものと認識をしております。
 こうした我が国の施設部隊の活動に対しては、キール大統領及びシアラーUNMISS特別代表から高い評価や謝意が示されているところでございます。
○室井邦彦君 この我が国の部隊が撤退しても南スーダンPKOはずっと続いているわけであります。我が国だけが撤退をする、そして国際社会で我が国の評価をおとしめるような結果にならないのかというふうに私は心配しております。いかがですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国は、UNMISSに二〇一二年一月から施設部隊を派遣してきました。五年を超える派遣期間を通じまして延べ四千人派遣しました。これは我が国の施設部隊派遣としては、期間、実績とも最長、最大規模のものであります。
 これは内容においても評価されたわけですが、この度、撤収に当たって南スーダン政府あるいは国連に対してこの旨伝えたわけですが、その際にキール大統領からも高い評価と謝意、そして理解が示されました。国連本部からも我が国の方針に対する理解、深い感謝が示されました。
 そして、なおかつこのUNMISSに関しましては、司令部要員の派遣継続いたします。そして、南スーダンの平和と安定に対する貢献はこれからも我々は続けてまいります。国民和解、政治プロセスへの貢献、あるいは人材育成、あるいは人道支援、こうした南スーダン自立への支援は、我が国はしっかりとこれからも続けてまいります。
 今回の撤収が日本の評価をおとしめる、こういったことになるとは考えてはおりません。
○室井邦彦君 そういう政府の答弁になると思っておりましたが、ちょっとここでもう一度しっかりと確認しておきたいんだが、国連のハク副報道官、日本が抜ける分早急に埋め合わせをしなくちゃいけない、ほかに派遣可能な国を探す考えを示していると、こういうことをおっしゃっておるんですが、この点はいかがですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 各部隊の調整は国連、UNMISSで行うものだと承知をしております。
 各部隊については、既に英国は工兵部隊、医療部隊、四百名の一部が現地に到着し、展開を始めております。こうした各国の部隊を全体を見ながら国連の中で調整していくことになると考えます。
○室井邦彦君 私がちょっと言葉足らずというか心配しているところは、この判断が、我が国が一方的な判断でこういう撤退したんじゃないかという、そういう危惧を、心配しているところなんですけれども、その点はどうなんですか、こういう場合の撤退というのは。
○国務大臣(岸田文雄君) この撤収に当たりましては、事前に国連そして南スーダン政府にも説明をしっかり行っております。そして、その上で、先ほども申し上げましたが、国連からも南スーダンからも我が国の今日までの取組に対する評価、感謝の意が表されているところです。
 こうした日本の対応につきましても、南スーダン政府あるいは国連ともしっかりと意思疎通を図り、理解を得た上で対応を行っているということであります。
○室井邦彦君 このPKOで中国、韓国は何人の兵隊、兵士を協力、出しているんでしょうか。
○政府参考人(水嶋光一君) お答え申し上げます。
 国連の公開情報によりますと、二〇一七年一月末の時点で、中国は合計二千五百九十四名、韓国は合計六百二十五名の要員を世界各地の国連PKOに派遣していると承知をしております。
○室井邦彦君 平成二十八年の七月に南スーダンで中国兵二名が殺されていると、それでも中国は二千名以上の兵士を出して頑張っているということなんですよね。日本だったら当然内閣総辞職ということになるんでしょうけれども、我が国のPKOは本当に国連の平和と安全に貢献していると言えるんでしょうか。もう一度、くどいようでありますけれども、いかがですか。
○大臣政務官(武井俊輔君) お答えいたします。
 昨年七月の首都ジュバにおけます大規模な武力衝突の際に、UNMISSに参加をしている中国の要員二名が亡くなられたことは承知をしておるところでございます。改めて哀悼の意を表するものであります。
 その上で、我が国はPKO法施行後の二十五年間、二十七のミッションに対しまして延べで約一万二千人の要員を派遣してきたところでございます。こうした活動における我が国の要員の高い能力とこの貢献に対しましては、国連を始めとします国際社会から高い評価を得ているものと認識をしております。また、要員派遣以外にも、例えば我が国主導で取り組んでおります能力構築支援を行うなど、国連PKOの諸課題に取り組んできているところでございます。
 我が国といたしましては、今後とも、この積極的平和主義の旗の下、国連を始めといたします国際社会とともに、これまでのこの活動の実績の上に立ちまして、我が国の強みを生かし、能力構築支援の強化、また部隊及び個人派遣など国際平和協力分野において一層積極的に貢献をしていきたいと、そのように考えています。
○室井邦彦君 国連の平和、そして日本の平和、この平和の定義が違うんじゃないのかなと思うんですけれども、いかがですか。
○大臣政務官(武井俊輔君) お答えいたします。
 この平和の定義でございますが、国連において確立した平和の定義はこれだというものはないわけでございまして、また国連加盟国の中においても一致した見解はないと承知をしております。
 平和とは、最低限で言いますと、戦争や武力衝突、武力紛争のない状態と捉えることはできるかと思うんですが、しかし、国際テロ、またサイバー攻撃など国境を越える脅威の増大、また貧困や開発課題をめぐる問題の多角化、また複雑化といった変化の中で、平和においてより様々な視座で捉えていくことが重要であると考えております。
 したがいまして、平和とは、平和を求めるとは、単に戦争のない状態をつくるということではなく、また、のみならず、国際社会とともに人々が安全に、そしてまた安心して豊かに暮らせる世界を求めていくということであろうと考えております。
 以上です。
○室井邦彦君 今、武井政務官がお答えされたんですけれども、これはあるんですよね。
 国連の平和、これ平和のための武力行使を是認している、力によって平和をつくり上げていく、紛争を収める、これが国連の平和なんですよね、平和を構築していく。日本の平和は、戦争の否定、そして非戦主義。だから、国連との平和というのは合わないんですよね。私はそれをちょっとしっかりと言いたかったんですけれども、いかがですか。
○大臣政務官(武井俊輔君) お答えいたします。
 繰り返しになりますが、この平和の定義、また平和の考え方というものが、それぞれまた国連において、そしてまた国連の中で一致したものがないというのは現状でございます。
 そういった意味におきまして、我が国といたしましては、我が国の考える平和安全保障の取組というものを我が国の考え方において進めているというところでございます。
○室井邦彦君 もうこれ以上申し上げません。
 次の質問に上がります。
 紛争地の人間にとっては、一番有り難いのはやっぱり寄り添ってもらうこと、自分の家が火事になったとき、やっぱり寝巻きの裾を振り乱してバケツリレーをやってくれる人が有り難いんですよね。火の粉が飛んでこようと水かぶろうとこの家を消してやろうという、こういうお気持ちがやはり非常に有り難いということであります。消し終わってから次の日に家を建て直すのにお金を貸してあげようかどうしようかという、これじゃやっぱりちょっと違うんですよね。あえてこれが日本だとは言いませんよ。その点よく御理解をしていただかないといかぬなと思うことと、この危険の分かち合い、そもそも国連の平和の貢献の考え方はそういうものではないのかということを申し上げたい。
 ところで、この山口元陸将、この言葉は、自衛隊員は危険を顧みずに任務に当たることを宣誓をしております、資料にもお配りしておりますけれども、異動や昇進のたびに宣誓をし、思いを強く、熱く燃えるように皆心していると答えている。
 危険の分かち合いができないのは政治の責任ではないのかということをあえて言っておきたいんですが、いかがですか。
○委員長(山本一太君) どなたにお聞きしますか。
○室井邦彦君 これは武井さんが答えるんでしょう。
○大臣政務官(武井俊輔君) お答えいたします。
 この危険の分かち合いという今委員より御指摘ございましたが、危険の分かち合いというこの御指摘いただいた点でございますが、これが国連の中の考え方であるかということは必ずしも定かでないところでございますが、国際社会と協力をし、世界全体の平和と安定のために我が国が人的貢献を行うということは、国際社会の平和と安定に資するものであると考えております。
 国連PKOは、この武力紛争の再発防止、その確保、そしてまた武力紛争後の再建の援助といった目的を持っているわけでございまして、我が国もこれまで二十五年近く、カンボジア、ゴラン高原、東ティモールなど様々な地域において自衛隊を始めとする要員を派遣してきたところでございます。
 我が国といたしましては、今後とも、この国際協調主義に基づきます積極的平和主義の旗の下、国際社会におきまして、これまでのPKO活動の実績の上に立ちまして、我が国の強みを生かした能力構築支援の強化、部隊及び個人派遣など、国際平和協力分野において一層積極的に貢献をしていくと考えております。
 以上です。
○委員長(山本一太君) 室井君、稲田大臣にも答弁求めますか。よろしいですか。
○室井邦彦君 どうぞ。大臣、せっかくお見えですから。
○国務大臣(稲田朋美君) 今委員がお読み上げいただいた自衛隊法の五十二条の中の、「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に努め、もつて国民の負託にこたえることを期するものとする。」ということでございまして、南スーダンのPKO活動においても、厳しい治安状況の下で日本ができる日本らしい活動を行い、そして評価を得ているところでございます。
○室井邦彦君 じゃ、この質問を最後にいたしますが、申し上げたいことは、憲法九条を理由に他国軍との歩調を合わせ共に力を尽くす責任が果たせないというのであれば、我が国が目標にしておる安保理改革を唱え、中核となってリーダーシップを取る、そして常任理事国入りを目指すということはなかなか至難の業だなということを一言申し上げて、次の質問に移らせていただきます。
 次の質問は、三月九日に百一本の法案をさきの国会に引き続き提出いたしました。その中の法案でありまして、国境警備法案の制定についてお伺いをしたいと思います。
 安倍総理とトランプ大統領との首脳会談において、日米同盟の強化につながったということは高く評価をしたいと思います。一方で、尖閣周辺における安全保障環境は一層厳しさを増しております。我が国領土の尖閣諸島へ近づかれないように常時しっかりとした守りをしていかなければならないわけでありますが……
○委員長(山本一太君) 室井君、時間が終わっておりますので。
○室井邦彦君 今現在の海上保安庁の状況はいかがでしょうか。
○委員長(山本一太君) じゃ、中島海上保安庁長官。短く、簡潔にお願いします。
○政府参考人(中島敏君) はい。お答えします。
 尖閣諸島周辺海域では、平成二十四年九月以降、中国公船等の徘回、接近、領海侵入、これが依然として繰り返されております。
 海上保安庁といたしましては、我が国の領土領海を断固として守り抜くという方針の下、事態をエスカレートさせないよう、冷静に、かつ毅然とした対応を続けるとともに、昨年十二月に……
○委員長(山本一太君) まとめてください。
○政府参考人(中島敏君) 関係閣僚会議で決定した方針に基づき、しっかりと対応してまいりたいと思います。
○委員長(山本一太君) 時間終わっています。
 以上で室井邦彦君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、石井苗子君の質疑を行います。石井苗子君。
○石井苗子君 被災地関連予算について質問させていただきます。
 平成二十九年度復興予算案の新しい東北事業は、東北に外国人観光客を増やすビジネスモデルを公募しています。例えば、昨年は温泉旅館を活用して外国人勧誘を図るツアービジネスの検討などに予算を割り当てるというのがありました。しかしですが、福島県ですけれども、地元の温泉に外国人を誘致するといっても、風評被害などありましてそう簡単なことではございません。そこで、予算の割当てや申請内容にもう少し柔軟性が欲しいと思っております。
 温泉という動かない資源、自然資源の二次的利用として、温泉化粧品からもう一歩前進した商品開発の研究を官民学で進め、最終的には、例えばアトピー皮膚炎などに効力のある医薬部外品というものを開発するような企画に予算を割り当てることはできないものでしょうか。薬事法との関係も含めて緻密な研究が必要ですが、福島県の温泉の地元で生産ができて、しかも将来にわたって持続性がある商品に海外からの注目を先に集めて、その後で将来はその商品の原産地である福島県の温泉を目当てに外国人が訪れるという、この長期的な企画の申請ができる復興予算のお考えがあるでしょうか。政府参考人の方でもお答えをお願いします。
○政府参考人(関博之君) お答えいたします。
 復興庁の予算の中で何か支援ができるメニューはないかということでございますが、私ども復興庁では、被災地の事業者の方による新商品やサービスの開発などを支援するため、事業者側のニーズに応じて専門家を派遣し、実務的な指導、助言などを行う事業を実施しております。この事業は新年度予算にも計上してあります。予算が成立した際には、支援案件の公募を開始する予定でございます。
 今のお話ございました温泉エキスの商品開発ということでございます。専門家による実務的な支援を必要とするものであれば、公募開始後、この事業などに応募していただくことは可能ではないかと存じます。
○石井苗子君 ありがとうございます。
 多分四月二十六日に公募が開始するものだと思うんですけど、ちょっと見ましたけれども、やっぱり柔軟性のところで、支援計画の実施に際して必要となる費用というところにやはりコーディネーターやスタッフの人件費というのをちょっと入れていただきたいなと思っております。
 さて、次は東北地方の復興についての質問。
 隈研吾さんがデザイナーであります新国立競技場ですけれども、東北地域の木材ですね、国産木材のCLTなども含めて、屋根や軒に日本の木材を使用すると聞きまして、私、環境委員会で森林アンチエージング政策を提案しているので大変うれしく思っておりましたところ、実は輸入木材も多く使われているという話を耳にしました。私としては全部国産の木材でやってほしいんですが、予算の関係があるのか、東北の木材、事実上どのくらいのパーセンテージで使われているのか、お答えいただけますと有り難いんですが。
○政府参考人(高橋道和君) お答え申し上げます。
 新国立競技場に使用される木材については、実施設計において、建物外周の大屋根や軒ひさしの構造材に杉、カラマツの国産材を用いるほか、ラウンジ、選手更衣室の内装等に国産材を中心とするCLTを用いることとしており、その予定数量は約二千立方メートルであると承知をしております。
 今後、事業者において使用木材の調達を行うこととなりますが、使用する木材のほとんどが国産材となると聞いております。
○石井苗子君 ほとんどというところで、ちょっと先送りしたいと思います。
 次に、現在厚労省で検討されていますDHEAT、災害対策チームについて質問します。
 DMATは既に活躍が有名ですけれども、DHEATはまだなじみが薄いと思います。DHEATは新しい災害チーム体制のことで、被災地域の地方公務員を日本各地から集まった地方公務員が保健業務の救援をするという、ちょっと聞いただけでは分かりにくいんですけれども、避難所や避難所に来れない方たちを速やかに助けるチームという意味では、これまでになかった災害支援として将来頼りになっていると思います。
 しかし、熊本地震などでも経験いたしましたけれども、避難所の統括というのは地元のトップが担わないと、その地元をよく知った人が担わないと混乱を起こすことがありまして、地元の保健師さんというようなことになるんですけれども、保健師さんの生死も危ぶまれるようなことが被災であります。
 ですので、DHEATは、出動する立場とDHEATの応援を受ける両方の立場を担うことになると思うんですが、厚生労働省としては、今後、保健師も含めたDHEATの出動マニュアルと、それから受入れガイドラインといったような心得についてどのような教育方針があるのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(福島靖正君) お答えいたします。
 今御質問のDHEAT、災害時健康危機管理支援チームでございますけれども、これは自治体の医師、保健師、事務職員等のチームでございますが、これ、自然災害に伴う重大な健康危機が発生して被災地域内の保健医療行政だけでは健康危機管理対応が困難になる場合に、その地方自治体の職員で構成されますチームが被災保健所、被災した側の保健所や被災都道府県の県庁に支援に入りまして、被災地域の保健所職員とともに市町村の公衆衛生領域の受援業務の支援を行う、このマネジメント機能を担うチームでございます。
 このために、その受援業務を行うに当たっての考え方、支援の方法を含めた発災時に主要となる役割などを学ぶために、平成二十八年度から災害時健康危機管理支援チーム養成研修、これを私どもで実施をしております。
 また、熊本地震等の検証も踏まえまして、発災後、段階的に支援者に求められる業務内容や、被災地には外部からの支援が入ることを前提とした体制整備、構築、これを計画していくことが必要でございますので、広域大規模災害における保健衛生領域の支援・受援体制の構築の在り方に関するガイドライン、これを来年度の厚生労働科学研究によりまとめることとしております。
 厚生労働省といたしましては、このガイドラインを自治体における災害対応研修等に活用いただきまして、自治体においてそういう構築、対応ができるようにしてまいりたいと考えております。
○石井苗子君 ありがとうございます。
 次に、医薬品の広告規制について厚生労働省にお聞きします。
 製薬会社による薬の情報公開が患者さんにとってマイナスになるようなことは規制しなければなりませんが、PMDA以外から患者さんが自分の治療方法を自分で選択する情報というのはもっとあるべきだと思っております。
 広告ではないきちんとした情報提供をどう考えるか。特に、がんの領域では二、三十年前の告知状況とは社会情勢が大きく変化しておりまして、医師と自分との治療に関する双方のコミュニケーションの取り方をどのような情報のアクセシビリティーで確保していくか、どのような日本式情報提供がふさわしいのか、厚生労働省の考えをお聞かせ願いたいと思います。
 例えば、がん患者さんが学会の製薬会社のブースに出入りできないとか、ホームページに入る際に、医療関係者の方ですかというような、聞かれるといったことは改善されるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(武田俊彦君) 医薬品の広告に関しましては、医薬品医療機器法第六十七条などの規定によりまして、がんなどに使用される医薬品につきまして、医療関係者以外の一般人を対象とする広告方法を制限してございます。これらの医薬品は副作用が強く、使用には高度な専門的な知識が必要であることなどから、広告に関する情報提供について慎重に取り扱うこととし、企業にもその遵守を求めているところでございます。
 こういった制度の下で、ただいま御指摘がございましたように、患者が情報を求めた場合であっても、製薬企業が一般人を対象とした広告に当たり得るということで抑制的に対応する場合があり得るということも承知をしてございます。
 私どもといたしましては、一方で、がんの患者さんががんの治療薬に関する情報を収集し、自らの治療方法を選択したいと望むことについても配慮すると、こういう視点も大事ではないかと思っているところでございます。
 独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページでは医薬品に関する専門的な情報を入手することはできるわけではございますけれども、製薬企業において、こういった視点にも対応した情報提供がどのような形であればできるのかについて、患者目線での取組を念頭に、製薬業界にも意見を聞き、適切に対応してまいりたいと思っております。
○石井苗子君 ありがとうございました。期待しております。
 次に、柔道整復師について厚生労働省に質問いたします。
 私は保健師で、地域包括ケアというものに関心を持っておりますが、高齢社会に伴って、足腰や膝の痛みを緩和してくれる柔道整復師も含めた整骨院や接骨院で施術にかかる方が多くなりました。こうした病院以外の治療の活用、大切だと思うんですが、素朴な質問で恐縮なんですけれども、この地域包括ケアの中に柔道整復師、含まれていますでしょうか、お答えください。
○政府参考人(神田裕二君) お答えいたします。
 厚生労働省では、団塊の世代が七十五歳を迎える二〇二五年を目途といたしまして、重度な要介護状態になっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を進めているところでございます。
 地域包括ケアの中で柔道整復師については、本来業務でございます外傷性の骨折、脱臼等に対する施術を行うとともに、特別養護老人ホームやデイサービスなどにおいて機能訓練指導員として機能訓練を行うことも期待されているものと考えております。
○石井苗子君 含まれているということで。
 柔道整復師から施術を受けた患者さんなんですが、半年ぐらい過ぎてから健康保険組合から調査票を受けることがありまして、何月何日にどこの部分の施術を受けましたかと。記録がないので忘れてしまって放っておきますと、また、期間内に回答しなければ全額負担になりますとか、質問に答えないと会社の人事に通知しますというような連絡が来て戸惑うケースがあると。
 こうしたことは施術した側に聞けばいいのにどうしてこっちに来るのだという、何か不正でも巻き込まれているんじゃないかという不安があるそうなんですが、こうした行き過ぎた患者調査としてはどうして起こるんでしょうか、厚生労働省としてどんな改善案があるのか、お聞かせください。
○政府参考人(鈴木康裕君) 柔道整復療養費に関する健保組合からの調査についてお尋ねでございます。
 療養費は健康保険法第八十七条に基づき支給するということでございますが、中には疑義のある請求もありますことから、保険者は適正な支給となるように患者調査を行っているところでございます。
 患者調査に当たっては患者の方々に御負担を掛けないように行うということが非常に重要だというふうに思っておりまして、もし御指摘の事例が事実であれば行き過ぎた内容であるというふうに思っております。指導すべきであるというふうに考えております。
 今後とも引き続き健康保険組合が実施する患者の調査が適正なものになるよう指導していきたいというふうに思います。
○石井苗子君 ありがとうございました。期待しております。
 最後ですけれども、文部科学省にお尋ねします。
 日本の小中の理科教育はOECD諸国でトップクラスになったそうでございまして、三年前まで私は十位以内に入っていないと思っておったんですけれども、非常に成績を上げたということなので、どのようなシフトをされたのかというのが一つと、環境整備に十分配慮するということが新学習指導要領のところに書いてあります。今、十年に一度の移行期間に入ると言っておりますけれども、教材が不足しているとか地域で格差があるという声が聞こえてきますが、このトップクラスを維持したいので、移行期間中に何らかの措置をとられるのか、文科省にお聞きしたいと思っております。よろしくお願いします。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のTIMSS、それからPISA、これはいずれも国際的な学力調査でございますが、その調査結果が昨年公表されました。そこにおきましては、委員御指摘のとおり、我が国の理科及び科学的リテラシーの結果が国際的に見て引き続き上位に位置するということが分かった次第でございます。
 これにつきまして様々な要因があると考えられますが、まず現行の学習指導要領における観察、実験や自然体験などの必要な時間の十分な確保、それから小中高の円滑な接続の観点からの指導内容の充実といった指導内容の改善、それから小学校段階からの理科の少人数指導や専科指導に必要な教職員定数の充実確保、それから全国学力・学習状況調査の結果を、調査対象学年・教科に加えて学校全体の教育活動の改善に活用する学校の増加、こういったことにつきまして各学校あるいは教育委員会が着実に取り組んだことや、さらに学校教育全般にわたる教職員全体による献身的で熱心な取組が行われたことがこのような理科の学力の向上に影響しているというふうに考えております。
 それから、次に、現在パブリックコメント中ですが、小学校と中学校の学習指導要領の理科の部分の改訂案、この中で、今回、観察、実験などの指導に当たり環境整備に十分に配慮すると記載しております。この今回の改訂案でございますが、科学的に思考する力などは、観察、実験における問題解決や探求の活動を通じて育まれるものでございまして、これまで以上に観察、実験の質を重視する中で新たに規定するということでございます。
 こういった活動を充実するために、文科省におきましては、理科教育設備整備費……
○委員長(山本一太君) 答弁は簡潔にお願いします。
○政府参考人(藤原誠君) はい。
 補助金につきまして、観察アシスタントの配置支援、理科設備の整備充実、総合的な支援をしておりまして、これらについて引き続き充実してまいりたいと考えております。
○石井苗子君 現場から、理科実験支援員の不足……
○委員長(山本一太君) 時間が終わっておりますので、まとめてください。
○石井苗子君 それから教材、設備の地域格差があるということなので、是正していただきたいと思います。
 これで終わります。ありがとうございました。
○委員長(山本一太君) 以上で石井苗子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、山本太郎君の質疑を行います。山本太郎君。
○山本太郎君 自由党共同代表、山本太郎でございます。自由党、社民の会派、希望の会を代表してお聞きします。
 まず、十年前に籠池さんとは縁を切ったとおっしゃっていました。間違いないでしょうか、防衛大臣。
○国務大臣(稲田朋美君) 十年ほど前から疎遠になっているということを申し上げております。
○山本太郎君 疎遠になった理由があるというふうにお聞きしたんですけれども、それは何ですか。
○国務大臣(稲田朋美君) 国会の場で申し上げるべきことではないので、差し控えさせていただきます。
○山本太郎君 外では大変失礼なことをされたというふうにおっしゃっていたんですけれども、ここでは言えないと、どんなことでしたかということも言えない。
 じゃ、これは言えるんじゃないでしょうか。それは許せないことだったんですか。
○国務大臣(稲田朋美君) 具体的な内容についてはお答えを差し控えさせていただきます。
○山本太郎君 それは一回の出来事ですか、それとも連続したものだったんですか。
○国務大臣(稲田朋美君) 具体的な内容についてはお答えを差し控えさせていただきます。
○山本太郎君 会見とかではぺらぺらおしゃべりになるのに言えないんですか。
 でも、先ほど午前中の民進党の質疑の中で、答弁なさった中で、奥様らしいというふうな言葉を使われたんですよね。これ、どんな方だったんですか、奥様は。
○国務大臣(稲田朋美君) 籠池氏の奥様ということでございます。
○山本太郎君 そのまんまでございますね。
 それだけ強烈な記憶があったということですよね、奥様らしいという言葉が出たりとか。十年前にもう疎遠になるということを決めたというような出来事があったわけですから、記憶は確実にあるはずですよ。それだけインパクトが強い人たちだったら記憶から消し去りようがない。どういうつながりから始まったかということさえも覚えているはずなんですよ。
 出廷したこと、実は覚えていたでしょう。
○国務大臣(稲田朋美君) 十三年前の裁判所の出廷記録が掲載されたことを受け、確認をいたしまして、平成十六年十二月九日、夫の代わりに出廷したことを確認できましたので、訂正をし、おわび申し上げたところでございます。
○山本太郎君 大変失礼なことをされたと今でも根に持たれているわけですから、それだけ強烈な記憶があるわけだから、出廷したことは覚えているでしょう、もちろん、ねえ。
 まあ、虚偽答弁も記憶違いということでクリアできちゃう、記録も廃棄する、証人は呼ばない、どんだけ無敵モードなんですか。ここはどこですかって、国権の最高機関でしょう。(発言する者あり)最高機関らしい質問をしろ、へえ、自民党に言われるとは思いませんでしたね。ありがとうございます。勉強になります。
 先に進みたいと思いますけれども、委員長、このまま証人を呼ばないなんて、参考人を呼ばないなんてあり得ないですよ。時間切れ狙っているでしょう、これ、全体的に。しっかりと、いつもやっていただいていますけれども、理事会でもこの参考人のことを前に進めるようにお願いいたします。
 一番懸念するのは、籠池さん、そしてその周辺の方々が逮捕されてしまって、長期勾留によって口封じされる可能性があると。日本の司法では、人質司法というものがずっと続けられてきました。そういうような長期勾留によって口封じがされるおそれをある中で、まずは国会でしっかりとお話をしていただくという、この一番国民が懸念を持っていることに対して前に進めていただきたい。お諮りください。
○委員長(山本一太君) ちょっと速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
 ただいまの山本君の発言中に不適切と思われる言葉があったようであるとの御指摘がありました。
 委員長といたしましては、後刻理事会において速記録を調査の上、適当な処置をとることといたします。
 先ほどあった参考人の件については、後刻理事会で協議をいたします。
○山本太郎君 済みません。先にお断りしておきたいのは、籠池さんを犯罪者と決め付けたわけではありません。ただ、この先、何かによって逮捕されて長期勾留によって口封じみたいなことが行われたとしたら非常に問題であると。国会はずっと前から証人を、証人として要求されているわけだから、それに応えるべきだという意味で言いました。
 先に進みます。
 国家戦略特区って何ですか。
○政府参考人(佐々木基君) お答え申し上げます。
 国家戦略特区につきましては、国家戦略特別区域法の第一条でその目的規定があるわけでございますが、要すれば、国が主導していわゆる岩盤規制改革全般について突破口を開き、経済社会の構造改革を推進することにより、産業の国際競争力の強化、国際的な経済活動拠点の形成を図るものと考えております。
○山本太郎君 今治の獣医学部、特区提案から認定までの経緯、説明してください。
○政府参考人(佐々木基君) お答え申し上げます。
 今治市の獣医学部の申請につきましては、平成十九年から平成二十六年までの間、計十五回にわたりまして、今治市と愛媛県が連名で構造改革特区の提案を行っていたところでございます。こうした中で、平成二十六年から平成二十七年にかけまして、国家戦略特区の提案が今治市、愛媛県のみならず、新潟市などほかの地域からも提出されたこともございまして、特区ワーキンググループにおきまして、提案者及び関係省庁と計七回にわたり本格的な議論を行い、平成二十七年六月の日本再興戦略改訂二〇一五に本件を検討する旨を記載したところでございます。
 その後、同年、二十七年でございますが、十二月には今治市を広島県とともに国家戦略特区に指定することを決定し、翌平成二十八年三月三十日の広島県、今治市の第一回区域会議におきまして改めて獣医学部新設の提案をいただいたところでございます。さらに、同年、二十八年の九月二十一日の今治市分科会におきまして、既存の獣医師養成とは異なる、獣医師が新たに対応すべき分野の具体的な需要等につきまして今治市から具体的な構想が示され、これを踏まえて各省間で調整を行った結果、十一月の特区諮問会議で、追加の規制改革事項として獣医学部の設置を可能とするための制度改正を直ちに行うことを決定した次第でございます。
 その後、一か月間のパブリックコメントを経まして、文科省告示の特例措置となる共同告示を本年一月四日に制定いたしました。特区法の規定に基づき構成員の公募手続を行った結果、学校法人加計学園より応募があり、その後、追加の申出の手続を行いましたが、他の事業者の応募がなかったところでございます。
 このため、今治市分科会や区域会議、諮問会議におきまして、必要な要件を十分に満たしていることを慎重に確認した上で、最終的に一月二十日に今治市に獣医学部の設置を可能とする特例を適用することとしたものでございます。
 以上でございます。
○山本太郎君 先ほどおっしゃった再興戦略改訂二〇一五、獣医学部検討の項目、新設のための四条件、教えてください。
○政府参考人(佐々木基君) お答え申し上げます。
 いわゆるその四要件、日本再興戦略改訂二〇一五で示されました検討に当たっての留意点でございます。
 これは、一つには、現在の提案主体による既存の獣医師養成でない構想が具体化すること、ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになること、既存の大学・学部では対応が困難であること、近年の獣医師の需要の動向も考慮することといった検討に当たっての留意点を示されているところでございます。
○山本太郎君 今挙げられた要件、今話題の加計学園は満たしているということでいいですね。
○政府参考人(佐々木基君) お答え申し上げます。
 今治市の応募の内容につきまして、今治市分科会、あるいは広島県、今治市の区域会議、あるいは国家戦略特区諮問会議におきまして、関係省庁ももちろん参加の上で検討いたしました結果、先ほどの日本再興戦略に沿ったものとなっているということを確認しているところでございます。
○山本太郎君 四要件満たしていませんよって突っ込んでいらっしゃる方々いらっしゃるんですよ。
 獣医師法を所掌する農水省にも同じ文書が届いていると思います。日本獣医師会意見書にある四つの条件について、「本件については、」から農水省、読んでください。
○政府参考人(今城健晴君) お答えいたします。
 日本獣医師会が平成二十八年十一月二十八日付けに出された要請という文書の中の該当部分を御紹介させていただきます。
 本件については、昨年、当時の昨年です、六月三十日に閣議決定された日本再興戦略改訂二〇一五の十四、獣医師養成系大学・学部の新設に関する検討の中で次の四条件が明記されています。一、現在の提案主体による既存の獣医師養成でない構想が具体化、二、ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになること、三、既存の大学・学部では対応が困難な場合、四、近年の獣医師の需要の動向も考慮しつつ、全国的見地から本年度内に検討。上記一の現在の提案主体とは愛媛県今治市と想定されますが、愛媛県今治市が提案する獣医系大学の構想について本会が検証したところ、構想の内容はいずれも既存の十六獣医学系大学で既に取り組んでいるものばかりであり、新規性はなく、上記の四条件に全く該当いたしません。また、獣医師の需要動向についても、全国的観点からは、地域・職域の偏在は見られるものの、獣医師総数は不足していません。地域や職域における不足解消のためには、六年制教育修了者への魅力ある職場の提供、処遇改善等が必要ですという内容でございます。
○山本太郎君 内閣府、今治より上がってきた申請書に記載されていた入学定員数、何人でしたか。
○政府参考人(佐々木基君) お答え申し上げます。
 広島県、今治市区域会議では、本年一月四日から十一日にかけまして、今治市の獣医学部新設に係る構成員の公募手続を行いました。応募があった学校法人加計学園からの書類では、獣医学部獣医学科の入学定員が百六十名、収容定員九百六十名となっているところでございます。
○山本太郎君 文科省、獣医師会の意見書で、教員数が足りていない趣旨の部分、読んでください。
○政府参考人(常盤豊君) お答え申し上げます。
 獣医師会の要望書の(5)のところになります。それを読み上げさせていただきます。
 現在、既存十六大学では、国際水準達成に向けた獣医学教育の改革を推進していますが、その課題の一つが臨床獣医学教育や獣医公衆衛生学を充実させるための教員の不足です。そのような状況の中で、今治市等が意図する教員の確保は極めて困難ではないかと考えます。また、仮に教員七十名程度を確保したとしても、その教育体制では国立大学並みの学生定員四十人が限度です。なお、国家戦略特区による今治市への獣医学部設置に要する施設設備には数百億円の経費が必要になるものと見込まれますが、今治市及び愛媛県による負担は困難と考えられます。また、今治市等地元においてそれに見合う投資効果は到底期待できないと考えられますということが要望書に記載されてございます。
○山本太郎君 一体どこにドリル入れようとしているんですか、これ。
 獣医学の当事者たちが声を上げているにもかかわらず、意見はまともに聞かない、様々な現状無視、お友達へのお取り計らいのために、口利きだけでなくルールまでも変えてお仲間に便宜を図るやり方ではないかと世間では疑いのまなざしが強まっている。
 一方で、骨のある閣僚もいらっしゃるんですよ。麻生財務大臣です。出番です。
 第二十五回国家戦略特別区域諮問会議でブレーキ役を担ってくださっているんですよ。麻生大臣、済みません、お手元の資料一なんですけれども、その日の議事録がございますけれども、そこをちょっと読んでいただくわけにはいかないですかね。よろしくお願いします。
○国務大臣(麻生太郎君) 何、俺に読めっちゅうのか。
○山本太郎君 いいですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 何で。
○山本太郎君 はい。
○国務大臣(麻生太郎君) あなたの時間稼ぎ。自分で読めばいいじゃん。
○山本太郎君 いやいや、もう時間がないんですよ。
○国務大臣(麻生太郎君) じゃ、自分で読めばいいじゃん。
○山本太郎君 はい、是非。
○国務大臣(麻生太郎君) 答弁拒否するつもりはないけど、書いてある配った紙を俺に全部読ませるというわけですか。
○山本太郎君 ネットで御覧の方もいらっしゃるので、是非。
○国務大臣(麻生太郎君) ネットで御覧になっている人、その人のために読めという理屈になっているわけだね、最近は。ああ、そうかい。
○山本太郎君 ありがとうございます。
○国務大臣(麻生太郎君) どこを読めばいいの。(発言する者あり)時々やっているのよ、最近。昔はこんなの絶対なかったんだと思いますよ。
 どこを読んでほしいの。全文。時間がない、時間が限られているみたいですから、どこを読んでほしいんです。
○委員長(山本一太君) ちょっと待ってください。
 ちょっと速記止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
○山本太郎君 はい、再開します。
 うまくいかなかったときの結果責任を誰が取るのかという問題があると、本質ずばりに大臣は迫られました。このときのお気持ちといいますか、この背景というものを教えていただいていいですか。
○国務大臣(麻生太郎君) この種のことに経験があるからだと思います。
○山本太郎君 もう少し具体的に教えていただけると助かるんですけれども、ネットの方が見ていますから。
○国務大臣(麻生太郎君) そっちが早くしゃべっておられるんで、こっちも早くしゃべらにゃいかぬのかと思って、癖になりましてね、こういうのが。
 こういう例はほかにもありますので、そのときの結果責任は誰が取ったかということを思い出してもらえるということが大事なんじゃないですかと申し上げたんです。
○山本太郎君 過去を振り返って、そういうことがあったんだから慎重にやれということを大臣おっしゃったと。至ってまともな御意見だと思います。
 このテーマはまた後日にちょっと譲って、本日のメーンテーマに参りたいんですね。
 人間が生きる上で一番必要なものは何か。私は空気だと思います。麻生大臣、人間が生きる上で二番目に大切なもの、何だと思われますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 二番目、二番目、私はこの種の訳の分からぬ質問が来たときには答えることは一つなんで。人間で生きていく上に大事なことは、朝希望を持って目覚め、昼は懸命に働き、夜は感謝と共に眠る、この気持ちだと思っています。
○山本太郎君 ありがとうございます。一応通告してある質問なんでね、これもね。でも、まあ非常に詩的なといいますか、すてきな言葉を聞けたことに感謝いたします。
 今日は、人が生きる上で絶対的に必要な水についてのお話。命と直結する水は私たちにとってのライフラインです。厚労省、現行水道法の第二条、「責務」の部分、一だけで結構です、二項は結構です、お読みください。
○政府参考人(北島智子君) お答えいたします。
 現行水道法の第二条一項は、「国及び地方公共団体は、水道が国民の日常生活に直結し、その健康を守るために欠くことのできないものであり、かつ、水が貴重な資源であることにかんがみ、水源及び水道施設並びにこれらの周辺の清潔保持並びに水の適正かつ合理的な使用に関し必要な施策を講じなければならない。」と規定しています。
○山本太郎君 これまで水道が、なぜ民間ではなく公的なサービスとして提供されたか教えてください。
○政府参考人(北島智子君) 我が国の水道事業は、明治時代に悪疫の流行、いわゆる伝染病の流行でございますが、の予防を目的として、営利主義を排し公益優先主義を取ることとされ、地方公共団体の布設、経営を原則することとされました。このような背景の下、現在の水道法におきましても、水道事業は市町村経営を原則とすることが定められております。
○山本太郎君 厚労省公表、水道ビジョンって何ですか。
○政府参考人(北島智子君) 水道ビジョンは、関係者が共通の目標を持って互いに役割を分担しながら連携して取り組むことができるよう、その道程を示すことを目的とし、今後の水道に関する重点的な施策課題とその課題に対処するための具体的な施策及びその方策、工程等を包括的に示すものとして平成十六年に厚生労働省が策定したものでありますが、その後、平成二十年七月、二十五年三月に二回の改訂を行ってきたところでございます。
○山本太郎君 水道ビジョン、水道文化の部分ですね、配付資料の二になるんですけど、赤線で囲ってある一を読んでください。
○政府参考人(北島智子君) 「近代水道の開設以来、我が国は、蛇口で飲める水を供給するという水道文化を形成してきた。我が国の水道文化は、生存権を保証し、その実現のための国の役割を定めた憲法第二十五条にいう「全ての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進」を実現するための法律体系の一環として制定された水道法の施行という国家政策を背景に、水道に携わるすべての人々の努力によって形成されてきた。」。
○山本太郎君 水道法は、憲法二十五条、生存権とつながる法体系ということでよろしいですか。
○政府参考人(北島智子君) そのとおりでございます。
○山本太郎君 二〇一三年、麻生大臣、アメリカのシンクタンク、CSISで、日本の水道民営化についてお話しになっています。そのときの書き起こしが資料の三の二なんですけれども、先ほど読んでいただくことを諦めましたけれども、今度は読んでいただけますかね。
○委員長(山本一太君) ちょっと待って。どこの部分。
○国務大臣(麻生太郎君) この紙か。
○山本太郎君 はい、そうです。
○国務大臣(麻生太郎君) 例えば、今、世界中ほとんどの国はプライベートの会社が水道を運営していますが、日本では自治省以外ではこの水道を扱うことはできません。しかし、水道の料金の回収は九九・九九%というようなシステムを持っている国は日本の水道会社以外にはありませんけれども、この水道は全て国営若しくは市営、町営でできていて、こういったものを全て民営化しますと言ったという、この話の文章だと思いますが。
 これは私の記憶ですけど、CSIS、何というの、CSIS、戦略国際問題研究所と訳すんですかね、これは。それの席で、これはアベノミクスの第三矢の成長戦略の話の一環として、公設民営といった、学校を公設で造って民間で運営する公設民営というようなことをやらないとえらいことになってきますという話が、たしかあれは諮問会議かどこだったかは記憶しませんけれども、いろいろ語られていたときの一環として、例えば水道というものは、世界一の水道会社はどこかって、誰も知らないけど東京都ですから、世界で一番大きな水道会社は東京都。
 しかし、このシステムというものはすさまじいよくできたシステムなんですけれども、よく御存じかと思いますが、地方に分営化していった結果、例えば、阪神・淡路大震災のときに大量の消防車が兵庫に入ったんですけど、みんな使えなかった。径が違うからです。兵庫県だけじゃない、大阪も入った、京都も入った、みんな水道ポンプの径が合わなかったんだ。おかしいじゃねえか、こんなものって、何で一緒にならないんだよって、みんな分立、それぞれですからと。
 地方分権化というのは聞こえがいいけど、こういうことはできなくなる。そこのところで譲らないから、みんな。だから、それでああいう騒ぎが非常に大きなことになったというのは、当時反省としてよく言われたことの一つです。
 私どもの話としては、今の、申し上げたように、こういったものを海外に輸出できる、例えば、ちょっと会社の名前言えないけど、まあ何とかポンプとかなんとかと、そういった技術はすばらしい。もうほとんど膜も何も全部日本製。だけど、システムとしては売れないんですよ、海外に出られませんから。だから、こういったものも出せるという話になったら、自治省所管ではとても輸出を考えたことはありませんと言って、それでぷつっといって終わった。まあ無理もねえな、英語ができねえから自治省へ来ましたという人がいっぱいいるそうですから、まあ無理もねえなと思ったんですけれども。
 その当時、私の記憶で、きちんとそういったものをやるようなことを考えたらどうですかという話をした話の一環として、こういった話が国内の中ではいろいろ出ていますという話の一端として紹介したという記憶です。
○山本太郎君 以前ここで言われていたような、じゃ、こういったものを全て民営化しますというお考えは今はまた少し変わったということですかね。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、その当時、いろんなものを民営化を考える中の一環として、一つの案として申し上げた、たしかそんな記憶です。
○山本太郎君 今、御自身としてはどうなんですか。
○国務大臣(麻生太郎君) まあいろいろやってみましたけど、やる気ないですもんね、みんな。東京都水道局長も、今更海外勘弁してくださいといって直接言われましたから、もうやる気がないというのは分かりましたので、何でこれ、こういうのをやろうとしないんですか、退職した後でもいいじゃないですかといろいろ申し上げましたけど、退職した後の会社として申し上げた。今、日本の国内でこれをやろうとした場合には、これは多分地方の場合は、だんだんだんだん地方の自治体で少子高齢化、しかも非常に人が少なくなってきているので、水道業務自体を小さな地方自治体で維持できますかねという問題は、私はこれは、我々、ここにいる人は余りぴんときておられませんけれども、地方に住んでいればこの意味が分かると、私にはそう思いますけど。
○山本太郎君 であるならば、麻生大臣は、例えば海外の水メジャーが日本に入ってきてその民営化の一端を担うということがあったとしてもオーケーだと思われますか。
○国務大臣(麻生太郎君) そんな技術ないです、ほかの国にそんな高い技術ないですから。
○山本太郎君 トランスナショナルインスティテュートという多国籍政策グループの調べで、この三十年、国際金融機関や各国政府は民営化とPPPを強引に推進してきたけれど、今や水道事業の再公営化の方が政策的選択肢として定着する趨勢にあると。民営化された水道、この十五年で再公営化されている、事例は三十五か国、少なくとも百八十件に上ると、先進国が非常に多いんだということなんですね。
 例えばフランスだけでも五十以上の市が民間事業者との運営契約を解除するか不更新の決定をしている。ほかにも、ベルリン、アトランタ、インディアナポリス、カナダのハミルトン、ブダペスト、ブエノスアイレス、クアラルンプールなどなど、そういう話なんですけれども、日本ではちょっとその方向性がまた変わってきているのかなと。
 水道法の改正について説明してください。
○政府参考人(北島智子君) 今般の改正は、人口減少に伴う水の需要の減少、水道施設の老朽化、深刻化する人手不足等の水道の直面する課題に対応し、水道事業の基盤強化を図ることを目的としております。
 具体的には、国、都道府県、市町村及び水道事業者等の関係者の責務の明確化や広域連携の推進、適切な資産管理の推進、官民連携の推進、指定給水装置工事事業者制度の改善などを図るための所要の措置を講じるものを予定しております。
○山本太郎君 PFIに関する部分だけもう一回読んでください。
○政府参考人(北島智子君) 官民連携の推進ということで、コンセッションを導入することを考えているところでございます。
○山本太郎君 PFI、コンセッションについて説明してください、内閣府。
○政府参考人(木下茂君) お答えいたします。
 PFI事業とは、PFI法に基づきまして、公共施設の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う事業であります。
 また、コンセッション事業とは、このPFI事業の方式の一つでありまして、利用料金の徴収を行う公共施設について、所有権を公共主体が有したまま民間事業者に公共施設等の運営等を委ねるという方式のものでございます。
 以上でございます。
○山本太郎君 水道法改正、そしてPFI、コンセッションの採用で今までできなかった何が可能になりますか。
○政府参考人(北島智子君) 現行の水道法では、コンセッション方式により水道事業運営を行う場合、経営主体は地方公共団体以外の運営権者となるため、事業を引き継ぐコンセッション事業者が水道事業の認可を取得するとともに、当該地方自治体は事業の廃止許可の手続を行うことが必要となっております。
 今般の改正では、地方自治体が水道事業者等としての位置付けを維持したまま、PFI法に基づき条例で定めた範囲でコンセッション事業者に、水道料金の収受を始め、水道施設の運営等に関する企画、水道施設の更新、災害時の対応等を担わせることが可能となります。
○山本太郎君 民間が運営主体になった場合、民間が水道料金決められますか。
○政府参考人(北島智子君) コンセッション方式における水道施設の利用料金につきましては、PFI法に基づき、地方公共団体が事前に利用料金の上限や範囲を条例によって定め、その範囲内でコンセッション事業者が利用料金を設定し、徴収することとされております。コンセッション事業者が徴収する利用料金は地方公共団体が条例によって定めた範囲内で定めることとされているため、コンセッション事業者が一方的にその範囲を超えて利用料金を高くすることはないと考えております。
○山本太郎君 改正水道法、料金に関する部分、教えてください。
○政府参考人(北島智子君) 水道法改正法案の料金に係る第十四条第二項一号は、「料金が、能率的な経営の下における適正な原価に照らし、健全な経営を確保することができる公正妥当なものであること。」と規定しております。
○山本太郎君 水道管、浄水設備等の更新費用、今後全国でどれぐらい掛かる予定ですか。
○政府参考人(北島智子君) それは自治体によって老朽化の程度それから施設の状況等が異なるので、一概にその料金をはじき出すことは困難であると考えております。
○山本太郎君 ちゃんと聞いてください。総更新費用は幾らと想定されますか。
○政府参考人(北島智子君) 今後の更新費用につきましては、人口減少下で水需要の減少に応じた更新の規模をどのように見積もるのか、各施設の実際の耐用年数をどのように想定するのか等によって大きく変化することから、その額を詳細にお答えすることは困難でありますけれども、一つの推計といたしまして、各水道施設を法定耐用年数で更新した場合、平成二十一年度から平成六十二年度までの総更新費用は約五十九兆円となります。
○山本太郎君 コンセッション導入、民間が入ることで水道料金上がりますか、今よりも。
○政府参考人(北島智子君) 先ほど来お答えしておりますとおり、あらかじめ条例で水道料金の幅を自治体が定め、その範囲内で適切な料金設定をするということでございますので、私どもといたしましては水道料金は適切なものに設定されるものと考えております。
○山本太郎君 だったら、もう今のままでいいじゃないですか。
 外資にそこを渡したとしたら、だって、民間が入るとしたら、彼らが一番やらなきゃいけないことは株主に対する配当ですよ、それを最大限にすることでしょう。そこに入ってきたとしたら、その運営権を渡しているわけだから、これ、自治体とそれぞれやらなきゃいけないんですよね。
 イギリスのようなオフセットみたいな考え方はありますか、そういう事業を監視するようなものはありますか。
○政府参考人(北島智子君) 水道法に基づきまして、コンセッションの場合も、国等が水道事業者たる地方公共団体とコンセッション事業者に対し報告徴収、立入検査等を行うとともに、法令の規定に違反した場合は必要に応じて水道事業者に対して運営権の取消しを求めることとしております。また、PFI法に基づき、地方公共団体がコンセッション事業者に対しモニタリングを行うとともに、法令の規定に違反した場合は必要に応じ運営権の取消し等を行います。コンセッション事業者は、国と地方公共団体の双方から事業運営が適切に実施されているかどうか監視、監督を受けることとなります。
 イギリスは基本的に民営水道でございますので、状況が日本とは異なるものと考えております。
○山本太郎君 失礼しました、オフワットでしたね、名前間違えました。
 イギリスとは異なると言いますけれども、これがだんだん形変わっていく可能性もありますよね。そこで監視するようなものはないということですよ。基本的にはその自治体がその運営者と話し合わなきゃいけない。どっちが力を持っているといったら、独占性の近い事業を手に入れている企業の方が強くなるでしょう。これ、どうなりますかね。
○委員長(山本一太君) 山本君、質問時間終わっておりますので、まとめてください。
○山本太郎君 分かりました。
 ライフラインは、水道は国民の命の源ですよ。これを税金でしっかりとやっていく、この最低限の憲法二十五条とつながった部分は国が責任を取るというのは当然のことです。
 この民営化に道を開く水道法の改正には反対と申し上げて、質問を終わります。
○委員長(山本一太君) 以上で山本太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、薬師寺みちよ君の質疑を行います。薬師寺みちよ君。
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 まず最初に、塩崎大臣にお尋ねをしたいと思います。この夏にでも設立が予定されておりますがん治療ゲノム医療コンソーシアムの構想について教えていただけますでしょうか、お願い申し上げます。
○国務大臣(塩崎恭久君) 近年、個人のゲノムの解析をする技術とか、その結果を解釈するための情報通信技術が飛躍的に向上しております。一人一人の患者の特性に即した従来よりも効果が高い、そして副作用の少ないがん治療を届けることが可能となりつつあるということであります。
 昨年末には安倍総理から私に対しまして、がんに立ち向かう国民の皆様方の命を守るために、がんゲノム医療の計画的な推進を行うような指示を頂戴しました。全国のがん患者にがんゲノム医療を届けるためには、患者個人のがんの原因となったゲノム変異とかあるいは治療効果等に関する情報等を集約をし、人工知能等を用いて解析をするとともに、治療に当たる医療関係者等を支援をする拠点の整備が不可欠だというふうに思っておりまして、厚労省としては、こうした内容を含む計画を医療機関等の全国コンソーシアムを形成しながら今年の夏までに策定をしたいと考えているところでございます。全国の皆様方の英知を結集しながら頑張っていきたいと思っております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 このゲノム医療、遺伝子が解析されるようになって、世界ではまさにしのぎを削っている状態でございます。もう日本は二周遅れ、三周遅れ、だからこそしっかりとこれは追い付いていかなければなりません。
 それに当たりましても、まず、厚労省、どうして担当課がないんでしょう。私のところにアカデミアの先生方から一番に上がってくる声は、厚労省に相談をしても、いろんな課、いろんな室をたらい回しに遭ってしまう。まず、これではこのような国家プロジェクトは成功しないと思いますが、大臣の御意見いただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) おっしゃるとおり、これ、局横断的にやらなければいけませんし、またITの塊のようなものでありますので、今データヘルス改革の本部を設けておりますけれども、この下に実はこのAIのことと併せてゲノム医療についても置いているわけでございます。一元的に施策を進めることが大事でありますので、技術・国際保健総括審議官に対しまして各部局を束ねてがんゲノム医療を強力に推進するように指示をしております。
 このような体制を通じて、私がトップで、この下で厚生労働省一体となってがんゲノム医療を戦略的に進めなきゃいけないというふうに思っております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 もう役所ではワンストップサービスって当たり前なんですけど、なかなか厚労省はもうたらい回しに遭ってしまったら回答が見えないということもございますので、しっかりとその入口の整備はお願いをしたいと思っております。
 このように、ゲノム医療と申しましても、日本が遅れているのは技術だけではございません。社会的な環境整備も更に遅れております。私もがんセンター出身者でございますけれども、やはりこの技術を成功させるか否かというのは社会環境の整備に懸かっていると言っても過言ではないと思っております。
 まず、遺伝カウンセリングという新しい言葉も生まれておりますけれども、遺伝カウンセリングの重要性を厚生労働省ではどのようにお考えなのか、教えていただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) ゲノム医療を行うに当たりまして遺伝子検査が前提となるわけでありますが、本人と御家族などがその検査結果が示す意味を正確に理解をすること、これが難しいわけであります。将来の疾病の発症に関してまた大きな不安を持つということも考えられるわけでありますので、ゲノム医療の実用化を進めるに当たっては、遺伝カウンセリング体制の整備が今御指摘のように重要でございます。
 厚労省では、平成二十六年度以降、遺伝カウンセリングの体制の確保のために人材の養成に取り組んでいるところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 皆様方に資料をお配りをいたしておりますけれども、この認定遺伝カウンセラー、十四大学院で今養成課程が走っているところでございます。もうこれからますますその需要が増えるということなんですけれども、実は昨年の十二月で全国で二百五人しかこの認定遺伝カウンセラーいらっしゃらないんですよね。不足をいたしております。
 早急にその養成課程の再構築と遺伝カウンセラーの国家資格化なども考える必要があるかと思いますけれども、大臣の御意見いただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 御指摘のように、このゲノム医療の実用化に当たっては、遺伝カウンセリングに当たる人材の質の向上というものが大変大事でございます。
 このため厚労省では、遺伝カウンセリングにつきまして、e―ラーニングの教材の開発であったり、それからロールプレー研修会の実施であったり、そのまた教育効果の評価をしっかりとすると、そんな研究事業に取り組んでおりまして、平成二十九年度以降も引き続き研修プログラムの改善などを実施をする予定でございます。
 さらに、平成二十八年度からは家族性腫瘍の診療実績のあるがん診療連携拠点病院への遺伝カウンセラーなどの配置も進めておりまして、今後ともこうした取組を進めてまいりたいと思います。
 なお、現在関係学会において認定されている認定遺伝カウンセラーを国家資格化することについての御意見を今頂戴をいたしましたが、認定遺伝カウンセラーが比較的新しい資格で、これ二〇〇五年に認定を開始をしたものであること、それから国家資格化についての国民の理解や社会的な意義について議論がまだまだ必要であるということ、さらには既存の国家資格との整理というものが必要なんだろう、そういうことで慎重に検討する必要があると考えておるところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私もネットをいろいろ探してみましたら、いわゆるこのようなクオリティーが高いものではなく、付け焼き刃的な認定遺伝カウンセラーというような資格なんかももう民間でできてきているようでございます。これでは困りますよね。
 ですから、がんはがんに特化した、そしてまず、家族性の遺伝病の皆様方、難病の皆様方には、それに特化したような更に知識も積み上げていただかなければならない、そのベースはしっかりと厚労省で握っていただきたいと私は考えておりますけれども、大臣の御意見いただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) おっしゃるように、ゲノムはなかなか難しい技術でもございますし、その研究分野として厚生労働省としてやはりしっかりと全体像を踏まえながら、おかしなことが起きないようにしていかなきゃいけないというふうに思いますので、今先生の示された問題意識は共有するところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 そのクオリティーが高い遺伝カウンセラーを擁するに当たりましては、まだまだ診療報酬が付いていっていないんですね。検査をした後に遺伝カウンセリングしても何もなりません。その検査を受けるかどうか、どういう必要性があるのかということを、しっかりカウンセリングをまず検査の前にしていただかなければならないんですけれども、それは点数に反映をされません。だからこそ、今雇用していただいている皆様方は病院の持ち出しというような方も大変多うございます。
 この状況を変えるためにも、しっかりこのカウンセリングに対する評価を見直していただく必要があると思いますけれども、大臣の御見解をいただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 御指摘がございましたように、この遺伝カウンセリングの診療報酬は、現在、遺伝学的検査を実施した上で、その結果についての患者又はその御家族に対する遺伝カウンセリングを行った場合に限って算定できると、こうなっているわけであります。
 一方、関係府省と連携をいたしまして、厚労省が事務局を務めます有識者会議でありますゲノム情報を用いた医療等の実用化推進タスクフォースというのがございまして、これ取りまとめがございましたが、この中でも、ゲノム医療の実用化を進めるために、遺伝カウンセリングの重要性とともに遺伝学的検査実施前の遺伝カウンセリングの診療報酬上の評価の必要性についても指摘がなされているわけでございます。
 今後、遺伝カウンセリングの診療報酬の取扱いについては、こうした議論も踏まえまして、科学的なエビデンス等に基づいて、関係者の御意見も聞きながら、中央社会保険医療協議会において検討をしてまいりたいと思っております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 本当にその遺伝情報を使った医学というのは新しいものでございます。実は患者という概念さえも変える可能性が高うございます。今までは発症した者が患者として治療を受ける、こういう体制でございましたけれども、これからは発症する前にその危険性が分かる、いわゆるそのカテゴリー自体をパラダイムシフトで変えていかなければならない事態が発生をしております。
 どうぞ、大臣、教えていただきたいんですけれども、この診療報酬の患者という意味付け自体も変えるべきではないですか。米国では、サバイバーという言葉に掛けましてプレバイバーという言葉で、いわゆる発症前の皆様方を呼ぶ言葉さえももうでき上がってきております。見解をいただきたいと思います。お願い申し上げます。
○国務大臣(塩崎恭久君) 極めて医療の本質に迫る御質問を頂戴をいたしまして、ありがとうございます。
 現在、公的な医療保険におきましては、疾病や負傷の治療というものを保険給付の対象としているわけであります。疾病予防というのはその対象とはしていないわけでありますが、これを保険給付の対象とすることについては、まず第一に、がん検診や予防接種等他の疾病予防の取組との関係をどう整理を付けていくのか、そして二番目には、医療保険財政が極めて厳しい中で保険者の理解がこういったことについて得られるかどうかと、こういうようなことを慎重に検討しなければならないと考えております。
 こういうことから、お尋ねの遺伝子検査やその後の早期介入が疾病予防ではなくて疾病に対する治療であると認められれば保険適用されることも考えられるわけでありますが、保険適用には有効性や安全性の確立が大前提となりますので、医学の進歩や国民の理解を踏まえて検討していくことが必要であるというふうに考えているところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 ですから、古い考え方で医療というものを将来にわたって行っていくわけにはまいりません。しっかりと新しい技術を利用するためにも、古いものというものは更に更に考え方を変えながら、新しいカテゴリーの中で新しい技術を更に定着させるということを大臣にはお願いをしておきたいと思います。
 それに当たりましても、実はその新しい技術というものが医療だけではなく産業化されるという事態が発生してきております。
 皆様方も、様々な、ネットを引いたその上のところで、バナーで、遺伝子検査がありますけどいかがですかというようなことを見たことがあると思います。医療は厚生労働省が管轄をしておりまして、その産業化の部分というものは経済産業省が管轄している、いわゆるダブルスタンダードが実はこの分野について進みつつあることが懸念をされております。
 これから様々な問題を解決していくのに、このダブルスタンダード、更にその幅が広がっていくんではないかとアカデミアの先生方の御心配をいただいておりますけれども、厚労省そして経産省の考え方をそれぞれお示ししていただけますでしょうか、お願い申し上げます。
○国務大臣(塩崎恭久君) いわゆる消費者向けの遺伝子検査サービスというのがございますけれども、これは関係府省と連携をいたしまして、厚生労働省が事務局を務める先ほどのゲノム情報を用いた医療等の実用化推進タスクフォースの昨年十月の取りまとめでも、医療や健康増進の観点から、厚生労働省も関わった上で、検査の質等について一定の水準を確保するために実効性のある取組を行う必要があるという整理がなされました。
 これを受けまして、現在、厚生労働科学研究におきまして、消費者向け遺伝子検査ビジネスの検査手法や利用者への説明内容等、サービスの現状を把握するための実態調査、これを行っておるところでございまして、この研究の成果も踏まえて、厚生労働省としてこれらのサービスの質確保の方策について必要な施策を検討してまいりたいと思っております。
○国務大臣(世耕弘成君) これまでの整理では、いわゆる患者さんを治療するとか投薬の方針を決めるというような遺伝子検査については医療という判定になっておりまして、これは日本を含め世界各国も各種医療法制の中で規制をされてきました。それ以外の非医療的遺伝子検査、例えば太りやすいのかどうかとか、アルコールに強いのか弱いのかとか、そういった検査については基本的に事業者の自主的規制に任されてきました。
 ただ、結果としてはこれ、厚労省の規制の中に入らないとサービス産業ということで経済産業省が見てくる。こういう例は結構ありまして、例えば、学校というものはこれ文科省の管轄ですが、その外にある塾はサービス産業として経済産業省ですし、厚労省関連でいいますと、鍼灸マッサージは厚労省の管轄ですが、カイロプラクティックとかアロママッサージになると経済産業省になる。
 そういう流れの中で、非医療の遺伝子検査については経済産業省が見てきた、で、業界が基本的に自主ルールでやってきたということになりますが、平成十六年に、これは世界でもかなり早い方ですけれども、消費者保護の観点とか個人情報保護ですとかサービスの信頼確保の観点から、経産省でガイドラインを策定をさせていただきました。現在では経産省のガイドラインに準拠した形で業界が事業者認定制度なんかもつくっておられるというふうに聞いています。
 ただ、近年になってこの遺伝子検査のコストが大分安くなってきました。また、技術も向上してきましたので、非医療分野とはいっても大分検査サービスの幅が広がってきたという中で、質の担保ですとか規制の在り方について、これは日本を含め各国で今議論が行われています。
 アメリカでは、先ほども少し御指摘ありましたが、平成二十五年に、いわゆる病気になる可能性とかそういったものの遺伝子検査については、これはもうあくまでも医療だということで、医療規制の中へ入れるという判断をされました。しかし一方で、英国なんかはまだ業界の自主ガイドラインでやっている。EUは逆に医療規制の中へ入れようという検討をしているという中で、日本政府としてもしっかり議論はしていかなければいけないと思っています。
 おっしゃるように、ダブルスタンダードなんかになってはいけませんが、安倍政権では、健康・医療戦略推進本部という官邸の本部がありまして、そこに経産省も厚労省も参加をして一元的に議論ができる体制ができておりますので、この本部の下で外国の議論の動向なんかを見極めながら新しいルールをしっかりつくっていく必要があると思っております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。その議論に期待をしていきたいと思います。
 ところで、安心して検査を受けていただくためにも、その検査の結果によって差別が行われてはなりません。アメリカでもうGINA法というものがございます。皆様方のお手元に資料もお届けしておりますけれども、遺伝子差別の禁止する法律というものがこれだけ各国で、先進国でできているにもかかわらず、日本にはございません。
 民間生命保険、そして雇用に関して不利益が生じるということを禁止する法律がございますか。厚労省そして金融庁、教えていただけますでしょうか、お願い申し上げます。
○政府参考人(酒光一章君) まず、労働雇用面についてお答えをいたします。
 現行の法令では、遺伝情報に基づく差別を直接禁止する規定はございません。ただ、個人情報保護の観点から個人情報保護法に基づいて作成している雇用管理分野におけるガイドラインにおきまして、例えば、事業主は労働者の健康情報を健康管理に必要な範囲を超えて取り扱ってはならないとしておりますし、また、採用選考におきましても、公正採用という観点から、職務遂行上必要な適性や能力以外のことを採用基準としないよう事業主に啓発指導を行っております。
○政府参考人(遠藤俊英君) お答え申し上げます。
 現行の保険業法では、民間保険会社が保険契約を引き受けるに当たり、遺伝情報に基づき加入を制限することについて禁止する規定、これはないものと承知しております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。ここも大変、患者の皆様方も心配なさっているところです。
 アンジェリーナ・ジョリーさんで話題になりましたけれども、あの効果というものが世界中に広がっております。あれはなぜ彼女がカミングアウトしたかというと、アメリカではしっかりこの差別を禁止する法律があるからです。やっぱり日本でもこのようなものを作っていく必要があるんではないかと思いますけれども、大臣の御見解、いただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) ゲノム医療を将来にわたって発展をさせていくというためには、遺伝子異常が見付かった患者あるいはその血縁者の方々が差別を受けてはいけないというふうに思います。医療分野においては、我が国は国民皆保険制度でございますので、ゲノム情報によって医療保険の加入制限の差別的な取扱いが行われるということはないというふうに考えております。
 また、医療従事者には守秘義務が課されているとともに、本年五月に改正個人情報保護法が施行されまして、本人同意のないゲノム情報の取得や、あるいは第三者提供というのが禁止となることなどによりまして、患者の方々などに不利益が生じるおそれは基本的にはないというふうに認識をしているわけであります。
 一方で、国民に安心して遺伝子検査を受けていただくためには社会の実態や国民の懸念事項を把握することが重要でありますので、現在、一般市民を対象として、遺伝学的特徴に基づいた差別を受けたことがあるかどうか、遺伝子検査にどのような心配を抱いているのかなどに関して調査を実施をしておるところでございまして、それを踏まえて、関係省庁とも連携をして必要な対策を打ってまいりたいというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 遺伝子検査でリスクがあるということが分かって予防的な医療を受けた方が実際に保険に入れなかったというような事例も私、耳にいたしております。しっかりとこの部分は調査を行った上で、その事実に基づき次の施策に落としていただきたいと願っております。
 では、次、石原大臣、お願いしたいと思います。
 私どもこのように様々な議論をしてまいりましたけれども、これからしっかり国家プロジェクトとして設立していかなければならない部分というのは大変多うございます。このプロジェクト、様々今実際に走っているんですけれども、それをしっかり統合して一本の柱とするべき、そこはまさに石原大臣に懸かっているかと思いますけれども、御意見いただけますでしょうか。お願い申し上げます。
○国務大臣(石原伸晃君) 健康・医療戦略担当大臣としてお答えさせていただきたいと思いますが、今、厚労大臣とゲノムにつきまして幅広く御議論をされてまいりました。そんな中で、こういう研究を進める上で、委員御指摘のとおり、省庁が縦割りであってはならないというのはもっともでございますし、ゲノム解析を行うためにはヒトのゲノムの情報をどういうふうに大量に集めてくるかということが肝要だと思います。そして、その情報の利活用の点でも、委員が御自身の御出身のところの経験からして遅れているというようにお考えになっていますし、さらに、縦割りであったらこの問題進まないという御認識だとお話を聞かせていただいていて感じたところでございます。
 複数の研究拠点のゲノム情報をやはりこれネットワーク化していくということは肝要だと思いますし、大規模なバイオバンクというんですか、こういうものを運用するためにも、やはり今内閣府の中にAMEDが司令塔としてございますし、この本部長は総理でございますし、私が副本部長として各拠点のデータの標準化や質の確保というのを進めさせていただいているところでございます。
 その際に必要なことは、やはりこれから情報がどこかに流出するようなことのないように、また、個人の情報でございますので加工していかなければならない、また、研究倫理指針ですか、こういうものに基づいてしっかりと物を組み立てていかなければならない。そういう意味では、今、世耕大臣、厚労大臣、また文科大臣もこれから御答弁されると思いますけれども、各省が協力し合ってゲノムの研究の推進に努める、それをコーディネートしていくのがこの担当でありますので、しっかりと委員のお話を聞かせていただいておりまして、更にこういう立場に立って進めてまいりたい、こんなふうに考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 では、その文科省の見解も伺いたいんですけれども、このようなことを前進させるためには、教育、研修って、これ欠かせませんよね。それは、一般国民が持つべき常識として、ゲノム医療とは何ぞや、家族性の疾患とは何ぞやということをしっかりともちろん持っていただきたい。それプラスアルファ、やっぱり医学教育にもしっかりとこれを落とし込まなければならないことだと思いますけれども、文科省の取組、教えていただけますでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) ゲノム科学や遺伝性疾病に関する知識の普及啓発を行い、誤った知識に基づく誤解、偏見の発生を防ぐことは重要であると考えています。
 文部科学省では、医学部の学生の卒業時の到達目標を示した医学教育モデル・コア・カリキュラムにおいて、遺伝性腫瘍を含めた遺伝医療、ゲノム医療の教育が充実するよう関連の記載を充実することを検討しており、年度内に取りまとめを予定をしております。
 また、一般への教育はということでございますが、高校生へのゲノムに関する基礎的で科学的な理解を図る観点から、現行学習指導要領においては、例えば高等学校理科の生物において、遺伝情報の変化について理解をすることなどのゲノムに関する基礎的な内容を扱うこととしております。
 これらの施策を通じて医学部の学生や高校生に対する教育の充実に努めてまいります。
○薬師寺みちよ君 是非お願いを申し上げます。
 最後に、時間もございませんので、二問、一つにまとめてお願いしたいと思います。
 実は、日本人の遺伝情報というのはアメリカそして中国に今蓄積をされている状況です。これは国家的な危機管理がなっていないんではないかという意見が大変多うございます。このような状況を把握していらっしゃるのか。そして、このような形で国内法の整備、若しくは国家間の取決めというものが必要ではないかと思うんですけれども、まずは厚労大臣、そして石原大臣の御見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 海外への検査の委託とかあるいは国際共同研究によって患者の皆様方の検体とか情報が海外に提供される場合があるということは我々も認識をしておりますが、正確なその数値のベースでは必ずしも把握はしていないという状況でございます。
 患者の検体やゲノム情報等の管理や二次利用、これにつきましては、五月に施行されております、先ほど申し上げた、この予定の改正個人情報保護法などによって一定の規制がなされることになっているわけでありますが、一方で、国際共同研究の円滑な実施のために国際的なデータの利活用を進めるということもこれいろんな面で研究のために重要であるわけであります。
 このため、御指摘のような懸念があるのかどうかも含めて、関係省庁と連携しつつ、海外への情報の提供に関する実態の把握をまず行って、その上で適切な対応を考えてまいりたいというふうに思います。
○国務大臣(石原伸晃君) 今委員御指摘のゲノム情報というものは、個々人の遺伝的な特徴ですか、こういうものを示す情報でございますので、家族、血縁者にも影響を与えかねないセンシティブなものだとは何となく肌感覚で分かります。
 そんな中で、今厚労大臣も御答弁されましたけれども、改正されました個人情報保護法の内容も踏まえて、今各省庁が作成しております倫理指針についてですか、そういうことでその有効利活用と情報保護のルール作りというものが進められている。
 そんな中で、今委員は外国の例を出されてお話しになりましたけれども、遺伝情報の流出について政府として実態を統一的に掌握しているかといえば、各分野ごとに、先ほどの議論にまた戻ってしまいますけど、分野ごとに各省庁がその実態の把握に努めているというのが現状だと思います。これも先ほどの御質問と重なるんですけれども、関係省庁が分かれておりますので、実態把握の取組を内閣官房として促していきたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 現場は進んでいます。研究も進んでいます。一番進んでいないのが制度です。全く日本の一階建ての部分ができないまま二階建ての部分だけ構築しようとしても、なかなか先に進めません。しっかり今回のこの国家プロジェクトを成功させるために、石原大臣もそうです、厚労大臣にも是非お願いをしまして、まず一階部分のしっかりとした構築をお願いしまして、私の質問とさせていただきました。
 どうもありがとうございました。
○委員長(山本一太君) 以上で薬師寺みちよ君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十八分散会